予算委員会 第1号
- 発言数
- 541 件
- 登壇者
- 24 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 2017/01/30
会議録
○委員長(山本一太君) ただいまから予算委員会を開会いたします。 国政調査に関する件についてお諮りいたします。 本委員会は、今期国会におきましても、予算の執行状況に関する調査を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山本一太君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(山本一太君) 平成二十九年度一般会計予算、平成二十九年度特別会計予算、平成二十九年度政府関係機関予算、平成二十八年度一般会計補正予算(第3号)、平成二十八年度特別会計補正予算(特第3号)、以上五案を一括して議題といたします。 政府から趣旨説明を聴取いたします。財務大臣麻生太郎君。
○国務大臣(麻生太郎君) 平成二十九年度予算及び平成二十八年度第三次補正予算の大要につきましては、既に、本会議において申し述べたところではありますが、予算委員会での御審議をお願いするに当たり、改めて御説明させていただきたいと存じます。 最初に、平成二十九年度予算について申し上げます。 平成二十九年度予算は、経済・財政再生計画の二年目に当たる予算であり、現下の重要な課題に的確に対応しつつ、経済再生と財政健全化の両立を実現するものといたしております。 具体的には、一億総活躍社会の実現に向け、保育士及び介護人材等の処遇改善や給付型奨学金の創設などの主要な取組を確実に行ってまいります。科学技術振興費を伸ばすとともに、公共事業関係費の成長分野への重点化など経済の再生に直結する取組を推進いたしております。また、国民生活の安全・安心を確保する観点から、海上保安体制の強化やテロに備えた情報収集・対処能力の強化などを行ってまいります。 一般歳出につきましては、五十八兆三千五百九十一億円であり、これに地方交付税交付金等十五兆五千六百七十一億円及び国債費二十三兆五千二百八十五億円を加えた一般会計総額は、九十七兆四千五百四十七億円となっております。 一方、歳入につきましては、租税等の収入は、五十七兆七千百二十億円、その他収入は、五兆三千七百二十九億円を見込んでおります。また、公債金は、三十四兆三千六百九十八億円であり、前年度当初予算に対し、六百二十二億円の減額を行っております。 次に、主要な経費について順次御説明をさせていただきます。 社会保障関係費につきましては、一億総活躍社会の実現に向け、保育士及び介護人材等の処遇改善を行うこととしておりますほか、保育の受皿拡大、年金受給資格期間の短縮など社会保障の充実を図ることとしております。一方で、持続可能な社会保障制度を構築する観点から、社会保障に係る改革工程表等に沿った医療・介護制度改革の着実な実行等に取り組むことといたしております。これらの結果、三十二兆四千七百三十五億円を計上いたしております。 文教及び科学振興費につきましては、給付型奨学金の創設や無利子奨学金の拡充など、一億総活躍社会の実現に向けた取組の充実を図るほか、大学改革、教育環境の整備等を推進することといたしております。また、民間投資を引き出し、日本経済の成長力を高めるような研究開発を重点的に推進することといたしております。これらの結果、五兆三千五百六十七億円を計上いたしております。 恩給関係費につきましては、二千九百四十七億円を計上いたしております。 地方財政につきましては、歳出特別枠を減額するなど地方歳出を見直す一方、地方の一般財源総額を適切に確保するため、地方交付税交付金等を増額し、地方に最大限配慮いたしており、十五兆五千六百七十一億円を計上いたしております。 防衛関係費予算につきましては、中期防衛力整備計画に基づき所要の取組を講じるとともに、沖縄の基地負担軽減等のための在日米軍再編事業を着実に推進することといたしており、五兆一千二百五十一億円を計上いたしております。 公共事業関係費につきましては、豪雨・台風災害等を踏まえた防災・減災対策や、民間投資を誘発し、日本の成長力を高める事業などへの重点化・効率化を推進することとしており、五兆九千七百六十三億円を計上いたしております。 経済協力費につきましては、難民対策等のグローバルな課題への対応に重点化しつつ、ODAは予算・事業量共に必要な額を確保しており、五千百十億円を計上いたしております。 中小企業対策費につきましては、事業承継支援及び下請取引対策を充実するほか、生産性の向上や資金繰りの対策等にも万全を期すこととしており、一千八百十億円を計上いたしております。 エネルギー対策費につきましては、省エネルギーの推進支援に重点を置きつつ、国内資源の開発や海外資源の権益確保等を推進するほか、原子力防災対策等に取り組むこととしており、九千六百三十五億円を計上いたしております。 農林水産関係予算につきましては、農林水産業の成長産業化を図るため、輸出力の強化や農業基盤整備の充実等に取り組むことといたしております。これらの結果、公共事業関係費のうち、農林水産関係部分を含め、全体で二兆三千七十一億円を計上いたしております。 国家公務員の人件費につきましては、給与改定や給与制度の総合的見直し、定員純減等を的確に予算に反映させることにより、五兆二千五十五億円となっております。 東日本大震災からの復興につきましては、復興のステージに応じた課題に対応するため、平成二十九年度東日本大震災復興特別会計の総額を二兆六千八百九十六億円といたしております。 平成二十九年度財政投融資計画につきましては、現下の超低金利環境を生かし、リニア中央新幹線の全線開業前倒しを図るほか、成長戦略の実行や地域活性化に向け、長期のリスクマネーを積極的に供給するなど、真に必要な資金需要に適切に対応し、総額十五兆一千二百八十二億円といたしております。 以上、平成二十九年度予算について御説明を申し上げました。 続いて、平成二十八年度第三次補正予算について御説明をさせていただきます。 一般会計において、災害対策費、国際分担金及び拠出金、自衛隊の安定的な運用態勢の確保など、総額六千二百二十五億円の歳出の追加を行うことといたしております。これらにつきましては、既定経費を四千百六十四億円減額するとともに、税外収入で一千四十七億円の増収を見込むほか、建設公債を一千十四億円発行することで対応することといたしております。 他方、税収は、最近までの収入実績等を勘案して、一兆七千四百四十億円の減収を見込んでおります。また、地方法人税の税収減に伴う地方交付税原資の減額の補填のため、地方交付税交付金を計上いたしております。これらについては、特例公債一兆七千五百十二億円発行することで対応することといたしております。 この結果、平成二十八年度一般会計第三次補正後予算の総額は、一般会計第二次補正後予算に対して歳入歳出共に二千百三十三億円増加し、百兆二千二百二十億円となっております。 また、特別会計予算につきましては、所要の補正を行っております。 以上、平成二十八年度第三次補正予算につきまして、その内容を御説明させていただきました。 何とぞ御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願いを申し上げます。 なお、本日、本委員会に「平成二十九年度予算の後年度歳出・歳入への影響試算」及びこれに関連いたします国債整理基金の資金繰り状況等について仮定計算、提出いたしております。よろしくお目通しのほども併せてお願いを申し上げます。
○委員長(山本一太君) 以上で平成二十九年度総予算三案及び平成二十八年度第三次補正予算二案の趣旨説明は終了いたしました。 なお、総予算に関する副大臣の補足説明は省略し、これを本日の会議録の末尾に掲載いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山本一太君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。 ─────────────
○委員長(山本一太君) 委員派遣承認要求に関する件についてお諮りいたします。 平成二十九年度総予算三案審査のため、二月十三日及び十四日の二日間、山形県に委員派遣を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山本一太君) 御異議ないと認めます。 つきましては、派遣委員等の決定は、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山本一太君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(山本一太君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 平成二十八年度第三次補正予算二案審査のため、必要に応じ政府参考人の出席を求めることとし、その手続につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山本一太君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。 ─────────────
○委員長(山本一太君) 平成二十八年度第三次補正予算二案に関する理事会決定事項について御報告いたします。 本日及び明日の質疑は総括質疑方式で行い、質疑割当て時間は二百八十三分とし、各会派への割当て時間は、自由民主党・こころ八十八分、民進党・新緑風会八十三分、公明党三十五分、日本共産党三十三分、日本維新の会二十二分、希望の会(自由・社民)十一分、無所属クラブ十一分とすること、質疑順位につきましてはお手元の質疑通告表のとおりでございます。 速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(山本一太君) 速記を起こしてください。 ─────────────
○委員長(山本一太君) 平成二十八年度一般会計補正予算(第3号)、平成二十八年度特別会計補正予算(特第3号)、以上二案を一括して議題といたします。 これより質疑に入ります。蓮舫君。
○蓮舫君 おはようございます。民進党の蓮舫です。 総理、申し訳ございません、通告をしていないのですが、二十八日にアメリカのトランプ大統領と電話会談をされました。そのときの感触、そして二月十日にワシントンで首脳会談に臨まれるということです。その思いについてまず聞かせていただけますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先般、土曜日に、二十八日に電話して首脳会談を行いまして、二月の十日に日米の首脳会談を行い、その場で安全保障また経済全般にわたって議論を行い、また、アジア太平洋地域の現状認識も含めて議論をしていくことによってお互いに信頼関係を構築し、そして日米同盟の揺るぎない姿を世界に発信していくことで一致したところでございます。
○蓮舫君 トランプ大統領が中東、アフリカ七か国の市民の入国を一時的に禁止するという大統領令に署名、国内外で反発が広がっているんですが、自由の制限とか、あるいは報復措置、分断を生むかのような対応というのは懸念を私は感じるんですが、総理はどうお考えになりますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今、蓮舫委員が御紹介のような大統領令を発出していることは承知をしておりますが、日本としては、G7の議長国でもあります。また、私も国連演説等で、この難民が出てくるような状況を根絶をする、その中で世界が協力をしなければいけないということにおいて日本はその役割を果たしていきたいと、このように考えております。
○蓮舫君 トランプ大統領が署名をした大統領令は難民だけではなくて一般国民ですが、その件に関しては何かお考えはありますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは、米国の言わば大統領令という形での米政府の考え方を示したものであろうと思います。それについて私はこの場でコメントする立場にはございませんが、いずれにせよ、いずれにせよ、我々はこの難民への対応は国際社会が連携して対応していくべきものであると、このように考えております。
○蓮舫君 トランプ大統領は、同じく大統領令で、総理が進めていたTPPから永久に離脱と署名をされました。その後の大統領の発言を見ていても、日本車、その貿易が不公平と述べるなど、どちらかというと保護貿易主義、米国第一主義というのが、私は、これまで世界が協調して進めてきた自由貿易ではない、真逆に進んでいるように懸念を示しておられるんですが、是非、ワシントンでの首脳会談のときには、主張すべきものは主張をして、安易に譲らないようにしていただきたいとお願いをしたいと思います。 さて、総理、昨年の秋、総理は、アベノミクスの果実で保育の充実や介護離職ゼロ対策に使うとしていましたが、この審議をする補正予算案で一・七兆の赤字国債を発行する羽目になりました。もはやアベノミクスの財源は見当たらないどころか、基礎的財政収支は昨年七月より三兆円悪化する見通しとなりました。二〇二〇年度のプライマリーバランス黒字化、あるいはその財政再建というのは随分絶望的な状況になっているんですが、それでも総理は、この間、消費税増税二度先送り、予定していた社会保障の充実も先送りして、そのツケはこれから国民が負担を担わされることになります。 いま一度、ここで総理のアベノミクス、立ち止まってみてはいかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) プライマリーバランスについての目標、二〇二〇年度の目標については既にお話をしているとおりでありますが、私たちが進めてきているこの経済政策によって税収は二十二兆円、民主党政権時代よりも増えているのは事実でございます。そしてまた、国債の、公債の発行額も減額を続けているのも事実でございます。そして同時に、プライマリーバランスについても、十五兆円改善しているのも事実、民主党政権のときから比べてこの四年間で十五兆円改善しているのも事実であります。また、二〇一五年の半減目標は何とか達成することができたわけでございます。 状況はもちろん厳しい状況ではありますが、しっかりと税収を伸ばしていく、そして歳出削減するところはしっかりと効率化を図っていきたいと、このように考えております。
○蓮舫君 どうか今日は自画自賛と他者の批判だけではなくて議論をさせていただきたいんですが、まず、総理が進めるとされた働き方改革、これはなぜ進めようと思われたんでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 働き方改革については、先般、電通の社員が働き過ぎ、過酷な労働状況によって自らの命を絶つという悲しい出来事もありました。そして、それと同時に、我々は一億総活躍社会を掲げているわけでありまして、女性も高齢者も、あるいは難病を持っている方も一度失敗した方も、皆さんがその能力を生かせる社会をつくっていく、そのためにはまた多様な働き方がしたいというニーズもあるわけでありまして、その中でそういうニーズに応えていく、そして誰もが自分の能力を発揮できる社会をつくっていく、そういう柔軟な働き方を実現をしていかなければならないと、このように考えております。
○蓮舫君 生産年齢人口が縮小していく中で、一人一人の労働生産性を高めることは議論をまつまでもないと思っているんですが、私たちは、この働き方改革で優先すべきは長時間労働の規制だと考えています。それは、過労死等で一度失ったらもう二度と取り戻せない命をどうやって守るのか、これが最大の私たちは考え方の基軸にしています。今日は、過労死御遺族の方々もこの場に来られて傍聴をされています。 総理、確認ですが、総理の言われる柔軟な働き方改革、これは長時間労働助成ではなくて、長時間労働規制であると考えていいですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今、蓮舫委員も一人一人の生産性を上げていくことが大切であるということをおっしゃった、それは認識が同じではないかと、こう思うわけでございます。 働き方改革の中において働き過ぎを是正をしていく、これは当然のことであって、それによって豊かな人生を送っていくことができるようにもなっていくわけでありますし、そして過労死のような状況は決して起こさない、そういう働き方に変えていくと同時に、それによって生産性も上がっていくと我々は考えているところでございます。
○蓮舫君 長時間労働をなくすには、残業の上限、時間規制を設けること、併せてインターバル規制を入れることが大事だと、我々は既に法案を出しています。 現行の労働基準法三十六条、法律の上限を超え残業が認められるのは一か月四十五時間が基礎となっているんですが、各紙報道で、この週末、政府案の上限は年七百二十時間、月平均六十、繁忙期に限りは百時間、二か月続けて八十時間、この残業を認める方向でと一斉に報道されましたが、この方向でまとめるんでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 報道は報道でございまして、私ども、時間外労働の上限につきましては、今基本的な考え方は総理から申し述べたところでございますけれども、今、政府の働き方改革実現会議におきまして、これから有識者、労働者、使用者側の議員から様々な意見を承って検討を深めていこう、そして実態をやはりきっちりと見て、しっかりと議論をして結論を出していこうと、こういうふうに考えております。 誰に対して何時間の上限をするか等々の具体的な規制の中身につきましては、当然のことながら、脳疾患あるいは心臓疾患の労災認定基準、いわゆる過労死基準をクリアするといった健康の確保を図った上で、女性や高齢者、そして様々な方々が活躍しやすい社会をつくる、まさにそれが一億総活躍社会づくりでありますが、この観点、そしてワーク・ライフ・バランスをしっかりと改善をしていく観点など、様々な視点からこれから議論を深めていこうと思っているところでございます。
○蓮舫君 いや、答えていません。 一斉に報道された、繁忙期に限り月百時間、二か月で八十時間まで認める、この議論を進めているんですか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今申し上げたとおり、これからまさに働き方改革実現会議において具体的な議論が、二月一日に初めて長時間労働の問題について議論をしていただくようになっているわけであって、報道は報道であって、私どもとしては正式にこの実現会議で議論を深めてまいりたいと、こう思っているところでございます。
○蓮舫君 では、確認します。メディアそろっての誤報と断言するんですね。
○国務大臣(塩崎恭久君) 私ども、労働基準法、それからそれに基づく大臣告示を所管する官庁として、これからどういうふうに三月末の、この計画に向けて、働き方改革の基本に向けて議論するかということは、当然我々は我々として考えているわけでありますが、実際に正式な議論をやっていただくのはこの実現会議であります。したがって、この二月一日が第一回目の長時間労働に焦点を当てた議論をしていただくわけでありますので、これから議論を深め、どのような議論から結論が得られるか、我々、実態もしっかりと見ながら議論を深めていきたいと考えているところでございます。(発言する者あり)
○委員長(山本一太君) 速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(山本一太君) 速記を起こしてください。
○国務大臣(塩崎恭久君) 報道がどういう報道をされているのかということは報道の皆さんに聞いていただかないと私どもよく分かりませんで、私どもは、先ほど申し上げたとおり、二月一日に初めて実現会議で長時間労働について議論を始めるというところでございまして、先ほど申し上げたように、我々、この所管をする、法律を所管をする役所としていろいろな検討を常にしているわけでありますから、それをどういうふうに取材をされて報道されるかは報道の自由でありますので、私どもとしては何とも、誤報であろうかどうであろうかということの判断はなかなかできないということでございます。
○蓮舫君 加藤大臣、事実はどうでしょうか。
○国務大臣(加藤勝信君) 御承知のように、働き方改革実現会議、大きく九つ、同一労働同一賃金始めとしていろんな議論をしていただいておりまして、これまで、昨年末には同一労働同一賃金についてのガイドライン案も出させていただいて議論をさせていただきました。 そして、いよいよこの次の改革会議で長時間労働の是正についてをテーマとして、有識者、経済界、そして労働界の代表の皆さん交えた議論をスタートするというのが今の状況でございます。
○蓮舫君 過労死の労災認定基準、いわゆる過労死ラインというのは、二か月から半年の月平均が八十時間、一か月で百時間とされています。月百時間といいますと、毎日深夜二十三時まで働かせていいということになります。 今報道されている政府の方針、月百時間、二か月八十時間まで残業時間を認めるとあるんですが、法律で過労死ラインまで働かせていいとお墨付きを与えるのは私は大きな懸念があるんですが、総理、この懸念は共有していただけますか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今の御質問は、報道が正しいとして御質問になったんだろうと思いますけど、先ほど申し上げたとおり、また加藤大臣からも申し上げたとおり、これからまさに議論をする、そういう段階でございますので、どういうふうにしていくのかというのは、先ほど申し上げたとおり、この過労死基準をクリアするという健康確保を図った上で、さっき申し上げたように、女性あるいは高齢者が活躍しやすい社会をつくるため、あるいはワーク・ライフ・バランスをどう実現していくのかと、こういうことを一緒に議論していただこうというのが私どもの考えでございますので、二月一日の議論でどういうようなお考えを皆さんがお示しになるのか、私どもとしてもそのお考えを待っているところでございます。
○蓮舫君 総理、これまで八十時間、百時間働いて長時間労働、その結果、過労死と認定された御遺族の方たちの話を聞きますけれども、それを法改正で百時間、八十時間まで認めてしまったら、これまで過労死認定されていた方たちが救われないということになる。そういう法改正の数字、一般的に適正だとお考えですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいま厚労大臣が答弁をさせていただいたように、果たしてどれぐらいの時間が適正かどうかということについて、まさにワーク・ライフ・バランス、健康状態との関係ということも含めて、これから有識者会議がスタートするわけでありますから、そこで御議論をいただきたいと、このように思っております。
○蓮舫君 議論をした上で、法律はいつ出すんでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 議論がしっかりと収れんし、この作業が済み次第、法律を提出したいと考えております。
○蓮舫君 我々は既に法案を出しています。我々の法案は審議をしてもらえません、国会で、自民党の反対で。 では、政府からいつ法案が出てくるのか。法案を出していかなければ議論にならない。いつ出していただけるんですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 議員立法については、国会がお決めになることでございます。 そこで、政府としては、今申し上げましたように、有識者会議の議論が収れんをし、そして準備が整い次第、提出をさせていただきたいと思っております。
○蓮舫君 それは今国会という理解でよろしいですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 準備ができ次第、提出をしたいと考えております。
○蓮舫君 今国会じゃないこともあるということですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 準備ができ次第、党内手続、与党手続も含めて準備ができ次第ということであります。
○蓮舫君 去年の秋に働き方実現会議を設けて、その冒頭で、議長である総理は、迅速に法案を国会に出していくと言いました。もう既に五か月が経過しています。いつ出すんですか。
○国務大臣(加藤勝信君) 長時間労働の是正を含めまして、この三月末までに働き方改革実現会議で取りまとめ、実行計画を決めていただくということにしております。 そして、その実行計画を踏まえて法案の作業に入るわけでありますけれども、その過程には、これまでも御指摘いただきました労働政策審議会、重要な政策についてはここで諮るということになっておりますから、この取りまとめをした中身も踏まえながら、そうしたところでどう検討していくのか、それらをしながら、それから法案作業を進めていくと、こういう段取りになっていくわけでありますけれども、ただ先ほど総理がおっしゃったように、できるだけスピード感を持って迅速に進めさせていただきたいと、こういうふうに思っております。
○蓮舫君 いつ法案を出すかも答えられなくて、できるだけ迅速にと、余りにも矛盾をしていると思うんですけれども、こうしている間にも、例えば長時間労働で大変苦しい思いしている方もいるかもしれない、過労死に追い込まれる方もいるかもしれない。 もう問題は、課題は明らかなんです。インターバル規制を入れて、仕事が終わってから次始まるまでに一定時間の休息を入れる、あるいは残業の労働時間に上限、何時間ぐらいがいいのか、これをしっかり入れていくことによって過労死を予防することができるんです。 一体いつまで議論をするのか。どうして法案を出さないのか。総理、なぜすぐ出せないものなんでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) これは蓮舫議員もよく御存じのとおり、労働規制というのは、様々な労働の形、そしてまた経済活動があるわけで、それへの影響というのは当然様々考えていかなきゃいけないのはもう御案内のとおりであります。 今申し上げたように、実現会議では一日から議論を本格的に始めるわけでありますし、実行計画が三月末までに決定をされるように我々努力をするわけでありますが、それが固まった時点でどういうふうにするのかというのは、先ほど加藤大臣からお話があったとおり、労政審でどう議論するのかしないのか、これらも含めてしっかりとこの計画を皆さんと議論していただき、これには、実現会議には連合の会長も入っていただいているわけでありますので、しっかりと連合の御意見も聞いた上でこの計画をまとめ、それを受けてどのような形で法案を早急に出せるのかということを考えるということでございます。
○蓮舫君 今、厚労大臣が実現会議には連合の会長も入っていると言いましたが、たしか労働者の代表は一人だけで、経営側の代表は七人です。余りにもアンバランスなので、なるべく経営側の理論に持っていかれないように、しっかりとそこは丁寧な議論をしていただきたいと私たちも思っています。 他方で、我々の法案では、総理、インターバル規制を義務付けることを盛り込んでいます。EUでは既に十一時間が義務付けられている。高橋まつりさん、先ほど総理も触れられましたが、過労死をされた彼女は、約五十三時間ほぼ連続して社内にいたという記録もありました。こうしたことをなくすためにも一定の休息時間を設けるインターバル規制は必要だと我々は考えますが、総理、いかがでしょうか、総理の考えを聞かせてください。
○委員長(山本一太君) まず、じゃ、加藤国務大臣。
○国務大臣(加藤勝信君) 御指摘ありますように、勤務間のインターバル、その就業時間が終わってから始業するまでの間の時間をどう確保するかということでありますけれども、これをしっかり確保するということは、働く方の生活の時間、また睡眠時間を確保し、健康な生活を送るため大変重要だというふうにも思っております。そういったことも含めて、これから実現会議で御議論いただくということになるんだと思います。 ただ、残念ながら、実態として、今、日本ではそうしたものを入れている企業というのは二・二%という状況でありますから、まずは私どもとして、そうしたインターバルを導入する企業、特に中小企業も含めて、それを推進をし、その割合を高めていく。また、実際インターバル時間の数もまちまちでありまして、今取り組んでいる中には七時間から八時間というところが一番多くて、二八%という状況でもございます。そういったものも含めまして、まずはしっかりとした環境をつくっていくということに取り組んでいるところでございます。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) インターバルを設けることは重要だろうと、こう考えておりますが、健康な生活を送るためにも重要であります。 一方、日本ではまだ二・二%の企業が導入しているのみでございますし、また、EU指令におきましても、業種で十四もの例外規定が設けられているのも事実でありまして、労務管理上の課題があるわけでございます。 政府としては、インターバルを導入する、これは中小企業等も導入をするということにおいて、我々もこれは支援をしていかなければいけないわけでありますから、助成金の創設や好事例の周知を通じて自主的な取組を推進して、規制導入についての環境整備を進めていく考えでございます。
○蓮舫君 我々は法律でしっかり義務付けるべきと考えているんですが、総理は企業の自主努力、自主取組を優先すべきだという認識ですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今申し上げましたように、導入をしているEUにおきまして、EU指令におきましても、これは全てではなくて十四のこれは例外規定が設けられているという事実もございます。そのように、労務管理上の課題、業種業種によって様々な課題があるのも事実でございます。そうした中において、中小企業もございます。そうした中小企業も含めて、そうしたところがこのインターバルを設ける状況をつくっていく上において、まずはしっかりと政府が支援をしていく中において規制導入の環境整備を進めていく、そういう考え方でございます。
○蓮舫君 つまり、政府としては、助成金はつくるけれども、企業側にそれを積極的に設ける働きかけというよりは、自主的に取り組んでほしいという答えだと伺いました。 厚労大臣、助成金の仕組みを予算案でつくられていると思いますが、どういう仕組みでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今総理から申し上げたように、まずはインターバルを導入する中小企業への助成金の創設を今回いたしたところでございまして、そしてまた、加えて好事例の周知を通じて制度が広く導入されるようにということで、自発的な中小企業のインターバルを導入をした際に、それを応援をするという形の助成金ということで創設をさせていただいたということでございます。
○蓮舫君 中身を伺っています。
○国務大臣(塩崎恭久君) 金額等、仕組みがどうなっているのかということを申し上げれば、この対象となるインターバル時間数、中小企業が導入された場合ですね、それは九時間以上を想定をしております。助成率と上限額でございますが、これは費用の四分の三を助成をする、そして上限は五十万円ということで、中小企業の皆様方に自主的にインターバル規制を導入をされることについての支援をしてまいりたいと、こう考えているところでございます。
○蓮舫君 インターバル制度を導入するとした事業主が労働時間管理のこれ機械や器具を買って、実際に労働時間の改善に成果が上がった会社にその経費の一部を助成をする。機械や器具を助成するからインターバル制度を入れる、その会社がどれだけ増える見通しでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今、機械とおっしゃったんですが、これまず助成の概要は、先ほど申し上げたとおり、その自発的に導入された中小企業事業主に対して助成をするということでありますが、その助成の対象は、就業規則等の作成、変更費用、あるいは研修費用、それから労務管理用、今おっしゃった機器などの導入そして更新費用など、これはシフトをいろいろ変えなきゃいけないとかいろんなことがあるので、この今申し上げたような就業規則などについてもしっかりと直すということ、そして研修もしていかないと定着はしないということで、このような形にしているところでございます。
○蓮舫君 総理、三億七千万円を使って、今インターバル制度を導入している二・二%の企業の割合を増やしていくんだと、党首討論で総理はこう主張されました。どれぐらい増やすのかという見通し、今厚労大臣からもまだ答えが返っていませんが、一体どれぐらいまで増えたら、どれぐらいまで増やしたら法律としてインターバル制度を導入するのか。総理は党首討論でもこの導入をちゅうちょすべきではないと答弁をされていましたが、一体いつになったら、どれぐらいの割合まで増えたらインターバル制度を法制化する予定でしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) このインターバル制度を導入していく上においては、先ほども答弁をさせていただきましたように、中小企業においてもしっかりとそういう体制が整えることができるという状況をつくっていく必要が確かにあるんだろうと思います。 その中において、既にそれを導入している、二・二%とはいえ、その中で実際に業務が回っている、あるいは生産性が上がっている、つまり効率化を進めていくことによって、インターバル制度を導入したとしてもその業務実績が落ちないということになっていくわけでありますから、その好事例等々をしっかりと展開をしていくことも重要であろうと、こう思うわけでございます。 そういう中において、中小企業等々も含めて準備体制をしっかりと整えさせていくということが混乱を避ける上において大切なことであろうと、実際に実効あらしめるためにも大切であろうと、こう考えているわけでありまして、今どれぐらいになったからかということを聞かれたわけでありますが、にわかに今ここでお答えすることはできないわけでありますが、まずはそうした取組を広げていきたいと、こう考えているところでございます。
○蓮舫君 過労死の弁護士の方とか御遺族の方々にお話を伺うと、過労死を予防するのに最も効果的なのはインターバル規制だと私たちは伺っています。他方で、経済界の方たちに話を伺うと、インターバルの導入には慎重な期待をする声が多いのも事実です。これは働く方たち一人一人の豊かさ、その方たちの健康、心身の安全を考えて、経済界ではなくてこうした労働者の皆様たちの声に立ってしっかりと法律で私は義務付けるべきだと考えています。 他方で、総理、この働き方改革の中では、こうした時間の在り方もあるんですけれども、女性の働き方改革、最近総理は輝く女性とは口にしなくなりましたが、このことも大切だという認識はありますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 口にしていないことはないですよ。いろんな私は演説の場で、海外でもそれは使っているわけでございます。たまたま蓮舫議員の耳には届いていないかもしれませんが。 そこで、我々は、言わば一億総活躍社会の中においても女性の活躍が極めて重要であると、こう考えているわけでありまして、日本の人口が減少していく中において女性の活躍抜きには日本の未来はないと、こう思っております。それにおいて、それを阻む障害をしっかりと政府の責任で取り除いていきたいと、このように考えております。
○蓮舫君 結婚や出産や職場復帰、まずその制度をしっかり全ての企業に用意をする、その下支えをすることも大事だと思いますが、制度があってもそれが使えない、そのリスクは女性が負うというのであれば、私はここを変えたいと思っています。 その意味で、総理、男女共同参画社会の実現、この重要性というのはどのようにお考えでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 繰り返し政府としてもその重要性を認識し、そしてその男女共同参画社会を実現すべく様々な政策を行っているところでございます。
○蓮舫君 厚労大臣、教えていただきたいんですが、国立社会保障・人口問題研究所の将来推計、二〇一〇年に比べて、二〇四〇年、二〇五五年、二十から三十九歳の女性の人口はどのように変わるでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 資料でもお配りをいただいておりますけれども、日本だけの数字でよろしいんでございましょうか。二〇一〇年からの比較でよろしいですか。 そういう意味では、二〇四〇年には、今、二〇一〇年が千五百八十四万人でございますので、二〇四〇年に一千十一万人、二〇五五年に七百八十四万人、こういう予測になってございます。
○蓮舫君 これは衝撃的な推計なんですが、今、生まれてくる赤ちゃんの九三%のお母さんは二十から三十九歳です。(資料提示)産むと判断をして、実際に産まれた女性の年齢層がここです。これが二〇一〇年比、二〇五五年、つまり、今年生まれた赤ちゃんが三十八歳になるときには半分まで減少する。産むと判断し、実際に産んでいる年齢層の女性がここまで減るのは先進国の中で日本だけです。 そうした中、だからこそ今、女性が働きながら子供を産みたい、育てたい、仕事をしなければ生活もできない、だから両立をしたい、この声にしっかりと応えていければ、この未来は変えることができます。だから、総理、先ほど、私の耳に届いていないのかもしれませんが、輝く女性は旗を下ろさないでもっともっと強く言っていただきたいと思うのですが、こうした現実を踏まえた、もっと現実的な支援に重きを置いていただけるでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほど申し上げたように、様々な場で輝く女性について言及をしているわけでございますが、同時に我々、今、蓮舫委員が挙げられたこの将来推計等々もしっかりと念頭に置きながら、その中で、希望出生率は一・八でありますから、その希望出生率一・八を実現する、その希望が実現される社会にしていくために様々な課題を取り除いていかなければならないと、このように考えております。
○蓮舫君 希望出生率一・八を実現するといっても、例えば待機児童の問題、一日一日先送りをしたら、子供は育つし、仕事に復職できないリスクがどんどん高まるのに、政府はどちらかというと箱物整備に重きを置いて、保育士さんの待遇改善には随分と後ろ向きです。あるいは、介護離職ゼロ。結局、これ、施設がなくなったら、受け入れてくれるところがなくなったら、家で女性が見るしかないという現実がある。でも、総理は介護報酬を過去最大規模引き下げている。やっていることと言っていることに私は矛盾があるように思えるんですが。 加藤大臣にお伺いします。こうした男女共同参画の必要性や意義、あるいは基本計画で掲げている目標、どういう項目がありますか。
○国務大臣(加藤勝信君) まず、今、第四次男女共同参画基本計画を男女共同参画基本法に基づいて作っているところでございます。 また、その中では、様々な具体的な目標を出させていただいております。国、地方公共団体等ということでは、例えばでありますけれども、指定職相当の国家公務員の割合をどうするのか、また企業等においても、民間企業における例えば上場役員をどうしていくのか、あるいは教育、研究等における例えば大学教授等の割合、あるいは国際的には公使、参事官以上の割合、また地域防災等では例えば自治会会長等、こういった様々な指標について、目標数字を設定しながら、この五年間でそれを実現するということで政策を取り進めさせていただいております。
○蓮舫君 そうした目標、大切だと思います。能力がある、あるいはやる気もある、でも女性という理由でそうした男性と比べて昇進、昇給と差が付けられてはいけませんし、活躍できるのであれば女性でも男性でも平等に活躍できる機会を提供するというのがまさに今、政府が進めている働き方改革の一環であり、我々も対案を持ってその部分は進めていこうとしていますが、稲田大臣は、残念ながら過去こうした考え方を正面から否定するかのような寄稿をされています。二〇〇七年「別冊正論」、この男女共同参画本部の目標について、「おいおい気は確かなの」と断言をしています。 二百四十六ページ、資料にも付けていますが、その後何と指摘をされていますか。
○国務大臣(稲田朋美君) 二〇〇七年、ちょうど今から十年前の私の一衆議院議員としての発言であり、現在防衛大臣としてこの場におりますことからしますと所管外ではありますし、長い対談の一部を取り出して言うことに疑問はありますが、蓮舫代表がどうしても読めとおっしゃるのであれば読ませていただきます。あっ、読めとはおっしゃっていないんでしょうか。済みません。(発言する者あり)二百何、二百何、済みません。(発言する者あり)
○委員長(山本一太君) 質問はきちっと委員長の許可を取ってください。
○国務大臣(稲田朋美君) 私は、先ほど蓮舫代表がおっしゃったことと全く同じように、男性であれ女性であれ、能力に応じて平等に登用される機会を与えるべきであるということを申し上げております。
○蓮舫君 今おっしゃっていることと真逆なことを寄稿しています。二百四十六ページ、「そもそも」というところ、何と書かれたのか、じゃ、読んで教えてください。(発言する者あり)
○委員長(山本一太君) 速記止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(山本一太君) 速記を起こしてください。
○国務大臣(稲田朋美君) 読ませていただきます。「そもそも本来の男女平等は、性別に関係なく能力に応じて平等に登用されるということであって、女性の割合を上げるために能力が劣っていても登用するなどというのはクレージー以外の何ものでもない。」。 先ほど蓮舫代表がおっしゃったことと趣旨は全く同じだと考えております。
○蓮舫君 加藤大臣がおっしゃいましたが、女性の登用を伸ばすというときに、能力が劣っている人を雇えとは書いてありません。ここは全く考え方が違います。 じゃ、もう一度、寄稿しておりますけれども、「数値目標の対象は人事だけではない。」と。その後何とおっしゃっていますか、何と述べていますか。これも教えてもらえますか。
○国務大臣(稲田朋美君) もう十年以上前の寄稿でございますし、対談の一部ですし、私の発言の趣旨は今申し上げたところでございますので、これ以上一部を読み上げるのは適当ではないというふうに思います。(発言する者あり)
○委員長(山本一太君) 速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(山本一太君) 速記を起こしてください。
○国務大臣(稲田朋美君) 先ほどから何度も申し上げておりますように、十年前のことであり、そして、その当時の一議員としての発言を申し上げたところであります。その中で、先ほども申し上げましたように、女性であれ男性であれ、能力に応じて登用されるべきであるということでございます。 私も政調会長時代に女性活躍本部長として、例えば野田聖子先生が超党派で進められておられた政治における参画を進めるための政策ですとか、そういった点についても推進をしてきたところであり、私は蓮舫代表と全くその点において考え方が異なるとは思っておりません。
○蓮舫君 少なくとも十年前の稲田大臣の寄稿を見たら、考え方は百八十度違います。 何と書いたのか、ここだけ、じゃ、読んでください。
○国務大臣(稲田朋美君) 先ほど読み上げさせていただいたとおりでございます。(発言する者あり)
○委員長(山本一太君) 速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(山本一太君) 速記を起こしてください。
○国務大臣(稲田朋美君) どうしても代表が読めとおっしゃいますので読ませていただきます。 数値目標の……(発言する者あり)これは、だけど、十年前の一議員の見解です。しかも長い対談の中の一部ですが、しかし蓮舫代表が読めとおっしゃいますので読ませていただきます。 「数値目標の対象は人事だけではない。「育児休業取得率を平成二十六年までには男性一〇%、女性八〇%」「夫婦間のあらゆる暴力の根絶で「平手で殴る」「殴るふりをしておどす」のも暴力と認識する国民の割合を一〇〇%にする」「全国の女性消防団員を将来的に十万人にする」 このような数値目標にどのような意味があるのだろうか?」でございます。
○蓮舫君 稲田大臣、十年前の発言でも、政治家が自分の考え方としてそれを堂々と投稿して主張されているんです。ドメスティック・バイオレンス、DVで実の夫から殴られ、あばらを折られ、それこそ死にそうになって逃げ出して、息を潜めて暮らしている女性がいる。そのことを、夫の所有物だからといっていいではないかという考えがあってはいけないからと、加藤大臣が先ほど説明したように数値目標を掲げて、DVの予算を付けて、法律改正をして施策をして、一人でも女性を救っていこうというその目標に何の意味があるのだろうか。 十年前だから関係ないという理解でよろしいんでしょうか。
○国務大臣(稲田朋美君) 私は全く現在、先ほど代表がおっしゃった、蓮舫委員がおっしゃったとおりの考えをしております。 また、十年前と現在、必ずしも全く同じではないし、私も様々な議論をして、そして政治家としても成長していく過程はあるというふうに思います。
○蓮舫君 いや、同じ寄稿の中であなたは、六歳未満の子供を持つ夫の育児関連時間、これ目標に掲げているんですが、これはこの十年でそんなに変わっていません。そのことに対して稲田大臣は寄稿の中で、夫も家事をすべきと陣頭指揮するのは別の意味で押し付けで、ある種のファシズムであると断定しています。 何が変わったんですか。つまり、もうこのとき自分が寄稿したことは間違いだ、これは全て間違いで、この考え方は今全く立っていないというふうに訂正をされますか。
○国務大臣(稲田朋美君) 私、今、蓮舫代表が読まれたところ記憶にはないんですけれども、私は、女性も男性も家事を分担すべきですし、我が家でもそうしてきたところでございます。女性が育児をしながら、子育てをしながら、そして働いて生き生き暮らせる、そういった社会が男性にとってもいい社会だというふうに確信をいたしております。
○蓮舫君 人口減少の時代に突入した日本で、男でも女でも望めばその能力を発揮できる機会が平等に保障されるというのは大切なことです。そのために目標を掲げて施策を推進して予算を分配をして押し上げていくというのは与党も野党もないと思うんですね。 十年前で発言が記憶にないということですが、資料を付けておりますのでよく読んでいただいて、自分は間違っていたと思うのであれば今後こういう発信はしないでいただきたいと改めてお願いをしますが。 総理、そうした中で、男女共同参画、性による差別は絶対あってはいけないし、女性の人権は保障されるべきと総理自身もお考えでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 当然そのとおりであります。
○蓮舫君 自民党の憲法草案では、どうやらそうは思えない第二十四条というものがあります。 家族の項目が新たに明記をされます。家族は互いに助け合わなければならないと規定をされます。一見すると、家族が助け合う、当たり前のことのように思いますが、憲法は国民の権利保障が原則です。そこにあえて家族を規定、そして助け合うという義務を規定。 これ一般論で結構なんですが、総理は、家族という項目、家族という文字は憲法にあった方がいいとお考えでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私は今ここに政府の、行政府の長として立っておりますので、自民党の草案に関わることについてお答えする立場にはございません。
○蓮舫君 一般論として、今はないんですが、家族という項目を憲法に規定するのは、これは立憲主義的には認められるとお考えでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) どのような文言を入れるかということについて、それは憲法審査会で御議論いただければと思います。
○蓮舫君 去年二月の衆議院予算委員会で、当時の稲田代議士に現行憲法九条について聞かれたとき、総理は自民党憲法草案が将来あるべき憲法の姿を示していると説明をし、非常に具体的な答弁をしています。当時、大串代議士にも同じように具体的な答弁をしています。参議院では、選挙制度に関し、合区について四十三条の改正についても言及しています。テレビにも出演して九条改正の是非、その中身を具体的に説明もされていました。なぜ今語られないんでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 国会の場において、憲法の逐条的な、どのような憲法を作っていくかという具体的な案については憲法審査会において議論すべきであるというのは私の不動の姿勢でございます。
○蓮舫君 去年の予算委員会は、じゃ、どんな姿勢だったんですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 同じであります。
○蓮舫君 先ほど説明をしましたが、去年の予算委員会では具体的にお話しになられています。なぜ今は話せないんですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 改正項目についてはお話はいたしません。
○蓮舫君 憲法九条、憲法四十三条について、去年、総理は衆議院でも参議院でも具体的に説明をしています。なぜ二十四条については語られないんでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) そのときも基本的に、言わばどのような条文をどう変えていくかということについては私の考えは述べていないはずであります。
○蓮舫君 いや、そのときにお考えも丁寧に述べていますよ。 大日本帝国憲法下ですが、明治三十一年に制定された民法、家の戸主の家族に対する扶養義務が置かれていました。家族の基本は家制度で、家長である戸主が家族を統率し、戸主の地位と家の財産は原則長男子が継承することとなっていました。 施政方針演説で総理は明治時代の教育について熱く語られました。では、この明治の民法規定についてはどのようにお考えでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 明治の民法規定について、民法全体がありますけれども、今そこで私がそれについて評価する立場にはございません。
○蓮舫君 民法全体と言っていません。家制度についてどうお考えでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 戦後、戦争が終わって、まさにその家制度そのものについて、言わば未来に向かってどういう家制度があるべきかということにおいて現在の民法が定められたものと承知しております。
○蓮舫君 法務大臣にお伺いをしますが、旧民法、妻、家族の権利は何が制限されていましたか。
○国務大臣(金田勝年君) 蓮舫委員の御質問にお答えしますが、今朝、先ほど御通告がありました。したがいまして、旧民法の内容となりますとかなり技術的な面もございます。したがって、そういう時間的な制約からも、中には準備が間に合わない部分もあろうかと思いますが、私の考えておりますことをお答えをさせていただきます。 家制度というものに対して、家督相続という考え方が当時はあったのではないかなというふうに思います。したがって、親権関係を考えた場合に、子はその家にある父の親権に服するというふうにされておったと思います。それから、相続につきましては、例えば妻は直系卑属に次ぐ第二順位の相続人とされておったと承知といいますか、私は思っております。 以上です。
○蓮舫君 ありがとうございました。 妻には当時、法律行為をする能力が認められていませんでした。子の親権も相続権もありませんでした。家長は家族の居所、住居を指定でき、家長の同意なく結婚もできませんでした。現行憲法二十四条は、こうした性による差別を否定し、婚姻の自由を保障、夫婦の法的地位とその平等、同権を保障したと私は理解をしています。 一九四八年に施行された改正民法で家制度は廃止をされました。いわゆる妻の無能力規定の廃止、夫婦各自が財産を所有する権利の保障、共同親権、妻の相続権や離婚時の財産分与の権利が、今では当たり前とされるものがようやくここで初めて保障されました。 この改正について先ほど来私は総理の考えをお伺いしているんですが、この民法の改正について、妻の無能力規定等がなくなって男女が平等になった、このことについてのお考えはどうでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 当然、私は、憲法も遵守する、また法律も遵守する立場にありますから、当然それを実現していかなければならないと、このように考えております。
○蓮舫君 自民党の憲法草案に戻りますが、二十四条、現行では保障されている権利の配偶者の選択、住居の選定が削除をされました。両性の合意のみで成立する婚姻から「のみ」を削除しました。 総理、婚姻というのは両性の合意のみで成立するものだと私は思っているんですが、それはどうでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 自民党草案について私がここで逐条的に解説する立場ではございません。
○蓮舫君 逐条ではなくて、婚姻というのは両性の同意のみで成立するもの、この「のみ」以外でも成立するものとお考えでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まさに、「のみ」をどうするかということ等については、これはまさに憲法審査会で御議論いただければと思います。
○蓮舫君 現行憲法で「のみ」が付いているのはなぜだと総理として認識していますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今、「のみ」が付いているのは何かということであれば、法制局長官から答弁させたいと思います。
○蓮舫君 法制局長官、どうでしょうか。
○政府特別補佐人(横畠裕介君) 自民党の憲法改正草案について何かコメントをするという立場にはございませんが、現行の憲法において、「婚姻は、両性の合意のみに基いて」と書いてある。その「のみ」となぜ書いたかということでございますけれども、先ほど来委員御指摘のように、明治憲法の下においては、婚姻する本人の意思ではなくて、むしろ家長など他の者の意思決定に基づいて婚姻が成立というか、実際上も含めてでございますけれども、婚姻が成立するという制約があったと。まさにそれを取り外したと、取り外すというところにこの現行憲法の意味があるということを明らかにするためにあえて両性の合意のみということを明記したというふうに考えられます。
○蓮舫君 一言多いところは、もう答弁をもっとシンプルにしていただきたいんですけれども、今御指摘いただいたように、当時、旧民法下においては本人の意思にそぐわない婚姻が強要されることもあった、それにおいて、「のみ」を付けることによって自由な婚姻、男女共に平等に婚姻を選択できる権利が保障されたわけです。そこに、あえて自民党の憲法草案二十四条は「のみ」を取り除くというのに、私は昔の家制度の時代に戻るのではないかという懸念を覚えているんです。 それは、総理、そうお考えになりませんか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まさに、そういう議論は憲法審査会でしていただければいいんだろうと思います。
○蓮舫君 稲田大臣、あなた、二〇〇八年三月の「日本」という雑誌を見たんですけれども、「尊属殺人規定を復活せよ」。現行憲法では、法の下の平等において、家族をあやめてしまった方だけに重き罪を更に加算をするという考え方はこれは廃止をされているんですが、尊属殺人規定は復活せよと今も考えていますか。
○国務大臣(稲田朋美君) この中で申し上げていたのは、親を大切にするということをやはり重要にしなければならないということであって、尊属殺人規定を復活せよとは思っておりません。
○蓮舫君 政治の間違いは政治が正さなければなりません、尊属殺人規定は復活させるべきです。修正しますか。
○国務大臣(稲田朋美君) このときと同じ考えではないということでございます。
○蓮舫君 いつ変わりました。
○国務大臣(稲田朋美君) 十年たちまして、その過程で私も政治家として成長したんだなと思います。
○蓮舫君 同じこの「日本」であなたは、日本国憲法が押し付けられ、その中で日本人は個人主義化していった、個人主義といえば聞こえはいいですが、ただ単に自分しか見えていない、自分勝手な人間を大量につくり出してしまった、あしき個人主義が蔓延して家族がばらばらになっている、今手を打たなければ取り返しが付かなくなる、GHQに破壊された日本の価値観を取り戻すこと。この考えも成長して変わられましたか。
○国務大臣(稲田朋美君) その中で申し上げていたのは、やはり日本の良き伝統や良き考え方は取り戻さなければならない、そして、それが自民党の立党の精神で、我が国は単に経済力や力を付けるだけではなくて、世界中から尊敬される国を目指そうということを申し上げていたということでございます。その考えは変わりません。
○蓮舫君 昨年末に、安倍総理がオバマ大統領とハワイのパールハーバーに祈りを共にささげました。すばらしいことだと思っています。これから共に日米同盟関係を強化をして、過去の過ちを繰り返さない、平和主義を希求をしていく。 総理がお戻りになった直後に稲田大臣は靖国神社を参拝されました。これはなぜでしょうか。
○国務大臣(稲田朋美君) あのハワイにおいても、例えば、総理と一緒に訪問した飯田中佐の慰霊碑ですとか、また、ミズリー号に突っ込んだゼロ戦の戦士、兵士たちを厚く弔っておられます。かつては熾烈に戦った敵と味方であったとしても、また、いかなる歴史観に立とうとも、祖国のために命をささげた方々に敬意と感謝と追悼の意をささげるということは、私は一国民としてやるべきことだという思いで靖国神社に参拝した次第でございます。
○蓮舫君 稲田大臣は大臣です。一国民であると同時に、政府を代表する言動というのが世界に発信をされます。そうした部分では、祈りをした直後に靖国神社に参拝をされることがアメリカに対して間違ったメッセージを発する、そのリスクもあるんですよ。過去寄稿したもの、発言したもの、成長とともに変わってきたとおっしゃいましたが、特に言動に関してはこれからも気を付けていただきたいと思っております。 さて、総理、天下り問題。 総理は、国民が天下りに対して厳しいまなざしを持っているのはなぜだとお考えでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 言わば国民の皆さんはまさに毎日額に汗して働いているわけでございます。そして、多くの人たちは定年を迎えた後はそれなりの努力をしなければ再就職ができないという中において、公務員が公務員としての役所の権限を背景として、背景として天下っていくということに対して怒りを持つ、それは当然のことであろうと、このように思います。
○蓮舫君 その上で、文科省の今回の不祥事、天下りに組織が丸ごと関わっていた。 行革担当大臣に伺いますが、それを受けて全省庁に調査を指示をしておりますが、いつ結果が出ますか。
○国務大臣(山本幸三君) 今回の事件を受けまして、総理から、全省庁に対して厳しく調査し、結果を報告するようにと指示を受けております。それを受けまして、しっかりとした調査を厳正にやっていきたいと思っております。 ただ、大事なことは調査の内容をしっかりとすることでありまして、スケジュールありきということで考えているわけではありませんので、それなりの時間は掛かると思いますが、国民の疑念を払拭するように全力を挙げて徹底的に調査したいと思っております。
○蓮舫君 大事なことは、調査の中身はもちろんですが、スピード感も大事だということは是非申し上げておこうと思います。 総理、先ほどお話しになられたように、確かに国民に、何で国家公務員だけ何で優遇されるのか、もちろん職業選択の自由があるようなことも承知をしていますが、不透明な再就職があってはいけない、そこに税金が使われているというような疑いを持たれてはいけない。 安倍内閣になってからそうした不明朗な国家公務員の再就職、天下り、こういうことはもうないと明言してよろしいでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 我々は、このような権限を背景とした天下り、組織的な天下りを根絶しなければならないと、このように思っているわけでございまして、今後とも監視委員会がしっかりとその能力、機能を発揮していくことによって根絶を図っていきたいと、このように考えております。
○蓮舫君 再就職に疑いが持たれてはいけないんですが、安倍内閣になってから国一〇〇%出資又は国が筆頭株主の特殊法人のトップ、独法理事長などに官僚OBが次々と再就職をしています。 日本政策金融公庫総裁に財務省の元財務次官、商工中金、この社長に二代続けて元経産省の事務次官、首都高速道路株式会社社長に国交省の元道路局長、新関西国際空港会社に、ここの社長に国交省の事務次官、日本たばこ産業会長には財務省の事務次官、都市再生機構、UR、独法理事長には国交省の元復興事務次官。これは天下りではないんですか。
○国務大臣(麻生太郎君) 今御指摘のありました中で二つだけ私ども関連しておりますんで。 日本政策金融公庫総裁につきましては、当時安居さんだったかな、総裁の職を辞したい旨が、申出が前々からあっておりました。公庫の業務の継続性もありますので、細川の内部昇格が最適であるという判断をされて、そういうお話もありましたので就任されたと承知いたしております。JTにおきましても、同様に人物本位の観点から多面的に検討する中で、人格、識見等々、これまでの幅広い経験等を総合的に勘案して丹呉が最適と判断されて就任に至ったものと承知いたしておりますんで、いずれにいたしても、適材適所の原則にのっとり人物本位でなされた人選であり、適切であったと考えております。
○蓮舫君 適材適所の人事、公募はされなかったんですか。
○国務大臣(麻生太郎君) その当時、安居代表の方から私どもの方にお話がありましたので、内部において検討をするという話だったので、その話を受けさせていただきました。
○蓮舫君 つまり、公募を行わないで、前任者から指名をされた人が適性かどうかというのを判断したということですか。ちょっとはっきりしないので。
○国務大臣(麻生太郎君) 会社の中において、少なくともその中の、会社の中で取締役会等々、いろんな組織の中において検討された結果を踏まえて、会社の継続性を考えて、全く全然関係ない人を呼ぶよりはきちんとした継続性を踏まえた人を、その会社の中の継続性……(発言する者あり)継続性という意味分かります、継続性の意味が分からない、それも説明するんですか。継続性の意味が分からないの。もう、前、役人だから、あなたは役人だから分かっているんだろう。 継続性というものを考えて私どもとしてはやらせていただいたということです。
○蓮舫君 いいですか、特殊法人は国の出資や補助金、財投債から資金調達をしておりまして、ここは税制でも優遇措置があります。市場の競争にさらされず、倒産をいたしません。経営の非効率、官僚の天下りが随分長いこと問題視をされて、与野党共にこれは改革を進めてきた経緯があります。それが今や次々と官僚OBがトップに天下り、再就職。これを問題ないと、果たして総理、言えるんでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) まず最初に、天下りという言葉は安易に使われぬ方がいいと思います、いかにも上から目線に感じますので。少なくとも、天下り天下りと野党の方が言われると、これは天上がっている方も随分いらっしゃるような感じもしますので。天下りという表現が、いかにも民間に行くのが天下っていると見下げたような言い方は、私どもとしては余り、私の感性には合いません。 いずれにいたしましても、私どもとしてはこういったものはきちんと対応をされてしかるべきだと思いますので、内部の中においていろいろ人選をされた結果、会社の継続性を考えて、その組織の継続性を考えて中で決められて上げてこられたことに関して、私どもとしてはそれに対してしかるべき判断をさせていただいたということです。
○国務大臣(山本幸三君) 役人の再就職の問題は、総理が先ほどもお話しされたように、予算や権限等を背景に官民癒着、そしてそのことによって行政がゆがめられると、そういうことがある場合にはこれは決して許されないということで再就職の規制が行われているわけであります。そして、そういう意味での役所が組織的に再就職をあっせんすることは一切禁じるということで、それを監視委員会が厳重に監視するという建前になっております。 一方で、公務員としての識見、能力を活用することはこれまた非常に意味があるということでもありまして、その意味で、国民に疑念が持たれることのない、そうした役所によるあっせん等が行われることは厳に禁止しなければなりませんけれども、その上で、それぞれの組織が組織内の判断で識見、能力を活用するということは当然あり得るというように思っておりますし、一方、それが問題がないかどうかについては監視委員会がしっかり調査をするということであります。
○蓮舫君 再就職に関してあっせんはいけないのは、これは法律違反です。ただ、今、麻生大臣がおっしゃられたのは、経営の継続性で認めることはある、そして所管省庁の事務次官が、これ民間会社じゃないですよ、特殊法人に再就職するのを認めると言った。これ、違いは何ですか。
○国務大臣(山本幸三君) それは、その独法の組織がそれぞれの……(発言する者あり)あっ、特殊法人がそれぞれの運営の中でどの方が適当かと能力、識見を見て決めることでありまして、そして、そうしたことが国家公務員法で規制していることに抵触しないかどうかは監視委員会がしっかりとチェックしていくということであります。
○蓮舫君 国交大臣に伺います。 旧運輸省OB指定席と随分長いこと批判をされていましたが、二〇〇三年以降、民間出身者が社長を務めていた関空、実に十三年ぶりに所管の国交省の元事務次官が社長に就任をされました。これは国が一〇〇%の株を保有しています。これはなぜお認めになったのでしょうか。
○国務大臣(石井啓一君) 新関西国際空港株式会社は特殊会社でございまして、会社の取締役会で社長の人事を決定をし、大臣が認可するものでございますが、この新関西国際空港株式会社は、今、関西国際空港と大阪空港は民間にコンセッション、民間に運営委託をしておりますが、それを空港設置管理者の立場から適切にモニタリングをする必要がございまして、関西財界から引き続き新関西国際空港株式会社への安定的、継続的な関与を求められておりました。 代表権を有する役員三名のうち当時の社長、会長が退任する予定であったため、安定的、継続的な同社の運営には当時の代表取締役副社長を社長へ昇任することが最適であると新関西国際空港株式会社で判断をしたと承知をしているところであります。
○蓮舫君 同じく国交大臣。独立行政法人URの理事長もこれ民間人から交代、国交省の出身、元復興庁事務次官が就任をされましたが、大臣、これ、公募はどういう形で行われ、何人が手を挙げて、なぜあえて所管省庁の元トップが適切と判断をされたんでしょうか。
○国務大臣(石井啓一君) UR、都市再生機構の理事長選任に当たりましては、公平性、透明性を確保するため公募を行いまして、第三者で構成する選考委員会による審査での選考結果を踏まえ、任命権者である私が適任と判断をし、選任することといたしました。 公募に対しては五人の応募がございまして、選考委員会による書類選考で三人に絞られた候補者について選考委員会が面接を行った上で、特に適任であるとの評価を得た一人及び絞り込む前の候補者の情報を私に、国土交通大臣に提示がありまして、その評価結果を参考にしつつ選任をしたところでございます。 現理事長は、UR、都市再生機構の大切な使命である東日本大震災からの迅速な復興を現場のトップ、復興事務次官という立場で牽引してきたことや、中心市街地活性化等の地域活性化の推進に中心的な役割を果たしてきたこと等の業績やリーダーシップなどが選考委員会で最も高く評価されたと承知をしてございます。
○蓮舫君 受入先の特殊法人や独立行政法人、これは予算確保のために官僚のOBを受け入れ、省庁は天下り確保のために予算を注ぐという構造が随分長いこと、これは不適切だという部分で、当時、これは安倍さんがたしか官房長官だったと思います、小泉内閣のときから改革は進めてまいりました。官僚による予算の私物化や官の肥大化を招くのはやめようと随分長いことトップには民間人の起用を最優先に考えていたものが、これ全て就任時期を見ていただいても分かるとおり、安倍内閣になってから全て官僚OB、まさに華麗なる再就職が次々と行われている。 総理、これは天下りではないんでしょうか。まあ、麻生さんの言い方だと天上がりかもしれませんが。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私も、そういう元事務次官等がそういうところに行くのはどうかということで説明を求めたこともございます。しかし、その説明を聞く中において、副社長として既に経営経験が、その団体において、特殊法人において経験を積んでいる方がその後社長になられるということをむしろその組織が望んでいるということもあれば、それはそういうことであろうと、このように了解をしたところでございます。 また、公募等におきましても、実際公募等をしていろんな優秀な人材にやっていただいておりますが、この言わば経済界においての収入とそこでの待遇の差もあり、その中で手を挙げる方の人材と、そのときたまたま挙げている方との経験や実績等々の比較をもって今回がそういう結果が出たんだと、そういう説明を受けまして、私もそうだなと、このように考えていた、いるところでございます。
○蓮舫君 随分長いこと、国民の不信の目を招かないためにも当時のそれぞれの行政担当大臣は大変な苦労をしたと思います。政官業の癒着がある中で、それを取り除いていくハードルがどれだけ高いか、私もこれはよく分かっています。だからこそ、せめて特殊法人は、せめて独立行政法人も含めて、認可法人も含めて、そこは民間の人たちに委ねて、経営の改革を始めとして国民に信頼できる透明な人事を行っていこうと言っていたものが安倍内閣においてこういうふうになったのは、たまたまと今おっしゃいましたが、たまたま結果こうなったという理解でよろしいんでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 言わば、私も第一次政権のときに答弁をさせていただいたわけでございますが、言わば省庁の権限を背景に押し付けていく、そして人事の一環としてそれがなされているということはあってはならないと、こう申し上げたわけであります。 他方、適材適所というものもあります。役人OBであろうと、能力あればその能力を生かしてもらいたいと、こう思うのは当然なんだろうと、こう思うわけでございます。ですから、個々の背景をよく見ていくことが私は大切ではないかと、こう思う次第でございます。 そして、もちろん、私も基本的に民間の方々の経営力を生かしていきたいと、こう思っているわけでございますが、しかし、そのときに言わば手を挙げた中において誰が一番それは適しているかということについては、それは冷静に、役所のOBの方であろうと民間の方であろうと、まあこちらの、もし役所のOBの方の方が総合的な評価が高ければ、それは当然そちらの方に決まっていくものではないか。最初から民間の方に特別にそれを優遇していくということではなくて、それがしっかりと特殊法人が経営力を維持していく、あるいは高めていくことにつながっていくのではないかというふうに私は考えております。
○蓮舫君 いや、つまりですね、国が一〇〇%を出資している、あるいは筆頭株主である、所管省庁の権限、管理あるいは予算、こういうものが物すごく色濃くある特殊法人に、民間がこれまで就いていたものを、あえて能力がある、私はもう元官僚の方が能力がないとは申し上げません、その方に能力があるといってここまでずらずらと天下りが復活しているかのような印象を持たれる人事が、しかもトップですから全員、ここに行くのが本当にこれは行革的に適正なのかどうなのか、私はやっぱり疑念を持ちます。 なぜか。こういうところのトップに省庁のOBが再就職をすれば、関連会社、子会社、あるいは契約を持っている民間企業は、おもんぱかってその省庁のOBの再就職を受け入れる、そういう村という構図が確かに過去あった時代もありましたので、それが復活しているんではないかという疑念を生じさせるんです。そのことについてはいかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 言わば、その段階においても、ひもが付いているという状況の中においての再就職はあってはならないと。つまり、ひもが付いているというのは、その特殊法人に行っても出身省庁との言わば関係が続いたまま、言わばその特殊法人の中の、今、蓮舫氏が御指摘になったように、その省庁をえこひいきする形でそこのOBを受け入れるということは、これはもう厳にあってはならないと、このように思います。
○蓮舫君 いや、だからこそ行革というのは常に、常に続けなければいけないと思うんですね。 今回の文科省の組織を挙げての天下り問題で明らかになったのは、官僚OB、この方が再就職のあっせん、いわゆるマッチングをしていた。これ、再就職等監視委員会を当時の自民党政権が導入したときに、私たちは対案をもって反対をしましたけれども、そのときまでは、退職二年間は辞める五年前までいた省庁、その部局と利害関係のある企業と直接再就職はしていけないという規制があったものを、当時の政権はそれを廃止をしました。 だから、こういうことも含めてもう一回、こういう規制を入れる必要はあるんだろうか、あるいはOBによるあっせんを禁止する必要はあるんだろうか、あるいは刑罰を導入する必要性があるんだろうか、私はこれは大串政調会長に検討を指示しましたが、これは安倍内閣では検討していただけるでしょうか。
○国務大臣(山本幸三君) まさにそういうことを含めて、どうしたら再就職について役所の予算、権限を使ったあっせんだとかを根絶できるかということをやるために徹底的に調査し、それを結果を明らかにして、その上で考えていきたいと思います。 ただ、御指摘のように、OBについての問題があるということは承知しておりますので、私はまず結果を見てから具体的に考えたいと思っておりますが、少なくともOBに対する役所からの組織的な情報提供とかそういうことは一切やらせないという考えで臨んでいきたいと思っております。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいま行革担当大臣から答弁したとおりであります。
○蓮舫君 熱意が全く感じられないのが残念なんです。なぜかというと、この補正予算案で、アベノミクスはうまくいっているのに一・七兆の借金、赤字国債を発行するんです。ならば、税金が確かに正しく使われているというような行政改革は最優先で行わなければいけないのに、残念ながらまだ疑われる事態がある、それに対して私たちはこれからも改善策を提案していきたいと思います。 ありがとうございました。
○委員長(山本一太君) 以上で蓮舫君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(山本一太君) 次に、福山哲郎君の質疑を行います。福山哲郎君。
○福山哲郎君 おはようございます。福山です。総理を始め各閣僚の皆さん、よろしくお願い申し上げます。 まず、冒頭でございますが、全国各地で大雪による被害が出ています。私の地元の京都でも、中丹・南丹地域で被害が出ています。先週、被災された市町の各首長さん方、福知山や舞鶴、綾部、南丹、亀岡、京丹波、それぞれの首長さんが知事に対して緊急要望をされました。府で単費でやる場合もありますが、国の交付金を頼らなければいけないことも出てくると思います。京都では、本院からは予算の筆頭の自民党は二之湯議員、そして西田議員、共産党の倉林議員、私も、それぞれ与野党関係なく、地元の厳しい状況では対応いただきたいと思っているのは同じだと思います。 昨今、糸魚川の火災を始め全国で本当にいろんな災害が起こっています。麻生大臣におかれましては、それぞれの地域、自治体から要望があった場合には、党派を超えて、どんな知事であろうが、どんな首長であろうが、財務省として丁寧に対応していただいて国民を安心させていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 昨年以来、熊本地震、それから今御指摘のありました北海道、東北の台風また洪水等々の災害が、これは、この間の糸魚川の話も今出ておりましたけれども、災害が相次いでおりますが、これまでも、平成二十八年度の当初予算だけでなくて、今回の補正予算も含めまして、一日も早い復興というものを期すために、御存じのように、当初で七百三十一、第二次補正で二千九百七十九億、第三次で一千九十三、合計四千八百二億円ということで出させていただいておりますので、これ、福山さんだからするんじゃなくて、被災自治体の声をお伺いしつつ、被災地の方々の気持ちに寄り添い、きっちり対応してまいります。
○福山哲郎君 よろしくお願いします。 じゃ、次に行きます。 パネルを御覧いただければお分かりのように、先週から文科省の天下り問題が大変問題になっています。(資料提示) 今回の事案は、文科省が人事課を中心に組織ぐるみで天下りのあっせんをしていたと。特に、元人事課のR氏はあっせんを継続的に繰り返していたと。そして、R氏の文教フォーラムという団体と天下りの典型的な団体である公益財団法人文教協会が、家賃の丸抱えも含めて非常に密接な関係だったということだと思います。 松野大臣、この文教協会の目的をまずお答えください。
○国務大臣(松野博一君) 公益財団法人文教協会は、昭和二十四年四月、文部大臣所管の財団法人として設立をされ、平成二十五年四月、公益法人制度改革により内閣府所管の公益財団法人に移行した団体であります。 同協会の定款によりますと、同協会の目的は、「文教に関する諸課題について調査研究の推進を図るとともに、文教に関する各種情報資料の収集・提供及び相互扶助等の事業を行い、もって文教の振興に寄与すること」とあります。 具体的な事業といたしましては、文教関係の調査・研究助成、文教関係の研究会等の開催、全国大学一覧等の書籍の刊行等を行っているものと承知をしております。
○福山哲郎君 この文教協会には、何人の文科省のOBが役員として行かれて、これまで幾らの公金が入っているかお答えください。
○国務大臣(松野博一君) 現在の公益財団法人文教協会の役員のうち、理事四名、監事二名の六名が文科省OBから就任をしております。 続きまして、文教協会と文科省の委託事業、書籍購入、補助金等の関係でありますけれども、文部科学省から文教協会に対しては、平成二十一年度から平成二十八年度までの間において、委託費、書籍、雑誌の購入及び補助金の交付により約一億四千八百万円の支出が行われております。 具体的には、免許更新制高度化のための調査研究事業の委託費が、これは平成二十八年でございますが約四百万円。文教協会が発刊する全国大学一覧等の書籍、雑誌の購入費が、平成二十八年度約五百万円。補助金として、平成二十一年度に大学改革推進等補助金約五千万円。平成二十八年度に教員免許管理システム開発費補助金約五千万円を支出をしております。 委託や補助金につきましては、公募を行うなど公正な手続により支出をされていると承知をしております。
○福山哲郎君 二十一年から全部合わせて一億数千万ですと、そんなに大きい金額とは思えないんですね。大きいですけれども、もうかなり時間がたっておりますので。 ところが、この文教協会、中身見ると、どうも単年度で二億四千万、受取負担金というのが入っているんです。この受取負担金というのは、大臣、何ですか。
○国務大臣(松野博一君) 文教協会の収支にある受取負担金については本日御通告いただきましたけれども、文教協会に早急に事実関係を問合せをいたしました。平成二十八年度につきましては、教員免許管理システム運営管理協議会運営経費、これは各都道府県から受け取る分担金でございます。教員免許管理システム開発費補助金、文部科学省の公募事業による補助金でございます。免許更新制高度化のための調査研究事業、これも文部科学省の公募事業による委託であります。これが受取負担金等の中身でございます。
○福山哲郎君 ということは、先ほどの一億数千万、平成二十一年から以外に、今言われた文科省からの補助金見合いのものは二億四千万行っているということでいいわけですね、概略でいえば。
○国務大臣(松野博一君) 先ほど申し上げました文科省からの補助金又は購買等以外に、各都道府県から受け取る分担金が加わったものということでございます。(発言する者あり) 先ほど申し上げた個々の平成二十一年度からの文科省からのものに加えまして、各都道府県からの教員免許管理システム運営管理協議会運営経費が、これは各都道府県から受け取る分担金がありまして、これが加わったものの総計でございます。
○福山哲郎君 とにかくそれなりのお金が入っているということです。中身はちょっと精査します。 大臣にお伺いをいたします。先ほど言われた文教の相互扶助業務とは何でしょうか。
○国務大臣(松野博一君) 先ほど申し上げたものは文教協会の定款から引用されたものでございますが、その相互扶助等の事業に関しての内容は承知をしておりません。
○福山哲郎君 これ、実は定款によると、文教関係者の相互扶助業務となっています。本当に大臣、具体的に何のどんな事業か御存じないんですか。
○国務大臣(松野博一君) この文教協会に関しましては、文教フォーラムの、これは監視委員会の方から文部科学省の再就職規制違反の潜脱を目的とした枠組みというふうに認定をされております機関との関係において、この文教フォーラムと文教協会の関係についてもしっかりと調査を進めるようにという御指示をいただいておりますので、今後調査をさせていただきたいと思います。
○福山哲郎君 大臣、私は実は大臣とはずっと長いお付き合いです。私、大臣、信頼をしています。大臣、ここで文科省の役人の話を聞いて隠し事しては、大臣、良くないと思います。 これ、文教協会、もう一回、じゃ、大臣、聞きます。この文教関係者の相互扶助業務というのは一体どういう業務ですか。もう一度お答えください。
○国務大臣(松野博一君) 先ほど御答弁したとおりでございますが、現状、この内容について承知をしておりません。
○福山哲郎君 じゃ、大臣、もう一回別の質問をします。 R氏、あっせんをしていたR氏は平成二十一年に文科省を離職をされています。どちらに再就職をされたか御存じですか。
○国務大臣(松野博一君) R氏は、平成二十一年七月に文部科学省を退職した後、同月に一般財団法人教職員生涯福祉財団の審議役及び株式会社第一成和事務所の顧問に就職をしたと承知をしております。
○福山哲郎君 先ほど申し上げたこの文教協会のホームページを詳しく見ていくと、一発では分かりません、詳しく見ていくと、文科省の共済組合と退職者が契約できる団体火災保険のチラシが見付かりました。実はこの文教協会は、団体火災保険の窓口業務、集金機関になっています。さっき何か大臣がお答えをいただかなかった業務です。これが文教関係者の相互扶助です。そして、この団体火災保険の代理店をしているのが今大臣の言われた第一成和事務所です。 つまり、これ見てください。私はD社というふうにしました。民間企業なので、民間企業には罪がありません。しかし、R氏は文科省を離職された後、すぐこの保険会社に入っています。そして、この保険会社は文教協会を窓口に文科省関係者、退職者を含めて保険の集金業務をしています。 大臣、R氏はどこから生計を立てたかは知らないと、関知しないと文科省はずっと言われていましたが、今でもそのお答えでいいですか。
○国務大臣(松野博一君) R氏の生計に対しては、今現在文科省で把握をしているものに関しましては、平成二十一年七月に退職をした後のこの一般財団法人教職員生涯福祉財団の審議役としての収入があったかと思いますし、株式会社第一成和事務所の顧問に就任をしておりますが、この顧問収入等については現状把握をしておりません。それらの収入、顧問料等があったかと考えられますが、全体としてこのR氏がどういった生計を立てていたかについて詳細に把握をしていないということでございます。
○福山哲郎君 今誠実にお答えいただいたと思います。 実は、文科省はずっと、我々の調査の場面でもR氏の再就職先については全く具体的なことを挙げていただけませんでした。衆議院のところでも、保険の仕事と言うだけで何も具体的な名前を言っていただけなかったんですが、今日は大臣が言っていただいたので、それは有り難いと思います。そして、大臣から、顧問としての報酬は受け取っていたかどうかつまびらかでないが可能性はあると思うという発言もいただきました。 そうなんです。実は全部つながったんです。マッチングをしていたRさんは、顧問としてD社に行って、文教協会はD社の代理店として集金機関の丸抱え、集金機関としてやって、そして文科省はここに補助金を出して、そして文教協会はR氏に場所を提供して、R氏の生計は、恐らくですが、この保険会社D社から支払われていて、あっせん業務と保険のある意味営業というか集約をしていたと。ぐるっと一周して、R氏がある意味でいうとあっせんをずっとやり続ける状況を組織としてつくったということです。 再就職監視委員会、お伺いします。この全容は監視委員会はもう御存じでしたね。
○政府参考人(塚田治君) 大変恐縮でございますけれども、私どもは今全体像の解明を文科省さんにやっていただく立場にございますので、その点の御答弁は控えさせていただきます。
○福山哲郎君 いや、内偵に入って、内偵というか、去年の春からずっとやっていたということは、こういう状況の全容については、再就職等監視委員会、僕は頑張られたと思いますが、全体像は把握していた上で今回の摘発というか、この問題を明るみにするという状況になったということでいいんですね。
○政府参考人(塚田治君) 私どもも、ある程度の前提を踏まえて文部科学省さんに今調査をお願いしている立場にございますので、そこら辺、申し訳ございません、控えさせていただきます。
○福山哲郎君 じゃ、大臣にお伺いします。 R氏は、あれですか、この保険会社D社の顧問はまだ継続されているかどうか、御存じですか。
○国務大臣(松野博一君) R氏が現在D社の顧問を続けているかどうかに関しては、今日確認をしておりません。
○福山哲郎君 私は昨年末までは顧問を続けていたということは聞き及んでいるんですが、現在、私も実は土日だったもので確認しようがありませんでした。 大臣、このことは調べてお答えいただくことは可能ですね。
○国務大臣(松野博一君) この事案についてもしっかり確認をさせていただきますし、監視委員会の方から既に認定を受けたこと、また指摘を受けていること、それ以外に関してもしっかりと文部省の方で調査班をつくり解明するようにという指示があります。これはもう平成二十年の十二月三十一日まで遡ってしっかりと解明をしていきたいと思います。 文部科学省の私は今責任者でございますが、同時に、国民の皆さんから授権されてその立場にあるという意識をしっかりと持ってこの調査に当たっていきたいと考えております。
○福山哲郎君 もう一つ、大臣。 文科省は、実は、共済団体扱いの火災保険を平成二十六年の一月に開発をして始めています。そして、退職者や文科省関係の団体で募集が始まっているんですが、これと文教フォーラムの設立が全く同時期だということは御存じでしたか。
○国務大臣(松野博一君) 承知をしておりません。
○福山哲郎君 これ、山本大臣、相当巧妙につくられた仕組みです。R氏は、見かけ上、文科省からも文教協会からも何ももらいません。しかし、家賃と部屋は提供を受け、あっせんをやっています。R氏のD保険会社は文教協会とつながっていました。顧問としてR氏に報酬が支払われていたのは容易に想像ができます。そして、文科省の退職した職員はR氏のおかげで再就職先のあっせんを受ける、退職者ですから退職者対象の保険を入ることも可能になる、そして文教協会は保険の営業ができて窓口としての集金業務ができる、D社は保険契約が取れる。こういうある意味つくられて、仕組みの中で天下りのあっせんが行われていました。 これ、山本大臣、全省庁の調査は、そんなにたやすい調査ではこれだけのもの出てきませんよ。大臣、いかがですか。
○国務大臣(山本幸三君) 御指摘の文部科学省の例は、全く言語道断な例だと考えています。その意味で、私どもも、総理からの指示に基づいて徹底的に調査をする覚悟でありますし、当然文科省についても私どもの調査も入れます。もちろん、全省庁ですが文科省も対象になるわけでありまして、そういうことも含めて徹底的に調査したいと思います。
○福山哲郎君 総理、私の話聞いていただいていたかどうか分かりませんが、目をつぶっておられたので。これ相当悪質だと思いますが、総理、どう思いますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) こうしたことも含めて、文部科学省、そして山本大臣の下において全省庁についてしっかりと、また外部の目を入れながら、内閣人事局で主導してしっかりと行っていく。調査の実効性を担保して国民の疑惑、疑念払拭に努めていきたいと思っております。
○福山哲郎君 山本大臣、具体的にどういう調査をやられると考えられているのか、そしていつまでか、もう一度お答えください。
○国務大臣(山本幸三君) 調査のやり方、内容について今ここで事前につまびらかにすることは効果的な調査が図れないおそれがありますので、この点は控えさせていただきたいと思います。タイミングについても、スケジュール感、スケジュールありきということでやれる話ではないと思っておりまして、徹底的に調査をする、中身をきちっとするということが大事だと思っておりまして、しかし、当然それもできるだけスピード感を持ってやっていきたいと思っております。
○福山哲郎君 大臣、今の法的な状況では省庁が自らの調査するんですよ。自分で調査するんですよ、各省庁が。こんなので出てくるわけないじゃないですか。 だって、今、文科省はこのことを最初何やっていたかというと、隠蔽し、想定問答をして、最初我々の質問に対してこのRさんの再就職先さえ言わなかったんですよ。再就職先を言っていれば、この構図はすぐ分かったと。 大臣、そんな甘いもんじゃ駄目ですよ。まず、いつまでに制度設計を発表するか言ってください。
○国務大臣(山本幸三君) 総理の指示を受けてやるわけでありますので、各役所に丸投げとかそんなことをやるような生易しいものでやるつもりはありません。私は、陣頭指揮を執って内閣人事局から徹底的に調査をやりますので。 しかも、いつまでということを今ここではっきりと申し上げることはできません。スケジュール感を持ってやると、やれるというような話ではないと思います。中身をしっかりと国民の疑念を払拭するようにやるということでありまして、当然、しかしスピード感を持ってやっていきたいというふうに思っております。(発言する者あり)
○委員長(山本一太君) 山本行革担当大臣。
○国務大臣(山本幸三君) 調査の制度設計ということであればほぼでき上がっておりまして、早急に調査に掛かる体制に近づいております。
○福山哲郎君 さっきの答弁と違います。でき上がっているんだったら、その状況を教えてください。
○国務大臣(山本幸三君) これは先ほども申し上げましたように、どういう調査をやるということを事前にここで発表した方が効果的な調査ができないというふうに私どもは思っておりまして、それは、調査の結果が出た段階で、こういう調査が終わったということは申し上げることになると思いますが、事前に全て、こんな調査ですよなんていうことを言えば当然それなりの問題が生じてくるわけでありまして、私どもは、効果を上げる、しっかりと国民の疑念を払拭する調査にしなければいけないということで、覚悟してやっているわけであります。(発言する者あり)
○委員長(山本一太君) 速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(山本一太君) 速記を起こしてください。
○国務大臣(山本幸三君) どういう項目について、どういう人を対象にし、どういう中身でやるかということについては、ある程度固めてきております。 それを踏まえて早急に調査に掛かりたいと思っておりますが、当然、外部の目も入れてやりたいと思っております。その意味で、国民の疑念を払拭するように全力を挙げてやりたいと思っております。
○福山哲郎君 最初の答弁は、今検討しています、二回目の答弁は、ほぼでき上がっています、今はまた違ったんです。これ、どれが本当なのかというか、どういう制度設計でやっているか、例えば組織はどうするのか、人員はどうするのか、誰に対して中心的に調査を掛けるのか、このぐらいは言えるはずでしょう、でき上がっているんだったら。お答えください。
○国務大臣(山本幸三君) それを言えば、効果的な調査ができないと私どもは考えております。当然、調査が終わった段階では、こういう形でやりましたということは明らかにいたします。(発言する者あり)
○委員長(山本一太君) 速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(山本一太君) 速記を起こしてください。
○国務大臣(山本幸三君) 国民の疑念を払拭するということですから、基本的に退職、これまでに退職した公務員について、対象になり得るところについては全面的に調査するということであります。また、役所がそれに対してどういう関係をしていたかということについてもきちっと調査するということであります。 ただ、その体制とかやり方等の個別の中身について申し上げることは、かえって効果的な調査に、妨げるということでおそれがありますので、現時点では控えさせていただきたいと思います。終わりましたら、調査が終わった段階では、当然、きちんとこういう調査をやったということは報告いたします。(発言する者あり)
○委員長(山本一太君) ちょっと速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(山本一太君) 速記を起こしてください。
○福山哲郎君 大臣、今、自民党の理事から理事会に提出すると……(発言する者あり)理事会に提出するとおっしゃったじゃないですか。そうしたら、もう一回座ります。今、話が違うから。
○委員長(山本一太君) 速記止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(山本一太君) 速記を起こしてください。
○福山哲郎君 調査についてほぼでき上がっていると大臣が言われたので聞いているんですが、調査に影響のない範囲で、どういう制度設計をされているのか、お答えいただけますか。
○国務大臣(山本幸三君) 要するに、国民の疑念を払拭できるようにするために、再就職状況が公表された再就職について、それがきちっと問題がないかどうかについて徹底的な調査を行うということであります。(発言する者あり)
○委員長(山本一太君) 山本行革担当大臣。
○国務大臣(山本幸三君) 私は、徹底的に調査をやらなきゃいかぬというふうに思っておりまして、しかも効果的な調査でなければいけないと覚悟してやるつもりであります。その意味で、調査に悪影響を与えないというようなことで、どこまでお話ができるかについては検討させていただきたいと思います。
○福山哲郎君 松野大臣、今文科省がやられている調査について、概略で結構です、お答えください。
○国務大臣(松野博一君) 今行われているということであれば、これから調査班をつくりますので現行これでスタートしたわけではありませんが、文科省で行われる調査における調査班は国家公務員法に規定されております再就職等監視委員会の指示に基づいてつくります。この報告を監視委員会の方に上げることがこれは義務付けられております。 その調査班の構成でございますが、公務員有識者、法曹関係者、また人事関係の有識者の外部の方々をメンバーの中に入っていただいて構成をいたします。対象としては、先ほど申し上げましたとおり、平成二十年の十二月三十一日以降の文科省の文科省関連に対する再就職全事項に対して対象といたします。特に、御指摘をいただいておりますそのR氏との、R氏と文科省、特に人事課との関係、また、R氏と、R氏が執行する文教フォーラムと先ほどのお話にありました文教協会等の関係を先行して調査したいと考えております。
○福山哲郎君 文科省は、事案が起こっていますから事案を中心に調査されるのは当然ですが、一応調査班の構成について松野大臣は今お答えいただきました。この程度のことは全く調査に影響を与えません。どうぞ山本大臣、お答えください。
○国務大臣(山本幸三君) 外部の目を入れるということは当然私どももやるわけであります。それは最初から申し上げております。(発言する者あり)
○委員長(山本一太君) 答弁中ですから、まだ答弁中です。
○国務大臣(山本幸三君) それはそういう形でやりますし、ただ、どういう体制なり、どういうところにやるとかいうようなことについては、これは効果的な調査に悪影響を及ぼすおそれがありますので、その具体的なことについては控えさせていただきます。ただ、その上で、どこまで調査の体制について言えるかどうかについては検討させていただきたいと思います。(発言する者あり)
○委員長(山本一太君) 速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(山本一太君) 速記を起こしてください。 委員長から一言申し上げます。 大臣におかれましては、質疑者の趣旨に沿った答弁をしていただくようにお願いをいたします。
○福山哲郎君 委員長の采配には感謝申し上げますが、先ほど松野大臣がお答えいただいたレベルで、もうでき上がっているとおっしゃったんだから、お答えください。調査に影響あるようなものを教えてくれと私は一言も申し上げておりません。よろしくお願いします。
○国務大臣(山本幸三君) 外部の目も入れて、そして調査チームをつくって、そして再就職で、いわゆる、の規制の対象になる方々に対して、その遵守状況についてしっかりと調査するということでございます。
○福山哲郎君 大臣、何も決まっていないんですか、実は。実は何も決まっていないんですね、調査の方法、具体的には。 総理、総理は指示出されたのはいいんですが、指示出してもこれでいいんですか、総理。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) いや、そもそも、私は大臣に対して、徹底的に調査をするということと、そしてしっかりと外部の目も入れていく、そして監視委員会としっかりと連携をしながら調査をしていく、そして、全省庁ですから、当然これ全省庁でありますから、私が指示をしてしっかりと全省庁にこれは協力をさせる。人事局、人事局はしっかりと指導をしていくわけであります。言わば人事局というのはそれぞれの省庁の人事を行う人事局でありますから、これは大きな権限を背景としてしっかりと調査をしていくわけでありまして、我々も、何もこれを隠そうなんて全く思っていませんよ。こうした事態が起きたことは、私は行政府の長として大変遺憾に思っております。 ですから、今回の事案がどれくらい深いものかどうかということもしっかりと見ていかなければいけないわけでありまして、最近起こったことなのか、ずっと、自民党政権、民主党政権、そして今に至るまでずっと組織的に行われたものであれば、そうしたことがなぜ起こったかどうかということ、しかし、今回、監視委員会がしっかりとその機能を果たしたということは評価をしていただきたいと思うわけでありますが、監視委員会とともにやっていくということでございまして、もう手段、調査としては、ちゃんと外部の目も入れながら、そして人員も確保しながら結果を出していきたいと、このように思っております。
○福山哲郎君 総理のおっしゃること、すごく大切なんですけど、重要なことが抜け落ちているんです。監視委員会にもある意味手伝ってもらうとか、いや、確認しながらとおっしゃったのは重要なんですが、今、監視委員会には、全省庁、新しい調査をする権限ありません。今、各省庁しかできません。だから実は言っているんです。 総理が言われたので、あえて、僕、今日提案しようと思っていたんです。総理の指揮命令権を実は再就職監視委員会は受けません。これは法的に独立機関になっています。でも、組織の人員を厚くして調査を逆に総理から委託をする、調査方法は任せるぐらいのことをやらなければ、国民の納得は得られないと思います。先ほど、総理、重要なことを言われました。人事局がやる、人事だから権限があるとおっしゃいました。その人事課が今回全部あっせんやっていたんですよ。そこが重要なんです。 だから、例えば、再就職等監視委員会に総理がまあある意味手伝ってもらいながらみたいなことを言われたんですけど、今権限ないので、総理から再就職等監視委員会に委託をするようなこと、例えば法改正が要るんだったら、僕らすぐにでも協力しますよ。そういう具体的な提案をしていただかないと、今だったら、誰がどこで何の調査をするのかさっぱり分からない。どうですか、総理。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 各省庁の人事課と内閣のこの人事局は、これは違いますから。 人事局は、萩生田官房副長官が人事局長として、言わば政治主導で、これは官邸、官邸主導で各省庁のこれ人事を行っている、これが一番今までとは違うんですよ。今までは、各省内で人事は完結、省内の人事ですよ、省内の人事は完結をしていたわけでございます。ただ、この人事局は天下りをこれを監視するところではなくて、まさに今おっしゃったように、監視委員会が、これは第一次安倍政権でつくった、なかなかこれは御承認、人事を御承認、当時の民主党にはいただけなかったわけでありますが、御承認をいただいた後はしっかりと機能しているのは事実でございます。ここは独立しているわけでございまして、私がここに指図するということはできないわけでありますから御協力をいただいてということを申し上げたわけでありますが、基本的には、基本的には山本大臣の下で、下でしっかりとこの人事局の力を使ってこれは行っていく、そしてちゃんと外部の目も入れてやっていくわけでありまして、我々は、もちろんこれ隠し立てなんかする必要は全然ないわけでありますし、しっかりと全貌を明らかにしていきたいと、そしてその対策を打っていきたいと、こう考えているところでございます。
○福山哲郎君 今のも威勢はいいんですが、具体的にどういう調査をやるかさっぱり分からないんです。ですから、先ほど山本大臣言われたみたいに、どういう形なのか、できる範囲で理事会に提出をまずいただけるように、委員長、お取り計らいをお願いします。
○委員長(山本一太君) ただいまの件につきましては、後刻理事会で協議をいたします。
○福山哲郎君 もうあれなんですけど、実は今回のことは非常に重要です。二〇〇七年、天下り規制に対して、当時、第一次安倍政権と我々は意見がかなりぶつかりました。安倍政権は、あっせんを一元化して人材バンクをつくると言われました。我々は人材バンクなんか不要だと言って、あっせんは全廃だと言いました。 先ほど蓮舫代表も言われましたが、離職後二年間の天下り禁止だったものを何と安倍政権は撤廃をしました。つまり、離職後すぐに再就職できるようにしました。我々は、逆に二年を五年に延長すべきと当時主張しました。ところが、文科省の利用者は、人材バンク、ゼロでした。この間、松野大臣が答弁されました。そして、離職二年間の天下りが撤廃されたので、あの早稲田に行った吉田局長も二か月以内に再就職しました。今回のR氏も、先ほどの保険会社に一日、翌日です。 これはどう見たって第一次安倍政権の天下り根絶と言われた公務員制度改革法案が、私は余り口汚く言うのは嫌なので、やはりこれは政策効果としては、余り効果としては上がっていないと言わざるを得ません。そのことを反省して調査を進めていただきたいと思いますが、総理、いかがですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 現在、こういうことが行われていたことは我々も反省しなければならないと思っておりますが、私たちのやった公務員制度改革が効果がなかったわけでは全くこれはなくて、まさに私たちは行為規制を、行為規制を導入し、そして行為規制によって、行為規制を導入したと同時にこの監視委員会がしっかりと機能することが大切であったわけでありまして、この監視委員会によって、監視委員会によってまさに今回これが、今回の事案が明らかになったわけでございます。 このようなことは私は余り言いたくないわけでありますが、この監視委員会の委員の選任を、これ民主党政権時代にこれは選任していただけなかったのは事実であります。いただけなかった時代に、当時に、国交省においてこの天下りの事案がありました。そして、国交省において、御党の国交省の副大臣が、この問題は調査委員会が二度にわたって違反行為はなかったとこれ認定をされたわけであります。それは、監視委員会がなかったからなんですね。しかし……(発言する者あり)監視委員会がなかったからなんです。 再就職等監視委員会が、しかし、その後、自公政権下、平成二十年の六月等々には三度にわたって出したにもかかわらずこれは否認をされた、そういう中でこういうことが起こったんですが、その後、監視委員会ができた後、今言った御党におけるこれ白と言われたものがこれ黒ということがこれは明らかになったわけでありまして、監視委員会ができる前はこれは見逃されていたものが監視委員会ができた後ははっきりとしたことは、これは明らかじゃありませんか。 ですから、そこのところは御理解をいただけないと、これを全部否定されたんではこれは議論の、これ事実を認定した上での建設的な議論にはなれないのではないかと、このように思うところでございます。
○福山哲郎君 細かいことは反論したくないんですけど、これ、あっせん一元化したんです。それまでまだ三年間あっせんの状況が各省庁続いていたんです。我々、あっせん全廃をして、人材バンクなんか要らないと言っていたから当然再就職等監視は要らないんです、あっせん全廃ですから。当たり前じゃないですか、制度設計をそもそも我々は要らないと言っていたんですから。私は、それぞれのあっせんが一元化されて、人材バンクが我々反対だったけど通ったおかげでできた、できてそこであっせんが一元化されたときに、我々はこれは仕方ないなと、あっせんがなくなった各省庁、監視しなきゃいけないなというので、私がそのときの再就職監視委員会の人事案を国会に説明に回った副長官ですからよく分かっているんですよ。それを、逆にその人事案否決したじゃないですか、総理。自民党、否決したじゃないですか、野党のときに。だから、あのときどうのこうのということを言うんじゃなくて、この制度設計自身がそもそも間違っていて今回の原因になったと僕は申し上げているんです。 総理、別に民主党の悪口言われるのは構わないけど、あれでしょう、過ちは、何だっけ、改むるにはばかることなかれでしょう。だって、この状況だから今のようなことが起こったのは間違いないじゃないですか。そのことをちゃんと認めてほしいと私は申し上げているんです。いかがですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 過ちは何か。過ちは何かといえば、再就職等監視委員会ができなかったことであります。 ですから、その否決したことをもって、それも含めてですよ。御党、御党も三度にわたってそれは否決をしている。認めなかったのは、これは、これはお認めになる、これファクトですからね。これは認めていただいて、その上において、その上において、これが機能していなかった民主党政権下の平成二十三年の国土交通省の再就職規制違反事案については、国会での指摘に対して、当時の国交副大臣をメンバーとする調査委員会が二度にわたって違反行為はなかったと認定したわけであります。しかしながら、第二次安倍内閣発足後の平成二十五年三月に再就職等監視委員会が調査した結果、違反行為が認定されているんですよ。 つまり、我々の、行為規制を違反したことと、この行為規制の違反、行為規制をもって違反とするということと、これは再就職等監視委員会と、これはセットでなければしっかりと機能しないということでありまして、それが今言ったことがまさに私は証左だろうと思いますよ。これがないときには機能しなかったから、皆さんのときにはこれは白と認定されたものが、これが言わば委員会ができて、安倍政権になってそれは黒となったのは国交省の事案では事実であります。 今回の事案についても、今回の事案についても、これはずうっとやっていたかもしれないわけでありますから、安倍政権ができて起こったことではなくて、これは民主党政権も含めてずうっとあったかもしれない。これは調査をしてみなければ、これは調査をしてみなければ分かりませんよ、調査をしてみなければ分かりませんが……(発言する者あり)
○委員長(山本一太君) 御静粛に願います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 調査をしてみなければ分かりませんが、しっかりと調査した結果そうであれば、まさに今回、この委員会がそれをまさに摘発をしたわけであります。そうした意味において、そうした事実をしっかりとお互いに謙虚にそれは認め合いながら、認め合いながら、しっかりと調査をしていきたい、徹底して解明していきたいと、このように考えているところでございます。
○福山哲郎君 時間がないので。私は、監視委員会は頑張ったと先ほども申し上げたはずです。ただ、指揮命令権は、別に安倍総理からいただいて、監視委員会は持っているわけではありません。 次に行きます。共謀罪です。 そもそも、国民の皆さん、是非お聞きいただきたいと思います。今回条約を批准したいと言われている国際組織犯罪防止条約、TOC条約は、テロをそもそも目的とした条約ではありませんでした。二〇〇〇年にできましたが、これはマネーロンダリングや人身売買を防止する条約でした。今回、この国際組織犯罪防止条約を締結できなければ東京五輪・パラリンピックは開けないと言っても過言ではないとまで言われた安倍総理はいわゆる共謀罪の制定に躍起となられています。しかし、この国際組織犯罪防止条約は、共謀罪か参加罪をつくらなければいけないというのが元々の政府の方針でした。今回、名前だけ変えてテロ等準備罪と言っても、それは本質は共謀罪です。また、共謀罪の本質は合意であるとされています。不法な計画を複数の者が実行に移すことを合意する場合、当然、その計画をするに当たって共謀や謀議や、そして合意が行われます。そして、準備行為があって初めて共謀罪が成立しています。 そういったことをまず国民の皆さんに知ってもらった上で質問したいと思います。 昨年、G7サミット、伊勢志摩サミットがありました。先進国の首脳が訪日されました。安倍総理が議長を務められました。お疲れさまでした。一昨年は国連防災世界会議があり、被災地の仙台で百八十五の国が参加し、元首や首相、副大統領級を含む百名以上の閣僚が訪日されました。大変なテロに対する防護の準備だったと思います。 この伊勢志摩サミットや国連防災世界会議で、他国からTOC条約が締結されなければ参加できないというような要請を受けたことがあるかどうか、総理、お答えください。
○国務大臣(岸田文雄君) ちょっと、事実関係ですので私の方から御説明させていただきます。 二〇一五年の国連防災世界会議あるいは二〇一六年の伊勢志摩サミット前にこの国際組織犯罪防止条約、TOC条約締結について国際社会から要請があったか、こういった御質問をいただきましたが、これ、累次にわたってこうした要請は我が国は受けております。 サミットということを考えましても、この伊勢志摩サミットの前、二〇一二年、二〇〇八年、二〇〇六年、二〇〇四年、二〇〇三年、二〇〇〇年、こうしたサミットの際の首脳宣言において、このTOC条約の締結及び完全な実施、こういったことが呼びかけられていますし、二〇一四年の国連総会の決議においても、このTOC条約締結を要請する、こうした発言が取りまとめられています。更に言いますと、マネーロンダリング対策に関するFATF、金融活動作業部会の我が国に対する評価、あるいは米国国務省が作成する人身取引報告書において、我が国が当条約を締結していない、こういったことについて言及を受けています。 このように、常日頃からあらゆる機会を捉えて、国際社会全体によってこの条約締結に向けて我が国に要請が行われていると受け止めております。
○福山哲郎君 外務省は、事前に通告していただいた答えと外務大臣の答弁をいつも最近たがえます。私に対する答えでは、テロに対する問題として、このことに対する条約締結の要請はなかったと。つまり、参加をそれはできないとか、それじゃ参加できないとか、それじゃ開催できないということはなかった。一般論としてFATFからの要望があるのは私は知っています。それはマネーロンダリングとか金融の問題です。テロではありません。そうやって都合のいいように答弁を変えるのはやめていただきたい。 では、私はテロ防止を要らないと言っているわけでは決してありません。日本は十三本既に締結を、テロに関する関連条約について締結をしています。外務省の事務方、恐縮ですが、我が国が締結しているテロ防止関連条約十三本の名称をお答えください。
○政府参考人(水嶋光一君) お答え申し上げます。 国際社会におきましていわゆるテロ防止関連条約について画一的な定義があるわけではございませんが、我が国としては十三本のテロ防止関連諸条約を締結してございます。その十三本は次のものでございます。 一、航空機内で行なわれた犯罪その他ある種の行為に関する条約、二、航空機の不法な奪取の防止に関する条約、三、民間航空の安全に対する不法な行為の防止に関する条約、四、国際的に保護される者に対する犯罪の防止及び処罰に関する条約、五、人質をとる行為に関する国際条約、六、核物質及び原子力施設の防護に関する条約、七、千九百七十一年九月二十三日にモントリオールで作成された民間航空の安全に対する不法な行為の防止に関する条約を補足する国際民間航空に使用される空港における不法な暴力行為の防止に関する議定書、八、海洋航行の安全に対する不法な行為の防止に関する条約、九、大陸棚に所在する固定プラットフォームの安全に対する不法な行為の防止に関する議定書、十、可塑性爆薬の探知のための識別措置に関する条約、十一、テロリストによる爆弾使用の防止に関する国際条約、十二、テロリズムに対する資金供与の防止に関する国際条約、十三、核によるテロリズムの行為の防止に関する国際条約、以上十三本でございます。
○福山哲郎君 我が国は、ちゃんとテロに対する条約、批准しています。批准するためには、締結するためには国内法が必要だと思います。 事務方、本当に恐縮ですが、航空機関係、爆発物、核の関係、テロ資金の問題、テロに関係する問題だけで結構ですので、担保法をお答えいただけますか。
○政府参考人(水嶋光一君) お答え申し上げます。 今御案内のありました中で、例えばテロリストによる爆弾使用の防止に関する国際条約、いわゆる爆弾テロ防止条約の担保法といたしましては、テロリストによる爆弾使用の防止に関する国際条約の締結に伴う関係法律の整備に関する法律などがございます。また、テロリズムに対する資金供与の防止に関する国際条約、いわゆるテロ資金供与防止条約につきましては、担保法といたしまして、公衆等脅迫目的の犯罪行為のための資金の提供等の処罰に関する法律等がございます。また、核によるテロリズムの行為の防止に関する国際条約、いわゆる核テロリズム防止条約の担保法といたしましては、放射線を発散させて人の生命等に危険を生じさせる行為等の処罰に関する法律などがあると承知しております。
○福山哲郎君 ありがとうございます。 今、航空機、言っていただけましたっけ。
○政府参考人(水嶋光一君) 失礼しました。 航空機の場合で、例えば航空機内で行なわれた犯罪その他のある種の行為に関する条約につきましては、例えば航空法改正、それから航空機内で行なわれた犯罪その他ある種の行為に関する条約第十三条の規定の実施に関する法律などがございます。
○福山哲郎君 お手数をお掛けしました。 実は、このぐらい実はテロに対して国内担保法をちゃんとやっています。今議論されている条約がなければ東京オリンピックは開催されないと言っても過言ではないなどというのは少し言い過ぎだと私は思います。 そして、次へ、ちょっとパネルを御覧ください。 これに加えて、我が国はもう既に、共謀罪、陰謀罪、予備罪などが既にあります。爆発物取締罰則はもう共謀罪が既にあります。破壊活動防止法も陰謀罪はあります。予備罪も、航空機の強取等の処罰に関する、ハイジャックに関する法律もあります。 なぜこれだけ法律が担保されているにもかかわらず六百を超えるような法律に共謀罪の網を掛けるというようなことが必要なのか、お答えください。法務大臣。外務大臣。
○国務大臣(岸田文雄君) TOC条約第五条に、重大な犯罪に対する合意罪そして参加罪、これ、どちらかを犯罪化することが求められています。その条約から求められている内容をしっかり担保する法律を作らなければならないということで、この議論につきましてはかなり前から度々国会にお願いをしております。もう三度法律を提出させていただき、長年にわたって御議論をいただいているということであります。 そして、委員の方から、既にこうした様々な法律の手当てがあるではないか、こういった御指摘がありましたが、これは、政府の判断としましては、この第五条における合意罪と参加罪のうち、この合意罪のうちの一部に御指摘になられました様々な法律のありようは該当するとは考えていますが、この条約が求めているもの全てを満たすことはできないと判断しています。 我が国は憲法九十八条の要請もあります。条約を誠実に履行しなければならない、こうした要請が憲法においてもあるわけですので、こうした国際条約が求めているものをしっかりと担保する法律を作らなければならない。今申し上げたように、現状においては十分この国際条約が要請しているものを満たしていないという判断の下に、それを補う手だてとして新たな法律をお願いしているというのが理由であります。
○福山哲郎君 ということは、今でも六百以上の法律に共謀罪の網を掛けようと考えておられるんですか。
○国務大臣(岸田文雄君) 先ほど申し上げました、今まで三度法律の御審議をお願いしてきましたが、御了解をいただけなかったという経緯をたどってきました。その際に、その過程で、一般の方々もこの法律で処罰される対象になるのではないか、こういった御意見が随分出されまして、そしてこの議論がまとまらなかった、こういった経緯があったと承知をしています。 今、こうした一般の方々も対象になるのではないかという心配につきまして、是非一般の方々が処罰の対象にならないことを明確化するべきではないか、更に言うと、この実行の準備行為が行われた、こういった場合に限って処罰の対象とするべきではないか、こういった考え方、こういった新たな考え方に基づいて、この条約の担保法として必要最小限、どこまで求められるのか、こうした検討を今政府の下で行っているということであります。検討して、もしこの整理が付いたならば、また国会に御提案をさせていただければと考えております。
○福山哲郎君 ということは、六百を減らすこともあり得るというような類いだと聞いていましたが、十年前の審議で、対象犯罪を約三百に減らした我々の修正案に対して、当時の麻生外務大臣はそれでは締結できないと発言されています。岸田外務大臣、どうするんですか。
○国務大臣(岸田文雄君) 以前御議論をお願いした際には、TOC条約第五条が求めている、犯罪化することを求めているこの合意罪、そして参加罪につきまして、懲役四年以上の犯罪、こういったものを対象に法律を作らなければならない、こういったことで政府として法律を提出させていただきました。そういった物差しに従って対象を考えた場合には、過去に説明させていただきましたように、これは以前説明させていただいたこの法律全てが必要になるということ、このことは今でも変わっていないと思います。 先ほど申し上げたように、この過去の議論の中で、一般の方々も対象になるのではないか、こうした心配の声が強く出されたことを受けて、この一般の方々が処罰の対象にならないことを明確化することはできないか、要はこの犯罪の主体等において限定することによってそれを、今申し上げたことを実現することができないか、あるいはこの実行の準備行為が行われた場合に限ってこの処罰の対象とすることができないか、要は発想を変えてこの担保法として必要なものを満たすことができないか、こういったことを考えているわけです。 それで、この法律の数を絞れるかどうかにつきましては、今申し上げた発想の下において今議論を行っています。結果としてどういうことになるのか、今引き続き法務省を中心に政府として検討を続けているところであります。是非、整理をし、まとめた上で国会にしっかりしたものを提出させていただき、御審議をお願いできればと考えています。
○福山哲郎君 法務大臣、どのぐらい減らせそうですか。
○国務大臣(金田勝年君) 福山委員にお答えをいたします。 ただいま外務大臣が答弁をしましたとおり、現在、TOC条約を締結するための法案の具体的な在り方については、条約との整合性を図りながら、そしてテロ等準備罪の対象範囲の、犯罪の範囲をどうするかを含めて、条約を所管します外務省と協議をしながら政府部内で慎重に検討しているところであります。 したがって、その検討を進めていく過程で成案ができましたときにその数ができてくると、このように考えるべきものと申し上げておきます。
○福山哲郎君 はっきりとした答えはなかったんですが、実はこれまでは六百じゃなきゃ駄目だと政府は言っていました。今減らすので検討していると。 今、国民の皆さん、お二人の大臣の答弁聞かれて不思議だと思われたと思いますが、岸田外務大臣は合意罪と言われています。そして、法務大臣はテロ等準備罪と言われています。 これ、どう見ても、この条約を担保する国内法は共謀罪です。法務省は誠実で、いまだにホームページには共謀罪と書いてあります。外務省は、いつの間にかこの条約を担保する法律が共謀罪だというものを削除しました。 これ、外務大臣、御存じでしたか。
○国務大臣(岸田文雄君) 法律の、失礼、犯罪の呼び名について御質問いただきましたが、政府としましては、先ほど申し上げたように、過去三回のこの法律の提出の様々な経緯を振り返りながら、TOC条約の条件をしっかり満たし、なおかつ国内においてもしっかり国民の皆様の御理解をいただき、担保法を制定することができる道を今ぎりぎり検討、調整をしているところであります。 そして、その経緯の中で、先ほど申し上げました、一般の方々がこの処罰の対象になるのではないかというこの心配に対してしっかり応えようということで、主体を限定するとか、この準備行為がなければならないとか、こういった新たな物差しを作って整理をし直しているわけです。 要は、過去御審議をした際とは全く発想を変えてこの新たな法律を用意しているわけですので、こうした中身が変わったということを表すためにもこの名称の呼び方を新たにしたということであります。 こうした、先ほど申し上げましたような発想に基づいてしっかりとした整理をし、法律を作りたいと思います。それをしっかり示すためにも犯罪の呼称について従来とは違ったものを使っている、こういったことであります。(発言する者あり)
○委員長(山本一太君) 速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(山本一太君) 速記を起こしてください。
○国務大臣(岸田文雄君) ホームページ上で法律の呼称が変わったことについて私が知っていたかという御質問に対しましては、私は承知しておりませんでした。改めて確認をいたします。
○福山哲郎君 法律の呼称というか、まさにこの条約の立法ガイドの記述に対して、ずっと共謀罪と参加罪と書いてあったのが、これ、いつの間にかホームページから消えているんです。こういう不誠実なことをしたら本当に国民の不信感を招くと私は思います。 それで、じゃ、外務大臣。これ、共謀罪、条約の要請上、懲役四年以上で全部満たして共謀罪をつくった国は百八十七か国のうち幾つあるんでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) 百八十七か国、今既にTOC条約締結している百八十七か国それぞれにつきましては、事情は様々であります。参加罪、合意罪、従来からあった国、新たにつくった国、様々でありますが、一つ言えることは、百八十七か国それぞれ、締結した国は、自分の国はこのTOC条約を満たすための担保法をしっかり用意しているということであります。 我が国ももし締結をするとしたならば、憲法との関係に照らして、十二分に国際社会に説明できる準備をしなければならない、そういったことで今この国内法、担保法のお願いをしているということであります。
○福山哲郎君 そうなんですよ。最初は、全部、六百要るんだ、四年以上だと言っていたのが、いつの間にか、それぞれの国の事情でいいんだって、これ変わったんですよ。 それぞれの事情でいいんだったら、総理の言われた具体的なものに入りましょう。法務省の言われている対応できない事例を御紹介します。 対応できない事例、総理、真ん中から行きましょう。一番国民の皆さんが多分関心があるハイジャック。航空券を予約した場合には今の法律上は対応できないと総理は言われましたが、それでよろしいですか。お答えください。
○国務大臣(金田勝年君) ただいまの御質問にお答えしますが、航空機の例でおっしゃられたその点に対しましては対応できないケースがあると、このように考えております。(発言する者あり)あっ、その事情ですか。 それは、申し上げます。そこまで申し上げますが、例えばテロ組織が複数の飛行機を乗っ取って高層ビルに突撃させるテロを計画した事例を例に取りました場合には、このような行為が実行されますと、現行法では組織的な殺人罪、航空機の強取罪、航空中の航空機を墜落させる罪、そういったものが成立することが考えられます。実行された場合ですね。そして、組織的な殺人罪や航空機の強取罪には予備罪があります。 現行法においては、裁判例を見ました場合に、例えば役割分担に従って相当数の凶器あるいは乗客の拘束具といった必要な装備を持って空港に向かうなどをしなければ予備罪の成立を認めることは難しいことがあると考えられております。それ以前の行為を処罰することは困難であります。 そのように考えられますので、そのために、それ以前の段階では、捜査において計画を把握しておって、犯人らがその計画に従って搭乗予定の航空機の航空券を予約したといった行為があったとしても捜査機関が検挙の対象とすることも難しい、こういうことになるわけでありまして、したがいまして、現行法では的確に対処することができないというケースも想定されるわけであります。
○福山哲郎君 総理も同様のことを衆議院で言われていましたが、同様でいいですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 裁判例では、今大臣が答弁をいたしましたように、予備罪の予備とは、構成要件実現のための客観的な危険性という観点から見て、実質的に重要な意義を持ち、客観的に相当の危険性の認められる程度の準備が整えられたことを要すると、こうされておりまして、空港に向かって出発する行為やあるいは航空券を航空機強取の目的で購入する行為がそのようなものに当たると認められない限り、予備とは認められないものと承知をしております。
○福山哲郎君 その裁判例は、総理、何例、判例は何例あったか御存じですか。
○国務大臣(金田勝年君) 昭和四十二年の東京高裁の判決だったと記憶をしております。
○福山哲郎君 中身は、法務大臣、御説明いただいていいですか。
○国務大臣(金田勝年君) 東京高裁、昭和四十二年の六月五日の判決であったと思います。 当該基本的構成要件に属する犯罪類型の種類、規模等に照らし、当該構成要件実現のための客観的な危険性という観点から見て、実質的に重要な意義を持ち、客観的に相当の危険性の認められる程度の準備が備えられる、備えられたることを要するということになっておるわけであります。
○福山哲郎君 判例の内容を聞いているんです、中身を。
○国務大臣(金田勝年君) 現在、手持ちしておりませんので、お答えは正確に行いたいという思いで、ただいま、直ちには答えることはできません。
○福山哲郎君 総理も衆議院で答弁されました。事例御存じですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 事例について、事前にこれこちらに言っていただいてなければ、直ちに正確な事例を答弁することはできません。
○福山哲郎君 今のは明確におかしい。総理が衆議院の答弁で判例がありますからとおっしゃったから、私は当然知っておられると思って聞いたんです。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) いや、答弁で私、判例がありますなんというふうに答弁はしておりません。その中において、これは我々こういう対応はできないということを申し上げたわけであります。
○福山哲郎君 衆議院の答弁、御紹介します。今までの準備罪だけであれば、今までの判例であればといって、ずうっといって、できない可能性がある、このことによってたくさんの人たちが死ぬ危険性があるのは事実じゃないですかとおっしゃっています。 判例、実はたった一例です。それも、先ほど私が冒頭説明したテロ条約に関連する航空機の強取というものに対して、これは予備罪があるといって、もう私は正直言って共謀は要らないと思っていますが、その判例しかありません。 これ、実は、当時政治犯だった三十一歳の若者がヘリを、まあ乗って、ヘリを奪って、ある労働組合の大きい集会の上からチラシをまこうという犯罪です。ある意味でいうと、大した犯罪じゃありません。この判例には、済みません、チケットの話ですけど、チケットも何も関係ありません。 実は私、そう思ったので、これ、刑法の教科書三つ、全部調べてきました。お手元の資料を見ていただければと思いますが、「航空機の強取等の処罰に関する法律」、「航空機強取等予備について」。最初、「一切の準備行為を意味している。」、そのうちの(2)です、「航空機に乗り込む行為」。まあ乗り込む行為は駄目ですね。もうこれは検挙しなきゃいけない。その次です、「航空券をその目的で購入し」ってちゃんと明確にあります。これ三つとも、航空券の購入は強取等の処罰に関する法律の予備罪が適用されて検挙可能だとなっています。 これ、問題です。この一つの「注解特別刑法」というのは、東大総長で日本刑法学会の理事長が書かれています。東京高等裁判所判事、法務省刑事局の検事、ほかも同様の方が、三冊確認しました、全部チケット購入で予備罪適用できると書かれています。 法務大臣、これ本当に大問題ですよ、こんなこと言い出したら。あなた、この答弁どうするんですか。
○国務大臣(金田勝年君) 私からお答えいたします。 ただいま福山委員がお示しになった点につきましては、公刊物の中に御指摘のような記載があるということは承知をしております。 犯罪の成否は捜査機関が収集した証拠に基づいて判断すべき事柄でありますけれども、個別具体的な事案につきましては、その事案にもよるんですけれども、裁判例では、予備罪の予備とは、構成要件実現のための客観的な危険性という観点から見て、実質的に重要な意義を持ち、客観的に相当の危険性の認められる程度の準備が備えられたことを要するとされております。 先ほど申し上げた四十二年の東京高裁判決を、その後もそれを使いながら解釈をしているという側面がありまして、空港に向かって出発する行為や航空券を航空機強取の目的で購入する行為がこのようなものに当たると認められない限り予備とは認められないものと承知をしております。 すなわち、お示しの書籍に記載のある事例が常に予備罪を構成することにはならない、するものではない、構成するものではないと考えられるわけであります。
○福山哲郎君 法務大臣、それも大問題。元々計画があって合意があるから準備行為としてのチケットで今回のテロ等準備罪も構成するわけでしょう。予備罪で捕まえられるんじゃないですか。今、法務大臣、何と言いました。その事前に合理的な問題がないんだったら、そんなもの捕まえられるわけないじゃないですか、そもそもが。元々計画、皆さんの言葉でいえば計画、我々でいえば共謀があるからこそ、そこにチケットを買うことで逮捕ができるわけです。 じゃ、この刑法の教科書全部、三冊間違っているというんですね、法務大臣。これ、大問題ですよ。お答えください。
○国務大臣(金田勝年君) 先ほど申し上げましたが、予備罪の予備とは、構成要件実現のための客観的な危険性という観点から見て、実質的に重要な意義を持って、客観的に相当の危険性の認められる程度で準備が備えられたことを要するということになっております。そういう観点を考えて対応しなければいけないと、このように考えております。
○委員長(山本一太君) 残余の質疑は午後に譲ることといたします。 午後一時に再開することとし、休憩いたします。 午前十一時五十五分休憩 ─────・───── 午後一時開会
○委員長(山本一太君) ただいまから予算委員会を再開いたします。 平成二十八年度第三次補正予算二案を一括して議題とし、休憩前に引き続き質疑を行います。福山哲郎君。
○福山哲郎君 先ほど共謀罪の話をさせていただきましたが、実は、一つ目の高い殺傷能力のある化学薬品の原料を入手した場合という、今のは対応できないというやつも、実は警察学論集という警察官が逮捕、捜査に当たってのコンメンタールを読むと、予備の具体例を挙げると、製造については原材料の購入というのが一番最初に出てきます。これも予備罪で対応できます。 法務大臣、いかがですか。
○国務大臣(金田勝年君) 福山委員にお答えをいたします。 ただいまお話ございました化学薬品を用いたテロ事案におきましては、殺傷能力の高い化学薬品を製造して、これを用いて同時多発的に一般市民を大量殺人するという目的のために単に化学薬品の原料の一部を入手する行為は、裁判例を見ますと、組織的殺人の予備に当たるとは言い難い場合もあるものと考えております。
○福山哲郎君 具体的に判例を挙げていただけますか、じゃ。
○国務大臣(金田勝年君) ただいまの御質問にお答えしますが、個別の事案ごとの判断ではございます。判例を検討した結果ではございますが、御指摘のようなサリン等を用いて、そういうサリン等を用いて大量殺人を計画する事例というもの……(発言する者あり)
○委員長(山本一太君) どうぞ答弁続けてください。答弁続けてください。
○国務大臣(金田勝年君) におきましては、原料となる化学薬品の入手行為がサリン等の製造等の予備に当たることが考えられます。 もっとも、先ほども申し上げましたが、サリン等に当たらない薬品を用いた大量殺人を計画することも想定されるわけでありまして、常に殺傷能力の高い化学薬品の入手が犯罪になるとは限らないと、このように考えている次第であります。(発言する者あり)
○委員長(山本一太君) 金田法務大臣。
○国務大臣(金田勝年君) 判例としてどれを指すかと言われますと、私の方からただいま申し上げることはできませんが、予備罪における判例による考え方と申し上げたわけでありますが、予備罪における予備とは実行の着手に至らない行為でありまして、構成要件を実現する相当の危険性を有するものと承知するわけであります。 個別具体的な事実関係によるものの、化学薬品の原料の一部といっても様々なものがあり得て、それを入手したにとどまる場合には、それだけで殺人の構成要件が実現される相当の危険性があるとまでは言い難い場合も多いものと考えられます。(発言する者あり)
○委員長(山本一太君) 速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(山本一太君) 速記を起こしてください。
○国務大臣(金田勝年君) 委員御指摘の点につきましては、直接の判例はありませんが、その点は訂正をさせていただきます。 ただ、判例的な考え方を申し上げているのであります。(発言する者あり)
○委員長(山本一太君) 金田法務大臣。
○国務大臣(金田勝年君) 薬品直接の判例は私は申し上げたわけではなくて、その点は訂正をさせていただきますが、薬品直接ではなくて、先ほども御指摘をいただいた航空機のような四十二年の判例、そういうものを含めて、その判例等を考慮して申し上げましたのが先ほどの答弁であります。
○福山哲郎君 私は、サリンの殺傷の問題について法務省が例を挙げているから聞いたら、最初は判例です、次は判例はありません、その次は判例的、今は訂正。何を信頼して、いいですか、人を処罰する法律を今議論しているんですよ。非常に重要なんですよ。下手すれば人権侵害も起こるんですよ。その刑法の問題をしゃべっているのに、こんないいかげんな答弁成り立ちますか、法務大臣。ちょっともう一回答弁してください。
○国務大臣(金田勝年君) 先ほど申し上げました昭和四十二年の東京高裁で示された基準を当てはめて考えたものを述べました次第であります。これは昭和四十二年のあくまでも判例で示された考え方でありますので、そういうふうな引用を申し上げたつもりであります。
○福山哲郎君 判例で示された基準を、じゃ、述べてください。
○国務大臣(金田勝年君) 先ほど申し上げた東京高裁昭和四十二年の判決の中から申し上げます。 当該基本的構成要件に属する犯罪類型の種類、規模等に照らし、当該構成要件実現のための客観的な危険性という観点から見て、実質的に重要な意義を持ち、客観的に相当の危険性の認められる程度の準備が備えられたことを要するという考え方であります。
○福山哲郎君 その基準に照らして、全てのコンメンタールは、チケットの購入で逮捕ができる、サリンは原料を購入して逮捕ができるとなっているのに、法務大臣だけ違う答えを言われているんです。これ逮捕できるんです。ということは、立法事実がなくなりました。 法務大臣、お伺いします。この三例以外にテロの対応で予備罪、未遂罪等で対応できない法律は一体何本あって何か、お答えください。
○国務大臣(金田勝年君) 法務省からお示しをしました三つの事例につきましては、現在政府において検討中のテロ等準備罪につきまして、その成案を得られていない現段階でその検討の方向性を少しでも分かりやすくイメージをいただくためにお示ししたものであります。 そして、法案がまだ検討段階にあります関係上、テロ等準備罪の限界事例等をお示しすることは難しいと、このように考えております。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) そもそも、我々も、大変な負荷のあるこの法案を新たに提出するということであれば、できるだけ今の法制度でこの国際組織犯罪防止条約にこれは締結できる、そして、かつ実際にそういう様々なテロを防げるのであれば、それはもうそれでいくのは当然のことでありまして、これは政権に負荷が掛かることでありますから。 そこで、我々は法務省にも、今、福山委員が述べられたように、私も法務省側にも今ので駄目なのかと何回も確認をいたしました。そして外務省には、これは国際法との関係、条約との関係においては外務省の国際法局がやりますから、国際法局的には、これは国際組織犯罪防止条約のこれは批准には足りませんということでありました。と同時に、そこで今おっしゃった事案については、例えば、先ほどちょっと議論になりましたが、飛行機のチケットを予約した段階でどうなのかということを申し上げました。 そこで、その中に、御指摘のように予備罪の整理については様々な見解があり得るわけでございまして、確かに、その挙げられたコンメンタールについての議論もございますが、法務省の立場は、しかしそれは、かつての裁判例においては、構成要件実現のための客観的な危険性という観点から見て、実質的に重要な意義を持ち、客観的に相当の危険性の認められる程度の準備が備えられたことを要するということでございますから、言わばそれによって、予約あるいは購入したことによってそれは有罪になることもありますが、それはありますが、しかし個別の、様々なこのたくらみの中においてそれが当たらないこともあり得るというのは事実でございまして、そういう議論が、それは法務省の解釈であります。 それは、法務省はそういう解釈をしていて、そういう解釈がある以上、この段階で、犯罪を犯す組織が集まって、言わば飛行機を乗っ取って、それを九・一一のような行為をしようという合議をして、それぞれ役割分担を決めて、かつチケットの予約をした段階で、しかし、それは必ずしも予備罪が当たらない、当たらない可能性もあることによってそれはちゅうちょする場合はあるんです、当然。ということで、これはやはり法整備が必要。 言わば議論が、今こうやって議論をしているわけでありますから、議論が存在するのは事実なんですよ。議論が存在するんであれば議論の余地をなくす、議論の余地をなくすることが大切であって、今言った要件が当たればこれは確実にその対象になるという法律を作るべきだと法務省から説明を受けて、私はそれはそのとおりだなと。 つまり、そこで、当局であればちゅうちょするんであれば、まさにそういうテロが、テロの発生を防げない可能性があるわけでありますから、テロを防げない可能性があるんであればその法制を整備する。議論がある中においては当局が実務的にちゅうちょすることはあり得るんですよ。でなければ、我々もわざわざこの法整備をしないですよ、それは、そもそもですね。ですから、我々は、しかしそれは、つまり明文的にですね、明文的にしっかり、解釈によって予備罪を広げていくというのはむしろそれは危険である、そういう解釈を恣意的にするよりも、しっかりと明文的に書いてあるものを、ちゃんと法制度を確立をしようというのが政府の立場でございますので、どうか御理解をいただきたいと思います。
○福山哲郎君 何でチケットの購入で、計画があってチケットの購入で予備罪に当たらないのか、法務省、じゃ、答えてください、法務大臣。今総理が言われた理由をちゃんと答えてください。何で当たらないのか。
○国務大臣(金田勝年君) 午前中からも申し上げております東京高裁昭和四十二年の判決がございます。 その判決で、当該構成要件実現のための客観的な危険性という観点から見て、実質的に重要な意義を持ち、客観的に相当の危険性の認められる程度の準備が整えられたることを要するというこの記述の要件に当てはめて、それが当てはめられて、そしてそのように理解されるということにならないというケースがあるということであります。 そもそも、申し上げますが、ただいま議論している航空機の例、あるいは危険薬品の例、あるいはサイバー的な話、この三点をお示ししておりますが、三つの事例につきましては、現在政府において検討中のテロ等準備罪について、その検討の方向性を少しでも分かりやすくイメージをしていただくために、まだその成案を得ていない段階でお示しをした話でございます。 そして、実務は裁判例に従って法律を解釈、適用しているものであります。ここが重要であります。この点、お示しした裁判例、ただいまの裁判例に従えば、ハイジャック目的での航空券の予約であっても予備に当たらない事例もあるということを受け止めていただきたいと思います。それは、ただいまの裁判例に当てはめてその適用があるかどうかという考え方に沿うものと思います。 そして、加えて、予備罪が設けられていない重大犯罪も多数あるわけでありまして、その意味において、予備罪などの現行法制ではテロ行為を未然防止できない事例は存在するというところでございます。そのために、テロ行為の未然防止のためにはテロ等準備罪を設けて対処することが必要であるということであります。 以上です。(発言する者あり)
○委員長(山本一太君) 速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(山本一太君) 速記を起こしてください。
○国務大臣(金田勝年君) 予備罪における予備というのは、先ほどから申し上げております東京高裁昭和四十二年の判例によると、実行の着手に至らない行為であっても、構成要件を実現する相当の危険性を有するものであると私どもは承知しております。 そして、個別具体的な事実関係によるものの、ハイジャック目的での航空券の予約が、それだけではハイジャック行為が実現する相当の危険性があるとまでは言い難い場合も多いと、このように考えられるわけであります。
○福山哲郎君 大臣、今の話で、航空券を買うのがハイジャックに至らないかもしれないというときに、計画はあるんですね、大臣の言う計画はあって、私らは共謀と言いますが、それがあって切符を買っても予備罪に当たらないと言い切れるんですね、本当に。
○国務大臣(金田勝年君) 計画があって、そして予備罪に当たらない場合というものもあると、切符を買って当たらない場合もあるというふうに考えております。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) つまり、私どもはテロを未然に防がなければいけないということでありますから、つまり未然に防がなければいけない。出来事が起こってから、起こってから、たくさんの人たちが死んでから裁判所で黒にすればいいというものではないわけであります。 それが、それがポイントであって、つまり、今まさにお答えをさせていただいたのは、合意をして、合議をして合意をして、そして誰かがチケットを予約をする、予約をする。しかし、それでその後テロが起こったとしますね。しかし、今の……(発言する者あり)いや、起こらないとしても、今その段階で捕まえたとしても、これは言わば完全に、それをもってしてこれは構成するとは限らないわけでありまして、それが先ほどの裁判例でお示しをした例でございまして、しかし、今回の場合は、今回の場合は言わば合意をして、かつチケットを予約、購入をすれば、それはもう間違いなくこれは我々の、テロ等の準備罪に当たるわけでありますから、その段階で間違いなく、ちゅうちょするなく警察は検挙できるわけです、検挙できるわけです。 しかし、そうでない場合は、いや、これは間違いなく……(発言する者あり)いや、今、うそは駄目とかおっしゃっているけど、それが、それが逮捕できるということではなくて、まさにそれによって、しかし、裁判によって、裁判によって、それで逮捕をしたところで、それの言わば関連性を十分に証明できるかどうかというのは明らかではないわけでありますから、それぞれの事案によって、裁判例に、今、私が先ほど申し上げました裁判例にそれははっきり明確に書いてあるように、相当のこれは、これは構成要件実現のための客観的な危険性という観点から見て、実質的に重要な意義を持ち、客観的に相当の危険性の認められる程度の準備、認められている程度の準備なのかどうかということが証明されなければならないわけでありまして、それは、今申し上げましたように、合意をして、そして今言ったチケットを予約するという行為をして、それが全体の中の、これは詳しく、その事案事案の中によるんですよ、それは。 そういう中で、当たる場合もありますが当たらない場合もあるんです。当たらない場合がある以上、当たらない場合がある以上、そこで直ちに、直ちに検挙はできないということでありまして、それであれば、直ちに検挙できるようにするのはこれは当然のことじゃないですか。
○福山哲郎君 僕は、逆に、合意があって計画があってチケットを買ったときに、今総理が言われたように、検挙できないという方が怖いです。我が国はそんな状況ではありません。検挙できます。じゃないとテロから守れないから。それがちゃんと書いてあります。 じゃ、大臣、お伺いします。大臣の言われる準備行為というのは、いいですか、計画なのか共謀なのか合意なのかは別にして、共謀は構成要件だと思いますが、準備行為は処罰条件かどうか、大臣、お答えください。明確にお答えください。
○国務大臣(金田勝年君) 私ども政府が検討しております実行準備行為が構成要件か、それとも処罰要件かと、処罰条件かというお尋ねでございます。 テロ等準備罪につきましては、かつての国会審議等の場における批判あるいは懸念というものを踏まえて、合意に加えて実行準備行為が行われたときに処罰の対象とすることを検討中であります。(発言する者あり)
○委員長(山本一太君) 福山君、済みません、委員長の許可をもって発言してください。(発言する者あり) 金田法務大臣。
○国務大臣(金田勝年君) お尋ねの点は、法案の成案を得た後に具体的な罰則の内容に基づいて説明をすべきものだと考えております。(発言する者あり)
○委員長(山本一太君) 金田法務大臣。
○国務大臣(金田勝年君) 先ほども申し上げましたが、成案を得た上で具体的な罰則の内容に即して法律案に関する議論というものは行うべきであると考えておりますが、お尋ねではございますから、現在検討中の法律案については、可能な限りで検討の基本的な考え方をお示ししているつもりであります。 お尋ねの実行準備行為についても、かつての国会における批判あるいは懸念といったものを踏まえまして、条約との関係、テロ対策としての実効性にも配慮をして、そして、合意に加えて実行準備行為が行われたときに処罰の対象とすることを検討中であると申し上げているところであります。 お尋ねの点は成案を前提とした解釈あるいは理論的整理にも関わるものと思われますので、詳細は具体的な罰則の成案が得られた段階でしっかりと御説明をしたいと考えております。
○福山哲郎君 これ、人権に関わる大変重要なものを曖昧にされるのは非常に問題だと私は思います。 じゃ、金田大臣、もう一個聞きます。 過去に犯罪をしていた犯罪集団だけにこの法案は適用されるのか、過去に違法行為をやったところだけが適用されるのか、別な言い方をすれば、過去に犯罪をしていなくても組織的犯罪集団とみなし得ることができるのか、どっちですか。
○国務大臣(金田勝年君) 組織犯罪集団については、現在、その内容については検討中でございます。(発言する者あり)
○委員長(山本一太君) 速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(山本一太君) 速記を起こしてください。
○国務大臣(金田勝年君) 組織犯罪集団についてでございますが、例えば、重大な犯罪等を行うことを目的とする集団をいうわけでございますから、例えばテロ組織、暴力団、薬物密売組織といったものに限られることになろうと思います。重大な犯罪等を行うことを目的としているか否かは客観的に判断されるものと考えておりますし、したがって、正当な活動を行っていた団体がたまたま一回だけ犯罪を行ったことで組織的犯罪集団と認められるようなことはあり得ないと、このように考えております。 しかし、先ほども申し上げましたように、ただいま内容も含め成案を作るべくやっておりますので、その時点で明快な説明が申し上げられると思っております。
○福山哲郎君 組織的犯罪集団の要件には過去に違法行為があったかどうかが必要か必要でないか聞いているんです。
○委員長(山本一太君) 時間が来ておりますので、簡潔に答弁をお願いします。
○国務大臣(金田勝年君) 具体的な要件については現在検討中であります。
○福山哲郎君 本当に、共謀罪の本質的なものを聞くと全部検討中で答えて、現実問題として法務省が出してきた具体的な事例は予備罪で十分に検挙も逮捕もできます。 長くなってはいけないので短くしますが、正直申し上げます。 総理の言われたこと、重要なんです。重大犯罪で、例えばこのウイルスの問題は、実はこれ未遂罪作らなきゃいけないと僕は思っています。だから、どのぐらい本当に重大犯罪で必要なのかを、何本かって聞いたら答えられないんです。逆に言うと、それで穴埋めをしていけばこの条約は十分批准できます。六百本も三百本も……
○委員長(山本一太君) 福山君、時間が来ておりますので、まとめてください。
○福山哲郎君 はい、もうやめます。 三百本も、市民に影響の与えるような、そんな共謀罪を作る必要はなくて、十分に私はこの条約は批准できると申し上げて、不誠実な答弁を甚だ遺憾と申し上げて、私の質問を終わります。 ありがとうございました。
○委員長(山本一太君) 以上で福山哲郎君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(山本一太君) 次に、大塚耕平君の質疑を行います。大塚耕平君。
○大塚耕平君 民進党・新緑風会の大塚耕平でございます。 総理の所信表明あるいは予算等についてお伺いをしたいと思います。 まず総理にお伺いしますが、所信の中で総理は新しい国づくりをすると述べておられますが、新しい国というのはどういう国でしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 戦後七十年余り、焼け野原の中から世界第三位の経済大国、世界に誇る自由で民主的な国をつくったわけでありますが、他方、七十年で日本あるいはまた世界は大きく変化したわけであります。急速に進む少子高齢化、あるいはまたデフレからの脱却と新しい経済成長、そして厳しさを増す安全保障環境など様々な課題に現在直面をしているわけでありまして、こうした困難な課題にも真正面から立ち向かい、次なる七十年を見据えて新しい国づくりに挑戦したい。それは、言わば人口が減少していく中にあってみんながその可能性を見出すことができる、生かすことができる社会をつくっていかなければそれはもう成長していくことができなくなるという意味において、我々がお示しをしている一億総活躍であります。 そしてまた、テロ、貧困など世界的な課題、これ、世界が協力し合わなければいけない課題の中にあって日本も、今までも行ってきましたが、更に積極的に世界のそうした様々な課題に協力をして取り組んでいくということであります。 そして、少子化が進む中において、子供たちこそ国の宝であり、子供たちの誰もが家庭の事情にかかわらず夢に向かって頑張ることができる日本をつくっていきたいと、このように考えております。
○大塚耕平君 今おっしゃった方向性は、我々の政権のときも同じような考えで臨んでいますので全然新しくはないんですが、あえて新しいとおっしゃるには、どういう点が新しいんでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 皆さんの政策がどうだか、どうだというのはちょっと私もよく分からないところでもあるんですが。恐縮でございますが。 そこで、我々がお示しをしているのは、まさに今、人口問題に真正面から取り組んだのは我が政権が初めてではないかと、私はこのように考えております。そうでないのであれば、また大塚議員の御高説をしばらく賜りたいと、このように思う次第でございますが、まさに人口問題から正面から立ち向かい、一億人という人口は何とか維持をしていきたい、そのために何が必要かということをお示しをして、その目標に向かって進んでいきたいと、こういうことをお示しをしているところでございます。
○大塚耕平君 お言葉ですが、それでは、我々のときに人口問題に取り組んでいなかったということを証拠を挙げてください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今、最初に申し上げましたように、皆さんの政策についてはそれほどつまびらかではございませんので、今御説明をいただきたいと、このように思います。
○大塚耕平君 少々不誠実な御答弁だと思います。 日米同盟については不変の原則というふうに述べておられますが、不変の原則というのはどういう意味なんでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) つまり、日米同盟が確かなものであるということを今世界に示していく必要があるんですよ。つまり、アジア太平洋地域の安全保障環境が厳しい中にあって、日米がこれは言わば不安定なものである、将来にわたって不安定なものであるということをこれは思われてはならないわけであるわけであります。そして、世界の不確実性が進む中にあって、よりその要請は大きいわけであります。 つまり、この不変の原則と申し上げましたのは、そういう中において日米のこの同盟関係のきずなは変わらないという日本の強い意思を示したものであります。と同時に、今、一国のみで自国の安全を守ることができない中にあって、言わば我々は、このアジア太平洋の地域の中において他にでは同盟国があるかと言われれば、それは今の段階では、予想し得る未来においてはそれはないわけでありますから、このように申し上げたわけでございます。
○大塚耕平君 不変というのはいつまでのことを言っておられるんですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは日米で、あなたとの同盟関係はいつまでですよと、これを私が言ったら大変なことになりますよ。これは、私はそういう見識を持ってお話をさせていただいているわけでございまして、同盟関係ということにおいては、あなたとの友情は十年間ですよ、三十年間ですね、その先は分かりませんよというのは、これはきずなとは言えないんですよ。つまり、我々は、外交というものはそういうものなんですよ、私も四年間やってきてよく分かるんですが。 つまり、あなたとの関係においては私が在任期間中は変わることはありませんと言って初めてこれは信頼されるものでありまして、ただ、それは不変かどうかということにおいて、不変ではないということを言ったら、これはまさに変化していくのかと、そんな相手は信頼されないわけでありまして、今まさに私が申し上げましたように、不確実性が増していく中において、日本と米国の関係は、まさに同盟関係としてこのきずなは不変ですよということをしっかりと我々も発信する必要があると、このように考えたわけでございます。
○大塚耕平君 基軸という表現は私も賛同しますけれども、不変の原則というのは、総理の言葉の選択としてはより深い洞察が必要だと思います。これは、アメリカの指導者もアメリカの国も変わる可能性はあるわけでありますので、より慎重に言葉の選択を一国の総理としてしていただきたいということを申し上げておきます。 トランプ大統領は、二十三日の米国の経営者との会合において、日本は日本市場で米国車を売れないようにしているというふうに述べているようでありますが、日本は国内で米国車を売れないようにしているんでしょうか。
○国務大臣(世耕弘成君) お答えいたします。 あのトランプ大統領の発言、テレビで報道されている部分の直前でイフを二回使っておられます。イフとイフ・アズ・アン・エグザンプルということで、相当何か例え話とか仮定の話でされています。ですから、何か詰めてデータに基づいたお話ではないんだろうというふうに思いますけれども、現実には輸入自動車に対して日本は全く関税を掛けておりません。その他、安全基準等についても、ヨーロッパ車とアメリカ車と国産車、全く同じ内外無差別の扱いをしております。 そして、現に、日米自動車交渉の後の一九九五年から現在までで比較しますと、ヨーロッパ車は、九五年当時二・六%のシェアでしたが、五・四%のシェアになっています。アメリカ車は、残念ながら、一・四%のシェアから〇・三%のシェアになっています。 これは一種競争の結果ということになるのかなというふうに思っておりまして、あのとき例え話でされた大統領の話は、事実と比べると当たらないというふうに思っております。
○大塚耕平君 総理は、十日に大統領とお会いになられましたら、日本は米国車を売れないような施策を行っているわけではないとはっきり申し上げるわけですね。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 実は、日米の間の交渉においては、トランプ大統領だけではなくて、常に米側はそういうことを日本に言ってくるんですよ、実は。 ですから、様々なレベルで、様々なレベルで言ってきますから、日本においては、これは関税障壁はありませんよ、外に出ていったら分かりますよ、ヨーロッパ車は結構あるじゃないですか、でも米国車はないというのは、それはそれなりの理由があるんですよということは今までもずっと米側に実は言い続けてきました。ディーラーもないし、東京モーターショーにも出ていないし、テレビや新聞で広告もしていないのでは売れませんよと。そもそも左ハンドルでは日本ではなかなか、右ハンドルにしている、努力をしている国のメーカーもあるわけですから、そういうのを見てくださいということは、大体日本側は今までも何回もいろんな場で米側に言ってきているわけでございます。 当然、こういうことは、米側にももしそういう誤解があるとすれば伝えていくのは当然のことではないかと思います。
○大塚耕平君 トランプ大統領の発言を聞いていますと、新たな自動車摩擦というものを生む可能性も懸念されます。日本の税制においては自動車の重課税をまだやっていますので、摩擦が生じる前にこの重課税、税制として是正するお考えはないですか。
○国務大臣(麻生太郎君) トランプ大統領から言われて重課税を改変するとか改革をするとかいうことではなくて、私どもとしてはみんなイコールに扱っておりますので、私どもの国内の状況等々を判断した上で判断をさせていただきます。
○大塚耕平君 この問題については意見の違いはありませんので、大統領にはっきり申し上げるべきことは申し上げていただきたいなというふうに思います。 経済の話に移りますが、景気の現状について総理の御認識をお伺いします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 現在、四年間たったわけでありまして、我々は、政治に対する一番の国民の要請、私たちの責任というのは、働きたい人が働く場をちゃんとつくっていくこと、経済においてはですね、実体経済においてつくっていくことなんだろうと、こう思っています。 その点では、有効求人倍率については改善し、四十七の都道府県、全ての都道府県によって史上初めて一倍を実現したわけでございます。また、正規雇用についても、正規雇用の有効求人倍率も過去の最高レベルに達しているわけでございまして、しっかりと今の政策を前に進めていくことによって更に給与も確実に上がっていく、既に名目賃金においては過去最高の水準で連続して賃金は上がってきているわけでありますから、しっかりと進めていきたいと、このように考えております。
○大塚耕平君 景気はいいという御認識ですね。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 景気は、これはすごくいいということを私は申し上げているわけではありませんが、景気は緩やかに回復していると、こういう認識であります。
○大塚耕平君 それでは、今回、第三次の補正予算を組んだ理由をお聞かせください。
○国務大臣(麻生太郎君) 今回の補正予算というのは、これは御存じのように、熊本、また北海道、東北等々の災害対策、それから円安等と円高、いろいろぶれたんですけれども、国際分担金の拠出、そして最後に自衛隊の安定的な運用態勢、これは、もう御存じのように、南シナ海等々極めてスクランブルの回数も増えておりますし、そういった緊急性、必要性の高い追加財政需要に対応するために編成したものだと理解をいたしております。
○大塚耕平君 二十五日に中長期財政試算が発表されましたけれども、この中長期財政試算の内容と、財政健全化にどういう姿勢で臨んでおられるのかもお伺いしたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 中長期の財政試算というものが政府の方から出されたのは、御存じのとおりの数字なのでこれを重ねて申し上げるつもりはありませんけれども、私どもとしては、西暦二〇二〇年までの間のいわゆる基礎的財政収支をゼロにしたいという目的を変更しているわけではありません。それに合わせて、私どもとしては、いろいろな条件が悪化したところもありますし良くなったところもありますし、円が上がったり下がったり、もう非常に乱高下しておりますので、なかなかこれというのは言えないんですけれども、私どもとしては、その目的に沿ってきちんとした、これまでどおり、予算編成につきましても、伸び率は目安を付けてそれ以内、そして社会保障につきましても一兆円伸びるところを五千億等々の努力をしておりますので、引き続きその努力を継続してまいりたいと思っております。
○大塚耕平君 二〇二〇年のプライマリーバランスの見通しは悪化したんですよね。
○国務大臣(麻生太郎君) プライマリーバランスにつきましては、前回出しました五・五に対して八・三に悪化しております。その数字だけ見ればそういうことになります。
○大塚耕平君 しかし、財政健全化目標は変えていないという理解でいいですね。
○国務大臣(麻生太郎君) 私どもは、それに対しまして、悪化したものをカバーするべくいろいろなものを更に努力をしていくというように思っておりまして、それだから、決して達成できないというように今の段階で思っているわけではありません。
○大塚耕平君 しかし、赤字幅も悪化したわけですし、財政健全化の観点からいえば赤字国債は極力発行すべきではないという考えはいかがでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 赤字公債の新規発行につきましては、この四年間を見ていただきましても、新規国債の発行は約十兆円強減少しておりますので、基本的に私どもとしては赤字公債の発行というものをきちんと抑えていくという方向に変わりはありません。
○大塚耕平君 しかし、今回、第三次補正予算、景気はいいわけですから、それほどその面からは配慮の必要がないにもかかわらず赤字公債を一兆七千億発行してまで補正予算を組む理由をもう一回聞かせてください。
○国務大臣(麻生太郎君) これは、先ほど申し上げましたように、緊急性の三つの要素を申し上げましたけれども、その点に照らし合わせて、私どもは緊急性があると判断した上でこれをやらせていただいております。 ただ、これを見積もった段階は昨年の十月の話でありますので、その段階では円が非常に高くなってきております。今は百十、今日、三円かな、四円かぐらいまで下がってきておりますので、そういった意味では、そのために税収見積りはそれでまた変わりますので、そういった意味では、来年の三月になったときにはそれがまた更に好転している可能性も十分にあると思っておりますので、更にいろいろ努力をしていかねばならぬと思っております。
○大塚耕平君 緊要性のあるものというふうにおっしゃられたんですが、それでは、増額補正された主要な項目について御説明をください。災害対策費と防衛費と国際拠出金で結構です。
○国務大臣(松本純君) 災害対策費の増額補正の内容について、内閣府防災関係の第三次補正予算案は、昨年発生いたしました熊本地震、台風十号及び鳥取県中部を震源とする地震に対する災害救助費等負担金として百七十・一億円、熊本地震に対応する災害援護貸付金として二・七億円の合計百七十二・八億円を計上しております。 これらの予算を活用して被災地の復旧復興に万全を期してまいりたいと存じます。
○国務大臣(稲田朋美君) 平成二十八年度補正予算案において、先ほど財務大臣からお話がございました自衛隊の安定的な運用態勢の確保として、昨年は弾道ミサイル二十発以上発射され、新たな脅威の段階に入っていることなど、我が国全体を多層的かつ持続的に防護する体制を確保するために必要となる経費、さらに、我が国周辺の安全保障環境や頻発する自然災害を踏まえ、各種装備品等の整備、装備品等の部品費、修理費など自衛隊の安定的な運用を確保するために必要となる経費を計上しております。 加えて、自衛隊員の給与及び災害により被災した装備品等の復旧に係る経費として六十三億円を計上しております。 これにより、防衛省計上額の総額は千七百六十九億円となっております。
○国務大臣(岸田文雄君) 外務省の平成二十八年度第三次補正予算案のうち、国際機関への分担金総額が約四百十五億円、そして拠出金の総額が約一千二百十八億円、合計しますと一千六百三十二億円でございます。
○大塚耕平君 それでは、その三つについて若干質問をさせていただきますが、災害対策費には財源として百四十億円を他から流用しているようでありますが、何から流用しておられますか。(発言する者あり)
○委員長(山本一太君) ちょっと速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(山本一太君) じゃ、速記を起こしてください。
○国務大臣(松本純君) 恐れ入ります。複数の省庁にまたがっていろいろ対応しているところもありまして、今御質問の内容について承知をしておりませんで、申し訳ございません。
○大塚耕平君 役所からレクを受けまして、百四十億流用しておられます。 それでは、当初予算の財源は災害対策費は幾らで、そのうち幾らはもう既に使って今回の財源として手当てをしているでしょうか。
○国務大臣(松本純君) 先ほど申し上げましたように、内閣府防災としての取りまとめということについては、今数字を把握しておりません。
○大塚耕平君 被害総額として、第三次補正の前提として五千七十九億が申告をされていまして、それに対して、今回補正で千六十二億を積んでいるわけですよね。その差額を充当するために、流用で百四十億円、当初予算の災害対策費七百三十一億からは幾ら積んでおられますか。この千六十二を計算するためには、それ所管大臣として知っているのは当然だと思いますけどね。(発言する者あり)
○委員長(山本一太君) ちょっと速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(山本一太君) じゃ、速記を起こしてください。
○国務大臣(松本純君) 大変恐縮でございますが、御通告いただいていなかったので準備ができておりません。申し訳ありません。
○大塚耕平君 数字は、大臣、是非把握してくださいね。結果の千六十二だけを答弁されたら、それは出てきた答えだけ聞いてここで答弁していることになりますが、その千六十二を積み上げる仕事が大臣の仕事ですから。 私が聞きたかったのは数字そのものではなくて、この流用が移用に当たるものが入っていないかということを聞きたかったんですが、いかがでしょうか。(発言する者あり)
○委員長(山本一太君) 速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(山本一太君) 速記を起こしてください。
○大塚耕平君 予算書各目明細を拝見してもその流用に当たる部分が確認できなかったので、流用に当たると言われて財源に積んでいるものが移用に当たるものが入っていませんかということを聞いているんですが、流用と移用の、じゃ、違いを述べてください。(発言する者あり)
○委員長(山本一太君) 大塚耕平君。
○大塚耕平君 それじゃ、その内容を御検討いただいている間に防衛大臣にお伺いしますが、防衛関係費を積み増しているのは理解できます、理由は理解できます。その一方で、補正予算で百七十億円防衛整備費を減額しているのはなぜですか。
○国務大臣(稲田朋美君) 年度の途中で不用額が出ているため、その分を減額しているものでございます。
○大塚耕平君 年度の途中といっても、今、南シナ海の問題も含めて非常に緊張している中で防衛整備費をここで減額するというのは、過去の予算の精査が足りないということではないですか。(発言する者あり)
○委員長(山本一太君) 速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(山本一太君) 速記を起こしてください。
○国務大臣(稲田朋美君) 通告がなかったので、今確認中でございます。
○大塚耕平君 いや、もう一回聞きます。 整備費の減額百七十億円ここでしているということは、当初予算のときの予算の精査が足りなかったのではないですかという、大臣の意見を聞いているんです。
○国務大臣(稲田朋美君) 為替のレートが変わったことによる油等の購入費などの差額だと思いますが、通告がございませんでしたので、今精査をして確認をしているところでございます。(発言する者あり)
○委員長(山本一太君) 速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(山本一太君) 速記を起こしてください。
○国務大臣(稲田朋美君) 為替のレートの差損等による減額ということでございます。(発言する者あり)
○委員長(山本一太君) 大塚君、しゃべるときはきちっと委員長の許可を取ってください。 大塚耕平君。
○大塚耕平君 それでは、松本大臣が調べてくださっている間に、今度は外務大臣にお伺いしますが、国際拠出金、国際機関等への拠出金、分担金の総額と支出根拠を教えてください。
○国務大臣(岸田文雄君) 国際機関への拠出金のまず総額でありますが、一千二百十八億円であります。 そして、拠出根拠ですが、これは、内容としまして、難民問題を含む人道・テロ対策、社会安定化のための支援事業、あるいは感染症や気候変動などの地球規模課題への対応のための支援事業、こういったものでありますが、根拠としましては、これ、当初予算、この編成時には予測できなかった新たな動き等に対応するため、さらには国際社会が緊急アピール等によって協力して特定の課題について資金を拠出することが求められた場合など、こうした事態に対応するために、この緊急性を判断し、そして、これは政策的に緊急を要するという判断を行った上で補正予算に計上したということであります。
○大塚耕平君 皆さんのお手元に配らせていただいた十ページのホチキス留めの資料、これは外務省から御提出いただいたものです。拠出金、様々なものが含まれていますが、具体的にいつ要請されて、要請総額は幾らだったのかということを求めたところ、御覧のとおり極めて大ざっぱな報告しかなくて、これでは我々、予算の審議のしようがないんですが、大臣、いかがですか。
○国務大臣(岸田文雄君) この資料について御指摘をいただきましたが、まさにこれは、国際社会からの要請は、ここに書いてありますような課題について様々な国際機関が協力して対応をしているということから、様々な機関からそれぞれ様々な要請を受け、それに細かく対応しているというのが現実であります。 シリア、イラクへの対応が一番上に出ておりますが、この一つの課題取りましても、これだけ多くの国際機関が対応し、協力をしているというのが現実であります。我が国は、国際社会においてこうした課題について責任をしっかり果たすために、こうした一つ一つの国際機関の要請に対してしっかり応えていく、こういった責務があると思います。 ただ、これはあくまでも補正予算に計上した予算でありますので、一つ一つ内容を吟味して、緊急性については政策的な判断を政府とした上で、至急この補正予算への計上を決定したということでございます。
○大塚耕平君 大臣、国際社会に対する責務、これは私も同意しますし、共感しています。だから、可能なことはやるべきだと。しかし、さっき財務大臣にお伺いしたように、プライマリーバランスの予測も悪化し、財政健全化もしなきゃいけない。だから、不要不急なものは、いかに国際社会に対する拠出金であったとしても国民の皆さんに対して説明が付かないんですね。 だから、今回の拠出金の中で義務的なものは何ですか。もうどうしてもこれは出さなきゃいけないという義務的な部分は幾らになりますか。
○国務大臣(岸田文雄君) 補正予算に計上した予算で、まず国連分担金、そしてPKO分担金、これ、それぞれ五十五億、三百六十億が計上されていますが、これは委員御案内のとおり、国連財政規則において、これは要請があった場合できるだけ速やかに対応しなければならない、こういった規則が国連の中で定められていますので、国連の一員としてそうした規則に従って対応するということであります。そして、それ以外の国連拠出金の部分につきましては、先ほど委員の方からお示しいただいた資料がございますが、こうした様々な機関との関係において協力を行ったということであります。 義務的な部分はどこかということにつきましては、分担金につきましては先ほど言いました、これは義務的な部分であるとはっきり言えると思いますが、拠出金の部分につきましては、それぞれの国際機関、それぞれの規則において動いておりますので、どの部分が義務的なのかということについて、ちょっと詳細について今手元で把握はしておりません。それぞれの規則に基づいて、要請に基づいて、我が国として対応したものだと承知をしています。
○大塚耕平君 大臣、義務的な部分は今おっしゃった国連分担金とPKO分担金の部分だと、もう説明を事務方の皆さんから伺っていますから、今回計上した千六百八十五億円のうち義務的経費は四百十五億円、あとはあくまで裁量で今回乗せたということなんですよ。一応これでいいですね。確認です。
○国務大臣(岸田文雄君) そのとおりでございます。四百十五億円は分担金であります。残りの一千二百十八億円が拠出金ということで、最終的には政府として政策的な判断に基づいて拠出を決定したということであります。
○大塚耕平君 今、大臣御自身が国連財政規則に基づいてとおっしゃったんです。国連財政規則三・五、私も拝見しました。支払要請書を受領した日から三十日以内又は対象となる暦年の最初の日のいずれか遅い時点がタイムリミットと。 要請書はいつ受け取りましたか。
○国務大臣(岸田文雄君) 我が国として要請書を受領した日にちを御質問いただきましたが、ちょっと日にちにつきましては手元に資料がございませんのでお答えできません。
○大塚耕平君 私の調査によれば、まだ受け取っていないそうですが、確認してください。
○国務大臣(岸田文雄君) 確認いたしましたところ、国連分担金については一月、要請を受領しております。そして、PKO分担金につきましては、これ、ミッションごとに分かれておりますので、昨年の後半、ミッションごとに順次要請を受け取っているということであります。 ただ、一部まだ要請を受けていない部分があるというのが事実であります。ただ、その部分につきましては、この半年間の動きの中で、要請につきまして、予想される金額を補正予算として計上していると、今確認をさせていただきました。
○大塚耕平君 ありがとうございます。 四百十五億円のうち五十五億円は、今私も答弁で理解しました、一月に受けたと、残りの三百六十億円はまだと。ただし、このタイムリミットというのは、要請書を受けた日から三十日以内又は対象となる暦年の最初の日なので、これ対象となる日は、この五十五億と三百六十億円は、暦年はいつですか。
○国務大臣(岸田文雄君) 暦年について御質問いただきましたが、PKO分担金の方が複雑なことになっておりまして、ですから、七月から翌年の七月ということになっております。よって、我が国としてそれに対応するために、その資金の確認等も含めて、予算、我が国の通常予算あるいは補正予算、この中で工夫をしながら、こうした我が国から見れば変則的なこの暦年に対して対応しているというのが現実であります。
○大塚耕平君 今の御説明ですと、七月から六月末ということは、今年の七月一日からの予算だとしたら、当初予算で十分間に合うじゃないですか。
○国務大臣(岸田文雄君) このPKO分担金、平成二十八年ですが、平成二十八年の六月にPKO予算成立をしています。それ以後の各ミッションの動き、要請に応じて、今回補正予算を計上させていただいたということであります。(発言する者あり)
○委員長(山本一太君) もう一回、岸田外務大臣。
○国務大臣(岸田文雄君) まず、去年のPKO予算は二十八年六月に成立をしています。それに対応したという答弁をさせていただきました。 恐らく委員は、その次の予算でも間に合うのではないか、こういった御質問だと思いますが、冒頭申し上げましたように、このPKO分担金につきましては各ミッションごとにこれ順次要請が来ております。その中身を考えましたときに、そして分担金につきましては国連財政規則との関係もあり、できるだけ迅速にこれは対応するというのが政府としての判断であります。その判断の中で今回対応したということであります。
○大塚耕平君 もう一回申し上げますね。国連財政規則、大臣がおっしゃったその規則によれば、要請を受けた日から三十日以内又は対象となる暦年の最初の日がタイムリミットなので、それまでにということです。だから、財政状況決して日本は楽なわけじゃありませんので、不要不急で緊要性のないものを第三次補正で積む必要はないということを申し上げているんです。 そこで、総理が今たまたま席をお立ちになっているので、松本大臣、先ほどのは答えは出ましたでしょうか。
○国務大臣(松本純君) 恐れ入ります。この百四十億円についてでございますが、昔起こった過年災用の予算百四十億円が災害復旧費の中に積み立てられておりまして、それが当年災用に振り替えられることで、同じ目の中で移動させたというものでございまして、流用、移用の双方にも当たらない、その目の中で移動したということでございます。それがこの百四十億円ということでございます。
○大塚耕平君 大臣、目の中の移動はそのとおりなんですが、目の中の移動のことを財政用語で流用というんです、はい。(発言する者あり)いやいやいや、項の中ね、項の中、で、目の中ね、で、項の中が、流用、だから移用ではないですね、じゃ。
○国務大臣(松本純君) はい、移用ではございません。
○大塚耕平君 是非、補正予算、少額だといっても、これは億単位、兆単位ですからね。国民の皆さんにしてみたら大変な金額なんですよ。所管大臣は、それぞれ是非御自身の所管の予算の中身は熟知をしていただきたいということはお願いをしておきます。 総理にお伺いします。 総理の第一次、第二次政権下において、外国に対して支援表明した総額は幾らでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) 第一次、第二次安倍内閣での支援表明した額、総額は幾らかという御質問であります。 これ、単純に合算すれば五十四兆三千億だという指摘がありますが、この数字は意味がないと考えています。なぜならば、支援の中身には民間の資金も含まれます。そして、資金を表明する際に、例えばアフリカなど地域を限定して支援を表明する場合があります。一方、医療等分野を限定して支援をする場合があります。この両者は当然重なる部分が出てくるわけですし、更に言うと、これ何年にも分けて、長期間にわたっての支援を表明する場合もあります。さらに、ODAにおいては、これは円借款が圧倒的に大きくなるわけですが、円借款はこれは返済が前提となっております。 要は、この金額は一般会計から全部出るものではありませんし、重複がありますので、表明した額を単純に全部足し上げて幾らかと論ずることは実態上意味がないということも御理解いただきたいと思います。
○大塚耕平君 実態上の意味はともかくとして、単純に合計すると五十四兆円ですが、今回、この国際機関への拠出金、千六百八十五のうち、義務的な四百十五を除いた残りの裁量的に積んだものの中に総理の海外支援表明に付随して計上されているものはありますか。
○国務大臣(岸田文雄君) これは、先ほど申し上げましたように、補正予算に計上したのは、先ほど説明させていただきましたような内容、緊急性を吟味して計上したものであります。そして、この支援表明の金額ですが、これは過去の支援の実績、今後の方針、我が国の厳しい財政状況、こういったものを勘案して表明をしていくわけでありますが、これは基本的には毎年国会において要請をいただいている、こういったものであります。 補正予算の中に表明した部分があるのかということでありますが、これは先ほど申し上げましたように、表明の仕方が様々な分野であったり地域であったり、そういった表明が行われていますので、その中に重なる部分があるというのは当然かと思っております。ただ、この表明自体が、先ほど言いました、様々な、重なる、足し上げは無意味だということでありますので、その幾らかという部分につきましては、これを明らかにするのは困難であると考えます。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 補正予算におけるODA予算については千二百七十二億円でございます。それと、第一次、第二次安倍政権、この五年間でございますが、この五年間足し上げて二兆八千二百五十億円でございまして、一方、今、大塚委員がおっしゃった、私がプレッジした額、プレッジした額はこれは五十四兆円になっているんですが、なぜそうなるかといえば、例えば、難民支援幾らやりますということを例えば国連でプレッジします。また、ヨルダンに行って、難民支援の中のヨルダン分をプレッジしますから、これが、しかし、それを全部足し込んでいくとそうなるんですが、例えばバングラデシュにおいてバングラデシュの一つの地域のODAをこれを幾らやりますよと言うんですが、それとは別に、何々計画ということを、それを入れてこれ幾らですよということを言うわけでございますので、相当実は重複して、相当重複している結果と、あと民間資金が入っておりますので、そうなっているわけでありまして、我々は別にこれ水増しして大きく見せようということではなくて、いろんなこれは、難民支援は幾らやっていますよということを国連の場で言うときには全ての難民支援を入れますし、ヨルダンに行けばヨルダンでやっているのは幾らですよと言ったり、シリアには一体幾らやるんであるといえばシリアの分も言いますが、実はそれは難民支援で一回プレッジした中の内数にもなっているし、かつその中には民間の部分も入っているから、実際に行ってきたのは二兆八千二百五十億円でありますが、五十四兆円というのは、ただ足し込んでいけばそうなりますが、それは言わば実態数では全くないということでございます。
○大塚耕平君 今皆さんのお手元にお配りしていただいたこのパネルですけれども、日本の財政赤字は大変な水準に達しているわけであります。(資料提示) 国民の皆さんには年金も少しずつ切り下げさせていただくとかいろんな御負担をお願いしている中で、総理、単純に足し上げたら五十四兆、しかし、実際にキャッシュで出ているのは二兆八千とおっしゃいましたが、二兆八千でも大変な数字なんです。これは不要不急のものを積んでいたり、海外支援だといって説明が大臣御自身が十分できないような予算がこうやって通っていくと、日本でもヨーロッパやアメリカのように海外の難民等の支援に対する抵抗感というのは高まってくるかもしれないですよ。だからしっかり数字を見ていただきたいということですが、何か御意見ありますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私も、途上国からいろんな要求がございます、その際私は必ず言うんですが、これは国民の税金ですからしっかりとちゃんと使ってくださいねと、で、精査もさせていただきますよというのと、基本的には、それはよく委員も御承知のように、これは円借款でありますから、基本的には非常に低利の融資でございますから基本的には返ってくるわけで、無償ではないものは、多くは有償でありますから、これは欧米とちょっと違うんですが、我々は有償を中心にしておりますから、円借款でありますから基本的には返ってくるわけでございます。 と同時に、国連においては、先進国に対して国民総所得に対して〇・七%の支出を求めていることを決定をしております。日本もその中の決定の中に入っているんですが、日本はそれに対して、〇・七に対して〇・二一にとどまっているのは事実でございます。これでいいとは思いませんが、厳しい財政事情の中においてはこれで今我々はやっているわけでありますが、決して海外の中で我々が大盤振る舞いをしているということではなくて、むしろこの求められている水準からは大分低い水準にとどまってはおります。 でも、そうはいったって大切な、また、貸すといっても、貸すといっても、それは日本の企業の中で借りたくても借りられない企業もたくさんあるのも事実でありますから、そういう意味においては借款といったってそれでいいということではもちろんないわけでありますが、多くは貸し出してそれを返してもらうということであるということは、事実は申し上げておきたいと、このように思います。
○大塚耕平君 総理は大盤振る舞いはしていないとおっしゃいましたが、国民の皆さんの中ではちょっと大盤振る舞いし過ぎじゃないかという意識もあるということは少しお含みおきいただきたいと思います。 その上で、TPP対策予算についてもお伺いしたいんですが、TPPは御承知のような状況になっています。これまでに計上したTPP対策予算の総額は幾らでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 総合的なTPP関連政策大綱というので、平成二十七年十一月二十五日を実現するための予算としては、TPP政府対策本部の集計によりますと、二十七年度の補正で四千八百七十五、平成二十八年一千五百八十二、平成二十八年第二次補正で五千四百四十九、平成二十九年度当初で一千五百九十四、合計一兆三千五百億円を計上いたしております。
○大塚耕平君 そのうち基金に積んだものは幾らですか。
○国務大臣(麻生太郎君) このうち基金に対しましては、平成二十七年度補正予算において一千八百九十六、平成二十八年度第二次補正予算において七百十一億円、合計二千六百七億円を計上いたしております。
○大塚耕平君 大臣、予算委員会や財政金融委員会での議論の結果として、大臣には基金の運営の見直しをしていただきました。どのような見直しになられましたですか。
○国務大臣(麻生太郎君) 基金の改革ですけれども、大塚先生等と、財金でしたっけね、財金でしたか、あそこで、財政規律の観点から基金の創設とか既存基金への積み増しを厳に抑制するべきだという御意見もありまして、私どもその方針の下、平成二十六年十月に補助金適正化法施行令を改正をさせていただいて、基金事業の性質を明らかにしろと、各年度の所要額をあらかじめ見込み難いとか弾力的な支出が必要である等々、いわゆるそういったものを明記するとともに、基金の基本情報の公表、執行状況の各府省への報告、余剰資金の国庫返納の義務付けなどの法令上の枠組みを設けたところでありまして、基金につきましては、各府省におきまして基金シートを通じまして事後点検を実施させて、結果を公表させておるという段階にあります。
○大塚耕平君 おっしゃるように、国会での議論の結果として、財務大臣が御努力いただいて今お話しのようなことになりました。大前進だと思いますが、基金の運営及び管理に関する基本的事項を定めることになっていますが、さっきおっしゃった約五千億円、基金に積んだTPP予算、その基本事項はもう定められていますか。
○国務大臣(麻生太郎君) これは、基金事業等について、この補助金に係る予算の執行の適正化に関する法律施行令第四条だっけな、第四条におきまして、複数年度にわたる事務又は事業であって、各年度の所要額をあらかじめ見込み難いとか、また弾力的な支出が必要であることその他の特段の事情があることが一、あらかじめ当該複数年度にわたる財源を確保しておくことがその安定的かつ効率的な実施に必要であると認められることの二つの条件を満たすものとされておりますのは御存じのとおりです。 したがいまして、総合的なTPP関連政策大綱、平成二十七年の十一月二十五日のものを実現するために、予算により造成された基金につきましては、一刻も早く体質強化取組を、あらかじめ財源を確保した上で早急に支援を行うことが必要である一方、補助金の前提条件である事業計画の策定に時間を要するなどの理由から各年度の所要額を見込むことが困難というので、TPP基金等としての要件を満たしているというふうに私どもとしては承知をいたしております。
○大塚耕平君 お決めいただいた新しいルールでは基金の額及び基金事業の実施状況も報告することになっていますが、大臣がお決めになったことですから、これは、TPP関連予算は二十七年度の補正から積まれていますが、この実施状況の報告はなされていますか。
○国務大臣(麻生太郎君) 個々のものについては、今、ただいまここで知っているわけではありませんので、その点につきましてはこれは各所管官庁に聞いていただいた方が正しいと思います。
○大塚耕平君 私がお伺いしている趣旨は御理解いただけると思うんですが、TPPは御承知のような状況になりましたので、一兆三千五百億も基金を中心に積んである予算、これは必ずしも火急的なものではなくなったので、今回の補正予算で一兆七千も赤字国債を出すのであるならば、こういうものを取り崩してでも赤字国債の額を減額すべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 誠にごもっともな御意見だと思います、思いますので、──何がおかしいんだ、真面目な話だぞ、それは。物すごく真面目な話ですよ。 これは、政策関連大綱を実現するための基金への予算計上につきましては、これは農林水産業等々でよく言われるところですが、これは体質強化してもらいますと。これはTPPがあろうとなかろうと体質強化してもらわないかぬわけですから、そういった意味では、この協定発効のあるなしにかかわらず必要なものであり、私どもとしては、それがもし必要ないというんだったら当然のこととして返納していただくことになります。
○大塚耕平君 是非お願いします。ここまでの質問は閣僚の皆さんにも御理解いただけると思いますが、予算はきっちり緊要性を確認して編成していただきたいという、そういう趣旨であります。 松本大臣、うなずいていただいておりますが、先ほどお伺いした中で一つ積み残しているのがあるんですよ。当初予算で積んだ七百三十一億の災害対策費は全部使い切っていますねということも聞きましたが、あえて答えられていないのを今放置していますけれども、全部使われていますか。
○国務大臣(松本純君) 不用なものも一部出ましたので、その中の百四十億などを先ほどのように使わせていただいているということでございます。
○大塚耕平君 私が聞いた説明では、七百三十一のうち実施計画まで至って使われているのは二百九十二億ですから、まだ四百億強残っているかもしれないので、まあ後で御確認ください。 いずれにしても、こういう状況では、いかに第三次補正予算、皆さんが必要性を訴えられても、景気はいいと言っておられるわけだし、なかなか我々としてはうんと言い難いということを申し上げた上で、総理にお伺いします。 アベノミクスの枠組みと現状について、改めて御説明ください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 言わばアベノミクスの枠組みというか、このアベノミクスのビジョンについてということだと思います。
○大塚耕平君 枠組みの方が有り難いんですが。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 枠組みですか。
○大塚耕平君 三本の矢とか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) そういうことですね、はい。 三本の矢としては、言わばデフレから脱却して、そして経済を成長させていく上において、金融政策とそして財政政策と成長戦略という三本を組み合わせてデフレから脱却をしていくという中において、極めて短い期間にデフレではないという状況をつくり出すことができたと、このように思っております。
○大塚耕平君 また今、デフレではないとおっしゃったんですが、所信表明でもそうおっしゃいました。 改めてですが、もはやデフレではないとおっしゃっているのはどういう意味でしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 政権交代後、アベノミクスの三本の矢によって、例えば生鮮食料品やエネルギー等を除いた物価の基調はマイナスからプラスへと転じました。そして、実質GDPの伸びが、今なぜ生鮮食料品とエネルギーを除いたかといえば、これは、そのときそのときで我々の努力とは関わりなくこれ大きく変動するというのはもう御承知のとおりでございます。そして、実質GDPの伸びが名目GDPの伸びよりも大きいという逆転現象を解消させることができた。名目逆転をまた元に、正常化することができたということでありまして、経済全体の需給状況を示すGDPギャップも縮小傾向など、極めて短い期間でデフレではないという状況をつくり出すことができたというふうに認識をしております。
○大塚耕平君 いや、総理はそうおっしゃりながら、時々こうおっしゃるんです。衆議院の前原議員に対する質問の答弁でもこうおっしゃいました。デフレから脱却したという状況ではないと、時々そうおっしゃるんですよ。その今の御答弁、つまり所信でもおっしゃったもはやデフレではないということと、時々おっしゃるデフレから脱却したという状況ではないという、これはどう違うんでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 大変いい質問をしていただきました。この違いについて説明する機会を与えていただいたと思います。先ほどデフレではないという状況はどういう状況かということはお示しをして、今そういう状況だと。では、なぜ、デフレではないと言っているのに何でデフレから脱却していないんだということであります。 デフレ脱却とは、物価が持続的に下落する状況を脱し、再びそうした見込みがないことを示す、再びそうした見込みがない。つまり、今の状況はまだ再びデフレに戻る危険性をはらんでいるという認識をしているということでありまして、もはやデフレではないという状況をつくり出した後も、物価のプラス基調は続き、雇用・所得環境が改善を続ける状況は続いていますが、再びデフレに戻るおそれがないという意味において、完全にデフレから脱却したと言い切れる状況にはないというのが我々の現状判断でございます。
○大塚耕平君 消費者物価は久しぶりにまたマイナスになりましたが、デフレなんじゃないんですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 消費者物価については、これはもう御専門ですからよく私の恐らく答えも想像しておられるんだろうと思うんですが、これは、御指摘のとおり、生鮮食品を除く総合で見た消費者物価はエネルギー価格下落の影響等によって前年比マイナスとなっているものの、生鮮食品やエネルギーなどを除いた物価の基調は、先ほど申し上げましたように、二〇一三年十月に前年比プラスに転じて以降はプラス傾向で推移しているなど、状況を踏まえれば、現在はデフレではないという状況となっていると認識をしております。
○大塚耕平君 それでは、アベノミクスの枠組みの中での一本目の矢であった金融緩和の狙いについて簡単に教えてください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 金融緩和は、まさにデフレから脱却をする上において、大胆な金融緩和を行うことによってデフレマインドを払拭していく、その中でこの物価上昇を、インフレ期待値を上げていくということであります。その中で、インフレのこの期待値が上がっていく中において、言わば消費者も物を、今までは物が、待っていればこれは物が下がっていくわけでありますから消費は冷え込むわけでありますが、そこで消費が喚起され、そして企業の経営状況も改善をしていく、利益を上げていく、そして投資、あるいはそれが人件費として賃金の上昇につながり、そしてそれがひいては景気の、経済の好循環を呼んでいくというのがこの金融緩和の目的でもあろうと、このように思います。
○大塚耕平君 その結果として、今皆さんのお手元には二枚目のグラフでマネタリーベースと株価をお示ししていますが、マネタリーベースは安倍総理になってから御覧のようにもう既に三倍、この青い線ですね、グラフでいうと、ここまで来ているわけであります。 これは後世に大変な今影響を残しつつあるんですが、財務大臣にお伺いします。安倍政権下における日銀のこのマネタリーベースの増加、対GDP比の急上昇の理由について、国債発行管理政策を所管する財務省としてはどのように御認識しておられますか。
○国務大臣(麻生太郎君) これ、マネーサプライ、マネーサプライは通じるんですかな、──マネタリーベース。これ、聞いておられる方の話をしていますので、マネタリーベースとマネーサプライの違いを分からぬ方もいっぱいここにはおられるかと思いますので、日銀がお金を貸すところまではマネタリーベースで、日銀から借りた、入ってきた、日銀当座預金にたまった金が市中に出ていって初めてマネーサプライになるんですが、いわゆるこのマネタリーベースが増えているという割にはマネーサプライは増えていないというのが一番の問題なんだというのはもう御存じのとおりなんですが。 日銀が現在行っておりますいわゆる長短金利操作付き量的・質的金融緩和とよく言われるものですけれども、これにおきましては、いわゆる消費者物価、いわゆる生鮮食品を除いた前年比上昇率の実績値が安定的に二%を超えるまでマネタリーベースの拡大方針を継続するという方針をしておられまして、長期国債の買入れを保有残高が年間約八十兆円増加するペースで行っているものと承知をいたしております。 御指摘のマネタリーベースの増加、いわゆる対GDP比の上昇というのが正確なんだと思いますが、これまでの取組の結果なんだと思っておりますので、今、かつて二八ぐらいで、二〇一二年が、二〇一八、二〇一二年で二八パーだったものが今は約七六、七ぐらいまで上がってきていると思いますが、この金融政策の具体的な手法につきましては、これは日銀に委ねられるべきものだと、私どもはそう考えております。 したがいまして、政府としては、引き続き日銀が物価とかまた経済情勢を踏まえて物価安定目標の実現に向けて努力をされるものと期待をしているんですが、いずれにしても、国債発行当局としては、これを安定的に消化せないけませんので、そのために市場と、いわゆる市場というかマーケットと対話をしつつ適正に国債管理政策というものを実施してまいりたいと思っております。
○大塚耕平君 まあおっしゃるとおりなんですけどね。 ここから先は別に対立する話ではなくて、現状認識を共有させていただきたいので是非お付き合いいただきたいんですが、アベノミクスの下において今御覧になっている赤い線がぐっと伸びているのは、これは日銀のマネタリーベースを拡大するその政策の裏返しとして日銀の持っている国債の量が増えているということなんですね。これは後世の皆さんに大変な負担を残す可能性が出てきているんですが。 そこでお伺いしたいんですが、いわゆる戦前の高橋財政、一九三一年から三六年の高橋是清蔵相時代の国の経済政策の概要を財務大臣にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) これは大分長くなる話なので、これを短めに、すごく切って、切って言うと、高橋是清さんという方が、民主党から頼まれて、前の自民党総裁、大蔵大臣、日銀総裁だった高橋是清が大蔵大臣を引き受けたのが五回目ですかね、五回目かなんかの大蔵大臣を引き受けたんだと思いますが。 とにかく何をやったかといえば、とにかく日銀総裁でもあったこともこれありだったものですから、前の日に日銀に行って、あそこにいた、たまたま部下だった人が当時の副総裁になっておられたものですから、その人のところに行って、金の兌換停止だといって、金の兌換の停止をしております。その前に井上さんが、井上大蔵大臣が金の交換を認めた、第一次世界大戦後のあの停止をまた解禁したというあれを再びやめるということをやっておられたのが一番如実に出てきているところですが。 続いて、公定歩合の引下げと国債の日銀引受けというものによる金融の緩和をやっておられます。そして、積極的な財政支出を行いますということで、需要面の下支えをする意味で公共投資等一斉に財政出動政策をしておられますので、これら、もう大まかに言って、それらを全部取りまとめて数年でデフレ脱却にほぼ成功したと、歴史的にはそう言われておるというのが大まかな政策です。
○大塚耕平君 そういう史実の一部を捉えて今、日銀の幹部になられた方々がやっている政策が先ほど御覧いただいたグラフの結果なんです。 お手元には戦間期の財政金融政策の概要、これ、私自身が作ったものですが、これまとめると、高いですよ、これは、結構大変ですから。差し上げますのでよく御覧になっていただきたいんですが、これを御覧いただきながら二、三お答えください。 まず、一九三二年七月に政府・大蔵省が始めた国債簿価公定制とは何でしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) これは、就任された翌年の七月に公布をされておりますものですが、国債の価額計算に関する法律というものについては、これは財産の評価については時価評価というものを当然取っておるんですが、それに、取っているにもかかわらず、商法の規定が、そういう規定があるにもかかわらず、国債については大蔵大臣の告示する標準発行価格をもって帳簿価格とすることができるという話で、簡単に言えば時価評価を停止したという、簡単に言えばそういうことだと思いますが、これは国債市場の価格が下がっても評価損を計上しなくてもよいということにする、国債保有に関するインセンティブというものを与えて、国債の市中の消化というものを円滑化するようなための処置であったというものだと承知をしております。
○大塚耕平君 今、パネルもお示ししていますが、皆さんのお手元に整理したものを載せていますが、国債の簿価公定制は決算上の損失をさせないという操作をしたんです。 それでは伺いますが、同じ年の十一月に、日銀による国債直接引受けに至る政府・大蔵省と日銀の協議の経緯及び内容はさっきお伺いしましたが、この今御覧いただいている高橋財政の中で、この国債買取り制度というものを日銀がやりました。さらに、国債担保貸付制度、これちょっと専門的なんですが、赤字で書いてあるところが本質です。決算上の損失をさせない、いつでも日銀が買い取る、国債購入で必ず利益が出る仕組みを当時の大蔵省と日銀が順番にやっていったんですよ、順番にやっていった。で、去年の九月から日銀が行った、長期金利もコントロールする、イールドカーブもコントロールするという政策は、この三つと全く与える効果は同じなんですね。 この点については、大臣の認識はいかがですか。
○国務大臣(麻生太郎君) これは、今、先ほど申し上げたその深井さん、深井といったと思いますけれども、深井さんという日銀の副総裁だった人がおられたんですが、その方たちと一緒になって、いわゆる意見を参考にさせてもらって、景気の呼び水として通貨を補充して一般購買力を増加させて生産力の活動を促すことを企画して新規国債の日銀引受けという方策を創意されたんだと、私どもはそう承知をいたしております。 まあ簡単に言えば商業手形の割引のみで、あとは早い話が、のみを、買いオペをやるということなんだと思いますが、そういうことで既存の国債を金融市場から買い入れて通貨補給に充てて、その目的を達した後は売却に進むことができるということを考えられたんだと、私どもからはそう見えますけれども、当時、日銀として十分なそういう議論をしたかという資料は実は残っていないんです。もう御存じのとおりです。残っておりませんので、これは想像で申し上げております部分もありますが、多分情況証拠からいくとそういうことでされたんだろうと私どもは理解しております。 その後、昭和七年の予算委員会を、予算案を、失礼、議会に提出する際に高橋大臣の方から日銀引受けという話を言及されて、昭和七年十一月に二億円の国債を全額日銀引受けにより発行されたというのがそもそもの始まりだったかというように理解しております。それでよろしいのかしら。
○大塚耕平君 その経緯というよりも、結局その当時と上の三つは同じ状況が今生み出されつつあるということについての御認識をお伺いしたんですが。 それでは、ちょっとテレビの皆さんにはお手元になくて恐縮なんですが、戦間期のこの歴史の中で、財務大臣にお伺いしますが、一九三五年六月にその高橋是清大臣が公債発行の削減方針を打ち出すに至った経緯、その考え方、そしてそのてん末を教えてください。
○国務大臣(麻生太郎君) まあいろいろな意見があるんだと思いますけど、デフレからインフレに変わっていったというのも非常に大きな背景だとは思いますが、いずれにしても、景気の拡大により産業資金というのは吸収され始めましたので、公債による需要というものは基本的に減少しております。 それに対して多額の公債発行というものをし続ければ、これは公債は安定的に市中消化するということは難しくなりますので、まあ極端なことを言えば悪性のインフレーションということに発展しかねないと、そうではないかという懸念が生じたんだと思います。 そこで、昭和十年の、一九三五年か、三五年に、昭和十一年の公債発行額を前年比で減少させる公債漸減方針というのを取り、予算編成方針を閣議決定したんだと承知しておりますけれども、簡単に言えば、それによって当然予算が削らざるを得なくなりますので、そのとき切られたのが陸軍の機密費等々の、陸軍の金が一番減らされて、翌年二・二六で殺されるという、暗殺されるということに至っていった、経緯は多分それからだろうと、これは類推です。
○大塚耕平君 総理は、アベノミクスの下でマネタリーベースは二年間で二倍と言っていたものが、もう既にこれ三倍を超えているんですね。その過程で、御覧のように、大変な日銀の総資産の名目GDP比も高くなりましたし、日銀の持っている国債の平均残存期間も延びた。元に戻すのに八年ぐらい掛かるわけです。 そういう中で起きたのが、あえて高橋財政と比較をすると、上の三つはもうほぼ同じことが起きているんです。ところが、皆さんのお手元の裏に、高橋財政を参考にしてやれば成功すると言って日銀の副総裁になった方がどういうことを喧伝していたかというと、金輸出の禁止、つまり金本位制の離脱と日銀の国債のこういう拡大的なオペレーションがデフレ脱却の二本柱だったということを言っておられるんですが、金輸出の禁止というのは、この四番目、内外金融分離をしていたからうまくいったんですよ。大臣、これ、内外金融分離までやるんですか、日本は。
○国務大臣(麻生太郎君) 全く考えておりません。
○大塚耕平君 それで安心しました。 そこでお伺いしたいんですが、戦前のポンド建ての日本国債が一九三〇年代以降ロンドン市場でどういう利回りの展開になっていったか、御説明してください。ポンド建て国債です。──いや、二五まで行きました。
○国務大臣(麻生太郎君) なら聞かなくてもいいじゃないかというような話をするのがあれですけれども、第一回の四分利付きというのが、ポンド建てが、日本国債のロンドン市場における利回りは一九三〇年代頃は六%で推移しておりましたが、満州事変が起こりました一九三一年九月頃から上昇し、同年末八%を超えております。その後、日支事変、日中戦争に拡大して、一九三七年以降は一〇%を超えて上昇を続け、第二次世界大戦が勃発をしております一九三九年、四〇年頃に今言われましたとおり二〇%を超えたというように理解をしております。
○大塚耕平君 だから、世界的にはもう資金調達できない状態になったんだけれども、国内では決算上国債を持っても損をさせない、いつでも日銀が買い取る、必ず国債を持てば利益を出る仕組みがつくったから国内では何とか回っていたわけですよ。 そこでお伺いしたいんですが、来年度の税制改正、今度出てくる法案の政府税制改正大綱百四ページに明示されている外国金融機関等の債券現先等に係る利子等の課税の特例の拡充の内容を教えてください。
○国務大臣(麻生太郎君) 現先取引、まあレポ取引の話ですけど、これ通じないか、外国の金融機関が引き受ける債券というものの取引、いわゆるレポ取引の利子につきましては、これは日本の国債市場の流動性の確保とか日本の金融機関の短期資金の調達を円滑にするという観点から、これは一定の要件の下に非課税ということにいたしております、もうこれは御存じのとおりなんですけれども。 今般の改正案では、この制度目的を更に徹底をさせるために、対象となります金融機関の範囲を拡大して、国内の短資の会社等々を追加するとともに、外国の金融機関以外の一定の外国法人が引き受ける債券現先取引の利子等についても一定の要件の下に非課税とするということでありまして、租税条約は相手国の法人であるという規制を掛けておりますけど、そういった形にいたしております。
○大塚耕平君 まあ、これはちょっと難しくて、テレビを御覧いただいている皆さんも理解しにくいと思うんですが、だから大臣に端的にお答えいただきたいんですが、この税制改正要望が出てきて、そして今度実際にやるわけですが、この要望が出てきた背景を一言で言うとどういうことですか。
○国務大臣(麻生太郎君) これはいろんな評価が出てくるんだと思いますが、私どもとしては、いわゆる金融というものを長期的に考えるときに、日本の国債の信用の確保、そしてマーケットにおける円滑な消化等々いろんなことを勘案して、こういったものをきちんとしておかないと要らぬ不信を招く、結果として日本の国債に影響を与え、結果として日本の国益を損なうということをあらかじめ未然に防いでおきたいというのが背景だと理解しております。
○大塚耕平君 大臣、よく事務方から是非情報収集してください。それは逆なんですよ。ロンドン市場で日本の国債はもう格下げされちゃったので、イギリスの税制上ある一定の取扱いがなされなくなったので、今回の税制改正でこの措置をしてもらわないと困るというのが金融界の要望なんですよ。 だから、この四枚目、この内外金融分離は政策的には今やっていないんですが、日本の財政赤字の状況を見て、だんだんだんだん海外市場と日本の国内での国債市場でのこのJGB、日本国債の扱いが変わってきているんですよ。そのことは御理解されていますか。
○国務大臣(麻生太郎君) はい。かなりよく理解している方だと思っていますが、あなたほど理解しているかどうかは別にして、かなり、私、日銀にいたわけでもないし、あれでもありませんので、そんな詳しく理解しているわけではない。かなり、この中では一番理解している方じゃないかと思っちゃいるんですけれども、そういった意味では、私どもも今そういった状況を考えて、私どもとしてはあらかじめそういったことをやらないかぬというのでやらしていただいているという背景だと理解しております。
○大塚耕平君 そこで、お手元のこの図を見てほしいんですけどね。安倍総理の下で日銀が世の中に出すお金の量というのは、例えば二〇一三年は年率四五・八%、それ以降も三〇%、二〇%という水準で増えていったから、さっきみたいなグラフになるんですよ。 だけど、私がお作りしたこの表を見ていただくとお分かりのとおり、日銀から世の中に出るお金、マネタリーベースというのは、MBと書いてあるところですが、それほど増えたのは、実は高橋是清大臣がやっぱりこんな財政拡大し過ぎていては駄目だといって縮減方針を打ち出して、そのことによって二・二六事件で暗殺された後に財政が野方図になって、マネタリーベースは二割、三割と増えていったわけで、高橋財政の最中にはマネタリーベースは一桁しか増えていないんですよ。 だから、一体、今何とかという日銀の副総裁は何を考えてああいう政策をやっているのか、全く私は理解できないんですが、財務大臣に、今の私の整理を受けた上での御所見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) これはちょっと日本銀行の話なので、私ども、財務大臣として、おたくの副総裁はおかしいんじゃないかと大塚先生から言われたんでと取り次ぐわけにもいかぬし、まあ予算委員会聞いておられるということを期待しながら、そういった御意見もあるということを私どもとしては思っておりますけれども。 こういった問題は、これは本当に、大塚さん、長期的に本当考えて極めて大事なところなんであって、私どもとしても、アメリカも似たようなことになって、双子の赤字とかいろんな話が過去幾つもありました。そういったものをいろいろやってきたんで、私どもとしては、円の信認が損なわれたり、過度の物価上昇等々いろんなことを考えながら、慎重に対応していかねばならぬところだと思っております。
○大塚耕平君 先ほどおっしゃった当時の深井副総裁、後の総裁、その息子さんは日銀の理事になられて、私の上司でした。その当時、いろんなそういうお話もしておられたと記憶しておりますが。 そこで、そろそろ出口戦略考えなきゃいけないんです。これ、日銀に任せておいてもうまくいかないです、きっと。それと、これは財政当局と連動する話なので、日銀の保有国債をもう一部永久債化するべきだと私は思っているんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) そういう御意見があるというのは、これは結構昔からいろいろそういった案もあるじゃないかという御意見があったのは知らないわけではありませんが、政府が日銀の機能を利用して財源の調達を行うということになるんだと考えられますので、これはもう財政ファイナンスの極みじゃないかというそしりを引き受けざるを得ないということになる懸念があるんだと思っておりますので、そうなると、いわゆる、何というのかしら、円という通貨に対する信認が落ちて過度の物価上昇が生じるとか、財政規律というものに対する信認そのものが損なわれることになりかねませんから、日本国の国債の金利が急騰するということも当然考えないけませんでしょうし、また、日銀の独立性というのも怪しげなことになりますので、金融政策に対する信認という、国際社会における信認を失うということにもなりかねぬと思いますので。 いずれにしても、国民の生活に多大な影響を与えるということが十分に予測できるところでもありますので、政府としてはそういった方針を今考えている、今考えていると言うと将来考えぬのかという話をまた突っ込まれる可能性がありますので、今考えているという、政府として検討しておりません。
○大塚耕平君 総理、金融政策は日銀に任せるのはそのとおりだと思いますが、人事は国会同意人事、政府が人事案を出すわけですから、次の日銀総裁は今の日銀執行部の考え方を踏襲するような人を考えておられますか、それともやはり少し軌道修正するべきだと思いますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) その前に、高橋財政によって世界のデフレ不況の中で日本がいち早くそこから脱出したのは事実なんだろうと。その後、デフレから脱出して、経済はもうこれ、経済成長はプラスになっていると。しかし、インフレ率が一〇%、一時的に一四%だったっけ、その表によると、超えた等々もあり、そこで出口に移っていくということだろうと思いますし、この金の輸出禁止も、なったらその日のうちにやったんですね。だから、その日のうちにやるというこのスピード感で言わばデフレマインドを払拭したんだろうと、こう思います。 そういう意味においては、黒田日銀の下、デフレマインドを払拭する、今までの次元とは違うという異次元の金融緩和は初期においては効力を発揮していたんだろうと、こう思うわけでございますが、今後、日本銀行を、まだこれ黒田総裁がしっかりとやっておられますから、現在においては、次どうするというのはまだ時期尚早なんだろうと、このように思います。 ちなみに、高橋是清、日銀の高橋さんは私の地元の下関支店にもおられた、塩崎さんもいたりしているんですがということは申し添えておきたいと思います。
○大塚耕平君 いや、総理、これ大事なところなので是非聞かせてください。 黒田路線を踏襲するような人を選ぼうとお考えになるのか、やはりここはもう少し慎重に考えるような人を選ぼうとするのか、どちらですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私は、黒田総裁の金融政策、全幅の信頼を置いておりますので、この黒田さんの路線をしっかりと進めてもらいたいと、このように思っております。
○大塚耕平君 もちろん、黒田さんもいろいろお悩みになってやっておられるのは分かりますよ、私も。だけど、もう御覧のような財政状況で、黒田さんの政策は将来、国民の皆さんに大変な禍根を残す可能性があり、具体的な経済的被害に遭う人も出てくると思うんですが、そうなったときに、過去の日銀総裁の責任を法律上問えることになっていますでしょうか。これは法制局長官にお伺いします。
○政府特別補佐人(横畠裕介君) 法的な責任といいますと、一般的には刑事責任でありますとか損害賠償の責任ということになろうかと思いますけれども、それらについては基本、いわゆる行為責任ということで整理されておりまして、結果責任ではありません。 その上で、一般論として、裁量性の高い政策上の判断について、その結果責任について、その結果について法的な責任を問うという仕組みにはなっていないのであろうと理解しております。
○大塚耕平君 今日は私の持ち時間の範囲で議論にお付き合いをいただきましたが、私が申し上げたかったことは、この財政状況とこの異常な金融政策の下でありますので、やっぱり国民の皆さんの不安を払拭して予算をできるだけ賛成させていただくためには既定経費の見直しをもっと行うべきで、各大臣は所管の予算について熟知していただきたい。それから、野方図な対外経済支援は抑制すべきである。その結果として、国債発行はもっと抑制できると思います。そして、金融緩和の出口戦略はそろそろ進めるべきであって、一定の考え方を推し進めていきたい、いくべきだと思います。さらには、総理の目標としておられるデフレ脱却、これを完全なものにするには、GDPの六割を占める個人消費に直接影響を与える家計所得や個人消費、こういうところに、あるいは技術革新を促進するような、こういうところに財政支出を集中するべきだということを申し上げて、私の質問を終わらさせていただきます。
○委員長(山本一太君) 以上で大塚耕平君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(山本一太君) 次に、片山さつき君の質疑を行います。片山さつき君。
○片山さつき君 自民党の片山さつきであります。 本日は御質問の機会をいただき、誠にありがとうございます。 また、参議院の議運の御了承をいただいたおかげで米国に出張いたしまして、トランプ政権の政策に影響を与える要人、大統領顧問、議員等にお会いし、議論をすることができましたことをここに御礼を申し上げます。 一月十八日に、今でもアメリカで外交の巨人と言われておりますキッシンジャー元国務長官にお会いすることができました。トランプ政権、どう見ておられますかと伺ったところ、非常にホープフルであるとおっしゃっておられました。期待できるということですね、ホープフル。 理由としては、特定の圧力団体に支配されていない。革命的変化、アメリカでは四十年ごとに大きな政治的な変化が起きるんだそうでございますが、しがらみがない、いい言い方で言えば、しがらみがないという点が今までと違う。民主から共和への政権交代ということではなく、脱ワシントン・エリートしようとしているので、当面は不慣れな部分もあるだろうから、また一年たったらこの件について議論をしましょうという一年後の再会を大変光栄にもお約束していただいたわけでございますが。 過去、共和党のときの日米首脳関係と申しますれば、レーガン大統領と中曽根総理のいわゆるロン・ヤス関係であったり、ブッシュ、お父さん、あっ、済みません、ブッシュ・ジュニアの方ですね、ブッシュ大統領と小泉総理の関係であったり、比較的個人的信頼関係がバックボーンに安定していたという評価が高いんですが、その背景には、私は保守政党のカルチャーもあるのではないかなと思っているところでございます。 予定されていたとおりに、トランプ政権の最初の首脳会談は、チャーチル時代には特別な関係と言われていたイギリスの保守党党首のテレーザ・メイ首相でありまして、チャーチルの胸像がホワイトハウスに戻ったそうでございます。 イギリスは保守党という名前の政党でございます。今回は共和党。やはり綱領の中には保守的なバックボーンが並んでいるように見受けられます。我が党も、自民党の綱領を、野に落ちたときですね、議論して作り直すときに、保守とは何だろう、草の根保守とは何だろうという議論を随分させていただいた記憶がございます。 こういう状況を受けまして、まず、安倍総理にとって保守主義、保守政党とは何かということ、国境を越えたその共通理念について御所見を伺えればと存じます。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) かつて「フランス革命の省察」という名著がございましたが、言わば、今を生きている私たちが過去からの視線に堪え得る判断をしていくということではないかと思うわけでありまして、歴史に対して謙虚な目を持ち、今ある仕組みを例えば変えようとしているときに、この長い歴史の中でこの仕組みはどのような役割を果たしてきたか、過去はどのような考え方、どのような知恵の下にこの仕組みをつくったのか、そして将来に目を転じて、この仕組みを変えることによってどのようなこれは影響が出てくるのかという姿勢だと思うわけであります。今を生きる私たちが全てということではなくて、過去、そして現在と未来を見ていく、そういう姿勢ではないか、基本的には歴史に対して謙虚であるということではないかと思うわけであります。 と同時に、やはり礼節を重んじるというのも、これは我が党にとっては大切な気風ではないかと、このように思います。
○片山さつき君 大変含蓄のある御所見、ありがとうございました。 私は、昨年来、自動車会議所の推薦議員として活動しているものですから、今回、訪ワシントンでもいろいろそういった情報交換をしてまいりまして、関係省庁、関係業界には常にお伝えをしていることもございますが、TPPにつきまして、トランプ大統領が案の定というか、大統領令に署名したわけですが、いろいろ言われておりますが、余り日本で報道されていないことの一つとして、TPPをなぜそれほど評価されないのかということを側近に伺ったところ、大統領のファーストプライオリティーは、二年以内に米国経済を立て直す、フィックスすること。TPPは膨大なマルチの協定でございますから、当然、様々なレベルの国と折り合っていく上で、五年以内、八年以内、十年、十五年という段階規定、宥恕規定だらけになるんですよ。ただ、これは二国間の大きな協定でも、国内を納得させようとすればそうなるんですね。 そういった背景の中で、既に総理も、自動車業界がアメリカにおいて、門前町効果を合わせれば百五十万人、それも割と良質な雇用を雇っている、労働法規に従って良質なエンプロイヤーであるということをお話ししているわけですが、巷間言われるところによりますと、それでも、このトランプ政権発足後に新たにメキシコに工場を建てて専ら全てアメリカ国内の自動車に、輸入に還流するということについては極めてネガティブな発言をし続けることが予想をされているのでございます。 実は、二〇〇三年、私は日本・メキシコFTAの政府方交渉団員でございました。最後の最後になって、お互いよく闘ったなとメキシコ側の通商代表と話をしていたときに、でもね、NAFTAはこんなもんじゃなかったんだよ、本当に俺たち大変だったんだよ、決断したんだよ、産業構造の抜本転換をメキシコとして選んだんだよと言って苦労話をさんざん聞かされたんですね。 そして、今回ワシントンに行きましたら、私の席の近くにメキシコの州知事さんだよとか、関係者がいっぱいおられるわけですよ。私も真剣に聞いていましたけど、この人たちがどのぐらい血を吐く思いで真剣に聞いているのかなというのは、私は二〇〇三年見ているから分かるんですね。つまり今、これでやってきた製造業型のNAFTAタイプの産業構造で成長してきたのを抜本的に全部がらがらでやり変えろと言われたら、じゃ、どうすりゃいいのよということに普通はなるわけでございます。 まあ、トランプ大統領をお選びになった米国民の選択というのは、親の代よりも収入が増えないことが多いサンドベルト、このジレンマが変化を選択したということをいろんな方から聞きました。 アメリカでも高齢化比率がじりじり上がって潜在成長率は下がっている、それでも日本より一ポイント以上高いんですが。こういう悩みのある成熟した両経済大国同士が今までのような単純な貿易中心の二国間FTAに乗り出しても、はっきり言ってお互いの成長率は上がらないと思います。雇用に至っては、両方とも七割以上がソフト化しております。サービス産業の雇用です。もちろん、製造業、立地残したい、質を高くしたいという点では両方いろいろ協議の余裕はあるんですが。 この度、総理は二月十日に首脳会談を行うということでほぼお決めになったようでございます。いろんなお話が出てくるんでしょうが、我が日本にとってもアメリカにとっても実質最大の貿易赤字国というのは中国でありまして、日本は、フリー、フェア、グローバルの理想を持って、今から約二十年前に外国為替の関係の規制は全部撤廃しました。その辺で円・ドル替えられますよ。操作のない国と言ってはばかりないと思いますが、中国はこのままいくと日本を抜いてIMFでの出資比率が世界二位になる可能性があります。GDPの規模を見ていればそうです。 私たちはずっとフリー、フェア、グローバルでやってきました。その原則にのっとるために、国内調整をするために大変な苦労をして、でも通貨基軸国の一角と入ってやっていこうということをしてきたんですが、それと同じ義務を果たしているとは思えない中国に対して、ここは日米でマーケットをもっとマーケットオリエンテッドにしていただいて、投資環境を格段に自由化していただいて、そして、為替操作国というのを認定を誰もしたわけではないけれども、どう考えても自由度は低いわけですが、こういうことを日米で協力して申し上げる。 そして、トランプ大統領が公約で掲げているように、あらゆるパートナーとは友情で仲よくして交流を深めたい。ただ、お互いの国がお互いの国の第一優先の国益は配慮し合ってのことだよとおっしゃっているわけですから、そのとおりに、我が国もいろいろなセンシティブな分野があるわけですよ。 そういったことを踏まえて、むしろ日米が協力して成長する対話のようなことを提言してはいかがかと存じますが、安倍総理の日米首脳会談への心意気、御方針を伺いたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 片山委員は交渉者としてはさぞやタフだったんだろうなと、片山さんとは交渉したくないなと改めて思ったところでございますが。 米国とは、今御質問にあったように、これは単なる関税だけとか、一部、例えば自動車の関税とかそういうことでは、もちろん日本は関税はゼロ、日本が掛けているものはゼロでありますが、そういう言わばこの貿易のインバランスとかいうことだけではなくて、もっと大きな、今、片山委員がおっしゃったような日米の、この同盟関係にある、普遍的価値を共有する同盟関係にある日米のこの言わば経済関係はどうあるべきかという大きな観点からウイン・ウインの関係をつくっていく、お互いが利益を上げる、我々も米国の雇用を増やしていく、それによって日本も良くなっていく。強い米国は日本の利益になっていくわけでありますから、そういう大きな観点からそうした経済対話を行うということは極めて私は有意義ではないかと、このように思うところでございます。
○片山さつき君 ありがとうございます。 今年は、G7のサミットだけではなくてG20もアメリカの議会が夏のセッションに入る七月の前に終わりまして、実は、長年の知日派でかつ共和党の本流の大物の方から安倍総理に大変な御期待の言葉をいただいてまいりまして、米国大統領としてはマルチの外交は今回デビューになるんですが、G7の首脳の中で内政が安定していて、しかも経歴が長い首脳は今や安倍総理しかいらっしゃらないと。カナダはカナダで、これは全くアメリカにとっては位置付けが別ですから。 ということになると、安倍総理にある程度リードしていただいて、例えばサイバーとかテロ対策とか、サイバーにつきましては、私も今回お会いしたんですが、ジュリアーニ元ニューヨーク市長が大統領から三か月以内で何かつくってくれと言われて本当にやるんだとおっしゃっていましたので、ちょうど時期的にいいのかなと思うんですが、テロ対策であったり、国際津波の日はアメリカも賛成してくれて、G7もみんな賛成してくれたんですね、いわゆる災害に対する強靱性、ディザスターレジリエンス。それから、アメリカほか、それから主要諸外国も皆悩み始めている健康寿命延伸の問題とか、経済成長を阻害しないような形でいかに次世代の新エネ入れていくかとか、トランプ大統領のカラーにも配慮をしながらマルチの場でトランプ大統領のサポートをしていただけると大変多とするというような御意見が本当に出ていたことをお伝えしたいと思います。 次に、アメリカは、今回、四%成長を目指しているということをもう掲げました。アメリカの経済成長の阻害要因としてずっと言われてきたのは法人税の表面税率が三五%と高過ぎることで、これを二〇%か一五%に下げようと、まあ二〇か一五じゃえらい違いでございますが、ということにしておりまして、その代替財源として検討されているのが課税ベースを広げること。これは普通やるんですね、税率下げたら課税ベースを広げるんですが、一案としてですよ、一案として、輸出関連には全部免税するんだけど輸入は課税するという案が出ております。 米国に投資して、単体だけで日本の米国法人は八十五万人雇っている。つまり、米国の日本系米国法人はこれだけあるわけでございますが、どのような税制改正によってウイナーかルーザーか、損得が出るか、これだけでは分かりませんが、輸入に非常に多く頼っているところにとってはマイナスになるし、表面税率ががたっと下がれば、ああ、それはいいことですね、景気もいいしもあるかもしれません。 トランプ大統領が度々おっしゃっているこのボーダータックスが、大統領がスーパー三〇一とかスーパー何とかでぼんと上げられる関税を指すのか、あるいは抜本的な税制改革における国境税調整を伴う法人税なんだけど消費税、付加価値税みたいなというものなのかは、はっきり言って今分からないんですね。 ところが、ここで物事を複雑にしてまいりますのは、お手元に配付しました米国通貨戦略の決定要因という紙を書いてありまして、これは、今までの米国では大体このパターンで物が回っております。レーガン大統領の政策を非常に意識しておられるトランプ政権ですが、今のところは高いドルなんですね。そして、この法人税改革をやると、もっとドル高でないと困るんですよ。 というのは、アメリカは輸入大国ですから、輸入に税を掛けちゃうと、その分をドルが高くなって輸入代金が下がる分でオフセットしないと完全に国内の産業はダメージ受けますから、これは今までよりもドル高政策オリエンテッドになるんですね。ところが、大統領は早速、でもドル高過ぎるのはやっぱり困るよねと、輸出せっかくしようとしているのにと言っていると。 今日は実は日銀をお呼びしたかったんですが、政策決定会合ということでできないんですが、この一連の政策がまかり間違えば法人税の減税問題とセットになって、我が国が今取っている、先ほど議論がありましたが、今回長期金利のゼロ誘導までコミットをしているこの状況に恐らく非常に大きな影響を与えるんです。 今回、麻生財務大臣が総理の訪米に同行されるという報道も出ておりましたが、それは是非同行していただき、あと、G7も普通は二月にあるわけですが、この辺の緊密な連携関係を取っていかないと、かつてのプラザ合意のようなことがもう起きる金融環境ではないですが、無理なドル安誘導をさせられるということはアベノミクスの成否に関わることでございますし、今、自由化、マーケットベースと言われている世界のルールとも違ってくる話になりますので、この辺り、両方の方程式を解く上で、麻生財務大臣の御見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) まだアメリカの場合は、セクレタリーというか大臣のところまでは人事が一応決まっておりますけれども、デピュティーとかアンダー、何ですか、次官とか局長とかいう人事は決まっておりませんし、日程調整する人もまだ決まっていないというような段階ですので、今巷間言われている話は、大統領の署名をしたというあれ以外はほとんど現実的なものはありませんので、私どもは、スティーブン・ムニューチンがどういうことをやろうとしているのか、それに対してトランプ大統領との間にどういった関係になるのか、ちょっといま一つ、案の案の、不正確、先行きがまだ見えておりませんので、ちょっと安易なことを今この段階でこういうことになるだろうという前提に基づいて話をするのはちょっと差し控えさせていただきたいと存じます。
○片山さつき君 今の時点では、特に閣僚としてはそのようなお言葉、当然だと思うんですけれども、これは本当に我が国のアベノミクス、経済運営の成否に関わる。私は、個人的には為替の方が影響大きいと思います。そこをしっかりと押さえていただくことをお願いを申し上げます。 こういうふうに申し上げてきますと、新政権への対応はピンチピンチばっかりでつらいという感じなんですが、こういうときこそ日本は全員野球で、絶対に転んでもただでは起きないと、しっかりと取るところは取ろうという精神でいかねばならないと思います。 インフラ投資について、はっきりとトランプ政権はコミットを始めておりまして、確かにインフラ、ひどいんですね。ニューヨーク行ってもトンネルの内側剥げていますし、地下鉄三駅造るのに十年以上掛かってひどいだろうとトップエコノミストに言われました。 これは、我が国は、今ここで言われている橋ですとか道路ですとか高速道路ですとか、効率的に、しかも交通を遮断せずに安全に早く安く造る技術という意味では世界最高水準を行っております。また、以前より、総理も何回も売り込んでいただいているように、リニアとか新幹線の話もあり、この辺を石井国土交通大臣に是非戦略、抱負をお願いしたいと思います。
○国務大臣(石井啓一君) 米国につきまして、国土交通省では、これまでカリフォルニアやテキサスでの高速鉄道、ワシントンDCからボルティモアを結ぶリニア鉄道構想を始め、航空、自動車、道路といった幅広い分野において良好な協力関係を築いてまいりました。 我が国のインフラ技術は、今御紹介いただいたように環境負荷の小ささや実績に裏付けされた高度な安全性、災害に対する強靱性等に優れており、また我が国の建設事業者はインフラを運用しながら工事を実施する等の高度な技術を持っております。さらに、米国では既存インフラの維持管理や補修が大きなテーマになっているものと承知をしておりまして、メンテナンス面での知見を蓄積している我が国の優れた技術が米国のインフラ整備においても大きく貢献できる可能性があると考えております。 今後、米国において打ち出されるインフラに関する具体的な政策を見守りつつ、チャオ次期運輸長官との間におきましても引き続き良好な関係を築き、我が国の質の高いインフラの海外展開に取り組んでまいりたいと考えております。
○片山さつき君 こういった点につきましては、我々議員外交の方でもみんなで結託して後押しをさせていこうと話をしているところでございます。バイ・アメリカン、ハイヤー・アメリカン原則でもこういった公共サービスビジネスには入っていけますので、是非御尽力をお願いしたいと思います。 さて、私の本職でございます自民党政調会長代理、災害対策・復興担当としてこの後何問か聞かせていただきたいと思いますが、この八月以降、北海道、宮城、岩手、熊本、阿蘇、新潟糸魚川と回ってまいりました。鳥取だけはこれから行くことになっているんですが、そこの市長さん、町長さん、村長さんたちとは本当に仲よくなりまして、せっかく質問するならばこういう御要望もということをたくさんいただきまして、皆様、でも本当に必死に取り組んでいらっしゃるんですが、そんな中でも、ここに紙をまとめたんですが、やはり安倍総理の被災地に寄り添う姿勢の成果はすさまじいものがありまして、みんな本当に感謝しています、来ていただいたこと、一歩踏み出していただいたこと。 私たち党も負けじと頑張っておりまして、二階幹事長、三原災害特命委員長の下、糸魚川につきましては十二月の三十一日に年末年始も休みなく十三名の国会議員で入りまして、その二日前に火災を初めて自然災害として認定し、被災者生活再建支援法を適用した、瓦れき処理の個人負担を実質ゼロにした、また、家の再建についてもいわゆる二重ローンガイドラインを使えるようにすると。これは、年を越して一月四日にすぐ金融庁から全銀協の方に言っていただきまして、どんどんどんと次々やってきたわけでございますが。 ちょっと資料の④を見ていただきますと、このカラーの図、六つ家が書いてあるんですが、これは私どもがよって作った被災地地図ではなく、糸魚川の米田市長の方で作って見せていただいて、案内をしていただいたんです。 これは何かというと、糸魚川の旧市街で明治以来の新潟で一番古い酒屋とか皇族が泊まった旅館とか料理屋とか、趣ある建物としてこれから糸魚川が地方創生、商店街再建しようと思っていたところも、その辺り全体と一緒に全部焼けちゃったんですね、跡形もなくです。たまたまこの旅館が私の縁戚に当たりまして、事情をいろいろ聞いておりますが、今、町づくりを商店街再建とセットで、人口が減っていくこの地域の中でいかにしてやれるかという非常に難しいことになっております。できれば木の感覚も生かして、ミストタワーといって、火が出たときに全体を湿度を上げて今回のような燃え移りがないようにすることができないかというようなお話も市長から聞きましたが、この地域の商店街、元々売上げは様々な対策の中でも戻っておらないんですね。 二十七年に実施したプレミアム商品券、旅行券につきましては、九州の災害では旅行券を災害対策として実施して非常に効果があって、今回、鳥取でもカニのシーズンにやっていただくことになったんですが、一般的な商品券、旅行券についての効果検証作業はなかなか進んでおりませんで、何とか、ばらまきや先食い批判は我々もそういうことは絶対に言われたくないことですから、是非何とか効果検証作業を今年の前半には終わらせて、来年度には全体的なパッケージも考えていただきたいというふうに思っております。 また、厚生労働大臣にお願いしたいんですけれども、二〇二〇年に向けて、原則禁煙、喫煙室のみの喫煙可という原則を打ち出されておられますが、これは地方の中小零細の商店街がたくさん抱えている町のおそば屋さん、町のおすし屋さん、町の理美容、町の云々々の方々にとってはほぼ、ストレートに財政負担自分でしろと言ったら事業継続は不可能でございます。既に生活衛生十六団体からも御要望いただいておりますように、これでは画一的な全国チェーンだけしか残らなくて、どうやって日本のローカルは面白いよと言ってもらえるのか、どうやって子供たちにこのそば屋の味は違うよと言っていただけるのか。それはやっぱり、イタリア等がやっているように、中小零細の個人のお店を残す方向の政策もやっていただかないと困ると。 受動喫煙防止を行う上では、費用負担の支援なく上から一方的に決めることはやめていただきたいというお願いを申し上げて、ここで答弁を求めて、きついことを言われていると困るので、お願いを申し上げたいと思います。 また、東日本大震災では、私も立法担当チームの責任者として大分立法いたしましたが、そのときに現場のボランティアでいわゆる士業の方々が随分汗かいてやってくださったんです、税理士さんとか行政書士さんとか。 その方々からのいろんな御要望もあって、今回税調でいわゆる災害への税制上の対応の規定を常設化するということが決まりまして、もう説明も受けているんですが、そのとき我が党の税調の中の議論でも、それだったら健康保険の手続とか年金とか、そっちもあるんですよ。これ今付けてあるんですけど、細かい字で申し訳ないですけど、全部で八十六も項目がありまして、類似を束ねればもっと少ないんですが、これ被災役場や役所に聞いてみますと、やっぱりそっちもセットでやっていただくと被災者の生活の不安というのは早期に解消され安定感が増すんですね。これはもちろん私たち党の方で一回宿題を預かっているんですね。 それもあるんですけれども、政府の方の御担当として、松本防災担当大臣の御見解はこの点についていかがでございましょうか。
○国務大臣(松本純君) 幅広く様々な防災対策等について御発言を、御質問をいただいたところでございますが、この税調の対応をする社会保障の分野についてお答えをさせていただきたいと思います。 税制改正については、熊本地震による被害等からの復旧及び今後の災害への対応の観点から、災害に関する税制上の所要の措置を常設化することとされました。被災者の方の個人の生活再建を考えていく上で、委員御指摘の社会保障分野での個人の負担を軽減していくことは重要であると考えておりますが、社会保障の制度の趣旨、他の制度とのバランス、被災者の声、被害の程度などを勘案しながら検討していくことが必要と考えております。 いずれにいたしましても、関係省庁と緊密に連携しつつ、被災者の方々に寄り添った対応に努めてまいりたいと存じます。
○片山さつき君 ありがとうございます。 被災地におけるニーズというのは刻々変わっていくものですから、今日も首長さんたちからは、様々な補助制度が本当に拡充適用されて感謝申し上げるが、どうしてもこぼれるものがあるので、特別交付税の額には十分御配慮をという御要望もありましたことを総務大臣にお伝えさせていただきたいと思います。 また、糸魚川大火というのは大変な教訓でございまして、これを全国に生かすということで、政調会長から我々御指示をいただきまして、我々政調における災害の担当、災害特命委員会とそれから消防所管の総務部会ほか関係部会の合同で、防火力を向上させ、木造密集地域等の対策をオーバーオールで行うということを提言し、政府の骨太の方針に間に合うようにまとめていこうということになっておりますが。 首都直下地震対策特措法、これは平成二十四年、私自身、立法チームの主査として原案を取りまとめ、この参議院に一度出しております。そのときは駄目で、その翌年再チャレンジで成立したので非常に責任も感じているところでございますが、この法の下に、東京都の国土強靱化地域の計画とか、政府の二度にわたる首都直下地震の緊急対策推進基本計画というのが閣議決定されまして、住宅の耐震化率を七九から九五%まで上げていこうとか、電気に起因する出火防止のために、感震コンセントやブレーカーの木密地域における設置率を二五%以上とか、そういうふうにやっているわけですが。 私が大変心配しておりますのは、この東京都の現状は、二〇二〇年のオリパラに向けて、日本語が不自由であって、かつ地震にそもそも慣れていない外国人の方がたくさん来られることがある可能性の十分な織り込みを行った上で強化、補填をされているのかと、その辺につきまして、国土交通大臣から現状を教えていただければと思います。
○国務大臣(石井啓一君) 地震時に大規模な火災の発生のおそれがあります密集市街地の改善整備を進め、安全性を確保することは大変重要な課題と認識してございます。 国土交通省では、地方公共団体と連携をいたしまして、延焼を抑制し、避難路等となる道路の整備、避難場所となる公園、空き地の整備、老朽化した建築物の除却や共同建て替えの促進、建築物の不燃化等、密集市街地の改善整備の取組を推進してきております。特に、火災等の危険性が高く、重点的な改善が必要と考えられる地震時等に著しく危険な密集市街地、全国で約四千四百五十ヘクタールございますが、これにつきましては、平成三十二年度、二〇二〇年度末までに最低限の安全性を確保し、おおむね解消するとの目標を住生活基本計画において定めておりまして、これらの地区に優先的に予算を配分しているところであります。 例えば、東京の谷中地域などでは多くの外国人が訪れていらっしゃいますが、オリンピック・パラリンピックの開催も念頭に置きまして、目標に向けた取組を推進することで、住民はもとより外国人観光客の大規模火災に対する安全性の確保にも寄与するものと考えてございます。 また、昨年末の糸魚川の災害を受けまして、密集市街地対策の更なる促進に取り組んでおります。具体的には、一月七日に改めて全自治体に通知を発出するとともに、一月二十四日に密集市街地対策に取り組んでいる地方公共団体への説明を開催をいたしまして、糸魚川市の被害状況調査の概要、自治体の先進的な取組事例や国の支援制度の概要、ハザードマップ等での危険度周知による住民への啓発、強風等による延焼危険性の高い市街地の有無の再確認等について周知をしたところでございます。 こういった取組を通じまして、引き続き密集市街地の改善にしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
○片山さつき君 これは国交省も相当、一歩乗り出して、ある程度前に出て御指導していただかないと危ないかなと本当に思うことがあります。 実は強靱化の内閣の担当である内閣参与にも伺ったところ、まだ東京都の中でどうしようか、こうしようかをぐるぐるぐるぐるっとやってきて、その具体策が出ていないので我々もそれを見守っているということだったので、見守らないで少し引っ張っていただきたいということも申し上げたんでございます。 と申しますのは、費用負担の問題が何となくコップの中でぐるぐるぐるぐると回っているんですけれども、原理原則からして、東京五輪というのは一体地方自治体である東京都にとってどういう事務なのか。法律にのっとった団体でございますから地方自治法上何らかの事務でなくてはいけなくて、通常考えれば、法律で上から強制していないんだから東京都の自治事務だと当然思われるんですね、法定か自治しかないわけですから。 かつて国民体育大会を和歌山県で開催したときには、場所がなかったので大阪に開催地を少しはみ出しまして、そのときには直接和歌山県が大阪府に、お借りしましたからということで、お金を地方自治体予算として払っているという例も伺ったんです。 この場を借りまして、解釈権限を持っている地方自治行政主管の高市大臣から、そもそも東京五輪という事務の捉え方等につきまして今のお話を聞かせていただきたいと思います。
○国務大臣(高市早苗君) 地方自治法とそれから地方財政法について、今のお話でしたら説明をさせていただかなきゃいけないと思います。 まず、地方自治法第二条におきまして、自治事務というのは法定受託事務以外のもの、つまり、地方公共団体の事務のうち、国において特にその適正な処理を確保する必要があるものとして法令に定められているようなもの以外のものということになります。したがって、東京オリンピック・パラリンピック大会のように地方公共団体の事務として定める法令がない場合は、これを自治事務と考えることができます。 また、地方財政法第九条においては、地方公共団体の事務を行うために要する経費については、当該地方公共団体が全額これを負担すると規定されています。さらに、地方財政法第二十八条の二においては、地方公共団体は、当該事務の処理に要する経費の負担を転嫁し、その他地方公共団体相互の間における経費の負担区分を乱すようなことをしてはならないと規定されています。この地方財政法上の規定というのは地方公共団体に係る経費負担の原則について規定したものでございますので、地方公共団体の具体的な経費負担については、これらの原則を踏まえた上で、個々の事務の範囲ですとか政策目的に照らして具体的なケースに応じた判断が必要です。 東京オリンピック・パラリンピック大会の役割分担については、東京都、それから大会組織委員会、内閣官房の三者を中心に協議が進められていて、その中で東京都の事務の範囲も整理されていくと承知していますので、その結果、先ほど片山委員が例に挙げられましたようなことにつきましても、東京都の事務と整理されたものについては東京都がそのお金を負担しても地方財政法上の問題はございません。
○片山さつき君 この問題で初めて見解が出たんですね。つまり、東京都の事務だという、開催事務ということになれば、それがエリア的に神奈川であったって埼玉であったって千葉であったって、国民体育大会のときそうしたように、借料、使用料、その他適正なやり方でお支払ができる。つまり、今大臣がお示しになった二十八条の二は突っかい棒にならないということでございまして、長年この辺が多分相当長いこと理由になっていたところがあるんですが、今日国会でそれが整理されたことによって議論が進むことを強く期待するものでございます。 今まである意味で災害やいわゆるレジリエンスについてのお話をたくさんさせていただいておりました。アメリカの方ではインフラ整備を行うと。アメリカは、日本と同じかそれ以上にレベニュー・ニュートラル、財政欠陥をつくらないということが非常に厳しくて、今回インフラ整備に充てるお金は、アメリカの企業が海外に持っている海外留保利益、これが二百兆円と言われているんですけど、えっと思いますが、まあ二百兆円を取り戻すんだそうです。それは本当に戻ってきたら一〇%の一回課税でいいよといって呼び戻すのか、まあこれは似たようなことは日本もやって、もう今そうなっていますが、ブッシュ大統領のときもやったんですが、みなして掛けちゃうということになると、もう有無を言わせずぼんと大変な税収が入ってくるから余裕を持ってアメリカの国土強靱化はできちゃうんですが、我が国にはもうその財源がないんですね。 そこで、総理、今まで本当に一歩踏み出した、寄り添った姿勢でずっとやってきていただいておりますが、はっきり言って災害増えていて、災害リスクは上がっていますよ。私、北海道を回ったときに、多くの首長さんや地元の方が、また今年も気候変動で台風がこっちへ曲がったら、あっちもこっちもうちの川は堤防ないんだよねと。つまり、余り雨が降らない前提で組み立ててあるわけですよ。 ほかにも同じような話がたくさんあって、さらに、南海トラフ、首都直下型地震対策の対象地域は人口・工場密集地域でございますから、ここは民間の防災・減災に資するような国土強靱化の投資の誘発ということをやって、民間に一〇〇%公共事業を代替でもしてもらわない限りはまず無理なのではないかということで、実は全国の地域経済団体連合会から既に税制の創設の検討の依頼が上がってきております。 こういったことも踏まえて、総理の今までの御経験を踏まえて、今後の防災・減災に臨むお考えを伺いたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 熊本や鳥取における地震、そして北海道や岩手に大きな被害をもたらした台風被害、糸魚川の大規模火災など、昨年発生した自然災害からの早期の復興に向けて、インフラの復旧や住まいの確保、なりわい・産業の復興をきめ細やかに推進するため、政府一丸となって対応してきているところでございますが、現在御審議をいただいている平成二十八年度第三次補正予算においては、北海道、東北の豪雨、台風災害等への対応として災害復旧や農業支援等の実施や、熊本地震からの復旧復興について災害廃棄物の処理費用の不足分等の追加など、被災地の一日も早い復旧復興に向けた対策を盛り込んでいるところであります。 また、片山委員にも視察をいただいた糸魚川の大規模火災についても、一日も早い生活再建や事業再開のため被災者生活再建支援法を適用するなど、被災地の復旧復興に全力で取り組んでいることでありますが、大切なところは、なりわいを確保していく上においても、被災された方々がこれではもう駄目だと諦めてしまわないように、より早く早く、政府もあるいは自治体も強い意思を示していく、そこにとどまって仕事を続けても大丈夫なんだというしっかりとした意思を示していくことも大切であろうと思います。 大分、熊本で温泉地域の旅館業が大変な被害を受けたんですが、そこに言わば割引のクーポンの制度を使ったんですが、それはまさに今頑張るということで頑張っていただければ雇用も確保できるんですが、一回諦めた後、ぐうっとなってしまったところをまた押し上げるのはこれはもっと大変なわけでありますから、初期投資においてはどうすれば効率的かということについてもよく考えていきたいと思いますし、また、片山委員の御意見もお伺いしていきたいと、このように思っている次第でございます。
○片山さつき君 ありがとうございます。 糸魚川に対しましては、一月六日に我々党本部の方に御要望をいただきまして、早速、石井大臣のところから町づくりの専門家を、副市長と参事でしたっけ、二人も出していただいたんですね。 実は私、東北の方も災害が八月に起きた後に、直し始めているところで二度ぐらい入ったんですが、宮古の市長さんと岩泉の町長さんに言われまして、林道の査定、林道がたくさん切れたわけですよ、あれだけの雨ですから、あっちもこっちも切れて。厳格な財政規律という意味では一件一件災害査定を丁寧に書くんですが、数万人の市役所、千人単位の町役場では、これを財政の今までの相場観の三か月以内とか五か月以内にやれと言って、年内ということになったら過労死しちゃうと、災害査定で過労死しちゃうと。これは働き方改革をナンバーワンに挙げている政権としてはまずかろうということが分かりまして、これはその場で山本農水大臣の部下の方に掛け合わせていただいたら、大変林野庁御理解がありまして、すぐに延びました。一月の二十八日まで延びたので誰も過労死しなかったというお礼がありましたが、往々にして行政の真髄は現場の適応にあるものですから、多くの場合、人数が足りないのでございます。 そういったことも踏まえて、これから一億総活躍の方の質問に入りたいとも思うんですが、人口減少で商店街の生き残りも難しい、高齢化が迫っているというようなところが災害多発地域であって、このような条件の下で災害復旧復興と地方創生を全部一生懸命一遍にやらねばならないという状況に我々は配慮をしないと、アメリカの大統領選挙でもこのようなことを言われていました。どちらがより多くのミニ集会に来てくれたか、どちらが今まで私たちの意見は聞いてくれないのよねと思う方のところに行ったか、これが、まあ一見のイメージはどうか分からないですけれども、勝たれた方のトランプ大統領なんだそうです。 今、幸いなところ、自民党の政権支持率、政党支持率はある程度高い御評価を頂戴しておりますが、この現地で寄り添う姿勢を少しでも忘れれば簡単にそういうところは離れていくものだと常にいつもかみしめて災害対策チームとしては頑張っているところでございます。 次に、一億総活躍につきましてお話を伺いたいと思います。 昨年も実は健康寿命延伸についてこの予算委員会で聞かせていただきました。それから大分話が進みまして、まず一億総活躍におきましては、加藤大臣の下、立派な全体計画ができまして、用意ドンでこれもやるあれもやるということで、ヘルスケア関係、高齢者関係、保育関係、母子の栄養関係、いろんなものがもうできておりまして、昨年の夏に自民党の総裁直轄機関として一億総活躍推進本部、川崎二郎本部長の下、私、事務局長を預かることになりまして、健康寿命の延伸と高齢者の方の活動の支援ということでPTもつくらせていただいております。 何といっても我が国は、二〇三〇年には放っておくと認知症が八百三十万人、要介護者が九百万人のすさまじい国になってしまいますので、焦眉の急なのは、成人病のリスクを早めにキャッチして、成人病の軽度のところで止めて認知症にしない、要介護にしない、これができないと、恐らくいかなることをやっていっても国としての強靱性、安全性の維持はできないということは明白でございます。 いろんなヒアリングを既にやっております中で、この成人病リスクマーカーのものをたまたまお手元の資料として例として挙げましたが、今この分野では日本の企業はすごいです。DNA分析の方はもうちょっとあれなんですけれども、たんぱく質、ペプチド系の分析については次々と切磋琢磨していろんなメーカーが、九九%当たる、もう皆様も聞いておられると思いますが、特にがんの分野がすごいんですね。血液一滴、一滴も要らないところで様々ながんのリスクが分かって、その後もう一回お医者さんの方で検証をすればいいということなんですが、私がここで、一億総活躍で応援していただきたいのは、単なるそういったバイオマーカーの上に、リスクマーカーとして健康寿命延伸に役立てられるキャッチボールができるものなんですよ。 つまり、がんはがんでそれはとても大事ですよ、がんの検診はね。だけれども、日本人において、糖尿病、成人病、そして認知症、認知症は世界の十人に一人が日本にいるわけですから、この分野をはっきり言って強みとして、最先端でこれを確立し、特許も押さえて、世界の標準をつくっていくということは成長戦略としても同様に大事でございまして、塩崎厚生労働大臣、このリスクマーカーにつきまして、今ここに書いてある年限でいきますと一九年、二〇年とか二一年なんですが、もっと前倒しにするような御支援を厚生労働省として御検討いただくことはできないでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 片山委員御指摘のように、生活習慣病や認知症、こういった病気を早期に発見をする、そして重症化をする前に対応するということは非常に大事であり、これは政府の目指しております健康長寿社会の実現という意味でも大事な課題であるわけであります。 厚生労働省としても、従来よりバイオマーカーに関する研究開発は推進をしてきております。平成二十九年度予算案におきましても、バイオマーカーによる循環器疾患の発症、それから重症化予測、糖尿病などでありますが、それから認知症の診断に関するバイオマーカーの開発、そしてがんの検診に資するバイオマーカーの実用化研究などの研究開発に必要な予算を計上をしているところでございます。 議員御指摘のとおり、バイオマーカーに関する研究開発は重要でありますので、厚生労働省としても、引き続き国民の皆様方の健康増進や疾病治療に役立つように必要な支援をしっかりやってまいりたいというふうに思います。
○片山さつき君 これ、アメリカでトランプさんの側近の議員、結構年長というか年次の高い方がたまたまこの分野の御専門で、すごいことになっているんですね。認知症分野の予算は、国立長寿医療研究所の鳥羽理事長に伺ったところ、格段にアメリカの方が多い、ゼロが一つ多い。この分野で日本が負けるということは普通ないと思うんですね。余りにももったいないですし、まさに日米でいろんな対話をしていく上で、やはり我が国のきちっとしたことを押さえた上ででないと対等な交渉はなかなかできないので、是非御配慮をいただきたいと思います。 次に、子供食堂について伺いたいと思います。 一月二十八日の土曜日の夜に、川口で子供食堂に参加させていただきました。私はこの隣町の浦和で生まれ育ったんですが、小学校、中学校ぐらいの十数人のお子さんと一緒にカレーを食べてまいりましたんですが、この子供食堂、今増えているんですよ。 すごくいいなと思いますのは、経済的に困窮なので国の支援の対象になるかどうかということをぎりぎりぎりぎりぎりぎり言わなくても、言わなくてもいいんですね。つまり、お金があるママが夜帰れない、ありますよ。役人だったり弁護士だったり看護師だったり、いろいろありますよ。つまり、生活保護水準ということとは全然関係なく、ずっとこの子は夜は一人でおうちで食べるというのが多いわけですが、そのときに、本当だったら常設がいいですけれども、話し合える場所を与えるということがどれだけ違うかということなんですが、東京都はここ進んでいて、食品製造業関係の条例で、大震災後にボランティア給食というのができるようになっている。これ今のところ東京都だけなんですが、状況的には周りの都会型の県もみんな同じでございます。 ですから、この子供食堂を、私はフランスに留学していたときのことを思い出すんですよ。あの国は物すごく失業率が高いんですが、失業手当は五、六年出て、生活保護費も出ます、しっかりと。なのに、セーヌ川の横にはルンペンがいて、行き倒れる人もいっぱい見られるんですが、そこで、一九八五年に、日本でいうとビートたけしさんみたいなタイプの国民的なタレントのコリューシュさんがもう全部寄附して、あっちこっちに心の食堂をつくろうよと。これはレストラン・オ・クールといって、その後、何とこれが法律になっちゃって、EUも補助出しちゃって、全国で二千か所の無料配送センターがあって、一億三千食ぐらい作っているんですね、冬に。 留学していた私の友人が行っても、別に外人だから、所得があるかないか見られることもなく食べられたというから相当おおようなんでしょうけど、これは国費一〇〇%だったらそれは無理ですよ。だけど、寄附なんですね。税額控除がどんどんどんどん甘くなりまして、今七五%税額引けるんですよ。だから寄附も当然集まるんですが、もうだんだんこういった形のアプローチも増えて、今までニッチと言われてきたような部分を柔軟に支えていくことが一億総活躍の鍵ではないかと思うんですが、加藤大臣、応援をお願いできないでしょうか。
○国務大臣(加藤勝信君) 今、子供食堂について、片山委員が直接日本で、また海外、フランスでの事例もお示しをいただきました。特に最近では、地域のボランティアの方々が無料や安価で温かな食事と、そして大事な団らんを子供たちに提供して、安心して過ごせる場所として急速に広がっているところであります。 政府においても、子供食堂を始めとした地域における子供の貧困対策、これを実効的に推進するため、NPO等や地方公共団体の取組が果たす役割が非常に大きいということで、自治体が地域の実情に応じて先進的なモデル事業を行う場合にも活用することができる地域子供の未来応援交付金を創設をし、また、民間資金の特性を生かし、草の根での民間の活動を支援する子供の未来応援基金、これは民間からいろいろ御寄附をいただいておりますけれども、こうしたことを通じて、子供食堂など、困難を抱える子供たち一人一人に寄り添った活動を支援をしているところでございます。 また、子供食堂は、今もお話がありましたけれども、子供の貧困に対する取組という形で取り上げている事例も多いわけでありますが、困窮世帯の子供に限らず、様々な困難を抱える子供たち、また地域によっては高齢者の方も積極的に利用できると。そうした意味で全く多様な形で運営をされているところでございまして、そうした子供食堂が果たしている役割あるいは現場の実際の声、こういったことも踏まえながら、そして、どうしても官が入ると、先ほどお話がありましたように、非常にしゃくし定規になってしまうということもございます。 そういった意味でも、民間の企業、団体や地域住民によるボランティアなど様々な力を生かして、まさに地域において子供たちが、あるいはもう地域の人たちが安心してできる居場所が増えるよう、我々もその多様性を大事にしながら推進をするべく取り組んでいきたいと思っております。
○片山さつき君 ありがとうございます。 まさにシルバーの活用も非常なキーなんです。生活困窮者自立支援制度というのは、我が参議院の自民党で生活保護見直しPTをつくりまして、世耕大臣、野上副長官、私と事務局で案を作って、その翌年に厚労省に法制化していただいたんですが、その自立支援センターの学習支援も見てまいりましたが、大変多くのボランティアが来ていただいて、学生すごいんですが、自分の試験が定期的に学生はあるわけで、そのときにいなくなっちゃうわけですよね。シルバー人材センターのようなところ、老人クラブも連携して拡充して、お年寄りの方も、じゃ、一緒に食べていただいて、そこで、お年寄りにはお年寄り向けの管理栄養士を付けて健康寿命延伸に役立てたり、そこにまた空き家を活用したり、あらゆる意味での横の連携が幾らでもできていく、そういったことを我々もしっかりと現場を見ながら立案させていただいて、骨太の方針に盛り込んでいただけるような質の高い提言をしてまいりたいと思います。 次に、ロシアでございますが、ロシアの極東発展省、ウラジオストクの経済界からお招きをいただいて、十月の末にウラジオストクに出張させていただきました。これは全て、九月の安倍総理のあちらでの大変感動的なスピーチで、今度こそ日ロの経済交流ができるんじゃないかと、その場にいた役所や経済界の方はみんな思ったんだそうです。今まで十年、二十年あったけど、初めてみんな思ったということで、お話合いに行きましたら大変多くの誤解もあったことが分かったんですが。日ロ首脳会談がございまして、その後しばらく、ああ、もう返事ないのかな、十年駄目だからまた駄目なのかなと思っておりましたら、何と、沿海州と新潟地域の間で十年来ずっといろいろやっておりました牧草の輸出入問題、これは、乳牛は牧草食べますんで、酪農の餌問題ですね。牛乳のコストの半分は餌でございまして、余りにも割高と。これを安くできるメリットが新潟側にあり、そして沿海州側は耕作放棄地をたくさん抱えて何か活用したいということで、まさにこれはウイン・ウインなんですが、長年駄目だったんです。 それが開いてまいりまして、是非、世耕ロシア担当大臣にこのことも含めた日ロ間の地域の協力の在り方をまず答えていただき、そして山本大臣から、検疫当局の課長さんたちに本当に頑張っていただいている進捗状況を教えていただきたいと思います。
○国務大臣(世耕弘成君) 先ほどから、いろんな広範な政治家としてのお仕事をやられている中でロシアのこともやっていただいていることを心から感謝を申し上げたいというふうに思います。 地域間交流は非常に重要であります。先日の山口、そして東京での安倍総理とプーチン大統領との首脳会談でも地域間交流の重要さというのが確認をされております。また、私、今月冒頭にロシアへ行ってまいりました。シュワロフ第一副首相、あるいは参議院自民党の日露議員懇話会の皆さんとともにマトビエンコ連邦院議長や相手側の議員団とも会いました。そこでも地域間交流というのが非常に重要なテーマになりました。 今、日ロ関係は安倍総理とプーチン大統領の強固な信頼関係と友情で大変大きく前進しているわけですが、やはり最終的には国民同士がしっかりと理解し合うということがとても重要になるわけでありまして、そのためには地域間交流の充実というのは大変必要不可欠です。それも、単なる姉妹都市とか議員交流だけではなくて、例えばビジネスのサプライチェーンで地域と地域が結び付くなんというのがこれが本物の地域間交流だというふうに思いまして、そういう意味で、沿海州と新潟県を牧草でウイン・ウインの関係でつなぐというプロジェクトを取り組んでおられる片山議員には心から敬意を表したいし、私としてもできる限りの応援をそのプロジェクトに対してしてまいりたいというふうに思います。
○国務大臣(山本有二君) 我が国は年間百八十万トン牧草を輸入しております。沿海州からの輸入は、輸入先の多様化によりまして安定供給の確保ができます。また、畜産経営の安定にもプラスになります。その意味におきまして大変大切であり、有り難いことでございます。また、口蹄疫等の侵入防止のため、加熱等の処理方法を含む具体的な検疫条件を設定する必要がございまして、このため、ロシアの輸出業者からの具体的な輸出要望を受けまして、先週末、相手国の担当部局と電話会談を行うなど、二国間の協議を開始したところでございます。 今後、家畜の伝染病疾病等の侵入防止を担保しつつ、我が国の畜産経営の安定に資するという観点から検疫協議を開始したいと思っております。
○片山さつき君 これ、細かいことと、小さいこととさぞ思われる方も多いかもしれませんが、北海道と沿海州は気候、作付け、土地柄が似ていまして、高橋知事に伺ったところ、この手の話は前からあったんですよ。前からあったんですが、道庁の農業の専門家の偉い方が辞めて向こうへ渡っていろいろと段取りをしても、してもですよ、必ずどこかで止まるんですよ。このどこかの壁が今回抜けた感があるものですから、今、国を挙げて取り組んでおります酪畜の餌問題にも貢献しますので、何とか皆様にお助けいただいて、両産業界がうまくいくことを祈るばかりでございます。 次に、日韓合意をめぐる状況について伺います。 日韓スワップ協定でございますが、これはもう麻生大臣がこの状況では無理でしょうということを会見でおっしゃられて、私どもも全くそう思うわけでございます。やはり約束は守る、守らねばならない。成熟国家同士でございます。 また、スワップは、アジア金融危機のときからこの形に私も間接的には関わってきたわけですが、チェンマイ・イニシアチブの中にはもうちゃんと韓国も入っているわけですし、IMFの方の防御網にも入っているわけですし、今の韓国はいわゆるリザーブが非常に厚いので、これがなかったらあしたからとても困るのよという状態ではないと御本人たちもおっしゃっているわけですね。 にもかかわらず、この状況で我が国の方は遵守できる義務は全部遵守したのではないかと思うんです。これは、国と国との信用や体面の問題でございまして、あの慰安婦像が撤去されない限りはですよ、私はこのスワップ交渉は凍結すべきだと思います。 ニューヨークに行ったときも、これ教科書で性奴隷を、もう本当にミリタリー・セクシュアル・スレーブと書いて二十万人とか、そういう教科書を使っちゃっているわけで、現地の女性から、子供がいじめられているといういろんな例の話があると。ただ、事柄が事柄で非常に微妙なので、領事さんにもお願いしますよと置いてきましたが、いじめられるお子さんには何の罪も何の責任もありません。これこそ国家がきちっとかばってあげなければいけないことだと思います。 日韓スワップ協定につきまして、安倍総理の御見解を伺いたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 日韓合意は、この慰安婦問題が最終的かつ不可逆的に解決されることを確認するものであります。まさにこの日韓合意が全てであって、これが最終的な解決ですよと、もう後ろには戻りませんよということをお互いが、国と国との信用を懸けて首脳同士が約束をしたものであります。で、この合意が全てでございまして、我が国は、今、片山委員がおっしゃったように、この合意を誠実に履行してきておりまして、日本側の義務は全て果たしてきています。韓国側に対しても、合意を誠実に履行していくように粘り強く求めていきます。 日韓通貨スワップについては、昨年八月に韓国政府の提案を受けて議論を開始をしていましたが、昨年末に在釜山日本国総領事館前に慰安婦像が設置をされた事態を受けまして、当面の措置の一つとして協議を中断したところでございまして、今後の対応については、情勢を総合的に考慮しながら判断をしていきたいと考えております。
○片山さつき君 是非、この点につきましては、実際に、二〇一七年に中国の方が仮にもしも韓中間のスワップを切っても、それはチェンマイ・イニシアティブをずっと分厚くしてマルチで対応することもできますので、そのときの国際金融情勢で十分に対応は可能だと思いますので、毅然たる対応をお願いしたいと思います。 最後の質問になりますが、今年の大河ドラマ、NHKの大河ドラマは「おんな城主 直虎」でございまして、私がここに付けているバッジは、ほとんど読めないと思いますが、直虎、浜松城と書いてございます。四十七分の一の確率ですよね、御当地の県にNHK大河ドラマが来るというのは。 この間、ベトナムでNHKワールドを見てまいりましたところ、チャンネルを変えたCCTVに比べるとですね、中国の、やっぱりちょっと面白さがまだ足りないのかなともったいなく思う次第でございます。 四年前に私も総務省におりましたときに、海外キャンペーン向けの番組を作るときに、きちっと審査をした上で放送法の趣旨に反しない上で、国の予算も出して海外PR番組どんどん作ろうよ、クールジャパンなんだからということで、それはもう全部予算消化されてたくさんの番組ができたというふうに聞いておるんですが、この大河ドラマはNHKが著作権持っていますから、いかように多用しても、過去のものもですね、まさにビジット・ジャパンに使えると思います。 「君の名は。」という映画がアジア地域で物すごい反響があって、あれだけ日本のローカリズムを象徴したものがアジアの人の心に映えるということは、今までの、今回のものも含めて大河ドラマも十分観光宣伝の強力なツールとなると思うのですが、高市大臣、いかがでございましょうか。これが最後の質問です。
○委員長(山本一太君) 時間となっておりますので、簡潔にお願いします。
○国務大臣(高市早苗君) 私もこの放送コンテンツを海外展開することを強力に進めております。つまり、訪日外国人観光客が増えるということ、それからまた地域産品の販路拡大にも大きく効果があると思っております。 NHKに対しましても、例えば二十八年度のNHK予算に付した総務大臣意見ですが、放送コンテンツの戦略的かつ積極的な海外展開等を通じ、海外情報発信の総合的な強化に努めるということを要請しております。 今、実際、NHKでいいますと、海外で「八重の桜」や「真田丸」、それから「軍師官兵衛」、「花燃ゆ」など放映されておりますし、これからも更に強化しまして、NHK及び民放が海外の放送局と番組を共同制作したり、それから海外の放送枠をしっかり確保して放送する取組を強化してまいります。
○片山さつき君 ありがとうございました。
○委員長(山本一太君) 以上で片山さつき君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(山本一太君) 次に、中泉松司君の質疑を行います。中泉松司君。
○中泉松司君 自由民主党の中泉松司でございます。 質問に入ります前に、先ほど片山さつき議員の方から、糸魚川における火災についてるる質問がございましたけれども、私からもお見舞いを心から申し上げたいと思っております。一日も早い復興を願っております。私は秋田県選出の参議院議員でありまして、同じ日本海側の仲間として、雪に耐え、そして米どころとして確固たる地位を確保してという新潟の皆さんのこの一日も早い復興は共に願いたいと思っております。 また、今回、私のような若輩に質問の機会をいただきましたことに、この場におられます皆様に心から感謝を申し上げます。 今日の質問者のリストを見てみますと、トップバッターは民進党の代表で、女性として大活躍をされておられる蓮舫議員、そしてまた論客として舌鋒鋭い福山議員、そしてまた大塚耕平議員ということで、我が党からは片山さつき議員が立たれておりました。その中になぜ私がいるんだろうと思わないわけではありませんけれども、若手で頑張れ、成長せいということで御指名をいただいたと思っております。何分不慣れではありますので、失敗等あるかもしれませんし、御迷惑を掛けるかもしれませんが、どうか最後までお付き合いをいただければ有り難いと思っております。 ということで、初めに雪害について御質問をさせていただこうと思っておったんですが、早くもトラブルが発生しておりまして、菅官房長官がおりません。菅官房長官に対しても質問をさせていただくつもりでおりましたけれども、ということでありますので、戻り次第質問をさせていただければと思っておりますので、順番を変えまして、災害対策についてお話をさせていただければと思っております。 今回の補正予算で災害対策として千九百五十五億円が計上されております。その主な内容は、熊本地震からの復旧復興及び昨年八月に北海道を中心に東北にも甚大な被害を及ぼしました台風被害への対応となっております。 私も東北選出の国会議員として、非常に近場でそういった甚大な被害が起こるということに衝撃を覚えましたし、ふだんでありますと、特に台風でいいますと、北海道そして東北の太平洋側というのは今までなかなか被害が及ばないといいますか、そもそもそういった災害が起こりづらいと思われていた地域でございました。そういった意味では、万全の対策を講じていたつもりでも、なかなか被害が抑えられなかったというところは今回の反省点として挙げられるのかと思います。 いずれにせよ、一日も早い復旧復興が望まれておりますけれども、現在の状況と一日も早い復旧復興に向けた今後の取組についてお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(石井啓一君) 昨年の熊本地震により、多数の住家が被災するとともに、道路、鉄道、河川等の災害、阿蘇大橋地区における大規模な斜面崩壊を始めとした多数の土砂災害等が発生をいたしました。高速道路、新幹線、空港等の主要交通インフラの応急復旧はおおむね一か月程度で完了し、河川につきましても、平成二十八年の本格的な梅雨期までに堤防等の変状の応急対策、緊急復旧工事を完了いたしました。 一方、国道五十七号、国道三百二十五号、阿蘇大橋が通行止めとなっているとともに、JR豊肥線、また南阿蘇鉄道の一部区間で運転休止が続いております。大規模な斜面崩壊のあった阿蘇大橋地区につきましては、昨年末までに斜面上部の不安定土砂の撤去を終えまして、年明けより復旧に向けた取組を加速しているところでありまして、引き続き全力で復旧復興に取り組んでまいります。 また、昨年八月以降の台風等によりまして北海道、東北で河川の氾濫等が発生をし、道路、鉄道等において甚大な被害が発生をいたしました。決壊した堤防の復旧は昨年九月までに全て完了したことを始め、国道、鉄道の多くは復旧が完了いたしましたが、国道二百七十四号の通行止めやJR北海道根室線の一部区間の運休が続いております。引き続き復旧等に向けた取組を進めているところでございます。 さらに、北海道や岩手県の河川におきましては、一連の台風による豪雨災害を踏まえた再度災害防止を図るための新たな取組といたしまして、関係機関が連携したハード、ソフト一体となった緊急的な治水対策を昨年十二月より実施をしているところでございます。 国土交通省におきましては、平成二十八年に発生をいたしました台風、豪雨、熊本地震等により被害を受けました河川、道路、港湾等の災害復旧事業等に必要な経費といたしまして、今年度第三次補正予算に九百四十四億円を計上したところでありまして、引き続き被災地の復旧復興を全力で支援をしてまいりたいと存じます。
○中泉松司君 丁寧に御答弁をいただきまして、ありがとうございます。 先ほど、私も緊張してしまいまして、台風の話が先行してしまいましたけれども、熊本の地震についても一日も早い復興に向けて取組を加速化していただきたいと思っております。 地震や台風というのはなかなか予測が付かないものでありますし、私も、東日本大震災、秋田県におりましたけれども、経験をさせていただいております。当時、私は県議会議員をやらせていただいておりましたけれども、本会議場で突然の揺れとともに停電が起こり、外を見てみますと信号が全く止まっていると。そして、様々なところで大きな被害が起こっていて、私のところは、秋田県というのは停電にもなっていましたのでテレビも見れませんでしたから、本当に状況も分からないという中で、東北の仲間は大丈夫だろうかというすごい危機感を覚えた記憶が今でも鮮明にございます。 熊本というのはなかなか地震に慣れていない地域であったと思いますし、そういった地域においてはまだまだ復旧道半ばというところがあろうかと思いますし、また、先ほど申し上げたように、北海道、東北に関しては、特に太平洋側に関しては、台風被害についてなかなか想定がしづらかった面もあろうかと思います。そういったところで苦しい思いをされていらっしゃる皆さんに是非とも寄り添って一日も早い復旧復興を進めていただきたいと、心からこの場を借りてお願いを申し上げる次第です。 加えて、災害についてちょっと思うところを述べさせていただければと思っております。 私が参議院議員に当選をさせていただいたのは三年前、年度をまたがないので、平成今二十九年でありますけれども、平成二十五年の七月でございました。 その当選直後のことでありましたけれども、秋田県では田沢湖というところの供養佛という地域で大規模な土砂災害が発生をいたしました。まさにゲリラ豪雨による被害でありまして、たまたま私はその日、その田沢湖がある仙北市というところで活動をさせていただいておりましたけれども、私がいるところ、市の中心地では全く雨が降らず、すごく太陽が照っているという中で、川を見ると、上流から流れてくる川が大変な濁流になっていて、何だろうこれはという異様な風景を見たという記憶を思い出します。 結果、大規模な土砂災害が起こりまして、大木が鉛筆のように飛び回って家を直撃し、結果として六名の方の尊い命が失われることとなりました。 その際に、県に確認をして、このエリアというのは災害危機のある地域だったのかどうか、警戒区域だったのかどうかという確認をしたところ、残念ながらまだ基礎調査が進んでいないという現状が分かりました。 そのときに、災害の予防という観点から、どのようにすればしっかりとしたそういった体制が整備できるのかということを思いましたので、全国の状況を調べさせていただきました。その際、例えば総理のいらっしゃる山口県ではその基礎調査というものが一〇〇%済んでおりましたし、それぞれの地域で大変大きなむらがあって、全く進んでいない地域もあれば、一〇〇%完了しているという地域もありました。 これはどういうことなのだろうかと思って調べたところ、例えば総理のいらっしゃる山口県では、二〇〇九年に大規模な老人ホームの土砂災害がありまして、七名だったかと思いますけれども、尊い人命が失われました。そういった事故が発生したところで基礎調査等をしっかりと進めなければいけないということで実施をしていただいていたというのが当時の実情でありました。 そういったことを踏まえて、県でも、秋田県でもでありますけれども、災害を受けて、迅速な基礎調査を進めなければいけないということでやっておったんですけれども、国の方でも今そういった予防の観点から基礎調査をしっかりと進めていただいていると伺っております。実際のところ、今、平成三十一年までに全国の基礎調査を終えるということで取組を進められていると伺っておりますけれども、これは質問ではありませんが、是非ともそういった基礎調査、一日も早く完了をしていただけますようにお願いをしたいと思います。 また、その基礎調査というのは、何も調査が完了すればそれで終わりということではなくて、ハザードマップであったり、避難経路の策定、そういった様々な場面で活用される大切な調査であります。そういった結果を各市町村のハザードマップや防災計画、避難経路の策定といったものに結び付けていくということも忘れてはいけませんし、基礎調査を行った際には危険箇所というものがはっきりと分かってくるわけでありますので、移転も含めて、もしかするとこの地域は大変危険な地域だということを検討していかなければいけないかもしれません。 今は限られた予算の中で最優先でその調査を進めていただいているという状況だと思います。その先にはしかるべき対応を取らなければいけないということがハード的な面でもまた起こってくるのではないかと思っておりますので、是非とも、そういったところも含めて、これはお願いベースになってしまいましたけれども、検討を進め、そして取組を進めていただければ大変有り難いと思っておりますので、よろしくお願いをいたします。 次に、今日は農政について是非お伺いをさせていただければと思っております。 なかなか予算委員会の場面で農政について取り上げられている頻度というのは多くないかもしれませんけれども、私たち東北もでありますけれども、農村地域というところに住まう国民にとっては非常に関心の高い分野であります。是非ともこの場を借りて分かりやすい議論ができればと思っておりますので、よろしくお願いをしたいと思います。 初めに、TPPについて確認をさせていただきたいと思います。 TPPについて確認をするといっても、内容についてぶり返して確認をしたいということではございません。先ほど来質問で取り上げられておりますけれども、トランプ大統領がTPPからの永久脱退を表明する大統領令に署名をされました。報道を見ますと、今後、日本を名指しで批判しているようでありますので、二国間交渉について取り沙汰されておりまして、関係者の不安は正直言って広がっているというのが現状であります。 もちろん、TPP国会承認に至るまでも、国民、そして特にステークホルダーと言われる農業関係者の皆さんに大きな不安があったのは事実でありますし、私も地元に帰るたびに、また全国を回らせていただいてそういった声をいただいたというのが実際のところであります。そして、今、TPPの永久に脱退するという大統領令に署名したことを受けて、今後どのように日本が、そして他の参加国が対応していくかということが注目をされております。 そんな中で、私が地元に帰ると、いろんな意見をいただきますけれども、その中にこういったものがあります。今回の国会承認をしたことについて、今回の国会承認をしたことが間違いだったのではないか、また、新たなスタートラインをつくってしまったのではないかという声を聞くことがあります。国会承認をスタートライン、そしてステップにして更に踏み込んだ交渉をしてくるのではないかという声です。そういった声も私も幾つか伺っておりますけれども、その声には私は若干の違和感を覚えております。 トランプ大統領がTPPからの脱退を決めたのは、いわく、アメリカの労働者にとって公正で経済的利益のある貿易協定を実現するためとしています。これは、裏を返せば、今回の交渉結果がアメリカにとって不利だったと大統領が判断されたということを意味していると私は考えます。そして、それは他の参加国、TPP交渉の参加国にとって有利な交渉であったということを裏付けているのではないかと感じております。 そういったことを踏まえますと、先ほど御紹介をしたTPPの国会承認がそのステップとなって、スタートラインとなってアメリカが更に踏み込んだ交渉をしてくるのではないかということは言えないのではないかと思っております。つまり、アメリカにとって都合のいい要求を今後してくるであろうことは想定をしなければいけないわけで、それは国会で承認したかどうかということにかかわらず、アメリカの現在の立場からするとそういったことがあり得るということを見据えて日本も対応していかなければいけない、そういったことを意味しているんだと思っております。 以上の点から、今回の国会承認、厳しい議論の末の承認でありましたけれども、踏み込んだ交渉のライン、スタートラインをつくったかどうかという感覚で見るべきではないと私は思います。むしろ、私たち国会議員にとっては、今回の厳しい議論の結果の承認を国際交渉におけるデッドラインとして捉え今後に備えることが重要であると考えますけれども、外務大臣の見解をお伺いいたします。
○国務大臣(岸田文雄君) TPP交渉につきましては、多くの関係者が国益を懸け、国益を最大限にするためぎりぎりの交渉を行って一つの成果を上げることができたと思っています。そして、この成果は国会において承認をいただくことができました。これは、国際社会において、今、保護主義、内向きな傾向が広がっていると言われている中にあって、自由貿易、自由な公正な貿易を重視する我が国の姿勢を示すという意味で、これ大変重要な取組であったというふうに思っています。 そして、このTPP交渉をスタートラインにする、あるいはレッドラインにする、こういったお話がございましたが、これは従来から申し上げておりますように、TPP交渉において得られた成果というものは、今後、国際社会において行われる様々な経済連携の交渉のモデルになるということを申し上げております。 他のメガFTA等と言われる議論においても二十一世紀型のスタンダードになる議論であったというふうに思いますし、そして、今後それ以外のアメリカとの議論を行う際においても、まずはTPPというものの戦略的な意義、経済的な意義、こういったものをしっかりと粘り強く働きかけていくところから議論を始めていかなければならないと思います。 そういった意味で、様々な今後の交渉においても、TPPにおいて得られた成果というものは一つの重要な物差しになるものであると確信をしております。そういった思いで、これから我が国にとって自由で公正な貿易の重要性をしっかり訴えながら、国益を最大限にしていくよう努力を続けていかなければならないと考えます。
○中泉松司君 とある物差しということで、物差しになるということで御答弁をいただきました。 私たち平成二十五年当選した参議院議員にとっては、当時の選挙戦というのは、国益を守る交渉をするという立場に立って選挙戦を戦わせていただきました。その選挙戦の以前に総理が交渉参加を表明されておりましたので、その説明を伺って、重要五品目をしっかりと守り、国益にかなう交渉をしていくというお話をされました。 今回、内容についてぶり返すことはいたしませんけれども、例えば主食用米一つとっても、しっかりとした交渉ができたと思っております。そういった中にあって、これから、せっかく積み上げてきた議論の成果として今回結実しかけたこのTPPでありますけれども、それをうやむやにされたままで更に突っ込んだ交渉を行っていくというのは、私は避けるべきだと思っております。 また、今回のTPPというものを振り返ってみますと、秘密交渉というルールは非常に影響が大きかったと率直に思います。これは、ルールはルールですので理解はいたしますけれども、地元に帰っても、全国を回って関係の方々からお話を伺っても、ともすれば、国会議員の方々は知っているんだけれども言わないんだろというような目ですら見られたこともありました。我々も報道ベースでしか知らないんですということを御説明申し上げても、いやいや、そんなことはないはずでしょうというふうに言われる方がいらっしゃったというのは、これは受け止めなければいけないと思っております。交渉内容が全く見えないということに対する不安や心配というものは特に農業関係者を中心に多かったと思いますし、それが臆測や想像で物を話すことにつながっていき、不安を更に助長し大きくしていったということは否めないのかもしれません。 こういった、今後、私たちの我が国というのは人口減少社会に立ち向かっていかなければいけませんので、グローバル経済の中で経済的な活路を見出していく必要というものは十分理解をいたします。そういった中で、報道されるアメリカとの二国間交渉があるのかないのかというのは、現在確定している状況ではありませんのでお話はいたしませんし質問もいたしませんけれども、今後、アメリカのみならず世界中で、日EUであったり日豪であったり様々ありますけれども、そういった交渉を進める上で、可能な限り交渉の経緯、経過というものを明らかにしていく必要はあるんだろうと私は思います。 もちろん、交渉事でありますので秘密にしなければいけない部分があるというのは理解もしますし、秘密にすることのメリット、デメリットももしかするとあるのかもしれませんけれども、メリットもあると分かります。そういった中にあってでありますけれども、国民に説明をし御理解をいただいていくという意味では、交渉の内容を可能な限り明らかにして、そして、その上で国民に説明をし御理解をいただいていく必要があると考えます。 このことについて、見解を簡潔に外務大臣にお伺いできればと思います。
○国務大臣(岸田文雄君) まず、外交を進めるに当たって、国民にしっかり説明を行い、理解を得ながら進めていくという観点、大変重要だと思います。 ただ、その外交交渉一般の状況について申し上げるならば、経済連携など条約を交渉する際に、その結果はしっかりと明らかにする、これは当然のことでありますが、交渉の経過を明らかにするということになりますと、我が国がその交渉の中で何を求めたのか、何を譲ったのか、あるいはどういった駆け引きが行われたのか、こういったことが明らかになるということになりますと、これ、我が国はその相手以外の国とまた新たな経済交渉を将来行うことも想定されるわけです。将来の経済連携等の交渉において、我が国の手のうちを明らかにするということになります。そして、このことは相手にとっても同じであります。 ですから、条約の交渉においては、交渉した当事国の間において、信頼関係において交渉経過については明らかにしないというのが一般であるということをまず申し上げさせていただきます。 ただ、御指摘のTPP交渉を始め、こうした多くの国民が注目し、そして多くの国民が関心を持つこうした課題につきましては、今申し上げたような一般的な外交のありようの中ではありますが、相手との信頼関係に基づいてできる限りの説明責任を果たしていく、これもまた当然のことではないかと思います。具体的なこの条約のありよう等も鑑みながら、できる限り説明責任を果たしていくよう今後とも努力を続けていかなければならないと考えます。
○中泉松司君 私から質問をさせていただきましたその秘密にすることの必要性、まあメリットと言ってもいいのかもしれませんけれども、そういったところについても御説明をいただきました。 でき得る限りというお話がありました。そのとおりだと思います。けれども、振り返って、TPPの交渉、そしてそれを地元に帰って私たちも説明をし、そして合意の内容が分かって対策をしっかり打っていくということを表明し、それをまた地元に説明をしていき、関係者の理解を求めていく、そういった過程の中では、やっぱりできる限り、可能な限り情報を開示していただきたいという思いは強くいただきました。 先ほどの答弁で、その秘密にしなければいけない必要性ということも理解をいたしますけれども、そこに御留意をいただいた上で、今後、様々諸外国との交渉事はあり得ると思いますけれども、臨んでいただければ有り難いというふうに思っております。 そして、ここからは総理へのお願いとさせていただきますけれども、トランプ大統領は、先ほど申し上げたように、日本を始めとした各国との今後の二国間での交渉に向けて非常に意欲的な発言をされております。総理は、まずはTPPについて腰を据えてその意義について説得をしていく、説明をしていくという意思を表示されておりますけれども、まずはそのことをしっかり取り組んでいただきたいと思います。 TPPにおいては、国会でも様々な議論がなされ、また自民党内でも非常に多くの時間を掛けて交渉に向けて議論をし、交渉内容が国益にかなっているのかどうか、そして重要五品目は守られているのかどうか、どういった対策を取れば国内への影響を遮断できるのか、そういったことについて議論をしてきました。また、そういったTPPのようなグローバル経済圏をつくっていく中で、そういったものを見据えた今後の農政課題の解決のためにどういった政策を打っていくべきなのかということも議論をさせていただきました。 私も党の農林副部会長という役を仰せ付かっておりますので、その議論に参画をさせていただきながら、地元を始め、農業団体、関係者の皆さんから様々な御意見をいただき、本当に厳しい御意見もたくさんいただきましたけれども、でき得る限り丁寧に説明を申し上げた上で、信頼関係の構築と御理解につなげるようにということで頑張ってきたつもりでおります。そういった意味では、本当に難産の末にぎりぎりの結果としてこぎ着けた国会承認であったと思っております。 当時の担当大臣の発言を振り返りますと、TPPのときにも、衆議院、参議院それぞれの農林水産委員会での決議が交渉における力強い後押しとなったという発言もございました。今回の国会承認というものも、今後の様々な交渉に向けてしっかりとした後押しとなるようなものにしていかなければいけないと考えております。 今度、二月には総理も訪米されるということでありますけれども、そういったところを踏まえて、是非簡単な譲歩等がないようにしっかりと臨んでいただきたいと思っておりますので、心からお願いを申し上げて、TPPについては終わらせていただきたいと思います。 次に、今後の農政政策について農林水産大臣にお話をさせていただければと思っております。 私も農家のせがれでありまして、我が家は米を中心として集落営農で大規模に農業を営んでいるという農家であります。自慢ではありませんけれども、多分、国会議員の中でトラクターも田植機もコンバインのオペレーターもしっかりできるのは私ぐらいじゃないかなというふうに思っておりますけれども、最近は国会議員としての活動が続いておりますのでなかなかそういった作業をすることはできなくなってしまっておりますけれども、農政については今後も、当事者ではありますけれども、客観的な視点とそしてしっかりとした信念を持って議論に参画をしていきたいと思っております。 今日は、今後の農政課題について大臣にお話をさせていただく機会をいただきまして、是非、私ども秋田県というのは米どころで有名ではありますけれども、今、生産調整の廃止等もうたわれております。来年度いっぱいで終了をし、今後新たな政策に転換していくということでありますけれども、そういったことに関して率直なお話をさせていただければと思っております。 今後の農政を考えていくときに、様々な視点、観点で考えていかなければなりませんけれども、全体として私が最も重要だと考えるのは、人口減少社会にどう向き合うかということであります。これは、農業に限らず、社会保障であったり経済的な課題であったり、そういった全ての我が国の課題に直結する問題であると思っておりますけれども、農業においても非常に重要な課題であると認識をしております。 そこで、質問等に入る前に、現在の日本の人口減少と人口構造の変化について触れさせていただきたいと思います。 皆さん御案内のとおり、秋田県というのは、人口減少が進むこの我が国において最も早く人口減少社会に直面をし、課題を乗り越えていかなければいけない地域であると言われております。少子高齢化が進み、人口減少率が全国トップの秋田県だと言われていますが、そういった秋田県だからこそ頑張っていかなければなりません。 そこで、現在の日本の状況と、一番進んでいると言われているという秋田の状況について、比較をしながら御紹介をさせていただければと思っております。 日本の人口は、二〇一七年、平成二十九年、今年の一月現在で一億二千六百八十六万人です。戦後、我が国の人口は増加を続け、一九六七年、昭和四十二年に初めて一億人を突破しました。二〇〇八年、平成二十年の一億二千八百八万人をピークに減少を始め、このままいくと、二〇四八年、現在の元号でいいますと平成で六十年になりますけれども、一億人を割り込むとされております。 対して、秋田県の人口は、現在百万人強です。昭和三十一年がピークでありまして、昭和三十一年は百三十五万人が秋田県に暮らしておりましたけれども、その後減少を続けており、平成二十九年度中、つまり今年中に百万人を割り込むことが確実な状況と見込まれております。ちなみに、秋田県の人口は二〇四〇年頃、平成でいけば平成五十二年になりますけれども、今から二十三年後には七十万人程度となると言われております。我が国全体よりもはるかに速いペースで人口減少が進んでいます。 消滅可能性都市というのがあります。これは増田リポートと言われる中で言われていたテーマでありますけれども、今日、蓮舫先生の質問にもありましたけれども、二十代から三十九歳までの、九割以上、子供を産み育てていらっしゃる世代の方々が住民に対してどのぐらいの割合いらっしゃるかということを表したそのデータを基にして、今後、長い目で考えたときに消滅をする可能性がある都市というものを選別している、そういったレポートでありますけれども、秋田県は二十五市町村ありますが、二十四市町村が消滅可能性都市と言われています。一つだけ消滅可能性都市でないのが大潟村というところでありまして、国策で八郎潟を干拓をして、大穀倉地帯としてつくり上げたその大潟村だけが消滅可能性都市ではなくて、それ以外は秋田市も含めて消滅可能性都市と言われています。 この消滅可能性都市というのは非常に怖い話ではありますけれども、今後の人口の推移については危機感を持って見ていかなければなりません。加えて、今後の社会を考えるときには人口構造の変化についても考えていく必要があると思います。経済的な消費という意味で人口減少と人口構造の変化には大きい影響があると言われておりますけれども、食の消費という意味でも、人口減少に加え人口構造の変化が大きいと考えるからです。 そこで、生まれてくる子供の数に注目をして考えてみたいと思います。 昨年、我が国で生まれた子供たちの数が初めて百万人を割り込みました。九十八万一千人となりました。人口動態総覧の年次推移を見てみますと、日本の人口が激増したのはいわゆる団塊の世代の登場です。団塊の世代、昭和二十二年に生まれた子供の数は我が国全体で二百六十七万八千七百九十二人、約二百六十八万人がこの世に生をうけました。昭和二十七年まで二百万人台で出生数は推移をしますけれども、昭和二十二年から昭和二十五年までの四年間だけで一千万人の子供が生まれております。そして、その後は百万人台後半で推移をし、団塊ジュニア世代になると再び二百万人台を記録しますけれども、その後はまた減少を続け、先ほど申し上げたように、昨年百万人を切り、九十八万一千人となりました。 同じように、秋田県についても御紹介したいと思います。秋田県でも全国と同じように昭和二十二年生まれの方が最も多い出生数でありまして、四万七千八百三十八人、四万八千人弱おりました。ちなみに言いますと、私の父もその一人であります。そして、その四万七千八百三十八人生まれた子供たちは、今、今年で七十歳になろうとしています。その後、秋田県では、出生数は残念ながら団塊ジュニア世代でも少しずつ減少を続け、途中経過は省略しますが、平成七年に一万人を割り込みました。そして、県の努力もあって減少ペースは緩やかになったんでありますけれども、ついに平成二十六年には六千人を割り込み、一番新しいデータでは、平成二十七年の出生数は五千八百六十一人となっております。 つまり、簡単に言いますと、昔は二百六十七万人がおぎゃあと生まれた日本で、今は三分の一程度の子供の数になっています。また、昔、四万八千人弱がおぎゃあと生まれたこの秋田県で、今は八分の一の六千人を切る子供たちの数となってしまいました。県面積が全国で六位を誇る秋田県で、生まれた子供の数、全県足しても六千人を切るというのは非常にショッキングな数字であると私は思っております。 秋田県というのは、皆さん御存じのとおり、新潟などと並んで我が国有数の米どころの一つです。生産調整が来年度で終わるということに不安を抱える人も少なくはありませんが、そういった方々に今後の農政についてお話をさせていただく際に、よくこの人口減少と人口構造の変化についてお話をさせていただいております。 日本の主食用米の需要は、現在八万トンペースで減少をしているのは御案内のとおりです。生産調整という制度の中で、平成二十八年度、今年度の生産数量目標は七百四十三万トン、来年度は最終年度ということでありますけれども、八万トンの需要減を受けて七百三十五万トンの生産数量が設定されたと伺っています。そして、来年度をもって終了し、今後新たな農政に切り替えるということが示されております。 米だけに限った話ではないんですけれども、特に米というのは、作りやすく、そしてリスクが少なく、安定して経営しやすいという意味では非常に魅力的な作物であると思います。そういったものだからこそ作りたいという方は多いのでありますけれども、その米について、日本人の需要がなぜこれだけ減ったのかということを真剣に考えなければいけないと思っております。 日本人が一番米を食べていたのは昭和三十七年、一人当たり年間百十八・三キロ消費をしていました。簡単に言うと二俵弱です。そして、それが今どのぐらいになったかというと、平成二十七年の数字で五十四・六キロになりました。つまりは、簡単に言うと、半世紀以上前は二俵のお米を年間食べていたのが今は一俵も食べなくなったということになります。 こういった話をするとすぐに、日本人は米を食べなくなったもんなという話をされる方がたくさんいらっしゃいます。確かに、半世紀が過ぎて、一番食べていた頃に比べると、日本の食文化というのは大きく変わりました。ラーメンを食べたりパスタを食べたりピザを食べたり、そういった文化の変化というものは大きくなりますので、そういったもので食を満たすのではなくて、御飯をもっと食べようよという気持ちもよく分かります。 ただ、先ほどお話を申し上げた人口減少、人口構造の変化ということを考えれば、日本人、米を食べようよという話をしただけでは需要対策には限界があるのも事実だと私は思います。 簡単に言うと、昔は子供たちが多くてお年寄りが少なかった、それは先ほど申し上げたとおりです。今は、そのお年寄りの数が増え、子供たちの数が圧倒的に減ってきています。昔はお代わりをして、あしたから頑張ろうという子供たちがたくさんいたのに対して、今はその子供たちが本当に少なくなって、そして、お代わりしなくてももう十分だよという方が本当に増えてきました。そういった構造の中で、需要対策だけで主食用米の需給バランスを取っていこうとすると、簡単に言うと、お年寄りにも御飯をお代わりしてくださいねということも言わなければいけません。そういった意味では、これは限界があるということを私たちは認識をしなければいけないのではないかと思っております。そういった状況の中でどのようにして需給バランスを取っていくのかということを考えていかなければならないのが今なんだと思っております。 国内の需要が減ってくる中で、どのようにして供給を抑えて、そして需要に応じたバランスを取っていくのか、そして米価を安定させていくのかということは喫緊の課題でありますし、そういった国内消費、需要が減っていく中では戦略的な輸出体制を整備していかなければいけない。また、世界で戦っていける日本食を中心とした日本食文化の発信もしていかなければなりません。また、国内においては、しっかりと持続可能な農政体制を築いて、コスト削減や人材の育成といった取組を進めて次の時代にバトンを渡していかなければいけないし、家を維持するという意味では、中山間地対策というものをしっかり進めていかなければいけません。今のこの人口構造の変化等を冷静に分析をした上で、きちんとした農政転換が今求められているのだと思います。 そこで、そういった観点から幾つか御質問をさせていただきたいと思っております。 初めに、中山間地対策についてお伺いをいたします。 日本の国土の七割を占める中山間地は、傾斜地などの条件不利性とともに、人口流出や鳥獣被害など大変厳しい状況にさらされております。一方で、平野部に比べ、豊かな自然、景観、気候、風土等の条件を生かして収益力のある農業を営むことができるのも中山間地の魅力だと思います。 自民党でも、党の下で中山間地農業を元気にする委員会というものを立ち上げて、長野県の中山間地に詳しい宮下一郎先生を中心に、私も副委員長として、また、参議院でいくと山田修路先生が委員長代理、長峯誠先生が副委員長として議論に参画をさせていただき、ヒアリング等を行った上で政策を取りまとめ、昨年十二月、山本大臣に提言をさせていただきました。 そこで、この提言の受け止めと今後の取組について農林水産大臣のお考えを伺いたいと思います。
○国務大臣(山本有二君) 十二月に貴重な提言をいただきました。改めて提言を読みながら、この日本の国土の七三・四%を占める中山間地域、そこに人口は僅か一割の一一・五%しかいない。しかし、ここで私が感心したのは、農業生産産出額、農業産出額が四〇・三%あると。つまり、条件不利を不利とせずに生産に意欲的に取り組んでいらっしゃる方々が大勢いるという、この貴重な人材を応援しなくて何で日本の農政かという気がいたしました。 その意味では、私は、この日本の農政を地域政策、すなわち国土、環境の保全、あるいは文化の担い手というような観点から頑張ってほしいと思いますし、また、平地農業では農業の生産性を向上させる産業政策、両方相まって我々は駆使していく必要があるだろうというように思います。 平成二十九年度当初予算で中山間地の農業ルネッサンス事業というのを始めさせていただくことになりました。これは、都道府県が作成する計画に基づいて地域の取組を総合的、優先的に応援する施策でございます。これも、そうした頑張る人たちを応援するという意味の農業の表れだというように思っておりますので、そのきっかけをつくっていただきました中泉委員ほかの皆さんの御苦労に感謝を申し上げる次第でございます。
○中泉松司君 大変心強い御答弁をいただきまして、ありがとうございました。 私も党内議論に参加をさせていただいて、一方で、一国民の視点といいますか、そういうことはできないのかもしれませんけれども、報道を見させていただくと、最近、発信力の強い部会長でありますので、小泉部会長の下で活発な議論がされているというのは分かりますけれども、ともすれば、効率化、コスト削減、大規模化、集約化、そういった平野部に通用し、そして大規模に展開をされている農家の方々に光が当たった政策というものに報道のペースが向きがちだなということを感じさせていただいておりました。 あくまで、先ほど大臣がおっしゃったように、この日本の農政、特に国土の七割を中山間地が占めるこの日本においては、コスト削減や大規模化、集約化といった産業政策と、そして中山間地の維持、次の世代にバトンを渡していくということを考えた社会政策、その二つを車の両輪として進めていかなければいけないと考えております。そしてまた、それが、どちらの車輪が大きいということではなくて、二つの車輪がきちんとした形で歯車が回って進んでいく、そういう体制でなければ今後の日本の農政の未来というものは切り開けないと思っております。 重ねてになりますけれども、報道等を見ていますと、やはり一般の農家の方々、特に中山間地に暮らす農家の方々は、どんな新聞を見ても、最近は、じゃ、我々中山間地に暮らす人たちは切り捨てられているのかなという不安な思いを抱いているという話もよく伺います。決してそんなことはないんですよと、この間、中山間地ルネッサンス事業ということで山本農林大臣も理解を示していただいて、優先枠を設けて四百億という予算を確保して取組を進めていただくんだよという話をすると、みんなすごく喜んでいただきます。 そういった意味では、今回は、昨年の十二月の提言でありますのでなかなかしっかりとした形にできなかった面もあろうかと思いますので、優先枠としてのスタートだとは思いますけれども、そしてまた、十分にそのヒアリング等を行った方々の要望に応えられていたかどうかというと、まだまだな面も多々あると思います。実現可能なものから優先して、しっかりと取組を進めていくという必要が今後もあると思いますので、是非とも車の両輪の中山間地対策も全力を挙げて進めていただきたいと思います。 いろいろ話をしていましたら、どんどん時間がなくなってまいりました。 菅官房長官がお見えでありますので、先ほど冒頭、雪害対策について御質問をさせていただきたかったんですが、ちょっと時間が限られてまいりましたので、雪害対策について菅官房長官にお話を伺わせていただければと思っております。 というのも、菅官房長官は私と同じ秋田県出身でありまして、雪深い湯沢市で生まれ育ち、今こうして官房長官として立派に職責を務めていらっしゃいます。 先日、土日ですけれども、土曜日に湯沢市、日曜日に羽後町にお邪魔をさせていただきました。土曜日、湯沢市に伺ったのは、日本三大うどんである稲庭うどんの振興を一生懸命頑張っていらっしゃる皆さんの新年会にお邪魔をさせていただきました。菅官房長官からもお祝いのメッセージをいただいておりました。ありがとうございます。 そして、日曜日には、西馬音内盆踊りで有名な羽後町にお邪魔をしてきました。そうしたら、皆さんから菅官房長官に、あした、おらほの官房長官よろしく頼むなというふうにしっかり伝えてくれという話をいただいてきました。おらほのというのは、分からないかもしれませんけれども、私たちのという意味ですかね。私たちの官房長官、つまり、地元出身で頑張っていただいている我らの誇りの官房長官という意味だというふうに思います。ちなみに、地元のPRをせいと言われましたので、西馬音内の盆踊りのネクタイをしてまいりましたけれども、今日はそういう機会をいただいて大変光栄に思います。 今年の新年は、秋田県では本当に雪が少なくて、大変穏やかな正月を迎えることができました。これは秋田県に限らず日本全国そうであったと思います。 雪が降るかどうかというものを決める指標に、カマキリがどこに卵を産むかというのが昔からあります。これ、カマキリが高いところに卵を産むとその年は豪雪で、カマキリが低いところに卵を産むとその年は雪が少ないというふうに言われておりまして、大体当たっているのかなという感触を持っています。今年はカマキリが卵を高い位置に産んだそうですので豪雪かなということを考えていたんですが、全くそういった心配はないねというのを正月に話していたのがついこの間のことですが、その後、一月十一日からの何日間か、そしてまた一月二十三日からの何日間かと、非常に大きい大雪を経験をしています。 はしょりますけれども、一月十一日からの大雪では、四名が死亡、重傷者二十五名、軽傷者四十三名で、六十八名の方がけがをされる事態となりました。また、一月二十三日からの大雪では、現在、三名の方の死亡が確認をされ、重軽傷者合わせて三十五名の方がけがをされております。 私が暮らす秋田県でも、今シーズンという言い方をしていいのかもしれませんが、今シーズン、除雪作業中の事故で四名の方が亡くなり、重軽傷合わせ六十一名の方がけがをされています。 雪というのはきれいなものですけれども、一度にどかんと降ると本当に恐ろしいものです。私も議員をやる前に民間の清掃作業員をやっていたことがありましたが、その民間の清掃作業会社に勤めていて冬場に除雪をするときに、平成十七年から平成十八年にかけて十八年豪雪というのを経験したことがあります。朝から晩までスコップを持ってローダーの手元をやって除雪作業を手伝って、そして、その仕事が終わってから雪に埋まった自分の車を探して、雪で凸凹になってまともに走れない道を通って家に帰って、そしてまた早朝に朝起きて家の前の雪かきをして駐車場に向かって、そしてまた雪かきをしてと。家に帰ると雪で家が押し潰されそうになっている状況で、どうしようこれはというふうに、本当に雪に殺されてしまうんじゃないかという経験をしたことがあります。それだけ雪というのはきれいなものでもあり恐ろしいものでもあると思います。 きれいなものであり恐ろしいものである雪の怖さというものを十二分に知っている菅官房長官、危機管理もつかさどっておると思いますので、思いも含めて、対策に向けた決意をいただければと思っております。
○国務大臣(菅義偉君) 先ほどから中泉議員の質問を聞いておりまして、ずっと秋田のことを思い浮かべておりました。久方ぶりにカマキリの話を思い浮かべました。 とにかく、この雪国の暮らし、つらくて厳しい生活であります。実際暮らした人間でなければ、これはどんなに説明しても分からないというふうに思います。そういう中で、雪が降るたびに、高齢化、過疎化が進む中で、雪かきは大丈夫なのかなとか、あるいは集落が孤立しないようにとか、そうしたことを常に頭に入れながら生活をしているところであります。 官房長官としては、とにかく大雪の予想、そうしたものがあった場合には、関係省庁の災害警戒会議というものをいち早く開いて、とにかく情報収集の体制、さらには国民への呼びかけ、そしてまた地方自治体への注意喚起、こうしたことを先手先手に行って、まず予防に万全を尽くしていく、このことが極めて大事だというふうに思っています。 そして、これは総理の強い指示でありますけれども、政府として、こうした対策についてはできることは全てやるという、その指示の下に内閣一丸となってこうした雪害防止に万全を尽くしているところであります。 雪国で暮らす皆さんにも、これは安心をして生活することができるように、政府としてはそこはしっかり対応していきたい、このように思っています。
○中泉松司君 済みません、力強い答弁をいただきまして、ありがとうございました。 何分初めてで不慣れなもので、話しっ放しで時間がもう終わってしまいます。聞きたかったことが半分ぐらいしか聞けておりませんけれども、貴重な機会をいただきましたことに心から感謝を申し上げますとともに、何分若輩でありますので、今後とも皆様、御指導いただけますようにこの場を借りてお願い申し上げまして、質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○委員長(山本一太君) 以上で中泉松司君の質疑は終了いたしました。(拍手) 残余の質疑は明日に譲ることといたします。 次回は明三十一日午前九時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後五時七分散会