法務委員会 第17号
- 発言数
- 156 件
- 登壇者
- 22 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 2018/06/01
会議録
○平口委員長 これより会議を開きます。 裁判所の司法行政、法務行政及び検察行政、国内治安、人権擁護に関する件について調査を進めます。 この際、お諮りいたします。 各件調査のため、本日、政府参考人として警察庁長官官房審議官大賀眞一君、法務省大臣官房審議官山内由光君、法務省大臣官房司法法制部長小出邦夫君、法務省刑事局長辻裕教君、法務省矯正局長富山聡君、法務省保護局長畝本直美君、法務省入国管理局長和田雅樹君、外務省大臣官房審議官大鷹正人君、文部科学省大臣官房審議官瀧本寛君、スポーツ庁審議官藤江陽子君、厚生労働省大臣官房審議官小林洋司君、経済産業省大臣官房審議官小林一久君及び国土交通省海事局次長大坪新一郎君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○平口委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○平口委員長 次に、お諮りいたします。 本日、最高裁判所事務総局経理局長笠井之彦君及び家庭局長村田斉志君から出席説明の要求がありますので、これを承認するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○平口委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○平口委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。黄川田仁志君。
○黄川田委員 本日、質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。野党の皆さんが余りいないのでびっくりしましたが、しっかりと質問させていただきたいと思います。 本日は、法務省が私法分野、公法分野でそれぞれ取り組む国際的な課題について御質問したいと思っております。一つは、私法分野における国際仲裁の活性化について、もう一つは、公法分野における二〇二〇年に京都で開催されますコングレスについて御質問させていただきたいと思います。 まず、国際仲裁の活性化についてでございます。 現在、政府は、法務省を中心に、国際仲裁の活性化に取り組んでいると聞いております。平成二十九年九月二十一日付の関係府省申合せにより、国際仲裁の活性化に向けた関係府省連絡会議が設置され、先日、中間取りまとめが発表されたと聞いております。 そこで、お伺いします。政府が国際仲裁の活性化に取り組んでいく理由、あわせて、関係府省連絡会議の概要並びに中間取りまとめの内容を教えていただきたいと思います。
○山内政府参考人 お答えいたします。 国際仲裁、これは国際取引をめぐる紛争解決のグローバルスタンダードになっておりまして、日本企業の海外進出を後押しするとか、あるいは海外からの投資を呼び込むに資するという観点から、我が国においてもその活性化が急務であろうというふうに承知しているところです。 本年四月二十五日に、内閣官房副長官補を議長といたします国際仲裁の活性化に向けた関係府省連絡会議におきまして、中間取りまとめとして、国際仲裁活性化に向けて考えられる施策が作成されております。 この中間取りまとめでございますが、国際仲裁の活性化に向けて関係府省が今後取り組むべき課題、これを明確にしたものでございます。 具体的に申し上げますと、国際仲裁を熟知した人材の育成、仲裁手続を行う施設の整備、国際仲裁の意義や利点などに関する企業などの意識啓発や広報などの諸点について取り組むべきことがまとめられております。
○黄川田委員 ありがとうございます。 グローバル社会に向けて海外との取引が活発化されるということで、国際仲裁が必要だということでございます。私も同意見でございまして、先日、TPPの条約並びに国内関連法案も衆議院を通過しまして、このTPP11の動きもありますし、グローバル化の動きもこれはとめることはできないと思っております。 そして、今後ますます国際的な経済取引がふえていくということは確実であると思います。これは大企業ばかりでなく、中小企業、農業においても国際取引の機会がふえてまいります。政府が国内企業の国際的経済取引を促進するために国際仲裁を活性化しようと考えているということ、これについては全く賛成でございます。 そして、今、言及がありませんでしたが、この人材また設備、そして企業の広報啓発も含めて、国内企業による仲裁利用の活性化と第三国仲裁の活性化、この二つの活性化を進めていくというふうに中間取りまとめにあると伺っております。 そこで、国内企業に周知して仲裁の利用の活性化をしていくのはいいんですが、今その関連の省庁も来ていらっしゃっておりますが、現在、国内には幾つかの国際仲裁機関が存在しておりまして、代表的なのは、一般社団法人日本商事仲裁協会、そして一般社団法人日本海運集会所であると認識をしております。 現状を見てみますと、両機関ともに、日本国内企業及び第三国からの国際仲裁にかかわる利用件数は決して多いとは言えないというのが現状であると思います。 それを踏まえまして、両機関が現状において感じている課題、そして、この両機関の大もとであります国内の商工業界また海運業界の現場が求めている国際仲裁のあり方について、関係省庁の率直な意見をお伺いしたいと思います。まず、経済産業省、お願いいたします。
○小林(一)政府参考人 お答え申し上げます。 関係府省連絡会議におきましては、国際仲裁の活性化に向けて考えられる施策を取りまとめる際、日本商事仲裁協会や産業界から、国際仲裁の現状につきまして御意見をいただいているところでございます。 例えば、仲裁地につきましては、そもそも自社に交渉優位性があるケースが少なく、日本を仲裁地とするような交渉ができないことが多い、人材面につきましては、英語で仲裁手続を取り仕切る人材の育成が課題である、利用促進につきましては、国際仲裁の活性化に向けたニーズを把握する上でも意識啓発が必要であるといったような御指摘があったところでございます。
○黄川田委員 続きまして、国交省、お願いいたします。
○大坪政府参考人 お答えいたします。 我が国の海運事業者が当事者となる海外企業との間の契約においては、互いの権利保護の観点から、第三国を仲裁地として定めることが一般的です。 また、歴史的には、英国が国際海運の商取引に関する法秩序の確立に努めてきた経緯から、海運分野においては英国法に基づく契約が積み重ねられてきています。このため、英国が第三国仲裁地として指定されるケースがほとんどであり、我が国が仲裁地となる例は少ないと承知しております。 件数で申し上げますと、平成二十四年から二十八年の五カ年間の海運分野における国際仲裁の処理件数は、我が国においては年間七件から十一件の間で推移しているのに対し、英国では五百三十五件から六百三十一件で推移しております。 我が国の海運分野における国際仲裁は、一般社団法人日本海運集会所が実施しているところでありますが、同集会所からは、国際仲裁の活性化に当たって、通訳環境や人材育成等の基盤整備が必要という意見を伺っています。 一方、契約の当事者である国内の海運業界からは、英国を仲裁地として指定する契約がほとんどであるという現状について問題があるとは聞いておりません。
○黄川田委員 ありがとうございます。 この関係府省連絡会議の中間取りまとめ、日本国内企業による仲裁利用の活性化、そして第三国仲裁活性化、この二つの活性化を進めたいということでありますが、残念ながら、今の経産省、国土交通省の話を聞くと、なかなか道は遠いかなということを感じております。 まず、国内の企業が日本でやる意義を余り感じていないということ、そして、特に海運業界においては、ロンドンが五百件、日本では多くて十一件という状態でございまして、現時点で既存の仲裁機関が核となってアジア有数の国際仲裁機関を目指すということはなかなか難しいかなというふうに感じております。 法務省は、今まで以上に丁寧に、現場の声をよく聞いて、場合によってはもっと深掘りして、仲裁機関よりもっと先の企業の法務担当の本音をしっかりと聞いて、我が国が目指すべき、より具体的な国際仲裁の活性化を模索していくべきだというふうに思っておりますが、いかがでしょうか。
○山内政府参考人 委員御指摘のとおり、国際仲裁の活性化に当たりましては、その仲裁機関を実際に利用する我が国の企業などのニーズ、これを丁寧に調査いたしまして、その調査結果を今後の施策の基礎とすべきであろうというふうに思料しております。 先ほどの関係府省連絡会議の中間取りまとめでは、関係省庁が更に踏み込んで検討を行うべき課題が明確にされているところでございますが、法務省といたしましては、今後、更にニーズの調査などを行いつつ、既存の仲裁機関を中核とした我が国の仲裁の活性化の方策を、関係省庁や関係機関と連携協力しつつ模索していきたいと思っております。
○黄川田委員 ありがとうございます。 模索していくということでございますが、アジアで有数の国際仲裁機関を国内につくる場合は、少なくとも、既に存在する海外の国際仲裁機関、シンガポール、香港、韓国というのが今活躍していると聞いておりますが、それらと同レベル、またそれ以上の体制をつくっていかなければならないと思っております。 聞くところによると、企業が国際仲裁機関を選ぶ際に考える三つの指標といいますか、やはり、安く、早い、そして質がよいところを選んでいくということが当然であります。また、この三つの条件のうち、中間取りまとめの二つのアプローチ、日本国内企業による仲裁利用の活性化と第三国仲裁の活性化の推進を考えた場合に、最も重要で最も難しいことは、質の高い体制をつくることだというふうに思っております。 この質の高いというのは人材のことでございまして、我が国においては、国際的に有名な活躍している仲裁人も見当たりませんし、また仲裁にかかわる弁護士も数多くいるということではございませんので、この質の高い体制をつくるということは、先ほど最初の方に言及がありましたが、人材を育成していくということにあるというふうに考えているところでございます。 そこで、法曹人材育成について重要な役割を担っているのは法科大学院だというふうに思っております。この法科大学院のカリキュラム等で国際的に活躍できる法曹人材を育成するということで何か工夫をされているのか、教えていただきたいと思います。
○瀧本政府参考人 お答え申し上げます。 法科大学院は、司法が二十一世紀の我が国社会において期待される役割を十全に果たすための人的基盤を確立することを目的とするプロセスとしての法曹養成の中核でございまして、国際的な紛争を解決する手段として有用性が増している国際仲裁の分野を始め社会のさまざまな分野で活躍できる人材を養成するため、特色ある教育活動を展開することが期待されております。 こうした期待を踏まえまして、各法科大学院では、先端的な法領域に関する科目の充実が図られておりまして、国際仲裁に対応できる能力を養うことを目指し、実際の紛争事例を題材に用いた授業を開講するなど、創意工夫が行われているところでございます。 また、例えばでございますが、慶応義塾大学では、平成二十九年四月から、法科大学院に併設されております専門職大学院として、現職の弁護士などを対象といたしますグローバル法務専攻を設置し、グローバルなフィールドで活躍できる法曹や、グローバル企業あるいは国際機関のホームスタッフの養成に取り組んでいるところでございます。 文部科学省としましては、各法科大学院が社会の変化に対応しながらそれぞれの特色を生かして多様な教育を行い、有為な人材を育成、輩出できるよう、めり張りある予算配分などを通じて、引き続き支援をしてまいります。 以上です。
○黄川田委員 ありがとうございます。 引き続き文科省には頑張っていただきまして、学生教育はもちろんでございますが、先ほど御紹介いただきました慶応義塾の取組のように、一度法曹界に入って再びグローバルな場で働きたいという方が、また学び直しといいますか、そういう取組も法科大学院でできるように、別機関でもいいですけれども、そのようにやっていただきたいというふうに思っております。 次に、どういう法曹人材が望まれるかという全体的なことを考えるのは、やはり法務省の役割だというふうに思っております。 そこで、包括的な立場として、法務省が国際的に活躍できる法曹人材の育成として取り組んでいることがありましたら、教えていただきたいと思います。
○小出政府参考人 お答えいたします。 社会経済の高度化やグローバル化の進展を受けまして、我が国の法曹有資格者の活動領域は、国内にとどまらず、国境を越えた紛争にも広がっておりまして、国際分野における法曹の一層の活躍が期待されている状況にございます。 このような観点から、今後、外国法や外国語にも精通し、国際的な分野に幅広く対応できる多様かつ専門的な法曹人材を養成し、その専門性が有効に活用されていくことは、委員御指摘のとおり重要であると認識しているところでございます。 法科大学院を中核とする現行の法曹養成課程におきましては、先ほど文科省からも説明がございましたが、法科大学院において国際的な案件への対応を扱う科目が開講されているほか、司法試験において、国際関係法私法系を論文式試験の選択科目として設けております。 また、司法修習におきましても、選択型実務修習の中で、渉外業務を取り扱う弁護士事務所における修習などが行われているものと承知しております。 もちろん、これらの法曹養成課程におけるプログラム等に限らず、国際分野で活躍できる専門的知見等の涵養に当たりましては、法曹として各自が活動する中で自己研さんや経験の蓄積等を行っていくことが重要であると考えているところでございます。 また、法務省といたしましては、日本企業の海外展開を支援する観点から、東南アジア諸国に弁護士を派遣し、現地の法律の運用や法的問題の実情等の調査を行いまして、その結果を公表するなどしているところでございます。 法務省といたしましては、国際的な紛争の解決にかかわる人材も含めまして、優秀かつ多様な法曹人材を数多く輩出できるよう、文科省等とも連携して必要な取組をしっかり進めてまいりたいというふうに考えております。
○黄川田委員 法務省には、引き続き文科省とよく連携して、多様な法曹人材の育成に努めてほしいと思っております。 また、韓国では、国際仲裁機関そのものに現役の弁護士等実務者を対象とした教育機関の機能が付随していると聞いております。そのような海外事例もよく研究していただきたいと思います。 私は、法務省を中心としたこの国際仲裁の活性化の取組を応援したいというふうに思っております。関係府省連絡会議も中間取りまとめの時点でございますので、まだまだ議論が重ねられて、より具体的で効果的な方向性を出していただくことを期待しているところでございます。 そして、改めて、この国際仲裁において最も重要なことは質の高い体制づくり、特に人材育成であると思いますので、法務省にはしっかりその点を踏まえて取り組んでいただきたいと思っております。関係府省には、今回の取組を機に、所管の各産業の成長のために国際仲裁がどのようにあるべきか戦略的に再考していただき、国際仲裁の活性化に積極的に取り組んでいただきたいと思っております。 最後に、このテーマの締めとして、上川大臣の意気込みをお聞かせいただきたいと思います。
○上川国務大臣 国際仲裁の活性化に向けたこの施策の推進に大きな関心と、そしてまた強い御支持をいただいたことに対しまして心から感謝申し上げます。 企業活動が国境を越えて広がりを見せ、また国境を越えた人の移動もますますふえている状況でございます。日常化している状況でございます。こうした国境間の紛争を解決するために、国際仲裁の役割というのはこれからますます高まっていくものというふうに考えておりまして、この活性化に向けた取組につきましては、政府挙げての取組としてこれから推進をしていく大変重要な時期にあるというふうに思っております。 委員御指摘のとおり、その活性化のための非常に大きな核になる課題がまさに人材の育成でございます。仲裁手続そのものを熟知する、そして同時に主要言語で仲裁をとり行える能力のある仲裁人、また仲裁代理人、さらには事務局スタッフ等、この体制をしっかりと整備していく、そのための人材育成が喫緊の課題だというふうに認識をしております。 私自身、本年五月でありますけれども、イギリスのロンドン国際仲裁裁判所、LCIAを訪問させていただきました。この分野におきまして極めて著名かつ有能な仲裁人の方とお目にかかりまして、まさに世界の仲裁機関におきまして活躍をされているという事実も認めたところでございます。改めて、この人材育成の重要性ということを、そうした取組の中での大事な要素として、重要であるというふうに認識した次第でございます。 法務省といたしましては、諸外国の仲裁機関等との人的交流を深めること、そしてさらに、関係省庁、関係機関と連携をしっかりしながら、専門的な人材育成、そして企業に対しての意識啓発、広報等も含めまして、国際仲裁の活性化に総合的に取り組んでいく必要があると考えております。
○黄川田委員 ありがとうございます。 もう時間が少なくなってきましたので、急いでコングレスについての質問をさせていただきたいと思います。 二〇二〇年、日本で五十年ぶりに行われるコングレス、これは大変日本にとってチャンスであるというふうに考えております。日本の取り組んでいる司法のあり方、これを世界にアピールする上でも、しっかりと地の利を生かして取り組んでほしいと思います。 会議全体、ワークショップはもちろん、多く開催されるサイドイベントのパネルディスカッション等にも、全員、全部とは言いませんが、できるだけ多くの日本人の法曹関係者に参加してもらうべきだというふうに考えております。パネリストとして発言することで、国際関係におけるルール・オブ・ローの重要性、我が国の法令遵守の精神や文化、治安のよさを世界に積極的に発信できるほか、法曹関係者に国際経験を積んでいただく非常に貴重な機会であると考えております。 国の関係機関のみならず、日弁連、大学、自治体、地域団体などに積極的に働きかけるべきだというふうに考えておりますが、いかがでしょうか。
○山内政府参考人 コングレスについてのお尋ねでございますが、コングレスにおきましては、本体会議では、例えば各国の政府代表団が関係者として、全体テーマとか議題などについて政策的で実務的な議論が行われることになっておりますが、他方で、委員御指摘のとおり、サイドイベントというのが本体会議とは並行して行われることになっております。 そこでは、各国政府や国際機関やNGO、そういった方々が、それぞれの国や団体が重視するようなテーマについて、パネルディスカッション、プレゼンテーション、いろいろな形で多様な専門性の高い議論が行われることになっております。 そういった意味で、コングレス本番におきましては、そうしたサイドイベントのパネルディスカッションとかも含めて、司法外交を積極的に展開するとともに、世界から参加していただいた方々に我が国の法の支配の浸透あるいは成熟度を体感していただきたいと思いますので、そのためには、コングレスの事務局であります国連薬物犯罪事務所を始めといたしまして、京都府、京都市などの地方公共団体はもとより、さまざまな民間団体などとも連携をして着実に準備をしていきたいと思っております。
○黄川田委員 ありがとうございます。 いろいろな機会を捉えて発信していただきたいと思います。 その一つに、サイドイベントというかプレイベントで、前回のドーハ会議においてもユースフォーラムというのが開催されたというふうに聞いております。 このユースフォーラム、これは、コングレスといえば、どちらかというと公法分野、刑事関係のつながりで若者に声をかけていくということが想定されておりますが、私法分野の勉強をしている大学生や、国際法、人道支援、国際開発等の勉強をしている大学生にも積極的に声をかけていただきたいと考えております。 そのために、法務省だけでなく外務省も積極的に協力すべきだというふうに考えておりますが、外務省、いかがでしょうか。
○大鷹政府参考人 お答え申し上げます。 若い世代が犯罪防止ですとか刑事司法に関する諸問題を直接話し合って、その成果が世界に共有される、そういうユースフォーラムの意義は外務省としても強く認識しているところでございます。 外務省といたしましても、国連機関ですとか国内のさまざまな団体と連携いたしまして、例えば、国際法学生交流会議ですとか日本国際法学生協会、さらには人道支援や国際開発などに興味を持つ学生に対しまして、ユースフォーラムを広く周知して、積極的に参加を呼びかけるなどして協力していきたいと思います。 そしてまた、コングレス全体についても、非常に重要な、有意義な会議として、外務省も法務省と一緒になって最大限可能な限りの努力をしていきたいというふうに思っております。
○黄川田委員 ありがとうございます。 時間がなくなってきましたので、まとめて質問させていただきたいと思います。 このユースフォーラムに当たりまして大臣のお考えをお聞きしたいのと、また、大臣が一生懸命取り組んでいるSDGsにおきまして、先日、私の友人がオーストリアのウィーンで行われましたコングレスのプレイベントに参加しておりまして、この資料に見られるように、資料の表紙に、SDGs、全部で十七あるんですけれども、これは何に関係している会議ですよと。この場合は、ジェンダーイクオリティーと十六のピース・ジャスティス・アンド・ストロング・インスティテューションズに関係しているということをあらわしていまして、積極的に、このSDGsについても、このコングレスでもこういうふうに使われているということでございますので、京都会議におきましても、国外そして国内にこのSDGsをアピールするためにも、しっかりとやっていただきたいと思っておりますが、いかがでしょうか。
○上川国務大臣 コングレスの重要性について、この準備の過程の中で、今、司法外交ということで展開をさせていただいておりますが、その中でも、特にユースフォーラムの重要性については、その成功に向けて準備をしっかりとしていく必要があるというふうに考えております。 特に、未来の担い手である若者の皆さんが、こうした機会を捉えて海外の同世代の若者と真摯に議論をすることによりまして、多様な価値観に触れて、そして国際的なパートナーシップを築く、大変よい機会になろうかというふうに考えております。 そこで、国際舞台での活躍を目指し、国際関係や国際法を学ぶ若者、また非行等の問題を抱える少年の社会復帰を支えるボランティア活動、BBSという活動がございますが、そうした若者の皆さんが多くこのユースフォーラムに関心を持っていただいて参加していただくように働きかけをしてまいりたいと思います。 私も、先日、早稲田大学広域BBSの方々と対話をさせていただく機会を持たせていただきました。何と七十年も続いているBBSでございますけれども、そうした中で非行少年の立ち直りを支えていく、さまざまな活動を地道にやっていらっしゃる、こうしたことも、これは日本で非常に強くやられているということでありますので、また海外の方にも知っていただいて、広がりを海外にも展開できるようにというふうにも思っているところでございます。 法務行政の理念として、私も、二回の大臣所信の中で、このSDGsのことについても触れさせていただきました。誰一人取り残さない社会の実現という持続可能な開発目標、このSDGsの理念と法務行政の理念は相通ずるものであるという認識でございます。 中でも、ゴール十六でありますが、ここにつきましては「平和と公正をすべての人に」を掲げておりまして、その意味で、法務省の政策につきましては、このゴール十六を中心といたしまして、差別、不平等がなく、法の支配が貫徹された公正、公平な社会の実現を目指しておりまして、この実現につきましては、大変重要な要素でございます。 コングレスにおきましてのテーマそのものが、二〇三〇年アジェンダの達成に向けました犯罪防止、刑事司法及び法の支配の推進でありますので、我が国の取組を国内外に発信する絶好の機会と考えております。 京都コングレスにつきまして、国民の皆様に、まずSDGsとその達成に向けた取組について広く知っていただけるよい機会にしてまいりたいと思いますので、そのための取組については全力を傾けてまいりたいというふうに思っております。
○黄川田委員 急いでまとめたいと思いますが、このコングレス、非常に重要な会議でございます。 この会議は、法務省におきましても外務省におきましても非常に大事だと思います。しかしながら、外務省関係の会議で来年度予算の概算要求の資料に……
○平口委員長 時間が過ぎておりますので、まとめてください。
○黄川田委員 はい、済みません。まとめます。 ありませんでしたので、しっかりと外務省も取り組むということで、コングレスを明記して頑張っていきたいと思います。 どうもありがとうございました。
○平口委員長 次に、松田功君。
○松田委員 おはようございます。立憲民主党の松田功でございます。 本日、すばらしい天気に恵まれたきょうでございますが、六月に入りました。 昨日、ワールドカップのサッカーの日本代表が二十三人選ばれまして、今月から始まります。ちょうど国会閉会の前の日が一次リーグのスタートということで、非常にまた元気な話題がたくさん出てくると思いますけれども、日本人選手の皆さんにもぜひ頑張っていただきたいというふうにエールを送らさせていただきたいと思います。 それでは、早速質問の方に入らさせていただきたいと思います。 本日は一般質疑でございますので、まず最初に、起訴猶予となった人に対する検察官による何らかの再犯防止の措置について、今議論が行われているとお伺いしております。それについて取り上げさせていただきたいと思います。 この議論の始まりは、平成二十九年の二月に、法務大臣から法制審議会に対し、少年法などに関して諮問が行われたことだと理解をいたしております。 そこで、その諮問はどのようなものでしょうか。御説明をいただきたいと思います。
○辻政府参考人 少年法につきましては、平成十九年に成立いたしました日本国憲法の改正手続に関する法律の附則において、選挙権を有する者の年齢を定める公職選挙法、成年年齢を定める民法その他の法令について検討を加え、必要な法制上の措置を講ずることとされた上、平成二十七年に成立いたしました公職選挙法等の一部を改正する法律の附則において、民法、少年法その他の法令の規定について検討を加え、必要な法制上の措置を講ずることとされたところであります。 そして、少年法における少年の上限年齢のあり方は、刑事司法全般において、成長過程にある若年者をどのように取り扱うか、また、どのように改善更生、再犯防止を図るかという問題にかかわるものであると考えられます。 そのようなことを踏まえまして、平成二十九年の二月九日、法務大臣から法制審議会に対して諮問がなされたものでありまして、その内容は、少年法における少年の上限年齢のあり方とあわせまして、若年者を含む犯罪者に対する処遇を充実させるための刑事法の整備のあり方についてということであります。 この諮問を受けまして、現在、法制審議会において調査審議を行っていただいているところでございます。
○松田委員 御説明いただきました。 また、今、法制審議会の方でも議論されているということでございますので、そこで、少し確認をさせていただきたいと思います。 現代の刑事司法においては、被疑者を訴追する訴追者である検察官と、事実を認定し刑罰を定める判断者である裁判官を明確に分けるのが大きな基本原則だと理解をいたしております。 そういった形の理解でよろしいでしょうか。確認をしたいと思います。
○辻政府参考人 現行の刑事訴訟法におきましては、検察官は、刑事事件について公訴提起の要否を決し、公訴を提起した場合には、これを維持、遂行するなどの権限を有しております。 裁判所は、検察官が公訴提起した事件について有罪、無罪を判断し、有罪であると判断した場合には刑の量定を行うなどの権限を有しているところであります。 このように、検察官がいわゆる訴追者、裁判所がいわゆる審判者としての役割を有しているということは、御指摘のとおりであると考えております。
○松田委員 ありがとうございます。 それで、四月の二十六日に出されました法制審分科会の中間報告によると、「起訴猶予等に伴う再犯防止措置の在り方」として、検察官が働きかけを行う制度の導入の「考えられる制度の概要」として、「改善更生のために社会内における働き掛けが必要な被疑者について、犯罪事実が認められる場合に、検察官が、一定の守るべき事項を設定した上で、一定期間、保護観察官が指導・監督を行う制度を設ける。」という記述があります。 これは、起訴猶予になった人に対して、検察官がこういうことを守るようにという、具体的に暮らし方などを指定するということであり、一種の刑罰を行うことのように感じられるんですね。 このように、検察官による一種の刑罰のかわりのような措置が導入されるとすれば、先ほど確認をさせていただいた、訴追者である検察官と判断者である裁判官をはっきり分けている司法の原則に反してしまうのではないでしょうか。そして、捜査官、訴追官である検察官が、本来の役割から逸脱するのではないかと思うんですが、お尋ねをいたしたいと思います。
○辻政府参考人 先ほども申し上げましたとおり、法制審議会におきまして、昨年の諮問を受けて調査審議を行っていただいているところでございますが、ただいま御指摘の制度の導入につきましても、その諮問事項に言う、若年者を含む犯罪者に対する処遇を充実させるための刑事法の整備のあり方の一つの考えられる措置として検討されているものと承知してございます。 いずれにいたしましても、ただいま御指摘の制度につきましては、法制審議会に設けられた部会、さらにはそのもとに設けられました分科会において議論が行われているところでありまして、さまざまな議論があるところだとは思いますけれども、法務当局としては、まずはその議論を見守ることとしたいと考えているところでございます。
○松田委員 今、法制審議会の中だということでありますが、この点につきまして、もう少しだけお尋ねをいたしたいと思います。 このような措置においては、検察官の被疑者に対する裁量が大きくなってしまい、被疑者に対して、例えば、このような措置を受け入れれば起訴猶予にしてあげますよというような誘導が生じる懸念があるのではないかと思われます。また、それについて検察官に対するチェック機能が働かない、ここが重要なんですけれども、検察官に対するチェック機能が働かない懸念があるのではないかと思われます。 このような懸念についてどうお考えでしょうか、お尋ねします。
○辻政府参考人 先ほど申し上げたとおりでございまして、繰り返しで恐縮でございますけれども、御指摘の制度の導入に関しましては、法制審議会において調査審議中の事柄でございますので、法務当局といたしましては、まずはその議論を見守ることとさせていただきたいというふうに考えております。
○松田委員 今、ちょうど審議会中であるということでありますから、なかなかお答えにくいというか、御意見をたくさんいただくという意味でありますから、その部分は理解をしつつも、中間報告もあったりとかした中で少し懸念材料が見えてきた部分があったものですから、そこはぜひこういった場で御意見を言わさせていただく中、質問させていただく中、またそういった懸念もなくなるような体制づくりをしていくことも重要かと思われます。今言わないと、ある程度決まってからだとなかなか変えることも大変ですので、そういったことを含めて質問をさせていただいております。 引き続いて、また、この措置につきましては、あくまでも分科会の中間報告の段階でもありますので、法制審でこれからも議論されていくことであったもので、固まったものではありません。しかし、日本弁護士連合会の方からも、非常にこれに対しては反対の部分も、意見書も出ているということでございます。 やはり、その意味においても、法律の専門家の方からも重要な論点だというふうに言われているところでありますし、私もそのようにも考えさせていただいているところであります。 この議論について、ぜひ上川大臣のお考えをお聞かせいただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
○上川国務大臣 昨年の二月、法制審議会に対しまして、少年法における少年の上限年齢のあり方及び若年者を含む犯罪者に対する処遇を充実させるための刑事法の整備のあり方について諮問をいたしました。現在、法制審議会におきまして調査審議を行っていただいているということであります。 現在、部会での御議論等を踏まえつつ、部会のもとに設けられた各分科会におきまして、刑事政策上必要となる措置のあり方などについて充実した審議を行っていただいているものと聞いております。 諮問をしている立場ということでございまして、まずはその議論を見守ってまいりたいというふうに思っております。
○松田委員 議論を大臣として見守っていくということでございますので、そのことについては私も理解をいたしております。 ただ、少し、そういった中で、こういったことも出ていますので、今まだそういうことも懸念があるということを先に伝えることによって、また、いい議論になればというふうにも思っておりますので、ぜひ、その辺を御理解いただいた中で進めていただければというふうに思っております。 それでは、次の質問に入らさせていただきたいと思います。 次に、家庭裁判所における少年審判の国選付添人制度について取り上げさせていただきたいと思います。 少年が罪を犯した場合、家庭裁判所において少年審判を受けることになります。その際には、付添人として弁護士がつく仕組みとなっております。大人の裁判の弁護人に国選弁護人制度があるように、少年審判の付添人にも国選付添人の制度がございます。 その制度の概要についてお伺いをしたいと思いますので、御説明をいただきたいと思います。
○辻政府参考人 現行少年法におきまして、いわゆる国選付添人弁護制度については、三つの類型のものが設けられてございます。 一つ目は、死刑又は無期若しくは長期三年を超える懲役若しくは禁錮に当たる罪の事件において、家庭裁判所が検察官関与決定を行った場合に必要的に国選付添人をつけるという制度でございます。 二つ目は、同じく、死刑又は無期若しくは長期三年を超える懲役若しくは禁錮に当たる罪の事件で、少年鑑別所送致の観護措置がとられている場合に、家庭裁判所が、事案の内容、保護者の有無その他の事情を考慮し、審判の手続に弁護士である付添人が関与することが必要と認める場合の裁量的な国選付添人の制度であります。 三つ目が、被害者等による少年審判の傍聴を許すという決定がされた場合の必要的な国選付添人制度でございます。
○松田委員 御説明ありがとうございます。 国選付添人がつくかどうかは、罪の重さに基準があり、家庭裁判所の裁量に委ねられているということであります。 そういった状況の中、次に、表として配付をさせていただきましたが、少年事件における付添人の選任率はどのようになっているのでしょうか。また、国選付添人の対象となる事件における国選付添人の選任率はどうなっておりますでしょうか。御説明を願います。
○村田最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。 少年の一般保護事件における付添人の選任率は、今委員から配付されました資料にも記載がございますけれども、二三・三%ではございますが、むしろ、もう一つのお尋ねの、国選付添人対象事件における国選付添人の選任率との対比という観点からは、一般保護事件のうち観護措置がとられた事件、いわゆる身柄事件ですね、これの付添人の選任率もお尋ねかと思いますので、そちらの方もあわせてお答えさせていただきますと、平成二十八年に終局した事件のうち観護措置がとられた一般保護事件は六千三百十三件でございまして、このうち付添人が選任された事件は五千八百四十件ということでございましたので、その付添人選任率は約九二・五%ということになります。 次に、国選付添人選任対象事件における国選付添人の選任率についてもお尋ねでございましたので、こちらの方は、平成二十八年に終局した一般保護事件のうち国選付添人選任対象事件は五千六十八件でございまして、そのうち国選付添人が選任された事件は三千百八十一件でございました。したがいまして、国選付添人選任率は、この場合においては約六二・八%ということでございます。
○松田委員 御説明いただきました。 また、続きまして、裏面に同じように表がございます。 この国選付添人の選任率は、各家庭裁判所ごとにばらつきがあるとお伺いしております。現状では、各地の家庭裁判所の国選付添人の選任率はどのようになっていますでしょうか。また、傾向などもわかればお答えをいただければと思います。
○村田最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。 こちらも委員から配付されました資料のとおりでございますけれども、平成二十八年の全国の家庭裁判所の国選付添人選任率はおおむね五〇%から八〇%の範囲内に分布しているものが多いというところではございますが、幾つかの庁ではその範囲の外にあるというところもございまして、最も高い選任率は約九五・七%という庁がございます一方で、最も低い率の庁では約二一・六%というぐあいになっております。
○松田委員 都道府県によってばらつきが非常にあります。これは都市がどうだから地方がどうだからでは多分ない。事件、事案によってということでありますから、今のお答えだと、まだその傾向的なものをお調べになっている段階でもないとは思うんですが。 今御説明いただきました。そういった中で、少年審判で少年院送致という決定は比較的重い処分だというふうに思っております。国選付添人が選任されず、本人や家族による私選付添人もつかないままに少年院送致になるケースはあるのでしょうか、お答えをいただきたいと思います。
○村田最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。 御指摘のような事案というのは実際にあるというふうに承知をしております。
○松田委員 そういった事案があるということであります。 付添人がないままに少年院送致になってしまうということに対しては、少し課題があったり問題もあるのではないかなというふうに思っております。いろいろな意味で、付添人というのは、大人とは違って、協力者である、審判協力者でもあるということであれば、そういった形でつけて、子供たち、少年たちのことを考えていくという部分では必要なものであるように私自身は少し思っているところであります。 さて、成人、つまり大人の裁判におきましては、憲法三十七条によって、刑事被告人には国が漏れなく国選弁護人をつけることとされております。起訴前の被疑者については、憲法には書かれてはおりませんが、刑事訴訟法で、本日からまた新たに変わりまして、改正しております刑事訴訟法で、国選弁護人について規定をされております。その刑事訴訟法が、一昨年改正され、被疑者国選弁護制度の対象範囲が、勾留された全ての事件へと拡大されております。 きょうがその新しい制度、六月一日から施行されておりますが、大人の被疑者には国選弁護人が基本的につきます。少年では国選付添人がつかない場合があるということは、バランス上でいかがなものかなというふうに考えるんですが、この点についてのお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○辻政府参考人 少年法に基づいて行われます少年審判は、少年の健全な育成を期し、非行のある少年に対して、性格の矯正及び環境の調整に関する保護処分を行う手続であります。これに対しまして、刑事手続は刑罰権の発動を目的とするものでありまして、両者はその趣旨、目的を異にしているところであります。 また、付添人の地位は、少年の援助者としての側面はもちろんあるところでありますが、一方で、審判協力者としての立場にあり、被疑者の援助者としての立場にある弁護人との地位には違いがあるというふうに考えております。 したがいまして、少年法の国選付添人制度の対象事件と刑事訴訟法の被疑者国選弁護制度の対象事件の範囲について、必ず同一にしなければならないというような必然性はないものと考えてございます。 その上で、現下の厳しい財政状況を踏まえますと、国民の皆様の理解を得て国選付添人制度の対象範囲を拡大するということになりますと、相応の予算措置を伴うものでございますので、その必要性を慎重に吟味する必要があるというふうに考えてございます。 その上で、家庭裁判所は、少年審判におきましては少年の後見的役割を果たすというふうにされているところでございまして、そのような少年審判の構造に鑑みますと、国費を支出して観護措置をとられた少年の全ての事件、あるいはそれに限りませんが、現行よりも対象を拡大するという必要性が現時点で裏づけられているのかという点について、慎重な検討が必要ではないかというふうに考えております。
○松田委員 慎重な検討にということでございますが、子供たちがいろいろな失敗をたくさんしてしまったり、罪を犯してしまうような流れになってしまい、周りを受けて大人がやはり支えてあげるということは非常に重要であります。 私自身は、若い子たちにしっかりとした自立を、ここでもたくさん述べさせていただきましたが、そういった観点からして、いろいろ今後も議論になってきますけれども、少年に対する部分というのは、今までとこれからは少し変わってくる様相になる可能性が出てきております。 そういった意味において、その辺も踏まえた中で、また今後、見ていかなければいけないというふうに思っておりますので、ぜひそういったことも踏まえながら、基本的にはそういった審判の協力者でもありますし、子供たちの更生を促す協力者の一人でもあるというふうに私は思っておりますので、役割が弁護人とはちょっと違うということも十分理解はいたしておりますけれども、これからの子供たちのことは、成人年齢の部分も含めてでありますけれども、そういったことで少し変わってきますので、ぜひ、付添人も基本的につくような形になっていければなというふうに思っているところでございます。 そこで、まずは、対象をぜひ拡大していただく中で、観護措置決定により身柄を拘束された全ての少年に国選付添人を選任していただくような、またさらに、少年や保護者の請求があった場合には国選付添人を選任するということで、可能な限りのところでも拡大をしていくようにしていっていただくような方向性を見出していただけるといいなと思っておりますが、その辺について御意見をいただきたいと思います。
○辻政府参考人 基本的には先ほど申し上げたとおりでございますけれども、現下の財政状況を踏まえますということと、それから、委員も御指摘になられました付添人の立場と弁護人の立場の違い、さらには、家庭裁判所が少年の後見的役割を果たしているという少年の審判の構造等々を踏まえまして、その拡大の必要性というものを考えていく必要がある、こう考えてございますけれども、現下におきましては、委員御指摘のようなさまざまな御意見があるということは十分承知してございますけれども、その対象を拡大すべき必要性は必ずしも明らかだとは言いがたいのではないかというふうに考えておりますので、その点の慎重な検討が必要ではないかというふうに考えます。
○松田委員 慎重に考えていけば財政面のことまで出てきてしまいますから、そういったことも含めてありますけれども、やはり少年に対する今後の部分というのは大きく社会的にも変わってくるということもございますので、ぜひ検討をしていただきたいと思います。 さらにと思いましたが、その質問は飛ばさせていただきまして、もう時間も参っておりますので、最後に大臣の方に質問させていただきます。 少年の人権の観点から、大きな方向性として、基本的に付添人がつくように、国選付添人の制度を広げていくことがぜひと思っているところであります。そういった方向にぜひ進むような形で行っていただきたいなというふうに思っておりますが、大臣みずからのお考えをまたお聞かせいただければというふうに思います。
○上川国務大臣 少年の審判に係る大変重要な御指摘をいただいたものというふうに思っております。 ただいま、先ほど刑事局長からるる御説明をさせていただきました。また、国選付添人制度の対象事件の範囲の拡大につきまして、さらなる拡大という御指摘がございましたが、さまざまな答弁の中で申し上げたところでございまして、慎重な検討が必要であるというふうに考えております。
○松田委員 なかなか今の現状の部分は、予算のこともありますし、そういったこともあります。ただ、犯罪自体がなくなれば、選任するとか、そういったこともないんです。ですから、根本的に言えば、予算的なものからすれば、犯罪自体をなくす、子供たちがそういうことをしないような方向を進めることで選任をするということの部分というのは減りますので、予算的な部分はまた、多角面な形で考えれば可能な部分は出てくるかと思います。 成人年齢の部分も関連してきますので、これからの少年の生活、社会でのあり方、その部分に応じては非常に大きく変わってくることがございますので、ぜひ、いろいろな意味で検討を進めていっていただければというふうに思いまして、私の質問を終わらさせていただきたいと思います。 どうもありがとうございました。
○平口委員長 次に、松平浩一君。
○松平委員 立憲民主党の松平浩一です。 きょうは、人手不足解消と外国人労働者の件についてお伺いしたいと思います。 一昨日の西日本新聞の朝刊でなかなか驚きのタイトルがありました。「「移民流入」日本四位に 一五年三十九万人、五年で十二万人増 支援策の充実急務」というふうにありました。その記事、資料一でお配りさせていただきました。 今回のこのデータは、日本への移住者は、有効なビザを保有し九十日以上在留予定の外国人を計上しているデータとのことなんですけれども、ちょっとこれを細かく読んでみますと、OECD加盟三十五カ国の最新の外国人移住者統計で、日本への流入者は前年比約五万五千人増の約三十九万人となり、前年の五位から韓国を抜いて四位に上昇した、そして日本が事実上の移民大国であることが浮き彫りになったというふうにあります。何と日本は移民大国だったのかというふうにちょっと驚きました。 日本は、こちらの最後から二つ目のパラグラフなんですが、一〇年、一一年の七位から、一二から一四年には五位、そして一五年には四位と徐々に上昇していると。確実にふえてきているわけです。 確かに我々、私も生活実感としても、コンビニに行けば外国人がレジ打ちをしていたり、居酒屋に行けば外国人が店員だったりしています。本当に普通に日常で外国人が働いている光景を目にします。町工場で働く外国人労働者も非常に多いと聞きますし、むしろ外国人労働者がいなければ回らないという声も耳にします。 こういった実情、実際、在留外国人のうち日本で就労をされている方、実数としてどのくらいいるんでしょうか。過去からの推移、いかがでしょうか。お聞きしたいと思います。
○小林(洋)政府参考人 お答え申し上げます。 日本国内で就労する外国人労働者数でございますが、外国人雇用状況届の届出状況によりますと、平成二十九年十月末時点におきまして約百二十八万人でございます。平成二十五年十月末時点が七十一・八万人でございますので、これと比較しますと約五十六万人の増加となっておりまして、この届出が義務化されて以来、過去最高を更新しております。
○松平委員 どうもありがとうございます。 本当にどんどんふえているんですね。五年で五十六万人増加というふうにおっしゃいましたか、非常にふえているものと思います。 では、どんな産業でふえているのかと気になりまして、ちょっと調べました。 資料二の方を見ていただければと思うんですけれども、一枚めくったところですね、全就業者に占める産業別外国人依存度の試算というタイトルです。こちらは、三菱UFJリサーチ&コンサルティングという会社が出した二〇一六年のデータなんですけれども、産業別に出ています。 外国人依存度ということで、どの産業でどの程度外国人労働者が働いているかという数値になると思うんですが、これを見ると、宿泊、飲食サービス業で三十人に一人、それから製造業で三十一人に一人というふうになっています。 注目すべきは、その右側にある外国人依存度の変化というところですね。二〇〇九年から一六年の比較という部分です。建設業が三・八倍というふうになっています。四百四十九分の一から百二十分の一。外国労働者の数が三・八倍ということですので、実際に働いている現場の方の実感としては、数字で三・八倍といったら単純なんですけれども、その実感、体感としては数字以上のものがあるのかなというふうに想像いたします。 この部分に関して、安倍首相は経済財政諮問会議で、移民政策をとる考えはありませんというふうに発言されていらっしゃいます。先ほど見ていただいた資料一の新聞記事でも、この最後のパラグラフなんですけれども、政府はこれまで建前上は労働移民の存在を認めてこなかったというふうに書いてあります。 しかし、先ほど御答弁いただきましたように、五年で五十六万人もの外国人労働者がふえていて、そして体感としても非常に身近に外国人労働者がいるということで、ちょっとこれは素朴な疑問なんですが、労働移民を認めていないということなのにこれだけ多くの外国人労働者が働いている、これは一体どういうことなのか、御説明していただければありがたく思います。
○和田政府参考人 お答えいたします。 移民の概念というものは必ずしも一義的なものではございませんで、明確な定義がございませんので、先ほどの御質問になかなか正確にお答えすることは困難でございますが、委員御指摘のように、外国人労働者が現在増加しているということは事実でございます。 その要因につきましては、政府が推進している高度外国人材の受入れが進んでいることでございますとか、雇用情勢の改善が着実に進み、永住者や日本人配偶者等の身分に基づく在留資格の方々の就労がふえていること、技能実習制度の活用が進んでいることなど、こういうようなことが背景で外国人労働者の方の数がふえているものと認識しているところでございます。
○松平委員 なるほど、移民の定義によるということのようで、移民の定義次第では、今おっしゃったようなところも入ってくるかもしれないし、入ってこないかもしれないということになるのかと思います。 今、御答弁で、外国人材の増加、身分に基づく在留資格を持った方々、それから技能実習生というような話をお伺いしたんですけれども、これは、具体的にはそのどの部分の、どの部分というか、どういった資格の方々がふえていてここまで外国人労働者が年々ふえてきているのかというところをちょっと詳細に教えていただければと思います。
○小林(洋)政府参考人 お答え申し上げます。 平成二十九年十月末現在の外国人雇用状況届の届出状況につきまして、先ほどの五年前の平成二十五年十月末時点と比較して増加幅の大きい方から申し上げますと、留学生のアルバイトなどの資格外活動が十七・五万人増の二十九・七万人、身分に基づく在留資格が十四万人増の四十五・九万人、技能実習が十二・一万人増の二十五・八万人、専門的、技術的分野の在留資格が十・六万人増の二十三・八万人となっておるところでございます。
○松平委員 ありがとうございます。 今ちょっと御答弁いただいた中の、留学生の部分ですね、資格外活動による部分、それから技能実習というところに着目させていただきたいんですが、これら二つのカテゴリーはどういったものか、詳しく教えていただけますでしょうか。
○和田政府参考人 お答えいたします。 まず、資格外活動についてでございますが、資格外活動とは、現に有している在留資格に属しない、収入を伴う事業を運営する活動又は報酬を受ける活動のことでございまして、このような活動を合法的に行うためには資格外活動許可を受ける必要がございます。 資格外活動許可を受ける者の多くは、留学でありますとか家族滞在という在留資格を持って在留する方でございまして、原則として週二十八時間以内の就労活動が認められているところでございます。 次に、技能実習でございますが、技能実習は、技能、技術又は知識の開発途上国等への移転を図り、その経済発展を担う人づくりに協力することを目的とする技能実習制度のもとで、我が国の企業等におきまして実務を通じた技能等の修得等を行う外国人でございまして、技能実習という在留資格を持って在留する方々でございます。
○松平委員 どうもありがとうございます。 ということは、資格外活動というものは許可が要るという話、それから、技能実習については技能の修得を行うためのものということで、働くことがいわば例外的に認められたということになるのかなというふうに思います。 この働くことが例外的に認められる外国人が現状ふえてきている、この背景には、やはり何といっても人手不足というものがあるのではないかなというふうに思います。 日本商工会議所が行った二〇一七年七月の調査によると、回答企業の六〇・六%が人手不足と回答していて、三年連続で上昇しているということなんです。 もっと細かくデータを見てみたいと思います。資料三というものを用意しました。 こちらは、厚生労働省が、もうついこの間、五月二十九日に出した職業別の有効求人倍率のデータなんです。これは、順位で十三まで書いていますけれども、もっともっと実はありまして、五十位ぐらいまでありまして、多くの職業がいっぱいある中で、上位十三というのは、有効求人倍率が三・五倍以上ある職業をピックアップしたものなんです。 一位が建設躯体工事の職業というふうになっています。これは、有効求人倍率を見ると一〇・二三です。一〇・二三ということは、十者募集しても一者応募者が見つかるかどうかという数字だと思います。東京オリンピックが迫っていて、建設ラッシュというものが続いているのが影響しているのかなというふうに推測されます。 二位が保安の職業で、六・八七倍、これは警備員などですね。あと、接客系の仕事ですね。それから、運輸系の仕事、福祉、介護系の仕事というものが有効求人倍率が高くなっているというふうに見られると思います。 この十三位の介護サービスの職業でも、三・五九倍で、三者から四者募集して一名やっと見つかるかぐらい、そういった状況になっているということです。 これは、今でさえこのような状況ですので、今後、少子高齢化が御存じのように進んでいき、労働者人口はどんどん減少していきます。こういった職業の人手不足、ニーズは非常に高いものというふうに感じ取れます。 政府として、ここの、今話させていただいた部分をどのように対処されようとしているのか、大臣、お聞かせいただいてよろしいでしょうか。
○上川国務大臣 外国人材の受入れに関して御質問いただきましたが、本年二月二十日に開催されました経済財政諮問会議におきまして、総理大臣から、深刻な人手不足が生じており、専門的、技術的分野における外国人受入れの制度のあり方について、制度改正の具体的な検討を早急に開始するよう、官房長官と、法務大臣であります私に対しまして指示がございました。 この御指示を踏まえまして、二月二十三日に政府内に、一定の専門性、技能を有する外国人について適切な受入れを可能とする新たな枠組みをつくるため、タスクフォースを設置し、骨太の方針において基本的な方向性を盛り込むため、現在、最終的な取りまとめを行っている状況でございます。 タスクフォースにおきましては、受入れ業種を判断するに当たっての考え方、受入れ対象者の日本語能力、専門性、技能の程度、また外国人材の保護や円滑な受入れと活動を可能とするための適切な在留管理、支援体制のあり方など、さまざまな観点から検討が行われている状況でございます。 法務省といたしましては、関係府省としっかりと連携をし、速やかに取りまとめを行い、新しい制度の実施に向けた準備を進めてまいりたいと考えております。
○松平委員 どうもありがとうございます。 今、御答弁いただいた中で、専門性を有する外国人についてという言葉がありました。私、外国人の受入れに関して、専門性を有する外国人という部分、必ずしもここに縛られる必要はないのではないかなというふうにも思っているんです。 先ほど厚労省の方から、技能実習と資格外活動の労働者数がふえていると御答弁いただきました。先ほどお話しいただいたように、技能実習は、開発途上国の人たちに対する技能や技術の教育、国際貢献というもので、資格外活動は、いわば外国人留学生のアルバイト的な部分なのかと思います。 この二つの在留資格、先ほど私からもちょっと確認させていただきましたけれども、就労が認められるいわば例外的な形なわけです。この例外の就労形態というものが、例外なのに、人材不足ということで年々ふえていかざるを得ない状況というふうになっているんです。 それでいて、先ほど資料三で見ていただいた有効求人倍率による人材のニーズ、これを見ても、専門人材の受入れだけをふやしても、この人材のニーズというものに全てマッチするのかなという疑問があるんです。 私、そもそも、この在留資格というものを見直しをして、もっとほかの分野についても認める必要が社会状況として出てきているんじゃないかなというふうに思うんです。 その目安となる一つが、その前に御紹介した資料の二だと思うんですね。外国人依存度の変化の数字、これは右側の数字です。つまり、外国人に頼る傾向が上がってきている分野ということで、上がってきているということは、比較的外国人に頼ることができる仕事というふうに思ってもいいと思います。 資料三の有効求人倍率によるニーズだけで判断すると、外国人も日本人と同じようにコミュニケーションできるのかという問題も出てくると思います。つまり、ニーズとウオンツは違うということなのかなというふうに思います。 このウオンツの判断というものを無視して政策を立てると、やはりミスマッチは解消できないのかな。ミスマッチが解消できないということは、人手不足で事業もできなくなってくる、お店も開けなくなってくる。例えば農業とか林業など、必要なところで後継者がいないというふうになってくる。そうなると、日本の経済のみならず社会全体の活力を失ってしまうんじゃないかなというふうに思うんです。 大臣、この点、いかがでございましょうか。
○上川国務大臣 今回、深刻な人手不足の状況に対応するため、現在の専門的、技術的分野における外国人材の受入れ制度の内容を見直しをして、真に必要な分野において一定の専門性、技能を有する外国人材を受け入れるため、新たな外国人材の受入れ制度を構築すべく、現在、関係府省庁とともに検討を行っているところでございます。 この新しい制度の実施におきましては、在留管理とともに、地域において外国人に対してどのようなサービスをするのか、行政サービスの向上を図る等の支援、こうしたことを行うための体制を構築した上で、人手不足が改善できるように的確な制度設計を行ってまいりたいというふうに考えております。 なお、委員お尋ねの専門的、技術的分野の枠にとらわれず広く受入れ範囲を拡大することについてでございますが、専門的、技術的分野とは評価されない分野の外国人の受入れにつきましては、御指摘があったニーズについてはしっかりと把握をする、また、受入れが与える経済的効果の検証のほか、日本人の雇用への影響、産業構造への影響、また教育、社会保障等の社会的なコスト、治安、こうした観点のみならず、外国人を社会全体で広く包摂をし、受け入れた外国人が我が国社会に適合できるよう、日本人と外国人との共生社会を実現していくことなど、幅広い観点から国民的コンセンサスをしっかりと踏まえながら政府全体で検討していく必要があるものというふうに考えております。
○松平委員 どうもありがとうございます。 積極的に御検討いただけるという御答弁でよかったのかな、ちょっと、そう理解させていただきます。 先ほど、やはりいろいろな諸問題もあるかもしれないということで、地域における支援体制は当然重要だと思いますし、聞いていく中では、治安が悪化するという声がやはり非常に大きいのかなというふうにも思います。 ただ、私、この点に関して、警察庁のデータを見てみたんですが、外国人の正規滞在者のうち検挙人数というのが出ているんですね。検挙人数、検挙された人数なんですが、その推移ですね。平成二十年で検挙人数八千五百八十一人だったのが、去年は七千九百八十八人と、これは減っているんです。在留資格を有する外国人の数は格段にふえているにもかかわらず減っているという数字も出ています。もちろん、数字だけではなく、警察機能の強化などいろいろな要素もあり、そういった形での対応もできるかとも思います。 ただ、私、やはり申し述べたいのは、現状に合わない施策というのはミスマッチというものを解消できないので、結局、不法滞在者がふえたり不法労働者がふえたりということにつながってくるのではないかなというふうにも思います。 あと、もう一つ、私、重要なのは、外国人労働者の受入れの検討に際しては、外国人のことも考えるということも重要だと思います。 今、我々の議論、そもそも、我々が在留資格を緩和すると外国人労働者がふえるという前提で話をしている節があるんですけれども、外国人にとっても選択権があるわけで、外国人にとっても魅力的な労働環境じゃなければ日本に来てくれない、日本で働くのは嫌だというふうになってしまうんじゃないかなと思います。 特に、東京オリンピックの後です。こんなことは思いたくないんですが、もしかしたら不況になる可能性もある。実際、一九八八年のソウル・オリンピック以来、夏のオリンピックは八回あったんですが、一大会除いて全て開催国の成長率が前年と比べて下落しているというデータもあります。 そういったときに、外国人労働者も、不況の国では働きたがらないということもあり得るのかなと。そういったときに、やはりそうならないように、実際に働く外国人のことも考えた制度、その辺を踏まえた制度設計をぜひともお願いしたいなというふうに思っています。 それで、次のトピックに行きます。 あと、在留資格の関係でいいますと、経済発展、ビジネスの活性化のためには、起業家、アントレプレナーの受入れを促進すべきというふうに思っています。 アメリカのIT企業のトップ二十五の創業者の六割は、アップルのスティーブ・ジョブズとかアマゾンのジェフ・ベゾスとか、外国からの移民又は移民二世なんですよね。トップ二十五の創業者の六割がですね。 もう一つ、私、例を挙げさせていただきたいのは、先日、私は世界のIT先進国と言われるエストニアに視察に行ったんですけれども、こちらはスタートアップビザというのがあって、起業しようとするのが非常に簡単なんです。簡単にビザを発行してもらえるんですね。簡単にビザを発行してもらえるので、世界から多くの有望なスタートアップが誘致できているんです。私も、スタートアップ支援施設、コワーキングスペースを見に行きましたけれども、いろいろな人種がいて非常に活気がありました。 エストニアは、人口百三十万人という人口的にはちっちゃな規模なんですけれども、ヨーロッパ時間でちょうどきのう、もう既に三社目のユニコーン、時価総額十億ドル以上の規模をユニコーンというんですけれども、これを生み出しているんです。 日本でも、経済発展、イノベーションを生み出していくためにも起業家の受入れというところを促進すべきと思いますが、現在の取組状況についてお尋ねしたいと思います。
○和田政府参考人 お答えいたします。 外国人起業家の受入れに係る現在の取組でございますが、国家戦略特区制度のもと、平成二十七年九月から外国人起業家の受入れを行っております。 この制度は、我が国における外国人材の起業等を促進し、国際競争力の強化、国際的経済活動の拠点形成のため、地方公共団体が起業のための創業活動の実現性を審査し、事業の安定性、継続性に係る要件を満たすことを確認した場合は、通常は上陸時に求められます在留資格「経営・管理」に係る要件を上陸後六カ月が経過するまでに満たせばよいということにして、特例的に入国を認めるものでございます。 このように、これまで外国人起業家の受入れ促進を図ってまいりましたが、さらなる起業家の受入れ拡大のために、昨年十二月、新しい経済政策パッケージを閣議決定いたしまして、ベンチャー支援強化策として、起業に向けた準備のため最長一年間の在留資格を付与するなどの措置を講じるスタートアッププログラムを本年度中に開始することといたしました。現在、実施に向けた検討を関係省庁とともに行っているところでございます。 いずれにいたしましても、御指摘のとおり、我が国での起業を希望する外国人に対し、その起業を促進することが我が国の国際競争力の強化等につながるものであることから、起業家の受入れ促進のため、所要の検討を速やかに行ってまいりたいと考えているところでございます。
○松平委員 ありがとうございます。 今お話しいただいたスタートアッププログラム、非常に期待しております。ただ、外国人に知られなければ絵に描いた餅になりますので、ぜひ周知の方も、どのようなプロモーションをしていくかという部分、ぜひともいいプロモーションをできるように検討いただければと思います。 ちょうど時間が参りましたので、きょうの私の質問をこれにて終わらせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。
○平口委員長 次に、柚木道義君。
○柚木委員 おはようございます。国民民主党の柚木道義でございます。 一般質疑の機会を与えていただきまして、ありがとうございます。 きょうは、大きな枠組みとしては警察、検察捜査のあり方ということも問わせていただきながら、具体的な事案にも即しながら質疑をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。 まず、資料の一枚目をごらんいただきますと、昨日でございますが、連日報道されておられますが、日大のアメフトのいわゆる悪質タックルの問題で、被害者側が日大の前監督と前コーチに対して傷害容疑の告訴状を出して、それを警視庁調布署に提出し、受理をされたということでございます。 もちろん、当該選手においては、さまざまな大学側の、日大側の対応が後手に回ったことも含めて、実名、顔出しでの会見もされたこともあって、そして、その誠実な真相の究明に対する姿勢から、寛大な処分を求める数千人分の嘆願書が出されているということでございます。 告訴状の提出を受け、警視庁は捜査を本格化させるということで、二十八日には捜査員が日大の施設を訪れ、関係者から聞き取りもしているということでございます。 通告をさせていただいておるところでございますが、この日大のアメフトの悪質タックルの事案以外にも、過去にスポーツの試合中に、例えばこれは二〇一二年、奈良県内でフットサルの試合中に、選手が審判からレッドカードを出された直後に相手チームの選手の首を蹴り、けがをさせた事件では、傷害容疑で逮捕された、こういう事案もあるわけでございますが、今般のこの日大アメフト悪質タックルの問題では、紹介を申し上げましたように、当該選手、被害者への謝罪、さらには被害者側の嘆願書も出ている。 こういったことを勘案した際に、まず伺いたいのは、当該選手、もちろん、指示があったといえども、実際にその行為を行ったという部分についての法的な検証というのは必要だと思われますが、そうはいいながらも、こういう状況もある中で、当然、被害者の処罰意思等の要素も勘案をした対応を行っていただけるものとは考えるわけですが、これは私の個人的な見解ですが、このような場合に、刑法上の傷害罪等の適用はなされないというようなことも検討いただける素地があるのではないかと考えるわけでありますが、見解をお述べいただければと思います。警察庁の方、お願いします。
○大賀政府参考人 お尋ねの事件につきましては、現在捜査中の事案でございますので、お答えを差し控えさせていただきたいと考えております。 なお、一般論として申し上げれば、警察におきましては、被害の申告等があれば、法と証拠に基づきまして所要の捜査を行い、事案の具体的状況に即して適切に対応することとしているところでございます。
○柚木委員 そういう御答弁になることは、当然、捜査中でもあり、想定をされ得るわけでございますが、これだけ世間の耳目を集める事案でもあり、また、これはまさに教育との関係についても、きょうはスポーツ庁にもちょっと見解をお述べいただきたくお越しいただいておりますが、やはり被害届ではなくて告訴状でありまして、それを受理されているということは大変重いわけであります。 しかしながら、今のようなさまざまな状況を勘案して、当然、もちろん公正中立な捜査、対応がなされるものとは思いますが、さまざまな、今申し上げたような、まさに被害者の処罰意思も含めた形で、個別具体的な事案ではありますが、一般的には、こういう状況にあるときに、そういったことも踏まえて対応いただけるというふうな認識であることについては、こういう一般的な認識については受けとめていただける部分はあるのかと思いますが、いかがでしょうか。
○大賀政府参考人 警察におきましては、繰り返しになりますけれども、法と証拠に基づきまして所要の捜査を行って、事案の具体的状況に即して適切に対応することといたしております。 その事案の具体的状況ということに関しましては、被害者側の処罰意思といったものは当然含まれるものと考えております。
○柚木委員 今、重要な御答弁をいただけたと思います。まさに、その被害者側が、当該の選手、あるいはその御家族、あるいはその所属するチームや大学等々のまさに意思も尊重して、公正な対応をいただけるということで、確認をさせていただけたと思います。 他方で、日大のアメフトチームの前監督、前コーチのあの会見も含めて、非常に多くの国民の皆様、もちろん教育やスポーツ関係者、憤りや、場合によっては心を痛めている。そしてまた、日大のアメフトの選手のみならず、学生さんも含めて、例えば就職活動などさまざまな分野にこの影響が波及をして、選手あるいは学生ファースト、こういう視点が不可欠な中で、この告訴されている前監督、前コーチの責任というのは非常にやはり重いものがあると思うわけであります。 例えば、この間報道もされたり、実際に告訴状の中にも含まれる部分だと思われますが、例えば相手のクオーターバックを最初のプレーで潰せば試合に出してやるとか、相手のクオーターバックが、つまりゲームの司令塔ですよね、けがをして秋の試合に出られなくなったらこっちが得だろう、そういう発言自体は、その解釈は別にして、当事者も認めている。 こういうことも含めて、これは場合によっては、監督あるいはコーチ、例えば傷害罪の共謀共同正犯若しくは教唆など、具体的な刑法上の罪状が問われてくるような部分があり得るのではないかと考えるわけでありまして、もちろんこの事案ということではなくて、さまざまなスポーツ、試合、類似の事案も先ほど紹介もさせていただきましたが、やはりその指示をした、あるいは指示をした可能性がある指導者、つまり監督やコーチ、この責任、刑法上の責任というのは、こういった事案、一般的に問われ得るという理解でよろしいでしょうか。
○大賀政府参考人 警察におきましては、法と証拠に基づいて所要の捜査を行って、まさに事案の具体的状況に即して適切に対応することといたしておりまして、個別具体の状況に応じて判断されるべきものと考えております。
○柚木委員 よもや、当該選手、実際に行為を行った当該者、当事者というのは当然責任も、通常、一般的には重いわけですが、その行為を実行した方にだけ法的な責任が問われる、そしてそのことを指示をしていないと否定をしている、しかし、否定はしていても、実際に日大が所属をしている学生連盟についても両指導者については除名処分ということでもありまして、そういった指示をしていないという発言については退けられている状況もあるわけですが、法的に、いや、自分たちはそんな指示はしていない、現場がそんたくしただけだ、そういうようなことで、よもや現場の選手にだけ法的な責任を万々が一にも押しつけられるようなことがあれば、今後の学生スポーツはもとより、教育上も大変な悪影響を及ぼしかねないというふうに思うわけであります。 今、一般的な御答弁をいただいているわけですが、今回こういう非常にさまざまな面に波及をしていて、影響も及ぼし得る、そういった捜査になるということに鑑みまして、一般的な実行者への責任は重いわけですが、当該選手にのみそういう責任の所在が求められるというよりも、やはり指揮、指導している立場の方々に対する法的な責任、先ほどは私は傷害罪の共謀共同正犯若しくは教唆というのにも当たり得るのかもしれないということを申し上げたわけですが、やはり指導監督者への法的な責任についてもそこは厳正に捜査あるいは対処をいただけるものと認識をしますが、それで認識としてよろしいですか、一般的に。
○大賀政府参考人 警察におきましては、捜査を尽くしまして、その具体的状況における証拠関係等に照らして厳正に判断をすることといたしております。
○柚木委員 ぜひ、捜査が、今もう日大からの聞き取り等も進んでいるということですから、これは、当該者のあの記者会見での発言そのものは、にわかにやはり信じがたい、受け入れがたいという一般の民意も含めて、しっかりと、まさに法と証拠に基づいて、やはり当該選手にだけ法的責任が押しつけられるようなことにはなってはならないと思いますので、そういった捜査をしっかりとお願いをしておきたいと思います。 時間があればスポーツ庁に聞きたいんですけれども、ほかの項目が終わって、ちょっとまた時間があればやらせていただきたいと思うので、ごめんなさいね、せっかく来ていただいているのに、時間の関係で次の質問に行きたいと思います。 資料の三枚目にもおつけをしておりますが、昨日、森友学園問題、財務省における公文書改ざん、これは、佐川前国税庁長官、当時の理財局長始め関係者全員が不起訴ということであります。 けさの主な報道を見ていても、「検察OB異論 市民ら憤り」、「罪問えるよう法改正を」、なぜ不起訴なんだ、あるいは、「背信の根 責任取らぬ政権」、「佐川氏ら全員不起訴」三十八人、「闇に葬らせない」、市民ら怒り、次の舞台は検察審査会に、「処分不服 来週にも申し立て」、大阪地検疑惑に切り込めず、「焦点は財務省調査に」、「強まる麻生氏責任論」などですね。社説にも、「森友文書改ざんで不起訴 国民を欺いた罪は消えぬ」など、非常に厳しい論調が相次いでいるわけであります。 これは、上川法務大臣、もちろん個別の事案といえども、このような、公文書の改ざん、そしてそれによって国民の財産である国有地が八億円も値引きをして払い下げられるような事態、そしてその中で、多くの国民の皆様が、この事案についてはまだまだ納得をしていない、安倍総理も、うみは出し切れていない、こうおっしゃる中で、このように、佐川前国税庁長官、関係者三十八人全員が不起訴であるということに対して、これは国民の理解が得られている、今回の全員不起訴、国民の理解が得られているとお考えになりますか。
○上川国務大臣 委員お尋ねの御質問でございますが、個別事件における検察当局の事件処理にかかわる事柄でございます。法務大臣として所感を述べることは差し控えさせていただきたいと存じます。 これはあくまで一般論として申し上げるわけでございますが、検察当局においては、法と証拠に基づいて刑事事件の捜査処理等を適切に行っているものと考えております。
○柚木委員 今の御答弁で多くの国民の皆さんが納得されますかね、大臣。実際に捜査を指揮した大阪地検の特捜部長が異例の、こういう場合、皆さん答弁そうなんですよ、異例の会見で説明しちゃっているんですよね。しかし、その説明の中に、まさに国民から見たときの疑惑の核心部分でもある官僚のそんたく疑惑、国有地売却問題の背景事情は一切説明していないですよ。 いわば、国民やあるいは検察OBの方も、直接こう言ってきていますよ、私のもとにも。これが全員不起訴だったら、過去に立件、起訴した大半が不起訴じゃなきゃおかしいと検察OBの方が言っているんですよ、しかも幹部。こういう三十八人不起訴の状況。 では、なぜ不起訴にしたのか。会見しているんですから、特捜部長も。端的にお述べいただけますか。なぜ不起訴なんですか。
○上川国務大臣 大阪地検におきまして、お尋ねの、前財務省理財局長に対し告発等がなされた、応接記録の廃棄、隠匿に関する公用文書等毀棄、証拠隠滅等事件、決裁文書の改変に関する公用文書等毀棄、虚偽有印公文書作成、有印公文書変造、証拠隠滅等事件などにつきまして、本年五月三十一日、犯罪の成立を認定すべき証拠が不十分だったと判断して、嫌疑不十分として不起訴処分にしたものと承知しております。
○柚木委員 今の説明も、国民の皆さんはもとより専門家の中からも、要は不起訴にするため、もっと言うと、まさにこの先の検察審査会で不起訴相当に持っていくための入念な捜査がこの間行われてきて今のような結論づけになっているという見方があるわけでありまして、今の説明、もちろん私の手元にも特捜部長の会見での説明の文書があるわけですけれども、例えば官僚の皆さんがそんたくをしたと。迫田さん、あるいはその後の佐川さん。迫田さんに至っては嫌疑なしですからね。佐川さんについても嫌疑不十分だけれども、特捜部長みずからも認めているんですよね、関与がないとの証拠はないと。 まあ、自分の利益を得ようとする目的の立証という意味においては難しいとか、あるいは、改ざんによって文書の趣旨が大幅に変わっていることというのが今おっしゃられた部分、条件だけれども、削除してもそこまでの改変ではないとか、いろんな解釈が今回の不起訴に対して述べられるんですけれども、一般の方々が見れば、そんたくをしたことで内閣人事局、今、官邸が幹部人事を全部握っていて、そんたくをすることで昇進、出世が約束をされる、逆にそんたくしなければ飛ばされる。事案は幾らでもありますね、実例は。あるいは、削除したけれども趣旨は大きく変わっていないと言って、まさに安倍昭恵夫人の関与、その他政治家の方々の関与、こういったものが削られていた。そして、その後いろんなことでまた資料が出てきて、どんどん明らかになってきている。これだけでも、まさに国民から見たら大幅な趣旨変更なんですよ。 一般の市民の方々が司法参加をする、そういう司法改革の趣旨とも全くかけ離れた今回の不起訴という状況だと思うわけでありますが、こういうことをやっていると、大臣、また検察不要論。かつて金丸自民党当時の副総裁が五億円のいわゆる裏金を受領されたということで、しかし、結果的に出頭もせず二十万円の罰金、そういうことで黄色いペンキが投げかけられた。いいことだと思いませんよ。だけれども、こんなことをしていたら、大阪地検特捜部も調書の改ざんとかがあって大変な時期がありました、二〇一〇年。まさに信頼を回復するための公正中立、迅速な捜査が行われているものと国民も期待していたのに、こういう結果であれば、これは本当に検察不要論ということになりかねないと思いますよ。そういう疑念、疑惑を、所管の法務大臣としてどのように払拭していくんですか、今後。いかがですか。
○上川国務大臣 委員御指摘がございました、この個別事件でございます。個別事件における検察当局の事件処理にかかわる事柄であるということでございまして、法務大臣として所感を述べることにつきましては差し控えさせていただきたいというふうに思います。 あくまで一般論として申し上げるわけでございますが、検察当局におきましては、法と証拠に基づいて刑事事件の捜査処理等を適切に行っているものと考えております。
○柚木委員 この事案では自殺者まで出ているんですよ、大臣。その方は本当に真面目で責任感が強くて、人のせいにしない、むしろ部下をかばう、そういう方が、公文書というのは官僚、役人にとって命だ、その命を改ざんさせられた、そのことを、まさに命を絶って抗議をした、こういう事案ですよ。御実家は、私の地元の方でもあります。大変評判のいい方だったと。お母様は亡くなられているけれども、お父様は心を痛めておられますよ、この不起訴。 きょうは日本版の司法取引施行の日ですよね、大臣。今見られているのは、官邸と検察で水面下で司法取引したんじゃないか、そういう疑念が、今回の三十八人全員不起訴によって高まっているんです。人が死んでいるんです。(発言する者あり)いや、もう本当、大塚さん、そういうやじ、やめてください、人が死んでいるんですから。(発言する者あり)やじはやめてください。ひとり言ですか。何を根拠にと言うから。 ぜひ、こういう、人がみずから命まで絶っている事案で、誰も責任をとらない、問われない。これ、司法取引、大丈夫ですか、こんな状況でスタートして。いかがですか。
○上川国務大臣 委員からのお尋ねの件、個別事件ということでございます。検察当局の事件処理にかかわる事案でございまして、法務大臣として所感を述べることは差し控えさせていただきます。
○柚木委員 このようなそんたく司法は本当にやめていただきたい。こんなことで司法取引を導入しても、国民の信頼は得られませんよ、大臣。 今後の検審も含めて、私は検察審査会改革についても、この間、この委員会でも何度も提案してまいりました。検審の行方も含めて、これは私がということではなくて、本当に国民、市民の皆さんが注視しているということをよくよく踏まえた対応をお願いして、ちょっと通告、ほかにも重要なものがありますから、次に入りたいと思います。 津山の事件の件でございます。 資料にもおつけをさせていただいておりますが、岡山県、私の地元でもございますが、七ページ目以降につけておきましたので、ごらんをいただければと思います。 この急転直下の逮捕劇、しかし、よくよく背景を調べていくと、この見出し、「「偶然見かけ家入った」 岡山・十四年前の女児殺害容疑逮捕」。私も同年代の娘を持つ父親としても、本当にいたたまれない事件でございます。「少女標的 過去三度有罪」なんですね。 次のページ以降にも、「面識なし」と。跡をつけて、時間を教えてと言って、そのまま家に入っていって凶行に及んでいるのではないか。しかも、「女児標的「百回以上」か」。これまでにトータル百回以上繰り返したと供述をしている、これは一五年五月の女子中学生に対する殺人未遂事件の公判で検察官が指摘をしている。 これはちょっと次のページに、この容疑者にかかわる事案、あるいはその可能性があるとも報じられている事案をまとめてみました。 二〇〇〇年にもともと、兵庫県明石で十歳前後の複数の女児に対して腹を殴ったり下着の中に手を入れたりした暴行と強制わいせつ容疑で逮捕。この時点で既に、七十件近く同じような犯行を繰り返したと供述をして、執行猶予。その後、精神科にも通院。 実は、二〇〇四年の津山市小三女児殺害で今回逮捕されるわけですが、その後にも、二〇〇九年、兵庫県姫路市で小学校一年から高校三年生まで、五人への傷害と暴行の罪で懲役四年の実刑判決をして服役。服役して出てきてすぐに、今度は兵庫県の姫路市で中三の女子生徒を刃物で刺す、一カ月の重傷、殺人未遂。この時点で、先ほどの、百回以上繰り返したと供述。そして、懲役十年の判決、服役中に、五月三十日逮捕ということになるわけです。 これは、警察庁、きょう、通告もしておりますけれども、今回、私の地元の岡山県警においても、もちろん、延べ六万人を超える捜査員が、本当に懸命な、そして地道な、継続的な捜査によって、重大事案、未解決事件を追う特命事件捜査係が一つ一つ漏らさず現場に足を運んだことが逮捕の端緒になった。ただ、捜査を長引かせてしまい、十四年もかかったことは被害者と遺族に大変申しわけなく思っているという謝罪をしています。 警察庁としても、こういう重大事案かつ未解決事件についての捜査の重点化を図られてきたとは思いますが、これだけ十四年にも及ぶ捜査の長期的な、逮捕までかかってしまったことに対して、御遺族の方々に対して、これは所轄の一課長が謝罪されていますが、警察庁としても、そういうお気持ちはおありでしょうか。
○大賀政府参考人 今回、被疑者の検挙に至ったものの、検挙までに十四年を要しておりまして、この間の御遺族の御心痛や地域住民の方々の御不安はいかばかりであったか、その心情を察するに余りあるところでございます。 ひとたび凶悪事件が発生すれば、被害者やその関係者はもとより、地域住民にも大変大きな不安を与えるものでございまして、警察としては引き続き、この種事件の被疑者の早期検挙に一生懸命努めてまいりたいと考えております。
○柚木委員 審議官、気持ちは伝わるんですけれども、県警の捜査一課長はこうも言っているんですよ。 事件発生以降、県警は最大の懸案と位置づけ、延べ六万三千人の捜査員を投入、捜査について大きなミスはなかったと思うが、捜査を逮捕まで長引かせてしまったことは何らかの責任があると。責任があるということまで言っているんです。 一言、警察庁としても、明確におわびの気持ちを御遺族に示されたらいかがですか。
○大賀政府参考人 岡山県警察におきましては、物証の少ない中で、事件の発生以降、一般からの情報提供を求めていたほか、類似の手口の事件を分析するなど、地道な捜査を継続して今回の検挙に至ったものと承知をいたしております。 しかしながら、先ほども申し上げましたけれども、検挙まで十四年間かかっており、この間の御遺族のお気持ちを思うと、大変心が痛む思いがございます。
○柚木委員 心は、それは痛むわけですよ。 やはり、今後、再発防止のための提案の質問をいたしますけれども、そこは、別に謝罪をしたからといって、皆さんの責任を問うつもりはないんですよ。 事前にお願いしておきましたよ。御遺族に寄り添った、あるいは、未解決事件、私も今回の質問に立つに当たって、いろいろなものを取り寄せて読みましたよ。幾らもある、数え切れないぐらいある、こういう事案が。凶悪犯罪の認知件数の一割以上が未解決というデータもありますし、こういうそれぞれの遺族の方々の声を、報道を読めば、本当に身をかきむしられるような思いになりますよ。 だから、被害者に寄り添った謝罪の言葉を一言冒頭いただきたいと事前に申し上げていたのに、残念ですよ。 具体的な提案をいたします。 資料にもおつけをしておりますが、この間も私、犯罪の矯正について、特に性犯罪者の矯正プログラム、これは保護観察中のものや、あるいは刑事施設における同様のプログラムについての分析結果をつけておるんですけれども、今回の受刑者、容疑者においては、残念ながら、先ほどの九ページ目の資料にもつけておきましたけれども、このようなプログラムを受講していたにもかかわらず、再犯、殺害、しかも近隣の未解決事件として、二〇〇六年、七年の同じ兵庫県内、小四女児、小二女児、塾の帰宅中見知らぬ男に胸を刺される、あるいは腹部を刺され死亡、未解決事件にもひょっとしたら関与している可能性があるのではないかとも報じられている。 私は、このプログラム等を含め、しっかりとした対応が例えば二〇〇〇年段階でなされていれば、ひょっとしたらそれ以降の事件も防ぎ得た可能性があるのではないかと、調べていくうちにそのような考えが深まっているわけでございます。 こうしたプログラムが今後、これはまさに今そのプログラムの検証を行って、来年度にもそれぞれその検証結果を踏まえて、さらなる改善が行われるやに聞いておるわけでございますが、ぜひこれは警察庁の方にまず先に聞いておきたいと思います。 こういうプログラムが十全に機能し、そして警察庁に聞きたいのは、こういった性的な犯罪を犯してしまう加害者は再犯率ももちろん高くて、そしてその犯罪類型を分類した上でデータベースなどを各県警間で共有する仕組みをつくっているはずですが、それが十分に活用されていたならば、今回のような都道府県をまたがるような事件により迅速に対応して、十四年に至らずとも、犯人の逮捕、検挙に至った可能性があるのではないかと考えるわけですが、どのような情報の共有のあり方をしてきたのか、あるいは今後改善の余地があるのかないのか、こういった点について、警察庁、お答えいただけますか。
○大賀政府参考人 警察におきましては、犯罪捜査に必要な情報を総合的に分析するため、犯歴などを含めたデータベースを構築して、これを全国警察が活用するなどによって、効率的、効果的な捜査の推進に努めているところでございます。 そのほか、個々の事件の具体的状況に即しまして都道府県警察間で必要な情報交換を行うなどしているところでございまして、引き続き、必要な情報共有等により、凶悪犯罪の早期検挙に努めてまいりたいと考えております。
○柚木委員 これは二〇〇〇年以降の表をつけているわけですが、実際には二〇一五年の事案の後の任意の聴取で自分の関与を述べて、逮捕につながっているわけですが、二〇〇九年の時点でも、しかも実刑四年で出てきた後に、また二〇一五年にこういう事件を起こしてしまっているわけです。この時点でも、例えばそういうデータベースを十分に共有、活用していれば、私は逮捕に至った可能性もあると思います。二〇〇九年か一五年、今一八年ですよ、九年違います。 十四年間の中で、御遺族はもとより、同級生の方々、地域の方々、犯人がまだその辺に潜んでいるかもしれない、一日も侑子ちゃんのことを考えなかった日はない、家族はもとより、同級生の方も、忘れた日はない、不安だった、そう述べておられます。 少しでも早く犯人を検挙していれば、そういった御負担を少しでも軽減を、心痛を減らすこともあり得たわけでありまして、例えば二〇〇九年、こういった部分も含めて十分にさまざまな捜査情報や犯罪者のプロファイル等の共有、活用があれば、もっと早く逮捕できた可能性は、これは率直にあるというふうに思われませんか、警察庁。
○大賀政府参考人 岡山県警察におきましては、物証の少ない中で、地道な捜査を継続し、今般の検挙に至ったものと承知をいたしております。十四年もの時間が経過して逮捕に至ったということに関しましては、繰り返しになりますけれども、御遺族の御心痛あるいは地域住民の御不安、大変なものがあったと承知をしております。 現在、捜査中でございまして、まずは捜査により全容解明をした上で、今後の捜査に生かしてまいりたいと考えております。
○柚木委員 もちろん、県警は頑張っています。だけれども、その県警の皆さんを突き動かしたのは、やはり御遺族なんですよ。欠かさず、侑子ちゃんが命を奪われた日に、情報提供を求めてビラの配布を続けて、過去の未解決事件のさまざまな事案を調べました。御遺族の方々は、時効が撤廃されたのはいいことだと思いますけれども、時効があろうがなかろうが、一生しょって生きている。そういう中で、県警の皆さんの尽力もあってこうなっている。 統括をする警察庁において、やはり早期逮捕の可能性も含めてちゃんと検証してもらって、現場をそうやって評価をしていただくのはいいことですけれども、やはり、より早期の、未解決事件はまだたくさんあるわけです。この逮捕によって、自分たちの事件もひょっとしたら解決するかもしれないと多くの未解決事件の被害者、御遺族の方が思っておられる。それも含めて、ぜひ検証、対応いただきたい。 そして、法務大臣、先ほど少しお話ししましたが、私は、矯正局の性犯罪再犯防止指導、それから保護局の保護観察所における性犯罪者処遇プログラム、それぞれ検証の資料もつけておりますが、こういったことを、まさに今、効果検証をされていくに当たって、今回の事件のような重大な事件を再度起こさないようにするためにも、さまざまな類似の事案も踏まえた効果検証、そして指導やプログラムの改善を行ってほしいと切に考えるわけでございますが、ちょうどまさに、それぞれ評価、検証を行って、その結果を踏まえて今後の改善につなげるということですから、今回の事案も含めた評価、検証、改善を行っていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○上川国務大臣 冒頭、岡山県津山市で発生した殺人事件、大変痛ましい事件でございまして、亡くなられた被害者の方の御冥福を心からお祈りするとともに、御家族に心からお悔やみを申し上げる次第でございます。十四年間、愛する、いとおしいお子様のことを思い続け、抱え続けてこられた大きな苦しみや悲しみということを思うと、言葉もないわけでございます。 ただいま、政府では、再犯防止についての取組をいたしておりますが、これはまさに、新たな被害者を生まないということを大きな目標に掲げて取り組んでいるところでございます。とりわけ、性犯罪に関しての課題につきましては、強くこの再犯防止の中でも取り組んでまいりたいというふうに考えておりまして、私も、このことについて、本年四月に法務省内にも、性犯罪に関する施策検討に向けた実態調査のワーキンググループ、これを立ち上げたところでございます。 今回の事件を含めまして、過去の重大な事件について、どういう経緯で事件に至ったのか等を具体的に考察することも含めまして、効果検証をするとともに、こうした検討を保護観察における指導や助言にしっかりとつなげて、改善を図ってまいりたいというふうに思っております。
○柚木委員 時間が来たので、スポーツ庁、ちょっと質問できなくて申しわけありませんが、お願いだけして。 ぜひ、これは関東の学生連盟等に任せておくんじゃなくて、皆さんが主体的に指導力を発揮していただいて、そして、アメリカのNCAAのような大学横断的な組織を設けて、これはアメフトのみならず、オリンピックもあるわけですから、ぜひ、問題があったときの、本当に今回、初動のおくれが被害拡大につながっていると思いますので、原因究明、再発防止に取り組んでいただく、そのためのまさにNCAAのような組織の準備も進んでいるということでありますから、そのあたりもお願いをして、質疑を終わりたいと思います。 どうもありがとうございました。
○平口委員長 次に、藤野保史君。
○藤野委員 日本共産党の藤野保史です。 きょうは、まず、司法修習生のうち給費ないし給付の支給を受けられなかった世代、いわゆる谷間世代の問題についてお聞きをいたします。 谷間世代と言われる方々は、弁護士のみで約九千七百人、裁判官、検察官を含めますと約一万一千人に達しております。このうち、修習期に貸与を受けている、こういう方々は八千百六十一名というふうに伺っております。ことしの七月二十五日からまさに返済が始まっていくということでありまして、逆に言いますと、今ならまだ返済猶予あるいは免除などの政治決断というものができる時期であるということであります。 一昨日、私、この谷間世代の若手の弁護士の皆さんから直接お話を聞かせていただきました。返済猶予を求める署名というものは三千三百四十一筆に達している、短い期間にそれだけの声が寄せられているとお聞きをしました。 伺った中で私が非常に特徴だなと思いましたのは、経済的な困窮もさることながら、この返済の負担によって、いろいろなことにチャレンジしていくチャンスが失われている、あるいはチャレンジすることにどうしてもちゅうちょをしてしまうということでありました。 例えば、中小企業の法務あるいは生活保護の申請援助などをやっているという方がいらっしゃったんですけれども、この事務所では事務員の方が三人いらっしゃって、その給与も払わないといけない。要するに、経営のバランスを見ながらやっていかなきゃいけなくて、売上げによっては、先ほど言ったような社会的な活動をセーブする可能性もあるとおっしゃっていました。 また、軒弁だとおっしゃる六十七期の方は、二、三年後には自分の返済の番が回ってくる、返す分も今からもう考えながら、社会的弱者のための仕事はやはり返済がない状況と比べると一定の制約があるというふうにおっしゃっておりました。 逆に、もしその負担がなかったらどうですかとお聞きをしましたら、こうおっしゃっていたんですね。北海道の方ですが、北海道南部は田舎が広がっている、地方の相談にも今はなかなか行けないけれども、こういう負担がなければ、出張といいますか、無料の法律相談ができるんじゃないか、こういうことをおっしゃっていましたし、アンテナを張って新しい分野に挑戦できるという方もいらっしゃいました。 また、こうもおっしゃっていたんですね。一万人近い若手弁護士が今頭を働かせるチャンスを逃している、この負担によってアンテナを張るチャンスを逃している、この状態が今後十年続くんです、これは大きなロスじゃないですかというふうにおっしゃっていたのを、本当にそうだなと思ってお聞きをしました。 新たに起こってくる社会的な新しい問題に弁護士としてアンテナを張って、自分ならこういう役割を果たせるんじゃないかと思いたいんだけれども、そこがなかなかやはり思えない、気づいてもちゅうちょするという声でありました。 私の事務所でお伺いしたんですけれども、ここに来れる人はまだましなんだというふうにもおっしゃっていたんですね。本当に困っちゃって来れない、実際には声なき声もたくさんあるというふうにお聞きをしました。 法務省にお聞きしたいんですが、この貸与金を借りた方を対象にした返済猶予制度というのがあるとお聞きしておりますが、現時点で、この返済猶予を申請された、これは何件あるんでしょうか。
○笠井最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。 猶予の申請件数でございますけれども、五月三十一日現在で三十二件でございます。
○藤野委員 先ほど言いましたように、貸与されている方は八千人を超えているんですが、しかしこれは三十二件と。一%にも達していないわけであります。 法務省にお聞きしたいんですが、返済猶予の要件というのはどのようになっていますでしょうか。
○小出政府参考人 お答えいたします。 司法修習生に対する貸与金につきましては、裁判所法の規定によりまして、災害、傷病その他やむを得ない理由により返還が困難となった場合や、返還が経済的に困難である事由として最高裁判所の定める事由がある場合には、最高裁判所に対して、その返還期限の猶予を申請することが可能とされております。 このうち、返還が経済的に困難である事由につきましては、最高裁判所規則の定め等によりまして、返還期限前一年間の収入、この収入は、法科大学院における修学のための借入金の返済額を控除した金額となっておりますが、この収入が給与所得のみの者については三百万円以下、またそれ以外の者については、必要経費、この必要経費には弁護士会費等も含まれる扱いでございますが、この必要経費控除後の額が二百万円以下である場合とされているところでございます。
○藤野委員 この要件が、なかなか現実的に合っていないということもお聞きしました。 配付資料の一が、ビギナーズ・ネットの皆さんが集められたアンケートであります。わずか一カ月の間に百二名の方から回答があったと。これはちょっと資料の出し方があれだったかもしれないですが、実際にはこういう紙で、アンケート項目があって、最後のところに自由記入欄がありまして、ここの部分を配付資料で幾つか紹介をさせていただきました。実際にはもっと多くの声が寄せられております。 ここにありますように、猶予の要件は非現実的で、実際にはこれに該当しなくとも、返還は相当大きな負担になりますと。所得二百万円以下は猶予の要件として厳しい、そんなのなかなか満たせない。猶予の条件が狭過ぎる。あるいは、返済免除にすべき、生活が大変苦しい。こういった声が多く寄せられております。これらの声をやはりしっかり受けとめていただきたいというふうに思うんですね。 法務省にもう一点確認したいんですが、返済猶予の申請の締切りはいつか、それを過ぎるともう申請できないのか。端的にお願いします。
○笠井最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。 返済猶予申請の提出期限ですが、一応、五月三十一日というふうにさせていただいております。この五月三十一日という期限は、猶予申請の承認手続に相応の日数を要することを踏まえまして、返還期限である七月二十五日までに承認手続を完了するという観点から案内させていただいているものでございます。そのような提出期限ということでございますので、提出期限経過後も申請することは可能でございます。
○藤野委員 五月三十一日以降もできるということで、これは引き続き周知を求めたいというふうに思います。 日弁連が、ことしの五月二十五日に決議を上げております。これは、谷間世代に対し何らかの適切な事後的措置を講じること、及び、二〇一八年七月二十五日までにそうした措置が講じられない場合は、その措置を検討するために返済期限を当面一年間延期すること、これを求めた決議であります。 わずかの期間で三千三百を超える署名が集まり、このアンケートも百通を超えて集まっている。この事実というのは、私は非常に重いというふうに思っております。谷間世代の救済に向けて議員立法の動きもあるわけでありまして、これは与野党を超えて対応していく、救済していくということを強く求めたいというふうに思います。 次に、テロ等準備罪、いわゆる共謀罪についてお聞きをしたいと思います。 昨年の七月十一日に施行されまして、約十カ月が経過をいたしました。法務省にお聞きしたいんですが、これまでにテロ等準備罪、私たちが共謀罪と呼んでいる、この適用は何件でしょうか。
○辻政府参考人 テロ等準備罪処罰法施行後におけるテロ等準備罪の起訴件数でございますが、ゼロ件であると把握してございます。
○藤野委員 ゼロ件ということであります。 配付資料の二を見ていただきますと、これは、警察庁が昨年の六月二十三日に出された通達であります。ここにおきますと、下の二行の方に、「法の適正な運用を図る観点から、当面の間、下記の要領により警察庁への報告を求めることとしたので、事務処理上遺漏のないようにされたい。」というふうにあります。報告先は警察庁事件主管課、報告時期が、「一の罪について、捜査を行おうとするとき。」というふうにあるんですね。 警察庁にお聞きますが、この「捜査を行おうとする」という報告は何件でしょうか。
○大賀政府参考人 今のところ、警察庁への報告はございません。
○藤野委員 これはまだないということであります。 その上でちょっと確認したいんですが、この「捜査を行おうとする」というのは、具体的にはどういうことになるんでしょうか。
○大賀政府参考人 刑事訴訟法では、「司法警察職員は、犯罪があると思料するときは、犯人及び証拠を捜査するものとする。」とされておりまして、御指摘の定義につきましては、テロ等準備罪に関する嫌疑があって捜査が行われようとするときということでございます。
○藤野委員 いわゆる、私もこの委員会で取り上げました大垣事件、住民の皆さんが自然エネルギーの勉強会をやっていたら、その勉強会に参加した人の個人情報を警察が収集し、提供していたという事件ですけれども、この捜査のはるか以前から、勉強会の時点からそうしたプライバシー侵害のような捜査が行われていたという事案があるわけで、テロ等準備罪、共謀罪のもとで、こうしたことがいわゆる通常の警察活動の一環として行われていく可能性が更に高まっているというふうに思います。 ですから、この問題は引き続きしっかりと追及したいと思いますし、この点でも、野党は今、共謀罪廃止法案を共同で提出しております。この審議入りもぜひ強く求めたいというふうに思います。 そして、次に、きょう六月一日から、いわゆる合意制度、司法取引制度が運用が始まるということであります。 上川大臣は、ことしの三月の二十三日、当委員会での私の質問に対しまして、虚偽の供述によって第三者が巻き込まれるということがあってはならないというふうに答弁をされました。そのとおりだと思っておりまして、ただ、本来、取引という場合には、対等な当事者が行うものだと思うんですけれども、実際は、やはり被疑者、被告人と捜査、訴追側には大変大きな力の差があるわけであります。そのもとでの取引、そのもとでの合意というものには大きな危険が私は内在されているというふうに思うんです。 問題は、そうした内在的な危険をどう防止していくのか、その具体的な制度的担保があるのかということであります。 大臣にお聞きしたいんですが、こうした巻き込みの危険、冤罪の危険にどのような防止策を考えていらっしゃるんでしょうか。
○上川国務大臣 御質問をいただきました合意制度でございますが、被疑者、被告人が虚偽の供述をして第三者を巻き込むおそれがある、こうした御指摘がございます。そこで、改正刑事訴訟法におきましては、そのような事態が生じないように手だてが講じられているところでございます。 まず、協議の開始から合意の成立に至るまで常に弁護人が関与する仕組みとしております。また、合意に基づく供述が他人の公判で使われるときは、合意内容が記載された書面が当該他人にも裁判所にもオープンにされ、供述の信用性が厳しく吟味される仕組みとしております。さらに、合意をした者が捜査機関に対して虚偽の供述等をした場合には、新設の罰則による処罰の対象となります。 このように、合意制度につきましては、虚偽の供述により第三者を巻き込むおそれに適切に対処することができるよう、制度上の手当てが複合的に講じられているものと考えております。
○藤野委員 複合的な手当てとおっしゃるんですが、きょうは、そのうち、いわゆる合意内容書面についてお聞きをしていきたいというふうに思うんです。 検察庁はことしの三月十九日に依命通達を出されていると思うんですね。配付資料の三は、その中から抜き出させていただいたものであります。 上の方が十ページにありますところで、これは、協議における聴取、司法取引における聴取も協議の一環であって、合意に向けた交渉としての性格を有するものであることから、自由な協議が阻害されることのないよう配慮する必要があり、基本的には録音、録画になじまないというふうにされております。 他方、十三ページ、これは下の方ですけれども、合意後についてですが、合意に基づく供述については信用性判断が慎重に行われることとなることに鑑み、合意が成立した後、合意に基づき検察官が本人の取調べを行う場合は、基本的には、取調べの録音、録画の試行対象事件として、録音、録画を実施することとなろうというふうにしているんですね。 つまり、合意に向けた交渉過程は録音、録画しない、合意が成立した後は録音、録画を実施する。 法務省にお聞きしますけれども、これは何でこういう違いが出てくるんでしょうか。
○辻政府参考人 お尋ねの点につきましては、基本的には、ただいま委員から御紹介いただきました合意制度の運用に関する当面の考え方という書面に記載されているとおりでございますけれども、協議における聴取というものは、合意をするか否か、あるいは合意の内容等について相互にやりとりを行う協議の一環でありまして、ここにも書いてございますとおり、合意に向けた交渉としての性格を有するものであることから、自由な協議が阻害されることのないよう配慮する必要があり、基本的には録音、録画になじまないというふうに考えているところでございます。 なお、協議には弁護人が必要的に関与することとされておりますので、協議における聴取の場も、被疑者あるいは被告人のみならず、弁護人もその席にいるというところでございます。 他方、合意後の取調べにつきましては、そこで得られた供述の信用性が慎重に判断されることに鑑みまして、検察当局においては基本的に録音、録画を実施することになるものと考えられておりまして、こちらの方は、協議における聴取あるいは協議と異なりまして、通常の取調べであるという性格の違いがあると考えてございます。 なお、検察におきましては、協議の機能を阻害することなく、また、協議の過程を適切に記録するという観点から、協議に関する日時、場所、協議の相手方、協議の概要を記載した協議経過報告書を作成することとしているものと承知しております。
○藤野委員 いろいろおっしゃいましたけれども、その協議のもとで今まで実際には任意性や信用性に欠ける供述が行われてきたわけでありますから、このことを踏まえれば、そういう合意に至る経過、合意の後は録音、録画するんですけれども、一番大事な合意に至る経過、これはやはり録音、録画の対象から外すべきじゃないというふうに思うんですね。 角度を変えてちょっと聞きたいんですが、配付資料の四、これはことしの五月十五日に警察庁が改定された犯罪捜査規範であります。 ここのところに合意制度の導入関係というのがありまして、そこにこう書いてあるんですね。ちょっと真ん中ぐらいのところですけれども、検察官は、他人の刑事事件の捜査に当たり必要があると認められる場合には、被疑者等及びその弁護人との協議における必要な行為を司法警察官にさせることができると。要するに、検察官じゃなくて、警察官にその協議、つまり司法取引をさせることができると書いてあるわけです。 その後で、この下に、「供述の求めを実施するに当たって必要な手続を厳に遵守することにより、」それで、黄色く塗っているところですが、「いやしくも当該供述の求めが実質的には取調べであるとのそしりが生じないようにする必要があるため、協議における必要な行為として行う供述の求めは、取調べとは明確に区別して行わなければならないこととした。」こういうふうにしてあるわけであります。つまり、要するに、実質的には取調べである、その取引の求めというか、取引が実質的には取調べであるというそしり。 これは大臣にお聞きしたいんですが、要するに、警察自身がこういう危険性を認めているわけですね。大臣も同じ認識ということでよろしいでしょうか。
○平口委員長 辻刑事局長。(藤野委員「いやいや、大臣の認識。警察と同じ認識ですかという」と呼ぶ) 辻刑事局長。
○辻政府参考人 ちょっとまずは私の方から……(藤野委員「あなたは長いんだよ」と呼ぶ)わかりました。済みません。 最高検察庁が発出した合意制度の運用に関する当面の考え方におきましても、本人が協議における聴取と取調べとを区別して供述できるとは限らないことも考慮いたしまして、協議中は、基本的には、並行して本人の取調べを行うことを差し控えることとしておりまして、協議における聴取と取調べは性格が異なるものであるということを前提にしておりまして、警察庁の通達もこれと同趣旨のもの、同様の前提に立っているものと考えております。(藤野委員「大臣にお願いします」と呼ぶ)
○上川国務大臣 協議における聴取については、協議の一環であるということで、合意に向けた交渉としての性格を有するものであり、自由闊達な協議が阻害されることのないよう配慮する必要があることから、協議における聴取は基本的には録音、録画になじまないものと考えられるところでございます。先ほど刑事局長が答弁したとおりでございます。 もっとも、合意後の取調べにつきましては、そこで得られた供述の信用性が慎重に判断されることに鑑み、検察当局におきましては基本的に録音、録画を実施することになるというふうに考えております。
○藤野委員 私が聞きましたのは、配付資料の四にありますように、警察庁自身が、いやしくも当該供述の求めが実質的には取調べであるというそしりが生じないようにする必要があると。ですから、実質的に取調べとなる可能性がある危険があると警察庁自身が認識している、大臣も同じ認識ですかということなんです。端的にお答えください。
○上川国務大臣 最高検察庁が発出した合意制度の運用に関する当面の考え方におきましても、本人が協議における聴取と取調べとを区別して供述できるとは限らないことをも考慮して、協議中は、基本的には、並行して本人の取調べを行うことを差し控えることとするとしておりますが、これは、協議における聴取と取調べ、性格が異なるものであることを前提としているものであるということでございます。
○藤野委員 全くお答えにならないんですね。 配付資料の五の前段の方ばかりおっしゃるんですが、その後ろの方を読んでほしいんですね。配付資料の五の「もっとも、」以下です。今、差し控えるとおっしゃいましたけれども、あくまで基本的にはでありまして、もっとも、被疑者を勾留している場合、勾留期間が限られているため、証拠品の処分等、協議における聴取とは直接関係のない事項について取調べを行うことは差し支えないと。つまり、取り調べることができるというふうに書いてあるわけです。 ちょっと確認しますけれども、直接関係するかどうか、これを判断するのは誰ですか。
○辻政府参考人 協議と並行して取調べを行うことを、この合意制度の当面の考え方におきましては一定程度認めているのは御指摘のとおりでございますけれども、そこに記載されてございますように、証拠品の処分等ということで……(藤野委員「誰が判断するんですか」と呼ぶ)これはちょっと前提を少しだけ。証拠品を所有権放棄するのかどうかといった点についての、全く協議対象とは関係ないものについて例外的に認めたものと考えてございます。 その判断主体でございますけれども、基本的には、当該事件の担当検察官において判断することとなるものと考えております。
○藤野委員 ですから、捜査機関が判断できちゃうわけですね、直接関係するかどうか。取調べできるともう書いている。そういう意味では、これは本当に、防止する制度的保障がないと言わざるを得ないんですね。 配付資料の四のいわゆる犯罪捜査規範では、取調べとは明確に区別して行わなければならないと言っておきながら、配付資料の五の通達では、直接関係のない事項について取調べを行うことは差し支えないというふうに、全く違うことを書いております。 結局、関係するかどうか、直接関係ないと判断するかどうかは訴追側ということでありまして、これでは本当に、供述の信用性を検証する、そういう合意に至る経過を検証する仕組みがないわけですね。 先ほど、協議経過報告書ということもおっしゃいました。しかし、これはいわゆる提出義務はないわけですね。法律に基づく提出義務がかかってくるのは合意書面だけであります。この協議報告書については、証拠調べ請求して初めて出てくるものでありますし、そもそもこの協議経過、どんなものを書くのかというのは非常に漠然としか決まっていないという状況です。 配付資料の六を見ていただきますと、これが現時点での提出義務がかかっている合意内容書面でありまして、これは要するに、被疑者はこれをやらなきゃいけないということが七つも挙がっている、大変被疑者を縛りつけるようなことばかりが並んでいるわけですね。 これは、実際こうした形で本当に巻き込み、引込みの危険を防止できるのか。 配付資料の七を見ていただきますと、これは日弁連がドイツを調査した、司法取引制度に関するドイツ連邦共和国調査報告書、二〇一六年六月のものであります。 ちょっと多いんですが、四ページにわたる合意書面のサンプルというものを紹介させていただいております。非常に詳細なんですね。電話の連絡や休憩時間も含めて、協議の初めから終わりまでずっと書いてある。これだとわかるんですよ、こういう雰囲気だったとか、途中休憩を挟んだねとか。 ドイツでは、刑事訴訟法の二百四十三条の第四項で、公判外のあらゆる協議に関して重要な内容の報告を要求しておりまして、その報告は調書に記載しなければならないというふうに求められております。 配付資料の八を見ていただきますと、これは日弁連の指摘ですが、「二〇一三年には、連邦憲法裁判所が、法律の合憲性を肯定しつつも、そのような非公式合意に厳しい警鐘を鳴らした。特に、合意に至る協議過程の透明性(可視化)を図るため記録義務の履行を強く求めた。」七十一ページには、「我が国の運用上も大いに参考になる」、「協力型取引の協議である以上、ドイツの例より詳細な経過を記録することが要請されているとも考えられる」というふうに指摘をされております。 そういう意味で、過程が大事だというのが日弁連あるいはドイツの実態が示している指摘だと思うんですが、大臣、この指摘をどのように受けとめますか。
○山下(貴)大臣政務官 外国の法曹の経験もございますし、また検事としての経験もございますので、一点申し上げておきます。 まず、ドイツに関しましては、これは自己負罪型でございまして、自己負罪型というのは、罪を認めることによって一定の手続が……(藤野委員「日弁連もそう書いているじゃないですか」と呼ぶ)いやいや、手続が省略されるから慎重な手続が必要だということなんです。ドイツで、今、捜査協力型で必要なものについては王冠証人なんです。ですから、ここは混同なきようにお願いしたいと思っております。 そして、もう一点は、その協議においての信用性をいかに担保するかにつきましては、弁護人の関与が必要的だということになっております。そのもとにおきまして協議がなされるということは、一点付言させていただきたいと思います。
○藤野委員 配付資料にもありますように、日弁連自身が、ドイツは自己負罪取引である、しかも、こっちは裁判官が関与している、大きな制度の違いはあるけれどもという前提でこういう指摘を行っているわけであります。 弁護人の関与とおっしゃられましたけれども、協議が始まって以降なんですね。私がずっと問題にしているのは、協議が始まる前を含めて、要するにその過程も含めて透明化が必要ではないかという指摘であります。 大臣、この点についてどうですか。
○平口委員長 時間ですから、早くしてください。
○上川国務大臣 合意制度におきましては、協議の過程につきまして録音、録画を義務づけていないとしても、合意に基づく供述の任意性、信用性が担保される、こうした仕組みをつくっているところでございます。 先ほど来刑事局長が答弁したとおりでございまして、検察当局におきましては、合意制度の運用に関する当面の考え方に記載されているとおり、合意制度の運用に当たりましては、協議の経過に係る記録を作成をして、事件記録として適切に保管することとしているものと承知をしております。
○藤野委員 もう終わりますけれども、その協議の記録というのもまだこれからの運用にかかっているわけであります。現時点でいえば、合意に至る吟味の検証について、日本では制度的担保がないまま司法取引制度がスタートしようとしている。今後、こうした運用の実態を公表することも含めて、厳しくチェックをしていきたいということを申し述べて、質問を終わります。
○平口委員長 次に、串田誠一君。
○串田委員 日本維新の会の串田誠一です。 きょうは、受刑者と病気治療ということについてお伺いをしたいと思います。 服役をして、反省をし、また更生をしていただくということは必要でありますけれども、人権の観点から、病気になった場合には適切な治療というものもまた必要ではないかなと思うんですけれども、その前に、通告の後に、昨日、横浜刑務所で受刑者による首つりが行われました。この場合、午前四時ということなんですけれども、独居房だったのか雑居房だったのか、その点、通告がないので資料がないかもしれませんが、おわかりの範囲内で御説明いただきたいと思います。
○富山政府参考人 お答えいたします。 お尋ねの事案でございますが、単独で拘禁されている居室で自殺をはかったという事案でございます。
○串田委員 その点について、情報的なものが上げられているものがあるかとは思うんですけれども、私の方でちょっと確認できなかったので。 雑居房であれば、午前四時とはいえ何がしかの不審な動きというのがわかったんじゃないかなと思うんですが、逆に、独居房ということで、メンタル的な部分というものがもしかしたらあるのかな。きょうは、どちらかというと、疾患というか、メンタル的な部分以外の部分についての質問をさせていただくんですけれども、そういったような部分のメンタル的なケアもしていかないと、こういったようなことが起きるのかなと。 あとは、シーツを破って首をつったということでありますが、そこら辺、何か、首をつるとなればシーツだとかあるいは衣服だとかということになるんでしょう、そこら辺の部分で、破れにくい素材というか、そんなようなものを開発していくということも必要なのかなと思うんですけれども、最初に、受刑者の数と、今現在、受刑中で治療中の数の割合といいますか、数を教えていただきたいと思います。
○富山政府参考人 お答えいたします。 医師の処方による投薬を受けるなど継続的に治療を受けている者の数なんですが、毎年十月の初めに統計をとっております。 今、受刑者というお尋ねをいただいたんですが、治療中の者の統計というのが、実は私ども既決というとり方をしておりまして、基本的には受刑者なんですが、それに加えまして、罰金を完納しないことによって労役場留置に処されている者なども若干含まれております。 その数字を申し上げますが、平成二十九年十月二日時点で三万二千百七十二名、これが継続して治療を受けている者でございます。ちなみに、全く同じ日の統計ではないのですが、平成二十九年九月末日時点における、同じく既決の者の数が四万八千百二十三名となっておりまして、およそ三分の二ぐらいの者が継続的な治療を受けている状態でございます。
○串田委員 今、数字を説明いただいたんですが、予想以上にすごく数が多いのかなということなんですけれども、何か、ぐあいが悪いということを言う前に、健康診断というものは行われているんでしょうか。
○富山政府参考人 お答えいたします。 刑事施設は法令に基づいて強制的に身柄を収容する施設でございますので、受刑者の健康管理を適切に行う責務を担っておるということで、基本的には、収容の開始後速やかに入所時の健康診断を行うということと、その後も、毎年一回以上、定期の健康診断を行うとされております。 入所時の健康診断につきましては、既往症、生活歴及び家族の病歴を聞き取ったり、自覚症状及び他覚症状を聞き取る、身長及び体重並びに視力及び聴力を測定する、血圧を測定する、尿中の糖及びたんぱくの有無を測定する、ここまでの項目は必ず行うこととされております。その余に、胸部エックス線撮影、あるいは血色素量、赤血球数など、ほかにも幾つかの項目があるんですが、これらについては医師が必要と判断した場合に行うとされております。 また、その後の、年に一回以上行う定期健康診断においては、既往歴、生活歴、家族の病歴は一回聞いておりますので、こちらは医師が特に必要と認めなければ省略されますが、自覚症状、他覚症状の聴取、それから体重の測定、血圧の測定、こちらは必ず行います。尿中の糖、たんぱくについては、医師が必要がないと判断すれば省略をされます。一方、胸部エックス線については、入所時は医師の判断次第だったんですが、毎年の健康診断では必ず行うというようにされております。
○串田委員 疾患に関して、他覚症状の場合にはレントゲンだとかそういったようなことでわかるんでしょうけれども、一番問題なのは自覚症状なのかなと思います。 特に、懲役刑というのは、役に懲らしめるという、禁錮刑と違って、そういう作業をしなければいけないということを科せられた刑であるということなんですけれども、一方、自覚症状だけであれば、場合によっては詐病というものもあり得るのかなと思うんです。受刑者がぐあいが悪くなったと言ってきたときの対応、詐病なのか本当にぐあいが悪いのか、全部、他覚症状的に確認できるというほど医療も進歩しているわけではありませんので、そこの区別というのは非常に難しいと思うんですけれども、ぐあいが悪くなってきたときの対応というのはどういうふうにしているでしょうか。
○富山政府参考人 お答えいたします。 受刑者から、負傷し、又は疾病にかかっているという旨の申出があった場合、あるいは、受刑者から申出がなくても、職員が観察をして、負傷なり、動静等から疾病にかかっているおそれがあると認識するような場合には、医師が直ちに診断する場合もございますし、まずは准看護師あるいは看護師の資格を持つ職員が状況を確認し、バイタル等を測定するなどして医師に報告をして、医師の判断を仰いで、診察を行うといった場合もございます。 まさに委員おっしゃるとおり、いわゆる詐病と我々呼んでいますが、全くどこも悪くないのに、ぐあいが悪い、医者に診断したいと訴えるようなケースもあります。そういったケースが余り多くなりますと医者の方が対応できなくなりますので、看護師、准看護師が一旦様子を見て、医師に報告をして、その上で診療につなげていくというような形を行っているところでございます。
○串田委員 今度は、どのような疾患が一番多いのかというのをお聞きしたいんですが、先ほど横浜刑務所の例を挙げました。メンタル的な意味で自殺をしたということで、遺書もあったということで間違いなく自殺なんでしょうけれども、非常にそういう意味で、精神的な疾患というのが一番見つけにくいのかなと思うんですけれども、受刑者の中で、疾患の割合というものを御説明いただきたいと思います。
○富山政府参考人 お答えいたします。 先ほど申し上げました平成二十九年十月二日時点における既決の被収容者について、罹患している疾患で最も多いのは高血圧性疾患に代表される循環器系の疾患でございまして、全体の二〇・四%を占めております。二番目に多いのが、覚醒剤ですとかアルコールなど、精神作用物質を使用したことによる精神及び行動の障害ということで、これが全体の一三・五%。三番目に多いのがウイルス性肝炎等の感染症及び寄生虫症で、全体の一一・四%。上位三位ですけれども、そのような順位となっております。
○串田委員 ちなみに、視力が悪くなったというような場合には、眼鏡とかという支給も行われているんでしょうか。
○富山政府参考人 お答えいたします。 視力が悪くなったときは、当然検眼を行うわけなんですが、眼鏡は、通常は個人ごとに調整してつくらなければいけないというようなものでございまして、一般的には本人が、そもそも入所時に持ってきている、あるいは所内で自費でつくるというのが原則でございます。 お金がない者も、所内で作業をしておりますと、作業報奨金といって、そんなに高い金額ではないんですけれども、それなりのお金を使うことができるようになりますので、そういったお金を用いて買うというのが原則でございます。 ただ、眼鏡がないと生活ができないという状況にあって、どうしてもお金がないというようなケースについては国の方で準備をするということになるんですが、多くのケースで、やはり老眼鏡について国が準備したものを使わせるというようなケースがあるというふうに承知しております。
○串田委員 刑務所のところには治療室というのは当然あると思うんですけれども、入院が必要なときというのは、提携的な病院とかというのはもう決まっているものなんでしょうか。
○富山政府参考人 お答えいたします。 受刑者を入院させる先の病院というのは、もちろん、日ごろよくおつき合いをしていて、何かあったときにはすぐに来てもいいと言っていただいているような病院も結構ございます。各施設、なるべくそういった病院を幾つか確保しておいて、困ったときに頼れるようにという努力はしておるわけですが、なかなかそれだけでは足りない場合もございまして、一一九番通報で救急車を呼んで、その救急車の方で手配をしていただくというようなことが、やむなくなってしまう、そういったケースもございます。 いずれにいたしましても、外部の病院に連れていかなければいけない場合には、職員が付き添って病院まで連れていくということになります。
○串田委員 先月、五月二十二日だと思いますけれども、名古屋市で精神鑑定中の者が逃走したという例がございました。今お話を聞きますと、入院先というのもかなり救急車によってアトランダムになされていくのかな。この精神鑑定中のところというのは、ちゃんと脱走防止のためのアラームが窓についていたという話なんですけれども、それでも逃走したということなんです。 一般的な病院であれば、かなり逃走しやすい、もちろん病気であるということでしょうけれども、かなりぐあいがよくなってきたときに、通常の刑務所というか受刑をしているところと異なって、かなり逃走しやすいような場面であるということが本人にとってわかってしまったときに、逃走しようというような気持ちが起きる可能性もあると思うんですけれども、精神鑑定中の逃走、また今回の、治療中の病院における逃走の可能性、こういったようなことに対しての防止対策、この前ちょっとそんなようなことがありましたものですから、その点についてどのようなことを考えていらっしゃるのか、お聞きしたいと思います。
○富山政府参考人 お答えいたします。 受刑者につきましても、あるいは鑑定留置中の者につきましても、外部の病院に連れていくというときには、当然のことながら逃走の危険がありますので、通常三名程度の刑務官が一緒についていく。これは三名では足りないというような特殊な事情がある場合にはもちろん人員も増強いたしますが、通常は三名程度の刑務官がついていって、当然本人を監視下に置いているということでございます。 また、診療を受けているときは別ですが、病院に連れていく途中については、通常は手錠をかけて捕縄を使用する。ただし、もちろん病状が悪くてそんなことができないケースもありますけれども、そうでない限りは、逃走を防止するための措置は万全を講じているところでございます。
○串田委員 一方、治療を行っている、ある意味でそういう部分がある者も、全く作業ができないということではないと思うんですが、治療中の受刑者における作業というものは、何らかの形でいろいろと対応しているのかどうかについてお聞きしたいと思います。
○富山政府参考人 お答えいたします。 疾病の治療中の受刑者についても、もちろん症状が重いなどの理由によっておよそ作業を実施することができないという場合は除きますが、その者の心身に悪影響を及ぼさない範囲でふさわしい作業を選定して行わせるということをやっております。 例えば、工場内で座って行う軽作業をさせるですとか、あるいは、通常は八時間程度の作業時間があるわけですが、この作業時間を短縮するといったような配慮もしております。 ちなみに、先ほど、継続して治療を受けている者の数が三万二千百七十二名と申し上げましたが、病状の関係から作業をさせていない者については、そのうち七百三十八名となっております。
○串田委員 今、数字をお聞きしましたところでは、かなり、治療中であったとしても、作業はある程度、場所とかあるいは内容を見きわめながらしているんだなというのがよくわかったわけです。 先ほど、高血圧の患者が二〇・四%でしたか、そういったようなことがあるんですけれども、刑務所の中の食事というものはある程度決まっているんだと思うんですが、病気に応じて食事の内容というのは、かなりそうやって分けられているものなんでしょうか。
○富山政府参考人 お答えいたします。 受刑者の中には、今お尋ねのように、高血圧などの疾病を有する者、あるいは、高齢者で、例えば歯がもう弱くなってしまっていて特別な配慮が必要な者など、食事についてさまざまな配慮を要する者が少なくありません。 そのため、医師が食事箋という処方をいたしまして、その病状に即した食事を給することとしております。例えば、高血圧症患者に対して減塩食を給与する、あるいは、高齢者等へ刻み食、おかずを小さく刻んで給与する、あるいは糖尿病患者へのカロリー制限食、また、アレルギー患者について、アレルギーを起こす物質を排除して代替食を給与する、あるいは消化器疾患患者へのかゆ食の給与、そういったような配慮をしております。
○串田委員 本当に大変なことをしているんだなと思いました。 前に、刑務官の離職率が非常に高いというようなお話をしまして、受刑者がいろいろな方がいらっしゃるということもあったんですけれども、今お聞きしますと、食事もいろいろなことをやらなきゃいけないということで、刑務官の職場改善というのはぜひ大臣もお願いしたいと思うんですけれども。 インフルエンザについて二点お聞きしたいんですが、受刑者のインフルエンザについては、予防接種をしているのかどうかということと、もう一点は、刑務官がインフルエンザにかかってしまうと一斉に仕事につけないというようなことがあると思うんです。そういう場合に、刑務所の警ら体制とか、そういったようなものが、非常に緊急の、足りなくなってしまうということもあると思うんですけれども、そこら辺の対応というものは考えているのか、あるいはこれまでもそういったようなことが起きたことがあるのか、お聞きしたいと思います。
○富山政府参考人 お答えいたします。 受刑者に対するインフルエンザの予防接種につきましては、予防接種法施行令第一条の二及び予防接種法施行規則に基づきまして、原則として六十五歳以上の者で、その者が予防接種を希望した場合には、その者の住民登録がなされております市町村と調整した上、実施することとしております。 また、六十五歳以上などの要件を満たさない場合であっても、医療上の必要があると認める場合には、当然受刑者の同意を得てなんですが、予防接種を行うこととしております。 なかなか全国的な状況を、ちょっとにわかには把握しておらないのですが、たまたま、今、府中刑務所に問合せをしてみたところ、平成二十九年度において、約二千人の受刑者がいる中で、二百四十二件の予防接種の接種実例があるということでございました。 それから、職員の方でございますが、刑事施設は、まさに人がいないと成り立たない職場でございまして、当然のことながら、職員に対しては、健康管理は徹底するようにということを常日ごろから指導しております。 そういった意味で、実務上、職員が大量にインフルエンザにかかってしまって警備体制等がとれなくなったというようなことは、今まで発生したことは、私どもは承知しておりません。 しかしながら、やはり風邪で熱が出たとかそういうようなことで、突発的に、きょうは勤務できないといったような連絡が入ることは当然ございまして、そういった場合に備えて、待機職員と呼んでおるんですが、もしものときにはこの日は出勤してもらうから遊びに行かないで家で待機していてくれというようなことをお願いするような体制もとっておりまして、そういった体制で通常はカバーできます。 万が一なんですが、委員御指摘のとおり大量の職員が一斉にインフルエンザということになれば、近隣の施設からの応援職員を派遣させて対応するといったことになると思うんですが、幸いなことに、今までそこまでの事態に至ったことはないということでございます。
○串田委員 最後に、特別にちょっと通告はしていないんですが、受刑の環境ということに対して、大臣、何か今までの中で所感があればお聞きして、終わりにしたいと思います。
○上川国務大臣 受刑者の環境につきましては、さまざまな場面におきましてきちっと対応ができるように、環境整備に努力してまいりたいと思っております。 本日御質問いただきました医療という観点からいたしますと、受刑者の年齢も大分高齢化をしている状況でもございますし、また、慢性疾患等も非常にふえているという状況でございますので、食生活やまた薬の投与、さまざまな面で緊張感を持って対応していく、その分だけ刑務官もその体制にしっかりと対応できるように、日ごろからの環境整備にしっかり取り組んでまいりたいと思いますし、また、そのための改善ということについても努力してまいりたいと思います。
○串田委員 終わります。ありがとうございました。
○平口委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時五分散会