農林水産委員会 第2号
- 発言数
- 237 件
- 登壇者
- 30 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 2017/12/05
会議録
○委員長(岩井茂樹君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 去る十一月三十日、鉢呂吉雄君が委員を辞任され、その補欠として徳永エリ君が選任されました。 ─────────────
○委員長(岩井茂樹君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 農林水産に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房内閣審議官澁谷和久君外十七名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岩井茂樹君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(岩井茂樹君) 農林水産に関する調査を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○進藤金日子君 自由民主党・こころの進藤金日子です。 本日は私に質問の機会を与えていただきまして、岩井委員長、理事の方々、そして先輩、同僚の議員の皆様方、本当にありがとうございます。感謝申し上げます。 質問に入る前に、今年の九州北部豪雨災害や秋田の豪雨災害などで被災された方々に心からお見舞い申し上げたいと思います。 本日は、本年七月二十二、二十三の豪雨で大きな被害が出た私の地元秋田県大仙市の皆様方が傍聴されておられます。農林水産省の皆様には、齋藤大臣始め、一丸となって迅速に災害の応急復旧に当たっていただき、今もなお復旧作業や災害査定作業を精力的に行っていただいていることに対しまして感謝申し上げたいと思います。秋田を含め、全国各地の被災地域における災害復旧作業はこれからが本番であります。引き続き万全の対応をしていただくようにお願い申し上げたいと思います。 それでは、質問に入ります。 十一月三十日に、齋藤農林水産大臣から、農林水産行政に関する基本的な姿勢と主要な取組をお聞きいたしました。齋藤大臣は、我が国の人口減少が国内市場の縮小につながることを農林水産業にとっての大きなピンチと位置付けられました。一方で、世界市場や国内消費者の多様なニーズを視野に入れて、意欲ある農林水産業の創意工夫を生かせる改革を進めていけば、農林水産業は伸び代が大きい産業であり、これをチャンスであるとの認識を示されました。その上で、齋藤大臣は、ピンチとチャンスの併存という現状から抜け出し、農林水産業を活力ある産業としていくために、腰を据えた総合的な政策を強力に推進していくとの力強い方向性を示されました。そうした中におきまして、齋藤大臣は、農林水産業は活力ある地域の維持、食料安全保障の観点からも重要な産業であるとの認識を明確に示されました。 最近の農林水産大臣の所信を私自身調べてみますと、地域社会の維持と食料安全保障の観点から農林水産業の重要性に直接言及した例がございませんでした。国際派であり国際貿易に精通されている齋藤大臣のこの御認識を私は高く評価申し上げる次第であります。 私は、農林水産業に関する政策を展開していくに当たりまして、農林水産業の健全な発展があって農山漁村が維持されるのであり、これをもって我が国の国土が維持できるものと考えております。農山漁村の維持なくして国土の維持は不可能であります。したがいまして、私は、農山漁村は日本の命綱だと訴えているわけであります。 また、世界人口が二〇五〇年には現在の約一・三倍の九十七億人を超えるまでに増加していく中で、農地と水の制約は、技術の限界、気候変動などから人口増加に見合った食料の増産は極めて困難であると言われております。齋藤大臣が述べられたとおり、まさに農林水産業は活力ある地域社会の維持や食料安全保障の観点から極めて重要な産業であるわけであります。 しかしながら、食料安全保障については、国民的な関心が高いものの、しっかりと理解を得られているかというと、残念ながらそこまでには至っていないというのが我が国の現状ではないでしょうか。 スイスでは、本年九月二十四日、食料安全保障を盛り込んだ連邦議会の憲法改正案が国民投票で成立し、即日施行されました。国民投票では、約八割が賛成だったそうであります。 我が国の農林水産政策については、もちろん食料安全保障について、基本政策として検討が鋭意なされ、情報が発信されております。しかしながら、政策の方向性や内容を端的に示す農林水産省の予算関連資料や説明などにおいては、食料安全保障というくくりでの整理が付いておりません。つまり、食料安全保障に関する政策が国民に体系的に明確に示されていないし、正しく伝わっていないのではないかと私は認識しているわけであります。 そこで、お手元の資料を御覧いただきたいと思います。私の配付資料でございます。食料安全保障を評価するにはいろいろな視点がありますが、私は、カロリーベースの総合食料自給率が最も国民的に分かりやすい食料安全保障の指標ではないかと思います。このカロリーベースの食料自給率については、平成二十八年度に一ポイント低下して三八%にとどまっております。 平成二十七年三月に閣議決定された食料・農業・農村基本計画においては、平成三十七年度に四五%とする目標が定められております。この目標につきましては、いろいろな議論があります。少なくとも五〇%を目指すべきだとか、いや、六〇%なんだという声も聞かれるわけであります。こうした議論を日常的に行うことは非常に大切だとは思いますが、私は自給率の具体的な中身を国民全体で正しく認識し、自給率向上のプロセスを共有することが重要だと考えております。 資料の左側が現在の姿であります。日本人一人に一日当たり供給される熱量は約二千四百キロカロリーであります。この総供給熱量が長方形の全体の面積で、そのうち青色の部分が我が国で自給している部分です。この割合が三八%ということです。白い部分は輸入で賄われているわけであります。 ただ、ここで注意しなければならないのが黄色の部分であります。この黄色の部分は輸入飼料による生産部分、つまり、国産の畜産物でも輸入飼料によって生産された畜産物は自給率にカウントしていないということであります。したがいまして、食料自給率を上げていくということは、白い部分を青に変え、黄色い部分も青に変えていくということであります。 私の資料の右側を御覧いただきたいと思います。例えば、現在実施されている水田活用の直接支払交付金、いわゆる水田フル活用対策を中心に私なりに整理いたしますと、まず一点目、輸入飼料を自給飼料に変える対策、二点目、国産大豆の供給強化対策、三点目、国産麦の供給強化対策、四点目、米の需要拡大対策に大ぐくりできるわけであります。これは、食料自給率に対応した食料を自給する力、食料自給力の強化対策ということになるわけでございますが、これに畑での大豆、麦の対策もしっかりと位置付けていけば、農家にも消費者にも分かりやすい政策の説明になると考えるわけであります。 そこで、少し前置きが長くなりましたけれども、齋藤大臣にお尋ねいたします。 カロリーベースの食料自給率の低下を踏まえまして、食料安全保障の重要性を国民に示しつつ、例えば、私が提案申し上げたように、食料自給率の向上とともに食料自給力の強化を図るための政策を国民に対して分かりやすい形で、大ぐくりというか、再編して明確にすべきというふうに考えるわけでございますけれども、大臣の御見解をお聞かせください。
○国務大臣(齋藤健君) 進藤委員のこの資料、大変よく整理されていて、食料安全保障対策が広範にわたって推進されていることが一目で分かるいい資料だと思っていますので、これも踏まえて活用させていただこうかと思っておりますが。 いずれにいたしましても、私どもが進めております農政、食料の安定供給基盤をつくり、体質強化を図り、成長産業化にしていくという政策そのものが恐らくその安定供給に資することになり、我が国の食料安全保障につながっていくという政策なんだろうと思っておりますが、国民の皆さんの税金も多く投入している農業でありますので、これが皆さん方の子や孫の時代にもきちんと食料安全保障につながっていくんだということを理解していただくということは大変重要なことだろうなと思っております。 食料の安定供給を将来にわたって確保していくことは、私ども、国民に対する国家の基本的な責務の一つであると考えておりまして、国内農業生産の増大を図り、食料自給率、食料自給力を維持、向上させていくことは極めて重要であると思っています。 このため、もうこちらにも、先生の資料にもありますが、政府としては、国内外での国産農産物の消費拡大ですとか、食育の推進ですとか、水田のフル活用を図るなど、消費者ニーズに対応した麦、大豆の生産拡大や飼料用米を推進、それから、優良農地の確保や担い手の育成の推進といった各般の施策を総合的に、かつ計画的に講ずることによって、食料自給率、食料自給力の維持、向上を図っていくと、そういう考えで進めているわけであります。 ただ、御指摘のように、現場にこれらの施策が浸透して、何のためにやるのかということがよく理解されるということが重要であると思っていますので、品目ごとの課題や活用できる施策について分かりやすく説明を行う努力はこれからより一層強化していかなくちゃいけないのではないかと思っております。
○進藤金日子君 大臣、ありがとうございます。 私は今回提案した資料を、全国各地を回りまして、私自身の講演で使っているわけでございますけれども、多くの方々から御意見を伺っております。消費者の方々とか農家の方々からもおおむね好評でございまして、現在実施している施策の内容自体をこれ変更するわけじゃなくて、これは打ち出し方とか説明の仕方を再整理してしっかりと分かりやすくするということですから、是非ともまた御検討いただければというふうに思います。 さて、次に、平成三十年度から米政策が転換されるということであります。農家の間では不安の声が聞かれるわけですけれども、今年限りで廃止される米の直接支払交付金、これ従来、農業者戸別所得補償政策と言っておりましたけれども、この米の直接支払交付金につきまして農林水産省としてどのように評価しているのか、お聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(柄澤彰君) お答えいたします。 米の直接支払交付金につきましては、平成二十五年末に行いました経営所得安定対策の見直しの中で、米は麦、大豆などと違いまして十分な国境措置があり、諸外国との生産条件の格差から生ずる不利はない、また、米につきましては潜在的な生産力が需要を上回っているというような状況にあることから、そういうような政策的な課題が指摘され、平成二十九年度までの措置としたところでございます。 今御指摘のその評価といたしましては、この政策によりまして、実態として全ての販売農家を対象としておりましたので、そのことによりまして農地の流動化のペースを遅らせるというような面があったというふうに認識しております。
○進藤金日子君 ありがとうございます。 そうした評価の下に廃止決定に至ったということだと思いますが、私自身は、直接支払という政策ツールは今後ともその適応性を真剣に検討すべきとの立場であります。水田農業の生産構造がある程度安定した段階で、所得を直接的に補償するというのではなくて、安全な食料生産と良好な環境保全を増進するという視点から、適切なクロスコンプライアンス、交差要件と言っておりますが、この適切なクロスコンプライアンスを設定していわゆる環境支払を導入するという、こういったことも必要なのかなという気がするわけであります。 こうした政策は、地域環境の保全や安全、安心な食料の供給とともに、農業経営の安定性と持続性を確保して、ひいては持続可能な社会の形成を図っていく上で是非ともこの環境支払、検討を深めるべきだというふうに私自身は考えているところであります。 いずれにしましても、米の直接支払交付金は今年度限りで廃止されるわけであります。農家にとりましては、十アール当たり七千五百円、これ十アール当たり九俵収穫した場合、一俵六十キロ当たり約八百三十円ぐらいになるわけであります。この収入が減るわけです。これはやっぱり農家にとっては痛手であります。 しかし、米価を考慮すれば、全国平均で、あくまでもこれ全国平均ですけれども、平成二十七年産米から二十八年産米で一俵六十キロ当たり千円程度、二十八から二十九年産米で、これでも一俵千円程度上昇しているわけです。これに関しましては、失われる八百三十円を上回る米価水準が必要でありまして、現在の米価水準の安定がこれ重要だというふうに思います。 ただ、米価の問題は米の消費との関連で極めてデリケートな部分があります。米価は全国一律ではなくて産地と銘柄ごとに需要と供給で決まっていますから、各産地において消費者の需要に応じたきめ細かい生産を行っていく、これがやはりポイントになるのだというふうに思います。この際、この米価のみに着目するのではなくて、生産コストを徹底的に削減してその削減分を所得の増加に結び付けていくという、こういう努力も重要だというふうに考えるわけであります。 そこで、米中心、米作中心農家の所得向上を図るためには、生産コストの削減が農家所得に還元される仕組みの構築が不可欠と考えるわけです。個々の農家の努力のみでは対応することが困難な土地改良につきましては、初期投資に係る農家負担を削減するとともに、営農や水管理等に要する維持管理経費を低減して農家の支出を抑えることで農家の所得の向上につなげていくということが重要だというふうに考えます。 そこで、農家所得の向上に直結する即効性の高い土地改良事業の具体的な展開方向についてお聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(荒川隆君) お答えいたします。 先生から今、土地改良事業の関係について御質問ございました。先生、土地改良のプロ、専門家でいらっしゃいまして、よく御案内のとおりだと思います。豊かで競争力のある農業の実現に向けまして、産地収益力を向上させていくということと担い手の体質強化を進めていくと、こういうことを同時に進めているところでございます。 先生御指摘の即効性の高いという意味では、土地改良事業の中でいろんな工夫をしておりまして、事業に伴う農家負担金の軽減ですとか営農作業等の省力化を図っていくということを事業の中で進めておるところでございます。 農家負担金の軽減につきましては、これまでも農地の集積率に応じまして促進費の交付などによりまして負担を下げてきたところでございますが、これらに加えまして、先般、土地改良法の改正をしていただきましてこの九月に施行されました改正土地改良法に基づきまして、農地中間管理機構が借り入れております農地につきまして農業者の費用負担によらない形で土地改良事業が実施できるという制度を現在要求をしておるところでございます。 また、土地改良事業の実施に当たりまして、営農ですとか水管理等の省力化のための生産コストの削減というものに資するために、農地の大区画化ですとか排水改良、さらにはICTを活用いたしました水管理、あるいは水路のパイプライン化や給水の自動化といったようなことを積極的に推進することとしておりまして、これらによりまして農家の負担の軽減と営農コストの削減が期待されるというふうに考えておるところでございます。
○進藤金日子君 ありがとうございます。 こうした中におきまして、やはり全国各地で土地改良に対するニーズが本当に高まっているわけであります。土地改良予算確保の見通しにつきまして、これは齋藤大臣の御見解をお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(齋藤健君) 農業の発展基盤を強化していくためには、農業生産基盤の整備を着実に進めていくということが肝要でありまして、担い手への農地の集積、集約化を促す農地の大区画化、汎用化等を通じた農業の競争力強化や農業水利施設の長寿命化対策や農村地域の防災・減災対策を通じた国土強靱化等の施策を推進する土地改良事業は重要な政策であると認識しております。土地改良をしっかりやって、その上で消費者の皆さんが喜んでくださるものを農家の皆さんが創意工夫をしながら作っていただくと、そういう先に日本の農業の将来はあるのではないかと思っております。 土地改良事業については、全国各地から事業の推進に向けた強い御要望をいただいております。今後編成されます平成二十九年度補正予算や平成三十年度当初予算におきまして事業の計画的かつ安定的な推進に必要な予算を確保できるよう、全力で取り組んでまいりたいと思います。
○進藤金日子君 ありがとうございます。大臣から補正予算それから当初予算併せて確保という力強いお言葉をいただきまして、本当にありがとうございます。 次に、米の需要が年間約八万トン減少する中におきまして、先ほども少し触れましたけれども、水田活用の直接支払交付金、これは水田フル活用対策と言われているところでございますが、やはりこの水田活用の直接支払交付金に係る予算の恒久的な確保、これは不可欠であると考えるわけであります。この水田活用の直接支払交付金という施策の農政上の位置付けをいま一度確認したいと思います。また、予算確保の見通しについてもお聞かせいただきたいと思います。
○大臣政務官(上月良祐君) 我が国においては、主食用米の需要が御指摘のとおり毎年八万トンずつ減少いたしております。食料自給率や自給力の向上を図るという観点から、水田活用の直接支払交付金による麦、大豆、飼料用米など主食用米以外の作物への支援を行っているところでありまして、こうした支援は安定的に実施していくことが必要であると考えております。 このため、水田活用の直接支払交付金に係る三十年度の概算要求におきましても、麦、大豆、飼料用米など、戦略作物助成の現行単価を引き続き維持した上で、これらの生産拡大にもしっかり対応できるような額とするとともに、地域の裁量で活用可能な産地交付金につきましても、基本的な仕組みを維持した上で転換作物の拡大に対する支援等に新たに取り組むということといたしまして、必要な額を要求をいたしているところであります。 農林水産省としては、今後とも農業者の方々が麦、大豆、飼料用米など主食用米以外の作物、作目への生産に引き続き安心して取り組むことができるよう、必要な予算をしっかり確保してまいりたいと考えております。
○進藤金日子君 ありがとうございます。 今、上月大臣政務官から御答弁いただきましたけど、現行単価をしっかり維持して、それでまた作付けが伸びるであろうところもある程度見込んだ上での予算確保という、本当に力強いお言葉、答弁をいただいたと思います。是非とも、この全額確保に向けて全力で頑張っていただきたいというふうに考えております。 この施策上の位置付けにつきましては、実は農水省の予算説明資料を見ていきますと、この水田活用の直接支払交付金は、食料自給力の向上対策という位置付けがこれあるんですね。しっかりされているんです。しかしながら、一般的な受け止めとしては、飼料用米への助成は、需要が年々縮小する主食用米の米価を安定、向上させるための助成と言われていて、これが一般的な批判につながっているというふうに私考えるわけです。人が食べれる米を家畜用として生産されることに対して助成金として税金を使って、結果として高い米価に誘導して消費者負担を増やしている、これはおかしい、納得できないという声聞かれるわけであります。 そこで、いま一度、私の配付資料を御覧いただきたいわけであります。飼料用米への助成は、私の資料でいうところの黄色の部分、つまり輸入飼料部分を青色に変える、自給飼料に置き換える対策なんだと。我が国の中長期的な食料安全保障にとって重要な助成金であることをしっかりと説明して、国民の皆様方から十分な御理解を得ていくことが必要だと考えるわけであります。こうしたことからも、やはり私は、食料安全保障の観点からの政策の説明に工夫が必要というふうに考えるわけであります。是非とも、またこの辺、御検討いただくように強く御提案申し上げたいというふうに思います。 次に、私も全国を回りながらいろいろな意見をお聞きします。生産現場におきましては、どうもこのタイムリーな情報が伝わっていないんじゃないかということを痛感するわけであります。今後の米政策を円滑に進めていくためには、生産現場に対して的確に情報を提供することが極めて重要と考えますが、具体的な方策についてお聞かせをいただきたいと思います。
○政府参考人(柄澤彰君) 私どもも、今委員から御指摘がございましたように、今後の米政策を進める上で情報提供ということが非常に重要だという認識は全く同感のところでございます。 これまでも農水省といたしまして、各産地が行政による生産数量目標の配分に頼らず主体的に作付けを判断できるようにきめ細かい情報提供を行ってきているところでありますが、このことは三十年産以降もしっかりと継続していくというつもりでございます。 三十年産における具体的な方策といたしましては、まず全国ベースの需給見通しの策定をいたしますが、これに加えまして、各県、各地域ごとの作付け動向につきまして、三月にまず県別、それから五月には県別及び地域農業再生協議会ごとの中間的な取組状況、さらには九月には実績値を公表すると。さらに、現在も毎月公表しておりますいわゆるマンスリーレポートにおきまして、各産地銘柄ごとの販売や価格、あるいは事前契約の進捗状況など、きめ細かな情報を引き続き行っていく所存でございます。 今後とも、産地の御要望も伺いながら、例えば農水省主催の全国会議を開催する、あるいは私どもが現地にお伺いするいわゆるキャラバンなども通じまして、引き続ききめ細かな情報に努め、生産者あるいは生産者団体が主体的に需要に応じた生産、販売に取り組めるような環境づくりに努めてまいりたいというふうに存じます。
○進藤金日子君 ありがとうございます。 今、柄澤政策統括官言われましたように、私は、農水省として現在本省も地方農政局も懸命に努力されているということは承知しているつもりであります。本当に資料もよく分析されていますし、私はあのマンスリーレポート、非常に高く評価しておりますし、そこを活用してしっかりやっていく必要があると思うんですが、やはり、この資料はよくできているし、頑張っておられるんですけれども、現在の手法、例えば会議で行政ベースでしっかりと共有するやり方、あるいはキャラバンと称して説明をしていくやり方、これはもちろん重要なんですが、これで限界があるんじゃないかなというのも事実なわけです。 ですから、例えば、この市町村の広報誌に情報をきっちり掲載していくとか、あるいは今、若い経営者にはSNSの活用とか、あるいはマスメディア、特に農業関係の報道機関はもとより、地方の報道機関へ適時的確な情報提供も含めて、やはりこの生産現場に確実に情報が伝わるように、情報はしっかり整理されているんだけれども伝わっていないという現状がありますから、確実に情報が伝わるように、引き続きしっかりと対応していただきたいというふうに思います。 次に、仮称森林環境税についてでございます。 森林環境税につきましては、衆議院予算委員会でも質疑がなされておりますけれども、まさに税制改正議論が最高潮に達している中で、森林環境税について新たな税として創設する必要性をまたあえてここでお聞かせ願いたいというふうに思います。 また、一部では平成三十六年度からの導入といった報道も見られるわけでありますけれども、私はこの早期に新たな税を創設、導入して温暖化対策としての森林整備に必要な安定財源にすべきと考えるわけでありますが、この併せて見解をお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(齋藤健君) 我が国は二〇三〇年における地球温暖化防止のための温室効果ガス削減目標を掲げておりますが、この中で二・〇%を森林吸収量により確保するということとしておりまして、このためには間伐等の森林整備を推進することが不可欠になっております。一方で、木材価格の低迷による森林所有者の経営意欲の低下等によりまして条件不利地等において十分な森林整備を進めることが難しく、政府が掲げるこの森林吸収量目標の達成のためには安定的な財源が必要な状況にございます。 このため、いわゆる森林環境税については、適切な森林整備により地球温暖化防止や国土保全等の森林の公益的機能を発揮させることを目的といたしまして、昨年の与党税制改正大綱に基づき、総務省と連携して今検討を進めているところでございます。 具体的には、森林所有者の経営管理権限を市町村を介して意欲と能力のある林業経営者に集積、集約化するとともに、経済ベースに乗らない森林につきましては市町村等が公的に管理をする、こういった新たな森林管理システムを創設いたしまして、この中で、市町村が行う公的管理の経費等に森林環境税の一部を充当するという方向で検討しているところでございます。森林環境税の創設につきましては、今後、年末までに議論されて決まるものと、そういう段取りになっていると考えております。 農林水産省といたしましては、平成三十一年四月からの導入を目指している新たな森林管理システムの下で森林整備を進めることにより、地球温暖化防止に向けた温室効果ガス削減目標の達成などが図られるよう、税の創設という結論に向けて全力で取り組んでまいりたいと思っております。
○進藤金日子君 力強い御答弁、ありがとうございました。 森林環境税は林業関係者の長年の悲願であります。また、我が国の森林保全と国際的な約束である地球温暖化対策という全国民的な課題の解決に向けた重要な税であります。是非とも早期に創設、導入すべきことを強く求めるものであります。 次に、治山対策についてでございます。十二月一日に林野庁から、九州北部豪雨等を踏まえた流木、流木は立つ木じゃなく、流れ木ですね、流れ木の流木災害防止緊急治山対策プロジェクトの内容が公表されたところであります。 北部九州豪雨災害等でもこれ非常に問題となった流木対策、流れ木の対策につきまして、短期的対策と中長期的対策に分けて実効性のあるものとすることが重要と考えるわけでございますが、具体的な展開方向についてお聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(沖修司君) 今年七月の九州北部豪雨による流木災害等の発生を受けまして、林野庁に設置いたしました流木災害等に対する治山対策検討チームにおきまして、今回の災害発生メカニズムの分析とか検証などを行うとともに更なる効果的な治山対策の検討を行いまして、十一月二日に中間取りまとめとして公表したところでございます。この中で、今回の災害におきましては、記録的な豪雨により多量の雨水が谷の最上流部にございますへこんだ地形などに集中いたしまして、樹木の根系が及ぶ範囲よりも深い部分で崩壊が発生したと分析しているところでございます。 この分析等を踏まえまして、流れ木、流木等の発生、流出の形態に応じまして、森林を崩壊の発生区域それから流下区域、堆積区域に区分した上で、まず流木捕捉式治山ダム、スリット式のダムですね、などの治山施設の整備といった短期的に効果の発現が見込まれる対策のほか、樹木の根や下草の発達を促す間伐等の森林整備といった中長期的な災害に強い森林づくり対策、こういったものを計画的に推進することとしてございます。 また、先般、国土交通省と連携して行いました緊急点検で、早急な対策が必要な箇所といたしまして全国で約一千二百地区を抽出したところでございまして、今後おおむね三か年で、中間取りまとめで示された流木対策を緊急的、集中的に推進することとしてございます。 今後とも、地域の安全、安心の確保のため、事前防災・減災に資する国土強靱化の観点から、効果的な治山対策に取り組んでまいります。 以上でございます。
○進藤金日子君 ありがとうございます。 国土交通省からも、中小河川緊急治水対策プロジェクトというものがこれ十二月一日に公表されておりまして、土砂・流木対策として透過型砂防堰堤等の整備が打ち出されたところでございます。 林野庁は、流木捕捉式治山ダム、今長官、スリットダムというふうに言われた、これ分かりやすいと思うんですが、それは名前としては流木捕捉式治山ダム、これ、国土交通省は土砂・流木捕捉効果の高い透過型砂防堰堤と言っているわけでございます。 いずれにしても、これは双方で緊密に連携して、悲惨な災害の状況あったわけでございますので、緊急に対策を講じられますように、両省でしっかりと連携して対応をいただくようにお願いいたしたいというふうに思います。 やはり、治山対策も森林整備にいたしましても、予算の確保が重要でございます。林野公共を始め、関係予算の確保を強くお願い申し上げたいというふうに思います。 次に、水産業についてでございます。 本年四月に新たな水産基本計画が閣議決定され、三月には新たな漁港漁場整備長期計画が閣議決定されました。本年は、我が国の水産政策の展開にとって極めて重要な局面であると認識しているわけであります。 そこで、漁業の成長産業化に向けて、これ現場でのニーズが本当に高い水産業競争力強化緊急事業は非常に重要と考えるわけでございますけれども、今後の事業の展開方向とともに、予算確保の見通しをお聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(長谷成人君) 水産業競争力強化緊急事業は、TPP関連施策として、複数の浜の機能再編等を推進する広域浜プランの策定や、同プランに基づく中核的担い手へのリース方式による漁船の導入などの水産業の体質強化の取組を一体的に支援するものでございます。また、本事業については、平成二十七年度補正予算において二百二十五億円、さらに平成二十八年度補正予算において二百五十五億円を措置したところでございます。 先生御指摘のとおり、本事業に関しては全国から非常に要望が多いことは十分承知しており、十一月二十四日にTPP等総合対策本部において改訂された総合的なTPP等関連政策大綱にも盛り込まれたところでございます。本事業の必要な予算の確保にしっかりと努めてまいります。
○進藤金日子君 ありがとうございます。 実は、本日も昼に、全国漁連・信漁連会長、漁済組合長合同会議という会議が開催されまして出席したんですが、本当に切実な声でございました。二十八年度補正の二百五十五億を超える予算を是非今回確保してほしいんだという要請があったわけでございますが、いずれにしても、水産業の競争力強化緊急事業は、新たな水産計画の下で、浜プラン、広域浜プランを軸とした漁業、漁村の活性化の取組を推進し、我が国水産業の構造改革を成し遂げる上で極めて重要な事業でございます。現場で漁業者が本当に熱望している、漁業者がこれだけやりたいと言っているのに、予算がなくてしぼんでいくのは大変だという声が今日もあったわけでございますので、是非とも本事業をしっかり対応していただくようにお願い申し上げたいと思います。 また、水産業の発展の基礎となる漁港、漁場の整備をする水産公共事業始め関連事業もございます。これも極めて重要ですので、施策の充実とともに十分な予算の確保を強くお願いいたしたいというふうに思います。 次に、中山間地域についてお尋ねいたします。 中山間地域の中心的な産業である農林水産業を振興して地方創生を先導していくことが重要と考えます。この際、地域の景観や伝統的な食、古民家、さらにはジビエ等を地域固有の資源と位置付け、これら地域資源を活用した地域内発型の産業振興によりまして、地域の雇用と所得を安定的に確保することが必要と考えます。 そこで、こうした取組により成果を上げている地域をモデルとして横展開していくことが効果的と考えますが、御見解と今後の中山間地域振興に向けた展開方向をお聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(荒川隆君) お答え申し上げます。 中山間地域におきましては、地域の活力の維持や多面的機能の発揮の観点から、特色ある地域資源を活用した所得向上、地域活性化に向けた取組への支援、これが重要だと考えておるところでございます。 これまでも日本型直接支払によりまして、農業、農村の多面的機能の発揮ですとか営農の継続というものを支援いたしまして地域全体を下支えしてきておるところでございますが、中山間地域所得向上支援対策、これは昨年の補正でつくっていただいた事業でございます。それから、中山間地農業ルネッサンス事業、これは今年度から始まったものでございますが、これらによりましてしっかり多様な取組を支援をしていきたいと思っておりますし、特に中山間地域で深刻な鳥獣被害につきましては、地域ぐるみで行います総合的な取組を支援をするといったことのほか、野生鳥獣を地域の所得に変えていくジビエの振興といったようなことにも取り組んでいきたいと思っております。また、観光、教育、福祉などと連携をいたしました都市農村交流ですとか、農泊の推進や、また農村への移住、定住促進といったものを進めていきたいと考えておるところでございます。 先生御指摘のとおり、これらを全国展開していくためには優良事例の横展開が大変重要でございまして、優良事例集の作成、ホームページへの掲載ですとか、地域の皆様の疑問や相談にすぐ応じることができるような体制をつくっていく、こういったことをしっかり取り組んでまいりたいと考えております。
○進藤金日子君 ありがとうございます。しっかりと対応いただきたいというふうに思います。 時間も少し迫ってきましたので、農林水産業に関する国際環境の変化の質問を予定していたのですけれども、この部分につきましては、私はやはり、齋藤大臣が言及された、チャンスを最大限に生かせるのが輸出促進だというふうに思うわけであります。 我が国はアジア・モンスーン地帯に位置しています。そして、四方を海に囲まれた海洋国家でもあります。本来、農林水産業を営む上でのポテンシャルは極めて高い国であります。このポテンシャルを最大限に引き出すには、私は、略奪的な農林水産業ではなくて、資源循環型の持続可能な農林水産業を再構築することが重要だと考えるわけであります。 輸出促進に当たっては、コマーシャルベースでの知見、戦略だけではなくて、我が国の資源循環の力を最大化して、輸出の延長線上には美しく活力ある農山漁村の蘇生があるんだと、再生があるんだという見えるものがあってほしいんだと思うわけであります。そして、すばらしい我が国の農林水産物の生産現場にたくさんの外国の方々が訪問する、そういった展望を持った輸出促進、これ是非ともお願い申し上げたいというふうに思います。 齋藤大臣は、先般の農林水産行政に関する基本的な考え方を述べられた後に、農林水産業の持続的な発展と農林漁業者の皆様の所得向上を実現する、そのことを通じて食料自給率を向上させ、国民の皆様の豊かな食生活を守ると力説されました。全く同感であります。こうした強い思いを実現していくためには、現場や地域の多くの声に耳を傾けて、まさに現場主義、地域主義に立ち返って、スピード感を持ちつつも丁寧に政策を進めていくことが重要だと考えております。 最後になりますけれども、農業、農村の基盤を支える、私は、やっぱり土地改良は日本の命綱だろうと思っています。また、国土と国民生活を支える農山漁村は日本の命綱であることを強く訴えさせていただいて、私の質問を終えさせていただきます。 本当にどうもありがとうございました。
○舟山康江君 民進党・新緑風会の舟山康江でございます。 今日は待ちに待った齋藤大臣に対する所信質疑ということでありまして、考えてみれば、八月に内閣改造が行われまして、今十二月ですから、本当に長い間議論がないままに、この委員会も開かれることなく来たというのは非常に残念だったなと思っております。 ただ一方で、世の中は待ってくれなくて、来年からは米政策が大きく変わりますし、また、この間、日EU・EPAの大枠合意がなされたりとか、大変様々な動きがありました。そういう中で、今日は、せっかく新しく大臣が替わられた中で大臣の基本的な認識についてお伺いしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 もっとも、この農林水産委員会、とりわけ、与野党の対決というよりは、本当にこの農業、農村をしっかりと盛り上げていこうという思いは共通していると思っております。今、進藤委員の質問を伺っていても思いは非常に同じでしたし、現場主義、地域主義、とにかく農業は産業であると同時にやはり地域を守る非常に大事な側面がある、まさに産業政策と地域政策をどう融合させていくのかと、この視点がなければ、言わば規制改革推進会議の言われたとおりにどんどん効率化を進めればいいという方向になってしまいますので、やはりそれに対して政府が、またこの国会がしっかりとチェックをし、監視をしていかなければいけないなということをまず冒頭、私の思いとして申し上げたいと思いますし、是非、大臣にはそのことも踏まえてこれからの農林水産政策の先頭を走っていただきたいと思っております。 さて、今少し言及いたしましたけれども、来年度、平成三十年産から米政策が大きく変わると、こういった状況であります。一つは、生産数量目標の配分、国による配分をやめるということ、それから米の直接支払交付金を廃止すると、この二点は非常にインパクトが大きいと思っております。 さて、この食糧、とりわけ主食ですね、やっぱり米の消費量が年々八万トン減るとはいえ、やはり日本の主食は米であるということは、これ間違いないと思います。いわゆる土地利用型の農業の多くは主食用米の生産が担っておりますので、この位置付けというのは変わらないと思っております。 そういう中で、いわゆるこの食糧、とりわけ主食の安定供給の確保というものは誰が責任を持っているんでしょうか。
○国務大臣(齋藤健君) まず、舟山委員がおっしゃった、これから産業政策、地域政策、両方大事なんだという視点については全く同感でありますし、この今御質問の主要食糧の安定供給は誰が責任を持つのかという点につきましても、主要食糧である米及び麦につきましては、主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律、食糧法におきまして、政府は需給見通しを策定し、それに基づく備蓄運営等を通じて需給及び価格の安定を図るというふうにされておりますので、私どもはこの政府の責任においてしっかり安定供給を図っていくものであると理解をしております。
○舟山康江君 今大臣がお話しされたその食糧法の今の規定と、いわゆるこの行政による生産数量目標の配分の廃止というのは矛盾しないんでしょうか。
○国務大臣(齋藤健君) 米政策の見直しは、三十年産米から米の直接支払交付金及び行政による生産数量目標の配分が廃止をされるということにはなりますけれども、引き続き需要に応じた生産を通じていかにして米の需給及び価格の安定を図っていくかということは重要な政策であるというふうに認識をいたしておるところでございますので、ただ、その手法が、これからは、三十年産以降においても、まあ現在でも行っておりますが、麦、大豆、飼料用米等の主食用米以外の作物の生産を御支援することによりまして、水田を維持しながら国内のお米の需要の減少に何とか対応していこうと。それから、きめ細かい情報提供を継続することによりまして、この需要に応じた農業者自らの生産というものを確保していくことによりましてその需給の安定を図っていくと、そういう考え方で進めているわけであります。
○舟山康江君 確かに、実質的にはかなり様々なデータの提供ですとか、そういったことによって、都道府県別、まあ大体需給見通しを基に都道府県が計算をするなり、水田協議会等で配分等をしていく都道府県が多いと聞いておりますけれども、実質的に国がかなり情報提供するということなわけですから、あえて国が手を引きます、配分しませんと言う必要はないと思うんですよね。実質的に配分に近い形で情報を出していると。説明資料を見ても、要は誰でも都道府県別に計算ができるようになっているとか、そういったことがあるわけですから、だったらあえて、もうやめますやめますではなくて、国がちゃんとやるんですよというメッセージを送ったっていいんじゃないかと思うんですよね。何か意地でもう国はやらないんだと言っているとしか思えないんですけれども、何でこんなにかたくななんでしょうか。
○国務大臣(齋藤健君) 意地になっているつもりはないんですが、ただ、これから日本の人口というものが今まで以上に急速に減っていく現状があるわけですね。これは避けて通れない道であるわけです。そういう意味では、お米の需要も、まだ今までの減り方に比べて、更にこれから急激に需要が減っていくと。そのときにどうやって需要に見合った生産を構築していくのがいいかということについてはいろんなやり方が多分あるんだろうと思います。 今までの国による配分ということを続けておりますと、来年のお米の生産量は需要に見合ったものにしようとすると、今年よりこれだけ減ります、再来年はもっと減ります、さらにその先はもっと減りますと、こういう事態が継続していくことが容易に想像できるわけであります。そうしますと、一戸当たりの農家に配分される生産量というのはどんどん減っていくということになるわけであります。そういうことになりますと、いずれどこかでこの政策の継続というものが難しくなるのではないかと。そうなる前に、主食米以外のものを生産することによりまして、水田を維持しながら所得も何とか確保できるように、そういう形での、つまり需要に見合った生産をしやすくなるように、様々な助成も組み合わせて需要に合わせた生産ができるような体制に早く移行していくということが大事なんだろうということで来年以降の政策展開につながっているということでありますので、そういう大きく人口が減っていく中でどうやって需給を合わせていくかというその一つの手法として私どもは展開をさせていただきたいと考えているわけであります。
○舟山康江君 需要が減るとか配分量が減るから国がやめるというのは、何か論理としてちょっと分かりにくいと思うんですよね。今までも、主食用米のやはり需要が減る中でも一定の需要があって、需要に見合った配分があり、その代わりに、じゃ、何も作らなくていいのかではなくて、やはり足りないものがある、だからこそ、いわゆる戦略作物の生産振興を進めてきたわけですよね、セットでやってきた。それはやっぱり国の責任で主食用米も安定生産を促す、そのほかの戦略作物も頑張ってもらおうということで応援してきたわけで、そのことがすなわち国が配分しなければいい方向に行くというのとは全然これつながらないと思います。 ですから、やはり、実際には都道府県が困らないようにデータを出すんだということを言っているわけですから、私はメッセージとして、あえて、国は手を引く、手を引くということを強調するんではなくて、大事な作物だからこそ、主食だからこそやはり一緒にその戦略作物の生産振興とともに主食用のあるべき生産を考えていきましょうということを国がやっぱり先頭に立たなければ、食糧法にも反しますし、また食料・農業・農村基本法の国の責務というところにも反してしまうんではないかという、そんなふうに思うんですよ。 やっぱり私は、国がその辺の配分等はしっかりと責任を持つべきだということを改めて明確に、まさに冒頭言いましたけれども、どこかの上の誰かが言ったからではなくて、現場なわけですよね。現場の声はやはりきちっと国が関与してくれというわけですから、現場の側に立つのが農林水産省なのか、何とか推進会議の立場に立つのが農水省なのかといったときに、やっぱり現場だと思うんですよね。そう考えたときに、私はここは国がきちんとグリップしてメッセージを発していただきたいということを改めてお願いしたいと思います。 そして、米の直接支払交付金の廃止ですけれども、要は、先ほどもこれも言いましたけれども、消費量が減ったとはいえ、やはり土地利用型農業の大部分は主食用米の生産であります。ですから、土地利用型農業といえば米の生産ということにほぼニアリーイコールだと思いますけれども、この農業生産に関してほかの主要先進国で、欧米等で何らの直接支払も行っていない国というのはあるんでしょうか。
○政府参考人(横山紳君) お答え申し上げます。 農業は、食料の安定供給や地域経済の発展、農村社会の維持等に重要な役割を果たしておりますことから、各国がそれぞれの抱える課題に応じまして必要な政策を実施しているところと承知しております。 主要先進国ということでございますが、例えば米国におきましては、現在、農家の経営安定を図る観点から、収入や価格の変動に対応するためのセーフティーネットとして、農業リスク補償、価格損失補償等の直接支払が行われております。 また、EUにおきましては、共通農業政策の一環といたしまして、作付面積や過去の支払実績に基づく直接支払や、農村振興政策の一環としての直接支払でございます条件不利地域支払等が行われているところでございます。
○舟山康江君 一方で、日本の主食用米について、来年以降、そのようないわゆる直接支払的な制度というのは、存続、何かほかに代わる政策が生まれるんでしょうか。
○政府参考人(柄澤彰君) 今委員から、直接支払の仕組みについてのお尋ねというふうに理解しております。 そういった観点から考えますと、地域政策的なものと産業政策的なものがあろうかと思いますが、少なくとも、産業政策的なものを見た場合につきましても、例えばいわゆるゲタ対策、畑作物のいわゆるゲタ、直接支払の仕組み、あるいは水田活用の直接支払の交付金の仕組み、こういったものは引き続き存続するというふうに考えております。
○舟山康江君 いやいや、主食用米に関してお伺いしています。
○政府参考人(柄澤彰君) どういったものが直接支払かということもございますけれども、例えばナラシ対策というのは米も対象にしておりますが、収入減少影響緩和というような形で農家にお支払いするという政策であると思います。
○舟山康江君 もうナラシぐらいしかなくなったんですよ。多分これ、収入保険はまた別の仕組みですから。 いわゆるほかの国、アメリカでさえやっているような不足払い的な直接支払は、主食用米についてはもうなくなるということ、これはすごく衝撃だと思うんですよ。ほかの国、何かこう、それこそ効率化とか規模拡大とか、強い農業と言っていますけれども、ほかの国、何で強いのか。様々な手を打って、きちんと再生産を確保しているからだと思います。 いまだに、生産費調査等を見ると、主食用米でさえ平均すると黒字ではないんです。生産費が販売価格を上回っていると、こんな状況なわけですから、それで、いわゆる民主党政権のときに戸別所得補償制度をつくり、それが今でも引き継がれてきたということだと思います。 そういう中で、なぜ主食用米のいわゆる支援をなくすのかということは、非常にこれ現場に混乱を与えていると思います。確かに、様々な説明会を聞きますと、いわゆる米の直接支払交付金の分の予算はほかにも回していると言いますけれども、主食用米をどうするかと、ここがベースなわけですよ。ここが今非常にすっぽりと抜け落ちているということは、私は大きな問題だと思います。 大臣、この問題についてしっかりともう一度お考えいただきたいと思います。別に日本だけがとりわけ過保護な政策を打てと言っているわけではありません。欧米ではきちんと、それこそ国家戦略として、安全保障として主食、土地利用型を守っているという中で、なぜ日本はこの主食用米に関してその政策を捨ててしまうのか。ここについてもう一度再考いただきたいと思っておりますけれども、大臣のお考えをお聞かせください。
○国務大臣(齋藤健君) その主食用米の政策を捨ててしまうという意識は全くなくて、トータルで、先ほど来お話ししておりますように、水田をフルに活用していただくために新しい政策をいろいろ講じてきているわけであります。その中で、米あるいは水田を活用して生産をされている方々の所得が、食べるお米の需要が減少する中でも何とか維持できないかということでこれまで努力をしてきておりますので、そういうトータルな絵の中で御判断いただきたいなというふうに思います。
○舟山康江君 ですから、やはり主食用米の生産と戦略作物の生産はセットで考えていただかないと、私は、やはり米に対する、農地に対する、いわゆる農業ですね、農業に対する意欲の低下というのは、非常にこれこれから先大きく懸念されると思っております。 お配りしたグラフを見ていただきたいと思いますけれども、ここ最近、いわゆる荒廃農地が大きく増加をしております。これは、別にかつての民主党政権の自慢をするわけではありませんけれども、でも、少なくとも、米の所得補償、いわゆる所得補償交付金があった時代には安心して再生産ができたということで、やっぱり何とか頑張ろう、何とか農地を守っていこうという意識が働いたんではないかと思います。このときに一番いわゆる荒廃農地が少なかったわけでありますけれども、その後どんどん増えて、二十九年度でもかなり大きく、まあ過去、平成の頭ぐらいはもっと大きかったですけれども、増えているということです。 それが、今度この七千五百円の経営安定所得対策の直接支払交付金もなくなるという場合に、さて、じゃ来年、平成三十年、どうなってしまうんだと私は非常に懸念をしているんですよね。確かに、何かいろんな説明を伺っておりますと、いわゆる需給は締まっていると、過剰作付けもなくなったし主食用の需給が締まっていると、あたかもいい、確かにこれは一面ではいいんですけれども、でも、逆の見方をすれば、もう作る人がいない、もう作らなくていいやというこの諦めの気持ちの中で米を作れなくなったとすれば、これは手放しで喜んではいられないと思います。 来年以降、こういった所得補償がなくなった場合にまた荒廃農地が大きく増えてしまうんではないかという懸念がありますけれども、大臣、そこはどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(齋藤健君) 今、舟山委員のお話の中でも言及ありましたけれども、直近の三年間の二十七、二十八、二十九年産のお米の状況を見ますと、主食用米につきましては三年連続で、全国ベースですが、過剰作付けが解消されています。一方で、戦略作物について見てみますと、過去三年間で、飼料用米が一・二万ヘクタール、加工用米が〇・五万ヘクタール、WCS用稲が〇・五万ヘクタール、大豆が〇・四万ヘクタールと、それぞれ増加をいたしております。そういう意味では、主食用米の生産から需要のある戦略作物への転換が進んできて、主食用米の作付面積の減少で荒廃農地が増加しないよう水田フル活用を図ってきていて、その数字も上がってきているんじゃないかと思っています。 したがいまして、三十年産以降におきましても引き続きこれらの主食用米以外の作物の生産を支援することで水田を何とかフル活用していきたいということで努力をしていきたいと思っております。
○舟山康江君 いや、それは、今図でお示ししましたけれども、現実に荒廃農地というのは増えているというのがまず一つ。そして、やはり来年以降こういった米に対する支援がなくなるということは、多分これは、実際にお金が入らなくなるということの経済的な負担が一つと、やっぱり精神的に、ああ、米についてはもう政府は関わらないんだと、だったらもうここでやめようという心理的なインパクトってすごくあると思うんですよ。 そういう中で、やはり米だから何とか頑張って作っていたという方々が、もうこれで、これを機にやめようという人は増えないと私言い切れないと思います。その辺の手当てをきちんとしていかなければ、また、地域社会は結局大規模な農家だけで成り立っているわけではありません。中小とかまた高齢農家とか、いろんな皆さんがやっぱりできるだけそこで農業を継続していただくことが地域社会を維持し、発展させ、そしてひいては農業生産の増大にもつながるということですから、やはりそこに対する視点が少し今の政策からは欠けているんではないかと。 その辺の懸念をこの荒廃農地の増大とともに指摘をさせていただいて、是非これから、その中小規模の農家に対する支援、また主食用米に対する支援をもう一度、再度しっかりとお考えいただきたいと思いますので、大臣に強くお願いを申し上げます。 続きまして、飼料用米についてお聞きします。 私は、先ほどの進藤委員の御質問にもありましたけれども、飼料用米をまさに輸入に頼っていた飼料に代替していくという意味では、飼料用米の生産振興そのものに異議を唱えているわけではありません。まだまだやはりこれを増やしていかなければいけないと思いますけれども、一方で、今現場で起きている問題も今すごく顕在化しているということを御指摘させていただきたいと思います。 その前に、まず、戦略作物それぞれの助成単価というものはどのように何を基準に決められているのか、ちょっとこれ技術的ですので担当の方からお答えいただきたいと思います。
○政府参考人(柄澤彰君) 水田活用の直接支払交付金におきます戦略作物の交付単価についてのお尋ねでございます。 これにつきましては、当該戦略作物の販売収入と生産コストから算出される所得が主食用米と差が生じないようにすることを基本として、それぞれの作物ごとに設定しているところでございます。具体的には、麦、大豆、飼料作物については十アール当たり三万五千円、WCS、ホールクロップサイレージについては十アール当たり八万円、加工用米については十アール当たり二万円、飼料用米、米粉用米につきましては、標準単価を八万円としまして、収量増のインセンティブを付与する観点から、単収の実績に応じて最高十アール当たり十万五千円まで交付単価が変動するいわゆる数量払いの仕組みを取っているところでございます。
○舟山康江君 ありがとうございます。 そのような単価の中で、やっぱり最近の動きを見ておりますと、飼料用米に少し特化をしているのかな、生産現場の作付け意向というのは、やっぱり飼料用米に対する希望は今非常に多いのかなと思います。これ、また後で質問させていただきますが。 そういう中で、一面では、今、政府の方も元々八万円から、今度は数量払いで単収が増えれば十万五千円まで上乗せをするという政策ですとか、多収品種を使えば更に上乗せとかいろいろやっている中で、助成金が増えるというのは非常に一面喜ばしいんですけれども、その一方で、私は大変な問題が起きていると思っております。それは何かというと、飼料用米の価格が、取引価格が大きく下落をしていると、この問題であります。 農林水産省として、現在の飼料用米の平均取引価格というのはどのぐらいと考えていらっしゃるでしょうか。
○政府参考人(柄澤彰君) 御指摘の飼料用米につきましては、これは主として飼料として利用されております輸入のトウモロコシの価格と連動して価格が形成されているというふうに理解をしております。 そこで、輸入のトウモロコシにつきまして直近五年ほどの価格変動を見てみますと、おおむねキロ当たり二十円から三十円ぐらいのレンジで変動しております。したがって、飼料用米の価格につきましても、私ども聞き取りを行いましても、ほぼこのレンジで取引されております。二十円から三十円ぐらいの幅で取引されている事例が多かろうと思います。 なお、実際に飼料用米を販売される農家の手取りにつきましては、この畜産農家への販売価格からいわゆる流通経費ですとか保管経費などを差し引いたものとなりますけれども、その際、近くに畜産農家がある場合、あるいは遠くの飼料工場に供給する場合、いろんなケースがございますので、そのコストについてはそれぞれ様々な事例があろうかと承知しております。
○舟山康江君 ありがとうございます。 大臣、是非、飼料用米の実勢取引価格、しっかりと農水省として調べていただきたいと思います。 私、なぜこの問題を取り上げたかというと、ある農家の方から飼料用米を作っても全くもうからないという話を聞いたからです。幾らで売っていると聞いたところ、玄米でキロ四円と言っていました。その話、もうそれは非常に極めて例外な話かと思って、その話をきっかけとしていろんな方に聞いてみました。そうすると、私は山形ですので山形県内の状況しか知りませんけれども、山形県内どこに行っても大体似たような状況でした。大体四円、六円。それで、その四円という方に関しては、いわゆる検査料を引くと、もう検査料と袋代を引くと赤字になると。何とか交付金があるからやっているけれども赤字なんだということを言っておりまして、ほかの農協とかほかの企業にも聞きましたけれども、大体一桁でした。 そうすると、流通経費とか袋とか検査とかその辺を引くと赤字だということですので、まあ私も二、三十円ぐらいであれば、これ何とか可能だと思いますけれども、要は、民主党政権でいわゆる米の戸別所得補償を導入するときに、補助金出せば価格が下がるんだと随分言われましたけれども、それでも主食用米はまだ取引価格が見えますからそんなにひどい値引き合戦にはならないと思いますけれども、飼料用米は相対だったりとか非常に見えないところでの取引がありますので、恐らく現状は、これ山形県だけが特殊であればこれはこれで問題ですけれども、似たような状況が私は各地で起きているんではないかと思います。 補助金を上げる、生産意欲を刺激する、これはいいことですよ。だけど、それをいいことに、非常にこの現場の取引価格が、余りにも、まあ安くしなければ供給できないということはありますけれども、でも、私は今の現状を見ると下げ過ぎだというふうに思うんですよね。 ですから、そこの実態を是非お調べいただくなり検証いただいて何か対処をしていただかないと、本当に、何というんでしょう、せっかくこの財政投入をしても無駄になってしまっているという部分があるのではないかと思いますので、是非そこは調査をお願いしたいと思いますけれども、大臣、感想をお聞かせください。
○国務大臣(齋藤健君) 大変重要な御指摘をいただいたと思っております。これは飼料用米政策を進めていく上で非常に重要な点だと思いますので、しっかり把握するようにしていきたいと思います。
○舟山康江君 もう一つですけれども、飼料用米の振興もいいんですが、やはり麦とか大豆、特に大豆などは、やはりいわゆる和食とか日本型食生活に欠かせないものの原料になっていますけれども、まだまだ大豆の自給率が低いという状況の中で、やはりもう少し生産振興を後押ししなければいけないなと思いますけれども、ここをどのように考えていますでしょうか。
○国務大臣(齋藤健君) 麦や大豆は、水田を有効に活用しつつ、食料自給率、食料自給力の向上を図る上で重要な戦略作物であると考えておりまして、もう委員御案内だと思いますが、平成二十七年三月に閣議決定した食料・農業・農村基本計画では、平成二十五年度を基準年として、目標年度であります平成三十七年度に向けて、小麦は八十一万トンから九十五万トン、大豆は二十万トンから三十二万トンの生産努力目標を掲げて、需要に応じた生産拡大を図っているところでありまして、近年の地産地消ですとか安全、安心を求める消費者の国産志向の高まりによりまして、国産の麦や大豆を使用した商品が増加するなど、需要が堅調に推移をしてきておりまして、天候による生産量のばらつきはあるんですけれども、直近の統計によりますと、生産量は小麦で九十万トン、大豆では二十四万トンと拡大傾向となっておりまして、引き続き、需要に応じた生産拡大を図るために、御案内のような経営所得安定対策ですとか水田活用の直接支払交付金ですとか新品種の導入ですとか輪作の適正化ですとか、様々な政策を組み合わせてこの麦、大豆の生産振興を図っていきたいと考えております。
○舟山康江君 やはりこの戦略作物の中で、飼料用米に比べて拡大のペースがやっぱりまだまだ遅いと思うんですよね。非常に、私はこの辺の生産振興も主食用米とセットで共に応援をいただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 続きまして、主要農作物種子法の廃止に伴う事務次官通知についてお聞きしたいと思います。 これ、事務次官通知ですので、出された御本人、事務次官に直接その思いとか趣旨をお聞きしたかったんですけれども、残念ながら理事会の中で呼べなかったというのは非常に残念なわけですけれども、大臣が代わりにということになっておりましたので、大臣、是非よろしくお願いいたします。 まずですね、私、これ、まず最初に見たときに、えっ、こんな通知ってあるんだなという、ちょっと驚きでした。本来の通知というのは、これからどうしてほしいとか、種子法がなくなったわけですから、廃止に伴って、じゃ新しい対応はどうするのか、それから、新たな法体系に移るとすれば、それはどういう法体系で何をしていくのか、また、廃止したことに伴って起こり得る問題点とか、それから、混乱を避けるために国がガイドラインを示すとか、そういうものであるべきだと思いますけれども、今回のこの通知、何かこの廃止したことの背景とか言い訳とか、それから何か解釈の押し付けとか、そのことがずらずら並んでいて、何なんだろうという最初の印象でありました。私は正直見たことないですね、こんな形式の通知というのは。何かもう廃止した理由なんて今更不要なんですよ。 何か言い訳がましくて、解釈の押し付けがひど過ぎるということがまず私の印象なんですけれども、この通知の趣旨、一体何なのか、端的に大臣から、事務次官に代わってお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(齋藤健君) 法制度の改廃や大きな変更が行われるに当たっては、広く関係者にその経緯や趣旨を周知をして新たな制度への円滑な移行を図るということは必要なことだろうと思います。 このような考え方の下で、この通知においては、主要農作物種子法の果たしてきた役割と廃止に至るまでの経緯や種子法廃止後の都道府県の役割等の事項について、多くの官民の関係者にあらかじめ広く周知をするということによって、法廃止後の制度への円滑な移行を図ると、こういった思いで次官が出されたものだと理解しております。
○舟山康江君 いや、でも、これちょっと、本当にこんなのいいんでしょうか。私は、もうこれ委員会として問題にするべきだと思いますよ。 委員会で指摘した指摘事項とか、附帯決議とか、何か無視したような形になっているんですよね。ちょっとそれ細かく見ていきたいと思いますけれども、まず、例えばこれ、二枚目の2の(4)ですけれども、2の(4)に、都道府県が今まで民間の参入を阻害していたとか、画一的な品種開発しかしていなかったとか、いわゆる多様な需要に対する品種とかコストを下げる品種の開発には取り組んでこなかったとか、都道府県が悪かったかのように書かれておりますけれども、それは何を根拠に言われているんでしょう。
○国務大臣(齋藤健君) この十一月十五日に発出した事務次官通知の今御指摘の2の(4)については、主要農作物種子法により都道府県に対して一律の義務を課してきた結果、各都道府県において、当該都道府県における高価格帯での販売を期待して家庭用需要向けの品種開発を行う傾向が強くて、そのような新品種の生産拡大に取り組む事例が増えてきた一方で、外食・中食産業用や輸出用などの多様な需要に対応する目的で開発された都道府県育成品種が近年ほとんど見られないこと、それから、都道府県が開発した品種が優先的に当該都道府県の奨励品種になっておりまして、例えばウルチ米では民間企業が開発した品種で奨励品種に指定されているものはほとんどないとか、したがって民間事業者はこれらの分野における品種開発の意欲が湧きにくくなるといった状況が続いてきたと。 こういう状況を継続していては、我が国農業の競争力の強化に向けての官民の総力を挙げた種子の開発、供給体制を構築することはできないのではないかという判断から、このような通知の記載に至ったところであると理解をしております。
○舟山康江君 非常に、私これ、都道府県に対しても失礼だと思いますし、今回の種子法廃止に伴う通知の意味というのは、廃止に伴って、それこそ種子のいわゆるこの生産の確保とか原種の保存とか、そういったことに対してもう県は一切しなくていいのかということに対して、いやいや、そうじゃなくて、引き続きお願いしますと、種苗法に変わりました、種苗法にここに書いてあります、そういうことを通知するのが通知じゃないんですか。技術的な助言ですよ。 だって、元々の、地方自治法の二百四十五条に基づく技術的助言として通知を出すということですから、そういったことだと思いますけれども、そんな過去のことをどうこう言うんじゃなくて、これからどうするべきだと、その技術的な助言をしてあげるのが通知なわけですけれども、全然違うわけですよね。 そして、更にもう一つ申し上げますけれども、附帯決議、これはこの委員会でもきちんと議論をして附帯決議を付けさせていただきました。その中では、都道府県の取組が後退することのないよう、財政需要についてもそれこそ努めましょうとか言っていますし、また、国会の答弁の中、やり取りの中でも明確に国や都道府県の基本的な役割は変えないでおきたいと答弁をされております。 そういう中で、何かこの都道府県の役割は変わったかのような言い方というのはおかしいと思うんですよ。 この三ページ目の3番の(1)なんか、これも、これまたひどいんですけれども、上から四行目から最後、これ一文ですからね、区切りなく。何を言いたいのかよく分からない。何かこの県の役割は同じなのかなと思いきや、民間参入が進むまでの間はやっていいというようなことのようですし、その上のパラは直ちに取りやめることを求めているわけではないとか、何か非常に、元々のここで議論した、委員会で議論した中身と通達の中身が全然違うと私は思います。 まず、都道府県の役割をどうこれから考えるのか、そして財政的手当てというのはどこに書いているんでしょうか、教えてください。
○国務大臣(齋藤健君) この通知におきましても、御指摘の参議院農林水産委員会における、まず附帯決議については、政府としてこれは重く受け止めてしっかり対応していきたいと思っていることをまず冒頭申し上げますけれども、この事務次官通知におきましても、この附帯決議における各項目も踏まえまして、今後は、種苗法の方ですが、種苗法に基づく告示に基づいて国又は都道府県が稲、麦類及び大豆の種子の品質の確認を行うことですとか、種子法廃止後の都道府県が稲、麦類及び大豆の種子の供給に当たって役割を担うことですとか、都道府県から種苗の生産に関する知見を民間事業者に供給するに当たっては、我が国農業の国際競争力強化、我が国農業の国際競争力強化及び農業の成長産業化が目的であることですとか、それから、今般の制度改正の趣旨が官民挙げた種子の供給体制の構築であるということを明記をしているところであります。 それから、附帯決議につきまして、その財政的手当てのお話もありましたけれども、これはしっかりと総務省に対して九月に地方交付税措置の改定要望を提出して、今調整をしているところでございます。
○舟山康江君 でも、世間にはこの通知、事務次官からの通知が種子法に代わって出ているわけですよ。今、大臣の御説明であれば、種苗法を参考にされたいと書けばいいだけなのに、わざわざこれが出ている。そして、この中には財政手当てをどうするかというのは書いていません。そうなると、これ、財政当局は、もう県も国も手を引くんだからそんなものは要らないだろうと言われちゃうじゃないですか。 あのとき国会の中では、財政的な手当てをきちんとしてもらうということをやっぱり、何というんですか、明確に約束してくださいということを言ったわけですよ。それがこの通知には書いていなくて、だらだら余計なこと、しかも民間事業者の参入促進だけが強調されていて、まさにこれは国会軽視、決議違反だと思います。 この通知は一旦取り消すべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(齋藤健君) 先ほど来御説明していますように、私どもとしては、その附帯決議との整合性についてはきちんと、これだけじゃなくて、しっかりトータルで尊重して対応してまいりたいと考えているところでございます。
○舟山康江君 このほかに何かあれですか、種子法廃止に伴うこの事務次官通知に準ずるものは出ているんですか。
○国務大臣(齋藤健君) 一つ一つ、附帯決議につきましては、例えば種子に関する一般法である種苗法の告示である指定種苗の生産等に関する基準に、稲、麦類及び大豆の種子の生産等に関する基準を追加するということで、十月二日付けで指定種苗の生産等に関する基準を改正をして公布をしたとか、そういうことを含めて様々対応させていただきたいと思っております。
○舟山康江君 いや、だから、それ、通達の、この通知の中にそういうことは書く必要はあると思いますよ。これからは種子法の廃止に伴う、この四番にもありますけれども、種苗法に基づいて確認を行うとか、こういったことはいいんですけれども、ちょっとほかは行き過ぎですよ。 まさにこれ国会決議違反、私は、と思いますので、もう一度、本当はやっぱりこれを書いた事務次官御本人の思いをきちんと聞かせていただかないと、何でこんなものができたのかよく分からないんですけれども、でも、まあ、農林水産省の一番のトップは大臣ですので、大臣の御判断で、こんなばかげた、地元をなめた、そしてまた国会をなめたような通知というのは一度撤回して、もう一回きちんと本当の意味での技術的助言のための通達に変えていただきたいと思いますので、最後にその御決意をお願いします。
○国務大臣(齋藤健君) 私どもとしては、この通達だけをもって国会の議論に対応したとは考えておりませんので、是非全体を見て御判断いただけるように説明を重ねていきたいと思っております。
○舟山康江君 やっぱりこれ、通達は重たいですから、単なる、何というんですか、説明会とかではなくてちゃんと公文として出ているわけですよ。しかも、一般的には局長通達とかが多いと思いますけれども、これ事務次官通達ですからね、重いと思うんですよね。 そういうものですから、やっぱりその重たいものが重たいものに値する内容なのかどうか検証しないと、これ、与党の皆さんとも是非また御議論させていただいて考えていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 続きまして、小水力発電普及への課題についてお伺いしたいと思います。小水力発電の……(発言する者あり)続きは与党の皆さんにお願いします。小水力発電の普及意義についての大臣の基本認識をお聞かせください。
○国務大臣(齋藤健君) 農業水利施設の未利用エネルギーの活用を図る小水力発電につきましては、持続可能なエネルギー供給に寄与するというのと同時に、農業水利施設の維持管理費の軽減、これを図る観点から、その普及を図ることは重要であると考えています。 平成二十八年八月に閣議決定された土地改良長期計画では小水力発電等の導入目標を掲げておりまして、農業水利施設に用いている電力量に対する発電量の割合、この小水力の割合を現状の約二割から平成三十二年度までに約三割以上にするという、そういう目標を掲げております。この目標達成に向けて、引き続き小水力発電を普及するための調査計画や施設整備に対する支援策を積極的に講じてまいりたいというのが基本的なスタンスであります。
○舟山康江君 私は、やっぱり再生可能エネルギーの普及というのは非常に大事だと思っておりまして、その中でも小水力発電ほど効率的で非常にこの効果が高いものはないと思うんですよね。だって、流れている水にちょっと水車を付けて、それで発電できちゃうわけですから。新しくどこかに太陽光パネルを付けるとか、環境影響調査をしながら風力発電をするとかではなくて、今あるものの有効活用なわけですよね、ちょこっと水を借りて、またすぐ戻すわけですから。 ここは私はもっと本当に本腰を入れて普及すべきだと思いますし、そのことがひいては、まさにこの農業の多面的な役割、やっぱり水田農業だからこそできるわけですよね。水田農業だからこそ、こういった面も考えて、さっきの話に戻りますけれども、主食用米の支援もしっかりとしていただきたいと思いますが、水田じゃなきゃできないわけですよね。水田の水路を利用しての発電で、これが社会にも貢献するということは、やっぱり農業に対する理解促進にもつながるという意味では更に力を入れていただきたいと思いますけれども。 そういう中で、もちろん、いろんな補助事業で後押しをするというのもそうですけれども、もう一つの実は問題が幾つか指摘されておりまして、やはりかんがい期には水がたくさん取れる、でも、冬場の非かんがい期はなかなかその水利権が少ないという中で、有効に発電機が回っていない、水車が回っていないと、こういう問題があります。やはり現地からいろいろお聞きしますと、その非かんがい期の水利権を追加取得するに当たってはなかなかまだまだハードルが高いと、そういった声を聞くんですけれども、その現場の声をどのように捉えていらっしゃるでしょうか。
○国務大臣(齋藤健君) 農業水利施設を活用した小水力発電については、施設の有効活用を図るという観点からは非かんがい期の発電用水の増量が必要だという現場の声があることは私も聞いておりますし、十分承知をしておりまして、その重要性は認識しています。 小水力発電は水を消費するわけではありませんので、河川から取水した発電用水が河川にまた戻るということです。それから、発電用水の取水によって河川水が減少する区間において河川環境等に影響を与えない、そういう条件を満たす施設では、農業用水の水量が少ない非かんがい期においても発電専用の水利権を取得して発電量を増量している事例もございます。具体的には、議員の地元であります山形県の最上川中流地区や野川地区を含めて全国十四地区で非かんがい期の発電専用水利権を取得している現実にあります。 引き続き、このような事例を全国の土地改良区や市町村等に対して情報提供するなどして、非かんがい期の発電専用水利権が取得できるように積極的に働きかけていきたいと思っています。
○舟山康江君 ありがとうございます。 加えて、まあこれも現場からよく聞く声なんですけれども、いや、水利権者が、国交省がなかなかハードルが高くてという声も聞くんですけれども、国交省さんの方でもそこはかなり柔軟に対応いただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
○大臣政務官(秋本真利君) 委員の御地元の山形、また御縁のある小国町、私、梅花皮荘に泊まって一泊二日でしっかりと見てきたことがございます。 山形県は東北の中では福島県に次ぐポテンシャルがあるというふうに言われておりまして、隣の新潟県も大変、北海道に近いポテンシャルを持っていて、大変なその小水力発電における大事な都道府県だというふうに私自身も認識しております。 また、私、当選以来ずっと党の再エネ部局の事務局長をしておりましたので、この委員の指摘につきましては全く同感でございます。国交省におきましても、再生エネルギーの普及拡大を図る上で、この導入を拡大していくということについてはしっかりとしていかなきゃならないというふうに認識をしているところでございます。 また、非かんがい期の水利権の追加取得に関しましては、河川の流量や他の水利使用者に与える影響などを踏まえて河川管理者が許可をしているところでございます。一級河川の指定区域においても、国交大臣から都道府県知事への権限移譲をしたほか、あるいは、流量のデータを河川管理者から提供するなどの手続の簡素化を進めてまいりました。また、地方整備局等に相談窓口を設置いたしまして、農水省とも定期的に情報交換を行いまして、手続が円滑になるよう連携を図っているところでございます。 こうした取組を通じまして、今後とも、普及の拡大に努めてまいりたいというふうに思っているところでございます。
○舟山康江君 是非、できるだけ、環境に悪影響を及ぼしてまで進めろと言うつもりはありませんので、その辺の、いわゆる例えば環境影響調査なども、例えば国交省の持っている知見などをどんどん出していただいて、手続の簡素化とかそういったことも御努力いただいて、是非、農水省、国交省連携して、この小水力を更に進めていただきたいということをお願い申し上げたいと思います。 それでは、続きまして、植物検疫所の廃止についてお聞きしたいと思います。 大臣の所信表明演説の中にも輸出拡大ということが何度かうたわれておりました。輸出に当たりましては、やはり特に動植物に関しては検疫が必要なんですけれども、そういう中で、酒田の植物検疫所が、出張所ですけれども、閉鎖されるというような衝撃的な情報を先日いただきました。 酒田港、最近、元々重要港湾でもありますし、昨年は日本港湾協会からポート・オブ・ザ・イヤーを受けていて、三年連続でコンテナ貨物量も大幅に増加しているということであります。また、発電のための木質ペレット輸入とかヤシがら輸入ということも始まりますし、着実に輸出入共に増加が増えているという中でのこの突然の閉鎖というのは非常に大きな打撃だというふうに思っています。 先日も、酒田港のセミナー、何とか更に利用拡大というセミナーを県を挙げてやっておりましたし、そのさなかでの出張所廃止というのは非常に精神的にも実態的にも痛手だということの中で、是非、輸出拡大と掲げている中で、何とか植物検疫所、できるだけ廃止しない方向で持っていっていただきたいんですけれども、そのことについて是非よろしくお願いします。
○国務大臣(齋藤健君) 地元からそういう声が上がってくるのは分からないわけではないんですけれども、現在、訪日外国人旅行客は四千万人に増やすですとか、輸出の農産物の輸出額を一兆円に伸ばすという目標にしているわけでありますが、そうした中で、実際に農産物の輸出入検査が増加している植物防疫所では、それらの検査業務に対応できるような体制の強化と、当然のことながら防疫官の重点的な配置というものが今必要になってきているわけです。 このため、当然のことながらですが、植物検疫体制を強化するための増員要求を行っておりますし、予算や人員に限りがある中で、業務量に応じて支所、出張所の配置の見直しというものも当然やらなくてはいけないということになっておりまして、具体的には、年間の輸入検査件数が平均一日一件に満たない状況が二年以上続いていると、そういうことなど、検疫業務の少ない出張所を順次閉庁をしてきておりまして、平成三十年度においては、現状で、業務実績の少ない酒田出張所については閉庁の方向で検討をしているところであります。 ただ、酒田出張所につきましては、平成二十八年十一月以降、植物防疫官を常駐させずに、新潟支所からの出張で輸出入検査が適正に実施できるかどうか、そういうことの確認を一年間行ってまいりました。その結果、検査業務上問題がないという確認がされたことから、先ほど申し上げたような閉庁の方針で今検討しているということでございますので、御理解をいただければなと思います。
○舟山康江君 やっぱり、看板がなくなってしまう、ああ、酒田港はやはりそういった検疫のシステムが整っていないんだなというイメージ、インパクトというのは非常に大きいので、是非、実際増えていますからね、増えていますので、是非そこも御考慮の上、再考いただきたいことをお願いいたしまして、私の質問を終わります。 ありがとうございました。
○川田龍平君 川田龍平です。 今日、農水委員会、初めて質問に立たせていただきます。私は、これまで環境委員会、厚生労働委員会とずっとこの委員会で質問させていただいておりますが、この農水委員会は全くの初めてですので、いろいろと勉強させていただきながら質問させていただきたいと思います。 医療の問題をずっとやってきたんですけれども、食の問題と医療というのは、やっぱり医食同源といいますか、やっぱり食べ物が健康にも大変大きな影響を与えてくれるというふうに思っておりますし、環境にも大変農業というのが大きな影響を与えているという中で、本当にこの農業の重要さ、そしてこれは単に産業だけではなく、やはりしっかりと命を守るための農業、特に地域ですとかそういった本当に地元のための、地域のための農業というものをしっかりとやっていかなければいけないと思っておりますので、私も今現場の人たちのお話をいろいろと伺う中でこの農業の問題をしっかり取り組まさせていただきたいというふうに思っていますので、よろしくお願いいたします。 まず、一番最初に聞きたいと思っておりますのは、大変多くの皆さんが注目をされております種子法の問題について質問させていただきます。 先ほど舟山委員からも質問ありましたけれども、来年の四月に廃止されるということで、自給率八〇%と米に次いでまだ高いとされている野菜も、実は種の、遡ると自給率は八%しかありません。この種子の開発データを民間に開放するということで、今後食料自給率は大きな打撃を受けるのではないでしょうか。これはどうやって食料安全保障を守るのかと、先ほどから進藤委員からも質問ありましたけれども、この食料安全保障、どのように守るのかということについて大臣に伺いたいと思います。
○国務大臣(齋藤健君) この種子の関係で安全保障の関連でお話ししますと、種子、種苗は重要な戦略物資であると考えております。 この度の種子法の廃止によりまして、それから様々な競争力強化法などによりまして、国、都道府県の知見の提供等により民間事業者の参入を促進をしながら、諸外国に打ち勝つ有用性の高い品種の研究開発を戦略的に進めていきたいというのが基本的な考え方であります。 ただ、恐らく川田委員も御心配されているのは、そういった民間事業者への知見の提供でもしかしたら外国にどんどんまた流出をしていくのではないかという御懸念だろうと思っていますが、私どもの考え方は、民間事業者への知見の提供に当たっては、その事業者が自らの知見とともに提供された知見を活用して多様なニーズに対応した品種改良を進めるということなんですが、我が国農業の競争力強化に貢献をし得る企業に対して提供するということがまず適切であると考えているわけです。 その際、知見が不用意に海外に流出すれば、御指摘のように、我が国の食料自給率が下がっていくという懸念もありますので、独法や都道府県と民間が連携した研究開発に当たりましては、技術や育種素材について目的外の利用を防止する条項を盛り込んだ契約を結ぶなどの知財マネジメントの推進や海外での品種登録出願の推進など、独法や都道府県が有する品種等に関する知的財産をしっかり守るための対策を講じていきたいと思っています。
○川田龍平君 先ほどもこの食料自給率の話が出ました。既に現在の食料自給率三八%というのは国難だと思いますが、この食の安全保障と自由化の推進という問題についてどう整合性を付けるのでしょうか。
○国務大臣(齋藤健君) 共に重要な政策で、共に追求をしていくべきだと思っていますが。
○川田龍平君 特に、食の安全保障、食料安全保障というのは、やっぱり国の根幹に関わる問題だと思っております。よりこの食料安全保障の方にしっかり重視していただかなければ国民の命は守れないと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(齋藤健君) 食料安全保障を確保することが国の重要な責務であるというのは先ほどの御答弁でもさせていただいたところですので、繰り返させていただきたいと思います。
○川田龍平君 民間参入、民間との合理化ということで種子の価格が安くなるということですが、むしろ私は高くなるのではないかと考えます。この値上がりを防ぐべく合理化を極めれば、多様性がまた失われてしまうのではないかと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(齋藤健君) この主要農作物種子法においては、奨励品種を決定するための試験や、原種、原原種の生産等を都道府県に一律に義務付けた結果、先ほども御答弁させていただきましたが、家庭用需要を指向した画一的な品種開発が進みまして、外食・中食産業用や輸出用などの多様な需要に対する品種等の開発にはほとんど取り組まれてこなかったですとか、それから、都道府県の開発品種が奨励品種のほとんどを占めて、民間事業者の品種開発意欲を阻害しているという状況が続いていたので、このため主要農作物種子法の廃止や農業競争力強化支援法の新規参入支援措置等を通じて民間事業者の種子生産への新規参入を促すことによりまして、需要に応じた、そして我が国農業の国際競争力の強化に資する官民の総力を挙げた種子の開発、供給体制の構築を進めていきたいというものでございました。 これによりまして、今、価格の話なんですが、大規模な種子生産体制の導入や、都道府県が行う種子生産の民間事業者への業務委託みたいなものが促進をされていけば、種子生産に掛かるコスト削減も図られ、種子の価格引下げにむしろつながる可能性もあるのではないかというふうに考えているところでございます。 ちなみに、農業競争力強化支援法の事業参入計画に係る主務大臣の認定におきましては、当該事業参入が良質かつ低廉な農業資材の供給に資すると見込まれることが要件として設けられているところにも我々のその思想が表れているんじゃないかなというふうに思っております。
○川田龍平君 ちょっと分からないんでお聞きしたいんですが、この家庭用の種子というのは画一的なんですか。
○国務大臣(齋藤健君) 家庭用が画一ということではなくて、家庭用の高く買ってもらえるお米に集中をする傾向があったということの趣旨でございます。
○川田龍平君 先ほど舟山委員から配付された資料を利用させていただきますが、種子法に基づく主要農作物種子制度運用基本要綱を廃止する十一月十五日の通知について、これはいつから実施されるんでしょうか。また、通知にある民間事業者による種子生産への参入が進むまでの間とはどのくらいの年数を想定しているのでしょうか。
○政府参考人(柄澤彰君) 御指摘のこの十一月十五日付けの事務次官依命通知につきましては、主要農作物種子法を廃止する法律の施行に伴いまして、種子法の果たしてきた役割、あるいは種子法廃止後の都道府県の役割などについてあらかじめ広く関係者に周知するために通知をしたものでございますので、その意味におきましては、発出した日に通知がなされていると、その効力といいますか、通知がもう既になされているという趣旨でございます。
○川田龍平君 もう一つ質問が一緒にあったんですけれども、民間事業者による種子生産への参入が進むまでの間とはどれくらいの年数をこれ想定しているんでしょうか。
○政府参考人(柄澤彰君) この通知における御指摘の記述は、まず農業競争力強化支援法第八条第四号に基づく「都道府県が有する種苗の生産に関する知見の民間事業者への提供」についての記述でございます。この記述における御指摘の「民間事業者による稲、麦類及び大豆の種子生産への参入が進むまでの間、」というフレーズにつきましては、これは民間事業者の参入の割合ですとか、それに要する期間については、当然のことながら各都道府県によって状況も異なります。 今後、それぞれの都道府県において適切な業務の連携の在り方を模索していくことになると考えられますので、国としてその期間がどのぐらいということを一律に示すものではございません。
○川田龍平君 ちょっと分からないんですけれども、これ十年とか十五年とか二十年とか、どれぐらいのスパンを考えておられるんでしょうか。
○政府参考人(柄澤彰君) それは今申し上げましたとおり、まさに民間事業者の参入の意欲ですとかその状況が全く各都道府県によって異なると思われますので、一概に申し上げることは困難でございます。
○川田龍平君 この通知というのがやっぱりおかしいんではないかという話がありますが、またもう一つ質問しますが、この通知では種子計画に言及していませんが、都道府県の種子計画すらもなくすつもりなのでしょうか。
○政府参考人(柄澤彰君) この通知におきましては、都道府県が稲、麦類及び大豆の種子の生産や供給に係る業務を実施するに当たりましては、米などの生産、販売を戦略的に行っている農業者や団体等との意見交換などによりまして、種子・種苗行政に関するニーズを的確に把握し、また県内の農業者が必要とする種子の調達状況について調査を行い、その結果を踏まえて都道府県が措置すべきことを整理するということを前提にいたしまして、従来都道府県が実施されてきました業務を実施する場合には、必要に応じて従来の通知を参考とするということも規定しているところでございます。 そういった中で、御指摘のいわゆる都道府県の種子計画につきましては、種子法が廃止された後におきましても、今申し上げたような通達の規定に従いまして、都道府県が必要だというふうに御判断になれば、民間との連携も考慮しながら都道府県の種子計画を策定することは当然可能でございます。
○川田龍平君 この従来の通知というのはこれは廃止されるということですけれども、これ、じゃ、どうやって参照するんですか。
○政府参考人(柄澤彰君) 御質問の意味は必ずしも正確に理解できませんけれども、この通知に従いまして事業を行っていただく際、必要に応じて従来の通知を参考にしていただくということは明確に記載されているということでございます。
○川田龍平君 この十一月十五日の通知には、この四つの廃止された通知は載っていないんですけれども、これ、どうやってこの後の人たちはこの通知を見ることができるんですか。
○政府参考人(柄澤彰君) 現行の関連の通達というのは既にそれぞれ所要の手続で発出されているわけでございますので、関係者のお手元に今存在しているということでございます。(発言する者あり)
○川田龍平君 じゃ、これ廃止しなければいいという声もありますけれども、この廃止をする意味が分からないんですね。 この通知を出すということも、これまだ、来年の四月にこれ廃止になるのになぜこの通知を先に出すのかとか、本当にこの通知には計画のケの字も、この種子計画の計画も書かれていません。これ、種もみを作るには最低四年は掛かります。種子を過不足なく生産するためには、都道府県が種子計画を作り、更にそれを調整させて、全国的に種子を計画的に生産することが必要なはずです。しかし、この種子法廃止によって、国や都道府県がそれを行う法的根拠がなくなってしまったのです。 種子法を廃止しても都道府県は種子の生産を続けるはずだと農水省は言いますが、「種子の生産や供給の状況を的確に把握し、それぞれの都道府県の実態を踏まえて必要な措置を講じていくことが必要である。」という漠然とした通知では、都道府県は具体的な計画は作らなくなるのではないでしょうか。これ、いかがでしょうか。
○政府参考人(柄澤彰君) そもそも、今般この種子法を廃止した大きな考え方としまして、戦後と違います今日におきまして、国が都道府県に対しましてあれをやりなさい、これをやりなさいということを法律に基づいて義務付けるということの弊害が大きくなってきたということでございます。 したがいまして、今御指摘の都道府県の種子計画につきましても、国があれを作りなさい、これを作りなさいということではなくその都道府県の自主性にお任せするという、この法律の廃止とリンクした考え方でございます。
○川田龍平君 やっぱりおかしいですよね。 やっぱり、農林水産省というのは一体何のためにあって何のために仕事をしているのか、本当に官僚の皆さんお一人お一人にお聞きしたいぐらいですけれども、本当に民間企業がもうからないから突然生産をやめてしまうというようなことがあった場合に、種子が大幅に不足してしまう事態もあり得ます。バックアップ計画がなければ今後の食料安全保障は大変危ういものとなってしまうことをとても心配していますが、これは、水戸に、JA水戸の八木岡さんという農協の組合長さんが、種場農協、これJAの水戸には、県内二十ある農協のうち六つの農協が種場として米、麦、大豆の種子を生産していると。これは政務官、上月政務官、副知事もやっておられましたし、茨城の選出で、そういった状況というのはよく御存じだと思うんですが、政務官としてこの状況を一体どうお考えでしょうか。
○大臣政務官(上月良祐君) 都道府県はきちんと自分のところの必要性を認識をして、この通知に基づいて必要なことをしっかりやっていってもらう、そのために都道府県があるんだと私は思っております。 民間企業が入ってくるその度合いというのは県によって違うんだと思います。なので、その入ってくるまでの間は県がしっかりやらなきゃいけないということを逆に書いてあるわけでありますので、しっかりその辺を都道府県に分かっていただくように伝えるのが我々の仕事だとも思っております。
○川田龍平君 現場の声は、種場農家の方は、大変高齢化もしていてモチベーションがこれでは下がってしまうと、また種場農家の人たちがこれから種を作り続けるという意欲が湧かないということも言っておられます。これをどうお考えですか。
○大臣政務官(上月良祐君) それはまたちょっと、この通知とはまたちょっと違う次元の話も入っているのかなというふうには思います。そういったことについてどういうふうにやっていくかということは、またこれからしっかり役所を通して考えていかなければいけないし、現場の声もしっかり聞いて、種場の方々がしっかりやっていけるような環境をつくらなきゃいけないと、こう思っております。
○川田龍平君 是非この通知の発出についても、もう一度改めて、大臣、副大臣、政務官、そういったこともしっかり考えてやっぱり今後発言もしていっていただきたいなと思います。 次に、食料及び農業のための植物遺伝資源に関する国際条約、この第九条の二項には、締約国は、農民の権利、ファーマーズライツが食料及び農業のための植物遺伝資源に関連する場合には、これを実現する責任を負うのは各国の政府であることに合意するとあります。 この農民の権利とは、途上国だけではなく、日本の農家の権利も含まれていることを明言していただけますでしょうか。また、国や都道府県は、種子の自由な流通を今後も規制しないことを明言していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(別所智博君) お答え申し上げます。 ただいま先生の方から御指摘ございましたとおり、食料及び農業のための植物遺伝資源に関する国際条約第九条第二項におきましては、農業者の権利が食料及び農業のための植物遺伝資源に関連する場合には、これを実現する責任を負うのは各国の政府であるというふうに定められているところでございます。 我が国も締約国の一つといたしまして、我が国におきましては、農業者の権利の保護及び促進、そういったための措置といたしまして、食料・農業・農村政策審議会の委員等として農業者に参加していただくなど、食料及び農業のための植物遺伝資源の保全及び持続可能な利用に関する国内における意思決定に農業者の方が参加していただけるような権利を担保しているなどの措置を講じているところでございます。 今後とも、締約国として、同条約の適切な実施に努めてまいりたいと考えてございます。
○川田龍平君 この国際条約に日本の農家の権利も含まれるのは当然です。そして、種子の多様性を確保しなければ今後の気候変動など荒波を乗り越えることは難しく、その意味でも、国や都道府県、民間企業だけではなく、農家の人たちが育てている多様な品種も生かしていく必要があり、それはまた日本政府も批准しているこの条約が明記しているとおりです。日本政府はこの条約を批准しておきながら、それを国内政策に生かしていないと思うのですが、それを実施していくためにも農家が細々と守り育てている種子を守る姿勢を明らかにする必要があると思います。 さて、大臣、副大臣、政務官の皆さんの中で、国連において、小農民と農村で働く人々の権利宣言というものが議論されていることを御存じの方はおりますでしょうか。これは、二〇一三年から国連で議論がされているんですが。 ところで、今年の五月の作業部会では、この種子の権利などの小農民の権利を人権として認めることに日本が強く反対をしました。これは日本のODAがモザンビークの小農民の権利を侵害しているという批判に対する外務省の反応なのだと思いますが、日本の中小規模農家の権利は外務省の頭にはなかったのではないでしょうか。その後、米国と英国が、イギリスがこの作業部会を打ち切ろうと動くも、ヨーロッパの中小農民の国際組織のキャンペーンでアメリカとイギリスの計画は頓挫し、来年五月の作業部会で宣言成立を目指す決議が今年九月の国連人権理事会で賛成多数で採択されました。この決議の採決においても、アジアでは大半が賛成していますが、日本は棄権に回っています。 外務省が小農民の権利は人権として認めないという意見表明をしたことは、さきの条約と矛盾するのではないでしょうか。
○政府参考人(飯島俊郎君) お答えいたします。 委員御指摘の国連の人権理事会の決議に基づいて設置されました小農民の権利宣言案に関する政府間作業部会についてでございますけれども、御指摘のとおり、本年九月の第三十六回人権理事会で小農民の権利決議案が提出され、三十四か国が賛成、米国及び英国の二か国が反対、我が国を含む十一か国が棄権をし、採択はされております。 この決議は、提案国であるボリビアの提案どおりに採択されております。したがいまして、今後これがまた国連の場において議論されていくわけではありますけれども。 我が国の棄権についてでございますけれども、我が国は、小農民及び地方で働く人々の人権を保障することは極めて重要と認識しており、小農民、これは条約ではペザンツの権利というふうになっておりますが、これにつきましては、他方で国際社会における議論がまだ未成熟で、いまだこの小農民の人権という新しいカテゴリーとして確立されたものではないことになっておりますので、我々といたしましては、こういった人々の人権を保障するためには既存の人権メカニズムを活用していくことが効果的であると判断をして本決議案に棄権票を投じたものであります。
○川田龍平君 結局、これは外務省としては小農民の権利は個別には認めないということです。国会でそうした議論がされたことはありますか。日本の農家で、この意見も聞かずに外務省が独走して勝手に反対したのなら問題ではないでしょうか。 農水省は、外務省が反対したことを知っていましたでしょうか。(発言する者あり)
○委員長(岩井茂樹君) どなたが答える。 速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(岩井茂樹君) 速記を起こしてください。
○国務大臣(齋藤健君) 大変恐縮なんですけど、事前にその質問について準備ができていないので、きちんと精査をした上でお答えをさせていただけたらと思います。
○川田龍平君 やっぱり農水省は知らなかったということですので、これ農水省としてもしっかり主張してほしいと思います。 この主要農作物の種子制度は、アメリカですら廃止していないのに、今回日本が種子法を率先して廃止したことは極めて深刻な問題だと思います。これに代わる新法を作る議員立法の動きに私も参加していくつもりです。与党の中の中心の心ある議員の皆さん、是非賛同していただきたいと思いますので、私も、何も民間企業との連携が全て悪だとは思っていません。オランダのような先進国では、遺伝子組換えではない、分子育種という低コストの最新技術や新しい品種の種子を開発しています。その点でもスマート農業について大臣が所信で触れなかったのは大変残念です。農家にとって低コストで持続可能な農業への転換を是非産官学の連携で進めてほしいと思います。 次に、TPP11について伺います。 アメリカが抜けて発動しにくくなった牛肉や豚肉のセーフガードについて、発動水準に手を着けなかった理由を政府は、見直せば米国のTPP復帰の道を断ち日米FTAへ向かわせると言っていますが、TPPに復帰しないトランプ政権下でTPP11が合意されたら、アメリカの農業団体はより強く日米FTAを押してくる上にTPP11以上の要求を出してくると考えるのが筋ではないでしょうか。セーフガード見直しをしない理由にはならないのではないでしょうか。今後、無制限で輸入してくる際、国内産業をどう守るのでしょうか。短くお答えください。
○政府参考人(澁谷和久君) お答え申し上げます。 TPP11の御質問でございますが、十一か国で議論したところでございますが、元々のTPP12の特徴であるハイスタンダードを維持するという観点だけではなくて、十一か国の思いとして、特にアメリカがTPPに戻ってきてほしいという、そういう思いから、米国がいないことを踏まえた協定内容の修正等を行わず、知的財産関連などごく一部のルールのみを凍結するということで、できるだけ早くTPPを十一か国で発効させたい、こういう思いで合意をしたものでございます。
○川田龍平君 例えば、この生乳で七万トンの設定は、アメリカが参加していたときの分が三万トン入っているとすると、アメリカはFTA、当然三万トン以上要求してくるのではないでしょうか。このTPP11の七万トンとFTAの三万トンで十万トンになれば国内産業は壊滅的になるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(澁谷和久君) 仮定の御質問ではございますけれども、TPP11の新協定、今回合意した協定案の中に第六条というものがございまして、アメリカを含めたTPPが発効する見込みがなくなった場合等には、締約国の要請に基づき、協定の見直しを行うと規定しているところでございます。 ここで言う発効が見込まれない場合ということでございますけれども、米国の通商政策の新たな動向などを踏まえて判断するということでございますので、私どもとしては、協定発効後もしかるべく対応していきたいと、このように考えております。
○川田龍平君 これ、協議を要求するだけで、協議に応じることは必ずしもこの第六条、義務付けられていないために、他国が容易に応ずるとは思えず、本当に見直せるのか極めて不透明ではないかと思いますが、いかがですか。
○政府参考人(澁谷和久君) 先ほどから先生御指摘いただいた、セーフガードでありますとか、あるいはTPPワイドという、TPP締約国全体を対象とした関税割当て数量、乳製品などでございますけれども、こうしたものについて、我が国として将来この第六条の見直しの対象とするということは各国に明確に申し上げ、これは閣僚会議の場でも茂木大臣の方から申し上げ、それについて特段の異論もなく、我々レベルで聞いている限りでは十分各国の理解を得ていると、こういうふうに考えているところでございます。
○川田龍平君 日欧EPAについても伺います。 日欧EPAの正文は当然日本語でも作られるということですよね。
○政府参考人(林禎二君) お答えいたします。 日EU・EPAの交渉は英語で行っておりますが、交渉の中では、日本語も協定の正文とすべく交渉を行っているところでございます。
○川田龍平君 是非この正文を作ってやっぱり出していただきたいと思いますけれども、TPPのときにあれだけ中身を見せずに議論させて批判されたのにまた同じことをしないように、しっかりとこれ日本語を出すことを強く要求していきたいと思います。 最後に、グルテンフリーの米粉の増産、普及について伺います。 欧米では小麦粉由来のアレルギーや疾病が増えており、日本でも今、糖質制限のダイエットですとかグルテンフリーがブームになっています。日本食以外の用途にも積極的に売り込みを強化すべきではないかと思いますが、美容に良いとか肌に良いといった米粉のメリットをアジア等、食生活など研究して、米粉の国内外での普及に活用すべきではないかと考えますが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(齋藤健君) 欧米などにおきましては、麦類に含まれるグルテンが誘発する病気などの対策としてグルテンフリー市場が拡大してきておりまして、欧米の市場規模は今後も拡大していくことが予想されています。このような欧米のグルテンフリー市場の拡大を見据え、グルテンを含む小麦製品の代替としてグルテンを含まない米粉の輸出を拡大していくことは極めて有望と考えています。 このため、本年三月に、我が国の世界最高水準のグルテン検出技術を活用して、一ppm以下をノングルテンと表示をする基準を策定いたしました。また、菓子用、パン用、麺用などの用途別の加工適性を踏まえた米粉の用途別の基準も策定、公表をさせていたところでありまして、これらを活用した米粉の輸出を含む普及に取り組んでいるところであります。 さらに、議員御指摘のように、米粉は国内においても、美容や健康の面などのメリットをPRすることによりましてその利用拡大が期待できるということですので、今後は、日本米粉協会やJFOODOなど民間の組織とも連携しながら、国内外のグルテンフリー市場の獲得に取り組んでいきたいと思っております。
○川田龍平君 このグルテンという言葉を是非もっと普及させてほしいと思うんですが、グルテンフリーですね、アレルギーの表示として、小麦だけではなくて、グルテンを含む穀類という国際基準の表示に合わせるべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。消費者庁。
○政府参考人(橋本次郎君) お答えいたします。 我が国におきましては、アレルギーの表示対象品目は、内閣府令である食品表示基準によりまして七品目を特定原材料として表示義務を課しておりまして、また、特定原材料に準ずるものとして可能な限り表示すべきもの二十品目を通知により示しているところでございます。 このアレルギーの表示対象品目は、食物アレルギーの症例に関する調査を基にしまして、特に発症数、重篤度から勘案して表示する必要性が高いものを特定原材料として定めますとともに、症例数や重篤な症状を呈する方の数が継続して相当数見られるが、特定原材料に比べると少ないものというものを特定原材料に準ずるものとして定めているところでございます。当該調査は現在も三年ごとに実施しておりまして、表示対象品目の追加及び表示の妥当性を検証しているところでございます。そして、二十七年度に取りまとめた調査報告書におきましては相当数の症例を集積していまして、その中でも小麦は食物アレルギーを引き起こす原因となる食物としてありますので、現在は小麦を対象品目としております。 いずれにしましても、今後もこの調査継続して実施していきますので、必要に応じて対象品目の追加等は発症数、重篤度を勘案して検討して、引き続き検討を行っていく方針でございます。
○委員長(岩井茂樹君) 申合せの時間が参りましたので、質疑をおまとめください。
○川田龍平君 ありがとうございました。 是非、大臣、「(株)貧困大国アメリカ」という本があります。これは是非読んでいただきたいんですけれども、私もこれ四年前に出された本で内容をすっかり忘れていたんですが、この本をもう一度読み直すと、本当に今、日本が差し迫っている問題というのは、アメリカやインドやイラクやいろいろなところで主要農作物の問題が、いろんな問題を起こしてきた世界の動きの流れが日本に今まさに来ているのではないかという、本当に危機的な状況を感じておりますので、皆さんにも是非読んでいただきたいと思いますので、この問題意識を持ってこれから取り組まさせていただきます。よろしくお願いします。 ありがとうございました。
○横山信一君 公明党の横山信一でございます。 四年ぶりに農林水産委員会に戻ってまいりました。明日の農林水産業のためにしっかりと議論させていただきたいというふうに思います。 〔委員長退席、理事舞立昇治君着席〕 まず、太平洋クロマグロについてお伺いいたします。 水産資源の科学的根拠に基づく適切な資源管理ということを考える際に、この太平洋クロマグロ、避けては通れない案件だというふうに思っております。我が国は太平洋クロマグロの資源回復を図るために、WCPFCの合意に基づきまして、平成二十七年から三十キロ未満の小型魚の漁獲半減ということに取り組んできております。その成果が出ているようでありまして、未成魚の資源量が着実に増加しているというふうに見られております。 一方、この資源量の回復に伴いまして、沿岸の定置網にこのクロマグロが、未成魚のクロマグロが大量に漁獲をされるということも出てきております。この沿岸の定置網というのは本来狙っている魚種があるわけでありますが、その漁期のときに捕りたい魚種というのがあるわけでありますけれども、その魚種の盛漁期に入る前にクロマグロが、未成魚のクロマグロが入ってしまうと、本来狙っている魚種が捕れる前に半減目標に達してしまえば、定置網を切り上げるということも起きてくるわけであります。 定置網漁業というのは待ち網ですから、いわゆる巻き網とか底引き網と違いまして、魚群を追いかけて捕るという漁法じゃありませんので、沿岸に網を仕掛けておいて魚が来るのを待つという漁法でありますから、定置漁業者にとっては漁業資源に与える影響、いわゆる乱獲みたいなものは自分たちにはないという、そういう意識が非常に強い、そういう漁業者たちであります。 一方で、このクロマグロに関しては、定置漁業者からすると、自分たちが資源を枯渇させたものじゃないという意識が非常に強いと。そういう背景の中で、今回、この定置漁業者というのは、自分たちがそういうふうにやっているわけじゃないんだけれども半減目標をやらなきゃいけないという、そういう意味では被害者意識というか、そういうものも持っていると。 そういう背景もあって、今回、北海道の南茅部が未成魚の大量漁獲をしてしまったわけでありますけれども、国の半減目標にまで影響が及びそうな事態だったわけでありますが、どのように対応したのか、まず長官にお聞きをいたします。
○政府参考人(長谷成人君) お答えいたします。 クロマグロの資源管理につきましては、年により漁獲の地域的な偏り、例えば、ある年では北の地方で多く捕れ、ある年では西の方で多く捕れるといったようなことが起こることから、定置網で漁獲している道府県が漁獲枠を持ち寄りまして共同管理グループにより管理することとしておりました。 しかしながら、委員御指摘のようなことでありまして、北海道の南かやべ漁協所属の定置網漁業者が九月末から十月初めにかけて約三百五十六トンの小型クロマグロを漁獲したことによりまして、その共同管理グループ全体の漁獲上限であります五百八十・五トンを百九十トン超過したために、十月六日付けで水産庁から、まだ漁獲をしていない関係府県を含めて操業自粛要請を発出したところでございます。 クロマグロの資源管理につきましては、中西部太平洋まぐろ類委員会、WCPFCの国際約束を達成する必要があるため、全国の漁業者が一丸となって取り組んできているものでありまして、今回の南茅部におきます大量漁獲については誠に残念なことと考えております。 水産庁といたしましては、クロマグロ資源の回復を図るために、引き続き関係者の御理解と御協力を得ながら資源管理を進めていきたいと考えているところでございます。
○横山信一君 関係者の皆様方の御努力というか、これからの努力も含めて、そうした努力には大変に感謝をしたいというふうに思いますが、一方で、先ほど申し上げたように、定置漁業者の思いとすれば、自分たちがやっていないものを責任を負わされているという思いがあると。そういった心情を酌んだ上で、今クロマグロ未成魚、資源が回復をしているという状況の下で、今後も沿岸の定置網には更に入る可能性が出てくるということを考えると、単に今までのようにこの自粛要請をしていくと、またそれぞれがその半減目標に取り組んでいくということはもちろんでありますけれども、やはり意欲を持って漁業に取り組むという点では、今、強度資源管理タイプというのも用意されておりますが、やはりいつでも切り上げてもちゃんと補償してもらえるという仕組みがあってこそ安心してこのクロマグロの半減目標に取り組んでいけると思うんですね。 〔理事舞立昇治君退席、委員長着席〕 そういう意味では、休漁補償というのを考えるべきではないかというふうに思うんですけれども、どうでしょうか。
○政府参考人(長谷成人君) 我が国全体の現在の漁獲状況は、漁獲枠三千四百二十三・五トンに対しまして二千五百七十五・九トンとなっておりまして、来年六月末までの現在の管理期間におきまして、残枠八百四十七・六トンの中にこの漁獲が収まるように管理する必要がございます。 そのためには、特に定置網におけます混獲の回避が最重要課題でありまして、一つは都道府県の管理計画に基づく生きた個体の放流等の管理措置の徹底、それから、一定量の入網があった場合におけるその後一定期間の休漁の徹底ということを国を挙げて取り組んでいかなければならないと考えております。 先生御指摘の休漁等の厳しい管理に取り組む漁業者につきまして、漁業収入安定対策によりまして収入の補填を行っているところではありますけれども、先生御指摘のような、難しい定置網等の漁業によるクロマグロの資源管理を更に後押しするための方策についてもう一工夫検討してまいりたいというふうに思っているところでございます。
○横山信一君 もう一工夫という言葉が出ましたので、そこを期待したいと思います。 いつでも切り上げられるんだという状態をつくってあげることがやはり大事なことでありまして、一生懸命皆さん取り組んでいるわけでありますから、また、水産庁が頑張っているのはよく分かっておりますし、WCPFCにおきましても、資源が回復されればまたその半減目標の数値も上がっていくということも検討されるというふうに日本側の提案で認めてもらったわけですから、そうしたことも含めて、あと一歩の、皆さんが意欲を持って取り組んでもらえるような仕組みを是非つくっていただきたいというふうに思います。 次に、市場法について伺ってまいります。 今、規制改革推進会議の卸売市場を含めた流通構造の改革という動きがあります。公明党でも市場関係者からヒアリングを続けてまいりました。その中で、拡大するバイイングパワーを危惧する声もあったところでございます。産地から食卓に至るサプライチェーンが有効かつ持続的に機能するように、事業者間の公正な取引環境を確保するということは極めて大事なことでございます。これらを含めて、公明党では十一月の二十四日に大臣に申入れをさせていただいたところであります。 現状の卸売市場では、量販店への納入が増え、仲卸の利幅が薄くなっていると。この大きな理由の一つに、量販店への納入の際のセンターフィー、バックマージンというのがあるという指摘がございます。私、この問題は実は平成二十五年の四月にこの委員会で取り上げたことがあるんですけれども、バックマージンは流通コストを高止まりさせ、卸売業者、仲卸業者の負担を増して、経営環境を悪化させる要因になっているということを実は指摘をさせていただいておりました。 独占禁止法では優越的地位の濫用行為を禁止することになっているんですが、なかなかこのバックマージンの問題というのは、これに該当するかどうか実態を把握するのは判断が難しいというふうにも言われております。 今回、こうした市場法を含めて、食品流通構造改善促進法も含めて見直しをしていくのであれば、この際、公正な取引環境の確保のためにバックマージン等の商慣習を監視できるような是非仕組みをつくるべきではないかというふうに思うわけですけれども、これは食料産業局長にお答えをお願いします。
○政府参考人(井上宏司君) 委員御指摘のとおり、特に生鮮食料品等につきましては、日もちが短くて生産量が増減をするということで、不公正な取引が発生しやすく、公正な取引環境を確保することが特に重要と考えてございます。 これまでも、いわゆる日配品、日もちのしない小売店等に日々配送がなされる品物としまして、豆腐につきまして取引実態を調査をしましたところ、関係法令に抵触するおそれのある取引事例が報告をされたものですから、こうした問題となり得る事例を類型化をしまして、二十九年三月、今年の三月でございますけれども、食品製造業・小売業の適正取引推進ガイドライン、豆腐・油揚げ製造業というものを策定したところでございます。 現在、卸売市場を含めた食品流通構造の改革について検討をしているところでございますけれども、その際、公正な取引環境の確保のために、買手が支配的な立場を濫用すること等のないように取引状況について定期的に調査を行い、関係省庁と連携をして対応を図っていくようなことも検討しているところでございます。
○横山信一君 是非、この際、こうした問題がしっかりと把握できるような形にしていただきたいというふうに思います。 この中央卸売市場法というのは、食糧難時代の一九二三年に制定をされました。その後、近年、市場を取り巻く状況を反映して二回改正を行われているわけであります。この市場法は、この間一貫して食料の安定供給を支える役割を果たしてきたというふうに思っております。 他方、生鮮品の減少あるいは市場外流通の拡大に伴いまして、中央卸売市場から地方卸売市場への転換、あるいは仲卸による小売店経営の系列化、こうしたことが起きておりまして、取扱品目あるいは地域によって卸売市場というのは多様な形態に今変化をしてきております。 そこで、農林水産省はこれまでこの中央卸売市場の果たしてきた役割をどう見るのか、そして今後この役割をどう考えていくのか、お伺いいたします。これは大臣にお願いいたします。
○国務大臣(齋藤健君) 卸売市場法は、昭和四十六年の制定以来、卸売市場の整備を計画的に進めるとともに、卸売市場における取引規制等について定め、その適正かつ健全な運営を確保する、そういった役割を果たしてきたところでございます。 最近の食品流通の実情を見ますと、生鮮品のままで需要が減少する一方、加工食品や外食での需要が拡大しており、こうした消費者のニーズに対応していくことが求められている。また、需要の多様化に伴い、産直取引、あるいは直売所、あるいはインターネット通販での購入等、流通チャネルも多様化をしてきている、そういう環境変化がございます。 卸売市場については、集荷、分荷、価格形成、代金決済等の調整機能を果たしてきているわけでありますけれども、最近の状況変化の中で、昭和五十九年の沖縄県中央卸売市場開設以後、新たな中央卸売市場の開設はございませんで、むしろ、中央卸売市場からより規制が緩やかな地方卸売市場へ転換したり、卸売業者や仲卸業者が子会社を設立して規制の掛からない市場外取引を行う等、制度と生産者や実需者のニーズとの間に乖離が見られてきていると、このような卸売市場や食品流通をめぐる環境の変化を踏まえて、生産者、消費者双方がメリットを受けられ、そして卸売市場関係者もその役割、機能をより発揮することのできる商品流通構造の実現に向けて、卸売市場に対する規制等の在り方について、今最終的な詰めを行っているところでございます。
○横山信一君 この市場法の果たしてきた役割というのはよく分かります。その上で、今後の生鮮品に限ってみれば、やはりその八割が市場に集まるという現実もありますので、この市場の役割を見直した上で新たな機能というか、そこをしっかり生きるような形にしていただきたいと思うわけです。 ところで、規制改革推進会議が提言を出してきたわけですが、その提言の中には受託拒否の禁止を一律に禁止すべきではないと見直しの対象にしているわけであります。その理由には、生産者が流通手段を吟味せず、安易に中央卸売市場に出荷することを助長しかねないという、そういう理由が挙げられているわけですが、かなり一方的な見方だなというふうに感じるわけでありますけれども、この受託拒否の禁止というのは、農林水産の現場から見れば、豊凶変動のある生鮮食料品、自然を相手にしているわけですから、そうしたその豊凶変動のあるものを出荷するという生産者にとっては、少ないときには少ないなりに、多くてもう大量に出てもそれも全部引き取ってもらえるという、出荷先が確保できるという、それが安心して生産につながるものでありますから、言ってみれば、卸売市場の機能の根幹であると同時に、生産者にとっては必要不可欠なものというふうに考えるわけでありますけれども、この点、大臣はどのように考えるか、お聞きをします。
○国務大臣(齋藤健君) 受託拒否の禁止につきましては、中央卸売市場において、卸売のための販売の委託の申込みがあった場合に、正当な理由がなければ卸売業者はその引受けを拒んではならないというものでございます。これは、生産者に安定的な出荷先を保障するという意味において、卸売市場の根幹を成すものと考えています。これまでに開設者等の考えを伺ってきた中でも、受託拒否の禁止については維持を求める声が大勢でございました。こうした機能や考えも踏まえながら、今最終的な詰めの作業を行っているところでございます。
○横山信一君 この受託拒否の禁止というのは、市場関係者はもちろんでありますけれども、生産者にとっても消費者にとってもそれぞれメリットがあるものだというふうに考えておりますので、ここはよくよく慎重に検討していただきたいと思います。 この推進会議の提言の中では、卸売市場の開設については認定とするということが提言されております。この現行法の認可と提言にある認定の違いというのは何なのかということをお聞きをします。また、仮に認定に変更すると、現行法で認可を受けている卸売市場というのは改めて認定の手続をすることになるのか。そうすると、縛りのきつい中央市場からこの際地方市場に変更しようかというところも出てくるんではないかというふうにも思うわけでありますけれども、この辺どうなのか、井上局長にお聞きをいたします。
○政府参考人(井上宏司君) 現行の卸売市場法におきましては、農林水産大臣が中央卸売市場の開設を認可することとしておりまして、厳格な取引規制等に服する認可を受けた卸売場のみが開設ができるということになってございます。 他方、認定制にした場合には、認定を受けなくとも卸売場の開設自体は可能となりますけれども、農林水産大臣が一定の要件を満たす高い公共性を有する卸売市場を認定をいたしまして、認定を受けた卸売市場のみが中央卸売市場という名称を使用できる仕組みになるものでございます。 現在の食品流通の状況を見ますと、多様なチャネルが存在をしてきているということ、また、かつてのように売手市場の時代とは状況が変化をしておりますけれども、こうした中で、厳格な取引規制に服する開設者でなければ開設自体を認めないという現行の仕組みを維持するべきなのか、あるいは、市場外流通が相当程度ある中で、卸売市場がその機能を今後とも発揮していく上でどのような仕組みがよいのかという点につきまして、現在最終的な詰めの検討をしているところでございます。
○横山信一君 実態に合わせるということは大事なことでありますけれども、その上で、実態に合わせることでなくしてしまうものが大きなものにならないように、そこは慎重に検討していただきたいと思います。 次に、市場法はちょっと時間がなくなってきたのでここまでにしておきまして、TPP関連対策についてお伺いいたします。 七月の日EU・EPAの大枠合意から十一月のTPP11を受けまして、総合的なTPP等関連対策大綱が閣議決定をされました。この中で、EUが競争力を持つチーズについては、長期的に関税引下げの影響も懸念されるために、原料面で原料乳の低コスト、高品質化の取組の強化、製造面でコストの低減と品質向上、ブランド化等を推進するというふうに書かれたわけであります。現在、これに基づいて補正予算編成の検討が進められているというふうに承知をしております。 そこでお聞きをしたいのは、加工原料乳生産者補給金、これとは別に、チーズ向け生乳の生産性向上や品質向上に向けた取組を行う生産者への支援、これをどうしていくのか、これは谷合副大臣にお願いいたします。
○副大臣(谷合正明君) 今般改訂されました総合的なTPP等関連政策大綱におきましては、体質強化対策につきまして、これまでの実績の検証などを踏まえた所要の見直しを行った上で、必要な施策を実施してまいります。 とともに、日EU・EPAによりまして必要となるチーズを中心とする乳製品対策につきましては、まず国産チーズなどの競争力を高めるとともに、その需要を確保し、将来にわたって安定的に国産チーズ等の生産に取り組めるようにすること、そして、原料面で原料乳の低コスト、高品質化の取組の強化、また、製造面でコストの低減と品質向上、ブランド化等を推進することとされております。具体的には、委員御案内だと思いますけれども、チーズ向け生乳の新たな品質向上促進特別対策及び生産性向上対策、生産性拡大対策、そして製造設備の生産性向上、技術研修、国際コンテストへの参加支援、乳製品の国内外への消費拡大対策を講ずることとしております。 委員の御地元の北海道を始めチーズ生産団体の皆様からも、そうした万全の対策を講じることの声が出ております。そうした声を受け止めております。 平成二十九年度の補正予算を含め、必要な対策にしっかりと取り組んでまいりたいと思っております。
○横山信一君 補正でしっかりやってもらうということが全てなんですけれども、ここは生産者に安心を与えられるように、EPAが始まってしまうということに対しての、皆さん、大変な不安を持っているわけですから、その不安を解消できるようなしっかりした事業をお願いしたいと思います。 酪農家というのは、言うまでもありませんが、朝夕の搾乳、給餌と、それから分娩があれば深夜にも及ぶということで、一年三百六十五日、切れ目なく仕事が毎日毎日続きます。そうした通常の作業に加えて、先ほど進藤委員からもありましたけれども、粗飼料生産ということも酪農には非常に重要な分野でもございます。言ってみれば、今政府が進めている働き方改革とは真逆にあるようなそういう生産現場ではあるんですが、そうした背景もあって離農が進んだと。一方で、飼養頭数の増加によって大規模化も進んでいるという、今そういう現状にあります。 そうした中で、この酪農家の労働負担の軽減と省力化に大きく貢献したのが搾乳ロボットでございました。平成六年が最初だというふうに聞いておりますけれども、搾乳ロボットが入ってから、特に畜産クラスターができてからこの搾乳ロボットの普及は急速に進んだわけでありますが、非常にその省力化に大きく貢献をしております。今年度からは、さらに地域の家族経営にも導入できる楽酪事業も始まっております。 そこで、これらの搾乳ロボットはこれらの事業によって何台導入されたのか、導入予定のものも含めてお伺いしたいと思います。また、導入が進んだ反面、メンテナンスが行き届かないという声もよく聞きます。今年の夏、道東を私、農協を回ってきたんですけれども、そこでもそのお話、行く先行く先で伺っておりました。こうしたメンテナンスの充実ということも課題になると思いますけれども、どうするのか、生産局長に伺います。
○政府参考人(枝元真徹君) お答え申し上げます。 搾乳ロボットにつきましては、搾乳作業を大幅に省力化し、生産性の向上を図る上で有効な機械でございます。畜産クラスター事業、酪農経営体生産性向上緊急対策事業、いわゆる楽酪事業でございますが、により導入を支援してございます。 まず、その導入の台数でございますけれども、クラスター事業の方では平成二十七年度補正及び二十八年度補正で四百二十五台、楽酪事業では平成二十九年度当初予算により六十四台、合計で四百八十九台が見込まれているところでございます。 また、委員御指摘のとおり、生産現場からは、搾乳ロボットを導入した後、メーカーの保守点検等のアフターサービスが十分に受けられないという声があることは、私どもよく承知をしてございます。このため、本年七月に、国内の搾乳ロボットメーカー、代理店四社からヒアリングを行うとともに、当該四社に対しまして搾乳ロボット導入農家への保守点検等に万全を期すように指導をいたしました。 各メーカーにおきましては、この指導も受けまして、研修施設を新たに整備するなど、保守点検技術者に対する技術・技能研修の充実強化、あと、インターネット回線を活用しまして農家とのリアルタイムでの故障対応などの取組の改善を進めているというふうに聞いてございまして、今後とも、搾乳ロボットの適切なメンテナンスが行われますよう注視してまいりたいと存じます。
○横山信一君 搾乳ロボットのほとんどが外国製ですから、そういう意味では、日本製と違って細やかなサービスみたいなのが行き届かないということがやっぱり心配されますので、そこはちゃんとやっていただきたいと、これからもちゃんとやっていただきたいというふうに思います。 こうした搾乳ロボットも非常に省力化、それから労働力不足という地方の農業の現場には非常に有効だというふうに思えるわけですし、また働き方改革という言葉にも非常にマッチするものでありますので、更に搾乳ロボットの普及を進めるべきというふうに考えますけれども、政務官にお伺いいたします。
○大臣政務官(上月良祐君) 飼養戸数の減少などから、我が国の酪農においては生産基盤の強化が喫緊の課題となっております。搾乳ロボットは労働負担軽減と生産性向上の両面から大変効果があるというふうに考えておりまして、積極的にその普及を進めております。 具体的には、収益力の向上の一環として使っております畜産クラスター事業による導入支援、それから、いわゆる楽酪事業は規模拡大の予定のない家族経営でも使える労働負担軽減の観点からの導入支援をやっておるわけでありまして、各農家、地域の実情に合わせてきめ細かな事業選択を行っていただくということによって搾乳ロボットの普及を進めていく必要があると思っております。 委員御指摘のように大変重要な事業だと思っておりますので、今後とも、搾乳ロボットの普及に必要な予算の確保に一生懸命努めてまいりたいと思っております。
○横山信一君 ここは予算の確保に尽きるんでありますけれども、しっかりと、私たちも応援しますので、やっていただきたいと思います。 ちょっと時間がありますので、最後に大臣に市場法のことにつきまして、やはりこの市場法のいろいろ今後の役割とかもお伺いはしたんでありますけれども、市場法の中での食料安定供給という公的機能ということを考えていくと、今進めている生産及び流通の円滑化というところばかりに目が行ってしまうと、本来この市場法が持ってきた役割が何かかすんでしまいそうな、更に言うとこの市場法がいずれなくなってしまうんじゃないかと、そういった危惧につながっていくというふうにも考えてしまうんですけれども、この点について、大臣、どのようにお考えになるのか、最後にお願いいたします。
○国務大臣(齋藤健君) 卸売市場については、集荷、分荷、価格形成、代金決済等の調整機能を果たしてきたところでありまして、国民生活に欠かせない生鮮食料品等の公正な取引の場として高い公共性を有していると考えております。 今般の改革は、先ほども申し上げましたように、生産者、消費者双方がメリットを受けられ、卸売市場関係者もその役割、機能をより発揮することのできる食品流通構造の実現を目的とするものであります。 今後も、卸売業者、仲卸業者等の役割、機能が発揮されて、卸売市場が食品流通の核としてその調整機能を発揮できるよう検討してまいりたいと思っております。
○横山信一君 終わります。
○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。 六月十五日以来、半年ぶりの農林水産委員会ということです。通常国会の閉会後、日欧EPAがあり、日米の経済対話など農林水産業に大きく関わる通商交渉が行われました。また、農林水産省が所管する獣医師をめぐっても、加計学園、これは総理の御意向で認可されたんじゃないかという疑惑が消えていないと。それから、米の直接支払交付金、戸別所得補償制度や減反の廃止、そして種子法の廃止を始め、政府が進める農政の多くの不安や意見をこの間聞いてきました。山積する課題を議論するのが国会なわけです。政府は国民の声、野党が求めてきたこの国会開会要求に応えず、衆議院を解散をして総選挙を行って、多数を得るや否や、これ国会でまともな議論もないまま、TPP11は大筋合意したというふうに表明をしました。 一方、国会の議論が行われていない中で、政府の規制改革推進会議は、この農林漁業に対して相変わらず介入を続けていると。こういう政治のありよう、農政の進め方について、多くの国民や農林漁業の関係者からはおかしいという、そういう声が掛かっています。 そこで、齋藤大臣に、農林関係者、国民をやっぱり置き去りにしたような農政は改めるべきではないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(齋藤健君) まず、国会の召集ですとか衆議院の解散につきましては私の立場からコメントすることはできないわけでありますが、ただ、私が置かれた環境の中で、今御指摘ありましたように、農林水産委員会の皆様とも真摯な議論をさせていただいて、私の職責を果たしてまいりたいと、そう思っております。
○紙智子君 日本農業新聞のモニター調査というのが夏にありましたけれども、その調査では、官邸主導の農業政策は評価しないというのが七八%ですから、今の農政に対する不信というのは本当に大きいものだということを是非認識をいただきたいと思います。 今日は、米の直接支払交付金の廃止や食料自給率、そして歯止めなき通商交渉などについて時間の範囲でお聞きしたいと思います。 まず、米の直接支払交付金、戸別所得補償制度の廃止ですけれども、私もあちこち回って歩いたんだけれども、どこを回っても、これ、廃止への不安の強さ、存続を望む意見というのを聞くわけです。 北海道のある農協は、廃止によって約四十億円から七十億円影響が出るんだということが言われました。北海道のJA中央会は、中核的な担い手で百二十万円以上の農業所得が減少するというふうに言っています。それから、群馬県に行きましたら、十年前に品目横断対策のときに集落組織を相当頑張ってつくったと、個人の単位でいうと四ヘクタールぐらいの人たちが恐らくやめていくんじゃないのかということが言われました。集落の維持が難しくなると、農家所得が減ればいろんな影響が出てくるというふうに言われました。それから、先日は新潟に行ったんですけれども、新潟で米を二十ヘクタール作っている、これは有機で半分作っている人なんですけれども、その大規模農家は百万円の減収になるんだというふうに言われました。 米の直接支払は、これ減反に参加していた農家に支払われるものですから、米生産に限定されるということですね。米の直接支払交付金を廃止するということは、これ農業者に米生産から撤退を迫ることになるんじゃないのかなと思うんですけど、いかがですか。
○国務大臣(齋藤健君) 先ほど来答弁申し上げておりますように、これからお米の需要がどんどん減っていく中で、いかにして水田は維持していかなくてはいけないという発想の中で、いかなる政策を講じていくのがいいかということを我々は突き付けられているんだろうと思っております。 その中で、来年、米の直接支払交付金については廃止をして、それから米の国による生産量の配分というものは廃止をするということにしておるんですけれども、これも繰り返し答弁させていただいておりますように、水田をフル活用していくという観点からは、食べるお米の需要が減っていくのであれば戦略作物の生産にシフトをしていただいて、飼料用米を含めて、水田が有効に活用されるように誘導していって、さらに所得も確保できるような水準の助成をさせていただくということで、この人口減少、米の需要減少に何とか対応していこうという政策であります。 したがいまして、これによりましてお米の所得が大幅に減って撤退をしていくということを目指してやっている政策ではなくて、むしろその逆でありまして、私たちとしては、その需要に応じた生産をしていただき、さらにプラス、水田を活用していただくという、その二方面の政策によりまして、農家の所得それから生産基盤の維持というものを維持していきたいという考えで進めているということでございます。
○紙智子君 今、政府は、米の生産は需要のある業務用米作ればいいという話をずっとしています。これで本当に意欲ある担い手が育つのかなと思うんですね。 十アール当たりで七千五百円の交付金を廃止すると、これは生産者米価に直しますと六十キロ当たりで八百円ぐらいの引下げになるわけです。政府の手で米の下支えをなくすと、今給与法の審議もされているんですけれども、国家公務員の給与を政府の手で減らすとか、あるいは民間でいうと労働者の賃下げを迫るような話なんですね。政府・与党の政策は、農家の所得倍増と言ってきたと思うんですよ。その政策に反する政策ではないかと。 農業者は、戸別所得補償制度、創設当時でいうと十アール当たり一万五千円だったわけです。これで赤字だった経営を何とか立て直したり、農業機械の更新をしたり、施設の整備を行ったり、あるいは生活面でも子供の教育ローンをこれで組んでやっていこうとかいうことで計画作ってきたわけだけれども、安倍政権は廃止するということは前から言ってたじゃないかというふうに言うかもしれないけれども、既に組んだローンは払い続けなきゃいけないということがあるわけです。 ですから、今資金繰りをどうするかとか、今後何を作るかと、多くの皆さんが悩んでいる状況にあると思うんですね。先日行われた政府の食糧部会でも、廃止は打撃だという声が出ていたと思うんですよ。米の直接支払交付金の廃止というのは、事実上これ政府の手で賃下げを行うことになることと同じじゃないかと。 農水省は、水田活用交付金などを使って需要のある分野にシフトしてもらうんだと、生産コストは削減していただきたいということを言っているんだけど、この米の生産というのはもう赤字なんです、既に。生産費の方が高く付いているわけですから。だから、赤字だから農業者は、その意味では努力は、コスト削減の努力は既にやってきているんですね。 政府の農業政策の目玉というのは所得倍増だというふうにずっと言ってきたわけで、ですから、是非大臣のお言葉で、米の生産者に対して、米の直接支払交付金を廃止しても米農家の所得を減らすことにはならないんだということを強くメッセージ出していただきたいと思うんですけれども、どうでしょうか。
○国務大臣(齋藤健君) 答弁は多分繰り返しになると思うんですけれども、これからお米の需要が人口減少に伴ってかなり大幅に減っていくことが望むと望まないとにかかわらず現実として起こってくると。そういう過程の中において、お米の生産をどういうシステムの中で需給を合わせていくかということが今問われているわけでありますし、同時に、水田をきちんと活用しておこうと。食べるお米の生産量が減るに伴って水田もなくなっていくということは何としても回避をしていかなくてはいけないということで、主食米の生産が需要に応じてどうしても減っていく中で、水田を維持し、なおかつ農家の所得を維持していくというためには、戦略作物の生産、特に飼料用米の生産によって、そしてそこに、生産に助成をすることによって水田を確保しながら何とか農家の所得を確保していこうと。そういう展開をしているわけでありますので、我々がその手を離して農家の所得がどんどん下がっていくのを放置しているということではありませんので、是非そのトータルの絵姿の中で御理解をいただきたいなと繰り返し申し上げさせていただきたいと思います。
○紙智子君 米は主食なわけですよね。それで、米の直接支払交付金は、生産者米価で生産費を賄えないと、赤字で米を作っても俺たち米食えないぞというような悲鳴が上がっていたからこそできたものだと思うんですね。今、政府は農業者に対して、需要があるものを作れと、コストを削減せよと自助努力を求めているんですけれども、米の生産者の所得を確実に増やす政策、手だてというのはないんですよ。この状況だとやっぱり離農者が増えかねないと思うんです。 加えて、減反政策の廃止についてもお聞きしますけれども、政府は米の減反政策を廃止するわけですね。生産者は、需給調整できるのか、価格が安定するのかということでは疑心暗鬼の状態に今あるんです。 政府は、需給見通しは公表しますと、細かくやるんだと言っている。各県は、農業再生協議会で生産ビジョンを作って現場に周知しますというふうに言っているんですね。それはいいですよ。だけど、一体どこが需給調整するのかということですよ。調整するところないんですよね。市場価格任せになるんじゃないのかと。農産物は生産者よりも業者の方が力が強いわけです。買いたたきがあるという話もある。需給調整の機能がなかったら、米がだぶつけば、これ買いたたきに遭うわけですね。そして、米が不足するときとか、あるいは国内の米価が高いときはSBS米などの輸入米にシフトするんだと思いますよ。 ですから、政府は米の需給と価格の安定に責任を持つと、このことがやっぱり主食である米の安定生産につながるし、農家の所得を増やすことにつながるんじゃないんでしょうか。
○国務大臣(齋藤健君) これも繰り返しになって恐縮なんですが、米政策につきましては、三十年産米から米の直接支払交付金及び行政による生産数量目標の配分が廃止されますけれども、引き続き需要に応じた生産を通じて米の需給及び価格の安定を図っていくということは重要であるという認識をしておりまして、ただ、そこから先の手法において恐らく見解の相違があるんだろうと思っております。 私どもは、どんどん需要が減っていく中で、皆さん方に配分する生産量というものがどんどんどんどん減っていくということは、いずれどこかでこれは破綻をしていくというふうに思っておりますものですから、そうなる前に需要に応じた生産をしていくと、そのためには戦略作物への転換がしやすいようなそういう政策を併せて講じて、全体としての所得が確保できるようにということが基本的考え方でありますので、繰り返しになりますが、お米の需給や価格の安定を図っていくことは重要であると私どもも考えているということでございます。
○紙智子君 政府は、減反をした上で、農家には需要のある米、業務用米なんかなどを含めて作れというふうに言っているわけですけれども、少し振り返ると、農水省の政策というのは、食味の良い米を作れと、ブランド化しようと、そういうふうに言ってきたと思うんです。その際に力を発揮してきたのは都道府県で、種子法が食味の良い種子を作るという上では重要な役割を果たしてきました。ブランド化に向けて国も県も一体で取り組んできたと思うんですよ。 ところが、今は食味の良い米作りではなくて、需要のある低価格米を作れと、業務用米を作れというふうに、まあ中食とか外食が使いやすいようにということを言っているわけです。だから、種子法の廃止と併せて、これ安い米にシフトしようとしているんじゃないのかと。従来の米政策を根本的に変えていくことになるわけですね。 食味の良い米とかあるいはブランド米、これはもう力は入れないということなんでしょうか。
○政府参考人(柄澤彰君) 私ども今、需要に応じた生産というのを進めているわけでございます。主食用米全体の需給は比較的安定している中で、今委員御指摘の業務用米に対するニーズに対して、そこに供給する生産の方が追い付かないものですから、そこのところにミスマッチがあるということを申し上げております。 一方、ブランド米はブランド米でもちろん一定の需要がございますので、そこにはしっかり供給していくべきだということで、何か全部を業務用米にしろとかブランド米はもう要らないとか、そういうことを申し上げているわけではなくて、まさに需要のボリュームに応じた的確な供給をすべきだということをミスマッチの解消として進めているところでございます。
○紙智子君 私、新潟に先日行ったときに、新潟は実際には米の生産でいうと全国今一位だし、それから価格も、一番おいしいと言われている、価格も高いわけですけれども、その新潟ですらもう業務用米ということで、相当意識がそっちの方に動いているなということを感じたわけです。 米の直接支払交付金と減反を廃止して、事実上これ米生産から、さっき舟山さんも質問していましたけれども、政府が手を引くということになると、これは農家のモチベーションを下げることになるというように思うんですよ。これが一体、攻めの農業なんて言うのかなというふうに思うわけです。 各地から強い要請が出されている問題ももう一つだけちょっと触れておきたいんですけど、これはちょっと後の時間があるので、要請、要望として言っておきたいんですけれども、今年度の産地交付金、これの、戦略的作物の作付け拡大によって留保分の一部が戦略作物助成に充てられて、各地域の産地交付金が減額配分になっているんですね。北海道では約十一億円が不足しているんだという話なんです。必要な予算を是非確保してほしいということを、要請上がっていますので、多分検討はされていると思うので、是非応えていただきたいということは、これは要請にとどめておきたいと思います。 それから、米の直接支払交付金の廃止、減反廃止についてなんですけれども、米の生産は食料自給率にも大きく影響すると思うんですね。今年発表された平成二十八年度、二〇一六年度の食料自給率は三八%に低下をしました。小数点まで言うと三七・五八%です。前年度と比べると一・九%も下がっているわけです。 政府は北海道の台風被害が要因なんだというふうに言ったんだけど、本当にそれだけかと。三八%になった要因は自然災害だけではないと思うんですね。農地は毎年二万ヘクタール程度減っているわけですよ。そして、販売農家は毎年七万人程度減っているわけですよ。米は国民の主食だと。食料自給率が低下したのは農業の基盤が弱体化しているということにも要因があるんじゃないんでしょうか。
○国務大臣(齋藤健君) 今御指摘のように、平成二十八年度のカロリーベースの食料自給率は三九から三八%となったと。これは、小麦やてん菜等について長雨や台風などの天候不順により生産量が減少したことが理由としてありますけれども、それに加えて、食料自給率は長期的に低下傾向で推移しておりまして、これは、お米の消費が減少して畜産物や油脂類の消費が増大する等の食生活の変化に国内生産がうまくシフトできていないということが主たるこの長期的低落の要因ではないかと思っております。 まあ、もうこれ委員御案内だと思いますが、政府としては、現行の食料・農業・農村基本計画で定められております平成三十七年度までに食料自給率を四五%に引き上げるという目標達成に向けて、国内外での国産農産物の消費拡大とか食育の推進、消費者ニーズに対応した麦、大豆の生産拡大や、飼料用米、これ飼料用米は先ほど進藤議員、議論されていましたけれども、飼料用米の推進ですとか、優良農地の確保や担い手の育成の推進といった各種の施策を総合的かつ計画的に講ずることによって食料自給率の向上を図っていくという、そういう考えで進めていきたいと思っています。
○紙智子君 主たる要因をそこに求めているようでは本当に困るなと思うんですよ。 政府の食料自給率目標四五%と今お話しになりましたけれども、自然災害があったら低下したというふうに言い訳を言い続けるわけにはいかないと思うんですね。本当に上げていこうと思ったら、小麦や大豆などの戦略作物を生産する対策というのは当然必要ですけれども、やはり食料自給率を引き上げるためには、生産基盤を再生させながら確かな手法として輸入農産物を国産に置き換えると、こういうことをやらなければいけないんだと思うんです。輸入農産物を国産に置き換えるためには、生産、流通、消費全体を見直すことが必要なんだと思います。 次に、通商交渉についてお聞きします。 日本の農産物は、自由化政策で安い外国産と過酷な競争にさらされ続けているわけです。政府は、七月に、日欧EPAは大枠合意したと発表しました。また、政府は、十一月に、十一日ですね、アメリカを除く環太平洋連携協定、TPP11が大筋合意したと。EPAは大枠合意ですね、イレブンは大筋合意したと発表しました。米でいえば、オーストラリアに無税輸入枠を設定すると。小麦についても、オーストラリア、カナダに無税枠の輸入枠を設定すると。アメリカが抜けてもこのTPPの本質は変わらないわけですね。一方、アメリカのライス協会は、TPP枠でも不十分だと言ってきたんですよ、あの五万トン枠でも不十分だと言ってきたと。日米経済対話でこの後圧力を掛けてくるの必至だと思うんですね。 政府は、大枠合意とか大筋合意という言葉を使って、何かあたかもまとまったような発表をしているんですけれども、本当にまとまったのかというふうに思うんですけれども、これ、いかがでしょうか。
○政府参考人(澁谷和久君) TPP11のことについて御説明いたしますが、先月、ベトナムのダナンでTPPの閣僚会合、都合四回やりましたが、その最初の第一回の閣僚会合におきまして、新協定の条文、それから凍結リスト等を含む合意パッケージについて全閣僚が合意することが大筋合意だということを事前にまず確認をいたしました。その結果、合意パッケージに全閣僚が合意したということでございますので、大筋合意だというふうに考えているところでございます。
○紙智子君 大枠合意とか大筋合意という定義はないと聞いたんですけれども、ある意味いいかげんだなと。これ、見せかけの合意だったんじゃないのかなというふうに思うんです。 TPP交渉の際には、元々の原型のTPPですけれども、当時は、甘利担当大臣は、全体がまとまって全体が固まると、パッケージで合意するんです、つまり、TPPの二十一分野全体がまとまって大筋合意なんですと言いました。TPP11は、国有企業など四項目が合意に至っていないわけですね。パッケージ合意していないのに大筋合意というふうに言っているわけで、何か本当にこれはもうおかしいなと思います。調整する分野が残っているのに大筋合意というのはおかしいわけですね。中核について合意したと、こういう発表をすればいいんじゃないですかね。大筋合意というのはどういう状況をいうのか。 WTO協定もちょっと調べてみました。平成三年、一九九一年、当時外務省は、ウルグアイ・ラウンド交渉は全分野を一括して解決する、合意に至ると言っているわけです。大筋合意という定義はないと言っていますけれども、従来の政府の立場というのは、全分野一括して解決することを大筋合意と言ったのだと思います。従来の見解を変えてあたかも大筋合意したかのように言う、これは物事を既成事実化しているだけなんじゃないかと。 加えて、もう一つ聞きたいんですけれども、TPP11の発効条件は、十一か国のうち六か国の締結完了から六十日後に発効するとなっています。TPPの発効要件にあったGDPの合計の八五%以上を占めるというのを削除したわけです。これ、なぜ削除したんでしょうか。二点お聞きします。
○政府参考人(澁谷和久君) 先生御指摘のとおり、TPP12の発効要件は原署名国のGDPの合計の八五%以上を占める六か国以上が締結をすると、こういうのが要件だったわけですけれども、TPP11では、十一か国で議論した結果として、おっしゃるようにGDP要件を外しまして、単純に六か国の締結完了としたわけでございます。これは、発効が一部の国の影響を受けにくくなるということを十一か国が志向したということでございます。
○紙智子君 今までは全分野一括解決を大筋合意と言ってきたわけですね。今、全分野で合意していないのに大筋合意だと。そして、元のTPPは、高い基準を維持して、TPP11として既成事実化するために発効要件のハードルを下げたということですよね。全くこれ御都合主義だと言わざるを得ないと思うんです。 しかも、調印もしていないのに大綱を出して予算を組もうとしているわけです。私は、今年の三月に、過去の経済連携協定において調印する前に大綱を出したことや予算を組んだことがあるのかというふうに質問しました。そうしたら、財務省の主計局次長は、調印前に大綱を策定した例も予算を措置した例もありませんと答えたんですよ。前例のないことを前回やっておいて、今回もまたやろうとしている。 国民の皆さんは情報を開示してほしいと言っているわけです。大綱を出す前に影響試算を出してほしいと言っているわけですよ。総選挙後に、安倍政権の政治姿勢というのは謙虚な姿勢ですと、国会で丁寧に説明するということを言ってきたわけですけれども、この合意の仕方から大綱や予算の出し方、これ従来の手法と全く違っていると思うんですよ。丁寧とも謙虚でもないと。 国内農業に重大な影響を与えるような日欧EPA、そしてTPP11、これは秘密保持契約はないですから、米政策を変えるときには現場にきめ細かく情報を流すと言っているわけだから、是非この日欧EPA、TPP11についても、交渉内容についてはきめ細かに情報を提供していただきたいと、そうすべきだと思いますけれども、これ、大臣、いかがでしょうか。
○副大臣(越智隆雄君) 私の方から、TPP11の今交渉経緯の情報公開についてというお話がございまして、まずそこの点についてお話をさせていただきます。 TPP11は、今年五月にハノイにおいて十一か国による閣僚がTPPの将来に向けた今後の方向性を議論した後に、七月に我が国において首席交渉官会合を開催して以来、実質的に四か月で大筋合意に至ったものでございます。その間の会合の状況につきましては、内閣官房TPP等政府対策本部のホームページにて公表してきております。この情報開示に関しましては、十一か国で協議した上で行っておりまして、合意に至る背景につきましても含めて閣僚声明等でも公表しているところでございます。 最後に、経済効果分析でございますが、TPPの経済効果分析は既に公表しているところでありますけれども、アメリカがいない十一か国の場合は効果はおよそ半減するということもこれまで申してきております。TPP11に関しては、できるだけ早期にお示しすることとしたいと考えております。
○国務大臣(齋藤健君) 農林水産分野の分析につきましては、TPPのときと同様に、現実に起こり得る影響を試算すべきだと考えておりまして、国内対策の効果も併せて、内閣官房において取りまとめられる経済効果分析と併せて国民の皆様に分かりやすく提示したいと考えています。
○紙智子君 影響試算について言えば、対策打った後に出すんじゃ駄目なんですよね。順序が逆だというのが国民の皆さんが非常に今までも繰り返し主張していることですから、それはきちっと影響調査については出して、その上で必要な対応策という形にしていただきたいと思います。 安倍総理は、アメリカ抜きのTPPは意味がないとずっと言ってきたんですね。アメリカがいなくなると、アメリカをお待ちしていますということで受皿をつくって、日本の農業や地域に大きな打撃を与える通商交渉に突き進んでいるわけです。この歯止めなき自由化路線はやめていただきたいということを強く求めたいと思います。 最後に、もう一点質問いたします。 ビキニの核被災についてです。アメリカが一九五四年に太平洋ビキニ環礁で行った水爆実験で日本の漁船一千隻が被曝した問題で、山本有二前農水大臣には、八月、高知県の関係者に会っていただきました。これは感謝いたします。そして、記者会見で、県が健康被害、健康不安に寄り添う形で様々な施策を展開している、国が県に支援できればと思っているというように言われたわけです。国の支援も是非お願いしたいと思います。 そこで、私は、四月に、核実験が予定された際に水産庁としてこの海域で操業停止とか回避指示をされたのかと聞きましたら、そのときに水産庁長官は、調べてみると、事実を確認するというふうに言われたんですけれども、是非現状を、その後の御説明をお願いします。
○政府参考人(長谷成人君) 昭和二十九年のビキニ環礁における核実験の際に、その周辺海域で漁船に対して操業停止等の指示を行ったかについて調査いたしましたけれども、その指示の有無を裏付ける資料は発見されておりません。 一方、その後の昭和三十一年のエニウェトク環礁における核実験以降、昭和三十七年までに米国が累次実施した核実験につきましては、米国政府から核実験の準備や実施、危険区域の設定等について発表があり、これを受けて水産庁は都道府県、関係団体を通じ、当該情報を関係漁船に周知徹底するよう依頼文を発していることにつきましては確認されたところでございます。
○紙智子君 出されてきた資料を見ると、どれだけの賠償額が必要かということの資料にはあるんだけれども、実際に被災したその被害者の人たちに対してどうなのかということについては何も検討された記録がなくて……
○委員長(岩井茂樹君) 申合せの時間が参りましたので、質疑をおまとめください。
○紙智子君 はい。 そういうことで、引き続き、大変だと思いますけれども、探していただけるようにお願いいたします。 終わります。
○儀間光男君 ありがとうございます。日本維新の会の儀間でございます。 常会が終わってかなり時間たつんですが、その間国会が一度も開かれずして、これで国会議員としていいのかな、国会としていいのかなという思いをしながら、悶々としながら過ごしてきたんですが、今日久しぶりに立つことになって大変うれしく思います。 その間に、また農林水産大臣、齋藤大臣、あるいは礒崎、谷合農林水産副大臣、あるいは野中、上月大臣政務官、それぞれが御就任されたんでありますが、まさしく初めましてというようなことでございます。どうぞこれから一緒になって我が国の農林水産業の発展のために頑張ってまいりましょう。 通告に従って質問をするんでありますが、その前に大臣に所感、所見を述べていただきたいんですが、最近、北朝鮮から木製の漁船と思われる、軍船かも分かりませんが、船が道府県、日本海側に多く漂着をしております。直接は海上保安庁あるいは外務省あるいは防衛省でしょうけれど、それから被害を受ける、あるいは恐怖を感ずるのは沿岸の漁民の皆さんですね。 私、実は尖閣で中国のあつれきを相当受けて恐怖感が上がってきたんですが、とうとう沖縄の漁民は尖閣の漁場を放棄して、なかなか行かないんですね。それぐらい危機感を持って今日来ました。 今、日本海側の、北朝鮮の木船とはいえ、何か異常を感じて心配なんですが、農林水産大臣として漁業者に及ぼす影響が心配されるのかどうか、少し所見をいただきたいと思います。
○国務大臣(齋藤健君) 現在、大和堆周辺の我が国の排他的経済水域において北朝鮮の漁船等による操業がある現状にあるわけですが、これは違法でありますし、また、御指摘のように、我が国漁業者の安全操業の妨げにもなるものであると思っておりまして、極めて問題と考えております。 漂着した船についての対応というのは私どもの仕事ではないんですけれども、この大和堆周辺の排他的経済水域における違法操業ということであれば、これについては、私ども海上保安庁と連携しつつ、漁業取締り船をこの大和堆周辺に実は重点配備をしておりまして、現場において厳しい対応によって実はこの排他的経済水域から退去をさせるということを今行っているところでございます。
○儀間光男君 しっかりひとつやってもらわぬというと、北朝鮮のEEZ海域を中国は一部買い取ったという話もありまして、まさに尖閣の現実を見るような思いがして危機感を持っております。 それともう一つ、大臣の所信表明に追って質問をしていきたいと思いますが、これ読み込んでみますというと、団体が二つできていて、それをどう使い分けるか、ちょっと団体の担うその仕事が、業務がどういう業務かをそれは先に聞かせていただきたいと思いますが、日本食品海外プロモーションセンター、いわゆるJFOODO、それから、米の海外市場拡大戦略プロジェクトという二つのプロジェクトチームがそれぞれの業務を負ってスタートをするわけでございますが、どう見たって一つでいいような感じもしないでもないんですが、それぞれどういう役を担おうとしているのか、ちょっと、所信表明の行間からでございますけれど、お答えいただきたいと思います。
○国務大臣(齋藤健君) まず、日本食品海外プロモーションセンター、これJFOODOといいますが、これは本年四月に設置をされたものでありますけれども、ここで戦略をそれぞれ策定をいたしまして、ここは具体的なプロモーション策の試行や効果分析、品目別輸出団体等の関係者と連携、調整を行いながらこの策定した戦略案を実施に移していくということであります。 これは、今までの、どちらかというとブランディング戦略が弱いということがありましたので、日本の優れた食品や農林水産物をいかにブランディングをしていくかというところに非常に力点が置かれておりまして、報道されておりますけれども、七分野先日策定をいたしまして、日本酒ですとか、それからグルテンフリーなど米粉もありましたけど、そういうものをいかに付加価値の高いものとして売れるようにブランディングをしていくかという戦略を主に講ずる組織でございます。 それからもう一つの米の輸出拡大プロジェクトの方は、これは米に絞った組織であります。これは、我が国の主食用米の需要がこれから年間約八万トンずつ減少する中において、海外における日本産米の需要を拡大していこうという、そういう発想の下でつくられたものであります。これにつきましては、平成三十一年までに十万トンの輸出という、これは主食用米だけじゃなくて加工米やお酒として海外に出ていくものも含めた米の実質の輸出量ということでありますので、主食用米だけじゃありません、そういうものも含めてお米に換算するとということでありますけれども、平成三十一年までに十万トンという大きな目標を掲げて、これをコメ海外市場拡大戦略プロジェクトという形で立ち上げたところであります。 これは、輸出をされる事業者と産地のマッチングですとか、それから三十年産の輸出用米の生産に関する個別調整商談等とか、より具体的に、この輸出業者がこういう輸出をしたいんだけど産地とどうマッチングしたらいいのかとか、そういう個別の課題を私どもと協力し合いながら解決をしていって平成三十一年までに十万トンという目標を達成しようという、そういうお米個別プロジェクトでございます。
○儀間光男君 今の答弁、また後でちょっと追っかけてみたいんですが、要するに、理解として、米の海外市場拡大戦略プロジェクト、これは米に特化するものである、あとのJFOODOは、これ見ますというと、何か食肉なのかなと思ったりするんですね、HACCPやハラールなどを挙げておりますから。だから、理解の仕方では、米に特化した、あとの日本食品というのはJFOODOでいくんだという解釈でいいんですね。
○国務大臣(齋藤健君) JFOODOは、日本の農林水産物・食品全般にスコープがまずあります。それでその中で、輸出額とか伸び率などを念頭に、有望なものはどれかという品目の候補を選定をいたしまして、そこから先、プロモーションでブレークスルーを図っていこうというものでありまして、現在七テーマ設定して取り組み始めたというところでございます。
○儀間光男君 確認までのお尋ねでありました。 それでは通告に従ってちょっとやってみたいんですが、そのJFOODO、平成二十八年の農林水産物・食品の輸出総額は七千五百億円を超えましたですね。これは対前年度比で〇・七%増加をしております。さらに、二十九年九月までの実績、今年ですね、見ますというと五千六百八十三億円、これは対前年同期比で五・四%となっております。 そこでですけれど、今年、今のようだとかなり希望が持てるんですが、今年の目標数値は幾らに設定しておられるのか、現行はどういう状態になって、今数字を挙げましたけれども、それからどういう見通しをされるのかを聞きたいと思います。
○政府参考人(井上宏司君) 各年ごとの輸出額の目標というのは設定してございませんけれども、現在あります目標としましては、二〇一九年に日本の農林水産物・食品の輸出額を一兆円にすると、この目標に向けて輸出促進策を講じているところでございます。
○儀間光男君 平成三十一年、一兆円を目標にするわけですから、これ年度ごとの目標設定をしないで、積んでいくんですか。 例えば、二十七年度は七千五百億円あったと、二十八年度は七千六百億ぐらいある、五十一億ぐらい増えているんですね、それでは二十九年は、今は五千九百億ぐらいですから、最終的には幾らやりますよという目標は設定していないんですか。
○政府参考人(井上宏司君) プロモーションの中には、結果に、輸出につながるまでに時間の掛かるものもありますので、各年の目標というのは現在ございませんが、再来年、二〇一九年の目標として、先ほどと繰り返しになりますけれども、一兆円という目標に向けて鋭意取り組んでいるところでございます。
○儀間光男君 積み上げ方式じゃなしに、二〇一九年、そこは一兆円を売るんだという理解の仕方でいいんですね。 それで、それはそれでいいんですけれど、これを見ますというと、輸出で、北米や欧州や中東あるいはアジア、それぞれ見てみますと、アジアが今年九月段階で五千三百億ぐらいあるんですね。これが実に七一・七%を占めております。あと北米や欧州や中東、大洋州、アフリカ、中南米などなどありますけれど、アジアの中でまだまだ、日本にいろいろ近い、親密にやっている国々で、全然取引がないか、全然少ない国々があるんですね。これ、ODAでいろいろ日本が協力している国も含みますけれども、ミャンマー、ブルネイ、インド、フィリピン、マレーシア、インドネシアなどなど、この国々には日本の輸出がまだまだ行き届いていない、そういう状況にあるんですが、今後一体どういうことをされるのか、JFOODOに任せていくのか、どうなんでしょうか。
○政府参考人(井上宏司君) 昨年の五月に策定をしました農林水産業輸出力強化戦略の中に、国・地域別の農林水産物・食品の輸出拡大戦略というものも作っておりまして、その中で、日本から近い国、遠い国、また日本の食についての認知度が高い国、そうでない国、また所得レベルが高い国、低い国、こういったものに合わせてそれぞれ効果的な対応策を国・地域ごとに設けておりまして、それに沿って対応しているところでございます。
○儀間光男君 それぞれの国々との取引の目標設定ができるんだったら、年間の積み上がって幾らだということは出るんじゃないですか。
○政府参考人(井上宏司君) それぞれの国・地域向けの額の目標というのは設定をしてございませんで、それぞれの国・地域向けに、有望な産品、またどういう形でプロモーションを図っていけば輸出が増えるのかと、こういう戦略を立てているものでございます。
○儀間光男君 量が出れば、市場を掛けていけば額は出る話であって、量は出したけど金額は分からぬなんということはちょっとどうかなと思うんですね。まあそれはいいとして、次へ行きたいんですが。 さらに、JFOODO辺りが輸出国に対していろいろな規制緩和やいろいろな条件闘争をしていくわけでありますけど、その場合、政府はどう関わっていくんですか。
○政府参考人(井上宏司君) 日本の産品の輸出に当たって、相手国の輸入規制あるいは検疫等の課題がある場合には、これは政府が主体的に取り組む課題として対応しているところでございます。
○儀間光男君 例えば、法的課題が出たら政府が行くとか、そういうことを言っているんですか。それ、ジェトロとの関連はどうなんですか。
○政府参考人(井上宏司君) まず、海外への産品の輸出拡大に当たって、プロモーションの関係では、まずJFOODOは、日本全体で見たときに、輸出が大きく伸びる可能性のある産品、またその相手の国・地域をある程度重点を絞ってテーマを設定して取り上げていくことになっております。 また、ジェトロは、ほぼ日本の全県に事務所がございますけれども、こうしたジェトロの事務所、また農林水産省本省、それから農政局、ここが各地域で輸出を検討されているような皆様の御相談に応じる、サポートをするという、個別のものについての対応をさせていただくということをさせていただいております。 また、このほかに、相手国の輸入規制、検疫等の問題については、先ほど申し上げましたように、政府が主体的に相手の国の政府と交渉をする必要がある事項でありますので、働きかけ、交渉に取り組んでいるということでございます。
○儀間光男君 なかなか接点がいろいろ難しい局面が出てくるんじゃないのかなというような感がします。 なぜそういうことを言うかというと、よく海外へ行く機会があって、今年の一月、伊達議長のミッションで、スペインとモロッコを回る機会がありました。スペインではもちろん大使あるいは日本の商社関係、あるいはジェトロ、モロッコでもそうでしたが、いろいろ会ってみて、日本の産品がどういう状況になっているかといって聞いたり見たり、それぞれの地域の話を聞くと、日本の産品がほとんど行っていないんですよ。ジェトロや商社の皆さん、もっと日本を売らぬと駄目じゃないかと言ったら、うまく返されましたよ。その前に、先生方、もっと日本は物を作ってくださいと言われました。自分たちのところには来ないんですよと言うんですよ。これ深刻そうでしたね。 その足で、私費で更にドバイへ飛んで、ドバイでも皆集まってもらっていろんな話やったら、同じ話言うんですよ。その前に物を作って我々の市場に出してくださいと。だから、相当やっぱり、日本のものは良くて人気があるけど手に入らないというようなのが日本の、品薄のところの人々の感じのようでありますから、伸び代相当あると思うんです。 だから、いかに生産意欲を持たせて、生産意欲を持って生産していくことが大事だと思うんですね。そういうことで、ひとつ頑張っていただきたいな、もっともっと行政もバックアップして、制度、政策もきちっとやって頑張っていただきたいと、こう思います。 次に、米の市場拡大戦略について、これも立ち上がっておりますけれど、今大臣御答弁のあった十万トンを出していこうと、平成三十一年。これを目標としておって、それをいろいろ見てみますと、米粉を始め酒であるとか米菓であるとか、いろいろ米にまつわるものがあるんですが、さっきのJFOODOとの仕分の中で加工品、つまり米粉とか米菓とか清酒はこの十万トンの中に入らないですね。
○政府参考人(柄澤彰君) 先ほど大臣からも御答弁がございましたが、本年九月に、米の飛躍的な輸出拡大を目指しまして、平成三十一年までに十万トンという大きな目標を掲げたコメ海外市場拡大戦略プロジェクトを立ち上げたところでございます。 今委員御指摘のこの十万トンの中身でございますけれども、いわゆる粒の米そのもののみならず、お菓子、米菓、それから日本酒を米に換算した数量も含んだ目標としているところでございます。
○儀間光男君 酒造って、米の使用した量というか、重量を出せるんですか。
○政府参考人(柄澤彰君) これは一定の計算で換算できるところでございまして、現状におきましては、平成二十八年の現状を見ますと、米のいわゆる粒につきましてはおおむね一万トン輸出されておりますが、お菓子の換算、米に換算した数量は大体三千トン程度、お酒でいえば大体一万一千トン程度の換算したものが輸出されているという計算になるところでございます。
○儀間光男君 これで見ますと、資料を見ますというと、清酒が構成比の七〇・五%を占めるんですね、米そのものよりは。今おっしゃったように米は一万トンですよ、十万トンのうち、加工品からの数量から挙げていくとね。十万トン米というけど、米そのものは一万トン程度と。どうですか。
○政府参考人(柄澤彰君) 要は、米に換算して十万トン輸出できるようにということで、その際、粒のままで輸出すればそれがそのままカウントされますし、お酒あるいはお煎餅に加工されたものであればその原料としてカウントする。いずれにしても、国内の実質的にお米が十万トン輸出できるようにという目標を掲げたプロジェクトでございます。
○儀間光男君 びっくりしましたね。私は、十万トンというから、米そのものだと思ったんですね。国内で使って作る製品、それも輸出の中に入れるなんて、物は輸出しますよ、米を輸出の対象とするのはちょっと、尋常ですか、どうなんですか。 これを見ると、そうすると、米は一〇・九%ですよ、一万トンですよ、米菓が一九・四%。そういう状況の中で、これは二十七年ですから、清酒が六九・七。二十八年においては総額で二百二十一億です。これ出ているんですよ、金額も。七〇・五%が清酒、米一二・二%、米菓一七・二%。二十九年度は九月まで百八十三億円、そのうち清酒が七一%、米一二・六%、米菓一六・四%。 こういうことになっておるんですが、じゃ、もうこれからどうのこうの言ったってしようがありませんから、それも含めての輸出とするということで、十万トン目標、取組、達成できると、そういうふうに思っていいんでしょうか。
○政府参考人(柄澤彰君) これは正直申し上げて、現状からすればかなり意欲的な目標ではございますけれども、今まで、どちらかといいますと輸出しようという形で余りターゲットを絞るような取組はございませんでした。 今回のプロジェクトにおきましては、まず、戦略的輸出事業者と、輸出される方に実際手を挙げていただくと、それからその事業者に米を供給する産地にも手を挙げていただくということをやりました。その結果、十月末の時点で業者は三十三事業者から手を挙げていただきまして、この業者のお一人お一人の目標を足し上げますと実は十二・五万トン、十万トンを上回っている手を挙げていただいたところでありますし、それから、そこに米を供給しようと思われる産地からも大体二百産地から手が挙がったところでございます。 そのような形で、ピンポイントに産地と事業者を特定して進めていくという新しいやり方で、何としてもこの目標に向けて努力をしてまいりたいと存じます。
○儀間光男君 もっと議論したいんですが、どうも時間がないようで、食用米と飼料米等の動き、それが業務用米にどう影響するのかなどなどあったんですが、また次の機会にするといたしまして、次、卸売市場をやろうと思ったんですが、今出ましたね。出ましたので、これもかぶさるので吹っ飛ばして、国営かんがい排水事業、これについて少し議論をしたいと思います。飛ばしたものは次の機会にやります。 日本が戦争を終わってから七十数年になりました。その間、こっぱみじんにやられた国土を建設しようといって、各分野において、一、二の三と施設をして産業のインフラ整備をやってきましたね。道路、港湾あるいは鉄道、農業でいうとため池、ダム、いろんなことをやってきたんですが、今それぞれもう耐用年数が過ぎて、ダム等、あるいは排水機材、給水機材、いろいろ施設面でも疲労が起こっていると思うのですが、日本の全国のかんがい排水の事業の状況を、大ざっぱでいいですから、手短にちょっと答えていただけませんか。
○政府参考人(荒川隆君) お答え申し上げます。 基幹的な農業水利施設の今の状況でございます。 私ども毎年度、農業基盤情報基礎調査という調査を実施しておりまして、二十七年三月時点で、農業用用排水路が五万キロメートルほど、それからダムですとか用水堰、用排水機場などの施設で基幹的なものが約七千か所ほど存在をいたしておるところでございます。 先生からお話ございましたように、これらの基幹的な水利施設の多くは戦後に新設をされたものが多うございまして、既に標準耐用年数を超えた施設が現時点で全体の二割程度ございます。今後十年間このままですと、約四割が標準的な耐用年数を超える状況になるということで、施設の維持なり更新なりが重要な課題であると認識をいたしております。
○儀間光男君 是非ひとつ頑張って、農家が生産意欲が湧くような、営農意欲がかき立てるような、こういう基盤整備をしていただきたいと思います。 その中であって、私、地元の話を少しさせていただきますが、去った一日に沖縄県伊江村の伊江島地区のかんがい排水事業、完工いたしまして、その完工式をやりました。それに臨ませていただいたんですが、おおむね二百七十億の十三年掛けての事業でありましたが、六百六十八、約七百ヘクタール。こちらは、葉たばこや、あるいはサトウキビやサヤインゲンやシマラッキョウですね、それから黒毛和牛やマンゴーなど、なかんずく菊栽培においては愛知県に次いで二位が沖縄県ですが、その四割方をこの伊江島がやっているということで、菊農家も選花場も行ってまいりましたけれども、今まで水がなくて農業をしようにもどうにもならなかった。 沖縄は、亜熱帯地域ですから二千二百ミリの年間降雨量あるんですよ。ところが、島全体がリュウキュウサンゴで、石灰岩ですから、石灰岩の粒子構成というのは非常に穴が大きくて、どんどん水が漏れていくんですね。サンゴが隆起しておりますから、中にホールがあるんですよ。それが地下ダムというやつ。そこに水をためていく事業でありますが、これができて水なし事業から水あり事業に変わったといって、菊農家や選花センターなどへ行くとロボットで選花やっていましたけれど、もう生産意欲がどんどん出まして、国内だけじゃなしに台湾やシンガポールや東アジアまで行きたいんだということで、国の言う農業の成長戦略に自分たちも加わっていきたいんだという物すごい意欲を示しましたね。 だから、整備してやると、環境を整えるとそれぐらい意欲が出るわけですから、これからも営農を促進する、全ての営農を促進する、あるいは海もそうですけど、山もそうですけれど、そういうことで皆さんが頑張っていって、このかんがい排水事業、沖縄県で今済んだところは、私の出身の伊是名やあるいは本島の島尻……
○委員長(岩井茂樹君) 時間が過ぎておりますので、質疑をおまとめください。
○儀間光男君 はい。宮古、八重山、やっていますが、今後対象となる地域があるかどうかをちょっとお知らせいただきたいと思います。
○委員長(岩井茂樹君) 答弁は的確に、簡潔にお願いいたします。
○政府参考人(荒川隆君) 失礼いたしました。 今先生からお話ございました伊江地区の国営かんがい排水事業につきましては、先日、十二月一日に沖縄総合事務局の主催で完工式を挙行されたところでございまして、先生には御出席を賜りまして誠にありがとうございました。 今先生から概要ございましたように、平成十六年からの事業でかなりの総事業費、それから受益面積もございまして、この地区でこれから葉たばこ、花、サヤインゲンなどについて大いな展開が図られるものだろうと期待をいたしております。所得控除なり成長産業化に向けての取組が促進されるだろうと思っております。 国営かんがい排水事業に限らず土地改良事業につきましては、成長産業化なり農村の活性化の基盤となる事業だと認識しておりますので、これからも国営事業、県営の補助事業などを通じてしっかり支援をしてまいりたいと考えております。
○儀間光男君 終わります。ありがとうございました。
○森ゆうこ君 希望の会、自由党、森ゆうこでございます。私も、大臣に初めまして、申し上げたいと思います。よろしくお願いいたします。 大臣所信に対する質問をさせていただきたいと思います。 まず、米政策の大転換については、先ほど来各委員からも御指摘がございました。紙理事におかれましては、新潟までわざわざ御視察をいただいたということで、本当にありがとうございます。本当に新潟県にとっては、この米政策の大転換、非常に大きいことでありまして、ちなみに自民党の農業政策、このようなこれまでの様々な取組が現在評価されているかというと、この間の衆議院選挙は、新潟県だけは全国の空気を読まず、新潟ショックということで六選挙区のうち四勝二敗と大きく勝ち越させていただきました。私も全ての候補を応援している中で、やはり農業者の皆さんから今回の米政策の大転換あるいは様々な農業政策に対する不信及び不満が大きかったということをまずお伝えさせていただきたいと思います。選挙の結果というのはやっぱり大きいと思うんですね。 そういう意味で、この所信をお聞きして、もちろんもうかる農業、海外への展開、ピンチをチャンスに、いいと思うんですけれども、印象として、言葉としては一回出てくるんですが、食料自給率、食料安全保障、何だろう、もちろんどんどん売っていくという、積極的にやっていくというのも重要なんですが、まず大前提として所得補償、食料安全保障、そのところを押さえないと、積極的に商売というか、農業って全くほかの産業とは違いますので、そこの部分が何か足りないんじゃないかなというふうに思いました。 そういう意味で、先ほど舟山委員からもありましたけれども、世界的に見ても、やはり所得補償、まず自給率達成しているところはその所得補償政策をきちっとやっている、これが世界の常識なんですよ。そこをなくして、どうやってこれからTPPや日欧EPA等々対応できるのかなというのはやはり所信を伺ってもますます疑問が湧いてきたところでありますので、是非大臣からは、基本的な食料安全保障、自給率向上の観点から、農家の戸別所得補償についての大臣の御見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(齋藤健君) 米の直接支払交付金のことだと思いますけれども、平成二十五年末の政府・与党の経営所得安定対策の見直しの中で、米は麦、大豆等と違って十分な国境措置があり、諸外国との生産条件の格差から生じる不利はないこと、全ての販売農家を対象とすることは農地の流動化のペースを遅らせる面があること、米については潜在的生産力が主食用の需要を上回っている状況にあること等の政策的な課題が指摘され、このため、米の直接支払交付金は平成二十六年産から単価を削減し、平成二十九年産までの措置とした上で、その間、強い農業の実現に向けて、農地中間管理機構による担い手への農地集積ですとか、需要のある麦、大豆、飼料用米の生産振興を図ることによって農地、水田のフル活用を図り、そして所得を確保していくという前向きの政策を強化してまいりました。 そして、三十年産以降もナラシ対策や収入保険等のセーフティーネットの構築はしっかりするということで、引き続きこうした、今申し上げたような前向きな政策を力強く推進することによりまして、繰り返しになりますけど、日本の農業の競争力の強化、農家の所得の向上、それにつながる食料自給率、安定供給の確保に努めていきたいと思っております。
○森ゆうこ君 ちょっと何か伝わってこないんですけれども、要するに、本当に農家の皆さんが、初めてと言ったらいいんでしょうか、評価をした民主党政権のときの農業の戸別所得補償制度。研究によれば、この戸別所得補償制度によって初めて生産調整が機能したという、今日は資料配りませんでしたけど、そういう結果もあるわけで、ようやくその生産調整というものがその威力を発揮してといいますか、戸別所得補償制度を併せることによってしっかりと生産の調整もできた。なおかつ、所得が補償されるということで、農家の人たちが安心して次の世代に引き継げるという先の見通しもできた。本当に評価されていた政策をなぜやめるのか。その戸別所得補償制度で与えた安心感以上のものを、もちろん飼料用米でもいろんなことで、でもそれはやっぱり戸別所得補償しないと、本当に所得が確保できるのか。かえってお金掛かっちゃうんじゃないんですか。その辺の、今ペーパーお読みになりましたけれども、その基本的なお考えをお聞きしたかったんですが、ちょっと私、次の質問もありますので、また次回やらせていただきます。 それで、礒崎副大臣、本当は衆議院担当ということはお聞きしておりましたけれども、是非、礒崎副大臣が、主要農作物種子法、この質疑のときに私たち野党が提起した問題で初めて自民党の皆さんがこれは大変だということで気付かれて、そして礒崎さんがそれを代表して、元々総務省でいらっしゃいますから総務省に対して、これは種子法があったときには基準財政需要額の中にきちっと根拠にしてこの法律を、予算組み込まれていたわけですけれども、それが根拠法なくなりましたから、きちっとした財政措置ができるのか、予算が付けられるのか、相当努力をしていただいたというふうに伺っておりますので、是非その成果を御披露いただければと思います。
○副大臣(礒崎陽輔君) お答え申し上げます。 御承知のとおり、主要農作物種子法に基づく補助金については、平成九年度までありましたが、平成十年度に一般財源化され、地方交付税の単位費用に組み込まれたところでございます。 今般の種子法の廃止後においても、都道府県は稲、麦類及び大豆の種子に関する業務について、種子、種苗行政に関するニーズの的確な把握や必要な種子の調達状況の調査を行い、民間事業者との連携を考慮しつつ、種子の供給に当たって従来実施してきた業務を実施していくことということになっております。 このことにつきまして、都道府県が実施する事務に要する経費については、先般の参議院農林水産委員会における附帯決議も踏まえつつ、引き続き適切な地方交付税措置がなされるよう、現在総務省とその方向で調整をいたしているところでございます。
○森ゆうこ君 年末も近づいておりまして、いよいよ予算も決まるというような時期になってまいりました。根拠法をなくすということの大きさ、種子法があったからこそ機能してきたんですよ、予算が付けられてきたんですよ。それで、各都道府県が責任を持って、もちろん知的財産を守るための法律ではありませんでした。でも、結果として我が国の主要農作物の種子、原原種、原種、しっかりと守ってきた、知的財産を守ってきた。これ重要なことだったわけですよ。 まあ御苦労してくださっていることは分かっているんですが、本当にしっかりと予算取れるんですかね。大臣、どうですか。
○副大臣(礒崎陽輔君) 済みません。私が先ほど答えたもので、答えさせていただきます。 地方交付税の基準財政需要額の算入というのは、別に法律がなければ算入しないということにはなっていないわけでありまして、法律があろうとあるまいと、既に総務省との間では都道府県の事務は基本的に変わらないという了解ができておりますので、地方公共団体の事務として残る以上、それに対して国が適切な地方交付税措置をするのは当然でございますから、まだ予算編成過程でございますので最終結論をここで御披露するわけにはいきませんが、間違いのないようにしっかりと頑張ってまいりたいと思います。
○森ゆうこ君 礒崎副大臣の御努力に敬意を表し、そして御期待を申し上げておきたいと思います。 先ほどの事務次官通知もございましたけれども、大臣の先ほどの答弁で、とにかく安く提供するんだと、種子あるいは苗というものをという話の文脈の中で、結局、先ほどのお話ですと、もう主要農作物、お米とかそういうものは各都道府県しっかりと種子を確保しておりますけれども、今後、民間参入、悪いことではないですが、結局その大事な種子あるいは苗の生産も、主要農作物ですね、主食の、それも海外に移っていくんじゃないかというふうなことを、当然そうなるというふうに思いますけれども、そういうふうにお考えで先ほどの御答弁があったんでしょうか。
○国務大臣(齋藤健君) 先ほども答弁をさせていただいたと思いますけれども、民間事業者の種子生産への新規参入を促すということがこの主要農作物種子法の廃止や農業競争力強化支援法の新規参入支援措置等の狙いとしてあるわけでありますけれども、我が国農業の国際競争力強化に向けて官民の総力を挙げた種子の開発、供給体制の構築を進めるというのが趣旨でありますので、この二つの法律の法律的対応によりまして海外にどんどん流出をしていくということは我々の意図するところではありませんし、先ほど御答弁申し上げましたように、海外に官民で、独立行政法人や都道府県から技術を提供するに当たってはきちんと知的財産のマネジメントをするように、それから、海外での種苗法の登録をしっかりするようにというような指導をしながら、御懸念ないようにしていきたいというふうに思っております。
○森ゆうこ君 いや、何かそういうことができる根拠があるんですか、法律的に。もうこれから民間に提供するんでしょう。民間のビジネスの範囲じゃないですか。そんなことを担保できる法律でも新たにできていましたっけ。 何でそういうことを担保しようとしているのか。まあ気持ちは分かりますよ。だけど、その参入してくる事業者が全て我が国の食料の安全保障、食料自給率の確保、そのために仕事をするなんて、そんな保証どこにもないじゃないですか。そのことを我々が、野党はみんな問題提起をしたわけですし、種子を制するものは食料を制するんですよ。食料を制するものは世界を制するんですよね。もう本当にこれ大きな問題なんですよ。 私も、ちょっとこの問題を、先ほどの大臣の話を詰めるほど精査、細かく調査していないのでまた次回やらせていただきたいと思いますけれども、先ほどの答弁にどのような法律的な根拠があって、そういうことを、情報の、知的財産の流出を防ぐという対応にするのかということについて、もう少し詰めた議論を次回させていただきたいというふうに思います。 それでは、国家戦略特区における獣医学部の新設問題、加計学園の認可について質問をさせていただきたいと思います。 まず、内閣府に伺いたいんですけれども、私は、通常国会、この農林水産委員会で二十回以上の質問をいたしました。そのときにレギュラーメンバーと言われる方たちが毎回出席していただいて藤原審議官に質問したときに、五月二十五日、去年のワーキンググループ等の会議で加計学園が出席していろいろやり取りしていたんじゃないのと、都合が悪いところは削除したんじゃないのというふうに質問しましたところ、そうじゃないと。事実に、議事要旨、発表している議事要旨は事実に基づいて、ほぼ忠実に、事実に、公開しておりますというふうに答えました。 虚偽答弁じゃないんですか、これ。出ていたじゃないですか、去年の六月、ああ二年前、平成二十七年六月五日、ワーキンググループのヒアリングに加計学園三名出ていたじゃないですか。あれだけ質問していたのに、なぜ答えなかったんですか。虚偽答弁じゃないですか。
○副大臣(松本文明君) 先生に何回も説明をしているんだろうと思うんですが、説明補助者であります加計学園の非公式な発言は、正式な出席者や公式な発言を記録する議事録、議事要旨の掲載対象とはならないということになっておりますので、御理解をいただきたいと存じます。
○森ゆうこ君 説明補助者、補助説明者、一体何ですか。説明してください。
○政府参考人(村上敬亮君) 私ども提案をお伺いをいたしますのは、責任を持って御発言をされる提案者の御意見でございます。その提案者をサポートするために現場に居合わせることがあるというのが説明補助者ということで理解してございます。説明補助者の発言がその場で聞こえるようなことも声の大きさ等によってあろうかと思いますが、説明補助者の発言はあくまでも非公式なものでありまして、会議及び判断の材料とするのはあくまでも提案者の御発言というふうに理解をしてございます。
○森ゆうこ君 じゃ、座長が説明補助者と認めれば、加計学園は事業予定者ですよ、ずっとパートナーを組んできたね、今治と。だって加戸さんがそう言っていたじゃないですか。愛媛県は加計ありきだったって、堂々と予算委員会で証言したじゃないですか。違うんですか。
○政府参考人(村上敬亮君) 委員長。
○森ゆうこ君 あっ、いいです、いいです。まだちょっと先があるので。 それで、提案者というのは、委員の質問には全て答えるんですか。去年の、じゃない、二年前、平成二十七年六月五日の議事録のことを聞いています。
○政府参考人(村上敬亮君) ワーキングの中では極力、自由闊達な意見をしていただくということで、事務局や内閣府の方から特に何の発言をしていけないといったようなことはございません。 基本的には、委員の方から質問が出たことに対して、提案者がそれに対して、答えられる範囲で、責任を持って、提案者として責任を取れる範囲でお答えになられているというふうに承知をしてございます。
○森ゆうこ君 議事要旨見ますと、あっ、議事録になったんだ、改ざんしていたのを全部は直さなかったけれども、ちょっとだけ直して、議事録として発表されたんですけれども、この議事録を見ますと、委員の質問に愛媛県が答えていない部分があるんですけれども、それもう想定の範囲内でしょうからペーパーは用意してあると思いますけど、これは何で答えていないんですか。誰が答えたんですか。
○政府参考人(村上敬亮君) 繰り返しで恐縮でございますが、公式な記録である議事要旨や議事録は公式な発言を記録するものでございます。したがいまして、出席者が行った公式な発言の内容というところのやり取りでは全て、議事に入る前の公開の可否を確認する場面も除き、公開した議事要旨に記載をしていると。 他方、説明補助者のやり取りは、ワーキンググループ委員の発言も含めて非公式な発言であり、議事要旨や議事録には掲載をしないと。また、その掲載の内容、在り方につきましては、提案者の御了解もいただいた上でセットをさせていただいているというふうに承知をしてございます。
○森ゆうこ君 ということは、提案者及びワーキングの委員の発言は全て議事要旨に載るとおっしゃったということですね。
○政府参考人(村上敬亮君) 公式な発言として認めるべき発言につきましては、公表されている議事要旨、議事録の形で、正式な形で載っているというふうに承知をしてございます。
○森ゆうこ君 ちょっと、言い換えないでください。 だって、公式に出席しているんでしょう。この委員の発言は削除する、この提案者の発言は削除する、じゃ、全然オープンじゃないじゃないですか。説明補助者以外の公式の出席者の人の発言というのはちゃんと書いてあるんでしょう、議事要旨、議事録に。
○政府参考人(村上敬亮君) 説明補助者とのやり取りにつきましては、ワーキンググループ委員の発言も含めて、それが専ら説明補助者とのやり取りに関するものに関しては非公式な発言ということで整理をしておりまして、議事要旨や議事録には掲載していないと、こういうことで運用をさせていただいてございます。
○森ゆうこ君 ちょっと待ってください。ちょっと待ってください。副大臣ですか、これで議論の流れ、手続のプロセス、オープンになっていると言えるんですか。 説明補助者は公式じゃないからいい、ひそひそしなくていいよ、公式に認められていない出席者だからその発言が非公式だと勝手に決めて、削除しちゃった。利害関係者でしょう、加計学園。 なぜ、そうおっしゃるんですか。じゃ、その説明補助者とのやり取りだけだったら、ワーキングの人の発言もカットしちゃうわけ。すごいね。そうなんですか、副大臣。
○副大臣(松本文明君) 先生にこれもう何回も説明しているんだろうと思うんですが、ワーキンググループの議事は原則公開というのが八田座長の方針であります。これに基づいて、ルールにのっとって詳細な議事要旨が作成され、それは全てオープンになっている、こう承知をいたしております。 ワーキンググループの提案ヒアリングというのは、先ほども答弁させていただいたとおり、責任ある説明を求める場であるために、提案者以外の者は正式な出席者とはならない、こういうルールであります。そういうルールの中できちっと必要なものは全てオープンになっていると、こう承知をいたしております。
○森ゆうこ君 全くオープンになっていませんね。 本間委員が加計学園の出席者に教員の確保は大丈夫かという質問をした、大事なことでしょう。で、大丈夫ですと答えている。それはまさしく事業予定者じゃないですか。そういうのを全部削除して何がオープンなんですか。 続きは、何でしたっけ、合同審査か何かで多分やることになると思いますので、もう少し私も詰めたいというふうに思います。相当想定問答を考えて、削除したんじゃない、改ざんしたんじゃないということにしようとしているけど、認められませんよ、こんなことは。完全に隠蔽だし、完全に改ざんじゃないですか。 それで、文科省からも来ていただいておりますけれども、皆さんに資料お配りしております。岡山理科大学獣医学部医学科の主な審査意見への対応状況。認可されました。しかし、留保事項、一番右側が最後に、二ページにわたって右側が、最終的にもうしようがないと、認められないんだけれども認可しますという答申を出したときの留意事項ということになります。これ留保しているということなんですね。 この最後のところもすごいんですけれども、最初の五月の意見とか見ると、四条件クリアしていないじゃないかというのが丸分かりなんですが、いろいろあるんですけれども、それ一つ確認しているとちょっと時間がないので、一番最後、右側、留意事項、一枚目の二番目のやつですけれども、例のバイオセーフティーレベル、最低でも3の実験室が確保できるのか、この問題についてお聞きをしたいと思います。 厚生労働省、厚生労働省、来てくださっています、はい。そうしましたら、まず、加計学園からこの設置について相談ありましたか。
○政府参考人(吉永和生君) お答えいたします。 現在のところ、加計学園からBSL施設の設置に関する相談を受けておりません。具体的な設置状況について、厚生労働省としては承知しておりません。 ただ、一般論として申し上げますと、BSL3施設の設置につきましては、まず、当該施設が完成した後に、病原体を所持しようとする段階で具体的な計画を定めた上で厚生労働省に申請が行われ、その上で、厚生労働省におきまして申請書の内容や実際の施設を厳格に確認した上で許可を行うかどうかの判断を行うことになろうかと思います。
○森ゆうこ君 今さらっと御説明いただきましたけど、事はそんなに簡単ではありませんで、まず、施設がその基準に達していることが大前提ですよね。それは建物の構造自体も問題にしなければならない。つまり、設計、そして仕様、それ確認したんですか、文科省。その体裁だけ整えればバイオセーフティーレベル3の実験室できるわけじゃないですよ。どうですか。
○大臣政務官(宮川典子君) 御質問いただきありがとうございます。 加計学園に関しましては、この岡山理科大学獣医学部をつくるということになりましたときに、厚生労働省に事前の概要の説明、また相談に行っております。そして、それを、その説明を聞いた上で学内でガイドラインにしっかり基準が沿っているということで、その条件を満たしているということを学内で確認しているということを我々は確認をしております。
○森ゆうこ君 いや、厚生労働省は相談を受けていないとさっき言ったんですけど。ちょっと待って。文科省が厚生労働省に相談したんですか、それとも加計学園が相談したんですか。どっちが相談したんですか。さっき、厚生労働省は何の相談も受けていない。
○大臣政務官(宮川典子君) 大変申し訳ありません。ちょっと答弁を訂正させていただきます。 私が見ておりました資料が違いました。ここでお話を申し上げなければいけないのは、設置審としてこれからやらなければいけないことというのを岡山理科大学獣医学部に課しております。それは、バイオセーフティーに詳しい研究機関の専門家及びバイオセーフティーの機器、設備の専門家等の意見を聞きしっかり設計をすることということと、あとは、陰圧の管理区域また排気設備等を整備しながらちゃんと病原体の管理規程を決めることということを、これ設置審で法令に基づく適切な対応を行っていくべきであるということを確認したところであります。また、開設後には何をしなければいけないかといえば、大学設置・学校法人審議会におきましてこれがしっかり履行されているかということの確認、調査を行うことになっております。
○森ゆうこ君 いやいや、文科省の今さっきの謎の答弁は何ですか。 いや、実は、私、何でこれ厚生労働省を呼んだかというと、うちの政策審議会でも文科省からそういう説明を受けたんですよ。それで、それぞれ厚労省と、それから農水省は家伝法に基づいてそういうのをやっていますから、呼んで確かめたら全然相談受けていないという話で、どうなっておるのかなと。受けていない、受けていないんですよね。だから、何でそのさっきの謎の答弁が出てきたのかな。まあいいや。というより、もう時間がないんで、もう時間ですのでね。 厚労省にもう一つお聞きしますけれども、要は、既存の獣医学部できちっと、これ難しいんですよ。施設も大変だし、そもそも認可、許可を、大臣の許可を受けるためには、そういうことができる人がいて、そういうチームがつくられていて、適正に実験あるいは検査が行われるそのマンパワー、いろんなものがないと、それはそうですよね、エボラ出血熱とかそういうのも扱うと言っているんだから。ということでとても難しいんで、そんな簡単に出るものじゃないと思うんですが、でも、やっぱり優秀な獣医学部ではもう持っております。 既に持っている、獣医学部を持つ大学は幾つありますか。
○政府参考人(吉永和生君) お答え申し上げます。 厚生労働省では、感染症法の病原体処理に関する許可届出を通じましてBSL3の施設の有無について確認が取れる状況でございます。これによりますと、全国十六獣医学部ございますが、八学部におきましてBSL3施設を有しているという状況でございます。
○委員長(岩井茂樹君) 申合せの時間が参りましたので、質疑をおまとめください。
○森ゆうこ君 はい。 ありがとうございました。 ということで、つまり八大学もうあるんですよ。世界に冠たるライフサイエンスの研究教育拠点、作れる、やっているわけですよね。だけど、肝腎の、新たなと言っている加計学園は、本当にバイオセーフティーレベル3の実験室ができるかどうかも分からないというもう大変な話になっております。 また引き続き真実が明らかになるまでやり続けたいと思います。 ありがとうございました。
○委員長(岩井茂樹君) 本日の調査はこの程度にとどめます。 ─────────────
○委員長(岩井茂樹君) 次に、競馬法の一部を改正する法律案を議題といたします。 政府から趣旨説明を聴取いたします。齋藤農林水産大臣。
○国務大臣(齋藤健君) 競馬法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び内容を御説明申し上げます。 我が国の地方競馬は、景気の低迷、趣味や娯楽の多様化等に伴い、平成二十三年度には平成三年度のピーク時に比べ売上げが約三分の一の水準にまで減少するなど、地方競馬主催者の多くは事業収支が厳しい状況となっています。 このため、全ての地方競馬主催者が共同で、地方競馬全国協会からの補助を受けながら、投票集計システムの共通化、重複開催の減少、中央競馬との勝馬投票券の相互発売等を内容とする地方競馬の活性化に取り組んだ結果、地方競馬の売上げは平成二十四年度以降増加に転じ、平成二十六年度には全ての地方競馬主催者の単年度収支が黒字化するなど、地方競馬主催者の経営改善に大きな成果を上げてきたところであります。 しかしながら、平成二十八年度において、構成元の地方公共団体に対して収益金を配分することができているのは全十四主催者中五主催者にとどまっており、地方競馬主催者の経営改善は道半ばの状況にあります。 このため、これまでの取組を引き続き推進するとともに、競馬の最大のだいご味である強い馬づくりや地方競馬そのものの魅力向上など、地方競馬主催者の経営改善を後押しするための取組を実施していくことが重要であります。 地方競馬をめぐるこのような状況に鑑み、地方競馬全国協会が地方競馬の活性化や競走馬の生産振興のために行う補助業務に必要な資金を確保するため、地方競馬全国協会の勘定間の繰入れの措置及び日本中央競馬会から資金を交付する措置の期限を五年間延長することとしております。 以上が、この法律案の提案の理由及び内容であります。 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
○委員長(岩井茂樹君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。 午後五時五十六分散会