経済産業委員会 第2号
- 発言数
- 170 件
- 登壇者
- 20 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 2017/12/05
会議録
○委員長(斎藤嘉隆君) ただいまから経済産業委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 本日、辰巳孝太郎君が委員を辞任され、その補欠として小池晃君が選任されました。 ─────────────
○委員長(斎藤嘉隆君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。 経済、産業、貿易及び公正取引等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣府大臣官房審議官進藤秀夫君外十三名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(斎藤嘉隆君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(斎藤嘉隆君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 経済、産業、貿易及び公正取引等に関する調査のため、本日の委員会に東京電力ホールディングス株式会社代表執行役社長小早川智明君を参考人として出席を求めることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(斎藤嘉隆君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(斎藤嘉隆君) 経済、産業、貿易及び公正取引等に関する調査を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○滝波宏文君 自由民主党、福井県選出の滝波宏文でございます。 この秋から筆頭理事を務めさせていただいてございまして、本日は、自民・こころを代表して、大臣の所信に対する質疑を行わさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。 まず、イノベーションと地方創生について伺います。 イノベーションといえばシリコンバレー。日本でも、シリコンバレー型のイノベーションにつながるベンチャー、スタートアップを育むエコシステム、これをつくらなきゃ駄目だと言われ続けて久しいわけでありますが、なかなか果たせぬ中、ずるずると、俗に言う失われた十年、二十年になり、アベノミクスで今盛り返しておりますけれども、我が国の経済の輝かしい技術先進国ぶり、これは高度成長期に比べるとむしろ後退しているかのような思いさえあります。 日本でこのシリコンバレー型のイノベーションエコシステムができない原因として、硬直的、内向き、減点主義の人事評価を含む、いわゆる大企業病、これについて指摘されることは比較的多いかと思いますけれども、私は加えて、忘れられていることがあるのではないかというふうに思ってございます。それは何かというと、本家本元のシリコンバレーは、大都会ではないということであります。 当委員会でも何度かお話をさせていただきましたが、御案内のとおり、世界的なIT企業の最大集積地であるシリコンバレーは、実は周りには自然が広がる、言わば大いなる田舎であります。グーグル、フェイスブック、アップル、ヤフー、インテル、いずれも人口十万ぐらいの町にその本社がありまして、シリコンバレーを生んだと言われるスタンフォード大学、私も同大学の研究所にいさせていただいたことございますが、その大学の裏山には、山ライオンに注意というふうな看板も掲げていられるような、そういう大変豊かなる自然の中で、新しいビジネスを世界経済に打ち出していく、これがシリコンバレーであります。 でも、なぜか、日本版シリコンバレー、これを作るとなると、すぐ大都会前提の企画になっていく。最先端のことは当然東京とかじゃないとできないよ、こういった根強い大都会崇拝主義みたいなものが我々の思考を制約しているのではないかというふうなことを思ってございます。 なぜ、このシリコンバレーの大いなる田舎環境、これそのものを直視しないのか。東京にも、またシリコンバレーにも住まわせていただいた者として、正直私には、満員電車に押し込まれて通勤して、新時代をつくる豊かな発想が出てくるとは、なかなか正直思えません。 そういう意味で、実は地方創生、中小企業対策、これやや二次的な政策、本丸ではないと、こういう位置付けになりがちではないかと思いますけれども、日本経済が再び世界を主導するようなイノベーション大国になるためには、実はこの地方のベンチャーを含む中小企業の技術を磨き上げてイノベーションを引き出し、全国そして世界経済に直結させていくことが、まさに本丸のイノベーション政策なのではないか、というふうに思ってございます。 こういった考えから、私は、最初に選挙に出たとき以来一貫して、福井県シリコンバレー化計画、これを提唱しておりまして、地元でもちょっとそんな大それた計画というふうに思われている向きもなくはないんですが、私には十分にその可能性があるというふうに思っております。 それは、福井が、帝国データバンクが記録を出し始めて以来ずっと人口当たりの社長輩出率ナンバーワンを維持しておりまして、創業、進取の気性に富む土地柄であります。また、伝統の繊維や眼鏡産業に培われたものづくりの基盤があり、そして、そこからカーボンファイバーや医療機器等への横展開を見せるなど、目立たないものの、日本版大いなる田舎シリコンバレーになる素地があると認められるからです。 最近では、永平寺町、かのアイフォンも作ったアップル創業者のスティーブ・ジョブズも、禅の教えに導かれて一度行ってみたいとおっしゃっていたというふうに聞いておる曹洞宗大本山永平寺のお膝元でありますけれども、こちらにおきまして、経産省に選ばれたモデル地として自動走行の実証実験、これについて町を挙げて取り組んでおります。また、日本一の眼鏡の産地として有名な鯖江市ですが、昨年度、ベンチャー等のサテライトオフィス進出を推進する、総務省のお試しサテライトオフィス自治体に、全国十か所の一つに選ばれて、既に数社の進出も決まっていると聞いてございます。 ついては、このような世界経済への直結、自立に向けた地方におけるイノベーション創出、シリコンバレー化について、経産大臣の御所見と経産省の取組状況、そして御決意を伺いたいと思います。
○国務大臣(世耕弘成君) 私も今、鯖江の眼鏡を使わせていただいています。また、最近、和歌山の結構先進的な企業が次の工場は福井県に造るという例がぽつぽつと出ていまして、私的にはちょっと焦っているんですけれども、福井県が非常に企業立地とか集積の構築に大変な努力をされているということ、まず敬意を払いたいと思います。 シリコンバレー、今お話しになりました。私はまだ残念ながら行っていなくて、できれば次、どこか夏休み辺りで行けたらなというふうに思っているんですが、ちょうど昨日、ジェトロのサンフランシスコ事務所長が帰国していまして、いろいろ状況を聞きました。ちょうどサンフランシスコの都心から南南東に向けて八十キロぐらいのゾーンにそれぞれ小さな町があって、そしてアメリカの名立たる特にIT企業が立地をしているということでありました。ただ、最近は、逆にシリコンバレーのブランド力で地価が高くなり過ぎて、逆にサンフランシスコの都心に帰る傾向があるなんという話もあったわけでありますが、残念ながら日本にはそういう集積がきちっとできている地方都市というのはなかなかないわけでありまして、まだまだ頑張らなきゃいけないなというふうに思っております。 特に、都市部だけではなくて、本当の地方も含めた全国津々浦々でこのイノベーションの集積地というのをつくっていかなければいけないと思います。過去、何もやってきていないわけではないんですね。いろいろ、地域クラスターとかいろんなことをやりました。やりましたが、なかなか花開いているケースがないというわけであります。 そういった反省も踏まえながら、この間の通常国会、この委員会で御審議をいただいた地域未来投資促進法、これを活用して、予算ですとか税制ですとか金融、規制緩和、こういった政策手段を総動員をして、地域内の取引拡大などによって地域経済への波及効果が出る大きな事業をこれから重点的に支援をして、そういったことが各地における集積地の形成に役立てばなというふうに考えているわけであります。 こういった事業を効果的に支援するためには、単に企業だけではなくて、これ地域にもうたくさんあります、公設試験研究機関なんというのもありますし、産業支援センターみたいなものもあります。あるいは、現地に立地している大学ですとか、あるいは資金という面では金融機関、地銀ですね、こういったところがやっぱり連携を取っていくことも重要だというふうに思っています。こういう複数の支援機関が連携して事業を支援する取組を連携支援計画として位置付けて、国が承認することによってしっかりと後押しをしていきたいというふうに思っております。
○滝波宏文君 丁寧な御説明ありがとうございます。また地方創生の話もしたいと思いますが、ちょっと時間制約もありますので、ここでエネルギー、原子力問題に移っていきたいと思います。 本日、更田新委員長もおいでいただいているところ、更田委員長にも是非ここからよく聞いておいていただきたいと思います。 泊三号機の定期点検入りで全原子力発電所が止まってから約五年八か月、三・一一を発端にエネルギー問題が国民的議論の荒波にさらされ、中央メディアではエネルギー、原子力が大きく取り上げられておりますが、一方、立地地域では今、強い疎外感が広まっております。 三・一一を原子力立地自治体地域から見ると、自分たちは今まで思っていた以上のリスクを抱えながら安定、安価な電力を大都会始め消費地に供給してきたのだと、もっと感謝されてもしかるべきだと、こういうふうに見えるわけでありますが、しかしながら、この立地の思いは、単純な原子力推進バーサス脱原発、こういった座標軸には素直に乗らないものでありまして、十分に大消費地、中央で理解されていないと思います。 例えば、避難道整備を含めた原子力防災、そして使用済核燃料の処分、こういったものは立地にとって本当にクリティカルでありまして、原子力の是非にかかわらず進めなきゃならない、そういうものでありますけれども、この脱バーサス推進という二極対立の構図の中に埋もれてしまって、推進力が十分に見えておりません。 また、本年度見直しの年を迎えるエネルギー基本計画についても、以前より最もリスクに直面し、我が国社会のためにと覚悟を持って原子力に真剣に向き合ってきた立地自治体地域の思いに、しっかりと応えていただく必要があると思います。 何よりも、原子力問題の本質は、これは原子力立地という特定地域の人々のリスクの上に、安定、安価な電力という公共財が、大消費地始め広く国内に供給されることであります。その本質は、沖縄の基地問題にも通じるものがあると私は思ってございます。原子力立地自治体地域に対する消費地、国からの感謝を確保し、そして、この立地と国、消費地との信頼関係を維持せねばならない。この思いが、三・一一後、私が地元福井から国会議員を志した大きな理由の一つであります。 私は元々ファイナンスがバックグラウンドでありますけれども、そのファイナンスというのはリスクを扱う分野であり、学問であります。ファイナンスの世界では、リスクプレミアムという言葉があります。ざっくりと話をすれば、リスクに応じて価格が決まるというのがファイナンスだと言えましょう。その中で、とりわけ標準よりも高いリスクに対して支払われる対価のことを、リスクプレミアムと申します。 放射線リスクについて言えば、日本で普通に住んでいて受ける自然放射線というのは年間二・一ミリシーベルト、この標準よりも高い放射線を浴びるリスクに対し、原子力立地にリスクプレミアム分がコンペンセイト、日本語で言うと補償されなければならないというのが、ファイナンスの正当な考え方であります。補償とは、補う、償うの補償ですが、硬いので、私はよく、報いるというふうな言葉を使っておりますけれども、国家、社会、コミュニティーが存立するためには、一定のリスクテーカーが必要であります。基地周辺の沖縄の方々もそうですけれども、このエネルギーの世界では原子力立地自治体地域の住民の皆さんなど、社会のためにリスクを引き受けていただく方々に、報いることができなければ、その社会もコミュニティーも立ち行けません。 先ほど申したように、今回、三・一一で原子力立地の抱えるリスクは想定していた以上に高いということが明らかになりました。であれば、その超過リスクプレミアム分、立地が報われなければならないはずなのに、そのことに中央も大消費地も余りに無頓着で、議論は脱原発バーサス原発推進の単純二極対立に矮小化されてしまっている、この現状に立地住民は嘆いているのであります。 この原子力立地自治体地域の正当な思いに対しまして、経産大臣の御所見、御対応の決意をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(世耕弘成君) まず、原発の立地地域がなくして日本の原子力・エネルギー政策は成り立たなかったわけであります。そして、立地地域がこの日本の電力供給を支えてきてくれたこと、このことは政府として常にしっかりと肝に銘じておかなければならないことだというふうに思っています。その上で、まずは国と原発立地地域との間で感謝とそして信頼に満ちた良好な関係というものを構築していかなければなりませんし、それに加えて、電力の消費地と供給地という関係でも同様の関係が構築をされていくことが必要だというふうに思っています。 政府としては、もちろんいろんな交付金とかそういう措置もあるわけですが、それに加えて、電力消費地も含めた全都道府県でやはり原子力・エネルギー政策について国民的理解を深めてもらわなければいけないということで、シンポジウムですとか説明会を平成二十八年一月からの累計だけでも二百六十回開催をしてまいりました。 さらに、私の方から、これ、立地地域の首長さんと話すと、もっと広報をしてくれと、もっともっと国民に原子力の意味、立地地域がどういう負担をしているかということをもっともっと政府が前面に立って広報をしてほしいということをよく言われます。 そういう意味で、私が指示をしまして、ウエブ上でエネルギーや原子力に関する分かりやすい情報発信ということも強化、拡充しています。経産省、エネ庁のホームページ見ていただければ、以前とはもう格段に違う量と質と分かりやすさの情報をいろいろと提供をさせていただくようにさせていただいています。 いずれにしても、この理解活動というものには終わりはありませんので、今後とも、電力の消費地を含めた、国民全体に原子力に対する信頼ですとか原発立地地域への理解と感謝が十分得られるよう、しっかりと政府として取り組んでまいりたいと思います。
○滝波宏文君 続けての御丁寧な答弁、大臣、本当にありがとうございます。 それで、先ほど申し上げたように、原子力避難道整備、この必要性というのは、脱あるいは推進という原子力発電の是非にかかわらず、認められなければならないものであります。稼働していなくてもそこにはリスクがあり、実際、福一の事故におきましては、停止中の原子力でも事故が起きました。今、稼働していない原子力発電所の立地であっても、早急な避難道整備が必要であります。 福井県は、本州中央部で日本海側と太平洋側が最も近接するところに存在しまして、原子力避難道だけでなく、逆に、いつ起きてもおかしくない南海トラフ巨大地震のことも考えれば、嶺北地方の、これ福井県北部でありますが、の中部縦貫自動車道や冠山トンネルを含め、日本海側と太平洋側をつなぐ最短経路として、早急に県内を通る幹線道路の整備が必要と、当委員会でも質疑をしてまいりました。本日も改めて、その国土強靱化上の重要性を訴える次第であります。 そして、とりわけ原子力立地地域である嶺南地方、福井県南部については、東西に抜ける、青葉トンネルを含む国道二十七号線整備が不可欠であります。また、私の初当選の翌年でありましたけれども、三年前にやっと通った舞鶴若狭自動車道も、これいまだ暫定二車線であります。早急な四車線化で、スムーズな東西への移動、これを確保する必要があるかと思います。加えて、南北に、山越えをして逃れる各種の道の整備も不可欠であります。東西南北と、はしごのように格子のように、整備をしておかなければ、避難も、そしてそれに先立ち逆方向に車両が動く災害制圧、これもままなりません。 以前に取り上げた敦賀半島西浦の道、敦賀そして美浜から滋賀県高島市に抜ける道や、高浜の音海の制圧道などももちろんそうでありますけれども、本日はお手元に、先週、福井県知事も再稼働同意に至った大飯発電所三、四号の所在する、おおい町議会の方から整備要望をいただいた、この生命・生活・避難道の地図をお配りしております。 そこにあるまず第二青戸大橋、これは、大飯発電所のある大島に渡るため、工事も多く、大型トラック頻繁に行き来して、今老朽化が心配されている青戸大橋、このバックアップを図る第二青戸大橋であります。そして、おおいから小浜市の中名田に山を抜ける岡田深谷線、おおい町に合併した旧名田庄村に抜ける坂本高浜線、台風で度々崩れる国道百六十二号線、京都の綾部に抜ける小浜綾部線など、いずれもその整備は国家的課題であり、急務のはずでありますけれども、先日いらしたおおい町議会の先生方がおっしゃったように、めどが、道筋が見えてこない。国は我々原子力立地を放置するのか、見捨てるのかという強い訴えに、関係各省は、縦割りに堕することなく結束して前に進み、立地の思いに応えていただく必要があります。 従前からの私の質問も踏まえて、関係各省の検討状況をそれぞれ伺います。
○政府参考人(和田信貴君) お答えいたします。 まず、道路整備につきましては、その現状を踏まえまして、防災の観点あるいは交通の円滑化や交通安全、こういった多様な観点からその必要性について総合的に検討した上で事業を実施しております。 避難道路の整備につきましても、東日本大震災から得られた教訓を踏まえ、津波や重大な原発事故などの災害が発生した際に住民生活の安全確保や広域的な緊急活動の経路となることから、国土強靱化の観点からも防災上重要な視点の一つであると認識しております。 避難道路につきましては、経済産業省あるいは内閣府等の関係省庁と連携しながら、地方自治体における避難計画、ここに避難ルートなども入っているわけですが、こういった避難計画の策定状況も踏まえながら、国土交通省としても必要な道路整備についてしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
○政府参考人(進藤秀夫君) 内閣府原子力政策担当室でございます。 原子力発電施設等立地地域の振興に関する特別措置法の改善の検討状況について御報告申し上げます。 この法律は、原子力発電施設等の周辺の地域について、当該地域の防災に配慮しつつ、生活環境、産業基盤等の総合的かつ広域的な整備に必要な特別措置を通じてこれら地域の振興を図ることを目的としております。この法律に基づきまして、関係省庁においては、原子力災害発生に備えた避難道路の整備に対する補助率のかさ上げを含め、様々な特別措置を講じているところです。 本制度の運用に当たりましては、六月十二日に関係省庁における連絡会議を内閣府が主催しまして、どのような改善の余地があるか意見聴取を行いましたけれども、各省においては、本制度の適用申請については全て受け入れているとの回答でございまして、特に具体的な課題はここでは見出されませんでした。 その後、八月から九月にかけまして、内閣府においては、更なる改善に向けて制度の活用主体であります立地地域の市町村に対してアンケート調査を行ったところでありまして、今後、その結果をしっかり分析し改善につなげてまいりたいと思っております。 例えば、運用面においては、手続に関する情報や関係基準の周知の充実に係る御指摘をいただいておりまして、これを速やかに対応すべく、連絡会議の場等を活用することにより検討を進めてまいりたいと思っております。また、制度面に係る御指摘もいただいておりまして、将来的な制度の見直しの可能性について、関係省庁とも連携しつつ精査、検討を進めてまいりたいと考えております。
○政府参考人(村瀬佳史君) お答え申し上げます。 委員御指摘のとおり、避難道路の整備を含む原子力防災対策の充実におきましては、再稼働をするしないにかかわりませず、地域住民の安全、安心の観点から重要であると、このように認識してございます。 政府といたしましては、内閣府が中心となりまして、関係省庁の協力の下で各地域に地域原子力防災協議会を設置いたしまして、関係自治体と一体となりまして地域防災計画、避難計画の充実強化に取り組んでいるところでございます。 地域原子力防災協議会におきましては、原子力災害対策指針の防護措置の考え方に基づきまして、地域の実情を踏まえた具体的かつ合理的な対策を講じることとしております。 必要な避難道路の整備につきましては、地域原子力防災協議会での検討、それに加えまして当該地域の実情などを踏まえつつ、内閣府、国交省など関係省庁と緊密に連携しながら具体的な対応に取り組んでまいりたいと、このように考えてございます。
○政府参考人(荒木真一君) 内閣府の原子力防災担当でございます。 道路の整備を始め避難経路の多重化等によります避難の円滑化は、住民の皆様の安全、安心の観点から重要でございます。 そのため、内閣府といたしましては、平成九年度の予算におきまして、地域防災計画に位置付けられた避難経路上の阻害の要因などの課題を特定し、その改善についての調査経費を支援するためのメニューを新たに追加するなど、避難の円滑化対策に取り組んでいるところでございます。 また、これらの調査や国、自治体等が行います訓練などを通じまして抽出された課題については、内閣府が原発の立地地域ごとに設置をしております地域原子力防災協議会の枠組みなどを活用いたしまして、地元の自治体や国土交通省、経済産業省などの関係省庁と一体となって改善策の検討を行ってまいりたいと考えてございます。 今後とも、地域の声をしっかりとお聞きし、住民の皆様の安全、安心を第一に、避難経路の多重化等によります避難の円滑化や避難計画の具体化、充実化に政府一丸となって取り組んでまいります。 済みません、先ほど平成九年度と申しましたが、平成二十九年度予算でございます。恐縮でございます。
○滝波宏文君 関係各省、しっかりとめどを立てて進めていただきたいと思います。 それでは、続けて使用済核燃料の処分についてお聞きします。 こちらについても、原発の是非にかかわらず、進めなければいけないものです。ただ、よく脱原発の立場の方から、使用済核燃料の最終処分地が決まっていないから再稼働は駄目だというふうな話がされますが、今、白地から原子力を始めるか始めないかを議論するなら別ですけれども、我が国はもう既に何十年も、原子力の安定、安価な電力を基礎に高度成長を成し遂げ先進国になっている、現に我が国の使用済核燃料は既に存在するという現実があります。原発に対する是非にかかわらず、必ず現世代の責務として、使用済核燃料の処理についてきちんと前に進めていただく必要があります。これは、まさに使用済核燃料を抱える立地にとってクリティカルなことですし、本来消費地にとっても重要なことです。 これが明らかになったのは三・一一後のことでした。すなわち、三・一一後、民主党政権が原発ゼロをやろうとしましたが、できませんでした。できなかったのは二つの理由がありまして、一つは、アメリカが反対したこと、もう一つは、青森県が、そのようなことをすれば核燃料サイクル目的で持ち込まれている使用済核燃料はごみとなるから、搬出元に戻すぞと、こういうふうに抵抗したからであります。 この後者の話は、決して青森が核燃サイクルをやっているからというものではなくて、軽水炉にも適用されることであります。すなわち、例えば福井県にしても、もしこの瞬間に原発ゼロとするぞというふうに国が言うのであれば、県内に残っている使用済核燃料はまさにごみになるのですから、これは各々これまでの消費量に合わせてそれぞれの消費地に返すということにならざるを得ません。最終処分地が決まっていないとき、これは消費地は耐えられないでしょう。よって、原発ゼロはできなかったし、できないということになります。 ビジネスを少しでも分かっている方であれば分かると思いますけれども、事業がゴーイングコンサーン、継続事業として存在しているときと、清算段階に入っているときでは、全く質的な違いが生じること、これは消費地にもしっかりと分かってもらわなければなりません。これが立地からの視点であります。すなわち、消費地がこのことをきちんと覚悟をしていただかなければいけませんし、原子力事業が続いていくことの前提での信頼感を持ってやっている話と、原発ゼロと言った瞬間の質的な違いがちゃんと分かった上で、対応していただく必要があるということになります。逆に言えば、原発ゼロにしたいのであれば、むしろ最終処分地を見付けていただく必要があるということになります。 これらを踏まえ、使用済核燃料の処分についての検討状況と決意を経産省にお伺いします。
○政府参考人(村瀬佳史君) 委員御指摘のとおり、原発を活用する中で既に相当量の使用済燃料が存在することは事実、現実でございます。最終処分場の確保という課題を避けて通ることはできないと、このように考えてございます。また、御指摘のとおり、処分場をしっかり確保していくことは現世代の責任であると、このように認識しているところでございます。 かかる認識に立ちまして、国といたしましても、最終処分、それから使用済燃料対策につきまして、電力消費地を含めまして広く国民の皆様に対してしっかりと理解促進活動に取り組んで、しっかりとした理解を得るということで取り組んでいる、させていただいているところでございます。 特に最終処分につきましては、平成二十七年には最終処分法に基づく基本方針を改定いたしまして、それまでは単に自治体からの手が挙がるのを待つという方針で対応していたわけですけれども、これを改めまして、国が前面に立って取り組むと、このように方針を変えたわけでございます。 そのような具体的取組といたしまして、今年の七月には科学的特性マップというものを公表させていただいたところでございます。このマップ公表は、最終処分の実現に向けた長い道のりの最初の一歩ではございますけれども、重要な一歩と認識してございます。 きめ細やかな対話活動を丁寧に行いまして、電力消費地の方々も含めまして、広く国民の皆様がしっかりと得られるように取り組んでまいりたいと、このように考えます。
○滝波宏文君 よろしくお願いします。 続きまして、廃炉交付金についてお伺いしたいと思います。 地元の立地からも大きな疑問の声が出ているものに、いわゆる廃炉交付金があります。現在、経産省の廃炉交付金は十年で終わってしまうということであります。しかし、廃炉は終わるまでに三、四十年掛かるとされておりまして、少なくとも、完全に廃炉が終了するまで立地は放射線リスクを負うわけであります。その途中でリスクに対応するはずのリスクプレミアム、すなわち廃炉交付金が切れてしまうことは、これは理屈にかなっておりません。 先般、福井県にある「もんじゅ」、これは残念ながら廃炉と決まってしまいましたが、こちらを所管する文科省の廃炉交付金は廃炉完了まで継続すると聞いております。経産省の廃炉交付金が短期で終わることの問題がこれで強調されるわけでありますが、財源の問題なのかもしれませんけれども、先ほど来申し上げているように、これはリスクに対する正当な対価でありまして、それ以上に、消費地と国からの立地に対する感謝、そして消費地、国と立地との信頼関係の問題であります。 文科省同様、経産省も廃炉完了まで廃炉交付金を継続すべきではないかと考えますが、経産省にお伺いいたします。
○政府参考人(村瀬佳史君) お答え申し上げます。 文科省の立地交付金につきましては、これは「もんじゅ」等の原子力関連研究施設を対象としておりまして、たとえ廃止措置中でありましても、引き続き研究開発が行われている間においては交付が行われるものと承知をしております。 それに対しまして、電源立地地域対策交付金は商業炉を対象としております。つまり、発電炉を対象としておりまして、電気を供給しなくなる廃止の時点から交付金が原則交付されないということになってございますけれども、この廃炉等の稼働状況の変化が自治体財政に与える影響を緩和するという観点から、廃止後もしばらくの間、つまり十年という期間につきましては交付が行われるという措置を講じているところでございます。 したがいまして、廃炉の工期の、工事の期間と交付金の期間が必ずしも連動してございませんけれども、むしろ、この十年という期間を設定することで、将来に向けた新たな産業構造の確立など、自治体の中長期的な発展の観点から集中的な取組を行うことができるものと、このように考えてございます。 さらに、この交付金に限らず、地域産品の開発ですとか販路開拓、それから観光誘致等の地域振興支援、再生可能エネルギーの導入による新たなエネルギー構造への高度化の支援などの政策を行っているところでございます。 これらの様々な政策手段を活用しまして、地域自治体の実態を踏まえながら、原発廃止後も新たな地域の発展のための支援を行ってまいりたいと、このように考えているところでございます。
○滝波宏文君 いろいろ踏まえた上での答弁だと思いますけれども、先ほど来話しているリスクプレミアム論からすれば今の話はおかしいということでありますので、しっかりと廃炉完了に向けての、もちろん、先ほどおっしゃった自治体の財政状況等々も踏まえて対応されるんだと思いますが、理屈をしっかり踏まえて対応していっていただきたいと思います。 そして引き続いて、エネ高、いわゆるエネ高ですが、エネルギー構造高度化・転換理解促進事業、これについてお伺いします。 衆院選の公示前に、このエネ高について、今年度から原子力発電所三十キロ圏内の自治体に拡大されることについて、批判記事がありまして、ばらまきではないか、再稼働理解のためではないかというふうな記事でありました。ただ、私は、本件についても先ほど来のリスクプレミアム論から考えれば、この拡大というのは肯定し得る、理解し得るものだと考えております。 すなわち、三・一一により足下の立地自治体地域のリスク、これはもちろん高まっているわけでありますが、これと同時にリスク範囲についても、例えばおおむね三十キロ圏内はUPZ、緊急防護措置準備区域とされたように、拡大をしております。もちろん、従前より最もリスクに直面しているのは引き続き立地自治体地域、足下のそのものでありますので、例えば、再稼働同意は引き続き立地自治体によるべきものであって、差はあってしかるべきではありますけれども、一方、超過リスクが周辺地域にも広がっている以上、それに対する消費地、事業者ないしは国からのリスクプレミアムが手当てされても、これはしかるべきだと考えております。 少なくとも、これは決してばらまきなどではなく、超過リスクに対する正当な対価であると言えると思いますが、これらを踏まえ、本件についての経産省の見解を伺います。
○政府参考人(村瀬佳史君) お答え申し上げます。 本事業、エネルギー構造高度化・転換理解促進事業につきましては、廃炉ですとか長期停止など原発をめぐる環境変化によりまして影響を受ける地域に対して、再生可能エネルギーの導入促進などのエネルギー構造の高度化、多様化を促すための事業でございます。昨年度の制度創設時には立地自治体のみに対象を限っておりましたけれども、周辺自治体もこうした様々な環境変化の影響を受けるというように考えられるため、今年度より各事業の実情もしっかりと踏まえた上で対象を拡大をさせていただいたと、こういうことでございます。 先ほど来申し上げておりますとおり、地域の将来の発展に向けてしっかりと様々なこうした手段を使いながら御支援を申し上げたいと、このように考えているところでございます。
○滝波宏文君 ちょっと済みません、順番を変えさせていただいて。 本日、先ほど申し上げましたが、今年九月に新たな原子力規制委員長に就任された更田委員長においでいただいております。田中前委員長とは当委員会でも様々に議論をさせていただきましたが、三条委員会たる規制委員会をチェックできるのは国会だけでありますので、更田新委員長ともこれからしっかりと議論をさせていただきたいと思います。 まず、この規制委員会の活動原則に掲げる現場主義についての姿勢をただしたいと思います。すなわち、規制委員会のホームページにも出ておりますが、規制委員会は活動原則として、「実効ある行動」として「形式主義を排し、現場を重視する姿勢を貫き、真に実効ある規制を追求する。」と現場主義を掲げております。しかし、残念ながら、田中委員長はほとんど現場には行ってはおりませんでした。就任後四年がたっても、現場に行ったのは僅か一桁。私がこの問題についてさんざん質問をいたしまして、任期終盤の駆け込みもあり、一応二桁には届きましたが、それでも任期五年で十三回であります。 資料をお配りしてございますけれども、田中委員長、五年間で十三回ということであります。私が質問当時に取り上げた、高木復興大臣、丸川環境兼原子力防災担当大臣、今日いらっしゃっていますけれども、任期十か月を務め上げられる中で、この表を見ていただければ下の方に書いてございますが、約三、四十回現地に足を運んでいます。これを任期五年に単純に比例換算いたしますと、百回から二百回以上というペースになります。明らかに現場主義に掛ける努力が桁違いに異なっているわけであります。私は、この現場主義の軽視が、田中委員長退任の一因ではないかと思ってございます。 本件についての最後の質疑において、田中委員長は、私は大臣ではありません、ほかに原子力規制委員長としてきちっと仕事をし日々忙しく過ごしております、全くそれは比較にならないと言い放ち、まるで大臣は日々のきちっとした仕事をしていないかのような発言でありました。私は、これは思い違いも甚だしい失言だったと思っております。 大臣も規制委員長と同様に、あるいはそれ以上に重い仕事をやっていらっしゃいますし、加えて政治家であります。選挙民との関係も構築せねばなりません。それは、より大変なんじゃないかと思う。その中での大臣の方々の現地入りの努力を、まるで認めないような残念な失言でありました。 この田中委員長の発言の問題、思い違いということでありますけれども、とりわけ原子力規制委員会が八条委員会ではなくて三条委員会だけに深刻だと私は思ってございます。 御案内のとおり、三条委員会というのは所管大臣の指揮監督系統から独立しておりまして、強い権限を持っております。それは、大臣の下で助言をする八条委員会とは全く異なります。強い権限にはより大きな説明責任が求められます。八条委員会であれば対外的な説明等、社会への対応を最終的に大臣に委ねることもできましょうが、大臣から独立する三条委員会は、自ら対外的な説明、ステークホルダーとの対話を行い、関係者の納得を得る社会的な責任を有していると言えます。それだけに、現地に足を運び、現場の状況を自らの目で確認をして、立地の声を聞くことが、これは規制委員会、とりわけトップである規制委員長には強く求められるのであります。そのことを忘れ、象牙の塔にこもり、立地の人々の心に届かない技術用語を並べる専門家然とするのであれば、三条委員会の資格はないと思います。 以上を踏まえ、新委員長には、頻繁に現場に行ってもらい、立地の気持ちをしっかりと酌み取っていただきたい。規制委員であったときは、両大臣と比べると、この紙にもございますが、見劣りはするものの、田中前委員長よりは多く現地入りをされていらっしゃいました。残念ながらまだ委員長になってはゼロ回のようでありますけれども、田中委員長に比べお若く、活発な活動に期待しておりますところ、現場主義への見解、現場に赴く決意について、更田新委員長にお伺いしたいと思います。
○政府特別補佐人(更田豊志君) 安全を確保するための議論ですとか検討、取組というのはまさに現場を対象としたものでありますから、現場を大事にする、いわゆる現場主義というのは原子力規制委員会にとっても非常に重要な認識であると考えております。 九月二十二日に私が着任をいたしまして、また、更に新たに委員一名が加わって原子力規制委員会は新しい体制となりました。この新しい体制の下で、これまでの五年間を振り返るという五年の振り返りという議題におきまして、自治体の方々や立地地域の皆様とのコミュニケーションの在り方について、その方針について議論をいたしました。そして、その充実強化のための方針について五人の委員の間で確認をしたところであります。 この議論を踏まえまして、原子力規制委員会としましては、新たに現地の方々と対話をする、コミュニケーションをより高い頻度で図るための具体策を検討しておりまして、五人の委員が手分けをしまして近く実施を予定をしているところであります。 現地訪問、現地を訪れるに当たりましては、自治体の方々であるとか立地地域の方々との調整も必要でありますけれども、今後も可能な限り現地を訪れて、私たちの役割はあくまで科学的、技術的観点からの安全の確保でありますけれども、この議論に関わる現地の方の生の声、またさらに現場で働いておられる方々の声を聞くことも重要であろうと考えております。
○滝波宏文君 いろいろお忙しいことも当然あるかとは思いますけれども、その関係でちょっともう一つの問題を提起したいと思います。 規制委員会の規制行政のマネジメント、それからプロセス、これを見ていると、まだまだ改善の余地が十分というか、もう大変あるんじゃないかと思ってございます。あれだけの大きなことが起きたのですから、一定期間、規制行政が揺れ動き、落ち着くまでに時間を要するのは分かりますが、既に規制委員会発足から五年以上が経過し、再稼働、廃炉、延長等々、各事例が積み上がってきました。各判断のルールをしっかりと文書化することで個別事例での恣意的、場当たり的な適用を回避し、関係者の予見可能性を、これは時間的にも質的にも、高める必要がある。 これは、法学、法律学でいうところのデュープロセス、適正手続の確保であります。これを理解するリーガルマインド、これが規制行政、巨大な規制行政を進めるために大変必要でありますけれども、こういったマネジメント改革、プロセス改革、これをしっかりとすることで、規制委員長にも規制委員の皆さんにも時間的な余裕ができて、本来の三条委員会の長として、委員会として努めなければならない現場視察、立地を含む関係者との対話、これをより行うことができるはずであります。 ついては、更田委員長に、この強大な権限を有する三条委員会として、厳に権限濫用を戒め、規制行政の時間、質的、両面にわたる予見可能性を高め、適正手続を確保することの重要性、そしてリーガルマインドについての御認識と、この規制委員会、規制庁のマネジメント、プロセス改革についての御決意を伺います。
○政府特別補佐人(更田豊志君) 先ほどのお答えの中での地域とのコミュニケーションも一つでありますけれども、やはり、透明性の確保というのは、意見や情報の発信だけではなくて、それを透明なプロセスの下で規制委員会自身が聞くということも重要な要素であろうと考えております。 そういった意味で、今後とも、立地自治体、それから事業者もそうですけれども、コミュニケーションのより一層の効率化と、これはもちろん透明性を確保した上でのコミュニケーションが、そういった意味が、例えば申請者の審査に対する予見性を高めることになりますでしょうし、更に言えば、更に広い意味での利害関係をお持ちになる方々にとっても規制委員会の行政活動に対する予見性というものを高めることになるだろうとは思います。 ただ、そうはいいましても、やはり重要なのは、一つは私たちのプロセスの可能な範囲での文書化でありまして、原子力規制委員会におきましては、新たな知見、新たな科学的な知見や技術的な知見に基づいて、より高い安全性を確保すべく基準の策定でありますとか見直し等を永続的に続けておりますけれども、その際に原子力施設の特性等を考慮して、あるいは事業者の置かれている環境であるとかあるいは立地地域の置かれている環境等を考えて、より効率的で、かつ安全確保上有効な基準、規則の策定、見直しを進めているところであります。その際には、その策定プロセスも含めて文書化を進めることが、申請者のみならず被規制者、規制に関わる方々全てに対して予見性を深めていくことになるだろうと思っています。 申し上げながらなかなか難しいことだというふうにも思っておりまして、その文書化に費やさなければならない時間、リソースは相当なものに上ります。ただ、我が国の規制が規制に関連する周辺の文書の厚みに欠けていることは事実でありますので、今後ともその努力は続けてまいりたいと思っております。
○滝波宏文君 田中委員長とお話をしたとき、いつもその透明性だけで押してきたところがありましたが、適正手続の確保というのは、今申し上げたように、予見性の確保とか文書化とか、様々もっと広い部分がありますので、今のお答えはかなりそういったところに配慮いただいていた感じもいたします。しっかり進めていただければと思います。 それで、このデュープロセス確保の重要性を理解するリーガルマインドの観点からすると、前委員長時代に突如法的な根拠もなく設置された活断層、破砕帯についての有識者会合、これは大きな問題でありました。 本件も田中委員長とかなりやり合いましたけれども、一般的な政策立案に向けて参考となるためにつくる専門家の会合と、個別の行政処分に向けての審査プロセスの中で、法的根拠なく突然新たに有識者会合通過を、これを要求するというのでは、被規制者に対する自由制約上、全く質的に異なる。こういうことが残念ながらちょっと田中委員長はついにお分かりにならなかったんじゃないかと私は懸念をしてございますけれども、結局、この有識者会合については、各発電所の土を掘ったり、いろんな調査を進める中、有識者会合の当初の見解に第三者の専門家たるピアレビューアーからの疑問も続出するなどして、この有識者会合の法的な位置付けは、もう有識者会合の意見はあくまで参考だと、すなわち法的な効果は無効だということになりまして、規制委員会が自ら判断するということになっております。 そうであれば、それまで有識者会合をめぐり費やされた時間と労力は何だったんだと、こんなことも思ったりはいたしますけれども、これは一旦おくとしても、いまだこの法的には効果を失ったはずの有識者会合の意見でスタックさせられている敦賀発電所や志賀発電所があります。これらについて、しっかりと現場、立地の声を聞いて前に進める必要があると思いますけれども、有識者会合についての見解も含めて、更田委員長の決意を伺います。
○政府特別補佐人(更田豊志君) 今御質問いただきましたいわゆる破砕帯に関わる有識者会合ですが、少し田中前委員長の発言に私通じていないところがありますけれども、有識者会合は元々参加をされる先生方の科学者としての責任によったものであって、その判断を行政処分するに当たって規制委員会が参考にするという位置付けで、行政処分上の責任はあくまで全て原子力規制委員会が負っている、この認識は当初から全く揺らぐものではなかったと私は理解をしております。 有識者会合は、それぞれ地層や地質、地震学といったところの専門の先生方から、対象とする特定のサイトに関して、その調査結果等に基づいて科学者としての責任を負った意見を述べていただくものです。これは、当然のことながら、その後のそのサイトの適性を行う審査において私たちは、科学者の責任として行われたものですから、当然私たちはそれを参照してまいります。しかしながら、行政処分としての結論はその後の審査において下すものでありまして、敦賀発電所を例に取りますと、事業者のデータの蓄積、準備が整いつつあるというふうに聞いていますので、近々再びまた審査の場で事業者との間での共通理解をつくる努力を始めるものと理解をしております。
○滝波宏文君 そういうふうなお話も今お聞きしましたけれども、やっぱり行政処分の決定の前に、個別に内々に参考にほかの科学者の意見聞くというのは否定するわけではありませんけれども、仰々しく有識者会合というのをつくって、それをその処分の前に置く、前置をする、これは本当に問題であったと私思いますので、一から、白地からちゃんと規制委員会として、志賀も含めて、敦賀もそうですけれども、審査をやっていただきたいと思います。 さて、ステークホルダーとのコミュニケーション、これは三条委員会の長たる規制委員長の重大な責務である、これも先ほど来申し上げてきたところでありますし、この件、ステークホルダーの一つに事業者があって、最近事業者との意思疎通、これは定期的な面会も来られて、向上していると認識しております。 しかしながら、ちょっと懸念されるのは、立地とのコミュニケーションであります。現場に足を運ぶのに加え、立地の首長さんなどが上京したときに、大臣に並ぶ社会的責任を有する三条委員会の委員長として、規制委員長は時間の許す限り会うべきだと思っております。 ところが、これもまた資料を配付してございますけれども、田中前委員長は、西川福井県知事が初めて会ったときの地元新聞の記事なんですが、全国の代表者でないと会わない、単なる個別の立地自治体首長では面会しない旨の方針を述べられました。これも私はゆゆしき問題として議論してきました。原子炉が一つでもあればそこにはリスクが存在し、その重みは全国の代表者かどうかとか町の大小で変わるわけではないはずです。 そして、更田新委員長が国会同意の前に一度議運に呼ばれて、友党公明党の熊野正士先生からの質問を受けられたと思います。そのときの質疑記録を読むと、どうも立地自治体の方とのコミュニケーションについて奥歯に物が挟まったような感じでありまして、あるいは立地よりも事業者の対話をむしろ重視されているような疑念さえあります。先ほど来申し上げているように、最もリスクを負うのは立地であります。私は、新規制機関ができるのであれば、まさに立地の方々の思いを基礎としてできるべきであったと考えております。 立地に対するコミュニケーションを後回しにしているのではないかということについて、先ほどの地元新聞紙、記事にあった田中前委員長の方針への見解も含めて、更田委員長にお伺いします。
○政府特別補佐人(更田豊志君) 私を含めまして原子力規制委員会としての最も重要な仕事、ほとんど唯一と言っていい仕事は、科学的、技術的な判断に基づいて、より高いレベルでの安全性を確保し、東京電力福島第一原子力発電所事故のような災害が二度と起きないような原子力利用の在り方を規制を通じて実現していくことにあります。 私たちは、その判断を行う際にはあくまで、原子力利用における安全に関して、あくまで科学的、技術的な観点からのみ判断し、またその観点からのみ発言することができるということにとどまる、これを踏まえて、この判断をまず優先させることについて、業務において科学的な判断、より成熟した技術的な判断を形成するということを優先させなければならないということについては御理解をいただきたいと思います。
○滝波宏文君 済みません、田中委員長が全国代表じゃないと個別の首長には会わないと言ったこの方針を維持されるんでしょうか。
○政府特別補佐人(更田豊志君) これは、やはり頻度であるとか数であるとか時間的な制約の問題もあろうと思います。田中前委員長がこのように発言をされたのは、田中委員長のお持ちの時間の中で、どこかでやはり線引きをしないと業務に差し支える部分、いわゆる科学的、技術的な議論や検討を行うための時間との兼ね合いで、どこかで線引きをと思われたのであろうと思います。この線引きを私が維持するかどうかというのは、これはまだ、そうですね、奥歯に物が挟まったというふうにおっしゃい方されましたけれども、実態としてどれだけ時間を割くことができるか、また田中委員長の五年間と私がこれから過ごす五年間、状況も変わってきておりますので、ここでのどこをクライテリアとするかというのは今後も業務の中で見付けていきたいというふうに考えております。
○滝波宏文君 直接お会いをしてお話を聞くということが、同じ科学的、技術的判断のみの言葉であったとしても、やっぱり直接会って話を聞くということは違う部分が出てまいります。それが社会的な責任ということだと思います。 実は、よく田中委員長の質疑、また掘り起こして見ていただきたいと思いますけど、今の更田委員長の回答よりも、もっと踏み込んで御回答をいただいております。それはやはり、もちろん時間的に許せば、もちろん許さないときは多々あると思います、忙しいから。だけれども、それはやっぱり立地自治体の首長さんなんだから、御関係者なんだから可能な限り会いますと言って、それはそれぞれのときに、場合によってはほかの委員の方、場合によっては規制庁の方に代わらざるを得ない場合もありますけど、そこは大きな方針としては、それは可能な限りお会いしますというふうなところから入っていただくことが大事だと私は思います。また改めてそういったことも議論したいと思います。 それで、時間もちょっとなくなってまいりましたけれども、本年度まさに見直しを迎えますエネルギー基本計画、これについて伺いたいと思います。 今回の衆議院選挙、これはエネルギー、原子力が大きな議論となりました。国政選挙でここまで明確に争点になったのは初めてではないかと私は思います。その中で、原発ゼロを憲法に書き込むという一方で再稼働を認めるといった党があったりと、政策の現実性、整合性等よりも耳当たりの良さとか人気取りに走っているんじゃないかとか、そういったことを立地県選出の者として心配をしておりました。 選挙の結果は皆さん御承知のとおりでありますけれども、政府・与党としては、今こそ現実的で責任のあるエネルギー政策をきちんと進めていかなければなりません。とりわけ、議論を呼びやすいエネルギー政策について余り波風を立てない方がよいという雰囲気がややもすると選挙前あったのかもしれませんが、選挙でここまでクローズアップされ、議論もされたエネルギー政策であります。むしろ、しっかりと骨太で明確なエネルギー基本計画にしていただきたい。それこそが、新増設やリプレースも含め、国の姿勢がいま一つはっきりしないと懸念をしてきた立地の思いであります。 ついては、骨太で明確なエネルギー基本計画見直しに向けての経産大臣の決意をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(世耕弘成君) 今、政府は原発についてはまずは安全最優先で再稼働に取り組むと、これがまず最優先だというふうに考えておりまして、現時点では原発の新増設とかリプレースといった議論には入っておりませんし、今現行のエネルギー基本計画は新設、リプレースがなくても達成できるという考え方に立っているわけであります。 二〇三〇年に向けて現行のエネルギー基本計画を今検討してもらっているわけでありますけれども、いずれにしても、策定後三年しか経過をしておりませんので、私としては、今骨格を変える段階にはない、安定的にまだ続けていく必要があると考えていますけれども、ただ、基本政策分科会という有識者の皆さんに御議論をいただいていますが、有識者の皆さんには予断なくゼロベースでしっかり御議論をいただきたいと思っています。 それともう一つ、今回はこの基本政策分科会だけではなくて、もう一つ、パリ協定が発効したということで、二〇五〇年に八〇%というこれまた大きな非常に難しいテーマにも直面をしているわけであります。これは分科会とは別にエネルギー情勢懇談会というのを立ち上げまして、この二〇五〇年を視野に入れて、そしてCCSや再エネ、蓄電池、原子力、いろんな選択肢を含めてどうやるべきかということも御議論をいただいています。ここの御議論の結果をこのエネ基の見直しの中に盛り込むべきだというような部分が出てくれば、これは積極的に反映をさせていきたいというふうに考えています。
○滝波宏文君 終了時間までにちょっと最後に今の関係でお話だけしておきたいと思いますが、立地から見たときに、この新増設、リプレースというものについては、古い炉、福島第一発電所も古い炉でありましたけれども、古い炉というのはやっぱり安全対策も遅れている、むしろ新しい炉になった方が安全対策も含めてアップグレードされる、そういうふうな面もあることは御認識いただきたいと思います。 それ以上に、今、立地自治体地域が一番気にしているのは、原子力事業を国が本当に継続する気があるのかどうかということであります。 もちろん、国は、政府・与党は、依存度を低減していくけれどもゼロにはしない、維持していくというふうなことでありますので、原子力事業を継続するように見えるわけでありますけれども、一方で、今、まだまだ稼働している原子力発電所は少なく、四十年から六十年への延長と稼働率の引上げで二〇三〇年のエネルギーミックスを達成していくというわけでありますけれども、一方で、大型炉の廃炉という臆測記事も出ております。 継続方針と言いつつ、気が付くともはや原子力事業は、ゆでガエルのように継続できない状況に追い込まれているのではないか、こういった疑心暗鬼もあります。その先に起こるのは、やはり立地が、不明確なままに、棄民、捨てられた民、地域ということになってしまうんじゃないか、こういう懸念であります。明確で骨太な、そして現実的で責任あるエネルギー基本計画の見直しに向けて、どうぞよろしくお願いいたします。 以上です。終わります。
○浜野喜史君 民進党の浜野喜史でございます。 まず冒頭に、商工中金の不正融資問題についてでありますけれども、我々は、当然のことといたしまして、本委員会での集中審議を求めているところでございます。それにつきまして与党は応じていただいていないというふうに承知をいたしております。 当然のこととして集中審議をすべきだというふうに思いますので、委員長、是非よろしくお取り計らいをお願い申し上げたいと思います。
○委員長(斎藤嘉隆君) ただいまの件につきましては、後刻理事会で協議をいたします。
○浜野喜史君 それでは、質問に入らせていただきます。 まず、更田新委員長にお伺いをいたします。 滝波理事も触れられましたけれども、原子力発電所の敷地内破砕帯の再評価についてお伺いをいたします。 資料をお配りをいたしております。一枚目。今年の八月三十一日、田中委員長による日本記者クラブの記者会見、行われました。規制庁のホームページより抜粋をして資料として配らせていただいております。 記者の方からこのような問いかけがございました。この手続に問題はなかったのか、反省はなかったのかという問いかけでございます。それに対しまして田中委員長、このようにお答えになっておられます。読み上げさせていただきます。 ちょっと痛いところをつかれているかもしれないんですけれども。実は、要するに活断層とか破砕帯の調査っていうのは、かなり原子力をやってきた人間から見ると、全く違う世界になったわけですね。当初、島崎委員を中心にしてどうやろうかという議論をして、ああいう有識者会合という格好になったわけですね。それを我々としては受け入れました。だけど、やはり有識者というのは、いずれの行政機関の有識者会合もそうですけれども、責任持って結論を出してくれるわけではないんですよね。それがだんだん分かってきて、そうすると最終的にはやっぱり責任を負わなきゃいけないのは原子力規制委員会だということで、有識者会合の知見は参考にしつつ、やはりきちっと原子力規制委員会が納得できるよう判断をしようということになりましたので、御指摘のように、少し時間的なプロセスを考えると分かりにくいということは、そのとおりだと思います。でも、今は原子力規制委員会の責任で、最終的には判断しておりますと。 これ、もう全てコメントを読み上げさせていただきました。 その上で、その上で御質問させていただきますけれども、まず、有識者会合というのは、いずれの行政機関の有識者会合もそうですけれども、責任持って結論を出してくれるわけではないんですよね、それがだんだん分かってきたというふうに田中前委員長はコメントされているわけですけれども、更田委員長はこのことについて同じ認識であるというふうに理解をしてよろしいでしょうか。
○政府特別補佐人(更田豊志君) この点に関しまして、この経緯ですとかその当初からの流れに関しましては、私はちょっと、ここで発言をされている田中前委員長の発言とは異なる認識でおりました。 実際のところ、有識者会合設置当初から、有識者会合が負う責任というのは科学者としての責任であって、行政上の責任はあくまで規制委員会が負う。責任を負う以上、規制委員会が規制委員会自身の判断でもって処分を行い、その処分に対する責任を負うという、この位置付けに関しては、ちょっとこの田中委員長の御発言、速記録だと思うんですけれども、私が田中前委員長と接していた限りにおいては、田中前委員長も当初から有識者会合に、有識者会合そのものに行政処分上の責任を負わせようがありませんので、あくまで有識者会合の持つ責任というのは参加される方々のそれぞれの科学者としての責任にとどまるものであって、行政処分上の責任は全て規制委員会に帰するという、この点は規制委員会発足当初から変わっているものではないというふうに認識をしております。
○浜野喜史君 田中前委員長は、責任を持って結論を出してくれるわけではないんですよねと、こういうコメントをされています。その責任というのは、今、更田新委員長は、科学的な責任は有識者会合の委員の方々には持っていただくんだと、ただ、行政上の責任は当初から一貫して原子力規制委員会として負うんだと、こういうことだったんだというふうに御説明されました。 とするならば、田中前委員長は、この有識者会合のメンバーの方々は、科学的な責任を持って結論を出してくれるわけではないということがだんだん分かってきてというふうにおっしゃっているということになると思うんですね。そういうことだと思いますけれども、よろしいでしょうか。
○政府特別補佐人(更田豊志君) 私は、この有識者会合の先生方は科学者としての責任は果たされているんだと思います。ただ、これはあくまで田中委員長の発言をこうではないかと推測することになりますけれども、この御発言の中にも、田中前委員長の御発言の中にも原子力をやってきた人間から見るとというくだりがありますけれども、有識者会合に白黒を期待したのであれば、これは当てが外れる部分があったのかなと推測されるところはあります。 大変に、破砕帯の活動性に関わる議論というのは、私も聞いておりましても精緻な議論にわたるところがあって、そして、その各分野の一線の専門家の先生方を集めてもその結論がなかなか一致するものではない。そういった意味で、幾つかの破砕帯に関わる有識者会合というのは、専門的意見を集約、集積したものにはなっていますけれども、その結論を明確に出しているものではないものも幾つか含まれております。 そういったこともありまして、この有識者会合の中で有益な知見、見解と判断されるものに関しては、今後とも原子力規制委員会として判断における重要な参考としていきたいと考えておりますけれども、あくまで最終的な判断というのは、繰り返しになりますけれども、規制当局である原子力規制委員会が行っていく所存であります。
○浜野喜史君 お答えいただいていないとは思いますけれども、また後ほど戻るといたしまして、もう一つ、そうすると最終的にはやっぱり責任を負わなきゃいけないのは原子力規制委員会だということで、有識者会合の知見は参考にしつつ、やはりきちっと原子力規制委員会が納得できる判断をしようということになりましたと。最後の部分では、でも今は原子力規制委員会の責任で、最終的には判断しておりますと、こういうことをおっしゃっています。 これを素直に読めば、今の新委員長の御説明は、当初から行政上の判断は原子力規制委員会の責任で行うんだというふうにしていったんだと、終始一貫しているんだという御説明ですけれども、田中前委員長のこのコメントは、当初は違ったんだと、それを切り替えて今では原子力規制委員会の責任で最終的には判断しておりますというふうにコメントされているというふうに理解するのが自然だと思うんですね。 ですけれども、この田中前委員長の認識と今の更田委員長の認識は違うということでよろしいんでしょうか。
○政府特別補佐人(更田豊志君) この速記録に記されている田中前委員長の発言と、現時点といいますか、原子力規制委員会に私は五年前に着任したときの認識が異なります。 これは、旧規制当局でもそうですけれども、原子力安全・保安院であるとか、それから旧原子力安全委員会ですとか、それぞれ現在の有識者会合に相当するような組織、意見聴取会といったような組織を持っております。しかしながら、私もそういったものに参加をしておりましたけれども、そういったいわゆる有識者を集めたものの持つ権限というのはあくまで科学者、技術者としての判断を提供するところにとどまっていて、行政上の判断はあくまで規制当局になります。この点は、旧組織であろうと現在の原子力規制委員会であろうと変わるところはありません。 私は、旧規制体制の下でいわゆるこの有識者の会合のようなものに参加しておりましたので、その点の理解は変わっていないつもりでありまして、私は、原子力規制委員会に着任した当初から、有識者会合の責任は科学者、技術者としての責任によるもの、そして行政上の判断はあくまで規制委員会が行うものというふうに認識をしておりました。
○浜野喜史君 もう端的に私申し上げますけれども、田中委員長、九月の二十一日で退任されて、更田委員長が二十二日に就任されたと、こういうことです。 その三週間前、八月の末の記者会見でこういうコメントをされているんですけれども、今までの御説明を聞きますと、このコメントは原子力規制委員会としての公式的な見解とは異なるものだという説明をされたんだと思うんですね。そういうことを説明されたと私は理解をいたしました。ということは、端的に申し上げれば、退任を間近にしてぽろっと本音が出たということだと私は理解をいたしております。本音でありますけれども、膨大な労力を掛けて対応してきた規制される立場の方々からすれば憤りを禁じ得ない発言であるというふうに言わざるを得ないというふうに思います。 さらに、国会でも、私そして滝波理事を始めとして、この件についてプロセスに問題はないのかということをさんざん問われてきても、こんなコメントされませんでした。いや、プロセスには全く問題ないんだ、当初から一貫しているんだという説明をずっと繰り返してこられたわけであります。ということは、国会で虚偽答弁をしたということが私は濃厚だというふうにこれも言わざるを得ないというふうに思うんです。重大な私はこれは問題だというふうに思います。 このコメントをどう解釈するのか。更田新委員長もおっしゃいましたように、様々に解釈の仕方があると思いますけれども、これは、やはり一度、前委員長に国会に来ていただいて説明をしていただかなければならない問題だというふうに私は本気で思っております。何年間もさんざんこれやってきて、こんなことをおっしゃらなかったのを、退任を間近に控えて、しれっとこういうことをおっしゃっているんです。私は許せません。 田中前委員長、本委員会に参考人としてこれは是非呼ぶべきだというふうに思います。滝波理事始め与党もこれは前向きに間違いなく御検討いただけるものだというふうに思いますので、是非委員長にお取り計らいをお願いを申し上げます。
○委員長(斎藤嘉隆君) その件につきましても、後刻理事会で協議いたします。
○浜野喜史君 最後に、これも更田委員長に御質問して、これで更田委員長、私もこれ以上質問しませんので、よろしければ退席いただいたら結構なんですけれども。 更田委員長は、この五年間、本当に御苦労されてきたということだと思います。この五年間を踏まえて新委員長というお立場になるわけです。率直に申し上げて、こういうことについてやっぱり反省があるんだということをなかなか表立ってコメントはしづらいということもあるかと思いますので、是非、これは失礼な言い方になるかも分かりませんけれども、この五年間の御経験、御尽力を踏まえて、真摯にこの五年間を反省すべきは反省するという形を取っていただいて、新たな適切な規制行政を展開していただきたいというふうに考えますけれども、最後にコメントをいただきまして、規制委員長に対しての質問は区切らせていただきたいと思います。よろしくお願いします。
○政府特別補佐人(更田豊志君) この五年間、原子力規制委員会発足以降の五年間、まず基準を作る、新たな基準を作る、それから新たな仕組みの下で審査を進める、いろいろなことがありました。 ですが、元々の最初の決心は、やはり原子力規制委員会の基礎となっている決意をもたらしたものというのは東京電力福島第一原子力発電所事故であって、この東京電力福島第一原子力発電所事故の反省を、この事故に対する思いに基づいて規制を行ってきて、ベストを尽くしたつもりではありますけれども、やはりもっと時間があれば、あるいは自分の身が二つ三つあればと思うところはもちろんあります。 先ほど滝波先生の御質問にもお答えする際に触れましたけれども、文書化ですとか周辺文書あるいは説明のための努力というものは、時間を費やしても費やしても費やし切れない部分はあります。やはり最も優先しなきゃならないのは、実態としてのリスクの低減、安全の確保ですので、私たちはともすれば専門的な、科学的、技術的な議論に、ともすればというか、その時間を最も優先せざるを得ないんですけれども、ただ、その上でも、やはり理解をいただくための周辺の努力、それから、更に言えば、今後取り組んでいくべき検査制度等々の新たな取組についても本当に時間との闘いであったように思っております。 その中で、田中前委員長は非常に強い意思を持って規制委員会の独立性や透明性の確保に対してぶれない姿勢を取り続けてこられたと思っています。安全の追求に終わりはありませんで、常に高みを目指して努力を続けるんだということ、これも田中委員長は常に強い姿勢として示されてきたと思います。 私が今、今、面と向かっている課題とすれば、新たな検査制度、これを軌道に乗せることを始めとしまして、規制を担う職員の力量向上であるとか、事業者、立地地域の方々、利害関係者の方々とのコミュニケーションを深めること、そして規制上の基準であるとか規則であるとかを絶え間なく見直して、常により高いレベルでの安全性を目指すべく努力を続けることであろうと考えております。
○浜野喜史君 話題を変えまして、再生可能エネルギーの大量導入に伴う課題につきましてお伺いをいたします。 固定価格買取り制度による再生可能エネルギーの大量普及によりまして、各エリアにおきましては発電、送配電ネットワーク上の様々な問題が生じており、事業者は再生可能エネルギーの受入れのために需給運用や送配電網の増強等で日々努力を重ねているというふうに承知をいたしております。 具体的に、各エリアでどのような問題が生じているのか、また各エリアで取られている対策について、まず御説明をいただきたいと思います。
○委員長(斎藤嘉隆君) その前に、更田委員長、御退席をいただいても構いませんか。じゃ、委員長、御退席ください。
○政府参考人(村瀬佳史君) お答え申し上げます。 議員御指摘のとおり、再生可能エネルギーの更なる導入のためには、系統制約を克服していくことが重要な課題となってございます。各地域において、その地域の実情に応じた取組を進めているところでございます。 例えば、九州地域では、太陽光発電を始めといたしまして、再生可能エネルギーの導入が急速に進んでございます。 今後、電力需要の少ない年末年始といった時期ですとか、資料で配付していただいておりますような春、秋の休日等におきましては、九州全体の発電量が需要を上回る可能性が出てきているわけでございます。そのような場合には、火力発電の出力の抑制ですとか地域間連系線の活用による他地域の送電など様々な対応を行った上で、なお電気の供給が需要を上回るような場合には再エネの出力抑制を行う必要が出てまいっております。そのような出力抑制量をできる限り低減できますように、地域間の連系線の更なる活用、それから低負荷期の昼間の需要措置等の対策を進めているところでございます。 また、北海道、これは、北海道は非常に風況がいいわけですけれども、風力発電の出力変動に対応可能な火力発電等の調整力が不足してきてございます。このため、接続を希望する風力発電事業者の方々には風力発電の出力変動の緩和策として発電所ごとに蓄電池の設置等が求められているところでございますけれども、こうした中、風力発電の更なる連系拡大を図るために、系統側に蓄電池を設置をすることによって蓄電池コストを全体で下げていく、低減していくといった対応ですとか、新設されるLNG火力を使いまして、これを調整力として活用していくといったような取組も進めているところでございます。 さらに、東北地方におきましては、既存系統で受入れ可能な容量以上の再エネの接続要望が出てきてございます。このようなため、系統増強に必要な工事費を複数の事業者の方々がそれぞれシェアして、発電規模に応じた共同で負担することによって接続量を増やしていくと、こういった取組を進めているところでございます。また、基幹系統を含めた系統の増強計画、これは一定の時間が掛かるわけですけれども、系統もしっかり増強していくといった対応を進めているところでございます。 こうした各地域における取組に加えまして、政府といたしましては、既存の系統、新たにつくるのに時間が掛かりますので、既存の系統を最大限活用していくといった観点から、海外の事例なども参考にいたしながら一定の条件の下で系統への電源の接続を認めていくと、これはいわゆるコネクト・アンド・マネージと呼ばれてございますけれども、これについても検討を進めていくところでございます。 さらに、送電網の運用、それを更に高度化していく、さらには需給調整システムを更に高度化していくといった観点から、技術実証等の系統運用技術の開発に関しまして必要な予算措置等を講じていくことなど様々な政策対応を行いまして、系統制約を克服し、再生可能エネルギーの導入拡大を進めていきたいと、このように考えてございます。
○浜野喜史君 時間の関係もありますので、通告しております項目を少し割愛をさせていただく部分もありますけれども、よろしくお願い申し上げます。 御説明いただきましたように、再生可能エネルギーの大量普及に伴いまして、各エリアではその受入れと需給バランスの維持に最大限努力をしております。特に九州エリアにおきましては、太陽光が大量に普及していることにより、非常に厳しい需給運用を余儀なくされております。特に、年間を通じて電力需要が低いゴールデンウイークを筆頭に、春、秋、年末年始等では、太陽光が発電する昼間に供給力が需要を大幅に上回る状況が発生し、火力発電所の出力調整や揚水発電所を最大限利用することで何とか乗り切っているというところでございます。 資料を配らせていただいておりますけれども、二ページ目でございます。これは、昼間の太陽光の大幅な出力増に対しまして、火力を最大限抑制、停止するとともに、それでも余った電気を揚水動力に活用、つまり揚水発電とは逆に、下の池から上の池に水を戻すことに余った電気を活用して、太陽光発電を抑制することを何とか回避したというところでございます。太陽光発電の抑制を回避したと、厳しい中でぎりぎり回避したというところでございます。今年の四月三十日の九州の電力需給実績、これが資料に表されているところでございます。 その上で、今後でありますけれども、更に再生可能エネルギーの導入量が増加する状況におきまして、省エネの進展で電力需要が減少した場合や技術的に出力調整することが困難な長期固定電源が更に導入された場合に、安定供給のためやむを得ず太陽光、風力の出力制御を実施する必要があるというふうに考えております。 こういう状況につきましては、政府としても、その背景を含め、国民に対してしっかりと説明をしていく必要があるというふうに考えますけれども、政府の見解をお願いを申し上げたいと思います。
○大臣政務官(平木大作君) 委員御指摘のとおり、九州地域におきましては、太陽光発電を中心とした再生可能エネルギーの導入が急速に現在進んでおりまして、今後、電力消費の少ない低需要期におきましては九州全体の総発電量が需要量を上回る可能性がございます。その場合、先ほどもございましたが、火力発電の出力制御や、あるいは地域間連系線の空き容量を活用して他地域へ送電するなど最大限の対策を行った上で、なお電力の供給が需要を上回る場合には、今御指摘いただきましたとおり、再エネの出力制御を行う必要がございます。 出力制御が起きますと、再生可能エネルギーの事業者の事業の予見性に影響を与えますことから、政府としては、審議会において、一般送配電事業者から各地域における出力制御見通しについて報告を求めるとともに、広報活動等を通じて出力制御が起きる仕組みや出力制御の低減に向けた取組等について丁寧に説明に取り組んでいるところでございます。 今後も、出力制御の低減のために必要な対策を行うとともに、出力制御の必要性や意義をしっかりと説明してまいります。
○浜野喜史君 太陽光といった自然によって変動する電源を導入するに際しましては、現状においては火力を始めとする調整電源が必要不可欠であります。しかしながら、太陽光等の増加に対しまして優先給電ルールに基づき需給調整を行う結果、火力発電所の稼働率が低下し、十分な投資回収ができない事態が生じるおそれがあります。 火力発電所の新設等が進まない、必要以上に既存の火力発電所の廃止が進むことが予想され、日本全体で十分な供給力や調整力が確保されない懸念もありますけれども、それに対してどのように考えておられるのか、見解をお伺いします。
○政府参考人(村瀬佳史君) お答え申し上げます。 委員御指摘のとおり、再生可能エネルギーを大量に導入いたしますと、それに応じて火力調整力が必要となってくるわけでございます。限界費用が低く、優先給電ルールの下で抑制されにくい再生可能エネルギーの導入が拡大いたしますと、一方で火力発電を含む一部の電源が設備稼働率が低下をすると。市場価格の低下に伴い売電収入が低下をするといった事態が生じることで、事業者の発電投資の意欲を減退させ、火力発電等の供給力や調整力が不足する懸念もございます。 実際、英国などにおきましても、再生可能エネルギーの導入拡大が進む一方で、ガス火力発電所の稼働率が大きく低下するといったような事象も確認されているところでございます。日本におきましても、今後、更に再生可能エネルギーを導入してまいりますと、そのような中で火力の稼働率が徐々に低下していくことも見込まれているところでございます。 こうした中で、供給力不足があってはなりませんので、適切なタイミングで投資が行われる、そのためのインセンティブが十分確保されるといったように、予見可能性が確保されるような環境を整えていかなければならないと考えてございまして、かかる観点から、本年二月に電力システム改革貫徹のための政策小委員会で中間とりまとめが行われておりまして、これも踏まえまして、需給の逼迫時等に発電を行うことができる能力、いわゆるキロワット発電能力を提供する事業者が市場を通じて適正な対価を得ることができるように容量市場を創設するといったことで、この容量市場の創設に向けた検討を現在進めさせていただいているところでございます。 こうした措置を講ずることにより、再生可能エネルギーが大量に拡大する環境下におきましても、又は自由化の環境下におきましても、十分な投資インセンティブが確保されて必要な供給力、調整力が確保できるようになってまいりますので、これに向けてしっかりと取り組んでまいりたいと、このように考えてございます。
○浜野喜史君 再生可能エネルギー関係について、もう一問だけお願いを申し上げます。 現在、経済産業省では、電力システム改革の貫徹に向けまして、発送電分離の詳細設計を始め、非常に多岐にわたる検討が行われていると承知をしております。その目的は、競争を活性化し、電気料金を最大限に抑制していくことにあるというふうに考えます。 一方で、再生可能エネルギーの普及のために導入された固定価格買取り制度において国民負担は膨れ上がり、二〇一六年度では二・三兆円もの買取り費用が発生しており、今後も増加する見込みであります。この費用は、高価格で買い取っております再生可能エネルギーのコストと再生可能エネルギーを導入するため抑制している火力を中心とするコストの差額であり、言わばこの金額だけ経済性を阻害し、市場をゆがめているとも言えます。 競争市場をつくり出さんがため様々な取組を行っております一方で、こうした政策措置により電気料金が上がっていることに大きな違和感を持つわけでありますけれども、どのようにお考えか、見解をお伺いいたします。
○国務大臣(世耕弘成君) 現在のエネルギー基本計画は、基本的に大きな方針として3EプラスSという考え方に基づいているわけですが、そのうちの一つのE、エコノミックエフィシェンシー、経済性、これの観点から市場などの整備を通じて競争を活性化すると、そのことによって電気料金の最大限の抑制を図る、そういったことを目的として、今電力システム改革を進めているわけであります。 一方で、今委員御指摘のFIT制度であります。これは、法律を導入したときは民主党政権下で、我々も賛成をして導入がされたわけでありますけれども、この基本的な考え方は、やはり気候変動、これ、もう一つのEでありますエンバイロンメント、それとエネルギー安全保障、これは国産エネルギーということになりますからエナジーセーフティー、これもE、3Eの中の一つになるわけですが、その視点から再生可能エネルギーの導入を進めるため、一定期間、市場価格でなく固定価格で買い取るということにしたわけであります。 ただ、委員御指摘のように、いろんな問題も出てきています。そういう中で、政策目標のバランス、この3Eの中でしっかりバランスを取るために、今固定価格買取り制度における入札制の導入というのを行いました。この間、第一回の入札が行われたところであります。こういうこともやっていますし、あと、このFIT制度そのものも今見直しを着々とやっております。 例えば、予約だけして稼働させていないような案件については、もう一度実施可能性をしっかりチェックをさせていただいた上で新たに認定をするとか、あるいは太陽光をやっている間の当然点検とか保守とか、あるいは事業が終わった後の設備の撤去とか、そういったことをちゃんとやる計画になって、そういったこともしっかりコストに含まれているのかどうかとか、こういったことも点検する仕組みを入れて、FIT制度も健全に進めていきたいというふうに考えております。
○浜野喜史君 いずれにいたしましても、再生可能エネルギーの大量導入、極めて難しい課題だというふうに思います。中長期的な安定供給確保との整合を始めとして、丁寧に今後とも検討をいただくようお願いを申し上げたいと思います。 次に、エネルギー基本計画についてお伺いをいたします。時間の関係もありますので、大変恐縮ですけれども、通告しておりますところを大幅にカットさせていただいて、大臣に是非優先的にこれはお伺いしておきたいということを絞ってお伺いをさせていただきます。 これまで行われてまいりました基本政策分科会における議論、委員間で活発な議論が行われておりまして、心から敬意を表するところでございます。そしてまた、併せて開催をされておりますエネルギー情勢懇談会におきましては、世耕大臣も常に御出席をされて対応されているというこの御姿勢にも敬意を表します。 そんな中で、議事録を拝見をさせていただきましたところ、二〇五〇年をターゲットとした議論は非常に不確実性が大きく、目標や対応策を柔軟に考えることが必要だというような御意見がございました。その上で、柔軟性を確保するためにも、エネルギー源を分散させ、多様性を高めることが必要であるといったような御意見もございました。 私も、長期的なエネルギーの在り方を考えますと、柔軟性と多様性ということが非常に重要であるというふうに理解をいたしておりますけれども、大臣の基本的な見解をお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(世耕弘成君) この二〇五〇年八〇%削減という目標は、これはもう従来のエネルギー政策の延長ではとても実現が困難だというふうに思っています。 そういう中で、今いろんな技術が出てきています。例えば、二酸化炭素、火力発電所から出てくる二酸化炭素をそのまま地中に埋めて固定化するCCSという技術ですとか、先ほどから御議論になっている再エネもそうです。あるいは、これから我々は水素社会をつくっていこうという考え方も持っています。そういった水素を中心とする燃料電池のような蓄電池の技術ですとか、そういったことも考えていかなければいけませんし、一方で、今現存する技術であります原子力の技術ですとか、そういったものも考えていかなければいけない。何かに一本足打法で頼っていくというわけではなくて、あらゆる選択肢に柔軟に対応できるような柔軟性と多様性ということが二〇五〇年の目標達成には極めて不可欠だというふうに思っております。
○浜野喜史君 同様に、エネルギー基本計画についてお伺いをいたします。 八月九日に開催されました分科会における議論では、多くの委員の方々から原子力の新増設、リプレースについても議論すべきであるという意見があったと承知をいたしております。 具体的には、橘川委員は、原発を何らかの形で使い続けるんならば、新しいものを造る、そして古いものはどんどん畳んでいくというリプレースの議論をしないと、もう原発という選択肢が日本から消えてしまうと思います、私は、だから依存度を思い切り下げながらリプレースの議論もすべきじゃないかと思いますというふうにコメントをされております。 また、豊田委員は、原子力はリードタイムが長く、今から議論しないと建設のノウハウや経験が失われてしまう点、地政学的な核不拡散の点から、新増設についても議論すべきであるという趣旨のコメントをされておられます。是非そういった意見にも耳を傾けていただきまして、積極的に議論をしていただきたいというふうに私は考えております。 結論につきましては様々な御意見があろうかというふうに思いますけれども、議論はやはりすべきだというふうに私は考えますけれども、大臣の見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(世耕弘成君) この総合資源エネルギー調査会の基本政策分科会という会であります。私も、このエネルギー基本計画についてこの分科会で御議論をいただくに当たって、初回、出席をさせていただきました。 そこで一部私の言ったこと切り取って報道されているんですが、エネルギー基本計画の骨格を変える段階にはないということは確かに申し上げましたが、私としてはというふうに申し上げていまして、是非自由に御議論いただきたいということを申し上げています。議事録もしっかり読ませていただいていまして、橘川先生の御発言なんかはなかなか傾聴に値する御意見だというふうに思っています。 何か予断を持つのではなくて、そういったことも含めて有識者の皆さんにしっかり御議論をいただきたいと思っております。
○浜野喜史君 急ぎました結果、若干結果的に時間が余りましたので。 いずれにしましても、新増設、リプレースの議論ですね、これは、繰り返しますけど、私は結論をどうこうせよということを主張しているわけではありません。議論をしていただいて、それをしっかりと公開をして、国民がその公開された議論の内容を一つの判断材料としてしっかりと判断をしていただくというのが健全な姿だというふうに思いますので、是非しっかりとした議論をお願い申し上げたいと思いますし、日本のエネルギーの将来を考えた場合に、やはり不確実性ということは否定できないというふうに思います。不確実性というものを踏まえれば、柔軟性、多様性といったような視点がやはり大切であるということだと思いますので、是非その辺りもしっかりと意識をしていただきまして、責任あるエネルギー基本計画を検討をしていただきますことをお願いを申し上げまして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。 ありがとうございました。
○伊藤孝恵君 今国会より経済産業委員会委員に加えていただきました民進党・新緑風会の伊藤孝恵です。 本日は、貴重な質疑の時間をいただき、ありがとうございます。せっかくの幅広い分野で大臣の御所見を伺える機会ですので、率直にいろいろお伺いしたいと思います。 やっぱり経済産業大臣の心のうち、そういう志向性というのは、働く者にとって大変重要な意味を持ちます。そういった現場の課題を大臣がどういうふうに理解をしてくださっているのか、それに対してどういった課題解決を考えていらっしゃるのか、その優先順位はどういったものなのか。本当に、立法府と申しますと何か堅い感じがいたしますけれども、法律を作るのは結局人ですから、そういったこの国の当たり前をつくっていく、そういった心臓部にいらっしゃる大臣の御所見を様々伺えればと思います。よろしくお願いいたします。 まず冒頭、大臣所信についてお聞かせください。 経済産業省として進めたい施策として、コネクテッドインダストリーズの実現、エドテックやリカレント教育の推進、ユニコーンベンチャーの創出、福島イノベーション・コースト構想の推進など挙げられましたが、大臣、非常に片仮名が多い。これ、誰に向かって大臣所信というのはおっしゃっているんでしょうか。
○国務大臣(世耕弘成君) それは、最終的には国民に向かって申し上げている。 ただ、なかなか日本語に言い換えてぴたっとくる言葉がないんですね、今申し上げたようなところは。その辺、私も多いなと思いながら読んでおりましたけれども、これはなかなか言い換える言葉、逆にいい御提案があれば是非お願いしたいと思います。
○伊藤孝恵君 そうなんです。国民に向けて、本当に働く生活者に向けて大臣所信を述べられていると思うんですけれども、何か分かったような、それでいて分からないような、そういったやりたいことというのだと、何かこれで伝わり切るのかなというような、そういった印象を持ちました。 それで、やっぱり伝わる言葉で伝わるように伝えること、非常に大事だと思う中で、今年の二月二十七日から突然始まった経済産業省での取材規制についてお聞かせください。 経済産業省では、大臣の御指示で、全室施錠、庁舎外での取材はエヌジー、非公開の取材対応マニュアルによれば、取材には課長、室長以上の幹部が対応し、メモを取る職員を同席させた上で、やり取りを広報室に報告させる、雑談までメモ取りをする職員が同席する事例まであったとの報道もあります。その事実確認と、もし事実であれば、どうしてそんなことをなさるのか、教えてください。
○国務大臣(世耕弘成君) まず、執務室の施錠というのは、これはセキュリティー上の問題で、基本的に何か取材を制限するとか、そういう意図は全くありません。 もう今は、スマホを一個持っていれば机の上の書類だって撮れるわけです。あるいは、USBメモリー一個あればパソコンの中のデータも、ざっ、がばっと持っていくこともできる。ICレコーダーを置いておけば会話も録音ができる。そういう状況になっている中で、私も、就任直後です、今年の二月に急に思い付いてやったわけではなくて、去年の就任直後にある経済人の方から、経産省は一階のロビーの受付さえ通ればあとはどこでも出入り自由だけれども、本当に大丈夫かという指摘を受けました。その後、私も職員としっかり議論をして、どういうふうな対処がいいだろうかということを考えました。特に今、民間の大手企業では、執務室に施錠しているのは当たり前ですね。 それで、一方で、外部の人との交流ですとか取材対応に支障があってはならないということで、全部、ミーティングスペースをたくさん設けまして、さらに廊下に内線電話を置いて、さらに座席表も置いて、その人に電話を掛けて、今お話を伺いたいんだけど出てきてもらえますかということをきちっとやれるようにしています。 今取材マニュアルとおっしゃったもの、そんなものはありません。はっきり言ってこれは何か担当間で少し取材に不慣れな方にアドバイスをしたというレベルのものだと思います。 これは、例えば取材に関しては、私も広報出身ですから、取材を受ける人に関しては、やっぱりメモ取りは置いておいた方がいいですよと、それはアドバイスします、後で言った言わないにならないように。記者側はノートも取っていれば録音をしているわけですから、こちら側もある程度取っておいた方がいいという面はあるから、そういうアドバイスはしたと思いますけれども、何か取材を規制するようなマニュアルというのはありません。 そういうのがあるという報道も一部に出ましたので、私の方から事務次官に指示をしまして、二月二十八日付けで事務次官から全職員に対して、報道取材への対応についてということで、積極的に取材を受けることという、そういう書面での指示も出させていただいているところであります。 経産省はもう積極的に取材を受けたいと思っていまして、これは鍵掛けることとは別でありまして、さらに最近では幹部との懇談の数も増やしています。私もキャップ懇を頻繁にやっていますし、局長、課長には積極的に懇談もやるようにと、いろんな政策決定の背景とかそういったことについて説明するようにということもやっています。最近ではさらにそれを課長補佐級にも広げています。課長補佐でやはりいろいろ関心のある事項を、世間の関心のある事項を扱っている課長補佐についても懇談対応するようにということをやっていまして、これからも積極的に広報対応はやってまいりたいと思っています。
○伊藤孝恵君 その情熱、受け止めました。そして、多分、報道取材の対応について、私も手元にありますけれども、十二行でもってしっかりと取材を受けるようにというのをかしこまっております。 ただ、私も元記者でした。大臣、全室施錠となると、やっぱり居留守も使われちゃうんですよね。だから、受けたい記者の取材は受ける、出したい情報だけ出すということは本当に起こり得ないんでしょうか。
○国務大臣(世耕弘成君) 全室施錠というのは、これ、経産省、構造を見ていただくと分かるんですが、一か所入ったらワンフロアどこでも行けるんです。そういう構造になっちゃっています。部局によっては機密は扱っていないんじゃないかと言われますが、やっぱり結構企業の情報を扱っていて、それをライバル企業の人が見かけたらとか、あるいは悪意を持ってそれを持ち出したらなんということもありますし、例えば、中小企業庁なんて関係なさそうに見えますが、今下請Gメンが徹底的にヒアリングやっています。そこでやっぱり元請事業者に対するクレームとかそういうのを聞き出しているわけですね。それが、万が一、元請業者の大企業に、ここの会社は俺のこと言い付けているのかみたいなことになっても大変なことになるので、これはやむを得ずやはり全室施錠ということは仕方がないと思っています。 私は今、広報室長に強く指示をしていまして、記者さんたちにも申し上げています。何か不都合があったらいつでも言ってください、この人は幾ら言っても取材を受けてくれないという人が個人的にあるとしたらそれも言ってください、全部きちっと対応するように指示をしますと。場合によっては広報室が間に入ってきちっとした取材をアレンジするようにやりますということも徹底してやっておりますので、今のところマスコミの皆さんに何か具体的な御不便を掛けているというようなことはないんじゃないか、それよりも、以前よりも積極的になって記者さんも忙しいんじゃないかというふうに思っています。
○伊藤孝恵君 大臣いわく、本音で議論できる場は多くなっていると、そういった趣旨であったと思います。 ちなみに、大臣、記者クラブの存在、記者クラブの方たちってどういう存在だと、どういう目的で存在するものだと思われていますか。
○国務大臣(世耕弘成君) 私に記者クラブのことを聞かれると物すごく長く、私ははっきり言って記者クラブとともに育ってきた人間ですから、NTT広報時代は隣に記者クラブがあって、もう若い頃からその人たちを相手にしてきています。ただ、短くお答えしますが、これは恐らく権力の行使を、行政による権力の行使をしっかりと監視をする、国民に成り代わって監視をするという役割を果たしておられ、そのために庁舎の中にスペースを設けて機動的に取材をされているというふうに思っています。
○伊藤孝恵君 全くそのとおりでございます。逆に言うと、中央省庁というのは権力を行使する側ですから、メディアのチェックを受ける側だというふうにも思われませんか。
○国務大臣(世耕弘成君) それは当然チェックを受ける側だという心構えは持っております。
○伊藤孝恵君 大臣、先ほど産業界の方のアドバイスがあったとおっしゃっていました。こんなんで経済産業省大丈夫かとビジネス界の方がおっしゃる、それも非常に分かります。私も記者の後に企業で宣伝、広報、PRをやりましたのでその大臣のおっしゃること本当に分かるんですが、逆に、企業と官公庁、こういった公の庁のその広報の一番大事にするもの、それぞれ何だと思われますか。
○国務大臣(世耕弘成君) それはやはり、きちっとした情報を正確に提供をして、それを報道をしてもらって、そしてそれで国民にいろんなことを知ってもらう、もうそのことに尽きるんだろうと思います。
○伊藤孝恵君 民間企業との違い、民間企業はどういう目的だと思われますか。
○国務大臣(世耕弘成君) 私、民間企業と役所にそんな大きな違いはないと思っています。民間企業は商品を売って利益を上げているという面がありますが、例えば、最近不祥事も多くて、そういったことに関してはやはりマスコミのチェックを受けるという立場の面もあるわけであります。経産省、役所も、マスコミのチェックを受けるという立場もある一方で、例えばエネルギー政策とかを積極的に国民に知らせていくという機能もあるんだと思います。だから、私も民間で広報を長年やっていました。そして、政府に入って、今、別に私は広報が仕事じゃありませんけれども、特に官邸にいたときなんかは広報の仕事もやっていましたけれども、私の両方やってきた実感としては、そんなに大きな違いはないと思っています。 ただ、我々はやはり権力を行使する機関でありますから、マスコミからのチェックに関してはこれは謙虚にあるべきだという思いは持っております。
○伊藤孝恵君 そうです、民間企業と中央官庁、余り違いはないとおっしゃいましたけど、やはり民間企業が一番大事にしているのは自社の利益です。自社のちゃんと商品とかサービスの広報をして、そういったものの好意度、また認知度を上げて、それを企業の利益に結び付けていくというのが一番大事なところ。逆に言うと、ちょっと今首かしげられていましたけれども、事業収益につなげるそういった情報を出すというのが企業の広報だというふうに思いますけれども、行政はあくまで法律とか税金とかに基づくので、一番大事なところ、その一番考慮すべきというのはやっぱり国民の、大臣もおっしゃいましたけれども、知る権利に応えるということだというふうに思います。 ここに大きな違いがありますので、したがって、大臣のされているその全室施錠とか、オープンに、よりオープンになっているんだとおっしゃいますけれども、今までできた執務室での取材とかができなくなっている。ただ、ほかの省庁はまだできている。その違いについて、何か腹に落ちない点がまだまだ私の中に実はあります。大臣が情報管理の名目で取材の規制をしているというふうに捉えている記者も実際いることは確かでございます。 閣僚の中にも、大臣の今回の情報公開の姿勢について異を唱えるものがあったのもお耳に入っているやもしれません。ちょっと読み上げますと、山本前農水大臣、施錠して閉鎖社会をつくるようなイメージであるのであれば、もう少し検討が必要では。石原前経済再生担当大臣、報道の自由と情報漏えい防止のバランスではないだろうか。高市前総務大臣、一部を除いて施錠はしていない、今後もこの方針を私が変えることはない、オープンな環境づくりに心掛けていく。山本前環境大臣、好ましくない、環境省は全く施錠の必要はない。 それぞれ大臣御自身の言葉で述べられております。これ聞いて、いかがでしょうか。
○国務大臣(世耕弘成君) ほかの閣僚の皆さんのおっしゃったこと、一々コメントする気はありませんが、経産省はやはり、まず一日の出入りの数が非常に大きいということ、そして個別の企業の情報を非常にたくさん取り扱っている、そしてそこにはライバル企業も出入りをする可能性があるということ、そういう意味で経産省は、これほかの役所がどういう判断されるかはよく分かりませんが、経産省はやはりこれは施錠した方がいいという判断をさせていただきました。 その上で、取材に関しては支障がないようにということで、いや、なぜ部屋に入らなきゃいけないのか、私はよく分かりません。きちっと呼んでくれたら対応する、それを居留守を使ったりしたら、後で指摘をされれば、その人は私から注意を受けることになるわけです、局長級であればですね。だから、何の不便も掛けていないわけであります。 さらに、最近はデジタル技術で幾らでも情報を、悪意を持っている人が、万が一ですよ、そうやって入ってきたら幾らでも情報を効率よく盗み出すことができるようになっている、そういう時代にきちっと対応するというのは重要だと思います。 私は、ずっと記者さん相手にしてきていますよ。課長の前に座って、課長、最近どうですかなんという取材は、これは私は昭和の取材だと思います。今はメールもあれば、それこそLINEでやり取りだってできるわけですよね、アポだって簡単に取れるわけですから。私は、それこそマスコミと広報の働き方改革、記者で過労死された方も最近出ていますよね、そういうことも含めて、少しもっと合理的な、きちっとお互いアポを取って時間を決めてきちっと取材する、その時間の間で我々も説明すべきことは、隠さずにきちっと言えることは全部説明をするという、そういうやり方に変えていく必要もあるのではないかなというふうに思っております。
○伊藤孝恵君 大臣が替わると、そういった取材対応の方針って変わるものなんでしょうか。
○国務大臣(世耕弘成君) これは、経産省は、もう省内幹部としっかり議論をしてこのやり方をやらせていただいていますので、基本、私が替わっても変わらないと思います。ただ、私は経産大臣ですから、環境省を私が指示するわけにはいきませんので、そういう意味では経産省としてはしっかりやらせていただきたいと思っています。
○伊藤孝恵君 じゃ、経産省の諸課題を具体的に国民の方に広く知ってもらって、そういったものを監視とか批判にもさらした上でいろいろ施策をしていただきたいというところのお考えには異論はないと思いますし、そういったものを大臣が御努力されているということもよくよく御説明で分かりましたので、むしろ、ほかの省庁の昭和な働き方改革が進んでいない、そういった取材対応にも大臣の御所見を御提供されたらいかがかなというふうに思いました。 大臣、それと、十二月三日の新聞報道に、経済産業省のサイト内で閲覧中の不正介入を防ぐ暗号をサイト全体に施していないため、改ざん、成り済まし、盗み見のリスクにさらされているというような報道がありましたが、この対応についていかがされているか、お聞かせください。
○政府参考人(高橋泰三君) お答え申し上げます。 政府機関のウエブサイトの利用に際しまして、第三者による通信内容の改ざんや成り済ましを防止することは、御指摘のとおり大変重要なことでございます。政府全体では、内閣サイバーセキュリティセンターの指揮の下で、各省がウエブサイトの暗号化対策を講じていくこととなっております。 経済産業省のウエブサイトでございますけれども、電子申請等のページのように閲覧者の方が個人の情報を書き込むページにつきましては、その改ざんを防止するための通信暗号化を実装済みでございます。 今後、更なるセキュリティー確保の観点から、ウエブサイト全体についても通信を暗号化する対策、いわゆる常時SSL化の導入を進めていきたいというふうに考えてございます。
○伊藤孝恵君 記者の盗み見を警戒するのもそれなんですけど、こういったほかからのサイバー攻撃等々のそういった実装もより一層強化していただければというふうに思います。 あくまで今大臣のお考えお伺いしましたけれども、そういったセンシティブな情報を扱っている警察庁とか警視庁とか、それから外務省とか防衛省でさえ、今施錠は一部の部屋にとどまっているというような事実も事実としてございます。そういった部分は扉を閉めても鍵まではしないというのが一般的な中で、経産省だけが先んじてというところに関して、記者たちが何でだろうとか、そういった部分で締め出しなんじゃないかというような抗議も実際にあることは確かでございます。 そういった部分で、より大臣におかれましては、だからこそのいろいろ情報のアウトプットですとか省庁内に限る取材とか、そういった部分の行き過ぎたルールというのはなくしていっていただければというふうに思います。
○国務大臣(世耕弘成君) この件に関しては、私、全新聞の社説で批判をされました。全部、全てです。こういうときって経済産業省に苦情の電話とか殺到するんですが、この件に関しては掛かってきた電話は二本です。一本は反対、一本は賛成という状況でありました。 また、こういうことがあると私の大体ツイッターとかフェイスブック大炎上しますが、それも、来た意見は大半が逆にまだやっていなかったのかと、経産省、企業の情報を扱う経産省が施錠をするのは当然だという意見がほぼ九割以上だったと思います。これが私は世間の受け止め方だと思います。 経産省として、情報セキュリティーについては、先ほど御指摘のあったウエブ上のものも含めて徹底してまいりたいというふうに思います。ただ一方で、取材対応はともかく充実をさせ、濃密にしていくということは、これはもう明確にしておきたいと思います。
○伊藤孝恵君 恐らく、大臣のそういった記者とのやり取りとか関係性の構築というのがモデルになっていくと思いますので、そういった部分の御努力をより一層期待させていただきます。 続いて、中小企業や商店における諸課題についてお伺いします。 大臣の十一月三十日の予算委員会の御答弁、中小企業の現場の課題をしっかりと把握していらっしゃる御答弁、中小企業にとって使い勝手の悪い税制はいいものに変えなくちゃいけない、経産省としても税制改正に向けて要望していくんだと、あの力強い答弁に野党席からは、いいぞとか、あとは実行あるのみだとかとエールが飛んでおりましたけれども、安倍総理も、ただいまの世耕経産大臣の答弁を聞いておりますと、中小企業の皆さんにはぐっと来るような答弁だったとお墨付きのコメントもございました。その中小企業の気持ちが分かる世耕大臣にお伺いしたいと思います。 今皆さんが心配していらっしゃるのは、軽減税率制度への対応でございます。事務負担の増加や現場の混乱です。政府は、補助金を出す期間を延長していますだとか、説明会を何千か所も実施していますとかおっしゃっていますが、それでもやっぱりさっぱり分からないので皆さん不安に思われているわけです。 大臣、よくイメージしてくださいというふうに大臣も御説明されますけれども、イメージしてみてください。小さな小さな商店をおじいちゃんとおばあちゃんでやっている、商店街のおだんご屋さんのお二人が、年老いたお二人が、インボイス方式も無事に導入して、それから店頭のテークアウトとか店内で召し上がるというのも適切にそういった処理をして、そういうのってイメージできますでしょうか。
○国務大臣(世耕弘成君) それをイメージすると、そもそもそういう規模の事業者は消費税の対象じゃないんじゃないかなという気もするわけですけれども。 いずれにしても、今、もう先に答えを言われていますけれども、パンフレット配りました、相談窓口つくりました、補助金つくりましたと言っているんですが、最終的にはやはり現場に声が届かないと意味がないというふうに思いますから、地方の経済産業局を中心に、あくまでも丁寧に、しっかりと御理解をいただけて、そして必要な措置がとれるようにしっかりやっていきたいと思いますし、これはある意味チャンスだと思いますね。レジのオンライン化とかを進めて、あるいは、毎回零細な事業者だと決算報告を作るのも手書きで大変なわけですけど、それを例えばレジと連動した形で、それこそ税務申告まで含めて一気通貫でやれるようにするとか、それはそんなに高いわけでもありませんから、補助金などを活用しながら、そういった中小・小規模事業者の現場のIT化というのもこれを機会に進めていけることができればと思っています。
○伊藤孝恵君 そういった機械で解消できるところはいいと思いますけれども、ファジーな部分っていまだに議論の対象になったりいたします。例えば、給食は軽減税率の適用だけど、学食だったらパンしか売っていないのに適用外ですとか、福袋の税率も難解ですとか、何より逆進性対策として非効率というような御指摘もあります。それに対してはいかがでしょうか。
○国務大臣(世耕弘成君) いろんな制度というのはメリット、デメリットあるわけでありまして、一方で、軽減税率がないとやはり税負担が非常に大きくて生活に支障を来すという方々もいらっしゃるわけですから、その辺はうまくバランスを取ってやっていかなければいけない。 なかなかこういったものの線引きが難しいというのはよく理解しますが、これについてはいろんな広報をしっかりやっていくとか、あるいは、いや、まだ分かりませんけど、例えばもう今アプリで、品目入れたら判断できるなんてアプリがすぐ作れるわけですから、いろんな手段でなるべく分かりやすくなるように努めていく必要があるだろうと思っています。
○伊藤孝恵君 アプリではなかなか越えられないところもあると思いますけれども、その逆進性対策の部分ですけれども、負担軽減のためだというふうに大臣今御答弁されましたけれども、それって、例えば我々が言っている給付付きの税額控除の制度とか、現在も簡素な給付制度ってあると思いますけど、それを拡大する、それで単一税制を維持するという方が何かよっぽどシンプルな気がするんですけど、それはいかがでしょうか。
○国務大臣(世耕弘成君) それはもう今政府の方針として決まっていることですから、私はそれと違う意見は立場上言えませんので、あくまでも軽減税率としてしっかりと国民に理解をいただいて、制度導入のときに混乱が起こらないように政府の一員としてしっかり努めてまいりたいと思います。
○伊藤孝恵君 いや、大臣が予算委員会で、使い勝手が悪いものがあれば現場の意見を聞いて僕は政府に言わなきゃいけない立場なんだとおっしゃるので、是非聞いてみたかった次第なんですけれども、それは本音の部分では、それは難しいなとか気の毒だな、中小企業、商店はと思っていらっしゃるけれども、政府の一員として答弁を差し控えるというふうに理解してよろしいんでしょうか。
○国務大臣(世耕弘成君) 当然、政府の一員として今決まっているものを方針に従ってやっていかなければいけないわけであります。やってみて、またいろいろ不便が出てきた、そういう中小企業の、あるいは小規模事業者の声を吸い上げるのは我が省の役割の一つでもあると思いますから、そこは積極的にまた現場の声は吸い上げていって、政府の中でもし申し上げなければいけないことがあるのであれば申し上げていきたいと思っています。
○伊藤孝恵君 これ、なかなか一回導入してしまうと、やっぱりやめたってできないものですので、まだ時間ありますので、中小企業とか商店さんの声を是非大臣自ら吸い上げていただければ幸いに存じます。 大臣、十一月二日の大臣としての抱負の中で、中小・小規模事業者も含めた企業の生産性の飛躍的向上を、飛躍的です、挙げられております。軽減税率による現場の混乱下でそれがかなうのかなというような、さっきレジを入れればいいじゃないか、一気通貫して税申告までできるじゃないかと、免税業者はそれでどんどん疲弊していくことにもならないんじゃないかというようなことをおっしゃっていましたけれども、もっと税制の原則に反せずに消費税の逆進性も緩和して、そういった制度、低所得者対策にもちゃんとなり得る、そういった仕組みって本当にないのか、中小企業の現場も見ていただいて、その上でもないのかというところは是非御一考いただければというふうに思います。 次に、新規産業の創出について関連してお伺いいたします。 今ITを用いて物やサービスを共有するシェアリングエコノミーなどが注目されておりますけれども、先月ソフトバンクも一兆一千三百億円もの出資を決めましたアメリカの配車サービス、ウーバーは、一般の消費者をタクシーの運転手としてネットワーク化することで広域配車を可能にしました。 日本版ウーバーとも言えるジャスタビは、今サービスエリアも増やしておりますけれども、車は旅行者がレンタカーを手配するんですが、運転手はサイトで仲介する新しいサービスであります。 これ、実は国交省は、道路運送法上の旅客自動車運送事業やレンタカー事業に当たらないから指導監督する責任はうちにはないとおっしゃっております。当初、法に抵触するのではと思われていたこのサービスを合法とした経産省についても、自分たちには規制、制限は持たないとしています。今、だから、結局どこの省庁も安全に責任を負っていない状態であります。 このような事態が、またドローン配送の分野でもルール策定が遅れておりまして、確かに航空法は改正されたんですけれども、操縦技能の評価方法などはまだ定められていませんし、アメリカやフランスにある操縦者の資格制度もまだ日本にはございません。機体登録の義務化の議論、それから事故をしたときの責任の所在、保険、様々なルール策定が後手後手に回っている感は否めないと思います。 その辺り、法整備に関しての課題感についてお伺いします。これは政府参考人の方がよろしいでしょうか。
○政府参考人(中石斉孝君) 現在お問合せがありました新規産業を創出する際の制度改革ということでございますが、政府の中で様々な立場がございますけれども、私ども経産省としましては四次産業革命というのを進めていかなきゃいけないということで考えておりますが、その際には、やはり新しい技術が生まれた際にこれまでの規制と合わない部分がございます。そこの部分をどうやっていくかということにつきましては、やはり私どももまず先を走りますけれども、政府全体として取り組まなければいけないというふうに考えていまして、そのために一つの大きな私どもの会議体というのが、未来投資会議というのが総理を議長としましてございまして、その中で成長戦略を定めて、そして四次産業革命の様々な分野というのを進めていくと。そして、その中で、ある面、規制をお持ちの方とそれから技術を進めていきたい方、この方々のバランスを取りながら進めていきたいというふうに考えております。 その中で、今お問合せがありましたような、例えば道路運送に関係するものとか様々、あるいはドローンというのもありますけれども、それらについても、まずはそれを振興したい事業者の方のお話を伺って、そしてそれが技術的にどこまでできるものか、そして様々な規制との関係でどこまで行けるのかというのを聞いた上で新しいプロジェクトを作っていこうということで考えています。 先ほど申しました未来投資会議におきましても、そのような案件、今お話がありましたドローンに関しましても、二〇一五年の官民対話というまた別の会議体でございましたけれども、総理から御指示をいただいて、例えばドローンの商用利用についても進めていこうということを決めていまして、その辺は進めていこうと考えています。
○伊藤孝恵君 そのドローンですけれども、目を持ったAIを積むわけですから、いろいろ情報を収集したら渋滞情報の回避情報とか二次利用、三次利用というのは当然考えるわけで、そういったところのルール整備というのがまた後手後手に回ると、そういった部分、もろもろの新規事業というところを、産業力を強化していかなきゃいけないし、でも個人の権利も守っていかなきゃいけないし、そういったところの法整備についてすごく難しいかとは思うんですけれども、そこは経済産業省がやはり当事者意識を持って取り組んでいただきたいなというところがございます。 ちょっと時間がなくなってきたので、今年五月に発表された次官と若手プロジェクトについてお聞かせください。 これ、発表直後に衆参で四人の方から質問されて、大臣は、五月二十四日の衆議院経済産業委員会で、特に経済財政諮問会議の議論にもここで出てきたようなテーマをぶつけていって、単にデータ見てどうこう言っているんじゃなくて、政策レベルの話に何とか持っていきたいというふうに思っております、同じく三十一日の委員会では、他省庁とも連携をしながら、この取組の成果を具体的な活動につなげていこう、民間の人々とも連携してやっていきたいというふうに考えておりますと答弁されております。 その後、進捗はございますでしょうか。
○国務大臣(世耕弘成君) 今御指摘のことは、産業構造審議会総会で御議論いただいた次官・若手プロジェクト、これは、若手職員が通常の業務を行いながら有識者との意見交換なども通じて、かなり役所のペーパーらしくない、意欲的に検討して作ったものであります。この資料の中では、戦後の高度成長期につくられた制度、これは言ってみれば昭和の制度だと思いますが、制度が人々の中に固定観念として固着化をしていて、少子高齢化といった社会の構造変化や変わりつつある価値観に対応できていないのではないかという問題意識を示しているわけであります。 今御指摘のように、私は、これを若手の報告書に終わらせることなく、必要に応じて他省庁や民間の方々と連携をしながら政策につなげていくことが必要だというふうに思っています。特に働き方改革についてはこれもう最大のチャレンジだと思っていまして、私の方から、労働時間の削減はもちろん重要ですけれども、人口が減少する日本で労働時間を削減しながら更に成長を実現するためには生産性の鍵が必要である、これは政府のいろんな、特に官邸での会議で私は発信をさせていただいていますし、いろんな政府の決定にも今反映をされつつあるというふうに思っています。 さらに、まず隗から始めよの精神で、経産省では厚労省と連携をして、働く人のニーズに応じてテレワーク、フリーランス、副業など多様で柔軟な働き方を選択肢として選べるようにすること、そして人づくり、人材投資、とりわけITを中心としたリカレント教育の充実、そしてダイバーシティー経営の表彰などを通じて、女性が働きやすい企業の環境整備ですとか子育て支援の先進事例を発信するなど、かなり積極的に取り組んでいるつもりであります。その結果として、様々な業種やあるいは経済団体に大分浸透してきたんではないかなというふうに思っています。 さらに、中小企業を含む産業界の実態も踏まえながら、引き続き経営トップにリーダーシップを発揮するように促して、企業と働き手が共に納得できる働き方改革で生産性の向上と産業競争力の強化を少子高齢化の中であっても実現をしていきたいというふうに考えています。 経産省自身もいろいろ頑張っていまして、国会対応業務の効率化、うちの想定問は昨日夜十一時には完成をしております。これも効率化、全員で努力をした、ビジネスプロセスのリエンジニアリングも全部やって、答弁を早く作れるように頑張って努力をしてきたこともやっていますし、テレワークも積極的に推進しています。月に一回、私もテレワークをやらせていただいております。 そういうことも通じながら働き方改革と生産性の向上というのを両立をしていきたい、これが若手レポートの一つのアウトプットになってくるんだと思っています。
○伊藤孝恵君 十一時と聞いて、おおと皆さんおっしゃっていましたけど、もうちょっと早くパパやママを家に帰してあげてほしいなと、そのために質問通告を早く出さなきゃなというふうに思いました。(発言する者あり)出しております。 でも、今大臣がおっしゃった、もう時代は変わったのに価値観とかは変わっていないというのを、男女共同参画で壁だと言われている無意識の偏見、アンコンシャスバイアスというふうに言うらしいですけれども、永田町にもあるんじゃないかなというふうに思います。 私、今右手に持っているのが与党の先生たち、政府の男女共同参画のペーパーでして、左手が野党を含む我々の男女共同参画ので、一個一個照らし合わせてみたら、ほとんどやっぱり同じことを言っている。言わば与野党合意しているにもかかわらず、なかなか何で進まないんだろうなというふうに思ったりいたします。私も政治家の責任は重いと思いますし、ちょうど二十年前に共働きと片働きがエックスして、逆転しているわけです。そのときに男性の育児休業に関する法律とか議論されていたら、何かこの国に今待機児童ってあるのかなと思ったりいたします。 これ事務方に、それは内閣府だから、それは厚労省だから聞くなと言われたんですけれども、大臣はそんなそんたく必要ないと思いますので伺います。この国会で、働く女性について子供を保育する場が必要であるというふうにこの国会で初めて議論されたの、いつだと思われますか。
○国務大臣(世耕弘成君) ちょっと記憶が、私の記憶では、橋本聖子議員が出産されたときに子供をどこに預けるかというのが一つ議論になったという記憶が、現職で出産をされましたので、そういった議論があったのではないかなというふうに思っております。
○伊藤孝恵君 私、テキスト検索が行える昭和二十年九月以降の速記録から調べたんです。そうしたら、昭和二十一年七月十七日の衆議院帝国憲法改正案委員会で越原はる議員という方がいわゆる幼保一元化の議論の中で、婦人の各職場への進出を容易ならしめるために新制度を確立せられます御意思はございませぬでしょうかと発言しています。七十一年前です。我々女性が初めて参政権を得て女性の国会議員が誕生したその年、その一期生がもうこういった女性が働くのについて子供を預ける場が必要だというふうに発言しておられます。なのに、まだこの国にはいまだに待機児童問題がありますし、待機児童問題というのはそっくりそのまま学童問題ということにもつながってまいります。 こういった当事者が入れ替わる、そういった社会問題、珍しいタイプの社会問題ですので、だからこそ国会が、これは厚労省とか内閣府とか経産省とかそういうふうにやらないで、国会が当事者意識を持って解決をしていくんだというふうに思っていただきたいなというふうに大臣に思います。いかがでしょうか。
○国務大臣(世耕弘成君) まさに、我々は女性活躍推進というのを安倍政権の大きなテーマにしています。その結果もあって、今、女性の労働参加率というのは急上昇していまして、直近ではアメリカを抜いていると言われているわけであります。逆に、そのことによってまた待機児童問題がいろいろ手は打ってきているのに追い付かないということになっています。もちろん、この国会の場でもしっかり議論をしていくべきテーマだと思いますし、経産省だから関係ないではなくて、やはりこれは産業界にも関係のある問題として、しっかり経産省も当事者意識を持って取り組んでいきたいと思っています。
○伊藤孝恵君 ありがとうございます。与野党合意しているものですので、共に進めてまいれればと思います。 最後の質問になります。 商工中金についてお伺いいたします。商工中金の危機対応業務における不正融資問題についてお伺いいたします。 昨日、平成二十八年度決算報告質疑の中で、我が党の難波議員が過大な業務を強いてきた政府や経産省の天下り復活の問題を指摘した上で、政府系金融機関として業務の範囲や規模を徹底的に見直す必要があると申し上げたところ、総理からは、ビジネスモデルの再構築やガバナンスの強化など、解体的出直しをするとの答弁がございました。解体的出直しの具体像とスケジュールを最後に教えてください。
○国務大臣(世耕弘成君) まず、これ全件調査をやりました。かなりお金も掛けました。全件調査をやった結果、百営業店のうち九十七店舗ですから、ほぼ全部の支店でやっている、四千六百九件、そして四百四十四名もの不正行為というのが特定をされたわけでありまして、もうこれは本当にゆゆしき問題だというふうに思っています。これらの不正は、危機対応融資を不適切に運用したということ、この制度を不適切に運用したということと組織として防げなかったということでありまして、私は、これは、商工中金は解体的出直しが必要だというふうに思っています。 ただ一方で、中小企業金融に何か支障を起こすようなことがあってはいけません。あってはいけないんだけど、一方で、それは地銀で十分できると言う人もいれば、いやいや、リーマン・ショックみたいなことが起こったときはやっぱり商工中金がなきゃ駄目だ、いろんな意見があります。これは、今検討会というのを私の下で立ち上げまして、いろんな立場の方に参加をいただいて真剣に議論いただいています。さっき中小企業庁長官から、私も議事録を全部読んでいるんですが、なかなかちょっと議論、収束点が難しいという報告も受けておりますけれども、ともかく、有識者の方々にゼロベースでしっかり議論をしていただいて、その結果を踏まえて解体的出直しをデザインをしてまいりたいというふうに思っています。
○伊藤孝恵君 済みません、長官にせっかくお越しいただいているのであれば、その議論の経過と、今スケジュールについて最後触れていただけなかったので、スケジュールについても教えてください。
○政府参考人(安藤久佳君) 検討会の趣旨は今大臣が御答弁になったとおりでございます。まさに聖域なくということでございますので、様々な御議論をいただいております。 ただ、幾つか主要な論点だけ申し上げますと、まず、平時におけるビジネスモデルをどう組んでいくのか、危機対応業務というものとはまた別に、平時においても商工中金という公的機関が果たす役割、あるいはどういう機能があるのかないのか、こういった御議論をゼロベースで行っていただいております。また、今おっしゃいました危機対応業務につきまして、その危機というものを真の危機にもっと限定をすべきではないかとか、あるいはその危機の解除をどう行っていくのかと、こういったような御議論を今いただいているところでございます。 それと、何よりも、今大臣が御答弁ありましたように、やはりガバナンスが欠如していたと、理由はともかくですね、これを防げなかった、あるいは見抜けなかった、防止できなかった、こういう事実がございます。したがいまして、これを一体組織としてどう消化をしていくのかとか、そういったことも含めた全体の経営体制の在り方ということについて御議論をいただいております。 スケジュールは、大臣の言葉をお借りいたしますと、いつまでも延ばすわけではないと、できれば年内ということではあるけれども、ただ、スケジュールまずありきではなくて、まずしっかりと御議論をいただいて、その結果によっては、必ずしもそのスケジュールを前提としていつまでということではないのではないかと、このような御答弁をいただいております。
○伊藤孝恵君 先ほど浜野委員の方からも申し上げましたが、徹底した、しっかりした、与野党で共に集中審議を最後に私からもお願いをして、質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○委員長(斎藤嘉隆君) 午後一時二十分に再開することとし、休憩をいたします。 午後零時二十二分休憩 ─────・───── 午後一時二十分開会
○委員長(斎藤嘉隆君) ただいまから経済産業委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、経済、産業、貿易及び公正取引等に関する調査を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○矢倉克夫君 こんにちは。公明党の矢倉克夫でございます。 委員の皆様、また大臣始め経済産業省の皆様、どうぞよろしくお願いいたします。 一年間農林水産大臣政務官をしておりまして、その関係もあって、本当に久しぶりの質問でございます。 経済産業省というところは、私も考えるところ、本当にいろんな産業を横串でつないでくださって、経済のつながりというのをつくってくださる、経済の付加価値をどんどん大きくする重要な役回りを担っていただいているというふうに思います。また、中小企業庁も含めて、地域の雇用や安定をしっかり支える、地域経済の循環をつくっていく本当に重要なお仕事をされているというふうに思います。私も委員の一人として、充実した審議を通じて経済政策全般の発展にしっかり寄与させていただきたいというふうに思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。 まず、質問は、今、目下課題となっております事業承継につきましてであります。 この前、日商、日本商工会議所とも話をしたんですが、この事業承継、非常に問題がある。税制はとりわけ、非常に間口がやはり狭くなっているので、三百八十万社と言われている中小企業の中でこの税制を使っているのは年間五百ぐらいだと、余りに要件が厳し過ぎるんじゃないかというようなお話がありました。雇用の維持要件であったり、また対象の株式が限定されているとか、その辺りの間口の話は是非、いろいろなところでも議論がありますから、必ず拡充をしていただくように御尽力をいただければというふうに思います。 今日まずお伺いしたいのは、税の話とはまた別に、承継全般として、今、税の話は、後継者が決まっている人の社の話でもある。やはりその前に、後継者が決まるかどうかというところも分からないような企業もたくさんあるわけであります。この前、中小企業を回ったんですが、三代目、二代目とか、様々な企業があるわけですけど、後継者が見当たらないと、そういうような企業がたくさんあります。いろんなアンケートによると、中小企業のうち、承継を考えている企業のうちでも、そのような企業は二割から三割ぐらいあるというようなアンケート結果もあるというふうにもお伺いもしておりますが。 これ、事業承継をまず考える上では、まず後継者が決まっていない企業への支援と、そして場合によってはこの承継後の支援も含めて切れ目なく支援をしていくということが重要だと思いますが、その辺りについての問題認識と、また御対応をどのようにされているのか、答弁いただければというふうに思います。
○政府参考人(安藤久佳君) お答え申し上げます。 御指摘のとおりだと思っております。 中小企業・小規模事業者の方が置かれた状況はまさに様々でございます。御後継者が決まっていない方につきましては、いわゆるマッチング事業、これを、同一地域だけではなくて、場合によってはかなり全国規模も含めて、その事業あるいはその技術を継承しようと思われるような新たな担い手の方を見付ける必要がございます。こういったことに対する御支援、あるいはそういった活動に対する様々な関係者の統合が大変大切でございます。 現在、事業引継ぎ支援センターというのが各都道府県にございますが、この機能を更に強化をさせていただく、さらに全国大でこれをつながせていただいて様々な事業の情報を相互に融通をさせていただく、こういった活動が大変大事でございます。 また、今、後半御指摘がございましたように、事業を承継した後もこれ大変大切でございます。新しい経営者になられた、あるいは経営層が若返ったと、こういった機会を捉えまして、経営革新あるいはITを使った新事業展開、業務の効率化、こういったようなことをこの機会に集中的に支援をしていく必要があると思っております。 今後例えば十年程度を、こういった施策、税制も含めまして、集中支援の大変大切な時期だというふうに認識をさせていただいております。
○矢倉克夫君 全国規模でという形でおっしゃった、その部分は非常に重要だと思いますので、是非制度設計を引き続きよろしくお願いいたします。 また税の話に戻らせていただきたいというふうに思います。 大臣にお伺いしたいというふうに思いますが、最終的に猶予された後、その税を払わなくて済むというのは、倒産したりだとか、全額、全部を後継者に譲ったとか、そういうようなことに限られているわけであります。 例えばですけど、承継された後、もう何年、何十年とたった後、事業判断の一つとして、事業全体を継続するために事業の一部を売却しなければいけないというようなことがあります。そのような場合ですが、このときの売却額、株式の売却額が例えば二千万だとする、ただ、相続のときは一億幾らだというようなことの差額の変動はやはりあるわけなんですね。そういった場合に、猶予というのがこれで打ち切られて、掛かってくる相続税というのは相続時の非常に高い価格が掛かってくる可能性もある。それだけではなくて、やはりもう利子税というのもこれ掛かってくるわけです、年率一%弱という形。これが、相続された後、結局そういうような、売却した後、期間が多くなればなるほど非常に膨れ上がってくるわけです。例えば三十年間とかしたら、一億のものに対しては二千万から三千万台ぐらい利子税もばあっと掛かってくると。少なくとも、この利子税の算定の基準になるようなものについても売却のときの現状に合わせた形で評価替えをするなど、そのような配慮も踏まえて考えなければいけないのではないかなというふうに思っております。 実際上、中小企業にとっては、そのような将来不安に対しての資金を留めておかなきゃいけないという、ただでさえ資金調達が大変なのに留めておかなきゃいけないというリスクはやはり負わなければいけないという、それが心に乗っかっている限り承継というのはなかなか進まないんじゃないかなと、その辺りの配慮は必要であるかというふうに思います。 猶予打切りによる相続税算定に当たってのこの株式評価に当たりましては、その後の経営状況等を確認しながら、例外的に、相続時評価ではなく売却時であったりとか、そういうのを選択できるとか、そのような柔軟な対応をするように財務省に働きかけていただく必要はあるかというふうに思いますが、大臣の御所見をいただければというふうに思います。
○国務大臣(世耕弘成君) まさにこの事業承継税制というのは、今、年間五百と言っていただきましたが、入れて十年になるんですけれども、十年トータルで二千なんですね。最近ようやくいろいろ微修正を加えて少し増えてきて五百という状況でありますから、これ跡継ぎの決まっていない会社が百二十七万社あるという状況の中ではこれ本当に問題で、もっと使い勝手のいいものにしていかなければいけないと思っています。 その中で一番大きいのが、やはり現行の納税猶予制度の在り方、ここが一番使われない大きな理由ではないか。今御指摘のように、十年以上前の価値でいきなり相続税が飛んでくると、一億円の価値が十年前あっても今二千万でしか売れないかも分からない、そうしたらもう危なくてこういう税制はなかなか使えない、あるいは今おっしゃったように現金を手元に置いておく必要が出てくるということで、だったら使わないという形が出てきているんだろうというふうに思います。 中小企業団体とかからは、猶予じゃなくて免除というお話もいただいています。ただ、これはちょっとほかの相続税を納める人との公平性の観点からどうだろうかという議論が政府の中でもありまして、今経産省としては、政府の中で、実際のそのときの売却額に沿った形で課税をする、納税をしてもらうという形にできないか、現実的なところでそういう形にできないかということを今経産省としては財務省その他関係省庁と折衝中でございます。
○矢倉克夫君 今、問題意識として同じ方向性を向いていただけているということを確認できました。是非、年末に向けて引き続き御協議をいただき、結論を出していただければというふうに思います。 引き続き、中小企業という視点からのまた税の話をさせていただきたいというふうに思います。次は、償却資産に係る固定資産税の件であります。 こちらも大臣の方にお伺いしたいというふうに思っておりますが、この前も予算委員会でも話も出ました。そちらと少し若干繰り返しになるかもしれませんが、やはり世界的になかなか例はないというふうに言われてはおります。特に中小企業ほどその償却資産というもの、全体の事業費用に対しての掛かる負担の割合というのはやはり大きい。それが償却がし尽くされるまでずうっと掛かっていくというような負担感というのは、やはり中小企業ほど大きく掛かっているかなというふうに思っております。 他方、これ、自治体にとっては基幹税ということであり、廃止、縮減というのは非常に慎重でもあります。 その中、この前も訪問した企業の中で、これは鋳物工場であったりするんですけど、結構設備も高額なものが多くて、二億とか三億とかするような設備もやはりある。今持っていらっしゃる設備を二十年、三十年とメンテしながら使ってられているわけであります。御本人、経営者としては、新しいのをしっかり取り入れてやりたいんだが、当然高額な設備投資も掛かるけど、新しいのが掛かると、また税が、償却資産税がやっぱり掛かってくると。メンテで回しているよりも税の方が高くなるとか、そのようなことをおっしゃりながら、具体的な詳細な計画、計算は聞いていなかったんですが、そういうような形で、税がやはり設備投資に対してのおもしになっている部分もあるんだなというのを私も一つ実感をしたところであります。 是非また引き続きお伺いしたいんですが、やはりこの部分に関して、今も三年で半分という形で特例はあるわけですけど、中小企業に配慮した形で地域経済発展のために是非もう一歩の政策という形を経産省として訴えていただきたい。 これの御所見とともに、財源減少を心配する自治体に対して配慮をしなければいけない。例えば、固定資産税も一・四から一・五であったりとかする、それについて、資産について掛かるわけですけど、それを徴収することによる財源効果と、あとはそれらを免除することで生まれる設備投資の、それによる企業収益が上がっていって、最後、法人住民税とかでも入っていくとか、そのような長期的に見た観点からするとどちらが財政にとってはいいかというようなことも、試算も踏まえてですね、自治体の方にも安心していただけるような工夫をしながら是非この辺りを更に進めていただきたいというふうに思いますが、大臣から御所見をいただければと思います。
○国務大臣(世耕弘成君) 中小企業の三分の二は赤字状態でありまして、そういった企業にとっては、やはり固定資産税の負担というのは非常に重くなっているわけであります。 今おっしゃったように、新しい設備を入れたら、今までは償却が終わった資産だから固定資産税はほとんど掛かっていなかったところへ、また新品を入れると固定資産税の負担が重くなって、ただでさえ赤字で苦しいのに苦しくなるということで、どうしても生産性が上がるということが分かっていながらなかなか新規投資ができないというのが現状だったというふうに思っています。それを前回の税制改正で一歩踏み込みまして、この固定資産税の特例というのを入れまして、新しいいわゆる中小企業経営強化法の認定を受けて設備投資を行ったら、その分に関しては固定資産税二分の一というのをやりました。やっぱり効果があったと思います、二分の一であってもですね。 先ほど、事業承継税制は十年で二千社ですけれども、これは何と一万五千社がこの固定資産税の特例制度を早速使ってくれていますし、使った声をいろいろアンケートとかで調査をしますと、例えばある酒蔵で、やはり生産性が上がったので人手をよそへ回すことができたということで、造り酒屋さんが酒蔵観光の営業に全国回るスタッフを確保することができるようになって、そしてそれで観光客が酒蔵を見に来てくれるのが増えたとか、これは予算委員会でも申し上げましたけれども、土日返上でやらないと納期に間に合わなかったのが、やっぱり機械を新しくして、土日、週休二日しっかりと休めるようになったというような例もありまして、これをもう一段深掘りをして、二分の一と言わず、できればゼロに持っていくことができないだろうか。 先ほど、伊藤議員からも御指摘いただきました。あの後、総理が、世耕さんの答弁には中小企業の経営者はぐっと来たと思いますがと言っていましたが、一方で、私答弁しながら後ろから野田総務大臣の刺すような視線を感じていまして、これ、地方自治体にとっては大変な基幹税であるわけですから、そこは地方自治体の皆さんにも御理解いただけるように、私は長い目で考えてほしいと思っていますが、地方自治体にとっても固定資産税以上のメリットが感じられるような、例えばものづくり補助金を手厚く配分するとか、そういうことも含めて総合的に考えていきたいというふうに思っています。
○矢倉克夫君 今、大臣御答弁で予算措置と併せてというような御示唆も踏まえました、そういう意味でも実際に配慮という点では重要だと思いますので、是非御検討をいただければというふうに思います。 もう一つ、同じ償却資産、償却資産税というか固定資産税に関してなんですが、これ申告期限につきましてです。固定資産税については、現行一月一日現在の資産についての状況を申告期限として一月三十一日までにこれは申告しなければいけないということなんですけど、これ結構な大変なことでして、年始で休みたいという部分もあるわけですけど、そういうのも返上して一月三十一日までに。だから、中小企業といっても、極端な場合、年一回しか決算を組めないというようなぐらいのところもあるわけですけど、そのような中での大変な負担になっているところはやはりあるかというふうに思います。 このような事業者さんにとっては、固定資産税の申告期限を、法人税又は所得税の場合もあるかもしれませんが、それの申告期限と合わせる、このようなことができれば、法人税や所得税の決算を組むときに併せて固定資産税の申告書をこれ作成すればよくなるので、事務負担というのはかなり減るのではないかなと。これ総務省に言わなければいけない話ではありますが、ただ、こういうような声を受けて我々もいろいろ働きかけをした部分もある中で、今総務省も検討会を設けられているというようなところは聞いております。 是非、中小企業の事務負担、これを配慮をしていただくという意味で、中小企業庁、経産省としてもこの点をしっかり、これは大企業を含めていろんな意見もあるかというふうに思います、その中で例えば選択でそのような形が選べるというような形であればいろんな意見に配慮できるというふうに思いますので、そういった点の主張を是非お願いできればというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(安藤久佳君) お答え申し上げます。 固定資産税の償却資産の基準日あるいはその申告期限、それと法人税について異なっているという実態がございます。そうしたことから、中小企業の皆様方、あるいは税理士、あるいは中小企業の団体の皆様方から事務負担の軽減を求める声が上がってきております。そういった声を背景といたしまして、今御指摘のような検討会が総務省で開催をされて、現在検討が進んでいると承知をしております。 私どもとしても、当然のことでありますけれども、中小企業・小規模事業者の皆様方の事務負担が最大限軽減されることが必要だと認識をしております。総務省としっかりと連携をしながら、少しでも中小企業・小規模事業者の皆様方の現場におきます事務負担が軽減されるように最大限頑張ってまいりたいと、このように思っております。
○矢倉克夫君 引き続きよろしくお願いいたします。 あともう一つ、所得拡大促進税制であります。 雇用促進税制廃止というような報道が一部あったわけでありますけど、これ賃上げというところでは所得拡大促進税制はまた違うもので、是非これは拡大して延長していただきたいなというふうに思っております。 これも先ほどの例も報道ベースだけの話でありますが、特に中小企業の賃上げは、これ賃上げの率というのは上がってきているという理解でいるんですが、やはり大企業との格差は大きい、千人以上の大企業と五人から九人ぐらいの中小企業の年収格差というのは二百万ぐらいはやはりあるというような記憶でおります。その辺りについて、更に賃上げを促進するための税制というのを特段中小企業に配慮をいただきたい。 この点が一点とともに、あわせて、やはり中小企業の問題は、この賃上げとともに、なかなか人が来ない、人材不足。有効求人倍率が一・五二倍だといいましても、中小企業になかなか人が来ない。それは中小企業が人に対しての投資をする余力がやはりなかなかないところもあるかなというふうに思います。特に、一人に対しての費用というものの、その中での教育資産というのを見てみると、千人以上の企業と三十人以下の企業で額にして大体三倍から四倍ぐらい開きがある、このようなデータもいただいております。こういったことの対処としては、中小企業による人づくり分野への投資、これが重要であり、最終的にそれが中小企業への人材流入にも行くかなというふうに思います。 今回のこの税制を是非こういった人づくりの分野にも拡大をいただくことは重要な視点だというふうに思いますが、その辺りについて御見解をいただければというふうに思います。
○大臣政務官(平木大作君) 今御指摘いただきましたとおり、中小企業の賃上げというのは徐々に進みつつあるわけでありますが、依然、大企業との賃金の格差というのは大きなものがございます。こうした中で、雇用の七割を支えます中小企業・小規模事業者が賃上げにしっかりと取り組みまして成長と分配の好循環をつくり上げていく、こういう環境をつくることはとても重要であるわけであります。 そこで、御下問の所得拡大促進税制でございますが、平成二十七年度の中小企業におけるこの適用実績、この件数が八万六千社以上に上っております。これは、もう賃上げのインセンティブとして、この所得拡大促進税制、極めて重要であるというふうに認識をしております。経済産業省といたしましても、中小企業・小規模事業者の更なる賃上げを強力に推し進めるために、今年度で期限を迎えます本税制の延長そして拡充を今求めているところでございます。 また、委員の方からは、賃金格差是正のためにも教育機会の拡充が重要であるということも御指摘をいただきました。この点につきましては、賃上げと併せまして、教育機会の拡充を図る企業を強力に後押しをいたしますために、社内研修の機会の充実など教育訓練に積極的に取り組む企業に対する上乗せ措置、これについても現在併せて要望しているところでございます。 中小企業の賃上げや人材投資の促進をするためにも、経済産業省としてしっかり対応してまいりたいと思います。
○矢倉克夫君 ありがとうございます。是非、政務官中心になってしっかりまた頑張っていただければというふうに思います。 中小企業をいろいろ回りまして、いろんな声をお聞きしました。一つ、ああと思ったのは、やはり中小企業の予算が少ないんじゃないかなという声を非常に聞きました。それも、何か怒りというよりは、何かこれだけ頑張っているのに何でこれだけ、中小企業って本当に大事にされているのかなという切ない感じで言われると、もう非常に申し訳ないなという思いに至ったところであります。 やはり、本予算でも二千億とかそういうレベルではあるというふうに思いますが、これ大企業がない地方はあるかもしれないけど、中小企業がない地方というのはやっぱりないわけですね。地方をしっかり支えるには中小企業というのがしっかり基盤として足腰でなければいけない。そこの経済の循環というものがしっかり満ちていくためには、やっぱり中小企業というのが必要。 今、景気回復の実感というのを一番の課題であるというふうに思います。それをどうしていくかといえば、やはり中小企業をしっかり支えることが景気回復を実感する、それが多くの人の幸せにつながって社会の安定にもつながる。私は、中小企業こそがこういった政策目的をしっかりと実現するための公的機能をしっかり有しているんじゃないかなというふうに思います。 こういう公的機能を有する中小企業に対しての予算をどんどん増やしていくというような決意を、中小企業に熱い思いを持っている世耕大臣から是非いただきたいというふうに思いますが、よろしくお願いします。
○国務大臣(世耕弘成君) 中小企業向けの予算が少ないとおっしゃいました。経産省全体の予算も結構かわいいものでして、私、初めて見たとき、えっ、これだけという感じだったんですけれども、その中で中小企業、少しでもたくさん取れるように頑張っていきたいと思います。 これは経産だけではなくて政府全体でということになりますが、今年度は千八百十億円でありました、中小企業対策費というものが。今、三十年度の要求で二千二百七十五億円出しています。これが今厳しい査定に遭っている状況でありますので、是非公明党の中でも応援をしていただければというふうに思います。 あともう一つ、やっぱり中小企業対策というのは予算だけじゃないと思うんですね。例えば、これは公明党さんからも御指摘をいただいて取り組んでいる下請取引条件の改善、これなんかはしっかり改善することによって大企業から中小企業へのお金の流れができていくというようなこともあるわけであります。こういったことも含めて、法律ですとか、先ほどから議論いただいている税制ですとか、あるいは金融といった、いろんな面プラス予算で中小企業をしっかりと応援をしていく必要があるというふうに思っております。
○矢倉克夫君 ありがとうございます。 是非、我々もしっかりと政府と力を合わせて、中小企業こそが経済を支え、社会を支えている、それだけ公的な機能があるということで、ほかのところに比べると桁が違うんじゃないかというこの予算をしっかりと確保してまいるように努力してまいりたいというふうに思いますので、一致団結して、是非よろしくお願い申し上げます。 ちょっとがらっと、四十分って思ったより短いんだなと今焦りながらやっているところあるんですけど、がらっと視点を変えまして、今度は通商の方の話をさせていただきたいというふうに思います。 TPP11、ベトナムの方で閣僚大筋合意という形、最後少しどたばたがあったわけですが、閣僚レベルではもう全会一致で、拍手で大筋合意というような形になったというふうにお伺いもしております。 私は党のTPPの総合対策の事務局長もしております。自由貿易の恩恵をしっかり国民の皆様に理解いただくにはまず国内対策というのがしっかり必要。農業対策というのは、これは我々も政治の責任としてしっかりやらせていただきたいというふうに思います。 その上で、今回のTPP11は非常に大きな意義はあったかなというふうに思っております。私も二〇一〇年とか二〇一一年頃、そういう交渉に関わった時期も実はあったわけでありますけど、そのときのイメージでいうと、全体的に日本は何となく韓国に出遅れてしまったなというようなイメージがあったのかもしれない、バイでいろいろEPAをどんどん韓国は結んで、日本はなかなか結べないと。そのような中で、日本が今までWTO時代でずっと工業品を関税を下げてきた、そうすると、交渉になると切るべきカードがなかなかかえってなくなって不利な状況に置かれているというふうな八方塞がりの状況が一時期あったかというふうに思います。 TPP、そういう意味では、アメリカのある意味戦略的な意図をしっかりと取り込んで利用して、プルリの形で、日本に非常にメリットの強い形で合意することができた、ある意味劣勢を挽回したような形ができたというのは、それがまた日EUのEPAにつながっていっているというところは大きな戦略的意図は強かったかなというふうに思います。 是非、改めてこのTPP11の意義とともに、私が今日特に強調したいことは、これは国内にいる中小企業にとってもどういうメリットがあるのか、そのような部分も含めて御説明をいただきたいというふうに思います。
○政府参考人(渡辺哲也君) お答え申し上げます。 TPP11により、我が国から輸出される工業製品の九九・九%についての関税が撤廃されることになります。これにより、自ら輸出される中小企業の方の輸出の拡大が期待されるだけでなくて、取引先企業の輸出拡大を通じまして、そことお取引をされる中小企業の国内における受注増加ということも期待されるところであります。 それからさらに、TPP11におきましては、原産地ルール、我が国で部品を製造して、さらにTPP11の中のA国に輸出をしてそこで組み立てて、さらにB国へ持っていくと、こういうようなことが可能になります。メード・イン・TPP11ということでございます。これによりまして、例えば我が国の国内で基幹部品を製造される中小企業の方が国内に拠点を維持したまま輸出することが可能になります。 こういう意味で、今回のTPP11、中小企業の方に大変大きなメリットがあると考えております。
○矢倉克夫君 ありがとうございます。 おっしゃるとおり、原産地規則の中で完全累積という形で取りますので、最終的に関税撤廃の利益を受けるためには、やっぱりTPP域内の国の付加価値が全部合わさった形でというふうになる。今までであれば、ある意味、TPP域外の国に仕事を奪われていたのが、TPP域内にある日本の中小企業にもしっかり仕事が戻ってきやすくていいというような環境整備がやはりできてきているのかなというふうに思います。 特に、中間財、部品とかそういうのをしっかり、強みを持っている日本の中小企業にとっては、これをしっかり活用して、世界でも勝っていけるような体制づくりというのを是非、省としても、省横断的ですね、政府としてしっかりまたやっていただけるように経済産業省にも働きかけていただきたいなというふうに思います。 その流れで、今申し上げたTPPのこのプルリの、メード・イン・TPPになるような網の目ですね、これをしっかりと最終的に国内にいる中小企業に持っていくには、もうこれは放っておけばなるというような話ではないと思いますので、やはり地域間の、中核企業と中小企業との連携であったりとか、海外に行っている企業とのつながり、日本企業のつながりというのも、これをしっかりサポートするような体制というのがなければいけない、ただ協定ができたからどうかなるという話ではやはりないかというふうに思います。 その辺りの企業間のつながりというのをつくる上で、どのような方針、施策を持たれているのかをお伺いしたいというふうに思います。
○政府参考人(渡辺哲也君) お答え申し上げます。 TPP11のメリットが、これまで海外展開に取り組んでおられない中小企業の方も含めて全国津々浦々に行き渡るように取り組んでいくことが、委員御指摘のように大変重要だと考えております。 一つには、これまで海外展開に取り組んでいない中小企業の方が新たな市場開拓のチャンスをつかんでいただくために、きめ細かい御支援をしていきたいと思います。例えば、全国の中小企業の方々に対して、まずメリットを御説明する、それから、新輸出大国コンソーシアムにおきまして、国内での事業計画の策定から海外の販路開拓に至るまで切れ目のない御支援を引き続きしっかりとやっていきたいと思っております。 それからもう一つ、委員御指摘のように、地域経済を牽引する地域の中核企業による海外販路開拓を支援することによりまして、地域の中核企業の方と、それからお取引をしている、あるいは連携をされている中小企業の方にも利益が及ぶようにしっかりと支援をしていきたいと思います。平成二十八年度から地域中核企業創出・支援事業というのを行っておりまして、国際市場に精通した専門家が海外市場も視野に入れた事業化の戦略の立案ですとか、それから販路開拓の支援等をしっかりと行っていきたいと考えております。
○矢倉克夫君 是非よろしくお願いします。 企業と企業をつなげる、それぞれであれば一、一しかないものが、つながることで広がるというような、つなぐ役割というのも政府は非常に重要であります。眠っているものをまた掘り起こすというような、つながるという点の視点から見ても、是非今の施策を更に進めていただきたいなというふうに思います。 大臣にお伺いしたいというふうに思いますが、これまたTPP、国際連携の絡みなんですけど、この日本主導のルール作りというものについてであります。 今TPP11、御案内のとおりアメリカが離脱をしている状態であります。これを帰ってきてもらうというのも非常に重要でありますけど、その上で、アメリカが今いないこのときをしっかりチャンスと捉えて、日本主導で経済の連携の軸というものをアジア太平洋に広げていくということが非常に重要であるかというふうに思っております。 その第一歩が、やはり日本主導で自由で公正なルールをしっかり作っていく。アメリカはある意味ちょっと法体系も違うところもありますから、アジア太平洋の自由な公正なルール作りを主導できるのは日本だぐらいの気持ちでいろんな網の目をどんどんつくっていただきたい。TPPが当然ハイスタンダードの網としてあるわけですけど、やっぱりそれにまだ入り切れなくても、どんどんそれを拾っていくためのいろんな連携の網をいろいろつくっていって、それが重層的に複層的につながっていくという戦略を現実的にアプローチに取っていく必要もあるかなというふうに思っております。 その点でやはりRCEPというのは重要で、中国も入っている、中国を取り込むという意味合いも込めてでありますが、やはりそういうような観点から、一時期はアメリカ主導のTPP、中国主導だなんという誤った言い方もされていたわけですけど、そうではなく、日本主導でTPPとRCEPその他いろんな連携をしっかり主導していって、是非日本主導の自由な公正なルール作りというのを主導権を発揮していただきたいというふうに思いますが、大臣の御所見をいただければと思います。
○国務大臣(世耕弘成君) 私、先日、ベトナムのダナンへ行きまして、APECの閣僚会合に参加してまいりました。そこで旧知の経済貿易閣僚たちと会って握手をすると、ちょっと野党の皆さんには申し訳ないんですが、彼らが言うのはおめでとうじゃないんですね、良かったと。日本で選挙結果がああいう形になって、みんな良かったという反応が非常に多かったです。これはやっぱり、割と保護主義的な選挙結果が世界各国で出ている中で、日本は自由貿易推進する安倍政権が政治的に引き続き安定的にやっていける結果が出たということを、みんなほっとしているという感じでありました。それだけもう自由貿易の旗手として日本の役割は大きいんだろうというふうに思っています。 そういう中で、RCEPでありますけれども、ちょっとTPPと違ってRCEPは、ASEANが今年五十周年だったということがありますので、早くまとめようと、中身、レベル低くてもいいから早くまとめようという動きもありました。また一方で、これをまとめることによって地域における影響力を誇りたい国もあったのは事実であります。 そういう中で、私はずっと今年の春から、RCEPを早くまとめることも重要だけど、やっぱり中身が関税だけじゃなくて、通関手続とかデジタルとかいろんな貿易ルールも入っていなきゃ駄目だということを特にASEAN諸国を中心に説得をしていきました。特にラオスとかミャンマーとかカンボジアといった国は、いきなりTPPと同じようなことはできないという立場。彼らに対しては、キャパシティービルディングでしっかりと支援をしますよという約束もしました。あるいは、ASEAN各国に対しては、ASEANはやっぱり中小企業が多いんだから、通関手続の手間とか、あるいは支店を開設できないんだからデジタルでやり取りする、そういうルールをきちっとできておかないと域内の中小企業にとって不利益が出ますよということも言いました。タイなんかは、今、日本のサプライチェーンがしっかり入っていて、タイ自身でかなり高度な製品ができてきているので、これも知財の保護というのをしっかりやっておかないとタイの企業にとってデメリットになるよと。 こういう説得をずっと続けた結果、最終的にやはりレベルの高いものを目指していこうと。今年ちょっと妥結はできないけれども、来年何とかレベルの高い内容を目指して議論をしていこうじゃないかという形になっています。まさにRCEPに関しては今、日本が主導権を少し取っているという状況になっているということを交渉担当者として日々実感をしているわけでございます。
○矢倉克夫君 そういうような形で、ステップ・バイ・ステップというか、しっかりと日本主導で自由で公正なルール、そういうような、自由主義に沿ったようなものに取り込んでいくような主導権を是非握っていただきたいなというふうに思っております。 ちょっとまた最後、またこれ大臣に最後お伺いして終わりということになるかもしれませんが、時間の関係で。 先ほども伊藤先生からもコネクテッドインダストリーズというところの話もございました、分かりにくいというような。いろんなところで今つながりつながりというのは、私の質問の中でも出てきたわけでありますが、私は、このコネクテッドとインダストリーズというところは、非常に響きとしては、方向性としては可能性を秘めているものじゃないかなというふうに思っております。 是非、大臣からこの意義をおっしゃっていただくとともに、ちょっとここは通告していない部分で大変恐縮なところもございますが、私は農業の分野というものも非常に重要な要素があるかなというふうに思っております。 農業も働き方改革、人手が足りないというようなところを、今まで経験と勘で頼っていたものをいかにデータ化していって、従来の家族的なものでやっていたものをある意味大規模にしていく、それを担っていく、経営で担う人もいれば労働として働く、担う人もいるわけです。その労働として働く人に、今までたくみの技でしか継承されなかったものが分かりやすく継承していくためには、やはりデータ化をしてそれを共有していくというようなやり方も非常に重要です。 また、IoTなどを使って、最近何かドローンなんかで、ドローンを飛ばしてその圃場の窒素含量とかぱぱっと見て、そのデータを基にして、今度はまたドローンが飛んでそれに合った肥料をまいていくだとか、そういうデータ連携による今までの省力化とともに生産性を上げていくとか、そういうような可能性もあるというふうに思います。 最後の部分、大変に通告していなくて恐縮でありますが、コネクテッドインダストリーズというものがどういうものなのかということを御説明いただいた上で、それが経済に与えるインパクト、また、働き方や生産性、これを変えていかなきゃいけないというような産業、農業を含めてです、に与えていくインパクトというのを大臣の御所見をいただいて、質問を終わりたいというふうに思います。
○国務大臣(世耕弘成君) 日本の製造業の強みは、やはり機械化をかなり世界に先駆けて進めてきたところだというふうに思っています。製造現場にかなり精密なデータが残っているんですね。今問題になっているデータ偽装の問題も何で分かるかといったら、正しいデータが全部工場の中に残っているので、突合すると分かるわけであります。 我々、設備投資減税とか、あと中小企業向けの固定資産税の特例とか、そういうことをやってきた結果、大分データの蓄積が進んできています。工場の中でデータが取れていると答えた企業が、二〇一五年は四〇・六%だったんですが、二〇一六年には六六・六%と非常に増えているんです。問題はそれが活用されていないということでありまして、企業がデータを利活用している割合ということで国際比較をしますと、アメリカが四一、ドイツが三一%に対して日本は一六%と。だから宝の持ち腐れになっているわけでありまして、コネクテッドインダストリーズという考え方は、いろんな切り口はあるんですが、まずこのデータをしっかりとビッグデータとして企業も連携して活用していこうよというのが基本的な考え方であります。 農業も私は例外ではないというふうに思っています。昔から精密圃場管理といって、メッシュ状にやって、それぞれの気温とか雨の降り方を全部確認して、それと作物の出来具合を見てベストな作り方どうすればいいかというのを見ていくとか、和歌山はミカン県なんですが、ミカン農家でもそれぞれどれぐらいの肥料をやった、どれぐらいの水をやった、どれぐらいの日照量があったというのをこれ全部センサーで記録をして、そしてでき上がったミカンの糖度とリンクをしていって、こういうところに植えるといいとか、こういう日当たりの場所にはこれぐらいの肥料をやるのがいいなんていうノウハウの共有というのも既に始まっています。 今までミカン農家ってやっぱり十年やって何とか半人前という感じだったんですが、それがそういうデータ活用することによって去年入った人でも同じようなミカンを作ることができるというようなことが起こっていますので、このデータを使ったイノベーションということを、これから物づくりだけじゃなくてサービス産業、農業でもしっかりと広げていきたいと思います。
○矢倉克夫君 大臣、本当にありがとうございました。突然の振りにも本当に的確に答えていただき、ありがとうございます。 残りの時間で、おっしゃるとおり、やはり農業、私は農業というのは最大の物づくりの一つでもあるかなというふうに思っています。同じ産物を作っていても、やっぱりその土地ごとの状況の違い、それをいかに把握をして、御自身の一人一人の技術を通じて、同じものは全くないわけなんですね。土地が違い、水が違い、空気も違い、そして人が違えば全然違うものが、同じリンゴであっても何でもできてくるというような物づくり、これをしっかりと生産者の視点だけでなくていろんな産業から支えていくというような観点が農業の成長産業化にとっては非常に重要であるかなというふうに思っております。 コネクテッドインダストリーズという、直接農業の分野を担えるものではないですけど、その理念というのも是非農水省とも共闘しながら動いていただきたいなと。 あとやはり、生産者の所得向上という意味合いでは、農業の生産者の所得向上にはやはり第一次産業、第二次産業、第三次産業全部が連携していく姿勢というのはこれから重要であるかなと。企業の力も借りながらしっかりと生産性を高めていくというようなこともある。そういった部分でも、経産省はいろんな企業さんとも連携もある。そこをまた農水省と経産省と企業と、さらには生産者と連携していけるような枠組みというのを農水省、経産省で更に引き続いてつくっていただきたいということを要望申し上げまして、質問を終わりたいというふうに思います。 ありがとうございました。
○岩渕友君 日本共産党の岩渕友です。 東日本大震災と原発事故から間もなく六年九か月がたとうとしています。十月十日、東京電力福島第一原発事故をめぐって国と東京電力に損害賠償などを求めた「生業を返せ、地域を返せ!」福島原発訴訟で、国と東京電力の責任を問う判決が下されました。 判決では、国が二〇〇二年七月に地震調査研究推進本部が公表をした地震活動の長期評価に基づきシミュレーションしていれば原発敷地高を大きく超える津波を予見可能だったこと、さらに、同年末までに東京電力に対して非常用電源設備の安全確保を命じていたならば事故は回避可能だったと指摘をした上で、国が規制権限を行使しなかったのは許容される限度を逸脱して著しく合理性を欠いていた、こう言って国の責任を断罪しました。 なりわい訴訟には約三千八百人の原告の方々がいらっしゃいますけれども、福島県内の全ての市町村、宮城県、茨城県、栃木県に広がっています。原発事故での被害はここまでだと線引きできるものではありませんし、被害者の皆さんの思いは一つの枠の中に収まるようなものではありません。国と東京電力は、再稼働をやめて廃炉に全力を尽くすこと、被害が続く限り賠償や除染など生活となりわいの再建に責任を持って取り組むべきです。 福島の実態は今どうなっているでしょうか。八月に会津の東山温泉観光協会で話を伺いました。教育旅行は、原発事故前は八百五十校ほどあったわけですけれども、今は六百校になっていると。県全体で観光という分野を見てみると、除染労働者の宿として使われるなど、観光での利用が落ちていて、なおかつ人手不足も非常に深刻だと、震災で離れていってしまった方たちもいるという、そういうお話をお聞きしました。原発事故による被害は今も続いています。 そこで、東京電力にお聞きをいたします。この商工業の営業損害賠償の実績はどうなっているでしょうか。
○参考人(小早川智明君) 東京電力ホールディングスの小早川でございます。 まず、福島第一原子力発電所の事故から六年九か月余り経過いたしますが、今なお福島地域の皆様、広く社会の皆様に多大なる御負担、それから御心配をお掛けしておりますことをまず改めておわび申し上げます。 ただいまの商工業賠償の実績についてお答えいたします。 平成二十九年十一月六日時点における商工業の、これは一括賠償の受付件数でございますが、一万五千四百件、うち合意件数は約一万四千二百件、その合意件数のうち年間逸失利益の二倍相当で合意した件数は一万百件となります。 以上でございます。
○岩渕友君 今示していただいた数字は、避難区域の中と外を合わせた数字になっています。それぞれの実態がどうなっているのかということは分からない状況になっています。少なくとも、今言っていただいた数字だけ見ても、四千百件以上は二倍相当額の賠償が行われていないということになると思います。 福島県の商工団体連合会が行った避難指示区域外の営業損害賠償に関する調査では、損害賠償を請求した事業者のうち、二倍で合意をしたという方が約二四%、一倍合意は約七〇%となっています。釣り具店を営んでいる方からは、近所にある阿武隈川は今禁漁続きで釣りをする人そのものが減っている、禁漁はいつまで続くか分からない、それなのに一倍しか賠償されなかった、こうした実態が寄せられています。一倍で合意をした方の中には、商売を続けるためには合意せざるを得ないと仕方なく合意をしたんだという方もいらっしゃって、合意をしていても賠償に納得したというわけではありません。 福島県の商工会連合会からもお話をお聞きしたんですけれども、帰還困難区域内の事業者の実態についてお聞きしました。この皆さんの実態、どうなっているか。二倍一括賠償を受けて追加分の請求を行ったところ、東京電力の審査部門から、いわき市で営業を再開している事業者もいるのに、あなたはなぜ再開しないのかと言われた。しかし、自分は地元に戻って営業を再開させたいと思っていて、営業再開の補助金は一度使えばもう使うことができなくなる、こうした対応でこれからもきちんと賠償がされるのか心配だ、こういうお話でした。 東京電力は、相当因果関係がある被害については賠償をしますと言っていますけれども、相当因果関係があると判断される根拠は何なのかと。賠償がされるかされないか、なぜこの金額が示されたのか、賠償がどういうふうに判断をされているのかがブラックボックスになっていると。被害者はこちら側なのに、主導権を握っているのは東京電力だというのはおかしいんじゃないか、こうした声が上がっています。 そこで、東京電力にお聞きをいたします。適切な賠償が行われるようにするためにも、この賠償の基準というものを明らかにする必要があるのではないでしょうか。
○参考人(小早川智明君) 商工業の賠償の考え方についてお答え申し上げます。 商工業者様の営業損害賠償につきましては、避難指示区域内は平成二十七年三月より、また避難指示区域外は同年八月より、事故と相当因果関係が認められる被害を被られている方を対象として、将来にわたり発生する損害に関して年間逸失利益の二倍相当額を一括してお支払いしております。 当社といたしましては、商工業者様が営まれている事業や地域の特殊性により損害が発生している状況などが異なることから、具体的な状況についてお伺いさせていただき、内容について丁寧に御確認させていただいた上で総合的に判断させていただいております。 なお、御請求の内容を御確認させていただいた結果、事故と相当因果関係を認めることが困難と考えられる御請求につきましても、お伺いした個別事情を最大限考慮の上、一定額をお支払いさせていただく場合があります。 私からは以上でございます。
○岩渕友君 こういう東京電力の対応を受けて、九月二十日に福島県の商工会連合会が東京電力に要望を行っています。これ、小早川社長、受けたと思うんですけれども。ここにどういうふうに書かれているかというと、東京電力が個別事業者の被害と原子力発電所事故との相当因果関係の可否を一方的に判断し、賠償の切離しや打切りを厳しく提示することは到底容認できない、こういう厳しい指摘が行われているんです。これ、賠償の実態から考えれば当然の指摘だというふうに思うんですよね。 そこで、大臣にお聞きをするんですけれども、大臣は、この間何度もこの問題やり取りしてきましたけれども、東京電力が個別の事情を踏まえて対応することが必要だと、東京電力をしっかり指導していくんだというふうに言ってきました。けれども、実態はそうなっていないと。原子力経済被害担当大臣ということでお聞きをしたいんですけれども、この商工業の営業損害賠償の実態と指針を一度検証する必要があるんじゃないかと思うんですが、どうでしょうか。
○国務大臣(世耕弘成君) 私も、福島県の商工会連合会始めいろんな方々から状況は聞かせていただいています。なかなかまだ風評被害から脱することができないという悲痛な声も聞かせていただいています。 そういう中で、商工業の営業損害については、東京電力は、将来にわたる損害として、個別事情を確認の上、事故との因果関係がしっかりと確認されれば年間逸失利益の二倍相当額を一括で賠償ということになっています。その上で、平成二十七年に閣議決定をされました福島復興指針を踏まえて、東京電力は、損害が一括の賠償額を超過をした場合には、個別事情を確認の上、追加賠償するということにもなっています。 経産省としては、今後とも東京電力に対して、被災された商工業事業者の皆さんの御相談に対して個別の御事情を丁寧に把握をして、公平かつ適切な賠償を行うようしっかりと指導をしてまいりたいと思います。 また、御指摘の中間指針についてですけれども、賠償すべき損害として一定の類型化が可能な損害項目やその範囲などを示したものでありまして、これは文部科学省に設置された専門家による原子力損害賠償紛争審査会が策定することになっているわけでありまして、その見直しの是非については今私の立場ではコメントは控えさせていただきたいと思います。
○岩渕友君 先ほど示した実例で、帰還困難区域でもこんな言われ方しているのかというふうに私非常に驚いたわけなんですよね。 それで、指針は上限ではないんだと、記載のない分野も賠償の対象となっているにもかかわらず、東京電力は実際には指針を上限にして賠償の対象を限定しているんだ、そういう怒りの声が上がっているわけですよね。中間指針の第四次追補は、被害者が従来と同じ又は同等の営業活動を営むことが可能となった日を賠償の終期だとしています。被害が続いているのに賠償を打ち切るということは、許されることではありません。 こうした状況の下で、東京電力は、福島への責任を果たすためだというふうに言って、新潟県の柏崎刈羽原発を再稼働しようとしています。 十月四日、原子力規制委員会は、柏崎刈羽原発六、七号機が新規制基準に適合しているとする審査書案を了承しました。これに対して、福島でも新潟でも怒りの声が上がっています。福島の原発事故は、その原因も究明されていません。事故の収束も賠償も、廃炉も見通しが立っていません。東京電力が原発を再稼働させるというのはとんでもないことです。 七月十日に規制委員会は臨時会議を開いて、東京電力の新しい経営陣との意見交換を行いました。ここで資料一を見てください。この会議で当時の田中規制委員長は東京電力に対して、廃炉の覚悟を示せない事業者に柏崎刈羽の運転をする資格はない、一にありますけれども、こういうふうに厳しく指摘をして、基本的考え方として問題意識を七点にわたって示しました。これに対して、東京電力は八月二十五日に書面で回答を行っています。 ここで規制委員長にお聞きをします。規制委員会が、東京電力に原発を運転する資格があるのか、この適格性を確認することにしたのはどうしてですか。
○政府特別補佐人(更田豊志君) 今回のこの審査は、原子炉等規制法に定める許可の基準のうち、発電用原子炉を設置するために必要な技術的能力、運転を適確に遂行するに足りる技術的能力に係る審査の一環として行ったものであります。 今回、この審査、何より東京電力が福島第一原子力発電所事故を起こした当事者であることから、通常の審査に加えて更に深掘りをして検討をしたものであります。審査会合における技術的審査に加え、東京電力に、柏崎刈羽原子力発電所を設置し及び運転をすることにつき必要な安全に対する姿勢、安全文化その他の原子力設置者としての適格性を有するかどうかについても特に審査することとしたものであります。
○岩渕友君 今、安全姿勢、安全文化という言葉もありましたけれども、それでは、東京電力にその廃炉を主体的に取り組んでやり切る覚悟と実績があるでしょうか。 審査書案が了承される直前の九月二十八日、福島第一原発でサブドレンの水位計設定ミスが発覚をしました。ミスが見付かったのは、今年の四月十九日以降に新設をされた六か所のサブドレンピットです。水位の管理は、東京電力も規制委員会も非常に重要だというふうに位置付けています。水位管理に関わってミスがあったということだけでも重大な問題なのに、設置からミスの発覚まで五か月以上も放置されていたということは、これ大問題です。 ここで東京電力にお聞きしますが、水位計の設定に誤りがあるということでどういう事態が起きることになるでしょうか。
○参考人(小早川智明君) ただいまの水位計の設定誤りについてお答え申し上げます。 九月末に福島第一原子力発電所のサブドレーン水位計の設定の誤り事象が判明し、福島県の皆様を始めとする社会の皆様に御心配お掛けしましたことにつきまして、まず深くおわび申し上げます。 水位計設定の誤りにより、一部のサブドレーンピットの水位を誤って低く設定をしておりましたが、建屋周辺のほかのサブドレーンピットの水位は高く維持されていましたことから、建屋からの汚染水の漏えいはなかったものと判断しております。 今回の事象につきましては、大変重く受け止めております。サブドレーンに関する全ての運転制限対象項目につきまして総点検を実施いたしましたが、運転上の制限逸脱となるような誤りは確認されませんでした。 今回のような事象が今後起こらないよう、安全最優先で廃炉作業に取り組んでまいる所存でございます。 以上でございます。
○岩渕友君 ちゃんと答えていないなというふうに思うんですけど、少しだけ触れていた、要するに、高濃度の汚染水が漏れ出すおそれがあるから非常に重要な問題だというふうに位置付けられているということなんですよね。 八月にもサブドレンの水位が急低下して、福島県の内堀知事が現場の緊張感が足りていないと述べて、加えて情報提供が遅れた東京電力の対応を批判したばかりに起きた問題なんですよね。規制委員の一人は、水位については相当厳しく言ってきたのに、こういうことが起きたのは腹立たしい部分があると、こういうふうにも述べています。 水位計設定ミスが何で起きたかということなんですけれども、東京電力は、大震災で原発構内の地盤が沈下をしたことで沈下前の基準と沈下後の基準が混在するようになって、新しい基準を使うということを決めました。けれども、この変更が水位管理の部門内だけでしか共有をされていなくて、工事の関係者であるとか施工会社が知らないという状況で、マニュアルもなくて、職員も一年、二年ですぐに入れ替わる、こういう中で引き継がれなかったことが原因だというふうに説明をしています。余りにもお粗末な対応じゃないかと思います。 この問題について、十月三十日に行われた規制委員会の会議で委員からは、工事計画段階での事前検討委員会に何十人もいるのに全員が見過ごすというのはどういう議論がなされていたのか、会議がどれだけ機能しているのか、こういう厳しい意見が出されて、十二月には、現地に行くときに実際に確認するとまで言われています。 十一月三十日には、東京電力は、福島第一原発三号機原子炉圧力容器内にある温度計十二個が事故当初から故障していたということを発表しました。原子炉を監視するための重要な装置の故障が事故から六年以上が過ぎて判明した、これも非常に重大です。 柏崎刈羽原発をめぐっては、東京電力が免震重要棟の耐震性不足を把握しながら原子力規制委員会に誤った説明を続けていたという問題もありました。福島第一原発では、事故のときに炉心溶融の定義を示したマニュアルがあったにもかかわらず、公表が二か月以上遅れただけじゃなくて、判定のためのマニュアルがあったことを明らかにしたのは事故から五年近くもたってからだったということもありました。この東京電力の深刻な隠蔽体質、危機意識の欠如など、廃炉の覚悟と実績があるとは思えません。 基本的考え方では、廃炉に多額を要する中で、柏崎刈羽原子力発電所に対する事業者責任を全うできる見込みがないと柏崎刈羽原子力発電所の運転を再開することはできないというふうにあります。これに対して、東京電力の回答書では、廃炉をやり遂げることと柏崎刈羽原発の終わりなき安全性向上を両立するとして、今後必要な資金の手当てについては新々総合特別事業計画に基づいて着実に実行すること、今後追加で安全対策が必要となる場合は社長である私の責任で資金を確保するというふうに回答書の中にあるんです。 これ、小早川社長にお聞きしたいんですけれども、私の責任で資金を確保するというのはどういう意味でしょうか。
○参考人(小早川智明君) まず、規制委員会の方に御回答いたしました回答書に記載いたしました、追加で安全対策が必要となる場合は社長の責任で資金を確保するというただいまの御質問に関する御説明を申し上げます。 当社は、柏崎刈羽原子力発電所の安全対策を確実に実施できるよう新々総合特別事業計画を策定し、主務大臣の認可をいただいております。まずこれを着実に実行してまいります。今後、追加で安全対策が必要となる場合、当社は安全対策最優先の下、安定供給を維持しながら合理化を進めるなどの資金確保に努め、対策を確実に実施してまいります。 以上です。
○岩渕友君 私の責任で資金を確保すると言ったのに、それには全く答えていないという今の回答だったというふうに思うんです。 五月の当委員会で廣瀬前社長ともやり取りしたんですけれども、東京電力は原子力損害賠償・廃炉等支援機構から資金交付を受けていて、資金は国民負担になっています。 これまで交付をされた原子力損害賠償・廃炉等支援機構からの総額、これ総額だけでいいんですけれども、幾らになるか、東京電力、答えてください。
○参考人(小早川智明君) 原子力損害賠償・廃炉等支援機構からの資金交付額についてお答えいたします。 平成二十九年十一月時点での資金交付額は、累計額といたしまして約七兆五千二百億円となります。 以上でございます。
○岩渕友君 資金交付が決定された総額でいうと、約九・五兆円になるわけなんですよね。原賠機構法では、毎事業年度、機構の損益計算において利益が生じた場合には国庫に納付しなければならないというふうになっています。じゃ、国庫への納付が一体どれぐらいになっているかというと、来年一月末までに納付予定の金額を含めても、約一兆五百億円にしかならないんですよね。 廣瀬前社長は、東京電力は破綻処理を免れているというふうに述べていましたけれども、東京電力はもう既に潰れている状態だと。先ほど、私の責任で資金確保するということにちゃんと答えていなかったわけですけれども、このことを小早川社長はちゃんと自覚しているのか、このことを言いたいと思います。 原発事故の処理費用が十一兆円から二十二兆円に膨らんで、そのうち十六兆円を東京電力が確保するために、今後の事業計画となる、先ほどもあった新々総合特別事業計画が五月に策定をされて、これは国も認めています。東京電力は、賠償、廃炉に必要な資金を確保しつつ経常利益を創出するとしています。その要が柏崎刈羽原発の再稼働ということになっています。 資料二を見てください。線が引いてあるところなんですけれども、原発を再稼働すると一基当たり約四百億から九百億円のコスト減になると。つまりは収益になるということです。 ここで規制委員長にお聞きをします。基本的考え方では、経済性よりも安全性追求を優先しなくてはならないというふうにあります。けれども、実際には安全性よりも経済性が優先をされているということなのではないでしょうか。
○政府特別補佐人(更田豊志君) 原子力規制委員会は東京電力に対しまして、原子力事業については経済性よりも安全性追求を優先しなければならないとの考え方を示しました。東京電力より、経営陣からの聞き取りや現場を訪れてでの所長を始めとする職員との意識調査等を行いましたが、特に経営陣より書面にて安全確保を大前提とするとの回答を得ました。これらにより、現時点の東京電力における経済性より安全性を優先するとの意思を確認をいたしました。 もとより、こうした東京電力の意思が将来にわたり維持され、かつ実際の行動とも一致している必要がありますから、東京電力の回答を保安規程に明確に記載することを求め、原子力規制委員会はその状況を検査等により確認していくこととしております。
○岩渕友君 東京電力が安全性優先すると言ったから安全性が優先されるんだというのでは、ちょっと納得できないんですよね。 更田委員長は、柏崎刈羽を動かすことで事故の責任を果たそうというのは一定の理解はできると述べたというふうに報じられています。福島への責任を果たすために柏崎刈羽原発を再稼働させるなどということを福島県民は望んでいません。福島県民からは、福島の惨状を思い、強い怒りを禁じ得ない、東電に原発を動かす資格はないし、動かしたいというのはおこがましい、ふるさとを元に戻して返してほしいという私たちの求めを実現できないのだから、原発なんて動かすべきではない、こういう怒りの声が上がっています。 資料三を御覧ください。新々総特では、柏崎刈羽原発を二〇一九年度、二〇二〇年度、二〇二一年度から順次再稼働すると仮定をした場合の三つの収支の見通しを算定しています。この見通し案では、再稼働を予定しているのは六、七号機だけではありません。 新潟県では一年前に、東京電力福島第一原発事故の徹底的な検証を公約に掲げた米山知事が誕生をしました。米山知事は、福島原発の事故原因、健康や生活に与えた影響、安全な避難方法の三つの検証が終わらない限り、再稼働の議論はできないというふうに述べて、検証には三、四年掛かるとしています。二〇一九年度に柏崎刈羽原発を再稼働させるということがあり得ないということになります。 二〇一二年五月に成立をしている総合特別事業計画では、二〇一四年三月期に柏崎刈羽原発の再稼働を見込んでいました。その後、新総特でも新々総特でも、この二つを経ても結局は計画どおりになっていません。 そこで、大臣にお聞きをします。この総合特別事業計画、新総特、新々総特と、計画どおりに進んでいない、その根本的な原因は何だというふうに思いますか。
○国務大臣(世耕弘成君) 今年五月に新々総特が策定をされて、そして六月に東京電力の新しい体制が発足して約半年が経過したということになります。新々総特においては、東電自身による生産性向上の取組によって収益改善を実現をして、そして他社との共同事業体の設立を通じた再編統合によって更なる収益改善と企業価値向上を実現することになっています。 そうした中で東京電力は、新々総特が始まってから六か月程度でありますけれども、例えば、電力産業が抱える共通の課題の解決のための連携強化に向けて、潜在的なパートナーの理解を得るべく丁寧かつ真摯な話合いを進めています。また、二〇一九年上期に予定されています既存の火力発電事業の統合に向けて、中部電力との間で合弁契約書、これを新々総特を発表した後に締結をしております。また、社債の発行なども着実に行えているところであります。 東京電力は、引き続き福島への責任を果たすため、東電改革のアクションプランである新々総特に基づいて着実に改革を実行してほしいと思っています。 柏崎刈羽六、七号機の再稼働については、これは、先ほどから委員もおっしゃっているように、我々も思っていますが、これはもう安全最優先で取り組むということであります。これは、安全最優先という考え方で原子力規制委員会において引き続き審査が行われておりますので、新々総特との関係でコメントすることは控えたいと思います。
○岩渕友君 計画どおりに進んでいないのは、福島県民、新潟県民、そして国民の理解を得られていないからです。 六月二十四日付けの東京新聞によれば、六月二十三日に行われた東京電力ホールディングスの株主総会で、新々総特の実現可能性を問われた当時の数土会長は、できないというふうに答えて株主から批判の声が上がったといいます。さらに、数土前会長は、原発事故の処理費用が二十二兆円になったことを受けて、二十二兆円という数字は驚天動地、未曽有の数字で捻出できないと明言をしたとされています。 柏崎刈羽の再稼働をめぐっては、七月十日の意見交換会で当時の田中規制委員長は東京電力に厳しい態度で臨んでいたにもかかわらず、八月三十日に行われた規制委員会と東京電力の経営陣の意見交換会後に行われた記者会見の中で、記者から具体的な回答はこれ以上求めないのかと、実績がまだ示されていないのではないか、こういう質問が出されたのに対して、田中前委員長は、もう少しよく考えてください、大人の頭で、こういうふうに言うだけだったというふうに報道されています。これでどうして東京電力が原発を運転する資格があると判断をしたのか、私には全く分かりません。 そこで、更田委員長にお聞きをします。これ、大人の頭で考えてくださいというふうに言われても、何で適格性があるというふうに判断されたのかよく分からないわけです。これ、適格性があると判断されたのはどうしてですか。
○政府特別補佐人(更田豊志君) まず、田中前委員長の会見での発言に関しましては私ちょっと詳しく通じているものではありませんけれども、私たちのいわゆる東京電力に対する適格性の審査というのは、原子炉等規制法に定められた技術的能力を有するかどうかという観点から行ったものです。 私たちは、あくまで技術的な能力の範囲内で、東京電力、これは安全文化の維持もその中に広義で含まれるものではありますけれども、一方で道義的責任、東京電力の道義的な責任を問うているものではありません。経営者との間の意見交換、それから田中前委員長が委員一名を伴って柏崎刈羽原子力発電所を訪れ、職員の方々の意識の確認等を進めました。その上で、現在の東京電力に柏崎刈羽六、七号機の運転するに足る技術的能力に欠けるという判断をしなかったというものであります。
○岩渕友君 今の話を聞いても、やっぱりどうして適格性があると判断されたのかが分かりません。 それで、資料の四を御覧ください。十月四日に原子力規制委員会が柏崎刈羽原発六、七号機の設置変更許可に係る審査書案を了承して、同じ日に規制委員会から経済産業大臣宛てにこの許可についての意見照会があったのに対して、十月二十四日、大臣は、許可することに異存はないという旨の回答をしております。 大臣にお聞きをするんですけれども、大臣がこういう判断をしたのはどうしてですか。
○国務大臣(世耕弘成君) まず、この意見照会についてのちょっと制度的背景をしっかり御理解いただかなきゃいけないと思いますが、原子力発電施設の安全性の審査は、高い独立性を有する規制委員会が科学的、技術的に行うことになりますけれども、この審査においては、原子力事業者が発電用原子炉を設置するために必要な技術的能力や経理的基礎を有するか否かについても原子力規制委員会によって確認が行われるものと承知をしています。 原子力規制委員会から経済産業大臣に対して行われる意見照会は、原子力規制委員会が審査における自らの判断を行った上で、電気事業法を所管する経産大臣からも、事業者の技術的能力、この技術的能力という場合、経産省に意見照会をされているのは、例えば非常時に外部電源を接続するなどの送配電の技術ベースを持つかどうかという意味での技術的能力だと理解しています。そして、経理的基礎を有するか否かについて確認をされたわけであります。これらの点について特段の問題は認められないものですから、東京電力が設置変更許可の基準に適合すると規制委員会の判断に対して異存はない旨回答をしたわけであります。 また、この意見照会の手続においては、今年八月に東電が規制委員会に説明をした、経済性を優先して安全をおろそかにすることは決してなく、終わりなき安全性を追求する、地元の方々に対して主体的に説明責任を果たしていくなど、経営方針についても、電気事業及び原子力損害賠償・廃炉等支援機構法を所管する経産大臣の立場として、東京電力の見解に異論はないか、また、これを遵守させるべく、同社への指導監督を行う意向があるのかの確認を求められたわけであります。 東京電力が示したこれらの考え方は、原子力事業を運営していく上での当然の大前提となる極めて重要なものであります。このため、原子力規制委員会に対しては、東京電力が示した方針について異論はないこと、また、東京電力に対してはこれらを遵守させるべく適切に指導監督を行っていくという旨を規制委員会に回答したところであります。
○岩渕友君 審査書案に対して、十月五日から十一月三日までパブリックコメントが募集をされていたにもかかわらず、十月二十四日にこういうことになっていると。 大臣にお聞きするんですけど、このパブリックコメントの結果を待たずに許可することに異存ないというふうに回答したのはどうしてですか。
○国務大臣(世耕弘成君) パブコメはうちが集めているものではありませんので、これは規制委員会にお答えいただくべき問題だと思います。
○岩渕友君 パブリックコメントのその中身を受けて、大臣がそれの前にこれ判断しているということなので、だから、なぜそういう、結果を待たずに許可することに異存ないと回答したのかということです。
○国務大臣(世耕弘成君) ですから、そのパブリックコメントは規制委員会が行われていることであって、規制委員会の判断に影響を与えるものであって、経産省としてパブコメを取っているわけではありませんので、経産大臣としては、これは特段異論がないということであれば、異論がないという返事を速やかにするということだと思います。
○岩渕友君 もう一度資料四を見ていただきたいんですけれども、この文書の中に、エネルギー基本計画の方針に従って再稼働を進めるというふうにあります。エネルギー基本計画の見直しが今進められていますけれども、これからの日本のエネルギー政策をどうしていくのかは、国民の暮らし、命に関わる重要な問題です。 十一月二十八日に開催をされた分科会では、出席をした辰巳菊子委員は、国民の声を反映する努力が図られていない開催となっている、国民の意見を受け付ける仕組みを設けてもらいたいというふうに注文をしています。消費者代表の委員は辰巳氏しかおりません。 六月には市民団体から、エネルギー基本計画の策定に当たって民意を反映できる仕組みを求める要請書が経済産業省に提出をされています。 そこで、大臣にお聞きをします。エネルギー基本計画の策定に当たって、国民の声が反映される仕組みをつくるべきではないでしょうか。
○国務大臣(世耕弘成君) これは総合資源エネルギー調査会の基本政策分科会の話ですね。 これは、まず、いろんな立場の有識者の皆さんにゼロベースで予断なく議論していただきたいと思っていますし、これは最終的にはこの分科会のメンバーの皆さんによく御相談はしなければいけないと思いますが、パブリックコメントを取るなど国民の意見を集める方法も何か検討はしていく必要はあると思っています。
○岩渕友君 検討していくというお話だったんですけれども、かつては公聴会を開いたりしたこともあったので、国民の声を聞く必要があるだろうと思います。 エネルギー基本計画では、原発をベースロード電源として、二〇三〇年度の発電電力量の二〇から二二%を賄う方針となっています。これを達成するためには三十数基の再稼働が必要だということになります。 福島第二原発も再稼働しようとしているのか、こういう声も、不安の声も寄せられるんですけれども、福島への責任を果たすというのであれば、福島県民の総意になっている福島第二原発の廃炉を決断するべきです。 十一月に吉田栄光福島県議会議長が小早川社長に対して、福島第二原発の全基廃炉を進めるための工程を議会に示すようにということを求めました。これまでよりも踏み込んだ要望をすることになったのは、東京電力と国に第二原発の廃炉を何度求めても一向に決断されないからです。 大臣にお聞きをするんですけれども、国は、第二原発の廃炉について、事業者が決めることだというふうに言ってきました。けれども、東京電力は、国のエネルギー政策の動向を見て決めるというふうに言っています。国が東京電力に廃炉を決断しない理由を与えているということです。国が福島第二原発の廃炉を決断するべきではないでしょうか。
○国務大臣(世耕弘成君) 福島第二原発については、福島県民の皆さんの心情を察すると、これまで新規制基準への適合性審査を申請している他の原発と同列に扱うことは難しいと認識しています。この原発の扱いについては、まずは東京電力が地元の皆さんの声に真摯に向き合った上で判断を行うべきものと考えています。 今後、東京電力が地元の声に真摯に向き合うとともに、原子力人材などの経営資源投入の在り方など経営面での判断も含め、どのような方向性を示していくか注視をしていきたいと思います。
○委員長(斎藤嘉隆君) 時間が来ておりますので、おまとめください。
○岩渕友君 はい。 第二原発の廃炉は県民の総意で、復興の前提です。住民の方々からは、将来再稼働する可能性がある原発のあるところには帰ることができない、こうした不安の声が上がっています。東京電力が廃炉を決断しないなら国が責任を持って廃炉を決断するべきです。再稼働反対という声は国民過半数を超える世論になっています。原発ゼロの政治決断を求めて、質問を終わります。
○石井章君 日本維新の会、石井章、通告に従いまして御質問したいと思います。 質問の相手が松村さんや井原さんにしそうなんですが、新しいスタッフの執行部の皆さんに御質問したいと思います。 今回、質問の通告の前に、まず前提として、アベノミクスの功罪というか、アベノミクスのメリット、デメリットというのは当然あるわけなんですけれども、特に私が質問するこの二輪の業界の中身については、よくネットで見ると、アベノミクスの果実のシャンパンタワーで、一番上にドンペリでこう流して下まで行くようなイメージがあるんですけれども、なかなか今現時点ではそのヒエラルヒーのトップの方にだけは利益がもたらしていまして、そこで働いている従業員さん、あるいはその下の一次、二次、三次の下請までにはなかなか利益が回っていかないというのが実情でありまして、例えばこれから質問します二輪の産業については、当然ながら二輪のトップはホンダ、カワサキ、ヤマハ、スズキと、これが四大メーカーでありまして、世界の四大メーカーでありますけれども、そういった一部上場輸出企業は中身が潤っていますけれども、一番末端の販売店はどうなのかということを見ますと、とても政治の政策が下までしっかりと利益がもたらしているとは全く言えない状況であるということを前提に質問をしたいと思います。 私が衆議院の初当選時から継続して政策の課題の柱の一つとして取り組んでおります世界に誇るべき日本の二輪産業の復興について、まず質問をさせていただきます。 政府は、自動車産業戦略二〇一四において、初めて二輪車に対して、世界における我が国の二輪車ブランドの伸長は二輪車メーカーの競争による性能と品質の向上により実現されたものであり、国内の研究開発や生産基盤が重要な役割を果たしている、これを支える国内市場、マザー市場の再興を図り、新車販売年間百万台を目指すということを政府として正式におっしゃっております。 そして、まず一点目ですが、その重要性と今後の経過並びに百万台達成、百万台というのは目標でありますから、その手法についてどのように取り組んでいるのか、具体的に世耕大臣にお伺いいたします。
○国務大臣(世耕弘成君) 今までだったらここで松村副大臣がお答えするところだったと思うんですが、お答えいたします。 国内の二輪車の新車販売は、やはり若者の嗜好の移り変わりなど事業環境の変化を背景として、一九八〇年代には三百万台を超えていた販売規模が現在では三十七万台にまで縮小をしております。 こうした中、今お話があったように、経産省として取りまとめた自動車産業戦略二〇一四では、国内の新車販売を年間百万台にするということを目指すことになっていまして、日本の二輪車メーカーの競争力の源泉であります国内の研究開発や生産基盤を支える観点から重要な目標であると認識をしています。目標実現のための取組をしっかり進めていきたいと思います。 今年九月には、官民の二輪車関係者が一堂に会したバイク・ラブ・フォーラムを石井委員にも御参加をいただいて群馬県前橋市で開催をして、若者を対象としたマーケットの拡大に向けて、高校生などに対する交通安全教育の推進ですとか若者に興味を持ってもらう手法などを議論したところであります。 また、これはちょっと国内販売とは直接関係ないんですが、今年七月に大枠合意をした日EU・EPAでは、二輪車の関税については五百㏄以下が六年目で撤廃、五百㏄超が四年目で撤廃と、かなり早期に撤廃できるようになりました。国内における生産、輸出の競争力強化に資するものとして期待をしているところであります。 また、二輪車のユーザーからは、駐車場整備ですとか高速道路料金の引下げなど二輪車の利用環境整備に関する強い要望があると認識をしています。これは他の省庁のマターになるわけですが、今年度、高速道路料金で初めて二輪車限定メニューということで、二日間で二千五百円の首都圏ツーリングプランが実施されているわけであります。 経産省としては、引き続き、国内の市場活性化はもとより、研究開発、生産基盤の維持、国際競争力の更なる強化の観点から、関係省庁とも連携しながら国内の二輪車の利用環境整備に努めてまいりたいと思います。
○石井章君 御丁寧な答弁ありがとうございます。 私が質問している内容というのは、実は二輪の業界から自民党の政調の方あるいは公明党さんの政調、与党さんの方にはしっかりと要望を出してある内容について質問してありますので、今の答弁は非常に幅の広い、私が求めた答弁よりも非常に有り難い答弁でありました。ありがとうございます。 しかし、残念ながら、いろいろ施策はしておりましても、先ほど数字で出ていました、昭和五十七年に三百二十七万台をピークに減少の一途をたどっております。平成二十八年には三十三万八千台となっております。特に、原動機付二輪車、原付が二百七十万台から十六万台にまで減少していると。このことは、中小企業がその多くを占める二輪販売店にとっても死活問題となっており、国内保有台数の五三%を占める五十㏄の販売台数の減少により廃業に追い込まれる販売店が激増しております。 また、追い打ちを掛けるように、平成二十八年四月の軽自動車税の増税、平成二十九年の十月の第三次排出ガス規制、あるいは平成三十年十月からABSブレーキ搭載義務化、百二十五㏄以下はCBSブレーキでありますけれども、二〇一九年の消費税の増税など、政府の施策によりこれらに掛かるコストは全て販売価格に転嫁するしかなく、販売価格の上昇により販売台数の更なる減少が当然ながら危惧されておるところであります。特に、五十㏄については、日本市場の特化した排気量であり、国内需要が十六万台ではコストアップが避けられない状況でもあります。このままでは、新車販売年間百万台どころか、マザー市場としての国内二輪市場は更なる衰退が避けられない状況にあります。 五十㏄を含む百二十五㏄未満の新車販売を活性化する起爆剤として、例えば新車販売価格の一〇%、二万から三万などのインセンティブの導入とかそういったものが、特に販売店に対してのインセンティブ、あるいは販売の大本であります製造元も含めて、あるいはそこで新車を買った、台湾などは新車を買ったユーザーにもインセンティブを付けておりますが、そういったことが、今度は水際でのいろんなそういう作戦が必要じゃないかと思うんですが、その辺、世耕大臣にお伺いいたします。
○国務大臣(世耕弘成君) 経産省としては、この百二十五㏄未満のバイク全部というよりは、環境負荷の低い電動二輪車両について、クリーンエネルギー自動車導入促進対策費補助金事業によって購入支援を行わせていただいております。 百二十五㏄未満の二輪車全体ということになると、これはなかなか、一般論として申し上げると、政府による政策支援や市場介入ということにもなりかねませんので、市場の健全な発展を阻害することがないよう、支援の必要性ですとか支援の対象を慎重に精査することが必要だというふうに考えております。
○石井章君 ありがとうございます。 いろいろ要望を含めてお伺いいたしますけれども、そのインセンティブはスクラップインセンティブを含めた第三次排出ガス規制による価格上昇分を目安と私はすべきだと思うんですが、例えば第三次排出ガス規制車への買換え等に関するインセンティブ、あるいは百二十五㏄の免許取得に対する助成など、様々な施策が必要だと思います。 例えば、二輪は私が今言ったような内容なんですが、四輪の方のトラック協会などは、例えば長野県で大型免許を取る人には四十万円の免許取るときの補助金を付けていると。その補助金はどこから出ているかといったら、あのいわゆる暫定税率で、道路使用に対しての、道路を造るために税金を取っておった内容を、今度は目的が道路を造るための税金じゃなくなっていますけれども、そういった、長野県で例えば保有するトラックの台数分に掛ける何万というふうに各県の方に交付金が行きまして、各トラック協会がそれをもらって、いわゆる若者を育てようということで、免許を取る人にはただで免許を取れるぐらいのところを取っている県もあります。 そういったことを含めて、当然ながら、先ほど世耕大臣が言ったように、これからはクリーンエネルギーですから、電気オートバイは、もちろん日本よりも先に先進地がありますけれども、そういったところ、台湾とか東南アジアでは販売店に対してもインセンティブを付けて、それを乗る人にもインセンティブを付けているというところもありますが、それら今の考えを含めて、もう一度大臣からお伺いいたします。
○国務大臣(世耕弘成君) 経産省としては、先ほどお話のあった第三次排出ガス規制、これをクリアしている電動二輪車両の購入支援、これは行っているところであります。また、免許取得に関しては、補助金を出すというよりは、これもちょっと他省庁の話になりますが、百二十五㏄の免許についてはより短期間で簡単に取得ができるよう、警察庁が最短二日間で技能講習を完了する場合に必要な条件などについて調査を実施していると聞いています。二日間ということであれば、土日、週末一回で取れるということになるわけであります。 具体的なインセンティブでお金をということになると、これはなかなか慎重に検討しなければいけない。特に市場の健全な発達を阻害することがないようによく精査する必要がありますけれども、いずれにしても、第三次排出ガス規制の国内市場への影響について引き続き注視するとともに、電動化技術の動向に留意しながら、二輪車市場の活性化に向けた環境整備について議論を続けていきたいと思います。 特に電動バイクはかなり面白い展開があり得ると思いますね。シェアリングエコノミーとの関係とか、今自転車でその辺で乗り捨てて次のところへ行けるようなのも出ていますし、そういった意味で、是非電動バイクにおいて、単にバイクの機械としての販売だけではなくて、サービスとしての何か提案なんということも出てくれば市場の活性化につながっていくんじゃないかというふうに考えています。
○石井章君 貴重な御提案ありがとうございます。 見た目はオートバイと同じ二輪で走っていますから、しかし、中身が全く違いまして、というのは、今までホンダ、ヤマハ、カワサキ、スズキの販売店としてそれぞれメーカーからきつく指示を受けまして、こういう機械をそろえろと、あるいはこういうふうに販売しろと。じゃなければ、販売店に下りてくる卸価格が違うんですね。一〇%しかもらえない利益、あるいは二割以上もらえるとかいろんな規制がありまして、そうすると、今まではシリンダーベースの、いわゆる燃料でもってぐるぐる回してエンジンを分解してやるような技術は今の日本の販売店持っているんですけれども、エレクトロニクス、いわゆる電気オートバイとなるとなかなか、そこの販売店のまた新たに施設を造らなきゃならないと。 特に、今メーカーさんは各販売店に対して規制をしています。こういう工場をそろえなければオートバイ卸さないんだというようなことで、今非常に、お金の回っている販売店さんは今造っていますけれども、なかなか月に一台か二台しか売れていないところもありますから、オートバイが。そうすると、車検もなかなか取れない。もちろん五十㏄など車検がありませんから、そういったところを、世耕大臣にもそういう現場を一度見ていただいて、あれしろこれしろというのだけでは要望を受けるものではないと思うんですが、何かいろんな政策が見出せる、いわゆるそれだけ懐の深い、大きい世耕大臣でありますから、しっかりそういった意見を取り入れていただきたいと思うことをまず要望として大臣に申し上げておきたいと思います。 続きまして、製造業で相次ぐ不正についてでありますが、御案内のとおり、昨今、日本の物づくりの現場においてゆゆしき事態が発生しております。日産自動車の無資格者における完成検査問題に続き、神戸製鋼や三菱マテリアルの子会社、東レの子会社による性能データ改ざんなど、様々な問題が発覚しております。東レについては、経団連の榊原会長が社長、会長として在任されていた同時期に発生していたという、非常に残念でなりません。 さらに、危惧するのは、各社の企業モラルの欠如であります。三菱電線は、簑島製作所、和歌山県の有田市にありますが、油や水など漏れを防ぐシール材の検査データを改ざんしておったわけであります。今年三月には社長が事態を把握したにもかかわらず、十月まで出荷を続けていたという。また、神戸製鋼や三菱マテリアルも、企業幹部が把握していたにもかかわらず、対応や社会への公表が遅れた。東レに至っては、世耕大臣も極めて遺憾だと、公表のタイミングもはっきり言って非常に遅いと不満を表明されておりますが、事件の社内発覚後から公表までに一年以上が経過していたわけであります。 私がここで申し上げるまでもなく、我が国の製造業は生産性が高く、品質も非常に高い、世界に誇れるメード・イン・ジャパンとして我が国の経済を飛躍的に成長させた原動力でもあります。しかし、今、その日本の物づくりの現場がおかしくなっているのではないかと私は心配する。これは私だけでなく、国民も、何かおかしいのかなと、どうなっているんだろうという声が多く聞かれます。 そこで、これ、西銘副大臣にお伺いいたしますが、なぜ今この時期に不正の発覚が相次ぐのか、生産性と品質の高さが持ち味だった日本の製造業の現場が根本的におかしくなっており、企業のモラルの低下や品質の管理の水準が恒常的に低下しているという意見が、アジア各国の台頭による競争の激化、公益通報者保護法が二〇〇六年に施行されたことなど、様々なことが原因していると指摘されておりますが、西銘副大臣はどのように考えているか、お伺いします。
○副大臣(西銘恒三郎君) 石井委員お感じのことと思いを共有しながら、この事案を見ております。製造業の中でも特に素材メーカーでデータ書換えの不正事実が次々と判明していることを、同じような思いで、極めて遺憾な事態だと認識をしております。最近公表された、御指摘の神戸製鋼、三菱マテリアル子会社、東レの子会社、本当に我が国を代表する、そうそうたるこれらの企業でこういうデータの書換え、不正事案が続いていることを非常に遺憾に思っております。 なぜ社会への公表が遅れたのかという点に関してでございますけれども、公表のタイミングはそれぞれの企業がそれぞれ判断されているものでありまして、私から申し上げるべき筋ではないと思いますが、あえて申し上げるとすれば、これだけの名立たる企業ですから、企業はお客様が神様であると考えておりますし、顧客のことも考えながら、社会からの関心の高まりがあってこういう公表の時期に至ったものと考えております。 なお、石井委員御指摘のように、昨日、経団連の会長から、このデータ改ざんに関しましては、不正の調査やあるいは実効ある防止対策等について企業の経営者で徹底するようにという指示が出ておりますことを踏まえて、私はそれぞれ加速的に取組をしていただきたいなと思っております。 我が国の物づくりは我が国経済の原点であると思っておりますし、このようなことが二度とないようにという思いで、石井委員の思いと共有しながら事態を見守っているところであります。 以上です。
○石井章君 質問、ほかに出してあるんですが、最後に、商工中金のことだけ、一言、大臣にお伺いしておきます。 今いろんな、有識者会議で民業圧迫とか即解体民営化、職員の数を四分の一まで減らせというようなことも出ています。それはそういう意見も出るの当然でしょうけれども、そこで一言だけ申し上げたいのは、もちろん不正に対しては法の下で厳正に処罰すべきでありますけれども、やっぱりこれまで商工中金が担ってきた中小企業の安定した経営に対する潤滑油としての資金の供給、いわゆる民間の銀行では出さないところを、今は例えば国民生活金融公庫さんとか、それなりにきちんと資金が出ておりますけれども、それより大きい金額出してきたのが商工中金なんですね。 そういったことを踏まえて、全部全部首絞めちゃうんではなくて、いいところはいいところで残しながらも、罰則は罰則ですから、しっかりその辺のめり張りを付けてですね。小泉政権のときに、本来であればここも民営化するわけだったんですね。しかし、緊急を要するいろんなことがありまして残しましたけれども、残した以上はしっかりとした仕事もやっているところもありますから、それらを踏まえて大臣のお考えをお伺いします。
○国務大臣(世耕弘成君) まず、ほぼ全支店で不正が行われていた。その不正の内容が危機対応業務を悪用して、本来危機ではないような会社に、ある意味営業の武器としてこの危機対応業務を使って融資をしていた。これは本当にゆゆしき問題だと思っていまして、商工中金には解体的出直しを迫りたいというふうに思っています。 今有識者会議でいろんな御議論をいただいていますし、これはもう実は長い長い議論の経過があるんですね。一旦完全民営化を決めながら、またそれを止めたという経緯もあります。そういう過去の議論も踏まえながら、最終目的は中小企業の金融に支障を来すことがないようにということで、しっかりとした見直しをやっていきたいと思います。
○石井章君 今日は最後の質問なんですが、委員長、そして滝波先生、大野筆頭に、少数会派でも貴重な時間の割当てをいただきまして、ありがとうございました。 これで質問を終わりにします。
○委員長(斎藤嘉隆君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後三時二分散会