外務委員会 第9号
- 発言数
- 235 件
- 登壇者
- 19 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 2018/04/18
会議録
○中山委員長 これより会議を開きます。 税源浸食及び利益移転を防止するための租税条約関連措置を実施するための多数国間条約の締結について承認を求めるの件、所得に対する租税に関する二重課税の除去並びに脱税及び租税回避の防止のための日本国とデンマーク王国との間の条約の締結について承認を求めるの件及び所得に対する租税に関する二重課税の除去並びに脱税及び租税回避の防止のための日本国とアイスランドとの間の条約の締結について承認を求めるの件の各件を議題といたします。 この際、お諮りいたします。 各件審査のため、本日、政府参考人として外務省大臣官房審議官相木俊宏君、大臣官房審議官川村博司君、大臣官房審議官飯島俊郎君、大臣官房審議官松浦博司君、大臣官房参事官長岡寛介君、大臣官房参事官志水史雄君、大臣官房参事官塚田玉樹君、財務省主税局参事官吉田正紀君、国税庁調査査察部長金井哲男君、防衛省大臣官房サイバーセキュリティ・情報化審議官小波功君、防衛政策局次長岡真臣君、人事教育局長武田博史君及び統合幕僚監部総括官鈴木敦夫君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○中山委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○中山委員長 これより質疑に入ります。 質疑の申出がありますので、順次これを許します。小田原潔君。
○小田原委員 自由民主党の小田原潔であります。 本日は、質問の機会をいただきまして、まことにありがとうございます。 多国籍企業が国際的な税制のすき間や抜け穴を利用した租税回避により税負担を軽減しているとされる問題、これがBEPS、ベース・エロージョン・アンド・プロフィット・シフティングということでありましょう。 私がきょう質問をさせていただきながら明らかにしたいのは、私自身、三十年前になりますが、銀行のニューヨーク支店で主計の係をしていました。日本の銀行が日系企業の現地法人にお金を貸すとき、グランドケイマンの支店を使ってお金を貸して、租税条約上の節税メリット、源泉税を納めなくて済むという取引を通常にやっておりました。 この、課税をできるだけ減らす節税努力というのは、企業が株主、従業員、顧客というステークホルダーへの配分を最大限大きくするという健全な知的努力であるという観点もありましょう。 きょうは、どこからが濫用なのか、また、本当にこの条約が目的としているBEPSプロジェクトの果実をとることができるのかについてお聞きしたいというふうに思います。 まず、前文に、OECD・BEPSプロジェクトは積極的な国際タックスプランニングによって法人税の収入を失うことを意識しているということになっていますが、幾らぐらい失っているという認識なのかをまず聞かせてください。
○飯島政府参考人 お答えいたします。 OECDによりますと、税源侵食及び利益移転、BEPSプロジェクトの最終報告書の中で、BEPSにより失われた法人税収の逸失規模を世界全体で年間一千億ドルから二千四百億ドル、約十二兆円から二十八兆円と推計しております。 しかし、この報告書には推計の基礎となるデータや試算方法については課題が多く残されていて、実態を反映した結果を示すためにはさらなる検討が必要と結論づけております。 こうした課題に対して、OECDでは、租税データの充実や民間の研究者とも共同したBEPSに関するさらなる研究を今後とも継続していくこととしておりまして、逸失額につきましても、こういった研究を通じて解明していきたいと考えております。
○小田原委員 十二兆から二十数兆という試算はあるけれども、何となくあらあらなのでということのようであります。何となくあらあらだけれども逸失している気がするのでみんなで力を合わせましょうということになると、やや歯切れが悪い気がいたします。 これから後半でもお聞きしたいと考えているんですけれども、本当は、その十二兆円から二十四兆円のうち、どの国が、この条約に署名そして発効すればその逸失の十二兆円や二十四兆円のうちの大半が課税対象になるのかというのが本当は重要なのではないかというふうに思います。 同じく、前文に「条約の濫用」というふうに書いてあります。 どういうことをすれば、どこから先が濫用になるのか、教えていただきたいと思います。
○飯島政府参考人 お答えいたします。 委員御指摘のとおり、今回のBEPS防止措置実施条約におきましては、条約の濫用の防止、より具体的には、源泉地国での課税の減免措置といった租税条約上の特典の濫用を防止する規定が設けられております。 ここで、何が租税条約上の特典の濫用に該当するかどうかにつきましては、活動形態に応じて個別具体的な状況を踏まえて判断され、条約の濫用につきまして該当する条件が、具体的な、明確な条件が存在するわけではございません。 一つには、取引等の主たる目的の一つが租税条約の恩恵を享受すること、かつ、もう一つは、その恩恵を享受させることが租税条約の規定の趣旨、目的に反すること、こういった点について各国の税務当局が個別に判断をして、その恩恵が与えられるものかそうでないかということを検討していくことになるものと考えております。
○小田原委員 個別具体的に検討しなければわからないというところはよくわかりましたが、何となく隔靴掻痒と申しますか、何が濫用なのか、どういうことをするとこの条約違反なのかということは、普通、一般の人には極めてわかりにくいような気がいたします。 私自身、前職で働いていた仕事の中で、デラウェア州などのLLCやLLPを使った金融スキームをたくさん手がけておりました。その節税メリットをとることに加担したわけではありませんが、当然、投資者、出資者、そして従業員、顧客への配分を大きくしようとすれば、やるべき仕事のうちの一つでありました。 お聞きしたいことは、課税上存在しない団体というものに、このLLCやLLPが入るか。 以前、長銀を売却するとき、結果的には、その買い取った主体は、あれはLLPだったと記憶をしておりますが、再上場してかなりの金額の益を得ましたが、我が国は一切課税をすることができなかったという経緯があったと理解をしています。しかし、それは、当時の買い手の中で最も勇気があり、最もリスクをとり、結果的に最も賢かったという側面もあろうかと思います。 また同時に、パススルー税制、構成員課税というものを否定することになるような気もするんですけれども、この点もあわせて教えてください。
○飯島政府参考人 お答えいたします。 本条約第三条において、課税上存在しないとは、一方の当事国の国内法令において、団体又は仕組みを通じて取得される所得が、当該団体又は仕組みに対してではなく、当該団体又は仕組みの持分を有する者に対して課税される場合、委員がおっしゃったパススルー課税をいいます。 第三条1は、二国間の租税条約の適用上、課税上存在しない団体等を通じて取得される所得等について生ずる二重課税及び不当な特典の享受を防止するため、源泉地国側が、相手国での取扱いにあわせて、相手国での居住者とされる者の所得として取り扱われる部分に対して租税条約の特典を与えることとするものとなっております。 ここで、委員が御指摘になられたLLCでございますけれども、米国各州が制定するLLC法に基づいて設立される事業体、リミテッド・ライアビリティー・カンパニーを、またLLPは米国各州が制定するLLP法に基づいて設立される事業体、リミテッド・ライアビリティー・パートナーシップのことをそれぞれいうものと承知しております。このようなLLCやLLPは、米国の税務上、法人課税又はパススルー課税のいずれかを選択することができるものと承知しております。 日米の租税条約上、このLLC等は、個々の州法の規定に照らして個別に判断する必要はございますが、我が国の税務上外国法人として取り扱われる場合であって、かつ米国において納税者がパススルー課税を選択している場合、この場合には、条約上、課税上存在しない団体として取り扱われることとなり、例えば、米国居住者が米国で設立されたLLC等を通じて我が国に投資を行った場合のLLC等からの分配金等には、米国居住者の所得として取り扱われる部分についてのみ条約の特典が与えられることとなっております。 他方、BEPS防止実施条約第三条1の規定におきましても、規定ぶりは異なりますが、米国のLLC等の事業体について租税条約の特典を与える範囲を明確化する日米租税条約の規定と同趣旨となっております。したがいまして、仮に米国がBEPS防止実施条約を締結した場合でも、日米間においてLLCやLLPの取扱いには特段の影響は生じないと考えております。
○小田原委員 一生懸命考えてつくり出した、かなり複雑なLLP、LLCをつくったスキームもたくさんあるのでありますが、これは、仮にアメリカ合衆国が条約に署名し、その締結国となった場合も、扱いは変わらない。要するに、捕まえて、パススルー課税をさせないで課税するということはできないというか、しないということだというふうに理解をいたしました。そうすると、ますます、濫用の範囲というのはどこからどこまでかというのは、よくわかりにくいところがあろうかと思います。 もう一つ、私が前の仕事をしていたときに、日本で米国と同様のことをしてみようじゃないかということで導入され、今のところ市民権を得た金融取引、金融商品に、不動産投資信託、REITがあります。今や上場されている商品もあるわけでありますが、この条約上の不動産化株式、これは収入の半分以上を不動産から得ているものということのようでありますが、この不動産株式の中にREITは入るんでしょうか。
○吉田政府参考人 不動産化体株式の譲渡に関するお問合せだと思いますが、総資産の五〇%以上が源泉地国にある不動産であるような法人、これを不動産関連法人と呼んでおりますが、この株式を外国法人等が譲渡する場合に適用される規定でございます。 本規定によりまして、上場REITを含む不動産関連法人の株式等の譲渡益につきましては、源泉地国にある不動産と同様に源泉地国で課税ができるということになります。例えば、上場REITの総資産の五〇%以上が日本にある不動産である場合、その株式等の譲渡益は日本で課税ができるということになります。 ただ、この規定内容は、二〇〇三年からOECDモデル租税条約にもう既に導入されているところでございまして、国際標準となっております。我が国も、多くの国と、租税条約に既に同様の規定を導入しているところでございます。したがいまして、本規定が我が国の締結している租税条約に適用されるとしても、締結している租税条約の相当数において既に同様の規定が導入されているというところでございます。
○小田原委員 つまり、この条約は、上場されているREITの売買取引があったとしても、また配当を受け取るその取引についても、条約締結また発効後も余り支障のあるものではないということだというふうに理解をいたしました。そうすると、また更に、濫用の範囲というのはどこからどこまでか、少しわかりにくいところがあるんですけれども。 もともと、先ほど、節税努力というのは健全な知的作業であるということを申し述べました。それだけではなくて、我が政権は、今、我が国が世界で最もビジネスをしやすい国にするという目標を掲げているわけでありますが、その中には法人税の限界税率を今よりも下げようという観点もあろうかと思います。 これそのものが、国際的な企業誘致、またその誘致の本当の理由の一つに、税負担が軽いからということを武器にビジネスをしやすい国にしようという動機があると思います。ということは、国そのものもできるだけ企業を魅了するために法人税の税率を下げたい、それが国益にかなうという観点もあるということだと思います。 非常に悩ましいのは、課税権というのは、歳入の大きなツールであるというだけではなくて、国家主権の一つであるというところでありましょう。国内の税制を国益に見合うように設計するというのが、これは我々の仕事でもあるわけでありますし、他国の課税状況とは独立した設計をするというところが独立国家の根本であるという観点もありましょう。 グローバルな経済活動に対してローカルな税制が適用される、これに、当初は二重課税の回避だとか、そういうことを二国間で租税条約を結び、回避したというふうに思います。ただ、これは企業の所在地と価値を創造する場所が一致しているという前提であったと思います。 今や、多国籍企業は、販売や知的財産の管理、生産の各段階、そして雇用、マーケティング、こういった機能をグローバルに最適な国に配分をするようになっています。我が国の例えば自動車産業だって同様のことをしていると思います。このグローバルサプライチェーンができ上がっている結果、大きな価値を生む無形資産、それから資本、これはグループ間の企業を移動することが可能になりました。また、情報技術が発展して、物理的な移動を伴わずにサービスが提供できるようになりました。そうすると、所得を生み出す場所は、価値創造の国ではなくて、税負担が軽い国で所得を創造するという行動にどうしてもなります。その結果、今は二重課税どころか二重非課税が起きて、価値創造の場と納税の場の乖離ができている。つまり、伝統的な国際の課税ルールが、言っちゃ悪いけれども、機能不全に陥っているという現実を何とかしようということなんだと思います。 これはもはや一国では防止できない。したがって、この条約をもってみんなで協力しようということだと思いますが、質問をいたしますと、私が日本でネット通販で買物をすると課税関係はどうなるか、教えてください。
○金井政府参考人 お答え申し上げます。 租税条約及び国内法令上、外国法人は国内に恒久的施設を有するか否かによって課税関係が異なっております。 具体的には、外国法人が国内に恒久的施設を有している場合には、その外国法人の事業所得に対しまして、その恒久的施設に帰属する所得について日本で法人税が課税されます。他方、外国法人が国内に恒久的施設を有していない場合には、その外国法人の事業所得に対して、日本では法人税は課税されないこととなります。
○小田原委員 その通販業者がどの国の通販業者かというのを、買物する人は余り意識をしないでクリックして買物をすると思います。しかしながら、実態は、南米の大きな川の名前の会社で買う場合とプロ野球球団を持っている会社で買う場合とでは、我が国の課税環境若しくは歳入が大きく変わるということであろうかと思います。 そこで、お伺いしたいと思います。 そのネット通販の会社は、大きな価値を生み出す資産として世界各国に置いている倉庫若しくは物流センターがあるわけですが、この恒久的施設、これはPEと訳すようですが、課税の中にはPEなければ課税なしという原則があります、国際的に電子取引を仲介することを主たるなりわいとする第三国の法人が実質支配する倉庫や物流センターというのは、恒久的施設に入るのでしょうか。
○吉田政府参考人 お答えを申し上げます。 今委員御指摘のところがまさに今回の条約の肝でございまして、本条約におきましては、BEPSプロジェクト行動七の勧告を踏まえまして、多国籍企業が進出先の国に置く支店等の拠点が課税対象となる恒久的施設、PEでございますが、と認定されることを人為的に回避することにより進出先に生じる事業利得への課税を免れるという行為に対応すべく、PEの定義の拡大を規定の中に盛り込んでいるところでございます。 これまで、OECDモデル租税条約におきましては、物品の保管、引渡し等のみを行うような場所につきましてはPE認定をできないというふうにされてきたところでございます。例えて申し上げますと、商品の契約等を法人の本国で行いまして、顧客が存在する進出先国においては物品の保管等のみを行う倉庫を置くというようなことによって、進出先国でのPE認定を回避するというような問題が生じていたところでございます。 今回御審議いただいている本条約の規定におきましては、こうしたケースに対応しまして、倉庫のような商品の保管、展示、引渡しや購入のみを行う場所であっても、それが企業にとって準備的、補助的な活動ではなくて本質的な活動であると認められる場合には、PEと認定して課税することが可能になるということでございます。
○小田原委員 今のお答えは、願わくば、条約締結、発効し、またアメリカ合衆国も締結国になった暁には、南米の大きな川も倉庫に課税できる、こういうことだというふうに解釈したいと思います。 さて、この通信またネットで巨万の富を築くだけでなく世界的な圧倒的なシェアを持つ、そういう会社のことを、株式市場では今GAFAと言っています。これはグーグル、アップル、フェイスブック、アマゾンの略でありますが、今は、グーグルが持ち株会社をつくって、それがアルファベットという名前になったので、FAAA、ファーアと言われているらしくて、さらに、国際的な投資家の中には、そこにアリババも入れて、ファーアア、ゴルフじゃないですけれども、という世界が広がっております。 余り露骨な個社名を挙げるのは遠慮したいと思いますが、そのうちの、よく、検索してごらんということをググってごらんと言う人たちもいます。今や地球上の航空写真を誰でも見られたり、世界じゅうのどこでも路上に立ったその風景を見られたり、そのサービスはすごいわけでありますが、それを、持ち株会社を直接言うわけにいかないので、イロハ社といたしましょう。この人たちは、ダブルアイリッシュ・ダッチサンドイッチと呼ばれる租税回避の方法をとっていると言われています。 イロハは、アメリカに本社を置く企業でありますが、海外事業の中心地はアイルランドにあります。仮にこれをアイル社とします。このほかに、租税上のメリットを得るためだけのオランダの持ち株会社、これをダッチ社としましょう。さらに、アイル社とは別のアイルランド法人、リッシュ社としましょう、を登記しています。 イロハ社は、リッシュ社に対して、本社で開発したシステムを利用する権利を譲渡します。リッシュ社は、その権利をさらにアイル社に貸し与えます。権利を用いて実質的なビジネスを行うのはアイルランドのアイル社です。 リッシュ社は、アイルランドで登記されていますが、その経営管理は、タックスヘイブンとして知られるイギリス領バミューダで行われています。アイルランドの税制では、国内で経営管理を行っていない企業には法人税の納税義務が免除されます。リッシュ社の法人税の納付先は、アイルランドではなくバミューダであります。ところが、バミューダには法人税がありません。実質的に納税しなくてもいいことになります。 リッシュ社がアイル社に貸した権利の使用料にかかる税金は、本来であればアイルランドでも源泉地課税されるものであります。しかし、これを回避するためにオランダのダッチ社を利用します。オランダは、権利使用の収入に課税しない租税条約をアイルランドと結んでいます。アイル社は、ダッチ社を経由してリッシュ社に権利の使用料を払えば、アイルランドでの権利使用料への課税を回避できます。アイルとリッシュがダッチを挟んで取引をするので、ダブルアイリッシュ・ダッチサンドイッチというわけであります。 さて、こういったものは確かに過度な租税回避のスキームというふうに、我々普通の人が見てもそう思います。片や、日本のサラリーマンのように、逃げも隠れもできない、全ての収入が把握され源泉徴収で税金を納める、これが本来、正当で健全なわけでありますが、国際的な課税ルールが、もたもたすると言うと失礼ですけれども、動きが遅いがために、その間に、頭がいいというか抜け目のない人たちは、税金を納めずに経済活動ができる、これをやめようということなんだろうと思います。 発効後、各国のBEPSへの取組というのは、課税対象所得のひずんだ配分の防止と、そのための企業グループ活動に対する情報収集システムの構築であると思います。情報収集のネットワークを構築することによって、企業の申告水準を牽制することと思います。この牽制システムは、税務調査の実施によって担保されるはずであります。 税務調査の現場で、署名国同士、どのように連携し、世界的な法人税の捕捉ネットワークをつくっているのか、教えてください。
○金井政府参考人 お答え申し上げます。 経済取引のグローバル化に対応し、適正、公平な課税を実現してまいりますためには、納税者の海外における活動に係る情報を収集していくことが極めて重要であります。 我が国は、租税条約等に基づき、多数の国、地域との間で租税の賦課徴収に関連する情報を交換することができることとなっております。 国際的租税回避に対しましても、必要に応じて外国税務当局と連携し、租税条約等に基づく情報交換を実施することなどによりまして、問題取引の実態解明を行い対処をしているところであります。 さらに、今後は、BEPSプロジェクトの勧告を受けまして、国別報告書に係る自動的情報交換も開始されるところであります。 国税当局といたしましては、このような情報交換も活用し、適正かつ公平な課税に努めてまいりたいと考えております。
○小田原委員 ありがとうございます。ちゃんとやっていますという意味だというふうに解釈をいたします。 そうすると、恐らく、我が国の課税当局は、アイルランドともオランダともアメリカ合衆国とも課税情報をリアルタイムで共有しながら、一つの取引、一つの法人の収益、課税の流れを協調してモニタリングすることができるというふうに期待をしたいと思います。 ところが、過日、宮本委員も御質問されたと思いますが、肝心かなめのアメリカ合衆国がこの条約に署名していないとなると、これはそもそもの網に大きな穴があいているような気がいたします。 今、アメリカ合衆国が加盟していない状況でBEPS条約に署名、発効したことにより、法人税として追加で捕捉できる見込みというのはどれぐらい金額としてあるのか、もし試算があれば教えてください。
○吉田政府参考人 お答えを申し上げます。 大変恐縮でございますけれども、このBEPSに関する税収上の効果というところでございますが、これは企業行動にかかわるところでございまして、さまざまなマクロ上の影響とかも受けます。したがいまして、アメリカに限った場合におきましても、必ずしもそれにおいて明確な数字ということを算定できないということは御理解をいただきたいと思います。
○小田原委員 よくわからないということだというふうに理解をいたしましたが。 このBEPSプロジェクト、二〇一五年十月五日でしたか、麻生大臣もコメントを発せられていると思います。そこでは、各国がグローバルに協調をしてG20の国々がみずから範を示してこの発効をするべきだと。これは当然、アメリカ合衆国からもジェイコブ・ルーさんが出席していた席での発言だと思います。 もう一度お伺いしたいと思いますが、我が国が国際裏においてアメリカ合衆国当局にこの条約に署名するよう働きかけたことはあるのか、また働きかけているのか、教えてください。
○飯島政府参考人 お答えいたします。 G20やOECDにおきましてこのBEPSプロジェクトを推進してきた我が国としましては、さまざまな機会を通じまして、米国を含めてまだ未参加の国に対しては、引き続き、本条約への署名、それからその後の批准について呼びかけを行っておりまして、二国間、多国間、さまざまな場を使って、米国を含む未参加国に対してこのBEPS条約の重要性を提起しているところでございます。
○小田原委員 ありがとうございます。 高い理念も、確たる実効性がないとむなしいものがございます。これは、BEPSに限らず、CO2の排出ですとか多大な努力を続けて、また、それぞれの国の国家主権をいろいろ調整をして、それでも一番大きいプレーヤーが参加しないというのはむなしいものであります。 最後に、河野大臣に、このBEPS条約がアメリカ合衆国等主要経済先進国が皆署名し実効のあるものとしていくべく努力をされる、その意気込みを伺いたいと思います。
○河野国務大臣 国際的な租税回避の防止につきましては、G20やOECDといった場において国際課税ルールを包括的に見直すプロジェクトが推進されており、我が国は、その中で主導的な立場をとってまいりました。 BEPS防止措置は、より多くの国、地域が参加することで真価を発揮することから、日本としては、アメリカを始めこのBEPS防止措置条約に未参加の国、地域に対して、引き続き、さまざまな場において、この条約の署名そして批准を呼びかけていきたいというふうに思っております。そこはしっかり頑張ってまいります。
○小田原委員 終わります。ありがとうございました。
○中山委員長 次に、篠原豪君。
○篠原(豪)委員 おはようございます。篠原豪でございます。今週も質疑をさせていただきます。ありがとうございます。 BEPS、今いろいろとお話がありました、きょうはその審議ですね、私も少し聞いてまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 BEPSの趣旨は、OECDが、企業による過度な節税策によって政府に入ってくるはずの税収が、世界全体の法人税収の四から一〇%に当たる毎年一千億から二千四百億ドル、この額が目減りしていると推計しているというもので、これをなくしていこうというものであります。 まず、政府にいろいろと認識を伺っていきたいんですけれども、この国際的な租税回避行為というのは、今のお話で、このOECDの考え方からすれば、まず、企業による過度な節税策と同一のものと考えているのか、そしてその場合、企業による過度な節税策とは、違法とまでは言えない節税策と日本政府は解しているかどうかについて、教えてください。
○河野国務大臣 まず、このBEPS、税源侵食及び利益移転とは、多国籍企業が、国際的な税制のすき間、抜け穴を利用した過度な節税対策により、本来課税されるべき経済活動を行っているにもかかわらず、当該経済活動に係る税負担を軽減している問題のことをいい、BEPS防止措置条約は、国際的な租税回避行為に効果的に対処すべく、BEPS防止措置のうち租税条約に関連するものを二国間の租税条約に効率的に導入するための法的枠組みでございます。 ここで言う、過度な節税対策及び国際的な租税回避行為については、確たる定義が存在するわけではございませんが、特に明確に区別しているものではなく、この過度な節税対策と国際的な租税回避行為は同じ内容を指すものとして用いられております。 また、節税とは、一般に、合法的に税負担を軽減する行為を指す用語として、また、租税回避とは、法が予定していない異常な行為、契約等により税負担を軽減する行為を指す用語として、それぞれ用いられております。また、税の分野において、違法に納税を免れる行為を脱税と呼んでおります。 BEPSプロジェクトは、まさに違法とは言えないゆえに、世界経済、企業行動の実態に即して国際課税ルールを包括的に見直すものとなっておりまして、したがって、企業による過度な節税対策は、違法とまでは言えない節税策と理解をしていただいて差し支えございません。
○篠原(豪)委員 グローバル企業や富裕層の課税逃れによって失われる税収は、世界で三十兆円近いと言われています。この課税逃れは違法性を含んでいるようにも思われますけれども、国際的な租税回避行為というものは、今、異常なものであるというふうにおっしゃっていましたけれども、ここのところを、やはり日本政府としてどういうふうに今の内容について対応していきたい、いこうと思っているかということでちょっとあれば教えていただきたいと思います。
○飯島政府参考人 お答えいたします。 多国籍企業や富裕層による課税逃れが横行することは、課税の公平性の観点から大きな問題となっており、我が国としてもこれまで、OECD、G20が推進してきたBEPSプロジェクトや非居住者に係る金融口座情報の自動交換等、国際的な租税回避の対応に各国と連携してまいっているところでございます。 ここで言う課税逃れでございますけれども、確たる定義が存在するわけではございませんが、脱税と租税回避行為を指すものとして用いられております。したがいまして、あえて関係を申し上げますと、課税逃れは租税回避行為を含むということで考えられておりまして、我々としては、この租税回避行為についてきちんと対応していきたいというふうに考えております。
○篠原(豪)委員 ちょっと具体的に幾つか聞いていきたいと思うんですけれども。 法人税は、事業を行った国の所得をもとに各国で納めるのが原則です。ただ、複数国にまたがる取引では、本社を置く国と子会社を置く国の税務当局の見解が違います。なので、双方から二重課税をされるということがあります。 その場合、企業は両国間に課税額を調整するよう相互協議の申立てができ、事前に課税範囲を定めておく事前確認制度、APAですね、があります。ですけれども、この両国間の協議というのが決裂も多く、結局、税務訴訟などで解決が長引く傾向が強いということであります。 その点、法人税がゼロか極めて低税率で税務申告の負担も少ないタックスヘイブンについて、本国と子会社設置国での二重課税のリスクの回避につながるメリットがあるとも言えるというふうに思います。 そこで、違法とまで言えないようなタックスヘイブンの利用ケースについて、日本政府はまずどのように評価をしているのかということを伺いたいと思います。
○飯島政府参考人 お答えいたします。 多国籍企業や富裕層による課税逃れが横行することは、課税の公平性の観点から大きな問題となっており、我が国としては、国際的な租税回避の対応にも各国と連携して取り組んでいるところでございます。 この点、委員御指摘のタックスヘイブンを通じた取引につきましても、必ずしも違法ではないケースが存在するのは御指摘のとおりでありまして、適切な申告納税が行われている限りにおいては違法とはなっておりません。ただし、一般に、いわゆるタックスヘイブンの秘匿性に鑑み、適切な申告納税がなされているかどうかという点につきましては把握しづらい点がございます。 このため、各国は税務当局間の情報交換を積極的に行っていくこととしており、特に非居住者に係る金融口座情報の自動的な交換等、海外の金融機関を利用した国際的な脱税、租税回避に対処するために協調して取り組んでいるところでございます。 我が国としましては、引き続き、租税条約ネットワークの拡充に努めていくとともに、各国租税当局間で情報共有を積極的に進め、適切な申告納税が行われているか、把握に努めてまいりたいと考えております。
○篠原(豪)委員 なるほど。 次に、親会社がタックスヘイブンにつくったペーパーカンパニーの子会社に安く商品を売れば、課税対象となる親会社の見かけ上の利益は減るということがあります。例えば、特許権をタックスヘイブンの関連会社に持たせて、親会社が使用料を払って必要経費として計上する場合も、やはり親会社の見かけの利益は減ることになるんですけれども、政府としては、こうしたケースにはどのような対策を講じているのかということについて。 あと、関連して、税務当局は、法人税率の低い国に税逃れ目的で中身のない子会社を設立した企業に対して、過度な節税を防ぐことを目的として、タックスヘイブン対策税制を導入しています。こうしたケースについてどの程度の実効性があるのかということ。 つまり、タックスヘイブンを使った企業の節税策への対処と、その対策税制の実効性についてどういうふうに考えているかということをお伺いします。
○吉田政府参考人 お答えを申し上げます。 政府といたしましては、御指摘のような、いわゆるタックスヘイブンに設立しました子会社に所得を移転することなどによりまして租税回避行為を行うということは、非常に重大な問題だというふうに認識しております。 これまで、国際的にはOECDにおけるBEPSプロジェクトを我が国として主導してきたということと、それから、国内においても各種の制度上の対応を講じているところでございます。 例えますと、平成二十九年度税制改正におきまして見直しを行いました外国子会社合算税制というものにおきましては、外国に所在するいわゆるペーパーカンパニーにつきましては、原則として、その所得の全額を日本の親会社に合算して課税するということとしておりますほか……(篠原(豪)委員「もう少しゆっくり話していただいてもいいですよ」と呼ぶ)はい。あと、一定の活動を備えた子会社であったとしても、特許権などの無形資産の使用料、それから受動的所得については、同様に日本の親会社の所得に合算して課税するというふうにしておるところでございます。(篠原(豪)委員「速いです、速い」と呼ぶ)失礼しました。 それから、委員から御指摘のございました、外国の関連会社に商品を安価に譲渡するとか、それからいわゆる無形資産の使用料とかいうものを払って、著しく現地における所得を圧縮するような場合、この場合は独立当事者間の取引価格に引き直して課税をするという移転価格税制が講じられておりまして、このような各種の施策を組み合わせまして、こうした問題に取り組んでいきたいというふうに考えております。 それで、具体的な効果でございますけれども、平成二十八年七月からの一年間の税務調査におきまして、まず、最初に申し上げました外国子会社合算税制につきましては、この一年間で、五十八件、四十九億円の所得申告漏れがありました。それから、移転価格税制につきましては、この一年間で、百六十九件で六百二十七億円の所得申告漏れということを指摘しているところでございます。
○篠原(豪)委員 ありがとうございます。 ちょっと皆さんのスピードが速くて、ネットで聞いていると、見ている皆さんが多分聞き取れないぐらいのスピードだと思いますので、そこのところをちょっと気をつけていただければと思います。ありがとうございます。 次に、世界の富裕層がタックスヘイブンに持つ未申告の金融資産への対処方法について伺います。 税公正ネットワークのスタッフの試算では、世界の富裕層がタックスヘイブンに持つ未申告の金融資産が、二〇一四年時点で二十四兆ドル、これは二千五百七十兆円、から三十五兆ドルに上ると。これは、米国と日本の二〇一四年の国内総生産、GDPの合計約二十二兆ドルを上回るという規模の未申告の金融資産があるというふうにされています。この額は年々ふえていて、二〇一〇年よりも両方とも推計で三兆円ふえているということになっています。 今回の条約では、こうした未申告の金融資産のケースに対してはどう対処するのかということであります。そして、二〇一八年の秋からは、日本が参加するとされる税務情報の国際共有の枠組み、これも、富裕層の海外資産の捕捉に対してどういうふうにここのところに関連していくのかということについて教えていただければと思います。
○飯島政府参考人 お答えいたします。 委員御指摘の世界の富裕層が海外に有する金融資産の把握は、海外への資産隠しを通じた脱税の防止の観点から非常に重要な問題であると認識しております。 この問題に対しましては、今回のBEPS条約ではなく、税の透明性、情報交換によって対処していくこととしております。OECDでは、各国の税務当局間で非居住者の金融口座情報を自動的に交換するための国際基準を策定し、我が国を含む百以上の国、地域が二〇一八年末までにこの情報の自動的交換を開始することとしております。 この自動的情報交換の取組は、富裕層の海外資産を把握する上でも大きな効果を有しているものと考えております。
○篠原(豪)委員 大変な額ですからね。日本とアメリカのGDPを超える未申告の金融資産が存在する、これに対してどういうふうにやっていくのかというのも、企業だけじゃなくて、大事なところだというふうに思います。しっかりとこれはやはり見ていかないといけないというふうに思いますので、引き続きちゃんとやっていただきたいなと思います。 次は、節税を目的とした実体のないペーパーカンパニー、これは、設立者や株主が名義だけを貸して、実際の所有者が把握できていないケースが多いというふうに思います。この背景には、タックスヘイブンに法人の役員や株主を第三者名で登記できるノミニー制度というのがあって、外部からは誰が真のオーナーなのかわからないという事情が存在しています。なので、このノミニー制度というものをまずやめさせなければ、厳格な課税の前提条件にならないというふうに思います。 このノミニー制度に対してはどういうふうに考えているのか、そして、これをやめさせることを、実現性も含めて、どういうふうに我が国としては捉えているのかということについてもお聞かせいただきたいと思います。
○吉田政府参考人 お答えを申し上げます。 ノミニー制度とは、一般的に、法人の役員や株主を第三者名義で登記できる制度であるというふうに理解しているところでございます。我が国には存在しない制度でございますが、他方、香港やシンガポール等ではこうした制度を利用した法人登記が可能であるというふうに認識しているところでございます。 それで、近年、G7やG20等の国際会議におきまして、国際的な脱税でありますとか、あとマネーロンダリング等への対策の観点も踏まえまして、いわゆるペーパーカンパニー等が犯罪の隠れみのとならないように、その企業を実質的に支配する自然人である実質的支配者に関する情報を特定するための国際的な協調が推進されているところでございます。 これを受けまして、OECD等におきましても、透明性向上のための取組が進められております。 例えて申し上げますと、OECDにおきましては、税務当局間で非居住者に係る金融口座情報を自動的に交換するための国際基準を策定しておりまして、日本を含む百以上の国、地域が二〇一八年末までに自動的な情報の交換を開始することに既に合意しているところでございます。 この基準におきましては、口座保有者が法人である場合、金融機関はその法人を実質的に支配する自然人までさかのぼって特定、報告することを要しておりまして、これによりまして、ノミニー制度を利用した場合でも、当該法人の実質的支配者までさかのぼって捕捉することが可能になっているということでございます。 このように、現在、各国・地域におきまして実質的支配者の透明性向上のためのさまざまな取組が進められておりまして、日本におきましても、平成二十七年度税制改正において、国内金融機関に対し、非居住者に係る金融口座情報の国税庁への報告を義務づける制度を導入しております。 我が国といたしましては、引き続き、国際協調のもとで、実質的支配者の透明性向上のための取組を通じまして、国際的な脱税や租税回避の防止に適切に対応してまいりたいというふうに考えております。
○篠原(豪)委員 なので、引き続き伺っていくんですけれども、租税回避はいろいろな観点から考えられるということなんだろうと思います。ここはやはりしっかりとした議論をしていかないとだめだと思っています。日本にはない制度、でも、そういうところの中でみんなネットワークでつながっていってやっているというところで、我が国としては国際的ないろいろな損失というものに対してどうやっていくかということなので。 もう一つ重大だなと思うところは、日本では余りないと思うんですけれども、IMFによると、二〇一六年に、賄賂による損失というのが世界の国内総生産の約二%に当たるというふうに言っています。これは百六十から二百二十兆円ということの試算を公表しています。日本はこの賄賂に対してどういうふうに、IMFが発表していますけれども、この損失に対して何らかの対処というものを我が国としてはしているのかということについてお願いをいたします。
○飯島政府参考人 お答えいたします。 賄賂の問題に関しまして、IMFの報告書では、世界において年間一・五から二兆ドルの賄賂支払いがあるとの推計に言及をしており、腐敗の蔓延がコンプライアンス文化を損ない、脱税の増加や政府の徴税能力の低下をもたらす等、政府の収入低下につながることを指摘しております。 こういった問題に対処するために、我が国としましては、国連、OECD、その他関係国際機関とともに国際的な腐敗対策の取組を進めているところでございまして、国際的な賄賂、脱税等の防止に向けて積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
○篠原(豪)委員 先ほどから聞いていますと、ではどう取り組んでいくという中身が全くないので、ちょっともう少しこの辺は、さっき言っていましたけれども、個人の資産がアメリカと日本のGDPを超えるというところが未申告である、この問題と賄賂の問題というのは多分密接に関連しているんだというふうに思います。なので、そういうことも含めてもう少し賄賂についてのお考えを、日本としてどういうふうに考えて対処していくつもりだということがもう少し具体的にあれば教えていただきたいと思います。
○飯島政府参考人 いろいろな観点から対応していくことが必要かと思いますけれども、例えば、マルチの条約におきましては、OECDには贈賄防止条約というものがございます。それから、国連におきましても腐敗防止条約というものができておりまして、我が国はこういった条約において積極的な役割を果たしてきております。こういったOECD、国連のメカニズムを使って腐敗、賄賂等の問題に対して効果的に対応していきたいと考えております。
○篠原(豪)委員 こういうふうに租税を回避して、タックスヘイブンみたいなところがあって、なるべく税金を納めるのを低くしよう、もちろん、アグレッシブタックスプランニングみたいなことも企業は一生懸命やって、でも合法の範囲の中でやっていく、それに対してどういうふうに捉えていくかというのは、BEPSの今までの中で、前回そしてきょうも恐らくそういった話もあったんだろうというふうに思います。BEPS十二の取組とか、いろいろそれが話されているんですけれども。 今、その上で、何がこういうふうに動きとして出てきているかというと、結局、法人税率の引下げ競争が起きているというところにちょっと少し、そして何が起きているかということを少しお話ししたいんですけれども。 グローバル競争が激しくなった二〇〇〇年以降に、先進国は海外の投資先を引き込むために法人税率の引下げ競争をずっとこの間やってきています。 こういった中で、本社をより安い法人税率の国に移転するタックスインバージョンも起きていたんですが、税制改革によって法人税がOECD平均までアメリカは下がった、そして米国企業がこうした海外でのMアンドAを含めて行う必要がなくなったと言われていて、また、租税回避防止税が設けられた結果、米国企業がこぞって連邦法人税を支払うということの方を選択しているとしたようなことの動きも報道されています。 アメリカの税制改革がなぜ企業の租税回避行動を防止できているのかということについて、日本はどういうふうに捉えて、どう考えているかということについて教えていただけますか。
○飯島政府参考人 お答えいたします。 御指摘の米国の税制改革によりまして、米国の連邦法人税率が三五%から二一%まで引き下げられるとともに、言及いただきました税源侵食・濫用対策税が設けられたと承知しております。 ただ、この米国の税制改正法は本年一月に施行されたばかりでございまして、実際の企業の租税回避行為が防止されたか否か、そういった具体的な効果について日本政府として評価する段階にはございませんので、この点についてのコメントはまだできない状況になっていると考えております。
○篠原(豪)委員 このあたりのことは、調査とか、どういうふうに流れがなっているかということはとても大きな話だと思うので、そのことについて取り組むということなんですかね。そこだけはちょっと教えてください。 いや、ごめんなさい、だから、ちゃんとしっかりとこれに対応して、我が国としての考え方も出していく方針なのかということです。
○飯島政府参考人 お答えいたします。 我が国との関係でございますけれども、今般の米国の税制改革において新たに導入されました税源侵食・濫用対策税につきましては、欧州諸国を始めとしまして、租税条約の規定に抵触するのではないか、あるいは租税回避を意図していない通常の国際取引にも影響があるのではないかといった懸念が表明されております。 我が国としましては、こうした懸念についても十分配慮し、まずは、今般の税制改革に関するさまざまな論点について米国の当局との対話を続けて、OECD租税委員会等国際会議などの機会も通じまして、アメリカを含む関係国と協議をしてまいりたいと考えております。
○篠原(豪)委員 最初からそうやって答えていただければ何のこともないような話なので、しっかりと答えていただきたいと思います。ありがとうございます。 次に、二〇一三年一月に日米租税条約の一部改正について日米が合意をして改定協議書に署名した後で、日本ではその年の六月に国会承認の手続がとられましたけれども、アメリカではいまだにこの国会承認が得られていません。 その大きな理由は、オバマ政権が二〇一〇年以来推し進めている外国口座税務コンプライアンス法というのがありまして、通称FATCAですね、があるとされています。それがなぜこの改正日米租税条約に承認が得られないことになっているのかということの、ここまでの御説明をお願いいたしたいと思います。
○飯島政府参考人 お答えいたします。 米国の議会審議の状況について日本政府としてコメントする立場にはなかなかございませんけれども、あえて申し上げますと、この委員が言及されましたFATCAの実施に当たりまして、政府間で租税に関する情報交換を行う租税条約上の規定を活用する場合がございますけれども、この規定のもとでは、相互主義に基づいて情報交換の実施が予定されております。 米国の上院におきまして、租税条約上の情報交換によって、個人の自由、権利、こういったものが必ずしも米国憲法下のようには保障されていない外国に米国市民の情報が流れていく可能性について危惧する意見が出されているというふうに承知しております。
○篠原(豪)委員 先ほどの委員もありましたけれども、BEPSにアメリカが入っていけばこれはまたちゃんとしっかりしていくような話なので、そことの関連性も出てくると思いますので、まあ、BEPSにアメリカも参加していただくということを言っていくというのが当然のことと思いますので、しっかりスタートしていただきたいと思います。 次に、先ほど、海外の通販業者ですか、いろいろ紹介されましたけれども、これが、租税ルールでは、販売する電子書籍とか、これは日本の消費者が購入してもその利益に課税ができない、例えば米国に入るというのはおかしい、こういう議論はよく耳にするんですけれども。 日本では、こういった課題を是正するために、二〇一八年度の税制改正で、工場や支店以外にも、海外の通販業者が、さっきPEの話がありましたが、こういった場合には課税をすべく定義を見直していくといった話もあっているんですけれども、そもそもこれは物の話なんですよね。 そうじゃなくて、その先を考えなきゃいけないのは、もともと、音楽とか映画とか、そういう物のない、動画データとか、そういうものについて、インターネット配信が今急速に普及していて、課金をしているといった状態なんです。 これはまさに、PEをやろうがやるまいが、倉庫には物理的に入らないのでどうなるかということなので、これは、済みません、最後になりますけれども、インターネットの配信が急速に普及をしている現状を更に次の段階としてどういうふうに捉えて、私は、やはり早急な措置を、これは日本も、そして国際間取引の中でも、少なくとも誰かがお金を払っているわけですから、これを取る必要があると思っているんです。 このことについてどういうふうに措置をしようとしているかについて、お伺いできればと思います。
○吉田政府参考人 お答えを申し上げます。 電子経済に関する課税の取扱いについての御質問だと思いますけれども、BEPSプロジェクトの中では、これは先ほどからも御議論がありますとおり、価値の創造の場と所得が生み出される場、それと納税する場というのを一致させようという目的で、これまで努力を続けてきております。 そうした論点を中心といたしまして、今OECDで国際的に議論を進めているところでございまして、日本としましてもこの議論に積極的に参加しているところでございます。 それで、本年三月には、OECDからこの件につきましてG20に、この課題に対する議論の状況等に関する中間報告書というものが提出されております。 同報告書におきましては、二〇二〇年までにグローバルな長期的解決策を取りまとめるということ、それから、それが実現するまでの間に暫定的措置を導入する場合には、国際的義務の遵守等、幾つかの要素をちゃんと考慮すべきであるというようなことにつきまして、各国が合意して、報告がなされたというところでございます。 日本におきましても、こうした議論に参画すると同時に、各国の動向を注視しつつ、私どもとしましてもしかるべき措置をとっていきたいというふうに考えております。
○篠原(豪)委員 この租税回避の問題というのは極めて大きな問題で、実態がよくわからないところにお金をどうしていくかということです。いろいろな情報を提供しても、膨大にいろいろなものがありますから、これに対しての損失というのは大きいし、これはやはり、本当に、全世界的に取り組んでいくということは当然だと思いますけれども、我が国としても、おくれをとることなく、そしてその中の先頭に立ってやっていただきたいということを、これは私も要望として申し上げて、こちらの分野についての質問を終わらせていただきます。 次に、日中関係について、河野大臣に少しお伺いをしたいと思います。 王毅国務委員と河野外相が都内で会談をされました。中国外相の単独来日は、これはたしか約九年ぶりということだそうで、このこと自体、日中の関係改善の流れを象徴しているんだろうというふうに思いますけれども、外相が会談で習近平国家主席の来日に前向きな姿勢を示したことは、いよいよ関係改善が確かなものになってというふうに思っていらっしゃるのかもしれません。 ただ、残念なことに、王氏は、習主席の来日時期や形式には踏み込んでいないと思います。この背景には、国内政治の混乱で、安倍首相には外交成果を強調して政権浮揚につなげたいというベクトルがこれまでも働いているんじゃないか、それに利用されたくないというような思考が働いたということも報じられています。 そこで、日中首脳会談が実質的な中身を持つことが極めて重要と考えていますけれども、安倍政権として、何を首脳会談のテーマに据えるかも含めて、時期的なものということも含めて、まずお教えいただければと思います。
○河野国務大臣 日曜日の日中外相会談では、外相の相互往来というのが、私の一月の北京訪問とあわせて九年ぶりに実現をすることになりましたので、それを日中両国で歓迎をすると同時に、平和友好条約締結四十周年という節目の年でございますので、全面的な関係改善を進めていくために、平和友好、互恵協力を基調として、お互いに協力のパートナーでありお互いに脅威とならないという原則を確認し、首脳往来を含むハイレベルの往来を着実に進めていくということで、重要性を確認するということで一致をいたしました。 ゴールデンウイーク後の三者の都合がいい時期にまず日中韓サミットを開催し、そこに文在寅大統領とともに李克強総理を日本にお迎えをする、そして、その後、またこれは適当な時期を見て安倍総理が訪中をし、そしてその後、習近平主席が来日をされる、こういう順番でハイレベルの往来をやっていこうというところでも合意をしておりますので、報道が何を言っているかは余り承知をしておりませんが、ハイレベルの往来は極めて順調に予定どおり進んでいるというふうに考えております。 日中韓サミットの後、当然に日中首脳会談というのも予定をされることになると思いますが、中身についてはまだまだこれから、今回の日米首脳会談もあり、あるいは南北首脳会談というのが四月の末に予定をされていることから、一体どういう議題でやるかというのは、今の時点で予断を持ってお答えするというところまでは行っておりませんが、戦略的互恵関係のもと、この日中の二国間関係をどう進めていくか、あるいは日中でともにさまざまな国際的な課題にどう取り組んでいくか、率直な意見交換が行われるものと期待をしております。
○篠原(豪)委員 李克強首相が今度いらして、日中の首脳会談に着実につなげていくということが私も大事だと思っています。そのために課題と現状認識というのはいろいろとあると思うんですけれども、中国の海洋進出の問題というのも一方でちゃんと考えなきゃいけない問題だと思います。 今月、史上最大規模の海上演習を南シナ海で、海南島沖で中国がやっています。これはやはり、南シナ海で航行の自由作戦を展開するアメリカとかの圧力に屈しないというような強硬な姿勢を内外に示すものだったというふうに思います。今、台湾海峡でも、習政権が一つの中国の原則をめぐって対立するというようなところを、アメリカのトランプ政権を意識してかわかりませんけれども、演習も強行しているということです。 したがって、日中の関係改善が進む状況にあるといっても、それと矛盾する動きも実際に見てみると着実に大きくなっているというふうに認識をしていかなければいけないと思います。 日本政府としては、こういったことを踏まえた上で、これはちょっとなかなか難しい質問なんですが、短期的には、日中ハイレベル経済対話も二〇一〇年以来始まっていますし、いろいろと経済的環境もあると思うんですけれども、中国に対して、中長期的に日中の改善をどういうふうに進めていこうというふうに考えているのかというところ、少しあれば教えていただきたいと思います。
○河野国務大臣 中国の国防費に関して言うと、その全てが公開をされているわけでもございませんし、具体的な装備の保有状況ですとか、さまざま詳細について明らかにされておりません。 しかし、過去十年間で約二・三倍の伸びを中国の国防費は示しておりまして、過去三十年間で見れば五十倍を超える伸びでございます。既に、日本の防衛関係費の中でSACOの関係経費と米軍再編関係経費の地元軽減負担分を除いたものと比較すると、日本の防衛関係費の三・五倍を超える防衛費ということになっているのが今の現実でございます。 そういう中で、透明性を中国側として一層高めていくことが望まれておりますし、また、我々としては、我が国周辺海域、特に尖閣諸島の周辺海域についての中国軍の動向、あるいは中国の関係機関の動向について引き続き注視しながら、領土、領海、領空は断固として守り抜くという決意のもと、毅然かつ冷静に対応していかなければならないというふうに思っております。 日中外相会談でも、この東シナ海の状況は議題に上りまして、私から王毅国務委員兼外交部長に対して、東シナ海の安定なくして日中関係の真の改善はないということを強調し、東シナ海を平和、協力、友好の海にする、そのための意思疎通というものをしっかりやっていかなければいけないということで一致をいたしました。 隣同士の国でございますから、これまでのように、外相の往来が行われない、あるいはハイレベルの経済対話が行われないというのはやはり平常ではないというふうに思いますので、そうしたことが再開をできたということは大変に喜ばしいことでありますし、また、海空連絡メカニズムについてもなるべく早く実行できるようにしてまいりたいというふうに思っております。 しっかり協調できるところは協調しながら、未然に、危機を起こさないようにしっかりと対応する、その両方をやっていかなければいけないというのは委員御指摘のとおりだというふうに思っております。
○篠原(豪)委員 時間ですので、ちょっと最後に、手短に一つだけお伺いしたいんですけれども、今の話を聞いていて。 河野外相は非常に旺盛に、いろいろな外相とか、外国へ行って本当にやられているというふうに思っていますし、実際、いろいろなものを進めるために私も大事だと思っているんですよ。 その中で、一つ。短い時間で限られた中で行くのは大変だと思います、いっぱい外国へ行くのは。そういった中で、今安倍さんがアメリカへ行っていますけれども、外交をするときに、今話題になっているのは、ゴルフ外交というのが話題になっています。 このことについて、今このタイミングで、これだけ真剣にいろいろ考えなきゃいけない話を、それをワシントンじゃなくて、全然離れたところへ行ってやっていることについて、こういうゴルフ外交みたいなことはもう三回目ですけれども、本当に国益に資するのか、世界から見たらどういうふうに見えるのかなというところはあると思うので、そこのところについて、一言、御所見をいただければと思います。
○河野国務大臣 ワシントンで首脳会談をやるということも考えられると思いますが、当然に、ワシントンで首脳会談をやれば、大統領ですから、いろいろな場に引っ張り出される、いろいろな会議に呼ばれる、いろいろな人が面会に来るということがあろうかと思います。これをマールアラーゴでやりましたら、二日間、安倍総理がトランプさんを独占することができるわけで、これは極めて諸外国から見ればうらやましい状況になっている。 特に、ゴルフ場で一緒にゴルフのプレーをやれば、もうその間は二人が三時間ずっと一緒にいて、そういう雰囲気の中でさまざまな率直な話ができる。こういうことができるのは、ほかの国の首脳ではできていない、それを安倍総理はこれで三回目ということになりますので、相当他国の首脳から見れば、うらやましい関係を築けているということになるのではないかと思っております。
○篠原(豪)委員 実際に中身があればいいんですが、それで得るもの、日本がどれだけ情報を得ているかわかりませんけれども、河野大臣の御所見を伺いましたので、きょうはありがとうございました。
○中山委員長 次に、阿久津幸彦君。
○阿久津委員 立憲民主党の阿久津幸彦でございます。 初めに、BEPS、税源浸食及び利益移転防止措置実施条約について伺わせていただきたいと思います。そして、少し時間が残れば、そのほかの質問についても入らせていただきたいと思いますので、どうかよろしくお願いいたします。 このBEPSの本条約は、OECD、G20におきまして、国際課税ルールを世界経済、企業行動の実態に即したものにするとともに、各国政府、多国籍企業の透明性を高めるために国際課税ルールを包括的に見直すBEPSプロジェクトを日本が主導的に推進したことが背景にあるということでございます。 そこでお尋ねをしたいんですが、我が国が本条約を締結することの意義及び本条約の実施における課題を伺いたいと思います。
○飯島政府参考人 お答えいたします。 多国籍企業による脱税、租税回避行為に適切に対処すべく、委員が御指摘になりましたとおり、G20やOECDにおきまして、国際課税ルールを包括的に見直すBEPSプロジェクトが推進され、我が国はその議論を主導してまいりました。本条約は、BEPSを防止するための租税条約関連措置を二国間の租税条約に効率的に導入するためのものでございます。 我が国としましては、本条約を締結することで、我が国に進出する外国企業への課税を適切に行うことができるという点で、まず我が国の財政面での意義があると考えております。また、日本の企業にとりましては、国際競争上不利な立場に追いやられることがないように確保すること、それから、進出先、源泉地国での課税リスクに関して、経済界から要望のございます仲裁手続も含めて、相互協議手続の実効性を確保して二重課税の除去に資するといった点で意義があると考えております。 他方におきまして、BEPS防止措置は、より多くの国が実施することで真価を発揮することになりますので、日本としましては、引き続き、米国を含む本条約未参加国に対して署名を呼びかけてまいりたいと考えております。
○阿久津委員 本当は、一番気になるのは、我が国にどれぐらい影響があるのかということなんですが、前回の委員会で、BEPSに関連した山川委員の質問で、我が国への財政的影響をお尋ねしたところ、定量的に把握する数字はないということでございました。 一方、OECDの試算は伺ったんですが、多国籍企業等による過度な節税対策により、一千億ドルから二千四百億ドル、日本円にして概算で十兆円から二十五兆円くらいの本来課税されるべき税負担が失われてしまっているということでございます。日本の世界全体に占める輸出入総額は約四%でございます。ちょっと乱暴な試算をすると、日本への財政的な影響は、単純計算で四千億円から一兆円くらいになるのではないか、逆に言えば、それを取り戻すチャンスではないかというふうに考えております。 BEPSプロジェクトは、先ほども御指摘がありましたとおり、グローバルに協調をして迅速に実施することで大きな成果が期待できるということでございます。BEPSプロジェクトを推進、主導してきた日本としても、その成果の実施に向けて適切に対応していただけますようお伝えして、次の質問に移らせていただきたいと思います。 次の質問がロヒンギャの問題なんですけれども、実は、このロヒンギャの問題、ちょっとだけおさらいをすると、ミャンマーのラカイン州北部で昨年八月以降発生したビルマ国軍によるロヒンギャ住民に対するレイプ、殺害、放火、恣意的逮捕などの人権侵害疑惑についてでございます。本委員会では三度目のこの件に関する質問になりますが、よろしくお願いいたします。 この間、河野大臣は、一月、ミャンマーを訪問されて、アウン・サン・スー・チー国家最高顧問と会談し、共同会見を行いました。また、ミン・アウン・フライン国軍司令官とも意見交換をされたというふうに伺っております。これは、同時期、直後にイギリスの外相がやはりミャンマーを訪ねていますけれども、イギリスの外相の方は国軍司令官とはお会いできていないと聞いておりますので、この両者に会ったというだけでも大きな意義があったというふうに考えております。 これを受けて、三月二十一日から二十四日、堀井巌政務官がバングラデシュとミャンマーを訪れて、政府関係者と意見交換をされたとのことでございますが、意見交換の概要と現地の最新の状況について御報告を伺いたいと思います。
○志水政府参考人 お答え申し上げます。 堀井巌政務官は、三月二十一日にバングラデシュを訪問し、バングラデシュにおきましては、アリ外務大臣ほか政府要人と会談し、翌二十二日にコックスバザールにあります避難民キャンプを視察しております。 バングラデシュ政府に対しましては、避難民の帰還の実現に向けましてミャンマー政府としっかり意思疎通を続けるよう働きかけました。また、日本がバングラデシュ政府の取組を引き続き後押ししていくことを改めてお伝えしております。バングラデシュ政府からは、バングラデシュ政府の取組についての説明、それから日本支援への謝意の表明がございました。 三月二十三日にミャンマーに移りまして、チョウ・ティン・スエ国家最高顧問府大臣ほか要人と会談し、二十四日にラカイン州の北部にありますマウンドー地区を視察しております。 ミャンマーとの会談におきましては、安全、自発的で尊厳のある避難民の帰還の着実な実現などを働きかけました。そして、そのために重要な再定住先の住宅などの社会インフラ整備や、国連の関与の受入れを強く促したところであります。ミャンマー政府からは、安全、自発的で尊厳のある避難民の帰還と再定住にコミットをしている、UNHCRなどの国連機関の関与を受け入れるとの説明があり、このUNHCRなどの国連機関の関与に関しましては現在協議中と承知しております。 現在の最新状況ということでございますけれども、コックスバザール、これはバングラデシュにありますが、コックスバザールの避難民キャンプの生活は大変厳しいと承知しております。近く雨季が到来するということで、人道支援の必要性が高まっております。 我が国といたしましては、国際機関を通じた総額三十億円の支援が有効に使われるよう、国連側とよく協力していきたいと考えております。
○阿久津委員 全体として、UNHCR含めた国際機関の受入れの意思を多分表明されたんだと思うんですが、それは大きな成果だったというふうに私も感じます。 そして、バングラデシュのコックスバザールをお訪ねになって、かなり生活環境が厳しいということだったんですけれども、これは衛生面や寒さ対策も含めて、いわゆる人道支援でいえばスフィアスタンダードなどの視点で見て、かなり最低水準の生活が守られていないというレベルでございますか。ちょっと御感想というか、まあ直接行かれていないのでなかなか厳しいと思うんですが。
○志水政府参考人 お答え申し上げます。 まことに恐縮ながら、私自身は現地を視察しておりませんけれども、堀井巌政務官が視察いたしまして、現地の厳しい状況、それから、現地の国際機関関係者と協議をしたということでございます。また、先ほど申し上げましたように、近く雨季が始まるということで、人道支援を強化していく必要があるということについても確認されたというところでございます。
○阿久津委員 本当は堀井巌政務官に伺えればよかったんですが、参議院の関係でちょっと難しいということで、大変恐縮でございますが、もう一つだけ。 ミャンマーの方のマウンドー地区をお訪ねになったということなんですけれども、これは、堀井巌政務官の方から、更地にされていたみたいな情報は何か聞いていらっしゃいますか。聞いていなかったら聞いていないで結構です。
○志水政府参考人 お答え申し上げます。 堀井巌政務官が現地でどうごらんになった、ないしはお話を聞かれたかということは今手元にございませんけれども、現地におきましては、再定住先を今建設するということで、一部については更地にした上で建設をするところもあるというふうに聞いております。
○阿久津委員 ありがとうございます。 次は河野大臣の方に伺いたいと思うんですけれども、この間、河野大臣は、ミャンマー政府に対して、諸外国を納得させるためにはという言い方をされて、次の四つのことを提言されてこられたというふうに理解しております。 一として、事実調査を適切にやる。二として、メディアのアクセスを拡大する。三として、先ほども出ましたけれども、UNHCRなど、国連機関、国際機関を段階を踏んででもしっかり関与させる。それから四番目が、コミュニティー間の融和の推進だと思うんですけれども。 そこで伺いたいと思うんですが、三月二十三日の私の外務委員会の質問の中で、大臣は、事実調査をしっかりやることが大切とした上で、国連の事実調査団をいきなり送るのがいいのか、ミャンマーが納得する形で事実調査団を送り込むのがいいのかについては、今さまざまなやりとりがあると述べられております。それについて、新たな進展はあったのかどうか。さっきの発言とちょっとダブるところがあるんですが、お答えいただければと思います。
○河野国務大臣 そうした提案といいますか御助言といいますか、ミャンマー側に申し上げてきてまいりますし、先ほどの堀井政務官の訪問のときにも改めて働きかけをさせていただきましたが、残念ながら、まだ明確な反応というのはございません。 他方、欧米からは、国連のもとでの調査団を送れというような声もいまだにございます。 例えば、イギリスのジョンソン外務大臣とは、こういう、どちらがいいのかというようなやりとりをして、やはり、ミャンマー政府がきちんと受け入れられて、なおかつ透明性の確保ができるようなやり方の方がスムーズにいくのではないかというようなことも申し上げたりしているところでございます。 ミャンマー政府には、しっかりと自発的な帰還が進むように、バングラデシュ側としっかり交渉をする、そして、帰還したらどうなるのかというやはり説明を、キャンプにいる避難民の方々に説明する必要があるのではないかというようなことを申し上げましたが、先般、ミャンマー側から閣僚がキャンプを訪問して、キャンプ内の代表者に帰還準備の状況についての説明が行われたということは承知をしております。 調査団については、残念ながらまだ進展がございませんので、これは引き続きミャンマー側としっかり交渉を続けていきたいと思っております。
○阿久津委員 ありがとうございます。よろしくお願いいたします。 事実調査に関して私が一番心配しておりますのは、ラカイン州のロヒンギャ住民居住区をミャンマー政府が、先ほどの話にもありましたけれども、更地にしているということでございます。 実際、二月十二日のミャンマーのウィン・ミャ・エー社会福祉大臣が、集落の更地化はより高水準の村の再建計画の一環、難民が帰還したら出身地の近くに住めるという発言もされているようなんですけれども、しかし誰も現時点では信じている方々は、ロヒンギャの方々は信じていないということでございます。 人権団体のヒューマン・ライツ・ウオッチ・アジア局長のブラッド・アダムズ氏は、これらの地域を更地にすることで、かつてそこに住んでいたロヒンギャの人々の記憶が消し去られるとともに、法的責任までもが消し去られるおそれがある、更地化された村の多くはロヒンギャに対する残虐行為の現場だ、その調査のために国連から任命された専門官が、加害者特定のための証拠を適切に評価できるように保存されるべきだというふうに指摘もされております。 一方で、小さな進展も見られます。 これまでミャンマー国軍は、みずからの調査でロヒンギャの一般人への迫害はなかったと結論づけておりましたけれども、つい先日、四月十日だと思うんですが、ロヒンギャ十人の殺害事件に関与したとして、兵士七人に対して懲役十年の刑を科すという報告がされました。 もちろん、ミャンマー国軍は、このロヒンギャは一般住民ではなくて武装集団だ云々かんぬんということは言っているんですけれども、ただ、今まで全く認めてこなかったことが、私は、これは日本の働きかけもずっと継続しているものがあったと思うんですよ、きちっと前に、少しずつですけれども向いてきたということは、これからも日本がきちっとこの問題に関与していく価値があるのではないかというふうに考えております。 次に帰還・再定住プロセスについて伺いたいと思うんですが、ロヒンギャ避難民の帰還・再定住プロセスとして、河野大臣は、一、バングラデシュ政府からミャンマー政府への避難民、帰還民リストが渡される、二、避難民は国境を越え、橋を越えたミャンマー側の宿舎で確認作業を数日間受ける、三、再定住の準備をするため、次の施設で数週間から一、二カ月間滞在する、四番目は、帰還及び再定住の実現だと思うんですけれども、ということをおっしゃいました。 この三の帰還及び再定住の準備のための施設が、私が前回の質疑の中で申し上げていたテンポラリーキャンプなのかなというふうに思われるんですけれども、河野大臣は前々回の質疑でも、「国際機関が関与するプロセスにも日本はしっかり後押しをしてまいりたい」と述べられました。 帰還・再定住プロセスにおいて国連の関与についての新たな進展があったのか、お答えいただきたいと思います。
○河野国務大臣 日本側としても、国連機関の関与というのを受け入れるよう、ミャンマー政府とも話をしてきたところでございます。 先般、ミャンマー政府から、UNHCRを始めとする国連機関が帰還プロセスに関与することを受け入れるという話がございました。今、どのような関与のあり方にするかというミャンマー政府とUNHCRあるいはそのほかの国連機関との話合いが進んでいるところだというふうに理解をしております。 さまざまな形で、このUNHCRを始めとする国連機関がミャンマー政府の信頼を得て、しっかりと現地の住民あるいはミャンマー政府と国連機関が信頼関係を築いて、この再定住に向けてしっかりと歩みを進めていければいいのかなというふうに思っているところでございます。 これはバングラデシュ側から戻ってきたわけではないと承知をしておりますが、国境地帯にいた一家族が、一家族五人ではありますが、プロセスに来たという話もございます。これについては単なる宣伝ではないかという批判の声もあるようでございますが、少なくとも、手順を踏んでということが、一家族だけではありますけれども始まってきたというところで、いよいよ突破口ができたかなという気がしております。 再定住の前に、まず、受入れの審査のところで数日泊まっていただいて、その後、テンポラリーキャンプといいますか、再定住のための準備施設へ移るわけでございますが、そこから定住地へ戻るためには、定住地での準備というものも当然これは進めなければなりません。そうすると、いやいや、もといたところにはさわるな、だけれども定住は進めろというのは、これはなかなか両方実現するのは困難でございますから、しっかりとした調査はもちろん必要でございますが、再定住に向けての準備もやはりやっていかなければいけない。 日本としては、この両方をしっかり後押しをしていかなければならないだろうというふうに思っております。 雨季が近づいてきておりまして、これは、再定住を進めるのも大事でございますが、バングラデシュ側のキャンプの状況が相当深刻になるということが予想されておりますので、今、とにかく、バングラデシュ政府には多大なる負担をいただいていて、本当に日本としては感謝申し上げるばかりでございますが、このキャンプの状況がモンスーンで悪くならないように、必要ならば少し平らなところへ移ってもらう、そういうような作業も、バングラデシュ側であわせてしっかり取り組んでまいりたいというふうに思っているところでございます。
○阿久津委員 バングラデシュ側のキャンプの深刻さは先ほども伺ったとおりで、私も理解をしております。 日本政府としては、河野大臣は広い意味でコミュニティーのサポートの話もされたと思うんですけれども、コミュニティーサポートがあって初めてセーフティーネットも整うと思いますので、セーフティーネットという視点も含めて、ぜひ御援助をいただきたいというふうに考えております。 それから、再定住の問題は本当に難しい問題だと思います。どちらから見るのかによっても違ってくるし、自然環境のモンスーンということも、モンスーンのときまでに、逆にミャンマーの政府の再定住の準備ということを信じたとしても、それが間に合うのかどうかという問題も当然出てくると思います。 そこのところも含めて、大変難しい問題ですけれども、河野流であれば薄皮を剥がしていくように、私はもうちょっとぐっぐと押してほしいと思うんですけれども、ということでございますので、ぜひそれを進めていただきたいと思います。 最後に一つだけ、この問題の最後で、私が心配していることを申し上げたいと思います。 私が持っている今一番の懸念は、再定住の準備のための施設、河野大臣は数週間から一、二カ月の滞在予定というふうにおっしゃっていたんですけれども、二〇一二年の民族浄化事件から逃れた十万人以上のロヒンギャ避難民は、この前も申し上げましたけれども、五年以上たった今でもテンポラリーキャンプというところに、先方から見れば閉じ込められているというふうに言われております。 昨年夏に再び起きた七十万人の難民流出によるロヒンギャ危機なわけですけれども、日本が、帰還・再定住プロセスにおいても、国連、国際機関の関与をしっかり後押しして、ロヒンギャの方々もこれだったら信じていいという納得できる形で再定住まで結びつけていきたいというふうに考えております。 今、いわゆる災害であれば、仮設住宅までのめどは何となく立ったのかと思います。そこから先が一番難しいので、ぜひこれからも引き続きお力添えをいただければと思います。 何かございましたら。
○河野国務大臣 そうなんだろうと思うんですね。 受入れの準備施設は今建設も進んでおりますので、そこまで来るというのは、これは自発的に来ていただければ行けるんだろうというふうに思っておりますが、ただ、そこにこの数十万人の避難民全員を受け入れるだけの余地は全くありません。ですから、そこから先に戻ってもらって定住を始めなければ、今度はそこで閉じ込められるといいますのか、あふれてしまうといいますのか、そういう状況になりますので、もといたところ、あるいは新たな定住のところへどう戻っていただくかというところが大切だろうと思います。 ただ、そのためには、当然、帰還して定住するための準備作業というのをやらなければなりません。もとのところをさわるなと言っていれば、今度はその作業ができなくなりますので、事実調査と新たな定住の準備というのをどういう形で両方並行してやるのかということは、これは十分に考えていかないとならないと思いますので、きちんともとへ早く戻れる、できればそれなりの数の人たちがモンスーンの前に再定住ができるぐらいのスピードで本当はやらなければいけないというふうに思っておりますが、だんだんモンスーンシーズンが近くなってきて、定住の開始がおくれているというところを考えると、さまざま次のことを考え始めなければならないのかなというふうに思っております。 この問題は、日本としても責任を持って当たってまいりたいと思います。
○阿久津委員 ロヒンギャ避難民の安全で自発的な尊厳ある帰還と再定住に向けて、ぜひ、日本政府として独自にとれる方策があると思いますので、これからも引き続きよろしくお願いいたします。 時間がほぼ終わってしまいましたので、ちょっと次が、私が用意していたのが北朝鮮問題なので、ちょっと入るとなかなか難しいので、ここで終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○中山委員長 次に、小熊慎司君。
○小熊委員 希望の党の小熊慎司です。 条約について質疑をさせていただきます。 過日も、先週も条約の質疑をさせていただきましたが、全般的な話として、日本の場合、今回のデンマーク、またアイスランドも、ほかの国から比べれば締結はおくれているわけでありますけれども、日本政府としては、より丁寧に、質をちゃんと確保していくという意味で時間をかけてやっている、こういう御説明がありました。 しからば、質を高めたことによって経済的に幾らぐらい定量的に確保できるんだということをお示しできるものがあれば、デンマーク、アイスランドということに限らず一般的に、何か事例があればお示しをいただきたいと思います。
○飯島政府参考人 お答えいたします。 我が国は、経済関係が緊密な国との間で租税条約を早い段階で締結してきており、その結果、我が国から対外直接投資先の約九九%、これは金額ベースでございますけれども、この領域が既にカバーされております。その上で、近年は、我が国との投資、経済関係の発展が見込まれる国、地域との間で新規締結や既存条約の改正を、我が国経済界からの要望も踏まえ、積極的に進めてきております。 この交渉に当たりましては、投資所得の源泉地国課税に係る一定水準の限度税率の確保、仲裁規定等の点で必要な規定が確保されるように努め、条約全体としての質も重視しながら、ネットワークの拡充に努めてきております。 結果として、当該国とほかの先進国との条約に比しても、これらの点で同等又はそれ以上の有利な競争条件が確保されていると考えております。 一例として申し上げますと、我が国企業の投資先国における利益をバックアップするための規定として仲裁条項がございますけれども、我が国が二〇一〇年以降十九カ国との間で租税条約を締結、改正してきている中、このうち十本の租税条約で仲裁規定を導入しております。これに対して、ほぼ同じ国について、米国は四本、フランスは三本、ドイツは三本の租税条約にしか仲裁規定を置いてございません。中国、韓国については、こういった国についても、仲裁条項が入っていないものをつくっております。 それから、委員御指摘の定量的な効果との関係でございますけれども、投資は、委員御案内のとおり、企業等が世界的な景気動向それから各国の投資環境等を勘案して行いますので、租税条約のみによって定量的な経済効果を示すことはなかなか困難がございますけれども、これを前提としつつ、何らかの経済的な変動が観察できないかという観点から、条約の締結前それから締結後、あるいは改正前、改正後の日本企業による投資の変化を調べてみましたところ、対外直接投資額やそれから進出企業の数については、条約の発効に対応して増加が確認できております。 一例を申し上げますと、二〇一〇年に改正租税条約を締結したシンガポールでは、発効前に比べ、対外直接投資額が一千五百六億円から二千七百八十三億円となっております。一八五%の上昇が認められております。同様に、進出日本企業数につきましても、発効前に比べ、発効前の七百二十一社から発効後は千百四十一社へと一五八%の上昇が認められており、こういった点では、総合的に勘案して数字としては上がっているものというふうに考えてございます。
○小熊委員 これはほかの国よりおくれて取り組んでいるわけですから、そのおくれた分だけ利益が失われているものもあるんですね。でも、それをもってしてでも質を確保することによって、しっかり企業活動がしやすい、また利益が得られるということが大事だというふうに思いますので。 ただ、一点、気になったのは、丁寧にやっていってほかの国と同等又はそれ以上と。それ以上じゃなきゃいけないんです。同等だったら、ほかの国と同じぐらいのスピード感でやらなければ、おくれた分だけ不利益になるわけですから、同等ではだめなんです。同等だったらスピード感を上げてください。それ以上ということでしょう、日本は。同等じゃなくて、それ以上ということでやってもらわなきゃ困ります。もう一回、お願いします。
○飯島政府参考人 丁寧に交渉を進めて、第三国との関係で、それを上回る成果を上げるべく交渉してまいりたいと考えております。
○小熊委員 そこが大事ですから。ほかの国と同じようだったらスピード感を意識してほしいし、質を確保するというのならそれ以上のものをやはり仕上げていかなきゃいけないと思っていますので、よろしくお願いをいたします。 BEPSの方に移りますけれども、これもずっと質疑されてきましたが、これは趣旨また狙いといったものも、やっていかなきゃいけない話ですし、日本が先導してきた国の一つでもあるということでありますけれども。 これはいろいろな対応をしていく上で、個々の企業を見てみれば、それなりの労力、コストがかかってくるわけですね、新たな対応をしていかなければいけませんから。国内企業に向けて、邦人企業に向けて、こうした支援というものは、政府としてはどういうふうに考えておられるのか、お聞きいたします。
○飯島政府参考人 お答えいたします。 本条約は、多国籍企業が国際的な税制のすき間、抜け穴を利用した過度な節税対策によって、本来課税されるべき経済活動を行っているにもかかわらず税負担を軽減している問題に有効に対処することを目的としております。 この条約のもとで適切に課税が行われた結果、これまで過度な節税対策を行ってきた企業の税負担が増加することは想定されますが、これに対して我が国政府が金銭的な支援を行うことは、税負担を肩がわりすることになりますので、適切ではないと考えております。 また、事務負担の点も考えられますけれども、本条約の実施上、既に適切に納税を行っている企業の事務負担が増加するということは想定しておりません。
○小熊委員 わかりました。 いずれにしても、これはいろいろ見てみると、税理士会や何かで結構情報発信をされておりますので、大事なことは、このBEPSについて、こういうふうに変わるんだという情報提供はしっかりしていかなければならないというふうに思っています。その点はぜひ留意をしていただきたいと思います。 次の質問に移りますけれども、結局、これはいろいろな国がかかわるということで、これをつくり上げるときもかかわってきているわけでありますけれども、やはり人間がやることですから、解釈とか実施に当たっては、細かいところまでいけばずれが生じてきたりするというふうに思います。言語も違うわけでありますから。それは確認しながらこれをちゃんとつくり上げているとはいえ、やはりケース・バイ・ケースでいけば不整合が生じることも想像されるわけでありますけれども、これをなるべく生じないようにするということについてはどういった点に留意されているのか、お聞きをいたします。
○飯島政府参考人 お答えいたします。 一般に、租税条約におきましては、締約国によって条約の規定に適合しない課税措置がとられた場合、当該締約国の国内的な救済手続とは別に、納税者の申立てに基づいて、当該事案についての両締約国の権限ある当局間で解決する相互協議手続という枠組みが設けられております。 今回のBEPS条約におきましては、予期せぬ二重課税等の納税者にとっての不確実性を排除する措置として、租税条約により関連する紛争を解決するための相互協議手続をより実効的なものとするためのさまざまな規定が設けられております。
○小熊委員 わかりました。 これは、どこまでやっても多分、二重課税であれば取れていたものが取れなくなる国もあるわけですよね。それは至極当然のことですし、取り切れていなかったものを逆に取れるというところもあって、ある意味税の取り合いというか、そうした側面もあるのも事実だというふうに思います。 となると、これは民民の企業間同士のこともあれ、あと国同士の解釈とかいろいろなこともあれ、やはりこれは、紛争というか係争事案が出てくるというふうに想定をされています。 この係争処理、紛争処理もしていかなければなりませんが、これの仕組みと、これはやはり経済活動ですから、紛争解決に当たって多くの時間をかけていたのでは企業活動の足を引っ張ることになりますし、日本の国益も失する形になりますから、紛争解決の仕組み、解釈やいろいろな企業間同士での係争が出てきた場合にこの解決の仕組みと、あとは迅速化に関しての対応をお聞きいたします。
○飯島政府参考人 お答えいたします。 紛争の解決につきましては、先ほど申し上げました、まず相互協議手続がございます。この相互協議手続の一環として、権限のある当局間の協議を開始してから一定期間が経過してもなお合意が成立しない場合、この一定期間は二年が想定されてございますけれども、この期間が過ぎても合意が成立しない場合には、当該事案のうち未解決部分についてはこれを仲裁に付託する制度がございます。 BEPSの防止条約におきましても、各国やその加盟国・地域が選択した場合には、仲裁条項を導入することが可能となっております。仲裁手続の導入は、相互協議手続の円滑化、実効性の向上につながるものであり、投資環境の整備、国際的な投資交流の促進にも資するものと考えております。 このような観点から、我が国としては仲裁条項を積極的に導入してきているところでございます。
○小熊委員 ありがとうございます。 いずれにしても、これはマルチの取組で、これがスタートで、これがゴールではなくて、これは、どんどんどんどん具体的に処理をしていく中で、いろいろな英知のもとにまたバージョンアップをしていかなければいけないというふうに思っています。 これはちょっと、島サミットの方に飛ぶんですけれども、来月、島サミットが行われます。これは来月、私の地元の福島県内で行われるわけですが、やはりいろいろな課題解決のためにこれまで議論もされてきましたし、きょうも同僚議員がアマゾン課税についてもありましたけれども、こういう税のことに関して二重課税を防ぐというのは、これはわかりやすいんですが、世界の中で多国籍企業が利益を得ていながら、どう見ても公正じゃないねというところが、税を逃れている、取り切れていないというのがあると思います。 でも、世界じゅうで活躍する企業からすれば、一カ国だけでその税金を納めてくださいという話にもならないし、国境をまたいで、境界で稼いでいる企業の利益の取り分というか税の納め方というのは、しっかり議論していっても、どうしても割り切れない世界が出てくるというふうに思います。だからこそ、そこでやはり、この際、世界連帯税というのを、まさにこの条約をつくり上げるときにも、それはあわせて議論していった方がよかったというふうに思っています。 先週の委員会でも、通告していないにもかかわらず、この点については大臣がお答えいただいたように、その知見、また考え方もすばらしいものがあるというふうに思いますけれども、こうした租税条約、マルチの租税のBEPSもありました。そういう意味では、世界的にも、この多国籍企業に関する税のあり方というのを議論しなきゃいけないよねという、グローバル化して、ますますこうした、国境をまたいで活躍する企業がふえてきているわけでありますから、日本だけではなくて国際社会の中でも、これを議論する、実行に移していく時期に来ているんじゃないかなというふうに思っています。 そういう意味では、島サミットという一つの国際会議があるわけでありますし、その中で広域的な課題解決も話し合われると思いますので、その際に、やはりこうした国際連帯税というのも議論する一つのアジェンダにすべきだというふうに思いますが、大臣、御所見をお願いします。
○河野国務大臣 前回も申し上げましたように、開発のためのニーズ、あるいは、気候変動から影響を受ける国あるいは人々を救うための資金のニーズ、あるいは、昨年、戦後最大となりました難民、避難民に対する資金需要というものを考えたときに、各国がODAという形で予算の中から拠出をするというこれまでのやり方に、やはり少し限界が見えているような気がしております。援助疲れというような言葉も一時はやった中で、さまざまな、世界経済の中に広く薄く課税をすることによってそういうニーズのための資金を捻出するというのは、私はありではないかというふうに考えております。 何にかけるのか。為替の取引にかけるのか、あるいは国際航空便の切符の何%という形でかけるのか。それから、外務省も今、毎年、平成二十二年ぐらいから、税制改正要望の中で国際連帯税ということを申し上げておりますが、これは国内の税制改正要望ですから、日本が国際連帯税というものをつくって税を取りますというと、これはまた日本政府に入ってきて、それをODAにしますといっても同じ仕組みになってしまいますので、これはこれで一つ議論はきっちりしたいとは思っていますが、最終的には、国境を越えてこの資金ニーズにどう対応するかという議論をしなきゃいけない。 そうすると、どの国際機関が徴収するのか、あるいは分配を決めるのか、どういう仕組みで分配を決めるのか、これはもういろいろな議論になると思いますが、それでもやはり、一歩ずつでも前に議論を進めていかなければいけないかなというふうに思っております。 今度の島サミットの中には、気候変動の影響を受ける島々、国々というのも当然ありますので、そういう状況にどう対応していくのかということは、これは当然議論になると思います。そのときに国際連帯税があわせて議論されるかどうかというのは、今の時点でちょっと予断を持って申し上げるわけにはいきませんが、島サミットのようなものをきっかけとして、今後の開発、あるいは人道支援、気候変動対策、そうしたものに対する資金需要を国際的にどう考えていくのか、これはやはり議論のきっかけになり得るんだろうというふうに思っております。
○小熊委員 今、そういう時宜にかなっているというふうに思っています。大臣言っていただいたように、出国税も、本来これは日本の国内だけの話ですが、これも本当は国際連帯税っぽい議論も日本の国内ですればよかったというふうに思っていますし、何人かの同僚議員はそれを提言していた方々もいるわけでありますけれども。ぜひいろいろな国際会議において、これはこの島サミットであれG20であれ、いろいろな会議において、ぜひ日本の側から問題提起をしていく。 確かに、簡単ではないです。簡単でないからこそ議論を重ねなければなりませんから、多くの時間を要しますから、スタートは早い方がゴールが早く来ますから、ぜひいろいろな形で提言をしていただきたいと思いますし、まさに国際連帯税の世界発信、提言が、ある意味、河野ドクトリンと言われるようなものが、きっちりした形のものが打ち出せるのであれば打ち出してほしいというふうに思います。 私は、日本の国際貢献のあり方というのは、百点ではないですけれども、世界の中ではナンバーワンのやり方でやっているというふうに思っています。だからこそ、日本が国際社会に対する発言というのも各国において重く受けとめていただけますから。まさに日本がこの国際社会のあり方、まさにそうです、援助疲れというのもありますし、島サミットに参加する各国を見ていても、まさに国連の援助金が国家予算のほとんどだというような国もあるわけでありますから。 そういう意味では、新たな仕組みの中で国際的な課題を解決していくという仕組みを、まさに今こそ、この際打ち出すことが大事だなと思いますので、ぜひ、限られた時間ではあるかと思いますけれども、島サミットの中でも、ちょっとした提案というか、提案レベルでも結構ですから、これについて発言をしていただきたいと思いますし、これ以外のものについても国際会議場ではぜひやっていただきたいと思っています。 この際、国際連帯税とまた離れて、島サミットにおいて、今回、PALM8は、今までの積み重ねの中でまた新たな新機軸といったものが打ち出される予定というのは、どうですか、検討されていますか。
○堀井(学)大臣政務官 お答えをいたします。 第七回太平洋・島サミットが開催された二〇一五年以降、従来からの重点課題である気候変動、防災、環境といった持続可能な発展や貿易・投資、観光等の分野に加えて、違法漁業対策を含む海上法執行の問題等、太平洋島嶼国が抱える課題は一層多様化をしております。 こうした流れを踏まえ、第八回太平洋・島サミットでは、日本として、自由で開かれたインド太平洋戦略に基づき、地域における安定と繁栄に向けて、より深くコミットしていくことを打ち出していきたいと考えております。 我が国としては、特に、法の支配に基づく自由で開かれた海洋秩序の維持に係る課題を第八回太平洋・島サミットにおける主要な協力分野として考えており、海上法執行を含む海上保安分野の協力などを通じて、太平洋島嶼国とパートナーシップを一層強化していきたいと考えております。 以上であります。
○小熊委員 ありがとうございます。 これは、島嶼国の議連、私もメンバーにさせていただいていますけれども、御承知のとおり、その中でも議論がありましたが、今政務官がおっしゃっていただいたとおり、海洋の法案というのもあるんですけれども、これは何でやらなきゃいけないかというと、豊かな海洋資源を守るということです。これは乱開発につながらないように、また、大国の餌食にならないようにこれを守っていかなければいけない。 これは、その島の人たちの資源でもあるけれども、世界共通の資源というふうになってきます。海洋資源というのは、魚もあれば、またその海底の中のいろいろな鉱物資源といったものもありますけれども、ぜひ、この今の海洋法案という中で、平面的な話ではなくて、そこを抱えている、まさに海洋資源というものをどうやって守っていくのか。また、逆に、資源を有効活用することによってそうした島々の利益になるのかということも議論しなければならないというふうに思っているんですね。 支援する国々の、大国間同士の資源の奪い合いという過当競争に落とし込んではいけません。地球環境を意識する、そして世界の共通の利益を意識する、そしてその島々の利益を意識するという点で、海洋資源開発、またそれを守っていくという観点が、より深化して議論しなきゃいけないというふうに思っていますが、堀井政務官、もう一度お願いします。
○堀井(学)大臣政務官 議員御指摘の点も踏まえまして、しっかり議論をさせていただきたいと考えております。 第八回太平洋・島サミットにおいて打ち出す支援策の詳細については現在調整中でありますが、太平洋島嶼国の声にしっかりと耳を傾けながら、日本として、自由で開かれたインド太平洋戦略に基づき、これらの国の自立的かつ持続的な発展を後押しするとともに、地域が抱える諸課題に効果的に対応するための支援を行ってまいりたいと考えております。 以上であります。
○小熊委員 私も、時間があればいわきの会場に行ってみたいなというふうには思っていますが、この第八回の島サミット、ぜひ成功していただいて、またさらなるこの地域の発展、また、ある意味、福島県内で行われますから、いわゆる復興の姿といったものもぜひ示す、世界発信できる形にしていただきたいというふうに思います。 堀井政務官も行くんですよね。行かないの。
○堀井(学)大臣政務官 いわきの会場に私もはせ参じられるように検討してまいりたいと考えております。
○小熊委員 とりわけ元アスリートの政務官でありますから。島嶼国の研修生が来て、いろいろなレセプションとかに私も参加したときに、非常に踊りの好きな国々が多くて、見ているんじゃなくて、そこにまじってやったら大変喜んで、心がつながったなという感じもしますので、スパリゾートハワイアンズでもやるはずですし、あそこは、ハワイアン、フラだけじゃなくて、実は南の島の踊りがいろいろあるので、飛び入りで政務官が参加したら、これは島嶼国の人々をわしづかみにするんじゃないかなというふうに思いますので。ハワイアンズではやらないんでしたっけ。会場になっていないのか。まあいいや。いずれ、何かパフォーマンスがあれば、大臣にやってくれとは言いませんので、政務官、踊りの場面があったら、ぜひまじって、島嶼国の方々の心をわしづかみにするということも、これはやはり外交上大事なことでありますし、同じ大学の同窓生の先輩としてぜひお願いをしたいなと思っています。何かありますか。
○堀井(学)大臣政務官 しっかりその点についても踏まえて検討してまいりたいと思います。 第八回太平洋・島サミットにおいても、福島県及びいわき市の協力を得て成功裏に実施した第七回太平洋・島サミットと同様、被災地の震災からの復興が進む姿を世界に発信する機会とすべく、地元の皆様と緊密に連携をしながら準備を進めているところであります。成功裏にこの会合が終えられるよう、外務省として努力したいと思います。
○小熊委員 ぜひ頑張ってください。 テーブルの上のさまざまな外交も大事なんですけれども、やはりそれ以外のレセプションでの外交努力というのは、同僚の遠山委員は、その効果については実際私の努力も目の当たりにしていただいているので、ぜひ御検討いただきたいというふうに思います。 では、ちょっと次に移りますけれども、学校保護宣言についてお聞きいたします。 これは、平成二十五年に、当時、こちらにいらっしゃいます木原委員が政務官のときに、日本政府としてもしっかりこのガイドラインづくりには関与をして、率先して取り組んでいきたいという大変前向きな御答弁をいただいたというのがありました。 その後、時を経てこれがしっかりでき上がったんですけれども、日本は調印をされておりません。あのときの木原政務官の前向きな答弁が結実をしていないということに関して、本当は当時の木原政務官に答弁を求めたいところではありますが。これは理由として、何か日本の防衛上支障があって懸念しているから調印されていないのか、懸念材料があるのであれば、具体的にこういう点がこのガイドラインと合致しないんですよねというのがあればお示しをいただきたいというふうに思います。
○長岡政府参考人 お答え申し上げます。 日本は、武力紛争下においても紛争当事者は学生の安全それから教育を保護すべきであるという学校保護宣言の目的自体は、基本的に評価をしております。 他方で、この宣言が支持するとしております武力紛争下で学校や大学を軍事利用目的から守るためのガイドライン、このガイドラインの中には、既存の国際人道法の義務を超える内容について言及しているものもありますし、また、使われている用語の意味が不明確な部分がございます。 こうした理由から我が国として学校保護宣言への支持は現時点では表明しておりませんが、先ほど御答弁申し上げましたように、その目的自体は基本的に評価しておりますということで、国際的な議論はこれまでもきちんとフォローしておりますし、引き続きしっかりとフォローしてまいりたいと考えてございます。
○小熊委員 曖昧な部分というのは、具体的にガイドラインのどこが曖昧だという見解を持っているんですか。
○長岡政府参考人 お答え申し上げます。 例えば、このガイドラインの一番最初の一のところで、武力紛争の当事者は、開校中の学校や大学を軍事上の努力を支援するためにいかなる形でも使用してはならないというふうに規定をしてございますけれども、国際人道法を参照してみますと、こうした義務が一般的に課されているとは解しておりません。そういう点を踏まえて、現時点で日本政府としてはこの学校保護宣言についてそこに加わっていない、そういう事情でございます。
○小熊委員 ガイドライン一に触れていただいて、お配りの資料の三枚目がガイドラインでありますけれども。 今、ガイドライン一と言われましたので、ちなみに、ガイドライン一については、あってはならない事態ですけれども、日本が攻め込まれたときに、いわゆる学校、とりわけ、私の選挙区の地方なんかは土地はいっぱいどこでもあるんですけれども、都会なんかは大きい土地がない、学校が広い土地があるということで、そこにいわゆるPAC3とか迎撃ミサイルとかを置くということを想定しているからこのガイドライン一はのみ込めないよねということなんですか。より具体的にちょっとお聞きしますけれども、そういうことを想定しているんですか。
○山本副大臣 お答えを申し上げます。 まず、自衛隊法第八十八条第二項にも規定しておりますが、防衛出動を命ぜられた自衛隊が武力の行使をする際に、国際人道法を含む関連国際法及び慣例を遵守することは当然でございます。その際、民間施設や子供を含む民間人への被害を回避するよう努めるのもまた当然のことであります。 一方、我が国に対し外部から武力攻撃が行われた場合には、相手方は、地域にとらわれず、全く自由な作戦行動をとることとなります。これに対応する自衛隊の部隊の展開場所を含む行動の態様については、個別具体的な状況によるため、一概にお答えすることは困難であります。
○小熊委員 それはそのとおりなんですけれども。いろいろなことが想定はされるし、実際の個別具体的なことについては今何も起きていない時点で述べられないというのも事実なんですけれども、それはどの国も同じですよね。日本が特殊な事情を抱えているわけでもなくて、どの国だって戦乱が起きればそういうことが言えるんですけれども、既に七十カ国以上調印をしていますし、例えばG7の国の中でもフランスやカナダは調印をしています。抽象度の高いレベルでいろいろ懸念されるということで言い切れないということであっても、それはどの国にも当てはまる話で、でも、調印はしているんですね。 何で日本がこれを調印しないという判断になっているのかという理由は、各国とその理由を比べても、同じ状況であるのに、これが明らかになっていません。今説明したことはフランスの国だって言えることですよ。何かあったときに、フランス国内でこうですからと。でも、それを懸念材料とせずに調印をしているわけです。どの部分で調印をしていないのか、もっと具体的に、拒否をする理由を教えてください。
○長岡政府参考人 今の御質問でございますが、委員御指摘のとおり、現時点で、七十二の国、それからパレスチナがこの学校保護宣言には参加をしております。 それぞれの国がいかなる検討を踏まえてどのような事情で参加をすることに決めたのか、あるいは国連加盟国の中で参加をしていない国がどういう事情なのか、我々としては、そこの詳細について全体を把握しているわけではございません。 いずれにしましても、日本政府としては、この学校保護宣言の趣旨は基本的には賛成をしているわけですけれども、このガイドラインの中の個別具体的な文言といったものが、国際人道法上、日本として負っている義務との関係で、どのようなことが起こるのか、あるいは自衛隊の運用等に具体的にどのような影響を及ぼすのかということを真剣に、慎重に検討をする必要があると考えております。 他方で、先ほども御答弁いたしましたが、国際社会において七十以上の国が趣旨に賛同しておりますし、また、安保理においても、この宣言そのものではありませんが、学校や児童に対する武力紛争があったときの問題について議論をするという非公式な会合も開かれたりして、そういうところに日本としても積極的に参加をし、いろいろと議論には加わっているということで、引き続ききちんとフォローしてまいりたいと考えております。
○小熊委員 これは平成二十五年のときにも質疑させていただきましたけれども、今、各地の戦争や紛争で学校が標的になっている、そこがテロリストの基地になって教育の機会を奪われている子供がいる、なおかつ、とりわけ女性が不利益をこうむるのが圧倒的に多いわけですね。 そうなると、日本は女性の社会進出とか、これをちゃんとやっていくんだという観点からも、これはもっと積極的に取り組んでいかなければならないというふうに思いますし、趣旨は理解するけれどもと言ったけれども、結果を出していなければ、それは何ぼ言ったってきれいごとでしかないし、木原政務官の当時のあの答弁が結実していないというのはいかがなものかなというふうに思いますので、これは引き続き議論はしていきますけれども、当委員会の同僚委員である木原委員にもぜひ後押しをしていただきたいと思いますし、初志貫徹に向けてともに努力をしていきたいと思います。 また、昨日、超党派の議連で、ちょっと私、公務が重なって出席できなかったんですけれども、キラーロボットをどうしていくかという議論、これは、とりわけ日本の政治家の中では同僚の遠山議員が先頭に立ってやっているわけでありますけれども。これはキラーロボットにも関係してくるんですよね、はっきり言って。人間であれば意識的にそこを避けるということはやっていけるわけですけれども、そのキラーロボットは自分で考えて行っちゃうというときに、学校が標的になるということも避けていかなければならないし、キラーロボットそのものの存在は否定をしていかなければならないんですけれども。 そうした、いろいろな戦い方の範囲が広がっていく上では、やはり大事なものをしっかり。いや、戦争というのはあっちゃいけないんですよ。あったときには、でも、最低限ここを守るといういろいろな決め事があると思いますから、これもやはり日本は積極的にかかわっていかなきゃいけないというふうに思いますよ、平和国家日本として。 まさにそれが積極的平和外交と言っていることを具体的に示すことじゃないですか。そうじゃなきゃ、積極的平和外交という、やはり言葉だけで、かけ声だけで。どの分野でも最近、今政治の真価が問われていますけれども、委員会で、国会でその場を取り繕えば実態は全然違っていてもいいんだみたいな風潮が間々見受けられる昨今でありますが、国際的にもそういうことをやっちゃいけないので、これは、積極的平和外交というのであれば積極的にこういうのに取り組まなきゃいけない。趣旨は理解するけれどもと言ったってだめですよ、これは。具体的に調印を目指して。 調印を目指して、日本が懸案することがあるのであれば、その懸案事項をしっかり解決していくという努力もしなきゃいけない。待ってちゃだめですよ。日本が具体的に懸案事項があるのであれば、それを払拭するための努力も必要じゃないですか、趣旨は理解しますと言葉で言っているだけじゃなくて。その積極的調印に向けて具体的行動を起こさなきゃいけないと思うんですが、改めて、お願いします。
○長岡政府参考人 御答弁申し上げます。 現代において、紛争が非常に多様化あるいはこれまでとは違う形になっている中で、国際人道法をいかにきちんと守り文民に対する被害を減らしていくのかというのは、国際社会全体の重要な課題でございますので、今委員がおっしゃられたように、日本としてもそういう議論に積極的に加わるとともに、日本国内においても、関係省庁できちんと議論してまいりたいと思います。
○小熊委員 それで、この件に関して、お配りした資料の一枚目、二枚目を見ていただきたいと思います。 アメリカでも、銃規制に関して高校生が一大ムーブメントを起こしていますけれども、日本においても、この学校保護宣言の調印をするべきということで、高校生たちが立ち上がって、この「がっこいしょ隊」というのをつくって、その二枚目の資料にあるように、こうしたメッセージを外務大臣と防衛大臣に届けたいと。本来ならばこどもの日にしたかったんだけれども、これは休みですから、五月一日に両大臣のところに届けたいということで申出があるはずですが。 これは、日本政府がどうであれ、拒否する理由はないというふうに思いますけれども、それぞれ大臣の都合等もあるかと思いますが、防衛省、外務省として、このメッセージを受け取るということに関しては何かそごがありますか。
○河野国務大臣 外務大臣の日程の都合さえつけば、お目にかかります。
○小熊委員 ありがとうございます。 大臣じゃないけれども、防衛省の対応はどうですか。
○山本副大臣 お答え申し上げます。 私も、防衛大臣ではありませんので、防衛大臣の日程にもよりますけれども、防衛省・自衛隊は、高校生に限らず、広く国民の声は常に聞く姿勢をとっておりますので、要望等ございましたら、いつでも歓迎をいたします。
○小熊委員 河野大臣、ありがとうございます。 ぜひ、直接会っていただいて、彼らのいろいろな思いというものを、メッセージを受けとめて、それを真摯に受けとめた上で、具体的な成果が得られるように御検討いただきたいというふうに思いますし、これは木原委員ともどもしっかり頑張っていきたいというふうに思いますので、どうぞよろしくお願いをいたします。ありがとうございます。 次に移りますが、ロシアとの外交、この間も租税の話が出ました。過日も、ロシアのスパイの件についても聞きましたけれども、そのときは、日本は独自の判断、外交官を引き揚げるということはないということでありましたが、今回のシリアのアサド政権による化学兵器使用疑惑についてアメリカが攻撃をいたしたことに関しては、これは総理の発言ではありましたけれども、一〇〇%支持をするという立場に立つということではあります。 改めて、外務大臣、まあ外務省でもいいんですが、このシリアの化学兵器使用疑惑、これは、化学兵器は何人たりとも、どんな国であれ勢力であれ、使うことはままならぬという意思はわかりますが、今回、具体的に、このシリアの疑惑について、化学兵器使用の一般論じゃないです、シリアのこの疑惑について日本はどうしていくのか、そして、支援をしていると言われているロシアに対してどう対応していくのか、お聞きいたします。
○河野国務大臣 アメリカ、イギリス、フランスが化学兵器の使用は断じて容認できないという強い決意を持っていることを日本としては支持をしたいと思っておりますし、三カ国がとった措置についても日本としては理解をいたします。 シリアのアサド政権は、これまで、化学兵器を使用したことを国連とOPCWの共同調査メカニズムの中でも確認をされておりますし、研究施設あるいは貯蔵施設というのを持っているということが確認をされているわけでございますから、そうした施設の能力を低下させる措置というのは日本として理解をしたいというふうに思っております。 シリアにつきましては、国連とOPCWによる共同調査メカニズム、JIMのマンデートを延長すべきという提案を日本は安保理にいたしましたが、残念ながら安保理で否決をされました。 日本としては、化学兵器の使用は断じて容認できず、使った者は処罰されなければならぬというふうに思っておりますが、その使用者の特定をするための恒常的な国際的な機関あるいはメカニズムが現在ない状況にあります。日本としては、恒常的なそうした国際的なメカニズムの設置が必要だと考えておりますので、それに向けて、G7その他の国際場裏でそうした主張をしっかりとやってまいりたいというふうに思っております。 今、OPCWの調査団がシリアに行っておりますので、一刻も早い真実の解明というものをできるように、日本としても、それぞれの国々と働きかけて、その実現に向けて努力をしてまいりたいと思っております。
○小熊委員 大臣が言ったように、真実の解明をまずしなければなりません。各国、さまざまな国とという言葉もありましたが、ロシアは、これは逆に捏造だみたいな感じで言っているわけですね。シリアに対する攻撃も国際ルール上認められないということも言っていますが、そうしたロシアの見解に対して、日本政府としてどんな見解をお持ちですか。
○河野国務大臣 シリアの情勢につきましては、これまでもロシアとの間で外相会談、首脳会談を含め、さまざまなやりとりをしております。今般のシリアにおける化学兵器の使用についても、OPCWの場を通じて、我が国の立場をロシアに伝えてきているところでございます。 我が国として、今後とも、国際社会と連携しながら、ロシアに対して建設的な働きかけをしてまいりたいと思っております。
○小熊委員 ここでは厳しく対応していかなきゃいけないというふうに思っています。化学兵器の使用は断じて許しがたい行為でもありますし、まずは確かに事実確認をしっかりした上でということは前提でありますけれども。 だから、ロシアと友好を図りながら、北方領土の問題も解決をしていく上ではロシアとしっかり議論していかなければならないという反面、厳しいこともしっかり言っていかなきゃいけないということですが、シリアの関係に関してはそういう姿勢が見えるんですけれども、イギリスとのスパイの件に関してはちょっと、日本政府の態度、そこは弱いなというふうに思うんですけれども、ここも厳しく対応していかなきゃいけないんじゃないですか。
○河野国務大臣 イギリスの件につきましても、ラブロフ外務大臣が来日されたときに、その問題についても、さまざま、日本側の立場を申し上げているところでございます。イギリスの警察あるいはOPCWが、この件につきましてもさまざま調査をしているところでございますので、早期な事実の解明といったものが必要になってくると思います。 また、日本といたしましては、北朝鮮問題、ウクライナの問題、我が国の北方領土の問題、さまざまな場面でロシアを建設的に関与させていく必要があるという立場は常々申し上げているところでございますので、委員御指摘のように、ロシアに対して主張すべきところはきちんと主張しながら、ロシアがさまざま必要な場面で建設的に関与ができる、そういう場もしっかりつくっていかなければならないというふうに思っているところです。
○小熊委員 そういう意味では、今北朝鮮の話も出ましたけれども、対話のための対話、これは北朝鮮だけではなくて、こうしたロシアの、ウクライナの話も出ました、これも許しがたい行為で、力による現状変更ですから、許しがたい行為だというふうに思っています。 そういう意味では、具体内容はいろいろあるとは思いますが、やはりロシアに対しても、対話のための対話、言っていることは正しいし、それを常々言う姿勢は大事ですが、具体的に、圧力という言葉が適当なのかどうかはわかりませんけれども、対話以外のそうした、経済政策も含むいわゆる圧力といったものも、ロシアとの関係においてはやっていくべきじゃないですかね。 ただ言ったのであっても、結局、今ロシアの状況を見てみれば、言われたって、やっていることはやっちゃっているわけですよ。ウクライナ問題だって解決をしていかない。 そういう意味では、対話以外のロシアに対する対応というのはありますか、検討していますか、必要性を感じますか。どうですか。
○河野国務大臣 この化学兵器の問題について申し上げれば、今事実解明が行われようとしているところでございますので、それを待った上でさまざまな措置を考えたいと思っております。
○小熊委員 ウクライナの件についてはどうですか。
○河野国務大臣 ウクライナの件につきましては、さまざまな同志国と同様に、ロシアに対してさまざまな措置をとっているところでございます。
○小熊委員 同志国とやっていくということですが、ただ、スパイの件に関しては同一歩調じゃないですね。外交官引揚げとかやっている国もあるけれども、日本はそこまでいっていない。 その判断の違いは何ですか。
○河野国務大臣 まず事実の解明が必要だというのが日本の立場でございます。
○小熊委員 ぜひ、その事実の解明がなされたときには、言葉ではなくて、具体的にどうロシアと対峙していくかということが求められるというふうに思います。 ただ、一方で、要らぬ緊張感も持たすわけにはいきませんし、北方領土は早期に解決をしなければなりませんし、また一方で、北朝鮮のことに関しても、いわゆる日米韓、そして、逆に中国、ロシアの、やはりちょっと溝も感じるところでありますので。だから、そこはロシアと連携もしていかなければいけない、そうした外交的努力も必要だ、硬軟織りまぜてやらなきゃいけないという、非常に高度な政治判断、外交力が求められるところだというふうに思っています。 そうした意味で、ますますこれまで以上に日本とロシアの外交の深化をしていかなければならないというのが今の現状でありますけれども、まさにロシアと日本のこの北方領土の解決、又は対北朝鮮に対しての連携、こうした関係強化が求められている反面、まさに、このシリアの問題、ウクライナの問題、こうした問題に関してやはり厳しく対応していく。この連携する部分と厳しく対応していかなければいけない相反する両面を、改めて河野大臣としてはどう留意をして、具体的にどうこれから取り組んでいかれますか。
○河野国務大臣 国際社会で足並みをそろえていかなければならない部分というのもございますし、日本として、北方領土の問題というようなものもございます。あるいは、北朝鮮の問題に関して言えば、これはロシアに積極的にかかわってもらう必要がございます。そうしたさまざまな国際情勢の中での事情を踏まえながら、日本として最善の対策をとっていきたいと思います。
○小熊委員 そういう意味では、あれは総理の発言ですけれども、一〇〇%という言葉ではなくて、アメリカ一辺倒でもなく、やはり日本の独自の立ち位置というのが逆に大事になってくるんだろうなというふうに思っています。それをやれるのがまさに河野大臣だというふうに思いますので、これは、いろいろなアメリカとの関係性、またロシアとの関係性の中でも、どっちをとるとか、どっちだけを大事にするとか、また逆に、ただコウモリのようにやるということではなくて、日本のまさに外交力が問われている案件であり、それをしっかり取り組んでいただける河野大臣だというふうに思っています。 そういう意味では、国会日程もありますけれども、まさに今、大事な局面でありますので、ロシアということに限るわけではありませんが、とりわけ今日本の外交上のさまざまな課題は、ロシアがとりわけ、主役であれ脇役であれ、関係している案件が非常に多いので、専用機がないという制約もありますが、ぜひロシア政府要人と、これまで以上にちょっと関係性を緊密にしていただきたいというふうに思います。 その点についてはどうですか。
○河野国務大臣 国会日程については、国会の方でいろいろ御配慮をいただいておりまして、感謝申し上げたいと思います。専用機の問題につきましては、これは財務省としっかり議論を続けていきたいと思います。 いろいろ制約その他はございますが、やはり直接お目にかかって、主張すべきところは主張する、相手の話に耳を傾けるところは耳を傾けるというのは大事ですし、ラブロフ外務大臣とも何度も直接お目にかかって、かなり信頼関係はできている、立場は違うところは多々ございますが、そうしたものを踏まえてお互いの信頼関係というのがつくれているというふうに思いますので、モスクワ、近いところではございませんけれども、行けるところはきちんと行く、あるいはそのさまざまな国際会議のマージンで、また日ロの外相会談というのは積極的にやっていきたいというふうに思っております。
○小熊委員 そこで、ぜひ留意していただきたいのは、それは河野大臣の政治家としての実力も大事だとは思いますが、余りそれに寄りかかると属人的になり過ぎて、じゃ、河野大臣が大臣から外れたときに、また外交を一からやり直す必要があるという部分も出てきてしまいますので、そういう意味では、外交というのはある意味国益ですし、党派を超えたようなところもありますので、ぜひ、ロシア通と言われるさまざまな、これは民間人も含めて英知を、御意見を賜ってもらいたいと思いますし、野党の側にもロシアに強い方もいますので、そうした人の見方ですね、大臣自身が、向こうの政府首脳の人物像、プロファイリングだけではなくて、ほかの人の意見も多角的に聞いてみる、意見を求めてみるというのも大事だと思います。 とりわけ、昨年、公明党の山口代表そして遠山委員がロシアに行かれて、いろいろな、私もその後のレクを受けさせてもらいましたけれども、また、山口代表、遠山委員が行かれたときのロシアの印象や、また人脈といったものもあります。これはやはり活用しない手はありませんので、ぜひ、河野大臣の一人の努力だけではなくて、まさに日本全体のチームでこれに当たっていくということが必要だと思いますので、こうした、他の部分と連携していくということをぜひ御努力をいただきたいと思いますが、大臣、どうでしょうか。
○河野国務大臣 外交というのは、外務大臣だけでなく、やはりオール・ジャパンでやらなければいかぬと思いますし、また、外務省、外交官だけでなく、それはもう文化、スポーツといったあらゆる面を、まあ、使ってと言うとちょっと言葉は悪いかもしれませんけれども、そういうものを通じた対日観、対ロ観というのも当然大事になってくると思いますので、オール・ジャパンでしっかりと外交ができる、そういう体制をしっかりつくっていけるように努力したいと思います。
○小熊委員 そういう意味では、この委員会でも議論させていただきましたけれども、議員外交というのは非常に大事だというふうに思っています。大臣も、大臣就任前も個人で議員外交、さまざま努力をしてきて、その意味、効果といったものも十分理解をされているというふうに思います。 ただ、今、最近、内向きの日本とも言われますが、我々国会議員も、小選挙区になってから、外交よりやはり選挙区だというようなものもありますし、いろいろな制約なり、議員外交しにくい状況もあるんですけれども、これはしっかり、大事なことだというふうに思っています。 そういう意味では、外務委員会こそ、これは委員長にお願いを申し上げます、外務委として意見を取りまとめていただいて、議運ですかね、国対になるのか、提言をしていただきたいのは、外務委員会は海外調査は毎年しなければならないというふうに思います。参議院のODA特委は毎年行っています。これは、日本の外務省予算が適正に使われているかという点と、まさに議員外交の中で人脈をつくっていく、分厚い外交を展開するためにも、大臣一人に全てを背負わしているわけにはいきませんので、チームワークでと言われましたので、ぜひ、委員長、整理した上で、外務委として正式に国会の中に提言をしていくということをお諮りいただきたいと思います。よろしくお願いします。 何かあれば。
○中山委員長 御意見を承らせていただきます。貴重な御意見ありがとうございます。
○小熊委員 時間が来ました。ありがとうございました。
○中山委員長 次に、岡田克也君。
○岡田委員 無所属の会の岡田克也です。 まず、先般のアメリカを中心とした三カ国によるシリア攻撃について簡単にお聞きしたいと思います。 先ほども大臣が答弁されましたように、化学兵器の使用、拡散を容認しないという決意は支持をするとした上で、研究開発能力を低下させる措置についても理解すると、支持と理解を使い分けられたわけですが、全体について支持をされなかった理由はどこにあるんでしょうか。 〔委員長退席、新藤委員長代理着席〕
○河野国務大臣 化学兵器の使用は極めて非人道的な行為でありまして、これはいついかなる場合でも許されるものではなく、これは強く非難をいたします。日本として、使用した者は罰せられなければならないということでございます。 化学兵器の拡散、使用は絶対に許さないとの米国、英国及びフランスの決意は、これは日本もそう考えているわけでございますから、支持をいたしております。その上で、今回の行動はこれ以上の事態の悪化を防ぐためのやむにやまれぬ措置ということで理解をしたいというふうに考えております。
○岡田委員 私は理由を聞いているわけです。
○河野国務大臣 今回のは武力をある面使ったということでございますので、これはさまざまな評価があろうかと思いますが、日本として、これはやむにやまれぬ措置を三カ国がそういう決意のもとでとったということで理解をしているということでございます。
○岡田委員 行為については理解をするということですが、国連憲章に基づく安保理の決議がないということも考慮しての理解ということでしょうか。
○河野国務大臣 三カ国の決意につきましては、これは日本と全く同じ、化学兵器の使用を許さない、拡散を許すべきでないということでございますから、これは支持しているわけでございまして、武力の行為につきましては、これは日本として参加をしているわけでもございません。そういう意味で、理解をしているということでございます。
○岡田委員 参加をしているわけじゃないから理解しているというのは、何を言っているのかよくわからないんですが、国連憲章に基づく安保理での決議がないということをもって、支持ではなくて理解にとどめたということではないんですか。
○河野国務大臣 国連の安保理の決議というものがあれば、それはまた国際的なそういう意味でも非常に強いものになるんだろうと思います。その際に、日本として支持するのか理解するのか、それは予断を持ってここでお答えするのは差し控えたいと思います。
○岡田委員 私が聞いているのは、安保理の決議がないから、支持までは言わずに理解にとどめたのではないかということを聞いているわけです。
○河野国務大臣 単純に、そういうわけではないということを申し上げているわけでございます。 〔新藤委員長代理退席、委員長着席〕
○岡田委員 そのことも一つの理由ではないんですか。
○河野国務大臣 さまざまなことを考えた上で、日本政府としての立場を表明をしております。
○岡田委員 そういうふうに言わざるを得ないでしょうね。前回も、あるいはその前も、大臣が言われたように、米国の武力行使は全て国際法違反ではない、そういう前提でいろいろな議論を組み立てておられるので、今回のことについて明言はなかなか言えないんだろうというふうに思います。 ただ、今回の日本政府の使い分けというのは、注意しなきゃいけないのは、例えばコソボのときにも、理解するというふうに日本政府は述べたわけですけれども、あのときは人道上の問題、あるいはNATOという組織体、国連ではないけれどもNATOで決定したことということがあったと思います。 今回は人道上ということも日本政府は言っていないので、事態のこれ以上の悪化を防ぐためと総理が言い、あるいは河野大臣は、シリアはこれまで化学兵器を使った事実があり研究開発能力があるということからこの研究開発能力を低下させる措置について日本は理解します、こういうふうに述べられているんですね。 研究開発能力を低下させるために武力が行使されたことということについて、私はよくわからないんですね。人道上というよりも更に広げてしまっている。こういう言い方というのは私は初めてだと思うんですけれども、この点については何かありますか。
○河野国務大臣 シリアのアサド政権が化学兵器をこれまでたびたび使ってきたということは、国連、それとOPCWの共同調査メカニズムの中で断定がされているわけでございます。また、シリアのアサド政権が化学兵器の研究開発能力を有しているということも事実であるわけでございます。そういう中で、この化学兵器の使用、拡散をこれ以上許さないという三カ国の決意を支持し、措置を理解をしたということでございます。
○岡田委員 今回のこのシリアに対する攻撃も、アメリカの武力行使というものが、国連憲章あるいは国際法の上でグレーな部分があるという一例だと私は思います。 そういうことですから、大臣が前回、前々回言われたような、いや、アメリカが国際法違反するとは、そういう想定はしていないとかいうことでいろいろな論理を組み立てることはそもそも間違っている。アメリカがあらゆる手段がテーブルにのっているというときに、これを高く評価したり、完全に一致したとかそういう言い方は、そこにグレーな部分が残る以上、すべきでないということは、もう一度強調しておきたいと思います。 もし、大臣、何か反論があればおっしゃっていただきたいと思います。
○河野国務大臣 北朝鮮の問題につきまして、日米は緊密に連携をしておりますので、アメリカが国際法に違反するような行為をとるとは考えておりません。
○岡田委員 そこまで開き直られると、私は唖然とするわけですけれども。 今までのアメリカの武力行使の歴史を見ても、あるいはアメリカの考え方そのものを検証してみても、アメリカは、アメリカの国益に基づいて判断する、必ずしも国連憲章とか国際法というものにとらわれない、そういう認識をしておくこと、それを前提に日本の対応というのを考えておかなければいけないということは繰り返して申し上げておきたいと思います。 そこで、実は、密約調査を私が行ったときに、朝鮮半島に対するその武力行使について、朝鮮議事録という密約があるということが判明をいたしました。これは、朝鮮半島有事の際の武力行使については事前協議を必要としないという、そういう日米間の密約であります。その密約は、もう既に効果がないということ、失効しているということを確認をいたしました。 その上で、若干文言が、従来、前向きにかつ速やかにと、これは総理のプレスクラブでの発言なんですが、前向きにというのは一定の方向性が出ているということで、これを適切かつ迅速にというふうに置きかえたわけであります。 ここまでのところは、岸田大臣は、その民主党政権のときのアメリカとの交渉結果を引き継いでいるというふうに明言されたわけですが、当然、河野大臣も引き継いでおられますね。
○河野国務大臣 安倍内閣として、御指摘の立場を現在も引き継いでおります。 すなわち、政府は、朝鮮半島における有事の際に米国政府から行われる事前協議に対しては、朝鮮半島における平和と安定の維持は日本及びこの地域の安全に極めて重要であることを踏まえ、個別の状況を考慮しつつ、適切かつ迅速に、英語で言えばアプロプリエートリー・アンド・エキスペディシャスリーに対応する、そういうことでございます。この事前協議に際し、我が国は、国益確保の見地から、具体的事案に即して自主的に判断し諾否の決定をするというのが安倍内閣の立場でございます。
○岡田委員 この事前協議、つまり、日本の在日米軍基地から直接作戦行動に米軍機が飛び立つ、それに対する、日本政府に対する事前協議ということですけれども、私は、これは実際に、有事の際に、存立危機事態を政府が認定するとか、あるいは、場合によっては重要影響事態を認定するよりも早いタイミングで、日本政府として、その事前協議に遭遇する、事前協議しなければならないという場面があるのではないかというふうに思っているわけです。そういう意味で、政府の判断として非常に重要だというふうに思うわけです。 私も、朝鮮半島有事の際に、在日米軍が基地を使って発進したいということを言われれば、よほどのことがない限りそれにノーと言うことはあり得ないというふうに思っているわけですけれども、しかし、この米軍の行動によってはなかなか国民の理解が得られないということも想定されるわけですね。つまり、国際法上、それに合致した、そういう行動であればともかくとして、それが非常に疑わしいような、グレーな行動を米軍がとった場合に、事前協議に対してイエスと言うことに国民の理解は得られるかどうか、こういう問題があると思いますが、そういう認識はおありですか。
○河野国務大臣 今の北朝鮮情勢の中でアメリカがどういう対応をとるかということに予断をすることは差し控えたいと思いますが、その上で申し上げれば、この北朝鮮に関しては、これまで、日米で緊密に連携し、すり合わせをしてきておりますので、アメリカが国際法上違法な武力行使を行うとは考えておりません。
○岡田委員 例えば核施設を排除するために攻撃をするというのは、国際法上違法ではないんですか。
○河野国務大臣 北朝鮮で米軍が核施設に対して武力行使を行うということは、今のところ想定をされていないと思います。
○岡田委員 想定を、今米国がそこまで決めているとは私は思いませんが、可能性としてはそういうこともあり得るわけです。 大臣はそういうことはあり得ないという前提で今答弁しておられるわけですが、しかし、あり得ないということを断定はできないわけですね。だから私は聞いているわけです。
○河野国務大臣 米国が国際法上違法な攻撃をするとは想定をしておりませんので、そういう場合には、恐らく個別具体的に判断をしなければならないというふうに思いますが、アメリカが国際法上違法な武力の行使を北朝鮮のこの件においてするとは、日米の緊密な連携の中で想定をしておりません。
○岡田委員 大臣の答弁を聞いていると、アメリカがした場合には全部合法だと。そういう論理というのは、自衛隊のいるところは非戦闘地域だという、その答えとほぼ同じじゃないかというふうにも思えるわけですが。 いずれにしても、この問題、私は、やはり国民の理解を得るためにも、アメリカが適切に行動するということが前提でないと、直接発進についてイエスと言った瞬間に日本に対して攻撃がなされる可能性もあるという、これは重大な政治判断ですから、それを国民の理解を得るためにはいろいろな条件を整えておく努力というのは必要だ、そういうふうに思っているところであります。 それでは、次の問題に移りたいと思いますが、安倍総理は、昨年の国連総会の演説で、北朝鮮の問題を専ら取り上げられて演説をされたわけですね。その中で、北朝鮮に対して、対話とは北朝鮮にとって我々を欺き時間を稼ぐための最良の手段だった、同じ過ちを繰り返してはいけない、最後に述べておられるのは、必要なのは対話でなく圧力である、こういうふうに言われたわけですね。 確かに、北朝鮮との、我が国を含む各国との交渉を見ていると、結果的には核開発は着々と進んだわけですから、時間稼ぎという側面があったことは否めないというふうに思います。 ただ、一方的に、北朝鮮がそういう時間稼ぎのためにだまし続けたというふうに断じてしまうのは私はいかがかと思うわけですね。我々の方、我々というのは、北朝鮮以外の、例えば六カ国協議であれば五カ国の方にも、さまざまな問題がある中で現状になっている。そのことについての反省とか検証とか、そういうものをしっかりした上で今後の交渉に臨まないと、北はとにかく悪いんだというだけでは、私は今度の交渉もうまくいかないだろう、そういうふうに思っているわけです。 そういう観点で具体的にお聞きしたいと思います。 まず、これは前回もちょっと申し上げましたが、二つの大きな出来事があるわけですね。一九九四年の米朝の枠組み合意、それから二〇〇五年の六者の合意。 まず、六者の合意について検証していきたいと思うんですけれども、二〇〇五年九月十九日の六者協議で共同声明が出されました。この共同声明の文章を改めて読むと、かなりのことがこれに書き込まれているわけですね。全ての核兵器及び既存の核兵器を放棄する、それから、NPT及びIAEA保障措置に早期復帰する、それから、最終目的としては、米朝、日朝間の国交正常化を行う、こういったことが具体的な目標として書き込まれたもので、私は、当時としてはこれは大きな成果だったというふうに思うわけですが、まず、河野大臣、この二〇〇五年九月の六者協議の共同声明について、どのように考えておられますか。
○河野国務大臣 御指摘のとおり、二〇〇五年の六者会合の共同声明は、地域の平和と安定に大きな役割を果たす、あるいは、責任を有する五カ国と北朝鮮が、平和的な方法で朝鮮半島の検証可能な非核化を目標として確認したという意味では意義があるものだと思いますし、我が国もまた、北朝鮮と、この共同声明の中で、日朝平壌宣言に従って国交を正常化するための措置をとるということを約束いたしました。 しかし、この六者会合の共同声明後も、北朝鮮は共同声明を無視し、核・ミサイル開発を続けてきたという厳然たる事実がございます。また、拉致問題についても、北朝鮮は具体的な行動を示してこなかったということが言えるのではないか。 そうした教訓を踏まえ、北朝鮮とただ対話をするだけでなく、きちんと圧力をかける必要があるというのが今の国際社会の理解になっていると思います。
○岡田委員 北朝鮮にきちんと圧力をかけなければいけない、そういう考え方、認識は共通です。 その上で質問を続けたいと思いますが、この六者協議の共同声明、二〇〇五年の九月の十九日です。 確かに、大臣御指摘のように、二〇〇六年七月にはミサイルの発射実験、いろいろなミサイル七発を発射実験し、十月には核実験ということですから、六者協議の共同声明の後、実はかなり停滞したというか、北朝鮮はやりたい放題やったということは間違いないわけですね。 しかし、同時に、この二〇〇五年九月十九日の六者協議の共同声明とほぼ同じ時期、具体的には九月十五日に、マカオのバンコ・デルタ・アジアの北朝鮮関連口座を米国政府は凍結をしているわけです。 このことが共同声明の実施に当たって障害になったという考え方がありますが、その点、大臣はどう考えておられますか。
○河野国務大臣 アメリカの認定を受けてマカオの当局が北朝鮮の関連資金を凍結した結果、北朝鮮がこれに反発して六者会合への出席を拒否したという見方があるというのは承知をしておりますが、そもそも、このバンコ・デルタ・アジアと北朝鮮の特別な関係が北朝鮮政府及び関連企業の不法活動を容易にしたわけであって、そもそも北朝鮮がこうした不法行為を停止すれば、このようなアメリカの認定というのはなかったわけでございます。 ですから、財務省がパトリオット法三百十一条に基づいて、マカオ銀行、マカオのこのバンコ・デルタ・アジアに対してとった措置と六者会合というのはそもそも別な話でございますから、アメリカがこうした認定をやったことを口実にして北朝鮮が六者会合の共同声明を破ったというのは、一概にそうだということではないだろうと思います。
○岡田委員 例えば薮中三十二さん、薮中さんは二〇〇三年から二〇〇四年にかけて六者協議の日本側の首席代表を務めておられたわけですが、薮中さんは、金正日氏は本当に核を放棄する考え方があったと思う、このバンコ・デルタ・アジアの北朝鮮資産凍結で北朝鮮がだまされたと思ったかもしれないというふうに言っているわけです。 これは当事者の発言だけに非常に私は重いというふうに思うんですが、いかがですか。
○河野国務大臣 そもそも北朝鮮並びに関連企業が不法行為をやっていたわけでございますから、それを口実に六者の声明を破ったからといって、別に北朝鮮に同情する必要はないんだろうと思います。 薮中さんのような見方があるということは認識をしておりますが、そもそもこの原因となった、核開発を進めミサイルの開発をしたのは北朝鮮でございますから、今日の北朝鮮問題の責は北朝鮮にあると考えざるを得ないと思います。
○岡田委員 同情する必要がないとかあるとか、そういう次元で交渉を論じるのは私はいかがかと思いますよ。やはり、交渉をやっている中で、その交渉の中で持ち出さなかったものをいきなりほぼ同じタイミングで凍結したということが、交渉のやり方として適切だったのかどうかというところは私は議論があると思います。 恐らく、これはアメリカ政府の中でダブルトラックで物事が進んでいた、お互いわかっていなかったんじゃないか、そういう意見が私は強いと思うんですね。つまり、財務省ルートと国務省ルートでそれぞれやっていって、それが連携がとれないまま、同じタイミングで一方は合意をしたし一方は凍結をした、そういう結果になってしまったんじゃないか、こういうふうにも言われているわけですね。 だから、ここから得られる教訓は、やはりこれはアメリカ政府が本当に一本になって対応しないといけないということだと私は思います。 きょうは触れませんが、米朝の枠組み合意も、アメリカ政府の中で、ネオコンと言われる人たちとそうでない人たちの間で確執があったということは私は言えると思うんですね。 かつ、では、外務省は、この資産凍結について、六者協議の合意をするときに承知していたんですか。
○河野国務大臣 この措置について、米国務省自身が、通貨偽造や資金洗浄から米国の金融システムを防御するための米国金融当局による正当な法執行の一環である旨説明をしているわけでございます。 この措置に係る日米の連携について、外交上のやりとりについて申し上げることは差し控えますが、財務当局間を始め、日米でこの件について緊密に意見交換が行われていたと承知しております。
○岡田委員 事前に緊密に意見交換が行われていたかどうか、甚だ疑問ですね。 仮に、アメリカの財務金融当局と日本の財務省の間で多少の情報というものはあったとしても、それが外務省に流れてきていたかどうかというのも、これまたわからない。金融の世界というのは日本の外交と分断されていますから、情報だって十分伝わってこないという、それは現実だと思うんですね。 だから、これから北朝鮮と交渉するに当たって、やはり日本政府が一丸となって事に当たれるようにしておくというのも、私はここから得られる教訓ではないかと。どうしても、財務省ルートの話というのは、そのまま全ては外務省に流れてこないというのが現実である。だから、この北朝鮮の問題については、そういうことがないようにしっかり連携をとっておくということが私は大事だと思いますが、いかがですか。
○河野国務大臣 おっしゃるとおりだと思います。 北朝鮮問題については、外交、安全保障、財務その他、金融、あるいは入国管理、いろいろな側面があると思いますので、政府の中でしっかりとした体制を組んでこの北朝鮮問題に当たる必要があるというのは、委員おっしゃるとおりでございます。
○岡田委員 二〇〇六年十月に北朝鮮の核実験が行われたわけですけれども、その後も実は六者間での協議というのは続いているわけですね。二〇〇七年二月には、先ほどの共同声明実施のための初期段階の措置というのが決まり、十月には第二段階の措置というのが発表されました。それを受けて、二〇〇八年四月には、北朝鮮は原子炉の冷却塔を破壊をするということがありました。二〇〇八年十月には、アメリカは北朝鮮のテロ支援国家指定を解除する。そういう意味では、核実験にもかかわらず、その後も交渉は実は続いてきたわけであります。 しかし、最終的にはこの交渉は頓挫してしまうわけであります。二〇〇八年十二月に、六者会合に関する首席代表者会合で、検証措置について合意ができないということで頓挫してしまうわけです。 核実験にもかかわらず、六者間の協議は続き、関係者の努力によって順調に歩みを進めてきたが、最後の検証のところで行き詰まった。その理由は、外務省としてはどのように把握しておられますか。
○河野国務大臣 二〇〇七年の十月に、六者は共同声明の実施のための第二段階の措置に合意し、その後、検証を実施する段階になって、問題が生じることがあってはならないとの観点から、検証の具体的な計画及び実施についての議論が進められました。 しかし、二〇〇八年十二月の第六回六者会合に関する首席代表者会合において、検証の具体的な枠組みについて議論が行われたものの、日米韓ロと北朝鮮の立場の違いが埋まらず、合意は得られなかった。 この背景には、北朝鮮が、完全、検証可能な、かつ不可逆的な方法での核、ミサイルの廃棄に向け、必要なコミットメント及び具体的な行動を示さなかったことにあるというふうに考えております。
○岡田委員 検証の中には、施設への訪問、文書の検討、技術者との面談などが含まれていたと思うんですが、これがなぜ最終的に合意できなかったのかということをしっかりともう一度振り返って検証することが私は非常に有用ではないかというふうに思うわけですね。外務省には当然、交渉の当事者ですから、当時の文書は大量に残っているはずですし、北朝鮮の出方というのも、その中に多くのヒントが含まれているというふうに思うわけです。 ですから、大臣には、まあ外務大臣をやっておられると非常に忙しくて、海外も行かなきゃいけないし国会も出なきゃいけませんから、自分でいろいろ考えて準備する時間というのは非常に限られてしまいます。決まり切ったものが上がってきて、その範囲でいろいろな判断をしなきゃいけないんですが、この北朝鮮の問題というのは、本当に我が国の国民の命と平和な暮らしにかかわる極めて重要な問題なので、やはり少し時間を割いて、その間、当時の状況をもう一回しっかり検証していただいて、必要があれば、当時の関係者もいます、例えば田中均さんとか薮中さんとか、そういう人の意見も聞いていただいて、どういうふうにしてこれからの交渉に臨んでいくかということについて、しっかりと大臣が主導して組み立ててもらいたいというふうに思うんですが、いかがでしょうか。
○河野国務大臣 外務大臣経験者の大変有益なアドバイス、傾聴に値すると思いますので、そのとおりしっかり対応させていただきたいと思います。
○岡田委員 終わります。
○中山委員長 次に、宮本徹君。
○宮本(徹)委員 日本共産党の宮本徹です。 BEPS防止措置実施条約について質問します。 まず、PEの定義拡大について伺います。 今国会で成立した二〇一八年度の税制改正では、国際課税の分野で、BEPSプロジェクトに従い、恒久的施設、いわゆるPEの定義を広げる改正が行われました。本BEPS防止措置条約にもその内容が含まれております。 これまでは、商品の保管や展示、引渡しをする倉庫などはPEの対象外となっておりましたが、日本で活動する外資系企業の中には、PEに認定されない活動のみを行うことでわざと課税を回避する企業があり、特にネット通販企業に課税しにくいといった課題が指摘されてきました。 改正後は、支店や事務所、工場などがなくても、事業の根幹を担う大規模倉庫があれば課税できるようになる、本内容についてはそういう理解でよろしいですね。
○吉田政府参考人 お答えを申し上げます。 平成三十年度税制改正におきまして、BEPSプロジェクトの合意事項や、御審議いただいておりますこのBEPS防止措置実施条約の規定等を踏まえまして、PEの定義を国際的なスタンダードに合わせるための見直しを行ったところでございます。 委員御指摘のとおり、物品の保管のみを行う場所でありましても、それが企業にとって準備的、補助的な活動ではなく、本質的な活動であると認められる場合におきましては、PEの認定上、課税し得るように規定を見直したというところでございます。
○宮本(徹)委員 しかしながら、アメリカはBEPS防止措置実施条約を保留しているため、本条約が発効され、日本の国内法が整備されたとしても、米国の企業には今回の改正は適用されない。つまり、インターネット通販業のアマゾンなどの米国企業に対しては、新たなPEの基準は適用されない、こういう理解でよろしいですね。
○飯島政府参考人 お答えいたします。 BEPS防止条約を締結していない国、地域との二国間租税条約には、本条約の適用によるBEPS防止措置の導入は行われません。 したがって、委員御指摘のとおり、BEPS防止条約を締結していない国、地域の居住者である企業には、本条約の適用により導入されるBEPS防止措置は直接には適用されないことになります。
○宮本(徹)委員 ですから、米国に対して、BEPS防止措置実施条約への参加、さらには日米租税条約の改正を求めていかなきゃならないわけですが、なぜアメリカはこのBEPS防止措置実施条約に反対しているんですか。
○河野国務大臣 アメリカは、BEPSプロジェクトに参加し、この交渉に参加していたものの、現時点で本条約には署名をしておらず、その理由は明らかにされておりません。 BEPS防止措置はより多くの国が実施することで真価を発揮することから、日本としては、米国を含む本条約の未参加国に対して、国際会議の場などを通じて署名を呼びかけているところでございます。 政府としては、引き続き、国際社会と協調し、租税回避の防止に向けて不断に取り組んでまいりたいと思います。
○宮本(徹)委員 なぜ参加しないのか、理由を明らかにしていないということなんですけれども、これはアメリカとの詰めた議論が行われていないということなんですか。
○飯島政府参考人 お答えいたします。 米国は、BEPSプロジェクトに参加しておりますし、本条約の交渉にも参加してきておりますので、基本的な論点については米国も理解をしていて、これを米国として今いろいろと判断をしているところと承知しております。
○宮本(徹)委員 米国として判断しているところとか、理由は明らかにされていないというので、何か、聞いていると、詰めたやりとりをアメリカとやっているような雰囲気が感じられないんですけれども、河野大臣自身は、このBEPS防止措置実施条約へ参加すべきだと御自身がアメリカに対して働きかけたことというのは、どういうレベルでやられていらっしゃいますか。
○河野国務大臣 米国とはさまざまなレベルで働きかけをやっておりますが、私のレベルではやったことはございません。
○宮本(徹)委員 ぜひ大臣のレベルでも、もちろん、担当は麻生さんのところだとか、税務当局のレベルとか、いろいろなところでもやられると思いますけれども、日本そして世界が税収を大きく失っている大きな要因の一つが、やはりアメリカのIT、多国籍企業が租税回避しているという問題がありますので、ぜひ大臣のレベルでも働きかけをやっていただきたいと思いますけれども、いかがですか。
○河野国務大臣 大きな論点だと思いますので、しっかり検討していきたいと思います。
○宮本(徹)委員 しっかり働きかけていっていただきたいというふうに思います。 それと、アメリカが参加を表明していないもとで、現状では、アマゾンのような米国企業に課税するためには、現条約のPEの定義を厳密に適用して課税していくということも私は重要だというふうに考えますが、その点、国税庁の認識をお伺いしたいと思います。
○金井政府参考人 お答え申し上げます。 個別にわたる事柄についてはお答えを差し控えさせていただきたいと存じますが、国税当局といたしましては、恒久的施設、PEの存否につきましても、租税条約及び国内法令の規定に基づきまして、個々の納税者の実態を踏まえ、あらゆる機会を通じて情報収集を行い、課税上問題のある取引が認められれば、税務調査を行い、事実関係を見きわめました上で適正、公平な課税に努めているところでありまして、今後ともこれに努めてまいります。
○宮本(徹)委員 かつて国税庁は、アマゾンの子会社の倉庫については、これは課税できるPEに当たるとして追徴課税処分を出したことがあるわけですよね。ところが、アマゾンがアメリカに納税していると主張したことから、両国の税務当局による二国間協議に委ねられて、そして、日米当局間の協議の結果、日本にあるアマゾンの倉庫は米国アマゾンのPEと認定されなかった。そのことで、日本国内で米国アマゾンが上げている収益についても課税できなくなった。こういう経過があるわけですよね。 ですけれども、当時国税庁が、課税しようとした当時ですね、厳密にPEの定義をやっていけば、アマゾンの国内の子会社の倉庫には、当時でもアメリカ関連会社のパソコンや機器類が設置され、米国側のメールによる指示を受けていたということですから、私は当時の国税庁の判断というのは正しかったというふうに思いますので、アメリカが本条約に参加しないもとでも積極果敢に、これは厳密にPEの定義を適用して取り組んでいっていただきたいというふうに思いますし、河野大臣も、国税庁がそういう判断で更に課税したときに、また二国間協議に持ち込まれる可能性もあるわけですけれども、やはり実体があるところでしっかり課税をしていくというのがこのBEPS防止措置実施条約の趣旨ですから、そういう立場に立って今後の二国間協議には臨んでいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○河野国務大臣 本来課税されるべき経済活動に係る税負担が課税されていないということは、租税に対する納税者の信頼を損ないかねない深刻な問題であるというふうに認識しておりますので、国際社会と協調し、租税回避の防止に向けて不断に取り組んでまいりたいと思います。
○宮本(徹)委員 ぜひよろしくお願いしたいと思います。 それから、次の議題に移ります。 今回も山本防衛副大臣に来ていただきました。毎回ありがとうございます。前回の質問の宿題です。 自衛隊日報隠蔽問題で、出発点は南スーダンの日報隠しだと。昨年、我が党は、南スーダンの日報は陸自研究本部にあったのではないかとただしておりました。今回、陸自の研究本部からは、過去のPKO日報、カンボジア、ゴラン高原、東ティモール、ハイチなどが見つかった。ところが、なぜか南スーダンのPKO日報がないということになっているわけですよね。私は前回指摘しましたけれども、国会で問題になったのに合わせて捨てちゃったんじゃないのか、こういう疑いもあるわけですね。 それで、改めて前回と同じ質問をさせていただきます。 特別防衛監察で陸自研究本部にもあったことが確認されたということが先日答弁でありましたけれども、特別防衛監察の区分けでいうと、過去保有何人、現在保有何人とあるんですが、これは陸自研究本部にあったというのは、どっちに入っていたんですか、あるいは倉庫にあったんですか。
○山本副大臣 お答えを申し上げます。 宮本委員御指摘の件でございますが、先般のこの委員会でも御議論をさせていただきました、特別防衛監察の結果の中で九ページに記載のある、陸上自衛隊における本件日報の保有状況の表のことを御指摘されていると理解しております。 その表の中に、「その他の部隊等」において研究本部が含まれるという、その「その他の部隊等」は、前回のときにどういう部隊かというのはお答えを申し上げましたけれども、その中で、過去の保有のものと現在の保有のもの、どちらに入っているのかということでございますが、研究本部にありました南スーダンのPKO日報の問題ですが、過去の保有にもありましたし、現在の保有、いずれにも該当するものがございました。
○宮本(徹)委員 過去の保有にも現在の保有にもあったということだったわけですね、特別防衛監察だと。 ということは、その時点で、これは三月三十一日時点での話ですよね、私は、一年前の三月二十九日に、陸自研究本部に日報があったんじゃないかという話をしましたけれども、そのときの答弁との関係というのはどう説明されますか。
○山本副大臣 お答えを申し上げます。 お尋ねの件でございますが、昨年三月二十九日の外務委員会において、研究本部に南スーダンの日報が存在しているのではないかという御指摘をいただいた、その中で、ないというふうに答弁があるということの認識だと思います。 私も、宮本委員から、委員会室外でありましたけれども、去年の議事録をちゃんと読むようにと御指摘をいただきましたので、議事録をさかのぼって拝読をさせていただきました。その際、研究本部に物がなかったというふうな話ではなかったと承知をしております。 当時の若宮防衛副大臣が答えておりますけれども、宮本委員から御指摘をいただいたのは、研究本部の教訓センターのデータベースにはないのかというふうにお尋ねを受けまして、当時の若宮副大臣が、研究本部の教訓センターのデータベースには保存されていないということを答弁していると承知をいたしております。
○宮本(徹)委員 私はその後に、ちゃんと私も議事録を持ってきましたけれども、教訓データベースでなくても、陸自研究本部にはデータは保存されていたことなんじゃないんですかという質問をしていますよ。初めに教訓センターデータベースにないと言ったから、じゃ研究本部にはあったんじゃないですかという質問をしたわけですね。 私がなぜそのときそういう質問をしたかというと、陸上自衛隊研究本部がつくっている教訓をまとめたものに、日報がなければつくりようがないデータが記載されていたので、これは電子データが陸自の研究本部にも保存されていたんじゃないのかということで、データベース以外のところも含めてあったんじゃないんですかということを私は質問しました。そうしたら、若宮当時の防衛副大臣は、日報がなくてもできる仕事なんです、こういう答弁をされているじゃないですか。 なぜ、あったんだったら、あったというふうにそのとき答えずにそういう答弁をしたんですか。
○山本副大臣 お答えを申し上げます。 先ほども申し上げましたけれども、私も委員から御指摘をいただきましたので、さかのぼって議事録を拝読いたしました。 確かに、再度、宮本委員が、研究本部にはないのかということをもう一度お尋ねになっておられて、若宮副大臣は、その際答弁に立たれていますけれども、その答弁の中では、研究本部そのものにあったかなかったかということは言及をされていないと承知をいたしております。
○宮本(徹)委員 ですから、なぜ言及しなかったのかということですよ、あったのか、なかったのか。そして、言及せずに、日報がなくてもそういう教訓要報はつくれるんですという説明をやったわけですよ、日報を使ってやっていたにもかかわらず。全く虚偽答弁を私に対して当時やっていたということじゃないですか。 当時、陸自研究本部がどういう隠蔽行動をとっていたのかというのは、イラクの日報問題でもこの間明らかになっているわけですよ。三月二十七日にイラクの日報が見つかっていたのに、当時の情報開示請求に対して、そのすぐ三日後にイラクの日報はありませんというふうに答えているわけですよね。文字どおり隠蔽を陸自研究本部もやっている。同じことを私たちに対しても、この委員会で一年前、私質問しましたからね、やっていたということなんじゃないですか。 なぜ、あるならあると答えずに、日報がなくてもできる仕事なんですというふうに答えたのか、これは徹底した調査が必要じゃないですか、うみを出すと言っているんだから。
○小波政府参考人 お答えいたします。 先週の金曜日、先生からこの御指摘をいただきまして、私ども、副大臣の御指導のもと、議事録を一言一句確認させていただきました。 その上で、ただいま副大臣から御答弁いただきましたように、若干、ですから、先生の御質問の意図との関係で、あくまでも質問の流れの中で、教訓データベースに日報は保存されていないということを累次、若宮当時の副大臣はお答えするとともに、質問の流れの中で、ではどうやって教訓担当者は教訓収集のレポートというものをつくっているのか、どういうふうな形でやっているのかという趣旨のお尋ねがありましたので、恐らく若宮当時の副大臣はその部分についてのお答えを重ねて申し上げていたということではないかというふうに私どもとしては考えております。 いずれにいたしましても、本日、私どもの副大臣の方から、研究本部につきましては、特別防衛監察の、今回お尋ねありました表の中で、過去保有、それから現在保有、どちらもあるというふうに、説明責任をしっかり果たしているというふうに考えているところでございます。
○宮本(徹)委員 私の質問時間が一年前無駄になったわけですよ。しかも、当時、私の質問前から予算委員会で問題になったわけですよ、陸自研究本部にあるんじゃないのかということが問題になっていたわけですよね。それに合わせて、陸自研究本部にあるということにしちゃいけない、だから、そこは、日報があるということは絶対に言わないでおこう、そういう線でペーパーを準備した、そうとしか思えないじゃないですか。 いまだに、いまだに、隠蔽ではなかった、そんな説明をやるんですか。そういう姿勢だと、また隠蔽は起こりますよ。本当に、シビリアンコントロールしっかりやっていくんだ、今度の問題でうみを出し切るというんだったら、なぜ、私が何度も何度も聞いたのに対して、日報がある、研究本部にあると答えなかったのか。こここそ調査すべきじゃないですか。
○山本副大臣 我々防衛省・自衛隊としては、もちろん、隠蔽をする、隠し事をするというつもりは毛頭ありませんし、そういったことをしているつもりも今現在もございません。きちっと出せと言われたものをしっかり探索をして出している。 そういう意味合いでは、先ほどの委員と当時の若宮副大臣の質疑の中で、少しやりとりの中で行き違いがあったのかもしれませんが、若宮防衛副大臣としては、教訓センターのデータベースにあるかと聞かれて、その際には、そのデータベースにはないので、ないと言った。 全体としてどうかというところ、宮本委員、確かにお尋ねになっていたんですが、その際は、その前後のやりとりの中で、結局、しっかりと答弁をしていなかった、曖昧な答弁になっていたということであるとは思いますけれども、我々としては、隠し立てをする必要性もありませんし、先ほども答弁したとおり、過去の保有もありますし、現在の保有もあると。 それは、今まさしく我々がしっかりと調査をして出すべきものを出すという作業をやっているわけでして、それが文民統制やシビリアンコントロールに疑義があるということには私はならないと思っております。
○宮本(徹)委員 ですから、今、山本副大臣がおっしゃったように、なぜ曖昧な答弁をしたのかということなんですよ。曖昧な答弁だと山本副大臣も思うわけでしょう。なぜあえて。 私はもう延々同じことを聞いていますからね。大体、政務三役は研究本部に行って調べるべきだという話まで私はしているわけですよ。研究本部の方から上がってきた情報をそのまま信じるんじゃなくて、調べに行く、それぐらいやらなきゃだめだという話をしている。そんなことも何にもやらなかったわけですよ。 これは、曖昧な答弁をなぜしたのか。隠し事をする必要がないから今答えているというんだったら、特別防衛監察を発表したときに、なぜ陸自の研究本部にありましたと発表しなかったのか、これも問われるわけですよ。特別防衛監察が発表になったときに、私、陸自の研究本部にあったのかと聞きましたら、お答えできませんというのが防衛省の当時の説明でしたよ。イラクの日報問題の隠蔽問題がここまで出てきて、やっと出してきた話じゃないですか。ずっと隠していたのに、何という答弁をしているんですか。しっかりと調べていただきたいと思います。 それから、イラクの日報についてもお伺いしたいと思います。 四百三十五日分が公表されました。ところが、全体の四五%でしかありません。二〇〇四年の日報がほとんどないわけですね。二〇〇四年というのは大変、派遣直後で緊迫していた当時です。三夜連続、陸自の宿営地に対する迫撃砲の攻撃があったりだとか、いろいろしたわけですね。それから、二〇〇五年についても、あるところ、ないところ、あるわけですね。とりわけ、ロケット弾が宿営地内に着弾した日だとか、こういう日は、ないということになっているわけですが、これは一体、どうして発表されたイラクの日報というのは欠けている日があるんですか。二〇〇四年はすっぽり抜けて、自衛隊の宿営地が緊迫状況に置かれた日のものはないのか。教えていただきたいと思います。
○鈴木政府参考人 お答えを申し上げます。 防衛省の情報管理、情報公開につきましては、昨年、南スーダンPKOの日報問題に関しまして非常に厳しい御指摘を受けまして、再発防止ということで、この取組を昨年の七月からやっておりましたけれども、その中で今回のイラク日報が見つかったということでございます。 ことしに入り、さまざまな部署から日報が見つかったということなどを踏まえまして、防衛省として再発防止をより一層徹底するために、四月六日に防衛大臣から全国二十五万人の隊員に特別訓示を行って、さらには、四月七日には、大臣から、全ての部隊、機関において、海外に派遣された自衛隊の活動に関し、全ての日報を含む定時報告の探索作業を徹底して行って、統幕への集約作業を原則四月二十日までに終えるように通達しました。 その上で、四月十六日でございますけれども、十六日朝までに確認したイラクの日報については、同日、十六日に公表させていただいたところですが、今後、現在行っている探索作業、これもございます、この中で新たにイラクの日報が確認される場合におきましては、同様に、開示、不開示の確認作業を行った後、必要な対応をさせていただきたいということで、適切に対応してまいりたいと思ってございます。 今の時点でイラクの日報が見つかった分については、今の時点というのは四月十六日の朝までに確認されたものについては、現在公表させていただいているところですが、今後出てくる場合につきましてはまた改めて適切に対応させていただくということでございます。
○宮本(徹)委員 いや、まとまって持っていた部隊もあったわけですよね。そこでは、なぜ欠けている日があるのか。これはどういうことなんですか。
○鈴木政府参考人 まとまって持っているというところで今回イラクの日報が出てきた部署といたしましては、例えば陸上幕僚監部衛生部でございます。ここについては、イラク復興支援活動における自衛隊の主な活動の一つが医療支援であったことから、衛生業務の資とするために持っていたのではないかと考えられる。それから、陸上自衛隊の研究本部においては、部隊の運用等の任務遂行の資となる教訓資料を作成するために持っていたのではないかと思われる。それから、情報本部においては、日々の業務の資とするためということで、そういうことが考えられるわけでございますけれども、イラクの日報について、それぞれ見つかった部署で、これ以外のものは破棄されていたのか、それとも、もともとそれしか持っていなかったのかにつきましても、現時点では確たることは申し上げることはできません。 ただ、今後こうしたことが繰り返されないように、統幕の方で一元的に管理をしまして、きちっと、さまざまな情報公開請求等々の外からのお問合せに対して、自分たちが持っているものは何であるのか、そして、それに迅速に対応できるようにしているのが今のいわゆる統幕への日報等の一元化だということを御理解いただきたいと思います。
○宮本(徹)委員 もともとそこしか持っていなかったのか破棄したのかもわからないという話なんですが。これは、もともと全部持っていた、普通だったら全部そろえて、日報は飛び飛びじゃなくてまとめて持っているのが普通だと思いますよ。ところが、欠けているところがある。 例えば二〇〇五年でいえば、七月四日に百七ミリロケット弾が宿営地に向けて五発発射され、宿営地に一発、宿営地近傍に四発の着弾があったと。二〇〇五年七月一日、二日、三日、そして五日というふうに日報はなっているんですね。もちろん、五日の日報には四日の事案についても触れてありますけれども、肝心の四日がないとか、何かおかしいなと。 これは、戦闘地域に事実上なっていたことを隠すために、危険な活動にサマワの宿営地が置かれている部分は破棄しちゃったんじゃないか、こういう疑念すら私は持たざるを得ないわけですけれども。 これは、欠けている部分について、一体なぜ欠けているのか。破棄したんだったら、いつ破棄したのか。ここをはっきりさせないと、これはイラクの活動の実態を隠すためにそういう部分を破棄したんだというふうに思われても仕方がないというふうに思いますので、なぜ欠けているのか、破棄したのであれば、いつ破棄したのか、これは調べていただきたいと思いますが、いかがですか。
○鈴木政府参考人 お答え申し上げます。 先ほど申し述べましたように、現在保管されていたものにつきまして確認されたものについては、先日公表させていただきました。 また、この作業自身は四月の二十日まで継続して全国の部隊、機関で行われますので、そこまでに確認されたものについても同様な対応をさせていただくということは先ほども述べたとおりでございますけれども、今回それぞれ確認をされた部署におきまして、いかなる形で文書が保存されていたのか、それはきちっと文書管理上のファイルに登録されていたものもございますが、他方で、文書管理ということにおいては、そういう登録がなされていなかったということもございます。 そうしたことも踏まえまして、そういった文書がどの時点でそこに保管され、御指摘のような、もし仮にその一部分が破棄されているとすれば、それがいつ破棄されたのかは、現時点ではなかなか調べることも困難であるという状況でございます。
○宮本(徹)委員 調べることは困難かもわからないですけれども、それは、でも、さかのぼって調べなきゃいけないんじゃないですか。調べるのは困難ということで済ませるわけにいかないと思いますが、もう時間が来ていますので。 副大臣、困難だと言っていますけれども、困難であっても調べる必要があると思いますが、ぜひ調べるようお願いします。
○中山委員長 山本防衛副大臣、時間が来ておりますので、答弁は簡潔にお願いします。
○山本副大臣 まず、先ほどの委員との議論の中で、曖昧な議論があったと私も発言を申し上げましたけれども、その意味は、委員と当時の副大臣、質疑者と答弁者での間の意思の疎通の中で、仮に委員が、研究本部全てにおいての中で日報があるかないか、南スーダンの日報があるかないかということをお尋ねになっていたという、そこの問題意識一点においては、結果的には、その質疑の中で、ある、ないという有無が確認されずにその質疑が進行していったという意味合いでは、その質疑自身が曖昧な質疑で終わっていたのではないかと私の所見を述べさせていただいたところでありまして、議事録をきちっと私も読みましたけれども、当時の若宮防衛副大臣の答弁は全てしっかりとした答弁であったということを確認させていただきたいと思います。 その上で、お尋ねの、欠けている部分、イラクの日報の欠けている部分については、見つかった部署で破棄されたかどうか、あるいは、いつ、どうやっていたのか、データもありますし紙媒体のものもあります、いろいろなものがありますので、現時点で確たることを申し上げることは残念ながらできないという先ほどの内局からの答弁、繰り返しになりますけれども、そういうような状況であります。 ただ一方で、これは、今、統幕参事官において一元的に管理し、大切なものでありますので、十年間保存した後に国立公文書館へ移管することとしております。これにより、今後はより適切な文書管理が行われるとともに、情報公開等にも適切に対応できるように一層努力をしてまいりたいと思っております。
○宮本(徹)委員 曖昧な答弁で逃げたのは当時の若宮さんだということを指摘して、終わります。
○中山委員長 次に、丸山穂高君。
○丸山委員 日本維新の会の丸山穂高でございます。私で最後の質疑でございます。よろしくお願いします。 三条約の前に、少し大臣にお伺いしたいんですけれども、中国の、先方の大臣級の方々とハイレベル経済対話に臨まれたということで、それについて成果はいかがだったかということと、また、中国が今外交上重要視、特に経済関係で重要視しているのは、一帯一路という方針です。これに関して、大臣、どのように所見をお持ちなのか、お伺いできますでしょうか。
○河野国務大臣 まず、日中ハイレベル経済対話につきましては、八年ぶりに行われました。日本側は私が、中国側は王毅国務委員が議長となりまして、経済関係の主要な閣僚が参加をいたしました。 マクロ経済政策、あるいは日中間の経済分野における協力と交流、第三国における日中協力、あるいは東アジアにおける経済連携及び地球環境課題への対応などについて、大所高所からの議論ということで行いました。 お互いに経済分野での協力のパートナーであって、お互いの経済発展はチャンスであるという認識のもと、さまざまな協力、交流を拡充していこうということ、国際経済の発展やグローバルな課題の解決に責任ある役割をお互い果たしていこうということで一致をいたしました。 一帯一路については中国側から現状の説明がございまして、日本側からは、自由で開かれたインド太平洋戦略のもとで推進している質の高いインフラ整備などによる連結性強化の取組について説明をし、インフラの開放性、透明性、経済性、そして対象国の財政健全性などの国際スタンダードに適合する取組をやっていくことが重要だということを強調いたしました。 一帯一路については、こうした国際スタンダードに沿った考え方を十分取り入れることで、地域と世界の平和あるいは繁栄に前向きに貢献していくことを期待しております。
○丸山委員 報道ベースでは、一帯一路についてかなり中国側は熱心に御説明があったというふうなことを聞いておりますけれども、中国の経済戦略というのは、例えば、私もともと財務委員会だったんですけれども、例のAIIB、アジアインフラ投資銀行も、こういった金融面ではかなり進めていまして、貿易面では恐らくこの一帯一路という方針で多極的に広めているところだと思います。 日本としても、うまく、中国との関係の中で国益を経済面でもとれるところはとっていくというのが基本方針ですが、財務委員会にいたときに、AIIBについてどのように思われるか所見をということで財務大臣、麻生大臣に聞いたところ、これやなという話をされまして、まだまだ眉唾やなという話をされていたんですけれども、一帯一路に関しては、外務大臣、率直にどのような御感想をお持ちか。御説明をお聞きになってどう思われましたか。
○河野国務大臣 これは他国のイニシアチブでございますから、それについて評価を申し上げるのは差し控えたいと思いますが、先ほど申し上げましたようなインフラ整備の国際スタンダードに沿った形で行われるプロジェクトについては、ケース・バイ・ケースで日本も協力していくことができる部分があるかと思います。
○丸山委員 中国と戦略的互恵関係をどう築いていくかというのは非常に、特に経済面は重要です。外交はいつもそうですが、片方はけんかしていても、片方はやはり握手するところも必要ですので、そうした意味で、ぜひ国益になるような議論を前に進めていただきたいというふうに思います。 条約の質疑ですので、中国に関してはこれで終わりにしたいというふうに思います。 早速、租税条約を伺いたいんですが、今回、アイスランドとデンマークの租税条約ということで、どちらも経済的には日本との関係では余り太いものではないなというのが正直なところだと思います。 例えば、アイスランドにおいては、日系企業、一六年段階ですが、七社しか進出の日系企業がなくて、そういった意味では、もっと進出企業をふやしたいという意識でこの条約締結に至っているのか、そういった部分も含めて、この条約締結の理由についてお伺いできますでしょうか。
○川村政府参考人 お答え申し上げます。 委員御指摘のとおり、現在、アイスランドへの進出日系企業数は七社でございます。他方で、日・アイスランド間の経済交流は順調に拡大しておりまして、今後さらなる関係の強化が期待されることに加え、これまでアイスランド側から累次の機会にわたり租税条約の締結の要望がなされていた、こういったことを踏まえまして、今般、条約の署名に至ったものでございます。 また、アイスランドとの人的交流、経済交流が活発化する中、G7の諸国の中でアイスランドと租税条約を締結していないのは日本のみでございます。我が国の企業が租税条約を締結しているほかの国の企業と比較して不利な競争条件を課されるということを回避するためにも、本条約の早期締結が必要というふうに考えております。 この条約の締結によりまして、配当、利子、使用料といいました投資所得に対する源泉地国での課税が軽減され、又は免除されることにより、我が国からアイスランドに、またアイスランドから我が国に投資、進出する企業や個人にとって、投資、経済活動に関する二重課税のリスクが低減することになります。 このような租税条約の存在は、まさに委員が御指摘いただきましたとおり、企業や個人による海外への投資活動を後押しするものでございます。海外投資の拡大は、両国間の経済関係の強化につながるものと考えております。 なお、二〇一六年、日・アイスランド外交関係樹立六十周年を迎えました。これもこの租税条約締結の機運の一つとなったところでございます。
○丸山委員 デンマークの方も伺いたいんですけれども、貿易は赤字になっているというふうに聞いているんですけれども、今後、デンマークとの二国間関係の、特に貿易収支の点で、この租税条約をデンマークと結ぶことで何かしらの影響があるとお考えなのか、この点はどのように分析されていますか。
○川村政府参考人 お答え申し上げます。 日本とデンマークとの間の貿易は、二〇一七年の統計でございますが、日本からデンマークへは、自動車、その関連部品、科学光学機器等を中心に約五百八億円の輸出、また、デンマークから日本へは、肉類、医薬品等を中心に約二千二百九十億円の輸入がございました。したがいまして、委員御指摘のとおりの結果となっておるわけでございます。 一般に、二国間の貿易でございますが、経済動向あるいは為替の変動等々の影響により変わり得るものでございまして、外務省といたしまして、今般の租税条約の改正による影響を含めて、今後の貿易収支について一概に予測することは難しいところでございます。 ただ、その上で申し上げれば、デンマークとの新租税条約の締結によりまして、両国の企業、個人による投資活動を後押しすることができるわけでございまして、その結果として、相互の投資拡大を通じて、貿易関係を含む経済交流のさらなる促進が期待されるところでございます。
○丸山委員 結んでいくことには反対しませんし、賛成なんですけれども、何を言うているかといいますと、さっきも、日本のみが結んでへんので、それに対して結びたい、結んでいくべきだというお話もありましたけれども、そんな、小学生じゃないので、みんな持っているから自分も欲しいねんというわけじゃなくて、やはり、ぽんぽんぽんぽん結んでいくだけじゃなくて、効果の検証、結んでどうなったのか、どういう状況で結んだ、いろいろな条件の違いがあるわけで、その違いの中で、こう結んだのはよかった、こう結ぶのは余りうまくいっていない、こうした戦略性、次の段階で組み立てていく上でこうした部分に関してやはり分析をしっかりやっていただきたいですし、大分結んでくださっているので、残りの部分を考えていったときに、その戦略性こそが一番外交上大事な点だというふうに考えるからお聞きしているんですけれども。 そういった意味で、この租税条約だけじゃなくて、投資条約も、今回はありませんが、前の質疑で投資条約もありましたけれども、こうした条約を結んだ後の、この締結の効果についてきちんと過去のものを検証を行っているのかどうか、これについてお伺いできますか。
○飯島政府参考人 お答えいたします。 租税条約や投資協定は、二国間の投資、経済交流を促進するための重要な制度的インフラの一つと位置づけられ、一般論としては、投資や経済交流が促進されることが期待されております。 一方で、先ほども説明がございましたとおり、投資は、企業がその時々の世界の景気動向を始めとする投資環境等を勘案して行うものでございますので、租税条約や投資協定のみに起因する経済効果を定量的に示すことには困難があるという事情がございます。 そうした前提はございますが、各種経済条約発効前後における経済的な変動につきまして観察をいたしましたところ、条約の締結あるいは改正前後の日本企業による投資の変化につきましては、対外直接投資額や進出企業数については、条約の発効後につきましては増加が確認されております。
○丸山委員 ぜひ統計的にとっていただきたくて、つまり、それこそやはり政策の科学だと思うんです。 外交においても、どこと結ぶのか、どういうものを結んだときに、個別の国ももちろんあるんですけれども、統計学的に見たときにどうなるか。そして、全体としてはこういう戦略だが、個別の国に対してはこういう攻め方があるというのが恐らく外交の本筋なので、毎年、いろいろな投資条約若しくは租税条約が出てくるんですけれども、審議に上がるんですが、こうした点をきちんと検証の上、御説明もいただきたいと思いますし、今後もし私が立つ場合にはお聞きしていきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。 そういった意味で、これを効果的にする意味ではもう一つ大事なのは、租税条約の意義、効果について企業への周知、そして相手国に対する進出を積極的に後押ししていく必要もあると思うんですけれども、この点について取組をお伺いします。
○飯島政府参考人 お答えいたします。 租税条約につきましては、交渉の現状、条文及び概要につきまして財務省及び外務省のホームページで周知をしております。その上で、ホームページにおける情報の更新があった際には、経団連を始めとする関係団体にも連絡を行い、情報の周知を徹底してきております。 また、二〇一五年九月には外務省経済局内に官民連携推進室を設置し、世界各地のほぼ全ての在外公館にも日本企業支援窓口を設置しております。こういったことを通して、個別企業からの租税条約を含む相談などに対応してきているところでございます。 新興国を始めとする海外の経済成長の勢いを取り込んで日本経済の着実な成長を後押ししていくため、政府による日本企業の海外展開支援が極めて重要でありますところ、外務省としても、本省、在外公館が一体となり、また他省庁や機関とも連携をして、オール・ジャパンで日本企業支援に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
○丸山委員 ジャパン・ハウスのときもお話ししましたけれども、若干他省庁と重なるところがあると思います。ジェトロさんなんか、まさしくそういった意味では連携してできると思いますし、そうした意味で、そういったバックアップも効率よくやっていただきたいというふうに思います。 ちょっとテクニカルなんですけれどもお伺いしておきたいんですが、経済界からいろいろな、締結国や改正要望のある国があると思うんですけれども、そうした中で、発展途上国の割合は今後よりふえていって、残りが発展途上国が多いというのもあるとは思うんですけれども、そうした中で、こうした部分に関して、やはり発展途上国に配慮した規定をある程度盛り込んでいかなきゃいけないというふうに、具体的に何を言っているかというと、国連モデル租税条約ですね、こうした形で留意しつつ交渉を詰める必要も出てくると思うんです。 こうした部分について、政府としてこのモデルについてどのように今見解を持っているのか、お伺いできますか。
○飯島政府参考人 お答えいたします。 委員御指摘のとおり、経済界からは、将来的に我が国との間で投資関係の発展が見込まれる投資先国との間で新規の条約締結について要望が寄せられており、この中には発展途上国も多く含まれております。 経団連からは、未締結国のうち、アジアではミャンマー、モンゴル、中南米ではアルゼンチン、ベネズエラ、コロンビア、アフリカではナイジェリア等につき、租税条約交渉推進の要望が出されております。 租税条約の締結につきましては、国際的な二重課税の除去、脱税及び租税回避行為の防止を通じて二国間の健全な投資、経済交流の促進に資するものであり、我が国としましては、OECDモデル条約案及び委員御指摘の国連モデル条約案のいずれかを採用するという二者択一なアプローチではなく、今申し上げました租税条約の目的に照らして適切、かつ双方にとって受入れ可能な条約とすべく交渉を進めてまいりたいと考えております。 その具体的な内容につきましては相手国との交渉によって決まってくることになりますけれども、OECDや国連での議論を踏まえ、二国間の健全な投資、経済交流の促進に資するとの目的にふさわしい内容となるように交渉してまいりたいと考えております。
○丸山委員 OECDアプローチとそして国連モデルと、二者択一というわけじゃなくて臨機応変にという話ですので、なかなかそれは大事なことだと思います。それぞれに応じてしっかりやっていただきたいと思いますし、また国会に出てきたときにはその議論になるかもしれませんが、よろしくお願いします。 そうしましたら、残りの時間でBEPSをお伺いしたいんですけれども。 BEPSは、もちろん、我が党としても賛成で、前に進めていただきたい国際的な取組だと思いますが、一方で、私も財務金融委員会にいましたので、やはりBEPSに合わせて税制の改正等々がそれぞれの国で進むと、そうした意味で、主要先進国はいいんです、特に大企業はいいんですよ、ある程度情報を集める能力があるんですけれども、中小企業を含めて、特に、大きい企業でも、ある意味、なかなか主要国でないところもこのBEPSには含まれていく中で、なかなか経済交流が活発じゃない場合で、きちんと官民の連携体制がとれるかどうか、情報収集できるのか、法改正の動きだとか、実際の運用もそうです、運用についてもしっかりこうした部分に関して情報収集ができるかというと、非常に厳しいんじゃないかなという点を、民間企業の方と話していると、そこは不安だねという話をよく聞きます。 そうした中で、さらには、結果として、最終的にこの相手国との関係で不利益をこうむるような企業が出た場合、どうバックアップしていくか、こうした部分も国家として非常に大事なところだと思いますけれども、この点について、政府、どのように考えられていますか。
○飯島政府参考人 お答えいたします。 先ほど御紹介いたしましたとおり、二〇一五年九月に外務省には官民連携推進室を設置し、また、主要国のみならず、必ずしも我が国との経済交流が活発とは言えない国も含めて、世界各地のほぼ全ての在外公館に日本企業支援窓口を設置しております。こういったプロセス、こういった窓口を通じて、個別企業からの租税関連も含む相談に積極的に対応しているところでございます。 BEPS防止条約につきましては、同条約の措置が二国間租税条約に導入されますため、その修正内容、これを外務省及び財務省のホームページにおいて公表し、透明性、明確性を確保すべく、広報しているところでございます。 また、相手国側の法制度の改正あるいは運用実態に関する情報を収集して周知することは必ずしも容易ではございませんが、租税条約ができますと一定の予見可能性が向上されますので、政府としましては、こういった租税条約の締結についての交渉の透明性確保に向けて積極的に取り組んでまいりたいと考えます。 また、委員御指摘の、我が国の企業が相手国先で不利益をこうむった場合、国としてどういった支援ができるかという問題でございますけれども、租税条約やBEPS防止条約実施に伴い、我が国企業が進出先国において不利益をこうむった場合には、政府としても、これらの条約に基づく相互協議がございますので、この相互協議を活用していくとともに、必要に応じて、外交ルートを通じて、先方政府に対して問題の解決を提起してまいりたいと考えております。
○丸山委員 ホームページに掲載という話をきょうはたくさん言っていただいているんですけれども、その条約の内容を書いていただいても余り意味はなくて、そんなものは調べればすぐわかる話で、実際の動きとしてどういう運用をされているか、若しくは法改正の動きというのは非常に気になる企業さんは多いと思いますので、こうした部分も情報収集に努めていただいて、しっかり、ホームページに載せるのも大事なんですけれども、ホームページだけじゃなくて、その現地進出企業さんにきちんと渡るようにしていただきたいというふうに思います。 最後、お伺いしたいのは、やはりアメリカですね。 前回の租税条約のときもお伺いしましたけれども、今回のBEPSに関しても、このアメリカの動きというのは、やはり日本の貿易関係を見ていても、経済活動を見ていても、大きい。 TPPについて再交渉の話が今出ていますし、何より今、総理が訪米されていますけれども、こうした中で、米国はこの条約も未署名ということですけれども、これは参加を促すための働きかけをされているのかどうか、この点について政府のお答えをお伺いいたします。
○飯島政府参考人 お答えいたします。 日本は、これまでOECD、G20によるBEPSプロジェクトでの議論を主導してまいりまして、例えば、日本が議長国を務めましたG7の伊勢志摩サミットにおきましても、この合意事項をG7各国が足並みをそろえて着実に実施していくよう、首脳宣言に盛り込んだところでございます。 BEPS防止条約につきましても、より多くの国が参加することがこの条約の真価を発揮することになりますので、我が国としましては、米国を含む未参加国に対して、二国間あるいは多国間の場を通じて署名を呼びかけているところでございます。 引き続き、さまざまな機会を通じまして、国際社会と協調しながら、租税回避の防止に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
○丸山委員 時間が来たので終わりますが、やはり、租税条約にしてもBEPSにしても、結局最後はアメリカの部分が大きいと思いますので、これは戦略的に考えて日本にとって一番国益になるような形に持っていくのが、外務省さん、次の戦略的な仕事だと思いますので、ぜひよろしくお願いします。 以上です。
○中山委員長 これにて各件に対する質疑は終局いたしました。 —————————————
○中山委員長 これより各件に対する討論に入ります。 討論の申出がありますので、これを許します。宮本徹君。
○宮本(徹)委員 日本共産党の宮本徹です。 日本・デンマーク及び日本・アイスランドの二つの租税条約に対する反対討論を行います。 二つの租税条約は、投資所得課税に係る源泉徴収税率を減税ないし免税を含めて措置するためのものであります。これは、日本の大企業とその海外子会社が、当該国内の外資優遇税制のメリットを十二分に受けつつ、その上、租税条約により投資に対する源泉地国課税が劇的に軽くされるなど、税制優遇措置を二重、三重に享受することを可能とするものであります。 日本経団連の要求に応え、国際課税分野における日本の大企業優遇税制を国内外で更に拡大、補強するものにほかなりません。 なお、BEPS防止措置実施条約については、多国籍企業による税逃れの防止に役立つものであり、賛成です。 以上を指摘し、二つの租税条約に対する反対討論を終わります。
○中山委員長 これにて討論は終局いたしました。 —————————————
○中山委員長 これより採決に入ります。 まず、税源浸食及び利益移転を防止するための租税条約関連措置を実施するための多数国間条約の締結について承認を求めるの件について採決いたします。 本件は承認すべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○中山委員長 起立総員。よって、本件は承認すべきものと決しました。 次に、所得に対する租税に関する二重課税の除去並びに脱税及び租税回避の防止のための日本国とデンマーク王国との間の条約の締結について承認を求めるの件について採決いたします。 本件は承認すべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○中山委員長 起立多数。よって、本件は承認すべきものと決しました。 次に、所得に対する租税に関する二重課税の除去並びに脱税及び租税回避の防止のための日本国とアイスランドとの間の条約の締結について承認を求めるの件について採決いたします。 本件は承認すべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○中山委員長 起立多数。よって、本件は承認すべきものと決しました。 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました各件に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○中山委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 —————————————
○中山委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時三十八分散会