農林水産委員会 第2号
- 発言数
- 86 件
- 登壇者
- 18 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 2017/11/29
会議録
○伊東委員長 これより会議を開きます。 農林水産関係の基本施策に関する件について調査を進めます。 この際、お諮りいたします。 本件調査のため、本日、政府参考人として農林水産省大臣官房総括審議官天羽隆君、大臣官房危機管理・政策評価審議官塩川白良君、消費・安全局長池田一樹君、食料産業局長井上宏司君、生産局長枝元真徹君、経営局長大澤誠君、農村振興局長荒川隆君、政策統括官柄澤彰君、林野庁長官沖修司君、水産庁長官長谷成人君、内閣官房内閣審議官澁谷和久君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○伊東委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○伊東委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。木村次郎君。
○木村(次)委員 自由民主党の木村次郎です。 本日は、質問の機会を与えていただきまして、本当にありがとうございました。 今般の総選挙を経て、初めて国政の場に参画させていただくことになりました。ふなれな点が多々あろうかと思いますが、委員長初め皆様方の御指導を賜りながら頑張っていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。 それでは、最初に、一つ目でございますが、私の地元青森県は、日本海、太平洋、そして陸奥湾、この三方を海に囲まれておりまして、水産資源が非常に豊富な地形を有してございます。そこで、クロマグロの資源管理に係る小型魚の定置網からの再放流技術開発についてお伺いします。 クロマグロは多くの国民に親しまれており、またホンマグロとも呼ばれ、マグロ類の中でも最高級品とされております。今や全国的にも有名になりました青森県の大間のマグロも、このクロマグロに分類されます。 太平洋クロマグロの国別漁獲状況では、直近のデータでは日本が六〇%を占めております。今後も我が国のクロマグロの漁獲量を安定的に維持していくためには、国際間の取り決めに基づく対応が大前提となりますが、一方で、国内における資源管理型漁業の推進が不可欠であると考えます。 クロマグロの代表的な漁業形態であります定置網では、意図せず小型マグロが入ってしまうことから、休業などで対応せざるを得ないなど、漁業者の苦労が私の地元青森県でも多く聞かれ、資源管理の難しさを痛感しているところでございます。 このため、国の関係機関等による研究グループでは、昨年度から、資源管理技術の一環として、定置網からの小型マグロの再放流技術の確立に向けた取り組みを行っていると伺っており、この効果に大きな期待を寄せているところであります。 そこで、この定置網からの再放流技術に係るこれまでの研究成果、そして進捗状況をお伺いします。
○長谷政府参考人 お答えいたします。 太平洋クロマグロの資源回復を図るため、現在、我が国は、中西部太平洋まぐろ類委員会での国際合意に基づき、クロマグロについて厳しい数量管理を実施しておりますが、特定の魚種を選択的に漁獲することが難しい定置網において、クロマグロを再放流するための技術開発が重要と認識しております。 このため、平成二十七年度に、青森県深浦町において定置網における魚種ごとの行動の特性について調査したところ、クロマグロは表層を網から離れて広範囲に泳ぐのに対し、ブリは底層で網に接近して泳ぐといった傾向があることが示され、平成二十八年度からは、これらの行動の特性に着目して、表層を泳ぐクロマグロを再放流する技術開発に取り組んでいるところでございます。 これに加え、平成二十九年度からは、岩手県釜石市において、サケ定置網におけるクロマグロの混獲に関する技術開発事業も実施しているところでございます。
○木村(次)委員 ありがとうございます。 それなりに研究の成果が進んでいるということで受けとめさせてもらいました。まだ研究途上かとは思いますが、これからの成果に期待したいと思います。 それでは、この小型マグロの技術開発に向けた今後の取り組み、そして普及の見通しについてお伺いしたいと思います。
○長谷政府参考人 お答えいたします。 地域の定置網の特性に応じた再放流技術の開発を今後さらに進めていくとともに、開発された再放流技術や得られた知見については、その普及に向け、都道府県や関係団体と連携し、現場に足を運んで、広く情報提供していく考えでございます。
○木村(次)委員 ありがとうございます。 技術としてしっかり確立した上で、またこれが地方、地域にしっかりと波及していくことを期待したいと思います。 それでは、次の質問に移らせていただきます。 畜産業を支える自治体の獣医師の確保対策についてでございます。 青森県では既に本格的な雪の季節となりましたが、このような時期に懸念されるのが、高病原性鳥インフルエンザでございます。残念ながら、昨年十一月、私の青森県でも発生しまして、多くの皆様に御心配をおかけしながらも、生産者や関係者の御努力により、被害の拡大を防ぐことができました。 ことしは、既に野鳥で確認されているほか、韓国での口蹄疫の発生などが確認されておりまして、また、野鳥や、今後予定している冬季オリンピック開催などによる人の往来など、家畜伝染病の危険度が高まっていると考えております。 一方で、攻めの農林水産業、これを推進していくためには、安心、安全な日本産の食用肉の生産を堅持していくことが重要でございます。 このような状況において、家畜伝染病の通報先であります家畜衛生検査所や屠畜場の食肉衛生検査所などに配置されております自治体の獣医師の役割が大きくなっている中、獣医師が減少傾向になっており、またその不足が問題となっていると聞いております。 そこで、自治体獣医師の偏在や不足に対する現状の認識、また、その安定的な確保のためにどのような対策を行っていくのかをお伺いします。
○池田政府参考人 お答えいたします。 都道府県の家畜保健衛生所に勤務する獣医師など、農林水産分野の公務員獣医師は、地域の畜産業を支える重要な存在であると考えております。 しかしながら、地域によっては、農林水産分野の公務員獣医師を初めとする産業動物獣医師の確保が困難なところがあると認識しております。 このため、公務員獣医師の処遇改善方策の導入やその一層の拡充を支援するため、各都道府県での獣医師の初任給の底上げの状況などの情報の提供や、地元に就職することを条件といたしまして獣医学生等に対しまして修学資金を貸与する事業を行う地域、こういった地域を支援してきたところでございます。 今般、畜産の現場からの声も踏まえまして、三十年度の概算要求では、産業動物獣医師を志す獣医学生などに対する修学資金の拡充を盛り込んだところでございます。 今後とも、都道府県と連携いたしまして、産業動物獣医師の確保に努めてまいりたいと考えております。
○木村(次)委員 ありがとうございました。 なかなか、自治体の採用しておる獣医師、就職しても二、三年たつと民間などに転職する、そういった形で、青森県も例外ではないんですが、離れていく、そういった背景もあって不足している、そういう現状もございます。 国におかれましては、こういった就業機会、さらに財政、自治体も厳しいところがございますが、より一層、来年度の予算要求をしているということでございますので、自治体の財政的な事情も勘案して、ぜひとも国の方で支援強化していただくことを期待したいと思います。 それでは、最後の質問に移らせていただきます。 私が生まれた青森県藤崎町というところは、リンゴの主力品種であります「ふじ」の発祥の地でございます。御案内のとおり、青森県はリンゴ王国であり、全国産出額の五〇%超を占めており、また、青森県産リンゴの総販売額が過去三年連続で一千億を突破いたしました。 その大宗が台湾そして香港となってございますが、今後は、経済発展が見込まれますベトナムも輸出先として期待されております。 さきの大臣による所信では、諸外国への輸出は、我が国の農林水産物、食品の生産拡大につながる一つの有効な手段です、また、輸出先国の輸入規制の撤廃、緩和に向けた交渉等を着実に推進してまいりますとのお話をいただきました。 ベトナムの輸出については、国際交渉により、二〇一九年から関税が撤廃されることとなっており、また、一例でございますが、私の地元青森県弘前市のつがる弘前農協では、国の補助事業を活用して整備しました輸出対応型の新型リンゴ選果機が稼働しており、一日当たりの処理能力がこれまでの一・六倍にアップするなど、より鮮度の高いリンゴの輸出拡大に向けた環境が整いつつあります。 しかしながら、ベトナム国内法の整備等により、二〇一五年に再開されましたベトナム向けリンゴ輸出は、現在の検疫条件では輸出拡大を図っていくためには非常に厳しい状況になっているというのが実態ではないでしょうか。 私が地元のリンゴ生産者や輸出関係者から聞いたところによりますと、有袋栽培リンゴ、すなわちリンゴの果実に袋がけをしたもののみに限定されていること、また、合計四回の園地検査が必要であるということ、こういったことなどがネックになっているとのことでございます。 ベトナムへの輸出拡大に向けて、こういった検疫条件の緩和を図るべきと考えますが、どのように対応していくのか、お伺いします。
○齋藤国務大臣 平成三十一年の農林水産物、食品輸出額目標一兆円の達成に向けて、今御指摘の検疫協議、戦略的に行っていくことが重要であると認識しています。 このため、検疫協議の対象とする青果物は、輸出意欲のある生産地や商社等の専門家などから構成される輸出戦略実行委員会の部会の方針に基づいて決めていくということにしているところであります。 ベトナム向けの輸出については、今御指摘ありましたように、実は平成二十三年に、ベトナムが新しい法律をつくりまして、全ての青果物の輸出が一旦禁止されました。その上で、個別品目ごとに検疫条件を設定すること、これが輸出再開の条件になってきておりますので、我が国としては、この新しい体制に向けて、個別品目ごとに輸出再開に向けた検疫協議を継続的に今行っているという状況であります。 これまでの協議におきまして、まず、リンゴについては、青森県等からの要望を踏まえて、平成二十七年七月に輸出を解禁いたしましたし、次に梨だということで、茨城県等からの要望を踏まえ、平成二十九年一月に輸出を解禁し、現在は温州ミカンについて、愛媛県等の要望を踏まえ、検疫協議を実施しているという段階であります。 今、全国の産地の要望を踏まえながら、輸出可能な品目の拡充に向けて、鋭意取り組んでいるところであります。 検疫条件についても、今委員御指摘のとおり、青森県からはリンゴの袋かけ等の検疫措置の緩和要望、これがあることは承知いたしております。 今、輸出戦略実行委員会で戦略的に進める段取りをつくっておりますので、産地の声をしっかり上げていただいて、そこで議論していただいて、その方針を踏まえてしっかり対応していきたいなと思っております。
○木村(次)委員 大臣からの御丁寧な答弁をいただきまして、ありがとうございました。 東南アジア等は、これからますます経済発展が見込まれます。中間層がどんどん拡大していく。 そういった中で、青森県、農業も、リンゴ農家も高齢者になっているのが実態でございますが、海外への販路開拓、拡大、こういったものはこれからの農林水産業全般にわたって非常に期待し得る視点だと思っております。そういった中で、リンゴも、さらにこういった各国間との交渉を引き続き粘り強く行うことによって、農家に期待が持てる環境が整っていくことを期待したいと思います。 最後になりますが、私はもともと農家の出でございます。そしてまた、私の家内もリンゴ農家を小ぢんまりとやっておる、田んぼもやっております。 私も、たまの繁忙期は、稲刈りあるいは田植え、そしてリンゴをもぎ、このリンゴというのも、山間地というのは非常に傾斜が強いと、リンゴもぎあるいはつる回し、葉取り、袋剥ぎ、いろいろな作業工程がございます。そういった中でも、山間地というのは非常に、はしご一つをかけ直すにも大変な作業でございます。 そういったことを私も体感しながら、これからも地元の、そういった地域のお声をまた加味しながら、こういった委員会の場でもいろいろな議論を交わさせていただきたいと思います。 どうもありがとうございました。終わらせてもらいます。
○伊東委員長 次に、上杉謙太郎君。
○上杉委員 自民党の上杉謙太郎でございます。 きょうは、委員長を初め理事の皆様、委員の皆様、まだ当選して間もない私にこの質問の機会を賜りまして、まことにありがとうございます。初めてということで至らぬ点があろうかと思いますが、御指導賜れればありがたく存じます。 私も、木村先生と同じ東北、そして東北は福島、福島の中でも一番関東に近い県南、県中という地域を選挙区としております。農業も林業も盛んな地域でありまして、私もその農林業に従事する皆様から御支援をいただいて、また御期待もいただいて、この場に立たせていただいております。 私、まだ四十代で若い。地元でも、若い農家さん、今、希望を持って農業、林業をやっております。そういった意味では、非常に日本の農業、未来ある、そして輝く未来のある、そういった分野だな、夢あふれる分野だなというふうに考えております。 そういった明るく楽しい、また日本の農業、未来はすごくすばらしいんだ、そういうような視点で、先日の大臣の所信につきまして、基本的な部分に対しましてお伺いをさせていただきたいと思います。 福島県は米の産地であります。まず、お米についてお伺いしたいと思います。 ことしのお米は、全国平均で一万五千円を超えました。年々米の価格も上昇しておりまして、生産者からはうれしい声が聞こえてきております。 これも、福島県もそうでありますが、各都道府県、地域で、農水省さんの政策、需給と供給のバランスがとれて、その結果に見合った成果が出てきているものだというふうに考えておりますが、しかしながら、一方で、不安の部分もあります。私の後援会の皆さんの中でも、来年から十アール七千五百円がなくなっちゃう、これはどうしたらいいのか、戦略作物にかえればいいのか、まだ米をつくればいいのか、そういったいろいろな不安の声も聞こえてきます。 そこで、この生産者の皆様の不安をとるためにも、そして未来のすばらしい米づくり、これから米の政策を転換されて前に進んでいく、こういうときに、大臣初め農水省のこれからの施策についてお聞かせいただけたらありがたいと思います。
○齋藤国務大臣 まず、東日本大震災で大変な御苦労をされている福島県で若い人たちが一生懸命やっているということについては、本当にうれしく思いますし、農水省としても全力で応援をしていきたいなと思っております。 今お話ありましたように、米の政策というものが来年からいよいよ変わってくるということで、不安になられている方もたくさんおられるんじゃないかと思います。 これにつきましては、私どもは、新しい政策として三十年産の米政策の見直し、これを着実に実施するために、水田活用の直接支払交付金による麦、大豆、飼料用米など主食用米以外の作物への支援、これを安定的に、皆さんの不安を払拭するために安定的に実施していくということが必要であるというふうに考えております。 現在、三十年度概算要求、これから本予算確定に向けて努力をしていかなくちゃいけないんですけれども、その要求におきましても、麦、大豆、飼料用米などの戦略作物助成の現行単価は引き続き維持をする。その上で、生産拡大もありますので、その生産拡大にもしっかりと対応できる額、これを確保していかなくてはいけないと思っておりますし、地域の裁量で活用可能な産地交付金、これも大変人気のある予算でありますが、これも、基本的な仕組みを維持した上で、転換作物の拡大に対する支援等に新たに取り組んでいただけるように、必要十分な額をぜひ確保していきたいと思っております。 不安もあろうかと思いますけれども、農業者の方々が、麦、大豆、飼料用米など主食用米以外の作物への生産、これに引き続き安心して取り組むことができて、そして主食用米についてもきちんと所得が上げていけるように、しっかり努力をしていきたいと思っています。
○上杉委員 大臣、ありがとうございました。不安をとるということで、ぜひよろしくお願いしたいと思います。 今のお話は生産という現場の話でありますが、つくって、今度は出口まで、流通含めて、そういったところもやっていかないといけない、このように思っております。 例えば、事業用米ですとか、中食、外食産業さんとの安定した取引ですとか、あと生産者とのマッチング、そういったところもこれからもっと詰めていろいろやっていかないといけない、このように考えております。 その点、どのような施策を展開される御予定か、お聞かせをいただければと思います。
○柄澤政府参考人 お答えいたします。 今御指摘ございましたようないわゆる外食、中食用の業務用のお米、これは大体全体の三割ぐらいを占めているところでございます。こういったユーザーの方々からは、現在の需給、価格の環境の中で、なかなか希望する価格での調達が難しいというふうな声をいただいているところでございます。 この要因としましては、二十七年産以降、過剰作付が全国的に解消しているわけでございますが、そういった米価上昇の局面の中で、生産者と実需者相互の情報のミスマッチ、あるいは、できるだけ高値で販売したい産地の御意向と、できるだけ低価格で調達したいという実需者の意向の食い違いが生じていることによるというふうに考えております。 農水省といたしましては、こういった状況の解消に向けまして、中食、外食の実需者と産地とのマッチングの御支援を申し上げる、あるいは、各産地に対しましては、売り上げ、所得を確保する中で、やはりこういった業務用のユーザーの声にも耳を傾けていただき、例えば多収品種の導入によって生産コストの低減を図るというふうな取り組みを行いながら適切に販売することも重要だというふうなことを、あらゆる機会を捉えて申し上げているというところでございます。
○上杉委員 ありがとうございます。 生産の現場、そして流通。 ただ、少し忘れてしまいがちなのは、農家の皆さんはふだん非常に一生懸命いろいろなことに尽力していただいております。例えば、原風景といいますか、田んぼ、畑が広がる地域の風景というのは、これは当たり前だなというふうに、特に首都圏の方は、もともと私も神奈川出身で今福島にいますので、ごく普通の自然の風景かと思われるんですが、実はこれは農家の皆様が草刈りをしたりですとか景観維持、管理をしてくださっているからであります。 私も今、ことしの夏も子供たちと一緒に草刈りをしたりですとか、ことしから田んぼデビュー、米づくりデビューもさせていただいているんですけれども、なかなか草刈りも大変な労力がかかります。 そういった意味で、多面的機能といいますか、地方の田んぼ、畑のそういった美しい景観を守っていくということが実は本当に大切なことであろうと思います。 今までも、その取り組みに対して助成金なりいろいろあったかとは思いますが、これをさらに継続して続けていく必要があろうと考えておりますが、お考えをお聞かせいただければと思います。
○荒川政府参考人 お答え申し上げます。 今、先生からお話ございました、美しい田園の景観を維持、確保していくということについてでございますが、我が国の農業、農村はいろいろな多面的機能を持っておるわけでございますけれども、その中でも、その美しい田園景観を形成しているというのは、特に大きな多面的機能の一つだろうというふうに考えておるところでございます。 一方で、農村の高齢化ですとか人口減少など大変厳しい状況にあるのも事実でございまして、こういった中で、農業の生産条件の不利性を補正しながら地域の特色を生かした農業を展開していただくということが大事だと考えておるところでございます。 その際に、地域の実情を踏まえて、地域の農業者はもとよりでございますけれども、農業者以外の地域住民の方々にも参画をいただく、さらには地域の外から交流人材として人々に参画をしていただく、そういった方々が全体として地域で農村コミュニティー機能を維持していくということが大変重要だろうと思っておるところでございます。 このため、今ほど先生からもお話ございましたが、私ども、多面的機能支払いですとか中山間地域直接支払いなどによりまして、草刈り、水路の泥上げといった共同活動を御支援申し上げるということとともに、観光、教育あるいは福祉、こういったものと連携をした都市農村交流ですとか農村への移住、定住等の促進といったようなことを進めておるところでございます。 今後とも、これらの施策を通じまして、美しい田園景観の維持に努めてまいりたいと考えております。
○上杉委員 ありがとうございます。 地域のコミュニティーを醸成して、継続していくという意味でも大変大事だというふうに思います。 この景観でありますが、私ども福島県は、放射線の問題、また風評の問題もございます。先ほど、生産そして流通の問題、また、今では例えば地域のブランド力の強化と、いろいろ農水省さんの取り組みに敬意を表しているところでありますが、私どもの福島県の農林水産物、では、ブランド力を高めて外に発信していくといっても、まだ壁があるというのが実情でございます。 福島県産について風評を払拭していくに当たって、その取り組みについてお尋ねしたいと思います。
○柄澤政府参考人 福島県におかれましては、いわゆる風評被害の解消に向けていろいろな御努力をされているかと思います。 そういった御努力の中の一環として、例えばお米について言えば、ブランドをできるだけつくっていって販売を強化するというようなことが必要かと存じます。 今、米政策の見直しをやっているわけでございますが、こういった見直しの中で特に必要なのは、行政の生産数量目標の配分に頼らないで、生産者あるいは産地がみずから、どういった米が売れるのか、自主的に需要に応じた生産、販売に取り組んでいただくということが重要でございますので、御指摘の例えばブランド、米でいえばブランド米ということを念頭に置いて戦略を立て、開発、生産、販売に取り組んでいただくということが重要かと存じます。
○上杉委員 ありがとうございました。 福島県の風評払拭そして復興、先ほど大臣から私ども福島県に対してありがたい、温かいお気持ちのお言葉もいただきましたし、福島県の風評払拭、これなくして、これから一兆円の輸出に向けて日本の農林水産物を外に出していく、そのときには、福島県というのは欠かせないものであるというふうに考えております。 次は、その輸出についてのお話に移りたいと思います。 大臣は、所信の中で、一兆円の輸出目標を掲げておられました。ここに到達するためにも、先ほど来お話ししています米一つとってみても、輸出に当たっては相手国の御事情等々もありますし、例えば薫蒸処理が必要ですとかさまざま条件もあって、その国に見合ったやり方、また国内の整備、PR活動、市場調査、いろいろなことが出てまいります。 そこで、一兆円の目標に向けて、その一つ一つをクリアして初めて達成が可能であるということから、その取り組みを、いつを目標に、どういったぐあいでやっていかれる御予定か、お尋ねさせていただきます。
○野中大臣政務官 お答えいたします。 一兆円に向けてというお問い合わせをいただきました。 平成三十一年の輸出額一兆円の目標を達成するために、昨年五月に策定をいたしました農林水産業の輸出力強化戦略等に沿って対策を進めております。 主な取り組みといたしましては、海外市場のニーズ把握や需要の掘り起こし、国内の農林漁業者、食品事業者の販路開拓のための事業体制の強化や商談会出展への支援、コールドチェーンの整備など生産物を海外に運ぶ物流の高度化への支援、輸出先国・地域の輸入規制の撤廃、緩和に向けた交渉など政府が主体的に行う輸出環境の整備等に取り組んでおります。 これらの取り組みをさらに強化するために、本年四月に設立されました日本食品海外プロモーションセンター、いわゆるJFOODOでございますけれども、JFOODOによります海外市場の開拓、拡大に向けた戦略的なプロモーション、ブランディングの実施、空港や港湾に近い卸売市場や生産物の流通加工施設等の輸出対応施設の整備等を進めております。 以上でございます。
○上杉委員 ありがとうございます。 非常に将来に期待の持てる分野でありますので、私も微力ながらお手伝いさせていただけたらありがたいというふうに思います。 ただ、一つ、私、福島県選出でございますから、そうしましたら、福島県産品、これを海外に出していく、風評払拭または輸出の規制の緩和ということになろうかと思いますが、このあたりはいかがでございましょうか。
○井上政府参考人 お答え申し上げます。 東京電力福島第一原子力発電所事故に伴いまして、諸外国・地域におきまして、我が国産の農林水産物、食品に対しまして輸入規制が設けられたところでございます。 これにつきましては、事故直後、五十四カ国・地域でこうした輸入規制が設けられたわけでございますけれども、政府におきましてその撤廃、緩和に向けた取り組みを進めてまいりました結果、福島県産品を含めまして、日本産食品に対する規制がその後二十五カ国で撤廃をされております。規制が残っております二十九カ国・地域におきましても、このうち二十五の国・地域で何らかの規制緩和が行われているという状況でございます。 最近では、EUにおきまして、福島県産の米が規制対象品目から除外されるなどの規制緩和も行われたところでございまして、政府といたしましては、あらゆる機会を捉えて、科学的根拠に基づく輸入規制の撤廃、緩和が進むように粘り強く働きかけを行ってまいりたいと考えております。
○上杉委員 ありがとうございます。 ぜひ、世界での風評払拭、福島県産の農林水産物も含めまして、日本の農林水産物が世界で売れていく、みんながおいしいおいしいと食べてくれる、そういう日が来ることを熱望いたします。 最後の質問になります。 この輸出に向けて、一つ、私、前から懸念している問題がございます。 日本でおいしい米をつくって外に出していく、米のみならずイチゴもそうですし、いろいろな野菜がございます。ただ、そのときに、ある意味、日本のおいしい品種が海外に不当に出ていって、流出してしまって、向こうでつくられてしまう、これは防がないといけないというふうに思っております。過去も、農林水産物でなくて、工業製品、電子機器、そういうものでは、そういうふうに盗作といいますか、使われてきたという過去もあろうかと思います。 そういった意味で、農産物の品種の海外流出防止策、これは詰めて考えていかなければならないと思っておりまして、今のところどういった防止策、取り組みをされているのか、御確認させていただきたいと思います。
○井上政府参考人 我が国で育成をされました高品質な米の品種は海外でも高く評価をされておりますけれども、これを継続的に輸出につなげていくためには、御指摘のとおり、優良な品種が海外に流出をして、無断に増殖をされないような対応が必要でございます。 このため、優良品種の開発後速やかに国内のみならず海外でも品種登録を行って、知的財産権を確保することが重要でございますので、農林水産省におきましては、平成二十八年度の補正予算以降、植物品種の海外登録支援を行っているところでありまして、今後とも、こうした支援を行ってまいりたいと考えているところであります。
○上杉委員 ありがとうございます。 他国との交渉も必要となろうかと思いますので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。 時間になりましたので、結びでございます。 夢のあるすばらしい農業を目指して、私自身も微力ながらこれからこの農林水産委員会を通じて精進してまいりたいと思いますので、ぜひとも御指導をよろしくお願いしたいとお伝えしまして、初質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○伊東委員長 次に、佐藤英道君。
○佐藤(英)委員 公明党の佐藤英道でございます。 選挙区は、農林水産業が基幹産業であります北海道でございます。また、出身は、今ほど御質問されました木村先生や上杉先生と同じみちのく、東北でございまして、米どころの宮城県でございます。どうか、委員の皆様、よろしくお願いをしたいと思います。 また、齋藤大臣、また礒崎副大臣、野中政務官、御就任おめでとうございます。どうぞよろしくお願いを申し上げたいと思います。 早速、質問に移ってまいりたいと思います。 まず、北朝鮮のミサイルへの対応でございます。 本日未明、北朝鮮から弾道ミサイルが発射され、我が国の日本海側、青森県沖のEEZに着弾したとのことでございます。 EEZでございますから、我が国の漁船が操業している可能性もある地域でございますけれども、もちろん、ミサイルを発射した北朝鮮が最も悪いということは言うまでもございません。そんな中で、政府もこれまで何度も厳重抗議を行っているところでありますけれども、万が一にも操業中の漁船などに被害が出ないように、また、可能な限り迅速かつ確実に注意喚起をしていただきたい。 漁船などへの注意喚起の体制はどのようになっているのか、お伺いをいたします。 〔委員長退席、坂本委員長代理着席〕
○長谷政府参考人 本日、午前三時十八分ごろ、北朝鮮が弾道ミサイルを発射し、四時十一分ごろに、青森県西方約二百五十キロの我が国排他的経済水域内の日本海上に落下したものと推定しております。 水産庁としては、漁船の安全の確保を図るため、内閣官房からのミサイル発射情報を自動転送で漁業無線局に発出し、漁船に対する注意喚起を要請するとともに、我が国漁船の被害の有無を漁業無線局等に聴取して、その結果を内閣官房初め関係省庁に伝達するといった対応を実施しており、今回においても、六時五十九分には安全確認を完了しているところでございます。 水産庁としては、引き続き、政府全体として緊張感を持って対応し、迅速かつ確実な注意喚起、そして安全確認を実行することで、漁船の安全確保に全力で取り組んでまいります。
○佐藤(英)委員 今後も万全な対応をお願い申し上げたいと思います。 次に、日・EU・EPAの問題に移りたいと思います。 この合意を受けまして農林水産業への影響が懸念される点について、特に乳製品と集成材についてお伺いをしてまいりたいと思います。 乳製品についてでありますけれども、特に今回の合意では、チェダーやゴーダといった原料チーズは十六年をかけて段階的に関税撤廃されることになったわけでございます。これによって、今後、EU域内からの輸入量の増大により、国産品は大きな影響を受けると懸念されているわけでございます。 生産者などからは、品質向上を進めるために、原料乳全体を対象とした高品質乳の生産奨励対策や良質な粗飼料生産対策や低コスト化のための畜産クラスター事業の予算拡充、また、国産チーズ需要の変動に対応するための機動的な需給安定対策の提案が寄せられているところであります。 また、構造用集成材につきましても、内外価格差も極めて少ないために、八年後の関税撤廃後は極めて大きな影響を受けると予想されております。特に直交集成材については、需要の創出に向け、大規模な対策を講じる必要があると思っております。 乳製品と構造用集成材について、競争力の強化とコストダウンが必要となりますけれども、これを進めるためには強力な支援策がやはりぜひとも必要であると思います。 今後、総合的なTPPの関連政策大綱の改定に当たり、具体的な支援策の拡充強化について、現在の検討状況はどうなっているのか、また、補正予算でも対応すべきと考えますけれども、見解を伺いたいと思います。 〔坂本委員長代理退席、委員長着席〕
○枝元政府参考人 まず、乳製品についてお答え申し上げます。 今般改定されました総合的なTPP等関連政策大綱におきましては、体質強化対策につきまして、これまでの実績の検証等を踏まえた所要の見直しを行った上で、必要な施策を実施するとともに、日・EU・EPAにより必要となるチーズを中心とする乳製品対策につきましては、国産チーズ等の競争力を高めるとともに、その需要を確保し、将来にわたって安定的に国産チーズ等の生産に取り組めるようにすること、また、原料面で原料乳の低コスト、高品質化の取り組みの強化、製造面でコストの低減と品質向上、ブランド化等を推進することとされてございます。 具体的には、チーズ向け生乳の新たな品質向上促進のための特別対策及び生産性の向上対策、生産性の拡大対策、また、製造設備の生産性の向上、技術の研修、国際コンテストへの参加支援、乳製品の国内外での消費拡大対策を講ずることとしてございます。 二十九年度の補正予算も含めまして、必要な対策にしっかりと取り組んでまいりたいと存じます。
○沖政府参考人 お答えいたします。 構造用集成材等についてでございます。 日・EU・EPA、構造用集成材、直交集成板、いわゆるCLT等でございますが、このセンシティビティーの高い林産物につきましては、即時関税撤廃を回避し、七年の段階的削減を経て、八年目に撤廃で大枠合意したところでございます。 これによりまして、当面輸入の急増は見込みがたいものの、構造用集成材等の輸入量のうち約四割をEUが占めている状況にあり、国産品はこれら輸入品と競争関係にあることから、長期的には関税引き下げの影響が懸念されると考えております。 このため、十一月二十四日に決定されました総合的なTPP等関連政策大綱を踏まえ、これまでの実績の検証等を踏まえた所要の見直しを行った上で、木材加工施設の生産性向上支援、競争力のある品目への転換支援、また、効率的な林業経営が実現できる地域への路網整備、高性能林業機械の導入等の集中的な実施のほか、木材製品の国内外での消費拡大対策などの措置をCLTも含む木材製品に講ずることにつき、検討してまいりたいと考えております。
○佐藤(英)委員 ぜひ、予算に裏づけられた、実効性のある対策を望みます。 次に、三十年産対策である、米対策であります。 三十年産からいよいよ国による生産調整の配分を行わないことになるわけでございますけれども、これに伴って、米の直接支払交付金、いわゆる十アール当たり七千五百円が廃止され、生産数量目標への協力がナラシ加入の要件でなくなるわけであります。これによって、生産調整の割り当て生産量の目安に協力するメリットがなくなったと感じる生産者が少なからず出てくるのではないかと懸念もするところであります。 そこで、やはり水田活用の直接支払交付金の充実が大事になってくるのではないかと思うのでありますけれども、実際、今年米を出荷した農家が来年も再来年も希望を持って営農できるように、水田活用直接支払交付金をかち取っていかなければならないと思っているところであります。 米は、我が国の食料安全保障上、最重要の品目であります。それゆえに、水田を生かすことは我が国の農政の基本であり、いざというときのために水田を守り、活用していかなければならないと思います。 以前、齋藤大臣は、食料不安が将来起こり得ないとは誰も言えない、お米の需要が減っても水田を維持していくには食べないお米をつくるしかない、そのためには必要な予算を不退転の決意で確保していくと述べられました。私も大臣の考えに同感でございます。 水田活用直接支払交付金は、日本の農業と農家と食料安全保障のための投資ではないかと思っております。将来的には少なくとも三千五百億程度を目指すべきと考えますが、それ以上に、早期に恒久化を目指すべきと考えます。所見を伺います。
○柄澤政府参考人 お答えいたします。 平成三十年産からの米政策の見直しにおきましては、御指摘のとおり、水田活用の直接支払交付金による麦、大豆あるいは飼料用米など主食用米以外の作物への支援が重要でございますし、これを安定的に措置していくことが必要だと考えております。 このため、水田活用の直接支払交付金に係ります三十年度の概算要求におきましては、麦、大豆、飼料用米などの戦略作物助成の現行単価を引き続き維持した上で、これらの生産拡大にもしっかり対応できる額を要求しておりますし、また、地域の裁量で活用可能な産地交付金につきましても、基本的な仕組みを維持した上で転換作物の拡大に対する支援等に新たに取り組むこととし、必要十分な額を要求しているところでございます。 今後とも、農業者の方々がこういった主食用米以外の作物への生産に引き続き安心して取り組んでいただけますように、全力で必要な予算をしっかり確保してまいりたいと存じます。
○佐藤(英)委員 今触れていただいた産地交付金でございますけれども、ちょっと触れさせていただきたいと思います。 この交付金の配分留保分、全体の二割が不足が生じているという点について、やはり私の地元北海道では不足額十一億ということで強い要望が上がっているところでございます。水田活用交付金の交付対象から外れた二毛作の農家の方々にも大きな打撃を与えているとも伺っております。 営農意欲に悪影響が出るのではないか。この欠損部分に対し、二十九年度の補正で手当てをすべきと考えますが、見解を伺いたいと思います。
○柄澤政府参考人 御指摘いただきましたいわゆる産地交付金でございます。 これは水田活用の直接支払交付金の中に含まれているわけでございますけれども、この全体予算の円滑な執行のために、まず、年度当初には産地交付金の二割を留保させていただきまして、まず八割を各都道府県に配分申し上げ、そして、秋、作付状況が明らかになります秋の十月に、飼料用米等の戦略作物助成の確定を見た上で、その残額について産地交付金としてさらなる配分を申し上げるという運用をとってきたところでございます。 こういった年度当初と秋の二回の配分によりまして、配分予定額、全体の予算の九四・三%までお支払いしているところでございます。 なお、御指摘のございました補正予算につきましては、今月一日に総理の御指示がございまして、現在、省全体として検討を進めているところでございます。
○佐藤(英)委員 次に、再生協議会、全国組織についてもお伺いをさせていただきます。 配分にかわる目安の提示について、都道府県や地域の再生協議会で対応も違うわけでございますけれども、生産者の不安と負担を軽減させるためにも、三十年度概算要求で推進事務費がプラス六億の八十九億円を要求している点については、私は高く評価すべきことだと思っております。 再生協議会が今後も円滑な業務を進めていくためには、今後も可能な限りの国からの積極的な支援が必要であると思います。生産調整が終わっても、国は引き続き我が国の基幹農業とも言える米の政策について積極的にかかわっていくべきと考えます。 三十年産からの国の米政策、需要に応じた生産の推進を実現するためにどのようにかかわっていこうとされているのか、御決意も含めてお伺いをさせていただきたいと思います。
○齋藤国務大臣 再三お話ししていますけれども、三十年産から米の直接支払交付金及び行政による生産数量目標の配分が廃止をされます。 ただ、引き続き、需要に応じた生産を通じて、米の需給及び価格の安定を図っていくことは極めて重要であるというふうに認識をしております。 国といたしましては、三十年産以降においても引き続き、これも従来お話ししていますけれども、麦、大豆、飼料用米等の主食用米以外の作物の生産を支援することで、水田のフル活用を進める。それから、きめ細かい情報提供を継続することによって、農業者みずからが需要に応じた生産に取り組んでいただけるように努めていくということなんですけれども、今お話ありました再生協議会につきましても、機能、役割はますます重要になってくるのではないかと思っております。 予算の話につきましても、地域農業再生協議会の主体的な取り組み強化が図られますよう、その活動に係る事務費等についてしっかり支援をしていきたいと考えております。
○佐藤(英)委員 どうか、大臣、よろしくお願いを申し上げたいと思います。 次に、食品流通改革についてお伺いをしてまいりたいと思います。 政府の諮問機関であります規制改革会議が、食品流通にかかわる構造改革について、二十四日に取りまとめを行いました。 公明党は、同じ二十四日に、農林水産部会として齋藤大臣に申し入れを行ったところでございますけれども、規制改革会議の提言は、市場改革のあり方を議論する以上に、これまでの中央卸売市場の最も基礎的なルールである認可についても議論されているようでありますけれども、そのメリットは具体的にどのようなものなのか、判然としない点もございます。 食品流通の分野も、競争力強化という観点から、一定の改革について考えていくことは必要であるとは思いますけれども、やはり急進的な改革は危険な場合もあるのではないかと私は思います。 そもそも、生産者と消費者、さらに市場関係者のための市場の機能強化が主目的であり、初めに市場改革ありきではないはずではないかなと思うのであります。まして、卸売市場の廃止という議論はあり得ないと思います。卸、仲卸という市場のメーンプレーヤーが、現在のルールの中で、生産者と消費者をつなぐために市場の円滑な機能を担い、発展させてきたことを軽視することなく、皆が納得して取り組める改革でなければならないと私は感じます。 そうした観点から、私ども公明党も、関係者の方々から市場改革のあり方についてヒアリングを相次いで行わせていただいてきたわけであります。 関係者の方々の御意見をもとに申し上げれば、差別的取り扱いの禁止や受託拒否の禁止、代金決済の確保は、関係者の総意として、私どもは維持すべきではないかと考えております。また、第三者販売の禁止、商物一致の原則については、中小零細企業の多い仲卸業者への配慮と消費者ニーズに応えようとする小売業者の創意工夫が両立するように、やはり慎重に検討すべきと考えます。 いずれにいたしましても、一口に卸売市場といっても、取り扱う品目も地域も違いますし、また、卸と仲卸の関係も市場ごとに違うわけであります。二十四日の齋藤大臣宛ての申し入れにおきましても申し上げさせていただいたことでありますけれども、国が一律にルールを変えるというのは私は望ましいこととは言えません。 農林水産省としての見解をお伺いさせていただきたいと思います。
○井上政府参考人 お答え申し上げます。 卸売市場は、集荷、分荷、価格形成、代金決済等の重要な機能を果たしているものでございます。 一方で、最近の食品流通の状況を見ますと、生鮮品のままでの需要が減少する一方、加工食品や外食での需要が拡大をしておりまして、こうした消費者のニーズにも対応していくことが求められております。 また、需要の多様化に伴いまして、産直取引、インターネット通販等流通チャネルの一層の多様化が進んでいるといった状況がございまして、こうした状況に対応するために、それぞれの卸売市場あるいは市場関係の事業者の方におかれましては、取り扱いの実態もかなり多様なものとなってございます。品目、地域あるいは各市場ごとにもさまざまでございます。 このような状況を踏まえまして、御指摘のありましたような、卸売市場が果たしてきた、あるいは今後とも果たしていく機能、また各市場の実情なども十分踏まえまして、農業者等の生産者の所得の向上と消費者ニーズへの的確な対応を実現し得る食品流通構造を構築すべく、卸売市場に対する委員御指摘のありましたさまざまな規制について、どのような方針で見直しをするのか、維持するのか、検討を進めてまいりたいと思います。
○佐藤(英)委員 どうか、慎重な検討を切にお願い申し上げまして、質問を終わります。 ありがとうございました。
○伊東委員長 次に、亀井亜紀子君。
○亀井委員 立憲民主党の亀井亜紀子でございます。 以前、参議院を一期六年務めましたけれども、このたび衆議院にかわるまでに四年のブランクがございましたので、その間に起きたこと、決まったことについて、私も十分情報を持っておりません。もしかしたら当たり前のことを聞いてしまうかもしれませんけれども、その点は御容赦願いたいと思います。 それでは、よろしくお願いいたします。 まず初めの質問は、先般の国会で廃止された主要農作物種子法についてです。 トランプ大統領になって、アメリカがTPPから離脱し、そして先日、TPP11が、アメリカを除いた形で、多くの懸念項目を凍結して、そして大枠合意に達したという報道がありました。これで、政府としては、何となくやれやれという、そういう雰囲気が伝わってくるわけですけれども、私は、農政については、大事な部分が日米並行協議の中で進んで、その一部はTPP関連法として今もって進められている、そういうふうに感じております。その最たるものが、この主要農作物種子法の廃止ではなかったかと思います。私は、どうしてもこの種子法の廃止に至るその考え方が理解ができないので、まず質問させていただきます。 種子法の制定というのは、一九五二年の五月、サンフランシスコ講和条約が発効されたその次の月に制定されていますので、非常に歴史がありまして、ほぼ日本が主権を回復したのと同じタイミングで制定をされています。その種子法のベースとなる考え方というのは、もともと種子というのは自然の中にあったもので、人類の歴史の中で先人が改良を重ねてきた公のものである、新しい品種をつくるために、その素材となる品種、言いかえると遺伝資源は、国や都道府県が公共の資産として持つ、そういう考え方に基づいていたはずです。 もしこれが民間に委ねられた場合に、遺伝資源をもとにして改良された新品種、それについて、その改良部分だけではなくて、種子全体に特許をかけて、企業がその所有権を主張する、そういう危険性が指摘されていますけれども、ここでお尋ねしたいのは、種子は公共の資産であるという、その考え方そのものの転換と捉えてよろしいでしょうか。
○齋藤国務大臣 亀井委員には、私の方も丁寧に答弁をさせていただきますので、ぜひよろしくお願いいたしたいと思います。 種子に対する基本的な考え方ですけれども、稲、麦、大豆というのは、生命の糧となるものでありまして、我が国の土地利用型農業における重要な作物であります。その生産における基本的資材である種子は、公共財的色彩も強いことですので、重要な戦略物資であるというふうに考えておりまして、この基本的な考え方は今後とも一貫して変わらないものだと思っております。 今回の種子法の改正は、一方で、稲、麦、大豆の種子につきましては、これまでは都道府県中心の制度となっている主要農作物種子法のもとでその生産、普及を行ってきたところでありますけれども、近年は実需者のニーズを踏まえた民間企業の品種も開発されてきているところでありますし、今後は、都道府県のみならず、このような民間のノウハウも活用して、広域的、戦略的に種子の生産、普及を進めていく必要があるんだろうということで、改正、廃止に至ったわけであります。ただ、これによって都道府県等における種子開発、供給体制が崩壊をするかというと、そういうことはございません。 私も、埼玉県の副知事で、農政を担当しておりました。自分たちが開発をした、宣伝になるかもしれませんが、彩のかがやきというものについては、種子法が廃止されてもしっかりこれは取り組んでいくということに変わりませんし、予算面での不安もあったようでありますので、この点も、総務省ときっちり、交付金の話は継続できるように努力をしていくということでありますので、何か、この種子法の改正によりましてその辺の体制が大きく崩壊をしていくという誤解もあるようでありますけれども、そういうことはないということは強調させていただきたいと思います。
○亀井委員 附帯決議で、予算は従来どおり確保していくということが書き込まれたようですけれども、ただ、根拠法がなくなってしまうので、都道府県が予算をつけるかどうか、それはその県の意思がかなり絡んでくることだと思うんです。ですので、例えば北海道などは条例で対応しよう、そういう動きもあるようですけれども、やはり私は、廃止をする、しないで違いは出てくると思います。 廃止をされた背景として、先ほど大臣がおっしゃいましたとおり、民間の参入、民間参入の障壁になっているというような指摘もあったようですけれども、そもそも、都道府県と民間企業が競争する必要があるのでしょうか、この主要農作物の分野において。お尋ねいたします。
○齋藤国務大臣 これは先ほどお話ししたこととかぶるわけでありますけれども、食糧の増産が必要だというところから、都道府県に原原種の生産を義務づけたりするというのが種子法の趣旨であったわけでありますけれども、その後、民間での開発ですとか、それから、相互に協力し合いながらやっていく必要性というのも出てきているということでありますので、環境変化に応じてそういう法的対応をとらせていただいたということであります。 結局のところ、この廃止によりまして、都道府県が先ほど申し上げたような奨励というものをやめてしまうんじゃないかとか、そういうところの御懸念でありますけれども、この法案をつくる際にも、ここでも大分議論しましたけれども、都道府県にもどうなりますかという意見照会をしておりまして、その結果、問題はないということになっておりますし、それから、繰り返しになりますけれども、予算についても、しっかり我々としても確保できるように努力をしていくということでありますので、都道府県が今まで努力をしてきたものを一気に、お金もかけ、手間もかけて開発してきたものを一気にこれから手を離すということも考えにくい。 ただ一方で、民間にもそういう芽が出てきているので、そっちも生かせるような仕組みにしていかなくちゃいけないということが趣旨でございます。
○亀井委員 どうしても民間企業、利益を追求するわけですから、そういう観点で物事を進めていったときに、多種多様なものをつくるというよりは、一つのものをたくさんつくるというような、そちらに向きがちだと思います。ですので、農水省として注意深く各県の動向を見ていっていただきたいと思います。私はまだ、食の安全ですとか遺伝子組み換え、種子のことですとかいろいろ懸念していることはございますけれども、きょうは時間がないので、ここでやめたいと思います。 次の質問に移ります。 先ほど、ほかの方々も、減反廃止に伴う直接支払交付金の廃止について質問をされていました。私も、少し頭の整理をしながらこの質問をしたいと思います。 減反制度、減反が日本の農業に何をもたらしたのか、どう評価するかというのは一概には言えない、必ずしもよかったとも言えないわけですけれども、ただ、この減反を廃止するという議論の出発点が何であったのかということを伺いたいんです。 つまり、米農家の経営安定を図るために価格を維持するという政策をしてきた中で、米の消費が減ってしまったので、それに伴って、転作は奨励はしてきたけれども、耕作放棄地もふえてしまった。そして、農業が衰退していく中で、減反はどうであったのだろうという見直し、そういう視点が入り、そして、それを転換するのであれば、恐らく、少々米の値段が下がっても、農地を集約して大規模につくってたくさん売れば、消費者にとっては安く米が入るし、たくさん売れれば価格が下がった分は何とか賄えるだろうという発想のもとで転換をしたということであれば一つの考え方なんですけれども、そうすると、今度、私の地元のような、島根県、中山間地です、では中山間地の競争条件が適さないところはどうなるのでしょうか、当然そういう視点が入ってまいります。 今現在そのような不安を抱いている農家はたくさんあるんですけれども、まず、今回の政策転換の出発点についてお尋ねいたします。
○齋藤国務大臣 大変本質的な御指摘をいただいたと思います。 米政策の転換の背景といいますのは、今まで四十年間生産調整をやってきているわけでありますが、これから日本の人口がどんどん減っていくということなんですね。まだ年間二十数万人ぐらいの減少にとどまっておりますけれども、いずれこれが年間八十万人とかそういうペースで、より一層急激な人口減少に見舞われるというのが、もうこれは火を見るより明らかな状況になっています。 そういう状況のもとで、今までのように、国が、来年の生産量はこのくらいになりますね、だからどこどこ県はこのくらいにしてください、どこどこ市町村は幾らです、あなたは幾らですということを続けておりますと、配分されるお米の生産量というのが毎年毎年減っていくということになるわけです。 これからさらに人口が減っていくことになりますと、このやり方は、毎年毎年生産量は減っていくわけですから、いずれどこかで崩壊をする。守れなくなる人が出てくるなりして混乱が生じるだろう。そういうことが起こる前に何とか新しい環境に円滑に転換できないかというのがそもそもの背景でありますので、できるだけ需要に見合った生産をしていただく、そのために主食用米の生産は減っていく。 しかし、その分は、水田は重要なので、水田はフル活用していく必要があるだろう。これは食料安全保障の観点からも重要だと思いますので、そのためには、さっき、食べないお米という刺激的な表現を使いましたけれども、家畜が食べるお米を生産していただくことによって水田も維持でき、そして適切な助成の水準を決めることによって所得も維持できというようなことで、この割り当てをしていくことによる、将来のこのやり方が崩壊する前にうまく円滑に転換できないかというのが、そもそもこの米政策の見直しの背景にあるということであります。 中山間地の話は中山間地の話でしっかりやっていかなくてはいけないということだと思っておりますので、長くなるといけないんですけれども、三十年産から米の直接支払交付金が廃止されるんですけれども、引き続き、水田のフル活用を進めるための政策は中山間地域には手厚く回るようにするとか、さまざまな工夫をしながら、中山間地域は中山間地域の農業の展開にできるように努力をしていかなくちゃいけないというふうに考えております。
○亀井委員 飼料用米ですとか米粉の需要拡大、そして、そちらに転作を奨励している、そちらの交付金を拡充しているということは承知しているんですけれども、来年度からの生産調整の廃止を見据えて、もう既に飼料用米に転換している農家がたくさんあります。そして、最近報道されていることは、むしろ食用の米の価格が上がって、先ほど御指摘がありましたように、外食用の米が少し不足ぎみであると。 そして、今まで生産調整に使われていた補助金が飼料用米の方に使われていくということになったときに、今度、逆に、主食用の米が足りなくなったり、不必要に高くなったりして、最終的に、では、外食産業用の安い米を輸入するですとか、そういう本末転倒なことになりはしないかと心配しているんですけれども、そのような心配はないでしょうか。
○齋藤国務大臣 考えようによってはそういうこともあるかもしれませんが、ただ、今も、今の政策においても、一応生産数量というものは配分させていただいておりますけれども、それは強制ではありませんので、いずれ需要が下がっていったときにどういうことが起こるかということについては、今の制度を持続したところでもいろいろな問題は起こってくるんだろうと、守れない人がふえてくるということでありますので、思っております。 中食や外食の人たちが、今の状況においても、お米の値段についてかなり高過ぎるという要請をいただいているのも事実でありますが、いずれにしても、このミスマッチの解消に向けて、需要に基づいた生産ができるようにマッチングの努力をするとか、そういう形で農水省は努力をしていきたいなというふうに思っております。
○亀井委員 もともと食料自給率が四割に満たない国で、米に関しては食用をほぼ賄えている、そういう日本で、逆に米の輸入が始まるようなことだと、本当に何のためにこの政策を打ったのかわかりませんから、その辺はよくよく状況を見て、早目の修正をお願いしたいと思います。 では、次に、森林環境税についてお伺いをいたします。 私は、参議院のときに、農水委員会に三年、環境委員会に三年おりました。農水省は当時から森林税が欲しいと言い、環境省は環境税が欲しいと言っておりましたから、このたび、それが結びついて、森林環境税という仕組みになったのだろうと推測をしております。 また、私の地元の島根県はもともと林業が盛んなところで、中国ブロック全体がそうですけれども、ですので、県の要望としても、森林税が欲しいということは言われておりました。ですので、基本的に、私はこの森林環境税というのは必要なものだと思っております。 ただ、このたび、この税の設計を見たときに疑問に感じたことは、個人住民税の均等割という枠だと聞いておりますけれども、最近、今度消費税も上がりますし、国民に広く負担を求める税金が、非常にその割合が増しているように感じます。 法人税が下がって消費税が上がるというような中で、もう一つこういった税金ができたときに国民がどう受けとめるかということと、それから、個人の所得が上がらない、だから個人消費が伸びなくて、景気も回復しないというような環境の中で、この消費税が上がるタイミングで森林環境税をまた上乗せしていったときに経済情勢がどうなるか、そういう心配は議論の中でも出てくるんじゃないかと思っているんですが、この森林環境税の制度設計の中で、例えば企業に少し負担を求めるですとか、そういう企業負担の部分ですとか、ほかの制度設計というのは全く議論されなかったんでしょうか。その経緯についてお伺いいたします。
○齋藤国務大臣 森林環境税につきましては、森林政策面は林野庁、それから、税制面は総務省という役割分担で、両省庁協力しながら検討を今進めているところであります。 それで、税制面の検討に当たりましては、総務省の地方財政審議会のもとに設置された検討会におきまして制度設計の議論が進められ、公表された報告書では、今御指摘の点についてはこのように記されているところであります。 森林整備等による効果が国民に広く及ぶものであることを踏まえ、必要な負担を国民一人一人が広く等しく分任する仕組みとすることが望ましいことから、そのコンセプトに最も合致するものとして個人住民税均等割の枠組みを活用することを基本とするとともに、御指摘の法人に関しては、産業界はこれまでも自主行動計画等の枠組みの中で、温室効果ガスの排出削減を実現するとともに、地球温暖化対策のための税も既に負担をしているということなので、地球温暖化防止への取り組みに貢献していると考えられること等を勘案して、森林環境税によってさらなる負担は求めないこととすることが妥当、総務省の検討ではそのようにされています。 農林省としては、この報告を踏まえまして森林環境税の議論が今後進められていくことが望ましいとは考えておりまして、地球温暖化防止に向けた温室効果ガス削減目標の達成などを図るために、三十年度の税制改正において税の創設という結論が得られるように全力で取り組んでいきたいというのが、今、我々の考えであります。
○亀井委員 三十年度に結論を得るということで、今まさに議論の真っ最中かと思いますけれども、それでは、現在のところの見通しと、もしその結論が得られなかった場合はどのような展開になるのかということも含めて、お答えいただける範囲でお答えいただきたいと思います。
○齋藤国務大臣 大変嫌な質問だなと思いますが、今、私の部下の林野庁を中心に一生懸命やっていますし、総務省も一生懸命やってくださっていると思っておりますので、今の時点で、できなかったらどうするかというのをその責任者である私が申し上げるのは、余りにせつないなと思っております。
○亀井委員 お答えいただき、ありがとうございました。 それでは、時間ですので終了したいと思います。ありがとうございました。
○伊東委員長 次に、大河原雅子君。
○大河原委員 立憲民主党の大河原雅子でございます。 私も、参議院に六年間、二〇〇七年から活動させていただきまして、このたびの総選挙では、北関東ブロックから比例単独で当選させていただきました。これまで、都議会議員、そして参議院議員時代を通じまして、消費者問題を、消費者の視点から農政を考えるということをやってまいりました。 大臣所信に対する質疑ということですので、まず基本的なところから伺っていきたいと思います。 政府の役割というのは、国民に飢えを起こさない、そして、安心できる食べ物を安定的に供給するということが一丁目一番地と所信表明の中でもおっしゃっております。 しかし、食料の生産、調達、これには国土の保全ということも非常に大きな問題ですし、この第一次産業の復活なくして、私は、未来の子供たちに安心できる国を手渡していけるとは到底思えないわけでございます。 敗戦から、あの焼け野原から復興してきた日本は、経済成長、どちらかというと農業を犠牲にしてきたんじゃないかなというふうに思っておりまして、それは、とりもなおさず、先進の諸国が食料自給率を上げてきているのに、我が国は、その意味では、食料自給率のことはなかなか上げることができずにここまで来ているということを思うわけですが、この食料自給率の極めて低い我が国の現状を、食料安全保障の点から、大臣はどのように評価をされているんでしょうか。
○齋藤国務大臣 食料の安定供給を将来にわたって確保していくこと、これは国家の国民に対する最も基本的な責務の一つであるというふうに考えております。世界の食料の需給及び貿易が不安定な要素を有している中で、食料の安定供給を図っていくためには、まさに、食料の自給率目標を掲げて、平時から、国内農業生産の基盤の維持、そして増大を図っていくということが重要だと認識しております。 しかしながら、残念なことに、食料自給率は長期的に低下傾向で推移しておりまして、カロリーベースの食料自給率は平成二十八年度で三八%になっています。これは、いろいろな理由があると思うんですけれども、米の消費が減少して、あるいは、畜産物や油脂類の消費が増大する等、食生活の変化に国内生産が十分に対応できなかったこと、そういったいろいろな要素があると思いますけれども、私どもは、この食料自給率を何とか四五%に引き上げたいという目標のもとで、国内外での国産農産物の消費拡大や食育の推進、消費者ニーズに対応した麦、大豆の生産拡大や飼料用米の推進、これは水田を維持できるようになりますので、それから優良農地の確保や担い手の育成の推進といった、言ってみれば、いろいろな政策を総合的に計画的に講ずることによって、食料自給率向上、これをしっかり図っていきたいなと思っております。
○大河原委員 いろいろな手段を使って食料自給率を上げる、食料自給力を上げるということをおっしゃったわけなんですが、農林水産省が出している資料でも、日本の食料事情について、食料安全保障の観点からも非常に心もとないものがあるということははっきり言っていると思うんです。 ただ、やはりこれまでの、食料自給率、カロリーベースで三九%、それを四五に上げていくということの中身ですね。これまでの反省を踏まえれば、この第一次産業、特に農業、成長産業と今言っているわけですけれども、これまでの産業としての農業政策というのは、申しわけないんですが、失敗だったというふうにお考えですか。
○齋藤国務大臣 何をもって失敗だったかという質問をされているのかよくわかりませんけれども、我々は、その状況状況に応じて全力を尽くしてきているつもりでありますし、今般も、新しい環境に合わせて、農政全般にわたる抜本的な農政改革をしようということで、一々は申し上げませんが、今努力を傾注しているところであります。
○大河原委員 農業を成長産業と捉えるからには、農業の今の実態というものをどういうふうに捉えていらっしゃるかということがあると思うんです。 やはり、大規模化というふうに言っても、世界の大規模というところとは比べ物にならないほど零細な規模です。そして、そこで高い付加価値のあるものをたくさん量産できれば話は変わってくるんでしょうが、それでも、この日本の農業を支えてこられた方たちの特色、それからこの日本の地勢、こうしたものをやはりきちんと捉えなければこれから先の成長というものも見込めないと私は思いますけれども、大臣は、この点は何が日本の農業の特徴だというふうに思っていらっしゃるんでしょうか。
○齋藤国務大臣 まず、現状については、農業従事者の平均年齢がもう六十六歳を超えておりますし、耕作放棄地もふえるなど非常に厳しい状況にあるというふうに思っております。それで、そういうことに対応するためには、担い手が農業生産の相当部分を担う農業構造というのを確立していくことが重要であるということで、目標を決めて今取り組んでいるところであります。 その際、今、大規模化の話がありましたけれども、私どもの考えとしては、意欲と能力のある農業者であれば、経営規模の大小の別にかかわらず、地域農業の担い手として幅広く活躍していただきたいなというふうに思っているわけでありますので、具体的には、中山間地域というところもございます、経営規模の拡大に一定の制約があるものですから、そういう地域も含めて、創意工夫を発揮して付加価値の高い農産物の生産や六次産業化等に取り組む農業者を、多様な予算事業やスーパーL資金などを初めとする長期、低利の融資などによって、それぞれの状況に応じて、規模にとらわれずに一生懸命やる人を応援していきたいと思っております。 また、同時に、日本型直接支払制度を創設させていただきましたので、棚田も含めて、草刈りや水路の管理などでも、産業政策以外の面で地域政策も大事だと思っておりますので、地域の営農継続等に必要な支援を行っているところでありますので、こういった取り組みによって、小規模農家も含めて、日本の多種多様な農業者、これの意欲ある取り組みを後押ししていきたいというのが基本的な考え方であります。
○大河原委員 私の小さいころから習った日本の農業というのは、非常に高度な技術で、高い収量を上げていくためにいろいろな技術を投入してきた。そして、今おっしゃったように、農業の後継ぎが、後継者がいなくなった。だから、いたし方なく、そういう限られた場所で、非常に生産のためのコストも高くかかってしまうんだというふうに思ってきました。 しかし、今、人口減少社会と言い、そして都市に、戦争後、労働者として働く人たちを農村からたくさん集めて、そして、担い手は地域、生産現場ではいなくなってくる事態を引き起こして、今、七十年たってこの状況になって、人口が減っている、自給率はいまだに上がらない、将来的にも上がっていく見込みもない。 目標はありますよ。四五%と掲げられました。私は民主党時代に、五〇%に自給率は上げるというふうに何としてもこの国を向けていきたいと思っていましたけれども、現実に合わせて、四五%というところを、平成三十七年度目標ですか、していらっしゃるんですね。 これはやはり、農業の主体である担い手とか農村の見方、私はもう少し細かく見た方がいいんじゃないかと思うんです。 日本は狭小な国です。でも、四季に恵まれて、その地域地域に特色があって、少量多品種、これをつくっていくことが、実は付加価値の高い農業を推進し、そして、外から来るお客様にとっても、そこに行かなければ食べられないもの、その価値というのは、宣伝じゃありませんけれども、プライスレスというコマーシャルがありますけれども、そういう時代に変わってきていると思うんです。どうでしょうか。 小規模な農家も含めて成長させるというふうにおっしゃったんですが、私は、この日本の農村を支えてきた、農業を支えてきた方たちは小規模の、どちらかといえば家族単位で、これが日本の家制度の中で、よくも悪くも続いてきました。それが支えてきているというその原形が、今、都市に流出をした若い人たちがもとに戻っていく、あるいは、Iターンで、初めておじいさん、おばあさんの耕してきた水田や畑をやっていこうという若者まであらわれたということじゃないかと思います。 大臣は、埼玉の副知事もおやりになっていたので、都市に近いところの農業のこともお詳しいと思いますが、どうでしょうか。農家の見方、七十歳平均といっても、農業ほど多年代にわたる働きを吸収できるそういう産業はないと思うんですが、どうでしょうか。
○齋藤国務大臣 今お話を承りながら、余り考え方は違っていないなと思いました。 もちろん、今まで地域を支えてきた農家、家族中心にやってきた方も多いと思いますけれども、今問題はそこに後継者がなかなかいないということになってきているわけでありますので、後継者が出るためには、やはり農業そのものが魅力ある産業になって、継いでもいいなと思ってもらえるような産業になるということが大事でありますので、そのための成長産業化というものに力を入れているということがあります。 それから、都市農業も、私は大分見直されてきていると思っております。私の地元は今、千葉県ですけれども、近くで、新鮮で安全な青果物が生産されているということは非常に価値のあることだということになってきていますので、これは北海道とは事情が違うと思いますけれども、その地域地域でそれぞれ違ったやり方で農業を展開していくということは十分可能なんだろうと思っております。
○大河原委員 今、大臣の口から都市農業というふうに言っていただいたんですが、まさに私、住まいが世田谷です。世田谷にも農地がありまして、どんどん減っていく中で、農業者の方たちは、市街化区域内の農地、宅地にすべきというところを生産緑地として都市計画法の制度の中でやっと守ってきたというところもありますけれども、都市の中で農業はあった方がいいんだ、畑はあった方がいいんだ、こういう都市住民の意識というのが本当に高まって、この都市農業推進基本法は、政権交代、再び自民党政権になってからできましたが、食料・農業・農村基本計画、ここに私はやはり都市農業の推進ということを入れてほしい、都市の農地の保全ということも仕組みをつくってやるべきだと主張をしてきた人間でございます。 それで、私は、この都市農業の多くというか、ほとんど家族でやっている、銀行員だった人が営農しなくちゃならないということで都市農家になった例もよくありますけれども、家族でやっていて、しかも付加価値がついている作物をつくるので、経営的にも大変上位にあるんだと思います。 私は、これから先の日本の農業の農家のあり方として、経営モデルとしてもこの都市農業は適している、都市農業の農家さんの姿というのは日本の農業の農家のモデルに見えるんですけれども、小規模な農家、小規模な酪農家、そういう方たちがしっかり地域で、地域をつくりながら産業として進めていくというのは、非常に大きな、申しわけないけれども、これまでの農政とは違う大転換だと思いますが、いかがでしょう。
○齋藤国務大臣 都市農業が日本全体の農業のモデルになるかどうか、これは地域地域によって恐らく違うんだろうと思いますので、その部分はちょっと首を縦に振れないところもあるんですけれども。 ただ、都市農業の重要性というものが近年大きく見直されてきて、平成二十七年四月に施行されました、今言及ありました都市農業振興基本法、これは私が自民党の農林部会長のときに担いで、議員立法で成立した法律でありますので、その中で、基本的な考え方の転換、すなわち、今までは都市近郊農地というものは宅地化すべきものという位置づけだったものが、そうではなくて、振興すべきものであるというふうに、基本的な考え方、これは大河原委員がずっとお話しになっていますが、長いこと日本の、戦後、基調であった、そこを転換したということは、私は非常に大きな意義があったのではないかなと思っていますので、この法律に基づきまして、今閣議決定された基本方針等も出ておりますので、それを踏まえて、しっかり都市農業の振興にも力を入れていくことはやっていきたいなと思っております。
○大河原委員 宅地化すべきということで、サラリーマンに良質で比較的安い値段で家を持たせるという政策が国の大きな政策でございましたから、この法律ができたのはゆえんのあることだと思います。しかし、実態に合わなくなってきているということ、そして、その農地を宅地に転換したところが、実は人口減少でドーナツ現象が起きています。農家さんが相続税対策に建てたアパートも、空き家が目立つとか、空き室があるとか、そういうことで、大変に町の中が荒れてくるということも起こってきているわけです。 来年の都市農業、農家のための税制、それから、新しい仕組みとして生産緑地の貸出制度、こういったものも随分望まれてきましたので、これは、都市農業を推進する農林水産大臣としても、ぜひ大きな力を発揮していただきたいというふうに思います。 最後になりましたけれども、先ほど亀井議員が主要農作物種子法の廃止について丁寧に伺いましたので、私も用意をしておりましたが、参議院の附帯決議、四項目ございました。その項目をやはりきちんと対応できるようにしていただきたいというふうに思いますので、都道府県がやってきた仕事、そこでの弊害ももちろん認めないわけではございませんけれども、附帯決議四項目についてどのような御対応をされるのか、お答えをいただきたいと思います。
○齋藤国務大臣 平成二十九年四月十三日の参議院の農林水産委員会における附帯決議、これは、政府としては当然重く受けとめて、推進しております。 その中で、四項目御指摘をいただいております。 一つは、優良な品質の流通を確保するため、種苗法に基づき、生産等について適切な基準を定めることということになっておりますが、これにつきましては、種子に関する一般法である種苗法の告示であります指定種苗の生産等に関する基準に、稲、麦類及び大豆の種子の生産等に関する基準をしっかり追加するという対応をとらせていただいております。 また、二つ目の、都道府県の取り組みが後退しないよう地方交付税措置を引き続き確保することということにつきましては、都道府県が行う稲、麦類及び大豆の種子の生産、普及の事務に関する経費について、引き続き適切な地方交付税措置がなされるよう関係省庁と協議を進めるということで、今、地方交付税措置の改定要望を出して、調整をしているところであります。 それから、三つ目の、民間事業者と国、都道府県との連携を推進するとともに、国外に流出することなく、適正な価格で国内で生産をされることという御指摘につきましては、官民の連携や競争力強化を進めるに当たっては、国益を損なうことのないよう、契約に当たっての適切なルールの設定に取り組むということで、今ルールづくりについて農研機構と連携して検討しているところであります。 それから、最後、四つ目、需要に応じた多様な種子の生産を確保し、特定の事業者による種子の独占によって弊害が生じることのないよう努めることという御指摘につきましては、農業競争力強化支援法の趣旨を踏まえて、国、都道府県と民間企業との適切な連携協力体制を構築するということで今広く周知を、通知を出して周知徹底をしているところであります。今の現状はそういうことでございます。
○大河原委員 十一月の十五日に、既に、要綱それから運用、通知、こういったものが廃止されておりまして、種子法廃止だけでも余り十分に周知をされていない中で、そのもとになる運用まで廃止をされているというところでは大変不安が広がっています。これからもしっかりと注視していきますので、大臣も、その説明責任を果たす、そして日本の食料主権を守る、このお立場からぜひ御活躍をいただきたいと思います。 ありがとうございました。
○伊東委員長 次に、石川香織君。
○石川(香)委員 北海道十一区選出、立憲民主党の石川香織でございます。 私も、きょう初めて質問させていただきます。質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします。 私の地元であります十勝は、北海道の東部に位置しております。小麦の生産が全国で約三一%、バレイショが約三二%、小豆が約六四%、そしててん菜が約四四%、生乳は約一五%、そして肉用牛飼養頭数が八%ということで、まさに日本の食料生産基地の地域であると言えると思います。最近のTPPや日・EU・EPAによってどういう影響があるのか、北海道十勝の農家の皆さんも非常に心配をしているところでありますが、この自由貿易化が進むことで日本の農業がどうなっていくか、なかなかイメージがしにくい状況ではないかと思います。 まず、TPP11について御質問させていただきます。 政府は、TPP12によって国内農林水産業が受ける影響額について、農林水産物の生産が千三百億円から二千百億円の減少と試算しております。ただ、TPP11については試算をされておりません。特に、乳製品に関しましては輸入枠が縮小されませんでした。これによって、国内の乳製品にかかわる産業がどういう影響があるのか、非常に心配をされているところでありますが、国産商品は、品質では、言うまでもありませんが、申し分ないのですが、価格競争になると厳しいという声も生産者の方から上がっております。 そこで、国内の乳製品にどのような影響があるのか、また、生産者の皆様方にどういった保護措置を考えていらっしゃるのか、お答えいただけますでしょうか。
○齋藤国務大臣 十一月に大筋合意されましたTPP11の国産の牛乳・乳製品に与える影響につきましては、乳製品の合意内容はTPP12と変更はないことから、TPP12の影響の範囲内にとどまるものと考えておりまして、当時、12のときに影響を試算したときには、その生産額が百九十八から二百九十一億円減少するというふうに試算をしておりますので、この範囲内にとどまるものと現在考えております。 対策ですけれども、これまで、省力化機械等の整備等による生産コストの削減や品質向上など、畜産、酪農の収益力、生産基盤の強化を進めるとともに、平成二十九年度からは、これは国会でも議論いただきましたが、生クリーム等の液状乳製品を加工原料乳生産者補給金の対象に追加をして、補給金単価の一本化を図ったところであります。 今後は、また、日・EU・EPAもございますので、これらTPP11、日・EU・EPA大枠合意を踏まえて、本年十一月二十四日に改定された総合的なTPP等関連政策大綱に基づいて、これまでの実績の検証を行いながら、必要な体質強化策について検討していく、そういうことでございます。
○石川(香)委員 ありがとうございます。 品質では絶対負けない国産商品を守っていかなくてはいけないということで、引き続きお願いを申したいと思うんです。 関連して、TPP11では、TPP12の効力を凍結したのは医薬品のデータ保護期間などのルール分野のみでありました。なぜアメリカ不在でも農林水産分野の合意内容を見直さなかったのか、お答えいただけますでしょうか。
○澁谷政府参考人 お答えいたします。 ベトナムのダナンの閣僚会合で大筋合意に至りましたTPP11でございますが、協定の案文上は、TPP12のもとの協定の条文を組み込むという形にしておりまして、その上で、TPP11で適用しない一部の規定を凍結するという形式でございます。その際、凍結項目につきましては、もともとのTPP12の特徴であるハイスタンダードを維持する、こういう観点から、八千ページもあるTPP協定の中から、知的財産関連などごく一部のルールのみを凍結することで合意したものでございます。 なお、十一カ国は、アメリカにはいずれ戻ってきてほしいという思いでTPP11を発効させるということであるわけですので、万一将来のある時点において米国を含めたTPPが発効する見込みがなくなった場合には、締約国の要請に基づき、必要な見直し協議を行うという条項を盛り込んだところでございます。その際の対象として、TPP全ての締約国を対象とした酪農製品を含む関税割り当て数量などが含まれるという考え方を閣僚全体会合の場などで各国に我が国として明確に伝え、理解を得ているところでございます。
○石川(香)委員 TPP11、それから既に合意されている日・EU・EPA、そして今後予想されるアメリカとのFTAで、ダブルパンチ、トリプルパンチになることを農家の方は心配されています。 ここで、お話にもありました日・EU・EPAについても御質問させていただきたいと思います。 平成二十九年十一月の日・EU・EPAにおける品目ごとの農林水産物の影響によりますと、牛肉、豚肉、乳製品、構造用集成材については、当面は輸入の急増は見込みがたいが、長期的には関税引き下げの影響が懸念されるとなっております。小麦につきましては、輸入の増大は見込みがたいが、小麦製品の輸入の増大が懸念をされているとなっております。そして、てん菜、サトウキビにつきましても、生産に特段の影響は見込みがたいが、加糖調製品の輸入の増大が懸念をされているということになっています。国産芋でん粉への影響も限定的と見込まれていますが、長期的には国産バレイショでん粉の価格低下が懸念されているということで、政府発表の影響を拝見いたしますと、乳製品、豚肉、牛肉、小麦、てん菜、でん粉に関しては大きな影響がないと政府は分析されているようなんですけれども、本当に大きな影響が出ないのか、お答えいただけますでしょうか。
○天羽政府参考人 お答え申し上げます。 日・EU・EPAにおける品目ごとの農林水産物の影響につきまして御質問をいただきました。 この日・EU・EPAにおける農林水産物への影響につきましては、日・EUの大枠合意の内容を踏まえ、主要な農林水産物への影響を定性的に分析し、影響度合いに応じまして四つのカテゴリーに分類をいたしております。 一つは、特段の影響は見込みがたいもの。二つとして、影響は限定的と見込まれるもの。三つ目が、国家貿易の維持などにより輸入の増大は見込みがたいが、調製品等の輸入の増大の懸念があるもの。四つが、当面、輸入の急増は見込みがたいが、長期的には関税引き下げの影響の懸念があるものということでございます。 今ほど先生御指摘のございました品目についてでございますが、まず牛乳・乳製品につきましては、ソフト系チーズは関税割り当てにとどめ、脱脂粉乳、バターは、国家貿易を維持したということなどによりまして、当面、輸入の急増は見込みがたく、国内需給への影響は回避をしたということでございますが、長期的には、競合する国産の脱脂粉乳、チーズの価格下落等が生じることにより加工原料乳価格の下落も懸念されるというふうにしております。 牛肉、豚肉についてでございます。関税の撤廃を回避し、長期の関税削減期間の確保や差額関税制度の維持、セーフガードの確保などによりまして、当面、輸入の急増は見込みがたいが、長期的には国産品の価格の下落も懸念されるというふうにしております。 さらに、小麦、砂糖、でん粉につきましてでございます。国家貿易制度や糖価調整制度の維持などによりまして、輸入の増大は見込みがたいが、製品の輸入増大、また国産バレイショでん粉の価格の下落も懸念されるというふうにしてございます。 去る十一月二十四日に改定されました総合的なTPP等関連政策大綱におきましては、これまでTPP対策として講じてきました対策に加えまして、国産チーズの競争力を高める対策、それから、パスタなど製品の輸入増大に対応いたしまして、小麦のマークアップの実質的な撤廃、引き下げ等の対策などを新たに盛り込んだところでございまして、今後、これまでの体質強化策の実績の検証等を踏まえまして必要な見直しを行った上で、平成二十九年度補正予算も含め、農林漁業者の皆様方が安心して再生産に取り組むことができるよう、対策を講じていく考えでございます。
○石川(香)委員 ありがとうございます。 農家の方にとっては、海外の安い製品が入ってくることが非常に不安だというお話もありますので、ぜひ、引き続き、農家の皆さんが心配しないような対策をとっていただければと思います。 続いての質問に移ります。 昨年の八月に北海道の十勝地方で四つの大型の台風が襲来いたしまして、非常に甚大な被害が出ました。被害を受けた地域では、農地が流出してしまったために、公共事業で余った土を投入するという方法をとって、今、復旧に向けて一生懸命頑張っているという状況であります。 ただ、従来の肥沃な農地に復旧するためには、堆肥などの有機物の散布であったり、それから酸性土壌改良などの土づくりが非常に大事になってくるということで、被災農家の方によりますと、もとの肥沃な農地に戻るには膨大な経費と十年以上の年月がかかると話しておりました。 そこで、現時点の農地の復旧状況について教えていただけますでしょうか。
○荒川政府参考人 お答え申し上げます。 今先生から、昨年の夏の北海道の台風での被害につきまして御質問をいただきました。 一連の台風によりまして、被害報告ベースで約四千七百ヘクタールという当初の被害報告がございましたけれども、その後精査をされたところでございまして、特に被害が甚大で自力復旧が困難な農地、大体五百ヘクタールぐらいだというふうに承知をしておりますが、この五百ヘクタールについてこれまで災害復旧事業を進めてきたところでございます。 このうち四百十ヘクタールにつきましては既に工事が完了いたしておるところでございまして、残りの九十ヘクタールにつきましても平成三十年中には工事が完了して、全ての農地で営農再開が可能になる予定だというふうに考えておるところでございます。 引き続き、北海道それから関係市町村とよく御相談をしながら、早期の復旧に努めてまいりたいと考えております。
○石川(香)委員 ありがとうございます。 徐々に復旧が進んでいるという状況がわかりました。ただ、ことしの春以降、本格的に復旧工事をしているという農家の方もいらっしゃいますので、引き続き、被災農地の復旧と、復旧後の対策もとっていただければと思っております。 次の質問は、酪農関係についての対策です。 大規模な酪農地帯が大きな災害に見舞われますと、電気や水道、交通アクセスが使えなくなることで非常に深刻な被害が出ております。搾乳ができない、そして生乳が冷やせないために腐敗してしまう、牛が飲む飲料水がない、それから交通も分断されてしまうので牛乳を運ぶことができない、そういった被害がありました。 被災した十勝の清水町という、農家の方には、牛をすぐ避難させることができた方もいらっしゃいますが、避難するまでに二日、三日かかった農家の方もいらっしゃって、そういう方は、牛が乳房炎になって、牛乳を出荷することができず、それを肉として出荷せざるを得なかったという農家の方もいらっしゃったと伺いました。 十勝では、自治体や農協、地域の住民の方はもちろんのこと、近隣の酪農家の方とか畜産家の皆さんが力を合わせてこの災害を乗り切ったというような形だと思っておりますが、十勝のような大きな酪農地帯がこういった大きな災害に見舞われて、このような大きな被害が出たというのは、今までの歴史の中でも余りないことではなかったのかと思います。 そこで、今後、こういう災害が起きたときの話でありますが、飼料や資材の緊急配送、それから災害を未然に防ぐための防災意識を高めるために国としてどういう対策を考えていらっしゃるか、お答えいただけますでしょうか。
○野中大臣政務官 お答えいたします。 近年、北海道においては台風また長雨によって被害が頻発しておりまして、先生御指摘のとおり、災害時の支援体制の構築、また災害を未然に防ぐための防災意識の向上というのが重要であるというふうに認識をしております。 御地元である十勝地方においても、昨年、台風が発生したということで、酪農の皆様方に大きな被害が生じたというふうに承知をしております。 この経験を踏まえた上で、本年から、電気や水道、集送乳体制を含めた搾乳継続計画の策定、これに基づく非常用電源、生乳温度のモニタリングシステム、給水タンクの整備等について支援をしているところであります。 また、生産現場の皆様方に対しては、少なくとも一週間以上家畜を飼養するために必要な飼料や燃料の備蓄、また貯水タンクの準備を行うこと等を指導しているところであります。 また、実際に災害が発生した場合でございますけれども、家畜改良センターにおいて、不足する粗飼料や消石灰等の防疫資材の緊急提供、そして家畜の移動のための人的支援を行うこととしております。 引き続き、これらの取り組みを通じまして、災害時の酪農経営への影響を最小限に、災害時の影響を最小限に食いとめるとともに、防災意識の向上に努めてまいりたいと思います。
○石川(香)委員 ありがとうございます。 被災された農家の皆さんのお話を聞きますと、あくまで今も復旧に向けて努力されていらっしゃるということですので、引き続き対策についても取り組んでいただければと思います。 それから、最後の質問になります。 ことし、北海道ではアキシャケが全然とれないということで、漁獲高が激減をしております。ここ数年も言えることであったんですが、アキシャケの定置網漁の漁獲高が、十月末の速報値で、過去最低と言われていた昨年をさらに下回って、昨年の漁獲高の七割になってしまいました。 そこで、お尋ねをさせてください。 まず、アキシャケの漁獲高が激減している原因をどういうふうに見ていらっしゃるか、お答えいただけますでしょうか。
○長谷政府参考人 お答えいたします。 先生御指摘のとおり、本年十月三十一日現在における全国のアキサケの漁獲量は五・五万トンと、対前年同期比の約七割となっております。一方、不漁の度合いは地域ごとの差がかなり大きいわけでありますけれども、全体としての不漁に伴う魚価高によりまして、全国としての漁獲金額は約五百六十二億円と、対前年同期比の約一割増となっております。 アキサケは近年、太平洋岸を中心に漁獲量が減少しておりますけれども、この要因として、サケの稚魚が海におりる時期の沿岸の海洋環境が生存に不適だったことによる回帰率の低下が指摘されております。 なお、本年の極端な不漁に特異な原因があるかについては、研究機関による今後の分析を待つ必要があると考えているところでございます。
○石川(香)委員 このアキシャケの不漁は非常に深刻な問題であります。ぜひ、漁業者の方への対策、所得補償対策なども含めて検討して、これからも続けていただければと思っております。 これで私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○伊東委員長 次回は、明三十日木曜日午後五時理事会、午後五時十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後六時五十六分散会