消費者問題に関する特別委員会 第6号
- 発言数
- 208 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 2018/05/17
会議録
○櫻田委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、消費者契約法の一部を改正する法律案を議題といたします。 この際、お諮りいたします。 本案審査のため、本日、政府参考人として消費者庁次長川口康裕君及び消費者庁政策立案総括審議官井内正敏君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○櫻田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○櫻田委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。宮路拓馬君。
○宮路委員 おはようございます。自由民主党の宮路拓馬でございます。 本日は、委員の皆様方、トップバッターとして質問に立たせていただきまして、まことにありがとうございました。 私、地元、鹿児島でありますが、先般、携帯電話の機種変更に、ある携帯会社の店舗に行ってまいりました。その際、どうせ機種変更するなら光ファイバーの方も、そちらの契約の方もこちらにかえたらどうですか、お安くなりますよ、そういうことを言われまして、まあそうかと思いながら、ではお願いしますということで、そちらの方もあわせて契約をいたしました。 ところが、これまでのプロバイダーからかえるに当たって、当初聞いていた説明とどうも違う、必要ないと言われていた工事が実は必要であったり。そういうことで、いろいろとお客様サービスセンターなるものに電話をして、しかし、最近は会社も分社化が進み、あるいは外部委託がどんどん進んでいることもありまして、その問合せ先も何度もたらい回しをされ、結果、インターネット環境を一カ月程度離れることになってしまいました。 特に、業者側に悪意があったわけではありませんし、実際、何とか無事開通した暁には、数年たてば元が取れるということでありましたので、一段落したわけでありますが、事ほどさように、契約というのはなかなか難しいものでありまして、特に、これだけ経済が複雑化しますと、私もかつて総務省に勤めておりましたので、情報通信分野はそれなりに強いというふうに自負しておりましたし、法学部で法律を学んでいたこともありますので、契約というものもある程度わかっていたつもりでありましたが、それでもなかなか苦労することになったわけであります。 そういう社会でありますので、今般、審査対象となっております消費者契約法の一部を改正する法律案、この法律案につきましては、今回の審議を経て、早期の成立を図り、消費者保護の充実を図っていく必要があると思っております。 それでは、質問に移らせていただきます。 まず初めに、本法律案を国会へ提出したその趣旨あるいはそのポイントについて、政府からお考えをお伺いしたいと思います。
○福井国務大臣 おはようございます。 本法律案の趣旨及びポイントというお問合せでございます。 消費者契約におきましては、消費者と事業者との間に交渉力等の格差がありますことから、依然、若年者を始めとした消費者被害が生じているのが実態でございます。また、平成十三年の施行以降、消費者契約についての裁判例や消費生活相談事例が蓄積をしておりまして、その傾向等も踏まえ、適切な措置を講ずる必要がございます。 こうした状況を踏まえまして、消費者の利益の擁護を図るため、事業者の一定の行為により消費者が困惑した場合について契約の申込み又はその承諾の意思表示を取り消すことができる類型を追加する等の措置を講ずることとするため、この法律を提出したものでございます。
○宮路委員 ありがとうございます。 まさに、消費者契約法第一条「目的」の方に、「消費者の利益の擁護を図り、もって国民生活の安定向上と国民経済の健全な発展に寄与する」、そのためにも、やはり交渉力には格差があるわけでありまして、そうしたことを踏まえて消費者保護を図っていくことが、この法律の、本法の目的であろう。そして、それをさらに充実すべく今回の改正案が提出されているということであろうと思います。 ただ一方で、我が国は自由主義経済でもあります。その前提となるのは契約の円滑化、あるいは契約の安定の確保というのもまた一方で重要な要請であるというふうに考えております。 そのためには、今回のと申しますか、この消費者契約法の保護対象となる適用対象の明確化なども、これは一方で求められることでありまして、本法律案、消費者保護の充実を図るということでありますが、その中でも、真っ当な事業活動を営む健全な事業者の活動、これを萎縮させてはならないというふうに考えております。 この点についての考え方についてお伺いをいたします。
○井内政府参考人 お答え申し上げます。 新たに取消しの対象となる不当な勧誘行為及び新たに無効とされる不当な契約条項は、消費者委員会の専門調査会において、消費者、事業者双方の立場から、実際の被害事例をもとに議論がなされ、策定されたものでございます。 これらの不当な勧誘行為及び不当な契約条項を取消し又は無効とする規定を設けましても、健全な事業者の活動を萎縮させることはないというふうに考えております。 また、社会生活上の経験が乏しいという要件を、若年者や高齢者等の消費者被害を適切に捉え、経験の有無というできる限り客観的な要素から判断できる要件として設けたことや、類型的に不当性が高い勧誘行為を捉えるために、関係が破綻する旨を告げるなどの要件を設けたことなど、要件の明確化を図っていることからも、健全な事業者の活動を萎縮させるというようなことはないと考えております。
○宮路委員 ただいま御答弁いただきましたとおり、法律の改正条文を見ても、大分その要件については具体化、明確化が図られているように見受けられるところであります。 ただ、これまでの本会議での質疑あるいは先日の参考人質疑でも大変議論になりましたとおり、今回の改正法案の第四条第三項の三号、四号の、いわゆるつけ込み型の不当勧誘行為の取消しに係る条項の中に、社会生活上の経験が乏しいという要件が今回加わっております。 これは、今ほども御答弁ありましたとおり、適用対象の明確化を図る、つまり、事業者の活動を萎縮させないためというふうにも御答弁いただいたところでありますが、しかし、この点については、これまでも議論がありましたとおり、専門調査会で議論の対象になっていなかった。つまり、不意打ち的に今回政府案において出てきたのではないかということが議論になってまいりました。 改めて、この点について、この社会生活上の経験が乏しいという要件、不意打ちではないのかということについてお伺いをしたいと思います。
○井内政府参考人 お答え申し上げます。 民法の成年年齢引下げの検討が進む中、若年者を中心に発生する消費者被害の救済策の充実が重要な課題となりまして、内閣府の専門調査会におきましても、消費者委員会の成年年齢引下げ対応検討ワーキング・グループ報告書、平成二十九年一月に出たものでございますけれども、これを踏まえた検討が行われて、若年者の被害救済は主要な検討課題だったというふうに認識しております。 また、専門調査会では、経験の不足など、合理的な判断をすることができないような事情につけ込む被害事例についても検討されたということでございまして、こうした専門調査会での検討等を踏まえまして、若年者の消費者被害を確実に捉えるための要件として立案したものでございます。
○宮路委員 検討の過程において、特に若年者の保護ということが議論された、その結果、その要件として「社会生活上の経験が乏しい」ということを文言として入れたということでありました。 私、今回質問に立たせていただくに当たり、地元の鹿児島市の消費生活センターの方に現場の実態をお伺いに行ったところでございます。それこそ不意打ちで伺ったものですから、大変いろいろと御迷惑をおかけしたかもしれませんが、確かに若年者の消費者被害というのは重要な問題だと。 ただ一方で、やはり、これまでの審議の過程でも各委員の先生方からもありましたとおり、高齢化社会、これがますます進むわけで、それに対応した消費者保護というのもまた重要であるということ、これは地元の消費生活センターの職員の方もおっしゃっておりましたし、そしてまた、特に障害者の方々、それぞれいろいろな障害がありますが、やはり自分になかなか自信が持てなかったり、あるいは、ある意味だまされやすい、あるいは人を信じやすいという方が多くいらっしゃるということも私はお伺いをいたしました。 そういう意味からは、やはり、今回せっかくこのような消費者保護の充実を図るわけですので、高齢者、消費者をその被害から守るため、今回審議される消費者契約改正法案を含め、消費者庁としてその点にどのように取り組んでいくか、これは非常に重要な観点だろうと思います。この点について御見解をお伺いをいたします。
○福井国務大臣 ありがとうございます。 高齢者や障害者など、消費生活上特に配慮を要する消費者の被害を防ぐことは、今先生御指摘のように、極めて重要な課題であると認識をしてございます。 そのため、消費者庁では、前回の消費者契約法一部改正におきまして、過量な内容の消費者契約を取り消し得るものといたしましたけれども、制度整備のみならず、実際の見守り活動を行うために地方公共団体及び地域の関係者によりまして組織される消費者安全確保地域協議会の構築支援や、国民生活センターにおける見守り新鮮情報の提供など、見守りを行う方にも活用しやすい注意喚起を実施しているところでございます。 また、今後の政策推進のために、昨年度に、障がい者の消費行動と消費者トラブルに関する調査を実施をいたしましたところでございます。 引き続き、高齢者、障害者などが消費者被害に遭うことのないよう、さまざまな取組を進めてまいりたいと存じております。
○宮路委員 消費者庁におきましても、さまざまな高齢者あるいは障害者の消費者被害の防止に向けた取組を行っているということでありましたけれども、やはり私は、これまでの審議でもありましたとおり、今回、このつけ込み型の取消し条項を規定する中で、それが若年者に特化したものであるというのは、これはある意味もったいないと思いますし、やはり消費者被害の実態を捉えてはいないのではないかというふうに思っておりますので、ぜひ、この審議を通じて、この社会生活上の経験が乏しいという要件について再考いただければというふうに思っております。 続きまして、今回、改正案につきましては、消費者委員会の答申を受けて、あるいはまた先般の改正の際につけられた附帯決議、これに基づいて行っているということでございます。 しかし、今回の改正内容、それらの要素について全て対応したというわけではないというふうにも伺っておるところでございます。 いわゆる積み残しの課題について、特に、先般の参考人質疑でも、損害賠償額の平均的な額の推定方法についてはまだ今回手当てされていないということでございましたけれども、これら残された積み残しの課題についての今後の検討のあり方についてお伺いをしたいと思います。
○井内政府参考人 お答え申し上げます。 昨年八月の消費者委員会答申の付言におきまして早急に検討し明らかにすべき喫緊の課題とされた事項についても、引き続き検討してまいります。 平均的な損害の額の推定規定を設けるに当たり、消費者契約一般に通ずる事業の内容の類似性判断の基礎となる要因を見出すことが困難であったことなどから、更に精査が必要であったため、改正事項とはしなかったものでございます。 こうした検討に際しましては、被害事例や裁判例の分析、標準約款における損害賠償の額を予定する条項の作成過程に関する当該業界へのヒアリング等、あるいは若者が消費者被害に遭う要因、例えば合理的な判断をすることができない理由等につきまして心理的観点などから行う調査分析が必要と考えておりますが、いずれも重要な課題と認識しておりまして、速やかに取り組んでまいりたいと思っております。
○宮路委員 あるいは、先般の参考人質疑で、そのほか、事業者の努力義務の中で、あれはたしか前消費者委員長でありました河上先生だったかと思いますが、年齢について事業者の努力義務として配慮すべきではないかといったことや、あるいはバスケットクローズ、いわゆる取消しのバスケットクローズの規定も検討すべきではないかということもございました。 これらについても、重要な課題でありますし、ただいまの御答弁では、今回、時間が足りず、その分析あるいは検討が十分ではなかったため、改正項目として上がってこなかったということでありますが、逆に言えば、それをしっかり時間をかけて検討を重ねればいい案が出てくるであろうということでございますので、今回の改正を踏まえ、さらに、これは不断の見直し、検討を行って、より消費者保護の充実を図るような改正案ができるように、また検討をお願いしたいと思っております。 先ほど申し上げたとおり、私、地元の消費生活センターで地元の消費者被害の実態などもお伺いしたところでございますが、一方で、職員の皆さん方に、大変御苦労されていると思う、そして、私自身もなかなか消費者契約というのは難しいものであるということを実感したところであるという話をする中で、最近、困り事は何ですか、消費者被害の対応をするに当たってお困り事は何ですかと聞くと、もちろん、巧妙化であるとかあるいは複雑化というのもあるようではありますが、一方で、安易に消費生活センターを頼ってくると。頼ってくること自体は、相談自体はいいんですが、自分のかわりに事業者とやりとりをしてくれ、いわゆるあっせんをしてくれというような依頼がふえてきていると。しかし、このあっせんというのは証拠集めからして非常に時間がかかるものであって、それに大分労力を割かれる結果、消費者教育の充実であるとかあるいは普及啓発、そういったところに支障が生じかねない状況でもあるということをお伺いしたところであると思います。 消費者被害というのは、被害に遭わないことがまず一番大事でございまして、しかし、それでもどうしても遭った方には、消費生活センターの相談員の方々が親身に相談になり、場合によっては、なかなか自分では事業者と交渉できないような場合には、かわってあっせんを行うということが求められるわけでありますが、そこにしっかりリソースを割くためにも、本来発生しなくても済む被害を予防し、あるいは被害が発生したとしてもみずから交渉できるような、そういう消費者を、いわゆる賢い消費者を育てていかなければならないというふうに考えております。 このいわゆる消費者教育の充実について、消費者庁のお考えを最後お伺いしたいと思います。
○川口政府参考人 平成十六年に制定された消費者基本法によりますと、これによりまして、消費者の利益の擁護及び増進に関する施策の基本理念、これにつきましては、従来の消費者の保護から、消費者の自立を支援するということに大きく転換をしているところでございます。 その柱である消費者教育につきましては、平成二十四年に制定された消費者教育の推進に関する法律、あるいはこれに基づき閣議決定されました消費者教育の推進に関する基本的な方針、これを踏まえまして、関係省庁挙げて、消費者の自立を支援するための消費者教育の充実を図ってきております。 消費者の自立というのは、被害に遭わないことに加えまして、合理的意思決定ができるということを意味しておりまして、消費者教育ではこういった消費者の育成を目指しているところでございます。 一方、本日御審議いただいている消費者契約法でございますが、消費者と事業者との情報の質及び量並びに交渉力の格差に着目いたしまして、消費者に自己責任を求めることができない場合、適切でない場合を対象に、契約の全部又は一部の効力を否定することができることとしております。 消費者が必要な場合には、消費者契約法等を活用しつつ、主体的、合理的に行動できる能力を養うため、培うため、本法を始めとする民事ルールの意義、役割、契約に関する的確な知識や契約に当たっての消費者の役割についての理解を深めることは重要でございます。 そのため、学校教育などにおきまして、契約に関する教育が充実するよう積極的に取り組むことが必要でございます。このため、文科省、法務省、金融庁等と一緒に、関係省庁で決定いたしましたアクションプログラムに基づきまして、消費生活を送る上で最低限必要な契約に関する知識を習得することができるよう、実践的な消費者教育の推進に取り組んでまいりたいと思っております。 以上でございます。
○宮路委員 ありがとうございます。 特にこの消費者行政の分野においては、与野党関係なく、やはり消費者の保護、これは我々も含め、あまた国民全般にわたる話でございますので、進めていかなければならない分野であります。これから各会派の委員の方々の質問が続くと思いますが、真摯な議論を通じてよりよい改正法案となることを祈念いたしまして、質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○櫻田委員長 次に、穴見陽一君。
○穴見委員 委員長、ありがとうございます。自民党の穴見陽一でございます。 宮路拓馬議員に続きまして質問させていただきたいと存じます。 先日の参考人質疑等もございまして、今、宮路議員の方からも御指摘がございましたつけ込み型の勧誘の類型についての制限の文言について、さまざまな御意見が出されてございます。私はその解釈について確認をさせていただきたいと思っております。 平成二十九年八月八日提出の消費者委員会答申のなお書きといいますか付言のところの第二項に、つけ込み型勧誘の類型につき、特に、高齢者、若年成人、障害者等の知識、経験、判断力の不足を不当に利用し過大な不利益をもたらす契約が行われた場合における消費者の取消権について、特に早急に検討すべき喫緊の課題であると指摘をされてございます。 ここにある高齢者、若年成人、障害者以外にも、同様に、知識、経験、判断力の不足を不当に利用され過大な不利益をもたらされた消費者を救済するということは本法案において想定されているんでしょうか。お尋ねいたします。
○井内政府参考人 お答え申し上げます。 つけ込み型勧誘による被害事例につきましては、平成二十八年改正により新設されました過量契約の取消権の規定等や、本法律案により追加する不当な勧誘行為の規定によって被害の救済を図ることができる場合もございます。 しかしながら、よりしっかり消費者の被害の救済を図る上では、答申の付言とともに、知識、経験、判断力の不足を不当に利用され過大な不利益をもたらされた消費者の救済は重要な課題と認識しておりまして、被害事例や裁判例の分析等を進めまして、引き続き検討してまいります。
○穴見委員 まだ、そういう意味では、今回の法案でも対応し切れていない、積み残しがあるという理解でよろしいのかなというふうに思います。 続きまして、また、先ほどから問題になっております、本法案に、社会生活上の経験が乏しい消費者の申し込んだ契約を取り消すことができるということになっております。 これは、通常、社会生活上の経験が乏しくないと考えられる高齢者や又は障害者の消費者の救済を排除することになるのではないかというふうにも読み取れるんですけれども、いかがでしょうか。
○井内政府参考人 お答え申し上げます。 社会生活上の経験が乏しいとの要件は、主として若年者層を消費者契約による被害から保護することを念頭に、保護すべき対象者の属性として規定したものであり、一般に、消費者契約を締結するか否かの判断を適切に行うために必要な社会生活上の経験が乏しいということを意味するものでございます。総じて社会生活上の経験の積み重ねが少ない若年者は本要件に該当する場合が多いと言えます。 他方で、就労経験等がなく、自宅に引きこもり、他者との交流がほとんどないなど、社会生活上の経験が乏しいと認められる者につきましては、年齢にかかわらず、本要件に該当し得るものでございます。 したがいまして、必ずしも高齢者や障害者の消費者の救済を排除するものではないと考えております。
○穴見委員 そういうふうにおっしゃるわけですけれども、素直に条文を読み解けばなかなかそうとも言い切れないところがあろうと思いますけれども、それはまた後ほど指摘をさせていただきたいと思います。 また、この法案が、社会生活上の経験が乏しいことを救済の制限としておりますけれども、それが、例えば対象商品に対する知識が不足している、又は判断力そのものの不足、又は断ることが苦手な性格などの要因によっても過大な不利益をもたらされる消費者というものが出てくるはずであります。 ここには社会生活上の経験ということに限定されておりますけれども、その他のさまざまな要因によって消費者に過大な不利益がもたらされる場合、これを排除することにならないんでしょうか。
○井内政府参考人 お答え申し上げます。 消費者が困惑する要因、程度はさまざまでありまして、御指摘のように、例えば、対象商品に対する知識の不足、判断力の不足、断ることが苦手な性格など、さまざまな要因があると考えております。 本要件は、さまざまに想定される消費者が困惑する原因のうち、社会生活上の経験が乏しいことに起因する場合という客観的要素により判断することができる場面を対象として法制化したものでございます。 ただし、よりしっかりと消費者の被害の救済を図る上では、先ほど申しましたように、判断力の不足等の要因によって過大な不利益をもたらされた消費者の救済は重要な課題と考えておりまして、被害事例の裁判例の分析等を進め、引き続き検討してまいります。
○穴見委員 冒頭に御紹介をさせていただきました八月八日提出の消費者委員会の答申の中で、特に付言で指摘されているさまざまな要素がありますけれども、そこが十分に酌み取られていないというのは、やはり条文としていかがなものかなと思わざるを得ないわけであります。 この社会生活上の経験が乏しいという要件について、きょうも御答弁いただいておりますが、福井大臣からも、総じて経験が少ない若年者は本要件に該当する場合が多くなりますけれども、高齢者であっても該当し得るという御答弁をいただいております。また、勧誘の態様に特殊性があり、積み重ねてきた社会生活上の経験による対応が困難な事案では、高齢者でも、本要件に該当し、救済され得ると、きょうも御答弁を同様にいただいたわけであります。 これらの要件によって、高齢者が若年者よりも救済される可能性がかなり低いというふうに逆に読み取れるということだろうと思いますけれども、これはいかがなんでしょうか。
○井内政府参考人 お答え申し上げます。 社会生活上の経験が乏しいとの要件は、主として若年者層を消費者契約による被害から保護することを念頭に、保護すべき対象者の属性として規定したものでございます。 社会生活上の経験とは、社会生活上の出来事を実際に見たり、聞いたり、行ったりすることで積み重ねられるという経験全般をいうものでございます。また、社会生活上の経験が乏しいとは、一般に、消費者契約を締結するか否かの判断を適切に行うために必要な社会生活上の経験が乏しいことを意味するものでございます。総じて社会生活上の経験の積み重ねが少ない若年者は本要件に該当する場合が多いと言えます。 他方で、就労経験等がなく、自宅に引きこもり、他者との交流がほとんどないなど、社会生活上の経験が乏しいと認められる者につきましては、高齢者の方であっても、本要件に該当し得るものでございます。 したがいまして、必ずしも高齢の消費者の救済を排除するものではないと考えております。
○穴見委員 排除するものではないということは理解はできるんですけれども、ただ、このような社会生活上の経験が乏しいという表現そのもの、条文の本文を読めば、これは一義的にはそういった社会生活の経験が不足しているであろう若年者を想定されるわけでございまして、この中で高齢者や障害者というものを読み解いていくのは、やはり相当解釈上のハードルがあると言わざるを得ないというふうに思います。 実は、同様の案件といいますか、この消費者委員会の中で成立した法律の解釈について、こういった事例がございます。平成二十九年一月二十四日のクロレラチラシ配布差止め等請求事件というものの最高裁判決なんです。 これによれば、二〇一五年刊の消費者庁消費者制度課編「逐条解説 消費者契約法」に、勧誘の解釈について、特定の者に向けた勧誘方法は勧誘に含まれるが、不特定多数向けのもの等、客観的に見て特定の消費者に影響を与えているとは考えられない場合、例えばチラシの配布などです、は勧誘に含まれないと記載をされております。 また、法案の立案担当者がそれを執筆しているにもかかわらず、最高裁はこのように判決しております。「そのことから直ちにその働きかけが法十二条一項及び二項にいう「勧誘」に当たらないということはできないというべきである。」と判決理由を述べて、消費者庁とは異なる解釈で判決を下しております。 法案の条文解釈は消費者庁に帰するものなのか、それとも最高裁に帰するものなのか、いかがだとお考えでしょうか。
○川口政府参考人 お答え申し上げます。 法案の条文解釈でございますが、まずは、国会答弁におきまして、提案者の考える趣旨、内容について御説明をいたしまして、審議を通じ明らかにされるということでございます。 また、国会の附帯決議等におきまして、立法趣旨、各条項の解釈等、これについては、法の内容について十分な周知が求められることが多いと理解をしております。 消費者契約法については、とりわけ行為規範、つまり個々の具体の勧誘、契約書の作成など実務において規範となりますので、これは解釈の明確化、幅広い関係者への周知が極めて重要と考えておりまして、このため、立法趣旨、各条項の解釈等の法の内容が実現されるよう、解釈を明確化し、幅広い周知を行うため、政府原案を立案した官庁として逐条解説書を作成し、公表しているところでございます。 もっとも、今御指摘もございましたが、消費者契約法は民事ルールでございますので、同法の解釈については、個別事案に応じて、最終的には裁判所が判断するものというふうに理解をしております。 実際の裁判実務におきましては、裁判所は、両当事者の主張、立証を受け、消費者庁の逐条解説も参照した上で判断している場合が多いと理解しておりますが、法律の解釈権限は裁判所に帰し、最終的には最高裁判所に帰するものと考えております。 このため、社会経済生活上の変化、具体的には商品、サービス、あるいは御指摘のありました勧誘のあり方などの変化等も踏まえ、最高裁判所が逐条解説と異なる判断をすることもあり得ると認識しております。 ただ、そうした判断が出た場合には、逐条解説にできるだけ早く反映するということをしているところでございます。
○穴見委員 御答弁ありがとうございます。 そういうことでございまして、法案の本文からやはり素直に読み取れる範囲の中で解釈というものは進んでいくんだろうというふうに思いますし、やはりこのような社会生活上の経験が乏しいという文言の中に、高齢者であるとか、又は障害者というものの読み込みというのは、なかなかちょっと頭をひねる部分がございまして、逆に言うと、これは訴えられる側の方が防衛的に解釈を援用していくという考え方もあり得るわけでありまして、法廷の中で消費者保護というものを図っていく上で障害となり得る、そういう条文ではないかと言わざるを得ない面があろうと思います。 また、経験ということに絞っているということも、さまざまな判断力の低下であるとか、判断力そのものがそもそも脆弱であるとか、又は性格の問題とか、消費者が過大な不利益をこうむる上においてのさまざまな要因に対して、これを援用した解釈をしていくという意味においても、その解釈は、必ずしも、この委員会の中で逐条についてさまざまな解釈をおっしゃられても、法廷においては本文が生きて、それを裁判所の中で、また最終的には最高裁判所がそういうことの解釈をしていくということであるならば、やはり消費者庁が幾ら逐条の解釈について御答弁いただいても、本当に法廷の場で消費者を守り得るのか否かということは疑念が残ると言わざるを得ないと思います。 そういう意味では、今審議を通じて、理事、委員の先生方にもまた御検討いただき、また、大臣、消費者庁の皆様にも御検討いただいて、やはり法律の効果として、実際に被害に遭われている消費者の皆様方をしっかりと法廷において救済し得る、そういった法律にしていかなければならないということを申し上げて、少し短いですけれども、私の質疑を終わらせていただきたいと思います。 どうもありがとうございました。
○櫻田委員長 次に、鰐淵洋子君。
○鰐淵委員 公明党の鰐淵洋子でございます。よろしくお願いしたいと思います。 消費者契約法の一部を改正する法律案につきまして、また関連して幾つか質問させていただきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。 まず、私の方からも、先ほどから議論になっております点、一つ、まず冒頭、確認をさせていただきたいと思っております。 今回の法改正の中で、行為類型の条文には、「当該消費者が、社会生活上の経験が乏しい」、この文言が置かれております。 改めて、私の方からも、これを置きました理由について、まず確認をさせていただきたいと思います。
○井内政府参考人 お答え申し上げます。 内閣府の専門調査会では、経験不足など、合理的な判断をすることができないような事情につけ込む被害事例について検討がなされたところでございます。また、民法の成年年齢引下げの議論が進む中、若年者を中心に発生する消費者被害の救済策の充実が重要な課題となっており、専門調査会においても若年者の被害救済が主として検討されていたものでございます。 社会生活上の経験が乏しいというこの要件は、この専門調査会での検討等を踏まえ、こうした被害事例を適切に捉えるために法制化したものでございます。
○鰐淵委員 ありがとうございました。 今御答弁の中にもございましたが、今回、成年年齢の引下げによりまして、若年者の被害拡大が懸念されております。 そういった中での法改正にもなっておりますが、しかし、先ほども御指摘がございました、これから高齢社会が進んでいく中で、また、認知症の方もふえていく、そういったことも予想されております。また、これも先ほども御指摘がありました障害者の方、こういった方々も含めて、消費者、消費被害、こういったトラブルに巻き込まれないような、そういった全ての方を、全ての消費者を守っていく、守っていける法改正にしていかなければいけないと思っております。 そういったことを大前提としてしっかりと審議を進めていきたいと思いますし、その思いでしっかりと、今回、法改正に取り組ませていただきたいと思いますので、まず冒頭、その点をお訴えをさせていただきたいと思います。 その上で、次の質問に移らせていただきたいと思いますが、具体的に質問に入らせていただきたいと思います。 今回の法改正におきまして、不利益事実の不告知の要件の緩和が盛り込まれております。 この不利益事実の不告知に関しましては、消費生活相談の現場の方から、現行の故意の認定判断が困難である、そういったことから、利用しにくい、そういった認識が示されております。 こういった声を受けまして、消費生活相談の現場で本規定を活用できるように、そのために見直しをするということは大変に重要なことであると思っております。 今回のこの不利益事実の不告知の要件の緩和におきまして、消費者がどのように守られるのか、具体的な事例を挙げて御説明を願いたいと思います。
○井内政府参考人 お答え申し上げます。 消費生活相談の現場で、事業者から知らなかったと言われて故意を否定された場合であっても、消費者の側で事業者の重大な過失を基礎づける客観的な状況を示すことで、要件の該当性を立証することが考えられます。 例えば、日照良好と説明しつつ、隣地にマンションが建つことを告げずにマンションを販売した事例でいいますと、隣地のマンションの建設計画に関する説明会が当該事業者も参加可能な形で実施されていたという状況や、隣地のマンションの建設計画が少なくとも近隣の不動産業者において共有されていたという状況であれば、事業者はマンションが建つことを容易に知り得た状況にあったと言え、重過失が認められると考えております。
○鰐淵委員 ありがとうございました。 これに関連してちょっとお伺いしたいと思いますが、若い女性に対しまして、モデルやタレントにならないか、このように声をかけまして、アダルトビデオへの出演を強要させられる、AV出演強要問題がございます。 この問題は、契約後に女性が出演を拒否しますと、高額な違約金を要求したり、また、親や学校に知らせるなどとこのようにおどしまして、出演を断れないように追い込む、こういったケースがあるということで報告がされております。 我が党におきましても、二〇一六年十二月にAV出演強要問題対策プロジェクトチームを立ち上げまして、こういった被害から若い女性を守る取組を推進をしてまいりました。 このような問題に対しまして、現行法そして今回の改正法におきまして、どのように対応ができるのか、お伺いをしたいと思います。
○井内政府参考人 お答え申し上げます。 出演を強要された女性の方が単発でビデオに出演する契約を締結するようなケースでは、消費者契約法の適用があり得ると考えております。 消費者契約法の適用があるケースでは、現行法の規定でも、例えば、消費者が勧誘されている場所から退去したい旨を告げたにもかかわらず、事業者がその場所から退去させないことにより消費者が困惑し、ビデオに出演する契約を締結してしまった場合には、消費者契約法の第四条第三項第二号の規定により、契約を取り消すことが可能であります。 また、例えば、解除に際して平均的な損害を超える違約金が契約条項として定められている場合には、第九条第一項の規定により、その超える部分が無効となり得ると考えております。 そして、今回の改正法により、例えば、事業者が出演契約を締結する前に出演契約の締結を目指して撮影の準備をしてしまい、出演をしないのであればその費用は支払うよう告げて勧誘したため、消費者が困惑し、契約を締結してしまった場合には、新設される第四条第三項第六号の規定によりまして、契約を取り消すことが可能になる場合があるというふうに考えております。
○鰐淵委員 ありがとうございました。 この問題におきましては、この法案、現行法、また改正法において対応できる、契約の取消しが可能ということで御答弁をいただきました。 この問題におきましては、特に地方から進学、就職で上京する女性が被害に遭う、そういった報告がありまして、四月、こういった新年度、こういった問題が多いと伺っております。 今、五月に入りまして、まだ新年度が始まったばかりですので、今回のこういった法改正の中でこういった問題も対応できるということで、しっかりとこの点につきましても周知また啓発の取組をお願いしたいと思っております。 続きまして、平均的な損害額の立証責任の見送りについてお伺いをしたいと思います。 昨今、航空券や結婚式場等の高いキャンセル料が問題となっております。キャンセル料としての損害額が高過ぎるということを消費者が証明するのは、大変に困難なことでございます。 そこで、推定規定を設けることで、消費者による損害額の立証ができることとなっていました。前回の法改正のときにも、附帯決議に、平均的な損害額の立証責任がありまして、「三年以内に必要な措置を講ずること。」と含まれておりました。 しかし、今回の法改正で、平均的な損害額の立証責任が見送られております。その理由と、今後この課題につきましてどのように対応していくのか、お伺いしたいと思います。
○井内政府参考人 お答え申し上げます。 平均的な損害の額の推定規定を設けるに当たり、消費者契約一般に通ずる事業の内容の類似性判断の基礎となる要因を見出すことが困難であったことなどから、更に精査が必要であったため、改正事項としなかったものでございます。 また、立証責任を転換することにつきましては、消費者委員会における検討においてコンセンサスが得られず、改正事項として提案されなかったという事情がございます。 消費者の立証の負担を軽減するための規律のあり方につきましては、引き続きしっかり検討を進めてまいりたいというふうに考えております。
○鰐淵委員 ありがとうございました。 大変に難しい課題だと思いますが、前回からの課題ということでもございますし、しっかりと結論を出せるように、引き続き御検討の方を進めてもらいたいと思います。よろしくお願いしたいと思います。 続きまして、消費者教育の充実について、私の方からも質問させていただきたいと思います。 先ほども申し上げましたが、今回、成年年齢の引下げによりまして、若年者の被害の拡大が懸念をされております。実際に、これまでも二十代前半を中心に被害が多いということで、そういった報告もなされておりますけれども、そういった中で、やはり一番重要なことは、事前予防の取組、消費者教育の充実が挙げられるかと思っております。 この点につきましては、二〇一八年度から、消費者庁が中心となりまして、金融庁、法務省、文部科学省の四省庁が連携をいたしまして、若年者への消費者教育の推進に関するアクションプログラム、これを推進していただいていると承知をしております。 その中で、高校生向けの教材といたしまして、「社会への扉」、これがございますけれども、クイズ形式で、契約するということはどういうことなのか、そういったことから、具体的に十二問にわたりまして詳しく載っておりました。実際に私もやらせていただいたんですが、一度に全問正解することができませんで、なかなか難しいなというか、知らないこともたくさんありまして、これが現実なんだなと実感したところでございます。 いずれにしても、内容は大変にすばらしいものだと思いましたが、更に充実した教育をしていく上で、ぜひとも、実務経験者、こういった方々、外部講師の方を積極的に活用していくことが重要ではないかと思っております。 例えば、相談員の方だったり弁護士の先生だったり、直接こういった事案に携わってくださった方、そういった方の思いも含めて聞いていく中で、子供たち、また若年者の皆さんに、しっかりとやっていかなければいけない、そういったことが植え付けられると思います。 そういった意味で、このような実務経験者、こういった方々に積極的にこの教育に取り組んでいただく、このような形で消費者教育の充実をしっかりと図っていただきたいと思っておりますが、この点につきまして、今後の取組も含めて御見解をお伺いしたいと思います。
○川口政府参考人 全く御指摘のとおりというふうに考えております。 例えば、日々消費者から相談を受け、助言あるいはあっせんを行っている消費生活相談員であれば、若年者が現在また今後の人生においてどういう被害に遭うかということをよく知っているわけであります。また、それに対してどういう対応ができるのか、説得力のある説明が可能だというふうに思っております。また、経験を生かして消費者教育に取り組む意欲及び能力を有する弁護士あるいは司法書士などの方も多数存在します。 消費者庁としては、こういった外部人材の学校教育現場での活用が進むよう、学校とこれら外部人材との間に立って調整を行う消費者教育コーディネーター、こういう職の方を地方公共団体において育成し、配置を行うということを取り組んでまいりたいと思っております。
○鰐淵委員 ありがとうございました。 今、消費者教育コーディネーターのお話もございました。やはり、学校現場、先生方も大変に忙しいですし、具体的にどのような授業をしていけばいいのか、教育をしていけばいいのかというときに、こういった方々、消費者教育コーディネーターの役割も大きくなってくるかと思います。 この消費者教育コーディネーター、現在の配置状況と、今後どのように育成していくのか、この点について御答弁をお願いいたします。
○川口政府参考人 消費者庁の調査によりますと、平成二十九年四月一日時点で、十六府県、九政令市におきまして消費者教育コーディネーターを設置しております。 消費者庁といたしましては、全ての都道府県への消費者教育コーディネーターの配置に向けた支援に取り組みたいと思っております。 具体的には、平成三十年度予算に計上されております地方消費者行政強化交付金、これにおきましては、消費者教育コーディネーターの委託費あるいは人件費を対象経費としているところでございます。 また、今年度からは、地方公共団体における消費者教育コーディネーターの設置が円滑に進み、適切に所期の役割を果たしていただけるよう、その役割あるいは要件を具体的に提示するべく実態把握を進めるとともに、さらに、地方消費者行政強化交付金を活用して支援をしてまいりたいと考えております。
○鰐淵委員 ありがとうございました。 最終的には全都道府県への配置ということで、しっかりとどの地域におきましても充実した消費者教育が行われるように、この消費者教育コーディネーターの配置、しっかりと進めてまいりたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。 続きまして、消費者被害相談の体制の充実について質問させていただきたいと思います。 消費者が電話で相談できます、消費者ホットライン一八八がございます。当初これは十桁の電話番号だったと伺っておりますが、それが、二〇一五年の七月に、消費者の方が覚えやすいようにということで一八八に変わったと承知をしております。 このような対応によりまして、実際に相談件数が倍になった、そのようにも伺っておりますけれども、そういった中で、しかし、まだまだこの消費者ホットラインの認知度が低いのではないか。実際に、名前、番号、内容の全てを知っているという方が、二〇一六年の調査によりますと、まだ三・三%ということでございました。 実際に、私も、いろいろな集会だったり会合だったり、お会いする方に、相談窓口、御存じですかと聞いてみたんですが、残念なことに誰一人おりませんで、まだまだ知られていないんだなということを実感いたしまして、ぜひとも、これから、こういった消費者トラブルに巻き込まれたとき、巻き込まれそうになったときに相談できるんだよ、こういうところがあるんだよということを更に引き続き周知徹底をする必要があると思っております。 この点につきましてしっかりと取り組んでいただきたいと思いますが、この点につきましてのお取組をお伺いしたいと思います。 あわせまして、済みません、相談体制の充実ということで、特に若年者層に対しまして、これから、電話だけではなくて、LINE等のSNSを活用した体制の充実も必要かと思っております。 御存じかと思いますが、いじめ等の相談体制、これも最近はLINEを使って推進しているということで、実際に相談件数も二倍になっている、そういった報告も出ております。本当に、これから若年者層の被害拡大が懸念されている中で、若年者に合った相談体制の推進も重要だと思っております。 特に、若い方は、家族とか知り合いに相談できないとおっしゃっていますので、そういう方が多いですので、そういったことからも、こういったLINE等のSNSを活用した相談体制の充実が必要になってくるかと思います。 この二点につきまして、御見解をお願いいたします。
○川口政府参考人 一元的な消費者相談窓口機能を整備するというのは、消費者庁設立以来の課題でございます。消費者ホットライン一八八は、その意味で、その周知は大変重要であると認識しております。 一八八の周知でございますが、消費者庁ホームページの掲載、あるいは、新たに「新生活スタート応援!」など新たなチラシをつくる場合において、必ず一八八を書くということもあります。 消費者庁ツイッターにおいても、個別のテーマごとに、一八八をあわせて注意喚起を行っているところでございます。 また、最近の取組といたしましては、この四月二十二日、沖縄国際映画祭に消費者庁として初めて参加をいたしまして、一八八を中心にPR活動も行っております。 また、消費者月間の取組、今月でございますが、吉本興業株式会社と提携したPR動画の公開も予定しており、従来とは違った、さまざまな取組を行っていきたいと思っております。 先ほど御指摘いただきました「社会への扉」でございますが、この中でも、話が違う、解約できるかなと思ったら一八八へ、クレジットや借金で困ったらまずは一八八へ、製品やサービスで危ないと思ったら一八八へと、しつこいばかりに具体事例を記載しながら、一八八の利用を呼びかけております。この教材を全国の、全県、全高校で授業で使っていきたいということでございます。 お尋ねのSNSなどの活用でございますが、まずは消費者ホットライン一八八の周知を図り、若い世代も含めて、一八八の利用の普及がまずは重要と考えております。 ただ、メールによる相談等も取り入れている自治体もございますので、今後とも、時代の変化に応じて、消費者が適切に相談を行える環境整備について検討していきたいと思っております。 以上でございます。
○鰐淵委員 ありがとうございました。 いろいろな形で周知徹底を工夫していただいているということで、引き続きお願いしたいと思いますし、また、繰り返しになりますが、やはり時代に合った相談体制の充実という意味では、LINEの活用、これは大変に有効的だと思っておりますので、早急に結論が、結果が出せるように検討もしていただきたいと思いますし、私たちもしっかりと支援をしていきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。 それでは、最後に、大臣の方にお伺いしたいと思いますが、これまでも課題となっております、これから若年者の被害が拡大されるのではないか。一方で、高齢社会が進みまして、また、認知症の方がふえるだろう。また、障害者の方もいらっしゃる。そういった中で、全ての方を救済していくということが、今回の法改正で大変に重要な観点になってくるかと思います。 そのほか、今申し上げました高齢者の方、障害者の方、こういった方々は自分でなかなか判断はできない。そういった中で、地域で、社会で守っていく、こういった取組、仕組みも重要になってくるかと思います。 また、そのほか、先ほど申し上げましたこのAVの問題もそうなんですが、しっかりと周知徹底をしていく、消費者のこの契約法も含めて、こういったことを周知徹底していく中で被害を防止していける、そういったこともございますし、そういった意味で、また、今回の法改正もそうなんですが、いろいろな宿題もまだ残されております。 さまざま、問題や課題が山積はしておりますが、しかし、前に進めていかなければいけないということで、ぜひとも、大臣のリーダーシップのもと、この消費者行政を進めていただきたいと思いますので、最後、大臣の御決意をお伺いして、終わりたいと思います。
○櫻田委員長 大臣、では、持ち時間が経過しておりますので、簡潔にお願いします。
○福井国務大臣 ありがとうございます。 全ての方を救済するという目的でこの審議を行われていることに敬意を表させていただいた上で、所信表明でも申し上げましたけれども、四本柱をもう一度整理をさせていただきたいと思います。 まず一つ目が、消費生活センターにおける相談体制の整備、消費者安全法に基づく地域における見守りネットワークの展開を始めとした地方の消費者行政の充実強化、そして、必要な制度の見直しとその運用、成年年齢の引下げを念頭に若年者への消費者教育の一層の充実など将来を見据えた取組、そして、景品表示法、特定商取引法といった消費者庁の所管法律の厳正な執行などにしっかりと全体として取り組んでまいりたいと思います。 これらの施策を着実に実現することによりまして、消費者を主役とする政府のかじ取り役として、消費者行政を一元化するために設立された消費者庁の創設時の理念の達成を図る、そして誰一人取り残さない社会の実現に貢献していくように、先頭に立ちまして、みずからの職に専念してまいりたいと思います。 ありがとうございました。
○鰐淵委員 ありがとうございました。
○櫻田委員長 次に、尾辻かな子君。
○尾辻委員 おはようございます。立憲民主党・市民クラブの尾辻かな子です。 きょうは、消費者契約法の一部改正案についてということなんですけれども、消費者保護と実は通底をしているということで、まず、大臣にお伺いをさせていただきたいと思います。 まず、一般的なセクシュアルハラスメント、最近、よく報道などでもあるかと思います。セクシュアルハラスメントについて、大臣の御認識をお伺いしたいと思います。
○福井国務大臣 ありがとうございます。 男性から女性に対してはもちろんであろうと思います。女性から男性に対しても、そして同性間であっても、本人の意思に反するような性的な言動を行うことは絶対に許されないというふうに考えている次第でございます。
○尾辻委員 セクシュアルハラスメントは許されないとおっしゃったということでよろしいでしょうか、確認です。
○福井国務大臣 そうですね、主語が省略されていたかもしれません。 セクハラは、本人の意思に反するような性的な言動を、する方は行い、そして、される方は言動をされるという、その関係については許されないというふうに思っている次第でございます。
○尾辻委員 それで、最近、日本もそうですけれども、ミー・トゥー運動というのがあります。これは、セクシュアルハラスメント、今まで被害者は、受けてもなかなか名乗り出ることができなかった、それによって次の新たな被害者が生まれるという事態がありました。それを食いとめるためには当事者が泣き寝入りしないんだということで、ミー・トゥー運動というのがあるんですが、大臣、ミー・トゥー運動というのは御存じでしょうか。そして、大臣、この運動に対してどう認識をお持ちか、お聞かせください。
○福井国務大臣 ありがとうございます。 いわゆるハッシュタグ・ミー・トゥー運動につきましては、報道等で承知をさせていただいております。 これまで声を上げられなかった方々の気持ちをしっかりと受けとめて、本人の意思に反するような性的な言動が行われないようにしていくことが重要であるというふうに考えてございます。
○尾辻委員 一般的な認識をお伺いしました。 それで、多分大臣も御承知だと思うんですけれども、最近、この三月、四月と、週刊誌にかなり大臣の記事、それも、過去にセクシュアルハラスメント行為があったのではないかというような、示唆する週刊誌記事などが出ております。 大臣、過去にセクハラ行為をされたことはありますでしょうか。
○福井国務大臣 私自身につきましてのお問合せでございます。 セクハラ行為を直接指摘されたような経験はございませんけれども、仮に、過去の私の言動によりまして、不快な思いをされた方、ハラスメントを受けたというふうに、もしお思いの方がいらっしゃれば、衷心よりおわびを申し上げなければならないというふうに思っております。 今後とも、決して御迷惑をおかけしないように心してまいりたいと存じております。
○尾辻委員 被害を受けた方というのは、非常にこれは重大な人権侵害で、心に傷を負うわけであります。ですので、厳にこれは慎まなければいけないものであります。 このセクシュアルハラスメントの問題と消費者保護というのは、実は同じ、通底しているものがあると思うんですね。それは、圧倒的な力関係の差がある。だから、セクハラをする人とされる人にはやはり力関係の差がありますし、消費者問題においても、事業者と消費者の間には圧倒的な差があるわけですね。 私が申し上げるまでもありませんけれども、消費者担当大臣というのは、消費者の、つまり、だまされたり事業者につけ込まれた、その被害者に寄り添うこと、救済すること、これが大事であるということなんですね。大臣は、だから、これからしっかりと被害者の側、被害者の側の心情に寄り添っていただきたいんです。 これは本当に同じだと思うんですよね。被害者は非常に悔しい思いをします。これは消費者問題でもそうだと思います。悪徳業者にだまされた、すごく悔しい。セクシュアルハラスメントもやはり、なぜ自分がこんな目に遭わなければいけないのか、悔しい。そして、無力さですね、自分がノーと言えなかった無力さ、これも一緒だと思います。そして、なぜ自分は断れなかったのかということでいっても、両方、自分を責めてしまうわけですよね。なぜ私はあのとき嫌だと言えなかったのかということ。そして、そういう自分にとってマイナスなことはなかなか人には言えない、相談できない。これは、セクシュアルハラスメント、そして消費者保護、何よりも大事なことであります。 ですから、大臣には、加害者の側から見ることはあってはならないんです。これは加害者の側から見てはならない。 それでいいますと、セクハラ罪という罪はないという発言が麻生財務大臣からありましたけれども、大臣、このセクハラ罪という罪はないという発言に対して、大臣の御認識をお伺いしておいてもよろしいですか。
○福井国務大臣 セクハラ罪という罪はないに同意するかということでございますが、もちろん同意はしませんけれども、繰り返しになりますけれども、刑法等の法律に違反するかどうかを問わず、本人の意思に反するような、今先生おっしゃいましたような、受ける側からして非常に不快な思いをする性的な言動を行うことは許されないというふうに考えております。 私自身について、先ほどもおっしゃいましたけれども、セクハラ行為を直接指摘されたような経験はありませんけれども、仮に、過去、六十四年と半年生きておりますので、私の言動によって不快な思いをされた方がもしいらっしゃるとすれば、衷心よりおわびを申し上げなければならないと思います。 今先生がおっしゃいましたように、被害者の方に寄り添う、そして被害者の心に寄り添うという気持ちは、しっかりとこれからも受けとめてまいりたいと思います。
○尾辻委員 では、そこを確認させていただきましたので、消費者契約法の一部を改正する法律案の中身の方に入っていきたいと思います。 私は、五月十一日の本会議において、依然として発生している若年者を含めた幅広い年代の消費者被害に対して、消費者と事業者との間の交渉力等の格差是正を前提として、どれだけ消費者の利益の擁護を図るための法改正となっているのかということで、福井大臣に対して質問をさせていただきました。 しかし、残念ながら、本法律案が消費者を守るための法律的な盾となる改正であるというふうに、消費者、事業者、国民に対して納得していただける答弁というふうには私は感じないところがございました。 ですので、本日は、一昨日の参考人陳述を踏まえて、改めて質問をさせていただきたいと思います。 先ほどからずっと議論になっております、不当な勧誘行為の追加ということで、新たな要件、「社会生活上の経験が乏しいことから」ということが議論になっております。 私の本会議の代表質問においても、福井大臣は、社会生活上の経験が乏しいという要件を追加した理由について、消費者委員会において、知識、経験の不足など、消費者の合理的な判断をすることができないような事情につけ込む被害事例について検討がなされ、こうした被害事例を適切に捉えるため、経験の有無という客観的な要素により、要件の該当性の判断が可能となるように法制化したものであるという御答弁をいただいております。 つまり、社会生活上の経験が乏しいというのは、経験があるかないかという客観的な要件であるというふうにして、この要件がなければ、本来想定していない、救済する必要がない場合についてまで取消しを主張されてしまうおそれがあるということだったと思います。 ここに関して聞いていきたいんですけれども、先ほどからの質疑にもありますとおり、まず、この「社会生活上の経験が乏しいことから」というのは、確認です、若年者に限定する趣旨かどうかということで、大臣にお答えいただきたいと思います。
○福井国務大臣 ありがとうございます。まさに肝中の肝の御議論、論点かと存じます。 本会議場でも申し上げましたけれども、繰り返しになりますけれども、社会生活上の経験が乏しいという要件に該当するかどうかは、消費者の進学、就職等の経歴、結婚等の人間関係形成にかかわる経験、生計を立て、財産を管理、処分する等の消費者としての経済活動に係る経験等、契約を締結するか否かの判断を適切に行うために必要となる経験の有無につき、客観的な事実関係をもとに判断されるものでございまして、消費者の内面的な問題に比べると、事業者にとって把握しやすいものとなっているという立場から、法案を提出させていただいたところでございます。
○尾辻委員 済みません、答弁になっていないかと思うんです。 私は、若年者に限定する趣旨ではないですよねという確認をしておりますので、それに対してお答えをいただければと思います。
○福井国務大臣 もちろん、年齢によることはないわけでございまして、高齢者も含まれているということでございます。
○尾辻委員 今、高齢者も含まれているということで聞かせていただきました。 それで、私、この第四条第三項第四号のデート商法の、中高年の恋人商法について、ちょっと具体例を挙げてお伺いしたいと思います。 例えば、先ほど、高齢者も対象になるよ、つまり年齢だけじゃないよということでありましたので、じゃ、中高年のデート商法はどうなるのかということですけれども、企業において業務に従事し、自身で生計を立てているが、恋愛経験はほとんどない未婚の四十代の消費者に対して、勧誘者が恋愛感情を抱かせた上、それを知りつつ、契約してくれないと関係を続けないと告げて高額な宝石を売りつけた、こういう場合は、この第四条第三項第四号の関係によって保護の対象となるかならないのか、これは事務方の方で結構でございます、答えてください。
○井内政府参考人 お答え申し上げます。 今の事例について、各要件に当てはめる必要がございますけれども、実際に被害に遭われた方が、これまで社会的な経験を積み上げられずに、乏しいというような事情があれば、それは、先ほど申しました、これまでも御答弁しているような形で、年齢に必ずしもとらわれないということで、あり得るということでございます。
○尾辻委員 つまり、これが保護の対象になるかならないかは、先ほどは社会生活上の経験が乏しいというのが認定されるかどうかであるという答えだったと思うんですね。 では、この中高年の被害者は、社会生活上の経験が乏しいというのは、どういう要件が満たされると、この人は、そうですね、社会生活上の経験が乏しい中高年ですねということになるんでしょうか。
○井内政府参考人 お答え申し上げます。 社会生活上の経験が乏しいという要件の該当性についてでございますけれども、こちらにつきましては、消費者の進学、就職等の経歴、あるいは結婚等の人間関係形成に係る経験、生計を立てて財産を管理、処分する等の消費者としての経済活動に係る経験等、契約を締結するか否かの判断を適切に行うために必要となる経験の有無について、客観的な事実関係をもとに判断されるものであります。こういう条件でございます。
○尾辻委員 ちょっとずれているんですよね。 だから、私の事例は、恋愛経験がほとんどない未婚の四十代の消費者が恋人商法にひっかかりました、じゃ、この人が社会生活上の経験が乏しいというのは何でもって認定されるんですかと聞いております。この事例に基づいてお答えください。
○井内政府参考人 今の要件の当てはめについてでございますけれども、先ほど申しました全てを総合的に判断するわけですが、特に結婚等の人間関係形成に係る経験というのを考慮するということが考えられるわけでございます。
○尾辻委員 つまり、これはもうとにかく個々に合わせて判断するしかないというようなことになってしまわないかということが私は非常に危惧されるんですね。 先ほどから、「社会生活上の経験が乏しいことから」というのはどちらかというと若年者に当てはまるんだよ、でも高齢者も当てはまりますよ、じゃ、どうやったら高齢者に当てはまるんですか、中高年に当てはまるんですかというときに、この答えというのは、なかなか、ちょっと私は理解しがたいんですね。 次に参ります。 もう一つ、じゃ、こういうのはどうなるのかということですが、山奥に住む孤独な高齢女性は、唯一の友人関係を壊したくないと、数カ月に一度だけ友人に車で洋服屋に行ってもらっている、そこで話をするのが非常に楽しみだった、それで次々に高級な洋服をツケ払いで購入して、支払い困難になってしまった。このような事例は、人間感情の濫用ということで、今回取消しはできるんでしょうか。
○井内政府参考人 お答え申し上げます。 具体的な当てはめについては個別の要件で判断されるものですけれども、仮に、今の被害に遭ったという方が、社会から孤立して、社会生活上の経験が乏しい、積み重ねなかったということであれば、この要件に当てはまって、あとの要件に当てはまれれば、取り消すことができるということだと思います。
○尾辻委員 今ちょっと聞いているんですけれども、私、たしか代表質問で、中高年、障害者は入りますかといったときに、たしか、高齢者であっても、契約の目的となるものや勧誘の態様との関係で、本要件に該当する場合というふうにお答えいただいていたと思うんです。 今お答えいただいていたのとちょっと違うと思うんですけれども、なぜこういうふうに食い違ったんでしょう。
○井内政府参考人 お答え申し上げます。 社会生活上の経験についてでございますけれども、先ほどもおっしゃられました、契約の目的になるものあるいは勧誘の態様についてというものにつきましては、実際に経験が、どう積むかというときに、例えばですが、郵貯とか、そういうもので契約をしているかどうかということで、社会経験、生計を立てる上でどういう経験を積んだというところで、そういうところの考慮要因になるという意味でお答えしたものでございます。
○尾辻委員 済みません、私、わからないんですね。正直申し上げて、消費者契約法は、消費者がわからなければわからないですよね。 だから、私は、福井大臣が代表質問では、高齢者であっても、契約の目的となるものや勧誘の様態との関係で、本要件に該当すると言っていて、今のお答えと何か全然違うように思うんですけれども、ちょっと私にわかるようにお答えいただけますか。
○井内政府参考人 お答え申し上げます。 基本は、社会生活上の経験というのは、経験の積み重ねということでございますけれども、その経験をどうやって見るかというときに、先ほど申しました、契約になるものの目的物あるいは契約の態様を見て、どういうもので積んでいったかとわかる、そういう意味で考慮要素になっているということでございます。
○尾辻委員 では、先ほどの一番最初の中高年の恋人商法の方に行きますけれども、じゃ、これはどういうことになるんですか。これを、契約の目的となるものや勧誘の態様との関係で、どうやって「社会生活上の経験が乏しいことから」に当てはめていくんですか。
○井内政府参考人 お答え申し上げます。 恋人商法とかあるいはデート商法といったような人間関係の濫用を使う、そういう契約につきましては、それにつきましては、先ほども申し上げましたように、結婚等、そういうものの人間関係というものを特に判断して社会生活上の経験が乏しいかどうかを判断していく、そういうことでございます。
○尾辻委員 いや、この大臣の答えからいくと、契約の目的となるものや勧誘の態様との関係ということであれば、この商法は、過去にデート商法の被害を受けたことがなかったとか、そのような商法で被害に遭ったということが、「社会生活上の経験が乏しいことから」ということになるんじゃないんですか。
○井内政府参考人 お答えを申し上げます。 被害を受けたかどうかということでございますけれども、被害を受けても、その経験という意味で、社会生活上の経験というものになっていなければ、十分積み重なっていないということであれば、一度被害を受けたら経験をしたということにはならないというふうに考えております。
○尾辻委員 とにかく、わかりにくいんですよ。この質疑の時点で、これだけ、「社会生活上の経験が乏しいことから」をつけたことで、ここまでわかりにくくなっている、ここは私は大問題だと思いますよ。ちょっとここについて、もう少しほかのことも、ですから、これは本当に削除した方がいいと思います。 このことを聞いて、本当にわかるんですか、消費者の人たちが。自分がやられていることが、本当に契約を取り消していけるかどうかとわかるんですか。事業者がわかるんですか。ということで、事業者が、じゃ、これは本当に、「社会生活上の経験が乏しいことから」と入ってわかるんですかということで聞きたいと思うんですけれども、事業者は、この人、社会生活上の経験が乏しい、つまり、経験の有無があるとかないとか、売るときにどうやってわかるんですかということなんですね。どのようにして事業者は、相手が経験があるかないかというのを判断するんでしょうか。
○井内政府参考人 お答えを申し上げます。 社会生活上の経験が乏しいというこの要件に該当するかどうかですけれども、これについては、先ほども申し上げていますが、消費者の進学、就職等の経歴、結婚等の人間関係形成に係る経験、生計を立てて財産を管理、処分する等の消費者としての経済活動に係る経験等、契約を締結するか否かの判断を適切に行うために必要となる経験の有無について、今申し上げましたような客観的な事実をもとに判断されるというものでございますので、消費者の内面的な問題に比べますと、事業者にとっても把握しやすいものというふうに考えているところでございます。
○尾辻委員 だから、商品を売るときに、その人の経験の有無というのは何でわかるんですか。じゃ、聞くんですか、あなた結婚していましたかとか、そうやって聞くということなんですか。だから、どうやって商行為の中で、事業者は、経験の有無が要件に入るんでしょう、今度から取消しの。そうしたら、どうやってそれはわかるんですか。
○井内政府参考人 今の御質問の点で、社会生活上の経験が乏しいこと、経験について、必ずしも一般の事業者が知らなくてはいけないということでは実はなくて、これで取り消されるというのは、ほかに消費者側の条件と、さらには事業者側の要件がございますので、健全で一般的な事業者であれば該当しないということでございますので、そういう心配はないというふうに考えております。
○尾辻委員 でも、これは要件に入っているんですよ。だから、全然意味がわからないんですけれども。本当に、言っている意味がわからないんですけれども。 そうしたら、逆に悪徳業者が、いや、この方、経験あると思ったんですよ、だから売ったんです、だから、私たち、この取消しと言われても、だって、経験あると思ったんですもんと言ったらどうするんですか。
○井内政府参考人 お答え申し上げます。 先ほど申しましたように、この要件については、悪質な事業者が思ったというだけでは、ということはだめでありまして、客観的にそれが豊富であったということが示されなければいけないわけですから、今のような御指摘は当たらないというふうに考えております。
○尾辻委員 話がぐるぐる回っているんですけれども、だから、どうやって客観的な要素である経験の有無というのを、じゃ、事業者はわかるんですか。どうやってはかるんですか。もう一度答えてください。どうやってわかるんですか、こういうものが。
○井内政府参考人 先ほども申しましたように、例えば、取引とか、その方が実際に生計を立てて、みずから、売買というんでしょうか、購買とかそういうことをやっているということであれば、そこは経験をどんどん積んでいくということになりますので、それによって客観的に、先ほども三つ挙げましたけれども、そういうものを判断しまして、客観的に知り得るというふうに考えております。
○尾辻委員 何かすごいすれ違っているんですけれども。 だから、どうやって知れるんですかと聞いているわけですよ、その客観的。それが客観的であるということがどうやってわかるんですかと聞いているんです。(発言する者あり)
○櫻田委員長 時計をとめてください。 〔速記中止〕
○櫻田委員長 時計を開始してください。 井内審議官。
○井内政府参考人 お答え申し上げます。 大変失礼いたしました。 今委員の御質問というのが、社会生活上の経験を知る、知らないということで判断されるということでございましたけれども、この条項につきましては、当該消費者が、社会生活上の経験が乏しいことから、事業者の方がですね、消費者が願望の実現に過大な不安を抱いていることを知りながらということですので、この不安を知るかどうかというのがポイントになるということでございますので、実際に、先ほどから申しているように、健全な事業者の方とかということが、これによって、社会生活上の経験を知るか知らないかということについては懸念される必要はないということだと思います。
○尾辻委員 だから、その答えでいうと、社会生活上の経験が乏しくなんという要件は要らないじゃないですか。要らなくないですか、今のお答えだと。
○井内政府参考人 お答え申し上げます。 「社会生活上の経験が乏しい」の要件はなぜ必要かという御質問だと思いますけれども、社会生活上の経験が乏しいというこの要件につきましては、取消権の適用される範囲を消費者に類型的に困惑をもたらす不当性の高い事業者の行為に特定しまして、明確化することということでございます。 本要件を置きませんと、本来想定していない場合にまで消費者から取消しが主張されて、正当な事業活動に支障を来すおそれがあるというふうに考えておりまして、例えば、大学生と中年の会社員では、大学生というのは若い方ということで、あと中年会社員、この間では、事業者から勧誘を受けたとしましても、その受けとめというのは異なりまして、中年会社員であれば、社会生活上の経験から、必ずしも、類型的にということでございますけれども、困惑するということではないというふうに考えられるということでございます。
○尾辻委員 ますますわけがわからなくなってきましたよ。 ちょっとこの話は後でもう一回やりますのでおいておきますけれども、「社会生活上の経験が乏しいことから」が入ることによって、私が懸念しているのは、先ほどから申し上げるように、事業者は、じゃ、どうやって相手のことをわかるんですか。この人は経験があるとか、この人は引きこもりだとか、この人は結婚しているとか、どうやって物を売るときにわかるんですかということが、結局わからないじゃないですかということですよ。 そして、もう一つは、同じものを売ったとしても、経験がある人に売ったらオーケーだし、経験がない人に売ったらこれは取消しになっていくということでしょう、同じものを売っているのに。それを、じゃ、事業者はどうやってわかるんですかと何回も聞いているんですよ。同じものを売ります、社会生活上の経験が乏しかったらこれは取消権があるんでしょう、いけるんでしょう。でも、これがある人だったらそれはオーケーというときに、事業者はどうやってわかるんですか。
○井内政府参考人 お答え申します。 今の御質問でございますけれども、事業者が知る、知らないのかどうかということについては、基本的には、この要件によって取り消されるのか、取り消されないのかということでございますので、一般の事業者に関しまして、先ほども、社会生活上の経験が乏しくて、強い不安を抱いているけれども、実現についてですね、不安をあおったりということでございますので、普通の事業者の方が、取消しされるかどうかというのは、そのようなことを知りながら、さらに、後に、ありますような要件を満たさない限りは取り消されないわけですので、それを知るという必要はないということでございます。(発言する者あり)
○櫻田委員長 御静粛にお願いします。
○尾辻委員 ですから、じゃ、もう事業者は知らなくていいんですか、ということは。事業者は、相手が別に社会生活上の経験があるなしというのは関係なく、売ってもいいですよという御答弁になりますけれども、それでよろしいということですか。つまり、事業者の方は予見可能性を、あるんじゃないかとかびくびくしなくていいということですか。
○井内政府参考人 お答え申し上げます。 事業者の方は、知りながらということがございますし、さらに、先ほどから、どうやってその経験とかを知るのかということでございますけれども、事業者の人は、消費者に対して、やはり契約の勧誘をするというときには、その消費者の方とやりとりというようなことを通じますので、そういう中で事実関係を知る機会を持ち得るということからしますと、相応にやはり予見性というのは確保できるのではないかというふうに考えているところでございます。
○尾辻委員 さっきからいろいろ答弁が変わってきて、ついに、やりとりからわかるよということを言ったわけですね。じゃ、事業者はやはりやりとりからわかるんでしょう、やりとりで。そうしたら、そのやりとりでわからなかった事業者が売ってしまったら、これはどうするんですか。じゃ、今度、事業者の責任になるということですか。非常にやはり、私は明確な答弁だとは思えません。本当に明確な答弁だとは思えません。 私は別に法律の専門家ではございませんので、ただ、消費者契約法というのは全ての消費者に当てはまるものですよね。そして、全てのこういう商行為をする事業者に当てはまるものですよね。それが、これだけやりとりして私がわからないということは、もっとわからない人がたくさん出るということになりませんか、この「社会生活上の経験が乏しいことから」というのは。本当にこれは私も削除すべきだと思うんです。つけたためにこんな混乱が起こっていると言わざるを得ないと思います。 これまた先ほどと一緒なんですけれども、ちょっと何か最初の大臣の答弁から、今だんだん答弁が変わってきているような気がするんです。中高年とか障害者については、本会議のときは、高齢者であっても、契約の目的となるものや勧誘の様態との関係で、本要件に該当する場合があるということで答弁されているわけですよね。契約の目的となるものや勧誘の態様というのは、まさに契約ごとに経験の有無を具体的に検討することになるわけで、この要件が客観的に判断できる要件と本当に言えるのかということを聞きたいんです。 消費者庁は、この要件について、年齢で制限する要件ではないと説明しておきながら、一般的に、中高年者に対しては、この要件では客観的な判断ができないケースがほとんどである中、契約ごとにある意味主観的に判断していけというふうに、やはり個別ごとになるということをおっしゃっているに等しいと思うんですよ。これは、「社会生活上の経験が乏しいことから」が入って、中高年者及び障害者の被害対策に本当になるんですか。
○福井国務大臣 本会議答弁との整合性を整理をさせていただきたいと思います。 三本柱がありますが、もう省略して最後のところだけ申し上げさせていただきます。 契約の目的となるものや勧誘の態様、態様と申しました、との関係につきましては、「社会生活上の経験が乏しい」の要件該当性を判断する際に、消費者がこれまでどのような経験を積み重ねてきたかを客観的な事実関係をもとに判断するための参考となるものと考えている、参考となるものと考えているということで、今のやりとりを踏まえて、そこまでにとどめさせていただきたいと思います。
○尾辻委員 参考となること。じゃ、具体的にはどうするんですか、逐条解説でこれをやるということになるんですか。
○福井国務大臣 逐条解説も必要だと思っております。 社会生活上の経験が乏しいという要件の解釈を始め、本改正案の内容につきましては、今先生もたくさん事例をお示しいただきましたけれども、事例を多く用いながら、逐条解説でわかりやすい説明を徹底してまいりたいと存じている次第でございます。 また、本法が成立した場合には、説明会の開催、消費者、消費者団体、消費生活相談員、事業者団体を始め、皆様方に周知を徹底する所存でございます。
○尾辻委員 逐条解説でしかわからないというものを条文に入れるというのは、私はおかしいと思うんですよ。条文がしっかりあって、例えば年齢とかならわかりますよ。でも、先ほどから言っているように、社会生活上のこの経験というのは、もうこんなのわからないわけですよ。これは全然私は客観的じゃないと思います。 ですので、今の質疑をしても結局わからないままである、曖昧だ、そして、事業者もこれでは困惑してしまうし、中高年や障害者の人もこれでは不十分であるということで、強く修正を求めたいと思います。 最後に、これは申し上げておきたいと思いますが、私、前回のときに、質問の際に、大臣の出資金詐欺のことについて質問をさせていただきました。大臣の後援会の方が出資金詐欺を働いた。被害者の方が、大臣とその後援会の方に関して損害賠償を起こされた。詳しいことはもう前回聞かせていただきましたから。 その際、大臣は、被害者の方々、出資金詐欺に遭った方々に私は勧誘はしていないよ、ただ政治的な挨拶をしただけだというふうにおっしゃったかと思います。もちろん、裁判で損害賠償を認められたわけではないというのも私も聞いております。 ただ、判決の中で、例えば、大阪市内のホテルで事業への支援を求めたということは事実認定されているんです。それが損害賠償になっているわけではありませんけれどもね。
○櫻田委員長 尾辻議員、持ち時間が終了しておりますので、簡潔にお願いします。
○尾辻委員 はい。 こういう、男性が福井氏の後援会幹部であったことが事業の出資の誘因となったという判決になっているんです。 結局、私は政治家として挨拶しただけなのに、その相手の方が勧誘だととったんだ、政治家がいるから安心だと思ったんだというのは、消費者担当大臣として、本当にこれはいいんだろうかと思うわけです。
○櫻田委員長 尾辻議員、持ち時間が終了しております。
○尾辻委員 はい。 ということで、こういう過去があるということについては、首をかしげざるを得ない過去があるということだけ申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。 ありがとうございました。
○櫻田委員長 次に、柚木道義君。
○柚木委員 国民民主党の柚木でございます。きょうもよろしくお願いいたします。 法案質疑、四項目通告していますが、最後の一点の公益通報者保護法、きのうも実は厚生労働委員会の方で質疑をさせていただいて、保護対象の拡大について、ここを先にやらせていただいて法案質疑に入りたいと思いますので、大臣、よろしくお願いします。私が指名したら参考人の方も答えていただいて構いませんので、よろしくお願いします。 昨日は、井内審議官にお越しいただいて、こういうやりとりになっているんですね、大臣。 資料の五、六をごらんください、皆さん。六の方から見ていただいた方がいいですかね。 実は、財務省前次官のセクハラ問題を受けて、一昨日、メディアで働く女性ネットワーク、これは新聞、テレビ等々、計八十六人が参加をした、そういったネットワークが設立をされて、麻生財務大臣宛てに、セクハラ罪という罪はないなどとした発言の撤回などを求める要望書を提出したほか、一番下に二行書いていますが、安倍総理大臣あるいは野田聖子女性活躍担当大臣宛てに、セクハラ根絶に向けた法整備などを求める書面を提出、こうでありまして。折しも昨日は、女性議員をふやす、そういった法律が国会でも成立するという、女性活躍に向けて議会を変えていくというのは非常に重要なことですが、そういった女性活躍の観点からも、ぜひ、この質問、前向きにお答えいただきたいんですが。 昨日は、私の方から、つまり、公益通報者保護法上、同じ事業者、つまり労務提供先と定義されているんですが、その関係でないと保護対象にならないということであれば、これはとんでもない法の欠陥で、例えば一般企業に勤める方で、取引先の方から、また飲み会でも何でもいいですよ、誘われて、セクハラされて、公益通報しても保護対象にならなくなってしまうんですね。これは別にメディアに限りませんから。ですから、こんなことでは、そうでなくても多くの方が泣き寝入りを余儀なくされています。それが問題視もされています。 ですから、雇用関係が直接ない場合であっても保護対象を拡大をする、こういうことをぜひ、安倍政権が本気で女性活躍あるいはセクハラの撲滅を進めるつもりであれば、早急に法改正すべきということを申し上げましたら、こういう答弁だったんですね。現在、消費者庁の専門委員会で調査審議が行われており、その審議状況等も踏まえつつ、引き続き実効性向上に努めてまいりたい、こういう答弁だったんですよ。 それを踏まえてお聞きしますけれども、ちなみに、五ページ目に、公益通報者保護法見直しの当時の有識者検討会の最終報告書のまとめの記事もつけています。ここにも、これは現在の労働者に限定している保護の対象に役員、退職者を加える、これも重要なんですが、これだけでは不十分です。やはり、雇用関係になくても、何ぴとも、こういう表現、これも検討会の中で出ています。 ぜひ、このように、保護対象を、何ぴともなど、同じ雇用関係にない関係の方々にも拡大するような法改正を、ことしに入って四回の専門委員会をやっているのを全部見ました、ですから、そこに、答弁書、書いてあると思いますが、それももちろん踏まえてで結構ですが、早ければ今年度以降、公益通報者保護法改正を行うという方向のようですから、ぜひ保護対象を何ぴとも等まで拡大する形での改正案の国会提出をお願いをしたいと思いますが、御答弁お願いします。
○福井国務大臣 ありがとうございます。委員の女性活躍に対する思い、しかと受けとめさせていただいた上で御答弁させていただきます。 公益通報者保護法は、今先生御指摘のように、労働者が、労務提供先について、法の定める通報対象事実が生じ、又は生じようとする旨を所定の案件を満たして通報した場合に、これを公益通報者として、解雇その他の不利益取扱いから保護する旨を規定をしているところでございます。 同法につきましては、規律のあり方や行政の果たすべき役割等に係る方策を検討するため、本年一月、内閣総理大臣から内閣府の消費者委員会に対して諮問が行われたところでございます。先日の答弁にあったとおりでございます。 現在、同委員会の専門調査会において、保護の対象となる通報者の範囲のあり方も含め、調査審議が行われているところでございます。 審議の取りまとめの時期につきましては、消費者委員会においてお決めいただくことでございますけれども、ことしの秋ごろにかけて御議論いただき、答申をいただければというふうに考えてございます。 法改正の必要性、その内容につきましては、消費者委員会における今後の御議論を踏まえて、適切に判断させていただきたいと存じている次第であります。
○柚木委員 福井大臣が前向きに答えようとしているのはよくわかるんですよ。 ただ、やはり、もう一歩踏み込まないとだめですよ、大臣。本気で、安倍内閣、女性活躍を掲げて進めようとするんなら。あるいは、セクハラ撲滅するんなら。 やはり、その範囲のあり方が問題で、だからこそ私は、直接の雇用関係にない、まさにこの検討会でも出ている何ぴとも、これも含めて、ここまで言っちゃうと答弁できないだろうから、含めて拡大をしてほしいんです。そうじゃないと、もちろん一般事業者の例も今言いましたよ、取引関係で。セクハラに遭っても、通報したら処分される、異動される、あるいはやめさせられる。実際、たくさん起こっています。 特に大事なのは、きょうの資料の中に、四ページ目に書いていますが、この保護法の概要ですよ。第三ルート。これは、報道機関や消費者団体等に通報することができるんですよ。 問題は、まさに一昨日、メディアの方々は、メディアの方に通報するという余りない事例ですね、今回の場合。あの前財務次官のセクハラ。こういうことが本当に、何ぴともということを加えた形で範囲が拡大されないと、実際に、今回、前次官からセクハラを受けた方以外にもたくさん、これは野田大臣も聞かれています、受けていて、はっきり言って不利益変更されているんですよ。異動させられているんですよ。 ですから、はっきり言うと、このネットワーク、八十六人の記者の方々、こういう方々がもし今後公益通報したら、不利益変更を場合によってはされかねないどころか、そういうことであれば、まさに報道の自由、そして、それを通じて国民の皆さんの知る権利、こういうところにまで多大な影響を及ぼし得るんです。 ですから、一般の方々のセクハラ撲滅はもとより、メディア関係者ということでいえば、今のような観点も含めて、非常に重要な視点があるんです。 そして、この公益通報者保護法がざる法とか死に法とか言われている、最後、もう一点聞きますけれども、この一つが範囲なんですよ。ぜひ、何ぴともということも含めて検討いただく。これは、本気でやるんだったら、これを言わなかったら、大臣、安倍政権、女性活躍、もう掲げられないですよ。何ぴともも含めて検討するとお答えください。
○福井国務大臣 柚木議員せっかくの御指摘、よくわかりますけれども、本日ここでアプリオリに、その結論について、そしてその範囲についてお答えすることはできませんけれども、先ほども申し上げましたように、ことしの秋ごろにかけてですから、極めて可及的速やかというよりも直ちにという分類に入ると思いますけれども、検討していただき、答申をいただいて、その上で適切に判断をさせていただくということで、この場ではそこまでにとどめさせていただきたいと思います。
○柚木委員 秋ごろという答弁も多分初めての答弁だと思うから、それはそれで重要な御答弁ですよ。 ただ、やはり、何ぴとも、これが入らないと安心できないし、そもそも、女性活躍、議員をふやして活躍、女性の場をふやそうとやっている。何ぴともと入れないんであれば、はっきり言って、福井大臣、麻生大臣の認識と変わらなくなりますよ、言っちゃ悪いですけれども。こう言っているんですよ、麻生大臣は。いや、そんなんだったら、番記者みんな男に入れかえりゃいいと。いやいや、本当。女性活躍どころか逆行でしょう。だから、私は麻生大臣には女性活躍を語る資格はないと申し上げました、はっきり言って。撤回しない限り。 これは本当に、報道の自由、国民の知る権利にも直結する議論なんですよ。そして、ある意味、公益通報者保護法というのは、もちろん民事裁判とかいろいろありますよ。でも、最後のとりでなんですよ。ですから、そこを言えないんだったら、女性活躍を掲げる資格はないと安倍政権に言わざるを得ないです。 もう一つ、ちょっとこの点も答えてほしいんだけれども、重要なポイント。罰則がないんです、不利益変更した場合の。だから、ざる法、死に法、場合によってはマイナスだと言われているんです、この法律が、最後のとりでどころか。これは、罰則も含めて検討して秋ごろに法案提出、これを言えない、この二点について触れられないんだったら、はっきり言って担当大臣失格ですよ、本当に、福井大臣。 これはぜひ、罰則、これについても検討する必要があるという認識ぐらいは、大臣、お答えいただけますね。お願いします。
○福井国務大臣 今委員御指摘の何ぴとも、そして知る権利への影響がないように、そして罰則をつけるようにという御指摘、重く受けとめさせていただいて、今後とも職務に専念させていただきたいと思います。
○柚木委員 これは、今のは重大な答弁ですよ。重く受けとめるというのは、何にもやらないということにはなり得ませんからね。重く受けとめるということは、秋ごろに取りまとめをするまでに、まさに何ぴともへの保護範囲の拡大、そして不利益変更した場合には罰則を設ける、この二点について、今重大な答弁をされましたから。 これは、本当に実現したら、さっき尾辻さんの追及がありました、うちの今井委員もいろいろやっていました。名誉挽回になりますよ、本当に。私たちは注視していますから。これは重大な答弁ですよ。報道の自由、国民の知る権利にもかかわるんです、今の議論は。ぜひお願いします。 残りの時間、ちょっと四問全部いけないかもしれませんが、まず一問目、お尋ねします。 今回の法改正で、これはきょうも論点になって、与党の委員の皆さんも認識は共通しているんですね。社会生活上の経験が乏しいことを理由にして、不安をあおる告知、あるいは恋愛関係等に乗じた人間関係の濫用によるつけ込み型勧誘は消費者契約の取消しが認められるようになる、これは法務委員会の民法改正とリンクしているというのは、資料一、二を見ていただければ皆さんよくわかると思います。ごらんをいただきながらお聞きいただきたいんですが。 この表現だと、若い人たちの契約取消しは認められるようになるんですけれども、逆にお年寄りはこの条項を反対解釈されちゃって、社会生活上の経験豊かなお年寄りは契約取消しができないと事業者側が曲解をしてしまう余地を残しちゃうんですね。 ですから、これは我々野党も修正案、こういう議論をしていますけれども、きょうの議論を聞いていても、そして、はっきり言って、修正案をこの議論をするまでいろいろ拝見していまして、ちょっと打ち返しが来ているのまでは見られていませんけれども、この「社会生活上の経験が乏しいことから」という文言はやはり削除して、そして、年配の方でも若い方でも同じように、つけ込み型勧誘による消費者契約の取消しをできるようにぜひやはりすべきだと。 これは、どの答弁を聞いていても、やはりそこをやらないと、今の出てきているものは、何か、痛しかゆしじゃないけれども、一長一短なんですよ。何かを入れれば何かが除かれるんです。ぜひ、これは「社会生活上の経験が乏しいことから」という文言を削除、これを法案、最終的に採決までにあとどれぐらい審議できるかわかりませんが、その点についての重要性については認識をして今後の質疑を受けとめたいぐらいの答弁はいただけませんか。
○福井国務大臣 各先生方からの御指摘がございました、今の「社会生活上の経験が乏しいことから」との要件は、取消権の適用される範囲について、既に規定されている不退去や監禁と同様に、消費者に類型的に困惑をもたらす不当性の高い事業者の行為を特定して明確化するためのものでございます。これが法案を提出した我々の立場でございます。 仮に本要件を置かなければ、本来法が想定していない場合についてまで取消しが主張されてしまうおそれがございます。したがって、社会生活上の経験が乏しいということからの要件を設けている次第でございますけれども、今先生御案内のように、委員会の中で御議論がございますようでございますので、それに期待をさせていただきたいと思います。
○柚木委員 これも重い一言ですよ。しっかり受けとめていただくということで。 最後にしますけれども、関連して、お年寄りの方あるいは御病気などで判断力が著しく低下してしまうことというのは当然誰でも起こり得るし、私の家族でもそういうこともありましたし、実際、大臣もそういうことは御理解いただけると思うんですね。 これは、事業者が商品やサービスの勧誘を行う際に、消費者の知識、経験だけではなくて、事業者が知り得る、年齢、生活状況、財産状況、こういった点も事業者側が考慮すべき事項に加えることで、これは正直、打ち返しの部分でもまだその辺が不十分なので、ぜひ消費者を守る手だてを明示すべきだと考えますので、これを最後に大臣にぜひ見解をお述べいただきたいと思います。
○福井国務大臣 今のところ、法案提出者としての立場を申し上げさせていただきますと、いろいろ先生御指摘の議論がございました、その議論を踏まえて、事業者が消費者の生活状況、財産状況を知り得たとしても、それが当該消費者に適したものであるかどうかの判断は困難であると考えられておりますので、御指摘のようにこの事項を考慮要素として加えることは現時点では困難であるというふうに考えてございます。
○柚木委員 終わりますが、ぜひ、法案審議が進んでいく中で、もうちょっとやはり深掘りして受けとめていただきたいし、きょうはできませんが、キャンセル料の算定のもととなる平均的な損害の額、これに一定の基準を設けるなども、これは消費者委員会の報告書によればそうなっていますから、そういった点も含めて、今後ぜひ議論を深めさせていただきたいと思いますから。この議論が全く生かされないということではなくて、これは与野党もやりますけれども、政府におかれてもそれにやはり対応して、与党とは連携してやっているわけですから、そこを強くお願いをして、一回目の質疑を終わります。 ありがとうございます。
○櫻田委員長 次に、大西健介君。
○大西(健)委員 国民民主党の大西健介でございます。 時間が限られておりますので、早速質問に入っていきたいというふうに思うんですけれども、今回の法改正は、前回の法改正の積み残し、また衆参両院の附帯決議に基づくものであって、基本的には前に進めるべきものだというふうに思っております。 ただ、さきの参考人質疑で野々山参考人がおっしゃったように、余計なものが一つ、それから不足するところが二つあると。その余計なものの一つというのが、先ほど来議論になっております「社会生活上の経験が乏しいことから」ということなんですけれども。 まず、ここについて確認をしたいというふうに思うんですが、この間の参考人質疑の中で、経済界の代表として意見を述べた長谷川参考人も、報告書にはない要件がどういう経緯で入ったかわからない、こうおっしゃったんですよ。私は、これは重要な発言だなというふうに思って聞いていたんですけれども。 じゃ、改めて聞きますけれども、この要件はどこで誰が入れたんですか。法案作成段階で消費者庁が入れたのか、それとも与党プロセスの中で入ったのか。どこで誰が入れたのか。そして、事業者も要望したわけでもなくて、専門調査会の議論にもなかったものが、どこで誰が入れたのかというのを明確に御説明いただきたいと思います。
○福井国務大臣 参考人質疑の受けとめを先に申し上げさせていただきます。 長谷川参考人からは、新たな取消権の要件について、問題となる事案に対応し、かつ、通常の事業者を萎縮させない適切なもの、退去妨害や民法の詐欺などとのバランスで今回のデート商法や不安をあおる類型は自由な意思形成が阻害されるとまでは言えず、社会生活上の経験が乏しいという要件が追加されたものと認識をしていると、どちらかといえばフェーバーな御意見だったというふうに受けとめております。 そして、いつ誰が入れたかというのは、政府内での検討を経て法制化したものでございます。
○大西(健)委員 明確なお答えがありませんでしたが、はっきりと、これはそのとおりですけれども、報告書にはない要件がどういう経緯で入ったかわからないと長谷川参考人はおっしゃっています。ですから、誰がどこで入れたかというのを本当ははっきり明確に私はしてもらわなきゃいけないというふうに思います。 続けて、尾辻議員の質問とかなり重なるところがありますので、少し聞き方も変えながら聞いていきたいというふうに思いますけれども、先ほど尾辻さんからも確認がありましたけれども、消費者庁は、この要件は年齢を必ずしも指すものではないというふうに先ほどもありました。一方で、じゃ、社会生活上の経験というのは何なのかということについては、消費者庁は、社会生活上の出来事を実際に見たり、聞いたり、行ったりすることで積み重ねられる経験全般をいう、当該消費者のこれまでの経歴等を総合的に勘案して判断されることになる。これを読んでも意味がさっぱりわからないということなんですね。 私も尾辻さんと同じような事例を想定していたんですけれども、これは実際にあった消費者被害ですけれども、婚活サイトで知り合った交際相手から二人の将来のためとマンションの購入を勧められてローンを組んだ、こういう事件が少し前にありました。この被害者というのは、当然のことながら、いろいろな年齢層に散らばっています。 デート商法のようなこういう商法について言えば、一般的に、若者であれば恋愛経験が少なく、一定年齢に達すればそれなりの恋愛経験を有しているという推測はすることはできます。 ただ、まさにそれは人それぞれであって、四十代、五十代になっても、恋愛経験が乏しい、異性とおつき合いした経験がほとんどない、そういう方は世の中に多くいらっしゃって、悪徳商法をされる事業者というのは、そういう人を逆に言うと狙っているというところもあるというふうに思います。 もっと言えば、最近では、これも尾辻さんからもありましたけれども、六十代以上のシニア向けの婚活お見合いパーティーというのも、これも盛んになっております。そういう中で、例えば、もう二十ぐらいでお見合い結婚して、ずっと専業主婦をやっていた、最近になってパートナーと死別して、お見合いパーティーに参加した。この人は、専業主婦で社会経験も乏しいし、そして、二十でお見合い結婚している、多分、恋愛経験も乏しいでしょうね。こういう人というのは、まさに、六十代であっても、これは社会生活上の経験が乏しいということに私はなるんじゃないのかと思います。 これは先ほどまさに尾辻さんも言ったことですけれども、客観的な事実と言うけれども、まさに、その人がどんな人生を歩んできたかというのは、それは千差万別ですよ、人それぞれなんですよ。それは外から判断することができない。そんなことを要件にしたら、むしろ事業者の予見可能性を私は害することになるんじゃないかというふうに思いますけれども。 先ほど井内審議官とのやりとりがありましたけれども、改めて、大臣、先ほど井内審議官と尾辻委員のやりとりも十分聞いていただいていたと思いますけれども、外から判断できないじゃないですか、その人がどんな人生を歩んできたか。そういう要件を課すことは、事業者にとっても、これは予見可能性を害することになると思いませんか。
○福井国務大臣 今、尾辻委員と政府参考人との議論は、極めて本質的な議論だったと思います。 その上で、もう一度、政府案提出者としての立場を整理させていただきますと、事業者にとっても予見性を有するものでございます。進学、就職、人間関係その他その他、前提は省略をさせていただきます。 そういう事業者の予見性が、結局は個別の判断となって予見性がなくなるのではないかという御疑義に対しましては、そういった側面は否定できませんけれども、総合的に勘案する事由は客観的な事実関係であるし、事業者としては、消費者に対し契約の勧誘をする際、これは先ほど政府参考人から尾辻議員に申し上げましたけれども、やりとりを通じてそうした事実関係を確認する機会を持ち得ることからすると、相応に、相応にとあります、予見性を確保することができるものと考えている次第でございます。
○大西(健)委員 今大臣からも、総合的に判断するということになると、個別判断になるということは否定できませんがという御答弁がありました。全く私はそのとおりだというふうに思います。まさに外から見て判断できないんですよ、やりとりしてみないと。だから私は予見可能性がないというふうに思うんですが。 さらに、私、さっき井内審議官と尾辻議員のやりとりを聞いていて非常にびっくりしたのは、井内審議官は、普通の真面目な業者はそういうことを気にする必要がないんですということをおっしゃいましたよね。ということは、この要件というのは、普通の真面目な業者を保護するためじゃなくて、悪徳業者、まさに消費者をだましてやろう、人間関係につけ込んでだましてやろう、そういう事業者を少しでも救うために置いているということになっちゃうじゃないですか。そういうふうに、大臣、先ほどのやりとりを見て感じませんでしたか。 そんな要件だったら私は要らないというふうに思いますけれども、真面目にやっている事業者だったらこの要件がなくたって構わないというふうに井内審議官は先ほどおっしゃったわけですけれども、それはおかしいというふうに思いませんか。
○福井国務大臣 受けとめが少し間違っていたら申しわけなかったんですけれども、もちろん、悪徳事業者を排除する、そして全ての消費者を保護、救済するという目的に即して法令審査を今お願いしているところでございます。委員会においての御議論、尊重させていただきたいと思います。
○大西(健)委員 今、委員会での議論を尊重していただくというお話がありましたけれども、まさにそのためにこの国会審議をやっているわけですけれども、私は、まさに客観的に見て、先ほどの尾辻議員と井内審議官、まさに法案担当者の審議官がまともに答えられない状態でこの要件をこのまま残すというのは、あり得ないというふうに思います。 我々は、今、修正の協議も内々させていただいておりますけれども、与党からも、この要件を削除することについて、それを容認するような声があるというふうにも聞いています。ただ、一部議員が非常に強硬だという声も聞いております。 消費者問題というのは、やはり超党派で進めるべきだと思います。まさに、委員会のこの審議を尊重してと大臣から今御答弁があったわけですから、この委員会審議を見た一般の人は、きょうも傍聴席には関係者の方がいっぱい来ていますけれども、やはりこれはちょっとなかなか、井内審議官もまともに答えられないような要件は削除した方がいいんじゃないかということに私はなるというふうに思いますので、そこはぜひ、与党の皆さんの御理解と御英断をお願いしておきたいというふうに思います。 次に、先ほど言った、余計なものが一つ、不足するものが二つ、そのうちの一つが、専門調査会で議論されたにもかかわらず今回先送りされた、キャンセル料に関する平均的損害額の立証の困難さの緩和についてということであります。 昨年、これはネット上で話題になっていたんですけれども、世田谷区の居酒屋で学生団体が百三十人の宴会をドタキャンした、こういうのが載っていました。事前に料理やスタッフの準備をして、ほかのお客さんの予約も断っていた店側からすれば、これはとんでもない話であって、こういうことについて一定のキャンセル料を請求するというのは私は当然だというふうに思うんですが、問題は、その額をどう算定するかということなんです。 この点について、非常に興味深い判決、東京地裁、平成十九年五月二十八日という判例があります。これは、五十人で忘年会の予約をしていた、三週間前にキャンセルした、三週間前ですから相当前ですけれども、でも、予約代金の六〇%、十万五千円を請求された、こういう事例なんです。 これでは、三週間前のキャンセルについて予約代金の六〇%のキャンセル料をもらいますよというのは、店側は一応ホームページに載せていたということなんですが、裁判所は何と言っているかというと、本件特約は、忘年会三週間前のキャンセルにつき予約代金の六〇%ものキャンセル料が発生するという、店側に著しく有利な、かなり特異な取決めであると言うことができるのであって、このような性質の特約の成立が認められるためには、その特約の内容を具体的に説明した上で、これに対し予約客から明示の了承が得られるなど、予約客の特約内容の明確かつ具体的な認識が求められるものというべきである、こういうふうに判示しているんですね。 さらに、もう一つ判例を申し上げますと、東京地裁、平成二十三年十一月十七日。この事例では、まさに平均的損害額というのが争われているんですが、大学のスポーツ同好会が五泊六日の合宿を予定していた、ところが、インフルエンザにかかった者がたくさん出てしまったのでキャンセルをした、このときに宿泊代の七〇%のキャンセル料を請求された。でも、判決では、宿泊料及びグラウンド使用料から、二泊目以降は例えば食材の準備とか仕入れとかはしないで済むだろう、だから、二泊目以降の食材費、光熱費、クリーニング費用、アメニティー費用を控除した額を平均的な損害額と算定している。 これはなかなか合理的だというふうに思うんですけれども、こういうことを全て、裁判所がやったようなことを消費者にやらせるというのは、私はやはり酷だというふうに思うんですね。 ですから、キャンセル料については、それが妥当なものであることについて事業者側に立証責任を負わせる、かつ、先ほどのように、ホームページに書いていましたよと言うけれども、やはり事前にちゃんと説明して了解を得ることが私は原則だというふうに思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。
○福井国務大臣 ちょっと整理をさせていただきたいと思います。 法九条第一号の平均的な損害の額の立証責任でございます。その転換でございますが、二点ございまして、企業活動の実態に関する証拠を提出することによる企業秘密に対する影響、そして、証拠の収集、保存や訴訟における立証等において事業者に生ずるコストにも配慮する必要があるということで、専門調査会におきましてはコンセンサスが得られませんでしたので、改正事項として提案されなかったものでございます。 ただし、裁判や消費生活相談において、消費者による平均的な損害の額の立証が困難な場合があると考えられていることから、今先生御指摘のとおりでございますので、立証に関する規律のあり方について、引き続き検討を進めてまいりたいと存じている次第でございます。 〔委員長退席、伊藤(信)委員長代理着席〕
○大西(健)委員 私、さっきも言ったように、学生団体がドタキャンする、これはとんでもないですよ。キャンセル料をちゃんと請求すべきですよ。 ただ、さっき言ったように、三週間前に六〇%は多過ぎますねとか、二泊目以降は回避できる部分があるでしょうとか、こういうことは事業者側にその立証責任を負わせてもそんな重い話ではないし、それから、事前説明をちゃんとやらせて了解をとるということは、これは常識的なことではないかなというふうに思いますので、やはりそこはしっかり検討していただきたいというふうに思います。 次に、不動産のサブリース契約。 近年、不動産事業者が大家からアパートなどを一括借り上げして入居者に転貸するサブリースというのが、はやっているというか広がっています。相続税対策ですよとかいって勧められてアパートを建てて、最初は家賃保証をうたっていた業者が、数年後に一方的に賃料を減額する、こういうトラブル。先生方のお地元でもこういうのを耳にしたことがあるんじゃないかというふうに思います。 この場合、収益物件のオーナーである家主は、消費者たる入居者との関係でいえば、これはむしろ事業者であって消費者でないということでありますので、消費者契約法の対象には一般にはなりません。 しかし、この点についても判例があるんですけれども、不動産投資を勧められてマンション二室を購入した原告が、消費者契約法四条に基づいて取消しを求めた判例があります。皆さんのお手元に資料を配付しておりますけれども、平成二十四年三月二十七日、東京地裁。売り主は客観的な市場価格を提示しておらず、非現実的なシミュレーションを提示し、月々の返済が小遣い程度で賄えると誤信させるなど、消費者契約法に言う重要事項について不利益となる事実を故意に告げなかったとして、消費者契約法四条に基づく取消しを認めているんです。 家主というのは一般的に消費者とはならないけれども、ただ、賃貸契約という点において、知識、経験が乏しい家主とこれを専門的に取り扱うサブリース事業者の間では、まさに事業者と消費者との間にあるような、知識や情報量、交渉力の格差があるということなんですね。 この点、家主が既に何棟もの賃貸物件を持っていて、賃貸業を営んでいるようなケースは別です。でも、初めて賃貸業を始めるような、今回この二室のマンションを勧められて買ったということですけれども、家主の属性とか勧誘の状況によっては、サブリース契約に対しても消費者契約法を適用する余地が十分あり得るのではないかと私は思います。 こういうことを言っている専門家も多くいますけれども、この点、消費者庁の見解を求めます。
○川口政府参考人 お答え申し上げます。 消費者契約法において消費者に該当するためには、必ずしも、ちょっと常識と異なりますが、商品等の買い手あるいは借り手である必要はございません。売り主や貸し主であっても、同種の行為を反復継続的に行っていると見られない場合は消費者と見ることができる場合があり得るということでございます。 賃貸不動産所有者であるサブリースにおける貸し主におきましても、事業者である賃貸住宅管理業者、すなわちサブリース業者との間で情報量、交渉力の格差に基づくと思われるトラブルが時に発生していると認識しております。 したがいまして、サブリース契約における家主が消費者に当たる場合もあり得る、この場合は、サブリース契約は消費者契約と見ることができるというふうに考えております。
○大西(健)委員 今、川口次長から、大変よい答弁というか意義深い答弁があったというふうに思います。 資料の二ページ目にも、サブリース契約について注意を呼びかける文書を三月二十七日に国土交通省と消費者庁が連名で出しております。 これのきっかけになったのは、恐らくですけれども、今、不動産会社スマートデイズが、女性専用シェアハウス、かぼちゃの馬車用物件の購入者に保証していた家賃の支払いが滞り、破綻したという問題で、被害者が約千人、被害額は一千億から一千五百億というふうに言われておりますし、本当に痛ましいことですけれども、自殺者も出ています。 スマートデイズのオーナーの多くは、まさに、高い家賃を三十年間保証しますよ、こういうふうに勧誘されて、一棟当たり約一億円の融資を受けてサブリース契約をしている。この被害者のほとんどが普通の会社員というのが特徴的なんですね。その会社員のほとんどは、今のまさに川口次長のお言葉にあったように、反復継続しているんじゃなくて、賃貸業の経験がほとんどなくて、高い賃料が保証されるので、ローンを組んで賃料で銀行に支払いしてもまだ手元にお金が残りますよという説明を真に受けて契約をしている。 一方で、説明とは裏腹に、実際にスマートデイズがやっていたことは、入居率は全然低くて、相場より高くオーナーに土地建物を売って、それを家賃支払いの不足分に回す、もう自転車操業だったということが今明らかになっています。 このケースは、まさに今、川口次長に言っていただいたみたいに、家主の属性とか勧誘の状況にもよりますけれども、情報量とか交渉力の格差という点で事業者と消費者は同様の関係にあって、消費者契約法を援用できる事例ではないかと私は思うんですけれども、大臣、どうお考えになるか。 また、まさにこうしたケースの被害者を救済するためにも、包括的な取消権を定めた消費者契約法というものの意味があるというふうに私は思うんですけれども、大臣、いかがでしょうか。
○福井国務大臣 御指摘の点、大変重要な点でございます。 先ほど次長から申し上げましたとおり、サブリース契約において、貸し主が消費者契約法の消費者に当たる場合で、事業者の不実告知や退去妨害等によって消費者が誤認、困惑して契約を締結したようなときは、当該契約の取消しが認められ得ると考えられております。 現在御審議いただいている法案で提案しておりません取消権につきましては、消費者委員会の答申の付言も含めまして、被害事例や裁判例の分析等を進め、引き続き検討してまいりたいと存じます。
○大西(健)委員 私は、こういうところにこそ消費者契約法の意義があるというふうに思っています。 ちょっと時間がないので、せっかく村井政務官に来ていただいていますので御質問させていただきたいと思いますけれども、資料の次のページをごらんいただきたいんです。 さっき言ったように、今回、このスマートデイズの被害者の八割を超えるオーナーは、スルガ銀行から融資を受けているということなんですね。 これは、五月七日に被害者弁護団が公開したテープの起こしですけれども、これを見ると、こんなふうに書いてありますね。「あの通帳のエビデンスあるじゃないですか」「いじくれない販社っているじゃないですか」「スルガさんってそういう販売会社さんいたらどうしてます?」という販売会社の社員の問いかけに対して、スルガ銀行の行員とされる人物は、「えっ、それはあんまりオフィシャルには言えないですけれど。まあ○○さんなんかは、逆にそういう依頼を受けることが多いから」「まあ、彼に別に勝手に電話して、まあ二人でやってって、ていう話はしてますよ、たまに」と応じていますと。 つまり、スルガ銀行の行員とされる人物は、改ざんを行うことができる業者を紹介し、勝手に電話して、やってということを話していて、音声が本当にスルガ銀行の行員ならば、この行員は、改ざんを知っていたばかりか、改ざんのやり方を指南していたということになります。 資料の次のページですけれども、十五日にスルガ銀行が記者会見をやりました。そのときの経過報告の概要、調査結果の要旨という中には、次のように書かれています。土地売買価格の水増しや自己資金確認資料の偽造や改ざんといった不正が行われていた、営業社員の中には通帳など自己資金確認資料やその他当社に提出される資料が偽造、改ざんされた可能性があるとの疑念を抱いていた者も確認された、これらの事実については相当数の社員が認識していた可能性がある。 つまり、さらなる調査は必要ですけれども、現時点で少なくとも偽造、改ざんを認めていて、そしてそれを相当数の行員が認識していた。この点、スルガ銀行の責任は私は重いというふうに思いますが、金融庁は、スルガ銀行の責任をどう考えていて、どのような処分をしようとしているのか、政務官にお伺いします。 〔伊藤(信)委員長代理退席、委員長着席〕
○村井大臣政務官 お答えさせていただきます。 大西委員御指摘のスルガ銀行が設置をした危機管理委員会の調査の結果、既に触れていただきましたけれども、自己資金の残高を証明する通帳等の偽造、改ざんが行われ、相当数の行員が自己資金の偽造の可能性について認識していた疑いがあるなどといった問題が認められたところでございます。 本件については、こうした問題事案について当行が改めて設置をする第三者委員会、これによる調査を通じて、みずから根本原因を解明し、抜本的な改善を図っていくことが望まれるものであると考えております。 金融庁といたしましても現在検査を実施中でございまして、現時点において予断を持って行政処分についてお答えすることは差し控えたいと考えておりますが、いずれにいたしましても、金融庁といたしましては、現在実施中の検査において問題事案の実態についてしっかりと検証を行い、その検証結果を踏まえ、厳正かつ適切に対応してまいりたいと思います。
○大西(健)委員 第三者委員会の調査結果が出るのに二カ月から三カ月かかるというんですね。 今も、自己破産しようかと悩んでいる人がいる。自殺者も出ているんですよ。私は、これはもう早急に処分すべきだと思う。先ほど言ったように、改ざん、事実あったことを認めているんです。行員も知っていたと言っているんです。 もう一つは、ここにはこんなふうに書いてありますね、スルガ銀行の報告には。増収増益を継続しなくてはならないというプレッシャーから、営業部門幹部が審査部門に圧力をかけるような状況も生じていたと。 この点、私は、金融庁にも責任を感じてもらわなきゃいけないと思うんです。 森金融庁長官は、昨年五月の講演で、全国の地銀の収益率を並べたグラフで一つだけ飛び抜けた銀行を指して、これはスルガ銀行だ、他行が貸さないところにデータを分析して貸すという特異なビジネスモデル、継続して高い収益率だと高く評価をして、まさにこのスルガ銀行を見習えと言ってきたんです。こういう金融庁長官の発言が、スルガ銀行にとってもプレッシャーになっていたというふうに思われます。 自己破産もしました、スマートデイズのオーナーの八割を超える人がスルガ銀行の融資を受けている……
○櫻田委員長 大西健介君、時間が経過しておりますので、簡潔にお願いします。
○大西(健)委員 その多くが自己資金ゼロだったことが既に明らかになっている。それを称賛して、見習えと言った金融庁の責任を政務官はどう感じておられるか、簡潔にお願いいたします。
○櫻田委員長 では、村井政務官、簡潔にお願いします。
○村井大臣政務官 大西議員の御指摘でございますけれども、金融庁としては、今、地域金融機関における持続可能なビジネスモデルの構築、その取組が重要であると考えておりまして、その点、地域金融機関の経営状況や各種の取組を紹介することはあると考えております。 ただし、その際は、金融機関の業務運営において、顧客の信頼を損ねることがないよう、利用者保護や法令等を遵守することは当然のことであると考えております。 いずれにしても、金融庁としては、現在検査を実施中でございまして、検査監督対応を通じて行政としての責任を果たしてまいりたいと現在考えているところでございます。
○大西(健)委員 時間が来ているので終わりますけれども、やはりちょっと残念でした。もっと踏み込んで、金融庁自身がこういう発言をしたことがある種のお墨つきを与えたと疑われかねないようなところがあると思いますので、これは厳しく対応していただきたいということをお願い申し上げまして、私の質問を終わります。
○櫻田委員長 次に、黒岩宇洋君。
○黒岩委員 無所属の会の黒岩宇洋でございます。 きょうは、消費者契約法の一部改正ということで、私はみっちり逐条審査、文言審査をやっていきますので、消費者庁の方から明確な答弁を求めたいと思います。 まずは、これは改正条項じゃないんですけれども、九条一項、平均的な損害額。 改めて確認しますけれども、この九条一項ですと、「当該消費者契約と同種の消費者契約の解除に伴い当該事業者に生ずべき平均的な損害の額」となっているんですけれども、これは損害額の平均ではないですから、これは決して、同種の消費者契約、複数の消費者契約、ここで損害の額というものが示されて、その複数の損害額の平均値をとるという考え方ではないですよね。
○井内政府参考人 お答え申し上げます。 平均的な損害の額ということでございますが、これは、当該事業者、その事業者にとって生ずべき平均的な損害の額ということになります。ですから、いろいろ損害はあるわけですけれども、それを見て平均的な損害の額ということがここで問題になるということでございます。
○黒岩委員 もうちょっと厳密に答えていただきたいんです。 ですから、今、同種の事業者の、また、ある程度同じ契約が複数あって、そこに示されている額を足して、その契約書の数で割って平均値を出すというものではないですねと言っているんですから、イエスかノーで結構ですので。
○井内政府参考人 お答え申し上げます。 違うということでございます。
○黒岩委員 そこで聞きたいんですけれども、では、この「平均的な」の定義をお答えいただけますか。
○井内政府参考人 お答え申し上げます。 平均的なということですので、もうまさに平均ということで、当該事業者にとって額を見たら、それが平均的、特異なものではない、平均の意味はそういうことでございますので、ならしてみて平均だというのが意味するところでございます。
○黒岩委員 その答弁ですと、あくまでも主観の問題になってくるわけですよ。 それで、井内さん、立証責任は消費者側にあるんですよ。どれをもってその事業者にとって平均的か。今言ったように主観も入ってくる中で、これが平均的だと立証しようとしても、実際には事業者から反証されて、いやいや、そんなものはうちでは平均ではありませんよと。 これは、まさに損害額の額を決める、平均的な額を超える部分は無効となるわけですから、大変重要な概念なんですよ、この平均的な損害額。こんなものをあやふやにしていた法律なんて、私は今の答弁を聞いて、そんなんじゃ、実務上、運用がまさに幅があり過ぎちゃって、しかも消費者側が立証責任を負うんですよ。どうやって立証責任をきちんと全うすることができるんですか。どうやって裁判実務でも自分の主張が認められるようになるんですか。
○井内政府参考人 お答え申し上げます。 平均的なというのは、当該事業者に生ずべき平均的な額というのは、消費者がキャンセルをしたというときに生ずるということではなくて、その事業者にとって契約が解除されたときに平均的な額ということですので、それは、個々の、自分がキャンセルしたときに幾らかということを証明するということではございません。
○黒岩委員 井内さん、何を言っているかさっぱりわからないです、さっぱり。よくレクチャーを受けてから答弁してください。 いいですか。今、消費者側が立証しなきゃいけないんですよ、平均的な損害額を。そのときに、先ほどおっしゃった、平均的なものですと。まさに主観で、しかも、なおかつこの主観は当該事業者側の主観の可能性が高い。 立証責任のある消費者側の主観でこれが平均額ですよと言って、それが裁判で通るんだったら、こんなありがたいことはないですよ、消費者側からすれば。これが通るんですか、どうなんですかということを聞いているんです。
○井内政府参考人 お答え申し上げます。 先ほど申しましたように、消費者が契約をキャンセルしたというときに損害が幾らかというのは立証するのが難しいわけですけれども、例えば旅行ですね、計画をやって契約していたけれども、その旅行契約を解除したというときに、同種の事業者がどのぐらい損害額が出るかということでならしてみたものを示せばいいということで、それは、立証をしやすくしている、客観的なものだということでございます。
○黒岩委員 答弁内容が変わりましたよ。 いいですか、平均的にならすということは、例えば、同じアメリカ旅行、それをキャンセルしたといったときに、その当該事業者A社のアメリカ旅行の幾つかの契約、簡単に言うと、幾らかかって、キャンセル料が幾らかかったと。ならすということは、平均的じゃなくて、何々の平均ですからね。わかりますよね。だから私は最初に確認したんですよ、今言った複数の値の平均値ではないですねと。だから聞いたんですよ。今の答弁は平均値を指すんですよ。 何でこれにこだわるかというと、裁量労働制の際も、ちょっと話が飛びますけれども、一般労働者と裁量労働者の平均の時間というこの「平均の」、これが全く詰められていなかった。我々は、だから平均値ではなさそうだと。それで、よくよく聞いたら、一カ月のうちの、まさに主観的にこの日が平均的だと思われる一日だという。この事実認定で天と地ほどにデータも変わる。 この場合は、今言った事実認定によって裁判に勝つか負けるかが決まるんですよ。今、話が違いますよ。ならすというのは平均値のことですからね。しっかり答えてください。どっちなんですか。
○井内政府参考人 お答え申し上げます。 平均的なということで、先ほどおっしゃられた平均値ということではなくて、同種の契約のものがありますので、それを平均的に見て損害額は幾らかということで決まっているということで、これは実務の上でも定着して運用されているというふうに理解しております。
○黒岩委員 わかりました。 実は、私、先ほどの審議官の答弁はありがたいと思っているんですよ。おっしゃるとおりだったら、実際には、複数ですよね、今言ったアメリカ旅行とかの契約が幾つかある、それを選び出して、例えば四十万とか五十万とかあって、自分のところはその平均で、まさに複数からならして、四十五万ですねと。これを立証すればいいんだったら楽なんですよ。 単一の契約で、例えば四十万という額が平均的かどうかという、この事実認定は物すごい難しい。単一の契約で、同種のものから引っ張ってきて。 それが、複数が出ていて、それをならすというんだったら、むしろ消費者側にとってはありがたいんですよ。だから、今まさに審議官からそういう解釈だとお聞きしたので、裁判実務上もこれで通るということですね。
○井内政府参考人 お答え申し上げます。 先ほども申しているとおり、消費者がキャンセルしたときに同種のものをどこまでとるかというのはございますけれども、それを平均的に見るということでございます。
○黒岩委員 最初の答弁とかなり右往左往しましたけれども、重要ですよ。 だから、複数の契約のそこの平均的なものだということがわかったので、それがわかれば、多分、裁判実務家からしたらわかっていると思うんだけれども。ただ、立法責任者の方が、審議官も今二転三転するようでは、私、大変心もとないですよ。今、消費者契約法の改正という大きなテーマでやっているんですから。 もう先に行きます。 それで、私どもは、これにおいて推定規定を設けるべきだと。これは、私どもが主張しているんじゃなくて、これ自体は、ですから、今度は、同種の当該事業者じゃなくて、同種の事業者間で、同業他社ですよ。B社、C社、D社。そういったところで類似する同種の事業者に生ずべき平均的な損害の額を立証した際には、これを平均的な損害額と推定するというこの推定規定は、何も私どもが言っているんじゃありません。専門調査会において、消費者団体はもとより、事業者団体もそれでオーケーだと合意した。そのことによって、消費者委員会の二次答申においては、その推定規定を設けるという法改正をすべきという答申につながっているわけですよ。くどいようですけれども、事業者側もそれでオーケーですよと。 それはそうですよ。せめて推定規定を入れなかったら、情報量のない消費者にとって、今言った平均的な損害額を求められたら、かなり実務においては困難をきわめているわけですよね。 そこで、今言ったように、事業者側もオーケー、消費者委員会から二次答申も出された、この推定規定が今回なぜ法改正で見送られたんですか、お答えください。
○井内政府参考人 お答え申し上げます。 現行法上、おっしゃるとおり、事業者の平均的な損害の額を超えるキャンセル料というのは、その部分につき無効となるということでございますけれども、今回、立証負担の軽減の観点から、同種の事業者で事業の内容が類似する他の事業者から、問題となっている事業者の、先ほどから御議論になっていた平均的な損害の額を推定するという規定を設けることとして検討してまいりました。 しかしながら、消費者契約一般に通ずる類似性の判断の基礎となる要因、どういう要因を見出すといいますか、決めるかということが実は困難であったということで、今回は、更に精査が必要だということで法制化を見送った、そういう事情でございます。 ただ、一方で、現行法の規定は、平成十三年の法施行以来、裁判所又は裁判外の紛争において、実際には先ほども申しましたように積極的に活用されておりまして、実際に事業者のキャンセル料条項が無効とされた事例というのも多数存在しているのも事実でございます。 こういうことから、今国会におきましては、その他の改正事項について消費者被害の救済を優先させるということからこの改正案を策定したということで、この推定規定については法制化をしなかった、そういう事情でございます。
○黒岩委員 二点指摘します。 今、審議官のお話ですと、同種の事業者というものを事実認定する要因を導き出すことが困難だったからと言いました。 それについて私は反論しますけれども、それでも、今の、立証責任が消費者側にだけある、同種の当該事業者だけの契約との比較に比べれば、間口が広がった分、もともと、今言った同種の当該事業者の契約内容だって平均かどうかを立証するのはかなり困難なんですよ。でも、今申し上げたとおり、仮に困難でも、わかりやすく言えば、推定規定がないよりましじゃないですか。あって何か不都合があるんですか。 加えて、今、これは非常にある意味驚きだったんですけれども、今のお話の確認ですけれども、裁判実務で、我々がイメージする推定規定、すなわち、当該事業者以外のB社、C社、こういったものの契約内容が参考になって、平均的な損害額を司法が事実認定するときの実際上はこれが効果を及ぼしている。これが二点目。 これは改めて確認ですけれども、それが今の実務の実態だ、そのように消費者庁としても認識をしているということでよろしいですね。
○井内政府参考人 お答え申し上げます。 裁判において、事実上の推定ということで、裁判官が、経験則を利用しまして、ある事実から当該事業者に生ずべき平均的な損害の額を推認する、そういう事例があるということでございます。
○黒岩委員 厳密におっしゃってください。 今、ある事実というのは、さっきから言っている当該事業者のみに限られた契約書でなく、他の同じ業種の、我々が今言っているところの命題ですよ、他の事業者の契約、これを参考にして平均的な損害額を推定しているということでいいんですね。これはイエスかノーかで答えてください。
○井内政府参考人 お答え申し上げます。 今申し上げました事実上の推定ということにつきましては、当該事業者に発生する平均的な損害について、同種の事業者のものから推定するということでございます。(黒岩委員「他の事業者ということですね、当該事業者じゃないですね」と呼ぶ)そういうことです。同種の事業者です。
○黒岩委員 そうなると、そういう消費者庁の認識だと、私が聞いている限りは、我々の言うところの、今言った同種の事業者の額を当該事業者の損害額に推定するこの規定を、今言った専門調査会でも入れたらどうだ、消費者庁も今までも検討してきた、そして今後も検討していくと聞いているわけですよ。 だったら、今の裁判実務上、実際にはもう取り入れているんだ、実際には、この条文からは読めないけれども、司法の実態上はこの推定機能がまさに機能しているんだ、こういうことなんですよ、今の答弁は。 だったら、もう推定機能の導入自体、いい意味で検討する必要もない。だって、裁判実務はもう推定機能が働いているんだから、ということなんですよ。それでよろしいんですね。
○井内政府参考人 私どもも、もちろん、専門調査会で御指摘いただいたように推定規定を入れたかったんですけれども、今回は類似性の観点で要因を見つけられずに出たわけですが、消費者庁として、事実上の推定と法律上の推定ということであれば、事実上の推定が働いた例があるからいいということではなくて、この場合には、事実上の推定であれば、消費者の立証責任というのは当該事業者にあるわけですけれども、法律上の推定を入れますと、消費者の立証責任というのが、今度は、立証するのは当該事業者の平均的な損害額ではなくて、先ほども申しましたけれども、同種の事業者の平均的な損害を立証すればいいという形になりますので、私どもは、もちろん、今御批判いただいたようなことでは毛頭ございませんで、これまでも答弁しているように、引き続き検討して、しっかりと入れていきたいというのが強い思いでございます。
○黒岩委員 井内審議官、私、順を追って確認しているんですよ。何で、専門調査会でも合意して二次答申も出されたこの推定機能をまさに法律上入れなかったんですかと。理由は二つでしたよ。 これは、今言った類似性の要因を導き出すことが困難であると。これについては、困難だってないよりましだと私は反論したわけですよ。 加えて、裁判実務上は事実上の推定機能が働いているから今回規定に盛り込まなかったと言ったから、事実上の推定が働いているから法改正に盛り込まなかったという、これは審議官の答弁ですよ。だから、私は、事実上の推定が働いているから法改正の必要がないのなら、ある意味、事実上の推定で法的な機能も持たせているという、そこまで言わないにしても、審議官は、事実上の推定がもう働いているから、だから法改正に盛り込まなかったと断言したんですよ。だったら、そういう認識だったら、法改正の検討も、もう実務では推定機能が働いているのなら、いい意味で検討しなくていいですね、こういう結論になるわけですよ。 それを聞いたにもかかわらず、今度は、法的な推定と事実上の推定は違うからと。これはもう明らかに矛盾しているんですよ。ある理由を聞いてその理由はこうだからと言って、その理由に対して、ではこうですよと打ち返したら、今度はそれについてまたもとに戻った。堂々めぐりみたいになっている。 これは本当に逐条解説がぶれているということの証左ですよ。何かありますか。
○井内政府参考人 お答え申し上げます。 先ほど申し上げたのは今回盛り込まなかった理由ということで、それは類似性の要因を見つけられなかったということでありますけれども、ほかの取消権とか、これは専門調査会の方で取りまとめていただきましたので、そちらを優先するということで、法律上の推定の規定を入れられるのを待つと時間がかかってほかのところが入らなくなるので、それで今回の改正を先にしたという趣旨でありまして、事実上の推定が働いているからいいんだというのではなく……(黒岩委員「そう答えたからですよ。審議官、みんなそう聞こえている」と呼ぶ)いえいえ、それであれば、私の……(黒岩委員「後で議事録をしっかりごらんになってください」と呼ぶ)申しわけございませんけれども、今回法制化できなかったというのは、一緒にやるということであれば時間がかかるということだったので、それについては、私の言い方が間違えたということは大変失礼いたしました。
○黒岩委員 今の説明も、正直、全く納得がいきません。 だって、今言った九条の一項の法的推定を入れることに議論をかけていると、他の取消権について法改正がおくれる。関係ないじゃないですか。何の因果関係があるんですか。条立ても違うし、項立ても違うし。やれるべきところは先に進めてやればいいだけで、これを検討するとそれがネックになって、こっちがおくれるみたいな。 まあいいや。ちょっともう時間がないので、後で、今の審議官の説明について、ちゃんと詳細なものを私にペーパーで送ってください。今の説明。この法的推定、時間がかかる、他の取消権に対する法改正がおくれるからだと。ちゃんとその因果関係を私にわかるようにしてください。私は……
○櫻田委員長 黒岩宇洋君、質疑時間が経過しております。
○黒岩委員 経過した。まだあと一分ですよ。 私は立証責任の転換までなければだめだと思っているんですよ。こんな立証が困難な中で、推定規定も入れない、立証責任の転換も行われない。そんな中で、今、立証が、大変消費者が困っている。このことについてどういう施策を講じていくのか。 では、これで終わりますから、次は、その施策をどう講じていくのかということを答弁いただいてからスタートを切りたいと思います。 これで私は、きょうは質問時間が切れたので、よろしくお願いいたします。ありがとうございました。
○櫻田委員長 次に、畑野君枝君。
○畑野委員 日本共産党の畑野君枝です。 消費者契約法の一部改正案について、福井照担当大臣に質問いたします。 二〇〇〇年五月に成立をし、二〇〇一年四月から施行された消費者契約法は、これまで三度の改正を重ね、今回が四度目の改正提案となっております。 そこで、初めに伺いますが、そもそも消費者契約法とはどのような法律なのか、伺います。
○福井国務大臣 消費者契約法は、全ての消費者の救済を図るという立法趣旨だったと思います。 四度目の今回の改正の趣旨についても、あわせてお話をさせていただきたいと思います。 本法につきましては、消費者と事業者との間に存在する契約の締結、取引に関する構造的な情報の質、量並びに交渉力の格差に着目をして、消費者に自己責任を求めることが適切でない場合のうち、契約締結過程及び契約条項に関して消費者が契約の全部又は一部の効力を否定することができるようにする場合を定めたものでございます。 このような特別の定めを置くことによって、消費者と事業者との間で締結される消費者契約に関するトラブルの公正かつ円滑な解決に資するものと考えてございますので、この法律の提出をさせていただいたところでございます。
○畑野委員 お手元の配付資料、消費者庁の資料ですが、消費者契約法の成立について、消費者契約に関する包括的な民事ルールと説明されています。この包括的な民事ルールというのは、具体的にどのようなことですか。
○福井国務大臣 包括的な民事ルールと言っている理由でございます。 本法は、あらゆる商品、あらゆるサービスを対象に、訪問販売でありますとか、通信販売でありますとか、店舗販売でありますとかなどなど、あらゆる取引形態における消費者と事業者との間の契約について幅広く適用される民事ルールであることから、消費者契約に関する包括的な民事ルールというふうに言っているわけであります。
○畑野委員 大臣から、あらゆるというふうに御強調いただきました。 今回の改正案は、契約の取消しが可能な勧誘の新しい類型として、四条で、不安をあおる告知、恋愛感情に乗じた人間関係の濫用について加えることにしております。 そこで伺いますが、法改正の内容を検討してきた消費者契約法専門調査会が取りまとめた報告書では、不安をあおる告知の必要性についてどのように検討されたのでしょうか。
○福井国務大臣 ありがとうございます。 消費者契約法専門調査会報告書におきましては、消費者が、当該契約の締結について合理的な判断を行うことができないような事情を事業者に不当に利用される、そういう不必要な契約を締結させられたという被害事例が存在しているという指摘がされております。これを受けまして、消費者が不安を抱いていることを事業者が知っていた場合において、告知を正当化する理由がないのに、当該消費者契約の目的となるものが必要である旨を強調して、殊さら強調して告げる行為を対象とする趣旨の規定を設けることが適当とされております。 その立法を作業して、今回、提出をさせていただきました。
○畑野委員 同様に、恋愛感情に乗じた人間関係の濫用につきましては、この専門調査会ではどのように検討されてきたのですか。
○福井国務大臣 前段の専門調査会云々はちょっと省略をさせていただきまして、同様に被害事例が存在していることと指摘をされましたので、これを受けて、事業者が、当該消費者との間の緊密な関係を新たに築き、当該消費者の意思決定に重要な影響を与えることができる状態となったときに、当該消費者契約を締結しなければ当該関係を維持することができない旨を告げる行為を対象とする趣旨の規定を設けることが適当とされましたので、そのまま立法させていただいたわけでございます。
○畑野委員 今大臣から御答弁もありましたが、この調査会の報告書では、この二つの類型というのは、合理的な判断をすることができない事情を利用して契約を締結させる類型、いわゆる困惑類型に追加されるべきものとして整理をされたものだと思います。ところが、法案では、この双方ともに「社会生活上の経験が乏しいことから」という要件がつけられてしまった。 五月十五日の参考人質疑では、経団連の長谷川参考人から、社会生活上の経験が乏しいという要件につきましては、直接的には専門委員会でその文言について議論されたということはございませんと、私の質問に答えてくださいました。さらに、報告書段階では入っていなかったわけでございますが、それがどういった経緯で入っていたかということについては、専門調査員の委員の立場としては存じ上げないと、大西委員からも紹介してくださいましたが、私の質問にそのように答えておられました。 ですから、みんな不思議に思うわけです。なぜ議論もされていなかった「社会生活上の経験が乏しいことから」という要件がこの法案で加えられたのかということですが、なぜですか。
○福井国務大臣 専門調査会報告書五ページから抜粋したものを三行だけ読ませていただきますと、「消費者が、判断力や知識・経験の不足、不安定な精神状態、断りきれない人間関係など、当該契約の締結について合理的な判断を行うことができないような事情を事業者に不当に利用され、」云々かんぬんとございました。 今先生御指摘の、「社会生活上の経験が乏しいことから」というふうに冠をつけていないという中から今回の法文をどのようにエラボレートしたかということでございますけれども、もう一度整理させていただきますと、内閣府の消費者委員会の専門調査会では、知識、経験の不足など、合理的な判断をすることができないような事情につけ込む被害事例について検討が行われました。できる限り客観的な要件をもって明確に定める必要があるものとして報告書が取りまとめられたわけでございます。 本要件は、つまり、社会生活上の経験が乏しいからという要件は、この専門調査会の報告書等を踏まえまして、こうした被害事例を適切に捉えるため法制化したものであるというふうに法案を提出した立場からはもう一度申し上げさせていただいた上で、今、種々の先生方、数々の先生方の御指摘のように、委員会で御議論があるようでございますので、その委員会の御議論を尊重させていただきたいと思います。
○畑野委員 そこで、先日の参考人質疑では、その当事者でいらした前消費者委員長の河上参考人を始め、また長谷川参考人からもお話を伺う機会を得たわけです。 そもそも、その後、報告書の中身や、あるいはその後の消費者委員会としての答申、これは本当にきちっと反映しないと困るわけです。 十五日の参考人質疑で河上参考人は、社会生活上の経験が乏しいというのはどうかと、それだけを切り出して、それに対する対応でよしというふうにするのはやはりちょっと狭いというふうに苦言を呈しているんですね。若い要素もあるけれども、普通の人間でもある種の不安心理があったり、場合によっては、高齢者なんかは依存心が出たり、通常の人でも、実は興奮状態に置かれると、SF商法なんかではっと手を挙げてしまうようなところはあるわけですと。ですから、そうした不安心理、依存心、興奮状態、場合によっては無知、無経験というようなものを含めて、これは意思表示に瑕疵を生ずる可能性が高いと。 何か経験だけを言っていたわけじゃないんですよ。包括的というふうに、大臣も、民事のルールとして消費者契約法というのがあるわけだから、何かその部分だけをつまみ食いして、あるいは、何か起きたときにモグラたたきのように後からやるという、それでいいのかということを専門家調査会の皆さんも真剣に議論されてきたし、そういうことを取りまとめて付言も行ってきたわけですよね。 これだけに時間をとることはできない。 ですから、その経緯をきちっと当委員会に報告していただきたいと思います。委員長、お願いします。
○櫻田委員長 理事会で協議します。
○畑野委員 福井大臣にも、その経緯を、大臣自身がよくよくお調べいただきたいということを求めておきたいと思います。いかがですか。
○福井国務大臣 きょうまでの経緯の中ではしっかりと把握をさせていただいたつもりでございますけれども、今委員御指摘の点、心理と契約との関係において力いっぱいの線引きをしたのがこの「社会生活上の経験が乏しい」という文言になったというのも御理解いただければと思いますけれども、いずれにしても、この委員会においての御議論を尊重させていただきたいと思います。
○畑野委員 その線引きがふさわしくないということだと私は思います。 それで、先ほど申し上げたように、経験の有無というのはさまざまな事情の一つにすぎないということです。要件は、あくまでも、合理的な判断ができないというさまざまな事情から困惑させられたかどうかということなんですね。 それで、「社会生活上の経験が乏しいことから」などということを抜き出して条文化するとどうなるか。結局、該当するケースが狭められることになりかねないわけです。 伺いますが、経験が乏しいかどうかというのは一体誰が立証するのですか。
○福井国務大臣 本要件は取消権の発生を基礎づける要件でございますので、取消しを求める消費者の方に立証責任があると考えられております。
○畑野委員 大臣が最初におっしゃったように、格差があるわけじゃないですか。たくさんの情報を持っている事業者に対して、消費者というのは弱い。だから、それを保護すると同時に、悪質な業者は排除して、そして健全な事業者も頑張ることができる。ウイン・ウインの関係で進めば、社会経済が健全に発展して、それは健全な事業者にとってもいいでしょうということですよね、結論的には。 だけれども、結局、今回の立証というのは消費者になるという御答弁でした。ですから、結局、これはどういうことかというと、事業者がいろいろと理由をつけて反論ができる余地を拡大することになるということじゃないですか。 消費者団体や日弁連からも、この要件を加えることで、中高年や高齢者の被害が狭められるという懸念が出されてまいりました。本当にそうだと思うんです。 先日の参考人質疑では、河上参考人から、要件を厳格化すると、包括的性質を持った消費者契約法の機能を失う可能性があるという指摘もされました。 ですから、私は、各委員もおっしゃっているように、包括的な民事ルールという法の趣旨に反するような「社会生活上の経験が乏しいことから」という規定は削除すべきではないかと思いますが、いかがですか。
○福井国務大臣 「社会生活上の経験が乏しいことから」という規定は削除するべきであるということでございましたけれども、この要件は、取消権の適用される範囲について、既に規定をされている不退去や監禁と同様に、消費者に類型的に困惑をもたらす不当性の高い事業者の行為を特定して明確化するためのものでございます。仮に、この本要件を置かなければ、本来法が想定していない場合につきましてまで取消しが主張されてしまうおそれがございます。こうしたことから、「社会生活上の経験が乏しいことから」との要件を設けているわけでございます。 先ほどから委員御指摘の、弱い立場の消費者について、その消費者を守るための法文ではないという御指摘でありますけれども、もう何回も政府参考人からも申し上げておりますけれども、この社会生活上の経験というのは、客観的な事実、事情により主張、立証されるものと考えられておりますし、社会生活上の経験としては、例えば、進学、就職、結婚等の経験、進学状況、就職の状況、結婚経験の有無等の人生経験等を主張、立証できるものと考えてございます。生計に関しましても、財産の管理、処分の経験、消費者の過去の取引履歴などによって主張、立証されるものと考えられているところでございます。 いずれにしても、何回も繰り返しになりますけれども、この点につきましては、肝中の肝でございますので、委員会の御議論を尊重させていただきたいと思います。
○畑野委員 先日の参考人質疑では、三人の参考人の方のうち、河上参考人と野々山参考人は、この「社会生活上の経験が乏しいことから」については削除すべきと、三人のうち二人が削除すべきと明確におっしゃっております。 それで、私は、大臣が最後に、結局は裁判なんですというふうにおっしゃる、そのときの裁判の実務がどうなるのか。これは本当に苦労しているんだ。そして、先ほどこの委員会でも議論になりましたけれども、国民生活センターの皆さん、あるいはそれぞれの地方の皆さんが、本当に大変な相談に乗りながら、御苦労しながら、この法律が更によくなることを願って消費者保護のために頑張っているわけですね。 では、その現場でどういうふうになるのかということで、参考人の野々山弁護士はこのように言っているんです。「先ほどの勧誘要件の幾つかの要件に当たる、これ自体で十分悪質なわけでありますけれども、それに対して、いや、この若年者はこの分野では社会生活上の経験は積んでいるんだという反論を許す結果になってくるだろうというふうに思います。」と言っているんです。 これは高齢者や障害者だけの問題ではなくて、野々山参考人は次のように言っているんですね。「社会生活上の経験が乏しいことが入ったことが、若年者に有利になるというよりも、若年者の人たちに対してまた反論を許すような一つの要素にもなるわけでありまして、そういうものについても、他の要件で十分悪質性はあるわけで、事業者の方は悪質性を争ったらいいわけですね、自分はあの要件に当たらないということを争ったらいいわけでありまして、消費者に社会生活上の経験があるかないかを争うべきではない、争う必要はないのではないかというふうに私は思っております。」とおっしゃっているんです。 先ほどの委員の質問、議論の中でもそういうことがあったと思いますけれども、あえて狭めるような、これは若年者にとったってそういうことをもたらすんだと。反証は消費者がやらなくちゃいけないということですよね。 それで、伺いますが、消費者契約法の第十条は、消費者の利益を一方的に害する契約条項の無効を定めております。しかし、不当な勧誘についてこうした条項がないのはなぜでしょうか。
○福井国務大臣 ありがとうございます。 第十条についての御質問でございました。 消費者契約法は、消費者と事業者の間の契約全てについて、民法の特則となる包括的な民事ルールを定めた法律でございます。そのため、消費者契約法の各要件についてはできる限り明確に定める必要がございます。 不当勧誘については、こうした明確な要件を定めるに至っていないため、法第十条と同趣旨の規定が定められていないものと考えておる次第でございます。 もっとも、消費者の被害の救済を図る上で、内閣府消費者委員会の答申の付言において求められているような取消権を設けることは重要な課題であると考えており、今先生おっしゃるとおりでございます、重要な課題であると考えておりますので、被害事例や裁判例の分析等を進めて、引き続き検討してまいりたいと思っている次第でございます。
○畑野委員 今少し大臣も述べられましたけれども、昨年八月八日の消費者委員会の二次答申では、異例とも言える付言がなされています。その一つを紹介しますが、「高齢者・若年成人・障害者等の知識・経験・判断力の不足を不当に利用し過大な不利益をもたらす契約の勧誘が行われた場合における消費者の取消権」について早急に検討するべきとしたわけですね。ですから、検討って、何かゆっくり検討するのではなくて、本来、今回の改正案にちゃんと盛り込むべきだったんじゃないですか。そういうことも含めて検討するべきだという声が出ているわけですから。 この点については、大臣、もう一回、どうですか。
○福井国務大臣 おっしゃるように、平成二十九年八月八日、消費者委員会委員長から内閣総理大臣安倍晋三宛てに答申書がございまして、付言として、「合理的な判断をすることができない事情を利用して契約を締結させるいわゆる「つけ込み型」勧誘の類型につき、特に、高齢者・若年成人・障害者等の知識・経験・判断力の不足を不当に利用し過大な不利益をもたらす契約の勧誘が行われた場合における消費者の取消権」等についても言及がされておりますので、可及的速やかによりももっとギアをアップして検討させていただきたいと思います。
○畑野委員 参考人質疑の中で河上参考人がこのように提案をしております。「消費者の知識、経験、理解力、判断力なんかの不足を不当に利用して過大な不利益をもたらす契約の勧誘が行われた場合、いわゆるつけ込み型勧誘に消費者取消権を認めるということを求めた、受皿としての包括的な救済を求めるバスケットクローズ、つまり受皿的な規定、それが欠けている」ということを指摘されているんですね。 ですから、本当にこれは大事です。大臣が言ったように、やはり消費者契約法というのはどういう位置づけなのか。個別の法律とまた違うわけですね。そういう包括的な民事ルールとしてきちっと機能を果たす。その点で、この「社会生活上の経験が乏しい」という言葉が入ることによって、どう狭められて、どういう問題が出てくるのか。 これは何かほかの手を打てばいいかというのじゃなくて、やはり包括的な民事ルールというのはすっきりといかないといけないわけですよ。後で何かつけ加えたら余計ややこしくなるということでは現場が困る。消費者も困るけれども、事業者だって健全な事業者は困ると思いますよ。 そういう点で、私は、しっかりした議論をする、そして、消費者担当大臣としても、ぜひ国民の目線で、これでよいのかとよく調べていただいて、吟味をしていただいて、再提出をしていただきたいというふうに思うぐらいでございますけれども、そのことを求めて、質問を終わります。
○櫻田委員長 次に、森夏枝君。
○森(夏)委員 日本維新の会の森夏枝です。 本日も質問の時間をいただき、ありがとうございます。 それでは、質問させていただきます。 今回の法案ですが、国民の命と平和な暮らしを守り抜き、消費者が安心して安全に豊かに暮らし続けるためには、一刻も早く法案を成立していただきたい、そういう思いから質疑をさせていただきます。 先日の党の部会の方でもこの法案の御説明に来ていただきました。恋愛感情等に乗じた人間関係のところで被害の把握が大変難しいように感じました。 例えばですが、お互い恋愛関係にあると思っている女性がいて、好きな人のために高額なものを購入し、購入した直後にその人と連絡がとれなくなり、詐欺だと気づいたとして、それを消費者センターに問い合わせるのか、また、その詐欺をしたとされる相手が見つかったとしても、本気でした、彼女からプレゼントをもらっただけですと言われた場合、どのように対応されるのか疑問に思いましたので、恋愛感情等に乗じた人間関係の件で、だまされているなどのトラブルがあり、立証する場合、どのように判断されるのかお聞きしました。 その際、消費者センター等に同じ案件の問合せが複数あったときに、そこで把握でき、同じようにだまされている人がいると判断されるとのことでしたが、間違いありませんでしょうか、お答えください。
○井内政府参考人 お答え申し上げます。 例えば、勧誘者に恋愛感情等の好意の感情を抱き、かつ、勧誘者も同様の感情を抱いていると誤信していたとの要件につきましては、消費者が勧誘者に思いを伝え、勧誘者がそれに応えるような内容のやりとりをしていたことを、勧誘者との間のメールやLINE等のやりとり、日記とかフェイスブックの内容等により主張、立証することが考えられるわけでございます。 加えまして、今御指摘のように、消費生活センターへの同一事業者の相談が存在すること、相談内容の中に、勧誘者に恋愛感情等の好意の感情を抱き、かつ、勧誘者も同様の感情を抱いていると誤信させるような手口があらわれていることを、センターの相談記録により、それを用いて主張とかあるいは立証することが考えられます。
○森(夏)委員 ありがとうございます。 相談記録をもとにということなんですけれども、同じ案件の被害の問合せがなかった場合にはどのように判断をされるのか、また、相談者への対応はどのように進められていくのか、教えてください。
○井内政府参考人 お答え申し上げます。 消費生活センターに同一事業者に関する相談がない場合、そういうときでございますけれども、そのときの消費者の立証方法でございますけれども、同一の勧誘者が同一時期に複数の人間に同じ手口で勧誘を行っていることを、例えばフェイスブックとかネット上の被害内容告白の記載など、こういうのがございましたら、それを根拠に主張、立証することが考えられます。
○森(夏)委員 ありがとうございます。 ということは、フェイスブック等で立証ができない場合は、被害に遭われた方というのはどういった対応をされるのでしょうか。複数そういった案件が見つかった場合は対応されるとのことなんですが、お答えいただければと思います。
○井内政府参考人 お答え申し上げます。 ほかの相談の事例などでも、消費者が契約を取り消すときの主張とかなんですけれども、自分でそういうメモをつけたとか、あるいは友達に相談しているとか、そういうことをもって立証していくというのも一般的でございます。
○森(夏)委員 ありがとうございます。 しっかりと対応していただきたいと思っております。 消費者の思い、感情は個々により千差万別です。前回、大臣所信の質疑の際に、消費生活センターへの問合せについて、全体の九十二万七千件の相談のうち、高齢者が二十四万件、二十代については八・七%、十代においては二・三%という数字が出ていたと思います。 また同じ見解になってしまいますが、誰にも相談できない、特に、金銭が絡み、異性が絡みという案件で消費生活センターに問合せをするのでしょうか。なかなかこのような案件は、被害者の方が被害に遭ったと御自身で感じられる、思われるのは、被害が相当大きくなってからだと思います。その時点では、一人ではどうすることもできなくなっている状態ではないかと思います。一人、二人は極端かもしれませんが、一人の声でも大切に慎重に扱っていただき、判断をしていただきたいと思っております。 そこで、これからどのように消費者被害の防止対策をされていくのでしょうか。いろいろな案件での場合で対応が違うかと思いますが、今現在、どのように被害の防止対策をされているのか、お答えください。
○川口政府参考人 今御質問の御趣旨、主として若年者の消費者被害の防止、救済策というふうに受けとめさせていただいて、お答え申し上げます。 本日御議論いただいております消費者契約法は、新たに取消しができる場合というものを追加するということでございますけれども、これまでも、消費者契約法、例えば不実告知をした、あるいは監禁されて契約をした、あるいは勧誘者がなかなか帰ってくれないといった場合には、これは消費者契約を取り消すことができます。あるいは、特定商取引法でも、さまざまな契約類型、勧誘類型に応じて取消しができる場合がございます。それから、クーリングオフということで、無条件に一定の期間取り消すことができる場合があります。クーリングオフは取消しと若干違う概念でございますが、契約を解除することができるわけでございます。 ただ、こういう権利を消費者が知らないということになりますと、いずれにせよ、消費者の被害の防止あるいは救済ということにつながらないわけでございます。 ですから、消費者教育の場においてしっかり教育をしていく、どういう権利が消費者にあるのかということを教育していくということは、今も努力をしておりますし、今後も必要だと思っております。 ただ、具体の場合にそれが適用できるのか、これはなかなか難しいことでございますので、やはり、先ほど来答弁申し上げておりますが、一八八に相談していただく、若者には一八八に相談していただくということをもっとお願いしたいと思います。 そういうことで、消費生活センターの方が具体的な場面にどういう権利が消費者にあるかということをアドバイスできる、そういうことを進めていくというのが、現在やっておりますし、今後も一層必要になるというふうに考えている次第でございます。
○森(夏)委員 ありがとうございます。 一八八、まだ知られていないと思いますので、私もこの一八八を広めるために努めたいと思っております。 次に、霊感商法、宗教などによる消費者被害の対応について伺います。 霊感商法や宗教による被害は、なかなか防止するのが難しいものだと思います。社会生活経験の少ない未成年が霊感商法、宗教を信用していて、その親権者から相談があった場合、どのように対応していくのか、お答えください。
○井内政府参考人 お答え申し上げます。 親権者の場合ですけれども、その場合には親権者に対してアドバイスをしていくということになると思います。
○森(夏)委員 ある高校であった話ですが、十八歳の高校生が学校内で信仰心をあおる勧誘をし、勧誘をされた側は断り切れず、信仰施設に連れていかれ、説明を聞いたり、お守りの購入もしておりました。高校三年生で、大学受験を控え、何かにすがりたい思いもあったものだと思います。 学校に被害の相談があった時点では、既に十人近くの生徒が勧誘され、断れず、入会する寸前になっておりました。学校側は信仰心の自由があるので阻止をすることはできず、また、両親も対応に困っていたことをお聞きしたことがありました。学校の対応としては、現状の把握、休み時間の見回りをし、勧誘の阻止をすることしかできなかったというお話を聞きました。 なかなか繊細な問題ですが、そのときも消費生活センターへの相談とはならなかったようです。学校側も、学校で起きたことに関しては学校で解決しようと思うかと思います。また、保護者も、幾ら子供の問題でも、子供が信じ、入会をしていたため、学校に対応をお任せするしかできなかったと思います。 その後はどうなったかお聞きできておりませんが、このような場合、どのように対応すればよかったのでしょうか、教えてください。
○井内政府参考人 お答え申し上げます。 今のような事例であれば、まずやはり消費生活相談の場で、そこに御相談するというのが一番いいというふうに考えております。
○森(夏)委員 ありがとうございます。 問題が起きたときに消費生活センターに相談をする、なかなか今そういったことになっていないので、やはり生活センターの方に相談をしてくださいという周知をしっかりしなければと思います。 今回のケースでは、高校の学校内で起きた事案で、教師や親が見守れる状況の中での出来事ですが、地方から親元を離れた大学生の被害もあります。 大学に入ったばかりで不安を抱えているときに、サークルに入り、仲間ができ、その仲間を信用して一緒に活動しているうちに、いつの間にか入会させられ、退会させてもらえない状況になっていたという話を聞いたことがあります。 その子は親に相談し、退会をすることができたそうなのですが、全く親も知らずに最悪の事件に発展をした場合は、保護者は怒りをぶつける場所さえわからないと思います。 高校、専門学校、大学などの学校現場においても、教員一人一人の業務が多い中、認識を高め、防止対策、また、何か起きてしまったときの対応を勉強するには時間が足りないと思います。まだ対応していない学校も多々あると思います。 成年年齢引下げの問題対応、防止策など、教育現場においておくれていると感じますが、今後どのように学校、教員への周知をしていくのか、大臣、お答えください。
○福井国務大臣 学校教育につきましては、平成二十年、平成二十一年の学習指導要領の改訂によりまして消費者教育の内容が充実をされました。 これに基づきまして、社会科、家庭科など、関連する教科等において、例えば契約、消費者信用及びそれらをめぐる問題などを取り扱うなど、消費者教育に関する指導が行われていると承知をしております。 一方、御指摘のように、成年年齢の引下げに向けては、学校教育現場におきまして、消費者教育の意義や重要性について御理解をいただき、学習指導要領の趣旨にのっとって実践的な消費者教育が行われることが大変重要でございます。 消費者庁としては、本年二月に、関係省庁、つまり消費者庁、文部科学省、法務省、金融庁で連携をいたしまして、二〇二〇年度までの三年間を集中強化期間とするアクションプログラムを決定したところでございます。これに基づいて、実践的な消費者教育、すなわち、消費者庁が作成した教材「社会への扉」を活用した授業が全ての都道府県の全ての高校で行われることを目指して、文部科学省等と緊密に連携をして、消費者庁としても働きかけを進めてまいりたいと存じております。
○森(夏)委員 ありがとうございます。 しっかりと対応していただきたいと思います。お願いします。 消費者被害は若者だけではありませんので、もちろん全ての消費者を守るものでなくてはなりませんが、成人年齢の引下げにより更に若者の被害が増大していくのではと大変心配をしております。 成人年齢の引下げについても、施行までの時間がどんどん過ぎていっております。 知り合いのお子さんからは、成人式は十八歳から二十まで一緒にするのかと聞かれたこともありますし、お酒やたばこは十八歳からよいのかなど、まだまだ素朴な疑問を持っている方も多く、正確な情報も消費者の方には届いていないのが現状かと思います。 また、子供たちに、もっとお金や政治に対して興味を持ち、いろいろな今まで経験をしたことのない事案に対し更に議論をしてもらいたいとも思います。 最悪の事態になる前に、大切な命が守られるよう、助けられるよう、防止策をお願いして、本日の質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○櫻田委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時二十六分散会