経済産業委員会 第8号
- 発言数
- 307 件
- 登壇者
- 24 名
- 会派数
- 8
- 開催日
- 2018/04/13
会議録
○稲津委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、生産性向上特別措置法案及び産業競争力強化法等の一部を改正する法律案の両案を議題といたします。 この際、お諮りいたします。 両案審査のため、本日、政府参考人として内閣官房情報通信技術(IT)総合戦略室内閣参事官八山幸司君、内閣官房日本経済再生総合事務局次長宇野雅夫君、内閣府大臣官房審議官林幸宏君、個人情報保護委員会事務局次長福浦裕介君、経済産業省大臣官房審議官中石斉孝君、経済産業省大臣官房審議官佐藤文一君、経済産業省経済産業政策局長糟谷敏秀君、経済産業省製造産業局長多田明弘君、経済産業省商務情報政策局長寺澤達也君、経済産業省商務情報政策局商務情報政策統括調整官吉本豊君、資源エネルギー庁資源・燃料部長小野洋太君、資源エネルギー庁電力・ガス事業部長村瀬佳史君、中小企業庁長官安藤久佳君、中小企業庁次長吉野恭司君、中小企業庁事業環境部長吾郷進平君及び中小企業庁経営支援部長高島竜祐君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○稲津委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ―――――――――――――
○稲津委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。山崎誠君。
○山崎委員 おはようございます。ありがとうございます。立憲民主党、山崎誠でございます。 きょうもお時間いただきました。前回に引き続き生産性革命について議論をさせていただきたいと思うんですが、朝早くからまたこの話をしなきゃいけないかと思うととても残念なんですが、でも、これは実はこの法案に深く深く関係する部分ですので、冒頭、触れさせていただきます。 今いろいろな新しい展開があります加計学園の問題です。 この問題、要するに、煎じ詰めれば、安倍総理がどういうふうにこの案件に関与したか、それが今問われています。そんなことはないとずっと強弁をされていますが、少しずつ、でも確実に証拠が挙がってきています。 柳瀬首相秘書官がこれは首相案件だということを言ったと、そういったものが愛媛県の方から上がってきた。それは、証拠に基づいて、ある種、証拠があって言ってきている。柳瀬首相秘書官は、参考人としてこちらにもお呼びをしていますが、なかなか来ていただけない。これは、この法案でいくならば、この規制のサンドボックスです。まさに、内閣総理大臣が評価委員を任命し、内閣総理大臣を通じて勧告を出していくという、こういうプロセスを規定しています。 前にお聞きをすると、世耕大臣、これは内閣府の問題なので、その長は総理大臣なので、ある意味、形式的に総理が関与しているような話になっているんだというふうにおっしゃっています。 通常のまともな政治、政権であれば私はその説明を受け入れると思いますが、今これだけ加計の問題、国家戦略特区も同じような構造を持っていて、結局そこに総理の意向が強く働いたのではないかと問題になっています。それがまだ、国会でも集中審議等が行われる、その中で、参考人も、今度は証人喚問という形で今野党がリクエストしていますが、そういったものがきちっと成立して、その全貌が明らかになって、責任が、あるいは、全く総理の言うように問題がないということが明らかになった、それでももちろん構わないと思います。どちらかはっきりしないと、この法案自体、このまま通すわけにはいかないんです。採決は、少なくとも、そういった審議が行われ、集中審議だとかが行われ、この加計問題、例えば加計問題ですが、明らかにならないと、私は先に進めないと思っています。 この点、もう一度、申しわけございませんが、世耕さん、私は、世耕さんはまともでいらっしゃって、私の言っていることはわかっていただけていると思います。そういう前提で、本当に、この制度、これはとてもいい制度で、みんな応援していますよ。みんな応援しています。スピーディーに、三年間しかありませんからね。強力にこういった新しい実証の場を設けて、いい結果を早く出して、規制を緩和して、新しいビジネスモデルを伸ばそうという、ある意味、強力な制度をつくろうとしているわけです。強力だからゆえ、この目標、目的はゆがんだものであってはだめだと思うんですよ。 一部の友達のためにこの運用がなされるようなことがあってはいけない。日本の未来のため、日本の経済のため、産業のため、いや、もっと言えば、もっと世界のいろいろな課題解決のために使わなきゃいけない制度ですよね。それが今のようなこの状況の中で果たして機能するのかな、強力な権限を与えていいのかな、非常に私は不安になるし、みんなそういう感覚を持っています。 ここを払拭しないと経産省も前に進めないと思いますが、世耕さん、どうですか。
○世耕国務大臣 御指摘の案件については、これは柳瀬審議官が総理秘書官時代の話でありますので、経産省としてお答えすることは控えたいと思いますし、柳瀬審議官が国会へ行くかどうかというようなことについては、これは国会でお決めいただくことだと思います。 この法案のサンドボックス制度や、あるいは御指摘の評価委員会のあり方については、私が法案を提出した責任ある大臣として明確に答弁をさせていただいております。そのことはきちっと議事録に残り、将来、これを運用するに当たって、私の答弁していることがまさにその運用を縛っていくわけでもあるわけでありますから、私が責任者としてしっかりと答弁をさせていただいていることで、今の御指摘の点には答えられているのではないかというふうに考えております。
○山崎委員 もう一度はっきりと、じゃ、内閣総理大臣の関与というのはこういう関与なんですよ、任命というのはこういう任命なんですよ、勧告というのはこういう形で出されるんですよということをきちっと議事録に残してください。
○世耕国務大臣 ですから、評価委員会がいろいろ評価をして、その結果を踏まえて主務大臣が最終的に判断をしていくということになるわけであります。 この評価委員会に関しては、これを、各省庁にまたがるいろいろな案件があるということで内閣府に置いております。総理はあくまでも内閣府の長として手続等にかかわるわけでありまして、別に、総理が何かこの評価委員会を仕切るとか、そういうことはないわけであります。 そして、この評価委員会に関しては、議事録等を公表するなどして、しっかりと透明性も確保してまいりたいと考えております。
○山崎委員 任命の基準、まだ正確には決まっていないかもしれませんけれども、どういう基準で任命されるのか、その方針を教えてください。
○世耕国務大臣 評価委員会の委員については、このサンドボックス制度というのは、今回、エリアを限定しているわけではありませんので、内外の社会経済情勢及び革新的事業活動の動向に関してすぐれた識見を有する者を任命することとしております。その人選については、委員により代表される意見、学識、経験等が公正かつ均衡のとれた構成になるよう留意をしていきたいというふうに思います。 いずれにしても、選任した暁には、なぜ、どういう考え方で選任をしたのか、どういう形でバランスがとれているのかということを、これを我々は世の中に対して説明責任があるわけであります。万が一偏った人選をしたときは、それこそ経産委員会で私もまた厳しい追及を受けることになるわけであります。 必ず公正で均衡のとれた構成になるように努めてまいりたいというふうに考えます。
○山崎委員 もう一点、このポンチ絵の中に「内閣総理大臣」と書いてあって、その下に米印があって「基本方針の策定」とあります。これはどういう意味ですか。ここにこの基本方針策定と入れているのはどういう意味ですか。
○糟谷政府参考人 基本方針でございますけれども、これは各省横断的に実施すべき内閣の重要政策でありますので、制度全体の運営方針である基本方針については、内閣の長たる内閣総理大臣が案を作成して閣議決定をすることといたしております。 基本方針の案の実質的な作成過程におきましては、内閣官房を中心に、全府省庁と調整を行い、各府省の意見を踏まえて、関連施策の整合性をとった上で決定をするものであります。
○山崎委員 ぜひそういう書き方、説明をきちっと残していただきたいと思います。 私は、この基本方針の策定も、やはり評価委員のような皆さんがきちっと議論をした上でつくっていくようなお話ではないかなと思っています。最終的にそれをオーソライズするのは内閣総理大臣かもしれないけれども、今そのぐらい、残念ながら、安倍政権のやり方、非常に不信感が漂っている。疑問が多く出ている。 だって、国家戦略特区だって同じですよ。ワーキンググループをつくってきちっと議論をしています、議事録も残しています、何の問題もありませんという中で、ワーキンググループの中で参加している人が出てこなかったり、いろいろな記述の漏れがあったり、疑惑が生じています。 あえて言わせていただければ、本当にいろいろな形で、きのうもPFIのお話、コンセッション方式のお話もありました。あれも総理大臣に本当に強い権限を与えるということでございまして、今の状況でこういう制度をどんどんどんどんリリースしていくこと、どんどんどんどん実施していくことというのは大変な危険をはらんでいるんだと、冒頭、重ねてですが、申し上げさせていただきます。 ぜひ、建前ではなくて本音。この間もお話ありました、書類を読んでいなかったみたいな。財務大臣ですよ。中村課長ですか、判こを押すのに書類を読んでいなかった、そういうこともありますよねと。本音と建前、大事だとうちの枝野代表も言いました。今の答弁が建前に終わらないように、世耕大臣、よろしくお願いします。 それでは、本題に入って質問をしたいと思います。 私は、この法案の中で、この間の質問でも取り上げましたけれども、データ共有、連携というところはもしかすると一番肝で、一番大事なのではないかなと、サンドボックスなんかもありますけれども、思っていますので、そこにちょっと焦点を当てたいと思います。 この間ちょっと世耕大臣の意見を聞けなかったので、シンギュラリティー時代というのがありますよね、技術が爆発的に進化していく、それが本当に無限大のスピードで高くなっていく。そういう社会にあって、飛躍型企業ビジネスモデルと私書きましたが、この間ちらっと触れましたが、世耕大臣のイメージとして、このシンギュラリティー時代で本当に伸びていく企業、あるいは、それはどういう要因で、どういうきっかけで伸びていくのか、その辺のお考えをお聞かせください。
○世耕国務大臣 なかなか、それがわかっていれば、私、自分でビジネスでやりたいと思うぐらいなんです。それぐらい、シンギュラリティーというのは、はっきり言って、なかなか何が起こるかまだ予想しづらいところがあるだろうと思っています。 ただ、シンギュラリティーというのは、あくまでも人工知能が人間の能力を超えるということになるわけですから、それに伴っていろいろなビジネスが生まれてくるんだ、想像もできないようなことがいっぱい起こってくると思いますね。 例えば、人工知能で小説を書いてしまうとか、人間より頭いいわけですから、あるいは、人工知能が発明をしていくとか、これからそういう時代にもなってくる。逆に、そういう時代であるからこそ、例えば豊かで心が安らぐようなサービスとか芸術作品とか、そういったところのまたニーズがふえてくるとか、いろいろなことが考えられると思いますけれども、いろいろなチャレンジを、特に分野を限定せずにしっかりとサポートをしていくのが政府の役割ではないかなというふうに思っております。
○山崎委員 シンギュラリティーというのは、私の理解ではAIの世界だけではありません、いろいろな技術がとにかく革新して、爆発的に進化していくという状況なので。例えば太陽光パネルの価格、四十年で二百分の一ぐらいになりました。これがどんどんどんどん安くなっていくとか、いろいろな分野でその変化が極めて速い。それが本当に爆発的に、想像を超えるような速さで、倍々ゲームで変わっていくというお話なんですよ。 そういう中で、一番大事なのは、やはりデータなんですよね。今あるビッグデータと言われるようなものが処理できるようになった、IoTでいろいろなデータが集まるようになった、それが新しい資本というか資源で、それを源泉にしてどういうビジネスを組み立てていくか。 だから、今まで機械が中心の例えば製造業、それが今度はデータが中心の製造業とかビジネスとか、もちろん機械は要るんですよ、でも、それをいろいろつなぎ合わせるデータがあって、組み合わせるデータがあって、新しいビジネスが生まれているという認識。そのデータの価値が、さまざまなAIだとかを含めたシンギュラリティーの世界に入って、飛躍的に、新しいいろいろな分析ができるようになった、連携がとれるようになった、そういうお話じゃないかと思います。 今、この法案の中で、データ共有事業者をつくっていろいろなデータを集めていこうとしていますが、この場合の、この前提になっているデータニーズというのはどういうものでしょうか。
○世耕国務大臣 いろいろなデータがあると思いますね。 例えば、自動運転を開発していくに当たっては、やはり、国が持っている、土地に関する地図情報ですと、我々、国土地理院が政府にあっていろいろなデータを持っていたりしますから、そういったデータに対するニーズが出てくる可能性もあると思いますし、あるいは、例えば、我々、特許庁ではいろいろな物質のデータなんかをたくさん持っているわけでありますけれども、例えばそういったデータに対するニーズも出てくるかもわかりませんし、ともかくありとあらゆるものがデータとして活用されていく、そういう時代になっていくんではないかなというふうに思っております。
○山崎委員 ごめんなさい。データがたくさんあるのはわかります。いろいろな種類のデータがある。そのデータのニーズはどういうところを想定していますか。どういうふうにそのデータを使う人たちを想定してこの法案を考えていますか。
○世耕国務大臣 まず、何かこの法案ですごく制限をしているというわけではないわけであります。 基本的には、どんなものが手が挙がってきても、もしかしたら我々が想像していないようなアイデアもあるかもしれませんから、そういったものにも対応できるようになっているのがこの法案のたてつけでありますが、一方で、我々は政策として今、コネクテッド・インダストリーズというのを進めています。そして、その政策を進めていく上では、やはりある程度重点分野を絞っていかなければいけないということで、重点五分野ということを我々は決めさせていただいています。 具体的には、まず一つ目は自動走行・モビリティーサービス、二つ目はものづくり・ロボティクス、三つ目がバイオ・素材、四つ目がプラント・インフラ保安、そして五つ目がスマートライフ。これでも大分、解釈によってはもうかなりの部分をカバーできていると思いますけれども、この五つに絞って取組を加速しているところであります。 今我々は、データで協調領域を広げていこうということをやっているわけですけれども、そのデータ共有に関して、具体的なニーズとしては、この五分野を中心にして、先ほど申し上げた自動走行の地図データですとか、あるいは化学プラントや製油所のいろいろなデータ、温度がどうなっているとか振動がどうなっているとか、そういったデータを活用したスマート保安の基盤構築、こういったことが挙がってきておりまして、まずはこういった取組から、生産性向上特別措置法案で創設する認定制度などを活用してしっかり支援をしていきたいと思いますが、この法律は特に分野を限っているわけではありませんから、重点分野以外のニーズが出てくれば、これは柔軟に対応していきたいというふうに思っています。
○山崎委員 最後の一言がやはり大事だと思うんですよ。いろいろなニーズ、今想定していないようなニーズがたくさん出てきたものにどう対応するかなんですよね。 次の質問で、データ提供のあり方。 どんなふうにデータを提供してもらうかというお話で、国とか独立行政法人が持っているようなデータを出していくというのは一つわかりやすいと思うんですが、事業者からのデータというのがあるんですが、これはどんなことを想定していますか。
○世耕国務大臣 どの分野というのはなかなか想定しづらいですが、データを共有する、民間がそれぞれ持っているデータを共有するということであります。 例えば自動運転の分野でいえば、各社が自分でとってきた走行データ、これをきちっとフォーマットをそろえて共有をすることによって、例えば、日本の自動車産業が持っている走行データが非常にビッグデータになって価値を持っていく、そんな形のことが起こってくるのではないかというふうに思っています。
○山崎委員 事業者からどんなデータが出てくるか、これがやはり私は一つ大きな、私の想定は、この後お話ししますけれども、ニーズはいろいろなところにあると思っているんですよ。特に、例えば研究者であるとか。 今の、例えば、シンギュラリティーの時代というか、今そういうのを牽引している企業を見ると、グーグルだとかヤフーだとかフェイスブックとか、大体二十代前半でもう起業して、今伸びている。だから、そうやってデータをいろいろ分析してビジネスモデルを考える人というのは、もっと若い世代なんですよ。例えば十六歳、十七歳、十八歳、十九歳、そういう方が、そういう人たちがいろいろなデータにアクセスをして、ビジネスモデル、新しいアイデアをつくり出して、起業して、爆発するみたいなお話があると思うんです。 そういう、いわゆる起業力だとか創業支援なんかを含めて日本を伸ばしていかなきゃいけないと思うんですよ。そのときに、情報は本当に豊富にいろいろなところから出てこなきゃいけないし、それを出していく仕組みをつくる必要があると思っています。 例えば電力会社、今どういうデータを出しているか、教えていただけますか。
○村瀬政府参考人 お答え申し上げます。 まず、国におきましては、月ごとの地域別の発電、電力消費の実績等を公開しているところでございます。 また、電力の広域的運用推進機関におきましては、一時間ごとの電力需要や主要系統の空き容量等の情報を公開させていただいているところでございます。
○山崎委員 スマートメーターのデータはどうですか。
○村瀬政府参考人 まず、スマートメーターにつきましては、電力会社が、現行のエネルギー基本計画に基づきまして、二〇二〇年代の早期にスマートメーターを全世帯、全事業所に導入する計画でございまして、現在、この計画に沿って導入が進められているところでございます。 スマートメーターから集まった情報につきましては、このリアルタイムのデータなどを、より細かいデータを活用していく可能性を秘めていると認識しておりまして、この活用促進のために、協調領域それから競争領域、保護すべきものとイノベーション推進に活用すべきもののバランスをとりながら、いわゆるプライバシー保護、それから競争にかかわるデータ等の観点から、今後の利用方法について検討を進めている状況でございます。
○山崎委員 ちょっと資料一を見ていただきたいんですが、これは比較的もう有名になっていると思います。ドイツの電力需要データの公開の例でございまして、ドイツではこういうものがホームページで出ていて、ほぼリアルタイムと聞いています、ほぼリアルタイムで、その時々の電気の供給量、需要量と供給量、一致していますから、それで、それがどんな発電様式によって発電されているかというようなデータがリアルタイムで出てきます。 実は、電力会社は、昔は本当にブラックボックスだったと思いますが、今は自由化に伴って少しずつデータが出てきている。だから、いい傾向にはなっていると思うんですが、まだまだいろいろな眠っているデータがあります。 例えば、スマートメーターのデータ。これは、いや、いろいろプライバシーがあるでしょう、いろいろな要素はもちろんはらんでいるが、あるルールに基づいて、やはり分析可能なデータとしてそういったものがどんどん世に出ていかなきゃいけないと思います。それによって、例えば、省エネをどうするとか、まちづくりをどうするとか、いろいろな家電のコントロールをどうするとか、いろいろなアイデアがそういうところから生まれてきます。もっと言うと、例えば介護の世界の見守りをやるとか、いろいろなことがそういうデータからできるわけじゃないですか。 なので、私は、例えば電力事業者であっても、いろいろな民間の例えば公共交通であっても、あるいは小売であっても、いろいろなデータをできるだけみんなが利用できるような形で公開をしていく、集めていく、そういう仕組みをぜひこのデータ連携の仕組みと並行してそろえるべきではないかなと考えています。 私、提案を一つさせていただこうと思って。資料二を見てください。 皆さんがつくっていただいている、データの共有・連携のためのIoT投資の減税等と書いた政府案にプラスをしました。政府案は、協調領域のデータを収集、共有する事業者、データ共有事業者であり、一定レベルのセキュリティー対策が確認できた事業者については、国や独立行政法人等に対しデータ提供を要請できる手続を創設するということで、この上のグレーのところが政府の提案なんですが、プラス、ちょっと読みます。 提案は、データライブラリーセンター、仮称ですけれども、そういったものを設置して、日本のビッグデータを一元管理する。それは、ビジネスモデル構築、研究、さまざまな用途でこのビッグデータにアクセスができる、活用ができる。そういうセンターを国、まあ、どこがやってもいいんでしょうけれども、国主導でやってはどうかなと。よりユーザーオリエンテッドで、データオリエンテッドでオープンデータプラットホームというものをつくっていくという、この赤い箱の部分、こういったものをぜひ私はあわせて検討、実施をしていただきたいなと思っています。 運用などもいろいろ考えられると思います、このデータライブラリーセンターがもしあればですね。 全てのデータを全部出せというわけではありません。まずは、データフォーマットみたいな形式を決めてあげる。それで、各事業者がどんなデータを持っているんですかと、まず、どんなデータか、その種類、そういったものを、データに関する情報収集をする。それを公開して、こういうところからこういうデータがとれるんだぞ、こういうデータが活用できますよというのがみんなが見て共有できるような、例えばホームページ上で公開するような話があれば、ユーザーの方は、先ほど言いました、例えば研究者であったり、いろいろな新しいビジネスを考えている人だったり、無数の方々がそのデータを見て、例えばA社という電気事業者のデータと、例えばB社という小売の会社のデータ、これとこれを組み合わせて分析したらこんな結果が出るんじゃないかなみたいな、そういう発想で新しいビジネスとかビジネスモデルを検討ができる。ある種仮説が生まれますので、その仮説を実証するための実験データの提供、そんなことをこのセンターが運営をしてやっていく。 それが私は、本当に重要なデータの共有、連携、自分で言うのはなんですが、画期的な国の取組になるのではないかなというふうに思っています。 この新たなビジネスモデルというのは、先ほどの五分野に限らず、さまざまあると思います。農林水産業なんかでもあるでしょうし、福祉サービス、あるいは教育、あるいはシェアリング事業、こういったものにいろいろな展開が、データを活用して、可能な領域が広がっていると思います。 こういったオープンデータのプラットホームをあわせて、私はぜひ経産省主導で構築していただきたい。そこから、本当にシンギュラリティー時代を切り開いていくような新しいビジネスのモデル、あるいはいろいろな提案、研究開発、ぜひ推し進めていただきたいんですけれども、こういう御提案、理解いただけましたか。
○世耕国務大臣 十分理解します。 もう既に、ちょっと今、不勉強で申しわけないんですが、こういう仕組みというのはもうできていて、例えば医療情報に関しては、こういう仕組みをやる、まさにこのビッグデータを取り扱う事業者の認定制度みたいなのはたしかできていたと思いますし、それもまたほかの分野にも広がっている。特に個人情報保護の観点から、個人が特定されないように切ってやらなきゃいけないということはありますが、そういうのを認定する仕組みはたしかあったと思いますので、そういったところが、まさにこういう今御指摘のような機能も果たしていけるのではないかなというふうに思っています。 あと、御指摘の電力については、これはもう一つ別の角度から、やはり公正競争上の問題があるわけですね。国によって独占を認められてきたことによって今持っているビッグデータなんかは、新たに入ってきた新電力から見たら、やはり公正に利用すべきデータですから、それはそれで、またそのアプローチでしっかりと考えてまいりたいというふうに思います。
○山崎委員 これは私は国家的な取組だと思うんですよ。いや、業界でやっているのはわかりますよ、業界単位とかある種の目的が特定された世界で展開しようというのはわかるんですよ。だから、例えば、自動走行をやりたいので、では地図の情報下さい、道路の情報下さい、そういう取組は、ある種当然やってほしいし、やるでしょう。でも、そこからは、もう決まったアイデアしか逆に言えば出てこないんですよ。 これをブレークスルーするためには、本当にいろいろな知恵を集めなきゃいけないし、そのためには横断のデータが欲しいんですよ。気象のデータを見ながら地域の福祉のデータを見たいんですよ。それがやはり一元的にできるということ、それが、分析可能な形、コントロール可能な形でデータが手に入る、こういう環境はすごく貴重だと思いますよ。 先ほどちょっと手が挙がりましたよね。参考人、どうぞ。
○寺澤政府参考人 委員御指摘のとおり、いろいろなデータを幅広くオープンにして、いろいろな人たちのいろいろなアイデアを発掘するというのは、とても重要なことだと思います。 そういう観点から、その方向に向けて、政府としては、各府省が提供しているデータを一覧性を持った形で示すというデータ・ドットジーオー・ドットジェーピーというサイトを運営して、これは広くオープンになっているので、いろいろな事業者の方は、それを見ながら、ああ、こういうデータがあるんだ、こういうアイデアがあるんだということを既にやっています。 次に、それだけだと、まだまだ公開されていない、オープン化されていない、そういう行政データもある、これも事実だと思います。そのために、オープンデータ官民ラウンドテーブルというプロセスがございまして、まだオープン化されていない行政データについても、いろいろな事業者から、こういうデータが欲しいという声を集めながら、更に行政データのオープン化を進める。 こういうことをやりながら、委員御指摘のとおり、幅広いデータが公開されて、いろいろな方がいろいろアイデアを出す、そういう環境に向けて、一歩一歩着実に進んでいきたいと考えている次第でございます。
○山崎委員 時間なので終わりにしますが、いろいろな取組が進んでいる。私もいろいろもっと勉強させていただきます。 あとは、やはり事業者なんですよ。事業者は、確かにいろいろな競争関係もあるので出しにくいところもあると思うんですけれども、そこから出るデータはやはり大事だと思うので、それを出せば自分たちもいろいろなほかのデータが入って自分たちにもメリットがある、そういう社会づくりをぜひしていただきたいなと思います。 終わります。ありがとうございました。
○稲津委員長 次に、中谷一馬君。
○中谷(一)委員 おはようございます。立憲民主党の中谷一馬でございます。 本日もよろしくお願い申し上げます。 私からは、冒頭一問、サンドボックスの関連について伺わせていただきたいと思います。 加計学園の話をめぐって、今、国会、日本じゅうが非常に大きく騒動になっている中で、この面会記録に首相案件という備忘録が出てきた、このことが今非常に大きな波紋を呼んでおりまして、農水省からもこうした文書が出てきた。また、出席者からもこれは間違いないという証言が出てきたということで、私的には、また、この備忘録の中でも、残念ながら、国家戦略特区、又は構造改革特区の話もされたということがありましたので、サンドボックスにも類似するこうした制度の話でありますから、やはり経済産業省の審議官を務められている柳瀬さんからのお話を私たちもしっかりと聞かせていただいた上で、こうしたサンドボックスのことを評価をしていきたいということを思っております。 本日も参考人として招致をお願いをさせていただきましたが、残念ながら応じていただくことができておりません。 大臣からも、上司として、サンドボックスにかかわる話でもありますから、これは審議官を交えた意見交換をさせていただきたいと思っているんですが、御所見を伺いたいと思います。
○世耕国務大臣 サンドボックスについては、私が経産省の大臣として責任を持ってお答えをさせていただいているところでありますから、そういう形で、サンドボックスに関しては私が対応させていただきたいと思います。
○中谷(一)委員 やはり、当事者でないとわからないことというのがあると思います。なので、引き続き、私たちとしては、この柳瀬さんの参考人招致を求めさせていただきたいと思いますが、委員長、お取り計らいのほどよろしくお願い申し上げます。
○稲津委員長 理事会にて協議いたします。
○中谷(一)委員 続きまして、私からは、きのうに続きまして、産業革新機構、INCJの組織見直し、運営についての続きを伺わせていただきたいと思います。 まず、このINCJ最大規模の投資案件とされるジャパンディスプレイ、JDIの案件について伺わせていただきたいと思いますが、JDIが第三者割当て増資を決め、資金繰りの改善を受けたことや、二〇一八年秋に発売予定の米アップルの次期アイフォン用の液晶ディスプレーを大量受注したという報道もあり、幹部等が株価の回復を予測されておりましたが、市場では希薄化を補うだけの成長戦略とは評価されず、現在の株価は百六十円前後を推移している状態であります。 また、筆頭株主のINCJの持ち株は二億一千四百万株、現在三五・六%でありますが、増資後の保有比率が二五・三%まで下げられる見通しということでございまして、実態をつかめない見知らぬ投資家を大株主として迎え入れることは、JDI再建の波乱要因になる可能性もあるんじゃないかという指摘もございます。 同社の株価が、二〇一四年の上場時の公募価格九百円に対して初値が七百六十九円であり、その後も業績の下方修正を繰り返した結果、一度も公募価格を上回ることなく、二〇一八年四月十三日現在で百六十円前後という厳しい低迷を続けておりますが、二〇一一年の初期に投じられた二千億円の利益確定分以外と二〇一六年に追加出資された七百五十億円が大きく目減りをしているのではないかと危惧をいたします。 こうした一連の状況について経済産業大臣はどのように捉えていらっしゃるのか、御所見を伺いたいと思います。
○世耕国務大臣 産革機構によるジャパンディスプレイへの出資については、平成二十三年に、今御指摘のとおり、二千億円出資をいたしました。その後、平成二十六年には、まず保有株式の半分弱を千六百七十四億円、ですから、これはかなりキャピタルゲインがあったということになるわけですが、千六百七十四億円で市場に売却をしています。 現状とか今の株価については、これは個別の企業に関することですので、コメントは控えさせていただきたいと思いますが、今、ジャパンディスプレイは、現在、昨年八月に公表した中期経営計画に基づいて、三つの柱、まず一つは新型液晶ディスプレーによる収益力の強化、そして有機EL分野における技術革新、そして車載事業、車に載せるディスプレー、車載事業など新たなビジネスの創出などを柱とする企業価値向上に加えて、一方で固定費削減などの構造改革に努めているというふうに承知をしています。 こうした中、今回、ジャパンディスプレイは、今後の需要の増加が見込まれる新型液晶ディスプレーによる収益力強化を目指して、外部資金調達を行っているところと認識をしています。 産革機構においては、引き続き、ジャパンディスプレイに対して厳格なモニタリングなどを行いながら、環境変化への対応に万全を期してもらいたいと思っております。 また、今回のジャパンディスプレイによる増資によって、産革機構の保有比率が三五・五八%から二五・二九%に低下することになるわけであります。また、新たに参加するいわゆる機関投資家の持ち株比率は、最大で四・九六%になるというふうに聞いております。 いずれにしろ、ジャパンディスプレイは、株主を始めとするステークホルダーとの対話を行いながら、企業価値の向上を図っていくことを期待しております。 引き続き、産革機構は最大株主であります。しかも、その原資は国費ということになるわけでありますから、ジャパンディスプレイに対して厳格なモニタリングを行いながら、環境変化への対応に万全を期してもらいたいと考えています。
○中谷(一)委員 御答弁をいただきました。 中期経営計画を交えた新事業のお話など御説明をいただいたんですが、残念ながら、やはり株価の低迷を見ておりますと、市場に対しての信頼というものはまだまだかち取れていないんじゃないかなということを主観としては思っております。 そうした中で、資本政策についてのお話もありましたが、産業革新機構がベンダーなどステークホルダーと交渉して資金調達を行うと。 そして、INCJとしても、三月三十日にニュースリリースを発表されておりまして、この中の文書をそのまま読ませていただきますけれども、今回、JDIが公表した資金調達は、昨年来の構造改革による成果を踏まえ、同社の収益力強化を目的とした自己資金調達であり、INCJとしても賛同している。その一環としてINCJがJDIから能美工場に関する資産を譲り受け、JDIに関し二百億円程度の資金支援を行うこと、また当該取引によって取得した能美工場のJOLEDへの現物出資を検討していることは事実であるが、その具体的方法については今後関係者とも協議し詳細を詰めていくことになる。INCJは、今後ともJDIの企業価値向上のために、同社が取り組んでいる構造改革の完遂や事業成長実現に向けて緊密に連携をとり支援を行っていくとしております。 しかし、JDI自体は、約一千億円の当期純損失、そして自己資本比率もやはり三〇%を割り込み、二〇一八年三月期の第三・四半期、四月から十二月の連結業績は、売上高が五千六百五十五億円、前年同期比で一二・二%減、そして営業利益は三百八十九億円の赤字、前年同期比で百四億円の黒字でありました。そして株主に帰属する当期純利益は千六億円の赤字ということでありまして、これも前年同期比では九十四億円の赤字でありましたが、JDIはこうした結構厳しい状況にあると思います。 それで、JDI自体もグローバル企業とのパートナーシップ、これを進めるとされておりますが、一向に進捗が見られないという指摘もございまして、この点については大島CFOも、想定よりもおくれがあるのは事実ということを述べられております。 まず、こうした経営的に厳しい状況にある企業に対して追加で資金提供を行う理由と、JDIの企業価値向上のために、同社が取り組んでいる構造改革の完遂や事業成長の実現に向けて緊密に連携をとり支援を行っていくとは、具体的にどういった支援を行うことで企業価値を向上させていくということを考えておられるのか、政府の所見を伺いたいと思います。
○吉本政府参考人 お答え申し上げます。 ジャパンディスプレイでございます。たった今大臣からもお話ございましたけれども、現在、公表した中期経営計画に基づきまして、三つの企業価値向上、これに取り組んでおるということでございます。これに加えまして、構造改革、それからオペレーション改革、これによって、大幅な固定費の削減、それからキャッシュフロー改善、これに努めており、相応の成果も見られつつある、こういうふうに承知しております。 こうした中、今回、ジャパンディスプレイは、今後の需要の増加が見込まれます新型液晶ディスプレーによる収益力強化を目指し、外部資金の調達を決定したということでございます。 こうした企業価値向上に向けたジャパンディスプレイの自助努力、これをサポートするため、産業革新機構として、昨年既に行っております支援決定の範囲内で二百億円程度の資金支援を行う、こういうふうに聞いてございます。 こういった投資価値最大化といった観点から、投資先の自助努力、これを経済合理的な範囲内で支援するということは、投資ファンドとして投資活動の一環、こういうふうに理解しております。 いずれにしましても、産業革新機構において、JDIのこうした構造改革、あるいは事業成長の実現に向けた取組について厳格にモニタリングを行っておりますけれども、これまで以上に連携を加速化しまして、環境変化への対応に万全を期してもらいたい、こういうふうに考えてございます。
○中谷(一)委員 今るる御答弁をいただきました。そして、今事業をやっていることをしっかりと伸ばしていきたいという、そうした趣旨のお話であったかと思いますが、残念ながら、世間的にはJDI案件に関してはかなり厳しい目が向いているのかなということを思っておりまして、事業再生を名目にしつつ、経営不振に陥った企業に対する救済色の濃い案件ではないかという指摘もございます。 そうした中で、このJDIの出資が、産業力強化法第二条の定義に記載をされております、この法律において、産業競争力とは、産業活動において、高い生産性及び需要を確保することにより、高い収益性を実現する能力ということでありまして、こういうことであれば、この産業競争力の強化につながるものであるのかということは、残念ながら疑問は残ります。 また、第一条の目的に掲げられている、「国民生活の向上及び国民経済の健全な発展に寄与することを目的とする。」ということにも直結をしないのではないかと残念ながら思いますし、INCJのミッションとして掲げられているオープンイノベーションを通じた次世代産業の育成による国富の増大とは、現段階でいえば正反対のものではないかなと危惧をいたしますが、この点については、大臣、いかがでしょうか。
○世耕国務大臣 なかなか、今やはり、液晶というかディスプレーのビジネスというのは、本当に浮き沈みというか、かなり変化が激しい業界だなと思います。 この間、山崎委員の前の委員会で配られた資料にも出ていましたが、あれだけ花形だったサムスンの大型液晶が、もう今衰退産業の方に入っている。あるいは、じゃ、これからはスマホに載せる有機ELだといったら、アップルのアイフォン10が思ったほど売れなかったということによって、また古い方の液晶の方が逆によく売れるとなったり、これは非常に市場の動向の激しいところだというふうに思っています。 ただ、そういう中でも、やはりジャパンディスプレイはいい技術を持っていまして、例えば蒸着、印刷型という全く今までの有機ELのつくり方とは発想を転換した新たなつくり方でやるビジネスですとか、あるいは、曲げたりする液晶が得意なものですから、これからEVとか自動運転が入ってくる中で、車の中にディスプレーが今までとは比べ物にならないぐらい入ってきて、しかも熱に強くなければいけないとか、いろいろな条件があるんですが、そこの部分はジャパンディスプレイは非常に強いという面もありますので、今回の支援というのは、決して、いわゆる単なる救済策というわけではなくて、こういった技術をしっかり持ちながらジャパンディスプレイがイノベーションを進めていく。 しかもこれはオープンイノベーションという形で進めていくという狙いのものでありまして、御指摘のように、産革機構は、法律上、オープンイノベーション、救済はできないわけであります。あくまでもオープンイノベーションという位置づけがなければいけないというふうに考えています。 まさに今、ジャパンディスプレイ自身は、複数のメーカーのディスプレー部門を統合することによって、各社が技術を持ち寄って、高い技術を有するディスプレーメーカーとして設立をされたものでありまして、今私が申し上げたような、将来有望な、将来というか近い将来有望な技術もたくさん持っているわけでありますから、ジャパンディスプレイに対する支援はオープンイノベーションに資するものだというふうに思っていますし、今回の支援がしっかりオープンイノベーションにつながるよう、産革機構においてはジャパンディスプレイに対して厳格なモニタリングを行ってほしいというふうに思っております。
○中谷(一)委員 今、大臣からるる御答弁をいただきました。 大臣のおっしゃるとおり、有機ELであったりとか、技術自体は僕もよりよいものを持っているということを思っているんです。 しかしながら、やはり経営の仕方自体に残念ながら問題があるのかなということを思っていて、例えば、アップルに過度に依存をし過ぎているんじゃないかとか、あとは、これから車とかそういったところへの反映というものも今御答弁をいただきましたが、そうした要所要所で経営判断をしっかりと行っていくということが私も重要だと思っています。 その中で、産業力強化法には、当然ですけれども、先ほどお答えをいただいたとおり、資金繰りに困った大企業を救済するということはもちろん一言も書かれておりません。なので、本来、市場経済では市場ニーズを捉えて効率的な事業運営を行った者が生き残る、これが原則だと思います。その中で、国が守ってくれるから自分たちは潰れないと経営陣がモラルハザードを起こせば、経営規律、これが失ってしまわれ、また経営常識が狂ってしまいます。なので、国の救済の常態化、こうしたことが絶対に起こらないように、私は、人やお金のリソースが好循環をするような日本経済、これをつくっていかなければならないと思っています。 なので、そういった中で、もう一度御確認も含めて伺わせていただきたいんですけれども、今後も投資を続けるとしたら、やはりJDIの将来性であったりとか、オープンイノベーションに資するようなものであるということがちゃんと説明できた上で、国富の増大に資するものだということでしっかりと打ち出していかなければならないということを思っているんですが、これは救済措置ではなく、あくまでもそういったものの推進だということを、確認を含めて大臣に見解を伺いたいと思います。
○世耕国務大臣 これはもう全く救済措置ではない、今申し上げたような新しい有望な技術をいかにビジネスとして伸ばしていくか。これは、産革機構もジャパンディスプレイもいろいろな戦略を考えて、私もある程度聞いていますけれども、それはちょっと、ここで言うとライバルに手のうちを明かすことになりますので、まさに今、でも、委員がおっしゃったようなラインできちっとビジネス戦略を描いて対応していっておりますので、これは決して支援ではない、必ずオープンイノベーションにつながっていくものにしていかなければいけないと思っております。
○中谷(一)委員 わかりました。世耕大臣のおっしゃっていることを私も信用、信頼をしたいと思いますので、引き続き、JDIをしっかりと、国富の増大につながるような支援としていただくことを要望させていただきたいのと、また、昨年三月十三日付の東芝メモリ事業売却に関する志賀会長のインタビューの中でも、産業革新機構は産業競争力強化法という法律に基づき設置されており、成長産業にしか投資できない、法律で我々の資金は投資先の借金返済には一円も充てられないことになっているから、借金返済に一円でも充てたら、私が国会に喚問されることになる、資金繰りに困っている会社の資産を、税金を使ってうちが持つのはおかしいということが答えられておりまして、至極真っ当な意見だと思いますので、この言葉どおりに業務を完遂していただきますように要望させていただきます。 それでは、次の質問に移らせていただきたいと思いますが、次は、創業の普及啓発に関する支援について伺わせていただきます。 日本では、そもそも創業に関心を持つ者が少ないということもあり、創業無関心者に対して、創業に関する理解と関心を深める事業への支援を追加されるということであります。 そうした中、平成二十五年六月に閣議決定された日本再興戦略において、各種創業支援施策を講じたKPIとして、開業率一〇%を目指されるということでありました。しかし、その決定から約五年の時間が経過をしておりますが、残念ながら、一〇%に到達したという話は聞こえてまいりません。 平成二十八年のデータでは、開業率が五・六%だったということもあり、これらの状況を踏まえて今回の政策なのだと思いますが、私は、やはり、年限を区切った目標でなければ意味合いは薄くなると思います。 こうした観点から、この開業率一〇%をいつまでに実現をするのかという期限を区切っていただき、具体的にこうした案を進めていくことで実現するんだという根拠策をお示しをいただきたいと考えますが、いかがでしょうか。大臣の所見を伺います。
○世耕国務大臣 もうずっと昔から日本は開業率が低いと言われてきておりまして、そして、そういう中で、日本再興戦略の中で、開業率一〇%、現状のほぼ二倍を目指そうという目標を立てたわけでありますけれども、この目標の達成は、じゃ、政府が何か意図的に責任を持ってやれる目標なのかというと、もちろん我々もいろいろな施策を打ってやっていくんですけれども、その施策だけではなくて、やはり、日本人のマインドの改革というか、社会における起業に対する意識改革も必要になってくる。 私がいつも批判をして、それでまた批判を受ける新卒一括採用とか、そういうことも本当に見直して、社会の仕組みそのものを変えていかないとなかなか開業率を上げていけないということで、申しわけありませんが、これは、私も気持ちとしては年限を切ってやりたいんですが、長期的な目標として、ただみんなに自覚をしてもらいたいという思いで、期限を決めずにやらせていただいているわけでございます。 一方で、足元では、起業する人あるいは起業を予定する人の割合を示す起業活動指数を今後十年間で倍増させるという目標を、開業率の補助指標として設定をさせていただいております。 こういった目標を早期に実現するため、経産省では、これはもう我々の政策として、創業補助金ですとか、あるいは政府系金融機関の低利融資ですとか、エンジェル税制ですとか、会社設立時の税制面での優遇、そういった資金面での優遇から、あるいは、産業競争力強化法に基づいて、市町村が地域の創業支援事業者のネットワークを構築をして、創業希望者に対してワンストップで支援する体制の整備といった施策も講じてきているところであります。 今後とも、地方公共団体や関係機関とも連携をしながら、開業率のさらなる向上に向けて、総合的かつ多角的に創業支援に取り組んでいきたいと思っていますが、まず、社会の方もマインドを変えてほしいなというふうに思っております。
○中谷(一)委員 御答弁をいただきました。 本当は、大臣とはこのKPIの目標については意見を一にするところがあるんじゃないかなと思いますが、もちろんお立場がございますので、ここまでの御答弁なのかなと思いますが、一般的に言えば、目標を掲げたときには、誰がいつまでにどうやって実行して解決を図るのか、これを描いてPDCAサイクルを回していかなければ、やはり目標達成はされません。なので、私からは、年限を区切っていただくことを検討していただくことを要望させていただいて、次の質問に移らせていただきたいと思います。 次は、市場経済と生産性に対する見解について伺わせていただきたいと思います。 デービッド・アトキンソン氏という方がいらっしゃるんですけれども、この方が「新・生産性立国論」というものを書かれまして、その中に記載をされているOECDの生産性に関する報告書というものがございまして、これを読ませていただきますけれども、先進国で最近、生産性成長率が低下している理由は、生産性の悪い企業に対する各国政府の支援と低金利政策により、企業の新陳代謝が低下し、生産性の悪い企業は生き延び、経済に占める生産性の低い企業の比率が上がっていることにある。生産性の低いままの企業は低い給料しか払えないので、継続的に付加価値を高めている企業との差が開くことにより貧富の差が拡大していると指摘をされているといった記載がございました。 そしてまた、別に、市場経済によって生まれる経済的弱者の保護を建前に、市場への規制、介入が正当化される例は多い。善意で行われた弱者保護政策が、かえって一部の既得権益を守る結果となり、大勢の人々の生活を苦しくさせることは珍しくない。市場経済と、規制、介入による不公平の実態をしっかりと見きわめることが重要である。個々の不平等より一般的な所得再分配政策をとることが望ましいと指摘をされている有識者もおられるということでありますが、まず、これらの意見についてどのようにお感じになられたか、大臣の所見を伺いたいと思います。
○世耕国務大臣 デービッド・アトキンソンさんは、政府でも、生産性とかあるいはインバウンドの増加などに関していろいろアドバイスをいただいていますし、私も、書かれているものはかなり読んでいる方であります。御指摘ごもっともなところはあるというふうに思っています。 やはり、新陳代謝が非常に重要なんだろうというふうに思っております。ですので、ただ廃業ということになると、これはもう夢も希望もないわけですけれども、やはり、新陳代謝という形で、創業支援とか規制緩和を通じて新たなマーケットに参入をしていく、それを促進することが非常に重要で、そういう意味で、事業再編などを通じて生産性を向上させていくということが重要だというふうに考えております。
○中谷(一)委員 御答弁いただきました。 私も、廃業はやはり夢がないというのは一定理解ができて、もちろん、企業努力を重ねて、付加価値をどんどん上げていって、従業員の賃金をしっかりと上げていって、貧富の格差をなくしていこうと努力をしているような企業、私はこれをしっかり応援していくべきだと思っています。 ただ、その観点で、事業承継に対する集中支援の取組、これを見させていただいたときには、二〇二五年までに、七十歳を超える中小企業、小規模事業者の経営者数は約二百四十五万人、そのうち半数の百二十七万人が後継者未定ということであり、日本企業の三割に相当するということであります。また、廃業企業の約半数程度は生産性の高い黒字企業であるということが新しい経済政策パッケージの中で報告をされております。そして、現状を放置し、中小企業の廃業が急増したら、十年間の累計で約六百五十万人の雇用、約二十二兆円のGDPが失われるおそれがあるという指摘がされております。 これが経済政策パッケージに書いてあったことなんですけれども、ただ、これらのデータを見たときに、生産性向上の観点から見れば、半数の黒字企業に対して事業承継に関連する税負担の軽減措置を図る、これは理解できるんですけれども、もう半数の赤字企業に対する優遇措置は、むしろ効果が逆になってしまう可能性があるんじゃないかと心配をしております。 もちろん、企業努力を重ねていくことによって、黒字になっていく、従業員の賃上げも行っていく、生産性も上げていく、そうした効果がしっかりとエビデンスを示された上の中で実証できれば、私はそれはいいのかなということを思うんですけれども、むしろ、今、本当はやらなきゃいけないのは、この約六百五十万人の雇用に対して、今まさに政府が推進されておられるリカレント教育などの、一人一人のライフスタイルに応じたキャリア選択の機会創出を目指した新たなステージで求められる能力やスキルの開発、これを行うといった、要するに人への投資、これを拡充をしていくことがむしろ重要なんじゃないか。そのことが少子化で予測される人手不足の解消にもつながって、生産性の向上や産業力の強化にもつながるのではないかと考えますが、大臣、この点については、所見はいかがでしょうか。
○世耕国務大臣 まず、事業承継の支援なんですけれども、我々は、どんな事業者でも支援をしていくつもりはないわけであります。やはり、計画的に承継を検討し、また、承継の後、事業展開をしっかりやっていく意欲のある事業者、これの承継を支援をしていくということになっているわけであります。 具体的には、今回の事業承継税制で、先代の経営者と後継者が協力をして、承継前までと承継後の経営計画などを記載する特例承継計画を策定をして、税理士などの士業や金融機関などを含む認定経営革新等支援機関がその内容を確認することにしています。 要するに、今回の我々が考えている事業承継支援というのは、代がわりすることによって、新しい経営者が少し新しいマインドで経営してもらうことによって、今までのお父さんがやっていた、ずっと守りの姿勢でやってきたところから、逆に、お父さんの代に持っていた技術を活用して別の分野へ進出するとか、そういうことにつながってほしいというふうに思いますし、また、そういう後継者の人材を育てる上では、まさに今御指摘の学び直しとか、そういったことも重要になってくるのではないかというふうに考えております。
○中谷(一)委員 理解をいたしました。 しっかりこの事業承継も、やはり産業競争力の強化、生産性の向上に資するような政策、措置事項であるということは、私は必要だと思いますので、今おっしゃっていただいたような趣旨を踏まえながら、ぜひ前向きに進めていただきますように要望させていただきます。 次は、人生百年時代構想会議中間報告、この資料を私は拝見をさせていただきました。 その中で、リカレント教育について、これまでのような、高校、大学まで教育を受け、新卒で会社に入り、定年で引退して現役を終え、老後の暮らしを送るという単線型の人生を全員が一斉に送るのではなく、個々人が人生を再設計し、一人一人のライフスタイルに応じたキャリア選択を行い、新たなステージで求められる能力、スキルを身につける機会が提供されることが重要である、こうした教育と社会の循環システムの中心となるのがリカレント教育であるということでありまして、私自身も、デジタル技術、人工知能などの技術革新が急速に進歩、普及していく中で、必要となる人材育成を行うことは賛同するところであります。 そうした中で、第四次産業革命スキル習得講座認定制度というものを創設をし、今月から開講されるということでありますが、この中では、どういう人材をつくって、社会にどういうインパクトを与えていきたいと考えているのか。これも、制度における目指すべき成果指標やKPIなどがあれば、それらを交えながら詳細について大臣から御説明をいただければと思います。
○世耕国務大臣 特に、経産省では、ITと、そしてデータ、ビッグデータを扱う分野における社会人の学び直しが大変重要だと考えておりまして、その考えに基づいて、第四次産業革命スキル習得講座認定制度をいよいよこの四月からスタートをさせたところであります。 そして、もう既に、第一回の認定として、ことし一月に、AIやデータサイエンス、そして製造業におけるIT利活用など二十三講座を認定をして、ことし四月から講座が開始をされているところであります。 こういった取組を始めとして、社会人が学び直しの機会を通じて最先端のITスキルを身につけて、我が国産業全体の生産性向上、新陳代謝の活性化をさせていきたいというふうに思っております。 今、具体的にKPIというのはありません、はっきり言って。ただ、この委員会での審議を通じて、私もKPI、これは絶対要ると思っていますので、今回のこの二法案で目指すところのKPI、それもちゃんとレイヤーをつくって、きちっとダッシュボードにして、これがこう動けばこう動くというようなことはちょっときちっとやろうと思って、きのうちょうど、ちゃんとつくろうぜということを指示したところであります。
○中谷(一)委員 すばらしい御答弁をいただきまして、ありがとうございます。 KPIについて絶対必要だと力強くおっしゃっていただきましたので、私も必要だと思います、ぜひそうしたものを算定をしながら、社会のインパクト、いいインパクトを与えていけるのかということを検証していただきながら進めていただきたいということを思っております。 次に、第四次産業革命や人手不足など構造的変化が起こる中、価値の創出の源泉である人材力を強化し、人材の最適活用を実現していく観点から、我が国産業における人材力強化に向けた研究会が開かれ、その報告書において、兼業、副業や大人のインターンシップなどもリカレント教育の一類型と位置づけ、推進を図るということであります。 具体的には、社会貢献を行うボランティア活動であるプロボノ、出向や社会人インターンシップの経験、兼業、副業等の解禁や、学生時代におけるインターンシップを経験させるということでありますが、メリットとして、期間限定で現在の組織以外の組織で活躍する経験や、異なる組織文化に触れる経験は、その後のキャリア形成にも影響を与え得るということや、大企業等にとっても、兼業、副業により社員に柔軟な働き方や社外での経験を積む機会を提供することは、社員のリテンションや人材確保、活用、さらにはイノベーションの創出の観点からも極めて有効な戦略になり得るということは記載をされておりました。 人材育成という面からいえば私も非常に効果的であると思いますし、趣旨自体にはとても賛同をいたしております。しかしながら、企業や組織側がこのことをメリットに感じるのかどうか、これについては、私、実は大きな疑問を持っているんです。 例えば、優秀な経産省の人材が、職員の方が、兼業、副業やインターンシップで、例えばグーグルとかマッキンゼーとかゴールドマン・サックスに行ったとしましょう。そうしたら、優秀な経産省の職員の方であれば、彼らと同じレベルの仕事というのは私はもちろんできると思うんです。 しかしながら、給与の額面を比較したときに、三十代から四十代の職員が、例えば、給与、経産省の方でいえば数百万であるにもかかわらず、行ってみたら、同じ仕事をしているのに向こうは数千万もらっているんじゃないかという話になってしまえば、そういう現実にぶち当たったときには、国に尽くす思いがある方であったとしても、同等の仕事でそれだけ、数倍の開きの給与があれば、転職を検討する可能性というのは当然私はあると思うんです。 そうなったときに、もちろんそれが、人材の流動性という観点から見ればよいし、社会にも従業員にも対価に見合った付加価値を与える組織じゃなきゃ生き残れないよというメッセージを与えているんだといえば確かにそうなのかもしれないんですけれども、組織側がせっかく苦労して雇用した人材を手放す可能性があるリスクを率先して人材育成の観点から行うのかということに関しては、やはり疑問を感じざるを得ません。 こうした観点から、プロボノ、インターンシップ、兼業、副業の解禁などの取組で人材育成を行っていくに当たって、組織や企業側がそこにメリットを見出せるような仕組みの構築が必要だということを考えるんですが、大臣、いかがでしょうか。
○世耕国務大臣 経産省の職員は、まず公務員法上、兼業、副業は職務専念義務に違反しますのでできませんし、彼らは決して年収だけで仕事をしているわけではなく、やはりやりがいがあるからやっているわけでありまして、やりがいをもっとつくっていくように大臣として頑張っていきたいと思います。 兼業、副業、あるいは出向、インターン、こういったことは、異なる環境に身を投じて、そこでまたいろいろな経験を積んだり、ふだんつくれなかったような人脈ができるということで個人の成長につながる、まさにこれは実践のリカレント教育だというふうに思っておりますし、また御指摘のように、送り出す側にもメリットがなければいけないということで、やはり従業員育成の観点から外部の企業などで幅広い業務経験を積むこと、あるいはオープンイノベーションを進めていく上で異業種との人脈とか情報を持っているということも非常に重要になってくると思います。 今、AIが入ってきている中で、最近メガバンクも大量に人が要らなくなってくるというようなことも出てきているわけでありまして、幾ら立派な大企業であってもやはり人材を流動化させていくということはもう不可避な状況になっているというふうに思っていまして、そのときに、いきなりリストラして出ていってくれではなくて、例えば兼業、副業などを通じてソフトランディングをしていくというようなことも十分あり得るんではないかというふうに思っています。
○中谷(一)委員 時間が参りましたので、最後に簡単に要望だけして終えさせていただきたいと思いますが、今大臣のおっしゃっていただいたこと、私は理解をいたしますので、大企業に優秀な人材を雇用という形で縛ると逆にリスクが高くなる、だから外資系のコンサルみたいにアルムナイのネットワークをつくっていただく、こうした関係性がむしろ重要だということであったりとか、やはり経産省の皆さん、もちろん公務員のそうしたルールがあるのはわかっています。ただ、やはり隗より始めよ、率先垂範、こうしたことも重要だと思いますので、国富の拡大に寄与をしていくためにもこうしたことも検討をしていただくことを要望させていただきまして、私の質問を終了させていただきます。
○稲津委員長 次に、松平浩一君。
○松平委員 お疲れさまでございます。立憲民主党の松平浩一です。一昨日に引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。 本日は、中小企業の事業承継についてちょっとお尋ねしたいなというふうに思っております。 先日、中小企業庁の方から御教示いただいたお話、非常に衝撃的でした。二〇二五年に、平均引退年齢である七十歳、これを超える中小企業、小規模事業者の経営者が二百四十五万人となる、そして、そのうち半数の百二十七万人が後継者が不在だというらしいんですね。これは二〇二五年問題と言うらしいですけれども。そして、これをGDP換算すると、約二十二兆円のGDPが失われる可能性があるということのようです。 このGDP換算については、法人の三一%が廃業するという仮定での計算のようなんですけれども、ここで廃業についてちょっと考えると、いろいろな理由があると思います。業績がよくなかったり、将来性がなかなかないのかなというふうに思ったり、あと、もう個人的に経営者がやめたいと思っていたり、そういった場合は仕方ないのかなというふうに思うんです。 ただ、中小企業庁からの資料なんですけれども、この資料一というのをごらんいただきたいなと思います。廃業理由のうち、子供に引き継ぐ意思がないというもの、それから、子供がいない、それから、適当な後継者が見つからない、この三つを合わせて二八・六%とある。つまり、この三つというのは、廃業理由のうち、後継者がいないというような理由にかかわってくるのかなと。二八・六%、なかなか多いなというふうに私は思いました。 後継者がいないからやめる、廃業するということでも、今度は、後継者がいない理由というのもいろいろあると思うんです。業績が悪いから後継者がいない、それから、将来の見通しが暗いから承継者がいない、そういう場合もあると思います。 ただ、やはり、廃業予定企業のうち、業績がいい企業も存在しているということで、裏をめくっていただいて、資料二というものを御用意させていただきました。こちらも中小企業庁の資料なんですけれども、上から二列目ですね。これは今問題にしている廃業予定企業ですね。左側、同業他社と比べた業績でいうと、青と赤、青が業績よい、赤がややよい、この二つで三〇%ぐらいあります。三〇%ぐらいの会社が、業績がいいというふうに考えている、廃業予定なのにもかかわらず。それから、右側ですね。では、今後十年間、将来性はどうなのかというところを見ると、五・五%、青が、成長が期待できる、十年間で。それで、赤が、成長は期待できない、まあ現状維持は可能、少なくとも、これが三五・四%。合わせてやはり四〇%以上ありますということで、結局のところ、結構、廃業予定なんだけれども業績がいいという会社さんが廃業予定でいらっしゃる。 業績がいい、そして経営者としても会社は残したい、しかし後継者はいない、これでいて、もうしようがないのでやむを得ず廃業という、いわゆる黒字倒産の場合ですね。これはさすがにもったいないというふうに思うんです。社会的損失であるというふうに思っています。 せっかく生産性が高い企業であるのに、それが廃業してなくなってしまって、そこで働いていた方々が生産性の低い企業に労働移転をしてしまう。こういう状態は、労働移転のあり方としても、その本人の立場に立ったとしても、やはりもったいないので、ない方がいいと思います。 こういった状況に対して、大臣、御認識はいかがでございましょうか。
○世耕国務大臣 御指摘のとおり、事業承継問題は、日本経済全体の問題として捉えなければいけないと思っています。雇用にもGDPにもやはり深刻な影響を与えかねない問題だというふうに思っています。承継前、そして承継するとき、そして承継した後、各段階に応じて、あらゆる政策を総動員して取り組む必要があります。 今委員が提示していただいているこの資料二で、やはり、廃業予定企業でまだまだ業績がいいと思っている会社が多いということ、また、ほかのバーでも、例えば未定の企業になるともっと多くなってくる。こういうところをやはりしっかりと事業承継させていくということが非常に重要だというふうに思っています。 特に、ですから、事業承継前の準備段階の支援が重要だと思っています。やはり経営者に気づきを与えていく。やはり中小企業の経営者というのは本当に忙しい。自分一人でもう走り回って資金繰りから営業からいろいろなことをやっている中で、なかなか後継者のことを考えている時間がないという面があると思っていますから、その気づきを、今、チェックシートとかそういうことで、なるべく後継者をどういうふうに選んでいくかということを意識していただくということも始めております。 また、後継者難の事業者と、そして、事業を引き継いでビジネスを拡大したい、これは結構あります。なかなか自分で一から支店をつくるのは大変だけれども、あの企業をそのまま買って、自分のところにMアンドAで一緒になった方がいいような発想を持っている事業者もたくさんいますから、そういったところを、なかなかそれも情報共有ができませんから、マッチングをしていくとか、そういう支援をやって、まさに今、ここ、委員が囲っていただいているようなところ、あるいは、青、赤のゾーンで、廃業をしようとしているとか、あるいはまだ後継者が決まっていないというようなところに特にてこ入れをしていく必要があるんだろうと思っております。
○松平委員 どうもありがとうございます。 気づきの場であるとかマッチングの場、非常に大切な部分かと思います。 実際の政策の方に移らせていただきたいと思います。 私、この中小企業の承継という部分に関しては、整理すると大体三パターンに分けられるというふうに思っています。一つ目は、中小企業の代表者が個人でその株式を持っている場合で、その場合の株式の後継者への相続又は贈与、そういうパターン。二つ目は、代表者の会社の株式を第三者に譲渡するというパターンですね。それから三つ目としまして、代表者の会社がございましたら、その会社の主要な事業を第三者に譲渡する。そういうパターンに分けられると思っています。大体この三つが多くて、あとはその他というふうに言ってもいいと思います。 それで、先ほどちょっとメンションされた事業承継税制の拡充という部分については、この一つ目についての施策と理解しております。まず、この事業承継税制について詳しく教えていただけますでしょうか。
○吾郷政府参考人 お答えいたします。 御指摘のとおり、事業承継税制は、非上場会社の株式等を先代の経営者から後継者に相続、贈与した場合の相続税、贈与税を猶予するものでございます。 平成三十年度の税制改正で、今回拡充した部分でございますけれども、これは、承継時の贈与税、相続税の支払い負担をゼロにしたということ、そしてまた、これまで、先代経営者から後継者への一対一の事業承継しか対象にならなかったところ、今回、複数の株主から最大三人の後継者への承継にも対象を拡大いたしました。 さらに、雇用要件の弾力化、そして、将来、株式を売却した場合等の、納税が必要となる場合にも、納税額を再計算いたしまして、事業承継時の株価をもとに計算された納税額との差額を減免する制度を設けたということでございます。
○松平委員 どうもありがとうございます。 簡単に言うと、相続税、贈与税の納税猶予の猶予割合が一〇〇%になった、また、対象が広がったというものと思います。一見、聞くと、一見と言って大変恐縮なんですけれども、猶予が一〇〇%になるということで、非常にいい施策なのかと思います。 ただ、ちょっと確認させていただきたいのは、今まで、事業承継を行われているうち、この今の税制、こちら、利用されたのはどの程度だったんでしょうか。
○吾郷政府参考人 事業承継税制の利用件数についてのお尋ねでございます。 平成二十八年における事業承継税制の認定件数は四百四十一件でございます。それから、制度が創設された平成二十一年度からの累計で約二千件の活用実績がございます。
○松平委員 平成二十一年からということで、八年、九年余りですね、それで約二千件の実績と。一年で、私が聞いたところによると、承継自体は三万五千件ぐらいあるということで、約三十万件承継があって、そのうち二千件。ちょっと、私の感触としては、利用された数というのが少ないのかなという印象がいたします。 こちら、私、この税制が中小企業の承継にどの程度役立ってきたか、今回の拡大でどこまで効果があるのかというと、ちょっと疑問なんですね。これは、もう本当に言うのがはばかられるんですが、ちょっとフォーカスがぼやけているのかもしれないのかなというふうに思っています。 端的に言うと、今のこちらの施策というのは、余り承継問題関係なくて、むしろ、もうかっている優良企業に節税手段を与えているだけなのかもしれないなというふうにも思ったりもしています。 今問題となっている承継問題の対象は、大企業ですとか市場で高く評価されているような会社ではないわけです。対象は、すごくもうかっているわけではないけれども、そこそこ頑張っている中小企業、そういうふうなイメージをしています。それで、そういった企業にとっての税負担の軽減に関しては、従業員退職金を支給することにしたり、暦年贈与で株式数を減少させていったりと、既存の生前対策で結構手段があるんですよね。そもそも相続税は三千万円の基礎控除もある。 そうなってくると、この納税猶予の制度というのは、五年の承継計画を出して、そして都道府県の認定を受けというふうに、手続も非常に煩雑ですし、そのための専門家も雇わなければならない。それで報酬などのコストもかかってくる。この黒字倒産をなくそうといったときの対象と考えられる、そこそこ頑張っている中小企業さんにとっては、ここまでの手続を踏むメリットが正直余りないんじゃないかな、だからこそ、今までの非常に少ない利用実績だったのかなというふうに思っちゃったりもするんです。 これに対して、先ほど申し上げたように、非常にもうかっていてバリューが高いという会社にとっては、とってもいい制度になっています。ただ、そういう会社は既に後継者がいます。なので、別に、この制度で後継者がいない黒字倒産を解消するとは何か余り関係がない気が非常にしています。 というわけで、この施策の目的にちょっといま一度立ち返って考えていただきたいなというふうに思うんです。 株式の相続や贈与のときの納税猶予という制度、つまり、株式の相続とか贈与ができるということは、親族内とか社内人材とかで既に後継者が決まっている状況ということになります。しかしながら、今回の中小企業の承継の問題の本質というのは、後継者がいない黒字倒産を防ぐということにあると思っています。 したがって、この施策というのは、多くの中小企業にとってはメリットが余りないのかなと思われる制度ですし、そもそも後継者がいない会社をターゲットにしていないよねというふうに思えるので、大変恐縮なんですが、少々ポイントがずれているのではないかなというふうに思っております。 それでいて、私、先ほど三つポイントを申しましたように、重要なのは残り二つのポイントでして、代表者の会社の株式を第三者に譲渡するという場合、そして、代表者の会社の主要な事業を第三者に譲渡するという、この二つの場合の支援をいかにするかということだと思うんです。理由は、ちょっと繰り返しになりますけれども、中小企業の承継で、後継者のいない承継問題を解決するというのは、これら二つの場合だからなんです。 そこで、こういった二つのケースにおける支援、後継者のいない会社への支援というものをどう考えているのか。大臣、いかがでございましょうか。 〔委員長退席、平委員長代理着席〕
○世耕国務大臣 フォーカスがぼやけているという厳しい御指摘……(松平委員「済みません」と呼ぶ)いやいや、いいんです、それは。 ただ、我々も、一応これは、中小企業の声を聞いてこの制度を考えさせていただいていますし、やはり、十年前の価値でいきなり相続税が飛んでくるかもしれない、そういう制度ではちょっと怖くて使えないという声が非常に多かったわけでして、今回の、特に親族における相続、贈与の中で一番拡充されたところというのは、その時点での評価で相続税が課税されるようになった、ここはやはり、今後事業承継を進めていくに当たっては非常にいいところだと思いますし、ここがきっかけになって、事業承継税制、利用者がふえていくことを期待したいと思います。 ただ、一方で、平成二十七年度に行ったアンケート調査でも、この五年間で事業承継が行われた企業のうち、親族外承継の割合が六六%程度になっております。近年増加傾向にあるわけでありまして、この親族以外の第三者による承継をMアンドAを通じて活性化させていくことも、中小企業の事業承継を促進する上で非常に重要な課題だというふうに思っています。 そのため、今回の法案では、中小企業等経営強化法を改正することとしまして、MアンドAの際に負担となる登録免許税と不動産取得税の軽減措置ですとか、あるいは法的な許認可の引継ぎの特例措置、こういったものを盛り込んでいるわけであります。 法案に盛り込んだ措置だけではなくて、平成二十九年度の補正予算でも、MアンドAを実施した後の後継者による新しいチャレンジを応援する補助金を盛り込ませていただきました。平成三十年度当初予算では、後継者難の事業者とビジネスを拡大しようとする事業者のマッチングを支援する事業引継ぎ支援センターの体制強化なども入れさせていただきました。 親族の承継もしっかり後押しするとともに、MアンドAを通じた中小企業の事業承継も強力に後押ししてまいりたいと考えています。 〔平委員長代理退席、委員長着席〕
○松平委員 どうもありがとうございます。 親族内承継については、やめた方がいいと言っているわけじゃなくて、ちょっとフォーカスの部分でというところでございました。ありがとうございます。 今、事業承継、MアンドAの部分で税制の優遇という観点をおっしゃいましたけれども、こちら、ちょっと深掘りしたいんですが、具体的に、どのような支援なんでしょうか。
○吾郷政府参考人 お答えいたします。 中小企業等経営強化法に基づいて認定をする経営力向上計画の類型に、MアンドAを通じた事業再編に関する計画を追加いたしまして、この計画について主務大臣の認定を受けた中小企業がMアンドAを行う際に発生する不動産取得税、登録免許税について軽減を行うこととしております。 例えば、合併による不動産の所有移転登記につきましては、登録免許税を通常税率の半分に軽減するといったようなものでございます。
○松平委員 どうもありがとうございます。 つまり、合併もそうですし、事業譲渡する際の譲渡資産、だから、資産自体に対する登録免許税の負担の軽減措置というものだと理解させていただきました。 先ほど、親族内承継の場合の、お話しいただいた税金猶予という部分ですね。これは、中小企業で、代表者が個人でその会社の株を持っている場合で、その後継者への株式相続又は贈与の場合に課税が一〇〇%猶予される。一〇〇%という、相当な優遇であるというふうに思います。 この相続税、贈与税への猶予という措置、これと平仄を合わせるとしたら、この第三者への事業承継の場合、株式譲渡の譲渡益への猶予ですとか、事業譲渡の譲渡益への猶予というものを考えられないんでしょうか。こちら、やはり平仄を合わせるという意味では、相続税、贈与税の猶予と一にして考えられるというふうにも思えるんです。 そして、承継者がいない黒字倒産を防ぐという観点からは、むしろこの株式の第三者への譲渡という、そちらの譲渡益、それから事業譲渡への譲渡益、ここにフォーカスするというのは重要なのかなというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。
○吾郷政府参考人 お答えいたします。 今御指摘のとおり、登録免許税あるいは不動産取得税の軽減というのは買い手側の優遇措置でございます。売り手側の背中を押すということも重要だということでございます。 先ほども御説明を申し上げておりますけれども、まずは、地域の支援機関が連携した事業承継ネットワークによるプッシュ型の情報提供、あるいは気づきの機会の提供、こういったことを早期の承継準備のために行ってまいります。また、事業引継ぎ支援センターによるマッチング支援も今強化しているところでございます。 今後とも、先生の御指摘も踏まえまして、MアンドAを通じた事業承継の促進のために、売り手、買い手双方の課題をしっかりと把握いたしまして、支援のあり方について検討してまいりたいと存じます。
○松平委員 どうもありがとうございます。 承継者がいない黒字倒産を防ぐという趣旨からは、やはり売り手側をプッシュするというところでぜひとも前向きな検討をお願いしたいな、こちらに、今おっしゃっていただいた部分に力を入れていただきたいなというふうに思っております。 それから次に、金融支援の拡大という点についても先ほど大臣おっしゃっていただきましたけれども、この金融支援の拡大という部分、これもちょっと具体的にどのような政策なのか教えていただきたいと思います。あと、実績についてもよろしければ教えてください。
○吾郷政府参考人 まず、実績についてでございます。 これまでの経営承継円滑化法に基づく金融支援の対象は、事業を承継した者に限られておりまして、平成二十一年三月の法施行から平成二十九年十二月末までの間において、金融支援の利用認定件数は百四十二件となっております。 金融支援と申しますのは、一つは、信用保証の枠の拡大、別枠化でございます。それからもう一つは、日本公庫などの融資、低利融資となっております。 今回の法改正におきましては、これを、MアンドAを行う際に、買い手側に事業承継を行う前に株式や事業用資産の買取り資金が必要となるということが想定されるものですから、今回、法改正をいたしまして、この信用保証の特例や政策金融公庫による特例融資の対象に事業承継を行おうとする者を追加するというものでございます。
○松平委員 どうもありがとうございます。 今回、信用保証の特例ですとか政策金融公庫の低利融資、こちらの対象となる方々をふやした、そして、対象となる、拡大した相手というのが、今までは、承継した後の代表者若しくは承継した後の中小企業者だけであったのを、承継する前、承継を行おうとする人を追加したということですよね。 今のをお聞きして、済みません、ちょっと驚きもありました。というのは、MアンドAで資金が必要になるのは、通常は承継前なんですよね。それなので、承継後しか支援を行えないというのは、やはり使い勝手が悪かったのかなというふうに思ってしまいます。 先ほど、実績の方で百四十二件というふうにおっしゃいましたけれども、それは少ないのもわかる気がいたします。やはり、今回の、事業承継を行おうとする者という改正で、ようやくと言ったらなんですけれども、使えるようになったのかなという気がいたします。こちら、ぜひ周知していただいて、利用者が増加することを期待しております。 ただ、そうはいっても、事業承継を行おうとする者というのは、文言として非常に曖昧なのは確かだと思います。行おうとする者、つまり、行う予定がある人ということですよね。行おうと思っていますよというだけでは、これは、本当にあなたは行うんですかということがわからないので、もちろんみんなに支援するわけにもいかないので、行おうとする者をどういうふうな形で限定するか、限定というか定義づけするのかということが必要になってくるのかなというふうに思っているんです。 ここで条文を見てみますと、事業承継を行おうとする者とは、当該ほかの中小企業の経営の承継を行うため、当該承継に不可欠な資産の譲受けを行うと認められることというふうになっています。こちらを見ても、余り明確ではないのかなというふうに思います。 もうちょっと具体的に、どのような者が対象となることを想定しているのか、教えていただいてもいいでしょうか。
○吾郷政府参考人 お答えいたします。 MアンドAなどの際には、基本合意書あるいは譲渡契約書といったものがやりとりされることが通例でございます。こうした契約書をこの金融支援の申請の際に提出していただくということで、承継を行おうとする者として認定することを今考えております。
○松平委員 どうもありがとうございます。 そういったところをちゃんとしっかりと審査なり運用していただいて、モラルハザードが起きないよう運用していただきたいなというふうに思っております。 それで次に、今、MアンドA税制、それから金融面での支援についてお聞きしましたけれども、先ほどちょっと世耕大臣もおっしゃっていただいたんですけれども、相手がいないとやはりMアンドAは始まらないと思います。 それで、相手探しについてですけれども、具体的にどのような施策があるのか、こちらも教えていただいていいでしょうか。
○吾郷政府参考人 後継者難の事業者と、事業を引き継ぎ、ビジネスを拡大しようとする事業者のマッチングを支援する事業引継ぎ支援センター、これは、全国の商工会議所でありますとか、あるいは都道府県の産業振興センターなどに今四十八カ所ございますけれども、こういったものを展開しているところでございます。 相談件数、マッチング成約件数とも増加をしておりまして、今、その体制の強化をしているところでございます。現在の相談員数も、一年前の約三割増、百四十人になっております。 こうした体制強化を含めまして、現在、六百件程度の年間マッチング件数を、平成三十三年度には二千件とすることを目指しているところでございます。
○松平委員 最近では、MアンドAの媒介を行う民間業者のプレーヤーも非常にふえてきているということなんですけれども、民業の圧迫になってはやはりいけないのかなというふうに思っているんです。 そういった、民間とのすみ分けについてはどういった御認識でしょうか。
○吾郷政府参考人 お答えいたします。 中小企業のMアンドAマッチングの担い手といたしましては、金融機関、あるいはMアンドAの専門仲介業者などが存在しております。 ただ、この多くの方たちは、一定規模以上の事業者に対する取組が中心となっておりまして、やはり小規模なMアンドAの担い手にはなっていないという現状がございます。 このような状況の中で、事業引継ぎ支援センターは、主として、比較的小さな規模の企業に対する相談対応、マッチング支援を行っておりまして、支援に当たりましても、まず、連携している地域金融機関やMアンドA仲介事業者に取り次ぎまして、それでも相手が見つからない場合に、事業引継ぎ支援センター自身がみずからマッチング支援を行うということにしております。 このように、民間との役割分担、連携をしているということでございます。
○松平委員 センターの方は比較的小規模ということで理解しました。 やはり、民間では売上高十億円ぐらいないとなかなかペイできないというふうにも聞きます。そうすると、ちょうど民間と行政のターゲット層の中間に位置するような企業、大体売上高が三億円ぐらいから五、六億円ぐらいの市場というのがぽっかりとあいてしまっているんじゃないのかなと。生産性の高い、地域に必要な中小企業をいかに残していくかという観点からは、市場のちょうどすき間である売上げ三億から五億ぐらいある規模の企業、こっちだって、結構、将来性ある企業が多いんじゃないかなというふうに思うんです。 そこで、この市場について、このMアンドAマーケットを活性化させる必要というのはやはりあるのかなと。この層についてのアプローチ、今後の取組についてお聞かせください。
○世耕国務大臣 御指摘のように、切れ目なく、小さなところから比較的大きい中小企業まで支援をしていかなければいけないと思っています。 今話に出ております、小規模な企業のマッチングを主に行っている事業引継ぎ支援センターについては、直近三年で成約件数が五倍以上になる、急増しているわけでありまして、今後、今御指摘の中間的な規模の中小企業もしっかりカバーしていけるように体制を強化していきたいというふうに思っています。 あと、今、事業承継ネットワークというのがありまして、これが、いろいろな支援機関ですとかあるいは地方の金融機関がお互い情報交換をして、事業承継を進めていこうということですが、今御指摘の中間的な規模の企業というのは割と地銀、信金が抱えているケースが多いと思っていまして、これも、こういったネットワークを通じて、地銀、信金の持っているような情報と、そして事業引継ぎ支援センターが持っている情報を組み合わせることによって、切れ目のない支援ができるのではないかというふうに思っています。
○松平委員 どうもありがとうございます。 こちらも、事業承継の問題、下手をしたら、先ほど冒頭申し上げたように、二十二兆円ものGDPにかかわってくるという大きな問題ですので、ぜひともエールを送らせていただきたいと思います。 これで私の質問を終わります。どうもありがとうございました。
○稲津委員長 次に、菊田真紀子君。
○菊田委員 おはようございます。無所属の会の菊田真紀子です。 この法案に関しては、今週の火曜日、そして水曜日、そしてきょうの金曜日ということで、三日間にわたって審議が続けられてまいりました。私たち野党は、政府が提出された法案、しっかりと議論をして、審議をして、どこか欠点がないか、あるいは残っている疑問点、しっかりと追及していくことが大事だというふうに思っております。 まず、前回の質問の際に確認できなかったことを改めて伺いたいと思います。 創業時の無担保、無保証での融資制度において、どれだけの融資が行われ、返済されなかった融資はどの程度あるのか、御答弁をお願いします。
○吉野政府参考人 お答えいたします。 まず、前回は資料が整っておらず、申しわけございませんでした。 御指摘の制度でございますけれども、創業者に対して無担保、無保証人で融資を行う日本政策金融公庫の新創業融資制度でございますけれども、まず実績としましては、平成二十八年度で約三万件ということでございます。 この当該制度の平成二十八年度における貸付け後五年以内の残高、これが二千九百二十一億円となっておりまして、このうち、御指摘の、事業者が予定どおりの返済を行うことができなくなっている破綻先ないしは延滞先というふうに分類される割合ですが、金額ベースでは一・七%、件数ベースでは二・一%ということでございます。
○菊田委員 ありがとうございました。 今御答弁いただいたとおりでありますけれども、日本政策金融公庫の新創業融資の期間が終了しても、民間の金融機関等の融資ができれば経営者保証がない形で円滑に受けられるようにフォローしていくということも重要だというふうに考えます。 こうした創業時から、さらに、事業を着実に展開していく段階まで、資金支援も含めた支援について、これは大臣の見解を伺いたいと思います。
○世耕国務大臣 日本の創業五年後の企業生存率というのは八一・七%でありまして、これは他の欧米諸国に比べて非常に高い水準にあります。創業者が中長期的に事業を更にそこから、ただ生き残っているだけではなくて、もっと発展させることができるよう支援をしていくということが非常に重要だと思っていまして、創業時における支援だけじゃなくて、創業後も引き続き継続的なフォローを行っていくことが重要だと思っています。 日本公庫においても、創業時に支援した企業に対してしっかりとフォローを行っておりまして、例えば、一時的にその業種の業況が悪化した際のセーフティーネット貸付けなど、事業者のニーズに応じた資金繰り支援を行っているところであります。また、民間金融機関から融資を受けながら、その後の適切な期中管理を通じて事業の拡大、継続を図っていくことも重要だと思っています。 このため、昨年の通常国会で、中小企業信用保険法等を改正をさせていただきました。信用保証制度について、金融機関の保証のつかないプロパー融資と保証つき融資を適切に組み合わせるリスク分担を行うことによって、金融機関による事業性を評価した融資ですとか、その後の期中管理、経営支援の取組を一層引き出す仕組みとすべく、制度見直しを実施したところであります。新たな制度は、ことし四月一日から既にスタートしているところであります。 さらに、産業競争力強化法に基づいて、創業者にとって身近な存在である市町村などの自治体が中心となって、認定支援機関、地域の経済団体、金融機関などの創業支援事業者とネットワークを構築をして、創業しようとする人だけではなくて、創業後もワンストップで相談に乗れるような支援体制も整備しているところであります。
○菊田委員 ありがとうございました。 創業後の企業の生き残りが八一・七%ということでありますので、大変期待したいと思いますが、逆に言うと、創業してから五年間が非常に重要だということもあわせて言えるのではないかなというふうに思います。 大臣、これは通告していないんですけれども、済みません、政府参考人の方に私が質問させていただいたのは、各国、特に欧米に比べると、日本では、創業しよう、創業したいという意欲を持つ人が極端に少ないということが言われているんですけれども、政府参考人の方から、ごめんなさい、政府参考人ではなくて、この前の参考人質疑のときですね、それぞれの立場から御回答いただきました。 大臣はどんなふうに感じていますか。
○世耕国務大臣 やはり、欧米に比べて、開業率が半分程度ということでありますから、非常に低い水準だというふうに思っていまして、これはしっかりふやしていかなきゃいけないと思います。 要因はいろいろあると思います。まず、いわゆるベンチャーキャピタルという、ベンチャーにお金を出資する仕組みがまだまだ日本は小規模であるということ。そして、やはり社会的に、ベンチャー、起業、アメリカでは、大学を卒業する人で、大企業に就職する人が一番優秀なわけじゃなくて、やはりベンチャー企業に就職する、あるいはみずから卒業後には起業する人が一番優秀だという、もうそういう社会観念になっているわけですけれども、日本の場合、やはり、新卒一括採用のもと、大企業にみんなが競って就職する、こういう文化に一つ大きな問題があるのではないかというふうに考えております。
○菊田委員 どうもありがとうございました。 次に、規制のサンドボックスの公平について取り上げたいと思います。 事業計画の認定に当たっては、評価委員による専門的かつ客観的な観点からの意見を聞くということになっていますが、事業計画の当該分野の専門家を集めるということですので、そうなると、事業に積極的な人ばかりが集まるのではないでしょうか。 評価委員の人選についての考え方、基準、さらに、人数などのイメージを、政府参考人、お答えください。
○中石政府参考人 お答えします。 革新的事業活動評価委員会の委員は、幅広い分野、領域に及ぶ内外の社会経済情勢及び革新的事業活動の動向に関してすぐれた識見を有する者を任命することとしており、委員会の主管である内閣府の長として内閣総理大臣が任命を行います。 委員の人選につきましては、平成十一年四月に閣議決定されました審議会等の整理合理化に関する基本的計画に基づきまして、委員により代表される意見、学識、経験等が公正かつ均衡のとれた構成になるように留意してまいる予定であります。 また、委員の人数につきましては、迅速かつ円滑な評価を行う観点から、同基本的計画に基づきまして、原則二十名以内の民間有識者により構成することを予定しております。
○菊田委員 この評価委員会の中で意見が分かれてしまうということも十分に考えられます。本当に中立的な運営がなされるのであれば、賛否両論、むしろ、意見が割れる方が自然だというふうに思いますけれども、この評価委員会の議論は多数決で決することになるんでしょうか、それとも全員一致を原則とするのか、お答えください。
○中石政府参考人 お答えします。 評価委員会は、合議制の機関として、委員により代表される意見、学識、経験等が公正かつ均衡のとれた構成となるように留意するということでございますが、審議においても多様な意見が反映されることを確保し、特定の立場を持つ少数の委員の意見のみが採用されることがないようにしようと思っています。 委員御質問の、議決方法の詳細を含めた具体的な実務につきましては、今後、政令などで規定する予定でございますけれども、いずれにしましても、新技術等実証の評価を効率的かつ公正公平に審議できるよう、運用ルールを整備してまいりたいと思います。
○菊田委員 評価委員において、委員の直接の利害を有すると考えられる議題が上がる場合には、その委員は審議に参加しないなど、公平性に疑念を抱かれないよう運用を工夫すると大臣も答弁でおっしゃっておられますが、直接の利害を有するとはどの程度の関係性を指すのでしょうか、伺います。 例えば、事業者と顧問契約を交わしたことのある人や講演料等何らかの報酬を受け取ったことのある人は、ここで言う直接の利害を有すると判断されるのでしょうか。また、直接の利害を有すると判断するのは具体的に誰になるのか、政府参考人、お答えください。
○中石政府参考人 お答えします。 評価委員会の調査審議におきましては、直接の利害関係を有すると考えられる議題が上がる場合には、その委員は審議に参加しないということで、公平性について疑念を抱かれないよう運用を工夫することとしております。 評価委員会の委員が直接の利害を有するかどうかの基準を含めまして、委員会の具体的な実務については政令などで規定することとしておりますけれども、例えば、委員御指摘がございましたように、委員が申請事業者の取締役や顧問を務めていたりとか雇用関係にある場合や、あるいは、委員が申請事業者に対して出資を行っている場合などが考えられると思っています。 また、その直接の利害を有するかどうかにつきましては、やはり、委員会の自立的な判断として、委員長を始めとして判断していくというふうに考えています。
○菊田委員 意見が分かれた場合の委員会の運営や、今申しましたように、直接の利害を有するかどうかの判断等、これは評価委員会の委員長による差配が非常に重要になってくるというふうに考えられます。 委員長の任命方法はどのようなものになるのか、お答えはいただけないと思いますが、政府側で現時点で想定される方がいるのかどうかについてもお答えください。
○中石政府参考人 お答えします。 政府の審議会や委員会等の会長、委員長等の人選につきましては、先ほども申し上げました、平成十一年四月に閣議決定されました審議会等の整理合理化に関する基本的計画において、合議体の自立性を重視し、委員の互選により選任することと定められておりまして、現在もこれに従った運用がされております。 本法案における評価委員会の委員長につきましても、委員会の自立性を重視しまして、委員の互選により選任すると考えております。
○菊田委員 ここまで評価委員の選出のあり方や評価委員会での議論について、枠組みがどのようになっているのか、政府参考人から御説明をいただきました。 詳細についてはこれから政令等で決めていくことですのでまだイメージしかつかめないんですけれども、規制のサンドボックスの枠組みをつくるに当たっては、評価委員について、直接的だけでなくでき得る限り間接的にも利害を有しない、誰の目から見ても公平で、さまざまな意見を持つ委員によって、委員長の中立そして公正な運営のもと、公開された透明性の高い議論を経て結論を得ることが非常に重要だというふうに考えます。 例えば、直接的な利害を有する基準や評価委員会の委員長のイメージについて、この委員会の場では詳細にはなかなか示せないということでありますけれども、大臣の見解をしっかり伺っておきたいと思います。
○世耕国務大臣 やはり、この評価委員会のメンバーあるいは運営方法というのは、誰から見ても公平で透明性のあるものでなければならないというふうに思っております。 委員を人選したときも、これから人選が行われるわけでありますけれども、それも、どうして、どういうバランスでこういう分野の人をこれだけ集めたのかということはきちっと説明できるようにしていきたいというふうに思いますし、また、もちろん議事録等は公表させていただきます。営業の秘密とか個人情報にかかわる以外の部分については公表させていただきますし、また、利益相反の判断についても、きちっと後で説明できるようにしておかなければいけないというふうに考えております。
○菊田委員 予算委員会等で現在も厳しい追及が続いている加計学園、森友学園の問題では、安倍総理は否定していますけれども、総理ないしは総理周辺からの指示若しくは官僚側のそんたくがあったために行政機関の政策決定がゆがめられたと、今、国民は強い懸念を抱いています。 この規制のサンドボックスによる事業計画の認定において、政府の内側、外側にかかわらず、国会議員も含めて、権力を持つ者の意向が働くことは決してないと断言できるか、大臣、お答えください。
○世耕国務大臣 今までいろいろな、評価委員会の運営とかあるいは主務大臣の認定について、この委員会でずっと御説明をさせてきていただいているわけですが、そういった仕組みをしっかりと透明性を持って運用をして、そして、この実証計画の認定プロセスにおける公平性、透明性を確保していくことにしておりまして、さまざまな利害関係者からの働きかけ、これはどっちもあると思うんですね、やってくれというところと、いやいや、この規制は絶対残してくれという、両方あると思いますが、利害関係者、外部からの働きかけによって認定の是非が不当に左右されることがないようにしてまいりたいと思います。
○菊田委員 大臣、約束してくださいね。 事業者が新技術等実証計画を提出する際に、規制所管の省庁が関与することはありますか。規制所管の省庁の関与はどこの段階から生じるのか。評価委員会の議論にかけることからストップできるのかどうか。これは政府参考人、お答えください。
○中石政府参考人 お答えいたします。 まず、新事業等実証計画につきましては、内閣に設置しました一元的窓口において受け付けいたします。 受け付けの後につきましては、法案第十一条の規定のとおり、主務大臣は、新技術等実証計画の認定の申請があった場合、計画を認定するか、認定しない場合であればその旨、その理由を通知することが義務づけられております。その際、また、認定の可否を決める場合には、革新的事業活動評価委員会の意見を聞くものとして規定されております。 委員御指摘の規制所管省庁が申請された計画の手続をとめることにつきましては、評価委員会の審議の前後、前であろうと後ろであろうと、事業者から申請がなされた以上、条文上は認められないものと解しております。
○菊田委員 加計学園が獣医学部を新設する際に、文部科学省の大学設置・学校法人審議会が国家戦略特区の決定にいわば押し通される形で認可が行われました。 評価委員会の意見が出たら事実上最終決定になるということではなく、規制所管大臣が、規制のあり方、必要性等の観点から認められないと判断すれば計画を認定しないということが、枠組みの上からも、また実際の運用面からもできるということでよいか。大臣、確認させてください。
○世耕国務大臣 事業者から提出される個別の実証計画については、主務大臣のうち規制所管大臣が当該実証に関係する規制に違反しないと判断した上で認定するわけであります。 計画の認定に当たって、評価委員会は主務大臣に対して意見を述べることとなっているわけですが、意見の内容は、新技術等実証によるイノベーションの社会実装や規制改革を通じた日本経済全般への効果に関して、あくまで専門的かつ客観的な見地から行う評価に関するものであります。 また、評価委員会が規制所管大臣に対して述べる意見や勧告は、規制所管大臣を法的に制約するものではなくて、規制所管大臣をいわばオーバーライドして結論を押しつけるようなものではありません。 制度の運用に当たっても、こうした仕組みの趣旨を忘れることのないように、しっかりと公正かつ透明に手続が運用されるようにしていきたいと思います。これによって、規制法令が保護する安全性ですとか公益性は担保する一方で、多くの事業者に新しい技術などの社会実証にチャレンジをしてもらって、実証によって得られた資料や情報を利用して、規制をより合理的かつ現代的なものへと見直していくことを目指してまいりたいと思います。
○菊田委員 資金調達支援について伺いたいと思いますが、私はいま一つ腑に落ちません。新技術を実証しようとする事業者が果たして資金調達支援を必要とするのでしょうか。 本会議の質問で、私は、規制のサンドボックスがお友達の砂場になってはいけないと申し上げました。少し言葉が過ぎるかもしれませんけれども、この債務保証等の資金調達支援がよもやお友達へのお小遣いになってしまうことは決して許されません。 そもそも債務保証等の資金調達支援は不要ではないかと考えますが、もしこの措置が講じられるとしてもその運用は極めて限定的に行われるべきと考えますが、大臣の見解を伺います。
○世耕国務大臣 新技術等実証制度は、革新的な技術やビジネスモデルの社会実装を促進するための仕組みを整備するものであります。独創的なアイデアを持つ方や革新的なビジネスモデルをスピーディーに事業化したいと考えるいわゆるベンチャー経営者など、幅広い方々に使っていただきたいと思っています。 一方で、革新的な技術などのアイデアを持っている中小・ベンチャー企業ではあるけれども、一方で実証に必要な資金調達力に制約があるため実証を行うことが困難な事業者も存在するものだと思っています。 このため、認定された実証計画に基づく新技術等の実証に必要な資金について中小企業基盤整備機構による債務保証などを行うことで、資金面で実証に支障を来している事業者のリスクを補完して、イノベーションにチャレンジできるよう応援するものです。 この債務保証制度においては、保証の割合を五割として事業者にも一定のリスクを負担していただくことになっておりまして、これによって適切なリスク分担の中で社会実証が促進されることを期待しております。
○菊田委員 時間が来ましたのでやめますけれども、せっかくのこの制度がお友達のための制度にならないように、ぜひしっかりとやっていただきたいと思います。 終わります。ありがとうございました。
○稲津委員長 次に、田嶋要君。
○田嶋委員 御苦労さまです。 長時間の審議でございますが、私から、まず法案の前に、やはり世耕大臣にお尋ねをしたいと思います。 テレビの報道によりますと、昨日、柳瀬さんは官邸に二回入られておるようでございます。午前と午後に一回ずつですね。午前の官邸に入った後、マイクを向けられて、日米の話だという話でありました。午後は、同じマイクを向けられて、米国の話ということでおっしゃっております。 当然ながら、総理秘書官として入ったわけではないわけでありますので、今の上長である世耕大臣から、どういう用件で入ったのかをお尋ねします。
○世耕国務大臣 これは、柳瀬審議官の職務として官邸に入った。柳瀬審議官は特に通商交渉などで海外との交渉などを担当している、これが私から見た彼の担務でありますから、その担務の一環として首相官邸を訪問しているというふうに認識をしております。
○田嶋委員 ありがとうございます。 ちなみに、世耕大臣は、来週の総理の訪米に一緒に行かれるんでしょうか。
○世耕国務大臣 これも、朝から新聞記者にも聞かれていますが、まだ全く、行くも行かないも決まっておりません。
○田嶋委員 昭恵夫人はいかがでしょうか。
○世耕国務大臣 これは、私の立場ではわかりません。
○田嶋委員 おっしゃるとおりですね。 柳瀬さんについては、上長として、出す予定はありますでしょうか。
○世耕国務大臣 これも、首脳会談でのテーマとか、そういうことがどういうふうになるかということにもよろうかと思いますが、通常、経済がテーマになるような総理の外遊には、経産審議官は同行をしております。過去……(田嶋委員「して」と呼ぶ)しております、通常、過去のケースとしてですね。 総理の外遊は、過去、二〇一三年一月以降、ですから第二次安倍政権発足以降、総理外遊、六十一回ありますが、そのうち五十五回は経産審議官が同行しています。同行していないのは、恐らくオリンピックとかの開会式とか国葬へ行ったときとか、そういうときではないか。 基本的には、通常、経済がテーマになる場合は同行するということで、今回はわかりません。まだ何も決まっておりません。
○田嶋委員 通常じゃなくて、今は異常事態な状況だというふうに私は思っております。 今、柳瀬さんがどういう状況に置かれているかということは、上長としてよく御理解いただいていますね。
○世耕国務大臣 報道等で承知しております。
○田嶋委員 今の所掌に関する話ではないにしても、異常な状況にある、来週証人喚問もあり得るわけでありますから、どっちが大事だということは言いませんけれども、しかし、彼でなければならないのでなければ、当然証人喚問を優先すべきだと私は思いますよ。それは、疑惑訪米団なんて言われないように、ぜひ気をつけていただきたい、本当に、今の上長ですから。 今の上長、世耕大臣にそれは念を押しておきたいと思いますが、疑惑訪米団にしませんね。
○世耕国務大臣 彼は今、経産審議官でありますから、経産審議官としての職務を全うする、これは公務員としての私は義務だというふうに思っています。 一方で、証人喚問とかそういうのは国会がお決めになることだというふうに思っていますし、証人喚問ということでしたら、これは出席しなければならないわけでありますから、それは、適宜、その都度判断されることだと思います。
○田嶋委員 どちらが大事だとは申しませんがということで申しました。大臣、上長として適切な御判断をしていただきたいというふうに思います。 それでは、法案についてお尋ねをいたしたいと思います。 こういうほかの質問に時間をとられてどんどん質問時間が減るわけでございますが、私がこの限られた時間できょう大臣に強調したいことは、時間軸と空間軸を意識しながら新しい政策の提案を国会に対してしてほしいという、その一点であります。 時間軸ということはどういうことか。歴史に学ぶということでありますし、少し実務的な言い方をすれば、PDCAをちゃんとやっているかということです。この間も申しました。人事異動で大体二年に一回新しい人がやってくるわけでありまして、自分がいる間に何か新しい法案を出したい気持ちはよくわかる、何か予算をとりたい気持ちもよくわかる。それは人情ですよ。 しかし、大事なことは、連続していますから、いろいろなことをやられる国民の側からすると、金を使って一体成果が出ているのかどうか、はっきりしないのに、次から次へと、コネクテッド・インダストリーズとかいいながら、毎回毎回新しいものを出されれば、反対はしづらい側面も強い中で、本当にいいのかなというふうに思っちゃうのは当たり前ですよね、大臣。 だから、時間軸と空間軸のうちの最初の時間軸ということで、私は、今回の法案、出してきたのはいいけれども、振り返って、こういうような成果と評価をいたしておりますという説明はほとんど、私に対しては少なくともなかったですよ。なかったです。政府からの概要資料にも、そういう部分はほとんど割愛されている。これからやる話ばかりですよ。これからやる話は批判しにくいんだから、なかなか。終わった話は成果が出てきているんだから、何やっているんだという話ができますよね。 大臣、それは世耕大臣のもとでちょっと情けないと思います。そこをしっかりと押さえるということをもう一度確認させてください。
○世耕国務大臣 これは、まさに過去の政策を検証して、その評価をやった上で、今回も政策を出させていただいております。 例えば、産業競争力強化法、今回改正させていただくわけですが、これはもともと、長引くデフレで低迷してきた日本経済を再興するために、三つのゆがみ、過少投資、過剰規制、過当競争、これの是正を目的に制定されたものであります。 特に、過少投資については、二〇一二年度に六十三兆円まで落ち込んでいた設備投資、これは、施行後三年で目標としていた七十兆円程度まで回復して、そして二〇一六年度には、今八十四兆円にまで増加をしています。ただ、一方で、設備投資はこれだけ目標を上回る増加をしているんですが、中身を見ると、例えばRアンドD型ベンチャーですとかユニコーンベンチャーへの大型の投資案件というのが少ないという課題が出てきたわけであります。 また、過剰規制については、これまでも、新事業特例、グレーゾーン解消制度が、健康・医療ですとか観光など幅広い分野で約百四十件活用されてきたわけでありますが、そして、それによって新規ビジネスが開始されるなど一定の効果がありましたが、一方で、必要なデータが収集できないために、規制改革に踏み切れず、技術革新の成果を社会実装、早くできないという課題も出てきたわけであります。 また、過当競争については、これまで五十六件の計画認定を行って、情報通信機器製造業ですとか石油精製業など幅広い分野の事業再編を後押しができたわけでありますが、多くの企業において低収益部門を引き続き抱え続けておりまして、大胆かつ機動的な事業再編は道半ばというふうに見ております。 このように、産業競争力強化法のこれまでの実績に基づくPDCAの結果、一定の成果は上がっているけれども、残った課題が見えてきている。(田嶋委員「はい」と呼ぶ)もうちょっといいですか。さらに、産業競争力強化法制定後の状況変化として、世界規模で第四次産業革命が起こってきている。こういった変化に対応して日本の産業の国際競争力を強化していくためには、生産性革命が喫緊の課題となっております。(田嶋委員「はい」と呼ぶ) もうちょっとあるんですが、ここでやめます。
○田嶋委員 大きなマクロのバックグラウンドで、世界情勢、こうなってああなってという話は必ず資料に書いてあるんですよ。しかし、自分たちがやった施策がこういう結果になって、これは五段階でB評価なのかC評価なのか、ここに欠点があったからこう直したいという紙が少なくとも国会議員の資料のトップページには来なきゃおかしいと私は思いますよ。 委員長、お願いしたいんですけれども、法案が仮に終わるにしても、私はそこは確認したいと思うので、そこを私の方にちゃんと資料を出すようにしてください。
○稲津委員長 理事会で協議します。
○田嶋委員 よろしくお願いします。 それで、では、私は、個別に、この固定資産税の減免と規制のサンドボックスにフォーカスしてお尋ねしますけれども、それぞれ、過去にやった取組があるわけですね。これはどうだったのかということですよ。どうだったのか。百点満点だからこれもやらせてくださいということを言っているのか、いや、ここは足りなかったからこういうことを考えているとか、そういう話をちゃんとわかるように説明してほしい。副大臣、お願いします。
○武藤副大臣 私からお答えさせていただきます。 固定資産税の件についてですけれども、現行のいわゆる二分の一の特例措置でありますけれども、これは委員御存じでございましょうからもう省かせていただきますけれども、二十八年の七月からでございますが、中小企業等経営強化法に基づいて、今、三十年の二月末時点でありますけれども、約四万九千者が経営力向上計画の認定を受けております。認定を受けた計画に基づいて新規の設備投資をした事業所が約三万四千者、対象となった設備投資は約一・八兆円に上ると推定をされております。その多くが固定資産税の特例も活用しているものと考えられております。 また、私どもが昨年十月に行った調査でありますけれども、固定資産税の特例措置を活用した企業の七五%が、固定資産税の軽減を受けることによりまして新たな設備投資を行うことができたと回答していただいたわけですが、現行の制度は、新たな設備投資を後押しすることによりまして、中小企業の生産性向上を促進しながら企業収益等に貢献していると考えております。
○田嶋委員 どういう点が反省点だったとか、課題はどこだったという説明が抜けていたような気がしますけれども、いずれにしても、私が聞いているところだと、自治体の自主性を余り尊重しなかったので批判もあったというふうに聞いてございます。 もう結構ですので、それでは次の質問ですが、そういうことを踏まえて、今回、固定資産税の減免という新しい、今回は自治体の自主性を尊重しているということでございますが、そして、この間大臣もおっしゃっていましたよね、千七百余りの中で一千以上という、大変な反響だと思います。 そして、これは率直に言って、高い評価が出ているような印象で私は受けとめておりますが、当然、混乱もこれから予想されるということでありますし、霞が関、永田町だけで議論をしていては、当然、現場の目線が見失われる可能性もあるということで、三点ほど、それぞれにお尋ねをしたいと思います。 一つ目は、大臣もよく強調されるワンスオンリーという考え方でありますが、ワンストップショッピングも役所はなかなかできていないけれども、たらい回しにされて、なおかつ毎回毎回同じような資料の提出を求められるということが世の常でありまして、世の中はそれにうんざりするわけであります。 そこで、政府参考人で結構ですが、今回の法案の中には税の方の部分は書いていないわけでありまして、その手前の承認の部分までが書いてあるわけでありますが、こういう計画をやりたいといって、一回資料をくっつけて、承認を得られた。しばらく時間が、タイムラグがありますから、今度、固定資産税の減免を受けるときに、違う窓口に、また同じようなことをやらなきゃいけないときに、ゼロから同じような資料の添付を求められる。 いかにも役所にはありがちなわけですが、現場ではこれが迷惑のもとなんですね、大臣。そういう想像力を持って私は政策をつくるべきだと思いますが、そういうことはないですね。
○吾郷政府参考人 お答えいたします。 御指摘のとおり、事業者が本特例による固定資産税の軽減を受けるためには、市町村に対して、まず先端設備等導入計画の申請を行い、そして次に固定資産税の申告を行う必要があるということでございます。 税の申告に関する実務につきましては、各地方自治体の事務ではございます。ただ、今、税の申告の際には、計画認定書の写しを添付するということになっておりまして、事業者に新たに大きな負担を強いる手続ではないものと認識しております。 いずれにいたしましても、今の御指摘を踏まえまして、今後の制度の詳細設計あるいは実施に当たりまして、事業者の事務負担軽減に努めてまいりたいと存じます。
○田嶋委員 現場は生真面目にやってしまうのが常ですから、これはむしろ、こちらからちゃんと言ってあげないと、やはりそんたくしますよ。 だから、そういう無駄な手間を省くためにも、必要なら通達、通知を出して、こういうのは省略していいですよということをちゃんとやってください。いいですか。
○吾郷政府参考人 今の御指摘も踏まえまして、何ができるか、総務省とも相談させていただきます。
○田嶋委員 愛媛県みたいに官邸に来るなんてことはなかなか簡単なことじゃないと思いますよ、地方の自治体からすれば。だから、それをおもんぱかって、先に手を打っていただきたいというふうに思います。 それからもう一点でございますが、今回、自治体の独自性を尊重するというのは大変評価をされている面ですね。しかし、自治体の独自性を尊重すると、また新たな悩ましい問題が出得る。 企業は、複数の自治体でビジネスをやっておるわけでございます。例えば、五カ所の自治体に同じような工場や営業所を持っていて、同じような、今回のこういうインセンティブで設備投資をしようということで、償却資産の導入を検討した。ところが、ふたを開けたら、千葉市だけはそれはオーケーしたけれども隣の町ではだめだったというようなことがあると、経営者から見ると何だという話になりますね。 それは、自主性があるからこそこういう問題があり得るのかもしれませんが、こういう問題はやむなしと考えているのか、何らか手を打つのか、いかがですか。
○武藤副大臣 委員の御指摘の点でありますけれども、これは、今、市区町村が個別に導入促進基本計画を策定することとなっておりますので、そういうことによりますと、自治体によって、先生がおっしゃられるように、計画の内容は異なる、したがって、固定資産税の軽減の対象が、業種や設備が自治体間で異なるということが当然これはあり得るわけであります。 固定資産税のこの特例措置ですけれども、全国一律に行うわけではなくて、固定資産税を賦課している市区町村がそれぞれの地域経済性の特性を考慮するという点でありますので、地域の実態に即した計画に基づいて優遇措置を講じていくことがポイントであります。 こういう運用になっておりますけれども、各自治体において認定の対象となる設備を事業者にしっかりまず認識をしていただくということが重要であると思っております。また、事業者に対して、各地での説明会の開催や、あるいはQアンドAの公表等を通じて、混乱を招かないように、しっかり周知徹底をしてまいりたいというふうに思っております。
○田嶋委員 国が最初につくる基準、それがどういうものになるのかは法律には何も書いていませんのでわかりませんけれども、そこのつくり込みもやはり大事だと思いますね。要は、自治体というのは自分の自治体のことに責任を負っているわけだけれども、企業は自治体に閉じて仕事をしているわけじゃありませんから。グローバル企業が国家に閉じて活動していないのと同じですよね。 したがって、必ずこれはクレームの、クレームはあなたには来ませんから、クレームが来るのは現場ですから、これもまた。だから、現場の皆さんに迷惑かけないように、ぜひお願いしたいですよ。いいですか。何であっちだけ割り引いてくれるのにこっちはだめなんだって必ず来ますよ、それは。税率に関しては、私は、それぞれの自治体が判断する、恐らくはゼロにしたいところが多いんじゃないかなと思いますけれども、ぜひここはお願いしたいと思います。 三点目、最後です。 これは、生産性につなげたいということなわけですよ、今回のこの取組。したがって、法律事項ではありませんが、計算式があって、生産性を定量的に測定するわけですよね、三年間で九%ですか。ところが、こういう社長さんが決断をして、世耕さんおっしゃる、設備投資をもっとふやそうといって設備投資した。そうしたら、うまくいった、みんなもやる気になった、がんがん頑張った、売上げが上がった、人手が足りない、採用をふやした。採用をふやしたら、分母がふえますから、生産性の数字は落ちるんですよ、回り回って。そういうことってありますよね、必ず、いろいろ複雑ですから。 そうなっちゃうと、またこれ、真面目に現場でやっている方は、普通に中央官庁から言われた方程式を当てはめて、数字が下がったから、おたく、もうだめですと。場合によっては、前に免税した税金を取り戻すみたいなことだってあり得なくはないよ、不利益不遡及かもしれないけれども。 いずれにしても、これは、しゃくし定規にやると、やはりタイムラグの問題もあります、いろいろなことが、生きているものですから、生き物の企業には起き得る。生産性を考えるときに、一旦オーケーを出した、免除できるというふうに決めた、そういった計画に関して、実務の中でそういった不利益が起きないようにということが非常に僕は大事だと思いますけれども、大臣に最後、その点を確認したいと思います。
○世耕国務大臣 今、中小企業の現場では人手不足が最も深刻な課題でありまして、少ない人数でもしっかりと事業が継続できるよう、生産性向上につながる設備投資を力強く支援することが今回の趣旨であるわけです。 ただ、そういった中で、企業が収益、雇用を増加させることは地域経済にとって歓迎すべきことですけれども、例えば、雇用の増加率だけがちょっと、今おっしゃったタイムラグとかそういったことで想定を上回ってしまって、結果として労働生産性の目標が達成できなかった、これは想定されます、そういうことは。そういうことがあった場合には、今、田嶋委員からの御指摘もありましたし、柔軟にやりたいと思います。 直ちに計画の認定が取り消されるようなことがないように、きちっと最初に立てた事業計画どおり取り組んでくれていれば、基本的には、数字が一時どうなったかなということで認定を取り消すというようなことはないようにしたいというふうに思います。
○田嶋委員 これは非常にいい答弁だったと思います。ありがたいですね。現場もほっとしますよ、それは。しゃくし定規はだめだし、しかも、これは、頑張って設備投資してよかった、いい制度をやってくれたと。頑張って設備投資して人をふやしたら、何か後でペナルティーというのはかわいそうですよね。そんなことがゆめゆめ起きないように、ぜひお願いをしたいというふうに思います。 それでは、規制のサンドボックスも何点かお尋ねします。 副大臣、先ほど述べられませんでしたけれども、これは、四年前に導入された、お手元の資料にございますけれども、資料を一枚だけきょうは配りました、グレーゾーン解消制度、それから、一気通貫でやる場合もあるという企業実証特例制度ということでございますが、ここにも実証という言葉が載っているわけですね。何だか同じような話がまた今回も出てきたなという印象でございますが。 今やっているこの四年前に導入した制度は、どうなんですか。何かわずか十数件とか、そういう数字はどっかで聞きましたけれども、評価できるんですか。これからも続けてやりたいんですか。何が課題ですか。そして、今回は、同じような言葉ですが、実証といって、何が違うんですか。お答えください。後半は大臣だね。
○武藤副大臣 では、実績の方をお答えさせていただきます。 グレーゾーンの解消制度は、事業者が、現行規制の適用範囲が不明確な分野において、萎縮することなく新しい事業にチャレンジできるよう、あらかじめ規制の適用の有無を確認できる制度であります。これまで百件を超える照会を受けまして、規制の適用の有無に関する回答を行っております。 例えばの話ですけれども、ドラッグストアで、利用者がみずから採血をし、その血液検査の結果を利用者に通知するサービスにおいて、検査結果の通知等が医師法上の医業に該当するか否かという照会がありまして、該当しないとの回答を行いました。現在、千四百以上の店舗でこのサービスを受けることができるようになっております。 また、本制度の活用により明らかになりました内容を踏まえて、別の事業者が類似の新規事業に取り組むなどの波及効果も見られます。 このように、グレーゾーン解消制度が、事業者が新たな事業活動に取り組むきっかけとなりまして、新規市場の開拓につながっているという点で、一定の評価をさせていただいていると思っています。 新事業特例制度につきましては、安全性などが確保できるような規制の代替措置を講じることで、事業者が企業単位で規制の特例措置の整備にチャレンジできる制度でありますが、これまで申請を受けた十一件の規制の特例措置要望のうち、六件の申請を認め、特例措置のメニューを整備し、このメニューを活用する新事業活動計画を二十二件認定をしております。また、残り五件の申請につきましては、特例措置の整備を経ることなく、直ちに規制緩和がされて全国に適用されたことも、この制度の意義だというふうに承知をしております。
○田嶋委員 前回、大臣から、目標設定はないというような御答弁がありましたね。これはどう評価しているかを聞きたいんです、副大臣。今はファクトですよね。そのファクトを踏まえて今のこの二つの制度はどう評価しているか。まず、そのPDCのCはチェックですから。それまでは過去ですよ。それは大臣に聞きませんから、副大臣に聞いています。これは、チェックはどうなんですか。
○武藤副大臣 チェックという意味でございますけれども、今の、現行の新事業特例制度におきましては、事業者が規制の特例措置の整備を求める場合に、規制を緩和しても安全性など規制目的を達成することが可能となる規制の代替措置を講ずることが求められているわけで、その代替措置が適切であるかどうかの検証をするための実証ができずに検討が進まないというケースがあったというふうに承知をしております。 こうした課題を解決するために、新技術実証制度は、期間や参加者を限定することなどによりまして、規制対象となる通常の事業ではない、実証であるという、ここを整理しまして、既存の規制の適用を受けることなく、社会実証をスピーディーに行うことを……(田嶋委員「ちょっと待って」と呼ぶ)この点だというふうに思います。
○田嶋委員 それはこれからの話で、大臣に聞くつもりなんですよ。 副大臣に聞いているのは、今の制度をどう評価したのかということを聞いているんです。
○世耕国務大臣 まず、新事業特例制度については、今、副大臣が答弁したと思います。 あと、グレーゾーン解消制度については、これはもう事業としてやることが前提になってしまっていますから、逆に、役所の側が一回それをオーケー出しちゃうと、もう本当にその事業に、ゴー、お墨つきを与えることになるものですから、役所の側が非常に慎重になるといった点があった。これがチェックのポイントだというふうに思っております。
○田嶋委員 このグレーゾーンと今あるその二つの制度は、百件とか十数件とかと少ないけれども、それを、今回、事業をやめるという提案ではないですよね。それは継続させてほしいということでしょう。
○世耕国務大臣 もちろん継続をさせて、そして、今度導入するサンドボックスとあわせて、うまく連携して、一番適切な手段をとってもらえるようにしたいと思っています。
○田嶋委員 わかりましたということですが、要は、民間企業との違いは、国民のお金を使っているわけですから、十件しかなかったのを、十件しかないと評価するのか、十件もあったと評価するのか、よくわかりませんけれども、やはりトップページには、この間導入してやらせてもらっている事業はどう評価しているかというページがないと、毎回毎回新しい話を持ってこられても、何ともこれは評価しがたい。PDCAをちゃんと回していただきたいと思います。 それから、もう時間が限られてきましたので、公平性の話は、もう菊田さんやほかの委員のメンバーから再三出ました。これは私もです。積極的に応援をしたいと感じる片方で、こういうものを渡してしまうと、何か飛び道具を渡したようなことになりかねない。何が起きるかわからない。 お友達内閣であれば、誰だって心配しますよ。世耕さんは大丈夫かもしれない。世耕大臣は大丈夫かもしれないけれども、これは世耕大臣が大臣じゃなくなった後も続くわけでしょう。誰が大臣になったって、これを続けたら、これは大丈夫かなという心配はあるんですよ。 まだこれは再三いろいろな人から懸念が出ています。だから、魅力あるプロジェクト、施策であればリスクもあるということは肝に銘じてやっていただきたいというふうに思います。質問はいたしません。 最後に、私、冒頭で時間軸と空間軸を常に意識してほしいと言った、二点目の空間軸という意味は、今、同時に世界で何がどう動いているかということをちゃんと把握してほしい。 前回の質問で、大臣は、いや、アンテナはそんなに悪くありませんというふうにおっしゃった。次の回にその質問はしたいと思いますが、しかし、ほかの国で何をやっているかを見たときに、日本は、恐らく、世界一規制がたくさんあって、実証がしにくい国だというふうに思われているんじゃないですか。現に、ドローンの実証なんかの報告を見たら、ほとんどアフリカですよ。そうですよね。まあ、ルールが逆にないから、何でもやり放題だから実証しやすいと考えるのは当たり前ですね。 したがって、今回、この制度を実行するに当たって、大事なことは、あっ、あの日本がそんな制度を始めるのかということだって、多分意外な話だと思うんですよ。石橋をたたいても渡らない官僚が、こういうことをやるようにした、少しおくれているけれども。 ということで、私が申し上げたいのは、例えばイスラエル、ベンチャーがたくさんいるイスラエルなどへの周知をしないと、日本でやっていないようなことをやってもらうことも、これは大事ですから。日本のベンチャーや皆さんが全部そういう情報を持っているわけじゃない。だから、世界に張りめぐらされている経産省やジェトロやいろいろなネットワークを生かして、この広報活動をしっかりやって、本当に日本という場でそういう実験場が提供できるんだということをちゃんと伝えて、最新の人たちが日本でやってみたいというふうな環境をつくることが大事だというふうに思います。お友達じゃない人にですね。お友達じゃない人に。 その点に関して、大臣、最後に、どうやってそれをやるのか。日本の国内だけでやっていたって全然だめだと思いますよ。その点を教えてください。
○世耕国務大臣 まさに、今御指摘のとおり、世界各国で、サンドボックスの名称のもとで、はっきり言って技術や人材のとり合いが進んでいるわけであります。 こうした中で、今回、日本のサンドボックス制度というのは、これはフィンテックに限らずに、ありとあらゆる分野でやれる可能性を持った、世界でも一番幅の広いサンドボックスだというふうに思っています。これをぜひ海外の事業者にも活用をしていただいて、世界じゅうの独創的なアイデアですとか、あるいはすばらしい人材が日本に集まって、日本発のイノベーションがこのサンドボックス制度を機会に出てくることを期待したいというふうに思いますし、それが日本の国際競争力につながると思っています。 いろいろなネットワークでこのことは海外に周知していきたいと思います。例えば、今お話しになったイスラエルとの間では、我々は、日・イスラエルイノベーションネットワークという情報交換をする舞台をつくっていますから、そういうところでも紹介をして、ぜひイスラエルでも活用してほしいということをやっていきたいと思いますし、我々はジェトロの拠点が各地にありますから、そういったところも使って周知徹底をやっていきたい。 ありとあらゆる手段を使って世界じゅうに知らせて、これをきっかけに世界からいろいろなものが流れ込んでくるようにしてまいりたいと思っております。
○田嶋委員 魅力ある施策にはリスクもたくさん伴うと思いますけれども、まずはやってみなはれと申し上げたいというふうに思いますが、とにかく、世界から力を引き込むということで、フィンテックしかほかの先進事例はないのに、日本がフィンテック以外をやるというのは、ちょっと、階段を三段ぐらい跳ぶような感じがして、途中でつまずかないようにぜひ頑張っていただきたい。 そして、PDCAをしっかり回すということですよ。ちゃんと報告してください、やりっ放しじゃなくて。ここに、後ろにいらっしゃる方は二年後、三年後は人事異動ですから、大体。そうですよね。また違う人は、違う新しい施策の提案が来るに決まっているんですから。ちゃんと報告をする、そのことを約束していただきたいと思います。 以上です。
○稲津委員長 次に、斉木武志君。
○斉木委員 斉木武志でございます。 まず、世耕経産大臣にお聞きをしていきたいというふうに思っております。 私、本日も、柳瀬審議官、そして藤原豊審議官を政府参考人に求めましたけれども、三度目の拒否をされてしまいました。非常に残念だというふうに思っております。 やはり、このことはお聞きをしなければ、要求をした以上はいけないだろうというふうに思います。 まず、一連の柳瀬審議官をめぐる動きですけれども、先ほど、政府の中で、齋藤農林水産大臣が会見をされました。閣議後ですけれども、農林水産省の職員一人がこの文書を保有していた、愛媛県の県職員が書いたとされるこの文書を保有していたということを閣議後の記者会見で明らかにいたしました。これの中に柳瀬審議官の発言として首相案件との記載もあったことを、政府として、齋藤農林水産大臣が認めております。 この事実というのは、柳瀬審議官はずっと、記憶の限りという注釈をつけて否定をしてきました。この書いていることは違います、おととい、大臣にも電話をされて、余りにも私の記憶と違うので発表させてほしいという電話を受けられたそうですけれども、この柳瀬審議官の主張が、全く否定をしていた、柳瀬審議官が事実を記憶の限りという注釈つきで否定をしていた文書が農林水産省で見つかり、政府の一員である齋藤農林水産大臣が職員一人が保有をしていたということをお認めになっていること、これを、直属の上司として、今どう受けとめていらっしゃいますか。
○世耕国務大臣 いずれにせよ、今御指摘の事案は、これは柳瀬経産審が総理秘書官時代の話でありますので、経産大臣としてコメントすることは控えさせていただきます。
○斉木委員 二日前と同じ、すばらしいコピー答弁だというふうに思いますけれども。 いろいろ、霞が関、そして政府の中でどれだけこの事実を認めないと逃げまくっても、愛媛県であるとか、そして農林水産省であるとか、もう外堀からどんどんどんどん埋まってきているというのが現状だろうというふうに思います。私は、早く事実を明らかにした方が、与党としても政府としても傷口は広がらないのではないかなと申し上げます。 そしてもう一つ、愛媛県側からの証言も新しくきのう出てまいりました。 愛媛県側で、出席者の一人、この二〇一五年四月、柳瀬審議官、当時首相秘書官と官邸で面談をしたという愛媛県の職員、公務員の一人が、マスコミの取材に対して、複数の取材に対して、内容に間違いはないと証言をしてきております。 この出席をした愛媛県職員によりますと、中村時広愛媛県知事ら県幹部は、この記録文書に基づいてこの職員さんから口頭で報告を受けて、面会時のやりとりを愛媛県幹部の間で共有をしていたというふうに証言をしております。 この出席者によりますと、一五年四月二日、首相官邸で行われた今問題になっております面会には、愛媛県のこの職員、そして今治市の職員、そして加計学園の事務局長らが参加をしていたというふうに具体的に証言をしておりますが、この公務員、愛媛県の職員がうそをついているというふうに受けとめていらっしゃいますか。
○世耕国務大臣 私は、それを論評する立場にはありません。
○斉木委員 では、その中で柳瀬氏から実際に、この四月二日に、本件は首相案件であるとの発言もあったということもこの愛媛県職員はマスコミに対して証言をしておりますが、この愛媛県の職員の発言、これも事実と違うということでしょうか、柳瀬審議官の方が正しいと。どちらを信用されますか、柳瀬審議官と愛媛県職員。
○世耕国務大臣 いずれにしても、これは、私は経産大臣としてここにおりますので、コメントする立場にはありません。
○斉木委員 安倍総理と同じような答弁をなさっていて、さすがに意思が貫徹されてすばらしい対応だと思いますけれども、やはり、こうしてどんどんどんどん、農林水産省にはあった、そして……(発言する者あり)失礼なのは国民に対してですよ。与党の方々はやはりしっかりと国民に向き合われた方がいいと思います。こうして愛媛県職員からもどんどん証言が出てきている、やはりこうした声にどんどん向き合った方が私はいいと思います。 御党の、自民党の中からも、政権の先行きに対して非常に危惧する声が出てきていますね。 石破茂元幹事長、この会っていない、あるいは首相案件であるなどとは言っていないということさえ審議官が、柳瀬さんが否定していただければ、これはみんな疑惑は氷解するんですよと。ただ、批判するなと、石破さんが政府を批判するなんというのは唾をつけるようなものだからだめじゃないかと言う人もいるけれども、自浄作用を失うことの方がよっぽど怖いんだよということを、元幹事長、自民党の石破茂さんもおっしゃっております。 やはり私は、ここは自浄作用をぜひ経産省のトップリーダーとして、一番疑惑を持たれている、人物としてはすばらしい人物だと思いますが、まさに官邸で四月二日に何を見て、彼が何をしゃべったのかを正直に話していただいた方が、この経産省の、私、先日も申し上げました、信頼性回復には絶対欠かせない第一歩だと思うんですけれども、経産省のトップとして、経産省に対する信頼性を回復するには何が今必要だと思いますか。
○世耕国務大臣 経産省の職務に関することではないわけです。これは首相官邸に勤務していた時代の話でありますから、経産大臣としてはコメントは控えさせていただきます。
○斉木委員 しかし、次期次官とも目されていた柳瀬審議官、まさに、まあちょっと、違うというのは、それは私は、大臣の人事評価はここで言及はいたしませんが、実際もうこれは、審議官というのは次官級だから出せないんだということを与党の理事からも理事懇でありましたが、まさに次官級の幹部職員であることはお認めになっているところでございますので。 この幹部職員がやはりこうして疑惑を持たれたままで、私は、経産省の職員が職務に専念できないんじゃないかと今非常に危惧しているんですよ。職員が出勤して、まず柳瀬さんがけさ六時半に自宅を出るところからマスコミがずっとくっついていって、経産省で待ち構えて、中の廊下にまでカメラが、もう経産省の職員の方はうんざりしていると思いますよ、カメラが待ち構えて。国会に出るか記者会見をするかすればマスコミは一斉に引いていくのに、経産省の職員が自分の仕事に専念できる、なぜそういった環境をつくらないんですか、経産大臣として。
○世耕国務大臣 これは、報道があってからも私は柳瀬経産審と仕事をしておりますが、しっかり職務に専念してやってくれていると思います。特に支障は感じておりません。
○斉木委員 私も世耕大臣もサラリーマンの出身ですけれども、やはり役員や社長がマスコミに追っかけ回されていて隠れ回っている状況で、職員が職務に専念できるとは私は思えません。士気が下がりますよ。まずその人から、通商政策のスペシャリストだと、先ほど田嶋委員の質問に対しておっしゃいましたけれども、じゃ、通商政策担当の人は、この柳瀬審議官からの指示に従うかどうかという、彼のオーダー、職務命令に対して素直に従うと思いますか。 また、今度、来週訪米されるわけですね、首相が。そして、この通商政策、せっかく、柳瀬さんは、この問題がなければ同行できたかもしれませんよ。アメリカに行って、一番国益に資する通商政策をキーマンが論じた方がよっぽど私は国益にかなったと思います。 要するに、こうして逃げ回って逃げ回って逃げ回っていることによって、通商政策っていう一番経産省にとっても核となる、どう稼ぐか、日本に国益をもたらすかという部分が、彼が行けないことによって国益が損なわれるじゃないですか。そう思いませんか。
○世耕国務大臣 いろいろ想像して言っていただいていますけれども、日常業務、経産審議官としての職務に何ら支障はありません。私が大臣として一緒に仕事をしておりますから、何の支障も起こっておりません。
○斉木委員 ということは、先ほど田嶋委員も懸念されたように、この疑惑の声の中でも、柳瀬審議官は来週訪米されるということですか。支障がないということは、本人が行かなければ支障は出ますよ。一番知っている人が行かないと、一番情報を持っている人が行かないと、強い立場で交渉できないじゃないですか。違いますか。
○世耕国務大臣 まだ、来週の訪米のことについては、これは総理の日程が決まっているだけでありまして、内容等まだ決まっておりませんので、何ら決まっておりません。
○斉木委員 まともな判断とすれば、与党内でも、既に、公明党さんと自民党さんの間で、柳瀬審議官の証人喚問に応じざるを得ないだろうという合意もなされたという報道も繰り返し出てきております。 やはり、これは明確に、通商交渉、安倍さんがこの危機を政権浮揚させるためのチャンスとして、内政でこれだけたたかれているから、外交で支持率を回復しようというのが安倍さんの今の考えじゃないですか。その、来週訪米をして、経済の安倍だと打ち出したいときに、肝心の審議官が疑惑まみれで国会に縛りつけられる。 今週、私たちの要求に応じていればよかったんですよ、世耕さん。ずっと週初から、私たち三回求めましたよ。柳瀬さん、藤原さん、出してください、だめだ、出してください、だめだ。そしてきょう、三度目の拒否ですよ。さっさと柳瀬さんがこの経済産業委員会に出てきていただいて証言をしていただけば、来週すんなり行けたじゃないですか。違いますか。
○世耕国務大臣 国会への出席については、国会でお決めになることだと思っています。 いずれにしても、業務に支障は出ておりません。
○斉木委員 強弁せざるを得ない立場だというふうには思いますけれども、ぜひ、与党の理事の方々も、そういった国益を守るためにも早くこの問題に終止符を打つ、そのためにはもう語ってもらうしかないという状況にまで来ておりますので、早くやった方が御党の傷口も広がらないというふうに私は申し上げたいというふうに思っております。 では、この一連の報道のもう一つ、キーマンであります愛媛県知事の中村知事の一連の発言に関しても、いろいろ発言をされております。 愛媛県知事の中村知事は、この証人喚問、きのう、予算委員会の集中審議でも議論になりました。どっちかがうそをついているということになるじゃないかと、立憲民主党の枝野さんも指摘されましたけれども、この記述の信憑性、四月二日の記述の信憑性について、愛媛県職員がこの文書をいじる必要なんて全くないじゃないですか、私は全面的に信頼していますよということを記者会見で中村知事は述べております。 私もそのとおりだと思いますよ。愛媛県職員が、もうマスコミに証言を始めておりますけれども、なぜうそをついて備忘録をつくらなければいけないんですか。そんな動機は愛媛県職員には一つも存在しないと思うんですが、そのあたりどうですか。愛媛県職員が今回の文書をでっち上げるというような必然性というのは、公務員としてあるとお思いですか。
○世耕国務大臣 私は、論評する立場にはありません。
○斉木委員 中村知事はこうもおっしゃっておりますね。 柳瀬審議官が記憶の限り、記憶の限りと言うのがちょっと気になる、何か、どうなのかなというのは、聞いた方は感じてしまうんじゃないか。どちらが本当のことを言っているのかということになるがというマスコミからの、記者からの問いかけに関しては、私は真実を言っているだけですから、それ以上でも以下でもありませんというふうに、私の言っていることは真実ですよと言って、その中村さんの言っているとおりに、中村さんはこうもおっしゃっております、この備忘録に関しては、霞が関でこの要望の一環として配ったかもしれない、内閣府であるとか農林水産省、所管官庁に配ったかもしれないというふうにも発言していて、きょう、まさに齋藤農林水産大臣がお認めになったように、まず農林水産省で見つかりました。 要するに、中村知事の言っていることは、発言されたとおりに、その相手先である霞が関に、手渡しかファクスかはわかりませんけれども、見つかっているんです。 私は、中村知事の言っていることの方が、物証も伴っているし、よほど信憑性は高いというふうに思っております。 中村知事は、こうもおっしゃっている。政府の方でこれから誠意を持って対応されるということであるので、ぜひそうやったらいい。要するに、愛媛県はもう調査しましたよ、それで、出しましたよ。国の方にもう投げられているわけですよ。どうしてこういう声に対応しないんですか。
○世耕国務大臣 私は、その声に対応する立場にはないわけであります。
○斉木委員 これは直属の上司なんですから。 二日前に私も聞きましたけれども、きょう政府参考人として呼ぶことは国会の意思だというふうに何度も繰り返しおっしゃるので、じゃ、三日前のように、霞が関の経産省記者クラブで記者会見を開けばいいじゃないですか。 経産省、経産大臣の権限として、霞が関の、まさに経産省のトップスリーのような審議官、次官級の職員がこれだけの疑惑を持たれている。それに対して、個人としてのコメントを出しましたね、なぜか経産省の記者クラブを通じて。じゃ、経産省の記者クラブで、個人として会見したらいいじゃないですか。若しくは、経産省の審議官として会見させたらいいじゃないですか。 国会に出ずに、経産省の記者クラブで会見をさせる、若しくはホテルででもいいですよ、民間の場で会見をさせる、そういったことをお命じになる、下命されるおつもりはありませんか。
○世耕国務大臣 下命する立場にはありません。
○斉木委員 いや、下命できると思うんですけれども。 また同じ質問をしなきゃいけません。 柳瀬審議官の直属の上司は誰ですか。
○世耕国務大臣 私であります。
○斉木委員 ということは、下命できる立場にあるのではないんですか。
○世耕国務大臣 個人的なことまで下命する立場にはありません。 私は、経産大臣としての職務に関して経産審議官である柳瀬氏に下命できるわけでありまして、それにはおのずと制限がかかっているというふうに思います。
○斉木委員 ただ、なぜ、じゃ、霞が関の経産省クラブの中で個人的なコメントを出させたんですか。それを了とされたんですか。
○世耕国務大臣 それは、経産省のクラブが彼の一番身近にあったからじゃないですか。それは、私が出させたわけではありません。彼の個人のコメントを、彼が経産クラブで配ったということであります。
○斉木委員 そういったコメントを出す、記者会見をするということを、審議官というのは公の身分ですから、彼に対して下命することはできると私は思うんですけれども、下命するつもりがないということですね、それは。
○世耕国務大臣 経産省の職務と関係なく、前任の首相官邸にいた当時のことに関して下命をする気はありません。
○斉木委員 下命する気はないということですので、承っておきたいと思います。 いずれにしても、そうした情報公開、真実の発表ということに後ろ向きな姿勢というのは、経産大臣のみならず、政権そのものの体力をどんどん、日々日々奪っていっていることは薄々お感じだというふうに思いますので、ぜひ一日も早く証人喚問を実現をして、通商交渉にも早く柳瀬審議官が復帰できるような状況を一日も早くつくっていただきたいということを申し上げたいというふうに思います。 では、残余の質問に移っていきたいというふうに思います。 今回、産業政策の議論をしております。産業の血液ともいうべきエネルギー政策に関して、引き続きお聞きをしていきたいと思います。 先日、これは茨城県での事象でございますけれども、原子力政策、安全協定の範囲が拡大をされたということがありました。先日、日本原子力発電所の東海第二原子力発電所が、立地村の東海村だけではなくて、日立市、ひたちなか市、那珂市、常陸太田市、水戸市の五市と安全協定を結びました。これは、三十キロ圏内にある周辺自治体にも再稼働の事前了解の範囲を広げるという、日本では初めてのケースであります。 この三十キロ圏内の他市町にまで、東海村以外の市町に対してまで安全協定の範囲が広げられた背景、これにはどういった背景が、事情があったんでしょうか。
○村瀬政府参考人 お答え申し上げます。 先日の東海第二原発に係る安全協定につきましては、電力会社と自治体が任意に締結したものでございまして、あくまでも政府として承知している事実関係を申し述べさせていただきたいと思います。 まず、昭和四十九年に締結されました従来からの安全協定におきましては、事前了解を得る範囲は、立地自治体である茨城県と東海村のまま変わっていないところでございます。 その上で、再稼働や四十年超運転に関する新たな安全協定といたしまして、周辺を含む六市村につきまして、実質的な事前了解の仕組みを定めたところでございます。 この実質的な事前了解の仕組みというものは、この協定の文言によって申し上げれば、六市村が日本原電に対して、現地確認や協議会などを通じて事前協議をすることを実質的に事前了解を得る仕組みとしているところでございます。 今回の新たな協定の経緯といたしましては、立地自治体である東海村の前村長が福島事故の翌年の平成二十四年に、今回の六市村での懇談会、いわゆる所在地懇というものを立ち上げられたわけでございまして、この懇談会が日本原電に安全協定の見直しを要請したところ、これまで六年間にわたり協議をしてきたものが、このたびの新たな協定の締結につながったものと承知してございます。
○斉木委員 私の地元としております福井県には、この立地市町以外にやはりこの安全協定が広がったことに対して非常に関心が高まっております。 福井県には、滋賀県そして京都府が隣接しておるんですけれども、いずれも、例えば高浜原発、そして敦賀原発、発電所からは三十キロ圏内に位置をしております。他府県、県や府が隣接をしているという地理的な地勢になっております。 こうした三十キロ圏の京都府であるとか滋賀県であるとか、他県や他府から、再稼働のこうした事前了解を得る対象にうちも加えてくれといったような要望はあるんでしょうか。このことに対して、京都府や滋賀県からはどのような声をお聞きですか。
○村瀬政府参考人 滋賀県や京都府からどのような要望があるのかということについてお答えを申し上げさせていただきます。 安全協定の内容の明確化や事前了解の法定化などにつきましては、今回の東海第二原発の安全協定が締結される以前から、滋賀県、京都府からの国への要望をいただいているところでございます。 具体的には、滋賀県からは昨年十一月に、安全協定について、内容や対象となる区域などを、自治体と原子力事業者が個別に調整する任意協定ではなく、法定化してほしいとの要望をいただいているところでございます。 また、京都府からは、安全協定ではございませんけれども、同じく昨年十一月に、再稼働に関して、同意を求める地方公共団体の範囲など、具体的な手続を定めた法律を制定してほしいとの要望をいただいているところでございます。
○斉木委員 今、滋賀県側からは、安全協定の締結を今のような事業者と自治体側との任意協定、紳士協定のような協定ではなくて、法定化をするということは、国、これは強制力を伴って結ばなければいけないという形に持っていってくれという要望があったということですか。
○村瀬政府参考人 要望ですので、その解釈を申し上げるのは適切でないと思いますけれども、滋賀県からは、昨年十一月に、安全協定について、任意協定ではなく、法定化してほしいという御要望をいただいているところでございます。
○斉木委員 今、安全協定というのは、ちょっと申し上げましたように、原子力事業者と、そして立地市町村や県、この自治体と事業者の間の任意協定になっているという位置づけで間違いないでしょうか。
○村瀬政府参考人 安全協定につきましては、あくまでも自治体と電力事業者との間で任意に締結されるものでございます。
○斉木委員 それを滋賀県側からは、法定化をして、滋賀県の意見も聞かなければ再稼働判断ができないような強制力を持ったものにしてほしいというような要望だと私は今お聞きをいたしました。 そうした周辺県や周辺の府、隣接自治体からの要望に対して、当の立地市町、例えば福井県であれば、高浜原発のある高浜町であるとか、敦賀原発のある敦賀市の渕上市長であるとか、美浜町長、おおい町長といったステークホルダーがいらっしゃいます。そうした地元の立地市町の首長さんからはどのような意見が出ているでしょうか。
○村瀬政府参考人 お答え申し上げます。 先ほど御指摘いただきましたとおり、あくまでも安全協定は自治体と電力事業者との間で任意に締結されるものでございますけれども、安全協定に関しましては、西川福井県知事や福井県内の立地自治体の市長や町長とは、それについての特段の意見交換はしていないところでございますけれども、報道を見る限りでございますけれども、敦賀市の渕上市長は、肯定も否定も言うべきではないとされた上で、各自治体と事業者の話合いの中で決められるべきものというコメントをされていると承知してございます。
○斉木委員 福井県の西川知事は、何かこの件に関して発言されていますでしょうか。
○村瀬政府参考人 報道を見る限りでございますけれども、そのような御発言をされているとは承知してございません。
○斉木委員 私も地元ですのでいろいろ意見は伺っていると、やはり、これまでの歴史的な背景が、国策に協力をしてきている本当の当該立地市町、それと他府県では歴史が違うといったことも各市町の首長さんたちは発言をされております。私も直接お聞きいたしました。 この件に関しては、三十キロ圏内の他市町にまで広げられたことに関して全国からいろいろな反応が出ております。例えば、新潟県の米山隆一知事も、五日ですか、記者会見の中で述べられておりまして、米山知事の会見の内容ですけれども、米山知事は、今回の地元同意の範囲拡大について、自身は賛成ではないと発言をしております。 米山知事は、柏崎刈羽原発の再稼働に対して大変厳しいスタンスをとっていらっしゃるということは皆様御承知だと思いますが、その米山隆一知事が、現在、原発が立地する柏崎市、刈羽村と新潟県の三自治体が同意の対象となっているこの安全協定の範囲拡大に対しては、範囲を拡大してしまうと合意を形成していくプロセスが見通せなくなると、見直しに慎重な姿勢を示していらっしゃいますけれども、この発言は承知していらっしゃいますか。
○村瀬政府参考人 お答え申し上げます。 あくまでも報道を見る限りということでございますけれども、そのような発言があったという報道には接しているところでございます。
○斉木委員 私も、この米山知事の発言、お考えとは、考えを共通する部分は多く持っております。 こうした、再稼働を同意をするにしろ否定をするにしろ、やはりそれだけ、合意を得るステークホルダーをふやしていくと、前に進めるにしろとめるにしろ、合意を形成することは非常に困難になってくるなというふうに思うんですが、世耕経産大臣、こうした範囲、私はそういうふうに考えておるんですけれども、今回のこの合意形成というのはどこに求めていくべきなのか、安全協定に関してですね、エネルギー担当大臣としてのお考えを伺いたいと思います。
○世耕国務大臣 福島第二原発に係る安全協定は、先ほどからも御説明しているとおり、電力会社と自治体が任意に締結したものであるわけであります。 この安全協定の考え方としては、やはり立地自治体の立場が尊重されることが、これが基本だというふうに理解をしていますけれども、各原子力発電所ごとに各地域の経緯ですとか事情はさまざまであって、地域によっては以前から実質的な事前了解の対象に三十キロ圏内の周辺自治体も含むケースがあるなど、その内容や範囲というものは必ずしも一律に定まっているものではないというふうに思っております。 したがって、今回の東海第二原発のケースが特別というわけでもなく、電力会社と自治体の信頼関係のもと、その地域の実情に応じて新たに安全協定などを締結したものと認識をしております。 なお、地元自治体の同意は、法令上、再稼働の要件とはなっていないわけでありますが、いずれにせよ、各電力会社においては、自治体との信頼関係を大切にしながら、必要な対応を誠実に行うことが重要だと考えております。
○斉木委員 私も、ほぼ考えを一にするものでございますが、先ほど、村瀬部長からは、滋賀県から法制化のような要望が上がってきているというふうな御報告がありました。この法制化という、任意協定ではなくて、安全協定を法制化する、要するに国が義務として課すという考え、意見に対してはどのようなお考えでしょうか。
○世耕国務大臣 ちょっと、先ほどの答弁で、東海第二を、私、福島第二と言い間違えましたので、訂正させていただきたいと思います。 地元自治体の同意は、これは法令上、再稼働の要件とはなっていません。これは、理解を得る範囲や方法について、それは各地の事情がさまざまであることから、国が法律によって一律的あるいは一方的に決めるのではなくて、各地とよく相談して対応すること、その考え方に基づいているものであります。これは何も日本が独自にやっているわけではなくて、例えばイギリスですとかフランスにおいても、自治体の同意というのは、これは法定事項にはなっていないわけであります。 政府としては、原発立地自治体だけではなくて、周辺自治体も含めて、理解活動を丁寧に進めることが重要だと考えておりまして、引き続き、幅広い理解が得られるよう、粘り強く取り組んでまいりたいと思います。
○斉木委員 ぜひ、おっしゃるように、地元自治体の声によく耳を傾けて、これまでの歴史も踏まえて判断をされていっていただきたいというふうに思っております。 少し時間がありますので、これは質問通告というよりも、先日より引き続きお聞きしているSSGに絡んで、地元の同意形成に関して少し残余の質問をさせていただければというふうに思っております。お答えになれる範囲で結構でございます。 先日から、原子力のまさに立地自治体の住民参加が私は必要ではないかということを申し上げております。十五基中七基が廃炉になっていくこの福井県においても、廃炉後の地域社会、どうやって雇用を確保していくのか。世耕大臣がおっしゃったような農産品の開発だけではなくて、住民が本当に五百、千、そして五千単位の雇用をしっかり地域で保っていくにはどういった地域活性化策があるのか。 交付金の使途を含めて、住民がもっとかかわれるような、単に再生可能エネルギーで何億円渡す、十分の十補助するからいっぱいつくってくれだけではなくて、地域が永続的に、再生可能エネルギーも、言ってしまえば、装置を設置してしまえば、そこから何人雇用が生まれるのかというところはまだまだ未詳な部分がございます。 それにかわって、地域の雇用を永続的につくり出していく方法を住民から吸い上げるような仕組みが私は必要だと思っておるんですが、世耕大臣、この住民意見の吸い上げに関して、これからどのような工夫、手だてというのを考えていらっしゃいますか。
○世耕国務大臣 当然、立地地域に対するいろいろな手当てというのは、やはり地域の希望もよく聞きながらやっていかなければいけないというふうに思っています。 我々としては、自治体の声を聞くという、自治体はやはり選挙で選ばれたトップがいる組織でありますから、自治体の声を聞くというのが一番真っ先に取り組むことだというふうに思っていますが、一方で、自治体以外の、地域の団体ですとか、あるいは住民の声も聞く必要はあると思っていまして、その枠組みについては、現在議論中でございます。
○斉木委員 先日来私が申し上げておりますように、イギリスは、この廃炉措置に関しても、日本に先行して建設が始まり、今、大量の廃炉を迎えていることは御承知のとおりだというふうに思います。ですので、廃炉に伴う原子力発電所がなくなった後の地域振興に関しても、イギリスに学ぶところは私はあるだろうというふうに思っております。 例えば、ドゥーンレーというスコットランド北端の町があるんですけれども、ここでは、先日来申し上げているSSGという、サイト・ステークホルダー・グループですね、会議体が、立地地域の経済、雇用問題を集中的に議論する下部委員会というものをこのSSGの下に設けて、地域住民が実際にこの交付金の使い道含めて議論をしておりますけれども、こうした事例というのは、私が承知する限り、今、日本の立地市町で、こうした補助金の使い道まで精査をする、そして、例えば、多くの住民の方が参加して、選択肢をさまざま評価して望ましい案の絞り込みを行っていくといった、実際に住民の方が自分たちの意思で財源をどう使うか、そしてどういうビジョンを実現していくのかというのを選ぶというのは、日本ではないなと思っているんですが、こうした手というのは考えていらっしゃらないでしょうか。
○世耕国務大臣 SSGというのも、これも法定ではないというふうに聞いておりますけれども、いろいろな工夫をして地域の希望というのを吸い上げていくことは非常に重要だというふうに思います。 今、省内で検討もしておりますので、いろいろな形をよく検討していきたいと思いますし、それはまた、全国一律というよりは、各地の事情ということもよく勘案していかなければいけないのではないかというふうに思っております。
○斉木委員 村瀬部長も手を挙げられていましたけれども、御発言、ありますか。
○村瀬政府参考人 今大臣から御答弁いただいたとおりでございますけれども、現在、審議会でも、具体的な地域の取組をサポートさせていただく方策について議論をしていただいているところでございまして、防災ですとか産業振興、地域住民との対話などを担う地域共生のためのプラットホーム構想といったようなことについても、具体的な御議論をいただいているところでございます。 また、制度化されたものではございませんけれども、例えばですけれども、福井県が主催するエネルギー研究開発拠点化会議といったようなものの中で、敦賀市とともに、地域の商工会議所や鉄工業の協同組合の方々といったような方々、それから大学ですとか地域の高等専門学校の代表の方にも参加いただいて、そこに、経済産業省、それから加えて文部科学省といった他省庁もともに議論に参加をして、具体的な地域振興のありようについて一緒に御議論させていただいているということがございます。 我々としても、政策支援といたしまして、交付金、これは廃炉が決まった地域においてもしばらく御支援を続けさせていただく、こういう仕組みにしてございますし、また、補助金ということで、地域が将来、未来の地域振興のビジョンを描いていくということも御支援させていただくような支援策も御用意させていただいているところでございまして、そういった支援策も有効に活用いただいて、意味のある効果的な地域の未来ビジョンを、我々も参加させていただく形で御支援をさせていただきたいというような議論もさせていただいているところでございます。
○斉木委員 その会議体に、やはり、住民グループとかNGOとかNPO、そうした諸団体が海外の事例では入っているんですけれども、学識経験者、そして業界団体、そして自治体、商工会、さまざま今列挙されましたけれども、そういったところにぜひその地域住民の方、例えば婦人会の方であるとか、そして自治会の方であるとか、そうしたまさに地域の任意団体、そうした方々も、イギリスの事例などでは年に四回程度集まって議論に参画をしております。 こういったところをしっかりと場をつくっていくこと、住民が参加できる場をつくっていくことが、まあ、国策に振り回されているというのが今地元の正直な、住民の方の意見なんですよ。「もんじゅ」にも協力してきたのに、もうばさっと切られて、地元はどうしたらいいんだということを口にされる方が非常にふえております。 こうした国策に協力してきたのに裏切られたという声が立地地域からほかにも上がってこないように、ぜひ、そこは国策として協力をしていくという姿勢を持っていただきたいんですけれども、大臣、部長、どちらでも結構ですけれども、お考えをお聞かせください。
○村瀬政府参考人 お答え申し上げます。 御地元の主体的な御検討の中で決まってくることかと思いますけれども、そういった地域のNPOの方、それから住民の方々にも地域の御意思として御参加いただくということであれば、そういった形で幅広いステークホルダーが参加する形の検討が進むということを期待しておりますし、我々としても最大限支援をさせていただきたい、このように考えてございます。
○斉木委員 ありがとうございました。終わります。
○稲津委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時十一分休憩 ――――◇――――― 午後一時開議
○稲津委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。山岡達丸君。
○山岡委員 御質問の機会を再びいただきまして、ありがとうございます。山岡達丸と申します。 午前に引き続き、午後の質疑もまた大臣、何といいましょうか、冷静に、また時に情熱的に答弁されておられますことに心から敬意を表しながら、私また、この両法案とあわせて、それにかかわる関連の話で質疑をさせていただければと思います。 ほかの委員の皆様、我が党の田嶋委員もそうですけれども、多くの皆様から御指摘がある、期待する点と心配する点があるよということは、今委員からさまざま出ているところであります。 私からも、規制のサンドボックスについて、まず、少し中身について具体的に伺っていければと思っております。 大臣は、公正公平にということを、運用していくということを御自身が発言されているから大丈夫だということも力強くおっしゃられたと思います。ただ、公正公平というのは、まさに法文に基づいて公正公平に行われるものだと理解しております。 きょうは、お手元に資料をお配りさせていただいたんですけれども、一枚目は、多分、委員の皆様全員がごらんになっておられる、経産省がおつくりになられたそうした図式の紙であります。二枚目以降は、いわゆる法文であります。私の方で多少線は引っ張っておりますけれども、基本的には法文に基づいてつくらせていただきました。この中身について、少し確認と、きょうは政府参考人として経産省の皆様にもお越しいただいていますので、技術的な部分は経産省の皆様にお伺いしながら進めてまいりたいと思います。 まず、この絵にもありますけれども、評価委員会のことを中心にやっていくわけでありますけれども、第三十一条に、評価委員会の所掌範囲といいますか、行われることが規定されています。この中身、一から四まであるわけですけれども、一も二も三も全て、それぞれの新技術実証にかかわる新たな規制の特例措置が及ぼす経済全般への効果ということが規定されているわけであります。つまり、逆に言えば、経済全般への効果のみを判定するというように受け取れる、受け取れるといいますか、法文でありますから、そうした機能であるということが一、二、三からは受け取れるわけであります。 経産省にお伺いしたいんですけれども、この経済全般への評価というのは、いわゆる経済活性化のことでございましょうから、これは、少しでも経済にプラスになる、活性化されるということであれば評価委員会としては肯定的な意見を出す、そうした機関であるという捉え方でよろしいんでしょうか。確認させてください。
○糟谷政府参考人 サンドボックスが想定をいたします新たな技術やビジネスモデル、これを社会実装したときにもたらされる影響は、特定の業種や分野を超えて経済社会にさまざまな影響がもたらされるものと考えております。 評価委員会におきましては、個別の新技術等実証計画において実証しようとする新たな技術やビジネスモデルについて、その革新性や実用化の可能性がどうであるか、そういうことを踏まえて、新たな規制の特例措置を講じて行うことによる経済社会へのインパクトなど、新技術等実証が、経済、産業、イノベーションといった、日本の経済のさまざまな側面に及ぼす影響を評価することを想定しております。 新しい技術やビジネスモデル、これはどの程度のインパクトがあるか、どれぐらい経済に影響があるのか、えてして、往々にしてわかりにくいこともございます。新しい、過去になかった技術であればこそ、そういう面がございます。そういうところを、専門性を有する委員の皆様によって、これぐらいのインパクトがあるだろう、これぐらいの影響があるだろうということを評価していただく、そういうことを想定しておるわけでございます。
○山岡委員 今御答弁いただきましたけれども、どれぐらいのインパクトがあるかをはかるんだということでありますけれども、企業が事業として持ち込むわけでありますから、少なくともその企業はそのことに前向きに取り組もうとする、そしてさまざまなことが行われる。広く経済ということでいえば、必ず活性化は起こるものであると理解します。 ですから、評価委員会は、少なくとも持ち込まれたものについて、やった方がいいよという前のめりな結果になるということは少し懸念される部分だなということを思います。やらない方がいいとは言いません。ただ、さまざまなことについて、やはり、どれもこれもやるべきだという話になるようなことがないかという心配を非常にするところであります。 あわせて、この法文、これは別のところに書いてあるわけですけれども、大臣は意見を聞くということが法文上規定されているわけであります。この意見に対して、大臣は、この意見に反論する、そうした立場にはないというのがこの法文上のたてつけということでよろしいでしょうか。確認させてください。
○糟谷政府参考人 主務大臣は、規制の特例措置を講ずる必要性があるかどうかを判断する場合、あるいは新技術等実証計画を認定するかしないか判断する場合、そういう場合に、専門的かつ客観的な観点から革新的事業活動評価委員会の意見を聞くこととしております。 これに反論するというよりは、それを踏まえて主務大臣が判断をする、そういうたてつけでございます。
○山岡委員 反論するというよりは、それを踏まえて対応するというお話がございました。 そして、この法文、また、中にも書いてあるわけでありますけれども、さまざまこれまで問題になっていますけれども、意見に対して、第三十二条には勧告というのが規定されています。 大臣はそれを踏まえるんだというお話でございました。しかし、今、第三十一条に、評価委員会として、役務としてあるものについて、その範囲の中で勧告も行うことができるというのが規定されているわけであります。 その勧告の部分、三十二条の四を読みますと、主務大臣は勧告に基づいて講じた措置について委員会に通知しなければならないということが書かれています。すなわち、勧告を受けたら何らかの措置を大臣はやって、返さなければならないということが法文上明記されているわけであります。 措置をやらないということはあり得ない、そうした理解でよろしいですか。お伺いさせてください。
○糟谷政府参考人 勧告が行われる場合といたしましては、個別のケースに応じてさまざまな場面が想定されるわけでありますが、例えば、主務大臣が、新技術等実証に関する規制の特例措置や新技術等実証計画の認定の判断に際して、評価委員会の意見を踏まえて検討、判断を行っていない場合や、必要以上に検討に時間がかかっている場合、そういう場合などが考えられるわけでございます。 こういう場合について、勧告を受けた主務大臣の説明責任を担保する観点から、勧告に基づき講じた措置について評価委員会に通知をすることを求めているものでございます。
○山岡委員 今経産省からも御説明ありましたけれども、勧告の可能性として、意見を踏まえない、そうした場合において勧告するケースがある、あるいは、行動しない場合に勧告するケースがあると。つまり、主務大臣は、意見を踏まえないことも、あるいは、サボタージュと言ってはいけませんけれども、承って動かないということも、この評価委員会の権限によって勧告をされて、これは必要な措置を講じなければならないという中身になっているということが御答弁からもお話はわかるわけであります。 あわせて、第三十一条の四と第三十五条になりますね。評価委員会の権限の範囲のことについてなんですけれども、第三十一条の四には、事前に掲げる評価を行うために必要な調査その他政令で定める事項というふうに書いてあります。三十五条には、委員会に関して必要な事項は政令で定めるというふうになっているわけでありまして、これは常々、法文と政令でさまざまなことを規定されるわけでありますけれども、一般に、その他広く政令で定めるということになると、これはどういうことを想定して、「その他の」、この法文を入れておられるのか、そのことを確認させてください。
○糟谷政府参考人 「その他の」という場合は、その「その他の」の前にあるものが例示になるわけでございます。したがって、政令では、少なくとも調査について定めることは想定しております。
○山岡委員 おっしゃるとおり、明示されているものは少なくとも含むわけでありますけれども、これは追及するつもりはないんですけれども、その他広くというのは、ほかの法文もこういうケースは多くあります。ですから、その他、経産省としてさまざまな事象に合わせて状況を変えられるようにしていくというたてつけになっているんだと思います。 以上の法文を整理していきますと、午前中にもさまざま委員からお話、御心配がありました。公平公正にやるんだということは、法文にのっとって公平公正にやっている中で、いつの間にかこの評価委員会が変質をして、そして今、昨今言われているような首相案件であると。この勧告の中には、総理大臣のお名前もある中で、そうした案件が生まれるかもしれないということは、やはり大きく懸念する中身なのではないかということを思うわけであります。 さまざま大臣もこの件については御答弁されておられましたけれども、この経済性の評価、それに基づいて変質をして暴走していくような、こうしたことはないということをどういうふうに担保されますか。そのことの御見解を伺わせてください。
○世耕国務大臣 これはまさに、まず、私がここで答弁していることが、これがある程度縛りになるわけです。まさに国会の法案審議というのは、こういう我々の意思というのを確認されているわけですから、我々は、評価委員会が暴走するようなことがないように、これはもう万全を期していくということを今、これは私の後の大臣であってもこの約束は守られていくという趣旨であります。 それに加えて、人選を行うとき、なぜこの分野の人を選んだのか、そしてなぜこういう配置になっているのか、そういうこともきちっと我々は説明責任を果たしていかなければいけないと思いますし、また、評価委員会は議事録等がしっかり残って、それも公開をされるわけでありますから、どういう議論が行われているかということもはっきりわかる。 あるいは、勧告などが出た場合は、それに対して大臣がどう考えているかということも、これもオープンにきちっと議論が見えるところで行われているというわけでありますから、そういう意味で、ある意味情報が開示されている中で、それは野党の皆さん、国会の皆さんも含めて、いろいろな意味でチェック機能が働いていくという面もあるというふうに思っていますし、私がこうやって大臣として今答弁していることによって、今後この運用に、今私が答弁しているラインで我々はしっかりやっていかなければいけないという縛りがかかっているということだと思います。
○山岡委員 今大臣からお話ございました。ぜひ、大臣がこの後どういうお立場になるかはわかりません。この法律が仮に成立した後、いろいろあったときには、また当時を振り返って、これは御答弁、いろいろな機会でいただきたいなという思いをまた私からはお伝えさせていただきたいと思います。 非常に期待している制度でもあるというのは、私もそれは思っております。それは、私のよく知っている人も、この制度で新しいアイデアを出そうと、いろいろ今情報が欲しいという問合せもいただいておりまして、同い年の三十八歳の若い起業家なんですけれども、そういう反響を考えますと、やはり新しい、おもしろいことができるんじゃないかという声は非常にありまして、これは応援もしていきたいし、だけれども、やはりこれは立法府として懸念すべき点はしっかりと考えていかなきゃいけないという思いでありますので、その思いで、ちょっと最初、質問させていただきました。 次に、生産性特別措置法案にかかわることについてまた伺わせていただきたいと思います。 先日、室蘭というところで、この法案のこの基本計画をつくって航空産業に乗り出すんだということを御説明させていただいたことも、お話もございました。 固定資産税ゼロで、七五%国が補償する、補償というか後ろから支えるという中身でありますから、多くの自治体が固定資産税ゼロに踏み切っているというアンケート調査があるのは、経産省がお調べのとおりであります。 これは質問ではないんですけれども、ただ、一つ心配になりますのは、先ほど田嶋委員からのお話もありましたけれども、企業は各社、各自治体がやっているわけでありまして、どこも固定資産税ゼロというのは、これはゼロ競争は始まるんだろうと思っています。ふるさと納税というのがありますけれども、あれは、農村、一次産業をある種有利な、そうした要素が働きますから、多少偏っても、いろいろ今継続しながら問題点が指摘されているわけでありますけれども、この固定資産税をゼロにする競争というのが、自治体が広がっていく中で、七五%国が後ろ支えするといっても、この制度がいつまで続くかわからない中で、やはりこの市町村間の競争の激化というのも心配になるところではあります。 ただ、いい点もあると思っているのは、やはり、これに基づいて計画をつくって、そして、市町村としてビジョンを描いて進んでいく方向を考えていくというきっかけになる。これは地域未来投資促進法でも同じ中身であろうと思いますけれども、そうした要素があるんだろうとは思っております。 この中で、これも北海道の話で恐縮なんですけれども、苫小牧という町がございまして、これは新千歳空港から南に二十分も走ればすぐ苫小牧なんですけれども、この町は、この基本計画、今予定しておりますのは、第四次産業革命で一つ打ち上げられています自動走行、車の自動運転、こうした研究といいますか、こうした先進地としてこの計画をつくり、もう既に地域未来投資促進計画でも描いているわけでありますけれども、町としても設備投資をしていきたいということで、今予定しているところであります。 北海道は本当に広大な土地というのは皆様イメージしていただけると思うんですけれども、委員長も北海道でございます、一緒に活動させていただいている身でありますけれども、まさに日本の国土の五分の一ぐらいを占めておりまして、各自動車メーカーの自動走行を含めたいわゆるテストコースというのは二十八カ所もあります。 この中で、この苫小牧という町は、空港に近い、あるいは、一万ヘクタールもの工業団地、そんなに埋まってはいないんですけれども、ございまして、一万ヘクタールというとディズニーランド二百個分ぐらいに当たるようなんですけれども、その工業団地の中に高速道路も走っておりまして、インターも三つある。市としては、どこを使ってもいいぐらいの気持ちでこの自動走行の試験をやってほしいと。何よりも強みなのは、雪も降り、気温は時にマイナス二十度にもなる。寒冷地帯、積雪地帯で、いろいろなケースも考えられるだろう。そういうことも含めて、このいわゆる生産性特別措置法案と、もう成立した地域未来投資促進法に基づいて、これは経産省の応援をもらって取り組みたいという強い決意で臨もうとしているところであります。 せっかくの機会なので大臣にお伺いしたいんですけれども、まさに第四次産業革命の自動走行、恐らく、明示的に、私も全部見ているわけではありませんけれども、市としてこれに投資、市の中小企業もこれに投資していくんだと考えているところというのがほかにあるのかどうかというと、かなりそれは少ないんだと思います。ほとんどないんじゃないかと思いますけれども、こういう制度を利用して今この方向に臨もうとしている苫小牧市含めて、まあ苫小牧市のことですね、このことについて、大臣の御見解といいますか、お考えをぜひお聞かせください。
○世耕国務大臣 苫小牧市は、今御指摘のように、地域未来投資促進法に基づいて、自動車関連産業の集積ですとか、あるいは、苫小牧、自動運転をやっていく上で、寒冷地のデータというのも収集していかなければいけませんから、そういう雪が多い、寒いところだという特性を生かした自動走行分野における新たな付加価値の創出を目標とした基本計画をもう既に策定をいただいていまして、昨年十二月二十二日に国として同意をしているところであります。 中小企業が、それではこれからこういう第四次産業革命に入っていけるのかどうか、あるいは、今回の制度を使って、中小企業が第四次産業革命の文脈で、例えば自動運転などの分野で設備投資を行って、固定資産税ゼロというのをとっていけるのかどうか。それは私は十分あり得ると思います。当然、特に、自動運転、自動車となりますと、これは非常に裾野の広い産業ということになりますので、そういった中で積極的に設備投資を進めていく中小企業というのが出てくるというのは十分あり得るというふうに思います。 苫小牧市からは、現在、今度できる、今御審議いただいている法律に基づいて、導入促進基本計画というのを策定予定と聞いていますけれども、これと、既にもう国として認定させていただいている地域未来投資促進の基本計画、これがうまく連携して進むということは十分あり得るのではないかと思っております。
○山岡委員 ありがとうございます。 大臣からも、十分進む余地はあり得る地域だという非常に心強いお話もいただきました。 きょうは経産省の皆様にこの自動走行運転の展望のことについてもいろいろ伺おうかと思っていたんですけれども、時間の関係もありますので、それはまた次回、いろいろ展望は伺いたいと思っておるんですけれども、経産省の、経産省といいますか、政府を挙げて、今、こうした生産性向上といいますか、そういう、地域のさまざまな投資を応援しようとしている中で、今大臣からも心強いお話があったんですけれども、きょうは内閣官房の、自動走行の司令塔を政府としてやっておられる皆様にもお越しいただいているんですが、ぜひこの機会ですから私から要望させていただきたいと思っています。 第四次産業革命で、この自動走行というのは、お配りはしていないんですけれども、もうまとめておられます官民ITS構想のロードマップ二〇一七というので、これは将来像まで今政府は描かれているところであります。去年の五月にまとめられて、また新たにまとめられるところだと思っておりますけれども、ここには、二〇三〇年に世界一安全で円滑な道路交通社会というのを描いておりまして、その中に自動運転、自動走行というのも含んでいくんだというような趣旨のことが書かれていると理解しているところであります。 ところが、今お話にもありました、世界一安全で円滑な道路をつくるには、まさにこの日本の気候でも、寒冷地、積雪地、こうしたところでもしっかりとした安心、安全な運転ができるということを実証試験をしていかなければならないということは、これはもう明白なことでありますけれども、ロードマップの中に、こうした寒冷地とかあるいは積雪地帯とか、そうしたことについて実証を行っていく、その目標を持っていくということが描かれていない。 これは、私、北海道の立場で、まさにこれから、今、法案も成立して、大きく乗り出そうという地域がある中で、政府全体で取り組んでおられるこういうビジョンの中に描かれていないと、やはり地元は非常にがっかりする、その思いであります。 せっかくの機会に、内閣官房の皆様にきょうはお越しいただいていますから、このロードマップを描いていく中で、そうした日本の自然災害、さまざまな特性に合わせた、特に積雪、寒冷地帯の試験、実証、こうしたことをやっていくんだということもロードマップにぜひ書き込んでいただきたいんですけれども、いかがでしょうか。
○八山政府参考人 お答えいたします。 今先生御指摘のように、官民ITS構想・ロードマップ二〇一七においては、二〇三〇年までに世界一安全で円滑な道路交通社会を構築、維持するということを目指しております。 そのためには、日本の各地域における、先生おっしゃるように、積雪などさまざまな気候、特性も踏まえた自動運転の実用化が重要であると認識しております。 官民ITS構想・ロードマップの改定に際しましては、このようなさまざまな走行環境への対応が求められる点などを踏まえて検討してまいりたいと考えております。
○山岡委員 もう一回伺います。 さまざまな点を踏まえてというのは、私の今の質問の中にありましたけれども、寒冷地そして積雪地というのもその中に含まれるということでよろしいでしょうか。
○八山政府参考人 お答えいたします。 まさに、現在、日本各地でさまざまな自動運転の実証実験が行われておりまして、その中にも積雪時における自動運転の技術検証など具体的な検討が進められているところでありますので、このような点も踏まえまして改定作業を行いたいと思っています。
○山岡委員 ぜひ踏まえて改定していただきたいと思いますし、今、そうした方向を踏まえて改定するんだというお話もいただきまして、これは地元にとっても、苫小牧にとっても心強い思いでありますので、このことは感謝申し上げます。 あわせて、またテーマを少し残りの時間でかえるんですけれども、この法案全体のことについてで恐縮なんですけれども、生産性向上とかあるいは競争力強化ということになりますと、必ず、強い者は強くなり、そうでないところがそうでなくなってしまうようなことも生まれることであろうと思っております。 この法律ではありませんけれども、そうした全体の流れの中で、その一つの事例として、前回の国会の中で大臣にまた地元の事情としてお伝えして聞きました、JXTGエネルギーというところが、経産省のさまざまな、法律の流れも踏まえた中で、事業を縮小して、大臣から、和歌山に関してはまだまだ活気づいてやっておられるということでありましたけれども、北海道室蘭というところではこれは縮小していくんだという流れのことを御説明したときに、大臣は、そうした地域への影響はできる限りなくすように応援していかなきゃいけないという趣旨の御答弁もいただいて、本当に室蘭は大変喜びました。 本当にこのことは感謝申し上げながら、その上で、きょうは、経産省の皆様、この件について、今どういうような状況と捉えて、どういうような取組を、していただけているのであればそのことについて、まずお伺いできればと思います。
○小野政府参考人 お答え申し上げます。 昨年九月の事業縮小の発表以降、室蘭製油所が製造機能を停止し、油槽所となった後の対応を検討するため、まず室蘭市とJXTGとの間で定期的な意見交換が始められたものと承知しております。 また、本年三月には、資源エネルギー庁の担当管理職が室蘭市長を訪問し、現状についてお伺いするとともに、地元企業への支援など、経済産業省としてできる限りの対応をすることを伝達したところでございます。
○山岡委員 ありがとうございます。 経済産業省みずから市にも訪ねていただいて、そして、そうしたことも直接伝達もしていただいているということで、これは地域としてこれからしっかりと自分たちも知恵を出して考えていかなければならないということでもありますが、それは本当に心強く思います。 この室蘭のことを始め、恐らく、この法律もそうかもしれません、これから経済活性化していくに当たって、各地域、地方で、企業の判断によってさまざまな影響を受ける地方というのがこれからまた生まれてくることだろうと思っております。 このJXTGエネルギーの、私たちの北海道の地域の問題が、やはり、地域といっても、何十年もその地域で支えてきた住民あるいは地方議会とかにしてみれば非常に大きな問題でありまして、経産省としては、こうした応援をしていただけるんだという取組のお話も、この間の御答弁もありまして、今のお話もございました。 大臣にお伺いしたいなと思いますのは、経産省として取り組むわけでありますけれども、これは一般論でもありますけれども、大企業というのは、役割として、撤退、縮小とか、さまざま判断はあるんだと思います。そのときに、地域経済への影響、そのことには十分配慮する責任があるものだと私は思っております。 これからもいろいろこういうケースが起こり得るということも踏まえた上で、大臣、企業に対しての思いといいますか考え方、ぜひお伺いさせていただければと思います。
○世耕国務大臣 やはり大企業の工場の閉鎖や撤退というのが立地地域の雇用や経済に大きな影響を及ぼすということは、本当に強く認識をしております。まさに、この間もお話ししましたが、和歌山か室蘭かみたいなところがあって、和歌山の方が助かって、あのときも、相当、もし万が一閉鎖になったら大変なことになるなと思っていましたから、室蘭にとっての影響は本当にいかばかりかと私も推測するわけであります。 企業は、やはり今、社会的責任というのを非常に強く求められており、今回、いろいろ制度変更も背景にはあるんですけれども、やはりJXTG自身が、CSR、企業の社会責任ということも意識していかなければいけない。それはもちろん、製品の安全とか社員の規律とかいろいろあるわけですが、一方で、やはり地域との関係、自分が都合が悪くなって工場を閉めて終わりというわけにはいかない。 特に、室蘭のこの製油所は、まさにエネルギーの安定供給に貢献をしてきた。ただ物をつくって売っているというだけではなくて、やはり日本全体のエネルギーの安定供給に貢献をしてきた。それを地域住民が理解をして、立地を認めてやってきた。そのことに対しては、やはり感謝と敬意を持って対応しなければいけないと思いますし、今回縮小するに当たっては、室蘭の経済や雇用への影響を少しでも緩和するよう、企業自身も努力することが非常に重要だというふうに思っています。 こうした観点から、JXTGにおいても、今、自治体等と協力をして、どのような対応ができるか真摯に検討しているというふうに伺っております。経産省としても、地域経済政策などさまざまな支援メニューがありますので、こういった自治体と企業の話合いの状況もよく見ながら、室蘭市をしっかり応援をしてまいりたいと思います。
○山岡委員 大変心温まる御答弁を、本当に心から感謝申し上げます。 経済産業省はとかく経済のパイを大きくすることを考えるわけでありますけれども、その大臣から、やはりそういう痛みが出るところ、都合が悪くなったらさようならじゃいけないんだという御発言をいただきましたことに心から感謝を申し上げさせていただきながら、ただ、地域も、知恵を使って、これからもまた御相談しながらという思いでありますので、そのことをあわせてお伝えし、そしてまた、この法案について、もっともっと審議を深めたいと思っております。 きょうは採決ということでありますけれども、これは理事会で判断したことであろうかと思いますけれども、このことは大変残念に思っております。 そのことも最後に申し添えながら、私の質問を終わらせていただきたいと思います。ありがとうございます。
○稲津委員長 次に、浅野哲君。
○浅野委員 希望の党の浅野哲でございます。 本日も、前回に引き続きまして、生産性向上特別措置法案及び産業競争力強化法等の一部を改正する法律案について質疑をさせていただきます。 まず、早速質問に入らせていただきますけれども、前回の質疑の中で聞けなかった部分から本日は始めさせていただきたいと思います。 まず一問目は、産業革新機構の組織運営の見直しについてであります。 今回のこの産業競争力強化法等の一部を改正する法律案の中では、産業革新機構の投資機能を強化するという一環で、投資基準の設定あるいは事後評価の徹底といったことが記載をされております。 まず最初に、産業革新機構の直近の投資、回収実績について、まずは状況を御報告願います。
○糟谷政府参考人 産業革新機構におきましては、二〇〇九年七月の設立以来、本年三月末までに、LP出資を通じたものも含め、計三百六十二件、一兆四百九十三億円の支援決定を行っております。 回収につきましては、本年一月末までに、株式売却を行った案件の実投資額は三千六十九億円、回収額は六千八百七十五億円、収支は三千八百六億円の黒字で、投資額の二・二倍のパフォーマンスを上げております。 うち、ベンチャー投資につきましては、本年三月末までに、LP出資を通じたものも含め、計三百三十五件、二千三百十二億円の支援決定を行っております。 回収については、本年一月末までに、株式売却を行った案件の実投資額は七百二十一億円、回収額は六百三十六億円、収支は八十五億円の赤字で、投資額の〇・九倍のパフォーマンスとなっております。
○浅野委員 ありがとうございます。 今御報告をいただきました内容ですと、特にベンチャー分野においては、投資に対して回収できている金額が〇・九という割合になっているというのが最新の値だということであります。 全体の投資規模を考えますと、今この段階でこの投資、全体としてうまくいっているのか、うまくいっていないのか、それを評価するのは時期尚早であるというふうに考えておりますけれども、この〇・九倍というのを、少なくとも一倍以上、できることならもっと桁を上げていきたい、そういうふうにするのが産業革新機構の本来の役目であろうかと思います。 そのために、今回の法案では、評価基準の見直しですとか事後評価の徹底を行うということなんですが、ちょっと具体的な中身について、これまでの議論の中では少し私はまだ十分な理解をできていないところもございますので、この投資基準の内容と事後評価の徹底をどのように行っていくのか、具体的な説明をお願いをいたします。
○糟谷政府参考人 今回の改正におきましては、産業革新機構の投資機能を強化するために、第一に明確なミッション設定、第二に投資に適したガバナンスの実現、この二つの見直しを行うこととしております。 明確なミッション設定のため、政府が投資基準を策定することとしております。具体的には、コネクテッド・インダストリーズ及びソサエティー五・〇の実現に向けた投資など、国の政策として重要な領域への対応などを定めることを予定をしております。 投資に適したガバナンスの実現のためには、方針を策定し、評価を行う機関と、投資実現を行う機関を分離をし、事後評価と成果主義を徹底することで、適切な規律と現場の迅速かつ柔軟な意思決定を両立させることとしております。 事後評価の徹底につきましては、これまで、産業革新機構においては、産業革新委員会が個々の案件の投資決定を行い、経済産業大臣が毎年機構の投資活動全体に対する評価を行ってまいりました。 今後は、経産大臣が評価を行う仕組みを残しつつ、第三者による評価機能を強化をいたします。 具体的には、産業革新投資委員会につきまして、社外取締役が過半を占める旨を新たに法定いたします。また、産業革新投資委員会は、機構のもとに置かれる認可ファンドの個別の投資決定には関与しないこととし、第三者的な立場から、認可ファンドの投資業務について事後的に徹底した評価を行うという機能を持たせることとしております。
○浅野委員 具体的な御答弁をありがとうございました。 ちょっと、これを聞いている方々にもわかりやすく少し要約をさせていただきますと、私の理解では、これまでは投資判断をする人たちとそれを事後評価する人たちが、一部同じ人たちがそれを担っていたものを、これからは、投資判断をする人と事後評価をする人を分けて、事後評価をする人たちには第三者的な立場の方々にかかわっていただくことでより効果的なPDCAを回せるようになる、こういう理解でよろしかったでしょうか。
○糟谷政府参考人 そのような御理解で結構でございます。 そうした評価に基づいて、厳格な成果主義を適用してまいりたいと考えております。
○浅野委員 ありがとうございます。 本日お配りをしております資料の図一をごらんください。 これは、ちょっと古いデータにはなってしまいますけれども、二〇一五年のベンチャー投資実行額の国際比較であります。これは産業革新機構に限定したものではなくて、国単位の比較でございます。 二〇一五年が一番右側に書いておりますけれども、投資金額と投資件数というのがそれぞれ棒グラフと折れ線グラフで示されております。これは、日本に対してアメリカの投資額というのが、大体ですが約五十五倍、投資件数は三・八倍、二〇一五年時点となります。同じく中国は、投資額が十九倍、投資件数は約三倍という状況になっております。 こういう状態で、これから第四次産業革命時代を日本が世界をリードしていくんだ、そういう状況をつくり出さなければいけないわけですけれども、そうなると、投資の量よりも投資の質で我々は勝負をしていかないとなのではないかということが言えると思います。 それを、誰がその鍵を握っているかといいますと、いろいろな要素があると思いますが、私は、投資を担当している人材だと思っています。 先日の参考人質疑の中でも、冨山参考人が、投資にかかわる人材のクオリティーをいかに高いレベルを確保するか、そういう人材を確保するか、そして、そうした人材をいかにしっかりとガバナンスをするか、これが大変重要だということをおっしゃっておりました。 これからの人材の確保、育成やそのガバナンス、先日も御答弁をいただきましたけれども、改めて、課題認識と今後の対応方針について教えてください。
○糟谷政府参考人 産業革新機構が担うべき役割を果たすためには、これまで以上に、政策的意義のある投資案件の発掘や的確な投資判断、充実した経営支援などを行える優秀な人材の獲得が不可欠であります。 このため、第一に、社会的意義の高さなど、共感を得られるミッションを投資基準において明確化するとともに、第二に、現場において、投資のプロフェッショナルとして機動的に責任を持った意思決定ができるよう、ガバナンスのあり方を見直すこととしております。 また、待遇についても、改正法案では、専ら出資を行う業務に従事する職員の給与その他の処遇について、優秀な人材の確保並びに若年の出資専従者の育成及び活躍の推進に配慮すると新たに規定をしておりまして、民間ファンドと比較し得る報酬水準を確保したいと考えております。 産業革新投資機構においては、こういった措置を講じることにより、これまで以上に優秀な人材の確保に努めるよう、経済産業省としても必要な指導を行ってまいりたいと考えております。
○浅野委員 ありがとうございます。 社会的な役割、そして自由度、ガバナンス、またさらには、最後に待遇面について触れていただきましたが、この最後の待遇面というのも、これは非常にセンシティブ、デリケートな問題ではありますが、重要だというふうに思っております。 私、先日、GPIFの公開情報の中から、こういった情報を見つけました。公的金融機関の長の平均年収、平成二十七年度の平均年収は、具体的な数字を申し上げますと、二千二百七十七万円だそうであります。これは公開情報でございます。また、じゃ、民間の資産運用業界の長の報酬水準はどうかといいますと、いわゆる日系の企業と外資系の企業というのがありますが、日系企業ですと、ざっくり八千万円強。外資系になりますと、すごいですね、一億二千五百万円程度という報酬水準なんだそうです。 これはあくまでその組織の長の水準でありますので、これがそこで働いている人々の、皆さんの水準にそのまま直結するものとは考えにくいと思いますが、こういった現状を見ると、これから世界に量ではなく質で勝とうとしている、そしてそれに見合った人材を確保しようとしたときに、またそれが国策として非常に重要な分野であるということを考えたときに、グローバルトップ人材を確保するための一つの重要な視点と言えるのではないかと思うんですね。 この点に関して、事前の通告はないんですが、大臣の御所見があれば伺いたいと思います。
○世耕国務大臣 全くおっしゃるとおりだと思いまして、特に投資業務のプロフェッショナルで世界に通用する人材となると、まさに相場観はこういうところなんです。場合によってはCEOよりも投資実務の若い人の方が給料が高い、成果主義のところなんかは年収が高いというケースもたくさんあるわけでありまして、やはり、ある程度の報酬を約束しないとなかなかいい人材は採れないという面はあるんだろうと思います。 ただ、やはりここは日本でありますし、しかも産革機構というのは基本的には公的資金の入っている株式会社でありますから、そういう意味では、やはり、ある程度の水準、相場観というものもあるんだろうというふうに思います。 これはもう既にGPIFでは、投資のプロフェッショナルに関しては、いわゆる独法一般のお給料ではない水準というのも導入し始めていますから、そういう少し横のことも見ながら、できるだけいい人材を採れる報酬体系を考えていきたいというふうに思っています。
○浅野委員 ありがとうございます。 少し細かな各論に入ってしまったところはありますが、言いたいのは、これは、国策としてこれからこういう分野を強化していきたいという明確な方針があって、それに対して我々は、国は三年間という比較的短い時間、あるいは、それ以降も続くとしたって五年も十年も待っていられるものではないわけです。そういったところに国のお金を入れるわけですから、めり張りをつけた、使うところには使って、抑えるところは抑える、そういった機動的な柔軟な運用をぜひ御検討いただきたいと思います。 続いて二問目、会社法の特例措置について伺います。 本日はスピンオフに絞ってお伺いをしたいと思いますが、まず最初に、会社法のもとで過去に行われたスピンオフ件数について説明を求めます。
○糟谷政府参考人 会社法が制定されましたのが二〇〇五年でありますけれども、MアンドAに関する民間のデータベースにトムソン・ワンというのがございます。これによりますと、我が国において二〇〇五年以降、スピンオフとされている取引は、日本においては一件もないというふうに承知をしております。
○浅野委員 一件もないということでありました。 であるならば、このスピンオフの円滑化の措置を今回の法律の中に盛り込もうとしているわけですけれども、これまで実績が一回もない、でも法律としてはつくろうとしているということは、どこかにそのニーズあるいは必要性があるんじゃないかと思うんですね。ただ、それがこれまでは明確に示されてきておりません。なので、スピンオフの円滑化の必要性、どこにあるんでしょうか。これを具体的な根拠、そしてまた、スピンオフが導入された場合どのくらいの適用見込みがあるのか、お答えください。
○糟谷政府参考人 スピンオフには、対象事業の経営を独立させることで迅速かつ柔軟な意思決定ができたり、また、独自の資金調達が可能になったりするメリットがございます。スピンオフする側、される側双方の企業価値の向上を図る事業再編の有効な手法として、欧米では積極的に活用されているわけであります。実際に、米国の例を見ますと、スピンオフされた会社の株価の指数は市場全体のパフォーマンスを大きく上回っております。 実際にも、我が国でも、日本経済団体連合会を始め産業界から、スピンオフの円滑化に対する要望もなされていたところでございます。 また、政府といたしましても、昨年の未来投資戦略二〇一七において、第四次産業革命の進展というグローバルな環境変化の中、稼ぐ力を高めるための施策として、事業ポートフォリオの迅速な転換など大胆な事業再編を促進するための方策について広く関係制度の検討を行い、必要な制度的対応を講じるというふうにしていたところであります。 こうしたことを踏まえて、今回の改正法案において会社法の特例措置をお願いをしているところであります。 日本では、これまでスピンオフ、基本的に二〇〇五年以降は実施をされてきていないわけでありますが、平成二十九年度の税制改正で、スピンオフにより移転する資産に対する譲渡損益等の課税について繰延べが可能となっております。こうした制度面での環境整備が進んだことによりまして、今後、実際の活用事例が出てくることを期待をしております。 過去の例が二〇〇五年以降は少なくともありませんので、今後どの程度の件数が見込まれるか、具体的な見込みを申し上げることは難しゅうございますけれども、企業の価値を向上する事業再編の有効な手法だというふうに考えておりまして、その活用を促してまいりたいと思います。 ちなみに、欧米主要国でのスピンオフの実施件数がどれぐらいあるかということを見てみますと、過去十年間の平均で、米国では毎年三十から四十件程度、イギリスでは毎年数件程度、ドイツ、フランスでは毎年一件程度というふうに承知をしております。
○浅野委員 これまでの国内での日本における適用実績は当然ゼロだと。また、今言っていただいた海外の事例を見ますと、アメリカは年に三十件ほどということなんですが、イギリス、ドイツでは一件とか二件とかということですから、これは恐らくですが、国内においても、この制度、適用件数というのが今後いきなりどんとはね上がるというのはないと思うんですね。なので、しっかりと、PDCAの今Pをしていて、次Dに行くわけですから、その後のC、チェックをぜひしっかりと行っていただくようにお願いをいたします。 この会社法の特例に関連して、通常、会社を分割、スピンオフするときには、そこで働いている人たちの理解をしっかりと得なければいけません。でなければ、かなり現場に混乱が生じます。ですので、事前の労使協議というのは非常に重要だとされておりますが、今回、スピンオフ、この措置が適用されることによって、一体、現場の労使協議などのプロセスにどういった影響が及ぶと想定されておりますでしょうか。説明を求めます。
○糟谷政府参考人 今回の改正法案において導入をお願いしておりますスピンオフに関する会社法特例の適用に当たりましては、従業員の地位を不当に害するものでないということを法律上の要件としております。具体的には、労働組合などとの協議による十分な話合いを行うとともに、雇用の安定に十分な配慮を行うことなどを求めることとしております。 また、計画の認定を受けた事業者の責務といたしまして、労働者の理解と協力を得ることや、雇用の安定を図るため必要な措置を講ずることを求めているところでございます。
○浅野委員 ありがとうございます。 今回のこのスピンオフ、経営判断の迅速化というのが本来の目的としてあると思います。そのために、この措置を適用した場合、その企業は株主総会での議決をしなくても、取締役会でそれを決めることができるようになるという中身となっています。 何が変わるかというと、意思決定の難易度がまず下がるのと、あとは、株主総会というのは、年がら年じゅういつでも好きなときにできるわけではないんですね。年の決まった時期に行われる。だからこそ、それに備えて、現場はある程度この時期に準備をしなければいけないとか、そういうことができるようになるわけです。ただ、今回、年じゅういつでも、まあ取締役会ですから、少人数招集すれば、あるいは今はテレビ会議等で遠隔でもできてしまう世の中になりましたので、いつでも通年でこれが可能になります。そうすると、こういった労使協議、現場の理解浸透というのは、通年で、日々、日常的に行っていく必要性が求められていくだろうと思います。 ですので、こうした部分にも配慮いただくように、ぜひ行政から各民間企業にこうした必要性も周知をしていただきたいと思いますが、どうでしょうか。
○糟谷政府参考人 スピンオフの手続において今回簡略化されますのは、簡略化といいますのは、株主総会の決議を経ずに取締役会だけで決定できるようになりますのは、独立する会社の資産が一定規模、具体的には、分割を行う会社の総資産額の五分の一を超えない場合であります。これは、会社法上、既に株主総会決議を省略することができるようになっているわけであります。 今回の特例は、この場合において、分割された会社の株式をもとの会社の株主に交付する手続について、会社法上、剰余金の現物配当に該当するため、株主総会の特別決議が必要とされているところを、これを、金銭配当を取締役会限りで決議できるよう定款で定めている会社については、取締役会での決議ができるようにするというものでございます。 いずれにしましても、そういう手続の詳細、非常に技術的な面もございます。また、労使の関係にも必要な配慮はしなければいけない。こうしたことをしっかりと周知をしてまいりたいと考えております。
○浅野委員 ありがとうございました。 ぜひ、行政の方から適切な助言を行っていただけますように、お願いを申し上げます。 ちょっと時間も少なくなってまいりましたので、通告していた質問の順番を変えまして、就業構造転換について伺わせていただきます。 第四次産業革命が実現された場合、国内の就業構造に大きな影響が与えられるというふうに言われております。 本日お配りをさせていただきました資料の二枚目の図四をごらんください。こちらは「技術革新が労働に与える影響について」、厚生労働省がまとめた先行研究の比較表であります。いろいろな団体あるいは省庁がこの先行研究をしておりますが、左から二列目、「技術革新の労働への影響」という列をごらんいただきますと、いろいろなことが書いてあります。 例えば、労働人口の約四九%がかわる可能性が高いですとか、従業者数七百三十五万人が減少するシナリオや、百六十一万人が減少するシナリオもある。あるいは、その更に下を見ていただくと、直ちに今働いている人の失業を意味するわけではないとか、いろいろな見解が書かれてあります。 一体、今、この就業構造に与える影響、もうちょっと整理して説明をしていただかないと、国民はしっかりとした現状認識ができませんので、改めて、ここで国の認識について説明を求めます。
○中石政府参考人 お答えします。 経済産業省では、二〇一六年四月に、先ほど御紹介ありました新産業構造ビジョンにおいて、今後の第四次産業革命を受けた変革の方向性を見きわめる一助として、どのような職業分野が拡大ないし縮小する可能性を有しているかを検討するため、二〇三〇年度の就業構造の姿を示す試算を行いました。 試算は、低成長トレンドで推移し、望ましい就業構造への転換が実行されない現状放置ケース、そしてもう一つは、第四次産業革命による生産性の飛躍的な向上、成長産業への経済資源の円滑な移動、ビジネスプロセスの変化に対応し、就業構造の転換などが実現した改革ケースの二つのケースというので試算をいたしました。 一つ目の現状放置ケースでは、人口減少の中で現状放置しますと、労働力人口が年率〇・八%で減少し、ほぼ全ての職業で従業員数が減少するとの結果になりました。 他方、改革ケースでは、産業、就業構造の変革を進めていけば、労働力人口の減少は年率〇・二%程度にとどまり、職業別で見ると、間接部門の事務処理業務など、従業員数を減らす分野がある一方で、人工知能やビッグデータを活用した製品開発業務やIoTシステム管理業務など、従業員数をふやす分野もあると予測しているところでございます。
○浅野委員 ありがとうございます。 今見解を伺いましたが、今の話を聞いても、とにかく大規模な就業構造の変革がこれから起こるんだということであります。 これに対して、国はいろいろな施策を今講じられようとされておりますが、この未来投資戦略二〇一七を見ますと、これからの教育、人材力の抜本強化の方策として、日本で働く全ての人がIT力を備え、全ての企業人が、それぞれのニーズに応じたIT力を身につけ、IT力を活用した付加価値の創造を絶え間なく行うようになる、そんな社会を目指していかなければいけない、そういうふうに書いてあります。 ここで改めてお聞きします。IT力とは何でしょうか。
○寺澤政府参考人 お答えします。 第四次産業革命になっていきますと、IoTを通じてさまざまな主体がデータを通じてつながっていく。そうしますと、ITの利用とかデータの利用というのは、特定の一部の業種に限定されるわけではなくて、さまざまな主体がビッグデータとかAIを使いながらデータを分析し、付加価値を上げるということが必要になってくるわけです。 そういうことに対応するためには、より多くの人たちが最新のIT技術を理解し、使いこなせるということが不可欠になってくるわけでございます。このように、ITを知り、ITを活用できる力、これを私どもとしては、御質問があったIT力だと考えている次第でございます。 では、具体的に、このIT力をどう高めるのかということになるわけですけれども、まずはAIとかビッグデータとかそうした最新の技術、第四次産業革命を牽引する、そういう技術をまず知っていただくことが不可欠でございます。その上で、こうしたデータ活用を支える基盤となるセキュリティーについての理解を深めることも不可欠でございます。このように、IT技術を知っていただいた上で、製造業とか小売業とかそれぞれの分野で、どのように競争力を高めるか、それに向けてITを生かし活用できる、そうした力を身につけること、これがとても重要だと考えている次第でございます。
○浅野委員 ありがとうございます。 ITを知り、ITを使うところまでしっかりと人を育てていかなければいけないということでありますが、これはちょっと時間がもうないので、質問は省略をさせていただきますが、それのためにも、全国規模でやはりこうした取組をしていかなければいけないと思います。その一つの例が、地方大学を活用した産学連携の取組であります。きょうその状況も聞こうと思ったんですが、時間がありません。私が今調べた情報ですと、もう既に日本全国、地方大学の幾つかでこうした動きが出ております。 例えば、福井県の方では、地場産業を中心とする、機械や繊維業が盛んなんですが、こうした企業が連携して、医療機器の開発に挑んでいる事例があるそうです。 また、こうしたものづくりの成長分野に大学が関与して、若い人材を在学中からそういった業界に関与をさせて、そのまま、専門知識あるいはIT技術、そしてその先の就職まで見通した活動をしていく、こういった活動が起こっているようですし、滋賀県の滋賀大では、データサイエンス教育に取り組む、データサイエンス学部というのをつくりまして、まさに、ビッグデータや人工知能、生産性向上やサービス創出に関連した教育というのをこれからどんどん推進していこうとしている。 また、徳島大の方でも産学連携で共同研究を進める取組をふやしているということであります。 そのほかにもいろいろな事例が多分あると思うんです。国の方も、ぜひこうしたところにもアンテナを立てていただいて、今後のこうした活動を後押しをしていただきたいと思います。 これが最後の質問になりますが、今回、生産性向上特別措置法案及び産業競争力強化法等の一部を改正する法律案、この法案の効果を評価するためのKPIって何なんでしょうか。政府の見解をお伺いいたします。
○世耕国務大臣 最終的な目標の数字としては、やはり生産性を、これまでの、二〇一五年までの五年間の平均値である〇・九%の伸びから倍増させて二%にするということ、そして、二〇二〇年度までに対二〇一六年度比で設備投資額を一〇%増加させる、そして、二〇一八年度以降三%以上の賃上げ、これが目標になっているわけであります。 私も、いろいろな皆さんと質疑をやっている中で、もう少しブレークダウンしたKPIを幾つかつくっておかないと、この目標だけでやっていたのでは、ちょっとなかなか途中のコントロールがしにくいなと思い始めておりまして、これも今、省内に指示をしていますけれども、今回の法案の実行計画で各施策の目標を設定することになっているわけですけれども、主な施策に関してはきちっとKPIを設定して、そして、ある種ダッシュボードのような形で進捗状況を刻一刻と見られるようにして、そして、必要があればPDCAをしっかり回していくという体制をとりたいと考えています。
○浅野委員 ありがとうございます。 今、生産性向上と賃金を上げていくということをおっしゃっていただきました。これは最後、意見になりますが、世界を見ると、生産性が上がっている国、例えば、エストニア、イスラエル、韓国、こういうITを導入して生産性が上がっているという国の賃金上昇率というのを期間で区切って見ますと、近年低下しているんです。賃金の上がり方が緩やかになっている、だんだん横ばいになってきている、こういう現実があります。 要するに、安い賃金で人を雇えるのであれば、コストをかけてそういう最新設備を導入しなくても安い人が雇えるんだったらそれでやってしまおうということが、企業者の、経営者の心にあって、なかなか賃金上昇と生産性向上が同時に進んでいかないという現実もあります。 ぜひ、今後は、これを更に深掘りして議論させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 ありがとうございました。
○稲津委員長 次に、笠井亮君。
○笠井委員 日本共産党の笠井亮です。 フェイスブックの利用者八千七百万人分もの個人データが不正流出していたことが、今、世界じゅうに大きな衝撃と波紋を広げております。一昨年の米大統領選挙で、トランプ陣営の選挙対策にも使われていたとされております。ザッカーバーグCEOは、四月十日に米議会上院委員会での証言で、対応の不備を認めて謝罪をいたしました。 英国政府は、同国百十万人分の個人情報が含まれていたことを受けて、ハンコック・デジタルITメディア担当大臣がフェイスブックに対して、不正流用に至った経緯や情報管理体制について説明を求めるとされております。 日本でも十万人分が流出したともされておりますけれども、一体、それでとどまるのか。ゆゆしき事態であります。 そこで、世耕大臣、日本政府としても、事態を把握して、国民に明確な対策を示す必要があるのではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
○世耕国務大臣 フェイスブックの個人情報の不正流出問題の中身その他については、報道などを通じて承知をしているわけですけれども、日本は、法律上、個人情報に関する業務を担うのは、個人情報を所管する個人情報保護委員会ということになっている。これは経産省に権限がないものですから、個人的な思いはいろいろあるんですけれども、基本的には、経産省としてなかなかお答えできない立場だということを御理解いただきたいと思います。 一般論として申し上げれば、ソーシャルネットワーク事業者も含めて、さまざまな個人データに関するビジネスにおいては、本人に対して利用目的を通知又は公表するなど、個人情報保護法を遵守することがビジネスを行うに当たっての大前提だというふうに考えています。
○笠井委員 問題は重大だということはおっしゃいました。 それだけではないんですね。フェイスブックなどのSNSですが、そのSNSのいいねというボタン等が設置されたさまざまなウエブサイトがあります。団体とか企業とかいろいろなところ、官庁もあるわけですが、そのウエブサイトを閲覧した場合に、そのボタンなどを押さなくても、そのウエブサイトからSNSに対して閲覧者のユーザーIDやアクセスしているサイト等の情報が自動で送信されてしまうという、ある意味恐るべきことが判明をいたしております。経産省のサイトにもSNSのボタンが設置をされておりますが、こうしてSNS利用者の同意もなく個人情報が収集をされている。 世耕大臣、これは個人情報保護上、これは所管は委員会があるんだとおっしゃったけれども、しかし、極めてゆゆしき問題だという認識はお持ちですね。
○世耕国務大臣 これは、私も少し問題があるのではないかなというふうに思います。 今御指摘のように、経産省のホームページにも、日本共産党のホームページにもありました、いいねボタンは。 やはり、情報を拡散するためには、いいねとかシェアで拡散せざるを得ないので、これはみんな使っているわけですが、そのときに、そのページを見ただけでいろいろなデータがフェイスブック側にとられるというのは、これはちょっと、余り愉快な話ではないというか、個人の立場として、愉快な話ではないというふうに思っております。
○笠井委員 経産省がけしからぬとか日本共産党けしからぬとか、ボタンがあるのがけしからぬということではなくて、やはり、フェイスブックの問題として、そういうやり方でもうけているという話が出てくる問題であります。 プライバシーポリシーということで、経産省は、対応として、利用者に、見ますと、「なお、」と書いてあって、閲覧者の情報が送信されることがあるので「ご確認ください。」ということで、小さく一番下に書いてあるということで、これでは対策にはなっていないし、やはり大もとのところをきちっとやらなきゃいけないんだと思うんです。 フェイスブックの場合には、二〇一七年で見ますと、四百六億五千三百万ドルと、四兆三千六百億円もの莫大な年間売上高が上がっていて、その実に九八・三%、ほぼ全額が広告収入だと。膨大な個人データを収集して、カスタマイズした広告を出そうという戦略に躍起になるのは、そういう背景があるからだと思うんです。こうした個人情報を収集、転用して巨額の利益を生むというビジネスのあり方そのものが、やはり世界的にも今厳しく批判されているということだと思います。 そこで、世耕大臣、このフェイスブックの問題を受けて、アメリカ政府の連邦取引委員会、FTCは、フェイスブックの情報管理が適切だったかどうか、実態調査するとしております。米国内でも、大量の個人データを扱う大手IT企業に対して、厳しい世論を背景にして、EUと同様の規制強化を求める動きが強まっております。 日本でも、無料サービスと引きかえに個人情報が外部へ流出、流用されている重大な事態に対して、そういう実態に対して、やはりきちんと目を向けて必要な規制を強化するということこそ今必要だと思うんですが、その必要性については、大臣、どうお考えでしょうか。
○世耕国務大臣 これは御理解いただきたいんですが、どうしてもこれは個人情報保護に関する業務ということになりますので、これは個人情報保護委員会がお答えする話ということになってしまいます。 ただ、一方で、フェイスブックは、やはり、これだけ国際的に反発の世論が盛り上がっている、そして、もう今やフェイスブックというのは我々の生活にとっては非常にインフラになっているわけでありますから、そういった国際的な世論の広がりにしっかり向き合って何らかの対応がとられるべきではないかというふうに考えます。 政府としての行為は、個人情報保護委員会にお聞きいただければと思います。
○笠井委員 そこで、個人情報保護委員会もお見えいただいていますので伺いますが、EUでは、来月、五月二十五日に一般データ保護規則が施行されます。人間の尊厳の観点から、プライバシー権や個人情報の自己コントロール権を保障するものとされております。EU域内で事業活動を行う企業もこのEU規則に基づいた対応が求められることになる。 EUでは、個人データ利用については、あらかじめ本人の同意を得るオプトインというのが原則で、日本では、本人が拒否して初めて対象外になるオプトアウト方式になっているということで、基本原則からして異なっている状況がある。 そこで、個人情報保護委員会に伺いますが、四月十日の参考人質疑で、福家秀紀参考人は、EU一般データ保護規則では、第十七条で忘れられる権利、二十条でデータポータビリティー権、二十二条でプロファイリングへの異議申立て権等があることが紹介をされました。どれも国民の個人情報を守る上で重要だと考えます。 我が国の個人情報保護法では、EUのようなこうした権利というのは明文で規定がされているのでしょうか。
○福浦政府参考人 お答えいたします。 議員御指摘のGDPRにおけます規定につきまして、我が国の個人情報保護法上は、全く同一の規律ではございませんが、同様の趣旨に沿ったそれぞれの規定がございます。 個人情報保護法上、いわゆる忘れられる権利につきましては、法令に違反して取り扱われている場合には消去請求権がございますし、データが不要になった場合には事業者側に消去するよう努める義務がございます。 また、いわゆるデータポータビリティーにつきましては、開示請求して自分のデータを本人が入手する権利が認められております。 また、いわゆるプロファイリングの関連で申し上げれば、個人情報の取得時に、利用目的の通知、公表が義務づけられておりますし、また、利用目的の違反や不正取得が行われた場合には、利用停止を求めるというような制度になっているわけでございます。
○笠井委員 表現としては、個人の権利としてそういう明文というのはない、その上で、中身としていろいろ書かれているというお話だったと思います。 二〇一五年の個人情報保護法改正で、法律の目的に新産業の創出が追加をされて、官民データ活用推進基本法、行政機関等個人情報保護法などによって、公的データを新産業に活用しようという仕組みが一方でどんどんつくられてきているというのが大きな問題点としてあると思います。 そこで、生産性向上特別措置法案等の関係で伺いますが、この法案では、国や独法のデータを利活用する仕組みがつくられようとしています。四月三日の衆議院本会議において、提供するデータには匿名加工などの処理がなされるのか、プライバシーに対する深刻な懸念があるのではないかという私の質問に対して、世耕大臣は、主には、これは地図データ、衛星データなど、個人情報以外の産業データを想定しているというふうに答弁されましたが、では、個人情報というのは全く除外されているのか、除外されているんだったらどこにそういうことが書いてあるのか、あるいは、除外されていないのか、その点いかがですか。
○世耕国務大臣 今回の特措法に基づく公的データ制度で提供をされると我々が想定しているのは、主には、地図データ、衛星データなど、個人情報以外の産業データを想定しているところであります。 公的データの提供に当たっては、そのデータを保有する行政機関などが、データ提供そのものの必要性と、そして、他の法令に違反するおそれがないのかどうか、そういったことを踏まえて、そのデータ提供の可否を判断することが前提となります。 個人情報に該当するデータについては、全ての個人情報について個別に本人同意を得ることや、特定の個人が識別できないよう加工した非識別加工情報の提供の仕組みも含めて、行政機関等個人情報保護法の規律に従わなければ、提供されることはないと考えております。
○笠井委員 今説明されたことは、要するに、個人情報については除外はされていない、つまり、それをやる場合はと言われたんですから、されていないということは、いいですね。
○世耕国務大臣 個人情報を想定はしておりませんけれども、この法律上、個人情報を排除しているものではありません。ただし、あくまでも行政機関等個人情報保護法をクリアしない限りは提供されることはないということであります。
○笠井委員 排除していないと。あの法案のポンチ絵で、経産省の中にも、ちゃんと個人情報の中に枠線が入って、そこも含まれているというふうになっていますから。 ならば、個人情報保護委員会に伺いますが、個人が拒否できない状況で集めた公的データでも非識別加工をすれば民間ビジネスに提供できる、そのような制度というのは、日本以外に、ほかの国にあるんでしょうか。
○福浦政府参考人 私ども委員会が所掌いたします我が国の個人情報保護法は、原則、民間のみを対象といたしております。 先生御指摘の、行政機関個人情報保護法等の改正法の御審議の際に、総務省から、非識別加工情報のような提供の仕組みは見られず、実際の事例については承知していない旨の答弁があったと承知いたしております。
○笠井委員 ないということであります。 行政の持つ個人情報は、特定の行政目的の執行、公権力の行使のために集められるものであります。住民票、医療、社会保険、就学、就労記録などは提供せざるを得ないというものでありますけれども、それを第三者に提供して、しかもビジネスに活用させるのは、明らかに目的外利用になります。匿名、非識別加工するならいいという問題ではない。 しかも、世耕大臣、認定事業者に提供される情報というのは渡し切りではありません。四月十一日の当委員会で前田大臣官房審議官は、答弁で、リアルタイムで変化するデータも含め、ビジネスにうまく資する形で提供するとまで言われているわけですが、既に指摘したように、貧弱な個人情報保護制度のもとで、国等のデータの第三者への提供、しかもビジネスへの活用を推進したら、これは人権侵害にまでつながっていくんじゃないか。つながりませんということは言えないんじゃないか、つながっていくんじゃないか。いかがでしょうか。
○世耕国務大臣 あくまでも個人情報に係るデータがもし提供されるようなことになったときは、これは個人情報保護法に基づいて、ともかく人の名前がわからないようにするとか、そういうことが前提になるわけでありますから、御指摘のようなことは想定されないんではないかと考えます。
○笠井委員 個人情報保護委員会との協議ということがあったりということが言われているわけですが、行うのは特に必要があるものとして政令で定める場合に限られている、こういうふうに言っております。四月十一日の当委員会で寺澤商務情報政策局長が答弁されていますけれども、円滑かつ迅速な支援という趣旨からしても、全て全て協議をすると目的にも反するので、重点的に絞り込んで政令を規定したいとまで明言しているわけで、そうやっていくと、問題が起きてからじゃ遅い、一旦流出した個人情報は回収できないということになります。たとえ匿名化して、あるいは非識別加工したとしても、データ量がふえればふえるほど個人の特定につながる危険が高まる。 世耕大臣、日弁連も二〇一五年十月十九日付の意見書で、大量の情報のひもづけにより個人の特定につながるリスクを前提としており、行政機関等が保有する個人情報を本人の同意を得ることなく第三者提供するのは、たとえ匿名加工が施されたとしても容認できないというふうに、厳しく指摘しております。 実際に、アメリカのマサチューセッツ工科大学の研究者が二〇一五年五月に発表したところによれば、匿名のクレジットカード取引情報で、四つの取引に関する時間と場所の大まかなデータがあれば、百十万人中九〇%の精度で持ち主を特定できた、こういう精度があるというんですね。これは二〇一五年ですから、もっと進んでいる。 一旦は非識別化されたとしても、再びひもづけされるリスクというのは非常に高いということであります。それでも新産業づくり、ビジネスを優先して国等の保有する個人データも差し出すのか。いかがでしょうか。
○世耕国務大臣 幾つか前提があるんですが、まず、我々は、基本的に、個人情報を想定してこの法律をつくっているわけではなくて、地図データ、衛星データなど、個人情報以外の産業データが活用されるということを想定しています。 ただ、個人情報に対して、使われることも排除はしていないものですから、そういう意味で、これは行政機関等個人情報保護法の規律に従う。その規律がどうかということについては、個人情報保護委員会に聞いていただくしかないというふうに考えております。
○笠井委員 経産省、先ほどポンチ絵をいただいたと言いましたけれども、だったら、産業データ、イコール非個人情報と書けばいいけれども、ニアリーイコールになっているわけですよ。しかも、この個人情報のところまで、ちゃんと範囲が広がって、線が引いてあるんですよ。だから、あくまで何か気象情報とかデータだと言われるけれども、個人情報が含まれるとさっき認められた。 しかも、最初から悪用すると公言する事業者などいないわけです。個人情報漏えいについても、事前に全ての兆候を把握できるわけではない。行政機関等からも、個人情報データ漏えい、データの隠蔽や改ざんが相次いでいる。そんな行政機関がデータ提供の要件をチェックするなどと言っても、もはや何の担保にもなりません。 プライバシーに対する懸念はいよいよ重大なものになったので、生産性向上、そして産業競争力強化を名目にして国民の個人情報を犠牲にするようなことは絶対に許されないということを強く言いたいと思います。 さて、次の問題を議論したいと思うんですが、産業競争力の強化法等改正案ですが、この中では中小企業支援策をうたっております。 そこで、世耕大臣に伺います。 安倍政権は、二〇一三年六月に策定した日本再興戦略で、開業率、廃業率を一〇%にそれぞれするということを目指しておりますが、現在の開業率、廃業率はそれぞれ何%になっているでしょうか。
○世耕国務大臣 開業率、廃業率の現状につきましては、現在、開業率が五・六%、この戦略策定時の平成二十五年度の四・八%から上昇傾向にあります。一方、廃業率については、平成二十八年度が三・五%でありまして、ここ最近、年によっていろいろぶれはありますけれども、三から四%の範囲内で推移をしているところであります。
○笠井委員 廃業率が低いということが産業の新陳代謝を停滞させている要因だということで、この産競法改正案では、目的の一つに、産業の新陳代謝の活性化を挙げております。この法案によって中小企業の廃業を促して、目標の一〇%、廃業率を達成しようとしている。 世耕大臣に伺います。 未来投資会議の構造改革徹底推進会合のやりとりを見ますと、そうとしか思えないんですね、これは。その中にこういう発言がありました。 廃業企業の半分は生産性が高く、企業の廃業が中小企業全体の生産性も押し下げている。だからしっかり事業継承をサポートしなければならない。 ここまではわかります。さらにその先です、問題は。 廃業された方が中小企業全体の生産性向上に資するケースがあり、廃業した方がむしろ望ましい方々に関しては円滑な退出を促す施策をとっていくと言っておりますけれども、大臣も同じ認識でしょうか。
○世耕国務大臣 まず、政府の目標というのを設定しています。これは開業率を欧米レベルに持っていこうということの中でありますけれども、平成二十五年六月に閣議決定された日本再興戦略においては、まず、大前提として、開業率が廃業率を上回る状態にして、そして開業率、廃業率が米英レベル、ということは一〇%台になることを目指すということが明確に掲げられているわけで、ここで大切なのは、やはり開業率の方が廃業率を上回る。だから、廃業だけして開業が進まないということではなくて、廃業した以上に開業を進めていくというのが我々の考え方であります。
○笠井委員 今紹介したものは同じじゃないというふうな趣旨かもしれませんが、私が紹介した発言というのは、中小企業庁の次長の方が未来投資会議の会合の中で言われたものです。 これを受けて、この会議の民間議員の一人、御立尚資副会長は、生産性も収益ポテンシャルも下の方の、本当は転廃業もお考えいただいた方がいいところはサポートの対象外にすべきとまで公然と発言している。そういう流れでできてきている。 本案が成立したら、生産性や収益性が必ずしも高くない中小企業は支援の対象外にするということではないか。そんなことをしたら、小規模事業者の持続的発展の重要性をうたった小規模企業振興基本法の精神や、困っている中小企業を支え、そして、どんな問題も中小企業の立場で考えていくとうたった中小企業憲章の精神に真っ向から反するのでないかと思うんですが、大臣、いかがですか。
○世耕国務大臣 今回の法案における措置は、あくまでも事業承継ですとか、あるいは創業促進を目的としたものでありまして、何も廃業の促進を目指したものではありません。 特に事業承継については、経営者の高齢化が進む中で待ったなしの課題でありまして、地域やサプライチェーンにとって重要な事業が後継者不足によって廃業してしまえば、地域の雇用やサプライチェーンに重大な影響を与えるおそれがあるというふうに考えています。 一方、事業承継によって事業継続が図られれば、失われるはずだった雇用が維持されることになりますし、近年増加しつつあるMアンドAによる承継も一つの選択肢として事業承継を進めていくことが重要だと思います。 この法案における措置を通じて、経営者の若返りや新たな企業の誕生によって地域の雇用を支える中小・小規模事業者が活性化する、これを目的に頑張ってまいりたいと思います。
○笠井委員 中小企業庁の次長の方が廃業を促すということを言って、公然と言う中でこの法案ができてきて、目的にある新陳代謝の加速化というのは、生産性が低ければ市場から退出というもので、小規模企業の振興基本法や中小企業憲章の精神に真っ向から反している。明らかだと思います。 先日、私は、ある中堅の中小企業を訪問して話を伺ってきました。その経営者は、政府の掲げる生産性革命や人づくり革命について、余計なお世話だと、むしろ立場の違いを超えてずばっと指摘をされておりました。苦労に苦労して、自助努力で生産性を上げて働き方を変える取組をしているのに環境が許さないということで、本当に怒りにも近い声でありました。 中小企業の生産性が低いといいますけれども、もうかる仕事などしていない、材料費が上がっても単価が上がらない、働き方改革といっても、三六協定で百時間以上の残業ができるようにしておかないと取引してくれないという親事業者もあるというんですね。 大臣、最後に伺いますけれども、中小企業の生産性を問題にするなら、我が国の自動車産業に代表される重層的な下請構造のもとで、大企業による単価たたきが行われ、幾ら中小、下請が生産性を上げる努力をしても利益が親事業者に吸い上げられてしまう構造的な問題の解決がどうしても必要だと思います。これこそが本当の中小企業支援ではないかと思うんですが、この点はいかがですか。
○世耕国務大臣 まさにその点は、私も先頭に立ってやらせていただいています。下請取引の改善、これは、世耕プランというのをぶち上げて、ともかくこれは徹底的に改善をしていく。そのことが中小企業の生産性の向上にも資するものだというふうに思っています。 また、これから、中小企業が生産性を上げても、その分を大企業に吸い取られたのでは意味がないわけでありますから、今回の生産性革命を進めていくに当たっても、下請取引の適正化ということについてはしっかりと進めていく必要があると考えております。
○笠井委員 今私が紹介した中堅の中小企業経営者は、働く人を大切にすることと生産性を上げること、この両方が大事だと強調されておりました。人を育て、育てた人が会社の力となり、それが生産性向上に結びつく、こうしてこそ、会社の基礎、土台がしっかり固められて、社員の中から次の経営者が誕生する。時間はかかるけれどもこれが本道だということで、本当に、御苦労された顔を拝見しながらですが、おっしゃっておりました。 本法案のように、三年間で集中的にといった近視眼的なやり方で、これを機に日本経済の根幹である中小企業の選別と淘汰を一気に狙うなど、断じて許されないと思います。 本日、質疑終局ではなく、この問題も含めてさらなる徹底審議を強く求めて、本日の質問は終わります。
○稲津委員長 次に、谷畑孝君。
○谷畑委員 生産性向上特別措置法案では、新たにプロジェクト型規制のサンドボックス制度が創設されたと承知をしております。これは、実証実験に対する規制の適用の有無の確認や規制の特例措置などを講ずる制度であります。対象となるのは、実証実験であるか、あるいは事業活動であるかという違いはありますが、類似の制度としては、経済産業省には、グレーゾーン解消制度、新事業特例制度が既に存在をしております。 そこで、お伺いをいたします。 グレーゾーン解消制度、新事業特例制度のこれまでの活用実績、そのうち何件が全国一律の規制改革につながったのか、改めて御教示をお願いいたします。
○中石政府参考人 お答えします。 グレーゾーン解消制度は、事業者が、現行規制の適用範囲が不明確な分野におきまして、萎縮することなく新しい事業にチャレンジできるよう、あらかじめ規制の適用の有無を確認できる制度でございます。 例えば、ドラッグストアで、利用者がみずから採血し、その血液検査の結果を利用者に通知するサービス、これは大変有名になりましたけれども、その検査結果の通知等が医師法上の医業に該当するかというような照会がございまして、厚労省に照会をかけたところ、該当しないという回答をいただきました。それを受けまして、現在、千四百以上の店舗でこのサービスが展開されるということで、一つのグレーゾーンの解消が千という店舗になっていくということです。 こうした照会は、今のところ百十六受けておりまして、その中で、規制に抵触しないという御回答を実は百件ほどいただいております。その百件も、単純に該当しないというよりかは、こういうこと、こういうことと説明した上で、それであればというような話になりまして、その百件、すなわち、事業者が望む新規ビジネスを展開する上でのさまざまな制約というのが取り払われたということで、これは私ども、発表を毎回しておりまして、それを見て、また事業者の方が、ああ、こういうことができるんだということでまた続いていかれるということでありまして、さまざまなビジネスが広がってきているんじゃないかというふうに考えております。 他方、新事業特例制度は、安全性などが確保できるような規制の代替措置を講ずることで、事業者が企業単位で規制の特例措置の整備にチャレンジできる制度であります。 これまで申請を受けた十一件の規制の特例措置要望のうち、六件の申請を認めていただきまして、特例措置のメニューを整備いたしました。このメニューをまた見て、計画申請が出まして、二十二件ほど新しい事業が起きております。また、残りの五件につきましては、規制当局に問合せしましたところ、これは特例措置ではなくて、直ちに全国規模での規制緩和にしていこうということで、直ちに全国展開されたこともございました。こうしたことが制度の意義と思っています。 その中で御紹介いたしますと、申請を認めて整備した特例措置のうち、一旦特例措置としましたけれども、更にそれを一般化したものもあるということでありまして、具体例でいきますと、電動アシスト自転車につきましては、現行法令上、アシスト力の上限がこぐ力の二倍と定められていますけれども、それを、宅配を行う事業者から、車両の安全性を高める、配送員には交通安全教育を行うなどの代替措置を条件に、例外として、特例として三倍のアシスト力を認めてほしいという要望がございました。それを国家公安委員会と調整しまして、最終的には特例措置として整備されました。 事業者は、この特例を使うため、新事業活動計画の認定を受けまして、東京、北海道、京都、大阪、福岡で平成二十六年九月から昨年九月まで事業を実施し、事故もなく安全に実施されました。その結果を踏まえ、国家公安委員会において検討を行った結果、昨年十月に省令が改正され、この事業者のみならず、全国的にほかの事業者も活用できるようになりました。 こういったことが実績でございます。
○谷畑委員 世耕大臣にお聞きをいたします。 グレーゾーン解消制度、新事業特例制度を残した上で、プロジェクト型規制のサンドボックス制度を新設した意図、それぞれの制度の連携のあり方について、大臣にお伺いいたします。
○世耕国務大臣 まず、今あるグレーゾーン解消制度は、事業をそのまま継続的にやるということが前提になっていますので、どうしても規制官庁は、その規制の適用関係を確認する段階で非常に慎重になってしまって、個別案件への回答というのが非常に時間がかかったり遅くなるという問題点がありました。 もう一つ、今ある新事業特例制度、こっちの方は、事業者が、規制の特例措置を認める場合に、規制を緩和しても安全ですよ、規制の目的はしっかり達成できていますよという規制の代替措置、これをしっかり用意しなければいけないんですが、この代替措置がちゃんときくのかどうかという検証のための実証ができないということで、なかなか検討が進まないという問題点がありました。 これを解決するために、今回のまさにサンドボックス制度では、グレーゾーン解消制度によって規制の適用対象となると判断されたり、あるいは、新事業特例制度によって規制の代替措置を整備することが困難であった案件であっても、期間と参加者を限定して、事業ではなくて実証であると整理することで、規制が適用されない環境下で速やかに実証プロジェクトを実施することができるわけです。 これらの制度は、今あるものとこれからつくるサンドボックスはしっかり連携をさせたいというふうに思います。特に、サンドボックスの実証によって得られた情報を活用することで、今度は逆に、そのデータ、エビデンスをもとにした規制の特例措置の検討を加速することも可能になります。ですから、特に新事業特例制度と一体的に運用することで、規制の特例の措置の求めも今後増加することを期待をしている。 ただ、これだけ制度ができてきますと、うちはどれを使えばいいんだというようなことになってはいけませんので、内閣官房に一元的窓口をつくって、どの制度を使えばいいのかということを助言をするということもしっかりやっておきたいと思います。
○谷畑委員 グレーゾーン解消制度あるいは新事業特例制度の活用の実績、私自身、非常に、ちょっと物足りぬなというような感じもありますけれども、プロジェクト型規制のサンドボックス制度の新設が既存制度の活用にもつながるよう、制度運用のあり方についても適宜検討を重ねていただくことをお願いを申し上げておきます。 グレーゾーン解消制度、新事業特例制度のこれまでの活用実績を踏まえてお伺いをいたします。 本法案で新設されるプロジェクト型規制のサンドボックス制度の活用件数及び全国一律の規制緩和の目標数をどのように設定しておられるのか、大臣、お答えをお願いします。
○世耕国務大臣 プロジェクト型規制のサンドボックス制度である新技術等実証制度は、独創的なアイデアを持つ方々や革新的なビジネスモデルをスピーディーに事業化したい起業家など、幅広い方々に使っていただくことを想定しています。 できるだけ多くの事業者や起業家に活用してもらえるよう、イメージしやすい例も示しながら、新経済連盟やフィンテック協会などのIT、ベンチャー関連の団体などとも連携をして、広く制度の普及啓発を行うこととしております。例えば、ハッカソンのようなイベントを企画して、積極的に案件の掘り起こしを図ることも考えていきたいと思います。 また、法案において、規制所管省庁は実証の結果などを踏まえて規制の見直しを行うことも盛り込んでいるところでありまして、実証で得られたデータによって情報や資料を整理して、これを活用した規制改革をできるだけ多く実現していきたいというふうに思います。 施策の目標については、法案上、実行計画で目標を設定することになっています。特に、経産省が担当する主な施策については、この委員会でもいろいろ私も感じるところがありましたので、しっかりKPIをある程度細分化して設定をして、ある種ダッシュボードのような形で、これはうまくいっているけれども、こっちはいっていないから、もうちょっとこっちに力を入れなきゃなとか、そういう形で進捗状況を適切に把握をして、そして、場合によってはPDCAを回して、何か施策を少し改善をするとか、もっとPRを強化するとか、いろいろな取組をやってまいりたいと思います。
○谷畑委員 丁寧な答弁、非常にありがたく思っております。 私は、大阪の八尾。その隣町は東大阪。全国でいうと、中小企業が集積する東京の大田に匹敵すると言われている中小企業の町であります。 やはり日本の国家というものは中小企業がしっかりと支えて、雇用も支えておるし、中小企業も最近非常に頑張って、いわゆる国際性をたくさん持って、輸出を、日本一、二を争う、そういう産業に実は成長してきているところであります。 しかし、いつも言えることは、生産性がどうしてもやはり大企業に比べて低い、こう言われております。 そこで、お伺いをします。 中小企業の生産性の向上に向けて、どのような政策、ここはひとつ、大事な中小企業政策のキーポイントだと思いますので、改めてお伺いをいたします。
○安藤政府参考人 お答え申し上げます。 これまで、ものづくり補助金等を中心といたしまして、約五万二千社の中小企業の皆様方の投資を促進させていただきました。また、IT導入補助金では約一万四千社の中小企業、小規模事業者の皆様方の導入の背中を押させていただいております。また、中小企業等経営強化法によって、約四万九千者の中小企業の皆様方の業種の特性に応じた生産性向上に取り組ませていただいております。 そういったことも含めて、中小企業の労働生産性でございますけれども、一つ数字を申し上げますと、二〇一二年度の五百四十七万円という、こういった数字がございますが、これが二〇一六年度におきましては五百七十六万円ということで、約五・三%向上しておる、一定の成果が出ておると思っています。他方、今御指摘がございましたように、大企業との生産性格差はまだまだ大きくて、むしろ、場合によっては、そこが格差が拡大をしておるというような、こういった評価もあり得るわけでございます。 したがいまして、引き続き、生産性向上のために、今回、固定資産税をゼロにするお話、また、ものづくり補助金、IT導入補助金を更に増額をさせていただくお話、また、御議論いただいておりますMアンドAを含めました事業承継、経営支援体制の強化、こういったものに総力戦で取り組ませていただきたい、このように思っております。
○谷畑委員 あともう一分になってしまいましたけれども。 いずれにしても、この中小企業というのは、九九・何%と言われて、非常に大事だと思います。私も常に質問の中に、この中小企業をしっかり応援をしてやってくれ、こういうことを、これはやはり言い続けていかなきゃならぬと思います。 あと一分ですので、もう一度、中小企業政策、しっかり頑張るぞということを、大臣、一言言っていただいて、終わります。
○世耕国務大臣 やはり、日本の中小企業というのは、私も東大阪のことはよく知っておりますので、もう国の宝と言ってもいいぐらい、非常に重要だと思います。世界からも注目されて、私、海外へ行って、やはりみんなから、日本の中小企業のノウハウを教えてほしいということも言われるわけであります。 こういう中小企業、小規模事業者も含めて、頑張ってもらえるよう、経産省として、今後もしっかり支援をしてまいりたいと思います。
○谷畑委員 時間が来ました。これで終わります。 ありがとうございました。
○稲津委員長 これにて両案に対する質疑は終局いたしました。 ―――――――――――――
○稲津委員長 これより両案に対する討論に入ります。 討論の申出がありますので、これを許します。笠井亮君。
○笠井委員 私は、日本共産党を代表して、いわゆる生産性革命二法案に対する反対討論を行います。 二法案は、未来投資戦略や新しい経済政策パッケージを具体化するものです。この二十年間の産業競争力強化策、すなわち、構造改革と規制緩和が国民の暮らしや雇用を破壊した実態を直視すべきです。 AI、人工知能や、IoTなどの新しい情報通信技術の社会実験のために異次元の規制緩和を推進する本法案は、格差と貧困を更に拡大するものです。 反対理由の第一は、グーグルなど巨大プラットホーム企業によるビッグデータ市場の独占を容認しながら、さらに、産業界の要求に応え、新技術を生産性向上追求の道具にしようとしているからです。新技術は、人類社会の進歩と福祉の向上にこそ役立てるべきです。 第二は、日本版サンドボックスが、国民の安全、安心、命をも脅かすものだからです。我が国の制度には、事業分野の限定がありません。私は、世界じゅうで事故、事件を多発させているウーバーを例に、ライドシェア問題を取り上げました。これまでグレーゾーン解消制度で業法に穴があけられた上に、本制度で規制を凍結すれば、白タク解禁につながりかねません。国民が日々の暮らしを営む現実社会を実験場にするもので、断じて容認できません。 第三は、国等が保有する個人情報を含むデータの民間事業者への提供が重大な人権侵害の危険をはらんでいるからです。フェイスブックの個人データ不正流出事件に対し、アメリカでさえ規制強化の動きが強まっています。EUでは、来月、一般データ保護規則が施行されます。個人情報を含むビッグデータを収集、転用して巨額の利益を生むビジネスを優先し、国民の個人情報を犠牲にするやり方は、かえって産業の健全な発展を妨げるものです。 さらに、生産性革命の両輪として、フリーランスや請負などの、雇用によらない働き方を推奨していることも重大です。労働者保護の対象外で、不安定、無権利な働き方を強いることはやめるべきです。 最後に、安倍政権の国政私物化と強権政治による隠蔽、改ざん、捏造、圧力が、行政への信頼と民主主義の土台を根底から壊しています。このような政権に国民の暮らしや経済を委ねることはできません。 このことを強く指摘し、反対討論とします。
○稲津委員長 これにて討論は終局いたしました。 ―――――――――――――
○稲津委員長 これより採決に入ります。 まず、内閣提出、生産性向上特別措置法案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○稲津委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 ―――――――――――――
○稲津委員長 ただいま議決いたしました法律案に対し、城内実君外五名から、自由民主党、立憲民主党・市民クラブ、希望の党・無所属クラブ、公明党、無所属の会及び日本維新の会の六派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 提出者から趣旨の説明を求めます。山崎誠君。
○山崎委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提案者を代表し、その趣旨を御説明申し上げます。 まず、案文を朗読いたします。 生産性向上特別措置法案に対する附帯決議(案) 政府は、本法施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。 一 日本が直面する激変する技術環境、成長分野への事業展開が必ずしもうまくいっていない日本産業の現状に鑑み、本法の積極的な運用に加えて、国を挙げての最先端のデータ利活用ビジネスをリードする人材の育成、発掘、より柔軟で自由度の高い事業環境構築に努めること。 二 「規制のサンドボックス」制度については、新技術等の迅速な実証実施と、得られたデータの活用により新技術等を用いた事業活動を促進するとの本法の趣旨に鑑み、その運用に当たっては、新事業特例制度やグレーゾーン解消制度など既存の制度との連携を図り、全国一律の規制改革につなげるよう努めること。また、新技術等の実用化に向けて、関係大臣が連携して事業者を支援する仕組みを早期に構築すること。なお、「規制のサンドボックス」制度において、実証を実施する事業者に対し、関係者等の安全性を確保するとともに、人の生命等に危害を加えないことが担保される中で、実証が適切に実施されるよう管理監督を行うよう指導すること。 三 新事業特例制度やグレーゾーン解消制度など既存の制度のこれまでの実績を踏まえて、「規制のサンドボックス」制度の幅広い事業者の活用促進を図るため、制度の周知徹底に努めるとともに、国内だけでなく海外の事業者の革新的な技術やビジネスモデルの実証実験を誘致するため、外国での広報活動にも積極的に取り組むこと。また、革新的な技術等のアイデアを有するが資金調達等の不足により実証が困難な事業者の支援にも積極的に取り組むこと。 四 データの収集・活用等を行う事業者が講ずべき情報セキュリティ対策等については、セキュリティ技術の多様化、国際化を踏まえ、政府において適宜必要な検討を行うとともに、人材の確保・育成等に対する支援の充実に努めること。また、データ利用の裾野が広がるように、データセキュリティの確保を前提にしつつデータのアクセスの利便性向上、個人の事業者、研究者等を含めた多様なユーザーへのデータアクセスを確保すること。 五 協調領域におけるデータの共有を行う事業者について、本法廃止後も継続して、国の機関等の保有するデータの提供を求めることができるよう必要な対応を検討することとし、事業者及びデータ利活用者の予見可能性を高めるよう配慮すること。 六 「規制のサンドボックス」制度等に係る評価を行う革新的事業活動評価委員会の委員について、構成、任命理由等を明らかにし、その適格性及び公平性を担保すること。また、委員会での決定過程について、議事録等を作成し公表する等、その透明性を確保すること。更には、中立的な機関として、公平公正な制度であるとの国民の理解を得られるよう努めること。 七 市町村が策定する導入促進基本計画については、施行に向けた規定の整備等を早期に進めるとともに、より多くの中小企業者の設備投資を支援できるよう、自治体に対する説明会の開催等により周知徹底を図り、地域における中小企業者の生産性向上を後押しするものとすること。また、国は市町村の作成する導入促進基本計画が、地域の企業が地域の枠を超えた世界の市場を見据えた事業展開、事業連携を可能とする等、多様な事業展開の可能性を担保するものになるように市町村を支援すること。 八 申請手続き事務が、厳しい経営環境にある中小企業者にとって大きな負担となっていることに鑑み、先端設備等導入計画の認定を受けた市町村と、固定資産税特例措置の申請先である市町村が同一であるため、その添付書類等を省略化するなど、手続きの簡素合理化を図ること。また、認定の予見可能性を高めるため、市町村による認定判断にあたっての客観的基準等を定めたガイドラインを作成すること。さらに、中小企業の設備投資に係る特例措置の活用促進を図るため、設備導入による雇用増が、労働生産性評価の際に不利にならないよう配慮すること。 九 中小企業者による先端設備等導入及びIT投資を促進するため、人材の確保・育成への支援に努めること。また、中小企業者によるサイバーセキュリティ対策等への支援に努めること。 以上であります。 附帯決議案の内容につきましては、審査の経過及び案文によって御理解いただけるものと存じますので、詳細な説明は省略させていただきます。 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○稲津委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 採決いたします。 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○稲津委員長 起立多数。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。 ―――――――――――――
○稲津委員長 次に、内閣提出、産業競争力強化法等の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○稲津委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 ―――――――――――――
○稲津委員長 ただいま議決いたしました法律案に対し、城内実君外五名から、自由民主党、立憲民主党・市民クラブ、希望の党・無所属クラブ、公明党、無所属の会及び日本維新の会の六派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 提出者から趣旨の説明を求めます。山崎誠君。
○山崎委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提案者を代表し、その趣旨を御説明申し上げます。 まず、案文を朗読いたします。 産業競争力強化法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、本法施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。 一 産業競争力の強化は、民間の自発的な取組によって行われるべきものであり、民間の活力を最大限支援するための環境整備を行うこと。また、企業収益の改善が雇用増大、賃金上昇及び消費拡大につながる好循環を安定的に生み出していくために、成長戦略を着実に実行するとともに、不断の見直しを行うこと。 二 株式会社産業革新投資機構については、ガバナンスを適切に機能させて支援対象の審査を継続的かつ厳格に実施し、モニタリング体制の強化について不断の見直しを行うこと。あわせて、出資先に対するハンズオン支援の強化により企業価値の向上に努め、国富の増大に結び付けるとともに、優秀な民間の目利き人材や投資プロフェッショナルの十分な確保及びその積極的活用を図り、オープンイノベーションの促進に向けて民間リスクマネーを誘発するべく適切な運営を行うこと。また、ベンチャー企業への支援については、投資決定の迅速化を図り、円滑な資金供給に努めるとともに、出資の保全・回収が確保されるよう努めること。 三 株式会社産業革新投資機構が、いわゆる他の官民ファンドである特定政府出資会社の株式を譲り受けるに際しては、整理統合によるコスト削減等の合理化に努めるとともに、当該官民ファンドが本来持つ政策課題の実現を図るべく投資案件の選定が適切に行われていることを検証し、適切な成果目標を定めた上で、積極的な情報開示により投資実績の透明性向上に努めること。 四 国際競争が激化するとともに、人口減少に伴い国内市場の縮小が進む中では、国内外の事業再編による新陳代謝を幅広く進め、産業競争力の強化を図ることが重要であることに鑑み、必要な支援措置を適切に実施し、事業再編の円滑化に向けて総合的な支援を行うこと。 五 事業再編計画及び特別事業再編計画について、計画に伴う失業の予防、労働条件の確保等雇用の安定に万全を期するため、計画の作成に当たり、事業者が労働組合等と協議により十分に話し合いを行い、また、計画の実施に際して、事業者が雇用の安定等に十分な配慮を行うことを確保することにより、労働者の雇用の安定に最大限の考慮を払いつつ当該計画が実施されるよう、厳に適切な運用を行うこと。 六 創業支援について、従前の施策が必ずしも十分な成果を上げられなかったことに対する検証を行い、大企業と比べて十分な経営基盤を構築することができないベンチャー企業がその成長過程に応じた支援を受けられるよう、資金、経営ノウハウ、人材確保等、多方面に亘る支援の仕組みを構築し、多様な主体が有機的に連携して好循環を生み出すベンチャー・エコシステムの形成に努めること。 七 国立大学法人等における研究活動の活性化と研究成果の活用の促進を図るため、大学の研究成果であるイノベーションや技術シーズを効果的に事業活動につなげていくこれまでの実態を踏まえつつ、資金供給の拡充に加え、経営や営業面での資質を有する経営人材の確保及びそれらを補う存在としての外部ネットワークの活用も含めた総合的な支援体制の整備に継続的に取り組むこと。また、当該大学のみならず他大学や企業との連携を積極的に図ることにより、オープンイノベーションの促進に努めること。 八 中小企業の経営課題が複雑化する中、認定経営革新等支援機関及び認定情報処理支援機関が、中小企業に対する経営支援を強化し、支援の質の向上を図ることができるよう、支援機関相互の情報交換や協力体制強化を促進するとともに、中小企業の生産性の向上につながるよう、支援機関に対する人的・資金的支援の拡充に努めること。 九 事業承継については、経営者の高齢化が進む中で喫緊の課題であることに鑑み、事業承継五ヶ年計画を前倒しで実施するなど、総合的な取組を加速化させるとともに、円満な廃業に向けた環境整備を行うこと。 以上であります。 附帯決議案の内容につきましては、審査の経過及び案文によって御理解いただけるものと存じますので、詳細な説明は省略させていただきます。 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○稲津委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 採決いたします。 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○稲津委員長 起立多数。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。 この際、両附帯決議について、世耕経済産業大臣から発言を求められておりますので、これを許します。世耕経済産業大臣。
○世耕国務大臣 ただいま御決議のありました両法案の附帯決議につきましては、その趣旨を尊重してまいりたいと考えております。 ―――――――――――――
○稲津委員長 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました両法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○稲津委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ――――――――――――― 〔報告書は附録に掲載〕 ―――――――――――――
○稲津委員長 次回は、来る十八日水曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後三時散会