農林水産委員会 第9号
- 発言数
- 107 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 2018/04/12
会議録
○伊東委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、森林経営管理法案及び独立行政法人農林漁業信用基金法の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。 本日は、両案審査のため、参考人として、八頭中央森林組合代表理事組合長前田幸己君、高知県知事尾崎正直君、岡山県西粟倉村長青木秀樹君及び愛媛大学名誉教授泉英二君、以上四名の方々に御出席をいただいております。 この際、参考人各位に一言御挨拶を申し上げます。 本日は、御多用中のところ本委員会に御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。参考人各位におかれましては、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただきたいと存じますので、よろしくお願いをいたします。 次に、議事の順序について申し上げます。 まず、前田参考人、尾崎参考人、青木参考人、泉参考人の順に、お一人十五分程度御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑に対してお答えをいただきたいと存じます。 なお、念のため申し上げますが、御発言の際はその都度委員長の許可を得て発言していただくようお願い申し上げます。また、参考人は委員に対して質疑をすることができないことになっておりますので、あらかじめ御了承願います。 それでは、初めに、前田参考人、お願いいたします。
○前田参考人 皆さん、おはようございます。鳥取県の八頭町から参りました八頭中央森林組合の前田と申します。 本日は、このような場を与えていただきまして、まことにありがとうございます。また、平素より林業、木材産業の振興には本当に先生各位には御尽力いただいておりますこと、この場をかりて厚く御礼申し上げます。 では、まず最初に、自己紹介をさせていただきます。 私は、五十歳までは農協関係、経済連、JA鳥取いなばとか、農協関係に奉職をしておりまして、実は、農産物の販売であるとか店舗事業、また、新たな農協の事業としての生産資材の店舗販売、そういう取組をさせていただいております。また、いなば農協というのは三万人ぐらいの組合員の農協でございますけれども、その合併事務局にも勤務した経験を持っております。体調を壊したことが縁で、森林組合関係に五十にして入ったわけでございますけれども、本当に農協関係の経験が役立っておるなという感じがしておるところでございます。 林業関係に入りましたのは、県森連に五年間、それから、縁あり、今の八頭中央森林組合の参事を三年、専務を三年、組合長を、実は長くなりまして、ことしで九年目という経験をしております。また、現在は県の連合会の会長も拝命しておりますし、全森連の理事も拝命をしておるところでございます。 八頭中央森林組合の取組について報告をいたしますと、八頭中央森林組合は、平成十五年に合併をして、これは一市二町を管内とする、組合員が四千人ほどの組合でございますけれども、小さい鳥取県にしては、民有林の人工林が二万六千ヘクタールございます。組合員さんの山が一万八千ヘクタール、町有林とか分収林が八千ヘクタールということで、二万六千ヘクタールの人工林を有しております。現在、従業員数が七十三名ほどおりますけれども、年間扱い高が十五億円ぐらいの森林組合でございます。 平成二十八年度農林水産祭において、栄誉ある天皇杯を受賞させていただきました。受賞の理由としては、実は、平成二十二年度の搬出量が間伐材で五千立米でございましたけれども、二十七年、五年間経過したわけですけれども、六万立米の搬出、約十二倍、これが達成できた。作業道については、年間二十キロを、七十キロぐらいの開設をやったということで、非常におくれておりました森林整備を加速化してきたわけでございます。 取組の主な内容につきましては、今回の法律改正の参考になればということでまとめておりますけれども、私どもの森林組合は、林野庁が発表された森林・林業再生プラン、これに積極的に取り組みました。 その中で、長期管理委託あるいは林班経営計画、これらを策定して整備に当たったわけでございますけれども、やはり一番有効な手だてだったと思いますのが集落説明会でございまして、私どもは、山の整備につきましては、所有者の意向も当然大事でございますけれども、集落単位で実は整備を進めていきました。平成二十四年度には百十四回の説明会を開催して、以後、ことしもそうなんですけれども、年間百回ぐらいは説明会をするんだという意気込みで取り組んでおります。 説明会の内容につきましては、まずは組合員さんに山の手入れの必要性あるいは山の役割、木材の流通の現状等を十分御理解いただくということで、集落単位でこの貴重な資源を次の世代に、その村で暮らされる方のために残そうではないかというのが一番の決め手でございまして、参加者の九九%ぐらいは同意をいただいております。 あとは、その集落のコンセンサスのもとに森林整備を進めるという手法をとっております。 また、山の手入れをするためには、担い手の役割というのが非常に大きいわけでございますから、八頭森林では、ただ直営班だけじゃなしに、地域に活躍しておられます建設業者の方、林業事業体、それらの人とタッグ、一緒になって山の手入れをしておりまして、現在、事業扱い高の五〇%ぐらいが直営で、五〇%は請負でございます。 当時、そういう手法をとりましたのが、今は林業機械、グラップルだろうがハーベスターだろうが、リースでも何でもあるんですけれども、十年ほど前はほとんどそういう機械の確保すら難しかったわけでございますから、機械を持っておられる業者の方と連携をしてやってきたというようなことでございます。また、高性能機械を使っての生産性の向上対策ということで、かなりの機械を今は配置しております。あわせて、GPSであるとかGISであるとか、施業を進めるために不可欠な機器の整備にも取り組んでまいりました。 あわせて、重点的に取り組みましたのは、森林組合の経営改革に取り組みまして、経営、事業管理のリアルタイムでの数値管理、あるいは成果主義、あるいは施業計画等の前年の策定であるとか補助金の早期申請であるとか、いろいろな対策を実はとらせていただきました。 その結果、扱い高が、平成十六年、三億円でございましたものが、十五億円ということで五倍になりました。また、財務的には、平成十六年、借入金が一億、預金が三千万、こういう組合であったわけですけれども、今日では、借入れはゼロ、預金残高が一億五千万ということで、若干財務が安定をしてきたというようなことでございます。 お手元にパンフレットで、平成三十二年十万立方のパンフレットをつくっておりますけれども、平成二十七年の時点で八頭中央森林組合管内の森林整備は非常におくれておったということで、二十七年、六万立米までいったんだから、それを三十二年に十万立方までいこうじゃないかということで、組合員あるいは役員等で十分協議をした中で目標を設定しておるところでございます。 折しも、平成二十七年、私のところの先生であります石破先生が地方創生を進めておられた関係で、私どもが、森林整備で地方創生の実現ということで向かってまいっております。 特に、山から一万立米の搬出をすれば、十五人ないし二十人ぐらいの通年雇用の職場ができるということで、ですから、十万立米の搬出が実現すれば、百五十人ないし二百人の通年雇用ができるんだということで取り組んでおります。 ただ、大きな課題は、二十七年、二十八年から十万立米に向かってのスタートをしたわけですけれども、二十八年の実績は、三割ぐらい、いろいろな背景があってダウンしました。昨年、二十九年度は、V字回復をするんだということで向かいまして、若干盛り返しておりますけれども、残念ながら、二十七年の六万までは達成をしませんでした。ただ、この三十年は、それらの反省を踏まえて、七万立方の搬出に向かっておるところでございます。 それについては、我々の組合では、ことしは、オーストリア林業、これをずっと、四年間連続で職員をオーストリアに派遣するとか、オーストリアから技術者を招いて、オーストリアの林業をぼっかけているといいますか、向かっております。 成長林に対する伐採率が、日本は二四パーでございますけれども、オーストリアは八五%。木材の輸出額が、日本は二百億ちょっとでございますけれども、オーストリアは二千三百億ございます。路網についても、日本はヘクタール当たり十四メーター、オーストリアは四十五メーターということでございますし、工場までの搬出費が、鳥取では三千円、四千円かかりますけれども、オーストリアは千円ぐらいでございます。何とかその手法を学びたいということで取り組んでおるところでございます。 今回検討されます新たな森林管理法案の内容につきましては、私どもが現在経営計画に基づいて事業は進めておりますけれども、境界が不明な、あるいは確定に時間がかかる、反対者があって作業が着手できない、筆が細かくてまとめ切れないとか、いろいろな問題を抱えておるわけでございますけれども、何とかこのたびの法案の中でそれらを是正していただきたいという思いがございます。 また、大きな問題は、木材価格がずっと安いということで、どちらかといえば、補助金がなければ山の手入れができないというのが現状でございますので、何とか補助金なしでもやれるような林業を我々は目指しておるところでございます。 本当に各地域とも、林業については、木材生産の役割も大きいわけですけれども、日本の国土保全の役割が大きいというふうに思っております。そのためには、地域の歴史、風土とのかかわりが大きくて、地域ごとの山のかかわり方がかなり違います。生活者、所有者の意識も違い、八頭中央森林組合のやり方が全地区に通用するかどうかはわかりませんけれども、しかし、出口は一緒でございますので、出口対策によれば、私は日本林業は変わると確信をしておるところでございます。 よろしくお願いします。(拍手)
○伊東委員長 ありがとうございました。 次に、尾崎参考人、お願いいたします。
○尾崎参考人 皆様、おはようございます。御紹介をいただきました高知県知事の尾崎正直でございます。 高知県の森林面積割合は八四%でございまして、全国ナンバーワンであります。高知県の県勢を浮揚するためには、林業の再生が不可欠、林業の再生なくして中山間の再生なし、中山間の再生なくして県勢の浮揚なしということで、林業再生に大変力を入れてこようと努力をさせていただいております。 そういう中、この森林経営管理法案には大変期待をいたしているところでございまして、きょう、こういう形で御意見を述べさせていただく機会を与えていただきましたことに感謝を申し上げたい、そのように思います。 お手元に「森林経営管理法案への期待」ということで、私の文書を提出させていただいておりますので、こちらに基づいてお話をさせていただきたい、そのように思います。 まず、一ページをごらんいただきたいと思います。 林業政策、我々としてまずどういう仕事をしようとしているかということを御説明させていただきたいと思いますが、その前にまず全体として、産業政策全般の考え方についてこちらは述べさせていただいております。 私ども、高知県産業振興計画というものに基づきまして、産業政策、この十年ぐらい取組を進めてまいりました。人口が自然減状態になったのが平成二年からという高知県でございまして、平成九年、十年ぐらいからは、連年、経済の規模がだんだん縮んでいく、そういう経験もしてまいりました。 そういう中において、経済の再生を図っていくために、キーワードとして、私どもは地産外商という取組を進めてきたところであります。地に産するものを生かして、付加価値をつけて、外で商って、外から高知県にとっての外貨を稼いでくるんだ、そういうことで仕事をしてまいりました。正直、足元の人口減少が進んで経済規模が縮小する県にとって、内にこもってしまってはじり貧でありますから、外に打って出ていかなければならぬのだ、そういう取組を進めてきたところです。 ポイントとして、地産の強化を図るために、いかに生産性、付加価値を向上させるか、そのために産学官民連携でさまざまな新技術そして商品開発などを進めてまいりました。また、外商の強化という観点からは、外に売り込むために官民共同のプラットホームをつくって売り込みのお手伝いをさせていただき、そして、人材の確保をしっかりすることが全ての基盤という考え方のもとで取組を進めております。 重点対象となる産業分野、比較優位にあります一次産業とその関連産業群、さらには、近年でありますと防災関連産業、コンテンツ関連などの新しい産業分野の創出、こちらにも力を入れようとしております。 二枚目をごらんいただきたいと思いますが、そういう中で、私どもといたしまして、林業分野についても地産外商の考えに従って取組を進めております。 一、二、三、四、五とそれぞれボックスがありますが、まず一番、原木生産のさらなる拡大を図るために、いかに生産性を上げるかということが大きな課題でございます。 そして二番目、加工体制の強化と書いてありますが、一言で言えば、A材、B材、C、D材、全てこれを余すことなく加工して活用できる体制をいかにつくれるか、ここが大きな課題であります。 そして三番目、流通、販売体制の確立ということでありますが、下にTOSAZAIセンターと書いてありますが、官民共同で部材を売り込むための体制を整えています。真ん中にトレーラーの絵もありますけれども、共同で配送していく仕組み、さらに、首都圏などにも流通の拠点となるところを設けさせていただいて、配送体制を整えようとしたりしています。 そして、あわせて四番目、木材需要の拡大と書いてありますが、CLTの普及を図って何とかB材の活用を拡大できないか、あわせてA材についても需要拡大を図れないか、官民共同で模索をしております。あわせて、木質バイオマス発電所、こちらの誘致を図ることでC、D材の活用も図りたい。 そして、近年非常に課題となっておりますのが、担い手の育成、確保でありまして、林業を生涯の業として志そうとする若者を育成したいということで、間もなくでありますが、林業大学校が開校をいたします。既に林業学校という形では開校して育成をしておりますけれども、あわせまして、小規模林業、こういう事業家の皆さんの育成にも力を入れてきたところであります。 三ページをごらんいただきたいわけでありますが、先ほどの川上、川中、川下までの一連の流れの好循環をいかにつくり出していくことができるかということが、私どもにとっての大きな課題であります。 そういう中で、左側にあります取組の成果というところに書かせていただいておりますが、だんだん、それぞれの分野におきまして、この循環の流れが太くなるような傾向も見られるようにはなってまいりました。 まず、川上でありますが、原木生産のさらなる拡大を図るために、高性能林業機械の導入、路網整備などを推進し、素材生産量は、平成二十二年ぐらいまでは年間四十万立米ぐらいにとどまっておりましたけれども、現在これが六十二万を超える、間もなく六十五、六万ぐらいにはいくのではないか、そういう状況であります。 一番ボトルネックでありましたのが、川中の加工体制でありました。特に、A材、B材の加工体制が著しく脆弱というところがありました。こちらにつきまして、県外からの企業誘致も含め、さらには県内事業者の皆様方の体質強化ということも含め、大変力を入れてまいりました結果、大型製材工場の整備が進み、さらにはラミナ工場の整備なども行われということでございまして、それぞれ、そちらにありますような形で原木消費量も拡大し、県産材品の出荷量なども拡大傾向にあります。 そして、流通体制につきましても、トレーラー等による流通効率化、これを図るべく、共同配送などの取組も行ってきています。 やはり大事なことは川下の需要をつくり出すことだということでございまして、木材需要の拡大のために、特にCLTによる木材需要の拡大ということに大変期待をさせていただいておりまして、県内でも、今、これまでに十棟のCLT建築物をつくって、技術の蓄積に努めているところでありますし、そして、あわせまして、全国的にもこれを普及拡大させたいということで、CLT首長連合というのもつくりまして、都道府県、市町村、全部で百十の自治体の首長さんから成る首長連合をつくったり、さらには、経済同友会の皆さんとも連携をさせていただくなどして、このCLTの普及促進のための取組などに努力をさせていただいてまいりました。 右側をごらんいただきたいと思いますが、さらなる飛躍に向けて、それぞれの過程でのボトルネックの解消と、あわせて、全体最適化を図っていくということが非常に大きな課題であります。 川上分野でいえば、いかにして更に林地集約化をして効率的な生産体制を整えるか、生産性を向上する、さらにはコストの低減を図っていくための前提としての林地集約化をどう進めるか、これは大変大きな課題でございます。そして、担い手育成、確保、人手不足の中で林業を志す若者たちをいかに確保し、育てるか、これも大変大きな課題であります。 製材という観点からも、特に中小零細企業の製材事業者さんの方々が大変多うございます。そういう方々にとって、規模での勝負ではなくて付加価値の勝負という形、例えば、高付加価値なA材品をつくれるような体制をいかにつくっていけるか、そういうことでいかに先々の展望を開けるようにするか。こちらについて、官民共同で事業戦略づくりのお手伝い、設備投資のお手伝いなども通じてバックアップさせていただこうとし、さらにもう一点、需要に応じた製品の供給力の向上が非常に課題だと考えています。A材の需要の拡大を図る、さらにはB材の需要の拡大を図る、それぞれの用途に応じた材を提供できる体制をいかにつくれるか、ここも大きな課題であります。 さらに、一番下にあります川下でございますが、CLT等を核とした非住宅建築物の木造化、木質化の推進を図っていくために、いかにこれを全国的な課題として、しかも民間の、民需に火をつける形で取組を進められるかどうかということについて、繰り返しになりますが、経済同友会、さらにはCLT首長連合、こういう取組などを通じて働きかけをさせていただこうとしています。そして、もう一つ、このCLTなどを核として、いわゆる躯体、構造体において木材が使われるようになっていくこととあわせて、ぜひ、内装材、こちらなどでももう一段木が使われるように持っていけないか。そういうことを通じて、極めて高付加価値なA材需要の拡大ということを実現していくことができないものか、そのように考えているところであります。 こういうことを通じて、A材、B材、あわせて、残余のC、D材については、いわゆるエネルギー燃料として使う、NASという取組などを通じて木の需要が抜本的に拡大することができれば、川下が牽引する形で、川上、川中、全体としての林業のパイプが太くなるということとなっていけるのではないか、そのように考えています。 四ページをごらんいただきたいと思います。 そういうことで、この上段にございますように、川上から川中、川下に至るまでのサプライチェーン、これをいかに最適化していくかということに知恵を絞ってきたわけでありますけれども、理想となる姿、目指すべき姿と左上に書かせていただいていますが、理想となる姿というのは、正直なところ、この川下と川中がジャスト・イン・タイムで結ばれて、川上と川中もジャスト・イン・タイムで結ばれて、川下の需要に応じて川上の方で施業できる、ゆえに、もってして無駄な在庫を持たなくて済む、商機を無駄にすることもないようにする、こういう姿を実現するということかと思います。 これは、普通、多くの製造業では、こういうことを目指して、供給のサプライチェーンの最適化を図るべく努力をされているわけでありますが、林業の場合、これを実現しようとするときに、幾つかのボトルネックがあると考えております。 左下にございますように、一つは、原木供給の不確実性であります。これがあるがゆえに、例えば、コストが定まらない、納期が定まらない、結果としてやはり川下で他の建材に負けるということもあり、結果として割高になったりするということもあり、なかなか木が使われないという経験があります。そういう中で、森林経営管理法案によって集約化がされて原木供給の不確実性を減ずることができれば、さらにコストの削減を図ることができれば、これは大いにボトルネック解消につながっていくだろうと思います。 そして、川下分野では、先ほど来申し上げておりますが、川上とあわせ、さらなる木材需要の拡大ということが大変重要なわけでありますが、この森林経営管理法案によって集約化が進むことで納期の確実性が高まり、コストが低減されるということとなれば、他の建材に比べても競争力が高まって、結果として川下の需要拡大ということにもつながっていくのではないかと期待をいたしております。 そして、五ページをごらんいただきたいと思いますが、現在、日本は人工林が非常に多うございます。高知県も七割ぐらいが人工林という状況であります。 もう言うまでもないことでありますが、人工林は人が手を加えることでもってその生態系を守ることができる、そういう側面があります。ただ、上に矢印で書いてありますように、木材価格の下落によって森林所有者の経営意欲の減退があり、手入れ不足の森林が増加した結果、森林の荒廃、そういうことも進んでまいっておりました。集約化によって施業の効率化がされ、木材需要が拡大することで林業を業として再生することができれば、植栽、間伐、皆伐、この一連の流れができて、全体として生態系は守り続けられる、環境にとってよい姿が実現できるということではないかと考えております。 この森林経営管理法案、こういう形で大変期待をいたしておるところでございますが、六ページをごらんいただきたいと思いますけれども、こちら、実際の運用に当たっての要望が私どもとしてございます。 まず一番目でありますが、ぜひ市町村が円滑に運用できる制度設計をお願い申し上げたい、そのように考えております。 高知県内では林業専任の職員がゼロの市町村が半分以上という状況でございます。さらに、右側の表を見ていただければ、市町村で専任職員は三十一人しかおりません。これに対し、県の職員は百九十五名おるということでありまして、やはり県がしっかりと市町村をバックアップすることが大事だと思っています。 ただ、あわせまして、左側にございますように、今後市町村の業務を定めるに当たられましては、例えば、他の市町村に住所がある所有者の照会事務など市町村相互の情報共有を可能とするなどといった形で、効率的に人員が少ないことに合わせた協業共同体制をとれるような仕組みをぜひ御検討いただきたいと思いますし、人手が少ないからこそ、スマート林業の推進が非常に重要であります。こういうことのバックアップもぜひお願いを申し上げたい、そのように思っております。 そして、あわせまして、新たな森林管理システムとあわせまして、木材需要拡大策をぜひ強力に展開していただきたい、そのように考えております。木を建材として使うに当たっての規制緩和の推進でありますとか、工事において積極的に木を使う取組を推進していただくことでありますとか、さまざまな取組を既に進めてきていただいておりますが、ぜひとも、今後ともその取組を大いに進めていただきたい、そのように考えるところです。 もとより、私ども県といたしましても、この新たな仕組み、森林経営管理法案に基づく新たなシステムの展開に当たって、一生懸命努力をさせていただきたいと思っています。 七ページにございますように、私ども県といたしましても、既に、林地台帳システムを県が整備して市町村へ提供するでありますとか、さらには人材育成に大いにかかわるでありますとか、努力をいたしております。今後、代替執行につきましても積極的に取り組んでまいりたい、そのように考えておるところでございます。 森林経営管理法案に大変期待をさせていただくという立場から御意見を述べさせていただきました。 貴重な機会をいただきまして、まことにどうもありがとうございます。(拍手)
○伊東委員長 ありがとうございました。 次に、青木参考人、お願いいたします。
○青木参考人 失礼をいたします。 私は、岡山県の県北の小さな村であります西粟倉村という村の村長をさせていただいております。 西粟倉村は今非常に、ある意味地方創生の流れの中で、少し都市の方から若い人の移住がふえたりというような現状があります。 そういった流れがいかにできたかといいますのも、実は平成の大合併の折に、我々の南には美作市という六カ町村が合併した市がございます、そういった中で、合併の枠組みに入っておりましたけれども、途中で合併をいわゆる避けた、合併協議会から離脱をいたしまして、住民の意思を問うたわけですけれども、合併しないという決断をしました。そういう中で、では、今後この村が、財政も非常に貧弱な中でどうやって生き延びていくのかということになりました。 そこで、我々の村の約九五%が山であります。そのうちの八五%が人工林、つまり村の八〇%が人工林なわけです。 当時、今もそうでありますけれども、人工林、非常に市況が低迷をしておりまして、そういったものに、林業に頼って生きていけるという状況では非常になかったわけでありますけれども、我々は、考えてみると、この村が今後、この九五%森林の村が、この森林が全く役に立たないで、動かないで我々の将来が描けるはずはないというふうに思いましたし、そして、考えてみれば、約五十年たっているその森林をこのまま諦めてしまって我々の村の未来があるのかということを考えますと、やはり我々のやるべきことは、この森林を、先人がつくったこの森林をしっかりしっかり、あと五十年かけて仕上げて、しっかりとした美しい価値のある山林に仕上げることによって我々の村はきっと生き延びていけるんだろうというようなことで、百年の森林構想というふうに銘を打ちまして森の整備に取りかかったわけであります。 この百年の森林構想、事業といいますものが皆さんのお手元に配付されているというふうに思います。 この百年の森林事業の特徴といいますのは、これは西粟倉村に存在しますいわゆる人工林に手を入れる、つまり整備をするということでありますけれども、この財源としましては、村の財源を使うしかなかったわけです。村の財源がなぜ使われたかといいますと、多かれ少なかれ住民のほとんどの皆さんが山を所有されていた。小さい山もあります、本当に小さい山もある。そういう多かれ少なかれ住民のほとんどの皆さんが山を所有されていた、そこに村の財政を投入したということであります。民有林に村の税金を投入した、ここが非常に特徴的だというふうに思います。 森林整備は、零細の所有者がたくさん集まっておりますので、基本的には、同じ財政を投入するにしてもやはり考えなければいけません。それは、やはり集約化をすることによってその施業コストを、最低、要するに低減をするということを心がけなければいけませんし、また、通常の流通における伐採、搬出、あるいは市場への運送、あるいははい積み料、手数料、こういった大きなコストを削減しなければ、やはり税金を使う手前、許されないというようなことだろうということで、施業コストの削減と流通コストの削減、こういうことに取り組んできました。 この西粟倉村百年の森林事業の図をごらんいただきたいと思いますけれども、森林所有者から、役場が事業主体となりまして、皆さんに、山を預かる。ここ十年ほどの長期契約ということで預かるわけですけれども、やはり皆さん、御年配の方が多いですから、本来はもっと短い方がいいというふうにおっしゃられる方もあるんですけれども。 村としましては、まず作業道をつけて、そして劣勢木の間伐から入ります。いわゆる邪魔になるものを間引くという作業から入っていかなければ将来に美しい山が残りませんので、そういったことを主体に施業を進めてまいります。その施業の方は森林組合がすることになります。 そして、森林組合から、販売、ここを、株式会社森の学校、これは実は、都市の住民でありました若者が、ここの部分を受け持とうということで、市場にそれまで持っていっていたものを、この株式会社森の学校が全部買い取ります。そして自社の工場で製品をつくる。特に、ここも非常に特徴があります。従来のハウスメーカーさんとかへの材料の提供も一部ありますけれども、ほとんどが間伐材を自社工場で、都会の、しかも若い人向けの商品につくり変えて販売をする。そういった、今までなかなか考えつかなかったような流通というものを彼らは考えて、それを成功させています。当初五人ぐらいで始めた会社でありますけれども、現在は三十名というようなことであります。 村としましては、当然、材木を使ってくれる、そして流通をさせてくれる、そして全くそこには流通コストがかかっていないというようなことで、結果、村がその売上げを所有者さんにお返しができる。 所有者さんは、まず劣勢木間伐ですからそんなに大きな収入はありませんけれども、一定の収入が確保できたというようなことで非常に喜んでいただける、そして百年の森林事業にも大変に御理解を示していただけるというようなことで、うまく回っているというふうに思っておりまして、この西粟倉村百年の森林事業が今般の森林経営管理の法案のベースにしていただいているというところは非常にありがたかったかなというふうに思いますし、我々が取り組んできたことがこういった形で一つのモデルになっているということが、私にとっても非常にありがたいことだというふうに考えているところです。 そこで、我々がここ十年来やってきたわけでありますけれども、この森林管理法案に対して若干気になるポイントがありますので、それを手短に述べたいというふうに思います。 まず、経営管理実施権というものがありますが、現在、西粟倉では、村役場が事業主体となって森林整備を進めております。経済林も循環林も村がまとめて管理をしている状況であります。 経営管理実施権につきましては、民間事業者だけではなく、西粟倉村のように、行政もその実施権が持てるようにした方がよりいいのではないかというふうに考えております。西粟倉村に限らず、これまで市町村や林業事業体が独自に行ってきた既存の集約化の仕組みが、法案適用後も適用できるようにするべきであるというふうに考えるからであります。 次に、経営管理実施権の設定についてでございます。 西粟倉村では、各森林所有者の所有面積が極めて小さく、複数人の私有林を同一の管理者がまとめて経営しなければ、施業が困難であります。その中で、別の事業体が管理する場所が歯抜けに生じるというようなことで、集約化に支障が出るのではないかと懸念をしております。そうした歯抜けが生じないように、経営管理実施権を設定する必要があるというふうに考えております。 さらに、先ほども少し述べましたけれども、経営管理権につきましては上限五十年となっております。また、公告から五年以降に、所有者からの申出により取消しが可能となっております。この五年で取消しが可能というふうにしますと、長期の森林整備計画が立てにくうございます。 西粟倉村では齢級の平準化等に取り組むことが必要でありますけれども、長期を見据えた森林計画を行うため、森林管理委託契約は十年ということにしております。それでも、契約をもらった森林をまだ全ては施業できていない、これが現状でありますので、ここのところは、やはりどうしても申し添えておく必要があろうというふうに思っております。 木材の地域外流出ということで、我々のところは、自分のところの木材を全部地域内で回しているわけであります。そして、林業の六次化が図られているという状況であります。 そういうところにおいて一つ気になっていますのは、木材の販売については、森林施業を行った林業事業体に全てお任せをされております。多くの場合、木材市場へ販売されると思います。西粟倉村では木材の六次産業化に取り組んでおり、搬出された材を、市場を通さずに、独自のルートで村内の業者を中心に販売をしております。 例えば、新たに経営管理実施権を得た事業者が地域外で販売することで、場合によっては、これまで地域で木材が回っていたところが、地域から流出をしてしまうというようなことが起こる、こういったことが懸念をされるところでございます。 最後になりますが、費用、これは、西粟倉村の年間百ヘクタールの施業をするのに、大体三千万から四千万の費用をかけております。一般会計から繰り入れている状況であります。ここで、今度の森林環境税ですか、そういった財源ができることは非常にありがたいというふうに思うわけでありますけれども、しかし、この森林環境税の配分状況と、それから今我々が実際に使っている財源、これを比べますと、圧倒的に、実質使っている財源の方が大きいわけです。 つまり、どういうことかといいますと、山側にはこの森林環境税が果たしてしっかり手当てされるのかといいますと、人口要件、そういったものがたくさんありますので、山側には人口はありません。したがって、非常にその配分が少なくなるのではないか、では余り意味がないのではないかというふうに懸念をするところでございます。 以上、ばらばらに、取りとめもなく申し上げました西粟倉村の取組が、少しでも皆さんのお役に立って、そして、私の経験が、よりお役に立てる法案により確実になっていくために役に立てばというふうに思い、この時間、皆さんに御報告を申し上げました。 大変ありがとうございました。(拍手)
○伊東委員長 ありがとうございました。 次に、泉参考人、お願いいたします。
○泉参考人 泉でございます。おはようございます。よろしくお願いいたします。 日本は、江戸時代で既に三つの世界に誇れる森林管理方式というものを持っていたんですけれども、その中で、人工林を組み立てるということにおいても世界一ということを奈良県の吉野林業ということで実現しておりました。私は、学生時代から、卒論から約二十年間ずっと、江戸時代の古文書、吉野に入り込んで、そういうことをやってきた者ですけれども、その後は少し現代の林政についても勉強させていただいてきました。 そういったことで、きょうは三人の参考人の大変重要な御発言というふうなことの筋とやや異なって、私は、今回の法案については極めて強い危惧の念を持っております。 ただ、今回の法案は、具体的なことは全て農林水産省令で定めるということになっておりまして、実はこれ、今、全貌は明らかになっておりません。ただ法案だけが、ある種骨子だけが明らかになっているという段階でございますので、私は、そういう意味では、そういう段階において、今後皆様方が御審議いただくに当たって、あえて危惧の念を多く申し上げることによって、そういうことも踏まえて御議論いただければということで、申し上げさせていただきます。 法案の内容というものは極めて非科学的である、科学的根拠が非常に欠如している、こういう議論を組み立てる。 そうしますと、そういうような中で、この法案が成立しますと、実は、法律自身が基準を示すという、法律がひとり歩きしてしまうというような形のところで、そういったことで、そういう意味でも大変危惧しているわけですけれども、特に森林所有者に対して極めて強権的であって、運用の仕方次第では、極論を言えば短伐期皆伐施業の蔓延で、日本の山林が、やや極端に言えば丸裸になる可能性がゼロではない。 この法案については、その作成プロセスが余りに密室的であった。林政審議会にも、たしか、新たな森林管理システムという、法案のちょっと上にある大きな考え方ですけれども、それについて一時間半審議しただけというふうなことでございます。パブリックコメントなども一切実施されなかった。国の森林環境税創設にも密接に絡んでいるだけに、国民の理解を得るとの姿勢が皆無だったことは極めて遺憾なことと考えております。 私は、結論的に言いますと、この法案は一旦廃案とするのが望ましい。その上で、制度疲労を起こしている現行の森林・林業基本法、森林法を始めとする森林法制全体をこの機会にゼロベースで見直し、新たな世界標準として誇れるような森林法制を日本は構築すべきであるということが結論でございます。 まず、問題は一体どこにあるのか。これは、今回の法案では日本の森林所有者というものをどう今後位置づけるのかという、ここが大変問われております。 皆様方、ちょっと後ろの方に資料を出しておりますけれども、林野庁が去年九月に出しておるこの資料です。これは、集成材について内外の比較をしたものでございます。この比較で極めて明らかなのは、日本は加工等のコスト、伐採、搬出コストが高い。立木というところ、三%となっておりますけれども、ここが森林所有者の取り分ということでございます。 こういうふうな形のところは、その二枚目の資料を見ていただきますと、これは森林・林業白書ですけれども、もう素材生産価格はどんどん落ちてくる。それに対して、実は加工コスト、伐採、搬出コストは変わらない。ですから、製材業者及び素材生産業者の取り分は変わらないけれども、木材価格が下がれば、全て山主に返るお金が少なくなっている。 こういう現状をどうするのかということで、山元への利益還元という言葉が出ております。それとも、森林所有者はもうこの際、日本は今後切り捨ててしまうのか。このところが今回の法案で非常に問われているところでございます。 林野庁、沖修司次長、現長官ですけれども、発言をちょっと掲げております。二〇一五年十月の林政審議会、ちょっと長いので読み上げは省きますけれども、沖次長は結局、林業の成長産業化のためには、山元への利益還元の重要性をしっかり述べております。 また、それに対して、今回の森林経営管理法案まで至る、現在の林政の大転換と言っていいわけですけれども、これが最初に姿をあらわしたのは、昨年の三月から五月まで、自民党林政小委員会、ここが五回開かれまして、そこにおいて、実は、今回の新しいスキームということが登場してきます。 そこで強調された目的というのは、その段階では、山元への利益還元と公益的機能発揮というものが目的として掲げられておりました。また、「林業者(林家、事業体従事者)の所得向上」「川上から川下までの総合的な支援により、山元への収益性向上の対策を強化する。」「川上の手取りが確保し得る原木価格の実現に向けた木材需要の拡大を図る。」といった文言が各所に、この自民党の林政小委員会の報告では書かれております。 そういうふうな形のところであるわけですけれども、この林政小委員会で述べられた、提言されているところが、その後、昨年九月に林野庁は新たな森林管理システムということで提起しますけれども、そこでは、まず、山元への利益還元ということが抜け落ちます。さらに、公益的機能の発揮ということについても、恐らく、林業の成長産業化という側面が非常に強く出ていますので、公益的機能の重視論が非常に弱くなりました。さらに、担い手としては、「新規参入や自伐林家を含めた多様な担い手とともに、森林組合や民間事業体など意欲と能力のある林業経営の主体の育成・確保」といったような中で、こう書かれているのも、やがて、自伐林家ということも抜け落ちます。さらに、森林組合というのも抜け落ちます。 こういう形で、新たな森林管理システムということが組み立てられてくる。 三のところに行きます。法案の構造ということで、森林所有者に対して、では、この法案はどういう姿勢で臨むのかということです。 森林所有者については、意欲がないものと規定しています。このことについては、根拠となる統計データの解釈に誤りがあるということはまた後で申し上げたいと思いますけれども、そのような森林所有者に、適時に伐採、造林及び保育を実施することを義務づける。要するに、やる気のない森林所有者、そこに非常に過大なものを押しつける。できない場合に市町村に委託させる。委託することに同意しない所有者に対しては、確知所有者不同意森林特例制度を創設し、勧告、意見書、裁定といったプロセスを通じて、不同意のまま、同意したものとみなす道を今回確保している。 さらに、災害等防止措置命令ということに一章を割いております。森林所有者によって伐採又は保育が実施されず、その結果、周辺や下流域に土砂その他災害、環境悪化、水害、水確保支障などの発生を防止するために、市町村長は、森林所有者に対して、伐採又は保育を命令することができ、その命令に従わない場合には、代執行をし、その費用を所有者に請求できるものとするという。実は、これはいろんな面で問題がある。保安林制度との関係はどうなのだというようなことであったり、森林所有者が伐採、保育することと、そういう災害等を防止する関係性ということは本当に立証されているのか等々ですね。 それで、結局、この法案は、山元への利益還元とは正反対に、森林所有者にできない責務をあえて課し、責務を果たせない場合は、管理経営権を委託せざるを得ないようしむけており、それに同意しない者に対して、確知所有者不同意森林制度及び災害等防止措置命令制度をつくって、強制的に同意を迫るものになっていると言わざるを得ない。まさに、森林所有者を切り捨てていく政策とも言えるものであるということです。 それから、素材生産業者。 森林所有者から、次の段階で伐採、搬出を担当する素材生産業者については、今回初めて、林業経営者という形で位置づけた。これは、我々研究面からしても、また実態的にも非常に無理があって強引過ぎる。そこの意欲と能力のある素材生産業者等を選別し、それらにあらゆる施策を集中して、林業の担い手として育成する。そのような素材生産業者等には、市町村は経営管理実施権を配分する。 ただし、主伐後の再造林から保育まで十五年以上の管理が、どうも今の段階では素材生産業者等に課せられるようです。それで、この素材生産業者等にとっても、十五年間の管理義務ということは決して甘いものではない。ただ、更に言いますと、素材生産業者等は、育林管理ということに対しては一般的には非常に苦手である。 そこで、素材生産業者等がこの施策に魅力を感じないと困るだろうということで、さまざまな優遇策がとられておるということです。 さらに、この素材生産業者等は、比較的資金力等が弱いです。それで、資金力の豊富な会社等が素材生産業者等に対して資金援助をして実施権を確保するだけでなく、素材生産業者等を直接的に下請化することによって、みずから林業経営者となる道も開かれております。このことによって、大面積の経営管理実施権が大手の会社等に集積される可能性も強まっている。 市町村については、ちょっとここは時間の関係で省かせていただきます。国の森林環境税についても省かせていただきます。 暫定的総括。 この法案は、究極的には、川下の大型化した木材産業及びバイオマス発電施設への原木の安価な大量安定供給が目的であるとしか思いようがないというところです。 そのために、森林所有者は極めて安価、場合によってはただで立木の伐採、販売を委託させられ、十五年後以降に手入れ不足の人工林あるいは天然更新林で戻されるといった事態も、その可能性も否定できない。 新たな林業の担い手と目される素材生産業者等が順調に成長しない場合には、大きな資本が容易に参入できる仕組みが準備されていることも極めて危険である。 今回の森林経営管理法案は民有林を対象にしております、民有林を。このような仕組みが、一年後には民間開放として国有林にも適用されることが検討中とのことである。民間事業者に長期、大ロットで伐採、販売を行える権利とエリアというものを設定しようということである。このようなことになると、民有林だけでなく、国有林までもが大型の民間事業者に席巻されることになる可能性が強まっています。国有林は、言うまでもなく国民有林であります。したがって、国民的合意がしっかり図られるプロセスが必須と思われます。 林業の成長産業化というかけ声のもとで推進されるこのような流れは、持続可能な森林管理、あるいは持続可能な森林経営という世界的に普遍的な指導原理に根本的に相反していると私は考えます。 なお、今回の法案については、林業のプロの人たちからは、物すごく乱暴な法案だな、でも、こんなものって動きっこないよとの声をよく聞きます。しかし、森林所有者に対する恫喝に近い二つの制度だけでなく、動けないと見られている市町村に対して、都道府県による代替執行制度も準備されています。林野庁とすれば、都道府県を締め上げることは比較的容易なことです。ということで、もしこの法案を本気で運用するようなことがあれば、明治初年の土地官民有区別における入会林野の官林化、戦時中の強制伐採に匹敵する強権的な措置ということになるのではないでしょうか。 それでは、批判しているだけでいいのかということになりますけれども、どうすればいいのか。 今回の新たな森林管理システム及び森林経営管理法案について、当初は、現行の森林・林業基本法及び森林法の路線上に乗っかる鬼っ子ではないかと私は思いました。しかし、現在では、この法案は森林・林業基本法や森林法をも踏みにじる独自路線を持つものだと評価しています。それゆえ、当初述べたように、今回は廃案にすべしと思っているわけです。 そこで、資料の三をごらんいただきたいと思います。 これは、二〇〇一年、林野庁が林業基本法の改正を考えていたときに素案を出しました。それに対して、内閣法制局から、どうしてもだめだということになって、やむを得ず考え出したのが持続的森林経営基本法です。 ここでは、基本理念を、持続可能な森林経営の確立を図るものだとし、基本施策は、経済的手法による森林管理、地域社会による森林管理、国民全体による森林管理といった区分に基づくとしています。 この区分は、現行の森林・林業基本法における森林政策、林業政策、木材産業施策といった区分とは根本的に異なっており、今後の森林管理を考えるに当たっては極めて、現在でも大変生命力を持っている一つの考え方が既に二十年前に提示されているということでございます。 今後しっかりとここで議論されていくと思いますけれども、そういった意味では、私が申し上げました、あえて危惧をするというようなところもぜひ御認識いただきまして、積極的な審議がなされることを期待しております。 どうもありがとうございました。(拍手)
○伊東委員長 ありがとうございました。 以上で参考人からの意見の開陳は終わりました。 —————————————
○伊東委員長 これより参考人に対する質疑に入ります。 質疑の申出がありますので、順次これを許します。藤井比早之君。
○藤井委員 自民党の藤井比早之です。 前田参考人、尾崎参考人、青木参考人、泉参考人におかれましては、森林経営管理法案、新しい森林管理経営システムの創設に向けた、まさに歴史的な質疑で意見陳述をいただきまして、心から感謝申し上げます。 まず、青木参考人、西粟倉村の青木村長にお伺いさせていただきます。 西粟倉村では、森林経営管理法案のモデルとも言える百年の森林事業に取り組んでこられました。先ほど、森の学校、都会の若い人向けに流通、成功して、五人から三十人といった話もございました。 この森林経営管理法案と森林環境税等による新たな森林管理システムにより期待される地域経済の活性化、特に雇用創出効果についてお伺いしたいと思います。 また、これを実現するために必要なことは何なのか、特に市町村における実行体制の整備、職員体制の強化も含めてお伺いいたします。
○青木参考人 お答えをいたします。 大変ありがとうございます。 今、私は、先ほど言いましたように、人口がふえていく、あるいは雇用がつくれるという林業を主軸にした雇用の問題に関しては、やはり流通の部分というのが結構大きいと思うんです。 流通といいましても、木材を今まで果たしてどのように我々は消費してきたのか。基本的には家の部材ということで、高く木材を売るために、いいおうちの、高価なおうちの部材に使われるということが一番、そういう価値観として山をつくってきたわけでありますけれども、考えてみれば、それをずっと踏襲していきますと、この大都会にはまずほとんど木材というものは存在しないというようなことになっております。 我々は、民間の、普通の庶民の方が木材をなぜ家に使えないのか、そばに、自分の身の周りに使えないのか、そういったところが非常に疑問でありまして、圧倒的な量が賦存をしておりますので、その量を、やはりもう少し木材の使い方ということを考えていくべきだろうというふうに考えています。 そういった面では、都市で生活をしています彼らが山の現状を知ることによって、木材の使い道というのはたくさんあるんだというふうな出口を彼らがつくったというところが木材産業においては非常に重要なところだ、今日的に重要なところだと私は考えておりまして、そういったことに取り組むということが非常に有効であるというふうに思います。 それと、役場の中での体制ですね。 これは、やはり村長としましては、基本的にこういった、積極的に山を循環させるという意味で、百年の森林構想につきましては当然チームをつくっておりますし、特別に課を設けております。 それで取り組んでまいりましたけれども、これも約十年が経過しようとしておりますので、この事業そのものも、百年の森林構想を実現する事業として、実はベンチャー化をしまして、役場の中から事業として独立することを目指して、この四月に、役場からその機能を百森という株式会社にやや移している最中でございます。 そういった体制で臨んでおります。
○藤井委員 青木村長、ありがとうございます。 私も兵庫県の同じ中国山地の山の中を地元とする者でございますので、やはり都会の方に森の大切さ、木材産業の大切さを知っていただくというお話でございました。ありがとうございます。 森林の経営管理の担い手、まさにこの法案におきましては、森林経営実施権の設定を受ける林業経営者、民間事業者が重要となってくるわけでございますけれども、そこで、前田参考人、八頭中央森林組合組合長にお伺いさせていただきます。 先ほど、森林整備で地方創生、通年雇用だ、職場ができる、十万立米という話がございましたけれども、今回の森林経営管理法案、森林環境税等によりまして、特に生産量の拡大、そしてまた地元の雇用確保、拡大、どのような期待ができるのか、そのためにはどうすべきか、お伺いいたします。
○前田参考人 考えをお答えいたします。 新たな森林管理法案の中では、管理運営権を委託する者は林業事業体、こういうふうになっておりますけれども、私どもの考えが全国地域に通用するかどうかわかりませんけれども、私どもの森林組合では、森林組合は森林組合法のもとに運営をしておりますし、八頭森林のミッションとしては、我々は、地域の森林管理の担い手としての役割、組合員に対しての貢献、あるいは従業員の待遇改善、これをミッションにしておるところでございます。 林業事業体については、我々の仲間として、めいめいの役割分担の中で一緒に地域の山を守っていく、こういう考えでございますから、管理法案では、町から管理運営権を各事業体が受けられ、森林経営者になり得る、こういう格好については、若干私は異論を持っております。 以上でございます。
○藤井委員 先ほど、委託をどうするかということだったんですけれども、青木参考人、大体委託する相手として考えられるのはどちらだと思っておられるか、お伺いします。
○青木参考人 お答えいたします。 基本的に、西粟倉村は、百年の森林構想の中で、森林施業の委託先は森林組合であります。それと、基本的には森林施業をどんどん出しておりますので、実際には事業体、要するに、今まで逆に森林組合からの委託を受けて道の整備をしたりあるいは伐採をしたりというような事業体が成長してきますので、そういった人が新たな林業事業体として独立をしているというのが西粟倉村の実態でございます。
○藤井委員 ありがとうございます。 森林組合の重要性、そして事業体の重要性ということをお伺いいたしました。 全国的にどのような形になるのかというのはそれぞれの地域によって違うと思いますので、それぞれの地域において有効な活用をされますことを心から祈念申し上げるところでございます。 そこで、今回の森林経営管理法案では市町村の果たす役割というのが大きくなっておるんですけれども、先ほど、尾崎参考人、高知県知事から、円滑に運用できる制度設計のためには、林業専任職員の配置がゼロという市町村も多い、そういうような話がございました。 高知県では、林地台帳システムや人材育成、代替執行の可能性等も含めてお話ございましたけれども、こうした市町村における実行体制が整わない場合の都道府県の役割と支援のあり方についてお伺いします。
○尾崎参考人 市町村は、三位一体の改革以来、非常に職員数を絞っていっておりまして、それぞれの分野においてやはり専任職員をなかなか採りにくい体制にある、これは高知だけのことではないのではないかというふうに予想しております。 そういう意味において、今回、新たにアドバイザーを雇う制度が持たれたり、さらには都道府県の代執行という制度を設けていただいたりという形で市町村をバックアップする制度をつくっていただいたこと自体は、非常にある意味実態に即した対応をいただいているということではないか、そのように思っているところです。 ひとつ都道府県側としてもしっかり対応していかなければなりませんが、森林環境税の中で都道府県の取組をバックアップしていただくような取組をしていただく、これは非常に心強いことだというふうに思っていますし、また、あわせまして、具体の執行に当たって、市町村も効率的にできる、都道府県も効率的に対応できる、そういう仕組みというのを、一定、広域的な取組なんかも取り入れることなどによってぜひ実現していただきたい、そういう制度に対する御配慮も今後詳細を詰める中でお願いを申し上げたい、そう思います。
○藤井委員 先ほど前田参考人から、所有者不明森林といった課題も指摘されたところなんですけれども、所有者不明森林の現状、そして境界不明森林への対応、こういったところが大切になってくると思いますけれども、こちらへの対応について、今回の法案へ期待する点につきまして、これにつきましては西粟倉村の青木村長と高知県知事の尾崎参考人にお伺いいたします。それぞれお願いします。
○青木参考人 不明山林所有者がいらっしゃるということは、集団施業、集約化をしていくときに非常に問題になります。 これがある一定の期間を得て、一定の所作の中で解消され、施行が可能になっていくという仕組みは、ある一面、ちょっと乱暴かというふうにも思われるかもわかりませんが、実はそのために多くの山林の施業ができなくなるというような位置づけでありますので、やはり今回の法案でそこのところは非常に解消されるのではないかな、運用は気をつけて運用しないといけませんが、そこら辺は一定の進歩があったなというふうに考えております。
○尾崎参考人 今回、所有者不明の森林について探索し、そして公告する、こういう一連の流れができてきているわけであります。 この探索をする中で、法案でも書かれていますが、相当な努力がなされること、そういうこととなるような定めをするのだ、方法を定めるのだということでありますが、これは後々のさまざまな法的安定性といいますか、権利の安定性を担保して、もってして結果として順調に取組が進んでいくということとなりますように、その相当な努力というところの定め方、ここはやはり、一定、しっかりと相当な努力となるように定めていただくということが大事ではないかと思います。 そして、その中で、多分、市町村だけではなかなか大変ということもあると思うんですね。都道府県なんかでも、一定、関与のできるような仕組みということも大事ではないか、そういうふうに思います。 逆に言いますと、非常に丁寧かつ安定的な制度が担保されることで、もってして集約化が具体的に進んでいく、そういう形が実現できれば、そのように考えております。
○藤井委員 宝の山を取り戻す、美しい森を取り戻すためには、やはり木材の需要拡大、林業の成長産業化が何よりも大切だと思っております。 先ほど、尾崎参考人からは、川上、川中、川下、ボトルネックの解消が必要だ、原木供給の不確実性、これを何とか改善しないといけないというような話がございました。 こうした林業の成長産業化に向けて、今回の法案がどのような意味を持つのか、そしてまた、産業化を進めるためには、特に川下という話ございましたけれども、それに対する取組として何が必要なのか、これを尾崎参考人にお伺いいたします。
○尾崎参考人 究極的に、川上側、山元に利益を還元していくためにも、やはり最終的な需要者の皆様方に支持されるということにならなければだめなのだろう、そういうふうに思います。 都会の皆様が木をたくさん使う、木の関係の製品をたくさん使ってくれるので、川下から川中へ、そしてその利益は川中から川上へ、そして山元へと還元されていく、そういう体制ができ上がっていくということなんだろう、そういうふうに思っておりまして、やはり全体として川上から川下までしっかりと付加価値をつけ、そして合理的なコストでもって運営され、結果として十分な利益が残る、そういう一連のサプライチェーンをつくっていくということが非常に大事だと思っています。 ボトルネックは二つだと思っていまして、川下の需要をもっと喚起しなければならない、これが第一。ですが、もう一つ、そのためにも川上側で、普通の多くの工業製品なんかでは当たり前となっておりますところの納期の確実性とかコストの確実性だとか、そして付加価値を確実につけていく仕組みだとか、こういうものをしっかりと担保していくことが大事であろう、そういうふうに思っています。 その実現のためには集約化、これが一つのポイントだ、そういうふうに考えています。
○藤井委員 ありがとうございます。 時間となりましたので、終わらせていただきます。ありがとうございました。
○伊東委員長 次に、佐藤英道君。
○佐藤(英)委員 おはようございます。公明党の佐藤英道でございます。 本日は、前田参考人、尾崎参考人、青木参考人、泉参考人、貴重な御意見また御提言、ありがとうございました。 それでは、早速質問に移らせていただきたいと思います。 まず、尾崎参考人、尾崎高知県知事にお伺いをさせていただきたいと思います。 農水の政務官をやらせていただいた二〇一六年の二月の十一日、貴県をお伺いさせていただきました。おおとよ製材さん、また、雲の上のホテル、雲の上のギャラリー、また、檮原町の森林組合、檮原町の総合庁舎なども見せていただきまして、特に森林組合につきましては知事も一緒に視察にも同行していただきまして、貴重なお話を伺いました。まさに森林をもとにしながらまちづくりに先駆的に取り組まれている姿に感動をしたところでございます。 特に、こうした地域の経済の活性化というものは、山村において、また全国の森林地域においてもそうでありますけれども、森林資源をいかに有効に活用することができるかということがやはり鍵になってくることと思います。 また、所有者が不明で手がつけられなかった森林も、市町村による経営管理ができるようになるわけでありますけれども、県の立場から見て、このたびの法案による地域経済の活性化と森林資源の有効活用に向けて、どのような期待をされていらっしゃるのか、今回の森林経営管理法案に対する認識も踏まえて、まずお伺いをさせていただきたいと思います。
○尾崎参考人 佐藤先生には、高知へおいでいただきまして、まことにありがとうございました。 高知は、田舎であります。高知が都会と対抗しようとしたとき、何が大事か。それは、いわゆる都市対都市で戦おうとしてもなかなか大変なのでありまして、私たちは都会にない強みを生かすということかと思います。それは、中山間に存する。 この中山間とは、もともと林業とともに栄えてきた地域だったわけでありますが、林業の衰退とともに中山間は衰退をしていき、私ども、ある意味根源的な強みというのを失ってきた、そういうところがあるのだというふうに思っています。 林業の再生を果たして、我らの本当の強みの存する、この相対的に強みの存する中山間をいかに活性化するかということが大きな課題なのでありますが、ただ、そのためにも、やはり先ほど来申し上げております、川下におきます需要の喚起と、そして川上側におきますさまざまなボトルネックの解消ということが非常にポイントになるんだと考えております。 集約化ができない、結果として例えば十分な作業道が引けない、集約化ができない、せっかく規模拡大の意欲があるのにそれが実現できない、そういう例があって、残念ながら大きく成長できない、そういう状況が続いています。やはりさまざまなボトルネックの解消という観点から、今回の法案は非常に有効ではないか。ただ、実際の運用に当たり、さまざまに懸念される点などについて、ぜひぜひしっかりと御検討いただきたい、そのように思っております。
○佐藤(英)委員 ありがとうございました。 今回の森林経営管理法案におきましては、やはり市町村の果たす役割が非常に重要になってきているわけであります。県から見て、市町村の実行体制についてどのように捉えているのか、また、県として市町村の実行体制を支援するためにどのような対応ができると考えられているのか。 先ほど、知事の方から、高知県内では林業専任の職員がゼロの市町村が半分以上というお話がございましたけれども、県として市町村を支援するということになった場合、どのようなことが具体的に考えられるのか、お伺いさせていただきたいと思います。
○尾崎参考人 やはりこれは、新たな計画づくりをしていく非常に初期の段階からしっかりとコミュニケーションをとっていくということは非常に大事なポイントだろう、そういうふうに考えております。 実際のところ、私どもも、林業の振興を行っていく、さまざまな産業振興策を行うに当たって、市町村の皆様とある意味二人三脚でもって取組を進めていくように努力をさせていただいているところでありますが、そういう体制を今回の代執行を行っていくに当たってもぜひとることができればなと思っています。ある意味、都道府県側がむしろ積極的にかかわっていく、そういう取組が大事だと思います。 逆に言いますと、今回の法案による一連の制度によって、都道府県が前向きに取り組んでいけるようにするためにいろいろな後押しをぜひお願い申し上げたいと思っておりまして、森林環境税による後押しということもありますでしょう、また、さらには、さまざまな手続を定めるに当たっても、代執行のあり方について、ぜひ都道府県側からいろいろと発議ができるような仕組みというのを設けていただくと非常に有効か、そのように考えているところであります。
○佐藤(英)委員 もう一点お聞きしたいんですけれども、昨年の税制改正の大綱におきまして、平成三十一年度の税制改正において森林環境税及び森林環境譲与税を創設することが決定をいたしたところであります。 既に高知県では、平成十五年に全国に先駆けて森林環境税を導入されているところであります。全国でも既に三十七府県で森林整備に関する税をつくられているところでありますけれども、国税とのすみ分けについて、高知県としてはどのように考えていらっしゃるのか、お伺いしたいと思います。
○尾崎参考人 今の段階で私どもとして考えておりますのは、おおむねこういう方向であります。 今回の国の森林環境税は、先ほど来お話のありますように、いわゆる森林所有者を、みずからさまざまな取組をするということについて、必ずしもみずから取り組まれようとしないところが対象となっていく。私どもの県の森林環境税というのは、みずからされようとする方々について、例えば間伐の補助をさせていただくなどという形で使わせていただいたり、一般啓発という形で使わせていただいたりという形で運用しようとしているということでありまして、こういう形でのいわゆるデマケーションを図ろうと今考えているところであります。 ただ、実際に税が施行されるに当たり、特に今回のシステムができ上がっていく中で、より詳細に私どもとしてデマケーションをしっかりつけて、県民の皆様にしっかり御理解いただけるように努めなければならぬだろう、そのようにも考えさせていただいているところです。
○佐藤(英)委員 ありがとうございます。 それでは、青木参考人にお伺いをさせていただきたいと思います。 先ほどもお話がございましたけれども、百年の森林事業、これは今回の森林経営管理法案の一つのモデルにもなっているということで、心から私は敬意を表したいと思っているところでございます。 そんな中で、先駆的な取組をしているということで、ぜひ全国の市町村に対しても参考になる意見をお話しいただければなと思うんですけれども、このたびの法案では市町村の果たす役割が非常に重要になっているわけであります。業務量も当然増加されていくわけでありますけれども、これまで取り組んできた御経験も踏まえまして、他の市町村で実行体制を整えるために国や県はどのようなサポートが必要と考えているのか、ぜひお話を伺いたいと思います。
○青木参考人 いわゆる林業そのものを、先ほどの泉先生のお話にもありましたけれども、林業というのはやはり、例えば水田農業と比べましても、一年で収穫をしてというわけではありません。最低三十年以上の期間がかかります。投資をしてから回収するまでに三十年あるいは五十年かかる。この現代社会で、今投資して、その収穫を五十年後にするんだという、そういうスパンでこの事業をできる人が本当にいるんでしょうか。 私は、今現在、過去の夢で、五十年前にいろいろと夢を見られた、そういった先人たちがつくってくれたこの山を我々はどう処理し、そして循環させるように持っていけるかなというのが本当は課題だと思うんですが、なかなか大きな時間とそれから経費がかかります。 国や県のと言われましたけれども、やはり一番は財源なんです。 先ほどから、民有林のお話です、これは。民有林というものが本当に自助的に、自立的に事業として将来的にも回っていくんだろうかというふうに考えると、投資して三十年後の経費の回収、これを考えますと、我々は森林というものをどう捉えるべきかという根源的な問題にぶち当たるわけであります。 基本的には、国、県が、今回の森林環境税等も、それは一定の、今のこのままで放置するようなことであってはならないし、それは林業にとって全く、なおのこと、いいことはないわけでありますから、ここで何が何でも整備をして、森林を動かしていくということが僕は必要だというふうに考えるわけでありますけれども、その一番もととなるのは、やはり財源です。 その財源が本当に出し切れるのかというと、やはりいろいろな、もちろんそれを消費される方の協力も要るでしょうし、要るでしょうけれども、この大きな林業というものをもう一回考え直すときに、どうしても長期間にわたる事業のサイクルを考えますと、これは国が、森林が果たす公的な役割ということを考えますと、やはりもう少し公の管理する部分が財源も含めて出てこないと、なかなか森林というものを健全に動かしていくというのは抜本的には難しいのではないかというふうに考えております。 答えになったかどうかわかりませんが、一定の国、県の財源的ないわゆる支援というものは、現在は必要でありますけれども、それは、では、抜本的に林業を解決することになるのかというと、非常に疑問もあるというふうなお答えになるというふうに思います。 どうも失礼しました。
○佐藤(英)委員 ありがとうございました。 それでは、前田参考人にもお話を伺わせていただきたいと思います。 今回の法案に対する期待についても種々お話がございましたけれども、改めてお話を伺ってまいりたいと思います。 特に、今回のこのたびの法案で成立をした場合、これまで放置されていた森林で経営管理が行われることになるわけでありますけれども、事業者の立場から見ると、これまで以上に事業地がふえる可能性が出てくるわけであります。 事業地で経営管理をするために、実際に伐採や植栽などの作業を行う作業員の確保についてはどのように考えていらっしゃるのか。ぜひ、この法案に対する期待の考えも含めて、お話をお聞かせください。
○前田参考人 ただいまの御質問にお答えをいたします。 実は、林業関係の従事者につきましては、鳥取県では、平成七年、三十五歳未満の方が七%ぐらいだったんですけれども、今日では、それが二五%ということにふえております。いろいろな林業の作業種の変化等もいろいろございますけれども、私どもは、作業員の確保については余り心配をしておりません。 それから、この法案に期待するところは、森林整備、山というものが国土保全なのか経済なのかという論はよくされるわけでございますけれども、やはり我々は、手入れをされていない山が、残念ながら我々のところはまだ八割ぐらいございますので、山から木を出すというよりは、手入れをした結果木が出る、こういう現状でございます。 その中で、通常我々の業務仕組みの中でやっておりますと、四十人ぐらいの集落で、集落の方三十九人まではやろうということで、話は上がるんですけれども、お一人の方が、どうしても価値観の違いから、おらのところには道をつけたら困る、木は切らない、こういう方があって、結局、何十町歩の山が手がつかないというのが現状です。 ですから、現在は四十人いらっしゃれば四十人の同意をもって施業ができるという仕組みでございますから、マンションの建てかえ法ではございませんけれども、ある程度の合意が得られれば、環境という観点からすれば、私は、この法律で何とか整理をいただければありがたい、こういうふうに思っておるところでございます。
○佐藤(英)委員 ありがとうございました。 終わります。
○伊東委員長 次に、佐々木隆博君。
○佐々木(隆)委員 立憲民主党の佐々木でございます。 きょうは、参考人の皆さん方には大変貴重な御意見をいただきまして、大変ありがとうございます。 我々も、この法案をどういうふうにしっかりした法律にしていかなければならないのかということについて、きょうは御提言をいただいたというふうに思っております。 私は、この法案の出だしのとき、いわゆる温暖化防止という観点から始まって、その前、その更に昔は川下税などと言っていた時代もあったんですけれども、環境の対策として新たな税金が必要なのではないのかというのがもともとのスタートだったと思うんですね。それが、どこの時点でどう変わってきたかはわからないんですが、そのことが全くなくなったとは言いませんけれども、どうも林業施業の方だけになってきちゃったのでは、だけではないんですが、ウエートがかかり過ぎたのではないのか。 今ほど組合長から、国土保全か経済か、しかし手入れのされない山は国土も守れないというのは、大変参考になるお話だったというふうに思うんですが、そうした意味で、この新しい税金、目的税をつくるんですから、今まで林野庁でやれる事業をここでやるのであれば、その必要はないわけです、林野庁の予算でやればいいわけですから。林野庁の予算ではやれないからこの新しい税金をつくるということなので、そこのところを、ぜひきょうは参考人の皆さん方に更に御教示をいただければという思いで質問させていただきます。 十五分しかありませんので、一人に一問できるかできないかというような状況でございますが、まず前田組合長からお話をいただきたいんですが、森林施業について、集約化の必要性というものを大変強調されているわけであります。 その中で、ただの施業であればいいんですが、山全体をどういうふうに組み立てていくかということになれば、プランナーとかフォレスターとか、そうした人たちの人材というのが極めて重要になるというふうに思うんですが、集約化をやってこられたときの課題、あるいは人材活用、もう一つは、自伐型をしっかりと進めていくということを大きな柱にされておりますので、その辺のお話をお聞かせいただければというふうに思います。
○前田参考人 ただいまの御質問に対してお答えをいたします。 私どもは、集約化につきましては、今回の法案ではどちらかといえば森林所有者がターゲットになっておるようでございますけれども、どちらかといえば集落単位で、所有者はその中の構成員という位置づけをしております。ですから、集落に出かけてきて、これも環境か経済かということでございますけれども、本当に裏山の山をこのままにしておいていいんですかということで、せっかく植えられたものを、将来お金になるかもわからない山、きちんとしましょうよというところがポイントでございます。 それから、それらの担い手というのも非常に大事でございますので、現在、担い手の確保イコール、鳥取でいえば地方創生につながるということでございますけれども、そのためには、働き方改革なり、本当に今いろいろな、作業員のファッションの問題、丸太切りの全国大会だとか、林業に携わる人の夢ですね、思いとか、これはオーストリアとの連携の中でいろいろなそういう情報もいただきながら、本当に森林組合の仕事というのはすごいな、こういう格好に徐々になっておると私は思います。 それから、さっき自伐林家の話がございました。 私は、当然、多くの山を持っておられる方は、自分の山は自分で守る、これはすばらしいことだと思いますけれども、日本全体で見ると、自伐林家で経営ができる者というのは〇・数%ではないかなということで、ただ、マスコミによく言うんですけれども、自伐林家を前面に出すことによって、反対側に既存の森林組合あるいは事業体等を批判されるという面がございますので、私としては余り感心をしていないというようなことでございます。 以上でございます。
○佐々木(隆)委員 次に、知事にお伺いをさせていただきます。 知事は、先ほどもお話ありましたけれども、森林環境税を先駆けて導入されているわけでありますが、私も最初に触れましたけれども、今度の場合は国民の全てから、全ての世帯から税金をいただくわけですが、高知県の取組は、多分、県民の全てから税金をいただく。 そうすると、山にだけ使っていいのかというお話が当然出てきたと思うんですね。それはクリアされてきたんだと思うんですが、そこら辺のお話をお伺いしたい。 もう一つ、知事会の連携のお話がありましたが、もともと森林管理については流域管理という発想があったはずなんです。特に四国はそれが進んでいる地域だというふうに私は思っていますけれども、その流域管理と知事の連携、その辺の関連も含めてお話をいただければというふうに思います。
○尾崎参考人 森林環境税について、やはり実際に施業が、私どもの高知県の森林環境税についていえば、例えば、先ほど申し上げた間伐をバックアップさせていただいたり、あとは一般啓発をさせていただいたりという形で対応させていただいてきたわけです。いずれにしても、森のために使われていくということです。 では、それを高知県の都市部の皆さんが是としてきたかどうかということですが、毎回、延長のたびに県民世論調査をとって、七割を超える支持率をいただいて延長させてきていただいているということですが、一言で言いますと、森林がしっかり保全されることによってさまざまな災害が防がれてきている、そういう例というのをたくさん皆さんは御存じ。もっと言いますと、最近川が痩せてきたね、痩せてきたのはなぜか、十分に山で間伐がされていないからではないか、そういう議論も往々にして高知では行われてきているところであります。 やはり、山はさまざまないわゆる生態系の中の非常に重要な要素であります。ですから、これをしっかり守っていこうということについては、都市部に住んでいる人も、また受益者としてしっかりと応分の負担をしていこうではないか、そういう考え方が高知県では少なくとも県民世論調査からは随分根づいてきているということがうかがわれるところであります。 これをまた今度、全国に展開をしていく、今回そういう議論ではなかろうかというふうに思っているところであります。 また、流域管理という観点からは、県内ですと、森林組合さんは往々にして流域単位で仕事をされている場合が多いわけでありますが、やはり県境を越えてということが出てくるだろうと思います。今回、この法案によって、より集約化の傾向が強くなればなるほど、そういう発想というのは出てくるだろうと思います。 今後、取組を進めていく上で、市町村の連携によっての取組、単一の市町村だけではなくて複数市町村での連携による仕事もぜひ可能にしていっていただくようにというお話をいたしましたけれども、県境の山のあり方などを考えたりするときに、恐らく、県同士の連携ということも確かに必要となってくるのではないか、そういうふうに思います。 ぜひ、さまざまなケースに応じて柔軟に対応できる制度設計としていただければ幸い、そのように考えます。
○佐々木(隆)委員 川が痩せたという表現は大変いい表現だというふうに思って、今後、使わせていただきたいというふうに思います。 次に、村長にお伺いをいたします。 大変、いろんな意味で先駆的にお取り組みいただいてきたわけでありますが、先ほども、一つは、この制度を実際に市町村が八割、九割を運営することになると思うんですが、この制度をどう生かすかという意味で、どんなことを考えておられるのかということが一つ。 もう一つ、ちょっと直接関係ないかもしれないんですが、村長は例の規制改革会議に呼ばれて意見を述べておられるわけでありますが、どうもあの辺から少し考え方が変わってきたのではないかと私は若干危惧を持っているんですが、そのとき出ておられた感じからしてどうであったかというようなことも含めて、お話をいただければというふうに思います。
○青木参考人 最初のお話は何でしたっけ。(佐々木(隆)委員「この新しい制度を使ってどのように進めていこうとしているか、市町村がですね」と呼ぶ)はい。 もともと私のところでやっています百年の森林構想といいますのは、いわゆる日本という国が一つの人間の体であるとすれば、幾ら小さな私どもの村でも、必ず必要な役割を果たしているんだというふうに、私は常日ごろ、村民の方に申すようにしております。 我々の役割は何か。現状を見ますと、九五%の山、そこで、人工林、非常に不況にあえいでいながら、そういう人工林を持っている。この村が果たすべき役割は一体何であるかということであります。 先ほどの知事のお話にもありました、我々は五十年前に、今の環境とは随分違う、本当に森林からの、違った自然からの恵み、例えば山にできる山菜、そういったものがたくさんとれました。それが人工林に変わるに従いまして、手入れが行き届かないということもありますが、だんだんと、先ほどの知事のお話のように、川が痩せる、水が少なくなる、魚がいなくなる、そして、我々が本当に住みにくい環境になっていっているのではないかというふうに思っているわけです。 この制度、法律を、法案をうまく活用して、我々は、今あえいでいる、にっちもさっちもいかなくなっている森林、これをどうこれから整理をし、そして、もっともっと多自然型の、いわゆる自然の植生が復活をして、そして地盤を安定する、保水力を高める、そして自然の生態系を豊かにしていく、そういった整備につながっていくということを私は希望しているところでございます。 規制改革のあのときにも百年の森林構想のお話をさせていただきました。基本的には私は変わっていないというふうに思っています。先ほどの弁で申しますと、つまり、そういったことをいまだに夢見ていますし、いろいろ法律の手助けを得ながらしっかり実現をさせていきたいというふうに考えているところでございます。
○佐々木(隆)委員 余り時間がなくなったので、一言だけ教授にお伺いを申し上げたいというふうに思うんですが、先ほども申し上げましたように、温暖化対策ということで始まった、その当初の考え方は私はよかったと思うんですが、少し施業の方にウエートがかかり過ぎているのかなということは、我々はこれから議論の中で修正をしていかなきゃいけない。 というのは、新たな目的税をつくるわけですから、今までと同じことをやるのであれば目的税をつくる必要はないわけですので、その辺の、目的税としてのこの新しい税金をどう活用していくかということについての所見をいただければというふうに思います。 よろしくお願いします。
○泉参考人 森林環境税については、先ほどちょっとはしょらせていただきましたので、ちょっとそこを戻らせていただきますと、既に新たな森林管理システム及び今回の森林経営管理法案の問題性については指摘したところだが、国民に対して新たな負担をお願いする税の使途が、問題の多い新たな森林管理システム、林野庁の、そういう考え方の傘下に位置づけられることは、国民的な理解はなかなか得られにくくなるのではないか。林野庁の間伐予算不足の補填などであってはならない。あくまで、むしろ、総務省と市町村の関係において、市町村が主体的に使途を指定できる、決定できる仕組みの創設というものが求められているのではないかというふうに考えておる次第でございます。 私も、森林吸収源対策、総務省、本当にやってくださっているのはありがたいと思っておりますけれども、やはり少しそことのそごは、非常に出てきている、林業の成長産業化がちょっと強過ぎるという感覚を持っております。
○佐々木(隆)委員 時間が来ましたので、終わらせていただきます。ありがとうございました。
○伊東委員長 次に、大串博志君。
○大串(博)委員 希望の党の大串でございます。 きょうは、参考人の皆様には、それぞれのお立場から、日本の森を思う、我が地域の森林を思う、地域を思うという観点からのお取組に関していろんな意見をいただきまして、大変ありがとうございました。非常に勉強になるお言葉でございまして、私たちも法案審議においていろんな知見をいただかせていただきたいと思います。 その上で、幾つか私も非常に関心を引くなと思った点もございましたものですから、質問させていただければと思うんですけれども、まず、前田組合長にお尋ねさせていただければと思います。 先ほどの、このパンフレットにもありました、いろんな取組をされている中で、冒頭の御発言の中にもありましたけれども、森林・林業再生プランに素直に取り組んだ結果、今日の実績がありますというふうな話がございました。 この森林・林業再生プラン、どのような点に着目して取り組まれたのが成果を生んだのか、もう少し敷衍してお話しいただけたらなというふうに思います。
○前田参考人 では、お答えいたします。 これは平成二十一年の秋に出された考え方でございますけれども、実は私は他の産業から転職したものですから、どちらかといえば現状に対して批判的な見方をしておりました。 新しい考え方というのは、切捨て間伐だけじゃなしに路網をつくって搬出をする、搬出することによって所有者に幾らかのお金が返る、こういう大きな変更でございました。 そのことによって、八頭中央森林組合は事業量が急激に上がったわけですけれども、それをやるためには、やはり担い手の問題もございます。それから所有者の理解。それで、所有者の理解を求めるときには、先ほども申し上げましたけれども、やはり何で山の手入れをする必要があるのかというところでございまして、そこら辺に力点を置いた取組をやりました。 それから、出口という問題も、出した木を有効に使うというのは大事なことでございますから、特に地域の製材所、地域の需要者ですね、その者と、山側、地域の搬出する方との連携をいかにするか、そこら辺が大きな対策でございまして、私どもの今日の森林組合の姿というのは、あの法律が発表されなかったら今日の姿はなかったというふうに思っておるところでございます。 以上でございます。
○大串(博)委員 そう言っていただいてうれしいなと率直に思った。といいますのは、この森林・林業再生プラン、手前みそな発言をするようで大変恐縮ですけれども、前の民主党政権のときに、それまでの野党時代のいろんな勉強、知見を踏まえて、政権交代直後に出したのが、この森林・林業再生プランでございます。 ポイントは幾つかあって、まず、施業の集約化というものをやっていこうというのが一つ。もう一つは、先ほどお話がありました、そのために搬出するときのコストを下げなきゃいかぬということで、路網整備。これが、各国と比べてみると、日本はどうもやはり作業道的な路網が少なかった、よって、運び出すときのコストがどうしても高いということがあって、路網の整備をしっかりしていかなきゃいかぬ。 こういったことを前提としながら、出口の問題も頭に置きながら、直接支払制度も導入しながらやっていこうということで、先ほど村長さんからも話がありました、財源の問題もしっかり手当てしていこうということで考えたわけであります。 そういう中で、先ほど路網の話も組合長さんの話からありましたので、私たち、今回の法案においてはこの路網のことは直接視野に入っているわけじゃないんですけれども、しっかりやっていかなきゃならないなというふうに思っておるところでございます。 そういった中で、この法案との関係で、さらには森林・林業再生プランともかみ合わせながら考えていかなきゃならないのは、先ほど組合長から話がありました、経営か、あるいは環境かという、この論点というのはやはりどうしても森林政策を考える上で拭い去れないと思うんですね。この法案に引き直してこの問題を言うと、やはり担い手がどういうふうな形で育っていくのかというところだと思うんです。 これは組合長さんと村長さんにお尋ねさせていただきたいと思うんですけれども、村長さんのこの取組を見ると非常に、なかなかおもしろいなと思います。ポイントは、事業主体たる村役場がいらっしゃって、請け負われた森林組合の方がいらっしゃる、ここに施業を集約されて、かつ、販売に、森の学校が非常に画期的な仕事をされている、こういうことだと思うんですね。 そうすると、この法案でいいますと、いわゆる事業主体、意欲とやる気のある事業主体というところに経営管理の実施をお願いしていくわけなんですけれども、この事業主体が本当にしっかりとしたものが生まれていくのかというところが鍵だと思うんです。しかも、そこが、先ほど泉教授からも御懸念のありました、経営だけに走り過ぎないで、森や資源を守りながら、川を痩せさせないようにしながら、永続的な取組になっていけるような事業主体になっていけるかというところが鍵だと思うんですね。 そこで、組合長さんと村長さんにお尋ねしたいんですけれども、この法案の結果、どのような事業主体が生まれていく、あるいは育っていくのが望ましいというふうに思われるのか。もちろん、森林組合さんも非常に重要な役割を果たされると思うんです。あるいは、管理権を持たれる役場の皆さんたちも非常に関心を持たれると思うんです。その辺に関する御感想なりお考えを御両名の方にお聞かせいただけたらなというふうに思います。
○前田参考人 お答えをいたします。 先ほどから、山の整備は環境か経済かという論をしておりますけれども、実は、需要があって、循環型に山が利用されるようにならないと、環境にも貢献できる山はできないというふうに思っておりますので、私どもは、そういう両面から考えております。 その管理する担い手というのは、先ほども申しましたけれども、私は森林組合の組合長でございますから、やはり森林組合が地域の森林に関しては守る担い手としての役割を果たしていきたい、そうした上で、地域内の素材生産業者なり建設業者とは仲間として連携をして一緒に守っていきたい、そういう考え方でございます。 それから、先ほど再生プランどうこうの中で今日まであるということを申し上げましたけれども、再生プランも、発表されて、あれから大方十年たちました。制度疲労ではないわけですけれども、いろんな問題点もはらんでおりますから、そのものをこの法律の検討とあわせて、私は、ある面では若干見直しをしていただければ、先ほど言いました循環型社会を目指す森林管理がより迅速になる、こういうふうに思っておるところでございます。 以上でございます。
○青木参考人 失礼します。 経営管理実施権を持った業者さん、どういう方が望ましいかという話であろうというふうに思います。 実は、西粟倉村の場合は、経営管理といいますか、森林の管理そのものを村がやってきた手前、やはり今後も村が実施権を持って計画をしていくということが必要だというふうに思っています。 なぜならば、全体のバランスから考えて、村の中にある、少し人工林になり過ぎちゃったところ、要するに、本来であれば循環林、いわゆる天然林で、天然更新にしなければいけないところまでも人工林化をしてしまった。経済に合わないんですね。基本的にはコストも非常に高くつきますし、本当に、経済林として植林をして、いわゆる植林をすべきところでなかったところに植林をしている例はたくさんあるわけです。 そういったものを今後調整、ゾーニングをし直してやらなければいけませんし、そういった意味では、このたびの、私たちが設定をするいわゆる経営管理の実施権を持った、どなたにお任せするかということは、実はうちの村の中では非常に苦慮をしているところでありまして、そういった全体的なバランス。そして、何を目指すのか。我々は、ある意味、もちろん林業もですけれども、整備された環境、国の中の一部、必要な役割を果たす村として必要な体制、スタイルはどうなのか、そういった観点からの村づくり、地域づくりといったものも非常に重要になります。 そういった意味では、山の多いところに関しましては、その辺のさび分けといいますか、非常に大事になってくると思いますので、それが単なるいわゆる経営に特化をした一業者さんであれば、非常にそこに問題を来すのではないかというふうに懸念をしているところでございます。
○大串(博)委員 ありがとうございます。 経営か環境かというのは本当に永遠の課題なんですけれども、両方が成り立たないと、私、この法案の趣旨は成り立たないんじゃないかと思うんですね。そういった観点から、先ほど泉教授がおっしゃったような懸念にも応えられるような制度としてつくり、かつ運用していかなきゃならないと思います。 そのときに、尾崎知事にお尋ねしたいと思うんですけれども、この法案がうまくいくかどうかというのは、私、実は都道府県に大変大きな役割と責任がかかってくると思っているんです。 先ほども話がありましたように、市町村でいうと、直接の担当者はどうしても少ない。かつ、これは農水省の皆さんと議論したときも、どのような事業主体を見つけ出していくか、探していくかというときには、ちょっと企画入札的な形の中で選んでいくんだ、どうしても見つからないような場合には、都道府県の皆さんに、そういった方を探すことも含めて期待するところ大だというのが農水省の皆さんのスタンスだったということなんですね。 そういうことも考えていくと、確かに、全県を見渡している県の方で、この町、この村の皆さんの実情と相照らしながら、実施主体がなかなか見つからない、うまくいくような実施主体、事業主体を見つけ出していくために県が役割を果たしていかなきゃならないという非常に大きな側面があると思うんです。こういった点において、県で十分役割を果たしていけるところがあるのか。高知県は非常に先進的な取組をされているので、私はある意味安心して見ているところもあるんですけれども、県によってやはり違いもあると思うんですよね。 県として十分な役割を果たしていけるのか、それを補足するために国としてもどういった支援を都道府県にやっていくべきなのか、この辺に関する所見をいただければと思います。
○尾崎参考人 本法案の趣旨を貫徹していくためにも、もっと言いますと林業の再生のためにも、都道府県がしっかり役割を果たしていくべきだ、そういうふうに思っています。高知県としても、しっかりと、非常に前向きに代替執行の取組なども行わさせていただきたいと思っています。 ほかの都道府県はどうかというお話でありますけれども、私、例えば先ほど来申し上げたCLT首長連合とかそういう取組などで他の都道府県の皆さんともお話をさせていただくこともありますが、一言で言いますと、今、林業の成長産業化という議論がされてきている中で、多くの都道府県がだんだんと林業に非常に積極的に取り組もうという方向になってきているのではないか、そう思っています。 昔、林業というと、環境保全のためにやっているという感じがあった。しかしながら、今は、経済インセンティブも込みでやっていくことでもって、環境と経済を両立させようという考えにだんだんなってきているとは思います。ぜひ、国全体として林業の成長産業化のための取組を徹底して進めていただきたい、そうすれば、地方創生を目指す都道府県はおのずとこの取組に参加してくるということになるんだろう、そういうふうに思っています。 川下の需要づくりとか、まだ大きな仕事があると思っていますので、ぜひその点をお願い申し上げたい、そう思います。
○大串(博)委員 泉先生にもちょっとお尋ねさせていただきたいと思いますけれども、私も、経営だけに走ると、やはり山にとっていいことはない、あるいは人類にとっていいことではないと思うんですね。私は、携わっている方々の意見を今のようにお聞きすると、経営だけではない、環境も含めた動きがないと全体がうまく回らないという認識は、結構多くの方がお持ちなんじゃないかと思うんですよ。 そういう観点からしたときに、この法律、もう一回立ちどまって見直すというのもあり得ると思うんですけれども、よりよくつくっていくためにはどの点を留意したらいいのか、先生の御所見からいただけたらなというふうに思います。
○伊東委員長 泉参考人、予定の時間が来ておりますので、簡潔にひとつ御答弁をお願いいたします。
○泉参考人 今の御質問は、大変難しい問題をはらんでおります。 日本はやはり、もう江戸時代から世界一の森林の取扱い。そのときに、結果的に、もうけるために頑張ることが、結局は、かつてで言う公益的機能も十全に果たされるというこのセット論、これを林業における予定調和論と申し上げますけれども、この考えは、日本は非常に強く、根強く持ってきた。 それでいける、いけると来ておりまして、結局、昭和三十五年の林業基本法、それからさらに二〇〇一年の森林・林業基本法、この考え方が貫かれております。基本的に、森林法にも林業における予定調和論は貫かれている。ですから、林業振興することによって環境機能も満度に果たすという。 ところが、既に、これは筑波大学の志賀教授がよく言うんですけれども、GDP〇・〇二%のものが日本の国土の七割を管理できるか。実は、この林業における予定調和論という考え方が既に破綻した時期であるという。 ですから、今から、より一層、この次の話をやっていくときには、林業における予定調和論自身を本気で見直して、それにかわるべき原理とは一体何なのか、持続可能な森林経営といったような話というのはこういうことにつながっていく、そういうことでございます。
○大串(博)委員 ありがとうございました。
○伊東委員長 次に、金子恵美君。
○金子(恵)委員 無所属の会の金子恵美でございます。よろしくお願いいたします。 まずは、森林所有者の八割は森林経営意欲が低く、そのうち七割の森林所有者は主伐の意向すらない状況である、一方、林業経営者の七割が事業規模の拡大意欲があり、森林所有者と意欲のある林業経営者との間でミスマッチが生じている、このような中、林業の成長産業化と森林資源の適切な管理の両立を図るため、新たな森林のシステムが必要であるという方針が示されて今回の法案が提出されているということを繰り返し申し上げさせていただいて、その上で、きょうは本当に、四人の参考人の皆様には、お時間をとっていただいて貴重な御意見をいただきまして、ありがとうございます。大変勉強になっております。 今ほどもありましたけれども、林業を守って、そして森林整備が進んで、そしてまたその結果、結果といいますか、その流れで、当然のことながら、森林の多面的な機能というものが守られていく、これは全部一体だというふうに思います。偏ってはいけないということでもあります。 今申し上げたように、森林所有者と林業経営者の間でのいろいろなギャップというものをなくしていかなくてはいけないというような法案であるということではあるんですが、懸念しているのが、先ほど来ありますように、もしかすると、集約化、大規模化が進んでいって忘れ去られてしまっているのが、その地域に根差した形でしっかりと森を、山を守ろうとしている人たちの意思というものだということです。 そういう意味で、やはり私たち国民全てが、当然のことながら、森林・林業についてしっかりと意識を高めていくということであったり、かかわり方についてしっかりと考えていくということが大切だというふうに思うんです。 全ての参考人の皆様にお伺いしたいと思いますが、現在の林政で足りない部分というのは何でしょうか。よろしくお願いします。
○前田参考人 ただいまの御質問にお答えいたします。 実は、二十年前、日本に外国から原木の輸入量というのは二千万立方ございました。そのものが今日では三百万立方ですから、七分の一になっています。輸出も、二十年前はゼロですけれども、今それが百万立方になっています。 私どもの地域におきましては、平成二十年に鳥取県東部地区というのは七千立方の出荷量だったんですけれども、木も大きくなりまして、平成二十七年、我が地区では十万立方になって、今この計画の中で、三十二年、二十万立方になろうとしておるんですけれども、この変化ですね。私は、この変化に対する対応というのがおくれておるんじゃないかなと思っています。 例えば、山から木が出るということになれば、農道を通過しないと木が出せない。というと、農道の場合は、非常に舗装厚が薄いわけですから、壊れてしまう。あるいは、大量に運ぼうとすれば橋が強度的に通れないとか、そういうインフラ整備がおくれている結果、私は、オーストリアと比べると、工場まで千円が三千円も四千円もかかる、その辺でやはり、幹線道の整備とかそういうものを今の山の動きの現実に合わせた対策をしていただきたいというふうに思います。 以上でございます。
○尾崎参考人 私は、国の林野行政について一つ申し上げたいとすれば、かつては森林育成庁的側面というのが非常に強かったと思います。戦後、日本の山がはげ山になってしまって、その中でいかに森林を再生するかということが大きなテーマであった。しかしながら、多くの森林が今主伐期を迎えてくるという中において、これから非常に大事なことは、木材産業庁として仕事をするということが非常に大事だというふうに思っています。 森林を、環境を守っていくために間伐をするということについて、かつては経済インセンティブが働かなかったので税金を投入してやっておったわけです。しかし、経済インセンティブが働いて、当たり前のように間伐が行われるという状況になっていくということが理想の姿です。 さらに言えば、植林をしている段階、間伐をしている段階、主伐をしている段階、この三者がそれぞれ満遍なく分布しているような状況の森になってこそ、本当の意味で循環可能で、かつ、山にも、山元にも、そして中山間にも益をもたらす、そういう状態になっていくんだろうと考えます。 ですから、育林庁的な発想も大事、しかしながら、あわせまして、しっかりともうけて次に再投資していくというプロセスをおのずと回していくようにするために、林業産業庁的な発想ということも大事だろう、そういうふうに思っています。 後者の点について、随分、林業の成長産業化という概念が出てきて、取組を進めてきていただいておりますが、こちらについてはもっともっと進めていただくことが大事ではないかなと私は思っています。
○青木参考人 林業も農業も、全て人と深く絡んでおります。我々の生活と絡んでおります。そして、社会はやや変化を伴ってまいります。その人間の変化と、それからいわゆるなりわいとしての農あるいは林の変化、こういうことをちゃんと見きわめながら、将来の我々が暮らしていくという部分を主体に、いわゆるなりわいとしてどうあるべきかというふうに考えていっていただきたいというふうに思います。 我々のところは非常に山奥でございます。山のあり方が我々の生活のあり方に非常に大きく直結をしていますので、そういった観点から、先ほど、我々の果たす役割という話もさせていただきましたけれども、そういった意味もありまして、林政というのは、そういうところに配慮したいわゆる政策をこれからも考え続けていただきたいというふうに考えております。
○泉参考人 今の森林・林業基本法、これは、最初の林業基本法から数えますと、もう六十年。ちょうど高度経済成長期が始まる一九六〇年に、もう当時の農林省は大変先見性があって、どのように農業をこれから組み立てるか、当然、工業が発展しますので、農業をそのときどうするか、林業をどうするか、水産業をどうするか、全部早く検討しました。 結局、林業に関しては、当時までは、私ども林学を学んだ者は、林業は大きいことがいいことだ、林業は大きくなくては営めない、これが我々林学の常識でした、学生時代。それを、当時の農林省の役人の方々は、いや、大規模な方々は資産保持的であって、経済的にうまくいかない、ついては、今後の林業の担い手は農家林業である、農家が営む農家林業であるという、この林業の担い手、これをやりました。 そのときに、なかなかこの議論が進み切らないときに、いや、今後は森林組合に集約化して、そこに専業的な作業班を置いてこれで大規模化していく、こういう、地域で大規模化していくというもう一つの案が出てきます。これからさらに、国有林はどうするのかという議論もあって、なかなか基本法ができなかった。 四年後に林業基本法ができるんですけれども、そのときには担い手を、並立型です。ただ、その後の林業構造改善事業等を含めて、全て、現実には、農家林業を押し下げて、森林組合中心で組み立てていくという、大型化の方向をやってきている。 やがて、森林組合は、昭和五十年代、大変頑張って、地域林業の担い手は森林組合だと、さまざまな形でやったわけですけれども、その点からしたときに、私は、ここが結局、先ほど申し上げました林業の予定調和論に基づく政策というものが、やがて限界に来て、現在ほぼ死に体になっている。 そのときに、今回の森林経営管理法案というものは、ある種、今までの路線を極端までに進める、林業における予定調和論を極端までに進める、産業化という話で。 ということで、果たして、今まで、林政は、大きく五十年単位で考えますと、結局、実は失敗の連続だった。大型化を狙い、結果的に果たせないという形で来ているときの、最後の手を打っておられる。 ただ、私は、これは尾崎知事とは正反対で、林業の成長産業化ということは、これは果たせない。更に言えば、結果的に残るのは、かなり山荒らしというような形で切り荒らしてしまう、日本の国の宝である山林を、というような結果にかなり陥る可能性が高いのではないか。だから、私どもは今、日本の戦後の林政の中で大きな分かれ道にいるというように思っております。 以上です。
○金子(恵)委員 ありがとうございました。 今回、この本法案の中でありますけれども、森林の経営管理の仕組みとして、都道府県知事が経営管理実施権の設定を希望する者を募集し、応募した林業を営む者、意欲と能力のある林業経営者に対して、市町村が経営管理実施権配分計画により経営管理実施権を設定できるよう措置するというふうになっているわけなんですが、意欲と能力、この言葉、定義づけがあるわけではなくて、具体的にどのような方々を指して意欲と能力のある林業経営者なのか。なかなか答えを農林水産省、林野庁は持っていないのではないかというふうに思うんです。 それで、それぞれの皆様に本当は伺いたいところではあるんですけれども、時間がございませんので、前田参考人そして泉参考人に、お二人に、意欲と能力のある林業経営者のイメージというものをお答えいただきたいと思います。
○前田参考人 意欲と能力のある事業体についてお答えをいたします。 私は、森林組合もその中の一つではないかと思いますけれども、年間何人ぐらいの作業をする職員があり、年間どのぐらいの規模で施業を行えるかというところは、私は意欲と能力のある事業体になるではないかというふうに思っております。 以上でございます。
○泉参考人 私、意欲と能力のあるという前に、林業経営者ということについて、それを素材生産業者等という今回の新しい規定ということは、このところに、実は何人もの方々から現場で笑われているんですね。自分たちの地域で素材生産業者が一体何をやっているか、どういうことがやれているかというような方々、あの方々がこれからの担い手かというような形においては、現場サイドではかなり、自分が素材生産をやっている人自身が私の方にそういうふうな意見を持ち寄ってきて、これは無理ですと。 そういうものの中で、林野庁さんは、やはり意欲と能力のあるということに関しては基準をつくっています。それは生産量、生産性という形で、五年間に二割増し、三年間で一割増し、こういう制限をかける、それを持っていればベースはゼロでも構わないけれどもというような形でやっていらっしゃいますけれども、極めてこれも、申しわけないけれども官僚的なやり方で、こういう形で林業の担い手を素材生産業者、今後はそういうふうにするんだということについては、本当に、極めて危ない発想になっているというふうに考えます。
○金子(恵)委員 三十年前は林業労働者の人口は十五万人、現在は五万人に減ってしまっている中で、人材の確保というのも、あるいは施業にかかわる人たちを育成というのも本当に重要な課題になっている中で、意欲、能力、この言葉を使って簡単に確保できるんだというイメージづくりというのもよくないというふうに思います。 この法案によって、意欲と能力、そういうものを持っている人たちを育てることができるか、このことについて泉参考人にお伺いしたいと思います。実際にこの法案はそのように動きますか。
○伊東委員長 泉参考人、時間が来ておりますので、簡潔にお願いいたします。
○泉参考人 先ほど申し上げましたように、地域で現実に活動している素材生産業者の方々、この方々が本当にやれるか。 ただ、今回のこの法案のバックには、これが動かないことのバックアップ機構をつくっている。むしろ川下の大木材業者であったり、そういう方々が素材生産業者を介して要するに実施権を集めていくという、それはかなり、大型の木材産業にとっては、自分のところの立木在庫をちゃんと持っているというと、経営計画を立てられます。ですから、恐らくこの構造は、極めて、川下の方の大型木材産業のバックアップを受けた素材生産業者がその手先として走り回るという構造、だけれども、生産性というのは非常に厳しいですから、結果的にその施業自身はかなり山荒らしになっていくだろうということを私は予想しております。 以上です。
○金子(恵)委員 時間が参りましたので終わります。ありがとうございました。
○伊東委員長 次に、森夏枝君。
○森(夏)委員 本日は、前田参考人、尾崎参考人、青木参考人、泉参考人、こうしてお越しいただき、大変貴重な意見をいただきまして、ありがとうございました。 今回の森林経営管理法案においては、国民に新たな税負担を求めるものでありますので、しっかり審議をしていかなければならないと思っております。参考人の皆様からの御意見をしっかりと生かしていきたいと思っております。 昨日未明に大分県中津市で山崩れが発生しました。お亡くなりになられた方にはお悔やみを申し上げます。また、行方不明の方の御無事を心から祈っております。 今回の山崩れのニュースを見ましても、改めて森林管理の重要性を感じたところでございます。 それでは、質問をさせていただきます。 まず、前田参考人にお聞きします。 森林整備の取組を始められた当初、何か問題点や御苦労されたことなどあれば、お聞かせいただきたいと思います。
○前田参考人 お答えをいたします。 私が森林組合に着任した当時というのは、県下の組合は八つありますけれども、我が組合だけが四、五年間ボーナスも払えないという非常に厳しい森林組合でございましたので、私、経営の立て直しに行ったような感じだったんですけれども、なかなか職員に対して作業に見合った賃金を払えないというのは、経営者としては非常につらいものがございまして、この新しい森林・林業再生プランの中で森林組合の役割を見出して数字が伸びた。 伸びれば、順調にということで今日に来ておるわけでございますけれども、やはり、ある一定の期間が過ぎますと、リセットしないと、ロケットじゃないですけれども飛び上がらないというような時期に今来ておりますから、そういう面で、この新しい法案に期待をしておるところでございます。 以上でございます。
○森(夏)委員 ありがとうございます。 年百回以上の説明会をされているということで、土地所有者の方々への説明をいろいろされていると思うんですけれども、泉参考人のお話の中で、森林所有者の取り分が三%にすぎないというようなお話もあったんですけれども、再度、前田参考人にお聞きしますが、説明会の中で、森林所有者の方からの反対意見といいますか、そういった意見などはどういったものがあるのか、ちょっとお聞かせください。 〔委員長退席、坂本委員長代理着席〕
○前田参考人 お答えいたします。 一番よくあるのは、残念ながら、今までの我々の手法は、近場ですから、作業道を開設して木を搬出するということで、作業道をつけるわけです。作業道をつけますと、ほとんど生活圏と一体的な山でございますから、上流部で山をいろいますとどうしても水が濁るということで、その問題が出まして、どうしてもおらは反対だという人があるものですから、組合としては、せっかく得られた木を手入れをするためには、若干、道をつけますから何日かは水が濁りますよ、その水が濁るのを承認されるか、あるいは濁るのが嫌で山の手入れをしない、どちらですかと。だから、組合がどうこうじゃなしに、集落で決めてくださいということで投げかけるような整理をしています。 その辺、ですから、冒頭も言いましたけれども、どうしても、全体の中ではわずかな、少ない方の反対でも、道ができないから全体の整備ができないという問題点を現在は抱えておるということでございますので、この管理法案には期待をしております。 以上です。
○森(夏)委員 ありがとうございます。 前田参考人に、申しわけないんですが、もう一問だけお聞きします。 オーストリアの林業が大変成功しているとお話をお聞きしました。もう少し詳しく、コスト面も日本の三分の一から四分の一であったり、生産額も十倍以上あるようなお話をお聞きしましたので、成功例を少しお話しください。
○前田参考人 お答えいたします。 私のところは、昨年、国の助成も得ながら六千万のタワーヤーダーの機械を入れております。本当にこれが生かせるのは、皆伐でもできる時期になったときには生きるだろうということで、今はその技術を蓄えておる最中でございますけれども、やはりそういう格好で機械を入れますと、オーストリアの指導員がかなり来られます。うちの職員もオーストリアに派遣しています。 いろいろな面でいろいろな情報が交換ができます。ですから、私がよく質問しますのは、聞きますと、オーストリアでは山の木を切って出せば当然収入にもなるし所有者にもお金が払える、日本では木を切る費用と入ってくるお金が逆ですよ、補助金で何とかもっておる、こういう状態ですけれども、どう思われますかと。こういうようなことで、いろいろな意味でオーストリアの方と意見交換できます。 それから、特にオーストリアでは安全性に対する仕組み、これが全然違いますので、我々としては、いろいろな面で、オーストリアが全て進んでいるということではございませんし、地形が全然違いますので一概には言えませんけれども、いい部分を取り入れて運営したいというようなことで取り組んでおるところでございます。 以上です。
○森(夏)委員 ありがとうございます。 全国の皆さんにも参考にしていただきたいなと思っております。 続きまして、青木参考人にお尋ねをいたします。 この百年の森林事業も大変すばらしいものだと思います。また、御苦労されたことなどお話しいただければと思います。
○青木参考人 百年の森林構想で、従前、正確に言いますと八年ぐらい取り組んでいるわけでありますけれども、やはり集約化ですね。 小規模な所有者さんの御理解を得るということで、当方の百年の森林構想では、集約化をして、施業のいわゆるコストダウンをかけるということと、それから、流通、販売のところも、市場を通しませんので一手に、コストが下がっていく。したがって、その分、所有者さんには返ってくる量が市場を通すよりは多くなるというような仕組みになっています。 それでもやはり、所有者さんから十年お預かりするという、所有者さんそれぞれに、一定ではありません、さまざまな思いがありますし、例えば、いわゆる相続をされて、自分は全然もう関心はないんだというような方や、従前ずっと手入れをしてきて、幾ら森林組合とはいえ、わしのやり方以外のやり方で山を整備するなんということは許せぬというような方も実はいらっしゃいます。そういったことで、集約化をするというのが非常に難しゅうございます。そこのところが非常に、一番大きな悩みかなということ。 それから、不在地主の問題、いろいろとありますから、そこでストップしますと全体に影響します。そういったことでの苦労は多少、今回の法律で幾らか前に行くのかなというふうに思っています。 〔坂本委員長代理退席、委員長着席〕
○森(夏)委員 ありがとうございました。 続きまして、尾崎参考人にお話を伺いたいと思います。 今回新設される森林環境税は年額千円ということですけれども、高知県では平成十五年からもう既に五百円の森林環境税を県民の皆様から徴収しているということですけれども、この金額について、県民の皆様から反対の声であったり、さらに千円というのは、そういったようなお声はありませんでしょうか。
○尾崎参考人 まず、県の森林環境税については、五百円というのは、ワンコインでということで御理解を得て取組を進めてきたということになります。 今後、新たに千円をということについては、先ほども御答弁したことでありますが、いかに使途が違うのかということを明確にしていくということとともに、これのもたらす公益的機能というのをしっかり御説明していく中において御理解を得ていくということが大事ではないのかな、そういうふうに思っています。 いかに、この県の中においても、その所有者が不明であったりなどということでもって実際に整備がされていない森林があるのかということ、こういうことなどの御理解も得られるようにしていきながら取り組んでいくということが大事か、そういうふうに考えているところです。
○森(夏)委員 ありがとうございます。 高知県の森林環境税によって、森林環境教育にも使われているとお聞きしております。少し、小中学校で行われている森林環境学習の内容についてお聞かせいただきたいと思います。 ことしで十五年目になるということで、十五年近く取り組んでおられるということで、その森林環境教育を受けた子供たちの中にはもう既に成人されている方がいると思うんですけれども、林業に興味を持つようになったり、林業に携わるようになった若者はいらっしゃるのでしょうか。お聞かせください。
○尾崎参考人 私は、高知に来られた都会の子供たちに、一回、間伐をする、これは森を守ることだろうかと質問をしたことがあります。木を守るために木を切るということ、これはよくないことなんじゃないのと思っておられる都会のお子さんが実際たくさんおいでになりました。しかし、人工林は手入れをしなければ守ることはできない、そういうことです。例えばこの森林学習、教育などを通じてこういうことなども教えていく。 やはり、人が森にかかわることによって森が守られ、そしてさらに川、海と循環、これをもたらしていっているのだ、海が、川が痩せるか肥えるか、これも森次第。例えばそういうことなんかも教育していっています。随分そういうことに対する理解は進んできているのではないかな、そういうふうに考えているところです。 今、さらに、林業をなりわいとして生涯続けていこうとする、そういう若者を育てたいということで、林業大学校というのを開設もさせていただいたところでありますが、随分、特に林業を学校時代から志す若者がふえてきているということでありまして、私どもとしては、そういう意味で、いい傾向になってきているのではないかな、そういうふうに思っておりますし、先ほど来申し上げております森林環境税についての県民世論調査でも一定の支持をいただいているということ、こういうことなんかも、やはり学習の成果ということも一つあるのではないかな、そのように考えております。
○森(夏)委員 ありがとうございました。 最後に、泉参考人にお伺いいたします。 泉参考人のお話の中では、今回の本法案には極めて強い危惧を持たれているというお話をお伺いしました。 私は、防災の面からも、先ほど皆さんからもお話ありましたけれども、森林の整備という面ではこの森林環境税、適切に使われれば、大切なものだと思っております。防災の面から御所見をお伺いできればと思います。
○泉参考人 私、実は、林学で飯を食べさせていただいたんですけれども、防災、今回の法律の中にも出てまいりますけれども、災害防止ということと森林をどう扱うかということの因果関係ということは、特に大きく日本一般で語ったりとか、そういったところではいろいろなことを語れるんですけれども、では、具体的にあの場所で、ここはどういうふうに森林施業をしたら本当に防災になるのかどうか、これは恐らく科学的解明はまだです。 ですから、とにかくもっともっと、今非常に災害が多くなっておりますけれども、その前提となる自然科学的な徹底した調査とその法則化ということを非常に細かい段階までおろして、総論ではなくて、この研究が極めて重要ではないか。そのときに森林が果たせる役割ということについては、私は、かなり限界があるというように考えております。
○森(夏)委員 時間が参りましたので、以上で終わります。ありがとうございました。
○伊東委員長 次に、田村貴昭君。
○田村(貴)委員 日本共産党の田村貴昭です。 四人の参考人の皆さん、きょうはどうもありがとうございます。 泉参考人に何点かお尋ねしたいと思います。 農水省の説明によれば、山林所有者の八四%が経営意識が低いとしています。私は、昨日の委員会で、その数字は恣意的につくられたものであるというふうにただしたところであります。 しかしながら、山元立木価格が低下の一途の中で、山林所有者にとっては経営展望がなかなか持てないというのも事実であります。そうならしめた要因を先生はいかが捉えておられるでしょうか。
○泉参考人 今の御質問に答える前に、私は七十を過ぎましたけれども、森林と我々のかかわり方ということはどれが理想的なのかということを近年考え始めています。 それで、結論を申し上げますと、どうもピラミッド形組織が森林経営なり管理なりということはできない。一番典型的な事例は国有林、これも経営破綻している。それから、ピラミッド形組織ではどうして森林にかかわるときに無理なのかというような形は、やはり、森林が余りに個別分散なんです。そこに本当に原理的に適しているのは、これはやはり、私が先ほど申し上げました農家林業。個別の人が、日本の場合には、江戸時代以来、なでなでしながらその森林を育て管理する。なでなでしながら、それで、申しわけないと言いながらそれを切っていく、間伐する。それは、だけれども、その後でやっていけるという。 それで、そういうことがあるべし、今後もむしろ日本の森林政策は、そういう担い手をつくっていくしかない。一人の人の中に全て、技術もあれば経営もできるし、歴史もわかるしというような人たちをつくっていって、そういう人たちが担い手として育てていくということが最も日本の森林をよくしていくことであるというように私は今考えております。 そういうような中で、八四%の方が意欲を失っている、恐らく、これは議員の方から昨日質問されたように、これには実はいろいろ問題がある。ただし、現実に、八四か九〇か七〇かわかりませんけれども、意欲を失っているのは事実です。 これは私どう考えるのかというと、これはこういう形に持ってきた政策の失敗である。その根拠に、政策は林野庁が悪いわけじゃない、林野庁は森林・林業基本法と森林法という法律を執行するということだ。それで、森林・林業基本法とか森林法ということの枠組みでやればこういうことになってしまうという、政策選択の結果。ですから、私が申し上げますように、本来の日本の森林を守り育てるあり方、人と森林とのかかわり、先ほど申し上げたようなことであって、それをしっかりと支えるような法制が必要である、それは地域政策である、産業政策では無理だというのが私の、その点で。 ですから、八四%というのは日本の六十年間の、本当に林野庁さん、頑張ってこられた、ただし、結局こうなっちゃっているということを今回冷静に見詰める必要がある、戦後林政を一度本当に総括する必要があるということでございます。
○田村(貴)委員 もう一つお尋ねします。 今度は、素材生産業者についてであります。 極めて手厚い措置がされている一方、それほど甘い状況ではないと先生はおっしゃいました。そして、造林、保育費用を残すために、必然的に荒い施業となる可能性があるとおっしゃいました。その荒い施業、具体的にはどうした懸念が想定されるでしょうか。
○泉参考人 今回の森林経営管理法案のバックとなる、今後の日本の森林をどう持っていくのかという考え方の中に、林野庁さんは長伐期多間伐施業でも構いませんよというような形で、各地で説明されると思いますけれども、これはもう明確に、五十年前後で皆伐するということが、一本きちっと筋が通っております。この施業でしか素材生産業者は食いつけません。だから、従来型の間伐でと、もし間伐でやる場合は、やはり非常に過度の、荒い間伐にならざるを得ないというようなことで、今非常に私が恐れておりますのは、やはり、産業でもうかる、成長産業化と言う限り、結果的に、加工業者であり流通業者はもうかるかもしれませんけれども、そこのしわ寄せが全て山側に行く。しかも、山からかなり大量の木材が出てくる仕組みを今回つくるわけですから、そうすると、木材価格は更に安くなります。 要するに、今価格が安過ぎるから輸出ができるようになった、輸出ができるということを果たして喜んでいいのかというような形のところで、むしろ、そういう形でのやり方の結局行き着くところはそこまでひどくなってしまうというようなことで、私は、素材生産業者の方々も気の毒ですし、それから、そういったところではなかなか業者さんも、五年間だけ管理経営義務を負わされたらこれは喜んでやられると思いますけれども、十五年までになってしまう。しかも、非常に危惧するわけですから、結局、山主は立木をとられただけの結果に終わってしまうということを危惧しておる。 繰り返しになりました、どうも。
○田村(貴)委員 それでは、自治体のところの問題点で、尾崎参考人とそれから青木参考人の方にお尋ねしたいと思います。 市町村が森林経営管理事業を行うに当たって、森林行政に精通した職員がいないところは大変ではないかという話をあちこちで聞いてまいりました。知事の御説明の中にもあったというふうに思います。 経営管理が適切に行われているかどうかの判断は市町村に委ねられます。そうすると、今その基準は、法案の現時点では出されていませんので、この先どうなっていくのだろうか、市町村によってはばらつきが出てくるのだろうかというような心配は、私は持っております。 これから、森林経営管理に当たって、市町村の業務に照らして想定される課題、あるいは御懸念がありましたら、知事と村長、お答えいただきたいというふうに思います。
○尾崎参考人 確かに、小規模自治体ですと、本当に専任職員がいない、そういう場合があるわけでありまして、これは、林政アドバイザーを雇っていくという取組、さらには、市町村の代替執行ということでしっかり補っていこうという制度になろうとしているということかと思いますが、市町村の取組に加えて、県の役割というのは極めて大きいものがあるだろう、そういうふうに思っています。 そういうことで、森林環境税の導入の議論の中でも、私ども都道府県、全国知事会といたしましても、さまざまに議論していく中で、県がバックアップしていかないといけないのだから、やはり都道府県に対しても一定財源をという議論も展開をさせていただいてまいりました。 今そういう方向に議論が展開をされていることは歓迎させていただきたいと思いますが、実際執行するに当たって、しっかりと都道府県が役割を果たさなければなりませんし、また御指摘のように、市町村によってむらができるようなことのないように、県としてトータルでのマネジメントといいますか総合調整ということを意識するということは極めて大事なことだろう、そのように思います。
○青木参考人 市町村として、要するに、山林林野に対する考え方、そういったものは非常に大きく影響するというふうに思います。先ほども県知事のお話にもありましたけれども、市町村でそういう専門の人員がいないという場合は、やはり県とか国に御支援を願うというようなことだというふうに理解をしております。 もう一方、私ちょっと懸念があるのは、先ほどのどなたかの答弁にも言いましたけれども、実施権というものを、やはり市町村、トータルで青写真を描ける、そういったところにも実施権を残さないと、個別の業者さんに実施権を全部与えてしまって、その計画で実施するということになると、非常に虫食い状態が起こる懸念があります。そういうところを非常に懸念しております、ちょっと違う話になりましたけれども。
○田村(貴)委員 ありがとうございます。 それでは、前田参考人にお尋ねします。 主伐期の時期のことについてであります。 十一齢級以上の木は押しなべて主伐期にあるというふうに、これは断定していいものなのでしょうか。お考えをお聞かせいただきたいと思います。
○前田参考人 お答えします。 これは多分、先ほども私言いました、全国各地区の林業の形態は違うわけでございまして、私どもの考え方が正しいかどうかわかりませんけれども、たまたま私の組合では、現在、鹿が本当に非常に多くおりまして、とても主伐をして木を植えるという状態には、ネットをすれば植えられますけれども、かなりの費用がかかるというようなことで、私どもの組合は、現状においては長伐期で向かおうということで、長伐期でいきますと、先ほど言いましたオーストリア林業でいけば、径が太れば非常に生産性が高まるんです。ですから、収入期は減りますけれども、要は所有者の方に返す金もふえるというようなこともございますので、私どものところは、主伐というのはモデル的に行う程度でございます。 以上でございます。
○田村(貴)委員 それでは、泉参考人にお尋ねします。 私、九州の選出であります。おととしの熊本地震、去年の九州北部水害、そしてたくさんの台風、そしてまた、きのうは大分県耶馬溪で突然の山崩れと、いろいろな災害が起こっているわけであります。そういったときに、山腹崩壊とか、おびただしい流木等々の被害を目の当たりにしてきたところであります。 気候変動でこれらの災害被害はこれからも予想されるわけでありますけれども、伐採と植林を始めとする森林政策において、何が足りないで、何が重要であるというふうにお考えでしょうか。
○泉参考人 この点については、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、やはり余りに科学的知見が弱過ぎる。線状降雨帯であったり、新しい現象というものがこの温暖化に伴って起きてきておりますけれども、各省庁それぞれ研究部門を持っているわけですけれども、なかなかそのあたりのところがしっかりといっていない。 私は、とにかく森林に関してはもっともっと研究費を投入していただきたい。そういうことにおいて、やっとそのあたりのところの解答が出てくるのではないか。 ですから、現状では、森林をこう扱ったから災害が防止できます、そういうことは全く言えないというふうに私は思っておるところでございます。
○田村(貴)委員 ありがとうございました。 最後に、森林作業の担い手、森林労働者の育成についてお伺いします。 なかなか大変な課題であると思いますけれども、次世代につながる山の働き手を育てていくには何が一番大事だというふうに、御説明の中にもありましたけれども、また御教示いただければというふうに思います。 時間の関係で、お一人ずつお尋ねして、時間が来たら終わりたいというふうに思いますけれども、前田参考人、いかがでしょうか。
○伊東委員長 前田参考人、簡潔に御答弁をお願いします。
○前田参考人 はい。 私、森林作業員の確保につきましては、森林組合を魅力ある職場にすることに尽きるというふうに思っております。
○尾崎参考人 林業が産業として成り立つ、暮らせるということだと思います。 実際、魅力が増してきておる、そういう中で、高知県でも小規模林業促進協議会というのをつくっておりますが、現在、四百六十八名の会員の皆さんが参加をされるようになりました。事業体のみならず、そういう小規模でも取り組もうという方もふえてきている。私は、いい傾向ではないか、そう思っています。
○青木参考人 もう間違いなく、山を動かすということにほかならないというふうに思います。 私の村では、基本的に、この十年で、山関係で住民が約百五十名、つまり一割弱、外来の皆さんが入ってこられて、十年前ですと山関係の売上げもゼロだったものが、昨今では毎年十億円というようなことで、山を動かすことによってそういった関連の産業まで動き出すということでありますから、非常に、山を動かすということが一番大事であるというふうに考えております。
○泉参考人 林業の若手育成ということでは、緑の雇用制度というもの、これは、私、先ほど申し上げました、やはりピラミッド形である。それに対して、市町村で地域おこし協力隊で自伐型林業者を養成しようという動きがあります。これは幾つか実例がございますけれども、私はこの動きを非常に注目しております。 以上でございます。
○田村(貴)委員 大変勉強になりました。 時間が来ましたので終わります。ありがとうございました。
○伊東委員長 これにて参考人に対する質疑は終了いたしました。 この際、参考人各位に一言御挨拶を申し上げます。 本日は、貴重な経験を踏まえた御意見をお述べいただき、まことにありがとうございました。委員会を代表して厚く御礼を申し上げる次第でございます。ありがとうございました。 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午前十一時四十九分散会