文教科学委員会 第6号
- 発言数
- 225 件
- 登壇者
- 17 名
- 会派数
- 8
- 開催日
- 2017/03/30
会議録
○委員長(赤池誠章君) ただいまから文教科学委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日までに、浜口誠君が委員を辞任され、その補欠として矢田わか子君が選任されました。 ─────────────
○委員長(赤池誠章君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 独立行政法人日本学生支援機構法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、財務省理財局次長北村信君外二名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(赤池誠章君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(赤池誠章君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 独立行政法人日本学生支援機構法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に参考人として中京大学国際教養学部教授大内裕和君の出席を求めることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(赤池誠章君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(赤池誠章君) 独立行政法人日本学生支援機構法の一部を改正する法律案を議題といたします。 政府から趣旨説明を聴取いたします。松野文部科学大臣。
○国務大臣(松野博一君) おはようございます。 この度、政府から提出いたしました独立行政法人日本学生支援機構法の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 政府においては、教育基本法に定められている教育の機会均等の確保の重要性を踏まえ、意欲と能力のある若者が経済的理由により大学等への進学を断念することがないよう、教育費負担の軽減に一層取り組んでいく必要があります。 この法律案は、このような観点から、大学等における教育に係る経済的負担の軽減を図り、もって教育の機会均等に寄与するため、特に優れた学生等であって経済的理由により極めて修学に困難があるものとされた者に対して学資を支給する業務を独立行政法人日本学生支援機構の業務に追加すること等について所要の措置を講ずるものであります。 次に、この法律案の内容の概要について御説明申し上げます。 第一に、独立行政法人日本学生支援機構の目的及び業務に学資の支給を追加するものであります。 第二に、独立行政法人日本学生支援機構は、特に優れた学生等であって経済的理由により修学に極めて困難があるものと認定された者に対して学資を支給することとするものであります。 第三に、独立行政法人日本学生支援機構に、学資の支給の業務に要する費用に充てるため、学資支給基金を設けることとするものであります。 このほか、所要の規定の整備を行うことといたしております。
○委員長(赤池誠章君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○大島九州男君 おはようございます。民進党の大島九州男でございます。 本日、質問の機会をいただきまして大変感謝を申し上げますが、まず最初に、先日、決算委員会で使えなかったこのパネルを見ていただきたいというふうに思いますが、財務省の近畿財務局のホームページでございます。(資料提示) このホームページ、赤で、一般競争入札によらず特定の企業や個人に対し売却することはありませんと、まさに国有地の売却は基本的に一般競争入札であるというふうに書いてあるわけですね。随意契約するというような部分についての文言が若干上の方に書いてある。これは、未利用国有地について、公用、公共用の用途に利用するために地方公共団体等に直接売却する場合を除きと、そういうことが書いてあるわけですね。これは注意喚起ということで、だまされないようにしてくださいねという、そういうホームページ。財務省のホームページにももっと分かりやすく、だまされるなというのを書いてあるんですが。 今回の、森友さんに国有地を売却するその根拠というのはどういう根拠だったんでしょうか。
○政府参考人(北村信君) お答えいたします。 国有地を売却する場合には、会計法令上、原則として一般競争入札によることとされておりますが、地方公共団体、社会福祉施設、学校施設など公共性の高い用途に供する場合には随意契約によることが認められております。このため、国有地の売却等に当たっては、まず優先的に地方公共団体等からの公的な取得等要望を受け付け、地方公共団体等から利用要望がない場合には一般競争入札により売却することとしております。 御指摘の近畿財務局のホームページで掲載しております国有財産の架空話への注意喚起のページにおきましては、この二行目でございましょうか、「公用・公共用の用途に利用するために地方公共団体等に直接売却する場合を除き、一般競争入札によらず特定の企業や個人に対し売却(随意契約)することはありませんのでご注意ください。」と記載しておりますが、この「地方公共団体等」の「等」には、公共随契の対象となる社会福祉法人や学校法人などの法人が含まれております。 したがいまして、小学校の用地として本件土地を取得した学校法人森友学園には、この「地方公共団体等」の「等」が該当するということでございます。
○大島九州男君 それであるならば、大阪音楽大学も対象になるという理解でいいんですよね。
○政府参考人(北村信君) お答えいたします。 当該法人につきましても同じような理解でよろしいかと思います。
○大島九州男君 仄聞するところによると、大阪音楽大学も売ってほしいという希望があったと。それであるならば、一般的に考えると、そういう要望があったという過去の経緯を鑑みて、森友さんと大阪さんとお二人希望があるのであれば、もうこれは一般競争入札にするのが当然だと思うんですが、どういう見解ですか。
○政府参考人(北村信君) 本件につきましては、平成二十五年四月三十日に大阪航空局から近畿財務局へ入札による売払いを内容とする処分依頼を受理しておりまして、同年六月三日より公用、公共用の取得等要望の受付開始をしております。その後、大阪府から要望がない旨の回答を受理し、豊中市から要望がない旨の回答を受理し、最終的に学校法人森友学園からのみ取得等要望書が提出されたという経緯でございます。
○大島九州男君 考え方の違いですけど、大阪府にしても、当然、大阪音楽大学がそういう希望があったということを近畿財務局も多分経緯としては知っていたと思うんですよ。だから、それはちゃんと公平性を、それで少しでも高く売ろうとする、そういう気持ちだったら、当然一般競争入札にするわけですよね。まあ、でもそれがしなかった、森友さんしかいなかったと、じゃ、もうそれはしようがないとする。 そうしたら、その森友さんに売ると。普通、土地の売買をしようとしたら、そこのお金を払う人がそれだけの資力を持っているのかと当然その財務調査をすべきだというふうに思っているんですが、森友学園の財務内容というのは調査をしたんでしょうか。
○政府参考人(北村信君) お答えいたします。 本件土地の処分に当たりましては、森友学園から、国有地の取得等要望書とともに過年度の決済書類や収支計算書等の資料の提出を受け、平成二十七年一月に、その時点の決算書類等の提出を受けております。 これらの資料の内容につきましては、近畿財務局において事務的に審査を行った上で、平成二十七年二月の地方審議会に森友学園に対し買受け特約付き定期借地契約を締結し処理する方針を付議し、了承をいただいております。これを受けて、同年五月に森友学園との間で契約を締結しているものでございます。 地方審議会におきまして、貸付け後は森友学園より定期的に決算書等の財務状況に関する資料の提出を求め確認を行うこととしておりましたけれども、二十七年五月に貸付契約を締結した後、一年経過する前の平成二十八年三月に新たな地下埋設物が見付かり、買受けに移行することとなった経緯がございます。 平成二十八年三月に森友学園から土地の買受けの意向が示された際、売買代金については分割払としたいとの要望を受け、森友学園よりその時点における決算書類や小学校新設の収支計画等の提出を求め、ヒアリング等も行い、小学校の建設工事を進める中で借入金を抑える必要があり、代金を全額一括して支払うことが難しいとの事情があることや、小学校開校後における収支上、延納代金が確保できる計画となっていることなどを確認し、分割払とすることを認めているところでございます。
○大島九州男君 いや、私も何度か不動産の売買を経験したことありますが、基本的に分割払とかローンとか聞いたことないですよ、ジャパネットたかたじゃないんだから。普通、所有権を移転してその登記をするときには売買契約が、もう決済やっていなかったら所有権移転しないじゃないですか。 ということは、三月三十一日時点で、森友学園が学校を開校するそのときには、あの土地というのは国の土地で、名義変えは行われないような状況になっていたと想定するんですか、分割払とかそういうものを想定したときには。分かりますか、言っていること。要は、建物建って、それで開校している、学校が運営している、分割払をするということであれば、当然全ての決済が終わらなければ所有権移転しないでしょう。だから、国有地の上に森友さんが子供たちを集めて開校しているという状況が存在したということですね。
○政府参考人(北村信君) お答えいたします。 平成二十八年六月に、先ほど申し上げましたように、それ以前の三月に地下埋設物が新たに発見されたということを踏まえた売買契約への移行の時期が参りますけれども、そのときにはまだ貸付契約の状態でございましたので所有権は国のままで、国が森友学園に貸し付けるという状態でございました。この六月の売買契約をもって売り払うということでございますので、契約書上、もし本年の三月三十一日までに目的が履行されなければ国が買い戻すというふうな条件を付した上で、所有権は森友学園にその段階で移行するということになろうかと思います。
○大島九州男君 それ絶対おかしいね。だって、お金をまだ全部決済していないのに名義だけ森友さんにしていて、それで学校が開校していなかったら買い戻すという、そういう話をおっしゃっているわけでしょう。ということは、今開校されていないからあれだけど、現実的に、四月一日からこの状況にならないであれしたときには、お金はまだ決済全部済んでいないわけでしょう、分割なんだから。分割払の中で、まだ未払金が残っている段階で所有権の移転なんかできないでしょう、一般的に。やらないでしょう、普通。
○政府参考人(北村信君) 契約書の内容はつぶさに今御紹介はいたしませんけれども、そういった内容を含む契約書を締結しました平成二十八年六月二十日時点をもって所有権は森友学園に移転しております。
○大島九州男君 いや、これ常識的におかしいでしょう。それはあり得ないと思いますよ。分割払をしている最中にその所有権を移転して名義変えているというような一般的な取引があったら、是非教えてもらいたいと思いますよ。 少なくとも、私の経験上、不動産売買をするときにはちゃんと代金の決済が終わらなければ所有権移転してくれないですから。だから、国がそういうふうなことを進めるのであれば、是非私は、いろんな不動産取引の売買の中で、分割払でも所有権を完璧に移転するような、そういう慣例というかそういう事例をどんどんつくってあげれば、みんな分割払で土地を買えるようになって、いろいろ資産が運用されたり、非常に有効に活用される場面が増えるでしょうから。 今日はせっかく財務政務官においでをいただいておりますので、今の私たちのこのやり取り、政務官、一般的にそういうことがあり得るんだというふうに思われますか、特に会計されていたと思うので。
○大臣政務官(杉久武君) 今委員からは、この分割払の部分について御指摘があったというふうに理解をしております。 分割払につきましては、委員御指摘のとおり、国有財産の売却代金については、原則、財産の引渡し前に一括して納付することが基本であります。ただし、国有地の売却代金は高額となる可能性があることから、国有財産特別措置法において、買受人が売払い代金を一括して支払うことが困難である場合には、確実な担保を徴し、かつ利息を付した上で分割払することが認められております。 平成二十八年三月、森友学園から買受け意向が示された際、売買代金については分割払としたいとの要望を受け、森友学園よりその時点における決算書類や小学校新設の収支計画等の提出を求め、ヒアリング等も行い、小学校の建設工事を進める中で借入金を抑える必要があり、代金を全額一括して支払うことが難しいという、こういう事情があること、また、小学校開校後における収支上、延納代金が確保できる計画になっていることを確認した上で分割払とすることを認めております。 なお、延納代金に係る債権を保全するため、確実な担保として、売払いした土地に順位番号一番の抵当権を設定している、こういう状況でございます。
○大島九州男君 普通は、銀行の融資とかそういうもので一括きちっと決済をして、そこの担保の第一順位は融資した銀行とかそういうのがそこに付けるんじゃないんですか。わざわざそういう、国がそこに担保として取ったからといって第一順位のそういった担保権を付けて根抵当取るような、そういうことを一般的に、じゃ、やるんですか。ほかのいろんな、今まで大学とか、国が地方公共団体等そういうところに売却するときにそういった事例はあるんですか、ほかに。
○政府参考人(北村信君) 悉皆に調査できたわけではございませんけれども、最近の事例で同様な事例が確認されてはおりません。
○大島九州男君 ということは、神風が吹いたというふうに言われる、そういうことが政治的配慮とかいろんな圧力が掛かって動いたんだという一つの大きな証拠になるんじゃないのということですよ。 前ちょうど、私がこの委員会で森友さんの話をちょっとしたときに、財務省がそんたくしてそういうことするんじゃないのと言ったら、いや、財務省はそんな甘いところじゃないんだというふうに教えていただきましたけど、財務省が自らそんなまれなことやることないんですよ。だから、籠池さんが神風が吹いたと。 私は、この神風が吹いたという言葉の使い方は大きく間違えていると思います。元々歴史的に言えば、元寇だとかああいうときに、攻められて日本が危ないというときに、台風でああいう、元寇の人たちを排除してくれたと。だから、それは有り難い、それは神風だったなというような使い方は分かりますけど、私利私欲、まさに国民の財産を不当に安く手に入れる、なおかつそれを政治力と思わしきものを使うような、国民が疑念を抱くような、そういう結果が出てきたことを神風だなんて例えるというのは、籠池さん、それは教育者としておかしいと、これは私の個人的な意見でありますが。 いや、政治家として政務官に、そういうような状況を神風が吹いたと、そして財務省がふだんやらないような対応をしたということについて、先生は、私、先生のプロフィールを見させていただいたら、まさに、英知を磨くのは何のためかと、君よそれを忘れるなというのが座右の銘だというふうに教えていただいたんで、ああ、政務官だったら僕の気持ちも分かってくれるなと思うので、ちょっとそういう答弁をお願いしたいと思います。
○大臣政務官(杉久武君) 済みません、私の座右の銘、それ卒業した大学のモットーであるんですけれども、御紹介いただきましてありがとうございます。 私としては、今回のこの事案につきましては、先ほど御説明したとおり、原則は当然一括で代金を払ってという、そういう基本であるということは先ほど御説明のとおりでありますけれども、個別のそういった事情に基づいて、法令に基づいて適切に対処をされたもの、そのように理解しております。
○大島九州男君 立場上そう言わざるを得ないということは十分理解をいたしますが、これは本当にゆゆしき問題で、まさに本当にこれから学校を新設してつくろうという、その意欲に燃えた人たちが、ふと、ああ、もしかしたら自分にも神風が吹くのかと、じゃ、吹かせるためにはどうしたらいいのかと、じゃ、そういう政治力のある政治家を使えばいいのかとかいう変な心を起こさせるような、特に教育に関わるこういう問題についてそういう疑念を持たれるような土地の取引のやり方なんというのは厳に慎んでいただきたいということを、これ財務省にはしっかりと要望をしておきます。 今日の本題であります、まさにこの給付型奨学金制度でありますけれども、私たちはこのことをずっと言い続けてきて、とにかくどんな経済環境に育とうが生まれようが、みんながちゃんと平等に教育を受けられる、そういう権利を保障するということの必要性というのはすごく訴えてきたわけであります。 そういった意味では、こういう制度をつくっていただくというのは大変有り難いことで、それは感謝を申し上げますけれど、まさにその金額、非常にまだまだ少ないというふうに認識をしております。これ、大臣、当然今後はその対象者を増やして多くの子供たちに対応をさせていくという気持ちであると思うんですが、具体的に何年掛かって全て望む人たちにそういった給付型奨学金を持っていけるという見通しだとか、取りあえずつくりゃいいというふうな感じでやっているのか、将来的なことも考えて今回導入したのか、そこら辺ちょっと聞かせてください。
○国務大臣(松野博一君) 委員からお話をいただきましたとおり、意欲と能力のある学生等が経済的理由によって進学等を断念することがないよう安心して学ぶことができる環境を整備するために、学生の経済的負担軽減を図ることは重要であると私も認識をしております。 このため、文部科学省では、これまでも授業料減免の充実や奨学金制度の充実に努めてまいりました。平成二十九年度において、給付型奨学金の創設に加えまして、より一層授業料減免の充実を図るとともに、無利子奨学金について住民税非課税世帯の子供たちに係る成績基準を実質的に撤廃をし、また残存適格者を解消し、必要とする全ての学生が無利子の奨学金を受けられるようにすることとしました。加えて、返還負担を大幅に軽減する所得連動返還型奨学金制度を導入することとしております。 今後とも、高等教育の負担軽減を進めるべく、必要な財源を確保しつつ、しっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
○大島九州男君 いろいろちょっと質問の項目の細かいのは後に多分斎藤先生が引き継いでいただけるので、私、一点に絞って言いますと、財源と今おっしゃいましたよね、その財源どうやって確保するのかと。いろいろな方法があると思うんです。でも、私は一点言えば、寄附、これ絶対大事だと思います。 昨日、私、昨日というか、この間、決算委員会で、麻生副総理のお父さんが、企業が全部出して私塾をつくって教育をしたと。まさに、そういう、企業が寄附をして人材を育てるというふうな制度をやれば、当然その企業のイメージもいいし、それはもう本当に、奨学金を受けた人もその企業に対する愛着だとかいう部分もあるし、感謝もある。だから、それは非常にいいんですよね。 ちょうど、資料をちょっと付けております。日本学生支援機構に対する寄附についてということで、これ、法人の方は全額損金算入できる指定寄附というのがありますね。これ、貸与のみになっているところがちょっと問題なんですが。だからこれ、給付型奨学金に当然、企業の寄附が全額損金算入されるというのは大きいんですよ。交際費課税の関係も言いましたけれども、はなから一〇%を取られる中小企業の交際費課税を撤廃したことで、交際費の損金算入の割合がぐっと増えたと。だから、麻生財務大臣はその翌年に大企業をやれと、大企業も五割損金算入するようになったんですよ。 だから、企業を経営する人は税金払うことも大切だと、しかし、当然、有効にその資金を使おうとするときの一つのキーワードは全額損金算入なんですよ。だから、これをもっともっと進めていかなくちゃならないし、左側にある所得税、所得控除と税額控除という、ここにも全額所得控除だとか全額税額控除だとか、こういう分かりやすい制度にして、広く国民の皆さんに寄附をしてくださいというふうにやるのが僕これ財務省の非常にすばらしい政策として評価されるものだと思うんですね。だから、国債で、教育国債でやるなんというのは、これは借金だから駄目だって麻生財務大臣は言っていましたけれども、そういうことですよ。 お金をそういう教育のためにだったら使いたいという人は結構たくさんいらっしゃるんですよね。よく我々が聞くのは、いや、そうやって寄附しても、何に使われているか分からないと。税金取られて、その税金も何に使われているか分からないから、俺の税金は教育だけにやってくれとか、これだけ福祉にやってくれとかいうふうなことを言ったって絶対駄目でしょう。でも、教育にそういう気持ちのある人は、全額こういう税額控除になるものに寄附をしたという認識だと、もうこれ今度基金をつくるという話ですからね、非常にもう喜んでやってくれる、莫大な金額が集まるというふうに、私はそう思うんですが、財務省はそういう気はありますか。
○大臣政務官(杉久武君) お答えいたします。 まず、この寄附税制全般についてお答えをいたします。 今委員御指摘のとおり、寄附文化の醸成を図っていくこと、これは重要であるというふうに考えております。その観点から、個人や法人からの寄附を後押しするために、所得税や法人税の優遇措置が講じられております。 特に近年、寄附金税制の拡充を図っておりまして、例えば平成二十八年度税制改正におきましては、私立大学を含む学校法人等に対する個人寄附について、税額控除に係る要件を緩和するとともに、今日お配りいただいた資料の所得税の方の②になりますけれども、意欲と能力のある人が希望する教育を受けられるようにするという観点から、国立大学や日本学生支援機構等による、経済的理由により修学が困難な学生に対して行われる奨学金事業等のために充てられる個人寄附に係る税額控除制度、これを導入するという制度拡充を行ったところでございます。 ただいま申し上げました改正も含め、日本の寄附税制については、控除限度額については累次の引上げにより主要諸外国と比べて遜色のない水準に達しているほか、主要諸外国には見られない所得控除、税額控除の選択制を採用、こういった充実した内容になっており、まずはこういった制度を十分に活用していただくことが重要と考えております。 また、先ほど委員からお話がありました給付型奨学金の今回新しく設定される部分について、法人税の部分について全額損金算入すべきではないか、こういう御指摘だろうというように理解をしておりますが、法人税制の原則的な考え方というのは、法人が支払う寄附金について、その法人の事業と関連性が弱く、利益処分的な性質を有する部分があると考えられることから、損金算入が制限されているところであります。 その上で、公益社団・財団法人など、公益の増進に寄与する一定の法人に対する寄附金については損金算入限度額が優遇をされ、さらに、高い公益性や緊急性が認められる事業に充てられることが確実であることなど、法令上の要件を満たすことをしっかりと確認できる寄附金、これは指定寄附金になりますけれども、これについては財務大臣の指定によりその全額を損金算入することが認められております。 御指摘のこの日本学生支援機構が募集する給付型奨学金に充てるための寄附については、現状においては、特定公益増進法人に対する寄附金としての損金算入限度額の優遇が認められる、御提示いただいた資料ですと③に該当するのかと思いますが、これを更に指定寄附金にすることについては、その必要性に応じて事業の具体的な内容を踏まえつつ、法令上の要件に照らして検討をしていくべきものと考えております。 以上です。
○大島九州男君 絶対にやってほしいと。個人の寄附も企業の寄附も、全てそういう、特例というよりはもうこれは当たり前と、もうそうやって日本国のみんなで教育を支えると。 昨日、新しい何か子供保険とかああいうところで子供たちにとか、それも一つの案かもしれませんけれども、一番分かりやすくシンプルにやっていくということを是非要望したいと思いますし、皆さんがそういう制度をつくると。それでやればできるんですから、やりましょうよ。本当に、安倍総理にも言いました、寄附することは悪くないんですよ。だから、昭恵さんが寄附したことだって悪くないんですよ、別に。だから、そういう多くの人がみんな寄附をするというような、そういう気持ちになるような制度にしていただきたいということと、それを周知をしていただきたいということ。 種々いろんな、今回の支援機構のいろんなものについては意見も、いろいろ要望もありますので、今後、文科省にはそこら辺のところをしっかりとお願いをしながら、子供たちが本当に学べる環境づくりにみんな一体となって頑張っていくそのまず第一歩を示したということですから、これから先、しっかりとそれを拡充するということを要望して、質問を終わります。 以上です。
○斎藤嘉隆君 民進党の斎藤嘉隆です。 今日、給付型奨学金の導入についてのこの法案について様々な観点から御質問させていただきたいというふうに思いますけれども、私も、七年前からずっとこの給付型奨学金の導入については様々な場で、この委員会も含めて十数回質問もさせていただいてまいりました、要望もさせていただいてまいりました。やっとその一歩が動くということでありますので、率直に評価をしたいというふうに思っています。いろいろ財政的な面も含めて御検討は大変だったと思いますけれども、評価をしたいというふうに思います。 ただ、危惧する点も多いし、まだまだ改善を要する点というのは山ほどありますので、今日は、昨日の代表質問に引き続いて、かぶる部分も若干ありますけれども、細かい点を含めて様々確認をした上で、採決に臨みたいということであります。 まず、今日は、私は地元愛知県なんですけれども、愛知県の中京大学の大内裕和先生に参考人ということでおいでをいただきました。先生は、労働者福祉協議会の皆さんなどとも連携をして、今回、三百万人だったですかね、の署名を、この給付型奨学金導入への署名を集めていただく、そんな活動にお取組をいただいた、私はこの問題についての第一人者だというふうに認識をしております。 様々、大内先生に冒頭数点お聞きをしたいというふうに思いますが、先生は今回の法改正について、改正がこのようになされなければならない理由は、やっぱり現在の奨学金制度が抱える様々な問題に起因をするんだろうと、このように私は思っておりますけれども、先生御自身はこの問題に関連してどのような現状認識をしてみえるのか、まずこの点をお伺いをしたいと思います。
○参考人(大内裕和君) お答えいたします。 これまで貸与型のみであった奨学金制度が限界に来ていると私は考えています。貸与型のみ、さらに、一九八四年に導入された有利子奨学金が一九九〇年代後半以降に急速な拡大を続け、現在では有利子奨学金が人数、事業費ともに無利子奨学金を圧倒的に上回る状況が生まれています。奨学金利用者の多くが、借りた以上のお金を卒業後に返さなければならなくなっているというのが現状です。この貸与型のみ、かつ有利子中心の奨学金制度ができたことに加えて、奨学金を取り巻く状況も大きく変わりました。親の所得低下によって奨学金利用者が激増し、現在では大学生の半数以上が利用者となっています。 また、大学卒業後の雇用の劣化が深刻です。非正規雇用が増加し、また、正規であっても、年功序列型賃金のない周辺的正規労働者が増えています。このことによって、奨学金を返そうと思っても返せない状況が生み出されています。そして、返済困難者が増加しているにもかかわらず、救済制度が不十分な点も大きな問題です。
○斎藤嘉隆君 奨学金を取り巻く様々な、今非正規の問題等にも言及をされましたけれども、社会状況の変化と、そういう御指摘であったというふうに思いますけれども、この奨学金制度を取り巻いている社会状況の変化という観点について、先生、もう少し詳しくお聞かせをいただけませんか。
○参考人(大内裕和君) お答えします。 貸与型奨学金がこれまで一定の役割を果たしてこられたのは、高い経済成長率と日本型雇用という社会的条件があったからです。一九九〇年代前半と比べると、新規高卒者の求人数は大きく減少しています。就職のためには大学に行かざるを得ない状況が多くの地域で広がっています。 親の平均所得は一九九〇年代後半をピークに下がり続けていることがデータから分かっています。そうなっているにもかかわらず、授業料を始めとする学費は上がっています。ということは、貧困層ばかりではなく、中間層の家庭出身の学生までが奨学金を利用せざるを得ないということになります。そして、以前であれば大学卒業後に正規雇用に就職することは比較的容易でしたが、それもなくなっています。ですから、返そうと思っても返せない。 将来の返済を心配して、在学中から学業よりもアルバイトに時間を費やす学生が増加しています。私は、学生であることを尊重しないアルバイトのことをブラックバイトと名付けました。奨学金の返済を心配してアルバイト漬け生活となり、大学で十分に学べなくなっていることは大きな問題となっています。現在は、以前のような、貸与型奨学金借りて進学すれば卒業したら返せるという、そういう貸与型奨学金が一定の役割を果たすことができた社会的条件がことごとくなくなってしまっています。そのことが、奨学金問題がこれだけ深刻となっている要因の一つと考えています。 ですから、奨学金制度だけじゃなくて、こうした社会的条件の変化も意識して、奨学金制度の改善を一層進めていくことが必要だと考えます。
○斎藤嘉隆君 ありがとうございます。また、先生、後ほど、議論をお聞きいただいた上で、時間が許せばお聞きをさせていただきたいというふうに思います。 それでは、文科省にお聞きをしたいというふうに思います。 昨日もちょっと指摘をさせていただきましたが、やっぱり規模が少し小さいのではないかということです。本格実施後、一学年二万人ずつ、学年進行とともにそれは増えていくことにはなりますけれども、非常にパーセントも小さい。 一般的に、もちろん諸外国でも全てが全て給付型ではないので、ないので、割合なんかを見てみると、欧米なんかだと三〇%から四〇%ぐらいがいわゆる給付型奨学金だということだというふうに思いますが、昨日も議論の中でも指摘ありましたけれども、今回導入されても、初年度については本当に二%、三%ということなんだろうと思います。 これで一応我が国としては給付型奨学金制度を導入したと、こういうまず認識なんでしょうか。大臣にちょっとこの点をお聞きをしたいと思います。
○国務大臣(松野博一君) 今回の給付型奨学金の創設ということでございますから、日本において新たに給付型の奨学金を創設をしたという認識でございます。
○斎藤嘉隆君 ということであるならば、この割合を今後どのように諸外国並みに増やしていくかと、財源も確保しながらということが大きな課題になろうというふうに思います。 私は、まずは当面、非課税世帯の大学進学者の中で、これが六万人余りというように推定をされていますけれども、学年ごとに、今回二万人がそのうちの対象ということでありますが、私は、少なくともこの六万人については全てを対象にすべきではないかと、当面、そのような考えを持っておりますけれども、当面はここを目標に拡充を目指していくと、こういうことでよろしいでしょうか。
○国務大臣(松野博一君) 給付型奨学金につきましては、まずは制度を当面安定的に運用し定着を図ることで進学の後押し効果を十分に発揮することが重要であると考えております。 なお、住民税非課税世帯の子供たちについては、無利子奨学金の成績基準を実質的に撤廃したことにより、必要とする全ての方が無利子奨学金を受けることが可能となりました。また、加えまして、新たに導入される所得連動返還型奨学金制度も利用することができますので、給付型奨学金制度と無利子奨学金、そしてこの新たな所得連動返還型奨学金等を含めて非課税世帯の大学進学者に対しての後押しになるという認識をしております。
○斎藤嘉隆君 済みません、ということは、文科省の中でこの二万人という枠を今後段階的に引き上げていくというような議論は現段階においては具体的にはまだなされていないと、こういうことでしょうか。
○国務大臣(松野博一君) 先ほど答弁をさせていただきましたとおり、今回新たに給付型奨学金を創設をさせていただきました。 まずは制度を当面安定的に運用して定着を図るということ、そして進学の後押し効果、これを政策効果をしっかりと検証をするということをしていきたいというふうに考えておりますし、今後のことは、その検証を得て、財源をしっかりと確保しながら取り組んでまいりたいと考えております。
○斎藤嘉隆君 子供たちは毎年毎年進学をし、卒業をし、どんどん入れ替わっていくわけで、もちろん検証というのは必要なことだと思いますけれども、そのスピード感をもう少しアップをしていただく必要があるのではないかというようにも思っております。 それから、今、大内参考人からも一部言及がありましたけれども、大学進学がままならない若い皆さんというのは、何も住民税非課税世帯だけではないというふうに思います。今、中間層にというお話もありましたけれども、例えば、お父さんもお母さんも非正規雇用者であるような方とか、収入はあっても極めてお子さんが大勢いらっしゃって、多子の世帯であるとか、中間層と呼ばれる人たちの中でもやはり子供を大学にやることがなかなか難しい、塾とか予備校の費用なんかを考えるとますますそういったものが困難だと、こういう状況は広がっているのはもう間違いないというふうに思います。 今、非課税世帯の進学希望者六万人という話をさせていただきましたけれども、これ以外にも給付対象というのは本当は広げていく、こういう議論になってしかるべきだというふうに思います。こういったことを進めていくことで、教育の機会均等というのがやっぱり図られるんだろうというふうに思いますが。少なくとも、まずできるだけ早期に今の検証の作業等を進めていただいて、必要だという認識をされるのであれば政府内で御検討をいただき、六万人の今の非課税世帯の進学希望の若い皆さんに対象を拡大するということを是非御検討をいただきたいと、この点をまず、繰り返しになりますけれども、お願いをさせていただきたいというふうに思っています。 その上で、財源について、ちょっと私、今聞こうかどうしようか迷っているんですけど、ちょっと大島先生と考えがずれる部分があるかもしれませんが、ごめんなさい、ごめんなさいね。 私は、企業による寄附は本筋とは違うと思います。本筋とは違うと思います。制度を拡充をするなら、やっぱり国による財源確保、これをまず一義的に考えた上で企業による寄附で足らざる点を補完をしていくと、企業や個人ですね、こういった考え方が必要だというふうに思います。私は、この教育財源について、これは奨学金の問題だけではありません、大学の無償化や幼児教育の無償化という極めて重要な課題もありますので、教育に特化した新たな財源を模索をしていくことは必要だと思っています。今日の新聞で、子供保険の自民党さんの中での議論が詳しく載っていました。 私は、さきの選挙では、これは持論なんですけど、教育子供国債でいいと、これは、もう将来、子供たちが大人になって返していけばいいんだと。しかも、財源への寄与効果も教育の投資について言えばもう抜群だと。大学進学者一人につき、これは国公立も私立も含めてですけれども、恐らく投入をされている税財源というのは二百数十万円だと思いますけれども、この学生一人が、高卒ではなくて大卒になることによって将来納税という形でどれぐらいアップするかというと、三菱総研の調べだと、四百万円を超える額が国庫に返ってくるわけですよ。大学生一人増えると、将来的に長いスパンでいえば二百数十万円の財源アップ効果があるわけですね、税収アップ効果がある。こういう点も考えても、私は国債でも十分国民の理解が得られるんではないかなというふうにも思っているんです。 松野大臣はこの辺りの御見識は極めてお詳しいと思いますけれども、教育財源の確保について大臣はどのような御見識をお持ちなのか、お聞かせをいただきたいと思います。
○国務大臣(松野博一君) まず、平成二十七年七月に取りまとめられました教育再生実行会議第八次提言におきまして、教育財源確保のための方策として、既存の施策の見直しや優先順位付けによる予算の質の向上や重点化、民間資金の効果的な活用、これは先ほど来議論になりました寄附等も含めてということかと思います。 欧米の高等教育機関におきまして、この寄附というのが大学にとって、高等教育機関にとっての大きな収入の柱であるということは事実であろうかと思いますし、この日本におきましてもやはり民間資金、効果的な活用をしていきたいと考えております。これらに取り組んだ上で、それでも十分な財源を確保できない場合には、税制の見直しを検討するといったことが掲げられています。 また、こうした方策を実現するためには、広く国民の間で、今委員の方から御提示をいただきました、教育の投資効果や必要性についての認識が共有をされていくことが不可欠であります。当然、これらの財源を確保するということになりますと、国民の皆様の理解の上に御負担をいただくということでございます。国民の皆様に、よりこの教育投資効果について御理解をいただくためにも、また、様々な選択肢が提示をされる、その中で議論が進むということは、これは有効なことであると認識をしておりますので、どのような方法が望ましいか、国会においても、今委員からお話がありました教育国債の問題もありますし、また社会保険等の利用の問題、また税制改革の問題、様々な議論が出ておりますので、この財源の問題に関しては、各党各会派を超えて活発に御議論をいただく中で、文部科学省としては、まずは国民の皆様の御理解をいただきながらしっかりと必要な財源の確保に取り組んでまいりたいという考えでございます。
○斎藤嘉隆君 本当に、財源確保をして、高等教育もそうです、もっともっと効果が高いのは幼児教育だと思いますので、ここのところへこの無償化をどのように広げていくかという議論、もうこの委員会の本当これが中心的な課題になってくるというふうに思いますので、是非こういう議論をリードをしていただきたいというふうに思っています。 教育というと、本人の努力不足だとか、どんなに金がなくたって頑張ればいいんだと、頑張りがないから駄目なんだという自己責任論がどうしても出るんですね、いつの世も。ただ、僕はやっぱりそれは時代錯誤も甚だしいというふうに思っていて、かつてはそうだったかもしれないけれども、もう今はそうではないと。十分な学習を積んで立身出世できる時代は、レアなケースはあるかもしれないけれども、もう今はかつてと違ってなかなか難しいと、こういう認識をすべきだというふうに思います。 東京大学に入学する子供たちの家庭の世帯の収入の平均を見ていただければもう一目瞭然だというふうに思います、もう圧倒的にほかの学校と違うわけですから。こんなことも今後、この奨学金の問題とは若干ずれますけれども、いろんな議論をしていきたいというふうに思います。 奨学金制度の細かな点について、更に幾つか確認をしたいというふうに思います。 法文上の今回の捉えについてお聞かせをいただきたいんです。改正案を見ますと、給付型奨学金は、特に優れた者で経済的な理由で極めて修学困難な者が対象だと、まあこういうことです。無利子奨学金は、経済的な理由で著しく修学困難な者が対象ということです。極めてという文言と著しくという文言がありますが、これはどのような違いを示しているのか。また、特に優れた者という表現は、これは給付型も無利子も同じでありますけれども、これは法文上、成績基準などを言っているんだと思いますが、同基準だと、こういうふうに捉えていいんでしょうか。
○政府参考人(常盤豊君) 奨学金の要件、経済的な家計基準の要件と、それから学力、資質の要件についてお尋ねをいただいたわけでございますけれども、経済的な要件につきましては、無利子奨学金と比べまして、給付型奨学金については、教育的な観点及び働く者の理解を受けるという観点から、貸与型の奨学金以上に説明責任が求められるということがございますので、まず、一定の学力、資質を考慮の上、対象者を選定するということの考えがございます。 その上で、家計基準の方について申し上げますと、給付型につきましては、無利子奨学金よりも一層経済的な困難度が高いということで、法文に記されているような要件を書かせていただいているということがございます。 そして、学力要件の方につきましては、これは詳細はガイドライン等で定めることになりますけれども、やはり学力要件についても、今申しましたように、教育的な観点及び働く者の理解を受けるという観点から、これは運用の面においてより高い基準を設定をするということで考えているというところでございます。
○斎藤嘉隆君 ということは、評定でいえば四・三平均以上、こういうことですか。
○政府参考人(常盤豊君) 給付型奨学金の対象者につきましては、学力、資質等の基準を私どもはガイドラインを示させていただいた上で各学校で推薦の基準を定めていただくということで考えていますが、その推薦基準の中での学力、資質に関するものにつきましては、私どもの中で、昨年秋に検討チームを設けまして、その中で議論をしてまいりました。 その議論のまとめの中での状況を申し上げたいというふうに思いますけれども、学力・資質要件については二つの柱を考えておりまして、一つは、各学校の教育目標に照らして十分に満足できる高い学習成績を収めている者ということで、いわゆる学校成績の概評で申しますと、おおむねAに相当する者がございます。 それから二つ目には、教科以外の学校活動等で大変優れた成果を収め、各学校の教育目標に照らしておおむね満足できる学習成績を収めている者ということでございますので、この点については、学校成績概評でいえばおおむねBに相当する者であって、教科以外の学校活動等で大変優れた成果を収めている者というような考え方をチームの議論のまとめということでは示させていただいているという状況でございます。
○斎藤嘉隆君 これ、文科省の中の検討チームというのは、この後のガイドライン作成に向けても続いていくということですか。義家副大臣がその座長的な役割をしていらっしゃるんですよね。この後どうなっていくんですか、これ。
○政府参考人(常盤豊君) 基本的には今のガイドラインのところだけを議論したわけではございませんで、そもそもの給付型奨学金を導入するに当たっての基本的な考え方といたしまして、そのガイドライン以外の基本コンセプトといいましょうか、そういうところを議論し、その中にガイドラインの議論までしていただいたわけでございますけれども、議論といたしましては一定のまとめを付けていただいたというふうに思っておりますので、これからガイドラインを実際に策定するに当たりましては、基本的には、もう既にまとめられた議論のまとめと、それから国会での御審議などを踏まえまして、そしてまた学校現場でのいろいろな御意見なども場合によってはお伺いをしながら、円滑に行われるようなガイドラインを作成したいと考えております。 ただ、一方で、このことにつきましては、実際にはもう二十九年度先行実施でございますし、三十年度から本格実施になりますと、もう学年の早い段階から実際には作業しなければいけないと思いますので、そういうことは踏まえながらも、できるだけ早い時期にガイドラインを示したいというふうに考えてございます。
○斎藤嘉隆君 二千八百人の先行実施分は、多分既に御本人たちは自分が対象だということはもう分かっている。分かっているので、もうこの法律通らないと困るわけですよ、予算的にも。 今ちょっと話があったんですけど、いわゆる学力だけではなくて、基準でいうと、教科以外の学習活動等で大変優れた成果を収めというこの基準なんですけれども、これ私、成績基準は撤廃してもいいんじゃないでしょうか。 今、B基準というふうにおっしゃいましたけれども、非課税世帯の子供たちの現状なんかを見ると、なかなか学習に専念できるという環境がない子も多くて、家計や進学費用を捻出をするためにやっぱりアルバイトなんかしている高校生も非常に多い、多いんです。そんな中で、この基準にあるように、多分、部活動とかボランティア活動とか、そういったことを一生懸命やっている子供たちですよね、恐らく。そういう子たちなので、私、余り厳しくB基準とか、そういう成績基準というのはもう少し緩やかにしてもいいんじゃないかなと、こちらの教科以外の学習活動の評価の部分についてですよ、この点はいかがでしょうか。
○政府参考人(常盤豊君) 奨学金のいわゆる成績基準ですが、これは斎藤委員よく御案内のとおりで、現在の無利子奨学金については三・五以上とされているわけでございますが、無利子であっても貸与型であっても、三・五以上ということが現状求められているという状況でございます。これがBに相当するレベルかというふうに思います。 その中で、先ほど申しましたように、第一項においては、むしろA基準をイメージして、A基準を満たしている方、それからもう一つ、第二項においては、いわゆるB基準であるけれども、その中でそういう教科以外の学校活動等で大変優れた成果を収めている方というような考え方で議論のまとめでは整理をさせていただいているわけでございます。 そして、生徒の学習成績については、今の議論してございますのは、調査書に記入される学校成績概評が私どもとしてはおおむねBに該当するということを想定をしているということでございますので、具体的な基準については各学校がガイドラインを踏まえて定めるということになるわけでございますけれども、我々としての考え方としては、おおむねBということを示させていただいたということで御理解いただければと思ってございます。
○斎藤嘉隆君 分かりました、その点は。 おおむねBなので、これ、推薦は基本的に高校が行うことになろうかと思いますので、その辺も、先ほど言われたガイドライン、どういうものか分かりませんけれども、その段階で少し、なかなか高校の教員っておおむねと言いながらもかなり厳格にその辺を捉える傾向もあるので、その辺しっかり意図が伝わるようにお願いをしたいというふうに思います。 もう一個、昨日も本会議でもお聞きをしましたけれども、授業料減免とこの給付型との関係なんです。 ちょっと確認をしますが、非課税世帯の子供たちで給付型奨学金を受ける条件というか、その対象者については、これは基本的に国立大学に進学をした場合は授業料減免を受けるという大前提があるということでいいですか。
○政府参考人(常盤豊君) 授業料減免につきましては、調整のお話でございますが、国立大学につきましては国費による授業料減免制度が整備をされているということがございます。その中で、授業料免除の対象となる学生に対しては、全額免除でございましたら実質的に月額四・五万円相当の給付的支援ということに相当するという状況があるわけでございます。 そういう意味で、私立大学に通う方などとの公平性の観点も踏まえて給付型奨学金の支給額の調整ということを検討しているわけでございますけれども、その上で今の御質問に関してお答えをいたしますと、給付型奨学金の対象となる者が国立大学に進学した場合には授業料の全額免除を行う取扱いとし、そのことが進学前の段階であらかじめ予見できるようにするということで進学の後押しをしていきたいというふうに考えてございます。
○斎藤嘉隆君 どういうことかというと、高校三年生の一学期に予約採用ですよね、多くは。そして、その時点で、あなたは給付型奨学金の対象予定者ですよ、ただし大学へ進学したら、そういう場合ですよと。国立大学に進学したらあなたは授業料は減免されますから、給付型奨学金の対象者だけど、悪いけど、あなた、自宅から通うことになった場合は、二万円の給付をするんだけど、ごめん、それはなしね、給付型奨学金の対象から外れますよと、こういうことでいいでしょうかという確認と、これ、そのことによってこの給付型奨学金の対象者、ある学校で一名が対象であって、その予約の採用を定めたときに、その子供が国立大学に行って対象でなくなった場合というのは、その枠というのはどうなるんでしょうか、この点もちょっと併せて。
○政府参考人(常盤豊君) 前段について申し上げますと、これは具体的にどのタイミングでどういう形でというところは手続の関係になると思いますので、私どもといたしまして、今この段階でちょっとそこまで持っているわけではございませんけれども、考え方といたしましては、今、斎藤委員がおっしゃったように、具体はともかくといたしまして、進学前の段階であらかじめ予見できるように、授業料免除の対象としますよということが進学前の段階であらかじめ予見できるということにしたいというふうに思っておりまして、その方向で国立大学協会とお話をさせていただいているという状況があるということは一つございます。 それから、その部分で、要はその方が、今の御質問は、その方が結局国立大学に進学しなかった場合という……(発言する者あり)あっ、した場合ですか。そこは、推薦枠を割り振って、そして実際の手続をしてというやはり順序性がございますので、その国立大学に進学する者についても結果としてはその二万人の枠の中でカウントされるということになります。給付型奨学金ということでは、その場合には調整されてしまいますけれども、ただ、進学前の段階で国立大学の授業料減免を受ける者であるということはしっかりと本人に伝わるということにはしたいということで調整をさせていただいているということでございます。
○斎藤嘉隆君 いや、これ別に誰かに言われたわけじゃないんです、素朴な疑問なんですけど、だったら、私が高校の教員だったら、同じような推薦対象者がいたときに、私立大学の希望者をその対象にしますよ。だって、こっちはせっかく国立大学希望していて合格したら給付型の対象じゃなくなっちゃうと、この子は自分が目指す私学に行けば給付型の対象になるので、ちょっとそういうこと考えますよ、高校の教員なら。であっても、今おっしゃったようなことでいいですか。ちょっと、どうですかね、若干いろんな問題が起きるんじゃないでしょうかね。
○政府参考人(常盤豊君) 今申しましたように、給付型奨学金の給付人数については、給付対象として採用された者で進学する者は二万人となるように割り振るように進学率等を考慮して各学校等に推薦枠を割り振るということにしておりますので、先ほど申しましたように、国立大学に進学する者についても二万人に結果としては含まれるわけでございますけれども、この点については、手続の流れからいいますと、推薦をした方であっても結果としては残念なことに大学に受からないという方も出てくるということもあり得るわけでございますので、二万人の枠が必ずしも全て埋まるということにはならないということもございますので、その点を、結果として二万人を割ってしまうことになるかもしれませんが、その中で二万人の割り振り方をどうするかということについては、我々、確かに御指摘のようなところでもう一工夫しなければいけないところもあるのかもしれませんが、基本的な考え方としては先ほど申し上げたような形での運用を現時点では考えているということで御理解をいただければと思っております。
○斎藤嘉隆君 無利子奨学金でも同様の状況はあるんですけれど、ちょっとそこ、まだ若干時間があるので、本格実施までですね、少し議論を省内でしていただいた方がいいんじゃないかなというふうに思います。できれば、できれば、二万人を超えるなんということは基本的にないわけですね、枠的に言って。ただ、不合格であったり国立大学に行くことによってこの二万人と言っている枠さえもどんどん減っていくということがあるわけですので、そこはちょっと一度、できるだけそこを柔軟にできるような、ちょっと今妙案がないんですけれど、ちょっと御検討をいただいたらどうかなというふうに思います。 それから、若干ちょっと話が変わりますけれども、十七条で、今回の法案の、学業成績が著しく不良の場合の返還について定めています。学業成績が著しく不良というのはどのような状況を想定をし、現在の貸与型の適格認定制度による判定基準と同じなのか、あるいはそれよりも厳しいのか、この点も今の検討状況をお聞かせをいただきたいと思います。
○政府参考人(常盤豊君) 法律の条文の中に、今お話しのように、学業成績が著しく不良の場合には返還を求めるという考え方が示されているわけでございますけれども、この点につきましては現在の貸与型の奨学金においても適格認定ということが行われているわけでございまして、その中で、貸与型であっても、ある一定の事由に該当すれば、その方についてはもうその貸与自体を継続しないという扱いをしているわけでございます。 そういう中で、今回、貸与型よりも給付という形で、そういう点では学業の在り方についてはより厳格な考え方が求められるというふうに考えておりますので、例えば卒業延期が決まってしまったとか、そういう方などをイメージをしながら、学業成績が著しく課題があるような場合について返還を求めるというようなことで考えているということでございます。
○斎藤嘉隆君 ということは、今の貸与型の適格認定基準よりも厳しいということなんですね。 途中で給付が切られるならまだしも、これ中身を見ると返還を求めるという、こういう文言もあるんですよ。途中で在学中に返還を求められたら、多分ほとんどの学生は退学をすることになると。これ、極めて慎重な運用が必要だというふうに思うんです。 全額若しくは一部の返還というのはどういうケースで、どう違ってくるんですか、全額と一部。
○政府参考人(常盤豊君) 今、学業成績が著しく不良となった場合でございますけれども、この点については、もちろんそれに至った事情というのは様々なことがあると思いますので、一つは、返還を求めるかどうかの判断に当たってはそういう事情も、本人の責めに帰さないような事情ということもあると思います。 例えば、卒業延期になったけれども、それは本人の責めに帰さないというようなこともあると思いますので、そういう場合にはそういう事情も踏まえた上で必要に応じて返還を求めるということになりますが、その返還についても、貸与型の例に倣って返還をということで考えておりますので、貸与型であっても、例えば、二年生まで貸与されていたけれどもその方が三年生以降継続しなくなったときに、では、三年生の段階からいきなりすぐに返せということになるかというと、そうではない扱いになっているというふうに認識をしておりますので、そこは貸与型の場合と同じような形での返還ということを、例に倣った返還ということで考えたいというふうに思っております。 それから、一部、全部については、一年生から給付を受けていて、一年生、二年生はしっかりと学業にも励んで実績も上げたけれども、三年生になったときに本人の、残念ですけれども、本人の責めに帰すべき事情によってその給付に値しないような状況があった場合には、三年間のうちの二年間は給付で残るわけですけれども、一年分については、一部、三年間の中で見れば一部ですね、その部分は返還の対象とするというふうな考え方を一部又は全部ということで表現をしたということで御理解をいただければと思っております。
○斎藤嘉隆君 この返還に関わって、若干ちょっと視点変わりますけれども、日本学生支援機構法第五条の規定を見ますと、支払能力があるにもかかわらず返済に応じない者、ちょっと給付型と離れますけれども、繰上げ一括返済を求める制度ってありますね、今。 これ、支払能力があるのかないのかという判断というのは非常に難しいんですよ。難しいんです。支払能力があるにもかかわらず返還を著しく怠った者に適用できるこの繰上げ一括請求なんですけど、支払能力のない者に対して同様の請求を適用しているとすると、これは法令違反になっちゃうんですね、法令違反に。厳格な適用をやっぱりしていかなきゃいけないんです。これはどうやって、どこで判断しているんですか。
○政府参考人(常盤豊君) この支払能力の有無につきましては、収入の状況などでもちろん判断をするということになるわけでございますけれども、今御指摘のケースについては、例えば、日本学生支援機構の方からの再三の督促にもかかわらず、何の情報提供もなく、救済策の申請も、本来情報提供があって、本当に困っている方であれば救済策の申請をしていただければ猶予等の扱いができるわけですけれども、そういうものもないままに放置をするというような事案がございます、現実に。そういう中で、そのことをそのまま放置してしまいますと、奨学金制度の健全性にも関わってくるということがございます。 このため、機構と連絡が取れない返還者につきましては、手続として、支払能力があるとみなして返還未済額の全部の返還請求を行っているわけでございますが、その上で、返還者と連絡を取ることができる場面になって、その場面で当該返還者の支払能力を確認し、できることに、連絡を取ることが可能になった場合には、その段階で当該返還者の支払能力を確認し、所要の手続に進むという流れになっているということでございます。
○斎藤嘉隆君 今、機構が行うという話でした。 これ何でこういう指摘がなされるかというと、機構の体制をちょっと確認したいんです。これちょっとやっぱり、制度が、これ新しい制度が入ってきます、来年から。所得連動返済型の新しい制度も入ってきて、実はこの制度の在り方について高校生に説明をするのは本当は機構の人間なんですよ。機構の方が現場に行って説明をするのが一番いいんです、一番分かっているので。でも、そうはなっていません。高校の先生方がその説明をするということになっていますけれども、貸与型の返済計画なんかを具体的に聞かれたって、学校の先生は分かりませんよ、そんなの、なかなか詳しくね。そういったところに借り手側の、貸与型の場合だと借り手側に周知、認識不足というのがあると思うんです。 JASSOが行うべき業務ができない、できないんです、人がいないから。人がいない。人はいないし正規職員も少ないので、六割ぐらいですかね、今、ぐらいしかいないので、これは代表質問でも質問させていただきましたけれども、これ年々、ちょっと、そこまでは聞きません、本当は機構の職員の数がどのように変わってきていたかというのもまた後で個別にレクで教えていただきたいと思いますが、これやっぱり人員の拡充、とりわけ正規職員による人員の充実というのは必要じゃないか。電話相談なんか一個取っても、なかなか通じないんですよ、外部委託はしているんですけど。改善されているのは分かっています、最近。こういったことも含めて、体制の充実というのが必要じゃないでしょうか、いかがでしょうか。
○政府参考人(常盤豊君) 日本学生支援機構の体制でございますけれども、一つは、平成二十九年度から給付型奨学金を含む新たな奨学金制度が始まるわけでございますので、その新しい制度を円滑に実施できるように二十九年度予算において必要な経費を計上させていただいているという状況があるということでございます。具体的には、日本学生支援機構において業務を行う職員を増員をいたしまして新しい制度に対応する担当者を配置し、またあわせてシステムの改修等必要な基盤の整備をしたいということでございます。 また、もう一点、その前段としてお話がございましたが、学生支援機構の人員でございますけれども、過去五年間でございますが、若干ではございますけれども増加傾向をたどっております。増加する多様な業務に対応するべく、業務に係る責任や専門性に応じて適切な人員配置がなされるように努めているところでございます。 その上で、今、二十九年度、新しい制度に対応する予算措置もしていただいたということでございますので、その点には十分配意をしていきたいというふうに考えてございます。
○斎藤嘉隆君 もう時間が迫ってきて、本当はまだ半分ぐらいしか用意していたことのお聞きができていないので、ちょっと、あとは済みません、個別にいろいろ教えてください。 大内先生、今の議論、様々聞いていただいて、最初の質問で制度の限界ということにも触れられました。今回の法改正の意義、限界、こういったものについてそれぞれどのようにお考えか、お聞かせをいただきたいと思います。
○参考人(大内裕和君) お答えします。 これまで貸与型のみ、有利子中心の奨学金制度であったのに対して、今回、給付型奨学金制度の創設が行われたことはとても大きな意義があると考えています。返済を求めるのは、奨学金ではなく教育ローンと呼ぶのが世界の常識です。その点では、ようやく真の奨学金が誕生したと言えると思います。 今回の法改正の限界は、何といっても、対象人数、給付額共に極めて限定されたものにとどまっていることにあります。例えば、給付される一学年二万人という数は、二〇一六年度日本学生支援機構の貸与者数約百三十二万人に対してごく少数となっています。 現在では、奨学金利用者は大学進学者の半数以上となっています。日本型雇用の解体による親の所得低下によって、中間層を含む多くの世帯が子供の学費を負担することが困難になっていることを見逃してはなりません。ごく一部の貧困層のみを救うという視点だけでは、現在の奨学金問題を解決することはできないのです。 ですから、現在の奨学金問題を解決するためには、今回の法改正をスタートとして、給付型奨学金の拡充を含めた奨学金制度の抜本的改善を行うことが必要不可欠な課題であると考えます。 以上です。
○斎藤嘉隆君 時間が参りました。 本当に文科省の皆さんは、新制度の検討、本当に様々な点で細かくしていただいて大変有り難いというふうに思っております。ただ、いろんな課題がありますし、今後の拡充の方向性もお示しをさせていただきましたので、是非検討チームでの検討も含めて内部でしっかりとした議論をお願いをして、質問を終わりたいと思います。 ありがとうございました。
○吉良よし子君 日本共産党の吉良よし子です。 私も、中京大、大内参考人に来ていただきました。 先ほどのお話の中でも、今の貸与型奨学金、限界に来ているというお話もありましたが、そういう中で、本改正案でようやく給付型奨学金が実現されるわけです。しかし、先ほどのお話の中でも、また昨日、私が本会議で指摘した中でも申し上げましたけれども、様々問題があるというのは事実だと思うわけです。 まず、今日伺いたいのは、その財源についてなんですけど、この財源については、生活福祉貸付金の縮小、大学院生の奨学金返還免除の縮小などによって捻出するとされています。このような方法で費用を捻出するというやり方についてどうなのか、先ほど規模のお話もありましたけれども、参考人のお考え、まず伺いたいと思います。いかがでしょう。
○参考人(大内裕和君) お答えします。 給付型奨学金の役割とは何か。それは、経済的に厳しい家庭、階層の出身者にも進学する機会を提供する、彼らにも十分に学べる条件をつくり出し教育の機会均等を実現すること、これが給付型奨学金の重要な役割です。その点からいって、その財源は十分な支払能力のある富裕層や企業への応能負担の税制によって行うことがベストであると考えます。 以上です。
○吉良よし子君 応能負担の原則でということでした。 しかし、現状では、まずはその財源、そういうふうに応能負担で分け合うのも原則ですし、しかし、今は教育の予算の枠内であったり、若しくは生活福祉貸付金などの弱者への支援の枠組みを縮小することによって捻出するとしているこの今の政府の案について、いかがでしょうか、大内参考人。
○参考人(大内裕和君) 恐らくそれは今回の制度設計の中でそういうことになってしまったんでしょうけど、もしこれからこの制度を拡充するとすれば、恐らくそういうお金では足らないでしょうし、先ほど私が言ったように、中間層の解体を含むということは、今回の規模では解決にならないんです。 実際に、私が日本中を回ってお話をしたりとか新聞、テレビなどでこの問題を話題にしても、大変視聴者の関心が高い。それは、この問題で困っていらっしゃる方が本当に日本中にいるということなんですね。そうすると、今回はこういう形でまとまったんでしょうけれども、やはり今後この給付型奨学金の財源について先ほど言ったようなことを考えなければ難しいのではないかというふうに思います。 以上です。
○吉良よし子君 ありがとうございます。 本当におっしゃるとおりだと思うわけで、やはり規模は拡大していかなければならないわけですし、やっぱり今の財源では不十分、本末転倒のやり方になっているのではないかと私は思うわけです。 改めて、大臣、伺いますけれども、今後やっぱりこの給付型奨学金、拡充をしていく、予算を増やしていく、そういう方針をきちんと今出すべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(松野博一君) 委員にも繰り返しの答弁になるかと思いますが、今回初めて日本において給付型奨学金を創設をさせていただきました。その中において、まずは安定的にこの制度を運用し、そのことによって進学の後押し効果というのがどのように発揮をされるか、このことをしっかりと検証をまずしなければいけないというふうに考えております。 その上で、先ほど来、教育財源のお話がありましたけれども、まず施策を拡充、実行していくという方向においてはどうしても財源を確保していかざるを得ないということでありますから、それの財源の確保に関しては、私たちは今、教育再生実行会議の提言を受けて、既存の様々な施策の優先順位の見直しでありますとか、各省庁間において同種の取組に関してその予算の調整等々を考えております。しかし、その上において、それだけでは十分な財源が確保できないということであれば、税制等を検討をしていきたいということでございます。 ですから、新たにつくった給付型奨学金という制度、このことを、まずは運用を安定的にしていくということが肝要であろうと考えております。
○吉良よし子君 先ほど税制の検討というお話もありましたけど、であれば、参考人もおっしゃっていたように応能負担が原則で、困難な若者の進学を支援するという立場に立っていただきたいと思いますし、何よりもやっぱり現行では不十分なわけです。拡充は必ず必要だと。効果などの検証を図っている場合じゃなく、やはり文科省として拡充の方針を打ち出していただきたいということを強く求めたいと思います。 その上で、次に奨学金の返済の問題について私は伺いたいと思うわけです。 先ほど、大内参考人、抜本的な改善が必要だというお話がありました。私はやはり、給付創設するとともに、今も卒業と同時に奨学金という借金を背負って返済に追われ苦しんでいる人々を救済することというのは急務だと思うわけです。そのために、今ある救済制度、見直すべきと考えているわけですが、どう改善していくべきか、また、今あるその救済制度の問題と改善策について、大内参考人のお考えを伺いたいと思います。お願いします。
○参考人(大内裕和君) お答えします。 これについてはたくさんあるんですけど、大きく四点あります。 具体的には、第一に、返せない人間に更なる負担を課す延滞金を廃止することです。廃止されるまでの間は返済する順番を、現在の延滞金、利息、元金から、元金、利息、延滞金に変更し、返せば必ず元金に充てる制度とすべきです。 第二に、奨学金の返還猶予期限の撤廃です。現在の制度では、経済困難を理由とする返還猶予は十年間だけ認められています。しかし、猶予期限の十年間が過ぎれば、本人の年収が幾らであっても返還を要求されます。収入が低ければ、返済することはできません。この問題を改善するためには、十年間の返還猶予期限を撤廃することが必要です。十年間という期限で区切るのではなく、本人の年収を基準とすべきです。 第三に、日本学生支援機構の運用面での改革も重要です。各種の救済制度を柔軟に運用できるように、現在の厳しい利用要件を抜本的に見直すことが必要です。特に、延滞金があることを理由に救済制度を利用させなかったり煩雑な申請手続を要求したりするなどの救済制度における運用上の不当な制限を撤廃すべきです。また、改善された救済制度を今返済に困っている人にも遡って適用することです。例えば、延滞金の利率は二〇一四年度に一〇%から五%に引き下げました。こうした改善された救済制度を、それ以前から返済に困っている人にも遡って適用することが重要です。 第四に、人的保証の廃止と機関保証の引下げです。日本学生支援機構の奨学金では、保証料を払って機関保証を利用する場合以外は連帯保証人と保証人を一人ずつ求められます。その結果、卒業後に本人が返済できない場合に、親や親族が無理な返済を行うというケースが生み出されています。また、制度内での救済手段では対応できない人が自己破産や個人再生などの法的整理を利用する場合でも、保証人である親や親戚に迷惑を掛けたくないとして法的整理をちゅうちょするケースが数多く報告されています。ですから、貸与型奨学金についての人的保証の制度はやめるべきです。また、保証会社を利用する機関保証については、保証料を軽減して利用しやすくすべきだと考えます。 以上です。
○吉良よし子君 様々な問題点そして改善策、挙げていただいたわけですけれども、創設される給付型奨学金だけでは今の高過ぎる学費全てを賄うことはできないわけです。ということは、現在の貸与型奨学金との併用になることもあるわけで、だからこそその貸与型奨学金の見直し、とりわけ、今申し上げています返済地獄とも呼ばれるような状況を改善することは私、急務だと思うわけです。 昨日の本会議で大臣は、返還が困難な方には返還期限猶予や減額返還制度を適用することで対応していると答弁されました。しかし、先ほど大内参考人がおっしゃったとおり、返還期限猶予制度というのは最長十年までしか使えないと。また、減額返還制度といっても、月々の返済額が二分の一となるだけで返済総額そのものは変わらないわけです。これも最長十年しか使えませんので、ということは、例えば二十代前半で卒業して、それでも就職がうまくいかず収入がない若者が例えば返還期限猶予制度を使ったと。で、十年間使って、その後、三十代前半、それでも収入状況が改善しなかったからということで減額返還制度を使って月々返済を二分の一にしたとしても、十年間で完済できるわけがないわけです。それ以降、十年たった後、四十代以降は元々設定した返還月額で完済できるまでとにかく払い続けなければならないわけで、そうすれば、完済する頃にはもう六十代前後になってしまうというわけです。 たとえ返還困難な収入状況、生活実態であったとしても、要するにこの救済制度を使ったとしても、一生掛けてもいいからとにかく奨学金を完済しろと迫るのが今の救済制度だと。これが本当に救済だと言えるのでしょうか。大臣、いかがでしょう、見直すべきではないでしょうか。
○国務大臣(松野博一君) まず、この奨学金制度の基本的な設計として、奨学金制度を御利用いただいた方々に返還をいただいて、その返還いただいたお金を基にまたさらに必要な方にそれを御利用いただくというのがこの制度の基本的な設計でございますので、やはりこれは返還をしていただくということが基本になっていくという認識を持っております。 委員の方から現行の救済制度を拡充をすべきではないかという御質問でございますけれども、様々な事情により卒業後厳しい経済状況に置かれ奨学金の返還が困難な方に対しては、従来から返還期限猶予制度や減額返還制度により対応をしています。 返還期限猶予制度は、卒業後の本人の年収が三百万円以下の場合、申請により返還を猶予しており、平成二十六年度には猶予の年数制限を従来の五年から十年に延長する制度改正を行ったところであります。また、このうち奨学金申請時に家計支持者が年収が三百万円以下の学生に対しては無期限に猶予を可能としているところです。さらに、既に返還を開始している方について、減額返還制度を拡充することにより負担軽減を図ることとし、返還月額を二分の一から例えば三分の一に減額することを検討をしております。 奨学金の返還については、まずは平成二十六年度に猶予制限年数を十年にしたことの効果や来年度から導入する所得連動返還型奨学金制度の効果、さらには減額返還制度を拡充することの効果などを十分に把握、検証してまいりたいと考えております。
○吉良よし子君 返すべきもので、利用する人に返してもらってこその運用だというお話でしたけれども、そもそも奨学金というのは、将来の収入や仕事がどうなるか分からなくても学生たちの学びを支える、それがそもそもの導入の考えなわけです。返済能力に対する与信に基づく通常の借金とはそもそも性格が異なるわけですよ。だから救済制度もあるわけです。 今、大内参考人もおっしゃったように、なかなか雇用の面が改善されない中で、返したくても返せない人がいるわけです。その人たちをいかに救うかという議論を私はしているわけで、今の制度では不十分だと申し上げているわけです。 その上で、改めて聞きますけれども、その返還期限猶予制度、最長十年しか使えないというところですが、二〇一四年、おっしゃったとおり五年から十年へと延長されたわけですけど、もうそれから三年たって、あと二年で五年間分、延長した分の期限が切れてしまうわけですよ。しかし、もうそんな中で、経済状況や雇用状況が抜本的に改善したとは言えない中で、悠長に効果の把握、検証している場合じゃないと思うわけです。 斎藤議員は、昨日はこれ十五年にせめて延長すべきじゃないかというお話されていましたけれども、私は撤廃するべきだと思います、大内参考人もそう言っていましたけれども。そうした様々な案も出ているわけですから、二年を待たずに一刻も早く対応策検討すべきかと思うんですけど、いかがでしょうか。
○国務大臣(松野博一君) 現行の返還猶予制度に関しまして、先ほど説明をさせていただいたとおりであります。 返還猶予制度を撤廃をしてはどうかという委員の御提案でございますけれども、返還猶予期間に年数制限を設けないということにいたしますと、十年を上限とする場合と比較をして回収割合が相当程度落ち込むことが予想されるため、財源の確保を含め慎重な検討が必要と考えております。 返還猶予期限制度の利用期間の見直しにつきましては、先ほど御説明させていただきましたとおり、平成二十六年度、猶予制限年数を五年から十年に延長したことの効果や来年度から導入する所得連動返還型奨学金制度の効果を、これを十分に把握、検証して、その政策効果をしっかりと検証することによって今後の展開を考えていきたいと考えております。
○吉良よし子君 答弁になっていないと思うんですよね。やっぱり財源の確保が必要だと言いますけど、私は先ほど来、教育予算そのものを抜本的に増やすべきだとこの間もずっと言い続けているわけでして、やっぱりそれをするのが大臣の役割なんです。ないからできないじゃ、私、駄目だと思うわけです。 もう一つ、大内参考人からこの運用面についてのお話もありましたので、私もそれ聞きたいと思うわけですけど、この救済制度の利用については機構において適切に対応されているというのが昨日の大臣の答弁でした。しかし実際は、厳しい年収の条件を付けられて利用ができないとか、役所から取り寄せられない書類の不備を理由に過去に遡った返還期限猶予制度が使えなかったとか事例があるわけです。返還期限猶予制度だけじゃなくて、例えば当事者が寝たきりの病気になって、二年たって、その保護者が診断書も添えて返還免除制度を申請したら、担当医の意見も聞かず、回復の可能性があるからまずは返還期限猶予制度を申し込めと一方的に申請書を送ってきたという事例もあるわけなんです。 今、この免除の制度の救済が必要だって声を上げているのにその制度を使わせないと、そうしたような運用が適切な対応と言えるのでしょうか、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(松野博一君) まず、全体としての財源をしっかりと確保して拡大をして様々な施策を拡充するべきだという委員の御指摘に関しましては、文部科学省も教育は未来への先行投資だという認識はもう共有をしているわけでございまして、ただ、これはもう言うまでもなく公金を投入をするものでありますから、その政策効果というのはしっかりと検証して国民の皆様に説明をしていかなければならないということでございますし、先ほど来議論になっております教育財源の問題も、この教育財源の問題というのは、究極的には国民の皆様に御負担をいただくということになりますから、今、各党各会派で様々財源に関する御議論をいただいております。活発な御議論をお続けをいただきながら、国民の皆様の御理解を一層進めていただくということが大切なことなんだろうというふうに思います。 日本学生支援機構の運用、対応についての御指摘でございますが、複雑化するこの日本学生支援機構業務に対して、二十九年度予算においても人員を増やすという方向で予算を計上させていただきました。また、現場の対応に関しましては、これは日本学生支援機構において、法令にのっとり、返還者の状況に応じて適切に運用されているものと考えております。
○吉良よし子君 法令に応じてという話ですけど、機構が、利用したいと言っているのに利用できないような様々な条件を付けているというのは法令にのっとった形なのかという疑問があるわけです。やっぱり適切じゃないと思うわけですし、必要な人がすぐに利用できるように政府からも物申していただきたいと私思うんです。 そして、やはり問題は延滞金なわけです。昨日も指摘しましたが、延滞金というのは今や多くの返還者にとってペナルティーの意味を持っているわけです。支援機構の調査でも、延滞が始まった最も多いきっかけというのは、収入が減ったことです。じゃ、それはどうして起こるか。例えば、リストラ、会社の倒産、病気、事故などによって引き起こされると思うわけで、本人のみの責任とは言い切れない理由によって延滞が生じたのに、それにペナルティーを科すことについて私は正当性はないと思うわけです。 例えば、返すつもりだったけれども、御本人が病気になってしまって入退院を繰り返して仕事も住居も定まらない状況だったために、機構からの連絡が御本人に届かないまま、気付いたら延滞金と利息と合わせて三百万円の一括返済をいきなり求められたという事例もあります。気付いたら延滞金が課されてしまっていた者にとって、もうそれは返済促進の意味は持たないと思うわけですよね。ペナルティーでしかないと。 この延滞金は当事者にとっては地獄のように重いペナルティーとなっているわけですよ。その事実を大臣には認めていただきたいですし、やはり先ほど来、返していただかないと困るというお話がありました。でも、もし本当に返還を促したいというのであれば、やはり延滞金を課すということが必要ではなくて、例えば延滞金が発生した後の返還金、先ほど大内参考人からもお話ありましたけど、延滞金が発生した後の返還金は延滞金から充当されてしまっている、幾ら返しても延滞金しか減らなくて元金はいつまでたっても減らない、そういう状況を変えると。返せば元金が必ず減るという方式に変更するということは、制度を回す上でも重要な組替えだと思う。すぐにでもやれることだと思いますが、そうした検討をすべきではないでしょうか、大臣、いかがでしょう。
○国務大臣(松野博一君) 広範囲の御質問をいただきましたが、まず延滞金については、この目的は期日どおりに返還するよう促すこと、また、期日どおりに返還している者との公平性から課しているものでございます。なお、経済的に困難な返還者の負担を軽減するために、平成二十六年四月以降、延滞金の賦課率を一〇%から五%へ引き下げたところであります。 奨学金の返還に際しては長期にわたって延滞に陥らないことが重要であり、延滞初期段階での返還促進や返還困難時の救済措置の案内により延滞防止解消に努めてまいりたいと考えておりますし、委員からもお話があったとおり、制度を周知するということはもう極めて重要なことであるというふうに考えております。 また、返還金を元本から充当していくべきではないかという御指摘でございますが、返還金の充当については、民法の規定に沿って、延滞金、利息、元本の順で充当することとしております。延滞者が支払う返還金は、返還月ごとに、返還期日が古い返還月額の延滞金、利息、元金の順に充当されるため、一番古い返還月額の延滞金、利息を超える額を返還した場合は元金が減っていくということに、今そういうような設計になっております。 そして、連絡が取れない場合のケースについて御指摘をいただきました。 支払能力の有無については、収入の状況など返還者側からの情報提供がない限り、機構側では判断ができないものであります。機構から再三の督促にかかわらず何の情報提供もなく、救済策の申請もない者については、そのまま放置することは奨学金制度の健全性にも関わる問題であると考えております。このため、機構と連絡が取れない返還者については、手続として支払能力があるとみなし、返還未済額の全部の返還請求を行っていると承知をしております。例えば、一括返還請求の後でも返還者から返還に関する相談があった場合は、返還計画を立て直す和解など、柔軟に対応をしているところでございます。
○吉良よし子君 柔軟に対応と言いますが、結局その御本人が申し出なければ対応はできない、自己責任だとおっしゃるような話では、私、救済は到底できないと思うわけです。 様々な理由があるわけです。返そうとは思っているけれども、連絡もしようと思っていたけれども、例えば入退院していて連絡ができなかったとか様々な理由があるわけで、そうしたところに一律の枠をはめて、これだからできないとか、遡っての猶予も認めないとか、様々な四角四面の対応だと救済にはならないと申し上げているわけです。 何より、やはり奨学金というのは、そうしたどんな経済的な困難があってもその進学、将来を支えようというのが導入の出発点なわけですから、それをきちんと国民に説明すればちゃんと理解は得られるはずなんですよ。それを文科省にはしっかりやっていただきたいですし、その上で制度の拡充、見直し、改善、しっかりやっていただきたいと私思うわけです。 その上で、先ほど来、財源の話がいろいろ出ているわけですが、大内参考人に最後にまた伺いたいと思うわけです。 大臣の答弁に対しての感想も含めてなんですけれども、高等教育の負担軽減の今後の在り方という意味では、やはり高等教育予算、抜本的に増やす必要がある、そして高過ぎる大学授業料も値下げする、奨学金も枠を広げていく、そういうことが今後必要だと思うわけです。その点についても参考人、いかがでしょうか、お考えをお聞かせください。
○参考人(大内裕和君) お答えします。 日本の高等教育予算は、国際的に見てもとても貧弱です。OECD、図表で見る教育二〇一二年版によれば、高等教育への公財政支出の対GDP比について、日本はOECDの中では最も高等教育への公財政支出の比率が低いことが分かります。経済規模から見ると、日本は高等教育に政府が最もお金を出していない国であると言えます。高等教育への予算が少ないことによって、今後の日本の経済発展、科学技術や文化の振興に甚大な悪影響を与えることがとても危惧されます。 近年、ノーベル賞受賞が話題になって、私もとてもすばらしいと思いますけれども、あの方たちは皆、一九六〇年代、七〇年代と、授業料がとても安く、国立大学の研究条件が今よりはるかに良かったときの成果です。ああいうことを維持するためには、今の状況はとてもまずいと考えます。 授業料の値下げという言葉が出ましたけれども、むしろそれとは逆行する事態が進んでいます。政府、財務省は国立大学への運営費交付金を減らす方針を示していますが、もしこれが現在の計画どおりに実現した場合、二〇三一年度の国立大学授業料は、現在の年間五十四万円程度から年間九十三万円程度に上がると言われています。国立大学が主体的に授業料を上げると言っているわけではありません。運営費交付金が減らされれば授業料値上げをせざるを得ないということです。 私立大学についても同様です。政府から私立大学に出される私学助成の経常的経費に占める割合は、一九八〇年の二九・五%をピークにどんどん下がっています。二〇一五年度には九・九%と、一〇%を切りました。国立大学同様、私立大学への政府助成が運営費に占める比率も下がり続けているのです。 これだけ奨学金利用者が増えているんですから、見識ある高等教育関係者は、可能であれば授業料、学費を引き上げたくないと考えています。しかし、現在のような運営費交付金や私学助成の削減が続けば、研究や教育の充実など健全な大学運営のためには授業料、学費を引き上げざるを得ないということになります。 給付型奨学金を導入しても、授業料など学費の引上げが進めば現在の教育費問題は解決しません。今後の学費負担の軽減へ向けて、まずは授業料引上げの要因の一つとなっている運営費交付金と私学助成の削減方針を撤回すべきであると私は考えています。 以上です。
○吉良よし子君 大内参考人、今日は本当にありがとうございました。 この参考人の御意見も基に、当委員会で引き続き奨学金の問題も高等教育の在り方についても伺っていきたいと思っております。 どうもありがとうございました。
○高木かおり君 日本維新の会の高木かおりです。 本日は独立行政法人日本学生支援機構法一部を改正する法律案について御質問をさせていただきます。 早速質問に入らせていただきます。 今回の法案提出されています給付型奨学金は、奨学金制度としては大きな第一歩ということで一定評価をいたします。意欲と能力のある若者が経済的理由によって進学を断念することがないように、安心して学ぶことができる教育環境、これを整備するために学生の経済的負担軽減を図るということは本当に重要なことだと思っております。来年度から特に経済的に苦しい学生を対象に先行実施されますが、平成三十年度からの本格実施ということでございます。 給付型奨学金の対象者は、現在の小中高等学校で行われております就学援助制度で基準として広く用いられている住民税非課税世帯を対象としておりますけれども、この非課税世帯の高校生は約十五万九千人いるとのことでございます。規模も額も、これから実施される制度では大変少ないという状況でございます。この議論は、繰り返しになると思いますけれども、この制度を当面安定的に運用し、定着を図り、進学の後押し効果を十分に発揮していくということでございますけれども、先ほど大臣の方からも、政策効果を得てしっかり検証して、そして財源確保を考えた上でまた次考えたいんだということをおっしゃっておられました。 この当面というのは、それではどれくらいのタイミングでお考えなのか、改めてお伺いしたいと思います。
○政府参考人(常盤豊君) まず、私の方から、現在の給付型奨学金の規模の考え方についてお話をさせていただきたいと思います。 給付型奨学金、今回新たに日本学生支援機構の業務として導入させていただくわけでございますけれども、これまでも私ども文部科学省では、平成二十四年にも概算要求をするなど、何とかこの制度を導入したいということで検討してきたわけでございますけれども、今回、非常に多くの方々の後押しもいただいて、新しくできるということになったわけでございます。 ただ、この制度について、やはり給付型ということでございますので、従来の貸与型以上に、教育的な観点であるとか、あるいは同世代で例えば働く方々等の理解を得るという観点とか、あるいはその学生の努力を促す制度とするという観点、こういうことがやはり必要なのではないかということで、制度発足に当たっての議論の中でそういう考え方に基づく制度設計となったわけでございます。 そのために、非課税世帯の中でも一定の学力、資質を考慮の上で対象者を選定するということが適当だということで、二万人を対象とするということで、今回、予算でも提案させていただき、お認めをいただいたわけでございますが、このことについて、まず制度を当面安定的に運用して定着を図るということ、これは、二十九年度予算でも先行実施の予算をお認めいただいたわけでございます。三十年度以降、学年進行で本格実施が進んでいくということになるわけでございますので、そういう制度の当面安定的な運用ということを我々としては何とか進めて定着を図っていくと、そのことで進学の後押し効果を十分に発揮をさせていくということが、私どもが現在考えている第一義でございます。
○高木かおり君 御答弁ありがとうございました。 そういった政策効果をしっかりと得る、また国民の皆さんの御理解も得る、そういった様々、今御答弁いただいたことは御理解いたします。 けれども、やはりこの規模と給付額、繰り返し申し上げさせていただきますが、やはり今のままでは不十分だという御意見も多くの方からいただいている中で、やはりこの法案、五年後の見直しという規定がございますが、それにとらわれることなく、できるだけ早急に対象規模、給付額の値上げ等をやはり検討していただきたいと、ここに御要望させていただきたいと思います。 続きまして、給付対象者の選定基準についてお伺いをしていきたいと思います。 成績基準の目安等はガイドラインを作成するということでございますが、各学校で基準を設けることになっているということで、学校によってこの基準にばらつきが出るおそれなどはないのでしょうか。また、経済的必要性よりも成績重視にならないようにする対策の方をお聞かせください。
○政府参考人(常盤豊君) 給付型奨学金の対象者を選定する基準でございますけれども、この点につきましては、私どもの昨年秋以降の検討の中で、資質、学力に関する基準と家計基準と、その双方についてガイドラインを定めるということで考えているわけでございます。そのガイドラインに基づいて、ガイドラインを踏まえて、各高等学校において、今御指摘のように、地域や生徒の実態に応じて教育目標を設定しているわけでございますので、推薦する者についての選定基準についてもそういう各高等学校の事情を踏まえて定めていただくことが適切であると。 その際に、今御指摘ございましたように、各高等学校の推薦基準にやはり一定の統一性を持たせるためにガイドラインを明確なものとするということが重要だというふうに考えておりますので、この国会での御審議あるいは文部科学省に寄せられた意見なども踏まえて、ガイドラインを早急に作成をしていきたいというふうに考えております。 その際、また、ガイドラインの適用に当たっても、推薦者の選考についてやはり説明責任を果たすということが重要でございますので、各高等学校において定める基準を公表するということを求めることが適当と考えております。 こうした取組を通じて、推薦基準の公平性であるとか透明性、適正性の確保ということを努力していきたいというふうに考えているところでございます。
○高木かおり君 ありがとうございます。 非課税世帯の生徒の中には、先ほどの議論の中にもございましたけど、教科以外の学校生活に参加できる時間的、経済的余裕のない生徒も多く存在するというお話ありました。そういった生徒をしっかりと見極めて推薦ができるようにやはりしていっていただきたいわけですが、具体的な推薦は高校の先生にお任せするということでございます。そこに漏れがないのかを見極めることが本当に必要だと思います。 これに対して具体的な方策など、もしありましたらお聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(常盤豊君) ガイドラインにおいては、成績基準の考えでございますけれども、先ほども御説明をさせていただきましたが、成績の基本的な考え方については、まず一つの、第一の項目としては、いわゆる学業の評定値を基準とした学校での調査書の基準についていえば、いわゆるA段階に相当するような方が第一項、それから第二項においては、いわゆるB段階に相当する方で、ただ、通常の学習成績以外の学校活動、そういうものを評価をして、例えばスポーツであるとか芸術文化活動であるとか、そういうことについて努力をした方も加えると、加えるといいましょうか、そういうことも視野に入れて選考するということでございますので。 それどうやって具体的にということでございますけれども、その基準が公正なものになるように各学校において公表するということを求めるというのがまず一つございますが、その際に、推薦者の選考に当たって、選考結果の公正性ということがございますので、管理職とか担任以外の教員を含めた複数名での選考体制をしいていただくとか、あるいは推薦基準に関する共通の理解を持って選考に当たることができるようにするというようなことで、ガイドラインで提示をしたものについて、より公正性とか説明責任を各学校において十分果たしていただいた上で、できるようなことを我々としては各学校に対してガイドラインを示すに当たって更にお願いをしていくということで考えていきたいということでございます。
○高木かおり君 ありがとうございます。学校の、高校の先生方には御負担があるかもしれませんけれども、やはり学生さんの人生を決める大切なことでございますので、是非ともしっかりやっていただきたいというふうに思っております。 さらに、基準は満たしているけれども学校推薦を受けられない生徒が生じると、大変これは公平性に欠けると思います。そのようなことが決してあり得ないのか、それを防ぐ対応策、そういったものはございますでしょうか、重ねてお伺いいたします。
○政府参考人(常盤豊君) 今のお尋ねについて申しますと、そのガイドラインというのは、あくまでもそれを踏まえて作業を進めていただくための基礎になるものでございます。 それで、実際に選定をするに当たっては高等学校が推薦基準を定めるということになりますので、そういう意味では、推薦基準に合致していてそれに外れるということではなくて、推薦基準に基づいて必要な人を推薦するということになりますので、ガイドラインと推薦基準、ガイドラインは必ずしも絶対的な基準としてそれが満たされていれば必ず推薦されるという類いの性格のものではございませんので、今先生がおっしゃっていただいたような、基準には合っているんだけれども推薦されなかったということではなくて、そういうガイドラインの考え方に即して各学校が推薦基準を作って推薦するということでございますので、推薦基準を満たしているけれども推薦されないというような事態は基本的には生じないような構造になっているということを御理解いただければというふうに思ってございます。
○高木かおり君 分かりました。 高校の先生がやはりしっかりとこれらについてサポートするということは、この学校での教諭の負担も、先ほどからの繰り返しになりますけれども、大変あるかと思います。 文科省として、高校におけるこの推薦事務が円滑に行われるようにするためにはどのような具体的な対策をお考えでしょうか、お聞かせください。
○政府参考人(常盤豊君) 給付型奨学金の推薦事務は高等学校が行っていただくわけでございますけれども、現在でも貸与型奨学金の予約採用においては高等学校に推薦の業務を行っていただいているということがございます。 給付型奨学金制度の実施に当たっては、新たに給付奨学生候補者の推薦基準を作成していただくなどの新しい業務ももちろん入るわけでございます。その際に、できるだけ高等学校等の業務負担が過大とならないように配慮をしたいということで、例えば、貸与型奨学金の予約採用事務は現在していただいているわけでございますので、それとスケジュール面で同様のスケジュールを組むというようなことで、家計基準とか学力・資質基準の確認などの貸与型の業務と併せて行っていただくというようなことで工夫ができないかというようなことであるとか、あるいは経済基準、家計基準の方についても、高等学校では現在、高校生等奨学給付金がございまして、やはりその手続において非課税証明書の徴収等を行っているということがございますので、そういう、今回の給付型奨学金の推薦においても同様に手続を進めていただくということがございます。 また、これも御説明をさせていただいているところですが、学校の先生方だけにお願いするのではなくて、スカラシップアドバイザーの派遣というようなことも考えていきたいということでございます。
○高木かおり君 次に移りたいと思います。 今月の十七日に衆議院の文部科学委員会に参考人としていらしてくださいました小林東京大学総合教育研究センター教授が非常に興味深いお話をされておられました。東京大学の学生に卒業時調査をしているそうなのですが、国立大学で税金で教育を受けたという意識があるという学生は残念ながら半分くらい。学生に聞くと、授業料が高いので税金で教育を受けているという意識が持てないというようなお話がございました。 このお話をお聞きになられて、大臣、この調査結果、どう思われますでしょうか。
○国務大臣(松野博一君) その調査結果についての感想ということでございますが、やはり国立大学法人で高等教育を受けられている皆さんは、それぞれ自分たちが受けている教育が公費、国民の税金によって支えられている部分があるということはやっぱりしっかり認識をしていただきながら高等教育における学びにしっかりと取り組んでいただきたいと考えております。
○高木かおり君 大臣、ありがとうございます。 小林先生も指摘をされていますけれども、私もこれはやはり大きな問題ではないかというふうに思うんです。国立大学は、先ほどおっしゃっていただきましたように、現在も運営費交付金等、多額の税金が投入されているわけです。それですのに、東京大学を卒業する学生ですら税金で教育を受けられたという意識が持たれていない。これでは、やはり大変これに関しては残念であり、何とかしなければいけないなというふうに私の中でも思っております。 まずは現在の学生の意識改革というのも必要かと思いますが、この御見解についてお聞かせください。
○国務大臣(松野博一君) 委員御指摘の意識改革というのがどういった方向についての御指摘なのか、私が理解しているかどうか分かりませんが、これは、国立大学法人もそうでありますし、私立大学においても私学助成等を通じて公金が投入をされているということはございます。 もちろん高等教育を受けるというのは、それぞれの学生にとって御自分の能力、資質を最大限に生かして充実した人生をお送りをいただくということが第一の目標でございますが、同時に、先ほど申し上げましたとおり、その高等教育を支える環境は公費、国民の税金によって支えられているんだという認識もしっかりお持ちをいただく中で、それぞれ自分たちが目指されている勉学の方向性をお進めをいただければという感想を持っております。
○高木かおり君 重ねて、ありがとうございました。 今回の改正では、スカラシップアドバイザー制度が創設されます。平成二十九年度予算では二億七千二百五十万円、延べ二千六百人が想定をされているわけです。具体的には、この二千六百人のスカラシップアドバイザーの方々、どのような活動をするんでしょうか、お聞かせください。
○政府参考人(常盤豊君) スカラシップアドバイザーでございますが、二十九年度予算で延べ二千六百人の派遣ということでお願いをし、お認めをいただいたわけでございますけれども、具体的な内容といたしましては、高等学校において大学等への進学のための資金計画について、返還を含めた適正な奨学金の利用ということについて理解を促進していただくということを考えておりまして、ファイナンシャルプランナーのような経験を持たれているような、知見を持たれているような方を中心に考えてございますけれども、そういう方々にこの奨学金制度についても十分な御理解をいただいて、言葉として適切かどうかはありますけれど、スカラシップアドバイザーをそういう奨学金の業務についての知識を深めていただく観点で新たに養成をいたしまして全国の高等学校等に派遣をするということで考えてございます。
○高木かおり君 今、ほぼ高校生に向けたスカラシップアドバイザーの皆さんの活動であるかと思います。 これから大学に進学しようかと悩んでいる高校生の皆さんにアドバイスをして、生徒に自らのファイナンシャルプランを意識をさせて、それから返還とか寄附等、そういったことによって社会貢献の意識の涵養を図る、また高校の先生の負担軽減を行う、これは本当に大切な仕事だというふうに思います。 ただ、それと同じくらい、実際に今、給付型の奨学金を得て大学に進学しようとしている学生はもちろん、国公立大学に通う学生、奨学金を得て勉強を続ける学生には、やっぱりしっかりと税金で勉強をしているんだという意識を持っていただきたいわけです。そのためのスカラシップアドバイスも必要だと思います。 もっと言えば、各教育段階に応じて、社会保障制度ですとか、先ほどから申し上げている金融に関する教育、また法教育、様々そういった、社会で生きていく上での必要と思われる知識、こういったことを子供に与えること、これは各教育段階においてですけれども、大変これはやっぱり重要だというふうに思います。今回の奨学金制度なども、知っている人と知らない人では大きく違うと思います。そこで不公平感を生んでしまうというのはやはりよくないことでありまして、情報を知る機会というのは大変重要だと思います。 時間がございませんので、もう一つ別の面からの質問をさせていただきますが、国立大学の卒業生が税金で教育を受けたという自覚がないという点、国立大学の学費が高いからではないかという議論がございます。 松野大臣の衆議院での御答弁の中にも、最近の十一年間は値上げしておらず、来年度も授業料標準額の引上げを行わない、また平成二十九年度予算では国立大学の授業料減免について対前年度十三億円増の三百三十三億円を計上し、免除対象人数を対前年度二千人増の六・一万人に増員するなど、教育費の負担軽減に努めているという御発言があったかと思います。 これは大変有り難いことではあるんですが、しかしながら、ここ十一年間デフレの時代でございました。物の値段はどんどん下がり、平均給与も下がっています。国税庁の民間給与の実態統計調査を見ますと、平成九年のピーク時には四百六十七万円だった民間労働者の平均給与が平成十二年頃から下がり始めまして、平成二十一年には四百六万円と一三%も下がっているという統計結果が出ております。このような社会情勢を考えますと、十一年間値上げをしていないから教育費の負担軽減に努めているとは言えないのではないかと思います。 高い授業料、とりわけ国立大学の授業料の水準を引き下げることが必要かと思いますが、大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(松野博一君) 国立大学の授業料に関しては、今委員の方から御説明をいただいたとおりでございます。 十一年間上げていない、来年度に関しても標準額は上げることは考えていないというお話をさせていただきました。それをもって教育費負担の軽減に努めているという認識を持っているかと言われれば、いや、これはもう基礎的な環境整備に努めているということだという認識でございます。 委員御指摘のとおり、この高等教育を受けるに当たっての個々人、家計の教育費負担というのは、これは更に引き下げるということは必要な施策であるというふうに考えております。しかし、これまでの議論にあったとおり、引き下げるという場合においては、しっかりとその財源確保をしていきませんと、なかなかそれが実現できないということがございます。そして、その財源を確保するということになると、これも先ほど来活発な御議論をいただきましたが、教育は未来への先行投資だと、高等教育の意味というものに関して国民の皆様の御理解をお進めをいただかなければならないということでございますので、今ある様々な教育費負担軽減の施策を進めながら、各党各会派、国会において、様々な場において、国民のこういった教育財源確保に関する理解をお進めいただくように、是非活発な御議論をいただければと思います。
○高木かおり君 やはり、財源確保というのは重要かと思います。 先ほど御議論の中にもございました。私も、この寄附、大学への寄附ということに関して最後一つ御質問させていただきたいんですけれども、この小林東京大学教授、教育のための寄附の増加策は将来的に大きな課題であるとおっしゃっておられます。私は、個人、企業からの寄附は、募ることは良いことだというふうに思っております。 今日、先ほど大島先生と斎藤先生の中でいろいろと御議論もあったかと思いますけれども、やはり日本の大学も、大学法人、国立大学法人となってから卒業生や企業から寄附を募るようになりました。これを、法改正もございまして、一部は資産運用をしていけるような方向に向かっているのかなと思います。 これが、平成二十七年度の国立大学の合計の寄附額、七百六十五億円ということでございます。一見、意外に多いような気もしますけれども、これ、例えばアメリカと比較しますと、ハーバード大学で基金残高がおよそ三兆五千億円、エール大学では約二兆円。さらに、アメリカの大学では資産運用等で基金を運用して、その運用益というのは平均一〇%以上と。もう日本とは雲泥の差なわけでございます。 このアメリカでの寄附文化、やはり日本と違うところは寄附文化の部分だと思います。やはり日本でもこの寄附文化の醸成というものを行っていくべきだと思っております。このアメリカの大学の方では、やはり卒業生が募る寄附金というのは非常に一般的になっているということで、非常に自分の卒業した大学に誇りを持って、寄附ということにつながっているということでございます。 国としても、是非ともこの寄附に対する後押しと申しますか、そういった枠組みといいますか、そういったことを是非ともやっていただきたいなと思うわけですが、最後に、これについての御見解、お願いいたします。
○委員長(赤池誠章君) 時間が過ぎておりますので、簡潔にお答えください。
○国務大臣(松野博一君) 委員御指摘のとおり、私も先般、アメリカの大学の資産運用について勉強しに行ってまいりました。もう日本とはちょっと桁が違う、数兆円単位の運用をされていて、そこから上がってくる収益ももう一千億、二千億という単位でありますし、寄附に関しても、スタンフォード大学では寄附金だけで年額一千億を超える寄附を集めているというお話を聞いて、日本とは大分事情が違うなというのを痛感をいたしました。 これから、大学独自の、資産運用にあっても、また寄附を求めるに当たっても、これは極めて重要な大学の自主財源確保につながっていくと思いますので、税制の面も含めて研究をし、こういった大学の自主財源確保について文科省としても研究をしたいと思います。
○高木かおり君 終わります。
○委員長(赤池誠章君) 午後二時に再開することとし、休憩いたします。 午後零時二十分休憩 ─────・───── 午後二時開会
○委員長(赤池誠章君) ただいまから文教科学委員会を再開いたします。 この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、矢田わか子君が委員を辞任され、その補欠として野田国義君が選任されました。 ─────────────
○委員長(赤池誠章君) 休憩前に引き続き、独立行政法人日本学生支援機構法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○小野田紀美君 お願いいたします。 法案質疑ではありますけれども、まず冒頭に、栃木県のスキー場付近で発生した雪崩に高校生や教員の方々が巻き込まれた事故について、犠牲となられました方々の御冥福をお祈りするとともに、負傷された方々の御回復を心よりお祈り申し上げます。 この事故につきまして、事故から数日がたち、様々な現場の状況ですとか被害が出てしまった原因なども少しずつ明らかになってきていると思うんですけれども、大臣、記者会見でもおっしゃられていたように、以前から高校生等以下については原則として冬山の登山というのを行わないように通知等指導をされていた中で、例外的に行う場合の条件等も幾つか挙げられておりましたが、今回の場合はその例外に当たっていたのでしょうか。また、今回の事故を受けて、文科省としての対応、また今後改善されていくことなど、お答えをお聞かせください。
○政府参考人(高橋道和君) お答え申し上げます。 まず、今般の事故においてお亡くなりになられた方々の御冥福を心からお祈り申し上げるとともに、負傷された方々の一日も早い回復をお祈り申し上げます。 御質問のまず前段の部分でございます。 御指摘のとおり、スポーツ庁においては、高校生等以下については、技術、体力、経験等の面から見て冬山における安全を確保することは極めて難しいと考えられるため、原則として冬山登山は行わないよう通知においてこれまで指導してまいりました。例外的に冬山登山を行う場合には、学校及び保護者の了解の下に、指導者その他の条件を整えた上で、そして安全な場所での基礎的訓練の範囲にとどめる、こういった考えを示してきたところでございます。 今回のこの事故がこの例外に該当するかどうかにつきましては、まずは栃木県教育委員会等から情報を聴取するなど、情報の把握に努めてまいります。
○国務大臣(松野博一君) まず、この度の事故により八名の方がお亡くなりになり、多くの方が負傷されるなど、大きな被害が発生をしました。お亡くなりになられた方々の御冥福をお祈りするとともに、負傷された方々に対し心よりお見舞いを申し上げます。 文部科学省におきましては、栃木県教育委員会等から情報収集を随時行うとともに、二十七日付けで各都道府県教育委員会等に冬山登山の事故防止に関する緊急通知を発出し、高校生等以下については原則として冬山登山を行わないよう改めて指導したところであります。また、二十八日からスポーツ庁職員二名を栃木県教育委員会に派遣し、教育委員会の支援や情報収集に当たらせております。昨日、栃木県教育委員会から、第三者による平成二十九年三月二十七日那須雪崩事故に関する検証委員会を設置するとの発表があったと承知をしています。 文部科学省としては、引き続き、栃木県教育委員会等の支援や情報収集を行うとともに、栃木県の検証委員会の議論を踏まえ、原因究明と再発防止にしっかりと対応してまいります。
○小野田紀美君 まだ調査中のこともいろいろあるとは思いますけれども、今後、また新たに問題点や課題が見付かった際は随時真摯に対応していただいて、二度とこのような痛ましい事故が起きないように文科省としても全力で防止策に努めていただきますよう改めてお願いを申し上げます。 さて、独立行政法人日本学生支援機構法の一部を改正する法律案につきまして、もう大分、午前中にいろいろ議論が深まっておりまして、そことかぶらないように大分用意していた質問をカットさせていただきたいなと思っているので、済みません、短い時間の中でお力をお貸しいただければと思いますけれども。 給付型の奨学金を受けられる対象者のことであるとか基準や選び方というのは、ガイドラインのことも含め、午前中、大分いろいろな先生方からも御意見があったところでございますけれども、選ばれた対象者の後を追っていくというんですか、調査というか、その後のこともやっぱり見ていただかなくてはいけないなと思っておりまして、選ばれた対象者には目的意識を持って進学してもらうとともに、将来的には、優秀な人材として日本の社会に貢献してもらうことが必要だと。国費を、先ほど国費を使って東大で勉強されている方の話も出ましたけれども、やはり税金を使う以上は社会貢献をしていただきたいという思いがどうしてもあるわけですけれども、この対象者の学習状況などはどのように確認をするのかと。先ほど、著しく成績が不良な、例えば留年をしてしまったとかあった場合はというのがありましたけれども、そのほかの学習状況であるとかその実態、今どうなっているのかというのは、追跡で把握されたりはするんでしょうか。この辺をお聞かせください。
○政府参考人(常盤豊君) お答え申し上げます。 給付型奨学金の制度運用に当たりましては、貸与型の奨学金で行っております適格認定制度というものがございます。この適格認定制度を活用いたしまして、毎年度学業の状況等を確認し、支給の継続等について判定をする仕組みとするということを予定をしてございます。 この適格認定におきましては、学業の状況であるとかあるいは経済の状況であるとか、このようなことを確認をいたしまして、奨学金を受給する学生としてふさわしい適格性を有する者、学生であるかどうかを認定をいたしまして、支給の継続の可否等に係る判断を行うということとしております。 給付型奨学金におきましては貸与型奨学金以上に説明責任が問われると考えておりますので、より厳格に取り扱うことが原則と考えておりまして、進学後においても学業への取組を促すよう制度の運用を行ってまいりたいと考えております。
○小野田紀美君 もちろん、意思を持って進学された方が真面目に勉強するというのはもう信じたいところでございますし、なかなかそれを疑うようなことというのはしたくないですけれども、大学などが独自でやっている給付型奨学金の受給者とかの傾向のデータとかは多分情報としては持たれていないかなと思うところなんですけれども、これから是非、この制度、五年後また見直すという話もありますが、受給の奨学金を受けていながら途中でやめてしまった人が例えば何人いるのかとか、やめてしまったのであればその理由は何なのか、奨学金をもらっていてもなお経済的に厳しかったからやっぱり退学せざるを得なかったという理由はあるのかとか、そういったところも丁寧に見ていただきながら、効果的にこの奨学金を使えるように、機能するようにしていただきたいなと思うところです。 それでまた、卒業後、きちんと就職を含み希望する進路であるとか社会貢献ができるような活動をしてくれているのかというところも、そこまで強制するわけではありませんが、やはり気にして見ていきたいなというところであります。是非、大学とかがもしそういうデータを持っているのであれば、そういったデータも勉強していただきながら国費の投入というところで考えていただきたいなと思います。 今日、午前中の質疑の中で、例えば一、二年生のうちが真面目で三年からそうじゃなくなった場合は、三年のときの一部の返還はあるけれども一、二年生のときのはいいんですよという話がちょっと出たかと思います。 やっぱり、貧しい家庭だからこそ受けているものを返せというのは厳しいというのは重々分かるところなんですけれども、とにかくもらえているわけではなくて、あくまで必ず社会貢献で返してねというか、あなたに投資するんだよという思いで給付型というのは私はあると思っているので、そこを、一、二年のとき頑張っていたから最終的に何の効果も生まなかったけれどもまあいいよねというふうになるのは、個人的にはどうかなと思うところであります。この辺も、意欲を持って進んだ方が最終的にしっかりと目標にたどり着けるような調査というか、追っていろいろ対応していただきたいなと思います。 この給付型奨学金について、今後専門職大学も新たに高等教育に加わるんですけれども、支給対象となる学校の種類に専門職大学も含まれるんでしょうか。大学以外に支給対象となるほかの教育機関とともにちょっとお答えいただけますでしょうか。
○国務大臣(松野博一君) 給付型奨学金の支給対象とする学校種は、貸与型奨学金の対象と同様、大学、短期大学、高等専門学校、専門学校とすることとしています。今国会に制度創設のための法案を提出しております専門職大学及び専門職短期大学については、法案が成立した際には学校教育法上の大学制度の中に位置付けられるものであることから、当然に支給対象となります。
○小野田紀美君 ありがとうございます。安心いたしました。 事奨学金のことになると大学の話がたくさん出るんですけれども、大学が全てではないんですよね。大学に行くことが必ずしも高等教育の全てではなくて、希望する未来に進んでいけるように専門的な勉強をしたいという人も受けられるんですけど、やっぱりどうしても世間の認識としては奨学金イコール大学というイメージがまだまだあるのかなというふうに思いますので、是非、せっかくのこの給付型奨学金が大学以外のさっき挙げていただいた高等教育機関でも対象になるんだよという周知をしていただきたいなと思います。 午前中、無利子の奨学金の、貸与型の返還に対する、返していけない、滞納してしまうとか、いろいろな経済状況の話も出てきたところなんですけれども、実際に返していくことを想定しての長期的な返済計画を立てていくような、その相談ができるアドバイスの環境はあるんでしょうかと聞きたかったんですが、午前中にスカラシップアドバイザーのお話もしていただきましたので、これからこのスカラシップアドバイザーの制度も使いながら、是非、借りた後自分でどうしていいか分からないとか、借りたはいいけど後で困るというようなことがないように、このスカラシップアドバイザーという、二千六百人配置されるということでしたので、この活用というのも、それぞれ毎年どういうふうにできているかとか、足りないんじゃないかとか、もうちょっとこういうきめ細かなのが要るんじゃないかというふうに検討していただきたいんですが、先ほど高校に配置というふうにおっしゃっていたと思うんですよ。 大学進学の時点でお金がなくて諦めるというのもあるんですけれども、中学校から高校に上がるという、そこの進路の分岐のところでも、実は、もうどうせ大学とかそっちの方向には行けないだろうから、高校も普通科のこういうところじゃなくてこっちにしようとか、むしろ高校にも行けないなというような、そういう判断を高校に入る前に付けてしまう子たちというのも実はいるというのがありまして、もっと早い段階で、高校入ってからもいいんですけれども、その前の段階から、長期の自分の勉強のプランとかライフプランを考えたときに相談できる環境があったらうれしいなというふうに個人的には思いまして。 私、大学生のときに某東京都の公立中学校でティーチングアシスタントをしていたんですけれども、高校受験をする子がそんなに多くなかったんです。あれ、親御さん何も言わないんですか、高校受験しないといって勉強みんなしていないけどいいんですかと言ったら、その先生が、実はちょっと地域柄もあって、親御さん自体が高校に行きなさいというようなことを言う人も余りいないんですと。親が高校に行こうという意思がないから、子供もそんなことをはなから考えていないんですという悲しいお話を聞きまして、これはちょっと深刻だなというふうに思いました。 子供、小学校とか中学校の子にお金のリアルな話をするというのは抵抗があるかもしれないんですけれども、その親御さんにこういうのがありますよと言っても、うち関係ないですと言われちゃったら終わりなんですよね。そうじゃなくて、子供に自分自身の将来勉強したいことや人生のプランを考えてもらえるような、何かそういう提案であるとかビジョンを見せてあげるような、負の連鎖を起こさないサポート体制が必要だと思うんですけれども、その辺はどうお考えでしょうか。
○政府参考人(常盤豊君) 奨学金の貸与あるいは給付という新しい仕組みができるわけですので、やはり、特に貸与ですと返還という問題もございますので、高等学校あるいは中学校、そういう段階から、ライフプランというんでしょうか、そういうものについての認識を深めるということは重要ですので、そのための一つの施策が先ほど申し上げましたスカラシップアドバイザーでございますけれども、それに加えて、詳細はちょっと私申し上げる立場ではございませんので省略いたしますけれども、中学校の段階での、例えば納税であるとか金融であるとか契約であるとか、そういうことの基本的な仕組みについては学習指導要領に基づいて指導がなされているということがございますので、そういう点での教育の中でのやはり理解を深めるということをしっかりと進めていくように、せっかくの給付型奨学金の導入の機会でございますので、そういう点を是非初等中等教育の先生方にも御理解をいただけるように努力していきたいというふうに考えてございます。
○小野田紀美君 せっかくの制度もそこまでたどり着けないということもあっては意味を成さなくなってしまうので、私自身も母子家庭の下で父がいない中で育って、本当に母が死ぬ思いをして大学に行かせてくれましたし、その中でやっぱりお金の、どういうふうに自分が選べる未来があるのかというのは相当考えました。 奨学金に関しては借りることも考えたんですけど、将来的なことを考えたときに、私、返せるのかなと思ったときに、将来返すよりは今死ぬ気でバイトをしようというので、授業、バイト、授業、バイトというふうな道を私は選んだんですが、いろんな自分の勉強する上でのビジョンがあるんだということを、先ほどおっしゃったように、学習指導要領の中で金融のこととかいろんな社会人教育を受ける中で、自分の生きていく勉強の道というのも是非もうちょっと本人が自覚をできるような形で取り入れていただけたらうれしいなと思います。 最後に、今回の給付型奨学金の支払の方法というのはどのようになっているんでしょうか。現金を生徒に振り込むんでしょうか。
○国務大臣(松野博一君) 奨学金の使途については、授業料に限定するものではなく、教材費や生活費等、学生等が個々の状況に応じて活用できることとしており、幅広く経済的な負担の軽減を図ることを目的としています。 また、奨学金を個別の学校経由で支給する場合、日本学生支援機構が一括で処理する場合に比べて、仮に給付額が授業料を超えた場合の学生への振り込み手続や手数料、不足した場合の授業料の徴収など、個々の学生に対する学校の負担が増大するため、現段階では学生に直接振り込むことが適切であると考えています。
○小野田紀美君 学生に直接振り込むことが適切、それは授業料だけでなく生活費や教材費にというのももちろん分かります。大学に入って教科書高いというのはすごい困りましたし、その気持ちもよく分かるんですが、このお金で支給していることが、これ全ての奨学金にも言えるんですが、必ずしも子供の教育に使われていないというような家庭も実はあります。先ほど、親御さんが、その奨学金の借り方や返し方を話を聞いて、親御さんの通帳に振り込まれるから分からない子供がいるといったのもあるように、親の口座に振り込まれて、残念ながら親が生活費として使って、子供の教育費に使われずに大学を結局中退せざるを得なかったという例もあるんですね。 きれいな思いだけで制度が運用できればいいんですけれども、貧困というのは本当に深刻で、なかなか教育、衣食足りて教育というようなところで、子供に本来使われるべき奨学金がそうでないという例も出てきているのを踏まえて、私はかねてから、教材費として使いたいというのも分かるけれども、お金を渡すんじゃなくてその分を大学にあげて授業料を減らしてもらえば、本来授業料として払うはずだったお金に余剰ができるから現金として手元に置けるじゃないかと、つまり、子供の教育費に必ず絶対に使われるやり方で支給をしてくださいというふうにお願いをしていたんですけれども、なかなかそういう支給の仕方は厳しいんでしょうか。
○政府参考人(常盤豊君) 奨学金の使途の話については、先ほど大臣からお話がございました。 また、現段階で学生に直接振り込むことが適切であると私どもは考えておりますことでございますけれども、これも大臣からもお話しさせていただきましたけれども、個別の学校経由で支給をするという場合については、日本学生支援機構で一括で処理する場合に比べまして、やはり仮に給付額が授業料を超えた場合の学生への振り込み手続であるとか手数料、それから不足した場合の授業料の徴収、授業料の額もまた各大学によって違うわけでございますので、それと差額をどういうふうに調整し、かつまたそれをどういうふうに処理するかというような問題も、現場の実務としてはそういうことも負担としてあるだろうということがございますので、その辺りを考慮して、現段階では先ほど申し上げさせていただいたような方向で考えているということでございます。
○小野田紀美君 現場の実務は、それぞれ大きい大学もあれば小さい大学もある、地方もあれば都心もあるというところで、実務のことを言われてしまうと、ううんというところなんですが、結果として、国が子供たちの教育のためにとして支給されたお金がそれ以外のことに使われて、結局貧困の連鎖を断ち切れなかったということになっては意味がないので、何かこう、うまい方法というか、本当に子供たちのために使われるような支給の在り方というのを是非今後の検討課題にしていただけたら有り難いなと思います。 今日午前中、ノーベル賞を取られた先生方のお話がちらっと出たと思うんですけれども、この前、文教委員会で、ノーベル賞を取られました大村智先生のところに視察してきまして、大村先生がすごいことをおっしゃっておりました。お金がないからできないという人はお金があってもできませんというふうにおっしゃられていました。 これ、だから奨学金は要らないという話をしているのではなくて、お金がないからできないんだという言い訳じゃなくて、お金がない、じゃ、例えば私だったらバイトをしてこうやってやりくりしようとか、じゃ、奨学金という形を使ってこうやろうとか、子供たちがお金がないという現実に直面したときに、それを自らの力で何か未来を選び取って立ち上がっていくためのサポートの在り方というものを奨学金のスタイルにしていただきたいなというのが私の願いでございます。 これから少子化が進む中で、人材というのは本当にかけがえのないものですので、是非、せっかくこの新たな日本の教育に向けた一歩、すばらしい一歩を踏み締めていただいたわけなので、その使われた奨学金が本当に意味のある、意義のある、効果のある使い方をされるように、これからもちょっと精査をしていっていただければ有り難いなと思います。よろしくお願いします。 終わります。
○三浦信祐君 公明党の三浦信祐です。 給付型奨学金の創設を含め、奨学金制度の充実は大変評価すべきであると考えております。財源の関係もありますので、今回は、小さく産んで大きく育てる、そのスタートだと思います。 その上で、制度を運用するに当たって、制度設計上の課題について穴があってはいけないと思います。また、対象の方々が情報を知ることができず本制度の活用がなければ、本来の目的を果たすことにならないと思います。 本日は、奨学金の制度について質問をさせていただきます。 先ほど来ありましたけれども、初めにこの給付型奨学金制度、高校等からの学校推薦によって選考されることと今回はしてあります。これは、高校の校長先生を中心として対象者を決定することになると思います。その上で、給付型奨学金受給対象者の選定方法についてガイドラインを考えるに当たって、事例を検討しているかどうかということが大事だと思います。 例えば、片やインターハイ、経済的に大変な中でもインターハイのようなスポーツで優勝したりする、しかし学業がなかなかという方もいると思います。一方で、片方は、ずっと勉強で何とか頑張ろうということで成績上位だということになります。これを選ぶというのは大変、高校の先生含めたチームは苦慮するんではないかなと思います。 成績要件のみで一律に決定をしていくのか、スポーツや芸術等に秀でている場合との関係、これはどのように考えるか、松野大臣にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(松野博一君) 給付型奨学金の対象者は、各学校において、当該学校における様々な学習活動等の成果を踏まえて、学力、資質等が評価され、推薦されることになります。このため、各学校においてそれぞれの教育目標を踏まえた推薦基準を定めていただくこととしています。 各学校が推薦基準を策定するに当たっての指針として、日本学生支援機構からガイドラインをお示しすることとしております。その内容については、各学校において奨学生としてふさわしい者の推薦が円滑に行われるよう、推薦基準の作成等に関する基本的な考えを示すことを検討しております。 文部科学省の給付奨学金制度検討チームの議論のまとめでは、推薦基準のうち学力及び資質に関するものについて、教科以外の学校活動等での大変優れた成果も指標として挙げており、スポーツや芸術等も考慮できることとする予定です。 今後、議論のまとめや本国会での御審議等を踏まえ、学校現場で推薦業務が円滑に行われるよう、ガイドラインを作成し、できるだけ早い時期に学校に周知をしたいと考えております。
○三浦信祐君 高校在学中、どの時点で対象者の選定をしていくということが大事になってくると思います。成績判定いつなのかと。高校二年生ですと、後から成績が向上してきた場合の考慮がされにくい。また、スポーツ関係も、まさに高校二年から三年に向かって成績が出てくる可能性もあると思います。一方で、高校三年の中盤時期ですと、事務手続等に影響があることも予想されます。 現状、どのような想定をされているのでしょうか、見解を伺います。
○政府参考人(常盤豊君) お答えいたします。 給付型奨学金につきましては、生徒等の進学を後押しするため、生徒等自らが給付の対象となることについて、大学等への入学前の時点で予見可能とすることが重要でありますので、高校三年時に予約採用をするということとしております。 予約採用のスケジュールについてのお尋ねでございますけれども、現在の予約採用のスケジュールに鑑みますと高校二年時までの成績を評価するということになりますが、三年時における成長も期待をされるということがございますので、各高等学校において奨学金受給の対象者を推薦するに当たっては、各高等学校における成績評価等の時期の実情に応じて、可能な範囲で三年時の状況も加味することが適当であると考えております。 文部科学省といたしましては、学習成績の評価機関に関する共通理解を持って各高校が給付奨学生の推薦を行えるよう、今後、推薦に係るガイドラインにおいてその趣旨をお示しをしたいということで検討を進めさせていただきたいと考えております。
○三浦信祐君 給付型奨学金の候補者の選定をする際に、高校など学校側から、ガイドラインがあったとしても、その制度という部分ではなくて、どうやったらこの学生を決定をするかという自信を持つという支援が必要だと思います。学生を選択をするに当たってどこか相談ができるようなところがあるかどうか、これは大事だと思います。それは文部科学省であるのか、学生支援機構なのか、地方自治体の教育委員会ですとか、それとも別組織を想定されているのでしょうか、松野大臣に伺います。
○国務大臣(松野博一君) 文部科学省の給付型奨学金制度検討チームの議論のまとめでは、継続的に生徒の評価を行ってきた在籍学校において生徒の学力、資質の評価を行い、推薦することが最も適切な評価が可能になるとされております。 各高校等では、地域や生徒の実態に応じて教育目標を設定しており、教科の学習成績のみならず、家庭の経済状況や課外活動も含めてどのような評価を行うかは各学校の判断に委ねることが適当と考えられます。対象者の推薦に当たっての相談は日本学生支援機構において受け付ける予定ですが、最終的な推薦の判断は各学校で行っていただくこととなります。
○三浦信祐君 ありがとうございます。学生支援機構に相談をするということが一つの判断基準になるという御回答だったと思います。 その上で、学校での推薦基準が決まりました、ところが、それがちゃんとうまくいっていなかったような場合、また、他校と比較した場合の差異が生じて、これは学校によってその目的が違うというのは重々承知の上ですけれども、対象生徒選定に対する情報開示であったり、訴訟等のリスクに対する手だてというのは検討をされているのでしょうか、大臣、御答弁をお願いします。
○国務大臣(松野博一君) 各学校の事情を踏まえ、各学校において定めていただくということはお話をさせていただいたとおりでございますが、その際、各学校の推薦基準に一定の統一性を持たせるためにも、ガイドラインを明確なものとすることが重要であると考えております。本国会での審議や文部科学省に寄せられた意見、学校現場の意見等を踏まえ、推薦業務が円滑に行われるようガイドラインの作成を行ってまいります。 また、公平性や透明性を確保するため、推薦者の選考に当たっては、選考結果の信頼性に疑義が生じないよう、管理職及び担任以外の教員等を含めた複数名による選考体制をしくことや、推薦基準に関する共通の理解を持って選考に当たることができるような取組が必要であると考えております。加えて、説明責任を果たす観点から、各高校等において定める推薦基準は公表するよう求めることが適当と考えています。 文部科学省としても、公平性や透明性が確保され、慎重な選考が行われるよう、各高等学校に対して周知徹底を図ってまいります。
○三浦信祐君 是非、透明性を確保するということは学校現場を守ることにも直結をすると思います。取り組んでいただくことを切にお願いしたいと思います。 続きまして、先ほど斎藤先生からもありました給付制度について、国公立大学の自宅生を選んだ場合には給付予定額は二万円、一方で、給付該当の学生さんは授業料免除対象になっている、その場合には全額免除という制度設計になっていると思います。すなわち、二万円全額給付であるよというふうに言ったんですが、大学に入りました、国公立で自宅から通えますとなると、最終的には授業料減免があるので給付額はゼロ。当然、高校の先生が選定段階のときに正確な知見を持たないと、先ほどあったように、そうしたら、私立高校の自宅外の人が通る可能性があるならばそっちを先に選んで、どうせこちら側の人は間違いなく、給付型奨学金を選ばなかったとしても授業料減免になるんだから変わらないといって、選択肢が二つあるように誤解を生んでしまってはいけないんじゃないかなという考え方が挙げられると思います。その上で、あえてこの本制度を残しているその意義であったり、この制度を仮にその方が受けたときのメリットがはっきりするということを明言をしておかないと、学校の先生が選定をするときに大変困ってしまうんじゃないかなというふうに思います。 これら授業料減免との関係について、是非明快な説明をお願いしたいと思います。
○政府参考人(常盤豊君) 給付型奨学金を受給するということで予約をされた方が、結果として自宅から国立大学に通うという場合のことについてのお尋ねでございます。 まず、選定段階について申しますと、高校三年生の段階で、比較的早期の段階ですので、その時点で国立の、自宅しか行かないということで決まっているのか、それともまだほかの進路の決定のいろいろな余地があるのかという問題がまず一つはあろうかと思いますが、その上で申し上げたいと思います。 国立大学について、先ほど申しましたように、調整として考えていますのは、自宅生は月額二万円のところを支給しないこととする、自宅外生は月額三万円のところを二万円とするということを検討しているわけでございますが、具体的にどういう場合に意義が出てくるかといいますと、国立大学の自宅生で授業料の全額免除を受けた者、つまり、自宅生なので、そこで給付型奨学金を受けるとなっていたけれども、結果として、国立大学の自宅生であるがゆえに授業料の減免の方に当てはめられることになったという者がおりますが、この者については、その時点では確かに支給されないこととなりますが、例えば入学後に自宅外生となったというような場合には奨学金を支給するということも、これは可能性でございますけれども、そういうこともケースとしてはあり得るということがございますので、そういう意味では、給付型の奨学生としての身分を有しておくということは、仕組みとしての意味はあるということが言えるだろうというふうに思っております。
○三浦信祐君 済みません、そうすると、常にどこに住んでいるかということまでチェックをするというような、制度上で煩雑なような気がするんですが、一番大事なことは、確実に授業料を減免しますよということを保障するということのために残したんじゃないんですか。
○政府参考人(常盤豊君) 授業料の減免につきましては、それは自宅外に移ったときにも授業料は減免をされるわけでありますけれども、奨学金については、自宅ですとゼロになるわけですね。それで、自宅外ですと二万円になるということですので、授業料の減免に影響を与えるわけではないということが一点あると思いますし、それから、自宅、自宅外については、必要な、ある種給付額が決まる条件でありますし、また、制度が整いましたら、マイナンバーで実際にはもう確認できるという仕組みになりますので、そこで給付額を決定するに当たって異動が生じるということになるということでございます。
○三浦信祐君 恐らく、いろいろケース・バイ・ケースのことが出てくると思いますので、この件は本格実施になるまでにいろんな議論を深めて、いろいろ問題が仮にあったとしても対処できるような議論を是非していただくとともに、準備をしていただければなというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。 さて、今回の制度が実行されていくことになりますと、事務担当者の負担が増加する可能性というのが否めないかなと。現状、国支給の就学支援金や地方自治体の学費支援制度等で納税通知書などの証明書類の整理、判定で既に煩雑な状況になっていると。 この段階で既に大変な中、選定時点で成績要件というのも加わってくることがありますので、事務を担当される方の仕事量大きくなるような気がするんですけれども、この御見解をいただければと思います。
○政府参考人(常盤豊君) 高等学校に今回推薦をお願いをするわけでございますけれども、現在でも、貸与型奨学金の予約採用におきましては高等学校に推薦の業務を行っていただいているということがございます。その上で、給付型奨学金制度の実施に当たりましては、今委員から御指摘がございましたように、今度は学力の面も含めて推薦基準、推薦の業務ということが重なるわけでございますけれども、貸与型の奨学金の予約採用という業務は現在あるわけでございますので、それとスケジュールの面でできる限り調整をして、複雑化しないような形でできればということが一つ考えてございます。 それから、高等学校では現在でも奨学給付金の手続におきまして非課税証明書の徴収ということも行っておりますので、今回の給付型奨学金の推薦においても同様な手続を進めていただくということで考えたいということ。それからさらに、学校の先生方だけにお願いするのではなくて、ライフプランなども含めてスカラシップアドバイザーを派遣をするということで、そういう学校の外の方も活用していただくというようなことでできる限りのサポートができればというふうに考えてございます。
○三浦信祐君 奨学金制度についてまた更にお聞きしたいと思いますが、給付型は支給であります。貸与型は返還という表現になっています。返還、すなわち回していくということだと思います。支給型というのは、当然、先ほど来ありますように、納税者への理解ということを得ることも大切です。一方で、貸与型というのは、現行制度上から考えれば次世代への財源となる、このことを知った上でちゃんと借りていただくということもありますので、現制度上、将来のことはさておいても、今お借りした方というのは責任があって、返還する義務を果たすということが必須である、返さなかった場合には将来の財源の安定性の問題にも影響を及ぼすと思います。 中高生の時期から、先ほど局長からもありましたけれども、納税教育であったり金融教育、金融といいますと、どちらかというと生み出すとか殖やすというようなイメージがあるかもしれませんけれども、貸借であったりとか、そして契約するという教育というのもせっかくの機会ですから教えていくということが大事なのではないかなというふうに思います。松野大臣にあえて御見解をいただければと思います。
○国務大臣(松野博一君) 中学校や高等学校の段階から納税や金融、契約に関する基本的な仕組みや考え方を身に付けるための教育を充実をしていくことは重要であると考えています。 現在、学習指導要領に基づき、例えば、中学校社会科では、納税の義務、租税の意義、金融などの仕組みや働き、契約の重要性とそれを守る意義、高等学校家庭科では、契約など消費者の適切な意思決定に基づく行動等について指導が行われています。 また、本年度内に公示を予定している学習指導要領改訂案においても、例えば、中学校社会科では、租税の意義に加え、財政の意義についても学習することとしています。また、中学、高校で学習している契約については、小学校家庭科では売買契約の基礎を、中学校技術・家庭科ではクレジットなどの三者間契約を学習するなど、一層充実することとしています。 文部科学省としては、子供たちが奨学金制度の意義や仕組みについての理解を深めるためにも、各学校における納税や金融、契約に関する教育の充実に努めてまいりたいと考えております。
○三浦信祐君 次に、学生さんがいつ奨学金制度の情報に触れるかによって進学意欲を促進するか否かに影響すると思います。先ほど来議論があると思います。理系、文系の選択であったり、進学クラスかそうではないかと、また、高校の早い時期で選択が迫られる場合がほとんどだと思います。 今回対象としている給付型奨学金のその対象者というのは、住民税非課税世帯、また社会的擁護が必要な方など、経済的に厳しい状態の方々となります。場合によっては、先ほど小野田先生が言われたように、中学校の段階でもう既に諦めるしかないという、そういう選択肢が、自分で決めてしまっているケースも少なくないというふうに思います。 制度の周知徹底のタイミング、これがこの制度の一番の肝だと思います。義家副大臣、どうお考えか、お答えいただければと思います。
○副大臣(義家弘介君) お答えいたします。 新たな制度も含めまして、奨学金事業について、生徒や保護者、教員等にしっかりと周知を図ることは大変重要なことであると認識しております。 私も高校の教壇に立ってきましたが、高校の教師として一番悔しいのは、自分の担当した生徒を希望を持って卒業式の後、送り出してあげられないことでありまして、現実に、経済的理由で、進学の意思があるにもかかわらず諦めた教え子もおりました。この度、給付型奨学金に際して、私自身も新たな発見がたくさんあって、JASSOの奨学金だけではなくて厚労省にも様々な支援するスキームがあったわけですけれども、当時私はそのスキームを全く知らず、それを紹介してあげることもできないという状況の中で諦めざるを得なかったというケースもございました。 まず、平成二十九年度から、進学のための資金計画や奨学金の利用について助言を行うスカラシップアドバイザーの派遣、進学費用のシミュレーションを行うことのできるウエブサイトの開設等をまずは行うこととしております。その上で、大学進学を含む進路については早い段階から考えていく、共に考えていくということが重要でありまして、この際、奨学金を含む教育費の支援策を理解しておくことも大変大切なことであると考えております。このため、例えば給付型奨学金について、その制度や各学校で定める推薦基準を高等学校入学時に生徒に周知することを各高校に促すなど、高校とも連携しながら奨学金事業の周知、広報を努めてまいりたいと思っております。
○三浦信祐君 情報を提供するということは極めて重要だと思います。その情報を提供する側の知見というのももっと大事になると思います。 その点についてちょっと伺いたいと思いますが、進学を決意をした時点での、給付型奨学金以外の奨学金もあると思いますが、その制度についての情報、入学時点での必要とされる金額、大学修学中の金銭的アドバイス、また卒業後の進学、就職に伴う返還手続とその計画などについて、すなわちトータルの生活設計も含めた上でのプランニングというのが大事になるのではないかなと思います。 具体的には、一つ目は、高校で進路が決定をした時点において金融知識に乏しい教員から説明を受けた場合に、仮に、返還は大変だよ、また授業料の経済的負担は大きいよ、学費が最近値上がってくる可能性もあるからねとか、リスク強調型の内容にならざるを得ないケースもないとは言えないと思います。これがまず一回目の進学断念の契機になってしまう。 二つ目に、大学を入学したときに、情報不足が原因で、アルバイトに収入源を依存する余りに勉学に影響を及ぼして修学継続を断念する、これは最悪のケース。また、大学在学中で家計が急変をしたときの対応とメニューについて情報不足の場合、苦しんで退学を選択する。そして、その選択をした後のケアはどうすればいいか分からないままでいるというリスク。 さらには、大学などを卒業した後、返還についてのオプションなど情報不足で、メニュー選定に関する知見が不足して返還しないであったりとか、また、誤った知識に基づいて行動してしまう、最悪デフォルトに陥ってしまうということも当然考えていかなければいけないと思います。 また、もう少し具体的に言いますと、今はもう男性も女性もない一億総活躍社会の中にありますが、例えば、今現在返されている方の中で、女性は結婚をして専業主婦になる。そうしますと、仮に御主人と結婚した中で自分の負債を旦那の給料で返していくというケースも当然いまだに継続をしている場合もあります。これは男性が逆の場合だってあると思います。 そういう意味では、その奨学金の知見を得ている制度上の話ではなくて、やっぱり金融アドバイザー的な活用と同時にライフプランのことをしっかり教えていくということも一つ制度を安定的に成長させるためには重要なのではないかなというふうに私は考えております。 松野大臣にこの御見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(松野博一君) 奨学金事業を実施する日本学生支援機構において、大学等へ進学するための資金計画について、返還を含めた適正な奨学金の利用への理解を促進するための助言を行う者をスカラシップアドバイザーとして派遣する予定です。スカラシップアドバイザーは、金融面の専門的知見を有し、各高等学校等が生徒、保護者及び教員等を対象として開催する奨学金の説明会等に派遣され、相談、助言等を行います。 本事業の実施については、まずはスカラシップアドバイザーの養成を行うための研修を実施することとしております。その上で、研修を受講したアドバイザーを順次、各高等学校等へ派遣することとし、平成二十九年度内に延べ二千六百人の派遣を行う予定であります。 文部科学省としては、新制度の周知、広報が徹底されるよう、スカラシップアドバイザーも活用しながらしっかりと取り組んでまいります。
○三浦信祐君 未来への投資ですから、しっかりその脇も固めていくということが大事だと思いますので、是非、このスカラシップアドバイザー、成功するように尽力をお願いしたいと思います。 さて、低所得者向けの減額返還制度の拡充についてお伺いしたいと思います。 収入変動、これをどういうふうに確認していくのか。先ほど来ありましたけれども、マイナンバー制度の活用をしっかりすべきだと思います。そのために必要な課題も今のうちから準備をしなければいけないと思いますけれども、義家副大臣、今の状況、いかがでしょうか。
○副大臣(義家弘介君) お答えいたします。 減額返還制度の申請に当たっては、給与所得者の場合の目安として本人が年収が三百二十五万円以下の場合に適用可能とされており、年収の確認に当たっては、現在は所得証明書等の提出を求めておるところであります。 委員御指摘のとおり、マイナンバーの導入に伴い、収入の確認等に当たってはこのシステムを活用することを現在検討しております。今後、学生支援機構においてシステム整備を行った上で、マイナンバーの提出があった方については収入の確認をマイナンバーにより行うことができるように準備を進めてまいりたいと思っております。
○三浦信祐君 学生さんは、その制度を知るということもいいきっかけになって、マイナンバーがこういういいことに使えるんですよ、セーフティーネットですよということのいい事例の第一号になると思いますので、是非準備をしていただければと思います。 本制度では、平成二十八年度以降採用者となる者が、適用条件は現行どおり、延滞中でない者と今されております。しかし、経済急変時、やむを得ず数か月滞納してしまったような場合、返還猶予制度を知り得ていなかった場合など、情報が得られなかった、救済されなかったケースもあると承知をしております。 今後、返済が仮に今、少し自分が思っていない状況で滞っていた方の中でも、返済の意思がある方にとってはその事情を寛大に考慮すべきこともあると思います。松野大臣、この辺についての御検討状況、いかがでしょうか。
○国務大臣(松野博一君) 現に延滞中の返還者が返還困難時の救済措置である減額返還制度や返還期限猶予制度を利用する場合には、原則として、延滞を解消した上で適用を認めることとしています。これは、期限までに返還をしている方との公平性等の観点からこのような取扱いをしているものであり、減額返還制度の拡充の適用対象についても同様の運用とすることを予定しております。 なお、現在延滞状況にあり、経済困難などによって特に返還が困難な方については、平成二十六年度から、過去の延滞を据え置いたまま返還期限を猶予できる延滞措置猶予の利用を可能としております。 奨学金の返還に際しては、長期にわたって延滞に陥らないことが重要であり、延滞初期段階で返還の促進や返還困難時の救済措置の案内により、延滞の防止解消に努めてまいりたいと考えております。
○三浦信祐君 次に、先ほどもありました日本学生支援機構の相談窓口について伺わさせていただきたいと思います。 一番大事なこの相談をする機会であって、そしてその対応をしていただくこの相談窓口、ここでの対応によって、場合によっては問題が解消してすごく大きく前進できる方と、その対応が間違っていた場合には夢を失ってしまうということもあります。そういうことは絶対あってはいけないと思います。窓口の方々がこの制度をまず熟知をしているということ、そして、アドバイスの経験値がある方が対応しなければ効果が得られないと思います。進学の後押しをするという点を踏まえれば、正確な情報提供とメニューの提示が重要だと思います。その上で、たらい回しなんというのがあっては絶対いけないと思います。 現在の窓口の体制と対応状況、これはどのようになっていますでしょうか。
○政府参考人(常盤豊君) 日本学生支援機構におきましては、給付型奨学金を含む新たな奨学金制度につきまして一般の方からの問合せに適切に対応するため、昨年の十二月二十八日から相談窓口を設置をしております。具体的には、日本学生支援機構において奨学金業務を行う職員が直接に相談に応じる体制を整えまして、専用の電話回線を設置し、平日九時から十八時の時間帯で対応しております。 新制度の相談窓口につきましては、本年の四月二十八日までの設置を予定しておりますが、状況に応じまして、相談体制の拡充を含め、十分に対応できるように努力していきたいというふうに考えております。
○三浦信祐君 一般企業のように、丸投げをして、そのまま誰かから得られたマニュアルぽんぽん答えるだけでは心が伝わっていかないと思いますので、是非、随時どういうふうな対応をしているかという検証もしていただければなというふうに思います。 その上で、質問の項目というのが重複するということが想定をされていきます。窓口に負担が掛かり過ぎてはいけないというふうに思います。相談内容を活用して、ホームページ等で相談事例などを平易に理解できるように整理し公表することで相談者に的確な情報を伝えることが効率的な場合もあると思います。取組についても決意を伺いたいと思います。
○政府参考人(常盤豊君) 奨学金制度につきましては、正確な情報を効果的かつ効率的に伝えることが重要でございます。多く寄せられている相談事例がございますので、こういうものについて、これまでの貸与型奨学金におきましてもQアンドAの形で整理をして、日本学生支援機構のホームページに掲載をしているところでございます。 新たに導入する給付型奨学金や所得連動返還型の奨学金も導入されますので、これらのことについて、現在、日本学生支援機構のホームページにおいて当該制度の概要を掲載いたしますとともに、高等学校や大学等に制度の概要の通知、チラシの配布等を行っているところでございますが、今後、これまで専用の相談窓口に照会があった内容あるいは今後照会が予想される内容について整理をいたしまして、機構のホームページに掲載をしたいということで現在予定をしているところでございます。 今後とも、正確な情報提供ということに努めていきたいというふうに考えております。
○三浦信祐君 是非しっかり取り組んでいただきたいと思います。 奨学金、実はメニューたくさんあると思います。JASSOだけではなくて、地方自治体もいろいろ努力をされていると思います。ところが、その学生さんがいろんなところのホームページを探しているだけで大変な苦労があると思います。このJASSOも、将来的にいろんな形でその情報を集約をしているサイトであれば極めて効率的だと思います。是非今後検討をしていただきたいというふうに思います。 次に、少子化に伴う高校の統廃合も予想されます。現実的には地方においてそういうことも起きているのではないかと思います。特に今回、既卒者、要は社会的に言う浪人生というふうに言われている方の給付型奨学金制度も今回、制度として二年に遡って選考対象になりますよと昨日御答弁をいただきました。 ところが、この方、高校に戻ってそこで受けてくださいというふうになっていると思いますが、その母校がなくなっている場合だってあるわけです。今後もそういうことも予想されていくわけです。 その上で、高校の統廃合があったような場合、相談先とその体制であったり、また学校の数が減るわけですから、給付型奨学金の選定人数、高校が合体をするということは、学生が瞬間的には多くなる可能性があります。そういうところへの配慮、その部分に関しては御検討されていますでしょうか、松野大臣に伺います。
○国務大臣(松野博一君) 仮に高校の統廃合の予定がある場合は、貸与型奨学金と同様、日本学生支援機構の担当者が高校からの相談に対応するとともに、在籍する生徒に対しては統廃合前の学校において必要な相談業務等を行っていただくこととしております。 また、統廃合した学校の推薦枠の割り振りについては、統廃合前の各学校における過去の非課税世帯の生徒の貸与型奨学金貸与実績を踏まえ割り振ることとしております。
○三浦信祐君 是非それを徹底をして、今後そこを引き継いでいっていただければなというふうに思います。 最後に、奨学金の安定的な運営のためには財源の安定化が重要であると思います。我が党も提案をさせていただきまして、この改正案の第二十三条の二第一項に、学資支給基金を設け、民間の寄附を可能としておりますと、この先ほど来の民間の寄附のことに関しては議論があったと思います。 その上で、これをつくるということになりましたわけですから、この基金の充実と、その上で財源の安定化ということも含めて、文科省として具体的にどう取り組んでいくかということについて、現在の準備状況も踏まえ、松野大臣にお答えいただければと思います。
○国務大臣(松野博一君) 給付型奨学金を安定的に運用し、毎年度確実な支給を可能とするためには、学資支給基金を充実、安定化させることが極めて重要です。 このためには、一定の余裕金も含めた基金を造成し、年度を超えた弾力的な支出を可能とすることが求められ、平成二十九年度予算においては、二十九年度先行実施の対象者二千八百人について、在学期間分の支給額を見込んで七十億円を計上しております。 この学資支給基金には、毎年度、予算の範囲内において政府から補助する資金をもって充てることとしていますが、民間企業や個人からの寄附など、政府以外の者からの出捐も可能としております。企業や個人からの寄附を促進するため、政府としては、奨学金事業を行う学校法人や公益法人等に対して、寄附を行った場合、所得税や法人税を軽減しているところです。新たに造成する学資支給基金への寄附についても、税の軽減が適用されることの周知も含め、関係団体に広く協力を呼びかけてまいりたいと考えております。
○三浦信祐君 この制度、小さく産んで大きく育てる、そして未来への投資なんだと、それが、国がやったということがちゃんと今後分かって、それによって進学をして希望が実現をしていった方を増やすことが、将来への投資がこうであったということを結論付けることだと思います。 何としてもこの制度を成功させて、将来への投資はこういうものだと語り継がれるものにしていきたいと思いますので、今後とも不断の努力をお願いして、私の質問等、終わります。 ありがとうございました。
○木戸口英司君 希望の会(自由・社民)、自由党の木戸口英司でございます。 学ぶ自由の確保、これは近代国家として保障するべき重要な課題の一つであります。これまで、今回の法改正について、財源の確保、そして利用する学生本位の制度の在り方と、重ねて議論があったところであります。やはり大事なテーマでありますので、私からもまた重ねてということになりますけれども、この論点で質疑をさせていただきたいと思います。 まずは、子供の貧困による教育機会の格差について何点かお尋ねしたいと思います。 今次の給付型奨学金、この創設が図られる大きな要因は、日本社会における様々な格差の拡大が問題となる中で、教育機会の格差、それは地域別、男女別、所得階層別などが挙げられますけれども、特に所得階層別格差の拡大が子供たちの将来を左右する重大な問題となっていることにあります。子供の貧困問題は深刻化し、我が国の子供の貧困率は一六・三%、これは平成二十四年の数字でありますが、諸外国に比べて高い水準となっております。 政府は、二〇一三年、子どもの貧困対策の推進に関する法律を制定いたしました。その目的を、貧困の状況にある子供が健やかに育成される環境の整備と教育の機会均等を図るためとしています。この法律に基づき、政府は二〇一四年、子供の貧困対策に関する大綱を制定しています。大綱では、子供の貧困に関する指標が定められ、その多くが教育機会に関わる指標となっております。しかし、その指標には目標数値が示されておらず、迫力不足は否めません。 家庭の経済状況と子供の学力や進路には相関関係があり、全世帯の大学等への現役進学率が七三・二%であるのに対し、生活保護世帯の子供たちの進学率は三三・四%、児童養護施設の子供たちに至っては二三・三%にすぎません。教育機会の均等を目指し創設される給付型奨学金の支給要件には一定以上の学力が求められることから、貧困状態にある子供たちに対する学習支援を一層拡充していくことが強く求められております。 まずは、この子供の貧困の現状について、法律及び大綱が制定された背景を踏まえ、文部科学大臣の所見を伺います。
○国務大臣(松野博一君) 生活保護世帯の子供たちの進学率が全体と比較して低い水準になっているなど、家庭の経済状況が子供の教育環境に影響を及ぼす場合があります。子どもの貧困対策の推進に関する法律、子供の貧困対策に関する大綱において指摘されているように、子供の将来がその生まれ育った環境によって左右されることがないよう、貧困の状況にある子供が健やかに育成される環境を整備するとともに、教育の機会均等を図ることが必要であると認識をしております。
○木戸口英司君 そのとおりだと思います。 そこで、教育の格差は経済的格差を更に拡大し、貧困の連鎖を助長するものと考えます。今大臣から御指摘あったとおりであります。法律及び大綱の目的が達成されるよう文部科学省としてどのような施策を講じていくのか、伺いたいと思います。
○国務大臣(松野博一君) 先ほど申し上げましたとおり、子供の将来がその生まれ育った環境によって左右されることがないよう、貧困の状況にある子供が健やかに育成される環境を整備するとともに、教育の機会均等を図るため、子どもの貧困対策の推進に関する法律、子供の貧困対策に関する大綱が制定されています。 文部科学省では、これらを踏まえ、平成二十九年度予算において、まず幼児期から高等教育段階までの切れ目のない形での教育費負担軽減として、幼児教育無償化の段階的推進、義務教育段階における就学援助の充実、高校生等奨学給付金の充実、学生等への無利子奨学金の充実や給付型奨学金の創設などを盛り込んでいます。また、学校を貧困対策のプラットフォームとして位置付け、貧困による教育格差の解消のための教員定数の加配、スクールソーシャルワーカーの増員や貧困対策のための重点加配なども盛り込んでいます。さらに、地域の教育資源を活用した子供の貧困対策として、図書館を活用した読書、学習機会の提供を始めとする、困難を抱える親子が共に学び育つことを支援する教育格差解消プランの創設、学習が遅れがちな中学生、高校生等を対象とする原則無料の学習支援である地域未来塾の充実を図ります。これらの取組を通じて、子供たちがそれぞれの夢にチャレンジできる社会の実現に向けて全力で取り組んでまいります。
○木戸口英司君 学校が子供の貧困対策のプラットフォームになるということ、これは来年度予算に向けて大きく示されたところであります。 当然、子供の貧困の問題は、社会全体の、国家としての問題であります。政府全体で取り組むべき課題でありますが、その意味で、この学校のプラットフォームということ、文部科学省のリーダーシップが大きく求められているところだと思います。この給付型奨学金の制度創設と併せて、もう一度、幼児初等中等高等教育までと、こういった子供の貧困問題、もちろん、この貧困の数字というもの、先ほど参考人からもお話ありましたけれども、中間層が非常に所得が下がってきているという大きな問題もあります。全体的にそういう厳しい家庭環境、この割合が増えているという状況もございますので、きめ細かい、また強い政策的リーダーシップを期待したいと思っております。 そこで、資料をお配りしております。 資料一を御覧いただきたいと思います。大学進学率の推移となっております。この中で御覧いただきたいのは、都道府県別高校等新卒者の大学進学率ということで、当然東京が一番高く六四%、一番低い県との差は三四%と大きな差となっております。 これはいろいろな理由があると思います。やはり地方の方が低いということ、大学の数、集積の違いも大きくあると思います。地方の所得低迷ということ、なかなか首都圏あるいは関西圏でいっても、そういう中心地の大学に通えないということ、大きな課題がここにあると思います。五六・五%が進学率、ここに二〇一五年書いておりますが、五〇%を超えるところというのは十一県でありまして、関東圏、関西圏、やはりここで数字を大きく引き上げているという状況が見れると思います。やはり地方間の格差ということ、このこともしっかりと見据えていかなければいけないと思っております。 それから、資料二でございますが、これは貧困状態にある子供の割合ということで、これも各県の数字のパーセントが出ております。平均一六・三%と言われている中で、一五%を超えるところが十八県と、これも都市部でありまして、大学の進学率とは、ここは両方高いということになるわけですが、あとは四国、九州が高い、あとは北海道ですね。やはり、こういった貧困の状況と、あるいは地方から、先ほど私申し上げました所得が低迷している中で、なかなか都会の学校に通えないという中、大学進学率が上がらない、こういう課題が様々あると思います。 こういった地域間格差の存在を直視し、その解消に向け、貧困状態にある子供たちへの教育支援や今回の奨学金制度全般についてどのような検討がされてきているのか、そこをお知らせいただきたいと思います。
○国務大臣(松野博一君) 地域間格差については、例えば都道府県によって高等教育機関への進学率が異なるとともに、貧困状態にある子供の割合が異なるとの指摘がなされており、また、現行の第二期教育振興基本計画においても、地方の衰退、疲弊など、地域間の格差の一層の進行が指摘されています。 現在、中央教育審議会において第三期教育振興基本計画の策定に向けた検討を行っており、教育をめぐる現状と課題の一つとして地域間格差など地域の課題も挙げられているところです。第三期教育振興基本計画の策定に当たっては、子供の貧困対策についてもこのような観点も含め検討を行ってまいりたいと考えております。
○木戸口英司君 それでは、財源問題、あとは制度の問題について何点か、確認ということにもなりますけれども、お聞きをしたいと思います。 子供の貧困対策のうち、進学のための支援は重要であるということは言をまちません。これまで我が国の公的奨学金には給付型がなかった中で、その創設が強く望まれておりました。今回、住民税非課税世帯の子供たちを対象とした公的な給付型奨学金制度が創設されることについては、一定の評価をいたしたいと思います。 しかしながら、給付額については、給付型奨学金だけでは学費や生活費を全て賄うことができず、進学の後押しにつながらないとの批判もあります。給付月額は二万円から四万円とされております。改めてその根拠をお示しいただきたいと思います。
○国務大臣(松野博一君) 給付型奨学金の給付月額については、国公私立といった進学先や、自宅、自宅外といった通学形態の違いによって異なる学生生活費の実態や、対象とならない世帯との公平性等を考慮の上、月額二万円から四万円と設定しております。 加えて、児童養護施設の退所者など、社会的養護が必要な学生については、入学金相当額として二十四万円の一時金を追加給付することとしています。新たに創設する給付型奨学金と併せ、来年度より大幅に拡充する無利子奨学金を活用いただくことによりおおむね必要な学生生活費を賄うことができると試算をしております。
○木戸口英司君 公平性というお話が出ました。そこが今、必要性という部分と合致しているのかと、そこが課題なんだろうと思います。給付型奨学金の制度設計に関わった東京大学の小林雅之教授、先ほどお名前出ておりました、諸外国の奨学金と比較しても給付額は少なく、月五万円は欲しい旨発言をされています。 給付の増額は制度の目的を達成するためにも必要だと考えますが、こういう発言を受けて、今後の見通しも含め、大臣の御所見をお伺いいたします。
○国務大臣(松野博一君) 先ほど御説明させていただいたとおり、給付型奨学金の支給額は、無利子奨学金と併せて利用すればおおむね必要な学生生活費を賄うことができると試算をしており、十分に進学を後押しする効果があると考えています。給付型奨学金については、まず制度を当面安定的に運用し、定着を図ることで進学の後押し効果を十分に発揮することが重要と考えております。 今後とも、財源を確保しつつ、高等教育段階における費用負担軽減に努めてまいります。
○木戸口英司君 制度の安定性という言葉、先ほどから何度も出ております。そこは本当に大事なところではありますが、制度を安定させるためにも、財源を更に拡充し、そしてきめ細かい制度にしていくこと、そのことで私たち委員も今御提案をし、今質疑をしているところであります。この経済的負担軽減の観点から、これも毎回、何度もというところでありますが、改めて触れさせていただきます。 大学等の授業料減免の拡充や授業料自体を引き下げることも必要であると考えますが、改めて大臣の見解をお伺いいたします。
○国務大臣(松野博一君) 意欲と能力のある学生が家庭の経済状況にかかわらず大学教育を受けられるようにすることは重要なことであります。 平成二十九年度予算において、授業料減免の対象者について、国立大学では二千人の増員、私立大学では一万人の増員を計上するなど、教育費の負担軽減に努めております。また、国立大学の授業料については、最近の十一年間は値上げしておらず、来年度も授業料標準額の引上げを行わないこととしています。大学等の授業料の引下げについては、必要な財源の確保などの観点も含め、総合的な検討が必要であると考えています。 一方、必要な財源を確保しつつ、大学等奨学金事業や授業料減免の充実など、今後とも教育費の負担の軽減に努めてまいります。
○木戸口英司君 ここも改めて聞かせていただきます。 給付規模二万人ということでありますが、この拡大について、大臣の見解を伺います。
○国務大臣(松野博一君) 先ほど来お話を申し上げていますとおり、まずはこの新しく創設をした給付型奨学金制度を当面安定的に運用して、その進学の後押し効果をしっかりと確認をしていくことが重要であると考えております。 それをもって、今の状況の中においても、給付型奨学金と併せて、先ほど御説明申し上げました無利子奨学金の拡充や返還制度の改善等、総合的にこれらを活用していただくことによって進学の後押し効果を、これは十分な効果を発揮し得ると考えております。それらの状況を把握した上で、次の段階に関しての検討をさせていただきたいと考えております。
○木戸口英司君 それでは、先ほど来このガイドライン、あとは学校推薦の決定の在り方と、何度も議論はあったところでありますが、ここについても私から少し確認をさせていただきます。 成績基準の目安等について、機構がガイドラインを作成することとしております。基準については先ほどから説明ありましたので、その上で各学校が基準を定めるということになっております。この基準について、各学校で透明性を高めることと、それから、複数でその選定をすることということ、先ほど大臣から御説明があったところであります。その上で、その学校の基準が本当に適正なものか、そして結果が適正であるかどうかということ、これについては確認する仕組みというものがやはり必要ではないかとも思います。二つ目の質問になっています。 その上で、例えば、選から漏れた生徒が不服を申し立てるということ、そういうことも出てくるのではないかと思いますが、そういった制度、受皿というものはありますでしょうか、また想定されておりますでしょうか、お伺いいたします。
○国務大臣(松野博一君) 各高校等において地域や生徒の実態に応じて教育目標の設定をしており、推薦をする者についての選定基準については、各高校の事情を踏まえて定めていただくことが適切であると考えています。その際、各高校等の推薦基準に一定の統一性を持たせるためにも、ガイドラインを明確なものとすることが重要であると考えております。本国会での御審議や文部科学省に寄せられた意見、学校現場の意見等を踏まえ、推薦業務が円滑に行われるよう、日本学生支援機構においてガイドラインの作成を行ってまいります。また、推薦者の選考に関する説明責任を果たす観点から、各高校等において定める基準を公表することを求めることが適当であると考えており、こうした取組等を通じて、推薦基準の公平性、透明性、適正性の確保に努めてまいりたいと考えております。
○木戸口英司君 各学校で、当然、割り振られた人数よりも、まあ当然ではないですね、割り振られた人数よりも申請する生徒の数が多いということは出てくると思います。 そういった中で、給付型奨学金を受けられるかどうかは大学等に進学できるかどうかを左右するものであり、ここで人生が大きく変わってしまう可能性があります。推薦がもらえなかった生徒に対し納得のいく説明が求められ、先生と学校側の責任は重いと言えます。個人情報保護の問題も生じることとなります。また、学校推薦をめぐって生徒同士の人間関係にも影響が及ぶものと危惧いたします。こういう問題について、大臣の所見を伺います。
○国務大臣(松野博一君) 給付型奨学金における生徒の推薦については、継続的に当該生徒の評価を行ってきた在籍学校において評価を行うことが適切と考えている旨は先ほどお話をさせていただいたとおりであります。 その上で、推薦結果についての説明責任を果たすとともに、推薦の手続について公平性や透明性を確保することは極めて重要です。そのため、各高校等において定める推薦基準は公表するよう求めることが適当と考えており、推薦者の選考に当たっては、選考結果の信頼性に疑義が生じないよう、管理職及び担任以外の教員等を含めた複数名による選考体制をしくことや、推薦基準に関する共通の理解を持って選考に当たることができるような取組が必要であると考えております。また、推薦に関わる個人情報は、これまで貸与型の奨学金や高校等奨学給付金等の手続において取り扱ってきた情報と同様に、引き続き情報管理を徹底するように求めてまいります。 一方、高校に過度の負担を掛けないようにすることも重要であり、給付型奨学金制度の運用に当たっては、高等学校及び日本学生支援機構と連携を密にし、円滑に業務が遂行されるようしっかりと取り組んでまいります。
○木戸口英司君 それでは、資料三を御覧いただきたいと思います。 この下の表になりますけれども、学校推薦枠の割り振りについてのシミュレーションが示されております。 これ、予約採用推薦者の欄、それから割り振り数ということになりますが、これ一人、二人のところは一〇〇%と。例えば八人予約採用推薦者がいれば、これ割り振り数四人と、ここで五〇%という、選ばれる割合になってくるわけであります。どんどん人数が増えればパーセントが下がってくるということが示されております。このシミュレーションを見れば、非課税世帯の奨学金貸与者数が多い学校ほど学校推薦を得るための競争が激しくなると、言い換えれば、給付型奨学金を受けられる可能性が低くなるということであります。 在籍する学校によって給付型奨学金を受けられるかどうかの可能性が異なることは公平性の観点から問題であると考えますが、この点について大臣はどう思われますでしょうか。率直にお答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(松野博一君) 各学校への推薦枠の割り振りに当たっては、当該学校に在籍する生徒の世帯の家計状況を勘案して割り振ることとしています。 具体的には、まず全ての学校に一人枠を割り振り、残りの枠を当該学校における過去の非課税世帯の生徒の貸与型奨学金の貸与実績を踏まえて割り振ることとしています。各学校に最低一人を割り振ることから、非課税世帯の生徒数が少数の場合には推薦される可能性が高くなりますが、どのような学校に行った場合でも給付型奨学金の推薦を得られるよう、全ての学校に一人の推薦枠を割り振ることは必要であると考えております。 今後、日本学生支援機構が示すガイドラインを踏まえて、各学校において公平感のある推薦が行われるよう制度の運用を行ってまいりたいと考えております。
○木戸口英司君 ちょっと時間がなくなってまいりましたので、最後の質問とさせていただきたいと思います。 資料四をお配りしております。子供の貧困の社会的損失推計ということであります。 これは一つの参考となる数字ということであります。これが全てということを申し上げるつもりはありません。ただ、先ほど来、やはり教育の財源確保ということ、エビデンスという言葉がよく使われますけれども、やはり社会でこの必要性を共有していくこと、特に政府の中でこれを共有していただくことということが大事であろうと思います。財源確保に向けてということの一つの社会的共有することにいい数字じゃないかと思って、ここを取り上げました。 冒頭に述べました子供の貧困対策、格差社会の解消に向けた取組は喫緊の課題であります。教育がその鍵を握ることから、文部科学省の責任は重大だと思います。 この資料四、日本財団による子供の貧困の社会的損失推計では、子供の貧困対策を行わず現状のまま放置した場合、一学年当たり約二・九兆円の損失が発生し、政府の財政負担は約一・一兆円増加すると試算されています。これは、子供の貧困が与える経済的影響を示すことで、子供の貧困問題への国民の関心を高め、国民全体でその解決に向かっていけるよう示されたものであります。この試算は、教育財源確保の重要性を示す根拠の一つとなると考えます。 大臣には、教育投資の効果について広く国民に訴えるとともに、給付型奨学金の拡充と併せ、教育財源の更なる確保に向け最大限の努力をするべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。
○国務大臣(松野博一君) 教育は未来への先行投資であり、誰もが家庭の経済事情に左右されることなく希望する質の高い教育を受けられることは大変重要です。 本年一月に中央教育審議会において取りまとめられた第三期教育振興基本計画の策定に向けた基本的な考え方において、教育投資の充実に向けては、広く国民の間で教育投資は未来への先行投資であることについて理解の醸成を図っていくことが不可欠であるとされています。また、いわゆるエビデンスベースでの教育政策を進め、国民、社会の理解が得られる教育投資の充実、教育財源の確保を図っていくことが必要とされています。 文部科学省としては、こうした議論も踏まえながら、今後とも必要な財源を確保しつつ、教育投資の充実にしっかりと取り組んでまいります。
○木戸口英司君 終わります。
○松沢成文君 無所属クラブの松沢成文でございます。 もう質問も、この順番になってまいりますと用意していた質問がほとんど先輩、同僚議員に聞かれてしまって、同じ質問をしても同じ答弁しか返ってこないので、ちょっと今まで聞かれていないような質問から行きますので、順番が多少前後しますが、お許しくださいませ。 まず、奨学金の未返済率の学校別、大学別の公表について伺います。 現在の奨学金返済の滞納状況と未返済者を防ぐための大学側の取組というのはどうなっていますでしょうか。
○政府参考人(常盤豊君) お答え申し上げます。 奨学金の返還につきまして、延滞状況についてまず申し上げますが、昨年度末の時点において、返還を要する者のうち三か月以上延滞している者の割合は四・二%、延滞額の割合は三・七%となっておりまして、この割合は近年低下を続けている状況でございます。 また、各大学における延滞者を出さないための取組についてでございますが、奨学金制度の仕組みの理解、あるいは奨学金受給者としての自覚を促すということを目的といたしまして、各時点ごとに説明会などを行っております。具体的には、奨学金の貸与を開始する時点で実施をいたします採用時の説明会、貸与中の毎年度実施をいたします適格認定説明会、それから貸与終了前に実施をいたします返還説明会などが行われております。 具体的な指導内容といたしましては、例えば、前年度に貸与が終了した卒業生等の保護者宛てに、返還の仕組み、延滞した場合の延滞金や利子の取扱い、返還困難時の負担軽減策を記した呼びかけ文書を送付するなどということも含めまして、学校独自で延滞を防止するための取組等が行われている事例があると承知をしております。
○松沢成文君 私が予想していたよりもかなり大学側も頻繁に説明会等を行っていて、大分改善されてきているというのは非常にうれしいことだと思います。 さて、今回の、日本学生支援機構が新年度から未返済率を、大学別ですね、学校別に公表するということを決めました。確かに、公的資金から拠出された奨学金を授業料の一部として受け取っている以上、大学側が奨学金や返済方法や仕組みについてしっかりと指導を行っていくのはまた当然のことだと思います。 そこで、未返済者の削減への協力を更に更に、今回制度改正が随分ありましたので、促していくべきだと考えますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(松野博一君) 日本学生支援機構の奨学金事業は、貸与した学生等からの返還金が次世代の学生等への奨学金の原資となっており、返還できる方からはしっかりと返還してもらうことが重要であります。 返還金の回収率の更なる向上を図るためには、現在機構が実施している回収の取組に加えて、各学校において学生等への貸与段階から返還意識を涵養することが重要です。また、延滞に陥らないようにするためには、学生に対して返還が困難になった場合の救済の仕組みについても適切に周知されることが重要です。 このため、各学校にこれらの取組を促すことを目的として、学校ごとの奨学金返還状況等の公表を行うことを検討をしております。このことにより、奨学金の返還を促進するとともに、返還困難に陥った者が救済措置を適切に受けることができるよう取り組んでまいりたいと考えております。
○松沢成文君 今、私、大学別と先ほど言いましたが、これ大学以外もありますから、学校別ですね。 そういう公表をするということでありますが、未返済者の年収が低い傾向がある中でこれを公表していくということは、ある意味で大学卒業者の所得水準を類推されることにもつながってしまう可能性があるんですね。こうした公表方針に対して、無用な大学の順位付けにつながりかねないという批判もあります。しかし、と同時に、多くの父兄や受験生がそういう情報を知りたがっているという事情もこれあるわけですね。ある意味で、そうしたことを公表することによって学校側が努力をしていくということで、大学側の頑張りというか、適正な競争も促していくという効果もあるのかもしれません。 そこで、奨学金の未返済率の学校別の情報を積極的に公表するということについて、こういう賛否両論があるわけですけれども、それについては、大臣、いかがお考えでしょうか。
○国務大臣(松野博一君) 先ほど申し上げましたとおり、学校別にこれを公表する目的として、奨学金の返還の促進と、また返還困難に陥った者が救済措置を適切に受けることができると、文部科学省としては、このことを公表を行う検討に当たっては目標としているということでございます。
○松沢成文君 それでは、ちょっと話題を変えますけれども、今回の給付型奨学金制度の給付基準で、もちろん住民税の非課税世帯という経済的な事情の条件と、もう一つ、教科以外の学校活動等で大変優れた成果を上げた者というのがございます。例えば、これ、スポーツの全国大会ですね。今日、春の甲子園も準決勝が行われておりまして、ちょっと結果がどうなったか私分かりませんけれども、例えば、春の甲子園で頑張った甲子園球児、こういうスポーツをやる生徒たちは、この大変優れた成果を上げた者、課外活動でですね、もちろん決めていくのは各学校の選考委員会でありますが、大臣、こういう生徒たちも当然対象になると考えてよろしいんですか。
○国務大臣(松野博一君) 委員から説明をいただいたとおり、これはもうあくまで各学校が御判断をされるものでありますが、御指摘の甲子園球児などスポーツで優れた成果を収めた生徒は、ガイドラインで示す予定の学力、資質に関する要件のうち、教科以外の学校活動等で大変優れた成果を収め、教科の学習でおおむね満足できる成績を収めていることに該当する者と想定をしております。 具体的な基準については、今後示す予定のガイドラインを踏まえ、各学校で定める取扱いとすることを考えており、甲子園球児を含め、スポーツや芸術活動等において優れた成果を上げた者の評価についても、その中で判断されることとなります。
○松沢成文君 ちょっとここからは法案の審議とは外れますけれども、今行われている春の甲子園大会、高校野球についてちょっと質問していきたいと思うんですが。 今日、準決勝が行われているわけですけれども、今大会、春季大会で、二回戦の二試合が延長十五回でも決着が付かずに再試合になったんですね。この再試合に勝った二チームとも準決勝に残れずに敗れてしまいましたけれども、例えば、ここで福岡大大濠高校の三浦投手は、この二試合で何と三百二十六球を投げ抜いたんですね。こういう投手の活躍というか投球に対して、見上げた根性だ、すごいと称賛する声がある一方で、実は多くの批判もあるんです、私もちょっと批判派なんですけれども。私は、今回の三百二十六球の投球というのは、ある意味で高校野球のルールの未整備による過酷な投球を課しているというふうに私は思うんですね。 大臣は、この二試合で三百二十六球の投球、これどうお考えですか。
○国務大臣(松野博一君) 三浦投手の投球数、松沢委員からお話しいただいたとおり、二回戦で百九十六球、延長十五回、三月二十八日の再試合で百三十、計三百二十六球を投げられて、準々決勝の三月二十九日には、これは監督の御判断で登板をさせなかったということでございます。 高校球児が生涯にわたって心身の健康を保持増進し豊かなスポーツライフを享受をしていくためには、スポーツ障害や事故を防ぐこともこれは必要であり、大会主催者が今後の大会運営を考えていくに当たってこうした観点を持つことも重要だと考えております。
○松沢成文君 成長期の高校生の健康管理あるいは体調というのを考えて、ほかの高校スポーツ、野球並みに人気のある球技でいいますと、サッカー、ラグビー、バスケットボールなどは、同点になった場合にタイブレークなどの早期に決着を付ける仕組みを採用しているんですよ。 例えば、サッカーなんかはもう同点で前後半で終わったらPK戦です。決勝だけは実力で勝敗を決したいという選手の気持ちも尊重して延長をやって、でも延長が終わったらすぐPKです。バスケットはこれクオーター制ですけれども、同点だったら五分間の延長で、多い方が勝ちなんですね。ラグビーは、同点の場合はまずトライ数が多い方が勝ちます。ペナルティーキックよりもトライの方が頑張ったということでしょうね。それでも、トライ数も同じだったら抽せんで決めるんですよ。 こうやって、やっぱり成長過程の高校生に、同点だったらまた翌日再試合と、もう過度な負担を掛けないように、みんなタイブレーク制を導入しているんですね。 実は、高校野球も二〇一三年、三、四年前ですね、いや大変なことがあったんです。これは浦和学院と済美の決勝戦で、その済美のピッチャーが何と四連投ですよ。全部、四試合というか、初戦から合わせると何球なのかな、大変な球数投げさせられて、それで、そのピッチャーは安楽選手というピッチャーですけれども、決勝戦はもう力が入らずに直球が投げられなかった、だから変化球で勝負したと、ここまで自分の苦しさを吐露したんですね。 このときにも、高校野球もタイブレーク制を入れるべきだとすごい議論があったんです。ところが、高野連というのは本当に保守的な組織で、結局このときにようやく導入を考えたのが、十五回までやって決着が付かなければ翌日再試合。これ、タイブレークじゃ全然ないじゃないですか。こうやって改革をやるべきときにやらないから、また今年のようなことが起きちゃうわけですね。 私は、大濠高校の三浦投手、これは監督が、そんな連投したら、肘や肩壊したら大変だということで止めたんですけれども、ルールがない以上、やっぱりほかのピッチャーがいない学校だったら、おまえしかいない、投げろ、勝ちたいだろうと、みんな根性論になっていくわけですよ。 だから、私は、高校野球ももう速やかにタイブレーク制度、だって、今WBCだって入れているわけですから。今みんな、オリンピックだってタイブレークですよ、野球は。みんなそれ工夫しているんです。それをやっていない高校野球というのは、私はもう高校生の体力や健康管理考えたら、全くもってこれ不作為ですよ。私はこれで選手生命潰すような高校生が出ちゃったら、選手が出ちゃったら、私は過失だと思いますよ。 これは、やっぱり高校生の部活動、そういう課外活動を考えなきゃいけない。これ、学習指導要領にも書いてあるわけですから。やっぱりこれ文科省から高野連に対して速やかに改革をしてほしいと要請すべきだと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(松野博一君) 高野連では、高校野球におけるタイブレーク制度の導入について、平成二十七年より春季地区大会では義務付けるとともに、春季都道府県大会、秋季地区大会及び秋季都道府県大会では選択による採用としておりますが、全国大会である春の選抜高等学校野球大会、夏の全国高等学校野球選手権大会及びその地方予選では採用しないこととしております。 また、高野連では、今回、引き分け再試合が二試合続いたことを受け、春の選抜高等学校野球大会や夏の全国高等学校野球選手権大会及びその地方予選においてもタイブレーク制度の導入について改めて検討を始めると聞いております。 文部科学省としては、こうした高野連における検討の推移をまずは見守ってまいりたいと考えております。
○松沢成文君 検討の推移を見守るというよりも、もうここは大臣がしっかりリーダーシップ取って、対応せよと言っていただきたいですね。 タイブレーク制度だけじゃなくて、野球の場合は、もう石井理事がいるので、済みません、専門家の前で。前は堀内元投手もいらっしゃったので、また意見も聞きたいと思うんですが。野球というのは、ピッチャー、特にピッチャーの利き腕ですね、左腕だったら左腕、右腕だったら右腕に過度な負担が掛かるスポーツなんですよ。これ、なかなか珍しいです、こういうスポーツは。過去には連投、連投で故障してしまって選手生命絶たれたという高校生、あるいはプロ野球の選手もたくさんいるわけです。 今議論になっているのは、これ投球数制限、あるいは投球回数、何回までとかという制限を導入すべきだという議論もどんどん進んでいるんです。WBCなんかも、これ大リーグとの関係があるので全てが正しいとは言えませんけれども、WBCで余り過度な投球をさせられて本物の大リーグの方で活躍できなかったら、大リーグのチームが困っちゃうわけですね、高い報酬出しているわけだから。だから、もう投球制限してくれという、そういう裏の事情もあるんですが、どんどん投球制限の議論が進んでいます。 私は、やっぱりまだ体が成長過程にある高校生こそ守ってやらなきゃいけないと思っているんですよ。こういうことを言うとまた高野連は、今までそんなことをやったことはないと。何というか、伝統重視主義というか根性主義で、こういうルールを入れるのを嫌がるんですね。でも、全国の高校野球で同じルールで入れれば、そのルールの中でどうやって勝とうかといって、また選手の育成や監督の指導、そこで工夫を凝らすようになるわけですよね。 ですから、私は、むしろ高校野球だったら、例えば一試合百球までとか、あるいは回数だったら一試合五回とか六回までとか、そういうものを積極的に入れていかない限り、私は高校生の特に投手の身体というのは守れないというふうに思っているんですけれども、大臣はいかがでしょうか。
○国務大臣(松野博一君) 高校野球における投球数や投球回数の制限については、高野連からは、平成二十六年に高野連の委員会において検討したが、部員数が少なく投手も少ないチームに不利に働くことから導入しないこととしたと聞いております。 しかし、高校野球において投手の肩や肘の傷害の予防は重要な課題であることから、高野連においては、春の選抜高等学校野球大会、夏の全国高等学校野球選手権大会において、平成六年には投手の医師による検診受診の義務化、平成七年には理学療法士によるメディカルサポートの実施、平成二十五年には準々決勝の翌日の休養日の設定を行うなど、傷害予防に関する取組を進めてきたところであると聞いております。 文部科学省としては、今後も高野連におけるこうした投手の肩や肘の傷害の予防に関する取組を進めていただきたいと考えております。
○松沢成文君 ちょっとここから二問ほどは事前通告していないので、もう大臣の感想でいいので聞かせてほしいんですけれども、連投規制というのも議論があるんですね。例えば、一日ピッチャーで投げたら次の日は休ませる、そして一日置いてその次の日としないと、やっぱりもうフィットネスもたないということから始まっているんですが、ただ、これを言うとまた高野連は、大会日程がどんどん長くなっちゃって、そうすると、お金持ちの学校は宿泊費も十分出る、後援会もあると。でも、小さな公立はお金がないから、もうそれで財政がもたなくて対応できないんだとかいうような議論にもなっていっちゃうんですね。 私は、高野連が目指しているアマチュアリズムというのは分からなくもないんですけれども、高野連は、自分たちはあくまでもプロじゃない、アマチュアなんだと、だからプロアマ規制なんということもやって、プロと接触するのも嫌がったわけですね、昔は。でも、今度はアマチュアリズムを尊重して、例えば甲子園に来る入場者の入場券は物すごく安いわけです。一番いい席だって二千円ぐらいだし、外野なんか無料で開放もしているんですね。自分たちは利益を求めるプロ野球とは違うんだということでそういうふうにやっているわけですよね。あるいは、テレビ放映権だって取りません、NHKが独占放送していますけれども。 私は、そういう考えに凝り固まらずに、例えばもう少し入場料を上げて、二千円から三千円に、あるいは外野ただじゃなくて、外野も五百円取るとか上げて、そうすればお金が入ってくるじゃないですか。そういうお金を参加校の滞在費、あるいは、特に準決以降はまた一週間ぐらい延びますから、そういうところに一校幾らあるいは選手一人当たり幾らといって助成を出すようにすれば、学校間の格差によってつらいだとかいうことがなくなるわけですよ。 ですから、そういう改革について大臣どう思いますかね。大臣がここでやろうと言っていただければ大分世論変わると思いますよ。
○国務大臣(松野博一君) まず、高校野球のピッチャーの肩や肘の傷害、これをしっかりと予防していかなければいけないということに関しては、私は松沢委員と同じ意見であります。そして、えてして、これも委員がおっしゃった根性論に走りがちだという傾向もあるんだろうというふうに思います。この問題をこれから議論をしていくに当たって重要なのは、しっかりと医学的な、運動生理学的なデータベースで議論を進めていくということが重要であるかと思います。 文部科学省では、適切な休養を伴わない行き過ぎた活動は生徒における様々な無理な弊害を生むことから、平成二十九年度に、スポーツ医科学の観点を取り入れた生徒の発達段階や学校生活への影響を考慮した、これは部活動が対象ですが、練習時間や休養日の設定に対する調査研究を実施をいたします。こういったスポーツ生理学の観点からの調査、これを高野連にしっかりとお伝えをして、検討の材料にしていただければと思います。 もう一つ、委員の方から御提案があった、例えば高校野球も入場料等を利用した各高校に対する援助策を考えたらいかがかという御指摘に関しては、今文部科学省の中で、いわゆる大学スポーツに対して日本版のNCAAをつくっていこうではないか、必要ではないかという議論をしております。 この趣旨は、松沢委員がお話をされたところの、大学スポーツにおいて様々な選手保護、良好な環境維持等にどういったことが大学スポーツの資源を使えるのかということでございますから、まずはその大学スポーツにおけるこの日本版NCAAの議論をしっかりとしながら、それが高校時においてどうなるかということを併せて考えていきたいと思います。
○松沢成文君 もう一点、私、問題提起があるんですけれども、この全国の高校野球、特に地区予選から上がってくる夏の大会ですね、これの代表制の格差が大き過ぎますよ。例えば鳥取県、二十五校で一校甲子園に行けます。私の神奈川県や愛知県、百九十校ですよ。予選でこれ勝ち抜かないと甲子園行けないんですね。 これは参議院の一票の格差よりでかいですよ。だって、七・六倍ですもの。だから、参議院だって、地域の声を代弁する必要があるといっても、やっぱり衆議院も参議院も二倍以内に収めるのが筋じゃないかとこれ裁判所は出しているわけですよ。だから、高校なんか地域の声を拾うわけじゃないですから、甲子園は。ですから、是非ともここはやっぱり改革必要だと思うんです。大きな都府県は例えば二校代表制にするとか、あるいは小さな県は、申し訳ないけれども、参議院の自民党も嫌っていますが、合区ですよ、鳥取と島根と山口は合わせて一校とか。 そうやっていかないと、都会の甲子園を目指す選手がなかなか甲子園に行けないから、どういうことが起きているかというと、地方の私学にわあんと移動していくわけです、地方の私学に。それで、その県出身の選手じゃなくて、ほとんど全国から甲子園に行きたい人が集まって学校のチーム作って、青森県代表とか熊本県代表といって出てくるわけでしょう。ある学校は、昨年ですけれども、その県の代表が一人もいなかったんですよ。全部ほとんど大阪から熊本に行って、大体分かっちゃいますけど、やったわけです。だから、大阪第三代表とか言われちゃっているわけですよ。だから、高野連はアマチュアリズム、アマチュアリズムと言っているけれども、こうやって裏ではセミプロみたいな、もうとにかく甲子園に出て学校を有名にして、そして生徒集めようというプロ化した、まあ不正とは言いませんけれども、実態があるわけですよ。 是非とも大臣、私は、高野連という組織はちょっと保守的過ぎるし、やっぱりおかしいですよ。やっぱりここは、文科省の三役も開会式で挨拶するんでしょう、そういう関係があるわけだし、そして学習指導要領にも部活の健全な発展をうたっているわけだから、やっぱり文科大臣として高野連に、こういうところはきちっと見直さないと高校野球、今おかしいところに行っているんじゃないかと言うべきだと思うんですけれども……
○委員長(赤池誠章君) 時間が過ぎておりますので、御質疑をおまとめください。
○松沢成文君 是非とも大臣の御決意をお聞かせいただきたいと思います。
○委員長(赤池誠章君) では、大臣、時間が過ぎておりますので、簡潔にお答えください。
○国務大臣(松野博一君) 我が千葉県も激戦区でございますが、今までの経過の中で、東京都を二つに分割したという経緯もあると承知をしております。ただ一方で、これは郷土主義といいますか、そういった伝統的な考え方もあるかと思います。 いずれにしても、様々な御意見が今ある中で、主催者である高野連において検討をいただきたいと考えております。
○松沢成文君 終わります。
○委員長(赤池誠章君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 本案の修正について吉良君から発言を求められておりますので、この際、これを許します。吉良よし子君。
○吉良よし子君 私は、日本共産党を代表して、独立行政法人日本学生支援機構法の一部を改正する法律案に対し、修正の動議を提出いたします。 その内容は、お手元に配付されております案文のとおりでございます。 修正案提案の理由及びその内容について御説明申し上げます。 我が国の高等教育は、高学費の上に、奨学金も貸与制度のみという低給付で、学生、保護者に多額の負担を強いています。特に近年、家計収入が減少する中、学生、保護者の負担は限界を超え、進学を断念する人も少なくありません。また、卒業後の雇用、収入も不安定となり、貸与制の奨学金を返還しようと思ってもできない人が増加し、社会問題になっています。 今回の給付型奨学金の創設は、学生、保護者らの粘り強い運動と国民世論の高まりを反映したものと言えます。我が党も繰り返し、その実現を要求してきたものです。 しかし、本法案は、給付型といいながら、支給対象、選考方法、返還規定、財源など様々な問題があり、不十分なものとなっています。 給付型奨学金の創設を機に、貸与ではなく給付が中心となる奨学金制度にしなければなりません。日本国憲法第二十六条は、全て国民は、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有すると定め、高等教育も含めた教育の機会均等をうたっています。国際人権規約においては高等教育の漸進的無償を求める条項があり、二〇一二年にようやく我が国も留保を撤回しました。高等教育の無償化、負担軽減のための具体的措置をとるべきです。 そこで、新たに創設される給付型奨学金制度の法文上の問題点を修正するとともに、貸与奨学金制度の改革を求める修正案を提出するものです。 次に、修正案の内容について御説明申し上げます。 第一に、学資貸与金について、利息付きの学資貸与金を廃止するとともに、対象について学業成績に関する要件を削ること。学資貸与金の貸与に当たっての保証人の保証の要求、延滞金の徴収、一括返還請求についてそれぞれ禁止すること。相談体制の整備の規定を追加すること。 第二に、法案で創設される学資支給金の対象について、学業成績に関する要件を削り、経済的理由により修学に著しく困難がある者と修正するほか、学資支給金の返還に関する改正規定を削除すること。 第三に、既存の返還者に対しても、延滞金の徴収、一括返還請求についてそれぞれ禁止するなどの措置を講ずる等の経過措置を設けるとともに、その他所要の規定の整理を行うこと。 以上が修正案提案の理由及びその内容でございます。 何とぞ、委員各位の御賛同をいただけますようお願い申し上げまして、提案理由の説明を終わります。
○委員長(赤池誠章君) これより原案及び修正案について討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに独立行政法人日本学生支援機構法の一部を改正する法律案について採決に入ります。 まず、吉良君提出の修正案の採決を行います。 本修正案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(赤池誠章君) 少数と認めます。よって、吉良君提出の修正案は否決されました。 それでは、次に原案全部の採決を行います。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(赤池誠章君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 この際、斎藤君から発言を求められておりますので、これを許します。斎藤嘉隆君。
○斎藤嘉隆君 私は、ただいま可決されました独立行政法人日本学生支援機構法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・こころ、民進党・新緑風会、公明党、日本共産党、日本維新の会及び希望の会(自由・社民)の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 独立行政法人日本学生支援機構法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府及び関係者は、本法の施行に当たり、次の事項について特段の配慮をすべきである。 一、政府は、給付型奨学金制度を継続的かつ安定的に運用できるよう、必要な財源の確保に努めるとともに、学資支給基金に対し個人及び企業等からの寄附が促進されるよう、教育資金に係る寄附文化の醸成に向けた広報活動や税制改正の検討に努めること。 二、高等教育機関へ進学を希望する者に対し、教育を受ける機会が均等に確保されるよう、給付対象の拡大及び給付額の増額に向けた検討に努めること。なお、大学院生に給付を行うことについても検討に努めること。 三、政府及び機構は、学生・生徒、保護者及び学校関係者等へ丁寧な説明を行い、貸与型奨学金制度を含めた奨学金制度全般の周知徹底に努めること。また、スカラシップアドバイザー事業(仮称)が十分な効果を発揮するよう、積極的な支援を行うこと。 四、政府は、各学校が推薦を行うに当たり、公平性・公正性が保たれ、生徒のプライバシーや名誉が守られるよう、各学校現場に対し必要な支援を行うこと。 五、国立大学に進学した者が授業料減免を受けた場合の「給付額の調整」による減額については、給付型奨学金制度の「進学の後押し」という制度趣旨が没却されないよう、受給者の経済事情等に十分配慮して行うこと。 六、給付を廃止し、又は返還をさせる場合については、その判断基準や具体的な実施方法をあらかじめ明確にするなど、学生が安心して学業に専念できるよう、慎重な運用を行うこと。 七、社会的養護を必要とする学生については、大学等への進学の準備のみならず、自立のための生活基盤を整える必要があることなどから、関係省庁が連携して支援方策の拡充等について特段の配慮を行うこと。 八、機構は、奨学金の申請手続について、奨学金を希望する者が申請しやすくするとともに、学校の事務負担を軽減する観点から、給付型・貸与型にかかわらず、その簡素化を進めること。 九、機構は、給付型奨学金制度の創設に伴い業務量の増加が見込まれる中においても同制度が円滑に実施されるよう、その体制の整備に万全を期すこと。 十、政府は、本法附則第四条による施行後五年の見直し時期以前であっても、必要に応じて給付型奨学金制度の在り方について検討を行い、必要があると認める場合には、早期に対応を図るよう努めること。また、見直しに際しては、検討過程に関係者の参画を図るとともに、情報公開の充実に努めること。 十一、教育を受ける機会を保障するという奨学金の制度趣旨に鑑みれば、貸与型奨学金制度は無利子であるべきことを踏まえ、有利子奨学金が事業費・貸与人数ともに無利子奨学金を上回っている現状を速やかに改善し、有利子から無利子への流れを更に加速すること。 十二、返還困難者の実情等に鑑み、平成二十九年度から導入される新たな所得連動返還型奨学金制度については、より柔軟な制度設計に向けた更なる制度の見直しを行うとともに、有利子奨学金への適用の検討を加速化し、その実現に努めること。また、既に返還を開始している者に対する返還猶予制度等の救済制度の利用促進及び改善に努めること。 十三、「経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約」において、我が国が平成二十四年に留保を撤回した「無償教育の漸進的な導入」の実現に向け、政府は、高等教育段階の無償化を視野に入れた教育費の負担軽減策に取り組むこと。 十四、我が国が引き続き成長・発展を持続するためには、未来への先行投資である教育の充実が何よりも重要であることに鑑み、政府は、給付型奨学金制度の創設を契機として、教育費負担の在り方について、地方公共団体、学校関係者及び企業等と一体となって検討を行い、国を挙げて次世代を担う人材の育成に努めること。 右決議する。 以上でございます。 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(赤池誠章君) ただいま斎藤君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(赤池誠章君) 全会一致と認めます。よって、斎藤君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、松野文部科学大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。松野文部科学大臣。
○国務大臣(松野博一君) ただいまの御決議につきましては、その御趣旨に十分留意をいたしまして対処してまいりたいと存じます。
○委員長(赤池誠章君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(赤池誠章君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(赤池誠章君) 次に、独立行政法人日本スポーツ振興センター法の一部を改正する法律案を議題といたします。 提出者衆議院文部科学委員長永岡桂子君から趣旨説明を聴取いたします。永岡衆議院文部科学委員長。
○衆議院議員(永岡桂子君) 独立行政法人日本スポーツ振興センター法の一部を改正する法律案につきまして、提案の趣旨及び内容について御説明申し上げます。 独立行政法人日本スポーツ振興センターが運営する災害共済給付制度は、幼稚園、小中学校、高等学校、認可保育所、認定こども園等の管理下で発生した児童生徒等の災害に対して給付を行うものであり、全国の約千七百万人の児童生徒等の万一の事故の際の安心にとって不可欠なものです。 専修学校高等課程については、職業に必要な能力の育成等を目的とする教育施設として、学校教育法上は高等学校と別に規定されているところですが、高等学校と同様に、学校保健安全法に基づく安全管理が行われていることに加え、中学校を卒業した者の進学先として、高等学校に準ずる教育活動を行っております。 また、平成二十八年度から、子ども・子育て支援の提供体制の充実を図るため、事業所内保育業務を目的とする施設の設置者に対して国が財政支援する企業主導型保育事業が開始されております。保育の受皿となる施設として企業主導型保育事業を安心して利用していくためには、施設の安全対策を促すとともに、事故が発生した場合の公的な補償制度が必要であります。 さらに、現在、認可外保育施設については、災害共済給付制度の対象外となっておりますが、国として認可外保育施設に対し、質が確保されております認可保育所等への移行を促進している中で、認可保育所等と同等の質を確保している施設も存在することと認識しております。 そこで、本案は、専修学校高等課程の管理下における生徒の災害について、災害共済給付の対象にするとともに、企業主導型保育施設及び一定の基準を満たす認可外保育施設の管理下における児童の災害について、当分の間、災害共済給付の対象にしようとするものであります。 なお、本案は、平成二十九年四月一日から施行することとしております。 以上が本案の趣旨及び内容であります。 何とぞ御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○委員長(赤池誠章君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 これより質疑に入ります。──別に御発言もないようですから、これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 独立行政法人日本スポーツ振興センター法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(赤池誠章君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 この際、斎藤君から発言を求められておりますので、これを許します。斎藤嘉隆君。
○斎藤嘉隆君 私は、ただいま可決されました独立行政法人日本スポーツ振興センター法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・こころ、民進党・新緑風会、公明党、日本維新の会及び希望の会(自由・社民)の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 独立行政法人日本スポーツ振興センター法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府及び関係者は、本法の施行に当たり、次の事項について特段の配慮をすべきである。 一、改正後の独立行政法人日本スポーツ振興センター法附則第八条第一項第二号及び第五号の規定による設備及び運営が認可保育所等に係る基準に準ずるものとして文部科学大臣及び厚生労働大臣が定める基準の設定に当たっては、認可外保育施設等における安全対策などにより一定の保育の質を確保しつつ、制度加入施設が拡大されるよう努めること。また、居宅訪問型保育事業、子育て援助活動支援事業、一時預かり事業、放課後児童健全育成事業を行う施設等についても、加入対象となるよう、引き続き検討を行うこと。 二、平成二十七年度から災害共済給付制度の加入対象となっている家庭的保育事業、小規模保育事業及び事業所内保育事業を行う施設の加入率が低迷していることから、施設の早期加入による子供の事故に対する公的補償の必要性が利用者から指摘されていることを踏まえ、加入対象である全ての施設が制度に加入するよう、制度の周知徹底に努めるとともに、年度途中であっても加入が可能となるよう、独立行政法人日本スポーツ振興センターの体制整備を前提として、制度の見直しを検討すること。 三、改正後の独立行政法人日本スポーツ振興センター法附則第八条第一項第二号及び第五号に規定する保育所、家庭的保育事業、小規模保育事業及び事業所内保育事業を行う施設に準ずる保育の質を確保している施設が加入から漏れることのないよう、制度の周知徹底と加入促進に努めること。また、認可外保育施設指導監督基準を満たしている施設についても、加入対象となるよう、引き続き検討を行うこと。 右決議する。 以上でございます。 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(赤池誠章君) ただいま斎藤君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(赤池誠章君) 全会一致と認めます。よって、斎藤君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、松野文部科学大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。松野文部科学大臣。
○国務大臣(松野博一君) ただいまの御決議につきましては、その御趣旨に十分留意をいたしまして対処してまいりたいと存じます。
○委員長(赤池誠章君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(赤池誠章君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時六分散会