農林水産委員会 第1号
- 発言数
- 7 件
- 登壇者
- 3 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 2018/03/06
会議録
○伊東委員長 これより会議を開きます。 国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。 農林水産関係の基本施策に関する事項 食料の安定供給に関する事項 農林水産業の発展に関する事項 農林漁業者の福祉に関する事項 農山漁村の振興に関する事項 以上の各事項について、実情を調査し、その対策を樹立するため、本会期中調査をいたしたいと存じます。 つきましては、衆議院規則第九十四条により、議長の承認を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○伊東委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ————◇—————
○伊東委員長 農林水産関係の基本施策に関する件について調査を進めます。 この際、農林水産大臣から所信を聴取いたします。農林水産大臣齋藤健君。
○齋藤国務大臣 農林水産委員会の開催に当たりまして、農林水産行政に関する基本的な考え方について申し述べます。 我が国の農林水産業に活力を取り戻し、いかにして魅力ある成長産業にしていくか。そのことが美しく活力ある農山漁村の実現につながっていくとの確信のもと、安倍内閣においては、これまでの五年間、意欲ある農林漁業者の創意工夫を生かし、所得の向上を実現するための改革に全力で取り組んでまいりました。 その結果、平成二十八年の農業総産出額は過去十七年で最高の九・二兆円、生産農業所得も過去十八年で最高の三・八兆円に達しました。 農林水産物、食品の輸出も堅調です。昨年の輸出額は八千億円を超え、五年連続で過去最高を更新しました。米は約二割、牛肉は約四割、イチゴは約六割増加するなど、実績を大きく伸ばしています。 これからの農業を担う四十代以下の新規就農者は、統計開始以来、初めて三年連続で二万人を超えました。停滞していた担い手への農地集積率も、農地中間管理機構の発足以降、上昇基調に転じ、五四%に達しています。 積極的な経営展開を行う農業者もふえており、担い手が利用する経営改善向け制度資金の新規融資は、昨年度、約二割増加しました。 また、全農においても、取り扱う肥料の銘柄を約四百から十七に減らし、価格も最大三割下がるなど、農業者の所得向上を目指した取組が進められています。 しかしながら、我が国においては、昨年一年間だけで、前年より七万人以上多い、実に四十万三千人もの人口が減少しました。そして、今後もそのペースは加速することが見込まれます。この人口減少のスピードを考えれば、成長産業化の取組のために残された時間は多くはありません。これまでの歩みを緩めることなく前進し、農林漁業者のさらなる所得向上を実現すべく、今後とも、緊張感を持って、農林水産業全体にわたる改革を強力に展開していかなければなりません。 以下、具体的な施策を申し述べます。 まず、農業についてです。 最重要課題の一つである担い手への農地の集積、集約化を一層加速していきます。農地中間管理機構の取組を検証しつつ、農業委員会の活動や基盤整備との連携強化、所有者不明農地について、管理費用を負担している相続人が簡易な手続で農地中間管理機構にリースできる仕組みの創設等の措置を講じてまいります。 また、効率的な農業経営を行おうとする担い手のニーズに応え、底地を全面コンクリート張りした農業用ハウス等について、農地転用許可を不要とする仕組みを導入いたします。 さらに、強い農業に必要な基盤整備を引き続き推進するとともに、土地改良施設の適切な維持管理を図るため、土地改良区の組合員資格の見直し等を進めてまいります。 加えて、農業法人での実践的研修や農業経営塾での経営ノウハウの習得等を通じて、今後も女性や若者を始めとして次世代の担い手を育成します。 農業者のさらなる所得向上には、一円でも安く生産資材を調達し、一円でも高く農産物を販売できる環境を更に整備していかなくてはなりません。引き続き、生産資材業界や農産物流通加工業界の再編、参入を促進いたします。また、農薬の規制について最新の科学的根拠に基づく見直しを行います。 さらに、食品流通の多様化が進む中、時代の変化に即した流通構造の確立に向け、情報通信技術の導入や物流の効率化等により、卸売市場を含む食品流通全体の合理化を進めます。これにより、生産者、消費者双方のメリット向上を実現します。 ことしから、米政策が変わります。 行政による生産数量目標の配分は廃止しました。輸出を含め、さまざまな需要に応じた生産、販売を推進するため、引き続き、全国ベースの需給見通し等の情報提供や、麦、大豆、飼料用米等の戦略作物への支援を実施いたします。 平成二十六年六月に始まった五年間の農協改革集中期間は、既に三年半が経過しました。農林水産省としても、JAグループの具体的な取組とその成果を継続的にフォローアップし、農業者の所得向上に全力投球できる農協の実現に向け、協力してまいります。 諸外国への輸出は、我が国農林水産物、食品の生産拡大につながる有効な手段です。平成三十一年の一兆円目標達成に向け、HACCPやハラールなど輸出先のニーズに対応できる施設の整備、JFOODOによる米粉、和牛、緑茶等の重点品目の戦略的プロモーション等により、成長が続く世界の食市場に挑戦する皆様を応援いたします。 農山漁村の活性化も重要な課題です。地域資源を活用した創意工夫に富む活動が活発で、都市部や海外からも多くの人が訪れ、地域住民に雇用の場も確保される。そのような活力ある農山漁村をつくらなければなりません。そのために、特色ある農林水産物の生産、加工、販売等を一体的に行う六次産業化の展開、都市農村交流や農泊の取組の促進など、中山間地域を始めとした農山漁村の個性を生かした取組を推進します。 野生鳥獣による農作物被害は、これまでの捕獲強化等により、その額がピーク時から約三割減少したものの、営農意欲にかかわる深刻な課題です。今後とも、鳥獣害対策を一層推進するとともに、安全で良質なジビエの利活用を進めます。 AI、ICT、ドローン等、発展著しい先端技術を活用すれば、農林水産業の生産性を飛躍的に高めることができると考えます。 中長期的視点で基礎的、先導的な技術開発に取り組むとともに、現場への実装を強力に推進するため、明確な開発目標のもとにおける技術開発と研究成果に直接アクセスできる環境の整備を促進いたします。 食の安全と消費者の信頼確保のため、引き続き科学的根拠に基づく食品の安全性確保と正確な情報伝達による消費者の信頼確保に取り組むとともに、動植物の防疫措置等に万全を期してまいります。 昨年、TPP11協定の大筋合意と、日・EU・EPA協定の妥結という大きな節目に至りました。 農林水産分野では、重要五品目を中心に関税撤廃の例外等必要な国境措置を確保しました。それでもなお残る農林漁業者の方々の不安や懸念にしっかりと向き合い、合意内容について、丁寧に説明を尽くすとともに、昨年十一月に改定された総合的なTPP等関連政策大綱に基づき、これまでの実績の検証等を踏まえた所要の見直しを行いながら、国内対策を着実に講じてまいります。 平成二十九年度補正予算において、これまでのTPP対策に加え、国産のチーズや構造用集成材等の競争力を高める体質強化対策を講ずるとともに、協定発効に合わせ、経営安定対策を実施してまいります。 我が国には、先人が私たちに残してくれた森林と、暖流と寒流が織りなす世界有数の広大な漁場が存在します。これらの豊かな資源を適切に管理しつつ、林業、水産業の成長産業化を図る。これまでの農政改革に加え、林業、水産業の改革にも本腰を入れて取り組まなければなりません。 このため、昨年十二月、農林水産業・地域の活力創造プランを改定し、抜本的な林業改革の内容を固めるとともに、水産業改革の方向性を明確化しました。 林業については、市町村を介して、森林所有者の経営管理権を意欲と能力のある林業経営者に集積、集約化するとともに、いわゆる仮称森林環境譲与税、森林環境税も活用し、経済ベースに乗らない森林等について市町村が公的管理を行う新たな森林管理システムを構築します。また、新システムを構築する地域を中心に、路網整備の重点化、川上と川下の連携強化による木材流通コストの削減、木材需要の拡大等を進めてまいります。 水産業については、国際的に見て遜色のない科学的、効果的な水産資源の評価、管理方法を確立し、水産資源を維持回復させる。その上で、漁業に関する制度を、漁業の生産性の向上を促進し、有効活用されていない水域について、新規参入が行いやすい仕組みにしていくことが重要です。今後、活力創造プランに盛り込んだ「水産政策の改革の方向性」に沿って検討を深め、本年夏を目途に具体的な改革案を取りまとめます。 東日本大震災から、ことしで七年目になります。約九割の農地や全ての漁港の陸揚げ機能が復旧し、震災直後に五十四の国や地域で設けられた農林水産物の輸入規制も、約半数が撤廃されました。本年も、農林水産業の再開支援や風評対策等、東北の未来を見据えた復興に全力で取り組みます。 また、たび重なる豪雨、台風災害や熊本地震で被災した農地や森林、農林水産関連施設の復旧についても、継続して支援してまいります。 以上、私の基本的な考え方を申し上げました。 引き続き、農林水産業の成長産業化と農林漁業者の所得向上を実現する、そのことを通じて、活力ある地域社会の維持、食料安全保障の確保、そして食料自給率の向上に向け、全力で取り組む所存であります。 伊東委員長を始め委員各位に、重ねて御指導、御鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。
○伊東委員長 次に、平成三十年度農林水産関係予算の概要について説明を聴取いたします。農林水産副大臣礒崎陽輔君。
○礒崎副大臣 平成三十年度農林水産予算の概要を御説明申し上げます。 平成三十年度農林水産予算の総額は、関係府省計上分を含めて、二兆三千二十一億円、その内訳は、公共事業費が六千八百六十億円、非公共事業費が一兆六千百六十一億円となっています。農林水産予算の編成に当たっては、農林水産業の成長産業化と美しく活力ある農山漁村を実現するため、農林水産業・地域の活力創造プランに基づく農政改革等を着実に実行するのに必要な予算を重点的に措置したところであります。 以下、予算の重点事項について御説明申し上げます。 第一は、担い手への農地集積、集約化等による構造改革の推進であります。 農地中間管理機構による担い手への農地集積、集約化を基盤整備との連携等を通じて更に加速化するとともに、農地利用の最適化に向けた農業委員会の積極的な活動を支援してまいります。また、次世代を担う人材など多様な担い手の育成、確保に向けた支援を実施してまいります。 第二は、水田フル活用と経営所得安定対策の着実な実施であります。 米政策改革の着実な実行に向けて、飼料用米、麦、大豆等の戦略作物の本作化等による水田のフル活用を進めていくとともに、安定的な農業経営ができるよう、経営所得安定対策を講じてまいります。また、収入保険制度について、制度の実施に必要な加入者の負担軽減のための措置等を講じてまいります。 第三は、強い農林水産業のための基盤づくりであります。 農地の大区画化、汎用化や、老朽化した農業水利施設や漁港施設の長寿命化、耐震化対策、山地災害対策等を進めるとともに、強い農林水産業づくりに必要な施設の整備を支援してまいります。また、畜産、酪農の経営安定対策や品目ごとの特性に応じた生産振興対策、農林水産分野におけるイノベーションの推進に向けた取組を支援してまいります。 第四は、農林水産業の輸出力強化と農林水産物、食品の高付加価値化であります。 海外における日本産農林水産物、食品の販売促進を推進し、農林水産業の輸出力を一層強化するため、JFOODOによる輸出先国への戦略的なプロモーション活動や、事業者がみずから取り組む輸出環境の整備等を支援するとともに、輸出促進に資する動植物検疫等の環境整備を進めてまいります。また、食育の推進や食品ロスの削減、六次産業化支援対策を講じてまいります。 第五は、食の安全、消費者の信頼確保であります。 国産農畜水産物の安全性の向上や、農作物の病害虫や家畜の伝染病の発生予防等の取組、畜産、水産、農業分野における薬剤耐性対策を進めてまいります。 第六は、農山漁村の活性化であります。 中山間地の特色を生かした多様な取組を後押しするため、地域コミュニティーによる農地等の地域資源の維持や継承や、多様で豊かな農業と美しく活力ある農山村の実現に向けて総合的に支援してまいります。また、増大するインバウンド需要を農山漁村に呼び込み、所得向上を図るため、農泊等の取組を推進してまいります。このほか、多面的機能支払交付金など日本型直接支払いを着実に実施するとともに、鳥獣被害対策とジビエ利活用の推進に向けた取組を講じてまいります。 第七は、林業の成長産業化と森林資源の適切な管理であります。 林業の成長産業化に向けて、意欲と能力のある林業経営体に森林の経営、管理を集積、集約化する新たな森林管理システムを構築することが見込まれる地域を中心として、路網整備や機械導入を集中的に支援するほか、川下との連携強化等を総合的に支援してまいります。また、森林資源の適切な管理に向けた森林整備を推進するとともに、多様な担い手の育成、確保や森林の多面的機能の発揮対策を進めてまいります。 第八は、漁業の成長産業化と資源管理の高度化であります。 資源調査の充実による資源管理の高度化を図りつつ、計画的に資源管理等に取り組む漁業者に対する漁業経営安定対策を講ずるとともに、高性能漁船の導入等による収益性の向上や浜と企業の連携の円滑化等による漁業の成長産業化を進めてまいります。また、増養殖対策や漁場環境保全対策を講ずるとともに、外国漁船対策や捕鯨対策にも引き続き取り組んでまいります。このほか、漁港施設の有効活用等につながる漁港機能の増進を図ってまいります。 次に、特別会計については、食料安定供給特別会計等に所要の予算を計上しています。 最後に、財政投融資計画については、株式会社日本政策金融公庫による財政融資資金の借入れなど、総額四千九百八億円となっています。 以上で、平成三十年度農林水産予算の概要の説明を終わります。
○伊東委員長 以上で説明は終わりました。 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時二十七分散会