外交防衛委員会 第2号
- 発言数
- 9 件
- 登壇者
- 4 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 2018/03/06
会議録
○委員長(三宅伸吾君) ただいまから外交防衛委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日までに、高瀬弘美君、今井絵理子君及び宇都隆史君が委員を辞任され、その補欠として山口那津男君、堀井巌君及び青山繁晴君が選任されました。 ─────────────
○委員長(三宅伸吾君) 外交、防衛等に関する調査を議題といたします。 まず、外務大臣から外交の基本方針について所信を聴取いたします。河野外務大臣。
○国務大臣(河野太郎君) 外交防衛委員会の開催に当たり、御挨拶申し上げるとともに、主な国際情勢及び外交政策の所信について申し述べます。 我が国を取り巻く安全保障環境は、大変厳しくなっています。中でも、喫緊の課題は北朝鮮問題です。北朝鮮は、核・ミサイル開発を執拗に継続しています。日米同盟の下、米国の同盟国に対する拡大抑止の明確なコミットメントを高く評価します。また、北朝鮮の核保有は断じて容認できず、あらゆる手段を通じ国際社会全体で北朝鮮に対する圧力を最大限まで高め、北朝鮮の政策を変えさせなければなりません。そして、北朝鮮に対する国際社会の圧力をてことしつつ、北朝鮮に拉致問題の早期解決に向けた決断を迫ってまいります。 日本を始めとする様々な国々は、既存の国際秩序の維持のため、従来以上に大きな責任と役割を果たさなければならない時代となりました。様々な外交課題に直面する中、日本としては、国際協調主義に基づく積極的平和主義の旗の下、特に以下の六つの重点分野を中心に取組を強化してまいります。 一つ目に、日米同盟の強化及び同盟国、友好国のネットワーク化を推進します。 引き続き、首脳間に加え外相間でも緊密に連携し、日米同盟の一層の強化を図っていきます。また、普天間飛行場の辺野古移設を始めとする在日米軍再編を着実に進め、沖縄を始めとする地元の負担軽減に全力で取り組みます。 加えて、インド、豪州、英仏等欧州主要国など戦略的利益を共有する各国との枠組みや、ASEANを含めたアジア太平洋の地域協力等、同盟国、友好国のネットワーク化を推進します。 二つ目に、近隣諸国との協力関係を強化します。 日中関係は、最も重要な二国間関係の一つです。日中平和友好条約締結四十周年に当たる本年は、日中両国が共に国民レベルの交流を深め、相互信頼関係を強化する好機です。先月の私の訪中の際は、中国側との間で日中首脳往来を着実に進めていくことの重要性を確認しました。同時に、東シナ海における一方的な現状変更の試みは断じて認められず、引き続き冷静かつ毅然に対応します。 北朝鮮の脅威がかつてなく強まる中、日韓共同宣言二十周年の本年、日韓両国が困難な問題に適切に当たりながら、未来志向の二国間関係を築くことが重要です。 日韓合意は、慰安婦問題の最終的かつ不可逆的な解決を確認した両国間の約束であり、韓国側も合意を着実に実施するよう、引き続き強く求めてまいります。また、日本固有の領土である竹島については、日本の主張をしっかり伝え、粘り強く対応します。 日本は議長国として、次回の日中韓サミットをお互いの都合の良い、できるだけ早い時期に開催し、日中韓協力の更なる発展に向けて取り組んでまいります。 ロシアとは、北方四島における共同経済活動の実現に向けた取組を進めるとともに、元島民の方々のための人道的措置等も実施します。引き続き、北方四島の帰属の問題を解決して平和条約を締結するとの基本方針の下、粘り強く交渉に取り組みます。 三つ目に、自由貿易の旗振り役として、より一層積極的な役割を果たします。 TPP11及び日EU・EPAの交渉妥結は、その大きな成果です。これらの協定の早期の署名、発効のため最大限の努力を傾注します。これに加え、質の高いRCEP等の多国間の経済連携や小規模経済を含む二国間の経済連携に取り組んでまいります。また、WTOを始めとする自由で開かれた国際経済システムを強化するためのルール形成に取り組みます。 また、日本企業の海外展開を支援しながら、日本経済の成長を後押ししていきます。さらに、エネルギー・資源外交、戦略的なビザの緩和と日本の多様な魅力の発信を含むインバウンド観光の促進に尽力します。 二〇一九年、日本はG20サミットを主催します。G20議長国として世界経済におけるリーダーシップを発揮すべく、政府一丸となって準備を進めます。 四つ目として、地球規模課題の解決への一層積極的な貢献をしていきます。 昨年まで二年間、日本は安保理理事国として、北朝鮮問題を始め、国際的な議論を主導してきました。国際社会がますます増大する諸課題に対処できるよう、引き続き、日本の常任理事国入りを含む安保理改革の実現に取り組みます。 核兵器のない世界に向け、賢人会議の開催や核兵器不拡散条約の維持強化を通じ、立場の異なる国々の橋渡しを行い、現実的かつ実践的な取組を主導します。また、通常兵器の分野でも、本年は武器貿易条約の議長国として締約国会議を日本で開催し、通常兵器の不正な取引を規制する議論を主導します。 ODAの積極的かつ戦略的活用、パリ協定の着実な実施を含む気候変動問題への対応や持続可能な開発目標、SDGsの推進、テロ及び暴力的過激主義対策、科学技術外交、ユネスコの改革、女性の活躍推進、保健分野の推進等に積極的に取り組みます。 五つ目に、対中東政策を抜本的に強化します。 中東の平和と安定は、日本を含む世界の平和や経済の繁栄に直接関わっています。日本の中東への関わり方を示す河野四箇条の下、経済面のみならず、中東への政治的関与を強化し、その平和と安定に向け一層の役割を果たしていきます。 六つ目に、自由で開かれたインド太平洋戦略をしっかり推進します。 法の支配に基づくインド太平洋地域の自由で開かれた海洋秩序は、国際社会の安定と繁栄の礎です。この戦略を具体的に推進するため、航行の自由や法の支配等の普及、定着、国際スタンダードにのっとった質の高いインフラ整備などによる連結性の向上等を通じた経済的繁栄の追求及び海上法執行能力の構築支援等による平和と安定の確保を進めていきます。 以上の六つの重点分野において、着実な成果を上げていくため、外交の実施を支える足腰を強固にすべく、総合的な外交力を強化するとともに、戦略的な対外発信に努めます。 外務大臣の下に設置された国際テロ情報収集ユニットを通じた情報収集の更なる強化に努めます。また、関係各国とテロ対策に関する協力を強化し、穏健化の促進等に取り組みます。これと並行して、国際協力事業関係者の安全対策を強化するとともに、日本企業や日本人旅行者を含め、在外邦人の安全確保に万全を期してまいります。 また、国際機関で活躍する日本人や海外に展開する日本企業等、日本の全ての力を集結し、世界各地の日系社会とも連携して、日本の国益や平和をしっかり守りながら、世界の平和と安定に貢献し、日本の影響力を増進していく考えです。 人類が近代につくり出してきた自由、民主主義、人権、法の支配といった価値観を定着させるため、各国外相等との信頼関係やネットワークを強化しながら、外交成果を上げるよう努力してまいります。 三宅委員長を始め、理事、委員各位の御指導と御鞭撻を心からお願い申し上げます。
○委員長(三宅伸吾君) 次に、防衛大臣から国の防衛の基本方針について所信を聴取いたします。小野寺防衛大臣。
○国務大臣(小野寺五典君) 防衛大臣の小野寺五典でございます。 防衛大臣としての所信を申し上げる前に、陸上自衛隊AH64Dの墜落事故について申し上げます。 先月五日、陸上自衛隊目達原駐屯地所属AH64Dが試験飛行中に民家に墜落し、住民の方一名が負傷、搭乗員二名が亡くなりました。 このような航空事故により、住民の方々の安全を脅かし、多大な被害を生じさせたことは極めて遺憾であります。また、この事故により大事な隊員を二名も失うこととなり、痛恨の極みです。私自身現地を訪問し、被害に遭われた方々や佐賀県知事、神埼市長、吉野ケ里町長、上峰町長及び関係者等に直接おわびを申し上げるとともに、現場の状況を直接確認してまいりました。 防衛省・自衛隊として二度とこのようなことを繰り返さぬよう、徹底した原因究明と再発防止に全力を挙げてまいります。 次に、我が国を取り巻く安全保障環境は、戦後最も厳しいと言っても過言ではありません。 北朝鮮は、一昨年来、三回の核実験を実施し、四十発もの弾道ミサイルを発射いたしました。昨年は、広島型原爆の約十倍の推定出力を持つ核実験を強行するとともに、新型のICBM級弾道ミサイルを日本のEEZに打ち込み、さらに、二回にわたって我が国を飛び越える弾道ミサイルの発射を繰り返しました。こうした北朝鮮の核・ミサイル開発は、我が国の安全に対するこれまでにない重大かつ差し迫った脅威であり、地域及び国際社会の平和と安全を著しく損なうものとなっています。 一方、中国は軍事力を広範かつ急速に強化しつつ、周辺海空域等における活動を急速に拡大、活発化させています。 このような状況を踏まえ、主に以下の施策を積極的に推進してまいります。 まず、防衛力の強化について申し上げます。 我が国を取り巻く安全保障環境は、現防衛大綱の想定よりも格段に速いスピードで厳しさを増しており、また、サイバー空間や宇宙空間など、新たな領域の活用が死活的に重要になってきております。 こうしたことを踏まえ、専守防衛は当然の前提としながら、従来の延長線上ではなく、国民を守るために真に必要な防衛力のあるべき姿を見定め、防衛大綱の見直しや新たな中期防の策定を進めてまいります。 次に、日米同盟については、日米間で緊密に連携しながら、日米ガイドラインの実効性を確保し、日米同盟の抑止力、対処力の一層の強化に努めてまいります。特に、北朝鮮の脅威を抑止するため、米国と協力し、防衛態勢と能力の向上を図るために取るべき具体的な行動を進めます。 同時に、沖縄を始めとする地元の基地負担軽減のため、地元の声に真摯に耳を傾け、普天間飛行場の一日も早い移設・返還などに全力で取り組んでまいります。 また、沖縄で米軍機の事故等が相次いでおり、先月二十日には青森県においても米軍機が燃料タンクを投棄するという事案が発生しました。こうした米軍機の事故等に関する地元の懸念を踏まえ、米側には引き続き米軍機の飛行の安全確保を強く求めてまいります。 次に、安全保障協力の推進については、基本的価値や安全保障上の利益を共有する国々との防衛協力・交流を引き続き推進してまいります。 また、グローバルな安全保障上の課題についても、ソマリア沖・アデン湾における海賊対処行動など、積極的平和主義の旗の下、国際社会の平和と安定のための取組を推進してまいります。 次に、平和安全法制については、昨年、米軍の艦艇や航空機の警護を実施いたしました。平和安全法制が成立し、こうした警護が可能になったことで、日米同盟が一層強固となり、抑止力が向上されたと考えております。引き続き、各種の事態に切れ目なく対応できるよう、平和安全法制に基づく活動の着実な実施に努めてまいります。 次に、国会提出法案について申し上げます。 防衛省設置法及び自衛隊法の一部を改正する法律案は、自衛官の総数を変えずに自衛隊のサイバー攻撃対処等に係る体制を強化するため、共同の部隊等における自衛官定数を変更するとともに、予備自衛官等の職務に対する理解と協力の確保に資するための給付金を予備自衛官等の雇用主に支給する制度を新設するものです。委員各位におかれましては、御審議のほど、よろしくお願いいたします。 以上申し述べましたように、防衛省・自衛隊が直面する課題は山積しており、私は、防衛大臣としてこうした課題に真摯に取り組んでまいりたいと考えておりますので、三宅委員長を始め、理事及び委員の皆様の一層の御指導、御鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
○委員長(三宅伸吾君) 以上で所信の聴取は終了いたしました。 本件に対する質疑は後日に譲ることといたします。 政府側は御退席いただいて結構でございます。 ─────────────
○委員長(三宅伸吾君) 次に、先般当委員会が行いました委員派遣につきまして、派遣委員の報告を聴取いたします。藤田幸久君。
○藤田幸久君 委員派遣について御報告を申し上げます。 本委員会の三宅伸吾委員長、塚田一郎理事、猪口邦子理事、中西哲理事、杉久武理事、井上哲士委員、福山哲郎委員、伊波洋一委員及び私、藤田幸久の九名は、去る二月十九日及び二十日の二日間、我が国の外交、防衛等に関する実情調査のため、沖縄県に派遣されました。 以下に概要を御報告いたします。 第一日目は、まず、キャンプ・シュワブ辺野古崎地区を対岸から一望することができるカヌチャリゾートより、普天間飛行場代替施設建設事業の現状を展望し、防衛省沖縄防衛局から移設計画の概要、飛行場施設の配置計画、埋立工事の概要、護岸工事の進捗状況等について説明を聴取いたしました。 派遣委員からは、辺野古周辺海域におけるジュゴンの生息状況と保全対策、沖縄防衛局によるジュゴンの行動監視と海草藻場の利用状況に係る調査の現状、辺野古崎周辺における活断層の存否についての沖縄防衛局の認識、米軍シュワブ訓練地区における訓練内容、土砂搬入の経緯、工区と水深の関係、今後の工事の見通し等について質問が行われました。 次に、普天間飛行場の南西側に位置する宜野湾市の嘉数高台公園において普天間飛行場を展望し、防衛省沖縄防衛局から普天間飛行場の沿革と概要、米軍機の運用の現状等について説明を聴取いたしました。 派遣委員からは、普天間飛行場における日米合意に係る米軍機の夜間飛行の実態及び運用規制の状況、沖縄防衛局による米軍機離着陸の監視態勢の現況、米軍機の普天間第二小学校上空飛行に係る防衛省と米軍との見解の相違と両者の飛行経路の確認方法の違い等について質問が行われました。 次に、宜野湾市立普天間第二小学校を訪問し、昨年十二月十三日に米海兵隊CH53Eヘリの窓が体育の授業中に落下したグラウンドを視察した後、校舎の屋上から隣接する普天間飛行場を展望しました。現在もなお監視カメラ及び監視員による米軍機の監視が行われている異常な光景を目の当たりにし、改めて児童の安全を脅かす飛行が二度とあってはならないとの思いを強くいたしました。 防衛省沖縄防衛局及び宜野湾市教育委員会からは、窓落下時の状況、米軍機飛行監視のための監視カメラ及び監視員の設置、配置とその運用状況等について説明を聴取いたしました。 派遣委員からは、窓落下以降を含むこれまでの同校校庭及び校舎上空における米軍機の飛行状況、米軍機の上空飛行の際の高度及び進入経路、米軍機飛行の監視態勢の現状、学校行事開催時の飛行自粛要請等について質問が行われました。 喜屋武悦子校長からは、米軍機には小学校上空を飛ばないでほしい、各方面の方々のお力添えをいただきたい旨の要望が述べられました。 第二日目は、まず、沖縄県庁を訪問し、翁長沖縄県知事と懇談を行いました。翁長知事からは、この一年間で米軍機の不時着、炎上等が三十件あるが、政府の米軍に対する抗議は一顧だにされていない、日本側において日米地位協定の解釈や運用に異議申立てをすることができていない、県議会では初めて全会一致で在沖縄米海兵隊の早期の国外・県外移転、普天間飛行場の即時運用停止を求める決議がなされた、日米安全保障体制には賛成であるが、沖縄に過重な負担を押し付けて抑止力を満たすことは日本全体としていかがか国会で議論してほしいなどの意見が述べられました。 派遣委員からは、米軍機事故等の再発防止、原因究明と沖縄の基地負担軽減に係る政府の取組に対する見解、総理、閣僚及び与党幹部経験者による沖縄重視の姿勢、漁業権に関する法解釈や訴訟等の在り方を含めた政府と沖縄県との関係、基地を拒否して交付金を受け取らないことが経済発展を阻害しているとの主張に対する見解、米海兵隊の国外・県外移転を求める県議会決議に対する認識、相次ぐ米軍機事故の原因、政府と米軍との意思疎通の在り方の変化に対する認識等について質問が行われました。 最後に、航空自衛隊那覇基地において、航空自衛隊南西航空方面隊から、那覇基地及び南西航空方面隊の概要、那覇基地における戦闘機部隊の二個飛行隊化、昨年七月の南西航空混成団から南西航空方面隊への改編など体制強化の取組、南西航空方面隊の防衛地域と防空識別圏、増加傾向にある緊急発進の現状、南西地域の地理的特性と中国軍の活動状況等について説明を聴取しました。 派遣委員からは、我が国周辺空域における中国軍用機の活動の意図、緊急発進の増加と隊員に対するケアの必要性、日中海空連絡メカニズムが構築された場合の緊急発進に与え得る影響、方面隊司令官同士の情報の共有、中国軍の航空装備の増強が著しい中における我が国の航空優勢等について質問が行われました。 その後、同基地内において、領空侵犯に備えて警戒態勢にある航空自衛隊のF15J戦闘機及びE2C早期警戒機を視察し、続いて、F15J戦闘機の緊急発進訓練を視察しましたが、派遣委員からは、緊急発進業務に従事する隊員の勤務態勢、緊急発進に係る飛行時間の増加と隊員の負担増への対応等について質問が行われました。 以上が今回の派遣の概要であります。 今回の調査により、我が国の外交、防衛等の実情について認識を深めるとともに、沖縄県の皆様の御要望や御意見を聞くことができ、国会として果たすべき課題も多いことを改めて痛感しました。 最後に、今回の派遣が極めて有意義なものになったことに対し、御対応いただきました関係者の皆様方に心から感謝を申し上げ、報告といたします。
○委員長(三宅伸吾君) 以上で派遣委員の報告は終了いたしました。 本日はこれにて散会いたします。 午後零時五十分散会