経済産業委員会 第5号
- 発言数
- 51 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 2018/04/06
会議録
○稲津委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、生産性向上特別措置法案及び産業競争力強化法等の一部を改正する法律案の両案を議題といたします。 この際、お諮りいたします。 両案審査のため、本日、政府参考人として経済産業省大臣官房総括審議官飯田祐二君、経済産業省大臣官房商務・サービス審議官藤木俊光君、経済産業省大臣官房審議官中石斉孝君、経済産業省大臣官房審議官前田泰宏君、経済産業省経済産業政策局長糟谷敏秀君、中小企業庁長官安藤久佳君及び中小企業庁事業環境部長吾郷進平君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○稲津委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ―――――――――――――
○稲津委員長 これより質疑に入ります。 質疑の申出がありますので、順次これを許します。平将明君。
○平委員 自由民主党の平将明です。 本日は、質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。 法案審議ということでございますが、経済成長戦略、経済政策全般について、法案の審議も含めて質問をさせていただきたいと思います。 また、きょうは政府参考人の方にも来ていただいておりますが、主に大臣に御質問ということでございますので、よろしくお願いをいたします。 現在、私は、自由民主党で成長戦略の立案を担う経済構造改革特命委員会の事務局長をしておりまして、昨年も事務局長代理ということで、自民党の方では成長戦略の立案また取りまとめを担当してまいりました。 今いろいろな政策が出ておりますが、そもそもどういう議論の経緯があって、どういう政策のフィロソフィーがあるのかといったところを含めて少し議論をさせていただきたいと思います。 まずは、レギュラトリーサンドボックスであります。 レギュラトリーサンドボックスが、今、規制のサンドボックス制度というものとサンドボックス型特区というものの、実は二種類あるんですね。これは余り知らない先生方も多いかと思いますが、その辺の議論を少しさせていただきたいと思います。 そもそも成長戦略、大きな柱は自由貿易の推進と規制改革だと思いますし、さらに言えば、規制改革、第二次安倍政権が誕生して間もなく、ダボス会議で安倍総理が、岩盤規制をみずからドリルの刃先になって穴をあけていくんだというお話もされましたが、特に、規制改革の最も強力なツールが国家戦略特区であると私は認識をしております。 私自身も国家戦略特区の担当副大臣をやってまいりましたが、そのときに、特に近未来技術、自動走行とかドローンとか遠隔医療とか遠隔教育、こういったものを集中的に取り組む特区として、国家戦略特区の中に近未来技術実証特区というカテゴリーをつくらせていただきました。 今、いろいろな地域でドローンとか自動走行をやっているわけですが、実際、運用を見て、一生懸命やっているんだけれども、それでもまだスピード感が足りないよね、もっともっとスピード感を上げてやっていくべきだよねという問題意識の中で、私は、もっとこの国家戦略特区を更に一歩進めて、ハイパー国家戦略特区みたいなものをつくるべきだという思いがあって、ちょうど世の中ではレギュラトリーサンドボックス、フィンテックが主でありますが、そういうような話の流れの中でこの特区の議論を進めてまいりました。 そのような議論の中で、レギュラトリーサンドボックスは、先ほど申し上げたとおり、サンドボックス型特区と規制のサンドボックス制度という二つに分かれたわけであります。当初の私のプランは、国家戦略特区を使いつつ、エリア型とプロジェクト型、我々が議論をしている中では、いわゆるバーチャル特区というのを使って国家戦略特区の枠組みで全てやるという思いでいたんですが、今回、二つの制度に分かれた。 その際に、国家戦略特区は、御承知のとおり、国家戦略特区諮問会議で、総理大臣がまさに司令塔になって規制に穴をあけていくんですが、規制のサンドボックス制度の方は、主務大臣が司令塔になるわけですよ。ですから、岩盤規制に穴をあけるという大変政治のパワーが要る仕事で、特区の方は総理がリーダーになってやる。しかしながら、規制のサンドボックス制度の方は主務大臣ということでありますので、ハイパー国家戦略特区、国家戦略特区でもまだ甘い、もっとパワーを持たせようと思ってつくった政策の中で、今回、果たして主務大臣で国家戦略特区以上の岩盤に穴をあけていくパワーがちゃんと担保されるのか、仕組みとして。 その辺に懸念を持っているわけでありますけれども、経産大臣の御見解を聞かせていただきたいと思います。
○世耕国務大臣 もう平議員はサンドボックス制度導入の経緯をよく御存じですからあれですけれども、このプロジェクト型のサンドボックス制度というのは、いろいろな意味で、割と身軽なところというか、やはり、国家戦略特区の地域型のサンドボックスの場合は、国と自治体と事業者が一体になっていないといけないとか、いろいろな、しかもかなり先進的な技術をメーンにしているわけでありますけれども、このプロジェクト型のサンドボックスに当たります、今回この法案で御議論いただいている新技術等実証制度は、まず一つは、自治体による提案が不要で、事業者がいろいろなアイデアをみずから出していけるということ、そして、先ほどもお話しでしたが、いわゆる地域の限定はなくて、まさにバーチャル国家戦略特区と言ってもいいのかもしれませんけれども、メンバーと期間を限定をするという縛りがかかっているだけだということであります。また、実証するために法改正は要らないということが前提になるので、非常に機動的に使えるのではないかというふうに思っています。 主務大臣がヘッドになるということで、きちっとした規制緩和ができるのかどうかということでありますが、まずは私も、事業所管大臣としても、あるいは規制所管大臣としても、積極的にリーダーシップを持って関与していかなきゃいけないというふうに思っておりますし、また、主務大臣がしっかりやるのをウオッチするという意味でも、革新的事業活動評価委員会というのが、これが内閣府、内閣府の長は総理でありますから、総理の一定の目の届く範囲でこの評価委員会がワークをして、そして専門的な知見から意見を述べますし、例えば、主務大臣が非常に後ろ向きであったりなんということがあったときには勧告を行うなんということも予定をしているわけであります。 また、主務大臣は、新技術等実証を踏まえて、規制の見直しを検討し、必要な規制の撤廃又は緩和のための法制上の措置を講ずると法案の中に規定をされておりまして、規制改革を推進する仕組み自体がこの法律の中にビルトインされているんではないかなというふうに思います。 事業者提案型ということでありますので、このサンドボックスは、まさに、やってみなはれというか、まずやってみて、そしてそこから情報、データ、資料といったものを収集して、スピード感のあるルールづくりにつなげていくんではないか。 もちろん、地域限定型の国家戦略のサンドボックスとは別に対立関係ではなくて、戦略的に連携をして、非常に、自動運転とか、そういう規模が大きかったり、かなり革新的な、先進的な技術であるものは国家戦略特区を使ってやっていただくというような形で、戦略的に連携しながら規制改革を強力に推進したいと考えております。
○平委員 規制省庁の担当大臣に任せるとやはり進まなかったから特区というやり方をやった経緯がありますので、今回、いろいろな工夫をビルトインしていただいておりますので、まずはやはり成功事例をしっかりつくっていただくということだと思います。特区の方は自動走行とドローンが特にフィーチャーされているわけでありますが、まさにAIとかブロックチェーンとかいっぱい出てきますので、ぜひ成功事例をつくっていただきたい。 もう一つは、一般の方はわかりにくいと思うんですよ、サンドボックス型特区があり、規制のサンドボックスがあり。だからやはり、ワンストップで聞いて、いやいや、あなたのその御提案だったら特区の方がいいですよとか、あなたのその提案だったら規制のサンドボックス制度を使った方がいいですよというところの仕分をしっかりやっていただければと思います。 次の質問に移りたいと思いますが、地域未来牽引企業であります。 この地域未来牽引企業は、今回の法律じゃなくて、昨年末ですけれども、いよいよ動き出したということで、ちょっと私の懸念をお話ししたいんですが、この地域未来牽引企業は、もともと地方創生の文脈の中で、いわゆる地域の情報支援、RESASですよね、リージョナル・エコノミー・アンド・ソサエティー・アナライジング・システムというのを、多分これは経産省がずっと温めてきたプランを地方創生の文脈で入れた。 その中に、民間信用機関のいわゆる取引情報があって、いわゆるコネクターハブ企業、これは東大の坂田先生がやった、ハブというのは、自転車のスポークみたいに、地域内でどれだけつながっているか、企業と。コネクター度というのは、域外とどのぐらいつながっているか。これを、ビッグデータの仕入れ、売上げ情報を解析して抽出をする。 このコネクターハブ企業の概念は、坂田さんは私、古いつき合いですから、前からあったんだけれども、ビッグデータを使うことによって初めて具体的に抽出できるようになった。これがイノベーションだというふうに思いますが、このコネクターハブ企業が業績が上がるとつながっている地域の業績も上がるので、地域経済を引っ張る、そういう効果があるということで、コネクターハブ企業を地域未来牽引企業という名前にしたんです。ネーミングは私がつけましたけれども。皆さん知らないと思いますが、私がつけました。地域未来牽引企業という言葉をつくったんです。 この政策は、今までの政策と全く違うんですよね。今までの政策は、補助金を欲しいという人が申し込んできて、そしていろいろな要件を満たせば補助金を上げるだったんだけれども、今度は、おせっかいかもしれないけれども、国の方が指定するんですよ。ただ、そこが恣意的にならないように、ビッグデータで抽出をして、その地域の経済とその企業の業績が最も相関関係の強いものを抽出して、そこを応援することによって地域経済をよくする。アベノミクスで大企業はよくなりました。第二段ロケットを点火するためには、地域を引っ張っている企業を元気にしましょうということでこの政策が出てきたわけですね。 ただ、実際は、やってみると、まだまだやはり精度がいまいちだ、これから精度を上げていかなければいけない、ビッグデータで。理屈はそうなんだけれども、精度を上げる必要がある。そこで、地域の自治体やいろいろな機関からの推薦をもらったり、あとは、地方創生のベストプラクティスを入れたりしてポートフォリオを組んだのがこの間の地域未来牽引企業二千社だったわけであります。 ただ、ここで忘れてほしくないのは、データドリブンだというところに、常に頭に入れて、最終的にはそっちへ戻っていってほしいんですよね、いろいろな企業のやつを分析していただいて。 ですから、それをしっかり頭に入れていただいた上で、もう一つのポイントは、これを公表することによって地域の金融機関とかさまざまな民間企業の動きを促すということが二つ目の大きなポイントなんです。 そこで、私の懸念は、私のイメージはミシュランの三つ星ガイドなんですよ。この企業がまさに地域未来牽引企業ですよ、この地域未来牽引企業の業績がよくなれば地域経済もよくなるんですよ。そして、それをみんなに知らしめることによって地域経済をよくするんだけれども、来年もこの企業が地域未来牽引企業とは限らないんですよ。再来年もそうなるとは限らないので、私の当初の考えは、地域未来牽引企業二千社二〇一八、来年は二〇一九、その次は二〇二〇。それで、脱落していく人たちも出てくるし、新たに入ってくる人も出てくるんですよ。 だから、なぜそんな一企業を国が寄ってたかって応援するんだ、ほかに同業種がいるんだから競争をゆがめるじゃないかという批判は常につきまとうんですね。だからこそ入れかえが起きていくんだと。きょうは地域未来牽引企業になれなかったけれども、来年は実は自分がなって、ライバル会社は落ちるかもしれない。それが大事なんだけれども、この間、運営を聞いたら、地域未来牽引企業になった人はすごく喜んでいます、それで、今、マークもつけて、うちは地域未来牽引企業ですとロゴもつけたと。これはすばらしいと思います。 そこの懸念で、二〇一八と入ってないじゃないか、一度なったらずっと地域未来牽引企業じゃないんだよと私は言っているわけです。そうですよね。そこが大事なポイントなんですよ。 とりあえず、今やり始めたところだということはよく理解しますが、やはり、常に、一番地域にきく企業はここなんだということを毎年更新して、要は、やみくもに補助金をまくんじゃなくて、その地域に一番きく、そのつぼを押すというのがこの政策の肝なので、ぜひ、こういった入れかえをする、毎年とは言わないまでも、ちゃんと期限を区切って、その場その場で一番きく企業を抽出するという運用にしてもらいたいというふうに思っていますが、そこはちょっと足りないんじゃないかと思っていますけれども、大臣、いかがでしょうか。
○世耕国務大臣 今御指摘のように、まさに今、データをメーンにして、もちろん地域の意見も聞きはしたんですけれども、この地域未来牽引企業二千百四十八社というのを選ばせていただきました。 これは別に、選んで終わりじゃなくて、きちっと、地域経済牽引事業というのをしっかりやってもらわなければいけないわけでありますから、そのパフォーマンスはしっかりと見ていく必要があるというふうに思っています。 今この段階で毎年見直すのかどうかというのをちょっと明確に答弁、まあ、我々も初めてですから、この事業が一年で結果が出ないものもあるかもわかりませんので、ある程度の期間は見なきゃいけないという面がある一方で、当然これは補助金とかいろいろな優遇、はっきり言うとえこひいきも受けるわけでありますから……(発言する者あり)いや、まあ、そうなんです。 だから、そういう意味では、やはり常に、ふさわしい未来牽引企業であるのかどうかということは不断にチェックをしていく必要があるというふうに思っていまして、追加で募集をするとか、あるいは、場合によって、全然地域未来をこれは牽引していないぞということがデータで明らかになったら、入れかえることも考えなければいけないというふうに思っています。 この十四日に、社長さんたちに集まっていただいて会津でサミットをやりますので、そのときには私から、激励の意味も込めて、成果が出ていないと外れる可能性がありますよということもしっかりお伝えをしていきたいというふうに思います。
○平委員 ぜひその方針でお願いをしたいと思います。 今、わずか二問ですけれども、規制のサンドボックス制度とか、サンドボックス型特区とか、地域未来牽引企業とか、RESASとか、何を言っているんだと。言っている意味がわからないよ。これは自民党でもすごく評判が悪くて、おまえの言っている意味はわからないとよく言われるんですが、大事なのは、これはどういう制度なんだということを民間の人に理解をしてもらって、民間の人たちのある意味欲望に火をつけないと経済というのはよくならないと思いますので、ここはちょっと我々も工夫が必要だと思っています。 その関連で一つ御質問なんですが、大臣、御就任になられてからコネクテッド・インダストリーズという言葉を大臣がつくられました。一方で、世の中では随分前からインダストリー四・〇と言われ、日本の政策ではソサエティー五・〇というのが入ってきて、それで大臣がコネクテッド・インダストリーズと言い始め、これって何が何なのというのが多分世の中いっぱいあると思うので、簡単に、インダストリー四・〇はこうだけれども、コネクテッド・インダストリーズはこうで、ソサエティー五・〇はこうなんだよというのを、ぜひ大臣から簡潔に、わかりやすく説明をいただければと思います。
○世耕国務大臣 インダストリー四・〇というのは、これはドイツがものづくりのIT化を進めるという概念で打ち出しているわけであります。かなり、ものづくりのIT化という意味で、限定的な概念だなというふうに思っていますし、実際にドイツは、例えばものづくりのIT化というのは、これは特定の一社が、それこそ設計の段階のCADから始まって、実際の工作機械をコントロールするシステム、あるいは在庫管理のシステムまで一気通貫で押さえています。あるいは、企業間の取引となると、これまた別の一社が完全にシステムを押さえている。縦、横が一社一社で押さえられているという形になっている。 ドイツのインダストリー四・〇というのは、中小企業も含めて、このシステムの中へ入ってくださいよというのがドイツのインダストリー四・〇だというふうに思っています。 一方で、日本で先に唱えられていたソサエティー五・〇というのは、逆に、第四次産業革命が進んでいくと日本がどういう社会像になるのかという、目指すべき社会像を示しているということだというふうに思っています。 我々のこのコネクテッド・インダストリーズというのは、ドイツのインダストリー四・〇ほどものづくりとIT化というところに限定しているわけでもないし、ソサエティー五・〇のような、少し、目指すべき社会像というばっくりした概念でもなくて、製造現場とかサービス業の現場にある質の高いデータ、日本は中小企業も含めてかなりIT化がほかの国に比べたら進んでいると思います。そういうところにあるデータを媒介にして企業と企業がつながっていく、機械と機械がつながっていく、あるいは機械と人がつながっていくことによって、製品やサービスのレベルをもっと上げていくという概念であり、ソサエティー五・〇を実現していく上での産業側の取組としてコネクテッド・インダストリーズという概念があるというふうに思っております。
○平委員 今のコネクテッド・インダストリーズというと、だから、インダストリー四・〇は、ドイツは、X軸、Y軸で大企業があって、その面に寄せてくるという話だと思うんですけれども、もうちょっとオープンなインダストリー四・〇という形になったときに、日本はやはり中小企業が多いので、中小企業はそのネットワークに、決して大企業が用意をした面に集めるのではなくて、多分立体的に統合していかなければいけないと思うんです。 その際に、私は、一番の問題はサイバーセキュリティーだと思っていて、私が大臣政務官のときも標的型ウイルスメールをやられました。実は、政府全体のサイバーセキュリティーはできているんだけれども、一番脆弱なのは政治家なので、政治家が狙われるんですね。 それと同じようなことが多分バリューチェーンの中で起きる可能性もあるし、大きなメーカーが系列のサイバーセキュリティーはやっていると言うんですけれども、そのことによって、それをやっていない中小企業が入れないことによって全体の生産性が中長期的には落ちていくことも懸念をされますので、実はここを、大臣がコネクテッド・インダストリーズと言えば言うほど、中小企業のサイバーセキュリティーのところはしっかり進めていく必要があると思っています。 今、IPAの取組とかいろいろな取組は承知の上で、一つだけ御提案は、補助金で一社一社を支援するのはやはりきついと思うんですよ、向こうもどんどん技術が上がってきますから。だから、基本的にはやはりクラウドに上げて横で監視をしてとか、あとは、みんなで会費を払っていざとなったら助けに来てくれるサイバーウイルス版のJAFみたいなサービスがあったり、あとは、保険制度を活用して何かあったときには損害を補償するみたいな、生態系みたいなものをつくって中小企業のサイバーセキュリティーをやる必要があるんじゃないかなという問題意識は持っています。 自民党の成長戦略の方でもそれを今検討していますので、ここをちょっと短く、感想、コメントだけ一言いただければと思います。
○世耕国務大臣 確かに、中小企業が全部サイバーセキュリティーを完璧にやることは難しいという前提に立てば、今おっしゃっているような、例えばクラウド型にするとか、あるいは遠隔監視みたいな形でやるというのは一案だというふうに考えております。
○平委員 最後の質問に移りたいと思いますが、お手元に資料を用意させていただきました。展開戦略の定石ということで、負けパターン、勝ちパターンということですが、この経済産業委員会でもよく質問が出るんですけれども、いわゆるFAGA、フェイスブック、アップル、グーグル、アマゾン、それに加えて、マイクロソフト、中国のテンセント、アリババを入れていわゆるセブンシスターズという話がこの間のダボス会議でも出ていたと思いますが、そういった意味では、AIとかビッグデータ、こういったところは、日本頑張れ、まだまだ勝てるんだという意見もあるものの、かなり日本はやはりおくれをとっているし、厳しいところがある。そんな中で、多分、コネクテッド・インダストリーズというのを戦略的に打ち出されているんだというふうに思います。 この紙を見ていただくと、さっき言ったセブンシスターズというのは、この右側の、AI掛けるロボティクス・プラットホームとか、下のデータ・アンド・ICT・プラットホーム、ここにカテゴライズされていて、ここが急成長著しい。さらには、株価も時価総額も最も高い。 そういった中で、いろいろな融合が起きていて、例えばAI掛けるロボティクスでいうと、通販をやっていたアマゾンが物すごい勢いでロボットを開発しているということですよね。それで今、ピッキングマシンのアワード型研究開発なんかも多分ここが一番進んでいくだろうということであったり、また、グーグルが全自動走行の車をつくっていく。これは、車のメーカーがつくるんじゃなくて、グーグルがつくっていくということになっているわけですね。 このままいくと、左の上の実世界技術、いわゆる日本が最も得意としていていまだ世界的競争力を持っている分野、自動車、製造、内視鏡、素材、建機などなどなんですが、のみ込まれる可能性がある。のみ込まれた先に何が待っているかというと、コモディティー化というか端末化というか、価格競争の世界に左の実世界のところが入ってしまって、もう日本は何にもいいところがありませんねということになるのではないか。これはもう今起きつつある負けパターン。 でも、実世界技術というのはまだ競争力を持っているわけなので、やはり、実世界技術をベースに、AI・ロボティクス・プラットホームやデータ・アンド・ICT・プラットホームに攻め込んでいく、こういう戦略が必要じゃないか。 これは、自民党の経済構造改革の委員会にソニーコンピュータサイエンス研究所の北野所長に来ていただいてお話をいただいたときのスライドなんですけれども、まさにそうだなと。 ですから、こういうような勝ちパターンを起こすためにいろいろな政策を打っていくべきだと思いますし、コネクテッド・インダストリーズを進めていくべきだと思うんですけれども、大臣の御所見はいかがでしょうか。
○世耕国務大臣 まさにこの絵がコネクテッド・インダストリーズの原点だというふうに思っているんです。ここのいわゆる負けパターンの上の絵というのは、これはまさにバーチャルデータの世界ですよね。ここでは残念ながら日本は大きなプラットホームを押さえることができなかったわけでありますが、一方で、我々は、非常に質の高いリアルデータ、特にものづくりの現場、サービスの現場で持っているわけですから、それを逆に手がかりにしてプラットホームをつくっていくということが、もともとコネクテッド・インダストリーズの一番原点の、この下の絵のパターンだというふうに思っています。 例えば、グーグルが幾ら、自動運転の車をテストで走らせて、そこでデータ収集をした、これが、すごい、すごい、何百万キロ走ったんだという話になっているわけですが、それでさらに、それをもうシミュレーターの中で全部完結させるんだということになってきているわけですが、一方で、日本の自動車メーカーが全部連携をして、センサーを共通化して、データを全部統一フォーマットにして、本当に走行データをとり出したら、これはもう比べ物にならないぐらいたくさんのリアルのデータをとることができるわけであります。 コネクテッド・インダストリーズ、まさにこの勝ち戦のパターンの定石をしっかり実現をしていきたいというふうに考えています。
○平委員 何かそろそろ時間のような気がしますけれども、まだ大丈夫なんでしょうか。(発言する者あり)まだ五分もあるんですね。 それでは、ちょっとこの議論を進めていきたいというふうに思いますけれども、まさにこの勝ちパターンを行うときに重要なのが、やはり大企業とAIベンチャーのような企業との連携が物すごく大事だと思います。 コネクテッド・インダストリーズの文脈で、具体名は言いませんけれども、メーカーとかプラント建設とか、あと電鉄とか出版系がいろいろなベンチャーと組んで新たなビジネスモデル、プラットホームをつくるということになるんですが、この間、この関係者の一部の人たちといろいろお話をしていたら、確かにいい取組なんだけれども、やはり、大企業のトップはやれと言ってくれるんだけれども、実際、知財を扱っている現場の企業の人は物すごく保守的で全然話が進まないと言うんですよね。ですから、そういったところはやはりよく見てあげなければいけないと思っている。 先ほどの話に戻ると、地域未来牽引企業は、ビッグデータから最も地域の成長に貢献する企業を抽出するという意味で、超精密ターゲティングポリシーと私は名前をつけたんですけれども、昔のターゲティングポリシー、「官僚たちの夏」のときは、あれは成功したと小説には書いてあるけれども、世の中的にやはり、役所がこれがいい、これがいいとやってやるのはどうかという反省もあったわけですよね。 地域未来牽引企業は、データドリブンで今までできなかったビッグデータでやるから超精密ターゲティングポリシーで、それは決して役所が判断をすることではないということなんですが、さっきのこの勝ちパターン、負けパターンも、多分余り時間は残っていなくて、これは真正面から行くと中国にも勝てないし、そういった中ではかなり狭いところを、勝ちパターンを追求していかなければいけないと思うんです。 先ほどの個別具体的な現場の事例もありましたけれども、ターゲティングポリシー、時代おくれだよねと、普通、経済政策をやっている人は思うんだと思うんですが、やはり時代は変わってきた。ビッグデータも使えるようになってきたし、さっき言った勝ちパターンも、大体何か想定がつくわけですよね、どの分野、どの企業と。さっき言った、現場の問題もある。 ここはやはり政府も寄り添って一緒にやらざるを得ないんじゃないかなという意見を持っているんですけれども、大臣、いかがでしょうか、その辺は。
○世耕国務大臣 なるべく民主導でしっかりやっていく必要はあると思いますけれども、やはり政策的にサポートしなければいけない分野もあると思っています。 まず、今我々が始めているのは、重点五分野にある程度絞らせていただいています。コネクテッド・インダストリーズの概念の広がりというのは無限ですから、その中からいろいろな民間から出てくればいいと思っていますが、国として支援をするのは、やはり自動走行のところ、そしてバイオのところ、そしてインフラですとか工場の保安といった分野ですとか、スマートライフ、こういうところにある程度絞ってやっていきたいなというふうに思っています。 あと、知財の分野の人間がなかなか理解しないということでありますから、これは例えば、どこからどこまでを協調すべきかとか、あるいは連携をしてビジネスを進めていく、あるいは、例えば工作機械を工場に入れたというようなときに、一体どこからどこまでのデータが誰のものかということはある程度我々の方で決めていく、ガイドラインをつくっていくということをやっていかなければいけないというふうに思っています。
○平委員 そろそろ時間でございますので終わりたいと思いますが、繰り返しになりますけれども、新しいワードがたくさん出てきていてちょっとよくわからないよと言われることも多いし、これは我々も反省しなきゃいけないんですけれども、やはり、民間の人によく理解をしてもらって、民間のところが実際に自律的に動き始める、ネットワーキングを自律的に広げていくということが極めて大事だと思いますので、発信力のある世耕大臣には、しっかりとわかりやすく発信をしていただいて、また、できるだけ早くいろいろな政策分野でのベストプラクティスをつくっていただければと思います。 終わります。ありがとうございました。
○稲津委員長 次に、富田茂之君。
○富田委員 公明党の富田茂之です。 生産性向上特別措置法案中の中小企業の設備投資に対する固定資産税の減免等の措置について、まず質問をしたいというふうに思います。 お手元に資料を配付させていただきましたが、資料の一をぜひごらんいただきたいというふうに思います。 中小企業の業況は、回復傾向ではありますけれども、労働生産性が伸び悩んでおり、大企業との差も拡大傾向にあるのがこの資料の一でわかるというふうに思います。 二〇〇九年から二〇一六年の労働生産性の推移を見ますと、大企業製造業が三二%増であるのに、中小企業製造業では六%増にとどまっております。 また、二〇一三年から二〇一七年の大企業賃上げ率が二・〇三%であるのに比べ、中小企業の賃上げ率は一・七七%にとどまっております。 加えて、資料一の右の図の方から明らかなように、中小企業が所有している設備は老朽化が進んでおり、生産性向上に向けた足かせとなっていることがこの図からも明らかであります。 今後、少子高齢化や人手不足、また働き方改革への対応等の厳しい事業環境を乗り越えるため、この老朽化が進む設備を生産性の高い設備へと一新させ、事業者自身の労働生産性の飛躍的な向上を図るため今回の措置がとられたというふうに理解しておりますが、大臣、そういう理解でよろしいでしょうか。
○世耕国務大臣 今お示しいただいた図にも明確に出ているように、やはり中小企業の設備の老朽化というのが進んでいる。これの一番大きなポイントは、やはり固定資産税の負担が非常につらい。ある程度償却の終わった古い設備を使っていて、新しい設備を入れた方が生産性が上がることは経営者はわかっているんだけれども、新しいのを入れるとまた固定資産税がフルにかかってくる。そこで、なかなか投資の判断ができない、固定資産税は赤字でもかかってくる税金ですから。それをやはり何とかしたいという思いで、今回、自治体の判断で固定資産税をゼロにできるという制度を入れさせていただきました。 今経産省が行っているアンケートでは、非常に各自治体は前向きに捉えていただいておりまして、既に千四百八、今大体、自治体が千七百ですから、そのうち千四百八の自治体が固定資産をゼロにするということを回答をいただいているところであります。 まさに、国と市町村が一体となって中小企業の設備更新を行って、中小企業の生産性向上を強力に後押ししていきたいと考えております。
○富田委員 今大臣が御説明いただいたとおりだと思うんですが、固定資産税のこの減免措置につきまして、私は公明党の経済産業部会長の立場で、全国の約三千名の地方議員の皆さんに次のように発信させていただきました。 二月九日、国会に提出された生産性向上特別措置法案において、中小企業の設備投資に対する固定資産税の減免措置が規定されました。本措置では、自治体の自主性に配慮する観点から、特例率をゼロ以上二分の一以下の範囲内において条例で定めることができるとされております。 また、国、市町村が一体となって中小企業、小規模事業者の生産性向上を後押しする観点から、特例率をゼロとする自治体の事業者に対しては、ものづくり・商業・サービス補助金等の支援について優先採択されることになります。ものづくり補助の一次公募で優先採択を受けるためには、中小企業庁から現在発出されているアンケートを通じて、自治体が特例率ゼロを三月中旬ごろに公表する必要ありというふうに訴えさせていただきました。 なるべく多くの自治体に本特例を活用いただき、固定資産税の特例率をゼロとしていただくとよいと考えていますので、地方議員の皆様におかれましては、引き続き地元、自治体首長、商工団体、事業者等に本特例のメリットを積極的に伝えていただき、普及促進に御協力いただければ幸いです。その際には、補助金の優先採択があることや、減収額の七五%は交付税交付金により補填されること、新たな投資が促されるので中長期的に見れば税収増につながり得ることなどもアピール材料になります。ついては、その活用いただける資料も添付いたしましたので御活用ください。 なお、本案成立後、六月議会におきまして条例で税率を決定していただく必要がありますので、御承知おきくださいということで、資料の二にお示ししましたように、経産省の方からいろいろ教えていただいたのを、想定スケジュール案ということで、多分こういう流れになっていくだろうということで、これを地方議員の皆様にも発出させていただきました。 これでは、経済産業省の欄と、ものづくり補助金の欄と、市町村がどういうふうに動いていくかというのを三段階で書いておりますが、今の段階では、経済産業省の方では、四月三日、アンケート結果の第一次公表をしていただきまして、今大臣の方からありましたように、千四百を超える自治体が手を挙げてくれているということがここでわかります。今後、この法案が成立されましたら、指針の策定等をしていただいて、市町村の計画に同意を経産省の方で行っていくという流れになると思います。 また、補助金については、今公募がされております。この中で手を挙げていただいた自治体の事業者については加点になるということで、第一次採択が六月の終わりぐらいになる、その後、七月以降、交付決定がされていくという流れというふうに承知しております。 市町村の方については、このアンケートに回答して手を挙げていただくのと一緒に、条例できちんと税率を、大体六月議会になると思いますが、ここで決定していっていただくということで今回の措置が完結していくようになるというふうに思いますが、このような想定スケジュールでよろしいでしょうか。
○安藤政府参考人 お答え申し上げます。 今先生が御説明された資料に基づいて、私ども極力、自治体の皆様方、また中小企業の皆様方に支障がないような形でさせていただきたいというふうに考えております。 今先生がおっしゃられましたようなスケジュールで最大限努力をさせていただきたい、このように思っております。
○富田委員 今ちょっと後ろから、おかしいじゃないかという声がありましたけれども、六月議会でやはり条例で決めていただかなきゃならないので、どうしてもお尻が一応切られているというところを想定してこの委員会でもしっかり議論していただいて、この固定資産税減免措置というのは本当に中小企業の事業者にとっては大いなるバックアップになると思いますので、ぜひ野党の皆様にも御理解いただいて、議論をしっかりしていきたいというふうに思っております。よろしくお願いいたします。 続いて、ものづくり補助金の活用状況についてちょっと御確認をさせていただきたいんですが、私は、二月二十三日に、私は今、千葉県の習志野市に住んでいるんですが、隣の八千代市で頑張っております中小企業を訪問しまして、同社の会長、社長から、平成二十八年度補正予算のものづくり補助金を活用して導入しました最新のコンピューターによる数値制御装置、CNCというらしいんですが、物すごい機械を見させていただきまして、詳しく説明を受けました。 この方は、私が二十年前に初めてお会いしたときは、油まみれになりながらお一人で旋盤を回していらっしゃいました。工場の中でお一人で、幾つかの旋盤の機械を使ってやっていらっしゃいました。 数年前、工場を移転したから一度見に来てというお誘いを受けまして、訪問しました。このときは、息子さんが金融業とかいろいろな業界を経て転職されてきて、専務としてお父さんのもとで働かれていました。従業員も、高卒の若い方五名、旋盤の経験のある本当にベテランの方五名の布陣でした。 今回訪問させていただきましたら、従業員の方は十六名にふえて、息子さんが社長になられて、御本人は会長になっておりました。多くの中小企業が事業承継に悩む中、後継者を育てて、会社もしっかり発展させているこの会長の姿勢を見て、本当に感動いたしました。 今回、このものづくり補助金、こういうのがありますよというのをたまたま前回訪問したときにお話しして、これを活用していただいて最新機械を導入していただいたんですが、金型の機械ですけれども、大きな直径で、物すごい長尺で、関東に一台しかないということで、こういう機械が今までなかったものですから、いろいろなところから注文が来るようになったというふうに言われていました。ただ、最新のコンピューターの制御装置でも、最後は、旋盤は、長年培った技術で、本当に〇・〇何ミリ単位のところはやはり職人がやらなきゃだめなんだということを言われていたのもすごい印象的だったんです。 こういうきちんと補助金を活用して頑張っているんだという企業、今、中小企業庁の方では中小企業、小規模事業者白書を準備していると思いますが、こういった中でこういうふうにやれるんだよということを広く広めていく必要があると思うんですが、その点、どうでしょうか。
○安藤政府参考人 お答え申し上げます。 施策を活用していただいて、中小企業、小規模事業者の皆様方が大変すばらしい成果を出して、それがまたほかの中小企業、小規模事業者の皆様方に展開をしていくということは、大変望ましいことだと思わせていただいております。 御指摘のようなものづくり補助金の制度の概要に加えまして、事業者の現実の取組事例を御理解いただきたいということで、私ども、ものづくり補助事業関連サイト、こうしたウエブサイトを開設をさせていただきまして、現時点で約二千件の取組事例を掲載をさせていただいております。また、それをごらんいただきやすいように、業種あるいは地域などで検索できるようにさせていただいているところでございます。 また、ものづくり補助金を活用していただきました製品や技術、サービスなどの成果につきまして、それを発表していただく展示会を昨年度につきましては東京と大阪の二カ所でやらせていただきましたが、合計で千三百社、また五万五千人の来場者がおられるというようなことでございます。 こうした機会に加えまして、今御指摘がございました中小企業、小規模事業白書におきましても、最大限、中小企業、小規模事業者の皆様方の参考に供するような具体的な事例を掲載をさせていただきたい、このように考えておるところでございます。
○富田委員 ぜひよろしくお願いしたいと思います。 次に、切れ目のない事業承継の支援策についてということでお伺いしたいというふうに思います。 資料の三にまとめさせていただきましたが、昨年末の税制改正におきまして、事業承継税制の抜本的改革が図られました。大臣も何度もこの委員会でもお話しされておりますが、今後十年の間に、平均引退年齢である七十歳を超える中小企業、小規模事業者の経営者は約二百四十五万人に上る、そのうち約半数の百二十七万人が後継者未定、この数は日本企業全体の三分の一に当たる、仮に現状をそのまま放置したりすると、中小企業廃業の急増によって、二〇二五年ごろまでに約六百五十万人の雇用と約二十二兆円のGDPが失われる可能性があると、何度もこの委員会で御指摘がありました。 このような事態を受けまして、資料三の右の欄にありますように、税制の拡充がされました。対象株式等の上限の撤廃、また対象者の拡大、雇用要件の抜本的見直し、売却、廃業時の減免制度の創設、ここも大きいと思うんですが、こうなった上で、中小企業庁が東京商工リサーチに委託して、約四千の中小企業に対して後継者選定状況と親族外後継の現状を調査した結果が資料三の真ん中の図であります。ここにその数字が出ております。全体の約六割が後継者が決まっていないという回答であり、そのうち約半分が、後継者候補もいない、未定という結果でした。 経営者自身が自分自身の問題として事業承継を考えていただく必要があるのではないかなと、このアンケート結果を見ますと。御本人の問題というふうに考えていない方がまだ大勢いらっしゃるというふうなことがうかがえます。 そのためには、資料三の左の欄にあります気づきの機会の提供とマッチング支援、これがもう大事になってくると思いますが、ここの資料の中に「プッシュ型事業承継診断」というふうに書かれています。これは一体どういうふうに、誰がどのようにやっていくのか。また、マッチング支援のところで「「事業引継ぎ支援センター」の体制を強化」というふうに書いてありますが、これは具体的に、実際どのように強化をしていくというふうに考えているんでしょうか。教えていただきたいと思います。
○吾郷政府参考人 お答えいたします。 まず、プッシュ型事業承継診断についてのお尋ねがございました。 事業承継は、まずその経営者の方がその必要性を御認識いただいて準備を始めていただくことが不可欠でございまして、こうした観点から、地域の支援機関が連携して経営者に気づきの機会を提供することを目的とした事業承継ネットワークの構築を平成二十九年度から始めているところでございます。 具体的には、税理士などの士業の方、金融機関の方、商工会、商工会議所等、中小企業、小規模事業者の経営実態を熟知した支援機関が事業承継に関する簡易なチェックシートを配付いたしまして、事業承継診断と称して、プッシュ型で情報提供を行って、経営者の方に早期に承継準備を促しているというものでございます。 その上で、承継の準備に当たって専門家のアドバイスが必要だというような経営者の方に対しましては、税理士の方あるいは弁護士の方などの専門家を無料派遣するなどの支援を行っているところでございます。 それから次に、事業引継ぎ支援センターについて、どのような体制の強化を行っているのかというお尋ねがございました。 事業の引継ぎを通じてビジネスを拡大しようとする事業者の方と後継者難の事業者の方をマッチングすることが重要という観点から、全国四十八カ所に現在、事業引継ぎ支援センターを設置しているところでございます。 事業引継ぎ支援センターへの相談件数、マッチング成約件数は年々増加しておりまして、近年相談員の増強を行っております。現在の相談員数は、一年前に比べて三割増の百四十人となっております。また、MアンドAに関する総合的知見を有しているプロジェクトマネジャーの増員に加えまして、MアンドAの成約に向けた実務的支援を行う外部専門家を活用するための予算の拡充なども実施しているところでございます。 今後、必要な体制をしっかり整備することで、現在六百件程度のマッチング件数を三十三年度には年間二千件にすることを目指しているところでございます。 以上でございます。
○富田委員 ぜひそこの部分は頑張っていただきたいというふうに思います。 今、士業の皆さんの活用というのがありましたが、ちょっと資料の四を見ていただきたいんですが、「税理士による事業承継支援」ということで資料を出させていただいていますが、「事業承継の検討にあたっての相談相手」という調査で、この資料を見ていただいたらわかるように、税理士さんがもう圧倒的に多いんですね。多分、ふだんのいろいろな経理面での相談もされているので、その延長でということだと思うんですが、顧問税理士さんも多くの中小企業が抱えていらっしゃるというふうに思いますので、そういった意味で、税理士に期待される役割というのは大変大事だというふうに思います。 税理士の皆さんには、経営計画策定支援事業においても多大な支援をいただいておりますけれども、気づきの機会の提供についても、中小企業経営者の身近な相談相手である税理士の皆さんの活用が大事と考えますが、この点、もう一歩押し出していくにはどういうふうに考えているんでしょうか。
○吾郷政府参考人 お答えいたします。 先ほど答弁させていただきましたとおり、中小企業、小規模事業者の経営者の方に対しまして、プッシュ型で気づきの機会を提供していくということが重要でございます。その場面におきまして、まさに、身近な相談相手である税理士の皆様の役割は大変重要であるというふうに考えております。 具体的には、御専門であります事業承継税制などの税制の利用の支援だけではなくて、経営者との距離が近いことを生かして、承継ニーズの掘り起こしなどにも御活躍いただきたいと考えているところでございます。 経済産業省といたしましては、先ほど御答弁いたしました事業承継ネットワークの充実を通じまして、税理士を含めた支援機関の皆様が中小企業、小規模事業者をしっかりサポートできる環境整備に努めてまいりたいと考えております。
○富田委員 あと、この事業承継税制では、今後五年以内に特例承継計画を提出して、十年以内に実際に事業承継計画を行う経営者が対象というふうにされています。 ただ、経営者の皆さん、今まで事業承継を考えていなかった人が五年で完璧な特例承継計画というのができるんだろうかということで、ちゅうちょされる方も大勢いらっしゃると思うんですが、こういう方たちに、そんな完璧なものじゃなくてもいいんだというようなアドバイスをすることは可能でしょうか。
○吾郷政府参考人 お答えいたします。 平成三十年度税制改正におきまして、事業承継税制の抜本拡充を行ったわけでございますが、先生御指摘のとおり、この特例の適用を受けるためには、都道府県に対して、今後五年以内に事業承継に向けた準備や承継後の事業展開等を記載した特例承継計画を提出することが必要でございます。 ただ、計画に記載された内容は、計画提出後も、実際に事業承継を行うまでに変更することが可能でございます。 したがいまして、事業者の皆様には、ぜひ地域の専門家や支援機関に早目に御相談いただいて、まずは特例承継計画を策定いただくということで、早期に承継準備を始めていただきたいというふうに考えております。
○富田委員 今のお話ですと、一旦承継計画を出して、実際にやるまでに修正していっても大丈夫だというふうに確認させていただいていいですね。わかりました。 次に、サービス等生産性向上IT導入支援事業についてお尋ねをしたいと思います。 平成二十八年度補正予算において、IT導入支援事業者があらかじめ登録したITツールを活用しまして、生産性向上を図る中小企業の経費を補助することになりました。その結果、約四千五百者のIT導入支援事業者及び約二万件のITツールが登録され、うち約一万五千者に導入中であるというふうに伺っております。 採択された事業者は、この補助についてどういうような評価をしているんでしょうか。幾つか声を紹介していただければというふうに思います。
○藤木政府参考人 お答え申し上げます。 二十八年度の補正予算で執行しております事業について、採択事業者にアンケートを行っております。 この中では、従業員のモチベーション向上、売上げに対する意識向上等の改善効果があった、複数業務を一度にミスなく処理できるようになった、あるいは同業他社にも勧めたいといったような前向きの御意見もいただいております。 例えば、運輸事業者において、車両管理をIT化して効率的な配車パターンを自動作成する、これで勤務時間を大幅に縮減するといったような、導入当初ではあるものの、初期段階においても早くも効果があらわれているといったような声が出ております。 一方で、どのツールに効果があるのかわかりにくくて、自社に適切なツールを選択するのが難しいといったような改善を求める声もいただいておりまして、今、準備を進めておりますが、平成二十九年度補正予算の執行については、こういったホームページの検索機能でございますとか、あるいは会議所等の支援機関による優良事例の共有など、さまざまな工夫に生かしていきたいというふうに考えております。
○富田委員 今、IT導入補助金の利用はかなり進んだというふうに理解しますが、日本には約三百八十一万の中小企業があることを考えますと、この一万五千者というのはまだまだだなということで、今回、平成二十九年度補正予算では、本事業に五百億円が措置されました。 百億円から一挙に五倍になったわけですが、五倍になったこの補助金をどういうふうに活用していこうとされているんでしょうか。
○藤木政府参考人 今御指摘のように、二十九年度補正では五百億円の予算を確保いたしました。単純に計算しますと約十三万社への支援ということが可能になるわけでありますが、当然のことながら、こういった直接支援だけでは及ばないというところがあるというふうに思っておりまして、中小企業、小規模事業者にわかりやすい、スタンダードとなるような成功事例を共有していくということに力を入れていきたいというふうに思っております。 こうした観点から、本年二月に、中小サービス等生産性戦略プラットフォームというのを発足させまして、関係省庁それから経済団体、地域支援機関など幅広く結集した支援機関を設けまして、この中で、IT化や業務プロセスの改善、こういった情報、ノウハウ、成功事例などを横展開し、今後三年間で中小サービス事業者の生産性向上を百万社単位で進めていきたい、このように考えているところでございます。
○富田委員 ぜひよろしくお願いしたいと思います。 最後にちょっと大臣に、産業革新機構についてお尋ねをしたいと思います。 大臣は、四月三日の衆議院本会議におきまして、希望の党の浅野議員の質問、大変、ここの部分、いい質問だなと私も聞いていたんですが、こういうふうに答弁されています。 産革機構は、二〇一七年八月末時点において、お尋ねのベンチャー企業及び新分野向けの投資について、二千百九十五億円の支援決定を行っています。このうち、既に株式売却を行った案件の実投資額は五百六十三億円、回収額は三百七十九億円、収支は百八十四億円の赤字となっております。ここの部分は赤字だったと、ベンチャー関係は。 さらに、産革機構の透明性向上について、国からの資金が投入されている官民ファンドの性格上、産革機構の情報開示は適切に行われることが重要であります。 産革機構では、個別の案件の支援決定ごとに記者会見を行っているほか、平成二十九年からは、半期に一回、機構全体の投資活動や収支状況について記者会見を行っています。また、最近では、株式売却案件の開示項目を見直し、全株式売却案件について新たな項目での開示を行うなど、積極的な情報開示に向けて不断の見直しを行ってきています。 個別企業への投資の損益を開示することについては、投資対象企業への影響なども踏まえ、慎重に判断されるべき面もあると考えますが、経産省としては、情報開示の必要性と投資対象企業への影響の双方の観点を踏まえながら、産革機構の情報開示について、適切な指導を行ってまいりますというふうに答弁をされていました。 この件で、読売新聞の四月一日付の朝刊に、「クールジャパン 戻らぬ公金」あるいは「革新機構 ほぼ全損案件も」というような記事が掲載されておりました。ちょっと衝撃的な見出しでしたけれども。 ここの記事の中では、こういうふうに記載がされていました。 日本の漫画や邦画のハリウッド映画化などを目的としたオールニッポン・エンタテインメントワークス、ANEWというふうに言うらしいんですが、二〇一一年十月の設立からかかわった機構は、計二十二億二千万円を投資し、職員も社外取締役として派遣した。日本の漫画やアニメ、ファッションなどを海外に売り込むクールジャパン事業は、アベノミクスの柱の一つだ。ANEWは、世界トップクラスの映画会社で制作に携わった米国人プロデューサーを役員に迎え、年間数千万円の報酬を払った。一二年から一五年に七本のハリウッド映画の制作を行うと発表したが、いずれも公開に至らず、設立二年目以降、億単位の赤字を出し続けた。機構は一七年六月、京都市の投資会社に全株式を売却。この会社の有価証券報告書によると、売却額は三千四百万円で、投資額のわずか一・五%。当時のANEW関係者は、映画制作の鍵だった米国人プロデューサーが機能しなかったと嘆くというような記事でした。 こんな理由だけで二十億円以上が失われるというのは誰も納得しないと思うんですね。公金が投入されながら民間企業と位置づけられる機構は、個別案件の損益は公表していません。責任の所在がやはり曖昧なままだというふうに思います。 この件に関し、この記事の中で、田中秀明明治大学教授がこういうふうに言われています。 産業革新機構が投資した中には、クールジャパンの推進という国の政策ありきで、審査が甘かった案件もあったはずだ。この後、支援が終了した中で特に失敗した案件については、役員会の議事録などを公表し、失敗の原因を第三者が検証できるようにすべきだというふうに指摘されています。 私は、この部分は本当に大事だと思うんですね。今後、さまざまな官民ファンドが投資していくに当たって、失敗事例から学ぶことはたくさんあると思いますので、こういう指摘を大臣はどのように受けとめていますか。
○世耕国務大臣 産革機構というのは、もちろん国のお金が入っているわけですから、基本的にそれをきちっと有効に使っていくということが大変重要でありますが、一方で、投資ファンドという性格を持っているわけなんですね。特にベンチャーとかというところになりますと、これは必ずしも一つ一つが全部プラスになるとは限らない、場合によっては全損ということもあり得るわけであります。 産革機構全体で見れば、ベンチャー以外も含めたやつではプラスになっていますから、決して、国から預かっているお金を何か毀損しているという、全体としてはそういうわけではないということはまず御理解いただきたいというふうに思います。 その上で、個々の案件についてどういう形で考えていくか。個別企業に関しての情報開示というのは、最終的にエグジットするときは売却ということにもなりますので、売却先との関係などもあって、なかなかこれは、公開したいとは思うものの、慎重に判断しなければいけない面もあると思っています。 私は、いわゆる官民ファンドという性格上、何よりも重要なのは、やはり政策目的を明確にすることだというふうに思っています。この投資によってどういう効果を生み出そうとしたのか。純粋民間ではありませんから、そんなに収益は高くないかもしれない、リスクが高いかもしれないけれども、例えばこういう目的を達成するためにやったんだということがしっかりと説明ができることは重要なのかなというふうに思っています。 今回の法改正にはそういう意味の対応も含んでおりまして、特に第三者による評価機能を強化しなきゃいけない、これは今先生御指摘のとおりでありまして、この産革機構に今も産業革新投資委員会というのが置かれているわけでありますけれども、この委員の過半数をまず社外取締役にして、外部の目をしっかりと入れていくということ。 そして、この投資委員会は、個別の投資案件に一つ一つああだこうだ言うのではなくて、あくまでも第三者的な立場から、投資業務について事後的に徹底した評価を行う、あるいは政策目的との整合性について見ていく、こういう機能を果たすことによって、この産革機構の透明性を少しでも実現をしてまいりたいというふうに思っております。
○富田委員 時間が参りましたので、終わります。ありがとうございました。
○稲津委員長 次に、谷畑孝君。
○谷畑委員 世耕大臣、連日連夜、本当に御苦労さまでございます。 生産性向上ということ、また、産業競争力を強化するということ、これは、日本にとってみたら、国際競争が非常に激しい中で生き延びていくためにも非常に重要だと思っております。一人一人がやはり就職ができて、生きがいを持って、そして豊かに生きられる、こういうことが非常に大事だと思っております。 そこで、政府においては、このような目覚ましい情報技術の進化の中で、我が国産業の現状を大臣としてどのようにして認識されておるのか。また、国際競争力を強化していくためにはどのような点を改善すべき緊急の課題と考えておられるか。まず、大臣のそういう基本的認識をお伺いいたします。
○世耕国務大臣 今御指摘のように、世界では、特にITなどを中心にして、極めて大きな規模の新興企業が急成長しているという状況であります。 そういう中で、いわゆるプラットホームという形で、本当に、ビジネスの土台を押さえてしまって、なかなかそれに後から入っていっても勝てない、グーグルとかフェイスブックとかアマゾンとか、という状況になっているわけであります。 そういう中で、日本企業、日本の中ではなかなか起業家魂を持ったベンチャー起業家がそうたくさん生まれていない、立派な方は何人かいらっしゃいますけれども、なかなかいない。起業への意欲が低いというような課題。あるいは、ベンチャーに投資をするような巨額な投資を動かしているようなところも少ない。また、大企業が、これは今、史上空前の好決算でありました。アベノミクスを始めてから大分利益も蓄積をしてきているわけですけれども、それをなかなか経営者が保守的で新規の投資にどんと打ち込まないというようなところ。こういったところが日本の抱えている非常に大きな問題ではないかというふうに思っています。 そういう中で、当然、民主導では進めていかなければいけないんですが、我々政府の方からコネクテッド・インダストリーズという概念を打ち出して、製造現場やサービスの現場にあるデータ、これを企業を超えて連携させることでビッグデータにして、AIで分析をして、日本のリアルデータから攻め上る勝ち筋。今、BツーC、企業から消費者へ向けてのデータのプラットホームというのは、これはもう残念ながら海外の巨大IT企業に押さえられているんですが、事業者間同士、プロ同士のデータというのは、これはまだ手つかずですから、ここのプラットホームを日本がとっていくことが一つの日本が勝っていく道筋になるんじゃないかというふうに思っています。 その中でもう一つ大きなポイントは、日本企業というのは、何でも、一から十まで全部競争しちゃうんですね。自動車会社で競争するのは、自動車の性能で競争すればいいんですが、それこそ人事システムとか経理システムまで全部競争してしまう。それで結局、国内予選でへとへとになって、海外へ出たときには、海外で出てきた企業になかなか太刀打ちできない。 これの一番大きなところは、やはり協調領域と競争領域をしっかり分けるということだと思います。全部競争するんじゃなくて、企業を超えて協調すべきところは協調して、そこに無駄なエネルギーは使わない、本当に競争すべき最先端の分野で競争するところへ絞っていく、自分たちのパワーを絞っていくということも重要ではないかなというふうに考えております。
○谷畑委員 いやいや、世耕大臣の博識には驚いております。近畿大学の教育者とばかり思っておったんですけれども、日本のいわゆる産業というのか、旗を振っていただいて、国際競争に打ちかっていく、こういう旗振りが非常に大事だ、こう思っておりますので、大臣に更に期待をしたいと思います。 次に、我が国は、革新的な技術やビジネスモデルを生んでいるアメリカや中国などの国々に負けない資金、人材、技術はそろっておる、負けないというものがそろっておる、そういうように思っております。要は、それらをどう生かして環境整備を行っていくか、ここが非常に重要だと思っております。それを行うのが経済産業省であると思います。 そこで、この二つの法案によって、課題がどのように改善されて、さらに、我が国の資金、人材、技術を最大限に生かしていくことができる環境整備ができるのか、もう一度お伺いいたします。再度お伺いいたします。
○中石政府参考人 お答えします。 委員御指摘のとおり、日本の資金、人材、技術は大変厚いものがありまして、この厚みをいかに生かすかというのが大きな課題であります。そして、日本の課題として、やはり潜在成長率をいかに高めていくかということだと思います。この潜在成長率を高めるためには、まさに今回の四次産業革命、IoTやAIなどの技術革新をフルに活用して一人当たりの生産性を飛躍的に向上させる、そういった生産性革命の実現が不可欠と考えております。 今回の法案におきましては、この生産性革命を実現するため、生産性向上特別措置法案の中では、新たな技術やビジネスモデルの社会実装を加速する規制のサンドボックス制度、それから、データ利活用を進める革新データの産業活用計画の認定制度、中小企業の設備を刷新する先端設備等導入計画の認定制度など、技術、そういったもののデータ、取組もあります。 また、産業競争力強化法の改正におきまして、長期、大規模なリスクマネーの供給を行うための、例えば産業革新機構の機能強化。それから、事業再編により経営資源が大変企業には眠っているわけですけれども、その経営資源を最大限活用する、そのための会社法の特例措置。そして、技術の話、もう一つありますけれども、技術等の情報の漏えい防止といった技術管理をしっかりしていくというようなところについての認証制度の創設。そして、中小企業に関しましては、経営支援体制を更に強化し、そして、人材の面では、創業支援の人材育成といったものの支援措置を強化していくということを考えております。 また、こうしたものを含めまして、今回の法案におきましては、関連施策を幅広く取り込んで、人材、技術、資金、そういったものを全て強化していくための革新的事業活動実行計画というものを策定して、それぞれ担当大臣も決めまして、その責任のもとでこれらの施策を迅速に実施する仕組みを構築してまいります。 このように、二つの法案によって、生産性革命の実現のために必要な施策を全て総動員いたしまして、日本の資金や人材、技術がフルに生かせる、そういった事業環境を整備していきたいと思っています。
○谷畑委員 いろいろ御丁寧に御答弁していただきまして、ありがとうございました。 これまでの我が国の産業政策、戦後、焼け野原の中からこうして世界に冠たる日本というものをつくり上げた、これはやはり、経済産業省の力もさることながら、国民の勤勉さとその努力、そういうたまもので来たのかな、そういうように思っております。 そういう中で、我が国の産業政策を振り返ってみますと、産業競争力強化法の前身であるとされる産業構造転換円滑化法、産業再生法、産活法、さらには、それ以前の時代から、これまでに政府は実にいろいろな取組を実施してきたと思います。 そこで、お伺いします。 これまでの我が国の産業政策は、どのような社会的、経済的背景をベースにして、どのような政策をこれまでに実施してきたのか、その沿革の概要について説明をお聞きいたします。
○中石政府参考人 お答えいたします。 これまで、我が国の産業政策の主な課題、大きく言うと三つのステージがあったかと思っております。 まず最初に、戦後の高度成長期になります大体一九五〇年代後半から一九七〇年代初頭でございますが、戦後の好景気を生かした重化学工業中心の産業育成をやってまいりました。 そして次に、安定成長期となります一九七〇年代初頭から八〇年代、これは実は石油ショックと円高ショックがございましたが、そのショックを受けた構造不況業種の構造転換対策、そして、産業全体としては、重厚長大から軽薄短小、あるいは知識集約型産業への構造転換を進めてまいりました。 そしてその次に、九〇年代以降の低成長期におきましては、バブル崩壊、そして新興国の急成長、こういう状況がありましたが、企業経営の合理化ですとか、あるいは新陳代謝の促進、あるいはベンチャー企業の育成といったものを、時代とともに変化させてまいりました。 こうした課題の変化を背景にしまして、御指摘の産業政策関連の法案につきましても、先ほどの安定成長期に制定されたものとして、特定不況産業安定臨時措置法、一九七八年でありますが、あるいは、産業構造転換円滑化臨時措置法、一九八七年など、構造不況対策を目的として、過剰となった設備処理を進めておりました。 次に、低成長期に制定されたものとしましては、特定新規事業実施円滑化臨時措置法、一九八九年、産業活力再生特別措置法、一九九九年などは、個別企業における新規事業の開拓、新しい業種への転換など前向きな取組を支援ということで、長期的な不況の要因になりました、当時ありました雇用、設備、債務の三つの過剰の解消に取り組んできたという歴史がございます。 このように、産業政策につきましては、時代に応じて変化する我が国産業の抱える課題に対しまして、臨機応変に目的を変えてきてございます。
○谷畑委員 いろいろと日本の産業の変遷の歴史というのか、節目節目を今、語ってもらいました。 私は今、昭和二十二年に生まれて、七十一という年になってきまして、気がつきましたら、農家に生まれて、男兄弟五人、家族が全員が稲刈りをやったり田植をしたりして、そういうことで生き長らえてきたわけですけれども、しかし、ちょうど私らが高校ぐらいのころに、高度経済成長というすばらしい時代を迎えて見る見る間に豊かになってきたというのか、僕らが小学校のときはズボンも継ぎを当てたり、兄貴のお古をもらったりしておりましたけれども、ほんまに、そういう意味では豊かになってきたなと思います。 これから我々も、この豊かさを更に維持して発展をさせていかなきゃならぬ、これが我々の次の世代に対する役割である。経済産業省も、その旗を振って、そういうことでなければならない、このように思っています。 そういう中で、これまでの産業政策によって、我が国の産業は全体として主にどのような部分に力をつけて、そして反対に、どのような面において課題を逆に今我々は抱えておるのか。前に行こうと思えばそういう総括が必要だと思うので、その点についてちょっとお聞きをいたします。
○中石政府参考人 お答えします。 九〇年代の長期不況の要因でありました過剰設備、過剰債務、過剰雇用の三つの過剰は、およそ、大体二〇〇五年にはほぼ解消されるまでに至りました。そして、多くの産業分野で一定程度の企業合併が進みまして、特に素材産業においては相当企業合併が起きて、名前が変わった企業もたくさんありました。 また、アジア経済圏の成長もありまして、我が国産業の海外進出、サプライチェーンのグローバル化ということも進みまして、国内産業の構造転換と国際的な事業展開につきましては、一定の力をつけてきたのではないかというふうに考えています。 他方で、しかし、これはグローバルスタンダードから見ますと、まだまだ日本の企業が規模が小さいということもありますし、また、経営面でも、スピード感を持った、特に先端分野への大胆な投資が不十分であるとか、あるいは、四次産業革命の進展によって、海外では業種を超えた事業や産業の再編が行われておりますけれども、この流れに日本は乗り切れていないといったような指摘もございます。 そして、世界的にはプラットフォーマーと言われるIT系の新興企業が急成長を遂げておりますが、日本の中ではなかなか、リスクマネーが不足しているとか、IT人材が不足している、あるいは起業意識の低さということで、こうした企業が生まれておりませんで、日本の産業の存在感が低下してきているという懸念も持っているところでございます。
○谷畑委員 時間がないので、幾つかの準備をしていた質問を飛ばしまして、一番最後に、今回、この産業競争力強化法の改正を提出するに当たり、我が国産業の目標とすべき姿について、政府はどのように考えているのでしょうか。長期的な視点、今後我々が、先ほども質問したような状況になるかもわかりませんけれども、いわゆる長期的戦略に立って日本が今後とも留意すべき点、ここをこういうようにして力を入れるべき点、そういうことをお聞きして終わります。
○中石政府参考人 四次産業革命の進展によって、我が国産業は大変な劇的な変化を迎えていますし、産業構造や就業構造も劇的に変わってきます。 この四次産業革命は、ピンチでもありますが、チャンスであるというふうに考えています。革新的な技術により生産性を飛躍的に向上することができれば、人口減少の日本においても中長期的な経済発展ができるというふうに考えておりますし、また、先ほどから出ていますが、日本の強みである現場のリアルデータを生かすことで世界最先端の製品、サービスをつくることができるということもありますが、さらに、この最先端の製品、サービスを先進国が共通して抱える社会的課題の解決に使うことができれば、新たな産業も生むことができるんじゃないかというふうに考えています。 例えば、高齢者向けの自動走行サービスや介護ロボットによる自立支援、こういったものを、産業の力で社会的課題を解決して、同時に新産業を生んでいく、社会と経済の発展、両方を両輪で進めていく、こういった姿をあるべき姿と求めていきたいというふうに考えております。
○谷畑委員 いずれにしても、日本国家の中で、文部科学省もあれば、いろいろな省があるわけですけれども、それぞれの省の役割というのがあり、また、それを全体が、時には力を合わせて日本国というものを押し立てていく、そういうことだと思います。 最後に大臣に、やはり通産省というのは、そういういろいろな省の中で、産業を育成して、雇用を生み出して、そして国際競争に勝っていく、その旗を振る大臣だと思いますので、最後にもう一度決意を聞いてちょうど十三分になると思うので、終わりたいと思います。
○世耕国務大臣 まさに経産省は、成長戦略を担っていく、最も中心にならなければいけない役所だというふうに思います。 ただ、一方で、成長を実現していくためには経産省だけでもだめですし、やはり人材づくりという意味では文科省とも連携しなきゃいけないし、あるいは、これから成長著しいのは食ですから、そういう意味では、農産物、水産物、こういったところも成長分野として考えていかなければいけない。 政権の中で、経産省が中心になりますけれども、関係省庁ともしっかり連携をしながら成長戦略を進めてまいりたいというふうに思います。
○谷畑委員 私ももう国会議員二十八年、よう考えてみましたら、経済産業委員会が一番長いと思います。それは、やはり中小企業を抱えるというのか、日本は九九・何%が中小企業なので、どうしてもやはり応援団として、中小企業頑張れよということで、融資政策であろうと、そういう国際競争でもちゃんと光を当ててあげたり、そういうことが非常に大事だと思って取り組んでまいりました。 ちょうど時間が終わりましたので、これで質問を終わります。ありがとうございました。
○稲津委員長 次回は、来る十日火曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時十二分散会