環境委員会 第11号
- 発言数
- 160 件
- 登壇者
- 20 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 2018/06/05
会議録
○委員長(斎藤嘉隆君) ただいまから環境委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日までに、佐藤啓君及び佐藤信秋君が委員を辞任され、その補欠として小野田紀美君及び徳茂雅之君が選任されました。 ─────────────
○委員長(斎藤嘉隆君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 気候変動適応法案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣府大臣官房審議官米澤健君外十名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(斎藤嘉隆君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(斎藤嘉隆君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 気候変動適応法案の審査のため、本日の委員会に年金積立金管理運用独立行政法人理事長高橋則広君を参考人として出席を求めることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(斎藤嘉隆君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(斎藤嘉隆君) 気候変動適応法案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○森まさこ君 自民党の森まさこでございます。 本日は地球温暖化に関するこの本法案の質疑ということで、まず立法の経緯からお伺いしたいと思います。 平成二十七年に、我が国初めての適応策の計画として、気候変動の影響への適応計画が閣議決定されました。この当時、私は自民党の環境部会長でありまして、各省にまたがる適応に関する施策を一つにまとめるということで、部会の方で作業をさせていただきました。 この適応計画が閣議決定された時期、ちょうどパリ協定が採択されたCOP21の前でございまして、当時の丸川環境大臣が、でき上がった適応計画を基に、今後適応に関する我が国の国際的に果たすべき役割を演説されておられました。 それから約二年半が経過しての本法律案の提出でございますけれども、閣議決定である適応計画の下でここまで取組はどのように進んできたのか、そしてパリ協定の、先ほどの国際的に果たすべき役割と本法案はどのように関係しているのか、環境省から説明を願います。
○政府参考人(森下哲君) お答え申し上げます。 政府におきましては、平成二十五年から中央環境審議会での気候変動影響評価の議論を開始をいたしまして、平成二十七年に気候変動影響評価の報告書を取りまとめた上で、同年十一月に適応計画を閣議決定いたしました。 同じ平成二十七年の十二月に採択をされました、先ほどお話のありましたパリ協定でございますけれども、このパリ協定の中には、各国の適応計画の策定や実施等が盛り込まれるなど適応の重要性が位置付けられており、適応計画の閣議決定はこうした国際的な流れに沿ったものでございました。 その後、適応計画の下で各省庁が適応策を実施するとともに、平成二十八年に適応の情報基盤である気候変動適応情報プラットフォームの構築、平成二十九年に関係省庁連携による地域協議会の立ち上げや適応計画のフォローアップを行ってまいりました。 また、昨年六月十五日には、自民党の環境・温暖化対策調査会の気候変動の影響への適応策の充実・強化に向けた提言において、適応策の法制化についての検討を速やかに行うよう御提言いただきました。公明党からも、昨年七月二十八日に、同様に、法的措置の検討について御要望をいただいております。 このような背景を踏まえまして、今般、我が国の適応策を法的に明確に位置付け、国のみならず、地方公共団体、事業者、国民と連携協力して適応策を更に強力に推進するための本法案を国会に御提出し、御審議をお願いしているということでございます。
○森まさこ君 国際的な取組という御答弁ございました。是非、日本のリーダーシップ果たしていただけますようにお願いをいたします。 さて、気候変動への影響が大きい分野の一つに農業がございます。私はこれまで多くの委員会で農業問題取り上げさせていただいてきたところでございますが、今日は農水副大臣、谷合副大臣がお越しですけれども、冒頭、御礼を申し上げたいと思います。 実は、先般の四月十日の農水委員会、そしてその後の予算委員会で、二回とも福島県の風評被害、これが農業において非常に厳しいということを訴えさせていただき、農水省に復興担当の政務を置いていただきたいとお願いしたところ、先週金曜日に齋藤農林大臣の方で、六月一日の記者会見において農林水産省の復興担当政務として谷合副大臣と上月政務官を指名すると発表されました。早急に対応をしていただき、感謝を申し上げます。土地改良区の問題等も申し上げましたけれども、やはり東日本大震災と原発事故による非常に厳しい風評被害がある中で、農林水産省、今までも全般的に御対応いただいてこられましたけれども、更に力強く進めていただけるものと期待をいたします。 その上で、この気候変動による農作物への影響でございますけれども、福島県でも例えば水稲の白未熟粒が多発したり、果樹栽培にも生育に影響がございます。また、害虫等の種類が変わってくるなど、気温の上昇によって適作地が北上していく等の様々な問題が指摘をされているところでございますが、このような事態に対して農林水産省はどのような対策を実施していくのか、先ほどの福島県への取組への今後の意欲も含めて御答弁いただきたいと思います。
○副大臣(谷合正明君) まず、四月十日に参議院の農林水産委員会で委員から御質問いただきまして、大変ありがとうございます。私の方からは前半の方のところで答弁させていただきまして、後段のところはまた参考人の方から答弁させていただきます。 まず、東日本大震災の被災地の復興のためには、もう言うまでもありませんけれども、農林水産業の役割というのは大変重要であるというふうに認識をしております。被災地の復興、省を挙げて取り組む課題でありますけれども、先ほど御紹介いただきましたが、六月一日に、この業務を円滑に行うという観点から、私と上月大臣政務官を復興担当の政務として齋藤大臣から指名を受けたところでございます。 私自身は昨年八月に副大臣に就任して以来でございますが、安倍内閣の閣僚全員が復興大臣であるという共通認識の下でこれまで、また福島県もそうでありますけれども、営農再開状況を把握し、現場の方々と意見交換などを行ってきましたけれども、今般、復興担当政務として指名をいただきました。復興へ取り組む決意を新たにしたところでございますし、今後もしっかりと現場に寄り添って、現場に足を運んでまいりたいと考えております。 特に、福島県において農林水産業の課題というのは山積しているというふうに認識しておりますが、風評対策、また農林水産業の営農再開、この二つが大きな課題ではないかなというふうに考えております。特に、農林水産業の再開支援に関しましては、農業関連のインフラの復旧、また機械、施設や家畜等の導入、林業再開に向けた実証事業の実施、また漁業の本格的な操業再開に向けた取組、これをしっかりとやっていきたいと思います。また、風評対策におきましては、総合的な風評対策ということで生産から流通、販売に至るまでの対策、これは復興庁を始めとして関係省庁ともしっかりと連携してやっていかなきゃならない課題であると認識をしております。 これらに対しまして、スピーディーかつ責任感を持って全力を挙げて取り組んでまいりたいと決意しております。
○政府参考人(大角亨君) 気候変動の影響につきまして、私の方から申し上げます。 農林水産分野は気候変動の影響を受けやすい分野でございます。御指摘のとおり、既に我が国でも高温による米や果実の品質低下、あるいは豪雨による農業被害など、地域の気候条件ごとに種々の様々な気候変動の影響が顕在化しているところでございます。このため、平成二十七年八月に農林水産省気候変動適応計画を策定いたしまして、この内容は同年十一月に閣議決定された政府全体の気候変動適応計画にも反映されているものでございます。 農林水産省におきましては、これらの計画に基づきまして、米については高温でも白濁などの品質低下が起きにくい品種や技術の開発や普及、果樹につきましては、例えば福島などでも栽培されておりますリンゴにつきましては、高温でも着色の良い品種の導入や着色不良を防止する技術の普及、さらには農地の湛水被害等の防止のためのハザードマップの策定や排水機場、排水路等の整備等、科学的知見に基づく取組を推進しているところでございます。 また、地方行政機関である地方農政局等におきましては、地方公共団体等と連携いたしまして、地域における気候変動による影響や適応技術等について情報共有等を図っているところでございます。さらに、本法案に基づく広域協議会に地方農政局等が積極的に参加し、都道府県、市町村や国の地方行政機関等と連携協力いたしまして、地域の実情に応じた気候変動への適応をより一層推進してまいりたいと考えております。 以上でございます。
○森まさこ君 しっかりと進めていただきたいとお願いをいたします。 さて、次に、自然災害について聞いてまいりたいと思います。 気候変動の影響は、自然災害にも密接に関係してまいります。私は、大規模な自然災害に関する国際資格でありますエマージェンシーマネジャーの資格をIAEMの下で日本人で初めて昨年末に取得したところでございますけれども、この世界的な取組の中でも気候変動に関する適応という観点からの自然災害の対策というものが注目をされている中です、福島県で四月の下旬に地すべりが起きました。喜多方市高郷町の揚津地域です。 この地すべりは、今までに発生したことがない場所、また、自治体においても発生のおそれがあるというふうに考えられていない場所でございます。早急な対応が必要なところでございますが、この原因、はっきりとした原因はまだ分かっておりませんが、通常よりも多かった昨年の降雪の影響があるのではないかと指摘されているところでございます。降雪量の変化はまさに気候変動による影響に関する分野でございますので、こういった地すべり、土砂災害の分野でも気候変動の適応というものの対策が必要になってくるということを実感したところでございます。 そこで、まず、この喜多方市の地すべりの現状と国の対応について、農林水産省にお伺いいたします。
○政府参考人(奥田透君) お答えいたします。 福島県喜多方市高郷町揚津地区におきましては、委員御指摘のとおり、現在約四ヘクタールにわたりまして地すべりが発生しているところでございます。農地二・五ヘクタールの休耕、あるいは県道の通行止めなどの被害が生じております。また、一世帯二名が避難勧告に基づきまして避難しているところでございます。 農林水産省といたしましては、連休明けから国の職員を継続的に現地に派遣いたしまして、情報収集や応急対策などの技術支援を実施しております。また、福島県におきましても、昨日から現地ボーリング調査に入りまして、地すべり面の把握や対策工の決定に向けた作業を開始しているところでございます。 農林水産省におきましては、引き続き、福島県及び喜多方市と連携しまして、地すべり対策工事に必要な支援を全力で行ってまいりたい、このように考えてございます。
○森まさこ君 しっかりお願いをいたします。 このように、気候変動における自然災害、激甚化、頻発化、そしてこれまで起きていない地域でも起きていくということ、我が国では、これまでは過去に起きた災害に学んでその対応をしてきたわけでございますが、適応という観点では、過去の災害に学ぶだけでは足りない、温暖化の影響を予測して先取りをしていくということが大事だと思いますが、こういった防災・減災対策の現状と課題について内閣府から伺い、また、特に地すべり対策については国交省に伺いたいと思います。
○大臣政務官(山下雄平君) ありがとうございます。 昨年の九州北部豪雨を始め、これまで何十年に一度と言われていたような大きな大規模な災害が、近年では全国各地で毎年のように発生しているところであります。今後も、気候変動の影響によって自然災害の更なる激甚化や、先ほど森先生が御指摘になられたように、こうしたところで災害が起こらないんじゃないかと思っていたところで災害が起きるようなことが頻発するのではなかろうかというふうにも思っております。こうした傾向を踏まえて、ハード対策のみならず、ソフト対策による事前防災の重要性が増しているところであります。 内閣府においては、九州北部豪雨などの災害の教訓を踏まえて、学識経験者や関係省庁とともに検討会を設置して、避難勧告等に関するガイドラインを改定するとともに、要配慮者の利用施設における避難に関する計画作成の事例集を作るなど、地方自治体における防災力の強化に向けて取り組んでいるところであります。 また、今後懸念されます大規模な水害に備えて、市区町村をまたいだ広域避難について、中央防災会議の下に、ワーキンググループの取りまとめを踏まえて六月一日から、東京都とともに関係行政機関や鉄道事業者などから成る検討会を設置し、広域避難の具体的な取組に向けた検討を進めているところであります。 森先生から以前御質問がありました津波の対策についても、津波の被害に遭うのは自分が住んでいる地域だけではなくて、旅行先で津波の被害に遭うこともあるんだからこそ、津波のおそれのない地域でもそうした訓練が必要だというような御指摘もいただきました。想定外が極力なくなるように、政府一丸となって防災・減災対策に取り組んでまいりたいというふうに考えております。
○政府参考人(栗原淳一君) 土砂災害についてお答え申し上げます。 平成二十九年九州北部豪雨災害など、近年、激甚な災害が頻発しており、今後、気候変動の影響により更に土砂災害が頻発、激甚化することが懸念されます。 このため、比較的発生頻度の高い現象に対して、施設により災害の発生を防止し、また施設の能力を上回る現象や施設が未整備の箇所においても、できる限り被害を軽減することとしております。具体的には、土砂や流木の流出を防止するため、これらの捕捉効果の高い透過型砂防堰堤などのハード整備を実施するとともに、土砂災害防止法に基づき、警戒避難体制の整備、開発行為の制限等のソフト対策も進めております。 国土交通省といたしましては、これらの気候変動適応策を進めていくことは極めて重要と考えており、今後ともハード、ソフト一体となった気候変動適応策を進めてまいります。 以上です。
○森まさこ君 山下政務官が津波のこともしっかり答弁してくださって、力強く感じました。 おっしゃるとおり、津波の地域だけに情報を渡していたということがありますが、今は旅行に行ったり仕事に行ったり、どんなときも津波に遭う、そしてそのときに子供に親がいつも一緒にいられるわけではないということで、本当に子供のうちから全国民に災害リスクというものを是非情報を共有していただいて、例えば建物、住居を建てるときも、そして町づくりをするときも、そういった災害リスクに基づいたものをちゃんとつくっていけるように、ソフト対策、よろしくお願いします。 時間がなくなってまいりましたので一問飛ばしますけれども、今日はGPIFから来ていただいておりますので、ESG投資原則について御質問いたします。 二〇〇六年に国連の当時の事務総長、アナン事務総長が、機関投資家に関し、ESGを投資プロセスに組み入れる責任投資原則、PRIを提唱しました。これはもう国際的に非常に広まってきておりますけど、我が国でも、年金積立金管理運用独立行政法人、GPIFにおいてESGの要素を考慮した投資を進めていると承知しております。環境問題や社会問題が最小化されて社会全体が持続可能になるということで、長期の投資リターンを追求する上で不可欠であると思いますが、この点、GPIFの水野弘道CIOがPRIのボードメンバーになられたということで、日本人がこのボードメンバーに入ったということ、非常に誇らしいと思っております。 そこでお伺いしますけれども、GPIFが資金を運用していく中で、気候変動に対する配慮についてどのような方針を持っているのか、その国際的なリーダーシップに関しても御説明いただきたいと思います。
○参考人(高橋則広君) GPIFは、保険料を原資とする将来の給付の年金積立金であります財源を、法律に基づきまして専ら被保険者の利益のために長期的な観点から運用するということとされております。 委員御指摘のとおり、GPIFのような大規模かつ超長期の投資家にとりましては、ネガティブな外部性、環境問題なり社会問題を最小限にしまして長期的なリターンを目指すというのは非常に合理的だということで、そうした考えを基にUNPRIにも署名させていただきましたし、その考え方を共有しながらESGを考慮した投資を進めているところであります。 その投資の具体的な一つといたしまして、ESG指数というものを昨年選定させていただきました。これは、E、S、G、三つの要素全般に考慮した総合型の指数を二つと、それから、S、社会の要素の中から女性活躍指数というものを選定させていただきまして、三つの指数で今投資をさせていただいているところであります。 ただ、この選定の中で、環境指数につきましてはいろいろ公募がございましたが、気候変動を中心とした環境問題は国内の株式だけで考えていてもなかなか長期的なリターンが難しいということもございまして、今回、環境問題につきましては国境を越えてグローバルに内外株式を対象とした環境指数の今公募を行っているところでございます。 これからも、委員御指摘のように、長期的なリターンを環境問題の解決を通じて得られるような形で努力を重ねていきたいと考えております。
○森まさこ君 このESG指数の環境分野でございますが、今日の法案の適応という分野でも、適応ビジネス、これがもう世界的には注目されてきておりますので、またこういったところも投資家の皆様に情報を出してあげますように、よろしくお願いします。GPIFの取組を高く評価したいと思います。 それでは次に、大臣にお伺いをしたいと思います。 緩和と適応、これは車の両輪であるというふうに思いますが、中川大臣は、環境事務次官時代に京都議定書の批准に尽力されて以来、長く気候変動問題に携わってこられました。気候変動問題は、京都議定書を経て、パリ協定をもって新たなステージに突入したというふうに考えております。 環境大臣となられて、昨年のCOP23に参加をされてイニシアティブも発揮されました。また、パリ協定を踏まえた長期での温室効果ガス大幅排出削減に向けた意気込みについてもお話をいただければと思います。
○国務大臣(中川雅治君) 私は、環境事務次官在任中に京都議定書の締結に携わりまして、参議院議員になりましてからも気候変動対策、地球温暖化対策を大きな柱として活動を続けてまいりました。 京都議定書は、歴史上重要な一歩でございましたが、一部の先進国のみにしか排出削減義務が課されていなかったため、世界全体で排出削減を進めるための新たな枠組みの構築が国際社会の長年の課題になっておりました。こうした中で二〇一五年に採択されましたパリ協定は、歴史上初めて全ての国が参加する公平かつ実効性のある画期的な枠組みでございまして、脱炭素化に向けて世界が大きく動き出すことになりました。 パリ協定の着実な実施を我が国として後押しするため、環境大臣として参加いたしました昨年のCOP23におきましては、我が国のビジョンや環境技術の海外展開等の具体的な取組をまとめた気候変動対策支援イニシアティブ二〇一七を発表いたしました。また、全世界の温室効果ガス排出量を観測するための人工衛星「いぶき二号」を二〇一八年度に打ち上げることも表明したところでございます。 優れた技術を有する我が国といたしましては、世界の脱炭素化を牽引していく決意でございまして、パリ協定の下、国内での温室効果ガスの大幅な排出削減を目指すとともに、世界全体の排出削減に最大限貢献することとしております。 このための長期戦略につきまして、昨日開催されました未来投資会議において安倍総理から、有識者会議を設置するとともに、その下で、関係省庁は連携して検討作業を加速するよう御指示をいただいたところでございます。骨太な長期戦略の策定に取り組んでまいりたいと考えております。
○森まさこ君 是非よろしくお願いします。 昨年の当委員会で、私ちょうど委員長をさせていただいておりましたが、そのときに、福島環境再生事務所を格上げして、福島地方環境事務所にいたしました。福島県の原発事故の影響である放射性物質の除染、そして中間貯蔵施設の建設、そういったことにしっかりと取り組んでいただくという趣旨でございましたが、四月からそれが設置、開始をされて、今どのような運用がされているのか、また今後の決意についても伺いたいと思います。
○政府参考人(縄田正君) お答えいたします。 昨年六月に国会の承認をいただきまして、同七月に、東北地方環境事務所の支所でございました福島環境再生事務所を格上げする形で、地方支分部局として福島地方環境事務所を設置いたしたところでございます。さらに、本年四月には、所長を指定職化するなど、福島地方環境事務所の管理体制を強化することを目的に組織改編を行ったところでございます。 これらによりまして、福島での意思決定が現場の状況に応じ迅速に行われるようになりまして、福島の復興再生の加速化に大きく寄与しているものと考えてございます。 例えば、現場で機動的な判断が下せるということで、事故時の初動対応など、状況変化に応じた柔軟かつ効果的な対応が取りやすくなってございます。また、国あるいは福島県のキーパーソンの方々との対等かつ頻繁なやり取りができる、あるいは市町村からの幅広い政策提言に対してオプションパッケージを示せるようになったというようなことを現場からも伺ってございます。 今後、福島の復興再生に向けまして、様々な要望に対して、今後とも、事務所、本省が密に連携、役割分担しまして、機動的かつ積極的に取組を進めてまいる所存でございます。
○森まさこ君 是非、福島の復興の加速化に資するという今言葉がございましたので、お願いしたいと思います。 それでは、先ほど順番を変えました適応ビジネスという質問を残り時間でさせていただきたいと思います。 環境と経済が両立していくことが可能ではないかと思われますこの適応ビジネス、例えば気象などに関する予報システム等でございますが、我が国には長年の研究、技術の蓄積もあると思います。今後そういったものを海外展開していくなどの、そういった環境省の方針についても伺いたいと思います。
○副大臣(とかしきなおみ君) お答えさせていただきます。 森委員御指摘のとおり、気象情報、こういった技術を始め、適応ビジネスを喚起させていくために、日本は多くの技術を持っております。 特に、気候変動に脆弱なのが発展途上国でありまして、ここの適応能力を高めていくということは非常に重要であります。そこで、我が国の民間事業者が有する適応技術・サービス、これを上手に使っていただくために、我が国は、使っていただくための情報発信をしていくこと、これがとても重要になってまいりますし、それが我が国の国際貢献につながるものと考えております。 具体的に、環境省といたしましては、関係諸国との連携の下で、適応の国際的な情報基盤でございますアジア太平洋気候変動適応プラットフォーム、これを二〇二〇年までに構築する予定でございます。そして、これによりまして、発展途上国には将来的に、気候変動予測、影響に関するリスク情報と併せて、我が国の民間事業者が有する適応技術とかサービスとか、こういった情報を積極的に発信をしてまいります。 関係国との様々な協議の場におきましても日本の適応技術・サービスを紹介していくと、こういうことを積極的に行いまして、関係諸国と連携しながら、この適応ビジネス、これを通して国際貢献をしていくということを今、日本としては考えているところであります。
○森まさこ君 終わります。ありがとうございました。
○河野義博君 公明党の河野義博です。 今回、気候変動適応法案、三度目の質問に立たせていただきます。対政府質疑、そして前回の参考人質疑を踏まえて質問をさせていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。 まずは、地域気候変動適応センターの取組の充実に関して伺いたいと思います。 地域において適応策を推進していくということは、地域における気候変動影響に関する情報を収集し、科学的な知見を解釈して地方公共団体をサポートする地域の気候変動適応センターが大変重要な役割を持ちます。この点に関しては、さきの参考人質疑の中でもその重要性というのが開陳されたわけでありますけれども、環境省としては、地域の気候変動適応センターが適切に活動を行うことができるよう財政面も含めて支援をしていくこと、これは大変重要だと考えますけれども、財政面の支援も含めどういった支援を行っていく方針か、見解をお聞かせください。
○国務大臣(中川雅治君) 地域における適応策を推進していくには、地域の気候変動影響に関する科学的な知見の充実が重要でございます。このため、地域気候変動適応センターが地域の気候変動影響に関する情報の収集、分析、提供等を適切に行うことができるよう、本法案の規定に基づき、国立環境研究所が将来の気候変動影響の予測手法等について、この適応センターに対し、技術的な助言や研修を行ってまいります。 本法案に基づく地域気候変動適応センターには、それぞれの地域の研究所や大学等にその役割を担っていただくことを想定しております。こうした研究所や大学等の中には、既に地域における気候変動影響の将来予測に関する調査等を行っているところもございまして、これらの調査に対して環境省として既に財政的に後押ししているケースもございます。 引き続き、こうした支出を行うことを通じて、地域気候変動適応センターの活動を支援していきたいと考えております。
○河野義博君 従来どおり、国立研究所また地方の研究所、大学、支援を継続していくということでありました。そのとおりだと思いますが、新しい法律を立てて、改めて国民的な運動を展開していこうという基本的な取組を推進していく旗振り役ということになろうかと思いますので、各所との連携も含めて引き続きの支援をお願いしたいというふうに思います。 続いて、担い手の確保、人材育成という観点から伺います。 地域気候変動適応センターのスタッフを含めまして、地域において気候変動に取り組む専門家を育成していくということは重要なんだろうと思います。さきの参考人質疑の中でも、国立研究所の内容をそしゃくして皆さんに分かりやすく伝えるのにも非常に御苦労があるといったようなお話も聞かせていただきました。地域の専門家を育成していくためには研究費の充実も必要という指摘もあったわけであります。 気候変動の研究を推進していくため、どういったふうに研究費を確保、活用して地域における適応策の推進や人材育成に貢献していくおつもりか、見解を伺います。
○政府参考人(中井徳太郎君) お答え申し上げます。 環境省では、環境政策の推進にとって不可欠な科学的知見の集積と技術開発の促進を目的といたしました環境研究総合推進費と呼ばれる競争的資金を有してございます。この資金を活用し、地方の研究機関や地方大学を含む産学官の研究者から提案を募り、有識者の審査を経て採択された課題につきまして研究を実施しております。今回御審議いただいております法案を御可決いただきますならば、適応に関する事項を特に重要テーマとして示し、この秋にも研究を公募してまいります。 また、国立環境研究所が平成二十八年から実施しております気候変動適応情報プラットフォームを活用いたしまして、地域気候変動適応センター等に対する技術的支援をより的確に行うとともに、地方の研究機関等との連携協力体制の構築を進めてまいります。 さらに、国立環境研究所では、毎年度提案を募集いたしまして、地方環境研究所との共同研究を進めております。この枠組みを活用いたしまして、国立環境研究所と地方環境研究所との適応に関する共同研究を進めることで、地方環境研究所の人材育成に努めてまいります。
○河野義博君 これだけで食べていく研究者をたくさんつくるというのはなかなか難しいことなんだろうとは思いますけれども、こういった分野も含めて幅広く研究しているという人材を育てていくこと、また、研究者のみならず、それを広く一般の人に分からせていくような取組というのも非常に大事だと思いますので、引き続きサポートしていただきたいと思います。 それから、地域で活躍する、活動する団体の支援でございます。 地域においてきめ細かく気候変動の影響に関する情報を収集していくには、地域において自然観察などの活動を行っている団体の知見を活用していくことというのも大変重要だと思います。先日の参考人質疑でも同様の御指摘ありましたけれども、地域の気候変動影響に関する情報は、地域気候変動適応センターに集約して分析していくことで、地域の関係者が一体となって科学的知見を整理していくことが重要だと考えます。 環境省として、地域の住民団体などが持つ情報をどのようにして集めて分析し、また、それを地域の適応策に生かしていくおつもりか、見解をお聞かせください。
○大臣政務官(笹川博義君) ありがとうございます。 議員御指摘のとおり、身近な動植物の変化、さらには山、川の自然の変化、このことは、やはり地域ごとの気候変動の影響を把握するには大変有用だというふうに思いますし、今後、適応策の中に生かしていくことが重要だというふうに思っております。 こうした情報につきまして、今委員の御指摘のとおり、地域気候変動適応センターに集約し、国立環境研究所の技術的支援の下で分析を行い、そしてまた地域の気候変動影響に関する分析結果を地方公共団体、地域住民にフィードバックをしていくこともこれは大事でありますが、他方で、どのように集めて、また分析をしていくのが適切なのか、現時点ではまだ十分なノウハウが不足をしておりますので、やはりこの先進的な取組、さらには過去の事例も含めてしっかりと調査をした上で、具体的な情報収集、分析手法について検討してまいりたいと、その上でまたどのような支援が可能か検討してまいりたいというふうに考えております。
○河野義博君 実際、どういう計画が望ましくて、それをどう評価するかという点に関してもまだまだこれからという面もございますので、政務官おっしゃるとおり、これから、走りながら考えていくということも必要なことなんだろうというふうに思っています。また、その知見を海外に是非とも広げていきたいということはせんだってもお願いしたところでありますので、お願いしたいと思います。 適応ビジネスの件に関して伺います。 先日の参考人質疑では、先進国の責任だと、途上国の適応策を支援していくべきという御意見も示されました。我が国の民間事業者には、頻発する自然災害に対応する防災関連の技術や様々な天候の変化に対応する農業の技術など、様々な適応の技術が既に備わっているというふうに私は考えておりますけれども、こういった技術をどのように活用して適応ビジネスとして国際展開していくか、これ大変重要な視点だと思いますけれども、これから適応ビジネスを途上国にどのように広げていくのか、その方針を伺います。
○副大臣(とかしきなおみ君) お答えさせていただきます。 委員御指摘のとおり、発展途上国、これ気候変動の影響をかなり受けやすく、適応の対策が遅れぎみになるというのが特徴だと思います。ということで、発展途上国におきまして適応策を推進していくためには、我が国の民間事業者の適応技術、そしてサービスを提供する適応ビジネスの活用、これが大変有効でございまして、我が国の国際協力の観点からもこれは重要であると、このように考えております。 例えば、我が国にはどんな技術があるかと申しますと、農作物の生育状況等の観測データを活用した営農支援とか、次に、降水のリアルタイムシミュレーションなどの結果に基づいて警戒を発出するシステムなど、適応ビジネスを取り組む事業者が出てきております。こういった事業者の適応技術・サービスを開発途上国に提供し、そして農業の振興や防災対策などの施策に使っていただくこと、これが大変有効であるというふうに考えております。 このため、環境省といたしましては、やっぱり現状をきちっと把握していただくことも重要でありますので、適応の国際的な情報基盤でありますアジア太平洋気候変動適応プラットフォームを二〇二〇年までに構築していこうと考えております。これによりまして、我が国の民間事業者が有する適応技術・サービスに関する情報を発展途上国に対して有効に発信することができまして、そして日本の技術、サービスを活用していただいて、適応策を積極的に推進していただける環境がつくれるものと、このように考えております。
○河野義博君 様々なプラットフォームがありまして、環境省のプラットフォームも見せていただきました。適応と言えば適応なんだろうなと思うものから、副大臣に御紹介いただいたような気象システムや営農サポートといったようなものまで幅広く取り上げられて、さすがだなというお取組をしていただいていると思います。 すばらしい取組していますけれども、それを輸出してちゃんとビジネスになるということが大事なんだろうなと思いますので、ガバメントとガバメントでは比較的うまくいっているのかもしれませんが、それがしっかり使われて、ビジネスになっているということが大事だろうというふうに思います。これだけ情報通信の技術は進んで安価なものになっていますので、直接途上国の方々がそういった情報にアクセスして、実際に便益が現れるように、しっかり取組、最後まで支援していただきたいな、見届けていただきたいなというふうに思います。 それから次に、財源の問題をちょっと通告しておりますが、これちょっと分けさせていただいて、前段ちょっと幅広く伺いたいと思うんですけれども、新しい法律を立てますので、参考人質疑でも皆さんがおっしゃっていましたが、しっかり予算取ってお金を使っていくべきだという御意見がある一方で、従来、施策としてしっかり立案をされておられますので、今ある研究所や大学、そしてセンターの業務を引き続き続けていくということが大事なんだろうなと思いますが、そうは言っても、法律を立てるに当たって、新たな財源、どういうふうに取っていくかと。 これからの議論というふうには伺っておりますが、どのような方針でおられるかというところを、ちょっと大枠お聞かせいただけたらと思うんですけれども。
○政府参考人(森下哲君) 適応策につきましては、これまで米の高温耐性品種の開発、堤防や洪水調整施設の整備による防災対策、熱中症対策に係る普及啓発など、非常に様々な行政分野で施策の中に組み入れながら進めてきております。このため、これらの施策に関する予算のうちどの程度が気候変動への適応に貢献しているのかは必ずしも明らかではありませんで、現時点では政府全体の適応関係の全体の予算の規模は明確にはなっておらないところでございます。 一方で、環境省といたしましては、適応の情報基盤の整備、地域の関係者連携による気候変動影響の将来予測に関する調査等の基盤的取組を推進をするということで、平成三十年度予算に八・五億円を計上しております。また、国立環境研究所の運営費交付金の全体額として約百三十四億円を計上しておりまして、その内数として適応に関する研究等も含まれてございます。 農業分野の各分野の適応に必要な予算、今後、各省庁において措置していくものとなりますけれども、環境省としては、気候変動影響に関する科学的知見、充実させることによりまして、政府全体の適応策を後押ししてまいりたいというふうに考えてございます。
○河野義博君 おっしゃるように、何も予算を使うだけが施策の推進ではありませんので、引き続き、局長がおっしゃるような情報提供、研究を進めるということも大事だろうと思いますので、是非ともよろしくお願いします。 その一方で、やっぱり財源というのは必要になるわけでありまして、今議論が始まりましたけれども、炭素税なんかも、もし実現すればそういったことも使い道の一つになるんではなかろうかというふうに思いますが、それに向けては非常に大きな議論がこれからなされますので、法が施行されてすぐというわけにはいかないと私は思いますが、一方で、エネ特は使えないのかなというふうに思っていまして、地球温暖化対策を推進するための予算としてエネルギー対策特別会計があるというふうに承知をしております。適応策は地球温暖化の進行の結果必要となる取組ですので、適応策についてもエネルギー対策特会を活用できないかなというふうに考えておるわけですが、環境省としてはどのようにお考えか、お聞かせください。
○政府参考人(森下哲君) 先ほど御質問のございました税の関係でございますが、地球温暖化対策のための税、これは、地球温暖化の主たる要因でございますエネルギー起源二酸化炭素の排出につながる石油、天然ガス、石炭といった全ての化石燃料の利用に対しまして、エネルギー起源CO2排出量に応じて負担を求めるものでございます。 これを財源とするエネルギー特別会計は、特別会計に関する法律に基づきまして、省エネですとか再エネの導入など、エネルギー起源二酸化炭素の排出抑制策を抜本的に強化をするということに用いることと定められているということでございます。このため、エネルギー対策特別会計を適応策に使用することは、現行の特会法や租税特別措置法の根本に及ぶ議論が必要になるものと認識をしております。 この点につきまして、気候変動に対する適応策は、気候の変動による国民生活や社会経済への影響に対応するための国土保全や防災などの幅広い分野の多様な政策を含むものでございますので、一般会計により実施をすることが適当であるというふうに考えてございます。 いずれにしても、適応策に必要な予算につきましては、関係府省庁が実施をする適応策を気候変動適応計画に位置付けることなどを通じまして、関係府省庁の取組を後押しをしてまいりたいというふうに考えております。
○河野義博君 繰り返しこの法案審議の中で衆参委員会で共に数多くうたわれてきたのは、やっぱり排出抑制とともに大事な適応策の充実ということで新たに法を立てるわけでありまして、排出量に応じて税が課されているものでありますので、是非とも、これは両輪じゃないかと私は思いまして、排出抑制とともに緩和にも使えるような議論というのもこれから進めていってはいかがかなというふうに、個人的にですが、思っておりますので、局長、よろしくお願いします。 残りの時間は、ちょっと関連をしまして質問をいたします。 フロンの回収について、自動車や家電のように個別のリサイクル法が制定され、リサイクル制度が整備されているものもある一方で、業務用の冷凍空調機器のフロンなどについては、フロンの排出抑制法によって回収、廃棄が義務付けられておりますけれども、その回収率は約四割と低迷をしております。フロン類については、回収インセンティブの向上のため、より有効な制度の導入が必要ではないかというふうに考えておりますが、環境省、見解をお聞かせいただきます。
○政府参考人(森下哲君) お答えいたします。 フロン類の廃棄時の回収につきましては、一定の向上は見られておりますけれども、十年以上にわたって三割台で低迷をしているということでございまして、平成二十八年におきましては約三九%というふうになってございます。地球温暖化対策計画で定めます二〇二〇年度五〇%、二〇三〇年度七〇%の目標達成に向けまして更なる対策の強化が必要と考えてございます。 このため、現在、中央環境審議会と産業構造審議会の合同会議におきまして進めておりますフロン類対策のフォローアップの中で、フロン類の廃棄時回収率低迷の要因と対策についての調査、分析を進めているところでございます。 具体的には、機器の廃棄やフロン類の回収実態を把握するための調査を都道府県、フロン類充填回収業者等の協力を得て鋭意進めているところでございまして、その結果も踏まえまして、関係省庁と協力して必要な措置を講じ、フロン類の更なる排出抑制に努めてまいりたいというふうに考えております。
○河野義博君 ありがとうございました。
○柳田稔君 おはようございます。 法案の審議に入る前に、昨日、財務省から森友調査報告が出されました。内容について十分だとは全然思っていないんですけれども、今日はこのことに触れさせていただきます。 我々国会議員というのは、法案の審議なりいろんな役所の施策なりを審議するときに、役所は過去のデータなり情報なりそれに基づいて正しい答弁をしていると、その前提に立って我々は質問するわけですよね。ところが、こういう不祥事が起きた場合、果たして立法府と行政府の関係というのは一体どうなるんだろうかという疑問も湧きますので、まず、この森友問題について質問をさせてもらいます。 従来、財務省さんは、文書については書換えとずっと主張していましたけど、やっと改ざんということも認めましたし、国会における虚偽答弁も認めましたし、証拠隠滅も認めました。これは多分、大臣もお聞きになったと思うんです。この報告について、大臣、どのように考えるか、御答弁をお願いします。
○国務大臣(中川雅治君) 今般の事案によりまして、行政全体の信頼を揺るがしかねない事態となっていることについては、内閣の一員として重く受け止めなければならないことであると考えております。 公文書は、公文書管理法にもございますとおり、健全な民主主義の根幹を支える国民共有の知的資源として、主権者である国民が主体的に利用し得るものでございまして、その適正な管理を進めていかなければならないと考えております。 本日八時半過ぎから官邸で、行政文書の管理の在り方等に関する閣僚会議が開催されまして、総理より、政府における行政文書の管理の適正を確保するため必要な取組を政府を挙げて実施するようにということ、それから公文書管理に対するコンプライアンス意識を高めるようにといった趣旨の御指示がございまして、各省官房長等から成る幹事会で検討していくことになりました。 こうした検討の状況を踏まえまして、環境省といたしましても、適切な公文書管理の確保について厳正な取組を進めてまいりたいと考えております。
○柳田稔君 当たり前のことですよね。ちなみに聞きますけど、環境省として、適切、厳格というお言葉を使いましたよね。具体的にはどういうことですか。
○国務大臣(中川雅治君) 最近の公文書管理や決裁文書の取扱いをめぐる諸問題に鑑みまして、環境省としても、公文書管理の在り方について適正な取扱いを確保する観点から、修正履歴等が残る電子決裁のより一層の推進、行政文書の適切な所在管理の徹底につきまして、本年三月に総括文書管理者であります官房長より各職員に向けて指示を行ったところでございます。 今後、修正履歴等が残る電子決裁のより一層の推進や職員研修の充実強化などに取り組みまして、公文書の厳正な管理を更に進めてまいりたいと考えております。 また、立法府からの説明や資料のお求めに対しましては、行政府の一員としてこれまで以上に丁寧に意を尽くして対応してまいりたいと考えております。
○柳田稔君 おっしゃることは抽象的で、それなりに頭に入るんですけど、もう二度と起きないという担保が欲しいんですね。だから、具体的に何をなさるんですかと聞いたんです。 今おっしゃったことは大体みんな想像付くわけですよ、当たり前の話で。だけど、今回の不祥事を受けて、我々としては、環境省としては、徹底的にどことどことどこと、具体的にこれをやりますという意思表示は今日はできませんか。
○国務大臣(中川雅治君) 今申し上げましたが、官邸で今日開かれました行政文書の管理の在り方等に関する閣僚会議、そして、その下に各省官房長等から成る幹事会が設けられまして、先生御指摘のようなそういった厳正な管理の在り方についてそこで取りまとめがなされるというように思います。それを踏まえて、それに従ってしっかりと対応していきたいと考えております。
○柳田稔君 環境省さんについては、庁の時代からこういうことを聞いた記憶がないんですよ。多分それなりにしっかりやられているんだろうと思うんですね。その経験があるわけですし、今日までもやってきたこともあるだろうと思うんです。そうすると、その会議に堂々と、環境省としてはこういうことをやっています、これからもこういうことをやりますということを言ってもおかしくないんじゃないですか。 先ほどの答弁で、今年の三月ですか、官房長から指示を出したということは、もう三か月近くたっているわけだから、それなりの対策は役所の中ではできていると思うんですよ。だから、どういうふうに、具体的に考えることがあれば教えていただければ有り難いなという質問なんですが。
○国務大臣(中川雅治君) 一つは、行政文書の管理につきまして、その行政文書の所在をしっかりと記録をして省内で共有をするということが大事だと考えております。 それと、今申し上げました電子決裁ですね、これは修正記録が残るわけでございまして、環境省でも大分進んでおりますけれども、まだ一部電子決裁になじまないものもございまして、それは、申請書とか、いろんな附属書類が紙でできているものにつきまして電子決裁になっていないものもございます。それは、そういった元々の申請書類等から含めて電子化するということを考えて、全体を電子決裁にしていく、そういう形でしっかりと管理をしていきたいと、で、現にそれは今進めているところでございます。
○柳田稔君 しっかりとやってもらいたいと。すぐやらないといけないことなんですよ。だけど、多分遅々として進んでいないような答弁しかおっしゃらないので、不安になってきたので。 ちなみに、昨日の報告聞いていまして、いろんな隠していることもあるなと個人的には推測するんですが、政治的責任というのは一切触れていませんよね。役所の中で、一局長が指示したと、そういう報告書でしたよね。これは一大事じゃないんですか、役所にとっては。違うんですか。役所の中の一局長がですよ、一局がですよ、証拠隠滅、改ざん、虚偽答弁をやったということは一大事じゃないですか、これ、役所にとっては。私はそう思うんですけど、大臣、どう思われます。
○国務大臣(中川雅治君) 本件の個別の事案に関しましてのコメントは、環境大臣の立場で差し控えさせていただきたいと思います。
○柳田稔君 中川さんは事務次官までやられたんですよね。で、今は大臣ですよね。他省庁のことって、ちょっとそれはこの委員会に対して失礼な答弁じゃありませんか。私は、ある局と言ったんですよ。局長、ある局の中で、証拠の隠滅、改ざん、虚偽答弁がなされたと、このことについて大臣はどう思うかですよ。私は大変大きなゆゆしき問題だと思うんですが、大臣はどういう認識です。
○国務大臣(中川雅治君) 行政全体の信頼を揺るがすということになったわけでございまして、そのことについては重く受け止めなければならないというように考えております。
○柳田稔君 重くね。 では、政治責任はどうですか、一般論でいいですよ。そういう不祥事が起きた場合、一般論で、政治責任はどう取るべきか。特に中川さんは事務方のトップまでやった人ですから、よく分かると思うんですよ。政治責任をどう取るべきか、一般論でいいですよ、お答えください。
○国務大臣(中川雅治君) 一般論としてはなかなかお答えしにくい問題でありまして、やはり個別の、それぞれのケースによって考えるべき問題だというように思います。
○柳田稔君 個別は答えられません、一般論も答えられません。何だったら答えられるんですか。
○国務大臣(中川雅治君) 今回の、その財務省の事案はまさに個別の事案でございます。したがって、環境大臣として、コメントを差し控えさせていただきたいと思います。 一般論ということについてでございますが、それは個々の事案によって形態も違いますし、一般論としてお答えをすることはなかなか難しい問題だというふうに考えております。
○柳田稔君 いい答弁があると期待して、もうそろそろやめようかと思ったんですが。 今回の適応策について、企業にも協力求めるんですよね、求めますよね。じゃ、企業がですよ、偽のデータを、それに基づいて偽の報告を環境省にして、そういう事態が生じたときも不問ですか。
○国務大臣(中川雅治君) もちろん、それはケース・バイ・ケースで、そういったことを指摘をしてやり直していただくというようなことを求めるのは当然のことだと思います。
○柳田稔君 いや、そうはぐらかさなくて結構なんですよ。 企業に協力を求めると。その際、企業がうそのデータを作りました、そのうそのデータに基づいてうその報告を環境省にしました、で、仕事を取りました。その際でも不問に付すんですね。
○国務大臣(中川雅治君) うそのデータで仕事を取ったということになれば、それは当然その正しいデータに改めていただかなければならない、そして、企業に対して、そのうそのデータを示したということに対する企業側のもちろん責任というものは当然追及しなければならないと考えております。
○柳田稔君 そうしますよね。会社側の責任を問いますよね、当然。これが一般論ですよ、民間社会では。役所はそれに対して民間にはそう言いますよね、しますよね、当然。 じゃ、役所の中だったらどうするんですか。
○国務大臣(中川雅治君) 今回、財務省の事案につきましては、処分が行われたというふうに認識しております。
○柳田稔君 ですから、政治責任はどうされるんですかと聞いたんです。いいですか。政治責任は一切触れられていないんです、これ。政治責任はどうされるべきなんですかと。事務方のトップまでされて、今大臣までされている。一般論で結構ですよと。政治責任というのはどうされるべきだと思いますか。
○国務大臣(中川雅治君) それは個々のケースによって違いますので、一般論としてお答えすることは難しいと思います。
○柳田稔君 こればっかしやっていると法案の質問ができないんですけど、大臣、どうにかしてくださいよ。法案の質疑したいって準備してきたんですけど。まあ、またやります。 今回の適応策法案ですね、私のイメージとしては、今までいろんなところでやってきているわけですよね、いろんな役所の中で。だから、そういったところを全部集めてシステム化して、さあやりましょう、適応策をやりましょうというのが今回の法案というイメージを私は持っているんですが、それでよろしいですか。
○国務大臣(中川雅治君) この法案に基づきまして適応策の実効性を高めるためには、関係省庁との連携が大事でございます。環境省が旗振り役となって、地方公共団体や事業者、国民等の取組をしっかり後押しをしていくということが重要でございます。 このため、環境省が中心となって、現行の適応計画の内容をしっかりと見直し、新しい法定の気候変動適応計画の下で関係者が一丸となって適応策を強力に推進してまいりたいと考えております。 〔委員長退席、理事宮沢由佳君着席〕
○柳田稔君 いいんですよ、それで。でも、物すごい不安があるんです、それ、やるに当たって。 なぜ不安があるかというと、旗振り役は環境省とおっしゃいました。では、この件に関係する環境省の中のスタッフというか人員というか、どれぐらいいらっしゃるんですか。
○政府参考人(森下哲君) 地球環境問題に関する調査研究等に関する業務を所掌する地球環境局の総務課研究調査室におきまして、地球温暖化の影響予測、そして適応計画の策定及び適応策の推進、適応に関する国際協力の推進、担当する職員を配置して取り組んでおります。また、幅広く関係がございますが、例えば生物多様性の保全あるいは熱中症への対応などにつきましては、他の環境政策を担当する一部の部署におきましても適応に関する具体的な政策を担当してございます。 このほか、適応の情報基盤を担う国立環境研究所の監督につきましては、大臣官房総合政策課環境研究技術室において担当しております。さらに、地方環境事務所におきましても、地域の適応の取組を推進するべく、本年四月より地域適応推進専門官のポストを新たに設けたというところでございます。
○柳田稔君 いろんな部署を挙げてもらってありがとうございます。で、何人ですか。(発言する者あり)
○理事(宮沢由佳君) 待ってください、手を挙げて。
○政府参考人(森下哲君) 済みませんでした。 定員でございますけれども、先ほど一番最初に申し上げました研究調査室でございますが、室長を含めて十四名が確保されてございます。それから、地域適応推進専門官については、東北、関東、中国四国、九州の四事務所で四名が確保されてございます。
○柳田稔君 トータル十八名ね。 この人たちは全部俗に言う正社員ですよね。非正規の人はいませんよね、入っていませんよね。
○政府参考人(森下哲君) 十四名の内訳でございますけれども、室長が一名、補佐が七名、専門官が……(発言する者あり)はい、そうでございます。
○柳田稔君 十四名ね。旗振り役が不安になりますよね。 で、その十四名、部署換えというのはないんですか。普通、二、三年でしたっけ、課を変わりますよね、局とか。この問題は多分短期で済む話じゃなくて、永続的にやらないといけない話ですよね。そうすると、その部署にいる十四名プラス四の人たちはいろいろ転勤もあるわけで、どういうふうにして力強くやっていくのかなと思うんですが、いかがです。
○政府参考人(森下哲君) 委員御指摘のとおり、中央省庁の担当者は、適材適所の観点から、二年とか三年ということで異動がございます。ただ、異動した場合でも、担当者同士で適切に業務の引継ぎを行いまして、行政の継続性を確保しているということでございます。 また、本法案でございますけれども、適応の情報基盤を担います国立環境研究所が、気候変動影響に関する情報の収集、分析、提供ですとか、地方公共団体に対する技術的支援等の業務を継続的に行うということを規定してございます。環境省といたしましては、国立環境研究所が蓄積する科学的知見も活用しながら、継続的に適応策を推進していきたいというふうに思っております。
○柳田稔君 責めているわけじゃないですよ、頑張れという応援団の一人ですからね。 そうすると、まあなかなか厳しい状況ですよね、大臣、聞いていても。まあ御存じのとおりですよ。そうすると、それなりのスタッフを増やさないといけないし、そのスタッフもそれなりの知識を持った人を増やしていかないといけませんよね。そうすると、当然予算掛かりますよね。そうすると、今までどれぐらい使っていたか、まあいろんな部署があるので分かりませんけれども、旗振り役の環境省としては、このことについてどれぐらい来年度予算を多く取るおつもりですか。
○政府参考人(森下哲君) 環境省といたしましては、適応の情報基盤の整備、それから地域の関係者との連携による気候変動影響の将来予測に関する調査等の基盤的取組を推進するために、平成三十年度予算に八・五億円を計上をいたしております。また、国立環境研究所の運営費交付金の全体額といたしまして約百三十四億円を計上しております。その内数として適応に関する研究等も含まれているということでございます。 これらの予算を最大限活用して、政府全体の適応策を推進していくとともに、必要な予算の確保に引き続き取り組んでまいりたいというふうに考えてございます。
○柳田稔君 いいんですよ、必要な予算の確保ですから、頑張ってください。 ただ、予算取りに行くのは大臣ですからね、どうにかしてよと、財務大臣のところに行くじゃないですか。さっき言ったように人員も少ない、交代もある、しかしやらなくちゃならない、予算必要ですよね。だから、大臣として来年度はこの関係についてはこれぐらいはしっかりと取ってきて充実させますと、その意思表示ぐらいしてもらえませんか。
○国務大臣(中川雅治君) もちろん、人員の確保、予算の増額、これは全力で実現をしていかなければならないと決意をいたしております。 ただ、この適応策は、各省で実施をしていただく部分が非常に大きいと思います。それを環境省として、国立環境研究所の持っている知見等を提供する、あるいは環境省の地球環境局の職員が旗振り役となって、調整役となってその適応策を推進していく、具体的な政策を実現させていく、また全体の調整をしながら推進をしていくと、こういったことでございますので、環境省の役割と同時に、各省での予算の確保、これをしっかりとお願いをしていきたいというように考えております。
○柳田稔君 旗振り役は環境省なんですよ。十四名ですよ。職場換えもあるわけですよ。やらなきゃならない、我々もそう思っているんです。そうすると、人材を集めて教育するということは、やはりそれなりの予算要るじゃないですか。 ところが、今の国の財政を見ると、財務省にお願いに行ったって、こう言われますよね、大体。いや、趣旨はよく分かるけど、どうぞ環境省の中の予算の中で振り分けしてくださいと言われるのが落ちなんですよ。御存じのとおりですよね。 そうじゃなくて、昨日も何か総理に言われたとさっき答弁されていましたので、来年度は別枠で取ってくると。逆に言うと、皆さんよろしくと言ってもいいぐらいじゃないですか。
○国務大臣(中川雅治君) そういう意気込みでしっかりと対応してまいりたいと思っておりますので、御支援のほど、よろしくお願いいたします。 〔理事宮沢由佳君退席、委員長着席〕
○柳田稔君 役所の皆さん、大臣がそう言っていますので、実現をしなかったらしっかり怒ってくださいね。何だと、委員会であれだけ約束したのに、できなかったのはおかしいだろうがと。 ちなみに、もう時間が余りなくなったので飛ばしますけど、この国の主食はお米ですよね、お米。温暖化に対していろいろ品種改良しながら今までも対応してきていますよね。その中心でやってきたのは都道府県の農業試験場ですよね、中心になってやってきたのは。だから、お米の種も今までは農業試験場が保有し、品種改良やってきたんですね。 ところが、今の安倍政権になって、種が自由化されたんですよ。一遍に自由化されたと言ってもぴんとこないかもしれませんが、今までは農業試験場がやっていたけれども、これからは民間にも許されるということになっちゃったんですよ。とすると、大きな資本を持っている民間が参入できるという話ですね。これは国境がないんですよ。全世界のどこの企業でも参加できるんですよ。農水委員会の方でもいろいろ議論になりましたけれども、当然、主食の米の種ですから、日本ですからね、海外の大資本が参入してくると、そうなったらば日本の小さな民間では太刀打ちできないだろうと。海外の企業が相当入ってくるなというのが予想なんですね、我々としては。これは多分自民党さんの中にもそう思っている人は多いと思いますよ。 そのときに、今回の、企業にも協力を要請できると法案に書いてあるじゃないですか。国内の企業だったり公共の試験場だったら、ああ、分かる、そう、ああ、できるなと思うんですが、海外の大手資本に対して協力をしてくれというのは、果たして言えるのかどうか、言えるとしたらどこまでできるのかどうか、非常に疑問なんですが、お答えください。
○政府参考人(森下哲君) 気候変動の影響を受けやすい農業分野での取組の御質問だというふうに理解をしております。 これまで、品種改良によります高温耐性品種の開発と普及ですとか、様々な適応策が行われてきているところでございます。この農業分野におけます適応策を推進するに当たりましては、私どもは、地域の農業研究所等が有する知見を活用することが非常に重要だというふうに考えてございます。 環境省といたしましては、国交省さん、あるいは農林水産省さんと連携をして実施をしております地域コンソーシアム事業におきまして調査研究等を行うに当たりまして、テーマに応じて都道府県の農業研究所の御協力もいただいて取組を進めているということでございます。 引き続き、こういったメカニズムを使いながら、民間の方々の御協力もいただきながら取組を進めていくということを考えていきたいというふうに思っているところでございまして、今後の課題と受け止めさせていただきたいというふうに考えております。
○柳田稔君 いいんですよ、それで。だから、その発想の範囲が国内の民間だという感じがしてならないんですよ。 ところが、今の安倍政権が種子法を変えちゃったんですよ。海外の大手資本も日本の米の種子に参入できるようにしちゃったんです。大資本ですよ、言っておきますけど。そこがいろんなことをやるようになってくるわけですよね、当然、利益追求ですから。そういった国内じゃない海外の民間に対して、今回の適応策、環境省として、協力してくれとどこまで言えるのかなという疑問があるんで、それについてお答え願えればと思います。
○委員長(斎藤嘉隆君) 森下地球環境局長、時間来ておりますので、簡潔にお願いいたします。
○政府参考人(森下哲君) 法案の中では、事業者については協力に努めるという旨の規定が置かれてございます。そういった法案の規定を踏まえまして、どういった事業者の方との協力関係築けていくか、これは今後の課題にさせていただきたいというふうに考えております。
○宮沢由佳君 立憲民主党・民友会の宮沢由佳です。前回に引き続き、気候変動適応法案について質問させていただきます。 前回の参考人陳述では、気候変動は人類の生存に関わる大問題であり、その影響は農業、水産業、林業、観光、防災、医療、衛生、外交、防衛など多岐にわたり、一般国民にとっても大問題であることを確認いたしました。 一般国民の緩和策、適応策についての意識喚起が必要だと思われますが、情報提供、学習機会などについてどんな努力をされているでしょうか、教えてください。
○政府参考人(森下哲君) お答え申し上げます。 CO2の排出削減を始めとする気候変動の緩和につきましては、その普及啓発を図るため、クールチョイス、賢い選択を旗印とした国民運動などによりまして、LEDあるいは省エネ家電の利用、そして宅配便の再配達の防止などのCO2の削減につながる行動を促しているというところでございます。 一方、気候変動の影響を回避、軽減する適応につきましては、平成二十八年に気候変動適応情報プラットフォームを立ち上げまして、関係省庁と連携をしまして、気候変動の影響や適応策についての様々な情報をインターネット等を通じて発信するとともに、シンポジウムの開催や各地でのセミナーの開催を通じまして国民の皆様方に広く関心を持っていただけるよう取り組んできたところでございます。 この法案は、適応という言葉を国民の皆様方に知っていただく絶好の機会でございますし、この言葉が十分に浸透しまして、国民の理解の下、全国各地で適応策が進展するよう、気候変動適応情報プラットフォームの更なる充実、広報資料の作成や各地でのセミナーの開催などを通じまして、国民の皆様方の理解を深める取組を更に強化してまいりたいというふうに考えております。
○宮沢由佳君 そもそも、二〇三〇年に二六%削減と知っている国民はどれくらいいるのでしょうか。加えて、二六%、二酸化炭素十億四千二百万トンと言われてもぴんときません。子供たちにも分かるように、分かりやすく説明すべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(森下哲君) ありがとうございます。お答え申し上げます。 まず、どれぐらいの人たちが知っているのかという点でございますけれども、これは内閣府におきまして平成二十八年に地球温暖化対策に関する世論調査、これを実施をしております。その結果によりますと、二〇三〇年度に温室効果ガスの排出量を二〇一三年度比で二六%削減するという中期目標を掲げていることを知っておられる人の割合は六二・七%でございます。半数を超えているということでございます。一方で、目標の数値も含めて知っていた人の割合は一七・七%となってございます。 二〇三〇年度二六%削減の目標を達成するためには、国民の皆様方、各界各層における一層の取組の推進が必要であると思っております。目標そのものについて理解を深めるということが重要と考えてございます。 先ほど申し上げましたように、クールチョイスといったような活動を推進しておりますけれども、この国民運動、クールチョイスの推進などに当たりましては、例えばウエブサイトを活用する、さらには従来型のチラシ、ポスター、そういったアプローチもございますが、こういったものも使いながら削減目標も示しているというところでございます。 今後、より分かりやすい国民の皆様方への普及啓発の取組を進める中で、こういった目標の浸透を図り、一人一人の具体的な行動につながるように取り組んでまいりたいというふうに考えております。
○宮沢由佳君 ありがとうございます。分かりやすく、とても重要だと思います。 さらに、地球温暖化及び気候変動は子供たちが将来的に背負うことになる可能性が高い課題であるため、子供たちへの課題の伝達、情報提供、学習機会の確保は政府が責任を持って行わなければならないと考えます。政府の見解をお聞かせください。
○大臣政務官(笹川博義君) ありがとうございます。 様々の地域の情報を、先ほど河野委員からの御質問もございましたけど、しっかりとそれを受け止めて、さらにそれをまた分析し、またフィードバックしていくと、その過程の中で、やはり次代を担う子供たちに参加をしていただいて互いに理解を深めていくことは、これ今委員の御指摘のとおりだというふうに思っておりますので、いずれにいたしましても、他省庁と、さらにまた大事なことは、地元自治体との連携を強化して、そしてその学習機会というものを設けていく、そのことを是非進めてまいりたいというふうに思っております。
○宮沢由佳君 よろしくお願いいたします。 政府は、未来を担う子供たちに、気候変動によって今地球上に何が起きているのかを丁寧に伝えていかなければいけないと思います。自分の身の回りで一体何が起きているのか、海外での出来事がどのように自分たちに影響を与えているかということはもちろん、日本が地球温暖化の原因をつくり出しているということや、先進国からの影響で地球の裏側の途上国が被害を受けているということもきちんと知らせていく必要があると思います。 学校の教科書の中で学ぶだけでなく、まさに地球規模で起きている大問題について、当事者として地域で子供たちにも学ぶ機会をつくっていただきたいと思います。そういった活動が未来の環境の研究者を育てることにつながっていくのだと思います。これは要望ですので、どうぞよろしくお願いいたします。 次に、適応策について伺います。 通告していたパリ協定については、時間があれば後ほど質問させていただきます。 山梨県においても、気候変動により、観光地としても果樹地帯としても様々な影響を受けております。今回の法案は、計画や研究、情報の獲得の仕組み構築など、最初の一歩としては必要なことばかりです。しかし、桃農家やブドウ農家にとっても、例えば気候変動の影響で漁獲高が減った漁師さんにとっても、今の生活が懸かった大問題です。気候変動が原因で農林水産業や国民生活に変化が生じ、生活が立ち行かなくなる場合もあります。 適応策について、今後どのように対応していくのか、どのようにスピード感を持って対応されていくのか、教えてください。
○国務大臣(中川雅治君) 農作物の品質低下や大雨の頻度の増加、漁獲量の変化、動植物の分布域の変化、サンゴの白化など、気候変動の影響は様々な分野において全国各地で現れておりまして、今後更に深刻化するおそれがございます。こうした気候変動の影響に対処し、国民の生命、財産を将来にわたって守る適応策の充実強化は喫緊の課題でございます。 このため、国会での御審議を経てこの法案が成立いたしました場合は、速やかに現行の閣議決定計画の見直しを行いまして、法律の施行前までに新しい法定の気候変動適応計画を策定し、本法律が施行されましたならば、間髪を入れずに政府一体となって実効性の高い適応策を推進してまいりたいと考えております。 さらに、環境省の職員が各地域に足を運び、本法案に関する説明会を開催することなどを通じて、地方公共団体による適応策への速やかな着手を後押ししてまいりたいと考えております。
○宮沢由佳君 ありがとうございます。 それぞれの府省庁において適応策が取られると、施策が重なり、同じような施策の予算が複数の府省庁に付く場合もあるのではないでしょうか。また、例えば、その適応策は内閣府です、違います、農水省ですと、国民からすると窓口が一元化されず、たらい回しになる可能性もあると思います。実は以前、私が子育て支援に関して予算委員会で質問した際、内閣府、厚労省、文科省と、答弁する府省庁が多くて、片道方式でしたので質疑時間が大幅に延びた経験がございます。 府省庁の垣根を取り払い、横断的に施策を実施しないと、せっかくの適応策も費用対効果の面、実施スピードの面からも不十分となるおそれがあります。適応策について、どこが中心となり俯瞰した指示を出すのでしょうか。国として、全体の評価はどこが行うのでしょうか。私は、他省庁の所管であっても、適応策に関しては環境省に先頭に立って他省庁を引っ張っていってもらいたいと思いますが、大臣の御見解をお願いいたします。
○国務大臣(中川雅治君) ありがとうございます。 気候変動の影響は自然災害、農業、生物多様性など、まさに様々な分野に及ぶものでございますので、適応策を推進するに当たりましては、関係省庁がたくさんあるわけですが、そこの連携協力を進めるということが大事であります。その連携協力を進めるに当たって、環境省が旗振り役となってその連携協力がスムーズにいくようにしてまいりたいと考えております。 こうした認識の下で、環境省としては、国立環境研究所を中核とした適応の情報基盤を充実させ、将来の気候変動影響に関するより精緻な情報を積極的に提供するということで、環境省による科学的知見に基づく適応策の推進を後押ししてまいりたいというふうに考えております。 そして、さらに、適切にこうした適応策が取られるようにするためには、関係省庁の連携の下で定期的にその適応計画の実施状況のフォローアップを行っていくことが重要でありまして、その結果や、また最新の科学的知見に基づく気候変動影響の評価の結果を踏まえながら、気候変動適応計画を見直していきたいというように考えております。 そういった見直しに当たりましても、環境省が政府の先頭に立つという思いでリーダーシップを発揮して、政府一体となった実効性の高い適応策を推進してまいりたいと考えております。
○宮沢由佳君 よろしくお願いします。 適応策は、実際には防災や農水産業改善など、既存の取組の中に適応という考えを組み込んでいく作業だと思います。本法案では、国や地方自治体、事業者、国民の努力など、主体ごとに責務を明らかとしていますが、異なる主体間の連携において何が重要でしょうか。
○政府参考人(森下哲君) 御指摘のございましたように、気候変動の影響ですけれども、国、地方公共団体、事業者、国民の皆様方人一人と、あらゆる主体に及びます。本法案においては、これらの主体が気候変動に適応できるよう、責務や役割について規定をしております。 その上で、この様々な主体が連携をして適応策を推進していくという、そのためには、三点、特に申し上げたいと思いますが、適応策の基礎となります気候変動の影響や適応策の重要性に対する共通の理解を進めていくこと、もう一つは、共通理解を基に多様な関係者が対話を行い、連携協力を促すための場をつくること、そして三点目は、科学的知見を理解し、また、関係者と連携協力しつつ、具体的な適応策の実施につなげることができる人材を育成をしていくこと、こういったことが非常に重要であるというふうに考えております。
○宮沢由佳君 今、人材というお話が出ましたので、人材について伺います。 適応計画を策定、実行する上で不足している要素を尋ねた調査によると、影響予測や対策に関する科学的な情報の不足が七〇%と最も多く、マンパワーとしての人員の不足三四%、専門的な職員の不足二八%でした。 新しい時代における新たな分野で活躍する人材育成も待ったなしだと考えますが、今後の気候変動対策で活躍が見込まれる人材育成施策を教えてください。
○政府参考人(森下哲君) お答え申し上げます。 適応策の推進に当たりましては、気候変動の調査研究を行う研究者ですとか、地域における適応策を立案し、実施をする地方公共団体の職員などの人材が特に必要というふうに考えております。このため、環境省といたしましては、研究者の育成につきましては、国立環境研究所が中核となりまして、地域気候変動適応センターなどの地方の研究機関と連携をいたしまして、情報共有や調査研究を行うことによって研究者の育成に努めていきたいというふうに考えております。 もう一つの地方公共団体の人材育成でございますけれども、国立環境研究所による技術的なサポート、広域協議会を通じました地域の関係者による連携協力や優れた取組の共有を行うことで、地域における取組の推進や人材の育成につなげていきたいというふうに考えてございます。
○宮沢由佳君 さらに、COP会議などにおいて多くのNGOやNPOの皆さんが活躍されています。そのノウハウや経験をもっと生かすことが重要だと思います。地域の民間団体やNGO、NPO、市民ネットワークを連携し、地域のあらゆる分野における気候変動に関すると思われるデータを集積し、官民で共有し、研究に役立てるなど、官民総掛かりで行動を起こさなければなりません。 民間の人材を活用するために何をすべきだとお考えですかという質問をしようと思ったんですが、さきに河野委員の御質問がもうありまして、そこで、これから考えるという答弁がございましたので、何を考えるのか、一歩踏み込んだ御答弁お願いいたします。
○政府参考人(森下哲君) 御指摘のとおりだとまずは思っております。 気候変動による影響ですけれども、真夏日、猛暑日の日数の増加や桜の開花日の早まり、大雨の頻度の増加等、国民の皆様方一人一人の生活に密接に関わるものでございます。国民の方々に適応に関する関心と理解を深めていただくことが重要だと思っております。 この国民の皆様方一人一人が日常生活で得た情報、これをうまく収集をいたしまして適応策に生かすということが大事だろうというふうに思っておりまして、住民により近い立場で情報を収集、発信することのできる、例えばNGOやNPOなどの民間の人材を活用するということが非常に重要なのではないかなというふうに考えております。 私ども環境省といたしましては、NGOやNPOなどの民間団体の御協力もいただきながら、気候変動影響に関する様々な情報を収集、分析をいたしまして、きめ細かい情報基盤の整備を進めて科学的知見に基づく適応策を推進をしていきたいということでございます。
○宮沢由佳君 お願いします。 加えて、緩和策、適応策、どちらにも地域で活動するNPO、環境団体、今お話がありましたけれども、連携は不可欠だと考えます。認定NPOへの税制優遇や情報提供以外に、NPOなどへの具体的な支援策を教えていただきたいと思います。また、第十九条にある情報の提供その他の援助とは具体的にどんな援助でしょうか。
○政府参考人(森下哲君) お答えします。 本法案では、国は、NPO、NGOを含めて民間団体等の適応策に資する活動の促進を図るため、情報の提供その他の援助を行うよう努める旨規定をしてございます。 御質問になりました、情報の提供その他の援助というところでございますけれども、これには、情報発信の場の提供ですとか研修等の技術的支援など、様々な援助が含まれるものというふうに考えてございます。具体的には、適応の情報基盤であります気候変動適応情報プラットフォームを通じまして、NPO、NGO等が求める地域における気候変動の影響に関する情報を提供することはもちろんのこと、NPO、NGOの活動を広く紹介をしていくということも検討していきたいというふうに考えております。 さらに、環境省におきましては、地球環境問題に取り組むNPO、NGO等の活動を支援するため、組織運営に関する知識、技術の向上を目的とした研修、これを行っておりますし、また、環境再生保全機構に設けております地球環境基金、これを通じまして活動のための資金の助成というものもやっております。 引き続き、このような仕組みも活用してまいりたいというふうに考えております。
○宮沢由佳君 実施段階に入った気候変動の影響評価や適応の取組を進めていくために関係府省庁が連携していく地域の幅広いステークホルダーとは具体的には誰でしょうか。また、地域において有効に影響評価や適応の取組を進めるために、どのような基準で選ばれるのでしょうか、教えてください。
○政府参考人(森下哲君) お答え申し上げます。 地域における幅広いステークホルダーでございますけれども、例えば地方環境事務所、その他国の地方行政機関、都道府県、市町村、地域気候変動適応センター、事業者、国民、これらの者の組織をする民間の団体、その他の気候変動適応に関係を有する者が幅広く該当するというふうに考えてございます。適応策の推進に当たりましては、それぞれの地域でこうした幅広い関係者が連携協力して適応策を推進していくことが重要と考えております。 このため、本法案におきましては、広域協議会に関する規定を盛り込んだところでございます。国の地方出先機関や地方公共団体を始めとする関係者の連携協力を推進するための場としての役割を期待をしております。広域協議会の構成につきましては、今後、地域における適応策を効果的かつ実効的に推進する観点から、関係地方公共団体とも相談をしながら、地域の実情に応じて検討してまいりたいというふうに考えております。
○宮沢由佳君 ありがとうございます。 それでは次に、気候変動における日本の役割について伺いたいと思います。 世界は二度目標のパリ協定をめぐって大転換期に入っており、このまま何もしないのでは日本は世界の流れから取り残されてしまいます。適応ビジネスは、潜在的市場規模が二〇五〇年時点で年間最大五十兆円とも言われています。せっかくの日本のすばらしいエネルギー先端技術など、世界の気候変動対策に活用する場を失い、ビジネスチャンスを失うことさえ危惧されます。 先ほど、森委員、河野委員からも質問がありましたが、重ねて質問させていただきます。御見解をお願いいたします。
○副大臣(とかしきなおみ君) お答えさせていただきます。 気候変動の適応、これを推進していくためには、国や地方公共団体の適応策、さらに、ここに民間事業者が自ら気候変動リスクに対応すること、これが民間事業者の有する適応に関する技術サービスを促進して、これが適応ビジネスにつながっていくわけであります。 気候変動には脆弱なのが発展途上国でありますので、やっぱりこの適応策をいかに向上していくのか、ここがとても重要になっています。ということで、こういった観点から、環境省では大きく三つの柱で適応ビジネス、海外展開を推進していこうと今考えております。 まず一つ目が、国内の事業者に向けて情報発信、情報提供を強化していこうと考えております。平成二十八年に構築いたしました気候変動適応情報プラットフォームにおきまして、関係省庁と連携して、国内外における適応ビジネスの優良事例、これを広く発信しているところでございます。 そして二つ目に、アジア太平洋の発展途上国向けに、適応の情報基盤を国際的に展開するアジア太平洋気候変動適応プラットフォーム、これを二〇二〇年までに構築をいたしていきます。これによりまして、発展途上国、開発途上国における将来の気候変動影響に対するリスク情報と併せまして、我が国の民間事業者が有する適応の技術、サービスに関する情報を積極的に発信することができるようになります。 そして三番目なんですが、関係国との様々な協議の場におきましても、この発展途上国の適応能力の向上に資する適応技術・サービス等を積極的に発信していこう、紹介していこうと考えております。 こういった取組を組み合わせることによりまして、適応ビジネスの促進や海外展開を積極的に図っていこうと環境省は考えております。
○宮沢由佳君 よろしくお願いいたします。 二〇一九年の日本で開催されるG20において議長国を務めるということも踏まえ、パリ協定をめぐる世界の潮流を日本としても後押しする国内外の施策の拡大を求めたいと思いますが、先日の参考人からは、国際社会に対応するのではなく、国際社会をリードする存在になってほしいとの意見がございました。 国としての認識を伺います。
○国務大臣(中川雅治君) パリ協定は、二度目標の達成のため、今世紀後半に温室効果ガスの実質排出ゼロを目指して各国の取組を前進させていく歴史的な枠組みでございます。私自身、COP23に参加し、世界が脱炭素社会に向けて大きく動いている世界の潮流を実感したところでございます。 優れた技術を有する我が国といたしましては、世界の脱炭素化を牽引していく決意でございまして、パリ協定の下で国内での温室効果ガスの大幅な排出削減を目指し、また、世界全体の排出削減に最大限貢献することとしております。 このための長期戦略につきまして、昨日開催されました未来投資会議において安倍総理から、有識者会議を設置するとともに、その下で関係省庁が連携して検討作業を加速するよう御指示をいただいたところでございます。骨太な長期戦略の策定に取り組んでまいりたいと考えております。 また、パリ協定には各国の適応計画の策定や実施等が盛り込まれるなど、緩和だけでなく、適応の重要性も位置付けられております。 今般、適応策の重要性に鑑み、新法として法案を作成し、国会に提出し、今御審議をいただいているわけでございますが、この法案に基づき、適応策の更なる充実強化を図り、また、適応に関する国際的な情報基盤であるアジア太平洋気候変動適応プラットフォームを二〇二〇年までに構築するなど、適応策に関する国際協力も積極的に推進してまいります。 こうした取組を通じ、緩和策と適応策の双方について世界の気候変動対策をリードしてまいりたいと考えております。
○宮沢由佳君 しっかりリードしていっていただきたいと思います。 次に、パリ協定の取組について伺いたいと思います。 前回の質問でも申し上げましたが、適応策の最たるものは温暖化を緩和すること、地球の平均気温を上げないことが一番です。そして、緩和策に関して国際的な協調は何よりも必要です。 そこで、伺います。 米国のパリ協定離脱表明がありました。米国が離脱した場合の影響は相当大きいと推測されますが、その影響についての政府の見解を教えていただきたいと思います。
○政府参考人(森下哲君) お答え申し上げます。 昨年の六月、米国がパリ協定からの脱退方針を表明をいたしましたけれども、世界は既に脱炭素化に向けてかじを切っておりまして、この大きな流れは変わらないというふうに考えております。 米国の脱退表明の直後に開催をされました昨年のG20では、米国以外のG20メンバーはパリ協定は後戻りできないものである旨表明をし、同協定への強いコミットメントを改めて確認をしております。また、米国内におきましても、州や企業などのレベルでは排出削減に向けた積極的な動きが広がっております。 我が国といたしましては、気候変動問題は世界全体で取り組むべき課題であり、全ての国が大きな関心を持って取組を進めていくことが重要だというふうに考えているところでございます。米国には、昨年十一月のCOP23の機会などを捉えまして働きかけを行っております。 今後も、九月にG7環境大臣会合、十二月にCOP24が開催をされますことから、引き続き、パリ協定の下、気候変動対策に取り組むことの必要性を伝えていきたいというふうに考えております。
○宮沢由佳君 伝えていくというお言葉がありましたが、米国がパリ協定に戻るように日本政府から働きかけをしていただきたいと思いますが、その点についてはいかがでしょうか。
○国務大臣(中川雅治君) 既に、私も、とかしき副大臣も、米国がパリ協定に戻って、共にパリ協定の枠組みの下で気候変動対策に取り組むことの重要性をお伝えし、そのように要請をしているところでございます。 アメリカも、この脱退を表明いたしましたけれども、COPには代表団を送ってその交渉には参加しておりますし、アメリカにとって条件が整えば復帰をするという可能性も示唆しているところでございまして、これからも、パリ協定に復帰をして、共にパリ協定の下で気候変動対策に取り組むことを働きかけてまいりたいと考えております。
○宮沢由佳君 大臣、副大臣、是非よろしくお願いいたします。 前回からの御答弁は、環境大臣を始め、環境省自らが緩和策、適応策、両輪をつなぐ太い軸となって全体を力強く稼働させていくとの決意を感じることができました。しかしながら、気候変動は日ごとにその影響力を増しており、まさに人類の生存が危ぶまれております。環境省は、都合の良いことも悪いことも全て迅速に国民に公表し、子供を含む国民全体がそれぞれの課題解決に向けて一丸となって取り組めるように、今後もより一層努力していただくことをお願いして、質問を終わりたいと思います。 ありがとうございました。
○武田良介君 日本共産党の武田良介です。 先日の参考人質疑の中で、パリ協定にも適応策を取ることが明記されているという旨も語られました。緩和策と適応策の一体的推進が必要であるということを改めて確信を持ちましたし、適応策について早川参考人は、止めどがないものだと、さらに、適応はどこに起こるか分からない、しかもそれぞれの顔を持っているということも話されました。それらのことを踏まえて今日は質問させていただきたいというふうに思います。 今回の法案で地域適応計画を作るということになりますけれども、それ自身が非常に難しいというふうに言われております。私、長野県の担当者の方から話を聞きました。長野県では、この適応策取っていくために二つの課題、二つのボトルネックという表現をしていましたけれども、があると言っていました。一つは、影響シミュレーションやモニタリングができないこと、もう一つは、適応策を実際の暮らしに反映させる開発者などの段階で、まだまだ適応とは何なのかということが十分理解されていない、その必要性が十分理解されていないということをおっしゃっておりました。 当然、これは長野県だけではなくて、各地で共通の課題だろうというふうに思いますけれども、長野県のような課題意識を共有されているかどうか、まず大臣にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(中川雅治君) 環境省では、本法案の国会提出に先立ち、地域における適応策の強化に向けて、地方公共団体や地域の研究機関等から、課題となる点も含め、様々な声をお聞きいたしております。私も職員からその報告を受けており、問題意識を持っているところでございます。 地方公共団体からは、例えば、適応策の推進についての法的根拠がなく、組織内の理解が不十分である、あるいは、適応策を推進するための科学的な情報や参考とすべき優良事例が不足しているといった課題があるとの御意見がございました。こうした地方公共団体からの声をしっかりと受け止めて、今回の法案の作成に生かしたところでございます。
○武田良介君 今紹介した一つ目の課題ですけれども、現場では影響シミュレーションができない、モニタリングがなかなかできないと。これはどうしてそういうふうになるというふうにお考えでしょうか。
○政府参考人(森下哲君) お答え申し上げます。 地域の研究機関が気候変動の影響についてモニタリングあるいはシミュレーションを行っていくには、その手法についての技術的な知見、そして経験、この二つが必要となりますけれども、多くの地域の研究機関においてはこれらの知見と経験、これらが必ずしも十分ではなく、そのため御苦労をなさっておられるというふうに認識をしてございます。 このため、本法案では、地域において気候変動の影響についての調査研究等を行う大学や研究機関に地域気候変動適応センターとしての役割を担っていただきまして、このセンターが地域の気候変動影響に関するモニタリングやシミュレーションを適切に行うことができるよう、国立環境研究所が技術的な助言や研修等を行うということを想定をしてございます。 これらの規定に基づきまして、地域においてモニタリングやシミュレーションを行う研究機関の活動をしっかりサポートしてまいりたいというふうに考えてございます。
○武田良介君 先日の参考人の質疑の中でも、片山委員の質問に対して浅野参考人も、国環研が持っている機能は、サイエンスの世界でどういう影響が生じるかということを冷静に見ている、ではそれに対してどのような政策を動かせばいいのかという社会科学的な部門は極めて弱いということも話されていました。 私も、今回の法案の審議するに当たって国環研に行ってまいりましたけれども、率直にそういうこともおっしゃっておりましたし、非常にそのとおりだなというふうに思いながら聞きました。国環研から得られる確度の高い情報を受け止める側にもう一つ能力がないとなかなかうまくいかないと、浅野参考人はそういうこともおっしゃっておられたことを私も指摘をしておきたいというふうに思います。 都道府県が持っている地方環境研究所についてお伺いをしたいというふうに思います。 全国に環境分野を扱うこの地方環境研究所がまず幾つあるのかという点と、それから、これ現状を見ますと、衛生部門、厚労省なんかが持っている衛生部門のところと環境の部門が合併しているところもこれ経過としてたくさんあると思いますが、環境部門のみで今専門でやっている機関は幾つあるのか、この二点、まず最初にお願いします。
○政府参考人(中井徳太郎君) お答え申し上げます。 地方環境研究所は、環境に関する試験、調査、研究活動を行う機関といたしまして自治体により設置されておるものでございます。全国の環境に関する試験研究機関を会員といたしました全国環境研協議会という組織がございますが、現在、平成三十年四月現在で六十七機関がこの協議会の会員となってございます。 この中には、委員御指摘のとおり、地方衛生研究所と統廃合したものが多くございます。また、農業系の研究機関など様々な機関と統廃合したものもあると認識してございますが、その環境に関する研究のみを行っている研究所の正確な数につきましては、現時点では把握できてございません。 気候変動に関する影響、様々な形で現れてまいります。適応対策を適切に進めていくために、地方環境研究所を始め様々関連する研究機関と連携協力して取り組んでいくことが必要と考えてございます。
○武田良介君 分からないということでありました。元々は六十七あったものが、どんどん統廃合されて減っている。で、今、実態として分からないと。幾つ専門で元々やっていたものが統廃合されて、どれだけ残っているかということも分からないということでした。 結局、やっぱり行革ということが言われる中で、どんどんどんどん統廃合が進んでいく中で、研究所も減る、そして職員の数も減ってきたということもあると思うんですが、地方環境事務所でも職員の数が減っていると思いますが、職員の数はどれくらい減っているでしょうか。
○政府参考人(中井徳太郎君) 地方環境研究所でございますですね。 この職員の具体的な数につきましても、先ほど申し上げました全国環境研協議会というところが把握しているかというところでございまして、伺いました。現在、事務局、高知県の環境研究センターさんが事務局やってございますけれども、職員の具体的な数はこの全国環境研協議会においても把握していないというふうにお答えをいただきました。 また、しかしながら、この地方環境研究所では、職員の人員削減等に伴って技術力の維持や向上、承継が課題になっているということはもう明らかでございまして、環境省の方にもこの協議会からそのようなことでの国の支援ということでのいろいろ要望も出ておるという状況でございます。 大変申し訳ないんですけど、具体的にどういうふうに減っているか、その具体的な減った理由等についての把握というところは、この全国協議会さんの方においても正確にはちょっとお答えをいただけないという状況でございます。
○武田良介君 これもつかんでいないということで、私も非常に驚きました。やっぱり適応だと、で、それぞれの地域で適応策つくる、ここが一つ大事な役割担うということは間違いないわけだけれども、これまで統廃合されてきた、職員がどれだけ減ったということを、是非正確にこれつかんでいただかなければならないというふうに思いますし、そのことを求めたいというふうに思います。 これ、先ほども農業関係のところと統廃合という話もありましたが、地方衛生研究所という厚労省のところと一緒になっているという関係がありまして、厚労省の方から見たら、これも厚労省としては、数確認していただきましたけれども、ある程度、数把握されているわけですね。 厚労省が所管している地方衛生研究所の一か所当たりの平均常勤職員数、これ統合された全体の職員数からこの衛生部門を引けば環境のところが見えてくるというところがあるわけですけれども、二〇〇四年に平均すると環境部門が十五人、二〇〇八年で十三・三人、二〇一三年で十・七人と。これ、厚労省にも確認した数字ですけれども、少なくとも二〇〇四年から一三年に九年間で平均十五人が平均十・七人というふうに減らされているということになっております。これ自身がゆゆしき問題だというふうに私は思います。 これ、減らされているのは地方の環境研究所だけではなくて、気象庁のところでも減っているということです。気象庁の観測所は管区気象台が全国に六か所、地方気象台は五十か所、それから測候所というものもあります。 お聞きしたいと思うんですが、測候所はまず当初幾つあったのかということと、この測候所も原則廃止ということも言われ無人化が進められていくということがずっとありましたけれども、現在までに幾つ無人化されているのか、まずお聞かせください。
○政府参考人(後藤浩平君) お答えいたします。 測候所につきましては、気象観測を主な業務とする官署として、平成七年度には全国九十六か所に設置されておりましたけれども、気温、風等に関する自動観測技術の進展を踏まえまして、気象庁では徐々に機械化、無人化を進め、平成十七年度末には四十六か所となっております。その後、平成十八年六月に「国の行政機関の定員の純減について」が閣議決定され、観測業務の可能な限りの自動化を実施することなどにより測候所を原則廃止とすることとされたことから、平成二十二年度までに帯広と名瀬の二か所としたところでございます。
○武田良介君 九十六あったものが九十四無人化されて、今二つということでありました。 これ、無人になるとできないことがやっぱりあるわけですね。目視によって観察する、観測するということができなくなっていく。例えば、生物季節観測というのがあるということでありました。桜の開花時期を記録するということに代表されるようなものだというふうにお聞きをしておりますけれども、その土地のその地域の桜という植物の毎年のデータを取っていくということができなくなるということでした。 これ、測候所は二〇〇六年から一〇年頃までに、先ほどの話ですけれども、どんどん無人化されて、今二つのみと。先ほどの、もう閣議決定の話も出ましたので分かりましたけれども、そういう全廃ということがうたわれて、閣議決定があってどんどんどんどん減らされてきたということなんです。 これは本当に大変な問題だということで、一つ紹介したいと思うんです。 今お話にありました名瀬の測候所、奄美にあるわけですね。鹿児島の奄美にある、群島のところにあるわけですけれども、今も常駐者が大体二十人ほどいらっしゃる測候所だというふうにお聞きをしました。奄美では、二〇一〇年に奄美豪雨被害が起こった。測候所にまだ人がいたわけですね、二〇一〇年のときに、今もあるわけですけれども。日頃から自治体と測候所職員が緻密に情報共有し、連携をしていたために、気象庁が記録的短時間大雨情報を出すよりも早く自治体は住民に避難を呼びかけることができたと、そういう事例があったということをお聞きしております。 これは、やっぱり現場の状況をきめ細やかに把握できる、そういう専門的な知識を持つ測候所があったからできた対応だったというふうに思うわけです。しかも、これ災害は二〇一〇年で、先ほどの閣議決定の話からしても、全廃だと言われたけれども、是非残してほしいというふうな声が地元からも上がって残されて、今のような災害対応ができた。だから、測候所を残してきたということの意義を改めて強調しておきたいというふうに思いますし、今回の適応の法案ということですけれども、むしろその測候所や地方気象台も含めて体制の強化、人員、予算も含めて必要だということを思います。 ちょっと時間もないんですが、地方環境研究所の話に戻りたいというふうに思います。 先ほどの生物季節観測、桜の開花の記録などの話ですけれども、これ実際には貴重なデータが失われているというふうに思います。例えば、この廃止のことがどんどんと言われて大問題になっていた二〇〇九年のときの読売新聞の記事を見ましたけれども、名古屋の地方気象台で主任予報官をされていた方が質問に答えて記事になっていましたけれども、桜の開花やセミの初鳴きというんですかね、初めてセミが鳴いたときなどの生物季節観測は廃止されてしまうと。地球温暖化の指標としても注目されつつあるが、一世紀近く続いた記録が途切れた地域も多いということも指摘をされております。これからいざ適応策考えようというときに、一世紀近く続いた記録が途切れてしまう、そのことの重みがあるというふうに思います。 そこで、大臣にお伺いしたいと思いますけれども、地方環境研究所の体制の強化に向けて、予算措置も含めて力を尽くす必要があるというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(中川雅治君) 御指摘のとおり、環境省の環境研究所はもちろんでありますが、地方の環境研究所の充実ということも重要でございます。そして、加えまして、地域において動植物の生態の変化や季節感の変化などについて長期にわたって観測を行っている住民団体もございます。そういった観測を行っております地域の研究機関、また住民団体の協力もいただいて、情報基盤の充実を図り、気候変動影響の評価にも活用していく新たな取組について検討していかなければならないと考えております。
○武田良介君 是非お願いしたいと思うんです。私も見ましたけれども、中環審が、これどんどん削られていくさなかだと思いますけれども、平成十八年に「環境研究・環境技術開発の推進戦略について」ということで答申を出しておりました。この中でも、予算の関係云々、厳しい財政状況云々で減らされているけれども、機能の充実が求められるということも言われておりました。是非その立場で対応していただくことが必要だということをお願いしておきたいというふうに思います。 ちょっともう時間がないのであれですが、気温上昇ということで、私、農業への影響ということもありまして、長野県の八ケ岳高原というところへ行ってきました。 簡潔にちょっとだけ紹介したいと思いますけれども、あそこは高原野菜の産地であります。原村だとか、山の向こう側は南牧村、川上村というところもありまして、高原野菜の産地です。セロリだとかレタス、キャベツ、いろんなものを作って、朝それを取れば首都圏にその日のうちに消費者に届けることができるということもあって、そういったブランド的な産地といいますか、になっているわけです。 元々、例えばセロリですけれども、大体八百五十メートルぐらい、標高でいいますと、そのぐらいのところで作っていたということですが、どんどん気温が上昇するに従って、百メートル一度というふうに昔の方はおっしゃったそうで、そんなに正確かどうかは別にして、今は大体千百メートルぐらいのところで多くの農家さんは作っているそうです。ただ、時期を半年ぐらい生産したいということも当然あるので、どこで作るのか、ある程度、出荷時期に応じて作付けしているところも違うとおっしゃっておりましたけれども、一番上が今大体千三百メートルぐらい。ただ、それより上になると、もう八ケ岳の噴火の影響で石がごろごろしているからそれ以上上はもう作れない、これ以上気温が上がったら、もうブランド産地としてやってきたここのセロリがどうなるのかということもおっしゃっていた。 それだけに、適応と緩和は一体だと。だから、これから、二度目標ということも言われていますけれども、どこまで気温が上がってしまうのか。緩和策が不十分になって見通しが付かなかったら適応策だって十分取れないというふうになっていくわけですから、そこの必要性、緩和策の必要性ということはやっぱりあろうかというふうに思っております。 大臣にその点で、そういう見通しを持ててこそ適応策も実効性あるものになるというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(中川雅治君) パリ協定におきましては、世界全体の平均気温の上昇を工業化以前よりも摂氏二度高い水準を十分に下回るものに抑えることという目標を定めております。並びに、世界全体の平均気温の上昇を工業化以前よりも摂氏一・五度高い水準までのものに制限するための努力をして継続するということをパリ協定で規定をしているところでございます。 こうした世界全体での目標を我が国もしっかりと実現できるように、緩和策をこれから長期戦略を含めてつくっていきたいというように考えているところでございます。
○武田良介君 最後に一問だけ。 高原野菜の産地に行ったときに最後におっしゃっていたのは、これ以上暑くしないでくれということをやっぱりおっしゃっておられました。 前回の質問では、石炭火力に関わって二月合意の見直しということもお聞きしました。削減目標の引上げということも当然だというふうに思いますが、もっと言えば、エネルギーミックスだと思うんですね。今回の適応法案を審議するに当たって、やっぱりこのエネルギーミックスの見直し、これ是非やっていただきたいというふうに思いますけれども、最後に大臣、いかがでしょうか。
○委員長(斎藤嘉隆君) 中川環境大臣、時間が来ておりますので、簡潔にお願いいたします。
○国務大臣(中川雅治君) はい。 エネルギーミックスは、二〇三〇年度二六%削減の目標を達成するために整合的なものとなるように定められているところでございますが、この毎年の進捗状況を点検をして、少なくとも三年ごとに目標及び施策について検討を行い、必要に応じて計画を見直すということになっております。
○武田良介君 終わります。 ─────────────
○委員長(斎藤嘉隆君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、世耕弘成君が委員を辞任され、その補欠として島田三郎君が選任されました。 ─────────────
○片山大介君 日本維新の会の片山大介です。 私も、質問をするに当たって、これまでの審議と同じような質問が、ちょっとかぶる可能性があるんですけど、最後のバッターなので御容赦いただきたいと思います。 それで、私、まず最初に聞きたいのが、今回の法案でも重要な役割を担うことになる国立環境研究所について聞きたいと思います。 法案では、国立環境研究所は情報整備体制の中心となって自治体に対して適応策の技術的な助言やその他の技術的な援助を行うとなっている。それで、地方は必ずしも科学的な知見が十分でないですから、今後それで地方には地方計画を作ることも求められますから、こうした具体的な援助を行っていくというのはよいことだと思うんですが、ただ、条文を見るに当たって、具体的にどのような援助を行っていくかということ書いていないので、よく分からないので、まずそこからきちんと説明いただきたいと思いますが。
○国務大臣(中川雅治君) 地域における適応策を推進していくには、国立環境研究所による地方公共団体や地域気候変動適応センターへの技術的援助が重要でございます。 地方公共団体に対する技術的援助の内容といたしましては、例えば地方公共団体が地域気候変動適応計画の策定をする場面において、国立環境研究所が有する地域の気候変動影響に関する情報や適応策の優良事例についての情報を提供すること等を想定しております。また、地域気候変動適応センターに対する技術的援助の内容といたしましては、同センターが地域の気候変動影響の将来予測を行うことができるよう、地域の農業や生態系などの影響予測のシミュレーション手法についての技術的な助言や研修等を行うことを想定いたしております。 環境省といたしましても、国立環境研究所がこうした技術的援助をしっかりと行うことができるようにサポートしてまいりたいと考えております。
○片山大介君 だから、やっぱり業務としてこれだけ多く地方に対して支援をしていくことになると思うんですが、そうなると、先ほどもあったんですが、業務の肥大化ということに対してはどのように対応していくのかというのはちょっと気になるんですけれども、国立環境研究所はそもそも調査とか研究をやるところだったですよね。それに対して、今後、自治体の援助業務というのが増えるわけですけれども、これに対して人員の体制だとかどのように見直していくつもりなのか、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(中井徳太郎君) お答え申し上げます。 国立環境研究所は、適応に関しまして、気候変動による影響予測手法の開発等に加えまして、地方公共団体の気候変動影響評価や適応計画の策定支援等を行っております。 本法案を可決、成立いただきましたならば、研究段階から一歩踏み出しまして、予測手法の精度や解像度の向上などを行うことで、農産物への被害や異常気象、災害の発生リスク等を踏まえた、よりきめ細やかで、かつ実用的な影響予測を実施してまいります。この成果を活用いたしまして、地方公共団体への計画策定支援や地域気候変動適応センターに対する技術的支援をより的確に行うことで、国や地方の研究機関との連携協力体制の構築を進めていきたいと考えております。 これを着実に進めるためには、国立環境研究所の組織、人員を含めまして、更なる体制強化を図ることが必要でございまして、そういうふうにしてまいりたいと、環境省といたしましても、引き続き国環研の体制整備を支援してまいりたいと考えてございます。 また、御指摘の国立環境研究所が業務が追加されることでの業務肥大への対応という点でございますけれども、これにつきましては、国環研につきましては、これまでも、独立行政法人通則法に基づきまして業務運営の効率化に関する事項を含む中長期目標の策定、中長期計画の認可等を通じてこの効率化に努めてまいりました。本法案に基づきました業務を着実に進めるため、この国環研の組織、人員を含めた必要な体制の整備を進めてまいりますが、一方で、この本案で新たに追加される業務につきましても、中長期目標や計画の改正などを通じまして、継続的に業務の効率化に努めてまいりたいと考えております。
○片山大介君 余り何か具体的な話ではなくて、これからという感じなんですけど。 それでちょっと気になったのが、これまで国環研と共に適応策の調査研究をやってきたほかの機関もありますね。それについては、今回の条文を見ると、国立環境研究所が連携に努めるものとするという規定があるだけなんですよね。ここの役割分担とか連携やればもっと効率化になると思うんですが、それについて全然触れていないんですが、そこはどうでしょうか。
○政府参考人(森下哲君) 適応の取組でございますけれども、環境分野だけではなく、農林水産業、防災など様々な分野の研究機関と連携をいたしまして情報の共有そして研究開発を進めていくこと、これは非常に重要であることは御指摘のとおりだというふうに考えております。こうした観点から、この法案におきましては、適応の情報基盤の中核となる国立環境研究所が関係省庁の所管の研究機関との連携に努める旨の規定を盛り込んでおります。 例えば、農林水産省さん、国土交通省さんが所管する研究機関は、それぞれ農業、水災害など個別分野における気候変動影響の予測や適応に関する技術開発等の役割を担っております。国立環境研究所は、自然生態系や水環境などその他の分野における気候変動影響の予測を行いますほか、他の研究機関の調査結果を共有いただきまして、様々な分野の気候変動影響を総合的に分析をし、分かりやすく発信をするという役割を担うということでございます。 この法案の下で、国立環境研究所を中核として研究機関同士の連携協力体制の構築を図りまして、様々な気候変動の影響に関する情報の共有や研究開発を進めてまいりたいというふうに考えております。
○片山大介君 是非それやってください。閣議決定から今回法制化にするのは、やはりそういった一体化をもっと進めていくことというのが念頭にあったはずなので、だからそこは、それをしっかりやっていかないともったいないと思います。そういう組織がほかにもあるので、是非それやっていただきたいと思います。 次に聞きたいのが、私も地域の気候変動適応センターについて聞きたいんですね。 これは、地方公共団体がこれから地域計画を作るに当たって、やはり今大臣も言われたように必要になってくるもので、それで、じゃ、これをどこにお願いするかというと、それぞれの自治体ごとに、大学の研究室などに依頼することを考えていると言うんだけれども、余り、じゃ、具体的なめど立っているのかと聞くとそうでもないというような回答が返ってくるんですけど。 それで、これを都道府県、それから自治体ごとにつくると言っているんですが、これ本当に可能なのかどうかというのと、あと、いつ頃までにつくるような予定で考えているのか、これをお伺いしたいんですが。
○政府参考人(森下哲君) 御質問の地域気候変動適応センターでございますけれども、これは国立環境研究所からの情報提供あるいは技術的助言、こういったものを受けつつ、地域の適応策の推進のために情報の収集、分析、提供等を行う拠点となるというものでございます。 このセンターですけれども、既に活動を行っておられる地方公共団体の環境研究所やあるいは地域の大学などに地方公共団体が役割を付与することで、その活動を活性化していくことを想定しているということでございます。一方で、現時点において、地域で気候変動影響に関する活動を行っている研究機関は限られてございまして、多くの地方公共団体が直ちにセンターを確保するということは難しいというふうに考えてもございます。 このため、いつまでに確保するかお答えすることは困難でありますけれども、まずは先進的な地域の研究機関のある地方公共団体において先行してセンターの確保及び活動の開始をしていただきまして、その優良事例をほかの地方公共団体と広く共有していくことでセンターの確保を促していきたいというふうに考えております。 また、この法案におきましては、複数の地方公共団体が同一の機関を共同のセンターとして位置付けることも可能という規定を置いてございます。こうした形も活用しながら、各都道府県、市町村が連携をいたしましてセンターを確保していただけるよう、環境省としても働きかけをしていきたいというふうに考えております。
○片山大介君 是非お願いします。 やっぱり、センターをそれぞれ自治体ごとに確保するのは結構大変だと思いますけれども、それぞれの自治体にこれから地域計画というのを作ってもらわなきゃいけなくなるわけですから、その前提として、それぞれの地域特性を把握した地域センターというのは必要ですから、それは是非やっていただきたいと思います。 それで、地域計画についてちょっと話をすると、地域計画、今回努力義務に格上げになりました。それで、今回の法案でもやっぱりここは一番の肝のところだと思っています。適応策を進めていくのは、国が主体を見せるんだけれども、地域の特性だとかというのはやっぱり地域じゃなくちゃ分からないから、地域が自ら作っていくと、知見を生かしていくというのはもう絶対必要ですから、これは大切だと思います。だから、今回努力義務になったんだと思うんですが。 じゃ、これまでってどうだったのかなと調べたら、これまでは自主的な取組に任されてきたと。それで、作成した自治体が、都道府県と政令市だとデータがあって、都道府県だと四十三、政令市が十八、だから都道府県と政令市に限っては九割できているということなんですね。だから、これはなかなか割合としては高いなと。中身は、ちょっと自主的な取組だからばらつきがあるようなんですけれども。 じゃ、今後、これを努力義務で全ての自治体に広めていくようになった場合に、これはその目的からすると、努力義務だけれども、やっぱり全ての自治体に作ってもらうことを前提として呼びかけていくのか、また数値目標みたいなものも決めているのか、そこら辺、教えていただけますか。
○国務大臣(中川雅治君) 今先生から御指摘がありましたように、現在、四十三都道府県、十八政令指定都市、さらにはそれ以外の一部の市町村や特別区におきましても適応に関する計画が策定されているものと承知しております。このように、地方公共団体において計画策定が進んでいるところではございますけれども、多くの自治体においては具体的な適応策の検討はこれからの段階でございまして、国としてより一層後押ししていくことが必要だと考えております。 環境省では、全ての地方公共団体において計画を策定いただくことを目指しておりますが、各地方団体の実情を十分に勘案していかなければならない、そういう中で、例えば計画策定マニュアルの作成の提供、そして国立環境研究所による技術的サポート、広域協議会を通じた地域の優良事例の共有等を行いまして、地方公共団体における計画の策定及び適応策の実施を後押ししてまいりたいと考えております。
○片山大介君 それ、言うのは簡単で、やっぱりこれも大変だと思うんですね。 それで、あるメディアのアンケートによると、都道府県と政令市のうち、先ほど九割作っていると言ったんだけれども、都道府県と政令市にもアンケートしたら、実に七割が影響予測や対策に対する科学的な情報が不足していると言っているんですよね。そして、将来への被害予測が十分でないため予算の獲得や効果的な対策づくりに支障を来しているという、具体的に例えばの例でいえば、潮位が上がるから堤防を造ろうとしても、その根拠が分からないから高さが決められないとか、こんなことが起きているわけなんですよね。 先ほど、大臣の答弁、大臣の答弁でしたかね、被害予測に対する技術的な支援とか手法とかと言っていますけれども、これをなかなか地方に求めるのは大変だと思うし、それから、国の方で、じゃ、それを代わりにやるかというと、国の方でもそこまで出していないですよね。もう全国の平均的なデータぐらいしか余り出ていないと思いますけれども、そうすると、ここら辺の被害予測というのはどういうふうにこれやっていくのか、これどちらが担うべきなのか。ちょっと、これもう一度教えてもらえますか。
○政府参考人(森下哲君) 被害予測につきましては、まずはデータとそれから予測をする科学的なシミュレーションの手法と、こういった二つが非常に重要だと思っております。 国環研でもある程度の一定のデータを持って、そしてその科学的な知見を生かしましてシミュレーションの手法というものを開発しておりますし、それをいろんなところに使っていただくように提供するということもやっております。 一方で、実際にそのシミュレーションを活用するためには地域のデータが非常に重要だということでございますので、地方自治体、地方でお取組を進めていただくということが非常に重要であるというふうにも考えております。
○片山大介君 だから、ここの連携はすごくきちんとやらないといけないし、また予測って技術的にかなり難しいと思いますよ。そうじゃないと、何か今やろうとしている計画が絵に描いた餅になって、本当に実効性のある計画になるのかどうかというところが不安になってしまうんですけど、そこは大丈夫ですか。どうでしょうか。
○国務大臣(中川雅治君) 自治体によっていろいろなレベルがあると思います。したがいまして、本法案に基づく広域協議会の場なども活用いたしまして、国の出先機関や地方公共団体等の連携協力体制の強化を図りながら、国と地方公共団体が有するデータを持ち合い、共有することによって、地域の実情に応じて地域気候変動適応計画の実効性を高めるように環境省として後押しをしてまいりたいと考えております。
○片山大介君 それに加えて、あと、自治体の場合はどこも今人口減少だとか過疎化に悩まされているわけですよね。それで、そうした中でも適応策進めていくことが求められていると。それで、財源も含めて十分な資源が配分することが難しくなってきている中、これどのように将来的にこの適応策を生かした町づくり、これの理想像というのを考えているのか。これを最後にお伺いして、終わりたいと思います。
○委員長(斎藤嘉隆君) 中川大臣、端的にお願いいたします。
○国務大臣(中川雅治君) はい。 地域におきましては、人口減少や過疎化、少子高齢化など大きな問題を抱えているというように認識しております。しかし、一方で、気候変動の影響は既に現れておりまして、今後拡大していくことが予想されておりますので、地域においても適応策の推進は避けられない課題だというように考えます。 予算や人材など地方公共団体における資源が限られていることを踏まえますと、国土強靱化や地方創生などの地域の課題と適応策の連携を図ることが重要だというように考えておりまして、適応策の推進が地域の課題の解決にもつながるということを御理解いただきまして、地域の実情を踏まえた適応策の推進を働きかけてまいりたいと考えております。
○片山大介君 是非、実りある適応策にしていただきたいと思います。 終わります。ありがとうございました。
○委員長(斎藤嘉隆君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 気候変動適応法案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(斎藤嘉隆君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 この際、宮沢君から発言を求められておりますので、これを許します。宮沢由佳君。
○宮沢由佳君 私は、ただいま可決されました気候変動適応法案に対し、自由民主党・こころ、公明党、国民民主党・新緑風会、立憲民主党・民友会、日本共産党及び日本維新の会の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 気候変動適応法案に対する附帯決議(案) 政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずべきである。 一、気候変動対策として、緩和策の最大限の実施により気候変動影響を最小化させることが重要であることから、脱炭素社会の実現に向けた緩和策の一層の徹底を図りつつ、気候変動適応に関する施策を総合的に策定し、推進すること。 二、政府全体として適応策を推進していくに当たっては、環境省のリーダーシップの下、政府の諸施策に気候変動適応を組み込むとともに、個別の適応施策を実施する際には、気候変動影響評価を踏まえ、緊急性等の観点から、優先して進めるべき施策を常に検討していくこと。 三、気候変動の影響についての知見がいまだ不十分な分野について、国際機関や他国の機関との人事交流・情報交換等を密に行うこと等によって、調査研究を推進させ、より充実した気候変動の影響評価を行うこと。また、気候変動及び多様な分野における気候変動影響の情報の収集を推進するよう努めること。 四、気候変動の影響の現れ方は、人口、都市・産業構造、気候風土等の影響を受ける側の社会の様態によって大きく異なると考えられることから、気候変動の影響に対する脆弱性や曝露を評価するための指標や手法の開発に当たっては、地域の実情に応じ、生態系に配慮した気候変動適応の推進の重要性に十分留意しつつ進めること。 五、多様な分野における科学的知見に基づき気候変動適応を推進するため、適応の情報基盤の充実に向け、関係府省庁との連携や関係する調査研究等機関の連携を図ることはもとより、これら以外の事業者や地方公共団体に対しても気候変動及びその影響の観測・監視データの提供を求め、気候変動等に関する情報を一元的に集約し、分かりやすく提供すること。 六、適応策の効率的かつ効果的な実施を確保するため、諸外国の知見等を踏まえ、第九条の評価手法等の開発を早急に進めるとともに、それぞれの適応策の必要性、代替可能性、費用対効果等について市民等にも開かれた評価の場を構築することを検討すること。 七、地域の実情に応じた気候変動適応の推進の重要性に鑑み、絶対的に不足している気候変動の研究者及び気候変動の行政事務に携わる職員の育成策を講じていくこと。また、地方公共団体による地域気候変動適応計画の策定を促進するため、環境省及び国立環境研究所の体制を十分に確保するとともに、特に、地域気候変動適応センターとして想定される大学における研究者等を継続的に確保していくため、必要な施策を講じること。さらに、同計画の策定状況を的確に把握し、公表するとともに、策定状況等を踏まえ、地域の適応への取組に対して適切な支援を行うこと。 八、我が国が世界有数の温室効果ガス排出国である現状に鑑み、地球規模の気候変動に対応していくため、途上国に対して気候変動適応の技術・資金等に係る必要な支援を行っていくこと。 九、我が国では、事業者等に気候変動がもたらす経済的リスクの大きさに対する認識が十分に浸透していないことを踏まえ、気候変動に関するコストの試算等を分かりやすく示すための知見の充実を図ること。また、事業者等による気候変動適応に関する事業活動等を促進するための具体的な支援措置を講じること。 右決議する。 以上でございます。 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(斎藤嘉隆君) ただいま宮沢君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(斎藤嘉隆君) 全会一致と認めます。よって、宮沢君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、中川環境大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。中川環境大臣。
○国務大臣(中川雅治君) ただいまの附帯決議につきましては、その趣旨を十分に尊重いたしまして、努力してまいる所存でございます。
○委員長(斎藤嘉隆君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(斎藤嘉隆君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後零時三十五分散会