予算委員会 第2号
- 発言数
- 383 件
- 登壇者
- 31 名
- 会派数
- 8
- 開催日
- 2017/01/31
会議録
○委員長(山本一太君) ただいまから予算委員会を開会いたします。 平成二十八年度第三次補正予算二案に関する理事会決定事項について御報告いたします。 本日は、総括質疑方式による質疑終了後、締めくくり質疑を十七分行うこととし、各会派への割当て時間は、民進党・新緑風会六分、日本共産党四分、日本維新の会三分、希望の会(自由・社民)二分、無所属クラブ二分とすること、質疑順位につきましてはお手元の通告表のとおりでございます。 ─────────────
○委員長(山本一太君) 平成二十八年度一般会計補正予算(第3号)、平成二十八年度特別会計補正予算(特第3号)、以上二案を一括して議題とし、昨日に引き続き質疑を行います。山本香苗君。
○山本香苗君 おはようございます。公明党の山本香苗でございます。よろしくお願い申し上げます。 まず最初に、松野文部科学大臣にお伺いいたします。 今般の天下りあっせん問題は国民の信頼を裏切る行為であって、断じて許すことはできません。また、違法行為の偽装、隠蔽に至ってはあきれて物が言えません。その上、さらに、今回指摘されているOBが代表を務める一般社団法人と一体となって天下りしていた、天下りのあっせんをしていた、これが事実であれば言語道断です。一刻も早く全容を解明して対策を取っていただきたい。 その大前提といたしまして、松野大臣は先週の衆議院の予算委員会におきまして、我が党の赤羽議員に対し、公務員制度改革等の有識者や弁護士等に調査班に入っていただいて、国民の皆さんにしっかり納得していただける体制をつくることをお約束をしていただきました。結果、どういう体制で調査に臨むことになったんでしょうか。
○国務大臣(松野博一君) 今回の文部科学省における再就職に関する国家公務員法違反、またそれに関する隠蔽につきましては、国民の皆様の文部科学行政に対する信頼を著しく損ねたことを心よりおわび申し上げます。文部科学省としては、省として猛省し、省を挙げて信頼の回復に努めていく所存であります。 それには、委員から御指摘をいただきましたとおり、まず徹底的な調査が重要であると承知をしております。この調査に当たりましては、私は文部科学省の責任者でありますけれども、国民の皆様の視点に立って、御納得いただけるよう責任を持って推進をしてまいります。 再就職等問題調査班が行う調査につきましては、再就職等監視委員会に対して調査方針や調査項目等の報告を逐次行い、調査の公正中立性を確保することに加え、赤羽議員を始め、いただいた御指摘を踏まえ、より国民の皆様の信頼回復が図られるよう、再就職等問題調査班に公務員制度等の有識者、弁護士等の第三者に入っていただくことにいたしました。全容の解明に向け、これらの有識者の指導、判断の下で調査方針、調査方法を決定いたします。また、制度解釈の妥当性についても御判断をいただきます。 ヒアリングにつきましては、有識者の参画を基本とし、日程的に可能な限りいずれかの有識者に参加をしていただくこととしており、仮に日程調整が困難な場合でも有識者にヒアリングの状況を御確認いただくこととしております。また、調査結果については、有識者の了解を得た上で再就職等監視委員会に報告をさせていただきます。 今後、可能な限り速やかにこれらの有識者の人選を行って調査体制を整え、全容解明に向けた徹底した調査を進めてまいります。
○山本香苗君 教育行政をつかさどる文部科学省でこうしたことが起きたこと自体、私は本当に残念で残念でなりません。国民の皆様方の疑念を払拭するため、徹底した、今大臣からお話ありました第三者の方にしっかり仕切っていただく体制で調査を進めていただきたい、うみを出し切っていただきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。 次の質問に移ります。 今回の第三次補正予算案におきましては、税収が当初の見積りよりも一・七兆円下振れしたことによりまして、それを補う形で七年ぶりに赤字国債を追加発行することになりました。 衆議院予算委員会で麻生財務大臣は、これは円高による一時的なものであって経済の基調全体が悪くなったわけではないと御答弁されておりましたが、税収減は一時的なものに本当にとどまるんでしょうか。今後の税収見通しをお伺いいたします。
○国務大臣(麻生太郎君) 二十八年度の税収の補正につきましては、直近の課税実績、また企業の収益の見通し等々、政府の経済見通しなどを基に、平成二十八年度当初予算に対して一・七兆円減のいわゆる五十五・九兆円と見積もったところであります。 その主な原因というのが、よく言われるところですけれども、二十八年の当初からこれは円高が百二十円ぐらいから百五円ぐらいまでになっておる、推移したことによりまして大きく変わったんですが、まあ十円違いますとトヨタ自動車一社で五千億違うとよく言われますけれども、そういった形で輸出企業の円建て売上げの減少を通じて法人税収が減収しております。それから、円建ての輸入額が減少しておりますので、その面につきましても消費税が減少するということが見込まれる等々で五十五兆ということを申し上げておるんですが。 一方、政府としましては、来年度、平成二十九年度に関しましては、雇用とか所得環境等々の改善が続いておりますので、民需を中心にして景気回復を見込んでおります、今年度に比べまして。 具体的には、二十九年度の税収は、二十八年度補正後のをベースとして、政府経済見通しにおけます雇用・所得環境の改善、消費や生産の増加等々を反映させた上での見積りというのを二十九年度の税収見積りにさせてはいただいておりますので、その結果、二十八年度補正後予算額から一・九兆円、さっきマイナス一・七、逆に一・九兆円のプラスということで、一・九兆円増となります五十七兆七千億ということを見込んでおりますので、税収が増加している基調というのには変わりはないと、そう思っております。
○山本香苗君 今いろいろとお話しいただきまして、昨年の十一月以降、言ってみたら円安と株高というものが続いてきまして、そういう状況の中で税収が見込まれるんじゃないかという話でありますが、いつまでこのいわゆる状況というのが続くか分かりません。 そういう中で、今おっしゃったように、来年度の税収というのは今年度より一千億円プラス見込んでいらっしゃるわけです。このとおりいくんでしょうか。国民の皆さんが御納得いくような御答弁をお願いします。
○国務大臣(麻生太郎君) これも山本先生御存じのように、これは経済は生き物でもありますし、トランプという不確定要素というものが新しくここへ入ってきているというのは、これはもう世界中認めている話ですから。これは明らかに不確定要素、経済にとりましては極めて不確定要素の大きい要素としてこれ考えておかないとどうにもなりませんから。 私どもとしては、そういったものを見込んだ上で、今の話は、ドル高はよろしくないと言われている一方、傍ら、金利をワンベーシス、ワンベーシスって分かりますよね、ワンベーシス上げておられますので、ワンベーシス上げるということは円安ドル高に振れます。間違いなく各国通貨に対してドルは全部ドル高に振れておりますので、その政策と言っておられることは全然相矛盾した形になっておりますので、不確定要素というのは正しい表現だと思っているんですけれども。 是非、そういった意味で、よく読めませんけれども、今の状況を行けば、間違いなく前半、円安ドル高に振れていく傾向はしばらく続くであろうかなという感じが、これは大方の予想と同じであります。
○山本香苗君 率直な御答弁をしていただいたわけなんですが。 石原大臣にお伺いしたいんですが、今月の二十五日の日に国の財政見通しについての最新の試算が公表されました。今回の試算におきましては、今回の税収減等も響きまして、二〇二〇年度の基礎的財政収支、いわゆるプライマリーバランス、これが赤字が八・三兆円まで行ったと。前回の試算よりも赤字幅が広がっていったわけです。 この八・三という数字でさえも経済がうまくいった場合という場合であって、今後更に拡大する可能性があります。そのために、このままではこの目標達成難しいんじゃないかと、そういう見方が強まっておりますが、これどのようにして目標を達成していくお考えなのか、具体的に御答弁をいただきたいと思います。
○国務大臣(石原伸晃君) 山本委員の分析のとおりだと思いますが、二五年と一六年の赤字幅というものも実は拡大しています。それは、昨年G7がありまして、今財務大臣が御答弁させていただきましたとおり、不確実性というのは新興国の経済なども含めてやはり高まっている。今は小康状態ですけれども、不確実性というものは高まっている。 じゃ、何をするかということで、安倍総理のリーダーシップで財政出動、もちろん無駄な公共投資はやりませんけれども、できることは全部やるという中で、未来への投資、人への投資、経済対策を組ませていただいて第二次補正予算を作った。これによって、当然単年度でいえば支出は増えます。 そして、その結果として、今、これも税収見通しの中で企業収益や配当、キャピタルゲインといったようなものが、今は円高よりも若干安、昨日、今日で見ますと円高に振れていますけれども、この見通しを作るときは円高株安、これによって企業収益、配当、キャピタルゲインが減ると当然税収は減るわけであります。今委員の御指摘のとおり、五・五兆円という去年お示ししてきたものから、今年の速報値では八・三兆円という結果になった。 しかし、私どもは、先ほど人への投資という話をさせていただきましたとおり、加藤大臣のところで今働き方改革させていただいております。この多くが、今年のこれから御審議をいただく二十九年度予算でも、財政が大変厳しい中で、科学技術、イノベーションの推進等々にも防衛費に次ぐ予算の伸び、もちろんSACOなんかを除けば一番予算の伸びを付けさせていただいておりますし、これはもう総理の強いイニシアチブで、黙っていれば一兆円増えます社会保障費を五千億円以下に抑えている。 この結果、今回の中長期試算においても、二〇一七年度以降を見ていただきたいんですけれども、PBの赤字や、そして大切なことは、公債残高の対GDP比というものは間違いなく低下していく姿になっております。 委員の御指摘も踏まえまして、二〇二〇年度のPB黒字化と債務残高の対GDP比を中長期的に着実に下げていく施策を、自民党、公明党協力し合ってこれからも出していくことが肝要だと考えております。
○山本香苗君 大変難しいことだとは思いますが、やるべきことはやっていかなくちゃいけないと思っております。 今お話がありました働き方改革、総理にお伺いしたいと思いますが、働き方改革は、もうこれは何としてもやらなくちゃいけないと思っています。まずは長時間労働の是正です。労使で合意をすれば事実上労働者を制限なく働かせることができるいわゆる三六協定の特別条項の見直しというのが急務です。 せんだっての施政方針演説で総理は、いわゆる三六協定でも超えることができない、罰則付きの時間外労働の限度を定める法改正について言及されました。これから、あしたでしょうか、働き方改革会議におきまして本格的な議論をスタートされて、罰則付きの時間外労働の限度はどのくらいかと、具体的な水準を決めると伺っておりますけれども、問題はその限度、残業時間の上限ですね、ここをどの水準にするかということが一番問題なわけです。厳しくするのか、緩くするのか、それによって大分意味合いが違ってきます。 そこで、どういう考え方に基づいて、どの水準に設定しようとお考えなのか、総理の御決意を是非お伺いしたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 一年余り前、入社一年目の女性が過酷な長時間労働の中において自らの命を絶つという大変悲惨な出来事がありました。毎年、脳疾患や心疾患やあるいは自殺という形で、働き過ぎによって多くの人たちが命を絶っている、あるいは大切な命を失っているのは事実でございます。このようなことは二度とあってはならないと、こう考えています。 この考え方の下に、あくまでも働く人の立場に立って考えていきたいと、こう思っておりますが、時間外労働の上限については、これが一番、確かに委員がおっしゃったように、この上限を何時間にするのかということが一番大切でありますから、我々は、法案の中にきっちりとそれを定めるべきだと、責任を持って定めるべきだと、こう考えております。政府の働き方改革実現会議において、これから有識者、労働者、使用者側の議員から様々な意見を伺って検討していくことになりますが、実態を見ながらしっかりと議論をし、明確に結論を出していく考えであります。 様々な職場があります。非常に繁忙期があって、このときはみんなで一生懸命やらないと、この辺に注文が集中して、このときに片付けなければいけないということもあるんだろうと思います。例えばかまぼこみたいなものがありますね。あれはお正月にどんと注文が来ます。他方、賞味期限がありますから、ここにどさっと作っていかないと一年間の売上げを維持していくということができないわけであります。 そういういろんな状況があるということも十分に加味をしながら、そして、誰に対して何時間の上限とするかを決めるに当たっては、脳・心疾患、心臓疾患の労災認定基準、いわゆる過労死基準をクリアするといった健康の確保を図ることが前提であります。その上で、女性や高齢者が活躍しやすい社会とする観点やワーク・ライフ・バランスを改善する観点など、様々な視点から議論をする必要があると、このように考えております。
○山本香苗君 是非働く人の立場に立ってこの水準を、今総理がおっしゃっていただいたようにいろんな形態ありますが、大企業のみならず、中小零細企業においても実効性のある水準にしていただきたい。上限を定めたんだけれども、定めたから家でもっと仕事をしなくちゃいけなくなるというような状況はあってはならないわけでありまして、いろんな形でしっかり、ここのところについては我が党としてもしっかり議論させていただきたいと思っております。 もう一つ、同一労働同一賃金、非正規、正規の不合理な格差というものを是正していかなくてはなりません。 昨年末に同一労働同一賃金のガイドライン案というものが公表されました。加藤大臣にお伺いしますが、これによって非正規雇用労働者の処遇改善はどこまで進むんでしょうか。どういう効果があると見込んでいらっしゃるんでしょうか。
○国務大臣(加藤勝信君) 同一労働同一賃金、今委員から御指摘ございましたけれども、昨年の末、ガイドラインを出させていただきました。そこでは、昇給の扱いが違う、通勤など各種手当が支給されない、福利厚生や研修において扱いが異なるなど、不合理な待遇差を個別具体的に是正するためのものでございます。 例えば、正規で働く方と非正規で働く方の待遇差において、賞与、ボーナスがございますけれども、これは正社員の八三%が支給されているのに対して、非正規の方に対しては三七%にとどまっていると。先般、非正規で働く方と総理との車座をいたしましたときにも、このボーナスが支給されないんだということに対する不満や、ある意味では、これだけ頑張っているのにと、そういう思いを聞かせていただいたところであります。 そこで、ガイドラインでは、賞与については正規労働者と同一の貢献をしている非正規雇用労働者には同一の支給をしなければならないということ、また、公明党からもこの同一労働同一賃金にも御提言をいただきましたけれども、それらを踏まえ、教育訓練、福利厚生施設、慶弔休暇、安全管理など、様々な待遇を幅広くカバーをする従来よりも踏み込んだ解釈をお示しをさせていただきました。 このガイドラインについては、これから関係者の御意見、また、具体的に法案の形に落としてまいりますから、その法案における国会審議、これを踏まえて最終的に確定したいと思っておりますが、このガイドラインについて、実効性を担保させなきゃいけませんから、今申し上げた法案に向けて、また、これは裁判での強制力を持たせるということでも大事であります。そうした法改正を早期に国会に提出することを目指して、まずは働き方改革実行計画、これを三月末を目途に取りまとめ、そして立案、立法作業に入らせていただきたい、こう考えております。
○山本香苗君 できる限り早く法改正をお願いしたいと思っておりますが、そもそもこのガイドライン案の中、見させていただきますと、私、法改正待つまでもなく、不合理な格差として解消されるべきものが入っているんじゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今、山本議員から御指摘をいただいたように、現行の不合理な労働条件を禁止する規定として既に労働契約法の第二十条というのがございます。同一の使用者の下で有期労働契約で働く方と無期の労働契約で働く方との間の労働条件の相違について、職務の内容、当該職務の内容及び配置の変更の範囲その他の事情を考慮して、不合理と認められるものであってはならないと既に規定をされています。 したがって、この規定による不合理な待遇差として許されない労働条件の具体例として、これは労働契約法の施行通達において、通勤手当、それから食堂の利用、安全管理などを明示をしております。これらについて労働条件を相違させることは、職務の内容その他の事情を考慮して特段の理由がない限り合理的とは認められないと解されるというふうになっているわけでございますので、これ、この現行の法律の下でもしっかりとやっていかなきゃいけないと、こういうことだと思います。
○山本香苗君 今おっしゃっていただいたとおり、通勤費なんですが、前回の派遣法改正に伴いまして、派遣会社が守らなきゃいけない指針に通勤費の支給というのが明記されたわけです。しかし、いまだに同じ派遣会社の中でも有期雇用であるということで通勤費が支給されていない場合があります。 こうしたケースは、今大臣おっしゃっていただいたとおり、法改正待つまでもなく、通勤費がちゃんと支給されるように改めて関係各方面にしっかり周知徹底をしていただきたいと思いますが、大臣、やっていただけますか。
○国務大臣(塩崎恭久君) これ、山本香苗厚労副大臣のときに派遣法の改正、成立を見たわけでありますが、この労働契約法、先ほどの第二十条によって、この有期労働契約を締結して派遣で働く方と派遣元の正社員を含む無期の労働契約で働く方の間で通勤手当について労働条件を相違させるということは、職務の内容と配置の変更の範囲その他の事情を考慮して特段の理由がない限りは合理的と認められないというふうになっているわけでありますので、こうした通勤手当、この取扱いについて、平成二十七年の今申し上げたこの派遣法の改正がなされたときの附帯決議、参議院で大変長いのがありました、これの中身を踏まえてその二十七年の九月に派遣元指針というのを改正をしました。この中で、派遣元が留意すべき事項として通勤手当についても規定をいたしましたところでございまして、派遣元に対してこのことを改めてしっかりと周知徹底をしてまいりたいというふうに考えておりますので、山本議員の意を受けてしっかりとまた頑張りたいと思います。
○山本香苗君 ありがとうございます。 次に、社会保障制度改革について伺いたいと思いますが、社会保障費、給付費は年々増えておりまして、年金、介護、医療、本当に大丈夫かという不安の声というのは根強くございます。こうした国民の皆様方の不安に応えるためには、しっかりとこの社会保障制度改革、着実に実行していかなくてはなりません。 年明けに現在の社会保障制度維持のための新組織を立ち上げるといったような報道がございました。よく聞いてみますと、実際は新たな組織を立ち上げるんじゃなくて、既にある会議の検討を再開するということなんですが、どういう検討を行われるんでしょうか。
○国務大臣(世耕弘成君) 今御指摘のは、生涯現役社会実現に向けた環境整備に関する検討会、これ経産省が主催をしてやらせていただいております。この検討を再開したいというふうに思っています。 今いろんな健康増進に役立つようなサービス、例えばスマホで食事の写真を撮って送ると管理栄養士の方からアドバイスをもらえるとか、あるいはいろんなウエアラブル端末も出てきています。私もこれ愛用していますが、歩数とか運動量だけじゃなくて、例えば一時間以上座りっ放しだと、そろそろ立ちましょうというような警告が出て、予算委員会の中では何回も出て困るんですけれども、そういう非常に健康維持に便利なサービスとか機器というのが出てきています。 もう既に経産省では、軽度の糖尿病患者千人の方に御協力をいただいて、そして医療機関とか保険者にも御協力をいただいて、こういうウエアラブル端末で取ったデータを集積して、そしてそれに基づいてそれぞれの方にアドバイスをする、そのことで糖尿病の進行をどの程度抑えられるかというような実証実験もやらせていただいております。 今御指摘の検討会では、是非こういったサービスや機器が、例えば生活習慣病患者の重症化予防ですとか、あるいは軽度な認知症の方の社会参画の継続、こういったことを行うことで患者とか要介護者の減少につながって、そしてそれが社会保障費全体の軽減につながっていくんではないかということで、今後とも精力的に検討を進めてまいりたいというふうに思っております。
○山本香苗君 何で経産省かなって思うところもあるわけでございますけれども、今回の検討では社会保障制度に対する提言も取りまとめられる予定だと伺っております。決してあのいつもの経産省の、ばあって数字だけが独り歩きすることがないように、よろしくお願いしたいと思います。 日本におきましては高齢者の数が増えております。今や六十五歳以上の方が総人口の二七・二%を占める時代になりました。それとともに、介護が必要な高齢者の数も増加しております。内閣府の高齢社会白書によれば、七十五歳以上の方の四人にお一人の方が要介護状態で、その大半は同居家族により介護がなされております。 そんな中で、家族介護に関わる虐待、心中、殺人といった不幸な事件が後を絶ちません。こうした実態を厚生労働省はどの程度把握されておられますでしょうか。
○政府参考人(蒲原基道君) お答え申し上げます。 厚生労働省におきましては、毎年、全国の市町村等に対しまして、高齢者虐待の対応状況等を把握するための調査を実施しております。この調査の中で、例えば、介護している親族による介護をめぐって発生した事件で、被害者が六十五歳以上、かつ虐待などによって死亡に至った事例についての項目がございます。この項目について市町村等から回答があった件数につきまして、平成二十六年度は合計で二十五件というふうになってございます。
○山本香苗君 今局長が答弁した数字というのは要介護者が六十五歳以上に限られているんです。また、あくまで自治体が把握した件数です。ですので、現実にはもっと多くの事件が起きていると推測されます。 また、高齢者虐待防止法では国が虐待事例の分析を行うこととなっていますけど、検証というのは明記されていません。そのため、検証が行われていません。しかし、私は、こうした悲惨な事件を防ぐためには、どうしてこういう事態に至ったのか、犯人捜しじゃなくて、個々の事件を丁寧に検証することというのは不可欠だと思うんです。 是非とも、厚労省が主導していただいて、事件の背景に関する情報を自治体と連携して収集して、分析して検証して再発防止につなげる仕組みというものをつくっていただきたいと思いますが、厚労大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 昨年の二月に厚労省で、発生した虐待事案の兆候をきめ細かく把握をしてできる限り早期に発見をし対応するということ、そして、対応後の検証を行うことで将来起こり得る虐待を未然に防止する取組を進めること、こういったことを自治体の方に厚労省から通知を出しました。 しかし、さらに、先ほど局長からお答え申し上げたとおり、高齢者虐待防止法に基づいて毎年実施をしている調査に加えて、平成二十九年度、来年度には、高齢者虐待における死亡事案等の事例の分析を、今お話がありましたようにこの分析を国としても新たに実施をしようと、こう考えております。 その分析結果等を自治体の方にまた周知をしていくということで、死亡事案等の未然防止に向けて取り組んでまいりたいというふうに考えております。
○山本香苗君 新たな仕組みつくっていただけるということでありますけれども。 滋賀県の守山市というところでは、平成二十六年度に認知症の方を在宅で介護する介護者を対象にした実態把握アンケートというのを独自に行いました。この調査では、介護者は五十代から七十代の方が五六・六%、全体の約七割が女性となっています。そして、介護の中で特に困っていることとして、転倒の危険性というのが最も多かったんですが、次いで介護の精神的負担が挙げられています。また、介護者がこれ以上家で介護するのは難しいと感じるときとして、一番多かったのが体調不良時、これが七二・五%、続いて、気が休まらないとき、将来の介護不安が挙げられて、介護者の深刻な実態というのが浮き彫りになりました。 この調査を受けて、守山市では平成二十七年度から、重度の認知症で常時見守りが必要な御家庭を保健師さんだとか認知症地域支援推進員等専門職の方が、集まってもらうことはできないので、個別に訪問していくという事業を始められたそうです。介護をしておられる方に、訪問して、お体大丈夫ですか、健康状態どうですかとお伺いするだけで、もう涙を流されるような方々がおられるそうです。 こうした自治体の取組は介護保険法に基づく地域支援事業の中で行われておりますが、あくまでこれは任意事業です。ですので、実際やっている自治体は少ないんです。 また、そもそも現行の介護保険制度では、介護する人が高齢かどうか、健康かどうか、また世帯構成がどうか、こういったことは十分考慮はされていません。しかし、今増えている介護者というのは、老老介護に見られるように、元気で強い介護者じゃないんです。誰かの手助けが必要な介護者が増えているわけです。私自身もこの厳しい現実というものを目の当たりにしています。家族も本人も本当に大変です。 こうした介護者の実態を踏まえた制度にしなければ在宅介護というのは成り立ちません。是非、介護者の視点、介護者含めた世帯を支えるという視点を制度にしっかり反映して施策の充実を努めていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) まさに介護離職ゼロというのを今目標に掲げながら安倍内閣としてこれに対応しているわけでありますけれども、今御指摘のように、介護を行う家族というのは本当目いっぱい、いっぱいいっぱいになって頑張っておられる方が多いわけでありまして、そこへの支援というのは極めて大事だというふうに思います。 その支援に関しましては、例えば、まず介護保険制度における市町村の地域支援事業として、介護者教育あるいは家族交流会などが開催をされてきております。加えて、本年度から、ケアマネジャーの研修の項目に介護を行う家族の皆様方に対する支援というのを新たに加えました。さらに、三十年度に向けて、これ、介護保険計画を三十年度に作るわけでありますが、これに向けて、各自治体が策定をする際に、この計画の中で国のガイドラインにも家族に対する支援について盛り込むように今後検討していきたいというふうに考えておりまして、それを見ながらそれぞれの各自治体が介護保険計画を、この家族への支援というものをしっかり入れ込んだ形でやれるようにガイドラインをしっかりしていきたいというふうに思います。
○山本香苗君 是非、現場で介護者支援が進むように、人員やまた予算が付くような形にしていただきたいと思っております。 次に、居住支援についてお伺いしたいと思いますが、住まいの確保というのはこの社会保障制度の大前提です。住まいがなければ職探しもままなりません。また、福祉にもなかなかつながりません。しかし、日本では住宅に係る負担が大きいわけです。 今現実に起きているのは、例えば高齢者だとか障害者、低所得の一人親世帯等、生活困窮者の方が一般の賃貸住宅に入ろうとすると、家賃の滞納だとかまた孤独死等々の懸念があって入居拒否だとか更新拒否、そういうものに遭うことがあるわけです。我が党の地方議員の元にも最近こうした御相談が増えていると伺っております。他方で、借り手が付かない空き家というのは全国的に増えているわけです。これからも増えると言われております。 そこで、我が党は、こうした現状を踏まえまして、空き家等を有効活用して、入居拒否、更新拒否が起きないように、様々なトラブル対応などの支援付きの家賃の安い住宅を提供する新たな住宅セーフティーネットを構築するべきだと、国会質問だとか各種提言で求めてまいりました。結果、どうなったんでしょうか。石井大臣、お願いします。
○国務大臣(石井啓一君) 高齢者や子育て世帯などの住宅確保要配慮者が安心して暮らせる住宅を確保することは重要な政策課題でございます。今後、人口減少や厳しい行財政事情の下、公営住宅の大幅な増加は見込めない状況にある一方で、民間の空き家、空き室が増加していることから、空き家や空き室を活用した新たな住宅セーフティーネット制度につきまして、昨年三月に閣議決定をいたしました住生活基本計画において基本的な政策として位置付け、これまで検討を進めてきているところであります。 現在、住宅確保要配慮者の入居を拒まない賃貸住宅の登録制度や生活保護受給者の住宅扶助費等の代理納付を推進する措置などを内容とする住宅セーフティーネット法の改正案について、今国会において御審議をいただくべく所要の準備を進めているところでございます。これに併せて、住宅確保要配慮者向けの賃貸住宅の改修費や家賃対策への支援、居住支援協議会の活動への支援等を行うため、平成二十九年度政府予算案に所要の予算を計上しているところであります。 今後、改正法案や予算案について御審議をいただき、成立した暁には、地方公共団体、住宅や福祉に関係する団体等と連携し、制度の実施に向けて取り組んでまいります。
○山本香苗君 ありがとうございます。 確認ですが、今おっしゃっていただいた予算というのは、当然のことながら期間の定めのない恒久的な措置ですよね。
○国務大臣(石井啓一君) 住宅確保要配慮者の居住の安定を図る上で、予算による支援は有効な政策でございます。このため、国土交通省としては、先ほど申し上げたとおり、平成二十九年度予算案に所要の予算を計上しているところでありますが、今後とも、必要な予算の確保に最大限取り組み、住宅セーフティーネット機能の強化を図ってまいりたいと存じます。
○山本香苗君 恒久的にやっていただけるという御答弁だと思って次に進みたいと思いますが、新たな住宅セーフティーネットを構築するために、住まいの安心だけじゃなくて暮らしの安心の両方が必要です。つまり、国交省だけじゃなくて厚労省との連携が不可欠だと思います。 昨年の十二月二十二日、国土交通省と厚生労働省による福祉・住宅行政の連携強化のための連絡協議会を立ち上げていただきました。ありがとうございました。今後、この連絡協議会、どう進めていかれますか。
○国務大臣(塩崎恭久君) これは、去年の臨時国会の際に山本議員から厳しく御指摘をいただいて、大変前向きなお話でございますので、昨年十二月に国交省と厚労省と一緒になって福祉・住宅行政の連携強化のための連絡協議会というのを始めまして、私も第一回目の会合には参加をさせていただきました。 生活困窮者、それから高齢者、一人親などの住まいの確保に関する課題として、家賃の負担の軽減、それから連帯保証人や緊急連絡先の確保、こういったことがあるわけでありますけれども、また、こうした支援を要する方々に対しまして、住まいと併せて、見守り、それから生活支援、こういうものをどう提供をしていくのかという課題をトータルに考えなきゃいかぬだろうと、こういうことでございました。 今後は、既に一部の自治体が行っております低所得高齢者の住まいの確保と生活支援、これを行うモデル的な取組の普及をしっかり検討していこうということとともに、国交省において新たな住宅セーフティーネット制度構築に向けて法案提出を予定をしていると伺っているわけでございますので、国交省と私ども厚労省もしっかりと連携をして、福祉分野でしっかりと活用できる仕組みを構築したいというふうに考えております。 さらに、現在進めております生活困窮者自立支援法の見直しというのが来るわけでありますので、これに向けた議論の中でも居住支援というのは大きな論点の一つとなっておりますので、やはりトータルな政策としてこういった立場の方々、弱い立場の方々をしっかりと応援をしていきたいと、このように考えております。
○国務大臣(石井啓一君) 昨年、委員からいただいた御提案を踏まえまして、国土交通省、厚生労働省の関係局長級による福祉・住宅行政の連携強化のための連絡協議会を設置をいたしました。十二月二十二日に開催をいたしました第一回の会合では、住宅セーフティーネットの強化の在り方等の両省の施策の現状や今後の方向性について情報共有、意見交換を行ったところであります。 国土交通省といたしましては、今後、連絡協議会において新たな住宅セーフティーネット制度が実効的な取組となるよう、生活保護受給者の住宅扶助費等の代理納付の推進による入居の円滑化や各地域における居住支援協議会活動の充実に向けた方策について協議を行うとともに、国土交通省の住宅政策と厚生労働省の生活困窮者政策、高齢者政策、子育て支援政策等との連携の在り方について意見交換を行いまして、効果的な政策の実現を図ってまいりたいと存じます。
○山本香苗君 ばらばらに答えていただきましたけれども、縦割りを乗り越えていただいて新たな住宅セーフティーネット構築をしていただきたいと思うんですが、もう一つお願いがありまして、これ、住宅セーフティーネット構築といったときに、行政だけじゃできないんですね。民間の力というのは不可欠なんです。今回この連絡協議会を立ち上げていただいたら、居住支援関係の方々の関心度が物すごい高まっておりまして、是非こうした居住支援関係の方々、民間団体等の方々との意見交換の場を設定をしていただいて、もう官民一体で進めていくと、そういう体制をつくっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 先ほど申し上げたとおり、こういったお立場の方々はトータルな支援というのが必要だということでありますので、居住支援を進めていく際にも、効果的にやるためには、不動産事業者、それから家賃保証会社、それから個々の家主、さらには生活困窮者自立相談支援機関などのいろいろな相談機関がありますが、そういうところ、さらには、居住支援に取り組む社会福祉法人あるいはNPO法人、こういうところは生活支援についても詳しい人たちが多いわけでありますので、こういった関係者が抱えている課題を共有をして、そして解決に向けて意見交換をしていくことが今御指摘のとおり大変重要だと思います。 したがって、国交省とも連携をして、国交省側にはまた民間のいろいろな団体がありましょうから、民間の居住支援団体などと調整をしてそのような場を設けていきたいと思っておりますし、国交省、そして厚労省、そして民間団体の意見交換の場というようなものも設けていこうというふうに、今の連絡協議会とは別に立ち上げていきたいというふうに考えております。
○国務大臣(石井啓一君) 住宅確保要配慮者の居住に関する現状と課題について、住宅関連の団体だけでなく、居住支援に取り組むNPO法人、社会福祉法人等と情報共有や意見交換を行うことは極めて重要であると考えております。 これまでも住宅や福祉分野のNPOや事業者等も参加する居住支援協議会の全国会議を国土交通省と厚生労働省の共催により開催するなどの取組を行っているところでございますが、さらに、委員の御指摘を踏まえまして、住宅確保要配慮者の居住の安定に向けた今後の施策の検討、実施に生かしていくため、厚生労働省とともに様々な居住支援を行う団体との間において現場の課題を共有し、率直な意見交換を行う場を設けることといたしたいと存じます。
○山本香苗君 ありがとうございます。 そこで、一つこれを機に検討していただきたいんですが、無料低額宿泊所というものがございます。これは社会福祉法の第二種社会福祉事業です。厚生労働省の調査によりますと、平成二十七年六月末現在で全国に五百三十七施設ございます。様々な問題を抱えて住まいや生活に困った人、例えば、仕事を失って生活に困ってしまった、病院を退院する際に帰る家がない、一人で自立した生活ができない、こうした方々が一万五千六百人入所しておりまして、その約九割が生活保護を受給しています。 この無料低額宿泊所においては、入所者の状況に応じまして食事の提供だとか金銭管理であったりとか就労支援等、熱心に生活支援を提供している施設が相当数存在する一方で、一つの部屋を二つ三つに区切って、物すごく劣悪な状況の中で生活保護費を吸い上げている、いわゆる貧困ビジネスと言われるような事例も指摘をされております。 私も以前、地元で、ピンはねされている人がいるから助けたってと言われて関わったことがあります。でも、結局その方は出ていかなかったんです。なぜかと。その方は、元々路上生活をしていて、声を掛けられて入所したそうなんですが、そこを出ても入る先がないんです。民間賃貸住宅に入れないんです。入ったとしても自力で生活できない。結局はまた路上生活に戻ることになると。だったら、劣悪であったとしても、ピンはねされていたとしても、食事も出て雨露しのげる方がいい。それで出ていかなかったと。 そのとき私は思ったんです。もう悪いところは徹底的に規制せんとあかんと。でも、規制するだけでもあかんと。やっぱりこういう人たちのためにちゃんとした自立できる受皿が必要なんやと思ったわけなんです。済みません、急に関西弁になりまして。 本当に、ちゃんとしている無料低額宿泊所というのは、先ほど申し上げたとおり、ちゃんと生活支援やっているわけです。一生懸命やっています。ですから、この次のステップにつながっているケースというのもたくさん出てきています。しかし、この生活支援の提供に係る人件費等のコストというのは、生活保護体系の中できちんと位置付けられていないんです。そのために、平成二十七年一月に取りまとめられました厚生労働省の審議会報告書では、生活支援の提供に係るコストに対応する扶助の仕組みを検討することも必要である、このようにしてまとめられています。 ちゃんとした無料低額宿泊所が実施している生活支援については、やっぱり何らかの制度的な付与というものを検討すべきじゃないかと考えますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今御指摘のように、全国に五百か所余りある無料低額宿泊所の質という意味ではいろいろ幅があって、今御指摘のとおり大変悪質なものもあって、狭い部屋に生活保護受給者を住まわせて高額の利用料を取るという、いわゆる貧困ビジネスをやっているというところがある一方で、受給者からの日常生活上の相談に応じて、また見守りなどの様々な支援を一生懸命やっていただいているところもあるということでございます。 そこで、無料低額宿泊所を経営する事業者が生活支援のサービスを提供する場合に、現状では生活保護制度上に提供体制などに関する基準がないという今御指摘の問題点があって、受給者に支払われる保護費の一部が人件費などのコストに結果として充てられているという実情があるわけですね。その関係審議会でもこの点に関する指摘がなされておりまして、現在、事業者との意見交換等を通じまして現場の実態把握を今鋭意進めておるところでございます。 今後、制度全体の見直しを検討していく中で中身をしっかりと詰めてまいりたいと思っておりまして、この無料低額宿泊所の質が上がって、そしてそこで暮らす方々の暮らしの質も上がっていくようにしていきたいというふうに考えております。
○山本香苗君 無料低額宿泊所は一つの住宅セーフティーネットだと思うんですね。誰も置き去りにしないと、独りぼっちをつくらないと。今、厚生労働省で一生懸命、我が事・丸ごと地域共生社会を実現するということもやっていただいておりますが、私はこうした中でもしっかり議論をしていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。 脊髄性筋萎縮症、SMAという病気を御存じでいらっしゃいますでしょうか。SMAというのは進行性の難病で、筋力の低下と筋肉の萎縮と麻痺を引き起こす神経難病で、もう既に指定難病になっています。状態によって1型から4型に分類されます。罹患率というのは十万人に一人か二人と。発症は乳幼児期が多くて、重篤な場合は気管切開して人工呼吸器を付けなければ生きていけません。本人と家族の負担というのはもう本当に想像を絶するものがございます。 今までSMAには治療方法も薬もないと言われてきました。しかし、先日、SMA家族の会の方からSMAの治療薬ができたんですと、昨年十二月二十三日、アメリカで申請後三か月足らずでスピード承認されて、日本でも昨年十二月十二日、PMDAに承認申請がなされたと伺いました。 患者さんたちは、今、日々進行する症状と闘っています。年齢とともに手足の可動域というのが減っていくんです。時がたつにつれて自分でできることが少なくなっていくんです。気管切開をしなくて済めば、人工呼吸器を付けなくて済めば、本人、家族の負担はどれだけ軽くなるか。 この治療薬は既にPMDAにおいて優先審査対象にしていただいているんですが、ですが、一刻でも早く承認をしていただきたいと。もう全国から届いた患者と家族の声も、たった数週間、年末からなんですけれども、このように一冊の冊子になりました。もう一刻も早く承認していただけますよう、厚労大臣、よろしくお願いいたします。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今御指摘の脊髄性筋萎縮症、いわゆるSMAですが、この治療薬については御指摘のとおり昨年十二月に承認申請が行われておりまして、患者数が極めて少ない希少疾病用医薬品として優先的な審査を行う医薬品に既に御指摘のように指定をしております。これ、通常十二か月ぐらい掛かると思うわけでありますけれども、九か月以内に承認することを目標として今審査が進められております。 この医薬品は脊髄性筋萎縮症に対して効果が極めて高いというふうに言われている治療薬でありまして、重要な医薬品であることを我々もよく認識しておりますので、今御指摘でございますので、改めて、できるだけ早期に承認できるように、現場の方でもよくこの問題意識を持って対処していきたいというふうに思っております。
○山本香苗君 大阪の小学校三年生のSMA患者の女の子からこんな声が届いています。 私は新薬がなぜ欲しいかというと、自分にできることが増えるからです。例えば、髪の毛が結べるようになったり、むせたときに自分でたんが取れるようになったり、冬でも寝返りができたりしたらうれしいからです。しかし、新薬は背中に注射を打たなければなりません。だから痛いです。麻酔をしても痛いです。でも、痛いのも入院も我慢しただけで、自分だけでできることが幾つか増えます。今までお母さんに新薬の注射をしようと言われても嫌だとばかり私は言っていました。だけど、今思ったら、自分でできることが増えるんだ、そんなチャンスを逃すのは、絶対何があっても逃すのは嫌なんだと思いました。だからこそ、日本は新薬を許してくれると私は信じている。それは、私の夢にもなるくらい欲しい薬です。しないとするのどちらかで私のできることの数が決まってきます。 一日も早く夢をかなえてあげたいと思います。総理、一言いただけますでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この新薬の承認というのは、それを待っている患者さんにとっては極めて重大なことであって、自分の人生あるいは命にも関わってくることなんだろうと思います。 また、この言わば希少薬、オーファンドラッグについては、なかなかこれは対象患者数が少ないために製薬メーカーも開発に二の足を踏むところもあるんですが、日本としてもこのオーファンドラッグへの支援等もやっているわけでありますが、せっかく米国で治験が済んで実際に使われているわけでありますから、しっかりとそうした患者さんの思いを受けて厚労省としてもそうした新薬の承認について臨んでもらいたいと、このように思います。
○山本香苗君 ありがとうございました。 がらりと変わりまして、日米関係についてお伺いします。 冷戦期以降今日に至るまで、長きにわたりましてアメリカを中心とする国際秩序というのが維持されてきました。しかし、トランプ大統領は、オバマ大統領同様、アメリカは世界の警察官をやらないと公言されています。今後、アメリカを中心とした国際秩序というものは壊れていくのかどうか、どう変わっていくのか、総理の率直な御意見をお伺いしたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) トランプ大統領は就任演説で、今日から米国第一主義という新たなビジョンによって米国は統治されると、そして、同時にまた、従来の同盟関係を強化し、新たな同盟関係をつくり上げ、イスラム過激テロリズムを壊滅させること等を明確にしたわけであります。 米国というのは、言わば自由世界のリーダーとして米国にしかできないこと等を率先してやってきたわけであります。だからこそ、言わば自由世界のリーダーであった。そして、自由、民主主義、基本的人権、法の支配、そうした普遍的価値のチャンピオンであったわけであった。それがどう変化していくのかということは、これからまさにトランプ政権のメンバーが決まり外交方針が定まっていく中においてこれ見極めていきたいと、こう思うわけでありますが、私も十日に首脳会談を予定しています。 まさに、米国が発揮するリーダーシップ、それを、また米国のプレゼンス、特にこのアジア太平洋地域では必要としている、米国が今まで担ってきた役割が必要だということもお話をしたいし、あるいはまた、国連を始め世界の国々が様々な努力を共同で行ってきた、共に貢献し合ってきた中における米国のその貢献の重要性等についてもお話もさせていただきたいと、このように思っております。
○山本香苗君 もう一つ。施政方針演説において総理は、日米関係は不変の原則と強調されました。この御発言の真意を教えてください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この不変というのは言い過ぎではないかという批判も一部にあったんですが、今、トランプ政権が誕生して、同盟というのは果たしてどうなっていくんだという中において、この世界の状況というのは予見性がだんだん低くなってきている。そして、アジア太平洋地域においては安全保障環境は厳しさを増している中において、この日米同盟が揺らいだら大変なことになるなという不安を持っている。これは日本人だけではなくて、先般も四か国を訪問したわけでありますが、アジアの国々も、やっぱり日米同盟関係というのはアジアの平和と安定に大切だな、大丈夫かなと思っている中においては、やっぱりこれは大丈夫だよということをきっちりと示していく必要があるんだろう。 もちろん、それは、一体これ何年先までとかいうことを質問もされたんですが、これは友情関係で、私と石井準一さんとの友情は不変ですよと言うのと、まあ当面大丈夫ですよ、十年、二十年は大丈夫ですよと言えば、これ大丈夫かということになるわけでありますが、これはまさにお互いに助け合うという関係は変わらない、不変だということをもってして、私と石井さんの間に付け入る隙はないなということにもなるわけでありまして、そうした言わば日米同盟が、今や世界で様々な課題に共に取り組んでいく希望の同盟になったという演説をしたわけでありますが、まさにそれは、オバマ政権からトランプ政権になってもそれは全く変わらないんだということをお示しをしようという思いで述べたわけでありますが、と同時に、米国という国は、日本は日本一国のみで日本を守ることができない中において、最強の力を持つ米国のみが言わばこのアジア太平洋地域においてプレゼンスを確保できて、そしてそれをもって日本を守ることができる、それは世界を見渡しても米国しかいないわけでありまして、その下に不変だということを申し上げたところでございます。
○山本香苗君 我が国の外交・安全保障政策は日米同盟を基軸として成り立っていると、これは私も今後は変わらないと考えるんですが、ただ、今変わらないという話なんですけど、本当にこのまま、今のままで日米同盟いくんでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まさにそのことを確認する上においても二月十日の首脳会談は重要であると、このように思っております。 言わば、安保条約の五条、重要なところは、十条までしかないものでありますが、五条と六条でありまして、特に日本にとっては五条が極めて重要であって、いざというときに米軍が来援して、来援してですね、共同対処するというこの基本、これは変わらないと。言わば条約は紙に書いたものでありますが、信頼関係があって初めて魂が入り実効性を持つものになるわけでありますから、そういうものなんだということを改めて確認し世界に示す、そういう会談にしたいと、このように考えております。
○山本香苗君 今日の読売新聞の一面にもありましたけれども、トランプ大統領が日本の自動車貿易は公平じゃないということを、日本を名指しで批判したわけでありますが、そうしたことを、先日総理は、トランプ大統領との会談におきましてアメリカ経済への日本の企業の貢献というものを説明されたということなんですけど、やはり日本企業の活動というものが阻害されないように、政府としてもしっかり後押ししていくことが必要だと思うんですが、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 日米関係においては、トランプ政権がこれは初めてではなくて、今までも、例えばTPP交渉をしている中においても、オバマ政権時代にも、自動車において、何で米国の自動車見かけないんだというそういう話はよくされます、いろんなレベルでですね。そのときには我々は的確な反論をしてきているわけであります。かつてクリントン政権時代にも数値目標というのを出されました。あるいは鉄鋼等についてもスーパー三〇一条というのも、これはWTO違反じゃないかといっても、それを発動するといってこれ震え上がらせたのも、そういう時代もあったわけであります。 しかし、あの時代から相当この構造が変わって、日米において、米国において投資をし、八十五万人の投資をし、そして、車においても、その周辺も入れれば百万人以上の雇用を自動車だけでつくっている。直接の雇用は八十五万人でありますが、関わる人たちを増やしていけば自動車だけでも百万人を超えているわけでありますから、そういうことも説明しながら、ウイン・ウインの関係なんだということで、一方が利益を得ているだけではなくてお互いに裨益しているんだということをしっかりと説明しながら、反論すべきところはしっかりと反論をしていきたいと、このように考えております。
○山本香苗君 二月十日、トランプ大統領とお会いされるというわけでございますが、本日御答弁していただいたことを、我が国の国益をしっかりと踏まえて、負けないでお話をしてきていただきたいということを申し上げまして、同僚の三浦議員に替わります。 ありがとうございました。
○委員長(山本一太君) 関連質疑を許します。三浦信祐君。
○三浦信祐君 公明党の三浦信祐でございます。 初めてですけれども、関連して質問をさせていただきます。 昨年、熊本、鳥取での地震災害、北海道、東北の豪雨や台風災害が発生し、多くの方が復興復旧を心待ちにされております。また、先週は各地で大雪の被害もありました。 東日本大震災から六年がたちます。総理は施政方針演説の中で、さらには公明党の山口代表の代表質問に対しても、福島復興特措法を改正し、福島イノベーション・コースト構想を推進すると力強く述べていただきました。この構想の具体化が希望が行き渡る国をつくるということへ直結をすると思います。 迅速な災害復旧復興への対応について、また、国民の生命と財産を守り、自然災害に対して力強い、強い国づくりをする防災・減災の取組について、総理の力強い御決意をいただければと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 熊本地震については、二度の補正予算により、インフラの復旧や住まいの確保、なりわい・産業の復興をきめ細やかに推進をしてきたところであります。また、現在御審議をいただいている第三次補正予算案や提出している平成二十九年度予算案においても、北海道や岩手の台風被害や鳥取県中部を震源とする地震を含め、災害復旧事業費等を盛り込むなど、自然災害からの早期の復旧復興に向け政府一丸となって全力で対応しているところであります。 さらに、先週、各地での大雪を踏まえまして、これから降雪期のピークを迎える中において、除排雪の機動的な実施など雪害防止に全力を挙げていく考えであります。 今後とも、政府としては、被災者の皆様方がその地域において住み続けていくことができるよう、なりわいを続けていくことができるよう、また皆さんに希望を持って前を向いて進んでいっていただけるように、自治体とともにスピード感を持ってなりわいの復興に向けた被災者支援に取り組むとともに、様々な災害に対して、これまで得られた教訓や生み出された制度、そして知恵を総動員して、不断の見直しを行いつつ、ソフト、ハード一体となった総合的な防災・減災対策に万全を期していきたいと考えております。
○三浦信祐君 ありがとうございます。是非、国民の皆様の安心、安全のために強力なリーダーシップを発揮していただきたいと思います。 本日は、災害復旧対応に直接当たっていただく建設業、また自衛隊の皆さんのことについて絞って質問をさせていただきたいと思います。 災害復旧は、土木、建築の建設業、また社会インフラに携わっていただいている電気、ガス、水道に関連する技能労働者の皆さん、職人の皆さんなくしてはあり得ないと思います。 パネルを御覧いただきたいと思います。(資料提示)平成二十七年時点での建設業技能労働者の年齢構成とその人数のグラフです。約三百三十万人のうち、五十五歳以上の方が約百十万人、あと十年もしますと三割の方が引退する可能性があります。一方で、若年層の割合が著しく低くなっております。災害復旧予算を付けたとしても、建設技能労働者の確保なくして事業の推進また復旧復興というのはできなくなってしまいます。 若年層が入職しづらい現状の認識と対策、また、更なる建設業技能労働者の処遇改善も含めて、石井大臣、今後国交省はどのように具体的に取り組んでいくか、御答弁いただきたいと思います。
○国務大臣(石井啓一君) 建設産業におきましては、長く続いた建設投資の減少や競争の激化等に伴いまして、技能労働者の賃金の低下等の処遇の悪化が進むとともに、若年者の入職が少なくなり、他産業と比べても高齢者の割合が高い構造となっております。そのため、今委員がパネルでお示しをいただいたとおり、近い将来、高齢の技能労働者の大量離職が見込まれることから、中長期的な人材の確保、育成が急務となっております。 このため、平成二十六年の改正品確法におきましては、将来にわたる公共工事の品質確保及びその担い手の中長期的な確保、育成を図ることが基本理念として明記されたところでございます。 このような状況を踏まえまして、関係業界と連携を図りつつ、技能労働者の入職を促進するための取組を進めております。 具体的には、技能労働者の賃金水準の向上の観点から、公共工事設計労務単価を四度にわたって引き上げてまいりました。この結果、全国平均では、平成二十八年度では平成二十四年度比プラス三四・七%設計労務単価が上がってございます。 また、将来への安心の観点から、社会保険への加入を促進をしております。また、働きやすい職場づくりの観点から、週休二日モデル工事の実施や女性も働きやすい現場の職場環境の改善を行っております。さらに、効率的な技能の習得の観点から、業界団体が運営する教育訓練センターの充実強化への支援を行っております。また、年間を通じて安定した仕事の確保の観点から、施工時期の平準化などに取り組んでおります。 こういった取組などもありまして、建設業への若年者の入職者数は近年回復傾向にございますが、今後とも技能労働者の確保、育成にしっかりと取り組んでまいりたいと存じます。
○三浦信祐君 ありがとうございます。 労務単価四回上げていただいた、これすごくいいことだと思いますし、また公共工事の品確法を担い手三法も含めて改正をしていただきましたけれども、この担い手三法が効いてくるのは国及び地方自治体が発注者、すなわち事業主で、民間事業者が受注した関係に適用されていきます。すなわち、官対民との関係になるわけです。 一方で、建物などの発注者、施主と建設作業受注者が共に民間企業の場合には担い手三法が及んでいかないわけです。ダンピングや工期に余裕がない計画であったりすれば、結果として技能労働者へ体力的にも経済的にもしわ寄せが行ってしまうと思います。建設業技能労働者の適正利潤、休暇の確保などが持続可能な担い手確保に必要だと思います。民間と民間との関係について、現状認識を石井大臣にお願いいたします。
○国務大臣(石井啓一君) 公共工事におきましては、いわゆる担い手三法の中の改正品確法におきまして発注者の責務が明確化されておりまして、担い手の中長期的な育成、確保のための適正な利潤を企業が確保できるよう、予定価格の適正な設定や効果的なダンピング対策の実施など、法の趣旨の徹底に取り組んでいるところでございます。 一方、民間発注の工事については改正品確法の適用対象とはなっておりませんが、公共工事と同様に、受発注者間や元請、下請間における請負契約の適正化を図ることが重要であると認識をしております。 このため、国土交通省におきましては、民間工事でありましても、発注者が自己の取引上の地位を利用して不当に低い請負金額での契約を締結しないように建設業法令遵守ガイドラインの周知徹底、また、契約締結の時点では正確に想定できないような施工上のリスクについて事前に情報共有や協議すべき項目を整理をいたしました民間工事指針の策定、さらに、業界団体などに対する適正な賃金水準の確保の要請など、様々な取組を実施しているところであります。 こうした取組も踏まえながら、今後更に、十年先の将来におきましても建設産業が生産性を高めながら現場力を維持できるように、昨年十月に国土交通省に設置をいたしました建設産業政策会議におきまして、民間工事を含めた技能労働者の処遇改善策についても議論を深めてまいりたいと考えております。
○三浦信祐君 是非実効性ある取組を進めていただきたいと思います。 建設技能労働者への投資、また環境改善というのは、一面では災害への安全保障とも言えると思います。また、業種によっては公共工事は仕事の中の二割程度しかなくて、ほとんどが民間取引という業態もあると思います。是非しっかり取り組んでいただきますよう、よろしくお願いいたします。 パネルを御覧いただきたいと思います。これは、内閣府の政府広報室が平成二十七年三月に公表しました自衛隊・防衛問題に関する世論調査で、自衛隊の災害派遣活動に対する評価を示しております。九八%の方々が評価するとしております。災害発生時の自衛隊の活躍に対する国民の期待、また信頼は極めて高いと思います。 震災が起こったり災害が起こったときの被災者の避難地及び避難先のケアでは、自立して活動できる自衛隊の役割が大きな力となってきます。中でも、男性自衛官よりも女性自衛官がベターな場合もあるかと思います。災害時における防衛省・自衛隊、特に女性自衛官のこれまでの取組を稲田大臣に伺います。
○国務大臣(稲田朋美君) 三浦委員におかれましては、十八年間、防衛大学で幹部自衛官の育成に多大な貢献をいただいたことに感謝申し上げます。 さて、今お示しいただいたこのパネルのように、自衛隊の災害派遣活動に対する国民の評価、九八%に上るということでございます。これは、東日本大震災、また昨年の四月の熊本地震などにおける災害派遣活動において、自衛隊員一人一人が国民の生命と財産を守るという強い意思を持って人命救助やきめ細やかな生活支援活動を実施したたまものであると考えております。 その中で、女性自衛官の取組ですが、東日本大震災では、岩手県において活動中の第九師団が、被災者の支援の一環として、カウンセリングの知識、技能を持つ女性自衛官四名でお話伺い隊を臨時に編成しました。お話伺い隊は、女性の視点に立ったきめ細やかな対応ができる女性自衛官が各避難所を巡回し、被災者四百十一名に対し、今の気持ちや暮らしぶりを語ってもらい、長引く避難生活がもたらすストレスの軽減に努めたところでございます。 また、各避難所では女性特有の要望が多かったことから、女性に対する救援物資に関する御用聞き、聞き取り調査ですが、及び物品を渡す担当として女性自衛官が担うなど、できるだけ被災者のニーズに沿った臨機かつ迅速な活動を行ったところです。 このほか、熊本地震の際も入浴支援や医療支援の際に女性自衛官を配置するなど、女性を含む様々な被災者に寄り添った支援を行っているところでございます。
○三浦信祐君 ありがとうございます。きめ細やかな対応をしていただいたということだと思います。 公明党は、三・一一以降に防災対策への女性の視点の導入することが大事であるとして女性防災会議を設置し、綿密な調査を行ってまいりました。全ての都道府県防災会議において女性の登用を実現するなど、防災での男女共同参画を強力に推進してまいりました。 さて、第三次男女共同参画基本計画の実施状況についての意見、防災・復興における男女参画の推進についての中でこのようにあります。今後も大規模な災害の際には女性自衛官の活動が現地の状況を踏まえてより積極的かつ迅速に展開されることが期待される、また、女性の自衛官等の定着の促進、災害対応についての平時からの研修及び訓練の充実とあります。一昨年閣議決定をされました第四次男女共同参画基本計画では、これらの視点で確立をするともうたわれております。 稲田大臣、これらの提言を踏まえましての対応状況、また、これまでの災害派遣において女性活躍の視点で得られた経験と課題は何でしょうか。
○国務大臣(稲田朋美君) 御指摘の第三次男女共同参画基本計画の実施状況についての意見及び第四次男女共同参画基本計画では、防災や災害対応の現場における意欲のある女性自衛官の参画拡大等について記述をされております。 防衛省・自衛隊としては、こうした点も踏まえつつ、女性自衛官の災害派遣業務等への参画促進のため、防衛省における女性職員活躍とワークライフバランス推進のための取組計画に基づき、女性が能力を発揮でき役割を十分に果たすことができるよう、女性の採用、登用の拡大に取り組んでいるところです。 東日本大震災や熊本地震での経験では、女性を含む様々な被災者のニーズへのきめ細やかな配慮が重要であり、女性自衛官による対応が望まれる場面も多く見受けられました。今後も南海トラフ地震や首都直下型地震のような大規模震災の発生が予測されるところです。こうした大規模震災への自衛隊の対応においては、人命救助のみならず、被災者支援に際して、女性自衛官による対応を含め、被災者のニーズへより柔軟かつきめ細やかに配慮した、被災者に寄り添った支援を行うことが重要であると考えております。 さらに、災害支援などのために緊急登庁する際に、女性自衛官を含む自衛官が子弟を一時的に預ける必要が生じることも考えられます。実際に東日本大震災への対応において、緊急登庁する自衛官の児童一時預かりの実施体制の確立及び自治体との連携により充実させる必要があるとの教訓を得たところでございます。 これを踏まえ、防衛省では、緊急登庁時の子供一時預かりのための体制整備を推進しているところであり、今後とも女性自衛官を含む自衛官が安心して任務を遂行できるよう様々な施策に努めてまいります。
○三浦信祐君 ありがとうございます。 お話を伺った上で提案をさせていただきたいと思いますけれども、災害発生後、混乱期の一定期間、行政の皆さんも被災をしている可能性があります。その僅かな初期のときに、被災者支援女性自衛官のチームを結成する、又は女性自衛官も含めた教育隊の皆さんなどに専門的な訓練、経験値の共有、即応体制の確立をしてはいかがでしょうか。最高指揮官の安倍総理の御決断、御決意を伺いたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 自衛隊の創設以来、自衛隊における女性活躍の歴史は既に六十年を超えております。多様な視点が求められる時代にあって、自衛隊がその役割をより一層有効に果たしていくためには、女性の力は絶対的に必要であると考えています。 自衛隊の任務の中でも災害派遣は国民の期待の高い分野でありまして、特に、災害発生、今御指摘があったような発生直後ですね、不自由な生活を強いられ、そして疲労も極限に達している被災者の生活支援はますますこれ重要な役割となってきていると思います。 その際、被災者お一人お一人の置かれた状況に的確に対応し、そして被災者に寄り添った支援を行うためには、女性自衛官を含むきめ細かな対応が必要不可欠であり、委員御指摘のように、女性自衛官による対応体制の充実強化は重要な課題と考えています。 今後、発生が懸念される南海トラフ地震や首都直下地震を始め、各種災害への対応に万全を期すために、必要な体制の整備についてしっかりと検討してまいります。
○三浦信祐君 大変お力強い言葉ありがとうございます。 女性自衛官、今約全体の五・九%。そして、平成二十九年度から全体に対して採用を一〇%にしよう、そして二〇三〇年度には九%にしていこう。この災害復旧復興対策に本当に心意気に感じて入隊をされる方もたくさんおられると思います。是非総理のリーダーシップ、よろしくお願いします。 今回の補正予算の中に計上されております自衛隊の装備品の維持管理、加えて充実というのは、日本周辺の厳しい安全保障環境に対応するためには不可欠であると思います。しかし、これは一面、ハードの部分だけの対応だと思います。 先ほど大臣からもお話しいただきましたけれども、私も参議院議員になる前には防衛大学校の教官をさせていただきました。その卒業生が現役の幹部自衛官になったときに、常に携帯電話を見たりして、大きな地震があったら即座にいつでも飛んでいけるような心構えをしていること、そして指揮官として平素から緊張感、責任感を持って振る舞っていること、加えて、仕事として自分の部下を必ず安全に家族の下に送り返すんだという強い意思、これに大変敬意を表しているところであります。 災害時などにおいて、自衛官の皆さんが安心して任務に当たっていけるようにする。また、募集の安定を考えれば、先ほどもありましたワーク・ライフ・バランスなどの環境の整備、すなわちソフト面の充実というのが重要だと思います。子育て支援、二十四時間託児所等の拡充や展開というのが必要だと思います。防衛省の認識とこれからの取組、具体的に御答弁を稲田大臣にお願いしたいと思います。
○国務大臣(稲田朋美君) 御指摘のように、女性のみならず、全ての子供を抱える隊員が勤務を継続できる環境を整える観点から、保育の確保は重要な課題であると認識をいたしております。 防衛省・自衛隊では、保育の確保に係る施策として、自衛隊の任務の特殊性を踏まえた庁内託児施設の整備を進めており、これまで六か所整備し、うち五か所で二十四時間保育を可能としております。 また、隊員のニーズや関係する地方自治体の取組などを考慮しつつ、更なる庁内託児施設開設の可能性についても引き続き検討をしており、平成二十九年度には新たに市ケ谷地区と防衛医科大学校で庁内託児施設の新規開設を計画をしているところです。 さらに、市ケ谷地区に開設する庁内託児施設については、子ども・子育て支援法に基づく事業内保育所としての認可を得るべく地元自治体と調整中であります。既存の庁内託児施設についても、運営状況や関係自治体の取組等を踏まえつつ、認可保育所への移行を調整をしているところでございます。 能力と意欲を有する隊員が子供を持ちながら隊務に精励できるよう、庁内託児施設を含む各種の環境整備に努めてまいります。
○三浦信祐君 大臣、ありがとうございます。私、非常に大事な取組だと思いますので、今後も継続してやっていただければなと思います。 さて、災害時には予備自衛官も招集をされることになります。事業所の方々も安心して送り出していける、予備自衛官の方々も喜んで任務に当たっていける、そういう環境をつくっていくことが大事だと思います。そう考えますと、自衛官と同様に、その今お話をいただきました託児所等の利用も可能とすべきだと思いますけれども、稲田大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(稲田朋美君) 災害派遣等の緊急登庁時において、ほかに預ける先がなく、子供を帯同して登庁せざるを得ない隊員の子供を自衛隊の駐屯地等で一時的に預かる体制の整備を進めております。これまで全国百七十三駐屯地等において災害派遣等の緊急登庁時に子供を五日間程度預かるために必要な備品等を整備しているところでございます。 派遣される隊員が不安を抱くことなく任務に専念できる環境づくりが必要であると考えており、御指摘の予備自衛官が招集されて活動を行う場合を含め、子供を一時預かる体制を検討し、緊急登庁支援の更なる充実を図ってまいりたいと考えております。
○三浦信祐君 ありがとうございます。 災害派遣が長期にわたった場合にも、様々こういうケースも現役の自衛官にあると思います。セーフティーネット社会を自衛隊においてもつくる、警察、消防にもこれが波及をしていく、そうすることによって災害が起こったときの初動をしっかりできるような体制をつくっていくことになると思います。 今後とも政府一丸となって、是非安心、安全、セーフティーネット社会をつくっていただきますようお願いを申し上げまして、私の質問とさせていただきます。ありがとうございました。
○委員長(山本一太君) 以上で山本香苗君及び三浦信祐君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(山本一太君) 次に、田村智子君の質疑を行います。田村智子君。
○田村智子君 日本共産党の田村智子です。 働き方改革についてお聞きいたします。 過労死、過労自殺という痛ましい事件が後を絶ちません。安倍内閣は、働き方改革で多様な働き方を実現すると、こういうふうに言われていますけれども、総理、端的にお聞きします。これは労働条件や労働環境を良くしていこうという改革なのか、そうではないのか、お答えください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私は、働き方改革を始める際に、働く人の立場に立った改革、意欲ある皆さんに多様なチャンスを生み出す労働制度の大胆な改革を進めますと申し上げてきたところでありまして、働く人の視点に立った改革を進めてまいります。
○田村智子君 そうしますと、日本の労働条件良くしていこうと。これ、EU諸国と見ても大きな差があるわけです。パネル御覧ください。資料御覧ください。(資料提示) 例えば労働時間の規制、EU諸国が守るべきルールというのがEU指令というもので出されていて、この指令に沿ってEU各国は自国の法律を整備しています。 そうすると、時間外労働も含めて週四十八時間まで、これがEU指令の中身なんですね。残業をやっても週四十八時間まで。一方、日本は残業時間の上限規定がありません。これ、後でまた詳しくやっていきます。 また、インターバル規制、昨日も議論になっていました。仕事が終わった時間と次の日の出勤時間の間に十一時間の休息時間の確保を義務付けているのがEU指令、EUの国々です。日本には規制がありません。ですから、深夜一時、二時まで働いても翌朝の定時出勤というのは当たり前になっているわけです。 こうした国際的にも遅れている労働条件を改善する、この道に踏み出すべきではありませんか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 先ほど総理から御答弁申し上げましたとおり、働く方々の立場に立った改革をやるということで、当然のことながら、労働時間規制等々、そういった制度についてしっかりと今回も働き方改革実現会議で議論するということになって、もう既に始めているわけであります。特に長時間労働についてはこれから本格的に議論をするということで、我が国の実態を見ながら、働く方々の立場、視点に立ってしっかりと議論をし、実効性のある制度を、そして対策をつくってまいりたいと考えているところでございます。 今、海外との比較をされました。例えばILOの条約などについても指摘をされることがありますが、おおむね我が国の労働法制と整合的に私はなっていると思っておりまして、批准にはもちろん、一部改正、国内の法改正をしなきゃいけない点がありますので慎重な検討があるというところがありますけれども、労働時間の水準をILOが求めているわけでありますが、それについては基本的には実現をしているというふうに考えているわけでございます。 また、G7の中でもイギリスとかアメリカとかでは、やはりこの労働時間に関するILOの条約というのは十ありますけれども、いずれも一つも批准をしていないという、しかし国内と海外とのバランスはおおむね取れているという恐らく理解でそれぞれの国もやっているんではないかというふうに思っております。
○田村智子君 先にILO条約まで御答弁いただいたんですけれども、このEU諸国と日本の労働条件の大きな違い、厚生労働大臣言われたとおり、そのILO条約の批准というのは、私、やっぱりこれは指標になるというふうに思うわけです。ILO条約というのは労働条件の最低基準を国際基準として決めていくと、こういう中身なんですね。 改めてお聞きします。じゃ、このILO条約の中で労働時間についての条約、これが幾つあって、日本が批准しているものは幾つあるのか、お答えください。
○国務大臣(岸田文雄君) ILO条約のうち、ILOによって締結が奨励されている労働時間に関する条約、合わせて十本あります。そのうち我が国が締結しているものはございません。 この十本につきましては、日本以外にもアメリカ、イギリスなど四十五か国が十本全く締結していないという状況でありますし、G7各国を見ましても、日本、アメリカ、英国、これは全く締結していませんが、それ以外も、ドイツが十本中一本だけ締結している、フランスとカナダが二本だけ締結している、これが現状であります。
○田村智子君 例えば日本が批准していないILO条約、一号条約という最も基本的な条約、工場の労働者に一日八時間以上働かせてはならない、週四十八時間働かせてはならない、これも日本は批准をしていないわけですよ。労働時間という最も基本的な労働条件で国際基準を受け入れようとしていない、この政府の姿勢の下で過労死という、これ世界が驚く異様な事態が日本で起きていると、このことは直視しなければならないと思うんです。 先ほどもう厚労大臣御答弁いただいたので総理にお聞きします。労働時間の上限、休息時間、休日の保障、こういうことを決めた基本的なILO条約、これは批准していないんです、日本は。やはり批准に踏み出していって国際基準に追い付く、よく世界をリードすると総理おっしゃるわけですから、追い付いて更に前に行くということが必要ではないでしょうか。総理。
○国務大臣(塩崎恭久君) 先ほど一号条約についてもお話がございました。 これは一日八時間かつ一週四十八時間に制限するという条約でありますけれども、原則一週間を平均して週四十八時間の実労働時間の上限を設定をしていますけれども、労働基準法において我が国は三六協定の締結によって週四十八時間を超えて上限を定めることができるために、批准については慎重な検討が必要だということで整理をしているわけで、それぞれの国には労働市場がそれぞれあるわけでありまして、そこは労使の間での話合いの中でどういう形の規制がいいのかということは絶えず議論をしていただいた上で決めていくということが大事で、先ほど申し上げたように、また岸田大臣からもお話があったとおり、ILOの条約をそのまま受け入れているかというと、必ずしもそうなっていない。しかし、じゃそれを、言ってみれば哲学を潜脱しているかといったら、それもまた違うわけで、それぞれの国にはそれぞれの国の国内法制でもって働く方々を守るということをやっているというふうに理解すべきだというふうに思います。
○田村智子君 私、働き方改革の方向ということでILO条約の問題をお聞きしたんですけれども、これ現行と変わらなくていいよというような御答弁で、本当にそれで働き方改革できるのかなということを大変疑問に思わなければならないです。 じゃ、具体的にお聞きしてまいります。 私は、二〇一〇年に初当選をして以来、その間もなくのときから、過労死や過労自殺で息子さんや夫を亡くされたという遺族の方々と何度もお会いをしてまいりました。特に、全国過労死を考える家族の会の皆さんは、どうして過労死や過労自殺が繰り返されるのか、一日も早くこれをなくしていく抜本的な対策が必要だと、何度も何度も何年も掛けて私たち国会議員へのロビー活動を続けてこられました。その最初の一歩として超党派の議員立法で過労死防止対策推進法も作られましたが、この法律には盛り込まれなかったたくさんの政策提言を受けているわけです。 そういう下で、電通で入社して一年足らずの高橋まつりさんが長時間労働に追い詰められて命を絶つという痛ましい事件が起きてしまいました。この事件に真剣に向き合うということが求められていると思います。まず、この事件について概要御説明ください。
○国務大臣(塩崎恭久君) 私ども、この電通の問題については真剣に取り組んでいるところであることはまず申し上げたいというふうに思います。 本件は、昨年の九月に労災認定を行った後に、この事件そのものがまずどういうことかということでありますから申し上げますと、十月にまず電通の本社、それから三支社、主要子会社五社の本社に対しまして管轄の労働局が立入調査を実施いたしました。その後、十一月の七日に電通の本社と三支社に対しまして強制捜査を実施をいたしまして、十二月二十八日に東京労働局が労働時間に関する労働基準法違反の容疑の固まったものについて、電通ほか一名、これを書類送検をいたしました。これは、労働基準法第三十六条に基づく時間外労働に関する協定で定める限度時間を超えて、平成二十七年十月一日から同年の十二月三十一日までの間にそれぞれ違法な時間外労働を行わせたものだということでございます。 現在、三支社も含めて捜査継続中でございます。
○田村智子君 総理も、この事件については、このような悲劇を二度と繰り返さないとの強い決意ということを国会で繰り返し表明をしていただいています。 なぜこういう事件が起きたのか、この検討が必要だと思いますが、総理の御見解を。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 当然、なぜこの事件が起きたかという実態について解明していくことは絶対的に必要だろうと、こう思っております。 この件については、現在、全容解明に向けて労働局において継続した捜査が行われておりますが、一方、厚生労働省は昨年十二月に過労死等ゼロ緊急対策を取りまとめまして、労働時間の適正な把握の徹底や、長時間労働に関し企業本社に対する指導、是正指導の段階での企業名の公表等、法改正を待たずに対応可能な施策についてはスピード感を持って対応しておりますが、いずれにせよ、二度とこのような悲劇は繰り返してはならないとの決意の中で取り組んでいきたいと思っております。
○田村智子君 これは先週の本会議でも自民党の代表の方が、働き過ぎや残業して当たり前の企業風土があるという御指摘をされているんですね。習慣とか風土ということが言われていることがあるわけですよ。しかし、過労死という深刻な問題を、風土とか習慣とか、こういう問題に解消するわけにはいかないわけです。 二度と起きないように政治が何をすべきかというこの観点から、一つ一つ聞いてまいります。 まず確認いたします。日本でも、使用者、いわゆる経営者は、一日八時間、週四十時間を超えて労働させてはならないと法律で定めているはずです。どうして一日八時間を超えた労働が許されるのでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 労働基準法におきまして、時間外労働に関する労使協定、いわゆる三六協定を締結をして、所定の労働基準監督署に届け出ることによって、法定労働時間、今の一日八時間、一週四十時間、この原則でございますが、これを超えて労働をさせることができるというふうになっているところでございます。 三六協定で、まあ、そこまででよろしいですかね。
○田村智子君 パネルにもしました。労働基準法三十二条、一日八時間、週四十時間を超えて労働させてはならない。これ、違反をすれば懲役六か月以内若しくは罰金三十万円という、こういう罰則も定められているわけです。 ところが、経営者と労働組合あるいは労働者の代表が労働時間の延長、つまり残業時間、これを例えば一か月四十五時間以内というふうに協定をする、約束をする。そして、その協定書を労働基準監督署に届け出る。すると、その範囲の中で、一日八時間を超えて働かせても法律違反にならなくなってしまう。これが労働基準法三十六条に基づく協定なので、いわゆる三六協定と呼ばれているわけです。 では、この三六協定で、一日八時間、週四十時間、この大原則をなきものにされるんですけれども、労働時間延長の上限、この定めはありますか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 三六協定で法定労働時間を超えて労働させる時間を定める際には、例えば、一月四十五時間、一年間で三百六十時間などの延長時間の限度を定めた大臣告示というのがございまして、いわゆるこの限度基準告示に適合するようにしなければならないというふうになっているところでございます。
○田村智子君 これも表にしました。この大臣告示の上限基準、これ週十五時間からあるんですね、細かい単位では。週十五時間、月四十五時間、年三百六十時間。これを超える労働時間の延長は、それでは認められないということなんでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) お配りの資料にもございますように、特別条項というのがございます。限度基準告示において、限度時間を超えて労働時間を延長しなければならない特別の事情が生じたときに限って特別条項というのが定められることになっておりまして、その限度時間につきましては、それを超えて労働をさせることができるというふうになっているわけでございます。 現状として、特別条項では上限時間は限定をされていないわけでありますが、限度基準告示におきまして、延長時間はできる限り短くするよう努めなければならないとされているところでございます。
○田村智子君 これは労働組合の方とかあるいは弁護士の方などにお聞きしますと、三六協定、どんなふうに届けられているか。 まず、この大臣告示の基準である月四十五時間を残業時間の上限とすると、こう決める。その上で、ただし書で、受注が集中し納期が逼迫したときには、労使の協議を経て一か月百時間まで延長することができるなど、これ例えばです、この時間とか文章は。こういう簡単なただし書で、繁忙期にはとか納期が逼迫しているときにはとか、こういう曖昧な文章の一文で一か月百時間とか書けちゃうわけですよ。 先ほども御答弁ありましたが、もう一度確認します。このただし書の特別条項と呼ばれるものに上限時間の上限を課す何らかの規定、これはないということでよろしいでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) それはございません。 したがって、今、働き方改革実現会議でまさに三六協定が実効性のあるものになるように議論しようということで、今議論がまさに始まるところでございます。
○田村智子君 ないんですね。ですから、私もインターネットで三六協定ってどういうものかと調べていきますと、企業向けに三六協定の書き方を教えるサイトがいろいろあるんです。そうすると何と書いてあるか。特別条項はできるだけ長い時間を記載しておきましょうと、こうアドバイスするようなものまであるわけですよ。一日八時間を超えて労働させてはならないという法律も、残業時間は月四十五時間以内とする大臣告示も、こうやって合法的に骨抜きにされている。これは長時間労働が、風土ではなくて、法制度そのものの欠陥、大穴にこそ一番の原因があるということを示しています。 電通の問題に照らしてこの問題見ていきます。報道では、電通は一日の労働時間は七時間としていて、残業時間上限は月七十時間というものだそうです。ただし、繁忙期には、これに加えて五十時間の延長というとんでもない三六協定を届け出ていて、こんなとんでもない三六協定を労基署は受け取っていたということだと思います。 では、高橋まつりさんの実際の残業時間はどのように確認されていますか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今回、電通を書類送検をしたのは、労働基準法違反の容疑で長時間労働を強いていたということでございます。 ただ、今御質問の件につきましては、個別の事案の詳細でございますが、ただいま捜査中でもございますので、お答えを差し控えたいというふうに思います。
○田村智子君 報道では、遺族が労災認定に当たって入館記録を集計したところ、月百三十時間を超える残業があったと言われています。 では、高橋まつりさんが会社に申告をしていた残業時間はどうなっていましたか。
○国務大臣(塩崎恭久君) それもやはり個別の捜査案件のことでございますので、詳細は差し控えたいというふうに思います。
○田村智子君 これもう報道もされていますし、これだけの大問題なので、せめて三六協定以内だったぐらいの御答弁いただきたかったというふうに思うんですけれども、これ申告は、三六協定で出している月七十時間に収めるように、十月は六十九・九時間、十一月は六十九・五時間、十二月は六十九・八時間と、こうなっていたと言われているんです。 上司らは、申告された時間が実態と全く違うということを知っていた。それでも、仕事の期限を守るようにと指示するだけで、業務量の調整などは全くやらなかった。そして期限内に仕事ができないと、あなたの能力が足りないんだと、こういうパワハラを繰り返していたと、こういう報道されているんです。 労働時間を自己申告制とすることで三六協定も歯止めになっていない、こういうことではないんでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今御指摘の自己申告でありますが、原則は使用者が把握をしないといけないと、労働時間に関しては、といいながら、この自己申告というのもあり得るということで、この労働時間把握を自己申告を通じてやる場合には、労働時間管理が曖昧になりがちであるということから、各企業において労働時間を適正に把握するための措置をしっかりととる必要があるというふうに考えております。
○田村智子君 自己申告に問題があるからいろんな指導をしてきたということだというふうに思いますが、これ、仕事が遅いとか、あなたの残業は無駄だと、こんなふうに上司に言われていたら、残業をありのままに申告することはこれできないですよ。 自己申告制は長時間労働の隠れみのです。この問題は今指摘されていることじゃないんですね。過労死問題に関わってきた皆さん、長年指摘され、私たち日本共産党も九〇年代から二〇〇〇年の初めにかけて集中的に国会で取り上げてきました。その下で、二〇〇一年四月六日、厚生労働省は初めて、使用者には、経営者には労働者が働いた時間を把握する責任がある、このことを明確にする通達を出しています。これ二〇〇一年四月六日なので、日付を取って四・六通達というふうに呼ばれていますが、この中で自主申告制についてはどのように述べていますか。
○国務大臣(塩崎恭久君) いわゆる今おっしゃった四・六通達でございますが、その中で、御指摘の通達は、労働時間を管理する原則的な方法として、使用者自身による確認あるいはタイムカード等の客観的な記録を基礎とした確認を定めていたわけでございます。他方で、自己申告制による労働時間把握を行う場合は管理が曖昧に先ほど申し上げたようになりがちでありますので、このような場合に講ずべき措置として、自己申告で把握をした労働時間が実際の労働時間と合致しているか、必要に応じて実態調査することなどを定めていたというふうに理解をしております。
○田村智子君 管理の仕方をこれもパネルにしました。 適正に自己申告を行うようにと説明をする、あるいは、それが合致していない場合には実態調査を行う、労働時間ちゃんと申告ができないような阻害要件、こういうのを作っては駄目だと、ありのままに申告できるようにしなさいと。 電通が、この四・六通達、二〇〇一年ですよ、二〇〇一年に出されたこの四・六通達にのっとって実際の労働時間を真面目に管理していれば、三六協定を超えるような月百三十時間もの残業というのはこれできなかったはずなんですね、させられなかったはずなんですよ。 そもそも、この四・六通達、労働時間の管理責任は使用者、企業にある、これ明確にしたのはどういう経緯だったか。一九九一年、電通に入社をして二年目の二十四歳の男性社員が自殺をしたと。遺族は長時間労働が自殺の原因だとする裁判を起こして最高裁まで闘って、二〇〇〇年に日本の司法判断で初めて過労自殺を、これは過労自殺ということを、過労が自殺を生むということを初めて認定したんです。これ確定したんです。この判決が四・六通達の直接の契機だったはずなんですね。 この一九九一年の事件についても概要を御説明ください。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今の最高裁の事件の概要でございますか。 この判決では、使用者は、その雇用する労働者に従事させる業務を定めてこれを管理するに際し、業務の執行に伴う疲労や心理的負荷等が過度に蓄積して労働者の心身の健康を損なうことがないように注意する義務を負うというふうに判決がなされたところでございます。 ただ、私どもは、この御指摘の判例につきまして、四・六通達の発出に至ったもとだという御指摘でございますけれども、我々はそうは考えておりませんで、この四・六通達を発出するに至ったきっかけは、平成十二年十一月の中央労働基準審議会、ここで、使用者が賃金全額払いなどの労働基準法の規定に違反しないよう労働時間管理を行うことについて建議がなされたことによるものでございまして、いずれにしても四・六通達は、今回実は新しいガイドラインを年末の緊急対策で出しましたので、この緊急対策によって、このガイドラインができることによって四・六通達は廃止をしたということになるわけでございますが、先ほどの最高裁の話は先ほど申し上げたとおりでございます。
○田村智子君 大臣言われたところにつながっていくんですよ、この電通の初めての過労自殺の認定ですからね。 これ、どういうことが起きていたかというと、もう自殺するまで、一月から八月までのこの期間で残業時間の一か月平均百四十七時間、これ事実認定されているんですよ。ところが、自己申告していた残業時間は、少ない月が四十八時間、多い月が八十五時間、こういう申告がされていたと。これに乖離があるということを使用者は知っていたのに何ら手だてを取らなかった、その安全配慮義務違反ということがこれ認定をされているわけですよ。これ全く同じじゃないですか、今起きている高橋まつりさんの事件と。 この裁判でも、九一年のときにも、電通は一貫して、自己申告された労働時間を根拠に長時間労働はなかったといって裁判を闘ったわけです。遺族は苦労に苦労を重ねて、深夜退社するときにはセキュリティー上この記録がされていると、退社時間記録されていると。この事実をつかんで、ようやくその時間を集計して労働実態を暴いていったという裁判だったわけですよ。 電通がこのときの最高裁判決を真摯に受け止めて、そして四・六通達に基づく労働時間の管理徹底していたら、高橋まつりさんを死に至らしめることはなかったと思いますが、どうですか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今御指摘をいただいた四・六通達に従って企業が、あるいは電通のような企業がその手順をしっかりと踏んで遵法精神に満ちた対応を取っていれば問題が起きなかったんじゃないかという御指摘でございますが、私どもも基本的に、今回、何でこの働き方改革をやっているかといえば、それは法令としてはきちっとある、そして、今の法律になっていなくても通達があって、それが守られていないということに問題があるというふうにも思っているわけで、さっき企業の風土といって御指摘をいただきましたけれども、まさに、この企業文化というのはまさに法律どおりやらないという文化でもあるわけでありますので、これは看過できないと。 私どもとしては、やはりきっちり法律に従ってやらなきゃいけないし、法律が十分でなければ、今回議論を経て、どういうふうにこれが実効性のあるものにして、長時間労働、意に反する長時間労働を強いられるというようなことがないようにするかということをまさにこれから議論するということでございます。
○田村智子君 こういうところで文化なんて言葉が出てくるのは驚きですよ。 これ、総理にもお聞きしたいんです。これ、電通一社のことではないんですね。この事件を繰り返さないと言うんだったら、やはり、労働者が過労によって病み、命をも落とす、こういう事態を防ぐためには、労働者一人一人の労働時間を適正に管理する、この責任を企業に徹底する、その厳正な実施を求める、これが必要だと思いますが、いかがですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 長時間労働を防止をし、そして労働者の健康を守るためには、事業主が労働時間を適切に把握し、そして管理することは当然のことであります。この労働時間をタイムカードなどでなく自己申告により把握する方法を取った場合、実際に働いた時間と自己申告により把握した時間との間に乖離があってはならないと、こう考えています。 このため、厚生労働省では、昨年取りまとめた過労死等ゼロ緊急対策に基づいて、今月二十日に使用者向けの新たなガイドラインを策定しました。自己申告により把握した労働時間と入場記録などから把握した在社時間との間に著しい乖離があったときは必ず実態調査を実施することや、労働者が自己申告できる時間外労働に上限を設けてこれを超える申告を認めないなど、使用者が適正な自己申告を妨げることをしてはならないことなどを盛り込んでおります。 今後は、このガイドラインに基づいて労働局や労働基準監督署が監督指導を行い、労働時間の適正な管理の徹底を図っていく考えでありまして、引き続き、長時間労働をなくし、過労死の悲劇を二度と繰り返さないとの強い決意であらゆる手段を講じていく考えであります。
○田村智子君 ところが、政府が国会に提出している労働基準法改正法案、これ、労働時間の管理を強めるどころかむしろ後退させるものではないかというふうに私は大変危惧をしています。 具体的に聞いていきます。その一つ、裁量労働制の規制緩和、対象拡大、これについてお聞きしますが、まず、裁量労働制というのがどういうものなのか、御説明ください。
○国務大臣(塩崎恭久君) 裁量労働制といいますのは、業務の遂行手段や時間配分を自らの裁量で決定をする自律的で創造的に働く方を対象として限って、労使であらかじめ合意をした時間を労働時間とする制度でございます。 この制度では、深夜や休日は時間に応じた割増し賃金を支払いつつ、通常の労働時間は労使であらかじめ決めた時間労働にしたとみなすものでございます。
○田村智子君 みなし時間というのをあらかじめ例えば八時間というふうに決めますと、十二時間一日働いても四時間分の残業はなかったことにされるということなんですね。深夜労働と休日労働については割増し賃金の支払の義務がありますが、それ以外の残業代は払わなくていいという制度になります、簡単に言うと。 もう一点確認しますが、裁量労働制の労働者、では、これは過去五年間、労災認定はどういうふうになっていますか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 労災認定の件数のお尋ねでございましたが、過去五年間を見ますと、これ平成二十三年度から二十七年度の五年間でございますが、裁量労働制の対象者に係る脳・心臓疾患の労災認定、この件数を申し上げますと、これ二種類ございますが、専門業務型というのと企画業務型というのがありますが、専門業務型が十五件、それから企画業務型が一件でございます。それぞれ死亡事例は、専門業務型が五件、企画業務型はゼロでございます。 また、精神障害の労災認定件数というのは、専門業務型が二十六件で、うち死亡事例が四件、そして企画業務型、今回法改正をお願いをしている分でありますが、これについては二件でございまして、死亡事例はゼロでございます。
○田村智子君 この専門業務型というのは大変対象が広くて、いわゆる技術職というのは広く対象にされているわけです。例えばIBM、システムエンジニアはほぼ全員が裁量労働制だとお聞きをします。どんな働き方しているんですかというふうにお聞きしましたら、ある会社のシステム開発を受注すると、自分の会社ではなくて、そのお客さんの企業に行って働くことになる。客先常駐というそうです。お客さん企業にずっと行きっ放しになっちゃう。自分の会社が無理な納期で仕事を請け負うために、約束の期限が近づくと異常な長時間労働になるのはもう当たり前だと。自分の裁量で働けるどころか、会社が請け負った契約と顧客企業の都合で長時間労働を余儀なくされていると。こういう下で過労死まで起きるような労災認定が行われているということです。 大臣が言った過労死起きていないよという企画業務型、こういうのは限定的なんです。営業職の業務、極めて限定的に対象となっていますが、今の法律で裁量労働制の対象となり得る営業の業務の例、なり得ないものの例を示してください。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今回の労働基準法の改正で御提起申し上げている裁量労働制、企画の方を指しているというふうに理解すれば……(発言する者あり)今回の企画裁量型の労働制に関して申し上げれば、自社の、まあ言ってみれば自社の経営を全体を変えるような、自社の事業計画などの企画立案の調査分析をするような、そういう場合のものが対象でございますので、例えばルートセールスみたいな、コピー機を売り込みに行くとか、そういうようなものが対象となるわけではないのでございます。事業の運営に関する事項についての企画立案、調査分析業務でございまして、そういうものでございます。(発言する者あり)
○委員長(山本一太君) 塩崎厚労大臣。
○国務大臣(塩崎恭久君) いや、ですから、さっき申し上げたとおり、企画業務型の裁量労働制の場合の業務の対象という意味において申し上げれば、今申し上げたとおり、現在の制度でもそうですが、当該企業の事業の運営に係る事業についての企画立案、調査分析、こういう業務になるわけで、いわゆる外に行って営業するというようなものが対象になるものではないということでございます。
○田村智子君 今の法律では、自分の会社の営業方針を企画するという営業職は認めますが、裁量労働にしていいけれども、外に向けての営業、これは駄目ですよという、裁量労働やっちゃ駄目ですよと。 じゃ、法案、今度出してきている法案は、個別の企業をお客さんとする営業、これは認めることになるんじゃないんですか。
○国務大臣(塩崎恭久君) これも、今回提起申し上げているのは二種類あります。それは、一つは、自社の中だけで完結するような事業計画などの企画立案、調査分析に加えて、自社の中でも実施の管理や実施状況の評価、改善を行うために、例えば自分の会社の工場の現場に行って実際にシステムが機能するかどうかということをやるという、自社の範囲だけれども本社の中だけではないというところに出張っていくときもあり得るということについて、これはPDCAを回す業務と我々は言っていますけれども、裁量的に、ここに追加をしようということが一つであります。 今御指摘の、自社じゃない、当該企業ではないところへのいわゆる営業とおっしゃいましたが、我々はこの営業という言葉はもう少し分かりやすくした方がいいかなと思っておりますけれども、我々は今回、法人顧客、つまり取引先の相手、相手の事業計画そのものの全体、言ってみれば経営を左右するようなそういう企画立案、例えば、あれですね、銀行でいえば、例えば決済システム全体の提案、そういったことを指すわけでございまして、顧客である法人の事業全体に影響するような重要な事業計画の、あるいは経営方針の問題解決につながるものに限って提案をする、あるいは自ら企画立案して開発したプランとかサービスを提案すると。こういうものをできるように初めてしていこうということを今提案をしているところでございます。
○田村智子君 これ、課題解決型提案営業というのを新たに加えるというんですね。 じゃ、ちょっと具体的に聞きますよ。例えば、電通での高橋まつりさんの主な業務は、インターネット広告のデータを、相手先の企業のインターネット広告のデータを確認、分析し、問題を解決して新たな広告やサービス、こういう戦略をその顧客企業に提案するというものですけれども、これは課題解決型の営業そのものだと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 先ほど申し上げたように、あっ、その前にまず、この企画業務型裁量労働制の適用対象は、大臣告示で三年ないし五年程度の職務経験を経る必要があると定めておりますので、高橋まつりさんのように、一年生がなることはあり得ないことでございます。 それに加えて、今回追加をする課題解決型提案営業というのは、顧客である企業全体の経営を左右するような、さっき申し上げたとおり、ですから、何か部分的な宣伝のやり方とかそんなことではなく、それは企業全体の広報戦略とかそういうようなことはあり得ますけれども、ですから企業全体の経営を左右するような経営方針の企画立案などを対象とするものでありますので、高橋さんの仕事は、我々は報道で見る限りはそのような業務ではないというふうに聞いておりますので、そのような対象になることはあり得ないというふうに考えているわけでございます。
○田村智子君 それじゃ、広告業務全体はなり得ないでよろしいですか。
○国務大臣(塩崎恭久君) いわゆる狭い意味の広告ということで、単品の商品の広告とかそういうようなことでやることではないということであって、企業全体のイメージ戦略をどうするのかとかいう大きなお話の場合にはあり得るかも分からないということであって、それはしかし、広告業界の要望などについては我々はまだ承知をしておりませんので、今回の法改正に影響を与えるものでもないし、そういうことになることでもないと。少なくとも先ほど申し上げたように、高橋まつりさんは新入社員でありますから、少なくとも三年から五年という職務経験もない方が対象になって長時間労働を強いられるようなことはあり得ない制度だというふうにお考えをいただきたいと思います。
○田村智子君 電通は、オリンピック全体のイメージ戦略とか会社のイメージ戦略なんて幾らもやっているじゃないですか。 先取りしていただきましたけれども、確かに広告業界というのは、これは電通の会長さんが広告業協会の会長だったとき、一九九八年の法改正に当たって広告業務を営業職裁量労働の対象にしてほしいという要望書を当時の労働大臣にも出しているんですよ。広告業界の業務、これ当たらないとは、当時、最初にこの裁量労働制、企画業務型に広げるって議論やったときには広告業界の業務は入らないって当時は明確に答弁しているんですよ。今度はそれ崩れているじゃありませんか。 今、電通というのは、今回の事件を受けて夜十時に消灯ですよ。そうすると、朝の五時から出勤しているそうです。ちなみに、裁量労働で支払義務があるという深夜割増し賃金は深夜十時から翌朝五時までが深夜割増しの賃金対象なんですよ。ということは、今の電通に裁量労働制適用したら労働者全員残業代ゼロ、そういうことになるんじゃないですか。
○国務大臣(塩崎恭久君) この裁量労働制の制度についてのお尋ねが最初にございましたけれども、そのとき申し上げたように、自らの裁量でやり方とか時間とかを自分で決められる、それだけの力のある、専門性のある方が対象になるということでありますので、今回、課題解決型提案営業にしても、これは、その高橋まつりさんのような方がなることはないというのは、一年生だからならないというのも当然のこととしてありますけれども、それ以外でも、やはりこの対象になる人はまさに自ら企画立案、調査分析を行う方でなければいけないのであって、その相手の企業の言ってみれば経営を左右するような大きな問題についての企画提案を、立案をするということでありますので、十把一からげにそれに関わる人は全員裁量労働制になるかのようなことはあり得ないということでございます。
○田村智子君 労政審の建議で、これ広げると言ったときに具体的に何と言っているか。例えば、取引先企業のニーズを聴取し、社内で商品開発の企画立案を行い、当該ニーズに応じた課題解決型商品を開発の上、販売する業務、こういうのが当たると言われているんですよ。まさに、まつりさんがやっていたような仕事なんですよ。そうじゃないですか。 こういう広告業界、裁量労働制適用したら、総理、お聞きしたいんですけれども、残業代ゼロ法案じゃないと言うけど、これ、深夜と早朝までの間さえ働かなければまさに残業代ゼロで働かせることできるようになっちゃうんじゃないんですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今厚労大臣からもお答えをしております。今の質疑をお伺いさせていただいて、この裁量労働制に課題解決型提案営業の業務を対象として追加をしますが、その際、厚労大臣から答弁をいたしましたが、法人顧客の事業全体にとって重要な事業計画等の課題解決につながる業務であることということでありますから、これはやはり相当絞られるんではないかという私は印象を持っております。 その中において、これは電通ということではなくて一般論でありますが、一般論で申し上げれば、広告代理店が行う個別の広告の制作や広告枠、この広告枠の営業業務というのは大変多いと思いますが、企画業務型裁量労働制の対象とはならないと、このように考えております。
○田村智子君 それは労政審の建議で出されたものと総理の見解はかなり食い違っているということと、もう一つ、顧客企業との関係という仕事を入れてしまったら、さっきIBMの働き方言いましたけれども、相手の企業の納期に合わせなきゃいけないんですよ。相手の企業の要望に合わせて企画立案、調査しなければならないんですよ。そこにどうやって労働者の裁量が入り込むことができるのか。現に過労死まで起きているじゃないかということ、これは厳しく指摘しておきたいというふうに思います。 もう少し議論を進めたいんですね。 この裁量労働制よりも更に企業の労働時間管理の責任を後退させるのが高度プロフェッショナル制。これがどういうものか、御説明ください。
○国務大臣(塩崎恭久君) これは、高度プロフェッショナル制度というのは、高い専門能力を有して、時間ではなくて成果で評価をされる働き方を希望される方々について、自律的で創造的な働き方が可能となるような働き方の選択肢を増やすものだということでございます。
○田村智子君 一日八時間、週四十時間以上働かせてはならない、この労働時間の規制を適用除外とする働き方ということでよろしいですね。
○国務大臣(塩崎恭久君) この制度は、健康確保措置をしっかりと掛けた上で、言ってみれば残業代込みの年俸制のような働き方だというふうに御理解をいただければ分かりやすいかなというふうに思っております。(発言する者あり)
○委員長(山本一太君) 発言はきちっと委員長の許可を取ってからにして。質問してください。(発言する者あり) 塩崎厚労大臣。
○国務大臣(塩崎恭久君) 御指摘の労働時間の規制につきましては、先ほど申し上げたとおり、高い交渉力を有する高度専門職でございまして、労働時間規制は適用除外をいたすわけでございますが、それに代わって、働き方に合った健康確保のための新しい規制、罰則付きの規制というものを設けるということになっているわけでございます。
○田村智子君 済みません、罰則付きの規制って何ですか。
○国務大臣(塩崎恭久君) これは健康確保措置に関するものでございまして、これは、百時間を超える労働をした場合には医師の指導を受けないといけないということで、それをしなければ罰則が掛かると、こういうことでございます。
○田村智子君 まあその程度ってことですね。 それで、総理にもお聞きしたいんですけど、何でこんな働き方、これまで私ずっと労働時間の管理がいかに大切かということを過労死、過労自殺の問題で議論してきたわけですよ。その管理の対象から外すという働き方をなぜ今つくる必要があるんですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 現在提出をしている高度プロフェッショナル制度は、働き過ぎを防止するための施策を講ずるとともに、その意欲や能力を発揮できる新しい労働制度の選択を可能とするものでありまして、この制度は、時間ではなく成果で評価される働き方、これは自らそういう評価をしてもらいたいと、こう選んだ人にのみ適用されるわけでありまして、そして、かつ高い交渉力を有する高度専門職を対象としているわけでありまして、例えば、アイデアが湧いてきたときに集中して働く、健康の確保に十分留意しつつ、意欲や能力、創造性を存分に発揮できる環境をつくるためのものであります。 労働時間に画一的な枠をはめる従来の発想を乗り越えて、高度なプロフェッショナルの方々が自らの創造性を思う存分発揮できるようにするための制度であり、必要なものと、このように考えております。
○田村智子君 私、素朴に疑問なんですよ。例えば、総理、過去の御答弁でも、昼間休んで深夜に出勤してという働き方もあるじゃないかとか、長く働く日もあるけどたっぷり休む日もあるじゃないかという御答弁もあったんですけれども、これ、裁量労働制と何が違うんですか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 裁量労働制は、先ほど申し上げたとおり、時間法制は掛かるわけでありまして、そしてみなし時間で労使の合意の下で行われるということで、高度プロフェッショナルの場合には、これは時間で測るのではなくて成果で測るということで、これも労使の五分の四の多数決で決められた要件の下で合意をもちろん本人がした上で導入をされる新しい働き方であって、先ほど申し上げたとおり、残業代込みの年俸制というべきものだろうと思いますし、これ通常払われる賃金の三倍を超える所得のある方に限ってということで、これどのぐらいいるかというと、これ国税の統計で見ますとせいぜい三%ぐらいですけれども、その中で役員というのもありますので、まあその半分ぐらいしかおられないというごくごく限定された専門的なお力を持った方が選ばれる可能性のある働き方として提案を申し上げているということでございます。
○田村智子君 これ、時間ではなく成果では測る、そこが裁量労働制との違いだと。 それは具体的にどういうことか。裁量労働制は、先ほども言いました、深夜・休日労働については割増し賃金を支払うという義務があります。高度プロフェッショナル制にはその義務はないということですよね。
○国務大臣(塩崎恭久君) さっき申し上げたとおり、高度プロフェッショナルは残業代込みの年俸制とお考えをいただければいいということは、おっしゃるとおりでございます。
○田村智子君 裁量労働制だって残業代込みなんですよ。みなし時間ってそうやって見ているわけですよ。残業代込みの賃金にして、だけど深夜と休日は払う。高度プロフェッショナルはそれさえ払わなくていいと。 もう一点確認します。裁量労働制の場合は、どの時間帯で何時間働くか、あるいは業務のやり方について使用者が労働者に具体的な指示をしてはならないというふうに法律で定めています。高度プロフェッショナルはこういう定めがありますか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 高度プロフェッショナル制度は裁量労働制と異なりまして、深夜労働も含めた割増し賃金等の労働時間規制を適用除外というふうにしておりまして、これによって労働時間の長さと割増し賃金のリンクを完全に切り離すことが可能となっているわけでありまして、また、高度プロフェッショナル制度の対象業務については、先ほど来申し上げているとおり、企画業務型の裁量労働制と異なりまして、高度の専門的知識などを必要とし、その性質上、従事した時間と従事して得た成果との関連性が通常高くないと認められるといった要件が法律で定められております。 これらのことから、同制度は、この高度プロフェッショナル制度は、業務の遂行の手段や時間配分の決定などに関して使用者が具体的な指示をしないことを要求する企画業務型裁量労働制以上に、仕事の進め方や労働日、日にちですね、あるいは労働時間の配分、こういったことについて働く方に、その裁量に全く委ねるという制度になっているわけでございます。
○田村智子君 だったら、指示しないという条文が必要なんですよ。それすらないんですよ。裁量労働制は、それで指示しちゃったら裁量労働から元に戻らなくちゃならない、残業代全部払わなきゃならない。こんな定めも高度プロフェッショナル制にはありません。 これ、総理にお聞きしたいんですよ。裁量労働制よりも結局よっぽど使い勝手がいい働き方、こういうのをつくることになるんじゃないのか。年収要件というふうにおっしゃいましたけれども、結局、経団連の榊原会長は今年の年頭インタビューで、法律が成立してもいないのに、年収基準を引き下げて対象を広げるべきだと、既にこんなことも述べているわけです。 成果で測るんだ、こう言われれば労働者どうなるか。成果を上げるために長時間労働へと駆り立てられていくんじゃないのかということは、これもう考えればすぐに分かることだというふうに思うんです。それでも労働時間は自分が管理するんだ、そうなったら、過労死さえも自己責任にされてしまうんじゃないですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 再々厚労大臣からも答弁させていただいておりますが、年収要件としては大体一千万円以上ということになっています。そして、それは管理職ではないわけでありまして、管理職でなくて一千万円の年収があるという人は、まさにこれはプロフェッショナルな知識や能力がなければそういう報酬を受け取ってはいないんだろうと、こう思いますし、そういう人というのはこれは本当に少ないと思います。 そういう方々が、今、先ほども答弁をさせていただいたように、こういう、結果で見てもらった方がいいというそういう要望があればそういう働き方ができるようにするものでございまして、そういう人たちを言わば過酷な労働条件の中に落とし込んでいこうという考えは、もうこれは毛頭ないわけでありまして、むしろそういう方々が、そういう働き方を望んでいるという方々がそういう働き方ができるようにしていこうと、こういうものでございます。
○田村智子君 労働時間の管理がこれだけ問われているときに、その規制を一切受けない、こんな働き方つくるなんということは断じて認めるわけにはいきません。やるべきは逆ですよ。おっしゃるとおり、労働時間をしっかり管理する、そしてその上限を定めるということです。 上限規制のことに話を進めたいというふうに思います。 時間外労働を罰則付きで上限決める、そのための法案を提出する、私も賛成です、やらなきゃいけないと思います。ところが、この間の報道ですよ。繁忙期などは月百時間、二か月平均八十時間を上限とすると、こうやって決めるという報道が流れてきて昨日も議論になっていました。私は驚きました。過労死ラインを働く基準として法律で定める、こんなことがあってはならない。私は、せめて総理はその考え方示すべきだと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(加藤勝信君) 今まで田村議員が御議論いただきましたように、現在の三六協定では労使で合意すれば上限なく時間外労働が認められると。これを見直して、誰に対して何時間の上限とするか、これを明確に定めたいということで議論をさせていただいております。 この上限については、現在、政府の働き方改革実現会議において、まさにこれから有識者、経済界、労働界の代表の皆さんから様々な意見を伺って検討していくことになるわけでありますが、しっかりその実態、現状を見ながら議論をして結論を出したいと思っております。 何時間の上限とするかを決めるに当たっては、脳・心臓疾患の労災認定基準、いわゆる過労死基準をクリアするという健康確保を図る、これはまず大前提でありまして、その上で、女性や高齢者が活躍しやすい社会とする観点、またワーク・ライフ・バランスを改善する観点など、様々な視点から議論をしていきたいと、こういうふうに考えております。
○田村智子君 総理は働き方改革実現会議を主宰されているわけですから、いよいよあした議論するというわけですから、この過労死ラインの法制化は駄目だと、それぐらい言ってくださいよ。考え方として。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今、もう既に加藤大臣から答弁をさせていただいているところでありますが、時間外労働の上限については、政府の働き方改革実現会議において、これから有識者や労働者、使用者側の議員から様々な意見を伺って検討していくことになるわけでありまして、実態を見ながらしっかりと議論して結論を出していく考えであります。 誰に対して何時間の上限とするかを決めるに当たっては、脳あるいは心臓疾患の労災認定基準、いわゆる過労死基準をクリアするといった健康の確保を図ることが前提であります。その上で、女性や高齢者が活躍しやすい社会とする観点やワーク・ライフ・バランスを改善する観点など、様々な視点から議論をする必要があると考えております。
○田村智子君 その月百時間、二か月平均八十時間、これはいかがなものかという総理のお考えを示すことはできないんですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まあ、今まさにその議論が始まろうとしているわけでございますから、専門的な観点からしっかりと御議論をいただきたいと、労働者の代表の方も入っておられるわけでございますから、御議論をいただきたいと思っております。
○田村智子君 何で駄目かと言っているか。資料を御覧ください。 過重労働による健康被害を防ぐために、これ、厚労省が出しているパンフレットから取った図です。これ、ちょっと御説明いただきたいんですね。この月百時間超又は二か月から六か月の平均で月八十時間を超えるとどうなってしまうのか、どういう検討だったのか、お答えください。
○国務大臣(塩崎恭久君) 長時間労働や睡眠不足による疲労の蓄積というものが血圧の上昇などを生じさせて、その結果、血管病変等を著しく増悪させると。あるいは一日七、八時間程度の時間の睡眠ないしはそれに相当する休息を確保できる状態が最も健康的であるということなどに着目をしてこの専門検討会の報告書が医学的な知見を示しているということでございます。 具体的には、一日七、八時間程度の睡眠時間が確保できる状態は一か月おおむね四十五時間の時間外労働に相当し、おおむね四十五時間を超えて時間外労働時間が長くなるほど業務と発症との関連性が徐々に高まる。そして、発症前一か月前におおむね百時間又は発症前二か月間ないしは六か月間にわたって一か月当たりおおむね八十時間を超える時間外労働に継続して従事をした場合、この場合には業務と発症との関連性が強いこと、そして労働時間以外の負荷要因である不規則な勤務、拘束時間の長い勤務、出張の多い業務などについても評価する必要があるということなどが結論として報告をされているというふうに理解をしております。
○田村智子君 これ、大臣告示で何で週十五時間あるいは月四十五時間を決めたのか。健康に働けるラインがここだからということなんですよ。 そうしたら、一日八時間が原則で、繁忙期であっても大臣告示以内で働くんだと、こういう基準にすることが健康に働き続ける上での時間外労働の上限ということにならなきゃ私はおかしいというふうに思いますが、先ほど公明党の議員の質問に、総理はかまぼこ屋さんの例挙げて、繁忙期のときにはなかなか難しいときがあるというふうにおっしゃいましたが、一度月百時間なんていうのを入れ込んだら常時繁忙期になっちゃうんですよ。それが電通で起きていたことじゃないですか。 大臣告示を上限とする、これが必要だと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今、健康とそれから労働時間の関係について私からも御説明申し上げたとおりでございまして、それらを踏まえて、そしてそういった基準があるわけでありますから、それらも踏まえて、しかし、ワーク・ライフ・バランスであるとか女性や高齢者の活躍であるとか、いろんなことを踏まえた上で今回、長時間労働についてどういう実効性のある規制がなし得るのかということを議論していただこうということでございますので、今、大臣告示についての御指摘もございましたが、大臣告示の在り方の問題も含めて議論をこれからしていただいて、結論を出して、それを法律にしていくということでございます。
○田村智子君 これ実現会議の試金石ですよ。大臣告示とするのか、それとも特別条項のようなただし書でそれを超えるのを認めちゃうのか、あしたの議論を注視したいというふうに思います。 法制化とともに、次に進みます、やっぱり企業の違法行為、これを許さないという、そういう行政の立場がとても求められていると思います。その点では、不払残業、この企業犯罪というのが後を絶たない。 今日、この場ではヤマト運輸の例を出したいと思います。 神奈川県内のヤマト運輸の支店に対して、昨年八月、不払残業に対する是正勧告が行われたというふうに報道をされました。これは、申告した男性は月百時間を超える残業もしていたと。二年分の不払残業として、タイムカードから集計すると百九十万円の残業代があるんだって言って、この男性は申告をしているということなんですね。 このヤマトの事例で私がちょっと深刻だと思うのは、言わば違法なサービス残業、不払残業をシステム化していたということです。宅配業務というのはコンピューターで管理されていて、ポータブルPOSと呼ばれる端末機械で配達伝票のバーコードをピッと読み取るわけですね。これで配達状況を記録する。各ドライバー、みんなこのポータブルPOSを持っているわけです。 ヤマトは、このポータブルPOSの電源を入れた時間が始業時間、電源を切った時間が終業時間。こうなりますと、ドライバーはまず事業所へ行って打合せとか朝礼やる、これは労働時間に含まれなくなります。事業所に帰って配達が終わってからの伝票整理をやる、これも労働時間に含まれなくなってしまいます。 これ、ドライバーは全国に約五万人です。本社を含む全国的な調査、指導監督必要だと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 一般論で言えば、今御指摘のように、きちっとした実労働時間をきちっと管理するということを私どもはしっかりやっていかなきゃいけないので、それを潜脱するようなことがあるかどうかということは当然見ていかなきゃいけないんだろうというふうに思います。 ただ、今のヤマト運輸の問題は個別の問題でございますので、これはお答えを差し控えたいというふうに思うところでございます。
○田村智子君 ヤマトのこの問題は、既に二〇〇七年に大阪南労基署で指導されている。二〇〇八年にも松阪労基署で是正勧告。二〇〇九年には徳島労基署、大津労基署、時間外割増し賃金の未払、これで是正勧告。こういう未払だけじゃないんですね。二〇一一年、千葉県船橋市で過労死認定、二〇一四年、仙台市でも過労自殺を認定。 総理に一般論としてお聞きします。こういうふうに違法行為を延々と繰り返すような企業に対しては特段の厳しい対処が必要だと思いますが、いかがですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 賃金不払での残業といった法令に違反することは決して許してはならないと考えています。企業全体で同様の労働基準法違反が認められる場合は、労働局や労働基準監督署が本社に立入調査を実施をして監督指導を行い、全社的な改善を図らせています。また、悪質な企業に対しては、捜査の上、書類送検を行うなど厳しく対応していく考えでございます。
○田村智子君 厳しい対処が必要だと。これは事業所のモグラたたきじゃ駄目なんですね。やっぱり本社に対する厳しい対処というのが必要だというふうに思いますが、いかがですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今申し上げましたように、これは本社に対して立入調査を行うわけでございまして、事業所、事業所ではなくて本社にしっかりと入って、これはもう言わばその会社全体がそういう働かせ方をしているのかどうかということについても徹底的に調査をしなければならないと、このように考えております。
○田村智子君 この点で疑念が湧いていることがあるのでお聞きしたいんですけど、昨年、働き方の未来二〇三五という懇談会が厚生労働省の下で十二回にわたって開催をされています。このメンバーの一人、山内雅喜さんという方はどういう方ですか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 山内さんはヤマトホールディングス株式会社の代表取締役社長でございます。
○田村智子君 ヤマト運輸を始めとするヤマトグループ企業の役員を歴任してきた人物です。今言ったこれだけ違法行為を繰り返してきた企業のトップが、何で働き方改革を考えるこの懇談会のメンバーなんですか。
○国務大臣(塩崎恭久君) この働き方の未来二〇三五の懇談会は、言ってみれば二十年先のことでありますから、二十年先でもまだ現役でありそうな方々、つまり若い方々に主に集まっていただいて議論をしていただき、また、顧問でアドバイザーとして連合の会長や経団連の会長などにもお入りをいただいているわけで、労政審の会長の樋口先生もおられ、また村木前厚労事務次官もおられるということでありまして、そういう中で様々な方々、いわゆる労政審の常連メンバーではない方々に様々議論をしていただく中にこの方もお入りをいただいたということでございます。(発言する者あり)
○委員長(山本一太君) 速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(山本一太君) 速記を起こしてください。
○国務大臣(塩崎恭久君) それは、なぜ入れたかということでございますが、それは経営者の一人としてお入りをいただいたということでございます。
○田村智子君 法令違反を繰り返していた企業のトップが、大臣が指名して懇談会のメンバーになっているんですよ。おかしいと思いませんか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 法令違反に着目して選んだわけでは決してないわけであって、そもそも法令違反をしているかどうかということはまた別問題でございまして、確認をされていないわけでありまして、これは、例えば、高付加価値サービスを支える働き方などに関しての知見をプレゼンしていただいたり、様々な角度から、経営の立場の方として御意見を聞く一人としてお入りをいただいているわけでございまして、広範な方々にお入りをいただいているこの懇談会でありますので、中では数少ない経営者の一人でございます。
○田村智子君 総理、どう思われますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 様々なこうした懇談会をつくる中において、その時点において、言わばどういうことが、言わばこの懇談会の中において御議論をいただこうかというテーマ、様々あるんだろうと思うわけでございますが、ただ、今御指摘をいただいた法令違反があるんではないかということについては、あるということについては、そうしたことも、これは我々も今後こうした懇談会をつくっていく上においては、特に働き方に関わることであれば、これは考慮していく必要があるんだろうと、このように考えております。
○田村智子君 これ、この懇談会の報告書を見ても、とんでもないんですよ。もう個人が時間も場所も選ばない働き方が当たり前だとか、副業、兼業も当たり前だとか、一つの会社に縛られない、働く人の個人の交渉力も強まる、だから、労働者保護という法律は時代遅れになるから今から改革を進めましょうと、まさに労働法制なんか関係ないって議論をやっているわけですよ。もうここに私は働き方改革の底が見えたなというふうに思いますが、いかがですか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 先ほど申し上げたように、これから二十年先を展望して、いろいろな技術革新などがどういうふうに働き方に影響を与えていくのかということを議論をしていただいているわけでありますので、今御指摘のようなことを、批判をされる田村先生のような方もおられれば、これはすばらしいという方もたくさんおられて、今まさにこれが問題提起として、これは別に決定機関でも何でもありませんから……(発言する者あり)いいですか、決定機関ではないわけでありますので、様々な御意見を若手の方々を中心に御議論をいただくということでございまして、そういうことで幅広い方々にお集まりをいただき、そしてまた、さっき申し上げたように、連合や、あるいは労政審の会長、そしてまた経団連の会長にもアドバイスをいただきながら御意見もいただきながら、最終的にも取りまとめをしているということでございますので、御理解を賜れればと思います。
○田村智子君 犯罪起こすような企業の、企業犯罪を犯すようなそのトップの御意見を有り難がって聞くような、こんな働き方改革じゃ駄目ですよ。 最後に、大企業のリストラ問題についてお聞きします。 今、大企業の内部留保や利益、国民に還元すること重要だ、総理認めていらっしゃる。ところが、今、日立製作所、エーザイ薬品、武田薬品など、グループ全体で巨額の黒字を出しているにもかかわらずリストラを断行している大企業があることを御存じでしょうか。総理。
○国務大臣(塩崎恭久君) 様々な企業が様々な経営をされていることはもう当然のことだと思いますが、今、具体的なお名前を挙げていただいて、会社名を挙げていただいてお尋ねをいただきましたが、例えば、先ほど日立、武田、そういう名前が出ましたが、個別の事案につきましては差し控えなければならないというふうに、答えについては思っております。 一般論で申し上げれば、今お話がございましたように、人を減らす等々のお話を御指摘になられましたけれども、例えば、殊更に多数回、長期にわたるなど、自由な意思決定が妨げられる状況での退職勧奨行為は、これは違法な権利侵害となり得るものでありますので、退職勧奨が違法なものか否かについては司法において判断をされるものだというふうに思っております。
○田村智子君 日立製作所の例を挙げます。 二〇一五年三月期、史上最高益の六千四億円を記録しました。内部留保も二千三百億近く積み増して三・三兆円を超えた。ところが、利益率八%達成するためだといって、二〇一五年、一六年、この二か年で六千人の人員削減計画を進めています。 この日立のICT事業本部、五十代の課長職Aさん、主任技師としてシステム開発を担当してこられました。このICT事業、日立の稼ぎ頭です。ところが、昨年夏、転籍を迫る面談が始まって、Aさんはその転籍を拒否しました。すると、その技術者としての仕事を取り上げられました。面接は年末までに五回を超えて、ベテランは要らない、日立での仕事にこだわっている限り面談を続けるなど、事実上の転籍強要にもなっています。 これ、周りの方も面接受けているんですけど、全員が五十歳前後の技術者だと。面談のたびに人格を否定され、業績を否定され、耐え切れずに転籍に応じれば年収は三割減。利益を上げるため、経営強化のためだと言えば、こんな理不尽なことが許されるんでしょうか、総理。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 一般論として申し上げれば、殊更多数回、長期にわたるなど、自由な意思決定が妨げられるような状況での退職勧奨行為は違法な権利侵害となるとの裁判例があるように、企業において違法な退職勧奨等が行われることは許されるものではないと考えています。 政府としては、企業の適切な労務管理を促していくため、関係する法令や裁判例等を示して企業が違法な退職勧奨行為を行うことのないよう、企業に対する啓発指導をしっかりと行ってまいります。
○田村智子君 確認しますが、転籍を拒否する労働者に新たな選択肢を示さず、転籍に応じなければあなたの仕事はない、事実上の退職を迫る、こういう面談は違法な転籍強要、退職強要に当たると考えますが、大臣、いかがですか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今、田村先生、非常にシンプリファイした形でおっしゃったわけで、どういう経緯でどういうことになるのかというのはそれぞれのケースでいろいろでございまして、これは民事の問題でありますので、先ほど申し上げたとおり、司法が判断をするということでございます。
○田村智子君 これまで、新たな選択肢示さず面談繰り返す、これは駄目だということを言ってきたんじゃないですか、ちゃんと答弁してください。労働者の権利懸かっているんだから、ちゃんと答弁してください。
○国務大臣(塩崎恭久君) 最終的には司法が判断をするということを申し上げているわけでありますが、働く方の保護を使命とする、これ厚生労働省の役割として、企業内で違法な退職勧奨や配置転換あるいは出向などが行われるということは、これ不適切であるというふうに考えているわけでございますので、この観点から、私どもは昨年三月に企業の適切な労務管理を促していくとのパンフレットを改訂するなど、必要な啓発指導を行って、企業において不当なこの退職勧奨が行われないように進めているところでございます。
○田村智子君 これ、日立では今本当にこういう面談続けられているんですよ。こういうことをやられると、メンタルを病んで働けなくなるような実態に追い詰められていく。私何人も見てきたんです。日立に対して直ちに聞き取りなどを行って、不当なことがないのかどうか調べるべきだと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 当然のことながら、私どもはいつも必要な指導はやっていかなければいけないと思っているところでございます。
○田村智子君 厳しく対処するって言ってきているんですからね、ちゃんと厳しくやっていただきたい。 最後に総理にお聞きします。こういうふうにグループ全体が黒字の大企業で何でこんなリストラが横行しているのか。これ、アベノミクスが後押ししているのではないかと私は思います。骨太方針二〇一六、企業の成長力、収益力の強化と活用だといって、企業や産業の新陳代謝の促進、事業再編の円滑化を進める、こうあるわけですよ。この下で、選択と集中だ、新陳代謝の促進だ、やられてきた。実態は何か。ある部門の事業が失敗した、あるいは利益の見込みが小さかった、すると別の部門にシフトする。こんなの経営判断の誤りじゃありませんか。経営者の失敗をひたすら労働者に押し付ける、これは立派な経営者とは言えないですよ。働き方改革と言うのならば、冒頭言われたとおり、労働者の権利に立って企業の雇用責任をきちんと問うべきだと思いますが、いかがですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 安倍政権が進めてきた経済政策によって、雇用は増え、働く場所が確保され、そして賃金が上がっているのは事実でございます。その中において、成長と分配の好循環を回していく、企業が利益を上げ、それを投資、あるいは賃金を引き上げていくという分配に回していくことによって経済の好循環が回っていくというのが我々の理論でございます。 その中において、企業が競争力の高い新たな成長分野にシフトすることは我が国の雇用を中長期的に維持することにつながっていくわけでありますが、働く人が成長分野で活躍できるよう、成長企業が転職者を受け入れて行う能力開発や賃金アップに対する助成などにより支援をしていく考えであります。
○田村智子君 終わります。
○委員長(山本一太君) 以上で田村智子君の質疑は終了いたしました。(拍手) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。 午前十一時五十二分休憩 ─────・───── 午後一時開会
○委員長(山本一太君) ただいまから予算委員会を再開いたします。 平成二十八年度第三次補正予算二案を一括して議題とし、休憩前に引き続き質疑を行います。浅田均君。
○浅田均君 日本維新の会、浅田均でございます。 私は、今回の文科省の天下り、再就職事件に関しまして質問をさせていただきたいと思います。 この事件に関しましては、非常に厳しい意見が出ております。私も同様の考えを持っておりますが、これまでの議論の中でどなたも取り上げられなかった重要な点が見落とされていると私は思うんです。つまり、定年までに退官するという公務員の慣行、そして、なぜそうせざるを得ないのかという問題、これらの点を直視する必要があると思うんです。 公務員制度の問題、慣行の問題と申し上げました。すなわち、次官ポストは一つしかありません。また、事実上降格が制度としていないので、結局辞める、辞めてもらうしかないのが今のシステムです。辞める年齢は六十歳以下、仮に次官になったとしても、退官するのは共済年金が受給できる六十五歳よりも若い、だから、それまでは何らかの手段で生計を維持していく必要があるんです。すなわち、再就職が必要になってくるんです。この問題から考えていかないと、今回のような問題は必ず再発してしまうおそれがあると言わざるを得ません。 それで、まず国家公務員の退職の実態を事実確認していきたいと思います。 現在、勧奨退職、民間でいうところの肩たたきということをやっておられますか。これは文科大臣にお尋ねいたします。
○国務大臣(松野博一君) 先生お尋ねのいわゆる肩たたきということでございますが、制度としてそういったものが存在することはございません。しかし、先生御指摘のとおり、慣習等の中においてそういった側面が、まあ肩たたきということではありません、御自分の、本人の意思も含めて、定年までに退職を選ぶというケースがあったことは事実であろうかと思います。
○浅田均君 退職の勧奨はしていないと。 それで、内閣官房人事局の資料にある、ここのパネルを御覧いただきたいと思いますが、(資料提示)平成二十七年度で千六百六十八人、直近の資料、これ、ホームページを見ましたら、平成二十八年七月一日から九月の二か月間で六百二十八件の再就職情報が公表されております。この方々は、松野大臣、今おっしゃったように全て自発的に退職されたと考えてよろしいですか。
○国務大臣(松野博一君) 早期退職に関しましては、早期退職者の募集といった形の事例はございますけれども、原則的に御本人の判断によるものであろうかと思います。しかしながら、一方で、先生から先ほど御指摘があったような、公務員制度全体としての人事慣行等の中において、そういう選択肢を本人が選ぶ傾向を推し進めているということはあるかもしれません。
○浅田均君 定年前にそういう退職を自ら選ばれることもあるということでございますが、それでは文科大臣、もう一問お尋ねいたします。 公務員の皆さん、これ在職中に再就職に関する求職活動は認められているんですか。
○国務大臣(松野博一君) 現行の再就職規制におきましては、職員が在職中に利害関係企業等に求職活動をすることは禁止をされており、これに抵触する場合は国家公務員法違反になるものと承知をしております。一方、利害関係企業等への求職活動ではない場合は、職員が在職中に求職活動をすることは同法違反とはされていないと承知をしております。 今回、再就職等監視委員会から認定されました文科省の再就職等規制違反に関しましては、利害関係のある再就職先に在職中に求職したことや現職職員が他の職員をあっせんしていたことを指摘されたところであり、極めて遺憾なことであり、今後再発防止に努めてまいります。
○浅田均君 今、利害関係企業への再就職が禁止されているという御答弁でした。 それで、直接の利害関係がなければ認められると。この直接の利害関係というのはどういうものであるのか、文科省の範囲で結構ですので、お答えいただきます。
○国務大臣(松野博一君) 国家公務員に対する直接の利害関係は、これは当該職員が個人として受け持っていた職域における利害関係でございます。これは、局等全体の所管ということではないということでございます。
○浅田均君 今ちょっと分かりにくいんですが、それではもう一度文科大臣にお尋ねいたしますが、その直接の利害関係の有無、利害関係があるかないかというのはどなたが御判断されるんですか。
○国務大臣(松野博一君) 現行の制度の中におきましては、再就職時に人事課にその再就職先等を提出をすることになっております。その時点において人事課職員がこの規制に適しているかどうかを判断するという仕組みになっております。
○浅田均君 これ、人事課職員が判断するというところが問題だと思うんですね。直接の利害関係というのが極めて私は狭く解釈されているように思います。 これ、文科省から今回の事案に関しまして御説明いただいたときに御提示いただいた説明の図なんですが、今回、吉田高等教育局長が自ら求職して、あっせんを受けずに、例えばこういうケースいっぱいあると思うんですが、学校を持っている宗教法人に就職したとします。これは違反ですか、文科大臣。
○国務大臣(松野博一君) 先ほど申し上げたとおりの規制でございますので、直接的にその宗教法人に対して、例えばその宗教法人が学校を持っていたとしても、直接的に文科省職員が宗教法人に対して規制をする等の利害関係はございませんので、そのケースは違反とはならないと承知をしております。
○浅田均君 直接の利害関係はないと言われても、これは私たちは利害関係があるとしか思えないわけですね。文科省からの再就職先を調べ、資料を見ますと、これほとんどが学校法人ですよ、学校法人。だから、直接の利害関係と狭く範囲を限って規定されるから直接利害関係はないと言いますけど、我々一般の目から見て、文科省と学校法人というのはやっぱり利害関係があると思わざるを得ないわけです。 それでは、次に伺います。文科省から提出されました資料によりますと、退職後一か月後、二か月未満に学校法人に再就職した文科省職員は、二〇一一年からの五年間で元局長を含め四十二人、このうち退職の翌日に再就職した方が十四人。 三月三十一日に退職して四月一日に再就職、役所やOBのあっせんもなく、本人が在職中に就職活動をすることもなく、退職した翌日に再就職が可能であるとはとても思えないと私は昨日まで思っていたんです。ところが、利害関係がない団体にだったら自ら御自身が求職活動というのをしてもいいということになっているわけですね。この点確認したいんです。お願いします。
○国務大臣(松野博一君) お答えする前に、先ほどの質問に関して付け加えさせていただきたいと思いますが、宗教法人に対して文化庁の職員の宗務課の場合はこれは利害関係ございますので、直接の、規制の対象になるということでございます。 今の委員の御質問に対しましては、在職中でありましても、利害関係がない企業等に関しては求職活動をすることが可能でございます。
○浅田均君 私は求職活動ができないと思っていましたので、この千八百六十六人ですか、千六百八十八人ですか、何か毎年千人以上、これすごく多いなというふうな感じを持っていたんですが、そうではないということが分かりました。 それで、私、この再就職に関しましては、これ、平成十九年七月ですね、内閣官房の国家公務員法等改正法の概要、これは第一次安倍内閣のときの改正方針です。そこには、年功序列人事の廃止、それから能力本位の任用制度、新たな人事評価制度、分限制度、再就職に関する規制の改正、これは第一次安倍内閣の打ち立てた私は一つの金字塔だと思っております。なぜならば、この公務員制度というのはそれまで全然いじられることがなかった、そして猛抵抗を押してそういう改正をされたわけです。 その後、私たちは大阪維新の会を設立して、まずこの概要をお手本にして、何とかこれより優れたものを作ろうと思ってできたのが大阪府・市の職員条例であります。だから、私たちは、維新の仲間いっぱいおりますが、まあ僕だけかもしれませんけれども、この改正国家公務員法にはすごく思い入れがあるんです。 当時の大阪市役所というのは非常にひどい状態でした。市民のための役所ではなくて、役人のための役所になっておったんです。天下りし放題、外郭団体が勝手に傘下の株式会社をつくる等々、この職員条例のおかげで退職管理についてもうまく機能するようになりました。 ところが、本家であるはずの、私たちがお手本とした国家公務員法にはこれだけ今申し上げましたような穴が空いていることが分かったんです。これを改正するため、私たち日本維新の会は法案を準備します。 これは、今お話をお伺いしまして、私たち大阪維新の会が大阪で作った職員条例と改正国家公務員法の比較を示しております。 一番大きな違いは、大阪においては、外郭団体への再就職というのはこれは全面的に禁止しております。禁止を適用除外にする、そういう判断をするところが人事監察委員会、国においては再就職等監視委員会に当たろうかと思います。だから、外郭団体等、国でいうたら出資法人というか特殊法人、そういうところへの天下りを全面的に禁止する、これがされているかされていないか、ここに一番大きな違いがあります。 それから、もう一つの大きな違い、それは人事監察委員会、あるいは国においては再就職等監視委員会、この機能の違いです。再就職等監視委員会というのは、お伺いしておりますと、ただその報告を受けて、必要なものに関しては調査をするだけということであります。ところが、この大阪でつくりました人事監察委員会、そこに全ての事案が上がってきます。再就職事案が全て上がってきて、そこで適用除外にするかあるいは正当なものであるかという判断をする、そういう機能を持っているわけです。 再就職等監視委員会、これもそういった機能を持つように変えていく必要があると思うんですけれども、これ、安倍総理、第一次安倍内閣で大なたを振るって改革されましたが、これが今こういうふうな状況になっている。そういう状況を踏まえて変えていく必要があると私は思いますが、総理はどういうふうにお考えでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まずもって、今回の文部科学省における再就職規制違反事案は、国民の信頼を揺るがすものであり、あってはならないと、このように考えております。 全省庁について徹底した調査を行い、再発防止策を講ずるなど、天下り根絶のためにしっかりと取り組んでいきたいと思っております。必要なことは何でもやるとの考えで、国民の信頼を確保してまいりたいと思います。 そこで、年功序列を改めるなどのために抜本的な改革を行うべきだという御指摘をいただきましたが、これまでの国家公務員法の改正において、人事評価に基づく能力・実績主義による人事管理を導入をしました。また、幹部職員の候補となり得る管理職員としてその職責を担うにふさわしい能力及び経験を有する職員を総合的かつ計画的に育成するための幹部候補育成課程を導入をいたしました。 こうした制度をしっかりと運用することにより、能力そして実績主義を踏まえた採用年次等にとらわれない人事を推進していきたいと思いますが、いずれにいたしましても、調査の結果を踏まえて、様々な御意見もいただきながら、必要なことは何でもやるとの考えで国民の信頼を確保していきたいと考えております。
○浅田均君 この後は、また後にさせていただきますが、天下り問題をなくすための施策の一つとして、先ほど申し上げましたように、六十歳までに辞める人が多いと、その方々を再就職、専門スタッフ職等の拡充で年金支給までの間は省庁で雇用を認めると、そういう……
○委員長(山本一太君) 時間が来ておりますので、短くまとめてください。時間来ていますから。
○浅田均君 再任用も考えられますが、総理はその点に関してどういうお考えでしょうか。
○委員長(山本一太君) じゃ、最後、短く、総理、一言。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まずは、今回の調査、全省庁に対する調査を踏まえて、今、浅田委員から御意見をいただきましたが、政府としても、何をすべきかということもしっかりと考えていきたいと思います。
○浅田均君 ありがとうございました。
○委員長(山本一太君) 以上で浅田均君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(山本一太君) 次に、藤巻健史君の質疑を行います。藤巻健史君。
○藤巻健史君 日本維新の会、藤巻健史です。よろしくお願いいたします。 質問通告とちょっと順番を変えてお聞きしたいんですが、WTI、原油先物が昨日で五十二ドル八十六セント、ちょっと今日少し下がっているみたいなんですけれども、五十二ドル台まで戻ってきました。昨年二月に二十七ドル台になって、これは世界経済大変かもしれないということで大騒ぎしたんですけれども、大体二倍まで戻ってきた。 それはなぜかといいますと、サウジアラビアが中心になって減産合意をしたからなんですね、産油国同士で。なぜ、じゃ、サウジアラビアが減産合意をしたかというと、あの国は当時で九兆円の赤字になりそうだということで大変だと、歳入を増やさなくちゃいけないということで減産合意をして歳入を増やした。しかし、サウジアラビアはそのほかに歳出削減をやっているわけです。国民に対する補助金を大幅にカットして、それから人件費を、これも公務員の人件費を大幅カットしたんですね。 ところが、日本、これ、サウジアラビアよりもよっぽど財政事情が悪いのにもかかわらず、第二次補正で三千六百七十三億円の臨時福祉給付金を出すし、また、公務員も三年間連続値上げしているんですよね。これやっぱりおかしいんじゃないのと。やっぱりサウジアラビアが、財政赤字であるそのサウジアラビアの態度の方がまともじゃないかということもありまして、さきの臨時国会で私どもは、百一本の法案の中に、国家公務員人件費二割削減法案とか議員歳費削減法案とか衆議院議員定数削減法案という身を切る改革を提出したわけなんです、全然審議していただいていないんですけれども。やはり、ここまで財政赤字が大きいのですから歳出減を真剣に考えなくてはいけないのではないか。今、補正でついに百兆円を歳出超えてしまったんですけど、その辺について安倍総理のお考えをお聞きしたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) サウジアラビアとは大分日本は国の成り立ちが違いますので単純に比較することは困難と思うわけでございますが、安倍内閣においては、経済再生なくして財政健全化なしとの基本方針の下に、強い経済の実現を目指した取組を進めるとともに、歳出歳入両面からの取組によって着実に財政健全化を進めてきました。来年度予算においても、社会保障の改革を含め徹底的な重点化、効率化など歳出削減に取り組み、その結果、社会保障費、これは一番難しいんですが、社会保障費の伸びを今年度予算に続き五千億円以下に抑えることができております。これは大体一兆円、一兆円、一兆円行くだろうと言われていたものが言わば半分以下に抑えることができているわけであります。 引き続き歳出歳入改革をしっかりと行っていきたいと思いますし、また、国家公務員の総人件費についても、引き続き国家公務員の総人件費に関する基本方針に基づき、職員構成の高齢化等に伴う構造的な人件費の増加を抑制するとともに、簡素で効率的な行政組織体制を確立することによってその抑制を図っていく考えであります。
○藤巻健史君 取りあえずは身を切る改革も是非お願いしたいと思っております。 それから次に、第三次補正で一・七兆円もの歳入不足になりまして、財政法四条では発行などとんでもないことの赤字国債が発行されることになりました。これだけの歳入不足になった、歳入見込みから減ったということを、今まで総理にしろ財務大臣にしろ円高のせいだというふうにおっしゃっていたんですが、一・七兆円もの税収が円高のせいで下がるのであるならば、国の所得は物すごく減ったことになるわけですよね。 当然のことながら、国の所得と税収というのは比例しているのが本来あるべき姿ですから、推測するに、国の富、国富というか国の収入、がたっ減りだったと思うんですが、それから類推しますと、円高は日本国にとって非常に悪かったというふうに結論付けられるかと思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) これはもう藤巻先生御存じのように、税収というのは別に為替レートとは限りませんので、経済状況というのは様々な要因でこれは変動するのはもう御存じのとおりですが、現在の経済状況とかまた税収構造を前提としますと、為替レートが円安方向、今の経済状況からいってですよ、為替レートが円安方向に推移する場合の直接的な影響としては、これは間違いなく輸出企業の円建て売上げの増加を通じた法人税の税収増になります。十円下がりますと一つの会社だけで五千億円違うという会社もありますので、そういったものが出てきます。また、円建ての輸入額の増加を通じました消費税収が増ということになりますので、税収にとってはプラスの効果が生じるとは考えられると。 ただし一方で、一般論として申し上げれば、円が上がりますと、例えば輸入している原材料コストの下落などを通じて、これは中小企業等々の、いわゆる生活に、何というか、消費者の生活にも恩恵が出てくるのはこれは当然のことなんですが、円高にもメリットがあるというのも確かです。 したがいまして、議員が指摘されておられますように、国富が何を意味するのか、ちょっとそこのところは明確じゃないんですが、一概に円高によって国富が全部吹っ飛んだというような話では考えられないのでありまして、いずれにしても、為替の方向性とか為替の水準等々につきましては、これは市場に不測の影響が出ることが予想ができるのは御存じのとおりですので、この点に関してのコメントは差し控えさせていただきたいと存じます。
○藤巻健史君 基本的に、国富が下がっているのに税収が上がったといったら普通国民は怒りますよね。やっぱり国富が上がってから税収が増えていく、国富が下がれば税収が下がると、これが当たり前の姿だと思います。ですから、やはり税収が円高のせいで下がったというのであるならば、やはり円高というのが日本にとって非常に問題ではないかなというふうに思います。 トランプ大統領は自国通貨高はよくないというふうに明確におっしゃっているんですから、やっぱりきちんとした認識を持つべきかなと私は思っております。(資料提示) この補正で一・七兆円の税収が減ったわけなんですけれども、これ見ていただくとお分かりになるんですが、当初に比べて減っただけではなくて、五十七兆円が五十五・八兆円に減っただけではなくて、前年比でも下がっているんですよね。 下がっているということは、これはまあ余計な話ですけれども、一時、社会保障費を何で賄うかというときに、評論家とか経済学者が税制弾性値が三だとか四だとか言っているときに、税制弾性値というのはGDPが一%上がったときに税収も一%上がる、これは一なんですけれども、これを一・一だというふうに固着していた財務省とか内閣府は非常に見識があったんだと私は思いますけれども、でも、これ結果として見ると、GDPは上がっているんですよ、上がっている。でも、税収下がっちゃっていますからね、これ弾性値はマイナスになっているわけなので。 これ、何を意味するかというと、安倍総理は社会保障費の原資はアベノミクスの果実で賄うと、アベノミクスの果実を使って社会保障費に充てると言いましたけれども、GDP、これは伸びていますよ、アベノミクスのせいだと思いますけれども。そのせいだけれども、税収が減ったということは果実が実っていないんですよね。GDPが上がって税収が増える、その税収を使って社会保障費に充てるとおっしゃっていたと思うんですけれども、ちっとも税収、果実が実っていない。 ということは、社会保障費というのは、そういう税収増なんかに頼らないで、やはり確実な原資にしなくちゃならない。だからこそ私どもは身を切る改革、国家公務員の人件費削減とかそういう確実なものを言っているわけで、そういうあやふやな税収増に頼らずに、やはりきちんとした歳出減が必要かと思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 二十八年度の税制の補正、いわゆる税収の補正というのは、これは先ほども申し上げましたように、年初から為替が円高方向に、百二十円だったものが百五円ぐらいまで、約一割五分ぐらい下がってきておりますので、そういった意味では、円高方向に推移したことによるのが非常に大きな理由だと思いますけれども、来年度の国の税収というものは、来年度ですよ、今年度の当初予算より〇・一兆、約一千億円増加と考えております。政権交代前と比べれば合計で約十五兆円の税収増というのを見込んでおりますので、税収増という果実は実らなかったという御指摘は当たらぬのではないかと思っております。 その上で、社会保障の充実という点で申し上げれば、これまで税と社会保障の一体改革の枠組みの下で、消費税の増収分と社会保障改革プログラム法に基づく重点化、効率化等々によります財源によって安定的な財源を確保していってきているというのは確かだと思っております。 なお、御指摘のアベノミクスの果実について言わせていただければ、二十九年度の予算において、ニッポン一億総活躍プランに掲げました保育士、介護人等の処遇改善を行うことといたしておりますし、またアベノミクスの成果によって雇用情勢が着実に改善したということも、これ間違いない事実だと思っております。 したがいまして、雇用保険の国庫負担の引下げを含めまして、しっかり財源を確保し、実施していくということだと考えております。
○藤巻健史君 いや、私が申し上げたのは、この実績、平成二十七年度の決算が五十六・二兆円で、今年度が五十五・八兆円に税収がなるだろうということで、四千億も減るということを申し上げているんであって、これ事実ですから、GDPは八兆円上がったにもかかわらず税収は減っているということは、やっぱり認識しておくべきだなと私は思います。 今、雇用も改善しているというふうに麻生大臣がおっしゃったので雇用問題についてお話お聞きしたいんですけれども、確かに、安倍政権は企業に賃上げをしろと要求をするということで、賃上げ努力をしているのは認めます。ただ、その要請だけじゃ賃上げなんて上がるものじゃなくて、やっぱり労賃というのは、所詮はほかの物とかサービスと同じように需要と供給で決まるんですよ。日本人の供給、日本人労働力の供給が一定であるならば、需要が増えれば賃金が上がっていくのは当たり前の話なんですね。 そういうことで、オバマ大統領を見てみますと、彼のやり方とか発言は非常に過激なところもあるとは思いますけれども、彼は国境税をつくるとかなんとか言って……(発言する者あり)あっ、トランプ、ごめんなさい、トランプの発言が異常だとは思いますけれども、まあ過激なところもあるかと思いますけれども、彼の発想は国内の雇用を増やすということですよね。なるべく、トヨタだろうがキヤリアだろうがフォードだろうが、何でも国内に工場を造る、そして雇用を増やすということなわけで、それがゆえにトランプ大統領は十年間で二千五百万人の雇用を増やすと言っているわけです。これ、一年間二百五十万人ですけれども、日本とアメリカの人口のことを考えると、大体日本では百万人ずつ雇用を増やすと言っているわけですよ、トランプ大統領は、それできるかどうか知りませんけれども。 安倍首相は、施政方針演説のときにも四年間で百十万人の雇用を増やしたとおっしゃっているわけです。トランプは、目標だけかもしれないけれども、年間百万人ですよ。こちらは四年間で百十万人ですから。これ、やっぱりトランプ大統領のやり方というのを見習うべきじゃないか。 要するに、国内に雇用を増やすということは非常に重要であって、それは日本人労働力の雇用を増やすこと。要するに、今空洞化がどんどん進んでいますけれども、空洞化をある程度やめる、それからアジアとか欧米の企業が日本に入ってくることをやめる。そうすれば、ぼっと需要が、人口需要が増えていって、日本人の労働需要が増えていって、当然のことながら賃上げもどんどん上がっていくわけですよ。だって、人を一生懸命探している企業が多い、労働者を探している企業が多い、供給は一定上がっていくわけで、そうすれば賃金が上がるし、それから、今日午前中も話題になっていましたけれども、ブラック企業なんかなくなりますよ。それから、労働時間の法律的な問題もしなくても、もう仕事があふれていたらみんな簡単に辞めて隣に行っちゃいますから、ブラックな企業なんかすぐ辞めて、さようならで行っちゃうので。要するに需要を増やすということが極めて重要だと思うんですね、日本人需要。 何が問題かというと、一つは円高が問題だと思うんです。円高だからこそ強い円で外国人労働者を雇うということで随分海外へ行ってしまう、これが一つ問題。 もう一つは、だからこれ、だからこそ円安が必要だというのは、私は輸出だけの問題じゃなくて、労働問題から考えたって円安は必要だと思うんですよ。 もう一つ重要なことは、空洞化した企業の経営者、何を理解したかというと、海外に行くと労働費は変動費になるんです、いつでも首切れるから。日本だと固定費なんですよね。だから、その問題というのは非常に大きい問題で、労働力が増えれば日本の労働者にとってもいいわけですから、労働需要が増えればね。 そういう観点からしても、私どもは、やはり百一本の法案で、解雇ルール明確化法案というのを提出させていただいたんです、この前の臨時国会で。これは何か労働者いじめではなくて労働者のための法案で、まさに直接投資を、日本に対する直接投資、物すごく他国に比べると直接投資が低いですよね、もう極端に低い。要するに、直接投資が低いということは、労働力、日本人の労働力に対する需要が減るわけですから、労賃なんか上がるわけないですよね。 ですから、そういう解雇法案、解雇ルール明確化法案等を作って、きちんと外国企業が日本に来て日本人を雇うようなインフラをつくると、これが重要だと思うんですが、そういうことを考えて、我が党の提出いたします解雇ルール明確化法案、進めていく気があるのかどうか、お聞きしたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 解雇ルール明確化法案については塩崎大臣からお答えをさせていただきますが、我々も、この言わば雇用状況を良くしていく、労働市場をタイトにしていくことによって賃金が上がっていく状況をつくっていきたいと思っております。 我々、今まで、安倍政権ができて百十万人新しく雇用をつくりました。それは過大評価じゃないかと言われてきたんですが、今日の最新の数値ではこれ過大評価ではなくて、百十万人ではなくて百七十万人、これいいニュースでございますから発表させていただきますが、今まで私どもが、安倍政権ができてつくってきた雇用は百七十万人増えたということでございまして、有効求人倍率も全ての県で一倍を超えております。そして、失業率も三・一ぐらいですかね、三・一。しかし、これを更に、更に失業率をもっと下げていくことによっていよいよタイト感が高まり、しっかりと待遇を良くしなければ、賃金を上げなければ人が確保できないという状況をつくっていきたい。 これは地方においてもそういう状況ができておりまして、私の地元の下関は有効求人倍率一・六七ですから、これは相当高いんですね。山口県では正規の有効求人倍率が一を超えておりますから、地方でも、別にこれ、私は地元の政策で良くしているというわけではないんですが、地方でも良くなっているという状況について御紹介をさせていただいたところでございますが。 労働法制については大臣から答弁させます。
○国務大臣(塩崎恭久君) 維新の方から議員立法を出していただいているようでございましたので、これについては国会の方で御議論をいただくということなんですが、私どもとして、この解雇につきましては、現在、解雇無効時における金銭救済制度を含む労働紛争解決システム、この在り方につきまして、日本再興戦略に基づいて労使を含めた有識者の検討会で検討を進めておりまして、昨日も開催をいたしたところでございます。 このことについて日本再興戦略では何が書いてあるかというと、雇用終了をめぐる紛争処理の時間的、金銭的な予見可能性を高める、それから、結果として人材の有効活用や個人の能力発揮に資するとともに、中小企業労働者の保護を図って、対日直接投資の促進、今、対日直接投資のお話がございました、この促進に資するようにすることが掲げられておりまして、こうした視点を踏まえて、透明かつ公正、客観的でグローバルにも通用する紛争解決システム、これについて鋭意検討を進めてまいりたいと思っております。
○藤巻健史君 安倍政権が四年間で百七十万人の雇用を増やした、これは非常にすばらしいことだと思います。更に対日投資を増やすような環境をつくって、二年間で百七十万にしていただければというふうに考えております。 最後に、この前、一月二十五日に内閣府が最新の中長期の経済財政に関する試算を出しまして、皆さん御存じのように、二〇二〇年度には八・三兆円のPB赤字で黒字達成ができないということだったんですが、私が一番心配しますのは、二〇一六年には税収分の国債費、要するに収入のうちの幾ら国債費払ったかというのが三六・二%なんですが、この試算の最終年である二〇二五年になると五三・七%なんですね。これ大変な数字ですよ。要するに、家計で考えていただければ分かるんですけれども、半分以上が銀行への金利支払に消えるようなもので、これを考えますと、やっぱりもうちょっときちんと財政再建について考えておくべきだと私は思うんですが、いかがでしょうか。
○委員長(山本一太君) 最後に、それでは石原大臣、短く簡潔にお願いします。
○国務大臣(石原伸晃君) 御指摘のとおり、PBは五・五兆円から八・三兆円、これは、この議論があったように税収減というものが根っこで効いてくるんですけれども、長い目で見ていただきますと、今回の中長期試算においても、二〇一七年度以降のPB赤字と公債等の残高の対GDP比は低下していく。そして、二〇二五に公債費が上がるというのは、経済が好況になって金利も上がるので増えると。当然、ただ、その公債費の割合がもう今でも三割超えておりますので、ここは財政再建、御党の主張のとおり、削れるものはしっかり削っていくことが肝要だと考えております。
○藤巻健史君 終わります。
○委員長(山本一太君) 以上で藤巻健史君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(山本一太君) 次に、福島みずほ君の質疑を行います。福島みずほ君。
○福島みずほ君 希望の会、社民党の福島みずほです。 まず、共謀罪についてお聞きをいたします。 国際組織犯罪防止条約、二〇〇〇年、パレルモで調印式が行われました。なぜパレルモで行われたんでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) 済みません、なぜパレルモでこの条約が採択されたか……(発言する者あり)調印されたかという御質問ですが、済みません、ちょっと御通告がなかったのでその経緯を確認しておりません。改めて確認してお答えいたします。
○福島みずほ君 イタリアのシチリア・パレルモで行われたのは、組織犯罪防止条約でマフィア対策だからです。ここでやる意味があった。だから、パレルモでやってパレルモ条約と、まさにこの組織犯罪防止条約、だってこれ、これで共謀罪出そうとしているわけですから、これパレルモ条約と、だから言われているわけです。 この条約は、経済目的の組織犯罪を適用対象としています。テロ対策とは関係ありません。昨日もありましたが、テロ防止関連条約、日本は幾つ批准し、幾つあり、幾つ批准していますでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) 我が国が締結しているテロ関連条約の数は十三本でございます。
○福島みずほ君 全て批准していますね。
○国務大臣(岸田文雄君) 十三本締結をしております。
○福島みずほ君 それに伴い、国内法も整備をしましたね。
○国務大臣(岸田文雄君) 我が国が国際条約締結するに当たりまして、憲法九十八条との関係もあります。しっかり担保法を整備した上で締結を行っております。
○福島みずほ君 日本の組織犯罪対策とテロ対策ですが、しっかり日本はやってきております。(資料提示)国連のテロ関係条約は全て批准。爆発物使用の共謀、まあテロといえば爆発物ですが、戦前からあるわけですが、共謀は処罰ができます。傷害の予備行為を罰する凶器準備集合罪。刀剣の携行も正当な理由がない限り違法。アメリカでは合法とされる銃器の所持も違法です。組織的犯罪処罰法が制定。暴力団対策法が制定。日本はテロ対策についての国内法をしっかり作ってきました。 この国際組織犯罪防止条約なんですが、この条約の中の二条、組織的な犯罪集団の定義を教えてください。
○国務大臣(岸田文雄君) 第二条の国際犯罪組織の定義ですが、これは、金銭的利益その他の物質的利益を得るために犯罪を行うことを目的として一体として行動するもの、こうした定義が定められております。
○福島みずほ君 この条約の二条に定義があります。つまり、越境的なもの、そしてマフィアみたいなものが対策ですから、金銭的な利益を得るためというのがあります。 では、お聞きします。今回の共謀罪の中に、この金銭的利益その他の物質的利益を直接又は間接に得るためという要件は入っていますか。
○国務大臣(岸田文雄君) 今、条約の中にそうした定義があるという御指摘がありましたが、そもそもこの条約の制定当時から、国際的な組織犯罪、そしてテロ活動、これは極めて強い関連性があるという認識の下にこの議論が進んできました。この条約そのもの、この条約の国際組織犯罪の中にはテロ活動が含まれるというこの議論、これは、条約の制定過程においても、そして採択の時点においても、その後の議論においても、ずっとそうした関連性が指摘をされてきています。そうした意識の下にその後の対応を行っております。
○福島みずほ君 この条約ができたのは二〇〇〇年、国連の採択も二〇〇〇年です。九・一一テロが起きる前のことです。テロ対策はここで議論になっておりません。 私の質問は、この条約二条にある組織犯罪集団の定義の中で直接又は間接に利益を得る目的が入っているわけで、さっきそう外務大臣答弁されましたが、共謀罪の中にこの定義が入っていますかという質問です。
○委員長(山本一太君) 法務省林刑事局長。(発言する者あり)どうぞ。答弁お願いします。
○政府参考人(林眞琴君) 今回のテロ等準備罪におきましては、この国際組織犯罪防止条約が、テロを含む組織犯罪を一層効果的に防止して、これと闘うための協力を促進するための国際的な法的枠組みを創設する条約であるということに鑑みまして、このテロ等準備罪は、その対象となる団体を、テロ組織、そして暴力団、薬物密売組織など、重大な犯罪を行うことを目的とする組織的犯罪集団とすることを検討しているところでございます。 経済的利益を目的とする犯罪組織やマフィアなども、組織的犯罪集団と認められる場合におきましてはこのテロ等準備罪の対象となるという理解をしております。
○福島みずほ君 条文の中に、共謀罪の条文の中に金銭的目的というのが入っていないわけですよね。
○政府参考人(林眞琴君) 今回、組織的犯罪処罰法という改正でこのテロ等準備罪を創設するということを考えておりますが、組織的犯罪処罰法の枠組みといたしましては、この第二条で定義がございまして、団体とは、共同の目的を有する多数人の継続的な結合体であって、その目的又は意思を実現するための行為の全部又は一部が組織によって反復して行われるものと、こういった団体の定義を置いております。 これに当たるものが組織的犯罪集団という形で今回新たに組織的犯罪集団を定義することによって対応しようと考えております。
○福島みずほ君 条約の中には、これはマフィア対策ですから、はっきりこういうものだ、利益を得る目的だと入っているんです。この条約を批准するために必要だと言いながらなぜ入っていないんですか。やっぱりそれはおかしいですよ。何でそれを拡大するんですか。条約の批准のために必要だという説明と合致をしていません。これはおかしいです。 次に、犯罪はどう進行するかですが、共謀罪が処罰されることの問題点についてお聞きをいたします。 人の犯罪は、共謀、予備、未遂、既遂と進みます。人は悪いことを考えただけでは処罰をされない、既遂になって処罰をされる。重要な犯罪だけ予備と未遂を処罰をします。 まず、予備罪、幾つ犯罪があり、刑法上は幾つか、六つですね、それを教えてください。
○政府参考人(林眞琴君) 予備罪につきましては、刑法におきましては七つの罪名について予備罪がございます。 その他、特別法につきましては、ただいま数え上げて全部を申し上げますけれども、まず、特別法におきましては、組織的犯罪処罰法の組織的な殺人、それから犯罪収益等隠匿罪、それから郵便法におきます事業の独占を乱す行為、大麻取締法におけます大麻の栽培又は輸出入、それから軽犯罪法におきますところの他人の身体に対する加害、覚せい剤取締法におきますところの覚醒剤の輸出入又は製造、覚せい剤取締法におけますところの覚醒剤の原料の輸出入又は製造、出入国管理及び難民認定法におきます集団密航者の収受など、破壊活動防止法におきますところの政治目的のための放火など、破壊活動防止法におきますところの政治目的のための騒乱等、麻薬及び向精神薬取締法におきますところの麻薬輸出入又は製造等、同じく麻薬及び向精神薬取締法におきますところの向精神薬の輸出入又は製造など、関税法第百八条の輸出禁制品の輸出など、さらに関税法におきますところの輸入禁制品の輸入など、さらに関税法の輸入禁制品の外国貨物を置く場所の制限規定違反など、関税法におきますところの偽りその他不正の行為による関税の免脱など、関税法におきますところの許可を受けるべき貨物の無許可輸出入など、あへん法におきますところのケシの栽培など、銃砲刀剣類所持等取締法におきますところの拳銃、小銃、機関銃又は砲の輸入、廃棄物の処理又は清掃に関する法律におきますところの一般廃棄物又は産業廃棄物の輸出、航空機の強取等の処罰に関する航空機強取、国際的な協力の麻薬特例法におきますところの薬物犯罪収益等隠匿罪、化学兵器禁止法におきますところの化学兵器の使用、同じく化学兵器の製造、サリン法におきますところのサリン等の発散、同じくサリン法のサリン等の製造、それから、感染症の予防又は感染症の患者に対する医療に関する法律の一種病原体等の発散、同じく同法の一種病原体等の輸入、最後に、放射線を発散させて人の生命等に危険を生じさせる行為等の処罰に関する法律の放射線物質の発散、同じく特定核燃料物質の輸出入、これらが現行法での予備罪が定められているもの全てでございまして、数え上げますと三十七の罪名となっております。
○福島みずほ君 どうもありがとうございます。 刑法では七つです。殺人、強盗、放火、内乱、外患、私戦などなんですね。重いものに関して予備罪です。 今度の出そうとしている共謀罪、六百、三百、共謀罪を入れようとしている。多過ぎるというか多いというか、おかしいじゃないですか。共謀、予備、未遂、既遂と犯罪がなるのに、予備については刑法は七つしかないんですよ。だけれども、共謀はそれを六百、いや、六百七十六、いや、三百にする。おかしいじゃないですか。どうですか。
○政府参考人(林眞琴君) まず、犯罪の発展段階、必ずしも共謀、予備、実行という形で進んでいくものではございません。例えば、よく共謀と予備との関係におきましては、例えば殺人を実行しようとした決意をした上で、凶器を用意した上で、その後に共犯者を募って共謀すると、こういったこともございますので、必ず共謀、予備、実行という形で進むわけではございません。 そして、その予備罪等がない重大犯罪、これについて今回テロ等準備罪を設けるということにつきましては、テロ等準備罪におきましては、今後、組織的犯罪集団というものに主体を限定した上で、重大な犯罪の合意に加えまして一定の実行準備行為を必要とする、そして初めて処罰ができるという形を取ることを検討しておるわけでございますけれども、この強固な組織構造を持ちますところの組織的犯罪集団が合意をし実行準備行為を行うということについては、極めてそこの危険性、悪質性が高いということから、そのことから今回犯罪化を考えているものでございます。
○福島みずほ君 よく意味が分からない。 法務大臣、いかがですか。
○国務大臣(金田勝年君) お答えいたします。 予備罪については、条約上その犯罪化が求められているわけではなくて、予備罪を処罰するかどうかというものは、個々の犯罪について、やはり結果発生の危険性等を考慮しまして、実行の着手前の処罰の必要性等を考慮して判断すべき事柄であると考えております。 TOC条約の第五条一の(a)は、重大な犯罪を行うことの合意又は組織的な犯罪集団の活動への参加の少なくとも一方をその未遂又は既遂とは別に犯罪化することを義務付けておりまして、予備罪を設けることは条約を担保できないものと私は考えております。 したがいまして、予備罪を設けただけでは、TOC条約を締結して国際社会と緊密に連携をしてテロを含む組織犯罪に効果的に対処できない、そしてテロ対策としては十分ではないと、このように考える次第であります。
○福島みずほ君 今まで、共謀罪は十三、予備罪は三十七、それはやっぱりこれで進むからなんですよね。 金田大臣、この法案の中にテロ対策という言葉はありますか。
○国務大臣(金田勝年君) 現在、現時点で法案はまだできておりません。したがいまして、検討中の段階であります。
○福島みずほ君 テロ対策という言葉、テロという言葉はないんですよ。ありません。今までもありませんでした。 そして、金田大臣にお聞きをいたします。 ここで、オバートアクト、共謀の中の合意の推進行為、これはどういうものを指すのでしょうか。
○政府参考人(林眞琴君) 国際組織犯罪防止条約の五条におきましては、重大犯罪の合意を犯罪化することを求めております。その際に、その合意の推進行為というものが行われたことをもって初めて処罰することができると、そういった要件を加えることが認められているわけでございます。 今回、テロ等準備罪を創設するに当たりましては、こういった重大な犯罪の合意という行為に加えまして、その後、その合意に基づきまして、その合意を推進する行為、こういったものがなされないと処罰ができないと、そういう形での犯罪を創設しようと考えております。その場合の合意を推進する行為というものを実施の準備行為と位置付けております。
○福島みずほ君 金田大臣、例えばATMからお金を下ろす、こういうのもオバート行為になるんでしょうか。
○委員長(山本一太君) 林刑事局長。(発言する者あり)いや、事実関係ですから。どうぞ、どうぞ。
○政府参考人(林眞琴君) 具体的な法文で、法案提出してからその解釈という形ではお答えするわけでございますけれども、基本的に、重大な犯罪の合意というものがございまして、その合意の中で合意に基づく行為としてその犯行を実施する準備行為に当たるというふうに考えられれば、それが当たるということになろうと思います。
○福島みずほ君 金田大臣にお聞きをいたします。 このオバート行為というのは、というか、これは処罰要件ではあるが構成要件ではないということでよろしいですか。大臣にお聞きします。
○政府参考人(林眞琴君) 処罰条件か否かというのは講学上の概念でありまして、しかも、その講学上の概念の中でも処罰条件という概念については様々な見解がございます。 したがいまして、その実行準備行為が処罰条件に当たるかどうかということについてはお答えする立場にないわけでございますけれども、いずれにいたしましても、合意がありまして、さらに実行の準備行為がないと処罰ができないという形で今回犯罪を構成しようと考えております。
○福島みずほ君 これは、六月と十二月に与党の議員に配られた案については、計画した者が、その計画をした者のいずれかによりその計画に係る犯罪の実行のために資金又は物品の取得その他の当該犯罪の実行の準備行為が行われたときは、当該各号に定める刑に処する。つまり、刑に処するときはオバート行為が必要だけれども、問題は共謀で、このオバート行為については、処罰要件、刑に処するための要件ではあるが構成要件ではありません。それでよろしいですね。
○政府参考人(林眞琴君) 先ほども申し上げましたように、処罰条件か否かというものはこれ講学上の概念でございまして、そのことに当たるか当たらないかということについて見解を述べるものではございませんが、いずれにいたしましても、この合意に加えまして実行準備行為がなされなければ実際に処罰はされないということでございますので、実際にその合意がありまして、その後に実行準備行為がない段階では捜査もすることができないということになります。
○福島みずほ君 違いますよ。処罰要件ではあるが構成要件ではないんですよ。 では、逆にお聞きします。 金田大臣、これは共謀で逮捕、勾留できますね。
○政府参考人(林眞琴君) 共謀、犯罪の合意がございまして、それを推進する実行準備行為があった場合、これがなければそれに対する嫌疑というものがないわけでございますので、そこに対してのまず合意がある段階でまだ実行準備行為がなされていないような段階では逮捕でありますとか勾留というものはできません。(発言する者あり)
○委員長(山本一太君) じゃ、もう一回説明して。
○福島みずほ君 条文の書き方が構成要件では処することができるというふうになっているからです。共謀だけで逮捕、勾留できますか。
○政府参考人(林眞琴君) 現在立法をしようとしている段階で、法案を作成しておりますが、少なくとも犯罪を合意しましてその実行準備行為がまだ行われていない段階では逮捕、勾留などができないものとして立法する予定でございます。
○福島みずほ君 これは、二〇〇七年二月二十日付けの自民党法務部会条約刑法検討に関する小委員会の検討結果に示された修正案骨子の中では、わざわざ共謀だけでは逮捕も勾留も処罰もされないものとすることなどとなっています。 今、林刑事局長は、これは処罰要件ではなく構成要件であるという答弁されたということでよろしいんですか。
○政府参考人(林眞琴君) 構成要件であるとか処罰条件であるとか、そういったことについて、それをここで明確にするということではございません。処罰条件というものに講学上のいろんな争いがございます。したがいまして、それが、今回の実行準備行為が処罰条件に当たるのかどうか、構成要件なのかどうかということについて、今ここでは申し述べているわけではございません。 その上で、重大な犯罪の合意があっただけで実行の準備行為がまだない段階においては逮捕、勾留などができないものとして今回立法する予定でございます。
○福島みずほ君 刑事局長、法律家ですから正確に答えてください。 合意のオバートアクトは構成要件になるんですか、ならないんですか。刑事事件ですから重大なことです。これは構成要件になるんですか、ならないんですか。
○政府参考人(林眞琴君) 構成要件になるか処罰条件になるかということではなく、例えば罪となるべき事実には実質的に実行準備行為は含まれております。それから、令状を請求する際の被疑事実、こういったものについても実行準備行為も含まれるものとして立法しようと考えております。 そのことによりまして、当然、処罰する段階においては、実行準備行為が認定されなければ処罰ができませんし、一方で、令状請求をする段階におきましても、実行準備行為がありその嫌疑があるということを疎明しなければ令状請求ができない、また令状が却下されるということになりますので、この重大な犯罪の合意があるだけでその後まだ実行準備行為がなされていないというような段階では逮捕、勾留ができないものとして立法することを予定しております。
○福島みずほ君 局長の答弁では構成要件になるということなんですか。
○政府参考人(林眞琴君) 罪となるべき事実に完全に入りますので、それによって最終的な有罪判決を下すときの罪となるべき事実にこの実行準備行為が入ります。一方で、令状請求の際も被疑事実の中に含まれることになります。 したがいまして、実行準備行為がない段階で単に合意がある段階だけでは令状請求をすることはできませんし、また令状を取得されるような事態にならないと、そのようなものとなるように立法をしようと考えております。
○福島みずほ君 私は、なぜ構成要件になると断定しないのかが分からないんですが、教えてください。
○政府参考人(林眞琴君) 現在、このような実行準備行為というものについて、これを罪となるべき事実の中に含める形で立法しようとしているわけでございます。その場合の実行準備行為というものが構成要件なのかあるいは処罰条件なのかということについては、現在ここで検討結果をお示しする段階にはございません。
○福島みずほ君 これは大きいことなんですよ。処罰条件だったら、今幾ら刑事局長が逮捕、勾留の際に考慮しないと言っても、構成要件ではないわけですから、重要なことは共謀なんですよ。これが構成要件に当たるかどうかは重要な論点なのに、明言しないじゃないですか。刑に処するものとするというふうに与党の案に書いているから、処罰要件にしかすぎず、構成要件ではないんじゃないか。 つまり、この重要な論点はオバートアクトではなくて共謀なんですよ。今だって構成要件なのか処罰要件なのか言わないじゃないですか。だとしたら、この法案の問題点は、従来どおり共謀罪と変わりがないんですよ。共謀に重要な点があるから、これを共謀罪じゃないと言うのはおかしいですよ。テロ等準備行為と言うが、テロという言葉は今の段階で法案に入っていないですよ、与党案に示されたもので。十年間入っていないんですよ。準備行為と言うが、それは予備行為の前の段階のことだから、準備行為でもありません。これはまさしく共謀罪です。 そして、組織犯罪集団の定義の中身、どういうふうに条文に書かれるか、教えてください。
○政府参考人(林眞琴君) 現在、この組織的犯罪集団というものについては法律の中で定義を置きまして、例えば具体的な特定の犯罪を実行すること、このことが団体の結合のための共同の目的となっている、犯罪を実行することが共同の目的となっている、これを、そのような団体を組織的犯罪集団という定義を置きまして、それを法文の中に明記するということを考えております。
○福島みずほ君 沖縄辺野古で高江のリーダーが今勾留中、もう九十五日ぐらいですか、勾留中です。三つ目の被疑事実は威力業務妨害罪。去年の一月、辺野古の前にブロック塀を積んだということで、一月に積んだということで、十二月に起訴になりました。 共謀罪の中に組織的威力業務妨害罪が入っています。団体の中でブロックを積もうと話をし、そしてATMでお金を下ろした、これ、この犯罪成立しますか。
○政府参考人(林眞琴君) 先ほども申し上げましたが、組織的犯罪集団という定義を置きます。したがいまして、まず今回はその犯罪の主体が限定されることになります。 どのように限定されるかといいますと、かつての法案では、団体が団体の活動として組織によってある犯罪を、重大犯罪を共謀したと、これを組織的な犯罪の共謀という形で位置付けておりましたけれども、今回考えておりますのは、その団体、これ自体を更に組織的犯罪集団に限るという形で限定しようと考えております。したがいまして、その組織的犯罪集団、すなわちそもそもその団体の結合の目的が犯罪を実行することにある団体、これだけに限られることになります。 したがいまして、そのような普通の団体、通常の団体、会社、労働組合、NPO団体、こういったものはそういった犯罪を実行する目的で結合しているわけではございませんので、犯罪主体からは除外されるということになります。
○福島みずほ君 条文上はそうならないですよ。会社だって途中から何とか詐欺をやろうとなれば、会社でもみんな組織犯罪を、それは認めているじゃないですか、過去の判例で。そして、ある団体が、ある集団が座込みをしようと言ったら、これ、組織的威力業務妨害罪の共謀ということにもなりかねません。 建造物損壊罪に関する最高裁の判例がありますが、最高裁に来ていただいていますので、その点について、建造物損壊罪、これ、共謀罪の中にも建造物損壊罪入っています。未遂も予備も処罰しないけど、共謀罪入っています。労働組合などに最高裁で建造物損壊罪認めています。一九六六年六月十日、これの十一行目から十九行目まで読んでください。
○最高裁判所長官代理者(平木正洋君) 委員御指摘の箇所を読み上げます。 A公社職員をもつて構成するB労働組合東海地方本部副執行委員長等の地位にある被告人らが、多数の者と共謀の上、斗争手段として、当局に対する要求事項を記載した原判示ビラを、建造物またはその構成部分たる同公社東海電気通信局庁舎の壁、窓ガラス戸、ガラス扉、シヤツター等に、三回にわたり糊で貼付した所為は、ビラの枚数が一回に約四、五百枚ないし約二五〇〇枚という多数であり、貼付方法が同一場所一面に数枚、数十枚または数百枚を密接集中させて貼付したこと等原審の認定した事実関係のもとにおいては、右建造物の効用を減損するものと認められるから、刑法二六〇条にいう建造物の損壊に該当するとした原審の判断は、正当である。 このように記載されております。
○福島みずほ君 あるいは、公衆トイレに反戦と書いたことで、これが建造物損壊罪になった例、最高裁二〇〇六年一月十七日。八行目から二十六行目まで読んでください。
○最高裁判所長官代理者(平木正洋君) 読み上げます。 一 原判決の是認する第一審判決の認定によれば、本件の事実関係は以下のとおりである。 (1) 本件建物は、区立公園内に設置された公衆便所であるが、公園の施設にふさわしいようにその外観、美観には相応の工夫が凝らされていた。被告人は、本件建物の白色外壁に、所携のラッカースプレー二本を用いて赤色及び黒色のペンキを吹き付け、その南東側及び北東側の白色外壁部分のうち、既に落書きがされていた一部の箇所を除いてほとんどを埋め尽くすような形で、「反戦」、「戦争反対」及び「スペクタクル社会」と大書した。 (2) その大書された文字の大きさ、形状、色彩等に照らせば、本件建物は、従前と比べて不体裁かつ異様な外観となり、美観が著しく損なわれ、その利用についても抵抗感ないし不快感を与えかねない状態となり、管理者としても、そのままの状態で一般の利用に供し続けるのは困難と判断せざるを得なかった。ところが、本件落書きは、水道水や液性洗剤では消去することが不可能であり、ラッカーシンナーによっても完全に消去することはできず、壁面の再塗装により完全に消去するためには約七万円の費用を要するものであった。 二 以上の事実関係の下では、本件落書き行為は、本件建物の外観ないし美観を著しく汚損し、原状回復に相当の困難を生じさせたものであって、その効用を減損させたものというべきであるから、刑法二六〇条前段にいう「損壊」に当たると解するのが相当であり、これと同旨の原判断は正当である。 このように記載されております。
○福島みずほ君 労働組合や市民団体でたくさん監禁罪や建造物損壊罪、あるいは市民団体の、さっき高江の件を言いましたが、威力業務妨害罪、成立あるいは起訴になっています。これが組織的威力業務妨害罪としてこの共謀罪の対象になることは大いにあり得ることだというふうに思います。 大阪弁護士会のチラシを見てください。「共謀罪 名前を変えても レッドカード」。これは三回廃案になっております。自民党は今までこれ廃案にしてきたということがあるんですね。二〇〇六年五月二十二日、杉浦法務大臣の記者会見、採決を見送るように、その国対、国会対策委員会ですが、指示があったわけです。小泉総理が指示したのか分かりませんが、自民党はこの共謀罪に関して三回廃案にしました。こういう法案は採決すべきでないと。 私は、この組織的犯罪防止条約、テロと関係がありません。そして、テロと関係があると言いながら、この共謀罪、テロと関係ないたくさんの共謀を、予備以前の行為を処罰しようとしています。これは大変なことだと、現代の治安維持法であり、こんな法案の提出を許さないために国民と頑張る決意を申し上げ、私の質問を終わります。
○委員長(山本一太君) 以上で福島みずほ君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(山本一太君) 次に、アントニオ猪木君の質疑を行います。アントニオ猪木君。
○アントニオ猪木君 元気ですか。元気があれば何でもできる、元気があれば国際交流もできるということで、今回、予算委員会で初めて許可をいただきましたので、もうちょっと大きい声にしようと思ったんですけど。 先日、先週ですか、テレビを見ましたら、飼育員がライオンにシャワーを浴びせようとしたら、かまれてけがをしたというニュースがありまして、私も昔はファンがたくさん何かニュースを見るといろんなものを贈ってくれまして、ライオンが欲しいと言ったら、それからしばらくしてライオンがおりに入って送ってきました。私のときは、そのときはマンションだったものですから、はて、どこに置こうかなと。それより、臭いものですから、風呂場に連れていって、それでシャワー、シャンプーを掛けようと思ったら、うわあっとうなるから、頭をががっとひっぱたいたらおとなしくなりましてね。家族もみんなそのときはもう心配で、何かあったらどうするんだと。でも、非常にいいライオンで、ベランダに寝かせたら、今度は中に入れろということでドンドンたたくものですから、窓、ドアを開けたらいきなりベッドに占領されて、そこでしょんべんされてしまったという、こんな思い出があります。 ということで、本題に入ります。 一寸先は闇という言葉がありますが、一寸先はハプニングというのが私のいつも言っている言葉なんですが、今回のTPPはまさに予想どおりにいかなかったと思います。トランプ大統領、TPPから離脱という大統領令に署名もされ、大統領令にはTPPから永久離脱ということも明記された報道があります。 TPPは昨年二月に正式合意、各国で国内手続を進めています。ただ、TPPを発効するには加盟国のGDP八五%を占める六か国以上が国内手続を完了しなければなりません。アメリカは全体の六割を占めています。このままでは発効は難しいとされています。 日本はTPP発効に備え、先日、同僚の議員からも質問があったと思うんですが、この予算に、TPP予算に一兆千九百六億円の国家予算が組み、一部既に使ってしまったという報道があります。 先日の、昨日ですかね、財務大臣答弁に、TPP予算は一兆三千五百億円とありましたが、これは二十七年、二十八年度、また二十九年度の予算との合計という認識でよろしいでしょうか。財務大臣に伺います。
○国務大臣(麻生太郎君) ちょっと予算の質問通告が出ていませんので、その点に関してはこの前答弁で、どなたかからの答弁に対して三か年間の積算ということを根拠として申し上げた数字のとおりであります。
○アントニオ猪木君 本当に一般の方もTPPという言葉にとらわれて、実際そこにどういうお金が使われているかというのはほとんど関心が行かなかったと思いますが、今回こういう数字が出ました。そして、これだけの多額の税金、まずそれが何に使われたのか、また今後、TPPがこういう状況である以上、この残った予算は何に使われていくのか、国民を含めて分かりやすい御説明をください。
○国務大臣(石原伸晃君) 猪木委員もう御承知のことだと思いますけれども、この予算はTPPの発効を見据えて、ただし、発効しようがしまいが日本の農業を強くしていくために施策する、政策に使うお金、あるいは中小企業が海外に出ていくときに、今そういう企業が本当に、私も会わせていただきますとあるんですね、そういうものを援助するお金、あるいは、先ほども議論になりましたけれども、日本への投資を増やすために執行するお金、委員が今御指摘され、財務大臣から御答弁させていただいた金額は全てTPPを発効することを見据えておりますけれども、発効がその条件ではない予算で、発効した後必要な予算というものは当然出てくるわけですけれども、その予算は計上されておりません。一番大きいものは農業対策あるいは中小企業対策でございますので、詳細につきましては農林水産大臣、経産大臣かにお聞き願えればと思います。
○アントニオ猪木君 ここに表が出ておりますが、一つ一つ質問しても時間がなくなってしまいますが、一番大きいのが攻めの農林水産業への転換という、三千百二十二億というのが出ておりますが、これは改めてまた質問を、これからのTPPの先の行方がどうなっていくのか、今の状況からしたら大変難しい、その中でまた新しい予算の組替えがあると思います。そのときにまた質問をさせてもらおうと思います。 前回もちょっと想定内という、よく、我々いつも戦う場合に想定外はないので、それに対応するような、もう一つは自分の感性も含めて持っていなければならないと。そういう中で、アメリカのTPP離脱を受けて、EUとの経済連携やASEAN加盟国など十六か国が参加する東アジア地域包括的経済連携、RCEPとの協議をすると言われていますが、他国との交渉ですから、あらゆるケースを想定し準備をしていく必要があると思います。前回のTPP特別委員会でも私の所属する外交防衛委員会でも同じことを何度か質問させてもらいました。総理の見解をお願いいたします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほども予算に関してお話をさせていただいたように、TPPを見据えたものというのは、これTPPのみならず、日EUのEPA、あるいは日中韓のEPA、そしてまたRCEP、FTAAP、経済連携がどんどんこれは広がっていくわけであります。そういう中において、日本の農業をそういう状況においてもしっかりと経営が立ち行くように支援をしていく、また海外に打って出ていけるようなそういう体質にしていく、そしてまた中小企業においてもそうでございます。 そういう意味において先ほど必要だというふうに申し上げたわけでございますが、今後、しっかりとこの経済連携を進めていく中において、日本の国民の利益に、そして豊かさにつながっていくような政策を進めていきたいと考えております。
○アントニオ猪木君 先日、メキシコの政府の関係者ともこの件について話をしましたが、大変メキシコも、このまま終わるのではなく、続けていこうというような意見を聞かされました。 次に、入国管理についてちょっとお聞きをしたいと思いますが、いよいよオリンピックまであと三年半となります。外国観光客も増加の傾向にありますが、東京オリンピックにまず来日する予定の人数がどのくらいあるのか、お聞かせください。
○国務大臣(丸川珠代君) お答えいたします。 立候補ファイルには、大会期間中の観客と大会スタッフ数はおよそ一千十万人、一日当たり最大およそ九十二万人という予測がございます。 ただ、これは日本の国内からおいでになる方も含めてでございまして、現在、CIQの強化の観点、また防災、あるいは多言語対応の観点から、関係各所にこの中の外国人の方の数を精査をしていただくようお願いをしているところでございます。
○アントニオ猪木君 私の経験からですが、よく空港を利用しますね。もういろんな国でも百回、何回、もう本当にいろんな国へ行ってまいりましたが、特に空港での対応はその国を好きになれるかどうかと、大変第一印象で左右されるもので、本当に嫌なそこで思いをすると、もうこんな国は嫌だという感じもするし、本当にそこの対応によって国、好きになることもあります。 昨年、国会の許可をもらい訪朝いたしましたが、帰国したら税関員が五、六人、もっとでしょうか、チェックインカウンターを素通りして別室に連れていかれ、荷物を開けられました。別室に行く必要もないからどうぞここで開けてくれよと、みんなに見てもらった方がいいわというんで、ところが、済まなそうな顔をして何とか別室でと言うから、ああ分かりましたということで別室に行きました。 まあ、これは本当に私事じゃなくて、いじめの体質というか、かばんを開けると、片隅のこういうところをこうやって本当に、それでパンツの一枚、間を間を見ているんですね。おまえいいかげんにしろよ、このやろうとどなりたいんですけど、じっと我慢をしている。でも、三十一回も訪朝もしていますが、一回たりともトラブったこともありません。 そういう中で、何年か前でしょうか、出国するときに、羽田に着いてエレベーターに乗って、カートでエレベーターに乗った、そしたら、やはり五、六人、人がわっと囲んで、航空会社の人間にして随分親切だなと思いながらあれしたところ、別室に呼ばれてまた同じように全部ひっくり返してやるものですから。そのときは余り腹が立たない。私は昔鈍感と言われて、三日ぐらいたたないと腹が立たない。あのやろう、あんなこと言っていやがったと思って腹が立つんですが、そのときはちょっと頭にきましたですね。 それで、どこの省があれしているんだと言ったら、余りはっきりしたこと言わないんで、で、分かったことは、税関サイドは経済産業省のお達しで、経済産業省に問い合わせたら、確認しましたが、税関の業務、検査方法は私どものところじゃありませんと貿易管理課が回答してきたんですが。 経済産業大臣にお伺いしますが、まだチェックインもしていない、何の説明もない、令状もない、そういう中でいきなり呼ばれて、多分開けてもいいですかというあれはしたと思います。でも、何にも分からない。もし、これ道歩いている人が、おい、ちょっとちょっと、こうこうこうです、荷物を開けていいですかと、ああ、開けろよと。開けて何か入っていれば別ですけど。本当にそんなような感じで、まだチェックインしていない、どこ行くとも分かっていないんです。そういうことで、こういうことがあったということだけ皆さんにお知らせ願いたい。私も、税関を出るときは一つのゲームにしていまして、面白がって、おまえらもかわいそうだよな、上のばかなやつが指示するから従わなきゃしようがないしなと、そんな感じで税関をパスするのを楽しみにしています。 ということで、大臣の一言お願いします。
○国務大臣(世耕弘成君) 物の輸出入に関しては、どれを輸出していいか輸入していいかということを経済産業省で判断をして、そして経済産業大臣の指揮命令の下、現地では税関職員が対応する。そういう意味では、上のばかなやつは私に当たるわけでありますけれども。 北朝鮮に関しては、これは拉致で日本人の人権を侵害をし、そして核・ミサイル開発によって我が国の安全保障に脅威を与えているということで、この国に対しては大変厳しい制裁措置が行われています。 まず、税関出入りの前の問題として、政府としては北朝鮮に対しては渡航自粛要請をさせていただいているわけでありまして、猪木議員が渡航されたということは、これは政府としては大変残念なことであります。 また、その制裁の一環として、平成十八年からは輸入の全面禁止、そして二十一年からは輸出の全面禁止も行われております。これは、やはりこの制裁の内容を実効あるものにするために大変厳格に運用させていただいています。たとえ個人の旅行者が荷物に入れて持ち運ばれるものであっても、これは場合によっては輸出入として見させていただく、個人の方が持っていっていいものはあくまでも携帯品ということになります。 じゃ、輸出入の判断どうするかというと、今判断させていただいているのは特に新品ですね、未開封のものを持ち込まれるあるいは持ち出されるということに関しては、これは我々は輸出入として判断をさせていただいている。それを捜すために、申し訳ないですけれども、かばんの中身のチェックをさせていただいております。現に、年に少なからぬケース、やはり引っかかる方が出てくるわけであります。 猪木議員が悪意を持って何か密輸をしようとか、そういうことは思っていませんが、例えば北朝鮮でたばこを買われて、たばこを吸われるかどうか分かりませんが、たばこを買われて、それをうっかり未開封のままで持って帰られたら、これは我々としては輸入として見させていただきますので、そういう意味で検査をさせていただいています。 別室へ連れていったのは、これは猪木議員だけではなくて、著名な方、猪木議員は特にもう遠くから見ても猪木議員だって分かるわけですから、そうやって人が集まってきたりしたら大変なことになります。あるいは、スポーツ競技等で団体で来られた方々とかですね、そういう方々は別室で検査をさせていただいている、御理解をいただきたいというふうに思います。
○アントニオ猪木君 いろいろ分からない点がありますから、こういう場を借りて説明をいただくと有り難いです。 最後に、ロシアの、ああ、そういえば、さっき言われた中で気が付いたんですけど、北朝鮮から帰ってくる前に三日ぐらい息しないで空気を吸ったまんま帰ってくるんです。輸入しちゃいけないんです、空気も。一生懸命我慢して、それでちょっと最近心臓が悪い。 それで、もう一つ今日は質問があったんですけど、ロシア問題についてお伺いしようと思ったんですが、八九年にロシア問題に相当取り組んだものですから、この間プーチン大統領が来られて山口で会談もされて、何とかこの次の方向にうまくステップアップしていくように。できれば、いつか北方で格闘イベントをしようということを考えておりますが、まあ何とかそういう時期、あるいはいろんな手回しもあるんですが、根回しも、その辺をひとつまた具体的になったら御報告をさせていただきます。 ありがとうございます。
○委員長(山本一太君) 以上でアントニオ猪木君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(山本一太君) これより締めくくり質疑に入ります。福山哲郎君。
○福山哲郎君 福山でございます。連日になりますが、よろしくお願いを申し上げます。今日はもう六分しかないので、早々に質問を始めたいと思います。 まず、安倍総理にお伺いをします。 トランプ大統領が、テロリストの入国阻止というため、理由で中東、アフリカ七か国からの入国を一時禁止する大統領令について世界中で波紋が広がっています。七か国の出身者はアメリカ内のテロに関与したケースがないにもかかわらずこういう大統領令を出したので、憲法に違反するのではないかとか、排外主義、差別主義との批判の声が上がっています。ドイツやカナダ、イギリスの首脳、首相からも批判がされています。 昨日、安倍総理は、米国政府の考え方を示したものでコメントする立場にないと言われました。しかし、例えば今回入国禁止になったソマリア、イエメンは、我々はアデン湾で海賊の対処として自衛隊を派遣しています。そして、イエメンでは、テロをイエメンで育てないようにということで、日本はイエメンに関する国際会議で復興支援をしています。 実は、入国の禁止や排外的なものは他国ばかりではありません。日本も御案内のように、戦前、一九〇五年、有名なサンフランシスコ学童隔離事件がありました。これはもう総理御案内だと思います。アメリカの公立学校に通学する日本人の学童を隔離することを決めました。この一九〇五年から一九二四年の排日移民法、日本人を排除する排日移民法までずっと排日の運動がアメリカには起こり、そして結果としてその後戦争に突入することになりました。 人類は、第二次世界大戦後の知恵の中で、自由主義が経済に資するんだと、特に西側がそういう主張をし、日本はその中で成長し豊かな国になってまいりました。それは自民党政権が歴代やられてきたことも私は評価をしています。 そういう状況の中で、先ほど申し上げた戦前の一九二四年の排日移民法が成立する中で、当時何とアメリカ人が言っていたかというと、日本人の移民は低賃金で長時間労働をいとわないと、だから白人労働者の仕事を取ってしまう、なくすと言われています。今は安い海外製品が米国に流入し、雇用を奪っているという主張をトランプ大統領がされ、一九四〇年にアメリカは米国第一主義を掲げました。今回のトランプ大統領も米国第一主義を掲げています。 これは、総理が言われた、日米は、自由、民主主義、人権、法の支配といった普遍的価値で結ばれているというのは、私は全く異論はありません。日米同盟が不変かどうかは分かりません、それは七十年前、我々は戦争したわけですから。しかし、普遍的な価値で結ばれている不変の同盟、日米同盟が基軸だと言われれば、僕は、普遍的な価値で結ばれているんだったら、その言葉については同意をします。しかし、残念ながらその自由が今危うくなりそうな感じがあります。人権もまさにそうです。法の支配も、今日、この移民の問題、七か国に対して入国を禁止した問題に対して異論を唱えた司法長官代理に解任をされたそうです。 総理、十日に日米首脳会談やられるそうですが、EUも中東やアジアの国も、日本の総理が、日米同盟基軸は私は分かりますが、こういった価値がひょっとしたら揺らぐんじゃないかと、アメリカはということに対して、アメリカの政策だからコメントする立場にないと日本の総理が言ったら、本当に世界中は失望すると思いますよ。本当に、昨日国会で言われた、アメリカの政策だからコメントする立場にないという立場を総理は日本国の総理大臣として、自由や民主主義や人権や法の支配を標榜する国の、価値を体現する国の総理として、本当にそういう発言をされるんですか。この今のトランプ大統領の、日米同盟基軸は私は否定しません。そのことについて、どのように総理、本当にお考えなのか、どうか御披瀝ください。よろしくお願いします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 各国の入国管理政策は基本的には内政事項であり、委員御指摘の大統領令については米国内においても様々な意見があると承知をしておりますが、言わば難民に対してどのように対応していくか、あるいは移民についてはどのような姿勢を取っていくか、出入国管理はどのようにやっていくかというのはその国が判断することであろうと、このように思うわけでありますし、日本は日本としての出入国管理を行っておりますし、難民に対する対応を行っているということであります。 その中で、言わば国際社会としてこうした難民が出ている状況に対して、米国を含めて世界が対応していくべきだというのはこれは当然のことであろうと、こういうことでございまして、その中において、米国の移民政策に関する大統領令の実施状況について日本政府としても関心を持って見守っていきたいと、このように思うわけでありますが、繰り返しになりますが、日本としては、こうした難民が出てくるという状況を根絶をするために、その中で世界が協力をしていかなければいけないと、日本も大きな役割を担っていかなければならないと考えております。
○福山哲郎君 総理、ごまかさないでください。私は難民と言っていません。国を指定して、その国からの入国を今阻止していることについてどう思っているかと聞いているんです。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) つまり、米国がこれは出入国管理について行っているわけでございまして、出入国の、これは米国がどのような管理を行っていくかということについては、我々は注視しておりますが、今その政策について直ちにコメントすることは差し控えたいと思います。
○福山哲郎君 首脳会談のときもそう言われるわけですか、そのことに対してノーコメントだと。そのときに、日米同盟は先ほど申し上げたような自由や人権や法の支配であり、日米同盟を確認したというコメントを出したら、世界中から日本はどう思われるか考えてみてください。 私は、この国会で言われないのは、まあ一定政治的な問題もあると思いますから理解はしますが、しかし、大変世界が、日本の総理が首脳会談でこのトランプ大統領の政策についてどういうコメントを出すのか世界中が注目されていますし、日本は、日米同盟は基軸ですが、日米二か国だけで生きているわけではありません。世界中の国とともに生きています。そして、日本には普遍的な価値があると私は思っています。 どうか安倍総理のどうか思い切った決断をいただきますことをお願いして、今日は話すことばかりになりましたが、私の質問を終わります。
○委員長(山本一太君) 以上で福山哲郎君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(山本一太君) 次に、辰巳孝太郎君の質疑を行います。辰巳孝太郎君。
○辰巳孝太郎君 日本共産党の辰巳孝太郎でございます。 昨年、保育園落ちたのブログがあり、今も保育難民、待機児童の問題は深刻であります。受皿整備というわけでありますが、保育士資格のない者でも条件によって保育に従事させるなどの規制緩和を行っており、保育の質が今大きく問われております。全国で広がろうとしている保育園、幼稚園の集約、統廃合問題について今日は質問をいたします。 二〇一五年に子ども・子育て支援新制度が本格的に始まりました。この意義と目標について述べてください。
○国務大臣(加藤勝信君) 子ども・子育て支援法に基づくということでございますので、その第一条において、「我が国における急速な少子化の進行並びに家庭及び地域を取り巻く環境の変化に鑑み、」、一部省略いたしますが、「子ども・子育て支援給付その他の子ども及び子どもを養育している者に必要な支援を行い、もって一人一人の子どもが健やかに成長することができる社会の実現に寄与することを目的とする。」ということを掲げているわけであります。 また、子ども・子育て支援法は、保護者が子育てについての第一義的責任を有するという基本的認識の下、市町村を実施主体として、地域の実情に応じて幼児期の学校教育、保育、また地域の子ども・子育て支援を総合的に推進するというものであります。
○辰巳孝太郎君 それでは続けて、目的達成のための基本姿勢はどういうものでありますか。
○国務大臣(加藤勝信君) 目的達成に関しては、子ども・子育て支援法に基づく基本指針においてるる述べております。 一部を披瀝させていただきますが、子供の最善の利益が実現される社会を目指すとの考えを基本に、子供の視点に立ち、子供の生存と発達が保障されるよう、良質かつ適切な内容及び水準のものとすることが必要であること、全ての子供に対し、身近な地域において、子ども・子育て支援法に基づく給付その他の支援を可能な限り講じるとともに、一人一人の子供の健やかな育ちをひとしく保障することを目指す必要があること、また、子ども・子育てをめぐる状況に鑑みれば、行政が子ども・子育て支援を質、量共に充実させるとともに、家庭、学校、地域、職域その他の社会のあらゆる分野における全ての構成員がそれぞれの役割を果たすことなどにより、家庭を築き、子供を産み育てるという人々の希望がかなえられるとともに、全ての子供が健やかに成長できる社会を実現していかなければならないことなどをその中で規定をさせていただいております。
○辰巳孝太郎君 今、子供の視点に立ち、子供の最善の利益、そして身近な地域において量だけでなく質が重要だと、こういう話でございました。 しかし、実態はどうかと。今、自治体で公立保育所や幼稚園の集約化や統廃合が住民の声を聞かないまま進められようとしております。大阪府、人口二十七万人の八尾市は、現在二十六ある公立の保育所、幼稚園をたった五つのこども園に集約するという、こういう計画が進められております。 今日資料にも付けました、一枚目でありますが、そのうちの一つは自衛隊駐屯地の真横に設置をされる予定だと。ヘリの発着時の騒音問題について保護者から大変大きな懸念が示されております。大阪府知事はこの隣にある自衛隊駐屯地にオスプレイの配備を提言したこともあり、なおさら心配の声も出されております。隣の八尾空港では、昨年三月に四名の方が亡くなる小型機の事故もありました。 認定こども園の設置基準は位置についてどのように定めておられますか。
○政府参考人(西崎文平君) お答えいたします。 幼保連携型認定こども園の学級の編制、職員、設備及び運営に関する基準の第十四条におきまして、「幼稚園設置基準第七条の規定は、幼保連携型認定こども園について準用する。この場合において、同条第一項中「幼児の教育上」とあるのは「その運営上」と、同条第二項中「施設及び設備」とあるのは「設備」と読み替えるものとする。」と規定されております。 その幼稚園設置基準第七条でございますが、幼稚園の位置は、幼児教育上適切で、通園の際安全な環境にこれを定めなければならない、また、幼稚園の施設及び設備は、指導上、保健衛生上、安全上及び管理上適切なものでなければならないと規定しているところでございます。
○辰巳孝太郎君 総理、今ありましたけれども、認定保育園、幼稚園もそうですが、施設及び設備は安全上適切なものでなければならない。こういうところの施設は不適切ではないですか。
○国務大臣(加藤勝信君) 今、規定について説明をさせていただきましたけれども、幼保連携型認定こども園の、どこに設置するかということについては、運営上適切で、かつ通園、運営上適切、すなわち園児の道徳教育上、保健衛生上、害がない、また、通園の際の交通上の安全も考慮して定めるというふうになっているわけであります。ただ、最終的にはそれぞれの地域において設置者及び認可権者が適切に判断されるものと認識しております。
○辰巳孝太郎君 これだけじゃないんですね、問題は。大規模化もあるわけです。 大阪府阪南市の計画、人口五万四千人の自治体で、市内の市立保育所三か所と幼稚園四か所を一つの総合こども園に統廃合するという計画であります。家電量販店ヤマダ電機の建物を改修して、六百三十人もの子供を一か所に集めて保育するものであります。これでは日常生活圏での子育てが不可能になると保護者からは猛烈な反対の声が出され、この計画は一旦撤回に追い込まれております。 確認しますが、保育所を選んだ理由として一番多いものはどういうものがありますか。
○国務大臣(塩崎恭久君) これ、平成二十四年地域児童福祉事業等調査というのがございまして、そこで、調査によりますと、保育園を利用している世帯が現在利用している保育園を選んだ理由としては、一番が、自宅から近いが六二・五%と最も多くなっております。
○辰巳孝太郎君 それは家に近い保育園、幼稚園選ぶのは当然なんですね。しかし、集約化で、ある方は自転車で三十分掛けて施設に送らなければならなくなったと、もうこういう声が出ているわけです。総理、距離が遠くなる、通園時間が長くなる、これは一億総活躍、女性の活躍妨げるものになるんじゃないですか。
○国務大臣(加藤勝信君) 先ほど御説明いたしましたように、基本的にはそれぞれの地域において、その実情に応じて、また適切な教育、保育のニーズが満たせるよう、それぞれの自治体が判断されるということでありまして、政府としてもそうした整備が円滑に進むよう自治体と連携して取り組んでいるところであります。
○辰巳孝太郎君 この集約、統廃合の背景には、総務省が進める公共施設等総合管理計画があります。どのようなものか、何のために行うのか、説明してください。
○国務大臣(高市早苗君) 過去に建設された公共施設などがこれから大量に更新時期を迎えます。一方で、地方公共団体の財政は依然として厳しい状況にございます。また、公共施設などの更新に合わせて、人口減少などによる今後の利用需要の変化に対応した公共施設等の適正配置を実現する必要がございます。それらを踏まえまして、各地方公共団体が公共施設などの全体を把握して、長期的視点に立って公共施設等の総合的かつ計画的な管理を行うことで、維持管理、更新などに係る財政負担の軽減、平準化、また施設配置の最適化を図るということが重要です。 そのために、総務省では、平成二十六年四月に各地方団体に対して公共施設等総合管理計画の策定を要請し、現在、平成二十八年度末までの策定に向けて各団体が取り組んでいるというものでございます。
○辰巳孝太郎君 具体的な財政支援、どういうものですか。
○国務大臣(高市早苗君) 総務省では、この施設配置の最適化を後押しするために、平成二十七年度に公共施設最適化事業債を創設しました。公共施設最適化事業債は、事業費の九〇%に充当することができまして、その元利償還金の五〇%について交付税措置を講じるものでございます。
○辰巳孝太郎君 では、この事業債の活用実績をお答えください。
○国務大臣(高市早苗君) 平成二十七年度においては、全体で二十五団体、三十三件です。うち保育所や幼稚園の集約化、複合化分は九団体、十件です。平成二十八年度は、一月三十一日現在ということになりますが、全体で三十九団体、四十八件です。そのうち保育所や幼稚園に関しましては十四団体、十六件となっております。
○辰巳孝太郎君 つまり、これ、集約、統廃合されている三割は保育施設なんですよ。集約することと延べ床面積が減少することが条件になっていますから、これ、財政支援も国が後押ししてこういう統廃合を進めているということであります。 これ、支援法の子供の最大の利益、全くないんじゃないですか。総理、どうですか。
○国務大臣(高市早苗君) この公共施設等総合管理計画を策定して今最適配置を進めていただいているというのは、この施設の集約化や複合化を行う場合につきましては公共施設最適化事業債が活用はできますけれども、これは認定こども園や保育所といった特定の施設の廃止や統合を進めようとするものではございません。 各地方公共団体において、認定こども園を始めとする子育て施設について、それをどのように配置することが子供さんや保護者の利益にかなうのかということも含めて、議会や住民の方々と御議論を行いながら十分検討していただきたいと存じます。
○辰巳孝太郎君 いや、そうじゃなくて、この間、国は建設や改修、運営費、補助費の廃止や一般財源化を進めてきたわけですよ。だから、自治体はこういうものに飛び付かざるを得なくなっているわけですね。 この幼保一体化の難しさ、私はここも一つ指摘をしたいと思うんですね。現場でどういう声が出ているか。例えば、幼稚園の子供たちが二時に帰ってしまう。その後残った子供たち、保育の子供たちははさみを使った保育はやらないんだと、帰った子供たちの差ができるからだと、そのやりたい気持ちをあしたに回そうと、こういうことが出てきているわけですね。十月の運動会に間に合わせるために竹馬の練習しなきゃならない。だけど、幼稚園の子供は夏休みいないから、これ九月にできなくなる……
○委員長(山本一太君) 辰巳君、時間終了していますから、短くまとめてください。
○辰巳孝太郎君 これ、こういうことが現場で起こっているんです、総理。これどう考えますか。
○委員長(山本一太君) 加藤大臣。──じゃ、総理。最後に短く簡潔にお願いします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 御指摘の園の配置の在り方については、それぞれの地域の実情に応じて、子供の利益にかなうかどうかを含め、各地方団体において検討されるべきものと、このように考えております。
○委員長(山本一太君) おしまいですから。
○辰巳孝太郎君 はい。終わります。
○委員長(山本一太君) 以上で辰巳孝太郎君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(山本一太君) 次に、浅田均君の質疑を行います。浅田均君。
○浅田均君 日本維新の会、浅田均でございます。 この機会にも、私は再就職問題、公務員の天下りに関する問題をなくすためにどうしていったらいいのか議論させていただきたいと思います。 先ほどの議論を通じまして、公務員の天下り、退職管理について、言わば二つの仕組みがあると。私たちは、これ大阪システムと呼びましょうか、それと対比して霞が関のシステムがあると。両方とも退職管理に関わるシステムです。片っ方は、外郭団体への天下りを全面的に禁止していると、適用除外に関して審査する委員会がある、こういう仕組みです。これがうまく機能している。だから、今、昔あったような天下り問題に関する大きな問題は生じておりません。 他方、霞が関も同じようなシステムをつくられた。その一番大きな違いは、外郭団体、出資法人、国が補助金とか資金を投じている団体に対する天下りを全面的には禁じていない、禁じていないというのがこれ一番大きな違いですよね。一点。それから二点目は、その審査するところがないと、事実上ない。先ほどのお話ですと、人事課が直接利害関係があるかないかを判断すると。それで、狭い範囲での直接の利害関係がなかったらそれはオーケーということになっております。それを審査するべく、大阪におけるそういう、人事監察委員会といいますけれども、それに対応する再就職等監視委員会、これは単に報告を受けるだけでチェック機能を持っていない。だから、これチェック機能を持たす必要があると思うんですね。それが改善点の一点です。 それから、私は、これから全容が明らかになって、また新しい制度改正ということになろうかと思いますけれども、その時点でハローワークの活用というのを是非提案させていただきたいと思います。今、人材バンクというのがあって、求職情報と求人情報がある。そこでそのマッチングするのはいけないと。求職情報、求人情報を集めるところがあって、ただマッチングはしないという仕組みをつくるならば、それはハローワークと同じ仕組みなわけですね。だから、既にあるハローワークをそういう公務員にも適用対象、求職、求人情報の扱う機関として使ってはいかがかなと思っているんですが、こういう考えに関して、総理、どういうふうにお考えでしょうか。
○委員長(山本一太君) 山本行革担当大臣。簡潔にお願いいたします。
○国務大臣(山本幸三君) 国家公務員法の改正では、天下りを根絶するというのが根本であります。つまり、役所が、あるいは職員があっせんをしてはいけないと、そういうことを徹底しているわけでありまして、その上で監視委員会というのがきちっとチェックしていくと。これは監視機能、権限を持っておりますので、まさにそれが機能したからこそ今回の文部科学省の事案が出てきたわけであります。 それから、ハローワークということでありますが、これは、公務員が辞められてハローワークに行かれるということは当然あり得ます。それからまた、内閣で官民人材交流センターというのもございまして、ここは民間のそういう求人会社と提携してやっているところでございます。
○浅田均君 終わります。
○委員長(山本一太君) 以上で浅田均君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(山本一太君) 次に、福島みずほ君の質疑を行います。福島みずほ君。
○福島みずほ君 希望の会、社民党の福島みずほです。 総理にお聞きをいたします。 女性の活躍ということであれば、選択的夫婦別姓を是非認めていただきたい。衆議院に議員立法で継続審議になっています。いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 夫婦同氏を定める民法第七百五十条の規定については、平成二十七年十二月十六日の最高裁判決において合憲との判断が示されたところでありますが、他方で、同判決においては、制度の在り方は国会で論ぜられ判断されるべき事柄だとの指摘がされたところであるのは承知をしております。また、平成八年に法制審議会が選択的夫婦別氏制度の導入を答申したものと承知をしています。 選択的夫婦別氏制度については国民の間で様々な意見があり、例えば直近の内閣府における世論調査では、反対が三六・四%、容認が三五・五%、通称のみ容認が二四・〇%などといった結果になっております。また、報道機関が行った調査においても賛成と反対の意見が分かれているものと承知をしておりますが、この問題は我が国の家族の在り方に深く関わるものでありまして、国民の間に様々な意見があることから、最高裁判決における指摘や国民的な議論の動向を踏まえながら慎重に対応する必要があるものと考えております。
○福島みずほ君 女性の活躍というのであれば、本当にこれ女性は困っています。 日経新聞のインターネット調査によると、働く既婚女性の四人に一人が職場で旧姓を通称使用しています。いかがでしょうか。また、今結婚する人の四分の一が再婚カップル、中高年で結婚する人たちも私の周りにたくさんいます。選択制なわけですから、女性の活躍というのに画竜点睛を欠くと。みんなこれで困っている。総理、いかがですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今申し上げたとおりでありまして、国民の中に今、様々な意見があり、意見が分かれているという状況の中においては、先ほど答弁させていただいたとおりであります。
○福島みずほ君 いや、残念です。女性を応援する、女性を、働く人を応援する、いろんな女の人を応援するということであれば、これ選択制なわけですから、選択的夫婦別姓、是非認めていただきたい。これに踏み込まない自民党は、女性を本当に活躍する気があるのかというふうに思います。是非踏み込んでください。 先ほど積み残したことについて、締めくくりですから質問させてください。 防衛費は補正予算合わせて五兆二千九百五十七億円ということでよろしいですね。
○国務大臣(稲田朋美君) 今、五兆二千九百五十七億円は、二〇一七年度の当初予算のうちSACOの米軍再編を込みにした五兆千二百五十一億円と、二十八年度の三次補正の千七百六億円を足し合わせたものだと考えております。
○福島みずほ君 ここで給付型奨学金について質問し、それは実現を、一部ですが、することになりました。 公立小中学校の給食の無償化四千二百二十七億円、国立大学の入学金と授業料の無償化三千三百十五億円、国公立、私立大学、全ての大学の入学金と授業料の無償化三兆九百七十六億円です。 総理、人々に、子供たちに、こういうところにお金を使ってほしい。いかがですか。
○国務大臣(松野博一君) 事実関係について私の方から説明をさせていただきます。 学校給食に要する経費のうち、食材費については保護者が、給食施設整備費や人件費については学校の設置者がそれぞれ負担し、国は学校施設環境改善交付金の中で給食施設を対象としております。家庭の経済状況が厳しい要保護及び準要保護の児童生徒に対しては保護者負担分を援助することとしています。これによりまして、学校給食費については必要な貧困対策を既に講じているところであります。 意欲と能力のある学生が家庭の経済事情にかかわらず大学教育を受けられるようにすることは教育の機会均等を図る上で重要であり、これまでも授業料の減免等や奨学金の充実により経済的負担の軽減に努めてきたところであります。 来年度予算において、授業料免除の一層の拡大に加え、無利子奨学金について低所得者世帯の子供に係る成績基準を実質的に撤廃するとともに、残存適格者を解消することとし、事業として前年度二百七十九億円増の三千五百二億円に拡充したところであります。また、卒業後の所得に応じて返還月額が変わる所得連動返還型奨学金制度を導入することとしています。さらには、返還不要の給付型奨学金制度を新たに創設することとし、日本学生支援機構に造成する基金に七十億円を措置することといたしました。 子供の貧困対策や教育費負担軽減の観点から様々な施策を講じている中、学校給食費や大学の無償化については、財源確保の必要性などの観点から慎重に検討する必要があると考えております。
○福島みずほ君 是非やっていただきたい。 アメリカからの武器購入金額はどんどん増え、二〇一六年は四千八百五十八億円です。日本は、オスプレイ十七機、三千六百億円掛けて買うと言われています。 オスプレイ、日本以外でアメリカから買った国はありますか。
○委員長(山本一太君) じゃ、最後に、防衛大臣。 稲田防衛大臣、時間が来ておりますので、簡潔に御答弁お願いします。
○国務大臣(稲田朋美君) 日本以外に買った国はありません。
○福島みずほ君 日本以外に買った国はない。墜落したオスプレイ買う必要はないと思います。アメリカに対して意見をしっかり言う、そんな日本であるべきだと思い……
○委員長(山本一太君) 終わってください、時間ですから。
○福島みずほ君 そのことを申し上げ、質問を終わります。
○委員長(山本一太君) 以上で福島みずほ君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(山本一太君) 次に、松沢成文君の質疑を行います。松沢成文君。
○松沢成文君 無所属クラブの松沢成文です。 五輪のゴルフ会場問題について、まず担当大臣に伺います。 私は、これまでも何度も霞ケ関カントリー倶楽部の問題点を取り上げ、会場変更を要請してきました。そして、昨年十一月の文科委員会で、霞ケ関の女性差別は五輪憲章に反していて問題だと指摘をしましたが、大臣は、会場問題を決めるのは組織委員会とIOCだとして全く対応をしていただけませんでした。ところが、この私の問題提起を受けて、そのIOCの側から、オリンピック精神に相入れない現状では会場を変更せざるを得ないと改善要求が出されたわけです。 さて、大臣、具体的に伺いますが、霞ケ関カントリー倶楽部で女性が議決権を有する正会員になれない、加えて、原則としてですが、日曜日にプレーすることができない、これは女性差別ですよね。
○国務大臣(丸川珠代君) まず、松沢委員の御質問に対して全く対応しなかったというのは、これは誤りでございまして、私は、質問いただきました十一月の二十二日に、まず事務局から組織委員会に対してお願いをいたしました、このような御指摘がありましたと。続けて、十一月の二十四日に、今度は遠藤会長代行にお伝えをいたしまして、私から改めて直接、遠藤会長代行にまたその後お会いした際にお伝えをして、問題意識を持っていただくようお願いをしたところでございます。 先生御指摘のように、最近になってIOCが組織委員会に対して、これはJGAが公表した内容でございますけれども、正式に女性正会員への開放を要請しており、現在、IGF、組織委員会、JGAと霞ケ関カンツリー倶楽部で対応を検討しているところということでございます。 私も、オリンピック憲章、またIOCエシックス二〇一二に掲げる男女平等原則というのは非常に重要な項目だと考えております。霞ケ関カンツリー倶楽部が民間のクラブ組織であること、また会場決定は最終的にIOCがIFと相談して決めるという、これはもう厳然たる事実でございますので、事実は申し上げましたけれども、私はきちんと対応させていただいたということ。 また、私も非常に奇妙には思いますけれども、スポーツあるいは教育の分野においては、例えば高校野球の甲子園への出場については男子生徒に限られていたり、教育機関として国公私立を問わず女子大学、男子高校、女子高校などが存在しているということで、男性又は女性のみに資格が認められていることが全て不合理とはされていない部分が世の中にはあるということはまた事実として存在いたします。 いずれにしろ、オリンピックのゴルフ競技会場については、オリンピック憲章、また先生が御指摘になられましたIOCエシックス二〇一二というものを非常に重要に考える必要があろうかと思います。
○松沢成文君 行動してきたなんといったって、ろくなことをやっていないですよ。四者協議で取り上げると約束したのに何にも発言していないじゃないですか。行動していないんです、あなたは。 さあ、霞ケ関カントリー倶楽部の定款細則は、全ての個人は性別によるいかなる差別を受けることなくスポーツする機会を与えられなければならないというオリンピック憲章の基本原則と、この原則と矛盾する企業又は個人に関与してはならないというIOCの倫理規程に違反していますよね。どうですか。
○国務大臣(丸川珠代君) 霞ケ関カンツリー倶楽部がどのように対応をしてきたのかということを改めて今確認をしている途中でございますけれども、少なくとも、私が松沢委員の指摘を受けまして関係各所に確認をしたところ、IFそれからNF共に、これはIOCの納得を得て進んできた会場の決定であるというふうに説明をされましたので、私はそのように理解をしておりましたけれども、今般、このようなIOCからの指摘を受けて、まず組織委員会も大変重要に受け止めて、JOC、これはオリンピズムの日本における推進者でございますけれども、JOC、JGA、そして、今言ったのはJGAは日本ゴルフ協会ですね、それから国際ゴルフ連盟とともに霞ケ関カンツリー倶楽部に対して要請を行うということでございますので、要請をしっかりできる限り早く受け止めていただくことが必要であろうと思っております。
○松沢成文君 全然答えていないんです。霞ケ関の定款細則……
○委員長(山本一太君) ちょっと待ってください。 ちょっと速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(山本一太君) それじゃ、速記を起こしてください。
○国務大臣(丸川珠代君) オリンピック憲章に違反しているか否かを決める権限があるのはIOCでございます。(発言する者あり)
○委員長(山本一太君) もう一回速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(山本一太君) 速記を起こしてください。
○国務大臣(丸川珠代君) 先ほども申し上げましたけれども、オリンピック憲章やIOCエシックス二〇一二というものを重視する、あるいはそれを守るということは、オリパラ成功のためには重要であると考えております。しかし、この項目について私は意見をする立場にないということは御理解をいただきたいと思います。
○松沢成文君 全く答えられない大臣なんですね。 さあ、安倍総理、安倍総理はリオの閉会式に行ってスーパーマリオに扮して、次は東京だ、皆さんいらっしゃいとやってきたわけですよ。でも、その東京大会の準備においてオリンピック憲章に違反するような決定がなされている可能性があるといってIOCからそれが指摘されているんです、今。これについて、日本国のトップである、開催国のトップである総理大臣としてどのような見解をお持ちですか。相当まずいんじゃないですか。
○委員長(山本一太君) 安倍総理大臣。時間が終わっておりますので、簡潔にお願いします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私も、例えば、では、オリンピック丸川担当大臣と一緒に霞ケ関カンツリー倶楽部で日曜日にプレーができないというのは、そもそもそこでオリンピックを開くというのはそれはどうかという意見があるのは当然だろうと、こう思います。そもそも女子も男子もあるわけですから、日曜日にできないのに、では日曜日にプレーすることになったらどうするんだということも当然あるんだろうと、こう思います。 そういう観点から、丸川大臣は言わば対応するように申し入れているところである、言わば丸川大臣はそのように対処するように申し入れているということについては、その含意をお酌み取りいただきたいと、このように思います。
○委員長(山本一太君) 終わっていますから。終わりです。──時間がない、まとめる時間ないんです。終わっています。これでゼロで。少し延びていますから。
○松沢成文君 はい。 今後よく検討してください。
○委員長(山本一太君) 以上で松沢成文君の質疑は終了いたしました。 これにて質疑通告者の発言は全て終了いたしました。 以上をもちまして、平成二十八年度第三次補正予算二案に対する質疑は終局したものと認めます。 ─────────────
○委員長(山本一太君) それでは、これより討論に入ります。 討論の通告がありますので、これを許します。なお、発言者は賛否を明らかにしてお述べ願います。矢田わか子君。
○矢田わか子君 失礼します。 民進党・新緑風会の矢田わか子です。 会派を代表しまして、ただいま議題となりました平成二十八年度第三次補正予算二案に対し、反対の立場から討論を行います。 安倍総理がアベノミクスという経済金融政策を打ち出され四年が経過しましたが、依然として実質賃金は低迷し、消費も設備投資も力強さに欠け、そして今回、税収の見通しを下回る税収減という事態が生じました。政府は法人税の下振れは為替変動によるものだと説明されていますが、実質的には日本経済がいまだデフレ脱却に成功していないということではないでしょうか。生鮮食品を除く消費者物価も昨年三月以降十か月連続で下落しており、アベノミクスの中心的目標である物価の二%上昇は全く見通しが立っておりません。まさにアベノミクスは行き詰まったと言わざるを得ません。 このような状況の下で第三次補正予算が編成されましたが、民進党として、以下の三つの理由から反対を申し上げます。 まず第一の理由は、緊要性が疑わしい予算項目が計上されているという点です。 そもそも補正予算は、財政法第二十九条において、予算作成後に生じた事由に基づき特に緊要となった経費の支出又は債務の負担を行うために編成されるべきものですが、本補正予算案は、例えば防衛費が一千七百億円も追加されています。我が国を取り巻く安全保障環境が厳しい状況にあるとはいえ、毎年、毎年度一千億円以上も補正予算で追加計上する緊急性や重要性が本当にあるのかどうか、十分な御審議を尽くすべきであります。 第二の理由は、不用と見込まれる予算項目を含め、既定経費の見直しが不十分な点であります。 本補正予算では、予備費を除く既定経費の軽減は三千五百億円にとどまっております。このうち二千百億円は国債費の減額であり、実質的な歳出見直しは僅かであります。歳出を見直す姿勢や努力がほとんど見られません。 第三の理由は、本補正予算の歳入の大部分は国債であり、そこには財政健全化に真摯に取り組む意欲が残念ながら感じられないということです。 安倍総理は、二〇二〇年度プライマリーバランス実現という財政健全化目標は堅持するとの方針を変えておられませんが、今回の赤字国債の増発で、一般会計における基礎的財政収支の赤字は当初予算の十・八兆円から十六・七兆円へと大幅に拡大します。これでは財政再建目標の達成はますます困難となり、将来世代に大きなツケを残すこととなります。 以上、補正予算に反対する主な理由を述べましたが、民進党は、従来型の公共投資中心の財政出動ではなく、人への投資こそが中長期的な成長の基盤となるとの考えに立ち、保育、介護、教育等への公的支援の更なる拡大に取り組む決意を申し上げ、私の反対討論を終わります。 ありがとうございました。(拍手)
○委員長(山本一太君) 平木大作君。
○平木大作君 公明党の平木大作でございます。 私は、自民、公明の両会派を代表して、ただいま議題となりました平成二十八年度第三次補正予算案に対し、賛成の立場から討論を行います。 相次ぐ自然災害やテロを始めとする国際社会の激動など、現在日本が取り組まなくてはならない喫緊の課題が山積しています。災害からの復旧を一刻も早く進めるとともに、将来を見通すことが難しい国際情勢の中にあって、事前に不確実性の芽を摘み、不測の事態に対処できるよう準備しておくことが回復基調を取り戻しつつある国内経済にとっても極めて重要であります。 その裏付けとなる本補正予算案の早期成立と迅速な執行が今強く求められていることを申し上げ、以下、賛成の主な理由を述べます。 第一に、昨年夏の北海道、東北地方の豪雨、台風被害や熊本地震からの復旧復興等に対する施策が盛り込まれた点であります。 災害復旧事業費、災害関連事業費を大幅に積み増すことで、昨年発生した災害からの早期復旧を図るとともに、過年度発生災害についても来年度予算分の事業を一部繰り上げて実施することとされており、復興の加速化に資するものとなっています。 また、災害からの復興を進めるためには、なりわいの再建が欠かせません。本予算案には、被災地からの声を受けて、中小企業等の施設設備の復旧費用や、畜舎、農業用ビニールハウスの再建支援、次期作付け支援策などがきめ細かく盛り込まれており、高く評価するものであります。 第二に、国際機関を通じた国連平和維持活動、いわゆるPKOや、難民支援、アジア諸国のテロ対策向上への取組が計上されました。 特にPKO分担金は、昨年四月以降に策定された国連南スーダン共和国ミッションを始めとする計十ミッションのPKOマンデートの延長等に伴い、平成二十八年度内に支払義務が生じた経費となります。不安定な国際情勢の中で世界の平和と安定に資する重要な貢献であり、国民の皆様の御理解も十分に得られるものと考えます。 あわせて、今回の国連を始めとする国際機関への拠出金は、難民問題対策、保健・感染症分野のグローバルな課題、テロ対策、軍縮・不拡散体制の強化等、当初予算の策定後に生じた事態を受けて計上されたものであります。人間の安全保障を確保する観点からも極めて重要なものであることを指摘しておきます。 第三に、自衛隊の安定的な運用態勢の確保が手当てされることとなりました。総理の施政方針演説でも言及されていたとおり、北朝鮮が昨年、二度にわたる核実験や二十発以上の弾道ミサイル発射を強行した事態は、日本として看過できるものではありません。本年に入ってからも大陸間弾道ミサイル、いわゆるICBMの発射準備を進めていることを度々表明しており、警戒監視態勢の強化等に万全を尽くす必要があります。 なお、今般の補正予算案ではおよそ一・七兆円の特例公債発行が盛り込まれましたが、この点については、円高による輸出企業の円建ての売上げが目減りした影響などを反映したあくまで一時的な法人税収の減少などに伴うものであると政府から説明があったところであります。安倍政権以降の税収の増加基調に変わりはなく、一時的な要因による税収減について赤字国債で対応することはやむを得ないと考えます。 政府におかれましては、本補正予算成立後の適切かつ迅速な予算の執行を始め、成長と分配の好循環の推進に一層力を尽くされることを要請いたしまして、私の賛成討論を終わります。(拍手)
○委員長(山本一太君) 辰巳孝太郎君。
○辰巳孝太郎君 日本共産党の辰巳孝太郎です。 私は、日本共産党を代表して、二〇一六年度第三次補正予算に対する反対討論を行います。 本補正予算における北海道、東北地方における台風災害や熊本地震の復旧の災害対策費は緊急かつ必要な支出であり、賛成をいたします。しかし、第三次補正の防衛費予算一千七百六十九億円の六五%を占める一千百十二億円は、歳出費前倒しとして、P1対潜水艦哨戒機二十機三百六十二億円、F35A戦闘機八機六十八億円、F15戦闘機の近代化改修八機十八億円ほかを支払うもので、安倍首相が進める戦争する国づくりを進める補正予算となっております。 財政法の第二十九条一号にある「法律上又は契約上国の義務に属する経費の不足を補うほか、予算作成後に生じた事由に基づき特に緊要となつた経費の支出」の規定にも逸脱するものであります。 また、本補正予算は、安倍政権の進めるアベノミクスが破綻し、景気悪化が進行していることを示したものとも言えます。 本年度の税収は当初見積りを大幅に下回る見通しで、所得税、法人税、消費税などがマイナスという厳しい財政状況を示し、結局、一兆七千五百十二億円の特例公債と千十四億円の建設国債を発行して財政不足を補うものであります。年度途中の税収見積り減額と赤字国債の追加発行という事態は、実に七年ぶりであります。 安倍首相は、施政方針演説で、全国津々浦々で確実に経済の好循環が生まれていると述べました。しかし、我が党が明らかにしたように、大企業の経常利益はこの三年間で一・五倍近くに増え、内部留保は五十二兆円増、過去最高の三百八十六兆円余りに膨らむ一方、大企業の正社員労働者の給与、賞与は一・四%の伸びにすぎず、消費税の増税で実質マイナスです。中小企業や非正規も含めた全労働者では、安倍政権発足前と比べ、実質賃金で実に年収で十九万円ものマイナスです。家計消費も十五か月連続で前年比マイナスを続けています。これでは全国津々浦々で確実な好循環が生まれているとは到底言えません。アベノミクスの破綻を認めて、こうしたゆがんだ社会を立て直す政策に転換することが必要です。 そのためには、第一に、消費税増税をやめて、富裕層や大企業への優遇を正し、能力に応じて負担する公正公平な税制を実現すること。 第二に、軍事予算や大規模開発にメスを入れること。社会保障や教育、子育て支援を進め、格差是正の予算を増やしていくこと。 第三に、長時間労働を規制し、非正規から正社員が当たり前の社会をつくること。最低賃金を時給千五百円にすること。そして、八時間働けば普通に暮らせる社会をつくること。 第四に、中小企業を基幹産業に据え、支援し、農林水産業の抜本的充実を図ることなど、国民の生活を第一にする政治に転換することを求め、反対討論といたします。(拍手)
○委員長(山本一太君) 藤巻健史君。
○藤巻健史君 日本維新の会、藤巻健史です。 私は、我が党を代表して、平成二十八年度一般会計第三次補正予算案二案に賛成の立場から討論をいたします。 今回の補正予算は、災害対策費、国際分担金及び拠出金、自衛隊の安定的な運用態勢の確保等の事項について処置を講ずるものです。 災害対策費については、昨年八月末の北海道、東北の豪雨、台風災害等への対応として災害復旧事業を行うとともに、熊本地震からの復旧復興に関わる災害廃棄物の処理費用を積み増ししています。 我が党は、今年度第二次補正予算案には賛成いたしました。リニア予算前倒しを評価し、各地の災害復興は道半ばと考えたからです。 我が党は、熊本地震の発生直後に震源地の益城町の被害状況を視察し、緊急提言を政府に提出いたしました。現地では、昨年末にようやく益城町復興計画ができたところです。熊本地震、北海道、東北の豪雨、台風災害はもとより、災害復旧事業予算全体がまだまだ十分ではないと考えます。もちろん、災害復旧や国土強靱化に名を借りた無駄が生じないよう、公共事業の効率化や合理化は必要であり、今後、予算の執行についても常に厳しく監視してまいります。これは他の歳出項目についても同様であります。 歳入について言えば、一兆七千億円の税収不足が発生します。財政法第四条では原則として禁止されている赤字国債が更に発行されることには強い懸念を感じます。また、名目GDPが増加するのに、今年度税収等は減少予想。安倍首相は、アベノミクスの果実を社会保障に回すとおっしゃっていますが、果実は実らなかったわけです。 社会保障の原資は、身を切る改革を始めとした徹底的な行財政改革による歳出削減等、確実な原資を基に行うべきではないでしょうか。特に、文部科学省で違法、不当な天下りが発覚したことに鑑み、国立大学運営費交付金、私学助成金、さらには独立行政法人を含む天下り法人全体への交付金、補助金の見直しも厳しく行うべきです。 我々が指摘した問題点につきまして今後誠実な対応を強く要望し、我が党は、平成二十八年度一般会計第三次補正予算案二案に賛成をいたします。(拍手)
○委員長(山本一太君) 福島みずほ君。
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。 希望の会(自由・社民)を代表し、二〇一六年度第三次補正予算案に対し、反対の立場から討論を行います。 まず冒頭、昨年の糸魚川市における大火で被災された皆様にお見舞いを申し上げます。また、今なお大雪被害に遭われている皆様に心からお悔やみとお見舞いを申し上げます。この間、社民党は政府に、糸魚川大火に対し被災者生活再建支援法に基づく支援を申し入れましたが、同制度が適用されることになったことに対し感謝を申し上げます。 本補正予算案において、相次ぐ災害に対し支援を実施していくことは、財政法二十九条が定める補正予算の緊要性に照らし、賛同いたします。しかしながら、その他の問題点は指摘せざるを得ません。 安倍政権下においては、補正予算を次年度の当初予算と合わせて編成する十五か月予算が続いており、次年度予算の事業を前倒し計上する粉飾的手法が常態化しています。 今回は、防衛省が二〇一七年度の概算要求に盛り込んでいた弾道ミサイル防衛関係経費の一部を前倒し計上しました。当初予算で計上すべき経費を政権の便利な財布であるかのように補正予算で措置し、当初予算だけでなく補正予算においても防衛費を膨張させていくことは、断じて容認できません。 また、安倍総理は、この間の税収増をアベノミクスの果実として強調し、野党に対して赤字国債を財源に社会保障の充実を行うような無責任なことは私たちは行いませんとレッテル貼りをしてきました。しかし、本補正予算案は、この間の消費税増税、法人税減税などと相まったアベノミクスの失敗により税収を一・七兆円も下方修正するとともに、減収分を補うために赤字国債をリーマン・ショック以来七年ぶりに追加発行することにしました。 今や、アベノミクスのブレーンである浜田宏一内閣官房参与ですら、考えが変わったとしています。アベノミクスの破綻は明らかであり、経済政策を抜本的に転換すべきです。 さらに、本補正予算案で既定経費を減額し財源を捻出していますが、そうであるならば、発効が絶望的となったTPP関連予算の執行停止、見直しなどで財源を捻出すべきです。 以上、戦争法施行により防衛費の膨張への歯止めがなく、失敗が明らかとなったアベノミクスの転換を求める立場から、本補正予算案に反対であると申し上げ、討論を終わります。(拍手)
○委員長(山本一太君) 以上で討論通告者の発言は全て終了いたしました。討論は終局したものと認めます。 それでは、これより採決に入ります。 平成二十八年度一般会計補正予算(第3号)、平成二十八年度特別会計補正予算(特第3号)、以上二案に賛成の方の起立を願います。 〔賛成者起立〕
○委員長(山本一太君) 多数と認めます。よって、平成二十八年度第三次補正予算二案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。(拍手) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山本一太君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後三時三十三分散会