法務委員会 第2号
- 発言数
- 242 件
- 登壇者
- 26 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 2017/12/01
会議録
○平口委員長 これより会議を開きます。 裁判所の司法行政、法務行政及び検察行政、国内治安、人権擁護に関する件について調査を進めます。 この際、お諮りいたします。 各件調査のため、本日、政府参考人として警察庁刑事局組織犯罪対策部長露木康浩君、法務省大臣官房審議官金子修君、法務省大臣官房審議官菊池浩君、法務省大臣官房司法法制部長小出邦夫君、法務省民事局長小野瀬厚君、法務省刑事局長林眞琴君、法務省矯正局長富山聡君、法務省保護局長畝本直美君、外務省大臣官房審議官飯田圭哉君及び厚生労働省大臣官房審議官椎葉茂樹君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○平口委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○平口委員長 次に、お諮りいたします。 本日、最高裁判所事務総局刑事局長平木正洋君から出席説明の要求がありますので、これを承認するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○平口委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○平口委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。小林茂樹君。
○小林(茂)委員 皆様、おはようございます。奈良一区選出、自由民主党の小林茂樹でございます。 私は、地方議会を経て国会に来ております。三年間ブランクがございましたが、二回目ということで、心して質疑に当たってまいりたいと思っております。 法務委員会に配属をされました。私からは、四点質問をさせていただきます。再犯防止対策について、犯罪被害者支援について、法曹養成制度改革について、最後が所有者不明土地問題についてでございます。 早速、質問に入らせていただきます。 まず、再犯防止対策についてお尋ねをいたします。 戦後、経済成長を遂げ、豊かになった我が国でありますが、その反面、国の成長の流れから取り残され、さまざまな理由から犯罪に手を染める事例が後を絶たないのも現実です。新聞、テレビなどでは、連日、憎しみや欲望が原因で発生をする凶悪、深刻な事件が報道されます。我が国の治安は悪化していると思われるでしょうが、実際に犯罪の総数は近年減少傾向であります。ただし、再犯者はなかなか減りません。昨年の刑法犯認知件数約九十九万件、うち再犯率は五〇%近くに上昇しているとのことであります。 安全で住み暮らす社会をつくるため、犯罪を減らす取り組みを官民挙げて進めていくことが必要ですが、特に、再犯を防ぐことは重要だと考えます。出所後、身を寄せる家がない、家があっても仕事がない、そして生活の糧を得るためにやむなく反社会的行動に移る、犯罪を犯す、このような状況に陥っていると思われます。一つの事例であります。 そこで、お尋ねいたします。 国として、矯正施設を出所した後、どのような就労確保の取り組みを行っておられるのか。また、この取り組みにどの程度の予算が必要であるのか。教えてください。
○畝本政府参考人 再犯の防止は政府が一丸となって取り組むべき喫緊の課題でございますが、再犯を防止するためには、就労の確保が極めて重要でございます。 そのため、法務省におきましては、平成十八年度から、保護観察所、矯正施設そして公共職業安定所の連携体制を強化しております。 このほか、平成二十六年度からは、保護観察所が民間の事業所に委託して、きめ細やかな寄り添い型の就労支援を行う更生保護就労支援事業を開始しておりまして、本年度政府予算では、この事業について一億八千三百万円が計上されております。 また、就労支援の一層の充実を図るためには、出所者等の事情を理解した上で雇用してくださる協力雇用主の協力が重要でございます。 そこで、保護観察所におきましては、平成二十七年度から、実際に指導に当たる協力雇用主に対して年間最大七十二万円を支給する刑務所出所者等就労奨励金支給制度を導入しておりまして、協力雇用主に対する経済的負担の軽減を図っております。これにつきましては、本年度政府予算で五億七千五百万円を計上しているところでございます。 今後も引き続き、関係機関や民間の方々と協力しまして、就労支援の取り組みの充実に努めてまいりたいと考えております。
○小林(茂)委員 民間と協力をして、これらの出所者、就労支援をしていくということでございますが、私、一つ事例を御紹介しようと思うんです。 法務省が把握しているこういった就労支援の団体、協力雇用主制度があると思うんですが、それ以外にさらに、民間の発想で取り組んでいる就労支援事業がございます。これは名づけて職親プロジェクトと呼ぶものでございます。ショクシンと呼ぶようでございますが、ぜひ参考にしていただきたい事例であります。 これはむしろ、再犯防止というよりも、人手不足の現代の社会にあって貴重な人材を活用していく、そういった観点も含まれていると思います。当初主導された方は、大阪でお好み焼き屋さんを経営されている千房の中井政嗣社長でございます。私も民間企業出身でございますので、日ごろからこういった関西の民間企業の方々とは懇意にさせていただいておりまして、御指導いただいておりますが、こういう取り組みは、数年前、私が一期目で出ておりました二〇一四年ごろから動き出してきたように思うんですが、当時の谷垣法務大臣が御理解をされて進めてきた事例であります。 中井社長に確認したところ、現在での参加企業は百社を超えたと。数年前であればまだ十社程度、しかも飲食店中心、場合によっては建設会社もあったかと思うんですが、現在ではある程度職種も広がっているのかなと思います。日本財団も財政支援をされているということであります。 職親プロジェクト、協力雇用主制度との違いというのが、こういった出所者を受け入れているということを広く対外的にオープンにされている、告知をされているということが一つの特徴でありまして、さらには、例えば出所者がA社に入社したけれどもなかなか合わない、そういったときに違うB社が手を挙げて、そういう人材であればうちにおいでよということでB社に移っていく、このように、参加企業同士での横の連携があるというところが特徴であるようであります。 さらには、矯正施設においては職業訓練をなさっておられると思うんですが、これをできるだけ現実に即したものにという心がけをされていまして、例えば、飲食店であれば、ホール係などは始終そういうお客さんとフェース・ツー・フェースの場面があるんですが、顔を合わせない場所、ホテルのベッドメーキング、こういったところであればお客様とは日ごろ顔を合わせることがない。しかも、一定の訓練をすればすぐにこれを習得することができるということで、非常にこういった制度に合っている、合致しているということです。 一つの事例にすぎませんが、法務省としても参考にしていただきたい事例であります。 出所者にとって重要なことは、職業、手に職をつけるということはもちろんですが、住む場所に限らない、糧を得る場所がある、居場所があるということ、そして、職業につけばそこに上司や部下もいるわけでありまして、一つの家族、コミュニティーであります。そういった居場所があって信頼される場所であるということが再犯へのブレーキになっていく、こういう効果だそうであります。もちろん、勤めて何年かたてば、これがやがて不安からやりがいにつながっていくということにもなると思います。 政府が主導でやっていること、取り組み、あわせて、民間がこういった草の根でやっておられる、時代に即してやっておられるということをこの機会に紹介させていただきました。また、中井社長など、職親プロジェクトを推進されておられる方とお会いになる機会があるかと思いますので、その折にはぜひとも御理解と御支援をよろしくお願いいたします。 再犯防止については、以上でございます。 二点目、犯罪被害者支援についてでございます。 上川大臣が所信で引用された、我々の誰もが犯罪に遭い犯罪被害者になり得るという言葉、これが被害者に寄り添う心の原点であると私も思います。被害者にとっては、犯罪を防ぐ、減らすという取り組みよりも、むしろ苦しみや困難から立ち直るための具体的な支援が何よりも重要であります。 全国にある犯罪被害者支援センターが、地域で被害者支援の実務を担っていると認識しております。警察、医師、カウンセラー、こういった専門的知識を持つ人材で構成をされているボランティア組織であります。当然、お金がありません。運営資金の確保に苦労されながらも、既に全国にくまなく設置をされ、役割を果たしておられます。 そしてさらに、今設置が望まれている組織がございます。性犯罪被害者のためのワンストップ支援センターであります。大臣所信の中でもおっしゃっておられますこの犯罪被害者支援、その中で、特にワンストップ支援センターは重要であると思います。 お尋ねをいたします。 被害者の心に寄り添う具体的な役割を果たす性犯罪ワンストップ支援センター、全国にこのセンターこそ設置をされるべきだと考えますが、上川大臣の御所見をお聞かせください。
○上川国務大臣 小林委員におかれましては、この分野におきまして、さまざまな御経験を生かした形でこれからもどうぞよろしくお願いしたいと思います。 先ほど、職親プロジェクトについて着目をしてほしいということで御紹介をいただきまして、ありがとうございました。私も、一回目の大臣を務めておりましたときに、職親プロジェクトの千房の社長様であります中井様を初めとして、日ごろから情報交換をしていらっしゃる皆さんの中に入りまして、いろいろな御意見を聞かせていただくことができました。そうした民間の御努力をこれからの再犯防止にしっかりと生かさせていただきたいというふうに思っておりますので、これからもよろしくお願いいたします。 御質問の件でございますが、犯罪の被害に遭われた方々の声に真摯に耳を傾け、その保護、支援に取り組むことは極めて重要であるというふうに認識をしております。 委員から御紹介をいただきましたけれども、犯罪被害者等基本法という法律をつくるということにかかわらせていただいた者としても、御指摘を大変重く受けとめさせていただきたいと思います。 性犯罪、性暴力の被害者の方々でございますが、多大な精神的、身体的な苦痛を受けて、その支援もさまざまであるというふうに考えております。その心身の負担を軽減し、また、心身の健康の回復を図る、このことを目的として立ち上げられ、また、支援していただいているワンストップ支援センターの取り組みは極めて重要なものであるというふうに認識をしております。 とりわけ、被害に遭った直後から、産婦人科の医療とか、あるいは相談、カウンセリング等の心理的支援とか、あるいは捜査関連の支援、あるいは法的支援等、さまざまな支援が必要であるということでございますので、このワンストップ支援センターというのは、可能な限りこれを一カ所で提供することができる、その意味でも、被害者の皆さんに対しましてはその負担が大変軽減ができるというものであるということで、このことの取り組みというのは極めて重要であるというふうに思っております。 昨年四月一日に閣議決定された第三次の犯罪被害者等基本計画におきましても、このワンストップ支援センターの設置促進がうたわれておりまして、現在は、二十九年四月一日現在でありますが、全国には三十九カ所ということであります。これを全国展開にしていくということの重要性は大変大きなものであるということでございまして、その実現に大いなる期待を寄せているものでございます。
○小林(茂)委員 大臣、ありがとうございます。 全国都道府県で三十九カ所が設置済みということでありますが、これは私の地元奈良県では恐らくまだ設置されていないんですね。それを応援するのも私の仕事かなと思うんですが、なぜ設置されていないのか、このあたりも一定の理由があると思うんですね。 各地のこういったワンストップ支援センター、恐らく、役所にあるのか、どこかのNPO法人の事務所にあるのか、あるいは病院に設置されているのか、こういったものが適当であろうかなと思うんですが、もしかすると、設備、施設上の問題なのか、財政的な問題があるのか。このあたり、個々に理由があるかと思いますので、地元で早速私も調べていきたいと思っております。 ちなみに、犯罪被害者支援センター、間接的に御意見をいただいたんですが、奈良県にないということを教えていただいたのは、産婦人科のお医者さんで女医さんでございました。 犯罪被害者支援の件、了解いたしました。 三点目、法曹養成制度改革のことであります。 私も、法務委員会に配属をされ、本来であれば、これまでの委員会での議論などを頭に置いた上でお話ししないといけない、これは承知しております。さまざまな議論が数多く積み重ねられ、今一定の結論に至っていると思いますが、それでもなお、私、現在でも疑問に思うところがございますので、今回、質問項目に挙げさせていただきます。法曹養成ということになります。法曹養成制度改革、司法試験制度も関連いたします。 司法制度改革の議論の中で、平成十三年の司法制度改革審議会意見書では、平成二十二年ころには司法試験の合格者数を年間三千人程度とすることが目標とされました。その理由の一つとして、今後、我が国の経済、金融の国際化の進展に伴う国際紛争等の増加が予想されたことがあったと聞いております。その後、弁護士の活動領域が広がらなかったこともあり、三千人目標は事実上撤回され、平成二十七年の法曹養成制度改革推進会議においては、当面、新たな法曹を年間千五百人程度は輩出できるよう必要な取り組みを進めるとされておりますが、国際化の中で増加する国際紛争等に対応することのできる法曹人材の需要はいまだ多くあるのではないかと思っております。 そこで、こうした国際的知見のある人材も含め、真に国民の期待と信頼に応える優秀な法曹人材を輩出していくため、法曹人口のあり方を引き続き検討していくべきと考えますが、今後の取り組みについて、法務省の見解をお聞かせください。
○小出政府参考人 お答えいたします。 委員御指摘のような国際的知見や経験を有する人材も含めまして、有為な法曹人材を十分確保すること、これは極めて重要な課題であると、法務省としても認識しております。 この点、委員御指摘の平成二十七年の法曹養成制度改革推進会議決定におきましても、法曹人口の規模について、千五百人程度は輩出されるよう必要な取り組みを進めるべきとしつつ、さらには、これにとどまることなく、「関係者各々が最善を尽くし、社会の法的需要に応えるために、今後もより多くの質の高い法曹が輩出され、活躍する状況になることを目指すべき」とされているところでございます。 法務省といたしましては、この法曹養成制度改革推進会議決定を踏まえまして、関係機関、団体の協力を得ながら、法曹人口のあり方については、その検討に資するデータの集積等を行っているところでございます。 今後とも、委員御指摘の国際紛争等への対応も含めまして、国民の法的需要に十分応えることのできる法曹の輩出規模について、必要な検証、検討を引き続き行ってまいりたいというふうに考えております。
○小林(茂)委員 国際紛争について御説明があったんですが、私も、ちょっと具体的な事例までは想像がつかないんですが、国際紛争のみならず、国内の紛争、国内の争い等も想定したほどは広がらなかったということがあるのではないか。訴訟社会が到来する、大変だ、人口をふやさねばならない、こういった経緯はわかるんですが、少し人口については拡大し過ぎた嫌いがあるのではないかなというのが、一般人というか、民間の立場であった私の感想でございます。 ただ、こういったニーズは引き続きあるかと思いますので、こういった質問をさせていただいたということであります。 私も法学部出身でございますが、法律の専門家、その道には進みませんでしたが、専門家を目指した仲間も身近にいて、大変苦労していたなというのも記憶があります。限られた人材でありますので、こういった分野においても活躍が期待されるということを理解しております。 最後でございます。 所有者不明土地問題でございます。これは議論がまだ途中経過であるかと思うんですが、省庁が連携して取り組んでいるということでありますが、所有者不明土地問題への対応について伺います。 大臣所信では、国土強靱化、国民の社会経済活動の重要なインフラ整備のため、所有者不明土地問題に取り組むとおっしゃっています。 持ち主のわからない土地はさわれない。道路をつくる、河川を改修する、農地、林地を集約化する、こういった過程でこの問題が障害となっていました。土地を、本来あるべき姿に、将来あるべき姿に活用していくという点においては、まさしく、この取り組みは我が国の経済に資すると思います。 そこで、お尋ねをいたします。 法定相続情報証明制度による相続登記の促進に取り組むとともに、長期間相続登記が未了の土地の解消に向けた取り組みを推進するとのことですが、その具体的な内容についてお聞かせください。
○上川国務大臣 委員の御質問、まず第一点目でございます法定相続情報証明制度でありますけれども、この制度は、相続人の相続手続における負担軽減を図るとともに、この制度を利用する相続人に対する相続登記の直接的な促しの契機を創出するために、本年五月から開始をした制度でございます。 本年度の利用範囲の拡大に取り組みまして、相続登記が未了のまま放置されないよう、相続登記の促進に努めてまいりたいというふうに思っております。 また、二点目の御質問でございますが、長期間相続登記未了土地の解消を図る、そのための方策でございますが、来年度から、登記官がそのような土地について、所有権の登記名義人が死亡しているか、死亡している場合には相続人として登記名義人となり得る者が誰かを調査し、相続人に対して直接的に相続登記の促しを行う制度、この創設を検討しているところでございます。 これによりまして、長期間相続登記が未了の土地の解消を図り、公共事業等の実施の円滑化にもつなげてまいりたいというふうに考えております。 法務省といたしましては、民事基本法制及び民事法務行政を所管するという立場でございますので、関係府省としっかりと連携をして、所有者不明土地問題への対応を加速化してまいる所存でございます。
○小林(茂)委員 ありがとうございます。 法務行政が経済に資するという案件、ぜひともスピード感を持ってといいますか、各省庁との連携ももちろん必要でありまして、国土交通省がリードしていくという部分もあろうかと思いますので、厳正に法を運用していただきながら、経済に資するという観点で取り組んでいただきたいと思います。 私の質問は以上で終わらせていただきます。以上です。
○平口委員長 次に、鬼木誠君。
○鬼木委員 自由民主党の鬼木誠でございます。 本日は、外国人の土地所有について質問をいたします。 私の母方は対馬の出身でございます。対馬藩宗氏の馬回り役を務めまして、元寇の際も対馬を守ったという一族でございます。その国境の島対馬で、外国人による土地所有が問題となっております。 海上自衛隊対馬防衛隊本部の周辺土地が韓国資本によって買収されまして、現在、リゾートホテルになっております。そこには天皇陛下の行幸啓の地の碑もありまして、そこもリゾートホテルの一部となっている。また、何が問題かといいますと、日本の防衛機関の周辺地区が買い取られたということで、防衛に関する通信傍受のおそれなどが指摘されているところでございます。 対馬は現在大変疲弊しておりまして、経済的に韓国に依存しているという状況があります。経済が疲弊いたしますと人口が減っていく、そして土地ももう買ってもらおうと売りに出したときに、その売りに出た山を韓国資本が買うといったことも見られておりまして、合法的に国土が、また国境離島の地が外国人所有者によって取得されるということが進んでいるわけでございます。 また、北海道では、山林やキャンプ場が大規模に買われております。これはもう何年も前から言われていることでございます。 買われる目的は何なのかということ、いろいろな説がありまして、水源地、水を目的とした買収じゃないかということが古くから言われておりました。ところが、最近ではそのほかの利用についても臆測がございまして、その買われる場所が、広大な可住地、可耕地、人が住める、耕作ができる、そうした土地を囲い込む傾向があるということで、ここに、もしかしたら将来的に大量の難民が押し寄せてくることになるのではないかということが心配されております。 日本の土地が合法的に外国人のものになっていく、また、国境離島や過疎地が実効的に所有されていく。日本は、これまでの歴史においても、実効的に領有されると取り返すことができないということで、海外の国々はたかをくくっているのではないか、これは将来においてさまざまな禍根を残すことになるのではないかということを心配いたしております。 日本には、外国人の土地の所有、取得、利用を制限する法律がないと言われておりますが、実際には法律自体はあると聞いております。外国人による日本の土地の取得、利用を制限する法律、外国人土地法というものがあると聞いておりますが、これはどういった法律であるのでしょうか。質問いたします。
○小野瀬政府参考人 お答えいたします。 外国人土地法は大正十四年に大日本帝国憲法下で成立した法律でございまして、現在も効力を有する法律でございます。 この法律は、一定の場合に政令を定めることによって、外国人や外国法人による土地に関する権利の取得を制限することができると規定しております。 具体的には、第一に、外国人等が属する外国において日本人の土地に関する権利の享有を制限しているときに、相互主義の観点から同様の制限をすること、第二に、国防上の観点から、必要な地区において、外国人等の土地に関する権利の取得につき禁止をし、または条件もしくは制限を付することができると規定しております。
○鬼木委員 ありがとうございます。 こういう法律が実際はあるということでございますが、大正十四年にできた、旧憲法下、大日本帝国憲法下でできた法律であると。現在も効力を有する法律ということではございますが、では、この制限の内容を定める政令というものは、これまで政令が制定されたことがあるのでしょうか。お答えください。
○小野瀬政府参考人 お答えいたします。 外国人土地法は、制限の対象となる権利や制限の態様等について、政令に包括的、白紙的に委任しておりまして、この点で憲法上の問題が生ずる可能性がございます。そのため、現行憲法下で外国人土地法に基づく政令が制定されたことはございません。 なお、この法律の第四条、国防上の観点でございますが、ここに基づく勅令は戦前に一度制定されたことはございます。もっとも、この勅令は、昭和二十年十月二十四日に廃止されております。
○鬼木委員 現行憲法下では政令が制定されたことはないということでございます。これは、政令に包括的、白紙的に委任することは問題があるということ、また、現行憲法下での運用ということでございます。 ポイントは、やはり現行憲法下では政令が制定できない。つまり、外国人土地法が機能することができないということが明らかであるということ。それともう一つ、制定での制限というのが白紙委任だということで、それは憲法違反のおそれがあるということでできないということは、具体的に法律で定めれば、制限はまた可能なのではないか。つまり、制限を加えるには新たな法律が必要であるということが明らかになったと思われます。 そこで、相互主義という言葉が出てまいりました。相互主義ということでありますが、日本は外国人に対して土地の所有を規制できない一方で、海外では、外国人による土地の取得、利用が制限されている国がほとんどだと聞いております。 先日も、自民党の委員会におきまして、青森大学の平野秀樹教授がお見えになりまして、そこで、海外の土地所有、利用の規制について一覧表を、お調べいただいたものを公表いただきました。そこでは、外国人に対する土地の利用、取得というものを多くの国々が制限できるという状況になっております。 つまり、日本人が海外で土地を買おうとすれば、そこには、他国ではいろいろな制限がかかる。だけれども、日本では取得も利用も制限することができないという状況にあります。 どういう理由でこうした不均衡が生じているのか。そこにはさまざまな条約上の理由があるというふうに聞いておりますが、外務省からお答えいただきたいと思います。
○飯田政府参考人 お答えします。 我が国は、自由貿易の推進や日本企業の海外展開支援の観点から、国際的な投資やサービスの自由化、これをこれまでも積極的に推進してきているところでございます。そういう目的から、経済連携協定とか二国間投資協定、さらにはWTOにおいても、各分野で内外無差別、これは内国民待遇と呼んでおりますけれども、そのルールが広く及ぶよう、各産業を所管する全ての関係省庁と連携しつつ、積極的に交渉をしてまいったところでございます。 我が国がこれまで締結しました経済連携協定、投資協定、さらにはサービスの提供に関する規律でございますが、WTOにサービス貿易に関する一般協定、俗にGATSと呼ばれているものがありまして、これにおいては、原則としては投資やサービスにおける内国民待遇義務が定められているところでございます。 土地取得についても、一部の経済連携協定や投資協定、さらにはGATSにおいても、交渉の結果といたしまして、我が国は、これを例外とすることなく、内国民待遇の義務を負っているところでございます。 したがいまして、土地取得に関し、これらの協定との関係におきまして、内外差別的な立法を行うことや相互主義的な措置をとることは、原則として認められないということになっております。 また一方で、外国人のみを対象にした措置でない場合、つまり内外無差別である場合には、合理的目的及び手段で土地の取得を規制することまでもこれらの国際約束が禁止するものではなく、そのような国内立法は国際約束上も制約されないという理解をしているところでございます。
○鬼木委員 WTOのサービス貿易に関する一般協定、GATSにおいて、内国民待遇義務が定められているということで、日本人に対する土地の権利の待遇と外国人に対する権利の待遇というものが、格差があってはいけないというルールを日本は守っているということでございます。 しかし、内外無差別である場合には、合理的な目的及び手段で土地取得等の制限を規制することまでも禁じているものではないという答弁でしたので、内外無差別の立法ならば、取得、利用についての制限が可能という答弁だったと思います。 しかし、やはり釈然としないわけですね。日本人は海外の土地を自由に取得することも利用することもできない現状がある。そして、外国人は日本の土地を取得も利用も本当に自由にできる。 同じGATSに加入している国々でも制限ができているという状況もあります。 例えばインド。外国人、外国法人の土地所有は原則不可。一定の条件下で外国企業の現地法人による土地取得は可能。また、フィリピンにおきましても、外国人、外国法人の土地所有は原則不可。外国人投資家が土地を期限つきでリースすることは可能というふうに、こうした制限が現に加えられているわけですね。インド、フィリピン、タイなどもGATSに加盟しておりますが、外国人の土地所有は原則不可となっております。 なぜ彼らにできることが日本でできない状況があるのか、外務省、お答えできますでしょうか。
○飯田政府参考人 お答えいたします。 先ほどGATSについて御説明しましたけれども、御指摘のとおり、GATS加盟国の中にも、外国人の土地取得につき一定の規制を行う国があるということは事実でございます。 先ほど私、内国民待遇のときに原則としてと申し上げましたけれども、これらの国々は、GATSの約束表において、サービス提供にかかわる土地の取得に関し留保を行っているという認識でございます。したがいまして、これらの国は、その留保の範囲内で必要な制限をとることが可能になっているということでございます。 また、我が国の方は、先ほど申し上げましたように、自由化を推進する立場を基本としつつこれまで交渉に臨んできまして、個別の国の事情や交渉参加国の利害のバランスを十分に踏まえた上でそれぞれの協定について交渉を行っているところでございますが、協定の内容は交渉の結果によってそれぞれ決まって、異なってくるものでございますけれども、GATSにおいては、当時の交渉経緯の中で、土地取得の内外差別の留保を行わなかったということは事実でございます。したがいまして、土地取得に関し内外差別的な立法を行うことは、GATSとの関係においても原則として認められないということと理解をしております。
○鬼木委員 今いろいろお答えありましたが、どうしても不平等感が否めないわけでございます。 先ほど述べた国々は、外国人の土地所有を禁ずるという形で内外の格差があるということでありますが、アメリカでいいますと、土地所有権は原則として、政府による優越領有権等強力な政府権原のもとに位置づけられる。四割の州で州法による規制がある。また、イギリスは、原則として土地の最終処分権は政府または王室に帰属している。土地所有者は保有権を持つのみである。また、ドイツにおきましては、ワイマール憲法で土地所有の原則不自由を規定しているということで、先ほど述べたアメリカ、ドイツ、イギリスは、内外の区分なく国家が土地に対する強い権限を持っているということなんですね。ですから、海外の人たちが利用したとしたときにも、内外差別なく強い権限で国が制限を加えることができるということになっている。逆に言うと、日本人が取得したときにもその制限が及ぶということになっている。したがって、日本国民が海外で土地取得、利用する場合には、ほとんどの国々で制限を受けているという状況があるわけでございます。 それでは、日本でも、相互主義の観点から外国人による土地の取得、利用を制限することができないのか、大臣にお答え願いたいと思います。
○上川国務大臣 まず、先ほど、日本の中に、外国人、土地に関しての法律ということで御質問がありましたけれども、お答えを先ほどしたとおりでございまして、外国人土地法の第一条に基づく政令を制定するということについては困難であるというふうに考えているところでございます。 法律によって制限ができるかどうかということでありますけれども、あくまで一般論ということで申し上げるところでありますが、法律によって外国人の権利を制限しようとする場合におきましては、権利の制限目的が正当であるか、また、制限手段が必要かつ合理的と言えるか否かの観点からその可否が検討されることになるというふうに考えられます。 特定の行政目的に基づいて、その達成に必要な範囲で外国人の土地取得を制限するということはあり得るわけでありますが、その目的と態様に応じて、それぞれの所管行政事務を担っている各省庁において検討されるべき問題である。 もちろん、検討の際には、法務省、民事基本法制を所管している立場でございますので、各省庁、所管省庁との協議におきましては誠実に対応するということになろうかと思います。 なお、外国人のみを対象としてのさまざまな土地使用の制限ということでございますけれども、それにつきましては、ただいま外務省の方からの答弁にあったとおり、我が国が締結している諸条約におきまして内国民待遇が規定されていることとの関係で、条約違反となる可能性もあるということでございますので、極めて慎重な検討が必要であるというふうに考えております。
○鬼木委員 大臣、御答弁ありがとうございました。難しい質問だったと思います。非常に慎重に言葉を選んで答弁いただいたと思いますが、やはりいろいろな大きな問題をはらんでおります。 国境離島がどんどん外国資本によって外国の方の領有になっていくということ、また、北海道の広大な土地が、可住地、可耕地が大きく買い占められて、この後どういう利用がされるかわからないという状況、それに何も対応できないというのは、さまざま大きな禍根を残し得る大問題だと考えております。 今までの議論の中で、ポイントが二つあると思っております。一つは条約上の問題であります。 本当に日本にとってフェアなルールになっているのか。相互主義といいながら、日本では制限ができない、他国の、海外は制限できる、このバランスを欠いている状況というものが本当に相互主義となっているのかという条約上の問題。 そしてもう一つは、憲法上の問題というのが私はあると思っております。 非常に日本国憲法は私権が強いというのが特徴でございます。占領下でつくられた憲法であり、また一説には、日本を弱い国にしようという意図があってつくられた憲法、非常に私権が強い、個人の権利が強い、そしてその権利は外国人にも及ぶということで、日本の国を悪いことをする存在として、弱い国家を目指しているところがあるのではないかというところ。今後、国を守るという憲法になっていないのではないかというふうに思います。 人道上の問題もあり、生活保護が外国の方々にも支給されているという状況がある中で、今後は、難民の受け入れというのが日本においても大きな問題になってくると思います。ヨーロッパの難民問題は、ヨーロッパ各地で大きな問題を残しております。後から騒いでも遅いということであります。未然に議論をし、対策をする必要があります。 また、憲法も、誰のための憲法なのか。国家が悪者というようなものではいけなくて、日本国民を守るための国家、日本国民による日本国民のための憲法に変わっていかなければならないというふうに私は考えております。 そうしたさまざまな問題を提起いたしまして、この外国人の土地所有の問題、しっかりと国の取り組みを期待いたしまして、私からの質問を終わらせていただきます。 以上です。ありがとうございました。
○平口委員長 次に、國重徹君。
○國重委員 おはようございます。公明党の國重徹でございます。 まずは、上川法務大臣、節目となる第百代目の法務大臣への御就任、そして葉梨副大臣、山下政務官、それぞれの御就任、本当におめでとうございます。 大臣、副大臣は再登板、また山下政務官は検察官出身の法務分野のプロということで、いずれも法務行政の見識の高い、非常に重厚な布陣だと感じております。どうか、ぜひ力を合わせて、法務行政の新たな時代を切り開いていっていただきたいと思います。 きょうは所信質疑ということでありますけれども、上川法務大臣が九十五代目の法務大臣を離任される際の挨拶を読ませていただきました。その中にこういうところがございました。「法務委員会はじめ各委員会における審議に真摯に向き合うなか、早朝レクの回数も多く、煌々と灯りがともる日が続きました。最も早い出邸は午前三時五十分。四時からのレクに、夜を徹して準備をする担当部局の職員の仕事ぶりは、ワークライフバランスのかけらもない状態で、国会対応との両立の難しさを実感したところです。」こういったところに、私、目がとまりました。 いろいろと悩ましい課題はございますけれども、与党の古川筆頭、また野党の山尾筆頭のもと、平口委員長をお支えして、充実した審議とともに、こういったワーク・ライフ・バランスの改善に向けて私もしっかりと汗をかいてまいりたいと思います。 このワーク・ライフ・バランス以外にも、上川法務大臣、三年前に大臣に就任されて、約一年間、大臣として職責に当たられたわけですけれども、さまざまな悩ましい課題、また葛藤があったかと思います。上川法務大臣にとって、前回の大臣をされたこの一年間、どのようなことが最大の障害、壁だったのか、また、離任される際に悔やまれたことがあったとすれば、それはどのようなことだったのか、率直にお伺いしたいと思います。
○上川国務大臣 國重委員におかれましては、先回と同様またこの法務委員会で大きな御指導を賜ることになりますが、どうぞよろしくお願いを申し上げます。 また、先ほどは、私の先回のときの辞任のメッセージを、その中を御紹介いただきまして、大きなエールをいただいたものと、心して頑張らせていただきたいというふうに思っております。 私は、三年前でありますが、平成二十六年の十月二十一日から二十七年の十月の七日までの間、法務大臣を約一年務めさせていただきました。 前回の就任時でありますが、法務省が地方支分部局も含めまして約五万三千人の職員を抱えるということにつきましても知らない状態からのスタートでございました。とにかく、起こり得るさまざまな出来事、例えば無戸籍者の問題、また、女子刑務所におきまして受刑者の出産の問題など、法務行政の各現場で日々起こる現実的な大きな課題につきまして、各部局課の専門性の高いプロの職員の皆さんの力をかりながら、職員とともに、現場目線、国民目線を大切に、がむしゃらに取り組んだ一年でございました。 その中で、私が、法務省の今後の課題としても大切にしていきたいと思うことでありますが、当時印象に残ったことということで、ちょっと二点お話をさせていただきたいと思っております。 まず一つ目でありますが、法務省の横の連携が弱いという点でございます。 その一例として、当時、矯正施設で勤務するお医者さんの不足の問題が深刻でありまして、これは法律改正もしていただいたところでございますが、この矯正施設での医師不足の問題は、実は同じ問題が入国者収容所でも起きていたのでございます。 しかし、矯正施設と入国者の収容施設では所管が異なりまして、それぞれ所管する矯正局と入国管理局の間で、同様の問題を抱えながら、その解決に向けて情報交換、情報共有をするなどして連携していこう、こうした姿勢が足りないのではないかということを感じました。 私は、法務官署で勤務する医師が足りないというのは法務省全体の問題として扱うべきものではないかというふうに考えておりますし、また、その方がよりよい解決につながるものというふうに考えましたので、その折、関係機関に、この医師不足の問題解消のために御協力をいただきたいとお願いに伺った際には、両局長をぜひということで同行していただきましてお願いに行ったことがございました。 このように、組織の縦割りが強いことはそれぞれ結束が強いということであります。その意味で大変いい面もございますが、同時に、問題の抜本的な解決を難しくする、また、これは地方における問題解決においてより顕著になるのではないかということも感じた点でございます。 地方におきましては、法務省の各局部課の所管業務につきまして、例えば刑事局の所掌事務は検察庁、そして矯正局の所掌事務は刑務所や少年院、また民事局の所掌事務は法務局で行っておりまして、オール法務官署として横串型に連携をして対応すべきである案件につきましてもそのような発想になかなかなりにくいということでありまして、したがって、それぞれの機関が別々に対応しがちであるということによって、トータルとして見るとまとまりを欠き、また、政策や問題解決の先細りが生じかねないということも感じたところであります。 ですから、日々の重要課題に対しまして迅速で力強い取り組みを行うためには、これまで以上に法務官署間の、つまり、五万三千人の方が働いているそれぞれの部署、そのしっかりとした組織の中での仕事と同時に情報の共有と連携、これについて強化していくということが重要ではないかというふうに考えたところでございます。 また、もう一つということでありますが、法務省が社会のグローバル化におくれをとっているのではないかということを感じたことでございます。 前回就任時におきましても、国際案件につきましては、各局部課がそれぞれの所管の範囲の中で大変質の高い取り組みを極めて地道に行っておりました。しかし、さきに述べましたとおり、組織が縦割りでありまして、この国際案件につきまして戦略的に取り組む上での司令塔の機能が弱いために、政策の有機的連携が余りとられておらず、戦略的な視点に欠ける側面があるようにも感じたところでございます。 そこで、私、前回退任後でありますけれども、自民党の司法制度調査会長として、国民に頼りがいのある司法の実現に向けて、法の支配を国際的に浸透させる新しい日本のソフトパワーとして、司法外交、これを国の施策に明確に位置づけることなど、さまざまな問題提起をしてきました。 私は、日本企業の国際進出に代表される社会のグローバル化の中で、質の高い日本の司法制度あるいはその運用ノウハウ、また指導人材等のソフトパワーを生かし、それを生かし切る、そしてそれによって国際社会で日本がこの分野におきましてもリーダーシップを発揮して、プレゼンスを高めていく。そして、このことにおきまして法務省また法曹実務家の役割は極めて重要でありまして、その意味で、省内に国際的な司法戦略を担う司令塔機能をつくり、オール法務省で司法外交を展開し、国際案件に取り組む必要があるというふうに考えているところでございます。 今回、第百代目という節目の法務大臣に就任をいたしまして、前回の経験ということで御質問をいただきましたので、そのときからの問題意識も含めまして、そうした問題意識を大切にしながらこの重責に当たりたいというふうに思っておりますので、よろしくお願いを申し上げます。
○國重委員 大臣、ありがとうございました。 今、大きく二点、お話しいただいたかと思います。前回の、横の連携また司法外交、こういったことでお話をいただきましたけれども、それに対する対応も今お話を含んでいただいたかと思います。 その上で、百代目、本当の節目となる百代目の大臣になられて、また、よりこうしていこうとかいうようなことがもしあれば重ねてお話しいただければと思います。なければ結構です。
○上川国務大臣 先ほど申し上げたとおりでございますが、法務本省の各部局、そして全国の法務官署が、国民の皆さんの何よりも御支持と御協力のもとで、それぞれの政策課題に応じてしっかりと連携をし、そしてその能力を最大限発揮し、国民の皆さんの信頼を得るということが何より重要であるというふうに考えております。 本来、法務行政が扱う問題というのは、国民の安全、安心にかかわる、日ごろの暮らしの中の一番基盤を支えるものでございますので、そもそも身近な問題である。そして、法務省も身近な組織でなければいけない。しかし、ともすれば、必ずしも国民の皆さんからは身近な存在であるという認識を感じていただいていない面があるのではないかというふうにも思うところでございます。 そうした壁を乗り越えるために、まず、こちらの方からも、法務行政はこういうものだということにつきまして、広報について、積極的にこちらから広報を進めていくということ。また同時に、法律を含めまして、法的な物の考え方については、子供のときからの法教育というのが大切ではないかと感じておりますので、この充実を図るということ。また、真に重要な施策、必要な政策につきましては、やはりスピード感を持って、しっかりと結果を出していく必要があるということでありますので、もちろん省内の連携、これは、先ほどのような問題があるのではないかということで、感じてきたことをしっかりと克服しながら、また同時に、他省庁との連携、地方公共団体あるいは民間企業や民間の団体、グループ、こうしたところとも積極的に連携をしていく、そうした姿勢で、さまざまな重要政策について臨んでまいりたいというふうに思っております。
○國重委員 ぜひ、大臣、頑張っていただきたいと思います。 次に、経済的観点から見た再犯防止に関してお伺いしてまいります。 「刑務所の経済学」、慶応義塾大学の中島隆信教授の著書でありますけれども、この中で、次のようなことが書かれてありました。「過去に刑務所の世話になっている人が、性懲りもなくスーパーで三〇〇円分のパンを万引きしたとしよう。現行犯逮捕され、本人も罪を認めて直ちに送検、拘置所に収容されて検察の取り調べを受ける。 そのさい、国選弁護人がつく。累犯もあるので起訴されて裁判にかけられ、送検から一か月の拘置期間を経たのち、懲役六か月の判決を受けて服役、満期で出所して社会に戻る。さて、この間の費用はどのくらいだろうか?」 大臣、どのぐらいでしょうかということは聞きませんけれども、概算で、この中島教授によりますと、百三十万円ほどかかるというような試算をされております。これは、国選弁護費用とか含めて、百三十万円ほどかかるというような推計をされております。 続いて、中島教授は、「法治国家と呼ばれている私たちの社会は、わずか三〇〇円の万引きに対してさえ、一三〇万円もの税金を投入して後始末をしているのである。」このように書かれてありました。 こういったことは、再犯が防止できていればお金が軽減できていたことであります。また、再犯せずに真面目に働いていれば、税金や社会保険料を納めて、国家財政にプラスになったかもしれない。治安もよくなる。刑務所内での処遇に係る費用の軽減以外にも、再犯防止がもたらす経済的効果というのはさまざまあるというふうに思われます。 しかし、さきの中島教授は、これまで日本では刑事犯罪を対象とした経済分析はほとんどなされていない、このように述べられております。 さまざま、経済的効用といっても、非常に難しい問題はあるかと思いますけれども、その上で、刑罰の目的はしっかりと根底に置きながらも、経済的観点から、再犯防止がいかに有用なのか、こういったことを研究して、可視化していく、これは、国の財政の観点からも、また、再犯防止政策に関して国民の皆さんの理解をより一層得ていくという観点からも、私は非常に重要なことだと思っております。 これに関して、大臣の見解をお伺いいたします。
○上川国務大臣 國重委員から大変重要な御指摘をいただきました。 再犯防止を進めるということでございますが、やはり国民の皆様の御理解そして御協力は不可欠でございます。そのためにも、再犯防止の効果をできるだけ見える化する、そしてわかりやすくお示しをするということは大変重要であると認識をしております。 現在、再犯防止推進計画案を策定中でございますが、この中に、社会的インパクト評価に関する調査研究を行うということを規定しているところでございます。 現在、刑事情報連携データベースシステムの開発を法務省でも進めておりますが、今後、こうしたシステムを活用するなどいたしまして、先ほどの御指摘のとおり、施策の経済的というか、効果、いろいろな意味での効果を検証、分析しながら、その効果を見える化し、国民の皆様に御理解をいただくようにしっかりと取り組んでまいりたいと思います。
○國重委員 ぜひよろしくお願いいたします。 勇退された自由民主党の保岡先生、また我が党の漆原元代議士とともに、法務の予算を獲得するために財務省のところにも行かせていただいたこともあります。そのときに、大局的な観点からこのような経済的効果もあるんだというようなことをやはり言っていくことが、示していくことが極めて私は重要だというふうに感じましたので、また、こういったことを進めていくと予算の配分をより効果的なところに配分していけるということにもつながると思いますので、ぜひこういったところを推し進めていただきたいと思います。よろしくお願いします。 次に、高齢者犯罪に関してお伺いしたいと思います。 今、高齢者の入所受刑者は他の年齢層に比べて高どまりの傾向にございます。平成二十八年は、平成九年と比べると、総数で四・二倍、女性では九・一倍。これは、高齢化、今進んでいますけれども、これに伴う増加なのか、それともほかの要因があるのか。 また、高齢者が出所後二年以内に再び刑務所に入所する割合は全世代の中で最も高い割合となっております。出所後五年以内に刑務所に再び入所した高齢者のうち約四割が、出所後半年未満という極めて短期間で再犯に至っております。この高齢者の再犯の高さ、再入率が高い要因は何なのか。 この点について、矯正局長にお伺いします。
○富山政府参考人 お答えいたします。 委員御指摘のとおり、高齢の受刑者の入所状況あるいは再入状況は大変厳しい状態にございます。 高齢受刑者の入所人員の増加や再入率が高い原因、なかなかこうであると断言することは難しいところがありますが、高齢者が刑事施設への収容を繰り返すにつれて、定職につけず、また住居が不安定になるとともに、身寄りがなく単身の者がふえていく、こういったことから、社会的な孤立や経済的不安といった深刻な問題を抱えているといったことがあるのではないかということが考えられます。 当然、刑事施設におきましても、出所後に福祉の施設につないでいくといったようなことにも意を用いているわけではございますが、こうしたことを嫌って支援を受けることを拒む者も相当数おります。こういったことが主な要因ではないかと考えられるところでございます。
○國重委員 ありがとうございました。 以前、犯罪白書の説明を受けた際に、法務総合研究所の方からもこの高齢者犯罪の増加について説明を受けました。ただ、まだこの原因については十分に研究されていないということでしたので、よりしっかりとした研究を進めていっていただきたいと思います。 今、日本全体が高齢化が進んできて、それに伴って認知症の方もふえております。これは、一般社会の話だけではなく、刑務所内も同様でございます。 多くの方は、犯罪というのは自分と関係ないというふうに思っているかもしれませんけれども、誰しも認知症になる可能性は否定できないわけであって、そうした場合に、善悪の判断が余りつかないままに犯罪を犯してしまうというようなケースもあるかと思います。これは、本人にとっても家族にとっても被害者の方にとっても非常に不幸なことだと思います。 平成二十六年末時点で、法務省の調査によりますと、六十五歳以上の受刑者で認知症傾向のある受刑者は一六・七%と、約六人に一人もいることになります。この中には、福祉に適切につなげていれば、また社会の支えがしっかりしていれば罪を犯さなかった人もいるかと思われます。 上川法務大臣、この現状についてどのように受けとめられるか、お伺いしたいと思います。
○上川国務大臣 受刑者が高齢化すると、認知症の方もその中には多く含まれるということで、御紹介いただいた特別調査を行いまして、二十七年六月時点で、六十五歳以上の受刑者のうちの認知症傾向にある者はおよそ一七%ということで、全国の刑事施設に当てはめてみますと、およそ千百人程度いるというふうに推計をされているところでございます。 現在におきましても、認知症の傾向にある受刑者に対しましては、可能な限り集団処遇の機会を設けまして、認知症の進行や身体機能の低下をおくらせるでありますとか、また、症状等に応じまして一般の受刑者とは異なる個別の処遇を行うということで、きめ細かな対応をしていっているところでございますが、このあり方そのものについてしっかりと検討していくということにつきましては喫緊の課題ではないかというふうにも思っているところでございます。 刑事施設におきましては、社会福祉士あるいは介護福祉士等の専門スタッフを充実させるなど、処遇の体制につきましても一層強化していく必要があるというふうに考えておりまして、またさらに、出所後におきましても安定した帰住先が確保できるように関係機関との連携をさらに強化する、こうした取り組みにつきましてもしっかりと進めてまいりたいというふうに考えております。 いずれにしても、大変重要な問題であると認識しております。
○國重委員 高齢者犯罪、また認知症の方の犯罪というのは、極めてこれから重要な課題になってくると思います。法務省としても取り組んでいると思います、出口支援、入り口支援、やっていると思いますけれども、やはりこれはさらに強化していく必要があると思います。 先ほど、大臣、決意の中で言っていただいた、法務省内の連携もそうですけれども、やはり司法と福祉との連携、これが非常に大事になってくると思いますので、ぜひよろしくお願いします。 認知症と刑事司法の関係について、ちょっとお伺いしていきたいと思います。 認知症と刑事司法の間には非常に多くの検討課題がございます。例えば、認知症の人が犯罪を犯した場合、犯行当時認知症だった場合、これは責任能力というのが問題になります。また、公判中であれば訴訟能力が問題になります。また、刑の判決、言い渡しを受けて受刑しているとき、受刑中であれば受刑能力が問題になります。 その中で、きょうは時間の関係で、受刑能力に絞って取り上げたいと思います。 この受刑能力に関して定めた刑事訴訟法四百八十条、これは自由刑の必要的執行停止に関する規定でありますが、ここには、「懲役、禁錮又は拘留の言渡を受けた者が心神喪失の状態に在るときは、刑の言渡をした裁判所に対応する検察庁の検察官又は刑の言渡を受けた者の現在地を管轄する地方検察庁の検察官の指揮によつて、その状態が回復するまで執行を停止する。」とあります。 この心神喪失の文言というのは結構いろいろ出てきますね。責任能力を定めた刑法三十九条にも出てきますし、訴訟能力を定めた条文にも出てきますし、また、この受刑能力の四百八十条にも心神喪失という言葉が出てきます。 では、ここで言う、四百八十条で言う心神喪失の内容、また、この四百八十条の趣旨、これについて刑事局長にお伺いします。
○林政府参考人 刑事訴訟法四百八十条の心神喪失でございますが、これは、一般に、裁判によって刑の執行を受けていることを認識し得る能力が欠如した状態、これをいうと解されております。 この趣旨でございますが、こういった、刑の執行を受けていることを認識していない、このような状態にある者に対する刑の執行というものは刑罰の目的に反する、刑罰の目的を応報と考えても、また予防と考えてもそのような刑罰の目的に反することから、本条の規定が設けられているものと理解しております。
○國重委員 今、刑罰の目的にも反するからというような答弁がありましたけれども、そこで、次にお尋ねしたいのは、ちょっと一問飛ばしまして、これまで自由刑の必要的執行停止を定めた刑事訴訟法四百八十条によって刑の執行停止となった者は、一体、受刑者は何人いるのか。これはずっとさかのぼってのことになりますけれども、とりわけ直近三年間については具体的にデータを挙げてお答えいただきたいと思います。よろしくお願いします。
○富山政府参考人 お答えいたします。 まず最初に、平成二十六年から二十八年までの三年間、四百八十条に限らず、刑の執行停止によって刑事施設を出所した受刑者の数について申し上げたいと思います。平成二十六年が三十三名、平成二十七年が二十九名、平成二十八年が二十六名でございます。 実は、この刑の執行停止につきましては、委員が御指摘になりました四百八十条以外に、四百八十二条という条文で裁量的な執行停止ができるとなっております。 法務省の統計資料である矯正統計年報におきましては、この刑の執行停止の内訳として、四百八十条によるものなのか四百八十二条によるものなのかといったところまで調査をしておらず、網羅的に把握をしておりません。 したがいまして、今、この三年間について、四百八十条によってというお尋ねになりますと、残念ながらお答えができないわけなんですが、二十八年分につきましては当局において調査をした結果がございまして、それによりますと、四百八十条による刑の執行停止の事例はゼロとなっております。
○國重委員 今、三年間に関してお答えいただきましたけれども、矯正局長が把握している範囲で結構なんですけれども、これまで四百八十条で刑の執行停止になった人がいるというのは聞いたことがありますか。
○富山政府参考人 お答えいたします。 先ほど申し上げましたとおり、当局において、統計上、どの条項に基づいての執行停止が行われたかということを承知していない関係上、非常に数少ない個別の経験しか具体的な案件を承知しておりません。その範囲で申しますと、私個人としては、四百八十条に基づく事例というのは承知しておりません。
○國重委員 ありがとうございました。 今まで、自由刑の必要的執行停止を定めたのが刑事訴訟法四百八十条、自由刑の任意的執行停止を定めたのが刑事訴訟法四百八十二条、これを合算したものは矯正統計年報に出ておりますけれども、では、なぜこれを個別に把握していなかったのか、理由を伺います。
○富山政府参考人 お答えいたします。 矯正統計年報と申しますのは、まさに矯正に関するさまざまな統計情報を年間で集約して公表しているものでございますが、私どもといたしましては、この受刑者の出所事由ということにつきまして、大きな出所事由としては満期釈放と仮釈放というのがメーンでございますが、それ以外に、まさに刑の執行停止、あるいは死亡、逃走といったようなことも出所事由としてあるわけなんですが、これを調査して公表する上で、刑の執行停止事由のさらにその内訳についてまでは調査をすることとしておらなかったというところが正直なところでございまして、そこまでの細かな調査を今まではやってこなかったというところでございます。
○國重委員 上川大臣、今このやりとりを聞いていただいてわかるとおり、これまで刑事訴訟法四百八十条というのが、実際に条文にはあるんだけれども、実際に適用されたかどうかというのはわからない状況にございます。これに関する判例もございません。 先ほど申し上げましたとおり、平成二十六年末時点で、六十五歳以上の受刑者で認知症傾向のある方は一六・七%、全国で、先ほど大臣がおっしゃったように、約千百人いると推計されております。夜中に徘回をする、排せつ物を投げる、また、尿意を伝えることもトイレの位置を認識することもできずに面接室で突然排尿しようとした受刑者もいるというふうに聞いております。 そして、この認知症というのは、どんどん、認知機能の低下というのは徐々に進行していくわけですね。このようなことからすれば、私は、受刑能力がない受刑者もいると考えるのが自然なのではないかというふうに思います。 そういった受刑者が、これは必要的な刑の執行停止です、そういった方が、刑事訴訟法四百八十条による刑の執行停止を受けていない可能性があるというふうに私は思います。 被告人に責任能力があるのか、また訴訟能力があるのか、こういったことは裁判所でチェックされることになりますけれども、一旦受刑すれば、受刑能力がないまま放置されても、刑務所内のことというのはなかなかこういった裁判所によるチェックも働きません。 刑の執行停止を受けた者が、この矯正統計年報では、今これは区分けしておりませんけれども、先ほど言ったように三十人前後なわけですね。そうすると、確認すればすぐわかるわけです。ぜひ、大臣には、まずこういった現状を把握していただく。もしそれが四百八十条が適用されていないのであれば、これはどのような理由に基づくものなのか。ほかの制度の不備によるものなのかどうなのか。 これから再犯防止推進計画も閣議決定されて、出口支援、入り口支援、しっかりやっていかれることかと思いますけれども、やはり、その中でエアポケットになっている方がいらっしゃるかもしれませんので、ぜひ、これについては、現状を把握していただいて、それがいかなる理由に基づくものか分析をしていただいて、適切な措置を講じていただきたいというふうに思います。 法務行政というのは、華々しくはないですけれども、国民生活の基盤となる極めて重要なものだと思っております。政治の光がなかなか届かないところに温かい政治の光を届けていく、その法務行政、しっかりと私も研さんを深めて、今後建設的な議論をしてまいりたいと思いますので、今後ともどうかよろしくお願いいたします。 以上できょうの私の質問を終わります。ありがとうございました。
○平口委員長 次に、松田功君。
○松田委員 立憲民主党の松田功でございます。 このたび、東海ブロック、比例単独で当選をさせていただきました。 私自身は、西春町というところの町会議員と、それが合併して北名古屋市というのができまして、場所がわかりにくいので簡単に説明しますと、プロ野球の日本代表監督の稲葉監督の出身の町でございます。お隣の町がイチロー選手がいるということで、非常に野球が盛んな町であります。そんな中、地方行政をやってまいりまして、また、こういった機会で当選をさせていただいた、そういった地域の、市民の声をぜひ国政に届けてまいりたいという思いの中で、また、この法務委員会の中でいろいろ皆さんに御指導をいただきながら、いい国づくりをしてまいりたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。 それでは、早速質問に入らせていただきたいと思います。 大臣所信におかれまして、法テラスへの言及がございました。私自身、法テラスにおける民事法律扶助の制度について取り上げさせていただきたいと思っております。 まず、法テラス、正式名称日本司法支援センターは、総合法律支援法に基づき、平成十八年四月に設立されたと承知しておりますが、その設立経緯と理念を確認させていただきたいと思います。
○葉梨副大臣 日本司法支援センター、通称法テラスでございます。司法制度改革の一環として、法による紛争の解決のための制度の利用をより容易にするとともに、弁護士等のサービスをより身近に受けられるようにするために、委員御指摘のように、平成十八年四月に設立され、十月から運用が開始されたものでございます。 民事、刑事を問わず、あまねく全国において、法による紛争の解決に必要な情報やサービスの提供が受けられる社会の実現を目指す、そのことを基本理念として、そのために民事法律扶助等の業務を実施しているところでございます。 もともとは、財団法人法律扶助協会が国からの補助金を受けて行っていたものでございますけれども、民事法律扶助に対する需要の増加に適切に対応するために、法テラスの設立に伴って、国費によって運営される法テラスの業務としたものでございます。
○松田委員 その法テラスは、収入、資産が一定の基準以下である資力の乏しい方に支援を行う民事法律扶助を行っておりますが、その内容についてはどういうものか。また、その中での費用支援は基本的に返済する方式と理解しておりますが、免除されるのはどのような方たちが対象でしょうか。
○小出政府参考人 お答えいたします。 法テラスが実施しております民事法律扶助業務は、資力の乏しい方を対象といたしまして、無料法律相談を行う法律相談援助、弁護士費用等の立てかえを行う代理援助、裁判所に提出する書類の作成費用等の立てかえを行う書類作成援助、以上の三種類を内容としております。 このうち、代理援助それから書類作成援助は立てかえ制でございますため、援助を受けた方は原則として法テラスが立てかえた費用等について償還する必要がございますが、生活保護受給者やこれに準ずる方など立てかえ金の償還が困難な方につきましては、その償還を免除する制度がございます。
○松田委員 では、その無料法律相談や弁護士費用立てかえなどの民事法律扶助は、どれくらいの予算額が充てられているのか。また、無料相談や免除にかかわる金額等々、実績額を教えていただきたいと思います。
○小出政府参考人 お答えいたします。 平成二十八年度の実績で申し上げますと、法テラスが法律相談援助費として支出した金額は約十六億円、代理援助や書類作成援助により立てかえた金額は約百五十九億円でございまして、合計約百七十五億円となっております。 また、法テラスが平成二十八年度に立てかえ金の償還を免除した金額につきましては、約四十五億円ということになっております。
○松田委員 お手元にお配りした資料をごらんいただきたいと思います。 これは、日本司法支援センター、法テラスが出している総合法律支援論叢という論文集の、ことし三月発行の第九号に載っていたものであります。これによれば、日本では、民事法律扶助に充てられている金額がほかの先進諸国に比べて少ないと思います。 法務省は、これについてはどういうお考えでいられますでしょうか。
○小出政府参考人 お答えいたします。 御指摘のような金額的な比較がされた資料があるということは承知しておりますが、諸外国との比較ということになりますと、訴訟制度や訴訟件数あるいは弁護士費用等に違いがございますために、予算規模のみを比べて民事法律扶助制度の充実等を一概に論じるのは必ずしも相当ではない部分があるとは思いますけれども、民事法律扶助制度は、憲法上保障されている裁判を受ける権利を実質的に保障するための重要な制度であると認識しておりますので、法務省といたしましては、法テラスが我が国の民事法律扶助制度を適切に運用できるよう、所要の予算の確保に引き続き努めてまいりたいというふうに考えております。
○松田委員 ぜひ、そういった意味で、市民に優しい国であってほしいという思いの中でありますので、いろいろ諸外国等を見て、そういったことも、日本がすばらしくいい国になっていくように私自身は望んでおりますので、よろしくお願いします。 これについて、民事法律扶助の対象にぎりぎり当てはまらない方、つまり準要保護の方々の中には、訴えを起こしたいと考えても、法律、弁護士費用などの立てかえ制度を知っても、経済的に返済が困難だと思って利用しない方があることも想像ができます。また、司法へのアクセスにおける経済格差をなくしていくためにも、もう少しその対象範囲を拡大していただけるといいのではないかというふうに思っております。 現在、免除に充てられている金額が平成二十八年度で四十五億とのことなので、少し広げていただいて、利用を多くできるような形になっていければというふうに思っておりますし、また、基準をどういった形で緩和していくことがいいのかとか、検討をぜひしていっていただきたいと思いますが、大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○上川国務大臣 国民に身近な司法制度改革の一環として法テラスが整備されたということで、その利用につきましては、しっかりと国民に寄り添って対応していく必要があるというふうに思っているところでございます。 ただいまの御質問でございますが、現在も、先ほど御説明したとおり、生活保護受給者やこれに準ずる方など、立てかえ金の償還が困難な方につきましては、その償還を免除しているというところでございます。 この免除要件の緩和につきましての御指摘でございますが、償還金そのものが将来の民事法律扶助の被援助者への立てかえ金に充てられるという相互扶助の観点からの検討も不可欠であるということでございまして、慎重に考えていくべき問題というふうに認識をしております。 先ほど委員から、この法テラスの援助を必要とする方が、立てかえ制であることによってその利用がためらわれる、ちゅうちょするというふうなことがないようにしていくということが何よりも大事であるというふうに考えておりまして、その意味で、引き続き、この現行の免除制度をしっかりと適切に運用し、そして、免除制度そのものの周知につきましても取り組んでまいりたいというふうに思っております。
○松田委員 いい制度でありますが、なかなか返済ができるかできないかわからない人たちというのは非常に多い時代にもなってきている、そういったことをぜひまた御理解していただきたいと思っております。 次に、大臣所信におきまして、被災者に対する法テラス支援に触れられておりました。被災者に対する民事法律扶助の特例について取り上げさせていただきたいと思います。 東日本大震災の被災者に対する援助のための日本司法支援センターの業務の特例に関する法律によって、被災者については、資力に乏しい条件を外して、無料法律相談や、弁護士、司法書士費用の立てかえなど、民事法律扶助の対象としていると承知いたしております。 この特例法の期限が、二〇一五年、三年間延長されました。次の期限が来年の三月となっております。各方面から再延長を求める声が上がっております。私としても、特例法はぜひ再延長していただけるといいなと思っておりますが、法務省としてのお考え、また大臣の御見解をぜひ前向きな形でいただきたいと思います。
○上川国務大臣 東日本大震災被災者の方々に対しまして、資力の有無にかかわらず、無料法律相談、また弁護士費用の立てかえなどの法的支援を実施する、いわゆる法テラス支援特例法ということでございますが、来年三月三十一日が有効期限とされているところでございます。 しかし、現状におきましては、この特例法に基づく援助は引き続き高い水準で御利用されているということでございまして、被災地におきましての法的支援に対するニーズは高いというふうに理解をしているところでございます。 政府といたしまして、平成二十八年度から平成三十二年度までにつきましては復興・創生期間というふうに位置づけて、引き続き、被災地の復興と被災者の生活再建に取り組んでいるところでございます。 東日本大震災は、まだ復旧復興は道半ばという状況でもございます。この再延長の要否につきまして、今後、国会等で適切な御議論がなされるものというふうに承知しているところでございますが、法務省といたしましても、ぜひこうしたことがしっかりと引き続き推進することができるように必要な協力をさせていただきたいというふうに思っておりまして、被災者に対する支援が滞ることのないように対処してまいりたいというふうに思っております。
○松田委員 ありがとうございます。 それでは、次の質問に移らせていただきたいと思います。 女性刑務官についてちょっと質問させていただきます。女性刑務官や女子刑務所をめぐる問題についてですけれども、大臣の所信において、女性が活躍しやすい環境の整備など、女性活躍について触れられておりました。それに関する意味において、女性刑務官をめぐる問題を取り上げさせていただきたいと思います。 幾つかの報道によると、女性刑務所の女性刑務官が極端に不足をいたしていると指摘をされております。 そこで、まず、女性受刑者の数がどう推移し、また、全受刑者に占める割合など、変化を確認させていただきたいと思います。 〔委員長退席、門委員長代理着席〕
○富山政府参考人 お答えいたします。 刑事施設における既決の被収容者数は、平成十八年ころをピークに漸減傾向にございまして、受刑者全体ですと、これは速報値になりますが、平成二十九年十月末において、収容率で六七・五%、定員で申し上げますと、七万一千三百四十六人の定員がいる中で、現在収容されている人員が四万八千百五十七人ということになっております。これが女子の既決被収容者に限りますと、収容定員が四千八百二十五人に対して、収容されている人員が四千三人、収容率にいたしますと八三・〇%となっております。 女子の受刑者を主に収容する刑事施設十一庁の中で、五庁が収容率九〇%を超え、また、四庁も八〇%台の高率収容といった状態が継続しているところでございます。
○松田委員 次に、女子刑務所の現状がどうなっているのか、お聞かせをいただきたいと思います。 収容率が非常に高いと聞いている今のお話でありますけれども、現状がどのくらいの率になって、また、八〇%を超えておりますのでいわば過剰収容というふうに今言われているところであります。それでは、適正な収容率がどれくらいであり、また、過剰収容を緩和するためにどのような対策をとっておられるのか、お聞かせください。
○富山政府参考人 女子の刑事施設の収容状況につきましては、先ほどお答え申し上げたとおり、九〇%を超え、あるいは八〇%台ということで、定員の中にこそおさまってはおりますが、かなり高い収容率となっております。 どのくらいの収容率が適当なのかというのは、もちろん、施設の状況ですとか収容されている受刑者の質などによっても異なってくるわけではございますが、実務的な感覚を申し上げますと、やはり八〇%よりは低い方が、施設を安定的に運営していく上では好ましいというふうに考えております。 と申しますのは、やはりホテルと違いまして、全ての部屋を満室にして運営できるという構造にはなっておりませんで、例えば、反則行為をする受刑者が六名の共同室に入っていれば、ばらばらに六つの個室に分散させて取り調べをしなければいけない、あるいは、急病その他いろいろな状況があって部屋をあけておかなければいけないということもあります。そのようなことを勘案していきますと、やはり八〇%をちょっと下回るぐらいの方が望ましいと考えております。 また、この過剰・高率収容を緩和するために、平成十四年以降、既存の女子刑事施設の収容棟などの増築工事を行ったり、あるいはPFI手法を活用するなどした刑事施設を新たに設け、また、それまで男子の刑事施設だったものを女子の刑事施設に転用するといったことを行いまして、約二千五百人分の収容能力を拡充してきております。 こういった女子受刑者の収容動向につきまして、最近は、高どまりから若干減少の気味もちょっと認められるところではありますが、動向を見ながら、収容対策について適切に措置を講じていきたいと考えております。
○松田委員 実は、この間、笠松刑務所の方に行ってまいりまして、現場も見てまいりました。いろいろ現場でのお話も聞かせていただいている中、非常にまだ収容が多い状況でありますので、犯罪発生がなくなればいいだけのことなんでありますけれども、その状況下、過剰の中で働いている女性刑務官が今非常に問題となっておりますので、そのような刑務所、今のこのような状態の中で働いている女性刑務官、まず現状をお聞かせいただく中で、年齢構成また離職率をお聞かせいただきたいと思います。
○富山政府参考人 お答えいたします。 女子の刑事施設における女性刑務官の年齢構成でございますが、平成二十九年七月一日現在で、二十九歳以下が五三・〇%、三十歳以上三十九歳以下が二一・八%、四十歳以上四十九歳以下が一六・六%、五十歳以上が八・六%となっておりまして、二十歳代以下の職員が全体の半数以上を占めるといった状況となっております。 また、離職の状況につきまして、平成二十三年度から平成二十五年度までに採用された女性刑務官で、採用後三年未満で離職した者の割合を調べたところでは、四三・二%となっております。
○松田委員 非常に高い離職率、入ってから三年間というのは大きいんですね。特に、若い人が、また女性が、せっかく職について三年未満でやめてしまう人が四三%以上あるというのは非常に大変なことだというふうに思っております。 この年齢構成が非常に経験の若い人に偏ってしまっている状況の中で、その原因やまた理由について法務省としてどういうふうにお考えになられているか、お聞かせください。
○富山政府参考人 お答えいたします。 女性刑務官の年齢構成が若年の世代に偏っているということは、若年のうちにやめる刑務官の数がある程度いる関係で、ベテラン職員の割合が相対的に減っているということでございます。 なぜそういった若年のうちにやめてしまうのかということでございますが、やはり、結婚や出産、育児などを契機として離職する場合というのが少なくないということが、まずございます。 また、そのほか、ここ近年、長期間にわたって過剰収容が続いてまいりまして、最近では定員オーバーはなくなりましたが、いまだ高率収容が続いております。 また、高齢な者、精神障害のある者、あるいは摂食障害を有する者など、非常に処遇に特別な配慮が必要な受刑者が結構おりまして、その対応から職員の負担はかなり大きいということがございます。 こういったことが離職率の高さに影響しているのではないかと考えております。
○松田委員 非常に現場も理解した中でおられるとは思いますが、平成二十六年の一月から、女子刑事施設の運営に関する総合的な対策として、マーガレットアクションが行われていると聞いております。 女性刑務官の離職率を下げ、定着を促し、勤続年数を延ばすために、そのプランにおいてどのような対策を行っているか、お聞かせいただきたい。また、それらの対策の成果が上がっているのか、また、その法務省の評価等々をお聞かせいただきたいと思います。
○葉梨副大臣 松田委員には、笠松を御視察いただいて本当にありがとうございました。 そして、私もさきおとといは栃木に行ってまいりましたけれども、現場が、今の矯正局長が答弁したとおり、この離職の問題に物すごい危機感を持って取り組んでいるということは御理解をいただけたかと思います。 二十六年からの女子刑事施設運営改善の総合対策、マーガレットアクションでございますけれども、離職率低減のための、男子刑事施設の女子刑事施設への転用、女性刑務官の増配置、過剰収容の女子刑事施設をなくして、過重となっていた女性刑務官の業務負担を幾分軽減させるという効果があろうかと思います。 ただ、委員も御視察されましたとおり、最近、民間の雇用情勢がちょっとよくなってきていることとか、やはり矯正施設の立地の問題、また施設の問題というのもございまして、なかなかまだ結果としてそれがあらわれていないということも事実であろうかと思います。 引き続き、一生懸命やっていかなきゃいけないと思っています。
○松田委員 本当に、夢を持って職についた、その中でなかなか、三年で変わって、また民間がいいとかいろいろなこともあるかもしれないんですけれども、やはり女性刑務官がしっかり働く、そしてベテランになっていく、そこでやりがいを見つけてもらう。 大臣が言われるように、やはり女性が活躍できる機会の一つであるというふうに私自身は思っているところでございますので、ぜひ現場の方でも、視察に行ったときに、本当に皆さんが一生懸命努力して、若い女性刑務官をフォローしている姿、十分に理解をさせていただくところであります。しかしながら、やはり人ですので、そこは温かい目で、できるだけ長く働いていただくような体制づくりをお願いしたいと思います。 この質問の最後に、女子刑務所の過剰収容の緩和や、女性刑務官が働きやすい環境を整えるためにも、大臣所信にもありました、施設の老朽化対策、また刑事施設のハード面の整備改善などが必要と考えられます。そのために予算の充実が求められると思います。必要な予算の確保を進めていくためにも、大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○上川国務大臣 ちょっとお答えをする前に訂正をさせていただきます。 先ほど、法テラスの震災特例法の御質問のときに、私、法テラス震災の震災を支援と読み間違えましたので、ここで訂正をさせていただきます。申しわけございませんでした。 そこで、ただいまの女性刑事施設に対しましての、そして女性刑務官が働きやすい環境整備ということで、大変御理解をいただきまして、応援をいただき、またありがとうございます。 予算獲得に向けましても、この面での取り組みというのは大変大事だというふうに思っておりますので、引き続き御支援をよろしくお願いしたいと思います。 今、ハード面ということに触れていただいたところでございますが、実は、十一の女性刑務所がございますが、それぞれの状況に応じまして、執務環境の整備のために、例えば麓刑務所でございますが、開放単独室から施錠可能な単独室へ改修をするとか、あるいは男子の刑事施設につきましても、女性刑務官専用の当直室やトイレ、浴室等の整備を実施してきたところでございます。 女性刑務所は、もちろん女性刑務官が極めて多いわけでございますが、同時に、男性刑務官も女性刑務所の方に勤めるということについて、これは取り組んでいるところでございますので、また、女性刑務官の方も男性刑務所の方にと、こうした相互の乗り入れということについても今進めておりますので、そういうきめ細かな施策を、しっかりと対応できるようなハード面の整備ということについても、しっかりと取り組んでまいりたいと思いますし、また、予算ということで、とるべく頑張らせていただきたいと思います。御支援をよろしくお願いいたします。
○松田委員 それでは、引き続きまして次の質問に参ります。 次に、保護司についてお尋ねをさせていただきたいと思います。 大臣の所信の方でも、保護司活動への支援に触れられておりました。地域では保護司のなり手がなかなか見つからない、また、少しずつ減ってきているということもお伺いいたしております。その点についてお伺いしたいと思っております。 まず、罪を犯した人たちが自立に向ける活動を更生保護といい、またその中核を担うのが保護司であるというふうに理解をいたしております。日本における近代的な更生保護や保護司制度の始まりをお尋ねさせていただきたいと思います。
○畝本政府参考人 保護司制度について、何を起源とするのかというのは難しいところではございますけれども、明治二十一年に、静岡県の実業家であった金原明善が、静岡監獄の副所長であった川村矯一郎とともに静岡県出獄人保護会社を設立して、釈放者の宿泊保護や就職あっせんを行うとともに、県下全域に千七百人の保護委員を配置して釈放者の支援などに当たらせたことが保護司制度の先駆けとされております。 これは、昭和二十五年、保護司法の制定によりまして、現在の保護司制度として整備されております。
○松田委員 それで、ちょっと時間もあれですので、少しはしょって進めさせていただきたいと思います。 現状で、保護司の人数が減少して、平均年齢の上昇が見られると聞いております。その状況をお伺いしたいのと、また、引き受け手が減って人数が減り、平均年齢が上がっているというふうに聞いております。法務省として、理由、要因などはどういうふうに考えられているか、お聞かせください。
○畝本政府参考人 現在、保護司は全国で約四万八千人おられますが、人員は、平成二十八年に七年ぶりに増加に転じたものの、ことしはまた減少に転じております。 保護司の平均年齢は六十五歳でございまして、一貫して高齢化が進んでおります。 この要因でございますけれども、保護司のなり手につきましては、これまで、退任する保護司が個人の人脈などを生かして後継者を確保してくるということが一般的でございましたけれども、近年、地域の人間関係が希薄になって、この従来どおりのやり方では保護司の確保が困難になっているという状況にございます。 また、保護観察対象者等が、高齢、障害者あるいは薬物の問題を抱える者と、非常に専門的な処遇が求められておりまして、それに対する不安感あるいは負担感が増加して保護司になることをちゅうちょする傾向があること、そういったことが要因として考えられております。 〔門委員長代理退席、委員長着席〕
○松田委員 今、そういった地縁など、いろいろな伝わりで保護司をやっていく、昔はよく、やっていただける方、志ある方がおみえだったんですが、なかなか最近個人とのつながりが少なくなってきている中で、新しい方を探すということは難しいです。現状として、一度やっていただける方が、やはり志がしっかりあるものだからずっとやっていただけるということもあると、それが引き続いていくということはなかなか難しい側面もあります。まあ、難しいというわけではなくて非常にいいことなんですが、新しい方を見つけるには非常に難しい状況になっていることは御理解いただいていると思います。 そんな中で、なり手をふやすために例えば、保護司だけでなくて、地域の町内会の役でも消防団のなり手もなかなかいないとか、今いろいろやっていると。そんな中で、そういう町内のボランティアをやったときには有償でボランティア費用を出したりとか、いろいろなことで工夫をしたりとかしています。 僕個人としては、保護司が有償でやるということは少しどうかなというふうに思っているところではあるんですが、見つからない部分に対して、いろいろな方策として、法務省としてどういうふうに考えられているか、対策はどういうふうにしていこうかということをお聞かせいただきたいと思います。
○畝本政府参考人 ただいま報酬制の導入というお話がございましたけれども、平成二十四年の六月に、保護司確保のための方策として何が有効だろうかということで、全国の地区保護司会長を対象に調査を行っておりますけれども、報酬制を求める意見は多くはなかったものと承知しております。 保護司は、地域における信頼あるいは豊富な社会経験を背景に、その活動に対する報酬を受けることなく対象者の内面に働きかけてきた、それによって、改善、更生への成果が上がってきたのだという指摘もございます。 ですので、報酬制の導入については、当面は増加のための方策ということでは考えておらず、その他の、保護司の皆さんへの環境整備など、そういうことを充実することによって、新たな保護司の確保に努めてまいりたいというふうに考えております。
○松田委員 僕も本当に個人的には、有償ではよくないというふうには思っているんです。ただ、今のアンケートだけの話をすると、なっている人に聞けばそうやって言われるけれども、なっていない人に聞くとどういう意見になるかということは当然あると思うんですね。 ただ、多様化していますから、保護司のその役割の中で行っていく業務が、もう範疇をだんだん超えてきちゃっている可能性があるという現状を少し考えた中で、今後またぜひいろいろな形で検討をしていって、保護司じゃない形でもサポートしなきゃいけない部分も出ているかもしれないということをぜひ御理解をいただきたいというふうに思っているところでございます。 それでは、また、保護司の活動を支えるため、更生保護サポートセンターの設置を進めていると聞いております。サポートセンターというのがどういった形で、また現状、今後の見通しをお聞かせいただきたいと思います。
○葉梨副大臣 更生保護サポートセンターでございます。地域の更生保護活動の拠点として、主に市区町村が保有する公的施設等を中心に設置されています。 この設置で、面接場所の提供などによる保護司の処遇活動への支援の充実、さらには保護司同士の情報共有や関係機関との連携、先ほど大臣の発言にもございました、これが促進されます。そして、保護司の負担軽減にも反射的にはつながるかなということで、保護司確保のためにも私は非常に大事な施設だと考えています。 平成二十年度から設置をしておりますこのサポートセンター、全国八百八十六の保護司会のうち本年度末までに五百一カ所に設置される予定ですが、ことしの概算要求で全国八百八十六への設置を目指して予算を要求させていただいているところでございます。
○松田委員 更生サポートセンターによって保護司の方の活動が少し幅広くなっていくふうで非常にいいことだと思っておりますので、どんどん進めていただきたいと思います。 この質問の最後に、法務省として、保護司をふやし充足率を高めるために今何が必要なのか、また今後どのような取り組みを進めているのか、また新たに計画をされていることなどを含めて、大臣の方から御答弁をいただきたいと思います。
○上川国務大臣 ただいま御質問の中から、保護司の方々がこれから地域の中でさらに大きな役割を果たしていくためには、また安定的な確保というのが何よりも大切である、この認識については共有してまいりたいというふうに思っております。 実は、従来から、保護司の先生方の仕事でございますが、保護観察対象者の処遇だけではなくて、学校を初めとして地域の関係機関や団体との調整を行うなど、地域の犯罪予防活動に大きな力を入れていただいているところでございます。 その意味で、今回、再犯の防止等の推進に関する法律の施行を受けまして、地域の再犯防止の担い手としても、この保護司の役割というところの重要性は一層高まっていくというふうに考えているところでございます。 既に、安定確保については喫緊の課題ということでございまして、地域の関係の方々、先ほど町内会というふうにおっしゃいましたけれども、保護司候補者検討協議会というのを設置していただいたり、また、保護司会が地域住民等に対しまして保護司活動を体験する機会ということで、保護司活動インターンシップ制度、こうしたことにつきましても導入するなどして、新たな活動の担い手の確保に鋭意努力をしているところでございます。 先ほど副大臣から答弁をいたしました更生保護サポートセンター、これも保護司の活動を支えるために大変大きなことでありますし、また、そういったところで全国のサポートセンターの情報交換をしながら、好事例につきまして情報を寄せていただきながら、確保に対しても積極的にさらに進めてまいりたいというふうに思っておりますので、安定的な確保のための効果的な方策等のより一層の検討とその実施ということについては全力で取り組んでまいりたいと思っております。
○松田委員 ぜひ全力で取り組んでいただきたいと思いますし、やはり、犯罪を犯した方がそういった形で保護司の方とコミュニケーションをとることで再犯を防いでいく、また、保護司の方は非常に心寛大にそういった方たちとコミュニケーションをとることで、本当に大変な業務だと思っております。それをボランティアでやっていただいている。始まりとしては、民間の方が始めていったというところもありますから、やはり社会が支えること、それが犯罪をなくしていくことだというふうに私自身は強く思っているところであります。 ぜひ、そういった形におきまして、犯罪発生を減らしていくこと、いい町づくり、国づくりをしていきたいと思っておりますので、どうぞまたよろしくお願いします。 質問を終わります。
○平口委員長 次に、松平浩一君。
○松平委員 立憲民主党の松平浩一と申します。 初めての質問になります。ふなれな点があるかと思いますが、どうぞよろしくお願いいたします。 本日、所信的挨拶にございました法制度整備支援、そして国際仲裁について御質問させていただきたいと思います。 大臣、所信にて、法制度整備に関する国際協力、つまり司法外交、こちらに力を入れていらっしゃるとお見受けします。私が言うまでもないことだとは思うんですが、法律であるとか法制度というものは社会のインフラであると思います。これがなければ日本企業も安心して海外進出することができません。 私自身、弁護士として、渉外事務所と言われるところで仕事をしていて、日本企業の海外進出というものを手伝ってまいりました。手伝っている中で、私が見るところ、やはり日本企業というのは非常に、コンプライアンス、この意識がしっかりしているなと。これはよくも悪くもなんですけれども、しっかりし過ぎているがゆえに、法整備の環境を日本基準で考えてしまって、なかなか日本企業の進出スピードというものが他国に比べて遅くなってしまったりしています。 私のクライアントでも、ある東南アジアの国に進出しようとしていて、その国の登記制度というものが日本と比べて制度が整っていないというので諦めた事案もございますし、ちょっとその辺で、日本企業のコンプライアンス意識の観点から、やはり日本企業はなかなか海外進出するときのスピード感が遅くなっているところがあるというのが私の印象なんです。 いずれにせよ、そういった部分で法制度整備支援というものは日本企業の進出の手助けになるということで、方向性として私も本当に大いに賛成でして、ぜひぜひこれからも大いに進めていっていただきたいと思っています。 そこで、この法制度整備支援、どういった国で具体的にどういったことをやっていらっしゃるのか、そういったことをまずお聞きしたいと思います。
○上川国務大臣 松平委員のキャリアということで、大変力強い問題意識をこれからもお寄せいただけるということで、どうぞよろしくお願いしたいというふうに思いますが、御質問の法制度整備支援の概要ということでございます。 我が国は、アジアの開発途上国等に対しまして、関係機関と協力をしながら、民商事法分野の法令の起草とその運用、そしてさらに人材育成、そこをトータルとして法制度整備支援を実施してきているところでございます。 それぞれの国のニーズに合わせて、それぞれの国に寄り添いながらというところが特徴でありますが、その法制度整備支援を通じまして、法の支配等によりますよい統治を普及させるということにつきましては、もちろん対象国の発展に寄与するということと同時に、日本企業の海外展開に有効な貿易・投資環境を整備する、これに資するものとして我が国の国益にもかなうものというふうに認識をしておるところでございます。 現在は、ベトナム、カンボジア、ラオス、ミャンマー、インドネシア、東ティモール、バングラデシュ等に対しまして法制度整備支援を実施しているところでございます。 これまでの成果は多岐にわたるわけでございますが、我が国の支援によりまして、ベトナムにおきましては民法そして民事訴訟法等の多くの法律が成立をいたしました。カンボジアにつきましては民法、民事訴訟法が成立をし、ラオスでは民事訴訟法、刑事訴訟法ハンドブック等多くの教材が作成されたところでございます。また、インドネシアにおきましては和解、調停に関する最高裁規則が成立をしているところでございます。 今後は、アジア諸国等から我が国に対しまして協力要請の増加も見込まれるものでございますので、積極的に対応し、一層充実した法制度整備支援を推進していきたいというふうに考えております。
○松平委員 ありがとうございます。 今までいろいろ法制度整備支援をしていただいているようでございますけれども、支援される国にとって、教えてくれるならどこでもいい、助けてくれるならどこでもいいというのであれば余り意味がないと思うんですね。やはりほかの国も、同じ国に法制度支援している国というのもあると思うんですけれども、日本から教えてほしい、日本から教えてくれる、それが他の国と比べてこういったいいことがあるよ、そういう差別化であるとか、どういった日本からの法制度支援による優位性があるのか、それについて、その優位性、差別化についての御説明をちょっとお願いしたいと思います。
○上川国務大臣 我が国の法制度整備支援の特徴ということで、第一に、相手国の歴史、文化を尊重し、相手国の実情に応じて、しかも、その自主性、主体性を尊重するという点でございます。相手国に寄り添いながら法制度整備支援をしていくというところが第一点目であります。 また、第二点目でありますが、これは単に法律案をつくるだけではなく、その執行、運用のための制度の整備、さらには、人材育成を含めました包括的な支援を実施するという点が特徴でございまして、これらの特徴が他国による支援には見られない比較優位性を持っているというふうに考えているところでございます。 このような我が国の法制度整備支援に対しまして、相手からもその点について高い評価をいただいておりまして、また、そのことが継続的な支援の要請につながっているというところであります。そのことが、ひいては、相手国との信頼関係、この強化にもつながっているものというふうに考えているところでございます。
○松平委員 おっしゃるように、包括的支援は非常に大事だと思います。ニーズの実態調査からして、法律をつくってそれを解釈し、運用までの一貫したサポート、例えば、起案をしたときに、その起案の目的であるとか法案の趣旨、それと解釈、運用がまた違ったら、非常に法体系としてちぐはぐなものになってしまう、そういうふうに思いますので、一貫したサポートというのは非常に大事なのではないかと私も思うところであります。 ただ一方で、一貫したサポートをして、サポートして終わりだよと。相手国としても、日本におんぶにだっこというのでは、支援が終了した後、相手国にとっても不安も残りますし、その後の運用面でもなかなか厳しいところもあるのかなと。そういう意味では、日本が支援した後、自立的に運用できる、そういった人材育成も必要になってくるところかなというふうに思います。 現地の人材育成の観点から、その支援についてどういったことをしていらっしゃるのか、具体的にお教えいただければ幸いです。
○菊池政府参考人 お答えいたします。 我が国におきましては、法令の起草を支援するだけではなく、法令を運用し、司法を担う人材を育成する支援も重視しているところであります。その際には、相手国がみずから人材育成を行えるように、相手国の関係機関における人材育成能力の向上を重視しているところでございます。 具体的に申しますと、ラオス、ミャンマー等の各国において、相手国の法学教育機関、法曹養成機関を含む関係機関の指導的立場にいる方々等に対し、日本での研修や現地でのセミナー等を通じて、いわばトレーナーのトレーニングということで、指導者に対する研修ですとか必要な教材開発の支援等を行っております。 人材育成に関しましては、これまでに我が国における研修を二百十回以上実施し、延べ二千二百人以上が参加したところでございます。 今後についてでございますけれども、人材育成支援は各国からの要望も多いところでございますので、今後とも積極的に推進してまいりたいと考えております。
○松平委員 人材育成支援、伺いました。 人材育成支援についても、同じように、支援して終わりというのではやはり少し寂しいものがあります。究極的には、日本の利益に還元できるようなシステムになっていく必要があるというふうに思っています。きょう鬼木委員からも御質問ございましたように、外国人土地所有の問題、こういった問題もありますので、うまくその法制度支援というものが日本との関係に役立つようになっていければいいのかな、そういうふうに思います。 そこで、日本企業の海外進出という観点から法制度整備支援がどのように役に立っているか、その辺についてお伺いできますでしょうか。
○上川国務大臣 ただいま法制度整備支援について御説明をいたしましたけれども、相手国の法制度の基盤が整備されるということになるわけでございます。その結果、中長期的には、相手国において法の支配が浸透した社会、すなわち、明確な法令が定められて、これが適切に運用され、司法が適正に機能する社会が実現する、これを目指しているわけであります。 その結果、法令にのっとった経済活動が行われるということになるわけでありまして、経済的な紛争が生じた場合におきましても、公正で予見可能性のある司法判断がなされることになり、相手国のみならず、その国に進出する日本企業にとっても有益になるというところでございます。 また、近時におきましては、ビジネス環境整備という観点からの法制度整備支援にも取り組んでおりまして、インドネシアやミャンマーにおきましては、知的財産権保護に資する支援を行っているところでございます。
○松平委員 ありがとうございます。 こういった法制度支援の枠組み、こちらについて、目に見える形での効果検証といいますか、行政評価レビューというのはなかなか難しいというのは私も理解しているところでございます。ただ、効果検証とまではいかなくとも、法制度整備支援を行ったことでの、具体的な企業ニーズというものを捉えたフィードバック的な、そういったものというものをぜひとも行っていただければなというふうに思っているところでございます。 そういう、国内において、日本企業にフィードバック的なところをするような取り組みというのはあったりするんでしょうか。
○菊池政府参考人 お答えいたします。 法務総合研究所の国際協力部におきましては、関係機関、経済団体等と協力し、支援対象国等に進出する企業等にも有益な情報を提供する機会として、シンポジウムなどを積極的に実施しているところであります。 最近では、本年二月、JICA及び大阪商工会議所と共催して、関西経済連合会やジェトロ大阪本部等の後援を受けまして、民法の起草支援をしているラオスに関するシンポジウムを開催し、ラオスの新しい民法の概要を紹介し、現に進出している企業から投資環境等を紹介してもらうなどいたしました。 また、国際民商事法センターとともに、平成八年から継続的に、研究者、弁護士、民間企業の方に委員になっていただきまして、アジア・太平洋民商事比較法制研究会という研究会を主催しております。 本年九月には、経済団体等の共催も得まして、ベトナム、カンボジア、ミャンマー及びインドネシアの会社法制、特にコーポレートガバナンスをテーマとする公開シンポジウムを開催したところでございます。 これらのほかにも、韓国と共同で行っている共同研究ですとか、支援対象国の方を我が国に招いて行う研修の一部につき、御希望があれば御希望の企業の方に公開する、そういう取り組みも行っているところでございます。 今後とも、このような取り組みを継続してまいりたいと考えております。
○松平委員 ぜひ、いろいろな機関と共同して、シンポジウム等、多くの人が参加できるような機会をつくっていただければというふうに思います。 個別的な国の話になってしまうんですが、日本ミャンマー協会という一般社団法人がございまして、それというのは、日本とミャンマーが経済や文化、人材の交流とかを推進する団体でございます。私、そこの役員もしておりまして、過去、ミャンマーは非常によく行っておりました。 そのミャンマーで日本の企業進出のアドバイスをしたときに、やはり日本に比べるとどうしても法制度という部分についてそこまで行っていない部分というのがありますので、日本企業さんも最初は戸惑ったり、ビジネスを行うに当たって多くの企業さんが困惑していたりしておられました。 上川大臣の方も、自民党の司法制度調査会長として、ことしの五月にミャンマー視察の方をされていると伺いました。ミャンマー訪問されて、たしか下院議長とお話しされたと伺っております。日本の法制度支援について、どのようにミャンマーからのフィードバックをお感じになられましたでしょうか。
○上川国務大臣 私は、自由民主党司法制度調査会長として五月に訪問をさせていただきまして、下院議長を含めましてお会いをすることができました。 今、ミャンマーに対しまして我が国がどのような法制度整備支援をしているのかということで、ちょっと御紹介をいたしますが、ミャンマーは、御承知のとおり、二十三年に民政移管したわけでございます。その時期の後、平成二十五年から、連邦法務長官府及び連邦最高裁判所をカウンターパートといたしまして、ミャンマーにおける法の支配、民主化、そして持続的な経済成長の推進を目的といたしまして、法制度整備支援を行っているところでございます。具体的に言うと、破産法でありますとか知的財産法の立法支援、また裁判官、検察官の人材育成支援を行っているところでございます。 また、法の支配が確立した社会を構築するために、お会いになったときにもおっしゃっていたんですが、汚職防止というのにつきましては大変重要な課題になっているということで、この面につきましての取り組みも、実は、法務省が運営する国連アジア極東犯罪防止研究所におきまして、汚職防止刑事司法支援研修と題しまして、グッドガバナンスセミナー、さまざまなセミナーも進めてきたところでございます。 こうした一連の取り組みに対しまして大変高い評価をいただいているということで、とりわけ、民政移管をした直後からの、また軍事政権の中でもずっといい関係をつくってきた日本に対しての信頼というのは大変高いものがございまして、そしてさらに、民主主義、平和の基盤構築のためにも法の支配に基づく国づくりというのが大変不可欠である、そのために日本の法制度整備支援に大変大きな期待を寄せている、こういうお話もいただきました。 また、我が国が、ミャンマーの国づくりのさまざまな部署に対しまして多くの人材を派遣しているところでございますが、そこで発生し得るさまざまな法的問題ということに対応するために、現地大使館に法務アタッシェを派遣いたしまして、オール・ジャパンで取り組むということについて方向性を明確にしたところでございます。 今後も、ミャンマーを含みますアジア諸国に対しましては、あくまで相手国のニーズをしっかりと尊重し、なおかつ、外交面及び経済面での重要性等も総合的に踏まえた上で、必要な支援ということについて積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
○松平委員 ありがとうございます。 日本企業が大いに進出してビジネス活動できるように、私もできる限りのことをやりたいと思いますので、ぜひとも政府の側からも進めていただければと思います。 今まで、日本企業のアジア進出の観点からお聞きしていました。国際的にビジネスをやるに当たっては、紛争はつきものです。紛争はつきものですので、リスクを考えながら行う必要があるというところで、仲裁についてお聞きしたいと思います。 紛争解決手段として、裁判ではなく、仲裁という手段がありますけれども、仲裁による解決のメリットについて御説明いただけますでしょうか。
○菊池政府参考人 お答えいたします。 経済社会の国際化が進展し、日本企業の海外取引や海外投資案件が増加するのに伴いまして、国際的な紛争解決の手段として国際仲裁手続が広く利用されて、重要な役割を果たしていると認識しているところでございます。 そこで、仲裁による紛争解決の利点といたしましては、一般に、専門的な知見を有する中立な仲裁人により、専門性を生かした紛争解決が可能であること、手続は原則として非公開であり、企業秘密が守られること、一審限りで手続を終了するのが通常であることから、手続に柔軟性があること等と相まって迅速な紛争解決が可能である上、多国間条約の整備により外国における執行が容易であることなどが挙げられているところであります。
○松平委員 そういった利点を持っている仲裁について、アジア地域における国際仲裁というところで、どこの国の機関が多く利用されておりますでしょうか。そういった現状をお伺いできればと思います。
○菊池政府参考人 お答えいたします。 関係団体から提出された国際仲裁に関する意見書などによりますと、アジア地域における国際仲裁の振興に積極的に取り組んでいるシンガポールや香港の仲裁機関におきましては、平成二十七年、二〇一五年に、それぞれ年間約二百二十件前後の新規の国際仲裁案件を受理していると承知しております。 一方で、日本国内の利用の現状といたしましては、例えば、我が国の主要な国際仲裁機関である日本商事仲裁協会の対外的に公表している事業報告書によりますと、仲裁の申し立て件数が、平成二十八年度は十六件、平成二十七年度、二十一件、平成二十六年度、十四件というような数字で推移しているところでございます。 このようなことから、シンガポールや香港と比べて仲裁の利用が進んでいないという指摘があるところでございます。
○松平委員 裁判だとお金も時間もかかる。なので、先ほどおっしゃっていただいたようなメリットのある仲裁だ。しかし、今のお話だと、シンガポールであるとか香港であるとか、そういった仲裁機関を使うことが多いということなので、そうなると、使用する言語も英語だ、場所も日本から遠いところになってしまう、シンガポールだ、香港だということになってしまって、お金と時間がかかるので仲裁とした、そのメリットがなかなか享受できなくなってしまうのではないか。日本企業が余り親しみのない外国の法律の制度であるとか外国の裁判所の手に委ねてしまうと、そういった事態がこのままでは広がってしまっていくのではないか。こういった部分が問題だと思っております。 そういう意味でいうと、日本でこの仲裁の機会を広げるために何か方策といったものを考えていらっしゃいますでしょうか。
○菊池政府参考人 お答えいたします。 先ほども申し上げたとおり、日本国内の国際仲裁の利用の現状といたしまして、アジアにおけるシンガポールや香港など国際仲裁の振興に積極的に取り組んでいる国々と比べて利用が進んでいないという指摘があるところでございます。 法務省といたしましては、国際水準に即した仲裁法制を整備するために、平成十五年に、UNCITRAL、国連国際商取引法委員会のモデル法に沿った内容の仲裁法を制定したところでございます。 また、最近では、国際仲裁の担い手となる人材の養成支援を初め、必要な基盤整備に向けた取り組みを進めることが重要であるとの認識のもとに、本年三月、省内の関係部局で構成される検討チームを立ち上げたところでございます。 さらに、本年九月、法務大臣が、シンガポールの仲裁実施機関であるシンガポール国際仲裁センター及び仲裁場所提供機関であるマックスウェルチェンバーズを訪問し、国際仲裁の振興に向けた取り組みについて意見交換を行っております。 同じく、本年九月には、内閣官房副長官補を議長とする国際仲裁の活性化に向けた関係府省連絡会議が開催され、必要な検討を始めたところでございます。 法務省といたしましては、国際仲裁の活性化に向けて、関係府省や関係機関と十分に連携協力を図ってまいりたいと考えております。
○松平委員 ありがとうございます。 日本における国際仲裁の活性化のために、もうちょっと具体的に言うと、例えば、言語面での問題を解決するために、翻訳であるとか同時通訳のサービス、そういったソフト面を充実させたり、専門的な人材を育てたり、あと、仲裁を実施する機関、こちらを国際的に遜色のない、国際的に胸を張れるような施設にしたりですとか、そういう基盤整備を具体的にすることが必要かなというふうに考えたりもします。 そういう国際仲裁の活性化の必要な取り組みについて、具体的にいかがでしょうか。
○上川国務大臣 国際仲裁の重要性につきましては、そのメリットも含めまして先ほど答弁したとおりでございますけれども、日本の海外進出をする企業にとりましても、アジア全体の経済の活性化を図る上で日本の企業の果たす役割は大変大きいわけでありますので、紛争が起きたときのこの機能は大変重要であるというふうに思っております。 その意味で、法務省におきましては、先ほど答弁のとおりでございまして、省内にことし三月に、省内の関係部局で構成されます検討チームを立ち上げまして、まさに委員御指摘のさまざまな課題につきまして検討を始めたところでございます。 また、政府全体としても、九月でありますが、内閣官房副長官補を議長といたします国際仲裁の活性化に向けた関係府省連絡会議が開催されまして、そして、我が国における国際仲裁の活性化に向けた必要な基盤整備を図るべく、総合的かつ効果的な取り組みの検討が始まったところでございます。 委員から御指摘のありました言語の問題、また専門的な人材の育成の問題、国際仲裁活性化に向けたさまざまな基盤整備のあり方、こうしたことについては大変重要な課題であると認識しておりまして、関係省庁、関係機関としっかりと連携をしながら、必要な調査そして検討をさらに進め、この取り組みについての加速を図ってまいりたいというふうに思っております。
○松平委員 ぜひお願いしたいと思います。 仲裁の中には、例えばスポーツ仲裁というものがございます。二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックがございますけれども、国際仲裁の日本での推進ということで、スポーツ仲裁というものを一つのきっかけにするといったことも考えられると思います。 スポーツ仲裁に関しては、私、弁護士として裁判でサッカーの関係の訴訟をしたことがあるんですけれども、その際に裁判官が、レッドカードって何だ、スライディングって何だというところ、ルールから説明するところから始まったので、なかなか審理に時間がかかったという経験がございます。 これは私がやった事案ではないんですけれども、やはり裁判で、サッカーで試合中にスライディングをしてけがをしたという事案がございまして、それで比較的大きな損害賠償が認められたという事例もあると聞きます。 そういった事例を聞くにつれて、サッカーの、スポーツの中の話で一般社会の損害賠償法理をそのまま適用されてしまったのかなと。スライディングした選手にとって、された選手にとっても、損害賠償というものが出てきてしまうと、今後スポーツを行う選手に与える影響というのはどこまで考えているのかなというところで、ちょっと気になったところでもございます。 私、個人的にも、仲裁機関でございます日本サッカー協会の不服申立委員もやっておりまして、これを言うと手前みそにもなってしまうのかもしれませんけれども、委員の方々もスポーツのことを非常によく理解されている方々ばかりなんです。それで、その審理というものが非常にスムーズでして、やはり落としどころというものもよくわかっていらっしゃるというところでございます。 そういった意味で、こういったスポーツ事案を含めて、専門性が必要な分野における紛争解決の方法として、そういった意味での国際仲裁について、専門性についての大臣の御所感はいかがでしょうか。
○上川国務大臣 仲裁の利点のまさに大切なポイントが、専門的な知見を有する仲裁人により専門性を生かした判断が確保されるということが挙げられるというふうに承知をしているところでございます。 そのような利点を生かした国際仲裁の活性化は大変重要であるというふうに考えておりまして、専門性のある分野についても、例えば知的財産紛争や、委員の御指摘のありましたスポーツ事案の円滑な解決などもしっかりと念頭に置きながら、我が国がアジアにおきまして国際紛争解決の中核と位置づけられるよう、また、我が国の人材が国際仲裁の分野でより広く活躍できるように、政府としてもしっかりと議論を重ねてまいりたいというふうに思っております。
○松平委員 一方で問題もございまして、仲裁を行うに当たっては仲裁合意というものが必要でして、こちらが仲裁で紛争解決したいと思っても、相手方がそれでいいよと言ってくれる必要があるんです。 そういった意味で、仲裁が合意されない場合もあるので、仲裁を促すため、仲裁の利点を最大限生かすために、仲裁の合意を、積極的に活用できるよう啓蒙したりですとか、人材を育成したりですとか、そういったことが必要であるというふうに思っております。そのあたりの大臣の御所感はいかがでしょうか。
○上川国務大臣 ただいま委員が御指摘になりました仲裁の合意を促すための啓蒙啓発ということ、そして人材育成の必要性については、全くそのとおりであるというふうに思っております。 国際仲裁の活性化に向けた関係府省連絡会議におきましても、それらの諸点につきましてもしっかりと議論をしているものというふうに考えているところでございます。 法務省といたしましても、我が国がアジアにおける国際紛争解決の中核と位置づけられるよう、また、我が国の人材が国際仲裁の分野でより広く活躍できるよう、関係府省、関係機関と十分に連携協力を図りながら必要な検討、取り組みを積極的に進めてまいりたい。 ここにつきましては、委員が御自分の御体験の中で、そして仕事を通して得られたさまざまな知見ということで今さまざまな御質問をいただきましたけれども、参考にさせていただきながら、この問題を速いスピード感を持って取り組んでまいりたいというふうに思っております。
○松平委員 どうもありがとうございます。ぜひ、積極的に国際仲裁を活用できる枠組みをつくっていただければというふうに思っております。 私の質問は以上でございます。どうもありがとうございました。
○平口委員長 次に、柚木道義君。
○柚木委員 希望の党の柚木道義でございます。 法務委員会では選挙後初めての質疑になりまして、冒頭、同じ同郷の山下大臣政務官、御就任おめでとうございます。お祝いをという思いできょう伺ったんですが、理事会での議論を聞きまして、委員長、ちょっと委員長にまず伺いたいんですよ。もうお祝いムードが一変ですよ。 資料を今お配りいただいておりますけれども、まさに大臣も所信で述べられました司法制度改革、その中でも、これは裁判員制度もそうですけれども、検察審査会、まさに国民に開かれた、ある意味では最後のとりでともなるべき審査会がブラックボックス化していることも含めて、きょうは、今超党派で、伊藤詩織さん、御承知のように準強姦罪の疑惑で捜査がされ、その捜査プロセスの公正性、また検察審査会のプロセスの公正性、そういったことをテーマに、もちろん、検審、検察審査会法改正の提案、事細かに通告もしております。そういう本当に前向きな議論をしようと思って、その捜査プロセスですよ。 性犯罪厳罰化法、さきの国会で改正案が成立しました。評価できる点、課題もあります。そんな中で、捜査プロセスが適正でなければ、法改正しても何の意味もないじゃないですか。そのプロセスの公正性について、警察の捜査、責任者である国家公安委員長、きょう答弁要求をしました。これは、大臣所信への一般質疑、民主党政権においても国家公安委員長は三回出席しているんですよ。なぜ来ないんですか。 そして、当時の詩織さんへの、逮捕寸前で、成田空港で所轄の捜査員が張り込んでいて、そして、詩織さんに、ドイツから帰ってきてくれ、逮捕するからと、仕事で行っているのに。そういう連絡があって、実際に、当時の被疑者の元TBSの記者の山口さんが帰ってきたところ、目の前を素通りした。なぜか。まさに、当時の警視庁刑事部長の中村格、現在は、きょう実は要求もしておりますが、内閣官房の総括審議官、別の人を登録しているじゃないですか。 ぜひ、この国家公安委員長、そして、執行停止命令を出した当事者は中村格さんですから、中村さんに聞かなきゃわからないんですよ。安倍総理や菅官房長官に報告していたのか。菅さんの元秘書官ですよね。そういうことを聞きたくてお願いをして、何で委員長、ここに出席していただけないんですか。お答えください。
○平口委員長 個別の事案については……(柚木委員「いや、個別ってきょうのテーマです。要求しているんですよ、テーマに関係して。何でここに来られないんですか。その理由を」と呼ぶ)理事会の協議事項ですから、それを経てください。
○柚木委員 これは記者さんたちの中でも、モリカケ問題、まさに隠蔽疑惑、会計検査院の指摘も含めて、今まさにそういう状況にもある中で、実はこの詩織さんへの準強姦罪の疑惑については、まさにきょう資料提出もしておりまして、済みません、ちょっと本を持ってくるのを忘れたので、ちょっと本をとってきていいですか。
○平口委員長 速記をとめてください。 〔速記中止〕
○平口委員長 速記を起こしてください。 一般人の個別の案件について議場で議論するのは控えていただきたいということでございます。 柚木君。
○柚木委員 一般人といって、これまでもさんざんやっているじゃないですか、いろいろな事件で、冤罪になった方。さんざんやっているじゃないですか、一般人のことを。何で山口さんだけ特別なんですか。安倍総理の友達だからですか。そういうことになっちゃいますよ、委員長。おかしいでしょう。ほかの委員会で認められているんですよ。一般人、さんざんやっているじゃないですか、冤罪までつくって。何で山口さんだけ特別扱いするんですか。ちょっとおかしいですよ。何でかざしちゃいけないんですか。納得できません。 理事会にもちゃんと提案したじゃないですか。ほかの委員会で認められているのに、何でこの委員会だけ。開かれた司法じゃないんですか、安倍政権は。
○平口委員長 速記をとめてください。 〔速記中止〕
○平口委員長 速記を起こしてください。(発言する者あり) この委員会は、あくまで一般論として審議するということで、個別の人名を出したりそういうことはふさわしくないと思いますので……(発言する者あり) 審議を続行してください。(発言する者あり)審議を続行してください。 一般私人の具体名を挙げたりするような……(発言する者あり) 柚木君。
○柚木委員 ほかの委員会で、別に紹介はいいと今筆頭も言われていましたけれども、紹介したものを、別にこの先、このことの中身なんかさんざん言うつもりは全くないんですよ。 しかも、これはパネルの写し。一番最後のページですね、資料の。パネル、何でだめなんですか。(発言する者あり)いや、パネルの写しと書いて理事会に資料提出しているのを、与党の方、これはチェック、担当いるでしょう。何でこれがそもそも認められないんですか。 そもそも、きょう国家公安委員長も来られないし、まさに安倍総理、「総理」という本を書かれた元被疑者の方を逮捕するのを直前で執行停止命令を出した中村格、当時の警視庁刑事部長、認めているんですよね、取材に対して、ここの資料にあるように。これは報道からの質問に、つまり安倍総理あるいは菅官房長官という意味ですよね、トップの意を受け、あるいはそんたくして中止したのかの問いに、中村格警視庁刑事部長が、当時ですね、逮捕は必要ないと私が決裁した、当然だと思う、自分として判断した覚えがありますと述べているんですよね。これは実際事実かどうか、ここで確認をさせていただきたかったんですよ。 そして、なぜ執行停止したのか。右側にも書いていますけれども、当時、被疑者であった、「総理」という本を出版されている、これは安倍総理の執務室ですからね、表紙、「総理」、どれだけ本当に身近な記者でいらっしゃるかということですよね。その方から、まさにこの報道をした雑誌の記者に誤送信して、恐らく相手は北村内閣情報官だろうと。北村様、質問状が来ました、伊藤の件です、取り急ぎ転送しますと。それで、この記者の名前が書いてあるんですよね。 こういう、本当に不透明きわまりないやりとりがあって、逮捕が、直前ですよ、成田空港に帰ってきて、所轄の捜査員が逮捕に行っている。詩織さんにドイツから帰ってきてくれと連絡も行っている。ところが、上から今ストップがかかって、被疑者は目の前を通り過ぎて、我々は捜査から離れます、こういう連絡が詩織さんに当時の捜査員から直接かかってきているわけですよね。 それ以降、これはまあ当然ですよね、検察が不起訴にしたことに対して、検察審査会に不服申し立てを詩織さんはして、会見もされています。そしてその後、この「ブラックボックス」という、まさに今の検察審査会、あるいは委員会もこんなことをやっていたらブラックボックスになりますよ、こういうことを告発する本を出されているんです。 それで、私、きょう、だって警察庁が誰も来ていないじゃないですか。聞けないじゃないですか。著名な方、有名な方であれば直前にストップがかかる、こういうことに対して前例があるのか、あるいは、実際に中村刑事部長はストップをかけたのか、確認しようがないじゃないですか。警察庁は誰も来ていない。 そういうようなことをやっていると、まさに性犯罪厳罰化法を改正しても実効性が失われるじゃないかということを、適正な捜査について国家公安委員長に御出席をお願いしても、警察庁から誰も来ていないから誰にも聞けないんですよ、この警察捜査のプロセスの公正性について。呼んでいます、要求もしていますよ。文書でも通告しているし、警察庁の連絡室とも直接やりとりしていますよ。確認してください、そんなことはそちらで。いいかげんにしてくださいよ。 ぜひ、委員長、これ、きょう来ていただけないんだったら、だって、この後、あれでしょう、裁判官、検察官の給与法の改正案の趣旨説明があるんでしょう。もちろん、それは別にいいですよ。だけれども、そういう身内の方の給与を上げる議論の前に、まさにこのブラックボックス、疑念がある、公正な捜査のあり方、そして検審のあり方、検察審査会、こういうことを議論するために、国家公安委員長、あるいは当時の執行停止命令を出した中村刑事部長、きょう呼べないんだったら、次の回、呼んでくださいよ。 委員長、お願いします。理事会で協議してください。
○平口委員長 理事会で協議します。
○柚木委員 そうじゃないと、本当に開かれた司法と言えないですよ。隠蔽三点セットという見方がありますよ、記者の中でも。森友、加計問題、そしてこの準強姦罪疑惑ですよ。こういうふうに言われても仕方ないですよ。 お願いしたいのは、検察審査会の行政文書の開示をぜひお願いしたいんですよ。これは、資料の一、二。二の方もこれはボードがだめなんですよ。二じゃないわ。これは、陸山会事件のときと今回の検察審査会の議決の要旨を対比したものを資料の最後から二ページ目につけているんですね。 ポイントは四角囲みにしているところで、審査補助員がついているかついていないかというので、後ほど審査補助員の議論を、お昼を挟んだ後もやりたいんですが、ぜひお願いをしたいのは、こういうブラックボックスというような疑念を払拭する意味においても、東京第六検察審査会、検察審査会の行政文書の開示を求める市民グループ代表の方とも私は会って話を聞きました。既に、開示請求をして期限の一カ月がたっても開示されていません。そして、第六審査会の伊藤利明事務局長名で、延期をさせてもらいたい、こういう文書が、資料の三ページ目、来ております。 そのまさに三十日以内、これは十一月の二十六日に期限が来ているんです。きのう夜中まで含めて届いていません。何で届かないんですか。その理由をお答えください。質問は通告しています。
○平木最高裁判所長官代理者 東京第六検察審査会の文書開示に関することでございませんので、お答えする立場にないことを御理解いただきたいと存じます。
○柚木委員 刑事局長、きのうの通告、ちゃんとレクに来られた方から聞いていますか。そういう答弁をされるんだったら、第六審査会の事務局長をここに呼んでくださいよ。最高裁と独立した機関であると言うから、代理出席、決裁しないと出られないと言うから、では、ちゃんと最高裁の刑事局長が事務局とやりとりをして、きちんと答弁をしていただくということで来ていただいているんじゃないですか。何で答えられないんですか。 情報公開法の行政文書に関する部分で、十条、十一条、明記されているじゃないですか。なぜ出せないんですか。ちゃんと法律に照らして答弁してください。
○平木最高裁判所長官代理者 検察審査会の事務にわたることですので、具体的にお答えすることは差し控えさせていただきますが、一般論として申し上げますと、開示の対象になり得る文書が多数あって、その精査に時間がかかるなどの場合には、このようなこともあるのではないかと推測しております。
○柚木委員 まさに、小沢さんの陸山会のときの事件、開示請求して出てきたものがこれですね。百ページ以上あると思いますけれども、中、全部見ましたよ。全部黒塗りです、例外なく全て。漏れなく黒塗り、ノリ弁なんですね。 今ちょうど何か作業に時間がかかっているとか言っていたけれども、全部黒塗りにするんだったら時間なんかかかりませんよ。一日で出せますよ。ぜひこれ、文書出してくださいよ。出せない理由も説明できない。 そしてもう一つ、資料にもつけておりますけれども、一ページ目、議決の理由、検察がした不起訴処分の裁定を覆すに足りる事由がないので不起訴相当、この理由を知りたいんですよ、誰もが。こんなこと理由になっていないんですよ。 ぜひお願いをしたいのは、これは別に私は、ジャーナリストの方の立場も含めてですよ。被疑者の方にとっても、そして今回の申立人、被害者、伊藤詩織さんですね。それは一般論としても、検察審査会の議決、今回の場合は不起訴相当ですよ。その議決の審議経過や議決の理由ですよ。この一ページ目に書いている、不起訴の裁定を覆すに足りる事由が何なのかを説明していただく、こういう情報公開が、これは日弁連のワーキングチームからも提言されているもの、以下、各質問に入れていますけれども、まずは、本当に議決結果についての理由説明を、被疑者の方にとっても、被害者の方にとってもしていただく、ぜひこのことを検討いただきたいと思います。御答弁ください。
○平木最高裁判所長官代理者 検察審査会法四十条によりまして、検察審査会は、議決後に議決の要旨を掲示することになっており、そのほかに具体的な議決の理由が公表される制度とはなっておりませんが、この議決の要旨にどの程度の記載をするかにつきましては、個別の事件ごとの各検察審査会の判断となります。
○柚木委員 そうすると、そこに恣意性が入り込む余地があるじゃないですか。 陸山会事件については、資料の二ページ目以下に議決の理由、ちゃんと事細かに書かれていますよ。書きたくなかったら書かなくてもいいということになっちゃいますよ、個別の案件ごとに判断するということであれば。しかも事務局でしょう。そういうことでは開かれた司法と言えませんよ。 これは、どちらの立場からもですよ。一般の国民の方はもとより、ここにいる委員の皆さん全て対象になり得るんですよ。ですから、どういう立場になっても、被疑者であっても、被害者であっても、やはり議決の理由ぐらいは少なくとも当事者には開示する、それが開かれた司法のあり方だと私は思いますよ。 次に伺いたいのが、審査申立人の意見書、資料提出並びに検察からの、これは不起訴にしたわけですから、証拠の提出及びその取り扱いについて伺いたいんですね、この伊藤詩織さん側からの。 検察審査会法では、「審査申立人は、検察審査会に意見書又は資料を提出することができる。」と規定されております。東京第六検察審査会に申立人の伊藤詩織さんが追加の陳述書を提出しようと考えていたんですが、これがかなわなかったというのは事実なのかが一つ。 それから、検察からの証拠提出及びその取り扱いについて、詩織さん側が特に望まれていた、もちろん本人の陳述も望まれていましたが、防犯カメラに映っていたホテルの動画、ここにまさに、もう意識を失っている詩織さんを担いで、被疑者がチェックインするんですよ。それが全部映っている。これは、捜査過程においても証拠としても提出されているんですね。 ということは、昨日の通告の中では、捜査関係は、動画も含めて一式が検審に証拠提出されると聞いているんですよ。この証拠提出された動画についてもきちんと証拠として審査員の方に見ていただいたのかどうなのか、二点、お答えください。
○平木最高裁判所長官代理者 検察審査会法二十六条によりまして、検察審査会議は非公開とされておりますので、御質問の、申立人から陳述書が提出されたか否かなどについては承知しておりません。 また、検察審査会法三十五条によりまして、検察審査会は、検察官に対して、審査に必要な資料の提出を求めることができるとされておりまして、基本的には、全ての事件において捜査記録が提出されているものと思われますが、個々の事件でどのような資料が提出されているのかということについては承知しておりません。
○柚木委員 だから、検察審査会はブラックボックスと言われるんですよ。 資料開示したって黒塗りじゃ、見たかどうかもわからないじゃないですか。おまけに、審査員の方は当然守秘義務がかかっている。他方で裁判員制度、裁判員の方なんかは会見までするじゃないですか。何でそういう格差が生まれるんですか、同じ一般人が選任されるのに。ブラックボックスとして検察審査会が、さまざまそういう指摘があって、日弁連からもそういった、まさに開かれた司法に対する提言が出るのは当然だと思いますよ、今のような答弁をされるんですから。これでは、不起訴相当が公正なものかどうか、全くここで議論が詰められないですよ。 審査員の方、聞きますよ。 男女比、こういう事案ですから、当然のことながら男女同数であると。十一人ですから、回数によって六、五、五、六とかでやれば平均は五対五になりますよ。何で七対四なんですか。男性が七、しかも平均年齢五十歳。これは推定すれば、年齢が高い方ほど考え方は当然ありますよ。そういうことも含めて疑いが持たれるじゃないですか。 何で男性七、女性四なんですか。五対五じゃないんですか。答えてください。
○平木最高裁判所長官代理者 検察審査員の選定の方法は検察審査会法で定められておりまして、その概要を申し上げますと、毎年、管内の各市町村の選挙管理委員会が、選挙人名簿に登録されている者からくじで合計四百人の検察審査員候補者を選定いたします。そして、辞退を希望し、検察審査会において辞退が認められた者などを除いた上で、検察審査会事務局長が、地方裁判所の判事及び地方検察庁の検事各一名の立ち会いのもと、くじで検察審査員を選定することになっております。くじの結果、男性七名、女性四名になったものであると思います。 検察審査会法上、名簿を作成するに当たって、男性、女性の性別に着目した上で、男女を半々になるようにというような規定はございませんので、男女の性別に着目することなく、くじ引きで選定しているということになります。
○柚木委員 そういう答弁をされるのであればなおさら、五対五、配慮すべきですよ。特に事案が、これは性犯罪ですよ。そういうことも含めて、私は運用も改善すべきだと思います。 しかも、詩織さんは、みずからその場で自分のまさに意見を聞いてほしいと。 そして、これは別に詩織さんだけでなくていいと思います。さっきのちなみに抽出の話も、きょうも資料提出でお願いしている、森ゆうこさんが「検察の罠」の中で、くじ引きのいかに不公正な部分があるかというのも触れられていますから、ちょっとこれは時間がないから今触れませんけれども、それも含めて私は、七対四、平均年齢五十歳、非常に疑義があると思っています。 質問は、これは申立人だけじゃなくて、被疑者のことも含めて意見陳述権をぜひ確保していただきたいんですよ。そうでないと本当に、そもそも今回、そういう意味では、第三者の唯一の検審がそもそも開かれているのかどうなのか。陸山会のときには本当に偽造調書までつくられて強制起訴に持っていったわけでしょう。 審査補助員が入っていればまさに第三者が明記されますから、資料にもつけているように。それもいない中で、当事者が出ていないんですから、まさにブラックボックスなんですね。本当に開かれているのかと。 これはぜひ、申立人、それから被疑者の方もですよ、当然。人権が当然あるわけですから。それぞれが意見陳述をする機会を確保する、そういうふうに法律改正の検討をお願いします。
○林政府参考人 検察審査会というものは、検察官による不起訴の当否自体を審査の対象とする、こういった制度の構造上の理由から、例えば被疑者には、審査に参加して意見を陳述する権利、立ち会い権、陳述権というのは認めておられないわけでございます。また、申立人についても同様でございます。 こういったことをこの制度のもとで現在運用されているわけでございますが、こういったことについてさらに、例えば被疑者に意見の陳述権利を認めるのかどうかということについては、現在のところ、そのような必要はないと考えております。
○柚木委員 午前の質疑はこれで終わりますけれども、ぜひ刑事局長、検察審査法第三十七条第一項を改正して、検察審査会は、審査申立人、被疑者、証人、犯罪被害者及びその遺族からの求めがあれば必ず意見陳述または書面による意見表明及び聴聞の機会を設けなければならないと改正することを御検討いただきたいと思います。 午前の質疑はこれで終わります。ありがとうございました。
○平口委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時十九分休憩 ————◇————— 午後一時開議
○平口委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 この際、お諮りいたします。 各件調査のため、本日、政府参考人として警察庁長官官房審議官大賀眞一君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○平口委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○平口委員長 質疑を続行いたします。柚木道義君。
○柚木委員 午後からもよろしくお願いいたします。柚木でございます。 大賀官房審議官、お越しいただき、ありがとうございます。 本来であれば、同じ官房の総括審議官である中村格元警視庁刑事部長にお越しいただいて、御本人に直接伺うのが一番まさに正確かつ迅速だと思うんですが、お越しいただけないので、国家公安委員長にもお越しいただけないので、大賀審議官にぜひ伺います。確認をしてきてください。 昨日の参議院の予算委員会で、福島みずほ議員がこの準強姦罪の疑惑について、この被疑者であったジャーナリストの方、元TBSの方を御存じですかという質問に対して、知っていると答えているんですね。それはそうですよね、表紙に出ているんだから。知らなかったら許可も出ませんからね。 そういう答弁もされているんですが、これはぜひ中村格元刑事部長に、菅さんの元秘書官で、毎日、一日に一回は必ずコンタクトをとっているというのも聞きますけれども、菅さんというのもあるんですが、安倍総理に、この詩織さんの事案、逮捕の執行中止命令、これを出すときにちゃんと報告、相談しているか、確認してみてください。 答弁をお願いします。
○大賀政府参考人 個別の事件捜査に当たって総理等に報告することはないものと承知いたしております。
○柚木委員 いや、最後のページにおつけしているように、この本、「総理」というのが出版されているのは、実は不起訴処分になる少し前なんですね、二週間ほど。直前と言ってもいいですね。 私も出版業界にいたからわかるんですけれども、ちなみに、この出版社の社長も安倍総理と非常に親しい方ですよね。逮捕とか不起訴とかされていたら、こんな本出せませんからね。総理も出させませんよね。それはそうですよ。現場は回収になりますよ。不起訴処分になるのは私は当然知っていたと思いますね、出版者側も。そうでないと怖くて出せない。その後に今度、「暗闘」という本が出されていますね、同じ出版社から。 本当にこれは、総理の執務室が表紙で、まさにタイトルも「総理」、総理大臣、安倍総理が表紙、ベストセラー。そして、菅さんの元秘書官であった中村元刑事部長が、本当に所轄の捜査員がしっかりと捜査して逮捕状も交付されていて、しかも、これから逮捕する、だから詩織さんに、ドイツから仕事から帰ってきてくれと。成田まで行って、目の前、通過する直前に執行中止命令が出ているんですよ。あり得ない異例の事態ですよ。 そして、そういうことを毎日のように菅官房長官の元秘書官として報告する、連絡する。これは、一日一回の中で、当然重要事項として報告されることと私は想像にかたくないんですが、しかも、総理とも親しい方が出されている本ですよね。(発言する者あり)いやいや、だから確認したいんですよ。中村元刑事部長にぜひこの場で、まさに適正な捜査、処分なくして、検察も含めて、それはもう本当に性犯罪厳罰化法を幾ら厳罰化しても意味ありません。 安倍総理そして菅官房長官に、こういう異例の直前の逮捕執行中止命令、こういうことを報告しているかどうか。これは別に簡単なことですから、事実関係だけですから、調べてこの委員会に答弁をいただくように、委員長、ぜひ理事会でお願いいたします。
○平口委員長 理事会で協議します。
○柚木委員 そして、私は、今回非常に残念なのは、審査補助員である弁護士さんが選任されていないんですね。 ですから、時間がないので、残り、まとめてちょっと幾つか聞きます。審査補助員について三項目聞いていますが、まとめて聞きますよ。通告の四の二とそれから八の一、それから九の二、これはまとめて聞きますからちょっと答弁をください。 これは審査補助員が選任されていないんですが、検察官がそこで述べられる場合には、最低限、反対の立場できっちりと審査員の方に判断基準を、公正中立はもちろんですが、ちゃんと判断材料を提供できるように、検察官が意見を述べる場合は、審査補助員の弁護士が必ず同席して意見を述べられるように検審法三十五条を改正していただきたい。 これは二点目を先に言ったんですが、一点目は、そもそもこの詩織さんの検審の事案については、検察官が出席して意見を述べているか。それから、検察官が検審に出席をする割合は大体どれぐらいか。これが一問目ですね。 最後、三問目。もちろん、検察審査員の自主的な判断を妨げるような言動をしてはならないと審査補助員の弁護士の発言、ありますが、これはそのことも含めて、審査補助員の発言を公開してほしいんですよ。そうすれば、いろいろなブラックボックス化を防ぐことができるんですね。 まず、ちゃんと開かれている。そして、発言を公開すれば、公正な発言をしているかどうか、過去にはそうじゃないこともたくさんあります。そして、ぜひこの審査補助員の発言を、これは検察審査法第二十六条を改正して、その発言の部分については議事を公開していただきたい。 この三点をまとめて御答弁ください。
○平木最高裁判所長官代理者 審査補助員の発言を一般的に公開すべきかどうかということにつきましては、制度や立法論にわたるところでございますので、お答えは差し控えさせていただきたいと存じます。 それから、委員お尋ねの点でございまして、検察審査会法二十六条により、検察審査会議は非公開とされておりまして、東京第六検察審査会においても審査補助員の委嘱の有無はお答えしていないようですので、裁判所からもお答えは差し控えさせていただきたいと存じます。
○林政府参考人 まず、検察官が意見を述べる際に、審査補助員の弁護士が同席して異なる意見を述べるような形での法改正という点でございますが、この点につきましては、この検察審査会の審査には検察官は権利として立ち会う、あるいは意見を述べることができるわけではございません。これは対審構造の中で審査が行われるわけではございませんで、検察審査会から求められたときのみ意見を述べられるわけでございます。 それが一つと、その際に審査補助員としての弁護士の位置づけでございますが、これは対審構造の中での検察官の意見に対して異なる視点からの意見を述べる、こういった形での位置づけではございません。あくまでも中立に審査に立ち会うという位置づけでございますので、委員御指摘のような形での法改正というものは、こういった制度の趣旨にそぐわないのではないかと考えます。
○柚木委員 そういう御答弁をしているから、ブラックボックス、恣意的な運用をされるとますます疑念を持たれるんですよ、局長。 ぜひ、今回も、審査補助員、つまり法律の専門家が選任されていなければ、私は、林刑事局長が答えられたところにちゃんと、検察官が意見を述べるときにはというただし書きをつけているんですよ。片方の意見、別に正反対のということではなくて、審査員の方々が、今回だって、性犯罪厳罰化法が改正されて、どれだけ丁寧に審査員の方々にちゃんと周知、説明されているかどうかわかりませんよ。きっちりと審査補助員の方が検察官が意見を述べられる場合には同席をして、中立で結構ですよ、意見を述べられるように三十五条を改正すべきだと言っているんですよ。 それから、さっきの最高裁の平木局長、調べてきてください、一般論で結構ですから。検審に検察官が出席して意見を述べる割合はどれぐらいか。これは別に一般論ですから、個別ではないから。 それから、発言を公開すべきというのは、ぜひ検討していただきたいんですよ。もろもろ、日弁連のワーキングチームからのいろいろな提言があると思いますので、ここはきっちりとぜひ検討いただきたいと思います。 時間が限られているので、デートレイプドラッグの項目、三項目、ちょっとこれはまとめて聞きます。 資料三点、これは朝日新聞の連載、つい最近ですね、つけております。皆さん、ごらんください。「飲み物に睡眠薬 気づくとホテル」、「刑事「臆測でしょ」薬物検査せず」。これは読めば読むほど詩織さんの事案とも似ているんです、別の方の事案のようですけれども。それから「中」が、処方薬入手、ネットで手口、病院、警察がもっと知識をと。三点目が「少ない病院内拠点型」ということで、いろいろな体制強化を求めていて、これは三点まとめて伺います、時間がないので。 まず、警察庁へ。これは本当に、今回の詩織さんの件ももちろんですけれども、性犯罪の事案については、捜査関係者に対してこういう、「刑事「臆測でしょ」薬物検査せず」とかいうようなことでなくて、これは米国等も含めてさまざまな事例、簡易キットのちゃんとした整備を含めてあるわけですから、捜査関係者に薬の作用の周知、そして当然被害者の同意を得た上での速やかな検査体制整備を進めるべきと考えますので、これは警察庁にお聞きをします。 それから二点目、これは厚生労働省になるんですかね。被害者の方に質の高い支援を行うためには、拠点病院の整備と、それからワンストップセンターと連携病院との連携の強化、これが不可欠ということでございますので、拠点病院と連携病院とで検査の比率が四倍も違いますから、八割と二割、この連携強化についても厚労省がお答えください。 最後、内閣府。まさに、きょう、たしか午前中に自民党の委員の方がいい質問をされていた、私、全部は聞けませんでしたが。これは重複するかもしれませんが、内閣府ワンストップ支援センターの整備、それから予算の充実をぜひ図る必要があると思いますので内閣府の方から。 それぞれ簡潔で結構なので、御答弁ください。
○大賀政府参考人 お答え申し上げます。 警察におきましては、性犯罪の捜査において、被害者の聴取内容等から薬物が使用された疑いがあるような場合には、被害者から同意を得た上で尿や血液の提出を受けるなど、必要な証拠収集に努めているところでございます。 警察庁においても、いろいろな機会を通じてそうした取り組みを進めているところでございます。引き続き、現場の警察官に対して、そうした疑いがある場合には適切に対応するように指導してまいりたいと思っております。 また、現場の捜査官、警察官に対するこうしたものの周知徹底についてでございますけれども、これも引き続きしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
○椎葉政府参考人 性犯罪、性暴力被害者の支援を行うに当たりましては、医療機関の果たす役割は重要であるという認識を持っております。 性犯罪、性暴力被害者のためのワンストップ支援センターにおきまして、医療機関は、救急医療、また証拠採取等の産婦人科医療を担うこととなるわけでございます。 この支援センターの設置形態でございますが、病院に設置される病院拠点型のみならず、相談センター拠点型などの多様な形態があり、どのような主体がどのような形態で支援センターの役割を担うべきかにつきましては、地域の実情に応じて検討される必要があるものと考えているところでございます。いずれの場合におきましても、医療機関との連携は重要だというふうに考えております。 厚労省としては、引き続き、内閣府等と連携しつつ、ワンストップ支援センターの設置に向けまして、関係団体や都道府県に対する周知、協力依頼を行ってまいりたいと考えているところでございます。
○松本副大臣 性犯罪、性暴力被害者への支援、柚木委員と思いを共有しなければならない、こう思うわけであります。 このため、政府としては、被害直後から、医療面、心理面などの支援を可能な限り一カ所で提供するワンストップ支援センターを全国各地に整備することとしております。 具体的には、平成三十二年までに各都道府県に最低一カ所設置することを目標に取り組みを進めておりまして、平成二十九年十月時点で、全国四十一の都道府県で整備が進んでおります。 内閣府といたしましては、ワンストップ支援センターの全都道府県での早期設置とその安定的な運営を図るために、今年度予算において性犯罪・性暴力被害者支援交付金を設けたところであります。来年度予算編成においても、この予算の拡大に向かって全力を挙げたい、こう考えております。 いずれにいたしましても、今年度創設した交付金を適切に執行して、ワンストップ支援センターの全都道府県での早期設置と安定的運営の確保に向けて着実に取り組みを進めてまいります。
○柚木委員 終わりますが、本当は大臣に一言だけと思っていたので、五秒で結構です、私からのお願い。 今、検審のまさに隠蔽、あるいはでっち上げ、いろいろな疑惑、ブラックボックスの中で懸念されています。今後の捜査、特に森友学園問題については、まさにこれから重要です。しっかり所管の大臣として、これは検察の捜査も含めて、それがうまくいかなければ検審に持ち込まれる可能性だってありますよ。しっかりと公正な捜査を所管の大臣として行っていただけること、きょうの感想も含めて一言だけお願いします、最後に。
○上川国務大臣 個別の事件における捜査の具体的内容等につきましてはお答えを差し控えるということでございますが、国民の皆様に信頼される司法の実現ということは、法務省としての大変大きな柱となる課題でございますので、しっかりと取り組んでまいります。
○柚木委員 終わります。 ありがとうございました。
○平口委員長 次に、井出庸生君。
○井出委員 希望の党、信州長野の井出庸生です。また今国会もよろしくお願いをいたします。 冒頭、柚木委員の質疑ですが、私も、この問題は本会議と、あと、こちらでも一度取り上げたことがございます。 一つの事件でございますので、その取り上げ方というものはきょういろいろな方から御意見をいただきましたが、ただ、私は、しかるべき行政機関、警察庁、そうした行政機関の対応というものはきちっと説明責任があってしかるべきだろう。 そしてまた、警察をしっかりと管理する国家公安委員長、これは警察庁の方がかわりに来ても答弁のかえはきかぬ、そして、国家公安委員というものがきちっと機能しているのかどうか。余り機能していないと最初から言ってしまえばそこまでなので、ぜひそうしたことも議論をしていかなければならないと思っておりますので、先ほど、理事会、理事懇で協議すると言っていただいた答弁者のことについては、私からも改めてよろしくお願いをいたします。よろしいですね。
○平口委員長 はい。
○井出委員 では、質問の方に入ってまいります。 これまで国会で、森友、加計の話もありますが、文書ですね、公文書の扱いというものがクローズアップされた国会であった。さきの国会もそうだと思います。そうした中で、きょうは、刑事司法、裁判に係る文書というもの、これも裁判官や検察庁の私物ではないというところは御理解いただけるかと思いますが、その扱いについて伺ってまいりたい。 早速、まず上川法務大臣に伺いたいのですが、上川法務大臣は公文書の管理、保存というものに関して、少し聞いたところによると、ほかのどの政治家の追随も許さない先駆者であったと先輩方から聞いておりますが、御自身の公文書の管理、保存に対する取り組み、思いについて少しお聞かせください。
○上川国務大臣 私は、平成二十年の二月でございますが、福田内閣のもとで公文書管理担当大臣が新たにつくられましたときに初代の担当大臣に任命されまして、公文書の管理、保存体制の整備の推進に努めてまいったところでございます。 行政機関でありますが、行政文書の適正な管理を通じて行政が適正かつ効率的に運営されるようにするとともに、国の諸活動を、現在、そして過去から現在、さらには将来の国民に向けて説明していく責務があるというふうに思っているところでございます。そのためにも、行政文書の管理を適切に行うことは非常に重要なものというふうに考え、取り組んでまいりました。 こうした重要性を踏まえまして、法務省におきましても、公文書等の管理に関する法令等の関連法令等に基づく行政文書につきましても、適正な管理に努めてまいりたいと思っております。
○井出委員 今お話がありましたとおり、初めての公文書管理の担当大臣をされた。 上川大臣は、御自身の、ちょっとホームページを拝見したんですが、担当大臣だったときに、国の十八省庁全ての行政文書の管理実態についてつぶさに調査をした、日本全体の公文書管理のあり方について考えなければならないと実感をした、アメリカでは立法府も司法府も含め全ての公文書を国立公文書館が管理をしています、前回積み残した国全体の公文書のあり方について懇話会という形で、自公で何か懇話会をその後立ち上げられたということなんですが、この問題について精力的に取り組んでいきたいと結ばれております。 きょうは、まさにその積み残しの一つと言っていいのかもしれませんが、司法、裁判の文書の保存、管理ということについて伺ってまいります。 刑事確定訴訟記録法というものができまして、ことしで三十年。三十年といいますと、ちょうど朝日新聞阪神支局の襲撃事件があった年であろうと思います。その三十年の節目に公文書管理の先駆者である大臣がいらっしゃるというのも、これはきっと何か大きく物事が前進する御縁であると私は前向きに解釈をしているんですが、まず、大事なところを伺ってまいります。 刑事訴訟法によりますと、何人も、被告事件の終結の後、訴訟記録を閲覧することができる、ただし、記録の云々かんぬん、検察庁の事務に支障があるときはこの限りではないと。 これは、原則はやはり、何人も閲覧をすることができる。しかし、そのただし書き、例外規定がある中で、何人も閲覧をすることができる、原則をこのように、誰でも見れますよ、そういう法律のつくりにしていることの意味というものが一体何であるのか、林さんに伺います。
○林政府参考人 刑事訴訟法五十三条第一項の趣旨でございますが、これは裁判の公開の原則を受けた規定でございまして、この趣旨は、やはりまず原則として、裁判の対審は公開するというのが当然ございます。その大原則を敷衍して、一般にこの裁判の公開の原則を拡充して、裁判の公正を担保するとともに、裁判に対する国民一般の理解を深めるための規定である、このように考えられております。
○井出委員 今お話がありましたように、裁判の公正性を担保する、それから、裁判の公開、憲法の八十二条の趣旨を拡充するものであろうかと。それから、今、冒頭に、国民の理解を深めるというようなお話もございました。 裁判を公開の法廷でやる、そのことによって裁判の公正性を担保する、それにまつわる記録というものもしっかりとっておく、何かあったらいかぬ。それは念頭にあるのは、例えば再審事件であるとか執行猶予の取り消しであるとか、その後、裁判で出た結論の執行に関して何かあったときのためにいろいろなものをとっておこうという概念でスタートしたのかと思います。 私は思うんですが、私も国会の議事録をよく、戦後のものなども見ますが、これは戦後の議事録が捨てられていたら、当時のことを知ることはできないんですね。 性犯罪の厳罰化という議論がことしありました。それから、きのうだったか、おとといだったか、ちょっと忘れましたが、強制わいせつにこれまで必要とされていた犯人の意図が必ずしも必要ないというような判例が出たというようにも聞いておりますが、そのときの公正な裁判、そのときの法律というものはやはり時代によって変わる。 五十年前の裁判において一体何が公正であって、それから時代を経て何か新しいことを考えようというときに、これから自分たちで時代に合った公正さというものを考えていかなければいけないときに、資料を保存しておく、そして誰でも見れるようにしておくということは、単にこの法律ができたときに言われた、何か再審があったときに、執行猶予の取り消しをするときに、そういう手続のためにとっておくということのほかに、もう一つ、古い時代の公正な裁判というものと、そして現状の公正な裁判と、それから新たな時代の公正な裁判は何なのか、そういうことを考えていくという意味でも、保存と、それが見れる、これは見れなきゃどうしようもないですからね、そのことについて大きな意義があると私は思うに至って、きょうここに質問に立っておるんですが、まず林さんの見解をいただきたいと思います。
○林政府参考人 委員御指摘のような視点での文書の保存の意義、目的というものは存在することはそのとおりだと思います。基本的に、過去にどのような状態があって、現在がどのような状態であるのかというのを比較するということは、今後いろいろなことを考えていく上で非常に有益な資料となるわけでございます。 他方で、先ほどの、刑事裁判の、刑訴法五十三条での何人も閲覧することができるといったこの趣旨の出発点は、委員が御指摘になったところというよりは、やはり裁判の公開というものの原則から出発しているということではございます。 すなわち、裁判の公開というのは、具体的に裁判で公開されたいろいろな証拠がどういう内容であったかとか、そういう文書の記録のコンテンツの中身というよりは、裁判が実際に手続に従って密室ではなくて公開で行われていることによって、裁判が公正に行われているということを国民に対して知らしめるための原則でございます。 そういった意味で裁判の公開の原則がございまして、その拡充という意味で、そこで出されていた記録などについて、その後、裁判が終わってからも、何人も、その被告事件の終結後、訴訟記録を閲覧することができるというものは、その意味で裁判の公開の原則を拡充するものである、このように捉えております。
○井出委員 まあ冒頭に、そのとおり、有益な資料と言っていただいたので。 私が申し上げたいのは、過去の公正な裁判、それから今の公正な裁判、これは少し賛否のあることかもしれませんので、あらかじめお断りした上で言いますが、例えば、犯罪の被害に遭われた方に対する配慮、遮蔽を設けたりですとか、裁判員裁判が始まって証拠写真がイラストになるとか、そういったことは五十年前は到底考えられなかったことであります。五十年前は考えられなかった。 では、そのときどうなっていたのか。そのときの資料がやはりきちっとあることが、今の時代の、裁判員に対して果たしてイラストにしてしまっていいのか、それから、被害者の保護ということが非常に大事だけれども、それでもきちっと公開の場で言っていただかなければいけないことはあるんじゃないか、そういうことを考える上で、やはり過去の資料というものは、きちっととっておいて、それを見れるようにしておいていただきたい。 そこでなんですが、裁判の記録というものは、この法律、刑事確定訴訟記録法によりまして、量刑とかに応じまして保存期間が決まっている。保存期間が来ると、ほっておけば保存期間が来たから捨てる。しかし、歴史的にこれは大切そうだ、そういうものは刑事参考記録というものとして、この法の第九条で決められたもので、保存をする。 この刑事参考記録というものは、一体誰がどのようにして決めていて、それから一体どれだけのどんな事件があるのか。そのことについて、ちょっと説明をしていただきたいと思います。
○林政府参考人 御指摘のとおり、刑事裁判の記録というものは、ある一定の保存期間がありまして、それを終了すれば消えていくという形ではございますけれども、一方で、刑事参考記録という制度がございまして、この指定自体は、検察庁の長、検察庁のトップでございますが、各検察庁の長から、死刑に処する裁判により終結した被告事件、あるいは、国政を揺るがせた犯罪に係る被告事件及び犯罪史上顕著な犯罪に係る被告事件、こういったさまざまなカテゴリーがあるわけでございますが、そういったかかる記録について、法務大臣に対して指定の上申というものがなされます。その上申を受けて法務大臣が決定するということとなっております。 また、弁護士会とか裁判所、学術研究者等から刑事参考記録の保存に関する要望があったときは、その要望を十分にしんしゃくするということとなっております。 その上で、刑事参考記録に指定されているものは、現在は八百四十五件が刑事参考記録として保存されております。
○井出委員 学識経験者や弁護士からの意見があればというお話があったんですが、実は、記録法ができるときに、昭和六十二年五月十四日の参議院の法務委員会、この法律をつくるときの議論なんですが、そのときも、当時の国務大臣が、運用に当たっては、例えば法曹界の方や学識経験者から刑事参考記録の選定についてその御意見を開陳されれば十分考慮したいと考えているというのが役所から出された手本でございますと。これは、手本の答弁という意味なのかなと思いますが。 これは、実際に意見が、裁判が終わって刑事参考記録になるかならないかなんというタイミングは普通の人は誰も知りません。そのときに意見が出てくることがあるのか。 私は、そうではなくて、そもそも、検察庁の皆さん、法務省の皆さんは、いろいろな事件に携わってきているから、ああ、もうこれは終わった、五十年たった、では廃棄しようとなりやすいんですよ。でも、それはちょっと待て、当事者もそうだし、一般の人からすれば、学術経験者からすれば、それは大ニュースになったものだ、検察庁の皆さんは多くの、多忙の事件の中で処分とお考えになるかもしれないけれども、それはとっておいた方がいいと。 要は、第三者の意見を入れた上で法務大臣に上申を出していただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○林政府参考人 まず、刑事確定記録というものは、基本的に非常にプライバシーを含んだ、中身自体は当然個人のプライバシーを含んだ記録でございます。そういったことで、一定の保存期間があって、保存期間が経過するとそれを廃棄する、こういうことがまず大前提でございます。 しかしながら、刑事参考記録というものを設けているのは、そういった裁判の記録としての中で、個人のプライバシーというものが含まれているというものにしても、やはり顕著な、非常に耳目を集めたような重大な事件であるとかいったこと、あるいは国政を揺るがす犯罪に関する被告事件などについては、これは歴史的な文書、歴史上の文書としても非常に重要で保存が必要である、こういう考え方がございますので、この刑事参考記録という制度があるわけでございます。 そこで、ではそのようなときに、どんなものが歴史上の記録として重要なのか、あるいは、学術研究者の立場からこれは残しておいてほしいとか、そういったことが当然あり得ますし、そういった判断というのはむしろ、検察庁でできる、そういう視点を持っているわけではないものですから、やはり弁護士会、裁判所また学術研究者から、この記録については刑事参考記録として保存すべきである、このような意見があれば、当然それは十分にしんしゃくすべきである。 先ほど国会答弁を引用されましたが、そのような国会答弁を受けまして、実際に刑事参考記録の扱いについての運用通達の中では、今の申し上げました旨、すなわち弁護士会、裁判所、学術研究者等から刑事参考記録としての保存に関する要望があったときは、これを十分にしんしゃくして、先ほど検察庁の長が法務大臣に上申すると言いましたが、その上申の中にも、そういうような要望があったことということは参考事項として必ず書くように、このような通達を出しているところでございます。
○井出委員 その要望というものはきちっとあるのか。通達でそういうことをやろうと言っているんだったら、弁護士会とか学識経験者と参考記録上申委員会とか協議会とかをつくって、そこでみんなで、ああこれは大事だ、そうやればいいと思うんですけれども、どうでしょうか。
○林政府参考人 実際に、これはやはり、当該いろいろな事件をどんな切り口で眺めているかということは全くいろいろ異なるわけでございますが、当然、学術研究者の中には、この事件についてはこういう観点から非常に保存が必要であろう、そういった意見を持っておられる方がおられるとすれば、そういった形では要望が上がってくることになるわけでございます。 また、それはある意味かなり著名な事件でございますので、検察庁においても法務省においても、そのような要望がなくても基本的に刑事参考記録にすることに通常なりますので、そういった意味で、広く要望はございませんかというような場をつくるというまでの必要はないかなと考えているところでございます。
○井出委員 みんなが注目した事件はこっちもとっておくし、第三者もみんなとっておくだろうと思っているだろうというようなお話かと思うんですが、やはり、そうすると、両方の感情が一致しなくて捨てられてしまうようなこともあるのではないか。 この法律が、記録法ができた背景には、実際に裁判記録が既に廃棄をされているという問題提起があったんですね。一九八五年五月二十四日朝日新聞なんですが、著名事件の裁判記録原本の大半が既に廃棄されていることがわかった。これを機に、日弁連などが保存運動を展開するんですね。 実際、ここの記事に書かれたものが全てなくなっていたかというと違うようなんですが、やはり、何をとっておくべきで何がとってあるのか、とっていないものがあったときにどうするのか、そういうことを考えるときに、次に重要になってくるのは刑事参考記録に何がなっているのか。 先ほど、件数がございました。きょうお配りしている資料は、情報公開請求をして刑事参考記録はどんなものがありますかと取り寄せると、残念ながらこういう結果になってしまうんですね。十三枚のものを七枚にまとめてまいりましたが、ここに、ページごとに白いところが二カ所あるんですが、この番号が事件の件数と考えればいいのかなと。それから、被告人、罪名、刑名、刑期は全部黒塗り、保存庁は出していただいているんですね。 これは、例えば社会的に大きく報道されたロッキード、リクルート、その辺はまだ参考記録になっているかどうかちょっとわからないんですが、社会的な注目を集めたような事件などは、被告人や罪名を、もう裁判でさんざん報道されてきているんだから、こうやって伏せる必要が果たしてあるのか。これがこの状態で出てくれば、では、見たいというときに、この状態では、もうあるのかないのかも、見たいという手がかりすらない。 そういう意味では、刑事参考記録にするような重要な文書というものは、少なくとも、数だけじゃなくて、どういう事件ですよというものをやはり示しておくべきではないか、そういうふうに考えるんですが、いかがでしょうか。
○林政府参考人 先ほど、記録法ができる経緯というもので、当時、特に弁護士サイドから記録が保管されていないという御指摘で、この記録法制定に至ったという御指摘がございました。 まさにそのとおりでございまして、当時は、記録をどこが保管するかということ自体が法律上定まっていなかった、ある意味で、そこに法律の穴があったわけでございまして、それがようやく、昭和六十二年だったと記憶していますが、この記録法ができたわけでございます。そういったことによって、この記録が、特に刑事参考記録という制度を使えば、一定の記録についてはある程度の保存ができる、こういうことがまず整備されたわけでございます。 他方で、やはりこの記録自体、これ自体は、被告人であるとかそういうようなものは、確かにその中には当時随分報道されたりした事件もあるでしょうけれども、必ずしもそうでない事件もあるわけでございます。 それで、もともと、先ほど申し上げたように、この刑事裁判記録というのは非常に個人のプライバシーにかかわるものでございますので、だからこそ一定の保存期間というものを設けておるわけでございます。でも、先ほど申し上げたような視点から、刑事参考記録で残しておかなくちゃいけない、こういったものがあるということで今回残しておるわけでございますが、では、残しているものを一律に全部、例えば被告人氏名を開く、公表するとなりますと、やはり、そういう意味で、その中には一律にオープンにするということになじまないような事件も含まれてきますので、現在、そういったことの全ての一律の公表というのはしていないわけでございます。 具体的な現場におきますれば、例えば、学術研究のために必要が認められるような場合には、刑事参考記録になっているであろうというものを、当然、閲覧したいという方は特定が可能なわけでございます。そういった具体的な事件を特定していただいて検察庁にその閲覧の申し出をすれば、当然それは、刑事参考記録になってそこに保存されていれば、そのような対応、閲覧の対応ができますし、また、なっていなくて、まだ保存期間の中でありますから、刑事参考記録にはなっていないけれども記録はございますよということであれば、また対応もできるわけでございます。 そういった形で現在運用しているということであります。
○井出委員 では、大きく報道されたものについては、例えば被告人、罪名、確定年、刑名、刑期ぐらいは、だからもう少しこの白いところを、そうすれば、注目されたニュースのものはとってあるんだな、そういうことにもなろうかと思いますので、ちょっとそれを、ぜひ検討を強くお願いしたい。 では、ちょっと試しに聞いてみたいんですけれども、ロッキード事件とリクルート事件、それから無罪になった長銀事件、これらの裁判記録というものが今どういう状況で、刑事参考記録として今後しっかり残っていくのかどうか、その点を教えてください。
○林政府参考人 今言われたような非常に著名な事件については、刑事参考記録として残すことが通常多いと思います。 それで、実際これらがどうなのかということを委員から御質問でございますが、個別の問題でございますから、それについてここでお答えすることはちょっと困難でございます。 それをやっていきますと、全て、御質問になったことについて、それが刑事参考記録になっているのかなっていないのかという御指摘になりますと、やはり、先ほど申し上げた、事件の中で、ではどれを件名を載せるんだ、どれを載せないのかということがなかなか、記録自体が残っているとしましても、リストとしてそれを掲げることについては弊害もあるものですから、そういうことはしていないということの流れにおいて、今、委員の御指摘において言われた具体的な事件について、それが刑事参考記録になっているのかなっていないのかということについてはお答えは困難でございます。
○井出委員 一般論で、でも少しは示唆をいただいたんですが。 昭和六十二年のこの議論のときも、私のように、この事件はどうなっているんだと聞いたら、同じことを答弁して、それで察してくださいと答弁者は当時言っていました。もう一言言っていただいても。まあしようがないですね、時代も変わりましたので。 それから、刑事参考記録は基本的にとっておく、それと、とっておく場所ですね。基本的には、刑事記録というものは第一審をやった検察庁でとっておくと。それが刑事参考記録になると、東京地検かどこかに行くんですか、私、ちょっとそこをまず聞いてみたいんですが、果たしてそこに置いておくことが本当にふさわしいのか。 刑事参考記録になるということは、その保存期間、死刑だったら五十年だったか百年だったか忘れましたが、本当に完全な歴史的な資料としてとっておくべき。そうであるならば、検察庁じゃなくて、上川大臣の力を入れた公文書管理館にそれは最終的には保管をしていくのがいいんじゃないか。そうやってやっているという国もあるやに聞いていますけれども、今どこにあるのかというところは、東京地検にあるんですか。
○林政府参考人 これは、東京地検に集めているということではございませんで、たしか一審の各担当検察庁に保管されているということでございます。(井出委員「参考記録」と呼ぶ)はい、刑事参考記録が。
○井出委員 そうすると、ますます学術研究の方が、東京地検だったり、ちょっとたらい回し的な対応があるんじゃないかな。できればどこか一カ所、それはやはり公文書館がいいと思うんですけれども。 私、実は昔NHKの記者をしていて、NHKスペシャルをつくろうと、ちょっとあの裁判資料の原本を見たい、それで、ある検察庁に行ったことがあるんですね。そうしたら、記者クラブにいたから、担当の事務の方がいらっしゃるんですけれども、井出さん、そういう考えを持っちゃいけない、できるとかできないとかじゃなくて、そういう考えを持つということ自体がちょっとまずいですよとかと言われて、若かったので、今であれば理事懇みたいにがんがんやるんですけれども、そのときはそれで僕はすんなり引き下がっちゃったんです。 このことも、法律を制定するときに、実際の申請に行き着くまでの間に、答弁では事前交渉と言っているんですけれども、事前交渉というものがあって、すり合わせをして、申請したら一〇〇%出るような形をとっているというような、そういうやりとりがあるんですね。 ただしかし、事前交渉で、そういう考えをすることが、ちょっと井出さん、それは変わっているよとかと言われると、ああ、そういう制度なんだと。こっちは正しい認識でも、水際でそう封じられてしまう。 果たして、刑事参考記録というものが、私は、取材で特番をつくることだって学術研究に資すると思うんですよ。取材によって、それを見た研究者の方もいると思いますし。ただ、実態を見ておりますと、どうも運用面というところが、何人も閲覧できるというところが、むしろ何人も閲覧できないというふうになっているのが実態であろうと思いまして、原則論に立ち返っていただくということを最後に求めたいんですが、お願いいたします。
○上川国務大臣 刑事確定訴訟記録法という法律によりまして、刑事参考記録の保存につきまして、今、それぞれの一種の特例での保管ということでございます。 記録をどこで保管するのか。私も一部見たことがありますが、大変膨大な資料になっているところでございまして、これをどこで保管するのかということについては、分散して保管をするのか、あるいは集中して保管をするのか、それは検討が必要な事項であるというふうに思います。 全てが必ずしも国立公文書館の方に移管するということではなく、それぞれのつくったところ、保管しているところでしっかりと保管をしていただき、また利用すべきときには利用することができる、そうした体制を整えるということが大切でありますので、そこのところについては大変検討を要するものでございます。 一例でございますけれども、最近の事例として、軍法会議、戦前の陸軍の軍法会議、二・二六、五・一五事件の会議の記録について、谷垣法務大臣の時代にこれを公文書館に移管するということが決断されまして、今移管をしているところでございます。 そうしたそれぞれの事例もございますので、それはまた別組織ということでつくった文書でございますけれども、そういった事例もあるということでございます。 いずれにしても、大変大切な文書になるというふうに思っておりますので、それを適切に保管していくということは非常に大事だというふうに思います。
○井出委員 大事な文書であって、判決書なんかは、本当は私は裁判所が、きょうはちょっと答弁いただく時間がなくなって申しわけないんですが、持っておくべきだと思いますし、やはり最終的に、刑事参考記録となるようなものについては、お力を入れられている公文書館に移して、公文書館も狭くなっているから、刑事用に民事用に三つでも四つでもつくればいいと思うんですよ。それは喜んで応援させていただきますので、ぜひまた今後ともよろしくお願いします。 きょうは終わります。
○平口委員長 次に、黒岩宇洋君。
○黒岩委員 無所属の会の黒岩宇洋でございます。 二年ぶりに法務委員会に戻ってまいりました。上川大臣もまた再度登板されたということで、今後いろいろとよろしくお願いしたいと思っております。 それでは、きょうは、まずは検察改革についてお聞きしたいと思っております。 日ごろから私も、不断の改革が必要であるということを訴えてまいりましたし、大臣も所信の挨拶の中で、今後引き続き検察改革のための取り組みを実施してまいりますとおっしゃっております。今後実施するということですから、やはりまだ改革すべき点が残されているという御認識だと思いますので、まずどういう点が改革すべき点として残されているのか、またどのように改革していくべきなのか、この点について大臣の御所見をお聞かせいただけますでしょうか。
○上川国務大臣 改めて、またどうぞよろしくお願いを申し上げます。 検察改革ということでございます。 委員御指摘のとおり、不断の改革が大変大事だというふうに私も思っているところでございます。 この間、検察の改革の経緯ということで、いわゆる厚生労働省元局長無罪事件等を契機に設置されました検察の在り方検討会議の提言「検察の再生に向けて」及び法務大臣指示「検察の再生に向けての取組」を受けまして、検察改革のためのさまざまな取り組みが行われてきたものというふうに承知をしているところでございます。 具体的に申し上げますと、検察におきましては、これまで、検察の使命、役割を明確にし、検察職員が指針とすべき心構えを定めた基本規程、これは「検察の理念」ということで策定をいたしました。また、取り調べの録音、録画の拡充ということにつきましても取り組みをさらに進めるということでございます。また、検察官等の捜査、公判上の違法、不適正行為等の把握及び監察等のための監察体制の構築、さらに、特捜部が取り扱う事件の捜査、公判段階におけるチェック機能の強化、さらに、検察運営全般に関する参与会の設置など、多岐にわたる改革策を講じまして真摯に取り組んできたものというふうに認識しているところでございます。 検察改革については、これまで相当の進展が得られたというふうにも考えているわけでございまして、とりわけ、検察運営全般につきまして、外部の目、外部の風を取り入れるため設置された参与会におきましては、外部の多様な立場の方々から、最近では検察官の働き方なども含めましてさまざまな御意見をいただいております。こうした外部の方々からの御意見というのは、検察官の意識改革、そしてまた不断の改革に大変大きな寄与をしていただいているものというふうに感謝しているところでございます。 今後におきましても、先ほど申し上げたさまざまな取り組み、さらには参与会においてさまざまな御意見もお寄せいただいていること、こうしたことにしっかりと耳を傾けながら、謙虚にこの検察改革のための取り組みを引き続き実施していくということが大事であるというふうに思っております。 その取り組みに当たりましては、検察官を初めとする検察の職員一人一人が、検察改革の趣旨をしっかりと踏まえた適正な職務遂行ができているか、常にみずからに問いかけるということも大変大事であるということでございまして、検察の組織全体にそのような気風をしっかりと保ち続ける努力を惜しみなくしていく、このことが何よりも重要と考えているところでございます。
○黒岩委員 済みません、ちょっと答弁の聞き漏れがあったかもしれませんけれども、検察改革推進室の設置というのは大きな柱の中に入っていますでしょうか、検察改革の。大臣の答弁の中にありましたか。(上川国務大臣「今申し上げたのは参与会の話」と呼ぶ)参与会ですね、わかりました。後でちょっと質問しますので。 そうしましたら、今大臣から非常に多くの取り組み、いろいろなメニューについてまた具体的なこともお聞きしたんですけれども、これは刑事局長、林局長にお聞きしたいんです。 やはり大阪地検での証拠改ざん事件が大きな、今の厚生労働省の問題ですけれども、これ以降、最高検、法務省において、検察改革というのを推進してまいったわけです。事件当時と現在とを比較しまして、事件当時というのは二〇一〇年ですからもう七年たちますけれども、それからさまざまな、在り方検討会議を翌年に設けて、そして具体的な着手をしてきたわけですけれども、当時と今を比較してどの程度検察改革が進んでいるか、進捗状況として、刑事局長としての御認識をお聞かせください。
○林政府参考人 まず、進捗状況については、例えば平成二十六年六月に「検察改革三年間の取組」というものを取りまとめて公表しております。これは、検察の改革に着手してからの三年間、網羅的に取り組んだその結果を公表したわけでございます。その後も、検察におきましては、例えば取り調べの録音、録画に関しますれば、それをさらに拡充するなどの改革策を講じてきたわけでございます。 他方、法務省においては、これは一つの法制度面での改革という意味での刑事訴訟法等の改正等を行ったわけでございます。 こういった形で、これまで検察改革を進捗させてきたものと考えております。 もう一点、この検察改革の点について申し上げれば、検察改革はもちろん、一定の目標を立てまして、これとこれをやるということを公表した上で、それができたかどうかということを、例えば三年後の公表などのときに総括、検証してきたわけでございますが、その中には、やはり組織の、特に検察庁の組織マネジメントに関する、内部でチェックするツールというものを、その検察改革でそれをつくるということ自体をまず目標に掲げたわけでございます。 こういった組織マネジメントのツール、例えば部下から上司に対しての部下の意見調査とか、あるいは組織運営状況全般を内部で調査するとか、そういったことにつきましては、これはそういうツールができたことが改革の一つではありますが、そういった改革ツールは今も、今後もそれが動いていくわけでございます。そういったツールを活用しながら、これからも良好な組織マネジメントをするということ自体がこの検察改革の、オンゴーイングで進捗していくことになろうと思います。 また、検察の監察指導部というものを最高検につくりまして、検察の中で、検察権の行使あるいは検察の活動についての監察というセクションをつくりました。これも、一つそういうツールをつくったということは改革の成果ではございますが、それ自体が現在当然動いていますので、今後も動いていきますので、そういったことをもって、検察権の行使あるいは組織マネジメントの良好な改善というものについて、さらに検察改革が進んでいくものと考えています。
○黒岩委員 今局長のおっしゃったツールについては、また一つ一つこれからお聞きしたいと思っております。 先ほど、情報公開のところで、平成二十六年六月に最高検が「検察改革三年間の取組」というものを公表して以降、しっかりと取りまとめて公表するということが今までなかったんですけれども、その三年間の取りまとめからもう三年が経過をいたしました。これについて、やはり逐次取りまとめて、年度ごととか公表していかないと進捗状況がわかりませんし、私が検察改革についていつも案じているのは、喉元過ぎれば熱さを忘れるような、こういうようなことがあってはならないという点でございます。 この点について、三年間の取りまとめの公表はわかるんですけれども、その後、逐次の情報公開について、これについては少し、私からすれば怠っていると思うんですが、いかがでしょうか。
○林政府参考人 今御指摘がありました、また私からも申し上げた三年間の公表というものは、これは総括的な公表でございましたけれども、その後も、現在、最高検察庁のホームページには「検察改革について」という項目がございまして、そこにおきまして、例えばこれまでにも、先ほど御指摘のあった検察運営全般に関する参与会というのがございますが、これについては、それが開催される都度、その議事要旨というものを公表する、ホームページに載せるとともに、その際、その参与会で参与に対して説明した資料の一部を公開したりしております。 その他、各論でいきますと、例えば取り調べの録音、録画の実施状況というのは、やはりその都度その都度チェックしていかなくてはいけない事項でございますので、この三年後の公表以降にも、今申し上げた最高検察庁のホームページにアップして公表しているところでございます。 もとより、さらなる、もっとこの公表の充実という御指摘につきましては、また検察庁においても検討させていただきたいと思っております。
○黒岩委員 今局長がおっしゃった検察運営全般に関する参与会、平成二十九年の一月ですと第十回の資料が公表されているんですけれども、その中で、ある参与から、検察改革は着実に進んでいることがわかり、心強く感じた、こういう発言が最高検のホームページで大々的に広報しているわけですよ。 ただ、着実に進んでいると非常にその発言を紹介していますけれども、これも何をもって着実に進んでいるのか。本当は、数値目標と期限とか、そういったものがしっかりと明記されて、それに対する進捗度がわかりやすく国民に伝わればよろしいと思うんですが、この参与会の情報公開についても、この着実に進んでいるというのは一体何をもって広報しているのか、情報公開しているのか、この点についてお聞かせいただけますか。
○林政府参考人 今御指摘のあった参与会議事要旨によりますと、ほかの項目については具体的な項目についての意見が掲げられているのに対しまして、もう一つ、並列的に、検察改革は着実に進んでいることがわかり、心強く感じたという意見も載せられているようでございます。 このことが何を指しているのかというのは、ほかの項目との比較によりますとかなり抽象的なことでございまして、確かに、もう少しその点について、もしこれが具体的な議論があった中でこういう意見があったならば、それをもう少し掲げるべきだったかなと思いますけれども、恐らく、御意見自身が非常に総括的な御意見だったんじゃないかなと推測をいたします。 と申しますのも、現在の参与の方々の全てではございませんが、かなり多くの方は第一回からこの参与会に参加されて、検察の動きをつぶさに見ている方々がかなりおられますので、そういった方々の中のお一人あたりがこういった総括的な御意見を言われたのではないかな、このようにこれは推察するところでございます。
○黒岩委員 ちょっとうがった言い方になるんですけれども、着実に進んでおり、心強く感じたというのは、これはある意味第三者の感想ですよね。 主観的に国民が見てすぐにわかるような、そういう基準があれば、第三者の感想みたいな、うがったというのは、例えば健康食品のCMなんかは一々個人の感想ですと書いてあるんですけれども、なかなか示せる基準がない場合に第三者の感想というようなことを使うわけですけれども、私は、検察行政はそういったことがあってはならないと思っております。 かなり明確な目標を立てて、そして緻密にやってきたと私自身は感じておるんですけれども、その割には、その後の、これは情報公開という言葉を使いますけれども、やはり進捗度合いが客観的基準として示し切れていないという、これが問題意識なんですよ。 この点について、局長、もう少し踏み込んで、これは今後のこともありますので、刑訴法改正で録音、録画が法定化されたということで一安心ではないわけですから、やはり着実に年度年度進めていく、時々刻々進めていくためのやはり客観的なもの、そして、今現在、林局長は現場もお知りの方ですから、これはある意味で実感として、どのくらい検察改革が当初のまさに検察が非常事態になったあの当時と比べて本当に進んでいるのかについて、やはり我々にわかりやすい表現でお聞かせいただきたいんです。
○林政府参考人 確かに、こういった資料をつくる場合におきましても、またこの参与会における議論等におきましても、項目によっては、例えば非常に統計的な数字を使った形での議論というのは実際はなされております。 例えば、録音、録画の実施状況でありますとか監察対象案件の審査とか、こういったことについては個別の具体的な指標に基づいた議論がなされているわけでございますので、できる限りそういったものを、こういった形での国民に向けての公表という形の中にも可能な範囲で取り入れられるという形で国民にお知らせしていくということも確かに非常に重要な視点でございますので、単に、着実に進んでいることがわかり、心強く感じたと言っていただいたからこれを載せるとか、そのようなことであってはならないと思っております。
○黒岩委員 公表の仕方にまだ一工夫も二工夫もしていただきたいと私は思いますし、その参与会なんですけれども、先ほど局長が第一回のころからかわっていないとおっしゃっています。たしか七名か八名ぐらいだと思うんですけれども、この参与会というのは、大臣がおっしゃったように、外部の風、外部の目ということで、耳の痛い発言をしてくださる方がいいので、ある意味、検察に対して耳の痛い組織であるべきだったわけです。 これについて、さっき、第一回から参与会の構成員がかわっていないという表現だったんですかね。ちょっとそこは理解しづらかったんですけれども、参与会の構成員がどのような方で、そして、現在までにどのくらい人数がかわって、そして、その方たちのいわゆる属性、もうちょっと具体的に言えば、検察出身とか内部の方であるのはやはりこれは非常に不適切でありますので、どういった属性の方が参与会の構成員となっているのか、この点について改めてお聞かせいただけますでしょうか。
○林政府参考人 確かに、参与会のメンバーというのは第一回のときから、全部が同じではございませんが、かなり共通した、引き続きお願いしている方が多くおられます。 と申しますのも、第一回の参与会のときにお願いする視点といたしまして、自分たち、検察の出身の者は当然選んでおりません。全て外部の方である。それから、例えば弁護士の方に入っていただくということにつきましても、弁護士の中でも、やはり日弁連の中の執行部におられたような方ということを念頭に置いて、入っていただいております。 今は、荒弁護士というのが参与会のメンバーでございます。その他、刑事法の学者がございます。これは東大の教授が入っております。その他、組織マネジメントの点での専門家である高橋俊介氏。これは、現在は慶応大学の大学院政策・メディア研究科の特任教授でございます。その他、もうお一方、これはもとは裁判官であられた弁護士、原田国男さんが弁護士として入っておられます。また、福祉の専門家といたしまして、社会福祉法人南高愛隣会の顧問である田島良昭さん、こういった方が入っておられます。また、人権あるいは国際人権の専門として横田洋三さん。公益財団法人人権教育啓発推進センター理事長でございますけれども、横田洋三さんに入っていただいております。また、林正和さん。これは日本取引所グループ取締役会議長、元ですか、株式会社日本取引所グループ取締役会議長の林氏が入っております。また、犯罪被害者の団体の方として大久保恵美子さんが入っております。こういった方々で、現在運営されているということでございます。
○黒岩委員 済みません。当初お聞きした、始まった時点でのメンバーがどのくらいかわられているのかというのは、個別名は控えますけれども、結構耳なれた方が多くて、例えば在り方検討会議のメンバーであったり、また、その後、刑事司法の特別部会のメンバーであったりという方で、皆さんすぐれた先生でいらっしゃるんですけれども、やはり法務省との結びつきが比較的強い方が選ばれている側面もあると思います。 ですから、私は、外部の目、外部の風という意味だったら、新しい目、新しい風ということで、随時、参与会のメンバーも新しく取り入れてくる、かえていく、こういったことも必要だと思っていますので、そういう意味で、当初のメンバーと今のメンバーでどのくらいかわっているのか、そして、今言ったように、年度ごと、どのくらいで参与会の構成のあり方が変化していくのか、この点についてお聞かせいただけますか。
○林政府参考人 申しわけございません、そういった資料を今時点で持っておりません。 いずれにしても、何年の段階の、第何回会議がどういうメンバーの参与において行われたかということについては、これはお示しすることは可能だと思いますけれども、現時点で今ちょっと持っておりません。
○黒岩委員 質問自体はこの程度にしておきますが、大臣も、非常にこの参与会の存在については重きを置いているということを当初の見解の中でもお示しされたので、この参与会について、決して、検察側に立って応援団ではなくて、検察に対してやはり厳しい組織であっていただきたい。これがやはり一つのツールとして、先ほど局長もツールという言葉を使いましたけれども、組織をつくったけれども中身が機能しないというのでは、これではツールの意味がなくなってきますので、この点も十分に御留意いただきたいと思っております。 そうしましたら、先ほどちょっと大臣に確認した検察改革推進室、これも、証拠改ざん事件が起きた後に、ある意味大変大きな期待を持って最高検の中に設置された組織でありますけれども、この組織は今現在どのようになっているのか、現在の状況、またそれに至る変遷について、概要をお聞かせいただけますでしょうか。
○林政府参考人 概要で申し上げますと、検察改革に着手したときに、まず、最高検に検察改革推進室というものを置きました。その後一年間はこの検察改革推進室が室長として別におったわけでございますが、次に、総務部長がこの検察改革推進室を兼務するということになりました。ただし、その場合も検察改革推進室というものは当然残っておりました。その後、そのままの形でずっと推移してまいりましたが、本年四月からは、検察改革推進室という名称は用いずに、今度は総務部長が検察改革推進を担当するということになったと承知しております。 この間の、検察改革推進室が本年四月から室という名称を用いなくなったことの理由でございますが、これは当然、改革を推し進めているときには、どのような改革をするのかという企画が必要でございますし、その中で、改革推進室というものを別個に設けながらそういった企画と改革の推進というのを行ってまいりましたけれども、この間、例えば取り調べの録音、録画に関する業務ということに関すれば、これは通常の、例えば最高検の刑事部というのがございますが、そういったところが担うことが可能でございますし、改革で行っていることの監察の部分、これについては、別個監察指導部というものが既にできましたのでそちらで行うということになりましたので、だんだんと改革で立てたメニューの成果というものが各通常のライン、組織に移ってまいりました。 そういったことで、現在は改革推進室という組織は用いていないわけでございますが、他方で、改革の業務は残っております。例えば、先ほど来の参与会を運営する業務でありますとか、あるいは、先ほど二つのツールで、組織運営状況調査、あるいは部下による幹部への意見調査、こういったものはかなり実務的にも非常に手間のかかる作業でございました。こういった業務は残っておりますので、この業務自体は、現在は総務部長がその業務を担当している、このようにしておるところでございます。
○黒岩委員 概要ということですので、流れは理解しました。 そこで、もう少し具体的に、初代室長は林局長ですから、そのときに、何人の構成で専従が何人いたのか、そして今現在、総務部長のもとにその業務が引き継がれているというんですけれども、では、今現在、兼務で業務内容を取り扱っている職員というのはどのくらいいるのか。これはちょっと量的な概念で教えていただけますでしょうか。
○林政府参考人 済みません。まず、平成二十三年だと思いますが、発足当初の検察改革推進室の、これは記憶でございますが、検事は三名おりまして、それから事務官が六名ぐらい担当して、そのぐらいで、その一つの室で検察改革の業務だけを担当していたという記憶でございます。 現在になりますと、この室自体はないわけでございます。先ほど申し上げたように、例えば組織運営状況調査に当たる事務、あるいは部下による幹部への意見調査に当たる事務、こういった事務、これを総務部長が統括しているという形になりますので、その事務自体にどのようなマンパワーが何人どのように使われているかということは、今、私、資料を持っておりません。済みません。
○黒岩委員 ちょっときつい言い方をしますと、最初の概要を聞いても、当初は室長が個別にいた、担当室長が。それは林局長ですよね。その後、林局長が総務部長になって兼務になった。今度は、専任から兼務になった。そして、ことしになって、名前が使われていないといいますけれども、実際には検察改革推進室自体はなくなったとも言えるわけですよ。 他のツールにその業務が分配されているといいますけれども、他のツールだって、もともと目玉として、ツールとして取り組みをしてきたわけですから、そうなると、やはり六年たって、あの当時大変期待といいますか目玉でもありました検察改革推進室というものが、よく言えば発展的解消と検察は言いますけれども、ある意味で言えば雲散霧消してしまったような、そういった感覚をやはり禁じざるを得ないんですよ。 この点について、初代室長ですから、今も総務部としてどのくらいの業務をやっているかとかそういったことがはかりかねるということ自体、そうなると、では、やはり改革推進を怠っているんじゃないか、その業務がわからないということは業務をしていないんじゃないか、こういうような感想を持たざるを得ないんですよ。この点について、林局長、ある意味、しっかり否定的な答弁をしていただけますか。
○林政府参考人 私は、力を抜いているとかそういうことは全くないと思っております。 と申しますのは、確かに一年目は検察改革推進室長で私がやっておりまして、その後、私が総務部長になったためにそれを兼務しましたが、二年目以降も当然、検察改革推進室という固まりで精力的に改革を行っておりました。 それで、現在も、例えば先ほど申し上げた組織運営状況調査というのも、全国の中を幾つかに分けまして、ことしはこの半分、来年はまた別の半分、このような形で分けて、恐らく全体で業務として三カ月間ぐらいはその調査に係る事務が残っております。こういったことは当然、検察改革推進室自体がないとすれば、今、総務部の中でそれを担当する者が必ず三カ月間それを重点的に扱うわけでございます。 また、監察指導部に監察が行っておりますので、まさに監察指導部自体は監察案件を常時やっているわけでございますので、そういった意味で、こういった検察改革関連の業務に従事させている、あるいはそこに投入しているマンパワーというのは、非常に、当時よりもむしろ拡充されているのではないかと私は思っております。
○黒岩委員 時間が来てしまいましたので、監察指導部についても具体的内容を聞きたかったんですけれども、監察指導部自体ももともと検察改革推進室と並行して業務を行っていたわけですから、そういう意味からすると、監察指導部がよっぽど業務量がふえたとかそういったことがあるならともかく、どうも検察改革推進室というものがフェードアウトしてしまったような、これは一つちょっときょう捉まえたんですけれども、私は、こういったある意味感想を持たれるような、ともすれば誤解かもしれませんけれども、そういったことによって、検察としての、また法務省としての検察改革に対する取り組み、意識というものがともすれば薄まってきているというような、そんな不安だけは払拭していただきたい。 これは大臣に強く要請をいたしまして、きょう、済みません、保護局長の畝本さんを呼んでいるんですけれども、また今度お聞きしますので、きょうは検察改革について概括的なところだけ聞かせてもらいました。また今後ともよろしくお願いいたします。 ありがとうございました。
○平口委員長 次に、藤野保史君。
○藤野委員 日本共産党の藤野保史です。 きょうは、上川大臣の所信について質問させていただきます。 大臣は所信の中で、テロ等準備罪、いわゆる共謀罪法について、「適正な運用がなされるよう努めてまいります。」と述べておられます。我が党は、同法は内心の自由等を侵害する憲法違反の法律だと考えております。断固として、廃止を求めていきたい。 現在、立憲民主党の取りまとめで、共謀罪法廃止法案、これが今準備されておりまして、協力できる野党でぜひこれを提出していきたいというふうに思っております。 以下、共謀罪法に関係して質問いたします。 同法は、内容面は今申し上げたように憲法違反の問題がありますが、審議のプロセス、これも大変問題が多かったと思います。 配付資料の一を見ていただければと思うんですが、これは、ことし二月六日に、当時の金田法務大臣が記者クラブに配ったペーパーであります。黄色いところは、「成案を得て国会に提出した後、所管の法務委員会において、しっかりと議論を重ねていくべき」と。いわば、共謀罪については、予算委員会では質問するなという趣旨のペーパーであります。 行政府の長が立法府の議員の質問に口を出した、まさに三権分立に抵触する大問題である。強い批判を受けて、金田大臣は翌日、ペーパーを撤回し、謝罪に追い込まれました。 次に、ここ法務委員会、この当委員会でも前代未聞のことが起きました。この委員会にかかる、まさに審議の最初の日、四月の十九日だったわけですが、当時、大臣の答弁が不安定だということで、大臣にかわって、先ほど来答弁されている政府参考人、林刑事局長を出席させるということを多数決で強行した。 大臣、現在の政府参考人制度になって以降、参考人の出席をいわば多数決で、与党の数の力で押し切ったというのは初めてであります。当委員会だけじゃなく、全委員会を含めて初めてだということを私は当時確認いたしました。 このもとに何が起きたかということなんです。例えば、私が金田大臣に質問した場合、刑事局長が強引に先に答弁をして、その後、金田大臣が出てきて、ほぼ同じ文言で同じ中身を答弁するということが何度も繰り返された。まさに、私の質問時間が同じ答弁の繰り返しで浪費をされた、議員の質問権の侵害そのものだと私は感じました。本当に強く抗議したいと思います。 そしてさらに、参議院でも異常な事態が続いた。六月十五日の、参議院法務委員会、審議が打ち切られ、中間報告が行われた。 この中間報告というのは、ちょっと後でも述べますが、過去何度も行われております。しかし、そのほとんどが野党の委員長のときに、その野党の委員長がいろいろ抵抗して、与党、多数でいけるのに動かないというような、そういうときに用いられる場合がほとんどであって、今回は、共謀罪法の場合は、参議院の法務委員長というのは与党の公明党の方だったわけですね。与党が委員長をやっていた。その気になれば、多数なわけですから、審議、採決できるにもかかわらず、中間報告に踏み切った。極めて異例であります。 大臣、お聞きしたいんですが、確かに、立法府の問題であることは重々承知しております。しかし、大臣は所信で、法の支配ということをたびたび強調されていらっしゃった。ですから、率直な御認識というか、お聞きしたいんですが、共謀罪法については、予算委員会でも、衆議院の法務委員会でも、そして参議院の法務委員会、本会議、いずれのプロセスも異例に次ぐ異例だった、憲政史上例を見ないやり方で成立した。大臣も、このプロセスは異常だった、そういう認識でいらっしゃいますか。
○上川国務大臣 国会審議のあり方についての評価ということでの御質問ということでございますけれども、今、私、法務大臣としてお答えをすることにつきましては差し控えさせていただきたいと思います。 私自身は、この国会での質疑、審議におきましては、誠心誠意さまざまな課題に対して真摯に説明責任を果たしてまいりたいというふうに思いますし、また、こうしたやりとりを通じて、よりよい質疑ができるように努力をしてまいりたいというふうに思っております。
○藤野委員 大臣、所信で五回も法の支配という言葉を使われております。これはやはり形式的に法の支配ということであってはならないと思うんですね。法の内容あるいは趣旨、そうしたものとの関係で、実質的にそうした立場で法務行政に当たっていただきたいという意味で、あえてプロセスの問題をお聞きしたんです。 もう一つ、一点だけ具体的にちょっと聞きたいんですが、どれだけ異常だったかということで中間報告についてお聞きしたいんですが、配付資料の二は条文そのものであります、国会法五十六条の三。 一項は、これは有名ですが、特に必要があるときに中間報告ができるという、できるということを規定しているだけです。二項と三項で、ではその中間報告がなされたときに具体的にどうするのかが規定されております。 もちろん、この五十六条の三を具体的にどう運用するのか、どうするのかというのは、時々の議運、議院運営委員会が決めることであります。当然のことです。これまでも、時々の議運の協議で、衆議院でいえば四回ですか、そして参議院でいえば十数回の中間報告がなされてきた。 きょう私が御紹介したいのは、運用の話ではなくて、この制度ができたときの議論の経過あるいはその趣旨、これを踏まえてこそ、やはり中間報告制度に値したのかどうか、こういう議論もできると思うんですね。 配付資料の三を見ていただきたいんですが、これは一九四八年、昭和二十三年四月二十二日、衆議院議院運営委員会で、この国会法五十六条の三の経過と趣旨について、大池眞衆議院事務総長、当時の事務総長が説明したものであります。 時間の関係で、私の方で黄色の部分を読み上げさせていただきますが、「議院が何どきでも委員会の審査中の議案を取上げて本会議にもつてくるというのは強過ぎるではないか、委員会でせつせとやつているものを、いきなり何でも彼でももつてくるということは、悪用されてもいかぬから、やはり一応現行の規則にある中間報告を求めて、中間報告を求めたものについてやれるのだ、しかもその中間報告を求めた場合に、本会議ですぐ審査する必要がなくて、期限をつけていい場合には期限をつけてもいい」。 別のところですが、「まず中間報告を求めて、中間報告を求めたものについて、議院が特に緊急を要すると認めたものについては、委員会の審査に期限をつけるということが一段であります。それをつけるいとまがない場合は、「又は議院の会議において審議することができる。」」。 最後に、「第一段は期限をつけて、それで終らなかつたときには議院の会議で審査をするのだ。但し議院は委員会の要求により審査期間を延長することができるというように、二段にした方が穏当であろうという議があるわけであります。」こういう議論がされた。 衆議院事務局に確認したいんですが、もちろん、実際の運用は時々の議運の協議で決まるわけですが、中間報告制度をつくる過程でこういう観点での議論がされていた、これは事実ですね。
○阿部事務次長 お答えいたします。 お尋ねの中間報告の制度は、第二回国会で、当時衆議院規則にあった規定を改正し、その重要性に鑑み、国会法へ規定を移したものでございます。 御指摘の大池事務総長の説明は、昭和二十三年四月二十二日の議院運営委員会におけるものでございまして、これは事務局の見解ではなく、改正案についての当時の各会派の意見を取りまとめた中間的な報告でございますが、御指摘のような御議論があったことは事実でございます。 このときの改正は、最終的に議院運営委員長が本会議で説明しておりますとおり、委員会で審査中の議案で中間報告を求められたものは、その審査に期限をつけることができるのみならず、そのいとまがない場合には、議院の会議すなわち本会議において直ちに審議し得る旨の規定を加えたものでございます。 いずれにいたしましても、期限を付すべきか、あるいはそのいとまがない場合かの判断につきましては、先生御指摘のございましたように、議院運営委員会でお決めいただくものであるというふうに、当時も現在も変わっていないものと考えております。
○藤野委員 事実だという御答弁をいただきました。そして、重要性に鑑み、規則から国会法へということも御紹介されました。 ですから、実際の運営は議運だとしましても、では、時々の議運の判断がどうだったかという場合には、やはりこの趣旨に立ち戻って判断されるべきだというふうに思っております。 そうした視点から、今回の共謀罪のケースはどうだったか。 まず、特に必要があると言えたのか。参議院では、法案について十七時間五十分しか審議をしておりませんでした。会期末まで四日も残っていた。テレビも残っていた。会期の延長も可能だったわけであります。しかも、この間の中間報告では、前日に中間報告しますよと提案するのが通例とされていたわけですが、今回は、当日の朝突然野党に提案をされた。しかも、与党は提案しておきながら、中間報告するか否かの動議についての賛成討論に立つこともしませんでした。 こうした経過を見ますと、特に必要というのは、法案の審議についての必要性ではなくて、当時、モリカケ疑惑、森友疑惑、加計疑惑、大問題になっておりました。この疑惑問題にふたをする、国会での追及をやめさせる、これを閉じたいという政府・与党の政治的な必要性、これがあったのではないか。必要性というのはそれだったのではないかと思わざるを得ないわけですね。ですから、特に必要だったかどうか、これは私は全然認められないと思います。 そして、委員会に期限を付すいとまがあったかどうか、そういう判断があるというお話もありましたが、これも同じ理由で、いとまはあったと思うんですね。これもそういう判断がされなかった。 さらに、では本会議でしっかり議論したかというと、これも異常だったんです。私も傍聴に行ったんですけれども、本会議が始まったのは午前二時三十一分です。そして議事がずっと行われて、終了したのは翌朝の午前七時四十六分です。しかも、中間報告への動議や討論、審議、いろいろやられるんですが、この全て、三回の討論や審議、登壇者の発言時間を一人十分に制限する、こういうことが与党によって強行されました。 大臣、国民が寝静まった、ネットでさえ見ないような深夜に本会議をあえて開いて、しかも議員の発言時間も制限する。これは、委員会の審議権やあるいはそれを中間報告で取り上げるにしろ、審議を充実させようという国会法五十六条三の法の趣旨、これに反する、これをじゅうりんするものだというふうには、大臣、思われませんか。
○上川国務大臣 ただいま委員から御紹介がございました、さまざまな事実というか実態ということで御説明ございましたけれども、それに対して私の方から法務大臣としてコメントをするということについては差し控えさせていただきたいと思います。 国会法に照らして、議院運営委員会そして委員会、それぞれの御議論をいただいた上で、行政府としてはしっかりと議論をさせていただく、こうした姿勢でこれからも臨んでまいりたいと思っております。
○藤野委員 大臣が法の支配とおっしゃられる場合に、やはりこうした法の趣旨、あるいはそれを実際に適用した場合の法の趣旨に合致しているのかどうかということも含めて、ぜひ今後、法務行政に当たっていただきたいというふうに思っております。 そして、大臣、所信の中で、共謀罪法の適正な運用とおっしゃられました。以下、この点について聞きたいと思うんですが、配付資料の四を見ていただきたいと思うんです。当委員会で採決の際に付された附帯決議であります。この附帯決議の四には、「本法が、これまでの国会審議等において示された様々な不安や懸念を踏まえて立案された」とあります。 大臣にお聞きしますが、この「様々な不安や懸念」というのはどのようなものだと認識されていますか。
○上川国務大臣 ただいま御指摘ございました衆議院の法務委員会における附帯決議におきまして、本法がこれまでの国会審議等において示されたさまざまな不安や懸念を踏まえて立案されたものであるということで示されているところでございます。 この国会審議におきましては、不安の一つとして、内心や思想を理由に処罰されてしまうのではないか、こうした御指摘もございました。また、犯罪を目的としない一般の団体も対象となるのではないか、こうした不安も示されたと承知をしているところでございます。また、対象犯罪の範囲が広過ぎるのではないか、こうした不安、また懸念が示されていたものというふうに認識をしているところでございます。
○藤野委員 今御指摘があったように、内心の自由、あるいは思想、良心の自由、これを理由に処罰するのではないか、まさにそうした理由から、日弁連や自由法曹団などの法律家団体、百六十名を超える刑事法学者の皆さん、全国の地方議会あるいはジャーナリストなど、広範な団体、個人が憲法違反だと強く反対をしたわけですね。 そして、五月十八日には、国連人権理事会が任命した特別報告者ジョセフ・カナタッチ氏から、本法律がプライバシー権や表現の自由への過度の制限になると強く懸念する書簡が安倍総理に届けられました。 私は、これらの不安や懸念というのは全く払拭されていないというふうに思っております。 配付資料の四に戻っていただきまして、附帯決議の三なんですが、ここには、捜査に当たっては、万が一にも正当な目的で活動を行っている団体の活動を制限することがないようにするとあります。 大臣にお聞きしますが、これは具体的にどうやって実現するんでしょうか。
○上川国務大臣 このテロ等準備罪の捜査を含みますテロ等準備罪処罰法を適正に運用するということでございますけれども、何といっても、関係機関がこの法の趣旨、また審議の状況等、また附帯決議等もしっかりと把握した上で、その内容につきまして十分に理解を深め、そして行動することが大切だというふうに考えております。 その意味で、関係機関に対してその内容を十分に周知徹底するということが極めて重要であるというふうに考えているところでございます。 法務省といたしましては、これまで、全国の検察庁に対しまして、この改正法の趣旨、内容等を踏まえた適切な運用を求める通達を発出しておるところでございまして、このことにつきましては、警察庁また最高裁判所にも送付したところでございます。その際、御指摘の附帯決議につきましても周知を図っているところでございます。 またさらに、法務省といたしましては、今後とも、研修や各種会同などさまざまな機会を捉えまして、関係機関に改正法の趣旨、内容等を周知し、改正法が適正に運用されるよう、引き続き努めてまいりたいというふうに考えております。
○藤野委員 周知するだけでは本当に適正に運用されるのかという問題があると思います。これは引き続き今後も追及したいと思います。 例えば、組織的犯罪集団の定義について、政府は、衆議院の当委員会では、一般人は一〇〇%対象にならないと当時の大臣は繰り返しておりましたが、参議院に移ったら、組織的犯罪集団の隠れみのだとか、あるいは周辺者だ、それも含まれるという言い方をしました。衆議院では一言もそういうことは言わなかった。それが、参議院になったらいきなり出てきたわけですね。私は、衆議院での議論に参加した一人としては、本当に強い憤りをこのとき覚えました。 さらに、配付資料の五を見ていただきたいんですけれども、大臣は今、内容を周知徹底するとおっしゃいましたが、これは「論究ジュリスト」という雑誌に、加藤俊治さんですか、法務省大臣官房審議官が書かれたこの法律の解説なんですね。その中に、この組織的犯罪集団、「その主体となり得る者は、組織的犯罪集団の構成員らに限られる」、こういう書き方をしているんですね。大臣が周知徹底すると言ったまさに審議官が、「ら」とつけているわけです。この「ら」とは一体何なのかと。 同じジュリストでは、立命館大学の松宮孝明教授が、「ここに構成員「ら」と表記している時点で、すでに限定はない」と批判をされております。私も、本当にそのとおりだと思うんですね。 大臣、組織的犯罪集団だけでなく、実行準備行為とかあるいは計画、これは定義が曖昧なんです。解釈、運用の幅は極めて広い。それを解釈するのは捜査機関であります。誰が捜査や処罰の対象になるのかが、法律の規定ではなくて、運用者の判断で決まってしまう。 大臣、これは単なる法律の定義の問題ではなくて、刑罰という国家権力の最も峻厳な行使にかかわる、その法律の定義の問題であります。それが曖昧になっている。これは、大臣が所信で強調された法の支配というより、人の支配に近づいていくんじゃないですか。大臣、いかがですか。
○上川国務大臣 このテロ等準備罪処罰法につきましては、衆参でさまざまな御議論をいただき、そしてこの衆議院法務委員会におきましても、附帯決議、さまざまつけていただきながら、この適正な運用を図るということについて支持していただいているわけでございます。 先ほど、各関連機関に対して徹底してこの周知を図る、その内容につきましては、この附帯決議でのさまざまな御議論も含めてということでございますので、先ほど先生が御指摘いただいたような項目についての不安や、また懸念ということがしっかりと払拭することができるようにしていくということを含めて周知徹底し、また、その適正な運用に努めてまいりたいと思っております。
○藤野委員 大臣、この法律というのは、私たちは憲法違反の法律だと思いますが、解釈、運用というものが極めてやはり大きなウエートを占めてくる、しかも、刑罰にかかわる法律であります。 ですから、この法律の解釈、運用を通じて憲法違反の事態が生まれ得る、そういう可能性がある、これは大臣も否定できないんだと思うんですが、いかがですか。附帯決議で「万が一」と書いているのは、そういう趣旨だと思われませんか。
○上川国務大臣 先ほど御質問の中に、どのような不安や、また懸念があるのかというお尋ねがございました。内心や思想を理由に処罰されてしまうのではないか、また、一般の団体も対象となるのではないか、その対象の犯罪の範囲が広過ぎるのではないか、こうした御懸念を附帯決議でさまざまに決議していただいたところというふうに思っております。 このテロ等準備罪、審議の過程の中で、適用対象となる団体につきましては、組織的な犯罪集団に限定をするということでございまして、一般の会社、市民団体、労働組合など正当な活動を行っている団体が適用対象とならないということ、このことについて一層明確にしていくということでございますし、また、実行準備行為であって初めて処罰の対象とするということでございますので、内心を処罰するものではないということにつきましても一層明確にし、また、処罰範囲についても限定をするということで、リスト化について明確化しているところでございます。 したがいまして、こうしたことにつきまして徹底してその運用を図るということで、しっかりと適正にこの運用に取り組んでまいりたいと思います。
○藤野委員 私がお聞きしたのは、今おっしゃったのは大体前国会で議論されている話でありまして、附帯決議はついたわけです、審議の結果といいますか。そこに、万が一にもそういうことがないようにというふうに書かれているということは、少なくとも当委員会の附帯決議の認識として、万が一にもあり得るということなんですね。 ですから、そういう可能性をやはり大臣もお認めにならないと、この附帯決議の趣旨、これは反してくるんじゃないですか。
○上川国務大臣 衆議院の法務委員会におきまして付されたこの附帯決議の三ということに付されている、万が一にも正当な目的で活動を行っている団体の活動を制限することがないようにするということでございますので、そのことについては、しっかりとそのことを関係の機関に周知徹底し、その適正な運用を図るというところで担保していきたいというふうに思っております。
○藤野委員 周知徹底という点につきましては、やはりそれでは不十分だというふうに言わざるを得ないと思うんです。 ちょっと警察庁と法務省に聞きたいんですが、同法は七月から施行されていますが、今日まで、同法に基づく逮捕、起訴というのはあるんでしょうか。
○露木政府参考人 委員お尋ねの件数でございますけれども、現時点で私どもが把握している限りにおきましては、逮捕件数ゼロ件でございます。
○林政府参考人 お尋ねの起訴件数は、現時点で把握している限り、ゼロ件でございます。
○藤野委員 もちろんこれは、捜査あるいは捜査以前の情報収集等ありますので、実態はまだわからないわけです。しかし、少なくとも逮捕等という形ではあらわれてきていない。警察の立場に立てば、せっかく法律ができたのに適用できていない。 法案審議の際にも、多くの識者の方々は、現在の捜査手法では共謀罪の捜査はやりにくいと。確かに、話し合ったとか、判例では黙示の共謀でもいいとか、要するに客観的証拠が残りにくいわけですね。あるいは、準備行為も、外形的に見れば、何ら法益侵害の危険性のない行為を含むわけですから、これはつかみにくい。花見と下見はどう区別するのかという議論もありました。さらには、組織犯罪集団も、自分たちは組織犯罪集団ですという看板なんか掲げるわけがない。ですから、現在の捜査手法では困難であると。 だったらどうするのか。警察としては、この犯罪類型に見合った新たな捜査方法、これが欲しくなるのは私は当然だと思うんですね。しかし、国民の権利を不当に侵害するような捜査方法の拡大というのは、これは絶対に許すわけにはいきません。 五月三十日の参議院法務委員会で安倍総理は、我が党の仁比議員の質問、「国内担保法はプライバシー権や内心の自由を保障したものでなければならないと、これが大前提ですね。」という質問に対して、「国民の権利、自由が不当に侵害されることがあってはならないことは当然のことであります。」と答弁されました。 上川大臣にもお聞きしたいんですが、大臣も同じ立場でいらっしゃいますね。
○上川国務大臣 総理も答弁されているとおりでございまして、国民の生命財産を守るためにテロの未然防止対策には万全を期す必要があるところでございますが、その際、国民の権利そして自由が不当に侵害されることがあってはならないということにつきましては当然のことであると考えております。
○藤野委員 としますと、例えば二〇一四年の警察白書では、会話傍受、いわゆる盗聴についてこう書いてあるんですね。「日本において会話傍受が導入された場合に有効と考えられる点として、特殊詐欺や暴力団犯罪等の秘密保持が徹底された組織犯罪や、密室で行われる犯罪において、犯行の事前謀議や実行の指示、犯行後の逃亡の指示や証拠隠滅工作を把握することができるようになり、犯罪組織のリーダー等の検挙に資すること等が挙げられる。」こういうふうに書いてあるんです。 ですから、まさにこのテロ等準備罪のときに政府が説明していた、特殊詐欺だとかあるいは暴力団犯罪、こういうものの捜査、事前謀議の把握に資するとかいうことがまさに警察白書に書かれているわけですね。これは警察の本音だと思うんです。 ですから、大臣、今後警察からいろいろな要求があると思うんですが、今おっしゃったように、国民の人権を侵害するような捜査方法、例えば盗聴をどんどん拡大していく、こんなことはもう絶対に起こらないとはっきりとおっしゃってください。
○上川国務大臣 法治国家日本の中で、国民の権利、自由が不当に侵害されることはあってはならないと思っております。そして、そのことについては、先ほど総理も答弁されているとおりでありまして、当然のことだというふうに思っております。このしっかりとした考え方にのっとって法務行政を進めてまいりたいというふうに思っております。
○藤野委員 終わりますが、私たちは、やはり憲法違反の共謀罪法は廃止するしかない、この廃止を目指して国会内外で闘いを強める決意を述べて、質問を終わります。
○平口委員長 次に、串田誠一君。
○串田委員 日本維新の会の串田でございます。 本日は、法科大学院を含む法曹養成制度を中心にしてお聞きをしたいと思います。 本当に今、世の中では想定外のことが起きております。おととい、十一月の二十九日には、最高裁の大法廷におきまして、強制わいせつ罪の概念が四十七年ぶりに改正がなされました。細かな事案については、言葉にするのもおぞましいので割愛させていただきますけれども、被害者を中心にして考えれば、この改正もやむを得ないのではないかと感じた次第でございます。 また、凶悪事件、昨年度は、相模原の障害者施設、津久井のやまゆり園、そしてまた最近では、座間市の自殺志願サイトにおける大量殺害、これも全て残念ながら私の選挙区の神奈川県で起きているわけでございまして、神奈川県知事の黒岩知事も大変心を痛めていることを私も見て、本当に関係者の方、お気の毒でございます。 また、振り込め詐欺に関しましては、これほどの啓蒙活動にもかかわらず、毎日毎日この詐欺が発生している。本当にイタチごっこということで、法務省も大変な苦労を余儀なくされているわけでございます。 さらにまた、民事に関しましては、今回、民法の大改正ということで、長らく実務に携わっていました私から見ても大変すばらしい改正だと思います。特に、保証人、借家人の保証人、これまでは無制限に責任を負うところを、大改正におきまして金額が制限されるということで、空き家対策にもなりますし、安心して保証人になれるという制度、本当に待ちに待った制度でございますので、この大改正、英断によって行われたということは私としても本当にすばらしいことと思います。 一方、このような大改正が行われたときには、境目、はざまということで、改正前の保証人と改正後の保証人とが大きな違いになっていく。そして、契約更新のときにはどちらが適用されるのかというのも、恐らく社会的には大きな混乱が発生するであろうというのが想定されるわけでございますので、こういう刑事事件あるいは民事におけるこれからのことを考えますと、ますます、裁判官、検察官、弁護士もそうですけれども、優秀な人がこれを担っていただかなければならない。国民としても、優秀な人に裁いてもらいたい、こんな思いになっているのではないかと思います。 ところが、現在の法曹養成制度というのは、制度的に、これほどまでに生活苦になる資格はほかにあるのだろうかと思うほど非常に大変な状況でございます。 まず、司法試験を受けるためには、法科大学院、未修習では三年間、修習におきましても二年間、大学院の授業料とあわせて生活費も負担をしなければなりません。そして、合格をいたしましても、現在、まあ改正がなされますけれども、修習生には給付金がありませんでした。借り入れをして生活を担っていかなければならない。お聞きしましたところ、修習生では七二%が借り入れをし、大体平均三百万円を借りたまま修習を終えて、裁判官、検察官、弁護士になっていくという、借金を背負って法曹社会に出なければいけないということになっております。 今回、裁判官、検察官、報酬や俸給が値上がりする。日本維新の会は、公務員の給料値上げに関しては一律反対という立場でございますけれども、若手の裁判官、検察官の給料の値上げに関しましては個人的には思うところがございますけれども、政党政治でありますので従っていくしかないということでございます。 さて、そこで、この法科大学院の制度は、平成十六年から開設をされまして、既に十三年が経過しているわけでございますが、かなり数が変更になっております。平成十六年には、入学者が七万二千八百人、これほどの数がいたのにかかわらず、平成二十九年には八千百人。大幅な減少になっているわけでございます。一方では、予備試験の合格者がふえている。これはまさに、先ほど言ったような経済的な負担あるいは時間的な負担、こういったようなものが大きく影響をしているのではないかと思います。 せっかく高い理念と理想を掲げていながら、こんな状況というのは、本当に見直しをしていかなければならないのではないかなと思います。 合格者は確かに減少傾向にありますけれども、一方、公認会計士の合格者を見ますと、数を多くしたことによって需給関係が大幅に崩れたときには、かなり即座な変更というのがなされたのに対して、司法試験の合格者の場合は余り大きな変更というものが行われないというようなことも感じているわけでございます。 そこで、まず、法科大学院や予備試験といった法曹養成制度の現状についてどのような課題があり、それにどのような対応を検討しているのか。現状の課題と取り組みについて法務当局の見解をお聞かせください。
○小出政府参考人 お答えいたします。 法曹養成制度に関しましては、委員御指摘のとおり、多岐にわたる検討課題があるわけでございますが、その中でも、今御指摘いただいた法科大学院につきましては、法科大学院全体としての司法試験の合格率が制度創設当初に期待されていた状況とは異なる状況となっており、それが法曹志望者の減少の一因となっているなど、多くの課題が指摘されているところでございます。 この点につきましては、平成二十七年六月の法曹養成制度改革推進会議の決定におきまして、平成三十年度までを法科大学院の集中改革期間と位置づけ、抜本的な組織見直しや教育の質の向上、法科大学院課程修了までに要する経済的、時間的な負担軽減を図ることとされております。 これを受けて、現在、文部科学省に設置されています中央教育審議会法科大学院等特別委員会において、改革に向けた審議が行われているものと承知しております。 また、御指摘のございました予備試験につきましても、大学の学部生や法科大学院の在学生の受験者、合格者が多い状況でございまして、経済的な事情がある者や社会経験を積んだ者にも法曹となる道を確保しようとする予備試験の本来の制度趣旨と現在の利用状況が乖離しているのではないか、そういった指摘がされているところでございます。 この点につきましては、先ほど申し上げました法曹養成制度改革推進会議の決定におきまして、平成三十年度までに行われる法科大学院の集中的改革の進捗状況に合わせ、予備試験の本来の趣旨に沿う者の受験を制約せず、かつ、法曹養成制度の理念を阻害しないよう、必要な制度的措置を講ずることを検討するとされているところでございます。 法務省といたしましても、有為な人材が法曹を志望し、質、量ともに豊かな法曹が輩出されるよう、関係機関の協力を得ながら、これらの課題について必要な検討を現在進めているところでございます。
○串田委員 今、改革を進めているということでございました。 中央教育審議会で議論がなされているということでございますけれども、その議論状況と法務省としての対応方針についてお答えをいただければと思います。
○小出政府参考人 お答えいたします。 現在、中央教育審議会法科大学院等特別委員会、いわゆる中教審におきましては、法科大学院課程修了までに要する時間的負担の軽減や、教育の質の向上のために、法学部と法科大学院で一貫的な教育課程を編成するなど、法学部と法科大学院との連携強化の方策や、法学未修者に対する教育の充実、また法学部教育のあり方など、法科大学院等の教育の改善、充実について審議が行われていると承知しております。 この中教審には、法務省の担当者も委員として議論に参画して意見を反映させているところでございますが、法務省といたしましては、この中教審での議論も含めた法科大学院改革の推進につきまして、今後とも、文部科学省の取り組みの進捗状況を適時把握するとともに、必要な連携を図りつつ検討してまいりたいというふうに考えております。
○串田委員 私の聞き及んでいるところにおきましても、現在、大学四年間、そして法科大学院が二年というところを、大学を三年間にして、これは今でも飛び級というのはあるんですけれども、三年間というのを制度的にできないのかということが審議されているということも聞いております。そうなりますと、合計して五年間、かつては四年間ということで、まだ一年多いわけですが、現在の六年とか七年間というのはさすがに長過ぎるのではないだろうか、優秀な人間が入ったのであればそれなりの対応というのも考えていいのではないかと思いますので、早急なそういう改革を進めていただきたいと思います。 次に、このような形で時間的な軽減あるいは経済的な軽減というのも進めていただきたいとは思うんですけれども、志願者が一体どのような気持ちを持っているのかということも十分掌握しながら改革は進めていただきたいと思います。 その点、法務省では、文部科学省とともに、法学部生を対象に法曹志望者にアンケートを実施していると聞き及んでおります。法曹志望者がどのような不安を抱えているのか、その点についてお答えをいただきたいと思います。
○小出政府参考人 お答えいたします。 昨年九月に法務省が文部科学省と共同で、法学部生を対象とした法曹志望に関するアンケートを実施したところでございます。その結果によりますと、法曹を志望し、または法曹を選択肢の一つとして考えている学生が抱えている不安といたしまして、司法試験に合格できるか、自分の能力に自信がないとした者が五〇・七%、大学卒業後法科大学院修了までの経済的負担が大きいとした者が三三・六%、それから、自分に法曹等としての適性があるかわからないとした者が三〇・二%となっておりまして、このような意見が上位に掲げられていたところでございます。
○串田委員 今、アンケートの結果を教えていただきましたが、合格できるかどうかわからないという不安というのは受験をする方にとっては一番多いかと思うんですけれども、それが五〇%で、経済的負担が大きいというのが三三%というのがむしろ注目すべきところなのかなと思います。それだけその道に進んだ者が経済的負担が大きいということは、逆に言えば、経済的負担が大きいのでこの道をやめよう、断念をしようという学生が非常に多くなっているというのも現状ではないかと思います。 先ほど冒頭で述べましたように、民事、刑事ともに大変複雑な事案が発生し、そういう処理能力というものが求められている状況でございますので、優秀な学生が法曹社会になるべく入りやすいような改革というものも必要になるかと思います。 このような取り組みを進める点におきまして、法務大臣の思い、取り組みに向けた決意をお聞かせいただきたいと思います。
○上川国務大臣 委員が問題として取り上げていただきました法曹志望者の大幅な減少ということで、大変深刻な事態であるというふうに受けとめているところでございます。 多くの有為な人材が法曹を志望し、また質の高い法曹が内外で御活躍をいただく、そうしたことの姿をしっかりと目指しながらこの改革についても取り組んでいくことが重要であるというふうに考えているところでございます。 先ほど来の話の中でございました、二十七年六月の法曹養成制度改革推進会議の決定がございまして、その決定におきましては、法曹志望者数の回復に向けた取り組みといたしまして、法曹有資格者の活動領域の拡大、また法科大学院改革、そして司法試験のあり方の検討等の取り組みを進めるとされたところでございます。 この決定に従いまして、随時調査を進めながら、今結論を出すということで取り組んでいるところでございますが、法務省といたしましては、推進会議のこの決定で掲げられた取り組みをしっかりと進めて、そしてより質の高い法曹人材を十分に輩出することができるように、取り組みを推進してまいりたいというふうに考えております。
○串田委員 大臣からしっかりとしたお答えをいただきまして、少しは安心をいたしました。 次に、修習給付金制度についてお尋ねをいたします。 かつては、修習生になりますと、給料というような形で給付金をいただきながら学習できたわけでございますけれども、これが法科大学院ができたころになくなりました。それでも七万人というようなたくさんの方が入学をしたのは、今までは収入が得られていたのが得られなくなったにもかかわらず、これは合格者が非常に多いというようなふれ込みがあった。七割から八割は、大学院に進めば司法試験に合格できるというようなことで入ったところ、実は合格者は全く予想外の数であった。にもかかわらず、今度は、経済的には給付金もなく、修習生としては借金をしながら生活をしなければならない。こんなようなことがあったのだと思います。 そういう意味で、給付金の制度というものが創設されたということは大変一歩前進であるというふうに私は思っているんですけれども、後で聞きましたところ、この修習給付金というのは実は余り高い金額じゃないんですね。以前の修習生への支給額に比べると、私の感覚からするとかなり低い、半分ぐらいなんじゃないかな。もう少し何とかして、優秀な法曹者を送り出すというようなことに努力をしていただきたいな、私本人としてはそういうふうに思っているんですが、この法改正の意義とこれによる効果についてどのようなお考えであるか、法制当局の答弁を求めたいと思います。
○小出政府参考人 お答えいたします。 法曹志望者の確保、これは喫緊の課題だというふうに認識しております。ピーク時では七万二千人以上の志願者がございまして、入学者のピークとしては五千七百人以上の者が法科大学院に入学していたということでございますけれども、法曹志望者の回復、これは本当に重要な課題でございます。 そのための方策といたしまして、先ほど来話が出ております法曹養成制度改革推進会議の決定におきまして、司法修習生に対する経済的支援のあり方について検討することとされ、昨年六月の骨太の方針におきましても、司法修習生に対する経済的支援を含む法曹人材確保の充実強化を推進することが求められていたところでございます。 これを受けまして、本年四月、法曹人材確保の充実強化等を図るため、司法修習生に対する新たな経済的支援として、司法修習生に対して修習給付金を支給する制度を創設することを主たる内容とする改正裁判所法が成立したということでございます。 この法改正は、先ほど来出てきております法曹養成制度改革推進会議決定における司法修習生に対する経済的支援のあり方という重要な検討課題に対する一つの対応策としての意義を有するものでございますし、先ほど法学部生に対するアンケートのところで申し上げましたけれども、法曹志望者が抱えている不安として、貸与制のもとで給与の支給を受けられないといった答えも上位に掲げられているところでございます。 この修習給付金制度が今後適切かつ継続的に運用されていくことによって、法曹志望者の不安要因の一つを一定程度解消することができ、法曹志望者の確保につながるものと期待しているところでございます。
○串田委員 今回の給付金というのは第七十一期の修習生から支給されるということでございまして、修習給付金が廃止されてから支給されるようになるまでの間の方々というのは、支給されないで借金だけが残ってしまっているというところでございます。 これはどうして支給されなくなったのか。平たく言えば、合格者をふやすので予算がかかり過ぎる。今度、合格者は少なくなったので支給できそうだ。非常にそういう意味では、何となく情けない。国としては、優秀な法曹者を育てるという意味では、合格者の数で支給したりしなかったりというのはちょっとどんなものだろうかというのは私としては感じているわけでございます。 この支給金は五年間猶予して十年間でお支払いをするということでございまして、今合格をしている人は支給され、その前年の人は支給されずに五年後には返済を開始するという、余りにも極端な差があり過ぎるわけでございますので、この余りに差があり過ぎる部分について何らかの救済措置を講じていただくことはできないものでしょうか。法務当局の答弁を求めたいと思います。
○小出政府参考人 お答えいたします。 御指摘のとおり、従前の貸与制下の司法修習生につきましては、本年四月の裁判所法改正において創設された修習給付金制度の対象とならないことなどから、何らかの救済措置を講ずべきではないかという御意見があることは承知しております。 この点につきましては、修習給付金制度の制度設計の際にも十分検討されたところでございますが、既に修習を終えている者に対して国の財政負担を伴う事後的な救済措置を実施することについて国民的な理解を得ることは困難と考えられること、また、仮に何らかの救済措置を実施するとしても、従前の貸与制下において貸与を受けていない者等の扱いをどうするかといった制度設計上の困難な問題もあるということでございまして、従前の貸与制下の司法修習生に対する救済措置の実施は困難であると考えておりまして、お尋ねの、この点について何らかの立法措置、そういうことを講ずることはできないのかということにつきましては、考えていないということでございます。
○串田委員 借りていない人からしてみると、借りておけばよかったというようなことになってしまうのかなと思いますので、いたし方ないのかなとは思いますけれども、そうだとするならば、若手の法曹が返済をすることにおいても余り苦労しないような形で、活動の分野を広げていただくというようなことも法務省としては期待をしていきたいと思います。この点についての法務当局の答弁を求めたいと思います。
○小出政府参考人 お答えいたします。 法曹有資格者がその法的素養を活用して、国の機関や地方自治体、企業など社会のさまざまな分野で活躍することは、法曹という職業がより魅力的なものとなって、より多くの有為な人材がこの世界を目指すことにつながるものというふうに考えております。その意味で、法曹志望者数を回復させ、新たな時代に対応した質の高い法曹を多数輩出していくという観点からも、御指摘の若手法曹の活動領域の拡大、これは重要であるというふうに認識しております。 この点、平成二十七年六月の法曹養成制度改革推進会議決定におきましても、法務省は、引き続き、法曹有資格者の専門性の活用のあり方に関する有益な情報が自治体、福祉機関、企業等の間で共有され、各分野における法曹有資格者の活用に向けた動きが定着するよう、関係機関の協力を得て、そのための環境を整備することとされたところでございます。 現に、平成十八年に百四十六人であった企業内弁護士は平成二十八年には千七百七人と大幅に増加しており、任期つき公務員として勤務する弁護士についても、平成十八年には四十人にとどまっておりましたが、平成二十八年には二百人となっており、これも大きく増加しております。 このように、各分野で活躍する法曹有資格者の数は着実に増加してきており、法曹有資格者がその専門性をさまざまな場面で発揮することができるような環境が定着しつつあるものと認識しております。 法務省といたしましては、今後も社会のさまざまな分野において法曹有資格者の専門性を活用する流れがさらに加速されるよう、関係機関の協力を得て、引き続き必要な役割をしっかり果たしてまいりたいというふうに考えております。
○串田委員 今、数字をお聞かせいただきましたが、企業内弁護士の数というのがほぼ十倍ぐらいあったのかなと思います。ちょっと想像以上の数になっているということで、そろそろ、そういったような形で新しい分野というのが広がりつつあるのかなと思いますので、その点についてのバックアップをさらに一層進めていただきたいと思いますとともに、法曹界、国内での活躍ばかりではなくて国際分野での活躍もぜひとも推し進めていただきたい、そんなふうに思っております。 このような、国際分野でも活躍できる法曹人材の養成確保に向けた法務大臣の意気込みをお伺いしたいと思います。
○上川国務大臣 国際分野で活躍できる法曹人材の養成確保に向けて、委員から大変力強い御指摘をいただきました。 社会経済がグローバル化しておりまして、我が国の法曹有資格者の活動領域は、国内にとどまらず海外にも確実に広がってきているというふうに感じているところでございます。また、我が国企業の海外展開も裾野が確実に広がっておりまして、これを法的な側面から支援していく、この必要性も高まっているところでございます。 このような観点から、今後、国際法務等の国際分野に幅広く対応できる法曹人材をしっかりと養成し、その専門性を有効に活用していくということにつきましては重要な課題であるというふうに認識しているところでございます。 法務省といたしましては、国際的な紛争解決にかかわる人材も含めまして、優秀かつ多様な法曹人材を数多く輩出することができるよう、文部科学省と連携するなどして、法曹養成制度の改善に向けて必要な取り組みを進めてまいりたいと考えております。 また、法務省におきましては、これまでも、日本企業の海外展開を支援する観点から、東南アジア諸国に弁護士を派遣し、そして現地の法律の運用や法的な問題の実情等の調査を行い、その結果を公表するなどしてきたところでございます。このような取り組みにつきましても、関係機関等ともしっかりと協力をしながら進めてまいりたいと考えております。
○串田委員 ぜひ、優秀な人材が法曹界に入りたいと思う環境をこれからもつくっていただきたいと思います。 終わります。ありがとうございました。 ————◇—————
○平口委員長 次に、内閣提出、裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案及び検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。 趣旨の説明を聴取いたします。上川法務大臣。 ————————————— 裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案 検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○上川国務大臣 裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案及び検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を便宜一括して御説明いたします。 これらの法律案は、政府において、人事院勧告の趣旨に鑑み、一般の政府職員の給与を改定することとし、今国会に一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案を提出していることから、裁判官及び検察官についても、一般の政府職員の例に準じて、その給与を改定する措置を講じようとするものであり、改正の内容は、次のとおりであります。 一般の政府職員について、平成二十九年度の給与改定のため、俸給月額を若年層に重点を置きながら引き上げることとしておりますので、判事補等の報酬月額及び九号以下の俸給を受ける検事等の俸給月額についても、これに準じて引き上げることとしております。 これらの給与の改定は、一般の政府職員の場合と同様に、平成二十九年四月一日にさかのぼってこれを適用することとしております。 以上が、裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案及び検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案の趣旨であります。 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願いいたします。
○平口委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後三時二十六分散会