法務委員会 第5号
- 発言数
- 118 件
- 登壇者
- 16 名
- 会派数
- 8
- 開催日
- 2017/04/11
会議録
○委員長(秋野公造君) ただいまから法務委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 去る七日までに、羽田雄一郎君及び松川るい君が委員を辞任され、その補欠として小川敏夫君及び古川俊治君が選任されました。 ─────────────
○委員長(秋野公造君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 裁判所職員定員法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、法務大臣官房司法法制部長小山太士君外一名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(秋野公造君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(秋野公造君) 裁判所職員定員法の一部を改正する法律案を議題といたします。 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○山下雄平君 おはようございます。自由民主党の山下雄平でございます。質問の機会を与えていただき、ありがとうございます。 今回の裁判所の職員の定員法についてですけれども、大まかに言うと、判事、判事補、いわゆる裁判官の人数を増やして、それ以外の職員の定数を減らして、全体としての定数は減るというような内容でございます。その背景には、訴訟自体の数は増えているわけではないけれども、複雑困難な事案が増えているということと、審理が長期化しているという案件が一定割合あるということが背景だろうというふうに思います。こうした対応というのは、つまり、裁判官の数を増やして、それ以外の人を減らして、で、全体の数を減らすという対応というのは、今年に限ったことではなくて、かなり長い傾向ではあろうかというふうにも思います。 内閣の側では、総人件費そして定員の管理という方針を決めてからそれを実行しているわけですけれども、裁判所の方としては内閣からこの定員管理、人件費について何らかの要請があるのでしょうか、また、裁判所としてどのように定員管理について対応していらっしゃるのでしょうか、お聞かせください。
○最高裁判所長官代理者(中村愼君) お答えいたします。 平成二十六年七月二十五日に内閣官房長官から最高裁判所事務総長に宛てまして文書が送付されてきております。その内容は、同日、政府において国家公務員の総人件費に関する基本方針及び国の行政機関の機構・定員管理に関する方針が閣議決定されたので、最高裁も協力してもらいたいという内容でございます。 裁判所は行政機関ではございませんので、政府の定員合理化計画に拘束されるものではないというふうに認識しております。しかし、国家公務員の定員をめぐる情勢が厳しさを増す中、裁判部門の充実強化を図っていくためには、政府からの協力依頼を踏まえまして、裁判所も国家機関として他の行政官庁と同様に事務の効率化等必要な内部努力を行い、定員合理化に協力する必要があるというふうに考えております。こうした考えに基づきまして、従前から事務局部門に限って定員の合理化計画に協力しているところでございます。 他方、裁判所は、一件一件の事件を適正、迅速に解決するという責務を負っているところでございます。事件の申立て数が裁判所の側から制限できないことはもちろん、それぞれの事件で行うべき手続も法令で定められているため、裁判所の側で裁判の業務の量をコントロールすることは困難であるという特殊性がございます。 委員御指摘のとおり、民事訴訟事件は、昨今の社会経済情勢の変化や国民の権利意識の高揚等を背景に、専門的知見を要する事件、複雑困難な事件が増加しているところでございます。このような状況を踏まえまして、民事訴訟事件については、合議体による審理をこれまで以上に充実強化するとともに、平均審理期間を短縮させ、迅速な紛争解決を図っていくために、合議率あるいは人証のある対席判決事件の審理期間に目標を設定しているところでございます。 家事事件につきましては、近年、成年後見関係事件が累積的に増加しておりますし、平成二十八年五月の利用促進法等の施行を受けて今後更に増加することが見込まれます。後見人の事務に関する監督体制の強化も引き続き図っていく必要があるというふうに考えております。 裁判所といたしまして、このような事件動向に対応し、適正、迅速な裁判を実現するために、裁判部門の人的体制の強化を図っていくとともに、裁判部門の支援を行う司法行政部門の強化と、政府の国家公務員の女性活躍とワークライフバランス推進のための取組指針を踏まえまして、必要な定員措置を行っていきたいというふうに考えているところでございます。 こうしたことから、本年につきましては、判事の増員、それから書記官の増員、事務官の増員をお願いする一方で、裁判所の事務への支障の有無を考慮しつつ、政府の定員合理化計画に協力するための定員削減といたしまして、昨年と同数の七十一人の定員削減を行うということといたした次第でございます。全体として、裁判所全体では八人の減員になっているところでございます。
○山下雄平君 かなり丁寧にお答えいただきましたが、行政ではないので、裁判所として自律的に判断していって定員の合理化にも協力しているということでございました。 先ほど私は、裁判官以外の方は職員を減らしているというふうな話もありましたが、職種ごとに見ていくと、調査官の定員というのはこの何年か変わらず一定で、事務官はちょっとだけ減っていて、書記官は増えていっています。一方で、速記官と技能労務職員はずっと減っていっています。つまり、速記官と技能労務職員を減らすことで裁判官を含めた全体の職員数は合理化できている、職員数を減らしていっているというのが現状だと思います。 この技能労務職員というのは、清掃とかドライバーとか守衛さんとか、そういった仕事をされている方だと思いますけれども、そうした業務を民間に委託することなどによって定員が減らすことができていると。 では、速記官については、その定数を減らした分は書記官に定数を振り替えていっているという認識でよろしいんでしょうか、お聞かせください。
○最高裁判所長官代理者(中村愼君) 委員御指摘のとおり、速記官につきましては、新たな養成を停止し、緩やかに録音反訳方式に移行する中、現在員の減少によって生じた欠員を書記官に振り替えているところでございます。
○山下雄平君 速記官と技能労務職員というのは、新規採用されずに、定年で退職されたらその分の定数が、まあ削り代と言っていいかどうか分かりませんけれども、そういった扱いになっているのであろうかと思いますけれども、それ以外についての職種の方について、例えば書記官については、弁護士の方とお話しすると、係争事件のことなど一般的な手続についての問合せというのは大体書記官の方にしているので、書記官の充実はやっぱり迅速な裁判には必要だというような話もお伺いします。 また、事務官についても、前回の質問で元榮議員が取り上げられたリーガルテックの進展によってどうなるかというのもあるかもしれませんけれども、一定数は事務官の方も必要だと思います。 現状では、その速記官と技能労務職員を減らしていけるので全体の職員は減っていますという説明ができますけれども、いずれ、その二つの職種の人というのはどんどんどんどん数が減っていってしまっているので、ほかを充実させるときに定員全体は増えてしまいますという時代が来るんじゃないかなというふうにも想像できます。そういうときに初めて、いや増えるんですよみたいな話をしても、何だそれはと。自律的に定員を決めているんであれば、裁判官というのは身内に甘くてじゃぶじゃぶの定員でやっているんじゃないかみたいな見方をされても、なかなか苦しいところがあるんじゃないかなというふうにも思います。 将来の不確定要素はあるにしても、裁判所として将来の定員の計画について大まかにやはり説明しておくことが国民の納得感につながるんじゃなかろうかと思いますが、その点についてどのようにお考えでしょうか、お聞かせください。
○最高裁判所長官代理者(中村愼君) お答えいたします。 裁判部門の業務の量は、審理の在り方やその時々の事件数、事件の内容によって大きく左右されるものでございますし、事件の動向予測が難しく、今後、裁判所として対応すべき課題がどのようなものが生じてくるかということについては以前にも増して予測が困難な状況にあると考えております。したがいまして、将来の見通しや現時点で明確な数字をもって今後の増員計画をお示しするということが困難であることは御理解いただきたいと存じます。 ただ、委員御指摘のとおり、現在行っている技能労務職員等の定員削減にもおのずと限界がございますし、他方、人的体制が不十分なゆえに個々の事件処理が停滞が生じるというようなことは避けなければならないというふうに考えております。 裁判所の定員は、法律で定められ、国会で御審議いただいて決めていただくという形になっております。事件動向や社会情勢等を踏まえつつ、人的体制の充実強化の必要性について国民の御理解が得られるよう今後とも丁寧に御説明していきたいというふうに考えております。
○山下雄平君 以上で終わります。
○真山勇一君 おはようございます。 裁判所職員定員法の質問に入る前に、法務大臣にお伺いしたいと思います。 あの森友学園問題についてなんですけれども、森友学園、予定どおりならばこの四月から開校していたはずですけれども、ああいうことになりまして、この先どうなるのか大変不透明な状況になっておりますけれども、やっぱり、それにしても分からないことがたくさんあります。国有地の八億円値引き売却、それを始めとして不可解なこと、納得できないこと、これは国民の皆さん、みんな感じていると思うんですが、そういうことがたくさんあります。 こうした疑惑とも言えるかもしれない事柄について、実は検察に告発状が出されたというふうな報道、そして受理されたという報道も出ておりますが、まずこれについて確認をさせていただきたいと思います。
○国務大臣(金田勝年君) ただいまの真山委員の質問にお答えをいたします。 御指摘の学校法人森友学園理事長に対します国土交通省所管の補助金の不正受給に係る補助金適化法、適正化法違反事件につきましては本年平成二十九年三月二十九日、財務省近畿財務局職員に対する大阪府豊中市内の国有地売却に係る背任事件につきましては本年平成二十九年四月五日、大阪地検においてそれぞれ告発を受理したものと承知をいたしております。
○真山勇一君 ちょっと私の聞き違いですかね。二つ目の背任の方は二十九年四月五日でよろしいんですね。はい。 今大臣から答弁いただきましたように、二件告発状が出されている。一件が補助金詐欺、そして二つ目が国有地を不当な安値で売却したという、その疑いということですね。これは共に大阪地検に出されて受理されたというふうに伺っておりますけれども、そうでしょうか。それから、誰に対してこの告発されているか、その告発の対象は誰なんでしょうか。
○国務大臣(金田勝年君) お答えをいたします。 先ほど申し上げましたが、御指摘の学校法人森友学園理事長に対する国土交通省所管の補助金の不正受給に係る補助金適化法違反事件につきましては三月二十九日、財務省近畿財務局職員に対する大阪府豊中市内の国有地売却に係る背任事件につきましては四月五日、大阪地検においてそれぞれ告発を受理したものと承知をいたしております。
○真山勇一君 そうすると、告発されたのは、補助金に関しては籠池泰典理事長、それから国有地の不当な安値で売却というものに関してはこれは財務省近畿財務局の職員に、あれですか、職員ということで告発を受けているわけですか。
○国務大臣(金田勝年君) 財務省近畿財務局職員、そして学校法人森友学園理事長ということであります。
○真山勇一君 分かりました。確認をさせていただいたということなんですけれども、これまでに二件告発状が出され、それを大阪地検で受理されているということですね。 それで、お伺いしたいんですけれども、受理されたということは、捜査に足る疑惑あるいは何らかの容疑があるという判断でよろしいんですね。
○国務大臣(金田勝年君) 大阪地検において告発を受理した補助金適正化法違反事件及び背任事件につきましては、いずれも現在捜査中であるものと承知をいたしております。 お尋ねは個別事件における捜査の具体的内容に関わる事柄でございますので、法務大臣としてはお答えすることは差し控えさせていただきます。
○真山勇一君 そうすると、お話ですと、もう捜査は開始されたということですね。当然、一般の側から見ればもう捜査始まっている、しかも、こうした補助金詐欺、それからもう一つは国有地の不当安値売却ということが理由に挙げられている。ですからまた、そういうことに対しての疑惑とか容疑があるというふうに考える。 これは一般論でも結構なんですが、こういうことがあれば、そういうことで捜査が始まったということでよろしいんですね。
○国務大臣(金田勝年君) いずれも現在捜査中であるものと承知をいたしておりまして、個別事件における捜査の具体的内容に関わる事柄につきましては、私からお答えすることは差し控えさせていただきます。
○真山勇一君 始まったというふうに私は解釈いたしますけれども、やはり今回のこの森友学園問題というのは、大変たくさんの人が関わり合っているというふうに思うんですね。契約から始まって土地の売買とか工事、それから認可の問題、それから学校の開校などめぐって大変多くの関係者がこの森友学園問題には関わっているというふうに思います。 もちろんこうした関係者、様々な形で関わりを持っているというふうに見られるんですけれども、こうした多くの関係者、これ全てが捜査の対象ということになるんでしょうか。少なくとも事情を聞くということはやるのか、伺いたいと思います。
○国務大臣(金田勝年君) お尋ねは捜査機関の活動内容に関わる事柄でございます。お答えは差し控えたいと、控えたいと考えております。
○真山勇一君 じゃ、森友学園問題というふうに限定しなくて結構でございます。一般的に、検察が告発を受けて、そして受理して、そして捜査を開始しているということになれば、やはり事件の解明ということが当然目的なわけですね。そうなると、やっぱり解明するに当たっていろんな人から話を聞かなくちゃいけない、場合によっては取調べをやらなくちゃいけないということはあるんですが、そういうことは通常の捜査のシステムとしては行われるということを認識してよろしいですね。
○国務大臣(金田勝年君) あくまで一般論として申し上げますと、捜査当局においては、法と証拠に基づいて、刑事事件として取り上げるべきものがあれば適切に対処するものと考えております。
○真山勇一君 大変難しいお答えになるんだというふうには思うんですけれども、これまでこの問題をめぐっては、関係者はいろいろな場所でいろいろなことを話していらっしゃいますね。それ聞いていると、つじつまが合わなかったり納得ができなかったり、どっちが本当なのだろうかというようなことがたくさんあります。やっぱり、言ったとか言わないとか、それから事実関係を知る上で重要な書類がなくなってしまっているとか、そういうことがいろいろあります。 これ当然、当事者双方から話聞かなければ分からないことだらけではないかというふうに思うんです。当然、片方だけでなく双方から話を聞いていかなければならないし、それが真相解明する、今回のこの森友学園問題、本当に国民の皆さんはまだまだ何かどうもおかしいなと思っていることたくさんあると思うんですね。それを調べて真相解明、捜査して真相解明しなければいけないというふうに思うんですね。 私は、議員になる前の仕事は報道の現場でニュースを取材していたということで、検察の取材というのをしているんですけど、私はその当時はやはり検察というのは正義の味方だというふうに思っておりました。そうではなくてはならないというふうに思っていました。本当に駆け出しの記者のとき、例の歴史に残るロッキード事件というのがありました。このロッキード事件といえば総理大臣の犯罪とか、そういうことも言われて、法務大臣が持っている絶大な権限、その指揮権発動というような問題も取り沙汰された、そうした大変歴史に残る大きな事件だったわけですけれども。 やっぱり検察としては、巨悪は逃さないという、そういう決意というのは是非必要だと思いますし、その辺りは国民も注目をしていると思うんですけれども、そうした決意で、今回のこの二件の告発出ています、またこれからも出てくるのかもしれませんが、そういう巨悪を逃さない、その決意で捜査に当たると。じゃ、当たるかどうか、その辺の法務大臣の見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(金田勝年君) 個別事件につきましては差し控えますが、あくまで一般論として申し上げますが、検察当局においては、常に厳正公平、不偏不党を旨として、法と証拠に基づいて、刑事事件として取り上げるべきものがあれば適切に対処しており、今後もその立場に変わりはないものと承知をいたしております。
○真山勇一君 ちょっと難しいですけれども、一般論で結構でございますが、指揮権発動ということについてはどう考えていらっしゃいますか。
○国務大臣(金田勝年君) 法務大臣が個別案件について指揮権を行使するか否かについての所見を申し上げることは、それ自体が検察の活動に重大な影響を与えかねないものであり適当ではないと、このように考えております。 その上で、あくまで一般論として申し上げますと、検察当局においては、常に、先ほども申し上げました、厳正公平、不偏不党を旨として、法と証拠に基づいて、刑事事件として取り上げるべきものがあれば適切に対処しておりまして、今後もその立場に変わりはないものと承知をいたしております。
○真山勇一君 大変力強い決意を伺えたというふうに思うんですけれども、是非検察の威信に懸けて、大阪地検の皆さん、頑張っていただきたいというふうに思うんですね。威信に懸けて捜査に臨んでほしいです。今回のこの事件でよく言われているそんたくなど絶対にしないで、真相解明、これをしていただきたい。国民も本当にそれを見守っているというふうに思います。 それでは次に、定員法改正案の質問をさせていただきたいというふうに思います。 裁判所の定員というのは、毎年、職員の適正な配置ということで行っているわけですけれども、先ほど山下委員の方から適正な人員の配置についてのいろいろな質問がありましたので、私は、一点ちょっと絞って質問をさせていただきたいんです。 最近、やはり事件の傾向としては、刑事事件とか少年事件は減っているけれども、その一方で、事件の複雑化、それから、なるべく審理を早くしようと言っているんだけどやっぱり長期化も出ているし、その一方で、また民事事件とか家事事件も増加しているということですね。 こうした家事事件の方も大事だと思うんですけれども、その中で、やっぱり判事、判事補の配置というのは必要でしょうけれども、増える事件には追い付けないということも、事情があると思います。特に、やはり社会の今私たちの取り巻く状況の中で、離婚をする方とか、あるいは離婚をした場合、子供の面会交流をどうするかとか、そうした家事事件、私、先日の委員会でも取り上げましたけど、そういうのが増えている。そのために裁判所の調停を利用する方も増えているということなんで、裁判官も一定の数、定員がありますのでその配置があると思うので、そのために同じ任務を遂行する家事調停官というのがあるというふうに伺っているんですね。 この家事調停官、最高裁の方から資料をいただきました。家事調停官の数の推移というお配りしている資料の上の、一枚目の方ですけれども、平成十八年から二十八年まで家事調停官がこんな人数で働いているということ。これ見ると、ちょっと、少しずつですが、やはり増えている傾向があるんですね。 この家事調停官というものがどういうもので、どんな人がなっているのか、役割、この辺りをお伺いしたいと思います。
○最高裁判所長官代理者(村田斉志君) お答え申し上げます。 家事調停官は、最高裁判所から任命をされますが、家事事件手続法二百五十一条によりまして、取り扱う調停事件につきましては裁判官と同等の権限を持つ者とされております。したがって、調停主任として調停手続を主宰する者ということになりますので、家事調停においては裁判官と同様の役割を果たすということになります。 家事調停事件における家事調停官の役割といたしましては、調停委員会の一員として手続を主宰し、法的観点を踏まえつつ紛争の実情を的確に把握して解決の方向性を示すということによりまして、当事者に建設的な話合いを促すということがその役割として重要であると理解をしております。 また、家事調停官は、調停委員との評議によりまして解決の方向性について調停委員との間で共通認識を形成した上で、調停委員を通じて当事者に働きかけを行い、なお必要な場合には調停期日に家事調停官自身が立ち会って当事者に話合いを促すなどして、充実した調停が行われるよう手続を主宰することに努めているものと理解をしております。
○真山勇一君 家事事件についての調停をする、当事者を前にして調停作業を行うわけですけれども、裁判官と同じという役割ということなんですが、どういう方がその調停官というものになるんでしょうか。 実は、こうした調停を裁判所に依頼している当事者の方も、目の前にいる場合は裁判官と同じ役割をしているので調停官と知らないというような話も伺っているんですが、調停官というのはどんな人が役割としてやっているんでしょうか。それから、身分としてはどういうことになるんでしょうか。
○最高裁判所長官代理者(村田斉志君) 家事調停官は、法律上、弁護士としての職務経験を五年以上有する者のうちから最高裁が任命するとされております。裁判官の権限と同等の権限を持って調停手続を主宰するという職務を担うにふさわしい法的素養を有する弁護士の中から選考を経て採用されているというところでございます。 手続も申し上げますと、家事調停官を希望する者はその選考申込書類を日本弁護士連合会を経由するなどして最高裁に提出しまして、その後、書類及び面接により選考が行われているというところでございます。
○真山勇一君 そうすると、裁判所の裁判官とは違って、今のお話ですと、弁護士の方を、一定の経験がある方を採用するということが分かりました。 調停をやっている当事者から見れば、裁判官も、それからこの弁護士さんがやっていらっしゃる調停官も区別は多分付かないというふうに思うんですが、こうしたシステムを取り入れているということは、やはり裁判官の数のやりくりとか、そういうものがあってこういう制度を取り入れているという面もあるんではないかと思うんですが、この辺りの取り入れた意図というのはどういうところにあるんでしょうか。
○最高裁判所長官代理者(中村愼君) お答え申し上げます。 調停官の制度は、先ほども答弁差し上げましたけれども、弁護士の身分を持ったまま裁判所の非常勤職員として調停に従事するということでございます。この調停官制度の趣旨は、弁護士任官の促進のための環境整備を図り、裁判官の給源を多様化するとともに、弁護士の有する多様な知識、経験や専門性を活用して、調停手続の紛争解決機能を一層充実強化し、ますます複雑困難化している調停事件に的確に対応するという趣旨で制度を設けたものでございます。
○真山勇一君 本来ならば裁判官がやるんでしょうけれども、時代の要請に合わせてこういう制度を取り入れているということ、私は、やはり調停という仕事柄、人生経験も豊富だしいろいろな知識もあった方がいいので、裁判官でもよろしいとは思いますけれども、やはりこうした弁護士さんとして優秀な方をこういう調停官というふうな仕事をやっていただく、やっぱり人材を活用するというのはいいことだというふうに思うんですね。 この調停官の仕組みの考え方とか今後の見通しについて聞かせてください。
○最高裁判所長官代理者(中村愼君) お答えいたします。 先ほど御答弁いたしましたけど、この調停官制度の趣旨に照らしますと、裁判所といたしましては、調停手続の充実強化のためにこの調停官制度を活用していくということを考えているところでございます。 ただ、趣旨に照らしますと、単に事件数だけで採用数ということを考えるのではなく、弁護士の経験や専門性が活用できる調停事件がどれぐらいあるかということでしたり、あるいは、配置する庁において継続的に調停官の人員を確保できるかどうかといった点なども考慮いたしまして、調停官制度の趣旨を踏まえましてその採用数等については検討していくべきものというふうに考えているところでございます。
○真山勇一君 ありがとうございました。 やはりいろいろな人材活用するということと、それからこういう司法界の一つの新しいやり方というふうに思います。私、評価していきたいというふうに思いますので、是非こうしたことも今後も積極的にやっていただければというふうに思います。 それでは次に、もう一つ伺わせていただきたいというふうに思います。 新年度が始まりました。今、就職とか進学のシーズンなわけですけれども、日本に就労資格で在留している親御さんでお子さんを持っている方がいらっしゃるんですが、特に高校生の方に問題があるということを伺って、その辺りについてお伺いしたいというふうに思っているんです。 親が就労資格で日本にやってきて働いていると。それに同伴して滞在している子供、特に高校生、この人たちは、家族滞在という、そういう資格で日本に滞在しているというふうに伺っています。ただ、家族滞在というのは、ちょっといろいろな制約があるというふうに伺っております。卒業して働く、進学する、二つ道はあると思うんですが、進学するときはいろいろほかにまた資格を取るということができるらしいんですが、卒業して働くときに、その家族滞在というままではやはり働くことに制約があるという、一週間に二十八時間しか働くことができないというふうに伺っております。 こうした状況で、入国管理局の方から、二十七年ですから二年前ですね、二十七年一月二十日に、そういう家族滞在の子供たちの、まあ多分就職という場に当たってだと思うんですが、もし資格の変更の申請が出たら定住者へ切り替える、定住者になれば働く時間が制限なく取れるということなんですが、そういうことで、二十七年に管理局長、入国管理局宛てに文書を出しているんですが、こうした対象になるような高校生というのはどのぐらいいるのか、その実数みたいなものはつかんでおられますか。
○政府参考人(和田雅樹君) お答えいたします。 ただいま御紹介のございました通知を発出したわけでございますが、現在はその通知の対象者についての申請者数及び許可数を把握しておらないというのが実情でございます。 今後、御指摘の件数についても把握をすることについて検討してまいりたいと考えております。
○真山勇一君 そんなに確かに多くない数だとは思うんですけれども、やはりこうしたことで、働きたいんだけど思うように希望どおり働けないという不安を抱えている若者がいるということ、特に外国籍の方がいらっしゃる、この辺りにやはり親切な手を差し伸べなくちゃならないと思うんですが。 そういうことで、さらに入国管理局の方で、その後、やはり徹底ということで文書を出したというふうに伺っております。最初は文部科学省宛てだったわけですけれども、やっぱり実際に現場の子供たちに届かなくちゃいけないということで、お配りした資料を見ていただきたいんですが、二枚目の色の付いている資料なんですが、高等学校卒業後に日本で就職を考えている外国籍を有する高校生の方へというのがあります。これはそういう目的で出されたものなんですか、ちょっと確認をさせてください。
○政府参考人(和田雅樹君) 御指摘の文書は、文部科学省の方が各高校の方に通知する際に使う資料が必要だということで入国管理局の方で作成したものでございます。
○真山勇一君 高校生の方へと書いてあるので、当然、当事者に渡るためのこれはチラシというか、案内だというふうに思うんですね。 その中で、まず、一、二、三、四と上のところに四つ番号があるんですが、私ちょっと気になったのは、二番目、日本において義務教育の大半を修了していることというのがあるんですね。米印が付いていて、下に書いてあるところを読むと、小学校低学年で来日して、その後継続して在留し高等学校を卒業した場合ということで、その下に、例えば小学校の中学年以降に来日すると、ちょっとこうした、要するに定住者への切替え、働けるように定住者になる切替えというのができないということがあるようなのですが、この辺り、なぜこういうふうな小学校の低学年というふうに区切っているのか、教えてください。
○政府参考人(和田雅樹君) お答えいたします。 これは定住者への在留資格の切替えということでございまして、まず前提といたしまして、定住者に在留資格がどのような場合に認められるかということについて申し上げます。御指摘の通知の対象者に限らず、定住者の在留資格につきましては本邦における活動に制限がございません。したがいまして、原則として、我が国社会への十分な定着性が認められることというのを考慮要素の一つとしております。 そこで、その通知に照らして考えますと、日本において義務教育の大半を修了しているということでございますので、おおむね小学校の低学年で来日して小中高等学校を卒業した場合には、我が国社会への十分な定着性が認められるということから、就職先が決定している場合には、ほかに問題がなければ原則として定住者の在留資格を認めるという取扱いをいたしております。また、小学校の中学年で来日した場合につきましては、申請者の在留状況等を踏まえまして、個別に判断しているというのが現在の取扱いでございます。
○真山勇一君 定着率ということでいえば、短くてもその後就職する意思があれば、そこで、日本で働くということで将来的に長期的に定着というのがあるので、この辺りはもう少し弾力的な運用を是非できればというふうに思うんですね。やはりそんなに長いこと日本にいなくて、途中から来た、つまり、両親と一緒に来るとやはり大きなお子さんもいらっしゃると思うんですね。そういう方も日本で働きたいというのを、是非そういう意思を酌むような、そういうシステムにやっぱりしていただきたいというのが一つ。 それから、もう一つは、今ありました就職先が決定していること、決定していなければ家族滞在からいわゆる定住者ということに切り替えられない、フルタイムで働くようにはできないということになるんですが、これちょっと気になるんですね。まあ鶏が先か卵が先かみたいなことがあると思うんですが、就職先が決まっていないと定住者の切替えさせないよみたいなニュアンスに受け取れるんですよ。 ですけれども、子供にとっては、やっぱりこの先住めるという保証があるから、例えば受験をした就職先の会社に、私は大丈夫です、この先住めるので是非働かせてくださいということが言えると思うし、雇う側からすれば、そういう身分の安定、保証があればこそ、じゃ雇おうかということになるので、分からなかったら就職できないということがあるんじゃないかと思うんですね。やはりこれ、就職先が決定というよりも、いわゆる学生の就職活動の動きというのを見ていると、決定というよりも、やっぱりそれは内定、もし出れば雇うよという、そういう約束の問題だと思うんですね。 だから、その下に書いてある在留資格変更の申請、緑色の枠の中の五番、日本企業などに雇用されることを証明する書類、雇うぞという、これ、雇い側のあれですよね、雇主側の証明書ですよね、それがなくちゃ駄目だと言っているんですけど、これはちょっと順序逆じゃないか。やっぱり定住者になったよということで、逆に、じゃ、雇いましょうということになるんじゃないかと思うんですが、この辺りはどういうふうにお考えですか。
○政府参考人(和田雅樹君) お答えいたします。 御指摘のとおり、書類等に就職先が決定していることというふうに確かに記載しておりますけれども、これは就職先との間の雇用契約の締結までを求めるものではございませんで、いわゆる内定でも差し支えがないというふうに考えておるところでございます。 したがいまして、今の記載ぶりでは誤解を招きやすいということであるならば、より分かりやすい記載にしていくことを検討してまいりたいというふうに考えているところでございます。
○真山勇一君 時間が来ているのでまとめたいと思います。 そのとおりだと思うんですね。やっぱり高校生に渡す書類ですから、決定という言葉はきついと思うんですね。内定とか就職予定ならばとか、やっぱりそういう丁寧な配慮が必要だというふうに思っています。 少子化の中で人口も減っていますし、こうした若い力、外国の方であっても日本の経済を支える大事な力になると思いますので、数も少ないけれども、数が少ないからこそ、こうした細かい配慮を是非お願いしたいと思います。 済みません、ありがとうございました。
○佐々木さやか君 公明党の佐々木さやかです。 今日は、裁判所職員定員法の一部を改正する法律案ということでありますけれども、今日、ほかの委員の先生方からの御質問にもありましたとおり、紛争の複雑化、また審理の長期化傾向が見られるという中で、民事訴訟事件や家事事件の適正かつ迅速な処理を図るために判事や裁判所書記官、事務官の増員を行うという内容の改正となっております。訴訟ですとか調停、そういった裁判所での紛争解決の手続を迅速かつ適正に行うということは、国民の司法への信頼の確保、また国民の権利保護のためにも重要であるというふうに思っております。 ただ、同時に、こうした裁判所での手続以外の、裁判所外の紛争処理手続というものも重要ではないかなというふうに思っております。訴訟若しくは裁判所での調停ということになりますと、やはり迅速化とはいっても一定の時間が掛かりますし、また代理人を頼むということになると費用も掛かります。それから、裁判所というところで手続を厳正にしようと思えばするほど、なかなか柔軟にいかないというところもありますし、土日対応ですとか夜間対応なんかも基本的にはできないと思います。そういったことからも、そうした裁判外の紛争処理手続というものの充実というものは、紛争の早期解決、国民に対するサービスの充実という点でも重要ではないかなと思っております。 そこで、最初に大臣にこの裁判外紛争処理手続についてお聞きをしたいんですけれども、特に家事事件ですとか、また労働関係の紛争なども増えております。そうした中で、裁判上の手続に限らず、裁判外の紛争処理として、法務省は認証ADRという制度を行っておりますけれども、この認証ADR、なかなか国民に対する認知が余り高くないのではないかというふうに私としては問題意識を持っておりますが、この認証ADRの普及ですとか利用促進について是非取り組んでいただきたいと思いますが、大臣の御見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(金田勝年君) 佐々木委員から御指摘ございました。裁判外の紛争処理手続も、紛争解決の選択肢として、裁判に並ぶそういう選択肢として今後も法務省として考えていくべきではないかと、こういう御指摘だとお聞きしましたが、夫婦間の離婚や子をめぐる紛争などの家事紛争において関係者の権利や利益の適切な実現を図るためには、認証ADRが紛争当事者にとって裁判に並ぶ紛争解決の選択肢だと、非常に重要だというふうに認識を私どももしておるわけであります。 したがいまして、現状でも家事紛争を専門的に取り扱うADR機関が認証を得るなど、認証ADRによる家事紛争の解決に向けた取組がされているものと承知をいたしております。 したがいまして、私ども法務省といたしましては、この認証ADRの魅力を高めて利用しやすくするための取組として、認証ADR機関の特徴をまとめたアピールポイント一覧というものを公表いたしましたり、法テラスや消費生活センターなどの相談窓口である関係機関との連携を強化するといった取組を進めているところであります。 このようにして、今後とも認証ADRが国民にとって魅力のある紛争解決の選択肢として利用していただけますように、引き続いてその利用促進に向けた取組に努めていきたいと、このように考えておる次第であります。
○佐々木さやか君 大臣からお話しいただいたとおり、特に家事事件、離婚それから子の監護に関する問題、非常に増えております。そうした紛争の受皿としても、私はこの認証ADR、もっと役割を果たすべきではないかなと思っております。 しかしながら、そのためには、一つは、今受皿と申し上げましたが、まだ認証ADR、家事事件専門というところ、やっているところが余り件数が多くないと思っております。ですから、どこに住んでいらっしゃっても全国で必要なときにはそうした利用がしていただけるように、一つはその受皿の数を増やしていただくように促進をしていただくと。 それからもう一つは、先ほども申し上げましたけれども、裁判所の調停などというのはやはり平日の日中の時間ということで、仕事も休んで、双方の都合を合わせて日程を入れなきゃいけないので、そういう苦労もあるわけですけれども、民間であればその辺ももう少し工夫がもしかしたらできるんじゃないかなと。夜間とか休日ですとその実施主体もいろいろ大変だとは思いますけれども、そうした手続の一定の柔軟化というものも国民にとって利用しやすいADRのために重要なのではないかなと思いますので、是非御検討をお願いしたいと思います。 裁判所定員法の改正の質問に戻りますけれども、今回の改正では、判事の員数の増加に加えて、裁判所書記官、事務官の増員も行われております。裁判官というのは一度にたくさんの事件を抱えておりますので、それを補佐するそうした書記官ですとか事務官の方の仕事というのも非常に重要でありまして、それを増員するというのは紛争の適正かつ迅速な処理のために大切なことだと思っております。 今回の改正では、書記官を二十四人、そして事務官を十七人増員するということでありますけれども、欠員の状況を見ますと、平成二十八年の十二月一日現在ではありますけれども、書記官の欠員が五十八人、事務官等の欠員が百五十五人という形で、今申し上げたのは下級裁判所ですけれども、こういった数字上は比較的多くの人数で欠員が生じているようにも思えるんですが、この欠員によって事件処理上の支障はないのかどうか、確認をしたいと思います。
○最高裁判所長官代理者(中村愼君) お答えいたします。 欠員の状況は委員御指摘のとおりでございます。年度途中で一定数の離職者等が生じるというのは、これはやむを得ないところでございます。書記官は資格官職でございます。また、事務官も年度途中の採用には限界があるといった、充員について一定の限界があるという実情を踏まえますと、年度途中には一定の欠員が生じてしまう状況にございます。 ただ、書記官、事務官、全体の定員数、書記官九千七百六十二、事務官等八千七百五十五でございますが、この定員数に比べますと、先ほどの欠員数につきましては、直ちに書記官の事件処理や事務官の事務の処理に支障が生じているものではないというふうに認識しているところでございます。 裁判所といたしましては、年度途中に生じた欠員につきましても、事件処理に支障を来すことのないよう、引き続き充員に努めてまいりたいと考えています。
○佐々木さやか君 先ほど申し上げた欠員は、直ちに支障が生じるようなものではないという説明でありました。引き続き適正な増員を行っていっていただきたいと思います。 それから、もう一点確認をしたいと思いますが、今回、この法律の改正では、技能労務職員等を七十六人削減するという形になっております。この点についても、削減ということで国民に対するサービスに何らかしら支障がないのかどうか確認したいと思いますが、具体的にはどのような部署から削減を行うんでしょうか。
○最高裁判所長官代理者(中村愼君) お答えいたします。 今回、定員削減いたしますのは、速記官五名、技能労務職員七十一名でございます。この技能労務職員は、庁舎の清掃や警備、電話交換といった庁舎管理等の業務を行っている部署、また自動車の運転等の業務を行っている部署、これらの部署の定員を削減するということでございます。 技能労務職員の定員の削減は、定年等の退職に際しまして、裁判所の事務への支障の有無を考慮しつつ、外注化による合理化等が可能かどうかを判断し、後任を不補充とした上、その後問題が生じていないことが確認できた場合に行っているところでございまして、裁判所の事務に支障が生じないよう配慮しているところでございます。
○佐々木さやか君 今の御説明ですと、定員に際して、退職されると、それについては補充をしないという形で、かつ支障が生じないかどうか慎重に検討をしていただいているという説明でしたので、そう認識しております。 それから、速記官の方については五名人数が減るということであります。速記官については、今いろいろな機器も発達をして、必ずしも速記官による速記によって記録をしなくても済むようになってきたと、こういう変化があるわけでありますけれども、そうした中で、ただ、速記官の資格を有して働いていらっしゃる方もいらっしゃいますので、働きやすい、働きがいのある職場というものをこれからも引き続きつくっていけるように取り組んでいただきたいと思います。 次に、少し話題が変わりますけれども、児童虐待について質問をしたいと思います。 先日、この委員会で私も取り上げたんですが、児童福祉法それから児童虐待防止法に関する改正の法律案が今国会で議論をされることになっておりますけれども、この改正によって家庭裁判所に児童虐待に関する新しい役割が期待をされております。具体的には、虐待を受けている児童等の保護を図るために、里親委託や施設入所の措置の承認の申立て、これがあった場合に家庭裁判所が都道府県に対して保護者指導を勧告することができる、また、一時保護について、親権者等の意に反して二か月を超えて行う場合には家庭裁判所の承認を得なければならないことにすると。 ということで、こうしたこれまでにない家裁の役割というものが付加されるわけでございますけれども、法律が成立をして施行されてからの、具体的には、ことではありますが、こうした中で家庭裁判所においても新しい役割を果たすための人的な体制の整備充実というものが必要かと思いますが、この点についての見解を伺いたいと思います。
○最高裁判所長官代理者(中村愼君) お答えいたします。 児童福祉法改正法案等、現在議論がされているところでございまして、家庭裁判所に児童虐待の対応等の新たな役割が求められる状況であることは委員御指摘のとおりというふうに認識しているところでございます。家庭裁判所におきましては、家事事件の事件数が増加傾向にあり、特に成年後見事件の申立てが増加している状況も踏まえ、これまでも、家事事件の対応を充実強化するため判事の増員あるいは書記官の相当数の増員といった人的体制の整備を図ってきたところでございます。 裁判所といたしましては、委員御指摘のような、社会が家庭裁判所に求める役割が増大していることを踏まえまして、事件動向等の状況を注視しつつ、今後とも的確な事件処理が図られるよう必要な体制整備を努めてまいりたいというふうに考えております。
○佐々木さやか君 今回の法改正、定員法の改正による増員についても、適切にこうした新しい体制の充実に資するようになることを期待したいというふうに思います。 それから、家庭裁判所調査官についてお聞きをしたいんですけれども、この調査官の増員は今回はありませんが、家事事件も増えてくる中で非常に役割は重要であると思っております。 こうした家庭裁判所調査官の増員状況というのは、今回はありませんので過去のことになりますが、これまでどのような形だったんでしょうか、教えていただきたいと思います。
○最高裁判所長官代理者(中村愼君) お答えいたします。 家庭裁判所調査官については、平成十二年度から平成十八年度まで事務官からの振替を含めまして合計六十八人の増員を行うとともに、平成二十一年度については少年事件における被害者配慮制度への対応ということで五人の増員を行い、家庭裁判所がその特色である科学性や後見性を十分に発揮して的確な事件処理が図られるよう必要な体制整備を行ってきたところでございます。
○佐々木さやか君 平成十二年から十八年に六十八人ということで、そのときには一定程度の数を増やしていただいたということであります。 基本的には少年事件を主に調査していただいているんだと思います。少年事件は確かに減っているわけでありますけれども、先ほどから申し上げているように、家事事件、特に子の監護に関する事件というのは非常に近年増えております。平成十二年から十八年に六十八人増やしていただきましたけれども、その当時から比べましても、子の監護の事件というのは平成十八年で二万六千件程度新受件数がありますけれども、平成二十六年ですと四万一千件を超えているという状況にあります。ですから、こうした子の監護に関する事件というところにもこの調査官の専門性を是非生かしていただきたい、また、丁寧な調査を行っていただきたいというふうに思っておりますので、家庭裁判所調査官についても今後も適切かつ必要な増員というものも検討していただきたいと思いますので、この点はお願いをしておきます。 それから、ちょっと時間がなくなりましたので、もう一問聞こうと思っておりましたけれども、この点もちょっとお願いにとどめたいと思います。 今申し上げたように、家庭裁判所調査官、元々専門性が非常に高い方々でありますけれども、子の監護に関する事件、非常に複雑化しておりますし、それから国際結婚ですとか、それに伴って国際離婚といいますか、そういった問題も増えてきておりますので、更に家裁調査官のスキルアップというものも今後も努めていただきたいと思いますので、この点を申し上げて私の質問を終わります。
○仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平でございます。 今日も、党派を超えて、与野党を超えて強化が必要ではないかという問題提起があっています家庭裁判所の人的、物的体制についてお尋ねしたいと思います。 資料をお配りをしましたが、今年の一月、長崎で発生しました元夫による元妻の殺害事件が社会的に大きな衝撃を広げております。昨年、二歳の長男の面会交流の取決めをして、その約束の履行のために元夫宅に長男を連れていった元妻がめった刺しにされて殺害をされたと。元夫はその自宅で自殺をしたと。結果、その二歳の男の子は、母もそして父も失ってしまったわけです。 二枚目の記事に、昨年十一月末から警察に元妻はストーカー被害についての相談をしていたけれども、ストーカー規制法に基づく対処は求めてはいなかったということが書いてあります。県警は、元妻が面会交流の取決めを守って、家族への危害なども心配して、男の子を連れて元夫宅に行った、そういう可能性があるのではないかと指摘をしているわけですね。 この件はそうではないんですけれども、これ、家庭局長、もしこれが家庭裁判所の調停やあるいは審判に基づくものであったとするならばと考えると、裁判所を始めとした司法関係者の責務の重さというのは、私、本当に痛感するんですね。これ、一たび面会交流の取決めを行っても、相手方がストーカー行為に走るとか、あるいは暴力化するという可能性はあるわけです。あるいは、調停や審判の際にそうしたストーカーあるいは暴力的なことが主張されていない場合もあるかもしれないし、分からないままそうした取決めがされることだってあるかもしれないわけですね。 これ、一旦決めたからといって拘束されるというものではないと思いますし、変えられないものではないと思うんですが、いかがでしょうか。
○最高裁判所長官代理者(村田斉志君) お答え申し上げます。 面会交流に関する定めにつきましては、民法七百六十六条三項におきまして、家庭裁判所は必要があると認めるときはこれを変更することができるというふうに定められております。したがいまして、一度裁判所において当事者の合意又は裁判所の判断により定められた事項につきましても、当事者においてこれをそのとおり履行することが不相当だというような事情が生じたと考える場合には、当事者は定められた面会交流の内容を変更することを求めて、改めて調停や審判の申立てをすることができるということでございます。 当事者からこのような申立てがあれば、家庭裁判所といたしましては、必要な調査を行った上で、申立てに理由があると判断した場合には面会交流の定めを変更するということになります。したがいまして、一度裁判所において定められた面会交流の内容について、事情の変更があってもなお遵守しなければならないということではないというふうに考えております。
○仁比聡平君 そのとおりだと思うんですね。事情変更があった場合も、絶対にそれに拘束されてストーカーあるいは暴力というところに自らの危険をさらして子供を連れていくということであってはならないということだと思うんですが、問題は、そうした状況に置かれる、この事件で言いますと元妻がどこにどう訴えるのかなんですよね。 私は、ある家事事件に携わっている弁護士の、区役所の数ほど家庭裁判所をという言葉を聞いたことがありまして、戦後の家庭裁判所の出発というのはそういうものだったんじゃないのかと改めて思うわけです。もちろん、申立てとかあるいは事件の手続のための相談とかということはあるけれども、仮に調停や審判で離婚や面会交流ということが定められたとすれば、それは子の最善の利益のために子の意見も陳述も聞きながら裁判所が深く関与して定めていくわけですよね。その子供のこと、家族のことを一番そういう意味では専門的に相談をして、そして判断をしていった裁判所のあの調査官の人に、今こんなふうに困っているんだけれどもどうしたらいいだろうかというのを相談できるような、そうした意味で国民から本当に信頼される家庭裁判所になっていくといいますか、ということが複雑困難な事案が増えていく中でとても大事なんじゃないか。 実際、私が、もう随分以前になりますけれども、修習をしていた時代の、私、福岡家裁でしたけれども、あるいは事件の活動の中でも、申立てとかいう難しい言葉は分からなくても実際に困って家庭裁判所に相談に来る、そうしたらば、手続を教えるのはもちろんですが、その事件を知っている調査官だとか書記官がその心情をもおもんぱかっていろんな丁寧な対処をするという現場に、やっぱりそうだよねと思ったことが何度もありましたけれども。そうした困っている人の相談を受ける、問題を、事件を解決していく上で書記官や家庭裁判所調査官の役割というのはとても大事だと思いますが、局長、いかがですか。
○最高裁判所長官代理者(村田斉志君) 委員御指摘のような相談が裁判所に寄せられるということはしばしばあろうかと思います。そのような相談があった場合には、先ほど申し上げたような改めて面会交流の調停や審判を申し立てることができますよといった点も含めまして、家庭裁判所への申立て方法でありますとか申立て後の手続、さらには、面会交流でありますと、その定めたことが守れないといった場合に履行の勧告をするというような制度もございますので、そういったことも含めまして、関連する諸手続ですとかについて説明をさせていただいているものと承知をしております。 裁判所といたしましては、今後も、当事者からのいろいろなお問合せ、御相談に対して、考えられる手続を丁寧に説明するなどして、当事者にとって家庭裁判所の手続が利用しやすいものになるように努めてまいりたいと考えております。
○仁比聡平君 そうした子供が関わる事件、面会交流が関わる事件というのは急増しているわけですけれども、その下で最高裁判所がDVDを作っています。 これ、私が端的に趣旨を受け止めているのは、夫婦間の葛藤、争いというのはとても深刻なわけですね。ですから、夫婦の間の互いの言い分が違うんだ、相手の言い分は違うんだと、そうした思いでいっぱいになって裁判所に来られる方がほとんどだと思うんですよね。そういう意味では、互いに対する憎しみでいっぱいになっている。その下で、子の福祉、子供のこと、子の最善の利益というのを本当に考えてほしい、考える必要がある、だからこのビデオを見てそこに気付いてほしいと、それがこのDVDを作っておられる趣旨なのではないかなと思うわけですけれども、裁判所のホームページにアップされていたり、みんなが待合をする部屋でずっと流されたりとかはしているんだけれども、だけれども、それって目や耳に入らないんですよ。 むしろ、見てこない方、見ない方にどう見てもらって考えてもらうかということが大事なのであって、そうしますと、例えば大都市のある家裁の庁で家事調停が平日の午前、二十五件から三十件入っていると。そのうち子供に関する事件でそのビデオを見てもらうべきだと調査官が感じる事件というのが五、六件はあると。本当だったらそのお一人お一人を部屋に案内するなりしてビデオを見てもらう、で、いろいろ大変ですねと声を掛けたり、あるいは見てもらった後にいかがですかと声掛けをする、そうした対応の中で事件を本当に解決していくということが必要なんじゃないのかと。だけれども、その人的、物的な体制がないという声に、家庭局長、どんな思いですか。
○最高裁判所長官代理者(村田斉志君) 委員御指摘のDVD、まさにお話ございましたとおり、面会交流の意義等に関して御理解いただけるように作成をしておりまして、御指摘にもあったとおり、裁判所のウエブサイトにおいても一部を御覧いただけるように配信もしております。 ただ、このような動画を御存じでない方、御覧になってこられない方もいらっしゃいますので、このDVDを見ていただくことが望ましいと考えられるような場合には、調停手続を行うまさに手続の中でDVDを視聴していただくということもございますし、あるいは家庭裁判所調査官の調査の中で、家庭裁判所調査官が内容について御説明をしながらDVDを見ていただいてというような形で、実際の事件処理の中でもDVDを活用しております。また、規模の大きな庁では、何人か同じような立場におられる方にまとまってそのDVDを見ていただくような取組をしている例もあるかと承知をしております。 このように、こうしたDVDの視聴が有用であるという場合には、どの家庭裁判所においても見ていただけるように環境は整備をしているというふうに認識をしておりまして、最高裁判所といたしましては、こういったDVDの活用も含めまして、事件を合理的かつ効果的に活用していくために必要と考えられる家庭裁判所の取組について、最高裁判所として今後とも支援をしてまいりたいというふうに考えております。
○仁比聡平君 実際、調査官が一緒にビデオを見ながら、ここの場面で止めて語り合ってみたりというような取組もあっているようで、そうした複雑困難な一件一件のケースに対して本当に丁寧に調査と判断を進めていくということが、とりわけ専門家としての調査官に求められているわけですよね。そのケースが、一枚目の日経新聞の記事にありますように、家事事件全体として年間百万件を超えたと。 先ほど、調査官が〇九年に五名増やされたというお話がありましたけれども、それは八年前のことであって、この真ん中に、子供の面会をめぐる法的トラブルとして調停、審判の件数が挙げられていますけれども、今や一万四千二百四十一件、この十年間で約二・五倍に増えているわけですね。〇九年からしてみたって、急増しているということはもう明らかなわけです。 その下で、複雑困難化する事件の調査のために調査官が共同調査を必要とする、行うというケースも増えていると思うんですが、どんな御認識でしょうか。
○最高裁判所長官代理者(村田斉志君) 委員御指摘のとおり、子の監護をめぐる問題など、慎重な調査を要する事案も増加しているというふうに認識をしておりまして、一つの案件について複数の家庭裁判所調査官が共同で調査に当たる事件というのも近年増加しているというふうに認識をしております。
○仁比聡平君 そうした下で、今回の法案というのは、書記官、事務官、裁判官を増員します。これは私は評価をいたしますけれども、政府の定員合理化計画に最高裁が協力をするんだということで、全体としてとうとう五年連続の純減なんですよ。事件は、この家裁の件を中心に急増している、複雑困難化していると。だから、その事件に対する処理の在り方も質的、量的に大きく変化をしている中で、職場は繁忙になっているわけですよね。にもかかわらず、限られた人員に限ってしまうということになると、適正、迅速な司法の役割は果たせなくなってしまうのではないですかと。 その下で、この長崎の事件のようなことが絶対起こってはならない、それだけのプレッシャーと専門性の中で調査官、仕事をしているわけでしょう。その調査官の研修が、この間、半分にされているというような動きがありまして、八年目を迎えた調査官は、同期およそ五十人の人たちと中央の和光の研修所に集まって十日間ほどの専門研修というのを行ってきたんだけれども、昨年からこれを五日間に絞ってしまうということになってしまったようです。 こんなことではなくて、調査官の数を抜本的に増やして、必要なそうした研修も行えるようにすべきだということを強く申し上げまして、時間参りましたので、質問を終わります。
○東徹君 日本維新の会の東徹でございます。 裁判所職員定員法の一部を改正する法律案ということで、今日は六問作ってまいりましたけれども、時間の関係でできない場合は御容赦いただきたいと思います。 まず初めに、今回の裁判所定員法改正案の判事の員数でありますけれども、五十人増やすということで、新規で二十七人、それから判事補からの振替ということで二十三人という内容になっておるわけでありますが、その前提として、今まで下級裁判所の裁判官の定員がどのように推移してきたのか、まずお伺いしたいと思います。
○最高裁判所長官代理者(中村愼君) お答えいたします。 判事の定員は、平成二十年度について千六百七十七人、平成二十四年度について千八百五十七人、平成二十八年度については千九百八十五人というふうに推移しております。判事補の定員は、平成二十年度について九百八十五人、平成二十四年度については千人、平成二十八年度も同じ千人ということでございます。
○東徹君 裁判官の定員はずっと年々増えてきておるわけですけれども、一方、下級裁判所における事件の、今回の法案の目的が迅速かつ適切な処理を行うためということでありますけれども、地方裁判所における通常の民事訴訟における平均の審理時間についてお伺いしたいと思います。
○最高裁判所長官代理者(中村愼君) お答えいたします。 民事訴訟の第一審の平均審理期間は、平成二十年度で六・五か月、平成二十四年度については七・八か月、二十八年度については八・六か月ということでございます。人証調べがある判決終局事件の平均審理期間は、二十年度が十八・一か月、二十四年度が十九・二か月、平成二十八年度が二十・四か月ということでございます。
○東徹君 裁判官の人数を年々ずっと増やしてきている。一方、審理期間がこれも長くなってきている。簡易裁判所においても、平成二十年が二・三か月だったものが、平成二十四年では二・六か月、二十八年では二・八か月ということで、これもやっぱりだんだんと長くなってきておりますので、同様の傾向だというふうに思います。 複雑化してきているということが原因だというふうに一言で言われるかもしれませんけれども、今回の平均審理期間、やっぱりこれなかなか短縮に結び付いていないというところがあると思うんですね。だから、複雑化しているという一言だけで済ますべきではないというふうに思っておりまして、その辺のところをどのようにお考えなのか、お伺いしたいと思います。
○最高裁判所長官代理者(中村愼君) 委員御指摘のとおり、裁判所といたしましては、これまで裁判官の増員をお認めいただきまして審理期間の短縮に取り組んでいるところでございます。ただ、なかなか結果が出ていないというところは事実でございます。 これは、複雑困難な事件が増えているという原因がもちろんあるわけですけれども、もう一つ、平成十六年には地裁の一審通常事件数が約十四万件であったところが平成二十一年には二十四万件と、この数年間で十万件増えているところでございます。これは、いわゆる過払い事件が増加したというところで、この事件数が急激に増加し、裁判官の一人当たりの手持ち事件数も増えたというところが影響しているというようにも考えているところでございます。 また、裁判は、裁判所のみで行うものでなく、当事者との関係がございますし、その時々の事件動向、法制度にも大きく作用されるということから、なかなか審理期間の短縮には結び付いていないというふうに考えているところでございます。
○東徹君 審理期間、非常に短くしていく努力はやっぱりこれからも是非続けていただきたいというふうに思います。 次に、定員管理についてお伺いをさせていただきたいと思います。 司法と行政の違いはありますけれども、やはりこの定員についてもどのような目標を持って考えているのか、最高裁の方での目標についてお伺いしたいと思います。
○最高裁判所長官代理者(中村愼君) お答えいたします。 裁判所は、一件一件の事件を適正、迅速に解決するという責務を負っているところでございます。民事訴訟事件が増えて、また複雑困難な事件も増えているところでございます。また、家事事件につきましても、成年後見事件等が累積的に増加しており、後見人の事務に対する監督体制の強化も引き続き図っていく必要があるところでございます。そういう観点から、地裁民事訴訟事件につきましては合議率あるいは対席判決事件の平均審理期間ということの目標を掲げ、これに向けて努力しているところでございます。 確かにまだ目標の実現には至っていないところでございますが、今後とも、適正、迅速な裁判を実現するため、審理運営上の工夫、これを不断に行っていくとともに、中長期的な事件動向、事件の複雑困難化、専門化といった点も考慮いたしまして、裁判官等の必要な増員を計画的に行い、裁判部の充実強化を図っていきたいというふうに考えております。 他方、政府の定員合理化計画というところで裁判所も国家機関として一定の協力をするという観点から、事務の効率化等、必要な内部努力を事務局部門について行いまして、毎年技能労務職員を中心に一定の減員をしているところでございます。
○東徹君 やはり税金で賄っている以上、もちろん一個一個の裁判をしっかり丁寧にやっていくことも大事ですけれども、合理化というところも併せてやっていく必要があるというふうに思います。 今回の定員の件でありますけれども、定員を増やしてきておるんですけれども、実際に見ると、先ほども話がありましたが、欠員が出ているということで、欠員が多く出ていたらこの一体定員の意味がどこにあるのかなと、こう思ってしまうわけでありますけれども、特に判事補は平成二十一年に定員が千人を超えておりましたけれども、実際に働いている人数がこれ九百人を超えたことがないわけでありまして、判事、判事補共に欠員が多く出ている理由と、この欠員への対策についてどのように行っているのか、お伺いしたいと思います。
○最高裁判所長官代理者(堀田眞哉君) お答え申し上げます。 裁判所といたしましては、できる限りの充員に努めているところでございまして、判事につきましては、本年九月と来年一月に判事の任命資格を取得する判事補等を判事に任命することによりまして充員される見込みでございます。 他方、判事補の充員につきましては、裁判官としてふさわしい資質、能力を備えていることが必須である一方で、司法修習生の側におきましても、弁護士として活躍する分野が広がっておりますことに加え、優秀な修習生については渉外事務所等の法律事務所と競合するといった事情もございますので、裁判官としてふさわしい人でありましても裁判官への任官を希望する人が大きく増加している状況には必ずしもなっていないという状況にございます。また、法律事務所との競合に当たりましては、裁判官の場合、全国的な異動が避けられないというところがございますが、そういった点も隘路となっている状況もあるのではないかと考えているところでございます。 こういったことも考えまして、実務修習におきましては、裁判官の職務や働きぶりを間近に見てそのやりがいや魅力を実感してもらいますほか、司法研修所におきましても、折に触れて司法研修所教官が裁判官のやりがいや魅力といったものを司法修習生に伝えるなどといったことをいたしまして、任官希望者が増加するよう努めているところでございます。
○東徹君 続きまして、裁判官の今回定員を増やしていっているわけでして、当然ながらこれ人件費は増えていくわけでありますけれども、今回の法案では、判事の数を五十人増やす一方、定員の合理化を片方では進めていくということで、全体として八名の定員を減らすことになるわけですが、このことで人件費がどのようになるのか、お伺いしたいと思います。
○最高裁判所長官代理者(笠井之彦君) お答え申し上げます。 今回の法案に関する人件費として、平成二十九年度予算におきましては、判事の増員等に係る増加分といたしまして約四億一千百万円を計上し、他方、定員合理化等に係る削減分として約四億九千七百万円を計上しております。差引き合計で約八千六百万円の減額ということになります。
○東徹君 八千六百万円の減額になるというわけでありますけれども、これは恐らく半年分で考えているんだと思うんですね、二十九年度ですから。これは、平年にした場合はどのようになるんですか。
○最高裁判所長官代理者(笠井之彦君) これを仮に平年度化して計算させていただきますと、判事の増員等に係る増加分が約七億一千八百万円となります。定員合理化等による削減分は約六億一千四百万円となります。差引き合計で約一億四百万円の増額ということになります。
○東徹君 これ、最初この法案を見させていただいたときに、一方では判事の数を増やしていく、合理化というところで、先ほども話がありましたけれども、技能関係の職員の数を減らしていって合理化していくんですよ。平成二十九年度の予算だけで見れば約八千六百万ですかね、の人件費が減りますよと。一瞬見たときは、これはなかなか、ああそうだな、ある程度努力してやっているんだなというふうに思ったわけでありますけれども、平年化すると人件費が増なわけですね、一億四百万円ということで。これはちょっと、まあ少し努力不足なんじゃないのかなと、もう少し頑張ってもよかったんじゃないのかなというふうに思うんですが、この辺のことについては今後どのようにお考えになられるのか、お伺いしたいと思います。
○最高裁判所長官代理者(中村愼君) お答えいたします。 裁判所の人的体制の充実ということは、裁判所が人でもっている組織であるということから必要なことというふうに考えております。先ほどから答弁させていただいていますように、それぞれの裁判の事件が適正、迅速に解決されるように、人的体制の充実ということはこれからも計画性を持って進めていきたいと考えております。 一方で、やはり合理化できるところは合理化するということで、事務局部門の合理化等についても引き続き努めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
○東徹君 税金で賄われている以上、裁判を適切かつ迅速にやっていく、これはもちろん大事なことでありますけれども、合理化できるところはやっぱり時代に合わせて合理化していく、これは当然大変重要なところだと思いますので、こういったところはしっかり行っていただきたいと思います。 国会では、参議院の改革協議会なんかでも、我が党だけじゃなくてほかの党からもペーパーレス化というふうなのがあったりとか、ある程度のコスト削減につながるのではないかというふうに考えておりますが、裁判所としてどのような努力を行っているのか、お伺いしたいと思います。
○最高裁判所長官代理者(中村愼君) お答えいたします。 裁判部門につきましては、様々な手続の運用改善というようなところで、合理化ができるところということを不断に検討しているところでございます。システム、コンピューター等の利用というのは、今後検討していく必要はありますけれども、なかなか隘路というところもあるところでございまして、そういうふうなものを利用した、電子機器を利用した合理化ということも今後検討していかないといけませんし、また、事務局部門についても同様に、いかなる合理化ができるかということについて十分検討しながら進めてまいりたいというふうに考えております。
○東徹君 しっかりとできるところはやっていくということを努力していただきたいと思います。 時間ですので、以上で終わらせていただきます。ありがとうございました。
○糸数慶子君 沖縄の風、糸数慶子です。 質問に入ります前に、最高裁の人事について一言申し上げたいと思います。 最高裁裁判官の人事については、憲法七十九条で、内閣でこれを任命すると定めています。 二〇〇二年に首相官邸のウエブサイトで公表されました、資料として提出しておりますが、「最高裁裁判官の任命について」によりますと、最高裁裁判官の任命は、最高裁長官の意見を聞いた上で内閣として閣議決定する、最高裁長官に意見を聞くのは、最高裁の運営の実情を踏まえたものとなるように人事の万全を期すため慣例として行っている、最高裁長官の意見は、一般的には出身分野、候補者複数名と最適任候補に関するものである、候補者については、主として裁判官、弁護士、検察官の場合は最高裁長官から複数候補者について提示を受け、行政、外交を含む学識経験者については原則内閣官房で候補者を選考し、いずれの場合も内閣総理大臣の判断を仰いだ上で閣議決定するとあり、その際、最高裁裁判官は国民審査を受ける重い地位であることに鑑み、極力客観的かつ公正な見地から人選しているというふうに明記されております。 ところが、今年三月二日の朝日新聞に「最高裁人事、慣例崩す」という見出しの記事がございました。安倍政権が長期化するにつれ、最高裁判事をめぐる慣例が徐々に変わりつつあると書かれています。例示されたのが今年一月に任命された弁護士出身判事の後任人事のことであり、弁護士枠を維持した形ではありますが、この方は刑法が御専門の大学の名誉教授で、昨年八月に弁護士登録をされたばかりのようであります。日弁連が最高裁を通じて示した推薦リスト七人にも入っておりませんでした。 今回の人事については懸念の声が上がっています。最高裁で人事を担当していた元経験者も、明らかに異例とコメントされています。「日本の最高裁判所」という本の編著者でもある立命館大学法科大学院の市川正人教授は、慣例は政治権力による露骨な人事介入に対する防波堤の役割を果たしてきた側面がある、今後、最高裁が過度に擦り寄ってしまわないかが心配だと指摘されています。 日弁連や最高裁が、今後、人事権を持つ内閣の意向をそんたくしてしまうのではないかと疑念を持たれることのないようにしていただきたい、そういうことを申し上げて、質問に入りたいと思います。 まず一点目ですが、裁判所における男女共同参画についてお伺いをいたします。 最高裁判所は、二〇一三年の八月一日、九千五百人の書記官のトップである大法廷首席書記官に曽根啓子さんを命じました。大法廷首席書記官は、憲法判断や判例の見直しをする際に開かれる大法廷の審理にも立ち会い、全国の書記官の指導も担うと承知しております。この最高ポストに女性が就任するのは初めてでございましたので、メディアでも取り上げられました。当時、多くの女性たちの励みになったと記憶しておりますが、残念ながらその後、男性に替わられたと伺っております。 そこで、最高裁にお尋ねいたしますが、現在、裁判官、調査官、書記官など、この裁判所の職員に占める女性の割合はどれくらいなのか、お伺いいたします。
○最高裁判所長官代理者(堀田眞哉君) お答え申し上げます。 平成二十八年度の数字でございますが、それぞれの官職の女性割合について申し上げますと、裁判官に占める女性の割合は二一・三%でございます。裁判官以外の裁判所職員につきましては、裁判所書記官が三四・六%、家裁調査官補を含みます家裁調査官につきましては五一・二%、裁判所事務官は四一・一%となっております。
○糸数慶子君 それでは、管理職に占める女性の割合はいかがでしょうか。
○最高裁判所長官代理者(堀田眞哉君) 裁判官以外の裁判所職員についての管理職の割合についてお答え申し上げますと、平成二十八年度の数字でございますが、最高裁の課長相当職以上に占める女性の割合は一二・一%でございます。下級裁判所の課長と最高裁の課長補佐相当職に占めます女性の割合は二五・一%となっております。さらに、係長相当職に占める女性の割合は四二・九%でございます。
○糸数慶子君 それでは、最高裁は、女性の採用それから登用拡大への取組についてでございますが、具体的にどのような取組が行われているのでしょうか、お伺いいたします。
○最高裁判所長官代理者(堀田眞哉君) 裁判官以外の裁判所職員につきましては、女性職員の採用、登用の拡大に努めているところでございまして、平成二十八年三月に策定をいたしました女性活躍法に基づきます裁判所特定事業主行動計画に基づき、その取組を進めてきているところでございます。 まず、採用に関しましては、これまでも男女を問わず優秀な人材の確保に積極的に取り組んできているところでございますが、例えば、女性職員につきましては、仕事と家庭生活を両立させ、働きやすい職場環境の整備に努めますとともに、採用試験の広報活動におきまして、採用試験のパンフレットやホームページ等を通じて、仕事と家庭生活を両立させながら活躍しております女性職員を積極的に取り上げるなどの取組を続けてまいりました。その結果、採用した職員に占める女性職員の割合はここ数年来五〇%を超えておりまして、平成二十七年度に実施した採用試験では五九・八%となっております。 女性職員の登用の拡大に関しましては、先ほど申し上げました行動計画におきまして、平成三十二年度末において、最高裁の課長相当職に占める女性割合を一八%、下級裁判所の課長と最高裁の課長補佐相当職に占める女性割合を三〇%、係長相当職に占める女性割合を四五%といたしますことを目標として設定をいたしまして、多様な職務経験の付与や職員に対する意欲増進等に向けた研修などの各種取組を進めているところでございます。 こういたしました取組を通して、引き続き、職員の計画的な育成やキャリア形成支援を図りながら、管理的地位の女性職員が占める割合を増やしてまいりたいと考えているところでございます。
○糸数慶子君 ありがとうございました。今後ともよろしくお願いしたいと思います。 次に、裁判所の職員の旧姓の通称使用についてでございます。 国家公務員の旧姓の通称使用については、これ二〇〇一年から認められ、地方公務員についても、総務省との取組など、認められるようになっておりまして、現在かなり進んでおりますが、裁判所の職員についてはどこまで認められているのでしょうか、お伺いいたします。
○最高裁判所長官代理者(堀田眞哉君) お答え申し上げます。 裁判所におきましても、行政府省と同様に、男女共同参画社会の実現に向けての社会情勢の動き等に鑑みまして、平成十三年十月から職場での呼称や一定の文書等について旧姓使用を認めてきているところでございまして、その後、順次旧姓使用が認められる文書の範囲を拡大してきているところでございます。 具体的な例を挙げさせていただきますと、人事異動通知書や出勤簿、休暇簿等の裁判所内部で使用する文書について旧姓使用を認めているところでございます。
○糸数慶子君 かつて行政官出身の裁判官の女性がおっしゃっていたことなんですが、役所で通称使用が認められていたのに、裁判官は戸籍名しか認められず大変悔しい思いをしたということでありました。行政サービスが通称使用でも認められるような時代に戸籍名しか認めないというのは女性の活躍推進に逆行しているとも言えるわけですが、裁判の決定書、判決書ですが、これが戸籍名でなければならないという理由は何なんでしょうか。
○最高裁判所長官代理者(堀田眞哉君) お答え申し上げます。 判決書等の裁判文書につきましては、作成者の作成権限を明確にし混乱を避けるといった観点から、現在のところ旧姓使用を認めていないところでございますが、この点につきましては今後検討してまいりたいと考えているところでございます。
○糸数慶子君 ありがとうございました。検討していただけるという前向きの御答弁がございました。 御存じのとおり、政治家は通称使用が認められております。選挙活動にも戸籍名しか認めなかった当選証書、これが今では通称を書くことができるようになりました。国会の質疑の議事録、さらには法案の発議者そして賛成者も通称で書かれ、国会の正式な記録となるわけです。 そういうことから考えましたら、あらゆる場面で通称使用ができるようにするために、マイナンバーにも希望に応じてこの通称が付記されることになっているわけです。そうなれば、戸籍名だけが信頼に足りるということではなくなるかというふうに思います。そこで、裁判所でも裁判官の皆さんが他の場面と同様に通称使用というのが可能になるということを大変期待しております。今後前向きに検討していただけるということで、大変期待をしたいと思います。 それから最後に、これは質問ではございませんけれども、日本の最高裁判所、最高裁には憲法問題を調査している専門職が一人もいないというふうに伺っております。他方、韓国の憲法裁判所には憲法研究官が約八十人もいるようです。そのほかの附属機関として憲法裁判研究院が置かれているというふうにも聞いております。 日本の場合、裁判所が具体的な訴訟事件を裁判するときに、その前提として解決に必要な限度で適用される法令の違憲審査を行う、いわゆる付随的違憲審査制度ですから、憲法裁判所を持つ韓国とは簡単に比較することはできませんが、しかし、最高裁は憲法によって違憲立法審査権が付与されているわけですから、憲法の専門職がないというのは、これは改める必要があるのではないかというふうに思うわけですが、ちょっと時間もございますので、この件に関して法務大臣はどのようにお考えでしょうか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(金田勝年君) 突然の、通告がなかったこともございます、しかし最高裁の憲法の専門職がいらっしゃらないことにつきまして、私の方から御意見を申し上げることは差し控えさせていただきたいと思います。
○糸数慶子君 確かに突然、通告なしにお伺いをいたしましたけれども、法務大臣としてやはり今後是非検討していただきたいと思います。 国会図書館にはちゃんとしたその憲法問題を調査する職員がいらっしゃるということもございます。あわせて、今後御検討いただきますように希望いたしまして、質問を終わりたいと思います。 ありがとうございました。
○山口和之君 無所属の山口和之でございます。 まず初めに、書記官の減員についてお伺いしたいと思うんですが、本法律案による改正では、あっ、書記官じゃない、速記官です、改正では、速記官は減員数五名となっております。速記官は平成十年から毎年減少となっており、速記官のいない裁判所も存在すると聞いております。 今回の改正で速記官ゼロの裁判所は何か所になるのかをお伺いしたいと思います。
○最高裁判所長官代理者(中村愼君) お答えいたします。 平成十年に速記官の新規養成を停止して以降、定年退職等に伴い現在員が年々減少しており、減少した現在員によって生じた欠員状況に照らして、書記官への振替による速記官の定員削減を行っているところでございます。したがいまして、本法律案は速記官の減員を前提としていることは委員御指摘のとおりではございますが、本法律案によって現在員が減ったり、あるいは速記官が配置されていない裁判所が増えるわけではございません。 その上で、速記官が配置されていない庁の数でございますが、平成二十八年度におきましては十二の地裁本庁が速記官ゼロということでございます。本法律案が成立した後の平成二十九年度におきましては、新たに速記官が配置がなくなる裁判所は生じない見込みでございます。
○山口和之君 速記官のいない裁判所が存在する状況は、「各裁判所に裁判所速記官を置く。」と定める裁判所法第六十条の二第一項に反するというふうにも言われております。このことをどのように捉えているのか、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(小山太士君) お答えをいたします。 今御指摘ございました裁判所法第六十条の二第一項、「各裁判所に裁判所速記官を置く。」との規定は、裁判所速記官という独立の官職を設置することを定めるとともに、各裁判所に配置し得ることを規定したものでございますが、必ずしも各裁判所に全て配置することを要する趣旨ではないものと解されております。したがいまして、裁判所速記官の配置されていない裁判所が存在することは同条同項に反するものではないと理解しているところでございます。
○山口和之君 では、国は速記官制度の存続についてはどのように、方針でおられるのか、それでまた、近い将来、その裁判所法六十条の二第一項を変更する予定はあるのかをお伺いしたいと思います。
○最高裁判所長官代理者(中村愼君) お答えいたします。 最高裁判所といたしまして平成十年から速記官の養成を行っておりませんが、その後、逐語録需要に機動的に対応するための録音反訳方式による調書作成は順調に行われ、その利用が拡大、定着しているところでございます。最高裁といたしましては、今後の逐語録需要にはこの録音反訳方式によって十分応えることができるというふうに考えておりまして、速記官の養成を再開する考えはないところでございます。 また、速記官の養成を再開した場合には、以降四十年間、雇用者としての責任を果たしていかないといけないということになりますが、これまで以上に技術革新が進んでいる中、四十年間、速記官の職務を確保することは到底できず、雇用者としての責任も果たしていけないというふうに考えているところでございます。 六十条の二第一項の変更の予定ということでございますが、裁判所といたしましては、速記官としてその職務を全うすることを希望する者については、その能力を十分に発揮して速記官としてやりがいを持って職務に臨んでもらうことを考えているところでございます。全ての速記官がその職務を全うし退職するまでにはまだ二十年以上あることから、現時点で六十条の二第一項の変更を検討していただく予定はないところでございます。
○山口和之君 速記官でなければという声もあることですから、十分に検討していただきたいなと思います。 次に、本人訴訟について伺いたいと思います。 本法律案の目的の一つに、判事の員数を増やして事件の適正かつ迅速な処理を図ること、すなわち審理期間の短縮にあるのだと思います。 しかし、事件の審理期間は判事の員数以外にも影響を受けていることがございます。 例えば、本人訴訟では審理期間が短くなっている傾向があるんですが、この原因についてはどのように分析されているのかを伺いたいと思います。
○最高裁判所長官代理者(平田豊君) お答えいたします。 委員御指摘のとおり、地方裁判所の民事第一審訴訟事件の平均審理期間を訴訟代理人選任状況別に見ますと、双方に訴訟代理人が選任されている事件が最も長くなっており、当事者の一方又は双方に訴訟代理人が選任されていない、いわゆる本人訴訟の審理期間はそれよりも短くなっております。 このように本人訴訟の審理期間が短くなっている原因につきましては特に分析しておりませんけれども、訴訟代理人が選任されない事案の中には、事実関係等に争いがなく、被告欠席のまま第一回期日で審理を終えて欠席判決がなされるようなものも相当数含まれていると考えられるところでありまして、これによって審理期間も短くなっているということが考えられているところでございます。
○山口和之君 地方裁判所の通常訴訟では、約六割が本人訴訟というふうに聞いております。 本人訴訟にはどのようなメリットがあってデメリットがあるのか、また本人訴訟を禁ずる弁護士強制にはどのようなメリット、デメリットがあるのかを伺いたいと思います。
○政府参考人(小山太士君) お答えをいたします。 弁護士強制制度についてのお尋ねでございますけれども、弁護士強制制度が取られていない現行の民事訴訟制度下におきましては、当事者本人による訴訟遂行、今御指摘がございましたいわゆる本人訴訟が可能とされているところでございます。 本人訴訟におきましては、紛争当事者本人が訴訟手続に主体的に関わることで満足感を得る場合もある、こういうメリットがございますが、その反面、訴訟追行上の不手際から本人自身が不利益を受ける場合がある、また、訴訟審理において本人の言い分の整理に相応の時間と労力を要するなどといった、こういうデメリットも指摘されているところでございます。 一方、弁護士強制制度を取ったような場合についてでございますけれども、この場合には、メリットといたしまして、本人の言い分が弁護士により法的に整理されて主張が展開されることによって本人の権利保護が図られるというのがまず一つ、それから、裁判所の後見的関与が不要となりまして、裁判所の中立性、公平性が保たれるというようなところがございます。他方、本人訴訟を望む者につきましては、かえって訴訟提起が阻害されてしまうというデメリットがあるなどと指摘されているところでございます。
○山口和之君 そうしますと、平成二十三年七月八日に最高裁判所が公表しました裁判の迅速化に係る検証に関する報告書第四回では、弁護士強制制度の導入について部分的導入の可能性も含め検討を進めるとありますが、現時点での検討状況はどうなっているのかを伺いたいと思います。
○最高裁判所長官代理者(中村愼君) お答えいたします。 御指摘いただきました第四回の検証報告書、この報告書におきましては、それまでの検証によって明らかになりました裁判の長期化要因を踏まえ、それを解消するために有益と考えられる様々な施策を総合的かつ幅広に検討し、提示したところでございます。その中に今委員御指摘の記載があるわけでございますが、弁護士強制制度の導入については、そういう様々な施策の提示の中で、本人訴訟の審理について更なる適正迅速化を図るという観点から、考えられる施策の一つということで提示したものでございます。 弁護士強制制度は、裁判所の運用のみによって実現できるものではなく、制度を所管する法務省等関係機関と協議する必要がありますところ、現時点でこの点について具体的な検討を進めている状況にはなく、法務省等と協議しているということもないということでございます。
○山口和之君 本人訴訟のメリット、デメリット、デメリットを少なくしてメリットをしっかりしたものにしていく、あるいは、弁護士強制についてもメリット、デメリットがあるということだと思いますけれども、公正に、しかも迅速にというふうに考えていくと検討には値するものだと思われますので、是非検討していただきたいと思います。 次に、民事裁判制度の制度改革について伺います。 司法制度改革では民事訴訟が増えるという想定だったと。しかし、二十四の関連法が成立した二〇〇四年以降の民事訴訟は過払いを除いて横ばいかやや減少となっていると。先ほども報告があったと思いますが、その原因についてどのように考えているのか、お伺いしたいと思います。
○最高裁判所長官代理者(平田豊君) お答えいたします。 御指摘のとおり、平成十六年、二〇〇四年以降の過払い金等を除く民事第一審訴訟の新受件数には顕著な増加傾向が見当たらないところでございます。 その原因につきましては、当事者の方の置かれた状況や相手方との交渉等の様々な要因に左右されるものでありまして、その原因につきましてはっきりとしたことは分かっていない状況でございます。
○山口和之君 増えていくべきだろうなというふうに考えたとき、どのような問題があるのか、また増やすためにどのような対策を行っているのかというのを最後にちょっと確認したいと思います。よろしくお願いいたします。
○政府参考人(小山太士君) お答えをいたします。 委員御指摘の民事訴訟の事件数の増減でございますけれども、訴訟の事件数の増減は、国民が紛争解決のため司法を活用しているかどうかの一つの指標ではあるかとは思いますが、法律的な問題の解決に裁判外の手続などもあるところもございまして、訴訟事件数の増減自体を一定の方向で評価することについては様々な御意見もあるのではないかと思っております。 このため、政府として民事訴訟の事件数そのものを増加させることを直接の目的とする施策はこれまで講じてはおりませんけれども、一方で、この利用を促進するという意味で、国民の司法アクセスを一層向上させるための取組が必要であるとの観点から施策を講じております。 例を挙げさせていただきますと、法テラス、日本司法支援センターの司法過疎地域事務所の設置等による司法アクセスの向上の取組というのがございます。その結果、地方裁判所支部の管轄単位、これは二百三か所全国にございますが、ここで弁護士が全くいないか一人しかいない地域、これは弁護士ゼロワン地域と言われておりますけれども、これが平成十六年十月当時には五十一か所、これはゼロが十六か所、ワンが三十五か所ございましたが、平成二十年十月には合計二十か所、ゼロはゼロか所、ワンが二十か所となりまして、平成二十九年四月には合計二か所、これはゼロがゼロか所、ワンが二か所まで減少しているところでございます。 政府といたしましては、今後ともこのような司法アクセス向上のための必要な取組を行ってまいりたいと考えております。
○山口和之君 増やしてほしいということではなくて、より身近で早くて頼りがいがある司法へというふうに考えたときに、ハードルが高過ぎてなかなかこちらの方の話に持っていけずに、あるいは泣き寝入りする場合もあるでしょうし、そういうことがないようにするために、司法がより身近にということだとすれば増えていくものだろうなというふうに感じるところであります。したがって、まだまだ浸透していないのかなと、改革がというふうにも感じますので、是非努力していただきたいと思います。 以上で終わります。
○委員長(秋野公造君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 裁判所職員定員法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(秋野公造君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(秋野公造君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午前十一時五十九分散会