経済産業委員会 第3号
- 発言数
- 265 件
- 登壇者
- 29 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 2018/04/05
会議録
○委員長(斎藤嘉隆君) ただいまから経済産業委員会を開会いたします。 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。 経済、産業、貿易及び公正取引等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、金融庁監督局金融総括監理官伊野彰洋君外十九名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(斎藤嘉隆君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(斎藤嘉隆君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。 経済、産業、貿易及び公正取引等に関する調査のため、本日の委員会に株式会社商工組合中央金庫代表取締役社長関根正裕君及び東京電力ホールディングス株式会社代表執行役社長小早川智明君を参考人として出席を求めることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(斎藤嘉隆君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたします。 ─────────────
○委員長(斎藤嘉隆君) 経済、産業、貿易及び公正取引等に関する調査のうち、経済産業行政等の基本施策に関する件及び公正取引委員会の業務に関する件を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○滝波宏文君 自民党、福井県選出の滝波宏文でございます。 自民・こころを代表し、筆頭理事として、大臣の所信に対する質疑を行わせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。 さて、経産大臣の所信におきまして、今夏の取りまとめを目指すとされました今回のエネルギー基本計画見直しに当たりましては、世耕大臣のイニシアチブで、二〇五〇年をターゲットイヤーとして議論するエネルギー情勢懇談会が設置されています。同懇談会では、世界的な需給見通しの専門家やドイツの政策担当者なども呼んで議論を深められているようでありますが、これまでのところ、この二〇五〇年断面の検討に当たりましてどのような示唆が得られたか、経産大臣にお伺いいたします。
○国務大臣(世耕弘成君) パリ協定を踏まえまして、二〇五〇年八〇%の温室効果ガス削減、この目標に対応するためには、従来の取組の延長ではなかなか難しいということであります。CCSですとか蓄電池ですとか、今までのエネルギー政策の議論ではなかなか数字で表に出てこなかったような選択肢も含めてあらゆる選択肢の可能性を多面的に議論をするとともに、技術、イノベーションを追求をしていく必要があるというふうに思っています。 そのために、今御指摘の懇談会を立ち上げさせていただきました。この懇談会では、海外の第一線で活躍する有識者もその時々お招きをして議論を深めているところであります。 まだ、これから最終的に報告をいただくということになるんですけれども、現在行われてきている議論の中では、特に有識者の先生方から、柔軟性と多様性の確保が非常に重要だということ、特に何か一つの技術に決め打ちをしてそれで何か目標を達成するというのは無理であって、技術間の競争をしっかり促して、そしてその競争の結果を見ながら時々方向性を修正をしていく、こういうやり方が重要だという御指摘をいただいておりまして、私もこうした視点は極めて重要だというふうに考えております。 いずれにしても、最終的に出していただく報告書を待ちたいというふうに思っております。
○滝波宏文君 大変示唆に富む議論であるかと思います。こうした情勢懇談会の成果、これにつきましてはエネルギー基本計画にもしっかりと盛り込むべきであります。この点について、大臣は既に、エネルギー情勢懇談会の議論は必要に応じて基本計画に反映していくと答弁されています。 そこで、私からの提案でありますけれども、このエネルギー基本計画に二〇五〇年をターゲットイヤーとした章、新しくこれを立てたらどうかと思います。従来、エネルギー基本計画、二〇三〇年をターゲットイヤーとしておりましたが、その先の二〇五〇年断面をにらみながらこのエネルギー基本政策を確立すべき時期ではないかと思ってのことであります。例えば、二〇五〇年のCO2八〇%削減目標など、単純に二〇三〇年延長で捉え切ることは難しい課題から、バックキャストしていかなきゃいけない面もあるかと思います。 ついては、この二〇五〇年をターゲットイヤーとした新しい章立てについて、大臣の所感をお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(世耕弘成君) エネルギー基本計画の検討を行っていただいている総合資源エネルギー調査会の基本政策委員会、ここは割と数字ですとか具体的な技術ですとか需要の動向ですとか、そういうのを積み上げて議論をしていただいております。割とボトムアップ型の議論ということになります。 一方で、エネルギー情勢懇談会の方は、割と二〇五〇年という先の目標をにらんで大所高所から御議論をいただいているという形、そういう意味でちょっと議論の質は違うわけでありますけれども、でも一方で、二〇三〇年のエネルギー基本計画をまとめていく中でも、やはりこの懇談会の議論の成果というのは必要に応じて反映をしていく必要があるというふうに思います。 ただ、ちょっと議論の性格が違うものですから、どういう形で反映をさせていくかということについては、しっかりこれからまだ検討は深めていきたいと思いますが、いずれにしても、分かりやすくエネルギー基本計画に二〇五〇年のことも一定程度盛り込んでいくということは重要だというふうに思います。 章立てを別に立てたらどうかという御指摘も含めて、エネルギー基本計画の中でどういう形で反映をしていくかということは、これからよく工夫をしてまいりたいというふうに思います。
○滝波宏文君 さて、また引き続きエネルギー基本計画の関係に絡みますけれども、私は初当選以来、当委員会でも累次議論してございましたが、原子力避難道の整備、これについて訴えてまいったところであります。 原子力のリスクに最も直面するのは立地自治体地域であります。三・一一の教訓はゼロリスクはあり得ないということでありますし、また、あの福一で、停止中の原子炉も事故を起こしたように、停止中なら安全というわけでもありません。万が一に備えて、立地の住民、そしてまた観光やビジネスなどでその当地を訪れている人々が確実に避難できるようにするため、東西南北、メッシュのように、格子のように、バックアップ道路を含めた原子力避難道の整備は不可欠であるかと思います。 昨年十二月五日の当委員会でも触れましたが、この原子力避難道の整備の重要性、必要性、これは脱原発、原発推進、いずれの立場からも認められるものであるかと思います。しかしながら、実際には、あれだけの事故がありながら原子力避難道の整備、なかなか十分には進んでおりません。財政的制約に加え、関係省庁が内閣府の原子力防災、経産省、国交省、内閣府原子力政策担当室と多岐にわたっていることも一因かと思います。内閣府の原子力防災に、今、原子力災害時避難円滑化モデル事業の予算が付くなど、それぞれ頑張っていただいているものの、このモデル実証事業も全国で五億円にすぎません。とてもちょっと立地のリスクに見合うものとは思えません。 恐らく、省庁を超えたリーダーシップで、一定の年限を切って、財源も別建てで用意して集中的に整備せねばならないのではないかと考えてございますが、政府一丸となった集中的な避難道整備のために、エネルギー基本計画に原子力避難道整備促進についての記述を入れるべきではないかと考えますけれども、大臣の御所見をお伺いします。
○国務大臣(世耕弘成君) お地元の福井県には多数原発が立地しているわけでありますけれども、原発立地地域なくして我が国の原子力エネルギー政策は成り立たなかったこと、そして立地地域が我が国の電力供給を支えてきていただいたこと、これは政府として常に肝に銘じていなければいけないことだというふうに思っています。その上で、避難道路の整備を含む原子力防災対策の充実は、御指摘のように、稼働しているしていないにかかわらず、地域住民の安全、安心の観点から極めて重要であるというふうに認識をしております。 エネルギー基本計画については、経産省の審議会において、有識者の皆さんに予断なく御議論いただいているところであります。議論の方向性の中には、当然、立地地域の対応ですとか、あるいは地域との対話ですとか広報といったことも柱立てとして入っているわけでありますが、その議論の結果を待ちたいというふうに思っています。 いずれにしろ、エネルギー基本計画がどうなるにしろ、必要な避難道路の整備、これは非常に重要だと私も思っております。内閣府が中心となっている地域原子力防災協議会での検討ですとか、あるいは地域の実情などを踏まえながら、内閣府、国交省など関係省庁としっかり連携をしながら、経産省としても一層具体的な対策に取り組んでまいりたいと考えています。
○滝波宏文君 ありがとうございます。 今、若手で原子力立地若手勉強会というのを開いてございまして、この中で立地自治体の首長様からいろいろお話を聞いてございます。本当にいろんな立地地域の思い、まさに先ほど申したように、脱原発、原子力推進というこの二項対立の単純な数直線上に乗らない思いというのがたくさんあります。先ほど立地地域の対策という話もございました。原子力避難道を含め、立地地域についての対応についての記述を、是非エネルギー基本計画でも考えていただきたいと思います。 続きまして、地域未来投資促進法、昨年通常国会で作ったものでありますけれども、こちらの関係についてお伺いします。 地元の福井県では、北部の嶺北それから南部の嶺南と二つの基本計画が作成されておりまして、嶺北の基本計画では、技術や産業集積を生かしたものづくりや、恐竜、東尋坊、越前ガニなどの観光資源を生かした観光まちづくりなど、また、嶺南の基本計画では、エネルギー研究拠点として蓄積した放射線防護や再生可能エネルギー等の技術を活用したものづくりや、若狭フグ等のブランド特産物を活用した農林水産、地域商社分野を推進していくこととなっている、こういうふうに承知してございます。 このような地方創生の取組を国としてもしっかりと推進していく必要があるかと思います。全国の地域未来投資促進法に基づく基本計画の作成数や事業計画の承認数などの進捗状況はどうなっているのか。また、関連施策として、昨年末、地域未来牽引企業二千百四十八社を公表されておりますが、その狙いや取組状況についても併せて経産省にお伺いしたいと思います。
○政府参考人(飯田祐二君) お答え申し上げます。 昨年の通常国会で御審議いただきました地域未来投資促進法でございますけれども、七月末に施行させていただいております。 まず、市町村、都道府県が推進した事業分野を定めた基本計画を策定して国の同意を得ていただくことになっておりますけれども、これまでに全国で百八十五の基本計画を国として同意しているところでございます。 次に、同意された基本計画に基づきまして、各事業者が事業内容を記載した地域経済牽引事業計画を策定して都道府県知事の承認を得ていただくことになっておりますけれども、これまでに六百二十四の事業者、四百三十三の地域経済牽引事業計画を承認したと各道府県から報告を受けているところでございます。 一例でございますけれども、滝波先生の御地元の福井県内では、永の里プロジェクトというふうに呼ばれているそうでございますけれども、日本酒などの地元伝統の発酵文化をテーマに、観光情報発信、新商品の研究開発も兼ねた拠点整備を行う黒龍酒造の取組など、九件の計画が承認されたというふうに報告を受けております。 こうした事業を数多く掘り起こす観点から、昨年の十二月末に、ビッグデータや自治体からの推薦等を踏まえまして、今後の地域経済を牽引することが期待される地域未来牽引企業二千百四十八社を選定、公表しております。福井県からは、例えば眼鏡フレームの開発の知見を生かして新しい医療器具の開発に取り組んでいるシャルマンなど、三十八社が選定されております。 これらの地域未来牽引企業、これらの企業がいろんな取組を行うことで地域経済の活性化につながるということで、私ども各地方経済産業局に担当、県担当のコンシェルジュなどを置いて、選んだだけではなくて個別に訪問したりニーズを聞いたり、それからいろんな施策を紹介することで事業が取り組まれるように努力をしているところでございます。 こうした地域未来牽引企業を始めとした成長性のある地域の企業が地域未来投資促進法を積極的に御活用いただいて地域経済の活性化につながるよう、通していただいた法律を最大限生かして地域経済の活性化につながるよう努力をしてまいりたいというふうに考えております。
○滝波宏文君 ありがとうございます。 それでは、今日、更田原子力規制委員長にもおいでいただいておりますので、ちょっとまたエネルギーの方に戻りたいと思います。 当委員会で昨年十二月五日に、更田委員長、御就任後初めて質疑をしましたが、その際にもちょっと触れたように、敷地地質に関する審査について、地元福井の敦賀原子力発電所ですとか北陸電力の志賀発電所など、多くのBWR、沸騰水型原子炉発電所で審査に相当の時間を要しております。 昨年七月に改正された原子炉等規制法、いわゆる炉規法では、六十二条の二の二、これが新設されまして、規制委員会は基準の明確化に努めるとの文言が盛り込まれましたが、そもそも規制委員会及び規制庁としての評価の際の判断基準、これは明確になっているのか。また、それらの審査は、審査を申請する事業者が調査をどのように行うべきか等々について、予見可能性を含め、具体的かつ明確に示した内容となっているのか、この点について更田委員長にお伺いします。
○政府特別補佐人(更田豊志君) お答えいたします。 原子力規制委員会におきましては、従前から新たな知見などに基づいてより高い安全性を確保すべく規制基準の策定等を進めておりますが、その際には、原子力施設、個々の原子力施設の特性を考慮して、また加えて、規制での要求内容や規制の判断に対する予見性が高まるよう、最新知見を規制に反映するためのプロセスを構築し、明確な基準とするように努めているところであります。 なお、基準を明確にすることは大変重要ですが、その基準をクリアするための立証方法の選択は、事業者、申請者に委ねられるべきだと思っております。基準の明確化は大変重要でございますけれども、どのように基準をクリアしているかという立証方法については、これを規制当局が縛ることはふさわしくないというふうに考えております。
○滝波宏文君 先ほど申したように、予見可能性、時間的にもまた質的にもそれをきちんと確保した、成熟した規制行政、こちらに移っていく必要がありますので、先ほど申し上げた、新設した六十二条の二の二、こういったものの精神もしっかり踏まえて進めていただきたいというふうに思います。 続けて、現地訪問の関係についてお伺いします。 これも私、従前から議論している話ですが、田中前規制委員長、任期五年間で現地訪問僅か十三回だったという問題取り上げておりまして、これに比べて、当時の高木大臣また丸川大臣の現地訪問ペースを換算すると五年間で百回から二百回になる。田中規制委員長の現場主義に懸ける努力、これが著しく欠けていたんじゃないかと、こういう問題を指摘してございます。これに対して、前回の当委員会での質疑におきまして、更田委員長から、可能な限り現地を訪れ、現地の方の生の声、さらに現場で働いておられる方々の声を聞くことも重要との答えもいただいたところでありますけれども、その後現地訪問をちゃんとなさっていらっしゃるのか。 また、前回答弁で触れていたこの更田新体制で、昨年十一月に確認されたようでありますが、現場視察及び地元関係者との意見交換についての方針、これをちょっと拝見いたしましたところ、現地訪問対象が新規制基準適合許可を受けた発電所を中心とするというふうにされております。一方で、許可を受けていない立地、むしろそっちの方がより、先ほども言いましたけれども、立地のいろんな思いがあるんじゃないかというふうなことも考えられます。 そういった訪問先の限定をすべきではないんじゃないかというふうに考えますが、就任以降の現地訪問回数と、また現地訪問対象拡大についての御認識、更田委員長にお伺いします。
○政府特別補佐人(更田豊志君) お答えいたします。 御指摘いただきました意見交換の対象ですが、これを限定する意図は持っておりませんで、新規制基準適合性に関する許可の前であっても、論点の有無など状況を踏まえて視察対象とするなど積極的にコミュニケーションの機会を持ちたいと考えております。 なお、昨年十二月に関西電力大飯発電所を視察するに当たって、御地元の方々との意見交換の機会を持ちたいと考えて企画をいたしましたけれども、残念ながら地元の方々との調整が付かず意見交換の実施には至りませんでした。本年二月に九州電力玄海原子力発電所を視察した際には御賛同がいただけまして、地元の方々との意見交換の機会を持つことができました。 それ以降も、現地視察に合わせて、地元の方々との意見交換の機会を持ちたいと考えておりますが、残念ながらなかなか地元の御賛同をいただけないといいますか、調整が整いませんで、これまでのところ、今の時点で調整が整った地点はございません。 なお、本年三月二十八日に「もんじゅ」の廃止措置計画を認可したところでありますけれども、今後、「もんじゅ」では七月頃に燃料の取り出しを開始する予定となっております。この燃料取り出し前に「もんじゅ」を視察したいと考えておりまして、現在、それに合わせて地元の方々との意見調整の機会を持ちたいと地元の方へお願いをしているところであります。
○滝波宏文君 済みません、それで、御就任から半年ぐらいたっていると思いますが、何回現地訪問されましたか。
○政府特別補佐人(更田豊志君) ちょっと回数、今、記憶に基づいて申し上げますけれども、まず大飯原子力発電所、それから玄海原子力発電所、それから福島第一原子力発電所、以上の三回と記憶しております。
○滝波宏文君 半年で三回ということなので、これ単純換算すると、五年だと三十回ということなので、もう少しやはり頑張っていただきたいなというふうに思います。 今お話しいろいろいただきましたけれども、やっぱり一つは、先ほどのエネルギー基本計画とも関係いたしますが、昨日、原子力立地若手勉強会で、地元の高浜の野瀬町長においでいただいてお話を聞きました。町長からの講演というのは、確信が持てないエネルギー政策により将来像が描けない立地自治体の現状、こういった題名でお話をいただきました。エネルギー基本計画、経産省の政策もそうですし、また規制委員会のいろんな対応についても、そういった立地の思いをしっかり踏まえてやっていただきたいというふうに思います。 続きまして、今、現地訪問の際に更田委員長がなかなか現地の方々と話ができる機会がうまく調整できなかったという話があります。これはやっぱり当然でありまして、それぞれ委員長の日程で行って、そのときに町長とか皆さんがいらっしゃるかどうかというのはその時々で違うわけですから。 それで、次の質問に関連するんですけれども、逆に、立地の関係者がちょっと東京に、中央に来る機会があるから規制委員長に会いたいんだと、こういうふうな機会のときにどう対応いただくかと、この話についてお伺いしたいんですけれども、田中前委員長は、従前申し上げているように、全国代表でないと個別の首長には会わないという方針を立てておられましたが、これを継続するかどうかということを前回当委員会で質問しましたところ、更田委員長は、どこをクライテリアとするかというのは今後も業務の中で見付けていきたいと検討課題とされました。 私は、従前より申し上げているように、この田中前委員長の線引きは、原子炉が一つでもあればそこにはリスクがあって、その重みは全国の代表者かどうかとか、また町の大小、こういったことに左右されるものではないというふうに考えて、ちょっと不適切なラインではあったかと思っております。最も大事なステークホルダーと言い得る立地関係者に対して最初から門前払いをするのではなくて、それこそ、ほかの大臣なんかもそうでしょうが、線引きはしないで、時間が合えば会いますと、ただ、今、そのとき時間がないので、代わりに副大臣とかあるいは長官と会ってもらいます、済みません、こういうふうな対応をするのがどこの役所でも当然であります。 是非、三条委員会の長たる規制委員長としては、早急に、可能な限り、時間が許す限り立地関係者とお会いしますという方針に転換していただきたいというふうに考えますけれども、更田委員長に、その後の業務の中の検討で立地関係者の面会についてこういった方針に転ずるようになったかどうか、お伺いしたいと思います。
○政府特別補佐人(更田豊志君) お答えいたします。 これは、一言で申し上げますと、状況に応じて適切に柔軟に対処してまいりたいと考えております。 全国の立地自治体の首長様を始めとする方々から面会の御希望があることは承知をしておりますけれども、これ、時間的な制約その他の理由で、ケース・バイ・ケースで長官ないしは次長に代わって対応をしてもらっているという実情はございます。 しかしながら、御質問の中にありました線引きをするのではなくて、個々のケースに合わせて柔軟に対処をしてまいりたいと考えております。
○滝波宏文君 今のお言葉、私はうれしく聞きました。そういった対応が普通であります。ほかの省庁等、大臣等でも。あの田中委員長の門前払い的な線引きというものが私は撤回されたというふうに受け止めましたので。もちろん、時間的制約、そういったものがあることは分かりますけれども、規制委員長のドアは関係者に、立地関係者にちゃんと開かれているんだというふうなことを是非前提として、その時々に柔軟な対応をしていただきたいと思います。 また、首長だけに限らず、立地関係者はたくさんいますので、それぞれの意見を現地訪問含めて広い形で、ちゃんと、大事なステークホルダーなので、意見交換、コミュニケーション、進めていただきたいというふうに思います。 大体時間の区切りございますので、ここで私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございます。
○井原巧君 おはようございます。自民党の井原でございます。 まず、早速ですけれども、今朝の新聞にも出ておりますけれども、現在進行形でありまして、大臣の方はお答えには慎重にならざるを得ないというふうに思いますけれども、アメリカが安全保障を理由に鉄鋼、アルミ製品に輸入関税を課すことになった問題についてであります。 我が国もその対象国になっているわけでありますけれども、背景にNAFTAの見直しがあるメキシコとかの国とか、あるいは韓国やEUのように自由貿易協定の協議が視野に入っているような国々は、その交渉の駆け引きもあり、暫定除外されているようでございます。いずれにせよ、私から見ると、アメリカ国内の鉄鋼業向けの保護主義的な意味合いが私は強いように正直思っております。 また、その対抗措置として、二日には中国が一部アメリカ製品に高関税を課すという報復措置に踏み切っております。そして、今朝の新聞を見ると、翌三日、トランプ政権は約千三百品目の中国製品への制裁関税の発表をいたしまして、そうしたら、すぐに次の日、四日の日には今度は中国がその報復措置として百六品目の関税上乗せを発表しているという記事も今朝載っておりましたが、まさにこの二大大国による貿易戦争の様相も呈しているなと、こんなようにも感じておりまして、世界貿易体制に混乱を招く可能性も懸念されるところであります。 そこでお伺いするわけでありますけれども、世耕大臣は、今回の事態についてまずはどのような所見を持っているか、我が国はどのように対処されていかれるのか、お答えできる範囲でお聞かせください。
○国務大臣(世耕弘成君) 今回の通商拡大法二百三十二条に基づいて安全保障を理由とする広範な貿易制限措置、こういったものは世界市場を混乱をさせて、そしてWTOのルールに基づいた多角的貿易体制にも悪影響を及ぼしかねないものだというふうに思っておりまして、極めて遺憾であります。 特に、同盟国である日本からの鉄鋼やアルミの輸入がアメリカの安全保障に悪影響を与えるなんということは、もうほとんどというか、全く考えられないわけでありまして、それどころか、日本からの鉄鋼の輸出というのは、アメリカの製造業に非常に質の高い鉄鋼製品として、アルミ製品として活用されているわけでありまして、まさに米国の産業や雇用にも多大な貢献をしているわけでありますので、関税の引上げの対象から当然除外されるべきだというふうに考えておりまして、私の方からも今粘り強く働きかけているところであります。 こういったことに対してまた各国が対抗措置を行う、またそれに対してアメリカが対抗措置を行うというような、まさに対抗措置のエスカレーションというような状況になってしまいますと、これはどの国の利益にもならないというふうに考えております。 日本としては、ともかくこの通商拡大法二百三十二条についての対象からの除外を引き続きアメリカに対して粘り強く働きかけていくとともに、他国に対してはやはりWTOのルールにのっとった対応が重要であるということをしっかりと働きかけていきたいというふうに考えています。
○井原巧君 世耕大臣には、我が国は自由貿易を進める中心国と自負もしておるわけでありまして、しっかり指導力を発揮して取り組んでいただきたいというふうに思います。 それでは次に、第四次産業革命についての対応についてお伺いしたいと思います。 第一次産業革命というのは、皆さん御案内のとおり、イギリスから起こった蒸気機関等の発明で機械化が起こったと言われております。二次産業革命というのは、石油、電力を使って大量生産、重工業が発展したと言われておりまして、三次というものについては、少しいろいろ見解があるようでありますけれども、要は、コンピューターとかあるいはデジタル化が進んでオートメーションで大量生産ができるようになって、自動化ですかね、進んだというふうに言われております。 我が国の歴史を振り返ってみますと、明治維新で開国したわけでありますけれども、近代国家、西洋に追い付き追い越せということでしっかり対応してきたように思います。殖産興業という言葉を授業で習いましたけれども、西洋諸国にとにかく追い付けということで、国を挙げて国策として産業の近代化に当時取り組みました。そのおかげで追い付き、また日本人は非常に勤勉でありましたし、技術も細かく、それが非常にたけていたというところがあって、追い付いたおかげで、その後は追い抜き、世界をリードするような国家になってきたというふうに私は思っております。 つまり、やっぱり大きな変革期にはそれぞれ個々で対応するという、時代の流れに対応するというのは難しいものがありますから、こういうときはやはり官民一体となって国策で乗り切らなければならないというふうに思っておりまして、まさに今の第四次産業革命というのはそういう時代なんだろうと思います。IoTとかビッグデータとか人工知能とかロボットとか、あるいはシェアリングエコノミーとか、そのイノベーションをあらゆる産業や社会生活、サービスに取り入れるスマート社会がどんどんこれから進んでいくというふうに考えられております。 そこで、第四次産業革命に対する我が国や諸外国の進展状況でありますけれども、例えばIoTの普及ではどうなのかということでありますけれども、アメリカでは個人情報を含む情報が民間事業者により積極的に活用されているのに対しまして、日本ではプライバシー保護というのが非常に重く思われていますので、その不安を背景に個人情報を含むデータの事業者や業界を超えた流通及びその利活用は進んでいないのが実情であります。 結果、ある調査によりますと、企業のIoTの導入状況についてですけれども、アメリカはもう四〇%を超えているのに対し、日本は二〇%程度と言われております。また、企業に今後の導入意向を聞いてみても、アメリカやドイツは八〇%程度そういう意向があると言われていますが、日本はまだ約その半分の四〇%にとどまっているというアンケート結果もあります。そうなると、今後諸外国との差が広がり、この第四次産業革命に対する対応に後れを取るのではないかという、そういう懸念も抱いているところであります。 各国でも、第四次産業革命の中で勝ち抜くために国家戦略を官民挙げて取り組んでいるというふうに聞いておりまして、ドイツでは、もう御案内のとおり、インダストリー四・〇というのが打ち出されております。中国では、二〇四九年の建国百周年までに世界の製造国を目指すとして、中国製造、メード・イン・チャイナということですが、二〇二五を打ち出しておりますし、アメリカではインダストリアル・インターネット・コンソーシアムを既に立ち上げておられるということです。 それに対し経産省の方では、昨年、二〇三〇年代に向けてどのような社会を目指すのか等を描いた新産業構造ビジョンを発表いたしまして、目指すべき将来像としてソサエティー五・〇の実現を掲げておられます。そして、それを実現するための産業の在り方として、第四次産業革命に対応すべくコネクテッドインダストリーズを、産業の政策の中核となる概念を打ち出されました。 そこでお伺いするわけですが、大臣も非常に力を入れていただいているんですけれども、この戦略であるコネクテッドインダストリーズの、他国と比べた戦略の特徴とかその狙うところも含めて、今後の方向性について、また大臣の決意も含めて御所見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(世耕弘成君) 第四次産業革命に向けては、各国それぞれ強みあるいは逆に弱みがあるんだろうというふうに思っています。 例えば、アメリカはITの世界トップレベルの技術者がやはり集積をしている、そこに膨大なリスクマネーの提供者がいて、もう何兆円単位の資金を提供していっている。そんな中から巨大なプラットホームを押さえている民間企業が登場をして、そしてリアルの経済とバーチャルな経済、これを融合していって世界のデファクトスタンダードを取っている、これがある意味アメリカの姿だろうというふうに思っています。 ドイツは、一方で、高い技術力を持つ製造業とそして実践的な専門性を持っている研究者、これが融合してどんどん新しいものをつくっていっているということと、あと、物づくりの現場のIT化が非常に進んでいて、特に製造過程がもうほとんど一社のシステムできちっと統一をされているとか、企業間の連携に関してもこれはまた別の一社でほぼ統一をされているなど、非常に製造業のIT化が進んでいるというのがドイツの特徴だと思っています。 中国は、逆にこの一党体制の下でビッグデータ集め放題というか、余りプライバシーとか関係なくがばっと集めて使えるというようなアドバンテージと、やはりマーケットの規模が大きくて成長しているという特徴があるんだろうと思います。 じゃ、日本は何が強みなのかというと、やはり現場力だろうと思います。製造業、サービス業で非常に現場力のレベルが高いわけであります。しかも、これまでの相次ぐIT補助金などの成果もあって、中小企業も含めて一定程度IT化をされている、それでそれが高い現場力の現場で使われているということで、非常に質の高いデータが製造業、サービス産業、それぞれあるんですが、それがほったらかしになっていて活用されていないということで、これをしっかりつないで、それぞれの工場を超えて、企業を超えて、産業を超えてつなげてビッグデータにすることで、そしてそれをAIで分析をして更に品質のレベルを高めていくというようなことをやろうというのがコネクテッドインダストリーズの考え方であります。 コネクテッドインダストリーズの実現に向けて、何もかもやるでは駄目ですので、経産省として自動運転ですとか物づくり・ロボティクスといった五分野を重点分野として決めて、そして横断的に複数の民間事業者が協力をしていくという体制で、このコネクテッドインダストリーズで何とかこの第四次産業革命に日本としての強み、現場力を生かして対応していきたいというふうに考えています。
○井原巧君 是非、大臣にはそのリーダーシップ取っていただいて、それぞれの施策を大胆に、そして迅速に進めていただきたいと思います。 次に、これは私がずっと不安に思っていることでありますが、産業のプラットホーム化についてお伺いしたいと思います。 IoTやAIの進化、お話あったように、ビッグデータの収集、解析等の情報通信技術が非常に進展しておりまして、様々な製品から収集されるデータを分析して、それをまた再び製品にフィードバックして製品の機能とか性能を向上させることが今の時代可能となっております。 この結果、製品の価値は昔は製品そのものであったんですけれども、今は製品の機能、性能から得られるサービスへと移行しているわけでありまして、製品から得られるデータそのものが価値の源泉となってきているというふうに思っておりまして、アメリカのグーグルとかアップルがその代表企業だとまさに思うわけでありますが、データを収集、分析、活用するプラットホームを構築しておりまして、これを基盤に様々な産業を包含するエコシステムを形成し、まさに世界を席巻しつつあると。彼らにとってみたら、端末を増やすことが企業価値につながるということでありますから、この流れはどんどんどんどんいろんな産業に入っていくんだろうというふうに思っております。 そういう中で、私が想像で夢を見ることがあるんですけど、大臣もアイパッドを使っていて、私もアンドロイドの携帯を使っていますけれども、夢の中ではそのアイパッドがどんどんどんどん大きくなっていくわけですね。大きくなって、人の体より大きくなって、それにタイヤが付いて、その上に人が乗って動いていくと、そういう時代が来るような気がして、そうなると、我が国の自動車産業は一体どうなるんだろうかと。ITから見たら自動車さえも端末の一つであるんだろうと、こういうふうに思っておりまして、そうなってくると、我が国の主要産業である自動車がIT企業の傘下に入らざるを得ないようなことになったり、あるいはそうなったら海外流出の懸念も広がってくると。あるいは、その技術革新からぶつからない車がこれから生まれてくるわけでありますけれども、もうそうなると、ボディー剛性とかそういうものがほとんど関係なくなってくると、その関連産業はどうなっていくのかと。 将来を見据えたときに真剣にこのことは考えていかなきゃならないなと、こう思っておりまして、世界の中で勝ち抜くには、この第四次産業革命の中で産業のプラットホーム化をしっかり進めることがやっぱり非常に重要じゃないかと思っているわけですが、大臣の御所見をお伺いいたします。
○国務大臣(世耕弘成君) 確かに、アメリカのGAFAと言われる、グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン、こういった会社は、まさにユーザーのデータをどんどんどんどん集めてビッグデータにして、そして更に彼らのサービスの品質を高めていっている。 私も最近、スマートスピーカー、この四社の中のある一社のを自宅に入れています。ある意味、便利で面白いんですけれども、一方で、多分、私の音声データとか日本語の発音の特徴とか、そういったものがどんどんどんどん向こう側に蓄積をされているんだろうなと思うと、ややぞっとするところもあるわけであります。 はっきり言ってBツーCですね。だから、事業者側と消費者側を結んで出てくるデータのプラットホームというのは、残念ながら、ちょっと日本はもう出遅れてしまったというふうに思っています。 ただ、このGAFAと言われているようなアメリカの巨大企業でもまだ手が付いていないのがまさにBツーBのデータ、事業者同士のデータのやり取りというのは、これは誰もまだプラットホームをつくって握るということになっていないわけであります。コネクテッドインダストリーズの考え方は、まさにBツーBのビッグデータはやっぱりしっかり日本で押さえていこうという考えに立って構想をさせていただいています。そして、日本らしく、アメリカみたいに何か一社の会社がどんとそれを押さえて支配力を行使するというよりは、もっとみんなで協調して、ビッグデータをお互い共有物として活用していくということが重要ではないかというふうに考えております。 例えば、今御指摘の自動運転の分野では、もう既に自動車メーカー始め関連産業が結集をして、例えば地図データの整備については、もう各社でばらばらでやるんじゃなくて、みんなで一緒にやっていこう、協調領域としてそこを位置付けて進んでいこうということになっています。自動車の走行データという意味でいえば、グーグルが幾ら一社で頑張って走っても、日本の自動車メーカーがもし全部センサーとかデータのフォーマットを共通化して全て走っている車のデータをみんなで共有となったら、これはもうグーグルが集められる走行データをはるかに上回るものを集めることができるわけでありまして、そういったことを、まあプラットホームと呼ぶのがいいのかどうか分かりませんけれども、協調領域として構築をしていくということが非常に重要だと思っています。 今国会、またこの委員会でも御審議をいただく生産性向上特別措置法案においても、こういうまさにデータ共有、連携の取組をしっかり認定をして、国として支援をしていくというような制度の創設も盛り込んでいるところであります。
○井原巧君 ありがとうございました。是非積極的にお進めいただいたらと思います。 次に、一つ飛ばしますが、中小企業・小規模事業者によるIT利活用の推進についてお伺いをいたします。 グローバルで競争する大企業だけではなくて、先ほどもお話ありましたが、中小企業・小規模事業者においてどのように生産性を高めていくかということも非常に重要でございます。それが結果的にはグローバルな大企業の支えにもつながってくるということでありまして、将来の産業構造を考えていく上でも大変重要であります。数多くの中小企業を対象に、地方の活性化の観点からも全国で広く面的に取組を進めていくためには、支援を行う側の体制整備も大変重要になろうかというふうに思っております。 そこでお伺いいたしますが、中小企業・小規模事業者に対して今後どのようにIT利活用の推進に取り組んでいかれるのか、その方向性をお聞かせください。
○政府参考人(藤木俊光君) お答え申し上げます。 中小企業・小規模事業者の生産性向上に向けては、ITの利活用、これは必要不可欠であるというふうに思っております。平成二十九年度の補正予算で中小サービス業などのIT化を進めるための五百億円の予算を確保しておりまして、これで、直接支援ということでいいますと約十三万者ということになるわけでありますが、その際、ITツールの効果やITベンダーによるサポートの実績に係る情報を収集して、その情報をしっかり中小企業・小規模事業者に対して提供していくと、こういう体制が必要だというふうに思っております。 今後三年間、集中投資期間ということで、IT化を中心とした中小サービス等事業の生産性向上を百万者規模で推進していきたいというふうに考えておりまして、去る二月十六日に、私どもが事務局となりまして中小サービス等生産性戦略プラットフォームというのを発足させたところでございます。現段階では、関係六省庁、それから経済団体、中小企業支援機関など、業界団体など九十五団体から参加をいただいておりまして、こういったメカニズムを通じて情報やノウハウ、成功事例を強力に横展開していくと、こういったことをやっていきたいと思っております。特に、中小企業・小規模事業者にとっては分かりやすい成功事例ということが重要でございますので、こういったプラットホームの取組を通じまして生産性向上活動、これを全国に広げていきたいというふうに考えております。
○井原巧君 ありがとうございました。 もう時間が来たわけですけれども、さっき大臣がやっぱりデータの協調というのは非常に大事だなと、私もつくづく思っておりまして、私の地元は紙の町なんですけれども、紙生産日本一の町ですけれども、たった九万人の町で二百数十社、紙関連産業あります。 面白いのは、とにかく東京に商いに行って、ノーと言えない商売をする町と言われていて、それは、お互いがしょっちゅう飲んだり意見交換やっていますから、どの会社にこの紙を曲げる機械を置いているかとか、どの会社に染色する機械があってどういうことできると、全部みんなの頭に入っているんですね、二百数社の。だから、どこへ行ってもイエスと言って仕事を取って帰って、それができると。 これが実は強みと言われていますけれども、日本は小さい国ですから、面積小さい中にかなり大きな産業がたくさん、多種多様あるわけで、まさにそれ一つが産業クラスターになっていますから、日本全体がノーと言えない日本ということで仕事を世界各国に広げていくことができるというのが私は一番の強みだというふうに思っておりますので、是非そのデータの協調等で、今後とも是非日本の強みを生かしてコネクテッドインダストリーを進めていただきますようにお願い申し上げて、質問を終わりたいと思います。 ありがとうございました。
○大野元裕君 民進党・新緑風会、大野元裕でございます。 今日は、関根商工中金社長にもお越しをいただきまして、是非実り多い議論をさせていただきたいと思っております。 さて、商工中金に関しましては、危機対応業務不正事案に端を発した問題で、商工中金のほぼ全ての店舗、支店で不正事案が確認されたにとどまらず、危機対応業務だけではなくて、設備資金を資金使途とする際の確認資料の改ざん、中小企業の月次景況観測調査票の自作等、様々な不正が発生をしたということであります。ただ、その一方で、これらの不正は幾つかのパターンに集約もされています。 そこで、新社長としての御見解をお伺いしたいんですけれども、当時、経営幹部による指示は認められなかったという報告があります。ただ、これらの様々な事例がある中で同様のパターンがある、蔓延していたという中で、本当にその指示があったかなかったかというのは、ちょっとその説明としては、我々、腑に落ちないところもあります。 そこで伺いたいんですけれども、例えば、天下りで赴いた社長が外されて裏の役員会があったとか、そういった報告も出ていました。そうだとすると、組織的な指示というものはなかったというふうにお考えでしょうか。また、もしそれがなかったとしても、今後、新しい経営陣として、今回の恒常的かつ広範な不正を認知できなかったのはなぜであったかということをどう認識されておられるかを伺いたいと思います。
○参考人(関根正裕君) まずは、危機対応業務その他の業務におきまして不正行為を発生させてしまい、信頼を大きく損ねてしまったことにつきまして深く反省をしており、この場をお借りして、国民の皆様に対して心よりおわび申し上げます。 これまで、外部弁護士等で構成する第三者委員会による調査や、危機対応融資二十二万件の全件調査、主務省による立入検査が行われてきましたが、資料の改ざんなどの不正行為について組織的な指示は確認されておりません。 他方、不正行為が発生した根本原因としては、経営陣、本部が危機対応融資を主要な業務と位置付け、支店ごとにノルマを割り当て、過度なプレッシャーを掛けて推進していたことや、危機対応融資を競争上優位性のある武器として認識し、収益及び営業基盤の維持拡大のために利用していたこと、制度趣旨を逸脱した案件であっても、形式的、表面的に要件に当てはめる運用を慫慂し、又は過度なプレッシャーを掛けつつ黙認していたことがあると認識しております。さらに、本部が不祥事と認定しない事案は取締役会に報告がなされないなど、社外役員による牽制機能を含め取締役会の機能発揮が不十分であったことも根本原因と考えております。 いずれにしましても、不正行為を防げなかったことは経営として深く反省しており、取締役会の機能強化等の再発防止に向けた取組を着実に実施し、二度とこのような事態を起こさないよう、私が強いリーダーシップを発揮し、再発防止に取り組んでまいります。
○大野元裕君 リーダーシップの発揮という今お言葉がありました。是非よろしくお願いしたいと思います。 その上で、ただ、体質として恐らく、これ五千五百三十八件ですか、という不正ですから、体質としての問題だと私は思いますけれども、もちろん取締役会の機能の充実あるいはしっかりとした監視体制は重要だと思いますけれども、他方で、仮に万が一また不正が発生するような場合に、どのような形で幹部、取締役会、経営者が、経営陣が、まあ一部役員にとどまっていますけれども、そういった中で、どのようにして新たに認知ができる、こういう担保が付されているかということをちょっと具体的にお伺いしたいと思います。
○参考人(関根正裕君) お答えします。 これまでの外部弁護士等で構成する第三者委員会による調査や危機対応融資二十二万件の全件調査、主務省による立入検査の結果を踏まえて問題の所在と根本原因の特定を行い、全容を明らかにした上で抜本的再発防止策を策定いたしました。 具体的には、まず、不正事案の発生を着実に発見できるよう、不正発生のリスクが高い業務について重点的に監査を行う等、監査手法の見直しを行うとともに、監査部門の体制強化、内部通報制度の拡充などに取り組んでおります。その上で、経営が早期に不正事案の発生を認知できるよう、第一報時から外部弁護士を長として新設したコンプライアンス委員会がその不正事案への対応状況を把握するとともに、迅速に取締役会等に報告される体制を整備いたしました。また、取締役会が形式的な報告、追認の場になっていたなど、取締役会の機能発揮が不十分であったこともあることから、取締役会の機能強化も行っております。 こうした抜本的な再発防止策を断行するとともに、有識者による検討会からいただいた御提言も踏まえ、更なるガバナンスの強化を検討するなど、私が強いリーダーシップを発揮し、全社一丸となって原点に立ち返って再建に取り組んでまいります。
○大野元裕君 公的資金が投入される中、親方日の丸体質に染まってしまったのではないか、あるいは不正が蔓延するこういった金融機関を立て直すのは強いリーダーシップ必要だと思いますけれども、困難が私は伴うと思いますし、在り方研究会の報告見ると、ある意味執行猶予みたいな、そういった部分も正直あります。市井の経営者たちに伺うと、商工中金は地元の信用金庫やあるいは地銀よりも、あるいはもしかすると都市銀よりもはるかに遠い存在だというふうにおっしゃる方々すらいます。この四年間極めて厳しい状況だと思いますけれども、真に中小企業に役に立つ金融機関に脱皮していただくということを改めてお願いをしたいと思います。 その上で、大臣にお伺いをさせていただきたいと思うんですけれども、本件について経産省の方々も処分を、処分をというか、受けておられます。安藤長官もちょっとかわいそうなことなのかもしれませんけれども、ただ、そうすると、他方で、この報告書を読むと、経済産業省の責任というのは余り明確ではないんです。 大臣、経済産業省、処分はされましたけれども、責任というのは何だったんでしょうか、教えてください。
○国務大臣(世耕弘成君) 今回の不正事案は、危機対応融資を不適切に運用した、これが主な内容になるわけですが、それを組織として防げなかったという商工中金のビジネスモデルとガバナンスが本質的な問題だと思っています。 結果としてこうした不正事案全体を防げなかったことについて、商工中金をまさに法律上も明記をされている監督指導する主務省としての責任があるというふうに考えております。このため、既に昨年、組織としてのけじめを付けるために、私自身、俸給の二か月分を自主返納をいたしました。また、事務次官、中小企業庁長官に対して厳重注意処分を実施をし、俸給の一〇%、二か月分をそれぞれ自主返納したところであります。
○大野元裕君 そうなんです。監督指導責任ということだろうと私も思います。そうだとすると、次のステップ、商工中金、四年間、これで執行猶予みたいな形になったわけですけれども、そこでどういった監督指導責任を果たすかというのはとても大事なことだと私は思います。 その上で改めて伺いますけれども、商工中金については、確かに民営化しろとかあるいは日本政策銀行と統合しろとかいう、こういう議論もありました。ただ、それで全て解決すると私も思っていません。やはりその中身をしっかりと見ていく必要があり、在り方検討会で提起されたような問題を真摯に一つ一つ実現していくことこそが喫緊の課題だろうと私も思います。 その意味では、名前は申し上げませんけれども、検討会で厳しい意見を述べたと言われる委員が、新たに設置された評価委員会、そこから抜けています。早くもお手盛りの評価委員会になったのではないか、中小企業庁、そうしたんじゃないか、こういう印象も与えかねないと私は思っています。 経産省としては、厳しい意見を述べた委員であるからこそ評価委員会にも入っていただく、こういう指導監督しないと、結局今までと同じじゃないか、何かあったら俸給一〇%、二〇%を返せばいいじゃないか、これでは国民の理解は私は得られないと思いますけれども、いかがお考えでしょうか。
○国務大臣(世耕弘成君) 今御指摘のとおり、商工中金、これから本当に改革をやっていかなければいけない。しかも、ビジネスモデルそのものが、今回のようなことをもう起こすようなことのないビジネスモデルに変える。そして、このビジネスモデルというのは地方の金融機関でさえまだ実現できていないビジネスモデルということになってまいりますので、相当いろんな困難が伴うと思います。それをしっかりとモニタリングしていくという意味で、この評価委員会の存在というのは極めて重要だというふうに思っておりまして、在り方検討会との継続性を重視して、その座長を務めておられた川村雄介さんに委員長に御就任をいただきました。 個々の人選についてちょっと論評は控えさせていただきますけれども、おっしゃるような厳しい意見おっしゃっていて、引き続き今回評価委員会に就いていただいた方もいらっしゃいます。個々は、いろいろ御都合があったりとかそういう結果で選ばれているんだろうと、選ばれているというか、これ、我々の方で選ばせていただいている。評価委員会は、これ商工中金の組織ではなくて経産省の組織でありますので、そういう意味で厳しい御意見を言っていただく方はしっかり入っているというふうに思います。 いずれにしても、商工中金のこの在り方検討会における議論の継続性を踏まえながら、今回新たに入っていただいた地域金融の専門の方ですとかあるいは中小企業の経営改善、事業再生の専門の方、こういった方にも今回新たに入っていただいておりますので、この評価委員会に厳しい目で商工中金の改革について見ていただいて、そしてその御意見を踏まえて我々もしっかりと監督をしてまいりたいというふうに思います。
○大野元裕君 もちろん、結果をしっかりと見せていただくことは当然ですけれども、私、このように申し上げているのは、もちろん商工中金の問題もあるんです。他方で、先ほどおっしゃった経済産業省、中小企業庁、こういったその監督責任を見る上で何が担保されているかということもとても私は重要だと思っています。実際、その在り方研究会については、公開であるはずが、途中から議事録が出てこなくなったり、全体の取りまとめはありましたけれども、そういったものが公開されなくなったりといったこともありました。そういった中で、我々は、どのように皆さんがこれから変わっていくかということを具体的に担保できるかということを気になっているから聞いたわけです。 ただ、この話は、また少し状況を、また商工中金の在り方、それから経産省の関与の仕方を見ながら、そのうちまた議論をさせていただきたいと思っております。 質問を変えさせていただきますけれども、先ほど同僚委員からも議論がありましたけれども、アメリカの通商拡大法二百三十二条が我が国の鉄鋼、アルミニウム輸出に適用をされる、この問題について、それぞれ二五%、一〇%ですか、という追加課税がなされる問題について伺いたいと思うんですが、まず大臣、この二百三十二条、そもそもの話ですけれども、仮に我が国の鉄鋼、アルミニウム輸出、アメリカに対するですね、に課される場合の影響をどのように評価をされておられるでしょうか。
○国務大臣(世耕弘成君) 日本の鉄鋼、アルミ輸出に占めるアメリカ向けの輸出の割合というのは大体五から六%程度、余り、そんなに大きいわけではないという状況であります。しかも、一つ一つの品目を見ますと、高品質で他の国の製品と代替できないものというのも少なからずあるという状況でありまして、結果としてこれアメリカの産業や雇用にも多大な貢献をしているものであります。 国別除外と製品別除外がありまして、国別除外は今、日本はされていない。製品別除外については今手続が商務省によって公開をされて、この製品別除外というのはアメリカのユーザーが商務省に申請をするという形、そして米国政府が判断をするという形になるわけでありますけれども、除外が認められる可能性のある品目も多いのではないかというふうに考えております。 一方で、やはり我々一番懸念している、鉄鋼業界も一番懸念しているのは、アメリカの措置の結果として、逆にアメリカからあふれちゃって、アメリカでもう値段が高くなったので売れなくなって、それが例えばアジアのマーケットにそういった鉄鋼製品が流れ込んで市場が混乱する。例えば、価格が暴落するとか、あるいは逆に各国が急に流れ込み始めたのでセーフガード措置をとり出すとか、こういうことになるとかなり混乱をするのではないかというふうに懸念をしています。 ただ、まだ今始まったばかりでありますので、状況はよく注視をしていきたいと思いますし、アメリカに対しては、本質は鉄鋼の過剰生産能力が問題なんだ、それを一緒に解決していこうということをよく呼びかけていきたいというふうに思います。
○大野元裕君 ありがとうございました。 資料にもあるとおり、確かに少ないんです。ただ、実は六番で質問しようとしたことを大臣に今御答弁いただいて、ありがとうございます、時間の節約にはなりましたけれども。その直接の影響よりも確かに鉄鋼があふれるとか、あるいはもしかすると為替もそうかもしれません。自由貿易の問題、様々な影響が違う面で、すごく私も懸念をするところだと思っています。 したがって、ちょっと六番を飛ばして七番に行きますけれども、大臣は繰り返し、我が国の鉄鋼、アルミの対米輸出がアメリカにとっての安全保障上の脅威とはなることはないんだと、このように説明をアメリカに対してすると繰り返してこられました。我が国に対する二百三十二条の適用、つまり、安全保障上の脅威を理由に制裁を掛ける措置をアメリカが我が国に対して適用することの是非について、どのような御見解をお持ちか、教えてください。
○国務大臣(世耕弘成君) これは、アメリカも今回の追加課税に関しては、何も彼らなりにルールを無視してやっているわけではなくて、ガットの安全保障例外というルールを活用して今回の対応をある意味正当化をしているわけであります。ですから、安全保障上の理由というのが今回の措置の理由であります。 ただ、我々は同盟関係にあるわけでありますので、日本からの鉄鋼やアルミの輸入が米国の安全保障に悪影響を与えることはなくて、先ほども申し上げたように、むしろアメリカの産業や雇用に多大な貢献をしているということから、安全保障を理由にしている措置で日本を対象にするというのは、私は、これは大変適切ではない、遺憾であるというふうに考えておりまして、これはもう今も引き続きアメリカ側に働きかけ、伝えているところであります。
○大野元裕君 おっしゃるとおり、ガットの二十条、二十一条の例外措置のうちの二十一条だったと私も理解していますけれども、ただ、これ私の記憶だと、リビアか何かの石油輸出にたしかかつて適用したことはありますけれども、これ拡大が懸念される中で、国際法上のいわゆる定説というのも実はまだ定まっていないようなところだと私も思っています。ただ、適切ではないというそのメッセージはとても重要だと私も思っています。 その一方で、大臣、こういった働きかけを行っていて、たしか大臣の、二枚目に付けていますけれども、記者会見等の発言を見ていても、繰り返し、アメリカのロス商務長官やライトハイザーUSTRの代表等にも会われたり電話をされたりといったことで発言をされて、記者会見では、三月六日だったと思いますけれども、恐らく閣僚レベルで直接の対話をきちっと表に出す形でやっているのは日本だけではないでしょうかと胸を張っておられました。 他方で、主要国の中で二百三十二条の適用を暫定的に免れる措置の適用を受けなかったのは、これも恐らく日本だけであります。そういった意味でいうと、大臣にお伺いしたいのは、何働きかけてきたんですか、教えてください。
○国務大臣(世耕弘成君) これは別に胸を張って言ったわけではなくて、このとき質問で、日本の対応が弱腰ではないですかということを記者側から聞かれたものですから、いやいや、閣僚レベルで正々堂々ときちっと申入れをしていますよということを申し上げているわけであります。 どういう働きかけをしているかということは、これなかなか外交上のやり取りの詳細になりますので、あくまでも今除外されなかったことは遺憾であるということを強く伝えているというレベルでしかお答えできないことは御理解いただきたいと思います。 しかも、適用除外になった国というのをよく見ていきますと、例えばオーストラリア、アルゼンチン、ブラジル、これはアメリカから見て貿易黒字の国であります。カナダやメキシコは、これはまさにNAFTA交渉中、韓国についても、これ米韓FTA、KORUSの見直しの最中と、またEUに関しては、これちょっと詳細はまだ分かりませんけれども、何らかの新たな交渉の舞台が今セットされて、交渉が行われている。 ですから、そういう意味では、別の交渉のてこにこの除外というのが使われているという面もあるのではないかと推測できるわけであります。 その点、日本は、日米経済対話という高いレベルの貿易・投資ルールを日米でしっかり作ってそれを世界に広めていこうというのを、今、麻生副総理とペンス副大統領の下で行われ、何か個別の交渉が行われているわけではないという意味で、日本が少しほかの国と、除外された先進国とは違いがあるのかなというふうに考えております。
○大野元裕君 後段の部分については少しまたこの後で議論をさせていただきたいと思うんですけれども、他方で先ほど大臣は、WTOのルールの中で、あるいは今回の二百三十二条の適用を安全保障上の理由とするのは不適切だというふうにおっしゃいました。 そうだとすると、まず、これは交渉のてこにもなると思うんですけれども、WTOの枠組みの下での必要な対応、所信においてもそこは強調されておられましたけれども、働きかけが今うまくいかなかった、今までのものがですね。現在においては、二百三十二条の適用がまた不適切だと、適切ではないとお考えになっているわけですから、WTOが認める報復関税措置の発動だとかあるいは提訴だとか、そういったことについても検討をする、若しくは交渉のてことしてしっかり前面に押し出していくべきではありませんか、いかがですか。
○国務大臣(世耕弘成君) 鉄鋼やアルミニウムの世界的な過剰生産に対処することこそが今回の問題の本質だというふうに思っています。ともかく対抗措置の応酬になるということは、どの国の利益にもなりませんし、日本にとっても非常にデメリットが大きいと考えています。 今後、今回の措置の内容、具体的には、国別に除外されなかったということ、そしてまた、製品別除外の取扱いというのが今現在進行中でありますので、これの行方、そして日本企業への影響、こういったことを十分精査した上で、WTOの枠組みの下、必要な対応を検討をしていきたいというふうに思います。現時点では何か決まった対応があるというわけでありません。 また、このWTOと今回の二百三十二条の整合性ということでいえば、それぞれ、WTOでは品目別に約束している関税の上限を定めていたり、あるいは、いわゆる最恵国待遇義務で特定の国を除外したりしなかったりということがいいのかどうかということと、いわゆるガットの言っている、二十一条で定めている安全保障例外で今回の米国の措置が正当化し得るかどうか、こういったところをWTOとの関係ではしっかり見ていかなければいけないというふうに思っていますが、なかなか、先ほどもお話あったように、この安全保障例外については判例のようなものがないわけでありますので、様々な観点からよく検討していく必要があると思っております。
○大野元裕君 まさに、私、その点は懸念をしているところですが、ただ、提訴とかというのは私まだまだあり得ると思うし、確かに対抗措置が往復すると、例えばセキュリティージレンマと一緒ですよね、どんどん上がっていってしまう、そこは私も同じような懸念を抱いています。 また他方、先ほどKORUSの話をおっしゃいました。二国間でアメリカと議論をするようなことになると、私は、TPP議論のときでもありましたけれども、日本とアメリカが直接やるとなかなかうまく、相手が大国ですから、難しいんだと、こういう議論が何度も何度もかつて行われたというふうに思っています。 他方で、そうであれば、この二百三十二条の適用に対して適切ではない、あるいは三〇一条もそうですけれども、そう言っている国が幾つもあります。そういった国々との間で例えば協調をし、そしてその適切なルールを定めていくような、そういったやり方というのはあると思うんです。 他方で、大臣の発言を見ていると、最初の頃は、アメリカ側に伝えていきたい、途中でだんだんこの品目の話になって、そして最後の方、ちょっと懸念していたんですが、三月の二十三日、どのような枠組みが日米両国及びアジア太平洋地域にとって最善であるかということについて建設的に議論が行われていく。 これ、まさかとは思いますけれども、よもやと思いますけれども、この鉄鋼、アルミニウムを引換えに、よもや日本とアメリカがFTAの場に引きずり出される、これ全体の話ですから、それはありだと思います。ただ、二国間でやると厳しいというのが今まである中で、こんなことで引きずり出されるということを、大臣、コミットしているわけ、あるいは協議しているというわけではないですよね、そこを確認させてください。
○国務大臣(世耕弘成君) これ、三月二日から何か変遷のようになっていますけれども、私の考えはもう三月二日から今日まで全く変わっておりません。それぞれの質問に応じてこういう発言をしているわけでありますけれども、今おっしゃるようなことは全くないということは明確に申し上げておきたいと思います。
○大野元裕君 そうすると、アメリカとの今話になっていますけれども、所信で、私もよく分からないんです。大臣、所信で、日米関係については、昨年十一月の日米首脳会談の結果も踏まえ、アジア太平洋地域における貿易、投資の高い基準作りを主導し、法執行面での協力を具体化するとともに、エネルギー、第三国インフラ整備などの分野での協力を促進してまいりますと述べられました。 今、ただ、問題になっているのは、アメリカの行為によって自由貿易やあるいはその高いレベルの取引、貿易、こういったものが逆に我々大きな問題として対処しなきゃいけないというふうになっている中でこのような所信、もちろん理想としてはいいんだと思いますけど、この国会の我が委員会での所信として述べられたということについては、私は正直違和感があります。 アメリカが適切ではないというふうに大臣はおっしゃりました。そういった関税措置を我が方に適用している、また、保護主義をあおっているとも言われています。さらには、もしかするとその対抗的な措置の中で貿易戦争の端緒すらつくっているかもしれない、このような中で、日米関係についてこれ述べていますけれども、日米関係でアジア太平洋地域における貿易、投資の高い基準を作っていく、リード、主導していくと。どうやってやっていくんですか。まずはアメリカに言うべきことがあるんじゃないんですか。
○国務大臣(世耕弘成君) アメリカに言うべきことをしっかり言っていかないとというのは当然のことだというふうに思っています。だからこそ、アメリカをしっかり自由貿易のルールの下に引き止めて、引き戻していくということも重要だと思いますし、まさに日米というのは世界の中でも最も先進的な経済だというふうに思います。 ですから、私が言っているアジア太平洋地域における貿易、投資の高い基準というのは、まさに日米で話し合えば、例えばデジタルの問題とか、あるいはイノベーティブなビジネスモデルに対する知財の保護とか、そういったことをやっぱりきちっと日米で作っていくことができるわけでありますから、この高い貿易、投資水準の推進に関して、これ、現在実質的にも専門家レベルでの議論が進んでいるということも確認をされているところであります。 今、我々は、日米は昔の貿易摩擦的なスタイルではなくて、麻生副総理とペンス副大統領の下、経済対話という形で建設的に議論が行われているわけでありますから、こういった議論をしっかり進めていく上で、アメリカに自由貿易の大切さということをしっかり認識をさせていくということが重要だと思います。二三二については、我々は申し上げることはしっかりと申し上げていきたいと思っております。
○大野元裕君 というのは、若干私も不思議なのは、日米首脳会談の結果に基づくということなので、外務省のホームページ見てみました。そこに書いてあったのは、日米両国が地域に広がる高い基準の貿易・投資ルール作りを主導し、これは大臣のまさに所信でおっしゃったことと同じですよね。次の行なんです。第三国の不公正な貿易慣行に対するエンフォースメントに対する協力を進め、これがないんです。その後、地域、ひいては世界における開発及び投資に関する支援の面で力強くリードしていく考えで一致しました、これはまさに所信にあるんです。 抜けているのは、不公正な貿易慣行に対するエンフォースメント、大臣、これ、要するにアメリカが、これ抜いたということは、逆に言うと、所信においてこれが入ってこなかったというのは、不公正な貿易慣行と見られるような措置を進めているアメリカに対する認識というものを、もしかしたら示せなかったのではないかと私は思っています。 まずは、アメリカが自由貿易にコミットメントする、不公正な貿易慣行に推進するような役割にさせない、これをまずは言っていくというのは、もう一度、済みません、お聞きしたいんですけれども、それが大臣の役割ではないんでしょうか。
○国務大臣(世耕弘成君) 当然、アメリカをしっかり自由貿易の流れの中へとどめておくということは非常に重要だというふうに思います。しかし一方で、第三国による市場歪曲的措置に対してきちっとした対抗措置もとっていかなければいけない、これは日米だけではなくて、EUも含めて合意をしているわけであります。 ちょっと私の所信表明演説の中では言葉が縮まっていますが、法執行面での協力、これがまさにエンフォースメント協力ということになります。まさに第三国による市場歪曲措置に対して日米が連携をしてエンフォースメント協力をやっていくということでありますので、そういう意味では、首脳会談で合意された内容も私、所信表明演説には、ちょっと言葉が短くなってお分かりいただきにくかったかも分かりませんけれども、しっかり盛り込んでいるつもりであります。
○大野元裕君 ちょっと時間が余りないので次の質問に移りたいと思いますけれども、若干時間がないので、済みません、少し飛ばしますけれども、いわゆるネガワット取引、デマンドレスポンスの話です。 この制度を政府が経済成長戦略の大きな柱の一つとして掲げられて、今回、今年になって東京電力管内で初めてこのデマンドレスポンスが適用をされました。 三枚目の資料を見ていただくと分かるんですけれども、五日連続計八回、これは一月のパターンです。二月にもう一回ありましたけれども、このような形で発動をされました。 そこで経産省に伺いますけれども、これ最初、ネガワット取引契約をしますですね。この契約のうち、専門の取引業者であるアグリゲーターと呼ばれる人たちがそのうちの四分の一、残りはこれまでの需給調整契約、つまり、うちもかつて鋳物屋でしたけれども、要するに電気がたくさん需要があるときには、そのときには使わないでくださいねということを、言わば契約をするときにその分安くしますからと、こういう契約を昔結んでいました。これをそのまま見直しあるいは引き継ぐ、こういった電力会社の小売部門による落札が残りというふうに言われています。 そこで伺いたいんですが、一月及び二月のそれぞれのケースにおいて、東電の小売部門とアグリゲーターによる部分との調達比率あるいは電力量、教えていただけますか。
○政府参考人(高科淳君) お答えいたします。 東京電力の小売部門におきます需給逼迫時に活用する需給調整契約でございますけれども、これ一部ネガワット契約に移行したもののほかは、実は需給調整契約自体がなくなっておりまして、一月及び二月には発動していないものと承知してございます。 それから、その一月及び二月の需給逼迫時に実施されました東京電力パワーグリッドが契約しておりますアグリゲーターによるネガワットの発動量でございますけれども、一月は合計で八百九十六万キロワットアワー、二月は合計で四百十三万キロワットアワーでございました。
○大野元裕君 そうなんです。大変これ、先ほどおっしゃった需給調整契約がないんだけれども、ただ、それが移行したものというのはたくさんあるわけですよね。その比率というのは分かるんですか。アグリゲーターが独自にやったものと、それからこれまで調整契約から移行したものと。
○政府参考人(高科淳君) お答えいたします。 私、今、それは把握してございません。
○大野元裕君 今回の実は五日連続計八回というのは、私の理解では世界で初めて、これだけの短い期間に発動されたのは初めてだと思っています。 そして大臣、これ実は、最初の頃の、どういう形でネガワットが入るんですかという説明を政府がなさったときに何度もおっしゃっていましたけれども、例えば成長戦略の一つの柱だと、大きな市場ができると、これが一つ。そしてもう一つは、年間の需給の逼迫時の需要を抑制することでコストの高い電源のたき増しを抑える、あるいは設備投資をそんなにしなくていい、そういった意味で実は効率的な発電ができるんだという、そういう説明を当時されておられました。 ところが、これ見ると、効率的な発電でたき増しを抑えたんじゃなくて、要するに電力が足りないから抑えてください、こういう話で、成長とは全然関係ないと私は思いますけれども、このような想定でデマンドレスポンスの制度をつくったんですか、教えてください。
○国務大臣(世耕弘成君) 従来は、電力の需要に対して供給が不足がすることがないように、電力会社は十分な余裕を持って電源をあらかじめ用意をして安定供給を確保してきたわけであります。 これに対してネガワット取引というのは、需要家が使用電力を抑制することで電力の需給バランスの調整を図る取組でありまして、より効率的なエネルギー需給を実現するための手段として制度整備が行われてきたところであります。 一方で、先ほど御指摘の冬の需給逼迫のときも活用されたように、ネガワット取引というのはピーク時などの電力不足時の対策としても有効という面があると考えています。
○大野元裕君 ピーク時そうなんですが、実際にはそうじゃないじゃないですか。五日連続でいきなりこれ危機的なんです。 次のページ見ていただくとお分かりになると思うんですけれども、最初契約はしていたけれども、これこんなに連続してやると、これいわゆるリードタイムも含めて、ほとんどこれ業界仕事できなくなっちゃうんですよ、製造業とか。だから、契約した分の五〇%程度にとどめているんです。要するに、危機的な状況で、頼むから下げてくださいと。要するに、先ほど言ったようにたき増しを抑えるとか、あるいは投資を抑えるとか、そういった話とは全然違う危機対応なんです、これ、今回は。 そういう状況を、ピーク時に有効だという大臣の答弁は分かるんですが、実際はそうなっていないじゃないですか。想定と違うし、これ成長戦略と関係ないんじゃないですか。
○国務大臣(世耕弘成君) ですから、成長戦略と関係のある部分と、まさにこのピーク時対応に生かせるという部分が両方顔を持っている制度ではないかというふうに思っております。 今回、これだけ多い回数発動されたというのは、やはりあれだけたくさん集中的に雪が降ったと、はっきり言って大変な気象状況になったということと関連しているんではないかというふうに思います。
○大野元裕君 まあいいや。そこはちょっと議論はこれで止めておきますけれども、その一方で、これ公正な形でしっかりとやろうということで、例えばそのベースライン、つまり元々どのぐらいの電気があってどれだけ必要になったかとか、あるいは価格とかアグリゲーターとの契約の問題とかについては、資源エネルギー庁が二回改定していますけれども、ガイドラインというものを定めています。これ、電力を発電するときあるいは供給をするときのガイドラインとしてのDR、デマンドレスポンスにとってとても大事だと思うんですけれども、実際に今回発動されました。 そこで、経済産業省に伺いますけれども、一月並びに二月のDRの発動時における需要削減量の測定方法がこのガイドラインに沿ってなされていたということを確認をしたかどうか、それは適切だったかどうか、あるいはそのときに調整金を含めて出されたのが幾らお金が出されたのか、あるいは出されなかった場合のペナルティーがあったのか、それらの実績を御報告ください。
○政府参考人(高科淳君) お答えいたします。 デマンドレスポンスの活用はまだ緒に就いたところでありまして、その普及拡大の観点から、今御指摘いただきましたように、経済産業省におきましては、関係者や有識者に御参加いただきまして、デマンドレスポンスの取引等に関する基本的な考え方をお示ししたエネルギー・リソース・アグリゲーション・ビジネスに関するガイドライン、これを策定し、公表しているところでございます。 具体的には、デマンドレスポンスによる需要の抑制量を算定するために必要となりますベースラインの設定方法や、ネガワット賦課金の計算方法の例などを規定しておるところでございます。 今回の事例につきましては、東京電力パワーグリッド社が調達する調整力に係る公募におきます契約条件におきまして、ベースラインの設定方法といった点につきましてこのガイドラインを踏まえることとされております。その上で、デマンドレスポンスに係る契約が円滑に実施されていることをもちまして、ガイドラインが活用されているものと考えてございます。 また、具体的な報酬、それからそのペナルティー、あるいはそのネガワット調整金の支払に関する実績につきましては、これはほかの民事契約と同様でございますけれども、当事者間の合意をベースに行われるものでありますため、当省が個別の事業者間の取引についてお答えすることは差し控えさせていただきたいと考えております。 いずれにしましても、経済産業省といたしましては、このガイドラインの活用状況を注視してまいりたいと考えておりまして、その上で、必要があれば、今回のデマンドレスポンスの発動の実態を踏まえつつ、随時、本ガイドラインを改定すべき事項がないか検討してまいりたいと考えております。
○大野元裕君 差し控えるんですか。知らないんじゃないんですか。
○政府参考人(高科淳君) お答えいたします。 今回のデマンドレスポンス踏まえまして、私ども、その事業者からいろいろお話は伺っておりますけれども、ただ、個別に、じゃ、どこまでということについてはお答えを差し控えさせていただきたいと思います。
○大野元裕君 全体把握していますか。
○政府参考人(高科淳君) 全体とおっしゃいますが、今回の発動を踏まえまして個別、その発動、そのパワーグリッドの方と、それから個別の事業者さんからもいろいろお話は伺っているところでございます。
○大野元裕君 総量に対して幾ら支払われたか、その調整金が幾ら支払われたかを含めて金額把握していますか、全部を。
○政府参考人(高科淳君) お答えいたします。 個別の金額についてはそれぞれ把握しているわけではございませんけれども、今回のその発動を踏まえまして、そういったことがガイドラインを踏まえて適切に行われたかどうかということにつきまして、両当事者からもお話は伺っておるところでございます。
○大野元裕君 だったら伺いますけれども、かつての電力会社が行っていた需要調整契約での経費と今回の総額の経費とどっちが上ですか。
○政府参考人(高科淳君) お答えいたします。 かつての電力会社によります需給調整契約は、その需給逼迫時の緊急手段といたしまして需要家の消費電力の抑制を電力会社が依頼するものでありまして、そのため平時から電気料金を割り引くことによって需要家に対してインセンティブを与えているものです。 これに対しましてデマンドレスポンスは、平時も含めて電力の需給バランスの調整に活用する仕組みであります。発動時に電力会社が需要家に対して需要抑制に対する対価を支払うことでインセンティブを与えているものです。 このように、両者はその仕組みや契約形態が異なるために、一概にはコスト構造の比較は困難であると考えてございます。
○大野元裕君 だって、個別に聞いていないのにどうやって比較するんですか。しかも、今回は電力ピーク時、平時じゃなくて、そのときの対応だったんです、現実の問題として一月も二月も。それから二か月して個別全部知らない。 そういう中で、大臣、もうこれ時間がないのでこれでやめておきますけれども、大臣に是非お願いしたいのは、ガイドラインまで定めたわけです。最終的に市場とかではなくて、この金額、間の手数料とか調整金は、結局最後は最終消費者である個人に乗るんです。そうだとすると、これガイドラインを定めたんだったら、それをきちんと聞いて、そして、今までの制度よりも実は良かったとか悪かったとか、市場ができたからどういう結果だとか、これをやるのが経産省の仕事でしょう。それを実際には全部確認してないんですよ。 あるいは、先ほどのかつての制度とほとんど類似していますから、少なくともこういった緊急時については。全く同じだったらば、前と同じ方がいいのかどうかということを、まさに監督指導するということがあなたたちの責任だと思っていますし、商工中金のときに、さっき一番最初に話が出ました。道義的責任、監督責任、いろいろあると思います。そんな中で、監督指導を果たしていなかったということがついこの間あって、給料まで返納されたんだったらば、これについてもしっかり監督指導責任を果たしていただくことを最後にコメントを求めて、私の質問を終わらせていただきます。
○国務大臣(世耕弘成君) デマンドレスポンスは、今おっしゃったようなピーク時の対応とそれ以外の対応もある、しかも、上げのデマンドレスポンスもあるわけであります。それぞれの機能がしっかり適切にワークしているかどうか、それが最終的に消費者の電気代にどういう形で影響を与えているかについては不断のチェックをしてまいりたいというふうに思います。
○大野元裕君 ありがとうございました。終わります。
○石上俊雄君 民進党・新緑風会の石上俊雄でございます。 時間に限りがありますので、早速質問に入らせていただきます。 初めに、森友決裁文書の改ざん問題の調査、検証について質問させていただきます。 今朝の主要新聞を見ますと、一面は大体イラク日報昨年三月存在確認という、まあ表現は違いますけど、こういう報道がなされていました。多くの方が一体どうなっているんだと、このほかにもいろいろな問題が出ていますので、どうなっているのかなという、大変多くの方がそういうふうに思っているのではないかというふうに思います。一つ一つただしていかないといけないわけでありますが、是非政府一丸となって取り組んでいただきたいという思いを込めて、今日は森友問題に対しまして、大臣にちょっとお聞きしたいというふうに思います。 現在、麻生大臣の指示の下、財務省で調査が行われておりますけれども、当事者たる財務省に任せておいて本当に真相究明に向けてどれだけの意味があるのかというのは、多分多くの人が思っているのではないでしょうか。 まずは、一年間うそをつき続けられた立法府が主体となって、今後も委員会等の場で関係した可能性のある方々を招致しまして重要な事実関係を明らかにしまして、そして再発防止、これを議論していくのが一番の筋ではないかというふうに思っておりまして、そのことについてまず大臣にお聞きしたいのと、しかし、これだけで済むのかということなんですね。 しかるべき団体で、三・一一、福島の東京電力の第一原子力発電所の事故が起こったときに、事故調をそれぞれ立ち上げまして、どういうふうなことが実態なんだというのを分析していったわけであります。 この福島の事故調というのは四つありまして、今日資料に付けさせていただいておりますけれども、資料の一の下にありますが、民間事故調と東電事故調と国会事故調と政府事故調、四つあるんです。その中で一つ一つ当てはめていきますと、三月二日の、メディアが、朝日新聞が最初でありますけれども、その後報道された内容が当てはめると民間事故調、三月十四日財務省が報告している内容が当てはめると東電事故調なのかな。で、今財務大臣中心で調査されているのが当てはめると国会事故調になって、残るのは最後の四番目の政府事故調というふうに当てはめることもできるのではないか。 したがって、今後このこともしっかり進めるべきではないかというふうに思うわけでありますが、この二つのことについて大臣の見解をお聞かせください。
○国務大臣(世耕弘成君) 森友学園問題については、国民の皆さんから厳しい目が向けられているという点、そして行政の根幹は国民からの信頼で成り立っているという点を踏まえて、この問題については関係省庁が徹底的に調査を行って原因を究明していくことが何よりも重要だというふうに思っております。国会においてどういうふうに対応されるか、これはもう国会がお決めになることでありまして、私が閣僚としてコメントすることを控えたいというふうに思います。 そしてもう一つ、第三者という意味でいえば、司法の立場から今大阪地検が捜査権を持って現在捜査を行っているというふうに承知をしておりまして、これも政府としてはしっかり捜査に協力をしていくということが重要だというふうに思います。
○石上俊雄君 是非、真相究明におきましては、政府一丸となっての協力をお願いしたいというふうに思います。 それでは、次の質問でありますけれども、福島第一原子力発電所の燃料デブリの取り出しのための内容調査と中長期のロードマップについて質問をさせていただきたいと思います。 この一年で福島第一原子力発電所の内部調査がかなり進展してきたということであります。今日は資料二にも付けさせていただきましたが、三号機につきましては、昨年の七月に水中の遊泳ロボットというんですか、愛称マンボウというらしいですけれども、それを使って六メーターの水が入っている格納容器内を初めて調査をしたと。そのことによって、いろいろ障害物があるのでそこにケーブルが引っかからないかなという不安もあったらしいんですが、見事引っかかることもなく底の部分の方を調査することができて、その底には岩状の固形物が層状に重なるのが確認できたということであります。さらには、二号機も今年の一月に全長十六メーターの棒状のものを中に入れまして、その先端にはカメラが付いているんですが、テレスコピック式調査装置と言われるらしいんですけれども、それを新たに入れて格納容器の底の部分からの撮影をすることができたというふうに聞いているわけであります。 そこで、今日は東京電力の小早川社長にもお越しいただいておりますが、東京電力さんにお聞きしたいわけでありますけれども、この調査で圧力容器の底に穴が開いているというのが、残念ながら深刻なシナリオというのが現実になりつつあるわけでございます。 資料の三に付けさせていただきましたけれども、三号機では圧力容器の外周部で四か所の水面の揺らぎが見られたということであります。そして、その下に燃料デブリと思われる塊、落下物が確認されまして、二号機では格納容器の底で燃料集合体最上部の取っ手部分が発見された、これは大きくニュースでも報道されておりますけれども、そういうことがありました。 このことから、廃炉に向けて一歩とも言われておりますし、調べるほどに多難とも報じられているわけでございますが、これまでの調査結果をどう評価して、今後の調査をどうするのか、さらには、一、二、三号機、トータル八百八十トンと言われる燃料デブリの取り出しにどうつなげていくかということにつきまして、お答えをいただけますでしょうか。
○参考人(小早川智明君) 東京電力ホールディングスの小早川でございます。本日はよろしくお願いいたします。 まず初めに、事故から七年となりますが、内部調査に携わられた方々の御尽力により、原子炉格納容器内の状況が徐々に明らかになってきたことにつきまして、感謝申し上げます。 先生から資料二及び三で御説明がございましたとおり、三号機では水中遊泳式遠隔捜査ロボットを用いた調査にて、また二号機では棒の先端にカメラ、線量計、温度計をつり下げたテレスコピック式調査装置を用いた調査にて格納容器内の内部の堆積物や落下物を確認できました。 この調査を通じて二点の重要な知見が得られたものと考えております。一点目は、格納容器内部に燃料デブリと思われる堆積物を確認できたこと、二点目は、格納容器内部へアクセスするルートの確認ができたことでございます。これにより、燃料デブリを取り出していく装置の設計や、取り出し工法の確立に重要な情報を得ることができたと考えております。 今後は、格納容器内部の燃料デブリや落下物の全貌についての情報、より詳細な情報を得るため、広範囲かつ詳細な映像の取得や放射線計測などができる多機能な装置を開発し、格納容器内部のより詳しい調査を行ってまいります。今後も引き続き、関係者の皆様の御尽力を賜りながら、中長期ロードマップの目標工程である二〇二一年内の燃料デブリ取り出し開始に向けて、格納容器内部の調査を着実に進めてまいりたいと考えております。
○石上俊雄君 ありがとうございます。一歩一歩前に進んでいるのかなという印象を受けるところでございます。 昨年九月に政府は、第三回の廃炉・汚染水対策関係閣僚等会議で中長期ロードマップ第四回改訂版を決定したということでございます。それは資料の四にちょっと付けさせていただいておりますけど、内容は。それによりますと、燃料デブリ取り出し工程の決定は二〇一八年上期から二〇一九年度とやや後ろ倒しになったわけでありますけれども、昨年の委員会の質疑で明らかになったとおり、内容的には気中・横アクセス工法を軸足として格納容器の底の部分から先行してやるという方向には変わりないと。また、初号機での燃料デブリ取り出し開始は二〇二一年内ということで、これも変わっていないということで、これについては期待をしていきたいというふうに思います。 一方で、新たに燃料デブリ取り出し方針に加わったのが、この資料の赤く丸で囲っておりますけれども、①のステップ・バイ・ステップのアプローチというところでございまして、この具体的な意味と新たに追加した理由を経産省から教えていただけますでしょうか。
○政府参考人(松永明君) お答え申し上げます。 今御指摘いただきましたように、昨年九月に中長期ロードマップの改訂を行いまして、その中で燃料デブリ取り出しに向けましてステップ・バイ・ステップのアプローチを進めるという燃料デブリ取り出し方針を決定したところでございます。 燃料デブリによるリスクを早期に低減することは大変重要な課題だというふうに認識しております。その一方で、炉内の状況や燃料デブリに関する情報の全てを完全に把握するには至っていないことも事実でございます。 こうしたことから、この燃料デブリ取り出し方針におきましてはステップ・バイ・ステップのアプローチで進めるということとしておりまして、具体的には、燃料デブリ取り出し作業と炉内調査を相互に連携させながら一体的に実施すること、取り出しは小規模なものから始めること、燃料デブリの性状や作業経験などから得られた新たな知見を踏まえまして、作業を柔軟に見直しつつ段階的に取り出し規模を拡大していくこと、こういった方針を採用することといたしました。 こうした方針に基づきまして、安全確保を最優先に燃料デブリ取り出しに向けましてしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
○石上俊雄君 今の御回答では、徐々にというか、状況を見ながらということなんですね。 それで、次の質問に入るんですが、一部報道では、格納容器内にある燃料由来の細かい砂を吸い上げる、吸い取る程度では、取り出し作業というよりも調査の延長といった方が正確とか、また、東電と経済産業省は二〇二一年から格納容器の側面に穴を空けて大型ロボットを使って取り出す計画を示してきたので、これは事実上の断念などと報じられている、これも事実なわけですね。 しかし、現場的に言うと、先ほどちょっと御答弁の中にありましたが、デブリがどんなものか把握できない中で、ロボットアームの手の部分に当たるところですね、そこの部分の設計をどうやってやっていいかというのはまだ詰め切れていないというのは当然のことでありまして、だからこそ、今、カメラ調査とか線量計測、付着物の分析、今後どこかのタイミングで多分試料採取をして、安全性、確実性を確認しながらスケールアップをしていくというふうに思うわけですね。したがって、その意味でも、どこまでがサンプリングでどこからがデブリ取り出しなのかというのは、明瞭なその線引きというのは難しいというふうに思うわけであります。 したがって、そのことがある中で、立ち位置によっていろいろ捉え方が違いますので、問題は、その実情を、いや、このイメージを国民の皆さんにどうやって誤解なく伝達できるかというところが重要なんではないかというふうに思うんです。ですから、先ほど社長も言われましたが、紋切り型でデブリ取り出しは二〇二一年だと言うと、過剰な期待があって、さらには、修正された場合は過剰な悲観に変わっていくわけでありまして、この実情が誤解のないように伝わる工夫をやっぱりしていかないといけないのではないかと思うんですが、大臣の御認識をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(世耕弘成君) 本当に石上議員はよく分かっていただいているんで、これやはり三十年から四十年掛かる長い作業であります。その中で、いろんな試行錯誤も含めて取組をやりながら、世界がかつて経験したことがない非常にレベルの高い大規模な事業を推進をしていかなければいけない、まさにステップ・バイ・ステップで一点一点進めていくということだというふうに思います。 いろんな技術的な困難があります。今後もまた新しい困難にぶつかる可能性もあるわけでありまして、その都度、その困難をどういうふうに受け止め、どうやって乗り越えていくかというのを正確に伝えていく努力というのは極めて重要だというふうに思っております。 今、エネ庁のホームページは抜本的に強化をしていまして、スペシャルコンテンツというのを作っていまして、そこで燃料デブリの取り出し方がいかに難しいかということを、廃炉作業がなぜ難しいのかということを説明をさせていただいているスペシャルコンテンツも作らせていただいています。また、紙のパンフレットとかあるいは動画で、「廃炉の大切な話」ということで、廃炉は具体的にどういう形で進めていくことを考えているのかということを丁寧に説明させていただいております。これも役所ですと、すぐ図を描いてポンチ絵で説明してということを考えるんですが、現場で実際に作業とか技術開発に当たっている方のもう顔を出して、こういう形で取り組んでいるんだというのをその人の言葉でしゃべってもらうなんという工夫もやらせていただいております。ほかにも、首長さんが集まる福島評議会ですとか、あるいは市町村主催の住民説明会でも直接説明を行ってきております。 これからももっともっとしっかりと細かく説明をして、この三十年、四十年掛かる作業について国民の理解が深まるよう努めてまいりたいと思います。
○石上俊雄君 是非引き続き、国民の皆さん、さらには福島の皆さんの理解、安心につながるような取組をお願いしたいと思います。 それでは次に、FIT卒業、二〇一九年問題とよく言われておりますけれども、そのことと、再エネの大量導入を見据えた電力ネットワークの在り方についてお聞きしていきたいと思います。 余剰電力買取り制度が二〇〇九年の十一月に開始をされまして、そろっと十年が経過するわけでありますが、十年を経過すると売電価格が約束されなくなるいわゆるFIT卒業の住宅用の太陽光が発生するわけでありまして、これをいわゆる二〇一九年問題と言っていまして、それが迫ってきているわけであります。 資料の五に付けさせていただきましたけれども、その数は何と五十万件で二百万キロワット、しかも、その後も毎年二十万件ずつ発生しまして、大体百万キロワット前後だと言われておりますが、それがFIT卒業となるんだということであります。 今、対象の方々にアンケートで聞いてみますと、家庭用蓄電池の導入を検討しているという方が大体六割おられまして、安ければ買うよというふうな方を加えると八割の方が導入すると言われているんです。しかし、じゃ、いつからと聞くと、七割の方がまだ分からないというふうな回答なんだそうです。 発電コストが低下をしまして、売電よりも蓄電池を設置して自家消費を進める方が合理的な選択かなというふうに思っているわけでありますが、まだまだ市場の方はそのトレンドとなっていないというのも今の現状ではないかと思っております。 国としては、自家消費モデルをパリ協定や脱炭素社会の主力電源化のためにも強力に推進するべきではないかというふうに思うわけでありますが、大臣の御認識をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(世耕弘成君) 二〇〇九年に余剰電力買取り制度で導入が始まった十キロワット未満の住宅用太陽光発電については、二〇一九年に買取り期間が終了する案件が生じ始めます。でも、別にここで住宅用の太陽光の重要性が終わるわけではなくて、逆に、EVとかFCVとの組合せなんということも今後出てくる、あるいはそれを全体でデジタルでコントロールする技術なんというのも出てくる可能性がありますから、住宅用太陽光というのが引き続き使われ続けるということも重要だというふうに思っています。 ただ、そのためには、今申し上げたような電気自動車ですとかあるいは蓄電池と組み合わせることで自家消費を促していくということが重要なのではないかというふうに思っています。特に、今すぐ使える技術としては、やはり蓄電池の拡大というのが重要だと思っています。 ただ問題は、まだ蓄電池が非常に高いということでありまして、これを経産省では、二〇二〇年から家庭で自立普及できるような費用にするということを目標として定めて、蓄電池の価格低減を進めているところであります。 具体的には、家庭内でのエネルギーの有効利用を促すためのネット・ゼロ・エネルギー・ハウス化に合わせた蓄電池の導入支援ですとか、あるいは家庭等に置かれる蓄電池をIoT技術によって統合的に制御をして電力の需給調整などに活用する、いわゆるバーチャルパワープラントの構築に向けた実証事業において蓄電池を導入支援をしていく、こういったことをやって、年度ごとの目標価格を設定して、目標価格を下回った場合に限定して導入を支援するというような政策も行ってきております。 こういった施策を総合的に講じて、FIT制度における買取り期間が終了した家庭の設備についても、自家消費の推進も含めて、継続して発電していくことができる環境を整備していきたいと思います。
○石上俊雄君 ありがとうございます。是非強力に推進をしていただきたいと思います。 しかし、太陽光パネルと一緒のような環境になるとまずいですよね。電池安ければいいという下で、やっぱり是非国内産をしっかりとやるようにしていただいて、海外産はかなり安くなってきているというのを聞きますので、是非その辺のバランスを考えていただいて取組を進めていただきたいと思います。 それでは、次の質問でありますが、一方で、家庭用もあると事業用もあるわけでありますが、事業用の買取り期間は二十年で、FIT卒業は今からまだ先、十年後ということでありますけれども、十年というのはあっという間に来ます。さらには、出力は住宅用の五倍ということで巨大なわけであります。 しかし、家庭用と異なって、自家消費というのが難しいわけでありまして、事業用はむしろそういった意味では、二〇三〇年代以降の再エネ大量導入時代を見据えた次世代電力ネットワークに不可欠な出力制御とバックアップとしての役割を果たすべきではないかというふうに思うわけであります。 例えば、電力を水素に変える技術を導入するなど、残されたこの十年を集中期間として、パワー・ツー・ガス技術などの社会実装を全国数百か所で行うなど、数百か所というと大き過ぎるかな、百か所程度で行うなど、二〇三〇年の先をにらんで国として導入推進を進めるべきではないかというふうに思っているわけでありますが、大臣の御認識をお聞かせください。
○国務大臣(世耕弘成君) この再生可能エネルギー、これをこれから日本で利活用を進めていくに当たって、日本はヨーロッパの国とは違って他国と電力ネットワークがつながっておりません。ですから、太陽光や風力が止まったときにどうバックアップをするかということをセットで考えていかなきゃいけない。 今はまさに火力をたき増すことで調整をしているわけでありますけれども、CO2削減という観点からいくとこれは持続可能ではないわけでありまして、そのときにやはり重要な技術になってくるのが今おっしゃったパワー・ツー・ガス、再生可能エネルギーを逆に水素に生まれ変わらせていくという技術だというふうに思っています。 最終的には我々は水素社会というのを目指しておりまして、単に自動車を走らせるだけではなくて、エネルギー供給そのものを水素をベースにしたものにしていく、その水素の生産の一つの手段として、まだこれ、水素、非常に高いんです、単位当たりで見るとガソリンの十倍ぐらいに相当するわけでありますが、これをいかにガソリンと同じぐらいの値段に下げていけるかというところが大きなポイントでありまして、そうなりますと、やはり再生可能エネルギーの余剰に伴って生じる安価な電力を用いて水素を作るということも一つの選択肢になってくるだろうというふうに思います。 今後は、水を電気分解するわけですけれども、その装置においてエネルギーの変換効率や耐久性といった技術的な課題の克服に向けた技術開発や実証を進めていくことが重要でありまして、今経産省では、パワー・ツー・ガスに向けた水素製造の高効率化などの研究開発ですとか、あるいは福島県浪江町でいよいよ再生可能エネルギーから水素を製造する世界最大級のCO2フリー水素製造プロジェクト、これがスタートするわけであります。 昨年末に策定した水素基本戦略というのがありますが、こうした足下の取組の成果を生かしながらパワー・ツー・ガス・システムの社会実装を進めて、二〇三二年頃には商用化を目指すということにしていますが、私はもっと早くやってもいいかなというふうに思っている次第であります。
○石上俊雄君 是非強力な推進をお願いしたいと思います。 それでは次に、先ほど井原委員からも出ておりましたが、コネクテッドインダストリーズ関連について、ロボット産業の戦略的展開と工場の無線IoT化についてお聞きしたいというふうに思います。 コネクテッドインダストリーズ関連のロボットの最近の話題は、資料にも書いてありますけれども、資料六にも付けてありましたが、経産省が力を入れているロボットシステムインテグレーターの強化とか、人と協働して動く協働ロボットとか、人工知能、今何かビッグサイトで展示会やっていますけれども、人工知能化されたロボットとか、さらには四つ目が、この業界、今好況だという、そういうふうな話題があるわけでありますが、世界経済は、デジタル化、IoT化に駆動されまして、価値の伸び代の部分というのがありまして、そこの激戦区がいわゆる工場、そしてそのツールの一つがロボットというふうになっておるわけであります。 現在の政府の関心は、先ほど言いましたように、ロボットシステムインテグレーター、中小企業のところにロボットを入れて効率を上げようというところであるわけでありますが、しかし、資料六に付けさせていただきましたが、日本で生産しているロボット、二十万三千台なんですが、十六万五千台、やっぱり輸出の方がボリューム多いんですね。ですから、やっぱりそこをちょっと目を向けないといけないなというふうに思っています。 そこで懸念するのは、中国市場において、数量的には日本製のやつが増加しているんですけど、シェアが落ちているんです。逆に中国製のものが伸びているんです。このことを深刻に捉えないといけないなと。なぜかというと、前の電機産業ですね、電機産業、電気製品、シェアは高かったんですけど、一気に二、三年するとシェアが落ちてしまう。この繰り返しで今大変厳しい状態になっているんで、このロボット産業、今好況ですから、このときに何とか手を打たないといけない。よく言われるそのオープン・アンド・クローズド戦略等をロボットの産業界にもうまく適用して、攻めと守りを、攻める部分と守りの部分をうまく組み合わせて何とか日本の国内産を勝ち続けさせる、その作戦づくりを進めていただきたいというふうに思うんですけれども、大臣の御認識をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(世耕弘成君) まさに、今世界で実際に動いているロボット、主には製造用のロボットということになるかと思いますが、それの半分以上が日本製ということでありまして、これは成長戦略上もロボットというのは非常に重要な分野だというふうに思っておりますし、これからもコネクテッドインダストリーズの概念で、攻めの分野で日本のロボットのレベルを高めていくということに取り組んでいきたいと思いますし、一方で、御指摘のように、守りの観点も重要だというふうに思っております。このロボットの技術とか、あるいはロボットが集めてくるデータ、これをしっかりと守る制度というのもつくっていかなければいけないというふうに思っております。 産業競争力強化法の改正法案、またこの委員会でも御議論いただきますけれども、企業において確実に守るべき技術の情報などを見極めて、その情報を守るための措置が主務大臣の定める基準に適合しているかどうか確認をして認証を行う制度というのも入れさせていただきます。また、場合によっては、我が国企業が持っている技術が安全保障上機微技術に当たる場合は、厳格な管理をすべく、輸出技術取引規制の罰則の強化ですとか、あるいは対内直接投資における事前届出業種の拡大ですとか、事後措置の導入を盛り込んだ改正外為法、これが平成二十九年十月に施行をされているわけであります。こういう守りのツールもしっかり使いながら、攻めと守り、バランスを取れた形で、両面作戦で日本のロボット産業を強くしていきたいというふうに思っております。
○石上俊雄君 是非よろしくお願いします。 次の質問ですけれども、先ほども申し上げましたが、工場、IoTを導入して経済効果が最も大きいのは工場ということで、世界のその専門家が分析しているわけであります。そこでよく聞くカスタマーペインポイント、これは何かというと、困り事といってシリコンバレーとかでよく使われている言葉らしいんですが、資料六の下に付けてありますけれども、工場へ行った方はよく分かると思うんですが、ケーブルが乱雑になってよくケーブルが切れるとか、余りのケーブルの多さに、ひど過ぎるんですね。工程を変えようとか検査ラインを入れ替えようとかしても、なかなかそれがうまくいかないというのが現状だということであります。一方で、じゃ、ケーブルなくして無線にすればいいじゃないかというと、システムがいろいろあるものですから、通信が途絶してしまったり速度の遅延があったりということで、信頼性がいま一つということなんです。 このことを、現場の困り事を国として注力する部分に値するんではないかというふうに考えるわけでありますけれども、第四次産業革命を促進する中でも是非この部分は力を入れていっていただきたいなと思っているわけでありますが、今の取組を、総務省、お聞かせいただけますでしょうか。
○大臣政務官(小林史明君) 石上委員御指摘のとおり、やっぱり工場などの生産現場では、少量多品種生産に合わせた柔軟な製造工程の変更であったりとか、又は作業時の安全確保、先ほどもおっしゃられたように、ケーブルを切らないようにすると、様々なニーズの中でやはり工場内の通信のワイヤレス化に大きな期待があるというふうに認識をしています。 一方で、こちらも御指摘ありましたが、やはり工場内の産業機械から発射される電波ノイズや様々な無線システムが混在することによって無線通信は不安定になることが課題となっております。 それに対して我々総務省としては、昨年度から、工場内での無線通信を最適制御し、通信の途絶や遅延などを回避する技術の研究開発や、IEEEというWiFi等の近距離無線通信システムの国際標準化を行う国際標準化団体におきまして推進をしております。また、研究開発成果の国際展開を進めるために、国立研究開発法人情報通信研究機構や日本企業が主導して、インダストリー四・〇を進めるドイツの研究機関とも連携をしまして、これはフレキシブルファクトリパートナーアライアンスというアライアンスを立ち上げておりまして、官民一体となってこの普及活動を進めております。 総務省としましては、やはりコネクテッドインダストリーズ、これを旗頭に、経済産業省とも連携を図りつつ、研究開発から国際標準化、人材育成、そして成果の国際的な展開までの取組を一体的に実施することで工場のワイヤレス化を推進しまして、生産性革命の実現に貢献するとともに、今後とも物づくりの分野で世界をリードできるように力を尽くしてまいりたいと思います。
○石上俊雄君 是非、日本は現場が強みだということで先ほど大臣もおっしゃられましたので、ここをしっかりすると強みの一つに多分なるはずですから、是非取組の推進をお願いしたいと思います。 それでは次に、付加価値の適正循環という視点で、電線の取引、光ファイバーの取引、コネクター関連産業について質問させていただきたいと思います。 付加価値の適正循環は、社会全体の経済の好循環の観点から極めて重要であって、資源から物流に至るまでの各企業が付加価値を適切に確保、分配することで企業業績は改善し、賃金上昇、投資拡大、イノベーション促進も起こしやすくなるものと考えておるところでございます。さらに、付加価値の適正循環は、持続可能な発展に向けた未来投資の促進に資する、今後の商取引の規範たるべき重要な視点と考えておるわけでございまして、その視点で質問させていただければというふうに思います。 電線関連産業について、経産省は昨年三月の二十九日に国交省と連名で建設業界団体の長宛てに、電線の取引条件の改善に向けた取組についての要請という文書を発行されました。主な指摘事項は資料七に付けさせていただいておりますけれども、銅の件名先物契約問題、二つ目が合意のない無償配送の要求、三つ目が新品偏重問題ということですね、これらに対する改善の要求となっているところでございます。 ここで国交省にお伺いしたいわけでありますが、要請を出した後に効果、成果はどうだったのか。さらに、日本電線工業会は電線取引適正化ガイドラインフォローアップ調査結果を二回公表しておるわけでありますが、建設業界団体をカバーをする国交省も、要請を出して終わりではなくて、定期的に継続的にフォローアップをして、実質的な改善、適正化の完遂に向けて取り組んでほしいというふうに思うわけでありますけれども、国交省の取組の状況について教えていただけますでしょうか。
○大臣政務官(秋本真利君) 委員おっしゃるとおり、経産省と我が省が両方所管をしている部門でございますので、両省の担当局長の連名による要請文書を百六の建設業界団体に発出をいたしました。例えば、全国建設業協会を始めとする百六団体ということになるわけでございます。そこに要請文書を発出いたしまして、取引の適正化を求めているところでございます。 また、その文書の発出以降につきましては、国土交通省におきましては、建設業の許可部局による立入検査、これ一年間におおよそ千件弱程度行っているわけでございますけれども、この機会を利用いたしまして要請文書の周知を徹底いたし、取引の実態把握にも努めているところでございます。 また、毎年十一月を建設業の取引適正化推進月間と定めまして、講習会の開催等により、建設業の取引適正化及び法令遵守に関する活動を集中的に実施しておるところでございます。その中でも、経済産業省と連携をいたしまして、要請文書の周知を行っているところでございます。 昨年は、十か所中九か所の地整で行いました。残念ながら、その一か所が先生の御地元の北陸地整でございますけれども、この部分につきましては、残念ながら、我が省と経産省の方の都合がちょっと合わなくて、経産省の方の方にお越しいただくことができなかったわけでございますけれども、次回におきましては、経産省さんの方にも御協力を今年同様に仰ぎまして、両省協力の下にしっかりと先生の御懸念を払拭し続けられるように、今言ったような立入検査等を活用し、取引環境の適正化に今後ともしっかりと努めてまいりたいというふうに思っているところでございます。
○石上俊雄君 この内容を聞いて、レクのときにちょっと内容聞いたんですが、ああ、結構ひどいなというふうなところも印象に受けましたので、銅はスポット価格が変動するので、それによって受ける受けないとか、価格は一緒で納入する量増やしたとかという、そういうところにもつながっているようなので、やっぱり部品をやっているところは結構弱い立場なので、是非引き続きの取組をお願いしたいと思います。 電線業界は、今や銅電線だけが主力製品ではなくて、インターネット、IoT時代に伴い、光ファイバーの取扱量も多くなっているんですね。量だけではなくて、金額も相当多くなってきているわけであります。しかも、先進国の通信業界は、来年一斉に次世代通信規格5Gの商用化の開始を公表しておりまして、更なる取引の活発化が予想されるわけであります。 この活発化が予想される光ファイバーの分野でもしっかり目を光らせて、付加価値の適正循環の実現をお願いしたいというふうに思いますけれども、大臣の御認識をお伺いしたいのと、さらには、これと同じ構図なのがコネクター産業なんですね。コネクター産業も部品なんですが、今は車載用のコネクター、さらにはスマホ用の市場の牽引役になっておりまして、好況と聞いているんです。しかし、この取引弱者という構図は変わっていないので、構造的な課題を抱えているのも現状にありますので、同様な視点で取組をお願いしたいというふうに思うわけでありますが、大臣の御認識をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(世耕弘成君) 下請取引の改善は、私も経産大臣就任以来各業界を回るなどして、特にガイドラインの策定あるいは業界団体による自主行動計画の策定ということで対応してきているわけであります。 光ファイバーについては今空前の好景気だということでありまして、各社がフル生産の状態だというふうに聞いています。経産省としては、光ファイバー業界にも御参加をいただいて、これ電線業界ですから、大きな業界としては金属産業に入るので、金属産業取引適正化ガイドライン、これを平成二十九年二月に策定をさせていただいております。何か光ファイバーの取引について具体的な下請取引上の問題が発生しているという報告は受けていませんけれども、引き続き、説明会への職員の派遣などを通じて、このガイドラインを徹底していきたいというふうに思っています。 コネクターについては、これはまた自動車の電動化によって非常に需要が伸びているというふうに聞いています。コネクターも含めたこれは情報通信機器産業における適正化推進のためのガイドライン、これを平成二十九年十月に新たに改訂をしていただいております。また、業界としても自主行動計画を策定をしていただいて、取引の改善を図っていただいているところでありますので、この計画のフォローアップなどを通じて取引慣行の適正化、しっかり取り組んでいきたいというふうに思います。
○石上俊雄君 是非取組の方をよろしくお願いしたいと思います。 それでは、時間がもう限られてきましたので、最後の質問になりますが、資料七の下に示させていただきましたグループ全体の企業価値向上を図るためのグループ単位でのガバナンスの在り方についてということでお伺いをさせていただきます。 私自身が労働組合の出身ということでございまして、長らく働く者の目線で使用者たる会社を見てまいりました。確かに、企業経営は経営陣が行うものでありますけれども、その結果いかんでは、今も継続しておりますけれども、大手は春の交渉、春闘というのが終わりましたが、その春闘などの労使交渉とは別次元で、雇用や処遇は良くもなり悪くもなってしまうというものであります。好調なときは労使交渉もうまくいって調子よくなるんですが、労使交渉いかんにせよ、その企業自体が調子悪くなるとどうしようもなくなってしまうというのが現状なんです。 実際、我が国の、先ほどもちょっと言いましたが、電機産業が世界最強の時期を過ぎた途端にリストラや企業の再編などがいや応なしに起こりまして、このことをまざまざと経験をしたところでございます。したがって、企業の健全な経営発展、そしてその柱となるコーポレートガバナンスは、今日的な意味において労働者一人一人の雇用を守る上で死活的なテーマであるというふうに考えております。 そうした視点で質問させていただきますが、経産省が昨年十二月のコーポレート・ガバナンス・システム研究会におきまして、多くの上場企業がグループ単位での経営を行っている実態を踏まえて、グループ全体としての企業価値向上を図るため、法人単位ガバナンスに加えてグループ単位でのガバナンスの在り方での整理を始めたというふうにお聞きしております。 このテーマを取り上げる趣旨や議論のポイント、そして背景にある日本企業の現状や、このことに対します大臣の御自身の問題意識というか、その辺について大臣のお考えを最後にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(世耕弘成君) 多くの上場企業では、まさに今もう連結決算も含めてグループ単位で企業経営が行われているのが実態であります。逆に、御出身の企業でも経験があったように、例えば海外における子会社の失敗が本体に甚大な影響を及ぼすというようなケースもあるわけであります。 ただ、今、どうしても会社法がまだ個別の会社単位で見ている関係で、どうしても日本で言われているコーポレートガバナンスというのはあくまでも企業単位であって、余りグループを見ていなかったというふうに思います。 ですので、去年の十二月から、コーポレート・ガバナンス・システム研究会において、グループ単位でのコーポレートガバナンスの在り方について検討を開始をいたしました。グループ全体として企業価値を向上するための攻めと守りの両面でのグループ経営の設計、管理の在り方ですとか、あるいは事業ポートフォリオマネジメントの在り方など、今議論をいただいているところであります。今後、ベストプラクティスなどを取りまとめる予定と聞いております。 こういった研究会の成果も活用して、グループ単位でのコーポレートガバナンス改革をしっかりと推進をしてまいりたいというふうに思います。
○石上俊雄君 以上で終わります。ありがとうございました。
○委員長(斎藤嘉隆君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。 午後零時七分休憩 ─────・───── 午後一時開会
○委員長(斎藤嘉隆君) ただいまから経済産業委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、経済、産業、貿易及び公正取引等に関する調査のうち、経済産業行政等の基本施策に関する件及び公正取引委員会の業務に関する件を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○伊藤孝恵君 民進党・新緑風会の伊藤孝恵です。 大臣への質問の機会をいただき、ありがとうございます。 まず冒頭、防衛省が探してもないと国会答弁をされていたイラク派遣の日報が出てきました。しかも、一年以上も隠されていた。南スーダンのPKO日報と同様、隠蔽を隠蔽するために隠蔽してきた。立法府を立法府とも認めぬ振る舞い、本当にこれはもうシビリアンコントロールが利いていないという、もう限界だという状態だと思いますけれども、大臣の御所見をお聞かせください。
○国務大臣(世耕弘成君) 文書管理というのは適切になされなければいけないというふうに思っています。公文書管理法という法律もあるわけですから、法律を遵守して文書管理に努めることが何よりも重要だというふうに思っています。
○伊藤孝恵君 午前中の外交防衛委員会で小野寺大臣は、シビリアンコントロールが機能していなければ恐らくまだ公表されていなかった、シビリアンコントロールが利いているというふうに述べられているということでした。 反対だと、逆だと思います。シビリアンコントロールが利いていないから隠されたわけです。少なくとも、その時点では、前大臣の時点では利いていなかったということは認めないと、シビリアンコントロールが機能していて日報を隠蔽していたなんだったら、それはそれでもっと大きな問題になります。 こういったいろいろ、この防衛省のものに限らず、裁量労働制の立法事実となる大事なデータの調査原票もなくなっているというふうに御答弁されていたのに実は倉庫に三十二箱存在していたり、異常値四百件以上のひどいものでしたけれども。それから、加計学園問題では、官房長官は怪文書呼ばわりしていましたが、結局、政治家の関与を疑わせるメモというものも存在も明らかになっています。森友学園問題では、ついに公文書改ざんという罪を犯す事態にまで発展しました。 にもかかわらず、全部官僚のせいで政治家は関係ないというような、そういったような顔をされている政治家もいらっしゃいます。そういう政治家について、大臣、どう思われますか。
○国務大臣(世耕弘成君) 個々の発言はよく分かりませんが、やはり大臣として私は、経産省の文書管理に関しては、これはある意味、監督責任というのがあるだろうというふうに思っています。ただ、全ての文書を私、自分で全部責任持てるかというと、それはなかなか全部見るのは大変ですから、そういう改ざんとかあるいは紛失とかいったことが起こらないようなきちっとしたルールと、それをきっちり現場が運用するように指導をするのが大臣の役割だというふうに思っています。
○伊藤孝恵君 そして、今回の商工中金の不正融資問題もですけれども、起こってから、大臣、この前、衆議院の経済産業委員会の質疑の中でこういうふうに述べられています。今回の不正事案の反省点の一つとして、やはり、経産省の中で政策を企画立案するところと検査をするところ、これがある意味、決して癒着とかそういうわけではなかったんですが、一緒になっていたところに問題があったのかなと、こういうふうに述べられています。やはり悪かったところは悪かったというふうに認定をして、その後、どういうふうに変えていくかというところを率直に述べられた、そういった答弁だというふうに受け止めております。 所信表明演説の中でも、この商工中金の問題に関しては、第三者委員会の設置などガバナンスを強化した上で解体的出直しが必要というふうに述べられています。私もそう思います。 そこで質問なんですけれども、今回、森友の公文書改ざん問題では、財務省は財務省内で調べているというふうにおっしゃっています。そして、政府・与党は、第三者機関による調査も、そして特別委員会の設置も必要ないというふうにおっしゃっています。今回も、防衛省も調査チームを昨日省内に設置したそうですけれども、内輪で調べて病巣を特定できるのでしょうか。 大臣の場合は、この商工中金の問題はやはり外の目を入れて調査をするというふうに御決断をされました。それはどうしてなんでしょう。やはり外の目が必要だというふうにお感じになられたんでしょうか。
○国務大臣(世耕弘成君) 株式会社という形態である商工中金と各省庁の調査に関して同列に論ずるのはなかなか難しいというふうに思いますけれども、商工中金も第三者の目は入れていますが、調査自体は商工中金自らの手で行っているわけであります。 具体的には、商工中金が設置をした第三者委員会による約二・八万件の調査をやり、その後、不正の全容解明のために、これは特に融資のデータの改ざんということがありましたから、これは弁護士とか特に会計士といった外部の専門家の手も借りて参画をいただきながら全容解明をして、そして危機対応融資二十二万件の全件調査というのを行ったということであると思っています。
○伊藤孝恵君 大臣のおっしゃるとおりです。株式会社と行政というのを同列で比べることはできません。当たり前です。行政の方がより厳しくそういったところの調査をしていかなきゃいけない、そういったものだと思います。 政権とか行政が信用されなくなってしまっては、内外に影響力を行使することはできません。ですから、つまりは国家を代表できないというか、行政が信頼できなければ国家のフレームが壊れてしまいますので、より厳しいそういった倫理観を持って調査をすべきだというふうに思います。 私は予算委員なんですけれども、予算委員会の審議の中で本当に残念に思ったのが、ある与党議員の心ない質問に対し太田理財局長が、それは幾ら何でも、それは幾ら何でもというふうに、絞り出すように御容赦くださいと何度も何度も吐き出すように答えたあの一連のやり取り、非常に残念に思いました。 その与党議員の発言は不適切だとされ、議事録からの削除が決まりましたけれども、大臣は、国会議員が国会の中で発言した内容が削除される、それも、そのものが丸ごと、あったものがなかったもののように削除されてしまうということについてどう思われますか。
○国務大臣(世耕弘成君) これはあくまでも国会の中で削除も含めて判断されることでありますので、議員個人として申し上げたいことは幾つかありますし、私も過去削除になった経験もありますが、それは別に変なことを言ったというよりも、ちょっと与野党の調整の中で削除になったということもありますけれども、閣僚の立場でコメントすることは控えさせていただきたいと思います。
○伊藤孝恵君 おっしゃるとおり、国会法や衆参両院規程によると、秩序を乱し又は議院の品位を傷つけるときは発言を取り消させるという規定に基づいて、与野党で合意して削除をしている。国会の取決めの中でというふうにおっしゃいましたが、そのとおり。 ただ一方で、衆院規則の二百三条でも、議事録の訂正については「演説の趣旨を変更することはできない。」と定めて、安易な変更に抑制的な姿勢を示しておりますし、やはりそのままの発言だけがその時代の空気を反映できる。発言した政治家の資質、発言のきっかけになった政治的背景を知る、そのための材料として、それが史実として価値があると。削除は容易に過ぎる、容易に削除できる議事録では歴史の検証たり得ないと、そういうようなことを言う方もいらっしゃいます。 この政治家の責任は時間を超えて評価される、評価するためには記録が不可欠だというふうに私も思います。今回の発言は、太田理財局長の名誉を毀損したのみならず、現役公務員の方たちも、もう非常に悔しかったというふうに思います。議員は国会での発言に責任を負うべきで、削除は適当だったのか、私は甚だ疑問に思っております。 大臣としては、個人的なことは、たくさん言いたいことはあるというふうにおっしゃっておりましたが、是非、この機会ですから、一議員としてもしたくさん言いたいことがあるのの一片でもお述べいただければ。
○国務大臣(世耕弘成君) 議員の院内での発言というのは、これは憲法上、院の外で責任は問われないと、それだけ憲法上もこの発言の自由が約束をされて、自由な雰囲気の中できちっと思うところを述べれるようになっているということだというふうに思います。それゆえに、院内における発言というのはやはり重みを持ったものでありますから、きちっと中身を詰めて発言をしなければいけないと思います。 今御指摘の発言については、質問した方本人も太田局長に対してきちっと対話もされているようでありますから、そういったことも踏まえて、今後、まあ私だっていつ口を滑らせるリスクもあるかも分かりませんから、慎重にも慎重な上で、憲法上保障された非常に重要な権限を院内では行使しているんだという思いで発言をしていかなければいけないというふうに思っております。
○伊藤孝恵君 どんな発言か、なぜ訂正されたのかと、その経緯も含めて全く今確認ができないということについて疑問があるという思いを述べさせていただきました。 ちなみに、余談になりますが、フランスの子供たちって消しゴムを使わないそうです。ドイツはいっぱい万年筆の有名なメーカーありますけれども、ドイツでは子供の万年筆とかもいっぱい置いてあるそうです。幼児教育の一環として、ボールペンとか万年筆を使って学ぶように、そういった国なんだそうです。それは何でかというと、やはり間違ったということを認識する、間違ったということを忘れないでいる、あったことをなかったことにしないという教育なんだそうです。 間違いに気付いたら、斜線を引いて訂正をする。それで、本当に大切なのは、間違ったことを自覚して、それから、何でも、誰でも間違いはあります。だけれども、そういった、人を傷つけないように、その発言が適切かどうか、それを自分に問いながら残していく。特に、我々国会議員ですから、国会議員自らがあったことをなかったようにする、子供たちにそういった姿を見せられるのか、そんな疑問があります。 今日は、大臣所信に沿って今から質問させていただきます。 まず初めに、プロジェクト型の規制のサンドボックスについて伺います。 この創設の意図については、平成二十九年六月九日閣議決定の未来投資戦略二〇一七に書かれております。試行錯誤によるビジネスモデルの発展を促す規制のサンドボックス制度について必要な法制上の措置を講ずる、中略、各省庁の担当部門は、規制の執行部門とは異なる部分とし、イノベーションを推進する観点から推進に責任を有するトップ直轄の部局とするというふうに書いてございます。 これ、規制のサンドボックスなんですけれども、国家戦略特区じゃ駄目だったんでしょうか。
○国務大臣(世耕弘成君) 国家戦略特区のいわゆるサンドボックス的な機能もあるんですけれども、これは非常に地域が限定される等の問題があったわけであります。 今回の規制のサンドボックス制度は、あくまでも期間と参加するメンバーを限定をして行うという意味で、国家戦略特区におけるサンドボックス的なものとは違いがあるんだろうというふうに思っております。
○伊藤孝恵君 イノベーションとか新しい産業を創出する上では、規制にとらわれないでまずやってみる、フィージビリティースタディーの場ができる環境が必要なんだと、その上で必要な法整備を整えていくというのは賛成です。 そうなんですけれども、一方で、最も尊重されるべきというのは消費者の安全であり、安心であり、そういったものを第一線で守ってきた人たちの意見が最終的に採用されるかどうかというのがすごい大事な仕組みになってくるというふうに思います。 その意味で、一点だけ、非常に大事なことなので確認させてください。これ、最終的に主務大臣がNGというふうに言えるのか否かということについて教えてください。
○国務大臣(世耕弘成君) 生産性向上特別措置法案の第十一条第四項において、主務大臣は、革新的事業活動評価委員会の意見を踏まえ、新技術等の実証計画を円滑かつ確実に実施されると見込まれること、当該計画の内容が新技術実証に関係する規定に違反するものではないことなどを確認の上、計画を認定するというふうに規定をされております。 事業者が提出をする計画が例えば法令違反の疑義がある場合には、内容を確認した上で、関係法令に違反するものでないと認められないなどこれらの要件に該当しないと主務大臣が判断する場合には、当然、主務大臣は事業者が提出する計画を認定しないことが可能となっております。また、認定しない場合には、同条第六項に基づいて、申請者に対して速やかにその旨と理由を通知することというふうになっております。
○伊藤孝恵君 分かりやすい説明、ありがとうございました。 とすれば、第一条の第四の六、主務大臣は、申請者に対し、速やかにその旨及び理由を通知するものとするというので、担当の国務大臣が、これは駄目だと、ファジーな中で進めてみたが、これはやっぱり法令違反だというものであればNGと言い切ることができるというのは、ここの条文、第十一条の六で担保されているという認識でよろしいんでしょうか。
○国務大臣(世耕弘成君) 第十一条の六は、これは、認定しないときは当事者に通知をするということを定めているというふうに理解していますが。
○伊藤孝恵君 済みません、おっしゃるように、じゃ、第十一条四の三で担保されているということでしょうか。
○国務大臣(世耕弘成君) まさに第十一条四の三は、当該新技術等実証計画の内容がこの法律及び法律に基づく命令並びに前項第六号に掲げる新技術等関係規定に違反するものでないことというふうに定められております。
○伊藤孝恵君 安心しました。 この評価委員会というのが、まだ内容が決まっていないというふうに聞きました。ただ、内閣総理大臣を通じて勧告ができたり内閣総理大臣から任命されたりというようなところが評価委員会だというふうに認識しておりますけれども、この組織の権限とか優位性とかメンバー構成とか、全く決まっていないんでしょうか、それとも何か決まっていることあるんでしょうか。
○国務大臣(世耕弘成君) 革新的事業活動評価委員会というのは、主務大臣が実証計画を認定するに当たって、専門的でかつ客観的な観点から実証計画の経済全般への効果に関する評価を行って、主務大臣に対して意見を述べるということになっています。これは、主務大臣が適切な判断を行うに当たって意見を聴くものでありまして、最終的な認定は主務大臣が行うという立て付けになっております。 評価委員会の委員については、各省庁の所掌の枠を超えた幅広い分野、領域に及ぶ内外の社会経済情勢及び革新的事業活動の動向に関して優れた識見を有する者を任命することとなっております。任命は、評価委員会を主管する内閣府の長ということですから、内閣総理大臣が行うことになります。委員の人選については、委員によって代表される意見、学識、経験などが公正で均衡の取れた中身になるよう留意をすることとなっております。
○伊藤孝恵君 今の評価委員会というのがオーバーライドしないということだったので安心したんですが、今やっぱり内閣総理大臣の任命とか規制緩和とか聞くと、やはり森友とか加計とかスパコンとか頭をよぎるわけなんです。心配になるのが今のこの永田町の偽らざる空気だというふうに思います。 でも、この規制のサンドボックスの肝は、いかにこの評価委員会を機能させるかに懸かっているというふうに思います。人選には透明性が保たれて、そして、有識者はその専門性をちゃんと持ち寄って知見を蓄積して、評価のみならず、最終的にはマッチング機能というか、ここにいろいろな、まだ世に出ていない新しい知見、このAとBをくっつけるともっと良いものになるのにというような、そういったマッチング機能も持ち得るような、そういうような専門性のある、そういった機関にしていただくようにお願いをしたいというふうに思います。 ここからは、中小企業と働き方改革という観点で幾つか質問させていただきます。 まずは、大臣、プレミアムフライデーについてお伺いいたします。 昨年の二月二十四日、記念すべき初のプレミアムフライデーは、大臣、カーリングを楽しまれている様子、各種報道で拝見しましたけれども、翌月のプレミアムフライデーは何されていたんですか。
○国務大臣(世耕弘成君) ちょっと今記憶をたどっていますが、私、プレミアムフライデーで真っ先にやりたかったことが、一回目はカーリングをやりましたが、明るいうちにお酒を飲むということでありましたので、多分、友人と夕方四時ぐらいからバーへ行ってゆっくり飲んだんじゃないかというふうに覚えております。
○伊藤孝恵君 いいですね、友人とバー。その次、四月は何されたんですか。
○国務大臣(世耕弘成君) これ、四月は、恐らくゴールデンウイークの入口になったので、海外出張が入って、多分実行できなかったのではないかというふうに思っています。
○伊藤孝恵君 大臣日程までは要求いたしませんが、五月、六月、七月等々、毎月毎月プレミアムフライデーは、大臣はよく隗より始めよというふうにおっしゃいますけれども、実行されているんでしょうか。
○国務大臣(世耕弘成君) 基本的には実行しています。 ショッピングに行ったりとか家族で出かけたこともありますし、できない場合というのは、大体海外出張がもう金曜の夕方から入るというようなときはできなかったですし、国会がある場合もできないということになるわけでございます。
○伊藤孝恵君 大臣のオフィシャルサイトをよくよく拝見させていただいているんですけれども、やっぱり買物、外食、観光、ボランティア、旅行等々を大臣は勧められておられますけれども、このプレミアムフライデーについては九割の人が認知をされています。にもかかわらず、一一・二%の人しか実行していないというのが実情でございます。 この一一・二%を企業別にしてみますと、大企業が一六・四%、中小零細は一〇・二%、やはり隔たりがある。ここの部分、どう分析されていますか。
○国務大臣(世耕弘成君) 今御指摘のとおり、認知度が九割というのは、これは逆にクールビズとかよりも割と早く認知が浸透したかなというふうに思っています。ただ、やはり早く帰るということが一つ活動の大きなポイントになりますので、そういう意味で、実行となると、ネクタイ外せば済むクールビズとは、まあネクタイ外せば済むとは言いません、冷房温度も二十八度にしなきゃいけないんですが、それと比べると、やはりちょっと実行をするハードルはやや高いのかなと。そういう意味で、実施率に格差が出ているということだと思います。 また、大企業と中小企業の間でも格差があるというのは事実だと思います。やはり大企業の下請取引が中心になっている中小企業で、納期との関係とかあるいは相手がいる限り帰れないとか、そういった観点があるんだろうというふうに思っています。この点の問題は我々も認識をしていて、必ずしも月末金曜日にこだわるんではなくて、振り替えて別の日に早帰りをして自分の生活を楽しむということでもいいですよということで、少し運用にも幅を持たせるというような努力もさせていただいております。
○伊藤孝恵君 余りそんな幅があるとプレミアムフライデーの意味がなくなっちゃうと思うので。 おっしゃるように、格差の要因というのは月末の金曜日です。社員がやっぱり早帰りできる環境にある一部の企業とそうでない企業が、社会が二極化している実情があることというのが如実に表れている数字だなというふうに私は思いました。残業するのは顧客の突発的な仕事が発生することによるということや仕事の絶対量が多いからであるということは、厚生労働省が発表しています平成二十八年版過労死等防止対策白書などで明らかになっております。 結局、この働き方改革文脈のプレミアムフライデーというのは根本的、普遍的矛盾を抱えているんだというふうに思います。仕事の絶対量、任せ方の問題、大企業と中小零細という問題、それは個社の問題に矮小化してしまうと、ただふわっと、何とか社会に余裕と潤いを取り戻してもらいたいという経済産業省と経団連の切なる願いでプレミアムフライデーを続けるのであれば今後もブレークしないと思いますので、今後どういうふうな施策を打っていくか、大臣の御所見、お聞かせください。
○国務大臣(世耕弘成君) 地方とか中小企業での浸透という点では、成功事例も出てきていると思っています。例えば静岡市では、市や商工会議所が職員や会員企業に早期退社を呼びかけて、三百六十五の協力企業が商店街やお店でイベントを実施するということで、まさに働き方改革と消費喚起一体となった取組が推進をされています。また、ある中小企業では、早期退社によって残業時間を一〇%削減をする、また認知度向上などによって売上げを一〇%増加させるなど、生産性の向上も実現しているというような実例も出てきております。 また、私、今年の春闘で非常に注目したいのは、一時間単位の有給休暇というのを導入するという春闘の結果が出ている組合、企業もあるわけであります。これなんかは、まさに一時間単位の有給休暇を使えば、例えば三時に帰るなんということは非常に気軽にできるように、今日はもう三時から有休を取りますということも可能になるわけでありまして、こういったいろんな取組が出てきて、まだ一年ですから、もう少し時間を掛けながら、これも目を三角にして達成率何%というよりは楽しく、月末の金曜日を楽しんで、そして働き方改革と消費喚起をやりましょうという趣旨で息長く進めていくべきではないかなというふうに思っています。
○伊藤孝恵君 楽しく進めたいんですけど、主に取り組んでいるというか、大臣もお酒を飲みに行ったりとかカーリングでデパートに行かれたりとかいうことでしたけど、やっぱり取り組んでいるのはサービス業なんですよね、サービスを提供している側というのはサービス業の方たち。日本のGDPベースでも就業者ベースでも、全体の約七割を占めているのがサービス業です。この人たちがプレミアムフライデーを謳歌できないで働いているという、そういった矛盾についてはどういうふうにお感じになりますか。
○国務大臣(世耕弘成君) それは御指摘のとおりだと思います。特に小売業、サービス業、飲食業、こういう方々は逆にプレミアムフライデーの受皿的なところでもあるわけであります。ですから、そういう方々におかれては、まずはプレミアムフライデーはビジネスチャンスとして捉えていただいて、消費者に対して豊かさを実感してもらえるような商品、サービスの提供を通じてまず消費の活性化に御貢献いただきたいと思いますし、そしてその上で、少し振替を使って、小売、サービスの皆さんは別のところで早く帰るということを交代でやっていただくというような工夫が要るんではないかというふうに思います。 昨年十月からこの振替でやりましょうということも推奨を始めてきたわけですが、その結果、月末金曜日の早期退社の実施率が一割というところに対して、振替を含むと実施率は二割ということになっています。 私自身も今月は振替なんです。三月のやつ、金曜日を振り替えて、あした振替の権限を行使しているんです。その心は、もう何か月も前に宣言をしていまして、それは花見をしようと思っていたんです。ただ、二つの意味で読みを誤りまして、花は散ってしまったということと、あした衆議院の経産委員会が夕方まで入るということであります。
○伊藤孝恵君 残念です。 大臣所信を拝見していると、このプレミアムフライデーにサービス業の、レストランへ行っただの旅行へ行っただのというんじゃなくて、やっぱりリカレント教育とかというところも今後文脈に入ってくるのかなというふうに思いましたが、やはりいろんなところから一度総括してみるべきとか、二億円もお金使って広告したわけですから、効果検証の方法も含めて是非活発に御議論いただきたいというふうに思います。 さて、働き方改革の議論をする上でちょっと面白い考察をしている方がいらっしゃったので、資料六を御覧ください。こちらは労働問題が御専門の千葉商科大学の常見陽平専任講師が作成された資料ですが、働き方改革を各政党の公約からという、ちょっと独特の切り口で検証されているので添付をさせていただきました。 これ、どういうところを見ていただきたいかというと、やはり働き方改革というと一人一人が、我々は、労働者の命を守る、安心して働く、今後どんなライフスタイルを目指すのかというところを主体的に設定してもらって、それをかなえるためにどんな法律や制度があるのかというような、そういったような公約になっていたり、そういった働き方の文脈だと捉えているんですけれども、与党は経済政策としての働き方改革、労働の動員を増やすということ、それからコストを下げるということ。よく総理が世界一企業が活躍しやすい国を目指すというふうにおっしゃいますが、まさにそのツールのための、経営者目線の働き方改革なんだというふうにこの資料を見て妙に納得したわけであります。 所信の中にもありましたけれども、今やはり深刻な人手不足に直面しているのは中小企業、それから小規模事業者の方々です。そういった方々への支援について伺います。 大臣は、三年間で百万者にITツールの導入を支援し、生産性向上を進めますというふうに述べられました。実際、二十九年度補正にも五百億円が計上されております。主にどんな分野への支援なんでしょうか。 それから、大臣は生産性向上というふうに言いますけれども、まず初めの一歩というのは何だというふうに御認識されているか、お答えください。
○国務大臣(世耕弘成君) 特にITツールを導入した生産性の向上という観点でいきますと、やはりサービス業が多くなってくる、特に中小のサービス業というのが一番大きなターゲット。別にこれはそこに限った施策ではありませんけれども、やはりまだIT化が遅れていて、それが原因で生産性が低いということになると、やはり中小のサービス業がまず大きなターゲットになってくるのかなというふうに思っています。 そういう意味で、補正予算で五百億円を確保をさせていただきました。これで中小サービス業などを中心に約十三万者を直接支援をすることにしています。この補助金でITツールを導入して活用していただくことによって、大企業ではもう当たり前になっている例えば財務会計情報ですとかあるいは勤怠情報ですね、出勤の状況ですとか、こういった勤怠情報を含めた経営状況の見える化を通じて生産性の向上に努めていきたいというふうに考えております。さらに、十三万者でとどまるわけにはいきませんので、これをもっと水平展開をして百万者ぐらいに、このITツール導入による経営改善、生産性向上をやっていただきたいというふうに考えています。
○伊藤孝恵君 私、やっぱり生産性向上をまず語るんだったら、まずはやっぱり業務の見える化というか、そこの計測って絶対に必要だというふうに思います。ちゃんと見える化をして、勤務時間とか在庫状況、特にサービス業はそうですけれども、そういった基準、標準を設けて、それを基に正常か異常かというのを判断して、それを改善を加えていく。あらゆるものを見える化していくためにこの予算を使っていただきたいなというふうに思っております。 今、働き方改革法案で、罰則付きの残業上限規制について中小企業への配慮が足りないというふうで、与党内で了承が持ち越しになっているというようなニュースを拝見しましたが、正確にはこれ、中小企業への配慮じゃなくて、中小企業の経営者への配慮が足りないというような意味なのかなというふうに思います。人がいなくて業務があって、残業の上限規制をしてしまうと誰が働くんだ、そんな罰則規定を設けるのはもっと後にしてくれというようなことを言っているというようなニュースを拝見しましたけれども、中小企業の従業員を過労から守るというような観点では全くないんだなと。 そもそも、中小企業の経営者を応援するつもりがあるのであれば、残業できるようにというんじゃなくて、業務の見える化をして、ここの、よく日本って空白の石版って言われますけれども、一人の人に対してどんどんどんどん業務が積まれていってというものではなくて、欧米のようにやはり業務というのを見える化して、この業務にこの人を就ける、この人とこの人を就けるというようなふうにならなければ、そもそもこの残業という日本全体がとらわれている病からは脱せないんじゃないかと、中小企業はもっとそうだというふうに思います。 そういった意味で、ちゃんと採用ができる、そういったようなフォローもしていくべきだというふうに思いますけれども、大臣、就活二〇二〇年問題というのを御存じでしょうか。
○国務大臣(世耕弘成君) 聞いております。
○伊藤孝恵君 その就活二〇二〇年問題というのが中小企業にどういった影響を与えるというふうに思っていらっしゃいますか。何か影響がある、又はない、どう思っていらっしゃいますか。
○国務大臣(世耕弘成君) これ、直接的に今、私もなかなか見通せないわけですが、いわゆる就活二〇二〇年問題というのは、オリンピックが開催される年であるため、就職・採用活動の特に場ですね、これがなかなか取れないんじゃないかということを言われているわけであり、まさに夏に当たりますから、もうどんぴしゃ、もうオリンピックの大会中、事前準備で展示会ができないというような問題はまた別途あるんですけれども、もうまさにオリンピックの期間中にぶつかるということになるわけであります。 大企業であれば、恐らく自分の会社に学生を呼んで説明会とかいうことで、いろんなスペースも持っていますから対応可能かもしれませんけれども、中小企業の場合は、大きなイベント会場を使って、中小企業が全部一体となってちょっとマッチング、お見合いみたいな形の大規模な面接会場などが設定されますから、そういう意味で、それが例えば東京ビッグサイトが使えないというようなことになると、それが開催できないということになると、中小企業の採用活動には影響が出るのではないかというふうに思います。 ただ、当然、首都圏にはほかにもいろんなイベント会場もありますから、そういったところで代替をするとか、いろんな形で影響を最小限に抑える努力をしていかなければいけないというふうに思っております。
○伊藤孝恵君 そういった影響も多分にあると思いますし、やはりネットでウエブ面接とかそういったものが加速するというところ、箱を押さえられなくて場所を提供できないのでウエブで面接をするというようなところも加速をしていくんじゃないかというふうにおっしゃっている方もいます。 実際に、あるネット広告会社が、今春、この春の入社の新卒採用からウエブ面接を導入したそうです。首都圏と関西を除く大学の学生が対象で、ウエブだけで内々定までたどり着けると。地方学生のエントリー数がやっぱり倍増したそうです。そういうウエブ採用とかスカイプ採用、AI活用採用なんかが本格化する、どんどんどんどん採られてしまう。 そういったようなITリテラシーが決して高くはなかったり、そういったウエブ採用をどういうふうにしていいか分からなかったり、投資ができなかったり、大きい会場でセミナーで偶然出会えていた、そんなような出会いの場も取られてしまうとしたら、先ほどの話じゃないですけれども、その予算というのを、ITの活用予算というところを、こういった、人を採る、そもそも残業ができるようにしてあげるというフォローの仕方じゃなくて、しっかりと人が採れるように、そこでITを使っていただくというような、そんなようなところも持っていただきたいなというふうに思います。 時間が限られておりますので、ちょっと一問飛ばしまして、今日は公正取引委員長にお越しいただいております。 今回、フリーランスというところで、独占禁止法で保護されるということを、初めてだと思いますけれども、発表されました。これはどういった背景からなんでしょうか。
○政府特別補佐人(杉本和行君) 現状、フリーランスを始めとする個人の働き方が多様化しているという方向にあると思っております。さらに、IT社会が進展しまして、クラウドソーシングのようなものも増加している。また、労働人口も減少しているということを背景といたしまして、人材獲得をめぐる市場の活性化、活発化という方向にもあると思っております。 そうした現状を考えますと、この雇用市場、雇用市場と申しますか、その人材の市場における反競争的行為というものに目を向けていく必要があると思っております。そうしたことを通じて、公正かつ自由な競争という環境が整備されれば、役務の価値を適切に踏まえた正当な報酬が実現し、かつ労働力の需給マッチングを高め、社会全体における人材の適材適所の配置というものにも寄与することとなり、経済全体の価値が上がるものじゃないかと考えているところでございます。 こうした背景から、使用者の人材獲得競争等に関する独占競争法の適用の必要性、妥当性を理論的に整理するために有識者から成る検討会を設置しまして、検討結果としての報告書を取りまとめまして、先般公表したところでございます。
○伊藤孝恵君 法律の空白地帯と言われてきたフリーランスであるとか、これから増えるであろうギグエコノミーで働く人たちを守るための大きな一歩前進だというふうに思いますが、やはり労働法制下で守ってさしあげたいなというところはあります。 実際に、フリーランスと女性の経営者というのが非常に増加をしております。一説にはもう一千万人を超えたというふうに言われておりますし、お手元の資料一を御覧ください。これ、経済産業省が出してくださった、まとめてくださった非常に分かりやすい資料なんですけれども、フリーランスや経営者の方には産前産後休業制度、いわゆる産休とか、育児休業制度、いわゆる育休のみならず出産手当金も育児休業給付金もないんです。産前産後及び子育て休業期間中の社会保険料の免除もない。いわく、休む権利もお金も、被雇用者には適用される免除制度すらないと。彼女たちの多くが途方に暮れながら、顧客との関係もあり、四四・八%が産後一か月以内に仕事に復帰をしています。 会社員の女性が出産した場合には母体保護のため産後八週間は働かせてはならないと労働基準法は定めておりますが、フリーランスの母体保護は要らないんでしょうかと。会社やフリーランスや経営者、女性であること、産むことに違いはありません。多様な働き方を進めるのであれば、大臣、こういった状況も改善していかなきゃいけないと思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(世耕弘成君) ちょっとこれ、資料は経産省じゃないんですね。これ、雇用関係によらない働き方と子育て研究会という研究会の方がまとめた資料で、議事録削除じゃなくても別に構いませんけれども、経産省作成ではないということはちょっとお断りしておきたいと思います。 私、人生百年時代においては、働き手のニーズや価値観の多様化に対応して、時間や場所にとらわれない多様で柔軟な働き方を実現すること、それによって働き手一人一人の能力を最大限引き出すことが重要だと思っています。それらの一環として、フリーランスや経営者など、いわゆる企業に雇用されていない立場での働き方も増えてきていると承知をしております。 フリーランスについては、ただ、あくまでも働く個人一人一人のニーズに即した選択肢としての位置付けでありまして、企業に雇用されている人材を無理にフリーランスにするという趣旨ではありません。また、今御指摘のフリーランスあるいは女性経営者のための環境整備については、今厚労省において保護などの在り方について検討しているところと承知をしております。 経産省としても、多様で柔軟な働き方の環境整備は非常に重要だと考えておりまして、引き続き厚労省など関係省庁と連携をしてしっかりと取り組んでまいりたいと思います。
○伊藤孝恵君 前向きな御答弁、ありがとうございました。 この働き方に中立な社会保障の実現の意味で、こうしたフリーランスの方々も、もちろん公平に保険料を負担する形で、労災保険とか育児、介護を伴う休業制度や給付金制度等に代替する仕組みをつくることも併せて御検討いただきたいというふうに思います。 あと一分ですので、この資料三、御覧ください。これ、非常に興味深い資料で、ちょうど二十一年前、共働きと片働きの御家庭がエックスしているんです、反転しているんです。ちょうどこの年、実質賃金指数と実質家計消費支出が落ちている、この年を境にずっと右肩下がりなんですけれども、このとき、お母さんも外に働きに行く、行かなきゃいけないというときに、例えば、この国会でしっかりと男性の育休に関する議論があったのならば、この国に今この現在、待機児童問題とかあったのかなというふうに思ったりします。 そういった意味で、私、この国会で初めて男性の育休について議論されたのはいつなんだろうというのを調べましたら、非常に面白いデータがあったので最後に付け加えています。三十七年前から実は議論されていました。婦人問題についての初の集中審議、参議院で議論がされていました。こういったこの時代の節目というのをしっかりと経済産業委員会というところが捉えて、この未来の世代に、未来のお父さん、お母さんたちに突っ込まれないようなしっかりとした法整備を一緒にさせていただきたいというふうにお願いをいたしまして、質問を終わらせていただきます。
○矢倉克夫君 公明党の矢倉克夫です。よろしくお願いいたします。 私からは、まず、所信で大臣、経済産業省の最重要課題とおっしゃっていただいた福島の復興につきまして御質問したいというふうに思います。 特に、大臣も所信でおっしゃっていただいた、なりわいの再建というのが非常に重要である、いろいろ産業としての農林水産業の再建というのも非常に重要であるかなというふうに思っております。私も、農水の大臣政務官させていただいた折、もう月に何度も福島の方には入らせていただいて、葛尾や飯舘であったり、また川俣であったり、また南相馬などを回って、少人数の農業者の方といろいろ話もいたしました。 本当に感じたのは、福島の農産品、水産物も含めて、本当に世界一これは安全であるなと。全量全袋検査などをして全く異常もない、そこまでしっかり検査をして安全性がアピールできているのはほかにはないというふうに思います。また、GAPの振興なども、ある意味何とか乗り越えようという思いで、どこよりも早く生産工程の見える化なども進められている。しかし、なかなか売れない、売れるにしても安いというのは、これは安全性に対する理解不足というこの風評の問題だけではなく、やはり流通の問題もあるのかもしれないなという思いにあったところであります。 そんな中、農水省が今回、今日来ていただいておりますが、福島県産の農産物等流通実態調査、これを発表されました。改めてこの内容についてお伺いをしたいというふうに思います。
○政府参考人(小野稔君) お答え申し上げます。 福島県産農産物等の風評被害の実態調査につきましては、昨年五月に施行されました改正福島特措法に基づきまして、昨年度初めて実施いたしました。去る三月二十八日に公表いたしたところでございます。 この調査では、福島県内のほか、首都圏、関西圏を中心にいたしまして、米、畜産物、青果物、キノコ、水産物から計二十品目につきまして調査を行いました。調査方法でございますけれども、生産者、卸売業者、小売業者、それから外食・中食業者等に対しましてヒアリング調査を行ったと。それから、消費者に対しましてアンケート調査を行っております。 調査結果でございますけれども、価格水準につきましては、全体として震災前の水準にまでは回復していないということ、それから、消費者からは福島県産という理由でのクレームは現在ほとんどないということ、小売業者からは、一度他の産地に切り替えた米や牛肉等につきまして、福島県産に戻す理由やきっかけが見出しづらいという意見があるといった実態が明らかになっております。 こうした実態に即しまして、福島県産の米や牛肉では品質面で値頃感が強くなっております。外食や中食等の業務用の需要が強まっているということですけれども、仕入価格が固定化するため取引価格の上昇が見込みにくいといった課題も挙げられております。 調査の概要につきましては以上でございます。
○矢倉克夫君 ありがとうございます。 結論だけで結構なんですが、例えば、消費者の方からも、むしろ福島を応援するために福島県産を積極的に購入するという声もあるという調査結果が出たというのも聞いております。他方で、小売の方は、福島産を置くことについて具体的なクレームがあるわけではないんだが、対応がなかなか難しいということを配慮してなかなか置かないというような結果もあるというふうにお伺いしたところでありますが、それは結論として、報告としてなされていたんでしょうか、そこだけ教えていただければ。
○政府参考人(小野稔君) おっしゃったとおりでございます。
○矢倉克夫君 ありがとうございます。 今確認させていただいたとおり、この報告から見えてきているところは、いろいろ事情もある中で流通の問題として一つ言えるところは、福島県産であるということ。これは、消費者の方はむしろ福島県産であるということをまた理由にして買いたいというようなニーズは確かに声としてあるんだが、小売業者の方は産地照会を受けた際の説明に苦慮するであったり、仲卸なども、やはり販売先が福島県産以外を希望していると想定しているという、この想定の下でなかなか置かないというような、その辺りもある。 これ、他方で需要はあるわけであります。その需要にしっかり取り組むような流通の動きがやはりない。そこには情報のミスマッチというのがやはりあるのかなと。潜在的需要としてしっかりこういうものがあるんだということを発信して、それを小売等に置いてもらうことで福島県産品の流通というのが非常にまた更に良くなっていくんじゃないかというようなところもあるかと思いますが、その辺りの流通の問題は経済産業省もまた関わるべきところだと思います。 経産省としてどのようにこの辺りのミスマッチを解消されるのか、お取組をおっしゃっていただければというふうに思います。
○政府参考人(松永明君) 経済産業省といたしましては、これまでも、流通業十団体に対しまして福島県産品の販売促進の要請を実施したところでございます。また、産業界に対しまして福島県産品を取り扱う小売店等の情報提供を行うことで誘客を促進してきたところでございます。 さらに、今回の調査結果を踏まえまして、これらに加えまして、小売、流通業の方々に、消費者の中に是非福島県産品を応援したいという声があるということ、それから、福島県産品を適切に扱っていただくように流通業界の方にも言っていただくということ、こういったことを農林水産省を始めとする関係省庁や福島県と連携しつつ、しっかり説明や要請を行ってまいりたいと思っております。 具体的には、現在、関係省庁や福島県、JA等と福島県農林水産物の風評払拭対策協議会、こういったものも開催をしているところでございまして、まず、こういった場で調査結果を踏まえた対応について議論、検討を進めてまいりたいと、かように考えております。
○矢倉克夫君 是非引き続きよろしくお願いいたします。私のところにも、福島県産のものを買いたいんだけどどこで買っていいか分からないとか、そういう声も実はあるところであります。そういった声にしっかり対応できるような流通の在り方というのを是非引き続きよろしくお願いいたします。 大臣にお願いしたいところなんですが、この福島県産のアピール、安全であるということも含めてそれを内外に発信していただきたいなと。また、正確な情報の提供というのを大臣のその発信力から更にしていただきたいなというふうに思っております。 私も政務官をやらせていただいたとき、ダボスで行われたWTOの非公式の閣僚会合へ行って香港の高官と立ち話をしたところ、例えば福島の中で今回は帰還困難区域がこれぐらいの割合でとかそういう話をすると、びっくりするような顔するんですよね。福島のエリアの中でどれくらいのパーセンテージかという基礎的なところも知らず、その上さらに、さらに広域な輸入規制をしているという、そういうところからして認識がまず違うのかということを理解をして、びっくりした記憶もあります。 輸入規制の問題もあるわけなんですけど、これは外務、農水がやられているというふうにありますが、この公的な規制のルートを解除するというところとはまた別に、より正確な情報提供というのをオールジャパンでやっていく必要はやはりあるかなというふうに思っております。 是非、いろんなところで海外の方々、特に貿易関係の方とお会いする際は福島のことをまたいろいろと発信していっていただきたいなというふうに思いますが、大臣から意気込みをいただければというふうに思います。
○国務大臣(世耕弘成君) 私も海外の閣僚と会談する機会は非常に多いので、そういった機会を使って福島産を含む日本産食品の輸入規制の緩和、解除を申し入れさせてもらっております。また、総理も必ず首脳会談で、相手が規制をまだ掛けている国であれば必ず申入れも行いますし、目の前で福島県産のミネラルウオーターを飲んだり、あるいは毎日自分は福島産のお米を昼御飯に食べているというようなことをアピールして、風評の払拭に努めているところであります。 おっしゃるように、根源はやはり福島の現状を正確に理解をしていただくということだというふうに思います。もちろん、農産品に関しての誤解を解くということも重要なんですが、福島の現状をやはり正確に理解をしてもらうということが非常に重要だと思っていまして、今、これ高木副大臣時代に作っていただいたんですが、福島の今を伝える動画、DVDを作っています。ネットでももちろん見ていただけるようになっていますが、海外の要人にはそういったものも手渡しながら、是非福島の今の現状を見てくださいということをやらせてもいただいております。
○矢倉克夫君 是非よろしくお願いします。苦しんでいる福島が一番やはり幸せになっていくという必要あると思いますので、引き続き御尽力を御期待申し上げたいというふうに思います。 じゃ、続きまして、同じく所信でも大臣取り上げられていた、先ほども同僚議員が御質問されていた商工中金の件、お伺いをしたいというふうに思います。 この件、公的資金が投入されている部分でこのような不正があったということは大変残念なことでもあります。大臣も所信でおっしゃっていただいているとおりでありますが、これについてはしっかりと対応をお願いをしたいというふうに思っております。猛省もしていただいた上でお願いもしたいというふうに思っております。 背景には、やはり融資姿勢として量的拡大というところだけに行き過ぎている、それを厳しいノルマや、ある意味パワハラ的な動きで更に後押しをしてしまった結果がこういう形になったのかなというふうに思います。 やはり企業の文化、このビジネスモデルそのものも大きく変えて新しく生まれ変わった組織にならない限り、これは出直しはできないと。猛省をしていただいている部分であり、かなりその上ではこういった組織に生まれ変わるように、大臣のリーダーシップを是非取っていただきたいなというふうに思います。 大臣、所信で、新たなビジネスモデルということで、中小企業にとって付加価値の高い分野に重点化する新たなビジネスモデルというふうにおっしゃってくださっております。このビジネスモデルというのは何であるのか、また、それは中小企業が現下直面している課題にどう役に立つとお考えであるのか、大臣からまず御意見いただければというふうに思います。
○国務大臣(世耕弘成君) この問題に当たっては、有識者による商工中金の在り方検討会で御提言をいただきました。その提言の中では、例えば経営改善、事業再生、事業承継などに関して支援を必要としている中小企業ですとか、あるいはリスクの高い新事業に乗り出そうとしているけれどもうまく進められない中小企業、こういった中小企業にやはり手を差し伸べるべきだという御提言であったというふうに理解をしています。 その上で、商工中金は、新たなビジネスモデルとして、現状では地域の金融機関が担い切れていない銀行本来の機能である担保ですとか、あるいは個人保証などに頼らない事業性評価による融資ですとか、あるいは事業承継などを含めた課題解決提案型のビジネスですとか、きめ細かい経営支援、こういったことについてしっかりと強化をするということ。更に一歩進んだ先進的な取組として、例えば地域にとって存在していないと困るかけがえのない存在である中小企業の抜本的な事業再生、あるいは資本性ローンなどメザニンファイナンス、そして事業者のニーズを踏まえたMアンドAの仲介、こういったことにも積極的に対応してはどうかという御提言をいただいております。 こうした新たなビジネスモデルが構築できれば、中小企業にとっては、経営上の困難な課題に直面したときに単なる融資ではない手厚い支援を商工中金からこれまで以上に受けることが期待できるんではないかというふうに思っています。 むしろ、今、地域金融は飽和状態なわけです。今回の事案もその中で起こって、結局、危機対応融資を武器として使って、その薄利多売の中で更に薄利で売っていくというようなことをやったのが今回の事案の根本的なポイントだというふうに思っていまして、こんなものは持続可能ではないわけでありますから、商工中金にとっても、やっぱり真に中小企業に必要な支援を実施することが自らの経営を持続可能にできる唯一の道だというふうに考えています。 そして、中小企業がこうやって中小企業にとって付加価値の高い分野に業務を重点化して全面注力することによって、中小企業の生産性向上、成長に寄与してほしいというふうに思っておりますし、また逆に、地域金融改革の先兵となって他の地域金融機関の活性化、刺激にもなってほしいというふうに思っております。
○矢倉克夫君 ありがとうございます。 今大臣おっしゃったように、地域の中小企業にとってみたら、もっと金融機関に関わってもらいたいというニーズはあるのに、他方でそれに応えられていない、その上、また地域の金融機関は飽和状態であると。ここをどう突破していくのかという大きな問題の中での問題だったというふうに思います。 今おっしゃっていただいた、様々な業務をおっしゃっていただいた、これ全部今の地域の中小企業にとっては大事な金融機関の在り方なんですが、これは一つ一つ大変高度な技術も必要であるし、専門性が非常に強いものであります。これをやれといってもすぐになかなかできるかどうかというところが大きな問題、それがやれるような組織に変わっていかなければいけないという大きな命題が与えられたというふうに思います。特に、ここ最近は危機対応業務が多くなっていた商工中金でありますが、多くの方は、果たして本当に、こういうふうに言われたけど、商工中金が急にこういうことできるようになるのか、そのための人材の面も含めた体制の組みであるとか、こういうところができるのかというような疑問もあるかというふうに思います。 その辺りについては中小企業庁としてはどのように考えているのか、おっしゃっていただければ。
○政府参考人(安藤久佳君) お答え申し上げます。 今大臣が御答弁申し上げました機能はいずれも大切な機能でございますが、おっしゃるとおり、容易な道ではないと、このように思わせていただいております。 他方、先ほどお触れになられました在り方検討会、こちらの検討の中におきましては、多くの委員の皆様方から様々な御意見をいただきました。 例えば、かつての商工中金はこうした分野に地域金融機関と協調しながら取り組んで地域を支えてきたと、そうした姿をもう一度取り戻すべきではないかと、こういった御意見。また、中小企業に寄り添いたいという熱意を持って就職した優秀な人材というものがまだ残っていると、こういう御意見。また、DDSと言っておりますけれども、事業再生の一つの手法でございますが、こういったような事業再生の分野で商工中金というのは先駆者として新しい手法を開発してきた、あるいは事業性評価にも積極的に取り組んできたということで、まだまだノウハウ、実績というものがあるのではないかと、このような御意見もいただきました。したがいまして、大変厳しい道ではございますけれども、先ほどのビジネスモデルを実現するための土台はまだ十分にあるのではないかと、このような期待の声が多くあったわけでございます。 おっしゃるような、こういったノウハウを現実に開花をさせていくためには、外部の人材の最大限の活用、登用というものが必要だということであります。まず、今般、代表取締役として関根新社長が御就任をされました。御案内のとおり、金融実務に精通した地域密着型企業の立て直しのプロフェッショナルということでございます。まさに解体的出直しを託すにふさわしい人物だということで大臣からもコメントをいただいております。また、社外取締役、これは今後、新社長の下で体制をつくっていきますけれども、こちらにつきましても、過半以上を占めるという在り方検討会の御提言に沿った形で抜本的な外部人材の登用を図っていくということだと思っております。また、関根新社長も、幹部クラスだけではなくて一般の行員の皆さんに対しても組織としてしっかりと教育をして、顧客である中小企業の皆様とのコミュニケーションを通じた力をこれからしっかりと付けさせていくと、このようなことも御就任の会見のときに言っております。 したがいまして、大変厳しい道ではありますけれども、今後四年間、ビジネスモデルの確立に全面注力させる、そういった価値と期待は十分にあると、このように思っております。
○矢倉克夫君 ありがとうございます。 今手元に、私、商工中金が平成十七年に発出したニュースリリースあるんですけど、これ、流動資産一体担保型融資、いわゆるABLですね、これの第一号案件を実行したという動きであります。通常の担保に依存しないで、やはり普通に事業のライフサイクルというのがあるわけですけど、在庫が販売されたら売り掛けになって、売り掛けが回収されたら流動預金となる、それぞれの事業のライフサイクルをしっかり合わせて、そういう事業性に着目した形で融資をするというような取組の一環であるというふうに思います。 商工中金、昔は、こういうことを昔も今もやられていたかもしれないですけど、やはりやるDNAはあるんだなということを私もこれ見て改めて思ったわけであります。こういうところをしっかりとまた生かしていって、事業性に着目した融資、先ほど大臣が先兵というふうにおっしゃっていただきましたが、こういう金融の在り方というのをしっかりと切り開くような大きな組織変革、DNAの変更というものを是非やっていただきたいなと。 今日、金融庁に来ていただいております。中小企業にとっては、地域金融というのが非常に重要であります。それを地域の金融機関が含めた、果たして満たしているのかという問題意識はやはり一般的なものとしてある。それについて、地域の金融機関が果たすべき役割と、それとまた敷衍する形で商工中金が今後果たすべき、どういうところに期待をされているのか、答弁をいただければというふうに思います。
○政府参考人(伊野彰洋君) お答えいたします。 地域には、人口減少等といった厳しい経営環境に直面し、経営改善や事業再生、生産性向上が必要な企業が多数存在しております。地域金融機関は、こうした企業の事業内容や経営課題をよく理解し、経営改善や生産性向上といった価値向上につながる有益なアドバイスやファイナンスを提供することが重要であると考えております。こうした取組は、地域金融機関自身にとっても安定的な顧客基盤と収益の確保が可能となり、地域経済の活性化にも貢献することができるものと考えております。 金融庁といたしましては、商工中金が地域金融機関と信頼関係を築きながら連携、協業し、中小企業に対する支援に重点的に取り組むことにより、企業の生産性向上や地方創生に貢献していくことを期待しております。
○矢倉克夫君 特に格付の低いところの企業にやはり融資は滞っているなと。一般的な数値の部分だけで捉えて門前払いをしているというような金融機関がやはり多いかというふうに思います。そうではなくて、それぞれにしっかりとつながりを持って、どれだけ事業性、成長力があるのかという目利き力をしっかり発揮した金融の在り方というのは、これ地域経済にとっては非常に重要でありますし、是非、金融庁さんといたしましても、地域の金融機関と商工中金がしっかり連携をして、それぞれ競い合うような形で相互にいい相乗効果をもって、地域の金融にしっかりといい影響を与えるような体制を組んでいただければなというふうに思っております。大臣がおっしゃった、先兵としてという商工中金にしっかりまた期待を申し上げ、他方、しっかり監督官庁として是非監督を引き続きしていただければというふうに御期待を申し上げたいというふうに思います。 では、続きまして、ちょっと私、前回の予算の委嘱のときに質問し切れなかったものが一つあるので、それの関連でちょっともう一個質問をしたいというふうに思います。それは、経産省の健康寿命延伸産業創出推進事業というものに関連してでございます。 これ、六億円ぐらいの規模の予算であるわけですが、私、これに注目をしているのが、この中の一事業がいわゆるソーシャル・インパクト・ボンド、社会的課題に向けて民間の投資を呼び込む、それに応じて社会的課題が解決されることで行政コストがカットされる部分があれば、そのカットした分をリターンとして投資家の方にお戻しをするという、そういう民間資金を使った社会的な課題の解決という、こういう取組が含まれております。日本ではまだ例は少ないところでありますが、私としても是非これは成功をいただきたいというふうに思って注目をしております。 特に今、経産省さんが関わられている分野では、神戸市と八王子市の二つの事案があるというふうに理解をしておりますが、まず、その事案の概要について御説明いただければというふうに思います。
○政府参考人(藤木俊光君) お答え申し上げます。 現在、平成二十九年度から、神戸市と八王子市において、我が国初となりますヘルスケア分野におけるソーシャル・インパクト・ボンドを活用した案件がスタートしております。 具体的な内容を申し上げます。 神戸市におきましては、糖尿病性腎症者に対しまして、食事療法等の保健指導を行い、生活習慣の改善を通じて人工透析への移行等の重症化予防を目指すと、こういう事業内容になってございます。 また、八王子市におきましては、大腸がん検診の未受検者に対して、過去の検診、検査情報と人工知能を活用しまして個人に応じたオーダーメードの受診勧奨を行いまして大腸がんの早期発見者数増加を目指す事業、こういうものが実施されていると、こういった状況にございます。
○矢倉克夫君 今、事案、概要をいただいたわけでありますが、じゃ、そこから見える課題というのはどういうものか。今検証されている中でもしあれば、おっしゃっていただければ。
○政府参考人(藤木俊光君) 課題、両事案とも始まったばかりでありますけれども、一つは、このソーシャル・インパクト・ボンドという仕組みそのものに対する理解がまだまだ十分足りていない、まさにそういった仕組みの普及を図っていくということ、それから、当然これは、例えば糖尿病の重症化予防あるいは大腸がん検診の早期発見ということの成果をチェックしなければいけないんですが、その成果指標の設定ということについて、どうやって関係者間の合意を形成していくかといったようなことが共通の課題として言えるのではないかと思っております。
○矢倉克夫君 これ、改めてちょっと概要で確認なんですけど、これは普通は、今までの事案というのは、行政からの委託というのは、仕様を決めて、仕様、それを受託者に発注をするという形でありますが、ソーシャル・インパクト・ボンドの特徴というのは、行政が決めた仕様ではなくて、行政が決めた成果、成果を発注の基にして、どういうサービス内容をつくるのかというところは民間が自由に決めるというところでありますが、今回の事案はそちらについて成果発注という形になっているんでしょうか、そこだけ。
○政府参考人(藤木俊光君) お答え申し上げます。 今回、神戸市におきましては、糖尿病性の腎症、重症化しますと人工透析が必要になりますので、当然それに係る医療費が高騰するという問題がございます。したがいまして、さっき申し上げましたような糖尿病性腎症の方について保健指導あるいは食事指導ということを行うことでこの重症化を予防する、で、その発症が抑えられた割合に応じてお支払をする、市の方から予算が支給される。あるいは、八王子市においても、大腸がんの検診、進んでいないわけでございますが、この受診率が向上して、そして早期発見がなされる、この早期発見率の向上というところで指標を設けて、その指標に対してお支払をするというような形を取られているというふうに承知してございます。
○矢倉克夫君 ありがとうございます。少なくとも、成果に対する報酬という形にはなっているというところでは、ソーシャル・インパクト・ボンドの理念を、一部をやはり使っているところにあるかなというふうに思っております。 私、これは行政コストがカットされる、できるというところが一つ利益としては出ているところもあるかというふうに思うんですが、もう一つ、これがむしろ今後進めるべきなのは、やはり行政が今まで仕様を決めて、その内容に応じて民間に委託をするという、そういう形だけだとやはりサービス内容も一定化してしまうというところもあります。それを、成果を決めて、その成果に応じて民間がやってくれという形で発注をする、それに応じて独創性ある成果を上げる。民間の創意工夫を生かしながら、それが発生すれば投資もどんどんと引き受けられるし、投資家にとってもリターンができるというような、創意工夫の余地をどんどんどんどん生じさせる発注の在り方でもあるし、そういう点では社会的課題に向けたイノベーションをどんどんどんどん開発される仕組みにもなり得るのかなと、そういう理解は非常にございます。ですから、是非ともこれは、まだまだ芽が一つであるんですけど、進めていただきたいなというふうに思います。 他方で、今おっしゃっていただいたとおり、やはり課題は多くて、このソーシャル・インパクト・ボンドというものの内容そのものがなかなかイメージが付きにくい、そういうところはあるかなというふうに思います。 特に、ただ経産省、こちら、今私手元にあるんですけど、この実証実験を利用しながらノウハウ集を作っていらっしゃって、これ、内容を見たんですけど、非常によくできているなというふうに思っております。 それぞれ、例えば地方公共団体が関与するにしても、地方公共団体の担当者がどうやってやっていいか分からない、それを時系列に応じて、それぞれごとの段階に応じてフロー化して、どういうふうにやっていけばいいか、その段階ではどういうチェックポイントがあって、それをチェックしていけばこれは対処できるというような、全て見える化するような形に、対処になっている。少なくともひな形としては、いろんな関係者の人がこれを見ながら一つ一つ進めていけば、何が問題になっているのか、テーマはどういうものを選べばいいのか、また、リターンをしっかり発生させるときの成果指標というのはどういうふうに決めていけばいいのか、そういうのが一つ一つ指標になっているかなというふうに思います。 これを通じて、是非経産省にはいろんな地方公共団体にも更に働きかけをしていただきたいというふうに思っているんですが、その辺りのお取組とまた今後の動き方について答弁いただければというふうに思います。
○政府参考人(藤木俊光君) お答え申し上げます。 今御紹介いただきましたように、平成二十九年度、神戸市と八王子市でスタートしたわけでございますが、そういった経験も生かしながら、自治体や事業者の方々向けのノウハウ集ということで作成をしたところでございます。今後、各種セミナー、あるいは各地においてこういったノウハウ集も使いながら、普及啓発に努めてまいりたいというふうに思っております。 また、このような普及啓発に加えまして、やはり、先ほど糖尿病とがん検診と申し上げましたが、例えば介護予防とか認知症予防といったような分野でのニーズも高まっているということでございますので、新たな分野での案件形成への支援ということも取り組んでまいりたいと思います。 また、そのほか、厚生労働省さんの方でまさに成果指標の整備みたいな取組もなされておりますし、まち・ひと・しごと創生総合戦略の中でもこういったソーシャル・インパクト・ボンドへの支援といったようなことがうたわれておりますので、こういった関係省庁とも連携しながら、また金融機関、自治体としっかり連携してソーシャル・インパクト・ボンドの普及にしっかりと取り組んでまいりたいと思っております。
○矢倉克夫君 よろしくお願いします。 骨太でもソーシャル・インパクト・ボンドはこれは書いてあるんですが、政府全体の横串刺した一体の司令塔がどこなのかはっきりよく分からない、内閣府に聞いても、自分たちの中のどこの部局が担当なのかよく分からないと、もうそういうような対応の状態であります。骨太にしっかり書いてある内容でもあるので、是非、経産省がしっかり中心となるというか、ちゃんと要となって、いろいろこの事案もしっかり成功させていって広げていただければなというふうに思っております。私の方からもほかの省庁にもしっかりとまた働きかけをしていきたいというふうに思います。 また金融庁さんにもお伺いしたいと思うんですが、ちょっと短めで端的にお答えいただければと思うんですが、今のこのソーシャル・インパクト・ボンドにかかわらず、広く社会的課題に向けた投資の在り方というのも、地域の金融機関の在り方としては今後また考えていかなければいけないというふうに思います、NPOであったりとか。 そういうものに対しての今後の姿勢について金融庁としてどういうふうに捉えていらっしゃるか、答弁いただければというふうに思います。
○政府参考人(伊野彰洋君) 地域金融機関の中には、社会的課題解決に取り組むソーシャルビジネスに対しまして融資等を行っている金融機関があると承知しております。例えば、多くの地域金融機関においてソーシャルビジネスを対象にしたローン商品を取り扱っているほか、地域経済活性化支援機構と連携し地域活性化ファンドを組成し、地域の町づくりや観光活性化に取り組んでおります。 金融庁としましては、地域金融機関が適切なリスク管理の下、健全な経営を行う社会的課題解決に取り組むNPO等に対し、資金需要への対応を含めその育成、成長を後押しする取組を行うことは、地域の活性化、地方創生に資するものと考えております。こうした観点から、地域金融機関が取り組んでいくことを期待しておるところでございます。
○矢倉克夫君 ありがとうございます。是非、地域に優しい金融機関をどんどん育成していただければというふうに思います。 残り時間がちょっと少なくなってきてしまったんですが、最後お伺いしたいのが、やはりエネルギーについてであります。 大臣、所信で、再生可能エネルギー、最大限の導入というふうにおっしゃってくださいました。もうこれは、そうすべき理由とか背景、また議論をするとともに、他方で既存系統を最大限に活用する、これはコストですね、やはり国民負担の抑制をするためにもそのような運用の見直しをおっしゃっていただいたところであります。 後者についてちょっとお伺いする予定だったんですけど、ちょっと時間がないので、コネクト・アンド・マネージという部分についてはしっかりとまた広げていただければというふうに思います。大事な視点でありますので、やはり新しく設備を造るそのコストを要らなくなる、運用によって要らなくなるというところは再生可能エネルギーの弱点の一つをまたしっかり対処することでもあり、経産省、エネ庁がそういう形で進まれたということはすごく評価をしたいというふうに思っております。是非進めていただければというふうに思います。 その上で、再生可能エネルギーを考える上でやはり重要なキーワードというのは地方、地域であるかなというふうに思っております。この地域性、そういうのは非常に重要であるなと。 私、党でSDGsの事務局長もさせていただいているんですが、このSDGsという誰一人取り残されない持続可能な開発目標というところで賞を取られたのが北海道の下川町であります。その下川町の取組について、まず簡単にちょっとエネ庁から、これ、エネルギー政策からどういうふうに評価されているかというところで御説明をいただければというふうに思います。
○政府参考人(高科淳君) お答えいたします。 持続可能な開発目標、いわゆるSDGs達成に極めて顕著な功績があったと認められる団体等としまして、御指摘のように北海道下川町が第一回ジャパンSDGsアワードのSDGs推進本部長、これは内閣総理大臣でございますけれども、本部長表彰を受賞したことは承知してございます。 この案件ですけれども、持続可能な森林経営を中心にいたしまして、木材製品を利用した製品の生産と供給、未利用森林資源の再エネ活用、再エネ熱供給システムを核としたコンパクトタウン等を統合的に推進するものでございます。 再エネ、再生可能エネルギーの導入拡大に取り組みます経済産業省といたしましても、下川町の未利用森林資源の再エネ活用や再エネ熱供給システムが評価されたことは喜ばしく思っており、このような事例を通じまして、地域活性化につながるようなエネルギーの地産地消が進んでいくことを期待しております。
○矢倉克夫君 ありがとうございます。 今まさにエネルギーの地産地消、それまで下川町はエネルギー、いろんな外部からエネルギーを取り入れることで十三億円ぐらい掛かっていたのが、これが赤字化していたのがゼロになった、地産地消しているわけですから。当然、それに加えて雇用も生まれている。この地域にあるエネルギーをしっかり循環させることで更なる経済効果を生んでいると。 私も群馬の上野村に行かせていただいたんですけど、同じような取組で、未利用材をペレット化して、それをまた発電また熱電利用という形で使うことで、千三百人ぐらいの人口の村が百人分ぐらいの雇用を生んでいるんですね、一割分ぐらいの。様々な雇用も生み、そこで生まれた熱を一般家庭へも広げて、ホテルであったりとかまた様々な施設等にも提供をしているという、こういうまさに持続可能なエネルギー、こういうようなモデルケースであるかなというふうに思っております。 大臣にお伺いしたいんですけど、このエネルギー政策をやはり考える上で今後重要なのは、この地域エネルギーによるエネルギー自立の観点、これは本当に重要であるかなというふうに思います。地方の雇用も生んで、そして地域の富がエネルギーに流出することも防いで、地方創生にもしっかりとつながっていく。これは、一部に独占されていたエネルギーというのが多様なプレーヤーによって共に支え合って、共にしっかり共有し合うというような社会に今後構築していくということがエネルギー政策の視点にとっても重要であるし、キーワードはやはり地域。それをしっかりとつくっていく鍵となるのが、私、再生可能エネルギーであるかなというふうに思っております。 この観点についての、再生可能エネルギーというものが有する可能性について大臣から御所見をいただければというふうに思います。
○国務大臣(世耕弘成君) エネルギーの地産地消というのは、御指摘のように、地域の資源を活用して、そしてそれを地域の中で循環をさせて、大手電力会社にお金で流れていくというようなことにならないで地域の中で循環をする、そしてその過程で雇用も生むという点で非常に重要なものだと思っております。 特に、このエネルギーの地産地消につながるのが再生可能エネルギーだというふうに思っています。火力発電などと比較して比較的小型で分散化が可能だということになるわけであります。この導入はまさに分散型エネルギーシステムの構築にもつながりますし、また産業や雇用の活性化の観点からも、例えば太陽光発電の設置工事ですとか保守点検作業を地元中小工務店が請け負ったり、あるいは地熱発電で出てきた熱水が農業ハウスですとか旅館に供給されるなど、地域産業への波及や連携の事例が数多く出てくるわけでありまして、雇用、産業活性化に資するものだというふうに考えています。 経産省としても、引き続き、地域社会と共生をして、地域の活性化にもつながる形で再生可能エネルギーの導入を図って、分散型エネルギーシステムの構築を推進してまいりたいと考えています。
○矢倉克夫君 ありがとうございます。 こういう分散型をつくる上でやはり重要なのは、地域住民の御理解が重要であります。当然ですけど、地域の資源を使ってエネルギーをつくったけどそれが外に行ってしまう、そういうようなことだらけになってしまうと、地域全体で支えてエネルギー社会をつくろうという機運もやはり生まれないわけであります。だから、この地域で生まれたエネルギーによる利益を地域に落としていくというこの循環の仕組みというのもやはり重要であります。 こういった地域内で循環するという仕組みをつくる上でエネ庁としてはどういったことが必要と考えているか、答弁いただければというふうに思います。
○政府参考人(高科淳君) お答えいたします。 まず、先ほど大臣からもありましたとおり、エネルギーを地産地消することができれば、地域の資源が活用され、これが地域の中で循環し、その過程で雇用も生まれると。エネルギーの地産地消を進めていく上ではその再エネの導入拡大は非常に重要であると考えております。 その際、その再エネの導入拡大に当たっての大きな課題は高コストであると認識しております。このため、固定価格買取り制度における入札制度の導入や中長期価格目標の設定、あるいはその太陽光発電のコスト低減の研究開発などによってコスト効率的な導入を図っているところでございます。 それから、そのエネルギーの地産地消が地域活性化により結び付いたものとなるためには、地域の主体の積極的な参加が重要であると考えております。このため、例えば、木質バイオマスにつきましては、行政、地域産業及び地域住民など、その地域の関係者が一体となった協力体制を構築し、森林資源をマテリアルやエネルギーとして地域内で持続的に活用する地域内エコシステム、そのモデルづくりの支援を農水省と連携して実施しているところでございます。 経済産業省としましても、引き続き、これらの取組を通じまして再生可能エネルギーの導入拡大を図り、分散型エネルギーシステムの構築を推進してまいりたいと考えております。
○矢倉克夫君 ありがとうございます。 是非また引き続き、地域にあるものだということのこの意識付けを、先ほどの下川町も地域の方々の共同体みたいなのがしっかり機能をして動いているという例もあります。そういう取組をしっかり推進するような形を是非お願いしたいなと。 参考ですけど、デンマークなどは、風力タービン五千四百基のうち八割近くを個人とかが共同で所有をして、風力エネルギーは地元住民固有の財産という考え方を居住規定を定めたりだとか、そこまでやっている、そういう例もあるということだけお伝えをしたいというふうに思っております。 最後、大臣にお伺いをしたいというふうに思うんですが、エネルギー情勢懇、今後また方針、最後、取りまとめをいただくという話をお伺いもしております。漏れ聞くところでは、その中で再生可能エネルギー、これを自立した主力電源また主力化というような言葉を使われるというようなこともお伺いもしております。 主力電源というこの言葉の意味合いは非常に大きいかなと思っております。これはエネルギーミックス目標が変わるかどうかというような話とはまた必ずしも同じでないのかもしれないですが、主力と打ち出すというのは、今まで再生可能エネルギーというのは、やはりまずはCO2フリーというところが、当然これもこれから引き続きやらなければいけない話であり、他方で、そのためには火力は減らさなければいけない、じゃ、原子力もある、原子力で賄い切れないところをどうやって再生可能エネルギーで埋めるかと、そういうような文脈で語られるところもあった、位置付けとしてもですね。やはりCO2フリーの文脈で語り、何かしらの、何かの代替策として再生可能エネルギーというような、そういう位置付けが意識するとしないとにかかわらずやはりあったかもしれないんですが、主力というのは再生可能エネルギーそのものが社会に与えるインパクト、非常に強いものがあるという、そういう積極的に更に評価をしているというような意識なのかなというふうに私は理解もいたしました。 それが先ほどの地方創生に与える影響であったり、地域循環エコシステムをつくっていく、そして、エネルギーという社会に多様なプレーヤーが入る、そういうエネルギーの在り方、人の暮らしを変えていく大きな動力の中心に再生可能エネルギーがあるんだという、そういう位置付けを私はした、その思いの表れが主力であったり主要というような言葉なのかなというふうに理解もさせていただいているところであります。 大臣として、この再生可能エネルギーが主力というような言葉の意味合いをどのように捉えられて、今後どのような思いで政策に反映されるというふうに思われているのか、最後、御所見をいただければというふうに思います。
○国務大臣(世耕弘成君) 今御指摘のエネルギー情勢懇談会では、二〇五〇年に向けての議論ということで、その時々、世界第一線級の専門家に来ていただいて、最先端の状況について情報提供もいただくなどして議論を進めてまいりました。 その結果、再エネについては世界的に今価格低下がかなり進んでいる、ちょっと日本は遅れちゃっているんですけど、世界的には再エネの価格低下がしっかり進んでいるということ。そして、デジタル技術との融合が非常に重要だということ。そして、グローバルなエネルギー企業ですら、これ主力電源としても捉えて取り組んでいる。こういった情報が紹介をされまして、日本においても、特に蓄電、水素あるいはデジタルシステム、こういったものと統合することによって自立した主力電源として活用していける可能性が拡大しているんではないか、今そういったラインで議論が行われているところであります。 情勢懇の報告は四月十日に提言として取りまとめの議論が行われるというふうに聞いております。この提言を受けた後に政府としてどういうふうな政策にしていくかということは具体的に議論していきたいというふうに思いますが、これまでの議論の中では、水素や蓄電池といった、再生可能エネルギーには必ず調整力というのが必要になります。今のところ日本ではそれは火力発電が担っているわけですけれども、水素、蓄電池といった火力発電ではない調整力の技術開発、そして電力ネットワークもこれ分散型になってくると、今までのような日本の背骨のところをずどんと送電網が走っているというような構図が変わってくる。これ再構築していかなければいけないなど再エネを主力電源として活用する、主力化に向けた課題が幾つかこの懇談会でも挙げられていますので、こうした課題にどう対応していくか、それを具体的に政策化していく必要が出てくるというふうに考えております。
○矢倉克夫君 ありがとうございます。 この再生可能エネルギーが人々や地域、社会の暮らしや行動に動きを与えていくというこの可能性を是非また引き続き重視していただいて、進めていただきたいなというふうに思います。 最後、大臣が今触れていただいた水素、これもちょっと時間があったら質問しようと思ったんですが、大臣も所信で世界の脱炭素化というふうにおっしゃっていただいております。低炭素ではなく脱炭素、その動きの中で水素というのが非常に重要であり、これは日本が強みを持っているところであります。是非、産業としてもこの技術、推進を、経産省、力を込めて進めていただきたいことを御期待申し上げまして、質問を終わります。 ありがとうございます。
○岩渕友君 日本共産党の岩渕友です。 まず、商工中金の不正問題についてお聞きをいたします。 昨年の五月十八日にこの問題について質問をして以降、昨年十月二十五日に全件調査を踏まえた調査報告書が公表をされて、同日、主務省合同検査と全件調査の結果報告などを受けて、主務大臣による二度目の業務改善命令が発出をされました。商工中金の在り方検討会は、今年の一月十一日に中間取りまとめとして提言を行いました。それによると、不正があった危機対応業務について、商工中金は現行の危機対応業務から災害対応を除き全面撤退するとあります。不正行為が国内百営業店のうち実に九十七店舗に及んでいるということは本当に重大なことであって、とんでもないことです。 しかし、危機対応業務から全面撤退するということでいいのか、商工中金が危機対応業務において果たしてきた役割はどんなものだったのか、中企庁にお聞きします。
○政府参考人(安藤久佳君) 危機対応業務を中心といたしました不正事案の大量発生につきましては、再三申し上げているように、大変申し訳ないことであるというふうに思っております。大臣が御答弁申し上げているように、解体的な出直しを新体制の下で行っていくわけでございます。 他方、今御指摘がございましたように、危機対応業務、かつてどのような実績を残したかということを申し上げたいと思います。 例えば、リーマン・ショックのときでございますけれども、リーマン・ショックの際には約七・三万件、四・九兆円の融資規模でございました。また、東日本大震災の際には三・八万件、二・二兆円ということでございます。全体二十二万件、十二・四兆円の中で、それぞれ大きな経済事象、大きな自然災害に対して、中小企業・小規模事業者の皆様方の緊急の資金繰りにある一定の効果を発揮したというふうに思っております。 ちなみに、民間の金融機関がこの際、この危機に当たってどのようなパフォーマンスを発揮したのかということを一点申し上げますと、リーマン・ショック直後の二〇〇九年でございますけれども、民間金融機関全体の融資残高は前年比で二・〇%の減少になったという、こういうデータがございます。他方、商工中金の融資残高は前年比で三・二%の増加になっておると、このような事実がございます。 以上であります。
○岩渕友君 今紹介をいただいたように、中小・小規模事業者の皆さんの資金繰りを支える重要な役割を果たしてきたということです。 大臣にお伺いをするんですけれども、前回の質問のときに、政府系金融機関が果たしている役割について大臣は、重要性は疑うところがないというふうに答弁をされています。危機対応業務から災害を除いて全面撤退ということなんですけれども、平成二十六年度から平成二十八年度の実績を見ると、災害対応はごくごく僅かなんですよね。この中小企業の資金繰りについて支障が出るということが懸念をされるわけなんですけれども、支障を来すことのないようにどういう対応をするのか、お答えください。
○国務大臣(世耕弘成君) 今回の不正事案は、商工中金が危機対応業務を他の地域の金融機関と競争上優位性のある武器として認識をして利用していると、これが問題でありまして、検討会において危機対応業務の抜本的な見直しについて提言を取りまとめていただきました。この提言を踏まえて、危機対応業務については、足下では災害対応のみを対象とすべく、主務大臣が認定する危機事象のうちデフレ脱却などを今年三月末で終了するなど、大臣告示の規定の整備を行ったところであります。 一方で、この提言において、リーマン・ショックですとかあるいは大規模災害などの真の危機のときには、商工中金が危機対応業務として中小企業に対して流動性供給を行うということとされています。それに加えて、危機のときには、日本政策金融公庫ですとかあるいは信用保証による資金繰り支援も十分に行うことにしています。 特に、信用保証については、昨年の信用保険法改正によって、今年四月から大規模危機時の全国一律一〇〇%保証である危機関連保証制度が施行されました。これによって、大規模危機が発生した際には、この一〇〇%の信用保証が、今までは一つ一つ業種指定が要ったわけですが、これ業種指定なしで全業種で素早く発動されることになりまして、これはまさに民間金融機関のパフォーマンスの大きな向上につながるというふうに思っております。 いずれにしても、公的支援策を総動員することによって、危機が起こったときの中小企業の資金繰りに万全を期してまいりたいと思います。
○岩渕友君 中小企業団体からは、民間金融機関は担保や保証がなければ中小企業への融資に消極的だ、国の中小企業支援制度を手掛ける政府系金融機関は必要だという声が上がっています。 第三者委員会によれば、不正行為について、株式会社として利益追求を要求されるところに危機対応融資を行わせれば、本来これを利益追求の手段とするべきではないという制度趣旨があったとしても、現場がこれを顧客にとって有利な商品の一つとして営業することになること、また支店や課への割当てが営業ノルマとして認識されることは容易に想像できる、こういうふうに分析をしています。 今後のビジネスモデルとして示されている方向が本当に中小企業の求めているものなのかという懸念を持っています。そして、そもそも商工中金は、中小企業の資金繰りを下支えする政策金融として位置付け直すべきだということを求めておきたいと思います。 ここからは、避難指示解除をめぐる問題について聞いていきたいと思います。 東日本大震災と東京電力福島第一原発事故から七年がたちました。原発事故による避難指示の解除が進められてきましたけれども、戻りたくても戻れない、すぐには判断できないなど、避難指示の解除と住民の皆さんの思い、実態が合っていない、政府によって一方的に避難指示解除が進められているのではないかという指摘をこれまで何度も行ってきました。 二〇一六年十月に、ここ経済産業委員会で国会での初質問を行った際に、解除はゴールではなく、本格復興に向けたスタートだという答弁がありました。では、実態は今どうなっているでしょうか。 資料一を御覧ください。昨年の四月一日以降、避難指示区域がどうなっているかを示しているものです。昨年の三月三十一日と四月一日、浪江町、富岡町、川俣町、飯舘村の帰還困難区域を除く避難指示が解除されました。新聞報道によれば、この四町村の居住率は、二月末から三月一日時点で、浪江町三・五%、富岡町四・九%、川俣町山木屋地区三一・一%、飯舘村一一%となっています。 大臣は所信で、帰還困難区域を除くほぼ全ての地域で避難指示が解除され、周辺住民の方々の帰還が進んでいますと述べましたけれども、帰還が進んでいるとは言えない実態です。改めて、避難指示解除の三つの要件について確認をします。
○政府参考人(松永明君) 避難指示解除の要件でございますけれども、第一番目としまして、空間線量率で推定された年間積算線量が二十ミリシーベルト以下になることが確実であること、第二に、電気、ガス、上下水道、主要交通網、通信など日常生活に必須なインフラや医療、介護、郵便などの生活関連サービスがおおむね復旧すること、子供の生活環境を中心とする除染作業が十分に進捗すること、また、県、市町村、住民との十分な協議が行われること、この三つの要件を踏まえ、原子力災害対策本部が決定することとなっております。
○岩渕友君 避難指示解除から一年たっても、浪江町には生鮮食品を扱う店がありません。住民意向調査では、医療、介護が整っていないことを帰還できない理由に挙げている方も多くいらっしゃいます。インフラ整備、生活関連サービスの復旧など、避難指示解除の要件がそもそも満たされていません。 楢葉町は、全町避難をした自治体として初めて避難指示が解除をされて、解除から二年半余りがたっています。楢葉町の現在の帰還率はどうなっているでしょうか。
○政府参考人(松永明君) 平成二十七年九月に全町の避難指示が解除されました楢葉町でございますけれども、本年二月末時点の居住率は約三四%であると承知しております。
○岩渕友君 楢葉町は、当初、二〇一七年の春に町民の五割が戻ればいいと思うという認識を示していました。昨年の十二月に発表をされた住民意向調査では、楢葉町には戻らないという方が二七・五%、戻るかどうか今はまだ判断できないという方が一六・八%となっています。その理由として、医療施設の拡充、継続的な健康管理など、放射線に対する不安解消への取組、線量低減対策を挙げる方の割合が高くなっています。戻っている、早期に戻ると回答をした方たちも今後の生活に必要だと感じていることとして医療施設の拡充を挙げて、商業施設の再開、充実、これが上位になっています。 そこで大臣にお伺いするんですけれども、浪江町、飯舘村などを含めて、この間、避難指示が解除をされた町村の住民の皆さんから、政府の都合で避難指示解除が進められてきた、置いてきぼりにされているようだ、こういう声が上がっていますけれども、大臣はこうした声をどう受け止めていますか。
○国務大臣(世耕弘成君) 避難指示の解除においては、先ほど事務方から答弁させていただいた解除の要件に基づいて、様々な声をいただく場である住民説明会や地元自治体との意見交換を丹念に重ねるなど、地元自治体や住民との十分な協議を行ってきたところであります。 ただ一方で、復興庁、福島県、各市町村が共同で実施している住民意向調査でも出てきているように、医療、介護の環境への不安ですとかあるいは商業施設の不足といった様々な理由から帰還をちゅうちょされている住民の方がいらっしゃるということは十分承知をしております。 避難されている方々が安心して帰還していただけるように、産業やなりわいの再生によって働く場をつくり、医療や学校、買物施設といった環境整備を関係省庁が連携をして全力で取り組んでいくことが重要だと思っております。
○岩渕友君 今大臣も答弁されたように、住民意向調査の結果は、避難指示解除から二年半がたっていても、日常生活に必要なインフラであるとか生活関連サービスの復旧が不十分だということを示しています。 二〇一一年九月三十日、緊急時避難準備区域が解除をされた広野町は、解除から六年半が経過をして、八割の町民が帰還をしています。しんぶん赤旗が行ったアンケートで広野町は、復旧復興の現時点での課題について、事業者の広野以北への移転により徐々に宿舎やホテルに空き室が生じるなど新たな課題に直面をしている、子育て世代の帰還率が相対的に低いと回答をしています。さらに、町はいまだ復興の道半ばであり、特に町民の生活再建や心の復興はこれからが正念場である、国には、避難指示等区域の解除がゴールではなく、そこからの復興が一番重要であることを十分認識いただき、これまで以上に被災地復興や被災者の生活再建に継続して取り組んでいただきたいと述べています。 大臣に伺うんですけれども、こうした声にどう応えていきますか。
○国務大臣(世耕弘成君) 避難指示の解除というのは、ゴールではなくて、あくまでも復興のスタートだということをまず肝に銘じておかなければいけないと思っています。学校の再開、医療機関の整備など、徐々に帰還等の選択肢が具体化される環境にはなってきていますけれども、いまだに生活再建の途上にある方もおられることを踏まえて、これまで以上に生活再建にしっかりと取り組んでいくことが重要だというふうに思っています。 このため、生活の根幹ともいうべき住まい、就労、そして健康的な暮らしという三つの課題を中心に現地の課題を丁寧にお伺いした上で関係省庁の取組の連携を強化していく、そのために二月七日、関係府省庁による会議も立ち上げたところであります。 政府が一丸となって被災者の皆さんの様々な課題、ニーズをしっかりとお伺いをして、把握をして、県、市町村とも連携をして、支援機関の連携強化など、被災者お一人お一人の生活の再建に向けて全力で取り組んでまいりたいと思います。
○岩渕友君 避難指示解除から時間が経過をしても、多くの困難がそこにはあるということです。 初質問の当時、解除をしてからもしっかりと復興の支援を国が責任を持って行っていきたいと考えている、こういう答弁があったし、今もあったわけですけれども、被害者が生活となりわいを再建するまで国は責任を持って取り組むべきだということを強く指摘をしておきたいと思います。 ここからは、原発事故による損害賠償の実態についてお聞きをしていきます。 大臣にお聞きするんですけれども、大臣は所信の中で、真に生活を再建するためには産業の復興が要だというふうに述べています。私は、これまで原発事故からのなりわいの再建について、何度もこの委員会で質問をしてきました。大臣は、福島県の商工業の実態、現状についてどのように認識をしているでしょうか。
○国務大臣(世耕弘成君) 福島では、住民の皆さんの帰還に向けて、昨年春までに、大熊町、双葉町を除いて全ての居住制限区域、避難指示解除準備区域が解除をされて、復興再生に向けた動きがいよいよ本格的に始まっているわけであります。 一方で、ほかの東北地域と比べますと、事業活動の回復には相対的に遅れが見られるというふうに思っています。例えば、鉱工業生産指数は、震災による工場の被災等によって大きく低下をして、震災前、平成二十二年を一〇〇としますと、平成三十年一月時点での東北全体の数値は一〇一・五、ですから震災前を超えるぐらいまでに回復をしているわけですが、福島だけで数値を見ますと七九・七にとどまっているわけであります。 こういった状況を踏まえて、福島全域においてなりわいの再建を強力に支援をしていく必要があるというのが我々の認識でございます。
○岩渕友君 福島県商工会連合会が東京電力福島第一原発の三十キロ圏内にあるか避難指示が出た地域の十四商工会に聞き取りをして、二月二十日現在の再開状況をまとめています。地元で事業を再開した事業者は三割にとどまっています。避難指示解除から一年の、先ほど紹介した四町村の平均は一二・五%で、浪江町は六%にとどまっています。住民が少なく、売上げが見込めるか不安な上、若い従業員の確保が難しい、こうした声が上がっています。 福島県内の観光業がどうなっているか。温泉協会の入湯税は七割から八割、地区によっては六割台。教育旅行は震災前に比べて一六年は五四%、一七年は五九%台、震災前は大学生のスキー合宿で二千人が来ていたが今はゼロ。教育旅行の内容は、県、町の補助金などにより旅行経費の一部助成により誘致した方々がほとんど、一般の教育旅行はゼロなど、こうした実態が県内各地から出されています。 原発事故前に戻ったと言うけれども、ほかの県はもう二倍、三倍と観光客増やしているという話も聞きました。七年たっても商工業の実態はまだまだ厳しい状況にあります。 大臣にお聞きしますが、こうした実態だということを認識して対応をしているのでしょうか。
○国務大臣(世耕弘成君) 福島県における商工事業者が非常に引き続き厳しい状況にあるという認識は、これはもう私も同じ認識でございます。 私自身、就任以降、福島県に七回訪問しました。被災十二市町村の事業者の方々とそのたびにお話も伺ってきています。そうした中には、これ、福島相双復興官民合同チーム、この合同チームの支援を受けて、事業を再開をしたり新たな販路の拡大に取り組んだりしているところも出てきております。 例えば、二月に訪問した川俣町では、補助金を活用して、今まで手作業で半日ほど掛かっていた加工の工程が三分で完了するレーザー加工機を導入をした。ここの社長さんも、これ夢だったんだと、ようやく入れることができたと言って、非常に前向きな気持ちで頑張っておられました。こういう官民合同チームの支援を受けて、そして即戦力となる人材を新規採用したり新設備を入れるというような事業者など、しっかりと歩みを進めている事業者の方々もいらっしゃるということで、心強い思いを感じました。 ただ一方で、まだまだという面もあろうかというふうに思いますから、一人でも希望を持って進めていただく方を増やすように、今後も被災十二市町村においては官民合同チームにもっと頑張ってもらって、個々の事業者のニーズにきめ細かく対応した事業、なりわいの再建支援に努めていきたいと思いますし、避難指示区域外についても、津波補助金などによる企業立地の支援ですとか、関係省庁と連携した風評対策の推進に取り組みたいと思います。 今御指摘のあった観光については、会津地方でもやっぱり七割ぐらいしか戻っていない、これは完全に風評によるものだというふうに思いますので、これ、全然これと違う枠組みで地域未来牽引企業というのを全国で二千社以上選びましたが、その社長さんたちに今度一堂に集まってもらう地域未来牽引企業サミットを、これ会津で開かせていただくことにしました。このもう各県のリーダー的企業の社長さんが来ることによって、少しでもこの会津地方の風評の払拭に貢献できればというふうに考えています。
○岩渕友君 被害はまだまだ続いているということなんですけれども、商工業の営業損害賠償の実態は、じゃ、どうなっているかと。 東京電力に聞きます。現在の受付件数、合意件数、二倍相当一括賠償の件数は、避難指示区域内と区域外でそれぞれ何件になっているでしょうか。
○参考人(小早川智明君) 御質問に御回答申し上げます。 二〇一八年二月五日時点における商工一括賠償の受付件数の総数は約一万五千六百件あり、そのうち合意件数の総数は約一万四千四百件となります。 避難指示区域内の受付件数は約七千四百件あり、そのうち合意件数は約七千百件となります。合意いただきました約七千百件につきましては、全て年間逸失利益の二倍相当額での合意となっております。 避難指示区域外の受付件数は約八千二百件あり、そのうち合意件数は約七千三百件となります。合意いただきました約七千三百件のうち、年間逸失利益の二倍相当での合意件数は約三千百件となります。
○岩渕友君 資料二を御覧ください。今の答弁を表にまとめてあります。 東電に聞くんですけれども、避難指示区域内外、それぞれの商工業の営業損害賠償についてどう決めているのか、改めて説明してください。
○参考人(小早川智明君) 御質問に御回答申し上げます。 商工業の営業損害賠償につきましては、事故との相当因果関係のある方を対象に、避難指示区域内につきましては二〇一五年三月以降、避難指示区域外は二〇一五年八月以降、将来にわたる損害として年間逸失利益の二倍相当額を一括してお支払いしております。 その上で、やむを得ない特段の御事情により事故と相当因果関係が認められる損害が一括賠償額を超過した場合につきましては、個別に御事情をお伺いした上で適切に対応させていただくこととしております。
○岩渕友君 二倍相当額を一括して払っているということなんですけれども、この資料二のとおり、避難指示区域外は合意したうちの四二%しか二倍相当額の賠償が行われていません。 事業者の方々からは、三十件請求したけれども十三件に対する回答がない、理由は風評被害はなくなったとされたとか、営業損害賠償について、二倍相当額を一括賠償との方針以降から賠償が厳しくなった、東京電力は相当因果関係があれば賠償すると言うが、それを証明するのは困難、損害がある限り賠償すると言うが、実際にはそんな対応ではないとか、東京電力は観光客は増加していると言うが、例えば新しい道の駅ができれば一時的に県の統計も数値も上がる、近くの温泉駅の乗降客が増えたという数値を示すが、観光客や宿泊客が増えているとは限らないなど、東京電力が様々な理由を付けて損害賠償を行っていないという実態が寄せられています。 東電に聞くんですけれども、二倍相当の賠償がされた事業者の中で、追加的損害の賠償を請求している事業者はどのぐらいあるのか、受付件数と合意件数を答えてください。
○参考人(小早川智明君) 御質問にお答えいたします。 二〇一七年三月以降受付を開始いたしまして、二〇一八年二月末時点で約五百件の御請求をいただいており、そのうち一件合意しております。
○岩渕友君 今答弁あったように、合意は一件しかないんですよね。 福島県商工会連合会から賠償の実態についてお聞きしました。追加賠償の請求書は紙一枚、どう書けばいいのか問い合わせても答えがないので、多くの業者は以前請求したことと同じことを書くしかない。東電からは、原発事故からこれだけ時間がたつのにまだ自立していないのかと言われる。追加賠償をもらっている人はいないのではないかというくらいもらったという話を聞かない。二倍相当を一括で賠償されたが、これは将来分だからと、もう賠償は終わったことになっているのではないか、こういうお話でした。 賠償の実績は、こうした話を裏付ける内容になっています。東京電力による賠償の値切り、打切りが進められているということです。 大臣にお聞きしますけれども、大臣は東京電力による商工業の賠償について、被害者の方々に対して真摯に耳を傾けて、丁寧に実情を確認し、適切かつ公平な対応を行うよう指導するとこれまで言ってきました。東京電力の賠償のやり方、被害者への態度など、こんなことでいいのでしょうか。
○国務大臣(世耕弘成君) 商工業の営業損害については、東電は、将来にわたる損害として個別事情を確認の上、事故との因果関係がしっかりと確認をされれば、年間逸失利益の二倍相当額を一括で賠償しているわけであります。 経産省としては、被害者の方々の置かれた状況は個々様々でありまして、東京電力が個別の状況をしっかりと踏まえて丁寧に対応するよう指導してきているわけであります。東京電力においても、個別の請求者への電話連絡ですとか訪問を自ら行って直接事情をお伺いすると、この取組を強化しているというふうに認識をしています。 今後とも、こうした取組を通じて、被害者の皆さんに寄り添った取組を東京電力が行うよう指導してまいりたいと思います。
○岩渕友君 丁寧な対応ということだったんですけれども、この賠償の実態はとても丁寧とは言えるような状況ではないわけですよね。 自治体職員の賠償に関わっても、福島県内の自治体から、原発事故に関わる業務に当たっている職員の賠償について訴えがありました。ある自治体では、正職員分の賃金の賠償を東京電力に請求しているが、一度も賠償されたことはないということでした。自治体の正職員の賠償はどのような方針に基づいて行っているのでしょうか。
○参考人(小早川智明君) 御質問に御回答申し上げます。 中間指針に基づきまして、福島第一原子力発電所の事故により地方公共団体が負担を余儀なくされた追加的費用につきましては、必要かつ合理的な範囲でお支払の対象とさせていただいております。 地方公共団体の人件費につきましても、ただいま申し上げた考え方に基づき、福島第一原子力発電所の事故に関する法令や政府指示などに基づき実施を余儀なくされた業務が実施されたことにより追加的な負担として人件費が発生した場合には、必要かつ合理的な範囲でお支払の対象とさせていただいております。
○岩渕友君 追加的な負担ということでしたけれども、原発事故に関わる業務を行っていれば、その超過勤務分については支払われるということなんですよね。だけれども、現場では、何時何分から何時何分までその原発事故に関わる業務を行ったとその都度記録するというのは日常業務の中で非常に難しいということで、請求はできていないということでした。 この自治体では、除染対策課を立ち上げて課の職員の基本給の賠償を請求したわけですけれども、東京電力からは、正職員の人件費は原発事故前からの必要経費だというふうに言われて、支払われておりません。 商工業の損害賠償でも自治体への賠償でも、加害者である東京電力が被害を証明しろと迫り、賠償の主導権を握る、こんなやり方おかしいじゃないかという批判が上がっていますけれども、これ当然のことだと思います。 今年の二月五日、福島県知事、市町村、JA、商工団体など二百を超える団体でつくる福島県原子力損害対策協議会から、原子力損害賠償の完全実施に関する緊急要望書を東京電力は受け取ったと思います。その中で、商工業の営業損害賠償についてどういう基準で賠償を行っているのか基準を示すべきだ、こういう趣旨の要望について、どんな内容だったか読み上げてください。
○参考人(小早川智明君) 本年二月五日に福島県原子力損害対策協議会から頂戴した緊急要望書におきまして、ただいま先生が読み上げてくださいというふうに言われた内容について読み上げさせていただきます。 同様の損害を受けている被害者が請求の方法や時期によって賠償の対応に相違が生じることのないよう、風評被害の相当因果関係の類型、判断根拠、東京電力の運用基準や個別事情に対応した事例を公表、周知するとともに、被害者への分かりやすい丁寧な説明を徹底して行うこととの御要望をいただいております。
○岩渕友君 現場では、何で自分が賠償されないのか、何が根拠になっているのか分からないということで、賠償がブラックボックスになっているという声が上がっています。 これ、大臣にお聞きするんですけれども、大臣も同じ要望書を受け取っていると思います。この要望をどう受け止めていますか。
○国務大臣(世耕弘成君) 商工業の営業損害については、東京電力は、将来にわたる損害として年間逸失利益の二倍相当額を一括で賠償する、そして、損害が一括の賠償額を超過した場合は、個別事情を確認の上、事故との因果関係が確認されれば追加賠償ということになっています。 相当因果関係の類型については、福島県産が明示をされて広く認知された食料品を取り扱って、他の産品に切り替えることが困難であるなど、一定の類型が東京電力から示されているというふうに承知をしています。 一方で、相当因果関係の確認に当たっては、事業の規模、内容、地域などによって損害の状況が異なるなど、被害者の方々の置かれた状況は様々であることから、一律に示すことは適当ではないため、まずは東電が被害者の皆さんに事情をしっかりと受け止めて寄り添った対応をすることが重要だと思っています。 経産省としては、今後とも、東京電力に対して、被災された事業者の皆さんの相談に対して個別の事情を丁寧に把握をし伺って、公平かつ適切な賠償を行うようしっかりと指導してまいりたいと思います。
○岩渕友君 被害者の皆さんは、公平で適切な賠償が行われているのかがよく分からないというふうに言っているわけなんですよね。 東電に聞くんですけれども、東京電力は、今年の一月十二日に賠償の請求を受け付けている部署で請求者から受け取った書類が紛失したということを発表しました。紛失の経緯について、簡潔に説明をしてください。
○参考人(小早川智明君) 二〇一七年十二月十三日、御請求者様の代理人より原子力損害賠償の御請求に関する対応状況につきまして照会があり、状況を確認しましたところ、同月二十七日、請求書類の一部の所在が不明であることが判明いたしました。その後、直ちに書類の検索を開始いたしましたが、発見に至らなかったため、当該書類の紛失と判断し、本年一月十二日にプレスリリースをさせていただきました。 紛失の原因は、当該書類の社内での受渡しの際に不備があったものと考えております。なお、当該書類につきましては、外部への持ち出し記録がないことから建物内で紛失したものと考えております。また、御迷惑をお掛けしました御請求者様には、当該書類の紛失についておわびするとともに経過を御説明し、御理解をいただいております。 弊社といたしましては、このような事態を繰り返さぬよう、管理表への記録の徹底や管理者が日時で管理表を確認するなどの再発防止策を講じ、書類の厳重かつ適切な管理を徹底してまいります。
○岩渕友君 被害者の大切な請求書が紛失をするというこうした問題について、大臣、どういうふうに受け止めますか。
○国務大臣(世耕弘成君) これは本当に大変遺憾だというふうに思います。今、再発防止策を社長が御説明になりましたけれども、それをしっかり現場まで徹底してほしいというふうに思います。
○岩渕友君 この間、同様のことが何度も繰り返されてきています。 資料三を御覧ください。東京電力の原子力損害賠償組織体制、要員の推移ということで表にしております。要員は、見ていただけばお分かりのとおり、年々減っています。今年三月一日時点の総人数は、二〇一六年三月一日時点の半分以下になっています。 大臣に聞いていただきたいんですが、賠償業務に関わる東京電力の実態について、こんな声が寄せられています。生産性を倍増させるとして徹底的なコストダウンを進める中で、賠償業務でもコストダウンを求められるようになった。ベテランの委託職員が解雇され、ほとんど教育されていない社員が電話対応することでミスが起き、お叱りを受けている。請求書や証憑の枚数確認や授受確認、請求内容の確認を二名での重複チェックをしてきたが、重複チェックや枚数確認をやめさせられ、本人確認や賠償金額算定などの間違いが増加している。その一つが証憑紛失だ。証憑原本の誤廃棄やルールを守らず請求書を移動して行方不明になったり、日常的に起きている。それなのに更なるコストダウンに走っている。こういうものです。 大臣、こんなことでいいのでしょうか。実態を調査するべきではないですか。
○国務大臣(世耕弘成君) 東電における賠償体制については、全体の相談件数が減ってきているという中で、常設の相談窓口三十六か所での対応に加えて、被害者の皆さんと支払内容に関する見解が異なる案件などについて東京電力の担当者が戸別訪問を行うなど、相談対応に必要な体制は確保されているものと承知をしております。また、請求書の受領や支払などの体制についても、全体の請求件数が減少する中でも二千人を超える人員を確保するなど、必要な体制は確保されているというふうに承知をしております。 とはいっても、書類の紛失というのは、これはもうとんでもないことであります。再発防止の取組、先ほどから社長が述べた再発防止の取組をしっかりと行ってほしいというふうに思いますし、こちらからも徹底するよう東京電力をしっかり指導してまいりたいと思います。
○岩渕友君 人員が減る中で先ほどのような重大な問題が起きているということなんですよ。東京電力に対して、十分な体制を整えて被害が続く限り賠償を行うようしっかり指導をするべきです。 東京電力福島第一原発をめぐって損害賠償を求めた集団訴訟の判決が昨年から相次いで出されています。東電が支払うべき賠償範囲などを定めた中間指針では償い得ない損害があるのだと、司法が独自に判断をして認める流れが定着をしてきています。 国の紛争審査会で当事者参加のほとんどないまま賠償の指針が決められ、それを受けた東電が賠償基準を作り、加害者主導の枠組みがつくられてきたことが被害実態とのずれを生んでいます。こんな低い水準の指針は見直すべきだ、加害者である国と東京電力は、ふるさとを返してほしい、元の生活に戻してほしい、原発事故に対応した制度をつくるべき、こうした声が上がっています。こうした声と実態に国と東京電力は向き合うべきだということを厳しく指摘をしておきます。 福島第一原発事故の賠償費用などとして、国が用意をした無利子の貸付枠十三兆五千億円を東京電力が使い切った場合、全額回収するには最長で二〇一七年度から三十四年後の五一年度まで掛かり、この間、国には最大で二千百八十二億円の利息負担が生じることが会計検査院の試算で分かりました。原発事故の処理費用はどこまで膨らむか分かりません。原発再稼働が進められていますが、原発ゼロの決断をして再生可能エネルギーへの転換を進めるべきです。 原発事故後、福島県は原発に依存しない社会を掲げ、二〇四〇年までに再生可能エネルギー一〇〇%を目標に掲げています。大臣、再生可能エネルギーの導入は非常に重要です。特に、地域が主体の地産地消の電力の重要性について、大臣はどのように認識していますか。
○国務大臣(世耕弘成君) 電力システムでは、小型再エネを軸とした分散化が進むなど、分散化が今後のエネルギーの大きな流れの一つであるというふうに認識をしています。 そして、今御指摘のエネルギーの地産地消についても、先ほども答弁しましたが、地域資源を活用し、また地域の中で循環させる、そしてその過程で雇用も生むという意味で重要なものだというふうに考えております。そして、再生可能エネルギーは火力と比較をして分散化が可能でありまして、この導入は分散型エネルギーシステムの構築にもつながるというふうに考えています。 雇用、産業活性化の観点からも、例えば太陽光発電の設置工事を地元の工務店が行う地域産業への波及や連携の事例が見られまして、産業、雇用の活性化に資するというふうに考えております。
○岩渕友君 資料四を御覧ください。 地域が主体の地産地消の電力は重要なんですけれども、実際には大手資本や海外資本の進出が増えて様々な問題が起きています。見ていただいているのは、いわき市遠野町を中心にその周辺に風力発電の集中立地計画がある、その計画の配置想定図なんですけれども、その一つは株式会社ユーラスエナジーが建設を予定している三大明神風力発電事業で、当初は十七基の風力発電設置が予定をされていました。環境影響評価準備書に対して経済産業大臣からは、措置を講じても大規模な土工量が発生をする風力発電設備等については、これらの設置の取りやめや配置等の見直しを行うことという厳しい勧告が出されました。 これを受けてユーラスエナジーは基数を九基に減らすことにしましたけれども、代わりに一基当たりの出力が二千百キロワットから四千二百キロワットと倍になりました。百三十五メートルから百五十メートルの風車が建設をされる計画なんですけれども、この風車が建設をされる予定の山は麓からの高さがおおよそ四百五十メートルほどということで、風車の高さは山の約三分の一にも当たることになります。さらに、この周辺にアカシア・リニューアブルズ株式会社が遠野風力発電事業を計画しています。こちらは最大八万六千七百キロワットで、二十七基が予定をされています。 三月末に地元の住民の方々が三時間以上掛けていわきから国会にいらっしゃって、経済産業省始め省庁との交渉、要望を行いました。そこで深刻な実態や地元住民の皆さんの思いを訴えられています。これだけの規模の風力発電が集中立地するということになれば、災害や騒音、水源、環境などへの影響が大きくなるのではないかと大変心配をされています。 環境省に伺います。風力発電が環境影響評価の対象になった経緯を説明してください。
○政府参考人(中井徳太郎君) お答え申し上げます。 風力発電につきましては、地球温暖化対策の観点からその導入が期待されている一方で、騒音、景観、バードストライクによる猛禽類や渡り鳥への影響などが報告されておりました。また、風力発電事業を行うに当たり、地域における様々な環境影響を評価し、地域住民等の意見を聞いてその理解を得ることが重要でございます。 このことから、平成二十二年二月の中央環境審議会答申におきまして、法の対象事業として追加することを検討すべきと提言されました。この答申を受けて設置されました風力発電設置に係る環境影響評価の基本的考え方に関する検討会において検討を行い、その結果等を踏まえまして、平成二十三年十一月に環境影響評価法の対象事業に追加したところでございます。
○岩渕友君 地域住民の皆さんの意見を聞いてその理解を得ることが非常に重要だと、そういう考えに基づいているという答弁でした。 環境省は、二〇一七年五月二十六日に都道府県知事、市長、特別区長宛てに風力発電施設から発生する騒音に関する指針を通知しています。 環境省に聞きます。この指針について説明してください。
○政府参考人(江口博行君) お答え申し上げます。 風力発電施設は静穏な地域に設置されることが多いため、そこから発生する騒音等は、そのレベルが比較的低い場合でありましても周辺地域において聞こえやすいということがございます。また、風力発電施設のブレード、いわゆる羽根の回転により風を切ることに伴う周期的な音でありますとか、一部の施設の内部の増速機や冷却装置などによります特定の周波数が卓越した音が発生することがございまして、これらの音により煩わしさを増加させ、睡眠への影響のリスクを増加させる可能性があることが示唆されてございます。 このため、環境省におきましては、風力発電施設から発生する騒音等を適切に評価するための考え方について検討を進めてきた結果、先生御指摘の平成二十九年五月に風力発電施設から発生する騒音に関する指針を都道府県等に通知しているところでございます。
○岩渕友君 指針が出されるということは、その風力発電施設から発生する騒音がそれだけ問題になっているということを示していると思います。 騒音についてユーラスエナジーは、一基当たりの出力を倍にしても変更前の予測値と同等レベルと想定されるということを地域住民の方々に説明をしているんですけれども、皆さんはとても信用できないと、こういうふうに言っていらっしゃいます。 先ほどの指針値は一基当たり二千キロワットの風車を想定したと聞いていますけれども、風力発電設備が今どんどん大型化をしてきています。ここで計画をされている一基当たり四千キロワット以上の風車を想定した試算はあるでしょうか。
○政府参考人(江口博行君) 御指摘の指針の検討に際しましては、平成二十二年度から二十四年度にかけまして環境研究総合推進費の風力発電等による低周波音の人への影響評価に関する研究におきまして得られた知見を参考にしておりますけれども、当該研究におきましては、風力発電施設周辺百六十四地点で風車騒音の実測測定を行っておりますが、その時点におきましては稼働しておりませんでした一基当たり先生御指摘の出力四千キロワット以上の風力発電施設周辺での測定は行ってございません。
○岩渕友君 指針値の想定の倍の出力となる四千キロワット以上の出力となる風車の騒音がどのぐらいになるのか分からないということです。 環境省に、環境影響評価法に基づく手続を実施した単機出力四千キロワット以上の風力発電事業という資料を出してもらいました。陸上風力だけでも全国で十八事業もあります。風車が今どんどん大型化をしていると。で、大型化に対応した試算をする必要があることを指摘をしておきます。そして、指針ではなくこれ基準にしてほしいという声も寄せられているということも紹介をしておきたいと思います。 これ、一基当たりの出力が大きくなるということは、設備そのものが大きくなって、それだけ多くの木を伐採し深く掘ることになります。この地域は水源涵養保安林に指定をされていて、この地域に住む方々のうち二百二十軒以上が沢水や地下水を飲料水や生活用水に利用しています。地下水にも影響があるんじゃないかということで、この心配の声、大変大きいものがあります。これは生活に直結する問題です。 林野庁に伺いますが、保安林の解除を行わないでほしいというのが地元の要望ですが、どうでしょうか。
○政府参考人(織田央君) お答え申し上げます。 まず、保安林制度でございますけれども、これは、森林法に基づきまして、水源の涵養、災害の防止等の公共目的を達成するために必要のある森林を保安林に指定をいたしまして、一定の伐採、転用規制を課すなどによりその保全を図る、こういう制度でございます。 それで、御質問のありました案件でございますけれども、現時点で保安林の指定の解除が申請されておりませんので、今後の取扱いについてこの場で具体的にお答えすることは難しいところでございます。 今後、本件について保安林の指定の解除が申請された場合には、都道府県知事等の意見を踏まえ、保安林の指定目的の確保の観点から、森林法に基づいて適切かつ厳正に判断していく考えでございます。
○岩渕友君 申請されていないということだったんですけれども、保安林の解除に当たっては、災害のおそれがないように、水源機能が損なわれないように留意をする必要があるんだと聞いています。そして、解除には利害関係者にも話を聞くんだということになっているんですけど、どうですか。
○政府参考人(織田央君) 通知レベルでそのように直接の利害関係者の御意見も伺うようにというようなことの指導をしてございます。
○岩渕友君 地域住民の皆さんというのは、まさに利害関係者そのものです。これ地域の声をよく聞く必要があると思います。 資料の五を御覧ください。いわき市では、東日本大震災だけではなくて、それから一か月後の四月十一日に起きた地震によって土砂災害が発生をしました。土砂災害の多くは、この地震の震源断層と推定をされている井戸沢断層、湯ノ岳断層沿いの阿武隈変成岩地域で発生をしていることが確認をされています。 風力発電の建設予定地は湯ノ岳断層に近く、土砂崩れが起きやすいという調査報告がある阿武隈変成岩の上に建てられる予定になっています。さらに、この場所は、この資料にあるように、土石流危険箇所の分布している地域です。ユーラスエナジーは、住民の方々に課題が少ない土地だというふうに説明していますけれども、課題が少ないどころか、非常に問題が多い土地だと言えます。 この計画は、環境影響評価の対象になった趣旨を全く無視した事業です。同様に、地域住民の意見を無視した巨大な風力発電事業に関わる問題が今全国で起きています。環境、地域を守るためにもゾーニングを進める必要があると思いますが、どうでしょうか。
○政府参考人(中井徳太郎君) お答え申し上げます。 風力発電の導入と環境保全との両立を図るためには、早期の段階から関係者との調整の下で風力発電の導入を促進し得るエリア、環境保全を優先するエリア等を設定いたしますゾーニング手法が有効であると考えております。 このことから、環境省では平成二十八年度から風力発電に係るゾーニング導入可能性検討モデル事業を実施しておりまして、本年三月にはモデル事業の成果を踏まえましたマニュアルを策定、公表し、地方自治体にも周知したところでございます。 こうした取組を始め、より多くの地方自治体にゾーニングに取り組んでいただけるよう、環境省としてしっかり普及に努めてまいります。
○岩渕友君 ゾーニングが有効だと、普及にしっかり努めていきたいという答弁でした。 この計画なんですけれども、後から計画をされた遠野風力発電事業について経産大臣は、計画段階環境配慮書に対して集中立地に伴う累積的な影響を指摘し、他事業者との情報交換等に努めるよう、こういう意見を述べています。 遠野風力発電事業だけではなく、その先に計画されていた三大明神風力発電事業も含めて環境影響を評価するべきではないでしょうか。
○政府参考人(福島洋君) 三大明神風力発電事業につきましては平成二十六年十月から、遠野風力発電事業につきましては平成二十九年七月に環境アセスメントの手続を開始しております。 御指摘のとおり、二つの事業、加えますと三つの事業につきましては、隣接した場所での事業実施が計画されていることから、多数の風力発電設備を建設することにより生じる累積的な影響が懸念をされるところでございます。 このため、環境アセスメント手段の一環として、経済産業省といたしましては、後に環境アセスメント手続を開始した遠野風力発電事業の事業者に対しまして、議員御指摘のような隣接事業に関する情報収集や隣接する他事業者との情報交換などに努め、累積的な影響についても適切な予測及び評価を行った上で風力発電設備等の配置等を検討すべきである旨の経済産業大臣の意見を発出したところでございます。 経済産業省としましては、今後の環境アセスメント手続の中で、事業者が当該意見に対して適切に対応しているか、しっかりと確認してまいりたいと思います。
○岩渕友君 最初か後かということじゃなくて累積的影響ということなので、どっちも含めて環境影響評価をするべきだというふうに思います。 関係省庁から事業者同士がよく話し合うようにというふうに言われているわけですけれども、地元の方々がユーラスエナジーに話合いどうなっているのかというふうに聞いたところ、アカシア・リニューアブルズとはコンタクトを取った、この程度だったということだそうです。さらには、アカシア・リニューアブルズが後から来たからだというふうにも言っていて、住民の方々からは、話合いがちゃんと行われるのかそれが不安だ、話合いちゃんと行う気があるのか心配だ、こういう声が上がっています。二つの風力発電事業が計画をされている地元では、設置に反対をする署名が八六%の世帯から集まっています。中には九六%もの世帯が署名をしている地域もあります。 二〇一六年六月に改定をされたFIT法では、再生可能エネルギー発電事業計画を認定する制度が創設をされました。事業計画策定ガイドラインでは、企画立案の段階から再生可能エネルギー発電事業を円滑かつ確実に実施するためには、発電設備を設置しようとする自治体や地域住民に事業の実施についての理解を求め、地域と共生した形で事業を実施することが重要であるとして、地域との関係構築のために事業計画作成の初期段階から地域住民と適切なコミュニケーションを図るとともに、地域住民に十分配慮して事業を実施するよう努めることというふうにしています。 これ、九割もの世帯が反対の声を上げているということは、地域と共生した形で事業を実施するということがあり得ないということになるんじゃないでしょうか。大臣、お答えください。
○国務大臣(世耕弘成君) 再生可能エネルギーの発電事業というのはかなり長期にわたって行われるものですから、当然、この発電事業を行うに当たっては地域の御理解をいただきながら事業を進めていくことが重要だというふうに思います。 FIT制度の開始以降、地域住民とのトラブルが原因で計画の撤回を余儀なくされている事態というのが発生している、こういったことを踏まえて、去年四月に施行されました改正FIT法では、地域住民への説明会の開催など地域住民との適切なコミュニケーションを図ることについて新たに努力義務として求めておりまして、必要に応じて経済産業省から事業者に指導を行うこととしております。 こうした対策を通じて、事業者が地域との共生を図り、適正に再生可能エネルギー発電事業を行っていくよう、引き続き取り組んでまいりたいと思います。
○岩渕友君 事業策定ガイドラインなんですけれども、今年の四月二日に改訂をされていて、まあつい最近ということですよね。それで、企画の立案における地域との関係構築という部分のその解説の部分が大きく膨らんでいて、今大臣が言ったように、反対運動を受けて計画の修正、撤回を余儀なくされる事態も存在しているんだと。事業計画作成の初期段階から、風力発電事業者からの一方的な説明だけじゃなくて、自治体や地域住民の意見を聞きながら適切なコミュニケーションを図って、地域住民に十分配慮して事業を実施し、誠実に対応することが必要だと、ここの部分が先日大きく膨らんだところなんですよね。これ、九割もの世帯が反対をしていると、努力義務だということで済ませるわけにはいかないと思うんですね。 大臣に更に聞くんですけれども、対象事業実施区域のほぼ全域が森林法に基づく水源涵養保安林等の保安林及びいわき市水道水源保護条例に基づく水道水源保護地域に指定をされていることに加えて、改変区域の一部は山地災害危険地区に指定をされています。企画立案段階で法令遵守事項がクリアできていないということです。 新たなFIT認定制度では、事業計画が円滑かつ確実に事業が実施されると見込まれ、安定的かつ効率的な発電が可能であると見込まれる場合に経済産業省が認定をするとされています。けれども、円滑に安定的に事業が行われるとはとても言えない状況だと思います。これだけ問題がある計画であるにもかかわらず、二〇一七年二月にもう既にFIT認定行われているんです。これ、FIT認定を行ったのは瑕疵があるということじゃないのかと。 三大明神風力発電は、準備書の後に事業変更が行われました。先ほどの出力が倍になるという事業変更を行われています。この段階では、もう住民も知事も意見を言うことができません。環境影響評価とFIT認定は別だということにはならないと思います。FIT認定を行ったことで、この事業に経産省がお墨付きを与えたということになっています。FIT認定を取り消すべきではないでしょうか。
○国務大臣(世耕弘成君) 改正FIT法では、新たに自治体の条例なども含めた関係法令の遵守を認定基準に明確に位置付けていますし、関係法令の遵守違反が確認された場合には認定の取消しをすることになっています。 三大明神風力発電事業については、現時点で自治体や関係省庁から指導や命令等があったとは承知をしておりません。関係法令に違反をしているとは認められません。したがって、本件について現時点でFITの認定取消しを行うことはできないわけであります。
○岩渕友君 法令違反がないというわけなんですけれども、さっきの保安林の解除のときに、申請すら上がってきていないという状況だったわけですよね。だけど、既にFITはもう認定をされていると。何よりも、九割もの住民が反対をしていて、そういうことが全国で問題になっているからこそこのガイドラインが改定をされてそこの部分が膨らむと。こういう状況の中で、今回の事業がとても住民の理解を得ているとは思えないわけなんですよね。 ちょっと大臣に改めて聞くんですけど、この事業を中止にするべきじゃないでしょうか。
○委員長(斎藤嘉隆君) 大臣、時間が来ておりますので、簡潔にお願いします。
○国務大臣(世耕弘成君) 関係法令に違反が確認されれば認定の取消しを行うことになるわけですが、現時点で認定の取消しを行うような関係法令の違反は認められないということでございます。
○岩渕友君 住民の皆さんからは、原発事故の被害に加えて風力発電で更に苦しめられるのか、先祖代々大切に守ってきた土地、このままでは子供や孫に安心して住める地域を残すことができないという切実な訴えがあります。 この反対九割という声、しっかり受け止めてもらって、住民無視の計画は断固中止するべきだということ、地産地消の再生可能エネルギーへの導入を強く求めて、質問を終わります。
○石井章君 日本維新の会、石井章、通告に従いまして御質問したいと思います。 まず最初に、コネクテッドインダストリーズについて質問したいと思います。 まず、コネクテッドインダストリーズについてでございますが、まず、これはドイツ政府が打ち出しましたインダストリー四・〇による第四次産業革命において、国際的な潮流に遅れることは将来的に日本の産業界が諸外国の下請的な立場になるという危険性があるという指摘の下で、いち早く気付かれた世耕大臣が安倍総理へその重要性を進言されまして、元NTTの社員としての知見を生かしまして、企業と企業、機械と機械、人と人などがデータを介してつながる世界という発想からこういうネーミングを考えたわけでございます。お名前まで大臣が考えたというふうにおっしゃっておりますけれども、その構想は産業界から幅広く理解され、歓迎され、その急速な浸透には目をみはるものがございます。 大臣所信の中でもコネクテッドインダストリーズについて特に注力されている印象を受けるのでありますけれども、その狙い、そしてドイツのインダストリー四・〇との違いについて、まずお伺いいたします。
○国務大臣(世耕弘成君) コネクテッドインダストリーズは、やはり最初考えたときはドイツのインダストリー四・〇、これに対してどういうふうに対応していくのかというところを原点に出てきた概念であります。 ドイツのインダストリー四・〇は、これはまさに製造業において、製造の過程、まさに設計をするCADから、物を作るシステムから、そして在庫管理といったところまで、これはもう特定の会社にほぼ寡占をされている、ドイツはそういう状況です。あるいは、企業間の取引についても別のシステム企業にほぼ全部、一社でほぼカバーをしているという状況であります。ドイツのインダストリー四・〇というのは、中小企業も含めた物づくりの企業に、この横のライン、縦のラインにも参加してくださいと、これがドイツのインダストリー四・〇の本質だというふうに思っています。 我々の考えているコネクテッドインダストリーズはちょっと違いまして、我々日本は中小企業も含めてもう物づくりの現場にはある程度IT化も進んでいて、非常に質の高いデータが存在する。そのデータを媒介にいろんなものをつないでいく。これは、製造業だけに当てはまるのではなくて、製造業とサービス産業がつながることもできますし、また、単にその製造する過程をシステム化するというわけではなくて、機械と機械をつないだり、機械と人をつないだりということで、いろんな意味でインダストリー四・〇、この物づくり、製造システムの中でのIT化というのに比べて非常に広がりのある概念ではないかというふうに思っています。
○石井章君 大臣から御説明いただきまして、ありがとうございます。 ただ、こういう横文字の施策に対して、国内の中小・零細企業は関心があってもなかなか自社では不可能と考えてしまいがちであります。しかし、国内の九九%の企業が中小企業でありまして、そういった中小・零細企業を巻き込まずにこのプロジェクトは成り立たないと思うことは明白でございます。そして今回、政府は、コネクテッドインダストリーズは中小企業が主役となり、その果実を受け取るのは大企業ばかりではなく、むしろ中堅・中小企業が主役だとうたっております。 そこで、中小・零細企業が享受できるメリットとその参画をどのように促していくのかをお伺いいたします。
○政府参考人(寺澤達也君) お答えいたします。 委員御指摘のとおり、コネクテッドインダストリーズは日本全体がグローバルな競争で勝っていくために必要な方策だと考えておるわけでございますけれども、中小企業など個々のプレーヤーにとっても大きなメリットがあると考えておるわけでございます。 具体的には、データの利活用を通じて効率性が生産の現場でも販売の現場でも上がっていきますと、中小企業が今直面する深刻な人手不足の問題の緩和に大いに貢献できるんだろうと。あるいは、いろんな現場で、なかなか安全でない現場もあったりすると、そのデータの利活用を通じて安全性が高まれば人の採用というのが進むと、そういう観点からも人手不足の問題の緩和に大いに貢献できると思っています。 また、これから熟練工の皆様がどんどん引退されるという中で、熟練工の持っているたくみの技の伝承は重要になってくるわけですけれども、そうしたたくみの技を見える化し、デジタル化するということを通じて、熟練工から若い世代への技能の伝承にもつながっていくんだろうというふうに考えています。 また、三点目には、いろんな効率化、データの利活用を通じて、多品種の生産とか短い納期での加工というのが可能になります。そうすると、付加価値が高まるということで、中小企業の皆様の利益の拡大にも貢献し得るというふうに期待しているわけでございます。 このように、コネクテッドインダストリーズは、中小企業にとっては非常に大きなポテンシャルを持ったものでございますが、他方、これに必要な投資のための資金が不足するとか、あるいはITツールといっても使い方がよく分からない、恐らくそういう課題を中小企業は抱えていらっしゃると。そうした中小企業の皆様の課題にしっかりと丁寧に応えていくということが不可欠だろうと思います。 具体的には、例示でいうと、例えば物づくりのための設備導入のための補助であるとか、あるいはサービス事業者のIT導入のための補助、そうした補助に加えまして、IoTを使って成功しましたと、そうした事例をお互いに共有するということはとても大切であります。そうした成功事例の共有のためのプラットホームづくりということも取り組んでいきたいと思います。 こうした様々な施策を全力で投入することによって、中小企業の皆様がコネクテッドインダストリーズにもしっかりと参画していく、そういうことをしっかりとバックアップしていきたいと考えている次第でございます。
○石井章君 今の御答弁ですと、大変将来がバラ色のように聞こえまして大変うれしく思うんですけれども、利益拡大や働き方改革あるいは人手不足解消に効果があるということでありますが、現実として、中小・零細企業では、EDI、いわゆる電子化されたビジネス文書など、インターネットや専用回線を通じてやり取りしますけれども、しかし、まだまだ活用されていないということであります。 コネクテッドインダストリーズの担い手となる中小・零細企業へのいわゆる支援が大変重要となりますけれども、いわゆるそれは経済産業省が、御省がその中心となって、中小・零細企業のたて糸とよこ糸をきちんとつなぐ役目を働いていくのかどうかをお伺いいたします。
○政府参考人(吾郷進平君) お答えいたします。 コネクテッドインダストリーズの実現に向けた中小企業への支援策といたしまして、二十九年度の補正予算で、ものづくり・商業・サービス業補助金一千億円、予算措置していただきました。この中で、複数中小企業がデータ、情報を共有して生産性向上を目指す取組を支援するために、企業間データ活用型の補助類型を創設しましてこうした取組を支援していきたいと考えております。 また、中小サービス業などのIT化を進めるためのIT導入補助金でございますが、これも補正予算で五百億を措置いただきました。約十三万者を支援することとしておりまして、その際、ITベンダーでありますとかITツールについての評価を行い、そして公表していくということを通じまして、効果の高いITツールの導入を促進する環境を整えてまいりたいと考えております。 さらに、中小サービス業等の生産性向上を百万者規模で推進していくための中小サービス等生産性戦略プラットフォームを二月に発足させたところでございまして、IT化や業務プロセスの改善など、生産性向上に関する情報、ノウハウ、成功事例等を強力に横展開してまいりたいと考えております。
○石井章君 いろいろな施策、前向きに私も受け取ります。 ただ、ビッグデータは集めるだけでは意味を成さないわけでありまして、その情報を分析、分類することによって初めて価値のあるデータとなります。この高い分析能力を保持することが国際的な競争を左右するとも言われておりますが、その分析を担うデータサイエンティストについては既に国際的な獲得競争が始まっているそうですが、我が国としてデータサイエンティストの確保について、その考え方をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(寺澤達也君) お答えします。 委員御指摘のとおりに、データの利活用のためには人材が圧倒的に重要だろうというふうに考えているわけでございます。 実は経産省の方で平成二十八年六月に行った調査がございます。その調査によりますと、データサイエンティストを始めとしたAIとかビッグデータ、IoTを支えるいわゆる先端的なIT人材、これは平成三十二年には約四・八万人不足すると、そういう試算を示しているところでございます。 こういうふうに人材が不足しているという大きな問題、委員の御指摘のとおりでございますので、それに対処する観点から、まず平成二十九年四月、昨年の四月でございます、私どもの方としては、データサイエンス等々の分野につきましてITスキル標準というのを策定しました。このITスキル標準というのは、それぞれの人材にとって必要となる実務能力、スキルというのを明確化し、体系化するものでございます。こうしたITスキル標準を策定することによって、民間ベースでの人材育成を促進するための環境整備をしっかりと取り組んでいるところでございます。 それに加えまして、より直接的、具体的に人材育成を推進する観点から、こうしたデータ分野とかIT分野における社会人の学び直しというのはとても重要でございますので、そうした学び直しを支援するため、第四次産業革命スキル習得講座認定制度、これを昨年七月に創設したところでございます。これを受けまして、今年一月には第一回の認定として、AIとかデータサイエンス等々の分野につきまして二十三の講座を認定したところでございます。 こうした取組を通じ、委員から御指摘があったように、データサイエンティストを始めとする必要なIT人材の育成確保に全力を挙げて取り組んでいく所存でございます。
○石井章君 命名者でもあります世耕大臣の指導力に期待して、コネクテッドインダストリーズの成功を期待したいと思います。これに関しては質問を終わりたいと思います。 続きまして、固定資産税についてであります。 政府が今国会に提出しました生産性向上特別措置法案、生産性革命法案では、中小企業支援の一環として、二〇一八年から三年間、特例措置としまして固定資産税の減免幅を自治体の判断でゼロ以上二分の一以下にすることなどが盛り込んでおります。その活用には、法案成立、施行された後には各自治体が導入促進基本計画を策定するとともに、特例率を二分の一以下にする条例制定して、各自治体が年率三%以上の労働生産性向上があると認められれば実施できるとのことであります。 そして、この新しい固定資産税の特例措置に関しましては、税率の全国一律適用を見直しまして、各自治体の判断によって税率をゼロとすることも可能となる画期的なものだと思いますが、中小企業の生産性向上にどの程度の効果があると考えているのか、お伺いいたします。
○政府参考人(吾郷進平君) 委員御指摘のとおり、自治体の判断により固定資産税をゼロにする制度ということでございまして、この制度を御利用いただきますためには、市町村が設備の導入基本計画を策定いたしまして、その基本計画に沿って中小企業が先端設備等導入計画を作成するという仕組みでございます。そして、その市町村の認定を受ける際の要件の一つに、先ほど先生からもお話がございました、労働生産性が年平均三%以上向上することという要件になっておるところでございます。 今後、しっかりとした周知を図って、一つでも多くの事業者の方に本制度を御利用いただくことで、全国大でこの三%以上生産性が向上する企業を増やしてまいりたいというふうに考えております。
○石井章君 固定資産税の減免については、各自治体で例えば企業誘致条例などを作って、例えば企業誘致条例の委員会などで三年間例えば税金を全面的に免除するとか、それは各自治体に任せられておりますけれども、今回は国の財政措置が七五%、いわゆる減収分七五%を措置するということは、もう非常にこれは効果があると思います。 いわゆる新規事業を、例えば新しい会社を誘致するだけではなくて、例えば工場の増設とか、あるいは新しい機械を入れて償却資産なども入れるといったときにもこれは適用になると思いますが、その辺の考えはどうなのか、御答弁お願いします。
○政府参考人(吾郷進平君) この計画をお作りいただいて、生産性が三%以上上がるというその投資をしていただくというものについては、その町に新たに進出するもの以外のものも新たな投資活動は対象になるというふうに考えておりまして、これしっかり御活用いただけるようにPRも含めてしっかり取り組んでまいりたいと存じます。
○石井章君 ありがとうございます。 導入促進基本計画は各市町村が計画を策定することになっております。私も地方議会の経験がありますけれども、そのような計画認定は市区町村のなかなか負担になりかねないところもありまして、ただ、今、静岡市や川崎市などの中核都市では固定資産税の税収減を上回る効果があるとして、早速導入の検討に入っているということも耳にしております。 地方の小さな町村ではなかなか前に進んでいかないと思うわけでありますが、そういった地方創生という観点から考えても、地域のその格差が生じることは当然心配されるんですが、国としてしっかりサポートしていくお考えがあるのかどうか、お伺いします。
○政府参考人(吾郷進平君) 御指摘のとおり、市区町村の方でまず導入促進基本計画をお作りいただく必要がございます。市区町村がこの基本計画をお作りになる際には、経済産業省といたしましても、計画の内容の記載例などを様式と併せて提示をいたしましたり、あるいは不明点がある場合には個別に御相談に応じるなど、規模の小さな自治体でも円滑に御対応いただけるように丁寧な対応に努めてまいりたいと考えております。 また、事業者の策定する導入計画を市区町村に御認定いただくことになるわけですが、これにつきましては、税務あるいは財務等の専門的な知識を有する税理士等がしております認定経営革新等支援機関、こちらで先端導入計画の達成が見込まれるかどうかを事前に確認すること、こういったことも仕組みに入れまして、円滑に認定が進むようにしてまいりたいと考えております。
○石井章君 今の答弁を信じて、格差ができないように、いわゆる地方の市町村でもこれが導入して、ああ、利用してよかったなと思えるような形を取っていただければと思います。 続きまして、事業承継についてでありますが、経営者の高齢化が進展する中、多くの企業が事業承継の課題を抱えております。中小企業庁の資料でも、今後十年間の間に七十歳を超える中小企業・小規模事業者の経営者は約二百四十五万人となり、うち約半数の百二十七万が、これは日本企業の全体の三割でありますけれども、後継者が未定であると。現状を放置すると、中小企業廃業の急増により、二〇二五年までにこの十年間累計で約六百五十万人の雇用、約二十二兆円のGDPが失われる可能性がある、特に地方においては後継者問題は深刻であると言われております。 その問題解決に向けて政府は事業承継税制の拡充を実施するというが、どのような効果を見込んでいるのか、お伺いします。
○政府参考人(吾郷進平君) お答え申し上げます。 今先生からもお話ありましたとおり、非常に危機的な状況にあるわけでございまして、この危機を乗り越えるために、事業承継税制については、承継時の贈与税、相続税の支払負担を今後十年間に限ってゼロにするなどの抜本的な拡充を行うこととしたところでございます。現状では、日本の事業承継税制の利用実績と申しますのは約四百件程度にとどまっておるわけでございますけれども、欧米、ドイツやイギリス等の例で申しますと数千件の活用事例がございます。私ども日本でも、利用件数を一桁上げるぐらいに利用拡大を期待しているところでございます。 この事業承継税制の十年限定の特例措置だけではなくて、承継前から承継後までの切れ目ない支援措置を実施することで、今後十年間での事業承継を集中的に後押ししてまいりたいと考えておるところでございます。
○石井章君 政府は、この特例によりまして納税の猶予対象が拡大するとともに、適用の打切りリスクが緩和されてスムーズな事業承継につながるとおっしゃっています。しかし、そもそも、これまでに事業承継税制が有効に機能しているのは株式の評価がおおむね一億円以上の企業がほとんどだと言われております。 その理由としては、一億円以下の中小企業が、ほとんどが経営者の承継については、生前対策として還暦贈与やあるいは退職金による株式評価の変更などが行われておりまして、事業承継が困難という状況はなかなかまれであります。すなわち、後継者難、経営革新の困難さ、廃業の危機など、経営者の高齢化に起因する経営問題に直面している会社への効果は限定的でありまして、もうかっている優良企業に与える節税手段となってしまうのではないかと思いますが、どうでしょうか。
○政府参考人(吾郷進平君) お答え申し上げます。 今御指摘のございました承継対策として行われております暦年贈与でございますけれども、年間百十万円という枠がございまして、それを超えると贈与税が発生するわけでございます。そしてまた、逆に申しますれば、事業の承継に時間が掛かるということでございます。また、退職金による株式評価の変更につきましては、会社の資金を個人に移転をするわけでございまして、場合によっては会社の経営体力を毀損してしまう可能性もあるという指摘もあるところでございます。 事業承継税制は、非上場株式の株式を先代経営者から後継者に贈与、相続する際に相続税、贈与税を猶予するものでございまして、計画的に適切なタイミングで承継を行う際に税負担を軽減できるという利点があるものと考えております。平成三十年度税制改正で大幅に使いやすい制度に拡充したところでございまして、今後の活用を期待しているところでございます。
○石井章君 ありがとうございます。期待したいと思います。 それでは、時間がないので、次に商工中金、せっかく来ていただいたので、商工中金の問題についてお伺いします。 なかなかなり手の社長がいなかったのにお引き受けいただいて、ありがとうございます。 商工中金の在り方検討会がまとめた提言の中身について、先般質問させていただきました。組織ぐるみの不正融資が発覚した、これはもう言わずもがなでありますが、完全民営化の方向で新ビジネスモデルの構築に四年間注力し、その検証と危機時の対応の検証を踏まえて民営化移行を判断するということであります。非常に分かりにくいために、確認のために、現時点では完全民営化されない場合もあり得るのかどうか、大変シンプルな尋ね方でありますけれども、残念ながら政府参考人の答えは、四年後に新たなビジネスモデルの確立を徹底検証し、危機時に商工中金が危機対応業務を実施する責務が必要かどうかの検証も踏まえた上で移行を判断するということなんですが、社長、どうでしょうか、お伺いします。
○参考人(関根正裕君) 民営化するしないの議論については、今後四年間、私どもの努力ですとか、それから危機対応に対する政府としての対応の在り方、それから保証制度、そういったことを総合的に勘案して決めるということでございますので、私どもとしましては、新たなビジネスモデルの確立に向けてしっかりと頑張っていくということでございます。
○石井章君 商工中金の経営を監視する評価委員会が設置されまして、改革の進捗状況の検証、四年後の完全民営化の可否を提言するという予定になっておりますけれども、完全民営化のためには、一七年三月末時点での貸出残高の約三割を占める危機対応業務を三%まで縮小する、中小企業の再生支援を拡大するなどが求められておりますが、それは事業の健全化という業務についてであります。そこに危機対応業務を実施する責務が必要かどうかという政策的な大きな判断が含まれておりまして、評価委員会が民営化の可否について提言することは違和感を覚えるわけであります。 もちろん、国民的な議論を経て最終的な決定がなされるだろうと思いますけれども、政府としての最終判断を決定するスキームについて、現段階での考えをお伺いいたします。
○政府参考人(安藤久佳君) お答え申し上げます。 商工中金は、今、新社長が御答弁申し上げましたように、これから四年間掛けて、先ほどの御答弁にもありましたように、新しいビジネスモデルの確立に邁進をしていただくと、このようなことでございます。したがいまして、その四年後にどういう姿になっているのかということについて、今私どもちょっと予断を申し上げるわけにはいきませんけれども、今社長が御答弁申し上げましたように、商工中金があらゆるリソースを全力投入をして、様々な中小企業あるいは地域の金融にとって必要な機能の実現に全力を挙げていかれるということだと思っております。 その上で、四年後における検証の仕方でありますけれども、評価委員会の方が、今申し上げましたような新しいビジネスモデルと、それと危機対応業務、これの在り方というものについて徹底検証を行って、それを政府の方に言わば御提言をいただくということに多分なると思います。その上で、商工中金の完全民営化に踏み込むかどうかの判断は、これは時の政府、経済産業大臣が時の大臣として関係大臣とお諮りしながらしっかりと御判断をさせていただくと、多分このようなことになるのではないかと思います。 その上で、完全民営化をもし行っていくということでありますと、これは立法措置が必要でございますので、その際には時の立法府の御判断を最終的には仰ぐと、このようなことになるのではないかというふうに思わせていただいております。
○石井章君 今私が質問した内容で、関根社長のお考えをお伺いします。
○参考人(関根正裕君) 今長官がお答えしたとおりでございまして、私どもとしては、先ほどもお答えしましたように、しっかりと新しいビジネスモデルを確立して邁進していくということでございます。
○石井章君 また関根新社長にお伺いいたします。 社長は先般の会見で、前例にとらわれず、現場主義の視点で改革を実行し、信頼回復できるよう全力を挙げて取り組むことを、まずコンプライアンス、いわゆる法令遵守の体制構築について強い決意を表明いただいております。 その手腕に大いに期待させていただいておりますが、そこで一つだけお伺いしたいんですけれども、今後、危機対応業務を最終的に三%程度まで縮小し、中小企業の再生支援を拡大することに加え、民業圧迫とならないように民間金融機関の補完業務に徹していかなければならないわけでありますけれども、民間銀行がリスクを理由に貸し付けられない相手に対して、リスクを覚悟して再生支援の名の下で貸付けを行っていくことがビジネスとして成り立っていくのかどうか、非常に疑問を感じておりますけれども、関根社長の考えをお伺いします。
○参考人(関根正裕君) 近年、危機対応業務に収益を依存していたこと、ましてや不正行為に及んでいたこと、これらは誠に恥ずべきことというふうに考えております。こうした事態を猛省いたしまして出直しを図っていく上では、従前からのビジネスモデルを転換する必要性を痛感しております。 そのため、有識者による検討会の御提案を真摯に受け止め、現状では地域金融機関が十分に対応できていない担保や個人保証によらない事業性評価、課題解決型提案やきめ細かな経営支援、抜本的な事業再生など、中小企業にとって付加価値の高い分野に重点化する新しいビジネスモデルの構築に全面注力してまいります。 こうした分野は、かつて商工中金が地域金融機関と協調しながら地域の中小企業を支えるために一生懸命取り組んできた分野であり、収益が見込める分野でもあります。有識者検討会の委員からも、そうしたかつての姿を取り戻すべきという御意見をいただいているところでありまして、全社一丸となって原点に立ち返って再建を果たすため、商工中金のあらゆるリソースを投入し、全力で取り組んでまいります。このことが、商工中金が他の金融機関と差別化して、持続的な経営を成り立たせる唯一の道であるというふうに考えております。
○石井章君 時間が来ましたので、大臣、お疲れのところ、最後に商工中金についてお考えを述べて、私の質問を終わりにします。
○国務大臣(世耕弘成君) まさにいろいろとまだ問題が抱えている、特に中小企業向けの地域金融、これを抜本改革する一つの先兵、先例に是非商工中金にはなってほしいというふうに思っております。
○石井章君 ありがとうございました。
○委員長(斎藤嘉隆君) 両件に対する質疑はこの程度にとどめ、本日はこれにて散会いたします。 午後三時五十七分散会