経済産業委員会 第7号
- 発言数
- 322 件
- 登壇者
- 31 名
- 会派数
- 8
- 開催日
- 2018/04/11
会議録
○稲津委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、生産性向上特別措置法案及び産業競争力強化法等の一部を改正する法律案の両案を議題といたします。 この際、お諮りいたします。 両案審査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣参事官彦谷直克君、内閣官房情報通信技術(IT)総合戦略室次長矢作友良君、内閣官房日本経済再生総合事務局次長宇野雅夫君、内閣府大臣官房審議官林幸宏君、公正取引委員会事務総局経済取引局長菅久修一君、経済産業省大臣官房商務・サービス審議官藤木俊光君、経済産業省大臣官房原子力事故災害対処審議官星野岳穂君、経済産業省大臣官房審議官中石斉孝君、経済産業省大臣官房審議官前田泰宏君、経済産業省大臣官房審議官吉田博史君、経済産業省経済産業政策局長糟谷敏秀君、経済産業省製造産業局長多田明弘君、経済産業省商務情報政策局長寺澤達也君、経済産業省商務情報政策局商務情報政策統括調整官吉本豊君、資源エネルギー庁長官官房資源エネルギー政策統括調整官小澤典明君、資源エネルギー庁電力・ガス事業部長村瀬佳史君、中小企業庁長官安藤久佳君、中小企業庁次長吉野恭司君、中小企業庁事業環境部長吾郷進平君、中小企業庁経営支援部長高島竜祐君及び国土交通省大臣官房審議官早川治君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○稲津委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ―――――――――――――
○稲津委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。山崎誠君。
○山崎委員 おはようございます。立憲民主党・市民クラブの山崎誠でございます。 質問のお時間をいただきまして、ありがとうございます。 昨日も、本案に関しましては参考人の皆様から貴重な御意見をたくさんいただきました。今回のこの法案の意味あるいは重要性というものを再認識させていただいたところでございます。 そういう前提で、ただ、この今議論しようとしている法案で、きょうは、私は、十分なのかどうか、その前提条件をいろいろとお聞きをしてまいりたいと思っております。 時間を五十分いただきましたので、少しゆっくりと、時間をかけて議論をさせていただきます。 本題に入る前に、どうしてもこれは、緊急事態でございまして、大臣がせっかくいらっしゃいますので、お聞きしたいことがございます。東京電力福島第一原発事故被害者の皆さんの集団訴訟についてでございます。 去る三月の二十七日に実は集会がございました。このたび、さまざまこの訴訟が今提起をされていまして、次から次へと原告勝訴、被害者の皆様の勝訴の判決が続いています。そういったことを受けて、経産省に申入れをしたいということで集会を開かれて、私のところにも御相談に上がられました。なんですが、経産省の皆さんの対応は大変冷たい。結局、申入れ書を受け取っていただけなかったということでございます。 この集団訴訟においては、国の責任を、地裁ではございますが、認める判決が続いています。 例えば、判決では、国と東電は二〇〇二年中には東日本大震災の巨大津波と同程度の津波を予見する義務があった。東京電力には、遅くとも二〇〇六年末までには津波対策を始めるべきだったが、具体的な対策には着手しなかった。国についても、安全対策を講じるよう東京電力に命じる義務があった。こんなことが判決の中でうたわれています。 また、いわゆる自主避難者と言われている区域外から避難されている方々についても、健康被害の危険から逃れるため避難するかどうかという選択を迫られること自体が居住の自由を侵害する、行政の指示によらず、被曝リスクを考えて避難したとしても、社会通念上相当な場合はある。そのような判決が下されています。 大臣にこうした訴訟のコメントを聞きたいんですが、係争中であるということでコメントは控えさせていただくという答弁が返ってくるのはわかっておりますので、もう少しちょっと突っ込んでお話を聞きたいんです。 三十ぐらいこういう裁判が起きていて、提起されていて、地裁レベルでこれが今審理をされる。そして、国も控訴をする。次、高裁、最高裁、そういうプロセスを踏んでいくのかな、ほっておくとそういうことになると思います。私は、このこと自体が、被災者の生活再建をおくらせる許されざる行為だと考えます。許せない行為だと思います。 さまざまな関係部署が絡むとは思いますが、経産省として、こういう事態、あるいはこの裁判に対する考え方、お聞きできればと思います。
○世耕国務大臣 予想どおりの答えになって申しわけないんですけれども、お尋ねの一連の国賠訴訟に関しては、国に責任はないとする判決もあるわけでありますが、一方で、国の責任を一部認める判決も多くあると認識をしておりますが、いずれにせよ、係争中の事案に関する内容でありますため、コメントは控えさせていただきたいと思います。 関係省庁とも協議の上、国として、今後適切に対応してまいりたいと思います。
○山崎委員 私は、裁判について今お聞きしたのではなくて、こういうプロセスです。訴訟というプロセスに今入ってしまっている。一方では、いろいろな議論をして、例えば意見を聞き、そして対応するというのが行政の役目だと思うんですが、そういうことができていないのではないか。その点についてもう一度お尋ねします。訴訟については触れなくてもいいです。 ただ、このままでいくと、訴訟だから何もしない、何も議論ができない、申入れも受け入れない、そういうことが続いていったら、裁判は何年かかるかわかりません。被害者の皆さんはもう限界です。そういう事態について、どうお考えですか。
○世耕国務大臣 福島第一原発の事故に関する事故処理ですとかあるいは賠償の対応については、事故の当事者である東電が最後まで責任を持って行うという大原則があるわけであります。その大原則のもと、国も、原子力災害からの復興について前面に立ってその役割を果たしていくという立場に立って対応しているところでございます。
○山崎委員 言葉ではそうやってきれいなことを並べられるんですけれども、現場はもう大変ですよ。特に今、自主避難者の皆さんというのは、生活の場がない、住まいがない、奪われるということで大変苦しんでいます。 先日、福島県から今自主避難で入っている方々に通知が来た。家賃を一方的に上げると言われています。一万円ぐらい上がる、あるいはことしの八月から家賃が倍になると。それで、来年の三月三十一日には絶対出ていきなさいねと追い出しがかかっています。 被害者なんですよ。次の住まいが本当にどうしていいかわからない。全く手当てがつかない、経済的にも大変厳しい困窮状態です。こういう事態について国としてどういう手当てをするかというのは、私は、人権問題としてきちっとやるべきだと思います。きれいごとでは済まされません。 今回、三月二十七日の日に経産省にどうか申入れをしたいということでお問合せがありまして、経産省の皆さんにもどうかこの申入れ書の受取をお願いしたんですけれども、代表しか入れないとか、あるいは、回答は求めないとかマスコミは入れないというようなことを言われ、結局、本当に各少数の代表者しか会えないみたいなお話になって、やはり代表だけでは十分に意見を伝えられないということで、その条件をのめなかったということで、受入れを拒否されました、結果的に。 資料の五が申入れ書で、六を見ていただきたいんですが、写真がございます。これは、三月の二十七日の経産省前の写真でございまして、要するに、申入れ拒否をした、その後、それでもみんなで行こうということで準備をしていたときに、この状態だったということなんですよ。わかりますか。普通の日の、平日の昼間ですよ。カラーコーンを立てて、バリケードをして、警備員を立たせて。 私は、こういう対応自体が本当に、原告が勝訴が続いている、被害者の皆さんが意見を言いたいという対応として大変不適切であり、この対応が被災者の皆様を本当に深く傷つけていると思います。ぜひ御認識をお伺いしたいんです。 担当者にお聞きをすると、法務省が何とかかんとかと言うんです。法務省が係争中には会ってはいけないとかなんとか言うのかもしれませんが、実際に、ほかの公害の被害者の裁判、薬害の裁判、あるいは建設アスベストの交渉、こういったものではしっかりと、係争中であっても原告の皆様を受け入れて、御意見を聞いて、交渉、意見を聞く場を持っているんですよ。何で経産省はこの問題についてそうやって逃げるんですか。対応をとらないんですか。
○世耕国務大臣 経産省は、基本的に、こういう申入れをしたいというような御要望をいただいたときは、それは基本的に前向きに対応させていただいている。 ただ、その受け方については、やはりそれぞれすり合わせはしっかりさせていただきたい、ケース・バイ・ケースで判断をさせていただくということになるわけであります。全員とお会いするというのは、なかなか現実的には困難であるわけであります。 今回の事案については、原告団から、今御指摘のように、三月二十七日に約四十名で経産省本館に行くので庁舎の入り口で申入れ書を受け取るようにという通告をいただいたところであります。 省内で対応について検討を行った結果、入り口ということでありますので、一般来訪者への影響などを考慮して、ぜひ、代表者の方々にある程度人数を絞っていただいて、部屋の中で場所をとって申入れ書の受渡しをさせていただきたいということを御提案をしたわけですが、それは受け入れていただけなかったということであります。それでも、もうそのまま現場に来られるということであったので、この辺は一般の方も通行されるゾーンでもありますので、混乱を避けるため入り口を封鎖させていただいたと報告を受けております。 申入れ書については、後日郵送していただいたものをしっかりと受領させていただいているところであります。
○山崎委員 例えば、じゃ、国会に来て国会の会議室をお借りしてやりたいとか、いろいろ御提案しました。ですが、結局、条件はそういう条件しか出てこなかったんですよ。 本当に、私は、心がないんじゃないかな、対応として不適切だと思いますので、ぜひ私は善処をお願いしたいと思います。四十人、いいじゃないですか、受け入れれば。会議室でも通していただければいいじゃないですか。大きな会議室、ありますよね。入り口がだめなら会議室に通せばいいじゃないですか。入り口でもいいからという話ですよ。 そういうところをやはり大臣としてちゃんと指導していただいて、勝訴が続いているんですよ。ほっておく理由はないと思います。国の責任を一部ではあれ認めている判決が次々に出ているんです。よろしく御対応のほど、お願いをいたします。 申入れ書につきましては、読もうかと思いましたけれども、お手元にあって熟読されているということを信じまして、御紹介は割愛しますが、ぜひ対応のほど、よろしくお願いを申し上げます。 それでは、本題に入りまして、今回、質疑の対象になっています生産性向上特別措置法案(生産性革命法)及び産業競争力強化法等の一部を改正する法律案についてのお話をさせていただきます。 先ほども予告しました。私は、まず前提として、今の経済情勢、どうなっているんだ、そして、今までの政策とこれからの政策はどういうふうに違うんだ、どういう展開が必要なのかということをお聞きをしたいと思っています。 まず、アベノミクスの成果というか、今現状どうなっているかというのを確認をしたいと思っています。時間もあるのでアベノミクスをいろいろ説明しようと思ったんですが、それは置いておきまして。 かなりマクロの数字ではいい数字が出ている、企業業績も上がっている、過去最高益だというようなことをいつもお話をされて、私は、そういう成果については一定評価をさせていただきます。 ただ、私は、一番今問題で喫緊の課題は、多分これは経産大臣とも共有していると思いますけれども、当初の三本の矢ですよね、その成長戦略です。民間投資を喚起する成長戦略というものを、この第一の矢、第二の矢の効果がきいている間に積極果敢に展開をして、次のステージにきちっと日本の企業、産業界が進んでいかなきゃいけないというのが一番大事なポイントではないか、そこから持続可能な日本社会のベースが、経済のベース、産業のベースができるというふうに認識をしておりますが、御見解はいかがですか。
○世耕国務大臣 まさに御指摘のとおりだというふうに思います。 金融政策、財政政策に加えて、やはりしっかりとした成長戦略を打ち出していくということが重要であります。これまでもいろいろ打ち出してきているわけでありますけれども、引き続き、企業が成長できるようにいろいろな取組を続けていく必要があるというふうに思っております。
○山崎委員 ただ、今、日本企業の状況を示す数字というのはいろいろなものが出てきていると思うんですよ。残念ながら、やはり大変厳しい情報が多いですよね。 幾つか私きょうは拾ってきたんですけれども、一つは、これは去年の日経新聞の六月の記事。ちょっと古くなりますが、二〇一六年の世界の主要商品・サービスシェア調査という、五十七品目のうち、日本の占めるシェアはどうかというのがございました。資料一番でございます。 これを見ると、五十七品目中、日本勢が首位だったのが十一品目でありまして、その数字はどうかということなんですが、ただ、成長率が五%以上ある成長市場に限ると、首位は五品目にとどまっていますということなんですね。このお配りした表は、成長市場ベストファイブに当たる市場での日本の地位、縮小市場における日本の地位ということですよね。 見ていただくとわかるとおり、例えば、一番成長しているネット広告とかあるいは監視カメラ、こういった領域ではもう日本の影はありません。太陽電池も同じ。リチウムイオン電池向けセパレーターというのはかなりニッチなところだと思いますけれども、旭化成が出てくるような状況。 片や、縮小市場。残念ながら、これは、一番右の成長率を見ていただくと、みんなマイナスの市場です。レンズ交換式カメラとかデジタルカメラ、こういったところで日本企業が出てきます。それも、キヤノン、ニコンといった、やはり日本にとっては大変重要な主要企業でございます。こういう現状というのがある。 明らかにやはり成長戦略としてはある意味乗りおくれてしまっている、そういう状況ではないかなという認識でございます。三本の矢が本当に飛んでいるのであれば、成長市場のところに日本企業の名前がもっと入ってきてもいいのではないかというのが私の認識の一つです。 それから、もう一つの図、図の二です。 これは、実は私が初めて見たのが、この間の四月の九日、日本原子力産業協会主催の第五十一回原産年次大会というのに出ていまして、そこで、資源エネルギー庁の原子力政策課長、松野課長がパネリストで登壇されてこの資料を出されました。日本のエネルギー技術自給率。 見ていただいて、これは、低炭素化技術というところに太陽光パネル、風力発電機、それから高効率火力というのが並んでいます。太陽光パネルに日本の影はありません。風力発電にも日本の影はありません。ガスタービンについては、何とか三菱日立パワーシステムズが入っているという状況。日本がシェアをとっているのはどこだというと、水素ですね。トヨタ、ホンダ。それから、蓄電池でパナソニック。原子力は、アレバ、三菱重工、それからGE、日立ですよね。 この資料を出して松野課長は何が主張したかったかというと、こう言ったんですよ。技術は一たび手放すともう取り戻すことができません、そういうものなので、原発の技術を手放しては絶対だめなんだという主張でこの表を使いました。 ということは、太陽光発電や風力発電というのはやはりこれから伸びていく、まだまだいろいろな改良の余地だとか技術的にも進歩の余地があるところで日本の技術はもう終わっている、そういうことを言っていると私にはとれてびっくりしました。 原発の技術は大事なんだ、日本がシェアをとっているこの原発の技術を何とか絶やさないようにしなきゃいけない、それは私は原発ゼロなので許せませんが、百歩譲ってそういう議論があるにしても、裏を返せば、これから一番大事になっていくところの技術を失っている。水素がどこまで伸びるかわかりません。水素はもしかしたら、私もこれは懐疑的ではありますが、もしかしたら伸びるかもしれない。でも、太陽光パネルとか風力で技術を完全に失っている。これからキャッチアップするんだという考え方はあるかもしれない。でも、経産省の松野課長に言わせれば、技術は一回手放してシェアから漏れたらキャッチアップは大変厳しい、そういう現実を示されています。 私は、アベノミクスが五年少々たって、日本の経済の状況というのは、この二つの事例からわかるように、今大変厳しい岐路に立たされていると思います。経産大臣の御認識をお聞かせください。
○世耕国務大臣 まず、資料一でお示しいただいた現状、これは大変厳しいものだと思います。 要因を話し出すともう切りがないぐらい、いろいろな要因があると思っていますが、特にアメリカを中心に、巨額な資金があるマーケット、あるいは、この二十年間やはりデフレにずっと、デフレ経験をしてきて企業の経営者のマインドが凍りついているようなこととか、いろいろな要因、日本の企業文化の問題もあるかもしれません。 ただ、やはりこの絵を見ると、結構入れかわりは激しいんですね。つい数年前までは大型液晶パネルというのが花形だったわけですけれども、今度は縮小するマーケットになってきている。逆に、これを見ると、例えばデジタルカメラなんかのソニーの技術は、今後、自動運転のセンサーとか、そういったところでまだマーケットとして伸びていく可能性があるということで、これを、ともかく成長市場のところでこの地図を塗りかえていく努力をしていくということが非常に重要だと思っていまして、今御審議をいただいている二法案も、まさに企業の経営者の背中を押す。アベノミクスの効果もあって企業の中にキャッシュは大分積もってきていますから、これをしっかり投資、研究開発に回してもらって、こういった新しい分野で日本がしっかりとシェアをとっていくということが極めて重要だと思っています。 また、資料二でお示しいただいているこの資料は、実は、二〇五〇年に向けて今有識者で御議論いただいているエネルギー情勢懇談会で使われた資料であります。これは決して、太陽光、風力は日本企業はもはや劣勢なのでもう諦めちゃって今後は全部原発にシフトするんだということを示したわけではありません。 これは一応、現状として、中国企業の台頭などによって太陽光、風力発電機など低炭素技術が日本企業のシェアが低い、これも事実であります。一方で、水素、蓄電池、原子力といった脱炭素化技術については日本企業に潜在力が残されているというファクトを示したところであります。 このエネルギー情勢懇談会では、再エネ、原子力を含むあらゆる選択肢の可能性を追求していくということにして、再エネについては、経済的に自立して脱炭素化した主力電源化に向けて技術革新に正面から取り組むという議論が行われているところであります。 私は、日本というのはやはりエネルギー自給率は本質的に低いわけでありますから、再生可能エネルギーも含めて、あらゆる技術の可能性はしっかり押さえておかなければいけないという考えに立っています。そういう意味では、原子力の技術も非常に重要であります。今アメリカで起こっていること、あるいはイギリスも日本に頼まないと新規原発がなかなか建てられないという現状。一度技術を失ったらそういうことになるということを痛感をしております。 そういう意味では、太陽光、風力だって日本もいい技術があって、例えば、私が今ロシアとやっている経済協力では、寒冷地でもしっかり動く風力発電ということで日本の技術にも期待は寄せられているわけでありますから、再生可能エネルギーも原子力も、あるいはその他のエネルギーについても、しっかり技術を国内で持っておくということが日本のエネルギー戦略上非常に重要だというふうに考えております。
○山崎委員 エネルギーの話を始めますと全部終わってしまうので、私もあえて踏み込みませんが、ただ、文脈的に、松野課長がお話しになった文脈というのは大変やはり意味が深いというか、私は重要だと思っています。 なぜ太陽光パネルはこんな状態になったか、風力発電がこんな状態になったか。やはり日本市場の進展がとまってしまった、そういうことが一つの大きな要因だと言われています。そういう歴史的な背景もあって、あそこでもしエンジンがかかっていたら、日本の本当にいい技術がたくさんあったのが、次、こんなことにはなっていなくて、きちっと伸びていたかもしれない。 それから、例えば、一の資料を見ていただいて、今、私は世耕さんに教えられました、デジタルカメラのカメラの技術が自動運転に生きていると。見てくださいよ、監視カメラ。何で日本はとれないんですか。パナソニックは何とか入っているけれども。監視カメラなんか、まさにそういったハードの、カメラの技術を使うところじゃないですか。だから、こういうことだと思うんです。 私の認識はやはり大変厳しくて、いわゆるアベノミクスの第三の矢がきちっと飛んでいなくて成長がうまくできていないということなんだろうなと思います。 そういう意味で、今回の法案というのはある一定の意味はあるのかなとは思っていますが、もう一つ大きな流れとしてお話をしたいのが、次のテーマで、いわゆるシンギュラリティーというお話でございます。 非常に新しい言葉であるかもしれません。はやり言葉なのかもしれませんけれども、シンギュラリティー。物の本を読みました。アメリカの未来学者レイ・カーツワイルが、テクノロジーの進化、このスピードについて予言をしました。テクノロジーの進化が、スピードが無限大になる、それが二〇四五年に起こるということで、このシンギュラリティー、そのポイント、技術的な特異点とも呼ばれています。 グラフを見ていただきますと、三のグラフですね。よく売れている本だと思います。「シンギュラリティ・ビジネス AI時代に勝ち残る企業と人の条件」ということで、図表一、「エクスポネンシャル(指数関数的)な進化」ということですね。いわゆる倍々ゲームというものですね。この倍々ゲームの進歩は技術で今起こっていて、その進歩をグラフにするとこういう状況になっているという話ですね。 今までの直線的な進化、いわゆる比例で生産性などを言うときに、例えば、一人で働くよりも二人で働いた方が生産力が倍になって生産量が倍になるみたいな、まあ、そんな単純ではありませんけれども、そういう比例の世界から、今起こっているのは指数関数的な倍々ゲームの世界なんだと。よく言われているのが、ムーアの法則というのがあって、要するに、パソコンの能力、集積の度合いは十八カ月をタームで倍になる、倍になる、倍になる。それが続いてきて今のような状況になっているということでございます。 この指数関数的にいくと、スピードが無限大になるという、ちょっと想像できませんが、理解としては、大変大きな変化がどんと起こる、短期間に起こるということであると思います。これはSFの世界ではなくて、実はもう多くの企業だとか経営者、あるいは世界のリーダーが、いろいろな研究を積んで、こういう世界にどう対応しようか、こういう世界でどうビジネスチャンスを得ようかということを、今、知恵を振り絞っているところという認識でおります。 こういう世界をどう日本としても取り込んで、力にしていくということが非常に重要だと考えます。日本でも、あの有名な孫正義さんは、このシンギュラリティーの世界を見たいということで引退を先延ばししたという話も有名です。 もう一つ、こういうシンギュラリティーの世界を想定して企業のことを見ていくと、次の資料四ですが、シンギュラリティ大学というところが書いている本ですね。「シンギュラリティ大学が教える飛躍する方法 ビジネスを指数関数的に急成長させる」という本の中に書いてありましたものを抜きました。飛躍型企業ということですね。 ちょっと定義を読みますと、「加速度的に進化する技術に基づく新しい組織運営の方法を駆使し、競合他社と比べて非常に大きい(少なくとも十倍以上の)価値や影響を生み出せる企業。」こういうものが、このシンギュラリティーを背景にした世界の飛躍型の企業ですと言っています。加速度的に伸びていく技術をきちっと取り込んで、それを生かす新しい組織の運営の方法を駆使して、競合他社と比べて非常に大きな、それも、何%勝ったとか何割勝ったではなくて、十倍とか二十倍とか、そういう価値や影響を生み出していくところが飛躍型の企業なんだという定義がされています。 表の二の一には、そうやって大きなパフォーマンスを上げている企業の名前、中には有名なところも出てきますが、どれも何十倍、百倍、あるいは千分の一、十倍、三十倍、そういう成果を上げている。これがシンギュラリティーの時代をベースにした企業の発展のあり方だということでございました。 それで、私も、日本でもこうした企業がやはりどんどん出てきてほしいし、出てこなければいけないんではないかなと思っています。 ただ、全ての企業が短期的にこういう成長を遂げるとか、こういうアイデアで爆発的な企業業績を上げるということは難しいかもしれませんが、少なくとも、このシンギュラリティーの特異点というのは二〇四五年と言われていまして、もうそのころには人間の頭脳を超える世界、AIの世界が訪れるということでございます。 やはりそういったものを前提にした戦略、あるいはさまざまな政策を今急いで展開しなければいけないと思っています。それが、この今の御提案の法案でできるかどうか、十分かどうかというのが私は大事なポイントではないかと思っています。 ちょっと抽象的な話になったので、私、一つぜひ御紹介したい。本当は企業経営者の皆さんに会ってから質問したかったんですけれども、時間がなくて会えませんでした。ただ、御紹介したいのが、Knotという時計メーカーなんですよ。Knotというんですね。 ネットで、初めは通販だと思うんですけれども、ネットからスタートした時計のメーカー。それで、国産にこだわっていまして、メード・イン・ジャパンというふうにうたって、もう残念ながら海外に出ていってしまって時計自体をつくる職人、エンジニアの方々が減っていく中で、そういう技術を持っている国内の恐らく工場をきちっとつないで、国産のいい時計をつくりますと。それで、いろいろな中間マージンを省いて、大変安く高性能な時計を販売する。そこまではまず一つあるんですね。 それで、その後なんです。この時計は、私すごいなと思うのは、このいわゆるバンドの部分なんですけれども、これは、私、今Knotの時計をしているんですけれども、このバンドの部分は、さまざまな日本の織物だとか革の加工だとか、そういったものを駆使しまして、組合せが、時計本体とバンドの組合せを掛け算していくと、七千通りとか八千通りとかできるんですよ。バンドの交換がもうとてもすばらしく簡単にできて、着せかえるようにいろいろなことができるんですね。 要するに、日本の伝統工芸の織物、例えば、タケヤリ帆布というんですか、帆に使うような厚い布とか、高田織物の畳の縁の織物を使ったストラップとか、甲州槙田のジャガード織り、これは傘なんかの生地に使うようなものを使うとか、組みひもを使うとか、そういったものをデザインして提供していて、大変すばらしい。おもしろいです。 それで、ホームページにはこのように書いてあるんです。 ジャパン・クオリティで、日本と世界をむすぶ。 お気に入りの時計を選ぶのに、二時間近くも悩みながら、「超楽しい」とにっこり笑って、買ってくれたお客さまがいる。吉祥寺のお店まで、わざわざシンガポールから買いに来てくれたお客さまがいる。 私も青山のお店へ行ったんですけれども、もういっぱいです、中国人、韓国人の方。これはネットでしか広告は出ていないんですよ。 それで、 これって本当にすごいこと。何よりもうれしいこと。お客さまが何を求めているか、どうすれば喜んでもらえるかを一番に考えて、Knotはメーカーズブランドとして、いつも「もの」と「こと」を考えているから。世界中のお客さまから愛される存在になりたいから、常に新しい体験ができるブランドでありたいと思っています。高品質な時計を、リーズナブルな価格で手に入れられる。カスタムオーダーで、時計選びを楽しいものにする。地方にある素晴らしい素材や技術とコラボレーションして、日本の魅力を世界へ伝える。お客さまの笑顔が見たいから。本当に価値のあるものだけを、一つ一つカタチにしていきたい。ひとりひとりのライフスタイルに思いを巡らせながら。 こういうキャッチフレーズ。 別に私はこのメーカーの宣伝をしたいわけではないんです。こうやって、メーカーが、日本にある技術を一つ核にして、伝統工芸ですよね、そういった織物の技術とか革の技術とかそういうものを組み合わせて市場化することによって、本当に今ブレークをしていて、八十年ぶりの時計メーカーの誕生だと言われております。 私は、例えばシンギュラリティーの世界とかいろいろなことを考えていくときに、こういうビジネスモデルみたいなことがあるのではないかなというふうに思っていまして、全くのそういう時計には素人の方々が立ち上げた会社だと思うんですが、アイデアとネットの力、あるいはそういう商品のデザイン力、そういうもので新しい時計という、斜陽産業と言われている時計の世界を大変革したという事例でございました。 ちょっと話が長くなりましたけれども、こういったシンギュラリティー、大きな変化の時代にあって、日本の企業もさまざまなアイデアを組み合わせて展開をしなきゃいけない、こういう世界観、産業、経済の課題について、どうお考えですか。
○世耕国務大臣 今、Knotという話を、私はかなり新しいもの好きだし物欲の塊なんですけれども、全然知らなかったので、今見せていただいて、なかなかすてきで、後で値段を教えていただければと思いますけれども。 まさに、シンギュラリティーとか人工知能の世界というのは、バーチャルデータをばあっと動かして新たなビジネスを生み出していくという世界なわけですけれども、人が生活をしていくとか幸せを感じるというところには、最後はやはり物をつくるということが強く関係してくるんだろう。そこの、ものづくりの分野においては、日本は非常に強いわけであります。 人工知能といったって、幾ら考えて囲碁をやっていたってしようがないわけで、最終的には物を動かしていかなければいけない、サービスにしていかなければいけない。そういうところで日本の勝ち筋をどういうふうに考えていくか。また、人工知能と少し離れた世界でも、人が幸せを感じるようなサービスとか製品というのを生み出していくということは、非常に重要だと思っています。 今のお話のKnotという時計も、例えば、畳表がもう全然売れないというような状況の中で、そういう時計バンドという新たな付加価値を生み出していけば、これはまさに生産性が向上していくことにもつながっていくわけでありますから、そういった新たな取組というのは我々としては大歓迎したいと思いますし、後押しもしていきたいと考えています。
○山崎委員 ちょっと話を長くし過ぎたので、シンギュラリティーについてもうちょっとお聞きをしたかったんですが、後でまたお話しください。 今のお話でも、生産性という話は私はちょっと違うような気もしているんですね。まあ、いいです。 例えば、ある織物のいいバンドをつけるじゃないですか。そうしたら、私だったら、じゃ、このバンドと同じお財布が欲しいなとか、女性だったら、この織物と同じ生地を使ったかばんが欲しいなとかなるじゃないですか。私は、そういう波及効果というのはすごく大きいんじゃないかなと。それが本当に今、世界に展開しますからね、ネットで。 なので、私はこういうお話が大変貴重な例なのではないかなと思っています。何が大事かというと、核は一つあるんですけれども、あとはみんなアウトソースなわけですよ。それをうまく組み合わせて大きなビジネスモデルをつくって、それが日本の伝統の技術とか工芸品とか、そういったものとつながっていくというのはすばらしいんじゃないかなと思っています。それがスピードにもなるわけですよね。一からそういう技術をつくるんじゃなくて、あるものをうまく組み合わせて、それをつなぎ合わせるものが技術、データだというお話だと思うんですね。 急に言って申しわけないんですが、では、この生産性革命法案の中の、例えば中小企業の生産性向上のための設備投資の促進というプランがあるじゃないですか。これは、見ると、私はおかしいと思っております。市町村というのが導入促進基本計画を立てなさいとなっているんですよ。今私がお話ししたKnotのような事例は、この基本計画から出てきますか。
○世耕国務大臣 それはあり得ると思いますね。自治体が中心となって、地場産業を組み合わせてまさにそういう製品をつくるということは、十分あり得るんじゃないでしょうか。
○山崎委員 私はその言葉を聞きたかったんです。地場産業なんですよ。 地場産業の発想ではKnotはつくれません。わかりますか。時計をつくるのは例えば長野なのかもしれません。だけれども、このバンドをつくるのは京都にもあるし栃木にもあるし、どこにもあるんですよ。それが新しい価値を生み出しているんですよ。わかりますか。新しい魅力、価値を生み出しているんです。それで、この会社はメード・イン・ジャパンにこだわるから、日本じゅうのそういうものを探してきて、うまく組み合わせて一つの大きなブランドをつくっているんです。七千個、八千個ですよ、月に売れている。 だから、地場産業をベースにした発想からは、このKnotは生まれません、計画はつくれません。どうですか。
○世耕国務大臣 これは別に、自治体の計画に全部、そこに企業の経営のことを全部書いてあるわけではなくて、主人公はやはり企業なんですね。 私は、地場産業と申し上げたのは、別に自治体に完全に閉じてやってくれと、いや、閉じたケースもあると思いますよ、集積地をつくっていくとかいうケースもあると思いますけれども、まさにそれは、中小企業の経営者が前向きにいろいろ考えていく中で、じゃ、向こうの全然違う地域にある、今はもうネットで幾らでも情報もとれるわけですから、そういったものを組み合わせたビジネスを考えていく。あるいは、東京に立地する技術を持っている会社が中心となって、今御指摘の時計のように、全国の技術を集めて一つの商品をつくっていくということもこの制度の中からも十分生み出していけると思います。 何も我々、これしかやらないと言っているわけではありません。地域未来牽引企業の仕組みも取組がいよいよ始まっているわけでありますから、いろいろなこれまでの政策も含めて組み合わせることで、第二、第三のKnotのようなビジネスが出てきてほしいと思っております。
○山崎委員 書いてありますよ、ここに。市町村の導入促進基本計画に基づき計画認定を受けると書いてあるんですよ。 私は地場産業を否定するわけではありません。だけれども、今、地場産業がじり貧なのは、残念ながら、その世界だけで閉じていて、いろいろな情報のアクセスができなくて、いろいろなビジネスアイデアとうまく融合できなくてうまくいっていないんじゃないかな。 国の施策で成功事例で出てくるのは古民家ばかりなんですよ。古民家の有効活用、国家戦略特区でもそうです、内閣でもそうです。もちろん、それはいいですよ。でも、それは、古民家、そういうものがあって、その地域でのお話で、そこから波及していくのは例えばインターネットとかそういう世界があるからです。製造業もそうやってつながっていくのであれば、もっと自由度が高くて、ある意味、俯瞰的な施策をもってこういう補助的な支援をしていかなきゃおかしいんじゃないですか。 私は、だから、この市町村に基準を置いている、計画を立てていただいて、地域の計画を審査しなさい、認定しなさい、そういう仕組みはおかしいと思います。
○世耕国務大臣 これは、どうしても固定資産税を減免してゼロにするという、まさに制度論になるわけですから、固定資産税というのは、これは市町村の税収になるわけなので、そこのゼロを認めるかどうかについては、やはりこれは自治体の認定の権限が、付与するということは、仕方ないと言うとあれですけれども、当たり前のことだというふうに思うんですね。あとは企業経営者ですから。 何も自治体が全部、認定した企業の箸の上げ下げまでやるわけではなくて、その後の事業についてはそれぞれの企業の経営者が創意工夫を持ってやっていくわけですから、何も地方に閉じて、地方の中で縮こまってというようなことは、全くこれは想定していないわけであります。
○山崎委員 いや、やめてください。何のために私はシンギュラリティーの議論をしたのか。時代は大きく変わっているんですよ。大変革の時代を迎えているのに、固定資産税の徴収は市町村の業務だからその枠で計画をなんて、経産大臣として、もうちょっと夢を持ってくださいよ。 私は本当に、こういう設計をすることによって、せっかく、例えば今の話でいけば、Knotの時計で、実は、うち、新しい受注がふえました、この織物をやる、だけれども、この織物の機械でこういう切断をするためには新しい機械が要るんだ、購入したいと言ってきたときに、待て待て、うちの地域の事業計画はこういう計画だぞ、おたく、これは大丈夫なのかみたいな話にならないという保証がどこにあるのか。 いっそのこと、そんなものは取り払って、もっと自由に、どこが審査するのか知りません、もっと審査なんか緩くしてどんどんやったらいいと思いますよ。その方法についてはお任せするけれども、少なくともこの方法は私は納得いかない。 次の質問に行きます。 生産性革命法案といいますよね。革命というのは誰がつけたんですか。この呼称を。
○世耕国務大臣 これは、新しい経済政策パッケージを閣議決定する際に、この名前が正式に決定されたというふうに認識しています。
○山崎委員 ほかにもたくさん出てきますよね。人づくり革命、第四次産業革命。働き方は改革ですね。人づくり革命、生産性革命。出てきます。 では、次にお聞きします。これは参考人で構いません。 今、この生産性革命法案に三つの柱があります。規制のサンドボックス、それからデータの共有、連携、それから中小企業の生産性向上の設備投資。この三つ、それぞれ今までもいろいろな取組があると思いますけれども、似たような取組がございますか。
○糟谷政府参考人 まず、サンドボックスについては、これまで、産業競争力強化法のグレーゾーン解消制度ですとか、それから新事業実証制度というのが規制改革を進めるという観点では同じ方向を向いた施策だと考えております。ただ、それでは足りない部分について、今回新たに規制のサンドボックスを設けるというものであります。 二つ目に、IoT投資の推進施策。これは、情報化をいろいろ促進する施策というのは過去にいろいろありましたけれども、今回、企業の情報の共有による活用、これを促進するという施策を新たに大きな柱として立てるものであります。 三つ目に、固定資産税の減免でありますけれども、これまで固定資産税について、償却資産の固定資産税をゼロにするということはやったことがありません。そういう意味では全く新たな施策であります。
○山崎委員 今、最後の、固定資産をゼロにするのはありますよね。
○糟谷政府参考人 固定資産をゼロにするのは、例えば、公益性の高い踏切のような、ごく例外的な場合を除いて、企業が持っている資産の固定資産税がゼロになるということは、過去に前例はないというふうに理解をしております。
○山崎委員 今ちょっと手元に資料がないんですけれども、私が聞いたところでは、設備投資に関するいろいろな減免策とかというのはありますよね、いろいろな条件によって。
○糟谷政府参考人 法人税の税額控除ですとか加速償却、そういった制度は過去にございます。 ただ、法人税は利益を上げている企業しか受益することができません。利益を上げている企業にしかインセンティブにならないものであります。赤字企業であってもインセンティブになるのは固定資産税でありまして、固定資産税について、企業が持っている償却資産について、当初三年間といえどもゼロにできるというのは、全く新たな制度でございます。
○山崎委員 私の認識、世耕大臣、この三つはあるんだけれども、革命的な新しい提案というのは私はないと思いますよ。どれも、ある種いろいろな制度の焼き直し。修正してよりよくなったのはあるかもしれないけれども、ほとんど、例えば、本当に、プロジェクトのサンドボックスだって、グレーゾーンの制度があったり国家戦略特区があったり、同じようなことをやっていますよ。焼き直しだよ。 もちろん、中身は変わっている、それは認めますよ。あるいは、いろいろな税制優遇、設備投資のための措置、ありますよ、条件は少し変わったかもしれない。情報の活用についても、やはりそれぞれあります。 もちろん、あるからいけないと言っているのではないけれども、ここを同レベルの政策で、先ほど言ったような日本の生産、製造業とか企業経営、あるいは、産業の大きな環境変化に対応する適用が本当に可能かどうか、御意見をお聞きして、終わりにしないといけないと思います。
○世耕国務大臣 私は、十分これは革命的な政策だと思っています。いろいろ言いたいことはいっぱいありますが、シンプルに言うと、特に固定資産税は、これはみんなびっくりしていますよ。固定資産税ゼロというのは、これは政策としてはかなり踏み込んだ政策であります。 革命的な成果を上げられるようにしっかり頑張ってまいりたいと思います。
○山崎委員 まだ金曜日にも御質問の時間をいただいていますので、続きをやりたいと思います。革命的という本当にその成果が出て、日本が本当にシンギュラリティーの時代で、やはりリーダーになる企業がたくさん出て、そのために何が必要なのか、この施策をどういうふうに展開したらいいのか、議論を続けたいと思います。 ありがとうございました。
○稲津委員長 次に、中谷一馬君。
○中谷(一)委員 立憲民主党の中谷一馬でございます。本日もどうぞよろしくお願い申し上げます。 私は、昨日に引き続きまして、サンドボックスの話について伺ってまいりたいと思います。 レギュラトリーサンドボックス、これを進めるに当たっては、ブロックチェーンが活用された非中央集権型、分散型の非連続な市場構造の変化、これもしっかりと捉えて、規制とイノベーションのバランスをとった制度設計を検討する必要があると思いますし、それに伴う行政手続の刷新にも私は備えるべきなんじゃないかということを考えております。 例えばエストニアでは、人口約百三十四万人ですが、他国民でも仮想エストニア国民になれるe―レジデンシーの取組により、人口を一千万人以上にすることを目指した世界最先端の電子政府を活用した取組が進んでおります。日本の地方自治体では、残念ながら人口減少が進んでいる地域が多くありますが、エストニアのように、ネットで市民になれるような仕組みをつくれば、そこにどんどん仮想的に会社が登録できて、ビジネスが生まれて、法人税が納められることで税収をふやしていくような仕組みが生まれていくのではないかと考えます。 こうした観点から、行政や自治体におけるサンドボックスのあり方を研究、検討していくことやフィンテックを活用した自治体の取組を後押しすることは、地域経済の活性化に寄与するものであると考えますが、いかがでしょうか。政府の所見を伺います。
○糟谷政府参考人 エストニアのe―レジデンスでございますけれども、これは住民の定義を拡大をして、オンラインで登録等の手続をすれば住民としての資格を取得できる、こうしたことによって住民を獲得し、税収をふやす、そういう計画であるというふうに承知をしております。 フィンテックを活用した自治体の取組、我々としてもぜひ応援をしていきたいというふうに思っております。 我が国の自治体で現在、エストニアと同様の取組をしようとする動きは特に承知をしておらないわけでありますけれども、一般論として、新たな技術について頭から否定するのではなくて、政策目的の実現のために新しい技術を有効活用しよう、そういう方策を検討されるという動きは非常に望ましいことでありまして、我々としても、何ができるか前向きに検討してまいりたいというふうに思っております。
○中谷(一)委員 非常に前向きな御答弁をいただきまして、ありがとうございます。 私も、この取組、非常に重要だと思っておりまして、日本でもこうした自治体の取組、新しい取組をやはり応援をしていくことが地域経済の活性化に寄与していくものだということを思っています。 その中に、日本でも、このフィンテックの発展的な要素であるICO、一般的にイニシャル・コイン・オファリングと言われるものなんですけれども、このクリプトカレンシー関連で起こっている社会変化の本質を捉えた上で、構造変化に対応した制度設計、これが求められると考えております。 エストニアでは、クラウドファンディングによる市場形成が進んでおりまして、e―レジデンシー内でのICOとして、エストコインの発行というものが検討されております。 また、韓国・ソウル市では、サムスンSDSと連携したSコイン構想というものを市長から示され、日本でも、神奈川県鎌倉市や岡山県西粟倉村で、自治体ICOの導入に向けた研究を行っているということであります。 そして、カリフォルニア州バークレー市では、地方債のトークン化を検討されているということであります。 これらは、トークンエコノミー的な経済圏を設計し、国の主権が及ぶ範囲を再定義した上で、企業が提案する革新的な技術、ビジネスモデルや、地域が提案する発展可能性に対して、世界じゅうからの資金調達を容易にする仕組みをつくることを目的としたものであるということを推察をいたしますが、私は、こうした取組に対して、日本では過度の規制を設けるのではなく、イノベーションを育てるようなルールづくりというものを行っていくべきであるということを考えています。 そうした観点から、仮想的なバーチャル世界でのサンドボックスについても、中長期的な戦略を描いた上で、他省庁とも意見交換をしながら私は想定をしていくべきなんじゃないかということを考えているんですが、大臣の所見を伺います。
○世耕国務大臣 今御指摘のように、世界各地で、新たな技術ですとか今まで考えられなかったようなビジネスモデル、これが社会実装されて、いろいろな構造変化が起きていると思っています。 今御指摘のエストニア、これはもう大変なIT先進国で、私は、現地に行ったときに、閣僚が首からICカードをぶら下げていて、それで全部決裁をしているんだということを聞いて、もうそれもかなり前の話ですけれども、すごいなと思った記憶がありますが、エストニアにおける今お話しの取組も、そうした大きな流れの一環だというふうに思っています。 まさに、今世界で始まっているこのサンドボックスの日本版であります今回の制度は、第四次産業革命に代表される新技術やビジネスモデルの実用化に向けた社会実証を広く制度の対象としているところであります。 ですから、今御指摘のような、バーチャルな世界でのいろいろな取組とかアイデアについても、当然事業分野としてあり得るというふうに思っておりますので、申請していただくことは可能であります。あとはその申請内容次第ということになるわけですけれども、実証計画が法案が定める要件に該当すれば、当然、この日本版のサンドボックスの対象になると考えております。
○中谷(一)委員 ありがとうございます。こちらも前向きな御答弁をいただきまして、感謝を申し上げます。 こうした新しい取組というものは、これから世界各国でどんどん進んでくると思います。やはり、日本もこうした動きに取り残されないようにして、しっかり世界からの資金調達を行っていくことであったりとか、日本がそういったものを牽引していけるような夢を描いて私はこうした構想はつくっていくものだと思っておりますので、ぜひ前向きに今後も進めていただけますように、政府関係者の皆様に御要望申し上げます。 続きまして、我が国の新事業特例制度、これが、残念ながら参加のハードルが高くて、実施件数が十一件にとどまってしまった。そして、グレーゾーン解消制度も百十六件ということで低調な状態であります。 この中で、このレギュラトリーサンドボックスの実施件数、これもやはりしっかり、やるからには使っていただかなきゃいけないということを思っているんですけれども、これの実施件数の目標値をどのように考えられているのかということと、このレギュラトリーサンドボックスを導入することで生産性をどのように向上させていきたいと考えているのか、教えてください。
○糟谷政府参考人 レギュラトリーサンドボックス、すなわち新技術等実証制度でございますけれども、これは企業の創意工夫に基づいて活用をいただくものであります。年間何件といったような、件数ありきで、件数をふやすこと自体が目的ではありませんで、できるだけ多くの企業に有効に、意味ある形で使っていただくということを期待しているわけであります。したがって、現時点で何件という形での目標設定を行うことは考えておらないわけであります。 ただ、制度をできるだけ多くの事業者の方に活用していただくことは非常に大事でありまして、法律の施行後には、関係省庁が速やかに対応して、事業者にとって利便性の高い手続を整備したり、申請手続の簡素化などを図るとともに、制度の周知を徹底して案件の掘り起こしに努めていきたいと考えております。 また、生産性をどのように向上させるのかという御質問でございますけれども、これについては、昨年十二月の新しい経済政策パッケージとして取りまとめた施策、こうした施策、あらゆる施策を総動員をして生産性革命を実現することにより、我が国の生産性を二〇一五年までの五年間の平均値である〇・九%の伸びから倍増させ、年二%向上させるということを目指しておるところでございます。
○中谷(一)委員 今、件数自体は目的ではないという趣旨の御発言をいただいたんですが、やはり、分母がふえていかなければ、それを使っていく人がふえなければ、もちろん新しいビジネスも、そのさまざまな実証実験も進んでいきませんし、それが社会に与えるインパクトというものはすごく限定的になってしまいますので、やはりこうしたKPIというのは私は定めていくべきだと思います。なので、しっかりちょっとそういったところの研究をしていただいて、このサンドボックスの制度をつくり込んでいただければと思います。 サンドボックス関連では、私からは、最後に少し要望させていただきたいと思っているんですけれども、サンドボックスは、この新たな技術やビジネスモデルの社会実装を進めるに当たって必要な制度であるということを考えている一方、森友学園、加計学園、ペジーコンピューティングなど、現在問題とされている事案の多くで政権の中枢に近い方々の関与が取り沙汰されており、政権に対する国民の信頼は残念ながら大きく揺らいでいると指摘をせざるを得ない状況であると思っています。 その中で、このサンドボックス自体は、企業にとってシンプルでわかりやすく、使いやすい制度にしていただくことと、刑法に違反せず、人の生命、財産、人権に危害を加えないこと等を前提に、万全を期した制度設計を行っていただくこと、これが必要だと思います。 その中で、きのうの質問でも触れさせていただきましたが、やはりこの総理の強過ぎる関与というものは私は外していただいて、クリーンで、フェアで、オープンな制度だと国民に理解を得られるような設計にしていただき、一連のスキームを組みかえるべきだと考えますので、そのことを要望を申し上げたいのと、さらには、きのう、私、柳瀬さんに、こちらに出てきていただけませんかということをお願いしたんですが、本日、そのことには応じていただいておりません。 サンドボックスにも関連することでありますから、引き続き、委員会への参考人招致を求めたいと思います。
○稲津委員長 承知しました。理事会で協議させてもらいます。
○中谷(一)委員 次に、データの共有、連携のためのIoT投資の減税等について伺わせていただきたいと思います。 日本経済を成長させ、持続的な社会保障を守っていくためには、少子高齢化の問題の抜本的な対策と生産性の向上、これは必要不可欠だということを思っています。しかし、残念ながら、生産性は先進国の中では非常に低い水準にありまして、これは、若い働き手が減っていくという労働力人口の減少に加えて、それを補うはずの企業の生産性が改善していないことがその要因であると考えます。 特に、日本経済の足腰を支える中小企業のIT化のおくれは深刻な問題だと思っています。そうした中、政府では、日本企業による産業データの利活用が諸外国と比べておくれていることを鑑みて、IoT投資の強化策として、コネクテッド・インダストリーズ税制、データの共有、連携のためのIoT投資の減税等を行う制度を行うということであります。 私も企業のデジタル化を促すこの支援については賛成をしているんですけれども、その手法についてるる疑問点がありますので、さまざま伺わせていただきたいと思いますが、ザ・エコノミストのホームページに、ITの活用に関してこんな記述があるんです。ITの進歩を最大限に活用するには、企業の機敏性が最も重要で、人間、とりわけ経営者の経験や感覚的な判断の価値は下がるという記載があります。 世界では、このITを用いた競争が官民問わずに活発になっていまして、産業界では、デジタル・オア・ダイ、デジタル化を進めるか先がない状態を選ぶかというように叫ばれるようになっている、そんな現状があります。しかし、残念ながら、この日本の組織や人材におけるデジタル化の取組は、世界的に見てもおくれていて、看過ができないレベルかなということを思っています。 国際経営開発研究所、IMDのワールド・デジタル・コンペティティブネス・ランキング二〇一七によると、日本のデジタルインフラは競争力が極めて高い、六十三カ国中第六位ということなんですけれども、高いのはここだけで、企業の機敏性が第五十七位、企業の分析能力や戦略を決めるときにデータを使う能力は第五十九位ということで、先進国では最下位ということでありました。 こうした現状を踏まえて、政府としては、我が国の企業におけるIT化の現状をそもそもどのように捉えているのかということと、また、この制度を導入をすることで、どの程度の企業がデータ共有、連携のためのこのIoT投資の減税等を利用し、企業におけるIT化が現状と比較してどの程度推進され、結果として生産性はどのように向上させていきたいと考えているのか、成果指標や目標数値、KPIなどがあればお示しください。
○世耕国務大臣 御指摘のように、日本企業のデジタル化というのは大分課題があるというふうに思っています。 例えば、企業がデータを利活用している割合が、米国では四一%、ドイツが三一・七%であるのに対して、日本は一六・四とおくれているというデータもあります。 しかし一方で、少し希望の持てるデータも出てきていまして、例えば製造現場のデータ利活用への関心というのは、これは急速に進んでいまして、工場の中でデータを取得、蓄積している企業の割合というのが、二〇一五年には四〇・六%だったんですが、二〇一六年には六六・六%、二六%もふえています。直近は恐らくもっとふえているんだろうというふうに思います。しかも、その内訳を見ると、六六・六の内訳が、大企業で八七・九、中小企業でも六五・六というレベルになってきているわけでありまして、かなり製造現場でのデータの蓄積というのが、取得、蓄積が進んできているんじゃないかというふうに思っています。 一方で、世界の今、趨勢を見ると、いわゆるGAFAと言われるようなメガ企業は、基本的には、これはバーチャルデータの世界で陣地をとっていっている。もっと言うと、BツーCですね、企業から消費者向けのデータで陣地をとっていっているわけですが、一方で、いわゆる製造現場ですとかサービスの現場のリアルデータ、これはまさにBツーBのデータ、事業者間のデータについては、これはまだ陣取り合戦が行われていないというわけでありまして、まさに、日本の強みである、現場の良質なデータを生かすチャンスが回ってきているというふうに思います。 本来は、この時代、企業経営者がみずからの判断でどんどんいろいろなIT化にチャレンジをしていってほしいんですが、日本企業は慎重、経営者が大企業も中小企業もなかなか慎重なところがあります。 それを後押しするという意味で、去年、我々は、コネクテッド・インダストリーズ、リアルデータを活用して、企業と企業、産業と産業をつないでいくんだという構想をどんとぶち上げ、さらに、今回、御審議中のこの生産性向上特別措置法案で、そのコネクテッド・インダストリーズにまつわる、いろいろな国としての正式な支援措置ということをきちっと規定をしていく。特に、データの共有、共用を促進していくための革新的データ産業活用に対する支援策というのをしっかり明記をすることによって、更に企業経営者の判断を後押しをしていきたいと思います。 特に、資金面の支援として、企業内外におけるデータ連携に必要なセンサーですとか、ロボットといった投資に対する減税措置ですとか、あと、中小企業基盤整備機構による債務保証など、金融上の支援も行っていきます。 また、データ収集面の支援としては、協調領域におけるデータ共有を行う事業者について、一定のセキュリティーを確認した上で、公的データの提供を国や独法などに対して直接要請できる制度、こういったものを創設をしていきます。 さらに、この法案による支援措置以外にも、ネットとリアルの双方に精通したIoT人材や、サプライチェーン全体のサイバーセキュリティー強化などの取組を通じて、日本の産業におけるデータ活用の取組を後押しをして、競争力の強化を図ってまいりたいと思います。 今、法案の御審議をいただいている段階ですので、なかなか、このKPIというのを明確に今ここでお話しするわけにはいかないんですが、私は、議員と同じ思いで、やはりKPIというのをきちっとつくっていかなきゃいけない。多分、今、後ろの人たちは、えっと思っていると思いますが、いろいろな分野で、割と細かく分けたKPIをしっかりつくりながら、それを、ある種ダッシュボードのような感じで、政策がうまくいっているかというのを時々チェックをしながら、前へ進めてまいりたいと思います。
○中谷(一)委員 大臣、少し踏み込んだ、前向きな御答弁をいただきまして、ありがとうございます。 私も、商売をやっていた人間なものですから、やはり事業計画を定めて、その目標に対して逆算して何をやっていくんだということを徹底して教え込まれてきた人間だったものですから、やはり、経産省の事業というのは他の事業と違って、プロセスが評価されるんじゃなくて、結果、成果としてそれがどうなったんだということがまさに見られる省庁のお仕事だと思いますので、ここをちょっと厳しく私の中で問わせていただいているんですが、こうしたものをやはりしっかりと想定した上で事業はつくっていただきたいなと私は思いますので、このあたりも、特に政府の皆様、御要望として申し上げさせていただきます。 その中で、私、さっきの世耕大臣の話は、総論ではすごく理解をするところがあるんですけれども、そもそも、このIoTの減税の話に関して言えば、投資額五千万円以上の計画に限られるということであるんですけれども、これらの規模だと、そもそも大企業が中心になるんだろうなということを見込んでいて、ただ、日本の企業は九九・七%が中小企業であることを鑑みますと、これらにも波及するような政策というものを進めていかなければIoTが進んでいかないんじゃないかということが危惧をしております。 もちろん、その中で、サービス等生産性向上IT導入支援事業費だったりとか、さまざまな事業をやられているということは理解はしているんですけれども、やはり、こうした大規模な予算をIoTのこの減税に対して打っていくということであれば、この予算に関しての、五千万円以上のIT投資を含む投資が行える中小企業、これがどれぐらいあるということを見込んでいるのか、また、そのうち、どのぐらいの企業が三%以上の賃上げを行って、五%の税額控除を受けられることを見込んでいるのかということを教えていただければと思います。
○前田政府参考人 お答え申し上げます。 今の五千万円以上ということでございますけれども、私ども、情報処理実態調査というのをやっております。その調査をもとに算定していきますと、全ての企業の中で、大体四〇%強の企業がこの五千万円以上のIT投資を行っており、その中の資本金一億円未満の中小企業に限った場合、約一五%の企業が年間五千万円以上のIT投資を行っているということでございます。 全体の総数にこの一五%、正確には一四・九%なんですが、掛け算をいたしますと、約六十万社がこの減税対象になるというふうに考えておりまして、より裨益する形でこの減税措置を普及してまいりたいというふうに考えております。
○中谷(一)委員 御答弁いただきました。六十万社というのは、私、ちょっと想定したより多かったので、ああ、そうなんだなということを思わせていただきました。 こうしたやはり中小企業に波及をしていくような投資というものは、私、非常に重要だということを思っておりますし、デジタル化、IT化をどんどん進めていくとしたら、やはり大きなインパクトを与えていくような政策でなければ意味がないと思います。 そうした観点で伺わせていただきたいんですけれども、そのほかにも、さまざまな事業でIT化の推進を進めていくということで、サービス等生産性向上IT支援導入事業費、これも五百億円の予算がついている事業で、これらいろいろなものが複合的に中小企業のデジタル化というものを後押しをしていくと思うんですけれども、総じて、どれぐらいの規模の中小企業に、IT導入の支援だったり、IoT化を目指していくような取組を進めていきたいと思っているのか、また、その結果が生産性にどのように寄与すると考えているのか、KPIなどがあれば、これもお示しください。
○吉野政府参考人 お答えいたします。 データ共有、活用に向けました中小企業への支援としましては、先ほど委員の方からも御指摘がありましたものづくり・商業・サービス補助金、これを二十九年度補正予算で一千億円に拡充をしております。この中で、複数の中小企業がデータ、情報を共有して生産性の向上を目指す取組を支援するために、新たに企業間データ活用型の補助類型を創設して支援をしてまいりたいと思っております。 それから、データ共有、活用に向けましては、IT導入の促進がまずベースのところで不可欠かと思っております。この中小サービス業などのIT化を進めるための補助金を二十九年度補正予算で、これも御指摘がありましたように、五百億円確保しておりまして、これにつきましては約十三万社を支援することにしております。その際、ITベンダー、ITツールによる実績を公表することによりまして、効果の高いITツールの導入を促進する環境を整えていきたいと考えております。 さらに、今後三年間で、IT化などを中心とした中小サービス等事業の生産性向上を百万社規模で推進していくために、関係省庁や支援機関を幅広く結集させました中小サービス等生産性戦略プラットフォーム、これを二月に発足させたところでございまして、IT化や業務プロセスの改善など、生産性向上に関する情報、ノウハウ、成功事例等を強力に横展開していきたいと考えております。 こうした取組を通じまして、中小企業におけるデータ共有、活用の支援を進めてまいりたいと思っております。
○中谷(一)委員 御答弁いただきました。百万社規模で推進をされていくということで、日本の企業の総数が三百八十二万社でありますから、二五%弱推進をしていくということで、これは大きな目標なのかなと一定の評価をさせていただきたいと思います。 デジタル化を進めていくことは、目まぐるしく変わる国際社会においてやはり必要なことだと思いますし、過去の栄光にすがっていても国家はやはり発展はしていきませんので、今までの成功体験にとらわれず、しかし、先人たちがつくり上げてきたそのすばらしい社会基盤、これを先端技術と融合させることで新しい技術革新、ぜひ進めていっていただければということを思っています。 その中で、IoT投資減税の、この法案の話に戻らせていただきますが、計画認定の要件に、生産性目標として、投資年度から一定期間において、労働生産性を年平均伸び率二%以上、投資利益率を年平均一五%以上高めることを達成することを見込んでいることを条件ということをされているんですけれども、これはどのようにチェックをされて、どの程度の達成率を目標とされているのか、また、達成できなかった企業への対応をどのように考えているのか、所見を伺います。
○前田政府参考人 お答え申し上げます。 御指摘のとおり、労働生産性と投資利益率、こちらを数字としてきっちりとはめて、それを計画認定のときにチェックをします。誰がチェックするかといいますと、全国にございます経済産業局でございますね、こちらの方で審査を行うことを現在予定しております。 この目標は、最低二%あるいは一五%でございますので、各申請内容によってはもうちょっと上にあったりとかあると思うんですが、そもそもそういうものがクリアしなかったら、いわゆる計画の認定はできないことになります。 仮に、その後、それよりも、達成が未達であるとか、非常によくない事例が出てきた場合、法律上も明記してございますけれども、その計画の変更をしろという命令を出したり、場合によってはその認定を取り消すというようなことも考えて、きめ細かくフォローアップをしていきたいというふうに思っておりますし、また、ポジティブにも、経営のアドバイスをしたりと、経済産業局のいろいろなノウハウがございますので、そういう形で対応してまいりたいというふうに考えております。
○中谷(一)委員 御答弁いただきました。 私も、やはり目標を設定したからにはしっかり達成していただくという観点が非常に重要だと思います。 これで企業が労働生産性を上げていくことや投資利益率を向上させることに対して本気になるような、そうした後押しをやはりしていただきたいと思いますし、国民からいただいている税金で支払う予算で措置をしている事業でありますから、運用効率の最大化を目指した取組ということ、あるいは目標達成に努力をする企業、若しくはその成果をもっともっと出せる企業に対しては、しっかりインセンティブを出していく。そうじゃない企業に対しては、しっかり後押しをしていただいて、目標達成ちゃんとしてよね、一〇〇%目指してやっていくんだよねということを、私からも確認も含めてさせていただきたいと思うんですけれども、それに関してはいかがでしょうか。
○前田政府参考人 計画を認定する際に数字が出てまいります。したがいまして、それについて我々も適切なアドバイスをして、その目標が達成できるように指導してまいりたいというふうに思いますし、その他のインセンティブは、今、先ほどの御答弁にございましたが、いろいろなインセンティブ規制がございます。場合によっては、この法案の中では、いわゆる公的なデータを要請する仕組みもございまして、データがリッチになればなるほど、よりビジネス展開できやすくなります。そういうふうな形もガイドしながら、いい企業はもっと伸ばしていくという姿勢でまいりたいと思っております。
○中谷(一)委員 ありがとうございます。 一点、ちょっと、私の聞き方が悪かったのか、答弁が漏れていることがあったかなと思いますので教えていただきたいんですけれども、これは、計画を申請した方の目標達成率は一〇〇%を見込んでいるということでよろしいんですよね。
○前田政府参考人 計画の申請の中に書いてあるのは一〇〇%を見込んでおります。
○中谷(一)委員 ありがとうございます。 しっかり計画を申請されたとおりに取組が前に進んでいくことを、進めていただくことを私からも要望させていただきたいと思います。 次に、株式会社産業革新機構、通称INCJの組織運営見直しについて伺わせていただきたいと思います。 INCJは、オープンイノベーションを通じた次世代産業の育成による国富の増大というミッションのもと、案件を組成し、投資実行、バリューアップ、投資回収、エグジットというプロセスで事業を遂行し、インパクト投資を行うことを目的に運営されているということであります。 これらの前提をもとに、まず初めに、このINCJなど日本官民ファンドのあり方について問わせていただきたいと思いますが、世界各国ではソブリン・ウエルス・ファンドが長期、巨額の投資を行うなどの変革が起きており、日本としても比較優位性を踏まえたリスクマネー戦略の構築が必要であるとされる一方、本来、産業投資に公的資金を流入すれば市場がゆがむ、非常時だから許されるのであり、常態化させてはいけないと言う有識者もおります。 そうした中で、政府としては、官民ファンドの運営に係るガイドラインを策定をされておりますが、日本の官民ファンドのあり方を今後どのような方針で運営していこうと考えておられるのか、この将来像についての所見を伺います。
○世耕国務大臣 まさにそのガイドラインを私、官房副長官時代に問題意識を持って取りまとめました。官民ファンドがたくさん、第二次安倍政権が発足してからできまして、これがあたかも第二の予算だとか補助金がわりに使われてはいけないというふうに思っています。 官民ファンドの考え方はなかなか難しいんですね。一件一件、もともと国のお金が入っていますから、失敗は許されないという考え方もありますが、一方で投資ファンドとして考えると、これは一件で負けてもいいけれども全体としてポートフォリオで利回りが確保されているべきだということもあるわけであります。 一方で、官がやっているわけですから、必ずしも、普通の民間のベンチャーキャピタルのように、巨額のリターンも期待する、まあ、それも得られればいいんですが、というよりはやはり政策目的、きちっと政策目的を達成していくということが重要だと思っています。 まだまだ今、日本の官民ファンドは、修正すべき点、まだ幾つかあると思っていますが、基本的にはその政策目標をKPIという形でしっかり規定をして、これは今、官民ファンドのガイドラインでも決めさせていただいていますけれども、そのKPIが達成できたかどうかと、プラス全体のリターンがどうなっているかというのをバランスよく見ていくということが重要です。 将来的には、民間投資の呼び水効果ということで、日本は残念ながら、ベンチャー中心にビジネスに積極的に投資をするというのがまだまだでありますから、やはりこれを最終的に伸ばしていく。まあ、KPIを決めているわけではありませんが、最終的に官民ファンド全体が目指すKPIとしては、やはり日本のベンチャービジネスに対する民間からの投資をしっかりふやしていくということに尽きるんだろうと思っています。
○中谷(一)委員 大臣、ありがとうございます。 そうしたKGIというかKPIというか、大きな目標を掲げられることは、私はいいことだと思います。その中で、今、ポートフォリオの話であったりとか、又はそのKPIの話もありましたので、後ほどこのあたりの議論はさせていただきたいということを思っているんですけれども。 その中で、まず、INCJの話について伺ってまいりたいと思いますが、世耕大臣が二月九日の閣議決定後の記者会見で、長期で大規模な成長投資の必要性が増大しており、産業革新機構の見直しで機能強化を図るという趣旨の発言をされておりまして、産業革新機構から産業革新投資機構に名称変更をして投資機能の強化を行っていくということであります。 長期で大規模な成長投資の必要性とは具体的にどのようなものであるのかということを伺いたいのと、また、平成四十六年三月末までに延長することということが決められて、法案の中にも書いてあるんですけれども、これはどのような判断のもとで行われることになったのか、このあたり、詳細を教えてください。
○糟谷政府参考人 四次革命が進展する中で、リスクマネーのあり方も世界的に、ソブリン・ウエルス・ファンドなど、非常に大きく変化をしているわけでありまして、そういう中で、産業革新機構についても投資機能の強化を図って、長期、大規模の成長投資を中心にリスクマネー供給を行えるようにしていこうということでございます。 投資の対象分野といたしましては、今後、コネクテッド・インダストリーズやソサエティー五・〇の実現のために重要な領域への対応などを考えております。具体的には、バイオ、創薬、宇宙、素材、ロボットなどの分野において、民間ベンチャーキャピタルでなかなか対応が難しかったり、長期、大規模なリスクマネーの供給を重点的に行っていくということにしております。 また、機構の期限を延長する理由についてのお尋ねがございました。 リスクマネーの供給が我が国においてまだ必要であるという中で、今の産業革新機構、残り七年となってまいりますと、なかなか、回収に長期間を要する分野、具体的には創薬とかバイオといったベンチャーへの投資が難しくなってきております。 産業革新投資機構では、既存の投資案件とは別にファンドを設けまして投資を行うことにしております。この新たに設けるファンドの終期といたしまして、現在の産業革新機構と同じ十五年程度の終期を設定することを考えておりまして、この結果、平成四十五年度末、平成四十六年三月末まで期限の延長をお願いをしておるところでございます。
○中谷(一)委員 今、御答弁をいただきました。 その中で、今触れていただいた、どういったベンチャーに対して支援を行っていくのかということ、また、先ほど大臣からも御答弁をいただきましたポートフォリオをどうするのかという話の論点でちょっと細かく聞いていきたいと思うんですけれども、INCJの投資案件の総数が三百四十九件、支援決定金額は一兆四百七十九億円ということであります。このうちベンチャーに対する投資は、件数では三百二十二件、九二%を占めているんですけれども、金額では二千二百九十八億円と、二二%にとどまっている現状があります。 KPIとして設定されているこの件数をふやすこと、これはもちろん重要なんですけれども、本来リスクマネーを供給すべきベンチャーへの支援が事業再編や海外展開と比べて進んでいないことは、金額配分にバランスを見直す改善の余地というのは当然あるかと思います。 また、このベンチャー投資で全く稼げていないという指摘もありますが、こちらも、投資判断の甘さが指摘されているということや、投資先の経営に積極的に関与して企業価値を高めていくというファンドや投資家が本来有する責務を十分果たすことができていないんじゃないかという指摘があります。もちろん、総枠で、ファンドですから、利益を上げていく、それは重要だと思うんですけれども、もちろんベンチャー単体でもさまざまな利益を上げていくような投資というのは当然行っていく必要があると思いますので、この社会的な意義とそうした利益のもの、こうしたものをしっかりと合わせた支援というものが必要なんじゃないかということを考えているんですけれども、それぞれについての見解について、大臣からの所見を伺います。
○世耕国務大臣 ベンチャー投資の件数はそこそこいっているけれども額が少ないということですが、これは日本のベンチャー投資そのものの額も少ないということでありまして、ですから、結果として、今、日本のベンチャー投資の二割程度は産革機構が下支えしているという、これが健全であるかどうかというのは別問題ですけれども、産革機構が二割のシェアを持っているということであります。 九年近くが設立以来経過しているわけですが、第四次産業革命の進展などを背景に、産革機構の果たすべき役割は逆に大きくなってきているという面もあると思っています。特に、バイオ、創薬、宇宙、ロボット、これはなかなか日本のベンチャーキャピタルが投資の判断をちゅうちょするようなところもあるような分野について、まさにリスクの高いリスクマネーの供給の担い手として今後更にベンチャー投資を拡大をしていきたいというふうに思っています。 ベンチャー投資に関して、投資に対してどれぐらい回収できているかというのは、ことし一月末時点で、これはINCJ全体として、ベンチャー以外も含めてということになりますが、投資額の二・二倍の回収を行っております。ただ、ベンチャー部門に限って言えば、投資額に対して〇・九倍ですから、やや損が出ているという状況になります。 これはなぜかというと、一つは、やはりこのベンチャー投資の中でも更にリスクの高い分野、民間が余り積極的に動かない分野を優先で投資をしているということを踏まえればやむを得ない面もあるのかなというふうに思っていますが、それで納得してはいけなくて、リスクをとりながらも、その中から成功事例をしっかりつくっていく、そしてそれをふやしていくという努力をしていくことも重要だというふうに思っています。 そういう意味で、ベンチャー投資を専業で担う部門を二〇一二年に創設をして、そして、そこがまさに、いわゆるハンズオン支援ですね、ベンチャー経営者に寄り添って、投資をするだけではなくて、その後の経営もしっかり面倒を見ていく、そういう部門の充実も行ってまいりましたし、投資を行った全案件について月次ベースで財務情報を入手をして常時モニタリングを行うなど、適切な管理に努めているところであります。 産革機構では、これまで以上にベンチャー投資に注力をしながら、しかし一方で、その価値を高めていく、成功事例を創出すべく、経産省としてもしっかり指導してまいりたいと思っております。
○中谷(一)委員 御答弁をいただきました。 そもそもベンチャーに対する投資は民間でも少ないということがあったんですけれども、やはりそうした観点があるからこそ、アントレプレナーシップ教育であったりとか創業を促すようなものというのも後押しをしていく必要があるかと思っています。 それに加えて、やはり、以前のブロックチェーンの話のときに触れさせていただいたんですけれども、そういう将来性のある企業に対する投資というものも、やはり漏れているところというのはたくさんあるんだろうなということを思っていて、もうちょっと企業努力の中でそういったところも拾っていけるんじゃないかということを思っています。 ポートフォリオの話もいたしますと、現状、世界の企業を見渡すと、グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン、マイクロソフト、アリババ、テンセント、バイドゥと、新セブンシスターズプラスワンのIT企業がやはりトップとして台頭していく世界が今後できてくるんじゃないか、そういう可能性は高いんじゃないかということがある中で、韓国でもこうしたユニコーンベンチャーを十件つくるという定量的な目標を掲げて創業支援をやっています。 日本でも、こうした定量的な目標をしっかり掲げた上で、ユニコーン企業に育つ可能性のある、第四次産業革命やコネクテッド・インダストリーズを牽引するようなIT企業に関しては、シード、アーリー、エクスパンション、レーターなど、ステージを問わずに投資支援を私は行っていくべきだと考えます。 先ほどバイオや創薬の話を中心に政府の皆さんからいただいたんですけれども、私は、この前段の部分はやはり重要だと思いますし、もちろん、おっしゃっていただいた、当然、将来性のあるものの早期収益化が困難なRアンドD型のベンチャー、宇宙、医療、そうしたものの分野、民間だけでは難しいベンチャーへの支援というものを、長期的な視点からリスクマネーの供給を行う必要があるということを思っておりますが、それぞれについて、大臣、いかがでしょうか。
○世耕国務大臣 先ほども申しましたように、産革機構の投資というのは、やはり官民ファンドという特徴がありますから、あくまでもこれは民業補完の観点というのも失ってはいけないというふうに思っていまして、民間の投資家がなかなか投資をしないような分野、そういったところの事業活動を後押しするという視点を常に持ち続けなければいけないというふうに思っています。 IT分野のベンチャー投資については、比較的小規模なところから、小規模であって、なおかつ、余り長く見なくても割と早目にIPO等でエグジットできるような、そういう案件を中心に、今大分、民間のベンチャーキャピタルも積極的に投資をするようになってきたというふうに思っています。 しかし一方で、IT分野といっても、やはり民間だけでは対応が難しい、リスクがある、あるいは一定期間時間がかかるというような分野については、これは産革機構が対応する必要がある案件もあるだろうというふうに思っています。 例えば、第四次産業革命関係でいえば、将来ユニコーンベンチャーに成長する可能性があるなど政策的な重要性が高い案件について、リスクが高いなどの理由で民間事業者からの資金調達が難しい場合は、産業革新機構が積極的に対応していく必要があるというふうに考えております。
○中谷(一)委員 御答弁をいただきました。 産業革新機構自体が、九五%ぐらい政府が出資している会社でありますから、もちろん、これでマイナスを出してしまうと、国民の税金、まさに国民の資産を減らしてしまうことにつながってしまいますので、やはりベンチャーでも、私は、その回収見込みというものは、そこのKPIだけ定めたとしても、やはり見込んでいった方がいいんじゃないか。もちろん、その上で、大臣のおっしゃった公的な政策目的のあるものというものは、私は、補完をしていくべきものだということも思っておりますので、そのあたりのバランスが重要なのかなということを思っているんですけれども。 そうした中で、このINCJの説明資料に、投資に適したガバナンスの実現ということが掲げられておりまして、投資機関の役割の明確化や事後の評価の徹底により、適切な仕事と現場の迅速、柔軟な意思決定を両立させるということがあります。 これを見たときに思ったのは、そもそも、じゃ、この意思決定の成功、失敗はどのような尺度ではかられて、どのような状態であれば成功、どのような状態であれば失敗とみなされるのか。また、それが事後の検証の中だとすれば、それは何年ぐらいのタイムラインの中で判断をされていくのか。加えて、それが成功したら誰がどのように評価をされて、失敗したら誰がどのような形で責任をとっていくのかということを、政府の所見を伺いたいと思います。
○糟谷政府参考人 個別の投資の成功、失敗の評価につきましては、政策的意義の実現という観点と投資のリターンという観点と、両方から判断をする必要があるというふうに考えております。 改正産業競争力強化法におきましては、経済産業大臣が投資基準を定めて、政策的に意義が高い投資案件の考え方を示すこととしております。それを踏まえて現場で投資判断を行い、その結果について、産業革新投資委員会が第三者的な観点から評価をする。さらには、経済産業省が評価をする。この評価の際には、政策的意義と投資のリターン、両方からでありますけれども、それを行うことにしております。 例えば、フェーズによってもその評価の内容というのは違うというふうに考えております。全部エグジットして初めて評価を行うということではなくて、ずっと定期的に評価を行っていくべきものであるというふうに思っております。 例えば、投資を実施する時点では、市場の将来像などを含む事業計画の妥当性と政策的意義がどうであるか。また、投資をしている間については、事業計画と乖離していないか、乖離している場合には何が原因なのか。それから、投資を終了した時点、エグジットした時点では、最終的なリターンと政策的意義の実現度合いがどうであったか、こういった観点から、それぞれの時点に応じた評価を行うことになるわけであります。 投資の責任についてでありますが、個別案件の判断については、投資判断をした現場が負うことになるというふうに考えております。また、投資案件全体についての最終的な責任は、産業革新投資機構の経営陣が負うということになります。 こうした仕組みのもとで、事後評価を厳格に実施をし、この評価に基づいてそれを処遇等に反映をするということによって、そういうことなどによりまして成果主義を徹底をしてまいりたいというふうに考えております。
○中谷(一)委員 御答弁をいただきました。 公的な政策に対する意義と投資回収、それらのさまざまな要素を複合的にKPIとして多分判断をされていくのかなということを思っているんですけれども、現状を見ていると、KPIがもちろんINCJの中でも定められていて、それらがほぼ達成をされているような状況になっているんですけれども、これは何で達成されているかというと、各機関にこの評価を任せていることでそれが甘くなっているんじゃないかという批判があります。 私も、それで実は、KPIはどんなものがあるのかなということで、見させていただきました。 そうしたところ、収益性、インパクト、エコシステム、ベンチャー支援、民業補完などのKPI、これが定められているんですけれども、投入量だったりとか、さっきおっしゃったプロセス的な部分というのが、話がすごく多くなっていて、結果、収益がしっかり上がったのかとか、その政策効果のあるものに対して投資をして、それがどういうふうに市場で広がっていったのかとか、結果として国民にそれがどういうふうに還元されたのかとか、そういうわかりやすいものというのがまだまだ見えてきていないよなということを思っていて、将来的にはやはりこういったものもKPIの中で含んでいかなければならないと思いますし、やはりビジネスでは、正直、プロセスよりも結果がどうだったのかということが問われていきますから、そういったことを考えていただきたいということを思います。 その観点から、目標水準を株主と役員でしっかりと交渉して、もっと高水準で合意、設定をしていくべきなんじゃないかということを思っているんですけれども、こちらについて所見を伺わせていただきたいと思います。
○世耕国務大臣 まさにこの目標水準というのは、決して産革機構と経産省だけで決めているわけではなくて、先ほどお話しいただいた、官民ファンドの全体の横串を通した中で、他のファンドともしっかり横で見ながら、これは政府全体で決めさせてもらっています。 そういう意味で、何かお手盛りで、身内で甘くというようなことは、基本的には私はないんだろうというふうに思っています。チェックの機能がしっかり働いていると思っております。 そういう意味で、産革機構においては、やはり民間ではリスクをとりにくい案件を積極的に取り組む必要があるということから、国からの資金を原資として行う以上、損失を出すことは許されないということで収益性に関するKPIは一倍となっているわけで、ここは、損はするな、全体として損はするなということであります。 政策的な目標としては、先ほどお示しいただいた図で、インパクトですとかエコシステムですとか、あるいは日本全体のベンチャーに対する支援が広がっていって、民間に対する呼び水効果というのをしっかり発揮をするというあたりがKPIとしてしっかりつくられているわけでありまして、全体として見れば、損をするなというのが甘いじゃないかと見られるかもしれませんが、やはり政策目的はがちっとかんでおりまして、しかも、政府全体がそれをチェックしているという形になりますので、そういう意味では、決してKPIが甘いとは言えないのではないかなというふうに思っています。 いずれにしても、産革機構の収益性に関するKPI、そして政策目標に関するKPI、これは国費を投入しているという観点からは少しでも高い方がいいというのは、これもまた事実でありますので、しかし一方で、余り、特に収益性を高くし過ぎると、じゃ、もうリスクはとらないで、なるべく安全なところを主体とするポートフォリオを組もうということになりますから、その辺、よくバランスを。 極端な話、例えばわかりやすい話をすると、クールジャパンの投資なんかは、これは全然、実際そうなっているという意味じゃなくて、例えばコンテンツで思いっ切り赤字でいいと。コンテンツで思いっ切り赤字で、そのかわり、格安の価格で例えばアジアの国々が日本のアニメが見られるようになった。その次として、例えばそのアニメにまつわる製品だとかファッションだとかゲームだとか、そういったものが売れていって、それが民間でもうかっているということになれば、投資単体で赤字であっても、政策目標はしっかり実現ができているわけでありますから、産革機構の投資にはやはりそういう見方も必要な部分があるのではないかというふうに思っております。
○中谷(一)委員 私も、大臣の言っていることは理解できるんです。単年度だけのKPIじゃなくて、もちろん長期で見ていくことは私は非常に重要だと思いますし、それをもしつくって示していただけるなら、それは私も、そういったことも含めてしんしゃくはさせていただきたいと思います。 その中で、大臣からせっかくお言葉をいただいたのに、何か返す刀で申しわけないんですけれども、他国のこういった創業支援、ベンチャー支援を行っているようなもののKPIを見ていくと、売上げがどうなったとか、雇用が結果どれぐらいふえたとか、それで知的財産権がどれぐらい登録をされて、結果としてそれが国民にどう反映されたかというKPIがやはり定められていると思うんですよね。なので、そういった事例もぜひ、もちろん、イスラエルとか韓国とかいろいろなところでやっていますから、そういったものの研究をしていただいて、今後の政策に私は生かしていただきたいなということを思うんです。 その中で、やはり、ファンドでありますから、私は特に収益のところを今回はちょっとピックアップをさせていただきますけれども、政府が大株主である以上、会社に何をしていただくということを具体的に求めるのかということは当然なことであると思いますし、ファンドでありますから、収益を上げて国富の拡大を図るということと公共政策的な目的を果たすということ、これを両立、ちゃんとやっていくということが重要だと思うんです。 INCJの収益における社内目標は、投資額の二倍以上の回収をするということをされているということなんですけれども、INCJを含む官民ファンドの多くでは、一定程度の収益が見込まれ、株式処分の蓋然性が高いことといった、出資金を回収するという、先ほど来皆さんが教えていただいている目標が設定をされているように見えるんですけれども、しかしながら、民間ファンドでは一〇%程度の内部収益率が求められるのが一般的だと思いますので、やはり、官民ファンドの損をしないという目標は余りにも緩いハードルなんじゃないかなということを思っています。 官民ファンドの、ただ、全体の収益は、もちろん、リスクの高い事業に投資をするということも大臣もおっしゃられていましたし、私もそれはもちろん一定理解はできるんです。結果的に、それは民間より低くなることはしようがないと思っています。しかしながら、投資でありますから、個別の事業で最大限の収益を求める、これはやはり必要なんじゃないかなということを思っています。 こうした現状を踏まえて、リスクは高いけれども収益はそれほど高くなく、しかし、政策的に意義のあるこうした事業であったとしても、収益の確保を行っていく目標、これをやはり分野を切り分けてやっていく必要があるんじゃないかなと。 要するに、事業全体で見渡したらプラスだよ、ただ、ベンチャーの支援に関しては、例えば、投資回収をまずできること、もしくは五%ぐらいまで定めるとか、その他の例えばこうした事業再編だったり海外展開においては、もっと収益率を確保して全体のポートフォリオをこうするんだというような、分野ごとに内部の収益率の目標をKPIとして掲げて、しかもそれを公表してやはり進めていくべきなんじゃないかなということを思うんですけれども、大臣としてはいかがでしょうか。
○世耕国務大臣 やはり、産革機構の投資について、私は、リスクの高い、民間がなかなか手を出さないベンチャー案件、これにしっかり投資ができるようにしておかなければいけないと思いますし、一方で、比較的収益が安定している、これも一定のリスクはありますが事業再編案件など、これを組み合わせて全体として収益を確保するという考え方でつくっているわけであります。 ですから、KPIについては、これは分野を分けるのではなくて機構全体の収支を対象としているわけで、分野を分けてしまうと、やはり、その分野でどうしてもヒットを出さなきゃいけないということでリスクをとることが減っていく可能性もあるわけであります。 ですから、今の段階で、先ほども申し上げましたように、ベンチャーが投資回収率〇・九だけれども、ほかの事業再編案件でしっかりと利益を出して全体では二・二、国費を傷つけることはないという形をとれているわけでありまして、ある意味、いい形でできているのではないかなというふうに思っています。 例えば、リスクが極めて大きい、しかも大型の案件、これから、宇宙とか創薬を考えると、そういった案件は当然出てくる。それが検討対象になったときに、今のように分野別に考えていると、いや、これじゃちょっとベンチャー部分の成績が悪くなるからやめちゃおうということになるんですが、一体で見ていれば、例えば、一方で、事業再編の方でこれはすごく何倍にもなっているから、じゃ、その分を少しという形で、このリスクの大きいベンチャーの大型案件に投資をするかという判断もできるようになっているのではないかというふうに考えています。
○中谷(一)委員 御答弁をいただきましたが、やはり大臣、事業ごとに、もちろん事業で切り分けられてKPIが定められていても、全然僕はあると思うんですよ。 それで、もちろん、その中の結果として、全体が、今大臣のおっしゃったような収益を上げていくような構造にしようということで構わないんですけれども、それは要するに、皆さんの内部だけで想定をされて持たれていることというのがやはり私たちにはわかりづらいのと、ベンチャーだったら、一定、もしかしたら、損をしていいとは思っていないかもしれないですけれども、投資がちゃんと回収できてちょっとでも利益が出ればいいな、それでほかの事業で収益を確保していければいいなということが聞こえてくるんですけれども、それを明確化していただかなかったら、今のその事業は本当にそういう形で進んでいるんですかということが私にはやはりわかりづらいなということを思うんです。 だから、やはり僕は、分野ごとのKPIを定めていただいて、それで全体のKPIはこうですよということをやっていただきたいんですが、済みません、平行線になって申しわけないんですけれども、再度御答弁をお願いします。
○世耕国務大臣 同じ答えになっちゃうんですが、分野別でKPIを絞ってしまうと、やはり、特にリスクの高いベンチャー案件への投資を萎縮させるのではないか。 ただ、こういう形で、結果としてベンチャーの投資案件が件数はこれぐらいで、お金のベースではこれぐらいで、そして回収率がこれぐらいだということはきちっと世の中に説明をしていく。結果としての説明は重要だと思いますし、常に、損していいとは全く思っていませんので、それぞれ、一つ一つやはり可能性のあるものをしっかり投資をしていくし、ベンチャーだけでもしっかりと一を超えるようには努めていくというのは、これは当然だというふうに思っています。
○中谷(一)委員 平行線でありますので、このあたりでこの議論はおさめさせていただきたいと思うんですけれども、私的には、要するに、結果がよければ公表していただいて見えてくるんじゃないかなと思っているんですけれども、やはり、都合の悪い情報があったとしてもそれも出していって、みんなで議論して、じゃ、この産業革新機構をどうしていこうかと考えることは僕はすごく重要だと思っているんです。 なので、今、結果のことに関してはしっかり公表していくというお話をいただきましたので、それは、いい情報も悪い情報も含めてしっかり公表を徹底をしていただきますように要望させていただきたいと思います。 KPIのことに関しても、ちょっとぜひ御検討だけでももう一度賜れればと思います。よろしくお願いします。 あとは、近年の独法改革によって、その話のちょっと延長上なんですけれども、官民ファンドだけではなく政府出資の会社がふえているんですけれども、それらは独法と比べて秘匿情報がやはり多くて、国民がその実態が把握できづらいんじゃないかという指摘があるという話を聞いています。 その中で、政府出資会社の株式は当然国民の財産であり、その状況はやはり株主たる政府がしっかりと国民に説明をして、コーポレートガバナンスを有効に機能させるべきであると考えます。 そうした観点から、政府出資会社の活動や年次報告書などの説明責任を果たす報告資料をよりわかりやすい形で情報公開を進めていただくべきと考えますが、INCJでこうした取組を進めていただくことはいかがでしょうか。政府の所見を伺います。
○糟谷政府参考人 産業革新機構につきましても、国からの資金が投入されている官民ファンドという性格上、情報開示については適切に行われることが必要であるというふうに考えております。 これまで、毎年度、経産省による業務の実績評価を行ったり、産業革新機構の事業報告書を公表しております。これらは法に基づくものでございます。 また、産業革新機構としては、個別案件の支援決定ごとに記者会見を行っているほか、平成二十九年からは半期に一回、機構全体としての投資活動や収支の状況などについて記者会見を行っております。今週初めもこれを行ったところでございます。 また、最近では、まだまだ情報開示が不十分じゃないかという御批判もあるものですから、株式売却案件の開示項目について、もっとぎりぎり、どこまで開示できるのか、本当にぎりぎりのところまで開示できないのかという話をいたしまして、過去の株式売却案件の全てについて新たな項目を含めて開示を行うなど、積極的な情報開示に向けて見直しを行ってきているところでございます。 経済産業省といたしましても、充実した情報開示が重要であるというふうに考えておりまして、こうした観点から、年次報告書を一層わかりやすくする、また、更に開示ができることがあればそれを開示をするということを含めて、適切な指導を行ってまいりたいというふうに考えております。
○中谷(一)委員 情報公開を進めていただけるということでありますので、また出てきたものをぜひ拝見をさせていただいて、ここが足りない、ここはこうした方がいいんじゃないかということがあれば、また委員会なども交えて御指摘をさせていただきたいと思います。 そして、官民ファンドに関する審議会でも、この官民ファンドの対象分野が投資収益理論と政策目的、公共政策の理論の重複領域であるとされた議論があるんですけれども、私、こうした今までの議論の中で、リスクは高いけれども収益はそれほど高くなく、しかし政策的に意義がある、こうした案件をベースに投資をしていくんだとすれば、その目ききを担う役員の選任、これは会社の業績に直結をするということを考えます。 なので、この役員人事を行う際には、官民ファンドは、役員の任命や評価基準、これをしっかりと明らかにしていただいて、公平、公正性を担保していただくことというのが私は必要なんじゃないかということを思っているんですけれども、INCJでこうした取組を進めていただくことというのはいかがでしょうか。現在の政府の所見を伺わせていただきたいと思います。
○糟谷政府参考人 産業革新機構が担うべき役割を果たすためには、これまで以上に、政策的意義のある投資案件を発掘したり、的確な投資判断を行ったり、充実した経営支援などを行える優秀な人材の獲得が不可欠であります。 経済産業省としては、優秀な人材を獲得するために、成果主義を徹底するということ、また、民間ファンドと比較し得る待遇を確保すること、こうしたことが重要であるというふうに考えております。このため、今回の法律案におきましても、専ら出資を行う業務に従事する職員の給与その他の処遇について、優秀な人材の確保並びに若年の出資専従者の育成及び活躍の推進に配慮するということを規定をさせていただいているところであります。 産業革新機構として必要な人材は多様でありますし、また、状況に応じて変わることも想定をされますので、一律の基準を定めるということはなかなか難しい面もあろうかと思います。ただ、御指摘のような方法も含めて、優秀な人材獲得のためにどのような方策をとることができるか、しっかりと検討するように指導をしてまいりたいというふうに考えております。
○中谷(一)委員 私は、やはり、多様性がある中でも、成果にコミットできる人材というものが必要だと思っています。なので、そういったことをやはり判断基準として定めていただいて、それを公表していただいた上で人事を行うということであれば、国民全体的に納得できる話じゃないかなと思いますので、これらを私は進めていただきますことを要望させていただきたいと思います。 時間もそろそろ参りましたので、最後に一問だけ触れさせていただいて、続きはその後とさせていただきたいと思いますが、二〇一八年四月三日の新聞各社の報道によると、INCJがルネサスエレクトロニクスの株式を二億三百三十五万九千六百株売却するとのことであり、ざくっと二千億円ぐらいの利益を上げるのかなということを思っているんですけれども、このタイミングでこの株式保有比率を四五・六%から三三・四%に下げるといった決断をされた、今この決断をされた理由というもの、利益と、この比率を下げた理由というものを教えてください。
○世耕国務大臣 ルネサスは、二〇一三年に産革機構が出資を行って以降、生産の合理化ですとか事業の選択と集中などを進めて、利益率を大幅に改善してきたところであります。 今後、このルネサスは、自動走行など、IoTの進展に伴う新たな競争環境に対応しながら、MアンドAも含めて、さらなる成長を図っていく考えだというふうに承知をしています。これから広がっていく自動運転の中で、ルネサスも非常にいい立ち位置にいるわけであります。 こうした状況の中で、産革機構としては株式の流動性を高めていくことが重要だと考えておりまして、二〇一七年六月、市場の状況も勘案しながら、この会社の株式の一部を売却をしているところであります。今回も同じ趣旨の売却であるというふうに聞いております。
○中谷(一)委員 時間が参りましたので、質問を終了させていただきます。 ありがとうございました。
○稲津委員長 次に、松平浩一君。
○松平委員 どうもお疲れさまでございます。立憲民主党の松平浩一です。 きのうに引き続き、質問させていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。 きのう、情報公開請求権のところで、公的データの提供要請制度のところなんですけれども、詳しくお聞かせいただきました。 そこで、一点、追加でお聞きしたいことがございます。 同じように、国から情報をもらうということに関しては、情報公開法という法律に基づく情報公開請求というのもあると思います。そことの比較なんですけれども、今回の公的データの提供要請というものについては、一定のレベルのセキュリティー対策が確認できた事業者という、単なる情報公開請求よりも厳しい要件がつけられておりますね。 そこで、今回のこの制度、情報公開制度ではなく、この制度を使うメリットというものは何か、教えていただければなというふうに思っております。
○前田政府参考人 お答え申し上げます。 情報公開法は、基本的には、国民お一人お一人の知る権利に基づきまして、行政側のアカウンタビリティーを全うするということですが、今回の制度は、基本は事業動機が一番の始まりとなります。 その際、提供する際に、例えばですが、これからどういう提供の御要請があるかわかりませんけれども、気象のデータであるとか、あるいは地形のデータであるとか、あるいは独立行政法人の保有している生物資源に関するデータであるとかいうふうなもので、そういう公的なデータを使うことによって民間のデータビジネスが振興できそうだというふうなものを念頭に、情報公開の場合は一件一件の審査になりますけれども、その提供する方法も、ある意味で、APIをオープンにして、ある一定の契約関係で提供するとか、ある一定のセグメントのところは一定の量のものをデータとしてお渡しするとか、リアルタイムで変化するデータのものも含めてお渡しするとか、ビジネスにうまく資する形で提供していくということを想定をしております。 したがいまして、そういうデータを扱う人については、今御指摘のありましたように、セキュリティーのレベルをチェックしないとやはりそこをお預けすることはできないなということで、事業者の認定要件を加味している、こういう状況でございます。
○松平委員 どうもありがとうございます。 事業用ということで、使い勝手がよい提供のされ方がされるというふうに思いました。どうもありがとうございます。 それでは、規制のサンドボックスの質問について戻らせていただきたいと思うんですが、グレーゾーン解消制度というものについてお聞きします。 今回、規制のサンドボックスを受ける前、前といいますか、その前提の段階で、新しい技術が規制にひっかかるかどうかというところを確認するために、生産性向上特別措置法の十条一項というものが設けられています。こちら、今までにございました新事業特例のところであるグレーゾーン解消制度と同様の制度というふうに認識しています。 それで、この新事業特例のグレーゾーン解消制度の方なんですけれども、今回、事業者に対して理由の回答義務を設けるという改正をしています。それが産業競争力強化法の改正後の七条なんですけれども、そもそも、このグレーゾーン解消制度、これはどういったものか、趣旨をお聞かせ願えますでしょうか。
○中石政府参考人 お答えします。 グレーゾーン解消制度は、事業者が、現行の規制の適用範囲が不明確な分野において萎縮することなく新しい事業にチャレンジすることができるよう、具体的な事業計画に即しまして、あらかじめ規制の適用の有無を確認できる制度でございます。 例えば、ドラッグストアで、利用者みずからが採血した血液、この血液を専門の検査サービスに提供して、そのサービス会社から検査結果を通知をいただくサービスについて、これが、利用者への検査結果の事実の通知が医師法十七条に当てはまるのかというような問合せがありまして、それは要するに医師のみに認められている医業に該当するか否かという照会がありまして、その結果、回答として、本事業は医業に該当しないというような回答をいただいたこともございます。 こういう結果を受けて、事業者は現在千四百店舗を超える事業展開を行っておりまして、こういったグレーゾーンを解消することで事業展開を応援していこうという制度でございます。
○松平委員 それでは、今回、回答について、理由を付して回答するというふうな改正を行われていますけれども、この趣旨は何でございましょうか。
○中石政府参考人 先ほど申し上げましたグレーゾーン解消制度は、事業の実施前に規制の適用の有無を確認する制度でございます。その際に、適用されないということであれば全て済むわけでありますが、これまで、回答の際には、適用されてしまうという場合に規制所管大臣が理由を提示する法律上の義務がございませんでした。 したがいまして、適用されますという御回答だけだったものですから、事業者は、今回の事案が何か事業を改善すればまだしも適用されない方法があるのか、工夫の余地があるのかということがわかりませんでした。その結果、行政的なリスク、あるいは規制的なリスクを考えまして、事業を縮小したり、あるいはもう諦めてしまうということもございました。 このため、今回はそこを改善しまして、回答時に理由を提示する法律上の義務を規制所管大臣に課したものでございます。
○松平委員 ありがとうございます。 規制の適用関係によって、なぜ規制されるかということがわかるのか、今、何か改善すればいいのか、何か工夫すればいいのかということでおっしゃいましたけれども、事業者として、本当に、次に対処できるようになるということで、非常にいい改正なのかなというふうに思っております。 それでは、今回の新技術実証の方で、十条一項の方の、いわゆるこちらのグレーゾーン解消制度の方なんですけれども、こちらも、事業者が確認を求めた場合に、十条の二項で、遅滞なく回答すると規定されております。けれども、こちらについては、同じように、理由の回答義務というのが付されていません。新事業特例の方は、今言ったように、改正されて理由の回答義務があるんですけれども、こちらは理由の回答義務を設けていないということです。これを設けなかったのはなぜなんでしょうか。
○中石政府参考人 お答えします。 生産性向上特別措置法案第十条、御指摘いただきました条項におきまして、新事業等実証に関係する規制の適用の有無について、主務大臣たる規制所管大臣に確認するための手続規定を置いています。しかし、これについては、回答理由を提出する法的義務は課しておりません。 これは、第十条の確認は、法案第十一条一項に規定する新事業等実証計画の申請を行う前にあらかじめ行うものとして位置づけております。規制所管大臣が実証に関係する規制が何らかの形で適用されると回答される場合、先ほどのように規制がかかるという場合には、この次に、新事業等実証計画の申請へと移行していくことを想定しているからでございます。 その実証計画の申請を受けました主務大臣が計画の審査を行い、仮に、計画の認定を行わない、要するに規制に該当するということで行わない場合には、これにつきましては、法案第十一条第六項に基づき、事業者に対し理由を付して回答することを義務づけておりまして、ここにおいて理由つきの回答を事業者に提出する義務をかけておりまして、要するに、プロセス全体として今回、回答義務をつけたということでございまして、そういった制度設計を行いまして、新事業実証制度としての全体という仕組みということでございます。
○松平委員 ありがとうございます。 その後の認定の段階で理由を付すからいいのだというような御回答だったかと思うんですけれども、事業者としては、計画認定を出す前の段階でも、新規の技術が、新しい技術がやろうとしている規制に反するかどうかというのは、理由をもって確かめたいと思うんですね。 そこで、先ほど理由を付した趣旨というのはお聞きしたと思うんですけれども、その趣旨というのは、今回の実証段階でも同じようにやはり当てはまるんじゃないのかなというふうに思います。やはり平仄を合わせるという意味でも、こちらにも理由の回答義務というのを設けてもいいのかなというふうに思いました。 そういう形でちょっと私から意見申し上げて、次に行きたいと思います。 それでは、この規制のサンドボックスなんですけれども、実証までのタイムラインについてお聞きしたいと思います。 これは、まず、グレーゾーン解消制度の回答期間について、遅滞なく回答するというふうにされていますけれども、この遅滞なくについてはどのくらいの期間を想定されているんでしょうか。
○中石政府参考人 お答えします。 現行産業競争力強化法における規制の特例措置の求めやグレーゾーン解消制度においては、主務大臣は遅滞なく回答する旨規定されており、具体的には、強化法施行規則において、申請から一カ月以内に回答することとされております。 こうした例を踏まえつつ、今回の新事業等実証でも、迅速に実証を開始できるように適切な回答期間を設けることと考えております。
○松平委員 そうすると、一カ月めどということなんですけれども、新技術への規制の適用というものを行政に確認してから、回答が返ってきて、それで規制の特例措置の整備を求めて、それから新技術実証の計画を提出して、それが認定されて実施できるようになるまで、では、最短で全体としてどのくらいの期間というのを事業者として見ておけばいいのかな。目安をちょっと教えていただければなというふうに思います。
○中石政府参考人 先ほど申し上げましたように、現行産業競争力強化法に基づく新事業活動計画の認定につきましては、事業者の申請から一カ月以内に認定し、申請者に回答をすることとしております。 こうした例を踏まえつつというのは先ほど申し上げたとおりでありますが、今回、新事業等実証制度につきましては少しプロセスがふえておりまして、事業者の事案を広く一元的に受け付ける窓口を内閣官房に設置して、幅広く、どんな規制がどこの省に関係するのかということを前さばきして、総合的に取り組んでいきたいということと、もう一つは、専門的な知見をいただくということで、革新的事業活動評価委員会における審議というのもかませております。 こういったことで、さまざま支援措置を付加価値をつけて進めようと思っておりまして、その関係で、事業者の準備状況も勘案して、迅速に実証が開始できるように適切に仕組みをしたいと思いますけれども、少し、一カ月よりはもう少しかかるということを考えております。
○松平委員 どうもありがとうございます。 実は、私としては、今回の制度を拝見していて、ちょっと迂遠なところがあるのではないのかなというふうに思っております。 ちょっと資料を、用意した一をごらんいただきたいと思うんですが、法案のスキームでは、新技術への規制の適用の確認をまず求めます。それで、行政に確認して、規制の適用があるなということで、そういった場合は、規制の特例措置の整備を求めます。これは、次の矢印で、二つ目なんですが。それで、要求された場合に、評価委員会に意見を聞きまして、それで、その意見を聞いて特例措置を決定します。それを受けて、事業者は、新技術の実証計画というものをつくって提出し、それが提出されて、また評価委員会の意見を聞いて、それで計画がようやく認定され、それからようやく実証開始ができる。そういう流れになっているんですね。つまり、特例措置決定までの段階と計画認定の段階で、ツーステップあるという形になっています。 しかし、ちょっと私が横に書いた案の方を見ていただくと、まず、新技術への規制の適用を確認した後、特例措置の要求を求めた計画を提出して、それでいいのではないのかな、そこで評価委員会の意見を聞いて、特例措置の決定、つまり、その決定が計画認定と同じ段階になる、それで、その後すぐに実証開始ができる。こういう一段階でいいのではないのかなというふうに思ったりもするんです。 これは、きのう私が質問させていただいたときに、条文の構成がちょっとトートロジーになっているのではないかというふうな御質問をさせていただいたかと思います。 どういった話かというと、命令や告示にその新技術が違反しないように特例を適用する、それが自然であるにもかかわらず、十五条を見ると、特例が適用されるのは命令や告示に違反しないということが確認された後になっているというふうに申し上げて、ちょっと前後関係がどうなのかということを御質問させていただきました。 そうしたところ、中石審議官の方から、規制の特例措置を受けることを踏まえて認定するんですよと、計画は。つまり、それは、その認定自体が命令や告示に違反しないことを判断するというような御回答であったのかなというふうに思います。十五条自体は、それでいて確認規定にすぎない、そういう御回答だったのかと思うんですが、そうなると、結局のところ、特例の措置の適用の段階と認定の段階が同じという形になると思うんですよね。そうじゃないと、その条文の適用関係がおかしくなるので。 そうすると、やはりその法案にあるような二段階のステップにする必要はなくて、その条文との整合性からも、ちょっと私が案に書いたような一段階でやはりいいのではないかなというふうに思ったりもするんです。 そもそも、この新技術の実証制度、これができたのは、やはりアイデアベースの実証というのは、これはスピードが命だったりすると思うんですね。アイデアというのはすぐに盗まれちゃうものですので。ですので、そのスピード感という観点からも、二段階に分けるというのは迂遠だとやはり思いますので、これは、スピード感を持ってやってもらうという意味からも、ちょっとこの辺の運用上、柔軟に考えていただけるところがあるのならば検討していただきたいなというふうに思うんですけれども、この点、大臣、いかがでございましょうか。
○世耕国務大臣 今、これは二段階、評価委員会が判断するという形になっているわけですけれども、まず、前段の規制の特例措置の整備の判断と後段の新技術等実証計画の認定の判断は、やはり判断の内容ですとか要件が異なるということから、主務大臣がそれぞれの判断についてこの評価委員会の意見を聞くことが必要になりますので、御提案いただいているように、主務大臣がこの評価委員会の意見を聞くことを一度で済ませるという進め方を導入するのはちょっと難しいのではないかと思っています。 ただ、一方で、委員御指摘のように、スピード感が重要だということ、これはもう全く同感でありますので、この二段階になっていることによって、事業者の事務負担が増したり、あるいはスピードが遅くなるようなことがないよう、内閣官房に設ける予定の一元的窓口が事業者をサポートするなど、制度運用の面でしっかり工夫をしてまいりたいと考えております。
○松平委員 どうもありがとうございます。 そうですね。やはり、適用確認して特例の措置を要求する段階で、同じように並行して計画の方も作成に入っていけるような、そういった形でのサポートであるとか運用をお願いできればいいのかなというふうに思います。どうもありがとうございます。 それでは、次に移らせていただきたいと思います。 規制のサンドボックスの方ですね。法案の五十条の方で、認定の実証計画の実証データについて、こちら、主務大臣は計画の実施状況についての報告を求めることができるというふうになっております。それで、それを受けて、十九条の方で、その報告を踏まえて、規制の特例措置について、必要があると認めるときはその見直しなどをするというふうに定めてございます。 この実証計画の実証データについてはぜひとも有意義に使ってもらいたいと思いますし、一方で、これはやはり、国が特別に認めた枠組みで得られたデータでございますので、ある意味、公共財としていろいろな方に利活用を推進してもいいのかなというふうにも思ったりもするんです。 そこで、このデータの取扱い、実証の結果得られたデータの取扱いについてお聞きしたいんですが、これは、どうなんでしょう、そもそも公表されるんでしょうか。それとも、この取扱方法について、事業者と国との間で、取扱条件ですとか、そういったものが定められるんでしょうか。もし定められるとしたならば、ちょっと詳しく教えていただきたいなと思うんですが、いかがでしょうか。
○中石政府参考人 お答えします。 新事業等実証制度は、新技術等の社会実証をスピーディーに行うということは、もう繰り返しの話です。その当該実証により得られたデータを用いて必要な情報、資料を整理して、規制改革につなげることも大きな目的と考えております。 規制改革の検討プロセスの透明性、公平性、エビデンスに基づく政策形成、こういった観点から、当該実証で得られた資料や情報は公開が原則であるというふうに考えております。 ただし、一方で、本制度は、世界じゅうで競争が激化する最先端の革新的技術を対象としております。したがいまして、内容が余り詳細に明らかにされますと、申請された事業者の利益を損なう場合もあるということも考えております。こうした事業者の営業上の秘密に関するデータにつきましては、その全てを公表することは適当ではないというふうにも考えております。 こうした観点を踏まえまして、競合他社からの利用申請があった場合も含む実証データの取扱いにつきましては、政府全体での一般ルールである情報公開法等のルールにも従いつつ、公表による透明性の確保と事業者の利益のバランスに配慮した対応を行っていきたいというふうに思っております。
○松平委員 どうもありがとうございます。 情報公開法のルールにも考慮するということですけれども、先ほどちょっと、原則として公開するというふうにおっしゃっていただいたので、なるべく公開する方向で、やはりオープンデータとして多くの人々が使っていって、せっかくこれは実験したので、このデータを使って多くの人がイノベーションを生み出せるような原資にしていただきたいなというふうに思っております。その旨御意見させていただきます。 次に、規制のサンドボックス。 スキームを見ますと、主務大臣が、革新的事業活動評価委員会というんですね、この評価委員会、これの意見を踏まえて実証計画を認定するというふうになっております。これは、そう考えると、評価委員会の意見というのは非常に重要な役割を持っているんだなというふうに思います。 これは、きのうの参考人でいらしていただいた増島先生もおっしゃられていましたけれども、この評価委員が専門性を持っている、そういった人材であるというのがこれはポイントだと思いますし、これは、そうでなければ、結局この新技術がいいのか悪いのかわからない、そうなると結局判断ができないということになってしまいます。 そうすると、このサンドボックスというものは、ここの制度に乗るのがいろいろな新しい分野のいろいろな技術というものが予定されているので、評価委員も専門性が万能ではないので、乗ってくる分野、新技術に応じた専門性を持った人材というのが必要になっていくのかな、それに応じて選任していくのがいいのかなというふうに思います。つまり、そうなると、サンドボックスに乗ってくる案件ごとに評価委員会の構成を変えていったりした方がいいのかなというふうに思ったりもします。 この評価委員会のあり方について、今ちょっと述べたような専門性という部分についても考慮しながら、常時設置というのではなく、適宜になるのかどうかという部分も含めて検討すべきと思うんですけれども、現段階で検討されている評価委員の任命基準というものについて教えていただければと思います。
○中石政府参考人 お答えします。 革新的事業活動評価委員会は、実証計画の認定などに際し、専門的かつ客観的な評価を行い、主務大臣の適切な判断に資するために設置するものでございます。 評価委員会の委員は、各省庁の所掌の枠を超えた幅広い分野、領域に及ぶ内外の社会経済情勢及び革新的事業活動の動向に関してすぐれた見識を有する者を任命することとしております。 委員会の具体的な実務につきましては、今後政令などで規定する予定でありますけれども、まさに委員御指摘のとおり、非常に専門性が広くあります。また、技術トレンドも半年で変わるというような激しい動向もございます。したがいまして、新技術等の実証の効果の評価に必要な専門家を随時、さまざま、柔軟に集めていきたいというふうに考えていまして、それに基づきまして、効率的な、迅速な審議ができるような仕組みを構築するということも考えてまいりたいと思います。 いずれにしましても、詳細な制度設計につきましては、法律の施行時に決めていきたいというふうに思います。
○松平委員 今後御検討されて、法律施行時にお決めになるということなんですけれども、ぜひ、こちらの規制のサンドボックス制度を、せっかくできましたので、実効的に運用できるような評価委員会の構成並びに設置方法としていただきたいなというふうに思っております。 それでは、新事業特例の方について伺います。 新事業特例制度、こちらの四年間の実績を見てみると、申請件数が十一件というふうになっておりまして、これは結構低調にとどまっている印象がするんです。 産業競争力強化法の八条三項を見ると、主務大臣は規制所管大臣に新たな規制の特例措置の整備を要請するというふうに記載がございます。これを見ると、事業所管省庁と規制所管省庁との連携協力というのがやはり重要になってくるのかなというふうに思います。 この十一件という、件数が低調にとどまっている理由という部分と、今ちょっと申し上げましたこの八条三項の連携という部分で、実際の運用がどうだったのかなというところが疑問に思う部分もございまして、そのあたり、ちょっと教えていただきたいなというふうに思います。
○中石政府参考人 お答えします。 新事業特例制度は、安全性などの保護法益が確保できるよう規制の代替措置を講じることで、事業者が企業単位で規制の特例措置の整備にチャレンジできる制度であります。 これは、申請を受けた十一件、御指摘がございましたけれども、規制の特例措置の要望のうち、六件の申請は認められまして、特例措置のメニューを整備し、そのメニューに従いまして新事業活動計画が二十二件認定されております。 また、残りの五件につきましては、規制所管官庁の方で、この制度というよりかは、特例制度の整備を経ることなく、直ちに全国的に規制緩和をしていこうということで、全国的に展開されたものでございます。 他方、低調といいますか、なかなか伸びなかったという要因を分析しますと、ある代替措置が適切であるということを検証するためには十分な情報、データ、資料が必要であると言われまして、その規制を代替措置として変えていくということのための実証なりエビデンスを集めるために事業者が苦労されたということがありまして、結局は規制があるために十分なデータが集められなかったということが、今回、要因として認識しております。したがって、そのデータも集められないものですから、特例措置の整備も求められないということでございました。 そこで、今回、そういった事業者の実態のことをいろいろ調べた結果、新たに、生産性向上特別措置法案では、まさに新事業等実証制度を導入したということであります。まずは実証をさせていただきまして、この実証で得られた情報を活用して、そして新事業等実証制度と一体的に運用することで、エビデンスに基づく規制の特例措置の検討を加速化しまして、新事業活動に関する規制の特例措置の求めもどんどんふやしていきたいということで、これまで特例措置を得るためにできなかったことを、今回できるようにしていく。その二つを合わせて進めていきたいというふうに考えております。
○松平委員 どうもありがとうございます。 代替措置を求められて、その代替措置に沿ったところで事業者の方で対応できたかできなかったかという部分とかあったりするということなんでしょう。それを踏まえて今回の技術実証の方ができたというところなんだと思います。 先ほど件数の方もおっしゃっていただいたんですけれども、五件が全国的に展開できたというところなんだと思うんですけれども、現行法十五条では、この新事業特例制度の特例措置の整備及び適用の状況、それから、諸外国の状況、技術の進歩その他の事情を踏まえて検討を加えて、必要な法制上の措置その他の措置を講ずるというふうに規定がございます。 この五件、六件ですか、済みません。五件の方ですか、全国的に展開されたというのは。その申請から、この整備を求められ、それでこういった形でこの十五条が適用になる。その十五条が適用になる検討プロセスというのがちょっと外から見ていてわからないので、そこの検討プロセスについてもちょっと教えていただきたいなと思うんですが、いかがでしょう。
○中石政府参考人 お答えします。 産業競争力強化法第十五条に基づきまして、規制の特例措置を整備した規制所管大臣は、すなわち、先ほどの十一件のうちの規制の特例メニューをつくった方、六件の方であります。規制の特例措置の整備、それが先ほどの二十二件、計画が出てまいりましたけれども、適用の状況を踏まえて、規制のあり方について検討しまして、その検討結果に基づいて規制の撤廃や緩和のための必要な措置を行うということになっております。 先ほど申し上げました、その十一件のうち、特別措置のメニューができた方でありますけれども、そのうち三措置につきましては、特別な措置だけではなくて、実際にこの十五条に基づく規制の撤廃や緩和という措置が行われました。 それ以外の規制の特例措置につきましても、引き続き私どもフォローアップをしておりまして、今も規制のあり方の検討を行っていると聞いております。 経済産業省としましても、こういった規制所管大臣と連携しまして、特例措置を行って、こんな実績ができたので更に変えていただけませんですかというようなことで、さまざまな協議、御相談しながら、規制改革を進めていきたいというふうに考えております。
○松平委員 協議を、連携をしながらということなんですけれども、何か、せっかくこの新事業特例が規制改革を促進するツールとしてできているものですので、原則として、この十五条が適用されて、全国的に展開できるようにするというふうなルールを設けるなど、きちっと規制改革を先導できるような何か運用をしてもらえればいいのかなというふうに思っております。そうすれば、数もふえ、事業者の方もこちらの認知度が高まっていくのかなというふうに思ったりもします。ぜひともまた積極的な施策の方をよろしくお願いいたします。 それでは、次のトピックとしまして、事業再編の促進の方に移らせていただきたいと思います。 資料の方を用意しているんですけれども、資料を一枚めくっていただいて、二をちょっと見ていただきたいんですけれども、一番左ですね。これは、日本の会社の売上高利益率ですね。過去十年間の平均なんです。 これは、世界の平均と米国の平均、欧州の平均と比べたものなんですが、売上高利益率というのは、収益性が高いかどうか知れる指標で、販売活動ですとか管理、販管費ですね、それの効率性をはかる指標なんですけれども、これの過去十年の平均、見ていただけばおわかりのように、日本企業は非常に低くて、三・六一%しかないというところになっています。 それで、ちょっと一枚めくっていただいて、資料三の方を見ていただければと思います。こちら、日本企業と米系企業、欧州系企業との比較で、事業セグメント別にしたものなんです。これの売上高営業利益率です。 これを見ると、真ん中の米系企業の方が、黄色の部分、七割以上のセグメントが売上高営業利益率が一〇%以上となっている。それに対して、日本企業は、黄色の部分、一〇%以上の収益性を持っている部分が一〇%ぐらいしかない、黄色の部分が一〇%ぐらいしかない。逆に、水色の部分ですね、五%以下のところ、赤字を含むということになっているんですけれども、これの事業セグメントが六二%もある。米国企業は一五%ぐらいしかないということがわかる表です。 これを見ると、日本企業は、低収益のセグメントをやはり抱え込み過ぎているんじゃないのかなというふうな現状がわかると思います。これは、もっとやはりMアンドAですとか組織再編というものを活性化して、高収益体質にして国際競争力をもっとつけていくことが重要なのではないかなというふうに思います。 今回、組織再編を活性化させる施策というのを設けられたと思うんですが、具体的にどのような施策をとられているかというところ、大臣、御説明いただいてもよろしいでしょうか。
○世耕国務大臣 今お示しの円グラフは、これは我々政府の中の会議でも議論をしたところであります。 その結果として、未来投資戦略二〇一七というのがありまして、その中で、「残された課題」ということで、「企業において、大胆な経営判断が必ずしも十分になされておらず、変革よりも現状維持に力点がおかれている。その結果、収益性が低い事業を抱え込み続けており、事業ポートフォリオの機動的な見直しや、経営資源を成長性・収益性の見込める事業に振り向けていくための取組が進んでいない。」我々も、こういう認識を政府として持っているわけであります。 一義的には、経営者、しっかりしてほしいと思います。そういう経営者をしっかりさせるために、やはり、まずコーポレートガバナンスをしっかり機能させるということが重要。あくまでもサラリーマン精神で、多分、日本の大企業の特徴だと思うんですね。各部門で育ったサラリーマンの役員がいっぱいいて、OBも相談役とかでずらっといて、なかなか、この事業はもうだめだからといって切り捨てにくい。いかにも日本の企業文化の特徴だと思うんですが、そういう経営をしている経営者は評価されないというような、やはりコーポレートガバナンスをしっかり入れていくことが必要だというふうに思います。 それに加えて、やはり政策的にも幾つか後押しをしていこうということで、今回の産業競争力強化法の改正案では、まず、自社株を対価としたMアンドAの実施を円滑化していこうということで、事業ポートフォリオの転換を図る場合など、計画認定を受けた場合は、対象会社の株式の譲渡損益に対する課税を繰り延べて、そして、特例の対象にいわゆる株の相対取引の場合も追加をするということを入れさせていただいております。 あるいは、企業から不採算の部門を切り出して例えば子会社にしていくとか、あるいは、別の、その会社をもらえば自分の会社は相乗効果でもっと利益率を上げることができるんだというような、そういう取引ができるように、スピンオフの実施を円滑化するために、会社法の特例として、株主総会の特別決議を不要とするなど、事業再編を促進するための措置を整備することとしております。 これらの措置を十分に活用して、各企業における成長分野を核とする事業再編の促進を通じて、産業の新陳代謝を活性化して、日本の産業の国際競争力を強化してまいりたいと思います。
○松平委員 大臣、ありがとうございます。 今、企業文化の特徴の点からお話しいただいたと思うんですけれども、まさにそのコーポレートガバナンス、企業の文化を変えていくという部分で、重要だと思います。 コーポレートガバナンスの一環として、社外取締役を二名設けることとするという改革等があったと思うんですが、そういった改革等があることによって、企業の中でしがらみのない、外部からの人間が客観的な意見で、こういうふうに会社を変えていったらいいんじゃないかということが言えるような環境になっていくというのは、非常に重要なことなのかなというふうに思っております。 それで、その上で、制度的なところ、今回のスピンオフの部分であるとか、手続の簡易化であるとか、それから株対価買収をしやすくするであるとか、その辺、私も本当に同感で、非常にいいことだと思います。 特に株対価買収のところについては、自社株を使った部分については、日本ではなかなかできていなかったけれども、海外では普通にやられている。これで事業再編が活性化されるということを私としても願っていきたいなというふうに思っております。 ここで一点、ちょっと具体的な部分で、自社株対価MアンドAの件でお伺いさせていただきたいなというふうに思います。 前の改正で、TOBのときについて許容されたと思うんですけれども、今回、相対の場合も買収対象会社の株式取得の対価として自社株の交付又は発行をするというときに、有利発行規制の特別決議を不要としているという制度だと認識しています。 ここでちょっと確認したいんですけれども、対価として、自社株のみならず、現金と併用の場合もこれは有利発行規制の対象外ということでいいのかどうかという部分ですね。これは、ちょっと海外の話を出しましたけれども、やはり海外のMアンドAを見ると、株式と現金の複数対価のMアンドAというのがむしろ多いという傾向にあると思うんですね。 したがって、実務上の観点から、ここの部分がちょっと気になっておりましてお聞きしたいんですけれども、プラスで、税金の方についてもどうなのかというところを御回答いただきたいなというふうに思います。
○糟谷政府参考人 自社株とそれから現金を組み合わせたMアンドA、これは海外では非常に一般的に行われております。 御質問のお答えですけれども、結論から申し上げますと、会社法の特例と税制とでちょっと扱いが異なっております。 まず、自社株を対価とするMアンドAについて、これまでTOBによる買収だけが対象だったところが、今回、相対取引に拡大をしたわけであります。これによって、非公開の会社についても対象になります。計画を受けた場合に、認定を受けるということを前提にして、これも会社法の現物出資規制や有利発行規制を適用除外とする特例が適用されるわけであります。これは、現金と株式を組み合わせたケースにおいてもこの特例は適用されます。 他方で、税制上の特例については、今回新たに設けたわけでありまして、特別事業再編計画という計画の認定を受けた場合に、買収対象会社の株式の譲渡損益に対する課税を繰り延べるということができることとしております。ただし、この税制上の特例については、株主のみを対価とする場合に対象が限定をされております。 なぜこういうふうに分かれたかということなんですけれども、もともと事業再編の税制については、事業再編をやる際に、企業の形が組みかわるだけで、キャッシュが手に入らないのに株主に若しくは企業に税負担が生じる、これが事業再編の妨げになるということを何とかしようということで、税制上の特例措置をずっと講じてきたわけであります。 ただ、御質問の、自社株と現金とのパッケージで買収をする場合には、対価として受け取った金銭があるわけでありまして、これを納税の資金に充当できるということで、株主繰延べ措置の必要性が相対的に小さいということから、今回の税制上の特例の対象にはならなかったということであります。 この点は将来的な政策課題であるというふうに考えておりますが、まずは、今回の制度改正の実現と幅広い事業者による活用促進に全力を挙げることにいたしたいと考えております。
○松平委員 どうもありがとうございます。 複数対価の場合で、有利発行規制のところは適用になるということをお聞きできて、ちょっと安心いたしました。 一方で、税金の繰延べの部分、なるほどなというふうな気もしてはおりますけれども、やはりその趣旨が、対価としてキャッシュが入らないので税金が払えない、今回の複数対価の場合については、キャッシュは入るだろう、したがって、繰延べは認めないというような御回答だったのかと思うんですが、ただ、併用するにしても、現金の部分はしようがないとしても、株式の部分については繰延べを認めていただくという方が、論理的に考えても整合性はとれるのかなというふうに思うのですね。 今後、今、政策的な課題、将来的な政策課題というふうにおっしゃっていただきましたけれども、この部分をぜひともやはり積極的に進めていただきたいなと。併用の場合というのは海外で結構多いですので、日本でも広がることが予想されますので、ここの部分をぜひとも進めていただきたいなというふうに思っております。よろしくお願いいたします。 それで、次に移りまして、同じように組織再編の話なんですが、独禁法の問題に移らせていただきたいなというふうに思います。 事業再編、MアンドAの場合には、大抵、独禁法の問題が絡んでくると思います。私も前にMアンドAの仕事をしていまして、やはり独禁法の関係で結構手続がおくれたり、コストがかかってきて、非常に苦労した経験がございます。 この独禁法の関係で、一定の要件に該当する企業結合を行う場合、公正取引委員会に届出をしなければならないというふうになっているんですが、この要件について詳しく教えていただければなというふうに思います。
○菅久政府参考人 お答え申し上げます。 一定の要件を満たす会社でございますが、その会社が合併や株式取得などの企業結合を行う場合、独占禁止法に基づきまして、あらかじめ公正取引委員会に届出をする必要がございます。 例えば、合併ですと、国内売上高合計額が二百億円を超える会社、それと国内売上高合計額が五十億円を超える会社、これが合併をする場合には届出が必要になるということでございます。その他、株式取得、分割、事業等譲受け、それぞれについて規定が定められております。
○松平委員 ありがとうございます。 今の要件のような場合、届出をするということで、届出をした後に三十日の待機期間がある。三十日、延長はあるかもしれないんですけれども、そういった形で待機期間の間に公正取引委員会の方で審査がなされます。これはどういった審査がなされるのでしょうか。その審査の内容を教えていただいてもいいでしょうか。
○菅久政府参考人 お答え申し上げます。 公正取引委員会が企業結合審査を行う際の考え方につきましては、企業結合審査に関する独占禁止法の運用指針、いわゆる企業結合ガイドラインと申しておりますが、これを公表しておりまして、実際の審査では、これに沿いまして、需要者にとってどの範囲の商品、役務が代替的であるのか、また、需要者がどの地域の供給者からその商品や役務を調達できるのか、そういった観点から、一定の取引分野、市場の範囲、この画定を行った上で、それらの市場ごとに、当事会社グループの市場における地位でありますとか競争事業者の状況、また、輸入圧力や参入圧力があるかないか、またその程度、そうしたさまざまな考慮要素を総合的に検討することで、その企業結合が競争を実質的に制限することとなるかどうか、需要者にとって十分な選択肢が確保できなくなるような状況になるかどうかといった判断をしているところでございます。
○松平委員 どうもありがとうございます。 端的に言うと、さまざまな考慮をして、競争を実質的に制限することとなるかどうかというのを判断しているというようなことだと伺いました。 その中で、一定の取引分野又は市場というもので判断されているということなんでしょうけれども、私は、この審査に当たっては、現状の日本が非常に過当競争となっているところ、それから、海外ではジャイアント企業、巨大企業がどんどん出てきて、そこで日本企業と比べて、日本の国際競争力が非常に弱くなっている、そういう現状も踏まえて、そういうところも考慮に入れて考えてもいいのかなというふうに思うんです。 このガイドライン、私も拝見したところ、やはり、一定の取引分野であるとか市場というところに海外も含めてというふうに記載はされてはいるんですけれども、そこの部分が、ちょっと感触として、どの程度考えてもらっているのかなというふうに思ったりもします。 今は、御存じのとおり、プラットフォーマーにデータであるとか人材がどんどん集中していくという時代です。これは、本当にウイナー・テーク・オールというような時代になってきていて、国際競争においては、もう絶対優位を獲得できないと負けてしまうというような時代になってきているのではないのかなと。そういった状況を鑑みると、日本において、できるだけ独占を排除していって、多くの企業でシェアを分け合って国内でしのぎを削っていくという状況でいいのかどうかというところもあると思います。 先ほど売上高利益率のところを見ていただいたんですけれども、日本企業が非常に利益率が低いという、もしかしたら一因にもなっているのかもしれない。そうなると、設備投資もできず、人材も集められずということで、やはり国際競争としては弱くなっていってしまうのではないか。そうなると、そのうち、海外の巨大企業が日本に入ってきて、日本でもシェアをとられてしまって、長い目で見ると日本の消費者の利益にならないということもあるかもしれないというふうに思っております。 そういう意味でいうと、今後は、今以上に、競争政策において、日本の国内市場だけではなく、海外市場も含めた観点から考えていっていただいてもいいのではないかなというふうに思います。 今、ちょっとこういった形で御意見させていただいたんですけれども、今の私の意見を踏まえまして、ちょっと公正取引委員長の御所感をいただきたいなと思うんですが、いかがでしょうか。
○杉本政府特別補佐人 お答えさせていただきます。 先生御指摘のように、経済の国際化、グローバル化というのは、急速に進展している状況にあると思います。そうした中で、需要者が国内外供給者を差別することなく取引する商品、役務、こういう国際化した商品とか役務に関しましては、公正取引委員会が審査する際にも、国境を越えた国際的市場を画定し、企業結合がそのような国際的な市場における競争に与える影響を分析しながら、独占禁止法の問題の有無を判断しているところでございます。 具体的にも、幾つかの例におきまして、個別事例におきまして、企業結合審査に当たりまして、世界市場を市場として画定した例もあるところでございます。 公正取引委員会としては、引き続き、経済のグローバル化に伴う国際的な競争の実態を踏まえつつ、事案に応じて国際的な市場を画定するなど、迅速かつ的確な企業結合審査に努めてまいりたいと考えております。 それから、デジタル経済におけるプラットフォーマーの問題についての御指摘もございました。 我が国だけではなく、世界的な動きとしまして、経済のデジタル化が進展して、人々が便利な商品やサービスが利用でき、メリットを享受するようになっております。 ネットワーク効果というものがございますので、先生御指摘のように、ウイナーズ・テークス・オールという形になりまして、プラットフォーマーと呼ばれる企業の一部が独占化、寡占化する傾向があるということも十分承知してございます。 私どもとしましては、公正かつ自由な競争を活発に行うことができる、整えることによりまして、イノベーションを推進することが競争政策の重要な役割であると思っておりまして、イノベーションを推進することによって、逆に言えば、企業の利益率というのは上がっていくというふうに考えております。 こうした観点から、プラットフォーマーによる反競争的な行為が行われていないかどうかということにも十分注視していく必要があると思っております。 先般、私どもで、データと競争政策に関する検討会を設けまして、その報告を公表しております。そうした分野におきましては、データを不当に収集するだとか、独占、寡占企業、事業者等がデータを不当に囲い込む、こういったものに対して独占禁止法上問題とすべきだというような考え方も示しているところでございます。
○松平委員 どうもありがとうございます。 イノベーション推進の観点から、利益率が上がっていくようなところも踏まえてというふうにおっしゃっていただいたのは、非常にありがたいことなのかなというふうに思います。 やはりちょっと時代も変わってきておりますので、長い目で見た消費者の利益という観点からも競争政策の方を考えていただきたいなというふうに思っております。 それで、今、御回答で、デジタルプラットフォーマーの話、これが出てきてしまったんですけれども、海外の巨大企業の話をしましたので、ちょっとそれに関連してお聞きしたいと思うんですけれども、デジタルデータに関しては、海外の一部プラットフォーマーに独占されてしまっている、独占というか寡占されてしまっているという状況にあるというふうにも理解しております。 それで、その部分に関して、去年の六月には、EUで、グーグルに対して、EU競争法に違反したとして二十四億二千万ユーロの制裁金を課したというニュースもございました。 そういう意味でいうと、今後のデジタル分野においての独占禁止法の運用について、ちょっと御所見をお伺いしたいなというふうに思うんですけれども、こちらについて、いかがでしょうか。
○杉本政府特別補佐人 経済のデジタル化、それからビッグデータ等が出てきたということから、プラットフォーマーというものが非常に巨大な存在になってきているということは、先生の御指摘のとおりだと思っております。 ただ、そのデジタル化に伴いまして、ネットワーク効果があれば、それは消費者の利益にもつながることだと思っておりますので、我々の関心といいますか、目といたしましては、そういったプラットフォーマーが、市場のドミナントといいますか、支配的な地位を濫用して反競争的行為を行わないように監視していくということが必要なんじゃないかと思っております。 EUでグーグルの例もございましたけれども、私どもも、先般、アマゾン・サービシズ・インターナショナル・インクから電子書籍問題の契約に対する報告を受けたこともございますし、アマゾンジャパン合同会社に対する独占禁止法違反被疑容疑で調査に入りまして、それに対しましては、アマゾンから改善の措置の申出を受けまして、調査を打ち切ったということもございますので、そういったことも踏まえまして、私どもとしても、プラットホームビジネス、巨大なプラットホーム化ビジネスが反競争的な行為を行い、それがイノベーション競争を阻害するということにならないように、いろいろモニターしていく必要があるんだと思っております。
○松平委員 どうもありがとうございます。 やはり、プラットホーム化ビジネスがどんどん進むにつれて、外国からの企業がますます日本での影響力を強くしていく、そういった中での反競争的行為という部分について、各国の法律も違うでしょうし、そういう意味でいうと、その国、海外からの企業の意識も違うでしょうし、その辺でいうと、日本の企業とやはりイコールフッティングの問題も生じてくるというふうに思ったりもします。 ただ、そこの部分で、公正取引委員会の役割というのは今後ますます大きくなっていくんだろうなというふうに思います。もちろん、反社会的行為を行わないように監視するという部分も重要ではあるとは思うんですが、先ほどちょっと私申しましたところの部分、日本の企業の国際競争力を強くしていく。もちろん、究極的には消費者の利益という部分も考慮する必要はあると思うんですが、そこの部分をぜひともお考えいただきながら、いろいろな角度から積極的な施策を進めていただきたいなというふうに思っております。 ちょっと時間が余ってしまったんですが、私からはこれで質問を終わりたいと思います。どうもありがとうございました。
○稲津委員長 次に、斉木武志君。
○斉木委員 希望の党の斉木武志でございます。 世耕大臣、よろしくお願いいたします。 まず、私からは、柳瀬審議官に政府参考人としてこの当委員会に、きのうに引き続き出席を求めましたが、残念ながら、理事会で協議調わずということになりました。藤原審議官とともに出てこなかったということでございますが、国民の関心は、この柳瀬さんが何を見て、記憶を取り戻すかどうかにかかっているというふうに思います。 きのうの一連の報道、けさ、この時間までの報道を見ますと、私は、ちょっと意見対立が、柳瀬さんと愛媛県の知事さんとの間で深刻な事実の認定、そごが起きているというふうに感じております。 きのう、柳瀬経産審議官が経産省を通じて出したコメントの全文があるんですけれども、「当時私は、総理秘書官として、日々多くの方々にお会いしていましたが、自分の記憶の限りでは、愛媛県や今治市の方にお会いしたことはありません。」「したがって、報道にありますように、私が外部の方に対して、この案件が首相案件になっているといった具体的な話をすることはあり得ません。」と強く否定をしているコメントを経産省を通じて審議官が出されております。 それと一方、愛媛県知事の中村時広知事が何をきのう県庁の記者会見で語っているかというところなんですけれども、当時の担当職員に確認をしたところ、報道されたメモが会議の口頭説明用に備忘録として書かれた文書だと判明をしましたというふうに、朝日新聞が当初報じたこの一連の文書が事実であるということを会見で公式に表明をしていらっしゃいます。 そして、報道陣からの問いかけに対して、担当者が備忘録として書いたことは間違いがない、それと、審議官、この柳瀬氏が首相案件という発言をしたこと、本人はコメントで否定をしていらっしゃいますが、担当者は認めているのか、愛媛県側の担当者は認めているのかという問いに対して、中村知事は、職員が文書をいじる必然性は全くありません、真面目な職員なので、報告のために記述したのは間違いがないというふうに言っております。真面目な職員が報告のために書いたということはストレートにお伝えをしたい。 これは、要するに、報告用の備忘録として書いたものであっても、この職員に事実を改ざんするメリットもないし、動機もないわけですね。なので、これはもう、その見たまま、聞いたままをストレートに備忘録として、担当職員四人にヒアリングをされたと言っておりますが、直接、中村知事は、この職員から、こういうふうに言って、私はその言を信用しております、そもそも書きかえる動機がないじゃないですか、こういうことをおっしゃっているのに、なぜ柳瀬さんが、あり得ませんという、このコメントは全く対立していますね。 世耕大臣、上司としてどう思われますか。
○世耕国務大臣 柳瀬審議官本人が、きのう、個人としてコメントを出されたというふうに、経済産業省の記者クラブに出したということでありますけれども、そういうふうに認識をしています。 いずれにしても、これは、総理秘書官時代の話である以上、私は今経産大臣としてここにおりますので、コメントは控えさせていただきたいと思います。
○斉木委員 ただ、柳瀬さんの上司は誰ですか。
○世耕国務大臣 現在の上司は私でございます。
○斉木委員 上司が出ろと言えば、出ざるを得ないんじゃないですか。
○世耕国務大臣 参考人として国会に出席するかどうかは国会でお決めになることだと思います。
○斉木委員 世耕さんは、経産大臣である前に政治家であると私は認識をしております。政治家、まさに国民の負託を受けて、国民が今一番知りたい、柳瀬さんが何を見て、何をこの担当者と言葉を交わしたのか、これはまさにキーマンでございます。ここが、国会へのきのうの招致要請、そしてきょうの私の招致要請、二度とも断られて、国民への説明責任を果たしていない、だから報道が過熱をしている。 じゃ、世耕さんとして、このアカウンタビリティー、国民への説明責任というのはどう考えているんですか。上司として、今国民に説明責任を果たすべきだというふうに判断はされていないということですか、この問題について。
○世耕国務大臣 私は、今ここへ個人として座っているのではなくて、経済産業大臣として立っているわけでありますので、これは経済産業省の中で起こった話ではなく、総理秘書官時代の話でありますので、経産大臣としてのコメントは控えさせていただきたいと思います。
○斉木委員 ただ、今お認めになったように、まさに直属の上司であるわけですよね。そして、柳瀬氏以外にこの真実を知る人物は、首相官邸で何が起きたのかを知る人物はいないわけです。彼が語らなければ、真実は永久に明らかになりません。 アカウンタビリティー、国民に対する説明責任というものが今一番問われているときに、それを上司として、経産大臣として、まさにおっしゃったとおり、経済産業大臣として、経産省のトップスリーですね、次官そして審議官、このまさに幹部中の幹部が国民から説明責任を求められているのに、一向に、今マスコミは、もう柳瀬さん、隠れていますね、官邸が隠していますねというふうに盛んに言っています。そこを応じないというのは、説明責任を軽視している。 経済産業大臣として、部下が、国民に対して今一番説明責任を求められている当事者が、委員会を二日間にわたって拒否をするということに対して、これはもう国会がどう言おうが、あなた、ともかく、じゃ、委員会に出てこないんだったら、いいでしょう、記者会見を開きなさいと言えないんですか。
○世耕国務大臣 柳瀬審議官は私の部下ではありますが、これは経済産業省の部下であります。今御指摘の事案は、総理秘書官時代の話である以上、経産大臣としてコメントはできない。 柳瀬審議官本人は、きのう、個人としてコメントを出されていると承知をしております。
○斉木委員 世耕大臣は、昨日の朝に朝日新聞、その一日前にNHKの「ニュースウオッチ9」が最初だったと思いますけれども、この文書が報道がされました。以降、柳瀬氏と会話をしましたか。
○世耕国務大臣 会話はいたしました。
○斉木委員 どのような会話をしましたか。
○世耕国務大臣 御本人が、この報道の内容が余りにも自分の記憶とかけ離れているので、コメントを出したいということでありました。 私は、それはオーケーもノーも言う立場にはありませんが、聞きおいたということであります。
○斉木委員 マスコミの報道によると、経産省を通じて出したコメントによるとという引文がされておりますが、昨日のこのコメントというのは、そうすると、個人として出したものということなんですか。それとも、経産省を通して出したというふうに新聞では報道されておりますけれども、これは違うということですか。
○世耕国務大臣 あくまでも、内容は、これは経産省の職務に関することではありません。ですから、そういう意味では、経産省が出したということではありません。 ただ、場所は経産省の記者クラブ、当然、経産省にもきのうは記者がかなり詰めかけておりましたから、経産省の記者クラブ。出すに当たって、事務的に広報室がお手伝いしたことはあるかもしれません。その辺は、私は、詳しいことはわかりません。 いずれにしても、コメントは個人としてのコメント、経産省の職務に関する内容ではありませんので、あくまでも個人としてのコメントだと思います。
○斉木委員 柳瀬氏は今どこにいらっしゃいますか。把握されていますか。
○世耕国務大臣 今私、ずっとここにおりますので、携帯かけていいのなら把握できますけれども、済みませんが、わかりません。
○斉木委員 少なくとも、霞が関には多分いらっしゃるんだろうというふうに思いますけれども。 まず、問題が発覚して、危機管理上、昨日の朝以降、会って、そういう聞き取りをなさったと。本人は違うと、これは事実とは違うと言っているということ、もう一度そこを確認させていただいてよろしいですか。
○世耕国務大臣 私は、聞き取りをしたわけではありません。聞き取りなどをする必要があるとすれば、これは秘書官のポジションである内閣官房が行う話だと思います。私には本人から連絡があっただけであります。コメントを出したいということでありました。
○斉木委員 先ほど、内容が、報道が余りにも事実と異なるのでコメントを出したいというふうに発言をされましたけれども、それに対して、それを了とされたということですか。
○世耕国務大臣 私は、これを了とする立場にはありません。個人のことでありますから、聞きおいたということであります。
○斉木委員 そして、このコメントが出てきたわけですけれども、このコメントに対する反応としては、事実を記憶にないということを、参議院の予算委員会に続いて八回目か九回目だと思いますけれども、また連発をされたわけであります。 これで、わからないよねと、実態が、本当に会ったの、会ってないの、官邸で何があったのというのを国民は今非常に知りたがっている。きょう、今、裏で予算委員会が始まりました。まさにこの問題が焦点になっていると思います。 経産省、私は同情するんですけれども、質問があると何回も質問取りにいらっしゃって、大臣が発言しなくてもいいように、質問があったら政府参考人で、局長答弁させていただいてよろしいですかと何回も来ますよ。こういうときに限って、二日間にわたって連続で出席を拒否される。これはちょっと、アカウンタビリティーとして、経産省としてのアカウンタビリティーとしていかがなものかなと思うんですが、所管大臣としてどう思われますか。
○世耕国務大臣 あくまでも参考人としての出席は、これは国会でお決めになることだと思っております。
○斉木委員 ちょっとずれているんです。経産省としてのアカウンタビリティーと私は申しました。経産省の次期次官とも言われているエリート、審議官が、これだけの疑念を持たれている。 世耕さんは今、私は法案をお願いしている立場ですからとこの委員会で何度も答弁されております。生産性そして産業競争力を高めようという法案を出して、我々も真摯に議論をしてまいりました。 しかし、その前提となる、法案というのは、やはり国民に理解されて、我々は国民の代表として質問していますので、国民に理解があって初めて実効性が出てくるのが政策じゃないですか。
○世耕国務大臣 いずれにしても、総理秘書官時代の話である以上、これは経産省の職務とは関係ありませんので、経産大臣の立場としてコメントは控えさせていただきます。
○斉木委員 今、理事から、よしという声も飛びましたけれども、私は国会運営にも問題があると思いますね。右側二人目の方ですけれども。 きのう、野党側から、落合筆頭と田嶋理事を始めとして、この問題を報じられました。やはり柳瀬氏をこの当委員会に呼んで事情を聞く必要があるんじゃないかということを申し上げて、ただ、そのときに、じゃ、何ということでこれが断られたかというと、過去、委員会で、この審議官というのは次官級の職員でございます、次官級職員は参考人として呼んでいないので、本日呼ぶことはできないというのがきのうの段階のことでありましたけれども、これは事実と違っているんですね。 過去、事務次官クラスというのがこの委員会に呼ばれた例というのはたくさんございまして、例えば平成二十五年の十一月、国家安全、米田警察庁長官が、当時の特定秘密保護法等の法案審査のため出席をしております。平成二十一年、財金、予算、篠原財務官が出席をしておられます。平成二十年、予算、吉村警察庁長官、増田防衛事務次官。例えば警察庁長官は、中国製冷凍ギョーザへの薬物混入についての出席説明、増田防衛事務次官は、海上自衛隊のイージス艦「あたご」と漁船清徳丸の衝突事故に係る防衛省の対応について出席説明。 以下のように、次官級だったら出席しないという理屈は成り立たないというふうに思うんですけれども、これは、当委員会というのは、次官級審議官というのは呼べないというたてつけになっているんですか。
○世耕国務大臣 これはいずれにしても委員会での話でありますから、大臣としてのコメントは控えさせていただきたい。あくまでも国会でお決めになる話だと思っております。
○斉木委員 その国会運営として、やはりそれは、これは国会の、まあ理事会に申し上げることですかね。やはり国民の負託を受けて我々は論議をしている、法案審議をしているわけですから、まず、次官級であろうと、一番キーマンなわけですよ、柳瀬さんが何を見たのかというのが国民が今一番知りたがっていることですから。そういったキーマンに関しては、次官だろうと審議官だろうと、まず出席をして、法案をお願いする前に国民への説明責任を果たす、法案への信頼性を担保する意味でもそれをやらないと審議にならないと思いますが、そこはどうお考えなんですか。それも国会で決めろですか。
○世耕国務大臣 いずれにしても、これは総理秘書官時代の話である以上、これは経産省の業務とは関係ありませんので、コメントはできないということであります。国会の出席については国会でお決めになることだと思います。
○斉木委員 では、ぜひ、与党側の理事の方にも、本日も、私が要求したのは二名でした。柳瀬唯夫経済産業審議官、藤原豊経済産業審議官、以下二名について、政府参考人として御答弁いただきたいというふうに要求をいたしましたが、与党側の理事の方が反対をされて、協議調わずということで出席がかないませんでした。 これは、与党側としても、今仄聞することによると、柳瀬氏に関して国会招致を認めるような方向で与党内で動き出しているなんということも耳に入ってきておりますが、柳瀬氏は経済産業審議官なんですよ。予算委員会で証人喚問するにしても、当委員会でもぜひ柳瀬氏にしゃべっていただきたいと思います。 そして、私は経産省の働き方改革にも前向きでございますので、金曜日に私も質問を予定されております、多分締め総と採決のようなことを与党は描いていらっしゃると、この法案についてですね、思うんですが、もう質問通告させていただきました。政府参考人としてこの二名、柳瀬唯夫経済産業審議官と藤原豊経済産業審議官、引き続き要求をさせていただきますので、所管大臣として、そして上司として、行ってこいというようなことを見せていただきたいんですけれども、記者会見でも構いませんよ、そのあたりはどうお考えですか。
○世耕国務大臣 いずれにしても、柳瀬審議官本人が、きのう、個人としてコメントを出しているというふうに承知をしております。また、総理秘書官時代の話である以上、経産大臣の立場としてコメントは控えたいと思います。国会の出席については国会で御判断をいただきたいと思います。
○斉木委員 わかりました。ゼロ回答を世耕経産大臣からもいただいたので、大変残念に思っているところでございます。 本当にこの事案というのは、非常に根が深いというか裾野が広い事案だなというふうに思っておりまして、柳瀬さんというのは本当にキーマンなんですよ。この問題がやはり安倍政権の帰趨に直結をする問題だからここまで拒まれているんだろうなというふうに思います。 二〇一五年の四月二日、官邸で十五時から会ったというところでは、本当に、下村大臣が、これは当時の週刊朝日の報道ですけれども、下村文科相もやってきて、やあ、加計さん、しっかりやってくれよとその場で挨拶をした。この場にもこの審議官はいらっしゃったわけですよ。 こういうところ、本当に下村大臣があの場にもやってきて加計さんと言葉を交わしたのかとか、こういった部分を見聞きしていたのは彼しかいないんです。まさか安倍さんが真実を語るとは思えませんから、審議官しかいないわけで、証人なんですよ。唯一と言っていいぐらいの、非常に極めて大切な参考人なんです。 この方を、早急に国民に対する説明責任を果たすように上司として下命していただかないと、やはりこれは経産省に対する信頼性も失墜いたしますし、この法案審議にも重大な影響を及ぼすというふうに考えますが、この問題の当法案の審議に対する影響、経産省に対するクレディビリティー、このあたりは、経産大臣として御答弁願えますか。
○世耕国務大臣 いずれにしても、柳瀬審議官御本人がきのうコメントを出しているわけであります。いずれにしても、総理秘書官時代の話である以上、経産大臣の立場としてコメントは控えさせていただきます。
○斉木委員 私は、経産省としてのクレディビリティーに直結するのではないのかというふうに経産大臣に聞いているんですが、残念ながら柳瀬氏の問題にすりかえられて答弁をされてしまいました。 いつまでもこの問題を聞いていてもしようがないですので、次の問題に移りたいと思いますけれども、経産省の方々に私は本当に同情いたします。 私は、国会議員二期目ですけれども、一期目も経産委員会で主に活動させていただきました。非常に、どう稼ぐかという、国会には珍しい、どう使うかばかりの委員会ですよ、国会は。どう稼ぐかという日本にとって一番大事なことをやっている委員会で、一番経済界も望んでいる法案をやろうとしているのに、こういったことで、自分に都合の悪いものは隠して隠してゼロ回答で、じゃ、自分に都合のいいものだけ国会審議をお願いしますというのは、これはちょっと信義則違反だと思うんですが、信義則としてどうお考えですか。
○世耕国務大臣 私は、この場には経産大臣としておりますので、経産大臣として誠意を持って対応させていただいているつもりでございます。
○斉木委員 わかりました。 この問題に関しては、先ほど申し上げたように、金曜日にも両審議官に出席、参考人要求をこの場でさせていただきますので、ぜひ、理事ともども、じっくりと御検討願いたいというふうに思います。 では、そのどう稼ぐか、産業政策に関しての質問に移っていきたいというふうに思います。 一つ、産業の基盤でございます電力に関して、この前、私お聞きをいたしました。SSGという原子力の跡地利用に関する協議体、これをつくってはいかがということを質問しましたが、そのときに世耕経産大臣の答弁がちょっと気になりました。私が突然質問したので面食らった面もあるかと思うんですけれども、自治体と話していればいいと。首長さん、そして議会等と話をしていれば、十分意見の吸い上げはできるのでという趣旨だと思うんですけれども。 私は、小選挙区に十五基の商業用原発と高速増殖炉が立地する地元としては、地元の方々というのは今何を心配しているのか。「もんじゅ」が国策としていきなり廃炉が決められた。そして、大飯の一、二号機を関西電力が廃炉をもう表明した。そして、敦賀も動かない、また廃炉が決定している。「ふげん」も既に廃炉が着手されている。十五基中七基が、今、廃炉若しくは廃炉措置がこれから行われていくという段階でございます。 これは日本全体なんですね。日本の原子力産業が始まって四十年、五十年たってまいりました。高経年の炉が日本各地で存在をしております。これを、じゃ、四十年、そして六十年で本当のお尻です、これを過ぎた後の立地地域の振興策を図っていく上で、住民理解、国策に協力してきてこれだけのことをやってきたのに、いきなりなくなってしまって、跡地である立地地域をどう考えているんだというこの地元の声に、経産大臣として、エネルギー担当大臣としてはどう向き合っていくおつもりですか。
○世耕国務大臣 先日の御質問に、私は、まずは自治体の声をしっかり聞きたいというふうにお答えをしたわけですが、その趣旨は、地域住民の声をどのように反映をさせていくかということや、また、それを全国的な制度とするかなども含めて、各地域の実情に詳しい立地自治体と密接にコミュニケーションをしていきたいという趣旨でありまして、当然のことながら、住民との対話を否定するという意味ではありません。いろいろな意味で、幅広い各層としっかりと対話をしていくことが重要だというふうに思っています。 例えば、これは制度化されているわけではありませんけれども、お地元の福井県が主催をするエネルギー研究開発拠点化会議は、これは敦賀市という自治体だけではなくて、地域の商工会議所ですとか、あるいは鉄工業の協同組合の方々、そして大学や高等専門学校の代表にも参加をいただいています。その会議において、「もんじゅ」の廃炉も視野に入れた人材育成ですとか交流、産業の創出、育成について議論をしておりまして、そこには経産省も文科省とともに議論に参加をしているところであります。 こうした各地域それぞれの実態を踏まえながら、立地自治体に必要な支援を行ってまいりたいというふうに考えております。 また、資源エネルギー庁の審議会の中にあります原子力小委員会では、防災ですとか産業振興、そして地域住民との対話などを担う地域共生のためのプラットホーム構想についても議論しているところであります。まだ構想段階ということになりますけれども、また、全地域で制度化するものではないとは聞いていますけれども、各地域の実態を踏まえながら、引き続き検討を行ってまいりたいと思います。
○斉木委員 ありがとうございます。 この前の質問のやりとり、質疑の中で、地域産品を新たに生み出すような補助金をつくってやっている、ただ、私の方は、装置産業である原子力には雇用の面でゼロが二桁ぐらい違うんじゃないか、農産品だけではだめなんじゃないかということを申し上げました。 やはり、日本の交付金の使い方というのがどうもトップダウン型になってはいないかなという懸念を私は持っているんですね。この廃炉に伴う、例えば地域産品を開発しましょう、そして代替する再生可能エネルギーの導入支援を十分の十補助でやっていくとか、さまざまなメニューを今経産省は地元に対して提示をしております。 ただ、やはり、それが地域が本当に望んでいることなのか。特に、議会そして自治体というよりも、住民が本当に望んでいるものなのかというところに私はずれがあるんじゃないかなというふうに思うんですね。 日本の原子力行政は、ちょっとやり方が下手くそだと思うんですよ。広報を、プッシュ型、これは内閣府の原子力委員会、まさに政府の原子力政策を決めていくところの岡芳明委員長がおっしゃっていることなんですけれども、日本の広報、パブリックコミュニケーション、まさに地元とのコミュニケーションというのは、どうもそのプッシュ型の上から目線の情報提示が多いという嫌いがある、ステークホルダー対話型、公衆関与型の、まずは関心や意見に耳を傾ける、それに対応することで関心を持つ方々の信頼構築につなげていくプル型の活動をもっと重視すべきだということを岡さんは何度もおっしゃっているわけです。私は、これは重要な提言だと思いますよ。 例えば、交付金にしても、今、大体、文科省と合わせて三千二百億円ですね、電源立地地域に対する振興策をして。その一環として、じゃ、廃炉後は地域産品を開発しましょう、そして再生可能エネルギーをふやしていきましょうというのをやっているんですけれども、全てこれは経産省から、こういう補助金はこういう使い道だったら十分の十補助ですよというスキームを提示して押しつけているんですよ、プッシュ型です。 そうではなくて、私は、イギリスの例がすぐれているなと思うのは、SSGというのは、サイトステークホルダーが常にこの初期段階から、労働組合であるとか区長さんであるとか、これは反原発の方々も入れて、年四回程度は定期的に会合を持って、じゃ、この補助金の使い道が本当に地元の雇用、経済にプラスのインパクトがあるのかどうか、使い道をSSGの方々がみずからその下部委員会もつくって議論して、これが地域のためになる金の使い道なのかということをやる機能が既にもう動いているわけです。イギリスの廃炉措置中のサイトでは、全てそういう形になっております。 日本でも、そういった地域住民の方が、じゃ、原発が更地になったらこの地域はこれで食っていこう、こういうものを、自分からお金の使い道を提案する仕組みというのは私はないと思うんですけれども、こういった仕組み、イギリスのような取組をどう思われますか。
○世耕国務大臣 今御指摘のSSGですけれども、これは法的な義務ではなくて、自主的に設立された組織だというふうに認識をしております。 そういう意味で、今まさに原子力小委員会で御議論いただいているような防災や産業振興、地域住民との対話を担う地域共生のためのプラットホーム構想、まだ構想段階ではありますけれども、この議論を少しよく見させていただきたいというふうに思っております。
○斉木委員 補助金の、まず、もとがイギリスとは違うというのがありますね。日本の場合には、三千二百億円という金を政府、行政側が配る、そして地元に使ってもらうという形です。イギリスなんかの形ですと、国が電源三法交付金のようなものを配っているわけではなくて、事業者であるとか、その地域でお金を用意して、地域の事業者が住民参加で将来像を決めていくという形がやはりイギリスでは先行している。私は、こういうところが住民の満足度というものにより大きく寄与をしているんだろうなというふうに思います。 お金を提供する先が電力会社なのか国なのかということは、私はどちらでもあり得ると思うんですけれども、やはり住民が費用対効果を検証したり、何に使うのかというところに積極的にインボルブメントしていく。こういったことによって、原子力行政全般に対する立地地域の信頼醸成を図っていく。まさに、岡委員長も指摘された、聞くということですよ。 岡委員長が強調されているのは、ともかく地元に行って、押しつけるんじゃなくて聞くことだと。地元の方が今何を感じ、国策に長年協力してきた立地地域の方々が何を感じているのかということを聞くという作業を非常に重視している。理系の人間は押しつけることに走ってしまいがちなので、聞くことですよということをおっしゃっていますが、エネルギー担当大臣として、そういった必要性というのはどうお感じですか。聞くことの重要性。
○世耕国務大臣 私も広報出身の人間でありますから、広報は発信するだけではなくて、やはり聞くことも非常に重要だと思います。 今、原子力小委員会でも御議論いただいていますが、地域の声をどういう形で吸い上げていくか、また、こちらの考えと地域の考えをどうすり合わせていくかというようなあり方については、よく今後も議論を深めていきたいと思います。
○斉木委員 終わります。ありがとうございました。
○稲津委員長 午後一時二十分から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時三十三分休憩 ――――◇――――― 午後一時二十分開議
○稲津委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。尾身朝子君。
○尾身委員 自由民主党、群馬一区選出の尾身朝子です。本日は、質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。 本日は、生産性向上特別措置法案及び産業競争力強化法等の一部を改正する法律案についてお伺いいたします。 まず初めに、中小企業の事業承継についてお伺いいたします。 団塊世代の経営者が大量引退期を迎える今から五年から十年の間は、まさに大事業承継時代の到来となります。企業数の九九・七%を占める中小企業の事業承継は待ったなしの課題です。 一方で、事業承継は企業にとって経営革新の好機と捉えることもでき、後継者が世代交代に伴い新たな取組にチャレンジすることで、イノベーションや生産性の大幅な向上といったことも期待できます。 先月、創立百二十周年記念式典を行った、私の地元、前橋商工会議所には、創立してから百年以上たつ会員企業が百四十社ほどあります。歴史と伝統ある企業の技術力、優良事業がしっかりと未来に残っていくよう、政府における取組が重要です。 今回提出された法案において、再編統合による事業承継の加速化を図るため、経営力向上計画の対象にMアンドAなどによる事業承継を伴うものを追加するほか、親族外承継時の資金ニーズに対応するため、金融支援の対象に事業承継を行おうとする者を追加することとしています。 中小企業の事業承継の円滑化を実現するための意気込みについて、お伺いいたします。
○武藤副大臣 私の方からお答えをさせていただきます。 尾身委員から、事業承継問題の御質問をいただきました。 事業承継、いろいろ今までも制約等がありまして、いろいろ御意見をいただいてきたところでありますけれども、先生おっしゃられるとおりで、我が国経済全体にとって待ったなしの課題だというふうに私も承知をしております。今回、あらゆる施策を総動員しまして、雇用はもちろんですけれども、すぐれた技術、事業を次の世代にしっかりと引き継いでいくことが重要であるというふうに思っております。 特に、足元では、従業員や社外の人材に後継者を求めるいわゆる親族外承継が増加をしていることから、MアンドAを通じた親族外の承継支援が不可欠だというふうに思っております。 このため、今回の法案におきまして、MアンドAによる事業承継の際に、事業用の土地建物の権利移転に伴って生じる登録免許税、また不動産取得税を軽減する措置や法的な許認可の引継ぎ措置、また、親族外の後継者の株式買取り資金等の調達を容易にするための金融支援措置を盛り込んでいるところであります。 さらに、今回の法案に基づく措置に加えて、後継者による経営革新や事業転換といった新たなチャレンジを応援する補助金なども活用した切れ目のない総合的な支援により、事業承継を強力に推し進めてまいりたいというふうに思っております。
○尾身委員 ありがとうございました。 事業承継を進めていくためには、経営者のマインドが変わらなければいけないというのが大きな課題と言われています。 経営者の高齢化が進む中、現在の経営者がもっと事業承継に対してきちんとした正しい認識を持ち、先ほど紹介した百年にわたるような企業が漏れなく継続できるような環境をつくっていく必要があると考えております。 事業承継を円滑に実施するための情報提供のやり方や、経営者の背中を押すような具体的な対策について、御説明ください。
○安藤政府参考人 お答え申し上げます。 先生御指摘のとおり、事業承継は、まず経営者の方がその必要性を御認識していただくというところから始まるわけでございます。 他方、御案内のとおり、なかなかこれは御相談しにくい話題である、このようなお声もあるわけでございます。 税理士の皆様あるいは金融機関の皆様、こういった経営者に寄り添っていただいている皆様が、プッシュ型ということで、むしろ少し背中を押していただく、こういった気づきの機会の提供が大変大事だという御指摘がございます。私ども、年間五万件程度、この事業承継を進めていくためのプッシュ型の事業承継診断をさせていただきたいと思っております。 また、MアンドAを中心といたしました、いわばマッチングが大変大切でございます。事業引継ぎ支援センターについて更に体制を強化してまいりたいと思います。 さらに、さまざまな事業承継に関係していただきます専門家の方々を糾合することが大変大切でございます。事業承継ネットワークと言っておりますけれども、これを全国展開していく。 このようなことを通じまして、事業承継を総合的に進めさせていただきたい、このように思っております。
○尾身委員 ありがとうございました。 事業承継の際には、知的財産の保護というものが抜け落ちてしまうというような指摘もございますので、この点につきましても、ぜひ、支援するチームの皆様方におかれまして、認識を持っていただければということをつけ加えさせていただきます。 続いて、創業の普及啓発の取組についてお伺いいたします。 昨日の参考人、日本商工会議所中小企業経営専門委員会共同委員長の前橋商工会議所曽我孝之会頭からも御指摘がありましたが、政府は開業率一〇%を目標としているのに対して、現在の開業率は六%にとどまっているにすぎません。それにもかかわらず、創業支援の予算は大幅に減少しています。 政府目標の実現に向け、国の予算を拡充し、創業支援を充実させるべきだと考えますが、政府の見解をお聞かせください。また、創業を促進することによる経済的、社会的効果はどのようなものなのか、簡潔にお答え願います。
○高島政府参考人 お答え申し上げます。 まず、後段の方の、創業促進による経済、社会的効果についてお答え申し上げます。 創業が促進されれば、雇用が創出されることに加えまして、新たな付加価値を生み出す新規企業が生まれるということによりまして、国全体の生産性の向上にも寄与するというふうに考えているところでございます。 また、創業予算についての御指摘がございました。 開業率一〇%の目標を実現するためには、創業者補助金を始めとした予算措置などを講じてまいりましたけれども、これのみならず、例えば、政府系金融機関の低利融資、税制面の優遇、こういった資金面での支援策、また、産業競争力強化法に基づく市町村による創業支援体制の整備、こういった多角的な支援策を講じてまいりまして、開業率の向上に努めてきたところでございます。 この結果、お話もございましたけれども、産業競争力強化法の施行前の平成二十四年度に開業率は四・六%でございましたが、平成二十八年度には五・六%となったところでございまして、幸いなことに上昇傾向にあるというふうに考えております。 さらに、今回の法改正では、創業支援の対象範囲も拡大して、創業への関心が強くない者に対して創業というものに関する普及啓発の取組、これを新たに支援するということにしておりまして、地域の創業支援体制を強化してまいりたいと考えております。 中小企業庁といたしましては、今後とも、開業率のさらなる向上のために、必要な予算の確保、これに努めてまいりますとともに、税、財投などの支援のほか、競争力強化法に基づく創業支援体制の強化に取り組んでまいりたいと考えております。
○尾身委員 ありがとうございました。 今まさにお話が出ましたけれども、今回の改正案において、創業に関する普及啓発を行う取組が追加され、学生などによる、起業家教育で創業に関心を持つ方がふえていくものと考えております。 また、昨日の参考人からも述べられましたとおり、現在、学生さんや若い世代の方たちは起業への意欲を強く持っておられるということでございます。大変心強く思っている限りです。 しかしながら、創業に係る課題の一つに、創業後間もないアーリーステージにある企業が立ち行かなくなってしまって廃業せざるを得なくなるケース、こういう厳しい現実があるということも事実です。 直接的な創業支援に加えて、創業後における一定期間、いわゆるアーリーステージにある企業をしっかりと支援し、事業が継続できるようなフォローアップが必要と考えておりますが、政府の見解をお聞かせください。
○高島政府参考人 お答え申し上げます。 日本の創業五年後の企業生存率は八一・七%というデータがございまして、欧米諸国に比べても比較的高い傾向にはございます。 しかしながら、今お話ございましたように、創業者が中長期的に事業を発展させることができるように支援をしていくということは大変重要なことであるというふうに考えております。そのためにも、創業後も、引き続き、地域の創業支援事業者による継続的なフォロー、これが必要であると考えております。 このため、産業競争力強化法に基づきまして、市町村が中心となりまして、認定支援機関、地域の経済団体、金融機関など創業支援事業者らがネットワークを構築しまして、創業後間もない者に対してもワンストップで対応できるような相談窓口を整備してきたところでございます。 例を一つだけ申し上げますと、例えば石川県七尾市におきましては、七尾市、七尾商工会議所、日本政策金融公庫、のと共栄信用金庫、これらの方々が連携なさいまして、創業事業者の掘り起こしから、創業に関する基礎知識の習得、その後のフォローアップなど、一体的に創業支援を行う仕組み、こういうものが構築されているところでございます。 引き続き、創業者に対してきめ細かな支援が行われるように、私どもとしても努めてまいりたい、このように考えております。
○尾身委員 ありがとうございました。 続いて、コネクテッド・インダストリーズについて質問させていただきます。 近年、人工知能やIoT技術の進展などに伴い、製造業の国際競争力強化に向けて、グローバルな国際競争が進む中、日本が打ち出した戦略がコネクテッド・インダストリーズです。その重要な要素が、各企業が持つリアルデータの活用にあります。日本の強みであるリアルデータを核に支援を強化し、我が国の産業競争力を強化することが重要です。 今回提出の法案において、上記の政策がどのように進められていくのか、簡潔にお答えください。
○武藤副大臣 まさに先生の御指摘のとおり、第四次産業革命のもとでの日本の勝ち筋というものは、現場に蓄積されているリアルデータの活用そのものにあるんだというふうに思います。そのために、コネクテッド・インダストリーズの旗を掲げて、自動走行・モビリティーサービス、また、ものづくり・ロボティクスなどの重点五分野を設定いたしまして、官民の取組の加速化を図っているところであります。 具体的には、企業間での協調領域の特定、データの共有、共用を促進するため、生産性向上特別措置法案において、革新的データ産業活用、いわゆる協調領域のデータを収集、整理して他の事業者に提供する事業に対する支援策を講じてまいります。 まず、資金面の支援といたしまして、企業の内外におけるデータの連携に必要なセンサー、ロボットなどの投資に対する減税措置に加えて、中小企業基盤整備機構による債務保証などの金融上の措置を講じます。 また、データの収集面の支援といたしまして、協調領域におけるデータの共有を行う事業者について、一定のセキュリティーを確認した上で、公的データの提供を国や独法などに対して直接要請できる制度を創設いたします。 さらに、こうした生産性向上特別措置法案による措置に加えまして、平成二十九年度補正予算を活用し、重点五分野を中心にデータ連携を実現するためのFSやシステムの構築を支援し、データ連携の具体的な事例創出を後押ししてまいります。
○尾身委員 ありがとうございます。 コネクテッド・インダストリーズにつきましては、世耕経済産業大臣が先頭に立って頑張っておられるというふうに認識しております。しっかりとこれを実現して、好循環に入っていくことを私としても強く期待しております。 続いて、中小企業の生産性向上のための設備投資の促進に向けた取組について伺います。 生産性向上特別措置法案では、中小企業の生産性革命の実現に向けて、市町村の認定を受けた中小企業の設備投資を支援することとしています。 平成三十年度税制改正大綱において、中小企業、小規模事業者の生産性革命を実現するための大胆な設備投資に係る固定資産税の特例措置が盛り込まれました。本措置では、特例率をゼロ以上、二分の一以下の範囲内で自治体で条例を定めることができるとしています。特例率ゼロとする自治体の事業者に対しては、ものづくり・商業・サービス補助金などの支援について優先採択することになります。 そのためには、三月中旬までに各自治体において特例率ゼロを公表する必要がありました。私自身も、地元の市町村を回り、この政策につきまして説明し、ぜひゼロを公表してほしいということを訴えかけてまいりました。群馬県では、三十五市町村全てが特例率ゼロを公表したと伺っております。 そこで、まず、特例率ゼロとした全国の自治体の実績をお知らせください。また、今般の固定資産税の減免において、中小企業、小規模事業者支援における基礎自治体の存在が非常に重要だというふうに考えておりますが、基礎自治体に対して政府としてどのような取組を進めてきたか、お答えいただきたいと思います。
○安藤政府参考人 お答え申し上げます。 特例率ゼロをお決めいただいた全国の市区町村は、現在のところ千四百八と承知をしております。これは、私どもの方で固定資産税特例に関する意向を確認するアンケートを行わせていただきました。四月の三日段階で一次公表をさせていただいたところでございます。他方、現在、更に再精査をさせていただいておりまして、明後日でありますが、十三日中には最終的な数を御公表できると思っております。 こういった、全体千七百強の基礎自治体の皆様の中で、千四百を超える基礎自治体の皆様方がゼロにしていただくという選択をしていただいたわけでございます。 御案内のとおり、固定資産税は基幹税制でございますので、自治体の皆様方に御理解を賜るということで、三百七十を超える市区町村に私ども実際に足を運ばせていただきました。また、全国で四十回以上の説明会を開催し、合計で千百を超える市区町村の皆様に直接制度についての御説明をさせていただいた、このようなことをさせていただいたわけでございます。
○尾身委員 ありがとうございました。 本当に、ぜひ実現していただくと、このことによって地域が活性化するというふうに考えております。 また、ものづくり・商業・サービス補助金などによる優先採択というのは、事業者にとって大きなインセンティブになります。単年度限りではなくて継続的な予算措置が必要だと考えますが、政府の見解をお聞かせください。
○安藤政府参考人 お答え申し上げます。 ものづくり補助金は、大変、中小企業、小規模事業者の皆様方に期待を持ってお使いいただいております。 補正予算という形で手当てをさせていただいておりますけれども、二十四年度から二十九年度まで計六千二百億円の予算措置を講じさせていただきまして、二十四年度から二十八年度まで実績が出ておるわけでございますけれども、約五万二千件御支援をさせていただいたということでございます。 今後とも、中小企業、小規模事業者の皆様方にとって最大限効果的な支援となりますように、あり方を引き続き検討してまいりたい、このように思っております。
○尾身委員 どうもありがとうございました。 このような中小企業対策を地域に根づかせていくためには、本法律案の周知と円滑な実施が必要となります。また、そのためには、商工会議所や商工会といった地域の中小企業団体を活用するということがぜひ必要です。彼らの、この団体の皆様方の力をおかりするということが必要だというふうに考えております。 中小企業団体の組織の充実、具体的には人員や予算の拡充が必要だと思います。直接的な支援は難しいということは理解しておりますけれども、個別事業の支援や申請手続の簡素化などの措置に対する経済産業省の見解をお聞かせください。
○武藤副大臣 先生がおっしゃられるとおり、周知、告知というのは大変大事なことの中で、今回、法案に基づく施策を周知し、全国津々浦々に支援を広げていくということを考えると、やはり、先生がおっしゃられたように、地域に根差した商工会議所、商工会なども活用していくことが大変重要だということは、私もそう思っています。 ただ、御承知のとおり、商工会議所や商工会の経費というものが、地方分権改革によりまして、平成十八年度以降、全て一般財源化されました。予算の執行は都道府県の裁量に委ねられているところであります。 こうした中ではありますけれども、経済産業省としましては、商工会、商工会議所が小規模事業者を支援する経営発達支援計画を経済産業大臣が認定をし、さらに、その計画に基づく事業を支援する取組、あるいはまた、経営指導員に対する研修の実施、また、商工会、商工会議所が地域の小規模事業者と連携して行う特産品の開発、販路開拓や観光客集客といった取組への支援などを通じて、商工会、商工会議所の活動を後押ししているところであります。 一方で、小規模企業振興基本法におきまして、地方公共団体は、国との適切な役割分担を踏まえて、小規模企業の振興施策を策定、実施する責務を有することとされておりまして、都道府県には、まずは、この基本法の趣旨に沿って必要な小規模企業振興施策を進めることを期待しております。 いずれにしましても、平成三十一年春に予定しております小規模企業振興基本計画の改定に向けまして、中小企業政策審議会で、有識者及び小規模事業者の生の声を聞きながら、御指摘の人員や予算に加えまして、補助金申請の電子化や商工会議所等におけるITツールの活用などによる業務の効率化について検討してまいりたいと思っております。 また今後ともよろしくお願いいたします。
○尾身委員 我が国が、これからも産業を活性化し、持続的に発展、成長し、さらに、国際競争力を強化していくためには、中小企業の生産性向上を図られることが大変重要になってまいります。 最後に、この法案により我が国の中小企業の生産性向上を図るに当たって、政府の御決意を改めてお伺いしたいと思います。
○武藤副大臣 まさに、人口減少による労働力不足や需要の減少が進む中で、大企業との生産性格差や人手不足、経営者の高齢化と後継者の不在などがより深刻化、課題として顕在化をしておりまして、中小企業、小規模事業者の生産性向上が喫緊の課題だというふうに承知をしております。 今回の法案で、二〇二〇年までの三年間を集中投資期間として、中小企業、小規模事業者の設備投資の後押しや、MアンドAによる親族外承継を含めた事業承継の促進、創業に関する普及啓発の取組、経営支援体制の強化によりまして、中小企業、小規模事業者の生産性向上を一層促進したいと考えております。 具体的には、自治体の判断、先ほどの話も、固定資産税をゼロにする制度だったり、積極的に取り組む自治体に対しても、固定資産税の特例措置とあわせて、ものづくり補助金等による支援を重点的に行うこととしております。国、市町村が一体となって、中小企業の新たな設備投資をより強力に進めることを促進してまいりたいと思っています。 また、きょう、先ほど来の親族外継承のMアンドAの問題等々、市町村等による創業に関する普及啓発を促進しながら地域経済の新たな担い手をふやしていくことが大変大事だというふうに思っています。 あわせて、中小企業に対する経営支援体制を強化するため、経営革新等支援機関の認定制度に更新制を導入するとともに、ITベンダーを情報処理支援機関として認定をし、IT導入も引き続き支援をしてまいりたいと思います。 今回の法案に基づくこれらの措置に加えて、予算、税制など、あらゆる政策を、先ほど申しましたとおり総動員をしながら、中小企業、小規模事業者の生産性向上に取り組んでまいりたいと思います。
○尾身委員 ありがとうございました。 企業の生産性と産業競争力強化に当たっては、法律案を成立させるだけでは十分ではありません。その後の法律内容の運用をしっかり行うとともに、税制のあり方も両輪として考えていきながら、企業活動の円滑化、活性化に向けて取り組んでいくことが必要となります。 経済産業省においては、世耕大臣のリーダーシップのもと、これらの施策を通じて、我が国の国際競争力強化を着実に実現していただくよう強く要望して、私からの質問を終わります。 ありがとうございました。
○稲津委員長 次に、小林鷹之君。
○小林(鷹)委員 自由民主党の小林鷹之です。 本日は、質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。 早速質疑に入らせていただきます。 私は常々、世界の中での日本のプレゼンスを高めていく重要な一つの要素が経済力だと考えております。国防力、外交力、そしてその基盤となる人材力、こうしたものも非常に重要ですけれども、これらの強化のためにも、経済力を高めていくことが必要です。 人口減少の中にあっても成長を実現していく、この観点から、議題となっている法案の効果を更に高めていくために何ができるのか、できるだけ提案形式で質問させていただきたいと思いますので、簡潔な御答弁をいただければと思います。 まず、生産性向上に関する重要課題の一つは、GDPの七割を占めるサービス産業の生産性をいかにして上げるかということだと思います。特に、労働集約型の卸や小売、あるいは飲食、宿泊業、こうした産業は、質の高いサービスを提供しているにもかかわらず、生産性が低いとされております。 そもそも、労働生産性を高めるということは、分母の労働投入量を減らすか、あるいは、分子の付加価値額、すなわち粗利益に相当する額をふやすかということになると思いますけれども、まず、分子の付加価値額について私が重要だと考えるのは、質の高いサービスがそもそも商品の価格に適正に反映されていないんじゃないかという点です。 そこで、伺いますけれども、サービスの対価を商品価格に適正に転嫁するためには、どのような方法があると考えられておるか。例えば、飲食や宿泊業では、現在、任意の形でサービス料を設定できる仕組みになっていますけれども、従業員の賃金を上げるという意味からも、任意ではない形で企業が徴収するような方法は考えられないのか、また、政府が果たし得る役割があれば、お答えいただければと思います。
○大串大臣政務官 市場で自由に取引されるサービスについては、それぞれの企業の置かれた市場環境、諸経費及び利潤、さらには消費者、購入企業のそのサービスの質に対する認識などを踏まえて対価が決定されているものと考えております。 他方、日本のサービス業をめぐっては、品質の向上にもかかわらず価格が抑えられてきたとの指摘もあり、サービスの対価を引き上げていくためには、サービスの質が向上し、その評価が価格にしっかりと反映されていく流れが定着していくことがまず重要であると考えております。 経産省といたしましては、平成二十九年より、サービス関連事業者が提供するサービスの質を見える化するために、おもてなし規格認証制度を運用しているところであります。これにより、サービスを受ける顧客が質の高いサービスを選択しやすくなり、サービス産業の生産性向上と高付加価値化につなげたいというふうに考えております。 さらに、質の高いサービスをより一層提供するとともに、生産性を向上させていく上で、IT導入によるバックオフィス業務の効率化も重要であります。また、新規需要の発掘にも取り組む必要があります。このため、平成二十九年度補正予算でIT導入補助金を五百億円確保し、約十三万社を直接支援してまいります。 以上のような施策を総動員しながら、サービスの質の向上と価格への反映に向けて、企業の努力や従業員の取組など、さまざまな切り口から市場の活力を最大限引き出してまいります。
○小林(鷹)委員 ありがとうございます。 今おっしゃった、おもてなし認証の制度を含めて、政府の取組は理解しましたけれども、ぜひそうした取組が価格にしっかりと反映されるような形での工夫を引き続きお願いしたいと思います。 次に、分母の側の労働投入量についてなんですけれども、これは、今政務官おっしゃったとおり、ITを利活用することによって減らしていくことはできると思いますし、そのための五百億のIT補助金が計上されるということですけれども、今、中小企業あるいは小規模事業者の中で、IT導入に積極的な事業者というのはまだまだそんなに多くはないと思います。二〇一六年のある調査によりますと、電子メールすら活用していない企業が約半分あって、業種別のIT利活用率では、医療業、運輸業では約四〇%台、飲食業に至っては三〇%台ということで、サービス業の利用率が非常に低い結果になっています。 IT導入を加速していくためには、既に予算に盛り込まれているそうした補助金による支援というのは有効かと思うんですけれども、更にそれを加速していく観点からは、企業がITを導入せざるを得ない環境を政府がつくっていくこともあり得るんじゃないかと思うんですね。例えば、社会保険あるいは補助金の申請、納税手続、こうしたいわゆる行政手続のIT化を更に進めて、期限を決めて、そして完全なオンライン手続のみに移行するという案も検討に値すると思いますが、どう考えられるでしょうか。 今、私が完全なというふうに申し上げるのは、例えばETCについて考えてみると、日本と違って、シンガポールは全車両義務づけとした結果、経済効率性に大きな差が生じているというふうに思うんですね。 なので、ITの導入についても、期限を決めて、完全な移行ということで進めることによって、このIT化が最大の効果を発揮できるのではないかと思うんですけれども、御見解をいただければと思います。
○大串大臣政務官 本年一月に決定されました政府全体のデジタル・ガバメント実行計画では、中長期的な目標として、行政手続の一〇〇%デジタル化が掲げられているところであります。本計画を踏まえまして、現在、内閣官房で、添付書類撤廃のためのデジタルファースト一括法案を年内に国会提出できるように検討しているというふうに伺っております。 経産省といたしましては、今年度より中小企業向けを中心とした補助金申請の電子化に着手いたしまして、二〇二〇年度に他府省でも活用できるような補助金申請システムの構築を目指しております。その他、件数の大きい行政手続を中心に申請手続のオンライン化に取り組んでいるところでもありまして、先ほど議員が御指摘いただきましたような内容も踏まえつつ、また同時に、期限も設けながら、デジタル化に積極的に取り組んでまいります。 さらに、中小企業向けの行政手続については、オンライン、ワンストップで行うことのできるプラットホームの構築にも着手してまいります。
○小林(鷹)委員 ありがとうございます。 生産性革命というふうにうたっているのであれば、ある程度の強制力を持って変革を促していくことも選択肢としてはあり得るというふうに思いますので、ぜひ御検討いただければと思います。 次に、政府の計画によれば、各役所ごとに電子認証のIDやパスワードを設定することになるようなんですけれども、こういう場合にこそ、マイナンバーを使って、全ての行政手続が一つの番号で関連づけられるようにするべきだと考えますが、いかがでしょうか。
○吉田政府参考人 お答えいたします。 行政手続の簡素化ということは、私どもとしても積極的に取り組んでおります。 まず、法人向けの手続ということでございますけれども、経済産業省におきまして、本年度より法人認証基盤というものを開発しています。これによりまして、まずは経済産業省から始めますが、他省庁にもそれを広げていきまして、二〇二〇年度以降には、他府省も含めました法人手続について一つのID、パスワードで電子的に手続を行えるシステムを構築していきたいと考えています。 一方で、個人の部分でございますけれども、個人向けの行政手続につきましては、内閣府において、マイナンバーカードを活用したマイナポータルを整備していると承知しております。 実は、法人設立とか社員の社会保障手続など、法人、個人にまたがる手続がございます。これは、内閣府のマイナポータルの方と、あと経済産業省でうまく連携していくような方策を考えていかなければならないということで、そういう環境整備を目指して取り組んでいるところでございます。 政府全体としての取組に、経済産業省としても積極的に貢献していきたいと思います。
○小林(鷹)委員 ぜひ政府全体で統一した仕組みを御検討いただきたいというふうに思います。 そして、事業者や個人が行う行政手続だけではなくて、各自治体も含めて行政全体が全ての業務についてIT化を進めることが、国全体の生産性を上げていく最もよい方法だと思います。データ連携を進める企業からも、民間が投資してIT化を進めたとしても行政に提出する書類がアナログじゃ意味がない、そういう声も実際にいただいております。 その意味で、民間に対して生産性を上げるようにある意味指導している行政自身がまずは生産性を上げるために、いつまでに何を進めるのか、また、それに伴う人員などについてどのように検討されるのか、お聞かせいただければと思います。
○大串大臣政務官 民間のIT化を推進する立場といたしまして、まず隗より始めよという精神にのっとりまして、経済産業省としても、ITを活用した行政機関の生産性向上と業務効率化を進めているところであります。 具体的には、省内への説明は、大臣に対しても原則ペーパーレスで行っておりますし、また、タブレット等を活用して、審議会等もペーパーレス化を実現しております。もちろん、私もそのようにさせていただいておりますが。これにより、印刷や資料セットにかかる職員の負担や経費を大幅に軽減できたということであります。 また、昨年からテレワークの取組を拡大して、全ての職員が月一回はテレワークを行うことを推奨しております。 我が国全体の生産性向上を加速していくために、民間の手本となるように、経済産業省がITを活用した業務の効率化に取り組んでまいりたいというふうに考えております。
○小林(鷹)委員 ありがとうございます。 ぜひ、今のお言葉どおり、力強く進めていただければというふうに思います。 次に、話題をかえて、IoT投資についてなんですけれども、ぜひ世耕大臣の強力なリーダーシップのもとで進めてもらいたいと思うんですが、その上で、私は、このIoT投資の肝というのは、やはりサイバーセキュリティーなんだと思います。 例えば、二〇一六年のNTTデータ経営研究所の調査というものがあるんですけれども、これによると、個人のインターネットバンキングの利用率でさえいまだ六割程度ということで、利用しない最大の理由がセキュリティーに不安があるということなんですね。 その意味で、そうした不安を解消するために必要なセキュリティー対策への投資を促すためにも、例えばサイバーセキュリティー投資に特化した形での減税あるいは補助金、こうした支援措置を検討すべきだと考えますが、御見解をいただければと思います。
○吉田政府参考人 お答えいたします。 サイバーセキュリティー投資に特化した税制や支援措置を講ずるべきではないかという御指摘でございます。 まず、コネクテッド・インダストリーズということで、大臣御指導のもと取り組んでおりますけれども、これは、さまざまなつながりから新しい付加価値を生み出すものでございます。そのことによってつながりが生まれますので、当然、悪意を持った人にとってはサイバー攻撃の機会が広がっていく。ですから、私ども、今回の取組というのは、そういうコネクテッド・インダストリーズを推進していくに当たっては、サイバーセキュリティー対策ということが一体的にやらなければならないということで、今回の法案を含めてやらせていただいているところでございます。 したがいまして、生産性向上特別措置法案でも、計画の認定の際に一定のサイバーセキュリティー対策を要件としておりますし、あるいは、二十九年度補正予算における生産性向上IT導入支援補助金におきましても、同様の要件を課しているところでございます。 こういうデータの利活用とサイバーセキュリティー対策をまずは一体的にやらせていただきたいと考えております。 一方で、サイバーセキュリティーそれだけで十分という対策はございません。引き続きやっていく必要がございます。 まずは、今回提案させていただいているこういう仕組みというものを行いまして、それを検証して、更にどういうことが必要かということはきちんと検討してまいりたいと考えております。
○小林(鷹)委員 ありがとうございます。 IoT投資減税の一つの要件としてサイバーセキュリティー対策があるというのはもちろん存じ上げているんですけれども、私がなぜ特化した措置が必要ではないかと申し上げるかというと、サイバーセキュリティー対策というのは、決して一回やれば終わりというものじゃないと思うんですね。常に更新し続けなければならない。そういう意味で、ぜひ、今、これからいろいろなことを検討しなければならないというふうにおっしゃいましたけれども、こうした点についても御検討をお願いできればと思います。 次に、データの共有や連携に伴うセキュリティー対策以前の問題として、IT製品にバックドアと呼ばれる不正なプログラムが組み込まれていて、データが盗まれる危険性というものが指摘されています。 報道によればですけれども、現在、アメリカでは、安全保障を理由として、特定の国の通信機器を締め出す規制を検討しているとも言われています。 我が国の場合、WTO協定上、特定の国の製品を排除することは困難であることはもちろん承知はしているんですけれども、さはさりながら、日本にとって安全保障上の脅威が高い国のIT製品についての対策は私は重要だと思うんですね。 日本政府としてのバックドアに対する認識、そして、そうした対策を検討しているのか、教えていただければと思います。
○大串大臣政務官 製品の開発段階から、ソフトウエア、システムの一部に、利用者に気づかれないように遠隔操作するための不正プログラム、いわゆるバックドアが仕掛けられ、情報が不正に抜き取られた事例があるという報道は承知しております。 今後、さまざまなつながりから付加価値を創出していくコネクテッド・インダストリーズを推進していく上で非常に大きな懸念であると認識をしております。 このような問題に対処するためには、事業者一社の対応だけでは不十分であります。設計、開発、製造などのサプライチェーン全体でセキュリティーを確保することが必要であるというふうに考えております。 このため、経済産業省では、サプライチェーン全体のサイバーセキュリティー対策を強化する観点から、事業者が実施すべき対策などを示したフレームワークの原案を策定したところであります。 こうした施策を通じて、サプライチェーン全体のセキュリティーを高めるための事業者の具体的取組を促進してまいります。
○小林(鷹)委員 ありがとうございます。 これは本当に重要な課題だと思いますので、ぜひ可及的速やかな検討をお願いしたいと思いますし、本当にしっかりやっていただきたいと思うんですね。 もしここが本当に抜けてしまえば、幾ら頑張っても、気づかれずにどんどんその情報が漏れていくということになりますので、ぜひこれは、経産省に私は期待をしておりますので、その辺の前向きな検討をお願いしたいと思います。 経産省は、総務省などとともに、民間企業へのセキュリティー対策を推進されておりますけれども、それと同様に重要なのは、産業政策をつかさどる経産省自身がサイバー攻撃に対してより厳しく取り組むことだと思います。 きのうもいろいろ、メールアドレスの流出の話が質疑でありましたけれども、コネクテッド・インダストリーズの推進を掲げられる主務官庁として、最大の課題であるサイバーセキュリティーの強化、特に国の中枢である官公庁における強化について、経産省としての決意をお聞かせいただければと思います。
○大串大臣政務官 先ほど、サプライチェーン全体のサイバーセキュリティー対策が重要であると御説明をさせていただきましたが、産業の健全な発展をミッションとする経済産業省では、多くの企業情報を有しているところであります。 民間企業が秘匿している情報が当省から漏えいしてしまっては本末転倒でありますし、経済産業省自身のサイバーセキュリティーの強化は重要な課題と認識をしております。 政府全体のセキュリティー対策につきましては、内閣サイバーセキュリティセンターが統一的な基準を定めておりますが、経済産業省においても、省内の情報セキュリティーに係る人材確保、育成を行う等、セキュリティーレベルの向上を図っております。 ことしの夏には統一基準の見直しも予定されておりまして、経済産業省としても、内閣サイバーセキュリティセンターや関係省庁と連携をして、行政機関におけるサイバーセキュリティー対策の向上を図ってまいりたいというふうに考えております。
○小林(鷹)委員 力強い御発言、ありがとうございました。ぜひ、先頭に立つ気持ちで頑張っていただければというふうに思います。 最後に、事業承継について伺わせていただきます。 すぐれた技術やノウハウを持つ企業が後継者不足によって廃業するということは、国益の観点からマイナスです。 その意味で、今回の法改正によって、再編統合による事業承継の加速化、また、親族外承継時の資金ニーズへの対応について手当てをされていることは私も評価をさせていただいております。 そこで、伺いたいんですけれども、今後の課題として、すぐれた技術やノウハウを同じように持っている個人事業主についても、事業承継をより円滑に進めていくための措置をやはり積極的に検討していくことも必要かと思いますが、経産省の所見をお聞かせいただければと思います。
○吾郷政府参考人 お答えいたします。 先生御指摘のとおり、個人事業者の持つすぐれた技術やノウハウを円滑に承継されるように支援していくことも重要でございます。 こうした観点もございまして、平成二十九年度補正予算におきまして、事業承継を契機に新たな取組を行う事業者に対して設備投資等にかかる費用を支援する事業承継補助金、これを大幅に拡充しておりまして、小規模・個人事業者については、補助率を二分の一から原則三分の二に引き上げることとしております。 また、事業引継ぎのマッチングを行う事業引継ぎ支援センターにつきましても、相談員等の人員を一・四倍増するなど体制強化をしまして、個人事業主の相談にもしっかり対応していく所存でございます。 税制面につきましては、相続税の負担軽減措置といたしまして、現状でも、相続する事業用土地について、相続税評価額八〇%の評価減を行う小規模宅地特例が措置されているところでございます。 こうした点も踏まえまして、引き続き、個人事業主の事業承継に係る課題をしっかり把握し、税制も含め、その支援策について総合的に検討してまいりたいと存じます。
○小林(鷹)委員 ありがとうございます。 最後に、政府が講じるあらゆる施策というのが有効に活用されてこそ、初めて効果が発揮されるんだと思います。その意味で、経産省には、引き続き、ぜひ国民の皆様あるいは事業主の皆様にその情報がしっかりと行き渡るように積極的な広報をお願いしたいと思いますし、私自身も責任を持って協力させていただくことを申し上げ、質問を終わらせていただきます。 ありがとうございます。
○稲津委員長 次に、富田茂之君。
○富田委員 公明党の富田茂之です。 先週の金曜日には、ものづくり補助金、IT補助金等について質問をさせていただきました。きょうはまず、データの利活用に向けた政府の取組の経緯について確認をさせていただきたいというふうに思います。 調査室の皆さんがこの資料をまとめてくださいましたが、この資料によりますと、政府は、コネクテッド・インダストリーズを実現するため、データ関連制度の整備を行い、データの利活用を進めてまいりました。 平成二十七年、二〇一五年の九月には改正個人情報保護法が成立しまして、匿名加工情報制度が導入されました。データ取得の経緯の確認及び記録の作成といったルールのもとで、本人の同意なしで個人情報の目的外利用及び第三者提供が可能となりました。 さらに、個人情報の有用性に配慮しつつ、その適正な取扱いを確保するため、民間事業者が保有する個人情報を一元的に所管する個人情報保護委員会、これが新設されました。 その後、平成二十八年、二〇一六年の十二月には官民データ活用推進基本法が成立し、行政機関が保有するデータを民間事業者に提供するスキームが構築されるなど、民間事業者の保有するデータの利活用だけではなく、行政データのオープン化についても推進されてまいりました。 官民データ活用推進基本法では、官民データの適正かつ効果的な活用に関する基本理念を定めるとともに、官民データ活用の推進に関する施策を総合的かつ効果的に推進し、もって国民が安全で安心して暮らせる社会及び快適な生活環境の実現に寄与することを目的としております。 同法における官民データとは、「電磁的記録に記録された情報であって、国若しくは地方公共団体又は独立行政法人若しくはその他の事業者により、その事務又は事業の遂行に当たり、管理され、利用され、又は提供されるものをいう。」とされております。 データの利活用に向けた取組は、以上のような経緯をたどり、本法案では、革新的技術を用いてデータ連携、高度利活用を行い、新たな付加価値の創出を図る事業を行う事業者が実施するIoT投資に対し、減税措置等の支援を講ずるとともに、データを収集、整理して他の事業者に提供する者のうち、一定のセキュリティー対策がなされていると確認された事業者について、国の機関や独立行政法人等が有するデータの提供要請手続を整備する等、行政データの一層のオープン化が図られているというのが本法案の趣旨というふうに理解してよろしいでしょうか。
○寺澤政府参考人 お答えします。 委員御指摘のとおり、コネクテッド・インダストリーズを推進する上で、データを集めて利活用するということは鍵となるわけでございます。 そうした観点からは、御指摘があったように、個人情報保護法を改正し、匿名加工情報制度というのを創設したところでございますし、また、官民データ活用推進基本法に基づいて、行政データのオープン化を進めてきているところでございます。本法案は、こうした流れに沿ったものでございます。 具体的には、官民データ活用推進基本法の趣旨を踏まえて、今般の革新的データ産業利用指針というのを定めるということは、法案上、明記をされています。 また、今般新たにデータ提供要請制度というのを設けるわけですけれども、これも行政データのオープン化を進めるものでございます。 また、革新的データ産業活用計画という枠も設けていますが、これについては税制等の措置でしっかりと応援するということでございますので、この法案は、これまでのデータの連携、共有、利活用を進めるという取組の流れに沿い、さらに、それを力強く更に加速させる、そういう趣旨でございます。
○富田委員 今、局長が言われた革新的データ産業活用計画の認定につきまして、生産性向上特別措置法第二十二条には、次のような手順が規定されております。 まず、革新的データ産業活用を実施しようとする事業者は、その実施しようとする革新的データ産業活用に関する計画を作成し、これを主務大臣に提出して、その認定を受けることができる。 次に、主務大臣は、提出された革新的データ産業活用計画について、必要に応じて革新的事業活動評価委員会の意見を聞き、当該計画が適切なものであると認めるときは、その認定をするとともに、その概要を公表する。 そして、主務大臣は、認定に当たって必要があると認めるときは、提出された革新的データ産業活用計画について調査を行うこともできる。 また、主務大臣は、提出された革新的データ産業活用計画において用いられるデータに個人情報が含まれる場合であって、政令で定める場合に該当すると認めるときは、個人情報保護委員会に協議するものとするというふうに規定をされております。 この二十二条第六項には、主務大臣は、第一項の認定をしようとする場合において、当該申請に係る革新的データに個人情報が含まれる場合であって、当該データの性質、利用方法及び管理方法その他の事情を勘案して特に必要があるものとして政令で定める場合に該当すると認めるときは、当該認定に係る申請書の写しを個人情報保護委員会に送付するとともに、あらかじめ個人情報委員会に協議するものとするというふうな規定があります。 また、同七項は、「主務大臣及び個人情報保護委員会は、前項の規定による協議に当たっては、データの活用を促進することの必要性に鑑み、所要の手続の迅速かつ的確な実施を図るため、相互に密接に連絡するものとする。」との規定もあります。 ここで言います六項の個人情報保護委員会に協議を行う場合というのはどのように判断するのか、また、政令でどのように定めるんでしょうか。
○寺澤政府参考人 お答えします。 まず、御質問の規定について、ちょっと趣旨から御説明いたします。 御指摘のとおり、革新的データ産業活用計画の認定に当たって、特に必要があるものと政令で定める場合には、あらかじめ個人情報保護委員会に主務大臣から協議するということとされているわけでございます。 この革新的データ産業活用計画というのは、主としては産業データというのを想定しているわけでございますけれども、場合によっては個人情報が含まれるということもある、そうした場合には、一般的規律として個人情報保護法制に従うことになるわけでございます。 そうした中、なぜこの協議があるのかということだと思います。これは、この計画認定を受けた上で、税制優遇とかデータ提供要請制度という支援を受けるわけですから、そういう支援を受けながら、万が一、個人情報保護法の規律に反する、逸脱するということがあっては非常に問題でございますので、事前に適法性を確認するという手続を設けているわけでございます。 また、民間事業者から見ても、データを提供して、個人情報保護法の観点から問題があるということからデータ提供について懸念をする慎重な事業者もいないわけではないということで、あらかじめ個人情報保護法との整合性を確認するということで、安心してデータ提供をしていただくということでございます。 じゃ、具体的にどういう場合に協議するかということは、政令で定めるということで、今後具体的に検討したいと考えているわけでございますけれども、その際の考え方でございますが、まず、産業用のデータばかりである場合は協議する必要がないので、あくまでも個人情報が入っている場合でございます。 ただ、個人情報が入っているから全て協議するのかということになりますと、先ほど申し上げたように、個人情報が入っていれば、一般的な規律である個人情報保護法の規律が及ぶものですから、その規律が及ぶことに加えて、個人情報保護委員会の協議が必要だ、確認が必要だという場合は、それは確認する必要性が非常に高い、そうしたものについて協議する。 そうしないと、この計画の円滑かつ迅速な支援という趣旨からしても、全て全て協議をするとそういう目的にも反することになるものですから、個人情報保護委員会の確認が必要な、そうしたものに重点的に絞り込んで政令を規定をしたいということでございます。 その際、その規定については、データの性質、利用方法、管理方法その他の事情を総合的に勘案して、こういう個人情報保護委員会の確認が必要なそうした範囲については、有識者の意見を聞きながら、また個人情報保護委員会や関係省庁と協議しながら、今後具体化を図ってまいりたいと考えている次第でございます。
○富田委員 七項に言う「相互に密接に連絡」というのは、今の局長が言われたようなことを円滑にするために相互に密接に連絡するんだというふうに理解していいですか。
○寺澤政府参考人 お答えします。 委員御指摘のとおり、法律上、「主務大臣及び個人情報保護委員会は、」「協議に当たっては、データの活用を促進することの必要性に鑑み、所要の手続の迅速かつ的確な実施を図るため、相互に密接に連絡するもの」というふうに規定されているわけでございます。 この趣旨は、主務大臣と個人情報保護委員会との間で協議する場合に、両者の間で情報を相互に十分に交換し合う必要があるということを踏まえて規定されているものでございますし、また、協議のプロセスにおいて、いたずらに時間を要して計画の実施におくれがあってはいけないという観点からこの規定が設けられているわけでございます。 今後、この規定の趣旨を踏まえまして、主務大臣から個人情報保護委員会への協議が円滑かつ的確になされるよう、お互いに提供すべき情報の内容とか、あるいは協議の期間等を始めとして、具体的な運用プロセスというのをあらかじめ定めることによって、適切な運用を図っていきたいと考えている次第でございます。
○富田委員 これまでの局長の答弁を踏まえて、革新的事業活動評価委員会と個人情報保護委員会との関係について確認しておきたいというふうに思います。 法案の第三十一条は、「内閣府に、革新的事業活動評価委員会を置く。」と規定しておりまして、三十二条第二項では、「委員会は、前項の規定によりその権限に属させられた事項に関し、内閣総理大臣を通じて主務大臣に対し、必要な勧告をすることができる。」という規定があります。 個人情報保護委員会は、いわゆる三条委員会のうち、個人の権利利益の保護を任務として明示された唯一の機関として、平成二十七年個人情報保護法改正により導入されたものであります。本法案では、第二十二条六項に、先ほどお示ししましたように、革新的データ産業活用計画の認定をするに当たって、個人データが含まれる場合等、必要な場合に個人情報保護委員会に協議を行うこととされております。 他方、本法案では、新技術等実証に係る規制の特別措置や計画認定の判断において、当該新技術等実証に係る規制を所管する行政機関の長が主務大臣になるというふうにされています。 したがって、事業者が個人情報保護などに関連する新技術等実証計画を申請した場合には、個人情報保護委員会が規制を所管する行政機関の長として主務大臣になるというふうに理解されます。 このように考えたときに、第三十二条第二項に基づく革新的事業活動委員会の勧告は、個人情報保護委員会の独立性を損なうのではないかという懸念があります。革新的事業委員会の勧告と個人情報保護委員会の独立性との関係についてはどのように考えているんでしょうか。
○糟谷政府参考人 御質問いただきましたように、生産性向上特別措置法案では、個人情報保護法などに関連する新技術等実証計画を申請した場合には、個人情報保護委員会が規制を所管する行政機関の長として主務大臣となるわけであります。 この場合、革新的事業活動評価委員会による勧告は個人情報保護委員会を法的に制約するものではなく、同委員会はみずからの職権を行使して判断するものであることから、同委員会の独立性を損なうものではないわけであります。
○富田委員 今の局長のあれだと、主務大臣として、いわゆる三条委員会である個人情報保護委員会は独立して職権を行使して、他の事業所管大臣と調整することは要らないというふうに理解していいですか。
○糟谷政府参考人 主務大臣として独立して職権を行使して判断するものでございます。
○富田委員 わかりました。 それでは、残りの時間、IT人材の育成についてお伺いをしたいというふうに思います。 これまでも政府は中小企業の生産性向上のためのIT投資を進めてきましたが、中小企業のIT投資は残念ながらまだまだ低調でございます。 資料の一を配付させていただきましたが、これは昨日も田嶋委員がこの資料を使われておりました。これによりますと、IT投資が重要であると考えているにもかかわらず、IT投資を行わない理由として、ITを導入できる人材がいない、四三・三%、導入効果がわからない、評価できないが三九・八%、及び、コストが負担できないが二六・三%というふうに理由が挙げられています。 他方、資料の二、裏側ですが、資料の二を見ていただきますと、これはバブル崩壊後のIT投資と人材育成の推移を示したものです。この図につきまして、日本経済新聞、二〇一七年八月二十二日に「経済教室」で宮川努学習院大学教授が次のように指摘をされております。 IT投資はコンピューターとその附属設備、通信設備、ソフトウエア投資の合計だ。一方、人材投資は、厚生労働省就労条件総合調査の中の教育訓練費のデータを使って、社外訓練、オフ・ザ・ジョブ・トレーニングの費用の部分を推計したものだ。日本で金融危機が生じた九七年以降、IT投資の伸びが鈍り、今世紀に入ると減少傾向で推移していることがわかる。それ以上に衝撃的なのが、社外訓練費で見た人材投資の動きだ。人材投資はバブル崩壊直後から低下し始め、その後一旦持ち直したものの、やはり今世紀に入って低下の速度を速めているというふうに教授は指摘をされております。 また、さらに、宮川教授は、二〇〇七年版のアメリカ大統領経済報告は、ITが生産性向上に寄与するには、人材投資などの無形資産投資の補完が必要だと述べている。実際、滝沢美帆東洋大教授とこの宮川教授が行った最近の実証分析では、IT投資と人材投資は相乗効果を持ち、生産性の向上を通じて資本利益率を上昇させるという結果を得ているというふうに指摘をされております。 昨日の参考人質疑でも、参考人の皆様からIT人材の育成について次のような御指摘がありました。 ITの専門家である必要はない、今ある技術を使いこなせる人材をどう集めるかだ。また、ITを学ぼうと思えばただで学べる仕組みがたくさんある、このことが余り知られていない、このことにどう気づかせるかだ。さらには、生産性向上のためにITの活用が必要ということに気づいていない経営者が多い、セミナー等の啓発が必要。また、小規模事業者が活用しやすいクラウドサービスを提供してほしいというふうにも言われていました。さらには、格差の拡大、貧困の連鎖が続く中で、IT教育を受けられる環境整備が必要だという御指摘もありました。また、外部サービスの利用も検討すべきだ、コストを下げることができるという意見もございました。 生産性向上に寄与するためには、人材投資等の無形資産投資による補完が必要だというこの教授の指摘は大変重要だと思いますが、大臣、帰られたばかりで、答弁は副大臣の方に。どのように経産省としては取り組んでいかれるのでしょうか。
○武藤副大臣 私から答えさせていただきます。 委員御指摘のとおり、中小企業がIT投資を行わない理由の第一として、社内にIT導入ができる人材がいないということが挙げられております。 他方、昨今、いろいろ技術革新が非常に進捗しておりまして、ITシステムを自社で保有しないクラウド型のサービスなどが普及し、IT人材に乏しい中小企業でも利用可能な簡便な、安価なITツールが提供されているところでもあります。 これらの生産性向上に資するITツールの導入を進めるために、平成二十九年度の補正予算でIT導入補助金を五百億円確保させていただき、約十三万社を直接支援をさせていただきます。また、IT化を通じた生産性向上に関する情報、ノウハウ、成功事例等、強力的に横展開することで、経営者のITに対する意識の向上も促進していくところであります。 さらに、今回の法案に基づきまして、ITベンダーを認定情報処理支援機関として認定をし、ITツールやサービスを見える化することで、中小企業の生産性向上に資するIT導入支援を促進してまいります。 加えて、中小企業等で働く経営者、管理者候補のリカレント教育でありますけれども、IT活用を含む専門知識の講座を提供する予定であります。 こうした取組により、大変喫緊の課題でありますIT人材が不足する中小企業のIT導入を後押ししてまいりたいと思っております。
○富田委員 これで終わりますが、この宮川教授によりますと、去年の夏、一橋大学で開催されましたアジア諸国の生産性データベース構築を話し合うコンファレンスで、IT化の進展と人材の活用を比較可能な形で計測することが今後の課題として位置づけられたそうであります。アジア諸国は、みずからの経済成長に関する基礎データとして、こうした分野の計測に力をこれから入れていくんだろうなというふうに考えられます。 コンファレンス後のシンポジウムで、デール・ジョルゲンソン・ハーバード大学教授は、アベノミクスの第二局面をテーマとする基調講演で、人材の育成と活用を重要な生産性向上策の一つと挙げられたそうであります。ぜひ、副大臣言われましたように、しっかりとバックアップをしていっていただきたいと思います。 これで終わります。ありがとうございました。
○稲津委員長 次に、吉良州司君。
○吉良委員 希望の党の吉良州司でございます。 質問に先立って、私の地元、広く言えば地元であり、選挙区的には自民党の岩屋毅先生、そして立憲民主党の横光克彦先生の地元である中津市で、中津市耶馬溪において土砂災害、本日未明に巻き込まれ、いまだに、先ほど昼どきの情報では六人の方がまだ救出されていないということでありましたので、一刻も早い救出を祈るところであります。 また、災害に遭われておりますので、お見舞いを申し上げる次第であります。 さて、きょうは生産性向上特別措置法と産業競争力強化法改正案ということについての質疑をさせていただきますが、私は、この中でも生産性向上特措法ということに焦点を当てながら、その先にある、生産性向上の先にある日本経済活性化にどうつなげていくのかということについて質問させていただきたいというふうに思っています。 まず、世耕大臣、いきなりずばりと聞きますが、この生産性向上特措法は何を究極的に目的としているのか、そのことについてお答えいただきたいと思います。
○世耕国務大臣 この特措法の目的は、産業構造や国際的な競争環境が急速に変化する中で、第四次産業革命時代において、日本の産業が国際競争力を強化していくために、コネクテッド・インダストリーズなどの促進を通じて生産性革命を実現することだというふうに考えています。 もうちょっと長く言っていいですか。(吉良委員「いいです」と呼ぶ)はい。何層かになっていまして、済みません。(吉良委員「そこが聞きたい」と呼ぶ)はい。 こういう目的を達成するために、生産性向上特別措置法案は、新しい経済政策パッケージにおいて掲げられた三年間の生産性革命集中投資期間に合わせて、特に短期集中で取り組むことが必要な施策を講じることにしています。 大きく三つ柱がありまして、まず一つは、サンドボックス制度をつくっていく、あと、データの共有、連携を行う事業者のIoT投資を減税するための計画認定制度の創設、そして、大企業に比べて必ずしも生産性が高くない、中小企業の生産性向上のための設備投資を支援することにしています。 特に、中小企業支援については、全国の市町村の固定資産税をゼロにする制度とあわせて、ものづくり補助金やIT補助金といった制度の活用ですとか、あるいは中小企業の事業承継税制など、法律上の措置だけではなくて、予算や税制措置などを活用して、全国の中小企業の生産性を底上げしてまいりたいというふうに思います。 そして、何よりも、法律に書いていない目的になりますが、やはり生産性を上げようぜというモメンタムを国民というか全体で共有をしていくことが非常に重要だというふうに思っています。 そういう意味で、先ほどの三本目の柱の固定資産税をゼロにできる制度、これをしっかり浸透させようということで、これは経産省と総務省、最初はちょっと若干制度の導入に対立がありましたけれども、連携をして、また、議員の皆さんにも御協力いただいて、自治体への周知もやった結果、中小企業から見ると、えっ、そこまでやってくれるのかというので、じゃ、設備投資何にしようかなという動きが出てきているのと、全国の自治体で、千七百のうち、今の段階で千四百が固定資産税をゼロにしてくる。 まさに、その目的に向けて、今みんなで生産性を上げようという機運が高まっている。この機運を高めていくということも、こういう法案を打ち出す一つの大きな狙いだというふうに思っております。
○吉良委員 最後の部分を聞きたかった。途中については法案の趣旨に書いてありますし、我々もいろいろレクを受ける中でその辺の説明は受けさせていただきました。 そっけない言い方をすると、やらないよりはやった方がいい。けれども、この法案が目指すところによって、国全体の底上げが本当に行われていくんだろうか、国全体の生産性が底上げされていくんだろうかということについては、私、今、若干の疑問を持っていますし、これは政策が悪いということではなくて、実は先進国全体で抱えている課題でもあるんですね。これについては、また後段でじっくりと話をさせていただきたいというふうに思っています。 まず、この生産性特措法の中で、特に規制のサンドボックス、これについては、事前の新事業特例制度、それからグレーゾーン解消制度といった、これに先立つ先駆的制度があったわけですけれども、この制度の具体的な事例と、そして、その成果についてお聞きしたいというふうに思っています。これは参考人からでも結構です。
○中石政府参考人 お答えいたします。 規制のサンドボックスの方のお問合せでございます。 現在、法律案を御審議いただいている段階でございますので、まだ政府としては正式に事業者の方に要望を伺っているわけではありませんが、現段階でも個別のヒアリングその他でお問合せを受けておりまして、既に数十件ぐらい事業者からお問合せを受けております。 事業者の方から寄せられているニーズとしましてはさまざまございまして、例えば、最近では、個人で、クラウドワークスのように、御自宅にパソコンをお持ちだ、テレワーク的に働く方がいらっしゃるんですけれども、そういう方々が、クラウドワークスといいますと受発注をネットでやるわけですけれども、その受発注の状況、このデータを第三者、要するに、信用度を測定する機関に渡しまして、それを使って限度額を設定して柔軟な資金提供サービスを受ける、こういったサービスができないかというような話があります。 それ以外にも、過疎地域その他で配達員が不足している場合に、宅配会社の集配所から届け先の最後のラストワンマイル、ここについて、一般の方に事業者自身がマッチングを行って業務委託できるクラウドデリバリーといったものをできないか。さまざまあります。 ほかにもありますけれども、例えば、中小企業の資金ニーズに応える、これは少し有名ですけれども、ソーシャルレンディングのようなものをやってみたい。 幾つかございまして、これらがさまざま寄せられておりまして、法律が施行されましたら、それは個々にいろいろな話を伺って、どのような課題を持っているのか、どういうふうに実証していくかというのを対応していきたいと思います。
○吉良委員 先ほど私が言いました、きょうの私の質問の問題意識は、今回の法案が、ある種の人たち、先ほど来というか、ずっとこれまでの質疑の中でも出ていますけれども、新たに起業しようとする人たち、また、今言ったように、新しい、欧米ではどんどんメガ企業が誕生しているこのIT業界において、非常に不確かな部分について、一歩二歩、前に思い切って進むことができる、その背中を後押しする、そういう法案であるということは理解をしているつもりです。ですから、やった方がいいに決まっている。 だけれども、国全体を底上げするに際してどこまで役立つんだろうかという問題意識が私のきょうの質問の趣旨になるんですね。 まず、経済産業省の最近の政策の中で私が感ずることは、コネクテッド・インダストリーズとか、そういう横文字をどうしても使う。 横文字を使うということはどういうことかというと、先駆的事例が欧米にあって、それを輸入してきている。日本のまさにオリジナルの新しいビジネスモデル、発想であるならば、きちっとわかりやすい日本語で表現できるはずだという思いがあるんですね。 もうちょっと裏を返せば、そういうコネクテッド・インダストリーズだとか横文字を使って、理解して、その制度を取り上げようとする経営者、企業というのは、日本の産業のピラミッドで、どっちが上、どっちが下とは言いませんけれども、ほんの一握りの人たちであって、今言った本当に底上げができるんだろうかという問題意識なんです。 よく学校のテストでいうと、そもそも製造業、又はそうやって横文字がわかる人たちというのは、もともと九十点とか九十五点とっている人たちで、その人たちの背中を幾ら後押ししても、伸び代というのはもう五点、十点の世界なんですよね。もっともっと伸び代がある世界があるというふうに思っていまして、その伸び代があるところをどうやって底上げしていくんだろう、これが私の問題意識なんです。 そういう意味では、先ほど大臣がおっしゃった中小企業に対する対応策、これは、先ほども六十万件想定されているという話もその前の質問に対する答弁でもありました。これはかなりの効果をもたらすんだろうと思っていますが、それでも限られていると思っています。 大臣にお聞きしますが、これは広く言えば質問通告をしていますが、今から言うのは直接的には質問通告にはなっていません。企業は何を動機づけとして設備投資をすると思いますか。(世耕国務大臣「何を」と呼ぶ)設備投資の動機づけは何でしょうか。
○世耕国務大臣 なかなか難しい御質問ですけれども、究極は、やはり自分の企業が成長していくというために投資を行うものだというふうに考えております。
○吉良委員 そのとおりだとは思いますが、私自身が思うところ、また期待した答弁は、企業、特に、厳しい経営環境の中で新たに設備投資をしていこうという中小企業のインセンティブは何か。私が横文字を使いましたけれども、動機づけは何かといいますと、これは、固定資産税を減免してくれるからとかいうことではないですよね。 それは、当然ながら、自分たちが想定するマーケット、国内マーケットが今後とも伸びていく、そして、輸出まで手を出そうというところであれば、輸出環境がよくなる、とりわけ中小企業にとっては、国内マーケットがこれからよくなるぞ、ここは投資してでも拡大する、充実するマーケットにアクセスしていこう、これが当然ながら最大の動機なんですよね。 ということになっていけば、では、どうやったら国全体のマーケットが購買力を増して、それはすなわち日本の経済力が増すということになるわけですけれども、そこをどうやって政策的に誘導していくのかという問題になろうかというふうに思っているんですね。 私の問題意識、先ほど来言っていますけれども、日本経済全体がどうやったらよくなるということで、今回の生産性向上特措法で国全体の生産性が上がり、日本経済全体がよくなると大臣はお思いでしょうか。
○世耕国務大臣 私も、結構片仮名が多いといって、いつも地元では大分苦情を受けていまして、随分票を減らしているんですけれども。 今おっしゃるように、一応、今回、〇・九%の成長を倍増させるという目標を持っております。まさにアベノミクスは、その成長の期待というのをしっかりつくっていくというのが、これがアベノミクスの好循環、目指しているところです。 だから、我々、賃上げをお願いしているのも、その賃上げが行われて、そのことによってまた消費が動いていく、マーケットが広がっていくということでもありますし、あるいは、人口が減っていく、高齢化が進んでいく中でありますから、そういう意味では外にも目を向けなければいけない。中小・小規模事業者であっても海外へ攻めていってほしいということで、今、新輸出コンソーシアムですか、これもつくって、TPPとか日・EU・EPAの機会を捉えて、中小企業、小規模事業者にも逆に海外で成長してもらうということも考えていかなければいけないというふうに思っております。
○吉良委員 私がこういう質問をしているのはなぜか、そして、最初に、やらないよりはやった方がいいけれども、本当に国全体を底上げできるんだろうかという問題意識は、新事業特例制度についても十一件という件数の少なさだったことから見ても、私は、何が問題かといったら、これは経産省に限らないんですけれども、これは農水省でも何でも、何か事業をやろうとすると、必ず、計画をつくって、その計画に基づいて申請をして、そして申請を受けて省庁が認可をして、認可された事業者には何らかの支援をします。もうワンパターンなんですよね。 私が何か新しい事業をやろうとする、しようと思ったときも、もう煩雑で、何か役所に行くとこんなに書類を要求されて、わざわざ申請しようとは思わない。よくオペラだ、ミュージカルじゃないですけれども、S席、A席、B席とあって、企業でいうと超一流のS企業、またAの上位企業というのは、こんな煩雑な申請をして認定してもらわなきゃいけない、もう目もくれないですよね。そんなのだったら自前でやるというふうに思っていくと思うんです。 ただ、繰り返しますけれども、やった方がいい。趣旨自体は私は賛成なんです。 大臣、申請して認可するとかそんなのはやめて、原則自由。もう全部自由にする。それはいろいろハードルはあると思いますよ。申請して認定してなんかがあるから何件とか何千件とか何万件という世界になってしまって、私が今問題意識として言っている、国全体の底上げにならない。国全体の底上げにするためには、原則自由、勝手にやってくれと、そこぐらいまでやるのが本当の政策じゃないか。そして、省庁が数多くありますけれども、そうやって原則自由を重んじて、規制をできるだけ取っ払って、企業の自由な活動を後押ししていくのが経産省じゃないですか。 原則自由、まあポジティブリスト、ネガティブリストがあるんだったら、ポジティブリストを幾つか書いて、あとは自由、こういうふうにできないんでしょうか。
○世耕国務大臣 私も一度でいいから、大臣として、自由にやってくれと言ってみたいものですけれども、やはり法制度、規制の中で行政が運営されている中では、一定の制約があるのはいたし方ないことだと。 私も、認定とかいうのを読んでいて、認定する側に本当にビジネスのセンスがあるのかとか、正直言って思うところがあります。ですけれども、なるべく、今回、運用上使い勝手をよくすることによって、また、サンドボックスという片仮名の名前になっていますが、また漢字の名前も新技術実証制度というよくわからない名前になっていますが、この趣旨はできる限り中小・小規模事業者の皆さんにもしっかり浸透させて、私は、小規模事業者の中にも物すごく輝くアイデアを持っている経営者がいると思うんです。今もう世界的企業のユニクロだって、一軒の洋品店から始まったわけであります。もっとおもしろいビジネスモデルを持っている方々がいるかもしれない。 やはり、そこから大化けする、日本の成長力を引っ張っていくような企業が出るかもしれないので、今回は、特にこのサンドボックス制度は、よく御理解をいただいて、いろいろな企業に手を挙げていただくようにしていきたいというふうに思っております。
○吉良委員 大臣、一度でもいいからそうやって自由にやってくれと言ってみたいというんだったら、やりましょうよ。世耕大臣が最初に答弁いただいた中で、モメンタムをつくるんだ、機運をつくるんだと。これは私、すごく重要なことで、私にも響きました。 一般論になるんですけれども、私、日本の経済の活力が出ない、日本社会がいま一つ活気がないのはなぜかというと、誰も望まないんだけれども、望まないけれども、事故が起こってしまう。何万人かのうち一人、二人不正を行う人が出てくるかもしれない。それが起こると、マスコミが騒ぎ立てて、世論も、そんなやつけしからぬといってみんなで手足を縛ろうとするという日本の傾向にあると思うんです。 例えば、千人のお医者さんがいたとして、あるとき、一人の又は二人ぐらいのお医者さんが保険の不正請求をしたという事案が出たとする。そうすると、そのことが連日連日放送されて、放映されて、そしてどうなるかというと、世論的には、こんなお医者さんがいるのはけしからぬといって、真面目にやっている九百九十八人、九百九十九人のお医者さんまで手足を縛る制度をつくれ、規制をつくれという話になるんです。 そういう意味で、今の、大臣が自由にやってくれと言ってみたいと言った中には、いろいろあるんですというのはそういうことなんだと思うんですよ。制度を悪用する人たちがいないでもない、それを未然に防ぐためには前もって規制を高くしておけばいい、又は申請するハードルを高くしておけばいい、こういうことが、私は、日本の社会、経済を活気のないものにしている最大の原因だと思っているんですよね。これを取っ払っていくためには、先ほど言いました、行政の中では経済産業省が先頭を走っていかなければいけないというふうに思っています。 そういう意味で、もう答弁を求めても同じ答弁だと思いますので……(発言する者あり)ああ、いいですか。じゃ、与党筆頭理事からのリクエストでもありますので、より自由度を高めた制度に持っていくということについては、どうでしょうか、大臣の考え。 〔委員長退席、富田委員長代理着席〕
○世耕国務大臣 アメリカに出てきたGAFAのようなものがなぜ日本に育たないのか。いろいろな要因はあります。いっぱいいろいろな要因はありますが、一つは、やはり規制に対する考え方というか、国柄というべきところまでいっていると思いますね。 私の同僚の参議院議員の三宅伸吾議員がまだ日経の編集委員だったときに書いた本で「Googleの脳みそ」というおもしろい本があるんですが、このグーグルなんかは、もうやってしまえと。やってしまって、問題が起これば後から対応すればよし。彼らは、それこそ、極端な話、訴訟されたらそれは裁判所で対応しましょうと。だけれども、そのかわり先にまずやってみる。これが、でも日本では、いきなりやろうとしたらこれはなかなか大変なことになるんだろうなというふうに思っています。 まず一つは、それでも極力自由な環境の中で仕事をやってもらう、この戦いはずっと続けて、取組はずっと続けてきているわけであります。最初はノーアクションレターとかグレーゾーン制度とかいろいろなものを使いながら改善をしてやってきていて、今回、この規制のサンドボックス制度は、さらに、もう規制と関係なく、一応やれるというところまで、いろいろそれも前提条件はついていますけれども、踏み込むことができたわけですから、こうやって一歩一歩進めていきたい。 このサンドボックス制度も、やってみて、またもっといいやり方があるんじゃないか。まあ、今まで残念ながらこの手のプロジェクトというのは常に海外の後追いでやっていますが、たまには、次ぐらいは、日本から始まった新たな試みぐらいはやってみたいな、そういうことを少し頭に置きながら、このサンドボックス制度、しっかりやっていきたいと思っております。
○吉良委員 今から申し上げることは議事録に残すのはいかがなものかとは思うんですが、私、商社に勤めていて、最初、入ったときは人事の採用をやっていまして、当時私が商社にいたころというのは、商社というのは、いろいろ新聞でこういう事件を起こしたというようなことで騒がれていた時代でありましたけれども、いろいろ、ロッキードだ、グラマン事件だというのは除いて、時々やはり外為法違反で何か話題になるようなこともありました。 そういうことに対して、私は学生に対してどう説明していたかというと、当時でいうと、銀行はこういうことで新聞を騒がせるようなことがあるか、ないだろう、それは護送船団方式の中で、全て決まりの中でやっているからだ、商社というのは、ある意味では法律の方がおくれているんだ、法律の方がおくれていて、実際の貿易、投資等の実態としてのニーズはもっともっと先端を行っているんだ、だから、我々はそれに応えるためにやっている、たまたまそれが古くてしようがない外為法に抵触するということがあり得るけれども、これは我々の勲章なんだ、見てみろ、そういう問題が起こったら翌年か何かに法改正が行われて、どんどん法律がよくなっていく。こういうふうなことを言っていたぐらいなんですよね。 ですから、向こう傷じゃないですけれども、大臣が本気で、さっき言った、この国のモメンタムを変える、機運を変えて生産性を高めていくんだ、こういう、そのまさに先頭を走るということであれば、やれ、この規制があってこういう問題があるとかじゃないんだ、そういうものは後で何とでもなる、まず前に進むというぐらいの姿勢が必要だと思うんです。 もう一回だけ大臣の決意をお願いします。 〔富田委員長代理退席、委員長着席〕
○世耕国務大臣 やはり、規制の壁はできる限り取り払ってしっかりと進んでいく、そのようにしていきたいというふうに思っております。
○吉良委員 続いての質問になりますけれども、これは本会議で、私どもの浅野議員が、この法案に対して、この法案による就業構造への変化ということについて質問をされております。そのときの答弁は、今知っているんですけれども、時間もなくなるのであえて申しません。全体というよりは、一部の先端を行く企業、そして、その先端を行く技術を担う人材が必要になってくるということで、就業構造についても問題ないという言い方をされていました。 大臣にここで改めてお聞きしますけれども、この生産性向上による就業構造、産業構造の変化というものは大臣としてどう捉えておられますか。
○世耕国務大臣 日本経済の最大の弱点は人口減少だと言われているわけです。十五から六十五歳のいわゆる生産年齢人口というのが、二〇六〇年には現在の半分になるという試算もあるわけであります。大変深刻であります。 しかし、この第四次産業革命によって、逆に、この人口減少という弱点、これは手を打たないというわけではありません、少子化対策はまたやっていくとして、この弱点を逆手にとれば、むしろアドバンテージにできる可能性があるのではないかというふうに思っています。 AIやロボットの活用によって省人化が進展する、バックオフィス業務という非常に単調な業務が減少していく可能性が高い一方で、AIとかデータを活用した新たな商品企画というような雇用ニーズも出てくるのではないかというふうに思います。 また、もともと生産性の高い業種がAIで更に生産性を高めるだけではなくて、相対的に生産性の低い業種によっても、AIとかITの活用によって生産性を底上げしていくことが可能になるんじゃないかというふうに思っています。 こうした就業構造の転換に対応した人材育成や成長分野への労働移動、これはしっかり政策としてやっていかなければいけないと思っていまして、その鍵になるのは、私は教育だというふうに思っています。このままほっておいて勝手に移動できるわけではなくて、やはりもう一度学び直すということが必要になってくる。社会人であっても、もう年齢がそこそこ、私らの世代であっても、もう一度学び直すということも必要になってくる。 経産省では、第四次産業革命の進展に伴って重要性が増すデータサイエンスですとかIoTソリューション、またこれも片仮名で済みませんが、といった領域ごとのITスキル標準を順次策定をして、その領域の追加も行っていきたいと思いますし、さらに、IT分野における社会人の学び直しを促進する第四次産業革命スキル習得講座認定制度を去年の七月に創設をして、ことしの一月に、第一回の認定として、AIですとかデータサイエンスですとか、あるいは製造業におけるIT利活用といった分野で二十三講座を認定いたしました。 これはすごいことでして、私が認定すると厚労大臣が所管している資金からお金がつくという、霞が関の文化としては革命的な対応をしているわけでありますけれども、こういうこともやっておりますし、今回の特措法においても、国の責務として、事業者における人材確保の円滑化に努めることを規定するとともに、こうした人材育成の施策も含めて、生産性革命を実現するための関連施策を幅広く盛り込んだ実行計画を策定して、担当大臣の責任のもと、これらの施策を迅速に実施する仕組みを確立していきたいと思います。 過去、古くは第一次産業革命から始まって、こういう革命が起こるときは、雇用がなくなっちゃうんじゃないかという騒ぎがかなり起こるわけであります。これは、最近ではIT革命のときも、雇用がもうどんどんなくなるんじゃないか、今回また、この第四次産業革命でもなくなるんじゃないかと言われていますが、結局は、いろいろな仕事がやはり生まれてきているんじゃないかなというふうに思います。 私は、この第四次産業革命、AI革命も同じ道をたどると思います。よりクリエーティブな仕事の方へ雇用がどんどんどんどんシフトしていくということは起こるかもしれないけれども、必ず人間の働く役割というのは何らかの形で残っていくというか、また生み出されていく形になるんじゃないか。そういう中で、しっかりと人材育成をして、そういった新しい分野に人が移動していきやすいような環境を政策的にしっかりつくっていきたいと思います。
○吉良委員 大臣おっしゃるとおり、まさに革命と言われるような変化が起こったときには、一時的には雇用が失われるけれども、だんだん、より高いスキルを身につけて、それに順応していくということであり、また、それをさせるためにも人材育成、教育が大事だということは、全く同感であります。 ただ、それはかなり時間がかかることでもありまして、そういう意味では、足元、それから遠い将来、そこに行き着くまでの間というのが非常に重要です。 ここからがきょうの私自身の一番大事な論点になってきますので、皆さん方とも資料を見ながら一緒に確認をさせていただきたいというふうに思っているんです。 まず、日本に限らず、アメリカを始め先進国で何が起こっているかというと、御承知のとおり、まず生産性格差というのが起こっていますね。ピケティではないですけれども、資本力のあるところが生産性をどんどん高めて、そして市場占有率も高めていく。当然、そこに勤める人たちの賃金は、生産性も上がりますから、上がっていく。けれども、一方で、生産性が上がりますから、今の大臣の話じゃないですけれども、今まで十人いたところが八人でもできるようになる、七人でもできるようになる。その結果、二人、三人が、その生産性が高く、高い賃金が得られるところにはいなくなってしまう。雇用が失われる。 一方、生産性が高くない企業については、市場、マーケットを今言った生産性の高い企業に奪われてしまいますので、実は、売上げと利益が減って、そして雇用が維持できなくなっていく。その結果として、その会社にいられなくなってしまうという状況が起こっています。 私に言わせますと、生産性が高いところ、賃金が高いところから、より低いところへとトリクルダウンしていっているのが今の先進国の現状であります。 まず、資料の一番目を見ていただきたいと思います。これは、第二次産業の就業者数の比率の変化です。九一年から二〇二一年、予測も入っていますけれども、現在まで見ても、ざっと一〇%減っております。ちなみに、今言ったように、先進国共通の問題であるという意味で、G7のグラフもつけています。 次の資料二を見ていただきたいんですけれども、じゃ、それにかわって何がふえているかといえば、三次産業であります。これはもう自明のことでありますけれども。これもざくっと一〇%、また、それ強ふえている。これまたG7においても同じ傾向があります。 じゃ、さっき言った生産性と賃金はどうなっているんだろう。資料三を見ていただきたいと思いますが、矢印をしている製造業、これは労働生産性というところを見ていただければ、製造業は千百十五万二千円、一人当たりですね。右側を見ていただければ、一番右端は過去二十年間の雇用者数の変化です。ここがマイナス二百五十三万人になっている。もう一つ、建設業。上からブルーの矢印をしていますけれども、ここも六百一万の労働生産性なんですが、それが百五十九万人減っている。これらがどこに行っているんだろうと見ますと、十五番目の保健衛生・社会事業、主に介護等の事業です。ここは、生産性でいえば四百四十五万。ここの就業者が四百六十三万にもなっている。 これを見ても明らかなように、労働生産性がぐっと下がっている。この下がっている産業、業種から、より生産性の低い業種へと就業者が移動しているということがよくわかります。 安倍総理は、口を開けば、四十七都道府県で有効求人倍率が全てプラスになったとか言っていますけれども、何のことはない。選ばなければ職には何とかありつけるけれども、実際こういう職につきたいというところにはありつけていないというのが現状であります。 資料四は、先ほど来言っています、G7また米国でも同じ状況があるということを示した資料です。米国においても、製造業が八十八万人減り、下の方にある、介護を中心とした保健衛生・社会事業が三百十七万。これは過去十年でありますけれども、二十年であればもっと数字は大きいと思います。 資料五を見ていただくと、先ほどは生産性という指標でありましたけれども、生産性が賃金にどう反映されているかというのが資料五であります。ここでも、製造業の右の方の左から二番目を見ていただければ、雇用者一人当たり雇用者報酬というのは五百三十九万円。ところが、下の保健衛生・社会事業というところを見ていただければ三百五十七万円。その上の、八番目にある宿泊・飲食サービス業ということになれば百四十八万ということになっていまして、ここの、生産性が低く賃金が低いところにトリクルダウンしているというのが今の日本の実情でもあり、先進国の実情でもあります。 遠い将来については、大臣が言ったように、教育により、人材育成により、より高い生産性のところに就業できる人を育てていくということがもちろん解決策だと思いますけれども、当面この状態が続く。これに対する政策としてはどういうことをお考えでしょうか、大臣。
○世耕国務大臣 いろいろな政策が考えられると思いますが、端的に言いますと、この資料でも出ていますが、同じサービス産業、同じ分野でも日米で相当生産性に開きがあるわけでありますから、まずは、サービス産業の生産性そのものをしっかり上げていくということが非常に重要ではないかというふうに考えております。
○吉良委員 私も言いましたし、大臣からも言いました。本当に、最終的には人材育成。 本当に、先ほど、厚労省との、今までの霞が関ではあり得ないという話がありましたけれども、ここは文科省とも一体になって、昨日の参考人質疑の中で冨山参考人からも指摘があったんですけれども、地方が活性化する、地方の経済をよくしていく一つの方法論としては、地方の大学はもっともっと、職業訓練という言い方はしていなかったですけれども、職業教育に力を入れていくべきだ、そして、その地域における基盤人材をつくるべきだというような意見陳述がありました。 私も全くそのとおりだと思っていまして、ここは、日本の経済を底上げしていくため、そして、さっき言った、黙っていればマイナスのトリクルダウンが起こっていく中で、とことん稼げる人材、職業訓練といいますか、その地域の経済を担う人材をつくるための教育が必要だと思っていまして、そういう意味でも、経済産業省と文科省の連携を深めていただきたいと思いますが、この辺でいかがでしょうか。
○世耕国務大臣 今まさに、御指摘の点は、政府の中で人づくり革命ということで議論をさせていただいております。 何か経産省は余り教育の話をしてはいけないみたいに思われがちですけれども、我々も積極的に議論に参画をしていきたいというふうに思います。特に、これからの産業に必要な人材をつくっていくためには、学校にどう変わってもらわなければいけないかというところを、これは産業界の声を教育の現場にしっかり届ける、教育改革のメニューの中にしっかり入れてもらうということを、我々、役割を果たしたいと思いますし、大学が、さらに、社会人も学べる場になってもらうということが非常に重要だというふうに思っています。 今のいわゆるリベラルアーツを中心にした、これはこれで重要だと思いますよ、学び直しでリベラルアーツをやった方がいいという人もいるんです。そういうことをやって、例えば、世界でのビジネスを考えるに当たっては、やはり世界の歴史を深く勉強すると、その後ぐっとビジネスの理解が深まるとか、元商社マンに申し上げるのはなんですけれども、そういう意味で、学び直しの場として、社会人でも学べる場として大学にどう変わってもらうかとか、いろいろな意味で、教育改革、大学改革をこれから進める上で、経産省としてもしっかり貢献をしていきたいと思っています。
○吉良委員 人材育成や教育が大事だというところ、それから文科省と連携してというところは全く異存はないですが、一つ物すごくひっかかった言葉は、産業界の声を聞いて、それを教育の場に伝えて、産業界が望む人材をつくる、これは考え方が違う。さすがの、私、商社マンとしてやってきた人間でも、それは違いますよ。 青い話にはなるけれども、本当に人生を豊かにして、やはり、自分の夢をかなえていくために、より多くの教養を身につけて、かつ、生きるため、稼ぐための力をつけるのが教育であって、産業界の声を現場に反映するのが教育じゃないですよ。 じゃ、弁解の余地を。
○世耕国務大臣 私も教育全体がそれでいいとは思っていませんが、経産省の役割としては、やはり産業界の声も反映をさせていくということが重要であって、そこはやはり、文科省は文科省で、今おっしゃったような姿勢も重要だというふうに思います。 それは、政府全体でバランスのとれた議論をやっていきたいと思います。
○吉良委員 ありがとうございます。 先ほど来、私、全体の底上げということを言っていますが、ここ二十年強というか三十年ぐらいのタームで見たときに、実は一番気になる数字は混合所得の減少。つまり、混合所得というのは自営業者の所得になるわけですけれども、これはちょっと質問しようかと思いましたが、用意されていますか。 じゃ、混合所得がどういうふうに推移してきているかについて、ちょっとお答えいただければと思います。
○吾郷政府参考人 お答えいたします。 自営業者の所得を示す混合所得でございますけれども、一九九四年度の三十一・二兆円から、二〇一六年度には十・八兆円となっておりまして、過去二十年間で約二十兆円程度減少しているということでございます。
○吉良委員 そうなんですね。九四年三十一兆から二〇一六年十兆、その差二十一兆円というのは、今、日本全体が目指している名目三%成長の数字を上回るほどの所得が、自営業者の所得である混合所得の減少になっているわけなんです。 これはいろいろな理由があります。ちょっとそこまで突っ込んでいくと時間が足りませんので。 私がここでこの問題を取り上げたのは、先ほど来ずっと言っている、国全体を底上げしていくときに、ともすれば、中小企業という形の中にも入らない、特に家族経営をやっているような個人事業者が多い、この方々がちょっと置いてきぼりになってしまう、取り残されてしまう、ここについても生産性の向上が必要なんだろう。 ただ、正直、私、本音で申し上げても、そこの生産性向上というのは、例えば何か大きな設備投資をするというようなことにはなりませんので、そういう意味では、今回の事業承継についての多様性といいますか、より継承はやりやすくするという制度をつくったことを了とするということで、これはもう答弁は結構です。 ただ、ここにおいては、混合所得がここまで減っているという事実を一度この経済産業委員会で確認をしたいと思って数字で示した次第であります。 先ほど来言っている、国全体を底上げするという中で、最後、日本経済についてお聞きしたいんですが、世耕大臣、アベノミクスが本当に日本経済をよくしていますか。アベノミクスのおかげで日本経済はよくなっているんでしょうか。
○世耕国務大臣 よくなっていると考えております。 特に、三本の矢のうち一本目の矢、金融政策、これが、今までとは違った異次元の対応をとったことによって日本経済をよみがえらせているというふうに思っております。 私の担当している成長戦略のところも、しっかりと、まだこれから道半ばではありますが、取り組んでいかなければいけないと思っております。
○吉良委員 安倍政権、また安倍総理は、さっき言った、人口減少によって有効求人倍率がよくなっているのを、アベノミクスの手柄にしたり、事実を事実として伝えない、言い方は悪いけれども、ひん曲げてまで自分の手柄にしようとするという傾向があると思っていまして、そういう意味で、私は残りの資料を用意しました。 資料八を見てください。これは、世界主要国の実質GDP成長率の推移をあらわしています。太い赤線が日本です。青い太線が世界です。 これを見ておわかりいただけるとおり、左の方の、日本がバブルで、日本が飛び抜けて経済がよく見えた時期を除いたら、ほとんどシンクロしているんです。 日本経済にとって非常につらいのは、ほとんどシンクロしているんだけれども、世界的なショックが起きたときは、世界の平均以上に日本が落ち込むという現実なんです。 九七年のところに、ASEANと書いたところがぐっと落ち込んでいます。これは、もう言うまでもなく、九七年のアジア危機ですね。そして、〇九年のところは、これも、リーマン・ショック、皆さん知ってのとおりです。傾向は似ているけれども、日本が一番大きく落ち込んでいる。 よく、小泉政権時代の経済、好景気が続いたというのがありますけれども、これを見ておわかりいただけるとおり、新世紀に入って、〇七年ぐらいまでは全部が右肩上がりなんです。だから、何のことはない。日本経済というのは、世界がよければ日本がいい、世界が悪ければ日本も悪いという構造なんです。 今、日本が多少よくなっているとすれば、それは、リーマン・ショックから、世界、先進国を中心に、金融緩和を一つの大きな手段として、ほとんど全ての先進国がリーマンから立ち直ろうとしている過程にあって、まだその途上にあるんです。けれども、バブり始めていて、その調整が今アメリカの株式市場等でも起き始めている。これが今の現状です。 繰り返しますが、アベノミクスがうまくいっている云々ではなくて、世界がよければ日本がいいんです。 もうちょっと言いますと、資料には出していませんけれども、日経平均とダウ平均の連関性について申し上げますと、安倍政権発足以来の、これは、五年ぐらい、千二百八日間を統計をとってみました。ダウが上がって日経平均が上がる場合、ダウが下がって日経平均が下がる場合、つまり、完全にダウと連動している連動日が、日本円ベースでいうと七百四十七日、六二%、ドルベースでいうと七百六十日、六四%です。つまり、三分の二はダウと完全に連動しているということなんです。 アベノミクスがそこまで、アベノミクスのおかげで日本がよくなっているということであれば、ダウと関係なく、もっと日本独自の、ダウが下がろうが何しようが日経平均がよくなっているという構図があっていいと思いますけれども、現実はこうであります。世界と連動している。 これについて、コメントがあれば大臣の方にお聞きしたいと思います。
○世耕国務大臣 世界と連動しているところは否定いたしません。世界経済とやはり緊密に連動していますし、日米経済はやはり緊密に連動していますから、ダウとある程度連動するという面もあるだろうと思います。 ただ、一方で、やはりリーマン・ショックからの立ち上がり期に世界が積極的に金融緩和を進めてきた中で、日本はなかなか進めてこなかった。その結果、物すごい円高になって、七十円台までいっていて、日本の産業界は、製造業を中心に塗炭の苦しみを味わっていたわけであります。 アベノミクスは、まさにそこは解きほぐしたと思いますよ。そこを、金融緩和をしっかりやることによって、これは日銀と連携をしてやることによって、極めて高かった円高の水準を今の水準のところまで戻したことによって、やはり日本企業にとっては一息つけた。 それで、その一息をついてから、次、その一息をついて、キャッシュもふえた、そのお金をやはり設備投資に回してもらって、いまだにOECD平均よりも下にいるわけです、成長率。これを、何とかOECD平均を追い越して、OECDの成長率を逆に引っ張っていくぐらいのポジションに持っていかなければいけない。それがまさに成長戦略の任務だというふうに考えています。
○吉良委員 今大臣が答弁されたことは、私自身も否定しません。 ただ、資料十を見ていただきたいと思います。これは、日本のGDPの推移を名目円ベース、それから実質円ベース、名目米ドルベースであらわしたものです。 これを見ておわかりいただけるとおり、確かに行き過ぎた円高というものは是正しなければいけなかった。私もそう思います。けれども、ここまで過剰に日銀が介入する必要があったのか、そういう思い。ちょっとここは、財務委員会でもないのでそこまではここでは問いませんけれども。世界から見たら、日本は安倍政権になってからGDPを大きく減らしているねという世界なんですよ。世界はドルベースでしか見ませんから。 さっき大臣が答弁された中で、一息ついたという言葉がありました。確かにそのとおりです。だから、過度な円高は是正しなければいけなかったということについては、私も同感であります。 けれども、大事なことは、前回、私、一般質疑でTPP11について高く評価をしたコメントをさせてもらいました。それは、日本はサプライチェーン、バリューチェーンが面なんだ、その面を生かせるようにするという意味で、TPPというのは非常に大事なんだということを申し上げました。 日本企業は、苦しかったけれども、あの円高でもバリューチェーンをつなぎ、サプライチェーンを面でつなぐことによって、それでも何とか耐え得るぐらいの体力、地力をつけたということでもあるんですよね。だからこそ、今言ったように、少し息をつけたという状態。 ただ、繰り返しますけれども、ここではもう財務委員会でもないのでそこまで経済政策、金融政策については言いませんけれども、アベノミクスの現在の金融緩和、黒田総裁の続投、それに伴う日銀の、出口まで全く見せようとしない、このあり方、やり方というのは、私は行き過ぎだというふうに思っています。 さっき言ったように、あの円高の中でも日本企業がサプライチェーン、バリューチェーンをつなぎながらそれだけの地力をつけていた中で、正直言って、繰り返しますが、過度な円高は是正しなければいけなかったけれども、ここまでじゃぶじゃぶにして、もう日本のというか政府の支援がなければ生きていけないような企業群にしてしまいかねないというのが私の大きな問題意識です。 これについては、大臣、いかがでしょうか。
○世耕国務大臣 余り金融政策に私が言及をするとあれなんですけれども、私は、やはり、黒田総裁を続投させて、今の金融政策を継続させるという判断、これは産業界からも強く支持をされているというふうに思います。 特に、二%インフレをしっかり起こしていく、二十年以上続いたデフレからしっかりと脱却していく。今、もはやデフレではないという状況になっていますが、道半ばでありますから、それをしっかりと進めていく。 今のこのGDPのグラフでも、ようやく、久しぶりに名目と実質が逆転しているということも非常に重要でありまして、ただ、それでもまだ幅は狭いわけでありますから、しっかりと今の金融政策を継続していくとともに、それに頼るだけではなくて、やはり成長戦略もしっかりと実行していくことが重要だと思っております。
○吉良委員 最後に、資料の九を見ていただきたいと思います。この資料は、一番下の棒グラフはマネタリーベースの推移、そして、すぐ上にある緑色で横になっているのが個人消費ですね、家計最終消費支出、そして、ブルーでジグザグしているのが株価、一番上のオレンジ色で横の線になっているのが名目GDPです。 これを見ておわかりいただけるとおり、マネタリーベースをふやすことによって、確かに株価は上がっています。けれども、個人消費はふえていない、横ばい。そして、個人消費が六割強を占める日本の名目GDPもほぼ横ばい。これが日本の現実です。 私が先ほど、過度の円高はよくない、けれども、やり過ぎだと言っている理由は何かといいますと、今、何で個人消費が伸びないのかというと、円安によって輸入物資が上がり、生活コストが上がり、にもかかわらず賃金が上がらない、つまり、一般生活者から企業への所得移転が行われているというのが今の日本経済の現状なんです。だから、個人消費が伸びないんです。だから、個人消費が一番大きな割合を占めるGDPがふえない。そういう中にあって、企業、企業ということだけを後押ししても日本経済はよくなりません。 私が自分で最初に申し上げた、どうやって底上げするかというのは、一方で、企業の生産性を上げていくことも大変重要であります。そして、その生産性向上によって取り残されないための教育、人材育成も重要であります。と同時に、経済をもう一回、生活者を、懐をどう豊かにしていくかという観点で経済運営をしていかない限りは、日本経済全体の、また日本社会全体の底上げにはならないということを申し上げて、私の質問を終わります。 ありがとうございました。
○稲津委員長 次に、浅野哲君。
○浅野委員 希望の党の浅野哲でございます。 本日は、質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。 まず、私からも冒頭、先日発生をいたしました島根県での地震及び大分県での土砂災害、この被害に遭われました全ての皆様に心からお見舞いを申し上げたいと思います。また同時に、政府の皆様にも、迅速な対応、そして、今も不明となっております被害者の方々の一刻も早い救出に全力を挙げていただくことをまずは冒頭お願いを申し上げさせていただきます。 それでは、質疑の方に入りたいと思います。 本日は、生産性向上特別措置法案及び産業競争力強化法等の一部を改正する法律案について質疑をさせていただきますが、本日も、午前中から多くの委員の皆様が、この法案の具体的な疑問点、懸念点についていろいろな議論をしてまいりましたが、私も何点か疑問について皆様に質問させていただいた上で、この法案がより実効的なものとなるように、幾つか提案もさせていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。 それでは、一問目に入ります。 生産性向上特別措置法案の資料を拝見をしますと、法律案の概要のところに、括弧一、冒頭、こういったことが書いてございます。我が国において国際競争力を早急に強化すべき事業分野に属する事業活動であって、当該事業分野において革新的な技術又は手法を用いて行うものの促進に関する施策についての基本的な方針、重点施策等を内容とする革新的事業活動実行計画を作成するものとする、こういった計画をつくりますというようなことが、まず冒頭、書かれてございます。 この計画は、誰が、何を、どのように、いつまでに実施するかを具体的に明らかにし、そしてその実行状況を定期的に検証、評価して、その結果を公表する、こういった内容になるそうでございますが、まずは、きょう一問目、この革新的事業活動実行計画とは何なのか、これがどういった位置づけなのかということについて答弁を願います。
○世耕国務大臣 IT分野における急速な技術革新に伴って、産業構造ですとか、あるいは国際的な競争環境が急激に変化しているこの第四次産業革命の時代において日本の産業の国際競争力を強化していくためには、コネクテッド・インダストリーズの促進などを通じて生産性革命を実現することが喫緊の課題であります。 こうした課題に対応するべく、生産性向上特別措置法案では、生産性革命の実現のためのまさにグランドデザインともいうべき今御指摘の革新的事業活動実行計画を策定をして、必要な施策を盛り込んだ上で、担当大臣の責任のもと、これらの施策を迅速に実施する仕組みを確立するということになっております。 この実行計画には、新しい経済政策パッケージに掲げられました三年間の生産性革命集中投資期間に合わせまして、予算措置や税制措置なども含めて、特に短期集中で取り組むことが必要な施策を幅広く盛り込むこととしております。 この実行計画のもとで、関連施策を一体的、集中的に実施していくことで、生産性革命の実現に万全を期してまいりたいと考えております。
○浅野委員 ありがとうございます。 担当大臣のもとで実行する計画、この計画はグランドデザインである、また短期集中型で行う、そういった御答弁をいただきましたけれども、それを聞いて、やはり非常に中心となる計画なんだろうというふうに思います。 この計画がしっかり構築されているかどうか、実行できるかどうかが、この生産性向上特別措置法案あるいは産業競争力強化の成否を左右すると言っても過言ではないのではないかと思いますけれども、では、この実行計画ですが、いつ、誰が、どのようにして、いつまでに作成するのか、こういった点について答弁を求めます。
○糟谷政府参考人 革新的事業活動実行計画でございますけれども、生産性向上特別措置法の施行後速やかに、内閣官房を中心に案を取りまとめ、閣議決定することを予定をしております。 実行計画に盛り込まれました施策は、それぞれの期限までに実施することを担当大臣の責務とした上で、毎年度その進捗評価を行い、その結果を踏まえて、実行計画の必要な見直しを行うこととしております。
○浅野委員 ありがとうございます。 法の成立後速やかに策定をするということでありますが、この速やかにというのが一カ月なのか一週間なのか、そこは非常に大事だと思います。なぜならば、やはり短期集中型で三年という時限つきで行われる施策ですので、その時間軸を意識した取組、一刻も早い速やかなこの計画策定の方をお願いをしたいと思います。 また、この件については最後となりますが、先ほども申し上げました、早急に強化すべき事業分野を策定するというのがこの計画の中に含まれております。これに関連すると思いますけれども、昨年、未来投資戦略二〇一七というのが確認をされまして、その中で幾つかの重点分野が提示をされておりますが、これとの関係性、あるいは、今想定されている、この計画の中に盛り込もうとしている重点分野、ございましたら答弁を求めます。
○糟谷政府参考人 生産性向上特別措置法案における国際競争力を早急に強化すべき事業分野といたしましては、未来投資戦略二〇一七で掲げられた戦略分野が含まれるものというふうに考えております。 この戦略分野については、具体的には、日本の強み、国内外での成長見込み、世界へのアピールといった視点を踏まえまして、五つの分野、すなわち、健康寿命の延伸ですとか、移動革命の実現、サプライチェーンの次世代化、快適なインフラ・まちづくり、フィンテック、こうした五つの分野を挙げて、これらを中心に政策資源を集中投資をすることとしておりまして、この実行計画におきましても、こうした分野など国際競争力を早急に強化すべき事業分野において、革新的な技術や手法を用いて生産性向上を図る事業者の取組を支援するための施策を盛り込んでいくこととしております。
○浅野委員 ありがとうございます。 短期集中型ということですので、繰り返しになりますけれども、やはりターゲットを明確にして、集中的に、効率的に進めていくことが重要だと思いますので、しっかりその具体化をこれから進めていただきたいということをここで申し上げさせていただきます。 それでは、二問目に移りますが、二問目はサンドボックス制度についてお伺いをいたします。 これまでの話とも関係がある施策となると思いますけれども、まずこのサンドボックス制度について、昨日は参考人の方に来ていただいて、サンドボックス制度に対する幾つかの検討事項というのを御教示をいただきました。 例えば、増島参考人の方からは、サンドボックス制度の本質は規制のPDCAをいかに素早く回すかというところにある、そして、これまで実際の現場で起きている問題としては、実は、ひっかかっているものが局長通達とか課長通達とか、こういうことが理由で前になかなかうまく進まない、規制改革がうまく進まない、そういうことが結構いっぱいあります、また、規則のレベルでそれが想定し切れていない事象だった場合にそこでもう話がとまってしまう、そういうところがこれまで散見されている、そういうお話をいただきました。 やはり、サンドボックス制度を使って実証したはいいけれども、その後、いかにスピーディーに規制の見直しを行って社会実装の環境を整えるか、ここまでをしっかりと見据えながら制度運用をしていかなければいけないと思います。 それに関連して伺いますが、実証した後、規制の見直しを行うスキームについて、現時点で認識をされている課題、あるいは必要と思われる対策について答弁を求めます。
○糟谷政府参考人 法律上、実証終了後の規制の見直しにつきましては、第二十条において、主務大臣は、新技術等実証を踏まえ、規制の見直しを検討し、必要な規制の撤廃又は緩和のための法制上の措置等を講ずると規定をしております。これを受けて、当該制度を所管する規制所管省庁が規制の見直しを行うことが期待をされるわけでございます。 また、革新的事業活動評価委員会を中心にフォローアップを行うことも考えられるというふうに思っております。革新的評価委員会は、新技術等実証計画などが及ぼす経済全般への効果について評価をすることが役割でありまして、実証後、当初の評価どおりに革新的事業活動の実施につながったかどうかを確認するため、必要に応じ主務大臣に対して報告徴収を求めることができるわけでございます。 また、規制の見直しに要する期間でありますけれども、これはちょっと一概にお示しすることは難しゅうございますけれども、しかしながら、根拠法令が法律であれば国会での御審議が必要でありますが、政省令や、先ほどおっしゃいました行政府による解釈など、行政において判断できるものもいろいろあろうかと思います。こういったものについては速やかに対応できるように、政府部内で連携をして進めていきたいというふうに考えております。
○浅野委員 ありがとうございます。 今おっしゃっていただいているところに配慮するのは至極当たり前だと感じますけれども、それができなければ、もう最低限それはやっていただかなければいけないということでこちらは認識をしておりますので、着実なその実行をお願いしたいと思います。 こちら、未来投資戦略二〇一七の中にこういう記述がございました。移動革命の実現、先ほどおっしゃっていた重点分野に関する記述ですけれども、二〇二二年の高速道路でのトラック隊列走行商業化を目指し、中略、二〇一八年度に後続車無人システムの公道実証を開始する、また、二〇二〇年の無人自動走行による移動サービス実現を目指し、本年度、これは平成二十九年度のことですが、平成二十九年度から、地域における公道実証を全国十カ所以上で実施するという記述がございます。 私は、先ほども時間軸を意識した取組が大事だというふうに申し上げさせていただきましたが、これはまさに、まず、出口を意識した、二〇二二年に隊列走行の商業化を目指します、そのために二〇一八年にこれをやります、こういうことが国の方針で既に構築をされております。 当然、サンドボックス制度でいろいろな実証がされると思いますが、その実証がされた後、スムーズな規制の見直しに行くためには、段取り八割とよく言われますけれども、それまでの事前準備、並行して事前の準備をしていくことも大変重要なのではないかと思います。 それに対して、今、国はこうした幾つかの重点分野を既に定めておりまして、こうした分野についてはロードマップもしっかりとつくって、そして、それを実際に動かしていこうとしているわけでありますから、例えば、この既に国の重点分野に指定されている分野に関するサンドボックス制度の申請が、それにかかわるサンドボックス制度の申請があった場合には、しっかりとそこと連動をしてスムーズな規制緩和につなげていくなど、そういった行政の立場でのできる限りの支援、準備というものを進めていただきたいと思いますが、この点に関して御見解をお聞かせいただければと思います。
○世耕国務大臣 本当に、時間軸の感覚、スピード感というのは非常に重要だというふうに思っています。 サンドボックス制度をやっていく中で、その事業、実証が完全に終わってから何かを始めるのではなくて、やはり、途中でしっかり状況もモニタリングしながら、ああ、これならこういう規制はもう撤廃していかなきゃいけないなということをあわせて考えていくという今の御指摘は非常に重要だというふうに思っています。 私も国会議員としていろいろな政策に取り組んでいく中で、特に役所の通達ですね、課長通達とか局長通達を変えるのはすごく大変でして、やはり無謬性が前提になっている官僚の世界ですから変えたくない。どっちかというと、法律を変える方が手っ取り早いんじゃないかというぐらいになっていますが、法律によらないいろいろな規制で、このサンドボックス制度で問題ないとわかったものは、てきぱきと、先ほど糟谷局長も答弁しましたように、スピード感を持って、やめるものはやめていくという形にしていきたいというふうに思います。
○浅野委員 前向きな御答弁をいただきましてありがとうございます。 ぜひ、これは国の施策ということでありますが、やはり、やるのは現場、やるのは産業で働いている皆様でありますので、その立場に立って、できる限り国がそのペースに合わせて、リアルタイムに求められたものを出していけるような、そういった準備をしていただくようにお願いを申し上げます。 それでは、次の質問に移ります。次の質問は、企業の投資促進策についてであります。 先ほども少し出ました、中小企業がなぜ投資が進まないのか。いろいろな議論が本日もなされてまいりましたが、私の手元には、平成二十九年、昨年の三月に中小企業庁が行いました「中小企業・小規模事業者のIT利用の状況及び課題について」という調査資料がございます。 これを見てみますと、主に製造業を取り上げて一例としてお話をさせていただきますが、製造業に関して、ITシステムを入れている割合というのが、どんなITを入れているか、その種類ごとにどれくらいの比率が導入されているかというのが示されている表があるんですが、製造業は全体の約六割が何かしらのITツールを入れている。例えば、ITツールといっても、事務用のワードとかエクセルだとか、ああいうもの、パソコンで文書を作成するときのツールもITツールとしてカウントされているものですから、これを含めて六割というパーセンテージが出されておりまして、例えば、更に高度な業務情報共有システムだとか、いわゆるコミュニケーション、社内コミュニケーションのための高度なシステムになりますと、大体一二・三%が導入をしているという状況だそうであります。 要するに、何が言いたいかといいますと、ITシステムの導入状況というのは、先ほど大臣は、データ収集に取り組まれている企業が六割近くあるというふうにおっしゃっておりました。それはそれで事実かもしれませんが、業務の効率化に資するITシステムという視点で見ると、まだまだ水準が低い。六割導入しているといっても、それは極めて基本的なシステムにとどまっている、これが今の現状であります。 先日、私の地元茨城県の日立市で企業の支援をされている方のお話を伺ったところ、今、第四次産業革命時代を迎えるに当たって一番大きな悩みは何ですかと聞きましたら、やはり経営者の意識だというふうにおっしゃっておりました。 具体的に申し上げれば、その方は、日立市内、地域の中で大体五百社を対象に支援をしているそうなんですが、IoTという単語を聞いたときにぴんとくる経営者はほとんどいないんだそうですね。ちょっと大げさかもしれませんが、一割いるかいないかだというふうにその方はおっしゃっておりました。IoTがどういうものなのか、それはどういう食べ物だとか、そういうことを返す方もいるということなんですが、やはり経営者の意識をもっと上げていくというのが必要になっていくと思います。 これに関連して、昨日の参考人の方のお話では、商工会の方が、こういったIoTの施策を横展開してほしいという御意見がありました。私も調べてみたところ、私の地元茨城でも、IoT推進ラボの茨城版というのがありまして、事例集をこうやってつくっております。各社ごとにどういう事例があるかというのを横展開するためにつくっているということなんですけれども、先ほど答弁の中にありました、IoTを推進するに当たっては、講座を設けて、そこに経営者あるいは関連する方に来ていただいて、どんどんリテラシーを向上させるんだということもありますが、やはりもっと直接的に、経営者の方にこういう意識改革を促していくような、あるいは、日々、その人たちに寄り添って、IoTの普及を推進していくような仕組みも必要なのではないかと思います。 ちょっと前置きが長くなってしまいましたが、現在、企業のIoTに対する投資を促進するために、各地方においてどういった支援体制が整っているのか、現状についてお伺いをいたします。
○高島政府参考人 お答え申し上げます。 今、各地域における支援の仕組みというようなお話があったかと思います。 一つは、今、まさにおっしゃっていただきました地方版IoT推進ラボという取組を進めております。現時点で全国で七十四地域が選定をされておりまして、IPA、情報処理振興機構によります、専門家をメンターとして派遣をしたり、あるいはシーテックなどのイベントへの出展を通じて参加や連携を促すといったような形で、それぞれの地域で支援をしているところでございます。 あと、また、個々の中小企業のIT化に対するアドバイスとか支援ということにつきましては、まず一つは、最近クラウド型のサービスが大分普及をしてきておりますので、今回、補正予算の方でIT導入補助金というのを五百億円確保させていただきました。これで十三万社を直接支援したいと考えております。 この補助金を活用していただく際には、IT導入支援事業者という形で、いろいろなITベンダーが中小企業のために提供しているアプリケーションその他を取りまとめて、こういうのはどうですかというような形で勧めてもらうような、そういう仕組みを取り入れているところでございます。 また、ちょっと別の仕組みでございますけれども、今回の法案の中におきまして、情報処理支援機関という制度を創設するということにしております。これは、中小企業の方々から見て、どういったITツールにどういう効果があって、安全なのかどうかといったようなことが大変わかりにくいというようなお声が多いものですから、中小企業の方がITベンダーやITツールを選びやすくなるように、そういった仕組みを導入するという予定にいたしております。 こういった取組によりまして、中小企業のIT導入を後押ししてまいりたいと考えております。
○浅野委員 ありがとうございます。 伴走型の支援体制を地方版IoT推進ラボという形で今整備を進めていただいていますし、また、今おっしゃっていたように、ITベンダー、専門知識を持っている方々が、その地域において、それぞれの地域において支援体制を構築していく、こういった動きもしているということなんですけれども、これに関して一つ、これもまた未来投資戦略二〇一七の資料にあったものですけれども、中小企業のデータ利活用やIoT、ロボット導入を支援するスマートものづくり応援隊に相談できる拠点を二年以内に全国四十カ所程度設置をする、そういう方針がこの二〇一七戦略の中に記載がされておりました。 これもぜひ進めていただきたい施策だと私は理解をしておりますけれども、ここでちょっと気になるのが、支援する枠組みがこれからどんどんどんどん多様化して、複雑化していかないかという懸念であります。 中小企業の方々の事業承継やあるいは経営支援、これに関しては、今既によろず支援窓口というものが各都道府県に設置をされて、活用されています。これに加えて、IoTの投資促進、設備導入を普及させるために、今のような地方版IoT推進ラボですとかITベンダーの支援体制、そしてスマートものづくり応援隊、こういったものがどんどんどんどん出てくるわけですね。そうすると、やはりまた、企業経営者の方からしたら、一体どこに相談すればいいんだというふうになりかねませんので、ぜひ、この法案の実効性を高めていくためにも、そういったインターフェースをできるだけシンプルに、そしてユーザーフレンドリーな仕組みにしていただきたいと思います。 これに関して何かありましたら、よろしくお願いします。
○世耕国務大臣 御指摘のとおり、経産省で中小・小規模事業者向けのいろいろな新しい施策をやると、そのたびに相談窓口みたいなものができていくわけであります。これはどうしても、地方までしっかり施策を浸透させて、身近なところで御相談に乗るという意味では仕方のない面もあるわけですけれども、窓口が混乱しないようにその辺はよく運用上工夫をしていきたいと思いますし、今度はまたそれだけのその相談に乗る人材がいるのかどうか、全国津々浦々に配置できるぐらいのですね、そういう問題点も出てきますから、例えば、中央で、それこそテレビ会議システムを使って対応するとか、そういう工夫も今後やっていく必要があるだろうなというふうに思っております。
○浅野委員 ありがとうございます。 この中小企業の支援に関して最後に一つだけ、新たな課題提起といいますか、一つ提案をさせていただきたいと思いますが、今、この質疑の中でお話しさせていただいたのは、主にIoTに対する理解の促進と、あとは伴走型支援によってしっかりとそれを普及をしていく、この仕組みをどうつくっていくかという議論でありました。どちらの構図も経営者の方がいて、それを国があるいは行政が下支えするというような構図の中で動く施策でありますが、今、地方において新しく生まれてきているのが、中小企業同士が新しくつながって、そこでお互いに、共助といいますか助け合いながら会社を発展させていくという、そういう新しい試みであります。 また私の地元の話になりますけれども、茨城県日立市には、中小企業の若手経営者の方たちが、これからの産業を活性化、企業の発展のために集まって、勉強会やいろいろな取組をしている立志塾というグループがあるんですね。その方たちの話を聞いたところ、これは、お互いに足りない部分を補い合って、生産性が高まるだけでなくて、先日起こった地震ですとか、いわゆる自然災害時にも非常に有効な取組であるということを伺いました。 例えば、この日立の立志塾は柏崎にある同じようなグループと友好関係があるようなんですが、柏崎は新潟で地震が起きた際にいろいろな御苦労をされて、そのときに、地震の直後に製造装置がずれるわけですね。それを、ずれをいち早く修正するために、実は水準器というのを各事業所に置いておくとよいということをそのとき学んで、それ以来常備をしているそうなんです。 そして、二〇一一年の東日本大震災のとき、私の地元も震災の被害を受けましたが、そのとき、いろいろなたくさんの製造装置がずれて製造能力が一時落ちてしまいましたが、そのノウハウをあらかじめ聞いていましたので、水準器がそれぞれの会社にあった。そのため、一日、二日のうちに全ての製造装置、ほとんどの装置の位置をもとに戻して、いつもどおりの稼働状況に戻すことができるようになった、そういった話があります。 それを今度は、熊本地震が起きたときに、日立市のグループ、また柏崎市のグループもそうだったかもしれませんが、熊本の方に行ってそのお手伝いをして、熊本の方での製造活動が迅速に復旧できた、そういった事例がございます。 言いたいのは、行政の支援によって中小企業がしっかりと元気を盛り返す、こういった仕組みも重点的に行っていかなければいけませんが、それと同時に、企業同士が連携をして、そしてともに成長していけるようなエコシステムをつくっていく責任も行政にはあると思うんです。 ですので、この法案の範囲の中ではないかもしれませんけれども、今後、生産性の向上ということを考えていくのであれば、ぜひとも、こういった企業間の新しい連携、協調のあり方というのも、これからこの委員会の中で議論させていただきたいということを申し上げさせていただいて、時間となりましたので、私の質問は終了とさせていただきます。 ありがとうございました。
○稲津委員長 次に、菊田真紀子君。
○菊田委員 無所属の会の菊田真紀子です。 大臣、長時間、御苦労さまでございます。 早速質問に入ります。 情報処理認証制度について伺いたいと思います。 各企業が認証を受ける際には認証に係る料金が必要になりますが、この料金はどの程度の水準になると想定していますか。数万円程度で済むものなのか、あるいは百万円単位の費用が必要になるのか。イメージだけでも教えていただきたいと思います。
○多田政府参考人 お答え申し上げます。 認証を受ける際の費用でございますけれども、公共料金とは異なりまして、その費用につきまして、国として定めることは考えてございません。実際、例えば情報セキュリティーマネジメントサービス、いわゆるISMSといった既存の民間の認証サービスにおきましても、費用はそれぞれの機関によって異なるものと承知をいたしております。 今お尋ねがございました、何万円ぐらいのオーダーなのかと。 これは予断を持って申し上げられませんが、今先生がおっしゃった中でいきますと、百万円オーダーというふうに申し上げたら適切かと思います。ただこれも、申請される企業の規模、従業員の数がどのぐらいなのかということによって大きく異なります。 私どもといたしましては、この認証機関によります認証、これは、大企業のみならず中小零細企業にも広く活用していただくことが必要であると認識をいたしております。認証の費用を考慮いたしたとしても、ビジネスの拡大などのメリットによりまして、認証の取得が中小零細企業にとって魅力的なものにならなければ認証は広がっていきませんし、そうなると産業の競争力強化にもつながらないというわけでございます。 したがいまして、私ども経済産業省といたしましても、まずは認証の取得がビジネスにつながるように、認証活用のベストプラクティスの事例の収集でございますとか広報を進めることによりまして、産業界に今回の認証の意義というものを広めていきたいと考えております。 一方、認証機関といたしましても、中小零細企業にとりまして、費用対効果の面で十分にメリットが感じられる費用とサービスを提供していくことが重要になると考えております。
○菊田委員 国として定めることは考えていないのでそれぞれのケース・バイ・ケースになってくる、こういうことでありますが、しかし、場合によっては、厳しい経営環境に苦しんでいる中小零細企業に費用面でかなりの負担がかかってしまうこともあると思います。こうした中小企業の費用負担について何らかの支援措置というのは考えないのか、大臣に伺います。
○世耕国務大臣 今回の法案で導入する情報管理の認証制度については、単に制度を創設するだけではなくて、広く中小・小規模事業者において認証を取得することができるよう環境整備を進めることが重要だと思っています。 このため、認証機関の業務として、情報管理に関する指導助言を行うことを位置づけております。特に、認証機関が中小・小規模事業者に対して指導助言を実施するに当たっては、中小企業基盤整備機構からの支援も受けられるように措置をして、中小・小規模事業者の実情に応じて、過度なコストが生じないよう適切な指導助言を行うことができるようにしているところであります。 また、昨年四月に公表した重要技術管理ガイドラインも参考にしながら、主務大臣が定めることになっている認証に係る基準の内容などについても、中小・小規模事業者も含めて、広く産業界に対して丁寧に説明を行っていくこととしております。 法律の施行後も、中小・小規模事業者における認証の取得状況をよく見て、仮に中小・小規模事業者の認証取得が十分にされていないと判断をされる場合には、その原因の分析と必要な対策、これは予算面の対策もあり得るというふうに思っておりますけれども、必要な対策を検討してまいりたいと考えております。
○菊田委員 ありがとうございました。 せっかくの制度ですので、それがぜひ中小企業の負担にならないようにきめ細かく見ていただきたいと思いますし、大臣おっしゃったように、施行後、どのような状況になっているのか、場合によっては、財政支援、さまざまな措置が必要となれば、ぜひ臨機応変に対応していただきたいというふうに思います。 また、中小零細企業はただでさえ人手不足に悩んでいる状況にあります。認証を受けるためには、多くの中小企業においてITに精通した人材の新規の採用が必要になってしまいます。既にIT人材の奪い合いというものが生じており、人件費がこれから更に高騰してしまうおそれもあります。特に、中小零細企業における認証を受けるための事務負担の軽減については、こうした人材の奪い合いという面から考えても支援措置というものを考える必要があると思いますが、いかがでしょうか。
○世耕国務大臣 御指摘のように、多くの中小・小規模事業者が人手不足という課題に直面をしているわけであります。一方で、今回の法案で導入する情報管理の認証制度の認証をとるためには、例えば社内規程の整備など、認証を受けるための人的リソースを投入する必要が出てくるということが考えられるわけであります。 先ほどと同じサポートの仕組みになりますけれども、認証機関の業務として、中小・小規模事業者の実情に応じて、例えば社内規程の整備などについて適切に助言を行っていくようなことなども考えておりますし、また、先ほども申し上げました、重要技術管理ガイドラインを参考にしながら主務大臣が定めることにしている認証に係る基準の内容などについて、中小・小規模事業者も含めて、広く産業界に丁寧に説明を行っていきたいと思いますし、人的な面も含めて、法律の施行後、しっかりとモニタリングをして、そして、認証の取得が不十分であればその原因を分析をし、人的な問題があるということであればまた対策も検討してまいりたいというふうに考えています。
○菊田委員 企業の認定技術等情報漏えい防止措置を認証機関が認証したにもかかわらず情報の漏えいが生じた場合、認証した認証機関の責任というのはどうなるんでしょうか。何らかの責任を問われることはあるのか、お答えください。
○多田政府参考人 お答え申し上げます。 今回の法案で御提案を申し上げております情報管理の認証制度でございますけれども、これは、企業が実施をします技術等情報の漏えい防止のための措置が主務大臣が定める基準に適合して行われているかというのを確認して、認証を行うものでございます。このため、認証を受けた企業の技術等情報の漏えいリスクというものは、これは低減することはできると考えておりますけれども、漏えいが生じないという結果まで保証するものではないというふうに考えております。 他方で、今回の認証制度というものは、企業におけます適切な情報管理についての外部からの予測可能性というものが高まりまして、つまりは、これは、認証を受けた企業であれば、認証を受けていない企業に比べて相対的に漏えいリスクが少ない、こういう期待が得られるということでございまして、結果として、オープンイノベーションが進み、日本の産業競争力の強化につながるものと考えております。 したがいまして、結果まで保証するものでございませんので、もし何か万が一のことがあった場合、認証機関に責任が生ずるものではないと思っております。 他方で、私ども、この認証機関、競争が大事だと思っております。先ほどの費用負担の話もそうでございますが、実際に行われるサービスにおいても質が高いものが行われますように、複数の機関が競争をしていく、こういった状況を期待しているところでございます。
○菊田委員 ありがとうございました。 しっかり確認して認証を行うけれども、絶対に漏えいが起こり得ない、一〇〇%起こり得ないということは保証し切れないわけでありますので、おっしゃったように競争という観点も必要ですし、とにかく、これは、施行後、どのような問題があるのかないのか、しっかりフォローしていただきたいというふうに思います。 次の論点に移ります。 先日の本会議の質問で、第二次安倍政権が掲げてきた看板政策のかけかえというものを私は指摘させていただきました。 きょうの質問に当たって、まず、期間の設定について伺いたいと思います。 資料を配付させていただきましたが、一枚目をごらんください。今後三年間を生産性革命の集中投資期間とすることとして、生産性向上特別措置法案も三年間の時限立法とされています。しかしながら、平成二十五年に、日本再興戦略の三つのアクションプランの一つ、日本産業再興プランの中でも、今後三年間を集中投資促進期間として取り組むこととされていました。 今回が集中投資期間です。平成二十五年のものが集中投資促進期間です。看板のかけかえというよりは、みんなが忘れたころにまた同じ看板を引っ張り出してきたという感じがするんですけれども、この平成二十五年に設定した集中投資促進期間は、既に期間が終了しているわけでありますが、現在でのこの期間における取組に対する大臣の評価を伺いたいと思います。 もう一点。また、集中投資促進期間が終わって、なぜまた今回、集中投資期間を設定することが必要になったのか。以前の集中投資促進期間での取組が結局不十分だったのかということも含めて、お答えください。
○世耕国務大臣 御指摘のように、二〇一三年六月に閣議決定をされました日本再興戦略の日本産業再興プランにおいて、そこから三年間を集中投資促進期間と位置づけているわけであります。 これは、三年間で設備投資を、二〇一二年度、このころ六十三兆円に落ち込んでいたわけですけれども、そこから一〇%増加をさせて、リーマン・ショック前の民間投資の水準である年間約七十兆円に回復させる、これを目標としたものでありました。実際には、二〇一六年度において設備投資額が八十三・六兆円になっておりまして、この七十兆円の目標を大きく超えて、これはまさにアベノミクスの成果の一つだと思いますが、この目標は達成をしたわけであります。 一方で、昨年十二月に閣議決定をされた新しい経済政策パッケージでは、二〇二〇年までの三年間を、今御指摘のように、生産性革命集中投資期間とすることが盛り込まれました。 これは、日本経済の需給ギャップが足元で縮小しつつある中、更に経済成長を実現していくためには潜在成長率を高めていく必要がある、その問題意識を背景に、第四次産業革命に対応して、コネクテッド・インダストリーズの促進などによる生産性革命の実現に向けて、生産性を高める投資を積極果敢に進めるためのものであります。 具体的には、目標として、二〇一五年までの五年間の平均値である〇・九%の伸びから倍増させて年二%向上するということ、そして、二〇二〇年度までに対二〇一六年度比で日本の設備投資額を一〇%増加させる、そして、二〇一八年度以降三%以上の賃上げを行うという目標を掲げさせていただいています。 以上のように、この日本産業再興プランの集中投資促進期間というのは、リーマン・ショックの落ち込みからの設備投資の回復を目指している。そして、今、この新しい経済政策パッケージの生産性革命集中投資期間は、まさにこの第四次産業革命に対応するためのコネクテッド・インダストリーズの実現など、生産性革命の実現ということでありまして、これは、目的はそれぞれ違っておりまして、看板のかけかえではないというふうに考えております。
○菊田委員 ありがとうございました。 大臣、十分に成果は上がったということで胸を張っていただきましたが、私、この経済産業省の施策をいろいろ見ていると、何かこれは、前にやったことが、また別の名前で、似たような名前で出てきているというのが随分あるような気がしてなりません。一つ一つの政策をしっかり検証して、どこが足りなかったのか、何が足りなかったのか、そして、新たにやる場合はその前の施策とどういうふうに違うのかということをぜひ検証していただきながら、よい政策を前に進めていただきたいというふうに思います。 次に、事業承継、創業支援に関して質問をいたします。 MアンドA、再編統合等による事業承継でありますが、登録免許税、不動産取得税、そして許認可等に本法案では特例を講じていますが、まず、その特例措置の内容を教えてください。
○吉野政府参考人 お答えをいたします。 本法案では、近年増加傾向にありますMアンドAを通じた親族外承継を支援するために、中小企業等経営強化法の改正によりまして、MアンドAによる事業承継を行う際に、事業用の土地建物の権利移転に伴って生じる登録免許税、不動産取得税を軽減する措置や、業法上の許認可を引き継げるようにする措置を講ずることとしております。 また、経営承継円滑化法を改正いたしまして、親族外の後継者が株式取得等のために必要とする資金の調達を容易にするための金融支援措置を盛り込んでいるところでございます。 以上でございます。
○菊田委員 事業承継についてですが、私の地元の中小企業や商工団体の方々に話を聞いてみますと、これまで使い勝手が悪くて全然使えなかったという意見を多数聞きました。事業承継の枠組みのどこが使い勝手が悪いと捉えられてしまっているのか、何が問題だったのか、大臣の見解を伺います。
○世耕国務大臣 御指摘のように、事業承継税制に関しては、これは約十年前に導入をして、この十年間で実績は二千件程度ということでありますから、やはり使い勝手が悪くてなかなか活用が進んでこなかったと思っています。いろいろ、何年かに一回マイナーチェンジもして、少しでもということをやってきたんですけれども、なかなかふえなかったということで、今回はかなり抜本的に内容を拡充をさせていただきました。 特に、一番声が大きかったのは、例えば、親から相続をした、その時点で事業承継、免除になるんですが、それから十年たって、なかなか事業も非常に厳しくなってきたので、では、大手に売却をして、大手の傘下の営業所として継続していこうというときに、十年前の相続税が飛んできちゃうんですね。そのときに、企業の価値が親から相続したときよりもかなり小さくなっていることが多いわけで、そのときに十年前の基準で相続税を請求されたのでは、これはたまらないということでありましたので、今回は、事業売却とかあるいは廃業する際に、その会社の価値が下がっている場合には、そのときの価値で贈与税とか相続税を再計算する。 これは非常に抜本的な大きな改善でありまして、これをぜひ御活用をいただきたいというふうに思っていますし、特に、よくわかっていただくことが重要だと思っていますので、周知にもかなり手間をかけていきたいと思っております。 今回、昨年末から三月末までの間に、地方経済産業局により、百二十九回、事業者向けの説明会を行いました。 また、税理士とか専門家あるいは金融機関向けの説明会に対して、百八回にわたって、中小企業庁と、そして中小企業基盤整備機構から職員を派遣をいたしました。 また、ポイントを簡潔にまとめた資料を全国の商工会議所や商工会を通じて配布するという取組をやっておりまして、周知徹底もしっかり図りながら、拡充した制度をフルに活用していただけるようにしていきたいと思っております。
○菊田委員 昨日の参考人質疑の神津参考人の意見聴取の中で、MアンドAによる企業買収においては、労使関係が悪化をし、雇用問題や組合潰しが生じているケースも散見される、こういう御発言がありました。経産省としてこのようなケースを認識しておられるか、大臣に伺います。 また、今回の法案でMアンドAによる企業買収の要件緩和が行われることにより、労使関係が悪化するケースが更にふえてしまう、そういう懸念はあるのかないのか、お答えいただきたいと思います。
○世耕国務大臣 昨日の参考人質疑における神津参考人の発言というのは、後で私も見させていただいているところでありますけれども、産業競争力強化法の事業再編計画の認定に当たっては、従業員の地位を不当に害するものではないということを法律上の要件とさせていただいております。具体的には、労働組合などとの協議による十分な話合いを行うとともに、雇用の安定に十分な配慮を行うことなどを求めております。 また、計画の認定を受けた事業者の責務として、労働者の理解と協力を得ることや、雇用の安定を図るため必要な措置を講ずることを定めております。 一般に、MアンドAによる事業再編における労使関係については、労働法制により適切に処理されるべきものと考えてはおりますけれども、今回の法改正によって、この法改正が原因で労使関係が悪化するようなMアンドAが促されることとならないよう、法律に盛り込んだこれらの措置について、厚労省とも連携しながら適切に執行してまいりたいと思います。
○菊田委員 ありがとうございました。 登録免許税は二%から一・六%に五分の一を減額、不動産取得税は、土地は三%から二・五%に、建物は四%から三・三%と、それぞれ六分の一相当を減額することとしています。 今回の減税の全体の規模について、十億円に届かないことから、見込み額は計算していないと伺っています。その程度であれば、全額減免した方がインパクトが大きく、事業承継の加速化にもつながるのではないでしょうか。 なぜ今回の減額割合になったのか、全額免除を求めて折衝したのか、経緯を伺うとともに、今後更に全額免除を求めていく考えというのがあるかどうか、経産大臣に見解を伺います。
○世耕国務大臣 最近増加している親族外の承継を支援するため、今回の法案によって、MアンドAによる事業承継の際に必要な登録免許税や不動産取得税の軽減を措置することとしておりまして、これによって、MアンドAに係るコストが低減をされ、親族外の事業承継が活性化することが期待をされます。 当然、全額免除であればいいわけでありますけれども、今回の軽減割合については、他の支援制度とのバランスや課税の公平性を鑑みて、政府や与党税制調査会において議論、調整の上、決定されたというふうに承知をしております。 全額免除の方がいいんですけれども、でも、少なくともここに穴をあけた、初めて、他人による、親族外によるMアンドAに関してこういう優遇措置をつけたということでありますから、まずはこの支援策をしっかりと実施をして、そして、利用実態ですとか利用実績をしっかりとまたモニターをして、必要があれば、更に今後、支援策のあり方、充実について総合的に検討していかなければいけないと思っています。
○菊田委員 中小企業の経営の課題に、経営者保証の問題があります。資料の二枚目につけさせていただきました。 日本商工会議所と一般社団法人全国銀行協会が平成二十五年に公表した経営者保証に関するガイドラインの作成に協力するなど、政府も一生懸命取り組んでいるということは承知していますけれども、現状で、中小企業の経営者が個人保証を行っている場合はどの程度あるのか。まだまだ経営者保証が多いというのが実情ではないでしょうか。大臣に伺います。 また、配付させていただいております資料の三枚目にありますように、民間金融機関において、新規融資で経営者保証に依存しない融資の割合は、平成二十九年の上半期で、件数ベースで一六・三%、代表者の交代時に旧経営者との保証契約を解除し、かつ、新しい経営者との保証契約を締結しなかった件数は九%しかなく、言いかえれば、九〇%以上は経営者が交代した後も誰かが経営者保証をしていることになります。 経営者保証が事業承継や創業の阻害要因になっている面があるのではないかと考えますが、今後の対応も含めて、大臣の見解を伺います。
○世耕国務大臣 御指摘のように、経営者による個人保証については、創業や事業の展開といった経営者の新しいチャレンジや円滑な事業承継を阻害する要因になるなど、企業の活力を阻害する面が指摘をされています。 このため、融資の際に、一定の要件を満たす場合には経営者の個人保証を求めないことを定めた今御指摘のガイドラインが平成二十六年二月から運用されているわけであります。 経産省としても、金融庁とも連携をしながら、このガイドラインの事業者、金融機関双方への普及、活用を促進をするため、このガイドラインに関するチラシ二百万枚を商工会議所、金融機関などを通じて配布をするといった広報活動ですとか、あるいは、中小企業基盤整備機構による経営者保証に特化した専門家の派遣による支援などを実施をしてきたところであります。 こういった結果もあって、民間金融機関における経営者保証によらない融資の件数の割合は、平成二十六年度一二%のものが、平成二十九年度上半期には一六%。ちょっと改善はしているわけでありますけれども、まだ十分ではないというふうに認識をしております。 このことは、下請取引の改善と一緒だと思っておりまして、何かやって終わりではなくて、状況がしっかりと改善していくまで地道にしつこく取り組んでいくことが重要だというふうに考えております。 このガイドラインのさらなる活用促進に向けて、じっくりと取り組んでいきたいというふうに思います。
○菊田委員 ぜひしっかり対応していただきたいと思います。 創業時の無担保、無保証での融資制度の利用状況を伺いたいと思います。 どれだけの融資が行われ、返済されなかった融資はどの程度あるのか、政府参考人、お答えください。
○吉野政府参考人 お答えいたします。 日本政策金融公庫では、創業者に対して、無担保、無保証人で融資をする新創業融資制度による支援を実施してきておりまして、当該制度の利用実績は、平成二十五年度では約一万件だったのに対しまして、平成二十八年度では約三万件と大幅に拡大をしてきております。 なお、御指摘のございました返済の実績につきましては、今手元に資料がございませんので、確認をして、また後ほどお答え申し上げます。
○菊田委員 質問時間が参りましたので、また金曜日でも続けて質問させていただきますので、ぜひそれは調べておいていただきたいと思います。 質問を終わります。ありがとうございました。
○稲津委員長 次に、笠井亮君。
○笠井委員 日本共産党の笠井亮です。 生産性向上特別措置法案では、主務大臣が認定をした新技術等実証計画について、既存の規制にとらわれることなく実証が行われる規制のサンドボックス制度を創設するとしております。 そこでまず、世耕大臣、本会議質問でも私取り上げたんですが、日本版サンドボックスには分野の限定がないと。海外にそういうふうに分野の限定がないという国があるんでしょうか。
○世耕国務大臣 現在、サンドボックス制度を採用していることを経産省として確認できている十八カ国がありますが、この十八カ国においては、フィンテック、金融分野を中心に特定の分野において実施をしておりまして、日本のように分野を限定していない国はないというふうに承知をしております。
○笠井委員 雇用や労働にかかわる規制も、これは実証にかかわる対象になるのかということで、どうでしょうか、それは。除外されるか。
○世耕国務大臣 もちろん、評価委員会による認定が行われるということが大前提になりますけれども、今この法案を審議いただいている段階では、排除されないということになると思います。
○笠井委員 労働法制も対象になり得るということであります。 労働者が人たるに値する生活を営むための最低基準すら引き下げることを可能にするものであって、とんでもないということであります。 諸外国でのサンドボックスは、今大臣も言われました、フィンテックを活用した金融分野での導入ということになっている、十八カ国という話がありましたが。もし被害が出たとしても、それは、被害自身重大ですが、財産の侵害の範囲ということにとどまると。しかし、分野の限定なく導入すれば、場合によっては、身体、生命への重大な侵害、つまり、命にかかわる事態をもたらしかねない。 そこで、大臣、期間や場所、実施方法を限定して参加者の同意を得るという形で答弁をされておりましたが、バーチャルな仮想空間で実施するのではなくて、やはり国民や市民が日々暮らす現実社会が実験の場であります。そこで何かあったときの責任と補償をどうするのか、法案自身でどういうふうに規定されているんでしょうか。
○世耕国務大臣 このサンドボックス制度においては、参加者等の同意を得ることその他当該実証を適切に実施するために必要となる措置を講ずること、これを事業者に求めているわけであります。 これは、例えば、例ということになりますけれども、特に安全性への配慮が必要な実証事業の場合には、事業者が保険に加入しているかどうかなども当該措置として確認する場合もあり得ると考えています。 主務大臣は、評価委員会の意見を聞いた上で、こうした措置が適切に講じられていることや、既存の規制法令に違反していないことなどを確認の上、実証計画を認定することになっています。 そして、実証の実施段階においては、主務大臣は、実施状況を把握し、仮に事業者が実証計画に従って実証を実施していないと認められる場合、認定を取り消すことができるようになっています。 こうした手続を通じて、個別の計画ごとに必要な措置が講じられているかを判断することとしております。 しかしながら、新技術等実証の実施中に発生したトラブルや事故によって財産、生命、身体に被害が生じた場合の責任や補償に関して、この法案では特段の規定は設けておりませんが、万一被害が生じた場合の責任や補償は、個別の事案に応じて、既存の法令に基づいて判断されるものと認識をしております。
○笠井委員 法案自身については特段の規定がないと最後の方で言われましたけれども、実証を行う企業の責任や事故時の補償についての規定が法案にないというのは、私は非常に驚くべき答弁だと思います。 実証地域にたまたま行き会って巻き込まれる可能性もあるわけです。現に米国でのウーバーの自動運転事故のように、たまたまといいますか、自動運転をやっているときに、そこに自転車に乗って横切った女性がひかれて亡くなるという事故が起こったわけでありますが、トラブルが起こる可能性、現実性もあります。それでも、誰も責任をとらず、補償もない、法令上はそれが定められていない、今回の法案では。そういうことで、とんでもないんじゃないですか、それは。
○世耕国務大臣 これは、先ほどお答えしたとおり、その実証事業の認定を行っていく段階において、これは、法律上、当該実証を適切に実施するため必要となる措置を講ずることというのが法律で定められているわけであります。 そういう中で、特に安全性への配慮が必要な場合、まさに自動運転なんかはそれに入ってくる、まあ、自動運転が事業になるかどうかは別にして、入ってくると思いますが、そういうときに、事業者が保険に加入をしているかなど、当該措置として確認する、そういうことになるんだろうと思っております。
○笠井委員 これは、特区とは違って、自治体の同意もなく、企業が手を挙げればどこでも何でも実証できる仕組みというのが法案上なっている。 そうなりますと、何の特段の規定もないというのは本当におかしいと思うんです。規制を取り払ったところで実証実験をして検証する、そこで何かあれば考えると。その間に何かがあったらどうするんだと。そうすると、法律上は何もないと。亡くなってからでは遅いわけでありまして、これは全く歯どめになっていないということを言わなければならないと思います。 革新的事業活動評価委員会ということで今大臣触れられましたが、これが評価すると言われましたけれども、評価委員会の人選方法というのは、じゃ、一体どういうものでしょうか。
○世耕国務大臣 革新的事業活動評価委員会は、実証計画の認定などに際して、専門的かつ客観的な評価を行って、主務大臣の適切な判断に資するために設置するものであります。 評価委員会の委員は、各省庁の所掌の枠を超えた幅広い分野、領域に及ぶ内外の社会経済情勢及び革新的事業活動の動向に関してすぐれた識見を有する者を任命することとなっておりまして、その人選については、委員によって代表される意見、学識、経験などが公正かつ均衡のとれた構成になるよう留意をして進めてまいりたいと考えております。
○笠井委員 その上で総理が任命ということだと思うんですけれども、未来投資会議や規制改革会議など、総理が任命したメンバーが、結局、上から規制緩和の号令をかけてきたのが安倍政権の手法であります。同じように、規制緩和ありきの人選、運営になるのではないか。 世耕大臣は、四月六日の経産委員会で、当委員会で、革新的事業活動評価委員会の主務大臣への勧告というのは後ろ向きだった場合に行うというふうに答弁されました。 大臣御自身は、経産省としても率先して自分のところの規制をレギュラトリーサンドボックスの対象にというわけですから、全く矛盾を感じられないかもしれませんが、国民の安全、安心、雇用などにかかわる分野を所管する全省庁に対してとにかく規制緩和の号令をかけるのが役割であれば、これは規制評価委員会というよりも規制緩和促進委員会、要するに、アクセルをかけるという委員会だと言わざるを得ないというふうに考えております。そういうふうに見ざるを得ない。 この規制のサンドボックスにライドシェアあるいは白タク事業者が参加するとどうなるか。この問題について伺っていきたいと思います。 米国発祥のウーバーCEOのダラ・コスロシャヒ氏が二月に来日をされました。そして、安倍総理やトヨタ自動車の豊田章男社長らと面会をして、安倍首相には、四十万人以上がウーバーのアプリを開いた場所を示した日本地図をお見せしたと。今回の来日を契機に、さらなる日本市場へのコミットメントを強めていく所存ですという形でオープンに発表されておりまして、ウーバーのそうしたホームページの中でも出ております。日本のライドシェア、白タク解禁に強い関心を持っているということが非常に明らかだと。総理自身に会ってそういうことを言われると。 国内タクシー産業と労働者に、そうなってきますと、大きな、甚大な影響を与える問題になってくるというふうに思うんですが、大きな影響を与える問題になるということについては、大臣、そういう御認識はあるでしょうか。
○世耕国務大臣 今、具体的にウーバーが日本でどういうビジネスを開いていくか。今、日本では、ライドシェアはまさに御指摘のように白タクに当たるわけでありますから、一部の特例が認められた、京都府の北部だったと思いますが、そこ以外では法令上できないことになっているわけであります。また、ウーバーの経営戦略など最近の報道を見ていますと、日本においては、逆にタクシー会社と連携をするというようなことも考えているというふうに聞いているところであります。 いずれにせよ、どういうビジネスを展開されるかというのはよく見守ってまいりたいと思っております。
○笠井委員 総理に対して直接、四十万人以上がウーバーのアプリを開いた場所を示した日本地図を見せて、そして、さらなる日本市場へのコミットメントを強めるとはっきり言っているわけですから、これは非常に具体的ですよ。 では、国交省に伺いますけれども、そもそもライドシェア、白タクというのは、事業認可を受けず道路運送法第四条違反、それから、輸送の安全を確保するための事業計画さえ存在しない同法四条、六条、二十七条違反、そして、運転者、運転車両に対して安全確保のための運行管理も一切行わない同法二十三条違反、また、運転者の資格要件に対する問題でも潜脱であるということで道路交通法の八十六条それから道路運送法の二十五条違反という、一々指摘するのがむなしくなるほどの明々白々な違法営業だということをはっきり言えると思うんですが、その点どうですか。
○早川政府参考人 お答えいたします。 国土交通省といたしましては、自動車による旅客の運送において、安全、安心の確保ということが最重要の課題と認識をいたしております。 自家用車を用いましたいわゆる自家用車ライドシェアと言われるものにつきましては、今委員御指摘もございましたが、運行管理や車両整備等について責任を負う主体を置かないままに、自家用車のドライバーのみが運送責任を負う形態を前提といたしております。 国土交通省といたしましては、このような形態の旅客運送を有償で行うことは、安全の確保、利用者の保護等の観点から問題があり、極めて慎重な検討が必要と考えております。
○笠井委員 まさに安全確保、それから利用者保護の観点から、ライドシェア、白タクというのは原則的には許されない、禁止されているということであります。 ところが、経産省は、産業競争力強化法に基づくグレーゾーン解消制度で、ライドシェア事業を規制の対象外と宣言いたしました。これは、自家用車での相乗り仲介を行う事業者nottecoの問合せを受けたもので、二〇一七年五月十八日発表の「中長距離相乗りマッチングサービスに係る道路運送法の取扱いが明確になりました」という発表文書の中で、運転者が受け取る費用がガソリン代と道路通行料金以内なら道路運送法上の規制の対象外、つまり合法だというお墨つきを与えました。 安全性確保、利用者保護の観点からの規制に対して経産省が風穴をあけたということでありますけれども、経産省に伺います。 この発表において、道路運送法上の対象外である旨を利用者に周知するのが望ましいと述べていますが、その内容について答えてください。
○糟谷政府参考人 御指摘の事業は、自動車で中長距離を移動するドライバーと同区間の移動を希望するユーザーをマッチングして、ガソリン代及び道路通行料の実費での相乗りを実現するサービスでございます。こうしたサービスを提供する事業者から、平成二十九年三月、グレーゾーン解消制度の問合せがございました。 道路運送法の解釈についての問合せでございまして、道路運送法の旅客自動車運送事業の解釈については、平成十八年の国土交通省による事務連絡というのがございまして、ガソリン代、道路使用料などの実費をユーザーがドライバーに支払う場合は道路運送法における登録又は許可を要しないという事務連絡でございます。 これに該当するかどうかということの検討をいたしまして、平成二十九年四月、国土交通省及び経済産業省から、ドライバーがユーザーから収受する費用については、運送のために生じるガソリン代及び道路交通料を上限として設定されるものであり、これらの費用の範囲内の金銭の収受であることから旅客自動車運送事業に該当せず、道路運送法上の許可又は登録を要しない、こういう回答を行ったところでございます。 この回答に際しまして、当該サービスの提供及び利用に当たりましては、この運送は道路運送法の規制の対象外であり、同法が定める輸送の安全及び利用者の保護のための措置が担保されているものではないこと、第二に、事故が生じた際の責任の所在、第三に、保険の加入状況、この三点を明確に周知することが望ましい、こういうことを伝えているところでございます。
○笠井委員 今説明がありましたけれども、輸送の安全性や利用者保護の担保はないということであります。 事故が起きても責任の所在が運転者にあるのかどうか、保険適用されるのかどうかも不明確な事業について、経産省がお墨つきを与えたも同然だということを言わなければなりません。 これは道路運送法の枠外の事業になるわけでありますけれども、これに対する監視、監督の権限というのは国交省にあるんでしょうか。
○早川政府参考人 御指摘のありました相乗りマッチング事業につきましては、自家用車のドライバーが自分と同じ目的地に向かう他人を空き座席についでに乗せるということを前提に、ドライバーと利用者のマッチングサービスを行おうとするものと認識をいたしておりまして、この場合、自家用車のドライバーは、ガソリン代、高速代、道路料金等を受け取ることが認められているものでございまして、このような事業につきましては、道路運送法上の規制の対象とはならないものと認識をいたしております。
○笠井委員 経産省が主導して、監視、監督の枠外の事業を促進したということであります。 経産省がお墨つきを与えたことで安全性や利用者保護の担保のないこうした事業がどんどん拡大していくことになると、生産性向上特別措置法ということでありますけれども、そこで言う規制のサンドボックス制度でウーバーやリフトといったライドシェア事業者が計画を申請してくる可能性は大いにある。 大臣、絶対にそういうことはない、申請してくる可能性はないと言えますか。
○世耕国務大臣 第四次産業革命が進展する中、世界各地において、新たな技術やビジネスモデルの社会実装による構造変化が起きているわけであります。 こうした世界の潮流を踏まえて、規制のサンドボックスの日本版である新技術等実証制度においても、第四次産業革命に代表される新技術やビジネスモデルの実用化に向けた社会実証を広く制度の対象としているところであります。 対象となる事業分野をあらかじめ限定しているわけではないので、御指摘の企業が来るかどうかはわかりませんが、御指摘のライドシェアについても、申請をいただくことは可能となっています。 今御指摘のnottecoというサービスは、これはガイアックスという会社がやっていまして、これは誰ももうかっていないわけですよね。逆に、自分の持っているものを分かち合うというのを一つのビジネスにしているという意味では、これは非常におもしろいサービスだというふうに思っております。 一方で、実証に当たって生命や身体の安全が重要であることは言うまでもありません。新技術等実証制度では、実証期間、実証場所、実証方法を限定して、参加者の同意を得ること、そして実証実験の管理監督を行うことなど、実証を適切に実施するために必要となる措置を講ずることを求めています。 事業者からの具体的な申請の内容次第ではありますけれども、仮にライドシェアについて申請された場合、主務大臣のうち当該実証に係る新技術等に関する規制を所管する大臣が、実証計画が、こうした措置が適切に講じられていることを含めて、安全性や公益性を保護する規制法令に違反するものでないことなどが確認されれば、新技術等実証の対象となり得ると考えております。 さらに、実証の実施段階においても、仮に事業者が認定を受けた計画に従って実施していないと認められる場合は、認定を取り消すことになっております。 こうした手続を通じて、安全性、公共性はしっかり担保しながら、事業者がイノベーションにチャレンジできる環境を整備してまいりたいと考えております。
○笠井委員 いろいろ言われましたけれども、この制度のもとでライドシェア事業者が計画申請してくる可能性は大いにあるということであります。 そして、グレーゾーンの解消制度でも、ライドシェアの規制緩和の方向で努力した経産省でありますから、今回の規制のサンドボックス制度に計画申請があれば、推進するということになってくるということであります。 このライドシェアをめぐっては、安全性に関する重大な懸念が広がっております。 内閣官房に伺います。 外国でのライドシェアの運転者が逮捕又は起訴された事例について、辻元清美衆議院議員の質問主意書に対する二〇一六年十二月二十日の政府答弁書というのがありますが、その中では発生した時期と都市をどのように示しているか、お答えいただきたいと思います。
○矢作政府参考人 お答えいたします。 御指摘いただきました質問主意書におきましては、主意書をいただいた当時におきまして、自家用車ライドシェアに従事した運転者が起こした事件と報道されました情報として、まず、ライドシェア運転者が逮捕又は起訴されたものといたしまして、平成二十五年十二月サンフランシスコ、あるいは平成二十六年六月ロサンゼルスで発生した事案など計十一件をお示しし、また、ライドシェア運転者が逮捕又は起訴されたかどうか確認できなかったものとして、平成二十六年十一月のシカゴで発生した事案など計三件をお示ししているところでございます。
○笠井委員 ライドシェアをめぐる犯罪が続発しているということであります。 それだけではありません。ウーバーは八年間で八十四カ国、六百三十二都市に進出をしましたけれども、法律がいずれ追いつけばよいという乱暴な経営姿勢が目立って、各国で厳しい世論が沸き起こって、次々と撤退を余儀なくされております。欧州ほぼ全域で公然と営業できない状態であります。 アメリカ、インド、韓国、中国、ドイツ、ブラジルなどでは、ライドシェアを禁止、制限する規制や司法判断がなされている、ライドシェアでは輸送の安全確保ができないと。実際、昨年暮れには、スペインで提訴がありまして、欧州司法裁判所が、ウーバーは運輸業という判決を下して、スペインのタクシー法に従うべきだということを命じました。この判決は、スペインだけではなくて、欧州全域に適用されるということであります。 大臣にも伺いますけれども、ライドシェア、白タク事業というのは、まさに、安全性が、安全確保ができない、世界各国でもたくさん事故が多発している、事件が起こっている、そして、市場ルールも、社会全体の混乱が必至という状況の中で、再規制にむしろ踏み出しているのが世界の流れではないかと思うんです。ウーバーなども世界で行き詰まっています。アジアでもそうです。それを、規制のサンドボックスで、規制の及ばない環境でライドシェアなんかということで実証実験させるということになると、国民の身体、生命の重大な侵害、命にかかわる事態をもたらしかねないと思うんですけれども、大臣の認識を伺いたい。絶対にこんなのはやめるべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○世耕国務大臣 また先ほどと同じ答弁になりますが、今回の制度は対象となる事業分野をあらかじめ限定しているわけではありませんので、御指摘のライドシェアについても、申請はいただくことは可能であります。 ただ、実証を行うに当たっては、当然、生命や身体の安全、これが極めて重要であることは言うまでもありません。 この新技術等実証制度では、期間、場所、方法を限定して参加者の同意を得ること、そして、実証を適切に実施するために必要となる措置を講ずることを求めているわけでありまして、それによってしっかりと安全も担保してまいりたいというふうに考えております。
○笠井委員 さきの御質問で取り上げましたが、結局のところ、規制を取り払って、そこで実証実験をすると。それで、何かあったらいろいろ対策をとってやっていくと言われるけれども、その間にあったらどうするか。実際あったじゃないか、たくさん世界で起こっているじゃないかと。しかも、ウーバーが来るかどうかわからないと言われるけれども、CEOが、こういう法案がかかっているような国会のそういう時期に日本に来て、そして、大いに入っていきますよと言って、総理に対して直接言っている状況であります。まさにそういう状況になったら大変なことになる、国民の命と安全が守れるのかという問題であります。 規制改革会議の議論を見ますと、業法は営業の自由を脅かす不当な規制であり、リスクも含めて消費者の選択肢だなどというとんでもない暴論がまかり通っていますけれども、全く違うと思うんです。業法というのは、事業者の営利と国民の安全のバランスをとるためのルールであります。社会的、歴史的な議論の積み重ねと国民の総意でつくり上げてきたものであります。 したがって、ルールがあるからこそ、業界が健全に発展できるし、国民も安心して利用できる。この土台を根本から崩すような規制のサンドボックスなど断じて導入すべきでない、推進すべきでないということを強く申し上げて、質問を終わります。
○稲津委員長 次に、谷畑孝君。
○谷畑委員 日本維新の会の谷畑でございます。 私、二十代の若いころに、大阪府の生野区というところから府会議員に出たらと、何かそういうようなこともあり、そこで少し根を張って、その地域の産業だとかいろいろなものにかかわってきました。 生野区というのは、ヘップサンダルというのが、これは日本一です。今はもうヘップサンダルというのはわかる人はほとんどいないかもわからないけれども、よく夏になったらサンダルを履いて海辺へ行ったりする、ああいうサンダルが日本一でして、町ぐるみそういうことにかかわっておった、そういうように感じます。今、残念ながら、もうその産業も寂れてしまって、ほとんど皆無状況ではないかな、こう思っております。 いずれにしましても、日本がこうして経済大国として生きていくというのは、やはり、産業競争に日本が努力をして、技術力を高めて、そして勤勉であるということでこうして豊かな日本をつくり上げてきたのかな、そういうように実は思っております。 そういう中で、いずれにしても、産業政策で大事なのは、民間の主体的あるいは自主的な産業競争力、これを強化をしていくこと、それをまた国含めて支援をしていくこと、それが非常に大事だ、そういうふうに私は思うわけでありますけれども、政府に、改めて、日本がもっと、更に豊かになるための産業政策のあるべき姿、また、国とのかかわり、そのことについてお伺いをいたします。
○中石政府参考人 お答えします。 かつて、国が産業を選ぶ、産業の重点施策をやっていた時代から、現在は変わりまして、企業が国を選ぶ時代だというふうに考えております。委員御指摘のとおり、産業競争力の強化につきましては、あくまで民間企業の主体的、自主的な活動が大前提だと思います。 その前提で、他方、国の役割としましては、世界規模で産業や市場構造でどういう変化が起きているのか、そしてその展望はどういうものなのか、そういうことを示すとともに、共通利益となるインフラを整備する、制度を整備する、そういうことを行うことで、民間企業の積極的な投資を促して、そして新規分野への挑戦ですとか積極果敢な事業展開を後押ししていくということが大事かと思っています。 近年の四次産業革命は、まさに産業を一変させるような大きな波になっています。これに対しまして、政府としましては成長戦略たる未来投資戦略二〇一七、さらには、経産省としましてはコネクテッド・インダストリーズというコンセプトを打ち出しておりまして、そうした中では、まさにバーチャルからリアルに主戦場が移ってきたとか、それから、IoTに対応した制度をつくるとか、データに関する競争と協調領域を分けていくとか、こういったことを提示して、具体的なプロジェクトに移していくということを進めているところであります。 このように、政府としましては、あくまで事業環境の整備を行って、民間の主体的な活動を促していくことが大事だというふうに考えています。
○谷畑委員 やはり、地場産業だとか、そういう産業を育成するということは、もちろん経営者が努力をしてやっていくこと、これは当たり前のことなんですけれども、しかし、どうしても日本全体の国力あるいは海外との貿易力とか、そういう、国とのかかわりというのは、これはどうしても避けられないと思うんですね。 その中で、私、中小企業といろいろかかわって、中小企業の皆さんがやはり政府に求めるのは融資ですよね。中小企業については結構通産省はよく頑張って、融資政策はやはり整っていますよね。これはもう中小企業にとってみたら本当にありがたいことだと思うんですね。そういうように感じております。 次の問題に入っていくわけですけれども、いわゆる二〇一三年に産業競争力強化法というのができました。そのときの背景というのは、日本経済の三つのゆがみ、こう言われたんです。それは何かといったら、一つは過剰規制、規制が多いんじゃないか。二つ目は過少投資ですね。三つ目は過当競争。こういうように言われてきました。これを是正することが我が国の産業競争力強化のために非常に重要だ、こういうように言われてきたんです。 そこで、お伺いいたします。 産業競争力強化法が制定をされて二〇一三年から五年が経過をしましたが、今示しました当時の日本経済の三つのゆがみ、二〇一三年から現在までどのように変化をして、そしてどのような状態にあるのか、再度お聞きをいたします。
○中石政府参考人 お答えします。 三つのゆがみにつきまして、まず最初に、過少投資につきましては、産業競争力強化法にあわせて措置しました生産性向上設備投資促進税制が約百四十万件の実績を上げ、制定当時六十七兆円まで落ち込んでいました設備投資は、その後、施行後三年で政府目標の約七十兆円まで回復いたしました。 二つ目の過剰規制につきましては、政権交代以降、電力、農業、医療など、いわゆる岩盤規制と呼んでおりましたけれども、岩盤規制改革を行うなど、長年の構造改革のタブーへ切り込んでまいりました。加えて、産業競争力強化法の企業実証特例、グレーゾーン解消も、件数は少し控え目でありましたけれども、それも使いましたし、そしてまた、さまざまな成長戦略を行う中でも、健康・医療、観光など、広い分野でさまざまな展開があったというふうに考えています。 三番目に、過当競争につきましては、平成三十年三月末までの事業再編計画の認定件数は五十六件となっておりまして、情報通信機器製造業や石油精製業、小売業など、幅広い分野の事業再編を後押ししてきたというふうに考えております。 三つのゆがみの解消に関しましては、成果は一定程度上がりつつあると思いますけれども、引き続き対応を進めていきたいと思います。
○谷畑委員 もうちょっとゆっくりひとつ答弁をしてもらえると。物すごく早口なので。 次の問題をお伺いしたいと思います。 この委員会で、昨日、参考人の貴重な意見をお聞きをいたしました。その中で、参考人から、日本の非常に大きな産業における問題、経済における問題で、労働生産性を高めていくことが非常に重要だと。ということは、世界第二の経済大国でありながら、労働生産性がそんなに、世界で一位、二位を争う高いものになっていないという、裏返せばそういうことだと思うんですね。 そこで、ちょっとこれは質問要項に書いていませんけれども、今僕が言うたことは事実なんですか、どうですか。ちょっと教えてください。労働生産性というのは日本は世界でトップレベルなのか、まだまだだめなのか。そこを教えてください。
○中石政府参考人 お答えします。 OECD統計その他で見ますと、日本の労働生産性の基準は先進国の中で割と下の方になっておりまして、トップレベルということではございません。
○谷畑委員 いや、僕ら、ちょっと認識が甘かったね。それなりに、生産性、世界でもトップレベルで高いものだ、こう思っておりました。これは改めて、今後とも、労働生産性を高めていく、大臣を含めて旗を振っていただくことが非常に大事かな、そういうように思います。 次にお伺いをいたします。 これまで、生産性を高めていこうということの中で、生産性向上特別措置法というものに至った背景、そういうことについて今お聞きしたわけでありますけれども、さらに、その上でお伺いをいたします。 新しい経済政策パッケージ、これは平成二十九年に閣議決定されているわけですけれども、そこで、生産性の革命集中投資期間とされる平成三十二年度までの三年間に生産性革命を実現した場合、我が国の労働生産性は国際的にどれくらいの水準が見込まれるのか。ここは非常に大事だと思いますので、ぜひこれをまた、三十二年度までに生産性革命を実現して、日本自身がさらなる経済大国を維持していくということが非常に大事だと思うんだけれども、国際的にどのくらいの水準が見込まれるのか。その点、お聞きをいたします。
○宇野政府参考人 お答え申し上げます。 労働生産性の国際的な推移につきましては、一九九〇年代から二〇〇〇年代にかけまして、G7諸国は平均で年二%近い伸びを示しておりましたが、二〇一〇年代に入り、多くの先進諸国はゼロ%台に低迷しているという状況にございます。 新しい政策パッケージでは、多くの先進国で労働生産性が伸び悩んでいる現状を踏まえまして、我が国が先駆けて生産性革命を実現する、目指す観点から、伸び率を倍増させまして、年二%を目標としております。 過去最大の企業収益を設備投資につなげること、中小企業のIT利用の促進、第四次産業革命の技術革新の社会実装などを積極的に推進することで、この目標をしっかり達成していくということにしております。 以上でございます。
○谷畑委員 次に、成長戦略の検証と今後のあり方ということについてお聞きをしたいと思います。 いわゆる成長戦略に設定されたKPI、横文字というのは難しいんですけれども、重要業績評価指標と言うらしいんですけれども、その進捗状況についてお伺いをいたします。 従前の産業再生法や産活法に基づく措置は、いずれも、それぞれの時期に直面していた課題に対応して、必要のあったものと考えられます。もっとも、いろいろな取組の中で、うまくいったもの、そして期待どおりの効果を上げられなかったもの、いろいろなものがあるわけであります。 この点、産業競争力強化法、二〇一三年から五年間の集中実施期間において、成長戦略の実行計画を策定した上で、必要があれば改定をし、重点政策の進捗及び実施の状況等について、毎年報告書を作成をして国会に提出しなければならない、こういうようにしたわけであります。 そこで、お伺いいたします。これは内閣府ですね。 成長戦略におけるKPI、重要業績評価指標の進捗のおくれについて、もともとの重要業績評価指標の設定に問題があったのか、あるいは何らかの理由により必要な政策が進んでいないのか、その原因の分析と対策が求められると思います。政府の見解をお伺いいたします。
○宇野政府参考人 お答え申し上げます。 成長戦略では、幅広い分野で多種多様な政策を盛り込んでおりまして、これらの政策を総合的に実行するとともに、いわゆる先生御指摘のKPIを設定いたしまして、毎年評価を行うことでPDCAサイクルを回す、これを新たな施策の立案につなげているということで来ております。 この五年間、総じて申し上げますと、目標に向かって順調に進んでいると評価できる項目はふえてきておりまして、中には、訪日外国人の旅行者数あるいは設備投資額など既に目標達成済みのもの、あるいは、よりレベルの高い目標を設定したもの等もございます。 一方、進捗がよろしくないという、いわゆるB評価というものでございますけれども、その項目の中でも、例えば黒字中小企業、小規模事業に関するKPIなど、あともう少しでAになるというところの水準のものもあれば、サービス産業の労働生産性に関するKPI、あるいはロボット国内生産市場規模など、まだ相当の努力が必要なものもございます。 こうした、今後、進捗が足りない理由につきまして、更にしっかりと分析しつつ、生産性パッケージに盛り込まれました施策を迅速かつ着実に実行に移していくとともに、更に取組を強化すべき事項についての検討を深めて、年央の新たな成長戦略の策定につなげていきたいと考えております。 以上でございます。
○谷畑委員 最後に、大臣にお伺いいたします。 安倍総理が国民から支持されて再び総理になっているというのは、これはやはり、不況から、日本を不況にさせない、景気をずっと回復基調に持っていく、そして、それなりに産業を育成して、雇用をきちっと確保する、こういうことで国民の皆さんは、安倍総理頑張れ、こうなったと思うんですね。これは、経済政策を間違ったり、いわゆる失業者をつくったり、これをすると必ず政権交代を求めてくると思うんですね。 そこで、もう時間がありません、最後に、世耕大臣として、この成長戦略というのか、景気に対する、ずっと不況にさせずに継続させる、こういう、経済産業の大臣としてそういう決意があるのかどうかだけお聞きして終わります。
○世耕国務大臣 おっしゃるように、安倍政権が一定の評価を得ている背景には、やはり、経済を第二次政権発足以降よくしてきた、この点があるんだろうというふうに思っております。 ただ、ここまでは、やはり一番引っ張ってきたのが金融政策上の効果だったというふうに思っています。もちろん我々は、三本目の矢である成長戦略もずっとやってきて、非常に投資の規模を上げたりという効果も上げてきております。特にやはり国民に実感をしてもらっているのは、仕事がふえている、非常に有効求人倍率が高く、失業率が非常に低くなっているという点が、これは率直に評価いただいているんだろうというふうに思います。 これを、今後ともさらなる、今回の二つの法案、非常に大きな法案であります、この二つの法案をエンジンとして成長戦略を更に加速することによって、更に日本を成長の高みに上げていくように頑張ってまいりたいというふうに思っております。 特にこの法案の中で、それぞれ重要でありますが、やはり、固定資産税をゼロにする、これは非常に大きなインパクトがあったと思いますし、このインパクトが企業経営者だけではなくて自治体にもしっかり伝わって、やはり、生産性を上げて成長しようという機運が国全体に広がっていっていること、これが私は非常にこの法律の一つの大きな効果だったというふうに思っておりまして、できるだけこの法律を早く成立をさせていただいて、しっかり執行することによって、日本を更に成長の高みに持っていきたいというふうに考えております。
○谷畑委員 ありがとうございました。 時間が来ましたので、終わりたいと思います。
○稲津委員長 次回は、来る十三日金曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時一分散会