法務委員会 第13号
- 発言数
- 310 件
- 登壇者
- 33 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 2018/05/16
会議録
○平口委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、民法の一部を改正する法律案を議題といたします。 この際、お諮りいたします。 本案審査のため、本日、政府参考人として内閣府大臣官房総括審議官井野靖久君、内閣府大臣官房審議官福田正信君、警察庁長官官房審議官小田部耕治君、金融庁総務企画局審議官水口純君、消費者庁政策立案総括審議官井内正敏君、消費者庁審議官東出浩一君、消費者庁審議官福岡徹君、法務省民事局長小野瀬厚君、法務省刑事局長辻裕教君、法務省矯正局長富山聡君、法務省入国管理局長和田雅樹君、文部科学省大臣官房審議官神山修君、文部科学省大臣官房審議官下間康行君、厚生労働省大臣官房審議官森和彦君、厚生労働省大臣官房審議官成田裕紀君、厚生労働省大臣官房審議官和田純一君、厚生労働省子ども家庭局児童虐待防止等総合対策室長山本麻里君及び経済産業省大臣官房商務・サービス審議官藤木俊光君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○平口委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○平口委員長 次に、お諮りいたします。 本日、最高裁判所事務総局家庭局長村田斉志君から出席説明の要求がありますので、これを承認するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○平口委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○平口委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。井野俊郎君。
○井野委員 おはようございます。自民党群馬二区選出の井野俊郎でございます。 本日は、民法改正、成人年齢の十八歳への引下げについて質問をしてまいります。 今回は成人年齢を十八歳にするということでありますけれども、これはいろいろな委員の先生方が質問しておりますので、重複しないように質問していきたいと思います。 まず、成人年齢引下げとは他方で、十八歳への婚姻年齢は引き上げると。男性は十八歳でしたけれども、女性は十六歳から十八歳へ引き上げるというふうになっております。まず、これを引き上げた理由についてお聞かせください。
○山下(貴)大臣政務官 婚姻開始年齢についてお尋ねがありました。 婚姻開始年齢が定められている趣旨は、身体的、社会的、経済的に未熟な段階で婚姻することは早期の婚姻破綻につながりやすいなど、その者の福祉に反するおそれがあるということから、そういった面で未熟な若年者の保護の観点から、その婚姻を禁ずることになります。 現行法で、婚姻開始年齢を男性十八歳、女性は十六歳ということで、女性が早く婚姻することができるとされておりますが、これは、どちらかといえば、女性の方が身体的な部分で発達が早いということを考慮したということで言われております。 ただ、現代社会においては、社会経済の高度化、複雑化が進展しております。若年者が婚姻し、夫婦として共同生活を営むわけでございますが、それに必要とされる社会的、経済的な成熟度もやはり高度化しているのではないか。婚姻開始年齢のあり方につきましても、このような社会的、経済的な成熟度をより重視すべきではないかというふうに考えられております。 そして、社会的、経済的な成熟度といった観点からは男女間に特段の違いはない。そういったことからすると、婚姻開始年齢における男女の取扱いの差異を維持することは、もはや相当とは言えないのではないかと考えております。高校進学率が約九九%、大半が卒業しているという現状に鑑みると、婚姻をするには少なくとも十八歳程度の社会的、経済的成熟を要求することが適当であると考えております。 また、先ほど御指摘あったように、民法の成年年齢を十八歳に引き下げる、一方で、女性の婚姻開始年齢を現行法のまま十六歳とした場合には、女性のみ成年年齢と婚姻開始年齢が一致しないということになって、男女の取扱いの差異がより際立つという問題もございます。 そういった以上の点を考慮いたしまして、本法律案につきましては、民法の成年年齢を十八歳に引き下げることに伴い、女性の婚姻開始年齢については十八歳に引き上げて男女をそろえるということにした次第でございます。
○井野委員 社会的、経済的、ある意味政策的な観点から女性は引き上げる、余り身体的というよりも、そういった政策的、社会政策といいましょうか、そういった観点での引上げだということであります。私も本当にそれはそのとおりだと思いますし、やはり、なかなか幾つからというのも難しい線引きもあるかと思います。 他方で、女性については、どうしても問題といいましょうか、男性とは違う点、やはり子供を産むという生理的機能の違いというものがございます。すなわち、女性は男性とは違って妊娠、出産をする。婚姻していなくても、妊娠、出産をするというような生理的機能がございます。こういったことを捉えると、世間では、できちゃった婚と言われて、妊娠をしたから婚姻をするかと、するかというか、それが一つのきっかけになる例もよくあるように感じますけれども、これは、十八歳未満でも当然妊娠、出産の可能性がございます。 こういうときに、仮に、じゃ、これが婚姻できないとなると、例えば十六、七で出産をしてしまうと、いきなりシングルマザーにならざるを得ないというような状況もございます。諸外国については、その点を捉えて例外的に婚姻を認める例もあるようでございますけれども、こういった例外を認めなかった理由というのはどういうところにあるんでしょうか。
○小野瀬政府参考人 お答えいたします。 ただいま御指摘がございましたとおり、婚姻開始年齢に達していなくても、妊娠した場合などには例外的に婚姻をすることができるような制度を設けることも考えられるところでございまして、法制審議会におきましても、そのような考え方の当否について議論がされております。 この点でございますけれども、まず、婚姻開始年齢を設ける趣旨が、肉体的、精神的、社会的又は経済的に未熟な段階での婚姻は当事者の福祉に反するおそれがあることから、健全な婚姻をする能力を欠くと考えられる若年者の婚姻を禁じ、若年者を保護することにある、こういうことからいたしますれば、妊娠をした場合に婚姻を認めるという考え方は、こういった婚姻開始年齢を設ける趣旨にはそぐわないのではないかというふうに考えられるところでございます。 また、妊娠、出産をした場合につきまして、その子供の地位でございますけれども、これにつきましては、婚姻準正、これの制度によりまして子供を嫡出子とすることができるなど、例外を設けないことによる弊害を一定程度回避することができるものでございます。 さらに、妊娠、出産した場合に、女性の婚姻開始年齢につき例外を設けるとする場合には、その婚姻の相手方である男性の婚姻開始年齢についても例外を設ける必要がないか慎重に検討する必要があると考えられます。 以上のような理由から、婚姻開始年齢に達しなくても、妊娠、出産した場合などには例外的に婚姻をすることができるような制度は設けないこととしたものでございます。
○井野委員 法律上的には私もそれでよろしいかとは思います。ただ、福祉的な観点からも、ぜひこれは、やはりシングルマザーというふうにとられかねないという意味では、いろんな経済的な支援等も場合によっては必要になってくるかと思います。そういった意味では、厚労省の分野になるかと思いますけれども、ぜひそういった福祉的な分野も加味してもらいたい、検討してもらいたいというふうには思っております。 それで、成人の方に、十八歳について戻らさせていただきますけれども、成人になるということは、イコール、法律的用語で言えば行為能力とよく言われていますけれども、法律行為を制限を受けずにできるということになっております。これが自由にできるということでありますけれども、他方で、飲酒やギャンブル等についてはまだ二十に据え置くというような措置がとられております。こういった、特に飲酒等についてですけれども、一番若い人で気になると言ったらおかしいんですけれども、これについてはどうなんでしょうか。 私も、余りこの場で言うのは適切ではないのかもしれませんけれども、大学生になると、結構飲酒の機会は実は多くありました。委員の先生方はどれだけいらっしゃったのかわかりません。飲みましたという声もありましたけれども。 この飲酒については二十に据え置くということでありますけれども、これはどうして置いたのか、ちょっとその点を説明をお願いします。
○小田部政府参考人 お答えいたします。 未成年者飲酒禁止法が二十歳未満の者による飲酒を禁止している趣旨は健康被害防止と非行防止の二点にありまして、民法の成年年齢の定めとはその趣旨を異にしているところでございます。このため、必ずしもその年齢を一致させる必要があるものではないと考えているところであります。 飲酒に関しましては、飲酒を開始する年齢が低いほどアルコール依存症になるリスクが高くなるとされておりまして、近年、国内外におきまして、飲酒が健康に与える悪影響を防ぐための取組が強化されているところでもあり、今回の民法改正を理由といたしまして飲酒を禁止する年齢を引き下げることとはしなかったものでございます。
○井野委員 いろいろな弊害があるというような御説明、若年者ということでありましたけれども、弊害があるということであります。 これについて、ちなみに、二十じゃなければならないその他のデータ、例えば十八から始めるとやたら依存症が多いだとか、そういった年齢的な具体的な数字みたいなもののデータというのはあるんでしょうか。
○小田部政府参考人 お答えいたします。 二十歳未満を飲酒の制限年齢として端的に示すものではございませんが、先ほど御答弁申し上げましたように、飲酒を開始する年齢が低いほどアルコール依存症になるリスクが高くなるというデータがあり、近年、国内外において、飲酒が健康に与える悪影響を防ぐための取組が強化されているところでもあり、今回の民法改正を理由として飲酒を禁止する年齢を引き下げることとはしなかったものでございます。
○井野委員 いろいろ、ここの部分も政策的な判断が働いているのかなというふうに私も思います。 やはり、飲酒についても、いろいろな社会の情勢であったり、さまざまなものからして、今後もちろん議論になる余地もあるのかなというふうに思いますし、私はこれで、個人的な事情は別にして、やむなしというふうに思っておるところでございます。現に大学生がコンパでアルコール中毒になられて亡くなったという報道等も目にしますと、やはり一定の心理的な制限としてのこの法律の存在という意味はあるのかなというふうには思っております。 今回、二十から十八歳ということで、年齢、ある程度この数字での区切りというものは、これは必要なんだろうと私も思います。ただ、なかなか、この成人年齢というもの、数字で区切るということでありますけれども、先ほど来いろいろ議論をしていく中においてやはり感じるのは、ある程度政策的な判断といいましょうか、明確な、例えばこの年齢、年じゃなければならないというような、そういうものはないのかなというふうには感じております。 時代によってももちろん変わります。例えば、昔は元服というのがある意味成人というふうなことを言われていましたけれども、元服は十五歳だと。これは、江戸時代、明治前までは十五歳でございました。それから二十になり、今回十八歳という形になります。 これだけ時代によっても異なりますし、社会情勢、当然、昔に比べて、昔は子供は労働力になっていた。農業をやっていく家においては労働力になっていた。だから、少しでも早く働いてもらいたい、大人になってもらいたいという願いがあった。他方で、今は社会が複雑化している。そういった中では、今、そういう例えば十五歳で教育も受けずに社会に出てしまうといろんな弊害がある。大人たちに食い物にされるといいましょうか、害されるおそれがあるというような、そういう社会情勢の変化もございます。 私がちょっと一つお伺いしたいのは、年齢で区切っていくという中において、例えば、法務省の中でもいろんな年齢で制限している法律があるかと思いますけれども、二十だとか十八とかそういった年齢で区切った法律とかにおいて、必ずこの年齢は動かせないんだというか、そういうもの、いわゆる政策的な観点がなく、これは科学的根拠、ないしは、こういった理由で動かせないんだというものがあるのかどうなのか、ちょっとその点を教えていただけますか。
○小野瀬政府参考人 お答えいたします。 いろいろな法律におきまして年齢要件が定められておりますので、これはあくまでも一般論としての話ということになるわけでございますけれども、各種の法律におけます年齢要件は、それぞれの法律の趣旨に基づきまして、その各種の基礎的なデータを含めまして、さまざまな要素を総合的に考慮して定められているものと考えられます。 したがいまして、一般的には、必ずしもその基礎データから一義的に年齢を定めることができるとは限らず、最終的にはそれぞれの法律の趣旨を踏まえた政策的判断によって決定されているものと考えられます。 したがいまして、このようにして決定された年齢要件につきましては、そういった基礎データ等が変わらない限り変更することができないということにはならないものと考えられます。
○井野委員 私も、本当に、そういった意味で、政治の判断といいましょうか、国民の世論であったり、そういったさまざまな政治的な要素から年齢というのが決まっていくのかなと思っております。 特に、憲法改正という中において、国民投票法において十八歳、それから議論がスタートし、選挙権も十八歳にしてはどうか、そういった一連の流れが私もあるのかなというふうに思っていますし、それはやはり、どちらかといえば政策的な判断、時代の変化等に対応していきながら、いろいろ我々政治の側で議論し、判断していくべき問題であるというふうに思っております。 この成人年齢とはちょっと趣が異なりますけれども、せっかくなので私の問題意識等も含めてお話をさせていただきますけれども、刑法百七十七条の問題でございます。十三歳未満の問題、性同意年齢という問題でございます。 これは、十三歳としておりますけれども、これについて明確な根拠やデータなりなんなり、そういったものはあるんでしょうか。
○辻政府参考人 現行刑法におきましては、十三歳未満の者については、一律に、御指摘のとおり、みずからの意思で性的行為に関する同意、不同意を決する十分な判断能力がないということで、暴行、脅迫がなくとも強制性交等罪が成立するということにされております。 この年齢につきましてですけれども、現行刑法の制定当時、明治四十年ということになりますが、その当時の帝国議会審議における政府委員の説明等によりますと、女子の発育の程度、年少者をなるべくわいせつの所為に染まらせないことなどを考慮して、現行の十三歳未満とされたものと承知しているところでございます。
○井野委員 帝国議会という話、明治という話でありますから、百年以上たっているんだろうなというふうに思います。 個人的には、これについても、時代の状況、当然当時の婚姻年齢とは違います、今は初婚がもう三十前後の時代でございますし、いろんな、犯罪といいましょうか、特に女性はそういった犯罪の被害に遭われやすいような立場にもあると私は思っております。これについても、私は、これから、委員の先生方とともに政治の場で年齢のあり方を議論をしていきたいというふうに思っております。 せっかくですから、ちょっと刑事の部分について少し議論を進めていきたいと思います。 今回、成人年齢が二十となりますけれども、少年法の適用は、少年法自体の改正は今、法制審において審議、議論されているということでありますけれども、まず、この法律施行後、十八歳、十九歳のいわゆる被疑者、逮捕された場合における警察の発表のあり方、現時点では匿名ということになっておりますけれども、これは変わるのか変わらないのか、その点、まず確認させていただきます。
○小田部政府参考人 お答えいたします。 警察におきましては、少年法の趣旨に鑑みまして、二十歳未満の少年による事件については、当該少年の氏名、住居のほか、学校名、会社名など、その者を推知させるような事項を報道機関に発表しないこととしております。 民法が改正されて成年年齢が引き下げられた場合におきましても、十八歳、十九歳の者については少年法の適用を受けることから、これらの者による犯罪に関する警察の報道発表について変更はないものと考えております。
○井野委員 その点はマスコミにもぜひ周知をしていただきたいなというふうに思っています。 最近のマスコミ報道等によっては、場合によっては実名がそのまま流されて、特にネットになるとマスコミとはちょっと違ってきますけれども、ネットになると平気で個人情報が特定されるような形で発表されているというか流布されている部分もありますので、ぜひ、その点、当然警察の方は情報管理は徹底されていらっしゃるというふうに私も認識しております。ただ、マスコミの報道のあり方についても、ぜひ警察の方から指導していただきたいなというふうに思っております。 じゃ、なぜ私がその点を考えているかというと、これはちょっと資料をお配りさせていただきましたけれども、少年による処遇、前回、黒岩委員がこの委員会で質疑されていましたけれども、再犯率が確かに高いという部分もございます。他方で、少年法、いわゆる矯正施設、少年院を退所、退院された方の再犯率というのは三六・四%と法制審議会の資料でも現実問題としてございます。これは、単純に二十七年度だけでいえばもう一二ポイントも低いわけでございますね、一二%も低い。普通の成人の再犯率よりも少年による再犯率はこれだけ低くなっているということであります。 本当にこれは、私は、法務省の矯正局の皆様、少年院の指導教官のまさに指導のたまもの、もちろん、少年の可塑性であったり、そういったものももちろんあるにしても、本当にすばらしい教育、矯正が行われているのではないか、これは一つの証左であると思っております。 ちなみに、再犯率も同じ右肩上がりではございますけれども、しかしながら、伸び方としては圧倒的に少年事件の方が、少年院の方が伸び率は低いわけでありまして、私は、矯正教育のあり方としては、ぜひこういったものを、ある意味、今の刑務所の矯正教育にも広げていってもいいんじゃないのかなというふうに思っています。 特に、二十前後、少年法の適用がない二十代前半、二十五ぐらいがいいのかわかりませんけれども、そういう若年者へのこういった矯正教育をしっかりとしていくことによって再犯を防止していくという観点は重要だと思うんですけれども、この点について、ぜひ矯正局、法務省の考え方を教えてください。
○富山政府参考人 お答えいたします。 まず最初に、少年院あるいは刑事施設を出所した者の再犯率ということについてなんですが、委員御指摘の数字というのは、ある年に検挙をされました者の中で再犯者が占めている割合という数字でございまして、若干違う観点からの数字をもう一つ紹介させていただきたいと思うんです。 私ども、実務ではよく再入率という言葉を設けておりまして、これは、ある年に刑事施設から出所した受刑者が、その出所した年を一年目といたしまして、何年目までに戻ってきてしまう、そういった率がどのくらいあるのかということで、少年院との比較をするため、比較的短期の数字なんですが、二年再入率といいまして、出所した年とその翌年の年末までに帰ってきてしまった率というのが統計がございます。 平成二十七年に刑事施設から出所いたしました受刑者については、この再入率は一八%となっております。これは、わずかずつではございますが、近年減少傾向にございます。また、少年院からの出院をいたしました在院者の同じような二年目までの再入率は一一%と、やはり一八%と比べてかなり低い水準となっております。 まさに、御指摘のとおり、少年の可塑性ということもございますが、非常に少年院の中で濃密な処遇を行っているというようなことも一定の効果を出していることにつながっているのではないかというふうに考えているところでございます。 刑事施設においても、若年者に対してそういった処遇ができないだろうかというお尋ねかと思います。 刑事施設におきましても、刑事施設に受刑者として入所した時点で二十歳未満である者につきましては、その後三年間、また、三年たってもまだ二十になっていない場合には二十になるまで、少年受刑者処遇と呼びます、かなり細かな配慮をした処遇は行っております。 この処遇は、具体的に申し上げますと、個々の受刑者の特性に応じた個別的な処遇要領、非常に細かな処遇要領を作成いたしまして、それに基づき処遇を実施いたします。 また、その者の特性を特に考慮し、職業訓練、有用な作業、教科指導、改善指導、個別面接、日記指導といった、まさに個別の指導も実施してまいります。 さらに、その者に対して一名又は複数名の職員を個別担任に指定いたしまして、問題性に着目した面接や日記指導なども継続的に行います。 さらに、改善更生、円滑な社会復帰に果たす家族等の役割も考慮いたしまして、家族等との関係を維持改善するため、例えば親書の発信などについても積極的に働きかけをするといった、かなりきめ細かな取組を行っています。 また、刑事施設に入所した時点で二十を超えている者につきましても、可塑性に期待した矯正処遇を重点的に行うことが相当と認められる者については、二十六歳未満の若年受刑者につきましては、少年刑務所などに収容いたしまして、悪風感染の防止、あるいは特技、適性の発見に努めるといったところに留意をいたしまして処遇を行ってはいるところでございます。 ただ、まだまだこれで十分だと考えているわけではございませんので、委員の御指摘も踏まえまして、より充実した若年者の処遇ができるように今後努めてまいりたいと考えております。
○井野委員 ぜひ、矯正教育のあり方として、私は応援をしていきたいと思っておりますし、私は、逆に言うと、実は、もったいないんじゃないかなというふうに思っております。 この資料にもあるとおり、少年院の在院率というのでしょうか、どんどん減ってきているわけですね。平成二十七年で三万八千九百二十一でございます。ピーク時から比べると、もう何分の一の世界になってきております。 ぜひ、私は、こういったせっかくいい指導をしていただいているわけですから、これをもっと社会に還元していってもらってもいいんじゃないかなというふうに思っております。 例えば、今よく言われているのが、教師の負担というのが大きいわけですね。それで、ちょっとしたことですぐ子供たちは、体罰だ何だ、訴えるぞみたいな話もします。そうすると、なかなか、学校の先生が指導を徹底するといっても、私は、やはり限界がある、教師についても、どこまで指導していいものかというのはやはりちゅうちょを覚える部分もあるのかなというふうに思っています。 他方で、やはり学校は学校ですから、規律を守って、そしてまた荒れないようにしていかなければならないというふうに思っております。どうしても、一度学校が荒れてしまうと、悪循環といいましょうか、もうその学校全体がどんどんどんどん、変な方向と言ったらおかしくなっちゃいますけれども、勉強できるような環境ではなくなってきてしまいます。 私は、そういった意味では、こういった少年院の指導教官を、例えば、ちょっと問題がある学校だなというふうに、文科省なり学校、教育委員会の方から応援に来てほしいとかあれば、今かなり学校の方でも外部講師等の活用というのが進んでいるというふうに聞いておりますので、そういった、ある意味、助っ人といいましょうか、新たな指導の場として、その結果、虞犯少年もどんどん少なくなっていくというのであれば、これは社会にとっていいことだと思うんですけれども、ぜひそういった前向きな検討をされてみたらどうかと思いますが、いかがでしょうか。
○富山政府参考人 お答えいたします。 少年院は、明るく規則正しい環境のもとで、比較的小規模な施設規模を前提としながら、寮ごとの集団生活を基本として、個別担任制によって、昼夜を分かたず、個々の在院者の特性に応じたきめ細かで濃密な指導を実施しているところでございます。 これはもちろん収容施設というそういった特性を生かしてやっていることではございますが、問題性を有した少年たちに対する働きかけということについては、少年院の教官は大変専門的な知見を有してございます。 こうした専門的な処遇の知見を生かして、現在でも、近隣の中学校、高等学校からの依頼などに基づきまして、例えば、薬物の乱用を防止するための講話ですとか、特定の非行や犯罪の防止に関する内容の講話などを生徒に対して実施をする、そういった取組を行っている少年院もございます。 また、近隣の教育委員会からの依頼に基づきまして、教員の方に対して、児童や生徒の行動を理解する、またその指導の方法、内容、そういったことに関しての講演や研修、講義なども実施している少年院がございます。 少年院もやはり地域の皆様に支えていただかなければ成り立たない、そういう施設でございますので、専門的な知見を生かして地域に貢献をするということはとても大切なことだと思っております。こういった取組、今でも行っておりますが、今後ますます充実させて、地域のお役に立てる少年院になるということについては努めてまいりたいというふうに考えております。
○井野委員 ぜひ前向きに、もっともっと私は積極的に出ていってもらいたいなというふうに思っております。なかなか、担当省庁、文科省との関係もありますけれども、その点はぜひ我々議員なり政治の力を使って後押しをさせていただきたいというふうに思っておりますので、これからも皆さんの御活躍を心から期待しております。 ちょっと話は戻ります。少し刑事の方へ行きましたけれども、やはり民事の方に少し戻らさせていただきます。 よく民事関係の方で懸念があるのは、やはり法律行為について、きのうの参考人にもありましたけれども、二十を立証すれば取り消されたものがそういう抗弁権がなくなる、取消権がなくなるということに対して、結果、若年者、十八歳、十九歳への被害といいましょうか、そういったものが生じるんじゃないかということがよくこの委員会でも指摘をされております。 私も弁護士としての仕事をしていた中で、やはり相談の中であるのは、若者が、ある意味、高額なローンを組んで、よく親と相談に来るというようなことがありました。どうしても、ローン、特に今あと割賦販売ですね。こういったお金の貸し借りは、簡単に、弁護士が入ればすぐにぱっとどうにかなるんですけれども、割賦販売等については、本人が使用を始めたりとかしているものですから、若しくは、消費しちゃっているものについては、どうしたらいいものかというのも、なかなか、若年者だと月五千円でスタートできます、だけれども物すごい割賦の回数が多いというようなことがあったりとかするものですから、これはやはり私は、若年者につけ込む大きな問題ではないかなというふうに思っております。 この委員会でも前回質問が出ていましたけれども、ローンや割賦販売に関する与信審査、若年者に対しての与信審査を強化していくというのは、ある意味、特別法などにおいて義務づけられておりますけれども、これについてはきちんと実行されているんでしょうか。ちょっと、その点、担当省庁ごとに確認したいと思います。
○水口政府参考人 お答え申し上げます。 消費者ローンの方でございますけれども、貸金業法におきまして、貸金業者は、年収の三分の一を超える貸付契約の締結というのが禁止されておりますほか、顧客の返済能力の調査というのをしなければならないということでございまして、顧客に対する当該貸金業者の貸付金額の合算額が五十万円を超えるような場合には源泉徴収票その他の顧客の資力を明らかにするような書類を受けなければならないというような規定になってございます。 若年者は、一般的に申しまして、収入が少なく、貸金業法のいわゆる総量規制によりましておのずと貸付け可能な金額も少なくなることから、まずは、貸金業者に貸金業法の規定というのをしっかりと遵守させるということが、若年者に対する過大な貸付けというのを未然に防止する意味で非常に重要であるというふうに認識してございまして、金融庁としましては、検査監督を通じて、貸金業者に業法の遵守というのをさせているところでございます。 また、貸金業法に基づく認可法人で、日本貸金業協会というのがございますけれども、自主規制機関として、自主規制を制定して、協会員の監査を通じまして、貸金業者に法令の遵守というのを求めているところでございます。 さらに、若年者につきまして、過大な貸付けを未然に防止するという意味での貸金業者の側の取組といたしまして、例えば、収入の乏しい若年者が貸付けを受けた場合にその返済が困難となるという場合も想定されますので、貸付額を低く抑える取組を行っている事例ですとか、さらに、年収証明の提出義務がございません場合でありましても、勤務先の在籍確認を行うことで定期的な収入を確認するといったことから返済能力調査を行っているような事例というのもあると承知してございます。 金融庁としましては、若年者が過大な債務を負うような事態が生じないように、先ほどちょっと御説明いたしました貸金業者に対する検査監督、さらに、協会の監査を通じまして業法を遵守させることに加えまして、業界と連携しながら、まずは貸金業者によってどのような取組がされているかというのをしっかりと把握しまして、それを推進していく必要があると思っておりまして、現在、協会におきまして、貸金業者による若年者に対する貸付けとか与信に関する実態調査が行われているところでございます。 いずれにしましても、今後とも、若年者への啓発活動というのも含めまして、若年者が過大な債務を負うことのないように、しっかりと、検査監督を通じて適切に対処してまいりたいというふうに考えてございます。
○藤木政府参考人 割賦販売法についてお答えを申し上げます。 ただいま金融庁からローンに関して御説明ございましたけれども、割賦販売法でも、契約者が過大なクレジット債務を負担することを防止するために、クレジット事業者に対しまして、与信審査に際しまして、申込者がクレジット債務の支払いに充てることが可能と見込まれる額を調査する、これを義務づけておりまして、この可能額を超えるようなクレジット契約ということを締結することを禁止しているところでございます。 こうした支払い可能見込み額調査と呼んでおりますけれども、これの遵守状況につきましては、私どもの検査監督を通じまして、その適正な確保ということを図っているところでございます。 また、学生、未成年者、いろんな方がいらっしゃるわけでございますが、学生などに関しましては、一般社団法人日本クレジット協会の調査によりますと、多くのクレジット業者におきまして、クレジットの限度額を少額に設定する、例えば十万円、二十万円といったような額に設定するといったような取組が行われているところでございます。 こういったことで、私どもとしましては、若年者の方あるいは契約者の方が過大なクレジット債務を負わないということのために必要な法的措置、そして業界の取組ということについてしっかり監督し、若年者のクレジット取引におけるトラブルの発生防止ということに努めてまいりたいというふうに考えております。
○井野委員 まず、金融庁にお伺いします。 現時点で、よくCM等にもありますとおり、審査不要、たしか五十万か三十万だか、私も金額を覚えていないけれども、ほとんどこれについても審査不要というか、書類、一切要りません、在籍証明、要りませんというふうになっていますよね。 五十万、三十万が高額じゃないと言われてしまえばそうかもしれないけれども、だけれども、一回で終わらないんだよね、金借りる人というのは。何回も貸し借りをやるわけですよ。今回十万だったかもしれないけれども、次回、じゃ、ちょっと足りないから十五万借りようとか、それが延々と続いていくわけで、多重債務が多くなった結果、一時期、サラ金問題があったわけですよ。私も弁護士をやっていたからわかりますが、一回で終わらないもの、絶対に。でも、その一回一回の借りる額は少額ですよ、五万とか十万とかを延々続けていく、これは適切なのかどうなのか、どう思いますか。
○水口政府参考人 お答えいたします。 法律上、先ほど申し上げました、五十万円を超える場合の年収証明といいます制度がございますし、今、少額の部分については、これは貸金業者の方の取組でございますけれども、一定の、例えば十万、二十万、いろいろございますけれども、これにつきまして、若年者については一定の制限を設けるという取組も今されてございますので、今、我々として、どのようにそのような取組が広がっているのか、しっかり見ようということで、協会の方で実態調査をやってございます。 そういうのも踏まえまして、今後、検査監督についてどのような適切な対応が必要かというのは、改めて考えて、適切に対処してまいりたいというふうに思っております。
○井野委員 実態調査ということでありますから、それをきちんと調査した上で、きちんとした対応をとってもらわないと、そんな、多重債務、少額だからいいとかいう問題ではないということだけはよくわかってください。実態は本当に延々と、もう十年、二十年、三十年ぐらい平気でやっている人がいるんだから。その結果、過払い金が何百万とか、そういう裁判をやっていましたけれども、私も。 だけれども、それは適切な社会生活とは私は思えないですよ。消費者金融が常に出入りしているような、一時的なというのはわかるけれども、とても、そういうことを若年者のうちから、それで生活が成り立つんだというような感覚に私はさせるべきでないと思っておりますので。自分で働いていくから初めて、十八、十九はほとんど学生ですよ。そんな小さいうちからサラ金に出入りさせるようなことだけはやめてもらいたいなと思っています。 もう一つ、割賦についてもですけれども、これもさっきと同じですよ、私に言わせると。少額だけれどもすごい長い期間であったり。やはり少額だから、ある意味、まあ仕方ないかで、泣き寝入りとまでは言わないけれども、まあまあ我慢しているというのは、やはりこれはありますよ。でも、実際問題今使っていないとか、ほとんど使わない。最初のうちは、何かいいことを言われて、これを使ってみようかなみたいな感じで使い始めてはみたものの、結局、ほとんど無用の長物で、そうなってくると、大体親が私のところに、私というか弁護士のところに駆け込むんだけれども、子供を連れて。そういうことが、やはりこれも、割賦でもいいものと悪いものがある。教育ローンとかは割賦というかローンでもいいと思うんだけれども、若しくは、例えば車であったり、そういう一般的な、社会的にも必要なものというのはやはりあるけれども、じゃ、それ以外の、本当に必要かどうかわからないような割賦を認めていくべきかどうかというのは、ちゃんとこれは審査していますか。普通は、加盟店だって売上げを伸ばしたいから通しますよ。ましてやクレジット会社だって、当然売上げを立てたいですよ。本当に自主的取組だけで私は十分なのかと疑問に思います。どうですか。
○藤木政府参考人 お答え申し上げます。 先ほど申し上げましたように、与信に当たりましては、その審査において支払い可能見込み額調査ということを義務づけておりまして、これを適正にやっていただくということで過大な債務を負わないようにというようなことで、まずこの面をしっかり担保していくということが片方であると思っております。 もう一方で、御指摘ありましたように、例えば、英会話教材でございますとか、あるいはエステティックでございますとか、そういったような継続的役務取引といったようなものについてトラブルが生じているといったような実態はあるというふうに考えておりまして、これはまた別の、特定商取引法という中で消費者庁さんと連携してこういったものの適正化ということに努めているわけでございまして、片方でクレジット、要するに与信する側でのチェックをすると同時に、こちら側の取引の適正化ということもあわせてやっていくということによりまして、特に若年者の方々が、こういったクレジット、あるいは、そういったさまざまな問題のある状態に陥らないといったようなことについて適切に対処していく必要があるというふうに思っております。
○井野委員 経産省という省は、私は本当に、どんどん、ばりばり前に出ていってやっていく省だから嫌いじゃないけれども、ただ、原子力規制庁の問題があったでしょう。規制が余り得意じゃない省だと私は認識しています。これは役人さんのメンタリティーの部分なのかもしれないけれども、私はそれは否定はしないけれども、ただ、本当に規制ができるかという面は、私は、消費者庁とかそういう方とよくよく連携して、規制をちゃんとできる省庁とよく連携してもらいたいなと。原子力規制庁のときのように、全く、全くとは言いませんけれども、ゆるゆるじゃ困るなというふうに思っていますので、その点、消費者庁とよく連携してください。 ちょっと、裁判所に一点だけお伺いします。 養育費についてですけれども、この委員会でももう議論になりました。この養育費というのは子の監護に要する費用ということでありまして、これはやはり、私に言わせると、成人か否かというのは関係ないと思います、二十歳かどうかというものはね。 調停条項によく、私の弁護士経験の中で申し上げますけれども、子が成年に達する日の属する月までというふうに調停ではされる例が多いように思うんだけれども、これは、このままだといろんな混乱が生じるんじゃないんでしょうかね。この点、どうなっていますか。
○村田最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。 調停における養育費の支払い終期の定め方につきましては、個別の事情を踏まえまして、解釈に疑義が生じることがないよう適切な調整が行われているものと承知しておりまして、現在の実務では、二十歳に達する日の属する月までと定めている例が比較的多いかと。また、事案によっては、それを更に具体的にしまして、何年何月までと定めている例もあるものというふうに承知をしております。 このような実務を受けまして、裁判所職員総合研修所における書記官事務の研究におきましても、養育費の終期については確定期限の合意をしておくことが妥当であるとしまして、具体的には二十歳に達する日の属する月までと記載した合意条項の例を御紹介しているところでございまして、全国の裁判官を始めとする裁判所職員はこれを参考にしているものというふうに考えております。
○井野委員 そうであれば私も安心をしました。私がやっていたのは、済みません、ちょっと古いのかもしれませんけれども。 ぜひ疑義が生じないようにしていかなければならないと思っていますし、ましてや、当事者のときには、別に成年に達する日の属する月なんていう用語自体が、私がやっていた当事者なんというのは、当事者と言ったら怒られちゃうけれども、余り一般の市民の方からすると、それはどうでもいいですよね。ちゃんといついつまでもらえればいいということさえ明確であれば、この文言にこだわっている一般市民の方は私はいないと思いますので、ぜひそういったわかりやすい条項にしていただきたいなというふうに思っています。 ちょっと済みません、話はかわります。 内閣府さんに来てもらっていますけれども、成人の日について、この委員会でもう既に議論がされております。よく、これが十八歳になったら、この委員会で言われている懸念としては、十八歳というのは受験シーズンだ、一月に成人の日があって成人式をやるというのは参加者が少ないんじゃないかということであったり、そういった懸念がよく言われておりますけれども。 まず一つ、昔は、成人の日というのは、小正月、一月十五日と定められておりましたけれども、現在ではハッピーマンデーに移動しています。まず、成人の日を一月にしなければならない理由といいましょうか、そういった何か要因はあるんでしょうか。
○井野政府参考人 お答えいたします。 成人の日でございますけれども、昭和二十三年に国民の祝日に関する法律、いわゆる祝日法が制定された際に、大人になったことを自覚し、みずから生き抜こうとする青年を励ます日として、一月十五日と規定され、その後、ハッピーマンデー化により、現在は一月第二月曜日と規定されているところでございます。 これは、昔の元服ですとか裳着にかわるものとして設けられたものでありまして、それらがかつて一月に行われることが多かったということから、当初は一月十五日と規定されたものでございます。
○井野委員 確認ですけれども、別に、一月にこだわっている、ないしは一月にしなきゃならない理由、まあ歴史的な経緯はあるにしても、例えば、元旦の一月一日だとか、憲法記念日だったり、新嘗祭の日だったり、いろいろな祝日がありますけれども、そういうものとは違うというふうに理解していいですか。
○井野政府参考人 御指摘のとおりだと思います。
○井野委員 この委員会でももう議論になっていますけれども、これは法務省の方から、既に、この法律案が成立後、関係府省連絡会議で成人式のあり方についても検討してもらいたいというような答弁があります。 これについて、今、内閣府としてはどういう検討をしていますか。
○井野政府参考人 お答えいたします。 成人式とこの祝日法の成人の日というのは全く同じものではございませんので、そういう意味では、成人の日に関しましては、各方面といろいろ御議論をしながら議論されるものであると思っております。(井野委員「式ね、式」と呼ぶ)成人式でございます、失礼いたしました。 それで、成人の日でございますけれども、祝日法というものは議員立法により制定されておりまして、これまで行われました十回の改正も、大半が議員立法によりなされているところでございます。 したがいまして、成人の日を含めまして、国民の祝日の移動などの改正に際しましても、基本的には、国会で十分御議論の上、決定していただくべきものであると考えているところでございます。
○井野委員 これ以上突っ込みませんけれども、成人式についても、これは、せっかく祝われる人が全然参加しないというのじゃ何のための日なのかわからないから、ぜひ、そういった式のあり方についても、我々がもちろん政治の側での議論をリードしていかなければならないというのはそのとおりだと思っていますけれども、ぜひ皆さんの方でも考えておいていただければ。何か個別に、各自治体の個別判断だと言われたら、それはちょっと自治体がかわいそうだと思いますから、ぜひそういった点は考えておいてもらいたいなと思っています。 最後に、本法律は、施行をいわゆる平成三十四年としております。今が平成三十年ですから、約四年後になっていますね。施行までかなりの期間を置いておりますけれども、この期間、どのようにして周知だったり若者への機運の醸成、そういったものをしていくというふうに考えていらっしゃるか、その点だけ最後に聞いて、終わりにします。
○小野瀬政府参考人 お答えいたします。 本法律案は、直接の対象となる十八歳、十九歳の若年者のみならず、その親権者等を含む国民全般に影響を与えるものでございます。そのため、法務省としましては、施行日を平成三十四年四月一日として十分な周知期間を確保することで、その間に周知活動を徹底して行いたいと考えております。 調査方法等の詳細については現在検討中でございますが、本法律案の成立後に、成年年齢を引き下げることの意味や、その時期、他の法律で定める年齢要件の変更の有無といった事項について、国民にどの程度浸透しているのか調査することを検討しております。また、成年年齢の引下げについて若年者と意見交換を行う機会も設けたいと考えております。 これらの取組によって得られた結果を分析した上で、その結果を活用して効果的な周知活動を行いたいと考えております。 具体的な周知活動といたしましては、現在の高等学校への進学率が、高等専門学校等への進学まで含めますと約九九%であることを踏まえまして、引下げの直接の影響を受ける若年者に対して効果的に周知活動を行うために、高等学校等に対して、成年年齢の引下げの意味や、ほかの年齢要件がどのように変わるのかといった内容を周知するためのポスターやパンフレットを配布することを検討しております。 そのほか、成年年齢の引下げは、直接の影響を受ける若年者のみならず、その親や取引相手となる企業等にも大きな影響を与えるものでございますので、幅広く説明会を開始したい、各種のメディアを活用するといった形で国民一般に対する周知活動を進めていきたいと考えております。 なお、飲酒、喫煙年齢や公営競技関係の年齢など、改正法の施行により民法の成年年齢と異なることとなるものにつきましては、社会的な混乱を避けるためにも、関係省庁と連携して手厚く周知活動を行う必要があると考えております。 このような取組を通じまして、施行日までに、新たに成年と取り扱われる十八歳、十九歳の方々に大人としての心構えを持っていただくことができるよう努力してまいりたいと考えております。
○井野委員 終わります。ありがとうございました。
○平口委員長 次に、國重徹君。
○國重委員 おはようございます。公明党の國重徹でございます。 約百四十年ぶりの成年年齢引下げ等に関する今般の民法改正案について、本委員会で委員各位がそれぞれの責任感を持って多角的な質疑をされていること、私は心より敬意を表する次第であります。私も与党の一員でありますけれども、全国民の代表として、政府に対しても時に厳しい質疑もしていかなければならないと思っております。 その上で、成年年齢の引下げの立法事実等について、本当にあるのかと政府を追及する姿勢、私は、これは一面では大事なことだと思いますけれども、他方で、若干の違和感を覚えるというか、政府が酷だなと感じることもあります。私は別に政府の擁護をするつもりで立っているわけではありませんけれども、政府が若干酷だなと感じるところもあります。 というのは、本法案は閣法ではあるものの、そもそも、成年年齢の引下げというのは、政府というより、我々立法府が主導してきたものだからであります。 平成十九年、憲法改正国民投票法の制定の際に、選挙権年齢や成年年齢も二十歳から十八歳に引き下げることが望ましいという、多くの政党、与野党で政策の大きな方向性が示されたと私は理解をしております。当時の議事録も読ませていただきました。それを受けて、その後、公職選挙法改正の際にも、民法の成年年齢引下げについて検討を加えるとの意思も示しております。 そして、それに先立つ平成十二年には、当時の民主党が、おおむね二年後を目途として成年者に関する法制度を整備して成年年齢を引き下げるとの法律案を提出しております。このときの筆頭提出者は、現在の立憲民主党の党首の枝野代表であります。法案を出すからには、立法事実があることを当然の前提としていたと私は考えます。 また、平成十二年といえば、まだ学習指導要領が、消費者教育の文言が入り始めたころです。当時、消費者契約法の改正の、どこまで消費者被害を防止するための施策が検討されていたのか、私は今把握しているわけではありませんし、また、していなかったなら、当時の状況でも対応可能と思っていたのだろうというふうに推察をいたしますけれども、ともかく二年を目途に対応でき得ると考えていたということであります。 私は、何もやゆするつもりで言っているわけでは全くございません。当時のそういった経緯を経て、また法制審の答申も受けて今般の改正案に至っているというようなことを、立法府としてこれは知っておくべきことだと思いますし、留意すべきであるし、また、当時の諸先輩にも確認しておいた方がいいのではないかというふうに、そういうことを私は言いたいと思っております。 だからといって、私は、過去に先輩方の決めたことに何も唯々諾々と従った方がいいと言っているわけでもありません。これまで多くの委員が当委員会で指摘をしているとおり、成年年齢の引下げに向けた環境整備は現段階でも十分なされていないというのは私も感じるところでありまして、これまでもっとやれることがあったのではなかろうかというふうに思うところでもあります。 ただ、この責任は、政府、行政府、ここだけにあるのではなくて、我々立法府の責任でもあって、私自身の責任でもあると思っております。ですので、少し質疑を聞いていると、私も慎重派なんです、慎重派なんだけれども、やはり少し政府が酷だな、我々もそういう一端を感じながらやっていかないといけないなというふうに感じているところであります。 私自身、若者が安心して活躍できる社会の土台をつくっていかなくちゃいけないということで、党内議論の際には、先ほど言いましたとおり、慎重派として、先輩方、これはプロジェクトチームで会議していましたけれども、かなり上の執行部も出てきて、相当な議論もさせていただきました。政府に対しても、党内議論の際にかなり厳しいことも言わせていただいたと思いますし、当初予定していた党内の法案了承の時期も大分先にして検討もさせていただきました。 いろいろな意見が我が党内でもありましたけれども、私は、慎重派だからこそここだけは譲れないということで、これまでは省庁が縦割りでばらばらでやってきて、余り連携されていないじゃないかというのは私も感じまして、やはりこれはしっかりと施行日までに、各省庁がばらばらではなくて省庁横断で検討会議をしっかりとつくって、進捗状況も確認して責任を持って進めるべきだ、省庁横断の検討会をつくってください、これをつくらない限りは法務部会長として私はこの法案は通しません、こういうような強い態度で臨ませていただいたところであります。 先ほど井野委員の方も、成人式の問題も触れられておりました。これにつきましても、実際、私は政府の方に、成人式の時期を大分前から、これは一年以上前から言ってきましたけれども、自治体に任せる、自治体の判断でというちょっとお寒い回答の状況でして、やはりこういったことではいけないということで、この省庁横断の検討会の中にも、成人式の時期、あり方についても含ませていただきました。 ただ、この成人式の問題も、私は個人的には、最後は祝日法の問題であるというふうに思っております。自治体や関係者の意見の集約というのは国会議員だけでは難しいので、政府の力というのを存分に活用させていただかないといけないと思っておりますけれども、最後に責任があるのは私は立法府だというふうに思っております。 こういった成年年齢の引下げについては、私自身ではないですけれども、諸先輩であったとしても、立法府が主導してきたということもいま一度確認した上で、質問に入らせていただきたいと思います。 まず、ちょっと井野委員も質問されていましたけれども、婚姻開始年齢について伺います。 今般の改正で、女性の婚姻開始年齢が十六歳から十八歳に引き上がることになりますが、十六歳又は十七歳で子供を産んだ場合、これは、その子供はどういう法律的な立場になるのか、どうなるのかお伺いいたします。
○小野瀬政府参考人 お答えいたします。 婚姻年齢を十八歳に引き上げた場合には、十六歳、十七歳の女性は婚姻することができなくなりますので、十六歳、十七歳の女性が子を出産したとしましても、その生まれてくる子については、民法上、嫡出でない子となりまして、母の氏を名乗るとともに、原則として母の単独親権に服することとなります。
○國重委員 非嫡出子となるということですけれども、じゃ、その後、どうすれば嫡出子となることができるんでしょうか、お伺いいたします。
○小野瀬政府参考人 お答えいたします。 婚姻関係にない男女間において生まれた子につきましては、民法上、嫡出でない子として扱われますが、母が婚姻開始年齢に達した後に、その子の法律上の父と婚姻した場合には、民法上、嫡出子の身分を取得するものとされております。その場合、その後、父母の共同親権に服することになりますし、戸籍窓口に届出をするのみで父母の氏を名乗ることができることとされております。 したがいまして、十六歳、十七歳の女性が出産した子は、一旦は常に嫡出でない子となりますが、そのために生ずる問題は、婚姻準正、この制度によりまして一定程度解消されることになるものと考えております。
○國重委員 では、今般の女性の婚姻開始年齢の引上げによって、これまでと違った法的不利益が生じることはあるのかどうか、お伺いいたします。
○小野瀬政府参考人 お答えいたします。 先ほど申し上げました婚姻準正ということになりますと、嫡出子の身分を取得するわけでございますが、仮にその婚姻準正が得られなかった場合には、嫡出でない子のままとなるわけでございます。 ただ、この点につきまして、平成二十五年に嫡出でない子の相続分に関する民法第九百条第四号の改正がされたことに伴いまして、現行法上、嫡出子と嫡出でない子とで法的な取扱いが異なりますのは、父子関係の発生に認知が必要であるという点を除きますと、氏の取扱いと親権の取扱いのみでございます。そして、嫡出子でありましても、その両親が離婚した場合には、父母いずれかの単独親権に服することになりますし、通常は親権を取得した者の氏を名乗ることになるわけでございます。 このように、十六歳、十七歳の女性が出産した子供について婚姻準正が得られなかった場合の法的な取扱いは、嫡出子の両親が離婚した場合の取扱いとほぼ変わらないのではないかというふうに考えられます。
○國重委員 わかりました。では、そもそも婚姻開始年齢の立法趣旨は何なのか、お伺いいたします。
○小野瀬政府参考人 お答えいたします。 婚姻開始年齢が定められている趣旨でございますが、身体的、社会的又は経済的に未熟な段階で婚姻することは、早期の婚姻破綻につながりやすいなど、その者の福祉に反するおそれがあることから、健全な婚姻をする能力を欠くと考えられる未熟な若年者の婚姻を禁じ、若年者を保護することにあると理解されております。
○國重委員 答弁いただいた中に、健全な婚姻をする能力という言葉がありました。 では、健全な婚姻をする能力とは一体どういう能力なのか、お伺いいたします。
○小野瀬政府参考人 先ほど申し上げましたとおり、婚姻開始年齢が定められております趣旨は、身体的、社会的又は経済的に未熟な段階で婚姻をすることは若年者の福祉に反することから、未熟な若年者の保護の観点からその婚姻を禁じることにございます。 婚姻をすることは、夫婦として独立の家庭を設け、社会生活を営むことでございますので、婚姻開始年齢は、夫婦として独立の家庭を設けて社会生活を営むことができる必要最低限の成熟度に達する年齢であると言うことができます。
○國重委員 今、答弁をいただきました。 また、大塚委員の本会議質問に対する法務大臣の答弁の中で、婚姻開始年齢を十八歳にそろえる理由として、夫婦として共同生活を営むに当たって必要とされる社会的、経済的な成熟度、こういった言葉が出てきました。 今回の改正で引き下げられる民法の成年年齢は、親の同意がなくて単独で契約をすることのできる契約年齢と、親権に服する対象となる年齢を意味するわけでありますが、成年年齢で要求されている成熟度というのはどのようなものを考えているのか、伺います。
○小野瀬政府参考人 お答えいたします。 成年年齢は、単独でさまざまな取引行為ができ、また、親権に服さなくなる年齢でございます。したがいまして、成年年齢につきましては、このような効果を生じさせるのに足りる程度の成熟度を備える必要があるものと考えられます。 本法律案との関係で申しますと、本法律案におきましては、これを十八歳に引き下げることとしておりますけれども、これにつきましては、現在の十八歳、十九歳の者は、消費者教育等の充実が図られた改訂後の学習指導要領に基づく教育を高等学校までの教育課程に受けており、また、ひとり暮らしを始めたり、就労して金銭収入を得たりしている者が多いなど、主として経済取引に着目した社会的、経済的成熟度を有するに至っていると考えられるためでございます。
○國重委員 では、婚姻開始年齢で要求される成熟度と成年年齢に要求される成熟度はどういう関係にあるのか。両者の間にはどういう違いがあるのか。現代社会で要求されるものを考えると、ほぼ私はニアイコール、同義ではないかというふうに思いますが、これはどうでしょうか、お伺いします。
○小野瀬政府参考人 お答えいたします。 先ほど申し上げましたとおり、成年年齢を定めるに当たって考慮される成熟度は、単独で契約を締結することができるか、また、親権に服させる必要はないか、こういう趣旨に照らして判断されるものでございますが、婚姻開始年齢は、夫婦として独立に家庭を営んでいくことができるか、こういう趣旨に照らして判断されるものでございます。 したがいまして、それぞれの成熟度はそれぞれの趣旨に照らして判断されるものでございまして、必ずしも直接の関連性を有するわけではないと考えております。 もっとも、現代社会におきましては、婚姻開始年齢につきましては社会的、経済的成熟度を重視すべきものと考えられまして、その意味では、成年年齢と婚姻開始年齢において考慮されるべき成熟度には一定の関連性があると考えられます。
○國重委員 婚姻も一種の契約であります。人生をともにする伴侶を選ぶというのは、ある意味、人生最大の契約であるとも思います。そう考えますと、これまで、普通の、一般の契約ができる年齢が二十歳で、婚姻という人生最大の契約をできる年齢が十六歳とか十八歳であったことの方が、私は改めて考えると違和感を覚えるところでもあります。 かつては、婚姻開始年齢については、身体的発達もこれは多分に考慮されたんだろうというふうに思います。また、婚姻は通常、望む人だけがするものでありますが、取引、契約一般については誰しもが行い、誰もが被害者になり得るという意味でも、性質は異なるかもしれません。 とはいえ、過去はともかく、今は、社会情勢や時代背景が変化をして、婚姻開始年齢と成年年齢に求められる成熟度というのはかなりかぶってきているように思います。大臣はどのように思われるか、お伺いいたします。
○上川国務大臣 御指摘のとおり、十八歳、十九歳の者でございますが、いまだ成熟の過程にある者でございます。十八歳、十九歳の者を成年として扱うこととしても、若年者の自立を支援するための施策につきましては充実させる必要があるというふうに認識をしております。 平成二十一年十月の法制審議会答申におきましても、若年者の自立のおくれ等の問題につきましては、成年年齢を引き下げるだけでは自然に解決するとは考えられず、若年者の自立を援助するさまざまな施策をあわせて実行していく必要があるということが指摘されているところでございます。 この若年者の自立支援につきまして、政府としても、成年年齢の引下げのための環境整備、この一環として取組を行ってきたところでございます。(國重委員「質問は、婚姻開始年齢と成年年齢に求められる成熟度がかなりかぶってきている。これは多分、次の答弁のことを言われていないでしょうか」と呼ぶ)失礼いたしました。 成年年齢を定めるに当たりまして考慮される成熟度ということで御質問がございました。失礼いたしました。単独で契約を締結することができるか、また親権に服させる必要はないかという趣旨に照らして判断されるべき問題であるというふうに思っております。 他方、婚姻開始年齢につきましては、夫婦として独立した家庭を営んでいくことができるかという趣旨に照らして判断されるものである。 このように、それぞれの成熟度はそれぞれの趣旨に照らして判断されるものでありまして、必ずしも、直接の関連性、これを有するものではないということでございます。 もっとも、現代社会におきましては、婚姻開始年齢につきましては、社会的、経済的成熟度、これを重視すべきものと考えられ、その意味で、成年年齢と婚姻開始年齢におきまして考慮されるべき成熟度につきましては、一連の関連性があると考えられるわけでございます。 本法律案におきましては、若年者の社会的、経済的成熟度、それぞれの年齢に求められる趣旨に照らしまして、いずれも十八歳とすることが相当であると判断したものでございます。
○國重委員 大臣、私は、大臣はすばらしい大臣だと思いますけれども、しっかりと質疑を聞いて、それに応じて答弁していただきたい。そして、どっちかというと、形式張った答弁を今求めたわけではなくて、もうそれは民事局長からいただいたので、これをどう思うのかという大臣の率直な御意見を聞きたかったというのが私の思いでありますので、そういうものを酌んでぜひ答弁いただきたいというふうに思います。 ちょっと時間の関係で、たくさん用意していますので飛ばしますけれども、これは大事な法案ですので、野党の皆さんのこれから厳しい質問が続くかもしれませんけれども、私も真剣勝負でやりますので、ぜひ、緊張感を持って、よろしくお願いします。 昨日お越しいただいた参考人の御意見の中で、何名かに共通していた御意見がありました。私なりに解釈すると、それは、十八歳になれば急に大人になるということではない、いきなりさなぎからチョウになるのではない、子供から大人になって社会のフルメンバーシップになるためには、トライアル期間というか、モラトリアムの期間というものがあるんだということでありました。 広井参考人の論文の中には、十八歳を大人としての完成の時期ではなくて、大人としての経験を積む大人の始まりの時期として位置づけることによって、若者の未熟さを肯定し、その保護を正当に位置づける必要があると思われると述べられておりますが、このことは、山下参考人、宮本参考人とも共通していることであると私は理解しました。 この未成熟の時期、十八歳になったとしても、成人になったとしても未成熟の時期である、また成熟にはグラデーションもある、若者は、若年者は社会支援の対象であって、その保護を正当に位置づけて、自立できるような必要な取組を強化して、その機会を保障するべきということでありました。これまで余り強調されてこなかった点で、なるほどなというふうにも私も感じました。 そこで、成人であったとしても、成年であったとしても未成熟という段階があるんだという発想を国としても持って、未成熟の若者が自立した、成熟した大人になるために必要な支援を講じていく、場合によってはこの支援をより強化していく、こういった国としての大きな政策転換、またあるいは政策の強化が必要だと思います。こういうことがあって、百四十年ぶりの成年年齢引下げ、こういう本当に意義あるものになると私は思っております。 こういった政策転換、政策強化の必要性について、大臣、どのように考えるか、お伺いいたします。
○上川国務大臣 昨日の参考人の先生方からの御意見も、そのような、一つの節目ではあるけれども、その前後につきましてもしっかりと、自立のための支援策については強力に進めていくべきという御指摘が多くあったところでございます。 若年者の自立支援のための支援策、自立のための施策につきましては、環境整備の一環として取組をこれまでも行ってきたところではございますが、この後におきましても、しっかりと、省庁間の連携をとりながら、若年者の自立支援の方策、この充実強化に努めてまいりたいというふうに思っております。
○國重委員 ぜひよろしくお願いいたします。 そういった政策、国のあるべき方向性の検討、環境整備を検討するプラットホームこそが、今回立ち上げていただいた省庁横断の検討会議、上川法務大臣が議長を務める、成年年齢引下げを見据えた環境整備に関する関係府省庁連絡会議だと私はそう認識していますし、そう信じたいと思っております。 この会議についての詳細は追って質問したいと思いますが、上川大臣には、その議長として、百四十年ぶりの歴史的な法改正を行う法務大臣として、しっかりと音頭をとっていただいて、指揮をとっていただきたいというふうに思います。 これまで述べてきた、十八歳が成年になったとしてもまだ未成熟であり、大人として自立するために必要な保護と支援をしていかなければならないという考え方は、これは保護政策の一環である少年法にも共通することだと思います。 私も、弁護士時代、数多くの少年事件も担当してまいりました。その中でかかわってきた少年たちというのは、十八歳、十九歳を含めて、その多くが、生育環境や資質、能力にハンディを抱えている若者がいる、また、同世代の少年たちにすれば、幼い傾向があるというのも感じてまいりました。 また、少年と触れ合っていく中で、成人、高齢者とかとは違って、どんどん変わっていくというか、こちらの本気度に応じてその少年も変わっていく、可塑性に富んでいるということもかなり実感をいたしました。 だからこそ、罪を犯した少年も、未成熟で、可塑性があり、保護と支援を必要としているんだという観点から、少年法のあり方について考えていくべきだと思いますが、大臣の見解を伺います。
○上川国務大臣 まさに、今委員御指摘のとおり、少年法の趣旨につきましては、少年の健全な育成を期し、性格の矯正を目的とするものでありまして、その可塑性に着目して、再非行防止と立ち直りに機能する、このことを目的とするものでございます。 今般の少年法の少年の上限年齢については、引下げということで今回出しているわけではございませんけれども、今、法制審議会におきまして、この問題につきまして、少年法における少年の上限年齢のあり方とともに、若年者を含む犯罪者に対する処遇を充実させるための刑事法の整備のあり方について諮問を受けて、鋭意この法制審議会におきましての調査審議が行われているところでございます。 その大きな考え方は、可塑性をしっかりと着目をしていくということ、そして、成熟の幅につきましてもしっかりと広く捉えていく必要があるのではないか、こうした問題意識に立って取り組んでいくことが必要ではないかと思っております。
○國重委員 今回、十八歳、十九歳が、この法律が成立すれば、親権に服さなくなります。ただ、親権に服さなくなるからといって、国が保護しなくていい、支援しなくていいというわけではないし、やってはいけないということでもないと思っております。 少年法は、少年が一般的に未成熟であり、可塑性に富むため、犯罪を行った少年も、適切な措置をすれば健全な社会人として育つ可能性が高く、そうすることが、単に刑罰を科すことよりも、少年本人にとっても社会にとっても利益が大きいと考えられる、こういったことから合理性があるとされております。これは、これまで民法の成年年齢の引下げのときに答弁でも出てきた、若者本人の活躍と社会全体の活力という二面から考えて望ましいものとされている成年年齢引下げとも同じであると思っております。 成年年齢が引き下がったからといって機械的に少年法の適用対象年齢を引き下げるのではなくて、必要な保護を与えていくという視点が大切ではないかと思っております。 一方で、この少年法については、新聞社などが実施している世論調査で、適用対象年齢の引下げを求める意見、適用対象年齢が今現在二十のものを十八歳にしていくという意見が多数を占めることが多くございます。 しかし、この世論調査というのは、質問の仕方いかんで回答が随分と変わるものだと思っております。成年年齢引下げについても同様であって、きのうも参考人の方がその旨指摘されておりました。民法の成年年齢の世論調査については、ちょっと時間の関係で飛ばさせていただきます。前提知識を提供しないままに世論調査をしても、真の国民の声というのは出てこない、あらわれないと思います。 私が気にしているのは、先ほど触れた少年法に関する世論調査であります。少年法についての正確な認識というのは、国民に広まっていないと感じております。 新聞等で、テレビ等で報道される少年事件というのは、センセーショナルな事件が多くございます。残虐で凶悪なことをした少年に対して、成人とは違う、成人よりも軽い処分をするというようなことに対して、けしからぬ、とんでもない、被害者、遺族のことを考えろという感情が出てくるのは、私は、これはある意味普通のこと、当然のことなんだろうというふうに思います。 もっとも、今の少年法の枠内でも、成年年齢引下げの新たな対象となっている十八歳、十九歳の少年が一定の重大事件を犯した場合には、原則として、家庭裁判所から検察官に逆送されまして、死刑を含めて大人と同じような刑事処分の対象となります。 また、統計的に、少年事件は近年大幅に減少しておりまして、少年の重大凶悪事件も減少しております。しかも、この減少は少子化を超えるペースで進んでおります。 こういった少年非行の実態とか少年法の手続というのは、これは多くの一般人の皆様というのは知りません。 今後、国として少年法の適用対象年齢引下げに関する世論調査を実施することがあるのであれば、こういった十分な前提知識を提供した上で国民にその是非を問うていかないと、誤った前提知識で回答を、ステレオタイプのイメージでこういう回答をしてしまうので、これは国民の真の声ではないと思います。仮に少年法の引下げの世論調査をするのであれば、そういった調査でなければいけないというふうに私は思いますが、大臣の見解を伺います。
○上川国務大臣 お尋ねのような世論調査を行うか否かにつきまして、現時点で未定でございますが、一般論として、世論調査の特徴というのがございまして、判断をし、回答していただくためには、適切な質問項目の設定、そしてその項目を裏打ちするようなさまざまな情報の提供、こういったものがトータルになければ適切な判断をしていただくことができない、これはもう委員御指摘のとおりでございます。 その意味で、適切な質問項目の設定、さらにこれに沿う質問のあり方、これにつきましての検討、こうしたことが世論調査を正しく進めていくためには大変重要なことだというふうに思います。
○國重委員 大臣、ありがとうございます。ぜひよろしくお願いいたします。 私、今の少年法の制度というのは世界に誇るべきものだと思っております。国民の真の声を聞かずに、不正確に切り出された意見に押されて必要な支援が切り捨てられることがあってはならないと思っております。今後のしっかりとした取組をぜひお願いいたします。 未成熟な若者の中でも、より自立のための支援、保護を必要としているのが社会的養護のもとにある子供たちであります。この点、成年年齢が引き下がることによって社会的養護を必要とする子供たちが不利益をこうむってしまうのではないかといった懸念の声も一部にございます。 今、社会的養護のもとにある子供たちについては、より一層自立に向けた支援を行っていく方向性にあると理解をしております。児童養護施設や里親等では、原則十八歳までの措置を必要に応じ二十まで延長できることとしておりましたが、昨年度からの予算事業によって、進学している場合には原則二十二歳の年度末まで支援を延長できるようになりました。また、自立援助ホームについても、その予算事業や一昨年の児童福祉法改正によって、必要に応じて二十二歳まで支援を延長できることになりました。 こういった取組の根底にあるのは、年齢で一律に区切らずに、必要な支援を必要な子供たちに与えていくという考え方であると理解をしております。その支援が今般の成年年齢の引下げによって切り下げられてしまってはいけません。 また、社会的養護のもとにある子供たちというのは、とりわけ小規模ではなくて大規模の児童養護施設にいる子供たちについては、決められた予定の中、スケジュールの中で生活をしているために、いざ社会に出ると、自分で考えていかないといけないということで、日常生活のあらゆることで戸惑う。また、おびえてしまう場合もある。 一般の家庭であれば、親と一緒に買物に行く機会もあるし、親からさまざまなアドバイス等も受けますけれども、そういった機会が圧倒的に少ない子供たちであります。また、周囲に頼りにできる大人たちも少ない状況でございます。こういう子供たちこそ食い物にされやすい、被害に遭いやすい。だからこそ、一層フォローしていかなければならないと思っております。 成年年齢引下げによって社会的養護のもとにある子供たちに対する支援が切り下げられることなく、これまでの方針は変わらないというふうに理解していいのか、また、社会的養護のもとにある子供たちに対して、自立に向けたより一層の支援が行われるようにすべきと考えますが、厚労省の見解を伺います。
○山本政府参考人 児童福祉法においては、児童養護施設等に入所する社会的養護が必要な子供の年齢を原則十八歳としつつ、必要に応じて二十まで延長できることとしております。これらの年齢要件については、今回の成年年齢見直しにおいても、対象となる方々への支援の必要性を考慮し、現行の要件を維持することとしております。 また、御指摘のありましたように、子供が退所した後も円滑に社会生活を送ることができるよう、きめ細かな支援を行うことは重要と考えてございます。子供たちの自立支援については、入所中に金銭管理などの生活技能や社会常識等を習得するための支援を行っているほか、退所後も、一般的な大学卒業の年齢に当たる二十二歳の年度末までの間、児童養護施設等に居住し、必要な支援を受けられる事業を実施しております。 厚生労働省としては、社会的養護が必要な子供たちが児童養護施設等を退所した後も円滑に社会生活を送ることができるように、より一層の支援に取り組んでまいりたいと考えております。
○國重委員 より一層の支援に取り組んでまいりたいという力強いお言葉をいただきました。ぜひよろしくお願いいたします。 以上で私の本日の質問を終わります。ありがとうございました。
○平口委員長 次に、松田功君。
○松田委員 おはようございます。立憲民主党の松田功でございます。 本日、質問をさせていただきますが、少し長時間にわたって行わさせていただきますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。 また、きょうも中学生の子たちが国会見学に参ってきています。彼らが高校を卒業するころに十八歳になって、ちょうど今そういったことを審議しているということで、子供たちを見ていると、しっかり大人として対策をしていかなければいけないなと思いながらいるところでございます。大臣始め皆さんもそうかと思いますが、ぜひ真摯な取組をお願い申し上げたいと思います。 民法改正で成人年齢を引き下げることが若者の消費者被害が拡大することにつながってはいけないと思っているところでございます。そのためにも、消費者教育や、より幅広く若者の社会における意識や自立を高める教育が非常に重要だと考えます。 私自身は、私自身の考えでありますが、それは生まれてから十五歳までの間にしっかり行うことが重要であると考えております。十八歳から成人という間ではなく、十五歳にはもうその判断能力がつけられるような人間に育っていっていただければ、しっかりとした考えを持った、自分で判断できる子供になっていただければというふうに思っているところであります。 そんな中で、消費者教育の現状がどうなっているのか、十分なのか、またどのように強化していくべきなのかを、力点を入れてきょうは議論をしていきたいと思います。 では、質問に入らさせていただきたいと思います。 消費者被害と未成年の取消権の関係についてでございますが、前回の質問の最後でも申し上げましたが、今回の法改正で各方面から最も懸念されているのが、十八歳、十九歳に対する消費者被害の拡大という点でございます。 各方面から多くの意見が寄せられているというだけでなく、普通に考えれば、誰が考えても、成人年齢を引き下げれば十八歳、十九歳の消費者被害が拡大、急増することは明らかだと思われますが、法務省の御見解をお聞かせいただきたいと思います。
○小野瀬政府参考人 お答えいたします。 民法の成年年齢を引き下げた場合には、十八歳、十九歳の者は、民法が規定します未成年者取消権による保護を受けることができなくなります。そのため、何らの対策も講じないといたしますれば、十八歳、十九歳の者の消費者被害が拡大するおそれがあると考えられます。 もっとも、これまでも政府といたしましては、消費者教育の充実など、消費者被害の拡大を防止するための環境整備の施策に取り組んできたところでございます。 消費者教育につきましては、平成三十二年度までを集中強化期間として、さらなる充実強化を図る取組が進められていると承知しております。 また、今国会には、若年者を中心に発生する消費者被害事例を念頭に置いた取消権を追加すること等を内容とする消費者契約法の一部を改正する法律案が提出されております。 また、さらに、消費生活相談件数は、成年となる二十歳において相談件数が増加する傾向にございますけれども、本法律案の施行後は、多くの若年者は高校三年生の途中で成年に達することとなるわけでございます。そのため、みずからの問題であることをより強く意識して、高等学校等における消費者教育を受けることになると考えられます。 法務省といたしましては、以上のような施策を通じて、民法の成年年齢の引下げにより新たに成年として取り扱われることとなる十八歳、十九歳の者の消費者被害の拡大を防止することは可能であると考えているところでございます。
○松田委員 数々、いろんな施策を打って、行うことができるのではないかということをおっしゃっておられます。 そういった御見解になるかとは思っておりましたが、少し確認をさせていただきたいのでありますが、二十歳前後の消費者被害の現状への認識についてでございます。 国民生活センターのデータベースであるPIO—NETのデータに基づく日本弁護士連合会の分析によりますと、消費者相談の件数を二十の前後、二十歳前後で比較してみると、マルチ取引の相談は約十二・三倍、ローン、サラ金の相談は約十一・三倍と、二十歳を境に急増する形になっています。 消費者庁の消費者白書に載っている消費者生活相談件数でも、二十—二十四歳は、十五歳—十九歳の二・四倍と急増します。ちなみに、二十五歳—二十九歳は、二十歳—二十四歳の三%減と、ほぼ横ばいとなっていますので、十五歳—十九歳から二十歳—二十四歳の急増が目立ちます。 現状で、二十歳を境に若者の消費者被害が急増することを政府も認識しているということでよろしいでしょうか。
○小野瀬政府参考人 お答えいたします。 御指摘のとおり、成年となる二十歳において、全国の消費生活センター等に寄せられる消費生活に関する相談件数も増加する、こういうデータがあることは認識しております。
○松田委員 データを認識していただいているということでございます。二十、二十歳を境に若者の消費者被害が急増することを政府も認識されているということであります。 そこで、更にお尋ねします。 現在は、未成年者取消権があるため、悪質業者は、未成年、すなわち二十歳未満の若者に寄ってこないという現状があります。悪質業者は、若者に年齢を聞き、二十未満だと、二十歳になったらねと言って先送りすると言われております。未成年者の取消権が若者の被害防止、いわば防波堤になっているということになります。 さきのデータにあらわれる二十歳の境目は、未成年者が未成年者取消権に守られていることによると誰もが考えていると思いますが、政府も、この二十歳の境目を未成年者取消権によるものだと認識をされておられるのでしょうか、お答えください。
○小野瀬政府参考人 お答えいたします。 先ほど申し上げましたとおり、二十歳を境に国民生活センターに寄せられる消費生活に関する相談件数が増加するというデータがございます。 この原因は必ずしも明確ではございませんが、二十歳に達した者は未成年者取消権を行使することができなくなることがその原因の一つである可能性はあるものと認識しております。
○松田委員 認識はしておられるということでございますので、それについて少しまた議論を深めていきたいと思います。 若者の消費者被害と消費者教育の浸透について少しお尋ねをしたいと思います。 私の問題意識の本題というべきでありますが、その問題意識の中心である若者への消費者教育、より幅広く若者の社会における意識や自立を高める教育について議論を行っていきたいと思います。 まずお尋ねしたいのは、今までも政府は、悪質商法の被害を防ぐためにさまざまな消費者教育を推進してきたと思います。率直にお尋ねしますが、政府が行ってきた消費者教育は浸透されているのでしょうか、大臣のお考えをお聞かせください。
○上川国務大臣 まず、政府が行ってきた消費者教育の施策がどのようなものがあるのかということについて、代表的なものについて御説明をさせていただきます。 まず、学校教育におきましては、平成二十年及び二十一年の学習指導要領の改訂によりまして、消費者教育、法教育、金融経済教育等の充実が図られてきたということが挙げられます。 また、改訂後の学習指導要領につきましては、既に小中高等学校でそれぞれ実施されておりまして、現在の高校生でありますが、既に改訂後の学習指導要領に基づいての教育を受けているという状況でございます。 さらに、平成二十四年の八月におきましては、消費者教育の推進に関する法律が制定されました。この法律に基づきまして、全ての都道府県等におきまして、消費者教育推進計画が策定されまして、消費者教育推進地域協議会の設置も進められているところでございます。 また、この法律に基づきまして平成二十五年閣議決定されまして、ことしの三月に変更されました消費者教育の推進に関する基本的な方針におきましては、消費者教育を消費者の特性やまた教育の場の特性に応じた方法できめ細かく実施をするということ、特に成年年齢の引下げに向けた環境整備という観点から、高等学校段階までに、主体的に判断し、そして責任を持って行動することができる能力を育むということが基本的な方向性として示されているところでございます。 法務省といたしましても、このような段階を経ながら各種の施策が取り組まれてきたところでございまして、消費者教育につきましては着実に効果を上げてきたものと考えております。
○松田委員 大臣の方から着実にと言われておりますので、やっていないわけではないものですから、これからそれを更にしていかなければいけないという論議でございます。 そういった今お答えをいただいて、一つずつ一つずつ行っていく。これは被害、事件とかがより巧妙になってきていますので、今がよければそれでいいわけではないということは、常にこれはやはり進んでいかなければいけない、それをまた見定めることが重要であると私自身は思っておりますので、続けてまいりたいと思います。 その消費者教育を受けた後、二十代、三十代の人たちの消費者被害の現状がどうなっているかということでございます。 ふえているのか減っているのか、また、その消費者教育を受けて大人になった後どのように推移しているのか、お手元にグラフも配らさせていただきましたが、消費者庁から現状を御説明をいただければと思います。
○福岡政府参考人 二十代、三十代の方々についての状況についての御質問でございます。 全国の消費生活センター等に寄せられました消費生活相談情報、いわゆるPIO—NETデータでございますが、御指摘の二十代、三十代の消費生活相談件数につきましては、千人当たりの相談件数で見まして、二十代においては、平成十九年の十・八件から平成二十八年には六・二件へ、また三十代の方につきましては、平成十九年の十一・五件から平成二十八年には七・一件へと、長期的に見まして減少傾向にあると認識しております。 ただ、この数年間につきましては横ばいの傾向にあるというふうに認識しております。
○松田委員 このグラフを見ていただいた中で、二十代、三十代を見ますと、確かに二〇〇七年からは減っていると思いますが、二〇一一年、一二年のころから見ると、多少の増減がありますが、基本的には横ばいになっていると今もお答えをいただきました。 そういったことを見まして、先ほども申しましたが、まだまだ対策をしていかなければいけないということになっていくところであると思われます。 続きまして、消費者教育の浸透と消費者被害の状況の関係はどうなっているかということになります。つまり、消費者教育の浸透は消費者被害の状況にどうあらわれているのか、お答えをいただきたいと思います。
○あかま副大臣 お答えいたします。 消費者被害に遭った場合には適切に救済を求め得る消費者を育成することも消費者教育の目標の一つでございます。 消費者庁が作成をいたしました消費者教育教材の「社会への扉」において、学習の目標として、消費生活センターを活用できるようにする、これらを挙げております。 このように、全国の消費生活センターと国民生活センターに寄せられた相談、この件数をあらわす消費生活相談件数の中には、適切な相談を経て被害の未然防止であるとか被害の回復が図られた案件も含まれてございます。 あわせて、一般的に、教育の効果を客観的、標準的に測定することは難しいことでございますが、消費者教育の充実を図るため、消費者庁といたしましては、実践的な消費者教育の授業が全都道府県の全高校等で実施されることを目指して、関係省庁とともに緊密に連携して進めてまいる所存でございます。
○松田委員 行っているということではありますので、全都道府県の方でしっかりやっていかなければいけないということの御認識だと思っているところであります。 そういった状況で、現段階として、政府として、若者にこの消費者教育の浸透がどのような感じで進んでいるのか、現状としてのお答えを大臣の方からいただきたいと思います。
○上川国務大臣 委員が今お示しされたデータにつきまして、国民生活センター等に寄せられる消費生活に関する相談件数、これもメルクマールの一つだというふうに思っております。減少しているという状況にはないということでありますが、今消費者庁から説明があったとおりでありまして、消費生活相談センターこのものを利用し、そして、適切な相談を経た上で被害の未然防止を図る、またその回復を図られる、こうした案件につきましてもこの中に含まれているということでございます。 先ほども述べたように、これまで平成二十年、二十一年の学習指導要領の改訂から始まりまして、段階を経ながら、今、その浸透、教育のあり方についても更に工夫を重ねながら、これから先にも、引き続き、更によりよい方向でこの問題についての取組を図っていくということについては極めて重要であるというふうに考えております。 各種施策を通じまして、消費者教育については着実に効果を上げてきたものと思いますし、これからもそうした流れをしっかりと進めてまいりたいというふうに思っております。
○松田委員 ちょっとこのグラフで僕も気になったんですけれども、進めてきているから少し減少したんだけれども、横ばいになっているということだと、そこから先の部分に、考えられるとして、犯罪が巧妙になってきて、そういったものが多くて、対策はしているけれども追いついていないんじゃないかという部分も、横ばいの部分で考えられる。つまり、そういったことをしっかりと認識した中、進めていかなければいけないのではないかというふうに思っておりますので、少し言葉を述べさせていただきました。 引き続いて、質問に入りたいと思います。 では、次に教育現場の方のお話を少し聞きたいと思っております。日本における消費者教育の現状についてお尋ねをさせていただきたいと思います。 最初に述べましたが、私は、生まれてから、すなわち幼いときから教育をしていくことが重要であると思っております。義務教育を終える十五歳にはもうある程度その教育が身についているということで、しっかりとした考えを持ち、判断能力を持つことができるようにぜひしていきたいというふうに思っておりますし、その問題意識を含めてお聞きいたしたいと思います。 まずお伺いしたいのは、子供たちが最も若い年齢でかかわる教育の場である保育所についてでございます。幼稚園の方はまた後で聞きますので。 保育園での消費者教育といいますか、それにつながるような保育教育はどのように行われているのでしょうか。厚生労働省の方から現状をお聞かせいただきたいと思います。
○成田政府参考人 幼児期における消費者教育につきましては、消費者庁がライフステージごとに取り組むべき消費者教育に関して作成した消費者教育の体系イメージマップにおいて、約束や決まりを守ること、身の回りのさまざまな情報に気づくことなどの目標が掲げられているものと承知しております。 厚生労働省では、保育園における保育の内容等について定めた保育所保育指針において、幼児期の終わりまでに育ってほしい姿として、決まりを守る必要性がわかり、自分の気持ちを整理し、友達と折り合いをつけながら、決まりをつくったり、守ったりするようになる、遊びや生活に必要な情報を取り入れ、情報に基づき判断したり、情報を伝え合ったり、活用したりするなど、情報を役立てながら活動するようになるなどの姿を新たに示したところでございます。 こうした保育は消費者教育にも資するものと考えられることから、引き続き、保育所保育指針に基づく保育を推進してまいりたいと考えております。
○松田委員 それは、消費者教育が進められていく中で、その前からもうやっていたことで、あえて消費者教育が始まったときに何かプラスされた部分というのはありますでしょうか。
○成田政府参考人 ただいま御説明申し上げました保育所保育指針につきましては、平成二十九年の三月三十一日に改定されて、三十年の四月一日から適用されているものでございますが、この改定に当たりましては、幼稚園における教育の内容との整合性などについても考慮しながら策定したものでございます。
○松田委員 済みません、きちっと説明いただいているんですが、要は、消費者教育がなったときには、それに合わせてやってくれているということの認識でいいのかなということを聞いたんです。
○成田政府参考人 学校における消費者教育を進めておられる文科省における幼稚園の内容と整合性がとれているということで考えておりますので、そういう意味で、保育の内容が消費者教育に資するものとなっていると考えております。
○松田委員 僕は、ちっちゃいときからやらなきゃいけないと思っているから、ちょっと聞きましたけれども、資するものということですから、回りくどくはなくてもいいんですけれども、それをしているということなのか。保育園児だからという部分もあると思うんですけれども、ちっちゃいときから、物を借りたりとか、おままごとのセットを借りたらちゃんと返すとか、そういったところからもう始まっているというふうに僕は思っているんです。それをちゃんと責任を果たすとかいうこと。 それは、幼稚園もそうですけれども、基本的に、子供だけじゃなくて、お父さん、お母さんもあわせて、家族もあわせて、そういうことを教えるということも一緒にやっていかなきゃいけないということが念頭にあるものですから、ちょっとしつこく聞いたのは、そういったことも含めてのことでありましたので、御理解をぜひいただきたいと思っております。 後で幼稚園の方の質問もしたりしていきますので、一緒にお聞きいただいて、ぜひ反映をしていっていただきたいと思います。よろしくお願い申し上げます。 次に、文部科学省が所管しております幼稚園から大学までの消費者教育はどのように行われているのでしょうか。 子供たちの発達段階によって違いがあると思います。幼稚園、ここでいうと保育園も入っていると思っていただいても結構なんですけれども、小中高校、大学、それぞれの段階でどのような消費者教育を行っているのでしょうか。文部科学省から現状をお聞かせいただければと思います。
○神山政府参考人 お答えいたします。 文部科学省におきましては、学習指導要領に加え、消費者教育の推進に関する法律や消費者教育の推進に関する基本的な方針などを踏まえ、消費者教育を推進しているところでございます。 幼稚園におきましては、幼稚園教育要領において、決まりの大切さに気づき、守ろうとすることや、身近な物を大切にすることなどの内容を扱うこととしているところです。 また、小中高等学校におきましては、平成十六年に制定された消費者基本法、あるいはそれを受けた平成十七年に決定されました消費者基本計画を踏まえまして、平成二十、二十一年度の学習指導要領の改訂の際、主に社会科や家庭科など関係する教科において消費者教育に関する内容を充実したところです。 具体的に申し上げますと、例えば、小学校では、地域の社会生活を営む上で大切な法や決まりについて扱うこと、物や金銭の大切さに気づき、計画的な使い方を考えることや、身近な物の選び方、買い方を考え、適切に購入できること、中学校では、契約の重要性やそれを守ることの意義及び個人の責任などについて気づかせること、消費者の基本的な権利と責任について理解すること、高等学校においては、消費者に関する問題、契約、消費者信用及びそれらをめぐる問題などについて指導しているところでございます。 また、大学等の高等教育機関におきましては、自主的、自律的な判断により、例えば、消費者教育に関する授業科目が開設されているほか、学生に対するガイダンスや学生相談などにおいて、消費者トラブルやその対処方法に関する啓発などが行われていると承知しているところでございます。 今後とも、消費者庁を始めとする関係省庁と連携し、児童生徒等の発達段階に応じた消費者教育の一層の充実に努めてまいりたいと考えております。
○松田委員 丁寧な御説明をありがとうございます。 本当に重要なことをたくさん言っていただきました。当たり前といえば当たり前なんだけれども。教育は、今言ったことを実践してもらわないと、ただその文言を覚えただけでは意味がなくなってしまうということがあるんですね。 そこで、ちょっと話題がかわりますが、お手元に資料があると思いますけれども、今大変問題となっておりますアメフト部のタックルの問題であります。 今お答えいただいた中で、幼稚園の方からは、きちっと約束を守ったりとかということを教えていくことから始まっていくということのお話もありましたけれども、スポーツ以下いろいろなことにはルールがあります。この子、選手は二十です。ちっちゃいときから、それは保育園の方もそういった約束を守るということを多分教えています。それが、大学、プロじゃないです、大学という教育機関の中で、交流戦の試合の中で、非常に、悪質を超えている悪質ですね、これは。大臣も多分見られたかと思いますが、丹羽副大臣もお見えですけれども、見られたと思いますけれども、素人が見てもひどい。 これはもう本当に、刑事事件にするかどうかと言われているような話もありますが、先ほど入ったニュースで、子供、選手は退部する、監督から指示があったということが出ました。何を考えておるんだということであります。 消費者教育で、責任や義務や、あとルールをきちっと見定めなきゃいけないし、また、大人がしっかりと子供たちに道筋を教えなきゃいけない場所で、何だこれはというような状況になってしまっているということで、浸透度をはかる云々じゃなくて、何でこんな子供になっちゃったのかというようなところの教育的な問題点が出てしまったということであります。それだけ、大人になる、成熟をさせるということの難しさも改めて感じております。 ですから、私自身は、生まれてから、きちっと育てる、子供たちだけでなく、周りの大人がしっかりとそういったことを教えていかなければいけないのに、何だそれはという状況が、この論議をしている中で起きてしまっていることは、本当に大きな問題であり、また、しっかり議論をしなさいという意味なのかもしれません。 その意味において、まだ新聞記事であります、スポーツ紙の方で、取材で出ていますからあれですけれども、もし監督が指導をしたということなら、指導者、学校もですけれども、そういった指導を野放しにしていたのか。また、子供がその反則を犯さざるを得ない状況に、プレッシャーがかかったのか。また、子供が、ちっちゃいときから、やってはいけないことだということを教えられていれば、そうしなかったのか。そして、その周りにいる選手たちも同様であります。やめさせる、そういったことはやめた方がいい、監督の指導はちょっとどうかとかいうことを言う場所もなかったのか。いろんな問題が絡んでいっている。 教育現場でこういったことが起きている中で、消費者教育を行うということで、いろんな今お話もいただいて、やっていないとは言いません、僕が言っているのは、学んだことをちゃんとやらないと意味がないということなんですね。だったら、ちゃんとできるような教育方針に変えていかなきゃいけないし、これは、そういったことで大人にしていくことが本当に重要だということを言っているわけです。 その意味で、成人になるということの大変さも含めた中、この二十歳の若者が一生懸命やってきたアメフトをやめなければいけない、そういったことを考えたときに、大人のとるべき態度、監督がどうも記者会見をしないとか、試合が終わった後のすぐのインタビューでは、勝つためなら多少はやむを得ないみたいな表現で言ったりとか、いろんなことがあります。 そんなことを含めてですけれども、そういった状況の中で、文部科学省の教育に対するお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○神山政府参考人 お答えいたします。 今御指摘のあった事案につきましては、重大事故につながる大変危険な行為というふうに認識をしてございまして、スポーツ庁におきまして、事実関係の解明、再発防止に向けて的確な対応がなされているものと承知をしております。 その上で、教育についてお答え申し上げますと、先ほどお答えいたしましたとおり、文部科学省におきましては、幼稚園から大学まで、児童生徒等の発達段階に応じて、決まりや契約を守ることを含め、消費者教育を推進しているところでございます。 その際、消費生活相談員や弁護士などの実務経験者を外部講師として活用することにより、具体的な実践事例を紹介してもらったり、消費者庁作成の教材「社会への扉」などを活用し、身近な暮らしの中に契約が存在することを気づかせるなどにより、習得した知識をみずから主体的に判断し適切な行動に結びつけることができる実践的な能力を育むことが重要であると考えています。 今後とも、御指摘の点も踏まえながら、消費者庁を始めとする関係省庁と連携し、消費者教育の一層の充実に努めてまいりたいと考えております。
○松田委員 充実を図っていただかなければいけないので、この問題として、本当にまだまだいろいろ調べていただいた中で進めなければいけませんけれども、本当に悲し過ぎてしようがない話でありますね。教育者というか監督、指導者が、そこまでして勝たないかぬような状況は何なんだろうと。伝統を守るためだとかいろいろあると思いますが、そんなことをして勝たなきゃいけないんだったら、やめた方がいいです、本当に。何のためにやっているのかということをもう一回。 それは、なぜそう言うかというと、子供たちが見ているから、それを。それが重要。ですから、十五歳まで、成人年齢十八歳になるとしたときでも、子供たちが大人を見てそうやったら、そんなの、それをやっていこうというふうになるし、ましてや、そのやった選手だけじゃなくて周りの選手がとめられなかったことも、友情の中や、それはいけないよねということを言えない。もう恥ずかしい、伝統が傷つけられる以上に、本当に教育現場としては非常に問題がある。 そんな状況の中で消費者教育をやっているということだって、本当にどうなんだということになっちゃうわけですよ。子供は未熟なんです。子供は失敗もします。子供たちのことを思えば思うほど、しっかりやらなきゃいけない。だから、詐欺に遭わないようにしなきゃいけないし、これが十八、十九歳になったときに被害に遭うことが想定されていますので、そこの部分も含めてしっかりやっていかなきゃいけないというふうに思っております。 それでは、次の質問に進まさせていただきたいと思います。それを念頭に入れてちょっとお伺いしたいと思います。 子供たちの消費者教育を進める際には、学校で先生から消費者教育を受けるとともに、親との連携、連動や、親への消費者教育がとても重要ではないかと思います。学校で子供たちの消費者教育を進める際に、親とどのように連携、連動しているのでしょうか。また、子供たちへの消費者教育とつながりを持って、親への消費者教育も行われるのが望ましいとも思います。親との連携、連動や、子供たちへの消費者教育とつながる親への消費者教育をどのように行っているか、お答えをいただきたいと思います。
○神山政府参考人 お答えいたします。 消費者教育における親との連携、親への消費者教育につきましては、御指摘のとおり、子供に適切な教育を行う上でも重要と考えているところでございます。 現在、学校、家庭、地域の連携及び協働による教育活動を文部科学省として推進しているところでございまして、各地域におきましては、例えば、消費者教育に関する授業に保護者が参加する取組、PTAによる親子を対象とした講座の実施、小学校入学前の幼児と保護者を対象とした講座の実施など、親への消費者教育に関する取組が行われているところでございます。 また、文部科学省では、親の学習機会の提供など家庭教育支援を推進するとともに、親子を対象とした「消費者教育実践の手引き」を作成し、その普及を図るなど、地域における取組を支援しているところでございます。 今後とも、学校、家庭、地域の連携及び協働による教育活動を推進しているという趣旨も踏まえつつ、消費者教育の一層の充実に努めてまいります。
○松田委員 次に、子供たちの消費者教育を充実していくには、教える側の教員が消費者問題をしっかり理解をしていることが必要になるということだと思います。教える側の教員に対する消費者教育はどのように行われておるのでしょうか、お尋ねをいたします。
○下間政府参考人 お答え申し上げます。 学校における消費者教育の充実を図るためには、それを教える教師の指導力の向上を図ることが重要であると認識しております。 大学における教員の養成におきましては、小学校の家庭科、中学校の社会科や家庭科、高等学校の公民科や家庭科に関係する科目におきまして、消費者教育の内容が取り扱われているものと承知をしております。 また、現職の教員に対する研修といたしましては、各都道府県教育委員会等におきまして、消費者行政担当部局等とも連携しながら、それぞれの地域の実情に応じた研修を実施しているものと承知しております。 さらなる消費者教育に関する教師の指導力の向上に関しましては、現在、消費者庁の消費者教育推進会議のもとに設けられました若年者の消費者教育分科会において議論が行われているところでございまして、そこでの議論の取りまとめなども踏まえながら、今後とも消費者教育に関する教師の指導力の向上に努めてまいりたいと考えております。
○松田委員 さっきも言いましたが、指導者、先生というのは非常に重要なんですよね。だから、先生もただ教えているだけじゃなくて、より実践に近い形でいろんなことを日々お話ししていかなきゃいけないし、ひょっとしたら先生だってひっかかっちゃう可能性もある世の中でありますので、しっかりと進めていただきたいと思います。 次に、消費者教育では、被害に遭わないように気をつけるという点と、被害に遭ってしまったときにどうするかという点があると思います。残念ながら子供たちが被害に遭ってしまった際に、教員や学校はどのように相談や対応を行っているのか、お聞かせいただきたいと思います。
○下間政府参考人 お答え申し上げます。 一般に、児童生徒から詐欺被害等に係る相談がありました場合は、学校の教職員は、父母等と適切に連絡をとりながら、消費生活センターや弁護士会等の外部の専門機関につなぐことが大切と考えております。 また、そのような連携が可能となるためには、例えば消費生活相談員や弁護士等の実務経験者を外部講師で活用することなどを通じまして、日ごろから外部の専門機関との協力体制を整備しておくことが重要になると考えてございます。 文部科学省といたしましては、万一、児童生徒が消費者被害に遭った場合に、当該児童生徒が適切な専門機関による助言等の対応が受けられますよう、各種会議等のさまざまな機会を捉えまして、各学校における体制の整備を促してまいりたいと考えております。
○松田委員 いろいろ外部の方や相談とかあります。 それで、学校現場でやっていくうちに、変な言い方をします、先生はすごい真面目でいい人です、悪いことをしようとする人は、悪い人の頭の回路で動くわけですよ。そうすると、悪い人の回路というのはなかなかわからない、真面目にやっている人からすると。だから、対応、対策というのがなかなか難しかったり、横に、相談のところへ振っていっちゃったりとか、いろいろなことで、なかなか現場としての部分があります。そういった、警察機関とも連携しながら、いろいろあります。ただ、先生の想定を超えることが犯罪としては起きているわけです。 また、犯罪を犯す人だって、ちっちゃいころ、小学校、中学校とか、みんな卒業して義務教育を終えてきているわけだから、やはりどこか、教育現場の重要性というものは本当にどの角度でもあるということがあります。だから、そういった認識の中でぜひ進めていただきたいというふうに思っているところでございます。 私としては、消費者教育に限らず、若者の社会における意識や自立を高める教育が非常に重要だと考えております。若者の社会における意識や自立を高める教育はどのように行われているのでしょうか、現状をお聞かせいただきたいと思います。
○丹羽副大臣 御質問ありがとうございます。 成年年齢の引下げに向けた環境整備の一環といたしまして、消費者教育はもちろんのこと、若者の社会に対する意識を高め、その自立を支援していくということは非常に重要なことだと認識いたしております。 現在、文部科学省といたしましては、若者の自立支援に関する取組といたしまして、小学校からの企業体験や、中学校の職場体験活動、また高等学校におけるインターンシップを促進するなど、発達段階に応じた体系的なキャリア教育の推進を進めさせていただいています。 さらには、児童生徒の心のケアや、児童生徒を取り巻くさまざまな環境への働きかけを行うため、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの配置促進に向けた教育相談体制の充実、また、先ほど先生おっしゃられました、保護者の対応に関しまして、保護者の相談の対応、さらには、総務省また法務省と連携した副教材の作成、配付などによる主権者教育や法教育の充実等を進めているところでございます。 引き続き、文部科学省といたしましても、関係省庁と連携して、更に推進していきたいと思っております。
○松田委員 やっていただいているとは思っておりますが、先ほども言いましたけれども、実践力がないと、ただ覚えただけになっちゃうという意味なんです。文言だけ並べちゃいけない。つまり、最近、先生たちも、ハードワークでとか、うつ病でとか、いろいろなことがあります。だから、僕は、根本的に現場を見直していかなきゃいけないんじゃないかというふうに思って、子供たちに向き合って、実践力が高まるふうでないと、ただ覚えればいいということではなくて。 ちょっと雑駁に言いますけれども、できる子はできる。例えば、親が、よく教える親と、その親が知識を知らなくて教えられない人と教えない人がいたとしたときに、その後者二つの方をサポートできるのが学校でないと、子供が大きくなっていかない。でも、それをするには先生に余裕がないといけない、先生に経験がなければいけない、そういった問題が今現場では起きてきていると思っているところであります。 ぜひ、そういったことを、丹羽副大臣の方もしっかりお願いしたいと思いますし、進めていただければと思っております。 今、ちょっと質問の中で、スクールカウンセラーのお話がございました。 これは、全校には配置されていないと思われます。地方自治体によって、予算がなくて配置ができないという問題があります。これは多分、いろんな地方自治体の議会や何かでも、設置をお願いしますという要望が出ていましたし、私が出身のところもそうでした。ですから、そういったことで、対策ができたところ、できなかったところがあります。そういったことにおいて、今お話がありました、実践力を高めるために、そういった配置ができるのか。 また、もう一つ、職場体験がございます。 みんな、職場体験、職場体験といって、何か文言だけいいんだけれども、現場に行くと、例えば子供が遅刻してきちゃったり無断欠席しちゃったりということがあるんですね。 それで、職場体験を受け入れる側、これは大人で、社会を担っている人たちが受け入れてくれるんですけれども、体験だからという感じでやわくやっていいのか。僕がさっき言った、実践力と、十五歳までに大人にさせるという意味であれば、この体験というのは非常に重要なんですね。そこの部分で、消費者教育を、その職場体験で、現場ですから、親でもない大人の人から、そういう人からしっかりまた教えてもらえる機会の一つであると思っているんですね。 でも、それを子供自身が中途半端な思いで行ったり、ただ行けばいいやとかいうふうであります。そうでない子もいます。 逆に、その場をしっかり利用して、消費者教育のプラスアルファとして行っていく。これは、本来であればアルバイトに近いものかもしれません。社会に出て働く、契約を結ぶ、お金が絡みます。しっかり自分が働いたら、それだけ分もらいます。そういったことを学ぶいい機会で、ただ体験だけじゃなくて、実は、その額は別として、働いたら、お小遣いじゃないけれども、ちゃんとお給金をもらうというふうでやることで、遅刻したらしっかり怒られますし、だらだらやったり挨拶もしなければしっかり怒ってもらえばいいわけです。親にもできない教育を大人がやるいい機会であります。 でも、ちゃんとやらない子が多いから、現場ではもう受け入れたくないという会社も出てきちゃっています。だから、学校の先生は本当に困っています。その受け入れる会社が必要になってくる。 そういったことで、職場体験自体は、非常に消費者教育の中でも僕は重要な位置づけの一つだと思っています。実践力を高める意味で、ぜひやっていただいて。小学校でもいいと思うんです。小学生でもいいし、ちゃんとやる、それに対してちゃんともらう、きちっと、それが契約なんだと、雇用主と働く人とが。そういったことで、消費者教育を実践として学ぶことも少し考えていただければと思っております。 以上、二点でありますが、ちょっとその辺について、スクールカウンセラー等々の全校配置に向けた形、今後どういうふうに進めていくのか、お聞かせいただきたいと思います。
○下間政府参考人 二点お尋ねがございました。 まず、スクールカウンセラーの全校配置についての取組でございますが、文部科学省といたしましては、このスクールカウンセラーの配置拡充につきまして、平成二十八年に閣議決定されたニッポン一億総活躍プランなどにおきまして、平成三十一年度までに全公立小中学校二万七千五百校に配置することが目標とされております。 本目標に向けまして、平成三十年度予算におきましては、前年度より七百校増の公立小中学校二万六千七百校にスクールカウンセラーを配置するための経費として、四十六億円の予算を確保し、予算の拡充を図ったところでございます。 引き続き、スクールカウンセラーの配置拡充に向けて努めてまいります。 それから、二点目の職場の体験等についてでございますけれども、子供たち一人一人が、小学校段階から高校を卒業するまでに、御指摘のような勤労観、職業観の形成や職業意識を醸成することが重要と認識してございます。 そのため、学校教育におきまして、児童生徒が早い段階から、社会生活の中でみずからの役割や働くことへの職業意識の醸成に向けて、小学校、中学校、高等学校を通じて、学習指導要領に基づきまして、職場見学や職場体験それからインターンシップなど、さまざまな体験的な学習を効果的に活用できますよう、各教科、総合的な学習の時間など、学校教育全体を通じて、そうした職業意識などの醸成をいたしますキャリア教育を推進しているところでございます。 新たな、平成三十年三月に告示をいたしました新学習指導要領におきましても、特別活動をかなめとしつつ、各教科の特質に応じて、こうしたキャリア教育の充実を図るということにしておりまして、児童生徒一人一人のしっかりとした社会的、職業的自立に向け、必要な能力や態度を育てるキャリア教育の充実に努めてまいりたいというふうに考えてございます。
○松田委員 実践力を高めるという意味でありますので、一度また職場教育の方も、いい形で進められるようにぜひお願いしたいと思います。 スクールカウンセラーについても、できるだけ早く対応できるようにお願いをしたいと思いますので、よろしくお願いを申し上げます。 それでは、続きまして、若者の悪質商法被害について御質問させていただきたいと思います。 済みません、文科の方は、もうこれで退室していただければと思いますので。 犯罪としてあらわれている消費者被害、悪質商法被害の現状について、警察庁にお尋ねをしたいと思います。 まず、悪徳商法について、警察では悪質商法犯と言うそうでございますが、その犯罪や被害状況はどのようになっているのでしょうか。その中で、若者被害はどうなっているのでしょうか。現状や最近の増減などの御説明をいただきたいと思います。
○小田部政府参考人 お答えいたします。 平成二十九年中に警察が受理しました悪質商法事犯に係る相談のうち、利殖勧誘事犯に係る相談件数は千三百十四件でありまして、そのうち六十五歳以上の高齢者の相談が五百五十五件、四二・二%、三十歳未満の相談は百二十四件、九・四%となっております。 また、特定商取引等事犯に係る相談件数は五千四百六十六件でありまして、そのうち高齢者の相談は二千八百三十五件、五一・九%、三十歳未満の者の相談は二百八十一件、五・一%となっております。 平成二十八年中の利殖勧誘事犯、特定商取引等事犯に係る相談を見ましても、三十歳未満の者の相談が占める割合は、それぞれ四・〇%、七・五%と一割未満となっておりまして、大きな変化は見られないところであります。 また、平成二十八年、平成二十九年の特定商取引等事犯に係る相談のうち、連鎖販売取引に係るものにつきましては、各年齢層の中で二十歳代の者の相談の割合が最も高くなっているところでございます。
○松田委員 ありがとうございます。 引き続きまして、今の流れでもありますが、若者には悪質商法の被害事案があるのでしょうか。具体的なものがあれば御説明をいただきたいと思います。
○小田部政府参考人 ただいまお尋ねがございました、若者が被害者となった悪質商法事犯につきまして、警察では、例えば、会社役員らが学生等をSNSで喫茶店等に誘い出して、起業するために必要な知識やノウハウを教えるなどとうそを告げて、起業家育成プログラムの受講料名目でお金をだまし取った組織的な詐欺事件を組織的犯罪処罰法違反等で検挙しているところでございます。
○松田委員 若者をターゲットにするということで、消費者被害だと行政罰の方で、なかなか刑事罰の方ではない部分もあります。本当は両方絡んでいるんですけれども、僕は、こういった傾向を見ながら、ちょっと厳しくもしていかなければいけないのではないかなというふうにも思っております。 犯罪傾向の中で、先ほども言ったように、相談件数が横ばいになっているということは、大臣を始め皆さんがいろいろ努力もされてやっている中だけれども、なかなか横ばいだということならば、それはもう、悪いことをする人側が必死こいて悪いことをして金稼いでやろうというような部分も考えられると思うんですね。 そういったことについて、最近のこの犯罪の傾向に変化等がございましたら、お聞かせいただきたいと思います。
○小田部政府参考人 若者を対象といたします悪質商法事犯につきましては、先ほども御答弁申し上げましたけれども、例えば近年は、SNSなどのネットワークを通じて構築した交友関係を利用したり、先輩後輩の関係を利用するなどして、悪質商法事犯に係る商品やサービスの購入を勧誘するといった手口が見られるところでございます。また、学生などを言葉巧みに唆して、消費者金融で借受けさせるなどしてその購入代金を支払わせるといったような手口が見られるところでございます。 警察といたしましては、こういった手口も踏まえつつ、厳正な取締りを実施するとともに、関係機関、団体等と連携を図りながら、被害防止のための広報啓発等に取り組んでまいりたいと考えております。
○松田委員 状況をお聞かせいただきました。 さっきのアメフトの話じゃありませんが、指導者と選手、先輩後輩じゃないですけれども、やはりすごく、若い人は素直に物事を聞いてしまうという傾向があるということは、そういった状況で見られるというふうに思います。あと、経験もないのも事実でありますが、先輩後輩なんかによってなるということは、道を、本当は先輩はいい方へ導かなきゃいけないのに悪い方へ行っちゃったりとか。逆もあります、後輩が先輩に甘えてそういったことに引っ張っていくということもあるかもしれません。いずれにしましても、そういった形で、まだまだ対策を進めていかなければならないということは今のお話でもわかるところでございます。 そういった中で、若い人たち、成人年齢を引き下げることによって、そこをターゲットにした犯罪の増加がやはり見込まれる、予想される中であります。今後に向けて、例えば罰則の強化、悪質商法犯罪へのさらなる対応を政府として何かお考えになられているのでしょうか、お聞かせをいただきたいと思います。
○小野瀬政府参考人 お答えいたします。 悪質商法の犯罪を含めました消費者被害の拡大の防止、これが重要でございます。こういった拡大を防止するという観点から、まずは、消費者教育の充実を始めとする環境整備の施策が重要であると考えております。 これまでも、政府としてその充実強化を図る取組を進めてきたところでございますけれども、仮に改正法が成立した後も、引き続き関係省庁と連携し、これらの施策を着実に進めていきたいと考えているところでございます。 その上で、お尋ねのような罰則の強化を含めた対応につきましては、改正法の施行により、犯罪被害の状況も含め、若年者を取り巻く環境にどのような変化が生ずるかを注視し、関係省庁とも連携し、必要に応じて検討してまいりたいと考えております。
○松田委員 しっかり連携をとって進めていただきたいと思いますし、罰則の強化にしても、相手は、行政罰あたりなんかは、別にお金を返したらいいだろうとか、こっちも倒産したからもう何ともならないとかいうことも考えてやる悪質な部分も多くあります。 刑事罰になるのであれば、またそれは刑務所に行ったりとかいろいろな処罰を受けるということも出てきますので、いろいろ、この問題に対してもそうですが、詐欺被害や悪質商法被害に遭わないような対策はより一層進めていただければというふうに思っております。 続きまして、今後のこれらの浸透、施行についてお伺いをしたいと思います。先ほど議論いたしました消費者教育の浸透について、今後のことをお尋ねしたいと思います。 今回の成年年齢引下げの民法改正案は、施行が平成三十四年四月一日の予定となっております。今まで議論してきました消費者教育、成年年齢引下げに伴う被害を防ぐための消費者教育でありますが、平成三十四年四月の施行までに十分に若者に浸透することができるのでしょうか。そのために期間は十分なのでしょうか。大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○上川国務大臣 成年年齢の引下げに、消費者教育の充実は大変重要な施策になっているところでございます。 先ほど来、子供たちがその発達段階に応じて小さいころからルールを身につけていく、そして、その過程を経た上で消費者被害に遭わないための能力、力を身につけていく、また、被害に仮に遭ったとしてもそれにしっかりと対処できるような能力も身につけていく、こうした一連の取組につきましては段階に応じてしっかりと取り組んでいく必要があろうかというふうに思っております。 加えまして、平成三十年二月二十日でございますが、成年年齢の引下げを見据えた実践的な消費者教育の実施に関する取組、これを各省庁が緊密に連携して推進する必要があるということで、消費者庁、文部科学省、法務省、金融庁の関係局長で構成する、若年者への消費者教育の推進に関する四省庁関係局長連絡会議を設置いたしまして、若年者への消費者教育の推進に関するアクションプログラムが決定されているところでございます。 このアクションプログラムにおきましては、まさに平成三十年度から三十二年度までの三年間を集中強化期間といたしまして、実践的な消費者教育をすべく、そのための施策を総動員して取り組んでまいるところでございます。 法務省といたしましても、こうした計画をしっかりと踏まえながら、平成三十四年の四月一日の本法律案の施行までには消費者教育の若年者への浸透が更に進むものと考えておりますが、御指摘いただきました種々の懸念が生じないように、引き続き、関係省庁としっかりと連携をして、消費者教育の充実に当たってまいりたいと思っております。
○松田委員 消費者教育について進めているところでありますけれども、アメフトの事件じゃありませんが、教育を進めるというのは本当に難しいということなんですね。いつまでに間に合うかとかではないのかもしれません。しかしながら、それぐらいの思いでやらないとなかなか浸透というのはいかないんだなというのを、今回のスポーツの現場で起きたことで改めて思わさせていただいているところであります。ぜひ、大臣におかれましても、十分な審議をまた続けていただきたいと思うので、よろしくお願いいたします。 それでは、引き続きまして、法制審の答申に関して少し質問をさせていただきたいと思います。 前回も取り上げました平成二十一年の法制審議会の答申について、時間が少し足りなくて質問もできなかったこともありますので、追加も含めてお尋ねをしたいと思います。 行ってきた施策について前回御説明いただきました。改めてお尋ねします。 法制審の答申が成人年齢の引下げのために実現が必要であると求めた若年者の自立を促すような施策、消費者被害の拡大のおそれを解決する施策は全体として実現されたんでしょうか。それがもし途中ならば、どこまで進んでいるのでしょうか。これらが実現されたかどうか、法務省全体としてお伺いをしたいと思います。
○小野瀬政府参考人 お答えいたします。 政府におきましては、これまでも、若年者の自立を促す施策や消費者被害の拡大を防止するための施策として、各種の環境整備のための施策に取り組んできたところでございます。 法務省といたしましては、こうした各種の施策により、成年年齢の引下げの是非について国会に御判断いただく前提となるだけの環境整備は実現されたものと考えておりますが、さらなる充実に向けて引き続き取り組んでまいりたいと考えております。 各施策の進捗状況はさまざまでございまして、これらの中には、例えば、数値目標を定めて取り組んでおり、現在までにそのうち一定割合が実現された施策など、進捗状況を客観的に説明することができる施策も含まれておりますが、その効果を数値を用いてお答えすることが困難なものも含まれておりまして、これらの施策の進捗状況を具体的にお答えするのは難しゅうございます。 政府といたしましては、成年年齢引下げを見据えた環境整備に関する関係府省庁連絡会議を開催し、平成三十四年四月一日の施行日に向けて、工程表を作成した上で、全体的な進捗管理を行っていくこととしておりまして、施行日までにこれらの施策が十分な効果を発揮していることとなるよう、引き続き努力してまいりたいと考えております。
○松田委員 次に、法制審で答申に記された、その効果が国民の意識としてあらわれた段階についてお尋ねをしたいと思います。 効果が国民の意識としてあらわれた段階とはどのようなことを言われているのでしょうか、御説明をいただきたいと思います。そして、それはどのように確認をするのでしょうか。前回お尋ねした世論調査が関係するのでしょうか。その効果が国民の意識としてあらわれた段階とは何か、どう確認するのか、御説明をいただきたいと思います。
○小野瀬政府参考人 お答えいたします。 法制審議会の意見書にございます、国民の意識としてあらわれた段階でございますけれども、環境整備に向けた諸施策の効果が発揮され、そのことが国民の意識に浸透した段階をいうものと考えられますけれども、この答申では、この段階に至っているかどうかの判断につきましては国会に委ねることとされております。 世論調査の結果は、この国民の意識の浸透度合い、浸透程度を推しはかる一つの手段であるとは思われますものの、その結果のみがその手段となるというものではなく、環境整備に向けた諸施策の実施状況等の事情もその手段となるものと考えられます。 政府といたしましては、平成二十一年十月の法制審議会の答申以降、成年年齢の引下げによって生じ得る弊害に対応するため、若年者の自立を促すような施策や消費者被害の拡大のおそれ等の問題点の解決に資する施策など、成年年齢の引下げに向けた環境整備のための施策に取り組んでまいりました。 こうした施策につきましては、もとよりこの効果を定量的に評価することは困難でございますけれども、中には、新たな消費者教育用の教材の活用のように、実際に教育現場の関係者からその効果が生じているということを確認したものもございます。 法務省といたしましては、このようなことから、成年年齢の引下げについて、国会の御判断を仰ぐ前提となる環境が整ったものと考えているものでございます。
○松田委員 また、法制審の中では、若者の自立を援助するための施策の充実を求めています。これはどういったことを全体的に指しているのか、また、政府は今までどのような施策を行ってきたのか、具体的にお答えをいただければと思います。
○小野瀬政府参考人 お答えいたします。 御指摘のとおり、平成二十一年十月の法制審議会の答申におきましては、民法の成年年齢の引下げにより、自立に困難を抱える十八歳、十九歳の者が困窮するおそれがあることを前提として、若年者の自立を促すような施策が実現される必要があるとの指摘がされております。 政府におきましては、内閣総理大臣を本部長とし、全閣僚から成る子ども・若者育成支援推進本部を設置し、平成二十八年二月にこの本部で決定した子供・若者育成支援推進大綱に基づきまして、政府を挙げて、若者の自立支援を含む子供・若者政策に取り組んでいるところでございます。 具体的には、先ほどお話がありました、例えばキャリア教育などのキャリア形成に対する支援や、教育現場へのスクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーの配置の推進、相談窓口の充実といった施策が実施されてきたところでございます。 政府といたしましては、こうした施策を引き続き実施し、若年者の自立を支援する取組を着実に進めていく必要があると考えております。 成年年齢の引下げを見据えた関係府省庁連絡会議においても、各種の施策の進捗管理を適切に行ってまいりたいと考えております。
○松田委員 ありがとうございました。 時間も参りましたので、質問を終わらさせていただきたいと思いますが、消費者庁と経産省と金融庁の皆さん、ちょっと時間がなくて、来ていただいて申しわけございませんでした。また次の機会にぜひお願いをしたいと思います。 きょうは消費者教育を中心に議論をさせていただきましたが、民法の成人年齢引下げについてはまだまだ議論が尽くされていないと思います。引き続き議論をさせていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。 ありがとうございました。
○平口委員長 次に、松平浩一君。
○松平委員 立憲民主党の松平浩一です。よろしくお願いいたします。 今回の民法改正で成人年齢を十八歳にするとされております。その社会に与える影響は何だろうというふうに考えたとき、消費者被害がふえるというふうに言われておりますけれども、その観点に関してはほかの委員の方からも御議論いただいていますので、ちょっと違う観点から考えてみますと、私、高校を卒業してですとか学校に在学中のままビジネスをする人がふえてくるのではないのかなというふうに思っております。 私、前の職でスタートアップ支援の仕事をしていた関係で、学生で起業するアントレプレナーと結構接してまいりました。ITとか新しい分野で、学生をやりながら起業したり、高校を卒業してから、大学で学ぶよりもプログラミングを独学で学んで自分のアイデアでビジネスで勝負をしたい、最近、そういう選択をする人が結構ふえてきているような印象がしています。 御案内のことと思うんですが、残念ながら、残念ながらというのは、我々ではないという。若い人ほど発想が豊かで柔軟で世界を変えるイノベーションを生み出せる。マイクロソフトのビル・ゲイツ、フェイスブックのザッカーバーグであるとかアップルのスティーブ・ジョブズ、グーグルのラリー・ペイジ、それからイーロン・マスクなど、皆、大学在学中のアイデアや、大学を中退して起業したりしております。 そういうアントレプレナーを支援し支える、また、そういう選択をする人をふやしていく、そういったことが社会に活力を与えていくんだというふうに思います。 十八歳、十九歳の起業家が、せっかくいいアイデアがあっても自由にビジネスができる環境がなければ、日本のみならず世界を変える日本人の活躍の場がもしかしたら制限されてしまうかもしれません。 現状、十八歳、十九歳の起業家は、未成年ということで、ほかの企業からも子供に見られてしまっています。経験が足りない、知識が足りないというイメージにとらわれて、信用にかかわってきております。実際問題としても、会社設立から銀行口座の開設、取引の開始に至るまで、さまざまなビジネス上の制約があるというふうに思っています。 それが、十八歳で成年として、大人として契約できるようになれば、彼らにとってのビジネスも結構スムーズになっていくんじゃないかというふうに思います。とはいいつつ、私も、もちろん、そういった若者は一部分で、大多数ではないというふうに思っています。 では、どうするかというところで考えたときに、きのうの山下参考人のお話を聞いてなるほどというふうに思ったんですが、自分の生き方を自由に決める決定権を一律に制限してしまっていいのか、そういう観点です。 社会で活躍できる能力を持った方々には活躍できる場を与えて、それで逆に、知能の未発達と経験不足から被害に遭う不利益については、そのような不利益のきっかけとなる悪徳商法や悪徳な取引自体を別に規制すべきという考え方だと思います。 そこで、ちょっとお聞きしたいのですが、今回の成人年齢引下げの大きなデメリットである悪徳な取引からの未成年者の保護についてどのように図ろうとされておられるのか、教えていただければと思います。
○福岡政府参考人 今の委員の御指摘につきまして、消費者庁の観点からお答え申し上げます。 消費者庁といたしましては、成年年齢の引下げに伴う若年者の消費者被害の拡大を防止するという観点から、まず第一に、消費者教育の充実を図っていきたいと考えております。それに加えて、制度整備や特定商取引法に違反した事業者に対する厳正な法執行を行い、また、三番目として、消費生活相談窓口の充実、周知といったことに取り組んでまいりたいと思います。 その中でも、冒頭申し上げました消費者教育の充実ということにつきましては特に重要であると考えておりまして、文部科学省等とも連携いたしまして、先般、二〇一八年度から二〇二〇年度までの三年間を集中強化期間としまして、消費者庁で作成した「社会への扉」という教材を活用した授業が全ての都道府県の全高校で行われるということを目指して、またそれに関連して、消費者教育コーディネーターを全都道府県に配置することを目指すといったアクションプログラムを決定したところでございます。 また、制度整備の観点からは、先般国会に提出してございます消費者契約法の一部を改正する法律案につきまして御審議をいただいているところでございます。 この法律案では、主として若年者に発生している被害事例を念頭に置きまして、消費者の不安をあおる告知に関する商法とか、恋愛感情等に乗じた人間関係の濫用といった不当勧誘行為に対しまして取消権を追加するということを規定しております。 このような対応を通じまして、成年年齢の引下げを見据えた環境整備に全力を挙げてまいりたいと考えております。
○松平委員 どうもありがとうございます。 私、今御答弁いただいた中で、厳正な法執行というところをちょっと着目させていただきたいと思うんです。 やはり、幾ら環境を整備しても、厳正に執行することが非常に大事だと思うんですけれども、ここの部分を具体的に教えていただいてもいいでしょうか。
○東出政府参考人 御指摘の特定商取引法の施行の関係でございますけれども、消費者庁では、特定商取引法を厳正かつ適切に執行するということでやっておりまして、平成二十九年度でございますけれども、国、これは消費者庁と地方経済産業局合わせてということですけれども、特定商取引法に違反した事業者に対しまして、業務停止命令等の行政処分を合計で三十二件行っております。 具体的な事例をちょっと御紹介させていただきますと、昨年度の行政処分のうち若年者の被害が多かったものというもので、例えばですが、学生等に対しましてビジネススクールの役務を提供していた連鎖販売業者というのがございまして、この事業者が、定期的な収入がない学生に対して学生ローンから借入れをさせた上で契約するよう勧誘するとか、それから、未成年者に対しましては保護者の同意書というのをとっておったんですけれども、これに、未成年者に自分で署名をさせるということをしていたというような違反がございまして、その事業者につきましては六カ月の取引停止命令等を命じております。 また、脱毛とか美顔の施術等の役務を提供しているエステティック事業者も、未成年者を含む学生等に対して収入等に比例して不相応に高額な契約の締結を勧誘していたというようなことの違反行為を認定いたしまして、こちらにつきましても六カ月の業務停止命令等を行った事案などがございます。 特定商取引法につきましては、平成二十八年に改正を認めていただいておりまして、この改正は昨年の十二月から施行されておるところでございます。改正特定商取引法におきましては、業務停止命令等を受けた事業者において違反行為を主導した役員等の個人に対しまして、新たな法人を立ち上げて業務を継続するというようなこと等を禁止する業務禁止命令というのが新たに盛り込まれたところでございます。 消費者庁といたしましては、このような制度等を有効に活用しつつ、法と証拠に基づきまして、特定商取引法を引き続き厳正かつ適切に執行していく考えでございます。
○松平委員 どうもありがとうございます。厳正な法執行ということで御答弁いただきました。 あと、私、その他やはりいろいろな課題があると思います。法教育であったり、若年者の自立支援の問題ですね、そういったいろいろな課題があると思うんですけれども、このあたり、やはりいろいろな省庁が連携して政府としてやっていかなければいけないと思うんですけれども、横串を刺して検討する、そういう機関というのはあるのでしょうか、その辺の取組について教えてください。
○上川国務大臣 成年年齢の引下げに当たりましては、さまざまな問題につきましての環境整備、そしてそのための施策が必要でございます。 そうした施策の推進に当たりまして、御指摘のとおり複数の府省庁にまたがる問題ということでございまして、相互に関連するものでもあるということでございます。政府一丸となって取り組むということが重要であるというふうに認識をしております。 このような観点から、環境整備に関しまして、関係行政機関相互の密接な連携、協力を確保し、総合的かつ効果的な取組を推進するために、私を議長といたしまして、内閣官房副長官補を副議長、また関係府省庁の局長級職員を構成員とする、成年年齢引下げを見据えた環境整備に関する関係府省庁連絡会議を開催することといたしました。本年四月十六日に第一回の会議が開催されたところでございます。 今後も、この連絡会議等を通じまして、政府一丸となって、成年年齢引下げに向けた環境整備に取り組んでまいりたいというふうに考えております。
○松平委員 ありがとうございます。 連絡会議を開催されているということのようです。こちらは具体的にはどのような内容の御議論をなさっているんでしょうか、教えていただければと思います。
○小野瀬政府参考人 お答えいたします。 この連絡会議でございますけれども、成年年齢の引下げに伴って対応が必要とされる個別の施策につきまして、目標に向けた進捗状況の管理をするとともに、進捗状況を踏まえ、特に、省庁横断的に検討が必要な個別の論点について重点的に検討することを目的としております。 この連絡会議におきましては、例えば、若年者の消費者教育、消費者保護や若年者に対する与信審査、若年者自立支援などをテーマとして取り上げ、こうした施策について進捗状況の管理を行っていく予定でございます。このほか、この法律案の成立後は、改正民法の周知活動や成人式の時期やあり方といったテーマについても取り上げる予定でございます。
○松平委員 なるほど、どうもありがとうございます。 今回の改正で、私も、やはり年齢を下げたということで、今まで取消権があるということでターゲットとされてこなかった十八歳、十九歳が悪徳業者のターゲットとなってくるというのは少なからずあり得るというふうに思っています。あと、労働契約として、ブラックバイトからの保護というものも必要になってくると思います。こういったものをすぐに相談できる窓口の設置、やはり若者ですのでSNSなどで相談できるようにするなど利用勝手をよくする、こういったことは必須だというふうに思っています。 あと、私、先ほど冒頭で述べさせていただいたことに関連するんですけれども、今回の改正での社会への影響として、若くてビジネスを始める人がふえるという点、こちらに関してなんですけれども、責任を持って社会に出てくる若者がふえるということで、よりセーフティーネットの整備というのが必要になってくると思います。つまり、起業したけれども失敗したので、また別のところに就職したい、やはり一般の大手の会社に就職したいですとか、そういう再就職をしたいという部分、それから学校に再度行って学び直したい、そういう部分ですね。 いわば多様化する人生、こういったものへの対応、多様化する人生への多様化の整備、そういう部分を何とか会議体でぜひともテーマにしていっていただきたいなというふうに思っております。 その点、大臣、御所見はいかがでございましょうか。
○上川国務大臣 連絡会議におきましては、この成年年齢の引下げに伴う環境整備の推進という観点から、必要となる個別の施策の進捗管理等を省庁横断的な観点から取り組むということを目的としております。 取り上げるテーマにつきましては、今後必要に応じて追加することもあり得るというふうに考えておりまして、今国会におきまして、御議論を十分に踏まえた形で更に検討してまいりたいというふうに考えております。
○松平委員 どうもありがとうございます。考えていただければ幸いでございます。 次に、親権のあり方についてちょっと御議論させていただきたいと思います。 本法案では成人年齢を十八歳に達したときとされていると思うんですけれども、そうなると、実際問題として、高校三年生のときに生徒に成年者と未成年者が混在することになります。 この点、最終報告書を見ますと、高校三年生で成年、十八歳に達した生徒については、親権者を介しての指導が困難となり、教師が直接生徒と対峙せざるを得なくなって生徒指導が困難になるおそれがありますという点が指摘されています。 あと、似たような指摘なんですが、全国高等学校校長協会、こちらは、高校生の保護者に成年となった子供への親権が法改正でなくなるという場合に、学校がこれまでのように生活や学習等に課題のある生徒への指導を保護者の理解と協力を得て行うことが困難になる可能性が生ずると懸念を表明されています。 こういった懸念への対応といいますか、そういう部分、例えば、今回成人になるときなんですが、その十八歳という年齢に達した直後の三月三十一日に一斉に成人する、そういう考え方もできると思うんです。そうすると、高校三年生で成年と未成年が両方存在するみたいなことはなくなると思うんですけれども、本法律案でそうされなかったのはなぜなんでしょうか。
○小野瀬政府参考人 お答えいたします。 委員御指摘のとおり、法制審議会の最終報告書におきまして、学校におきます教育上の問題点、こういったような指摘がされているところでございます。 このため、これもまた委員御指摘のとおり、成年に達する日を十八歳に達した直後の三月の一定の日にするということも考えられるところでございます。 もっとも、民法の成年年齢の引下げは、選挙権年齢の引下げ等を含め、若年者に社会参加の機会を与えるという政策の流れの一環として位置づけられるものでありますことから、特段の弊害がない限り選挙権年齢と一致させるのが望ましいと考えられます。 一方、十八歳に達した直後の三月の一定の日とする考え方につきましては、高校が義務教育ではないということからいたしますと、高校卒業を基準とすることは相当でない、こういったような指摘もされております。 さらに、高校在学中の指導につきましては、高校入学時に在学中は親を通じて生徒指導を行うことを約束させる、こういったような方法で回避できるとも考えられます。 以上のようなことから、先ほど申し上げましたような成年に達する日についての考え方は採用する必要が高いとまでは言えない、そのため、本法律案ではこういう考え方は採用しなかったものでございます。
○松平委員 なるほど、ありがとうございます。 あと、私、この点に関しては、十八歳になって成年になると一律にしなくても、親権とか監護権から外れるかどうかを十八歳になったら選択できるみたいな発想をしてはどうかなというふうにも思いました。 きのう山下参考人もおっしゃられていた、今回の法改正に関する、自己決定権、自分の生き方を自由に決めるという考え方、こういう考え方からも選択権というのは筋も通っているんじゃないかなと思います。 例えば自分の子供が悪徳商法にひっかかるか心配なら親権を持ったままにすればいいですし、先ほどお話ししたように、ビジネスをやりたいという未成年者は十八歳で親権から外れることを選択すればいい。それこそ個性に応じて多様な生き方を認める社会となると思うんですけれども、この選択制という考え方、ちょっとお聞きしますけれども、いかがでしょうか。
○小野瀬政府参考人 お答えいたします。 御指摘のとおり、成年年齢を十八歳に引き下げるのではなく、十八歳に達した者は、例えば本人が成年となることを選択した場合、あるいはほかにも、親の許可を得た場合、こういったような場合などに、一定の手続を踏んだ上で父母の親権から外れて契約を一人ですることができるようにする、こういった制度もあり得るものと考えられます。実際に、そのような制度につきましても法制審議会におきまして議論が行われたところでございます。 ただ、このような制度を採用いたしますと、十八歳、十九歳の者の中に親権に服する者とそうでない者とが混在するということになります。そうしますと、取引の安全性、こういったものを害するおそれがあるのではないか、こういったような問題が指摘されるところでございまして、そういったような理由からそのような制度は採用されなかったものでございます。
○松平委員 なるほど、ありがとうございます。 取引の安全はどうするのだという反論がございましたけれども、親権から外れているかどうかというのをその都度確認する扱いであれば、現状の、未成年と契約する際は親の同意が必要、その都度親の同意を確認するという実務上の扱いと余り変わらないのではないかなと思ったりもしました。 ちょっとごめんなさい、時間がなくなってきましたので、次に移らせていただきます。 ちょっと飛ばしまして、未成年者飲酒防止法と喫煙防止法に関してなんですけれども、こちらは、改正されたといいましても形式修正で、二十未満はだめという点については変わっておりませんでした。 今回、民法で成人年齢を下げた、自己決定権、自分の生き方を自由に決める考え方の尊重という観点からすると、飲酒や喫煙も、成年になったら自己決定権として、自己責任としていいのではないかというふうに思ったりするんですけれども、十八歳になったら民法上契約取引はオーケーにして、しかしお酒やたばこはだめというのはちょっとよくわからないんですが、この点、いかがでしょうか。
○小田部政府参考人 お答えいたします。 未成年者飲酒禁止法及び未成年者喫煙禁止法が二十歳未満の者による飲酒及び喫煙を禁止している趣旨は、健康被害防止と非行防止の二点にありまして、民法の成年年齢の定めとはその趣旨を異にしているところでございます。このため、必ずしもその年齢を一致させる必要があるものではないと考えているところであります。 近年、国内外におきまして飲酒や喫煙が健康に与える悪影響を防ぐための取組が強化されているところでもありまして、今回の民法改正を理由として飲酒、喫煙を禁止する年齢を引き下げることとはしなかったものであります。
○松平委員 なるほどですね。 世の中を見てみると、お酒は未成年はだめ、成年になってからという、いわば何かキャッチフレーズ化されていて、お酒が大丈夫かどうかというのは成年か未成年かで線引きなされる実情があります。そういった中で、今回、お酒に関しては二十を維持して、十八歳はだめとすることになると、ちょっと社会状況がもしかしたらこんがらがって、混乱させてしまうのかもしれないのかなと思ったりします。 そもそも、その飲酒の禁止法の立法時になぜ二十にしたのかというと、恐らく成年だからという理由かと思うんですね。そうだとすると、やはり成年年齢に合わすというのが筋なのかなと思ったりもするんですけれども、その辺、いかがでしょうか。
○小田部政府参考人 お答えいたします。 先ほども答弁申し上げましたように、未成年者飲酒禁止法及び未成年者喫煙禁止法が二十歳未満の者による飲酒及び喫煙を禁止している趣旨は、健康被害防止と非行防止の二点にありまして、民法の成年年齢の定めとはその趣旨を異にしているものでございます。 未成年者飲酒禁止法及び未成年者喫煙禁止法の制定当時は、二十歳未満の者を対象とする趣旨で、未成年者の飲酒及び喫煙を禁止する旨規定されたところでありますが、昭和二十二年に婚姻による成年擬制制度を導入するための民法改正が行われた際に、成年擬制されたかどうかにかかわらず、二十歳未満の者には飲酒、喫煙をさせるべきではないとの考え方から、飲酒及び喫煙の禁止年齢に関して、未成年者が「満二十年ニ至ラサル者」と改正されているところでございます。 近年、飲酒や喫煙が健康に与える悪影響を防ぐための取組が国内外で強化されているところでもあり、今回の民法改正を理由として飲酒や喫煙を禁止する年齢を引き下げることとはしなかったものでありますが、二十歳未満の者による飲酒及び喫煙を禁止する法律であることを明確にする観点から、法律の題名の改正を行うものでございます。 御指摘のとおり、民法の改正により成年年齢が引き下げられて未成年者の範囲が変わることによって混乱が生ずることがないよう、関係省庁や関係業界と連携を図りながら、広報啓発活動を行ってまいりたいと考えております。
○松平委員 ありがとうございます。 広報啓発活動ということですけれども、消費者が混乱しないように、ぜひとも周知活動をお願いしたいと思います。 ちょうど質問時間がちょっと過ぎましたので、これにて私の質問を終わらさせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。
○平口委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時十一分休憩 ————◇————— 午後一時開議
○平口委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。階猛君。
○階委員 国民民主党の階猛です。 五月十一日の松田委員の質問に対する民事局長の答弁において、成年年齢について、G7やOECDの大半が十八歳と定めているということを挙げられて、「さまざまな面で国際的な交流が進んでいる今日の状況のもとで、我が国において、世界標準よりも高い成年年齢を維持すべき合理的な理由は見出しがたい」というふうに発言されていました。要は、世界標準を重視する立場をここで披瀝されたわけです。 他方、では伺いますけれども、飲酒、喫煙年齢の世界標準、これは何歳というふうに捉えているか、関係の方から答弁をお願いします。
○小田部政府参考人 お答えいたします。 国立国会図書館による調査によりますれば、喫煙年齢につきましては、イギリス、ドイツ、フランスでは十八歳とされている一方、イタリア、オランダでは十六歳とされており、私法上の成年年齢より低く設定されている国もあります。 また、飲酒年齢につきましては、店内における飲酒か否かや酒の種類によって異なるものの、アメリカでは二十一歳、スウェーデンの販売店における酒の購入については二十歳と、私法上の成年年齢より高く設定されている国がある一方で、オーストラリア、中国など十八歳として成年年齢と一致させている国や、オーストリアやポルトガルなど十六歳として成年年齢より低く設定されている国もございます。 このように、諸外国における飲酒や喫煙に関する年齢制限は国によってさまざまでございまして、お尋ねの世界標準についてお答えすることは困難だろうと考えております。
○階委員 さまざまとは言えないと思いますよ。 傾向を見れば、皆さんもお手元にあると思うんですが、この国会図書館の調査結果ですね。まず、G7で、アメリカとカナダは、私法上の成人年齢は十八歳に対して確かに飲酒の年齢は高く設定されていますけれども、これも全国一律ではないということが一つ。それから、それ以外のOECDでは、十八歳が成人年齢として、それと同じか、むしろ飲酒年齢は若く設定されています。ほかの国を見ても、むしろ同じか若く設定されているところの方が圧倒的に多いですよ、この国会図書館のデータからすると。 そういう中で、もう一問お尋ねしますけれども、成年年齢よりも飲酒や喫煙の年齢を高く設定するというのは世界標準と言えますか、お答えください。
○小田部政府参考人 お答えいたします。 どのような年齢制限が世界標準であるかということをお答えすることは困難でございますが、先ほども御答弁申し上げましたように、国立国会図書館の調査によりますと、諸外国における飲酒、喫煙年齢と私法上の成年年齢の関係は各国でさまざまでありまして、飲酒、喫煙年齢を成年年齢より高く設定している国もあると承知しております。
○階委員 さまざまというのはおかしいですよ、傾向を聞いているわけだから。 世界標準だから、それは全部、成年年齢より飲酒、喫煙年齢を高く設定していなくとも、傾向としてはどうなのかということを聞いているわけです。標準的なことを聞いているわけです。標準的なことを言えばどうなんですかということは答えてください、通告していますから。 さまざまじゃだめですよ。標準的にはどうなのかということを答えてください。
○小田部政府参考人 先ほども御答弁さしあげたところでございますけれども、国立国会図書館の調査によりますれば、先ほどから御説明したような形の、国によってさまざまな年齢設定をされておるところでございまして、なかなか世界標準ということをお答えすることは困難であると考えております。
○階委員 それでは、私もちょっと数字を調べてくればよかったんですけれども、今ほかの問いをしている間に、この国立図書館のデータは皆さん見ていらっしゃるわけですよね、図書館のデータは。その中で、私が今問題にしている、成年年齢より飲酒、喫煙年齢を高く設定している国は何カ国あって、逆に低く設定しているか同じである国は何カ国あるか、それをちょっと数を数えておいてください、後で聞きますから。あなたが言うようにさまざまということじゃないと思いますよ。 そこで、民事局長にもお尋ねします。 きょうの答弁の中で、飲酒、喫煙年齢は十八歳にしないで二十歳のままでいる理由について、健康被害や非行の防止を挙げていました。 では、飲酒、喫煙年齢を十八歳以下にしている国々も実際あるわけですけれども、そういった国々では健康被害とか非行の問題というのは生じているのかどうか、ここをお尋ねします。
○小野瀬政府参考人 お答えいたします。 飲酒、喫煙年齢を十八歳以下にしている国々におきまして若年者の健康被害が生じているか、また飲酒、喫煙を原因としてどの程度非行が生じているかにつきましては、法務省としては承知はしておりません。
○階委員 やはり二十歳のままにするのであれば事実に基づいてそれをやってほしいんですけれども、事実を調べもしないで抽象的な健康被害とか非行ということを挙げられて、成年年齢を引き下げるのにここだけは今までどおりというのは、どうも説得力がないと思いますね。 例えば、諸外国では一九六〇年代から七〇年代に成年年齢を十八歳に引き下げているというところが多いということでしたが、そういった国々で実際飲酒、喫煙による健康被害や非行というのがふえているのか、これぐらい普通調べて法律の内容を決めるべきではないですか。そういうことは調べていないんですか。
○小野瀬政府参考人 お答えいたします。 私ども、民法で定めます成年年齢を引き下げるに当たりまして、それぞれ、さまざまな法律におきまして、二十歳ですとか成年という概念を用いている法律をどうするか、民法とあわせて連動して十八歳にするのか、それとも実質二十歳を維持するのかという点につきましては、それぞれの法律の所管の省庁におきまして検討をお願いしたところでございます。 そうしたところ、それぞれの、この飲酒、喫煙につきましては、健康被害や非行の防止といったところの観点から二十歳を維持するというような御判断がされたということで、私どもはその御判断にのっとって法案をまとめたというものでございます。
○階委員 局長も裁判官御出身だから、証拠に基づいて事実を認定し、その事実に基づいて主張されるというのは徹底してやられてきたことじゃないんですか。証拠はないのに、健康被害や非行の防止につながるから二十歳のままだと。何でこんなことが許されるんですか。それでいいんですか。
○小野瀬政府参考人 お答えいたします。 そのような、この飲酒、喫煙年齢をどうするかという点につきましては、それの所管省庁において検討がされて、その結果として健康被害や非行の防止という観点から実質を維持する、こういうような御意見をいただいたところでございまして、法務省としては、その背景にあるそういったような非行等の状況については承知していないというものでございます。
○階委員 だから、先ほどのような答弁をするのであれば、本当にそれが正しいかどうかというのを検証してから答弁に臨むべきではないですか。無責任じゃないですか。 ところで、警察庁、さっき言ったこと、わかりましたか。まだだったらいいです、時間の無駄だから。まだですか。(小田部政府参考人「まだです」と呼ぶ)まだ。では、でき上がったら言ってください。 それで、時間がないので次の質問に行きますけれども、法務大臣にも伺いたいんですね。 新聞の報道を見ますと、大半の新聞は、今回の法案について、成年年齢の引下げではなくて、成人年齢の引下げというふうに書いています。私は、法的には誤りだと思っています。 一方、祝日法の中で成人の日の定義があります。これはどなたかの答弁の中でありましたけれども、その定義によると、大人になったことを自覚し、みずから生き抜こうとする青年を祝い励ます日、これが成人の日の定義です。今の定義からすると、成人というのは大人であることが前提とされています。 五月十一日、これは藤原委員への局長の答弁でしたけれども、大人とは必ずしも民法の成年を意味するものではないという答弁もありました。つまり、民法の成年になっても大人と必ずしも言えないということだと思うんですが、ということは、成人というのは大人であることが前提ですから、成年年齢に達することと成人になるということは違うというふうにも捉えられると思うんですね。それでいいんですか。
○上川国務大臣 今回の民法の改正に当たりまして、少し紛らわしいところが、成人年齢の引下げとか成年年齢の引下げというのが混在しているなということについては、私もそのように思っております。 そこで、今お尋ねの件でございますが、成人を成年年齢に達した者という意味で用いる場合につきましては、本法律案によって改正がなされた後、成人というのは、今までは二十ということでございましたけれども、十八歳に達した者ということを指すということになろうかと思います。(階委員「ああ、そうなんですか」と呼ぶ)はい。
○階委員 そうすると、この法案が通ると、成人というのは自動的に十八歳を意味する。成人になるのは今までどおり改正後も二十歳だ、成年年齢は十八歳だけれども、成人になるのは二十歳ですよというような考え方は成り立たないということでいいですか。
○上川国務大臣 今申し上げた、成人という定義を成年年齢に達した者という意味で用いる場合、これは民法の成年年齢ということでありますが、その場合には、改正後は、成人というのは二十から十八歳に達した者を指すことになるわけでございます。 成人についての考え方というのを一概に一つで定義することはなかなか困難であるというふうに思いますけれども、今のような物の考え方として位置づけるものではないかというふうに思っております。
○階委員 ごめんなさい、今のお話を敷衍すると、成人は、十八歳を意味することもあるけれども、必ずしも十八歳じゃない場合もあるということをおっしゃっているわけですか。
○上川国務大臣 先ほど少し厳密に申し上げたのは、成人というのはどういうことを意味しているのかという定義規定から例えば申し上げたわけでございますが、成人というものを成年年齢に達した者という意味で用いる場合ということでございますが、今までは成年年齢は二十でございましたので、今回は引き下げるわけでございますので、成人はまさに十八歳に達した者を指すことになろうかというふうに思います。
○階委員 今の定義って、どこにある定義なんですか、教えてください。成人イコール成年年齢に達した者という定義がどこにあるんですか。
○上川国務大臣 成人というものについての定義ということで、これは広辞苑のものでありますが、一としては、「幼い者が成長すること。また、その人。」という形が一、それから二点目としては、成人とは「成年に達すること。また、その人。おとな。現在、日本では男女とも満二〇歳以上をいう。」ということであります。 そこで、先ほど申し上げた、成人を成年年齢に達した者という意味で用いる場合ということで申し上げたところでありますが、本法律案につきましては、改正後は、成人は十八歳に達した者を指すということになろうというふうに思います。
○階委員 じゃ、政府の見解は、広辞苑に従って、成人とは成年年齢に達した者をいう、これでよろしいですね。確認させてください。
○上川国務大臣 先ほどの、冒頭からお答えを申し上げていることについては、いわゆる成人ということで、これにつきましては成年年齢に達した者という意味で用いる場合というふうに申し上げたところでございまして、成人の意味というのは文脈によるものでございまして、一概にはお答えすることがなかなか難しいものでございます。今申し上げたのは、厳密に定義をされたものではないというふうに思います。 ただ、成人を成年年齢に達した者という意味で用いる場合、今の日本では男女ともに二十以上というふうに設定しているわけでございますので、今後十八歳に引き下げた場合には、十八歳に引き下げられるということだと思います。
○階委員 何か、前段と後段が整合してなくて、成人とは多義的な意味があるということを前段でおっしゃりつつ、法案が改正されれば、成人は十八歳に達した者をいう、何か一義的に決めていますよね。何で、多義的な前提があって、一義的に決まるんですか。それがよくわからない。
○上川国務大臣 この成人についての考え方ということについては、社会の中でさまざまな場面で、いろいろな形で使われているものだというふうに思います。 長い経緯の中で、先ほど申し上げたように成年年齢の改正という言い方もあるし、成人年齢の改正とおっしゃっていらっしゃる方もいるということに代表されるごとく、成人、成年の者の設定の仕方ということについては、いろいろな多義的な要素を持つものであるというふうに思います。 そこで、成人ということで、先ほど来のものでございますが、この法律案に、改正した後につきましては、この成人というのを成年年齢に達した者という意味で用いる場合につきましては、十八歳に達した者を指すということでございます。
○階委員 では、結論としては、成人というのは多義的な意味があるということでよろしいわけですね、結論としては。成人というのは、一義的に十八歳に達した人というふうに唯一絶対の定義ではなくて、いろいろな成人の定義というのはあり得るということでよろしいですね。
○上川国務大臣 成人の意味ということについては、先ほど来の話のとおり、いろいろな文脈の中で、社会の中で使われてきたものでございまして、一概に成年と成人を一つのイコールにするというようなことについては、成年を成人年齢に達した者という、そういう考え方というのが、先ほど定義として申し上げた一つでございますが、一概に申し上げることができないというのは、多様な社会の中での使われ方というのをこれまでもしてきましたし、恐らくこれからもそのようなことは残っていくのではないかというふうに思っております。 したがって、社会全体のルールとして、成人とはこうだというふうに厳密に定義規定を置くということについては、社会全体の今までのさまざまな文脈の中で考えると、なかなか多義性が高いというふうに思っております。
○階委員 多義的であるということであると、じゃ、成人式というのは従来どおり二十歳に達したときにやっても別に問題ないというふうにも思えるんですけれども、それでよろしいですか。
○上川国務大臣 今のさまざまな社会の中でも、成人式の実施につきましては、これは法律で定められているわけではございませんで、現在、地方自治体の御判断で行われているということでございます。 そのために、成年年齢が引き下げられた後にも、二十の者を対象として成人式を行うということは否定されるものではないというふうに考えているところでございます。
○階委員 私も今まで、てっきり、十八歳に成年年齢が引き下げられたら、成人も十八歳で、成人式も十八歳でやらなくちゃいけないのかなと思っていたんですけれども、そういうわけでもないということなんですね。やはり、私の感覚からすると、自分が成人になったという自覚を持つためには、お酒やたばこも自由にたしなめるというのが一つの大きなメルクマールだと思って、一番最初のようなことも聞いているわけですよ。 もういいかげんできましたよね、警察庁。遅過ぎますよ、これは。何でそんなに時間がかかる。 ということで、何か今回の法案は、成人年齢ではなくて、成年年齢の引下げを議論しているんだということが、まず、マスコミもよく理解していませんし、かつ、法案の中身を見ても、より法案の中身に忠実に言えば、今回の改正案というのは、取引をする年齢と親権に服する年齢を引き下げるものだと言った方が議論が錯綜しないで済むのではないかというふうに思いますけれども、そういう考え方はどうでしょうか。法務大臣にお尋ねします。
○上川国務大臣 委員御指摘のとおり、本法律案につきましては、民法の改正部分のみを考慮すれば、単独で契約をすることができる年齢及び親権の対象となる年齢を引き下げることを主な内容とするものでございます。 しかし、民法が成年年齢としている二十、二十歳は、民法以外の多数の法令におきまして、各種行為の基準とされているものでございます。一般国民の意識におきましても、二十が、先ほどのお話のとおり、大人になればということでの意識、子供の意識、子供との範囲、これを画している基準となっている。二十が大人と子供の範囲を画する基準となっているというふうにも思われます。 そして、本法律案につきましては、民法の成年年齢に合わせる形で、他の法律の年齢要件、これを十八歳に引き下げているほか、成年、未成年といった文言の意味が実質的に変わるということを通じまして、多数の法律の年齢要件に影響を与えているということでございますので、そのことからすれば、本法律案につきましては、成年年齢の引下げと称するのが相当であるというふうに考えております。 民法上の効果につきまして国民にしっかりと理解していただくことができるように、さらなる周知に努めてまいりたいと思いますが、そのような形で本法案を提出した次第でございます。
○階委員 成年年齢の引下げで、大人になる時期が変わるんだというふうに普通皆さんは捉えられると思いますけれども、さっきから議論しているとおり、成年イコール成人ではない。すなわち、成年イコール大人でもないということでもありますし、実際にこの法案でも、酒やたばこというのは二十歳のままであるということで、やはり、誤解を防ぐためには、今回やろうとしているのは、単独で契約をする年齢を下げる、プラス、親権に服する年齢を下げるということを言われた方がいいと思います。 その上で、単独で契約する年齢についてなんですけれども、先日来、答弁の中で、二〇一八年度から二〇二〇年度までの三年間で、若年者への消費者教育に関するアクションプログラムなるものを実行すると言われていますが、この三年間でやるアクションプログラムは、法律が改正されて施行されるであろう二〇二二年四月一日あたりで十八歳になる人、この人たちに対してどのような教育を施すことになっているんでしょうか。
○神山政府参考人 お答え申し上げます。 今御指摘のございました若年者への消費者教育に関するアクションプログラムにつきましては、本年二月に、消費者庁、文部科学省、法務省、金融庁の関係四省庁で決定したものでございます。 これに基づきまして、平成二十一年度の改訂の際に消費者教育に関する内容を充実いたしました現行の高等学校の学習指導要領の趣旨の徹底や、消費者庁が作成した教材「社会への扉」の全国での活用の促進などにより、高等学校等における消費者教育を推進いたしますとともに、大学等と消費生活センターとの連携の促進などにより、大学等における消費者教育を推進することとしています。 このアクションプログラムに基づきまして、二〇二〇年度までの三カ年間、関係省庁が連携して集中的に取組を強化することとしておりまして、これによりまして、二〇二二年の四月に改正法施行時に十八歳である者には、学習指導要領に基づき、「社会への扉」などを活用した実践的な消費者教育が浸透するよう努めてまいりたいと考えてございます。
○階委員 法施行時に十八歳という人は、今現在、中学校二年生です。その人たちがちょうど高校二年生ぐらいになるときに、このアクションプログラムは終わってしまうんですね。高三からいよいよ新しい制度が始まって、自分たちは取引可能年齢に達するというのに、直前の一番大事な一年間がアクションプログラムで対象になっていないんですね。三年間は終わっているんです。ここの直前の一年間が一番大事なところじゃないですか。そこは何もしなくていいんですか。
○神山政府参考人 アクションプログラムの集中取組期間の趣旨でございますけれども、二〇二〇年度までに、この法施行をまさに機会に、いろんな、高校生、中学生等も含めて、総合的に、この取組を集中的に行っていこうということでございまして、決して二〇二〇年で全てが終わりということではございません。その集中した取組を最終年度には評価をいたしまして、さらに、次にどのような取組が必要かというようなことについて検討を重ねた上で、引き続き、必要な消費者教育の推進に努めてまいる所存でございます。
○階委員 消費者庁にも来ていただいております。簡潔にお答えいただきたいと思います。 今年度予算に計上された消費者教育コーディネーター、これは同じく、今中二、法施行時に十八歳になる人たちのために、どのような活動をすることになっているんでしょうか。
○井内政府参考人 お答え申し上げます。 消費者教育コーディネーターは、消費者教育の内容の充実や現場の教員の方の負担軽減等のために、消費者教育を行う学校と外部人材の方、弁護士の方、司法書士の方、消費生活相談員のような方でございますけれども、の間に立って調整を行うなど、重要な役割を果たすと考えております。 消費者庁としましては、若年者への消費者教育の推進に関するアクションプログラムに掲げられているとおり、二〇二〇年度までに全ての都道府県で消費者教育コーディネーターの配置がなされるように、積極的に支援に取り組んでいこうと考えております。
○階委員 ちょっと意味がわからない。中二の人に対して何をするかということを聞いているんですけれども。そこだけ端的に答えてください。
○井内政府参考人 中二の方に教育を行う方々に対して、それが学校であればその学校と、今申し上げました外部人材の間をつないで、効率的に、有効に消費者教育がなされるように、間に入っていただいて調整してもらう、それを実行するということでございます。
○階委員 極めて迂遠というか、本当にそれで効果が上がるのかという感じがしますけれども。 民事局長にお尋ねしますけれども、これも五月十一日の松田委員に対する答弁において、成年年齢の引下げの環境整備のための施策について相応の効果が上がっているという答弁がありました。その根拠を具体的に説明してください。
○小野瀬政府参考人 お答えいたします。 法務省としましては、これまでに実施してきた消費者被害の拡大を防止するための取組や、若年者の自立支援のための取組は相応の効果を上げてきたものと考えております。 例えば、教育の面でいいますと、平成二十年度、二十一年度の学習指導要領の改訂により、消費者教育、法教育、金融経済教育等の充実が図られ、改訂後の高等学校学習指導要領は平成二十五年度から実施されております。 また、自立支援の面で申し上げますと、例えば、平成二十八年二月に子ども・若者育成支援推進本部で決定した子供・若者育成支援推進大綱に基づきまして、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーの配置を推進するなどの施策が進められているところでございます。 成年年齢の引下げに向けた環境整備の施策には、各種教育や周知啓発活動など、さまざまな施策が含まれておりまして、その全体的な効果を定量的に検証することは困難でありまして、具体的な数値をもって効果が上がっていることをお示しすることは難しゅうございますが、これらの事実は、教育の面でも自立支援の面でも、政府として取組の体制が整備されたことを示すものと考えておりまして、こういった施策が進められているということで、法務省としては、環境整備施策は相応の効果が上がってきたものと考えているところでございます。
○階委員 またしても裁判官らしからぬ、根拠なく効果が上がっていると。それでいいんですか、本当に。ほかの省庁でも虚偽答弁というのが問題になっていますけれども、法務省みずからそんなことでいいんですか、しかも裁判官出身で。 今説明されたことは、全部施策の話を説明されていますよ。この間の答弁は、施策について相応の効果が上がっていると言われたので、相応の効果とは具体的に何かということを尋ねたわけですよ。だらだらだらだら施策のことを言って、最後、効果については、要は、把握していないということでしょう。虚偽答弁じゃないですか。
○小野瀬政府参考人 お答えいたします。 先ほど申し上げましたとおり、こういった施策につきまして、なかなか定量的に検証することは困難なところがございます。 したがいまして、そういった施策の実施状況、そういったものが幅広く実施されている、そういった実施状況をもって、相応の効果が上がってきたものと判断することは可能ではないかと考えているところでございます。
○階委員 実施状況と効果は全然違いますよね。インプットとアウトカムというのが政策評価で定着した用語だと思うんですけれども、インプットをしっかりやっているから、アウトカムもしっかり出ているということにはならないでしょう。こんなのは政策を実行する上で基本の基本ですよ。何を言っているんですか。裁判官、それでいいんですか。 最初の話に戻ります。そろそろ出たでしょう。答えてください。
○小田部政府参考人 お答えいたします。 衆議院調査局法務調査室の方で取りまとめられた調査結果によりますと、私法上の成人と飲酒、喫煙に関する年齢制限、これが同じ国が二十カ国中六カ国でございます。異なる年齢制限を設けている国が二十カ国中十四カ国であります。 それで、例えば、たばこの購入に関する制限につきましては、十六歳という国が五カ国、十八歳という国が十三カ国、十九歳という国が二カ国、二十一歳が一カ国です。 ビールの購入につきましては、十六歳という国が八カ国、十八歳という国が七カ国、十九歳という国が二カ国、二十歳という国が一カ国、二十一歳という国が一カ国、制限なしという国が一カ国でございます。
○階委員 要は、成年年齢より飲酒や喫煙年齢を高く設定しているところは、二十カ国が分母でいいんですけれども、二十カ国のうちどれぐらいありましたか。
○小田部政府参考人 二カ国であります。
○階委員 それをさまざまであるとか言わないでくださいよ。おかしいじゃないですか。一割ですよ。だから、日本が今回引き下げて成年年齢は十八歳、飲酒、喫煙は二十歳、これは極めて少数派に属するということで、全然世界標準から離れていますよ。 最初に局長が、成年年齢は国際標準が十八歳、世界標準が十八歳だから、我が国において世界標準よりも高い成年年齢を維持すべき合理的な理由は見出しがたいと言っていたわけじゃないですか。まさにダブルスタンダードですよ。成年年齢は世界標準だから十八歳、でも、飲酒、喫煙年齢は、世界標準は全然違いますよ。二十歳のままである合理的な理由がそれこそ見出しがたいですよ。 全く、この法案、証拠もない、事実の認定はいいかげん、それに基づいてつくっているということで、この点に即して見てもこの法案にはにわかに賛同しがたいということを申し上げて、質問を終わります。
○平口委員長 次に、源馬謙太郎君。
○源馬委員 国民民主党の源馬謙太郎です。 質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。 私は、成年年齢の引下げに関するこの法案に関して、実は、この準備の段階で、大学生の方と、あと一部高校生の方も含めて、十八歳、十九歳から二十二歳までの五人の若者の方とお話をする機会を持ちました。 その中で、今、階委員からもお話ありましたけれども、最大の関心事、若い人たちにとっての最大の関心事はやはりお酒やたばこのことであって、消費者としての自分たちが安全なのかリスクがあるのかということまでなかなか頭が回っていないのが現状なんだなというのを改めて感じました。 いろいろお話を伺っていても、例えばこんなお話もありました。飲み会で、実際のところ、大学でサークルなんかで飲み会をやるものですから、そこにはいろいろな年齢の子もいて、よくないことだけれども未成年の子もお酒を飲んでしまって、倒れてしまって、それで救急車を呼ぶことが十八歳だからはばかられてできなかった。こういうことがなくなれば、もうみんな大学に入ったら十八以上なんだから、みんな大人ということに、大人というかお酒が飲める年齢ということになるのであれば、こうした心配もしなくていいんじゃないか、そういうようなお話もありました。 つまり、ほとんど、やはり関心は、なぜ、大人というふうになるのが十八歳なのに、自分たちはまだお酒を飲めたりたばこを吸ったりできないんだろう、選挙に行くということはいいけれども、なかなかやはりそこが理解がしがたいなということを多くの若い世代の子たちが言っておりました。 そういった中で、二十前後の子供たちの関心事は飲酒や喫煙ということが多いと思うんですけれども、まず、この対象となる若い世代の成年年齢引下げに対する意識を調査したことがあるのか。済みません、これはちょっと通告してありませんが、伺いたいというふうに思います。
○小野瀬政府参考人 お答えいたします。 内閣府が平成二十五年に実施しました世論調査におきましては、成年年齢の引下げの議論の認知度についても調査しております。十八歳、十九歳の者のうち、引下げの議論がされていることを聞いたことがないと回答した者が二九・六%、議論されていることを聞いたことはあるが、議論の内容までは知らないと回答した者が五五・六%という結果が出ておるところでございます。 法務省といたしましても、本法律案が施行されるまでの間に、未成年者取消権を行使することができなくなることなど、成年年齢の引下げの具体的意義について若年者に十分に理解していただく必要があると考えております。
○源馬委員 ありがとうございます。 私がお話を伺った若い世代も、やはりほとんどの方が、十八歳になるということについてはニュースとかで聞いたことがある、だけれども、具体的な中身はわからないということでした。 大臣にもお伺いしたいんですが、こうした若い世代の一番の関心事は、やはり飲酒や喫煙に関することに関心が向けられていて、今お話もありましたけれども、未成年者取消権がなくなってしまうことなんかについての自覚はほとんどないような現状だと思いますが、そのことについての大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
○上川国務大臣 先ほど民事局長から答弁をした、内閣府が実施した世論調査、これは平成二十五年でありますけれども、成年年齢の引下げの議論の認知度につきましては、十八、十九歳の者のうち、引下げの議論がされていることを聞いたことがないとの回答が三割近いところでございます。また、議論の内容まで知らないと回答した者も五五・六%という結果が出ているところでございます。 やはり未成年、今の若者に対しまして、この法律案が施行されるまでの間に、成年年齢の引下げに伴いまして、さまざまな具体的な意義があること、また、それによって行使できなくなるものもあるということ、行使できるものもあるということ、さまざまな分野にかかわる問題でございますので、十分に理解をしていくということが大変大事であるというふうに思っております。 その意味で、さまざまな角度で、こうした若い世代の皆さんの意識の涵養、さらにはより理解していくための努力については、これからも引き続き全力で取り組まなければいけないことだというふうに考えております。
○源馬委員 ありがとうございます。 こうした若い世代が、なかなか、自分たちが今持っている未成年者取消権などがなくなってしまうということがわからないまま、そういったいわばリスクの中にさらされてしまうということがあるというふうに思いますけれども、これはぜひ、こうした知識をわかってもらって、こうした現状も知ってもらうために、ぜひ周知徹底をしていただきたいなというふうに思います。 また、同時に、何かを買ったりするだけではなくて、クレジットカードを持つことができるようになったりとか、ローンが組めるようになったりするようにもなると思います。これはもちろん、民間のそうした会社にいろいろ努力をしてもらうということはあるかもしれませんが、ただ、全ての会社が政府の指針にのっとって、十八歳、十九歳の若い子たちにはなるべくつくらせないということまでしてくれるとはやはりなかなか思えないわけでございます。 私が話を伺った若い子たちも、男の子であれば、十八歳になったら免許が取れる、免許を取ったらやはり車が欲しい、でも今はローンを組めないんだ、もし組めるようになるんだったら、それはうれしいというようなことを言っていました。ローンが組める年齢が下がるということは知らなかったけれども、下がるならそれは歓迎する、この程度のやはり理解しかないと思うんですね。 女性にも伺うと、やはり女の子というのは、大学に入ると、自分たちで例えば分割払いができるようになったりとかクレジットカードで払えるようになったりすると、エステに行く子が非常に多くなる。これがもし、その子はもう二十を超えて大学生だったんですけれども、もし高校のときからそれができるようになったら、自分も含めて友達もエステに行ったんじゃないかというような話もありました。 また、消費者団体のお話を伺うと、いろいろローンの問題ですとかの相談が寄せられているということです。例えば、エステサロンでまつげエクステンションをしてもらった、そこで紹介された美容クリニックで一カ所だけ無料でエステが受けられると言われて受けて、その後、高額の契約をさせられたとか、これが未成年だったから後で取り消せたというような例もたくさん紹介をされております。 そうした中で、高校三年生の中には十八になる子も十七歳の子もいるわけで、例えば、これは想像し過ぎかもしれませんけれども、まだ未成年の十七歳の子が、同学年の友達で成年になった人に、自分が何かを買いたかったときとかに名義貸しをお願いするような事態が生まれてしまったりとか、そういうことがどんどんエスカレートしてしまうんじゃないかという懸念もあると思いますけれども、こうした十八歳、十九歳、特に高校三年生の若者が消費者トラブルに巻き込まれる可能性についてどんな見解をお持ちなのか、お伺いしたいというふうに思います。
○小野瀬政府参考人 お答えいたします。 政府といたしましては、これまで、消費者教育の充実など、消費者被害の拡大のおそれを防止するための環境整備の施策に取り組んできたところでございます。 消費者教育につきましては、平成三十二年度までを集中強化期間として、さらなる充実強化を図る取組が進められていると承知しております。 また、若年者に対する与信審査という観点からは、業界において、若年者に対する返済能力や支払い可能見込み額の調査をより一層適切に行う自主的な取組が推進されておりますけれども、これに加えて、その取組の状況を把握して、これを推進していくことが必要でございまして、その一環として、与信に関する実態調査が行われていると承知しております。 こうした各種の施策につきましては、民間の自主規制に任せるのではなくて、政府一丸となって取り組む必要があると認識しております。このような観点から、成年年齢引下げを見据えた環境整備に関する関係府省庁連絡会議を開催することとしたところでございます。 本法律案の成立後も、この連絡会議における議論等を通じて、環境整備の施策のさらなる充実を図っていきたいと考えております。
○源馬委員 文科省にもお伺いしたいんですが、今ちょっと学校の例も出しましたけれども、例えば、友達同士でいろいろなコミュニティーがある学生たちの中でマルチ商法なんかが蔓延してしまった場合、これは保護者であるとか学校の先生も関知し切れないコミュニティーが子供たち、生徒たちの中にはあると思うんですけれども、こういったところでマルチ商法に気軽にというか触れてしまって、はまってしまう危険性がないのかどうか、そういったものがもし起こった場合の対応策なんかを今考えているのかどうか、お伺いしたいと思います。
○下間政府参考人 お答え申し上げます。 まず、マルチ商法などの消費者被害に遭わないよう、児童生徒に対する消費者教育の充実を図ることとしてございますが、仮に、お尋ねのような、生徒からマルチ商法等の消費者被害というような相談があった場合に、学校の教職員が父母等とも適切に連絡をとりながら、消費生活センターや弁護士会など外部の専門機関につなぐことが大切であるというふうに考えてございます。 また、そのような連携が可能となるためには、消費生活相談員や弁護士等の実務経験者を消費者教育における外部講師として活用することなどを通じまして、日ごろから外部の専門機関との協力体制を整備しておくことが重要になると考えてございます。 文部科学省といたしましては、生徒がマルチ商法等の消費者被害に遭った場合に、当該生徒が消費生活センター等の適切な専門機関による助言等の相談対応が受けられますように、各種会議のさまざまな機会を捉えまして、各学校における相談対応体制の整備を促してまいりたいというふうに考えております。
○源馬委員 これも消費生活相談員協会の方から伺ったお話なんですが、ある若い方の例で、これは親御さんから御相談がありました。 ひとり暮らしをしているお嬢様がマルチ商法にかかわってしまって、クレジットカード払いで浄水器やシャンプーなどを大量に買っている、今は借金がかさんで御飯も食べられないほど困っているようだ、弁護士に相談したけれども、二十を過ぎているため、未成年者取消権、取消しはできない、契約先業者は違法なことはしていないと言っていて、何も解決できないという例があるというふうに聞いています。 これは、十八歳、十九歳、今のままだったら未成年者取消権で取り消せると思うんですが、今文科省から御説明がありましたとおり、もし学校ではびこってしまって、それを外部に相談したとした場合、未成年者取消権がないのに、何か解決できるんでしょうか、実際問題。もしこういう状況になった場合。
○下間政府参考人 お答え申し上げます。 まずはそういう外部の機関にということで、消費生活センター等への相談ということを申し上げましたけれども、現在におきましても、成年者の相談などにも、消費生活センターにおきまして悪質商法による被害やそのための苦情等の相談に応じていただいているということでございますので、そうした対応に適切につなぐということが、まずは学校において求められることではないかというふうに考えてございます。
○源馬委員 もちろん相談することはいいと思うんですが、相談しても解決できない例があって、今も、御存じのとおり、やはり消費者被害に遭うのは二十からが圧倒的に多くなるわけです。それは、未成年は未成年者取消権があるから、それが守られているという側面があるというふうに思います。 なので、先ほど御答弁いただきましたけれども、やはりまずはそうしたことにひっかからないとか、消費者としての振る舞いですとか、そういう消費者教育をきちんと充実させていただくことは、おっしゃるとおり一番大事なことだというふうに思っています。 その上で、先ほど階先生からも御質問があったかもしれません。済みません、私、もしかしたら聞き逃してしまったかもしれませんが、消費者教育の充実を内容とする学習指導要領が全面実施されるのが、平成三十四年で、もう本当にすぐ成年になるかもしれないという高校生が、この法案が成立した場合、三年の周知期間を経て施行予定が三十四年となると、三十四年から始めて三十四年に施行されたら間に合わないんじゃないかというふうに思いますが、このあたりについてお伺いしたいと思います。
○下間政府参考人 お答えを申し上げます。 先ほどのお尋ねに対しまして、民法が改正されまして成年年齢が十八歳に引き下げられた場合には、十八歳及び十九歳が行った契約について保護者等の取消権がなくなる中で、十八歳までに契約に関する基本的な考え方や責任について理解するとともに、主体的に判断し、責任を持って行動できる能力を育む必要があると私ども考えてございます。 その上で、学校教育におきましては、平成十六年に制定された消費者基本法や平成十七年に決定された消費者基本計画を踏まえまして、平成二十、二十一年度に改訂をした現行の学習指導要領において、消費者教育に関する内容の充実を図っております。現在の小中高生は、その充実が図られた現行の学習指導要領に基づく消費者教育を受けているところでございます。 文部科学省としては、こうした現行学習指導要領のもとでの指導の充実を引き続き図りますとともに、二〇一八年度から二〇二〇年度の三年間を集中強化期間とする若年者への消費者教育に関するアクションプログラムに基づきまして、消費者庁の作成した消費者教育の教材「社会への扉」の活用の周知など、消費者庁を始めとする関係省庁とも連携を図りながら、消費者教育の一層の推進に努めてまいりたいと考えております。
○源馬委員 もう既に行われているというお話だったんですが、平成二十五年からとおっしゃったかと思いますが、そのもう既に行われている教育を受けてきたはずの若い世代に、私、お話を聞いても、全く知らなかったという現実もあるわけであります。未成年者取消権の存在すら知らない子供たちがたくさんいるというのが現実だと思います。 これをどのように具体的に評価していって、ちゃんとわかってもらうのか。もう一回、具体的にどういう教育をやっていくのか。具体的な中身までちょっと教えていただきたいなと思います。
○下間政府参考人 お答え申し上げます。 二〇二二年四月の法施行時に十八歳である者の多くは現在十四歳で、中学校二年生に在籍をしているわけでございます。 したがいまして、現行指導要領に基づく消費者教育におきまして、例えば中学校において、契約の重要性やそれを守ることの意義及び個人の責任などに気づかせること、消費者の基本的な権利と責任について理解させること、また高等学校におきまして、具体的な消費者に関する問題、契約、消費者信用及びそれらをめぐる問題について、社会科あるいは家庭科の関係する教科で適切に指導を行うことが大切というふうに考えてございます。
○源馬委員 ぜひ若い世代にも本当にきちんと内容を理解してもらって、今、二十を超えていろいろな被害に遭われる方が急増しているというのが、そのラインが十八、十九に下がることがないように、成年年齢が仮に引き下がったとしても十八歳、十九歳の被害というのは最小限に抑えられるようにぜひしていただきたいというふうに思います。 もう少し一般論の話ですけれども、法制審議会の答申についてでございます。 この答申の中で、成年年齢が十八歳に引き下がるのは適当であるというふうにする一方で、今お話もあり、またこの委員会でもさんざん取り上げられているとおり、消費者被害の拡大のおそれがあるということで、消費者被害の拡大を解決する施策と若年者の自立を促すような施策を訴えていると思いますが、具体的に消費者被害の拡大を解決する施策、これが今回の法案にどう盛り込まれているのか、お伺いしたいと思います。
○小野瀬政府参考人 お答えいたします。 消費者被害の拡大を解決する施策が本法律案に直接盛り込まれているということはございません。もっとも、政府といたしましては、消費者被害の拡大を防止するための施策として各種の施策に取り組んできたところでございます。消費者教育の充実等々でございます。 また、今国会には、若年者を中心に発生する消費者被害事例を念頭に置いた取消権を追加すること等を内容といたします消費者契約法の一部を改正する法律案が提出されております。この法案は、十八歳、十九歳という年齢に着目するのではなく、社会生活上の経験不足に着目して不安をあおる告知や人間関係の濫用に係る取消権を追加するものでございまして、これまで未成年であった年齢層以外の者も含めて消費者被害の防止のための制度的な対応を行うものでございます。
○源馬委員 つまり、消費者契約法とセットで、それがあって初めて、この法制審議会が答申しているような消費者被害の拡大を解決する施策が初めて要件が満たされるという理解でよろしいんでしょうか。
○小野瀬政府参考人 お答えいたします。 この消費者契約法の改正ということも、成年年齢を引き下げるに当たりましての環境整備の非常に重要な一つであるというふうに考えております。
○源馬委員 この法案自体には消費者被害の拡大を解決する施策は特に盛り込まれていなくて、今議論されている消費者契約法でそれが担保されるというお話だったというふうに思います。やはりこれがないとなかなか、この法案だけで、成年年齢をただ引き下げるということでそれで全てよしというわけではないということだというふうに理解をいたしました。 同時に、若年者の自立を促すような施策もしっかりと確立すべきだということが法制審の答申にありますが、このあたりについてはどのように考えられているんでしょうか。
○小野瀬政府参考人 お答えいたします。 若年者の自立を促すような施策につきましても、本法律案に直接盛り込まれているものではございません。もっとも、政府といたしましては、若年者の自立を促すような施策といたしまして、子供・若者育成支援推進大綱に基づいてさまざまな子供・若者政策に取り組んできたところでございます。キャリア教育などのキャリア形成に対する支援、教育現場へのスクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーの配置の推進、相談窓口の充実といった施策が挙げられます。 今後とも、こういった施策を推進してまいりたいというふうに考えているところでございます。
○源馬委員 この委員会の皆さんの質疑を伺っていても、やはり若い世代が消費者被害に遭ってしまうことが一番心配をされているということが一番大きな懸念だと思いますので、そこは、教育に関することもそうですし、また法整備でしっかりとセーフティーネットを張ってあげるということも重要だと思いますので、ぜひ、その辺をまた引き続きしっかりと整備をしていただきたいというふうに思います。 さらに、ちょっと中身を変えまして、先日の今治の松山刑務所大井造船作業所から脱走した件について少しお伺いをしたいというふうに思います。四月八日に脱走した受刑者が二十三日目に広島市の中心街で発見をされた、この件について少しお伺いしたいと思います。 この松山刑務所大井造船作業場というのは塀のない刑務所として有名でありまして、受刑者が敷地内の寮で暮らして、日中は従業員と一緒に溶接などの作業に従事している、開放的施設というふうに呼ばれていると。この委員会でも何度か取り上げられたと記憶しています。 この中で、法務省が発表した再入率がありまして、一般的な刑務所の再入率が四三%なのに対して、開放的施設においては八から一四%と非常に低い再入率だったということが発表されました。 この開放的施設は全国に四カ所ありますが、そこに収容されている人たちはいわゆる模範囚とされていますけれども、この開放的施設に入所できる基準というのがどういったものなのか、伺いたいと思います。
○富山政府参考人 お答えいたします。 開放的施設に収容する要件といたしまして、これは、開放的施設と一言で言いましても全国で四施設ございまして、性質の違い等もございますが、まず共通した要件を申し上げたいと思います。 改善更生の意欲の喚起及び社会生活に適応する能力の育成を図ることができる見込みが特に高い者であって、かつ、釈放後の保護の状況が良好であること、高齢その他の理由により就業することが困難なものと認められないこと、生活態度が良好な状態が継続し、かつ継続する見込みがあること、過去に逃走や自殺を企てたことがないこと、施設近隣の居住歴や土地カンなどを考慮し、当該施設において開放的処遇を実施する上での特段の支障がないこと、こうした要件が開放的施設に共通するまず要件でございます。 加えまして、この開放的施設のうち松山刑務所大井造船作業場及び広島刑務所尾道刑務支所有井作業場につきましては、まず、受刑者のA指標という指標がございまして、これは刑務所に入るのが今回初めてであって、なおかつ犯罪傾向が進んでいないと判断された受刑者ということで、それに加えまして、原則として凶悪犯、性犯、放火犯及び覚醒剤常習者ではなく、構外での作業への出業意欲があるといったようなことを条件としております。 また、市原刑務所、これは開放的でない閉鎖区画もございますが、この市原刑務所につきましては、同じくA指標の受刑者であり、かつ、私ども交通事犯と呼んでおりますが、自動車等の運転による犯罪で服役をしている者であって、それ以外の犯罪による懲役刑又は禁錮刑を持っていない、なおかつ心身に著しい故障がないことなどが条件となっております。 それから、最後の網走刑務所の二見ケ岡農場というのがございますが、こちらにつきましてはB指標と呼んでおりまして、刑務所に入るのが二度目以上、あるいは、初めてだったとしても犯罪的傾向が進んでいる、そういった受刑者をこのB指標というふうに分類するんですが、そういった受刑者の中で、農場での作業を行う上での身体的な問題がない、あるいは暴力団に所属していない、性格に著しい偏りがないといった条件を満たした者を選定するということになっております。
○源馬委員 そういうお話を伺うと、この開放的施設の存在が再入率を別に下げているわけではなくて、もともと厳しい選定基準があって、その人たちを入れているんだから再入率は低いんだというふうに改めて伺いました。 そういった中でも、最後にお話のあった二見ケ岡農場では、再入率が四八・一%、これは今おっしゃったB指標の方を収容しているから、これだけ再入率が一般の刑務所よりも高くなっているわけですけれども、この開放的施設にB指標の方を入れて、そして再入率が一般の刑務所より高くなってしまっているということ、これは、安全上ですとか保安上、大丈夫なことなんでしょうか。
○富山政府参考人 お答えいたします。 開放的施設は、一般社会の生活にできる限り近い環境を実現することによりまして、受刑者の自発性、自律性を涵養し、ひいては社会適応性を向上させるという点で大きな意義があるものとまず考えております。 この網走刑務所二見ケ岡農場につきましては、広大な自然の中で農耕、牧畜に従事をさせることによって、働く喜びを感じさせ、健全な就業意欲を涵養することを処遇の目的としております。 先ほど申し上げました開放的施設の効果に加えまして、農耕、牧畜の作業というのは、作物や生き物を育成するというものでございますので、そういった観点から情操教育としての効果も期待できると考えておりまして、犯罪傾向の進んだ受刑者に人間性を取り戻させるといった観点からも相応の意義はあると考えております。 もっとも、犯罪傾向が進んだB指標の受刑者を収容するものでありますので、もちろん、その中では行状のいい者を選びますけれども、逃走などの保安上のリスクというのは一定程度認められるところでございます。 したがいまして、日中は外塀のない開放的な農場で作業はさせていますものの、居住区域は実はかなり閉鎖的な環境となっております。具体的に申し上げますと、寮の居住区域内の窓には鉄格子がありまして、居住区域の出入り口も施錠されております。居室は大部屋でありまして、一人一人のスペースがあって、その中では、移動、行動の自由はあるといったような状況にはございます。 それから、先ほど再入率のことについて言及がございました。 確かに、おっしゃるとおり、刑事施設の再入率、さまざまな統計のとり方はあるのですが、実務的に、中長期的な再入の率ということでは六年再入率と呼ばれる統計をとっておりまして、ある年に釈放されました受刑者が、その年を一年目として六年目の年末までに帰ってきてしまう、その再入の率を算出するという形を実務上しばしば用いております。 その再入率、もちろん、年ごとにできふできがあってばらつきがあるんですが、直近の十年分のデータを平均して出した数字ということで、全国平均が四二・八%、大井などは一〇%前後なんですが、二見ケ岡農場は四八・一%となっております。 確かに全国平均よりも高い数字なんですが、犯罪白書などで、この受刑者の再入率を、刑務所に初めて入った者と二回以上入っている者に分けて統計をとったデータがございます。これは今申し上げた直近十年分のデータには残念ながらなっておりませんで、平成十五年から平成十九年までの五年間の再入率について平均をとったものなんですが、累入者については五八・九%、初入者が二七・九%となっておりまして、累入者の中で比べますと、やはりこういったところで処遇をしている受刑者の再入率は若干低くなっている。 もちろん、お尋ねのように、いい者を選んでいるんだから低いのではないかと言われますと、確かにそういう側面はあるのですが、私どもの感覚的な申し上げ方になりますと、それでもやはり、そういったところで処遇できる者にそういった処遇をしていくことはそれなりの効果が出ているのではないかと感じているところでございます。
○源馬委員 何かで見た数字ですけれども、三割の再犯者によって六割の犯罪が起きているというような言葉も聞きます。やはり、この再入率を下げていくというのは非常に重要だと思いますし、特に、開放的施設でせっかく社会に適応するように処遇しても、適応せずにまた再入しちゃう人が半数近くいるというのは、特にこの二見ケ岡の件は、B指標も含めて、入るハードルをもう少し高くするなどの対策をするべきじゃないかというふうに思いますので、またこの点、今後も聞いていきたいというふうに思います。 また、大井造船作業場、今回、脱走があった作業場だけでも、一九六一年から今回を含めて合計二十人の脱走があったというふうに聞いています。いろいろと、例えば顔認証システムを用いた警報装置の導入ですとかGPS端末の装着を検討するという話も聞いていますけれども、最後に、この開放的施設の運用をどのように、これから脱走なんかを防いでいくつもりがあるのか、その方法をお伺いしたいというふうに思います。
○富山政府参考人 お答えいたします。 開放的施設、客観的には大変逃走しやすい環境にあるということは御承知のとおりでございまして、逃走事故を防止するためには、先ほども申し上げました開放的施設の特性は失わせないよう配意もしつつも、万が一、受刑者が逃走を試みた場合には、やはり直ちにそれを把握して、それに対して対処する、そういった体制を構築することが必要だというふうに考えております。 本件逃走が発生しました翌日の四月九日に、上川法務大臣の御指示によりまして、松山刑務所大井造船作業場からの逃走事故を契機とした開放的施設における保安警備・処遇検討委員会が立ち上げられておりまして、今回の逃走事故も含めまして、開放的施設における保安警備や処遇のあり方について、現在、検証、検討を進めているところでございまして、まだ逃走した受刑者は警察に身柄がございまして、その者からの事情聴取等ができていない状況にありますが、そういった事情聴取も踏まえながら、しっかり、速やかにその対策を講じてまいりたいというふうに考えております。
○源馬委員 ありがとうございました。終わります。
○平口委員長 次に、黒岩宇洋君。
○黒岩委員 無所属の会の黒岩宇洋でございます。 きょうは、先日に引き続きまして、成年年齢につきまして、これはやはり大臣と直でしっかりと議論を深めたいと思っているんですね。というのは、この前の質疑への答弁でも、私の方からお願いしたんですけれども、やはり国民の意識と整合性を持ってこの法改正を進めていただきたいと。大臣も、そのことは踏まえながら、その方向は御自分としても進めていきたいとおっしゃってくださいました。 この国民の意識というのは、数字で出ちゃうと、何%が賛成とか反対とか、何となく総体として、一つの固まりとして出ますけれども、あくまでもこれは国民一人一人の主観なんですよね。大仰に言えば、今までの人生を振り返りながら、実際、日本人にとって二十、成人というのは一体どういうもので、今の十八歳というものは一体どのような存在なのか、こういったことの思いを一人一人が持って、そして成年年齢の引下げというものについて注目をしているわけですよ。 そういう意味において、私は、これも大仰ですけれども、大臣からも、これは一人の日本人としても、人生観を投影したような議論をしたいということで、きょうも基本的に全て大臣にお答えいただく。 せんだって、私は、「太陽にほえろ!」の石原裕次郎さんとか、ニュースステーションの久米さんとか、これは、私の人生観とまで言いませんけれども、こういった移ろいを感じながら、階さんも、自分の息子さんの話もしていました。こういう話を、では、小野瀬局長に自分の人生観を投影してくださいと言ったって、これは無理だし、逆に、組織を持った人で人生観を投影しちゃったらまずいわけだから。 そういう意味で、小野瀬局長、答弁で手を挙げてもらってもいいですけれども、私が指名したときにだけ立っていただければと思います。 それでは、大臣、よろしくお願いいたしますね。 では、まず改めての確認なんですけれども、百四十年前と比べると、平均寿命、当時は男性も女性も四十二歳とか四十四歳ですけれども、その倍に今伸びた、こんな状況で、一人の人間が、ただでさえ大人でいる期間が圧倒的に長くなったわけですよ。昔は、二十で大人になっても、大人の期間が二十年ちょいでした。今はもう既に六十数年になっている。こんな中で、こんな国民の意識、主観もあります。やはり大人になる年齢を、こんな時期だからこそ、何も引き下げなくても、大人でいる時間、こんなに長いんだから、更に長くしなくてもいいんじゃないの、こういう率直な意識というものが、これもアンケートで出ているんですけれども、これについて、大臣として、この意見についての御所見というものをお答えいただけませんでしょうか。
○上川国務大臣 百四十年前の社会について、私たちは生きていたわけではございませんけれども、イメージの中では、平均寿命が今と比べると二分の一という人生の中で、それぞれの役割を一人一人が果たしている。そのことについては同じ。 人生百年時代であるし、また平均寿命も延びているということではございますが、一人一人がそれぞれの年齢を意識しながら、あるいは無意識のうちにも、この社会の中でどのように生きていくのか、そして、自分の生きていける人生そのものをどのように自分で考え、そして決定し、行動していくのか、こういったことにつきましては、これは、子供の年齢の期間が短い、長いということよりも、むしろ、そうしたことについて、この間の参考人のさまざまな方の御意見がありましたけれども、御自分のしっかりとした考えを持って決断をしていくということを絶えず応援をしながら、よりよい決断ができるようにまた社会としても応援をしていく、こんなことが大切ではないかというふうに思います。 今回の世論調査で、質問に対して、マスの数字ということで見てみますと、なかなか、子供の年齢と大人の世代との間の境目ということについての意識というのは、明確にこういう方向になっているというような形で示されているわけではないというふうに思いますが、私は、一人一人が自己決定をする、さまざまな人生の節目において、よりよく自己決定をすることができるということについては、責任のある一人の個人としての成長というものに対して応援をしていきたいし、また、そうした人たちが、特に若い世代の中で大きく育っていくことができ、また国際社会の中でもますます御活躍をいただくことができるように最大の支援をしていくということが必要ではないか、こんなふうにも思っております。
○黒岩委員 大臣の思いを率直にいただきました。 これは、事前に法務省に聞くと、個人の大人の長さ云々、これもあるけれども、少子化の中で若い世代がどんどん減ってくる、その分なるべく多くの方に社会参加をしてもらいたいから、こういう合理性のある答えでもありますし、法務省的な答えをいただいています。 この部分も重要だと思うんですけれども、今大臣がおっしゃったように、自分が決断していく、そして自己決定していく、ならば応援していきたい、当然だと思うんですよ、後段は。ただ、問題は、十八歳で、決断していくことが本当に今できているのか、自己決定をしていくことが今できているのか、この点なんですよ。 これは、せんだって、私、二問しか質問できませんでしたけれども、そこで指摘したのは、社会的にも、社会の側から、十八歳、十九歳をまだ大人扱いしていないでしょうと、逆に、十八歳、十九歳、主観的に自分らが大人だという自覚がなかなかないですよねということを、精神分析の観点とかから、社会の取扱いということで私は申し上げました。 ですので、重要なことは、今申し上げたとおり、社会的に大人として扱っていく、自身が大人である自覚を持っていく、このことをやはり涵養していく。私はそれが先決だと思うんですよ。 その点において、やはり国民の意識、そこまで来ていると思っていないから、やはりマスとしてはなかなかうなずかない。こういうことに対して、涵養していくということを、これは法務省だけではない、さまざまな省庁、当然、主権者教育だとか、経済的自立だったら経済的支援とか、こういったことも含めて、私は法務省が音頭をとってまずはやるべきだと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○上川国務大臣 日本のこれからの社会のあり方にとって大切な、とりわけ若い世代の皆さんの活躍ということをいかに応援をしていくのかということについては、小さなときからの幼児教育あるいは小学校の教育、また小中高と、さまざまな形でそうしたことについて最大限の支援をしていくということが、これは成熟国家の教育というものの果たす役割という意味でも非常に重要だというふうに思っております。 経済的な自立、そして精神的にも心理的にも、さまざまな分野からなかなか大人になり切れないというような評価もあるわけでありますが、前に向かって進もうとする若い世代の力というものを私は信じておりまして、それに対してあらゆる支援をし続けるということが、それぞれの成長段階に応じてということもございますし、また、それぞれの地域の違いというのもあろうかと思いますので、そこで暮らす、あるいは、さまざまな経済的な事情というのにも違いがありますので、そのことが、どういう立場であろうと、どういう環境の育ちの中であろうと、一人の個人として、立派な大人としての役割を果たしていただきたいという意味での役割、さまざまな支援の役割というのは大変大事だというふうに思っております。 これまでも政府の中では、そういう方向性の中で、さまざまな教育、あるいは自立のための支援、こういったことに取り組んできたものと思いますし、また、ますますこれからその重要性は高まっていくものというふうに思っております。
○黒岩委員 法務大臣として、各行政全般にわたっても、そういった自覚を持っていただくように、またそのことについて応援していくということ、これは重々承りました。 あと、一点気になったのが、地域に応じてとおっしゃいました。 確かに、地域において大人を自覚するような環境というのは違いますが、ただ、大臣、重要なのは、一律で二十歳ないしは一律で十八歳というのは、これは日本全国、北から南まで、どこにいても区切るわけです。地域に応じて年齢十八・五歳ですねとか十九歳とはできないわけですから、今言った、一律で切るということは重々理解していただいて、地域に応じて対応するなんということはできないですから、成人年齢の引下げは。 だから、我々も、地域によっても個人によっても違いがあるけれども、でも、ある意味、最低限ここで大人ですよと区切るという、このことは私は大変慎重かつ丁寧にやらなければいけない、そのことはあえて示させていただきたいと思います。
○上川国務大臣 地域というふうにあえて申し上げたのは、私の今までの経験の中で、例えば過疎地の子供たちの社会性の身につけ方というのは、多くの子供たちが学び合うという環境とは、必ずしもそういう状況にはないということでありまして、兄弟だけが同じ学校に通っているという地域もございます。 そういう意味では、そういうところで育った子供たちも、大人として、一人の個人としてしっかりと自覚を持って育っていき、また地域の中で育ったことについて誇りを持って活躍していただくことができるように、こうした取組についてもきめ細かく対応していかなければいけない。委員の御指摘のとおり、そのことがハードルにならないように支援を厚くしていくということも大切であるということも思って、ちょっと今お答えしたところでございます。 いろいろな地域のイメージもあろうかと思いますし、また年齢の中でのイメージもあろうかと思いますが、いずれにしても、一人一人の大人として、人としてのあるべき姿ということについて、教育を通じ、さまざまな社会の環境整備も含めまして、その整備については万全に当たっていかなければいけないし、また、これは成年年齢の引下げという議論だけでそのことが大きな問題になるということではなく、これからの日本の社会の将来にとってそのことの重要性は非常に大きなものであるというふうに私自身は考えているところでございます。
○黒岩委員 わかりました。 これは答弁を求めません、重ねて重ねて言いますけれども、個人によって、身体的であれ精神的であれ社会的であれ経済的であれ、成熟度に違いがあるわけですよ。だけれども、ある意味、このラインで、ここからはもう大人ですよという、下限を切るという意味ですよ。逆に言うと、ここまでだったら未成年者保護というサポートがある、その上限を切るということですよ。 だから、これは今言ったように、下限を切るということですから、今言った成熟度にいろいろな違いがあるけれども、この年齢なら最低限それぞれが達している、こういう観点ですからね。ですから、相当、国民の意識というものにまさに耳をそばだてて、視覚的にもどういう風景が見えるのか、こういったことも含めて我々は議論しなきゃいけない。 これも何遍も言っていますけれども、民法自体、条文は五つぐらいしか変わらないわけですから、決してここで今逐条審査するわけでもないし、文言審査するわけでもない。まさに実質的な議論をしていく中で、しかも国民の生活にとっても大変影響がある、百四十年ぶりという大きな法改正でありますので、このことは重ねて申し上げさせていただきます。 そこで、これはこの前の参考人のお話でも出ていましたけれども、諸外国との比較という話が出ますよね。今、諸外国だと七五%ぐらいが十八歳だと。それはそれで私も理解はしています。 ただ、これは法務省としてお聞きしたいんですけれども、大臣としてお聞きしたいんですけれども、諸外国というのは、やはり一九七〇年前後に大体成年年齢を二十一歳から十八歳に引き下げた国が多いわけですけれども、この理由についてはどういうものだったと法務省としては分析し、理解をしていらっしゃるのか、お聞かせください。
○上川国務大臣 西欧諸国におきましては、一九七〇年代前半ころに、成年年齢につきまして、二十一歳から十八歳に引き下げた国が多いと承知をしております。 その理由につきましては国ごとに異なるものと考えておりまして、若年層の成熟化が進んでいること、若年者の参加によりコミュニティー全体が利益を受けること、また、国の将来を担う若者の政治における責任感を醸成することになるというような理由があったと言われている国がございます。 また、兵役義務が十八歳以上の者に課されているのに対して、政治に意見を述べることができる選挙権年齢が二十一歳であるということは不公平であるなどという意見が高まって、選挙権年齢が引き下げられて、それに伴って成年年齢も引き下げることとされた国もあるというふうに承知をしております。
○黒岩委員 その理由は、この前、中村先生の方からも詳細な資料をいただいて私も理解しておりますし、ちょっとそれは各論でまたお聞きしますけれども。 では、逆に、今回は、他国が十八歳にしている、また物言いによっては、日本だけ二十って、他国は十八歳で大人なのに日本は十八歳じゃまだ大人じゃないの、こういう、まさに今の同じ時間軸で、横の水平の比較をしたという説明もされていますけれども、パラレルで考えたら、一九七〇年前後にまさに諸外国は引き下げたんですけれども、我が国はその時点で引き下げませんでしたよね。それは、逆に言うと、なぜ我が国はその水平の比較に沿って引き下げることはしなかったんですか。
○上川国務大臣 一九七〇年代の各国の議論、つまり、成年年齢を引き下げるということに伴ってのさまざまな議論が行われ、引き下げた国が多いわけでございますが、その背景として、選挙権年齢の引下げに関する議論の高まり、こういったことがその背景にあった国が少なくないというふうに考えております。 これを受けまして、我が国におきましても、その当時、選挙権年齢の引下げに関する議論が行われたわけでございますが、結果として選挙権年齢の引下げに至らなかった、したがって、成年年齢の引下げが行われることもなかったというふうに理解しております。
○黒岩委員 では、重ねて聞きますが、今の答弁によると、法務省としても、一九七〇年前後に我が国は成人年齢、成年年齢の引下げの議論はあった、だけれども、大臣の言葉によると、世界の各国はその高まりがあったけれども我が国は当時なかった、だから下げなかったとおっしゃっています。 では、それから五十年たって、今、議論はあります。問題は、高まっていますか。五十年前は高まっていなかったから引き下げなかった。では、今下げるということは、高まっていますか。そして、若年層からの要望というのは、海外では若年層から、自分らに成人という資格を与えてくれ、こういう声があったというお話も今出ました。そういった声は若年層から高まっていますか。お聞かせください。
○上川国務大臣 先ほど、一九七〇年代の成年年齢の引下げについての国際的なさまざまな御議論の高まりがあった、その背景として、選挙権年齢の引下げに関する議論、結果として、さらには成年年齢を引き下げた国があったということについて、申し上げたとおりであります。 その折にも、我が国においても当時、選挙権年齢の引下げに関する議論が行われたということでございますが、その選挙権年齢の引下げについて、結果として結論が得られなかったというふうに理解をしております。
○黒岩委員 私は、高まっているんですか、どうかと聞いているんですよ。結論が得られなかったのはわかっています、引き下げませんでしたから。 そのプロセスとして、これは二十五年調査においてだって、若年層は過半数以上が賛成していませんよ。むしろそんな声は、今正直言って、私も自分の地域を回っても、えっ、成年年齢の引下げって今やっているのと。ましてや、この法務委員会で審議している、ほとんどの方は知りません。それが現状ですよ。 そんな中で、高まっていないということは、五十年前と私は全く一緒だと思います。ただ、五十年前は結論に至らなかったというけれども、今回は結論に至ろうとしているわけじゃありませんか。結論に至ろうとしている限りは、やはりこのプロセスである機運の高まり、そして若い世代からのみずから能動的に求める声、これがなかったら私は結論には至れないと思いますよ。いかがですか。
○上川国務大臣 現時点におきまして、無条件で成年年齢の引下げに賛成するという意見の割合につきましては、反対意見の割合を下回っているということは事実でございます。 しかし、若者を早期に一人前の者として扱い、社会への参加の機会を与えるという大きな政策の流れ、この大きな政策の流れが、この間、この立法府の中でも議論をされてきたものと承知をしております。 とりわけ、平成十九年に日本国憲法の改正手続に関する法律が制定された後に、公職選挙法の改正、さらにはこれに基づく選挙、これがもう二度にわたりまして実施をされてきたということでございまして、私は着実にこうした積み重ねがさまざまな切り口の中で行われてきたというふうに思っておりまして、国民の中にも、こういう若い世代の皆さんを一人前の者として扱って、さまざまな社会の中での参加ということをさまざまな場面で促していくということについての流れというものは、一九七〇年代と比べまして著しく変わってきているというふうに私は理解をしております。 そして、選挙権年齢十八歳引下げによりまして、世論調査という、一つのマスを中心としたメルクマール、これにつきましては、当初もそれほど高くはなかったわけでありますが、やはり二回の実施を経た形で、このことについて、若者の間で、選挙の前にはさまざまな議論をしたり、また投票行動という形で行動にまで結びつけるというような動きが出てきている。 その意味で、私はこの選挙権年齢の引下げ、さらにはその先の成年年齢の引下げということにつきましても、大きな政策の流れの中で、この社会全体の将来を見据えての動きとして大きな位置づけを今占めているのではないかというふうに思っております。 それが、熱い、熱のある部分であるかどうかということについては、静かなるものかもしれませんけれども、しかし、この物の進め方の重要性ということについては、私は今、時を得ているのではないかというふうに思っております。
○黒岩委員 大臣の主観として、選挙権年齢も引き下がって、徐々にその状況が進んでいると思うと。これは大臣の主観ですが、私、率直に言って、国民の主観、意識とはちょっとずれが、かなりずれがあると思いますよ。 私は、形式論に陥っちゃいけないと思っています。ですから、平成十九年に国民投票法案ができた。十八歳で投票できる。その附則に、選挙権年齢と民法の改正というものが踏まえられて、時間軸でもそのとおり進んでいる。でも、これは形式論であって、法制審自体は、例えば、選挙権年齢を引き下げた後でも、今言った若年者の、この後やりますけれども、契約年齢の引下げ、取消権は使えないとか、こういったことの方をしっかりと先に進めて、環境整備が整ってからという、まさに実質的なものを法制審でも議論しているわけですよ。 ですから、実質的なもの、形式的に、さあ、これが終わった、これが終わった、じゃあこれをでは、国民の意識はついてきませんよ。そのことを私は言っているんですけれども、どうも今の大臣の話だと、機運は高まっていないことは認めながら、だけれども、そのときと違うと。何が違うかというと、今言ったように、形式的な法律の順番が示されているからというのでは、私は、およそ多くの国民は納得しない。このことは、私は、大臣、やはり胸に刻んでいただきたいと思っております。 今、外国の例を出しましたので、私は最初に、では、この七〇年前後、また、あの当時と比べたって、この前、一九七〇年前後というと、しつこいようですけれども、七二年に「太陽にほえろ!」が始まって、あの貫禄ある、カフスボタンのでかいのをつけている石原裕次郎さん、七曲署の課長さん、幾つだったか。あのころ三十七だと。ですから、やはりあの当時の方が、若い人たちの方が大人の自覚も持って、むしろ社会参加もしていた、そういう認識ですよ。自分も親を見てきた、今の自分の子供たちの世代も見ている。その中での実感ですよ。 そういう意味でいうと、実質的には、大人の自覚というのは、今の方が低いと見られている。これもマスの国民の調査で聞いても、そういう数字が出ている。ここに、私は、やはり素直に、誠実に世論と向き合う、意識と向き合うということが、もうこれは根本的に、この後の私のどのクエスチョンも、この根本的な私の問題意識というのは通底しているんですよ。そこを大臣とやはり共有していきたい。だから、今ここで議論させてもらっています。 ちょっと一点だけ触れますけれども、私は、外国との比較を事務方に聞いたときに、真っ先に出たのは、若年者の成熟を考慮した、これは中村先生の資料でも一番多い国数が出ていますけれども、やはり一番最初に出てきたのは、徴兵制が十八歳だから。 当時、ベトナム戦争でしたよ、世界は。徴兵制が十八歳なのに、成人年齢が二十一歳だ、選挙権もない、選挙権を与えてくれ、徴兵の義務があるなら、そのパラレルとして、権利である参政権を与えてくれと。よって、成人年齢も引き下げるという、こういうプロセスがあった。これは誰もが認めるところなんですよ。 でも、我が国は、徴兵制があるわけじゃないじゃないですか。だから、この点においても、今の時代、日本で若い人たちから声は上がらないんですよ。 こういう実質的なところを、大臣、どのようにお考えですか。お答えいただけませんか。
○上川国務大臣 それぞれの国におきまして、成年年齢について引下げをする、そして何歳にそれを設定するのか、まさに国の将来にかかわることということでございますので、その意味で、国の中には、先ほど指摘もしましたけれども、徴兵制という国の存亡にかかわる部分についての、一人一人の個人の参加ということについての規定、こういったことが契機になって、選挙権年齢や成年年齢の問題にもいろいろ議論が及ぶ、こういったそれぞれの国の事情があろうかと思います。 先ほど委員の方から、今、まさに若い世代の皆さんの意識、そしてその大人としての意識というか自覚というか、そういったものについては、五十年前と比べても、またそれ以前と比べても弱いのではないか、そういう見方もあろうかと思います。 しかし、同時に、やはり若い世代でも、いろいろな形で、選挙権の年齢の引下げに伴って、さまざまな参加をしながら、そして、自分のことについても、また同時に社会についても、責任のある行動をしていくということについての自覚を持つということの必要性、こういったものについての意識、こういったものを絶えず涵養しながらということでありますが、少しずつ全体を進めていっているのではないかというふうに思っております。 先ほど、ある方の御質問の中で、若い世代の起業の話がございました。自分の考えていること、また行動をしっかりと社会の中で還元していくための起業というのは、学生さんの中でも今非常に大きな動きになっている。 いろいろな観点がございますので、そうした意識の涵養についての取組はもちろんのこと、それを促していくべく、さまざまなところで参加をしていただきながら、社会の構成員としての役割についても、しっかりとその役割を果たしていただきながら、活躍をしていただく社会というものを目指して、今つくっていく必要があるのではないかというふうに思います。 若い世代の意識にしっかりと目を向けて取り組んでいくということについては、委員の御指摘のことについて私も全く共有しているところでございますので、そうした意識のもとでのさらなる取組につきましてもしっかり対応してまいりたいというふうに思っております。
○黒岩委員 このベトナム戦争と徴兵制ということ、これに非常に強く意識を持っているのは、私も子供心に覚えています、ベトナム戦争。もう毎日、朝から晩までこの報道でしたよ。 ですから、私が申し上げたいのは、今申し上げた、世界を震撼させた大きな戦争というこの大事案があって、なおかつ、徴兵制という、これは国民にとっても相当な、強烈な負担を強いられている、こういう現実があって、このことがてことなってこそ、逆に言うと、こういったてこがなければ、欧米だって、そう簡単には成人年齢を引き下げるというこの大改正は行われなかったと思っているんですよ。 そこを意識していかなければ、今、成人年齢を引き下げる契機となる大事案があるのか、ここは評価が分かれるでしょう。ただ、少なくとも、徴兵制、この権利と義務においてこれほどの強大な義務が課されているという現状がない。ですから、てこがなかなかきかない中で、機運が高まっている、高まっていない、このことだけ見れば、ぼんやりと高まっていないと誰もが思っている。そこで、強烈、てこを使ってといっても、てこもない。 だから、欧米の例を引くんだったら、今言った、大きな戦争があって、なおかつ、徴兵制という全く我が国にはない制度があって、そのことがあって、成人年齢を引き下げる、こういった結論に至った、これとは私は厳密に比較をしていただきたいと思っているんです。 これは答弁を求めませんよ。過去の歴史を振り返って、他国を見てという意味だったら、この今大きな二点、ここにやはり私は着目すべきだと思うし、逆に、それがない中で、じゃ、上げるのかということに、合理的で納得性のある、説得力のある答えを法務省からも大臣からも示さない限り、そう簡単に、成人年齢を引き下げるという百四十年ぶりの大きな改正というのは、これは私は極めて困難だと思っております。 そこで、先ほど選挙権年齢の話が出ました。これも大変重要なテーマだと思っています。 法制審答申では、選挙権年齢が十八歳に引き下げられることになれば、民法が定める成年年齢を十八歳に引き下げるのが適当である、こういった答申が出ていますけれども、憲法審査会、平成二十四年、今の六年前の法務省の答弁では、必ずしも選挙権年齢と成年年齢は一致しなくてもよい、こういう認識を六年前に示しています。 今もそれは変わりはないんですか。法制審の答申とは違った認識を法務省として持っているんですか。教えてください。
○上川国務大臣 民法の成年年齢につきましては、大きく二つの意義として、一つ目としては、親権者の同意を得ないで単独で契約をすることができる年齢、そして二番目として、父母の親権に服さなくなる年齢、こうした意義があるのに対しまして、公職選挙法の選挙権年齢につきましては、何歳以上の者を国政選挙に参加させるべきかという観点から定められているものでございます。 したがいまして、民法の成年年齢と公職選挙法の選挙権年齢とはそれぞれ立法趣旨が異なっているということでございまして、両者が一致する論理的な必然性はないというふうに考えられることでございます。 もっとも、近時の公職選挙法の改正によりまして、十八歳以上二十歳未満の者に対しまして、国政の方向性にかかわる最も基本的な権利が与えられたということにつきましては、十八歳以上の者にはこの重要事項についての判断能力は備わっており、いわば一人前の大人として扱うのが相当であるという国政上の判断が示されたというものであると理解をしております。 このため、市民生活におきましての基本法であります民法におきまして、従来どおり十八歳以上二十歳未満の者を未成年者とする扱いを続けるということにつきましては、法制度としての一貫性や簡明性という観点から問題があるものと考えられるわけでございます。 民法の成年年齢と公職選挙法の選挙権年齢、必ずしも一致する必然性はないものでありますが、できる限り一致していることが望ましいのではないかというふうに考えております。
○黒岩委員 前段と後段を区切っておっしゃいました。もちろん、民法と公職選挙法そのものは個別の法律であって、立法趣旨も違う。ですから、個々別々に、完全に一致することは論理必然性はない。わかりました。ただ、今大臣がるるおっしゃった、こういった環境、こういった状況であれば一致させることというのも、これも合理的だと。問題は、やはりこの前段なんですよ。 法的に見ても、必ずしも一致させる必要はないわけですから、今回にしても、選挙権年齢は十八歳である、ただし、成年年齢は二十であるということは、法理論的にはあり得るということをお認めになったので、それは重要なことですから、法理論上そごを来すわけではないわけですから可能であるということの確認をして、大臣からもその確認、改めて答弁いただきましたので、これは今、議事録に残させていただきます。 それで、またちょっと先ほどの質問ともかぶってくるんですけれども、今申し上げたとおり、一九七〇年前後に、欧米では選挙権年齢の引下げがあって、引下げを意図して、むしろそこに追いつく形で成人年齢を引き下げたということです。日本もそういう経緯なんですけれども。 では、そもそも、その一九七〇年当時、成人年齢の引下げではありませんよ、選挙権年齢の引下げが世界各国であったとき、今回の成人年齢だって世界各国と水平で比べましょうということが一つの論拠になっているわけですから、世界各国で選挙権年齢を引き下げたあの当時に、何で我が国は引き下げなかったんですかね。
○上川国務大臣 選挙権年齢の引下げに関する議論、これは国際的な高まりがあった、また、それぞれの国によってさまざまな背景を持ってこの問題について議論がなされ、そのうち多くの国々ではそのことについて結論を出したということだと思います。 先ほど申し上げたとおり、我が国におきましても、当時は、選挙権年齢の引下げに関する議論、議論そのものは行われたわけでありますが、国会におきましてもそうした議論を行われたわけでございますが、結果として選挙権年齢の引下げに至らなかったということでございます。そのゆえに、成年年齢の引下げが行われることもなかったということでございます。 世論調査の結果、さまざまなところで引下げを積極的に肯定しているとは見られないというようなことで、当時の大臣であります福田大臣におかれましても大変慎重な姿勢を示されたということでありまして、法案の提出や選挙制度審議会への諮問には至らなかったというふうに考えております。
○黒岩委員 これは、民事局の当時の見解では、その当時、行政としても、実際の十八歳や十九歳の若者からも、やはり要請というものが、要望というものが余りなかった。だから、選挙権年齢については、大臣、議論があったとおっしゃいますけれども、議論だってどれほどあったかわからない、こういうお話だと思います。 私は、選挙権年齢を十八歳にしていく、それも野党の側としてリードしてきた人間ですから、それは是としますよ。ただ、当時要請がなかったと言いますけれども、私、こだわっているのは、選挙権年齢を引き下げたから、あわせて成人年齢だ、こういう論理立てになっているから。 そもそも選挙権年齢だって、じゃ、本当に若者から、自分たち、下げてくれ、そういう状況が醸成されていたのか。今も、権利を得て、うれしかったと。確かに、最初の選挙、二十八年の参院選では、十八、十九歳、投票率が上がりましたけれども、それは一時的なことかもしれません。 ですから、そういった選挙を、国政選挙でいうと一回、二回やった中で、本当に、選挙からまだ二年しかたっていない中で、確かに施行はこれから四年後だとしても、今時点で、選挙権を十八歳にした、与えた、もらったから、じゃ、大人の自覚があって、自分も早く成人したいんだ、こういう声がこだましているという認識ですか。
○上川国務大臣 国民の皆さんの意識、また若い皆さんの意識そのものを量的に判断をして何かということについては、いろいろな要素を考えなければいけないという点で同じ思いでありますが、十八歳、十九歳を対象として、公職選挙法が改正された後に投票行動をした後の世論調査ということを見てみますと、引下げにつきまして、よかったと答えた方の割合は、そうでないときと比べて、引下げに対しての評価は高まってきているというふうに世論調査でも明示されているところでございます。こういったことも一つの意見として、意識として見ていく必要があるというふうに思っております。 選挙権につきましては、民主主義の国家におきましては大変重要な公選権ということでございまして、その中で国民の意見を反映をさせる、その意味での重要性というのは大変大切なことであり、また、その意味で、十八、十九歳の若者に投票権を通して社会に参画をしていただくということについても大変重要なことである。その意味で、世論調査の結果も、よかったという回答が少しずつではあるけれども上昇しているというのは、前向きな評価が得られてきているのではないかというふうに思っております。 成年年齢……(黒岩委員「もういいです、もう時間なので。済みません」と呼ぶ)いいですか。
○黒岩委員 済みません、時間切れなので、これで終わりますけれども、私は、法務省が成年年齢を引き下げる理由に、例えば、外国と比較してとか、選挙権年齢が下がったからだとか、今言った少子高齢化だから社会参画をしてほしいとか、幾つか要因と論理立てはあるんですけれども、今、一個一個因果関係を逐次確認すると、やはりこの因果関係がかなり薄くなっているなというのが率直ですし、とりもなおさず、それならば、まだ高まらない国民の意識のこの中に、説得性をもって成人年齢の引下げというものを私は訴え切れない、この問題意識がまだ晴れていないということを指摘して、質問を終わらせていただきます。 どうもありがとうございました。
○平口委員長 次に、串田誠一君。
○串田委員 日本維新の会の串田誠一でございます。 昨日は、参考人質疑、大変有意義な時間を過ごさせていただきました。いろいろな角度から物事を見ると本当に違った部分も出てくるのかなと思いましたが、我が日本維新の会は、成人年齢を引き下げることに対しては賛成をしております。 その点から、昨日の学習院大学の山下先生が、引き下げることによって、成人になっていくことによるいろいろな取引で被害を受けるんじゃないかというような部分に関しては、そういったようなものに対処する政策をしていかない方がむしろ政策としては問題なのであって、成人を引き下げること自体が問題ということではないんだというような御指摘もありました。 また、千葉大学名誉教授の宮本先生によりますと、諸外国は若いうちから自立というものを教えている、そういうことに関して日本はまだまだおくれているんだというようなことで、むしろ社会が自立できる子供にしていくということが必要なんだというようなことを指摘をしていただいたわけでございます。 そういう意味では、百四十年前はどうかという意見もありますけれども、百四十年前と比べれば今の時代というのは非常に、諸外国との交渉とか、若いうちから闘っていかなければならないという意味で、諸外国の若者が成人年齢を低くして、そして自立をしているということであれば、我が国もまた、その国々と闘っていかなきゃいけないというような意味で、むしろ若者をそうやって自立できるような社会にしていく、そういう自覚が本当は必要なのではないかというふうなことを感じたわけでございます。 一つちょっと、宮本先生のお話で私たち大変勇気づけられたことは、被選挙権のことでございまして、被選挙権、我が党は十八歳でいいんじゃないかという主張をさせていただいて、なかなか聞き入れていただけないわけでございますが、宮本先生のお話によると、諸外国では、地方の議員は十八歳、いや、もっと下げた方がいいという意見もあるんだというような発言をしていただきました。 我が党の意見が将来を見据え、グローバルな党であるということを御了解いただけたのではないかと思っておりますので、ぜひ国内においても検討をしていただきたいと思います。 きょうは、前回も質問させていただきました離婚の調停に関することについて、この点に関しては私ちょっとまだ納得ができていないということもございますので、この点について質問をさせていただきたいと思います。 その前提といたしまして、まず消滅時効、民事におきましても消滅時効がありますし、刑事においても公訴時効というのがあります。なぜ権利があるのに、なぜ犯罪が犯されているのに、このようなことで主張することが、あるいは処罰をすることができなくなるのか、この理由を教えていただきたいと思います。
○小野瀬政府参考人 お答えいたします。 民事についてでございますけれども、民事におきます消滅時効制度の趣旨でございますが、一つには、一定期間継続した権利不行使の状態という客観的な事実に基づいて権利を消滅させ、法律関係の安定を図る点にあると言われています。また、二つ目としまして、長時間の経過に伴う証拠の散逸などにより反証が困難となった相手方を保護する点にもある、こういったことなどがその趣旨として指摘されているところでございます。
○串田委員 時効というのは、権利の上にあぐらをかいているものを救わずというのもありますが、最後に言われたように、立証することが大変難しいということでございます。 今回の民法の施行が平成三十四年ということになりますと、例えば平成十六年、十七年、十八年、離婚をそのとき行った子供たちが十六歳、十七歳、まさに今度、平成三十四年になると成人という十八歳を迎えるような、そういう十何年前に離婚調停をした人たちが、その離婚調停の文言の中には成人に達するまでと書いてあるわけです。 これを、当事者がどのような意思であるのかということを確認するとおっしゃられましたが、この消滅時効だとか公訴時効というのは、証拠を証明できないから消滅時効というのがあるわけで、十何年も前に成立をした離婚調停の当事者の意思というものを証明させるということなんでしょうか。
○小野瀬政府参考人 お答えいたします。 この改正法の施行日前に、子が成年に達する日まで例えば毎月一定額を支払うといったような文言で合意していた場合に、やはりその合意当時の当事者の意思を推測することとなりますので、そういう点では、長期間でありましても、その時点における当事者の意思を推測するということになろうかと思います。
○串田委員 ですから、その当事者の意思を推測するというのは具体的にどういうことを言っていらっしゃるのか、イメージとして全然湧かないわけでございます。離婚調停が行われて、当事者が、成人までということで成立をさせた。その当時は、成人というのは二十歳なわけでございますから、その当事者の意思というのは二十歳じゃないんですか。それを、成人までということで、後で法律が十八歳になったから十八歳になるということは、成人という年齢が変更になったときには変更になるということを当事者は当時承諾をしたということなんでしょうか。
○小野瀬政府参考人 この当事者の意思というのは、結局、成年というような言葉を用いた場合に、それが二十歳に達する日、そういうような意味なのか、それとも、いわば法律的に成年に達する日であって、仮に将来、成年年齢に関する法改正があった場合にはそれに連動させる、こういう意思を有していたのか、そういった点について当事者の意思を確認するということになろうかと思います。 そういったことでございますので、当事者が合意した当時の成年は二十歳ということになりますので、通常考えますと、その当事者の間では、成年に達する日イコール二十歳に達する日という理解だった場合が多いものだというふうに考えられます。 ただ、将来的な法改正があった場合にということを、仮にそういうことを想定していたというような場合には連動するといったようなこともあり得ますけれども、実際には、かなり前の合意ということになりますと、当事者がそういった意思で合意するということは通常は考えにくいように思われるところでございます。
○串田委員 離婚調停のところで裁判官が成人に達するまでというような説明をしたときに、仮にこの成人が将来変更になったときにはその変更に従うことになりますよということを裁判官が説明しているということは恐らく考えられないんだと思うんですね。 そうだとすると、当時、そういう離婚を成立をさせたときに成人というものが変更になるということを予期している当事者がいたというのは、非常にこれはおかしな説明というか、私はちょっと納得ができないんだと思うんですけれども、成人イコール二十という言い方というのが一般的だと思うんですが、これは一般的だという理解でよろしいですか。
○小野瀬政府参考人 成人という言葉の意味を一般に申し上げることはなかなか難しゅうございますけれども、成年年齢に達した者という意味で用いられるというようなことは、非常に一般的に用いられる場合があるというふうに思っております。
○串田委員 厚労の政府参考者にもきょう来ていただいているんですが、厚労省は、成人を迎えた若者に対して「はたちの献血」キャンペーンというふうに言っているわけですが、成人式を迎えた若者になぜこの「はたち」という言葉を使うんでしょうか。
○森政府参考人 お答えいたします。 「はたちの献血」キャンペーンの経緯を確認している中では、この名称として「はたち」というのを使ったのは、成人として社会への第一歩を踏み出そうとしている若者たちに献血の必要性を理解していただいて協力をしていただく、そういう趣旨で使っているということでございます。
○串田委員 今説明していただいたんですが、おおむね世の中は成人イコール二十という言い方で、要するに、年齢というものが二十という言い方でイコールになっているというふうに国民は思っているんだと思います。 ハタチのハタというのは二十という意味なんですが、それをニジッサイと呼ばずにハタチと言っていることとして、今回、成人が十八歳になるということは私たちも党としては賛成なんですが、当時、やはり成人イコール二十という表現で離婚の当事者というのも恐らく裁判所の方で言っていたのではないかなと思います。 先ほど確定期日を記載するようにしているというお話がありましたが、最近ではそういうことがあるのかもしれませんけれども、平成十六年、十七年、十八年ころの家庭裁判所においては、恐らく成人に達するまでという記載というのも非常に多かったと思います。理由としては、確定期日にすると年齢から計算をしていかなきゃいけないので、調書の誤りがあり得る可能性があるんですね。それに対して、成人に達するまでということになれば、これは間違いがないので。 私の感覚からすれば、家庭裁判所は成人に達するまでというのは非常に多い表現のように思うんですけれども、当事者が二十までと言うときに、裁判所の方が誘導して、では成人に達するまでというような記載を行っていたという例はないんでしょうか。
○村田最高裁判所長官代理者 具体的な調停の中でのやりとりについて、それを詳細に承知しているわけではございませんのでお答えが難しいところでございますけれども、一般的に申し上げると、当事者がそういうふうに言っておられるのをあえて成年という形に誘導するというのは余り考えにくいのではないかというふうに思っております。
○串田委員 二十までという言い方を当事者が言ったときには二十までと書いて、成人に達するまでというようなときには成人に達するまでというふうに扱っていたということでしょうか。 私は、当事者が、成人に達するまでという表現というのは、かなりこれは法律用語的な気がいたしますよ。家庭裁判所の和解調書の中で、成人に達するまでというのを、当事者が、では養育費は成人に達するまでとお願いしますというよりは、そこで何歳までというような議論が行われていたのではないかなと思います。 そして、これは単に養育費だけのことではなくて、養育費を何歳まで払うのかということの、要するに金銭的な、財産的な総合的評価において当事者は離婚に踏み切ったということも十分あるわけです。ですから、今回それが十八歳になったということになると、それは話が違うということで、離婚自体、錯誤無効の主張をされるというおそれはないんでしょうか。
○小野瀬政府参考人 お答えいたします。 まず、前提といたしまして、先ほど答弁申し上げましたとおり、子が成年に達する日まで毎月一定額を支払う、こういう文言で養育費に関する合意が成立した場合には、その当事者間では、成年に達する日イコール二十、二十歳に達する日、こういうふうな理解だった場合が多いものと考えられますので、この点に関する当事者の認識にそごがある場合というのは実際には考えにくいように思われます。 ただ、仮にそういったようなそごがある場合でございますけれども、養育費の合意と離婚の合意とをあわせて行った場合におきまして、その当事者の一方が養育費の支払い期間の終期を誤解していたときでありましても、養育費の合意は離婚の合意とは法律上別の、付随的な合意であります以上、その誤解は離婚自体の申込みあるいは承諾の意思表示の重要部分の錯誤であるとは言えないため、離婚が錯誤により無効になることはないというふうに考えられます。
○串田委員 いずれにしても、そういう意味で、今度、執行裁判所で裁判しなきゃいけないんですよ、相手が払わなくなったら。昨日の中村弁護士の話もありましたが、非常に時間もかかる、お金もかかる。 要するに、解釈はこうであろうと言われるのは簡単だけれども、それを履行しないときには裁判をやらなきゃいけないという現実が出てくるということでありますし、離婚調停に関しては弁護士に依頼している場合もあるでしょう。そのとき、いろいろな意味で、和解調書の作成なんかも、弁護士同士がいろいろと交渉して書かれているときには、当事者の意思、当事者の意思といいながら、当事者は弁護士に任せていましたよといった場合、弁護士の書類の保存期間は御存じのように十年間なわけです。ですから、その前に成立をしている離婚事件は弁護士も書類を見つけることもできないわけです。 そしてまた、二十までと当事者が言った場合に、成人に達するまでですねと仮に調停委員が言った場合には、そういう争いが発生したときには、調停委員とか裁判官も、当事者の意思を確認する証人として出頭していただけるということでよろしいですか。
○小野瀬政府参考人 お答えいたします。 具体的な裁判におきます出頭等の問題につきましては、法務省としてはなかなかお答えしづらい点がございます。 先ほどから何度も御答弁を申し上げましているとおり、基本的に、かなり前の期間に成年に達するときまでといった場合には、二十というようにそれは解釈されるべきものでありまして、基本的に、成年年齢の引下げが、既にされている養育費に関する合意や審判に影響を及ぼすことはないと考えられます。 ただ、もちろんここは最終的には裁判所の判断に委ねることにはなりますけれども、法務省としてのただいま申し上げましたような考え方、基本的にはこれは成年年齢イコール二十というふうに意思は解釈できる、こういったことをしっかりと周知していくことによりまして、紛争が再燃することをできる限り防止していく、こういうことが重要ではないかと考えておりますので、そういったような取組をしっかりしていきたいというふうに考えております。
○串田委員 仮にそうであるとするなら、今回、法律の附則なりなんなりで、施行までの間の成人に達するまでというのは二十と読む、読みかえるとかいうような文言を入れるというのがこれは筋じゃないですか。 当時、成人が十八歳になったら十八歳でいいんだという解釈論というのは極めて少ないというのは御理解されているんですから、これを、新たなまた執行裁判というようなことがあり得るということの中で、それは意思解釈としてはそういう解釈にはならないだろうとおっしゃられるのであれば、無駄な訴訟じゃないですか。 私は、やはりそういう意味で、もう十何年もたって、第二の人生をみんなそれぞれが行われて、そして養育費についても払うということできっちりと前の人生を清算しているのに、これをまた蒸し返して、そして執行裁判所でまたやり直すなんということは全く無駄なことだと思うし、払う人が成人年齢が変更になるということを期待しているなんということはないわけで、当時、潔く二十歳まで払うということで決断をして離婚しているのに、今になって、成人が十八歳になったからということで、まだ争いのそういう部分を残している法律をつくるというのは、大変私は罪深いと思います。 当事者の意思を確認するということでありますけれども、仮に、母親が亡くなっている、父親が亡くなっている場合は、どうやって証明するんでしょうか。
○小野瀬政府参考人 お答えいたします。 個別の具体的な状況に応じまして、どのようなものが証拠となり得るのかという点につきましては、なかなか一概に申し上げることは難しゅうございますが、先ほど来申し上げておりますけれども、基本的に、当時の意思としては二十歳までというふうに解釈されるのが通常ではないかなというふうに考えているところでございます。
○串田委員 まさにそこは意見が一致しているわけですから、それ以外の解釈というのは普通あり得ないじゃないですか。 ではお聞きしますけれども、当事者が、意思を確認して、まずはそうだろうとおっしゃられる、その例外というのは、例えばどんなような意思を当事者が持っているという想定をされているんでしょうか。
○小野瀬政府参考人 お答えいたします。 今委員も御指摘もありましたとおり、あくまでもここは、解釈の中身としてはそういうことになるということでございまして、一切解釈の余地がないのか、全くその解釈の余地が理論的にないのかと言われますと、なかなかちょっとそこまでは申し上げることはできないのかなと思っております。 先ほど冒頭に申し上げましたとおり、将来、成年年齢が変更された場合には、養育費の支払い期間を連動させることを前提に合意したといったことが全くあり得ないのかと言われますと、なかなかそうも言い切れない点がございます。 したがいまして、委員御指摘の、成年まで、成年に達する日の属する月までと合意した場合に、何らかの附則、法律上の附則の手当てで何か手当てができないかという点につきましては、そういったような解釈の余地があり得る以上、もし仮にそういうような前提で合意していた人は、その合意とは異なる内容の権利義務が生じてしまうということになってしまいますので、附則でそのような経過措置というものを置くのは、なかなかちょっと理屈の上では難しい面があるのではないかなというふうに思っております。
○串田委員 そういう違う解釈をする確率が何%あるかといった場合、極めて少ない中で、それを法律として、そういう解釈になるだろうからといって、それを後の争いに残しているというのは、私としては、これはやはり法律のあり方として間違っているような気がいたしますよ。 その割合がかなり高いんだったらいいですけれども、今の御説明でも、全くないとは言い切れないと。限りなく低いんですよ。限りなく低いと私は思いますよ。それを余地を残したまま法律をつくるというのは、ただ単に私は罪づくりではないかなと思います。 今回、離婚調停という執行力のあるものであれば、まだ執行をしていくということがあって、異議を出しても執行停止にならないと思いますが、協議離婚の場合に、成人に達するまでということを当事者間でつくっている場合というのは、いろんな意味で、離婚ということですから、双方が非常に円満に終わっている場合もあれば余り感情的によくなく終わっている場合もありますよ、そのときに、嫌みで、そういう意味で、いや、法律が成人は十八歳になったんだから、成人までというのは十八歳に変わったんだ、こういうふうに言って払ってこないということもあるわけです。 そうすると、協議離婚の場合には、もう一度裁判に、離婚の申立てを始めなきゃいけないんです。それも、十何年も、もう第二の人生を送っているお互いがそれを行わなければいけないというようなことになると思うんですが、その点、どんなようにお考えでしょうか。
○小野瀬政府参考人 お答えいたします。 なかなか、附則で何らかの規定を置くことができるかとの点につきましては、先ほど申し上げましたとおり難しい面があるのではないかと思っております。 したがいまして、法務省といたしましては、先ほど来述べておりますような考え方というものを周知していくことによって、紛争が再燃することをできる限り防止していく、こういうことに努めてまいりたいというふうに考えております。
○串田委員 家賃が増額されたり減額されたりしたときに、それに異議を出すというのは、一〇%それに上乗せをして払わなきゃいけないというペナルティーが科せられているわけです。 しかし、養育費に関して、そういう意味では、利息が発生するかもしれないですけれども、嫌がらせで払わなくなって争って、そして結局は意思を確認してやはり二十だねということで払うことになったとしても、これはペナルティーというものが大してつかないわけですよね。 そうだとすると、本当に嫌みで、いろんな意味でのいきさつの中で払わないようにするというような当事者がいないとは限らないわけですよ。そうした場合には、必ず法律上の手続をとらなきゃいけないし、払わない側が別に犯罪になるわけじゃない。決まったらば、それをただ単に払うことになるだけで、払わないというようなことがただ単にそういう嫌がらせの手段に使われるというようなこと。これは幾ら周知したところで、払わなかった人に何かペナルティーがあるわけではないじゃないですか。 そういう訴訟が提起されないという自信がおありなんでしょうか。
○小野瀬政府参考人 なかなか、養育費等の合意をした方々の将来的な行動を一概に申し上げるのは難しい面がございます。 繰り返しになって恐縮でございますけれども、法務省といたしましては、できる限り紛争が再燃することを防止するように、法務省の考え方を周知するように努めてまいりたいと思っております。
○串田委員 不幸にも兄弟が別々の両親に引き取られ、そして養育費を払い合っているときに、片方は成人まで、まさに成人というのは二十なんですが、二十まで払われ、もう一人の子供はまだ若いので、十七ぐらいになっているというような場合、片方は二十まで払って、片方は法律が改正されたから十八歳になるというような、そういう不平等という可能性もあるわけですけれども、これも解釈論によって、そういうようなことが起きても仕方ないという理解なんでしょうか。
○小野瀬政府参考人 お答えいたします。 養育費の存否及び具体的な内容は、子が未成熟で、みずから稼働して経済的に自立することを期待することができない場合に、両親の経済状況等の個別の事情を踏まえて判断されるものでありまして、その支払い義務は、必ずしも子が未成年である場合に限定されるものではございません。 したがいまして、成年年齢が引き下げられたといたしましても、直ちに養育費の支払い終期が引き下げられるものではないと考えられます。
○串田委員 そして、養育費を支払う口座はわかっていて、銀行口座ですからそれを変えるということはないのかもしれませんが、住んでいる場所がいろいろ変わっていくことがあると思うんです。そのときに、払っている側が異議の訴訟を起こすときに、住所がわからない場合、これは公示送達か何かをすることによって勝ってしまうというようなことはないんですか。
○小野瀬政府参考人 お答えいたします。 公示送達がされる事件におきまして、その相手方の反論が全くないということがあり得るわけでございますけれども、仮に判決がされた場合におきましても、失礼、異議の訴訟でございますか、審判ですか。(串田委員「執行異議」と呼ぶ)はい。 ということになりました場合でも、公示送達によりまして応訴をすることができなかったというような場合には、場合によりましては上訴の追完といったこともあり得るのではないかなというふうに思っております。
○串田委員 送達しない上に、今度は上訴までさせるんでしょうか。これは本当に異常ですよ。 最後に、私、ずっと大臣に質問させていただいていないので、一つだけ最後に質問させていただきたいんですけれども、母親が子供を引き取って、養育費なんかで子供を育てられない金額であることは御存じだと思います。本当に大変な金額の中で、わずかにもらいながら、その子供が大学に進学をするというようなことを、養育費をある程度当てにしていた、そういう中で、今回の法律の改正によって、子供が大学に行くことも断念しなきゃいけないということも可能性としてあるわけですよね。 それについて、大臣としての所感を最後にお聞きをしておきたいと思います。
○上川国務大臣 成年年齢の引下げに伴いまして、社会全般にわたりましてさまざまな影響が出てくるということでございます。 きのうの参考人の御意見その他も含めましていろいろな御視点もあるということ、また、本日の委員の累次の御質問ということでございますけれども、さまざまなそうした離婚におきましての子供の問題ということについても大変重要な課題であるというふうに思っております。 御意見については真摯に耳を傾けながら、この問題につきましても取り組んでまいりたいというふうに思っております。
○串田委員 ぜひ検討していただきたいと思います。 終わります。ありがとうございました。
○平口委員長 次に、藤野保史君。
○藤野委員 日本共産党の藤野保史です。 まず冒頭、どうしても緊急にお聞きしたい問題がございます。法務省の入管施設で、命にかかわる事件がまた発生した件であります。 私、先日、当委員会、五月九日に、茨城県牛久の入管センターでインド人の三十二歳男性の自殺事件について質問をいたしました。それからわずか五日後、一昨日なんですが、月曜日、五月十四日、同じ牛久の入管センターで、今度は四十代ブラジル人男性の自殺未遂事件が発生をしました。 法務省にお聞きします。 どのような事案で、この方はどういう状態で発見されたんでしょうか。
○和田(雅)政府参考人 お答えいたします。 五月十四日午前十一時過ぎ、東日本入国管理センターシャワー室におきまして、同センターに収容中のブラジル国籍の男性被収容者を意識昏睡、呼吸ありの状態で発見したことから、職員及び看護師が救命措置をとるとともに、直ちに救急車の出動を要請し、外部の病院に緊急搬送したところ、緊急搬送先の病院で血圧、心拍の数値は正常であり、また、頭部、頸部及び腹部のCT検査の結果も異常が認められず、再収容可能との診断結果を得たことから、同日午後三時過ぎ、同センターに再収容したものと承知しております。
○藤野委員 首にタオルを巻いた状態で、呼吸はあったけれども意識昏睡の状態で発見された。 法務省にお聞きしますが、この男性はどれだけの期間、収容されていたんでしょうか。
○和田(雅)政府参考人 お答えいたします。 今回の自殺未遂事件に関します収容者の方の個人の特定にかかわる事柄につきましては、プライバシー保護の観点から、答弁は差し控えさせていただきます。
○藤野委員 これはなぜ隠すのかということなんですね。私は、関係者の方から、この男性は二年以上収容されていると聞いております。長期の収容が事実としてあったと。長期収容との関連を隠すためとしか思えないわけです。 牛久のセンターというのは、長期収容者の割合が大変多いところであります。収容者の方から直接話を聞き取られた有志の方々によりますと、やはり多くの収容者は、一体、自分がいつまで収容されるのか、これがわからない、このこと自体が収容されている方を肉体的にも精神的にも追い込んでいると。ですから、やはり、いわれのない、理由のない長期の収容というのはもう直ちにやめるべきだと強く求めたいと思うんですね。 そして、九日に私が質問しましたときに、法務省は、二〇〇九年以降、入管施設において自傷事案が毎年発生していると答弁していました。二〇一七年は四十四件、二〇一六年が三十件、二〇一五年が五十一件、二〇一四年が五十九件などであります。 法務省にお聞きしますが、二〇〇九年以降の自傷事案のうち、今回のような自殺未遂というのはそれぞれ何件ですか。
○和田(雅)政府参考人 お答えいたします。 入国管理局では、自殺件数や自傷件数の統計はございますが、自傷行為のうち、それが自殺を企図したものかどうかの件数は把握いたしておりません。 何となれば、自傷行為は一般的に被収容者がみずから自分の身体を傷つける行為でございますが、自傷行為の中にも軽重がございまして、それが自殺を図ろうとした行為であるか否かは被収容者の内心にかかわるものであるため、当局では、そのような自傷行為のうち、それが果たして自殺を企図したものであるかどうかということを正確に把握することが困難であるため、これを把握しておらないものでございます。
○藤野委員 何をむちゃくちゃなことを言っているんですか。 今回、自殺未遂ということですけれども、自殺と自傷行為というのは全く違うわけです。もちろん、関連はします。関連する場合はありますけれども、基本的にはやはり別物なんです。自傷行為というのは致死性が一般的に低い行為、リストカットとか、たばこを押しつけるとか、そういう行為であります。自殺未遂あるいは自殺行為というのは致死的な行為ということになってきて、これは全く違うわけですね。自殺未遂という場合に、それを意識してやるということが極めてメルクマールになっている。 日本精神科救急学会というのが作成しました精神科救急医療ガイドラインというのがあるわけですけれども、このガイドラインというのを見ますと、まさにそうした致死的な行為であることを十分認識して行うのが自殺行為であるということなんですね。 自傷か自殺かというのは違うもとで、どういう対策を立てていくかという場合にも、その対策を考える上でも、これは自殺なのか、自殺を目指した行為なのか、自傷なのかということをしっかり把握しなければ、これはもう対策の立てようがない。これは本当に、独自に把握していない、自傷という一把一からげで、その中に自殺という全く違うものを含んでいるということを放置していること自体が問題だと思います。 今回出せないということですが、後日、自傷事案の中での自殺未遂、これの数等の資料、これを提出してほしいと思います。よろしいですね。
○和田(雅)政府参考人 お答えいたします。 自傷行為のうち、どのような態様であったか、どのような危険性があったかというようなことにつきましては把握することは可能かと思いますが、それが果たして本当に自殺を企図したものであるかどうかということの認定はなかなか難しいところがございますが、今御指摘ございましたので、当方としてどういうことができるかを検討して、できる限り先生の御指摘にお応えしたいと思っております。
○藤野委員 これは急いでやっていただきたいと思うんです。 同時に、大臣、これはやはり、こうした自傷事件あるいは自殺未遂事件、自殺事件、なぜこれだけ起きているのか。二〇〇七年以降、自殺は五件起きていると先日答弁いただいております。病死を含めれば十数名の方が命を落とされているんです、入管施設で。これはやはり、当事者ではなく第三者による調査、検証というのが必要ではないか。長期収容との関連や医療体制の劣悪さなどとの関連をやはり法務省以外の第三者が調査すべきと。 実際、お聞きしますと、入管局の方は当事者の方にいろいろお聞きになっているという話は聞くんです。しかし、その当事者からしますと、自分が自殺未遂に至った、その原因をつくった当事者ですよね、施設管理者というのは。そういう人に幾ら聞かれても、冷静かつ正直に話せるわけがない。 ですから、やはり、施設管理者とは別の第三者による調査、大臣、これは必要だと思うんですけれども、いかがですか。
○上川国務大臣 これまででございますが、入管収容施設におきまして死亡事案などが発生した場合におきましては、法務本省、地方入国管理官署の職員による調査を実施するとともに、特に医学的見地から外部の専門家に御意見を伺いながら、適切な調査を尽くしているということでございます。 その上で、調査結果につきましては、外部の有識者から構成される入国者収容所等視察委員会に報告をいたしまして、同委員会が独立したお立場でその報告の内容を精査していただく、そして、必要に応じて、改善策などにつきまして、意見や提言ということを法務大臣に対して行うものとしているところでございます。 今般の自殺事案、また自殺未遂事案につきましても、それぞれ、視察委員会への報告を行っているところでございます。 さらに、事案の内容に応じまして、報告書を公表することを通じまして、国民の皆様からのさまざまな御意見あるいは御批判を承ることとしているところでございます。 調査結果の客観性担保のために誠心誠意努力をするということでございますし、また、個々の事案に係る調査結果を最大限生かしながら、被収容者処遇業務の改善、それを鋭意進めてまいりたいというふうに思っております。
○藤野委員 今、外部の方の例として、入国者収容施設視察委員会を出されました。私もこの委員会の報告書等も読ませていただきまして、しかし、例えば、この委員会の方が医療体制についても提案されているんですね、施設側に。東の委員会と西の委員会、二つあるんですけれども、両方で例えば医療の問題を指摘されても、それはもうほとんど却下です。却下されているんです、実際に。ですから、外部の方がそういう方でやっても、実際、そういうことになっちゃっている。 しかも、この委員会は非常に頑張っていらっしゃると思うんですが、東の委員会は十名、西も十名で、ヨーロッパ等の、先日私が紹介したイギリスの体制に比べれば極めて貧弱なもとでやられている。奮闘はされていると思いますが。 ですから、そういう点で、やはり、こうした事態がなくなっていないというのもそうしたことの反映だと思います。ですから、この点、ぜひ考えていただきたい。 そして同時に、これは本当に緊急なんです、大臣。一カ月前には自殺事件が起きている。一カ月後に自殺未遂事件が起きている。 大臣が先日、九日に答弁いただいたときには、国の責任のもとでというふうに大臣は繰り返して、入管の収容施設におきまして国が身柄を拘束するという、国の責任のもとで被収容者の健康管理及び衛生管理が適切に行われなければならないと答弁され、こうもおっしゃっております。所要の体制整備に対しましても万全を期してまいらなければならないと。 ですから、大臣、これは、この大臣の答弁からわずか五日後に起きております。本当に緊急事態だと思うんですね。ですから、大臣、国の責任ということで、まさに緊急に対応するというふうにおっしゃっていただきたいと思いますが、いかがですか。
○上川国務大臣 被収容者の心身の健康の維持ということについて、医療面、心身の健康ということでありますので、その万全を尽くしていくということについては、そのための体制整備につきましても取り組んでまいりたいというふうに思っております。 先ほど、委員会の方からもさまざまな御提案があったということでございまして、体制整備そしてさまざまな客観的な御意見、こういったことも真摯に耳を傾けながら対応してまいりたいというふうに思っております。
○藤野委員 これは本当に待ったなしの緊急課題だという認識で、ぜひ改善を強く求めたいと思います。 次に、民法について質問をいたします。 昨日の参考人質疑、私、本当に参考になりました。きょうは、その中身を踏まえつつ、質問させていただきたいと思います。 まず、伊達直利参考人、これは社会福祉法人旭児童ホーム理事長のお話でありました。社会的養護の対象となっている方の保護の問題が提起されました。 社会的養護というのは、さまざまな事情により家庭で暮らすことができない児童等に、家庭での養育にかわる養育を公的に保障し、自立に向けた育成を行うことというふうにお伺いしました。 伊達氏は、ある雑誌の中で、記事の中でこうおっしゃっています。虐待を受け、心の傷を持つ子供たちはますますふえている。児童福祉法の対象となる十八歳を過ぎれば出ていかざるを得ないが、毎年必ず出戻りも出る。これは、そのまま書いてあるんですけれども。それで、ここが大事だと思います。年齢で一律に決めるのではなく、必要な支援が継続できる体制が必要ということであります。 まず、前提として厚労省に確認したいんですが、里親、ファミリーホーム、児童養護施設など、我が国の社会的養護の対象となっている児童数の推移はどうなっているでしょうか。
○山本政府参考人 お答え申し上げます。 要保護児童数の推移でございますけれども、乳児院や児童養護施設等の施設の入所児童数は近年減少しておりますけれども、里親やファミリーホームへの委託児童数については増加しており、全体としては、おおむね横ばいの四万五千人程度で推移をしております。
○藤野委員 答弁いただいたとおり、四万五千人程度、前後で推移をしているわけであります。配付資料の一にも紹介させていただいております。 児童福祉法は、保護の対象とする者の年齢を十八歳未満と規定はしております。しかし、制定当初から、実際は満二十歳になるまで入所期間の延長ということが運用としてできたというふうに伺っております。その後、法改正においても、対象年齢の引上げが積み重ねられてきた。一九四九年、二〇〇四年、二〇一六年。 厚労省にお聞きしたいんですが、これらの改正はどのような改正で、その改正の理由を端的にお願いいたします。
○山本政府参考人 お答え申し上げます。 児童福祉法における児童の定義については、法制定当時から十八歳未満の者とされておりまして、児童養護施設等への入所など社会的養護の対象とされています。 また、これも制定当初からでございますが、必要に応じて二十まで入所等の延長が可能となっているところでございます。 また、これは二十九年度からでございますけれども、入所措置が解除された方について、退所後も、引き続き、自立支援のため、二十二歳の年度末まで児童養護施設に居住できるよう、これは予算事業として実施をしております。 また、疾病等やむを得ない事情による休学等により二十二歳を超えて大学等に在学している場合は、卒業までの間、対象としております。 さらに、自立援助ホームという、児童養護施設を退所された方が自立支援のためにお入りになる施設がありますけれども、その対象年齢については、平成九年に法律に規定された当初は、中卒で就職する児童を念頭に置き、経済的に一定程度自立できる年齢として原則十八歳未満としておりましたけれども、その後、児童養護施設入所児童の高校進学率が九割となったことを踏まえ、高卒で就職する児童が経済的に一定程度自立できる年齢として、平成二十年に二十歳未満に引き上げたところでございます。 さらに、平成二十八年には、大学などに就学している方々について、学業の継続に配慮し、二十二歳の年度末までを対象に追加をしております。
○藤野委員 もう一点お聞きしたのは、改正の趣旨について、お願いします。
○山本政府参考人 年齢延長の改正の趣旨でございますけれども、施設に入所した子供が例えば十八歳になったからといって機械的に退所させることになりますと、それまでの施設で行ってきた支援の効果が中断され、児童福祉の目的が達せられないため、生活の安定感を得るというのに必要な年限ということで設定をさせていただいた次第でございます。
○藤野委員 先ほど他の委員からも指摘がありましたけれども、やはり、単に十八歳になったからといって支援が必要にならなくなるわけではないということで、こうした累次の児童福祉法の改正が行われてきたというのは大変重いというふうに思っております。 配付資料の二を見ていただきますと、こうした施設の退所者、出ていかれた方を対象として行った東京都における調査なんですが、これによりますと、施設の退所後まず困ったことということで、一番多いのは孤独感、孤立感ということで三四・五%、次いで金銭管理、三二%、次いで生活費、三一%。これは五年ごとに行われている調査ですけれども、五年前も同じ上位の三位だったということであります。 別の調査で、これは資料とはしておりませんが、NPO法人が行った「全国児童養護施設調査二〇一六 社会的自立に向けた支援に関する調査」というのがあるんですが、いわゆる全国の児童養護施設などを退所した者の進学やあるいは就労の状況について調べているんですけれども、これを見ますと、施設を出られた方の大学進学率が二六・五%ということで、これはやはり、全国的に見れば、平均から見れば低い水準になっている。他方、中退率というのは、普通の中退率が七・八%に対して施設退所者の場合は二六・五%ということで、逆に中退率は高くなっている。就職された方の離職率というのもこれは調査されているんですが、離職率も、二年目までに三一・四%、一年目が何と一九・六%ということで、特に就労一年目の離職率が高いということもデータとして出てきております。 つまり、十八歳等、何歳かはそれぞれケース・バイ・ケースですけれども、施設を退所した方でもやはり支援を必要としているという状況がうかがえるというふうに思っております。 伊達参考人は昨日こうおっしゃっておりました、若者たちに過早な自立を強いていると。そのまま、過ぎて早い、そういう文字の資料が出ていたんですけれども、要するに、早過ぎる自立を強いているというふうに参考人はおっしゃっていたのが大変印象的でありました。 配付資料の三は、この点に関する日弁連の意見書であります。ここにありますように、児童福祉における支援の後退のおそれということが指摘をされております。 先ほど答弁いただいたように、実際は児童福祉法による支援というものは十八歳を超えて二十歳あるいは二十二歳と受けられるわけですけれども、そうした積み重ねが、仮に民法の成人年齢の引下げによって影響が及ぶのではないかという懸念であります。 大臣にお聞きしたいんですが、法務省として、あるいは新設された関係府省連絡会議として、こうした懸念にどう応えていくというふうにお考えなんでしょうか。
○上川国務大臣 御指摘の意見書ということでございますが、現行の児童福祉法上、児童養護施設等の児童福祉施設での措置や里親委託等が二十歳まで、二十まで延長することができるとされていることについて、成年年齢の引下げによりまして二十まで延長することができなくなるといった影響が生ずること、この懸念を指摘されているところでございます。 本法律案におきましては、この児童福祉法に関しまして、児童養護施設への入所、里親委託といった措置を延長することができる年齢につきましては二十歳を維持することとしているところでございます。 法務省としても、政府一体となってこの若年者、子供たちの自立を支援するために、その施策につきましてはしっかりと取り組んでまいりたいというふうに思っております。
○藤野委員 確かに、法文上は維持はされておりますし、先ほど他の、國重委員ですか、質問のときも、厚労省からは、より一層支援に取り組むという答弁もありました。 しかし、やはりそういうことも実際にどうやっていくのかという点で、こうした懸念が参考人から寄せられているということでありますから、しっかりこれは応えていただきたいというふうに思っております。 伊達参考人は、社会的養護から離れていく方々、この離れていく、リーブするということだと思うんですが、リービングケアという言葉を紹介してくださいました。 これは私も初めて認識したんですけれども、ヨーロッパなどでは、リービングケア法という法律もあって、こういう社会的養護から離れていくことも法的にちゃんと支援していこうということで、しかもその対象は、十六歳から二十二歳、国によっては二十四歳まで対象として行っているということが紹介されておりました。こうした先進的な事例についてもぜひ参考にしていただきたいと思っております。 こうしたケアを必要とする若者というものはこれ以外にもたくさんいらっしゃると思っていまして、まず総務省にお聞きしたいんですが、いわゆる若者の無業者について、その定義と、直近で何人いるか、御答弁ください。
○和田(純)政府参考人 お答え申し上げます。 若年無業者の定義につきましては、総務省の労働力調査におきまして、十五歳から三十四歳で非労働力人口のうち家事も通学もしていない者とされております。 この若年無業者の人数につきまして、同調査で見ますと、直近の平成二十九年では五十四万人となっておりまして、五年前、平成二十四年の六十三万人からは九万人の減少、また前年、平成二十八年の五十六万人からは二万人減少しているところでございます。
○藤野委員 続いて、内閣府に、いわゆる十五歳から三十九歳の広義の引きこもりの方の推計値、お願いいたします。
○福田政府参考人 お答えいたします。 内閣府における最新の引きこもりに関する調査は平成二十七年度に実施しておりまして、そこでの引きこもりの定義は、さまざまな要因の結果として社会的参加を回避し、原則的には六カ月以上にわたっておおむね家庭にとどまり続けている状態を指す現象概念との考え方に沿ったものとしております。この定義は、厚生労働科学研究費補助金による研究事業で作成された「ひきこもりの評価・支援に関するガイドライン」に基づいたものです。 また、平成二十七年度に実施した調査は、全国の十五歳から三十九歳までの方を対象にしたものでありますが、この年齢層全体で引きこもりの状態にある方の人数を五十四万一千人と推計しております。
○藤野委員 文科省にお聞きしますが、小中高等学校の不登校児童生徒数は何人でしょうか。
○下間政府参考人 お答え申し上げます。 文部科学省において行いました平成二十八年度の児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査によりますれば、不登校児童生徒数は、小学校三万四百四十八人、中学校十万三千二百三十五人、高等学校四万八千五百六十五人であり、合計十八万二千二百四十八人となっております。
○藤野委員 今答弁いただいたように、例えば若者無業者というのは五十四万人、広義の引きこもりが五十四万一千人、不登校児童生徒数が約十八万二千二百四十八人ということで、やはり多くの若者が自立支援の対象でもあり、かつ消費者被害の潜在的な対象でもあるというふうに思うんですね。 先日の参考人質疑で、宮本みち子参考人は、欧米諸国の例を引きまして、こうした若者が必要な各種の情報提供や困ったときに各種相談やサービスを受けられるようなワンストップサービスセンターの設置というのを提案されておりました。 法務省にお聞きしたいんですが、こうしたワンストップサービスセンター、今、全国どこに、幾つあるんでしょうか。
○小野瀬政府参考人 お答えいたします。 政府が設置しております、若年者が必要な各種情報提供や困ったときに各種相談が受けられるような窓口といたしまして、まず、子供、若者育成支援に関する相談に応じ、関係機関の紹介その他の必要な情報の提供及び助言を行う拠点といたしまして、地方公共団体が設けるものとして、子ども・若者総合相談センターがございます。平成三十年四月一日時点で、八十二の地方公共団体に設置されております。 また、働くことに悩みを抱えております十九歳から三十九歳までの無業の若者に対し、キャリアコンサルタントなどによる専門的な相談、コミュニケーション訓練などによるステップアップ、協力企業への就労体験などにより、就労に向けた専門的支援を行っているものとして、地域若者サポートステーションがありまして、平成三十年度時点で全国百七十五カ所に設置されております。 正社員での就職を目指す若者を対象に、就職支援ナビゲーターによるきめ細やかな支援など、さまざまな就職支援を専門に行う公共職業安定所として若者ハローワーク等があり、平成三十年四月一日時点で、若者ハローワークは全国二十八カ所、若者支援コーナー等は全国二百六カ所にそれぞれ設置されております。 さらに、引きこもりの状態にある方を、福祉、保健、医療、就労、教育等の関係機関と連携を図りながらアセスメントを行い、早期に適切な機関につなぐ等の支援を行うものとして、ひきこもり地域支援センターがありまして、平成三十年四月一日現在で都道府県及び政令指定都市に七十五カ所設置されている、こういう状況でございます。
○藤野委員 いろいろおっしゃいましたけれども、私がお聞きしたワンストップセンターという場合には、二〇一〇年に施行されました子ども・若者育成支援促進法というのがあると思うんです。この促進法十三条、十九条でこういうワンストップセンターを設けていくべしと。これは実態は努力義務にとどまっております。 このもとで、今御答弁いただいたように、いわゆる子ども・若者総合支援センターというんですが、このワンストップセンターは全国で八十二ということでありました。内訳を見ますと、都道府県で十八、政令指定都市で九、その他市町村が五十五なんですね。 ちなみに、私は北陸信越ブロックなんですけれども、五県あるうちの新潟県、県にはなくて、新潟市にあって、あとは新潟県の三条市、村上市、佐渡市、阿賀野市、あとは福井県の若狭町にあるだけということなんですね。県庁所在地に必ずしもあるわけではない状況であります。 八十二といいますと、千七百十八自治体のうち四・八%なんですね。九五%の自治体でこういうワンストップ支援センターがないというのが実態になっている。 大臣、お聞きしたいんですけれども、こうした事態、若者自立支援の状況、これは改善が必要じゃないでしょうか。
○小野瀬政府参考人 大変申しわけございません。 先ほど、地域若者サポートステーションの対象となる無業の若者につきまして、十九歳から三十九歳までと申し上げましたが、十五歳からの間違いでございます。申しわけございませんでした。
○上川国務大臣 民法の成年年齢を引き下げることによりまして、不安定な生活基盤しか持たず、また、自立に困難を抱える十八歳、十九歳の者が困窮するおそれがあるということについて、自立を援助するための取組につきましては強化をする必要があるというふうに考えております。 また、参考人の御指摘からも、そのことの重要性ということについて、大変重要な指摘をいただいたところでございます。 このような指摘があることから、内閣総理大臣を本部長といたしまして、全閣僚から成る子ども・若者育成支援推進本部を設置いたしまして、二十八年二月にこの本部で決定いたしました子供・若者育成支援推進大綱、このことに基づきまして、政府挙げて若者の自立支援を含む子供・若者対策に取り組んでいるところでございます。 政府といたしましても、こうした施策、引き続きしっかりと実施をし、若者の自立をさまざまな角度から支援する取組につきましては着実に進めていく必要がある。これにつきましては、この府省連絡会議におきましても、進捗管理も含めてしっかりと実施してまいりたいというふうに思っております。
○藤野委員 今、全閣僚が参加するとおっしゃいましたけれども、大臣自身おっしゃったように、宮本参考人から、特に不安定な生活基盤しか持てない若者が増加している、取組強化ということがあったわけですね。 今大臣が答弁された全閣僚出席の子供、若者育成支援の枠組みというのは、もう二〇一〇年にできているわけですよね。二〇一〇年にできていて、今二〇一八年で、この段階で、さっき言ったように、八十二しかそのセンターができていない、四・七%という状況で、やはり、そうした全閣僚も、それはもちろん進めていただきたいですし、あれですけれども、先ほど、関連府省庁連絡会議もつくられたわけでありますから、その進捗状況云々だけではなくて、しっかりここでイニシアチブを発揮していく、取組を強化するという、その中身をしっかり詰めていくべきだというふうに思うんです。 今ずっと見てきたんですけれども、結局、今回のセンターでいえば、五%に満たないわけですね。 昨日の参考人質疑でも、私は、五人の参考人全員に、法制審が最終報告で言っている三つのハードルについてクリアされていると思うかということを質問させていただきました。いわゆる自立を促す施策、消費者被害の拡大を解決する施策、それが十分に効果を発揮していることと、さらに、それが国民の意識としてあらわれていること、これがその中身であります。 参考人の皆様は、山下参考人は、教育施策については制度自体は達成されているというふうにおっしゃっておりました。しかし、それ以外の参考人は押しなべて、例えば宮本参考人は、消費者教育として学校教育が期待されているが、学校教育の力だけで変えることはできない、地域や社会教育まで広げることなど議論が必要と。中村参考人は、いずれも道半ばと。伊達参考人は、積極的な意味が見出せないと。広井参考人も、残念ながら十分な取組がなされていない、教育に期待すること自体が過重であり、教育すれば足りるというのは幻想であるというふうにおっしゃっておりました。 大臣にお聞きしたいんですけれども、大臣は私の本会議質問に対して、こう答弁されているんですね。法務省としては、これらの施策が相応の効果を上げ、国民にも浸透している、法制審の最終報告で挙げられた条件を満たしていると答弁されたんですが、しかし、これは参考人の認識とは大分差があると大臣は思われませんか。
○上川国務大臣 昨日参考人質疑が行われまして、議員の方から、ただいまのような御質問、成年年齢引下げに伴う問題点の解決に資する施策の実現がなされたかどうか、その効果が十分に発揮されたか、また、それが国民の意識としてあらわれたかということにつきまして質問をされました。参考人の方々からは、大変厳しい御意見も含めまして、さまざまな意見が示されたものと認識しているところでございます。 政府といたしましては、民法の成年年齢の引下げに伴いますさまざまな問題点を解消するために必要であります取組につきまして、この間、充実に努めてきたところでございます。消費者被害の拡大を防止するための施策や、また、若者の自立を促すような施策の充実強化でございます。そして、その効果につきましては着実に発揮されつつあるものというふうに認識をしております。 法務省といたしましては、こうした各種の施策によりまして、成年年齢の引下げの是非につきまして、国会に御判断をいただく前提となる環境整備は整えたものと考えているところでございます。 もっとも、昨日の参考人質疑におきましては大変厳しい御意見もあったということにつきましては、真摯に受けとめる必要があるというふうに考えているところでございます。 環境整備については、政府一丸となって、さまざまな角度から、また、御指摘いただいたことも踏まえまして、施策の推進とその着実な施策の浸透ということについて国民の理解をしっかりと得ることができるように、引き続き努力をしてまいりたいというふうに考えております。
○藤野委員 もう終わりますが、効果を発揮されつつあるといいましても、エビデンスが全く示されないんですね。 ですから、そのもとで国会に判断しろと言っても、そういう判断の材料が今与えられていないということを指摘して、質問を終わります。
○平口委員長 この際、小野瀬民事局長から発言を求められていますので、これを許します。小野瀬民事局長。
○小野瀬政府参考人 大変申しわけございません。答弁の修正でございます。 先ほど、串田委員の御質問に対する私の答弁の中で、執行異議の裁判に対する上訴の追完が可能といった趣旨の答弁をいたしましたけれども、執行異議の裁判につきましては、特別の規定がない限り上訴はできないということでございますので、その点、訂正させていただきます。 法務省といたしましては、先ほど述べました方策で、できる限り紛争の再発の防止に努めてまいりたいと思っております。 大変申しわけございませんでした。
○平口委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後四時散会