国土交通委員会 第9号
- 発言数
- 100 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 2018/04/13
会議録
○西村委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。 本日は、本案審査のため、参考人として、近畿大学名誉教授三星昭宏君、社会福祉法人日本盲人会連合会長竹下義樹君、DPI日本会議事務局長佐藤聡君及び株式会社社会構想研究所代表取締役・交通権学会理事森すぐる君、以上四名の方々に御出席をいただいております。 この際、参考人の方々に一言御挨拶を申し上げます。 本日は、大変御多用のところ本委員会に御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。本案につきまして、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただきたいと存じます。 次に、議事の順序について申し上げます。 まず、三星参考人、竹下参考人、佐藤参考人、森参考人の順で、それぞれ十分以内で御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答えいただきたいと存じます。 なお、念のため参考人の方々に申し上げますが、御発言の際にはその都度挙手の上、委員長の許可を得て御発言くださるようお願い申し上げます。御発言は、その場で起立して行っていただいても、また、着席のままでも結構です。また、参考人は委員に対し質疑をすることができないこととなっておりますので、あらかじめ御承知おき願いたいと存じます。 それでは、まず三星参考人にお願いいたします。
○三星参考人 おはようございます。御紹介いただきました近畿大学の三星昭宏と申します。よろしくお願いします。 まず私の自己紹介からになるわけですが、私は、二〇〇〇年の交通バリアフリー法のときに、それまで政府と、何とか日本のバリアフリーを大幅に進めたいものだなという思いのもとに議論をしてまいりまして、二〇〇〇年のバリアフリーのときも参考人を務めさせていただきました。 その後、直ちに地元の関西で移動円滑化基本構想づくりに取り組みました。数多くの自治体の委員、委員長を務めまして、直近ですと、一昨年、奈良市を最後に、ほとんどつくるべき自治体が大体終わったわけであります。特に大阪府におきましては、全て終わっているということでございます。 この間、現場での基本構想づくりの経験をもとにいたしまして今から、十分間という時間でございますので、できれば、最初はざっとしたレビューぐらいをやらせていただきたいと思います。 御案内のように交通バリアフリー法というのは、つくり方が二本の大きな柱があるわけであります。つまり、バリアフリー化するにはこういう基準を満たさなければいけない、こういう規制法的な性格と、もう一つが、非常にユニークな、世界の中でもユニークなたてつけになるわけでありますけれども、移動等円滑化基本構想という計画行政なんです。 これはそれまでにない新しい概念でありまして、それまでは、当事者と事業者とがちょうちょうはっしと要求型で議論して、ともすると物別れになることが多かったのに対して、この計画行政は、最後は結論を持たなきゃいけない。プランにしなきゃいけないわけです。ですから、とことん議論する。 そういう意味では、民主主義としては、私がまちづくりで応援してきましたさまざまな審議会、委員会の中では、見たことのない議論が進展したわけでございます。 そのような中で特にポイントになりましたのが、まず第一に、最近よくこういうことを言われるんですが、障害当事者の方々が、私たちのいないところで勝手に決めないでください、まさにこの言葉に尽きますが、参加、参画、これが大きいポイントになりました。 また、今申しましたように、関係者が一堂にテーブルで集まって、しかも、このテーブルは最終的にはラウンドテーブルです。お互いに言いたいことを言い合って、最後は何とか結論を出していくという、全ての関係者の集まり、そして結論を出す。これが二つ目のポイントです。 全体を通じてPDCAサイクルを回していくということでございます。そのような議論の中の縛りとして、基準やガイドラインは、これは、ナショナルスタンダードとして最低のレベル設定があるわけでございます。 そんな中で、課題となりますのが幾つかあります。具体例がもし御質問あれば後からお伺いできると思いますが、項目だけ挙げていきますと、大阪府を始めとする関西、非常に熱心に取り組んだので、策定率は上がりました。 よい方の話をいたしますと、その中で、これはちょっと感覚的な物言いになりますけれども、やはり最初の志が高い自治体というのは、後もしっかり続いております。私流に言えば志。今回の法案では、促進のための方針、あるいはマスタープランづくりという形でその部分を独立して強化したわけでございます。 それから、まちづくりですから、各市の固有の条件があります。風土があります。その中でなじむ格好でバリアフリー化を進めていきたい。これがポイントになります。 それから、参加、参画を広げる。これは、役所もやったことのない全く新しい考え方だったわけであります。 更に進んだところは、というか、これはやって当然なんですけれども、これは後で申し上げますが、やっていないところが多いんです、残念な例ですが。継続協議会、つまり当事者が、役所だけでやる継続協議じゃないんです、当事者が参画して、現地点検もして定期的にレベルアップを図る。我々はこれを継続協議会と呼んでおりますが、これをやった。 これはよい方の例ですから例を申しますと、豊中市であるとか高槻市であるとか堺市であるとか、これは現在も活発にやっております。これが大変大事だということもわかりました。 そんなことで、それまでの二〇〇〇年以前にありました個別のバリアフリー対策を、更に総合的な政策として、私は二〇〇〇年型と呼んでおりますが、レベルを上げるということに取り組んだわけでございます。 ただし、残念ながら、その中でまだ課題もあります。今申し上げた成果をそのままひっくり返しますと、まだまだのところが多いわけであります。 策定率が全国的に見ますと低い。これはやはり大きな問題です。というのは、やったところとやらないところと全然違います。それから、法律が決まったから、とにかくもうエレベーターをつけなきゃいけないから、補助金をおろすためにやりましょうだけで始めたところはそれで終わりです。志が低いというのはやはりよくない。 さらに、地方の今衰退であるとかシャッター通りの話も全部含めた総合政策としてやはり展開されていないと言わざるを得ないので、せっかくの志だけではやはりうまくいかないみたいなところがあります。 ということで、課題として特に強調したいのは、当事者が参画した継続協議会を早く定着しなきゃいけない。大阪においても、今申しましたように、三つ、四つの自治体しか継続協議会を持っているところはないんです。 一番それがすぐれた、私は評価する立場じゃないんですが、芦屋市は、ずっと長い間、半年に一回継続協議会をやっている。それをやっても毎回議題に事欠くことはないんです。もう時間が全然足りないんです。それくらいやることがあるんです。そんなことで、これは全国的に広めたい。 ざっとお話しいたしましたが、こういうことを受けて今回政府の方から出ました法案が、概ね、私の言う二〇二〇年型に拡大しているように思います。何とか今回の法律によって、ワンレベルまた上の、特に国際的観点からも、レベルの高いバリアフリーを推進していきたいと思っております。 以上でございます。(拍手)
○西村委員長 ありがとうございました。 次に、竹下参考人にお願いいたします。
○竹下参考人 座ったままで失礼いたします。日本盲人会連合の竹下といいます。よろしくお願いいたします。 今回の法律につきましては、四点について私の方からまず意見を述べたいと思います。 まず一点目は、今回の法律改正で理念を設けたこと、そして、国民の理解を促進するための規定が入ったことは重要だと思っております。 共生社会というものを目指す、そのための社会的障壁を除去するという大きな目標を定めたわけでありますが、そうしたものを実現するためには、ハード面のバリアフリー化だけでは現実化しない。そこには、国民の理解あるいは関係者の理解という心のバリアフリーが不可欠だと思っております。 二番目には、バリアフリーに関する評価についての規定が含まれてきたことです。 いろいろなバリアフリー化がこの間進められてきました。しかし、そうしたバリアフリー化の改善が、現実に障害者にどういう今影響を及ぼしているのか、あるいはどこに問題が残っているのか、そうした常に評価を繰り返さないと、大きなバリアフリー化は実現しない。せっかくの工事が中途半端に終わってしまうということもあり得るわけですから、そうした評価が強化されたことを大事だと思っております。 三点目には、鉄道事業者を含めた各事業者によるバリアフリー計画を作成していただくことになったことを、非常に重要な規定というふうに評価しております。 どの事業者においても、どういう目標を持って、どういうバリアフリー化を進めるかということが外からも見える、あるいは事業者自身もその目標が理解してもらえるという形になることが、大きな社会の前進に結びつくのではないかと思っております。 できれば、この計画を作成する段階で障害当事者の声も聞いていただくこともお願いしたいと思っております。 四点目は、市町村による移動円滑化促進方針の策定と基本構想の策定が、努力目標とはいえ、規定されたことを重視したいと思います。 それぞれのバリアフリー化がばらばらでは、我々の移動は現実にはスムーズには進みません。そうした、地域とかあるいは市町村単位とか、もっと広域的な面でのバリアフリー化を考えるときには、こうした市町村や広域単位での計画策定や方針の議論が必要かと思っております。 ただ、この法律に賛成するものの、少しお願いしたい点もあります。 まず一点は、地域生活あるいは社会参加が今回の法律でどこまで前進するのかという視点であります。 私たちの日常生活においてこのバリアフリー化が促進されることによって、本当に地域での生活が自由になったのか、あるいは、自分自身の行きたいところに本当に行けるようになったのか、あるいは、社会参加、特に就労がスムーズに促進されるようになったのか。そういう、社会生活あるいは日常生活における円滑な移動がこの法律によって実現するかどうかということをきちっと見ていきたいというふうに思うわけであります。 二点目は、動線の確保といいましょうか、一人の障害者が、家から買物先、あるいは家から勤務先、そういう目的地まで移動することが有機的につながっているかどうか。 駅の中のバリアフリー化が進んでも、道路との接点においてその意識がされていなければ、我々は移動ができません。我々視覚障害者は、悲しいかな、駅のバリアフリー化、道路にも点字ブロックがついている、目の見える人にとったらこれは非常によくなったなと思うわけですが、その間がちょっとでも切れていると、我々にとっては何の役にも立たない社会資源に残念ながらなってしまうわけであります。 そういう意味では、動線を意識した事業施設と道路などの有機的な連続性というものをぜひ意識していただきたい。 三点目には、地方と都会の問題、あるいは小規模事業施設の問題。 私は今京都に住んでおりますけれども、東京に来ますと、非常にバリアフリー化の進んだ環境というものを実感できます。しかし、京都といえども、そこまでは進んでおりません。そういう意味では地域間格差が大きくなってきている。 さらには、我々にとって最も重要なのは安心、安全ということでありますが、その安心、安全という点でいうと、東京ではホームドアがたくさんふえてきました。それでも、残念ながら、我々視覚障害者の仲間が線路に落ちて悲惨な死亡事故が発生しているわけですが、関西や地方へ行くとホームドアはほとんどありません。その点で、地域格差、あるいは地方と都会との格差、小規模事業所と大規模事業所、あるいは鉄道事業駅の差というものをどう埋めていくのか、こうした点についても意識していただければありがたいと思っております。 最後に、私たちは、こういうバリアフリー化が進んだ後で本当に安心、安全がもたらされることを強くお願いして、私からの発言にさせていただきます。 ありがとうございました。(拍手)
○西村委員長 ありがとうございました。 次に、佐藤参考人にお願いいたします。
○佐藤参考人 おはようございます。DPI日本会議事務局長の佐藤聡です。本日はお招きいただき、ありがとうございます。 バリアフリー法改正法案に対する私の意見を述べさせていただきます。 まず、積極的に評価できる改善点は二点です。 社会的障壁の除去が入り、障害者権利条約の社会モデルの考え方が導入されました。これを更に充実させるために、障害者基本法と障害者総合支援法にはある、「等しく基本的人権を享有するかけがえのない個人として尊重されるものであるとの理念にのっとり、」を加えていただきたいと思います。 二つ目は、障害者を構成員とした定期的な評価会議が新設されたことです。 障害者権利条約の精神であるナッシング・アバウト・アス・ウイズアウト・アス、私たち抜きに私たちのことを決めないで、これを実現する取組として大いに期待しております。検討段階からの当事者参画と評価をぜひこの会議で実現していただきたいと思います。 続きまして課題です。 一つ目は、移動の権利と移動の連続性の確保の明記が必要だと考えます。 障害者権利条約一般的意見二号では移動の権利を明確に認めています。条約の理念を国内法に反映させるために、バリアフリー法に移動の権利を明記することが必要です。 また、移動はさまざまな交通機関を連続して利用するものですが、障害者に関しては移動の連続性が確保されてきませんでした。鉄道の乗り継ぎ、鉄道からバスへの乗り継ぎ、タクシーへの乗り継ぎ等ができなかったり、極端な遠回りをしなければならなかったりということがあります。これを改善するために、基本理念に移動の連続性の確保をぜひ加えていただきたいと思います。 二つ目は、障害者の定義を、障害者基本法、障害者総合支援法に合わせて、心身の機能上の制限を受ける者とすべきです。 改正法案では「身体の機能上の制限を受ける者」となっており、知的障害者、精神障害者、発達障害者、難病等が含まれておりません。これでは障害者基本法とそごが生じており、日本の法制度には障害者の定義が二つ存在することになります。障害者基本法、障害者総合支援法に合わせた定義にすべきです。 三つ目は、障害者差別解消法の環境整備の実現です。 障害者差別解消法第五条では、社会的障壁を除去するための環境整備を行政機関と事業者に求めております。改正法案では社会的障壁の「除去に資する」と入っており、社会的障壁除去のための合理的配慮の環境整備を進めることは必要不可欠であり、バリアフリー法で環境整備を明文化することが必要です。 四つ目は、小規模店舗のバリアフリー化を進めるために、捕捉率を踏まえた施策が必要です。 日本では、車椅子三人集まりますと、御飯を食べに行こうとすると、何を食べるかではなく、どのお店なら入れるかで選んでいます。車椅子で入れるお店が極端に少ないためです。 私は昨年アメリカに行ったんですけれども、ほとんどの店舗が車椅子で入店できました。食べたいもので自由にお店を選ぶことができ、人間とは本来こんなに自由なものなのかと初めて気づかされました。これは、ADAによって小規模店舗もバリアフリー化が進んだ成果です。 日本は、床面積二千平米以上の特別特定建築物しかバリアフリーの整備義務がありません。二千平米以上という基準は一九九四年のハートビル法から変わっておらず、デパートや大型のショッピングセンターくらいしか含まれません。さらに、店舗内のバリアフリー整備は義務づけられていないため、デパートの中のお店でも、段差があって入れないところがたくさんあります。日本の店舗のうちバリアフリー化されて入店できるお店は一体何%あるのか。実態の把握が必要です。 東京都が二〇一七年に実施した飲食店調査では、床面積百五十平米以下の店舗が八五・九%でした。これから見ても、二千平米以上だけを整備しても、入れるお店は数%にしかなりません。 例えば、入店可能なお店を五〇%以上にするというような目標を定め、そのために床面積何平米以上を義務づけるという、捕捉率を踏まえた施策が必要です。 五点目は、公共性の高い地域施設として、学校のバリアフリー化の推進です。 私は一九九五年の阪神・淡路大震災のときに兵庫県宝塚市に住んでおりましたが、障害者の友人は避難所となっていた地域の小学校に行ったんですが、入り口は階段しかなく、車椅子で使えるトイレもなかったため、避難所には入れませんでした。東日本大震災、熊本地震でも同じ事例が報告されており、この問題は改善されておりません。 誰もが避難できる避難所とするためにも、公共性の高い地域施設として、学校のバリアフリー化が必要です。大雨被害で三階以上に避難する事例もあり、体育館だけでなく、学校全体をバリアフリー化しなければなりません。特別特定建築物に一般の学校を含め、基準適合義務を課すことが必要です。 六点目は、地方のバリアフリー整備の推進です。 国交省がまとめた「平成二十八年度駅のバリアフリー化状況」によると、一日の乗降客三千人以上の駅のバリアフリー化は八七%でしたが、三千人未満の駅のバリアフリー化は二〇・八%にとどまっており、地方のバリアフリー整備が極端におくれていることがわかります。障害者権利条約第九条では都市及び農村の双方においてバリアフリー整備を求めており、地方のバリアフリー整備を推進する施策が必要です。 改正法案では、マスタープラン、基本構想は努力義務化されておりますが、積極的な一部自治体以外は改善されないのではないでしょうか。三千人未満の駅も含めた地方のバリアフリー化が進展する施策が必要です。 さらに、改正法案ではハード、ソフト一体的な取組が掲げられておりますが、近年増加している無人駅ではソフト対策は不可能ですので、ソフト対策のための人員配置が必要です。 七番目は、駅ホームからの転落防止と単独乗降の実現です。 ホームからの転落を防止するために、ホーム柵、ホームドアの設置を義務づけることが必要です。さらに、車椅子での単独乗降を可能とするため、数値目標を定めて、ホームと車両とのすき間と段差の解消に努めることも必要です。 大阪市営地下鉄千日前線は、一九六九年に開業した古い路線にもかかわらず、段差二センチ、すき間三センチ以下を目標に整備を進め、ほとんどの駅で実現し、車椅子での単独乗降が可能となっております。 最後に、一九九〇年代まで日本は、駅にエレベーターはなく、バスも階段で、車椅子では公共交通機関はほとんど使えませんでした。しかし、今は都市部はほとんどの交通機関が使えるようになり、どこにでも自由に行けるようになりました。わずか二十数年で劇的に変わり、まるで別の国のようです。これはバリアフリー法の成果です。 国交省の皆さん、国会議員の皆さん、事業者の皆さん、関係する皆さんに、改めて感謝申し上げます。 バリアフリー法は、日本を変えるとても重要な法律です。地方を含め日本全国がユニバーサルな社会になるように、世界の基準を取り入れ、整備がおくれている分野を改善するなど、より一層の取組をお願い申し上げます。 ありがとうございました。(拍手)
○西村委員長 ありがとうございました。 次に、森参考人にお願いいたします。
○森参考人 交通権学会理事、社会構想研究所代表取締役の森すぐると申します。よろしくお願いいたします。 まず、お手元の資料のイラストをごらんいただきたいです。お手元の資料のイラストは、これはミスター・アベレージという架空の人物です。 一九七四年に国連の障害者生活環境専門家会議がバリアフリーデザインという報告書を出したのですが、それがバリアフリーという言葉が広がるきっかけになったと言われております。そのレポートは、主にヨーロッパ各国の建物や街路などの設計基準が報告されているのですが、その冒頭にこのミスター・アベレージのイラストが添えられています。ミスター・アベレージというのは、日本語で言えば標準さん、あるいは、山口瞳風に言えば、エブリ・マン氏というふうに言えると思います。 彼についてこのように記されています。肉体的に最もよく適応できる壮年期にある男性。女性ではない。これも、原文に注釈として「女性ではない」と書いてあります。その象徴であり、統計的に言えば、少数の人しかこのカテゴリーには属さない。そのような架空の人物の利便性を想定して設計しているから、世の中の公共の建物にはバリアが多く、とりわけ、身体などに何らかの障害がある人は使うこともできない。このような指摘が既に四十四年前になされていたわけです。 先ほどもお話しありましたけれども、この二十年来、相当にバリアフリーが進んでいました。ただ、懸念されることは、さまざまなバリアフリー化が障害者、高齢者をこのミスター・アベレージに近づける、そういうような方向に進んでいないかということが懸念されると思います。 本来はミスター・アベレージというものを解消して、一人一人が暮らしやすい、大切にされるまちづくり、そういったものに合わせるのが必要だと思われます。 例えば、バリアフリー化でエスカレーターが整備されました。九四年に運輸省が出したガイドラインでは、上下とも設置できないときには上りを優先させるという一文が入ってしまった。そのために駅では上りエスカレーターが多くなって、本当は下りの方が転落の危険、膝への負担などがあるのに、上りしか整備されていないという状況が続いています。これも、つまり、ミスター・アベレージに近づけるというふうな方向性があったためだと思われます。 あるいは、エスカレーターの片側あけ、それもやはり、片方の体に麻痺がある人、あるいは、何らかの状態で二人並んで乗りたい人にとっては非常に大きな障壁になっています。 平成七年の障害者白書ではバリアを、物理的障壁、情報の障壁、心理的障壁、制度の障壁の四つに類型化しています。これは、バリアフリーということを考えるときに大変参考になる考え方ですが、ここではちょっと省略をします。 さて日本では、この二十年間、バリアフリーが進んでいたと先ほど申しましたけれども、実は、このバリアフリーデザインが出た七〇年代ごろから、主に障害を持つ当事者によって、福祉のまちづくりであったり生活圏拡大運動だったり、そういう形でバリアフリー化を求める運動が進められてきています。 一つは、上野裁判という裁判があります。これは、全盲の視覚障害者の上野孝司さんという方が国鉄の山手線高田馬場駅のホームから転落をして、ホームによじ登ろうとしたところに、到着した電車とホームの間に挟まれて即死したその事故がありました。その事故の責任、損害賠償を求めるという形で遺族が裁判を起こして、上野裁判という形でさまざまな支援をもって取り組まれました。 そして、一九八五年に東京高等裁判所で和解となったのですが、その中に、国鉄は、公共の高速度交通機関であることに鑑み、今後とも視覚障害を有する乗客の安全対策に努力する、この一文が和解条項に盛り込まれた。そのことをもって、可動式ホーム柵の開発や普及に非常に役立ったとされています。 可動式ホーム柵の問題も、当事者の死亡事故、それの責任を求める裁判から始まったというところはやはり明記しておきたいと思います。 同じ時期に、車椅子利用者も公共交通利用を求める運動を繰り広げています。 例えば有名なところでは、一九七六年から七七年にかけて、脳性麻痺の青年たちが青い芝の会というグループを持っていたわけですが、その人たちが、要するに車椅子に乗ったままでも路線バスに乗せてほしいという形で、当時は非常にいろいろな人が元気だったので、そういう形で運動し、一番激しいときには川崎市のバスターミナルが半日麻痺するような、ただ単に車椅子のまま乗せてほしいというだけの運動だったのに、運行する側がそれを拒否して、半日麻痺するような事件も起きています。 また、交通権学会、私が理事をしておりますけれども、この成り立ちの原点は、一九八四年に国鉄が地方交通線に対して、格差運賃、ほぼ一割増しの運賃を設定したときに、それが不当であるとして求めた裁判がベースになっています。 このような運動を契機にして、さまざまな法整備が進められて、本当に一歩ずつバリアフリーの環境が整ってきています。 私も、一九九〇年ごろから車椅子利用者などの外出支援のボランティアなどに取り組んでいますけれども、そのころはほとんど、車椅子で利用しても、階段です。それで、階段で四人から六人みんなで集まって、おみこしという言い方をしていましたけれども、それで昇降していました。 それが、九四年に運輸省のガイドラインがつくられて、あるいは、点字ブロックの整備が進んだり、バスもノンステップバスやワンステップバスが主流になってきました。このノンステップバスの普及に当たっては、東京都交通局とか横浜市交通局などの公営交通が、開発や、それから普及に対して大きく役立ったということです。 一方で、都市部以外では、先ほども話に出ましたけれども、地方鉄道や民間バスが廃止される、減便される、あるいは駅が無人化される。駅が無人化されるというと地方の話と思われるかもしれませんが、東京都内でも、あるいは埼玉県の高崎線沿線などでも早朝、夜間の無人化が進められて、そういった支援が必要な人が困る状態になっています。 そのような中で、今回のバリアフリー法に、「基本理念」として、「日常生活又は社会生活を営む上で障壁となるような社会における事物、制度、慣行、観念その他一切のものの除去に資すること及び全ての国民が年齢、障害の有無その他の事情」、この「その他の事情」というのはこの後話します、「その他の事情によって分け隔てられることなく共生する社会の実現に資する」という文言が明確にされたということは、いわば、この四十年間あるいはそれ以上の長い歴史のある権利獲得の運動の到達点として、評価をしたいと思っております。 最後に、ちょっとその本筋からは離れているところですが、気がかりに思っていることを二つ述べます。 一つは、この交通の分野においても、外国人に対するヘイトと言われる、そういったことが最近明らかになっていることです。 近年、案内板や車内表示などで、従来の日本語や英語のほかに、中国語やハングルが表示されることがふえてきています。これらについて、このような表示が不愉快だとか不要だとか、非常に攻撃的な意見がSNSなどで見受けられます。 これは、単に利便性への注文というよりは、むしろ外国人差別、とりわけ中国や韓国などの人々への差別に根差した攻撃性だと考えられます。なので、むしろ外国人に対するヘイトを防止する、そういう観点が必要だと思っています。 もう一つは、女性専用車両に対するバッシングも、これもひどくなっています。男性が乗車を強行したり、その様子をまた動画投稿サイトなどにアップしたりということが続いています。 性暴力の被害というのは十分に明らかにはなっていない。私の手元にあるのは、二〇〇八年に大阪府立大学で大学院生がまとめた女性専用車両の学際的研究という資料なのですけれども、その中では、限られたアンケート調査であるけれども、約半分の女性がいわゆる痴漢被害に遭ったということを答えています。 そのような被害に遭った方々が、痴漢を始めとする性暴力の被害者のシェルターとして女性専用車両を利用している。そのような状況にあるにもかかわらず、男性が、つまり加害者の側のグループに属する男性が乗車を強行するというのは、これは形を変えた性暴力である、そういうふうに捉えられなければならない。「その他の事情」という中には、つまり、もっと広いさまざまなことが含まれているのであるというふうに考えています。 誰もが安心して鉄道を利用できる、とりわけ、鉄道利用に当たって大きな心的外傷を負った性犯罪の被害者がせめて安心して利用できるように、女性専用車両についてきちんと啓発と、それから、そういった性暴力の一つのあらわれである、そういう乗車の強行ということに対して、きちんとした対処をする必要があると思っています。 バリアフリーというのは、このように、先ほど示したミスター・アベレージというものに人々を近づけるのではなくて、ミスター・アベレージではなくて、一人一人が大切にされる、一人一人がちゃんと利便性が保たれるものをつくろうということを考えなければいけないということを指摘して、私の陳述を終わります。 ありがとうございました。(拍手)
○西村委員長 ありがとうございました。 以上で参考人の意見の開陳は終わりました。 —————————————
○西村委員長 これより参考人に対する質疑に入ります。 質疑の申出がありますので、順次これを許します。盛山正仁君。
○盛山委員 自由民主党の盛山正仁でございます。 きょうは、参考人の四人のメンバーの方、お忙しい中、こうやって国会までお運びをいただきましたこと、そしてまた、今皆様方それぞれからの御意見を伺わせていただきましたことに、まず心から感謝、御礼を申し上げたいと思います。 それでは、いろいろ伺いたいことがございますので、早速質問に入らせていただきます。 今もお話がございましたが、基本的人権の問題というんでしょうか、移動に対する権利、こういったことが大事であるということが何名かの参考人の方からお話が出てまいりました。この辺についてまずお伺いをしたいと思います。 今回法改正をしようとしておりますバリアフリー法は、広く健常者も対象にする、全ての人を対象にする法律でございます。これまで、障害者権利条約の締結に当たりまして、まず平成十九年に我々我が政府は障害者権利条約を署名をして、そして平成二十三年に障害者基本法を改正し、そして平成二十五年に交通政策基本法を制定し、そして、そういった国内法の整備を踏まえて、平成二十六年に障害者権利条約を締結する、こういう流れではないかなと思います。 そんな経緯も含めまして、今、今回のこの平成三十年の段階で、障害者権利条約の締結に向けていろいろな国内法の整備を終わらせた。その段階で、今回、十二年ぶりにバリアフリー法の大改正をするというときに、移動の権利、森先生のお言葉で言うと交通権ということになるんでしょうけれども、こういうことを明記をするというのは、私は、時期尚早、まだこなれていないのではないかな、そんなふうに思います。 私はむしろ、具体的にいろいろな方が利用するに当たって困難なこと、困っていること、それをどのように解消していくのか、具体的な施策を充実させていく、それが大事なことであり、それを進めるための法改正にしたいというふうに考えているわけでございますけれども、まずは森参考人、続きまして佐藤参考人から、具体的にどのような改善をお求めであるのか、簡潔にお答えいただきたいと思います。
○森参考人 ありがとうございます。 今、権利と示すのは時期尚早ではないかという御発言でした。 まず、権利といったときに、それと対立というか別の概念として、反射的効果ということを法学では習います。つまり、権利というのは誰もが固有に持っていて、それを行使することができるものです。それに対して反射的効果、つまり、そこに交通機関があるから移動ができる、そこに例えばエスカレーターがあるから上の方に行けるというのが、いわば反射的効果としてのものなわけです。だから、つまり、誰にでも、どこにでも行ける、それが実質的には誰もが持っている、それを確認するのが交通権という言葉、あるいは移動の権利という言葉です。 それに対して、どういうふうに施設を整備しようか、では、整備するまでの間待っていてねなのか、その整備がなくてもきちんと移動させろということなのかにかかわってきます。 だから、言ってみればこれは根本概念の問題なので、交通権という言葉、移動の権利という言葉はやはり大事にしていきたいと思いますし、実際に、それに基づいてきちんと施設整備が進められていくということは評価をしたいと思っています。 ありがとうございます。
○佐藤参考人 ありがとうございます、佐藤です。 私は以前、昔、若いころ、全く鉄道がないころに電車に乗りに行くということは、本当に駅員さんに、何でこんなときに来たんだ、介助者も連れずに来たんだということをいつも言われておりました。そのときは、車椅子の者が電車に乗るというのは、誰もそこに権利があるとは全く思わなくて、すいているときに、人手があれば乗せてあげるという考え方がほとんどだったなというふうに今では思います。 実態として、やはり、移動の権利というものが明確になければ整備が進んでいかない、置いていかれるんじゃないかというふうに思っています。 権利条約の中でアクセスの権利、交通の権利というものを、移動の権利は障害者はあるんだということを明確に書いており、そういう視点をぜひこの法律に盛り込んでいただきたいと思います。 以上です。
○盛山委員 ありがとうございました。お気持ち、大変よくわかります。 森参考人、あるいはそのほかの参考人も御評価をされてありがたいと思うんですが、平成十年に、私が運輸省の課長のときに、駅にエレベーター、エスカレーターをつける補助制度、助成の制度を創設をいたしました。 それまでは、運輸省のバリアフリーの予算は年一億でしかありませんでしたし、東京駅の新幹線のホームにエレベーターすらなかったという状況でございますので、全国ほとんどの駅にエレベーター、エスカレーターがなかったわけであります。 それが、五十億の予算をとって、それともう一つ大事なことは、当時の自治省にも御協力をいただいて、補助をする仕組み、それを、国、地方公共団体、鉄道事業者が三分の一ずつ負担をするということをつくったがために動き出したということでございます。 それがあったからこそ、平成十二年の交通バリアフリー法というものにつながるわけでございまして、差別の禁止、ヘイトスピーチの禁止の法律なんかもあるわけでございますけれども、なかなかなくならない。ちょっとほかのと比較するといかぬのかもしれませんが、法律で決めればいいという問題では決してないと思います。具体的にどうやって動かしていくのか。そしてまた、多くの一般の方の御理解をどうすれば深めていくことができるのか。私はそれが大事ではないかなと。 つまり、きょうお見えの参考人の方、あるいは障害をお持ちの方、あるいは障害以外の高齢者、多くの方にとって暮らしやすい環境をつくるために、これ困った、あれ困るよというようなことを言わずに済むような環境を、どのように国、地方公共団体あるいは関係の者が整えていくか。それが私は大事なことではないかな、そんなふうに思っております。 続きまして、竹下先生に伺いたいと思います。 竹下先生は、本当に私にとっては信じられないことでございますが、全盲であるにもかかわらず、司法試験に通られる、大変な御努力を重ねられたことかと思います。 また、竹下先生が働きかけられたおかげで、法務省の方でも司法試験の制度を変えたというふうに私は承知しておりますが、盲人会連合、あるいは、きょうここにはお見えでありませんけれども、ろうあ連盟の方々からは、情報へのアクセス、こういったことが強く求められているところでございます。 こういったことについて、我々のこの法律の中でも、これまでも、音声による案内あるいは字幕その他による案内、こういったものも努めているわけでございますけれども、さらに、今後の取組として、あるいはいろんな計画をつくっていくということに対して、竹下さんの方でどんなふうにお考えかをお尋ねしたいと思います。
○竹下参考人 ありがとうございます。 今回のバリアフリー法の改正の中で、バリアフリー化したさまざまな施設の情報提供というものが幾つかの規定が入りました。これは、私は非常に重要な規定だと思っております。 表現が不適切だったかもしれませんが、幾らいいものをつくっても、それが利用されなければ本当に絵に描いた餅で終わるわけです。バリアフリー施設の一つだと思いますけれども、例えば障害者用のトイレ、これをせっかくつくっても、それがその駅にできたこと、あるいはどこにあるかがわからなければ、私たち視覚障害者は結局のところ不自由をするわけであります。 そういうふうに、情報というものが私たち視覚障害者にとっては日常生活、社会生活の大きな支えになっているわけでありますから、今回のバリアフリー法の中においても、情報保障というものが重要な一つのポイントになっているのではないかと思っております。 もう一つはやはり、一つ一つのバリアフリー化を進める上で、当然に、先ほど森先生の話にもありましたけれども、一人一人の障害者の程度というものが違うがために、重要なバリアフリー化という流れができているにもかかわらず、一部障害者が取り残されてしまうという現実が起こります。そうしたものをどういう形で救済していくかということもぜひ意識していただきたい。 すなわち、先ほど冒頭で申し上げましたけれども、せっかくバリアフリー化されたものが本当に全ての障害者に自由な移動を保障する環境になったかどうかという形での点検をしていただくことによって、そうした弊害もなくしていけるのではないかと思っております。 以上でございます。
○盛山委員 バリアフリーをスタートしたときの日本盲人会連合の会長が村谷さんでございまして、村谷さんから私が言われたことは、あんたな、トイレ行ってちょっとこうやって、どこにボタンがあるのかと思って、俺たちはよくわからぬものだから手をあちこちさわると、急にいろんなところから水が出てきてぬれたりいろんなことをして困るんだ。あるいは、今までボタン式だったのは、まだここを押せば、押した押さないがわかるけれども、最近タッチパネル式がふえて、何か変なところを押すと急にほかのところの声だとかいろんなものが出て困るんだ、俺たちの声を聞いてほしい、こういうことも言われました。 あるいは、聴覚障害の方からは、災害のときが典型でございますけれども、あるいは事故が起こったとき、みんなが急に動き出す、それを見て、これは何かあったなと思って自分たちも動き出すんだけれども、やはり自分たちは、聴覚障害の方は一見すると周りから障害を持っているということがわからないので、目で見てわかるようなそういう情報提供もしてほしい、こんなことも伺っているところでございます。 国土交通省に限らず政府の方も、障害者のお声を聞くような形に少しずつ、一歩ずつ進んできたと思いますし、ナッシング・アバウト・アス・ウイズアウト・アスという障害者権利条約の中での言葉も紹介されたとおりでございます。本当にそのとおりだろうと思います。やはり当事者でなければわからない。そういったところをどのようにカバーをしていけばいいのか。 先ほどDPIの佐藤さんの方からもいろいろなお話がございましたけれども、交通事業者による計画の作成、あるいは移動を円滑に行うための面的な整備、動線の整備、こういったことについて、今後、市町村と協力をしながらということになるんですが、地域のバリアフリー化、これをどのように進めていけばいいのか。佐藤さんの目で、どういうことをお望みであるのか、お聞かせいただければと思います。
○佐藤参考人 ありがとうございます、佐藤です。 私は、日本の場合は建物関係の整備がおくれているというふうに感じております。それは先ほども述べさせていただきましたけれども、アメリカは本当にほとんどのお店が入れるんです。それは、ちゃんと入れるように配慮したつくりになっています。今ある建物を変えてバリアフリー化するのは非常にコストがかかります。それで今なかなか進まないんじゃないかと思います。 ですので、私は、新規に、新しくお店をつくるときに、入り口に段差をつくらないとか、ドアの幅を八十センチ以上にするとか、椅子は動かせるようにしておくとか、そういう最低限の基準をつくって、それに基づいてつくるという仕組みが有効だと思います。 本当にお店はどんどん新しいものができていきますので、最初であれば、バリアフリー化してもほとんどコストは変わらないというふうに聞いております。ですので、一定程度そういう基準をつくっていただきたいと思います。 以上です。
○盛山委員 ありがとうございました。 今、佐藤さんから、前々から伺っている話でもございます、アメリカと日本の違い。アメリカの場合には、ベトナム戦争、その他戦争があって、いわゆるベテランの方の扱い、あるいは公民権運動、そういったものが背景にあってのADA法が一九九〇年にできて、イギリスではDDA法が一九九五年にできた。そういったところと日本との国情の違いもありますけれども、誰にとっても暮らしやすい環境をつくるというのは、それはおっしゃるとおりでございます。 ただ、この法律のスコープが、この法律は国土交通省、総務省が所管をする法律ということでございますので、今の焦点、こういったところにも私も対象を広げたいと思うわけでございますけれども、そうすると経済産業省ですとか他の役所との関係もあります。そういったことで、法律のたてつけの制約がある。それをどのようにまた変えていかなければならないのか、いくことができるのか。そういったことを引き続き考えていきたい、そんなふうに感じます。 時間も大分なくなってまいりました。地域との関係ということで三星先生に伺いたいと思います。 三星先生は、阪神大震災の後、神戸の旅客線ターミナルでありますとか阪急伊丹でありますとか、これをつくり直すときに、障害者のお声を聞こうということを率先して三星先生が進められ、そして地方公共団体との関係、いろいろやってこられました。 そして、きょうのお話の中でも、首都圏と地域との格差、竹下参考人からもお話が出ました。私も選挙区が神戸なものですから、首都圏に比べて、特にホームドア、関西はおくれているな、そんなふうに感じるわけでございますけれども、国と地域との関係というんでしょうか、地方公共団体あるいは地域の交通事業者との関係、こういったものも含めて、地域によって、特に地方公共団体によって取組の温度差があるものですから、そのあたりをどのように進めていけばいいとお考えなのかを伺いたいと思います。
○三星参考人 三星でございます。 私もやはり関西のことしかわかりませんので、正確なところ、全国各地の進展が、ここがなぜこんなにおくれているのか、ここがなぜここだけ進んでいるのか、これはやはりよくわからないところはあるんです。 その前提の上で、どうしても感じで物を言うことになりますが、まず、関西の中には歴史、風土としまして、比較的弱者に優しい、あるいは外国人の方も多い、朝鮮からの方もたくさんいらっしゃいますし、被差別部落もあったり、そんな中で、多様な人々が共生するという点については割と寛容な社会であることが関係あるのか。しかし、それを言えば、同じ日本なので東京とそんなに差があるのか、そこのところはよくわからないです。 それから、重要なのは、これは強調しておきたいと思うんですが、関西の中では、障害者の外に出よう運動、先ほどお話しありました青い芝の会を始めとする、外へ出よう、そよ風のように出ようという運動が長らくあったわけでありまして、その中で、運動と自治体が結びつきまして、八〇年代、九〇年代は、私、授業のないときはしょっちゅう大阪市でディスカッションしていたものであります。 そういったことが背景にあったわけでありますが、そこから得られる教訓ですけれども、決してそれは大阪だけの特徴、特徴ではあるんですが、大阪でないとできないことではないので、今現在、札幌、仙台等で随分、障害当事者、あるいは大学の関係者、あるいは自治体、あるいは国の方々との共同作業が始まっております。 これらは必ずや何年かしてきますとプラスになってまいりますので、多少の不均等発展については、そういう、繰り返し申しますが、当事者参画をしっかりやっていく中で克服されていくと思います。今のでお答えになるんでしょうか。 あともう一つ、大阪府の役割は大きいです。役所レベルで言えば、府と、こう言うと、名を挙げると差しさわりがありますが、近畿の運輸局はよく頑張りました。そういう意味では、ちょっと言いにくいんですが、よその局のことも多少は私も知らぬでもないんですが、やはり行政が頑張ると進むということが言いたかったので。
○盛山委員 ありがとうございました。 特に私が感じるのは、地域によって、ホームドアその他いろいろお金がかかる施設整備、取組の差がある。そういったところをこれから、こういった法律あるいは実際の予算づけその他でカバーをしていくことができればと思うわけでございますけれども、残念ながら昨年お亡くなりになった妻屋さんが私に、平成十年か十一年、おっしゃられたことがあります。 あんたな、俺たちがありがとう、ありがとうと言わないといけないその気持ちがわかるかと。心のバリアフリーということで私たちが当時言い出したときだったんですけれども、ありがたいよ、でも、人に一々ありがとう、ありがとうと頭を下げないといけないこの悔しさを君はわかるかね。人にありがとうと言われずに済むように、自分の意思で自由に動けるようなそういう環境をつくってくれよ。こんなふうに妻屋さんから言われました。 そして一方、松尾栄さん、当時の日身連の会長の松尾さんから言われたことは、あんたな、いろいろみんな言うよ。いろいろ言うけれども、一歩一歩進んでいこうじゃないか。いろいろなことを言う人はいるけれども、とにかく一歩前に進まないと次に進まないんだ。俺たちは、当時運輸省でしたから、運輸省を応援するよ。そしてまた次の段階に、そして次の段階にと、俺たちが住みやすい環境を実現できるようにあんたも手伝ってくれ。そんなことを言われた覚えがございます。 これからも、きょうのこのバリアフリー法のスコープだけではなく、もっと広く、ほかの省庁にもまたがるような、そういう広い施策を進めていくことをこれから私も努力することを申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○西村委員長 次に、道下大樹君。
○道下委員 立憲民主党の道下大樹と申します。 本日は、参考人の皆様、お忙しいところを国会にお越しいただきまして、本当にありがとうございます。また、先ほどは大変貴重な御意見をいただきまして、ありがとうございます。 時間も限られておりますので、早速質問をさせていただきたいというふうに存じます。 まず、竹下様そして佐藤様にお伺いしたいんですが、きょう、お住まいのところからこの国会に来られるまでに、交通手段や、また、建物の面から何かバリアを感じられたものはございますでしょうか。実際に、この短い、たった午前中ですけれども、そういったバリアを感じられたことがありましたら、今ちょっと御感想を聞かせていただきたいというふうに思います。
○竹下参考人 私はきょうは東京のマンションから来たんですけれども、きのう移動しておりまして、その関係で二つだけ申し上げたいと思います。 一つは、先ほど申し上げたトイレでした。きのうは妻と一緒に移動したんですけれども、トイレはどういう形になるかといいますと、付添いが妻ですから、一般のトイレへ行くときは私一人で行かざるを得ないわけです。そういうときはもちろん後ろをついていくんですが、なかなか複雑なトイレの中で迷ってしまうことがある。 それでどうするかというと、障害者用のトイレを探すわけであります。障害者用のトイレですと、個室みたいなものですから、一人で入れるわけですが、東京駅には幾つかあるんですけれども、不思議と全部詰まっていたんです。中へ入っていたのは、障害者であれば仕方がないですけれども、全くそうではない健常者の方が出てくるわけです。そういうふうにして、トイレを使いたいと思うときに使えないという非常に身近な不便を感じたのが一つでございます。 もう一点は、道路の問題でありますけれども、私たちは、御存じのとおり、点字ブロックとかそういう手がかりで一人で歩くことが多いわけでありますけれども、点字ブロックが非常に普及してきたことは私たちにとっては物すごく何か、この町は自分たちを受け入れてくれているなというほど温かみを感じるわけでありますが、残念ながら、その点字ブロックの上に物が置いてあるということが多いわけであります。そうすると、駅でいうと、自転車が置いてあることが一番典型的でありますけれども、そういうときに非常に危険であったり不便を感じるということがあります。 以上でございます。
○佐藤参考人 ありがとうございます、佐藤です。 私は三田線で来たんですけれども、三田線は、六両の編成で車椅子のスペースが二カ所あります。この二カ所の入り口のところは、全部の駅ではないんですけれども、ホームが一部スロープになっておりまして、私の場合は一人で乗ったりおりたりができます。 きょうは早朝でしたので、混んでいなくて無事に乗れましたけれども、日中はこの二カ所にたくさんの人が来られます。車椅子ももちろん何人も乗っていきますし、ベビーカーを使った方も乗ってこられます。今、旅行されている、大きいスーツケースを持った方もたくさん利用されます。 日中はこの場所に、フリースペースは車椅子二台しかスペースがないんですけれども、ここに、車椅子が二、三台、ベビーカーが三、四台、私が一番多かったときは、ベビーカー五台、車椅子三台というふうになりました。 結局、今本当にこのスペースを必要とする人がふえていますので、一編成二カ所というのは非常に少ないです。大阪の地下鉄などは一車両に一カ所ずつというのを実現しておりますので、ぜひそういうふうにしていただきたいと思っています。 以上です。
○道下委員 どうもありがとうございます。今本当に、お話を伺いまして、やはり当事者でなければわからないことが大変多くあります。 私も以前ボランティアサークルに所属をしておりまして、車椅子利用者の介助などをして、これはするだけじゃなくて、もう一つは、車椅子に乗ってみる、そして階段を上りおりされてみる、さらには、アイマスクというんでしょうか、目の見えない状況にしてみて一人で歩いてみるという、当事者の立場に立って行動することによってわかってくること、そして、さまざまなバリアを感じてくるわけでございます。 そうしたことを理解をした上で、こうした今回のバリアフリー法改正案についても議論を進めなきゃいけないなというふうに感じさせていただきました。 そこで、竹下様にお伺いしたいというふうに思います。 先ほど、今回のバリアフリー法改正案について、各事業者においてバリアフリー計画を策定することを明記しているということを評価されているというふうに伺いました。 これはもう私も一定の評価をさせていただきますけれども、そうしたときに、この交通各事業者のバリアフリー計画のみならず、道路管理者や建築物の建築主などに対しても、こうしたバリアフリー計画の策定を求めたり、あと、そうした計画、そして推進、また実行に当たって、視覚障害者の方や障害当事者の方々の意見が反映される仕組みが必要ではないかなというふうに思っておりますけれども、御意見を伺いたいと思います。
○竹下参考人 ありがとうございます。 今お尋ねあった件について、私の思いを二つだけ申し上げたいと思います。 一つは、鉄道事業者であれ、あるいは商業施設であれ、そうした大きな施設が、このバリアフリー計画を立てたことは本当に僕はすばらしいと思うんです。 そのときに、障害を持った人たちが特別な存在ではない、一人一人、他のお客さんと同じように利用してもらえる、あるいは利用する、そういう対象なんだということをぜひ意識していただきたい。そのことが、今先生が御指摘になったように、当事者の声というものを反映する出発点になると思うわけであります。 すなわち、障害を持った者から声を聞いていただく、その障害を持った人たちが、鉄道、駅をどう利用しているのか、あるいは商業施設をどう利用しているのかということの視点を聞いていただくことによって、その計画が実のあるものになっていくのではないかなと思うわけであります。 もう一点は、今道路のことを先生指摘していただいたので、非常に私はそこがポイントというか重要だと思っておりまして、その道路と施設、あるいは駅がばらばらで計画を立てられたり、物を考えてバリアフリー化されると、せっかくのものが何かつながらないという、非常にもどかしさを感じるわけであります。 やはりその点をどうつないでいくか。例えば、地方公共団体に先ほど申し上げた推進計画を立てさせるにしても、あるいは道路管理者に、そうした視点に立った整備を進めていただくにしても、一定の共通した認識を持ちながら、そうした道路管理者や地方自治体にその思いが伝わるような、あるいはその事業に着手していただけるようなインセンティブも与えながら、それが一体となることをぜひ期待したいと思っております。 以上でございます。
○道下委員 ありがとうございます。 やはり、その計画もつくる前だけとかそういったときだけにしか聞かない、若しくは、計画策定じゃなくて、その評価のときだけしか聞かないということではなくて、さまざまな点でその当事者の意見が反映される仕組みが必要かというふうなお気持ちだったというふうに思っております。 次に、これは、基本的人権と移動の権利について皆様にお伺いしたいというふうに思っております。 私ども立憲民主党は、この移動の権利の確保、そして、それらをこうしたバリアフリー法に関しては明記をすべきだという立場をとらせていただいております。 国連の障害者権利条約において、障害者も含めた全ての人の基本的人権、また、移動の権利というものが明確にされております。また、この障害者権利条約をもとにしてつくられた国内の障害者基本法などについても、そういったものが、基本的人権が明記されているわけでありますけれども、そうしたものが、残念ながら、今回のバリアフリー法改正案には明記されておりません。 明記しない理由としては、この移動権、移動の権利というものの内容が未確定であり、これを未確定のまま認めると、施設管理者に対する損害賠償請求権が発生したり、過大な財政支出にもつながるおそれがあるということだとか、障害者の基本的人権については障害者基本法に規定済みであり、この法案については、障害者のほか、高齢者など健常者を広く対象としていることから、基本的人権の規定はなじまないというような意見を出される方もいらっしゃいます。 私は、これはちょっと違うのではないかなというふうに思っております。こうしたものはしっかりとそれぞれの個別の法案についても、基本的人権だとか、今回バリアフリー法でございますので、移動の権利、そういう権利をまず高らかに目標を掲げた上で、それに向かって諸施策の実現に全力を挙げて取り組んでいく。これは、省庁だけでなくて、我々政治に携わる者だけではなくて、全ての国民の皆様で取り組んでいく、進んでいくというこの流れが重要かというふうに思っております。 時間も限られておりますけれども、三星様、竹下様、森様、佐藤様の順で端的に御意見をいただければ幸いに存じます。
○三星参考人 三星でございます。 私は、日本国憲法における、国民はひとしく健康にして文化的な生活を送ることができるという権利を認めているわけでございますけれども、その一部として、少なくとも、移動ができないと働くことができないのと、それからやはり学校へ行くことができない。現代社会で、働けない、学校へ行けないというのは、大変大きな生存のための必要条件なんです。ですから私は、移動すること自体、これは権利だと考えております。 ただ、それを法律の中でどう表現するか。交通権若しくは移動権という用語を使って、どういうところでどういう表現にするかにつきましては、これは私見ですが、関係する諸制度あるいは諸規定なんかとのバランスを考えますと、例えば、その上位における交通政策基本法では結局入らなかったんです、前回。 そこらの流れの中で、突然今回の法律だけには入れにくいというあたりは理解できますけれども、それだけ申し上げておきます。
○竹下参考人 ありがとうございます。 私は、視覚障害者だけではなくて、障害者全体にとって移動の自由というものをどういう形で実現していくかということが大事だろうと思っております。 当たり前のことでありますけれども、憲法二十二条には移動の自由という規定があって、それの広い意味での移動の自由は、公共交通機関を自由に平等に利用できなければ、実質的な意味では、今の現代社会では移動の自由が確保されているとは言えないわけであります。 そういう点に立ちますと、障害のある人たちも平等に、あるいは、障害のある人に配慮がされた利用の可能な公共施設あるいは公共交通機関になるための理念というものが大事だと思っております。 障害者権利条約においても移動の権利というものは必携されているわけでありますが、私は、それらの規定は、日本でいえば、憲法二十二条や十四条を充填するそういう意味を持っているというふうに理解していますので、今後、そういう障害者の移動というものがどれだけ制限されているか、あるいは、逆に平等というものがどういう形で実現されているかという形で、人権が実現されていることを確認できるようになっていくことを期待したいと思っております。 以上でございます。
○森参考人 ありがとうございます。 私の言いたいことが既に言われているので、ちょっと傍流、脇から行きますけれども、ノーマライゼーションという言葉はもうすっかり定着しているのですけれども、このノーマライゼーションを提唱したベンクト・ニーリエという方のおっしゃっていることに、リズムを大事にする考え方なんです。 一日のノーマルなリズム。朝、日の出とともに起き、そして一日の活動があって、そして夜きちんと寝ること。例えば、夕方の四時に晩御飯が出てきたら、これはノーマルではないです。だけれども、障害者の施設においてはそういうことが当時は横行していた。だから、一日のノーマルなリズム。 そして、一週間のノーマルなリズム。週末にはきちんと余暇活動をすること、そういう一週間のノーマルなリズム。そして、一年を通しての、年中行事のようなノーマルなリズム。そして、生涯において、例えば、青年期には恋をする、そして家庭を持つ、独立をする。そういった生涯におけるノーマルなリズム。 そういったものがきちんと、障害の有無やそういうことで分け隔てなく享受できるのがノーマライゼーションという言葉だったわけです。 先ほど佐藤さんがおっしゃっていた、朝早くの電車を選ばなければかつてはいけなかった。こんな混んでいるときに乗ってくるんじゃないということは、八〇年代、九〇年代ぐらいにはよく言われたものです。逆に、そういう混んでいる電車のときの方が、階段で立ちどまっていると、駅員が来る前にいろいろな人がわらわらとやってきて、四人、六人集まって、では、階段で上らせてということもできたんです。 そういう形でいうと、やはり移動の自由、先ほどあったように、働くこと、あるいは医療にかかること、余暇活動すること、全て交通にかかってくるし、それは、その人一人がきちんと障害を大切にされる中で基本中の基本なんです。 だから、法律の文言の上で権利かどうかという技術的なことではなく、既にもう持っているものということでまず捉えなければいけないし、そのためには、先ほど申し上げたミスター・アベレージに一人を近づけていくのではなくて、そうではなくて、一人一人が大切にされる世の中という形が必要なのだと思います。 済みません、お答えになったかどうか。ありがとうございました。
○佐藤参考人 ありがとうございます。 私は、人権とか権利という、そういう考え方というのは時代とともに変わってくるものだと思います。 例えば、二〇一三年に差別解消法が成立して二〇一六年から始まりましたけれども、これによって、今まで自分がやっていることは差別だと思ってなかったという人が世の中にはたくさんいらっしゃると思います。でも、それが、これは差別でやってはいけないことなんだという意識が差別解消法によって非常に広まってきたというふうに感じております。 やはり、権利性に基づいて整備を進めることが大切で、この権利性がなければなおざりにされていく、何も整備が進んでいかなく、整備がおくれてしまうということがあるのではないかと思います。 ですので、権利条約を批准した今、移動の権利ということを日本でも明確に法制度に取り入れていくことが必要だと思います。 以上です。
○道下委員 四名の参考人の皆様、本当にありがとうございます。それぞれから、それぞれのお立場、専門性で、基本的人権、また、移動の権利というものについてお話をいただきました。 法体系の課題等もありますけれども、皆様それぞれ、やはり重要である、また、明記すべきであるという御意見だったというふうに私は受けとめさせていただきました。ありがとうございます。 それではもう一つなんですが、このバリアフリー法、現行法と、また、改正法案の中における障害者の定義について伺いたいというふうに思っております。 現行法の高齢者、障害者等の定義の中において、「身体の機能上の制限を受ける者」という定義になっております。身体、体の機能上の制限ということでありますけれども、私は、これでは、知的、精神、発達、難病、さまざまなそうした障害種別の方々を含める、全体をカバーするような定義になっていないんじゃないかなというふうに思っております。 私どもは、この「身体の機能上の制限」というところを、心と体、心身の機能上の制限に改めて、範囲を明確にすべきだというふうに考えておりますけれども、佐藤様、森様から御意見を伺いたいというふうに思っております。
○佐藤参考人 ありがとうございます。 私も、心身の機能上の制限というふうにすべきだというふうに考えております。 既に日本は、二〇一一年に障害者基本法を改正して、心身の機能上の制限という考え方になっており、総合支援法でも障害者差別解消法でも同じ定義になっています。そういう中で、バリアフリー法だけが身体というところにこだわって違う定義になっているのは、やはりちょっと違和感を感じます。 ですので、ほかの法体系に合わせて、心身のというふうにする必要があると考えます。 以上です。
○森参考人 佐藤参考人と同様の意見です。 二〇〇〇年にWHOが、障害者のモデルを機能的なところから社会的モデルに変更しました。それからもう二十年近くたっているわけですから、社会的モデルに根差すという意味でも、その身体等というよりは、心身の方が適切であると考えます。 以上です。
○道下委員 ありがとうございます。 四名の参考人の皆様、本当にきょうはどうもありがとうございました。皆様からいただいた御意見、御回答をしっかりと受けとめて、これからの議論に生かしてまいりたいと思います。 今後も、まだまだバリアフリー化、バリアフリー社会を進めていかなければならないと考えております。障害者権利条約の、私たちのことを私たち抜きで決めないで、ナッシング・アバウト・アス・ウイズアウト・アス、この言葉を忘れずに、これからも取り組んでまいります。 どうもありがとうございました。
○西村委員長 次に、小宮山泰子君。
○小宮山委員 希望の党、小宮山泰子でございます。 本日は、参考人の皆様、どうぞよろしくお願いいたします。時間が限られてございますので、できるだけ多くの御意見を聞かせていただきたいと思っております。 私の住んでおります町、埼玉県川越市、ここはオリンピックの会場になりますので、オリンピックシティーとなります。しかし、三年ほど前ですけれども、駅におきまして障害者が事故に遭う、また、目の見えない方がホームから転落をするという事故がございました。これを受けて、駅の方におきまして、東武東上線の駅にやっとホームドアが上下線ともことしの三月に整うことになりました。 本当に、民間も含めまして事業者も頑張っているということはありますけれども、まだまだ全ての駅にホームドアがついていないということにおいては、まだまだやるべきことがあるんだと感じております。 今回の皆様方の御意見を聞きながら、それでは、東京や大阪、大きな町、資本力あるところは進みやすいかもしれないが、本当に、障害をお持ちの方々、また高齢者など、さまざまな方々は、生まれるところ、育つところ、必ずしも選ぶわけではございません。そういう意味においては、地方と都市、大規模なところとの違いというもの、これは大変大きな課題ではないかと思っております。 そこで、地方のバリアフリー整備を進めるにはどのような方法があるのか、具体的な御提案がございましたら、皆様からお伺いしたいと思います。
○佐藤参考人 ありがとうございます、佐藤です。 今回の改正法案の九条で、交通事業者は、駅、車両、乗降介助、誘導その他の支援、情報提供、教育訓練について計画を作成し、定期的に報告、公表するというふうになりました。 ここで、これまでは三千人以上の駅が計画の対象でしたけれども、三千人未満の駅も含めて計画をつくることをぜひ義務化することが必要だと思います。あわせて、数値目標も定めて整備を進めていくということが有効だと思います。 あともう一つ、基本構想の策定が、これまで全国の二〇%ぐらいしか整備されてこなかった。今回、努力義務化されたわけですけれども、これを更に一歩進めて義務化すること、それも有効だと思います。 以上です。
○森参考人 地方と都市の格差が、私も静岡県の当時清水市だったわけです。それで大学進学とともに千葉に来たわけですが、正直なところ、車椅子利用者をきちんと接するようになったのは大学に来てから。当時、清水というのは二十四万人規模の都市だったのですけれども、身の回りにはほぼ、つまり隠されていたんです。だから、地方と都市の格差の中で、やはり実際に出る環境が整わないと隠れてしまう。そういったところが問題としてあり、バリアフリー法を始めとして町のつくりが適してくると、あるいは、人の目に触れるようになると見えるというところで人々の介助もしやすくなっていく。そういうことがあると思います。 一方で、日常の移動の中であっても、今は非常に交通が不便なんです。そこのところでやはりスペシャル・トランスポート・サービス、STSという形で個別対応のものの仕組みが少しずつでき始めているかな。成熟的なところが出始めてきている。効率的に取組が始まっているので、これは直接バリアフリー法とは関係しませんけれども、そういう個別対応の部分がこれから大事になってくるのかなという気もしています。 以上です。
○竹下参考人 ありがとうございます。 私は現実には、地方の駅、今全国に九千五百ほどの駅があるとお聞きしておりますけれども、それの全てにホームドアができることは理想であることは誰しもが疑わないわけでありますが、それが近い将来に全部設置されるというふうには、私は現実性はないと思っております。 この前、JR東日本が、二〇三二年だったですか、までに首都圏の駅全部にホームドアをつけると発表しました。その費用が五千億円という発表がありました。そういうものを見ておりますと、そんなににわかにというふうには思わないわけです。 それだけに、地方における安全、安心を確保するために、私、二つの提案をしております。 一つは窓口の設置であります。その窓口というものに常に連絡をすれば、機動的に、例えば無人駅であっても援助を受けられるとかいうそういう窓口の徹底が、一つは現実には可能なのではないかということがあります。 もう一つは、私たち視覚障害者でいいますと、ホームドアにかわる、転落防止柵にかわる安全策というものについての研究がおくれていると思っております。今できる安全策というものは本当になかったのか、ないのかということについての検討であります。 少なくても、これまでのホームの点字ブロックの設置、上野訴訟の話がありましたけれども、ああいう流れの中で日本で点字ブロックは、間違いなく日本じゅうの安定した環境になりました。それによって視覚障害者の転落が減ったことは間違いございません。 それでも残念ながら事故はなくならないわけでありますが、それだけに、ホームドアの設置までの間にできることはほかにないのか。 例えば私たちが今提案しているのは、ホームの真ん中に誘導用のブロックを設置できないのか。端にある点字ブロックに沿って歩くというのは非常に危険なわけですから、ホームの真ん中を歩けるような、そういう現実の工夫というのができないかなどについて提案しているところでございます。 以上です。
○三星参考人 三星でございます。 おっしゃられるように、バリアフリーを推進するためには、多面的な取組が必要になるわけであります。 特に重要なのは、第一に事業者であることは、これはもう言うまでもありません。今度の法律の中でも、事業者に、計画をつくりなさい、公表しなさいということが相当に強化されておりますので、格段にこれはよくなると思います。 私が問題にしたいのは、もう一つは自治体です。御案内のように、現在、自治体は、自分の市、町、村の住民を守らなきゃいけない立場にあることは自明でありますけれども、交通に関しては、これは公共交通については国土交通大臣が最終的な所管事項でありますので、自治体は、悪く言えば、わしゃ知らぬということになっているんです。 これをうそだと思いましたら、どこの自治体に飛び込んでいただいても結構ですが、転落事故の問題を始めとするバリアフリー問題は、何か自治体やってくれと言いに行こう思ったら、担当者はいないんですよ。私がかわりに聞きますけれどもって、何のことかわからないような、担当者がいない。 手短に言いますと、今後、基本構想をつくることによってバリアフリー担当者ができます。ですから、その人に言うてけば、その人からさまざまな施策がまた提案されてくる。その意味でも、ぜひとも基本構想をつくることを推進したい。 それからもう一つだけ申しておきますと、我が国の場合には、ボランティアが駅施設なんかで活用するという習慣がほとんどないんです。ぎりぎりになって、もう維持できないというエリアでやっと、もうやむにやまれず村の方々が出てボランティアで何かやる。そうなっては遅いんです。ですから、都市部においても積極的にボランティアを活用する。 これは、ヨーロッパではかなりいろんなところでむしろ進んでおります。構内に日本では素人は入れないわけでありますけれども、責任の問題が出てくるというようなさまざま理由があるわけですが、ボランティア活用、これを進めたいと思っております。
○小宮山委員 ありがとうございます。 サポートの体制というのは大変重要だと思いますし、三星参考人の最初にお話しされました、志ある自治体任せというのではやはりおぼつかないこともありますし、この法案の思いというもの、そして多くの当事者の方々の思いというもの、サポートする方々の思いというのは形にならないんだというのを今改めて実感をしております。 さて、そうなってまいりますと、障害者等の参画のもと施策内容の評価を行う会議、評価会議というものが大変重要になってくるんだと思います。 この点に関しては、どういった方を構成員に入れるのか、また、会議の持ち方など、また、配慮することや具体的な提案がありましたら、ぜひお聞かせいただきたいと思います。 また、地方自治体によっては、その会議を持つときに、手話通訳であったり、さまざまなサポートのあり方も必要かとも思います。この点に関しまして御意見がありましたら、お聞かせいただければと思います。 参考人皆様にお聞きしたいと思います。
○佐藤参考人 ありがとうございます、佐藤です。 私は、この評価会議は本当にすばらしいものを取り入れていただいたと思っております。 ここで大切なのは、障害者の声をちゃんと反映させていくことです。ですので、まず、構成員の過半数以上はぜひ障害者にしていただきたいと思います。 その上で、障害者といっても多様です。身体障害もいれば、知的、精神、発達、難病など、本当にさまざまな人がいますので、そういう多様な構成員にぜひしていただきたいと思います。車椅子でも、私は今電動車椅子ですけれども、手動車椅子とか、あるいはストレッチャー型といって長い車椅子の人もいますので、かなりニーズも変わってきますので、そういう多様な構成員にぜひしていただきたいと思います。 あとは、やはり実効力のあるものにしていただきたいと思います。例えば課題によってはワーキングチームとか部会をつくって、具体的な評価や改善策ができるようにしていただきたいと思います。 一つお話ししたいのは、今、新国立競技場が、アクセシビリティーワーキングというので、多様な障害者をメンバーにして定期的に話合いをやって、これは非常にいい取組だと思います。 こういうふうに、先進的な取組を評価会議の中で聞いたり見たりして、それを最終的にはやはりガイドラインにフィードバックをしていけるような、そういう仕組みが必要だと思います。 以上です。
○森参考人 どちらかというと本業の話なんですけれども、東京都の港区で昨年度私どもの会社で実施したもので、基本構想のエリアが港区は四つあるわけですが、それぞれにおいてほぼ半日かけて、事業者、それから地域の住人、障害を持つ人、高齢者の代表で基本構想の移動円滑化経路の点検をして、それで情報交換をするということをやりました。まだ必ずしも十分とは言えないかもしれませんが、そういう形での取組はある。 それから、住民に対してのアンケート調査というのもやっているところです。 なので、各自治体でそういう評価会議のようなことが、頻度だったりエリアだったりは異なるけれども、一つ始まっていけば、それをベースにしてまたいろいろなところがそれを参考に取り組めるという形なのかなと思います。まずはつくっていくことが必要だと思っています。 以上です。
○竹下参考人 ありがとうございます。 結論から申しまして、三星先生もおっしゃったように、ぜひ一つのテーブルで、事業者と、そして我々障害者の当事者と、そして行政の関係者の方々が意見交換できる場が欲しいと思います。 現実の経験として、一昨年でしたか、東京の地下鉄で、残念ながら、盲導犬を連れた視覚障害者が線路に落ちて亡くなってしまいました。その事故をきっかけにして、国交省で駅舎施設の安全利用のための検討会を設置していただいて、さまざまな取組をしていただきました。 ホームドアの設置の促進もそうですけれども、職員による声かけ、そして大事なのは、お客さん同士による声かけの援助、このことの報告書をつくっていただいたおかげで、物すごく、駅に行くと我々の仲間が、声をかける人がふえたということを実感しておるわけです。 さらに、その検討会に私たちの仲間もたくさん加えていただくようになりました。そのおかげで、そういう、私たちが今実感できている改善点を事業者の方に伝えることもできますし、今更に悩んでいることも伝えることができる場を与えていただいたこと、そして、今、ホームドアがその場で八つもパターンの違うものが研究されていることも教えられて、非常に我々自身の更に声として出すべき重要な場面がふえたなということを実感できた経験があります。 ぜひそういう意味でも、この評価委員会には、当事者の声が反映できるような当事者参加のシステムをお願いしたいと思っております。
○三星参考人 三星でございます。 ちょっと私、さっき盛山先生の御質問で取り違えたところがあったかと思っていますが、小宮山先生の御質問とあわせて最初にちょっと補足しておきます。 多分、盛山先生、関西は進んでいると言うけれども、全然ホームドアあかんじゃないかというお叱りだと思ったので、それについてちょっと一言、先生の御発言と絡みますけれども。 とかく一般論ですが、やはり東京は、人口増加の中で事業者の体力が全然違うんです。これはもう諸統計見ても明らかですし、それから、関係者の意気込みなんかでも実感がありますです。ですから、東京が日本ではなくて、東京はむしろ日本の中では特殊で、大阪もやはり東京には近いんですけれども、ちょうど大阪がその中間ぐらいのところで、全国は本当に事業者が体力がなくなって、北海道のように、もうバンザイしかけているような事業者のところでどうやってバリアフリーにするのかという非常に困難な問題があります。 何が言いたいかと申しますと、これは絶対、やはりそれに対する資金的援助は必要であります。これはかなり国が考えなきゃいかぬでしょうね。そうでないと、そんな体力はありませんから。これをちょっと補足しておきます。金額等については、そのときの諸事情がありますからまあいろいろですけれども。 それから先生の御質問ですけれども、構成員をパターン化せずに多様な方をお招きするということは大事なんです。ですから、私の経験で言いますと、ちょうどお金のことを話しましたので、大阪柏原市の場合は、最後、うちの財務がうんと言わないんだと三遍聞いたので、協議会に部長を出してもらいましょう、財務の部長、財政の部長を指名して出てもらって、現地点検を一緒にやったんです。一日かけて財政関係の方が参加したら、がらっと変わりました。 いや、だからそう都合よくはいくわけじゃないですが、事ほどさように、お金のありなしというのは多分にその重要性との関係で決まりますから、そういう点でも多様な人。 がらっと一般論ですが、今わかっていないのは知的精神発達の方々、今もお話しありましたように、この方は必ずお招きする。 それから、どこの自治体でもちょっと足らぬなと私文句つけますのが、視覚障害、聴覚障害の方がやはり少し足らない。特に視覚障害の方、多様ですから、多様な視覚障害に対応した人、一人ずつ出してもかなりな数にはなるんです。それでは先生、委員会がでか過ぎますと言うなら、ならば分科会をつくればよい。小委員会をつくればよい。 こういう格好で、一つの継続改善協議会のもとにさまざまな、恐らく、私に言わすと十、二十の分科会があってもいいんじゃないかと思います。 ちょっとそれだけを申し上げておきます。
○小宮山委員 確かにいろいろな障害があります。内疾患もあれば、高齢者、妊婦の方々もございますし、さまざまな方が障害を町の中でつくってしまっているというのが現実だと思っております。 そういう意味においては、この法案の障害者の定義というのも、確かに、障害者権利条約や障害者基本法などに合わせて、心身の機能の障害がある者にとってという方が適しているのかなという気も私もいたします。 また、最後になりますけれども、これから多くの方、やはり社会の中でのバリアをなくすことも重要だと思っております。 ホテルもそうなんですけれども、小規模店舗のバリアフリー化、大変重要だと思います。二千平米といいますと、スカイツリーの一番下の部分、六百坪でありますから、家でいえば約二十軒分ぐらいあるんじゃないか、大きな邸宅の方は違うと思いますけれども。そういう意味においては、なかなか現実的には普及したとは言えないんだと思っております。 時間の関係で、特に先ほど少し触れられておりましたので、佐藤参考人からこの点、お聞かせいただければと思います。
○西村委員長 参考人に申し上げます。 小宮山委員の質疑の時間が過ぎておりますので、簡潔に御答弁をお願いします。
○佐藤参考人 ありがとうございます。 私は本当に床面積をもう少し引き下げて、一体どのぐらいを目指していくかという、床面積に基づいた捕捉率、捕捉率に基づいた計画をつくっていただきたいと思います。 以上です。
○小宮山委員 参考人の皆様、本当にありがとうございました。 皆様の御意見があり、外国から来たハンドル形の自動椅子なども含めて、今緩和されてまた使えるようになる。やはり当事者の声があってこそこの課題というのは解決し、そして多くの方がその権利を享受でき、そして、多くの方が自由に移動ができる環境がつくれると思います。これからも皆様の御意見、しっかりと参考にしてまいります。 本日はありがとうございました。
○西村委員長 次に、赤羽一嘉君。
○赤羽委員 公明党の赤羽一嘉でございます。 まず、四名の参考人の方々におかれましては、本日、大変お忙しい中、足をお運びいただきまして、また、貴重な御意見をいただきましたこと、心から感謝を申し上げたいと思います。本当にありがとうございます。 また、私は公明党のバリアフリー法に関するプロジェクトチームの座長を務めておりまして、今回の大きな法改正に際しまして、きょう御出席の障害者団体の皆様を始め、多くの障害者団体の皆様から貴重な御意見、御指導いただきましたことも、重ねて感謝を申し上げたいと思います。 また、先ほど、盛山さんが交通バリアフリー法のときの運輸省の担当課長さんだったというお話がありました。そのとき私、実は運輸委員会の公明党の理事を務めておりまして、かれこれもう二十五年近くかかわっているわけでございますが、当時はエレベーターがある駅というのはほとんどなかったんです。わざわざ、あるというと見に行きました、視察に。そうすると、押しなべて、大変不便な、一番端に、また、申しわけ程度の小さなエレベーターがついているというのが常でした。電動型の大きな車椅子じゃ乗れないんじゃないかというようなこととか、動線なんかも全く考えていない。言葉が悪いんですけれども、つけてやっているんだから、少々使い勝手が悪くても四の五の言うな、それは勝手に私が思っているんだけれども、そうした施設でしかなかった。それだけ大変おくれている状況であった。 当時、バリアフリーという言葉自体もほとんどわからずに、よく私、地元の国政報告で、バリアフリーというのはどういう意味かみたいなことを説明していたことも思いました。 三星参考人がそのときの参考人としてもおいでいただいたということでございますが、そのときに参考人で来ていただいた障害者のお一人の方に親しく御指導いただいたときに言われたことは、例えば新幹線に乗るときにどれだけ不便なのか。前日までに電話をして、乗車時間の三十分以上とか一時間前に到着をして、その手続上の煩わしさはあるんだけれども、それ以上につらいことは、行くと、車椅子を六人ぐらいの駅員さんで急な階段を運んでくれる。しかし赤羽さん、そのときに周りの乗降客の皆さんからじろじろ見られる。そうした視線が一番つらいんだ。 私は、ですからバリアフリーの社会づくりというのを進めていく上で、まさに障害を持たれている皆さん方の人としての尊厳というのをどれだけ大切にできるのかということと、障害者の皆さんのための政策ではなくて、障害者、高齢者、乳飲み子を抱えているお母さんたち、そして全ての健常者、我々だっていつ障害を持つかわかりませんし、確実に高齢者にはなるわけでありますし、そうしたことを捉まえて、ある人のためのということではなくて、普遍的な政策、バリアフリーの社会づくりが当たり前の世の中にしていくという決意で取り組んできたつもりでございます。 我々公明党は、こうした考えに基づいて当時から実はバリアフリーのプロジェクトチームというのをつくっておりまして、誰もが共生できる社会を目指して取り組んでまいりました。先ほどお話にありました二〇〇〇年の交通バリアフリー法の制定、また、二〇〇六年にハートビル法と合体した新バリアフリー法の制定、そして、先ほど盛山先生からの御紹介もありましたが、予算のあり方も、国と地方自治体からの補助制度も創設してさまざまなことをやった。 今はまだまだ地方がおくれているという指摘もありますが、ある意味では、この約二十年間で我が国は、駅にエレベーター等のバリアフリー施設があるのが当たり前の社会へと大きく変わってきた。社会の常識を大きく変えることができたという意味では、私、この法律ができたことというのは大変大きな成果だったのではないか、そうした御評価は先ほどの陳述で皆さん一様に述べていただいたということは感謝しているわけでございます。 ただ、この中でやや反省もしたり、今回もバリアフリーのプロジェクトチームで現場視察をさせていただいた中で、古い駅施設にどう動線を確保するかというと、ややもすると、障害者の皆さんと健常者とは別々に施設整備をしてきてしまったのではないかという反省もあるわけです。 いろいろなバリアフリー施設へ行きますと、往々にして、障害者の皆さんだけは別のルート、遠回りとか、長時間待たされてしまうとか、隔離された席になるとか、異なる乗り物にといったぐあいに、障害者の皆さんと健常者とを分けて整備されてしまったということは、これは今後の法改正を機に見直さなければいけないのではないかと。 障害者と健常者を分け隔てないインクルーシブな社会づくりこそ、真の意味での共生社会の実現というふうに私は考えておりますが、この点について、きょう、障害者団体を代表をされて来られたお二人の、竹下参考人と佐藤参考人から御意見を、現場を歩かれての実感に基づいた御意見を頂戴したいと思います。
○竹下参考人 ありがとうございます。 今先生が御指摘されたインクルーシブな社会というのは、まさに障害者権利条約が目指しているわけでありますけれども、そのことを実現するためには、この今回のバリアフリー法の改正でいいますと、僕は、この理念のところと国民の理解のところを一つは大事にしたいと思っております。 と申しますのは、私なんぞは、時々ですけれども、一人で移動している、旅行するときに駅員に援助をお願いするんです。そうすると、駅員さんから、戸惑って、一旦外へ出てくれと言われる。何でかなと思ったら、マニュアルにはそう書いてあると言われたわけです。だから、失礼な言い方かもしれません、常にその人の理解に基づいて援助するのではなくて、マニュアルどおりでないとだめだというのは、非常に悲しい経験をすることがあります。 そういう一つの場面を見て感じるのは、やはり今回の法律改正の中でも、国民の理解、あるいはそれを促進するための国の責務というのは入っているわけでありますが、そういう心のバリアフリーと申しましょうか、もっと柔軟に、ハンディを理解して、その場でできる援助を実行していただけるようなそういう環境といいますか、ありようというものをつくっていただきたいというのは一点であります。 もう一つは、これは佐藤君も指摘しましたけれども、物をつくるとき、あるいは環境をつくるときに、やはり、障害のある人も高齢者も子供も、全ての人たちがそこに地域に存在するという意識に立って最初から物をつくるというのは大事だろうと思っております。 そのことが、無駄な改造工事費も防ぐだけじゃなくて、そこに、障害者のためといいながらも、実は全ての人にとって使いやすい環境が生まれるということがまさにインクルーシブ社会だろうというふうに思っておりますので、そういう手順というものもこれから実現していただくことをお願いしたいと思っております。 以上です。
○佐藤参考人 ありがとうございます、佐藤です。 私は、今先生が御指摘くださったことに本当に同感しております。インクルーシブな社会をつくる、ともに生きる社会をつくるというのは、まず場を分けないということが本当に大切だと思います。 その場、ルートだけじゃなくて、例えばチケットを買うときも、今は車椅子だけ全く違うところに電話をかけてとる。一般の人はウエブで本当に簡単に直前までとれるのに、車椅子はあらかじめこの電話でしかかけれない。そういうふうに分かれております。 ほかのちょっと例なんですけれども、私は野球が好きでよく見に行くんですけれども、日本の野球場は車椅子だけ全く違うルートで入るということがほとんどです。車椅子の人はここに来てくださいと言われて、閉鎖型のエレベーター、一般の人が使わないエレベーターで、それで上がっていくというやり方です。これは、まず場を分けているという問題と、もう一つは、緊急時にもう逃げられません、そういう閉鎖型のところは通れませんので。という問題もあります。 この課題は、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックを機に今施設整備が進んでいますが、場を分けないインクルーシブなつくりということが広がってきまして、かなり認識をいろいろな方が持ってくださっていると思います。 ですので、ぜひ、この、場を分けない、インクルーシブな社会をつくるという考え方を推し進めていただきたいと思います。 以上です。
○赤羽委員 どうもありがとうございました。 二〇〇〇年からの交通バリアフリー法で施設整備を進めてきた。これからは、今回の法改正で、本当の意味での、心のバリアフリーを含めた社会の常識を変えていくということは大変大事なことだというふうに思っているわけでございます。 心のバリアフリーについてはちょっと質問はいたしませんけれども、学校教育ですとか、また、民間企業における啓蒙教育ということがやはり大事だなということも常々我が党では思っておりますので、そうしたことも意見を申し上げておきたいと思います。 次に、先ほど移動権のことについて議論が出ました。これは実は、平成二十五年の交通政策基本法の制定のときも審議会で数多く議論をされたところでございます。 私、今回、この法改正のときにもいろいろ国土交通省とも議論した中で、役所というのはどうしても制約があるというか、権利として規定する以上、個々人の多様なニーズを踏まえた上で、まず一つ目は、どのような目的の移動について、誰にどこまで保障するのかという点ですとか、また、保障する責務を有するのは誰かという点ですとか、権利内容を裏打ちするための仕組みや財源をどう確保するのか、こういったさまざまな点を明らかにする必要がある。これは、法律をつくる当局としては、ある意味では当然だというふうに思っております。 こういった制約を乗り越えることはなかなか難しいので、今回の法改正の中に新たに理念の規定を設けて、そこに社会的障壁の除去と共生社会の実現ということを明確にした。これは、役所の世界では随分踏み込んだ、障害者団体の皆さんからの意見をできるだけ聞いて法改正をしたという意味では、私は一定の評価をしたいと思っております。 この点で、この点が入っていないから反対するとか賛成するとかといった争点にするのではなくて、もちろんそうしたものを目指しながら、結果は、よりよいバリアフリーのまちづくり、社会づくりを進めていくということが私は大事な観点だというふうに思っておりますが、この点について、三星先生と森先生に御意見をいただきたいと思います。
○三星参考人 済みません、御質問の趣旨が……。
○赤羽委員 移動権ということについて国土交通省というのは、今言った制約がある。制約がある中で理念規定を設けて前進をさせていこうという考え方、私はそれは妥当なのではないかと。もちろん、そこにとどまるのではなくて、将来的にそうしたものを進めていくということですけれども、こうした考え方というのはどうでしょうかということです。
○三星参考人 よくわかりました。失礼しました、質問してしまいまして。 私も、一口で言えば、先生の今のお考えに賛成でございます。 先ほど申し上げましたように、現代生活における移動というのは、学校や就業だけでなく、買物、娯楽等、交友を始めとして、現代生活ではこれは必須の条件になってくるわけでありまして、これは権利だと思います。でないと現代生活が送れていると言えません。 ただし、そこにも、先ほども申しましたように、権利を書きますと、その権利保障ということで、その保障を誰がどの範囲でやるのか、こういったことを整備していかなきゃいけない。それは私、もちろん逃げちゃいけないと思いますので、課題だと思います。だから、それは考える方向で進めたらいいと思います。 あわせて関連法規も、上位法との関係だとかいろいろ整備していかないと、ちょっと先ほど来ありますように、国際的な情勢の中で整合をとれぬようになってきます。 IPC基準、オリパラ基準で私感動しましたが、これは私も不勉強で知らなかったんですが、「人間の尊厳」という言葉を入れています。あれなんかも、いろいろな文章に入ってもいい言葉だと思います。 ただ、突然それを入れてくるとまた、尊厳が失われた場合は誰がどういう責任をとるのかというような話もあったり、し出してくると急にはなかなか入れられませんが、何でも前向きにいかないと国際的な整合はとれぬようになりますので、それは課題だと思います。 以上です。
○森参考人 ありがとうございます。 ほぼ今の三星先生の御意見とあれですけれども、権利とするときに、対立するあるいは異なる考え方でいうと、権利か、先ほど言った恩恵か、あるいは反射的効果か、そういうのはやはり常に問題になってくる。 その意味でいうと、どこに住んでもいい、どのような職業を選択してもいい、そのために移動が必要、交通が必要というのであれば、やはり交通というのには抜きがたく権利性というのがあるんだと、それはもう常に確認はしたいと思います。 もちろん、法律の文言の上で、そのときの社会情勢の中で、交通権、移動権という言葉が明記されないかもしれない。でも、形を変えてこの基本理念の中に入ったというのはやはり一歩前進であるし、これはもう憲法の九十七条の言う、人類の多年にわたる自由獲得の努力と成果で、これは、過去幾多の試練にたえ、現在及び将来の国民にとって保障されるという、それの一歩前進というところで評価ができるかなと思っています。
○赤羽委員 どうもありがとうございます。 今回の法案の中に、私は大変評価すべきだし、しっかりと機能させていかなければいけないと思うのは、市町村単位でマスタープランをつくるという仕組みでございます。これは、地方がややおくれがちなところを地方のバリアフリー化を進めるという点と、同時に、シームレスな移動、移動の連続性の確保をするということ、またあと、それは面的なバリアフリーをやるということ、道路の事業者と鉄道の事業者、そういったものを市町村でカバーする。そうしたことでまた、障害者の皆さんの意見、参画がそこでできる。 こちらは大変大事な意義づけだと思いますが、この点について御所見があれば、竹下参考人と佐藤参考人から端的にいただければと思います。
○竹下参考人 ありがとうございます。 率直に申しまして、市町村で障害者施策を考えるときに、例えば視覚障害者という障害種別に限ってしまうと、ほんのわずかな人数でしかなかったりするわけです。 したがって、例えば、私は生まれたところは石川県の奥能登なんですけれども、そういう小さい村の単位だけでこのバリアフリーを考えるというのは、現実的な進歩というか、あるいは変化というものは期待できるとは思わないんです。 そうであればあるほど、その地域に合わせた障壁というもので、かつ、その障壁の除去、排除ができるものを見つけるという作業から始めるべきなんだろうと思っております。 すなわち、一つのもちろん指針とか基準が当然前提にはなるんでしょうけれども、その市町村ごとに今必要とされて、今現実性のあるバリアフリー化はどこで何をすることなのかということを考えていただくためには、その場所というんでしょうか、その地方ごとでの議論がぜひ必要だと思っておりますので、そういう場をつくっていただければと思います。 以上でございます。
○佐藤参考人 ありがとうございます、佐藤です。 私は、マスタープランはぜひどんどん進めていただきたいと思っています。目標を高く、一〇〇%の自治体でつくるように進めていただきたいと思います。ただ、マスタープランは一部の地域に限定したものになってしまいますので、これだけではやはり日本全体をバリアフリー化できないんじゃないかと思っています。 ですので、これを補完する、全体をよくするような仕組みが必要だと思います。 少し外れるんですけれども、二〇〇七年、アメリカに旅行したときに、車ですごい田舎をずっと回って、二、三時間全く何もなくて、小さい集落、二百人ぐらいしか住んでいない集落に寄って御飯を食べるんですが、そういうところを何カ所も回ったんですけれども、みんなお店が車椅子で入れるんです。本当に、日本ではそんな田舎に車椅子で入れるようなお店はほとんどないと思いますけれども、アメリカはどこに行ってもあった。 それは、そういう法制度をつくった成果なんだなというふうに思いました。
○赤羽委員 大変ありがとうございました。 今出ました小規模店舗のバリアフリー化ですとか、先ほど陳述にもありました災害時の避難所のバリアフリー化というのも、大変重要なことでございます。残念ながら今回の法改正の対象ではありませんけれども、今回の法改正を契機に、そうしたものについても、ユニバーサルデザインの社会が進むことに対して全力で取り組むことをお誓い申し上げまして、私の質問とさせていただきます。 本日は大変ありがとうございました。
○西村委員長 次に、広田一君。
○広田委員 無所属の会の広田一でございます。どうかよろしくお願いを申し上げます。 本日は、四名の参考人の皆さん、本当にお忙しい中、御出席をいただきまして本当にありがとうございます。また、貴重な御意見を頂戴しまして、大変参考になりました。 まず、四名の参考人の皆様方に、都市と地方とのバリアフリーの格差の是正の問題についてお伺いをしたいと思います。 私ごとなんですけれども、私は高知県の障害者フライングディスク協会の会長をやっておりまして、フライングディスクというのは、僕たちの世代はフリスビーというふうに、いわゆる円盤投げでございますけれども、単純なようでこれはなかなか奥の深いスポーツでございまして、あれを真っすぐ飛ばすということの難しさ、これは、障害者の方々にも非常に参加しやすいスポーツということで我が高知県においても非常に普及をしているわけでございますが、ただ、一方で、そこの競技場、会場まで来るときに、さまざまな壁、バリアがある。そういったことも一方でそれぞれの皆さん感じられているということで、地方におけるバリアフリー化というのは非常に道半ばだな、このように感じているところでございます。 こういった中で、私、高知県というふうに申し上げたんですけれども、公共交通のバリアフリー状況といったものを見たときに、例えば路線バスなんですけれども、徐々に低床バス等の導入は進んでいるんですけれども、我が高知県は導入率が二五・二%、全国は六三・七%でございまして、四国でも最下位の状況でございます。また、全国的にも古い路面電車があるんですけれども、五十九両ある中で、低床車両の方は何と二両しかございません。これは全国で最下位レベルでございます。 こういった状況の中で本当に、県、市町村、さらには事業者の皆さんも、これは何とかしないといけないということでさまざまな努力をしているわけでございますが、いかんせん、事業者の皆さんも自治体の皆さんも、バリアフリー化の必要性、これは認識を十分にしているわけでございますけれども、なかなか財源の確保がままならない状況でございます。 例えば低床バスなんかは、中型でも二千五百万円かかったり、あと低床型の路面電車は、何とこれ、二億五千万円かかります。 こういったような財政面でのこれまたまさしくバリア、壁があるわけでございまして、そういった中で国の支援制度というものをぜひ拡充してもらおう。しかしながら、今の現状を見ますと、利用の多い都市がどうしても中心となってしまっております。 ただ、利用は少ないものの、本当にバリアフリー化が必要なところは、地方自治体また事業者の方も十分認識はしているわけでございますので、そういった中でも、例えば地方でも、国と同額を事業者又は自治体が負担することを条件に国が支援する制度ができないか、そういったような声が上がっているわけでございます。 それぞれの参考人の皆さん、都市と地方とのバリアフリー化の是正については述べられているわけですが、具体的に、こういった施策をすれば是正が進むんじゃないか、そういった御提案等ございましたら、それぞれの参考人の皆様方に教えていただければと思います。 〔委員長退席、盛山委員長代理着席〕
○三星参考人 三星でございます。 内容が幾つかに分解できるかと思うんですが、まず最初に、バリアフリー、UD、ユニバーサルデザイン化が地方でなかなか進まないということの一般論について、ちょっと私なりのサジェスチョンを申しておきますと、滋賀県に守山市というところがあります。ここは、基本構想を全国で多分最初というか、既に法律をつくる前に、一九九〇年代の終わりにほぼ同種の試みをやっております。 守山市は、その委員会を後、継続改善協議会にしまして、その継続改善協議会は名前を変えまして、UD委員会、ユニバーサルデザイン委員会というものにしております。そこで市民と障害者、役所が集まって、市内の話題、何でもいいからそこへ入れることができる。その結果、駅前のエレベーター問題なんかはとっくにもちろんそれはクリアしておるわけですが、本当に小さな集会所とか本当に小さな図書館まで、もう全てそこの委員会で事前チェックして、当事者参加でやる習慣がついております。 もし機会がありましたら、私が関係しているところでは多少自慢の仕組みなんですが、田舎なんですけれども、今は町がよくなりまして、これを全国に広めたい。ぜひやってほしい。先ほどから継続改善協議会が大事だと三遍申し上げておりますが、その理由は、こういったところにも目に見えた実績があるんです。 そうしますと、本当に小さなところの小さな段差まで、いやあ先生、うちの村は何も問題ありません。ならば聞くが、おたくの市役所の掲示板は弱視の人が見えますか、夕日に反射して字が見えなくなっていませんかと聞いたら、それは考えたことありません。これではいけないので、やはりそういう細かい問題も含めて当事者参加を、これが私の言いたかったところです。 あと財源のことというのは、私先ほどから申し上げたとおりでございまして、そもそも日本の公共交通全体が、税金投入という点では先進国の中では著しく低い国なんです。この仕組みの根本問題を少し考え直さないといけない。これはバリアフリー問題だけではありません。 だってそれは大変大きい話なので、その中間の話については、おっしゃるように、さまざまな諸制度、国が負担することは少し拡大していく必要はあると思います。 それだけにしておきます。
○竹下参考人 ありがとうございます。 そんなにきちっとしたお答えができる能力はありませんが、思いだけ、二つだけお伝えしたいと思います。 一つは、たとえ地方や小さな村であっても、ユニバーサルデザインという考え方あるいはバリアフリーというものが浸透し切っているかどうかということが、僕はやはりポイントあるいは基礎になるのではないかと思っております。 そういう意味では、規模の大きさではなくて、もっと言うならば、都会だから、田舎だからではなくて、そういうユニバーサルデザインやバリアフリー、今度の障害者権利条約でいえば、インクルーシブな社会というのはどういうものなのかが、きちっとその全ての千七百の自治体において伝わるような仕組みをぜひお願いしたいというのが一つです。 もう一つは、障害者は地方へ行くとむしろ少ないわけですけれども、ただ、逆に高齢者は多いわけですよ。高齢者と障害者というものは、時には、バリアフリー化においては共通する部分がたくさんあるわけです。 そうであれば、各地域ごとで分断した政策ではなくて、障害者も当事者も参加する、高齢者も参加する、その他のまちづくりの人たちが一つのテーブルで意見交換できる、バリアフリーについても意見交換できる場をつくっていただければ、その地域に合わせた問題解決に結びつくのではないかなと思っております。 以上です。
○森参考人 私も同様なのですけれども、やはり行政と事業者、それから地域の人々、地域の人々の中に、例えば各区市町村に社会福祉協議会のような、もう既にそういう仕組みができている。あるいは介護保険なんかも、総合支援法のサービスなんかも各地でできている。そういったものに根差した中で、言ってみれば、個別の課題解決型な取組というのがどちらかといえば有効なのかなというふうには思います。 そういう中で、三星先生がおっしゃったような継続の取組、継続改善協議会のような仕組みというものを生かしていく必要があるかと思います。 ありがとうございました。
○佐藤参考人 ありがとうございます。 三つあります。 まず一つは、基本構想の策定をぜひ義務化していただきたい。そこに数値目標もちゃんと明記をしていただきたい。基本構想をつくることによって、より多くの人がバリアフリーに対する関心が高まっていくと思います。 二点目は、新しくつくるものに関しては最低限の基準をつくって、それを守っていただくようにする。最初につくるときのコストは、バリアフリーにしてもほとんど変わらずにできますので、ぜひここを強化していただきたい。 三つ目は、国の助成制度もぜひ拡充していただきたいと思います。 以上です。 〔盛山委員長代理退席、委員長着席〕
○広田委員 どうもありがとうございます。 先ほど竹下参考人の方から、障害者の方と高齢者の方が互いに意見交換をして、そこからいろいろな課題や解決策等が導き出される、そういうふうなお話もあったわけでございますけれども、まさしくそのとおりで、やはり地方は非常に高齢化が進んで、高齢者が大変多くなっております。 先ほど来、駅のエレベーターはどこも大分普及してきたということでありますが、まだまだ高知はそうではなくて、ようやく、エレベーターを設置しよう、そういう動きもあるんですが、なかなか国の支援というものが都市部に集中して回ってこない、だから地元が思い切って負担をして整備をする、そういうふうな取組なんかもありますので、やはり、都市と地方のそれぞれの枠、そういったものなんかもつくって全国一律でなくて取り組んでいきたいなというふうに思っておりますので、由木局長も傍聴しておりますけれども、ぜひともよろしくお願いをしたいと思います。 次にお伺いをしたいと思います。これは佐藤参考人の方にお伺いをします。 段々のお話の中で飲食店のお話がありました。本当にそのとおりだなと思います。だんだん移動する自由とか距離が延びても、食事をするところが非常に制限されている。そういったことについて今回法の手当てがなされていないということは、非常に課題の一つだなというふうに私自身もこう考えます。 その一方で、地方自治体の条例によって、例えば人に優しいまちづくり条例とか、いろいろつくられているわけでございます。そういった中で、それぞれの自治体において、二千平米ということでなくて、三百平米とかそういった中でバリアフリー化を進めようというふうな、これは逆に地方自治の取組が進んでいる面もあるのではないかな、こういうふうにも感じるわけでございますけれども、それぞれを現実の現場に落としたときに、今感じられる課題、まさしく地方の取組についてどのように評価されているのか、お聞きをしたいと思います。
○佐藤参考人 ありがとうございます。 福祉のまちづくり条例が一九九二年ぐらいから各地ででき出して、非常に成果を上げているところもあって、例えば大阪の条例を見ると、かなり細かく基準をつくって整備をしています。 私、四年前まで関西に住んでいたんですけれども、東京に来て驚いたのは、車椅子で入れない店が多くてびっくりしました。コンビニエンスストアなんかは、関西ではほとんど入れます。東京は、入り口に段差があって入れないのがすごくあるんです。それに驚きました。それは、大阪での条例の成果があると思います。 バリアフリー法でも十四条の三で、地方公共団体が条例で上乗せして特別特定建築物を追加したり、あるいは、その対象の規模を引き下げることができるというふうにしていますので、ぜひこの都道府県委任条例を義務化するなど、そういう施策も必要だと思います。
○広田委員 どうもありがとうございます。 それぞれ地方自治体等々もそういった御紹介があった取組等をされているわけでございますが、国において、御指摘のあったような改善というものもやはり進めていかなければならないなということも感じているところでございます。 それでは、次に竹下参考人と佐藤参考人にお伺いをいたします。 病院内でのバリアフリー化についてでございますが、病院は多くの患者さんが来られます。もちろん障害者の方も来られ、入院をされている方もいらっしゃるわけでございます。 そういった中で一つ課題というか、病院を経営されている方、そして設計士の皆さん、また、患者さんの皆さんの中から声が出ていることの一つといたしまして、障害というものもいろいろある中で、例えば点字ブロックの設置というものが義務づけられております。 ただ、一方で、階段とかのところに点字ブロックがあることによって、高齢者の患者さんの方が時々つまずいたりするようなこともあったりする。さらに、病院の食堂とかに行こうとしたときに、スロープがあって、その入り口と出口に点字ブロック等があるわけでございますけれども、車椅子の方であるとか、さらには、入院患者で点滴をしながらそういった食堂に行かれる方にとっても、一つ課題になっているなというふうな御指摘もあるわけでございます。 そういうふうな、それぞれの障害によって必要な整備施設といったところが上手に共存ができるような形というものをいかに図っていくのか。これらについての御所見をお伺いできればと思います。
○竹下参考人 ありがとうございました。非常に大事な点を御指摘いただいて、ありがとうございます。 実は点字ブロックに関しましては、日本盲人会連合で何年か前に調査をして、一つの結論を出しました。それは、外と建物の中で少し物の考え方を変えようということでした。 現在の点字ブロックのJIS化された基準は、高さが、あれは〇・五センチの高さになっております。これに対して、今先生が御指摘になりましたように、建物の中ではそれが邪魔になることがあるという指摘がありました。 そこで、さまざまな実験をやってみました。例えば、余りにも低くすると視覚障害者が結局足の裏で感じられなくなる。そういう一つの境はどこにあるのかということで研究した結果、そして実証実験も繰り返した結果、一つの結論が出たのは、〇・二五センチの高さですと、これが、高齢者の方が歩く場合にも足をひっかけることがない、あるいは車椅子等の移動にもほぼ弊害がないということがわかりましたので、我々はそのことをぜひ広げたいと思って、建物内における点字ブロックについての、特に誘導ブロックについては、〇・二五センチで普及させたい。それに対しては、危険を察知するために敷設されるような場所については、引き続き建物内においても〇・五センチのものに、そこは使い分けをしていけるようにしたいというふうに思っております。 いずれにしても、このユニバーサルデザインであったりバリアフリーであったりするものが、本当に全ての人にとって有効なものでなければならないというのは僕は非常に大事だと思っておりまして、そういう議論がこれから更に出てくる場面がふえると思っておりますので、決して例えば視覚障害者だけの議論ではなくて、もっと幅広い人たちが声を十分に出し合って一つの結論が出せる、そういうユニバーサルデザイン化を進めていただきたいというふうに思っております。
○佐藤参考人 ありがとうございます。 私は車椅子に乗っているんですけれども、私にお尋ねになった理由は、車椅子だと、点字ブロックでがたがたして動きにくくなるんじゃないかというお考えも少しあったのかなと思います。 確かにがたがたはするんですけれども、それで通れなくなることは全然ありませんし、車椅子で、点字ブロックがあっても移動できます。 一方、点字ブロックがなければ視覚障害の人の移動が非常に困難になってしまいますので、それはぜひ設置は進める必要があると思います。 今、竹下先生がおっしゃったように、凹凸が小さいものが屋内用でできていますので、それは一定有効だと思いますので、そういう形で普及をしていただけたらと思います。
○広田委員 時間が参りました。本当に、参考人の方々には示唆に富む御意見を頂戴しましたことに心から感謝を申し上げます。 どうも失礼しました。どうもありがとうございます。
○西村委員長 次に、宮本岳志君。
○宮本(岳)委員 日本共産党の宮本岳志です。 きょうは、四人の参考人の皆様方、本当にありがとうございます。私からもお礼を申し上げます。 私は、実は二〇〇〇年のバリアフリー法制定のときに、大阪から出していただいて参議院議員をやっておりまして、交通・情報通信委員会で私が実は修正案を提案をした経験がございます。このとき、六点ほど修正を提案をさせていただきました。 一つは、目的や理念に移動の自由と安全は基本的権利と明記すること。二つは、国の基本方針で全ての施設等を対象に整備計画と目標を明確にすること。第三に、地方公共団体もバリアフリー化対策の計画を策定することにすること。第四に、交通事業者が講ずべき責務を明確にすること。第五に、利用者、障害者等の積極的参加を保障するための制度化を図ること。そして六つ目が、バリアフリー化されても移動困難な人のための代替輸送の確保をするという六点でありましたけれども、今回の改正で、利用者の方々の参加であるとか、あるいは自治体、地方公共団体での計画の策定とか、随分ここに近づく前進があるということはよく理解をいたしております。 ただ、一番最初、イの一番に提起をした、理念に移動の権利ということを提起したわけでありますが、なかなかこれが今日まだ実現していない、そういうことを明記することが。 ただ、きょうの質疑を聞かせていただいて、与党、野党、立場が違ってさまざまな事情があることはわかるんですが、与党の先生方の思いもほとんど同じ、やはりこれは基本的な権利というところに向かわねばならぬのじゃないか、こういう思いで御質問もされておりましたし、参考人の方々もほとんど同じ思いでお答えになっておられたというふうに思っております。 それで質問でありますけれども、やはり、インクルーシブ、ユニバーサルデザインということは非常に大事だというふうに思うわけです。 私、この二〇〇〇年のときにも随分勉強したんですけれども、例えば駅のバリアフリーというものをエスカレーターでやりますと、車椅子の方々は、健常者の方を排除して、特別にエスカレーターを車椅子が乗せられるようにしていかなきゃならない。つまり、それが健常者の方々からは実に迷惑だという目で見られる、それだけでも権利が保障されていることにならない、だから、やはりエレベーターでぜひしてもらいたいんだ、こういう声を本当にいただきました。 その点で、インクルーシブ、つまりユニバーサルデザイン、障害者に優しいものというのは、健常者にも、また、どんどん我々も高齢化していくわけでありますから、高齢者にも優しいわけでありますから、こういう方向でしっかり整備するということについての、これは竹下参考人及び佐藤参考人から少し御意見をいただきたいと思っております。
○竹下参考人 ありがとうございます。非常に大事な指摘をいただいたと思っております。 例えばホームドアの転落防止柵ですけれども、これは視覚障害者のためにという意識が非常に強いわけでありますが、私は、そういう狭いものではないというふうに理解しています。 今数字はちょっと見つけられませんでしたけれども、国交省の発表によっても、年間二千人から三千人の方がホームから線路に落ちているんだそうです。その中で視覚障害者は二十人から五、六十人なんですけれども、そして、もちろん、死亡している方はその中のごく一部ではありますけれども、これだけたくさんの方が線路に落ちるという危険にさらされているわけです。 そういうことを考えますと、このバリアフリー化というのは、ホームドア一つとってみても、それは全ての乗客にとっての安全輸送に結びつくという、そういう大きな課題を解決するものだというふうに思っております。 その点で、バリアフリー化というのは、ひとり障害者のためという発想ではなかなか前へ進まないのであって、今回の理念で、共生社会というわざわざ理念も示されるように、全ての人が乗客であるということがここに理念として明確にされたわけでありますから、ぜひ、その安全対策が全ての人に共通しているという思いの中で、安全対策、バリアフリー化を進めていただくことをお願いしたいと思っております。 以上でございます。
○佐藤参考人 ありがとうございます。 鉄道のフリースペースの話を先ほどしましたけれども、ここは本当に、車椅子だけでなくて、多様な方が使われます。スーツケースを持った方、ベビーカーの方、あるいは、大きい自転車を畳んで乗っていらっしゃる方もいて、それは僕はすごくいいと思うんです。いろいろな人が社会にどんどん出ていけるようになって、そのためにどんどん整備を進めることは非常に大切だと思います。 ただ、時代とともに生活スタイルも変わってニーズもふえていっていますので、例えばフリースペースをふやすということもそうですし、エレベーターも、今、例えば新幹線で東京駅に着いてホームからおりようと思ったら、ずらっと並んでいます。二、三回待たないとおりられません。それは、エレベーターが小さい、それと一つしかない。利用者がもっと今はふえてしまいましたので、その時代に合わせて大型化、複数化ということが必要だと思います。 障害者だけでなくて、いろいろな人が使っていける、そういうユニバーサルな社会をぜひ進めていっていただきたいと思います。
○宮本(岳)委員 ありがとうございます。 それで、少しきょうは三星先生にもお伺いしたいんですけれども、私も大阪なものですから、大阪の取組が随分進んできたということで心強く思うんですけれども、特に市営地下鉄が頑張ってきたということなんでありますけれども、このたび、その市営地下鉄が民営化されるというような形になりました、大阪の場合。 それで、これまで、そういう役割を果たす上で、公営交通、公共交通の役割というものが非常に大きかったと思うんですよ。そういう中でしっかり、例えば少々お金がかかったとしても、それはやはり確保すべきである、やるべきであるということで、随分、公営交通がそういう立場で頑張ってきた。 この点で、大阪の取組を通じて公営交通の役割をどのようにお考えか。これは、三星先生と同時に森先生にもひとつお答えいただきたいと思います。
○三星参考人 三星でございます。 大阪市交通局の問題につきましては、民営化して、私の見るところ、バリアフリーのペースが落ちたり、ユニバーサルデザインのせっかくの獲得したレベルが下がるということは当分は考えにくいですが、長期的には懸念があります。 理由は簡単です。収支がよいときには、今申しましたように、やる余裕はありますけれども、やはり厳しくなったとき、あるいは、お金だけではなくて、大きな別の困難が出てきたときにどれだけ対処できるかになりますと、今までの経験上、全国の公営交通は明らかに一般の私鉄とは違います。これは、一つは財源で税金が入るということがあります。 それから、もう一つ無視できないのは、大阪市交通局の方針は、一九八〇年代から、大阪市の福祉部局と交通局と、私ども、ずっと長く委員なんですが、議論し合ってきているんです。ここにいらっしゃる佐藤さんの上司じゃないのか、尾上さんとか今そこにいらっしゃいますけれども、一緒にやってきたわけですが、そういう市の方針です。 だから、今回もマスタープランの中でそこをどう展開していくかというのは最大の課題になりますが、マスタープランの中で市はこうしていくんだという方針を持ったら、それがダイレクトに公営交通の場合は入れやすいんです。その点で懸念はあります。 以上でいいでしょうか。
○森参考人 これまでの経緯で申し上げますと、例えば、日本で初めて公衆用のエレベーターが一般の駅でついたのが、大阪市営地下鉄の喜連瓜破という駅だとされています。これはやはり、京都と大阪で、誰でも乗れる地下鉄をつくる運動という市民運動が、交渉やそれからフィールドワークを続ける中で実現したとされています。 それから、経緯はわからないんですが、車椅子対応のエスカレーター、これは横浜市営地下鉄の岸根公園駅、これにつけられたのが最初だそうです。 また、ノンステップバスでいいますと、今、東京都の交通局の都営バスは一〇〇%ノンステップになりましたけれども、これもやはり、ノンステップバスの普及の過程において、東京都交通局、横浜市交通局などの公営交通が一体となってノンステップバスを導入するという方向性を出した。そのことによって開発と普及、標準化が進んで、これだけ大きく広がったといいます。 だから、新しい技術ですとかそういった施策を実現する上で、やはり公営の交通機関というのは一定大きな役割を果たしてきたと思っています。 以上です。
○宮本(岳)委員 そういう後退ということがないように、私たちもしっかり見守っていきたいと思いますし、その点で、公的な支援ということが非常に大事だと思うんです。 大阪でも、私たち随分、バリアフリー、ユニバーサルデザインということを事業者の方々に申し上げるわけですけれども、水間鉄道とか能勢電鉄とか、なかなか鉄道事業者でも財政力に乏しいところがあるわけで、そういうところにしっかりやってもらうためには、もっともっと国の支援というか、それを事業者にしてもらうための支援が必要だと思うんですけれども、このあたり、三星参考人のひとつ御意見をお伺いしたいと思います。
○三星参考人 先ほども申しましたように、やはり、国、国民全体の合意として、公共交通、特にその中でも体の不自由な方々、みんな年をとるわけですから、そういったことの施策に必要な財源に関しては、これは真剣に考えなきゃいけないと思います。 私は、今の現状の財源というのは、今までの中で、現場的必要からやはり政府は考えなきゃいかぬでやってきておるので、どうしても制約があるんです。もっと大きな枠組みで、ちゃんと公共交通を維持していく。 ただしそれは、よく言われるように、垂れ流しであってはもちろんいけませんし、しっかりとした国民的、市民的監視が必要でありますし、あるいは専門家の合理的な配分等、あるいは方法に関する意見反映は必要でありますけれども、基本の考え方として、財源は、日本は必要に応じてずるずるとふやすだけで、これでは限界があるということを申し上げておきたいと思います。
○宮本(岳)委員 佐藤参考人は、先ほど、やはり店舗のバリアフリー化が日本は本当におくれているというお話がございました。 実は、私たち、ずっと地域でも運動してきまして、住宅リフォーム助成制度というものは随分全国の自治体で広がっているわけです。ただ、これが店舗に適用されないということで、店舗にもぜひ適用してよという声が随分高いんですよ。 そういう助成制度をしっかり整備をして、そして、そういうバリアフリー化のリフォームである場合には、しっかり住宅リフォームと同じように助成が出るようにするというようなことがいいんじゃないかと私は思うんですけれども、御意見いかがでしょうか。
○佐藤参考人 ありがとうございます。 いろいろな助成制度を拡充していただくということはすごく大切だと思います。 ただ、もちろん改修でどんどん進めていただきたいんですけれども、事業者の御負担が大きくなる場合が多いですから、私は、最初につくるときに基準を明確につくって、それを必ずクリアしてつくっていくということをやっていけば、十年、二十年たったらもう全く違う町並みになると思うんです。 ですので、改修の助成制度と同時に、新しく建てる建物に関しての一定のバリアフリー基準の義務化ということもぜひお願いしたいと思います。
○宮本(岳)委員 次に、事業者責任という点では、従業員の方々の教育をどう進めるかというのは、これはなかなか大事な問題だと思います。 そこで、ちょっとこの点にかかわってどのように、先ほど竹下参考人からは、マニュアルどおりやれと言われていてショックを受けたという話もありましたけれども、ただただマニュアルどおりやればいいというものでもないんだろうと思うんです。 ちょっとこの点を森先生と竹下参考人に、ぜひ御意見をお伺いしたいと思っております。
○森参考人 やはり、現場のそれぞれの係員、職員が利用者と接するときに、例えば、問題発言があったり不適切な取扱いがあったりということで問題になることが多いんです。なので、やはり従業員の教育というのがきちんとされる必要がある。ただし、そのためには、つまり教育するにも時間がかかる、時間があれば、きちんとそこに対しては労働報酬を払わなければならない。 そういう意味でいうと、そういう実際の従業員教育のための仕組みづくりというのは必要でしょう。あるいは、きちんと大きな会社であればとれるけれども、中小の会社、例えば小規模のタクシーの会社などではやはり自前で教育することができない。そうであれば、標準化した教育というものの仕組み、それから、その教育を受けることによってのインセンティブ、教育のための費用を助成するとか、そういうのが必要だと思います。 もう一つ、これは実は調べる中でおもしろかったという言い方はあれかな、埼玉県の川越市に塙保己一特別支援学校というのがあるんですが、そこの学生さんが、まさに上野さんが亡くなった翌年に通学途中に転落死亡事故を起こしている。そのことを教訓に、毎年五月に、埼玉盲学校と言っていましたから、埼盲交通安全の日というのをやる。そこのところに、五、六年前からJR東日本の人が来る、あるいは東武鉄道の人が来るという形をする。あるいは、塙保己一学園の生徒たちが西武鉄道の車両工場に行って、実際にホームの下におりてみて、ホームまではこの高さがあるとか、あるいはホームに身を寄せればいいとか、そういうことを実際に学んでいる。 その意味でいうと、当事者と事業者が交流する中で、そういう学びとかが生まれてくると思います。そのための仕組みづくりというのは有効だと思っています。長くなりました。
○竹下参考人 ありがとうございます。 今先生御指摘のように、従業員の方、職員の方の理解というものがなければ、本当のバリアフリーは私は進まないと思っております。ただ、この間の大きな前進というか変化は実感しております。 一つは、障害者差別解消法が制定されたこともあるわけですけれども、企業の方々が障害当事者を講師に招いて研修会を繰り返していただくようになりました。これは非常に有効な研修だと思っております。 もう一つは、これは私、京都のことでしか今すぐ例は挙げられないんですが、近鉄とか阪急が我々視覚障害者とともに、職員の方だけじゃなくて、乗客に対する啓発活動を一緒にやってくれるようになりました。 こういう形で研修が進むことによって、私たち自身が一つ一つの駅を利用するときの安心感が本当に生まれてきているわけですので、そういう研修というものが今後更に充実することをお願いしたいと思います。
○宮本(岳)委員 もう時間が参りましたので終わりますけれども、四人の方々の御意見は本当に参考になりますし、今後、この法案の審議に役立てていきたいと思うんです。 二〇〇〇年に私は修正案を提案いたしましたが、否決をされました。そして、政府案にもちろん賛成をいたしました。今回の法案も、もちろん反対するような法案ではないと思っておりますが、できるだけよりよいものに、党派を超えて努力をしてまいりたいというふうに思っております。 理念というのはさりとて大事なことでありまして、権利ということをやはりはっきりさせないと、例えば、ワンルートの確保は保障するけれども、二ルート以上やってもらいたかったら利用者負担でやろうじゃないかとか、こういう議論も出かねないという状況がありまして、しっかり全ての人々の権利をやはり保障していく当たり前の姿にしていく、こういう立場で党派を超えて議論を深めたいと思っております。 本日は、まことにありがとうございました。
○西村委員長 次に、井上英孝君。
○井上(英)委員 日本維新の会の井上です。 参考人の先生方におかれましては本当に貴重な時間をお割きいただきまして、参考人の質疑のこの機会にお越しをいただきまして、心から敬意と感謝を表する次第でございます。 冒頭、なかなか本席に座れていなくて大変失礼をいたしておりまして、心からおわびを申し上げますとともに、ちょっと国対だとか、これは議員間の仕事なんですけれども、国対だとか議運に出ろだとか、ちょっと人数が少ないもので、もうありとあらゆる仕事をやらされますので、どうしても時間がなくて本席に座る時間が短かったんですけれども、別室で聞ける限りお話は聞かせていただいていますので、質疑をさせていただきたいと思います。 まずは、先ほどから大阪の話がるる出てきていましたので、ありがたいなというふうに思っています。福祉先進地区と大阪に住んでいる我々が言うとちょっと手前みそな気もするんですけれども、種々話が出ていました。 きょうは、私の母校の近畿大学から三星先生もお越しをいただいておりますので、佐藤さんも、先ほど経歴を読ませていただいたら、お生まれは新潟で、でもすごい関西のことを熟知されておられて、先生も京都だとか千葉だとかそれぞれの環境があるとは思うんですけれども、大阪に少し触れたいと思います。 先ほど宮本委員からも、大阪メトロで民営化になってサービスが下がるんちゃうかという話があって、多分そういう話をされるんじゃないかなということで、先ほど大阪メトロにも確認をしたんです。私はもともと大阪市会議員ですから、大阪市に関してはそこそこ知識があるもので、大阪メトロに確認したら、いや、絶対そんなことはありませんとおっしゃっていました。 もちろん今は形式的には一〇〇%大阪市が株を持っている持ち株会社ということになっていますので、かなり公共性の色の濃い状態、ですから、三星先生も当分の間はということをおっしゃったのは多分そこだと思うんです。今後完全に、本当に一〇〇%民間の会社となったときに、やはりこのバリアフリーも含めた公共的な理念というのを忘れずに、必ず大阪メトロにはそういう意識を持ってもらいたいなというふうに思います。 ただ、もともと、例えば関西電力、これも大阪市の電気局でしたし、そういう意味から考えていくと、ちょっと会社になっていくと、半官半民の意識がだんだん薄れていくという傾向も決してなきにしもあらずだと思いますので、そういう経験を踏まえて、あえて大阪メトロに限っては、公共性を忘れない事業を希求していただくように、我々もしっかりとやっていきたいと思っていますし、今の社員はしっかりやるというふうに言っていましたので、御理解をいただけたらというふうに思います。 そしてまた、先ほどもありました、一九八〇年代から、三星先生の話で、公共交通と福祉という関係があって、敬老パスとか大阪市はやっていました。これは、高齢者、七十歳以上の方が、無料で地下鉄、市バスに乗ってどこにでも行ける。これは、全国的に見て、無料だったのは大阪だけだったんです。財政がしんどくなりましたから、三年ほどぐらい前から有料に変えました。 ただ、今回、大阪メトロでまた株式会社化すると同時に無料になりますので、七十歳以上の高齢者を始めとした、当然、高齢者の中に障害者の方もおられますから、そういった方々には、またどんどん出ていく、そういう話を先ほど三星先生もされておりましたけれども、大阪は変わらず、どんどんまた世に出ていってもらう、外に出ていってもらうという施策を進めていきたいなと思います。 ホーム柵も、先ほどありました、関西のやはり民間事業者がちょっと疲弊している傾向にあるんではないかなと思います。大学の通っている近鉄電車もそうですけれども、非常にちょっと元気がない。そういう中でホーム柵の負担というのがふえていくと、多分、事業者からすると、国、国庫なり地方の負担というのをふやして事業所の負担をちょっと減らしてくれたら、もう少しホーム柵も進むんじゃないかというふうには思っておられるかと思います。 そういう意味で、地下鉄に限って言うと、佐藤先生からも千日前の話がありましたけれども、大阪の地下鉄でいうと、七号線、八号線、それから千日前は今もうホーム柵ができ上がっている。そしてまた、心斎橋と天王寺、これは、十万人以上のターミナルというルールがありますけれども、十万人どころではないんですけれども、かなり大きい心斎橋と天王寺で、実験的といいますか、試験的にホーム柵を導入しました。 ただ、御堂筋線というのは、ここにおられる方もひょっとしたら乗ったことがあるかもわかりませんけれども、非常に便数が多いんです。ですから、心斎橋、天王寺でやっていく、また、全線全部やっていくということになっていくと、その便数を守れるか守れないかという議論。 時刻表も、朝夕のラッシュ時は何分に来るという表示ではないんです、御堂筋線は。二分に一本か二分半に一本かというような表示をたしかしていると思うんですけれども、それぐらいに頻繁に電車が来る、大阪市営地下鉄のドル箱路線ですので、それだけの数で全駅をやはりホーム柵にするといったときの技術的な、物理的な問題というのも解消していかなければならないと思います。 谷町線の東梅田とか堺筋線の堺筋本町というのが、来年度、ホーム柵を導入していきますので、これからそういった方法でより高齢者の方が、障害者の方々始め妊婦の方々もそうですし、お子様連れの方もそうですけれども、そういった方々がやはり移動しやすいような、そして安全に移動しやすい環境というのをつくっていきたいというふうに思っていますので、ちょっと大阪が話題に出ましたので、大阪の宣伝を少しさせていただきました。 それでは、ちょっと詳しく質問に入らせていただきますけれども、もう多くの先生方が質問もされていますし、重なっている部分もあるかと思います。私の質問も重なる部分も出てくるかと思いますけれども、御容赦をいただいて、四名の参考人の先生方にお聞きをしたいと思います。 改めて、十八年にバリアフリー法が拡充、統合されまして、二十三年には障害者基本法の改正、それから、二十六年には障害者権利条約の締結という流れ。これから、平成三十二年、二〇二〇年には東京オリンピック、そしてパラリンピックの開催というのがありますし、関西においては、今これから審議に入っていくと思いますけれども、IRだとか、また万博、そういったものをもし誘致が可能になれば。そして、二〇二六年には札幌がまた冬季オリンピックに名乗りを上げると、中村先生、頑張ってください、おっしゃっていると言っています。 そういう中で、どんどん訪日をしていただく外国人もたくさんふえていきますし、さまざまな方にやはり日本で便利に生活していただく、過ごしていただくということが非常に大事だというふうに思うんです。 今回、バリアフリー法の改正というのがありました。もう何度も聞かれているのであれですけれども、評価する点というのは、また後日、我々、委員会の中でもしっかりと議論をしていきますので、まずはやはり評価はまだちょっと足りひんなというところを、何点か先ほどから聞いているんですけれども、それぞれの先生方で、やはりこれが一番の喫緊の課題じゃないか、プライオリティーを優先してこの問題は早く取り入れてほしいという、ちょっとプライオリティーの高いものを各先生方にお答えいただけたらと思います。
○三星参考人 三星でございます。 プライオリティーが高いというのは、これも先ほど申しました知的、精神、発達に関しては、どういう対策を打っていけばよいのかというニーズ自体が十分には把握していないので、急ぎ調査研究、これは調査研究というよりも、大学や研究室の中での研究というよりは、現場の中でお招きして、一つ一つつくり込みをやってみたい。 御参考までに申し上げておきますと、知的、精神、発達の多少の反映ですが、羽田空港とか、羽田もそうですし、たしか札幌、新千歳もそうだったと思うんですが、心に障害を抱えている方々が、やはり落ちついて、慌てることなく移動することができるデザインは何か、これをテーマにしまして、それは答えはまだついていませんが、やはり取り組んだときには幾つか知見も得られていまして、反映しているんですよ。ここらはちょっと急がなきゃいかぬです。 それから、ほかの方では多分おっしゃらないことを一つ申し上げておきますと、今、委員御案内のように、どんどんまだまだ国際化はふえてくるわけなので、その中で私一番気になるのは、近隣諸国と、やはりお互い情報交換したり打合せしたりすることの必要性というのが出てくるわけです。 一番日本に出ると入るが多いのは、やはり韓国、中国、台湾、特に台湾は大きいです。そこらのところのバリアフリーについて、一体どれだけその実情を把握しているのか。それから、向こうの方々に、それは日本ではないよ、あるいは日本の方々は、向こうに行ったらないよという情報を全く今提供できる状態じゃない。 参考までに、ヨーロッパの場合、一九八〇年代の最初から、ECMTといいまして、ヨーロッパ交通大臣会議、旧運輸の方はよく御存じなんですが、そこで各国の政策を話し合うんですが、その中にディスアビリティーユニットがあるわけです、障害者部会が。ここで、現在でもホームページで掘っていくと出てきますが、ヨーロッパ全体では最低限こういうことをバリアフリー化していこうという合意をその都度とりながらやっているんですが、アジアでそれを考えていく必要があるんではないだろうか。 ただ、余り言い過ぎると、それはまた中国にとられますよとか、生臭い話が言いたいわけじゃないわけですが、もっと真面目な動機で必要なんじゃないのかなと。ちょっとこれはほかの方たちが言いにくいので申し上げておきます。
○竹下参考人 ありがとうございます。 繰り返しになる部分がありますけれども、二つだけお願いしたいと思います。 一つは、典型的には、道路と駅舎が常に意識された、連続した誘導施策をお願いしたい。すなわち、駅だけでバリアフリー化した、道路に点字ブロックをつけた、建物のバリアフリー化したというのでは本当に移動ができないわけでありまして、それらの施設間を本当につないだ形での有機的な移動ができる、そういう政策をぜひ実現していただきたいというのが一点目でございます。 もう一点は、当事者参加ということが必ずここで話題になっているわけですが、決して、そのときに我々当事者の代表がお客さんで終わらせてほしくないということでございます。本当に、常にそこでの議論の一員として参加して、共通認識が事業者と障害者とあるいはその他の関係者の間に生まれるような、そういう場の設定をお願いしたいと思っております。 以上でございます。
○森参考人 先ほど宮本議員からの質問にも答えたところでありますけれども、やはり従業員教育、実際に従事する人々の教育というもののきちんとした体系化ですとか、その仕組みづくりというのが、法律に直接書くことではないかもしれませんが、これから必要になると思います。 それは、先ほどおっしゃっていた国際化、よその国から、あるいは、知的障害、精神障害、発達障害のような、やはり特別な知識、ある程度の接遇の知識が必要な人たちへの接遇方法だとか、そういうものの教育をするための仕組みづくりというのを、中小の事業者であっても受けられるような、そういう形が必要だと思います。 それと裏腹な関係として、苦情と提案の窓口、こういうことで不愉快であった、あるいは、ここはこうすればもっとよくなるという苦情、提案の窓口というものをやはりわかりやすく整備すること。そして、その苦情、提案というのが、実際の事業者やあるいは利用者と合議する中でより建設的に解決されていくこと。この二つというのが必要になると思います。 なので、例えば、先ほどの私が申し上げました埼玉県の盲学校、塙保己一学園の学校と事業者の交流というのはとてもいいケースになっているのではないかと思っています。 以上です。
○佐藤参考人 ありがとうございます。 私は、課題はたくさん挙げさせていただいたんですけれども、世界に日本が非常におくれている分野は三つあると思います。一つは小規模店舗のバリアフリー化、二つ目は空港アクセス、長距離バスのバリアフリー化、三点目はホテルのバリアフリー化です。 まず、空港アクセス、長距離バスというのは、日本で一万台以上走っているそうなんですが、バリアフリー化されて、リフトがついて車椅子で乗れる車両は四台だけです。羽田空港と成田空港の路線、これは二年前からようやく走り出しました。何で走ってなかったか、今までおくれていたかといいますと、適用除外認定車両というふうにして、バリアフリーの整備の目標も、二〇一〇年までは目標もなく、二〇一一年以降にようやく二五%という目標ができたんですけれども、そういう関係で非常におくれている。 これが深刻なのは地方の空港です。羽田から飛行機に乗って地方空港に行って、地方空港では鉄道がないところが多いですから、そうすると、バスとタクシーでしか市内に行けない。バスに乗れなかったらほとんど市内に行けないわけです。タクシーは非常に高額になって負担が大きいです。ですので、特に、地方の路線において空港アクセスバスのバリアフリー化が重要です。 三点目のホテルなんですけれども、これは去年、IPCに指摘されましたけれども、東京はホテルの客室のバリアフリー化がほかの都市に比べて非常におくれている、我々の国際基準に合致しない、規制や基準の見直しを働きかけることでレガシーとなり、共生社会につながるというふうに、ハビエル・ゴンザレス最高執行責任者はおっしゃっていました。 ホテルの問題は二つあります。 一つは、バリアフリールームという、大きい車椅子でも入れる比較的広目のお部屋をつくる。これを今は法律で最初の一個目までは義務なんですが、二部屋目は義務ではありません。ですので、ほとんどのホテルは一部屋しかバリアフリールームがないです。車椅子三人ぐらいで旅行に行くと、みんな別々のホテルに泊まらざるを得ないんです。ですので、一定の比率でバリアフリールームをつくるということが一つ。 もう一つは、一般の客室もユニバーサルデザイン化することが必要です。室内の段差をなくして間口を八十センチ以上に広げたら、手動車椅子程度はほとんど入れるようになります。そうすると、そこで宿泊できるようになりますので、より多くの人が使えます。高齢者にとっても有効だと思います。 以上です。
○井上(英)委員 ありがとうございます。 我々も、このバリアフリー法、やはりまだまだ足りない部分があると思いますし、与野党、これには関係なく、よりよい法律、それは、理念も含め、どういう中身を書き込んだらいいのかということも含めて、やはり不断の努力というのが問われるジャンルの法律ではないかなというふうに思いますので、目いっぱい今後も先生方のお話、御意見を聞かせていただいて、それを今後また反映させていけるように頑張っていきたいというふうに思います。 もう限られてあと二分なんです。本当は、先ほど竹下先生がちらっとおっしゃった、整備されても、必要な情報をわかりやすく提供してもらうというのがやはり一番大事だと。障害者用のトイレがあっても、どこにそのトイレがあるのかというのがわからなければやはり利用できないというふうにおっしゃっていましたので、災害も含めた情報バリアフリーの実現について、竹下先生、どのようにお考えか、お聞かせいただけますでしょうか。
○竹下参考人 ありがとうございました。本当にいい指摘をされていただき、ありがとうございます。 情報というのは、ある意味では、全ての社会資源を生かすために当然のシステムだと思います。ようやくですけれども、例えば、ホームドアがついた駅が、どことどこの駅についた、そして何番線についたまでが情報として得られるようになったということをこの前国交省から教えていただいて、非常に我々はそれを、地方にと言ったら怒られますね、全国に広げたりして、その情報というものをもっともっと我々は使って、より便利な社会生活を送ろうということを考えることに結びつきました。 そういう意味では、今回の改正においてもそうした項目が幾つか入っておりますので、事業者からも自治体からも、全ての関係者から、そういうバリアフリー化の情報提供、そして、逆に我々が十分にそういう情報にアクセスできる、そういうシステムを構築していただくことをお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
○井上(英)委員 たくさんまだ聞きたいことはあるんですけれども、限られた時間ですので、質疑を終わらせていただきます。 どうもありがとうございました。
○西村委員長 これにて参考人に対する質疑は終了いたしました。 この際、参考人の方々に一言申し上げます。 本日は、貴重な御意見を賜りまして、まことにありがとうございました。委員会を代表して厚く御礼を申し上げます。(拍手) 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時一分散会