経済産業委員会 第9号
- 発言数
- 255 件
- 登壇者
- 32 名
- 会派数
- 8
- 開催日
- 2018/04/18
会議録
○稲津委員長 これより会議を開きます。 経済産業の基本施策に関する件並びに私的独占の禁止及び公正取引に関する件について調査を進めます。 この際、お諮りいたします。 両件調査のため、本日、政府参考人として内閣府政策統括官山本哲也君、公正取引委員会事務総局経済取引局取引部長粕渕功君、個人情報保護委員会事務局次長福浦裕介君、外務省大臣官房参事官鯰博行君、文部科学省大臣官房審議官下間康行君、厚生労働省大臣官房総括審議官坂口卓君、厚生労働省大臣官房審議官井上真君、経済産業省大臣官房長高橋泰三君、経済産業省大臣官房商務・サービス審議官藤木俊光君、経済産業省大臣官房審議官松尾剛彦君、経済産業省大臣官房審議官岸本道弘君、経済産業省大臣官房審議官前田泰宏君、経済産業省大臣官房福島復興推進グループ長松永明君、経済産業省経済産業政策局長糟谷敏秀君、経済産業省電力・ガス取引監視等委員会事務局長岸敬也君、資源エネルギー庁長官官房資源エネルギー政策統括調整官小澤典明君、資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部長高科淳君、資源エネルギー庁資源・燃料部長小野洋太君、資源エネルギー庁電力・ガス事業部長村瀬佳史君、中小企業庁次長吉野恭司君、中小企業庁事業環境部長吾郷進平君、中小企業庁経営支援部長高島竜祐君、原子力規制庁長官官房核物質・放射線総括審議官片山啓君、原子力規制庁長官官房審議官青木昌浩君及び原子力規制庁長官官房審議官片岡洋君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○稲津委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ―――――――――――――
○稲津委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。山崎誠君。
○山崎委員 おはようございます。立憲民主党、山崎誠でございます。毎回ありがとうございます。お時間いただきました。 本日も、きょうは一般質疑ということで、原子力災害、それから原発の再稼働についての問題、それから、今エネルギーの基本計画の改定の作業が進んでいますので、その途中経過だと思いますが、そのあたりを御質問していきたいと思います。 まず、原子力災害、原子力防災に関してのお話をさせていただきたいと思います。 まず初めに、現状のあの東京電力福島第一原発の様子でございますが、二〇一一年の三月十一日に原子力緊急事態宣言が出されています。これは原子力災害対策特別措置法十五条の第二項の規定に基づいて出されたということでございますが、現状、まだこれは解除されていない、宣言が出たままの状態ということだと思います。 さきの逢坂誠二議員の質問主意書にもございまして、まだその継続している状況、これはどの程度続くのか、あるいは解除の見通しはどうなんだというような質問主意書も、去年ですか、出ていますが、現状、この解除の見通しと、あるいは、この宣言が出た状態というものをどういうふうに認識をされているのか、お聞きをしたいと思います。
○山本政府参考人 お答えいたします。 原子力緊急事態の解除に係ります宣言につきましては、原子力災害対策特別措置法第十五条の第四項に基づきまして、原子力災害の拡大の防止を図るための応急の対策を実施する必要がなくなったと認めるときにこの解除の宣言を行うというふうにされているところでございます。 このため、現時点におきましては、住民の避難の状況でありますとか、原子力発電所の施設及び設備の応急の復旧等の実施状況、これらを踏まえつつ、総合的な見地からこの是非についての判断をするという状況になっているところでございます。
○山崎委員 今のお話を要約すると、要するに、オンサイトあるいはオフサイトの状況を総合的に勘案をして、応急の対策が必要なくなれば解除ができるということだと思うんですが、今、総合的に見て、これがまだ解除できていないというのは、どこが大きいんですか。
○山本政府参考人 もちろん、福島の事故の状況をしっかり把握をするということが重要であろうかと思っております。 先ほど申し上げましたとおり、住民の避難、あるいは原子力事業所、福島第一原子力発電所の状況でございますけれども、その施設設備の応急の復旧の状況、それらをきちっと評価をして、先ほど御指摘ありましたように、応急の対策を実施する必要がなくなったと認めるときに解除ができるということになってございますので、現時点においては、この状況を把握し、評価するということで、将来これがどういうタイミングでどういうことができるかといったことについては、確たることを現時点では申し上げることは非常に困難であるというふうに考えているところでございます。
○山崎委員 今の御答弁も非常に重要だと思うんですよ。確たることは言えないと。 オンサイトについても触れられています。オンサイトで今行われているいろいろな廃炉措置はまだまだ途上でございまして、今安定はしてきている。世耕大臣も視察に行かれた。私も行きました。安定はしてきていると言われているが、必ずしも、作業としてはまだまだリスクがあるんではないか、だから、私は、この宣言を解除できないんだと思っています。 それで、ちょっと話はかわるんですが、きょうは規制委員会の更田委員長にお越しいただいております。 更田委員長が九州電力のリーフレットの問題を取り上げられてコメントをされています。 昨年の二月ごろに、玄海原発では、万が一の事故の際においても、放射性物質の放出量は、福島第一原発事故時の約二千分の一の四・五テラベクレルであることが確認されました、こういうことを書いたリーフレットを原発周辺の自治体、住民の皆さんに配ったということでございます。これを見ると、二千分の一であることが確認されました、だから安心してくださいというようなパンフレットを配られたということでございました。 更田委員長、そのときにコメントを出されていますが、どのような見解を示されたんでしょうか。
○更田政府特別補佐人 お答えいたします。 当時の私のコメントをしっかりと記憶しているわけではありませんので、当時発信したコメントとやや異なるかもしれませんけれども、基本的に、事業者が安全を語る場合には、これは、規制委員会の審査においてこれこれのは確認されたからとか、要求に応えているからではなくて、事業者自身がみずからの言葉で、一人称で安全を語ることが非常に重要であると考えております。 決して安全の確保は東京の会議室の机の上で決まるものではなくて、現場の毎日の努力によって維持されるものであって、事業者がみずから考え、主体的に安全について訴えるということが重要であって、そこに、審査においてこうであったから、ないしは許認可において合格したからといったことをもって安全であるというように短絡してしまうことは好ましくないというふうに考えております。
○山崎委員 私が聞いたところでは、更田委員長が、最悪でもここまでしか出ませんというような言い方は一種の神話だというようなコメントをされたと聞きましたが、これはいかがですか。
○更田政府特別補佐人 お答えいたします。 審査の過程において確認をした、ある事故の想定の範囲で出てきた今回の数千分の一といったような値というのは、あくまで、ここまでの事故に至る可能性が極めて小さいということを確認したということであって、こういうことは起きませんというものではありません。 そういった意味において、数千分の一でありますといったふうに言い切ってしまうことは、これは新たな安全神話の一つの復活につながると考えますので、私はそのような表現をとるべきではないというふうに考えております。
○山崎委員 ありがとうございます。 それで、一番初めの原子力緊急事態宣言に戻るんですが、今、緊急事態がまだ出ている状態の中で、避難指示がどんどん解除されまして、住民の皆さんの帰還が始まっています。 私は根本的に、結論から言うと、この緊急事態宣言が解除された後に地域に戻るというのが筋だと思っています。 もう一つ突っ込んで言うならば、緊急事態宣言が出ている理由が、オンサイトの状況がもう安定しましたということであれば、それで地域の、外の状態、オフサイトの状態は、例えば除染を進めることで住めるところがふえてきました、それで、戻ってくださいという、よろしいですか、そういう判断で避難指示が解除されているんだったらまだわかる。 でも、先ほどの御答弁で、オンサイトもオフサイトも含めて、まだ総合的に判断して緊急事態を解除できないという状況だということでございますから、私は、この状態の中で、避難指示を解除して、戻ってくださいというのは難しいのではないか、そのように思います。 今、更田委員長からもお話がありました。オンサイトで起こることはまだ想定できません、リスクがどれだけあるのかわからないと。だから緊急事態宣言も解除できないんです。もう恐らく大丈夫だからここまでは戻っていいよというのは、まさに玄海原発が言っている安全神話につながるんじゃないですか。これは誰にお聞きしたらいいですかね。世耕大臣。
○世耕国務大臣 原子力緊急事態宣言については、先ほど参考人から答弁があったように、原子力災害の拡大の防止を図るための応急の対策を実施する必要がある限り継続しているというふうに認識をしています。ただ、一方で、避難指示を始めとする個々の原子力災害対策については、原子炉の状況ですとか周辺区域の放射線量など、さまざまな状況を踏まえて検討されるべきものだというふうに考えています。 こうした観点から、東京電力福島第一原発事故に係る避難指示については、原子炉の冷温停止状態が達成された状況を踏まえて、放射線量の低下、そしてインフラや生活関連サービスの復旧、そして自治体や住民との十分な協議、これらを要件として、帰還困難区域を除く多くの地域について、原子力災害対策本部で解除を決定しているところであります。 避難指示というのは、やはり居住の自由を制限するという極めて強い権利制限を伴う規制措置でありますから、発電所の状況ですとか放射線量の低減などを踏まえて範囲を見直していくことは、これは必要なことだというふうに考えております。
○山崎委員 更田委員長、いらしていますので、やはり技術的な見地からいって、今オンサイトで行われている廃炉の作業自体のリスクというもの、冷温停止状態ということですから、運転中の原発が爆発するような、そういう事象ではないかもしれないですが、例えば、作業のミスが起こって何かしら燃料棒を取り出しているときに事故が起きる、そういったいろいろなリスクがまだ続いていると思いますが、どのようにその辺のリスクを評価されていますか。
○更田政府特別補佐人 お答えをいたします。 リスクにかかわる議論ですので、それがゼロであるというような言い方は申しませんけれども、東京電力福島第一原子力発電所の現状は、通常の原子力発電所、先ほどの玄海原子力発電所であるとか川内原子力発電所に比べて、例えばリスクという観点で、周辺にお住まいの方に与えるリスクという観点からすれば、再び避難をお願いしなければならない、ないしは屋内退避をお願いしなければならないような事態を迎えるということは、燃料や、あるいは圧力容器、格納容器内に分散しているいわゆる燃料デブリの冷却、安定化が進んでいる観点からすると、再びそういった避難行動等をお願いせざるを得ないような状況が生まれるとは極めて考えにくいと考えています。 むしろ、現在の東京電力福島第一原子力発電所における最大の懸念事項というのは、環境汚染の問題であったり、ないしは作業者に与えるリスクであって、周辺住民の方に与えるリスクというのは、繰り返しますが、通常の原子力発電所に比べてはるかに小さなものとなっているというのが原子力規制委員会の認識でございます。
○山崎委員 原子力災害対策指針の中で、福島第一の周りについてはどのような防災対策、災害対策をされていますか。
○更田政府特別補佐人 お答えをいたします。 区域設定についてまず申し上げると、現在、申し上げたような炉心の冷却であるとか使用済み燃料の冷却が進んでいることを踏まえて、再び東京電力福島第一原子力発電所が周辺の方々に対して放射線による確定的な影響を与える可能性は極めて小さいものとして、いわゆるPAZの設定をする必要はないとしております。 一方、UPZに関しましては、これは三十キロメートル範囲内でのUPZの設定というものを災害対策指針としては推奨をしております。
○山崎委員 私は、これは統計的にとかいろいろ調査をしないといけないと思うんですが、このUPZの設定、一般的に考えれば、事故が起きて、確定的影響ではなくて、まずは屋内退避をすればいい、緊急で避難する必要はないという設定だということでございますが、要するにこれは、ある一定の放射線の被曝というものを強いても、それが健康影響は極めて低いので大丈夫だということでそういう退避措置をとっているわけですよね。 私がちょっと今これで不安に思っているのは、じゃ、福島の第一の周りに戻ってこられる方々は、もし今回また何らか被曝を帯びるような事象に直面したときに、それは二回目の被曝になるんではないかと。 人それぞれかもしれませんが、間違いなく一回目でやはり残念ながら不幸にして被曝をしてしまっている方々が戻っている中で、またそれに二重に被曝をするというような状況になったときには、この一般の基準を変える必要があるんじゃないですか。福島の特別な基準、それは、地域別であったり個別の皆さんの状況に応じたきめ細かな対応が必要だと思いますが、その点いかがですか。
○更田政府特別補佐人 お答えをいたします。 福島第一原子力発電所事故に関する国連の国連科学委員会、UNSCEARといいますが、国連科学委員会の報告書では、当該事故から最初の一年間における実効線量について、福島第一原発からの放出による福島県の避難区域及び避難区域外における成人の平均実効線量は数ミリシーベルトから約十ミリシーベルトの範囲である、また、十歳児及び一歳児の実効線量は約二倍高いと推定されたとされておりまして、こうしたことを考えますと、東京電力福島第一原子力発電所の重点区域に対して特別の措置が必要とまでは考えにくいと考えております。
○山崎委員 今の数字ですけれども、いつ、どの時点で切っているかですよ。今もまたあの線量の高い地域に戻って生活をしていけば、それは日常的に被曝を私は重ねていくんだと思います。それが一年か二年か三年か、その間の被曝線量というのは、やはり普通の方々よりは高くなると思います。 時間もないのでこれ以上はやめますが、私は、結論から言えば、やはり緊急事態宣言というのをもっと深刻に捉えて、しっかりとこれをまず解除させることに専念をすべきだ。その上で、もちろん、居住の自由を宣言するんだから、それは重要なことではございます。でも、命だとか健康だとかにかかわる問題です。 先ほども言いました。更田委員長から過酷な事故が起きることはないということをお聞きしましたので、そこは一安心ではございますが、でも、いろいろな専門家の皆さんの話を聞くと、まだまだ危険な作業はたくさん残っているよというのは私は事実だと思います。そういった中で、また放射性物質が飛び出す可能性というのが拭えない状況で、それが緊急事態宣言を解除できない原因だと思います。原因の一つだと思います。そういう状態で避難を解除して、どんどん戻ってください、もっと言うならば、戻れ、戻ってください、戻れない人はもう自主避難ですよ、そういうような国の方針というのは私は撤回をしていただきたい。 やはり間違っていると思っていますので、十分にこのあたりを考慮して、まずは緊急事態宣言を解除できる状態を早くつくること、それから、帰還をじっくりと考えていくこと、そういう手順を踏んでいただきたいと思います。 原子力災害対策指針について続いてお聞きしたいんですが、今お話がありましたPAZ、あとUPZで今、避難の形態を決めています。この考え方をもう少し御説明いただけますか。簡単でいいので。参考人でも構いません。
○片山政府参考人 お答えいたします。 今委員から御質問がありましたPAZ、UPZについての防護措置の考え方ということでございます。 今の原子力災害対策指針におきましては、まずPAZにつきましては、プラントの状態をあらわす指標でありますEALというものに基づきまして、全面緊急事態になりましたら、まず予防的な防護措置として、放射性物質の放出前に、PAZについては避難をするということになっております。UPZにつきましては屋内退避をしていただくという考え方でございます。 また、万が一放射性物質が放出された後につきましては、緊急時のモニタリング結果に基づきまして、これはOILという指標がございますけれども、それに基づいて、UPZについては一時移転等の防護措置を行うという考え方になってございます。
○山崎委員 皆様にも資料を配ったんですけれども、一番です。これは同心円なんですよ。福島第一原発事故の教訓は、放射能汚染は同心円に広がらなかったというのが私は大事な教訓だったと思うんですが、今、見直した結果として、新しい指針の中で同心円が復活しているというのは私は大変驚きました。 もうちょっと話をすると、SPEEDIというのがあって、いろいろ予測をするソフトウエアがあって、それを民主党政権はうまく使い切れなかったんではないかと思います。私も民主党政権にいましたのでそこは反省を非常にしたところで、では、あのSPEEDIのような考え方をどうブラッシュアップをして実際の次の災害に備えるのかな、気象データあるいは地形のデータ、そういったものを踏まえて、その地域地域の放射線の拡散の様子をどこまで捉えて避難計画に落としているのかなと思ってお話を聞いたところ、この同心円の考え方が出てきました。 これは、本当にこのままでその地域の被曝の様子というのは捉えられるんですか。福島原発事故で起きたような、風向きによって全然違った、三十キロを超えるところでも大変な汚染が起こったところがありますよね。こういう事態にどう対応するつもりですか。
○更田政府特別補佐人 お答えいたします。 事故に備えた事前の計画範囲において、こういった避難範囲、避難区域の設定は同心円がベストであると考えております。 東京電力福島第一原子力発電所事故の教訓を受けて、例えばヨーロッパ各国は、国境を接しておりますので、多国的に、多数国が参加をしてこういった避難範囲の設定をしておりますが、やはり同心円を採用しております。 それで、原子力災害発生時において、放射性物質がいつ、どのような核種がどれだけ出るかということをあのような事態の中で知ろうとすることは、これも一つの神話であると考えています。放射性物質がいつ出てくるか、どれだけ出てくるかがわからない状況において、気象情報に基づいた拡散予測を行うことは、かえって避難行動を混乱させ、被曝の可能性を増大させることになり、さらに、避難行動中に、そういった情報に基づいて避難先や経路を変えるということは不可能でありますので、避難自体を非常に困難なものにすると考えております。 したがって、放射性物質の放出前の計画においては、同心円的に事前に定められた方法を定めておいて、そのとおりに防護措置をとることがベストであると考えております。
○山崎委員 専門家がそこまで強く言うので、私もそれ以上なかなか突っ込みにくいんですけれども、でも、福島の事故は、私は、明らかに避難を間違った方々がたくさん出てしまったと思います。 では、御質問しますけれども、避難の基準はこれでいいかもしれない。では、皆さんの、専門家のレベルでいろいろな条件でシミュレーションをして、それは条件はいろいろ変わります、天候も気象も核種も。でも、今、シミュレーターなんて簡単です、大学の研究室だって回せます。スーパーコンピューターなんか要りませんよね。そういう中で、いろいろなパターンで検証したような実績はありますか。
○更田政府特別補佐人 お答えをいたします。 ややちょっと技術的な詳細に入りますけれども、SPEEDIというのは、一種、決定論的な計算コードでありまして、ある決まった気象条件で、ある時期に放射性物質が放出されたときに、どのようにそれが流れるかであります。 今まさに先生が御指摘になったようなツールというのは、レベル3確率論的なリスク評価の中のツールとして、MACCS2であるとかOSCAARといったコードがありますけれども、一年じゅうの気象条件を二十四時間三百六十五日、八千六百五十通りの気象条件で、それから、もともとプラント状態の細かい事故の進展を検討した結果に基づいた放射性物質の放出を仮定してやって、確率的にどの範囲にどのように広がるかというような解析をしております。 ですので、そういったいわゆるレベル3PRAと呼んでいる技術というのは、今まさに先生が御指摘になったような技術であり、これは、今後の検討を進める上でも最も重要な要素の一つであるというふうに考えております。
○山崎委員 ぜひ早くそういう知見というか情報を入れていただきたいんですよね。 それで、私は、PAZは、ある意味もう緊急事態なので、ばあっと逃げる。決まったところをさあっと逃げる、早く離れるというのは必要だと思います。それができるために、五キロという、人数も制限して、動けるようにしたわけですよね。 でも、UPZは、ある意味、一旦おさまってから避難をする。あるいは、私が心配しているのはUPZの外です。UPZの方々は、モニタリングをしながら、モニタリングの情報を得ながらですよ。だから、私は、モニタリングの情報を得ながら避難経路を決めなきゃいけないと思うんですよ。そうなっていないんですよ。避難所はここ、こことなっていて、それに矢印が入っているんですよ。違ったら違ったと言ってください。 だから、そこは私は、きちっとモニタリングしながらその情報をリアルタイムで解析して、適切な避難の指示を出せるようにしなきゃいけないと思うのが一つです。 それで、同じようなことが三十キロを超えたところでも起こる可能性は大いにありますよね。三十キロより離れたところの人たちが屋内退避していてくれればいいし、していなかったとして、どうするのかを一つ。屋内退避していたとして、その人たちがどう逃げるかという指示をやはり出さなきゃいけないと思うんですよ。それが福島の教訓ですよ。 それで、私が見る限り、伊方の例とか玄海の例とかを見ると、結局、同心円を描いて、この地域にどういう施設があってと分析をされています。その分析自体は間違っていない、いいと思います。でも、その後の対処の仕方、果たして本当にちゃんと臨機応変、可能な範囲での臨機応変になると思います、そういうことができているのかどうか、私は非常に不安なんです。
○更田政府特別補佐人 お答えをいたします。 原子力災害の発生時において、避難行動を含めた防災措置を事前に考えていく上で最も重要なのは、本当に手厚く守られるべき人たちをしっかりと守るということが優先事項としてトップに来ると考えております。これは、原子力施設の近隣におられる妊娠をされている女性であるとか、ないしは幼児の方、こういった方に対する防護策を手厚くすること。いたずらに防護策の範囲を広げるということは、本当に手厚く守らなければならない人に対する防護をかえって混乱させてしまう、優先順位を誤ってしまう可能性があるというふうに考えております。 なお、UPZにつきましては、異常な水準での放射性物質の放出がされる前の段階から予防的に屋内退避を行った後、緊急時モニタリングの結果等を踏まえて、区域を特定した上で避難等を行うことを基本としております。 さらに、東京電力福島第一原子力発電所事故における避難行動における最大の教訓の一つが関連死の問題でありまして、放射線の影響によって亡くなられた方がいなかったにもかかわらず、避難行動をとることによって、例えばたんの吸引ですとか、そういった介助が必要な人をむやみに移動させてしまったことに伴う関連死が最大の教訓の一つであるというふうに考えております。
○山崎委員 時間になってしまったので、ちょっといろいろお聞きしたいことはあったんですけれども、私は、先ほども申し上げたように、この同心円形のものというのが果たして本当に福島の教訓に基づいたものなのかなというのが大きな疑問の一つです。 やはり、指針がどういうふうにつくられるか。私は、先ほど言ったようなシミュレーションというのを早くやって、いろいろなパターンを検討した結果で、何かしら、同心円でいいのかどうかの検証も含めて、きちっとやっていただきたい。それが私は再稼働の条件になってくるのではないかなというふうに強く感じるところでございます。 お時間ですので、とりあえずきょうはこれで終わりにします。ありがとうございました。
○稲津委員長 次に、富田茂之君。
○富田委員 公明党の富田茂之でございます。 きょうは一般質疑ということで、海洋基本法、また、それに基づく海洋基本計画、そして特に海底熱水鉱床の開発について、大臣に、この後参議院の本会議があるということで、ちょっと質問の順番を変えまして、海底熱水鉱床についてまずお尋ねをしたいというふうに思います。 二〇〇六年の四月に、超党派の議員や、また海洋関係の各分野の有識者が集まりまして、海洋基本法研究会というのがつくられました。代表世話人に参議院の武見先生、また、座長に衆議院の石破先生がつかれて、私もメンバーに入れていただいて議論をしまして、二〇〇七年の四月に、超党派の議員立法で海洋基本法が成立いたしました。 これを受けまして、同法に基づきまして、内閣総理大臣を本部長とする総合海洋政策本部が設置され、同本部の事務局機能を担うため、内閣官房に総合海洋政策本部事務局、これは現在、内閣府の総合海洋政策推進事務局になっておりますが、これが設置されました。あわせて、内閣総理大臣が任命する有識者から成る参与会議が置かれました。以降、平成二十年三月に第一期の海洋基本計画、平成二十五年四月に第二期の海洋基本計画を閣議決定するとともに、海洋基本計画の個別施策の進捗状況が毎年公表されております。 先日、JOGMECの方からこういう冊子が送られてきまして、「海底熱水鉱床 採鉱・揚鉱パイロット試験」「鉱石の連続揚鉱に成功!」というふうに大きく書いてありまして、こんなふうに記述がございました。「水深約一千六百メートルの海底から鉱石をポンプで揚げることに成功」ということで、こんなふうに説明文が続いております。 海底熱水鉱床の鉱石を、海底から洋上に持ってくる。こう聞くと、どんな方法を思い浮かべるだろう。クレーンゲームのように掴んで揚げてくる方法、海底まで延びるエレベーターのようなもので揚げてくる方法……。さまざまなアイデアが考えられる中、JOGMECと民間企業等から構成される「採鉱・揚鉱パイロット試験受託コンソーシアム」が採用したのは、「砕いた鉱石を海水と混ぜて水中ポンプで押し揚げる」という方法だ。 本試験の目的は、沖縄近海、水深約一千六百メートルの海底にある、海底熱水鉱床マウンドの上で破砕・蓄積した鉱石を集鉱機で吸引し、水中ポンプで洋上に揚げること。本試験で得られるさまざまな機器の運転データは、次のステップに進む上でとても貴重だ。特に、海底熱水鉱床が存在する実海域、実水深で、実鉱石を揚げることにこだわって実験を実施。事前に掘削試験機で海底熱水鉱床を掘削し、直径三センチメートル程度に粉砕した鉱石を特定の場所に集め、揚鉱船から垂らしたパイプを通じ水中ポンプで押し揚げるというもの。 しかしながら、一千六百メートルという水深はあまりに深い。集鉱試験機で吸い込んだ鉱石は、船上まですぐに到達するわけではなく、長い管路を通っている間に予測できないことが起こる可能性もある。また、自噴する石油とは異なり、密度の高い鉱石を水と一緒に無理やり押し揚げる必要がある。水深約一千六百メートルに位置する海底熱水鉱床の揚鉱は世界中の誰も経験したことのない未知の領域だ。 全世界的に前例がない中、二〇一七年八~九月、JOGMECと採鉱・揚鉱パイロット試験受託コンソーシアムは、海底熱水鉱床の連続揚鉱に成功。手法やシステムを一から検討し、作り上げてきた努力が結実した瞬間だ。 というふうに記載がされております。 これは画期的なことだと思うんですね。長い、かなり時間をかけてここまでやってきて、これから本当にこれが使えるようになっていくのかという意味でこのパイロット試験というのは大事だったと思うんですが、大臣は、この海底熱水鉱床のパイロット試験の成功について、どのような御認識でしょうか。
○世耕国務大臣 まさに海洋国家である日本は、EEZの広さになりますと、これは世界第六位を誇っているわけであります。そして、その広範なEEZの海底に眠る豊富な資源があることが確認されているわけですが、それを本当に価値あるものにするためには、やはりちゃんと陸上に持ってこないとだめだということであります。 今詳しく御紹介いただきましたけれども、昨年九月、沖縄近海で、水深約千六百メートルの海底にある鉱石を連続的に、一個とってくるだけではなくて連続的に洋上に揚げる試験、これに世界で初めて成功したわけであります。このことは、将来の海洋資源の利活用ですとか、あるいは我が国のEEZの中にある資源開発の観点から大きな意味を持つ歴史的な技術的成果だったというふうに思っています。 日本近海には、今把握できているだけでも、亜鉛などの鉱種については国内の年間消費量を上回る量の鉱物の存在が見込まれているわけであります。これから、これらを採取、有効活用していくことは極めて重要だというふうに思っています。今後、一応平成三十年代後半以降という時期を想定しておりますけれども、民間企業が参画する形で商業的な開発を実現していくことを目指していきたいというふうに思っています。 資源の量や質の評価、生産技術の確立といった施策にしっかり取り組んで、日本の鉱物資源の安定供給体制のさらなる強化に取り組んでいきたいと思っていまして、今回のこの成果、大きな第一歩だというふうに考えております。
○富田委員 ぜひ大臣のリーダーシップで、三十年代後半に向けて商業化ができるように取り組んでいただきたいというふうに思います。 参議院の本会議に行かれて結構です。 次に、海洋エネルギー・鉱物資源開発計画策定の経緯についてちょっと確認をさせていただきたいと思います。 今大臣が言われたように、我が国は世界第六位の排他的経済水域、大陸棚の広さを誇り、近年、これら海域には、石油、天然ガスに加え、メタンハイドレートや海底熱水鉱床などのエネルギー、鉱物資源の存在が確認されてきております。 しかしながら、これら海洋エネルギー、鉱物資源には、残存量、残存状況の把握、生産技術の開発とそれに伴う環境への影響の把握等、さまざまな課題が多く残されているのもまた事実であります。 これらを将来の自国エネルギー、鉱物資源として開発していくためには、こうした課題を一つ一つ解決し、中長期的な観点から計画的にこれを推進していく必要があると思います。 現時点では極めてリスクの高い事業であるため、当面は国が中心となって取り組むことが必要でありますが、いずれ民間の参画を得て商業化を目指した段階に移行していくことを踏まえると、野心的な目標を官民で共有しつつ、戦略的に進め、目標と現実のギャップを常に把握し、これを埋めていくことも必要だというふうに思います。 その際、海洋資源開発に当たって必要となる中長期的取組として、人材、探査、開発能力のインフラの強化、さらには国際連携の取組も欠かせません。 海洋基本法に基づき平成二十年三月に初めて作成された海洋基本計画におきましては、海洋エネルギー、鉱物資源を計画的に推進するため、海洋エネルギー・鉱物資源開発計画の策定が定められました。これを受けまして、平成二十一年度より十年間の中長期計画として、総合資源エネルギー調査会の審議を経まして、海洋エネルギー・鉱物資源開発計画が平成二十一年三月に策定されました。開発計画では、海洋エネルギー、鉱物資源の種類ごとに、開発の目標と達成に至る道筋、必要となる技術開発、官民担当分野等が定められております。 海洋基本計画については、過去五年間の諸状況の変化、すなわち東日本大震災などを契機とした海洋開発利用への期待の高まりや、近隣諸国との海洋権益をめぐる国際情勢の変化等を踏まえ、平成二十五年四月に初めて見直しが行われました。この中で、海洋エネルギー、鉱物資源の開発についても重要な目標の見直しが行われております。 また、開発計画の実施状況については、例えば、メタンハイドレートの海洋産出試験の実施や、新たに就航した海洋資源調査船白嶺を用いた海底熱水鉱床の詳細な鉱量の調査を行うなど、その進捗においても一定の成果が得られております。このため、開発計画については、このような情勢の変化を踏まえつつ、十年計画の中間段階において見直しを行い、新たな開発計画もまた二期目の計画ということで策定されました。 このような海洋エネルギー・鉱物資源開発計画の策定の必要性について、経済産業省としてはどのように認識されているんでしょうか。
○小野政府参考人 お答え申し上げます。 海洋エネルギー・鉱物資源開発計画は、海洋基本計画のうち、特に海洋天然資源の利用、活用部分について定めるものでございます。 具体的には、これも委員御指摘のとおりでございますけれども、資源の種類ごとに詳細な開発の目標、それから達成に至る道筋、必要となる技術開発、官民の役割分担を明確にしているものでございます。 現行計画につきましては、それまでの取組の進捗それから成果を踏まえ、海底熱水鉱床やメタンハイドレートの開発について、商業化に向けた野心的な目標を定め、官民一体となって技術開発や資源量評価に取り組む工程を明らかにしているところでございます。
○富田委員 資源ごとにということですが、特に、先ほど大臣にお尋ねしましたけれども、海底熱水鉱床の重要性についてちょっと確認をしたいというふうに思います。 海底熱水鉱床は、東太平洋海膨の海底拡大軸や西太平洋の島弧―海溝系の背弧海盆等に世界で三百五十カ所程度発見されている海底熱水活動に伴って生成したものであるというふうに言われております。これらは、地下深部に浸透した海水がマグマ等の熱により熱せられ、地殻に含まれている有用元素を抽出しながら海底に噴出し、それが冷却される過程で、熱水中の銅、鉛、亜鉛、金、銀等の有用金属が沈殿したものであります。 我が国周辺海域では、島弧―海溝系に属する沖縄トラフ及び伊豆、小笠原海域において、独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構が実施しております海洋資源調査、独立行政法人産業技術総合研究所、独立行政法人海洋研究開発機構等による科学的調査によって、多くの海底熱水鉱床の兆候が発見されております。 これらの海底熱水鉱床は、分布水深が七百メートルから一千六百メートルと比較的浅く、東太平洋海膨に分布するものより金、銀の品位も高いところから、技術的、経済的に開発に有利であると期待されております。一方で、海底熱水鉱床は、砒素、水銀等の有害元素を含有しており、周辺の環境影響に配慮しつつこれらを処理し、製錬する技術が求められています。 こうした我が国周辺海域に分布する海底熱水鉱床は、我が国固有の資源であり、開発が可能になれば、大宗を海外に依存している金属鉱物資源の新たな供給源として期待できるというふうに思いますが、資源エネルギー庁はどのように認識されていますでしょうか。
○小野政府参考人 お答え申し上げます。 国内で使用する鉱物資源のほぼ全量を海外に依存する日本にとりましては、自国のEEZに賦存する海洋鉱物資源の利用、活用を進めることは、エネルギーの安定供給確保の観点から極めて重要であるというふうに考えております。 その中でも、海底熱水鉱床は、銅、鉛、亜鉛といったベースメタルに加えまして、委員御指摘のとおり、金、銀も含まれておりまして、非常に有望かつ豊富な資源であるというふうに理解しております。 将来、これらの開発が可能になれば、鉱物資源の新たな供給源ということで、我が国の資源の安定供給に寄与するものでありまして、その開発を進めていくことは極めて重要であるというふうに認識しているところでございます。
○富田委員 経済性の評価についてちょっとお尋ねしたいんですが、資源量評価、採鉱・揚鉱技術、選鉱・製錬技術及び環境影響評価分野の調査、開発成果を踏まえて、第二期の最終評価として、平成二十九年度から三十年度に経済性の評価を行うというふうに計画には書かれております。同時に、民間企業が参画する商業化を目指したプロジェクトの開始に向けて、技術、コスト等の課題を抽出し、次段階においてその解決に取り組むとされております。 平成三十年代後半以降に民間企業が参画する商業化を目指したプロジェクトが開始されるよう、資源量の把握、生産技術の開発、環境影響評価手法の開発、経済性の評価及び法制度のあり方の検討を行う必要があると思います。 資源量につきましては、事業者が参入の判断ができるレベルとして、五千万トンレベルの資源量把握が必要であるというふうにされております。これに関連して、次世代海洋資源調査技術では、活動的な海底熱水鉱床周辺の潜頭性鉱体等、現在の探査技術では発見が困難な鉱床に適用可能な技術を開発していると伺っております。このような技術の活用も含めて、民間企業とも協力しながら、資源量把握に積極的に取り組む必要があると思います。 特にこの経済性評価が大事だと思いますが、資源エネルギー庁としてはどのように取り組んでいかれるんでしょうか。
○小野政府参考人 お答え申し上げます。 経済性の確保につきましては、特に、民間企業による開発に見合う量と質を満たす鉱物資源の存在を確認すること、それから、事業コストを軽減させること、この二点が極めて重要であるというふうに考えております。 資源の存在の確認につきましては、今後五年間をめどに、高品位の鉱床を含む五千万トンレベルの資源量確保のため、ボーリング調査等をしっかりやっていく所存でございます。 コストの軽減につきましては、採鉱・揚鉱、それから選鉱・製錬におきまして、より効率的、かつ、それから、確実な生産技術の確立が必要というふうに考えております。これらについて、引き続き技術開発を進めていく所存でございます。 今年度につきましては、これまでの取組結果を踏まえた総合評価を実施しまして、商業化のための課題の整理と解決策の検討を進めていくということにしている予定でございます。
○富田委員 最後に、日本のEEZ内海底熱水鉱床等の中国による無断調査についてお尋ねをしたいと思います。 四月十四日付の読売新聞によりますと、日本の排他的経済水域内で、中国が、日本政府の同意を得ずに海底調査し、豊富な資源を含む海底熱水鉱床など海底資源類を採取していたことが明らかになったと報道されております。中国の研究者が二〇〇七年以降、少なくとも三十本の学術論文で調査内容に言及していたとのことであります。 国連海洋法条約によれば、天然資源の探査、開発、保存、管理などに関してはEEZの沿岸国が主権を持つとされております。他国による非営利で公共の利益となる科学調査については、主権国の同意が必要で、六カ月前までに航海計画などの提出を求められるとされております。 資料の二にちょっとその読売新聞の記事をお示ししておりますが、この資料の二で指摘されている案件について、日本の同意はなされていたのか、また、同意がなされていなかったとしたら、中国の無断調査に対して日本政府としてはどのように対応したんでしょうか。
○鯰政府参考人 お答え申し上げます。 委員御指摘の報道は、外務省としても当然承知をいたしております。 外務省といたしましては、中国の研究者が発表した論文の一部に、中国海洋調査船による沖縄トラフ等での調査活動によって得られたとされるサンプルに言及があることを確認しており、中国側に対して説明を求めているところでございます。 実際、中国船舶が、東シナ海あるいはその他の我が国排他的経済水域で海洋の科学的調査を行っている事例が数々ございます。その中には、委員が配付されました資料にも例が挙げておられますとおりですが、日中間の相互事前通報の枠組みに基づかないものなど、問題のある調査が含まれております。外務省としては、極めて遺憾に思っております。 このような際には、現場海域における海上保安庁巡視船等による中止要求等や、あるいは、外務省におきましては、外交ルートを通じました抗議を行ってきております。 引き続き、毅然かつ冷静に対応していきたいというふうに思っております。
○富田委員 日本にとって大事な資源ですので、外務省、またエネ庁も、しっかり対応していっていただきたいと思います。 時間になりましたので、これで終わります。 ありがとうございました。
○稲津委員長 次に、佐々木紀君。
○佐々木(紀)委員 おはようございます。自由民主党の佐々木紀でございます。 早速質問に入らせていただければというふうに思います。 今週の月曜日の新聞に、賃上げ二・四一%、二十年ぶりの高さということで、大変いい報道だなと思って見ておったわけでございますけれども、アベノミクスによってGDPが膨らんで、企業収益も改善をして、雇用もよくなってきて、金融市場も本当に活性化してきて、さあ、これから賃上げもこうやって広がってきたということでございますから、本当にアベノミクスの好循環に向けて、いよいよアベノミクスも進化してきたな、そういうふうに思うわけでございます。 それで、これを見ますと、製造業だけじゃなくて非製造業も大変賃上げの動きが広がっているということでございまして、大変いいことだなというふうに思います。 しかし、これで喜んではだめなわけでございまして、更にこれはいろいろな業種に広げていく、あるいは加速させていくということがやはり必要だというふうに思います。 そこで、政府の、税制とか補助金等を活用しながら、これからもこういった企業の賃上げを後押ししていかなきゃいけないと思うんですけれども、その決意とその方策について御説明いただければと思います。
○西銘副大臣 先生御指摘のとおり、賃上げにつきましては、もう多くの企業で五年連続でベアが行われ、ベアの水準も大半で前年を上回っております。五年連続で高水準の賃上げを実現してきており、確かに経済の好循環が着実に回り始めていると実感をしております。 また、自動車など主要な企業においては三%以上の賃上げを行うなど、積極的な動きもあることを承知しております。加えて、正社員の賃上げのみならず、非正規社員の処遇改善や時間外労働上限引下げ等、さらには、有給休暇を時間単位で、一時間単位でとれるようにするなど、働き方改革を先取りした取組も行われていると聞いております。手応えを感じているところであります。 政府といたしましても、賃上げに積極的な企業へ税制の支援や下請等中小企業の取引条件改善に向けた取組、生産性向上に向けたITの投資支援など、税や予算を使って、あらゆる政策を総動員をして賃上げを促進しているところであります。 今後とも、アベノミクスの効果が全国津々浦々で雇用拡大、賃上げ、上昇を感じ取ることができるように、全力を尽くして頑張ってまいりたいと考えております。
○佐々木(紀)委員 ありがとうございます。ぜひしっかりと、民間企業の賃上げについて後押しをしていただければというふうに思います。 それで、きょう私がちょっと取り上げたいのは、官公需と賃上げ、政府とかその関係の地方公共団体が発注者として行うことについて少しお話をしていきたいと思います。 政府も、発注者として、発注額等をふやしていくことによって官公需においても賃上げを促進していく、そういう環境をつくっていくことが必要だというふうに思います。 官公需の発注というのは入札で決まっていくわけでございますけれども、この入札ですけれども、簡単に言うと二つあるんですね。一つは業務の入札と、工事の入札というのがありまして、この工事というのはいわゆる公共事業です。 公共事業というのは、大変いい仕組みというか、うまいこと仕組みができておりまして、労務単価というものを毎年丁寧に調べて、そこに材料費とか、あるいは諸経費等を積み上げていって、最終的に予定価格を決めるということでございますので、割かし賃金の上昇とか物価の上昇というものが組み入れやすくなっていて、大変、工事についてはうまいこといっている、賃上げも促進されるような状況になっているわけでございますけれども、問題は業務の発注だと思っています。 いわゆる物品、役務の購入ということなんですけれども、これは毎年発生するものですから、毎回積算をしていないような、極端な言い方をすると前年度の落札価格が次年度の予定価格になったりとか、よくて前年度の予算がそのまま次年度の予算になっているわけであります。ですから、これはどんどん値段が下がっていくわけでありまして、賃金や物価の上昇というのがなかなか加味されない状況になっております。 国民の税金を使うわけでありますから、節約するのは当然でありますけれども、ただ、人件費比率の高い業務、役務、これは契約金額がそのまま賃金に直結をしていくというわけであります。だから、一概に安ければいいというわけにはいかないというふうに思うんですね。特に、最低賃金が上がった場合、せめて最低賃金上昇分くらいは発注額を上げてあげないと、これはなかなか賃上げにもつながっていかないということでございます。 そこで、厚生労働省労働基準局長が、最低賃金の改定に関する周知、広報の実施等についてという協力依頼を、各省庁や都道府県知事に通知を出しております。これは、きょう資料でお配りしている一枚目でございますけれども、そこには、年度途中での最低賃金額の改定に伴って、当該発注先が最低賃金法違反を発生させることがないように、特段の配慮をお願いしますというふうに書かれておりますし、関係機関、関係団体等に対しても御指導、御依頼をお願いしますと、こういうふうな通知を出しているわけでございます。 そこで、厚労省にお聞きをしますけれども、この通知内容について周知徹底されているかどうか、通知先の取組状況についてしっかり把握をして、できていないような場合にはしっかり指導しているのかどうか、お聞きをしたいと思います。
○井上政府参考人 お答え申し上げます。 最低賃金の履行確保は、賃金の低廉な労働者について賃金の最低額を保障するために非常に重要であると考えております。 御指摘のとおり、昨年度、全国の地域別最低賃金の改定にあわせまして、関係府省庁や都道府県などに改定額の周知を依頼するとともに、平成二十九年度中小企業者に関する国等の契約の基本方針を踏まえ、民間企業への役務等の発注に当たって、最低賃金法違反を生じさせないよう、特段の配慮をお願いしているところでございます。 この通知に基づく依頼先の取組状況につきましては、例えば、大阪労働局では、大阪市と昨年十二月に最低賃金に係る情報の提供に関する協定を締結し、大阪市が発注した委託業者に雇用される労働者の賃金が最低賃金額を下回っている等の情報を大阪市が入手した場合に、大阪労働局へ情報提供を行うこととしております。 このほか、厚生労働省では、ポスター等による最低賃金額や改定内容の周知、広報や労働基準監督署による監督指導によって最低賃金の履行確保を図っているところでございまして、引き続きこうした取組に努めてまいりたいと考えております。
○佐々木(紀)委員 ありがとうございます。 今、御説明いただいたわけでございます。閣議決定された基本方針にのっとってやっているかどうかちゃんと見ているということでございますけれども、見なきゃいけないのは、発注した業者が最低賃金以下で雇用しているか、仕事をさせているかしていないかを見るのではなくて、実際、最低賃金が上がった分だけしっかり払ってあげないと、それが還元されるかどうかを見なきゃいけないわけでございますから、これを上げないで、最低賃金が上がったからちゃんと払ってくださいというのは、ちょっと余りにも、これは業者をいじめているのと一緒ですので、見なきゃいけないのはそこなんですよ。ぜひそこを見ていただきたいというふうに思うんですね。 そこで、閣議決定された基本方針、二枚目の参考資料にありますけれども、ここにもしっかり書かれているんです。人件費比率の高い役務契約に関し、最低賃金を下回る人件費でないことを留意するというふうにあるんですよね。 そこで、まず厚生労働省の発注についてお伺いします。 最低制限価格を設けるとか、適正な価格での契約、賃上げにつながるような発注に努めているかどうか、ちょっとお聞きしたいと思います。
○坂口政府参考人 お答え申し上げます。 厚生労働省におきましても、今委員の方から御指摘ございました国の基本方針に即しまして、毎年度、厚生労働省の中小企業者に関します契約の方針というものを定めてございます。これを周知することによりまして、適正な予定価格の作成やダンピング受注の防止等を図っておるところでございます。 具体的には、原材料あるいは人件費等につきまして、最近の実勢価格や需要状況、また各都道府県におきます最低賃金額の改定等を踏まえて積算を行い、適切な予定価格の作成を図るということ、それからまた、ダンピング受注の防止のためには、基準価格を下回る入札が行われた場合には、入札価格の内訳書や履行体制、経営状況の聴取等によって、当該価格での契約の内容に適合した履行が確保できるか、入札価格の妥当性を確認するということとしております。 私どもとしましても、このようなことにより、厚生労働省の発注につきまして、予算の制約がある中ではございますけれども、引き続き適正価格での契約の推進ということに努めてまいりたいと考えております。
○佐々木(紀)委員 ありがとうございます。 毎回しっかりと積算をしていればこれは問題ないわけでありますけれども、毎年行われる業務でありますから、もう予算も大体決めてしまって、その予算自体がもう既に、積算をすると、とてもじゃないけれどもこんな金額でできないわみたいなこともあり得るわけでありますから、もしそこまでおっしゃるのであれば、全部の業務についてもう一回積算をし直すということもしなきゃいけなくなるわけであります。 いずれにしても、そういうことをやると大変な業務がふえますので、それよりも、まずは最低賃金が上がったときはしっかり上がった分だけ契約を見直すということが私は必要だと思うんですよ。まずそこから始めていただきたいと思いますし、各省庁にお願いしていても、厚労省さんですらそんな状況ですから、なかなかほかの省庁は対応し切れていないというのも現状でございますので、まずは隗より始めよで、厚労省からの発注分で、今後、最低賃金が上がった分はしっかり契約金額に反映できるように取り組んでいただきたいと思います。 そこで、年度途中で最低賃金というのは上がるんですよ。これは大体十月ぐらいに改定されますから、契約というのは四月から三月までですから、十月に上がっちゃいますと、残り半年も上げなきゃいけないということで、契約の変更がそこで行われないと、もうあと業者の方に強制的にやらせるしかないということで、これは大変不都合な仕組みになっておるわけでありますけれども、契約途中で、契約金額の見直しですか、それをされるおつもりはありますか。これは本当に、人件費率が高くて人件費単価の低い業務、ここにも書いてありますけれども、には大変切実な問題なんです、このことは。 ぜひ厚労省さんには取り組んでいただきたいと思うんですけれども、年度途中の最低賃金が上がった場合の対応について、ちょっと御説明いただきたいと思います。
○坂口政府参考人 お答え申し上げます。 今委員から御指摘がございました点につきましても、国の基本方針に即しまして、私ども、昨年度から、厚生労働省の契約の方針におきましては、特に人件費率の高い役務契約であって人件費単価が低い業務につきまして、年度途中に最賃の改定があった場合には、適正な価格で契約金額の見直しが行われるよう検討し対応に努めるものということで、方針の方には定めたところでございます。 ただ、しかしながら、厚生労働省におきましては、これまで、最賃の改定による役務契約の年度途中の変更というものについては、現段階ではまだ行えていないという現状であるということで認識をしてございます。 これにつきましては、予算の制約があるほか、全ての契約金額の内訳、明細書の添付があるわけでないので、人件費の割合が把握できていないとか、あるいは、契約されている方の全ての方が最低賃金で働かれていると限られない中で、最低賃金の改定をどのように契約金額の見直しに反映するかというような課題があるものと認識をしております。 ただ、委員の方からも今御指摘もございましたように、重要な課題だと思っておりますので、私どもとしましても、今後、他省庁さんにおけるいろいろな検討や取組なども参考にしながら、私どもとしても引き続き何ができるかということについて検討し、対応をしてまいりたいと考えております。
○佐々木(紀)委員 ありがとうございます。 本当に、これは閣議決定されている内容でございますので、まず厚労省さんの方からしっかり率先して取り組んでいただいて、ほかの省庁にもお願いをしていくといったことがまた必要なのではないかというふうに思いますし、これは地方公共団体にもお願いしているわけでありますから、今後、そういったところの履行確保もやはりやっていかないと、官公需だけおくれていくということになりますよ。これはしっかりやっていただかないと、民間に厳しくお願いしておいて、内輪だけ何も対応していませんということではやはり困るわけでありますから、しっかり対応していただきたいと思います。 そこで、この問題でございますけれども、結局、官公需についてはそれぞれの役所任せとかいうことになっている状況でございまして、どこかが司令塔で、しっかりやりましょうと言ってくれるような機能、監視、監督する機能も必要だというふうに思うんですね。 それで、関係省庁連絡会議というのも実はございまして、参考資料の二枚目にもついておりますけれども、この最低賃金への対応等を検討する、中小企業・小規模事業者の活力向上のための関係省庁連絡会議というのがあるんですね。そこに経産の副大臣も議長代理として入っているわけでございますので、ぜひ、こういった会議を使って、今、閣議決定されているこういう基本方針をしっかりと各省庁に周知をする、そして地方公共団体にもお願いをしていくといったことが必要だというふうに思うんです。 そして、私が今ほど御提案しました、人件費率の高い業務で人件費の単価が低いものに関しては最低制限価格を設けるとか、そういう入札のあり方を検討するとか、いわゆる年度途中の最低賃金が上がった場合の契約の金額の更新とか、そういったあらゆる政策をぜひ検討していただいて、それを実際に実行していくんだ、そしてその履行確保もするんだということをぜひこの会議でやっていただきたいというふうに思うんですけれども、ぜひ副大臣の御見解をお聞かせいただきたいと思います。
○西銘副大臣 委員御指摘のように、私もその会議の議長代理を務めております。 御指摘のように、人件費率の高い役務契約で、清掃とか警備とか自動車運行とか、この辺の単価が低い業務については、先生御指摘の国の基本方針の中で、年度途中で最低賃金が改定されたときには契約金額の見直しを検討するよう努めることなどを新たに盛り込む、努めるというところがポイントかなと思って今先生のお話を聞いておりましたが、この関係省庁連絡会議の中で、議長代理の立場もありまして、今先生の御指摘の点も踏まえて、どの辺がネックになっているのかも踏まえて問題提起をして取り組んでいけたらいいなと思っております。頑張ります。
○佐々木(紀)委員 確かにこの書きぶりも弱いんですけれども、官公需としても、やはり省庁としてもしっかり賃上げに取り組んでいるんだという強い姿勢を見せないといけないと思うので、ぜひこの会議等を通じて、各省庁、徹底していただきますよう、お願い申し上げたいと思います。 質問を終わります。ありがとうございました。
○稲津委員長 次に、穂坂泰君。
○穂坂委員 自由民主党、埼玉四区の穂坂泰と申します。 今回、初めてこの経産委員会で質問の機会をいただきました。本当にありがとうございます。 本日は中小企業関連につきまして御質問させていただきますので、よろしくお願い申し上げます。 私も中小企業の経営にかかわってまいりました。ですので、中小企業の発展の第一義の責任はやはり経営者にある、しかしながらも、やはりバックの、周りのサポートも必要なんではないか、そんなふうに思っております。 自分の仕事は、医療、介護、福祉、そういったものを中心に幾つかやってまいったんですけれども、施設の中でいろいろ利用者さんの話、御家族さんの話を聞くと、今一番の悩みが自己負担が多い、そんなような声もよく聞きます。これを一概に下げればいいというわけではなく、やはり事業者側も努力しなければいけない、生産性革命でいえば、今まで五人しか見られなかったものが十人見られるようになる、そんな生産性を高めるような努力もしていかなければいけないと思っております。 今回、第四次生産性革命、また世耕大臣が進めるコネクテッド・インダストリーズ、そんな戦略についても私は大いに期待をしているところであります。 介護の世界で私も取り組んでまいったんですけれども、最先端で頑張ろうという仲間もいっぱいおりました。介護の現場に、ベッド、体温とか血圧とかがわかる、また、明かりがついたら反応するようなセンサー、そしてまた二時間ごとに体位を自動的に変えてくれる、褥瘡防止のために体位を変えて寝返りを打たせてくれるような、そんな機械も導入して、異常があればスマホに知らせてくれて、スイッチを押せばそこで画像が出てくる、その画像を見て、ベッドから落ちそうだったらすぐ駆けつけたり、排便をしているんだったらばおむつ、そして着がえの準備をした上で駆けつける、二度かかった手間が一度になっていく、そんなようなこともやっておりますし、また、スマホを通してやりますので、外国人の方も映像でわかる、そしてまた言葉も対応できるということで、かなりの生産性が上がっているような事業所もありました。 まさにそこは、一度そこで働くと、言い方は悪いですけれども、少し、業務の楽さというか、負担が抑えられますので、なかなか人がやめない、また、人が集まってくる、そんな現象もありましたので、こういった生産性革命、いろいろな雇用の面でも大分よくなってくるのかな、そういうふうに思っております。 介護事業所でいえば床清掃のロボットであったり、そしてまた、一番私が取り組みたいなと思っているのは、認知症の介護の現場、職員の皆さんが傷だらけで働いているような現場がございますので、そういったところも人工知能を入れて、何とか職員の皆様の心のゆとりをつくっていく、これも生産性革命の一つだな、そんなふうに思っておりますので、そんな期待を含め、また中小企業の発展を願いながら質問させていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。 まずは事業承継について御質問させていただきます。 中小企業は日本の宝、そういうふうに言われております。今、中小企業がどれぐらい国の活力になっているのか、事業承継、どれぐらい困っているのか。また、今回いろいろな大幅な変更があります。私もぜひこれを推進していくべきだというふうに思っておりますけれども、今までの税制がなかなか進まなかった原因、そしてまたそれをどのように変えていったのか、まず、そちらの理由と経緯、背景、教えていただければと思います。
○西銘副大臣 お答えいたします。 先生御指摘のように、中小企業は、小規模事業を含めて全国で三百八十万者存在しております。我が国の企業の数で九九・七%、雇用で七割を超えるなど、我が国経済の屋台骨を支える極めて重要な経済主体だと認識をしております。 そのような中小企業、小規模事業者の経営者の中で、約二百四十五万人が今後十年間に平均引退年齢の七十歳を超えていくという見込みが、データが出ております。この中で、約半数の百二十七万が後継者未定という、アンケートの結果から数字が出ております。その意味では、事業承継問題は、我が国経済全体にとって、今後十年待ったなしの課題だと考えております。 事業承継税制は、承継時の贈与税、相続税を猶予することで事業承継を後押ししていこうという支援策でありますが、二〇〇一年の制度創設以降、活用の実績が、三百八十万者ある中で二千件程度にとどまっております。 そのため、三十年度の税制改正で、承継時の贈与税、相続税の支払い負担をゼロにするということで、今後十年間に限り、抜本的にこの事業承継を後押ししていこうということで、今取り組んでいるところであります。 いずれにしても、二千件というのは非常に少な過ぎますので、今回の改正によって、この十年間でより多くの中小・小規模事業者が事業承継税制を活用できるように、加速されていくように取り組んでいきたいと考えております。
○穂坂委員 ありがとうございます。 先日も少し勉強させていただきましたが、今、金融機関始め士業の皆様もこの画期的な事業承継税制を広めていこうというところで動いておりますけれども、私の地域でいえば、伴走型で支えている商工会議所、商工会、そういったところが中小企業に近い立場として動いているんですけれども、経済産業省、中小企業庁が期待する商工会議所、商工会の役割について、望むものを教えていただければと思います。
○吉野政府参考人 お答えいたします。 事業承継は、まず、先代の経営者の方々がその必要性を認識をして準備を始めていただくことが不可欠と考えております。 こうした観点から、中小企業の経営実態に対する理解が深い地域の支援機関などが連携をして、経営者に気づきの機会を提供する事業承継ネットワークの構築を平成二十九年度から開始しております。この中で、商工会、商工会議所にはその中心的な構成機関として活躍をいただいているところでございます。 具体的には、経営指導員によりまして巡回指導等を通じて事業者の幅広い課題にきめ細かに対応し、事業承継に向けたニーズを掘り起こすとともに、必要に応じて専門家へのつなぎを行っていると認識をしております。 平成三十年度中にはこの事業承継ネットワークを全国に展開する予定でございまして、その中で引き続き商工会や商工会議所が他の支援機関と連携をして、積極的に事業承継に向けた支援を行っていくことが期待されると考えております。
○穂坂委員 ありがとうございます。 期待するところは大きいというふうに思いますけれども、後ほど触れますが、商工会、商工会議所、かなり負担が、担いが大きいのかなというのも今感じているところであります。 承継税制の方に戻りますけれども、やはりこれを進めるに当たって、個人保証が大きな妨げになっているということも、私もよく話を聞くところであります。事業承継税制を進めるに当たって、この個人保証について、このハードルを越えるための取組について、中小企業庁のお考えを教えていただければと思います。現在取り組んでいることもお願いいたします。
○吉野政府参考人 お答えいたします。 御指摘のございました経営者による個人保証につきましては、円滑な事業承継等を阻害する要因となるなど、企業の活力を阻害する面が指摘をされているということでございます。この点、昨年、党の方で、事業承継税制に係ります、大綱がまとまりましたときにも、この個人保証の問題が宿題になっていたということでございます。 融資の際、一定の要件を満たす場合には、経営者の保証、個人保証を求めないことを定めました経営者の保証に関するガイドラインは、平成二十六年二月より運用をされてきております。 これを通じまして、民間金融機関における経営者保証によらない融資件数の割合、これは、平成二十六年度には一二%でありましたものが平成二十九年度上期には一六%になるなど、取組は一定程度進んではいるものの、いまだ十分とは言えないものと認識をしております。 このため、中小企業庁としましても、金融庁とも連携をしながら、このガイドラインの事業者、金融機関双方への普及、活用を図るべく、ガイドラインに関するチラシ二百万枚を商工会議所や金融機関から事業者に配布するなどの広報ですとか、それから中小企業基盤整備機構による経営者保証に特化した専門家の派遣による支援などを実施しているところでございます。 引き続き、金融庁や金融機関、関係団体とも議論をしながら、経営者保証が事業承継等の阻害要因とならないよう、このガイドラインのさらなる活用促進に向けた方策について検討してまいりたいと考えております。 以上でございます。
○穂坂委員 ありがとうございます。 冒頭、やはり、中小企業の日本に対する活力、大きいものがありますので、なかなか進まないようでしたら、ぜひこういった個人保証の分野にも突っ込んだ政策を打っていただければなというふうに思います。 また、税制と関係ないですけれども、地元で聞いたのですが、床屋さんとかそういった免許業の事業承継、かなり煩わしさがあるという形で聞いております。ぜひこんなところの改善も、厚生労働省かもしれませんけれども、一緒になって進めていただければと思います。 続きまして、中小企業のIT化について御質問をさせていただきます。 IoT、AI、冒頭申したとおり、私はいろいろなことが起きると思ってわくわくしているところでありますけれども、今現在、中小企業のIT化はどれぐらい進んでいると考えているのか、また、更に進めていくためにはどうすればいいのか、現在の取組、戦略などあれば教えていただければと思います。
○吉野政府参考人 お答えいたします。 中小企業のIT利活用の状況につきましては、平成二十八年に実施されたアンケート調査によりますと、ワードやエクセルといったいわゆるオフィスソフトの活用でさえも約五五%にとどまっておりまして、経理などパッケージソフトでは全体の四〇%、収益に直結する調達、販売、受発注管理などにつきましては約二〇%にとどまっているのが現状というふうになっております。
○穂坂委員 ありがとうございます。 こういった形で国が進めているからには、やはり底上げというのも必要なのかなというふうに思います。 私の経験でいえば、医療分野の方にいたんですけれども、レセプトの電子請求、これが起きたときに、一斉に病院関係がIT化に走ったことを覚えております。このおかげで、電子カルテとかオーダリングシステム、そういったものが導入しやすくなったのかなというふうに思います。 ですので、どこまで、強制とはいかないかもしれませんけれども、いつまでにこういったものをIT化するので準備してください的な、そんなような発信も必要なのかなというふうに思います。ある程度のきっかけ、強制的なものも今後考えなければいけないのかなというふうに思います。例えば、振り込みであったり、元請、下請での決済システムであったり、こういったものを導入すればいろいろな面で支援していく、そんなことも必要なんだというふうに思います。 また、マイナンバーにしてもそうですけれども、やはり、最終的には行政コストが減ったり、そしてまたその企業のメリットがふえたりするようなところでありますので、ぜひ自信を持って進めていただきたいなと思います。こちらは要望として、終わらせていただきます。 済みません、三点目になります。 商工会、商工会議所への支援について御質問をさせていただきます。 小規模基本法、支援法、ああ、いい法律だなと私は思っておりますが、今後の見直しなどは行っていくと思います。更に中小企業、小規模事業所のためになるような見直しをお願いをするところであるんですけれども、支援法による伴走型の事業計画策定や経営支援を行っているその実績数、また経営指導員が担当する会社数の目安、こういったものがあれば教えていただければと思います。
○吉野政府参考人 お答えいたします。 経済産業省としましては、平成二十六年に成立しました小規模企業振興基本法やそれに基づく基本計画によりまして、小規模事業者の持続的発展を位置づけまして、商工会、商工会議所が小規模事業者を支援する経営発達支援計画を経済産業大臣が認定し、それに基づく事業の実施の取組を伴走型補助金で支援するなど、小規模事業者を対象とした施策を実施してきております。 この経営発達支援計画につきましては、これまでの実績として、五回の認定をこれまで行ってまいりましたが、全体の七割を超える千五百七十三の単会の計画を認定してきております。 また、上限が五十万円、原則五十万円でございます小規模事業者持続化補助金を措置しまして、小規模事業者が商工会、商工会議所と一体となって経営計画を作成し、その経営計画に基づき販路開拓等に取り組む費用を支援しておりまして、これまで延べ約八万五千者を支援してきたところでございます。 アンケート調査によりますと、この持続化補助金の活用によりまして売上げが増加した又は増加する見込みであると回答をした事業者が九六%もございまして、一定の効果を上げているものと認識をしております。 また、経営発達支援計画の認定の基準としましては、経営指導員一人当たりの指導社数については、地域の現状や課題に応じて設定することとしておりますために、一定の基準としては設定しておりませんが、一社当たり指導回数については、原則として四半期に一回以上が期待されているところでございます。 引き続き、こうした取組を通じまして、商工会、商工会議所と連携し、小規模事業者の取組を支援してまいりたいと考えております。
○穂坂委員 ありがとうございます。 経営指導員の方々と話をしていると、やはり、これから業務がどんどんどんどんふえていくのかな、そんなところで、業務過多の心配をされておりました。生産性向上、そしてまたIT、軽減税率、働き方改革、こういったものがあったり、また県独自の補助金もあったりで、やはり、いろいろな面で負担が強くなっていくのかなというふうに思います。ぜひ、こちらの方の増強、増員を御検討いただければと思いますので、なかなか、地方交付税で行ってしまうとわかりづらい部分がありますので、国の思いがしっかりとこういった現場の方に伝わるようなやり方でお願いできればと思います。 また、商工会議所、商工会支援として、大企業の皆様にもやはり支援をしていただきたいなと思っています。私もやっておりましたが、商工会の皆さんには、地域のお祭りとかイベントとか、そういったものもやっていただいております。地元が活性化するような動きをしているその上に、大企業の方々がやってきて商売をする。地域の恩恵を大企業も受けているわけですから、やはり協力してほしいな、そんなふうに思っております。 そういった支店にも商工会に入ってくれということを言っても、メリットがないから、そんなことを言うんですけれども、やはり地域の恩恵を受けている以上、メリットがないということは私はないと思っております。 埼玉県の例なんですけれども、平成二十九年に、埼玉県の方でも、小規模企業振興基本条例、こういったものをつくって、大企業、そしてまた各市町村、中小企業、小規模事業所を応援するように、そんな条例をつくりましたし、うちの選挙区の隣の市、神山先生のところなんですけれども、富士見市というところがあって、ここには、大規模小売店舗等の立地に伴う市及び設置者等の役割を定める条例、こういったものをつくって、大きなららぽーとを誘致したんですけれども、こういった大規模小売店舗等を設置する人には、こういった地域の商工会に加入するように、そしてまた商工会等と協力するようなことに努めるような条例をつくって、このららぽーとに入った小売店ほとんどが商工会に加入した、こんな事例もありますので、そういったことも広めていただきながら、地域の商工会、商工会議所の大企業による後押しもお願いできればと思いますので、よろしくお願いを申し上げます。 済みません、最後の質問とさせていただきます。 中小企業の人手不足について、こちら、るる言われているところでありますけれども、大企業がどんどんどんどん働き方改革をやってくる、働く環境の改善がされてくると、中小企業から大企業へ人が流れてしまうんじゃないか、そんな心配も持っているところでありますけれども、中小企業庁として現在の人手不足をどのように考えているのか、また、そういった懸念がないのか、お聞かせいただければと思います。
○吉野政府参考人 お答えいたします。 大企業において働き方改革への取組が進む中、中小・小規模事業者においても、働き方改革の推進や人手不足への対応が重要でございます。 中小・小規模事業者が働き方改革等にしっかりと対応していけるよう、経済産業省としましては、予算や税制等を活用しつつ、生産性の向上、取引条件の改善などを含む幅広い支援を同時に進めていくこととしております。 まず、働き方改革の推進としましては、商工会、商工会議所等の中小企業団体やよろず支援拠点など、中小・小規模事業者の身近な支援機関におきまして、関連支援策をお示しするですとか、相談窓口を取りまとめた働き方改革の支援ハンドブック、これを広く今周知をしているところでもございます。 それから、労務管理のアドバイスや三六協定、就業規則の策定の相談などを行う働き方改革推進支援センター、これは厚労省の予算で全ての都道府県に設置をされるものでございますけれども、こうしたものとも連携をして、各地域における出張相談会等を実施する予定でございます。 人手不足対応としましては、地域内外の若者、女性、シニアなど多様な人材とのマッチング促進や、人手不足に悩む事業者に対しまして、さまざまなノウハウですとか成功事例をお示ししたガイドライン、これも全国への普及を実施してまいりたいと考えております。 また、生産性向上に関しましては、ものづくり補助金を活用した設備投資、IT導入補助金による業務の効率化等を支援をしてまいります。 また、その他の税制に関しましても、中小企業の生産性向上に向けた設備投資を強力に後押しするため、生産性向上特別措置法案に基づき、自治体の判断により、固定資産税をゼロにする新たな制度を導入することとしております。 一方、取引条件の改善につきまして、平成二十八年九月に取りまとめました「未来志向型の取引慣行に向けて」、私ども、世耕プランと呼んでおりますが、これに基づきまして、主要産業界が策定した自主行動計画に沿った取組の徹底とフォローアップを行うとともに、下請Gメンの体制を増強して断続的に取引実態の把握を行うなど、一層強力に進めてまいります。 これまでの下請取引の関係では、原価低減の問題ですとか、金型の負担の問題ですとか、それから手形を現金化できないか、こういうところが中心でございましたけれども、このうち、働き方の観点で申せば、より手間のかかる仕事を中小企業に寄せるですとか、短納期の発注ですとか、こういうところが懸念されるわけでございまして、下請Gメンによる情報収集などもそういうところに焦点を置いてやっていきたいと考えております。 引き続き、中小企業、小規模事業者の働き方改革や人手不足対策に資するように、生産性向上、取引条件改善など、さまざまな取組を粘り強く続けてまいりたいと考えております。 以上でございます。
○穂坂委員 ありがとうございます。 最後になりますけれども、働き方改革で、副業、兼業を検討されていると思いますが、やはり、労働時間の問題でいくと、厚生労働省が扱うとなると難しいのかなと思っています。 兼業、副業したい人の気持ちを聞くと、やはり、起業していきたいとか、視野を広げたいとか、新しい仕事にチャレンジする前の前段とか、そんなようなところもありますので、こういったところは経済産業省主導でも考えられることかなというふうに思っております。そんな提言を最後にさせていただいて、質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○稲津委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。 午前十時三十一分休憩 ――――◇――――― 午後一時開議
○稲津委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。斉木武志君。
○斉木委員 では、午後の質疑を始めさせていただきたいと思います。 本日は、原子力規制委員会の更田委員長をお招きいたしまして、昨年の九月に就任をされてからまだ衆議院では所信などお聞きしておりませんでしたので、その所信を含めて、今後の原子力規制行政に関して当委員会としてもお聞きをしたいということで、更田委員長を中心にお聞きできればというふうに思っております。 まず、更田委員長にお伺いいたします。 原子力規制委員長に就任されておよそ半年余りたちましたけれども、この半年間の職務を振り返られて、我が国の原子力規制行政の現状をどうお感じになっているか、まず所感からお伺いできますでしょうか。
○更田政府特別補佐人 お答えいたします。 私は、原子力規制委員会の発足とともに委員に任命をされまして、東京電力福島第一原子力発電所事故のような原子力災害を二度と起こさないという決心のもと、新規制基準の策定や原子力発電所の審査などに当たってまいりました。 原子力規制委員会は、発足以降、科学的、技術的な見地から独立して意思決定を行うべく、透明で開かれた組織運営に努めてきており、特に透明性の確保については、審査会合などを全て公開するなど、重点的に取り組んできております。 安全の追求に終わりはないという初心を忘れず、常に高みを目指して努力を続けていく所存でございます。 特に重要なことは、安全神話の復活を許さないこと、それから、改善すべきことは速やかに改善するということだと考えております。 当面の課題としましては、新たな検査制度を軌道に乗せることを始めとして、規制を担う職員の力量向上や事業者とのコミュニケーションのあり方、規制基準やガイドの絶え間ない見直しなどに取り組んでまいります。
○斉木委員 ありがとうございます。 今、改善すべき点を改善していくという御発言がありましたけれども、まさに現行の日本の検査制度に対して、一年半くらい前ですね、二〇一六年の一月、国際原子力機関、IAEAから総合規制評価サービスが実施をされました。我が国の原子力規制行政についても、国際的な物差しからさまざまな指摘がなされたところでございます。 例えば、こちらにあるんですけれども、本当に多くの点が指摘をされておりまして、規制機関の人材育成であるとかマネジメントシステムをどう構築していくか、また、ガイドを策定、そして見直し、検査制度そのものの見直しなど、広範な点が指摘をされております。 更田委員長としては、こうしたさまざまな指摘に対して特にどういった点に今後力を入れて改善をされていこうと思っていらっしゃるでしょうか。
○更田政府特別補佐人 原子力規制委員会では、IAEAの総合規制評価サービス、IRRSの報告書で示された十三の勧告並びに十三の提言に加えまして、そのプロセス全体を通じて明らかとなった課題を含めて、三十一の課題に整理して対応を進めているところであります。 これらの課題への対応はいずれも重要なものではありますが、めり張りをつけるといいますか、非常に重要なポイントについてやはり重点的に取り組む必要があると考えております。特に重要な点としましては、御質問にもありました原子力施設に係る検査制度の改革、それからRIに関する規制の充実、及び、これらを支える横断的な課題ではありますけれども、人材の育成、確保、能力の向上が対応の大きな柱であると考えております。
○斉木委員 そうした点、一つ一つお伺いしていきたいというふうに思っていますけれども、こうしたIAEAの指摘をしっかりと受けとめて規制行政の不断の改革に取り組んでいくこと、また、その際に、国際的な基準また先行する海外事例と整合性を、我が国の制度、図っていくこと、そして、委員長もおっしゃられましたけれども、原子力事業者とのコミュニケーション、まさに情報を共有していくということも必要と考えておりますが、その点、どう思われておりますでしょうか。
○更田政府特別補佐人 御指摘いただきましたように、国内外の最新の知見や事業者との適切なコミュニケーションというのは非常に重要であると認識をしております。 規制委員会におきましては、諸外国の規制経験ですとか国際基準に関する情報を日々収集しながら、基準や要求の改正の必要性につき検討を行っております。基準等の改正に当たっては、事前に事業者から公開の場で意見を聴取するなど、コミュニケーションをとりながら対応しております。 一方、我が国の原子力施設に対する規制を行う上で、海外に倣うだけでは不十分でありまして、海外、国際的基準といったものは、各国の事情をどちらかというと丸めたものになっています。地震のある国とない国との規制は、これが異なるのは当然のことでありまして、国際経験や国際的な情報に学ぶことはもとより、みずからの国の状況に合わせた規制を行っていくことも重要であろうと思います。 安全の確保は、御質問にもありましたように、何より現場でのことですので、事業者とのコミュニケーションは大変重要でありますし、また、施設を最も知る者は事業者自身であるべきだと考えております。 このため、事業者の経営責任者や原子力部門の責任者との意見交換を進めるとともに、規制の課題や技術的な課題について、より広い、各レベルと言うとちょっと言葉はよくないかもしれませんけれども、各担当の範囲においてのコミュニケーションも進められるべく、事業者との調整を図っております。 さらには、私が委員長に就任しましてから、五年間の振り返りを行いまして、事業者とともに地元自治体の方々とのコミュニケーションの充実強化も図るべく進めておりまして、昨年十二月に大飯発電所に伺ったときはちょっと調整が不調に終わりまして開催することができませんでしたが、ことしに入りまして、九州電力玄海原子力発電所に伺った際には、地元の自治体の首長さん方に御出席をいただきまして、公開の場で意見交換を行うことができました。 近々、「もんじゅ」への視察を考えておりまして、調整が整いましたらば、地元の自治体の首長さん方との意見交換を行いたいと考えております。
○斉木委員 今、重要な御指摘が多くあったと思うんですけれども、三点ほどあったと思います。 最初は、国際的な基準を引くだけだと不完全だと。それはいわゆる地球上の最大公約数の丸めたものであって、日本には日本の基準というものを考えていかなければいけない。 地震のことを御発言されましたけれども、更田委員長としては、日本の規制基準というものは、やはり、どういったリスクに焦点を当ててこれから新しい規制行政を行っていこうとお考えなんでしょうか。
○更田政府特別補佐人 お答えいたします。 地震を例にとらせていただきますが、国際的な議論ですと、地震のある国、ない国、それぞれが集まって、やはり、先生おっしゃったように、最大公約数的な議論を行います。このために、国際的な基準というものは、ともすれば過度に厳しい場合もあれば、過度に緩い場合も出てきます。やはり、地震のある国、ない国では地震に対する防護の考え方、例えば地震のない国であれば、どんなに厳しい基準を置いても構わないという意識があるケースもありますので、国際基準というのは、我が国に引き入れて考えるときに、緩い場合もあれば厳し過ぎるケースもあります、ですので、自国の状況をよく考えてこの取り入れを図ることが大変重要であろうというふうに考えております。 さらに、我が国の状況を踏まえて考えれば、最も注意すべきは、私は地震であると思っています。地震というのは大変守りにくい災害であって、例えば津波であれば、これは外からやってくるものであります。そうすると、外郭防護、内郭防護といった段階的な防護の考え方をとることができますが、地震は面的に一斉に襲うものですので、各種の機器が一気にやられてしまう可能性がある。 そのために、地震に対する備えというのは新規制基準においてもポイントになっておりまして、これは厳し過ぎるという御批判があることは承知をしておりますけれども、地震に対しては十分な備えをすることが重要であるというふうに考えております。
○斉木委員 ありがとうございます。 そして、もう一つ、先ほどの御発言の中で、やはり現場を一番知っているのは事業者であると。私もそれは感じるところです。炉がそもそも、沸騰水型であるとか加圧水型であるとかさまざまな方式があるし、つくったメーカーも違う、そしてできた年代もさまざまなものが日本は混在をしております。ですので、大きな装置でございますので癖があると思うんですね、それぞれの加圧水型、沸騰水型。そういったものをやはり共有していく、癖を共有したりこれまでの歴史を共有するということも重要だとお考えなんでしょうか。
○更田政府特別補佐人 お答えいたします。 これは原子力に限ったことではありませんけれども、安全の確保はあくまで現場の的確な行動や判断、理解によって初めて維持できるものであって、東京における会議室の机の上での議論だけで安全の確保ができるわけでは決してありません。また、機械にしても施設にしてもそうですけれども、やはりそこで従事してきた者の感触といいますか経験といいますか、そういったものの蓄積は非常に重要であろうと思っています。 そういった意味で、近年長い期間停止をしていた原子力施設を改めて動かすときには、こういった蓄積が一旦途絶えてしまっているということに懸念を持っていて、十分な注意を事業者に促しているところであります。
○斉木委員 長い期間停止してきたものを動かす、私の地元でも高浜そして大飯と今、再稼働が進んでおりますけれども、先般、玄海で、やはり長い間停止していたものを動かしてトラブルが起きている。 日本の場合には、三・一一、二〇一一年以降、本年までおよそ七年近くが経過しておりますけれども、その間、長期停止していたものを動かすということはやはり予想し得ないトラブルも起こるのではないかというのが国民の間には不安としてあります。こうしたものにどうお応えしていくおつもりでしょうか。
○更田政府特別補佐人 お答えいたします。 今回の玄海における二次系の蒸気漏れを例にとりますと、当該配管は屋外にありまして、また、七年間という長い期間冷たい状態であるということがそもそも設計、建設の段階で考えられていたとは言えないと思います。一年に一回でも運転がされていれば、高温の蒸気が内部を通りますので、外面は乾く、乾いた状態にある。一方、これだけ長い期間運転をしませんでしたので、当然、雨、露でぬれて、ぬれた状態に長く置かれて、それによって腐食をして穴があいた。起きてみれば理屈は簡単と言えるかもしれないですけれども、これだけ長い期間停止を想定していない機械が停止しているという状況に関しては、やはり十分な注意が必要であると思います。 一方で、玄海で起きた事象は、安全上の問題というよりは、九州電力が電気をつくるという観点でのトラブル。蒸気漏れによって何が起きたかというと、これは事業者の利益が失われたという形になっていますけれども、二次系の蒸気漏れ、もし近くに作業員の方がおられたらやけどはしたかもしれないですけれども、いわゆる放射線の害に結びつくようなものではありません。 いずれにせよ、安全にかかわるような重要な機器に関しては、私たちも厳正な確認、調査をして監視を続けてまいりますし、また、事業者には、事業者の責任をきっちりとわきまえた保全活動を行ってもらいたいというふうに考えております。
○斉木委員 長期停止後の再稼働ということは、やはりどの原子力発電所も抱えている課題です。 今、長期冷めた状態で外配管があったことが一つ遠因だろうということを御指摘なさいましたけれども、これを事前に、それはある程度、今回玄海で起こったことで、ほかの原子力発電所でもそういう事象が起きるんじゃないかという知見ができたと思うんですが、そういったことを、今後の規制行政でも実際に知見を取り入れてほかのサイトの安全判断に関しても生かしていくというようなお考えなんでしょうか。
○更田政府特別補佐人 お答えをいたします。 これは一般論ではありますけれども、原子力規制委員会の役割は、放射線の害から人と環境を守る、安全を守ることが仕事でありまして、今回のトラブルは安全上の問題というよりは事業者の利益の問題であって、私たちは、電気事業者がきちんと発電所を運転して電気をつくって利潤を上げられるように丁寧に指導する組織ではありません。 したがって、これは規制を行う上で非常に重要なポイントで、安全上重要なものとそうでないものと、両方に同じように力を入れてやってしまうことというのは重要度を見失うことになりますので、私たちは、起きたことの重要度をきちんと見きわめた上で対処をしていきたいと思っています。 今回の玄海原子力発電所で起きた二次系の蒸気漏れは、これは、安全上の問題というよりは、事業者たちが自分たちの事業を円滑に遂行したいのであれば、みずからの責任できちんと保全していく事柄であるというふうに考えております。
○斉木委員 どうもありがとうございます。私も全くそのとおりだと考えております。 そして、新検査制度についてもちょっと伺いたいなと思っておるんですが、ちょっとその前に一点。 先ほど、最後のところで、大飯発電所でできなかったけれども、今後「もんじゅ」の意見交換会を地元でできればという御発言がございました。 私も、こういった地元自治体や地元住民の方と規制側が意見を交わすのは非常に意義があるだろうというふうに思っておりまして、こうしたことは、大飯であるとか、高浜であるとか、美浜であるとか、ほかのサイトでもぜひやっていただきたいと思っておるんですが、これは、いつごろ、どのような形でお考えでしょうか。言える範囲で結構でございますので。
○更田政府特別補佐人 お答えいたします。 実情を申し上げますと、県ですとか各市町村にはそれぞれのお考えがありますので、なかなか公開の席での意見交換というものに応じていただけないケースもございますけれども、御質問にありました「もんじゅ」のケースについて言いますと、五月、六月中には伺いたいというふうに考えておりまして、県並びに市町村の同意をいただけるようであれば、午前中に施設を見まして、午後に首長さん方との意見交換というのを希望しております。
○斉木委員 ぜひやっていただきたいと思っておりますので、できる協力はさせていただきたいというふうに思っております。 では、新検査制度に関して伺っていきたいというふうに思っております。 原子炉等規制法は昨年改正をされました。IAEAの指摘を踏まえての改正でございますけれども、その柱になっているのが日本の検査制度そのものの見直しでございます。 今回の検査制度の見直しによって、どういった点が改善をして日本の原子力発電所の施設の安全性の向上につながるのかということをまずお聞かせ願えますでしょうか。
○更田政府特別補佐人 お答えいたします。 今回の新検査制度の導入は、これはかなり盛りだくさんではあるんですけれども、大きなポイントを申し上げますと、まず一つは、これまでの検査が、あらかじめ決められた項目ごとに確認するという、チェックリスト方式と言っておりますけれども、もう本当に、決められたものを決められたように見て回ればそれでよいというような形に甘んじていたところがあります。 昨年、国会におきまして法改正をお認めいただいて、まず事業者の安全確保に対する事業者責任が明確化されるとともに、安全に関して重要なポイントに検査の精力を集中するといいますか、めり張りのある検査、こういったものが新検査制度のポイントであります。 事業者は、原子力施設の基準適合性を維持し、その状況をみずから検査するという事業者の義務を明確化した上で、原子力規制委員会は、事業者の保安活動全般を常にチェックできる、常時チェックできる、いつでも、どれでも見れるというシステムを導入しております。さらには、フリーアクセス制度、どこにでも入っていってということも新検査制度の大きな特徴の一つであります。 この新検査制度におけるチェックの結果を事業者の改善活動に反映させるとともに、次の検査ではその前の検査で確認したものの実施状況も確認するなどとして、安全確保の水準の維持向上が図られることを期待しております。
○斉木委員 今、二十四時間フリーアクセスという御発言があったんですけれども、これは恐らくアメリカのNRCの検査制度に倣ったものだと思いますが、私もこれは非常に重要なことだろうと。やはり、検査に行くよと言って検査に伺うという体制だと、向こうも完全にもう準備をして、さあどうぞ見てくださいという形になってしまう。それを、いわゆる抜き打ちでいつでも入れるということにすれば、やはりヒューマンエラーも防げるんではないかなと思っております。 原子力発電所も、例えば定格出力運転、営業運転になると、やることが格段に減ってしまって運転員の方の意識レベルというものが少し下がるんではないかというような指摘をする方もいらっしゃいます。そういったところでも、いつでも検査官が来るかもしれないというような制度改正をするというのは意義があると思うんですけれども、このフリーアクセスの重要性というのはどのようにお考えでしょうか。
○更田政府特別補佐人 お答えいたします。 フリーアクセスの重要性は、まさに先生の御指摘の中にもありましたように、運転状態やその状態にかかわらず常に監視できるというところは大きなメリットでありますし、やはり検査官が施設の状態の全体像を把握することができるというのが非常に重要であろうと思っております。 一方で、このフリーアクセスを本当に意味のあるものにするためには、事業者とそれから規制当局との間の関係が円熟したといいますかマチュアなものになっていないといけない。十手持ちとその相手みたいな関係で、このフリーアクセス、新検査制度は決してうまくいくものではなくて、やはり信頼関係は重要でありますし、また、私たちの方からしてみると、各検査官が事業者から正確なこと、本当のことをきちんと引き出すコミュニケーション能力というものが非常に重要であろうと思っています。 フリーアクセスは非常に多くのいい点を持っておりますけれども、新検査制度を円滑に運用するためには、そのために必要となる検査官の力量、さらには検査を受ける事業者側の準備や、また力量の向上も大変重要であるというふうに考えております。
○斉木委員 私も、その検査官の力量をいかに高めていくのかというのは非常に今後の課題として大きいだろうというふうに思っております。 そもそも、今の日本の検査官のいわゆる学歴であるとか職歴であるとかの要求基準とアメリカの検査官に要求する基準というものは異なっていると思うんですけれども、現行の日本の検査官に要求されるバックグラウンド、キャリア、それと、今後求められていくアメリカ型のものというのにはどのような違いがあるんでしょうか。それで、どのように育成していこうとお考えなんでしょうか。
○更田政府特別補佐人 お答えをいたします。 米国におきましても、必ずしも一人前に育った人を採用しているわけではなくて、やはり内部で検査官を育てる充実したプログラムを持っております。 一点、日本国と米国との間の大きな違いは、米国は、海軍において原子力艦船で勤務した人間が非常に大きな人材のソースとなっていて、米国の検査官であるとか審査官には非常に多くの米国海軍出身者がおります。我が国は、こういった人材の供給源がありませんので、より一層、内部で育成をしていく必要があります。 このために、ことしの四月からは、日常の業務を二年間離れて、知識の習得、能力を高めるためのシミュレーター訓練等々も含めまして、検査官の育成のプログラムを開始しております。 また、これまで、米国に職員を一年間、初年度五名、次年度も五名、次の年度も五名派遣をして、先方の検査官育成プログラムに参加をさせております。 さらには、現在もそうですけれども、恒常的に、米国原子力規制委員会からベテランの検査官の方に滞在をしていただいて、私どもの育成プログラムに参加していただいております。
○斉木委員 フリーアクセスに伴って、まさに十手持ちと相手の関係ではいけなくて、信頼関係も重要だと。私もまさにそのとおりだと思っております。 そのためには、検査官が、力量は非常にすぐれていて、事業者の側からも、この検査官の判断は真っ当な、非常に冷静な知見からの指摘であるというふうに、やはり信頼関係を築く上でも、検査官の力量というのは非常に問われてくるだろうというふうに思いますので、ぜひそこを、事業者からも国民からも信頼されるような育成プログラムというものをぜひつくっていただきたい。意見として申し上げます。 そして、これが導入されるのが二〇二〇年で、もうあと二年を切ったところでございますけれども、伺っていると、やはり大幅に検査制度、規制体制が変わるなという印象でございます。この二〇二〇年までという短い中で、事業者側も備えなければいけませんし、事業者との信頼も保ちながら、情報も共有しながら、そして検査官も育成しながら、やることはたくさんあると思いますけれども、どういったスケジュール感で進めていこうとお考えでしょうか。
○更田政府特別補佐人 お答えいたします。 検査制度の改革に係る法改正をお認めいただいて以来、制度の詳細に係る議論を事業者との間で、これは公開で進めてまいりました。さらに、それらの議論を踏まえまして、各検査官が具体的な検査に当たる業務内容に係るようなガイドの作成に努めてまいりました。 現在、今後これらのガイド等に基づいて試行的に、いわゆる練習ではありますけれども、実際の発電所での新検査制度を試しに使ってみる、試用プログラムを考えております。ことしの十月から、二つの原子力発電所で新検査制度を試しに適用してみるという形での運用を行いまして、さらに、その際に反省点等を抽出しまして、それが反映される形でさらなるガイド類の充実に努め、二〇二〇年の実運用に向けて進んでまいりたいというふうに考えております。
○斉木委員 ありがとうございます。 非常にきょうは私も勉強させていただいて、多くの有益な指摘があったと思いますので、ぜひ生かして進んでいっていただきたいというふうに思っております。 最後に、世耕経産大臣に伺います。 きょうは、私も、新たな知見を得られて、非常に勉強になった点、多々あるんですけれども、こうした新検査制度に向けて、エネルギー担当の大臣として、どのようにこのエネルギー政策を進めていこうというふうにお考えでしょうか。
○世耕国務大臣 三・一一の反省を生かして、エネルギー政策を推進する立場の経産省、政府と、そして規制行政を行う規制委員会、これはもうきちっと独立した関係になっているわけでありますから、余り私の方から規制行政のあり方についてコメントするのはふさわしくはないんですが、今率直に、この質疑を見させていただいて、大変勉強になりましたし、また、大変厳しく、かつフェアにやっておられるんだなということを改めて感じた次第であります。 経済産業省としては、原子力事業者に対して監督していく立場として、この規制の内容いかんにかかわらず、やはり事業者自身がみずから安全性を高めるための努力を不断に積み重ねていくということ、そして、安全性向上の取組について、立地自治体を始めとする地元の方々やあるいは広く社会にわかりやすくお伝えをして、御要望には真摯に向き合っていくこと、こういったことが求められているのではないかというふうに思っています。 経産省としても、事業者の安全対策の向上に向けて、内外の有識者から助言を得る機会を設けたり、あるいは、事業者の自発的な取組の内容やその効果についても地元にわかりやすくお伝えをしていくなど、こうした事業者の取組をバックアップしていきたいと考えております。
○斉木委員 ありがとうございました。終わります。
○稲津委員長 次に、落合貴之君。
○落合委員 立憲民主党の落合貴之でございます。 本日は、さまざまな重要な問題を取り上げさせていただければと思います。 まず、原子力発電環境整備機構、NUMOについて質問をさせていただければと思います。 これは、年末あたりから最終処分の説明会のサクラの問題などで話題にもなりましたけれども、大臣、そもそもこのNUMOという機構、これは何のために設置されているのか、御見解を伺えればと思います。
○世耕国務大臣 NUMOは、平成十二年に成立した最終処分法に基づいて、高レベル放射性廃棄物の最終処分の実現を目的に、実施主体として同じ年に設立された組織であります。 最終処分法に基づいて、NUMOは、文献調査、そして概要調査、精密調査の三段階の調査を経て処分地を選定することになっているわけですが、現時点で最初の文献調査にまだ着手できないという状況が続いております。 最終処分場の確保は、原発をこれまで活用してきた中で、既に相当量の使用済み燃料が存在をしている以上は、現世代の責任として次の世代に先送りをしてはいけない重要な課題だというふうに認識をしています。 最終処分事業は、処分地選定から建設、そして埋設まで、数十年以上に及ぶものであります。こうした長い道のりを着実に進んでいくためには、国民の関心や地域の方々の理解の深まりなしに実現できるものではないと思っています。私自身も、フィンランドのオンカロを見てきて、本当に地元との長い対話があったということを改めて実感をしているわけであります。 国民や地域の皆さんの理解が深まって、その上で文献調査等その後のプロセスにつなげていけるよう、NUMOにはまず着実にこの理解活動を進めてもらうことが重要だというふうに思っております。
○落合委員 高レベル廃棄物の最終処分の実施主体であるということでございます。 まだまだ、実際に最終処分を行う、完結させるまでにはまだかなりの時間がかかるのが現状なわけですが、これはたとえ原発即ゼロにしたとしても、もう燃やしたものがあるわけですから、この問題は着実に進めていかなければならない問題であると思います。 今の状況では捨てるところもまだ見つかっていない。それから、そもそも、六ケ所村に建設、稼働しようとしている、放射性廃棄物を加工するといいますか、それをつくる工場さえもまだ稼働していないわけでございます。本当にまだまだ道が先まで続いている中で、それでもまた再稼働すれば新しいごみが出るわけですから、しっかりとこれを進めていかなければ、やはり責任あるエネルギー政策を行っているとは言えないと思います。 私もこの機構に注目しまして、去年も資源エネルギー庁からレクも受けさせてもらいました。それから、国会、この委員会でも一、二回取り上げていたと思います。いろいろ資料を探して、そのときのを見つけたんですけれども、一年前の二〇一七年三月二十四日に、NUMOの方から、NUMOは何をやっているのかと、今の御答弁いただいたような説明を聞こうと思いまして、この説明資料もいただきました。全部で十七ページのうち、十ページから先は全部、住民と対話をしています、国民にも理解をしてもらいますと。要は、資料の半分以上は、対話に力を入れているということに、説明に力を入れていたわけでございます。 その最も重視していたと言っていた住民説明会も、NUMOが直接やっていたのではなくて外注をして、その外注先がまた外注をして、それでお金を払って動員したりですとか、電力会社にも声をかけて動員していたというような問題が起きていたわけですけれども、NUMO自体の、これだけ、組織の説明資料の半分近くを使っていた、住民の説明をしっかりやっていますということさえも自分たちではやっていなかった。 これでは、何のためにNUMOはあるのかなと。ちゃんとやっているんですかね。今の組織で大丈夫だと大臣は思いますか。
○世耕国務大臣 私も、このNUMOの、はっきり言って、広告代理店に丸投げしていた事案が出たときに担当者に対して言ったのが、今、落合さんが言ったのと全く同じことであります。 まだ文献調査に着手できていない現段階においては、対話活動が業務の中でかなりの部分を占めるわけであります。そのことを、みずからしっかり汗をかいて、みずから手足を動かしてやるんじゃなくて、かなり丸投げに近い形でその運営を外部に任せていたというのは、私はこれはゆゆしき問題だと思いまして、直ちに、一旦とめて、そして手づくりで、たとえ、人数が少なければ、それはそのこととして受けとめて、更にたくさんの方に来ていただくためにはどうすればいいかということをみずから考えることが重要だということで改善をさせました。 今、その方針のもとで、手づくりで、手づくりがゆえにいろいろな問題もこれから出てくるかもわかりませんけれども、そういった問題をまた乗り越えながら、NUMO自身がみずからの業務としてしっかりと汗をかいて、この理解活動を進めていくということが何よりも重要だというふうに考えています。
○落合委員 これは、大臣が日ごろエネルギー政策を語るときにおっしゃっているように、再稼働できるものはしていくんだと。それが安倍内閣の今の方針であり、大臣の方針であると思います。であるからには、このNUMOが担っている仕事、これはしっかりと前に進めていく必要があるわけです。 私、前に質問で取り上げたときに、時間がそんなになかったわけですが、NUMOの最終処分、完結させるまでの説明を見ても、本当にこれで国民が納得するわけないだろうというような問題もたくさんあるわけです。私は、これは本気で最終処分場を、時間がかかりますけれども、百年ぐらいかけて完結させようと今の時点では思っていないんじゃないかなと。これはパフォーマンスで、最終処分、頑張ってやっていますから、再稼働はやれるものはやりますと言っているようにしか思えないところがあるわけです。 例えば、穴を掘って、三百メートル掘って、その作業、捨てに行くわけですけれども、サイトの中に上部の建物をつくります、全部埋め終わったら上部の建物は全部取っ払います、原っぱのようにしますという絵があるんですが、今の計画では、そのサイトに柵を立てる予定もなく、それから何か表示をする予定もなくというようなことをNUMOは言っているし、実際に絵で示しているわけです。 こういうようなこともちゃんと説明をしていたとしたら、埋めたらそのまま何の説明もしなくて、公文書も捨てられちゃうかもしれないですし、何の記録も残らなくて、七十年前の、例えば大戦のときに何があったかさえももうわからなくなってきているような状況で、こんな今の計画では、しっかりと現実性のある計画をしているとは私は思えないんです。 大臣はたびたびレクを受けたりするでしょうけれども、今NUMOがやっていることというのは、本気で最終処分を完結させようとしていると大臣は思いますか。
○世耕国務大臣 最終的に最終処分施設をつくるところまでは、先ほど申し上げたように大変長い道のりであると思っています。これはNUMOも、そして我々経産省も、この最終処分を時間がかかってもしっかりやり遂げるという決意のもとで臨んでいるわけであります。 長年、科学的特性マップすら出してこなかったのを、去年、初めて科学的特性マップという形で国民に対して提示をさせていただくこともいたしました。そして、今それに基づいて対話活動を始めた途端にちょっとつまずいたわけでありますから、これは今、もう軌道修正して立ち上げ直していますから、この理解活動を、科学的特性マップについてまず徹底的に説明をする、どういう考え方でやっているのかというところから一歩一歩前進をさせていかなければいけないと思っています。 必ず最後までやり遂げなければいけないというふうな決意のもとで取り組んでおります。
○落合委員 目の前の発電ですとか再稼働のことで頭がいっぱいというか、それも大変な問題かもしれませんが、今、設置してから十年以上たってこの状況であれば、私はかなり活を入れなきゃいけないと思います。 これは、十万年埋めなきゃいけないと専門家は言っているわけですけれども、私もこれを一回質問で取り上げましたが、二万年後も十万年後も百万年後も、NUMOが説明している資料では余り線量は変わらないんですね。なので、何で十万年で区切っているのかもよくわからない状況なんですが、半ば延々と高レベル廃棄物の線量はある一定のレベルにとどまりますということは、NUMOの説明資料にも書いてあるわけですから、確かなことだと思います。 ちなみに、我々の祖先の人類がアフリカから世界に散らばったのが約六万年前だそうですから、その歴史よりかはるか先まである程度責任を持った政策を行っていかなければならないわけで、相当大変なことをしていかなければならないんだと思います。 私が前回取り上げたときに、地層が、十万年も二十万年もしたら、地下水が動いているわけですから、地下水からしみ出て生態系にも影響を及ぼすんじゃないですかという質問をしたんですが、そのとき参考人の方ははっきりとそれを認めませんでした。しかし、今NUMOが配っている冊子を見てみたら、私が言っていたリスクをちゃんと書いてあるんですよ。地下水からしみ出して生態系に影響を及ぼしますとしっかり書いてあります。 ですから、改善点は見られるわけですが、やはり、完璧に処分することというのは今の技術ではできないわけですから、しっかりと国民にも説明して、その上で、国民がそれでも原発が必要だというのであればそれは仕方ないですが、しっかりと情報は出していく。 特に原発は、一番問題なのは事故が起こったときと捨て方、捨てる場所、それが問題なんですから、大臣、それはしっかりと、発電だけじゃなくて、ここまで完結させて責任持って大臣はやっていくんだということでよろしいですね。
○世耕国務大臣 それはもちろん、最終処分のことも含めて国民に御理解をいただきながら進めていかなければいけないというのは当然のことだと思っております。
○落合委員 私は、今の大臣の姿勢ではしっかり行動しているとは思えませんので、ぜひ、これは再度、経過を見ながら指摘をさせていただければと思います。 原発に関連しまして、ちょっと見解を伺えればと思うんですが、通告はしていませんが、ある意味ホットな話題ですので、伺えればと思います。 福一の事故処理の費用が上振れる可能性がありますということは、いろいろなシンクタンクも指摘をし始めています。昨年、私もエネ庁に、処理費用は大丈夫なんですかという確認をしました。それで、よくその試算を見てみると、どう考えても、柏崎刈羽原発の再稼働、これはかなり当てにしているなということを私は感じました。これは新しいですし、設備も大きいですし、利益率も高いということで、柏崎刈羽原発の再稼働について、大臣、どのような御見解をお持ちですか。
○世耕国務大臣 これは、政府の方針として、何回も御説明しているように、あくまでも我々からは独立をした規制委員会が、世界最高レベルの新規制基準に照らして再稼働していいと判断をされたもののみ再稼働をさせる、これが政府の方針でありますので、柏崎刈羽原発もその方針の中で対応していくべきものだと考えております。
○落合委員 世界最高レベルかどうかという問題もあると思いますが、これは収益性が高い柏崎刈羽原発の再稼働を、福一の事故処理の費用の捻出ということが頭にあって前のめりになってしまうことがないように、ぜひ公正な監視というか行政を行っていただければと思います。 では、次の問題に移らせていただきます。 公正取引委員会に伺いたいと思います。先月、あるネットの大手の知名度の高い企業が、取引先に対して不当な協力金を負担させた疑いがあるとして、公正取引委員会が優越的地位の濫用じゃないかということで立入検査に入っております。 これから、こういうネットを使ったグローバル企業はかなり取引先の数も多くなるわけですから、こういった事例というのがますますふえていく可能性はかなり高いというふうに思います。 このような事例が起きないように力を入れていかなければならないと思うんですが、この問題につきましてどのように事実関係を把握していて、そしてどのように対応されているのか、お聞かせください。
○粕渕政府参考人 お答え申し上げます。 個別の事案につきましてはお答えを差し控えさせていただきたいと思いますけれども、独占禁止法におきましては、第二条第九項第五号におきまして、自己の取引上の地位が相手方に優越していることを利用して、正常な商慣習に照らして不当に不利益を与えることを優越的地位の濫用として禁止しております。 グローバル企業であったとしても、取引上優越した地位にある事業者が、国内の取引先に対して協力金等の経済上の利益を提供させることにより、正常な商慣習に照らして不当に不利益を与える場合には、優越的地位の濫用に該当することとなります。 公正取引委員会といたしましては、今後とも、独占禁止法に違反する疑いのある事実に接した場合には厳正に対処してまいりたい、こういうふうに考えております。
○落合委員 これは個別の事案ですので、お答えできないこともあるでしょうけれども、今、消費者がネットで買物ができます。そのサイトは、あらゆる分野の買物をすることができます。そうなると、小売の企業それから卸の企業も、そこのネットの企業とつながって消費者に売ろうということになるわけですけれども、その窓口になっているネットの企業が、ほかのネット通販よりか安く売るために、割り引いた分は取引先の企業が負担してくださいということを要求しているんじゃないかという問題なわけでございます。 こういう問題はどんどんどんどんふえていく可能性がありますし、企業間取引、それから企業の関係、それからBツーCのあり方、これはネットによって変わってきているのと、それから、その企業の大きさというのがどんどんどんどん大きくなっていって、取引先とネット企業との力関係というのがかなり差が出てくる、町の中小企業がグローバル企業と取引するようになるということになると思います。 これはかなり重要な問題だと思いますので、これは力を入れて、注視していくということで、改めて、よろしいですね。
○粕渕政府参考人 お答え申し上げます。 このような電子商取引市場の問題、非常に私どもも注視しているところでございます。こういうデジタル市場における取引について実態をよく把握するとともに、繰り返しになりますけれども、疑いのあるような事実に接した場合には厳正に対処してまいりたい、こういうふうに考えております。
○落合委員 ここはしっかりとやっていかないと、町の中小企業者が頑張って働いても、グローバル企業にどんどんどんどん利益が吸い取られていって、その利益は世界に飛んでいってしまう、我々は働いても働いても利益がふえないという事態になってしまいますので、ぜひ新しい問題として監視をしていただければと思います。 大臣、去年だったか、下請取引の問題について、私もかなりの数を取り上げさせていただきました。その中で、歴代の経産大臣よりも世耕大臣は踏み込んで、責任を持って下請取引も変えていきます、アベノミクスの果実が行っていない中小企業のその原因として、下請取引のあり方、これがかなりの重要な地位を占めているんだと、そこは私も同じ認識でございました。 この一年でどのように取り組んできたのか、大臣、お聞かせいただければと思います。あともう一つ、先ほどの、グローバル企業とネット関連企業等の新しい問題についても御見解を伺えればと思います。
○世耕国務大臣 これはもう昨年答弁をさせていただいたわけですけれども、下請取引の改善に向けて、自主行動計画の策定というのを各業界にお願いをして、去年三月末の段階で八業種二十一団体に計画を策定、公表していただきました。 これはそのままにしておいてはだめなので、これを徹底的にフォローアップをしていくということに取り組みました。まず、団体みずからフォローアップ調査を行っていただいて、その報告を上げていただく。そしてまた、こちらからは、経産省としても下請Gメンというのをつくりまして、そういう人たちに現場を歩かせて、これまで約三千社に対して、業界のフォローアップ調査はこうなっているけれども本当のところはどうですかという、そういう調査もやってまいりました。昨年末には、フォローアップ調査とそして下請Gメンのヒアリング調査の結果を突き合わせて、そしてそれを公表させていただくということもさせていただきました。 その調査結果では、いい団体と、まだだなという団体があります。特に自動車業界は、支払いが手形が多かったわけですが、これがもう現金払いというのがかなり徹底化してきました。私の和歌山、地元でも、自動車のかなり下の下請をやっている人、第何次かの、ひ孫請ぐらいの下請をやっている方でも現金支払いになった、ありがたいというような声も聞かれてきているところであります。 ただ、一方で、取組がまだ全然おくれている業界もありました。こういった業界には、これは新年、大体、業界団体の賀詞交換会というのがあって、私が来賓で呼ばれるんですが、もうその前に社長さんは集まっておいてください、別室でということで、そこでかなり厳しく呼びかけを行いましたし、さらに、それでもだめな団体は、この間、その業界のサプライチェーン全体で集まっていただいた場で、これはちょっと働き方の、労働条件の問題もあったんですけれども、その場で、私は行く予定だったんですが、国会とぶつかって行けなくなったので、代理メッセージでは迫力がないのでビデオメッセージを、怒りのビデオメッセージを送って、必ず改善してくださいというようなこともやらせていただきました。 これは一回やって終わりではなくて、何度でも取組のおくれている業界に対してはしつこく働きかけをやっていきたい、経産省はしっかり目を光らせているぞということをやっていきたいというふうに思っています。 今、ネット通販の件については、これは残念ながら下請関係には多分当たらないんだろうというふうに思いますから、これは基本的には公取のサイドで優越的地位の濫用という点に目を光らせていただきたいと思いますし、経産省としてあえて言えば、やはり誰かが独占、寡占するんじゃなくて、多分、今、A社のことをおっしゃっているんだと思いますが、R社もあればY社もあるわけですから、最近ではM社という新しい形態も出てきていますけれども、そういったところがやはり健全に競争していくということが、そういう優越的地位の濫用を起こさない上で一番重要なのではないかなというふうに思っております。
○落合委員 今ニュースでも、平均で二%台賃上げを達成できそうですということですが、中小企業に限って見てみると、やはり、かなりまだ苦しいわけでございます。今やられている世耕大臣の下請取引に関する施策は、今後もどんどん打っていくということでよろしいですね。
○世耕国務大臣 既に自主行動計画をつくっていただいているところは、そのとおりになるようにしっかりフォローアップしていきたいと思いますし、ことしも業界団体、ちょっと広げました。九団体ほど、機械製造業ですとか、流通、警備、放送コンテンツといった分野に広げさせていただいておりまして、今後も、関係省庁とも連携しながら、この業種を少し広げていくという取組も引き続きやっていきたいというふうに思っています。
○落合委員 それでは次に、日米について伺えればと思います。 今、安倍総理はアメリカに行っていて、既に日米首脳会談が行われたようで、ホワイトハウスのホームページでもそんなようなことが書かれています。今回は経済分野について多く話されているようでして、現地時間のあした、経済分野については更に突っ込んだ議論が行われるとのことでございます。 安倍内閣の経済政策の牽引役である世耕大臣ですので、アメリカとの経済関係、どのようにあるべきか、所見を伺えればと思います。
○世耕国務大臣 まず、日米首脳会談について、やはりこれは現地時間のあしたが終わらないと完全に話合いが終わったということにはなりませんので、今の段階でちょっとその中身について私の方から申し上げるのは控えさせていただきたいというふうに思いますが、いずれにしても、日米は、経済については、自由で公正な貿易・投資を通じてインド・太平洋地域の経済成長を日本とアメリカが協力してリードしていく、この共通認識の上に立って、首脳間でじっくりと意見交換が行われることを期待しております。
○落合委員 いろいろなメッセージ、トランプ大統領のツイッター等も見ますと、二国間関係を要求してくる可能性はかなり高いと思います。今、安倍総理の支持率で悩んでいるという中で、簡単に国益にかなわないような交渉に入らないように、ぜひ世耕大臣からも、自由で公正な貿易は重要ですが、アメリカと日本の力関係を比べればどうしても我々の方が強い立場ではないわけですから、ぜひ守るべきところは守るように、見識もありますし、総理とのパイプもある世耕大臣には、しっかりと見守って、言うべきときは言っていただければと思います。 それでは、私の質疑は終わらせていただきます。ありがとうございました。
○稲津委員長 次に、中谷一馬君。
○中谷(一)委員 立憲民主党の中谷一馬でございます。本日もよろしくお願い申し上げます。 私からは、日本の近未来を見据えた経済産業についてという観点からるる伺ってまいります。 今生まれた子供は、きっと免許を取る必要はない。次世代の自動運転車の普及、これを念頭に、このような話がことしのダボス会議において、議論で語られました。 今、世界じゅうで技術革新による未来が語られるようになり、サイエンスフィクション、SFの父とも言われるジュール・ヴェルヌは、人が想像できることは人は必ず実現できるという言葉を残されており、実際に私たちの現在の生活においても、数十年前に描いていた、こんな未来が来るかもなと想像していた多くの出来事や技術が実現をされております。 例えば、ドラえもんというアニメは私たちの近未来を想像するのにとてもイメージがしやすいかと思いますが、そのSFであった秘密道具からも、現実世界においてそれらに近い形で実装されているものは多々あります。例えば、ほんやくコンニャクというどんな言葉でも操れるようになるこの道具は、ウエアラブル端末、翻訳端末という形で実装され、個人で空を飛べるアイテム、これはタケコプターでございますが、これは、ジェットエンジン搭載のフライボードという形で、それらに近いものが実装されております。 私自身はこうした社会の変化に大変わくわくいたしますが、それと同時に、こうした科学技術の進化による社会構造の変化にしっかりと対応をし、国富の最大化をすることで国民生活を豊かにするという使命を与えられている衆議院経済産業委員会のメンバーの一人として、非常に重たい責任を与えられる者であると、緊張感を持っております。 こうした思いから、私は、ICTを通じて人々の生活を持続的に豊かにさせることを目標にした第四次産業革命をこの日本で牽引していくことによって、豊かな社会の発展と夢のある未来の創造に貢献をしていきたいということを考えておりますので、こうした観点からるる質問をさせていただきたいと思います。 まず、日本の第四次産業革命における対応の現状について伺いますが、デロイトトーマツグループが実施した第四次産業革命への対応準備調査で、日本の企業の第四次産業革命に対する準備のおくれが明らかとなっております。 第四次産業革命の構想自体に関しては、企業の成長や社会変革に不可欠という認識を持っている経営者が多くおりまして、期待する割合は九一%と非常に高くあるんですが、その機会の活用に大変自信があると答えた企業は、わずか三%という非常に低い数字でございまして、全世界の一四%と比べても、やはり、意欲的でも、市場変革、開拓をしていこうという意識に対しては乏しい状況があるということが数値でも明らかになっております。 そうした中、これらの現状を政府としてはどのように考えられているのか、大臣のまず所見を伺いたいと思います。
○世耕国務大臣 今のアンケート調査が、まさに今の日本の経営者の心理状況をよくあらわしていると思いますね。第四次産業革命に期待はしているんだけれども、みずからの自信はないと。もうちょっとしっかりしてくれと言いたいわけですけれども。 一方で、世界の時価総額ランキングとかを見ると、上位にはアメリカのIT企業などがどおんといて、なかなか日本企業はランクインをしていない。IT人材が不足している、起業をやりたいというガッツを持っている人がなかなか少ない、あるいはそのための資金供給をするメカニズムがまだまだ小さい、そういったところから、日本企業の存在感が低下してきてしまっているんだろうなというふうに思うわけです。 しかし、一方で、今、企業の経営環境はいいわけです。これを言うと野党の皆さんは賛成してもらえないかもわからないですが、アベノミクスで少なくとも企業にキャッシュはすごく積み上がっているわけですから、これを積極的にRアンドDとか新商品開発に、新サービス開発にどんどん投入をしてもらうということが重要ですから、まず、そういう経営者が評価されるコーポレートガバナンスをしっかりつくっていくということ。 また、日本の経営者は自信を失っていますが、そうじゃないという方向性を、余り政府が先を引っ張るのはよくないですけれども、少なくとも方向性を示すことは重要だということで、まさに今、バーチャルデータという世界でGAFAが勝っているわけですが、我々日本には非常に質の高い現場力に基づいたリアルデータがいっぱい存在しているわけですから、このリアルデータを活用したビジネスができるんじゃないかという、これをコネクテッド・インダストリーズという形で我々が産業界に提示をし、一年言い続けてきて、ようやく今、産業界も理解をして動き始めているという形であります。 また、資金の面では、やはり産革機構、これの投資機能、この間衆議院を通過させていただいて、きょうから参議院審議入りになりましたけれども、産業競争力強化法を改正して、産革機構の投資機能の強化を図って、どうしても日本は、民間のベンチャーキャピタルの対応が非常に手薄になっている部分、長期的な視野でやるとか、大規模なリスクマネーとか、そういったところが弱くなっていますから、そういったところに対する資金供給を強化するとか、あるいは、日本版サンドボックスで、まずやってみるというチャレンジを促すとか、そういったことで政策的に後押ししていくことが重要だと考えております。
○中谷(一)委員 御答弁いただきました。 今、るるさまざまなことの思考について大臣の所見を伺ったわけですが、その中で、一個一個聞いていきたいと思います。 それで、今まさに企業にお金が積み上がっている、私たちももちろんこの内部留保があるということはわかっていて、これをもっと投資に対してしっかり使っていってほしい、それがやはり生産性を上げていくことにも私はつながっていくと思いますし、産業競争力の強化、これにももちろんつながるものだと思っています。 ただ、これも先ほどの調査の中に書いてあるんですけれども、最新技術は競争上の主要な差別要因と考えるか、この問いに対して、日本の経営幹部の回答は、強くそう思うと答えた人は五%しかいないんです。そう思うと答えた人が一七%おりまして、合わせて二二%。これは、世界と比較をすると、世界の回答は、強くそう思うと言った人は二〇%、そう思うと答えた人の三七%と合わせると五七%と、意識に倍以上の開きがあるんですね。 これもそうですし、あとは、最新技術に対する考え方というのもありまして、第四次産業革命に備えるために必要な投資に対する意欲、これをあらわす数値なんですけれども、日本の経営幹部は、七八%の人が、最新技術に対する備え、これをしていくことに対して、どちらでもないということを答えて、様子見の姿勢をまた持っているという状況があります。 これを見ると、最新技術を競争上の差別化要因と考えていないことがまさに浮き彫りとなっておりまして、こんな状況が続いてしまったら、グローバル市場での成長に大きく水をあけられるリスクがあるんじゃないかなということを思いますし、他社の優位性の攪乱、無効化を議論している経営の幹部もわずか一二%しかいない。これも、全世界の二四%と比べて非常に低い、半分の割合になっている。 こうした現状を見ると、第四次産業革命を見据えて、根本的な変革だったり新たな競争を主導しようとする発想、姿勢が総体的に乏しいんじゃないかということを思っています。 そうした中で、私は先日、マッキンゼー出身で、現在ヤフーのCSOを務められている安宅和人さんという方からお話を聞いたんです。その方が、日本は情報産業革命の第一フェーズで大敗しているから、第二、第三の波に乗っていく必要があるんじゃないかということをおっしゃっていたんです。 私もそう思うんですけれども、残念ながら、これらの現状は、第二、第三の波にも乗りおくれるんじゃないかと非常に危惧を持っているんですけれども、これも、政府としてどのように捉えられているのか、大臣としての所見を伺わせてください。
○世耕国務大臣 今おっしゃっていただいたような調査データを聞くと、もうちょっと経営者、本当にしっかりしてくれよと思いますね。 やはり、経営者のマインドを変えることが何よりも重要で、そのマインドを強制的に変えていく力を持っているのがコーポレートガバナンス、やはり、投資家の目で先進的な分野にしっかりチャレンジをさせていくというコーポレートガバナンスの確立というのが何よりも必要だろうというのが私の思いであります。第一の波に乗りおくれたのも、これは完全に事実でありますから、第二、第三の波でやはり逆転をしていかなければいけないというふうに思います。 政策的にはなかなかできることというのは限られているし、何か、行政が引っ張る、そういうイノベーションというのは余り、そんな健全な気もしないわけでありまして、これは、我々はやはり方向性を示すということに尽きるということで、コネクテッド・インダストリーズということに、こういう取組でいけば日本に勝ち筋があるんじゃないか、あとは、具体的にそれで何をやるかは民間の皆さんで考えてくださいということになっていくんだろうなというふうに思っています。 特に、そのコネクテッド・インダストリーズの環境整備という意味で、三年間の集中支援措置として、データの利活用、連携をする組織に対しては、IoT投資に対する減税措置なども講じているわけであります。また、中小企業がしっかりついていけるように、ものづくり補助金、IT補助金も、補正予算でちょっとびっくりするぐらいの額を積み上げておりますから、ここが最後のチャンスだという思いぐらいで、日本の経済界、産業界挙げて、第四次産業革命の波にしっかり、波に乗るというか、先手を打って考えていくという姿勢、特に経営者にそういうマインドを持っていただきたいなというふうに思います。
○中谷(一)委員 今の大臣の御答弁、私も同感でございまして、やはり、私たち行政側が主導するというよりは、民間の方々もマインドをしっかり変えていただいて進めていく、私はこれは非常に重要だと思っておりますし、この第四次産業革命をやはり牽引するぐらいの、先手を打ってやっていくという気概が非常に重要だと思っています。 そうした中で、そうしたことも見据えられてだと思うんですが、世界経済フォーラム第四次産業革命の日本センターというものが設立されるということでありますので、それらについても伺ってまいりたいと思います。 私自身は、二十七歳のときに世界経済フォーラムのグローバルシェーパーズというコミュニティーに実は選出をいただいておりまして、世界各国のリーダーたちとさまざまな社会課題についてるる議論をさせていただいてまいりました。そして、実は、私の第四次産業革命に対する気づきや必要性は、まさにこうした環境で培ったものでございます。 そうした中で、スイスのジュネーブにある世界経済フォーラム本部が第四次産業革命に関する議論をして、実証実験などをする拠点として、センターを一番最初にサンフランシスコに設立をされました。そして、日本においてもセンターを二〇一八年夏に立ち上げることを目指して、サンフランシスコに加えて、中国やインド、UAEと、世界各地に今後立ち上がる拠点と姉妹協力をして連携をしていくということであります。 それで、日本においては、一般財団法人アジア・パシフィック・イニシアティブと世界経済フォーラム、そして経済産業省が連携して推進をしていくということでありますが、技術革新を推進して、世界規模の影響に対して国や企業が迅速な対応を促すこと、これは必要なことであると思いますので、このような官民連携の世界的な拠点、これを設置する取組に関しては、私、ぜひ応援をさせていただきたいと思っているんですけれども、そもそも、今回なぜ日本でこの拠点が立ち上げられることになったのか、この詳細だったりとか経緯を含めて御説明をいただきたいと思います。
○糟谷政府参考人 第四次産業革命が世界規模で急速に進展する中、技術と制度の乖離などのいわゆるガバナンスギャップというのが課題となっております。このガバナンスギャップを克服して、国境を越えたオープンイノベーションによる世界経済の新たな成長エンジンを確立することが重要であるというふうに、WEF、世界経済フォーラムを中心に認識をされているところであります。 このため、先ほどおっしゃいましたように、去年の三月に、世界経済フォーラムはサンフランシスコに第四次産業革命センターを設立いたしました。これは、各国の政府や企業などの協働による迅速な対応を促すために設立されたものであります。 世界経済フォーラムは、サンフランシスコセンターの姉妹組織を世界各地に設置をしたい考えでありまして、設置した姉妹組織との連携によって、第四次産業革命へのグローバルな対応を加速したいという意向であるというふうに承知をしております。 その姉妹組織を設置したいという場所の一つに、最初五カ所というお話がありまして、うち一つが日本でございます。そういうお話を受けて、日本国内においても、問題意識の高い企業などを中心に具体的な検討が行われまして、ことしの一月のダボス会議の際に、ほかの姉妹組織に先駆けて、この夏に日本センターを立ち上げるということが公表されたところであります。 これは、もともと五カ所というお話であったんですけれども、先週、世界経済フォーラムの皆さんが来られたときのお話では、更に二桁に場所がふえているようでございます。 いずれにしても、ことしの夏に日本センターが立ち上がるというのは、この姉妹機関のセンターの中で一番最初に立ち上がることになるんではないかというふうに期待をしておるところでございます。
○中谷(一)委員 今、るる御説明をいただきました。 各項目についても質問をさせていただきたいと思うんですが、その前に、一点、要望をさせていただきたいと思います。 前回、前々回に引き続いて、今回も柳瀬審議官を参考人として委員会にお越しをいただくように要請をいたしましたが、本日もお越しをいただけておりません。 前回、前々回の経済産業委員会の開催時に議論されたのはサンドボックスのことで、これも御本人にしかわからない話がありましたので、出席をしていただきたいと要請をいたしました。 そして、本日も、この世界経済フォーラムの第四次産業革命日本センターの設立において、ダボス会議におけるプレカンファレンスの主な出席者として、新浪剛史サントリーホールディングスの社長であったりとか、そうそうたる方々とともにこの柳瀬審議官が出席をされていたということでありましたので、出席者にしかわからない話というのは当然あると思いましたので、委員会に出てきてほしいと依頼をしたわけでありますが、残念ながら出てこられない。サンドボックスに関して聞こうと思っても出てこられない。 私は、経済産業審議官として本来行うべき職務が果たされていないんじゃないか、そのように思うわけであります。多くの国民の皆様がこれに対して不安に感じると思いますので、上司として、大臣からも、経済産業委員会にしっかり出てくるようにお伝えをいただきますように要望をさせていただきます。 そして、委員長におかれましても、ぜひ、柳瀬審議官の委員会への出席を求めますので、お取り計らいをいただきますように、よろしくお願い申し上げます。
○稲津委員長 理事会にて協議いたします。
○中谷(一)委員 それでは、本題に入らせていただきます。 まず、センターの理念として、人類が第四次産業革命に寄与するとともに、日本と世界の科学技術による社会への利益を最大化するとされておりますが、これは具体的にどういったことであるのか。また、端的に聞けば、この事業は国民生活を豊かにし、世界を幸せにするものであるのか。私はこの見解を大臣に伺いたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。
○世耕国務大臣 まさに、この世界経済フォーラムが立ち上げた第四次産業革命センター、これは私がアドバイザリーボードの共同議長なんです。柳瀬は私の代理で行っただけですので、幾らでも私がお答えをさせていただきたいというふうに思います。 具体的には、特にこの日本センター、世界に先駆けて設立されることになるわけですが、第四次産業革命による技術の社会実装によって経済発展と社会的課題の解決を両立をさせ、人間中心の社会を実現すること、すなわちソサエティー五・〇の実現とまさに軌を一にするんじゃないかというふうに思っています。 特に、日本社会は少子高齢化、そして働き手不足などの課題先進国であるわけでありまして、この第四次産業革命の中核をなすAIとかIoTとかビッグデータの利活用、こういったことをいち早く世界に先駆けて社会実装することで、例えば、データを活用した企業の生産性向上ですとか、あるいは自動走行の実現など、さまざまな課題を通じて国民の生活が向上していくのではないかというふうに思っています。 例えば自動運転なんというのは、日本にとっては逆に高齢者とか過疎地向けのサービスとしてこそ一番最初に使われていく可能性が高い。まさに国民の生活、何か新しいものにチャレンジしようというよりは、その技術によって本当に困っている人の生活が向上していくということにつながっていくのではないかというふうに考えております。 〔委員長退席、平委員長代理着席〕
○中谷(一)委員 今、柳瀬さんの話がありましたので、少しだけ触れさせていただきます。 やはり出席者じゃないとわからないことというのはあると思うんです。そのときの雰囲気はどうでしたかとか、やはりそういったことを私は伺いたいと思っておりますので、ぜひ引き続き要望させていただきたいと思います。 私、この事業は国民生活を豊かにし、世界を幸せにするものであるのかというばくっとした問いでわざと聞かせていただいたんですけれども、デジタルハリウッド大学の杉山知之さんという学長がいらっしゃるんですけれども、その方はいつもこう言うんです。そのビジネスは世界を幸せにしているだろうか。こういった問いというのは、私はすごく重要だと思うんですよね。経済産業のこの委員会をやっていく中でも、ああ、この事業というのは国民生活をちゃんと豊かにするのかなとか、その事業は、結果、世界を幸せにしているものなのかなとか、そういったものを一つ一つ問うて事業をつくっていくということは、私、非常に重要な観点だと思いますので、それでお伺いをさせていただきました。 その中で、またるる御答弁をいただきましたので、詳細についても伺ってまいりたいと思います。 このセンターの目的として、人、技術、金、知恵、制度を自由に、ごめんなさい、これは私、引用した言葉を読んでいるんですけれども、拡翼と書いてあるんですね。実はこれは国会図書館にある全ての辞書を検索していただいても出てこなかった言葉でございましたので、大丈夫かなと思って一応経産省さんに確認をしたんですけれども、大丈夫だ、これで合っているということでありましたので、このまま引用させていただきますが、拡翼、共有、国境を越えたオープンイノベーションによる世界経済の新たな成長に貢献とされており、革新的なプロジェクトの推進、グローバルの産学官のパートナーシップの構築に加えて、先進的な技術進歩と対応する制度の差、各国の制度間の差であるガバナンスギャップ、これを克服し、グローバルなイノベーションの拠点を構築することでありまして、先ほどこのガバナンスギャップの話に対しては御答弁もいただいたんですけれども、ここの詳細についてちょっと聞きたいんです。 この目的について、この先進的な技術進歩と対応する制度の差と世界各国との制度間の差を日本政府としては現時点ではどのように考えられており、そして、このさまざまなギャップをどのように解消していこうと考えられているのか、所見を伺いたいと思います。
○世耕国務大臣 今おっしゃるように、ガバナンスギャップ、これは決まった定義はないんですけれども、我々は大きく三つの視点があると思っています。まず一つは、先進的な技術とそれを受け入れる国内の規制、制度とのギャップ、そしてもう一つが、先進的な技術と、今度はそれを受け入れる各個々人のマインドの問題、そして最後が、各国における規制とか制度の差、この三つのギャップがまさにガバナンスギャップと我々は整理をしているわけであります。 こうしたガバナンスギャップを克服していくことこそが、第四次産業革命の社会実装を進めるためには最も重要でありまして、現在、このサンドボックス制度、今参議院で審議に入りましたが、これが成立すれば、これを活用してさまざまな実証を行って、まさにギャップを埋めていくということをしっかりとやっていきたいというふうに思います。 先ほど申し上げた技術と制度のギャップ、あるいは技術とそれを受け入れる人のギャップ、これはサンドボックス制度を中心に埋めていけると思っていますし、そして各国の規制の差、これはやはり、第四次産業革命というのは国境もなくなっていく可能性が高いわけですから、そういう中で、これこそがまさに、ワールド・エコノミック・フォーラムの日本センターとも連携をしながら、国における制度の差を埋めるためにそれぞれの国の制度とか規制改革のベストプラクティスを共有していくということが重要であって、まさにシュワブ会長の狙いもその辺にあって、この第四次産業革命センターというのを立ち上げられたんではないかなというふうに思っております。
○中谷(一)委員 御答弁いただきました。 まさにシュワブ会長がこの前議連でこちらにお越しになったときにも、そういった趣旨の話をされていたかと思います。私自身も、これ自体は、こういったギャップをしっかり埋めていくような制度設計は重要だと思っておりますので、進めていただきたいと思っております。 そして次に、検討分野の話にも移らせていただきたいと思うんですが、検討分野として、ヘルスケア、モビリティー、このモビリティーの中には自動走行、MaaS、ドローンの活用ということが記載をされています。そして、イノベーションを推進するための法制度のあり方等ということが検討分野の中で掲げられているんですけれども、そもそも検討分野をこの分野で特出しをされている理由と、イノベーションを推進するための法制度のあり方等というのは具体的にはどういったことであるのか、見解を伺いたいと思います。
○糟谷政府参考人 お答え申し上げます。 世界経済フォーラム第四次産業革命の日本センターにおきましては、大きく三つの役割があるというふうに我々は理解しております。一つは、世界の最新の情報を収集して、分析をして、国内に向けて発信することでございます。二つ目が、日本発の先進的な事例を海外に向けて発信をすることであります。三つ目が、海外の官民、いろいろな関係者と連携をしてルールとか制度の提言をする。こういう三つの役割があるのではないかというふうに理解をし、また期待をしているところであります。 そういう役割をこのセンターが果たしていく中で、考えられる分野として、ことしの一月にセンターの設立を発表した際に、ヘルスケア、モビリティー、イノベーションを推進するための法制度のあり方等という分野を検討分野として挙げているわけであります。 これは、まさにこうした分野において世界の情報を収集し、分析をして、国内に発信をする、また、日本の先進的な取組が進んだものについてはそれを海外に発信をする、また、こうしたことを受けて海外とも連携をしながらルールとか制度の提言をしていくということで、具体的な検討は、今後、参加企業のニーズも踏まえてこれから検討をされるというふうに理解をしておるものでございます。
○中谷(一)委員 今、分野についての御説明をいただきました。 続いて、重要テーマが十個挙げられていて、これについても伺わせていただきたいと思うんですが、人工知能、IoT、ブロックチェーン、自動運転、ドローン民生利用、データ政策、越境データフロー、精密医療、地球環境、中小企業のものづくりイノベーションなど、こうしたテーマを、課題解決をするために世界各国から集まったそうした参加者とプロジェクトチームを立ち上げて研究や政策提言が行われるということであります。 ビッグデータを活用した医療であったりとか、自動運転、また仮想通貨に使うブロックチェーンなど、最先端の技術を調査して、マイクロソフトとかセールスフォースとか、そういった企業と共同で実証実験を行って、官民が一体となって新しいルールや制度づくりを提言するということを言っています。 私自身もデジタル社会をつくる絶好の機会であると思いますので、積極的にこの推進を進めていかれるんだろうなということを思っているんですけれども、このプロジェクトというのは、例えばどんなことを事業としてやっていくことを想定されているのか、これも具体例があればプロセスとかそういったものもお示しをいただきたいのと、そもそもこのプロジェクトをやっていくことでどういった成果が得られるのか、これはKPIの指標として検討されているものがあれば、それも含めて教えてください。 〔平委員長代理退席、委員長着席〕
○糟谷政府参考人 今御質問で言及されました人工知能、IoT、ブロックチェーン等の分野は、これはサンフランシスコのセンターで具体的な実証等を始めようということで取り組んでいる分野というふうに理解をしております。 日本のセンターは、サンフランシスコのセンターとも連携をしていくわけでありますけれども、日本センターとして独自に具体的なプロジェクトを検討していくことになるというふうに考えております。この中には、プロジェクトを行う際のKPIの設定の要否も含めて、今後、日本センターにおいて、参加企業のニーズも踏まえながら、サンフランシスコ側とも調整して行われるものというふうに認識をしております。 具体的には、まだまだこれから検討が始まるという段階でありますけれども、今、具体的な中身として実際に議論が始まっているというふうに承知をしているものを申し上げますと、日本の強みを生かしたヘルスケア等の分野でのプロジェクト、こうしたことが初年度立ち上げられないかということで検討が始まっていると承知をしております。 例えば、まずは、第四次産業革命センター、日本センターと連携をしながら、第一回のヘルスケアのサミットのようなものを世界の関係者を集めてこの秋に日本で開催する、そうしたことが検討されているというふうに聞いております。
○中谷(一)委員 ちょうどそのサミットについても伺おうと思っておりましたので、続けて聞かせていただきますが、このサミットというのが、世界じゅうのプレーヤーを集めて、ベンチャー企業、投資家、サポート企業などを含めて、WEFと連携をして、ウエル・エージング・ソサエティー・サミットというものを開催する予定ということでありまして、その中で、超高齢社会への対応、バイオベンチャー投資促進、そしてクオリティーデジタルヘルスなどをテーマに、高齢先進国である日本をテストベッドとして開催をされ、それで、このビジネスを世界に発信していくことで国内外からの投資を呼び寄せていく、こんなことをしながら、日本の健康、医療、介護分野のRアンドDの拠点としてのポジションを確立することを目的にしているということなんですけれども、これについても、この中でやっていく、このサミットをやって、これを今後どういう事業に具体的に結びつけていって、これも、どういったプロセスでそれを進めて、KPIとしてはどんなものを想定して進めていくのか、今、現時点で検討されているものがあれば教えてください。
○藤木政府参考人 お答え申し上げます。 今先生から御紹介ございましたように、日本は世界でいち早く超高齢社会を迎えるということで、むしろこれを逆手にとって、新しい産業、イノベーションを興していく。その中で、例えば、先進的な医薬品の開発、それから高齢社会対応のソリューションの開発、そして、クオリティーの高いデータを生かした新しい機器、サービスの開発といったイノベーションをリードしていくということを我が国として進めていきたいと思っております。 そのための一つのきっかけとして、まさに、国内外のベンチャー、研究者、投資家、こういった方々に集まっていただいて、本年秋に第一回のウエル・エージング・ソサエティー・サミット・アジア・ジャパンということで開催をしたいと思っております。 この中でどういった議論が行われていくか、まさにこれから詰めていくわけでございますが、まさにこうした成果を生かして、さっき申し上げました創薬あるいは新しいサービスの開発、そういったようなものにつなげていきたい、そういう思いで取り組んでいるところでございます。
○中谷(一)委員 今御答弁をいただきました。 ただ、KPIとかに関しては、ここから詰めていく話なのかなということを聞いていて思いましたので、この議論については、最後に総じて大臣に伺いたいと思います。 今までるる議論を行ってきた世界経済フォーラム第四次産業革命日本センターですけれども、これを運営することで、結論的には、どういった成果を出して、社会にどんなインパクトを与えていきたいと考えているのか。全体的なプロセスと、KPIの指標として検討されているものがあれば、そのビジョンも含めてお示しください。
○世耕国務大臣 KPIは、今のところ、まだない。ここはちょっと、はっきり申し上げざるを得ないと思います。 この間、シュワブ会長と私は会談をいたしまして、そのときに非常にお互いに意識が共通したのは、いわゆる情報革命、IT革命がGAFAのようなメガ巨大企業を生んだ、第四次産業革命は、何か、誰か一人の人がプラットホームを全部押さえて、大成功する企業がごくごく少数出てくるというのではだめなんじゃないか。特に、シュワブ会長は、人が中心じゃなきゃだめだという考え方でした。私も、第四次産業革命によって格差が広がるようなことがあってはいけなくて、やはり包摂的な成果が生まれてくるという形にしなければいけないんじゃないかということで意見が一致しました。 そして、WEF側が世界に先駆けてやはり日本とセンターをつくりたいと言ったのは、まさに日本は、企業が協調領域をつくって、コネクテッド・インダストリーズという発想でやっていくとか、こういう何かひとり勝ち組をつくるという取組じゃないという点を評価してもらっているんじゃないかなというふうに思っています。 ですから、積極的に我々が、企業が協調している、あるいは、社会の課題を解決するような第四次産業革命のロールモデルをこの日本センターを通じて発信をしていきたい。恐らく、KPIは、それを何件発信できるかということになるんだというふうに思っています。 日本センターが、このワールド・エコノミック・フォーラムとつながることによって、逆に、世界の成功事例だとか、あるいは、特に日本は規制改革のスピードが遅いですから、世界がどういうアプローチをやっているのかというのを、ここを窓口に世界の情報を収集していくというようなことを想定しております。
○中谷(一)委員 それでは、時間が参りましたので、質問を終了させていただきます。 ありがとうございました。
○稲津委員長 次に、田嶋要君。
○田嶋委員 田嶋要です。 きょうは、前回の委員会で競争力の法案の議論をしたときに、私の方から政策立案あるいは法案提出に際しては時間軸と空間軸を常に意識して政策を練らなければいけないということを言わせていただきまして、特に時間軸ということではPDCAの重要性ということで強調させていただきました。これは常に大事なことだと思いますが、きょうは、もう一つの方の空間軸に関して少し意識を向けて質問をさせていただきたいというふうに思っております。 昨年、超党派で中国を訪ねました。自民党の先生も公明党の先生もおいででございましたが、年一回、私は最低でも必ず中国は行かなきゃいけないと思って心がけておりますが、その際には、実は初めて重慶という内陸の町に行ってまいりました。 そこで日本の商社の支店長の方のお話を聞きまして、彼がこういう話をいたしました。この重慶という町では、セブンイレブンがあって、若者が買いに来ると九〇%以上はキャッシュレスだという話を言われまして、私も内陸の中国は初めてでございましたが、沿岸の中国が物すごくお金持ちが多くて発達しているのは大体世の中わかっているんですが、ここでもかと。しかも、九割と言われて、私はちょっとびっくりしまして、ああ、もう日本と全然違うのだなということを、ちょっとショックを受けたわけでありますが、お手元の資料をごらんください。 きょうは八枚資料をつけておりますが、一枚目、その質問を二週間前にしようと思ったら、四月十日にこういう日経新聞の記事が出て、後進国に経産省が焦っていると。まあ、焦っているかどうか、焦っていなかったら更に深刻ですけれども、こういうような記事が出てございました。 後で読んでいただくとして、二ページ目をごらんいただきたいと思います。キャッシュレス決済の比率に関して、十年、間を置いてどう伸びたかということも含めて比較があるわけでございますが、一ページ目のグラフと同じように、韓国が断トツにキャッシュレスの比率が高い。一番下の方に、参考ですが、中国、一ページ目と同じ数字ですが、この二ページ目の野村の報告でも、六〇%、二〇一五年ということで、ここが重慶が含まれる六割ということですから、若者で九割というのもあながちずれてはいないということでございます。 ごらんをいただいて、日本は確かに断トツに低い。ただ、ちょっとひっかかるのは、ドイツも低いというところなんですけれども、これはきょうはメーンのテーマじゃありません。ドイツはドイツでいろいろあるんでしょう。不思議なことで、第四次産業革命のドイツがこういう状況にあるのもちょっと興味深くて、調べていただきたいと思いますが、私は、先ほどの重慶での私の経験、ちょっと驚いた、そしてこういう日経新聞の報道の仕方ということで、きょう問題を取り上げたいと思います。 まず、政府参考人にお尋ねしますが、キャッシュレス決済というものはどういうものが含まれるのかということを簡単にお願いします。
○藤木政府参考人 お答えします。 我が国における主なキャッシュレス手段といたしましては、クレジットカード、電子マネー、デビットカードといったようなものが含まれます。また、最近では、Eコマース、SNSなど、それからフィンテック企業など多くの事業者が決済分野に参入してきておりまして、スマートフォンを通じた支払いなど、新たなサービスの取組もふえているというふうに認識しております。
○田嶋委員 ありがとうございます。 私がかつてアメリカに暮らしておったころは、これは世耕さんとちょうど同じタイミングでしたね。そのころは、キャッシュレスはチェックでしたね。水道料金も電話料金も、毎月毎月チェックをいっぱい切るんですよ。これは非常に便利だなと私は思っていました。 そのときにも、何で日本にはチェックがないんだろうというのを金融の専門家に聞いたら、いや、日本はチェックなんというのは一っ飛びに自動引き落としの制度になったんだよということですね、事業者を信用して。だから、リープフロッグというんですか、先に行っているんだ。その話を聞いて、ああ、それだったらよかったというふうに思ったわけでありますが、どうやら最近はそうでもないんじゃないかなという危機感を強めておるわけでございます。 それでは、副大臣にお尋ねします。 まず経済産業、それから内閣府でございますが、今日までの政府の全体の取組、危機感を持ってやっておられるということで思いますけれども、端的にお答えください。
○西銘副大臣 お答えいたします。 先生と同じような体験を、私も去年、上海の商社マンから聞いて、びっくりしたようなところで……(田嶋委員「上海ね」と呼ぶ)上海で聞きました。びっくりしました。 キャッシュレスの推進は、消費者、事業者双方にとってさまざまなメリットがあると考えております。 経済産業省としても、これまで、訪日外国人の利便性の向上の観点から、中小・小規模事業者に対するクレジットカード等のキャッシュレスの決済端末、十万円から二十万円のイメージですけれども、その導入促進に向けた取組や、キャッシュレス化を通じたビッグデータ利活用を促すため、二〇一六年の十二月に改正割賦販売法が成立をしておりますが、本年の六月から施行予定でありますが、その法律による安全、安心なクレジットカードの利用環境の整備等、また、クレジットカード決済データの標準化等々に取り組んでいるところであります。 今般、四月の十一日に経済産業省の有識者検討会で、キャッシュレス・ビジョンを取りまとめたところであります。諸外国の取組やフィンテックを始めとする技術の進展等も踏まえて、産官学で、仮称ではございますが、キャッシュレス推進協議会というものの場も含めて、必要な対応を講じてまいりたいと考えております。 以上です。
○越智副大臣 金融庁からお答えいたします。 キャッシュレス化は、利用者の利便性向上や企業の生産性向上などにつながるものでございます。日本再興戦略二〇一四で、キャッシュレス決済推進の趣旨が書き込まれまして、昨年の未来投資戦略二〇一七においては、十年でキャッシュレス決済比率を倍増、四割程度とする目標を掲げて、政府全体として取り組んでいると承知しております。 そういう中で、金融庁におきましては、一つには、環境整備のための法改正を行ってまいりました。具体的には、銀行法を二年連続で改正しまして、銀行等によるフィンテック企業への出資を容易とする、また、銀行等におけるオープンAPIの推進により、銀行等とフィンテック企業のオープンイノベーションを進めるための環境整備を行うといったことをしてまいりました。 また、もう一つは、訪日外国人の利便性向上のため、いわば全ての旅行客がストレスなく快適に観光を満喫できる環境整備の一環としまして、海外発行カード等対応ATMの設置を促進するといった取組などを進めてきたところでございます。 これらの取組はキャッシュレス化にもつながるというふうに考えています。 さらに、将来的に、私も昨年中国に行ってまいりまして実感をしてまいりましたが、デジタル通貨の出現等が金融システムを大きく変革させる可能性があることも踏まえて、金融法制を現在の業態ごとの規制体系から機能別、横断的なものとすることについて、金融審議会で検討を行っているところでございます。 金融庁としては、引き続き、これらの施策を通じて、キャッシュレス化の取組に貢献してまいりたいというふうに考えております。
○田嶋委員 それぞれいろいろあるんですけれども、何かちょっと違う感じもするんですね。木ばかり見て仕事をしている感じもするんですけれども。 今おっしゃった、外国から来た人がストレスを感じずにと。外国人じゃなくても、アメリカに住んでいる日本人でも、日本に帰ってくるとストレスがたまる国なんですよ、そういう意味では。もう昔から、三十年前からそうで、クレジットカードを使える店も非常に少ないということはいつも言われてきたわけであります。 大臣、この一ページ、二ページ、記事は全部は読めないと思いますが、今の時間に。二ページのこういう現状を見て、どういうふうに思っておられますか。これはやはり日経新聞の、そのものずばりですか、焦ってきているというような。どういう認識ですか。私は、二十年前にこういう記事が出るなら何となくわかるんですよ。今さら何だろうという感じもするんです。 あるいは、さっきのチェックと自動振替のように、今からぼんとリープフロッグするような大きな戦略があって現状があるのか。十年たっても、先ほどの倍増ということは、韓国の足元にも寄らない。十年たったって、韓国は更に伸びるでしょうから、ほかの国に比べて相変わらず後塵を拝すという意味では、十年後も一緒なんですよ、倍増したって。 そんなことでいいのかな、今ごろ焦っていてどうするのかなという感じがするんですが、大臣、どういう御認識ですか。
○世耕国務大臣 私も、ドイツの数字はちょっとびっくり、これは少し研究をしてみる必要がある。 恐らく、いろいろな背景が複雑に絡み合っているところはあると思いますが、一つは文化的要因。だって、今でもクレジットカードは一応キャッシュレスでできるわけですよね。あるいは、日本は世界で一番アイフォンのシェアが高いと言われています。アイフォンは二年前からアップルペイという支払いができるようになっているわけですが、それもすごく普及している感じで、私は使いこなしています、完全にキャッシュレスで暮らしていますけれども、それもそんなに広がらない。 やはりいろいろな文化的な背景もあるのかなと思っていまして、やはり一つは治安がいいということですね。お金をポケットへ入れていて盗まれる可能性が少ない、落としても返ってくる可能性が高い、この辺が結構影響している面もあると思います。 もう一つ大きいのは、やはり導入するに当たってのコストが高い。これは特にクレジットカードです。日本はクレジットカード産業がかなり多重的産業になっていまして、そのレイヤーごとに手数料を取られるものですから、小売店にとっては、クレジットカードを入れると、今大体四%ぐらいですかね、手数料を取られる。これは非常に負担が重い。こういった背景もあるのではないかというふうに思っています。 私は、特に危機感を持っているのは、もちろん便利になる、ならないということもあるんですが、これは例えば、アリババのような、QRコードを映して支払えるというようなプラットホームがもう今中国からわっと日本にも、中国人観光客を相手にするために、それがどんどん入ってきています。万が一、このキャッシュレスのプラットホームを外国にとられてしまうと、単にその支払いの手段をとられるだけではなくて、日本人の購買データのビッグデータが海外へ行ってしまう、ここに私は危機感を覚えておりまして、これは何とか日本勢もしっかりやってもらわなければいけないな、そういう思いでキャッシュレス化を、田嶋先生から見ると遅いかもしれませんけれども、ここへ来てフルアクセルでしっかりと進めていきたいと思っていますし、我々の思いに応えてくれている日本の関係者も今出始めてきているというところであります。
○田嶋委員 日本の治安がいいとか、確かにそうだけれども、そういうことを言って、やはり対策がおくれているんじゃないかなという感じがするんですね。 そういう日本のいい点はいい点として、この記事にも、真ん中あたりに、そうは外国人には受け取られないと。外国から来たらやはり不便なんですよ。だから、日本人だったらまあいいかもしれないけれども、いきなり日本に来るといろいろなことが、現金を用意しなきゃいけない、ここにも書いてありますけれども、さまざまな金額的なロス、あるいは逸失利益、本来だったらもっと売れたはずが、現金を持ち合わせていないから諦める、そういうことがたくさんこれから起きてくる。現金輸送にも相当金がかかっているということも記事になっています。 本当に、三十年も、私たちが海外生活していたような時代から言われ続けていたことが、今、アリペイとかでようやく焦ってきたというのは、いかにもリアクション、リアクティブだという印象を否めないわけでありまして、これから、何もしないよりはいいんですけれども、しかし、十年後も最後列なんというようなプランではなくて、もう少し大きな絵を経産省が民間と一緒に考えるということをぜひお願いしたいと思います。 それで、その一環でこの間の法律も審議をしたんだと思うんです。だから、例えばイスラエルのベンチャーなんかも、ひょっとしたら、日本の中で実証実験して、今おっしゃった、ビッグデータをとられてしまうリスクに対して日本が何をこれからやるのかということで、いろいろなことを挑戦を始めていただくための法律にもなるのかなというふうに考えるわけであります。 もう一つ。この間、大臣は御否定されました。言ってみれば、民間は民間で頑張るわけでありますが、私も商社の支店長から、いや、重慶では九割の若者がという話を聞きました。日本の経済産業省は大丈夫か、そういう問いかけも前回もさせていただきましたが、アンテナは決して衰えていないという話なんですが、私は、そのことをあえてきょうもう一度質問をさせていただきたいと思います。資料でいうと六ページをごらんください。 経済産業省に初めて、初めてのようでございますが、細かい各国別のデータを、管理職そして非管理職も含めて出していただきまして、うちの事務所でそれを編集し直したものでございますが、経済産業省というのは、大使館、あるいはジェトロ、それから国際機関に当然役所から人を出しているわけでありまして、大体この瞬間風速に二百名前後の方が海外に暮らしているわけであります。これをごらんいただくと、一番下の中国なんていうのは、当然でありますが、十年前、十五年前、あるいは二十年前に比べても、駐在員の数をふやしている。これはもっともなことであると思います。 そういう意味では、アメリカ、欧州といった先進国、それから世耕さんが担当のロシア、そしてアフリカ、中東、中国と、こうやって見ていっても、それぞれの時代時代の重要性が映し出されて、こうやって人を派遣しているのは大変結構なことであるし、アフリカなどはもう少し考えていかなきゃいけないというような感じもいたします。 前回の実証の話も、ドローンはほとんどアフリカを舞台に行われている、こんなような報告もあったわけでありますので、私はこの経済産業省のアンテナ力ということをぜひとも強く意識をしていただきたいというふうに思うんです。 私は、先ほどの重慶の商社の話、そして副大臣も、沿岸部で、上海で初めて同じような経験をしたと。我々はどう頑張ったってそんなにしょっちゅう海外に行けないわけであります。しかし、この全世界に散らばっている二百名の方々というのは、日々やはり高いアンテナを持って動きを察知して、まさに中国のアリペイならアリペイを自分も使って、そして実感して、それを本部にフィードバックしてというような、言ってみれば、PDCAのものが本来あってしかるべきだと思います。 だから、商社は世界じゅうにアンテナを持っているかもしれないけれども、同時に、やはり政策のかなめである経済産業省がそういう機能を果たしていなきゃいけないんじゃないかなと。三十年前に留学していたころから、日本のキャッシュレスというのはおくれているねという話を聞いたにもかかわらず、今日まで相変わらずこの日経新聞の記事のような状況になっているというのはまことに残念であるし、私はそもそも経済産業省が世界じゅうのアンテナをもっとフルに生かしていかなければいけないというふうに感じるわけでありますが、世耕大臣、どのように御認識されていますか。
○世耕国務大臣 その問題意識は私も全く一緒であります。 ただ、一方で、情報が入っても、それをしっかり政策に落とし込んでいくということも重要。私は、その点がやはり、アンテナも十分じゃないかもしれないけれども、とった情報をやはり政策へ、いや、何かすごいねで終わっちゃっているところがある。経産省は意外と商社ともメーカーともつき合いがありますから、そういうところからもいろいろ情報は入っているけれども、それを政策に落とし込んでいくというところが欠けているのかな。 ただ、一方で、田嶋議員がおっしゃるように、やはり情報収集力はもっとアップしていかなきゃいけません。残念ながら、一方で、定員というものもあって、経産省も、今、福島の復興からもういろいろな仕事をやっていますので、なかなか厳しい面もあるんですが、この少ない人数をどうやって有効に使っていくかということはしっかり考えていきたいと思いますし、例えば、官民連携して、商社やメーカーの情報をもっとうまく集めるような仕組みもつくっていかなければいけないと思っています。 あるいは、今はインターネットでいろいろな情報がとれます。ブログとかツイッターの投稿とか、そういったもので少し分析をしていくとか、あるいは、もう何か、一カ所行かしたらそこでずっと何年も固定ではなくて、少し機動的に動かせる、例えば、今アメリカのトランプ政権に対する国民の評価を本当につかまえようと思ったら、ワシントンやニューヨークのエスタブリッシュを相手にしてはだめなんですね。やはり、ラストベルトで、パブで飲んでいるおじさんが何を言っているかとか、そういうのも聞かなきゃいけないんですが、これは残念ながら、全くその地域には、我々、誰も職員はいない、ジェトロも含めて、いないわけであります。 これは日本のメディアも、あるいはアメリカのビッグメディアもそうだと思いますけれども、例えばそういう情報収集をどうするかとか、そういったことを、常に新しい状況に合わせて的確に情報をとっていくアンテナをしっかりと築き上げていかなければいけないと思っています。
○田嶋委員 私も、世耕大臣、アンテナのことだけを言っているんじゃないんですね。やはり、その人のセンスにもよるかもしれませんが、それを見聞きした、実体験で感じたことをどのように政策まで昇華させていくか。少なくとも、本省を含めて、研究会を立ち上げさせて、それが日本で実行できるかどうかまで持っていくには、その人も含めて相当な力量、そして組織側にそれを受けとめる、言ってみれば懐の広さもなきゃいけないと思うんです。 私が申し上げたいのは、この二、三十年にずっと言われている日本のキャッシュレスの遅さというものが、こうやって今、日経新聞に出て、そして経産省が焦っているなんて書かれているようなものが多分無数にあって、だから、先ほども御指摘あった第四次産業革命も、いろいろなところでもう既におくれが指摘をされている。したがって、経産省のアンテナということだけではなくて、諸外国の動向を把握して、我が国の競争力をより高めていく政策へと昇華をさせていく仕組み、こういうものがちゃんと今あるのか。 たまたま属人的に、あの人はフットワークがいいから話が届いたとかじゃなくて、常にこういう体制で本省は待っているから、あなたたちは毎日生活をしながらその国で得た貴重な情報を本省に返して、そうしたら、それを受けとめて、まずはディスカッションの場を設けて、そして商社の方々と連携しながら、例えば研究プロジェクトを立ち上げるとか、そういうような仕組みになっているかどうかということを私は問うているんです。 そのインフラがないと、同じことがいつまでたっても繰り返される。いやあ、いいね、便利だねと、普通の生活者と同じ感覚で、日本の国益のためにこれをフィードバックするという意識がなくなっちゃうんじゃないかなというふうに思うんです。そこを問うているんです。
○世耕国務大臣 それはまさに、これは私のところにも時々上がってきますけれども、やはり現地からのレポート、こういう動きがありますよとか、この産業界はこういう動きをしているというのは時々刻々上がってきます。それをどう政策へ落とし込む仕組みがきちっとできているかどうかというのは、これは大臣の力量にもかかわってくるし、それぞれ担当局長の力量にもかかわってくるところだというふうに思いますけれども、やはり、そういった海外の情報に機敏にレスポンスをしてやっていく必要があるだろうというふうに思っております。
○田嶋委員 海外赴任者も二年で転勤するかどうかわかりませんけれども、やはり人脈ですよ、誰を知っているかという。そういうことも含めて、人事制度も含めて、やはり見直すべきはぜひ見直していただいて、アンテナ力も含めて高めていただきたい。これが今後ますます、海外にいろいろないい取組があるものを日本が輸入することもある。我々が新たにここでつくることもある。そのことをぜひ心がけていただきたいというふうに思います。 次の質問に入りますけれども、世耕さん、会津に行ってきましたですよね、会津若松。多くの民間の企業に会ってきた。これは質問通告をしていないんですけれども、どうでした、会津若松。
○世耕国務大臣 これは、地域未来牽引企業のトップの皆さんに、全国から一堂に会していただきました。風評被害対策という気持ちも込めて会津若松で開催をさせていただきました。 こちら側からいろいろな支援メニューがあるということもかなり濃密に説明をさせていただくこともできましたし、あと、もう北は北海道から南は沖縄まで、やはり各地のきらりと光る企業の皆さんが交流することで、それだったら一緒にやろうよとか、今後も定期的に情報交換やろうよなんて動きがもう現に私の目の前で起こっておりましたから、非常に有意義だったというふうに思います。あそこから何か新しいことが生まれてほしいと思っております。
○田嶋委員 私、一つ資料を飛ばしちゃいましたけれども、三の資料をごらんいただいて、これは外務省が発表した資料を持ってきましたけれども、アフリカにおける最も信頼できる国は、今、断トツで中国になっていると。これも、私の耳によく入っていたのは、中国は本国から建設の労働者を全員持っていって、がさっと持っていって、その国に余り移転もせずに全部中国のためになるような仕事の仕方をしているから、地域では信頼されていないよ、日本の方がはるかにアフリカで信頼されているよと私は何となく聞いていたことが多いんですよ。間違っていましたね。これは実際、アンケートをとると、アフリカでも中国は高い信頼を得ている。 私は、こういうことも含めて、先ほどのアンテナ力、経産省がどうやったら日本のプレゼンスがそういったこれからの可能性を秘めているアフリカでも高まっていくか、そういうことも十分研究して行動に移していただきたい、その参考の資料でつけさせていただきました。 次の四の資料をごらんいただきたいと思います。 今、会津若松でいい交流を持っていただいたんですが、私は、この間の事業承継の話もそうだし、後継者不足ですね、それからベンチャーの創業率の低さ、これはもう慢性的な日本の悩みですね、これはどうしたらいいのかということで、世耕大臣のもとで三年間という短期間で集中的にいろいろな取組を行うのは結構だと思うんですが、私は、ちょっとこの際、今はもう社会人の方々のことよりも次の世代のことを考えて、根本的なところから政策を組み立て直した方がいいのかなという気がする。少なくとも同時並行で。 ということで、三年前のちょうど四月に起業家教育ということを質問させていただきました。この四の資料をごらんいただきたいんですが、先ほども指摘がありましたが、失敗に対する恐れ等々、左側の表、日本の数字はいろいろな意味で少しほかの国よりも違いが出ているということと、そしてこの右側の表、初等中等教育で起業家教育を受けた人の割合が少ないという報告もなされているわけであります。 そこで、改めて政府参考人に、初等中等教育に関するいわゆる起業家教育の予算が今どういう状況になっているのか、関連の経産省と文科省からそれぞれ御答弁いただきたいと思います。
○糟谷政府参考人 起業家教育の観点から、経済産業省では、小中学生段階からの起業家教育の普及を図るために、平成二十七年度に約四千万円の予算を措置いたしました。 起業家教育のモデル事業として、起業家などの外部講師を派遣する授業、地域の企業や商店街への訪問授業、自分で模擬的に会社を設立して商品を販売してみる体験学習などを実施いたしました。 これは二十一の小中学校で行ったわけでありますけれども、平成二十八年度以降については、更に多くの小中学校等において、文科省におけるモデルの構築のための事業を行っているというふうに認識をしております。 いずれにしましても、この間、平成二十八年度に改訂されました次期学習指導要領において、中学校において起業教育が盛り込まれたところでありまして、これが平成三十三年度からというふうに理解をしておりますので、こういったところで、更に起業家教育が高まっていくことを期待しておるところでございます。
○下間政府参考人 お答え申し上げます。 文部科学省におきましては、小中学校等におきまして、児童生徒がチャレンジ精神や創造性、探求心などの起業家精神、他者と協働しながら新しい価値を創造する力など、これからの時代に求められる資質、能力の育成を目指した起業体験活動を行うモデル事業を平成二十八年度から実施をしているところでございます。 本事業につきましては、平成二十八年度予算では約二千六百万円、二十九年度予算では約二千四百万円、三十年度予算では約千七百万円ということでございまして、予算額は年々減少してございますけれども、さまざまな工夫、関係機関、団体との協働によりまして、実施地域は各年度約十地域、実施校数は約六十校を維持しているところでございます。 これらにおきまして、地域ごとに、起業体験を有する外部講師や団体等と連携をしまして、子供たちによる模擬会社の設立、市場調査、商品開発、販売、決算、課題解決等の体験活動を実施しているところでございます。
○田嶋委員 私が改めて教育に着目したのは、この間ニセコの問題がありましたよね。そのときに大臣が、こういう予算がついているのは知らなかったとおっしゃったので、まあ、それは正直ですよ。だけれども、大臣の目から、大きな全体予算の中でそういった教育関係の予算ってやっぱりちっちゃいんですよね。逆に言えば、教育というのは投資効果が高いと思うんですよ。例えばハードへの補助金なんというのはやはり何百億とかになりがちですけれども、教育はやはり種をまくような投資でありますから、お金は今も数千万オーダーですね。しかし、こうやってやっている。 ただ、私は、それにしても、もう少し、どうですか、モデル校とかじゃなくて、ここを本気でやらないと日本の創業率はいつまでたっても上がらないし、それから、後継ぎがいない問題もなかなか解決しないんじゃないかなというふうに思います。 五番だけ、最後にちょっと時間がないので見てください。私の気に入った記事が、「私見卓見」というんですが、経営者の上野さんという方の記事を載せさせていただきました。特に下線のところですね。「今の日本ではリスクを取って雇用と税収に貢献している中小企業の経営者よりも、大企業や官庁に勤める人のほうが社会的なステータスが高くみられている。」「サ農工商」だ。真ん中に、「事業継承に携わる政策当局、金融機関などの担当者はほぼ全員が給与所得者だ。」そのとおりですよ。我々はみんなそうじゃないですか、お互いに、大企業にいた。それじゃ私はだめだと思うんですよ、やっぱり。 そうなると、やはり、我々にはできないことを、ベンチャーをやった人たちに、その情熱と夢を子供たちに伝えるということを私は全国の子供たち向けにやるようなプランを経済産業省と文科省が力を合わせて、四千万円の予算じゃなくて、せいぜいあと二桁ふやしていただいて、全国一斉にやるぐらいのことを、世耕さんならできるよ。 私は計算したんだけれども、私の選挙区は人口百万人の千葉市ですよ。中学校は六十校なんですよ。中学校は六十校、人口百万人で。ということは、全国で大体その百倍ですよね。中学校六十校に、生きのいいベンチャーの方に頼んで、ボランティアで年に一回授業をやってくれと。できますでしょう、それは。二年にわたれば三十人見つければいいんですよ、ベンチャーを、千葉市で。 だから、現実的にできるんじゃないかなということを四年前も提案しましたが、動きが全くありません。あのときは大臣答弁を求め損ないましたので、今回改めて、現実的にできることを私は提案しているんですよ。いろいろ教材をつくったり、いろいろあるでしょう、職場体験とかいろいろ。 だけれども、私は、これが一番いい。私も自分の体験として、私はたまたまですけれども、ソニーの盛田さん、創業者の話だけは学校生活の中で覚えていますよ。やはり残るんです。だから、情熱とそして夢を子供たちに与えれば、何となく就職するのが人生の将来と思っている子供たちに、自分で起こすんだということを考えさせるだけでも、僕は、小学校、中学校にそういう経営者の派遣を全て、たった十校とか二十校じゃないですよ、全ての学校にやってほしい。やりますと言ってください。
○稲津委員長 申合せの時間が経過しておりますので、簡潔に御答弁ください。
○世耕国務大臣 本当に子供のころからベンチャーマインドをたたき込むというのは非常に重要だと思います。うちの息子もベンチャー経営者と接する機会が多いですから、彼はもうどうやって起業するんだということを言っていますから、前向きに検討したいと思います。
○田嶋委員 四年前に言ったんですよ、議事録に残っているから。大臣は違ったけれども。 ぜひ、次、私がまた三年後に質問しますから、誰が大臣か知りませんけれども。だけれども、絶対これはやった方がいいですよ。お金かからないって。こういうことを嫌がるようなリーダーはいませんよ。次の世代のために力をかしてくれ、私だってやれますよ、そんなこと、三十人ぐらいだったら。みんなでやりましょう、日本じゅうに。よろしくお願いします。 以上です。
○稲津委員長 次に、山岡達丸君。
○山岡委員 山岡達丸と申します。 御質問の機会をいただきまして、本当に心から感謝を申し上げます。 大臣におかれましては、きょうは一般質疑ということで、多角的な質問に対して動じず、いろいろお答えになっている姿に心から敬意を表しながら、私もまた質問させていただければと思います。 きょうは、せっかくこうした一般質疑という機会でありますので、二〇一六年に始まりました電力の小売全面自由化、このことについてちょっと取り上げさせていただきながら、現状の認識と私なりに感じる課題も含めて、大臣の御見解を伺えればと思っております。 お配りした資料でございますけれども、こちらは、結構枚数が多いんですけれども、一枚目は、電力・ガス取引監視等委員会のリリースでございまして、最新の電力取引状況ということで、この四角の中の新電力のシェアというのが、これは、経産省に問い合わせればいろいろ細かくまた数字上の内訳があるそうでありますけれども、おおむねの目安として、販売電力量ベースで一二・七%が新電力のシェアになっているということが読み取れる資料でございます。 以下、各新聞を今回は配付させていただきました。大体去年の秋ぐらいからことしの三月ぐらいにかけてのいろいろな新聞でございまして、一枚目は、電力十社が販売量が落ちているよ、そして、記事の内容は、自由化の中で顧客が流出しているというお話が書かれています。 三枚目以降は、各地域の電力会社ですけれども、おおむね、北電、北海道電力に至っては、純利益が五四%減っている。見出しは「新電力へ顧客流出続く」ということがはっきり書かれています。次は、北陸の電力会社においても、非常に自由化で減っているんだと。あわせて、次は、中部電力、純利益が減りましたと。そしてまた、東北電力、そしてまた関電、さまざまな電力会社においてシェアが非常に新電力に流れているんだということが各紙で今取り上げられているところであります。 まず、大臣にお伺いしたいところでありますけれども、二〇一六年に全面小売の自由化ということが成って二年になります。この二年で、今、こうした十数%のシェアが新電力に移っている、この現状について、大臣は、この自由化がうまくいっているといいますか進んでいる、これはどう評価されているのか、そのことをまずお伺いさせてください。
○世耕国務大臣 全面自由化をして以降、石油、ガス、情報通信といったほかの分野からの参入も含めて、約四百六十の事業者が新たに電力小売市場に参入をしているという状況であります。 その結果、全販売電力量に占める新電力のシェアというのが、これは去年の年末時点でありますが、大体八%というところまで拡大をしてきております。家庭部門における新電力への切りかえ、これは着実に進んでいるというふうに認識をしています。 また、新電力の家庭向けの平均料金単価は、二〇一六年度において、従来の規制料金と比べると四%割安になっているわけでありまして、これはまさに、競争、自由化を通じた料金低廉化の効果が消費者に対してあらわれているというふうに考えております。
○山岡委員 ありがとうございます。 まさに自由化の恩恵の中で、使用者の方が、安い電力、あるいは、これからは、いろいろなサービスを伴った電力会社とのおつき合いの中で、そうしたことが期待できるということは、まさに自由化の中で起こっている事象なんだろうということを今大臣から御答弁いただきました。 あわせて、シェアは、私は一割ぐらいと言いましたけれども、今、昨年末の段階では八%ということでありまして、地元のことを申し上げますと、北海道電力は非常にシェアが大きく新電力に移っておりまして、先ほどお配りした資料の、ちょっとここには配付していないんですけれども、私が手計算した限りにおいては、一五、六%か一七%か、それぐらいのシェアというような状況も、ちょっと計算が合っているかどうか、これはまた経産省に伺わなきゃいけないんですけれども、そうした状況もあるところでありまして、非常に新電力が進出している、そして、その結果、使用者の方がそういうふうに安い料金で使用しているというような状況が生まれているということは間違いなく言えるのかなということは思うところであります。 今回は、この自由化そのものを否定するとかそういうことではないんですけれども、この中で起こっている事象について、本当に自由な中での自由化なのかそうじゃないのかという、さまざまな制度の事実上の不均衡がある中でこういうことが進んでいるんじゃないかという問題意識のもと、技術的なことを経済産業省にお伺いしながら少し質問を進めていければと思います。 この新聞の書きぶりというのは、新電力の事業者は非常に大きな努力をしていて、旧来のといいますか、いわゆるみなし小売電気事業者というんでしょうか、これまでの、昔からの大手の電力会社は非常に努力不足といいますか、そうした中で価格差が生まれて新電力が入っているんじゃないかという論調が多いように見受けられるところであります。 経済産業省にまずお伺いしたいんですけれども、新電力ということで、今大臣からもお話ありましたが、四百六十者もの電力会社が入っている中で、こうした電力、いわゆる小売の会社は、もちろん、相対で自分で独自の電源を見つけている、そうした人もいるんでしょうけれども、ほとんどの人が、スポット市場と言われる、一日前市場と言われるところで、市場で、これは自由化の中ででき上がったものでありますけれども、入手して、そして販売しているという状況だと思っております。この新電力が絡むスポット市場の電力のそもそもの供給源は今どこが担っておられるのか、そのことをお伺いさせてください。
○岸政府参考人 お答えいたします。 スポット市場への電力の出し手という御質問でございますけれども、その多くは旧一般電気事業者が担っているというふうに承知をしております。
○山岡委員 その多くは旧一般電気事業者というのは、いわゆる大手のこれまでの、各地で言われていた電気事業者という理解だというふうに思いますけれども、この電力の供給源がなぜその大手の、これまでの電力会社が担っているということになっているんですか。
○岸政府参考人 お答えをいたします。 国内の発電所で発電された電気、これを小売を通じて売るということでございますけれども、新しく参入した新電力、これは独自の発電所からの調達先を持っていないところが多いということでございまして、それに比較をいたしまして、旧一般電気事業者、従来からの電力会社は、従来から発電所をいろいろ持っているということでございます。 したがって、新電力というのはかなりの割合を取引所からの調達に依存をしている、このように承知をしております。
○山岡委員 新電力はもともと電源を持っていないんだというお話をいただきましたけれども、私が何を申し上げたいかといえば、電源のもとは、結局のところ、大手の電力会社の電源を、市場に出たものを使って新電力の方はやっている、出どころが同じだというのが今の自由化の現状であります。新しい電源がたくさんどんどんできて、そしてその結果、新しい小売がそこと契約して今どんどん売っているという状況ではない。もともとの出どころは同じなんですね。 ところが、市場に出ている価格というのは、一般のこれまでの、昔からの電気事業者が、大手の電気事業者が出している価格と違う価格で出ている、そうした実態があると思うんです。 いわゆる限界費用といいますけれども、済みません、この限界費用についてちょっと御説明願えますか。
○岸政府参考人 お答えいたします。 私どもといたしまして、小売電気事業の小売電力市場における新規参入を促し、卸電力市場の活性化につなげる意味でも、今御質問のございました限界費用ベースで、これは具体的には旧一般電気事業者、沖縄電力を除く九社でございますが、これが、卸電力取引所、スポット市場という言い方をしておりますけれども、ここに対して限界費用ベースで余剰電力を入札をするということを旧一般電気事業者が自主的取組として表明していただいており、現にそのように実施をされているということでございます。 限界費用といいますのは、発電所で発電をするときの燃料代、ランニングコスト、そのようにお考えいただければというふうに思います。
○山岡委員 ありがとうございます。 今いろいろな言葉でお話しいただきましたけれども、いわゆるランニングコストの部分のみの価格として市場に出している、そしてそのもとになっているのは、大手の電力会社の電源からランニングコストのみの価格で出ているというお話をいただきました。 じゃ、大手の電力会社はどういうふうに顧客さんに出しているかといえば、これまでいろいろ議論はありましたけれども、電源の固定費に乗せて、さらに、いわゆるランニングコスト、固定費プラス、可変費といいますけれども、ランニングコストを乗せて、そして市場に出している。市場のところで相対で売っている。 一方で、電力会社が市場に、余剰分というお話がありましたけれども、出している部分については、この固定費は乗らずにランニングコストだけ出している。 そうしますと、一般論で言えば、固定費が乗っている価格と、市場に出している固定費が乗っていない価格でいえば、市場の価格、電力会社が出している価格の方が安いという理解でよろしいんでしょうか。
○岸政府参考人 お答えをいたします。 まず、委員からお話ございましたように、小売市場で需要家に電力を売るときには、一般的には、こういったランニングコストにさまざまな固定費あるいはその小売に関する経費、これを乗せて売るものだと考えております。 それで、この余剰電力を限界費用ベースで入札をしていただいているというところの趣旨でございますけれども、これは一般電気事業者さんの自主的取組ではございますが、そもそも卸電力取引所は、全員が一本の約定価格で価格決定される方式でございます。シングルプライスオークションという仕組みでございます。そういたしますと、売り入札に出した価格以上の、これよりも高い価格で通常商いは成立するということになります。 したがって、限界費用ベースで売り入札を行うということは、旧一般電気事業者にとりましても約定するチャンスを最大化させますし、さらには、発電所をとめて遊ばせておいてもいずれにせよ固定費は発生をいたしますので、そうした固定費を少しでも回収ができるという面はあるのだろうというふうに考えております。 あわせまして、市場への出し惜しみといった競争制限的行為を防止し、卸電力市場の流動性を向上させる意義もあると考えております。
○山岡委員 今お話にもありましたけれども、いわゆる出した価格が安ければ、その後は、市場ですから、入札が入って、価格が上がって、それで決まるということでありますから、必ずしも出した価格が安いわけじゃないという趣旨も含めてお話もいただいたと思います。 お話の中で、余った電力であるんだから、それを出せばそれが売れるじゃないかというような議論もいただきました。 ところが、例えば食料の世界でいえば、食べ物のはねものを新しい食品に加工して売って、新しい需要を見つけて売るということはできるわけでありますけれども、電力の世界は、需要は一定なわけであります。人口に比例して、大体世の中の需要というのは一定である。 こうした中で、電力会社として、なぜ、じゃ、余剰が出るかといえば、その大半の原因は、例えば昼と夜に使う電力量が違いますから、この電力量が違うときに余剰が出る。ということは、需要も落ちているから電源に対して余剰が出るというのがこれまでの電力会社の小売の考え方でありますけれども、需要が落ちていて、その分電源が使う容量がないから余剰になっている部分、余っているよ、それが、今お話がありましたけれども、固定費を乗せないでランニングコストだけで今出すと。そうすると、その市場に出た余剰電力は、少なくなっている需要を、更にその中に入り込む、それのために新電力がその電力を市場で買って、そして入り込むというような状況が今出ているというのが、これは私の理解であります。 今、十数%自由化が進む、自由化そのものを否定はしませんけれども、ただ、自主的取組、自主的取組というようなお話もありますけれども、この限界費用で電力会社が出しているということが新電力の参入の促進につながっている、そして四百六十八者ぐらいまでいっている、そうした背景があるということはどうお考えでしょうか。
○岸政府参考人 お答えいたします。 スポット市場に対する限界費用ベースでの余剰電力の売り入札、こうした一般電気事業者の自主的取組の効果もございまして、卸電力取引所における取引量は増加傾向にございます。電力総需要に占める取引所の取引割合は、昨年十二月時点で八%にまで増加をしてございます。 委員からも御指摘ございましたように、新規参入者が電気を調達をする、これはなかなか苦労をされているところでございますけれども、そのためにも卸電力市場の流動性は不可欠でございます。こうした一般電気事業者による取組は新電力の新規参入促進に寄与しているというふうに考えております。
○山岡委員 寄与しているというお話もいただきましたけれども、もともとの電力会社にしてみれば、本当は、先ほどの答弁でもありました、一般的には固定費を乗せて市場に出す、これが普通であるけれども、ランニングコストで出していただいている、自主的取組で出していただいていると。 自主的取組なんですか。これは強制しているわけではないんですか。そのことを伺います。
○岸政府参考人 お答えいたします。 旧一般電気事業者九社に自主的取組として表明していただき、そのように実施していただいているということでございます。
○山岡委員 皆様の立場から自主的だというお話をされていますが、事実上それが新電力参入の結果につながっているところを電力会社九社はみずから行っているということが、今のお話もありましたけれども、そういう状況であります。 もう一つ、一般的なイメージでいうと、新電力というのは、そのかわり、市場で手に入れるんですから、供給が不安定になるといいますか、いざとなったら顧客に電力供給できない、迷惑をかける可能性もある、リスクもあるんじゃないかというのが一般的なイメージでありますけれども、仮に、新電力という新しい電力が、参入してきたところが供給できないという事態になったときに、これはどういうような制度で今担保されているんですか。
○小澤政府参考人 お答えいたします。 二〇一六年の小売全面自由化以降、電気事業法に基づきまして、新電力も含めまして全ての小売電気事業者は顧客の需要を満たす供給力を事前に調達しておく、これが義務づけられております。 一方で、委員御指摘の、想定を超えた需要の増加等により、新電力も含めた小売電気事業者が事前に調達した供給力を上回る需要が生じた際には、一般送配電事業者がその差分を補填することで安定供給を確保することとしてございます。
○山岡委員 もう一度伺いますけれども、繰り返し恐縮なんですけれども、最後、安定供給をさせるというのは、事実上、今現時点においては、大手の電力会社が持つその電源をもって行うということの理解でよろしいですか。
○小澤政府参考人 お答えいたします。 今、九電力会社が一般送配電事業者としてなっていますので、そういう理解になると思います。
○山岡委員 今お話をトータルで、総合いたしますと、自由化ということで、八%、一〇%というふうに進んでいるわけでありますけれども、その実態は、電力会社が自主的に市場にランニングコスト以外の費用を乗せないで安く出し、そこに新電力が入ってきて物を買い、そして、その需要は、電力需要というのは一定でありますから、安く出したものでこれまでの電力需要のところに新電力が入ってきて、そして、その上、今お話にもありましたけれども、仮に供給ができない事態になったとしても、最終的には、今現時点においては、いわゆるもともとの電力会社がそのことの安定供給を保障する、その結果、新電力の参入者は四百六十八件にもなっている。 これは私が聞き及ぶところでありますけれども、まさに、電源を持たずにペーパーだけ回して、そして、市場に入って、そして販売先だけ見つけて安く売ることによって利ざやを稼いでいるような業者も生まれているんじゃないかというお話もあり、そしてまた、さらには、大手の電力会社すら、ほかの地方に別の会社をつくって、同じ新電力というこの中に入って、そして同じようなビジネスで今お金を稼ごうとしているような動きがあるんじゃないか、そういうような動きも聞くところでありますけれども、そのあたりはどのように聞いておりますか。
○世耕国務大臣 おっしゃるように、いわゆる旧一般電気事業者というのは、新電力に攻められる立場であると同時に、やはり自分たちも小売部門をつくって、そしてそれがまた合従連衡もあって、新たなマーケットをとりに行くこともできるわけであります。 いずれにしても、フェアなルールでしっかりと競争を活性化して、最終的に消費者のメリットになるように努めていくことが重要だと考えております。
○山岡委員 大臣、御答弁、ありがとうございます。 今私がお話ししたかった趣旨は、ほかの地域に電力会社が行きますと、それは新電力のルールなんですけれども、もともとの大手の電力会社にしてみれば、大臣がお話しいただいたような、果たしてフェアなルールの中で向き合っているのかということを問題意識として伺わせていただきました。 つまり、自主的な取組という扱いにはなっている中ではありますけれども、電力会社としては、やはり市場に、スポット市場に、余剰電力という名のもとに、必ず生まれるものを余っているんだからという論理のもとで出して、それは安く出して、そしてそれを、新電力が入ってきて、その分の需要を電力会社が食われ、そしてその結果、八%から一〇%ぐらいシェアをとったことになっていますけれども、自由化そのものは否定していないんですけれども、何かつくられた自由化のように見えてならないんです。 そのことについて、大臣としてどうお考えでしょうか。
○世耕国務大臣 まさに委員がおっしゃっているのは、いわゆる非対称規制というやつなんですね。これは実は、私のいた電気通信の世界でも、競争を最初に入れたときは、最初、完全にイコールの条件にしてしまうと新規参入の人というのは全然入るすき間がないわけですから、そこを少しでも、新しい事業者がしっかり一定程度のシェアをとって、競争を活性化して、そして公共料金の水準を下げていくというような取組上、やはり競争を導入していく中では、一定期間、非対称規制的な政策というのはとらざるを得ないのではないかというふうに思っています。
○山岡委員 大臣がはっきりと、これは非対称規制なんだということを御認識されながら御答弁されたということであれば、私はそれは、やっているということであれば、それ以上このことについて問うということにならないんですけれども。 そうしましたら、この非対称規制であるというような状況はいつまで続くんでしょうか。このことを大臣にお伺いさせてください。
○世耕国務大臣 これは、やはり新電力が十分な電力を卸電力市場でしっかりと確保できる状況が整う、卸電力市場がしっかりと活性化をするという段階で改めて、そのとき規制をどうするかということを考えていくことになるんだろうと思います。
○山岡委員 十分に活性化するまでというのが果たしていつなのかということをお伺いしたい思いなのでありますけれども、確かに、もともとの電力会社というのが非常に巨大な、これまで地域で根を張っていた、その中でどのように活性化させていくかというのは大きなテーマで、政治的に非対称規制をやっているんだというお話もあれば、これまでさんざんもうけてきたじゃないかというような感情的な、まあまあそうした論理もあったりして、そうした中でこの自由化を進められているというのが、これは過渡期の中で起こっているんだと思っております。 やはり、自由化というのを本当にやるのであれば、一日も早く、何かこうした形じゃなくて、皆さんが健全にといいますか、本当の意味で競い合うような環境をつくってほしいという思いも込めて、今、電力会社が新聞記事の報道の中で、電力会社の努力が足りなくて何か進出されているような、そうした報道が躍っているかのような、そして、新電力の方がはるかに何か努力しているからそういうような話が進んでいるんだというような論調は、これはやはり、大臣のお話の中で、一日も早い流動化というのを決定していただいて、また是正していただきたいと思います。 今、この者のことについて伺いたいんですけれども、新規参入の新電力のことについて伺いたいんですけれども、四百六十八者もあって、この四百六十八者がきちんと健全とした形で競争者としてこれから先も残っていくのかどうか。こうした非対称規制を強めることによって、非常にボリュームを持って、そのときだけ入ってきて、本当の意味でフェアになったときにいなくなってしまうんじゃないか、そういうような心配もするわけでありますけれども、大臣、今の状況はこれでよろしいんでしょうか。
○世耕国務大臣 まだ競争を自由化をして間もないわけであります。これは電気通信の世界でも、やはり二十年、三十年かかって競争のルールというのは確立されていったという歴史もあります。私から見て、やはり電力はまだまだだなと思うところもたくさんありますから。それは逆に、旧電力事業者から見た部分もこれはあると思います、いろいろな意味で、今おっしゃっていることだけではなくて。 そういったことも含めて、これからも、これで競争政策が固定するわけではありませんから、なお洗練された、そして、最終的には消費者にとって使い勝手のいい政策に磨き上げていく必要はあるだろうと思っています。
○山岡委員 きょうは二十七分という限られた時間でありますので、問題提起も含めて、今の現状も含めてお伺いさせていただきました。 大臣おっしゃったように、いい形にこれから仕上げていくんだというお話でもございますから、私もまたさまざまこの中身を注視させていただきながら、時にまた大臣の胸をおかりして、いろいろな御議論をさせていただければと思います。 ありがとうございました。
○稲津委員長 次に、菊田真紀子君。
○菊田委員 無所属の会の菊田真紀子でございます。 ここのところ各省庁による不祥事が相次いでおりますので、どうしても取り上げざるを得ません。 まず資料の一枚目をごらんください。経産省でも四月の十一日に係長が詐欺の疑いで逮捕されたと聞いておりますが、現在把握している事案の概要について、経産省、お答えいただきたいと思います。
○高橋政府参考人 お答え申し上げます。 先生御指摘のございました件でございますけれども、四月の十一日に当省の情報システム厚生課の係長が詐欺の疑いで逮捕をされたところでございます。 警察によりますと、平成二十八年九月下旬ごろ、都内の携帯電話機販売店におきまして、偽造した健康保険証を提出し、携帯電話機六台をだまし取るとともに、携帯電話機の購入契約に伴うキャッシュバックサービスによりまして、預金口座に約二十三万円を振り込ませたということでございます。 このようなことが起こりましたことは私ども大変遺憾に考えておりまして、経済産業省といたしましても、捜査に最大限協力いたしまして、全容の解明を踏まえまして、厳正に対処したいと考えております。
○菊田委員 財務省の文書改ざんから、防衛省・自衛隊の日報の隠蔽、そして文科省と経産省の講演への介入、さらには財務省の福田事務次官セクハラ問題、厚生労働省でも、これもまた福田という同じ名前ですけれども、健康局長によるセクハラ問題と、まさに行政への信頼が大きく揺るいでおります。 今回の職員による詐欺の事案は個人の問題だとは思いますけれども、しかし、相次ぐ各省庁の不祥事への大臣の所感、そして行政への信頼回復にどう取り組むのか、見解を伺います。
○世耕国務大臣 まず、私からもおわびを申し上げたいと思います。 経産省の職員が詐欺の疑いで逮捕されたことはまことに遺憾でありまして、経産省としても、捜査に最大限協力をして、全容の解明を踏まえて、厳正に対処したいと思います。もう既に、今できる対策は指示をしてやらせているところであります。 今、行政をめぐってさまざまな問題が指摘をされておりまして、国民から厳しい目が向けられていることを重く受けとめる必要があると思っております。 行政の根幹は、国民からの信頼で成り立っております。経産大臣として、経済政策、産業政策や対外通商政策など、重要な課題への取組を一つ一つ着実に前へ進めること、成果を出していくことで国民からの信頼に応えていきたいと思いますし、経産省の中の気持ちもしっかりと引き締めたいというふうに考えております。
○菊田委員 国民は、どうして大変優秀な日本の官僚がこんなにも無責任、そして、記憶があったりなかったり、他人のせいにしたり、責任をとらなかったり、不祥事が相次いでいる。本当にもうあきれ返っているという厳しい目が向けられていること、世耕大臣にもしっかりと肝に銘じていただいて、今後も大臣としての職責を果たしていただきたいというふうに思います。 現在、政府はエネルギー基本計画の見直しに向けて議論を進めていると承知をしておりますが、エネルギーの議論の中で、国会においてこれまでも何度も議論になってきましたが、原子力発電に要するコストとほかの発電手段によるコストとの比較について、大臣に見解を伺います。
○世耕国務大臣 原子力のコストについては、これは民主党政権当時の二〇一一年に外部有識者の検討で採用されたモデルプラント方式という試算方法、これを踏襲しながら、二〇一五年のエネルギーミックス検討の際に、改めて外部有識者のもとで評価方法の適切性を再検証して、少し改善をして策定されたものであります。 この試算では、資本費、運転維持費に加えて、賠償や除染、中間貯蔵などの事故リスク対応費用、そして追加安全対策費用、高レベル放射性廃棄物処分費も含めた核燃料サイクル費用、そして立地対策や研究開発費といった政策経費など全て含んだ試算となっておりまして、原子力発電のコストとしては、キロワットアワー当たり十・一円以上という結果が出ておりまして、他の電源と比べて安いという試算になっているわけであります。 当然、原発に関しては、例えば、福島の賠償費用が、十兆円とか、いろいろびっくりするような数字は出てくるわけなんですが、基本的には、やはり発電量が非常に多くて、そして四十年から六十年という長い期間運転する、そして、その期間、例えばLNGとか石油火力と比べると、燃料をずっと投入するんじゃなくて、一度投入すればずっと回り続けるという特徴があって、やはりランニングコストが安いというところが、全体としての、原子力はコストが安いということにつながっているのではないかというふうに考えています。
○菊田委員 委員の皆様には、資料の二枚目をごらんいただきたいと思います。 二月の十九日に、外務省の気候変動に関する有識者会合でエネルギーに関する提言が取りまとめられ、河野太郎外務大臣に提言が提出をされました。 この有識者会合の位置づけと、提出された提言の内容は外務省としての公式見解かどうか、きょうは政務官にお越しいただいておりますが、外務省にお答えいただきたいと思います。
○堀井(巌)大臣政務官 お答え申し上げます。 外務省におきましては、気候変動問題に関し、最新の世界の動向、NGOや研究者、気候変動対策に積極的な企業などの声を生かし、新たな政策の方向性を打ち出すことを目的に、気候変動に関する有識者会合を設置し、本年の一月に第一回会合を開催したところでございます。 二月に、有識者会合から河野外務大臣にエネルギーに関する提言が提出をされました。 この提言におきましては、再生可能エネルギー外交を推進すること、エネルギー転換の実現へ、日本の道筋を確立すること、脱炭素社会の実現をリードし、新たな経済システムを構築することの三点を柱に、気候変動対策で世界を先導する新しいエネルギー外交を推進することを提言しているというふうに承知をいたしております。 この位置づけでございますが、本提言は、気候変動及びエネルギーに関する最新の国際的な動向を踏まえ、我が国のエネルギー外交に関し、有識者の皆様の見解が外務大臣に対して示されたものというふうに認識をいたしております。 今後、その内容をどのように政策に反映していくかにつきましては、政府部内でよく検討してまいりたいと存じます。 以上です。
○菊田委員 御紹介ありがとうございました。 外務省としての公式見解と考えてよろしいんですか。
○堀井(巌)大臣政務官 お答え申し上げます。 今申し上げましたように、これは、この有識者会合の委員の方々の見解を外務大臣の方に示していただいたものでございますので、もちろん、外務省を含め、これは政府全体で、今後どのような政策に反映していくかについてこれからよく検討してまいりたい、政府部内でしっかりとよく議論してまいりたいと存じます。
○菊田委員 政務官、ありがとうございます。 この有識者の提言について、政務官個人としてはどう評価されていますか。
○堀井(巌)大臣政務官 今、この気候変動及びエネルギーに関して、国際社会、特に外交においてさまざまな議論がなされております。この有識者の皆様方も、そういった議論を踏まえた中でいろいろと現状を認識し、御提言をいただいたものだというふうに受けとめております。 エネルギー外交につきましては、もちろん、外務省として、しっかりと今後も取り組んでいかなければならないと思っておりますし、また、我が国のエネルギー政策を第一義的に所管しておられます経済産業省ともよく、一緒に議論をしながら、我が国としてのエネルギー外交のあり方についてしっかりと考えてまいりたい、このように改めて感じているところでございます。
○菊田委員 この提言の中では「世界的には、原子力は、高リスクで競争力のない電源であることが明らかになっているにもかかわらず、日本では、原子力が他の電源よりも安価であるという試算がそのまま使われている。新規の原子力発電に巨額の公的支援を必要としている海外の事例を見ても、日本での原発新増設は経済的な現実性を欠いている。」と指摘されています。 原子力は高リスクで競争力のない電源であることが明らかであると、外務省の選んだ有識者が断言をしています。経産省、資源エネルギー庁の見解と大きく異なるのではないかと思いますが、この外務省の有識者会合による提言に対する世耕大臣の見解を伺います。
○世耕国務大臣 今回の提言は、外務大臣が設置された有識者会合があくまでも外務大臣に対して提出されたものですから、経産省としての論評を差し控えたいと思います。 今おっしゃっているコストについては、これは、海外では、例えば、建設実績の乏しい新型炉をつくるとか、あるいは、過去数十年間も建設の実績がないゆえに、例えば部品メーカーとかあるいは実際に組み立てるゼネコンの実績がなくて建設費が高騰しているとか、それぞれケースに理由があるわけであります。 こうした海外における個別の要因もよく踏まえる必要がありまして、海外の事例が必ずしも日本の場合に当てはまるわけではないというふうに思っているところでございます。
○菊田委員 四月十日のこの委員会におきまして、田嶋要委員が再生可能エネルギーについて質問をされて、外務省と経産省はダブルスタンダードではないかということを指摘をされたということを記憶しておりますけれども、私も、外務省と経産省でダブルスタンダードがある、閣内不一致ではないかということを指摘せざるを得ませんが、そのようなことはないんだということを大臣ははっきりと言い切れるんでしょうか。
○世耕国務大臣 今、内閣に存在する、この原子力を含めた、再生可能エネルギーも含めた唯一の閣議決定した方針はエネルギー基本計画でありまして、当然、河野外務大臣もそのもとでお仕事をされているわけであります。 そしてまた、二〇三〇年の基本計画の見直しへ向けた検討というのも、これは三年ごとということで今行っているわけであります。この議論、あるいは、さらに二〇五〇年を見据えた議論は、これはエネルギー情勢懇というところで行ってまいりました。この場には外務省にもしっかり参加をしていただいて、御意見を言っていただける体制の中でまとめていきたいというふうに思っておりますので、閣内不一致というようなことは起こらない。 いずれにしても、エネルギー基本計画を見直すにしても、二〇五〇年の姿を何らか政府として示すとしても、これは内閣が一致した形でお示しをしていきたいというふうに思っています。
○菊田委員 エネルギー基本計画の見直しに向けて、資源エネルギー庁が選んだ有識者によるエネルギー情勢懇談会が四月の十日に提言を取りまとめました。この懇談会のメンバーである有識者に、原子力発電のコストについての見解はどのようなものであったと認識しているのか、実際にメンバーの有識者に見解を確認したかどうかも含めて、政府参考人、お答えください。
○小澤政府参考人 お答えいたします。 今委員御指摘のエネルギー情勢懇談会でございますが、全員で八名の方が委員でいらっしゃいます。さまざまな視点から多面的に議論をしていただくために、エネルギーに限らず、産学の第一線で活躍する有識者の方々に委員になっていただきました。具体的には、経営者、学者、ジャーナリスト、宇宙飛行士といった多様なバックグラウンドを持った方々に委員になっていただいております。 したがいまして、これらの方々は、エネルギー政策や原子力についての専門的なスタンス、見解に基づいて選定したわけではございません。 その上で、実際のエネルギー情勢懇の場では、エネルギーに限らず、地政学、国際情勢、技術動向、温暖化対応など多様な視点について、各委員がそれぞれの立場から幅広い検討を行いました。 もう一点、事前に見解について確認したかということについては、特段の確認は行っておりませんけれども、いずれにいたしましても、幅広い御議論、活発な御議論をいただいたというものでございます。
○菊田委員 ニセコ高校の講演内容に介入する前に、原子力は安価なエネルギーである、こういう考え方に固執している経産省、資源エネルギー庁、私はもっと幅広く国民の声そして識者の声を聞いた上で真摯に考え直していただきたいということをこの場で申し上げたいと思います。 このエネルギーの問題に関しては、また改めて議論させていただきたいと思います。 堀井政務官、御退席をいただいて結構でございます。きょうは御出席ありがとうございました。 時間がだんだんなくなってきましたけれども、資料の三枚目をごらんいただきたいと思います。下請等中小企業の取引条件改善について、世耕大臣は官房副長官時代から熱心に取り組んでおられます。この一連の取組は世耕プランと呼ばれていると伺っておりますが、まず、このすてきな世耕プランというネーミングの由来、誰がつけられたのか、そしてどんな思いで進められているのか、教えていただきたいと思います。
○世耕国務大臣 これは自分でつけたわけじゃなくて、省内で何か、あるときから資料にこの名前が入っていたと思っていまして、辞退するほどでもないので使わせていただいているというところであります。 アベノミクスの果実を地方の中小・小規模事業者に回していくためには、やはり下請取引の改善が絶対に必要だという思いで、これは官房副長官時代から、まさに中小企業というと経産省の範囲で考えるんですが、国交省が所管している運輸業界とか建設業界とか、そういったところまで含めて取り組んできたところでございます。
○菊田委員 昨年十二月に「未来志向型の取引慣行に向けて」に係る自主行動計画フォローアップ調査の結果が公表されました。この調査の概要と結果について、政府参考人、お答えください。
○吉野政府参考人 お答えをいたします。 この自主行動計画策定、八業種二十一団体ございますけれども、経済産業省所管の六業種十八団体から昨年秋にフォローアップ調査を実施をした結果として、中小企業庁に報告があったものでございます。各団体所属の会員企業、約七千社ございますけれども、そのうち千七百五十二社から回答がございました。 フォローアップ調査の結果を見ますと、これまで重点三課題としてまいりました原価低減要請、型の管理、支払い条件について、自動車業界を中心に積極的な取組が浸透してきているということが言われています。 特に、支払い条件の改善に関しましては、自動車のセットメーカー十四社中八社が一〇〇%現金払いに切りかえた。それから、自動車部品企業、これはティア1、ティア2の範囲ですが、全て現金受取が二二%になった。それから、素形材産業に関しまして、これはティア1からティア4をカバーしておりますが、全て現金受取となったところが一四%になったといったところを伺っております。 他方、建機、それから電機・情報通信機器、繊維業界などの業界では、改善に向けた取組に着手しているものの、発注側大企業の一〇〇%現金払いはいまだ一〇から三〇%程度にとどまっているなど、動きが鈍い面も見受けられると認識をしております。
○菊田委員 四枚目の資料をごらんいただきたいと思いますが、そもそも回答率が二五・四%しかありません。また、業界を通してのフォローアップでありますので、実際に問題が生じている企業というのはなかなか回答しづらいということもあり、実情はもっとひどい状況も考えられるのではないかなというふうに思います。さらに、二次下請より下、三次下請、四次下請以下の回答が少ないということも気になります。 この自主行動計画で取組は、今お答えいただきましたように、改善は見られているものの、まだまだ幅広く、特に取引段階の下の層に行き渡らせていくことが大事だというふうに思いますが、政府参考人からその見解を伺います。
○吉野政府参考人 お答えいたします。 まず、自主行動計画といった形でこの取組を進めることといたしましたのは、業界ぐるみ、全体でティアの下層のところまで及ぶようにということで、業界の取組を促してきたものでございます。 他方で、御指摘のとおり、業界団体内で十分下のところまで行き届いていないというところがございます。業界団体の中で中小企業の割合が多い繊維とかそれからソフトウエアといった業界におきましては、これはどうしてもこのフォローアップ調査の回収率が低い結果となっておりまして、今後、こういった業界内の三次、四次、五次といった取引段階の下の方までしっかりと周知、浸透を図っていく必要があると考えております。 まずは、とりあえず、この取組一年目でございます。さらに、Gメンなどの情報を得ながら、取組が進んでいない状況がございましたら、各業界におけるこの自主行動計画を促しつつ、また私ども自身も、このGメン自身の取組を更に広げていくような取組を広げていきたいと考えております。
○菊田委員 時間が参りましたのでもうやめますけれども、五枚目の資料にも出ておりますけれども、特に労務費に関して、あるいはエネルギーの変動分に関しては、余り反映できなかった、反映できていないという回答が非常に多いという現状にありますので、これはしっかりと今後も引き続き対応していただきたいと思いますし、それから、下請Gメンの活動も、実際に、本当に話してもその守秘義務が守られるのかどうかという不安の声も一部にあると伺っておりますので、この下請Gメンの活動に関しても経産省として引き続きフォローしていただきたいと思います。 それでは、質問を終わります。ありがとうございました。
○稲津委員長 次に、谷畑孝君。
○谷畑委員 世耕大臣、非常に御苦労さまです。 過日、道頓堀、大阪でいうたら道頓堀というのは人がたくさん集まって非常に楽しいところですけれども、この間ちょっと行ってきまして、ずっと散策していますと、まあ、言葉、ほとんどが外国人です。日本人を探すのに苦労しました。 それで、せっかく来たんだからということで、道頓堀で船に乗りまして、いろいろと、空を見たり人の話し声を聞いておったんですけれども、その船に乗っていますと、その船から、ずっと行きますと近畿大学という大きな垂れ幕が道頓堀のところにいわゆる広告されていましたよ。ああ、さすが世耕先生、いきってるなと思いながらその船に乗っておりまして、これはぜひきょうは委員会があるから大臣に報告しておかなきゃいかぬな、まあ、そんなことを思いました。 いずれにしましても、やはり大阪は関西の中心です。人も金も集まる、こういうことから非常に大事だ。また、関西が発展することは、もちろん東京は日本の首都でもありますから、やはり人間の体も目が二つあって上手に歩けると思うので、ぜひひとつ皆さんも、関西の発展、大阪だということで、応援の一つでもまたしていただいたらありがたい、そういうように思っております。 さて、世耕大臣にお伺いをしたいと思います。 やはり中小企業は、九〇%を超える、日本を支えている大事な産業です。その中小企業にはやはりいろいろな悩みがあります。一つは、取引をちゃんと継続してできる、これは非常に大事なことですし、それから、融資というものは、常にいわゆる運転資金がぐるっと回っていくこと、これが非常に大事です。我々もそのために行政的施策をちゃんとしているつもりであるわけであります。 そういうことの中で、やはり大企業と中小企業というのは、結局、つながっていくのは、信頼関係というのを維持していくことが物すごい大事です。もちろん、競争の社会ですから、ちゃんと過当競争にも勝てるようにして、いいコストでやっていかなきゃならぬ、こういうように実は思うわけであります。 そこで、世耕大臣に、中小企業を大臣としてやはりもっと支えていくということが、僕は毎回同じことを聞くわけですけれども、大臣から見て、中小企業の役割、そしてそれを更に支えていくこと、そして中小企業のさまざまな負担、大企業との接待とかいろいろな意味で、いろいろな目に見えない、人に言えない負担があります。そういうことも含めて、そういうものが軽減されていくような、そういうことをまた旗を振っていただくことを決意して、もう一度発言をしていただきます。
○世耕国務大臣 やはり日本の製造業のサプライチェーンの中で、中小企業というのは本当に重要な役割を果たしているというふうに思います。 今、私は、下請取引条件の改善を頑張っているわけですけれども、必ずしも大企業が悪みたいな感じでもなくて、やはりサプライチェーンの中にいる下請中小企業を物すごく大切にしている大企業もあるわけです。例えば、自分のところで古くなった製造装置を下請の中小企業に回して、そこで新たな製品をつくって、今までは自分の企業内でやっていたやつを切り出してあげて、きちっと中小企業を育てているとか、その他技術を一緒になって磨いているとか、あるいは賃上げ交渉も、自分の会社だけではなくて、サプライチェーン全体を見渡してきちっと賃上げ交渉をやっているような、そういう企業もあるわけでありまして、まさに、やはりサプライチェーンを大切にしていくということが、サプライチェーンの中にいる中小企業を大切にしていくということが、これからの大企業の経営にとっても非常に重要なのではないか。 しかし、一方で、下請Gメンから上がってくるような報告とかを聞いていますと、これは企業が特定されるといけないので余り細かくは言えませんけれども、ああ、いまだにこんなことが行われているのかというぐらいひどいこと、言える範囲で言うと、例えば、金型の保管義務だとか、あるいは、製品を一方的に倉庫で預からされているとか、返品が起こったときの負担は全部下請がかぶっているとか、まあ、ひどいことが行われているわけでありまして、こういうところをしっかり改善して、中小企業の経営者の方々がやはり伸び伸びと、中小企業の人たちも第四次産業革命、イノベーションというところへ希望を持って参加できるような状況にしていくということが、日本経済を本当の意味でよくする上で非常に重要ではないかと考えております。
○谷畑委員 中小企業の人が世耕大臣の今のお話を聞くと非常に勇気づくと思います。またしっかりと頑張る、こういうことになるのではないか、こう思います。 中小企業の現場で頑張っておられる経営者や従業員の皆さんの立場になってみると、中小企業施策で最も重要なことは、例えば、生産性の低い中小企業は廃業もやむを得ないと考えるのか、あるいは、人口構造、産業構造の変化に合わせて地方の中小企業は縮小していかざるを得ないと考えるのかなど、政府は現状に対して中小企業政策をどのように進めていくのかといった不安に応えることではないか、私はそう思います。 そこで、世耕大臣にお伺いします。 これからも中小企業は限定された経営資源の中で生産性向上を図っていかなければなりませんが、中小企業自身がどう経営を革新していくかといった喫緊の課題に対して、今後の中小企業政策の方向性についてどう考えておられるのか、そうした中で中小企業庁の果たす役割について、大臣にお伺いをいたします。
○世耕国務大臣 中小企業がやはり生産性を上げてしっかり存続をしていくというのは、非常に重要だと思います。これは、地方にある中小企業でも、基本は、しっかりと改革は進めながらも存続をしてもらうということが重要だ。 なぜならば、やはりこれは、大企業にとっても、サプライチェーンが、例えば災害とか起こったときでもずっと製造を続けられるためには、例えば部品のメーカーが各地に分散をしているとか、そういうことも非常に重要だと思います。一時期、東日本大震災あるいは熊本地震なんかで、やはり大企業の製造がとまってしまったというようなことがあります。あるいは、海外に依存し過ぎると、タイで大水害が起こったときに、やはり日本の製造業が直撃を受けた。これをちゃんと各地に分散をして、質の高い中小企業を存続させておくというのは、これは、単に中小企業を救うためではなくて、大企業、そして、ひいては日本の産業政策全体のために重要だというふうに思っています。 そういう意味で、人口減少による労働力不足や需要の減少が進む中で、大企業との生産性格差、あるいは、経営者の高齢化と後継者不足などがより深刻な中小企業の問題として顕在化しつつあるわけでありまして、こういった問題をクリアして、中小企業、小規模事業者の生産性向上を進めていくということが喫緊の課題だというふうに思っています。 そのため、二〇二〇年までの三年間を集中投資期間として、中小・小規模事業者の設備投資の後押しですとか、事業承継の促進ですとか、経営支援体制の強化によって、中小企業、小規模事業者の生産性向上を一層促進していきたいというふうに思っています。 その中でも、事業承継の促進に当たっては、計画的に承継を検討し、承継後の事業展開に意欲がある事業者の承継をしっかり支援をしていく必要があると思っていまして、承継に当たって、承継者が引継ぎをしたいと思えるように事業の磨き上げをしていくことが重要だと思っていまして、承継前に、経営相談や補助金による経営力の強化のための支援なども行っていきたいというふうに思いますし、一方で、承継にまで至らず、経営者みずからが廃業を望む場合には、これが円滑に実施されるような環境整備も重要だと思っています。 中小企業庁は、やはり、中小企業の皆さんの目線に立ってしっかり政策を推し進めていくことが重要だと思います。 先ほどの下請でも、下請Gメンというのをつくったのは、これは私の発案なんです。今まで中小企業庁というのは、はい、商工会議所に聞きました、商工会連合会に聞きましたといったら終わっちゃうんですが、それではだめだと。やはり、現場に行って、現場の声を直接聞いてくるということが重要だと思っていまして、大臣として、中小企業庁がやはりそういう動きをするようにこれからもしっかり指導していきたいというふうに思っています。
○谷畑委員 次に、データの利用等についてお伺いしたい。その専門人材の育成の必要性ということについてお伺いをいたします。 情報技術分野の技術革新が進展をして第四次産業革命を迎える中で、データが大変重要な資源となっていると承知しております。しかし、資源は有効に活用されなければ意味がありません。IoT機器が普及することにより、膨大なデータの集積が可能となりましたが、いわゆるビッグデータを扱う専門的な人材は不足しており、世界的な人材獲得競争が起こっております。また、我が国の情報処理、通信にかかわる人材はIT企業に偏在しており、ITを利用する側の割合が少ないことも問題であると思います。 IT人材の不足は、特に中小企業にとって深刻であるのではないかと考えております。中小企業庁委託のアンケート調査では、IT投資が重要であると考えておるにもかかわらずIT投資を行わない理由として、ITを導入できる人材がいないという項目の回答割合が四三・三%で、最も高くなっているようであります。 IT化が生産性向上に寄与するためには、人材投資等の無形資産投資による補完が必要だと思います。すなわち、IT投資の促進だけでなく、IT人材の育成も一体となって行わなければ効果は損なわれると思います。 そこで、お伺いをいたします。 生産性革命を実現するために、情報技術分野にたけた専門人材の育成に政府はどのようにして取り組んでいくのか、お伺いをいたします。
○吉野政府参考人 お答えいたします。 中小企業、小規模事業者の生産性向上に向けましても、ITの利活用の推進に係る支援、これは非常に大事だというふうに思ってございます。中小企業にとりましても、そのIT人材が非常に重要であるわけでございますけれども、御指摘のとおり、なかなかこうした人材を確保するのは難しいという面がございます。 他方で、技術の進歩によりまして、ITシステムを自社で保有しないクラウド型のサービスなどが普及をしてきておりまして、IT人材に乏しい中小企業でも利用可能な簡便で安価なITツールが提供されてきているところでございます。 これらの生産性に資するITツールの導入を進めるために、平成二十九年度補正予算でIT導入補助金を五百億円確保し、これによりまして約十三万社を直接支援するということにしております。 それから、中小企業のITの支え手ということにつきましては、昨日、法案の方、議了賜りましたけれども、中小企業にとりましては、じゃ、どういうツールを使えば効果があるのか、どういうふうなものが安全なのか、こういうところの不安の声がございます。 こうした点に関して、私どもは、先ほど申し上げました法律の方で、今回、ITのベンダー、ITのサービスを供給する事業者を情報処理支援機関として認定をする制度を整えました。こうした方々が中小企業の支え手としてお墨つきを持てたことになる。こういう方々によって中小企業の方々は支えられて、かつ、どういうサービスがいいのか、どういうものが安全なのかといったところをしっかりとお選びやすくするような形を今後とっていきたいと思ってございます。 それからあと、さらに、支え方としまして、全国四十七都道府県によろず支援拠点といったものを設置しております。ここはITも含めてさまざまな相談を受けるわけでございますけれども、それに加えて、三回まで無料で受けられる専門家派遣の制度というものがございまして、こうしたものによりましても中小企業、小規模事業者のITに関する相談対応を行っているところでございます。 他方、また、IT人材そのものを中小企業自身が育てていくところ、これも簡単ではないんですけれども、中小企業大学校なども活用して、いわゆるリカレント教育というんでしょうか、社内人材の教育といったところに関しましても、しっかりと対応していければというふうに考えておるところでございます。
○谷畑委員 質問している私も、ITを上手に使えるのかと言われると、非常に危ないというのか、子供、家内、皆達者でやっているのはうらやましく思っております。 経営者の層の中にももちろん私みたいな人もたくさんおられると思うんですけれども、このIT教育の必要性、特に経営者にとっては非常にこれは死活にかかわるので、そこらの点もまた行政的にもフォローをしっかりしてあげないかぬので、まずその認識をお伺いします。
○吉野政府参考人 お答えいたします。 御指摘のとおり、IT投資の促進には経営者の御理解も非常に大事であるというふうに認識をしております。 政府としましては、IT化の支援、先ほど補助金のケースを申し上げましたが、それによってさまざまな成功事例をつくり出し、その成功事例を中小企業の方々、社長さんの方々にもしっかりとお伝えをしていく、こういう取組が大事だと思っておりまして、この二月に経済産業省を事務局とする中小サービス等生産性戦略プラットフォームというものを発足させまして、これはさまざまな業界の方々が参加をされている非常に大きなプラットホームなんですが、このプラットホームを通じまして、IT化を通じた生産性向上に関する情報、ノウハウ、それから成功事例などを強力に横展開をする、お示しをしていって、経営者の方々の意識の向上を促していきたい。 それから、事業承継に関しても同じなんですが、中小企業にふだんから寄り添っていらっしゃる金融機関ですとか、それから税理士、会計士、それから商工会、会議所の経営指導員といった伴走されている方々によっても経営者の後押しをする役割を期待するところでございます。
○谷畑委員 いずれにしても、経営層に対するIT教育というのは、やはり非常に大きな差があると思うので、できる人とできない人、そこらをしっかりと行政的にもフォローしていただくことをお願い申し上げまして、非常に時間が中途半端になりましたので、これで終わりたいと思います。 ありがとうございました。
○稲津委員長 次に、笠井亮君。
○笠井委員 日本共産党の笠井亮です。 去る三月三十日の当委員会で、私は、政府の高速炉開発会議に経済産業省、資源エネルギー庁が提案をした高速炉開発の方針の骨子案及び方針案について、担当部署が起案をして、稟議を経て、そして決裁に至るまでの経過を示す文書を公開するように求めたところでありますが、世耕大臣はそれに対して、「あるかなきかについては、それは省内、しっかり調べさせていただきます。」と約束をされました。調査の結果、報告をお願いします。
○世耕国務大臣 高速炉開発会議の会議資料に関する決裁について、資源エネルギー庁において確認を行った結果、三月三十日の委員会で笠井委員から御指摘いただいたような、いわゆる稟議書の形式による意思決定、そのことを行っていないということを確認したところでございます。
○笠井委員 それだけですか。 意思決定に至る担当部署の起案のための検討を記した文書、つまり、事務局が作成して、骨子案と、そして方針案を成案として作成するまでの原子力政策課内の文書もない、一切何もないと。口頭だけでやりとりして、そして会議に提案してやったと、こんなことになっているんですか。
○世耕国務大臣 ですから、御指摘の会議資料については、高速炉開発会議の事務局を務める経産省から、会議の場に提示したものであります。 この会議に提示された資料案については、私に対する担当者からの事前説明の中で、私がしっかりと確認を行った上で了解をして会議に提出をしているということでございます。
○笠井委員 それは提出するときの口頭了解だ、何も残っていないと。しかも、事前に、一切そういうものが、課の中で、担当部署の中でも、こういうことだよねという議論したものも何も残っていないと、こんな行政をやっているんですか。一切何もないと。
○世耕国務大臣 経産省の中では、いわゆる稟議書の形式で意思決定を行う文書は内規で定められておりまして、例えば、法令の制定、改廃に係る文書、あるいは法令の規定に基づいて行われる事務又は事業の処理を行う文書などが対象となっていますが、高速炉開発会議に提出する資料は対象とはなっていないわけであります。 高速炉開発会議に提出する資料は、私のもとでしっかりと確認を行った上で了承している。これは口頭了承、これでいいよ、これで会議に諮ろうじゃないかということを言ったわけであります。ですから、稟議書が存在しないということ自体が不適当であるという御指摘は当たらないのではないかと思います。
○笠井委員 稟議書という形式をとらないでも、課の中で、こういうことについて、方針の骨子あるいは方針案について、こういうものを出していこうということについて議論したものは一切形も何もなくて、いきなりこの案がぽんと出て、それで、大臣との関係で、いいよ、これを出してと、こういう話になっているんですか。どうやってこれを検証していくかという問題とか、どんな経過で課の中で検討したかというのは一切何も残っていない、記憶しかないと、ここでもそんな話になるんでしょうか。
○世耕国務大臣 これは、決定をしたのは高速炉開発会議なんですね。この会議での議論、そしてその結論こそがまさに意思決定の過程でありまして、そこで用いられた資料、そして議事の模様、議事録については、既に公開をされているわけであります。 今御指摘になっているような文書については、以前資料要求をいただいた際に既に確認をしていますが、確認した限りにおいては見つかっていないというわけであります。
○笠井委員 これは、高速炉開発会議ということで、会議で決めて、そしてまたそれを総理のもとのところに上げて決定をするという重大な中身で、方針変更にかかわることですが、それが今、大臣再三言われている、稟議書という形式がないと。そしてそれは、もうこれで出すから、この文書があればいいんだよと。それで、事務局というのがあって、そこで作成したものが、案が出ているということで高速炉開発会議の中でも出ているわけですけれども、議事録要旨の中には、それも結局いきなりばんと出てくると。 これでは本当に、今この国の行政がどんな形でその文書の案をつくって、そして省内で議論をし、それが結局大臣に至って、稟議書もなしにやって、ぼっと出てくるというふうになって、これは本当に経過がわからないということになると思うんですね。 加計疑惑では、愛媛県の文書と同じ内容の文書が農水省から出てきて、真相解明の上で重大な問題になっているわけでありますが、その問題でいえば、いまだに自公、与党は、柳瀬元首相補佐官、現経産省の審議官の証人喚問を拒否しているわけですけれども、まさに問題になっているのは記憶よりも記録であります。行政の意思決定に至る経過を明らかにしなければ、国会と国民への説明責任を果たせないし、そして、後々検証もできない。 それは、そのとき世耕大臣がいいよと言ったというのは、口頭で了解しても、それがどこにも残っていないということになるわけであります。まさに、そういう決定過程が残らない、国民主権と議会制民主主義の根幹にかかわる重大問題が経産省の中でも起こっていると言わざるを得ません。 そこで、次の問題に行きますが、佐賀県にある九州電力の玄海原発三号機で、三月三十日に配管からの蒸気漏れという重大な事態が発生をいたしました。再稼働からわずか七日後であります。しかも、地元の自治体などへの連絡という点でいいますと、佐賀県には二時間後、玄海町には二時間半後、そして唐津市には二時間四十分後、伊万里市には三時間十分後と、大きくおくれたわけであります。 世耕大臣に伺いますが、地元の住民の方々からは怒りと不安の声があふれております。ある方は、安全対策を尽くしたと言っていたのにこの結果、避難計画を実施する上で前提となる九電からの情報伝達の問題も示されたというふうに怒りを示されました。また、地元自治体の首長の方も、調査をした上での連絡だと思うけれども時間がたち過ぎている、こういう形でも厳しく批判をしております。 こうした地元の意見について、大臣はどう受けとめておられるでしょうか。
○世耕国務大臣 九州電力においては、原子力規制委員会の指導のもと、何よりも安全第一で対応してもらいたいと思っています。 なお、重要なことは、こうしたトラブルに対する地元の不安にしっかりと対応することであります。事業者に対しては、立地自治体始め地元の皆さんに状況を適時適切に御説明するとともに、その御要望に真摯に向き合っていくよう指導してまいりたいと考えます。
○笠井委員 ちょっと他人事ですね。他人事のようだと思います。 九州電力というのは、いろいろいわくがあります。 この原発再稼働をめぐっても、二〇一一年のあの東京電力福島第一原発の事故の後、ちょうど六月、七月にかけてですけれども、私も国会で取り上げましたが、いわゆるやらせメール事件がありました。二〇一一年六月に、経産省主催の佐賀県民向けの説明会の際に、社員らに運転再開を支持するメールを投稿するように指示していたということで、こういう事件を起こして、大変に不信を買って、この電力会社、大丈夫か、まさにやらせでやっているじゃないかということで問題になりまして、社長が辞任する、しないという話になって、真部社長は、格好、退任とか辞任とかということになったわけです。そして、住民の方々は不信を強めてきました。そういう電力会社。 そういう中で、今回の事態に対しても怒りや不安を強めるのは当然ではないかと私は考えております。 今回の問題は、表面的な対応では済まされないと思うんです。原子力規制委員会の更田委員長にお越しいただいておりますが、具体的に、今回どういう事態が起きたのか、そして、どう見ておられるのか、事実関係について端的に説明をお願いします。
○更田政府特別補佐人 お答えいたします。 今回、玄海原子力発電所三号機、二次系の配管から蒸気漏れが発生をいたしましたけれども、この蒸気漏れに関しては、安全に与える程度は極めて小さなものというふうに捉えています。 むしろこれは、事業者が発電を続けて利益を上げていく上でのトラブルであるという捉え方をしておりまして、原子力規制委員会は安全にかかわる重要な点、また、瑕疵があってはならない点について厳しく指導していくということに重点を置いておりますけれども、こういった事業者利益を守るようなトラブルに関して手とり足とり指導をするような組織ではありませんで、今回のトラブルは二次系配管からの蒸気漏れでありまして、安全上の重要度からすればごくごく低いものであるというふうに認識をしております。
○笠井委員 今、更田委員長から、これが二次系で安全上の重要度が小さい、低いからというふうなお話がありましたが、それでいいという問題ではないと思います。 九州電力は、以前からさびを認識していながら、配管が腐食して今回のような蒸気漏れという事態に至るという認識がなくて、九電の幹部自身が甘く考えていた、こういうふうに述べているわけですね。 更田委員長は、こうした甘く考えていたという九電の姿勢についてはどうごらんになっているでしょうか。
○更田政府特別補佐人 お答えいたします。 一般論として申し上げて、潜在的なリスクを抱える施設を主体的に運用する組織でありますから、物事を甘く見るという態度はあらゆる観点において慎むべきである、戒めるべきであろうとは思います。 今回起きた事象、これは、本来であれば冷たい状態がふだんの状態ではない配管が七年間にわたって冷たかった、それが屋外にあって雨に当たる状態であった。ですから、外側からの腐食によって腐食孔、穴があくという、これは起きてみれば原因をつかまえるのは容易なことではあるんですけれども、確かに、こういった発電所を七年間も途中で停止をするというのは設計や建設段階に考慮されているとは考えがたいので、やはり再稼働前に、より慎重に、自分たちの事業者としての利益を守る観点からも、彼らとしては慎重に検討すべきであったとは思います。 そういった意味で、九州電力、甘く見ていたことによって十分痛い目に遭っているというふうに私どもは認識をしております。
○笠井委員 甘く見ていたと痛い目に遭いながら、またやるというわけですが、今、甘く見ていたという態度は慎むべきだというお話がありました。そういうふうに、二次系だから大丈夫だと甘く考えていた事業者が、じゃ、一次系については厳正にしっかり検査してやっているかといっても、誰も信用しないと思うんですね。 一次系も含めて検査に見逃しがないのか、再稼働に至って検査して、そして適合性の審査を受けたという形になっているわけですが、規制委員会としてそういう点でしっかりと審査、チェックすることが、一次系も含めて甘い態度がないのかということについては規制委員会としてもしっかり審査、チェックするということが、やはりこの時点に立ってどうしても必要だと思うんですが、その点はどうお考えでしょうか。
○更田政府特別補佐人 お答えいたします。 先生の御質問にもありましたように、ポイントをきちんと逃さないこと、重要なところにはきちんと資源を注いで確認をすることというのが大変重要であると思っております。一次系の配管を始め、安全上の重要度が高い機器についてはきちんと私たちが監視をする責任を原子力規制委員会も負っておりますし、まず何よりも、第一義的に責任は事業者も負っております。 このためにこそ検査制度の改革のお願いをして、昨年の国会において法改正をお認めいただきましたけれども、その新検査制度の施行を待つことなく、私どもは、段階的に、より検査制度を高みを目指して改善を続けてまいりたいというふうに考えております。
○笠井委員 検査制度でいえば、この法改正のもとで、今度は、規制委員会としては、規制庁は検査に立ち会わないでもよくなって、検査を、事業者がやったものを文書で審査をするということになったので、そういうことも含めて、これでいいのかということは問われてくると思います。 世耕大臣に伺いますが、甘く考えていた、慎むべきと今規制委員長からお話ありましたが、そういう九電の姿勢に対して、地元の佐賀新聞、今月六日付、四月六日付の論説の中で厳しく論評しておりますけれども、さびを放置すれば腐食が進むということは誰でも容易に想像できる、甘く考えていたという九電の釈明は、一歩間違えば人や環境に取り返しのつかない災厄をもたらす、そういう、原子力事業者とは思えないような言葉だということで批判をしておりますが、そうした指摘について、原子力事業者の監督責任者として、官庁の責任者としてどう受けとめられるでしょうか。
○世耕国務大臣 絶対的な安全ですとか一〇〇%の安全、ゼロリスクということはないわけでありまして、むしろ絶対的な安全という考え方が安全神話につながっていくようなことは避けなければいけないと思っています。 この件を始め、トラブルを踏まえた反省を真摯に行った上で不断に安全性の向上を図っていくことが重要でありまして、規制当局とそして事業者の双方が継続的に安全の向上に取り組んでいくべきであると考えておりまして、この考え方にのっとって、事業者もしっかりと指導してまいりたいと思います。
○笠井委員 よく、世界最高水準の規制基準に適合すると、それは原発再稼働ということで総理も大臣も言われてきたわけですが、更田委員長に伺いたいんですけれども、先ほどの御答弁とのかかわりもあるんですけれども、ちょっとこの辺、どう考えたらいいかということなんですが、これまで原発は、基本的には、十三カ月間運転をするというふうにしたら一旦停止をする、そして定期検査を行って運転を再開をする。もちろん、検査をし、審査を経てということで規制基準が出てくると思うんですけれども、ところが、東京電力の福島第一原発事故以降は、そういうサイクルというのはある意味一変をしたということになっております。 今回の玄海原発三号機の場合には、委員長が先ほどおっしゃったみたいに、二〇一一年以降、十三カ月どころか、実に七年三カ月ということにわたって停止をしていたということになります。それを再度動かしてみたら、今回は二次系統という話なんだけれども、蒸気漏れが起こったということがあったということなんですが、規制基準と審査において、七年三カ月ということで、こんなに長い期間停止をしていた原発を再稼働するということについては想定してきたんでしょうか、そういうことが起こるというのは。
○更田政府特別補佐人 お答えいたします。 率直に申し上げて、長期停止後の再稼働に関する基準ですとかといったものがあるわけではございません。 しかしながら、審査の間での議論において私どもが心配をしておりましたのは、一次系ですとか安全上重要な機器が七年間といった期間で大きく劣化するとは考えにくいところがありますが、何よりも、そこで働いておられる方が七年間にわたって、温かい、熱いプラントを知らない状態が続く。 現場の安全、施設の安全は、何も東京の会議室の机の上で生まれるわけでは決してありませんので、現場の方々が動いているプラントを知っているということが極めて、通常状態でも重要ですし、万一の事故のときも非常に重要です。 異常の検知というのは、振動であったり温度であったりにおいであったり、さまざまなもので伝えられるものですから、現場経験によってのみ培われるものですので、これが七年間という期間なくて、その技術ですとか経験の継承がうまくいくかどうかということは、重ねて各事業者と議論をしたところであり、また注意を促したところであります。
○笠井委員 委員長、先ほど、設計について、七年以上にわたってとまるということについては想定していなかったということを指摘されながら、今、結局、長期にわたって停止したものについて動かすという点での基準があるわけではないということと、現場の経験ということを言われました。 確認的なあれなんですけれども、七年三カ月も停止をしていた影響が、この二次系にとどまらず一次系も含めて、つまり原発全体、あるいはそれを動かしていく上でもどんな影響をもたらすのかということについて、影響が全くないというふうには言い切れませんよね、これは。
○更田政府特別補佐人 お答えいたします。 何の確認もなしに、全く影響がないと断じてしまうことは許されないと思っております。十分な評価であるとか検討というのは個々になされるべきであるというふうに考えております。
○笠井委員 何の確認もなしにですが、じゃ、長期間にわたった場合どういう確認をすればいいのかということについては、やはりこれは基準があるわけでもないし、どの点というところはあったと思うので、結局、七年以上も停止していた原発を動かすことを想定していないもとでこういうことが起こったという点でいうと、しかも、どういう確認かということについても、何の確認もなしにということでありますけれども、影響がなかったと言い切れないということであれば、やはりそれ相応の対応というのが必要だったのではないか、あるいは必要になってくるのではないかと思います。 今回は、蒸気漏れによって安全上の重大問題に至ることはなかったというのはある意味幸いだったわけですが、二次給水系の末端設備の軽微なトラブルでも、それが発端になって、あのアメリカのスリーマイル原発事故の例に見られるように、重大事故につながる、そういうきっかけになることがあったりした。当然、そういうきっかけになり得るおそれはある。しかも長期間にわたって動かさないものを動かすということになると、これまでのサイクルとも違うということになるので、原発の運用に際しては、当然、軽微な故障、トラブルも生じないように設備保全に努めなきゃいけないし、規制委員会もその点でも役割はあるはずだと思います。 そして、その中で、先ほど、これに先立つ質問の答弁の中で更田委員長が、安全神話の復活は許さない、そして、改善すべきものは直ちに改善するというふうにきっぱり言われて、私、それを伺って非常に心強かったんですが、そうであるならば、ある意味、原子力事業者が損になるか得になるか、損にならないように自分たちでちゃんとやるんだよという面だけじゃなくて、規制委員会としても、やはりこういう長期間にわたってとめたもとで動かした中でこういうことが、ある意味、第二次系で今回は起こったけれども、しかし、こういうことが一次系を含めてどこにどういう問題が起こるか、どんな基準でそのことについても加味する必要があるかということについては、やはり検討して新たに対処すべきことではないかと思うんですけれども、それはいかがでしょうか。
○更田政府特別補佐人 お答えをいたします。 これは原子力に限りませんけれども、規制というものが本質的に抱える非常に重要な問いかけで、事業者をどこまで監視、監督するか。 今回の長期間停止した後の再起動に際して、原子力規制委員会は安全上重要な部分に私たちの資源や関心を集中した嫌いがあります。これは当然、安全上重要なところに私たちは関心を強めていく。 一方、今回のところというのは、この蒸気漏れを起こした箇所というのは、財産保護であるとか事業者の利益を生むために、このトラブルがあると利益を生んでいく上で障害となる箇所であります。こういったところまで、箸の上げおろし一つ一つを見るように、事業者さんがどうぞ利益を上げていただけるように、うまく原子力発電が進んでくれるようにという指導を行う組織では私たちは決してなくて、彼らが利益を失うのが怖いのであれば、その利益を生むために、きちんと保全しなきゃならないところは彼ら自身の責任においてきちんと保全をするべきものであるというふうに私たちは考えております。
○笠井委員 私は何か、ちゃんとやって原発を動かしてくれと言っているわけでは決してなくて、逆に、やはり利益を上げるということに重きを置きながらどうするかということで考える、事業者はそういうふうに考えたいんでしょうけれども、結局のところ、安全上重要なところということとの、やはりそこに重きを置くという規制委員会の対応ということをやってきたと言われるんだけれども、しかし、ある意味、何というか、イエロー信号、黄色信号を出したんだと思うんですよ。 長期間にわたってとめていたところが、動かしたときに、たまたま今回は蒸気漏れということで起こったけれども、しかし、それが一次系とかもっと核心部分というか、重要と今委員長が言われたようなところでも、結局、とめていたけれども動かしたことによって、やはり今までと違うことが起こっているおそれはないのか。そういうことをしっかりとやはり見ていかなかったら、大変な事故につながったら、それこそ国民の利益が損なわれる。当然、その中で原子力事業者だって東京電力みたいにやっていけなくなるという状況になるわけですから、そういう問題になってくるというふうに考えております。 世耕大臣に伺います。 今回の事故はやはり、私、そういう意味でも絶対に軽く見てはならないと思うんです。 ところが、九州電力は、事故後も、発電をとめただけで、臨界は維持していただけじゃなくて、昨日、四月十七日に、近く三号機の発送電を再開するという報告を県と規制庁と、それから三十キロ圏の自治体などに出しているということだと思いますが、報告書を出しました。その上、四号機については、四月二十一日にも核燃料装填を再開をして、五月下旬にも再稼働するというわけですね。 問題なのは、それだけじゃなくて、今回、蒸気漏れに対しては、配管をステンレス鋼に交換をして屋根も設置するなど、再発防止策をとるというんですけれども、それらも、営業運転再開後から、これから運転再開をしてから十三カ月後の定期検査以降になるということを言っているわけです。 原子力事業者に対する監督官庁の責任者として、こうした九電の対応をよしとするのか、このまま発送電再開じゃなくて、原子炉をとめて総点検すべきだと私は強く言いたいと思うんですが、大臣の所見を伺います。
○世耕国務大臣 発電を再開するか否か、また、いつ開始するかについては、これは原子力規制委員会の指導監督のもと、九州電力が佐賀県とのやりとりも踏まえてみずから判断を行ったものと承知をしています。 いずれにしても、九州電力には、安全第一で対応するのはもちろんのこと、佐賀県を始めとする関係自治体に対しても、状況を丁寧に御説明をして理解の確保をするように努めてもらいたいと考えます。
○笠井委員 終わりますが、玄海だけじゃないんです。九州電力は、鹿児島県にある川内原発一号機でも、一年前の昨年三月から一次冷却水の放射性沃素濃度が上昇していたのに、ことし一月の定期検査まで運転を継続していて、ようやく今月五日になって、その原因について発表したありさまです。こんなことだから、九州各県の県民や住民の怒りと不安が高まっている。 安全神話は絶対だめと言うんだったら、本当に、今ここでしっかりと政治が決断しなきゃいけない。また福島第一原発事故のようなことが起こったらどうするのか。危険な原発再稼働はきっぱりやめて、原発ゼロを今こそ決断すべきだと重ねて申し上げて、質問を終わります。 ――――◇―――――
○稲津委員長 次に、内閣提出、不正競争防止法等の一部を改正する法律案を議題といたします。 これより趣旨の説明を聴取いたします。世耕経済産業大臣。 ――――――――――――― 不正競争防止法等の一部を改正する法律案 〔本号末尾に掲載〕 ―――――――――――――
○世耕国務大臣 不正競争防止法等の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。 近年、第四次産業革命と呼ばれるIT分野における急速な技術革新の進展に伴い、企業の競争力の源泉は、データやそれを活用したサービスへと移り変わりつつあります。こうした状況を踏まえ、データの利活用を促進するための事業環境を整備するほか、知的財産や標準の分野において、ビッグデータ等の情報技術の進展を新たな付加価値の創出につなげるために必要な措置を講ずるべく、本法律案を提出した次第であります。 次に、本法律案の要旨を御説明申し上げます。 まず、不正競争防止法の一部改正です。 第一に、ID、パスワード等により管理され、相手方を限定して提供されるデータの不正取得等を、新たに不正競争行為に位置づけ、これに対する差止め請求権等の民事上の救済措置を設けます。 第二に、暗号等の技術的制限手段について、その効果を妨げる機器の提供等だけでなく、その効果を妨げるサービスの提供等も不正競争行為に位置づけます。 次に、工業標準化法の一部改正です。 第一に、標準化の対象に、データ、サービス等を追加します。これに伴い、同法に定められた日本工業規格を日本産業規格に、法律の題名を産業標準化法に改めます。 第二に、標準化に関する専門的な知識、能力等を有する民間団体等を認定し、当該団体等からの産業標準の案の申出については、審議会に付議することなく、主務大臣が産業標準を制定する等の手続を新たに設けます。 第三に、登録認証機関の認証を受けずにJISマークの表示を行った法人等に対する罰金刑の上限を、一億円に引き上げます。 次に、特許法等の一部改正です。 第一に、これまで一部の中小企業に限定されていた特許料等の軽減措置の対象を、全ての中小企業に拡大します。 第二に、裁判所が書類提出命令を発するに際して、非公開で書類を提示させるインカメラ手続において、書類の必要性を判断できるようにするとともに、技術専門家がこれに関与できるようにするなど、知財紛争処理手続を充実させます。 第三に、特許料等のクレジットカード払いを認めるなど、手続の簡素化等を図ります。 第四に、弁理士が、その名称と責務のもとで、データの利活用や規格の案の作成に関する相談に応ずる等の業務を行うことができるようにします。 以上が本法律案の提案理由及びその要旨であります。 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようよろしくお願い申し上げます。
○稲津委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後四時三十九分散会