厚生労働委員会 第15号
- 発言数
- 110 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 2018/05/02
会議録
○高鳥委員長 これより会議を開きます。 開会に先立ちまして、立憲民主党・市民クラブ、希望の党・無所属クラブ、無所属の会及び日本共産党所属委員に対し御出席を要請いたしましたが、御出席が得られません。 理事をして再度御出席を要請させますので、しばらくお待ちください。 速記をとめてください。 〔速記中止〕
○高鳥委員長 速記を起こしてください。 理事をして再度御出席を要請させましたが、立憲民主党・市民クラブ、希望の党・無所属クラブ、無所属の会及び日本共産党所属委員の御出席が得られません。やむを得ず議事を進めます。 内閣提出、働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律案を議題といたします。 この際、お諮りいたします。 本案審査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣人事局内閣審議官古澤ゆり君、人事院事務総局給与局次長佐々木雅之君、厚生労働省労働基準局長山越敬一君、労働基準局安全衛生部長田中誠二君、雇用環境・均等局長宮川晃君、人材開発統括官安藤よし子君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○高鳥委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○高鳥委員長 これより質疑に入ります。 質疑の申出がありますので、順次これを許します。大岡敏孝君。
○大岡委員 おはようございます。滋賀県の大岡敏孝でございます。 きょうからいよいよ委員会で働き方改革の審議ということで、トップバッターをさせていただきます。ありがとうございます。 私たち自民党が支援をしております安倍内閣、取組の大きな一つがデフレ脱却、そして中間層の厚みの回復ということでございました。それに向けて、最低賃金の引上げ、そして異例とも言える春闘における賃上げ要求など、サラリーマンの目線で果敢に行動してきたことには率直に高く評価をしたいと思います。 この一連の労働分野の改革の中で、まず第一に、長時間労働を規制をして、そしてワーク・ライフ・バランスを改善をしていく、二つ目として、時間幾らという労働の世界から、アイデアや成果、どれだけ知恵を絞ったか、どれだけ足を使ったかで給料が取れる世界に変えていく、そして、同じような仕事であれば同じように待遇をされるという同一労働同一賃金、これら、これまで議論してきた政策をいよいよ行動に移すのが今回の法案でありまして、論より実践こそ、私たち政治が果たしていくべき役割だと考えております。 そうした前提のもとに、私から、特に同一労働同一賃金の部分につきまして幾つか質問させていただきたいと思います。 まず一つ目、いわゆる賃金格差には、同じ企業で同じように働いているのに、正社員だとか非正規だとか、そういった身分に近いような待遇の差による格差。それから二つ目、同じような職務内容ではありますけれども、企業が違うから、収益力や生産性が違うから、給料の格差がついてしまっているという場合。また三つ目として、地域による格差。つまり、東京と沖縄で、同じ仕事をしていても給料が違う、このような格差。主にこの三つの種類の格差があると思いますが、今回の法案で格差是正の対象となっているのは一体どこまでなんでしょうか。
○宮川政府参考人 今回、政府が導入しようとしております同一労働同一賃金でございますが、同一企業、団体におけるいわゆる正規雇用労働者と非正規雇用労働者、有期雇用労働者、パートタイム労働者、派遣労働者の間の不合理な待遇差の解消を目指すものでございます。
○大岡委員 ありがとうございます。 つまり、企業が違う、あるいは企業体がお役所なのか民間なのかによる違い、あるいは地域による違い、これは今回、大きく是正はされないということになりますが、是正されない部分について少し聞いていきたいと思います。 私は、企業が違うことによって生産性が違う、したがって人件費が違う、これは一定程度容認するべきだ、当面の間は一定程度容認するべきだと思っています。というのも、これまでの日本の経営の要諦の一つが、労使関係をしっかりと議論して、そして、企業別労働組合が中心になって、待遇だけではなくて、生産性の向上等も含めてしっかりと議論をして、労使関係をつくっていくということがございました。これがまさに日本の各企業の国際競争力をつけ、産業国家としての日本をつくり上げてきた、私は、これはまがうことのない事実だというふうに思っております。 しかし一方で、我が国は、高度成長の時代、あるいは年功序列賃金、終身雇用の時代をいよいよ卒業する段になってきますと、ヨーロッパのような、職種別にある程度分厚い労働市場の整備を着実に進めなければならない時期に来ていると思います。 これまでの日本の経過を踏まえまして、日本らしい、日本型のアプローチによる労働市場の深化についてどのように考えておられるのか、教えていただきたいと思います。
○田畑大臣政務官 お答えをいたします。 今御指摘ございましたように、EUの諸国におきましては、産業別の労働協約によりまして、企業横断的に賃金水準が決定をされ、同一の賃金等級表が雇用形態を問わず適用されている傾向がございます。 一方、我が国では、労働者の雇用管理を企業単位で行う慣行があり、各社の戦略に応じ、能力や経験など、さまざまな要素を考慮して、労働者の待遇が決定をされてきております。 大岡委員も労働組合に所属をして勤労されていた時代もあったとお聞きをしておりますが、その強みは御自身でも感じていらっしゃるのではなかろうかと思いますし、私も労働組合員として働いた経験がございまして、まさに日本型のそうした慣行というのは、非常に強みを生かして、高度経済成長にマッチをしてきたのではなかろうかとも考えます。その面は人材育成の面でも大変すぐれていたことがあろうかと思います。 そこで、今回の法案においては、こうした我が国の雇用慣行の強みを踏まえまして、企業の自由度を生かしながら、個々の待遇の性質、目的に照らして、実態に違いがなければ同一の、違いがあれば違いに応じた支給を求めていくこととしたものでございます。 これによりまして、正規雇用労働者と非正規雇用労働者の間の不合理な格差の解消を目指してまいりたいと思います。
○大岡委員 ありがとうございます。 次に、先ほども申し上げました官民の格差について伺いたいと思います。 企業間の格差は、労使が協力しての企業努力の成果でありまして、知恵と汗の差だということが言えますので、これは成長力の源泉と言えます。しかし、官民格差というのはそうではないですね。 実際、例えば、市バスの運転手と民間の、民営のバスの運転手では、同じ仕事をしているのに、余りに待遇が違うんじゃないか。あるいは、これが民営化をするときの壁になったりもしています。また、業種によっては逆もある。つまり、公務員としてのこの職種は極めて待遇が悪いために人が集まらないという職種があるのも事実です。 政府として、同一労働同一賃金という大きな題目を掲げて進めていく以上は、当然、公務員の給料を決定する仕組みを改革をして、この官民格差の是正について取り組むべきだと思いますが、どのように考えておられるか、教えていただきたいと思います。
○佐々木政府参考人 お答え申し上げます。 人事院は給与の勧告をさせていただいておりますが、国家公務員法に基づきまして、国家公務員に対し、社会一般の情勢に適応した適正な給与を確保する、そういう機能を有するものでございまして、国家公務員の給与水準を民間企業従業員の給与水準と均衡させることを基本としております。 官民の給与比較を行うに当たりましては、公務におきましては一般の行政事務を行っております常勤の行政職俸給表(一)適用の職員、民間におきましては公務の行政職俸給表(一)と類似すると認められます職種、事務・技術関係の職種の常勤の従業員につきまして、主な給与決定要素でございます役職段階、勤務地域、学歴、年齢、これらを同じくする者同士を対比させるラスパイレス方式によりまして、精確な比較を行っております。 この民間給与との較差を解消するように行政職俸給表(一)を改定しておりまして、また、他の職種につきましては、行政職俸給表(一)以外が適用されておる者でございますけれども、行政職俸給表(一)におきます改定との均衡というものを基本にしながら、必要に応じまして、それぞれの職種の職務の特殊性、あるいは人材確保の必要性等を考慮することによりまして、適正な処遇の確保を図ってきたところでございます。 委員御指摘のとおり、職種によりまして官民の給与をめぐる事情がさまざまとなっている状況でございますけれども、今後とも、行政職俸給表(一)における改定との均衡を基本としながらも、それぞれの職種の事情というものを考慮して、適正な処遇の確保に努めてまいりたい、そのように考えているところでございます。
○大岡委員 ちょっと改めてもう一回お尋ねしますけれども、御説明いただいたとおり、確かに、民間と比較をして、一般職、皆さんのような一般職の給料をまず民間と均衡させる、あとはその他の職種、例えばバスの運転手であろうと、保育園の先生であろうと、あるいは上下水道で勤務をしている方であろうと、全てこの公務員の一般職に準じて変えるというやり方ですね。 確かに、何十年も前は、それで一定程度、職種別の労働市場を形成する効果があったかもしれない。しかし、もう何十年もたって、民間の、ある程度労働市場の相場ができてきた。にもかかわらず、今、公務員の給料の改定の仕方は、ほかの公務員、同じ身分の一般職の公務員との均衡を考えて、バスの運転手であろうと、獣医さんであろうと、あるいは保育園や幼稚園の先生であろうと決めているということなんです。 しかし、私たちがこれから進めようとしている同一労働同一賃金というのは、身分によって賃金を決める世界からやめようと言っているわけですね。つまり、正規と非正規、同じ場所で働いていたら給料をそろえていこうというのは、身分が違うからいいじゃないかと言っていたのを、身分じゃなくて、やっている仕事の内容で決めていこうじゃないかと言っているわけです。 つまり、先ほど御説明された、これまでのやり方はわかりました。しかし、これを変えていこうとしているわけですから、やはりこの給与決定のメカニズムそのものを変えない限りは、いつまでたっても、公務員の身分同士の均衡であって、同一労働同一賃金の世界にはならないと思いますが、この点についてはどのように考えられますか。
○佐々木政府参考人 お答え申し上げます。 今先生御指摘のような職種につきましては、基本的には、国の一般職にはございませんで、地方公務員であるということがございまして、一般職の国家公務員の給与につきまして勧告を行う立場にある人事院といたしましては、それらの職種のことについてなかなか申し上げる立場にないというところがございます。 ただ一方、国におきます行政職俸給表(一)の適用職員以外の職種につきましては、今後とも、民間の従業員の勤務実態を把握していくということは重要であるというふうに認識しておりまして、民間の同種従業員の給与等の状況につきましては、引き続き注視してまいりたいというふうに考えております。
○大岡委員 ありがとうございます。 ぜひ、その注視の部分を制度にしっかりと変えていっていただきたいと思います。 というのも、確かに言わんとすることはわかるんですが、一方で、この人事院の定めるルールと同じように各県とかの人事委員会はルールを決めているわけです。しかも、給与調査というのは人事院と人事委員会で共同してやっているはずです。更に申し上げれば、地方交付税の算定根拠だって人事院のルールが全てベースになっている。 だとすると、それは地方のことだからわかりませんというのではなくて、やはり人事院が率先をしてこのルールを変えない限りは、いつまでたっても官民格差は残ってしまうんですね、考え方が違うわけですから。公務員との均衡をとるためのルールですから。 そうじゃなくて、同一労働同一賃金の世界というのは同じ仕事をしている人同士の均衡をとる世界ですから、やはり今後、きょうはもうここまでにしておきますけれども、今後しっかりと制度改正に向けて皆さんも研究を重ねていただきたい。先ほど最後に言っていただいた民間との差について注視をしていただいて、そして、制度のあり方をもう一度抜本的に考えていただきたいと思います。 次に、四番目、地域格差についてお尋ねしたいと思います。 地域格差、これは最低賃金の制度とも非常に深くかかわっているわけでございますが、この最低賃金を上げてきていることには高く評価をしたいと思います。しかし、この上げ幅に注目をいたしますと、東京などの都市部の上げ幅が大きくて、どうしても田舎の方の上げ幅が小さい。 地方創生といいながら、給料の格差をどんどんどんどん、給料改定は、最低賃金を上げることはいいんだけれども、上げるたびに差が広がっていくというのでは、これはやはり政策に矛盾がありますね。 さらに、また同時に、日本は、単純には比較できないものの、生活保護と最低賃金の逆転あるいは近接ということが非常に問題となっておりまして、やはり働くことへの対価というのは、一定程度生活保護との間に差がないと、労働意欲が湧かないというのが実態でございます。 そこで、もちろん将来的に、これは近い将来か少し遠い将来かにはよりますけれども、ヨーロッパのような全国統一の最低賃金制度を導入することも一部視野に入れて、一つ目として地域間格差を縮小すること、そして二つ目として生活保護と比べて一定の有意差をつけられるようにするべきだと考えておりますが、この点についてどのように考えておられるか、教えていただきたいと思います。
○山越政府参考人 最低賃金法でございますけれども、御指摘の地域別最低賃金でございますけれども、これは労働者の生計費、それから賃金水準、企業の賃金支払い能力を考慮して定めるということにされておりまして、都道府県ごとに定めているものでございます。 昨年、平成二十九年度の中央最低賃金審議会におきましては、この地域別最低賃金額の最高額に対します最低額の比率を引き続き上昇させていく必要がある、こういった意見も踏まえまして審議が行われました。 その結果、各地方最低賃金審議会で審議が行われた結果としての最低賃金でございますけれども、最高額と最低額の比率は七六・九%と三年連続で改善をしているところでございまして、地域間格差に配慮した引上げが行われてきているというふうに認識をしているところでございます。 また、生活保護の関係でございますけれども、平成十九年の最低賃金法の改正によりまして、労働者の生計費を考慮するに当たりましては、生活保護に係る施策との整合性に配慮すると規定されたところでございます。 これは、最低賃金が生活保護の水準を下回らないものとなるように配慮するという趣旨でございますけれども、これを踏まえまして、最低賃金が生活保護を下回っていた都道府県につきまして、その逆転現象の解消に向けた取組、最低賃金の引上げが行われてきたところでございます。 その結果といたしまして、平成二十六年度までにはこの逆転現象は解消されているところでございます。また、二十九年度におきましても、逆転現象は生じていないということを確認しているところでございます。 この最低賃金でございますけれども、働き方改革実行計画などにおきまして、年率三%程度を目途とした引上げ、全国加重平均が千円になるようなことを目指して引き上げていくこととされておりまして、引き続きこの最低賃金の引上げに取り組んでまいりたいというふうに考えております。
○大岡委員 ちょっと確認をしますけれども、つまり、額は開いているけれども率は詰まっているという理解でよろしいのか。 それと、最低賃金千円に向けて努力するということですけれども、最低賃金千円の世界というのは、先ほど私が申し上げた、生活保護と比べて一定の有意差をつけられるような世界をつくり出したいという理解でよろしいんでしょうか。
○山越政府参考人 御指摘の額、最高額と最低額の額の差につきましては、これは拡大傾向にありますけれども、先ほど申し上げましたように、比率としては縮まる傾向にあるということでございます。 それから、生活保護との関係につきましては、引き続き、生活保護の水準を下回らないような最低賃金となるように、最低賃金制度は最低賃金審議会で決められるものでございますけれども、それを踏まえた審議、決定が行われるようにされていくことが必要だというふうに考えているところでございます。
○大岡委員 わかりました。しっかりと進めていただきたいと思います。 次に、中小企業における対応について伺いたいと思います。 私自身も、中小企業診断士としまして、中小企業の経営にアドバイスやコンサルティングをしてきました。実際に、今回の改革、中小企業の一部からは、人件費の増加に耐えられない、あるいは労務の最適化、効率化に限界があるといった声が出ているのも事実です。 しかし、だからといって、私は、中小企業で働く人たちの環境改善をおくらせるわけにはいかないというふうに思っておりまして、中小企業への配慮を求める声はあるものの、これを配慮として行うのではなくて、積極的に中小企業の経営改革、生産性の向上、そして、中小企業ならではのワーク・ライフ・バランスを目指して、大企業との人材獲得競争に勝てる環境整備を進めていくべきだと考えています。 そこで、施行時期を変えたことの目的、そして中小企業への支援、このことについてどのように考えているのか、教えていただきたいと思います。
○田畑大臣政務官 お答え申し上げます。 今回の働き方改革におきましては、中小・小規模事業者の皆様方に積極的に取り組んでいただくということは大変重要であるというふうに考えております。 そのため、時間外労働の上限規制については、罰則つきの規制となることから、周知期間や準備期間の確保の観点から適用を一年間おくらせるとともに、同一労働同一賃金につきましては、各企業におきまして労使間で十分に話し合った上で措置する必要があることや、大企業の先行事例を参考に取り組めるようにする観点から、同一労働同一賃金の取組を円滑に進めるため、パート・有期雇用労働法の適用を一年おくらせることといたしたところであります。 しかしながら、意欲ある中小・小規模事業者が施行に先立って取組を進めていただくことは、大変望ましいというふうにも考えているところであります。 厚生労働省といたしましては、本年四月より、全国四十七都道府県におきまして、働き方改革推進支援センターを設置をしたところでございます。 このセンターは、中小企業、小規模事業者に対しまして、同一労働同一賃金に対応するための賃金制度でありましたり就業規則等におきましてのつくり方、見直し等につきまして、労務管理などの専門家が事業所へ個別訪問などによりコンサルティングを実施するとともに、商工会議所ですとか商工会ですとかとの連携を図りまして中小企業、小規模事業者向けのセミナーですとか出張相談を行うということ、また、よろず支援拠点との連携を図って一体的に支援をすることとしているところでございます。 また、二十八年十二月に公表いたしました同一労働同一賃金ガイドライン案におきましては、今国会での御審議ですとか関係者の御意向を、御意見を踏まえまして最終的に確定することとしておるところでございますが、できるだけわかりやすいものとするように努めていきたいと思っております。 このような取組を通じまして、中小企業、小規模事業者等におきましても、正規雇用労働者と非正規雇用労働者との不合理な待遇差の解消に努めてまいりたいと考えております。
○大岡委員 ありがとうございます。 中小企業も、大企業の改革を横目に見ながら、それを上回るような改革を進めることによって、私は、十分人材獲得に勝てるというふうに思っておりますので、ぜひそちらのサポート、そして周知徹底を進めていただきたいと思います。 次に、職種別の労働市場について伺いたいと思います。 先ほど、各企業別の労働組合、そして労使の取組が日本の産業競争力を生んできたということは申し上げたとおりでございます。 しかし、もう一段高い視点で見たときに、こうした個別企業の最適なことが社会全体に最適かどうかというのはわからないというふうに思っております。むしろ、日本の人材力を高めて日本人の総賃金をふやしていく、一人一人の給料の合計金額を高めていく必要があるというふうに考えております。 そうして考えたとき、日本で申し上げると、この職種別労働市場にかかわるようなことでいえば、特定最低賃金の制度というのがありますけれども、これが必ずしも私は有効に働いているとは思いませんで、これを更に発展させて、例えば国家資格である看護師は、大体このぐらいの経験の人はこのぐらいもらえるという標準賃金、あるいはコンピューターの技術者の標準賃金、あるいはその他いろんな技術、技能を持つ方の、このぐらい頑張ればこのぐらいの給料が取れるんだという一つの目標設定も含めて、また、これから学んでいく若者へのインセンティブ的な目標設定も含めて、標準報酬ですとか、あるいは賃金への反映をしっかりと促していく評価の仕組みだとか、企業横断的な、職種ごとの労働市場の形成に資すような政策を進めていくべきだと考えますが、これについてはどのように考えておられますでしょうか。
○安藤政府参考人 委員御指摘のように、職業能力を評価するための適正な基準を整備し、それに見合った賃金が支払われるということは、働く方の職業能力の開発や経済的地位の向上に資するものと考えております。 このため、厚生労働省としては、能力評価の基盤を整備するため、労働者の有する技能を一定の基準によって検定し、公証する国家検定制度である技能検定の実施のほか、業界団体との連携のもと、求められる知識や技術、技能に加え、職務遂行能力を職種、職務別に整理、体系化した職業能力評価基準の整備充実を図ってまいりました。 この職業能力評価基準につきましては、現在、業種横断的な事務系九職種に加え、五十四業種における職種、職務について基準を作成しており、企業においては、能力開発指針や採用選考のときの基準などに使っていただいているところであり、活用マニュアルを作成するなどして、さらなる普及啓発を図ってまいりたいと考えております。 さらに、御指摘の技能、技術に対する評価の賃金への反映ということにつきましては、現状の取組に係る実態把握を含め、どのような方策が考えられるか、検討してまいりたいと考えております。
○大岡委員 ありがとうございます。 最近、最近というのはここ数年の傾向ですけれども、若い人たち、手に職をつけることには非常に関心はあるけれども、それで果たして食っていけるのかどうかわからない、その後自分がどのぐらいの給料をもらえるのかイメージが湧かないので、なかなかそちらの世界に入れないという声もたくさん耳にします。 安藤さん、滋賀県でも副知事をやっていただきました。残念ながら、滋賀県は全国数少ない高等専門学校のない県でございまして、手に職をつけたいと思っている子供たちがいても、同じ滋賀県では進む学校がない。京都に行くか、三重に行くか、岐阜に行くかしかないわけでございまして、もう少し手に職をつけたいと思う子供たちを育てていく意味でも、標準報酬を目指していく、あるいは大体こういう手に職をつけるとこのぐらいの給料が保障されるという世界をぜひつくり出していただきたいというふうに思っております。 次に、待遇差に関する説明義務についてお尋ねをいたします。 今回の法案で、待遇差に関する説明義務が付されることになって、これは私、非常に重要なポイントだというふうに思っています。説明しろと言われると、それはもう不合理なことはできなくなって、結果として格差が是正されるというふうに考えております。 あわせて、待遇差が納得いかないという場合は裁判でも争いやすくなるわけですが、一方で、それによって紛争がふえるんじゃないか、あるいは、逆に居直られてしまった場合、裁判は費用も時間もかかるので、結局不利だという声もあります。 そこで、この説明義務を強化する意義とあわせて、紛争がふえる、あるいはそれへの対応についてどのように考えているか、教えていただきたいと思います。
○田畑大臣政務官 お答え申し上げます。 御指摘ありましたように、待遇差の内容、理由等の説明義務を事業主に課すとともに、説明を求めたことを理由とする不利益取扱いを禁止することを今回の法案に盛り込んでいるところであります。 非正規雇用労働者がみずからの待遇をよく理解をし、納得するためにも、また、非正規労働者が待遇差について納得できない場合に、まず労使間で対話を行って不合理な待遇差の是正につなげていくためにも、待遇差に関する説明義務を課すことには意義があるというふうに考えているところであります。 また、今回の法案におきまして、個々の待遇ごとに、当該待遇の性質、目的に照らして適切と認められる事情を考慮して判断されるべき旨を明確化すること、また、ガイドラインを整備し、どのような待遇差が不合理であるか否かを明確化することで、待遇差が不合理と認められるか否かについて予見可能性を高めることといたしているところであります。 こうした取組は、不合理に低くなっている非正規雇用労働者の待遇の改善を促し、紛争の未然防止につなげることになると考えているところであります。 また、今回の法改正に関しまして、均衡待遇規定について、解釈が明確な場合は、行政による報告徴収、助言、指導等を行うことといたしているところであります。 さらに、仮に労使間で紛争が生じる場合であっても、労働者が実際に裁判に訴えるには経済的負担を伴うため、法曹の資格者等を調停委員とする裁判外の紛争解決手段、いわゆる行政のADRを整備をし、無料で利用できることといたしているところでございます。
○大岡委員 これにつきましても、非常に重要なことですので、ぜひ国民への周知を進めていただきたいというふうに思っております。 次に、派遣労働者について伺いたいと思います。 今回の改正、当然のことながら、パートであろうと有期雇用であろうと派遣であろうと対象ということになっていますが、派遣の場合、ちょっと難しい点があるんですね。 それは、派遣先の会社で均等・均衡待遇を目指すのか、それとも派遣元の会社で、派遣元というのは、A社にもB社にもC社にも派遣している、そうすると、派遣元の方である程度均等・均衡待遇を目指すのか。これは、派遣する企業の収益力や生産性で当然待遇が変わってしまうことがあり得るわけで、一体どちらでもって均等・均衡待遇を目指していくのかというのが非常にわかりにくい点がございます。 そこで、この派遣につきまして、今回どのような対応をするべきだと考えておられるのか、教えていただきたいと思います。
○田畑大臣政務官 お答えを申し上げます。 不合理な待遇差を解消するための規定の整備に当たりまして、派遣労働者につきましては、一つに派遣先の労働者との均等・均衡方式か、二つに労使協定による一定水準を満たす待遇決定方式かの選択制といたしているところでございます。 このような選択制としているのは、派遣労働者の納得感を考慮する上で、派遣先の労働者との均等・均衡は重要な観点である一方、派遣先との均等・均衡による待遇決定は、派遣労働者の所得が不安定となったり、派遣労働者の中長期的なキャリア形成支援が困難となったりすることを踏まえたものでございます。 労使協定による待遇決定方式の場合、この労使協定は、一つには、同種業務に従事する一般の労働者の平均的な賃金水準と同等以上の賃金であること、能力等の向上があった場合には賃金を改善すること、段階的、体系的な教育訓練を実施すること等を要件としているところであります。 いずれの方式を選択した場合であっても、派遣労働者の皆さんの待遇改善がしっかり図られるものとなるというふうに考えているところでございます。
○大岡委員 選択制ということでございますが、不合理あるいは不利益な選択がなされないように、ぜひ皆様の方でも注視をしていただきたいというふうに思っております。 それとあわせまして、次の質問に移りますが、派遣と似た形態に、請負というものがございます。 まず、請負はこの法案の対象になっているのかどうか、教えていただきたいと思います。 ここで、ことしの所得税法の改正を皆さん思い出していただければと思うんですが、ことしの所得税法の改正は、まさにこの請負、そしてフリーランスとサラリーマンとの公平を図ったものなんですね。具体的に言うと、給与所得控除を圧縮をして、そのかわり基礎控除をふやすという改革を行いました。 当然、同様に、請負、とりわけフリーランスの人たちにつきましては、一定程度の労働者保護的な考え方が必要だと考えますが、今後、こうした政府のその他の施策との整合性をどのようにとっていかれるお考えか、教えていただきたいと思います。
○宮川政府参考人 お答えいたします。 議員御指摘のいわゆる請負従事者につきましては、今回の労働者派遣法の対象とはなりませんが、一方、請負事業主に雇用される正規雇用労働者と非正規雇用労働者との待遇差につきまして、今回の法案による改正後のパート・有期法の適用を受けまして、当該請負事業主に雇用されているパートタイム労働者又は有期雇用労働者であれば、保護の対象となるところでございます。 また、事業主に雇用されていない請負従事者につきましては、非雇用型テレワークを始めとする雇用類似の働き方が拡大している現状に鑑みまして、働き方改革実行計画に基づき、いわゆるフリーランスなどの雇用類似の働き方についての法的保護の必要性を含めた中長期的検討をしていくこととしております。 このため、その実態などを把握、分析し、あわせて、このような働き方に関する課題整理を行い、その保護等のあり方について検討しているところでございまして、引き続き、中長期的に検討してまいりたいと思っております。
○大岡委員 ありがとうございます。 残念ながら請負はこの対象外ということなんですが、先ほどの答弁で中長期的とおっしゃいました。これは一体どのぐらいのことを考えているのか。さらに、やはり労働者保護的な考えが必要なのかどうかについても、必要と考えているのか、不要と考えているのか、教えていただきたいと思います。 請負というのは、まとめて全体的な請負ではなくて、フリーランスに限ってで結構です。フリーランスに限ってで結構ですので、お答えをいただきたい。 というのも、ことし、もう既に税法はそういう理由で変えているんですね。今、フリーランスの働き方がふえている、これとサラリーマンとの均衡性をとらないといけないということを前提に、今回、所得税法を変えているわけです。 中長期的といって、五年も十年も検討し続けるわけにはいかないと思うんですけれども、この点についてどのように考えておられるか、教えていただきたいと思います。
○宮川政府参考人 お答えいたします。 先ほども申し上げましたとおり、この雇用類似の働き方が拡大している現状に鑑みまして、実態を把握して、その法的保護の必要性を含めた検討というものが必要だと考えております。 その際に、実態等を把握、分析し、課題整理を行う必要があるということで、今回、昨年度末に雇用類似の働き方に関する検討会報告をまとめまして、課題の把握、分析、あるいは課題整理を行ったところでございまして、今後、三者構成であります労働政策審議会等での議論を踏まえまして、さらなる議論を深めまして、中長期的とは申せ、できるだけ速やかな形での検討を行ってまいりたいと考えているところでございます。
○大岡委員 最後に速やかと言っていただきましたので、期待をしたいというふうに思います。 最後に、労働政策の基本方針について伺いたいと思います。 この法案で、政府は閣議決定によって労働政策の基本方針を定めるということになっております。 現在、労働に関して、さまざまな課題が日本には横たわっています。一つは、学齢期からいいますと、学び方、あるいはキャリア形成、キャリア教育、リカレント教育、男女共同参画、ワーク・ライフ・バランス、労働市場の活性化、生産性の向上、年功序列・終身雇用・定年一斉退職からの卒業、さらには地域格差や官民格差の見直しなど、先ほど申し上げましたとおり、やらなければならないことは山ほどあります。 今回の法律を第一歩目として、国民全体、日本全体で働き方改革の目標を共有をして、着実に前進をさせていかなければならないと考えています。 そのためには、省庁の垣根を越えるということ、そして、国、都道府県、市町村がしっかりと連携をして同じビジョンを共有するということが最も大事だというふうに考えております。 最後は大臣に伺いたいと思います。 この法律の中で、政府は基本方針を定めるとありますが、この意義と、大きなビジョンとして大臣はどのようなものを持っておられるのか、どのようなものを盛り込もうと考えておられるのか、教えていただきたいと思います。
○加藤国務大臣 大岡委員におかれては、地元においては労働局等についていろいろと関心を持っていただいておりますことを、改めて感謝を申し上げたいと思います。 今回の働き方改革は、働く人の立場に立って、一人一人がその事情に応じて多様な働き方が選択できる、こういう社会を実現していく、そしてそれは、誰もが生きがいを持って、そしてその能力を十分に発揮していく、こういう社会を目指しているわけであります。 この法案では、そのような改革の基本的な考え方や改革に必要な多岐にわたる施策の全体像などを示す基本方針を策定することとし、必要な規定を設けております。また、政府においても必要な施策を総合的に講じていく旨もあわせて盛り込ませていただいております。 基本方針の具体的な内容、項目については法律の第四条第一項にそれぞれ記載がございますけれども、少子高齢化による人口構造の変化に対応し、労働者の多様な事情に応じた働き方を可能とする観点から、長時間労働の是正等について、国の施策に関する基本的な事項を盛り込むことにしております。 これらの事項についても、できるだけわかりやすいということと、そして、多くの方が共有していただけるような、そうした形、書きぶり、そういったことにもしっかり留意をしていきたいと思っております。 その上で、この基本方針そのものは閣議決定をするということですから、これは当然、まず各省庁とも連携を図るということでありますが、そこに至るプロセスにおいて、労働政策審議会にかけるということで、労使それぞれから、また、中立的な委員からも話を聞く。また、あわせて、都道府県からも、都道府県知事の意見も求めるということでありますので、それぞれ地域地域における実情などもしっかり踏まえながら議論を進めていき、そして、働き方改革に関するいわばビジョンということになりますから、わかりやすく、そして、先ほど申し上げた、多くの方に共有いただける、そういったものを目指していきたいと考えております。
○大岡委員 ありがとうございました。 働き方はまさに国民の人生そのものだというふうに思っています。確かに、かつては、女性は子育てしたら人生が終わっていた、男の人はどこかの会社で働いて定年になったらもう人生が終わっていた。でも、それが、人生百年時代になりまして、また、労働市場がこれから深化、成長してきますと、そういう単一の働き方、単一の暮らし方ではなくなってくる。 だとしたときに、どういったビジョンになって、どういった社会になっていて、そのための法律はどういうことで、経営者も働く側の人間もどういう努力をしていかないといけないのかという、ぜひ、大きな加藤ビジョンを出していただいて、それを国民全体で共有をして働き方に向けて進めていく、そういった体制がつくれればありがたいというふうに思っています。 これは、政府だけが幾ら笛を吹いて太鼓をたたいても進まない、やはり国民の間に、経営者も働く側も、ビジョンの共有があってこそできるものだというふうに考えております。私自身も、足を使って、聞くべき声を聞いて、説明すべきことを説明して、この働き方改革、私は私の現場で全力を尽くしたいと思っております。加藤大臣始め皆様に大きく期待をして、質問を終了させていただきます。 どうもありがとうございました。
○高鳥委員長 次に、木村弥生君。
○木村(弥)委員 自由民主党の京都三区、木村弥生です。 本日は、働き方改革についての質問の機会をありがとうございます。 私は、子育てが一段落した三十八歳で看護学校に編入学し、看護師になりました。大学病院勤務時代は夜勤もいたしました。それから日本看護協会で広報や政策の仕事をし、衆議院議員になりました。 私が日本看護協会におりました二〇〇八年、二十代の看護師二人が大阪と東京で亡くなるという事案がありました。それぞれが過労死として労災認定されました。夜勤明けにストレッチャーで横たわっていたのを発見されたと聞いております。 それを受けて、日本看護協会では、緊急に時間外労働、夜勤・交代制勤務の実態調査を実施し、働きやすい職場づくり、労働環境の改善を重点政策、重点事項のトップに掲げ、ナースのかえる・プロジェクトを立ち上げました。夜勤・交代制勤務に関するガイドラインを策定し、ワーク・ライフ・バランス、多様で柔軟性のある勤務形態の推進といった取組により、新人看護師の離職も減少いたしました。看護師の健康を守ることが、医療安全、患者さんへの質の高い医療提供にもつながると実感した次第でございます。 これは看護界の話でございますが、事ほどさように、日本全体を考えましても、急速に進む少子高齢、人口減少社会においては、子育てや介護などのさまざまな事情を抱える人々が、それぞれの事情に応じた働き方で就業を継続できる環境づくりを進めていくことが不可欠だと考えます。 それでは、具体的な質問に入ります。 まず、時間外労働の上限規制についてでございます。 このような人口減少、人手不足の社会を乗り切っていくには、このさまざまな事情を抱える方々が、事情に応じた働き方で就業を継続できる環境をつくっていくことが不可欠であります。その働き続けられる職場づくりを推進していくためには、長時間労働の是正が急務でございます。長時間労働の是正は、過労死ゼロの目標に向けて、働く方々の健康を守っていくことはもとより、労働生産性の向上によってワーク・ライフ・バランスを確保し、皆が充実した生活を送ることにより、個々の人々の意欲や能力の発揮にもつながると考えます。 ところが、EUの労働時間の指令におきまして、残業時間を含めた労働時間について七日間当たり四十八時間の限度が定められているのに比べまして、日本の労働基準法は、制定以来、時間外労働の限度について定められておらず、企業に対する対応は強制力のない大臣告示に基づく行政指導にとどまってきました。 今回、これまで青天井となっていた時間外労働について法律による上限を設けることは、労働時間の短縮のためである、この一歩と評価はできます。今回の改正により、繁忙期においても月百時間以上の残業をさせることは明確に違法となり、労使が合意すれば何時間でも残業が可能となる現行法に比べれば大きく改善するものであります。 他方で、時間外労働の上限として百時間という時間数を定めることは、過労死水準である百時間もの残業を容認することになるのではないかといった心配の声も多く聞かれます。 各職場の三六協定が上限いっぱいの百時間から減らないといった事態を招かないよう、国として、時間外労働の上限としては月四十五時間かつ年間三百六十時間が原則であり、月百時間はあくまで例外であることを周知徹底していく必要があると思います。 ここで質問でございます。 今回の改正は、時間外労働、ひいては総労働時間の削減を進めるための改正と考えますが、企業や労働者に対して正確なメッセージが伝わるように行政としてどのように働きかけをしていくのか、お伺いいたします。
○牧原副大臣 委員御指摘のとおり、月百時間というのはあくまで単月のことでございまして、これは休日労働を含んでのことでございます。したがって、あくまで原則は、時間外労働の上限規制は月四十五時間、かつ年三百六十時間でありまして、臨時的な特別な事情がある場合に限って、労使が合意しても上限を年間七百二十時間、複数月の平均では休日労働を含んで八十時間以内、先ほどの単月では百時間以内、そして、原則として延長時間を超えることができる回数は一年について六カ月以内に限るということでございまして、これを超えると罰則をつける、科すということでございます。 これは、実効性があり、かつ、ぎりぎり実現可能なものとして労使が合意をした内容でございまして、それによって法定をするものでございます。 また、昨年三月の労使合意では、上限時間水準までの協定を安易に締結するのではなくて、月四十五時間、年三百六十時間の原則的上限に近づける努力が重要であるということが合意をされておりまして、上限水準までの協定を安易に締結することを認める趣旨ではございません。 先生が御指摘の周知徹底というのは大変重要であると考えておりまして、この労使の合意を、それぞれ民間でも実効あるようにしていただくとともに、厚生労働省としても、あらゆる手段を通じて、新たな指針を定めて必要な助言指導を行うことともしておりまして、こうした周知徹底を図ってまいりたいと考えております。
○木村(弥)委員 牧原副大臣、ありがとうございます。ぜひ、間違った方向に進まぬよう、周知徹底をお願いいたします。 次に、業種、職種ごとの特殊性について伺います。まず、建設業や自動車の運転手についてでございます。 私の地元の京都三区におきましても、建設業や運送業の皆様から、高齢化や人手不足の状況など、現場の厳しい声をお寄せいただいているところでございます。 例えば、運送業においては、ほかの業種と比べ、女性が少ない現状が示されております。その理由の一つとして、長時間労働が挙げられています。荷待ち時間や下請取引の慣行など、長時間労働の根本の原因から正していかなければならないと痛感しております。 脳や心臓の疾患の労災認定件数では、道路の貨物運送業、いわゆるトラックドライバーが際立って多くなっております。長時間労働が常態化していては、今後の人手不足も、このまま、この確保がままならなくなっていくと思われます。 現在、自民党の雇用問題調査会では、これらの課題解決に向けて取りまとめを進めているところでございます。 この建設業や運送業では、これまで、時間外労働に関して、大臣告示に基づく行政指導すら対象外とされておりました。この点、今回の改正におきましては、五年間の猶予期間を設けた上で、これまで行政指導の対象外とされてきた建設業や運送業についても上限規制の対象とされておりますけれども、規制のあり方については、これらの特殊性を踏まえた対応が必要になってくると考えております。また、単に規制を課すだけでは不十分であります。 そこで、質問でございます。 建設業や自動車運転業務に上限規制を課す上で、その特殊性への配慮はどのような形で設けられているのでしょうか。また、上限規制の適用に向けて、取引慣行の見直しのために省庁横断的な取組が不可欠と考えますが、どう対応されていくのか、お伺いいたします。
○牧原副大臣 委員御指摘のとおり、現在は、自動車の運転業務や建設事業につきましては、大臣告示である労働時間の延長の限度等に関する基準の適用除外となっていましたけれども、今回の法案におきましては、長年のこの取扱いを改め、罰則つき上限規制を適用することとしており、この点では大きな前進と考えております。 一方で、自動車の運転業務につきましては、現に他の産業に比べて労働時間が長い実態がございまして、その背景には取引慣行の問題など、個々の事業主の努力だけでは解決できない課題もございます。 また、建設事業につきましても、施主から工期を厳格に守ることを求められるとともに、天候不順など自然的条件により作業日程が圧迫されるなど、業務の特性や取引慣行上の課題がございます。 こうした実態に即した形で上限規制を適用していくためには、こうした取引慣行の課題も含めて解決していく時間が必要であるため、配慮としまして、今回の法律案では、自動車の運転業務について、施行期日の五年後に年九百六十時間の上限規制を適用し、将来的には一般則の適用を目指すこととしております。また、建設事業につきましては、施行期日の五年後に一般則を原則として適用することとしております。 そしてまた、先生御指摘のように、省庁横断的な取組が必要であるというふうに考えておりまして、いずれも関係省庁連絡会議を設けて取組を行っているところでございます。 具体的には、自動車の運転業務につきましては、この関係省庁連絡会議におきまして、自動車運送事業の働き方改革に関する行動計画を早期に策定、公表することとしており、必要な関連制度の見直しや支援措置を行う。具体的には、先生の御指摘がありました雇用問題調査会でも御指摘をされているようでございますが、集配トラックの駐車場所の確保や、宅配ボックスの導入促進による再配達の削減等に取り組むなどとされております。 また、建設事業におきましては、関係省庁連絡会議におきまして、昨年八月に建設工事に係る適正な工期設定等のためのガイドラインを策定しており、国や民間発注団体に対して内容を周知し、理解と協力を求めていく。これにより、長時間労働を前提とした不当に短い工期設定をなくし、長時間労働の是正や週休二日の確保を図っていくというふうにしておるところでございます。 これらの長時間労働を是正するための環境整備を、猶予とされている期間におきましても、関係省庁と連携して取り組んでまいりたいと考えております。
○木村(弥)委員 ありがとうございます。 先ほど副大臣もおっしゃっていました宅配ボックスのこれからの推進、また、京都においては、やはり駐車時間の限定的な規制緩和が非常に求められております。ぜひこういったことで、現場の皆さんが働きやすい、また、長時間労働が是正される方向に進んでいただければと思います。 次に、医療職について質問いたします。 今回の働き方改革関連法案では、医師には時間外労働の上限規制の適用が五年間猶予されることとなっております。これは、医師には医師法に基づく応招義務が課せられていることなどの特殊性も踏まえた対応が必要であるためと承知しております。 では、看護師においてはいかがでしょうか。 今回の法案では、前日の終業時間と翌日の始業時間との間に、一定時間の休息の確保、いわゆる勤務間インターバル制度を設ける努力義務が事業主に求められていることとなっております。一方、看護職員の勤務は、主に昼間に働いておられるサラリーマンとは異なり、夜勤、交代制勤務がございます。同じ夜勤、交代制勤務でも、製造業のような規則的な交代制とは異なりまして、私たち看護職員の場合は昼と夜の勤務が不規則なものとなっていることから、とりわけ、毎月のシフト表、勤務計画を作成する際に、勤務間インターバルが適切に確保されることが必要不可欠となっております。 しかしながら、現行法制では、夜勤、交代制勤務に関する規制がほとんどないため、現状においては看護職員の負担が大変重くなっております。 この資料を参照しながら、皆様、どうぞお聞きいただければと思います。 このため、今回の法改正によりまして、新たに勤務間インターバルを組み込むことが事業主の努力義務とされたことは、勤務環境の改善につながるものであり、率直に評価をしたいと思っております。 そこで、質問でございます。 看護師の勤務間インターバルの適正な確保のためには、看護師の特殊な勤務実態を十分に考慮する必要があると考えますが、厚労省の見解を伺います。
○山越政府参考人 まず、看護師の方についての今回の上限規制の適用でございますけれども、これは原則どおりの上限規制の対象とするものでございます。 また、勤務間インターバルでございますけれども、この勤務間インターバル、働く方の生活時間でございますとか睡眠時間を確保する、そして健康な生活を送るために非常に重要なものであるというふうに考えております。 このために、今回の法案では、労働時間等設定改善法を改正いたしまして、事業主に対しまして勤務間インターバル制度の導入を努力義務として課しまして、このインターバル制度の導入についての環境整備を進めていくことにしております。 また、法案が成立した場合には、この法律に基づく指針に、新たに終業時刻及び始業時刻の項目を設けることとしておりまして、このインターバル制度について、労使での、導入に向けた具体的な方策を検討することを求めていくこととしております。 その上で、御質問ございました看護師の方々でございますけれども、夜勤や不規則な勤務など、非常に厳しい勤務環境にあるというふうに認識をしておりまして、その改善のために、この勤務間インターバルの導入が重要な課題であるというふうに考えております。 このため、これまで厚生労働省では、平成二十六年に施行されました医療法によりまして、各医療機関が、個々の実情に応じたPDCAサイクルによる自主的かつ計画的な勤務環境改善に取り組む仕組みを導入いたしますとともに、都道府県ごとに勤務環境改善支援センターを設けまして、ここで看護職員を含む医療従事者の勤務環境の改善の促進に努めているところでございます。 こうした取組を通じまして、看護師の方々に対しまして、勤務間インターバル制度が普及するように努めてまいりたいというふうに考えております。
○木村(弥)委員 ありがとうございます。 そこで、確認なんですけれども、その勤務間インターバル、終業から始業までの時間と並んで、深夜業の回数が労働時間の設定改善法には追加されることとなっておりますけれども、この深夜業の回数には、夜勤、交代制勤務の場合の夜勤の回数が含まれていると考えて相違ないでしょうか。
○山越政府参考人 今回の法案でございますけれども、労働時間等の設定の改善に関する特別措置法を改正いたしまして、労働時間等の設定の定義に、勤務間インターバルと深夜業の回数を明記することとしております。こうした事項の改善に関しまして、労使の自主的な取組を促すことにしております。 この深夜業の回数につきましては、深夜業の時間帯、十時から朝の五時まででございますので、これに、この時間帯がある夜勤、交代制勤務の夜勤の回数も含まれるというふうに考えております。
○木村(弥)委員 ありがとうございます。夜勤の回数が含まれていると伺いました。 それで、改定される労働時間の設定改善指針においては、勤務間インターバルの適正な確保や深夜業の回数の上限について、具体的な数値目標や労使での取組というような方策は示されていくのでしょうか。お聞かせください。
○山越政府参考人 お答え申し上げます。 先ほども答弁させていただきましたとおり、この勤務間インターバル制度でございますけれども、働く方の生活時間あるいはその睡眠時間を確保し、健康な生活を送るために非常に重要であるというふうに考えております。 御指摘をいただきました数値目標でございますけれども、これにつきましては、現在、過労死等防止対策推進協議会におきまして、過労死等防止対策推進法に基づく大綱の見直しの検討をしておりまして、その中で、勤務間インターバル制度について数値目標を定めるべきというような議論があることも踏まえまして、今後対応を検討してまいりたいと思います。 それから、深夜勤務や交代制勤務などの勤務形態の面で、過重労働の健康に及ぼす影響についても調査研究を進めてまいりたいというふうに考えておりまして、この過労死推進法の大綱には、こういったことを盛り込む方向で検討を進めているところでございます。 いずれにいたしましても、この労働時間等設定改善指針は、法律の成立後、検討していくことになるわけでございますけれども、深夜業の回数制限でございますとか勤務間インターバル制度の導入に当たりましては、こうしたことを労使でよく話し合っていただくことが重要であるというふうに認識をしております。 勤務間インターバル制度に関する好事例の周知でございますとか、今後予定をいたしております労働時間等設定改善指針の改正、周知などを通じまして、労使の取組を促進してまいりたいというふうに考えております。
○木村(弥)委員 ありがとうございます。 看護職においては、勤務の特性に応じた、よりきめ細かい対策が必要でありまして、法律に盛り込むことは難しいとしても、設定改善指針において勤務間インターバルの適正な確保や深夜業の回数の規制などに言及することによって、看護職の夜勤の負担軽減策が進むものと期待しております。 先ほどおっしゃっていただきました夜勤による健康リスクについては、私の資料の裏にも書いております。ぜひ、この看護職の夜勤負担軽減、進めていただきたいと思っておりますが、しかしながら、一九九二年に、看護師等の人材確保の促進に関する法律に基づく看護師確保等基本指針が策定されておりますが、二十年余りたちましたが、改定されておりません。この間、看護職員の就業実態や確保をめぐる状況が大きく変化しております。一億総活躍、働き方改革の趣旨も踏まえた改定が必要でございます。 看護師確保等基本指針については、日本看護協会が平成二十九年度に具体的な改定項目を示して、医政局長宛てに政策要望を行っていると聞いております。看護師確保等基本指針についても、夜勤負担軽減に向けた数値目標の記載を含めた改定が必要と思いますが、いかがでしょうか。
○高木副大臣 お答えいたします。 御指摘の、看護師等の人材確保の促進に関する法律に基づく基本的な指針につきましては、看護師等の資質の向上、就業の促進、確保の促進などに関する重要事項を定めるものとして、平成四年に策定されたものでございます。 この指針につきましては、これまで、就業中の看護職員数や、学校養成所の養成数の順調な増加などもありまして、策定以来、指針の見直しは行われておりません。 一方で、指針の策定以降、地域包括ケアを推進していく中での看護職員に求められる役割や労働力人口の減少によりまして、将来必要となる看護職員をどのように確保していくかなど、看護職員を取り巻く環境は大きく変化をしております。 このような環境変化の中、看護職員の夜勤負担の軽減は引き続き重要な課題と考えておりまして、このため、地域医療介護総合確保基金による短時間正規雇用などの多様な勤務形態を導入するための経費や、仮眠室、休憩スペースなど、夜勤負担の軽減につながる施設整備などに対する支援であるとか、また、平成三十年度診療報酬改定におきましては、夜間に看護職員及び看護補助者を手厚く配置した場合の評価の充実など、支援策を講じているところでございます。 御指摘の、夜勤負担軽減に向けた数値目標につきましては、指針を策定した平成四年と比べ、三交代制だけではなく、二交代制や夜勤専従など、多様な夜勤形態の普及など看護職員の勤務環境を取り巻く状況が変化しておりまして、夜勤の数値目標の設定の必要であるとか、また必要でないとか、要否であるとか、そのあり方につきましては慎重に検討する必要があると考えております。 したがいまして、看護職員を取り巻く環境の変化、今般の働き方改革関連法案や医師の働き方改革の議論などを踏まえまして、指針の改定の必要性について検討を深めてまいりたいと考えております。
○木村(弥)委員 副大臣、ありがとうございました。検討を深めてまいりたい、ぜひ前向きに進めていただきたいと思っております。 今、本当に二十年前よりも状況は変わりまして、私は三交代で働いておりましたが、今は二交代制が六割を占めております。その中で、高齢化の波が看護界にも押し寄せまして、今、平均年齢は四十三歳、六十歳以上のプラチナナースは、十一人に一人がプラチナナースである、こういった現状もございますので、体に負担のないよう夜勤ができるような取組を、ぜひ国を挙げて進めていただきたいと切にお願いをいたします。 次の質問に参ります。年次有給休暇の取得促進についてでございます。 ワーク・ライフ・バランスを実現する上で、時間外労働の削減と並んで重要な対策が、休暇の取得促進でございます。しかしながら、年次有給休暇の取得率は非常に低迷を続けております。労働で蓄積した疲労から回復し、心身の健康を維持するためにも、しっかりと休暇を取得することが重要であります。 労働基準法では、勤続年数に応じて、最大で年間二十日間の有給休暇の権利が付与されておりますが、その取得率は五割を下回っており、正社員の約一六%が一年間で一日も有給休暇を取得できていないという調査もございます。 このような現状では、有給休暇が労働者の権利であるとの認識が弱く、周囲の人が取得しないので休みにくい雰囲気がある、人手不足のため休むと周囲に迷惑がかかるといったことによる部分が多いのではないのでしょうか。 そこで、質問でございます。 こうした日本の有給休暇にまつわる現状、文化を変えていくために、今回の法案ではどのような対策が講じられることになっているのか、また、このことにより有給休暇の取得率がどの程度向上すると見込んでいるのかをお伺いいたします。
○山越政府参考人 年次有給休暇の取得率でございますけれども、近年、五割を下回る状況でございます。直近の二十九年の就労条件総合調査によりますと、二十八年の年次有給休暇の取得率は四九・四%にとどまっている状況でございます。 このため、今回の法案では、十日以上の年次有給休暇が付与される労働者に対しまして、五日分につきましては、使用者が、毎年、時季を指定していただいて付与することを義務づけることとしております。 また、こういった改正に加えまして、年次有給休暇の取得促進のための対策といたしまして、厚生労働省では従来から、年四回、ゴールデンウイーク、夏季、年末年始、そして十月を年休の取得促進期間として、集中的な広報を行うことなどによりまして、休暇を取得しやすい雰囲気づくりに取り組んでいるところでございます。 こうした取組によりまして、ぜひ、年次有給休暇の取得率七割以上ということになっておりますので、そういった目標の達成が図られるように努めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
○木村(弥)委員 ありがとうございます。 これはなかなか促進するのが難しいかなと思います。昭和の価値観を押しつけることなく、管理者また経営者が率先して有給休暇を取得するような、そういう文化を醸造していくべきではないかと考えております。ありがとうございました。 次の質問に参ります。高度プロフェッショナル制度でございます。 ライフスタイルが多様化している中で、働き方に対するニーズも多様化しており、必ずしも全ての方が一律の定時や時間管理のもとで働くことを望んでいるものではありません。あくまで本人の希望を前提に、望む方には仕事の進め方や時間帯をみずから自由に決められる柔軟な働き方の選択肢を用意することが、本人の自己実現につながると思います。 高度プロフェッショナル制度は、このような観点から、高所得の高度専門職に限って、休日取得の義務づけなどの十分な健康確保策を講じながら柔軟な働き方の選択肢を用意し、ひいては、日本のホワイトカラーの労働生産性の向上を図るものであると理解しております。 しかし、柔軟な働き方を選べるとしても、あくまで被雇用者である以上、雇用者から過大な業務を課される可能性もあります。今回の法案では、業務の範囲は確定することとされておりますけれども、労働時間の総量の規制は適用除外とされており、長時間労働による生産性の低下も懸念されています。 高度プロフェッショナル制度は、労働環境の変化に対応するために必要と考えられるにもかかわらず、過労死を招く、残業代ゼロ制度だなどの御批判も多く、制度の導入に対する国民の不安を必ずしも払拭できていないように見受けられます。 質問でございます。 高度プロフェッショナル制度の創設意義について、国民の皆様の不安を払拭するよう、改めて丁寧な説明をお願いいたします。あわせて、就業時間だけでなく、労働時間に関する規制まで適用対象外とした理由、及び、過労死や対象者がいたずらに拡大することに懸念を示す、そういった向きに対してどうお答えするのか、お伺いいたします。
○加藤国務大臣 今、木村委員から、今回の高度プロフェッショナル制度の背景について御指摘がございました。 今、いわゆる第四次産業革命が出現をしている、またグローバル化が進んでいく中で、我が国において、より付加価値の高い産業をどうつくり出していくか、維持していくか、そしてそういった経済をどうつくり上げていくのか、これは大変大事な視点であります。また、新しい産業というのは、更に幅広い職種への需要、いわば雇用の創出、確保をもたらすわけでありますので、そういった波及効果も期待ができるわけであります。 こうした付加価値の高い財・サービスを生み出す革新的な分野で、イノベーションや高付加価値化を担う、いわば高度専門職の方々の働き方というのを見ておりますと、これは、時間に限るということではなくて、いかに高いパフォーマンスをどう生み出していくのかということが大変大事であります。もちろん、健康をしっかり確保するということ、それを大前提とした上で、仕事の進め方や働く時間帯、それぞれの事情に合わせて自分で決定をしていくことができる、そして、それによって能力あるいは目的を十二分に達成していくということが求められているわけであります。 そうした方々が、先ほど申し上げた能力を発揮することは、新しい産業をこの日本にしっかりと確保するということにつながるわけでありますから、当然、新たな雇用の創出等も期待をされるわけでありますし、さらには日本全体の生産性の向上、さらには経済の成長といったことにもつながっていくというふうに考えます。 そうした考え方に立って、大事なことは、そういった方々が選択できる働き方をつくるということでありますから、まずは、働き方に合った健康確保のための措置をしっかり行っていくことを前提に、高い年収の確保、あるいは職務範囲の明確化等の要件を設定した上で、雇用関係のもとで自律的に働くことのできる高度プロフェッショナル制度を、働き方の選択肢として整備をしていこうということであります。 具体的な仕組みとしては、まさに高い交渉力を有するということが大事なことでありますので、そういった高度専門職に限って制度の対象にしていく。そのために、具体的に、高度の専門的知識を必要とし、その性質上従事した時間と従事して得た成果との関連性が通常高くないものと認められる業務に従事をしていること、また、書面等による合意に基づき職務内容が明確にされているということ、また、労働契約により使用者から支払われると見込まれる一年間の賃金の額が、毎月決まって支給する給与の平均額を基礎として算定した額の三倍を相当程度上回る水準以上であるということ、これが法律上の要件であり、かつ、本人の合意ということが当然求められるわけであります。 これらの要件に加えて、対象となる方は限定していくということに加えて、働く方の健康を確保するため、一般の労働時間制度と比べて、より直接な措置を講じることとしておりまして、具体的には、昨年七月に連合から総理宛てに要請をいただいた、そうした中身も踏まえまして、年百四日かつ四週当たり四日以上の休日取得を義務づけるということ、健康管理時間の客観的な把握を義務づけること、その上で、インターバル規制及び深夜業の回数制限など、法律に規定する健康確保を選択して実施することなどとしているわけであります。 こうしたことを、要件を課すことによって、高度専門職の方で創造的な仕事を行う方々が、他方で健康をしっかり確保しながらその力を十二分に発揮をしていただける、いわばそういう選択肢をつくっていくということ、そして、先ほど申し上げたように、いろんな要件があり、なおかつ、本人が同意をしている、合意をしているということが大前提になっているということ、そうしたことをこれからもしっかりと説明させていただきたいと思います。
○木村(弥)委員 大臣、ありがとうございました。 ちまたでは、先ほど懸念いたしました、収入の引下げですとか、職種を拡大するのではないかといった、本当に示されておりますので、ぜひそれを私も厚生労働委員として丁寧に説明していきたいと思っております。ありがとうございました。 次に、産業医と産業保健機能の強化について質問いたします。 私は、以前の職場で、保健師の資格を生かして、衛生管理者として、健康診断の受診の勧奨や結果に基づく対応など、職場における働く方の健康管理に携わってまいりました。そのような観点から、今回の法案に盛り込まれている産業医、産業保健機能の強化について伺います。 事業主から産業医に必要な情報を提供することを義務づけることとしておられますけれども、具体的に、どのような情報を提供して、産業医が活動することで健康に結びつくのでしょうか。
○牧原副大臣 今回の法案では、長時間労働による健康リスクが高い状況にある方を見逃さないようにするために、労働時間の情報に加えて、その業務に関する情報を事業者が産業医に提供するとともに、医師による面接指導の結果に基づいて、健康確保のために事業者が行った措置の内容についても産業医が把握できるようにするなどの見直しを行うこととしております。 産業医は、こうした情報の提供を受けることで、例えば、面接指導の必要性が高いと考えられる長時間労働者に対する漏れのない面接指導の申出の勧奨や、面接指導の申出を行わない長時間労働者に対する健康相談等のきめ細やかなアプローチをより効果的に行うことができるようになるとともに、さらには、面接指導後に事業者が行った措置の内容が産業医に的確にフィードバックされ、事業者による措置の確実な履行に資するとともに、必要に応じ、事業者に対する的確な助言や勧告が可能になると考えております。
○木村(弥)委員 ありがとうございます。 では、労働者数が五十人未満の中小事業場における産業保健機能の強化のためには、どのような支援を考えておられますでしょうか。手短にお願いします。
○牧原副大臣 厚生労働省としては、独立行政法人労働者健康安全機構が四十七都道府県に設置しております産業保健総合支援センターを通じて、中小企業者の産業保健活動への支援を行っておりますが、とりわけ、先生御指摘の労働者数五十人未満の事業者に対しては、各センターのもとに設置している全国三百五十カ所の地域窓口を通じて、事業者の求めに応じ、労働者に対する面接指導や健康相談等を行っているほか、労働者の健康管理を行う医師の選任やストレスチェック等を行った場合には、その費用の一部助成を行っておりまして、本年度からは、新たに保健師の選任についても、その助成の対象としているところでございます。
○木村(弥)委員 副大臣、ありがとうございました。保健師のことも考えておられるということで、うれしく思います。 時間がちょっと少なくなりましたので、少し割愛させていただきます。 これからのその面接指導等、わかるんですけれども、私自身、衛生管理者としていたときに、近くの、近所の内科の先生が、産業医として委託していたんですけれども、メンタルについてはまだまだ専門外ということで、やはり、メンタルケアをちゃんとフォローできるような産業医の育成というのが必要ではないかと思いますので、ぜひそこのところもお願いをさせていただきたいと思っております。 最後に、一つ申し上げたいことがございます。 この働き方改革は、まず隗より始めよであるかと考えております。私は、二〇一六年の十二月、自民党の一億総活躍本部におきまして、穴見陽一先生と、誰もが活躍する社会をつくるPTにおきまして、国家公務員の働き方に関する提言をまとめました。 国家公務員は、全体の奉仕者として国家国民のために働く責務があるが、やはり生身の人間であり、人間らしい生活をしてこそ国のために役立てるものとし、行き過ぎた超過勤務時間を少しでも軽減するために、国会議員からの質問通告などについて提言をいたしました。これが国家公務員の働き方に関する提言で、十二月に出したものでございます。しかしながら、まだそれが改善されたとは到底思えません。相変わらず超過勤務を続けておられるように思います。 この業務の実態調査が二〇一六年の六月と十二月に実施されておりますけれども、昨年の二〇一七年は、この実態調査が一度も行われておりません。二〇一六年の調査では、全ての議員からの質問通告が出そろうのは、全省平均で二十時四十一分、最も遅い例は二十四時三十分。通告を受けた質問について、担当課室の割り振りが確定するのが、平均で二十二時四十分、最も遅い例は二十七時、翌日の午前三時でございます。 長期病欠取得者の七割強が、メンタルが原因です。過労による死亡件数は、過去五年間で二十人、うち本府省が九人でございます。この件に関しましてどのようにお考えか、率直にお聞かせください。
○古澤政府参考人 お答え申し上げます。 委員御指摘のとおり、国家公務員の長時間労働の是正につきましては、重要な課題として政府全体で取り組んでおりまして、先ほど御指摘いただきましたプロジェクトチームからいただいた国家公務員の働き方に関する提言におきましても、国家公務員の長時間労働の是正などについて御指導いただいたところでございます。 政府としては、その提言なども踏まえて、勤務時間の適切な管理の徹底を通じた超過勤務の縮減、また国会関係業務の効率化、リモートアクセス機能の整備強化などに取り組んでいるところでございます。 お尋ねの調査につきましては、国会対応業務の効率化に関しまして、内閣人事局において全省庁を対象に二回にわたって調査を実施したところでございます。この調査では、国家公務員の業務のうち、特に国会待機について、各省庁がどのような体制で待機をしているか、あるいは何時まで国会待機を行っているかなどについて、業務の効率化あるいは働き方改革を加速する観点から実態把握を行ったところでございます。 その結果、例えば、国会審議に備えた省内の待機体制につきましては、質問内容それから答弁作成部局が確定する前に省内の待機体制を縮小している省庁が十七省庁中十六省庁であるなど、業務効率化が進んできているという状況が明らかとなっております。 現在は、本調査から得られた業務効率化の工夫例を各省庁に共有するなどしているところでございます。 御指摘の、質問通告のあり方につきましては、国会でお決めになることと存じますので、政府としてコメントをすることは差し控えたいと思いますが、今後も政府として国会業務の効率化に不断に取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
○木村(弥)委員 丁寧な説明、ありがとうございます。 今回の法改正がチャンスです。どうか変えていきましょう。私たち国会議員もできるだけの協力をいたしますことをお誓い申し上げまして、質問を終わらせていただきます。 本日はありがとうございました。
○高鳥委員長 次に、中野洋昌君。
○中野委員 公明党の中野洋昌でございます。 いよいよこの働き方改革法案も委員会での審議入りでございます。この法案は、今まで労働法制の中でさまざま課題であったものを大きく前に進める大変歴史的な法案でもございますし、また、今回、働き方改革ということで政権で大きなテーマに掲げまして、本当に多くの方から、それは立場を問わず、経営者の方も働く方も、また男性、女性、いろんな立場の方が、やはり日本の働き方というのは変えていかないといけない、こういう大きな問題意識を持たれている方というのが非常に多い、国民的な関心も本当に高い法案だということを非常に痛感をしております。 大変残念なのが、維新を除く野党の皆様がこの法案審議に出てきておられないということが率直に残念でございます。四月の十八日から出てこられていないということで、厚生労働委員会に関しては十七連休とか十九連休とか、数え方はいろいろあるようでございますけれども。しかし、こうした国民の生活に非常に影響の大きな法案というのは、しっかり国会に出てきて議論を闘わせるべきだ、このように冒頭強く申し上げまして、私の方から質問をさせていただきます。 まず冒頭、今回大臣に質問させていただきたいのが、大変に大きな法案でございますけれども、私、非常に中心的な柱としては、一つは、長時間労働の上限規制が今回入るというのが一点、もう一つは、高度プロフェッショナル制度というのを導入する、これがもう一点、そして、同一労働同一賃金という考え方、これを法律の中でしっかり位置づける、大きくはこの三点であるというふうに思っております。大臣から、この三つについて、それぞれの意義についてぜひ訴えをしていただきたいというふうに思います。
○加藤国務大臣 今回の働き方改革の取組、一つは、今御指摘がありました長時間労働、これは過労死を生んでいる背景でありますから、過労死をゼロにしていくということ。それから、同一労働同一賃金に関して申し上げれば、やはり不合理な処遇の差というものをどう解消していくのかということ、これは非常に大事な論点としてこれまでも指摘をされてきたことであります。 それに加えて、これからの日本の社会の将来像というのを見ていって、もちろん足元でもそうでありますけれども、高齢化が進む中で、特に生産年齢人口が減少していく、特にこれから更にその減少度は強くなっていくわけでありますから、そういった中で社会保障等々を維持していくためにも、経済の成長的な発展、安定的な発展というのは大変大事な鍵になりますし、そのためには、いかに労働力を確保していくのか、生産性を向上していくのか、これは大変大きなテーマだというふうに思います。 そういった意味で、現状でも、さまざまな希望を持ちながら、制約条件があるがためにその希望が実現できていない女性、高齢者、さまざまな方がいらっしゃるわけでありますから、そうした皆さんの希望が実現できる状況をどうつくっていき、そしてそれぞれの皆さんがその力を十二分に発揮をしていただき、またそれがその方々それぞれにとっての人生の豊かさ等にもつながりますし、国全体等によっては、先ほど申し上げた、経済の成長にもつながっていく、それを目指していきたいというのが根底にあります。 しかし、なかなか、働き方改革、いざ手をつけようとすると、やはり、ある意味では企業の文化であったり、長年親しんできたそれぞれの方々のいわばライフスタイル、ワークスタイルということでありますから、これに挑戦するというのは本当に継続的な取組が必要だというふうに思います。また、その上にさまざまな商慣行あるいは労働慣行もありますから、それを一つ一つ変えていくということでありますけれども、そういったことがあって、これまでなかなかそれに手がつけられなかった。しかし、そういったことを言っている状況ではないし、それをしっかりと進める、もはや先送りをすることは許されない、そういったことから今回取り組ませていただいております。 時間外労働の上限規制については、これまで、三六協定であればいわば青天井だったと指摘をされているわけでありますが、今回は、三六協定でも超えてはならない、罰則つきの時間外労働の限度を設けるということで、これは労働基準法制定七十年ぶりの大改革だということを、連合の会長からもその点は指摘をされているわけでありまして、これによって過労死を防止し、働く方がその健康を確保し、ワーク・ライフ・バランスが図られるとともに、正規で働きたいと思っていても残業があればなかなかといった方が、やはりそこは、かなりきちんとした働き時間が設定されれば、逆に正規で働くということの選択肢も拡大をされていくということにもなるんだろうと思います。 また、高度プロフェッショナル制度については、付加価値の高い財・サービスを生み出す革新的な分野で、まさにイノベーションや高付加価値を担う高度専門職の方が、健康をしっかり確保した上で、仕事の進め方、あるいはどういう時間帯、どういうふうに働くか、これを自分で決定して一番パフォーマンスの高い形で仕事をしていきたい、そういった思いを実現していく。そのことは、そうした方々の力を発揮していただき、ひいては、これからさまざまな新しい産業をつくり出して、これは雇用の確保等にもつながっていくというふうに思いますし、日本全体の生産性向上にもつながるというふうに思っております。 これも、先ほど申し上げた、健康確保の措置をしつつ、高い年収の確保、職務範囲の明確化等の要件を設定した上で、雇用関係のもとで自律的に働くことのできる制度、これを働き方の選択肢の一つとして整備をしようということで、あくまでも本人の同意等が前提になることは当然であります。 また、同一労働同一賃金については、正規雇用労働者と非正規雇用労働者の間の不合理な待遇差の解消を目指すわけでありますが、どのような雇用形態を選択しても納得が得られる処遇を受けていく。今も、非正規で働く方々は、さまざまな事情でいうと不本意ではないという方が多くおられますけれども、しかし、処遇等についていろいろと御不満や御要望を持っておられるわけでありますから、そういったことを払拭し、そして、多様な働き方の選択肢をまさに待遇の差を気にすることなく選べる社会を実現していきたいというふうに思っております。 こうした一連の改革を通じて、ワーク・ライフ・バランスの改善や、正規、非正規間の不合理な待遇差の解消を通じて、一人一人の事情に応じた多様な働き方を選択できる社会を実現していく。そして、そのことは、先ほど申し上げましたけれども、働く方の就業機会の拡大、あるいは働き手の確保、そして労働生産性の向上を促進していく。また、そのことが、一人一人の方にとっても豊かさにつながり、ひいては日本全体にとっては成長と分配の好循環につなげていきたい、このように考えております。
○中野委員 大臣の方からその意義についての御説明をいただきました。 まずは、長時間労働の上限規制、これについてお伺いをさせていただきます。 これにつきましては、予算委員会のときからずっといろんな議論がなされてまいりまして、御説明ありましたとおり、今までは、三六協定の特別条項をつければ実質的には残業時間というのは青天井にできたというものを、罰則つきの上限、これを定める。これは、労働基準法七十年の歴史の中でも初めての大改正、大変大きな意義があるというふうに思っております。 先ほどもございましたが、この上限規制、原則は月四十五、そして単月で、一カ月百時間未満にしてもいいということでありますけれども、これが過労死ラインではないかというふうな御批判というのは確かにあるところで、私も、過労死の防止の議員立法をするときにはその議論に参加をしておりましたので、そのお気持ちというのも非常に理解をするところでございます。 他方で、これは労使で合意をしたぎりぎりのラインである。この上限規制については、連合さんも、これはやはりしっかり実現をすべきだ、こういうふうにおっしゃってもおられる。その上で、やはりこの月四十五時間というところにしっかり近づける努力をしていくべきだ、こういう制度であるというふうに理解をしております。 私も、この罰則つきの上限をまずは決めるという、前進をすることがやはり大事でありまして、その上で、安心を皆様にしていただくためには、どうすれば時間外労働が削減をしていけるのかというところを具体的に進めていくということなんだろうというふうに思っております。 ですので、まず、労働時間につきまして、現状どうなっているのか、これに対してどのような目標を立てて、それに向けてどのような具体的な方策で削減をしていくのかということについて、まずはお伺いをしたいと思います。 〔委員長退席、渡辺(孝)委員長代理着席〕
○山越政府参考人 長時間労働の是正でございますけれども、これは、ワーク・ライフ・バランスの改善でございますとか、女性や高齢者の労働参加の促進、あるいは労働生産性の向上の観点から、大変重要な喫緊の課題であるというふうに考えております。 御指摘をいただきました現状でございますけれども、週労働時間が六十時間以上の雇用者、これは目標が五%となっているわけでございますけれども、現状、平成二十九年では、この週労働時間が六十時間以上の雇用者の割合が七・七%となっているのが現状でございます。
○中野委員 済みません、現状についての御説明をいただいたんですけれども、その後の削減に向けての取組、今後の目標等についても答弁いただけますか。
○山越政府参考人 この週労働時間が六十時間以上の雇用者の割合は、目標としては五%に削減するということを目標として掲げているわけでございますけれども、こういった非常に長い長時間労働の削減のためにも、今回お願いをしております労働基準法の改正ということが非常に重要になってくるというふうに思っております。 御指摘にございましたように、今回の法改正におきましては、罰則つきの上限を定めるということにしているということが一つでございますし、それから、その中で、上限ぎりぎりまで三六協定を定めて、それだけ働かせてもいいということではございませんで、可能な限り労働時間の延長を短くするため、ということが必要であると思いますので、新たな指針に、労働時間をできるだけ短くするということを定めたいと思っております。そのための、労働基準法につきましては、その指針の根拠規定を設ける。そういったことで長時間労働の削減に向けた取組を進めていきたいというふうに考えているところでございます。
○中野委員 根拠規定を定めて、指針も改正をすることを考えている、その改正をした指針を、あとはいかに、どのように推進をするのかという、またこれは、さまざまな支援策も含めてこれからやっていくということが必要なんだろうというふうに思っております。さらに、さまざまなそうした後押しをするような取組というのもしっかり検討をしていただきたいというふうにお願いを申し上げます。 働き方改革ということを議論する中で、先ほどもございました有給休暇の取得、これも非常に大事であります。やはり、働き方改革というのは休み方改革ということでもあろうかというふうに思います。 私も今子育てをしている世代でございますけれども、同世代の皆様は仕事と子育てをどうやったら両立をできるのかというところが大変に悩みが大きいということで、ワーク・ライフ・バランスの実現、これを進めていくという意味でも、公明党でも若手の青年委員会でいろんな提言もさせていただきましたし、これを進めていくための政策をぜひやっていこう、こういうことを常々訴えております。 現状、有給休暇の取得というのが非常に、取得率が五割を切っている、こういう状況がある中で、今後、法改正を行うことによりまして、どのような目標で、本法案あるいは関連の施策について、どのようにこの有給休暇の取得を進めるのかという点についてお伺いをしたいというふうに思います。
○田畑大臣政務官 お答え申し上げます。 御指摘にありますように、年次有給休暇、現在の取得率は二〇一六年度で四九・四%。政府目標は二〇二〇年で七〇%ということでございますから、その幅がありますので、しっかり取り組んでまいります。 このため、今回の法案におきまして、労働基準法を改正いたしまして、年次有給休暇のうち年五日間において、企業が働く方と相談の上で時季を指定いたしまして与えなければならないことを義務づけということとしているところであります。 また、厚生労働省では、従来から、十月の年次有給休暇取得促進期間に加えまして、本日でもありますがゴールデンウイークですとか、夏休み期間、また年末年始、連続休暇を取得しやすい時期に年次有給休暇取得の集中的な広報を行うなど、休暇を取得しやすい雰囲気づくりに取り組んでいるところでございます。 今後とも、このような取組を通じて、年次有給休暇の取得目標達成に向けて取り組んでいきたいと思いますので、御理解のほどよろしくお願いいたしたいと思います。
○中野委員 ワーク・ライフ・バランスの実現という意味では、長時間労働を抑制するという点が一つ。先ほど政務官から御答弁いただきました、有給休暇をしっかり休むということも一つ。私は、もう一つ、柔軟な働き方、こういうものも非常に大事だというふうに思います。 党としても、今まで、例えばフレックスでございますとか、あるいはテレワークでございますとか、ワーク・ライフ・バランスを推進するための取組の支援ということをお願いを、訴えまして、また推進をしてまいりました。 こうした仕組みにつきまして、本法案の中ではどのように推進をしていくこととなるのか、これについてもお伺いをしたいというふうに思います。
○田畑大臣政務官 お答え申し上げます。 フレックスタイム制の見直し、今回の労働基準法の方で、改正ということで御提案をさせていただいているわけでありますが、具体的には、一カ月以内の清算期間の総労働時間を労使協定で設定をし、働く方がその範囲内で各日の、一日一日の始業、終業時刻を自主的に決めることにより、ワーク・ライフ・バランスの実現を図りながら効率的に働くことを可能にしているものでございましたが、今回におきましては、一層柔軟でめり張りをつけた働き方が可能となりますように、清算期間の上限を現行の一カ月から三カ月に延長することとしております。 この見直しによりまして、例えば、六月、七月、八月の三カ月間の中で労働時間の調整が可能となるため、子育て中の親御さんが六月に仕事に集中的に取り組み、七月後半から八月にかけての労働時間を短くすることで、夏休み中のお子さんと過ごす時間を確保しやすいというようなメリットが考えられるというふうに考えているところでございます。
○中野委員 ありがとうございます。 先ほど、フレックスの制度につきまして、今回の法改正で更に柔軟な取組が可能となるということで答弁もいただきました。こうした柔軟な働き方、テレワーク等も含めて、しっかりと進めていっていただきたいというのを重ねてお願いを申し上げます。 過労死を防止するというのも、今回の法案の非常に大事な観点かというふうに思います。公明党としても、勤務間インターバル制度、これをぜひ導入を推進していこうということで、党としても強く訴えてまいりました。しかし、なかなか導入が進んでいかないというのが現状であります。やはり、これを進めていくためには、健康確保という意味では非常に重要な政策だというふうに考えておりますけれども、具体的な対策というものを進めていかないといけないというふうに思います。 今回、勤務間インターバル制度、なかなか、推進をしていく中でまだ導入がそんなに進んでいかない、こういう現状でございますけれども、この理由について厚生労働省としてはどのように考えていくのか、今回の法案を機にどのように推進をしていくのか、これについてもお伺いをしたいというふうに思います。
○山越政府参考人 勤務間インターバル制度でございますけれども、働く方の生活時間あるいは睡眠時間を確保いたしまして、健康な生活を送るために大変重要であるというふうに考えておりますけれども、御指摘もございましたように、制度の普及状況、この勤務間インターバル制度を導入している企業は、二十九年の就労条件総合調査によりますと一・四%にとどまっている状況でございます。 こうした勤務間インターバル制度の導入が進んでいない理由といたしましては、今申し上げました二十九年の就労条件総合調査におきまして、勤務間インターバル制度の導入の予定はなく、検討もしていない企業、これが全体の九二・九%ございますけれども、この予定もなく、検討もしていない企業についてその理由を聞いた質問がございます。これによりますと、企業別の割合で見て、当該制度を知らなかったという企業が四〇・二%と、最も多くなっております。こういった制度の認知度が低いことが、この勤務間インターバルの導入が進んでいない大きな理由であるというふうに考えております。 また、このインターバル制度でございますけれども、制度の導入をするに当たりましては、例えば、企業におきまして、突発的な事情で残業が生じた場合にその際の代替要員をどうやって確保するとかそういった労務管理上の課題があるということも、この勤務間インターバルの導入の進んでいない理由の一つとして考えられるというふうに思っております。 したがいまして、まずは、この制度の認知度を高めるということと、この普及促進に向けた環境整備をあわせて図っていくことが重要であるというふうに考えております。 こうした状況の中で、今般の法案におきましては、労働時間等設定改善法の改正によりまして、事業主に対しまして、勤務間インターバル制度の導入を努力義務として課すこととしております。 これに加えまして、昨年度より、勤務間インターバル制度を導入する中小企業に対する助成金制度を創設しております。例えば、こういった勤務間インターバル制度を導入するための就業規則の作成、変更でございますとか、労務管理機器の導入、こういったことに対して費用の一部を助成する助成金の制度を設けております。 また、こういったインターバル制度についての好事例の周知にも努めているところでございまして、こういった取組によりまして、この勤務間インターバル制度が普及するように努めてまいりたいというふうに考えております。
○中野委員 丁寧に御答弁をいただきました。 勤務間インターバル制度、そもそも知られていないというのが大きな割合ではないかというふうな答弁もございました。今回、努力義務化するということでございますので、これをぜひ進めていただきたい。知られていないのが大きな原因だから周知をすれば進んでいくのではないかというふうなことを、ひょっとしたら厚労省も考えておられるのかもしれないんですけれども、いざ導入をしようとすると、恐らく、労務管理をしっかりやっていかないとなかなか導入ができないという現実もございますので、そういういろんな支援策等も含めて、あわせてやっていかないと、なかなか現実的には進んでいかないんじゃないかというふうなことも思っておりまして。 しかし、健康管理、労働者の皆様の健康を守るという観点からは、やはり大事な制度だというふうに思います。これは、今回しっかり努力義務化をするということでございますので、それを導入を進めていくためのまた支援というのもしっかりと厚労省の方でやっていただきまして、多くの企業がこういうものが導入をできるようにということを、ぜひ後押しをしていただきたいということをお願いを申し上げます。 続きまして、今回、こうした労働時間、長時間労働の抑制というふうなさまざまなこともある一方で、逆に、働く側の方々から懸念を示されておりますのが、例えば高度プロフェッショナル制度、あるいは、今回の法案では制度改正自体は行わないことになりましたけれども、裁量労働制もございます。こうした制度についてお伺いをしていきたいというふうに思います。 本人の働き方、自由度の高い働き方をするというふうなこの制度につきまして、その導入の意義というものは私も十分に理解をしているつもりでございます。しかし、最大の懸念としては、そうした結果、長時間労働というものが抑制されなくなるんじゃないか、ずっと長時間労働というものに慢性的になってしまうんじゃないか、こういうのがやはり一つ大きな懸念なんだろうというふうに思います。 ですので、今回、新しく高度プロフェッショナル制度という制度を導入することに当たりましては、これは労働者側というか、連合さんの方からも、健康の確保、これをぜひ、しっかりやっていただかないと困るんだ、こういう要請もあったと承知をしておりまして、それで今回、健康確保措置、しっかり義務づけをして、あわせてやっていくという仕組みになった、このような理解をしております。 他方で、裁量労働制、これは今回、制度の見直しを行わないということでございますけれども、しかし、この裁量労働制というのは今既に制度として存在をしているわけでありまして、こうしたいわゆるみなし労働時間というか、労働時間を何時間ということで評価をしていくという制度ではない、こういう仕組みで既に働かれている方につきまして、じゃ、長時間労働というのが本当に抑止されているのか、こういう観点は非常に重要であるというふうに思います。 公明党が訴えましたのは、今回、労働時間の把握というのをしっかり義務づけていこう、こういうことを申し上げさせていただきました。今回、法改正におきまして、この措置も加わることとなった、こういうふうにも承知をしております。 具体的に、この措置によりまして、例えば裁量労働制のようなこうした働き方の長時間労働、これについてどのように抑止をするような効果があるのか、どうやって抑止されることになるのか、これについてお伺いをしたいというふうに思います。
○牧原副大臣 まさに委員御指摘のように、この健康確保措置のためには、どのぐらい働いているかという労働時間の状況の適切な把握というのが重要であるというふうに考えております。 この点について、まさに公明党の皆様から三月十五日に申入れを受けまして、こうした申入れなどを踏まえて、今回の改正では、労働安全衛生法を改正し、事業者に対し、こうしたみなし労働時間制の適用を受けている方や管理監督者も含めてなんですが、労働者の労働時間の状況を把握することを法律によって義務づけをいたしました。これによって、医師の面接指導並びにその意見に基づいて事業者が行った措置が適切に実施されるようにすることを通じて、労働者の健康確保を図っていきたいと考えております。
○中野委員 ありがとうございます。 さまざまな御懸念の声がある裁量労働制であれ、高度プロフェッショナルであれ、そういう制度でございますので、やはり、健康確保、長時間労働の抑止というところがいかに実効性のある形でどうやって図られているのかというのが非常に大事だというふうに思います。この制度が、今回、労働時間の把握が義務づけられるという新しい仕組みでございますので、これが実効性あるものになるようにしっかり運用していく必要があるというふうに申し上げさせていただきます。 高度プロフェッショナル制度につきましては、実際どのくらいの適用範囲になるのかということも今までの委員会で大きな争点になってまいりました。具体的に法定をしている事項として、やはり年収の問題、あるいはどういった職種なのか、こういうこともございまして、平均年収の約三倍を相当程度上回るというふうな仕組みになっていると承知をしております。 委員会の議論の中でも、具体的な数字として約、年収でいうと千七十五万円ですか、程度というふうな、全給与所得者でいくと三%ぐらいなんだと。この中から更に、仕事の要件であるとか、本人の同意であるとか、あるいは労使委員会の方で同意であるとか、いろんな絞り込みがあると。実際の対象というのは非常に、人数としては少ないんじゃないかというふうな御説明もあったやに理解をしております。 こうした要件につきましては、法律あるいは政省令、こうしたもので決めていくものについては、そうそう簡単には、やはり今まで労政審でも議論をしてきたことでございますので、これはそんなに簡単に変えられることではないというふうなことも委員会の中で議論があったというふうに承知をしておりますけれども、本当にそうなのか、こういう懸念の声もあるわけでございます。 実際の運用の部分で高度プロフェッショナル制度の対象の範囲というのが今後広がっていくんじゃないのか、そういう懸念の声もあるところでございます。そうしたことは起こらない、そういう理解でよいのか、どのように考えておられるのか、これについて答弁いただきたいというふうに思います。
○牧原副大臣 高度プロフェッショナル制度につきましては、時間ではなく成果で評価される働き方をみずから選択できる、高い交渉力を有する高度専門職に限って、自律的な働き方を可能とする制度、まずこうした制度趣旨がございます。 それに基づいて制度の対象となることを明確にするため、高度の専門的知識等を必要とし、その性質上従事した時間と従事して得た成果との関連性が通常高くないものと認められる業務に従事しというまず業務、そして、書面による合意に基づき職務が明確に定められる労働者、それから、労働契約により使用者から支払われると見込まれる一年間の賃金の額が、委員御指摘のとおり、毎月決まって支給する給与の平均額を基礎として算定した額の三倍を相当程度上回る水準であること等の要件を法律上厳しくしているところでございまして、更に本人の同意がなければ制度は適用できないということでございます。 このように対象となる業務や年収要件について法律上細かに規定しているところでございますので、法律を改正しない限りは大幅な対象業務の拡大や年収要件の引下げができないというふうに制限をされているというふうに理解をしております。 〔渡辺(孝)委員長代理退席、委員長着席〕
○中野委員 説明をいただきまして、そこは広がらないんだというふうな御説明だというふうに理解をいたしました。 他方で、高度プロフェッショナル制度、例えば裁量労働制でもございましたけれども、本来、法の趣旨からいくと適用対象ではないような方を高度プロフェッショナル制度ということにしてしまうことを見逃してしまう、こういうケースもあるのではないか、こういう懸念もございます。実際、裁量労働制でもそうした不適切な使い方の例というのも、やはりあったわけでございます。 これについてはどのように指導監督できるのか、これが非常に大事でございまして、ここの監督をしっかりしないと、どんどんどんどん法の趣旨と外れたものが広がっていってしまう、このようになると思いますので、監督というのを非常にしっかりする必要があるというふうに思いますけれども、これについてはいかがでございますか。
○牧原副大臣 まさに委員御指摘のとおり、高度プロフェッショナル制度は、その対象となる方について法律上要件を明確にする、そして、本人の同意がなければ制度は適用できないというわけでございますので、こうした法律上の要件に該当しなければ、制度は適用されず、通常の労働時間規制の対象となるので、割増し賃金不払い等の法違反があれば、まず監督指導によって是正をいたします。 さらに、法案では、対象労働者の適正な労働条件を確保するための労使委員会の決議事項に関する指針を、大臣告示を策定することにしておりまして、例えば、対象労働者の同意に関する詳細などをこの指針に定めることにします。そして、この指針につきましては、労使委員会の委員は決議を指針に適合するようにしなければならないこととする、さらには、行政官庁がこの指針に関して指導を行うことができる規定を設けて、本来対象とならない方が適用されることのないように、しっかり指導をしていきたいと考えております。 これらによりまして、労働者本人の意思が尊重され、希望する方のみ適用される制度設計となるようにしていきたいと考えております。
○中野委員 どういう形で指導するかという制度枠組みについて説明をしていただきました。しっかり枠組みはつくっていただきまして、あとは、実際にちゃんと指導ができるのかというところがやはり大事だというふうに思います。そこの運用はしっかりとお願いをしたいというふうに思います。 時間も迫ってまいりましたので、ちょっと、通告、いろいろしておったんですけれども、少し飛ばしまして、中小零細企業の皆様からもさまざまなお声をいただいております。これについて、残り時間でちょっと何点か御質問をさせていただきたいというふうに思います。 例えば、企業の中でもより立場の弱い下請であるとか零細企業、こういう方から、今回の制度改正によってしわ寄せが全部自分のところに来るんじゃないか、大企業とか元請は制度をうまく守ったとしても、実際に、じゃ、どうやって仕事をやるのかというのが下請のところに全部回ってくるんじゃないか、特に今、人手不足というのも非常に問題になっておりますので、そうした影響が大きいんじゃないか、こういうふうな御不安の声というか、そういうものも多くいただいております。 今までの議論の中で、これは主に経済産業省が中心であるというふうには思いますけれども、下請の取引の適正化、改善、こういうものをしっかりあわせて進めていくことが大事なんだ、こういうことも、これは経済産業省の方からの答弁をいただいているところでありますけれども、実際の長時間労働の規制、例えば、そのしわ寄せは下請に来る、そして長時間労働になる、実際に、しかし上限が残業時間であるわけでございますので、労基署は違反があればやはり入ってくる、処分をされる、そういうことであれば全く仕事にならなくなるんじゃないか、こういういろんな声も伺うところでございまして、長時間労働の上限規制の罰則についての実際の監督、運用のあり方がどういう形になるのかということを多く質問をいただいております。 この点について、実際に、監督、運用のあり方、これについてお伺いをしたいというふうに思います。
○山越政府参考人 今回の法案に基づきます労働基準法の改正でございますけれども、これにつきましては、中小企業、小規模事業者の方につきましては、法令に関する知識あるいは労務管理体制が必ずしも十分でないといった事情がございますので、法施行までの準備期間を確保するために、施行期日を、一年延期をいたしまして三十二年四月一日とする案で御提案をさせていただいているところでございます。 まずは、法案が成立しましたならば、さまざまな機会を通じまして、中小企業そして小規模事業者の方に、この制度の内容の周知をしっかりと取り組みたいと思います。 その上で、今回の時間外労働の上限規制の趣旨あるいは内容についての理解を促進するために、全国に働き方改革推進支援センターを設けておりますので、そこできめ細やかな相談、支援を行ってまいりたいと思います。 そして、仮に、労働基準監督署の監督におきまして、今度の改正労働基準法についての時間外労働に関する法違反が中小企業について認められた場合でございますけれども、その際にも、その労働時間の動向でございますとか、人材確保の状況、取引の実態等を踏まえまして、使用者に対し自主的な改善を促すということの考え方に立って指導していきたいというふうに考えているところでございます。 そういった取組におきまして、中小企業者の自主的な改善を促すということに立って、この法案、法律が施行されるように取り組んでまいりたいというふうに考えているところでございます。
○中野委員 運用についての御説明がございました。 これは、いろんな業種によって事情はさまざまであるんですけれども、下請取引の適正化というものを今進めております。よくいただく声としては、やはり、元請の指示でどうしても下請としてはやらざるを得ないような部分というのがいろいろあるんだというふうなことをよくお伺いをします。 仮に下請企業に違反があったときに、そういう取引自体、適正化していかないといけないというのもあるんですけれども、やはりこれは、元請の人に直接、そういう指示をするんじゃない、こういうことをしっかり言っていただかないと、なかなかこれは厳しいですよ、こういうふうなお声もいただくところであります。 例えば、現在、じゃ、どういうことをしているのかというのをお伺いしたところ、下請法の違反をすると、公正取引委員会や経産省に、元請がそういう指示をしているということで通報をする制度もあるというふうにお伺いをいたしました。しかし、実際、じゃ、どのくらい運用しているのかとお伺いをすると、これは、下請がその通報に同意をしないとできないということで、余り機能をしていないというふうなこともお伺いをいたしました。 やはり、そういう適切でないような指示をした場合には、元請側にも、そういうことをしてはいけないんですよというふうに、そうしたことがわかるようなそういう仕組みでないと、私はなかなか下請取引の適正化というのは進んでいかないんじゃないかというふうな思いがございまして、こうした例えば通報の制度というのももっと強化をしていかないといけない、こういうふうに思いますけれども、これについては、厚労省、いかがお考えですか。
○山越政府参考人 御指摘をいただきましたように、労働基準監督署におきましては、監督指導を実施いたしました結果、労働時間に関する違反等が認められまして、この違反の背景に親事業者の下請たたきに当たる行為などが疑われる事案を把握した場合には、公正取引委員会や経済産業省に通報する制度を設けております。 この制度でございますけれども、現在、官邸において開催をされております中小企業・小規模事業者の活力向上のための関係府省等連絡会議での議論も踏まえつつ、中小企業、小規模事業者の取引条件の改善など事業者が抱えておられる諸課題に対応するという観点から、今御指摘をいただきましたこの通報制度の強化についても検討し、整備をしてまいりたいというふうに考えているところでございます。
○中野委員 ぜひとも、こうした法案を議論するに当たって、やはり、下請の取引の適正化、これの強化をぜひお願いをしたいというふうに思います。 まだ、済みません、通告はさまざまございましたが、できない質問もございました。非常に重要な法案でございますので、引き続き委員会でしっかりと審議をしてまいりたいと思います。 以上で質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○高鳥委員長 次に、浦野靖人君。
○浦野委員 日本維新の会の浦野靖人です。よろしくお願いをいたします。 時間が限られておりますので、早速質問をしていきたいと思います。 ほかの野党に対するコメントを期待されている方もいらっしゃると思いますけれども、きょうはあえて無視します。 一つ目ですけれども、産業医と医師の違いということで一つ目を質問したいと思います。 今回の法案で産業医の位置づけというのを明確にしたわけですけれども、それに対して、現在、産業医が何人ぐらいいてて、どの地域にどれぐらいちゃんといてるということを把握されているのかというのをまず一点お伺いしたいと思います。
○田中政府参考人 お答えいたします。 現在、産業医として実際に現場で活躍していただいている人数としては、約三万人というふうに考えております。 地域的な状況については、具体的に把握している数字はございません。
○浦野委員 なぜ聞いたかというと、やはり五十人以上の事業所に今回義務づけるわけで、じゃ、義務づけられた途端に、すぐ探さないとだめだと。自分たちの会社のあるところにそうした方がいてないというんじゃ話にならないので、そういうのをしっかりと、先ほど与党の質疑の中でも、産業医の皆さんを探す、産業医さんのことをちょっと触れていましたけれども、これはぜひしっかりと対応してあげてほしいと思うんですね。そうじゃないと、義務づけされたわ、産業医が見つからないわじゃ、法律の意味がありませんので。 答弁されますか。
○田中政府参考人 産業医につきましては、常時雇用する労働者が五十人以上の事業場に選任が義務づけられておりますけれども、この義務づけにつきましては、労働安全衛生法の制定された昭和四十七年から義務づけをしておりまして、現在、この義務がかかっている事業場の選任率としては、平均で八六%という状況でございます。 また、産業医になるために必要な資格を取得した方は約十万人いらっしゃいまして、この方々に産業医として御活躍いただきたいというわけでございますけれども、いかんせん、臨床医と兼任している方も多いということで、本業が忙しいとか、あるいは産業医として働く事業場がないという声もありまして、いわばマッチングの問題ということもあります。また、産業医として働く自信がないという方もいらっしゃいますので、こうした事業場とのマッチング、あるいは産業医としての研修、こういったことを総合的に講じながら、実際に産業医が現場でしっかり働いていただけるような対策を講じてまいりたいと考えております。
○浦野委員 さらに、産業医の皆さんが、何かあった場合勧告をするということになっていますけれども、この勧告をする先が、衛生委員会、それができない場合は安全委員会でしたか、これも昔から義務づけられているところもありますけれども、そういうところに報告をすることによって勧告の実効性が高まるというふうにされています。 されていますけれども、そもそもの、衛生委員会などが機能していることというのをどういうふうにして確認をしていくのかというのをお聞かせいただきたいと思います。
○田中政府参考人 まず、産業医が勧告をする対象というものは、現在の法律では事業者ということになっておりまして、この衛生委員会というものは五十人以上の事業場において設置が義務づけられておりますけれども、事業場の労使や産業医で構成するものでございまして、この関係者でしっかりと、労働衛生の改善について、事業場の具体的な状況に応じて御議論し、決定していただくというのがこの衛生委員会の趣旨でございます。 衛生委員会と勧告の関係でございますけれども、これまで、事業者に対して勧告をするという制度でございましたけれども、勧告の内容が法律上は必ずしも衛生委員会まで伝わらないということで、労使で産業医が勧告した重要な問題を共有できないという状況もございました。実際には衛生委員会に報告していただいている事業場も多いわけですけれども、今回、法律上、衛生委員会に勧告の内容を事業者から報告いただいて、労使が共通認識を持って事業場の安全衛生について議論していただく、こういう素地をつくるというのが今回の法案の趣旨でございます。 衛生委員会については、御指摘のとおり、形骸化しているのではないかというような御指摘もございます。私どもとしては、こうした重要な衛生委員会の機能を踏まえ、さまざまな衛生委員会の活用事例とかそういったものの周知等々を図りながら、衛生委員会の活性化を後押ししてまいりたいと考えております。
○浦野委員 労働者数が五十人未満、今、産業医さんは五十人以上の事業所ということになりますけれども、逆に五十人未満の事業所というのが実は九七%だ。五十人未満は、選任義務がかかっていなくて努力義務になっておりますね。 ただ、努力義務ですけれども、健康管理は会社の規模によって変わるということはないと思いますので、努力義務にしてあるということは、やはりそれは、中小企業は対応できない会社とかも出てくるんじゃないかということで、中小企業に対する配慮の側面があるということでよろしいですか。
○牧原副大臣 昭和四十七年に、この労働安全衛生法の制定当時から産業医の選任を義務づけたものでございますが、この当時から、労働者数五十人未満の事業場につきましては義務づけられていないという状況でございました。そこは、健康管理の対象となる労働者数の面や、産業医の選任に係る負担の面等々の配慮からであるということでございます。 しかし、労働者の健康確保に取り組んでいただく必要が中小企業事業者の場合もあるということで、平成八年の同法の改正により、医師等による健康管理を行わせることを努力義務としたという経緯がございます。
○浦野委員 次なんですけれども、事業所規模の分布というのがあると思うんですけれども、今、産業医のことでも五十人以上だったり、五十人のところでラインを引いたりとかしていますけれども、この事業所規模の分布というのはどういうふうになっているのかというのを詳しくお聞かせいただけますか。
○牧原副大臣 総務省の平成二十六年経済センサス基礎調査によりますと、大企業の割合は〇・三%、中小企業の割合は九九・七%、中小企業のうち小規模事業者は八五・一%を占めているという状況でございます。
○浦野委員 今、パーセントでお答えいただきましたけれども、人数によって、例えばわかりやすく十人単位で、十人未満、二十人未満、三十人未満みたいな感じで把握をしているということではないということですかね。
○牧原副大臣 そこまできめ細かくは把握していない状況です。
○浦野委員 なぜ聞くかといいますと、中小企業と一くくりで言っても、もう数人しか、家族でやっているような企業、会社から、要は一から四十九までパターンがあるわけですよね、人数。 それを全部調べろとは言いませんけれども、やはりある程度そういった実態を把握をしていただかないと、今回のこの法案の中でいろいろと、非常に今回の法案はよく考えていろいろなことを含んでいると私も思うんですね。思うんですけれども、実際、本当に数人で会社を運営されているところとかだと、こんなんできないじゃないかと。例えば時間規制なんか、こんなんされたらもう会社潰れてしまうという声がやはりたくさん今でも出ていますよね。 実際、その会社の規模、人数規模、それとかあと、年間、どれぐらいの年商があるとか、いろいろなデータが要ると思いますけれども、そういった細かい、現状に合った法律の運用というのをしてあげないと、せっかく働き方改革をしようと言っているこの法案が、実際に運用できなかったら、実際に自分たち、当事者の方々がこんなことでけへんと言ってしまったら、もう終わりだと思うんですね。だからこそ、事業所規模とかあと業種によっては実施期限に余裕を持たせたりとか、そういう緩和策、緩和策と言っていいのかわからないですけれども、使っていますよね。 私は、もう少しそういう現状に即したきめ細かな対策をとるべきだと思っているんですけれども、そういったお考えはあるでしょうか。
○牧原副大臣 委員御指摘の全くそのとおりであるというふうに我々も考えておりまして、中小企業といっても、規模や地域や業種など、置かれた状況というのはさまざまでございまして、きめ細かな支援が必要であると考えております。 この点について、中小企業の支援が必要であるというふうにも考えておりまして、中小企業・小規模事業者の活力向上のための関係省庁連絡会議を官邸に設置するとともに、厚生労働省としても、中小企業庁とともに立ち上げた中小企業・小規模事業者の働き方改革・人手不足対応に関する検討会を立ち上げておりまして、こうしたところにおける検討を踏まえ、支援策の検討を行うなど、政府全体としても検討を進めてきているところでもございます。 人手不足の対応や生産性の向上などに向けた支援について、企業規模に着目した支援を行うだけでなく、業種ごとの取引条件改善にも取り組んでいくなど、きめ細かな支援を進めていき、中小企業の経営者の方にとっても中小企業で働く方にとっても働き方改革に前向きに取り組んでいただけるよう進めてまいりたい、このように考えております。
○浦野委員 ありがとうございます。 今回の法案審議の段階で過労死のことがいろいろと議論されましたけれども、大企業の過労死事案というのはもちろん社会的に大きく報じられることが多いんですけれども、先ほど与党の方の質疑でもありました、運送業とかが実は中小企業の中では一番過労死事案、脳・心臓疾患が多い業種です。 特になんですけれども、この運送業の一番多い原因というのを分析をされているのかというのを一度お聞かせいただきたいと思います。
○山越政府参考人 お答え申し上げます。 平成二十八年度におけます脳・心臓疾患の労災補償の支給決定件数、全体二百六十件のうち、御指摘をいただきました道路貨物運送業は八十九件で、これは全体の三四%となっております。それから、職種別に見ましても、自動車運転従事者の支給決定件数が職種別でも最も多い状況でございまして、全体の三四%、八十九件となっております。 この脳・心臓疾患の労災認定基準でございますけれども、長時間労働があるか否かということを中心に過重業務であるかどうかという判断をする仕組みになっております。 他方、自動車運転従事者につきましては、労働時間が長い、そういった実態がございます。そうしたことに加えまして、例えばトラック運転手の場合ですと、深夜あるいは早朝を含む運行が多く、運行時間が不規則である、あるいは宿泊を伴う運行など身体的負荷のかかる労働である、そういった指摘もございます。 こうした状況から、この脳・心臓疾患の労災認定、労災の支給決定の件数が多くなっているのではないかというふうに考えているところでございます。
○浦野委員 これは、運送業なんかは特にそうなんですけれども、運送だけの都合で長時間労働になるわけではなくて、先ほども少し話がありましたけれども、荷受けの方の、荷物をそこに渡す人たちの時間とか、そんなのも含めて、やはり、かなり自分たちの都合で荷物を運べないという部分もありますよね。深夜、運送業の方が多くなるというのは、やはり深夜割引で輸送料が一番安くつくからだと思うんですね。それまでパーキングエリアとかの手前で何時間も待機をして、安くなる時間になって高速に入っていったりとか、コストダウンをするためにそういうことをされているのが、やはりドライバーにしわ寄せが行くわけですよね。 ドライバーは今、若い人が今までだったらそれなりに入ってきていて何とか回っていたけれども、非常に労働環境の厳しい職業ということで、若い人たちがどんどん敬遠している。これはもう、どんどん平均年齢が上がってきている、上がってきている上に人が来ないので、やめるにやめられなくて高齢ドライバーがどんどんふえている、高齢ドライバーがふえることによって、過労ももちろんですけれども事故がふえる、そういう悪循環に陥っている状況になっています。 これは、厚生労働省がどういうふうな対策をとっていくかというのももちろん重要ですけれども、厚生労働省以外の部分も、この働き方改革を進めるには協力をしていかないといけないところがたくさん出てくると思うんですけれども、そういった対応策、先ほども答弁が少しありましたけれども、重なる部分もあると思いますけれども、よろしくお願いします。
○牧原副大臣 まさに今、自動車の運転業務につきましては、他の産業に比べて現時点で労働時間が長い実態があり、その背景には取引慣行の問題など個々の事業主の努力だけでは解決できない課題もあるということでございまして、初めて罰則つきの上限規制を適用する、猶予期間を設けた上でしますが、まださらに九百六十時間ということで、また特別な扱いになっていくということがございます。 この上限規制を実効性あるものにしていくということ、そして長時間労働を是正していくということをするためには、荷主や発注者を含めた業界ごとの取組が必要であるというふうに考えておりまして、関係省庁連絡会議において、自動車運送事業の働き方改革に関する行動計画を早期に策定、公表することとしており、必要な関連制度の見直しや支援措置を行ってまいりたいと考えているところでございます。 具体的には、先生が今御指摘のありました荷待ち時間や再配達等の削減による長時間労働の是正、あるいはパレット化による荷役の機械化など業務の効率化やドライバーの負担軽減、荷主、元請の協力確保や適正な運賃・料金収受等の取引環境の適正化などに取り組むというふうにしているところでございます。
○浦野委員 ぜひよろしくお願いをいたします。 次に、今回三六協定の部分も話題になっていますけれども、この法律を新たに、その上にまた新たに法律を周知をしていくということなんですけれども、そもそも三六協定すら知らなかったり、三六協定、もちろん結ばないで時間外労働をしている事業所がたくさんあるのが現状です。 そういった中で、この部分の法律をまた周知徹底していくというのはどうやっていくんですかということをちょっと疑問に思っているんですけれども、どのような体制で是正をしていきますか。お答えをください。
○山越政府参考人 今御指摘をいただきましたように、これまでも三六協定を締結していないその理由が、三六協定という存在を知らないという事業者も中小企業を中心に少なくないと考えられるところでございますので、私どもとしては、まずは一つには、労働保険の年度更新手続がございます。これは対象事業者に全てその書類を送付するわけでございますけれども、そういった機会を通じまして三六協定の制度についての周知を行っていくこととしております。 また、これに加えまして、労働基準監督署などでこういった周知をするのはもとよりでございますけれども、例えば、全国社労士会でございますとか商工会、商工会議所、そういったさまざまなルートを使いまして、今三六協定についてのパンフレットをつくっておりまして、その周知に全力で取り組んでいるところでございます。 そしてまた、この四月からは各都道府県に働き方改革支援センターを設けておりますので、この支援センターが地域の商工会議所などとも連携をいたしまして、三六協定の周知あるいは締結の支援を進めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
○浦野委員 この部分は本当に、ぜひ、知っていて当然のことだと思いますので、何とか周知を徹底をしていただけたらと思います。 最後の質問ですけれども、労働時間の把握についてなんですね。 過労死、過労自殺で労災認定される事案では、労働時間の認定が、会社の言い分、そしてお亡くなりになった方の言い分、そして例えば労働基準監督署の言い分の時間というのがそれぞれ違ったりするわけですね。だからこそいろいろもめたりするんですけれども、こういったことを防ぐ対策というのをするべきだと思うんですけれども、その対策はいかがでしょうか。
○山越政府参考人 御指摘を賜りました、労働時間を正確に把握すること、このことを徹底するために、昨年二十九年の一月二十日に、労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置についてのガイドラインを策定したところでございます。 このガイドラインでございますけれども、労働時間の適正な把握を前提といたしまして、労働時間というのはどういうものか、そういった考え方を明示するとともに、労働時間、始業、終業時刻を確認する方法として、まずは使用者が、例えばみずから現認するとか、タイムカード、ICカードなどの客観的な記録を基礎として確認する、そして、やむを得ず労働者の自己申告により把握する場合にも、それが正しく記録されるよう、労働者に対して適正に自己申告を行うことなどについて十分な説明を行うことなどの規定を設けまして、このガイドラインに盛り込んだところでございます。 このガイドラインにつきまして広く周知を図り、徹底を図ってまいりたいと考えているところでございます。
○浦野委員 済みません、ちょっと時間が来てしまいましたけれども、最後の質問になりますので、お許しをいただいて。 このガイドラインを周知徹底するのはいいんですけれども、これは、じゃ、ガイドラインを周知して、これにのっとってやっていなかった場合とかは、何か罰則があるのでしょうか。
○山越政府参考人 このガイドラインでございますけれども、このガイドライン違反自体についての罰則はございません。 他方で、使用者が、賃金台帳がございますけれども、この賃金台帳に労働時間を記入していない場合でございますとか、故意に虚偽の労働時間数を記入した場合には、労働基準法に違反して罰則の対象となるものでございますし、また、ガイドラインに定める方法によらないで始業、終業時刻の確認とか記録を行っておられて、その結果として、三六協定に定める上限時間を超える長時間労働をしているとか、割増し賃金を払っていない、そういった違反が生じた場合には、労働基準法三十二条、三十七条がございますけれども、それぞれの規定の罰則の対象となるものでございます。
○浦野委員 まだまだ質疑は続きますので、この続きもやりたいと思いますけれども、前回の質疑でも言わせていただきましたけれども、やはり罰則が緩いと、それを守ろうとしない人も出てきますので、ぜひそこら辺も検討していただきたいと思います。 以上で質疑を終わります。
○高鳥委員長 いまだ立憲民主党・市民クラブ、希望の党・無所属クラブ、無所属の会及び日本共産党所属委員の御出席が得られておりません。 理事をして再度御出席を要請させますので、しばらくお待ちください。 速記をとめてください。 〔速記中止〕
○高鳥委員長 速記を起こしてください。 理事をして再度御出席を要請させましたが、立憲民主党・市民クラブ、希望の党・無所属クラブ、無所属の会及び日本共産党所属委員の御出席が得られません。やむを得ず議事を進めます。 これより立憲民主党・市民クラブ、希望の党・無所属クラブ、無所属の会及び日本共産党の質疑時間に入ります。 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時十一分休憩 ————◇————— 午後一時一分開議
○高鳥委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 再開に先立ちまして、立憲民主党・市民クラブ、希望の党・無所属クラブ、無所属の会及び日本共産党所属委員に対し御出席を要請いたしましたが、御出席が得られません。 理事をして再度御出席を要請させますので、しばらくお待ちください。 速記をとめてください。 〔速記中止〕
○高鳥委員長 速記を起こしてください。 理事をして再度御出席を要請させましたが、立憲民主党・市民クラブ、希望の党・無所属クラブ、無所属の会及び日本共産党所属委員の御出席が得られません。やむを得ず議事を進めます。 これより立憲民主党・市民クラブ、希望の党・無所属クラブ、無所属の会及び日本共産党の残余の質疑時間に入ります。 〔委員長退席、渡辺(孝)委員長代理着席〕 〔渡辺(孝)委員長代理退席、委員長着席〕 〔委員長退席、堀内委員長代理着席〕 〔堀内委員長代理退席、委員長着席〕
○高鳥委員長 これにて立憲民主党・市民クラブ、希望の党・無所属クラブ、無所属の会及び日本共産党の質疑時間は終了いたしました。 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時四分散会