法務委員会 第8号
- 発言数
- 133 件
- 登壇者
- 26 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 2017/04/20
会議録
○委員長(秋野公造君) ただいまから法務委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日、山添拓君及び小川敏夫君が委員を辞任され、その補欠として仁比聡平君及び羽田雄一郎君が選任されました。 ─────────────
○委員長(秋野公造君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 法務及び司法行政等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房内閣参事官鳥井陽一君外十五名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(秋野公造君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(秋野公造君) 法務及び司法行政等に関する調査を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○有田芳生君 おはようございます。民進党・新緑風会の有田芳生です。 ヘイトスピーチというのは、この委員会でも何度も何度も皆さんとともに議論をしてまいりました。ヘイトスピーチをほっておけば、ヘイトクライム、犯罪に結び付きます。さらには、それがエスカレートをしてジェノサイド、皆殺しに進んでいくというのは、世界史の中でもナチズムあるいはルワンダの虐殺などでも明らかですが、同時に、この日本でも、関東大震災のときに、騒擾に絡めて朝鮮人が井戸に毒を入れたなどなどということが流布をされて、朝鮮人、中国人など、あるいは東北弁を語る日本人までもが虐殺されたという悲惨な歴史を私たちは抱えております。 その朝鮮人虐殺について、内閣府のホームページ、江戸時代以降の災害の教訓を将来に伝えるために政府の中央防災会議の専門調査会がまとめた報告書が掲載をされておりました。ところが、その関東大震災の朝鮮人虐殺についての記述なども含まれていたんですが、昨日の朝日新聞の記事によりますと、内閣府の担当者は、内容的に批判の声が多く、掲載から七年もたつので載せない決定をしたと説明、さらには、内閣府によると、なぜこんな内容が載っているんだとの苦情が多く、四月以降のホームページの改修に合わせて削除をする、全ての報告書の掲載を取りやめることにしたという、担当部局内での判断だという記事が出ておりますが、内閣府としてはそういう認識でよろしいんでしょうか。
○政府参考人(緒方俊則君) お答えいたします。 平成十五年度から平成二十二年度にかけまして、中央防災会議災害教訓の継承に関する専門調査会を開催いたしまして、過去の二十四災害につきまして報告書を作成いたしました。御指摘の報道されました記述の箇所につきましては、その報告書の中の一部でございます。 現在、内閣府の防災情報ホームページを刷新中でございまして、技術的な理由から様々なコンテンツが閲覧できなくなっておりまして、このことはホームページ上でも告知をいたしております。決して意図的に削除いたしたものではございません。 現在、ホームページの刷新作業が進行中でございまして、当該調査会の報告書につきましても、本日中に御指摘の記述も含めまして閲覧できるようになっていく見込みでございます。
○有田芳生君 ということは、昨日の朝日新聞のこの記事内容については、私、この新聞関係者にも話を聞きましたけれども、担当者がそのような、先ほどのような発言をしたというのは、何らかの誤解があったという理解でよろしいですか。
○政府参考人(緒方俊則君) 誤解かどうかは分かりませんけれども、そういったような発言はやっていないということでございます。発言はやっていないということでございます。
○有田芳生君 発言はしているんですが、水掛け論になりますからやめておきます。とにかく、もう一度掲載されるという方向だということを確認したいというふうに思います。 しかし、リニューアルだというんだったら、例えばホームページ上に、指定されたページ又はファイルは存在しませんと、こういう表示になっていたんですよ。リニューアルだったらそういう表示をしておくべきだったと思いますが、そう思われませんか。
○政府参考人(緒方俊則君) 表現上分かりやすい表現という観点があろうかと思います。御指摘を踏まえまして今後検討していきたいと思います。
○有田芳生君 一刻も早くこういう歴史的な資料については再び国民が見ることができるように、是非ともお願いをいたします。 次に、ヘイトスピーチと拉致問題についてお聞きをしたいというふうに思います。 今度の日曜日、全国一斉に拉致被害者全員奪還という行動が行われる予定になっております。京都、東京の新宿あるいは広島などで準備をされておりますけれども、昨年の四月十七日も岡山で当時の在特会会長が拉致問題を解決するということで公園で集会をやり、デモを行いました。横田めぐみさんの写真が掲げられておりました。私はそれに抗議に行って、横田滋さん、早紀江さんは、あのようなヘイトスピーチがまき散らされるようなデモの中でめぐみの写真を使わないでほしいと、そういうことを何度も何度も彼らに伝えたところ、デモの途中でその写真を掲げることをやめました。 まず、こういった拉致問題解決という形でヘイトスピーチが行われる右派系市民グループのデモ、これについて、公安調査庁、どのように現状を把握して、その中身について認識されていますでしょうか、お願いします。
○政府参考人(杉山治樹君) お答えいたします。 昨年の四月十七日、御指摘のように岡山でデモが行われまして、その際、排外主義的な主張を掲げて活動しているグループが差別的言動として問題視されるような言動を行っていたと承知しております。 本年四月二十三日にもそのような催しが計画されているということは承知しておりまして、公安調査庁として関心を持って見ているところでございます。
○有田芳生君 国民が反対できない拉致問題の解決というテーマを持って、実際にはひどいヘイトスピーチが今でも繰り返し行われ、今度の日曜日も行われようとしているのが今の日本の現実なんです。 京都のデモについては、主催当事者がこの数日間でデモを中止いたしました。これは、京都府警との交渉の中で、京都府警が、三条河原町をデモ行進をするときに、やはり商店街などから批判が出る、ああいうところでやるべきでないということをちゃんと指導をしてくださって、結果的には、主催者側はマイクを一台使う予定だったんだけれども、それ以上使わせてくれということに対して京都府警は駄目だという交渉をする中で、その主催者は諦めました。この主催者というのは、二〇〇九年から三度にわたって行われた京都朝鮮第一初級学校襲撃事件で実刑判決を受けた人物ですけれども、その彼が再び出てきて、相変わらずヘイトスピーチをやろうとしていた。 警察庁にお尋ねをいたしますけれども、右派系市民グループが、拉致問題であっても、そういうデモをやろうとしたときに、交渉の中でどんな注意事項を主催者側に伝えているんでしょうか、お答えください。
○政府参考人(白川靖浩君) お答え申し上げます。 警察におきましては、デモ等の許可申請がなされた場合、いわゆる公安条例であれば公共の安寧の保持、道路交通法であれば交通の安全と円滑を図る観点から当該申請内容を確認しており、また、必要に応じて主催者等に対し指導を行っているところでございます。 一般論ではございますけれども、警察におきましては、いわゆるヘイトスピーチ解消法の趣旨を踏まえまして、デモ等の許可申請がなされた際には、必要に応じまして同法の趣旨等について説明するとともに、参加者に対して周知するよう促す、あるいは違法行為の防止、関係者の安全確保、交通の円滑の確保等について事前に指導を行うよう努めているところでもございます。
○有田芳生君 ヘイトスピーチいわゆる解消法ができる前は、京都の祇園の辺りから四条河原町、一番通行人も多く、観光客も多く、外国人もいっぱいいらっしゃるところでとんでもないデモが行われて、多くの人たちが反対行動に参加をしました。 今回、同じようなことをやろうとしたこの常習ヘイトスピーチ発言者が諦めざるを得なかったような、そういう京都府警の対応をしてくださったというのは大きな解消法以降の前進だろうというふうに思っておりますので、そういった対応をこれからも全国に広げていっていただきたいというふうに思います。 とにかく、拉致ということを口にすれば誰も止めることはできないだろうということなんですが、横田滋さん、早紀江さんは、「めぐみへの遺言」という本の中でも、そういうことはやめてほしいと。私にも何度も何度も、例えば滋さんは、在特会、あれは駄目ですよというようなこともおっしゃっていたように、拉致問題を利用してヘイトスピーチがまき散らされるようなことについては厳しい対応を取っていただきたいということを強調しておきたいというふうに思います。 次に、時間も限られておりますので、人権擁護局長にお聞きをいたします。 前回時間がなくて質問することができませんでしたけれども、今でも行われているヘイトスピーチのデモについて、これは解消法ができる前から法務省が作った「ヘイトスピーチ、許さない。」というポスターを改ざんをしている。資料をお配りしましたけれども、「ヘイトスピーチ、許さない。」というスローガンに対して、「日本人へのヘイトスピーチ、許さない。」。例えば、四月九日、中野でこれが使われ、あるいはその中野の後で新宿でも、デモの中でこのプラカードは使われておりましたけれども、擁護局長、こういう改ざんについてどういう対応を取られているんでしょうか。
○政府参考人(萩本修君) 委員から御指摘がありましたとおり、法務省作成の「ヘイトスピーチ、許さない。」というポスターの文言を「日本人へのヘイトスピーチ、許さない。」と改変するなど、そのポスターを改変したものがインターネット上などに散見されることは認識しておりまして、大変遺憾であると考えております。 人権擁護局におきましては、法務省ウエブサイトなどで掲載しているそのポスターにつきましては、従前から一切改変せずに使用していただくようにお願いしているところでございます。今後とも、改変することがないように発信していくとともに、改変されたことを認知した場合には事案に応じて適切に対処していきたいと考えております。
○有田芳生君 事案に応じて適切に対処していくというのは、具体的にどう対処されるんですか。 もう時間も限られているので、お願いなんですけれども、土日にヘイトスピーチの集会、デモが行われることが多いんですが、この間も川崎で多くの反対する人たちが集いましたけれども、やはりこれは、「日本人へのヘイトスピーチ、許さない。」というようなポスターが掲げられる可能性があるというのは大体事前に察知できるんですよ。だから、土日だから大変なんでしょうけど、そういうところに法務局の職員の方々が出向いていっていただいて、そういうものを見付けたら、駄目ですよと、そういう具体的な行動を取らないと、やはり常習的な人たちというのは変わらないと思うんですが、いかがでしょうか。
○政府参考人(萩本修君) 例えばですが、比較的最近、法務省からそのポスターの内容につきまして使用改変について許可を受け公認されたと称して、ツイッター上にその改変したポスターを配布するという事案が発生しました。その事案におきましては、その事実を把握した直後に、法務省としてポスターの改変を許可したこともなければ公認したこともない旨、人権擁護局の公式ツイッターにおいて情報発信を行い、その結果、その改変したポスターの画像は削除されたことを確認しております。 そのように、事案に応じて今後とも適切に対処してまいりたいと考えております。
○有田芳生君 ネット上でそういうことが、成果があったというのは前進だと思いますが、デモの中で使われているときにこれはどうしようもないですよね。だから、現場に足を運ぶという行動が必要だと思うんですよ。 前任の人権擁護局長などは土曜日、日曜日を使ってやはり現場に行かれていた。だから、局長に行ってくれというんじゃないけれども、やはり代わりばんこでもいいから法務局の方々が現場に行って、例えば京都でそういうことが行われるようなときに、掲げたらそこで注意をするという、そういう果敢な行動というのは必要じゃないでしょうか。
○政府参考人(萩本修君) 改変の防止につきましては、その時々の状況に応じて最も効果的と考えられる方法により対応していきたいと考えております。
○有田芳生君 駄目なんですよ、彼らは。前も言いましたけれども、勧告を受けたって、インターネット上で映像で、こんなの来ましたよと、桜井誠前在特会会長なんかは、にやにやとして、びりびりと破いて、皆さんが勧告したものを破いたりするわけでしょう。そういう人たちなんですよ。勧告の権威なくなるじゃないですか。 だから、もっとこういう現実を踏まえて前向きに取り組むべきだというふうに思いますが、一言、いかがでしょうか。
○政府参考人(萩本修君) 相手方が誰かにもよりますけれども、事案に応じて適切に対処してまいりたいと考えております。
○有田芳生君 適切に対処できていないから言っているんです。時間がありますから次に行きます。 前回、局長に解消法以降どういう成果がありましたか具体的にお示しくださいと言いました。ところが、私がその質問をした後になって、法務省の方が「私たちの身近にあるヘイトスピーチ」というパンフレットを作っていらっしゃるということを知ってびっくりした、知らなかった。恐らく皆さん方も知らなかったと思います。 今、資料に添付をしましたけれども、非常にかわいらしい、分かりやすいかなというような、こういうパンフレットができました。だけど、積極的に評価をしたいんですが、やはり問題点を幾つか指摘をしなければいけないというふうに思います。 例えば、この立派なパンフレットの中で、人種差別撤廃条約あるいはそういった言葉が全く出てこない、あるいは、被害者の思いも出てこない。あるいは、QアンドAで「ヘイトスピーチって何」とありますけれども、「ヘイトスピーチに明確な定義はありませんが、」と、「ヘイトスピーチに当たると言われています。」と。何か人ごとのように聞こえるQアンドAになっているんですが。 私たちは、皆さんと一緒にヘイトスピーチ解消法を作ったじゃないですか。そのとき、ヘイトスピーチ解消法の第二条には明確な定義置いてありますよね。どうしてそういうものがこのパンフレットにはないんだろうかと思います。あるいは、このパンフレットの中には、法務省のやった被害実態調査の内容もありません。あるいは、クエスチョン3の「ヘイトスピーチをなくすために、私たちにできることは」というところでも、ヘイトスピーチ解消法の三条の半分しか説明されておらず、肝腎な差別的言動のない社会の実現に寄与するように努めなければならないという後半部分が、意図的なのかどうか分からないけれども、削られている。これでは、本当に国民に解消法の精神というのは伝わるんでしょうか。 このパンフレットが作られた経過、どのぐらいの準備で、あるいは専門家の相談を受けたのか、予算は幾らだったのか、部数はどれだけだったのか、是非ともお答えください。
○政府参考人(萩本修君) 法務省におきましては、昨年のヘイトスピーチの解消に向けた法律の成立、施行を受けまして、様々な啓発活動を検討し、実際に実施してきたところでございます。 その一環としまして、ヘイトスピーチの解消に向けて国民の理解を深めることを目的とした一般向けの分かりやすいパンフレットを作成することが適当であろうと考えまして、昨年のその法律の施行後、比較的早い段階からその作成に着手したところでございます。 そのことは、これまで、ヘイトスピーチの解消に向けた取組についてというタイトルでこれまでに実施した取組、それから今後実施する取組という一枚紙のペーパーを作りまして、議員各位に御説明に上がったことがあろうかと思いますが、その中にも早い段階から掲げていたものでございます。 この御紹介いただきましたリーフレットですけれども、そのような検討を経まして今年の三月に完成しましたので、四月に公表すると同時に法務省のウエブサイト上でも公開したものでございます。また、これまでに五万五千部作成し、既に全国の法務局、地方法務局に配付しております。費用としましては、約百五十万ほど掛かったものでございます。今後、法務省の人権擁護機関が行う啓発活動の中で使用していきまして、ヘイトスピーチの解消に向けた国民の理解を深めることに役立てていきたいと考えております。 内容につきましては、この冊子に限りませんけれども、啓発資料を作成するに当たりましては、その対象者あるいはその目的等に照らしてその都度内容を検討しております。この冊子につきましては、何よりも多くの方に手に取ってもらうことを主眼としまして、そのようなコンセプトの下で、漫画という親しみやすい表現を採用するとともに、文字数などは極力減らし、分かりやすい内容とすることを優先させたものでございます。
○有田芳生君 今後とも、こういうものを作っていただきたいというふうに思います。 ただ、やはり監修などを専門家から受けるということも必要だと思いますが、そういうことを含めて、第二弾、第三弾というものをお作りになっていく御予定はありますでしょうか。
○政府参考人(萩本修君) 法務省におきましては、こうした啓発冊子の作成、配布以外にも様々な啓発活動を実施しているところでございます。 今後の取組につきましては、これまで行ってまいりましたそうした取組の状況を踏まえ、また、限られた予算の中でいかなる手法を取るのが最も効果的かといった点も考慮しながら適切に考えてまいりたいと思います。
○有田芳生君 最後に一点だけ。 先ほど法務省のホームページでもというお話がありましたけれども、この法務省のホームページを見ても、すばらしいとあえて言いますけれども、このパンフレットができたということを、どこを探しても見えないんですよね。前回と同じように工夫していただけないでしょうか、せっかく作られたんですから。ホームページ見たって、出てこない、表紙も出てこない。いかがでしょうか、改善していただけませんか。
○政府参考人(萩本修君) 先日もこの場で御答弁いたしましたが、ウエブサイトの内容につきましては、利用者の視点、利用者の目線に立って少しでも利用しやすいものとなるように工夫、改善を重ねていくべきものと日頃から考えております。 御指摘の点につきまして、啓発冊子という文字では既にウエブサイトに掲げているわけですが、確かに余り目立ちませんので、より目に留まるようにするにはどうしたらいいか、工夫してまいりたいと考えます。
○有田芳生君 余り目立たないではなくて全然目立ちませんので、是非改善をお願いしたいということで、時間が来ましたので質問を終わります。
○真山勇一君 民進党・新緑風会の真山勇一です。 今日は、捜査をめぐる問題についてちょっとお伺いしたいというふうに思います。その中でも、特に話のやり取りを傍受するという問題、これについて伺いたいと考えております。 傍受ということになりますと、大きく私たちが理解しているのは、一つは通信傍受、メール、携帯、LINEも含まれるということですけれども、こうしたものの通信傍受と、もう一つは実際の会話ですね、その場で集まって話をしているその会話を傍受する。分かりやすい言葉でいうと盗聴ということになるわけですね、脇で聞くわけですから、盗聴という言い方もあるわけです。 今日は、その会話傍受の方について伺いたいと思います。 まず、現在、犯罪の捜査に当たって会話傍受というのは行われていますか。まず、それをお伺いいたしたいと思います。
○政府参考人(高木勇人君) 警察といたしましては、会話傍受と言われる捜査は実施をしていないところでございます。
○真山勇一君 会話傍受は実施をしていない、明確に今お答えいただきました。していない。 さあ、それでは、導入を検討されたことはありますか。
○政府参考人(林眞琴君) 制度の話ですので私からお答えいたしますが、この会話傍受に関しましては、平成二十三年五月に発せられた法制審議会に諮問がなされて、新時代の刑事司法制度特別部会というものが設置されました。その際に、他の多くの捜査、公判に関する制度とともに、会話傍受の導入についても議論はなされました。 その結果、二十六年九月、審議会の答申で新たな刑事司法制度の構築についての調査審議の結果という文書が取りまとめられましたが、その中に会話傍受に関する記載がございまして、ここにおきましては、一つにおいて、会話傍受は、振り込め詐欺や暴力団犯罪の捜査、薬物・銃器犯罪の捜査の際に必要であって、理論的にも制度化は可能であるという意見がある一方で、個人のプライバシーを侵害する危険性が大きく、場面を限ったとしてもなお捜査手法として認めるべきではないとして制度化自体に反対する意見があったと、この二つの意見をその記載の中で紹介するとともに、この問題については今後の課題という形として、必要に応じて更に検討を行うことが考えられると、こういったことに整理されたものと承知しております。
○真山勇一君 法制審議会の特別部会で取り上げられていたということですね。 今、見送った理由も伺ったんですけれども、このときにやっぱり一緒に当然通信傍受というのも取り上げられていたと思うんですが、こっちは結局、去年の刑事訴訟法改正案で盗聴法改正ということで、捜査の一つとしてでき上がったわけですね。今、刑事局長の答弁ですと、会話の傍受の方はまだちょっと検討する、すべきであるということで見送られているということですね。 そうすると、法律は今ありません、ない、取り締まる法律はないというふうに解釈してよろしいですか。
○政府参考人(林眞琴君) 会話傍受を強制処分だと考えた場合に、その強制処分を実現する法律、根拠となる法律がないということでございます。
○真山勇一君 ない。会話傍受もやっていないというお答えでした。それから、制度としてもまだない。ですから、通信傍受はもうはっきりと法律もある、でも会話傍受は今のところない。 そうなると、私、テレビの出身で、テレビの番組でよくありますね、最近、いろんなことで何か盗聴器を室内に仕掛けられているんじゃないかということで、見付ける電波を出すアンテナを使って盗聴器が室内に仕掛けられているかどうかということを調べる、調査する、発見する会社も民間の会社ですけどあるようで、そういう番組も取り上げられています。そして、その中では結構そういうものが仕掛けられている。例えば、とっても今性能が良くなっているから、ちっちゃい、コンセントの中に入ってしまっていたり、あるいはテーブルの下に本当に分からないところに付いているというようなことがあるという、現実にそういう問題は起きています。 そうすると、現在、会話傍受ということは起こっている、やられている。これについて違法か違法でないかということをちょっとお伺いしていきたいと思うんです、具体的にですね。法律は、取り締まる法律はないということだったんですけれども、実際に現実の世界、社会では会話の傍受が行われている。 ちょっと具体的にお伺いしたいんですが、まず一つ目、超指向性のマイクですね。今、マイク良くなっていまして、離れたところでも指向性の強いマイクを使えば遠い会話が聞こえるということなんですね。そういう超指向性の強いマイクなどの機器を使って屋内じゃなくて屋外から会話を傍受する、これは認められるのか認められないのか、違法か違法でないのでしょうか。
○政府参考人(林眞琴君) 委員の御指摘が、捜査機関が捜査としてそのような超高性能の指向性マイクで例えば屋外から屋内の会話を傍受すると、これが違法かどうかとか、それとは異なり、主体が普通の私人が、私人が他人の家に向かってそういうことをした場合に違法かどうかと、そのどちらかということが前提になるんですけれども、その前者の方で、私どもとしては刑事訴訟法を所管しておりますので、前者の方の捜査機関がそのような捜査を行った場合、それが刑事訴訟法上合法なのかどうかということについてお答えいたしますけれども、それにつきましては、やはりどういった高性能のもので会話を傍受するかということが、一概に、具体的な態様は明らかではございませんけれども、判例におきましては、やはり捜査の処分の中で強制処分というものの定義がございまして、これが、個人の意思を制圧し、身体、住居、財産等に制約を加えて強制的に捜査目的を実現する行為など、特別の根拠規定がなければ許容することが相当でない手段を意味すると、こうされております。 御指摘のような捜査手法というものについてはやはり強制処分というものに該当すると考えられますので、任意処分、任意捜査とか、そういう形ではできないと考えております。
○真山勇一君 じゃ、時間がないので先へ行きたいんですけれども、いわゆる先ほど私がお話しした盗聴器などですね、そうしたものの機器を室内に、屋内に設置して、そして会話を傍受するというケースはいかがですか。
○政府参考人(林眞琴君) さらに、今のような御指摘、盗聴器などを屋内に設置するというのは、これが恐らく法制審議会の中でも一番議論の対象となったような態様の会話傍受だと思いますけど、これ自体、法制審議会においても、これは強制処分であるということで、強制処分の根拠規定がなければできないという前提で議論がなされておりました。それを今後、法制度をどうするのかということが法制審議会でも議論されて、それについては両論あり、今後の課題であると、こういうふうに整理されたと理解しております。
○真山勇一君 非常に丁寧に説明していただいて有り難いんですけれども、あと二つほどお伺いしたいんです。 次に、他人のスマホあるいはパソコン、これを遠隔操作、いわゆるハッキングということだと思うんですが、そのようなハッキングして会話を傍受するということはいかがでしょうか。
○政府参考人(林眞琴君) これについても、現在、そのような捜査を許容する法的な根拠になるものはないと考えております。
○真山勇一君 そして、もう一つ伺いたいです。潜入による録音などでの会話傍受ということもできると思うんですね。例えば、集会に紛れて、小型の高性能の録音機をポケットに入れて、そして会話をしている近くに行って会話を録音、傍受するということですね。それから、あるいは、やっぱりサラリーマンの私たち、普通のサラリーマンですと飲み屋さんへ行きますね。飲み屋さんで話をしているその席で、すぐ隣の席へ座って会話を傍聴する。あるいは、公の場所ですね、例えば公園のベンチ、座っている人の横に座ってその会話を傍受、盗聴するというようなケース、これはいかがでしょうか。
○政府参考人(林眞琴君) 今委員、潜入による録音などでの会話傍受ということで様々なケースを挙げられましたが、これなかなかその具体的な態様において一概にお答えできない部分があると思います。会話といいましても、オープンスペースでほかの人にも聞こえるような形での会話、これを録音した場合はどうなのか、あるいは、幾らオープンスペースだとしてもほかの人には聞こえないような形での会話だったらどうなのかと、そういった形での具体的な態様によってなかなか判断、一概にお答えすることは困難であろうかと思います。
○真山勇一君 今局長からお答えいただいたのは捜査上の方の観点からお答えいただいたと思うんですが、先ほど冒頭で、最初の方で説明ありましたように、そうじゃなくて、捜査じゃなくて、民間の人がやっぱり最近こういう傍受、会話の傍受あるいは通信傍受みたいなのがやるケースがあるんですが、そういう場合は違法なんでしょうか、それとも違法ではないんでしょうか。
○政府参考人(林眞琴君) 刑事の場合として、私人のそのような行為がどのような犯罪に当たるのかということで考えれば、例えばその盗聴器を設置するために住居に侵入するとか、そういったことが犯罪に当たる、そういう形でその行為が違法とされるということはあろうかと思います。
○真山勇一君 ちょっと様々なケースがあるのでやっぱりそれは難しい面もあると思うんですけれども、やはり今の社会においては非常にいわゆるハードの部分の機材がもう日進月歩でどんどん進んでいる。今まで不可能かなと思っていたことができるような、そういう高性能の例えばマイクとか録音機とか、そういうのができるので、捜査上もこういうものを使おうと思えば使えるかもしれないけれども、素人でもそういうものを手に入れて使うことができるということなので、この辺の辺りというのはやはり法制審議会でそういう審議もしておられるようで、通信傍受の方は大分現状に合ったものに少しずつ変えられた部分もあるというふうに思うんですけれども、こうした部分がちょっとまだ非常に曖昧な部分もあるんではないか。逆に言うと、曖昧だからこそどういうふうに使われるのかなという不安というのはあると思うんですね。お互いに、先ほどありましたように、やっぱりプライバシーの問題とか、聞かれてほしくないことは聞かれないようにするかもしれないけど、うっかり聞こえてしまうということもあるわけで、そうしたことから、プライバシーの侵害とか人権問題とか、そういうことが起きるんじゃないかと思うんですが。 ただ、そうはいっても、法制審議会でこうやって一回会話の傍受ということが取り上げられたということは、どうなんでしょうか、捜査の面から見ますと、今お話、局長から伺いましたが、会話の傍受というのは捜査上の一つの捜査手法としては、もし認められるようなことになれば、これは有効なものなんでしょうか。
○政府参考人(高木勇人君) 先ほどの法務省の御答弁と若干重複するところがございますけれども、法制審議会におきまして、会話傍受につきましては、振り込め詐欺や暴力団犯罪の捜査あるいはコントロールドデリバリーの手法による薬物・銃器犯罪の捜査の際に、共謀状況や犯意に関する証拠を収集する上で、こういったものに限って導入することは検討の余地があるのではないかといった議論がなされた一方で、通信傍受以上に個人のプライバシーを侵害する危険が大きいなどとして制度化自体に反対する意見があり、結果として法整備を行うべき要綱への盛り込みは見送られたものというふうに承知をしております。
○真山勇一君 法制審にそういうふうにテーマとしてかけられているということは、やはり捜査をする上で有効というか、有力な一つの手法になるのかなという、そうしたことがあると思いますのでこうした法制審にもかけられて議論をしているんじゃないかというふうに思うわけですね。やっぱり気になるのは、今のところ法律がないということ、それから、ある意味効果の有効なものであるというふうなことでございます。捜査上、それから捜査の手段としては今後もまだ検討するということなわけです。 やっぱりとても心配なことは、今、組織犯罪処罰法、いわゆる共謀罪審議が始まっておりますけれども、やはりそういう中で、例えばLINEもその捜査の対象になる、監視の対象になるということを言われているわけですね。今こうやって取り締まる直接法律がないとすると、やっぱりこうした会話傍受もいわゆる共謀罪の中に捜査の一つの手法として導入されるのではないかという、そういう懸念、心配も当然考えられるわけなんです。その辺り、導入するということ、通信傍受はもうこれ共謀罪の捜査上使うというふうにおっしゃっているわけですから、この会話傍受の方についてはどうなのか、その辺りはちょっと金田大臣からお伺いしたいと思います。
○国務大臣(金田勝年君) ただいま真山委員から御質問がございました点にお答えをいたしますが、テロ等準備罪の新設を含むテロ等準備罪処罰法案が成立した後にというお話なんだろうと思いますが、そういう場合に会話傍受を導入することは予定しているのかという質問だろうというふうに受け止めました。その場合に会話傍受を導入することは予定しておりません。
○真山勇一君 成立した後、会話傍受ということは、導入することは予定していない、いないということですね。ただ、そういうふうにはっきりおっしゃっていただけるのは分かるんですが、一つ、この国際的な組織犯罪の防止に関する国際連合条約、いわゆるTOC条約、この中の第二十条、第二十条に特別な捜査方法というのがあるんですね。これ、措置をやってほしいというような、多分承認する国には求めているんだと思います。 四行ほどなのでちょっと読ませていただきたいんですが、第二十条、特別な捜査方法。一、締約国は、自国の国内法制の基本原則によって認められる場合には、組織犯罪と有効的に戦うために、自国の権限のある当局による自国の領域内における監視付移転の適当な利用及び適当と認める場合には電子的その他の形態の監視、潜入して行う捜査などの特別な捜査方法の利用ができるように、可能な範囲内で、かつ、自国の国内法により定められる条件の下で、必要な措置をとると書いてあるんですね。 法律が成立しても室内傍受は取らないというふうに今大臣はっきりおっしゃいましたけれども、この条約の中には、その措置をとれ、とれというふうに命令はしていないですけど、そういう特別な捜査方法を明記しているわけですね。これは、こういうふうになっていてもやらないというふうに確約をしていただけるんですね。大臣にお願いしたいと思います。
○国務大臣(金田勝年君) ただいまのTOC条約、これについては外務省の方が所管だとは思いますが、TOC条約第二十条は、会話傍受の導入を義務付けるものではないと、このように受け止めております。
○真山勇一君 義務付けているものではなくても、やっぱり、よく言われているように、時間がないので手短にまとめますが、この条約でテロのことが求められていないにもかかわらず、今回のこちらの法整備はテロだというふうにおっしゃっているわけですから、求められていなくても、こういうふうに書いてあれば、もしかしたらこういうことも成立後は採用されることがあるんじゃないかという懸念があります。時間がなくなりましたので、懸念があります、また機会を見てこの後の話はやりたいと思います。 ありがとうございました。
○佐々木さやか君 公明党の佐々木さやかです。よろしくお願いいたします。 今日は、再犯防止と刑務所における高齢化などの問題について取り上げたいと思います。 再犯防止、法務省も力を入れて取り組んでいただいているところであります。また、再犯防止推進法、これが昨年の十二月に成立をして施行もされております。 この再犯防止においては、就労と住居の確保ということが非常に重要でございまして、例えば有職者、無職者別の再犯率を見ましても、有職者に比べると無職者の方が再犯率が相当程度高いというデータもございます。また、住居の確保についても同様でございまして、やはり帰住先がきちんと確保された上で刑務所から出所をするということが再犯の防止にとって重要であるというふうに思っております。 再犯防止推進法が成立をいたしまして、政府の方でこの推進計画を定めるということになっていると思います。これについてもいろいろと議論をしていただいていると思いますけれども、この就労と住居の確保に関してはどのように取り組んでいくのか、議論の状況について伺いたいと思います。
○政府参考人(高嶋智光君) お答えいたします。 御指摘のとおり、昨年の十二月、再犯の防止等の推進に関する法律が施行されましたが、この法律では、法務大臣が再犯防止推進計画の案を作成しまして、閣議の決定を得るということになっております。 計画案の作成に向けた検討を行うために、今年二月に法務省内に、法務副大臣を議長とし、関係行政機関や有識者の方々をメンバーとする再犯防止推進計画等検討会を設置いたしました。この検討会におきまして、既に二回ほど会議を行っておりますが、検討会を行っておりますが、就労、住居の確保、保健医療、福祉サービスの利用促進、就学支援、民間ボランティアの活動の促進、地方公共団体における推進体制の整備といったテーマを設けまして、そのテーマ別に再犯防止を取り巻く様々な課題につきまして幅広く活発に議論し、検討を進めているところでございます。 御質問の就労、住居の確保という点でございますが、これにつきましては、今年三月に開催された第二回検討会において議論が行われ、職業訓練の充実、就職後の職場定着等のための息の長い支援が必要であること、こういったことや、協力雇用主や更生保護施設等の民間協力者の活動を一層支援していくことが重要であるといった意見が出されたところであります。 再犯防止推進法が施行されてから一年になります今年十二月中には推進計画が取りまとめられるよう、鋭意検討を進めてまいりたいと考えております。
○佐々木さやか君 この就労と住居の確保、先ほども申し上げたように非常に重要であります。検討していただいているということでありますけれども、例えば更生保護施設なども今、施設にもよるとは思うんですけれども、なかなかその施設を出た先の継続的な、更生保護施設というのは一時的な入所でありますので、その先の住むところがなかなか決まらなくて施設を出れなくて、次の人を受け入れたくても受け入れられないとか、そういった課題もありますし、たくさん課題があるところですので、是非十分に検討いただきたいと思います。 この再犯防止については、受刑者の高齢化という問題も非常に密接に絡んでまいります。医療とか、また介護という問題も出てきておりまして、それについて、まず矯正医官の確保状況を伺いたいと思いますけれども、この矯正医官の確保という点についても、平成二十七年の八月に矯正医官の兼業及び勤務時間の特例等に関する法律、これも成立をしているところであります。その後の確保状況等について教えていただきたいと思います。
○政府参考人(富山聡君) お答えいたします。 お尋ねの矯正医官の特例法、平成二十七年十二月一日で施行されておりますが、その十二月一日現在では矯正医官が二百五十三名在籍をしておりました。本年の四月一日現在につきましては、矯正医官が二百七十五名ということで二十二名増となっております。 この医官特例法を作っていただきましたことで、医師の減少傾向に歯止めが掛かり増加に転じましたし、また長年医師が不在であった施設に常勤の医師が採用されるなど、改善の兆しが見えてきているというふうには考えております。やはり、この法律によりまして、兼業が広く認められるようになったこと、またフレックスタイム制によって柔軟な勤務時間を設定することが可能となったこと、こういった点が大きく寄与しているのではないかと考えております。 しかしながら、今申し上げました二百七十五人という四月一日現在の医師の現在員ですが、定員三百二十八名から見ますと充足率は八四%ということで、依然として医師の継続的、安定的な確保は私どもの喫緊の課題となっているというところには変わりはございません。 当局におきましては、広報用のビデオ、ホームページを制作するなど広報啓発活動を積極的に実施しているところでございます。そのほか、日本医師会を始めとする医療関係団体への説明、陳情、関係省庁や関係団体への説明、陳情なども行っておりますし、また、全国で開催されます各種の医学会や医師募集の説明会などにブースを設置して矯正医療についての説明をする、また矯正管区長とあるいは現場に勤務する医師が大学の医学部に出向きまして矯正医療に関する講演や講義を行うと、様々な形でこの広報啓発を行ってきているところでございます。 今後とも、引き続き、医師確保のために必要な取組を鋭意進めていきたいと、このように考えております。
○佐々木さやか君 この矯正医官の確保、引き続き取り組んでいただくとともに、現状不足しているということもあるわけですので、矯正医官がいない場合でも、どうやって医療の体制を確保するかというところもいろいろと知恵を絞って、引き続き体制の整備に取り組んでいただきたいと思います。 この医療の問題というのも、やはり受刑者の高齢化ということとも関係をして、一五年末の段階で受刑者の六割以上に何らかの疾患があるというようなデータもあるところであります。 この高齢化に伴って、医療に加えて介護という問題も出てきております。そこで、刑務所の現在の高齢化率の状況ですとか、それから身体が不自由になった受刑者に対する処遇における課題、また取組、こういったところをお聞きしたいと思います。
○政府参考人(富山聡君) お答えいたします。 高齢受刑者は、私どもの統計では六十歳以上ということで取らせていただいておるのですが、平成十七年の年末、この六十歳以上の高齢受刑者が全受刑者に占める割合というのは一一・六%でございました。それが平成二十七年の年末には一八・五%となっておりまして、この十年間でこの数字は毎年確実に上昇をしているということになっております。 やはりこの高齢の受刑者に対する処遇をどのようにしていくかというのが大変重要な課題となってきております。この高齢受刑者の処遇を行う上で配慮している事項といたしましては、例えば高血圧や糖尿病などの生活習慣病への罹患など身体的な問題を抱えている者も多いため、必要に応じて刑務作業の時間を通常の受刑者と比べて若干短くするといったような配慮をしたり、作業の内容を比較的軽度のものにするというような配慮をしたり、また食事につきましても柔らかく調理したものを給与する、あるいはいわゆる刻み食といったものを給与するといったような配慮を行っております。 また、高齢受刑者が社会復帰に向けての必要な支援、指導を在所中から行っていくことが大変重要でございますので、福祉関係機関の御協力を得ながら、健康管理の重要性あるいは社会福祉に関する制度などを理解させるための指導を行っているほか、さらに認知症に罹患している者、あるいは認知能力の低下がうかがわれる者に対しては、この認知症の進行をできるだけ遅らせるために、可能な限り他の受刑者と集団で作業を行う機会を設けた上で、身体機能の維持のために軽い運動を行わせたり、また認知機能の維持のために簡単な計算問題を行わせるなどの高齢受刑者に特化した処遇なども行っているところでございます。 また、加えて、日常生活に介助が必要であり、そもそも作業を実施すること自体が困難な受刑者もおります。こうした受刑者につきましては、病気の者を収容する居室棟に収容をしたり、あるいは病状によっては医療刑務所に収容して医療措置を講じるといったような対応もしております。 今後もこうした取組をいたしまして、高齢受刑者に対して適切な処遇を充実させ、再犯防止や社会復帰支援により一層努めてまいりたいと考えております。
○佐々木さやか君 今御説明していただきましたように、刑務所での処遇、具体的に今いろんな工夫をしていただいているところであります。刑務官の皆さんも、やはりそういう高齢受刑者に対する介助だったりとか、いろいろな配慮ということも刑務官の皆さんが担っていただいていて、これまでとはまた違う仕事とかスキルとかも身に付けていただかなきゃいけないと、こういう状況にあると思います。 そうした形で今まではやっていただいているわけですけれども、やはり限界もあるということで、刑務所への介護専門スタッフ、これを配置するための予算を今年度の予算で確保しているというふうに聞いております。そこで、その介護専門スタッフの配置、どのように行っていくのか、お聞きしたいと思います。
○政府参考人(富山聡君) お答えいたします。 先ほども御説明いたしましたとおり、刑事施設においては認知能力や身体機能が低下している高齢受刑者が相当数おりまして、これらの者に対しては従来から必要に応じて職員などが食事や入浴等の日常生活の介助を行うなどしていたところなんですが、このような対応は刑務官の日常の業務負担を増加させる要因となっている、また専門的な介護の知識を必ずしも持っていない刑務官にこうした業務を行わせるということも決して好ましい状況とは言い難いというふうに考えております。 こうした事情を踏まえまして、高齢受刑者の介護の体制の充実強化を図るために、本年度の予算におきまして、高齢受刑者の占める割合が高い刑事施設を中心に介護専門スタッフを配置することといたしました。具体的には、医療刑務所四庁、又は医療刑務所に準ずる施設として、医療機器や医療関係職員を重点的に配置している医療重点施設と呼んでいる施設が全国に八庁ございます、この八庁、さらに、これに加えまして、高齢の受刑者が収容人員の二割以上で、なおかつ百名以上いる施設、これが二十庁ございまして、合計三十二庁に介護専門スタッフを配置することとしております。 引き続き、このスタッフの力も活用しながら適切な処遇に努めてまいりたいと考えております。
○佐々木さやか君 介護スタッフ、どういう資格を持っている方にお願いするかというのもありますけれども、ただでさえ介護の現場で働く人材が不足しているという中で、刑務所で働いていただく方を確保するというのもなかなか難しいところもあるかもしれませんけれども、取組をお願いしたいと思います。 ですから、高齢化が今後も恐らくどんどん進んでいくと思われる中で、刑務所がまるで介護施設とか福祉施設のようになってしまうのではないか、そういう声もあるわけであります。適切な処遇を行うことは必要なわけですけれども、やはり、そうした高齢化が進んで更に再犯を重ねて社会復帰が難しくなる前にできるだけ早い段階で再犯を防止していく、冒頭に申し上げたような住居の確保ですとか就労の確保、そして地域への定着のためにどう取り組んでいくかと、やはりここに力を入れていくしかないのかなというふうに思っております。 最後に大臣に伺いたいと思いますが、今申し上げたような高齢化の問題ですとか、それから、今日ちょっと時間がないので詳しくは取り上げませんけれども、女性犯罪者という点でいいますと、女性の場合、刑務所に入所する者の高齢化率を見ても男性に比べて高かったりとか、それから、犯罪に至るまでの背景に、性的、身体的な虐待ですとか、そういう経験があったりとか、また社会復帰をするに当たっても、就労をするのに一般的に男性に比べて女性の方が年齢を重ねるにつれて仕事を得るということも難しくなってくるとか、そういう様々な特徴もございます。それも含めたいろんな課題があるわけですが、今後の再犯防止推進計画策定に向けて、大臣の御決意を最後に伺いたいと思います。
○国務大臣(金田勝年君) ただいま佐々木委員から御指摘がございましたように、特に女性犯罪者の中には、何らかの被害経験といいますか、被害体験を有する者が存在しておりましたり、再犯防止ということを考えた場合には、例えばそうした被害体験を有するような女性犯罪者の指導、支援に当たりまして弁護士会等の協力を得るなど、犯罪をした者の特性に応じた指導、支援を実施することが必要であろうかなというふうに認識をするわけでありまして、いろんな再犯防止に向けての課題があるんだろうと、このように考えております。そのほかにも、再犯防止対策には、就労、住居の確保、保健医療、福祉サービスの利用の促進、就学支援の充実といったいろんな課題があると、このように認識しております。 先日の十八日に開催されました犯罪対策閣僚会議における安倍内閣総理大臣からの指示がございました。国だけではなく自治体においても息の長い取組が必要であることから、全国の自治体において再犯防止対策が推進されるように、地域の強みを生かす新たな施策の実施も含めて一層強力に取り組むようにとの御指示がありました。 あるいは、再犯防止推進計画等検討会における議論というものもございます。厚生労働省を始めとします関係省庁の理解と協力を得ながら、再犯防止を取り巻くいろんな課題に対する有効な計画案、これを作成できるように、委員も御指摘のとおり、しっかりと取り組んでまいりたいと、このように考えております。
○佐々木さやか君 よろしくお願いします。 ありがとうございました。
○糸数慶子君 沖縄の風、糸数慶子です。 質問に入る前に、一言申し上げておきます。 自民党選対委員長の古屋圭司議員が、十六日、フェイスブックで、沖縄県うるま市長選挙の対立候補の公約を市民への詐欺行為にも等しい沖縄特有のいつもの戦術と批判したことは、沖縄県民への侮辱であり強く抗議いたします。古屋議員は、指摘されてもなお記者団に対し客観的事実を申し上げたと説明し、蔑視発言に当たるという認識がないことが分かりました。 沖縄県民がどのように受け止めているかなど意に介さないという態度は、まさに県民が反対する基地負担の押し付けにも通じるということを強く申し上げ、質問に入りたいと思います。 アメリカ軍基地への抗議運動をめぐり起訴された沖縄平和運動センターの山城博治議長の第三回公判が、四月十七日、那覇地裁で行われました。検察側証人として沖縄防衛局職員が出廷した際に、証人と傍聴席の間に遮蔽板が置かれました。 そこで、最高裁に一般論として伺いますが、証人尋問に際して、証人の遮蔽の措置がとられるのはどのような場合でしょうか。
○最高裁判所長官代理者(平木正洋君) お答え申し上げます。 傍聴人と証人との間での遮蔽の措置は、刑事訴訟法百五十七条の三第二項におきまして、裁判所が、犯罪の性質、証人の年齢、心身の状態、名誉に対する影響その他の事情を考慮し、相当と認めるときに、検察官及び被告人又は弁護人の意見を聴いた上で行うものとされております。 具体的にどのような場合に遮蔽の措置をとるかは個別の事件における各裁判体の判断事項でございますが、各裁判体におきましては、具体的な事件ごとに、先ほど申し上げました法律上の要素を考慮し、遮蔽の措置をとるかどうかを判断しているものと承知しておるところでございます。
○糸数慶子君 犯罪の性質、証人の年齢、心身の状態、名誉に対する影響など、この遮蔽が認められていることなんですが、この証人は権力に守られた公務員であり、公務で知った情報を開かれた法廷で証言するのになぜ遮蔽板が必要だったのでしょうか。木谷明元高裁判事は、裁判は公開の法廷で手続を堂々と行う場所、こそこそと手続をする場所ではないと、今回のこのような場合は遮蔽の対象に当たらないというふうに指摘されています。 裁判公開の原則に影響を及ぼすだけでなく、証人席と傍聴席を遮蔽することは、基地建設に反対する沖縄の人たちがまるで暴力集団であるかのような印象を与え、断じて容認できません。 次に、慰安婦問題について伺います。 国立公文書館が、慰安婦連行を示す公文書十九件百八十二点の内閣官房に提出していたと報道されていますが、これは事実でしょうか。
○政府参考人(鳥井陽一君) お答え申し上げます。 御指摘の報道に関しましては、国立公文書館が、平成十一年に法務省から移管されました文書十九件百八十二点につきまして、平成八年の内閣官房内閣外政審議室長に基づき慰安婦関連文書として本年二月三日に内閣官房に報告を行ったところでございます。 以上でございます。
○糸数慶子君 慰安婦問題については、河野談話を否定するような主張が与党内で行われてきました。 自民党の日本の名誉と信頼を回復するための特命委員会で、二〇一五年七月、安倍総理に行った慰安婦問題に関する提言では、吉田証言を虚偽と指摘し、国際機関などへの広報活動の強化策を求めています。当時の稲田朋美政調会長からは、強制連行、性奴隷二十万人などと言われることについて政府として反論するように求められたと承知をしております。 昨年二月にジュネーブで行われました女性差別撤廃条約の第七回、第八回日本政府報告審査において、政府代表を務めた当時の杉山外務審議官は、特命委員会の主張に沿った発言を行い、多くの委員から厳しい指摘をされました。私もその場で傍聴しておりましたが、当時は怒りというより情けない思いをいたしました。しかも、外務省は批判された杉山審議官の発言をウエブサイトで公表しています。 また、米国カリフォルニア州のグレンデール市に設置された慰安婦像に対し在米日本人らが撤去を求めていた訴訟で、日本政府は原告側の要請により、今年二月、像の設置はアメリカ政府も支持する日韓合意の精神に反するなどと主張し、上訴を認めて審理を行うよう求めた意見書を連邦最高裁判所に提出いたしました。この意見書もウエブサイトで公表しています。 これは、外交関係上のその影響を考えると、少なくともこのウエブでの主張は改めるべきではないでしょうか、外務省にお伺いいたします。
○政府参考人(四方敬之君) お答え申し上げます。 委員御指摘のとおり、外務省は、昨年二月十六日、スイス・ジュネーブで行われました女子差別撤廃条約第七回及び第八回政府報告審査における杉山外務審議官、当時でございますけれども、の発言、並びに米国カリフォルニア州グレンデール市に設置された慰安婦像に関する訴訟が米国連邦最高裁判所に上告されたことを受けまして本年二月二十二日に我が国政府が同裁判所に提出しました意見書につきまして、外務省のホームページにそれぞれ掲載しております。 我が国政府といたしましては、これまでも様々な関係者に対し、慰安婦問題を含む幅広い分野に関する我が国政府の基本的立場や取組について適切に説明し、正確な理解を求めてきておるところでございます。委員御指摘の杉山外務審議官の発言及び意見書のホームページへの掲載も、この一環として行っているものでございます。
○糸数慶子君 この意見書の提出が適切だったのかというのは、これは改めて検証が必要だと思いますが、これはまた後日改めて問いたいと思います。私の意見としては、これも早く削除すべきだということを申し上げておきたいと思います。 次に、四月十七日の衆議院決算行政監視委員会で、安倍総理が日本への避難民流入に関し、上陸手続、収容施設の設置、運営、難民資格認定作業など、一連の対応を想定していると答弁したことに批判が高まっています。 韓国外務省の報道官は十八日の記者会見で、安倍総理の国会答弁について、自制する必要があると不快感を示し、仮想的な状況を前提とした発言は誤解を招くおそれがあり、朝鮮半島の平和や安全に否定的な影響を及ぼしかねないと指摘をしています。大統領選の各陣営も相次ぎ批判しています。 外務省はこうした指摘についてどのように受け止めているのでしょうか、お伺いいたします。
○政府参考人(飯島俊郎君) お答え申し上げます。 委員御指摘の答弁は、一般論として我が国に避難民が流入した場合の対応について述べたものと承知しております。 我が国に避難民が流入した場合の対応を含め、いかなる事態にも対応できるよう万全な体制を取るとともに、様々な状況を想定して必要な準備、検討を行っていくことは政府として重要な責務であると認識しております。 また、国民に適時適切な情報提供を行い、国民の安心、安全の確保に努めていくことも必要と考えております。
○糸数慶子君 四月十三日の参議院外交防衛委員会でも、安倍総理は北朝鮮に対する抑止力の必要性を強調し、サリンを弾頭に付けて着弾させる能力を既に保有している可能性があるなどと述べていらっしゃいますが、韓国や中国は日本が危機をあおっていると反発しています。このような批判を受けることのないよう、外務省として近隣諸国と緊密に意思疎通を行うべきだと考えますが、外務省の見解を伺います。
○政府参考人(四方敬之君) お答え申し上げます。 委員御指摘の答弁につきましては、シリアにおける状況に言及しつつ、北朝鮮は弾頭に化学兵器を搭載し得る可能性も否定できないという一つの見方を示したものと承知しております。核兵器や化学兵器を含む大量破壊兵器の拡散と使用の脅威はシリアだけの問題ではなく、北朝鮮など東アジアにおいても存在し得るものと考えております。我が国といたしましては、このような厳しい現実を踏まえまして適切に対応する必要があり、危険をあおっているとの批判は当たらないと考えております。 その上で申し上げれば、北朝鮮問題の対処に当たり、外交努力を通じて平和を守ることが重要であることは言うまでもございません。我が国といたしましては、引き続き、国連の場を含め、米国及び韓国、中国等の関係国と緊密に連携しながら、北朝鮮に対して更なる挑発行動の自制や安保理決議の遵守を強く求めてまいる所存でございます。 このような我が国の立場につきましては累次中国を含む関係国に説明してきておりまして、引き続き関係国と緊密に意思疎通を図ってまいりたいと思います。
○糸数慶子君 昨日の新聞で、中央防災会議の専門調査会がまとめた報告書、これに関して内閣府がホームページから削除していたと報じられています。この件については先ほど有田委員からも質問がございました。この中には関東大震災時の朝鮮人虐殺についての記述が含まれていたということですが、これに関しましては、このホームページの削除ではなくリニューアルによって一時的に見られないというだけで、近くウエブサイトに掲載されるということを確認いたしましたので、質問ではありませんが、この中で、削除ではないかと心配をする声が上がるのは、やはりこれは歴史を修正しようとする政治家や著名人の言動が影響していると、そのようなことがあるというふうに言わざるを得ません。 昨年四月の熊本地震の発生直後にも、ツイッターなどで動物園からライオンが逃亡したとか朝鮮人が井戸に毒を投げ込んだなど悪質なデマが投稿され、これが瞬時に拡散しています。投稿を見た在日の女性は、このデマで多くの朝鮮人が殺された関東大震災が頭に浮かび、恐ろしかったというふうに話されています。 そういうことから考えていきますと、やはりこの投稿を見たこの在日の女性の声など、多くの人たちの声を聞いていきますと、この日本軍の慰安婦の問題も、そして関東大震災における朝鮮人虐殺のことも、これは消すことができない歴史の事実だということを申し上げたいと思います。 なぜかといいますと、冒頭にも御質問いたしましたけれども、この慰安婦問題についての記述、これに関しては国立公文書館が、慰安婦を連行する公文書十九件、そして百八十二点の資料が内閣官房に提出されたと、このように報道されているわけですが、後々になってこういう歴史の事実というのが出てくるわけであります。 そういうことを考えていきますと、やはりそのときそのときによって、私は、歴史を変えていく、そういうことがないように、この日本軍慰安婦の問題も、関東大震災によるこの朝鮮人虐殺も、消すことのできない歴史の事実だということを改めて申し上げておきたいと思います。 ここで私の質問は終わりたいと思います。ありがとうございました。
○東徹君 日本維新の会の東徹でございます。 今日は、一般質問ということでありますので、様々なちょっと通告をしておりますが、まず最初に、衆議院の方でもテロ等準備罪、審議が入っております。日本維新の会としては、そのテロ等準備罪、国民に安心をしてもらうためにも取調べの可視化を入れるべきということで言わせていただいております。 その取調べの可視化について、まずお伺いをさせていただきたいと思います。 裁判員裁判の対象事件とか、それから検察の独自捜査事件を含めて、被疑者が逮捕された事件では全体でどの程度あるのか、まずお伺いをしたいと思います。
○政府参考人(林眞琴君) 平成二十七年一月一日から同年十二月三十一日までの間で警察当局が逮捕して検察当局において身柄送致を受けた被疑者の人員、これが十一万八千二百五十九人。そして、検察当局が逮捕した被疑者の人員、これが百九十四人。合計しますと、十一万八千四百五十三人となります。なお、これについては、自動車による過失致死傷と、あるいは道路交通法等違反事件、これについては除いております。
○東徹君 全体で十一万八千四百五十三件ということでありますけれども、それでは、そのうちどの程度の事件において被疑者取調べの可視化が行われたのか、また、それが被疑者が逮捕された件数のうちどの程度の割合なのか、お示しをいただきたいと思います。
○政府参考人(林眞琴君) 検察当局における被疑者の取調べの録音、録画の実施件数についてお答えいたします。 まず、検察におきましては、平成二十六年十月までは四つの類型の事件について録音、録画を行い、さらに平成二十六年十月からはそれ以外の類型についても録音、録画を行うようになっています。 まず、二十六年十月までは裁判員裁判対象事件というものが一つ対象として録音、録画されましたが、この件数でいきますと、これやはり平成二十七年の一月一日から同年十二月三十一日までの実施件数でいきますと、裁判員裁判対象事件として三千二百七十四件、それから独自捜査事件については百三十五件、それから知的障害によりコミュニケーション能力に問題がある被疑者等に係る事件、これにつきましては千百三件、さらに精神の障害等により責任能力の減退、喪失が疑われる被疑者に係る事件、二千六百三十八件ございました。さらに、先ほど申し上げました平成二十六年十月以降はこういった類型に当たらないものにつきましても録音、録画を行っているわけでございますが、その件数でいきますと、四万四千五件ございます。これらの合計でいきますと、五万千百五十五件についてこの一年間で録音、録画を行っております。 先ほど全体の身柄事件の件数を十一万八千四百五十三人と言いました、そして、この五万一千百五十五件について録音、録画を行ったということを、これを単純で比較しますと、その割合は約四割の身柄事件について録音、録画を行っているということになります。 なお、付言いたしますと、裁判員裁判対象事件と独自捜査事件だけについて見ますと、これを合計しますと三千四百九件となりますので、これに限って見ますと、その全体の中に占める割合は二・八%ということになります。
○東徹君 ということは、確かに知的障害者とか精神障害者、こういったのを除いて裁判員裁判の対象事件、それから検察独自の捜査事件、そういったものの逮捕の件数から占める割合は約二・八%ということで、非常に少ないわけですよね。 そうしたら、この裁判員裁判の対象事件とか検察の独自捜査事件においては、これかなりの高い、恐らく一〇〇%近い割合で取調べの可視化が行われていると思うんですが、その点はそういうことで間違いないんですかね。
○政府参考人(林眞琴君) 御指摘のとおりでございまして、裁判員裁判対象事件については約九九%において録音、録画が行われております。その他、先ほど申し上げました独自捜査事件でありますとか、知的障害あるいは精神障害、こういった類型での事件については一〇〇%の録音、録画をしております。
○東徹君 ただ、全体の逮捕件数、全体で考えると三%程度にとどまっているということでありますから、今後、更にその可視化というものをやっぱり進めていくというのが大切だと思っておりますけれども、どの程度、これは目標としてどのような対策を考えているのか、検察、警察それぞれについてお伺いしたいと思います。
○政府参考人(林眞琴君) 検察当局におきましては、先ほど裁判員裁判対象事件等については一〇〇%行っているということでございまして、これはこのまま推移していくものと考えます。その他の事件でいきますと、さらにその四類型以外の事件でいきますと、先ほどこれを足すと全体で四割という、かなり多くの数の録音、録画を行っておるわけですが、これらは事件に応じて必要な場合に録音、録画を行うという類型でございますので、これについては事件に応じて今後も積極的にこの録音、録画を実施していくものと考えております。
○東徹君 今後もというか、事件に応じてということで、具体的な方向性というのは余り見えないように思うんですけれども。 続きまして、可視化の内容についてお伺いしたいと思いますが、裁判員裁判の対象事件など、これ、裁判員裁判対象事件とそれから同一被疑者の犯罪でそれに併合審理されている事件、こういったものを合わせると、警察における取調べに関して取調べの全過程が可視化されたのはどの程度あるのか、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(高木勇人君) 警察におけます平成二十七年度中の裁判員裁判対象事件等の検挙件数は三千二百十七件でありまして、取調べの録音、録画を実施した件数は二千九百三十六件であります。そのうち、お尋ねの取調べの全過程の録音、録画を実施した件数は千五百六十五件であり、全体の約五割となっております。
○東徹君 約全体の五割ということでありますけれども、取調べの全過程の可視化に関して、裁判員裁判事件については約半数でこれまで実施されておるわけでありますが、一定程度進んでいるというふうに思いますが、それ以外の事件を含めた取調べの全過程の可視化について警察庁はどのように考えているのか、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(高木勇人君) 警察といたしましては、平成三十一年六月までの録音・録画制度の施行に向けまして、録音・録画機材の整備や現場捜査員に対する指導教養の徹底と、いまだ取り組むべき課題が多く、まずは制度の対象となる取調べについて録音、録画が確実に実施されるよう準備を進めてまいりたいと考えております。
○東徹君 早急にこういった取調べの可視化というのはやっぱりどんどんと進めていくべきというふうに考えておりまして、これ、大阪では自白強要の何かかなりひどい取調べが行われたと、そういったこともありましたので、是非進めていくべきと考えます。 では、続きまして、ちょっと時間がありませんが、北朝鮮有事の際の避難民対策についてお伺いをしたいと思います。 今月に入りまして、北朝鮮をめぐる状況、大変これ緊迫しておるわけでありますが、有事を想定した対応も検討していく必要があるというふうに思います。万が一北朝鮮が有事となった場合、北朝鮮はもとより韓国からも多くの避難民が我が国にやってくるのではないかというふうに考えられますが、この中には、きちんと保護すべき方もいれば、戦闘員が我が国でのテロ目的で紛れ込んでくる、そういった可能性も考えられます。迅速かつ慎重な対応が必要であると考えます。 四月十七日の衆議院の決算行政監視委員会で、安倍総理は、避難民の保護に続いて、上陸手続、収容施設の設置及び運営、我が国が加護すべき者に当たるか否かのスクリーニングといった対応を想定しているという答弁がありましたけれども、法務省としてどのように考えているのか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(金田勝年君) 東委員の御質問にお答えをいたします。 我が国に避難民が流入するような場合には、その対応につきましては、避難民の保護に続きまして、上陸手続、収容施設の設置及び運営、我が国が庇護すべき者に当たるか否かのスクリーニングといった一連の対応が想定されるわけであります。 これらの対応につきましては政府全体で検討しているものでありまして、具体的な対応策の検討状況については事案の性質上お答えは差し控えさせていただきますが、法務省としてもその上陸手続等の対応を行うことが想定されますので、関係機関とも緊密に連携をしながら適切に対処をしていきたいと、このように考えておる次第であります。
○東徹君 ただ、収容施設となると、これはあるのかなというふうに思うんですが、収容施設については具体的にどのような想定をしているのか、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(和田雅樹君) お答えいたします。 先ほど大臣から答弁ございましたように、我が国に避難民が到着した場合には、その避難民の身柄を確保した上で、上陸手続でありますとか、先ほど先生から御指摘ございました収容施設を設ける、あるいはその運営を行う、我が国において庇護すべき者に当たるのかどうかといったスクリーニングを行うなど、一連の対応を行うことが想定されているところでございますが、これらの一連の対応を含めまして政府全体として大量避難民が来たときの対応について検討しているところでございまして、今お尋ねのございました避難民の収容施設の設置等に関する具体的な想定につきましては、事案の性質上お答えを差し控えさせていただきたいと思っておるところでございます。 ただ、いずれにいたしましても、法務省におきましては、関係機関と緊密な連携を図り適切に対処していくという所存でございます。
○東徹君 そうしたら、北朝鮮有事の際の避難民に対するスクリーニング、これはどうやって行うんですかね。
○政府参考人(和田雅樹君) スクリーニングの具体的な方法につきましても事案の性質上お答えを差し控えさせていただきますが、いずれにいたしましても、関係省庁と緊密な連携を図りながら適切に対応してまいりたいと考えております。
○東徹君 ちょっと時間がないので次の質問をさせていただきます。今日は文科省の方からも来ていただいていると思いますので、質問をさせていただきたいと思います。 毎年、法科大学院、これ、この間の際に質問しようと思った内容だったんですけれども、国からの財政支援が行われていますけれども、制度がつくられた平成十六年度以降、財政支援、どれくらいの額が行われているのか。そして、これは九百六十六億円だと思うんですけれども使われていると思うんですが、法科大学院、司法試験の合格率の低迷とか授業料の高さ、入学者、これは減ってきているわけですけれども、今後、法科大学院の在り方どのように考えているのか、改革が必要であれば何を改革していこうとしているのか、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(浅田和伸君) 平成十六年度から二十八年度までの法科大学院への国の財政支援について、一定の考え方に基づいて試算を行いますと九百六十四億円となります。なお、法科大学院に対する国の財政支援は、平成十六年度は八十九億円であったところ、入学定員の削減などに伴い二十八年度は四十四億円となっているところでございます。 法科大学院につきましては、これまで、法学既修者コース修了者については累積で約七割の者が司法試験に合格しており、法廷実務を始め民間企業、公務部門といった様々な分野に修了者を送り出すなど一定の成果を上げてきた一方で、法科大学院全体の司法試験合格率が制度創設当初に期待された状況と異なっているなどの課題が指摘をされております。 このため、平成三十年度までを法科大学院集中改革期間と位置付け、公的支援見直し強化・加算プログラムなどを通じた法科大学院の組織見直しの促進、教育の質の向上、経済的負担、時間的負担の軽減などに取り組んでいるところでございます。 また、中央教育審議会の法科大学院等特別委員会でも、法学部と法科大学院との連携強化の方策、法学未修者に対する教育の充実などについての審議を行っております。 今後とも、法科大学院教育の充実を図りつつ、法科大学院に要する時間的、経済的負担の軽減などを通じて法科大学院志願者の確保に最大限努力してまいります。
○東徹君 もう時間が来ましたので、終わらせていただきます。ありがとうございました。
○山口和之君 無所属の山口和之でございます。 今日は防犯カメラについて伺いたいんですが、防犯カメラと言うのか監視カメラと言うのか、言い方によってちょっとイメージが随分変わるんですが、防犯カメラということで話させていただきますが、防犯カメラは、被疑者の特定や犯行の立証に有効であったり、事件の関係者の足取りの確認であったり、あるいは画像を公開して追跡調査等、警察捜査の様々な場面で活用されていると思います。今やなくてはならないものなのかなというふうにも思います。一方で、デジタル画像は個人識別可能な精度であったり、プライバシー権の保障の観点から看過できないという言葉も聞かれます。 そういったところで質問させていただきたいんですが、まずは防犯カメラの設置、撮影について伺いたいと思います。 最高裁の判例では、個人の私生活の自由の一つとして、何人も承諾なしにみだりに容貌、姿態を撮影されない自由を有し云々、警察官が正当な理由なく個人の容貌等を撮影することは許されないということを昭和四十四年の大法廷判決でございました。 警察のまとめでは、警察が設置した防犯カメラは年々増えており、昨年三月現在で千五百三十台とのことだそうです。防犯カメラを用いて警察が個人の容貌等を撮影することに問題はないのかを伺いたいと思います。
○政府参考人(林眞琴君) 防犯カメラの設置自体は警察の活動内容に関する事柄でございますが、法務当局の立場で、特に犯罪捜査との関係についてお答えいたしますと、捜査機関が被撮影者の同意なくビデオカメラなどを用いて個人の容貌等を撮影する捜査、これが任意捜査として行うことが適法か否かにつきましては、具体的な事案における目的の相当性、必要性、方法の相当性など、諸事情を考慮して個別に判断されるべき事柄であると考えております。 なお、この点に関しまして、公道上及びパチンコ店内にいる者のビデオ撮影に関しまして、捜査目的を達成するため必要な範囲において相当な方法によって行われたとして、それが適法な捜査活動であると認定した最高裁の判例があるものと承知しております。
○山口和之君 では、民間が設置している防犯カメラが百万台以上とも言われています。犯罪捜査においては、警察が民間の防犯カメラ映像を利用することも多いと思いますが、私人が個人の容貌等を撮影することには問題がないのかということと、また私人が任意に防犯カメラ映像を警察に提供することには何か問題がないのかを伺いたいと思います。
○政府参考人(林眞琴君) 今の点について、二つの点のお尋ねでございますが、まず私人が被撮影者の同意なく防犯カメラを用いて個人の容貌等を撮影することに問題があるかどうか、この点につきましては、これは一概に申し上げることは困難でございまして、法務当局としてお答えすることは困難であろうと思います。 他方で、私人が任意に防犯カメラ映像を警察に提供するなど、そういった私人が撮影した防犯カメラ映像等の証拠収集の適法性、これにつきましては、これは個別事件における具体的事情に応じて判断されるものでありますけれども、一般論でいえば、私人から任意に防犯カメラの映像の提供を受けること自体、これが違法というものではないと考えております。 なお、この点に関しまして、民事の裁判例ではございますが、コンビニエンスストアにおける防犯カメラによる店内の撮影、録画には、目的の相当性、必要性、方法の相当性が認められるとした上で、警察に対する防犯カメラ映像を提供したことについても、捜査機関の適法な任意捜査に対する私人の協力行為として公益目的を有するものであり、他方、提供した映像の内容は商品の購入している姿などにすぎないものであることを考慮すると、違法性は認められないという判断をした裁判例があるものと承知しております。
○山口和之君 私人が個人の容貌等を撮影することには問題はないのかということについては、まあ言い難いということですね。 それで、東京メトロと都営地下鉄の全車両に防犯カメラが設置されるという報道がなされておりますが、前者の株主は政府と東京都であり、後者は東京都が運営しています。警察以外の公権力又はそれと同視し得る主体が個人の容貌等を撮影することには問題ないのか。また、それが任意に防犯カメラ映像を警察に提供することには何か問題がないのか。 そもそも、平成二十三年三月に警察庁が発表した電車内の痴漢撲滅に向けた取組みに関する報告書では、電車内の防犯カメラはプライバシー侵害となるかとの意識調査で、そう思うと答えた割合が約半数、四七・六%だったとあります。電車内の個人の容貌等を撮影すること自体に何か問題はないのか、教えていただきたいと思います。
○政府参考人(林眞琴君) 委員が言われました警察以外の公権力又はそれと同視し得る主体というものがどういったものを指すのかというものについて必ずしも明らかではございませんけれども、先ほど、私人によるこういった防犯カメラの設置、撮影又は警察への任意の提供というものと基本的には同じお答えになりますけれども、まず、そういった防犯カメラを設置すること、撮影すること、これについてはまた法務当局としてはお答えする立場にはないと考えます。 一方で、その証拠収集の適法性という観点でいえば、やはり先ほど申し上げたように、任意にそうした防犯カメラの映像の提供を警察等が受けること、これ自体が違法というものではないと考えております。
○山口和之君 それでは、EU諸国等では防犯カメラに対して法規制がなされているということだそうです。日本では防犯カメラの設置や撮影等に関して法規制はあるのかを伺いたいと思います。
○政府参考人(林眞琴君) 防犯カメラの設置等に関する法規制、これ自体は法務当局としてお答えすべき立場にはないわけでございますが、少なくとも私どもが把握する限りにおいて、日本においてそういった防犯カメラに関する一般的な法規制があるものとは承知しておりません。
○山口和之君 町じゅうあらゆるところにいろんな防犯カメラ、監視カメラがございます。その活用の仕方によってはいろいろプライバシーの侵害になってくる可能性もあるということだと思います。 日本とアメリカを除くほとんどの先進国においては、防犯カメラ設置等に関与し、情報主体のプライバシー権や自己情報コントロール権を保護する第三者機関が設置されているとのことでもあります。日本でも、第三者機関の設置を含め、防犯カメラについての法制化を行う必要があると考えますが、法務大臣の見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(金田勝年君) 一般的に、防犯カメラに関する法規制を行う必要があるかにつきましては、法務大臣としてはお答えすべき立場にはないと。 なお、犯罪捜査において防犯カメラ映像を使用することに関しましては、あくまで一般論として申し上げますと、捜査機関におきましては、個別具体的な事案に応じまして、法令や判例等の趣旨を踏まえて適切に対処しているものと承知をいたしております。
○山口和之君 最高裁によれば、みだりに容貌等を撮影されない自由は憲法上保障されるものであって、防犯カメラについての法制化が遅れると、GPS捜査のように、後日、強制処分法定主義や令状主義に違反するとの判決が出て、捜査に深刻な支障が出るおそれも懸念されます。是非積極的に法制化を検討していただきたいと思います。 次に、防犯カメラ映像の公表について伺いたいと思います。 先ほども出てきましたけれども、万引きの被害に遭った小売店などが防犯カメラの映像を公表し、ニュースになることがあります。そもそもどのような問題があるのか、公表は適法であるとの見解もあるが、違法となるための要件は何かを教えていただきたいと思います。
○政府参考人(林眞琴君) 万引きの被害に遭いました小売店等がその防犯カメラ映像を公表することに伴う問題、これにつきましては、もちろんその公表の目的でありますとか、その公表の仕方等様々でございまして、一概に申し上げるのは困難でございます。法務当局としてその点についてお答えすることは差し控えさせていただきます。 他方で、例えばこの公表という行為が犯罪を構成するのかどうかということ、例えば名誉毀損等に当たるのか当たらないかということについての観点でいえば、その点については、やはり個別事案に応じてその証拠に基づいて判断される事柄であろうかと考えております。
○山口和之君 小売店による公表とは違い、報道機関が防犯カメラの映像を公表することは余り問題となっていないんですが、小売店等と報道機関ではどのような違いがあるんでしょうか。
○政府参考人(林眞琴君) この防犯カメラ映像を公表することに伴う問題に関しまして、そうした小売店が公表する場合と報道機関が公表するような場合、どのような違いがあるかにつきましては、私ども法務当局としてはなかなかお答えすべき立場にはないと考えております。
○山口和之君 防犯カメラの映像の公表については慎重さが必要であるというふうに思います。防犯カメラの設置、撮影の在り方とともに公表の在り方についても検討が必要と考えますが、法務大臣の見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(金田勝年君) 山口委員の御質問にお答えします。 一般的に、防犯カメラに関する法規制の要否につきましては、法務大臣としてお答えすべき立場にはありません。また、万引き被害に遭った店舗などの一般の方が防犯カメラ映像を公表することの当否等につきましては、一概に申し上げることは困難でありまして、お答えすることは差し控えたいと、このように考えます。 しかし、少なくとも犯罪捜査において防犯カメラ映像を使用する場合、先ほども述べましたとおり、捜査機関は個別具体的な事案に応じまして、法令や判例等の趣旨を踏まえ、適切に対処しているものと承知をいたしております。 いずれにしましても、一般論として申し上げますと、個人のプライバシー等が不当に侵害されないことが極めて重要であると認識をいたしております。
○山口和之君 個人のプライバシーが侵害されないことが極めて重要であるというお話をいただきました。個人識別可能であったり、もう監視が続けられるであったり、どういうふうに使われるかであったり、やはりルールを決める必要があるのではないかと思いますので、是非検討していただきたいと思います。 以上で終わります。
○仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平でございます。 今日は、有明海問題について、長崎地裁が四月十七日に開門差止め、つまり国敗訴の判決を出したことを踏まえ、政府の問題解決の責任について大臣にお尋ねしたいと思います。 まず、小川民事局長にお尋ねをしますが、仮に国が控訴をせず確定をしたとすれば、既に福岡高裁で確定している国の開門義務、これは消えるんでしょうか。
○政府参考人(小川秀樹君) あくまで一般論としての制度の説明として申し上げたいと思いますが、民事訴訟におけます確定判決の効力が及ぶものの範囲につきましては、原則としてその当事者や口頭弁論終結後の承継人等に対して及びますため、先行する訴訟と後行する訴訟の当事者が異なれば、一方の訴訟における判決の効力は、当然には他方の訴訟の当事者に及ぶものではございません。
○仁比聡平君 そういうことなんですね。つまり、国がこれまで相反するというふうに言っていた義務、これは全く変わらない、これは確認をいたしました。 この判決になぜ急転至ったのか、それは和解協議が壊されたからです。その焦点が、開門に代わる漁業環境の改善措置として政府が押し付けようとした基金案であり、その基金案を漁業団体に押し付ける手段として農水省が隠れて行ったのが想定問答なんですね。資料を、新聞記事をお配りしていますが、二枚目、三枚目、これ山下議員も取り上げられましたし、私が資料を要求しました。 この新聞、一面トップに、「開門派説得 農水省が指南」とあるとおりです。その中身は、二枚目御覧いただきますと分かりますが、基金案に懐疑的な漁業者の二十の質問に団体幹部が答えるという想定問答として、例えば、組合員の総会に諮るべきだという声に対しては、組合長に一任、あるいは、よみがえれ有明訴訟弁護団の馬奈木昭雄弁護団長を名指しして、目指しているものが同じかどうかは分からないなどと、つまり、開門判決の勝訴漁民、開門を求める漁民を、こともあろうか開門義務を負う国が漁協幹部の口を通じて孤立させよう、分断させようという、不誠実を通り越して卑劣極まるものなんです。 そこで、農村振興局に伺いますが、私の提出要求に対して、三月九日ですけれども、理事会協議が行われました。農地資源課長が説明に来られました。つまり、この想定問答、農地資源課が作ったと、そういうことですか。
○政府参考人(奥田透君) お答え申し上げます。 十七日、開門差止め訴訟におきまして長崎地裁から判決が示されたところでございますが、本件は複数の訴訟が提起されており、争訟中であることには変わりはございません。このような状況におきまして、和解協議の下での交渉に係る内容を申し上げることは、交渉又は争訟に係る事務に関し、国の当事者としての地位を不当に害するおそれがあり、そうした文書が存在しているか否かも含めてお答えすることはできない状況であることを御理解いただきたいと思います。
○仁比聡平君 その答弁をオウムのように繰り返す、さっぱり意味が分からない。今も整備部長おっしゃいましたが、国の地位を不当に害するおそれがあると言うんですけれども、不当に害されるおそれがある国の地位というのは、これは一体何なんですか。
○政府参考人(奥田透君) お答え申し上げます。 訴訟当事者である国といたしまして、和解協議の下での漁業団体の交渉に係る内容を申し上げれば、本件をめぐる問題解決にマイナスを生じさせることがあり得るものと考えてございます。
○仁比聡平君 何が問題解決にマイナスを生じさせるおそれがあるだ。全く逆でしょう。結局、悪事がばれて認めるわけにはいかないから隠し通そうというのがこの想定問答を提出せよというのを拒否する理由ですよね。 我が党衆議院議員へのこの問題でのレクの際に、農地資源課は、写メくらいしか朝日は持っていないのではないかなどと述べています。現物があるから写メがあるわけですよね。朝日の報道が現物を写した写メに基づくものだと、農水省、そういう認識ですね。
○政府参考人(奥田透君) お答え申し上げます。 和解協議の下での漁業団体の交渉に係る内容を申し上げれば、本件をめぐる問題解決にマイナスを生じさせることがあり得るものと考えております。
○仁比聡平君 問題解決を妨げているのはあなた方だと、農水省だと私は申し上げている。どう言い逃れようとも、あるものはあるんですよ。 そこで、訟務局長にお尋ねをいたしますが、私は理事会協議の際に、訟務局は知っていたのかと繰り返し尋ねました。驚くべきことに、法務省幹部、当然座っておりましたけれども、委員長からも促されながら、一言も発言をされませんでした。訟務局あるいは担当訟務検事は農水省が関係漁協と想定問答を作るやり取りをしていることを知っていたんですか。
○政府参考人(定塚誠君) お答え申し上げます。 御質問の点につきましては、これは農林水産省において漁業団体と交渉されていたことに関わる事項であるため、法務当局としては答弁を差し控えたいと思っております。 そもそも、農林水産省と漁業団体のやり取り、これを法務省が明らかにするということは、今後の訴訟当事者としての国あるいは法務省、代理人としての法務省の交渉又は争訟に係る事務に関して、その地位を不当に害して適正な事務の遂行に、法務省として、これを害するおそれがあるというふうに考えております。
○仁比聡平君 知らぬ存ぜぬでごまかせるような話ではないんです。干拓事業開始から二十年、重大な社会的紛争、政治課題なんですよね。その解決の責任の最前線にいるんだという自覚があるのかということですよ。 知っていたとするなら、これは卑劣な被害者潰しの共犯でしょう。事件当事者と代理人弁護士の関係で例えば照らしてみますと、強姦事件の被害者が被害を償えと求めている裁判で、加害者が法廷の外で被害者に圧力を掛けている、それを知りながら、あるいは掛けさせておいて、加害者の代理人弁護士が知らぬ存ぜぬと言い張って裁判を遂行する、そんな類いの話ですよ。 これ、局長、立場は違っても、法曹の倫理、クリーンハンドに反する不当な態度ではありませんか。
○政府参考人(定塚誠君) お答え申し上げます。 一般論としてもそうですが、和解の過程で各省庁がどのようなことをされて、そして訟務局と一緒に和解をしていくのかと、その過程について法務省の方から、あんなことをした、こんなことをしたということが出るということになれば、その原庁である省庁が今後法務省に言うことはやめようということが出てきかねない、そういうことがありますので、国の訴訟事務というものを円滑に適正に進めていくためには、私どもの方から、どういうことが和解の過程で行われているのかと、今後率直にいろいろ我々にも話をしていただいて国の訴訟当事者としての地位を全うしたいと、こういう見地からこれは法務省としてはお答えすることができないと、こういうことでございます。
○仁比聡平君 原局が、大臣、大臣、原局が訟務に正直に物を言わなくなるかもしれないということを懸念しなきゃいけないようなことが国の訴訟の現実かということですよ。 大臣、三月七日の所信表明で、法の支配の実現という見地から、指揮権限をより適切かつ効果的に行使すると述べられました。大臣がおっしゃった指揮権限というのは、これは何ですか。
○国務大臣(金田勝年君) お尋ねの指揮権限とは、国の利害に関係のある訴訟につきましての法務大臣の権限等に関する法律、すなわち法務大臣権限法二条第二項、第六条第一項に基づくものであり、国を当事者等とする民事訴訟及び行政訴訟の遂行に当たり、法務大臣が当該訴訟に係る所管行政庁又はその職員に対して指示、命令等を発する権限であると、このように申し上げます。
○仁比聡平君 大臣、条文だけ紹介してどうするんですか。つまり、あなたが指揮権限を持っているわけでしょう。農水省もその指揮権限に服して裁判に当たっているわけです。その下で卑劣な被害者潰しが行われた、その根本にあるのは何かと。 私、この間も申し上げましたけれども、相反する義務に板挟みになっているということではなくて、干拓ありき、開門は絶対にさせないという本音、農水省の言わば正体がこれは現れているわけですよ。そうした下で、事業開始から二十年たちました。けれども、干拓地はやっていけなくて、リース料が払えなくて、九件の事業者が撤退するなど費用対効果は〇・八一、そういう事態ですよ。 訟務局長に一点聞きたいと思うんですが、そのようにして政府は開門に背を向け続けて、一方で平成十七年から二十六年度までの間に四百三十三億円の事業費を費やして、これ資料の後ろ三枚目にちょっと参考を出していますが、有明海漁業の再生事業を行ってきたわけです。ところが、政府が環境改善のメルクマールだとする二枚貝の回復も全くなされていないどころか、逆に深刻な状態になっている。それは水産庁も認めるところなんですね。 訟務局あるいは訟務担当検事は、これまでの再生事業の費用対効果、これ裁判でずっと、さんざっぱら問題になり続けてきたわけです。どうすれば農漁共存で有明海をよみがえらせることができるのかというのが、これが最大の問題なんですよ。どんな認識で裁判や和解やっているんですか。
○政府参考人(定塚誠君) お答え申し上げます。 裁判におきましては、訴訟物、訴訟の対象となるものに向けて最も良い主張、立証を行っていくということが我々の任務だというふうに思っております。ただ、委員御指摘のとおり、和解につきましては、それは原庁とよく相談しながら、最もいい、最も適切な解決ができるようにということで行っているところでございます。
○仁比聡平君 時間がなくなりましたから、大臣、最後、認識を問うことができないのが残念ですけれども、今申し上げた有明海漁業の再生事業について、昨年十一月、沿岸四県漁協の、長崎も含めてですよ、が、農水大臣と、そして自民党のプロジェクトチームに要請をしています。そこでは、この間、漁業者が実感できるような効果は確認できませんでしたと述べている。基金案が幻となるかもしれない懸念の下で、国がこれまでの再生事業と基金案を絡ませながら協議を進める姿勢に大きな不安を持たざるを得ません。基金案の動向と関係なく、従来予算の拡充に努めることというのが漁業団体の強い要求なんですね。 控訴せずに開門差止めの判決を確定させるなど、私は到底あり得ない。わざと負けるなんというのは正義に反すると思います。この農漁共存、その事業をしっかり進める。営農者は、私が生まれる前の昭和干拓の時代から国策で入植されて以来、水の確保、排水不良に苦労をし続けてこられました。それを解決する道というのはあるんですよ。そこをしっかりと指揮するということ自身が大臣の、そして安倍内閣の大変重大な責任だということを強く申し上げて、今日は質問終わります。
○委員長(秋野公造君) 本日の調査はこの程度にとどめます。 ─────────────
○委員長(秋野公造君) 民法の一部を改正する法律案及び民法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案の両案を一括して議題といたします。 両案について、政府から趣旨説明及び衆議院における修正部分の説明を聴取いたします。金田法務大臣。
○国務大臣(金田勝年君) 民法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明をいたします。 この法律案は、制定以来、約百二十年間の社会経済の変化への対応を図り、国民一般に分かりやすいものとする観点から、民法の一部を改正しようとするものであります。 その要点は、次のとおりであります。 第一に、消滅時効について、医師の診療に関する債権は三年、飲食店の飲食料に係る債権は一年などとされている短期消滅時効の特例をいずれも廃止をして消滅時効の期間の統一化を図るなど、時効に関する規定の整備を行うこととしております。 第二に、法定利率について、現行の年五%から年三%に引き下げた上で、市中の金利動向に合わせて変動する制度を導入することとしております。 第三に、事業用融資の債務の保証契約は、保証人になろうとする者が個人である場合には、主たる債務者が法人である場合のその理事、取締役等である場合などを除き、公証人が保証意思を確認しなければ効力を生じないものとするなど、保証債務に関する規定の整備を行うこととしております。 第四に、不特定多数の者を相手方とする定型的な取引に使用される定型約款に関し、定型約款によって契約の内容が補充されるための要件を整備するとともに、定型約款を準備した者が取引の相手方の同意を得ることなく定型約款の内容を一方的に変更するための要件等を整備することとしております。 第五に、意思能力を有しなかった当事者がした法律行為は無効とすることや賃貸借契約の終了時に賃借人は賃借物の原状回復義務を負うものの、通常の使用収益によって生じた損耗等についてはその義務の範囲から除かれることなど、確立した判例法理等を明文化しております。 続いて、民法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案につきまして、その趣旨を御説明いたします。 この法律案は、民法の一部を改正する法律の施行に伴い、商法その他の関係法律に所要の整備を加えるとともに、所要の経過措置を定めようとするものであります。 以上が、これら法律案の趣旨でございますが、衆議院において、民法の一部を改正する法律及び民法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律の法律番号中の年号を「平成二十九年」に改めること等を内容とする修正が行われております。 何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御可決をくださいますようお願いをいたします。 以上であります。
○委員長(秋野公造君) 以上で両案の趣旨説明及び衆議院における修正部分の説明の聴取は終わりました。 両案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。 午後零時四分散会