議院運営委員会 第4号
- 発言数
- 113 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 2018/01/30
会議録
○委員長(山本順三君) ただいまから議院運営委員会を開会いたします。 まず、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 検査官及び公正取引委員会委員長の任命同意に関する件のため、本日の委員会に参考人として検査官候補者・検査官森田祐司君及び公正取引委員会委員長候補者・公正取引委員会委員長杉本和行君の出席を求め、所信を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山本順三君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(山本順三君) 次に、検査官及び公正取引委員会委員長の任命同意に関する件を議題といたします。 候補者から所信を聴取いたします。 まず、森田祐司君にお願いいたします。森田祐司君。
○参考人(森田祐司君) 森田祐司でございます。 本日は、このような機会を与えていただき、厚く御礼を申し上げます。 我が国の社会経済については、少子高齢化に伴う社会保障費の増大、潜在成長力の伸び悩み、東日本大震災からの復興、財政の健全化等の課題が山積しております。 会計検査院は、このような社会経済の動向を踏まえつつ、内閣から独立した憲法上の機関として、国や独立行政法人等の会計検査を実施し、検査の結果に基づき検査報告を作成して、内閣を通じ国会に御報告するという重要な使命を課されております。 会計検査院の組織は、意思決定を行う検査官会議と検査を実施する事務総局で構成されており、三人の検査官から成る検査官会議は、合議によって会計検査院としての意思決定を行うほか、事務総局を指揮監督しています。 私は、監査法人において、公認会計士として、上場企業等の財務諸表監査等に従事するとともに、パブリックセクター責任者として、国、自治体の監査業務や改革支援等の業務を統括、実施してきた後、平成二十三年に両院の御同意をいただいて検査官に就任いたしました。以降、現在まで六年十一か月余りの在任中、会計検査院の意思決定に携わり、会計検査院に課された使命を果たすよう職責を担ってまいりましたが、その職責は極めて重いものと感じております。 そして、この在任期間において、私は、検査官として、前回所信の際に申し上げましたように、正確性、合規性に加え、経済性、効率性及び有効性の観点からの検査を重視していくこと、国や独立行政法人等の財務書類等の情報も活用するなどして財務状況の検査を充実し、基金等の資産、剰余金等の状況についても明らかにしていくこと、検査対象機関の内部統制の実効性に留意して検査を実施し、問題点があればその改善も促していくこと、これらを常に意識しながら、現在の社会経済の動向、また国民の関心や国会での御審議の状況などにも注意を払って検査官の職務に専念してまいりました。 この間、「租税特別措置(相続税関係)の適用状況等について」など六十四件の国会及び内閣への随時報告、「東日本大震災からの復興等に対する事業の実施状況等に関する会計検査の結果について」など二十四件の国会からの検査要請に係る検査結果の報告などを行い、また、昨年十一月八日には平成二十八年度決算検査報告を取りまとめて内閣に提出したところです。これらに当たって、私は、民間出身の検査官としての視点も取り入れながら会計検査院の意思決定に関与してまいりました。 そして、平成三十年次の会計検査について、国会における審議の状況に常に留意するなど、これまでと同様に引き続き国会との連携に努めることとするなどの基本方針を定め、これに基づく検査の実施について事務総局の指揮監督に当たっているところです。 仮に検査官に再び任ぜられるとするならば、私は、民間における経歴及びこれまでの在任中に検査官として職責を果たしてきた中で培った知識、経験を生かすとともに、国民の皆様の関心の所在や国会における御審議の状況に常に注意を払うなど、いろいろな御意見に耳を傾けながら、誠心誠意、一生懸命努力して検査官の職責を担ってまいりたいと考えております。 以上、簡単ではございますが、私の所信を述べさせていただきました。 本日は、このような機会を与えていただき、改めて厚く御礼を申し上げます。
○委員長(山本順三君) 次に、杉本和行君にお願いいたします。杉本和行君。
○参考人(杉本和行君) 杉本和行でございます。 本日は、所信を述べる機会をいただきまして誠にありがとうございます。厚く御礼申し上げます。 まず、公正取引委員会委員長の任務についての認識について述べさせていただきます。 公正取引委員会が担当しております独占禁止法は、公正かつ自由な競争を促進し、事業者の創意を発揮させ、事業活動を盛んにし、雇用及び国民実所得の水準を高め、もって一般消費者の利益を確保するとともに、国民経済の民主的で健全な発展を促進することを目的としております。 公正取引委員会はこの目的を達成することをその任務としており、公正取引委員会の委員長には、他にも増して、国民全体の奉仕者たる国家公務員としての強い自覚を持ち、国民の皆様や関係各方面の意見を伺いつつ、公正に職務を遂行していくことが求められていると考えております。 私は、平成二十五年に両院の御同意をいただきまして、同年三月に着任して以来、公正取引委員会委員長として、他の委員共々、価格カルテル、入札談合などの独占禁止法違反行為、中小企業に不当に不利益をもたらす下請法違反行為、消費税の転嫁拒否行為などに対する厳正かつ積極的な対処を始めとする競争政策の積極的展開に取り組んでまいりました。これまでの取組を踏まえ、今後取り組むべき施策の基本的な方向についての考えを述べさせていただきたいと思います。 公正取引委員会は、昨年七月に創立七十周年を迎え、公正取引委員会が運用する独占禁止法も施行から七十年がたちました。この七十年の間、戦後の経済復興、高度経済成長、そしてバブル経済の形成、崩壊、人口構造の少子高齢化と、企業活動を取り巻く経済環境は大きく変化しており、独占禁止法は、これらの時々の経済情勢を踏まえて運用されてきました。私といたしましては、公正取引委員会の七十年の歴史と経験を生かしつつ、今後ますます急速に変化していく経済環境に的確に対応し、国民経済の発展に資する競争政策を更に推進していくことが必要であると考えております。 具体的な施策といたしましては、まず第一に、厳正かつ実効性のある独占禁止法の執行を確保していくことが重要であると考えております。独占禁止法に違反する競争制限的な行為に厳正に対処していくことは、公正かつ自由な競争の実現により、事業者の創意工夫を引き出し、消費者の利益を確保することにつながります。したがって、国民生活に影響の大きい価格カルテル事件や入札談合などには厳正に対処していく必要があると考えます。また、事業者の公正かつ自由な競争を確保するために、他の事業者の事業活動を排除又は支配するような私的独占や他の事業者の事業活動を不当に拘束するといったような不公正な取引方法についても監視し、適切に対処していく必要があります。合併等の企業結合事案については、消費者、需要者にとって選択肢を確保する観点から、競争を制限することとなる企業結合を規制するため、的確な審査を進めていくことが要請されていると考えております。 第二には、公正な取引慣行を推進する観点から、中小企業に不当に不利益を与える行為の取締りをしっかりと実施することが重要であると考えております。優越的地位の濫用、不当廉売などの不公正な取引方法や下請法違反行為など、中小企業に不当に不利益を与える行為に対しては厳正かつ積極的に対処するとともに、違反行為を未然に防止していくための施策を実施していくことが重要と考えております。 また、消費税の転嫁拒否行為への対処など、消費税の適正転嫁への取組についても引き続き注力してまいりたいと考えております。 第三に、競争を活発にする環境を整えることも競争政策の重要な役割であると考えております。公正取引委員会による法執行の方針を明らかにするほか、事業者による独占禁止法遵守を支援、推進することによって、法運用の透明化及び予測可能性を高めるとともに、違反行為の自主的予防を促すことが重要です。また、市場における公正かつ自由な競争を促進する観点から、調査等も実施してまいりたいと考えております。 最後に、国際的連携の推進があります。経済活動のグローバル化によって、サプライチェーンのグローバル化は進み、さらには国際的な企業結合事案も増加しております。こうした中にあって、独占禁止協力協定、経済連携協定等、二国間や多国間の枠組みを通じて、諸外国の競争当局との関心情報を共有する体制を強化し、また、競争法の執行に当たって協力を推進してまいりたいと考えております。 両院の御同意をいただくことができまして、公正取引委員会委員長に任ぜられました場合には、その職責をしっかり認識し、国民の代表である国会の御議論を始め、いろいろな御意見に耳を傾けながら、公正取引委員会の使命を達成すべく他の委員とともに努力を尽くしてまいる所存でございますので、よろしく御指導賜りますようお願い申し上げます。 以上、私の所信を述べさせていただきました。 本日は、このような機会を与えていただき、誠にありがとうございます。
○委員長(山本順三君) 以上で候補者からの所信の聴取は終了いたしました。 速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(山本順三君) 速記を起こしてください。 まず、検査官候補者に対する質疑を行います。 質疑を希望される方は、挙手の上、委員長の指名を受けてから御発言いただくようお願いいたします。 なお、質疑及び答弁の際は着席のままで結構でございます。 それでは、質疑のある方は順次御発言願います。
○真山勇一君 民進党・新緑風会の真山勇一です。 森田祐司参考人、今日はおいでいただきましてありがとうございます。検査官としての任務、もう間もなく七年間が終わるわけですけれども、長い間、大変御苦労さまでございました。 森田参考人はもう既に衆議院の方でお話をされておりますので、今回ここでまた伺うことが重複したりダブることもあると思いますけれども、やはり改めてということでよろしくお願いをしたいというふうに思います。 森田参考人は、公務員でもないし、それから学識経験者でもない、いわゆる公認会計士という実務のところから、会計検査院初めての民間からの検査官ということで職務に就かれたと思います。やっぱり初めてということで、民間出身ということで何かと注目をされたり、あるいは期待を掛けられていた部分という、そういうこともあるんではないかと思うんですが、七年間を振り返ってみて、まず、どうだったか、居心地が良かったのかどうかとか、あるいは思う存分任務を果たすことができたかどうかという、その辺りの率直な感想をまず伺いたいと思います。
○参考人(森田祐司君) 御質問いただき、ありがとうございます。 ちょうど七年前の今頃、こういう形で御審議をいただいたことを思い出しております。二十三年の二月でございましたので、実は直後、三・一一がもうすぐに起こりました。非常に、先ほどの所信の中でも述べさせていただきましたように、東日本大震災の復旧復興に関しては多額の国費が投入されるということで、いきなり会計検査院特有のといいますか、そういう仕事が始まりました。 その点については、私、民間の監査法人にはいたんですけれども、自治体とか国、独法なんかの仕事もさせていただいておりましたので、自治体現場は比較的経験もございました。その辺りの経験なんかはその後の復興の検査なんかの指揮監督においても生かせたのかなというふうに思っております。 さらに、やはりそれに関連しますと、検査院としても比較的珍しい、上場企業であります東京電力が検査対象になり、国会からも検査の御要請をいただいて検査をいたしました。財務諸表は長年、三十年以上見てまいりましたので、そういった観点も検査を指導するのに役に立ったのかなと、そんなふうに思っております。 なかなか違う世界からということではございましたんですけれども、一生懸命やっているうちに七年がたとうとしているかなと、そんなふうな感想でございます。
○真山勇一君 スタートから大変大きなお仕事が待ち受けていたということで大変だったんではないかと思いますけれども、それだけに、膨大な国のお金の使い方、チェックするという検査官、任期七年ということなんですけれども、これ適切だというふうに考えておられますか。長いあるいは短いとか、そういうことをちょっと伺いたいというふうに思うのと、あともう一つ、三人の検査官の合議制によって意思決定がされるということでしたけれども、会計検査院出身、それから学識経験者、そして森田参考人の民間の公認会計士というそれぞれ異なった出身のお三方ですけれども、チームワーク、この辺は、東日本大震災みたいな大きなことがあったわけですから、そういうチームワークでどういうふうにお仕事ができたか、また、森田参考人御自身は民間出身ということで、どんなふうにその違いの中で御自分を生かすことができたかということをお伺いしたいと思います。
○参考人(森田祐司君) 御質問ありがとうございます。 七年の任期につきましては、院法に記載されておりますので、かつ今御同意いただく候補者の立場ということでございますので、長い短いというのは直接的にはあれなんですけれども、私も民間の監査を長くやってまいりました。ですから、通常の国の非常に重要な役割を担う任期ということと、プラス、いわゆるオーディットと申しますか、検査、監査をする人間の期間というものの考え方というのがやはり頭に浮かぶところであります。 つまり、余り長過ぎてもあるいは余り短過ぎてもいろんなメリット、デメリットがあるのかなということかと思うんですね。長過ぎるとやはり、特に民間の監査なんかは、監査人の、余り長いと癒着をするんではないかとか、そういう観点から余り長過ぎるのはいけないんではないかという観点もございますし、一方、同じ議論の中で、やはり頻繁に監査、担当が替わるということになりますと、そういう経験とか、そこに対する知識の蓄積というか、あるいは深い洞察というものができないんではないか、そういうことがあろうかと思います。 翻って、もちろん私見でございますけれども、検査官という職を考えてみますと、やはり今も御指摘いただきましたように、非常に膨大な国費の使い方を検査させていただくということで、やはりある程度の経験といいますか、それでもって初めて真の洞察ある検査というものが指揮監督できるのかなと。そういう観点でいきますと、決して短いとは言えないんではないかなというふうに感じているところでございます。 あとは、三点御質問をいただきました、合議のところで、三人の役割分担あるいはチームワークという御質問だったと思います。 今御指摘いただきましたように、もう四十年以上検査院におられた今の院長と、あと、大学の方で公会計を専門とされる大学の教授という御経験という下で、それぞれやはり御経験に基づいた御発言がございますし、私はその中では、やはり民間の実務を経験してきたということが私の一つの強みかなと、あるいは監査法人の中ではそういう組織運営をしてきた、そういうようなところも一つの強みなのかなというようなこともありますので、例えば検査の過程で民間の財務分析をいたしますとか、あるいはもう一つ私の専門がコンピューターの部分がございますので、そういうようなものの検査、あるいはそういう情報システムを活用したような検査、こういうようなものをいかに検査院でも促進していくか、その辺りは私の専門性を生かして三人の合議の中で進めてくることができたのかなと。それぞれの専門がありますので、それぞれ助け合いながらといいますか、非常に生産性の高い議論がいつもできているのかなというふうに感じているところでございます。
○真山勇一君 大変充実した何かお仕事が七年間できてきたのかなという、そういう印象を受けましたけれども、少し具体的なお話を伺いたいと思います。 森友学園のことなんでございますけれども、今回、参議院が要請して検査報告書を提出していただきました。この国有地の売却について、評価額からごみの撤去費用としておよそ八億円、これが値引きされたというわけですけれども、細かいことはもう連日いろいろニュースになっているので省きますが、検査報告書の中で、十分な根拠が確認できないというふうに記されているわけですね。 この値引きの根拠が不十分としたその問題点について、会計検査院の権限ということがありまして、二十条というところがありますね、この中に、会計経理、検査を行うと同時に、その適正を期し、かつ、是正を図るということになっていますよね。是正を図るというところが多分大事だと思うんですが、その立場から、会計検査院として追加の説明あるいはその資料の提出、不十分なんですから、こうしたものを求めてはいるんでしょうか。それから、求めているならば、それに対する財務省あるいは国土交通省の対応はどうなっているのかという点について伺わせてください。
○参考人(森田祐司君) 御質問ありがとうございます。 今御指摘いただきましたように、今回の国会から御要請いただきました森友学園の検査につきましては、今の、まさに幾つかの観点があるんですけれども、その価格の算定の手続といいますか、そこが適正に行われたのかどうか、そこが非常に大きな焦点になったかというふうに思います。 それにおいて、どういう手続でもって、どういう資料でもってそれを意思決定をしてきたのかということを検査をいたそうとしますと、もちろんお話はお聞きするんですけれども、何を見てどういうことを決めたんですか、何に基づいて決めたのですかと、あるいはそのときに決めた記録がどうなっているんですかと、そういう証拠書類と申しますか、そういうものでもって、確かにそういう手続が取られていた、その手続が適切なものであったのかどうかを我々判断をして検査報告を、検査の報告をさせていただくということかと思うんですね。 その過程で、今回の場合には残念ながら、今申し上げました、何に基づいてそういう意思決定にしたのか、あるいは意思決定したときの記録というものが十分に保管されていないということから、そういうことから、逆に言いますと、適正な手続でもって算定が行われていなかったということが言えるといいますか、結論として導き出されたということでございまして、当然いろいろ資料等はずっと検査の過程で求めていたところで、結果としてはあのような報告になったというふうに御理解いただければと思います。 以上です。
○真山勇一君 あと、それで、財務省と国土交通省の対応がどうなのかなというのが私、大変気になるんですね。 今日の新聞、もう御覧になったと思うんですね、朝刊出ていますから。会計検査院の話が出ております。それによると、検査、いろいろ説明求めていたにもかかわらず、七か月もたってから、しかも、報告書を出す、この新聞の見出しによると、「検査報告前日まで未提出」、前日まで。私、報告書というのは、ダウンロードしたんですが、かなりの部数になるわけですね。この中に、これ前日ということになると、当然反映できていないと思うんですね。大事なことが反映されていないですよ、やっぱり。 そうすると、これ、こういうことが出されて、つまり、それ以外にもこの森友問題については非常に新しい資料とか事実がどんどん存在が分かってきているわけですね。こういうものも入れてやっぱりもう一度十分な説明、是正を図るためにはやっぱりできるだけたくさん事実関係集めてその中から判断をなさると思うので、やっぱりこれはすべきじゃないかと思うので、その辺は、やはりこれから改めてそういうものを求めることをするのかということと、それから、やっぱりそれに対して財務省と国土交通省がどういう今まで対応をされてきているのかということが気になります。 なぜかというと、財務省は今までの売却は適正だと言っているわけですよね、適正と。だから、適正かどうかが証拠分からないで不十分なんだから、やっぱり新しい資料が出てきたり、それから、出てきた分が反映されていない報告書では私たちとしてはちょっとどうかなという気もするので、やはり反映されたものが欲しいな、私はそういう気がします。それでもやっぱり適正なのか適正でないのかということが、それが大変知りたいところです、やっぱり。それが私たちが会計検査院に求めているやっぱり重要な役割の部分の大事なところだと思うんです。 ですから、その辺を改めて要求するか、それから、財務省、国土交通省がどういうふうな対応を取ってくれるのか、あるいはどういうふうに期待しているのか、その辺聞かせてください。
○参考人(森田祐司君) 大変難しい御質問でございます。 簡単にあれすると、再度検査をするのかということと、受検庁側の対応ということかと思うんですけれども、今回、国会から御要請いただいた項目については、やはりいつまでもずっと情報を待って検査報告を出さないというわけにはまいりませんので、ある一定期間を切ってその時点で把握できた情報で検査報告を出す、まあこれはどんな検査でも同じことなんだろうというふうに思います。ですから、御要請についての報告は今回でさせていただいたというふうに検査院としても認識しているところなんですけれども、先ほども引用いただきましたように、常に会計経理を監督し是正を期すという大きな責任を負っておりますので、これ、この問題も含めて、国有財産の処分なりそういうことについては、当然、引き続き見ていくということは当然のことなのかなというふうに思っております。 それから、受検庁側の対応、一点だけ申し上げるとすると、やはり今の国の会計制度そのものが、予算を執行された部局が自ら証拠書類を整えて自ら自分たちの執行が適正に行われたということを説明するんだと、それを検査院に御提出いただいて検査院がそれを見ていくという立て付けというか考え方になっていると思います。自らの説明責任というんですか、ここが非常にやっぱり重要で、我々はそこでもって計算証明規則というような規則に基づいて出された証拠書類、それを基に検査をさせていただく、これが今後とも非常に重要な考え方ですし、我々もそれに対応した検査をしっかりしていきたいなというふうに考えているところでございます。
○真山勇一君 今の森田参考人の御説明、まあそのとおりだというふうには思うんですね。ただ、それは現状のやっぱり会計検査院としてできること、精いっぱいではないかなというふうに思うんです。 やっぱり財務省がいや適正だと言い張っているわけですよ。もうこれずっと言い張っているわけですよ。それをやっぱり証拠不十分だといっても、もう出てこなければ、じゃ、先ほどおっしゃったように、今後書類をきちっと保存してくださいねとかというお願いというんですかね、すると、それで分かりましたで済んじゃう。結局、じゃ、ここの根拠が不十分だったということはそのまま残っちゃう。 だから、私はそういうことから考えると、やはり会計検査院は本当に重要なこれ使命、役割ですよね、やっぱり国のお金の使い方をしっかりチェックするというのは。これ、国民全体が会計検査院に期待していることなわけですね。だから、場合によっちゃ、お願いして自らの説明責任を果たしてもらうんだということじゃ、果たしてくれなかったらやっぱり困るじゃないですか。 そうすると、私やっぱり、会計検査院というのも、今日これからこの後出てこられる参考人の方いらっしゃいますけど、公正取引委員会とか、それから労働基準監督官、これ監督官ですよね、これは、もし調査して分からないことがあったら資料をある程度強い力で、まあ強制的な権限で出させるという、そういうのを持っているわけですね。 そうすると、会計検査院というのも、重要な役割があったら、どうでしょう、民間の立場からこういう仕事をしていて、やっぱりこの辺もう少し会計検査院の権限を強めなくちゃいけないんじゃないかなというようなことはお感じになりませんか。その辺いかがでしょう。
○参考人(森田祐司君) 民間と比べると非常に強い権限を、検査院は民間の監査法人と比べると非常に強い権限を持っているかなというふうには思うところなんですけれども、検査院は検査に必要な書類についてはその提出を求めることができます。受検側はそれに応ずる義務がございますので、あるのに故意に隠すというか、そういうようなことは認められない仕組みにはなっております。 ですから、今ある権限でも今のところ十分に我々がやるべき検査というのはできているのかなというふうには感じているところではございます。
○真山勇一君 やっぱりできるだけそういう調査、検査というのをしっかりやっていただきたいなという、そういう思いでちょっと聞かせていただきました。 時間がなくなってしまったので、もう一点だけお伺いしたいと思います。 いわゆる会計検査院法の中にあります、参考人も述べておられる正確性、合規性という部分の合規性という部分でちょっとお伺いしたいんですけれども、この会計検査院が行う検査、その検査のよりどころとして、この合規性という点から見ると憲法も含まれているというふうに見ていいんでしょうか。それから、参考人もその立場から任務に当たっているというふうな認識でよろしいのか、その辺をお伺いしたいと思います。
○参考人(森田祐司君) 合規性の観点につきましては、もちろん憲法に違反する支出とか、そういうようなものがありましたら、合規性の観点からの検査あるいはその報告というものの対象になるというふうに考えております。 以上です。
○真山勇一君 御自身もそういう考え方でよろしいんですね。
○参考人(森田祐司君) はい、そのように考えております。
○真山勇一君 ありがとうございました。
○田村智子君 日本共産党の田村智子です。 本日は、森田参考人、ありがとうございます。 参考人が冒頭述べられたとおり、会計検査とこれを行う会計検査院は憲法九十条によって規定をされています。改めて読み上げたいと思うんですけれども、憲法九十条は、「国の収入支出の決算は、すべて毎年会計検査院がこれを検査し、内閣は、次の年度に、その検査報告とともに、これを国会に提出しなければならない。」と。また、参議院は、議会改革の取組の中で決算審議を重視すると。そのためにも、会計検査院による検査権限を強める法改正、先ほど御説明のあった応諾義務ですね、会計検査を行うと、そのときに相手は応じなければならない、書類提出などしなければならないと。こういう法改正は、参議院の側が主導して決算重視の参議院という議会改革の中で進めてきたことでもあります。 こうした憲法上の規定と参議院における決算の位置付けからも、真山議員も質問された森友学園への国有地売却の問題、これは個別の案件ではちょっと済ませられないですね。極めて重大な問題だというふうに私考えております。ですから、検査官として関わった参考人には、重なるところがあろうかと思いますが、少し丁寧に認識をお聞かせいただければというふうに思います。 この国有地売却の案件も含まれる二〇一六年度決算は、昨年十一月二十一日に国会に提出をされました。財務省は、森友学園の国有地売却について、見積書を含む売却価格の決定に至る文書の一切を売却契約の完了をもって廃棄したと、これが通常の取扱いであるということを平然と国会の中で答弁を続けたわけですね。これは、決算を国会に提出する前に、会計検査を受ける前に廃棄して当然だという答弁になってしまうわけです、契約完了によって廃棄ということですから。 これは、報告書の中では今後の文書管理ということにも触れられて、今、財務大臣なども、今後の文書の管理の在り方について報告書を受け止めという答弁をされているんですけれども、今後では済まされないというふうに思うんですね。このこと自体が憲法九十条の規定に照らしてどうなのかと、この点について森田参考人の見解をお聞きしたいと思います。
○参考人(森田祐司君) 難しい御質問をいただいたというふうに思います。 確かに、憲法九十条で全ての収入支出を毎年ということで検査をさせていただいているところであります。先ほども申し上げましたように、予算を執行した部局が、それが適正であるということを書類をもって、証拠書類をもって検査院に提出をするという立て付けになって、それを基に検査院は検査をするんだということかと思うんですね。 ですから、その検査としてはそこの部分が、計算証明規則にはどういうものを必ず提出しなさいということは明記はされているところではあるんですけれども、当然、固有名詞ではなくて、こういうものを証明するものみたいな部分もございますので、今回の部分が計算証明規則に直ちに違反するのか、あるいは一定のルールに基づいた、そのルールそのものの適切性というものは、今、今後という話でしょうけれども議論されているところかとは思うんですけれども、そこの部分というのはあろうかと思うんですけれども、検査院としては、そこのものについては、今回の御要請をいただいた報告の中でやはり十分なる説明ができる書類を確認することができなかったという形での報告を出させていただき、決算の御審議、決算審査を行われる国会の御審査の御参考というか、していただきたいということで検査報告を出させていただいたと、こういうふうに御理解いただければというふうに思うんですけれども。
○田村智子君 もう一点、この森友学園の問題に関わってなんですけれども、先ほどもお話のあった十一月二十二日に報告書を提出をし、その前日に財務省から新たな資料だといって会計検査院に提出があったということを私たちも確認をしているんですね。 それで、財務省の中に入って文書の有無も含めての検査ができたのは、あるいはできるのは、現時点では会計検査院だけなんですね。国会の側は国政調査権はありますが、私たちは議会の場でただす、あるいは呼んで説明を求めるということはできますけれども、財務省の中に入って文書の有無も含めた検査ということはできないわけです。 そうすると、こうやって報告書をまとめてから言わば提出が、新たな文書の提出が行われるというこの事態を受けて、会計検査院としてどのような対応が必要と考えるか、先ほどと重複するかもしれませんけれども、もう一度お答えをいただきたいと思います。
○参考人(森田祐司君) 会計検査院としてというふうにお問いをいただくと、先ほども申し上げましたように、検査院としては合議体機関でございますので、今日は候補者、私の、個人としてということでお許しをいただきたいというふうに思うんですけれども。 やはり今回のケースは報告書を出す前日であったということ、当然、前日ですのでその報告書を出した後ではございませんのですけれども、当然、検査を担当している部局で中身を確認しまして、お出ししようとしている報告書が、それを止めてもう一回その部分を入れて出し直すべきなのか、いや、それがあったとしてもその結論等々に影響を与えないのかという検討は当然やっていたというふうに聞いておりまして、その上で、今そのままというか、お出しするのが適切だろうということでございます。当然、その新しい情報というものはそこには入っていないところではございますんですけれども、やはり御要請をいただいた検査報告を検査が済み次第適切に出させていただくという観点からそういう判断をさせていただいたということでございます。 ですから、本件にかかわらず、冒頭、九十条おっしゃっていただいたんですけれども、全て毎年ずっと継続して我々は国の会計経理を見させていただきますし、一度見させていただいた事項を今後二度は見ないということはございませんので、引き続き国有財産の売却等重要な会計経理については全てを対象として検査を続けさせていただきたいと、そんなふうに思っているところでございます。
○田村智子君 この問題での財務省の対応というのはまさに憲法九十条に抵触する可能性が極めて高いというふうにも思っていますので、少し突っ込んで見解をお聞きいたしました。 最後、一点なんですけれども、会計検査は正確性、合規性、経済性、効率性及び有効性の観点で行われると定められています。この有効性ということについて一点お聞きをいたします。 やはり予算の執行というのは法律や内閣の政策決定に基づいて行われるわけですけれども、有効であるのかどうかという、その観点での検査は場合によっては内閣に対して政策の根本的な見直しを求めるという結論に達することもあり得るというふうに思います。それだけに重要かつ難しい観点だというふうに思いますが、この有効性の観点の意義、その実践、いかにして行っていくかということについて御見解を伺って、終わりたいと思います。
○参考人(森田祐司君) 御質問ありがとうございます。 有効性は私もずっと力を入れて取り組んでまいりました。と申しますのも、やはり有効性、今おっしゃっていただきましたように、その施策なり事業の目的、達成すべき目標、成果というものが明確になっていないと、その部分が、それが達成できたのかどうかというのは判断は難しいと思うんですね。 その点、国、地方共に政策評価でありますとか行政評価、そのような形で、ある施策、事業を実施する場合には目的は何なんだと、できればそれを成果指標というふうな形で数値化もしていって、事前にそれを議論をし、その目的を達成するためにその事業を実施するんだということを明確にしていこうという動きがどんどんと進んでいるというふうに思います。 ですから、検査院にとりましても、検査院がその事業の目的は何だと考えるんではなくて、執行部局がどのような目的のためにその事業をやっているんだ、あるいは何年後にこういうふうにその指標を改善していくんだという目標があります。あるいは、それが非常に増えてまいりましたので、それの観点で、目標はこうなのにそれが達成できていないんではないか、そういうふうな観点で検査をする。 ですから、政府の取組なりのその部分が、政策評価なりの取組が非常に有効性の検査のバックグラウンドになるといいますか、基礎データを、非常に有効な基礎データを提供してくれる環境になってきているのかな。ですから、それをフルに活用して、有効性の検査、今後とも進めていきたいというふうに考えております。
○田村智子君 終わります。
○東徹君 日本維新の会の東徹でございます。 森田参考人の方に御質問させていただきたいと思います。 先ほど、真山委員との質疑のやり取りの中でもちょっと思ったわけですが、会計検査院には民間よりも強い権限があるというふうなことをおっしゃっておられました。これはもう当然でございまして、それはもう今非常に皆さん高い税金納めて、その貴重な税金でもってあらゆる事業を行っているわけですから、当然、国民から見てやっぱり厳しくチェックをしていくというのは当たり前なことだと思うんですが、その辺の認識というのはいかがお考えでしょうか。
○参考人(森田祐司君) 御質問ありがとうございます。 国民の皆さんからのいただいた税金でもって行われている、我々、検査も国民の皆さんから負託を受けてそこをしっかりチェックしなさいということで憲法にも規定をしていただいている、非常に重い責任を負っているというふうに認識しております。
○東徹君 そういった意味では、私も会計検査院にもっと強いやっぱり権限が必要ではないのかなというふうに思っております。先ほどから話が出ております森友学園の問題、財務省の土地の値引きというものが大変大きな問題になりましたけれども、やはりこういったことが過去にもまだまだあったんではないのかなというふうな、国民から見ればそういうふうに思えても仕方がないのではないのかなというふうに思っております。 我々日本維新の会としても、会計検査院の機能を更にやっぱり強化していくべきではないのかというふうなことを考えまして、昨年でありますけれども、会計検査院法改正案というのを提出させていただいたわけですけれども、その中身は、会計検査院が、検査の結果国の職員に職務上の犯罪があると認められるようなことあったときには、現行の検察庁へ知らせる意味での通告から訴追を求める告発ができるように制度を改めてはどうかということで法改正案を出させていただきました。こういったことをすれば犯罪に当たるような事案というのはこれ減らすことができるというふうに考えておりますが、森田参考人はどのようにお考えでしょうか。
○参考人(森田祐司君) 御質問ありがとうございます。 検査をする、あるいは検査院に与えられた権限でもって検査をするということで、いわゆる牽制効果というものは確かにあるんだろうというふうに私も検査官の在任期間中感じているところです。ですから、通告義務ではなくて告発義務といったようなところでそこの権限が強化されるというのはその一部なのかもしれないんですけれども、ただ、実態といたしましては、私も七年間の間に当然通告実績はございませんですし、実際には、過去も含めて調べてみますと、所管省庁の方で先に告発をすべきような事態については告発をされているというようなことがあるのかなというふうに思っております。 ただ、これ立法政策の問題でございますので、そのような権限の下に保障しろということになりましたら、検査院としてもそういうような体制も整えてしっかりとやっていく必要があるというふうに思っております。
○東徹君 続きまして、国がやっている公募等について、入札ですよね、そういったことについてお伺いをさせていただきたいと思います。 国の方でいろんな公募をやったり入札制度が行われておりますけれども、その公募や入札制度、これについても、会計検査院、厳しくチェックをされておられるんでしょうか。
○参考人(森田祐司君) 公募入札制度については、主にはいわゆる合規性と公募のいろいろな会計法に定められたルールとか、そういうようなものにしっかりと準拠しているのかというような観点で、公募の状況あるいは入札の状況、あるいはよく話題になります例えば一者入札、一者応札のような状況で競争性が確保できていないんではないか、こういうふうな観点も常に持ちながら検査院としてもずっと長年取り組んできたところというふうに考えております。
○東徹君 例えばなんですけれども、ちょっと事例を申し上げますと、例えば経済産業省の方で、次世代型製油所モデル事業等において、少なくとも平成二十三年度から二十七年度まで四年にわたって、公募要領等では補助事業者に法人格というものを求めておるんですね。ところが、法人格のない石油連盟とか、RINGといいまして石油コンビナート高度統合運営技術研究組合というのがあるんですけれども、こういったところが補助事業者として採択をされて補助金が支出されてきたというような状況がありました。 こういった公募要領等に違反する者であったというふうに考えるわけですが、検査院としてこういったことはなぜこれ指摘ができなかったのかなというふうに思っておるんですけれども、いかがでしょうか。
○参考人(森田祐司君) 御指摘いただきました点につきましては、先ほど合規性の御質問をいただいたものと関係する、もちろん関係するんだろうと思います。 合規性の検査をしますのは、ルールどおりやっているのかということがもちろん非常に一義的には重要なんですけれども、そもそもそのルールは何のためのルールなのかと。ですから、例えば今お挙げいただきました法人格要件というルールは、その委託された業務を実施するに当たって、法人格があるぐらいなんだから、きちっと内部管理もできて組織管理運営ができている者の要件として法人格というものが書かれているのかなというふうにも考えることができると思うんですね。 ですから、御指摘のように、公募要領違反だといって指摘をするということも可能だとは思うんですけれども、じゃ、そこで実際に、そこは法人格はなかったんだけど、法人格要件を付けたその更に目的である法人運営というものがどういうふうになされていたのか、我々としてはそこまで検査をして、やはりそこにも問題があるということで、問題があればそこを指摘していく、もう一歩突っ込んだ形での指摘というものを目指していきたいなというふうには私としては考えているところでございます。
○東徹君 続きまして、OBの再就職先についてお伺いをさせていただきたいと思います。 内閣官房の資料によりますと、直近五年間でも、会計検査院のOBは、経産省所管の略称NEDO、今問題になっておりますけれども、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構ですけれども、こういったところ、そしてまた、国土交通事務次官など多数の国家公務員OBが再就職している東京地下鉄、メトロ、株式会社とか、こういったところに再就職をされております。 このように、各省庁と関係の大変深い法人にOBが再就職をしていれば検査の適正というものが確保できなくなるのではないのかなと、そういう疑念を持たれても仕方がないのではないのかなと思いますが、こういったことについてどのようにお考えなのか、見解をお伺いしたいと思います。
○参考人(森田祐司君) 御質問ありがとうございます。 OBの再就職問題は非常に難しい問題であるというふうに思います。 ただ、検査院は検査権限、検査をするということがございますんですけれども、ほかの例えば国家公務員がおります各省庁についても、省庁の監督権限、許認可権限等がございます。そのような中で再就職をどういうふうに制約していくかということは、検査は非常に重いというふうな思いはあるにしても、やはり横並びといいますか、国家公務員全体としての再就職の在り方というものの中で一定見直しが必要なのかどうかということを考えていく必要があるのかなと。そこにつきましても、立法政策の問題ではあるんですけれども、ただ、私どもとしてできることというふうに考えますと、やはりそういう再就職先であっても国民からそういう疑念が抱かれないように厳正な検査をし、問題点があればきちっと報告をしていくと、そこの結果でもってお示しをしていくということが非常に重要なことなのではないかというふうに考えているところでございます。
○委員長(山本順三君) 時間が来ていますので簡潔に。
○東徹君 分かりました。 時間が来ておりますので、終わらせていただきます。ありがとうございました。
○佐藤啓君 自由民主党の佐藤啓でございます。 早速、質問に入らせていただきます。 森田参考人は、監査法人の出身ということで、企業会計の知識、経験が豊富であるというふうに認識しておりますけれども、企業会計に精通している方がこの検査官に就任することの意義について改めてお聞かせいただけますでしょうか。
○参考人(森田祐司君) 私自らのことで意義というのもなかなか僣越ではございますんですけれども、国のいわゆる官庁会計と民間の企業会計の大きな違いは、非常に簡単に言いますと、現金主義なのか発生主義なのかというような言い方ができると思うんです。 官庁会計は確かに現金主義なんですけれども、これは厳格な予算執行でありますとか、そういうようなものの管理という観点から非常に重要な機能を果たしているんだろうというふうに認識しております。一方、そこでは十分に表し切れないいろいろな情報というものが企業会計の中にもあるんではないかなと。ですから、そういうようなものを行政運営上の意思決定に用いるとか、あるいはその結果を国民に対して説明するときに、そういうコスト情報でありますとかストック情報なんかも加味して説明をしていく、こういうところが非常に重要で、そういう流れは今、公会計の中でも起こっているんだろうと思います。 ですから、その企業会計を専門にやってきた人間で、私の場合は、かつ監査法人時代の後半はそういう公会計の導入、開発にも携わってまいりましたので、そういう観点で、公会計情報をいかに政府の中で、国の中で活用していくのかというような観点で、検査官として検査、全体の指揮監督に生かしていく、そこに意義があるのかなというふうに思っているところでございます。
○佐藤啓君 ありがとうございます。 検査官には、もちろん、御自身の経験を生かして検査自体を充実していただくということももちろん大事でありますけれども、一方で、この会計検査院のある意味リーダーとして組織全体の機能を高めていただくと、そういう役割もあると思います。 特に、今の会計検査院の重要性に鑑みますと、人材育成にやはり力を入れていただくということは非常に大事ではないかなと思いますけれども、これまでの任期の中で人材育成、もし取り組まれたことがあればお聞かせいただきたいのと、また、今後どのような人材育成をしていくべきかということについてお考えがあればお伺いできればと思います。
○参考人(森田祐司君) 御質問ありがとうございます。 その点は非常に重要なことと思いまして、それは、前職、監査法人時代も同じことであるわけなんですけれども、やっぱり人は宝であり、言葉は適切かどうか分かりませんけど、戦力でもございます。そこをパワーアップしていくというのは非常に重要な観点なんだろうというふうに思います。 ですから、検査院の中でも人材育成には非常に力を入れておりますので、そういう観点でいきますと、研修がどういう研修をやっているのか、私自身としては、最初、検査院に入ったときにそこを見まして、やはりその研修メニューも社会経済情勢あるいは検査のニーズに応じて変えていかなきゃいけない部分もあろうかと思うんですね。 ですから、例えばですけれども、やはり民間企業、企業会計の知識というものの重要性というのはますます増してまいりますし、あるいはIT、ICTの能力、あるいはICTを使う能力といったものも非常に重要になってきておりますので、その辺りはこの間も人材育成の中でも非常に注力をするというか、ウエートを高めてきたというふうに考えております。
○佐藤啓君 ありがとうございます。 是非とも、複雑化する社会情勢に機敏に対応した形での人材育成ということをお願いしたいと思います。目配りをお願いできればと思います。 会計検査院の検査、私も所属している外交防衛委員会などで参考にすることがあったりするんですけれども、非常にいい指摘をされていて、その指摘をした後のフォローアップ、本当にそれが改善されているのかどうかということについて、これ、今そのフォローアップというのは会計検査院として十分にできているというふうにお考えなのかどうか、お伺いをいたします。
○参考人(森田祐司君) ありがとうございます。 それは、検査官になって感じたことの一つなんですけど、非常にしっかりやっております。ちょっとこれも言葉が適切かどうか分かりませんが、しつこいぐらいしっかりとフォローしているというふうに思います。 不当事項等で国庫にお金を返さなきゃいけないというのは、もう返ってくるまでもちろん追っかけますし、制度改善とか事務改善なんかも要求したり意見表示したものも、改善されるまで毎年、今年はここまでできたけどまだここはできていないとか、そういうようなことをやっておりますし、処置済事項というような言い方をしているんですけど、検査の過程でもう気が付いて改善されたような事項もございます。そのようなことについては、実際にそういう整備されたチェック機能が本当に実務の中でも動いているのかどうか、そこまでもチェックするというような形で、指摘した事項が実際に改善に結び付くようなフォローアップ、しっかりとこれまでもやってきたと思いますし、その点非常に重要なポイントだというふうにも思いますので、今後ともしっかりと見ていきたいと思っております。
○佐藤啓君 ありがとうございます。是非ともしつこく頑張っていただきたいというふうに思います。 国会との関係についてお伺いしたいんですが、平成九年に国会法と会計検査院法を改正をされておりまして、国会からの会計検査院に対する検査要請の制度が創設されています。参議院は歴史的に決算を非常に重要視しておりまして、会計検査院に対してその検査の要請を数多くしているというようなことがあります。 今後も国民の代表であるこの国会との会計検査院の連携というものが非常に重要なのかなというふうに考えているんですけれども、森田参考人のお考えをお伺いいたします。
○参考人(森田祐司君) 御質問ありがとうございます。 今御指摘いただきました国会からの検査要請、真摯に受け止めてしっかりやらせていただいております。所信でも述べさせていただきましたけれども、就任してからもう二十回を超えるものがございます。 その御要請なくても、いわゆる随時報告という形で、秋に、十一月に御提出する検査報告を待たずに、この点については非常に重要なので国会での逆に御審議に役立てていただきたいというものについては随時報告という形で出させていただいております。これも就任以来少し、今回のために数えてみると、六十四件、随時報告を出させていただいたということでございます。 今後とも、国会での御議論にしっかりと注視しながら、必要と認めた情報をしっかりと御提供しながら努めてまいりたいというふうに思っております。
○佐藤啓君 ありがとうございます。 じゃ、最後の質問になりますけれども、近年、国連などを始めとして、国際社会から各国の会計検査院に対して非常に大きな期待が寄せられているのかなと思っています。我が国の会計検査院としても国際社会に貢献をしていく必要があると思いますけれども、会計検査院の国際活動の在り方についてお考えをお伺いいたします。
○参考人(森田祐司君) ありがとうございます。 世界中の国は、日本の会計検査院、もちろん国の制度が違いますので、会計検査院の位置付け、権限等も違うんですけれども、いわゆる最高検査機関というものを持っておりまして、それの世界連合というようなものがございます。最高会計検査機関国際組織、略しましてINTOSAIと。シュープリーム・オーディット・インスティテューションの、SAIのインターナショナル組織ということでINTOSAIという組織がございまして、私、就任しましてからですけれども、以前にももちろんございましたんですけど、平成二十五年からもそこの理事国を日本は務めさせていただいて、リーダーシップを取らせていただいているということです。それの地域組織がございまして、これはアジアのASOSAIというものがございます。ここではもう長らく研修担当理事というものを務めさせていただいていまして、いわゆる発展途上国の検査機能の向上のためにお手伝いをしたりとか、そういうようなところをやっております。 それ以外にも非常に積極的に国際活動をやっておりますし、ここ数年も更にそれをバージョンアップしていこうということで取り組んでいるところでございます。
○佐藤啓君 終わります。
○里見隆治君 公明党の里見隆治でございます。 質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。よろしくお願いいたします。 参議院においては、決算重視の参議院ということで、昨年二月に参議院改革協議会が設置をされ、今般、行政監察機能の強化、行政監視委員会の機能強化というタイトルで中間取りまとめがなされております。 その中で、参議院は、二院制の下で期待される役割を十全に果たすべく、党派を超えて行政監視機能の強化に取り組み、行政の適正な執行を監視、監督することを決算審査の充実とともに院の活動の柱の一つとするということとしております。その意味で、決算審査の充実のみならず行政監視という観点で、私どもは参議院として、会計検査院に対する参議院としての期待も高まってこようかと思います。そうしたことを踏まえて質問をさせていただきます。 まず、会計検査院においても、会計の検査のみならず行政全般に対する行政評価や行政監視のような視点も取り入れて検査するべきという考え、私持っておりますけれども、森田検査官のこうした分野についてのお考えをお聞かせください。
○参考人(森田祐司君) 御質問ありがとうございます。 そのとおりだというふうに思います。特にいわゆる有効性の検査におきましては、非常に行政評価と近い観点と申しますか、実際にやる事業、施策について達成すべき成果は何なのかと、それが達成できたのかどうかということをきちっと評価をしていって、問題があれば改善していこうという取組というふうに考えておりますので、そういうようなものが行われているということが検査院の有効性の検査、先ほどもちょっと申し上げておりますけれども、有効性の検査の非常に基礎になっているということかと思いますし、そういう取りまとめている行政評価局なんかとも連絡会なんかを通じまして情報交換、意見交換なんかもしており、そういうような観点というのは非常に重要だというふうに思っております。
○里見隆治君 ありがとうございます。 今の行政監視、行政評価という点で更にお伺いしたいのは、検査報告には、社会保険の一部に見られるように、毎年同じような指摘が繰り返されているというものも見受けられます。こうした同じ指摘を繰り返すというのは、有効性というか、効率性という意味でなかなか改善がない、そのことを繰り返しているようでは意味がない。その意味では、せっかく会計検査院法第三十四条あるいは三十六条を発動して制度面で改善をさせるというような仕組みがあるわけですから、こうした措置を積極的に行うべきであるというふうに考えます。 これまでどのようにお取り組みになり、また今後どのように進めていくべきかという点についてお考えをお聞かせください。
○参考人(森田祐司君) 御質問ありがとうございます。 まさにおっしゃるとおり、個別の事項の指摘というものも、これもやはり重要な、もちろん重要なことなんですけれども、そういうようなものが今後起こらないようにするためにはどう仕組みを変えていったらいいのか、どう制度を変えていったらいいのかというところ、いわゆる発生原因とその対処策といいますか、それをしっかりと考えて、三十四条、三十六条の中でそういうような要求あるいは意見表示をしていき、それが改善されるまでしっかりフォローアップをしていき、そういう改善を促進し、同じような指摘が起こらないような形に持っていくというのが非常に重要な観点だというふうに私も考えております。
○里見隆治君 ありがとうございます。 そうした考え方の中で、具体的な運用においてどのように検査業務を進めていくべきかという点について次に質問させていただきたいと思います。 私、先週の衆議院の議院運営委員会での質疑も拝聴、拝見をしておりました。その中で森田検査官御答弁されるに、情報システムのようなものを検査にどう活用して、いかに効率的、効果的な検査をしていくか、このようなことについても頑張っていきたいというような御答弁をされておりました。まさに先ほど来テーマになっております検査の観点の効率性、有効性と、これをうたっている限りは会計検査の業務そのものにおいても効率性、有効性を求めていくということが大変重要であると考えます。 私自身、実は厚生労働省の本省あるいは地方支分部局において会計検査院の検査を受けた経験を持ちまして、いざ検査となれば相当の職員が相当の時間を掛けて、そして相当の資料を用意して検査に臨むと。そういう意味では、本当に真剣勝負ということでありますが、今後、検査を効率化していくという観点、あわせて、これは会計検査院のみならず、検査を受ける各省庁など検査対象法人におけるまさに業務の遂行、働き方改革という観点からしても、検査をいかに効率的に行っていくかということが大変重要だと考えます。 森田検査官が御専門だというふうに言われる情報システムの活用という点をもう少し具体的に触れていただきながら、今後の検査の効率化について具体的なお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○参考人(森田祐司君) 御質問ありがとうございます。 その節は大変お世話になりました。 検査をさせていただくことになると、相当の準備、手間と言ってもいいのかもしれませんけど、を受検庁にお掛けしているというのは、これは事実だろうと思うんですね。 ただ、実は、それが一つの会計検査の効果といいますか、牽制効果にもなっておりまして、実際にも、例えばどこかの出先機関に来週行きますという通知を出しますと、資料をいろいろもう手間を掛けて準備をいただくんですけれども、逆にその過程で、どこを検査されるか分からないので幅広く準備をしていただくわけなんですけれども、その過程で間違いが見付かったりとかそういうようなことが結構ございまして、それも会計検査院の検査の一つの効果かというふうには思っておるんですけれども、ただ、ちょっと話が横にそれましたですけれども、煩雑な事務作業というのは受検庁の方に強いている部分もあろうかと思うんですね。 これが画期的になくなるということはないかもしれないんですけど、例えば、今取り組んでおりますのは、ITを使ったということでいきますと、いわゆる証拠書類の電子化でございます。電子化された証拠書類を電子データのままで検査院にいわゆる転送というか、伝送していただくというようなシステム、そういうような体制整備を、今どんどんとここを進めていっております。 通常は紙の証拠書類、これ、原本を御提出いただかないけませんので、受検庁側でもそれの全てコピーをお取りになってお持ちになるという、この手間だけでも、この証拠書類の電子化が進んでいきますと相当の効率化になるんではないかなというふうに思っております。 これ、一つの事例ではございますんですけれども、今御指摘いただきましたように、検査そのものも、そういう電子データですと非常に検索可能性が高まったりとか効率化が進むとともに、受検庁側での効率化、検査、受検の効率化といったものも目くばせしながら進めていく必要があるなと、今御質問を聞きながら、肝に銘じなければいけないなと感じたところでございます。
○里見隆治君 ありがとうございました。以上で終わります。
○委員長(山本順三君) これにて検査官候補者に対する質疑を終了いたします。 森田参考人に一言御挨拶を申し上げます。 本日は、御多忙の中、御意見をお述べいただきまして誠にありがとうございました。委員会を代表いたしまして心から御礼を申し上げます。ありがとうございました。
○参考人(森田祐司君) ありがとうございました。
○委員長(山本順三君) 森田参考人は御退席いただいて結構でございます。 次に、公正取引委員会委員長候補者に対する質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○宮沢由佳君 民進党・新緑風会の宮沢由佳です。 杉本参考人、本日はありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします。 公正取引委員会の国際協力についてお尋ねいたします。 私は一昨年のTPP特別委員会で、肥育ホルモンを使った肉の輸入に関して、日本とEUの違いについて質問いたしましたところ、厚生労働大臣からこのようにありました。 EUにおきましては、肥育ホルモンについては、人への健康影響の有無について、現状では安全性を評価するためのデータなどが不十分であり、評価を行うことができないという独自の主張で肥育ホルモンの使用及び肥育ホルモンを使用した肉の輸入を禁止しているというふうに承知をしております。 なお、EUの肥育ホルモンの輸入禁止措置は、過去に米国がWTOにEUを提訴いたしました。その結果、科学的根拠に裏付けられた措置ではないといたしましてEUは敗訴しまして、その結果、報復関税措置などを課せられたとの答弁がございました。 EUの肥育ホルモンの使用及び肥育ホルモンを使用した肉の輸入を禁止というルールは、肥育ホルモンを認めている国から見れば不公正となります。このような輸入規制に限らず、国によって商取引などのルールや考え方が異なると思いますが、委員会では国際協力、連携を具体的にどのように進めているのですか。特に、国際的な課題としてデジタル市場への対応があります。この分野でどのように国際連携をしていくべきとお考えでしょうか。
○参考人(杉本和行君) お答えさせていただきたいと思います。 委員御指摘のように、今や企業取引、いろんな取引は国境を越えまして行われております。企業活動が国境を越えますと、やはりその競争政策の実施というものも国際的な統一的な基準でやっていく必要があると思っております。そういうことを踏まえまして、国際的な枠組み、私どもで申しますと、ICN、インターナショナル・コンペティション・ネットワークという競争当局の集まりがありますが、そういうところでその競争政策の統一的な規範といいますか、そういうものに向けていろいろ議論しながら努力をしているというところでございます。 加えまして、各国当局との間でも、私どもは定期的に主要な当局とは意見交換の機会を持っておりまして、それぞれどういうふうな考え方でどういうふうに競争政策を適用していくかということを議論して、その競争規範のコンバージェンスといいましょうか、国際的な標準の設定に努力しているところでございます。 現実的な運用にいたしましても、国境を越えるような企業活動が多うございますので、現実問題として、いろんな案件を処理するに際しましても、国境を越えるような案件につきましては、それぞれ情報交換をし、意見交換をしながら処理を進めていくということが必要になっております。 そうした枠組みで国際的に担当機関の間での連絡、協調、それから協力というものを積極的に推進していく必要があると思っておりまして、そういう努力を続けているところでございます。 お尋ねのデジタルエコノミーに関しましては、これもまた世の中はどんどんどんどん進んでおりまして、経済のデジタル化、ITを活用したものがどんどん広がっておりまして、プラットフォームビジネスと申しますのでしょうか、新しいビジネスモデルというものも非常に有力に出てきているところでございます。 そういったものに対してどういうふうに競争政策を適用するかということにつきましても、国際的にも今申し上げましたようないろんな場で私どもは議論しておりまして、国際的に共通してどういうふうに考えていくのかということを目指していくところでございます。 我が国におきましても、先般、データと競争政策に関する研究会というものを開かせてもらいまして、そこでデジタルエコノミーに対してどういうふうに競争政策として対応していくのかという検討をしていただきまして、その報告書をいただいたところでございます。不当な情報の収集だとか情報の囲い込みといったものに対して競争政策上対応していく必要があるんじゃないかというような報告をいただいておりますので、そういった報告に沿って私どもとしてもこれから競争政策を進めていくという必要があるんだと思っております。
○宮沢由佳君 ありがとうございました。 次に、消費者の利益の確保についてお尋ねいたします。 私は、公正取引委員会は主に企業を相手にしているようなイメージを持っていました。しかし、再販売価格の拘束など、消費者にとっても身近な問題もあります。 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の目的に、一般消費者の利益を確保することが記載されています。同四十五条では、「何人も、この法律の規定に違反する事実があると思料するときは、公正取引委員会に対し、その事実を報告し、適当な措置をとるべきことを求めることができる。」と規定されています。 この適当な措置をとるべきことを求める方法などについては、委員会のホームページに紹介されており、相談窓口も掲載されています。しかし、残念ながら国民に周知されているとは思えません。また、相談したいと思っても、報復を恐れて相談できない方もいると思います。 不公正な取引だと思った国民が気軽に相談できる短縮ダイヤルなどを設けてみてはいかがでしょうか。国民に公正取引委員会の取組を周知する方法、さらに、国民に身近で国民が安心して相談できる委員会にするためのお考えをお聞かせください。
○参考人(杉本和行君) ありがとうございます。 御指摘のように、独占禁止法は、総則、目的条項のところで、公正かつ自由な競争を促進し、事業者の創意工夫を発揮させ、事業活動を盛んにし、雇用及び国民実所得の水準を高め、もって一般消費者の利益を確保するということを明記してございます。 したがいまして、消費者の選択が確保されているということが非常に消費者の利益になると考えておりまして、消費者の選択が確保されるような条件というものを確保することが私どもの重要な任務だと思っておるところでございます。 そういった意味で、私どもは、いろんな独禁法違反と申しますか、反競争的な行為に対しましていろいろな申告を受け付けているところでございまして、そこは気軽に申告していただければと思っておるところでございます。 匿名性ということもいろいろ問題がございますので、確かに、例えば中小企業の問題にいたしましても、中小企業が大きな企業、親企業からいろいろ不利益な立場を押し付けられているといったことに対しては、匿名性というものが非常に重要だと思っております。知られますとその報復が起こる可能性があるということでございますので、私どもはそういった情報が漏れないようにといいますか、匿名性が確保されるように非常に慎重に配慮しているところでございますので、消費者からの情報に関しましても、それが報復につながらないように、そういった匿名性、秘密性といいますか、そういったものの配慮には十分気を遣ってまいりたいと思っております。
○宮沢由佳君 ありがとうございます。 最後に、今問題になっている公文書管理についてお伺いします。 行政機関の公文書管理の在り方について、一般論で結構ですので、何か御所見はございますか。また、公正取引委員会における公文書管理に関するルールや公文書保存期間はどうなっていますでしょうか。
○参考人(杉本和行君) 公文書管理につきましては、政府で統一的なルールが定まっておりますので、それに沿って私どもは公文書を管理しているところでございます。そういった政府の方針に基づきまして公文書をしっかり管理していくことは重要だと思っておるところでございます。
○宮沢由佳君 終わります。
○山添拓君 日本共産党の山添拓です。 杉本参考人に伺います。 昨年の暮れに、リニア中央新幹線の建設工事をめぐって、スーパーゼネコン四社、大林組、大成建設、鹿島建設、清水建設、談合・受注調整の疑惑が報じられました。四社の共同企業体が受注していた外環道の地中拡幅工事では、談合の疑いが払拭できないということで入札が中止される事態ともなっていまして、あるいはまた豊洲市場の本体建設の工事でも、四社のうち三社が主導をするJVが平均落札率九九・八七%という異常な高い率で落札をしていたことが明らかになっています。談合との決別を宣言したはずのゼネコンで繰り返しこうした事態が生じています。 特定の業界あるいは事業者間で談合が繰り返されていることについて、一般論で構いませんけれども、公正取引委員会としてどのように対応すべきとお考えでしょうか。
○参考人(杉本和行君) お答えさせていただきたいと思います。 談合というものは独占禁止法に違反する非常に悪質なケースだと思っております。それは、反競争法行為としては、世界的にも、我が国のみならず世界的な標準におきまして非常に問題である行為だと思っておりますので、競争秩序というものを守る立場にあります公正取引委員会におきましては、そういったものに関して厳正に対処していく必要があると思っております。 それで、これまでも厳正に対処してきておりますし、制度的にも課徴金減免制度というものを導入いたしましてそれぞれ牽制が働くように志しているところでございまして、現実問題としてそういった効果が働かないかということを期待しているところでございます。 ただ、その談合行為というものがまだ散見されるといいますか、あるということでございますので、そういったものに対しては、私どもが厳正に対処することによって抑止効果を高めていく、談合等が予防されるという効果を狙っていきたいと思っておるところでございます。
○山添拓君 公共工事では税金によって、あるいはリニアなどであれば運賃や料金などで最終的には国民、利用者の負担になる問題ですので、是非厳正な対処を公正取引委員会にはお願いしたいと思っております。 今、減免制度というお話もありましたが、課徴金制度の見直しを中心とする独占禁止法の改正案について、この通常国会への提出を断念したと報じられています。事案解明の貢献度に応じて減免の度合いを調整できるようにする裁量型課徴金制度や、直接の売上げがない違反にも課徴金を課すという内容が予定されていたようですけれども、これは端的に言えばどういう狙いの下に予定されていたものだったんでしょうか。
○参考人(杉本和行君) 昨年でございますが、独占禁止法の研究会というものを開かせていただきまして、そこで有識者の方々にしっかりと議論していただきまして、課徴金制度の見直しについて報告をいただいたところでございます。 その狙いは、課徴金制度を導入してから日にちがたちまして現時代にそぐわないところもございますので、そういったものに対して対応していくというような狙いが一つでございます。 それからもう一つは、課徴金制度に対して調査段階でいろいろ協力していただきますと、それはすなわち企業のコンプライアンス意識というものの高まりにつながると思いますし、これからも、今やっておるその反競争的行為を改めるとともに、反競争的行為をこれからはやめていこうという予防効果にもつながると思っておりますので、そういった制度というものを導入することはどうかと思っていたわけでございます。 すなわち、公正取引委員会と企業サイドが対立構造で事案を発掘して対応するということではなくて、企業サイドも私どもに協力することによって、調査に協力してもらうことによってコンプライアンス意識を高め、しかもそれが予防につながるというような狙いからそういった制度の改正というものを研究会の報告で御提言いただいたところでございます。 それを踏まえまして私どもは法律改正作業の成案を得るべくいろいろ検討しておったところでございますが、今の段階ではなかなか調整が付かない、関係者との関係で調整が付かない部分がございまして、今国会におきましてはその成案を、まだ法律改正案の成案を得る見込みがありませんので、取りあえず今国会への提出は考えていないということになりまして、更に引き続き、関係方面の検討を踏まえまして、その上で法律案に対応した、の成案を得るべく努力していきたいと考えているところでございます。
○山添拓君 杉本参考人は、今の、今度見送る決断をしたということについて、自民党が独禁法改正に当たって、弁護士、依頼者間の秘匿特権の法制化などを行うように求めたと、それでは法制度全般に大きく関わるということで、そうした議論の結果、調整が付かなかったと、こういうように衆議院の方でも述べておられたかと思います。 一方で、山田事務総長の記者会見では、改正案の検討というのは、専門的な議論を踏まえて、産業界とか法曹界とかあるいは消費者団体との意見交換も踏まえて進めてきたもので、その課徴金の仕組みの方向性自身が問題があるということではないということも述べておられます。 今度予定されていた見直しと秘匿特権などは本来は別に議論していくべき問題だという御認識でしょうか。
○参考人(杉本和行君) その件に関しましては、弁護士会それから関係方面等から、今回の改正を入れるためには秘匿特権をセットで、秘匿特権の法定化というものをセットで入れるべきだという非常に強い要求がございます。 しかし、この点に関しましては、私どもは、言わば私どもの当事者能力を超えるといいますか、司法制度全般に関わる話だと思っておりますので、そういった議論が整理されて結論が得ることを期待しておりまして、そういった議論が整理されて結論が出たところで、それを待って、またその上で改正案の成案を得るべく努力してまいりたいと考えているところでございます。
○山添拓君 改正、見直しがされれば、コンプライアンスの高まりやあるいは予防効果もあるということが、今のお話では、公正取引委員会として想定していた範囲を超えて、自民党やその背後にいる、恐らく経済界などの要望でストップされているということだと思っています。 最後に、時間の許す範囲でなんですけれども、公正取引委員会の組織の体制についてちょっと伺いたいと思っています。 来年度の予算案における定員では十二人増員とされていまして、独禁法関係で八人、中小企業関係で一人、政策立案の関係で三人と。ただ、同時に、定員の合理化によって、独禁法で八人、中小企業関係で二人減らされるということで、杉本参考人が委員長になってからの五年を見ても、事務総局の定員は増員と合理化でほとんど変わらず推移しているような状況ではないかと思います。 独立性や中立性が求められる組織で、かつ様々に取組の強化も求められている中で、やはり一律の合理化というのは、私、無理があるんじゃないかと思うんですけれども、その点、杉本参考人はどのようにお考えでしょうか。
○参考人(杉本和行君) それでは、定員についてのお尋ねでございますので、お答えしたいと思います。 私どもの事務総局の定員に関して考えますと、例えば、平成元年度におきましては四百六十一人でありましたものが、今御指摘のように、三十年度予算では八百三十四人となっているということで、そういう意味ではこの三十年間で大幅に増員させていただいております。 私どもといたしましては、公正取引委員会の任務というのはますます大きくなっておりまして、それだけのリソースを活用しながらやっていく必要があると思っておりますので、できるだけ定員管理当局、予算当局等の御理解を得ながら、定員の確保、増員を確保したいと考えているところでございます。 ここ数年の動向で申し上げますと、消費税の転嫁対策というのが、転嫁対策法ができまして、そのときに定員をその関係でかなり増やしていただきましたので、その中でやりくり、やってきているというところでございまして、そういう意味では定員は、僅かでございますが、実質的には、徐々にではありますが、まだ充実をしていただいているというふうに考えております。
○山添拓君 終わります。
○東徹君 日本維新の会の東徹でございます。 杉本参考人にお伺いをさせていただきます。 まず最初に、公正取引委員会、平成二十八年度で見させていただきますと、百四十九件の審査を行って、このうち百二十八件が排除措置命令とか警告を行っております。大体毎年これぐらいの件数なのかなというふうな感じがいたしますけれども、毎年このような命令等を行っているにもかかわらず、独占禁止法に違反する事例というのがなかなかなくならない、この状況についてどのようにお考えでしょうか。
○参考人(杉本和行君) 今、独占禁止法違反問題につきまして、私どもとしては厳正に対処していくことが必要だと思っておりまして、現実問題として厳正に対処するように努力を続けてきているところでございます。そういう厳正に対処することの積み重ねが抑止効果につながるというふうに考えておるものでございますので、今後とも積極的に厳正に独占禁止法違反事件については対応していきたいと思っているところでございます。 また、なかなか反競争的行為というものが収まっていないじゃないかという御指摘でございますけれども、これは地道に努力を続けていって、経済界に対して厳正に対処することによる抑止効果を図っていくということがまず必要だと思っておりますし、さらには、独占禁止法違反というものが企業の利益にならないんだということについてもしっかりと、唱道活動と申しますか、コンプライアンスに応ずることが企業の利益に合致するんだということを、しっかりとそのキャンペーンを張っていく必要もあると、引き続きあると思っておるところでございます。
○東徹君 おっしゃるとおり、厳正に対処することが抑止力になっていく、これは当然なのかなというふうに思うわけですが、恐らく毎年そのような思いでやっておられると思うんですけれども、なかなかこういった独占禁止法違反事例というのはなくならないというわけですけれども。 先日、一月二十六日の日経新聞にも出ておりました。談合はここ数年の間にも広範に行われている可能性が高く、談合をなくしていくため欧米諸国より低い課徴金を引き上げる必要があると、このような指摘の報道もありました。この点についてどのようにお考えでしょうか。
○参考人(杉本和行君) 私どもの課徴金の水準というのが欧米諸国に比べまして現実問題として相対的に低いというのは事実だと思っております。 したがいまして、抑止効果を更に発展、やっていくためにはどういうふうに課徴金制度を運用していくかということが必要だと思っておりまして、先ほど御議論に出ました課徴金制度の改正法案におきましても、課徴金のそもそもの掛ける率については現状のままということでございますが、その違反期間についてどう考えるかとか、業種についてどう考えるかといったことの検討をいただきまして、そういうことを通じて課徴金水準が、課徴金の額が従来よりも増加するというようなことについては検討すべきだと、考えるべきだという結果をいただいております。
○東徹君 続きまして、OBの再就職のことについてお伺いをさせていただきます。 これも内閣官房の資料を見させていただきますと、公表されている直近の五年間で七名の公正取引委員会のOBが、例えば農業機械公正取引協議会とか医療機器業公正取引協議会などの各種の業界の、公正取引業界の方に再就職をしているわけであります。 これらの協議会というのは、この協議会に加盟している会社の費用負担でこれは運営されておるわけでして、再就職される方もその各加盟会社の費用負担で人件費がこれは出ておるわけですから、再就職する方が各種業界に天下りしている中では、そのOBの存在を意識して公正取引委員会の役割を果たせないのではないのかなというふうに思いますが、この点についてはどのようにお考えでしょうか。
○参考人(杉本和行君) 公正取引委員会を退職した職員につきましては、その勤務で培われました経験とか能力というものを評価していただいて民間企業などが採用していただくということになっているんだと思っております。 したがいまして、独占禁止法において、運用している我々との関係で、私どもがそういうことに配慮していろいろ考えなければいけないというような状況には全くないと考えておりますので、職員の再就職先が私どもの職務に影響されることは一切ないと考えておるところでございます。
○東徹君 医療用医薬品製造販売業公正取引協議会とか、先ほども申しました農業機械公正取引協議会とか医療機器業公正取引協議会とか、こういったものは何か値段が高止まりしているんじゃないのかなというふうな、まあ一般的にはそういう、国民の目線から見ればそういう意識もあるかと思うんですけれども、そういったところに再就職となると、本当に競争原理が働いているのかなというふうに思ってしまうわけですが、再度、繰り返しになりますが、その点についてどう思われますでしょうかね。
○参考人(杉本和行君) 御指摘の各種の公正取引協議会というものは、主に景品表示法の関係で適正な景品表示についての自主ルールというものを作っているところだと思っておりますので、そういったところで勤務することに関しまして、今までの行政経験というものを評価されて採用されているものだと思います。そういうことで、私どもがその表示関係、特に公正取引規約の設定に関していろいろ影響を、配慮するとかそういったことは一切ないと考えておるところでございます。
○東徹君 時間ですので終わらせていただきます。ありがとうございました。
○大家敏志君 自由民主党の大家敏志です。杉本参考人に質問をさせていただきます。 杉本委員長、五年前に就任されました。しっかり行政経験を積まれて、我々も同意をして五年前に公取の委員長ということであったと思います。この五年間、しっかりと一定の成果を上げられたということを、先ほどからのいろんな議論を通じても、また所信についてもお伺いをさせていただきました。 公正取引委員会が何をするところかと。これは、国民の皆様、ある程度名前でイメージは付くというふうに思います。ただ、委員長が誰なのか、名前は、どんな人かというのは、ほとんどの国民の皆様がイメージできないというふうに思っていまして、まず一点目、質問させていただきますが、趣味とかモットーがあったら教えてください。
○参考人(杉本和行君) 私の趣味、モットーという話でございますが、大変平凡な人間でございまして、先生がおっしゃるように全く存在感が薄い人間かもしれませんが、私といたしましては、誠実に仕事を遂行していく、私どもの仕事は国民の福祉の向上のために対応することでございますので、そういった職務を誠実に果たしていきたいというようなこともございますので、誠実に生きていくというのがモットーといえばモットーでございます。
○大家敏志君 よかったと思います。 数年前に日銀総裁、黒田総裁に趣味をお聞きしたら文楽ということで、ほうと思った経験があって、今日もそういうふうに聞かせていただきましたが、誠実ということ、財務省、大蔵省でしっかり経験を積まれて実直であることは、もう皆さん、経歴からも分かる。加えて誠実ということですから、安心してお任せできるのかなと思っています。 ちょっと厳しくお聞きをしたいことがありまして、今日は質問させていただきます。 一昨年の九月に公正取引委員会が介護分野に関する調査報告書というものを出されたんです。これ中身は何かといいますと、もちろん、超高齢化社会が到来しますから、介護の質、量、これを向上するというのは我々の喫緊の課題であります。 我々の国は、これまで安定供給、介護の安定供給や体制確立のために社会福祉法人というのが中心となって長きにわたってその役割を果たしてきた、これも皆様方周知のことだと思います。ところが、一昨年九月、突然、公正取引委員会が報告書を出されたんです。しかも、いろんな社会福祉法人に後に聞いたところ、ほとんど意見聴取はなかったというふうに我々は当時理解したんです。同時に、公的性格が物すごく強い公正取引委員会が介護政策に関する提言、これをできる権限や能力はあるのかということも我々は疑問に持ちました。同時に、政府・与党として、当時、内部留保の問題やいろんな指摘が社会福祉法人にもされていましたから、社会福祉法というものを改正、これを進めている議論の最中でもありました。そのさなかにこの提言がなされた。 内容は何かといいますと、介護分野への株式会社の参入、また社会福祉法人に対する非課税の見直しというのが柱であったというふうに思いますが、当時、去年委員長ですから、杉本委員長はこのことを事前に御存じだったんでしょうか。まず、そのことをお尋ねします。
○参考人(杉本和行君) 公正取引委員会は、独占禁止法の目的、公正かつ自由な競争を推進するという目的を達成することを任務としておりまして、個々の独占禁止法違反行為に厳正に対処するとともに、公正かつ自由な競争が行われる環境を整備するという観点から、これまでも様々な事業分野について実態調査を行い、規制の在り方や取引慣行についての考え方を取りまとめてきたところでございます。 介護分野についての報告の御指摘がございましたが、もうそれ以前にも電気通信分野だとか電力、それからガスとかそういった分野についても実態調査を行った上で競争環境を更に整備するためにどういうことを公正取引委員会として考えるかという報告を出させていただいているところでございます。介護分野の報告書もそういった観点から実態調査を行って取りまとめたものでございますので、これは私ども競争当局としての考え方を取りまとめたものでございます。 私どもがこういう考え方を示しましても、どういうふうにそれを判断されるか、全然、制度の成り立ち、社会福祉、社会保障の観点から非常に、言わば私どもの要望でございますので、要望に対して、これは対応する必要がないのか、必要があるのかということを判断されるのは制度を所管している担当省庁であり、かつ立法府の御議論だと思っておるところでございます。 ただ、私どもとしては競争政策当局としてそういった報告書を、私どもの考え方は、そういったことを通じて介護のサービスがより需要者のニーズに合った量で、かつ質が向上して提供されることになるんじゃないかなというのが競争当局としての考え方でございますので、そういう考え方を実態調査を基に整理させていただいたというところでございます。 報告書の中身は、多様な事業者の参入、それから事業者参入促進、それから、おっしゃいました、税制、補助制度、イコールフッティングの確保と申しておりまして、事業形態で同じようにイコールフッティングするという意味でございます。その他やっております。 それから、報告書をどういうふうにまとめるかというのは、事務方で検討しまして私のところにも報告は上がってきておりまして、それについて私も事前、事前といいますか、報告書を取りまとめる段階でいろいろ検討に参画してきたところでございます。
○大家敏志君 報告書を出すことができるということは理解をしました。 しかし、この報告書によって本当に介護現場は混乱したんですよね。もう詳しい議論のする時間がありませんけれども、株式会社は撤退することができるんですよ、もうからなかったら。同時に、この社会福祉法人でも三割が既に赤字と言われている。中身を見たら、多くが人件費、六割が人件費なんですね。ここでもし株式会社が参入して利益を上げようということになれば、人件費を抑制するか、若しくはサービスの内容を手を加えるしかないと。もう目に見えてくる、介護の質の低下というのが目に見えるような気がするんですね。ですから、イコールフッティングという美名の下で今回の提言がなされたのは本当に介護現場に混乱をもたらしただけではないかという厳しい指摘をさせていただきたいと思います。 こういう提言をされるより、本来、いろんな仕事があると思いますけれども、やっぱり下請いじめというところにきちんとした目を届かせていただきたいということを要望して、私の質問とさせていただきます。
○伊藤孝江君 公明党の伊藤孝江です。 杉本参考人、よろしくお願いいたします。 少し、ちょっと大きな視点でまずお聞きをしたいんですけれども、今、日本が生産年齢の人口が減少していること、また所得格差など、本当に大きな課題に直面しているというのは共通の認識ではないかと思います。その中で、経済を好循環させて、また働き方改革を含めたあらゆる政策を総動員して景気回復の実感が得られるようにというのがこれからの課題であるかと思っております。 その中で、独占禁止法はこれまで経済情勢を踏まえて運用されてきたというのは、先ほど杉本参考人も所信の中で述べられたところかと思いますけれども、今後、その日本経済を活性化していくということについて、この独占禁止法、また公正取引委員会がどのような役割を果たすと考えておられるのか、お教えいただきたいと思います。
○参考人(杉本和行君) お答えさせていただきたいと思います。 委員御指摘のように、日本経済は、現状を見ますと、経済の成熟化というのが進んできたんだと思います。少子高齢化が進んだということもございますし、いろいろ先進国に対するキャッチアップが終了したということもありますので、経済の成熟化が進んでいると。 そういった中で、経済がどんどん発展していって、それが雇用の確保につながり、消費者の利益につながるためにはやはりイノベーションというものが必要になってくると思っております。イノベーションを起こすためには、やはり自由で公正な競争環境が確保されるということが必要であると思っておりますので、私どもは、そういった観点から、競争環境の確保というものを非常に重視していきたいと思っているわけでございます。 世の中どんどん変わっておりますので、審査の、デジタルエコノミーというものもどんどん進展しております。そういったものに対してきちんとイノベーションインセンティブが働くように、そういった市場環境の確保ということを目指して競争政策というものを運用していくことが必要だと思っておるところでございます。
○伊藤孝江君 その競争政策をしっかりと守っていく、確保していくという中で、やはり経済の中心の一つを担う中小企業・小規模事業者の取引環境をどういうふうに守って、また改善をしていくのかというのが一つの大きな政策ではないかと思います。 消費税に関して言えば、平成二十六年に五%から八%に上がったと、それをしっかりと対策をしていこうということで、平成二十五年には消費税転嫁対策特別措置法が施行されて、価格転嫁の問題に対して委員会としても取組をされてこられて、また、引き続き尽力をしていきたいというのも先ほど述べておられたところかと思います。 これまでどういった事業者が対象に、この価格転嫁の問題に対してどういった事業者が規制の対象になるのか、また、どういった行為が対象となるのかなど、その相談窓口を周知していくことであるとか、違反行為とされることへの調査、指導などの対応について、特措法ができてからどういう点に重点を置かれた取組をされてきたのかということについてお伺いしたいと思います。
○参考人(杉本和行君) 中小企業というのは、特に下請企業というのは、親企業と非常に立場の強さの違いといいますか、立場の弱いところがございますので、不当に不利益な行為を押し付けられるということに対しては私どもは対応していかなきゃいけないと考えておりまして、そういった観点から、優越的地位の濫用行為だとか、それから下請法違反行為に対しては厳正に対処するということでやってきております。 下請法の運用に関しましては、勧告、指導ということをやっておりますけれども、そういった件数も徐々に増えてきておりまして、両者合わせますと、もう最近では年間五千件を超えるような規模になっている、平均でも五千点を超えるような規模になっているところだと記憶しております。 それから、消費税転嫁対策についても同様の観点でございまして、立場が弱い下請企業、中小企業が消費税をしっかりと確実に転嫁できるように、転嫁違反行為に対しては厳正に対処していくということでやってきているところでございます。 消費税が五%から八%に上がります以前から、消費税転嫁拒否行動は違法行為であり非常に問題だということで、各団体とか地方の商工会議所、商工会とか、そういったところも含めまして、いろいろ説明に回りましたし、ホームページとかいろんな媒体を通じまして、転嫁拒否行為を行わないようにということの徹底を図ってきたところであります。それから、各種の相談も受け付けておりますし、そういったことによりまして転嫁拒否行為に対して対応してきたと思っております。 もちろん完全とはいきませんでして、転嫁拒否行為も見られるところでございまして、転嫁拒否行為に対しても私どもは厳正に対処してきているところでございますが、概して言えば、転嫁拒否行為は、何というか、爆発的に多くなかった、それなりに収まってきているというふうに考えているところでございます。 しかし、申し上げましたように、転嫁拒否行為はまだかいま見られるところでございますので、そういったものに対しては厳正に対処しており、そういったことを世の中に公表することによって更に抑止効果が図られていくものだと考えているところでございます。
○伊藤孝江君 簡潔にお答えいただければと思いますけれども、抑止効果が出てきたというふうにも考えているということですが、これからまた一〇%への消費税の増税、予定されているところでもありまして、消費税の円滑また適正な転嫁に対してどのようにこれまでとは違う取組をされていくのかということを簡潔にお教えいただけますでしょうか。
○参考人(杉本和行君) また消費税が、消費税率が更に上がったときには、今、気持ちを新たにいたしまして、改めて積極的に消費者転嫁拒否行動に対して厳正に対処していくという方針を打ち出し、しっかりと説明していくということが必要だと考えているところでございます。
○伊藤孝江君 そのような対応で調査、日本の中で、消費税、中小企業というところの取組もそうですし、最初に話がありました海外との連携というところもそうですが、本当に人材をどうやって育成をしていくのか、人手をどうやって確保していくのかというのは大きな課題であるかと思いますが、その点、どのような御見解か、お話しいただけますでしょうか。
○参考人(杉本和行君) 経済社会は非常に複雑化しておりまして、先ほど申し上げました経済のデジタル化の進行、ITの進行というものが急速に進んでおりますので、そういった状況をきちんと分析して、具体的にどういう行動が起こっているかということを把握するためには、かなり専門的な知識の習得も必要でございます。 そういったことから、私どもは、職員に対しまして、そういったデジタル技術の習得だとか、いろんなことが起こっていることをしっかりと分析する能力を高めるために、研修とかオン・ザ・ジョブ・トレーニングでその職員のエキスパティーズを高めていくということが必要だと思っておりまして、そういう努力をしていきたいと思っております。
○委員長(山本順三君) もう時間が迫っていますので。
○伊藤孝江君 はい。 以上で終わります。ありがとうございました。
○礒崎哲史君 民進党・新緑風会の礒崎哲史でございます。 杉本参考人におかれましては、一応、私、最後の質疑者ということでございますので、いましばらくお付き合いをいただければと思います。 私の方から何点か、今の経済環境といいますか、企業の活動の環境が大きく変化をしているという観点で何点か質問をさせていただければと思いますけれども、経済のグローバル化、今どんどん進んでいる中で、国境をまたいだ企業の様々な活動がある。その中で、従来からも言われているのは、国際カルテルであったり、あるいは海外の企業が当事者になっている違反行為というもの、こういうものも実際には発生しているんだというふうに思います。 公正取引委員会として、そうした海外の違反企業に対してやはり調査をしようとすれば、日本の企業であれば国内に本社があると思いますので、国内の中での様々な調査活動である程度調べは付くんだと思いますが、実際、海外の企業が日本の国内で違反行為などがあると、現地に行っての様々な調査等も発生するんだというふうに思います。 その意味では、まああってはいけないとは思っているんですが、日本企業の方がより摘発しやすいような環境になって、海外企業と日本企業でその取扱いに差が起こり得るようなことがないのかどうか。あるいは、もしそういうような可能性があるのであれば、それに対して、例えば独禁法の改正、若しくはその体制の強化といった観点で何か取り組むことがあるのかどうか、その点についてまずはお聞かせいただきたいと思います。
○参考人(杉本和行君) 御質問ありがとうございます。 私どもの観点からしますと、今御指摘のように、競争政策といいますか、独禁法は、国境を越えて世界的にいろんな活動が行われることによりまして、そういった適用関係も十分に考えていかなければいけないということでございます。 そういった意味で、関係当局間の協力、協調というものも非常に重要だと思っておりまして、関係いたします諸外国の競争当局、独占、いわゆる反競争当局ともいろいろ情報交換をしながら、かつ意見交換をしながらやっていくということがますますこれから必要になってきていると思います。 さらに、例えば、我が方の運用に関しましても、反競争的行為において外国企業が対象となるものもございますし、それに対しても厳正に適用して対応してきているつもりでございますし、企業結合案件と申しますその企業の合併、統合に関しましては、外国企業同士の合併だとか、外国企業が日本企業と合併するだとか、そういった案件も相当増えてきております。そういった外国企業同士の案件に関しましても、日本市場に影響を与えるものに対しては私どもはきちんと対応しているつもりでございまして、一定の対応ができていると考えているところでございます。 そういった意味で、外国企業に対し、それから日本企業に対し分け隔てなく差別のない形でしっかりと適用していくことが必要だと思っておりまして、そういった観点から国際協力、当局間との協力等も進めていきたいと考えておるところでございます。
○礒崎哲史君 今、企業統合等の話もございました。また、別の観点で、今日、デジタル化というキーワードも何度か飛び出したというふうに思います。 これまであった企業ではなくて新たな企業が出てくる、あるいは今まであった企業でも新たな事業に取り組んでいくということからすると、よく競争環境を今日整えるというお話をされました。これ、大変私も重要なことだというふうに思っておりますし、企業がそれを積極的にできるような環境を整えていくというのは大変重要なことだというふうに思っています。 その自由な競争のあるべき方向性という観点で衆議院の方でもやはり質疑をされておりまして、その競争環境の整備の重要性と、それと、中小企業でも大企業でも、日本経済を発展させていくために、イノベーション努力に対するインセンティブ、これを付けることが重要だというお話を参考人の方からされておりました。 一方で、競争力のある企業というのはやっぱり体力を付けていかないと競争力にはならないということからすると、戦わせることによって切磋琢磨するという側面も重要ですけど、その意味では、大きくしていくことで体力を付けさせるという育てる政策というのもこれ当然、特にグローバルで戦う企業を育てていこうとすると重要だと思うんですが、その競争政策という観点と育成をしていく、大きくしていく政策というのは、ベクトルは多分、時には同じベクトルになることもあろうですし、でも時には真逆のベクトルになることもあるのではないかなというふうに思うんですが、公正取引委員会として、こういうバランスを求められる政策になるとは思うんですけれども、この観点について何かお考えがあればお聞かせをいただきたいと思います。
○参考人(杉本和行君) 私どもも、競争政策の目標、目的は企業の競争力を強化することだと思っているわけでございます。したがいまして、競争環境が整備されていないとその競争力の強化ということにはつながっていかないという観点でいろんな物事を考えなければいけないということがございます。 と同時に、競争環境が確保されることによって消費者の利益が確保されるという面も非常に重要な観点でございます。消費者の選択があることによって企業はその消費者のニーズに対応するということで競争するわけでございますので、そこで消費者のニーズに沿った商品、サービスが必要量かつ良質なものが提供されるというふうになっていくんだと経済の成り立ちを考えているところでございます。 したがいまして、その競争力を付けるためにいろいろ例えば企業結合とかそういうことが行われることに対して、私どもはそれを邪魔するというか、阻止するつもりはございませんが、ただ、消費者の利益が害されるような、すなわち独占、寡占が起こって消費者の利益が害されるような例えば企業結合というものに対しては、私どもの立場からはこれは問題だというふうにせざるを得ないというところでございますので、相矛盾するというよりも、むしろその競争力を強化するような環境を整えるということが私どもの使命だと考えているところでございます。
○礒崎哲史君 独占なのか、それとも強い企業としてここの範囲まではやはりある程度力を蓄えさせるのかという観点で、最終的には、今、MアンドAを含めて企業の統合ですとか合併という動きが大変激しく、しかも規模としても大きいものが実際現場では動いていますので、そんな観点でバランス感覚を持った形での委員としての活動を是非いただきたいなというふうに私は思っています。 それと、ちょっと全然違う観点で一つだけ簡単に。 今回の政府から出ている税制の改正を見ますと、フリーランスという働き方をどうも推奨しているのかなというふうに私ちょっと見ているんですけれども、フリーランスの働き方、これは、立場はやはり中小企業と同様に大変弱い立場に置かれるのではないかと思います。不当な価格で業務請負をさせられるという可能性が十分に予見をされるんですけれども、こうしたフリーランスの働き方の皆さんに対して何か対応というものを考えられていましたらお教えいただきたいと思います。
○参考人(杉本和行君) 御指摘のように、フリーランスの働き方というのがどんどん増えてきているのが現状だと思っております。 そうしたフリーランスの働き方、先ほどの経済のデジタル化の関係もございまして、クラウドソーシングとかITを利用した仕事が増えてくるに従ってそういったフリーランス的な働き方も増加していくというのが世の中の動きだと認識しております。そういった働き方に対しまして独禁法を適用すべきかどうか、適用する必要があるのかどうかということを、今、私どもは研究会を立ち上げまして、そこで検討していただいているところでございます。 フリーランスというのは、一つの事業体として、まあ働き方ではございますが、一つの事業体として機能しているという面もございますので、そういうところに独占禁止法を適用することによって、優越的地位の濫用とかそういうものを適用することによって、フリーランスの働き方をある意味では守っていくとか、不当に抑え付けられることを守っていくとか、そういったことを考えていく必要があるんじゃないかと思っているところでございます。
○礒崎哲史君 終わります。ありがとうございました。
○委員長(山本順三君) これにて公正取引委員会委員長候補者に対する質疑を終了いたします。 杉本参考人に一言御挨拶を申し上げます。 本日、大変お忙しい中、御意見をお述べいただき誠にありがとうございました。委員会を代表して御礼を申し上げます。ありがとうございました。
○参考人(杉本和行君) どうもありがとうございました。
○委員長(山本順三君) 本日はこれにて散会いたします。 午後三時十二分散会