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193回国会参議院2017/04/13

農林水産委員会 第8号

発言数
206
登壇者
18
会派数
7
開催日
2017/04/13

会議録

渡辺猛之自由民主党・こころ

○委員長(渡辺猛之君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。  農業機械化促進法を廃止する等の法律案及び主要農作物種子法を廃止する法律案の両案を一括して議題といたします。  本日は、参考人として秋田県農林水産部長佐藤博君及び龍谷大学経済学部教授西川芳昭君に御出席いただいております。  この際、参考人の皆様に一言御挨拶を申し上げます。  本日は、御多忙のところ本委員会に御出席をいただきまして、誠にありがとうございました。  ただいま議題となっております法律案につきまして、それぞれのお立場から忌憚のない御意見を賜りたいと存じますので、どうぞ今日はよろしくお願いをいたします。  本日の議事の進め方について御説明いたします。  まず、佐藤参考人、西川参考人の順序でお一人十五分程度で御意見をお述べいただき、その後、各委員の質疑にお答え願いたいと存じます。  なお、意見の陳述、質疑及び答弁のいずれも着席のままで結構でございますが、御発言の際は、その都度、委員長の許可を得ることとなっておりますので、よろしくお願いをいたします。  それでは、佐藤参考人からお願いをいたします。佐藤参考人。

佐藤博秋田県農林水産部長

○参考人(佐藤博君) おはようございます。秋田県の農林水産部長の佐藤でございます。  まずもって、参議院農林水産委員の先生方には、日頃から本県農林水産行政の推進に多大なる御支援と御協力をいただきまして、この場をお借りして厚く御礼申し上げたいと思います。  本日は、主要農作物種子法の廃止法案の審議に当たりまして、現場で種子の生産、流通を担っている県の立場から意見を申し上げたいと思います。  前段、本県農業の現状や振興方針等につきまして若干お話ししたいと思いますので、御了承願いたいと思います。  本県農業は、十二万四千ヘクタールの経営耕地面積で、約四万九千戸の農家が稲作を中心とした水田農業を営み、一千六百億円強の農業産出額を上げ、これまで我が国の主要な食糧供給基地としての役割を果たしてまいりました。しかしながら、農業産出額全体に占めます米の割合、これがかつては六割から七割、最近でも五割を超えておりまして、米に偏った生産構造となっていることから、今後の本県農業の持続的な発展を図るため、現在、園芸メガ団地や大規模畜産団地等の整備を全県展開するなど、複合型の生産構造への転換に向けた取組を集中的に進めているところでございます。  こうした取組の推進に当たっては、国の産地パワーアップ事業や、それからいわゆる畜産クラスター事業、さらには生産活動の基盤となります圃場整備事業等をフルに活用させていただいております。おかげさまで、平成二十七年の農業産出額が全ての作目で増加しまして、前年からの伸び率が全国のトップとなりまして、二十八年も更なる拡大を見込んでいるところでございます。引き続き、地域農業の構造改革を後押しするため、こうした事業の継続と予算確保をお願いしたいと思います。  一方、米につきましては、本県の基幹作物として、今後一層厳しくなります産地間競争に打ち勝っていかなければならないと考えておりまして、平成三十年以降の米政策の見直し後を見据えて、実需者、消費者との結び付きを強めながら、産地全体で販売を起点とした米作りに取り組んでいくこととし、現在、その指針となる県独自の新しい生産・販売戦略の策定を進めているところでございます。  御案内のとおり、本県は、広大な水田、台風や冷害といった災害の少ない気候、豊富な水資源を背景に、全国有数の米産県として安定生産、安定供給に取り組んできておりまして、二十八年産の食用米生産量はおよそ四十万トンで、北海道、新潟に次いで第三位となっております。  また、本県が開発しました主力品種のあきたこまち、デビューして三十三年目になりますが、これまで長きにわたりまして消費者や実需者の皆様から広範な御支持をいただいておりまして、そのブランド力は三十年をたった今でも健在であるというふうに思ってございます。全国的に業務用米が不足する中で、抜群の知名度と、食味が良く、値頃感があり、年間を通じて安定供給できるロットを有することから、最近改めて引き合いが強くなっておりまして、市場から需要に見合った供給をお願いされているところであります。  近年、全国各地で良食味米の開発、デビューが相次いでおります。そうした中で、本県でも、今、将来の秋田米のプライスリーダーとなる新しい品種の開発を急いでおりますが、それと同時に、今後の米作りに当たっては、中食、外食など年々増加する業務用需要に対し迅速かつ的確に対応していくことにより重きを置いた取組を進めることが極めて重要であるというふうに考えてございます。  こうした米作りの根幹を支えているのが品質の確かな種子の安定供給であります。水稲で申し上げますと、本県では、種子法及び関係通知等に基づきまして、ウルチ米では県が開発した七品種、それから他県、これは宮城県でございますけれども、開発されました二品種、それから酒造好適米とモチ米でそれぞれ二品種、計十三品種を奨励品種として採用し、原原種は農業試験場内で、原種は、近隣の農業法人の圃場を借り上げ、県の直轄の下、管理作業を当該法人に委託して生産を行っております。また、農家に供給される種子につきましては、県内十六か所、およそ七百ヘクタールの指定採種圃場で約三千トンの種子を生産、供給しております。  本県は、過去に種子生産圃場で異品種混入問題が発生したり、ばか苗病が多発したことを受けまして、原種圃場を現在地に移転するといった苦い経験を有しております。このため、現在では、例えば種子を生産する圃場だけでなく、半径五百メートル以内の周辺圃場についても防除基準を設定したり、また異品種混入リスクを回避するため水田クリーニングを実施するなど、県独自の厳格な基準の下で種子生産に取り組んでいるところでございます。  こうした中で、今般、農業競争力強化プログラムの一環として種子法廃止の話が出てきたわけでございますけれども、正直申し上げまして、現場とすれば唐突感が否めず、特に県内の農業団体や種子生産組合の方々からは、国も県も手を引くのか、これからどうなるのかといった不安の声が寄せられたことも事実であります。もとより、県とすれば、現在の体制を変更しなければならない必要性は特段感じておらず、県の産米改良協会と協議し、今の体制はしっかりと堅持するという考えを現場に早々にお伝えしたところで、現在はJA、農家ともおおむね冷静に受け止めているところでございます。  農家やJA等の現場にとっては、これまでと同じように良質な種子が安定的に供給されるかどうかが最大の関心事であります。米産県である本県としましては、種子法の存廃いかんにかかわらず、これまでと同様、産米改良協会と連携しながら優良種子を安定的に生産、供給していくことが県の責務であり、引き続き、普及指導員やJAの適切な指導体制の下で手を緩めずに取り組んでいく考えであります。  その一方で、仮に種子法が廃止され、原原種、原種の生産や奨励品種決定試験など県の義務がなくなるとすれば、これまで以上にマーケットの多様なニーズや生産現場からの要望にスピード感を持って柔軟に対応できる場面も出てくるのではないかと考えております。  具体的な検討はもちろんこれからになりますけれども、例えば本県では、豊田通商さんが扱っているしきゆたかという品種、これは収量も多くて売る先も決まっているということで、JAを含めて十一法人、約五十ヘクタールで今栽培されておりまして、今後更に拡大することが見込まれております。このしきゆたかのように、農家の所得向上に資するような民間品種につきましては、例えば簡易な現地適応試験をもって奨励品種にすることで迅速に県内普及を図ることが可能となります。  実は、豊田通商と農業法人とのマッチング、県が自らコーディネートしたものでございます。業務用は一定のロットが必要だということから、県がJAやそれから農業法人に声掛けをいたしまして、豊田通商さんに秋田に来てもらって説明会、商談会を開催したという経緯がございます。  また、主要な米産県においては、奨励品種の数の増加に伴いまして原種等の維持生産コストが掛かり増しになっていることから、複数の県で共通する奨励品種については、種子生産や備蓄を例えば各県が分担して行うといった言わば種子の分業体制を確立することで、効率的な原種供給を行うことも考えられるのではないかというふうに思ってございます。  更にもう一歩進めて、県と民間企業とがお互いの知見を持ち寄りながら、共同で新たな品種の開発を行うこともこれからは十分考えられるというふうに思ってございます。  今、生産現場では、平成三十年以降を見据えまして、新たな販路を開拓したり、それから中食・外食事業者と複数年契約を結んだりといった実需者と結び付きを強める動きが加速化してございます。その際、前段申し上げましたように、業務用需要にスピーディーに対応するということが一つ重要なポイントになってくるだろうというふうに考えております。  そうした観点から見ますと、県が全ての品種を自前で開発するのではなく、場合によっては他県や国の研究機関、民間が開発した品種を導入したり、これらの機関、団体と連携、共同して育種開発に取り組むといった柔軟な姿勢がこれまで以上に求められ、ひいてはそれが国内の米需要の維持、喚起にもつながるのではないかと考えております。  以上、種子法廃止の受け止め方、それから本県の対応等について述べてまいりましたけれども、法が廃止されること自体はそれほど大きな問題があるというふうには思ってございません。また、先ほど申し上げましたような新たな取組が促進される可能性もありますので、廃止という判断も理解できるものであるというふうに考えてございます。  しかしながら、優良種子の安定供給は農業生産の根幹であり、供給される種子の品質は農家の経営にとって何よりも重要でありますので、現場を預かる県といたしまして、廃止に当たり次の二点を申入れしたいというふうに思います。  一点目は、安定供給への対応についてであります。  今回の種子法廃止によって、間違っても全国的に不良な種子が生産されたり流通するといったようなことがないよう、国において、現行の種子法及び関係通知、これは基本要綱、運用等にあると思いますけれども、これの実質的な代わりとなりますガイドライン等を速やかに明示するなど、民間の種子を含めて流通する種子の品質保持に万全の措置を講じていただくことであります。  その際、種子の圃場審査や生産物審査など、今現在、都道府県が行っております審査の実態を踏まえまして、これまでの取組を生かす形で柔軟な運用ができる仕組みとしていただきたいというふうに思ってございます。  二点目が財政的な支援についてであります。  主要農作物種子の生産、供給においては、これは各都道府県が中心的な役割を果たしていることから、その業務に対する地方財政措置、いわゆる地方交付税ですね、これにつきまして法のあるなしにかかわらずこれからも継続していただき、万が一にも地方交付税が減額されるといったことのないよう強く申入れしたいというふうに思います。  あわせて、今後、国が提案しておりますような他県や民間企業と連携した取組、こうしたものの推進に対しまして、ソフト、ハード両面から助成制度を創設するよう要望しておきたいというふうに思います。  最後に、国においては、現場の無用の混乱を招かないよう、主要農作物の種子政策に関して、今後、拡充強化することはあっても決して手を引いたり弱体化するということはないと、こういうことを様々な機会を通じて現場に伝え、不安払拭に努めていただきたいというふうに思います。  本県としましては、種子法がもし仮に廃止された際には、それを一つの契機といたしまして、実需者、消費者から求められる米作り、それを支える優良種子の安定供給にこれまで以上に主体的に取り組んでいくことを改めて申し上げまして、私からの説明に代えさせていただきます。  どうもありがとうございました。

渡辺猛之自由民主党・こころ

○委員長(渡辺猛之君) どうもありがとうございました。  それでは、続きまして西川参考人にお願いいたします。西川参考人。

西川芳昭龍谷大学経済学部教授

○参考人(西川芳昭君) 御紹介いただきました龍谷大学経済学部の西川です。  今の佐藤参考人のお話は現場からの取組ということですが、私は一研究者として、種子のシステム、またその国際的な枠組みを背景としてお話をさせていただきたいと思います。  事務局の方の御許可をいただきまして、委員の先生方には資料をお手元にお届けしておりますので、それも参考にしてお聞きいただけたらと思います。  時間が十五分と限られている中で、一分間だけ私のことをお話しさせていただきますが、私は奈良県のタマネギの採種農家に生まれたんですけれども、昭和四十年代、採種が海外に移る中で、うちの事業というのは廃業したわけなんです。したがって、もう本当に子供の頃から採種事業というものの国際競争というものの厳しさというものをもう身をもって、要は家の収入が途絶えるわけですから、そのような身をもって育ってきました。  大学時代は、国の奨学金を得て、アメリカの農務省の遺伝資源導入プロジェクトにインターンとして派遣していただきまして、国の戦略物資としての種子というものの立場をこれも体感する形で経験させていただきました。  大学を卒業してからは、ルワンダの内戦復興後のプロジェクトでアメリカの国際開発庁の種子返還プロジェクト、又はJICAのエチオピアの小規模農民のための種子供給プロジェクト等に関わることを通して、良質な種子を安定的に供給することの大切さ、農民にとって、国民にとって、国の食料安全保障にとって非常に大切なことであるということを理論的にも、また体感的にも体験してまいりました。そのことの経験を通して、またこれまで農水省や農民の方たち、また市民の方たちから学ばせていただいたことを皆さんにお分かちしたいと思います。  本題に入らせていただきます。  基本的なメッセージは、種子は公共のものであるということです。誰か個人のものではない、又は特定の企業が所有するものではないということが基本的な主張になっています。人間にとっての種子の大切さ、そして人権として全ての人間、特に農家ですけれども、が種子にアクセスすることの権利というものが保障されるべきであると、このような考え方を支えてきた法律的なインフラの一つが種子法であるというふうに理解しております。  種子をこよなく愛した先人の言葉の中に、種子が消えれば、食べ物も消える、そして君もという言葉があります。これはベント・スコウマンという、世界で最後の種子庫を造る、世界で本当に種子がなくなった場合に最後のとりでとなる種子庫を造るのに尽力を尽くしたスウェーデンの方ですけれども。種が消えれば、食べ物が消えます、そこまでは分かると思います、農業をしている人なら誰でも分かることですけれども、そして君もということは、食べ物がなくなれば当然私たちも生きていけないわけですから、種子の大切さということをメッセージとして伝えている大切な言葉だと思います。  また、食料、農業に関する責任を持っています国連機関のFAOは、土壌、水、そして遺伝資源、すなわち種子ですけれども、これは農業と世界の食料安全保障の基盤を構成していると。この遺伝資源、種子は我々の配慮と保護に依存している資源であるというふうに書かれています。我々というのは、もちろん一人一人の人間でもありますけれども、企業も含めて様々な社会のプレーヤー、アクターが関わってこの保護に努めていかなければいけないというふうに考えています。  今回、種子法の廃止に当たりまして一部その規則を種苗法の中に取り込むというお話が出ておりますけれども、そもそも種子法と種苗法というのは目的が違っているというふうに私自身は理解しております。  種子法は、主要農作物の優良な種子の生産及び普及を促進することを国、自治体を含めて、責務又は義務として定めたものであります。一方で、種苗法は、新しい品種を開発した育成者の権利を守る、知的財産権を守ることを主たる目的とした法律でありますので、目的とするところが違うわけで、育成者の権利を守る法律のその要綱なりまたその実施事項の中に国の義務というふうなものを持ってくるということは非常に難しいと思います。何らかのそごが生じるというふうに考えます。  また、この種子法制定の歴史を振り返りますと、昭和二十七年、一九五二年の五月というのは、その前月、一九五二年の四月に日本がサンフランシスコ講和条約の発効に伴って主権を取り戻した、その時期です。この時期には多くの今の日本を支える法律が成立しておりますけれども、新しい日本をつくっていく、そのような動きの中で、農水省の官僚の方たち、当時の政治家の方たちが日本の将来の発展を目指してこの法律を制定されたというふうに私は思っております。  また、国連の人権宣言、第二次世界大戦の惨禍の後、これを繰り返さないために国際社会が人権宣言というものを発表しておりますが、これを具体化する規約、いわゆる社会権規約の中では、この締約国、日本も含めてですけれども、全ての者が飢餓から免れる基本的な権利を有すること、そしてそれぞれの国は食糧の生産、保存及び分配の方法を改善することということが決められております。日本の政府としても、これに従っていく必要があるかと思います。  具体的に、種子に関するシステムについてお話をさせていただきます。  これは品種開発後の話ですけれども、種子システムの研究の世界では、フォーマルなシステムとインフォーマルなシステムがあるというふうに言われています。フォーマルなシステムというのは、政府機関の管理の下に供給される主として改良品種の認証種子に関わる制度です。多くの場合、知的財産権と関係しますので、種苗法で管理されています。一方、インフォーマルな種子システムといいますのは、農家自身による採種や農家同士の交換による認証されない主に在来品種、固定種等の種子供給を担っています。これは、人類の歴史とともに始まっている制度というふうに言ってもいいかと思います。  種子法は、フォーマルなシステムの中に位置付けられるものではありますが、一般にフォーマルなシステムの中では知的財産権が強調されますので、企業、特に圧倒的な資金又は技術力を持つ多国籍企業が主たるプレーヤーとなることが多くなりますので、国が一定の管理又は介入をしなければ本当の意味での自由な取引というものができない可能性があります。その結果、フォーマルとインフォーマルのシステムが相互補完、連携することができなくなると思います。種子法があることによって、日本では世界的にも例外なグッドプラクティスとしてインフォーマルなシステムとフォーマルなシステムが連携しているというふうに考えています。  お配りしている図の中にあるんですけれども、インフォーマルなシステムというのは、どちらかというとそれぞれの地域の中で種子が循環しているシステムというふうに考えられます。フォーマルなシステムの場合は、そこから遺伝資源を取り出して、ジーンバンク等又は育種組織等、企業も含めましてですけれども、そこで改良品種を作り、その改良品種を条件的に恵まれた地域で商業的に生産する、そのような形で遺伝資源、種子が使われることになります。  この件に関しましても、民間企業が中心なプレーヤーとなりますと、条件不利な地域、日本の多くの中山間地等がそのような地域になるわけですけれども、こちらの方に優良な種子が安定的に供給されるということは非常に可能性が低くなるというふうに考えられます。一方、種子法の下では、先ほど佐藤参考人から費用が掛かるというお話がありましたけれども、あえて国から財政的な支援をすることによって、それぞれの地域に見合った品種をそれぞれの地域で循環させるというシステムが存立しているかと思います。  種子のシステム、今は品種を開発した後のシステムについてお話をしましたけれども、遺伝資源の管理という面では、実は最初に育種の素材、例えばある特定の病気に強い、又は、今話題になっているものですと地球温暖化に対して適応するような品種、このような遺伝子を持っている品種を探索すること、集めてくることから始まります。そして、それを研究機関で研究し、この研究機関は公的な研究機関もありますし民間企業もございます。それを、多くの場合は産業としての農業や、一番利潤が上がるのは薬品、製薬関係ですけれども、そういうところで利用される商業的な利用を通して利益を出していくという利用が非常に一般的なんですけれども、同時に、循環型の利用の仕方がありまして、日本の国内で、例えば米の場合ですと、農林水産省の研究施設それから都道府県の研究施設で品種を開発し、それをそれぞれの地域に返していく。その際に、多様な関係者、農家、自治体、農協、その多様な関係者が参加できるシステムを形成しております。そのことによって、フォーマルとインフォーマルというものを結び付けているシステムが存在しているわけなんですけれども、繰り返しになりますが、種子法がこのシステムを下支えしているということです。  ちなみに、種子が戦略資源であるということは、私たち研究者にとっては当たり前のことなんですけれども、なかなか日本の一般の市民の方々、御存じない場合があります。一九八二年まで遡って、NHKがドキュメンタリーを作成しておりまして、「一粒の種子が世界を変える」というふうなドキュメンタリーを作成しております。種子をめぐる世界で何が起こっているのかを描いて、また日本人にとって、人類にとっていかに重要かを検証したものです。  また、その十年後には、カナダの政府系の財団の支援を受けて、ムーニーという人が「種子は誰のもの 地球の遺伝資源を考える」という本を書いておりますけれども、この本のメッセージは、種子は人類共有の財産であり、私物ではないという著者からのメッセージというものを訴えております。ちなみに、この本は、翻訳は当時の農林省種苗課の審査官御自身が翻訳をされています。当時の農林省の意気込みといいましょうか、種子に対する意識がかいま見られるかと思います。  今現在、種子に関して三つの主要な条約がありますけれども、生物多様性条約、それから食料及び農業のための植物遺伝資源に関する国際条約、植物の新品種の保護に関する国際条約というのがございます。時間が来ておりますので細かい説明は省略しますけれども……(発言する者あり)あと三分ありますけれども、ちょっと結論まで持っていくのに、済みません、ありがとうございます。  最後の、植物の新品種の保護に関する国際条約は、品種の育成振興、再三申し上げておりますけれども、知的財産権を保護するため、これは実は育成者権が強くなり過ぎることから、国の主権や国民の生活に良いことではないと判断している国が多くて、今も六十数か国しか締結しておりません。植物遺伝資源条約が百三十か国、生物多様性条約が百九十か国ということと比べまして圧倒的に不人気な条約で、これは、企業に種子の生産を任せるということがやはり国にとって非常に不安定な要因を招きかねないという懸念が、各国が認識しているという一つの間接的な証拠だと思います。こういうふうな状況の中で、種子法というのは、先ほどから繰り返していますけれども、フォーマルなシステムとインフォーマルなシステムを結ぶ画期的な、先進的なものだと思います。  なぜ企業が種子にそれほどこだわるのかということですけれども、当然、種子を制する者は世界を制するというのは現在の常識になっていまして、資本による農業の包摂のための礎石として企業が入っております。ただ同時に、繰り返しになりますが、種子は食料、農業の持続的な社会的管理の根幹の部分に当たるものですので、このことを忘れていては、種子の管理というものは、政府の役割を果たすことができないと思います。また、生産者ニーズ、消費者ニーズの具現化ということも必要ですけれども、これは企業だけができることではなく、政府の管理の下に各プレーヤー、各アクターが協力して行うことが望ましいと思います。  企業は、特許は必要な費用を回収する上で必要ですし、技術革新を促進する目的もある、ビジネスでは当然対価が支払われなければいけないということを言っていますけれども、それは当然のことなんですけれども、企業と実際の実需者、日本の場合ですと小規模な農家が多いわけですけれども、圧倒的な力の差があります。この場合、企業の参入を、イコールフッティングという言葉の下に参入を促しますと、ある意味では排除の論理が働くことになります。  現在、国際的な枠組みであります持続可能な開発目標においては、包摂、様々なアクターが開発のプロセスに参加することが求められており、日本国政府もその基準に従って戦略を作っております。国家がやるべきことは、企業に形式的なイコールフッティングを与えるのではなく、実際のその企業の暴走を制御すること、そのことが役割だと思っております。  国民と食料の関係を表す言葉には、食料安全保障という言葉と食料主権という言葉がございます。食料安全保障は、皆さんよく御存じのように食料を確保していくことですけれども、食料主権は、国家国民や農民が自主的に食料に関わる意思決定を行う権利というふうに定義されています。簡単に言いますと、国、地域又はそのコミュニティー、自治体レベル又は市町村レベルですけれども、その地域で何を作り何を食べるかという自律を保つことを決定する権利です。これは、国の主権、国民の主権に基づく概念だと思います。  今、国の農業の競争力を強化する、このこと自体は非常に大切なことだというふうに考えますが、産業的な農業、競争力のある農業を保つためには多様な農家が参加できるシステムをつくる必要があると思います。その多様な農家が参加するためには、やはり今現在のシステムの中にある都道府県の普及のシステム、奨励品種のシステム、そのようなシステムによって、誰でもが良質な種子を安定した形でアクセスすることができるという、このシステムを継続することが必要だと思います。もし、そのシステムがなく、多様な農家の参画するシステムが確保されないのであれば、その多様なシステムというのは池のようなものだと考えます。そして、産業競争力のある農業というのは、その池に浮かんでいるボートのようなものだというふうに考えます。ボートだけを生かそうと思っても、池が干上がってしまっては日本の農業の将来はないというふうに考えていますので、その将来を支えている種子法を廃止する法案に関しては、私自身はかなり大きな問題を、大きな禍根を残すのではないかというふうに考えております。  ありがとうございました。

渡辺猛之自由民主党・こころ

○委員長(渡辺猛之君) どうもありがとうございました。  以上で参考人からの意見の聴取は終わりました。  これより参考人に対する質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

進藤金日子自由民主党・こころ

○進藤金日子君 自由民主党の進藤金日子でございます。  お二人の参考人の方々から御意見、貴重な御意見を賜りました。本当に感謝を申し上げたいと思います。  冒頭、私の方から確認をさせていただきたいのですけれども、食糧の安定供給というのはこれ国の責務であります。一方で、この種子法というのは、御案内のとおり、米、麦、大豆、いわゆる主要農作物の種子の生産、生産に関して、都道府県に種子生産圃場の指定だとか圃場審査、生産物検査、あるいは審査証明書の交付などを義務付けているわけであります。一方で、種子の品種開発の方は、国、地方公共団体、民間企業等で広く行われているわけですが、これは種苗法によって品種登録されて知的財産権として保護されているということであります。ここの混同をされると少し議論がかみ合わなくなると思いますから、ここをしっかりと押さえておく必要があるんだろうというふうに思います。  今回の種子法の廃止によりまして、この種子の生産に関する都道府県の義務がなくなるということであります。従来の取組については、先ほど佐藤参考人の方からございましたけれども、これは都道府県が自主的に行っていくということになるわけであります。そういった中で、まず佐藤参考人にお尋ねしたいと思います。  種子法廃止によりまして、これは確認という意味で、御意見の中で随分おっしゃられたことあると思いますが、改めて確認という趣旨で質問をさせていただきたいと思うんですが、この種子法の廃止によりまして、一般的に、種子生産に関して都道府県に対する義務がなくなれば、従来と比較して都道府県の種子生産に対する取組が後退する懸念、これは秋田の方からもいろいろあったというふうにお伺いしましたが、実際そういう懸念があるんだろうと思います。これに対しては本当にどのようにお考えか、明確にお答えいただければと思います。

佐藤博秋田県農林水産部長

○参考人(佐藤博君) まず、稲、麦、大豆の主要農作物、これは本県の基幹作物でありまして、その生産を支えておりますこの種子、この生産業務から県が手を引く、取組が後退するということはこれはあり得ません。そもそも、本県の農業振興、これのもう根本に関わることでございますので、それはあり得ないということをしっかりと申し上げておきたいと思います。  法の存廃に関わらず、県が直接行っておりますこの原種、原原種の生産も、それから産米改良協会と行っております、連携しながら行っております一般種子の生産につきましても、これまで同様取り組んでいく考えでございまして、安定供給にこの後支障を来すということはないというふうに思ってございます。

進藤金日子自由民主党・こころ

○進藤金日子君 ありがとうございました。  今はもう基幹作物、秋田は米でございますから、少なくともこの秋田県においては、種子法廃止で義務がなくなってもこれはもうしっかりと種子生産に対応していくということが明言されたところでございます。  実は私も県での勤務経験ありますが、これ、各県の農林水産担当部局って真剣勝負でやっています、やはり地域の産業を守るという視点で。今回の種子法の義務を外されたら県がやらなくなるんじゃないかと、私は、県の方々、本当にその辺については極めて遺憾に思っているところがあるんだろうというふうに思うわけです。私は、どの県においても責任持ってやっておられますから、現実的には責任持って、この種子法の廃止で従来の取組後退するなんということはないように頑張っていくんだろうなというふうに私自身も感じているところでございます。  引き続き、あと、佐藤参考人、ちょっと深掘りしまして、種子法の廃止によりまして、都道府県の義務、これなくなるわけですが、今度はそうなると、どうしても、やろうという意思はあるんだけれども、根拠法がなくなりますから体制が弱体化したりして、こういった中で主要農作物の安定的な種子供給に支障が出るんじゃないかという声もこれあるわけですけれども、これちょっと重なるかもしれません、これについてあえてまたお答えいただければと思います。

佐藤博秋田県農林水産部長

○参考人(佐藤博君) 従来から、まず、県が開発した品種等々、奨励品種等ですね、こうしたものについてはきっちり原種、原原種生産も行って、一般種子につきましては種子組合を中心にして生産、供給してもらっています。全体の需給、当然これは、種子といえどもこれは農作物でございますので、足りなくなるという面から見ますと、例えば、新しい品種が出た場合に、当初の見込みよりも生産現場の方で作付けが拡大すると。それから、逆に、生産を予定していた一般採種圃でなぜか災害が起こった、若しくは病気が起こったと、ないようにはしてございますけれども、これはやっぱり作物でございますので分からないと、そういった需給の過不足というのは当然これは想定されることでございます。  本県にあっては、種子、産米改良協会と一緒になりまして、まず二月に翌年の要するに年間の需給をしっかりとこれを計画を立てまして、それに基づきまして、一般の採種圃の方に計画、圃場の認定も含めてしっかりと計画を提示しながら、計画的に生産をしてもらうと。途中途中で必ず需要と供給の方のバランスが崩れないかということをアンテナを高くして、定期的にそういった情報交換を行いながら全体の調整を図っているというふうなことでございまして、これにつきましても、この後引き続きしっかりと取り組んでいきたいと。  また、この後、県の奨励品種にする云々にかかわらず、民間の種子等々、それから他県の種子等ありますので、そういったものも種子の供給につきましては今手を着けてございませんけれども、そういったものの需給につきましても産米改良協会を中心にして、できるだけ県内でしっかりとその需給が図れるような形で取り組んでいくというふうなことでございます。

進藤金日子自由民主党・こころ

○進藤金日子君 本当にありがとうございます。  本当に県の責任者として、しっかりとしたこの前向きな御回答をいただきまして、本当にありがとうございます。  次に、西川参考人にお尋ねしたいと思います。  西川参考人の三ページの資料ございますけれども、種子に関するシステムとはということがございます。ここで、フォーマルのところというのは、これは種苗法で管理ということですが、これはむしろ種子開発と管理の部分、これ、知的財産権保護されてきますから、そういった面での種苗法の範疇、ところが、この種子法のところがこの中に見えてこないわけですね。種子法というのは生産ですから、開発あっての生産、そこの生産の部分に権利義務を掛けているということですから、むしろ、このインフォーマルのところを農家自身による取引、書いていますが、このフォーマルのところはむしろ種苗法であって、インフォーマルとフォーマルの間の中に、生産で県がしっかりと義務を課している、負っているということではないのかなと。  このフォーマルの中に種子法を入れていくというのはいかがなものかなという気も、あるいはインフォーマルの中に種子法を入れていくというのも少しちょっといかがなものかなという気がするので、その辺についてはいかがでしょうか。

西川芳昭龍谷大学経済学部教授

○参考人(西川芳昭君) 御質問ありがとうございます。  まさに、今おっしゃいましたように、種子法の位置付けがフォーマルでもなくインフォーマルでもない、ここの連携の部分を明確に法律で定めているところに日本のシステムの独特の部分があって、これがグッドプラクティスだというふうに申し上げております。種苗法が品種改良であり、種子の増産供給が種子法であるという区別は理解しております。

進藤金日子自由民主党・こころ

○進藤金日子君 法律で義務を課しているからこの中で連携しているということ、これは戦後はあったのかもしれません。しかしながら、今は、佐藤参考人言われましたように、むしろ、その義務を外してもしっかり連携していくということを言われているわけですから、むしろ発展的にということを言っていますので、この辺についてはもう少し深く、先生言われること、よく理解できるんですが、その辺についてもまた深めていく必要があるのかなという気がいたします。  一方で、この種子法廃止によりまして、都道府県の種子生産に関する義務がなくなるわけですが、この米、麦、大豆の種子生産は都道府県が自主的に行うことになるわけです。これに関する懸念なり問題点、西川参考人、何かありましたら教えていただければと思います。

西川芳昭龍谷大学経済学部教授

○参考人(西川芳昭君) ありがとうございます。  先ほども一部出てきましたけれども、県のそれぞれの取組というふうになりますと、やはり財政的な根拠、現在様々な種子増殖に関する資金的な裏付けというのはこの種子法が根拠になっておりますので、やはり各都道府県、もちろん秋田県のような農業県では最大限の努力をされると思いますけれども、やはり根拠法が後ろにあるのとないのとでは異なっているというふうに思います。  一例を挙げますと、例えば平成五年、六年のあの冷害のときなどは、例えばその時期に普及しましたかけはしという品種がありますけれども、この品種などは、当該年度の二月の時点で種が足りないということになったときに、岩手県から沖縄県に申し入れて、沖縄県の協力を得て、岩手県の普及員が現地に行って指導する。沖縄県の普及員が岩手県の品種のことは分からないわけですよね。そういうふうなことを実際に実施するときに、それは国の機関である農水省が間に入って行われた、このようなすばらしいシステムがあったと思います。これが、種子法がなくなることによってこのような連携がスムーズにいくかどうか。もちろん最大限の努力、県のネットワークもあると思います、されるとは思いますけれども、やはりこういうソフトのインフラである法律というものは残した方がいいと私は考えております。

進藤金日子自由民主党・こころ

○進藤金日子君 ありがとうございます。  各県連携のシステムのところ、これは種子法で担保されているわけではなくて、そこは今県の中で自主的に農水省あるいは農研機構、これは連携してやっているんだろうというふうに思うわけですので、その辺については余り種子法の廃止とは直接的には関連はないのかなという気はしておりますが、そこはまた注意していく必要があるんだろうというふうに思います。  次に、佐藤参考人にお尋ねしたいと思います。  今、西川参考人の方からも財政的な話がございました。これは、種子法が廃止されても国は種子生産に関して引き続き従来どおり地方財政措置、これしっかりやるんだということを委員会の場でも答弁いただいているわけですけれども、これは佐藤参考人の方からも先ほど強い申入れがございました。  ところで、現在県で行っている種子生産に関して、種子法による義務だからやっているという意識、本当、職員の方あるんでしょうかということを一点と、それから、県の中の財政部局だとか総務部局との折衝で種子生産に関する予算とか人員、これやると思いますが、現実的に種子法に基づく義務だからという理屈、いわゆるそれを種子法の根拠にして予算とか人員を確保しているのかどうか、そこを教えていただければと思います。

佐藤博秋田県農林水産部長

○参考人(佐藤博君) 結論から申し上げまして、まずそれは実質的にはないですね。当然、県の予算査定、担当から順番に、財政課長調整、査定、それから総務部長調整、最後に知事査定という形で段取りを踏んでいきますけれども、担当レベルの提出資料の中には、国もそうでしょうけれども、もう相当の資料、事細かにいろんな資料がありますので、そうした中に主要農産物種子法と、これが根拠になった法律ですよというふうな、そういう記載は多分あろうかと思います。  予算のことに関しまして様々巷間言われておりますけれども、まず、県の財政が厳しい中で、不要不急の予算、これは当然おのずと削減されることでありますし、それから少ない経費で最大の効果を求められると、これもまた当然のことでございます。農業県秋田で、しかもこの基幹作物の米等の品種の例えば開発ですとか種子の生産に関わるものが、予算が、少なくともこの法の廃止をもって削減されるですとか後退するということはまずあり得ないですし、当県の知事はそういうことはしないというふうに申し上げておきたいというふうに思ってございます。

進藤金日子自由民主党・こころ

○進藤金日子君 ありがとうございます。  今、佐藤参考人の発言の中で、やはりこれ種子法が制定されてからもうこれ六十年以上たつわけでありますから、ほとんどもう義務化しなくても定着しているというふうに私は認識していいのかなと今の御意見聞いて感じたわけでございますが、一方で、外食、中食、業務用のお話しされました。これ、今度輸出米ということも出てくるんだろうというふうに思います。  その中で、佐藤参考人、民間との連携でこれから伸ばしていくんだということも先ほど御意見の中で言われておりましたけれども、今後、種子法が廃止されてから、いわゆるそういう意味では縛りがなくなってくるところあるんですが、民間との連携というところについてどのような展望をお持ちなのか、この御意見をいただければと思います。

佐藤博秋田県農林水産部長

○参考人(佐藤博君) 輸出というお話がございましたけれども、例えばその業務用への対応ですとか輸出への対応、特に、平成三十年問題を今控えまして、現場では需要に応じた生産ということで、特に本県がそういう課題を持っているせいかどうか分かりませんけれども、いずれこれまでの家庭食中心から、当然今三割、四割と言われている業務用、これが拡大するわけでございますので、こちらの方により重きを置いた対応というのがこれから多分産地の方で求められてくるだろうと。  そうした場合に、民間が例えばそういった食のトレンドですとか消費者、実需者のニーズをいち早くつかまえている、それから場合によってはその出口の実需者をセットで種子の販売と産地の方に提案してくると。こういう、どちらかといいますと我々行政サイドなり場合によっては農業団体の方でも少し手薄な部分、要するに民間の得意な分野、こういったものを何とかこの農業の所得拡大に生かしていければなという、こういう思いがございます。  そうした中で、基本的にこれからも本県では県が開発した品種、これがまず主体になる、これは間違いございませんけれども、様々なニーズの変化はございますし、その変化が非常に激しくなってございますので、そういったものにいち早くスピーディーに対応するとすれば、こうした民間の種子を取り入れるですとか、それから一緒にそうした需要に合った品種を開発していくと。今日明日云々という話ではございませんけれども、そういったことというのは我々も考えていかなきゃいけないし、そういった戦略がこれから多分県の方にも求められてくるだろうと。  それを実現することによってやはり農家の所得向上につなげていくというのが、今こういった米の情勢が非常に目まぐるしく変わっている中で、県なりに求められている一つの姿勢でないかなというふうに私は思ってございます。

渡辺猛之自由民主党・こころ

○委員長(渡辺猛之君) 時間が参りましたので、おまとめください。

進藤金日子自由民主党・こころ

○進藤金日子君 時間が参りましたので、本当にお二人の参考人の方々、貴重な御意見ありがとうございました。特に佐藤参考人、民間の参入も含めて前向きな展望をお示しいただきまして、本当にありがとうございました。  私の質問を終えさせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。

小川勝也民進党・新緑風会

○小川勝也君 民進党・新緑風会の小川勝也でございます。私、北海道選出でございます。  今日は、両参考人、ありがとうございました。特に佐藤参考人からは、米どころでもあります秋田県の農政全般をお示しいただいた後、今回のこの廃止法案に対する考えを述べていただきました。私なりに受け止めさせていただいたのは、主要農産物種子法が廃止された後にも、今まで取り組んできた主要農産物の種子に対するしっかりとした対策、対応をしていくという決意を伺ったというふうに私は受け止めさせていただいております。  しかしながら、秋田県の方は大体人がいい人が多いものですから、受け止めが少し優しいなというふうに思っています。  この法案がなぜ廃止されるのかということであります。農業競争力強化プログラムの決定の一部を読ませていただきますと、地方公共団体中心のシステムで、民間の品種開発意欲を阻害している主要農産物種子法は廃止する、こう書いてあるんですね。ですから、いわゆる阻害しているので、民間が参入をする、させるために廃止をするわけでありますので、例えば佐藤参考人は、この種子法が廃止された後も交付税さえあれば県は頑張っていきますよと、こういう意欲を示されましたけれども、政府はこの根拠法がなくなれば都道府県に対する地方交付税を削減する理由を得るわけでありますので、民間が参入しやすくなるようにこの法案を廃止することにのっとって正しい行政を実施するということは、県がやる部分を減らして民間がやれというのが農林水産省の指導になってくるわけであります。  この若干意地悪な質問でありますけれども、そのことに対する佐藤参考人の受け止めはいかがでしょうか。

佐藤博秋田県農林水産部長

○参考人(佐藤博君) 済みません、ちょっと質問の御趣旨がなかなか理解できないんですけど、難しくてですね。  民間の種子が、例えば、今現在余り、まあほとんどと言った方がいいかもしれませんね、奨励品種に採用されていないというふうなこの理由、様々あろうかと思います。いろんな要素が複雑に複層的に絡んでいることだと思いますけれども、私が考えるに、大きく分けて三つぐらいあるんではないかなと思いますね。  一つは、県にとって、農家にとってこれまで、これまでといいますか、有益なそういった品種、例えばさっき私が説明で申し上げましたような豊田通商のしきゆたかみたいな、ああいった極めて多収で、そういった品種、従来の品種に比べて収量ですとか食味とかそういう面で著しい有利性を有する品種が奨励品種となるわけでございますけれども、そういった候補になるようなものがそもそもなかったということもかつてはあったと思います。最近出てきたというのが我々の印象でございます。まずそれが一点でございます。品種自体があったかどうかという話ですね。  それと二点目は、これまで、今までは、今ほど、何といいますか、マーケットのいろんなニーズが細分化、多様化しておらず、県としても県の農業振興方針なり気象、立地条件に合った、そういった実情に応じたものを踏まえながら自ら開発した品種で十分事足りていたということで、民間の品種を積極的に採用する必要性に乏しかったと、かつては。まあ今は違うと私は思いますけどね。これがまず二つ目。要するに、取り巻く情勢がかつてと今では違うだろうなと。これが二つ目でございます。  もう一点が、三点目として、県に対してその奨励品種の決定試験ですとか原原種の生産を義務付けている一方、仮に優れた民間品種があったとしても、県にその採用を申請するような、そういったシステムといいますか、そういった形になっておりませんので、言わば民間品種を県の奨励品種に位置付けるよう積極的に普及するということが果たして制度上想定されていたのかなというふうな気もしてございます。私どもの意識も問題もあると思いますけれども、少なくとも県から見ると想定しづらいといいますか、そういったこともなかなか普及しないということがあったのではないかなというふうに思ってございます。  先生の御質問に対する御答弁になっておるのかどうか分かりませんけれども、そのように考えてございまして、やはり制度的な面も心理的な面も含めて、意識する意識しないにかかわらず、やっぱりこの法律では、県が品種開発から原原種、原種の生産、そして一般種子へ、そして生産されたもののマーケティング、流通、販売対策も含めて、やっぱり一気通貫でやるような法制度といいますか、制度というふうに県の方ではやっぱりどうしても認識せざるを得ないような形になっているのではないかなというふうに思ってございます。

小川勝也民進党・新緑風会

○小川勝也君 この法案の廃止は、民間が主体的に、いわゆる主要農産物の種子の世界にも参入するということが明確に書かれているわけであります。  次は西川参考人にお伺いをしたいというふうに思いますけれども、今、県の農政の御担当から、今までの主要農産物種子法で問題はなかったというふうに発言を私は伺ったというふうに考えております。なのに、今国会の主要農産物種子法は、修正でもなく改正でもなく廃止。これは、政府のどういう意図を持ってこの主要農産物種子法を廃止するというふうになったと類推、拝察されるのか、西川参考人のお立場でお答えをいただきたいと思います。

西川芳昭龍谷大学経済学部教授

○参考人(西川芳昭君) 類推、知る限りにおいての回答になるんですけど、やはり今回の全体が農業競争力強化支援法との関連においてといいますか、その枠組みの中での議論ですので、やはり外資の導入というふうなことが背景にあるということは推察されるかと思います。しかも、ピンポイントで、農業のいろんな生産資材の中で、ほかの部分でももちろん議論されていますが、種子法の廃止に関しては、主要作物の種子の生産の部分にピンポイントで外資が参入できるということが意識されているということは、やはり国民としては非常に懸念されると思います。  実際、一九八六年以降の種子法では、その通達で、奨励品種にしましても、いろんな制度は民間の参入を決して拒んではおりませんので、先ほど佐藤参考人がおっしゃったように、今までの制度で何の問題もなかったと、たまたま民間が入ってこなかっただけだというふうなことなので、この背景にあるのは、やはり特定の種子という分野に、外国の企業を含めて、多国籍企業を念頭に置いて参入を促進したいという意図があるというふうに推測しております。あくまでも推測であります。

小川勝也民進党・新緑風会

○小川勝也君 私も家庭菜園をやっておりまして、園芸ショップで買ってきた種を見ますと、外国で生産された種子が当然あります。それから、当然のことながら、主要農産物以外の種子はほとんど民間が作っているわけであります。なのに、この主要農産物というふうに書かれていることに私は意義があるんだというふうに思います。いわゆる稲、大豆、麦、この主要という言葉に非常に大事な意味がこもっているということを含めて、この主要農産物の種子、それからそれ以外の種子、あるいは国、県、民間の役割、このことについてどのように整理をしたらいいのか、改めて西川参考人の所見をお伺いをしたいというふうに思いますが。

西川芳昭龍谷大学経済学部教授

○参考人(西川芳昭君) ありがとうございます。  おっしゃいましたように、主要農作物というところが係っていることが非常に重要だと思います。私たち一人一人の国民にとって、食べていくことができるこの種子の確保を、増殖を国が責任を持って県に義務を課し、それぞれの地域に合ったものを生産するということを保障していると。これが園芸作物であれば、もしかすれば、今年はバラの花を見ないで過ごそうと、そういうこともあり得ると思います。ただ、米、麦、大豆に関してそのようなことを私たちはできないわけです。  実際、例えば民間参入の最も進んでいると考えられるアメリカ等におきましても、主要な作物の品種開発及び増殖に関しては、州立大学、州の農業試験場等々ですね、公立の機関、パブリックドメインというような形で遺伝資源の場合言いますけれども、公的な機関の中にある分野が、主要な作物、それぞれの国にとって大切な作物は責任を持っております。もちろん、民間参入を拒んではいません、比率としては六割、七割というようなところが公的なものですけれども。したがって、私たちの国の場合でも、やはり、国、県等、公共的な組織が主要作物に関しては責任を持っていくべきだと思います。  一方で、民間も当然活力を生かしていくことができると思いますし、種子の生産に特化して種子法を廃止しなくても、生産物の加工とか流通とか、そういうところで現在も民間はいろんな場で活躍していますし、長くなって申し訳ありません、あと三十秒だけあれですけれども、例えば大分県に「いいちこ」という焼酎を造っている会社がありますけれども、下町のナポレオンと言いながら、あの焼酎は一〇〇%オーストラリアからの輸入の大麦を使っていますけれども、あの会社はニシノホシという純国産の大麦を使った焼酎を造っているんです。これは、旧農水省の九州農業試験場が、蒸留用に最も優れた品種で大分県の宇佐平野に適した品種を開発し、大分県がそれを奨励して、結果として「いいちこ」が市場価格よりも高い価格で買い入れた形で市場に流していると、こういう形での国、県、民間の連携というのは現時点での種子法の下でもできたわけで、種子法が民間のいろんな形、民間の活力の参入を阻止、阻んでいるというふうに私は考えておりませんので、国と県、それから民間の役割の分担というのは、今後とも、その時代に合ったものを作っていく必要はあると思いますが、廃止をする必要はないというふうに考えております。

小川勝也民進党・新緑風会

○小川勝也君 続いて、西川参考人に教えていただきたいんですが、私は少し疑り深い性格でありまして、民間企業というのはこれ営利企業でありますので、いわゆる種子をめぐってマーケットを確立したら、利潤を上げようと思います。そうしますと、種子の値段を上げる可能性があります。それから、リスクの一端では、その種子をしっかり押さえている企業が倒産をすることもあります。それから、その種子をしっかり押さえている国内メーカーが海外の企業に買収されるリスクがある、これも否めないというふうに思います。  ですから、主要農産物に限ってこの種子法が存在していると私は理解しているわけでありますけれども、私の考えるこのリスクについて、西川参考人の御所見をお伺いしたいと思います。

西川芳昭龍谷大学経済学部教授

○参考人(西川芳昭君) まず、価格面ですけれども、今でも民間の育種の品種というものの種子の価格が非常に高くなっております。農水省自身が出されておる数字でも三倍とか五倍とか、そういうふうな形に、みつひかりとかですね、そういう品種で出しておりますので、今後、民間になると、種子の値段というのは非常に不安定になる、高くなる一方ではないと思いますが、不安定になるということを考えております。  それから、外資が入ってくる又は日本の企業が外資に買収されるというようなことになりますと、先ほども言いましたけれども、私たち国民が国家に委ねている遺伝資源が海外に流出する、それは私たちの、米、麦、大豆というのは私たちの生活の根幹に関わる、日本は資源が少ない国ですけれども、生物資源、特に稲の資源に関しては非常に豊かな、世界でも最も豊かな国の一つなんですけれども、これが流出するという危険性というのは私は非常に意識しておりますので、やはり種子法は、どういうんでしょう、このリスクから守る一つの手だてとなっているというふうに考えます。

小川勝也民進党・新緑風会

○小川勝也君 国会が、私たちがだらしないおかげでこの種子法がなくなるわけでありますので、大変残念な思いでいっぱいであります。しかし、佐藤参考人からは、この主要農産物種子法が廃止されても県はしっかりやることをやるんだという決意を伺ったことで、少し気持ちが、若干でありますけれども、明るくなりました。  先ほど、意地悪な質問もさせていただきましたけれども、私たちは、秋田県やそれ以外の県がこれまでと同じ取組をすることを精いっぱい立法府として応援をさせていただきたいというふうに思っています。  最後に、佐藤参考人の決意と国会や政府に対する要望を改めてお伺いをさせていただいて、私の質問を終わらせていただきたいと思います。

佐藤博秋田県農林水産部長

○参考人(佐藤博君) 先ほどから申し上げておりますように、これは多分、本県だけではなくて、先生の地元の北海道でも同じだと思います。少なくとも稲、麦、大豆、主要農産物を地域の基幹作物として振興している都道府県であれば、この法律が廃止された後もしっかり対応していくということで、これは多分どこの県も同じであろうと思ってございますし、当県でもしっかりと対応していきたいと。  それから、先ほど委員からの御質問の中で、何かこれ、今のままでいいんだというふうなことの答弁があったというふうに先生がまとめられましたけれども、かつてはそうだったかもしれない、今ほど、そういった、何といいますか、新しいニーズに応えていく、いろんな変化の激しいニーズに応えていくということが求められている時代はないので、でもって、これまではよかったけれども、これから、じゃ、果たして、この法律が悪者とは言いませんけれども、これがあることによってそういったものがもしブレーキが掛かるようであれば、それは制度的に、若しくは都道府県職員の心理的、気持ちの面も含めてあれば、それはやはり廃止してしかるべきではないかなというふうに思ってございます。  そういうことでございますので、よろしくお願いします。

竹谷とし子公明党

○竹谷とし子君 公明党の竹谷とし子でございます。  本日は、佐藤博参考人そして西川芳昭参考人に大変貴重なお話を伺うことができました。まずは心から感謝を申し上げたいと思います。両参考人、本当にありがとうございます。御苦労さまでございます。  今回の主要農作物種子法を廃止する法律案につきまして、農水省は、農業の戦略物資である種子について、多様なニーズに対応する、そのために民間ノウハウも活用して品種の開発を強力に進める必要があるというふうにうたっております。  私、食料の自給率というものが低下をしてきていることに非常に懸念を持っております。種子を守るということも当然重要なことではございますが、種子を守っている間に日本の食料の市場が外国産品に奪われているということになっては本末転倒であると思います。日本の農業生産がしっかりと日本市場また海外の市場に向き合っていく、そのためには、その市場のニーズというものをしっかりと踏まえた上で、それを生産の戦略、計画に組み込んでいく必要があるというふうに思っております。  その意味で、まさに県の農林水産部長として農林行政に中心となって取り組んでおられる佐藤参考人のお話に大変感銘を受け共感をしたところでございますが、今、多様なニーズというものがある、それはどんなニーズを感じておられるか、生産現場で市場を見たときにどんなニーズがあると感じておられるかということを伺いたいことと、また公的機関だけではその多様なニーズに対応できない理由というものを教えていただければ幸いでございます。

佐藤博秋田県農林水産部長

○参考人(佐藤博君) 今、市場の方では特に、これまで家庭食が中心でございましたけれども、毎年八万トンずつ主食用が減っていく中で、そうした中でも、業務用米、これまで三割ぐらいのシェアだったはずでございますけれども、これが四割、これから五割というふうに拡大していく、まずそういうところにしっかりと対応していくというふうに考えた場合には、一定の食味内、当然品質がこれ良くなければできませんけれども、食味の下で、やはり多少リーズナブルな、値頃感のあるといったものがやっぱり求められていくんだろうなというふうに思ってございます。  これは、国内の業務用向けだけでなくて、これから海外に輸出をしよう、国産のお米を輸出しようという場合もこれは必要になってくるのではないかと。それが玄米のまま輸出するのかパック御飯として輸出するのかは別にしましても、やっぱり秋田の米、日本の米のように、非常に品質はいいんだけれども高いというままでは、これから海外の市場をやっぱり大きく開拓していくという点では一つネックになっているのであろうかなと思ってございます。  その業務用米につきましても、いろんな例えば用途があると思うんですね。例えば、丼向けのお米ですと粒が大きくてやっぱりたれ通りがいいものですとか、それから、場合によっては、短粒種じゃなくて、パエリアですとかチャーハンですとか、そういったものの場合は長粒種的なものがやはり非常にべたべたしない、どっちかというとぱさぱさしたようなものが好まれますので、そういった様々なニーズがあると思います、消費者側のニーズですね。  それから、生産者側のニーズにしましても、例えば、一つ秋田県を取っても、やはり県北と県南では登熟の期間が違いますので、わせからなかて、おくてというふうな形のものが必要ですし、それから、栽培のやり方という点では、一般の要するに移植栽培に加えて直播ということもございます。そうした組合せを考えますと、非常に多くの、様々な消費者側のニーズもあれば生産者側のニーズもあろうと。それに全部県が果たしてこれから、先ほど申し上げましたように主力品種、これは各都道府県で本県も含めて多分やっていくと思いますけれども、そういったニーズに対応していくとすれば、もしそれが農家の所得向上、地域の農業の発展につながるのであれば、私は、民間の活力を大いに活用していくべきでないかというふうに思ってございます。

竹谷とし子公明党

○竹谷とし子君 ありがとうございます。  有名なものとして、民間が開発、生産をしているあのみつひかりという品種、これは、今も御説明がありましたけれども、大手の外食チェーンで既に、作ったらそこに買っていただけるという実需に結び付いているということ、また、生産者側のニーズというお話、今、佐藤参考人から伺いましたが、収穫時期を後に収穫することができるので、大規模化していったときに手が空いているときにそれをやれるということで、生産者側のニーズにもマッチするというふうにお話を伺っておりますが、また、しきゆたかというものを秋田県では民間企業と連携をして作っているというお話を伺いましたけれども、非常に先見の明があるといいますか、県が民間の企業をお呼びして商談会などを開催をされたということも先ほどの御説明で伺いましたが、今後、ほかの都道府県についても民間企業としっかり連携をしていくということが重要になってくると思いますが、どのように連携をしていけばよいかということについて、もしお知恵をいただければ教えていただきたいと思います。

佐藤博秋田県農林水産部長

○参考人(佐藤博君) 本県でしきゆたかの話、お話しさせていただきましたけれども、実は、みつひかりは、本県でも考えたんですけれども、やはりおくての品種だということで、多分南東北までは広まっておりますけれども、青森、秋田、岩手は、これは入っていないはずです。気象、立地的に無理なんですね。  このしきゆたかはできるだろうと、山形県さんでちょっと試験もやられたはずですので、その試験結果を見まして大丈夫だろうというふうなことで、もちろん、農協さん、法人さんを集めてのマッチングもやってございますし、それから、普及指導員が圃場での栽培技術の指導も、これも行ってございます。  それ以外に、宇都宮大学が開発しましたゆうだい21という、これも、ちょっとおくての品種なものですからうちの県に合うかどうかちょっと心配な面もありまして、栽培適性を見極める試験を今年から農業試験場でやりたいというふうに思ってございます。  いろんな民間との連携の形はあると思います。既に、こういう形で民間がそういった消費者、実需者のニーズをつかまえて、しっかりそれに基づいて開発した品種を本県に適合するかどうかということを試験をやりながら普及させていくということも一つの手法であるでしょうし、今すぐどうのこうのではありませんけれども、例えば、本県で今プライスリーダーとなるような新しい良食味品種を開発していますけれども、それが終わった後、まあ次のやつも今計画していますけれども、いろんなそういったニーズに応えていくためには、そういった民間の知見なりなんなりというものも一つ、具体的にというのはちょっとなかなか今思い浮かびませんけれども、そういうことも一緒に、要するに共同開発するということもこれは当然考えられる話じゃないかなと思ってございます。  そうした点で、要すれば農家の所得向上につながるかどうかというところで県がその立ち回りというのが非常に大事になってくるのではないかなと思ってございまして、その具体的な民間との連携の在り方というのをこれから我々も勉強していかなきゃいけないと思っていますし、特にこれからのお米をめぐる情勢を考えた場合には、そうしたニーズに対応していくというのが求められるんだろうなと思ってございます。

竹谷とし子公明党

○竹谷とし子君 西川参考人に質問させていただく前に、もう一つ佐藤参考人に伺いたいと思います。  県の役割というのはこれからますます重要になっていくというふうに思っておりますけれども、やはり一番重要なのは財政、予算面であると思っております。  今回の種子法の廃止で、それに影響させないようにするということは当然であると思いますが、今時点で、予算の制約があって、ほかにこれもやりたいんだけれどもできない、取り組めないというような、農業者の所得を上げるために行いたいと思う取組というのはありますでしょうか。予算制約があってできないこと、そういったものというのは、もしおありだったら教えていただきたいんですけど。予算は幾らあっても足りないものですのであれですけれども。

佐藤博秋田県農林水産部長

○参考人(佐藤博君) 今いみじくも先生がおっしゃったように、予算は幾らあっても足りないといいますか、ただ、そうした中でも比較的、当県農業県で、農業元気でないと秋田の元気はないだろうと、秋田の発展はないというふうな知事の考えでございますので、そういった点から見ますと、ここ数年の伸び率というのは非常に大きくなってございます。  その中には国の方で御支援いただいている事業も当然ございますし、それをうまく活用させていただきながら、県独自の基金、実は国の農政改革が出た段階で、二十五年の十二月の段階で、県の方で百億円基金、その前から実はあったんですけれども、百億円、実際には百六十億ほどの県独自の基金をつくった、農業振興基金というものをつくったんですけれども、これを、農政改革が出たとき、農政改革が出たということで期間を延長して積み増しして、二十九年まで、今年度いっぱいこれでもって振興しようというふうなことを今進めているところでございます。  この一環として先ほど、前段御説明しましたように、米産県秋田で何とか園芸を定着させたい、畜産を伸ばしたいということで、その中核となるようなそういった担い手の育成、施設の整備等について今取り組んでいるところでございます。  もちろん予算があればいろんなことはありますけれども、あえて申し上げれば、なかなかその中山間地域への支援というのが非常に難しゅうございまして、県でも独自にやっているものもございますけれども、これはなかなか非常に、お金があればできるといいますか、その知恵の出し方も非常に難しいというふうに常日頃から私は感じてございます。

竹谷とし子公明党

○竹谷とし子君 続いて、西川参考人のお話に関連して質問をさせていただきたいと思います。  この種子というものを非常に重要視されておられることに共感をしたところでございますけれども、企業の暴走というものにも非常にリスクを、懸念を感じられることについても、そこもしっかり私たちは見ていかなければならないところだと思っておりますが、この種子法の廃止が企業の暴走というものに結び付くおそれというのはあるとお考えになりますでしょうか。その場合、どのようなロジックで企業が暴走していくというふうに想定をされるか、教えていただければと思います。

西川芳昭龍谷大学経済学部教授

○参考人(西川芳昭君) 御質問ありがとうございます。  企業の暴走という部分では、二つ考えることができると思うんですけれども、現在は、種子法の下に、米麦、大豆の種子の品質というのは非常に厳密に、圃場検査から生産物検査、その他再三にわたる県の職員の指導の下に行われていますけれども、これが企業、特に海外の企業になった場合にどこまで品質の検査ができるのか、そのための費用をどこまで持つのかということで、基本的に園芸品種などは国際基準に従ってそれぞれの企業が品質の保証をしておりますけれども、これを主要作物に果たして持ち込んだ場合に、本当にそれを国の方がきっちりと管理監督できるのかという意味で、企業の暴走、ちょっと、企業を信じないわけではないですけれども、現に信じられない事例というのもありますので、まず品質の管理、品質の維持が一点。  それから、もう一点は素材ですね。遺伝資源、育種の素材というものは、繰り返しますが、公共の手にあるもの、本来は誰のものでもなく人類の資産なんですけれども、取りあえず日本の国内にあるものは日本国民のものであります。これを明治以来、たくさんの税金を投入し、国や都道府県が守ってきたものですけれども、これが特定の企業に流れるということは特定の企業の力を強化することになり、国民又は都道府県、国の力をそぐことになりますので、企業の暴走というのはそういう意味で企業の力を圧倒的に強くする、そのようなシステムになってしまう危険性を感じております。

竹谷とし子公明党

○竹谷とし子君 ありがとうございます。終わります。

紙智子日本共産党

○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。  お二人の参考人の方、本当にありがとうございます。  佐藤参考人は、昨年、秋田に調査にお邪魔したときに本当に、種子のことではなかったんですけれども、丁寧な対応をしていただきまして、ありがとうございました。今日は、現場からも、現場の立場に立った率直な御意見をありがとうございます。  それから、西川参考人は、先ほど種子の問題のやっぱりそもそものところというか、非常に深い根源的な話をしてくださって、改めてお聞きしながら、我々本当に、我々というか私自身も、これだけ深く認識をして審議をしているのかなということを改めて痛感をさせられております。  それで、最初に、お二人に同じ質問なんですけれども、農水省は今回、この主要農作物種子法の廃止の理由として、都道府県が開発した品種、これは民間企業が開発している品種よりも税金で支えられていて安く提供できることが可能なために、民間企業が参入しにくいんだという説明がされました。ところが、驚いたことに、この立法事実に関わる資料については十分なものが出されていないということなんです。  昨年の九月二十日の規制改革推進会議の農業ワーキング・グループで出された資料、これ、それと同じものを我々もいただいているんですけれども、水稲の種子の資料はあるんですけれども、これも十分ではないんだけれども、主要農作物であるはずの麦、大豆の資料が全く出ていないと。要求してきたわけですけれども、基本的な資料がないまま、衆議院ではたった五時間で審議をされる、で、参議院に送られると。  それで、廃止しようという大変大きな問題なんですけれども、廃止しようという重要な法案を審議するのに、そういう基本的な資料も出さずに議論するというやり方、これは本当にちょっと拙速じゃないかというふうに思うんですけれども、こういうことについてどのように思われるかということをお二人にお聞きしたいと思います。

佐藤博秋田県農林水産部長

○参考人(佐藤博君) この種子法の廃止だけでなくて、やっぱり農業政策、農業に関する法律というのは、これは地域農業にも非常に大きな影響を及ぼすものでございますので、これにかかわらず、いかなるものにつきましても、国会において慎重に審議をしていただきたいというふうに思ってございます。  今回の件につきまして、審議時間が長いのか短いかとか、それから資料が提出されているされていないということについて、当方の方でコメントする立場にはないというふうに考えてございます。

西川芳昭龍谷大学経済学部教授

○参考人(西川芳昭君) 十分な審議が行われていないということに関しましては、やはりこれも一般的なことですけれども、全ての国のことを決めていくことには、関係者全て、国民全てが入った形で、十分な資料が示された形で議論を進めるべきだというふうに考えております。  特に種子に関しては、繰り返しますけれども、国の戦略資源という言い方もできますし、国民の全体が築き上げてきた資産というふうな言い方も言えると思います、そのものを手放すことに関してはもう少し丁寧な議論が必要だというふうに考えております。

紙智子日本共産党

○紙智子君 その上で、西川参考人に最初にお聞きしたいんですけれども、西川参考人は奈良県のタマネギの採種農家に生まれたというお話を先ほどされました。種の重要性をそういう意味ではまさに実感されて育ってこられたのかなというふうに思うんですけれども、いただいている資料で「農業と経済」の中で、種というのは農業にとって土地や水と並んで不可欠な投入物だと、私たちの命というのはこの種に支えられていると、種がなくなると食料もなくなり私たちも生きていけなくなるというふうに述べていて、私も本当にそうだな、そうなんだなというふうに思うわけですけれども、やはりこの種子法は、そういう意味では国がきちっと責任持ってということですからなくすべきではないと思うんですけれども、種子は人類共通の、共有のものだというお話をされましたけど、その辺のところを、多分先ほどすごく急いで話しされたんですけれども、もう少し詳しくお話をしていただければと思います。

西川芳昭龍谷大学経済学部教授

○参考人(西川芳昭君) ありがとうございます。  種がなくなれば食料がなくなる、食料がなくなれば君もなくなるということで、私たちが地球上から消えてしまうということで、種子の重要性というのは何度繰り返しても強調し過ぎることはないと思います。  一方で、共有のものであるということですけれども、基本的には、FAOを中心として一九六〇年代からいわゆる南北問題ということで資源の、どういうんでしょう、所有権に関する争いがあったときに、種子に関しては日本政府も含めて人類共有の資産だということを強調してまいりました。そういう意味では、日本政府は一九八〇年代までは、少なくとも種子に関しては人類共有の資産だということを積極的にサポートするグループに入っていて、私たちもその中で生かされてきたと思います。それがだんだん知的財産権の強化、特に遺伝子情報が読めるようになって私有化されるようになってきて、遺伝子情報にパテントが掛かるようなことになってきているという状況が存在します。  ちょっと時代が前後しますけれども、第二次世界大戦が終わったときに進駐軍が入ってきたときに、農林10という日本で作られた小麦の品種の種が持ち出されました。その目的は、アメリカの小麦の増産のために育種の材料とするためですけれども、結果として、その小麦の遺伝子はメキシコの国際研究所に送られて、そこで知的財産権を主張しない状態で改良品種として作り、メキシコ又はそのほかの開発途上国に渡されて、緑の革命という形で世界中の飢餓を救ったという例があります。  こういう形で、種子というのは世界を巡っていて相互に助け合っている存在なわけで、特定の企業が持つことによってそのような相互依存の共生の社会というものが損なわれるというふうに考えています。ほかの資源とやはり違った取扱いが必要だと思います。そういう意味では、やはり種子法というものが存在して、日本の中で循環させているということの重要性はもう繰り返し申し上げたいと思います。

紙智子日本共産党

○紙智子君 次に、佐藤参考人にお聞きしたいんですけれども、種子法がもし廃止ということになると、予算措置の根拠というものがなくなると。先ほど県独自でもやるんだという話があったんですけど、地方財政措置の根拠がなくなるとどういうふうな影響が出るかということと併せて、やはりお米と同時に、麦、大豆、大豆も結構、三位ですかね、作られているというお話もありまして、秋田県の麦や大豆の生産ということについて、五位ですかね、全国五位と言っていましたけれども、どういうふうな影響が考えられるかということも、先ほどちょっとお話なかったと思うので、その辺のところも話をしていただきたい。そして、財政的な措置ということでいうと、やっぱりそれに対しての要望がありましたら是非していただきたいと思います。

佐藤博秋田県農林水産部長

○参考人(佐藤博君) 後段の方から先にお答え申し上げますけれども、現在の主要農作物の種子の安定供給というのは、これは各都道府県が中心的な役割を果たすと、これはもう論をまたないところだと思います。  そういうことで、国におきましては、先ほど前段、意見陳述で申し上げましたように、種子関連業務に関する地方財政措置、これからも、まあ地方交付税でございますけれども、しっかりと継続すると。間違っても地方交付税が減るというふうなことがないように対応していただきたいということは申し上げておきたいと思います。基準財政需要額に今入れられているはずでございますので、しっかりとそのとおりやっていただきたいというふうなことでございます。  それから、麦、大豆でございますけれども、まず大豆につきましては栽培面積は非常に多うございます。かつて、今もそうですけれども、米とそれから大豆のブロックローテーション、二年三作のブロックローテーションというふうな形で、非常に大きな団地をつくりながら生産振興を今進めているところでございまして、約八千ヘクタール栽培されているところでございます。  この品種といいますか、種につきましては、本県の農業試験場では、大豆の品種の開発につきましては今現在は少し手を、力を入れていないというか、入れようがないといいますか、国の方の試験研究機関に今お任せといいますか、お願いしているところでございます。  主力品種がリュウホウという品種なのでございますけれども、これは非常に加工特性はいいんですけれども、しわ粒といいまして、しわが出るんですね。これでもって等級が下がるというふうなことで、この課題を解消できるような新しい大豆の品種を是非国の方にお願いしたいということで、幸い、当県の中央部の大仙市というところに東北農研の方の栽培実証の現地実証地がありますので、そこでもって本県に合ったそういった大豆の種子の開発等々につきまして御支援をいただいておるところでありまして、これにつきましては引き続き力を入れていただければ大変有り難いなと思ってございます。  それから、麦につきましては、いかんせん、ちょうど収穫のときが本県の梅雨どきと重なるものですから、一時振興もしたんですけれども、やっぱりいいものが取れないということで、ほとんどまず振興されていないと。  ただ、もしかすれば先生方の中でも御存じの方もいらっしゃるかもしれませんけど、B—1グランプリで横手の焼きそばというのがありますので、その方々が、そうした気象条件にもめげずに、その焼きそば用の小麦の栽培と、要は地産地消的な考えですね、その最終的な加工まで含めた、そういったものについて取り組んでおりますので、そういった点につきましては地域振興の観点から県として今御支援を申し上げているというふうな状況でございます。  以上でございます。

紙智子日本共産党

○紙智子君 それじゃ、もう一度西川参考人にお聞きしますけれども、先ほどもちょっと触れられましたけれども、西川参考人は、三月の何日付けかな、東京新聞か何かで書かれていたんですけれども、種子法の成果として、九州農業試験場と大分県が地元産の大麦一〇〇%の焼酎を造りたいということで、酒造会社と協力して育成した大麦の話をされているんですよね。  やっぱり地域の生活や文化に合った種子の生産にとって、公的な種子供給の義務をなくして民間に任せるということも含めて書かれていたと思うんですけれども、それについて少し詳しくお話を聞かせていただきたいと思います。

西川芳昭龍谷大学経済学部教授

○参考人(西川芳昭君) 今の御質問はニシノホシという大麦の品種のことだと思いますけれども、九州農業試験場、国の機関とそれから県の機関が、転作ですね、水田転作で大麦を利用する、また、その奨励品種に決定するための実証圃場を拡大する形で生産を前倒しにするというふうな形で、どういうんでしょう、実用化に結び付けたということで、そのような形で地域にとって、地域の農業生態系に見合った、またその地域の企業の生産、加工、流通に見合った形での新しい品種というのが種子法の中で作られてきたというのは、これは非常にいい実例だと思いますし、何よりも、その結果として、その地域の農家の所得が向上し地域全体が潤っていくということがありますので、種子法自体がそのことに関して、何度も言いますけれども、直接種子法がその品種改良をやっているわけではないことは十分認識しておりますが、そういうことができるソフトのインフラとして種子法が存在しているということを私は今までいろんな方からお聞きしてきております。

紙智子日本共産党

○紙智子君 ありがとうございました。  やはり、本当に深い意味を持つこの種子法について、目先の利益ということだけにとらわれて廃止するということはやっぱりどうしても納得できないということを思っているわけですけれども、是非、この参考人の皆さんからの意見を踏まえてこの後の議論をしっかりやっていきたいというふうに思います。  ありがとうございました。

儀間光男日本維新の会

○儀間光男君 日本維新の会の儀間でございます。  今日は、佐藤、西川両先生方、お忙しい中をこうしておいでを賜って、いろいろと御教示をいただきました。心から感謝を申し上げたいと思います。ありがとうございます。  私自身の意識付けのためにも、種子法の生い立ちを少しおさらいをしてみたいと思います。  これは、昭和二十七年、西川先生がおっしゃったように、サンフランシスコ講和条約発効の一か月後の法律のようであります。ところが、私、出身が沖縄ですから、沖縄は昭和二十年に敗戦と同時に米軍支配下に置かれて、具体的にその地位がはっきりしたのが、サンフランシスコ講和条約の発効と同時に米軍に来られたと。以来二十七年間、米軍統治の中にあって、実はこういう法律があったということは全く知りませんでしたね。歴史を見ているというと、六十一年に改正法がされていますから、この頃から沖縄県民は種子法という言葉に触れたというようなことになっていくのであります。  これは、いわゆる、今、両先生方が御指摘になったように、種子、つまり在来種あるいは個体の独立性、はたまた原種、原原種、こういうことでありますから、主要農作物と限定がありますけれど、作物の、いわゆる生き物の、生命の根幹になるわけですよ。そうしますというと、人類の宝とも財産とも言いましたけれど、そうであるならば、当然のことながら、官が、つまり政府が、地方自治体が加わっていって当たり前だと思っているんですね。ところが、ここへ来てこれを廃止をするんだという国の意図がよく読めないんです。読めないけど、佐藤参考人においては、たとえこれが廃止されても、県として独自な事業をこれまでどおりやっていくという力強いお話をいただきました。  ただ、今までも指摘があるように、国がこれを廃止すれば根拠法を失うわけですから、地方が財政支援をしてくれ、交付税をくれと言ったって、どの法律をもって財源を確保していくのか極めて不透明だと思うんですね。  そういうことで、端的に言って、国はこういうものの権利を放棄をしていると。民間の参入、これは昭和六十一年から門戸を広げたようでありますけど、それを盾に権利放棄している。つまり、日本人の財産である原種、原原種、在来種、個体の独立化、こういうものが失われていく根源になると思うのでありますが、両先生、先ほど良くないということがありましたけれど、いま一度御見解を御教示をいただきたいと思いますが、佐藤先生、現場からの声で、もう一度聞かせてください。

佐藤博秋田県農林水産部長

○参考人(佐藤博君) 今、儀間先生からお話がありました、多分この法律の立法当時の状況というのは今先生がおっしゃったような形で、大変、戦後の食糧難の時代を背景として、特に主要農作物ということで、国民の要するに食をしっかりと供給するというふうなことを背景にしてできた法律であろうというふうに思ってございますけれども、多少、今時点との時代背景はかなり違うんじゃないかなというふうに私自身は思ってございます。  本県が、例えば、そういった形で予算の要求する根拠といいますか、法律の裏付けがなくなると後退するのではないかというふうな御心配をいただいておりますけれども、種子法があるので予算を要求するという話ではなくて、本県の農業振興上必要なのでこの種子の安定供給に関わる業務についてはしっかりと予算措置をしなければいけない、品種開発も含めてやっていこうというふうな考えでございますので、しっかりと地方財政措置をとっていただくのであれば、それが後退するということはまずないというふうに考えてございます。  それから、いろいろとこの種子法の廃止と絡めて、何といいますか、私も当然、農業生産の根幹を支えるこれ資材だと思っていますし、農業経営にとって一番大事なものとは思っていますけれども、この種子法を廃止すること自体と食料主権なり、何といいますかね、安全保障ですとか、そういうことと直結び付く議論なのかどうかなとちょっと疑問に思うんですね。それだけお話ししておきたいと思います。

西川芳昭龍谷大学経済学部教授

○参考人(西川芳昭君) 二つお答えさせていただきたいんですけど、まず、そもそもやっぱり生物というもので、根源に関わる生物のことですから、それが人類共通の遺産である、誰のものでもないと、仮には日本国のものでもないという部分もあります。それは、植物遺伝資源条約の中で、やはり相互依存の中で、世界中でお互いに交換しながら人類のために遺伝資源を使っていくという意図が示されていて、日本もそれに批准しておりますので、その中ではその中のルールに従ってお互いに共有していく分には構わないんですけれども、今回、本当に外資の導入という形で国の資産というものを外に出していくということに関してはやはり大きく懸念されます。  条約の中で規定されている農民の権利というものが、実は食料主権というものと密接に関わっていて、その食料主権というものが、何を作り何を食べるか、輸入も含めてですけれども、どれだけの部分を自給し、どれだけのものを輸入するかというのを自分たち、その国民又はその地域の住民が決める権利のことですので、直接この法律とその問題が関係ないというお考えももちろん成り立つかとは思いますけれども、そのような権利を行使することができる基盤となっている法律の一つであると。これだけではありません、ただ、一つであるということを繰り返し申し上げたいと思います。  それから、種子の増殖の部分に関して、フォーマルとインフォーマルのことを何度も繰り返しておりますけれども、フォーマルな部分を支える知的財産権を中心とした種苗法ではなく、フォーマルとインフォーマルをつなぐことのできる種子法が存在し、各都道府県でこれが機能しているということが、私たちと種子との関係を結び付ける非常に重要な役割を果たしているというふうに考えております。

儀間光男日本維新の会

○儀間光男君 ありがとうございました。  今、先生のお話で、フォーマルとインフォーマルの話も出ました。  私、元々、種子は商業、つまりビジネスベースに乗せてはいけないという基本的な考え方なんですよ。もちろん、新品種を作ったり改良品種が出たりすると、それは流通させないわけにはいきませんが、これを目的に商業ベースに乗せてはいけない、こう思うんです。  理由は、種子というのは、知ってのとおり、その中を開けてみるというと、遺伝子を含めて、染色体、ゲノムの配列、そういう生命体を詰め込んだのが種子なんですよ。したがって、これを研究者が研究をして新しい品種を見付けたり、あるいは改良種ができたりするのに非常に時間と資金の要ることなんですね。したがって、これを民間ベースでやって国際競争の中にぶち込んでいくというと、あるいは独占企業が出てパテントを取られて自由に使えないとか、こういうことになってくる可能性だってなくはない。  したがって、これは、そういうことの要素、背景を持つことから、国や県が携わって保存、育成をやっていかなければならない類いの問題だと思うんですね。そういうことを思うと、今まさに政府は責任を放棄している。我が国の財産、原種、原原種あるいは在来種を放棄してしまうと言っても過言ではないような気がして、ある意味憤りすら覚えるのであります。  そのようなことを都道府県が自主的にやっていく、あるいは、秋田県は今、佐藤参考人おっしゃったように、どうあろうとやっていくということですが、これは自主性に任すという国の姿勢なんですよ。そうすると、各県、やらない県もやる県も出てくる、多分。全県がやればそれにこしたことはないんですが。  そうすると、ばらつきが出てくるんですね。ただでさえ、佐藤参考人おっしゃったように、秋田県でも県南と県北では気候も違えば水温も違う、あるいは土壌も違えば土質も違う。したがって、マッチングする作物を厳選していかなければならない。こういうことで、もっと言えば、日本は北海道から沖縄、与那国までと長いですから、この間で物がばらつきがあっては、原種、原原種の保持、育成、なかなかできないと思うんですよね。  そういう意味で、西川先生、遺伝子の持つ、生命体、染色体あるいはゲノムもそうですが、そういうのを管理していくには、研究者の立場からして、民間でビジネス化してよいかどうかを御見解を御教示いただきたいと思います。

西川芳昭龍谷大学経済学部教授

○参考人(西川芳昭君) 科学技術と社会に関する非常に根源的な御質問なので、私の力量で答えられる部分というのは限られているんですけれども、私個人としては、やはり研究開発というのは必要ですので、生命であってもその尊厳に配慮をしつつ、畏敬の念を持ちつつ研究をすること自体は大切で、それに民間が入ること自体は否定はいたしませんが、作物の資源ということに関して、作物という生命体に関して取り上げますと、作物というのはその生存を人間に委ねている生物なんですね。  私たち人間が作物と共存しないと、作物というのは自分で育ちません。例えば、野生の稲ですとほっておいたらそこでまた毎年同じところから生えてくるんですけれども、作物の稲は、私たちが刈取りをし、収穫をし、保存をしないと、次の年生えてくることができないわけですね。そういう意味では人間が関わっていく必要があります。その人間が関わるときに、もうかる部分だけをやるということになると、当然、もうからない、すなわちそのときの消費者のニーズとか市場のニーズのないものに関しては保存されないことになるわけです。  そういう意味では、やはり管理に国が責任を持つ、また、もちろん国際社会の場合もあると思いますけれども、あくまでも公的な組織がその生命体、我々と同じ生命体ですけれども、作物と人間という形では私たちが作物に依存している部分があります。また、作物が私たちに依存している部分がありますので、その管理に関しては民間ではなくて公的な存在を巻き込んで、もちろん一人一人の市民も巻き込まれる必要があると思います。  また繰り返しになりますけれども、企業の場合はその時点でもうかる部分しかやりませんので、過去にイギリスの国立の研究所が民間に買収されて、そこにあった遺伝資源というものが最終的に廃棄されるという、そのようなことも起こっておりますので、私たちの非常に大切な稲の遺伝資源等がそのようなことになる危険というのが全くないとは言えないので、今回やはり私たちは慎重に考えていく必要があると思います。

儀間光男日本維新の会

○儀間光男君 ありがとうございました。  私、さっき言ったように沖縄出身ですから、沖縄の事例を二、三ちょっと引き出してみますと、アユという水生生物がおりますけれど、魚がおりますけれど、これは日本各地あるいは台湾、フィリピン、インドネシア、あの一帯、大陸側もみんなおるんですね。  ところが、沖縄のアユはリュウキュウアユといって個体が独立しているんですよ。これ、よく分からないんですが、日本のその権威者、学者である、お名前ちょっと申し上げられませんけれど、差し障りがあって言えませんけれど、この方から聞いたお話ですが、戦前、リュウキュウアユ、いよいよ沖縄戦争だということで危機を感じて、当時、農林水産省、水産庁が沖縄のアユを奄美の住用という森深い、水のいっぱいあるところへ移したんですね。ところが、奄美大島も戦況が迫っているということから、更に水産庁は高知県の水産試験場にそのアユの種を移したんです。そこで保存、育成して、沖縄は全滅したのでありますけれど、戦後、更に、なかなかうまくいかぬので、復帰を待って高知県から沖縄県へ移して、今、北部の河川で元気に暮らしているんですね。そういうものを思うと、種を扱う業務が、民間に門戸を広げて駄目とは言わぬけれど、官が責任を持ってしなければならないのは理の当然なんですね。  もう一つ、アユだけじゃなしに……

渡辺猛之自由民主党・こころ

○委員長(渡辺猛之君) 時間が来ておりますので、質疑をおまとめください。

儀間光男日本維新の会

○儀間光男君 はい。  アグーだってそうなんです。  佐藤さん、秋田杉が琉球で、沖縄で育ったということを聞いたことありますか。(発言する者あり)それはまた後で茶飲み話で言いましょう。どうも、自分の主張だけになって済みませんでした。  ありがとうございました。

森ゆうこ希望の会(自由・社民)

○森ゆうこ君 ありがとうございます。希望の会(自由・社民)、自由党の森ゆうこでございます。  今日は参考人のお二人から大変有意義なお話を聞かせていただきまして、本当にありがとうございます。私も米どころ新潟県の選出でございます。佐藤参考人の陳述、特に共感を持ってお聞きをさせていただきました。  しかし、今回のこの種子法の廃止法案というのは、そもそも、TPPは発効しなかったわけですけれども、このTPPの発効に向けた国内法の整備、要するにイコールフッティングということで、海外の大きな多国籍企業等から訴えられないようにそういう状況を整えておくもののその一環であろうというふうに考えております。  そこで、様々先ほど来お話がありますけれども、今世界の中で、いわゆるバイオメジャーといいますか、モンサント、バイエル等、代表されるそういう企業が種子を独占し、そして合併をし、その大企業が寡占化している、それが更に進んでいるという状況があるんですけれども、両先生に伺いたいんですけれども、これがこの種子法の廃止によって、そういう多国籍企業が日本の民間企業を買収したりするなどしてどんどんと我が国の、種子を支配すれば食料を支配することになりますから、そういうことになりはしないかという、これが一番の今回の主要作物種子法廃止における懸念であると私自身はそう思っておりますけれども、この点についてそれぞれの御見解を伺いたいと思います。

佐藤博秋田県農林水産部長

○参考人(佐藤博君) まず、森先生のところには本当に、うちの県、先ほど三十三年と言いましたけど、多分横綱のコシヒカリはその誕生してから倍の年月がたっていると思いますので、コシヒカリを見習って頑張りたいというふうに思ってございます。  今の海外の穀物メジャー等々の寡占のお話でございますけれども、まず、種子法につきまして、知的財産の保護ですとか外国市場の参入を防止するという規定は多分書いてないんだろうなというふうに思っていますし、現在でも海外のそういった企業は入ろうと思えば入ってこれる、法律で、中でバリア張っているとかというような形ではないというふうに思っています。ただ、現実には入ってきていないというふうに認識してございます。  多分、私はそれほど海外に行った経験は多くはございませんけれども、海外のああいった、何といいますか、広い、同じような気象のところで大々的に種子生産をやって穀物生産をしているというところ、そういったところを相手にしている企業から見れば、私、海外の企業の気持ちは分かりませんけれども、日本の稲作ですとかそういったものが果たしてマーケットとして魅力的に映っているんだろうかなというふうにちょっと疑問を持っているというふうなところでございます。  したがって、直接的にそれを結び付けてお話しするというのはちょっと私としては疑問であるというふうに思ってございます。

西川芳昭龍谷大学経済学部教授

○参考人(西川芳昭君) 私も佐藤参考人と似た考え方で、種子法の廃止が直接多国籍企業が入ってくるということというのはちょっと、何というんですか、懸念のし過ぎだというふうに考えています。ただ一方、心配することはないというのは余りにも楽観的な考え方だというふうに考えています。  基本的には、一九八六年の改正以降、種子法は、民間会社が入れるようになっていますので問題はないんですけれども、種子法が廃止されることによって様々な検査とかの過程というものを、どのようになるか、今後の体制がまだ分かりませんけれども、簡略化されるなり何らかの変化があると売れる体制づくりというものが促進される可能性がありますので、外資にとっても、小規模な市場ではありますけれども、魅力のある市場になることが考えられます。  一方、過去の例からいきますと、韓国がIMF体制に入った一九九〇年代後半に、一社を除いて種苗会社がほぼ全て外資の手に一旦渡ってしまいました。そのときに、それ以降、韓国はやっぱり食料の問題に関して非常に苦労しております。  そういう意味では、素材ですね、マーケットとしての日本というのも同時ですけれども、やはり素材としての問題があり、これも知財の問題は種子法にはないというふうに、それは私もそのとおり同意しますけれども、種子法があることによって、少なくともこの三つの作物については、我々が安心して、安定して供給を県の方たちの努力によって受けてこられたものがなくなってしまって、それが外資の手に渡る可能性というのがあるという、この懸念だけはやはり持っておいた上で慎重に考えなければいけないというふうに思います。

森ゆうこ希望の会(自由・社民)

○森ゆうこ君 ありがとうございます。  先ほど佐藤参考人の陳述にもございましたように、もちろん新潟県もそうですけれども、大変な労力を払って、そしてお金を使って、原種、原原種、そして先ほども何かクリーンにするという、そういう取組など、その品種の品質の確保というものについても大変な努力を払っている。それは、利益を追求しない自治体、そして財政的な措置があるからそのことが続けられてこられた。だから、直接的には種子法の中には確かに知的財産を保護するというような項目はないと思いますけれども、それぞれの県における財政的な裏付けのある、言わば本当の基礎的な、本当の基礎的な研究、そして原種、原原種の維持、保存、そして新しい品種の開発というものが、言わば結果的に各地域における、そして我が国の知的財産権を守ってくることにつながったのであろうと、私はそのように認識をしているところでございます。  そういう意味で、根拠法である種子法が廃止されるということは、この知的財産権の保持、そして、農民がひとしく共通の財産であるその種子を享受して国民のために安定的に食糧を提供するというところに大変な影響があるというふうに思っておりまして、この法律を廃止する、ただ単純に廃止するということが将来における我が国の食糧の問題に非常に大きな影響を与えるということで、もう大変危惧しておりますというか、大反対であります。  それで、佐藤参考人に一点御確認したいんですけれども、先ほど御答弁の中で、質問に対する答弁の中で、今後ともこれまでと同じ対応で、体制でしっかりとやっていくというところで、地方財政措置があればこれまでと同じようにきちんと秋田県ではもう本当にやっていくというふうなお話がございました。でも、やはり地方財政措置があればという条件付の御答弁だったというふうに思います。  やはり根拠法がなくなれば予算を付ける法律的な根拠がなくなるということですから、たとえ今ここにいる議員が頑張りますと言ったって、いなくなれば何の裏付けもないんですよ。だから、そういう意味で、地方財政措置があればというやっぱり条件というのは非常に重要だと思うんですけれども、その辺を伺いたいというふうに思いますし、西川参考人には、先ほど私が知的財産権の規定はないけれども結果的にというふうなことを申し上げました、その点について一言あれば、お願いいたします。

佐藤博秋田県農林水産部長

○参考人(佐藤博君) ちょっと私の御説明が良くなかったかもしれません。地方財政措置がなかりせば、秋田県はこの種子の安定供給、種子業務に関して予算化が後退して、遅れて手放すとかというふうに取られますと、これはちょっと私の真意と違うところでございまして、当然、万が一、地方財政措置がなくてもこれはやらなきゃいけないというふうには思ってございます。  ただ、そういう形で、国からの御支援があれもなくなる、これもなくなると、これではちょっと地方財政、立ち行きませんので、そこはしっかり要望としてお伝え申し上げるというふうなことでございますので、御理解いただきたいと思います。

西川芳昭龍谷大学経済学部教授

○参考人(西川芳昭君) 外資の関係に関しては、二つのシナリオがあるかと思います。  もし、日本の市場にマーケット性があるというふうなことになると、それは当然参入してくると思います。その場合ですけれども、その場合は、これも繰り返しになるんですけれども、今厳密に県の指導の下に行われている様々な検査というものが、どこまで今の財政的措置が、根拠法がなくなる中でできるのかということで、一例を挙げますと、もしイネ科の雑草が海外から入ってきた種子の中に混入した場合に、単独の県の力でこれを完全に排除することができるのかというふうなことは非常に懸念されます。これは、やっぱり種子法で厳密な検査、圃場検査から最後の生産物検査まで全てが行われている中でこそ、その中で、国内でこれだけ厳密にやっていても合格しない種子というのがたくさんあるわけなので、たくさんと言うと失礼ですけれども、一定量あるわけなので、そういう意味で外資が入ってくる危険性、国内の市場性がある場合の危険性があります。  市場性がないと判断した場合も、特に稲に関しては日本の遺伝資源というのは物すごく重要なものですので、その遺伝資源に手を伸ばしてくる外資はたくさんあると思います。  ただし、日本の遺伝資源、今でも外資が欲しいといった場合には制度的には取ることができるんですけれども、ただ、市場が開放されることによって、より積極的に遺伝資源にアクセスするインセンティブが外資に働くというふうには考えます。

森ゆうこ希望の会(自由・社民)

○森ゆうこ君 そもそもこの種子法の廃止については、農業競争力強化プログラムということに基づいて、農業資材を低価格にするということが政府の目的であるという政府の説明でございます。  先日のこの委員会におきましても、この種子法を廃止することによって民間の参入が促され、結果としてその種子の値段が下がるのであると、政府参考人はそう答弁されましたし、大臣も下がる可能性が高いという答弁をされました。  しかし、私にはちょっとそこがどうしても理解できませんで、今非常に低廉な価格で、そして安定的に種子を特にこの主要農作物について提供できているのは、先ほども申し上げましたが、各県の大変な努力、そしてその裏付けとなる財政的な措置、そこの大変な努力によって、安定的にしかも低廉な価格で供給することができていると。だから、これがなくなると、やはり価格、それで価格が下がるというのがどうしても理解できないんですけれども、佐藤参考人は価格が下がるということを御理解されますでしょうか。

佐藤博秋田県農林水産部長

○参考人(佐藤博君) まず、県では、県が開発した品種につきましては従来の供給体制をしっかりと堅持して実施していくという考えでございますので、法律の廃止をもって県が開発している品種の価格が上がることはございません、これは。  県段階では、水稲の種子の、多分、各県さん同じだと思うんですけれども、価格の検討委員会というやつを設けて、これは産米改良協会の会長さんが会長になっていて、いろんな関係団体がそこに集合していろんな生産の資材の値段ですとかそういったものを検討しながら、何といいますか、公的な形で、オープンな形で今は決定されているというような状況でございます。  民間の種子が参入した場合に全体の種子がどうなるかというのは、ちょっとこれ、私不勉強で分かりません。正直申し上げまして、ちょっと私自身は予測困難で、正直分かりません。  ただ、民間の種子が確かに高いと。もちろん高いです、これは。県の種子が大体キロ四百円から四百二、三十円ぐらいでこれ提供していますけれども、例えば先ほど申し上げましたしきゆたかなんか、もう掛ける十倍ぐらいになっていますけれども、これは、農家から言わせますと、非常に多収性に優れておりますし、しっかりとその栽培でもって収量を取れば手取りとして十分ペイするということで農家も当然入れているわけでございますので、なおかつ実需者から非常に引き合い強くなっていまして、その安定的な取引にもつながるということで農家が選択しているわけですね、経営上有利だというようなことで。  ですから、単純にその種子が高い安い、これを論じることそれ自体がちょっと余り意味がなくて、要すれば農家経営全体として所得の向上にプラスになるとかマイナスになるかと、そういう点からやっぱり検討していくべき事項でないのかなというふうに思ってございます。

森ゆうこ希望の会(自由・社民)

○森ゆうこ君 ありがとうございました。

渡辺猛之自由民主党・こころ

○委員長(渡辺猛之君) 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。  参考人の皆様に一言御礼を申し上げたいと思います。  本日は、長時間にわたり御出席をいただき、また貴重な御意見も賜ることができました。委員会を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。誠にありがとうございました。(拍手)  午後一時に再開することとし、休憩いたします。    午後零時一分休憩      ─────・─────    午後一時開会

渡辺猛之自由民主党・こころ

○委員長(渡辺猛之君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。  政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  農業機械化促進法を廃止する等の法律案及び主要農作物種子法を廃止する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、文部科学大臣官房審議官松尾泰樹君外五名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

渡辺猛之自由民主党・こころ

○委員長(渡辺猛之君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

渡辺猛之自由民主党・こころ

○委員長(渡辺猛之君) 農業機械化促進法を廃止する等の法律案及び主要農作物種子法を廃止する法律案の両案を一括して議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

進藤金日子自由民主党・こころ

○進藤金日子君 自由民主党の進藤金日子でございます。午前に行われました参考人質疑に引き続きまして質問をさせていただきます。  主要農作物種子法の廃止法案と農業機械化促進法の廃止法案に関する質疑ということでございますが、これまでの衆議院での質疑、またこれまでの本委員会での質疑の状況に鑑みまして、今回は主要農作物種子法、いわゆる種子法の廃止法案に絞って質疑を行いたいというふうに思います。  お手元に今資料を配っておりますが、やはり、我々日本、国家にとって種子というものの重要性、これもう、種子は重要なんだという人は、この委員会の中、誰も疑義を挟む人はいないんだろうというふうに思います。極めて重要なこれは公的な財産だということであります。  しかしながら、この主要農作物種子法による種子生産の仕組みということを少し整理させていただいたわけであります。ここにありますように、品種開発から生産、販売ということなんですが、この品種開発のところ、これ、もちろん開発して管理するということだろうと思いますが、これは国の研究機関、地方公共団体、民間企業等がもう既に開発していると。これは種苗法による品種登録によりまして知的財産権として保護されております。これは、そういう意味では今回の種子法とは網がかぶっていないところなんですね、守備範囲違います。  今回のこの種子法は、生産の部分、あえてちょっと整理させていただきましたけど、この生産の部分なわけです。現行法の第一条の目的、これは、主要農産物の優良な種子の生産及び普及を促進するため、種子の生産について圃場審査その他の措置を行うことを目的とするということで、あくまでもこれは生産と普及の促進なわけであります。ですから、ここの法律がなくなったからといって、種をどこかに売り渡すとか、国の、いわゆる放棄するとか、そういうことにはならないんだろうというふうに思うわけであります。  しかしながら、この生産の部分、これ主には都道府県に義務付けされているのが第三条から八条まであるんですが、ここを廃止したときに少し心配なところがあるんじゃないかということで、まずは農業競争力強化支援法案の中で都道府県の役割を位置付けたと。これは情報提供ということなんですが、後ほどまた質問させていただきますけれども、情報提供があるがゆえにこの情報が海外に行ってしまうんじゃないかと、こういうような懸念もあるわけであります。  一方で、優良な品種を決定するための試験がなくなると品質確保できないんじゃないかという、こういう懸念もあるんですが、これはもうまさに、種子の品質は種苗法や農産物検査法で担保していくわけですから、これもまあ心配ないんだろうということであります。  むしろ、午前中の参考人、秋田県の佐藤農林水産部長のお話だと、こういった義務化された手続が、この義務が廃止されることによって独自に、自主的にいろんな面で簡素化が図れるようなところ、あるいは独自性を発揮できるような余地も出てくるんじゃないかみたいなことがあったわけであります。そういった中で、こういった守備範囲ということをしっかり頭に入れながら私は質問をさせていただきたいと思うわけであります。  そこで、山本農林水産大臣にお尋ねしたいと思います。  主要農作物の種子というのは、私、今整理させていただきましたけれども、品種開発、生産、販売といった流れの中で農産物の生産者に提供されていくわけでありますけれども、このうち種子法は、種子生産における都道府県の義務を規定した法律であって、種子法の廃止によって品種開発には何ら影響がないというふうに私自身考えるんですが、大臣、御見解を伺いたいと思います。

山本有二自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(山本有二君) 今般廃止される主要農作物種子法におきましては、委員御提出になりましたこの配付資料の品種開発、生産、販売の中の品種開発については何ら規定しているところではございません。廃止をされましても、稲、麦、大豆の品種開発には影響がないというように考えております。  農林水産省としましては、これまでも、我が国の農業の発展に資する新規性あるいは有用性の高い品種の開発に向けまして、委託研究、競争的資金により支援をしてきたところでございまして、引き続きこのような取組を推進することに変わりはございませんので、品種開発には何ら支障はないというように考えております。

進藤金日子自由民主党・こころ

○進藤金日子君 山本大臣、ありがとうございました。  品種開発自体は、種子法の存在いかんに関わらず、種苗法によって品種登録により知的財産権としてしっかりと保護されるということでありますので、種子法廃止により品種開発には影響がないということ、明確になったというふうに思います。  次に、午前中にも参考人質疑で秋田県の佐藤農林水産部長からお話を伺ったわけでございますが、義務がなくなれば従来と比較して都道府県の種子生産に対する取組が後退するという懸念、これは全くないんだということを参考人として佐藤秋田の農林水産部長答えられたわけでございますが、その中で、少なくとも米どころの秋田においてはそういうことはないということを断言されておられました。  私も、午前中もお話ししましたが、県での勤務経験があるんですが、今回の種子法廃止で各都道府県が従来の取組を後退させるということはおよそ考えられないなというふうに私自身は考えております。むしろ、都道府県に対して一律にこれ義務を課していることから、都道府県によって行政効率が低下している側面もあって、義務の廃止によってむしろ各都道府県が独自に今後の種子行政を展開していただけるのじゃないかなと思うわけであります。  午前中の佐藤部長の話は、本当に明快で分かりやすかったというふうに思います。責任感に満ちていて、これからしっかりやっていかないといけないんだということでありまして、私自身感じたのは、義務規定なくなると都道府県何もやらないんじゃないかというのは、何か都道府県に対して失礼な言い方だったのかな、そういう見方なのかなという気すらちょっと今日の参考人質疑を通じて感じたところでございます。  そこで、種子法の廃止によりまして都道府県の種子生産に関する義務がなくなるわけでございますが、米、麦、大豆の種子生産体制が脆弱化して、主要農産物の安定的な種子の提供に支障が出るんじゃないかという懸念、これあるわけです。これもこれまでもるる答弁いただいたわけでございますが、改めてしっかりと農林水産省の見解、確認したいと思いますので、よろしくお願いいたします。

柄澤彰農林水産省政策統括官

○政府参考人(柄澤彰君) お答えいたします。  午前中の参考人の御発言にもあったようでございますけれども、現在、都道府県は、種子法があるからということよりも、むしろ各地域の農業振興の観点から種子の生産、普及に関与していただいているというふうに理解しております。したがいまして、種子法が廃止されたとしても、各都道府県の御判断によりまして、多くの都道府県におきましては引き続き種子の生産、普及に関与していただけるというふうに考えております。  具体的には、現行の種子法に規定されております奨励品種に関する業務、原種、原原種の生産に関する業務、圃場審査、生産物審査に関する業務、こういったことを継続する見通しというふうに現に私どもにもお答えになられているところでございます。  農水省としましては、こうした都道府県の取組を後押しするために、別途御提案申し上げております農業競争力強化支援法案におきまして、種子生産に都道府県の知見を活用するという規定をしているわけでございます。そういったことで、都道府県が種子生産において引き続き重要な役割を担っていることを法律上も位置付け、また、種子法に関連する事務を対象として現在措置されております地方交付税につきましても、引き続きこれが確保されるよう関係省庁に働きかける、さらには、今後、種子生産において都道府県のみならず民間事業者としっかり連携をしていただく取組を後押しするということをやってまいりますので、今後とも種子の安定供給に悪い影響が生ずることがないように努めてまいりたいと存じます。

進藤金日子自由民主党・こころ

○進藤金日子君 ありがとうございました。  近年の地方分権の流れの中で、一般的に都道府県というのは国と適切に連携しながらいろいろな独自の取組を進めているわけでございます。農林水産省にも、この都道府県の特色ある種子生産の取組、これについては是非とも、自主性を尊重しつつもしっかりとサポートしていただくことが重要と考えますので、よろしくお願い申し上げたいというふうに思います。  こうした中にありまして、主要農作物を作付けしている道府県においては、概して財政基盤が強固だとは言えない状況だと思います。また、行政改革の側面から、厳しい職員の定員管理等も継続していくものと見込まれるわけであります。  今御答弁をいただいたわけでございますけれども、この廃止法、種子法の廃止によって都道府県の種子生産に関する義務がなくなると、都道府県の予算措置、人員確保の法的根拠が失われて、中長期的に見て、種子生産に関する都道府県の関与度合いが大幅に低下して、公的種子生産の体制が著しく弱体化するんじゃないかという懸念あるわけであります。  前回、審議の中で我が党の山田修路筆頭理事から質問して確認したところではございますが、改めて、午前中の参考人の中でも強くこの地方財政措置を要望するんだということありましたものですから、是非とも改めて地方財政のエキスパートである礒崎副大臣から明快な御答弁をいただきたいと思います。よろしくお願いします。

礒崎陽輔自由民主党・こころ農林水産副大臣

○副大臣(礒崎陽輔君) 都道府県に対する財政措置に関する御質問であるというふうに考えております。  今事務方から御答弁させていただきましたけど、仮に今後種子法が廃止されたといたしましても、各都道府県においては引き続き種子の生産、普及において重要な役割を果たしていただきたいと思います。  また、種苗法に基づく大臣告示等の改正により、主要農産品の種子の品質確保のための事務も引き続き担っていただきたいと、そのように考えておりますので、これを担っていただく都道府県の役割は今までと全く変わらずまた重要なものがあろうかと思いますので、財政的措置についても引き続き適切に対応していかなければならないと思っております。  その上で、現在、都道府県に対する財政措置は地方交付税法に基づいてしておるわけでございますが、今後は、種子法が廃止後も種苗法や農業競争力強化支援法案等を根拠として適切に措置されるよう、今後の平成三十年度予算編成過程において関係省庁に強く働きかけていきたいと思っております。また、その結果につきましては、地方交付税の具体的な措置内容について農林水産省からも各都道府県に対して遺漏のないようにきちっと伝達をし、またお願いをしてまいりたいと思っているところでございます。

進藤金日子自由民主党・こころ

○進藤金日子君 礒崎副大臣、明快かつ御丁寧な御答弁、本当にありがとうございました。  また、種子法はそもそも知的財産権を保護していたわけではないわけであります。種子法の廃止いかんにかかわらず、種苗法によって知的財産権が保護されております。しかしながら、今回の種子法廃止で知的財産権が侵害されるような不安、これもいつも耳にするわけであります。これ、農業競争力強化支援法で民間事業者に対して種子生産に関する知見について情報提供を促進するということ、これに対する不安もあるのかなという気がするわけであります。民間事業者には外資系企業も入ってくることが想定され、結果として都道府県から流出した知見が海外に流出するのではないかという懸念、これあるんだろうというふうに思います。  今日、私配付した資料にもありますけれども、種子生産に関する知見ですから、現行法の三条から八条に規定する、これはもう極めて栽培技術等のテクニカルな知見ということなんだろうというふうに思いますが、これは品種開発に関する遺伝子情報とかそういった知見とはちょっと違うんだろうというふうに思います。しかしながら、多くの方々が心配しているということであれば、これは、都道府県が提供促進する種子生産の知見の具体的内容だとか、仮にですね、仮に海外に流出すると品種開発に多少応用されるとかそういったおそれがあるのかなというような知見の取扱いについては、ガイドラインみたいなところを定めて通知するのも一つの案ではないかなという気がするわけであります。実際、秋田県の佐藤農林水産部長は、現行種子法の関係通知の、これを実質的なガイドライン等で分かりやすく明示していただくと有り難いみたいなことも今日午前中、意見がございました。  そこで、種子法の廃止により種子に関する知的財産権の公的保護が仮に、なくなるということないんですけれども、そういう不安に対して、なくなったとして、農業競争力強化支援法案における民間事業者への情報提供によって外資系企業に我が国が長年蓄積してきた種子情報が流出して、結果的に種子メジャー等に我が国の主要農産物の種子が席巻されるんじゃないかという見方、これ実際言う方あるわけでありますので、これに対する見解を伺いたいと思います。

柄澤彰農林水産省政策統括官

○政府参考人(柄澤彰君) まず、現行の種子法には知的財産の保護ですとか外国資本の参入を防止するというような規定はございません。法制度上は外国資本が主要農作物の種子産業に参入することは可能ではございます。  しかし、現状を見てみますと、海外の外資の戦略としましては、やはり海外の穀倉地帯などの均一で非常に大きな大ロットの種子販売を前提に種子生産を行うという市場戦略を多くの外資は取っているわけでございます。そういった視点から我が国のマーケットを見た場合には、かなり狭い地域を対象に非常に多様な気候条件に適しました多品種が必要だということ、必然的にその販売単位も小ロットになってしまうということでございますので、そういった外資から見た場合に我が国の種子の市場がそれほど魅力的ではないというのが実態でございますので、現実にほとんど外資は入ってきていないという状況でございます。  私どもとしましては、知的財産の面で、野菜などと同様でございますけれども、引き続き、種苗法に基づく知的財産の保護はしっかり行う、そして公的機関が持っておりますいろいろな情報がございますが、そういったものが不用意に海外に流出することがないようにしっかりと対策を講ずるということで、我が国の優良品種の知見はしっかり保護してまいりたいと存じます。  このような知的財産のマネジメントを踏まえました民間事業者との連携によりまして、今後の我が国の種子の開発、供給につきましては、都道府県のみならず官民の総合力を発揮する形で更に優位性を高め、逆に外資に対する競争力を高めていきたいという考え方でございます。

進藤金日子自由民主党・こころ

○進藤金日子君 ありがとうございました。  この海外のメジャーに対する話、午前中も秋田の佐藤農林水産部長も同様なことを言っておられたような気がいたします。是非とも、我が国の優良品種、しっかりと守っていただくようによろしくお願い申し上げたいというふうに思います。  次に、先般、本委員会で紙委員の方から配付された資料にもございましたけれども、米について民間企業が開発した種子が都道府県により開発された種子よりも高い、値段が高いというふうになっていると。一般的に民間企業は、種子そのものの値段は高くても収量が多くて実質的な種子の値段が名目よりも安くなるように努力するんだろうというふうに考えるわけでございますが、この種子法廃止と農業競争力強化支援法によりまして、種子産業への民間事業者の参入が促進され、これまでの公的生産に比較して結果として種子の価格が上昇するんじゃないかという懸念もこれ事実聞かれるわけであります。これに対する見解を伺いたいと思います。

柄澤彰農林水産省政策統括官

○政府参考人(柄澤彰君) 私ども、各県にこの法律の廃止に伴ってどういう対応をされるかということを聞き取りを行っているわけでございますが、大半の都道府県からは種子法が廃止されても引き続き種子の生産、普及に関与するという回答が得られているところでございますので、そのようなことを前提といたしますと、都道府県の生産、普及する種子の価格自体が今と比べて高くなるということは想定されないところでございます。  逆に、種子法の廃止及び農業競争力強化支援法案の新規参入支援措置を講じますと、民間事業者が種子生産に新規に参入されるということになります。そうしますと、大規模な種子生産体制が導入されましたり、例えば都道府県が行っておられる種子生産の事務事業の一部が民間事業者に業務委託をされる、さらには都道府県が持っておられますいろいろなハードの面の施設を民間事業者と共用するというようなことが進めば、全体として種子の生産コストが下げられ、そして、結果、種子価格の引下げにつながる可能性が出てくるんじゃないかというふうに思います。  一方、委員が今御指摘のように、今現在、民間事業者が開発しています品種について、一定程度価格が高いものもございます。そういったものがなぜ今一部の生産者に使われているかといいますと、まさに一般の品種に比べまして収量が高くて、結果として当該農家の所得が従来の品種に比べて遜色がないレベルになるということから使われているということでございます。  そういったことも踏まえて考えますと、種子法の廃止によって都道府県と民間事業者の連携による種子生産が促進されれば、都道府県の品種のみならず、民間事業者の開発した品種も含めて農業者にとって選択できる可能性が増え、結果として効果、メリットが農業者に帰属するのではないかというふうに考えております。

進藤金日子自由民主党・こころ

○進藤金日子君 ありがとうございました。  物事を一つやるときにはメリットとデメリットと、これあるわけでございますが、今メリットの方をしっかりと言っていただきました。  デメリットもそういうことはないんだろうということでありますけれども、やはり私もこのデメリットのところを突き詰めて考えていきますと、民間企業の参入によって種子の価格が上昇するというのはどういうことなのかということを考えていきますと、種子法の廃止で都道府県による種子生産がなくなって、なくなって、かつ民間事業者が独占的に種子を支配する、こういうことが起こればこれは上がるかもしれない。じゃ、本当にそういうことが起こるのかと、現実的に。  私もいろいろ考えてみるんですが、この種子法の廃止のみによってそういうことは起こり得ないんだろうと。むしろこういった懸念というのは、議論としてはもちろんあり得ます。しかしながら、机上論なんじゃないかなというふうに、私自身は起こり得ないんじゃないかというふうに考えるわけであります。  先般の本委員会で舟山委員の方から、A3の種子法廃止に至るまでの経緯という資料を出していただきました。非常に時系列で分かりやすかったというふうに思います。この中で論点になったのが、二〇〇七年、平成十九年四月二十日の農林水産省の見解と現在の種子法案の廃止を判断した見解が全く異なるんじゃないかと、どういうことなんだという御指摘があったというふうに思います。  これも私なりに考えていきますと、なぜその見解が変わったんだろうと、この十年間に何があったのかということを、ここをちょっと検証しないといけないんじゃないかというふうに思います。この事実をしっかり整理しないといけないのかなというふうに思うわけであります。  これ間違えているかもしれませんが、私の整理では、この十年間何が起こったかと。これ、決定的に変わって今後更に変化が見込まれるのが、午前中の議論もあったんですが、まずは近年、中食、外食といった業務用米に対する需要がどんどんどんどん増えてきている。これは十年前にはなかった事象であります。一方で、二点目ですが、米の輸出ということであります。輸出は十年前は余り考えられなかった。でも、近年どんどん伸びてきて、これから行くぞと政府もシグナル、意向を示しているわけであります。この二点がいわゆる状況変化としては考えられるんじゃなかろうかというふうに思うわけであります。  ですから、この業務用米と輸出用米の品種開発を誰が担うんだということであります。私は、少なくとも都道府県だけの対応ではこれはなかなか厳しいんじゃないかというふうに言わざるを得ないというふうに考えます。なぜかといえば、現在に至るまで都道府県の品種開発というのは、まずは地域特性に合った、台風があるところは倒伏しないようにしようとか、あるいは穂丈ですね、ですから、長いのを短くしようとか、そういった開発だとか、やはり米の食味を追求していくというような、こういったこと主体の品種開発だったんだろうというふうに思うわけであります。まさに銘柄米、今競っているわけであります。そちらの方向に相当力点を置かれていると。また、これは長い減反政策の中で、私は、この品質と増収、単収を増やしていくという、そういったことを両立するような、そういった品種開発というのはなかなか行われていなかったんじゃないかなというふうに思うわけです。  ですから、業務用であれば、これは都道府県もそれぞれの対応を考えるというふうに秋田の部長も言っておられました。ただ、輸出米となればちょっと厳しいなというようなコメントもあったわけでございますが、やはり、この業務用米や輸出用米の開発と効率的な種子生産という新たな分野にこれスピーディーに、迅速に対応していかないといけないということも言っておられましたから、この中ではやっぱり民間企業の積極的参入は期待されて、国レベルの農研機構と都道府県と民間企業が連携すべき分野ではなかろうかというふうに考えるわけであります。  しかるに、この間の答弁にもありましたけれども、現行法上で幾ら民間企業の参入を促しても全く参入されない。つまり、現行法の限界に至ったんじゃないかというふうに考えるわけであります。現場でも、今日の午前中あったように、これまではよかったんだと、今までの種子法で、でもこれから展望すると限界があるんですということを秋田の部長さん言われておりました。  そういった中で、これもう種子法を廃止しなくていいじゃないかと、一部改正でいいんでしょうという議論があるんです。そういった中で何で廃止しなければならないか、この決定的な理由について明快に御答弁をお願いしたいと思います。

柄澤彰農林水産省政策統括官

○政府参考人(柄澤彰君) 今委員からも御指摘がございましたように、この十年程度の間、通知なども出しまして、私ども、この種子法の枠組みを前提とした形で、どうか奨励品種を指定する際、民間事業者の品種にも目を向けていただくようお願いをしてきたわけでございます。都道府県に対しまして、民間事業者の品種につきましても参入促進をしていただきたいということをずっとお願いしてまいったわけでございます。  しかし、この十年たってみましても、ほとんど民間の品種が都道府県の採用品種に採用されないという事実がございます。これは紛れもない事実でございます。やはり、都道府県としましては、やはり奨励品種になりますといろんな公費が投入されるということになります。したがいまして、自ら開発した品種を優先的に奨励品種にするということになっていることが事実でございます。  この根本的な要因を考えてみますと、やはり法制度上、この奨励品種を指定するための試験などをこの法律によって都道府県に義務付けておるということが構造的な問題になっているということでございます。いろいろな改正とか運用改善というような案も今あるんではないかということも御指摘がございましたが、今申し上げましたような経緯とこの法制度の構造を考えた場合に、この法律の本質は県に義務付けるという法律でございますので、いかにこの法律の改正などを行ったといたしましても、その本質的な法律の構造は変わりませんので、今般、この改正ということではなくて、種子法の廃止とともに別途の競争力強化法案の御提案も申し上げているという判断に至ったというところでございます。

進藤金日子自由民主党・こころ

○進藤金日子君 ありがとうございます。  やはり、これからの種子行政ということを展望したときに、今の構造ではなかなか対応し切れない部分、これあるんだろうと、これはまさにそういった中での廃止ということであろうというふうに理解いたします。そういった中で、この種子法の廃止に当たっては、やっぱりまだいろいろな不安や懸念というのがこれあると思います。  今回は、これまで私も、衆議院での審議、参議院での審議、議事録全部読まさせて、チェックさせていただきまして、私なりに内容をチェックしながらポイントを絞って、ここが不安なんだろう、ここは懸念があるなというところをしっかりとちょっとピックアップしまして、午前中の参考人質疑と対比する形で実は今農水省としての責任ある考え方ということを明確にしたつもりであるわけであります。  今回の質疑の中で、農業競争力強化支援法案に規定する予定の、都道府県が提供を促進する種子生産の知見のこの具体的な内容や、これ繰り返しになりますけれども、仮に海外に流出すると品種開発に応用されるおそれがあるような知見、この取扱いは、やっぱりこれは一定程度のガイドラインというところも考えていいんじゃないかなと。そういった中で、そこは共通認識としてしっかりと都道府県と国と情報共有しながら、間違えても優良な品種がおかしな形で海外に出ないような、そういうチェックを引いていくということも重要なんじゃないかなという気がいたします。  そういった中で、やはり、都道府県の事務の円滑化ということも図られていくと思いますし、なおかつ民間事業者と今までではない前向きな連携、今日午前中は豊田通商さんとの連携の例、話されておりましたけれども、やはりネガティブチェックというところも重要なんですが、ポジティブな方向、どういうふうに連携していくのかということを各都道府県、今本当に熱心にやっておられますから、こういった前向きな連携を深める上でも、これしっかりと農水省の方にサポートしていただければというふうに考えるわけであります。  種子法廃止を私はやっぱり否定的に捉えるんじゃなくて、都道府県の自主性や独創性の発揮、それから、民間事業者との連携強化によって需要に応じた主要農産物の生産が可能になっていくんだと、そういった中で、やっぱり結果として何でそうなるのかというと、農業者の所得向上であります。やはりこの農業者の所得向上につながっていくんだということ、ここをしっかりと念頭に置きながら、これからまた農水省の方、この種子法廃止されればその後の施策展開、よろしくお願い申し上げたいというふうに思います。  以上で私の質疑を終えさせていただきます。どうもありがとうございました。

舟山康江民進党・新緑風会

○舟山康江君 舟山康江でございます。  今日は、法案審議に入ります前に、一つ気になるニュースが今日報道されておりますので、それについて確認をさせていただきたいと思います。  四月十八日に日米経済対話、麻生副総理とペンス副大統領の間で日米経済対話が開かれると予定されておりますけれども、今日の朝日新聞に、この中で、事前協議の中でアメリカ政府が二国間の貿易交渉を要求してきているというような報道がありました。今のところそういった予定はないというこの間の御答弁でしたけれども、こういった報道につきまして、この真意のほど、そしてまた農水省の考え、大臣からお聞かせください。

山本有二自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(山本有二君) 日米経済対話では、麻生副総理とペンス副大統領の下で、経済政策、インフラ投資やエネルギー分野での協力、貿易・投資ルールについての議論がなされることというようになっております。具体的な構成内容につきましては、現在米国との間で調整が進められているところでございまして、具体的に決まっている事柄はまだ報告すべきものはないというようにお聞かせいただいております。  引き続き、外務省等と連携を図りつつ対応してまいりたいというように考えております。

舟山康江民進党・新緑風会

○舟山康江君 そうしますと、この二国間貿易についても現段階で排除し切れないということでよろしいんでしょうか。

山本有二自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(山本有二君) 日米経済対話の中身でございます構成内容については、アメリカとの調整でございますし、二国間対話を排除するというものではないというように考えております。

舟山康江民進党・新緑風会

○舟山康江君 二国間の貿易交渉ということになると、これ、以前から何度も言及されているように、自動車、農業というのがやはりメーンテーマになってくるんだと思います。そうなると、農林水産省は人ごとでは済まない、まさにこれからどう臨んでいくのかということが本当にこれ真剣に問われていくと思いますけれども、是非こういった情報につきましても早めにお知らせいただきたいと思いますし、もしこういった交渉になったときに、きちんと毅然とした態度で臨むというその御決意を一言お願いしたいんですけれども。

山本有二自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(山本有二君) 国益を守り、かつ日本農業のセンシティビティーに配慮しながら、一つずつ守るべきものは守るという所存で臨みたいというように思っております。

舟山康江民進党・新緑風会

○舟山康江君 ありがとうございました。  是非、その国益というものが決して企業の利益ではなくて、現場、地域、農業の利益になるようにということを念頭にしっかりと主張をしていただきたいと思います。単にのまれるのではなくて、主張していただきたいと思います。  さて、それでは主要農産物種子法につきましてお聞きしたいと思います。  今日午前中、秋田県の農林水産部長からもお話がありましたけれども、やはり最初に話を聞いたときには、部長さんも、国も県も手を引くのかということで、ちょっと唐突感があった、驚いたというお話が冒頭にありました。やはりどの県もそういう状況だったのかなと思います。私も、山形県の担当者、責任ある方に聞いてみましたけれども、やはり同じような答えでありました。多くの懸念を持たれておりました。  そういったやはり唐突感と本当に大丈夫かなという懸念について、大臣はどのように受け止めていらっしゃるでしょうか。

山本有二自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(山本有二君) 平成二十八年十一月の農業競争力強化プログラム、その中において主要農作物種子法を廃止するための法整備を進めるということを受けまして、その後、農林水産省で、各種説明会の場で都道府県や農業団体の関係者とプログラムの内容に関する説明、意見交換を行いました。またさらに、関係者から様々な御意見や質問をいただきましたので、それに対して丁寧に回答するなどのそうした対応を進めてまいりました。  最初は廃止ということにおいて唐突感があったように思いますが、徐々に、午前中の参考人の佐藤さんのように、JAあるいは農家が冷静に受け止めていただくようになったというように考えております。

舟山康江民進党・新緑風会

○舟山康江君 今のお話でも分かりますとおり、これ、県の様々な責務とか義務というものを定めている中で、本来は、この法律をどうするのか、なくすべきか維持するべきか変えるべきか、こういったことを検討するに当たって、先に都道府県の意見をお聞きするのが通常の筋ではないのかなと思いますけれども、今のお話でも分かるとおり、結局、廃止を決めてから廃止しますという説明会をしているということなわけですよね。非常に手続として私は乱暴だったのではないかというふうに思います。そのことがやっぱり依然として現場には、今日の秋田県さんは理解を示されておりましたけれども、決して全ての都道府県がそういった状況ではないというふうに思います。  ところで、今回も民間の参入が進まないからということで廃止ということになりましたけれども、現在なぜ都道府県において民間育成品種が導入されていないとお考えでしょうか。その理由をどう考えていらっしゃるでしょうか。

礒崎陽輔自由民主党・こころ農林水産副大臣

○副大臣(礒崎陽輔君) お答え申し上げます。  今御指摘いただいていますように、都道府県に対し、民間事業者の開発した品種も積極的に奨励品種に採用するよう通知を発するなど、これまでもやってきたところでございますが、その結果も、都道府県の奨励品種にほとんど民間のものが採用されていないという事実がございます。根本的な要因は、奨励品種を指定するための試験等を都道府県に義務付けることにより、都道府県が開発した品種が優先的に奨励品種に指定されるという現行法制度の構造的問題があるのだと考えております。  午前中の参考人質疑もございました。その中で佐藤部長がおっしゃっていたのは、昔は確かに民間の方にそういうような品種がなかったというのも、これも御主張のとおりだと思いますが、最近、新しい民間の品種が出てきた場合でも、午前中の話で正確かどうかはあれですけど、ちょっとやはり職員も切替えができなかったというようなことを部長もおっしゃっていたような気がいたします。そうしたことで、やっぱり現行の都道府県に開発者と奨励者と両方やってもらうという仕組みの下ではなかなか難しいのではないかというのが我々の考え方であります。

舟山康江民進党・新緑風会

○舟山康江君 先ほど進藤さんの御質問の中で、都道府県をばかにしているというか、そういう目で見ているんじゃないか、やめてしまうって、それは都道府県をばかにしているんじゃないかということを言われていましたけれども、今の御答弁こそ私、都道府県をばかにしているんじゃないのかなと思います。  今の都道府県は、別に何も自分たちが開発したものを、良くても悪くても関係ない、それを優先しようということで奨励品種にしているわけではなくて、やはりきちんともう何年も掛けて調査をして、気象データ等も把握して、気象、気候、地理、そういったものを踏まえてこれがいいんだということの中で奨励品種にしていると。こういったいろいろな御努力も私、聞いてまいりました。  そういう中で、なかなか民間の育種品種というものが果たして本当に、一般のデータはあるけれども、個別のこの我が県に持ってきたときに、こういった状況の中で果たしてきちんとした作柄が得られるんだろうか、栽培に適するんだろうか、そういったところの不安からなかなか奨励品種には位置付けにくいという、そういったことであって、何も、あっちの方がいいけれどもうちを優先しようという、そういった我田引水的な考えでやっているのではないというふうに思いますし、そう思い込んでいるとすれば、それこそ私は都道府県に対して失礼ではないのかなというふうに思います。まさに、もうオープンにしているけれども、結局様々な事情の中で県は頑張って、自分の県に合うような、それこそ北から南まで幅広いこの気象条件の中に合うような品種を育成して、より良いものを作る努力をしているということは是非お分かりいただきたいなというふうに思います。  さて、そういう中で、私もやはり食糧の安定供給、これ何度も大臣からもお話しいただいていますけれども、やっぱり食糧の安定供給の確保というのは国の最大の責務だと思います。そういう意味で、やっぱり私は種の、種子の安定供給というのも国の最大の責務だと思いますけれども、やはりそういった認識でよろしいでしょうか。

山本有二自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(山本有二君) 安定供給は国の責任であるというように思います。二十八年十一月に策定いたしました農業競争力強化プログラムにおきましても、戦略物資である種子、種苗について、国は、国家戦略、知財戦略として、民間活力を最大限に活用した開発、供給体制を構築するというようにしておりますし、今後とも国が種子の安定供給に責任を持つことに変わりはありません。  具体的に申し上げれば、今後とも種子の安定供給のための取組を行う都道府県や民間事業者を後押しさせていただきたいと思っております。農業競争力強化支援法において種子生産に都道府県の知見を活用することを規定しておりまして、都道府県が種子生産において重要な役割を担っているということをここで位置付けるわけでございます。そして、種子法に関係する事務を対象として措置されている地方交付税が引き続き確保されるように関係省庁と一緒になって努めたいと思っておりますし、さらに、種子生産における都道府県と民間事業者との連携の促進を図って、これまで以上にこの種子、品種開発がスムーズにいくように努めたいと思っております。そして、稲、麦、大豆の種子に関する品質基準を定めるということもさせていただいて、県域を越えて複数の都道府県間で種子を販売したり、あるいは事業が展開したり、種子の品質確認を行ったりできるようにもしたいと思っております。  農産物検査法に基づく農産物検査が適切に行われ、そして検査員の指導、検査の基準というものの標準化の提供を行うことによって更に品質が高まるというようにしたいとも思っておりますし、さらには、食糧法に基づきまして、緊急時において米の生産者やあるいは流通業者に対する命令を発するなどしまして、種子や食糧の安定供給のための所要の責任をしっかりとこれを果たしていこうというように思うところでございます。

舟山康江民進党・新緑風会

○舟山康江君 種子供給の重要性等もよく御認識の中で、今までの都道府県の役割についても後押ししていきたいということでありましたけれども、そうであればなおさら分からないのが、何で今回廃止するのかなというのが本当によく分からないんですよね。今の法律の中でも十分それは担保されていたと思いますし、民間品種の導入だってできたわけですし、なぜそれまで一生懸命いろんな重要性を訴えて、これもやりますと言っている中で廃止するのか、そこが本当にちょっと分からない。私は、今の大臣のお気持ちはやっぱり廃止しなくてもいいのになと思っているように聞こえました。  そういう中で、まさに安定供給が必要な戦略物資ですよね、一昨日も言われていましたけれども。そういった安定供給をしなければならない、もう知財の中心、戦略物資、こういったものを本当にビジネスに組み込んでいいのかなというのがやっぱり相変わらず私は疑問として残っているわけです。  例えば、病気に強い、倒伏しにくい、作りやすいというような品種が、民間がこれ例えば遺伝子組換えで作ったとすれば、これ生産者からすればすごく有り難いと思うんですよね。それで、ましてや収量も上がるとなれば、恐らく生産者は、それがコストを考えてもいいものなんだと判断すれば多分導入するし、普及すると思うんですよ。ただ、それが本当に国家戦略として、中長期的に国としていいのかなというと、果たして、それはよしと、もう本当にこれ現場にとっていいものだから、もうこれでバラ色なんだということに私ならないんじゃないかと思うんですよ。  長期的な国家戦略として、全てそういった、例えば遺伝子組換えなりいろんな最新技術を使った、いわゆる作りやすいいいもの、いいものだけが残ってしまうとなったときに、本当にこれ都道府県が、じゃ、出番がなくなってしまうなり、種子がそういった意味で民間に少しずつ支配されるようになるということを考えたときに、まさにこのビジネスという面でこういったことに任せてしまっていいんでしょうか。長期的な利益、全体の利益からして、本当に大丈夫なんでしょうか。

礒崎陽輔自由民主党・こころ農林水産副大臣

○副大臣(礒崎陽輔君) お答えいたします。  先ほども言いましたが、現在、主要農作物種子法によって種子の品質の確保がされているのは御指摘のとおりでございますが、種子法の廃止後は、種苗法第六十一条に基づく指定種苗の生産等に関する基準の大臣告示を見直しまして、現在、野菜はこれに基づいてやっているわけでございますが、主要農産物である稲、麦、大豆についても現行の圃場審査や生産物審査に係る規定と同様の規定を追加し、都道府県域の事業者が生産する種子については、これまでと同様、生産地の都道府県がその品質の確認をすることといたしております。  また、農産物検査法に基づく農産物検査により確認が必要な種子の水分等などの種子の流通上必要な品質についても引き続き担保することといたしておりまして、基本的に種子の品質やあるいは安定供給、こういったものに支障のないように配慮していく考えであります。

舟山康江民進党・新緑風会

○舟山康江君 やはりビジネスと位置付けると、そういった国として、国家としての戦略とずれてくることがあると思いますし、同様の支援をするというのであればやっぱり変えなくていいんじゃないのかなというふうに強く思います。  そして、もう一つ私が懸念しますのは、都道府県の有する知見を提供するといいますけれども、この知見というのは本当にまさに非常に大事なデータ、知的財産なわけで、それを民間に提供する、そうして開発された種子に関して、例えば知的財産権、特許の扱いというのはこれどうなるんでしょうか。

西郷正道農林水産省農林水産技術会議事務局長

○政府参考人(西郷正道君) 我が国の特色を生かした強みのある新品種の開発が速やかに普及されるなど、農家収入の向上につながる技術等を有する民間企業に対しまして公的研究機関が種苗の生産に関する知見を提供するということは、知見の有効活用を図るという観点から妥当であると考えております。このようにして知見の提供を受けた民間企業が当該知見をベースにして独自の研究を行って開発した種子の知的財産権は、それは開発者であるその民間企業に属することとなります。  ただ、もちろんこの知見の提供を行う際に、みだりに海外に輸出するなど、こういうことがないように、知的財産権に係る契約をきちんと結ぶということなど適切な措置を講じまして、国内の農業に悪影響が及ばないようにしっかりと対応してまいる所存でございます。

舟山康江民進党・新緑風会

○舟山康江君 この知財の問題というのは非常に大事だと思います。県がかなりそれこそコストと時間を掛けて開発したものをそんなに安易に民間に出せ出せということを法律で規定すると、これは、この種子法じゃなくて競争力強化支援法案にも入っているようですけれども、果たしてそれが適切なのかということを私もう一度お考えいただきたいと思います。自発的な判断でそういったいいものをみんなでということはいいかもしれませんけれども、法律に書くとなると、やはりかなり強制力を伴ってしまいますよね。そういった意味で、やはりあちらの法律の審査のときにもきちんと議論をしていきたいなと思います。  そして、もう一つ、元々、これ、なぜ種子法が廃止なのかというと、資材価格の引下げという文脈で突然として出てきたわけです。資材価格の引下げ、民間参入でビジネス化で種子の価格が下がるのかというところ、これ何度か質問されておりますけれども、少なくとも、現在、業務用の種もみ、こういったものも今県が育成しているものよりも高いわけですし、引下げということで民間開放するというこの元々の趣旨と今の現実というのは合っていないんじゃないんでしょうか。  しかも、基本的にはF1ですから毎年購入しなければならないといったときに、これまた安定供給という面で非常に本来の趣旨ともずれるんじゃないんでしょうか。

柄澤彰農林水産省政策統括官

○政府参考人(柄澤彰君) まず、全体としての考え方でございますけれども、今般の種子法の廃止と、それから農業競争力強化支援法案によります新規参入支援措置を重ねて講ずることによりまして、民間事業者の種子生産への新規参入が進むということになりますと、種子生産自体が大規模化していく可能性が出てまいりますし、それから、都道府県が行っております種子生産に関するいろいろな仕事が民間事業者に業務委託をする可能性が高まる。そして、都道府県の持っておられるハード面の施設等の民間事業者との共用も進むということになりますと、現状から考えますと、やはり総体としての種子生産に係るコスト削減が図られ、もって種子価格の引下げにつながる可能性が出てくると思います。  ただ、その中で、御指摘のように、一部F1などの品種につきまして普通の品種よりも高いものもあるわけでございますけれども、それは、繰り返しでございますが、誰も強制しているわけではございませんが、今はかなりの都道府県でも使われているというのはなぜかといいますと、やはり収量が高い、あるいはそれに伴う所得が得られる、そして売り先が確保されている、実需者のニーズと結び付いているというふうなことから使われているということでございますので、そういった選択肢も広がっていくという効果が期待されるわけでございます。

舟山康江民進党・新緑風会

○舟山康江君 大体こういった規制改革推進会議等の議論の共通点は、もう民活導入、民間に開放するとコストが下がる、安くなる、効率的になるという理論だと思います。今のも、民間は安い、公は高い、だから民間を参入させて安くていいものを作ろうということになっていますけれども、果たして、これ、本当に命の源である種に対してそういった議論でいいのかということ。  それから、大規模化といいますけれども、種子の生産というのはやっぱり安定性が大事なわけですから、リスクもきちんと分散しなければいけないと思います。大規模化だけでこういった種子の供給を任せるようなそういった議論というのも、やっぱりちょっとずれているんじゃないのかなというふうに思うんでよね。ビジネスに任せていい部分、でも、そうじゃなくて、一方できちんと安定供給を確保しなければいけない部分、私は、まさに種子というのは後者の方であって、きちんと、まさに中長期的な国家戦略として、単に民間に任せるだけじゃなくて、ここはがっちり守るんだということをしっかりと確保していかなければいけないというふうに思います。  そういう中で、先ほど来、大臣はちゃんと今までと同じような支援をするとおっしゃっていましたから、まさに種子法の廃止は要らないんじゃないのかなと改めて強く思っているところであります。  また、もう一点、今度は機械の話ですけれども、やはりこの機械化促進法の廃止につきましても、生産資材価格の引下げの文脈でこの法案廃止が規定されております。この法案の存在が機械を高くしていた要因だったんでしょうか。そしてもう一つ、この法案廃止によって、価格引下げとか競争力強化にどう結び付くんでしょうか。まとめてお答えいただきたいと思います。

枝元真徹農林水産省生産局長

○政府参考人(枝元真徹君) お答え申し上げます。  まず、法案があったことが機械の価格が高い原因だったのかという点でございます。  今回、様々な資材に係ります業界構造、法規制等、総点検を実施いたしました。この中で、農業現場の方からは、野菜等の機械化が遅れている分野での開発ですとか、軽労化、省力化に寄与するロボットやICTなど、新技術の導入が期待されてございます。  この機械化促進法があることによりまして農業機械の価格が高止まりしているとは考えておりませんけれども、このような新技術を取り入れた良質かつ低廉な農業機械を迅速に提供していく観点から同法を点検したところ、現在の一定期間置きに審議会の意見を聴いて基本方針に開発対象機種を位置付けるという現行スキームでは迅速で機動的な対応が難しい状況となっているということから、この法案は廃止したいということでございます。  その上で、機械化促進法に基づきまして、現在農研機構が行っております研究開発を農研機構法に位置付けまして、担い手等のニーズを踏まえた試験研究が機動的に進められるように措置しております。  また、農業競争力の強化プログラムに基づきまして、民間企業、研究機関、農業者との連携により、良質かつ低廉な農業機械の開発を促進することとしておりまして、具体的には、最低限必要な機能、装備のみを備えたシンプルな農業機械の研究開発、建設作業機械等の異分野メーカーの新規参入による競争の促進、メーカー間の部品や仕様の共通化の促進などの取組を進めていくこととしてございます。  これらを着実に実施いたしまして、農業機械の価格の引下げを図り、農業競争力の強化を図ってまいりたいと存じます。

舟山康江民進党・新緑風会

○舟山康江君 つまり、当初は分かりませんけれども、ここ最近、この法律は何の意味も持たなかったということの理解でよろしいんですか。

枝元真徹農林水産省生産局長

○政府参考人(枝元真徹君) 法案ができました当時は、まだ非常に機械化も進んでございませんでしたし、非常に粗悪な機械も出ていたということなので、先生御案内のとおり、現在の機械化の状況、あとその品質の向上から見ると、この法律自体が果たしてきた役割は当然にあったというふうには思っておりますが、今においては、今のスキームでは、より機動的な対応を研究機関の方でやった方がいいという判断でございます。

舟山康江民進党・新緑風会

○舟山康江君 恐らく、生産資材引下げの文脈でこの法案廃止が出てきたけれども、まあ別に高かったのはこの法律のせいでもないしおかげでもないし、当初はもちろん、やはり農業の近代化とか経営の効率化という意味で、機械化促進って物すごくやっぱり法律できちんと位置付けることの意味はあったと思いますけれども、少なくともここ、まあ十数年か二十数年か分かりませんけれども、最近においては、ほとんどこの法律というのは余り意味がなかったのかなということの現れが今回の廃止なのかなというふうに思います。  それで、平成五年六月に農業機械化促進法の一部改正が決められました。そして、この改正に基づきまして、新農業機械実用化促進株式会社というものが設立されました。お手元に資料をお配りしております。  この会社はこういった経緯で設立されましたけれども、どのような業務を行っているんでしょうか。

枝元真徹農林水産省生産局長

○政府参考人(枝元真徹君) 新農業機械実用化促進株式会社でございますけれども、今の先生御指摘があった、平成五年に機械化促進法を改正いたしまして、同法の五条の五第一項に基づく高性能農業機械実用化促進事業を実施する法人として設立されました。これは、具体的には農研機構と農業機械のメーカーが共同開発した農業機械につきまして、複数のメーカーが製品化、販売化することでコストダウンを図ることができるように、共通の金型の製造、賃貸をこの新農業機械実用化促進株式会社が行ってございます。

舟山康江民進党・新緑風会

○舟山康江君 ありがとうございます。  そうすると、この法律に基づいてその法律に基づく業務をこの株式会社が行っていたということは、法律廃止に伴って設立根拠もなくなるから業務もなくなります。そうなると、やっぱり廃止するということになると思いますけれども、それでよろしいでしょうか。

枝元真徹農林水産省生産局長

○政府参考人(枝元真徹君) まず、この法律が廃止をされますので、この五条の規定もなくなることになりますので、実用化促進事業はこの法律の廃止とともに廃止することになります。現在、具体的に行っております、農研機構とメーカーが開発している機種の実用化というのをやってございます。現在行っている実用化業務があと二、三年で終了いたします。その時点で全てが終わりまして、その後、同社が解散するかどうかについては、これは民間企業でございますので、同社の取締役会ですとか株主総会とかで判断されるんだろうというふうに承知をしてございます。

舟山康江民進党・新緑風会

○舟山康江君 現在、具体的にどのような業務を行っているんでしょうか。元々、部品の共通化ということで、金型を共通で使っていこうということで金型の作製をやるということでしたけれども、なかなか独自でできないからそれを民間にお願いをして、イニシャルコストを払って、その使用料、賃貸料を払うということでやっていたと聞いていますけれども、そういう理解でよろしいですか。

枝元真徹農林水産省生産局長

○政府参考人(枝元真徹君) 経営的にはそうでございます。農研機構と機械メーカーが共同でまず開発をいたします。この新農機、その開発をして新農業機械実用化促進株式会社が実用化をした代表的なやつが高速代かき機みたいなやつでございますけど、それの共通の核となる技術をまず農研機構と各機械のメーカーで開発をし、それを、それぞれの会社で金型とかを持っていると非常に非効率なので、この新農業機械実用化促進株式会社が金型を共有化してそれを貸し付けるということでございます。

舟山康江民進党・新緑風会

○舟山康江君 これ、聞くところによりますと、その金型の使用料というのは、もう使っていても使っていなくても払わされているということをメーカーからお聞きしました。非常に不透明だと思います。そして、根拠となる法律がなくなるということ、そしてもう一つは、これちょっと時間がないので調べた結果をお話ししますけれども、この会社には農林水産省が農研機構を通じて出資をしているという意味では民間株式会社ですけれども、官製民間企業という感じですよね。しかも、これ、いわゆるOBが行っているかどうか質問したところ、分からないと言われましたけれども、私の調べる限り、毎回社長には農水省局長級のOBが就いているということで、かなり深い関係があるわけです。  そういう中で、今回、農水省は意を決してこの法律を廃止したわけですから、やはりその法律に伴って設立されたこの会社の存在意義も相当薄くなっていると思いますので、私はやはりこの機にもう廃止をするべきだと思いますけれども、大臣のお考えをお聞かせください。

渡辺猛之自由民主党・こころ

○委員長(渡辺猛之君) 時間が来ております。簡潔にお願いします。

山本有二自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(山本有二君) この法律的な要因はやがて二年後にはなくなるわけでございますし、天下り先などの批判のないような判断を望みたいというように思っております。

渡辺猛之自由民主党・こころ

○委員長(渡辺猛之君) おまとめください。

舟山康江民進党・新緑風会

○舟山康江君 やはり、これはきちんと整理をするべきだと思いますよ。  そして、もう一つ、冒頭に質問させていただきました種子法につきましては、改めて、それだけ県の役割を認めて後押しするということを言っている以上、なぜ廃止するかということが本当に理解ができませんので、もう一度この廃止について考え直していただきたいということを申し上げまして、私の質問を終わります。  ありがとうございました。

竹谷とし子公明党

○竹谷とし子君 公明党の竹谷とし子でございます。  農業機械化促進法を廃止する等の法律案、そして主要農作物種子法を廃止する法律案について質疑させていただきます。  前回の委員会で農業機械化促進法の廃止法案について主に質問させていただき、主要農作物種子法を前回途中までやらせていただきましたので、引き続きこれを質問させていただきたいと思っております。  農水省は、この法律の廃止の背景として、資料をお配りしておりますが、農業の戦略物資である種子については多様なニーズに対応するため民間ノウハウも活用して品種開発を強力に進める必要があると説明をしております。この主要農作物種子法ができた昭和二十七年というのは、戦後の食糧の増産という国家的要請があった時代でございました。それを行うために、国、都道府県が主導して優良な種子の生産、普及を進める必要があったということでございます。この法律に基づいて、都道府県による原種及び原原種の生産、また種子生産圃場の指定や圃場審査、生産物の審査、そして都道府県による優良な品種、奨励品種を決定するための試験が義務付けられていたものでございます。これは一定の成果を上げて、既に都道府県で定着をしているというふうに理解をいたしております。  この法律ができたときは、作れば売れる時代であったと思います。しかし、今は時代が変わりまして、食料自給率はどんどんどんどん低くなり、日本の食料の市場というのは、海外の商品を多く消費されるように消費者の好みが変わってきている。それに日本の食料政策というものが付いてこなかったから今のような状況になったという面があると思います。市場のニーズをしっかりと把握して、それに応える政策ができなかったということではないかと、厳しく言えば、そのように私は思っております。  今は、作れば売れる時代ではなく、売れる物を作らなければならない。そういう意味で、多様なニーズに対応するために民間ノウハウを活用するというこの法案の廃止の背景というのは理解をするところでございますが、この多様なニーズというものはどんなものであるか。午前中の参考人質疑の中で秋田県の農林水産部長の佐藤博参考人がおっしゃられていましたけれども、中食、外食、事業用の米、これのニーズというのが非常に高まってきているという、この変化への対応、そして、輸出、今後輸出をしていくということに対する変化への対応、こうしたものというのはやはり民間企業がニーズをしっかり押さえているので協力していく必要性があるという趣旨のことをおっしゃられていたと理解をしております。  改めて、農林水産省のこの多様なニーズというものをどのように捉えているかについて見解を伺いたいと思います。

柄澤彰農林水産省政策統括官

○政府参考人(柄澤彰君) まさに委員御指摘のとおりでございます。  私ども今、米政策を進めるに当たりまして、需要に応じた生産ということを決まり言葉にしておりますが、まさにニーズを捉えた生産を進めるということを考えた場合に、現状、例えば米で考えた場合、主食用米の三割を超える割合がいわゆる中食、外食等の業務用の方が使われているお米でございますので、そういった方々のまさにニーズに応えていく必要がある。  また、国内のマーケットが大変残念ながら年間八万トンずつぐらい減少しているわけでございますが、やはり海外には潜在的な大きなマーケットがあるということを考えますと、そういった海外への輸出用のお米に対するニーズがかなりあるということでございます。  今般の法制度の廃止につきましても、こういったニーズに対応するために今官民の総合力を挙げて対応していかなければいけないという問題意識でございます。

竹谷とし子公明党

○竹谷とし子君 公的機関ではこの多様なニーズに対応し切れないという面があるというのは理解ができるところでございますけれども、なぜ公的機関ではニーズに対応できないと考えられるか、農水省の見解を伺いたいと思います。

柄澤彰農林水産省政策統括官

○政府参考人(柄澤彰君) まず、公的な研究機関、一つは国立の研究開発法人というのがあるわけでございますが、こういったところはやはり非常に高い技術を持っておりますし、多様な遺伝資源を持っておるわけでございますので、そういった先導的な品種開発というのが得意な分野ということが言えると思います。そして、都道府県について見ますと、やはり都道府県ですので、当該都道府県の気候風土に適したような形の例えばブランドの品種が欲しいというような、その都道府県の視点でのやはり研究開発が強みがあるということだと思います。他方、民間事業者を考えてみますと、やはり外食事業者などの実需者に一番接しているわけでございますので、そういった何が欲せられているかというニーズを一番情報として持っておられるということで、それぞれ強みがあるわけでございます。  したがいまして、今回、公的機関と民間事業者の両者の強みを生かした形で官民の総合力を挙げていくということがこの法案の背景にある考え方でございます。

竹谷とし子公明党

○竹谷とし子君 公的機関は国、都道府県それぞれ強みがある、そして民間では特に多様なニーズに対応する強みがあるということで、それらを組み合わせて協力をしていくことによってシナジー効果を生み出していこうということであるというふうに理解をしておりますけれども、それぞれに強みがあるということは分かりますけれども、勝手にそれらが、さあ協力しなさいと言ってもするものでもないと思います。  また、今、今回の廃止、主要農作物種子法の廃止によって、これまで義務化されていたものを少し柔軟化することによってマーケットのニーズに対応をしやすくなる面があるのではないかという御意見も伺ったところではございますけれども、やはり民間企業と都道府県がしっかりと連携をしていく必要性というものがあると思います。  それをどのように連携をしていけばいいのかということについて、農水省の見解を伺いたいと思います。

柄澤彰農林水産省政策統括官

○政府参考人(柄澤彰君) まさに都道府県と民間事業者が連携をするということが非常に重要なポイントになるわけでございます。  具体的な連携の在り方でございますけれども、まず開発面について見た場合には、例えば都道府県と民間事業者が育種やニーズに関する情報をまず共有すると、そして県と民間事業者が共同で新品種の開発を進めることを後押しするというようなことがあると思います。また、種子の生産面につきまして見た場合には、民間事業者が持っておられる実需者のニーズに関する情報を都道府県と共有していただくということで、種子の開発面、生産面に活用する、あるいは、逆に、都道府県が持っておられます種子の生産圃場ですとか原種圃の情報を民間事業者と共有する、そして、民間事業者と今度は種子生産の技術と意欲を持っておられる農業者とのマッチングを行うと、いろんな側面があるわけでございますが、そのようなことが考えられますので、農水省としても、そのような取組を今後促進してまいりたいと存じます。

竹谷とし子公明党

○竹谷とし子君 情報共有やマッチングというものが必要であるということで、それを国として後押しをしていくということでございますので、この法案の廃止にとどまらず、それによる効果がしっかりと出ていくように取り組んでいただきたいと思います。  資料を配付している二枚目以降が今回の廃止法案でよく出てくる事例であるみつひかりに関する例でございますけれども、午前中の参考人質疑で、秋田県の佐藤農林水産部長の方から、秋田県ではみつひかりというのは余り北に行くと収穫時期が遅いので合わない、秋田県ではしきゆたかというものを豊田通商様と共同で生産を進めているという、協力して生産を進めているというようなお話がございました。  収穫時期が違うとか、また収量が安定をしているとか、さらに、それが実需に結び付いてしっかり売れていくというような新しいビジネスモデル的なものがあるからこそこれがうまくいっているんだと思いますけれども、そうした種子、ほかには何かありますでしょうか。

柄澤彰農林水産省政策統括官

○政府参考人(柄澤彰君) 民間企業が開発した稲の品種で一定の流通量があるもののうち、例えばこのみつひかり以外で申し上げますと、ある化学企業の関連会社が開発した夢ごこちという品種がございます。この品種につきましては十六県で栽培され、粘りのある食感が消費者から評価されたり、また一部輸出の実績もあるということで、他の品種に比べて高価格で販売され、農業者の所得向上にも寄与しているというふうに承知をしております。

竹谷とし子公明党

○竹谷とし子君 農水省としてもしっかりそうした情報を収集、分析をして、取組への後押しに生かしていっていただきたいというふうに思いますが、この法律が廃止されることによって期待される効果、当然、農業生産者の所得向上に、この法律の廃止だけではありませんけれども、農業生産者の所得向上につながっていくということをしっかりと担保していかなければならないと思いますが、それに関して定量的な指標というものを農水省としてお持ちでしょうか。

山本有二自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(山本有二君) 主要農産物種子法は、御指摘のように、戦後、食糧増産が国家的課題であったために作られた法律でございまして、主要農産物の優良な種子の生産、普及に寄与したことは事実でございますが、この都道府県の活動と民間の活動が必ずしも連携を取り合うという、そういうことが比較的なかった分野でございまして、これからは広域的、戦略的な種子の生産、普及を進めていく上でしっかり連携ができるものになるというように思っておりますが、これを廃止するということとともに、この定量的な指標があるかといいますと、定量的な指標を設けることは非常に困難でございます。  農業者の所得の向上にどの程度寄与するか、あるいは農業者の所得に影響を及ぼす要因、これが種子に関するものだけではなく、農作物の販売価格、あるいは他の資材コストなど極めて多岐にわたることでございますので、この指標はございません。  しかし、複数の県をまたがる奨励品種の存在があれば各県が分担できるというようなメリット、あるいは県と民間企業が知見を持ち寄って共同で新品種の開発を行うというメリット等、柔軟でスピーディーな対応ができるというようなこともございますので、定量的な指標はないものの、所得向上に恐らくつながるだろうというように考えるところでございます。

竹谷とし子公明党

○竹谷とし子君 しっかり農業生産者の所得向上につながっていくように、ほかの施策も含めて取り組んでいっていただきたいと思います。  この廃止に関して懸念を持っておられる方への、懸念、これをしっかり払拭するようにしていくことも必要であると思います。  知財が守られるのかという御意見がありますが、これは種苗法による品種登録、これによって保護されること、また検査、品質につきましては、これも種苗法や農産物検査法で担保される等、これまでの議論の中でも出ているところでございます。  また、種苗費が上がって生産者の所得が減ることはないかということについては、単にこの種苗の品種の価格によるものではなくて、それによる単収も変わってくるので、一概に比較することは意味がないだろうというふうに午前中の参考人からも御意見が出たところでございます。  さらに、海外の企業が入ってくるということについても、この法案自体が、農作物種子法自体がそれを排除しているわけではないので、変わらないという面もありますけれども、そうした懸念に対して農水省としてどう対処していくのかということを最後にお伺いして、終わりたいと思います。

渡辺猛之自由民主党・こころ

○委員長(渡辺猛之君) 簡潔にお願いします。

柄澤彰農林水産省政策統括官

○政府参考人(柄澤彰君) はい。  今御指摘のように、種子の今後の価格の問題、あるいは品質の確保の問題、あるいは外資の問題、今までの御議論でもいろいろな御懸念が示され、私ども一つ一つお答えしているところでございますが、関係者が同様な懸念を持たれて心配されることのないよう、今後とも引き続き現場に出向いて丁寧に御説明をしてまいりたいと存じます。

竹谷とし子公明党

○竹谷とし子君 終わります。

紙智子日本共産党

○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。  今日は、午前中参考人質疑があって、参考人の方から主要農作物種子法の廃止法案をめぐっていろいろ意見が出されました。審議の基本となる米、麦、大豆の資料も出されないままに廃止法案の審議を行っていることに、これどういうふうに思うかということで聞きましたら、佐藤参考人は、国会で慎重審議をしていただきたいというふうに言いました。それから、西川参考人も、十分な資料が出された形で審議をされ、国民的な議論をしていただきたいというふうに、やっぱりこの慎重審議を求める意見が出ました。  これに対して、大臣、この参考人の出された意見に対してどういうふうに受け止められますか。

山本有二自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(山本有二君) 慎重審議は当然でございますし、また、出し得る資料、これはできるだけもうしっかりと提出して審議の材料にしていただくという立場でございます。

紙智子日本共産党

○紙智子君 出し得るだけしっかりと出して審議してもらうと言いましたけれども、しかし、種子法の対象は米、麦、大豆なわけですよ。  それで、衆議院段階でも資料を出さずに議論をしていたこと自体が私驚きだったわけですけれども、改めてですね、麦、大豆については資料を出していなかった、この理由についてお聞きしたいと思います。

柄澤彰農林水産省政策統括官

○政府参考人(柄澤彰君) 大変恐縮でございますが、農水省としましては、実はおおむね二年に一度、水陸稲・麦類・大豆奨励品種特性表という、かなり厚いものでございますが、そういったものを調査、公表しておりまして、そこで、稲のみならず、御指摘の麦、大豆につきましても、例えば都道府県別の奨励品種に係る品種名、品種数、作付面積、品種の来歴、育成年、育成場所、品種特性など、また民間企業の育成品種に係る品種名、作付面積、来歴、育成年、育成場所、品種特性、育成企業名等を定期的に公表をしております。  さらに、米、麦、大豆につきましては、年産別の農産物検査結果というものは毎年調査、公表しておりまして、そこにおきまして、米のみならず、麦、大豆の産地品種銘柄別の産地検査数量、等級等も公表しております。  今般、種子法の廃止に当たりまして、主としてこの米、麦、大豆品目共通の法制度の問題について御議論があったわけでございます。そういった中で、私ども、政府・与党の検討の場におきましても、主要農作物の対象がもちろん米、麦、大豆であることを明確にした上で、制度全体の課題や問題点を整理し、そして例示として代表的な米のデータをお示しして検討、分析していただいたわけでございまして、種子法を御議論いただく上で情報を外部に提示してこなかったという事実はございません。

紙智子日本共産党

○紙智子君 質問したことに答えていないですよね。  何でこの国会で廃止法案審議するときに出さないんですか。一番基本となるところで、これまでそれだけ一生懸命やっているんだったら、全部出せばいいじゃないですか。なぜ出さないんですか。

柄澤彰農林水産省政策統括官

○政府参考人(柄澤彰君) 今申し上げたデータについては、いずれも公表されている資料でございます。

紙智子日本共産党

○紙智子君 そんなね、納得いかないですよ。  我々国会議員の場に出していないでしょう。公表したかもしれないけれども、ちゃんと資料として、廃止法案やるための、なぜ廃止なのかということのその理屈がどうなのかということを審査するための、そういうものとして出していないのはなぜなんですか。

柄澤彰農林水産省政策統括官

○政府参考人(柄澤彰君) 大変恐縮でございますが、前回の審議の際にも御指示をいただきまして、今申し上げた公表した資料を分かりやすく整理したものを、例えば、本日理事会にお示ししているところでございます。

紙智子日本共産党

○紙智子君 理事会って、これ、昨日出してきたばっかりじゃないですか。私が言って初めてはっと気が付いて出したんじゃないんですか、たった一晩で作って。  本当にいいかげんですよ。こんなことで廃止法案を審議してくださいなんということ自体が、本当にいいかげんだと。私は出し直すべきだと、やり直すべきだと思いますよ。  この出してきた資料なんですけれども、急遽作ったということもあるんですけれども、極めて不十分なんですよ、まあ全体そうですけど。なぜなら、この農水省の説明文書で、都道府県は、県が開発した品種は民間企業が開発した品種よりも安いことを問題にしているわけですよ。で、競争にならないんだと。ところが、その資料について言えば、例えば価格だけは書いてあると、民間と都道府県の。しかし、先行投資だとか設備投資にどれだけ掛かって、その結果こういう値段になっていてこうだということは何らないわけですよ。そして、法案の第二条のところでは、米、大麦、裸麦、小麦及び大豆とあるわけですよ。  これ、全体出さなきゃいけないけれども、これ立法事実に関わることで、資料を出さないで法案審議を進めてきたということ、これ大変な問題だと思うんですけれども、大臣、どう思われますか。

山本有二自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(山本有二君) 公表をしてきた資料ではございますが、分かりやすく更にまとめて提供を本日させていただきました。  また、その資料について、どのようなものをしっかり出すべきかという判断も慎重にするべきであったというように反省するところでございます。

紙智子日本共産党

○紙智子君 反省するなら、やり直してほしいと思うんですよ。  なぜ種子法を廃止するのかと、その根底となるデータもまともな説明もない、それで同じこと繰り返しているばかりと。これは私、国会軽視だと思うんですよ。  規制改革推進会議ですか、農業ワーキング・グループの中で本間正義氏も、廃止法案について、この法案のどこが具合が悪いのかということはもう少し詳しい説明した方がいいんじゃないかと意見言っているんですよ。ところが、その後の議事録見てみますと、それに従って何ら詳しい説明を加えて修正した形跡もないわけですよ。そういう議論がされているのにもかかわらず、まあこの方は推進の立場だと思いますけれども、推進の立場でさえ、これだったら分からないよと、もうちょっと詳しいことを言った方がいいと言っているのにもかかわらず、何ら手も付けないまま出してくると。  これは国会軽視も甚だしいですよ。議員を何だと思っているんですか。私たちはここで法案について真剣な議論をするためにいるのに、何か採決するための形だけ整えるために座っているわけじゃないんですよ。  私はこれ、もう一回出し直すべきだというふうに思います。委員長、ちょっと取り計らってください。

渡辺猛之自由民主党・こころ

○委員長(渡辺猛之君) 後刻理事会で協議いたします。

紙智子日本共産党

○紙智子君 全然納得いかないまま今に至っているわけですよ。  もう少し言いますと、種子法の廃止をする場合については、どういう影響が出るのかということもあるわけです。現行法の種子法は、一つは、圃場の指定を行う、圃場の審査を行う、生産物の審査を行う、二つ目に、優良な品種の生産及び普及のための勧告、助言、指導をする、三つ目に、種子の安定供給、四つ目に、優良な種子、奨励品種を決定するための試験を行うなど、都道府県の役割を定めているわけですよ。  これに基づいて、例えば北海道なんかも、これまで品種が多彩なものがあって、北海道の米の大きな魅力なんだと。主食として食べられるウルチ米だけでも十数品目あるんだと。粘り、食感、甘みと、それから飲食店や加工品など、それぞれの特徴を生かして広く活用されている。いろんな道産米をお楽しみくださいということで盛り上げてきたわけですよ。土地の条件に応じた品種を開発をして、地域を盛り上げると。  これが、法的根拠がなくなった場合に、幾ら各県が、さっき秋田の方も言われていましたよ、真面目な方ですよね、県としては頑張るつもりだと、こういうふうに決断というか決意を言っているわけだけれども、しかしながら、各地で、この地域の気候や農業形態に根差した品種の開発が後退するんじゃないですか。

柄澤彰農林水産省政策統括官

○政府参考人(柄澤彰君) 午前中の参考人もおっしゃっておられましたが、ほとんどの都道府県にお聞きしますと、必ずしも種子法があるからということではなくて、各地域の農業振興の観点から今の種子法に関連するいろいろな業務をされているということを私どもにも回答していただいているところでございます。  私どもとしては、先ほど来申し上げていますように、このような県のお考えを最大限今後とも後押しし、官民総合力を挙げた形での種子の開発、生産に努めてまいりたいということでございます。

紙智子日本共産党

○紙智子君 財源についても聞くんですけど、現在地方交付税で措置されていると、さっきから議論ありました。一九九八年の地方分権で補助金が廃止されて、一般財源化したことに伴って地方交付税で措置をされたと。地方交付税は自治体の事務によって算定されると。自治体が行っている事務は何かというと、指定種子の生産圃場の指導に関する事務、それから圃場審査、生産物の審査の実施及び審査証明書の交付に関する事務、市町村、農業団体及び指定種子生産者に対する優良種子の生産及び普及のための指導又は勧告に関する事務、そして主要作物の原種及び原原種圃の設置に関する事務と、こういうふうに四つあるわけですよね。  種子法が廃止されて都道府県の義務がなくなった。そしたら、事務そのものがなくなっていっても、これ財源は現状維持されるのか、あるいはプラスされることはあるんですか。

柄澤彰農林水産省政策統括官

○政府参考人(柄澤彰君) 御指摘の種子法に関連する地方財政の状況につきましては、平成九年度までは私どもの補助金がございましたが、平成十年度に一般財源化されまして、現在は地方交付税の単位費用算定基礎の一部に組み込まれております。  今後、法律の廃止以降も都道府県には万全の体制でこの種子のお仕事に取り組んでいただくということから、私ども、今後種子法が廃止されましても、例えば農業競争力強化支援法案あるいは種苗法というようなものをベースに引き続き適切な地方交付税措置が講じられるよう、平成三十年度の予算編成過程におきまして関係省庁にしっかり働きかけてまいりたいと存じます。

紙智子日本共産党

○紙智子君 そんな曖昧なことでは全然分からないんですよ。現状維持若しくはプラスになることはあるんですかと聞いたんですよ。減るんじゃないんですか。プラスされることはないんじゃないんですか。

柄澤彰農林水産省政策統括官

○政府参考人(柄澤彰君) 私どもとしては、県のお仕事というのは法律の廃止にもかかわらず引き続き同様のお仕事だと思いますので、そのような観点で関係省庁に働きかけてまいりたいと存じます。

紙智子日本共産党

○紙智子君 今の答弁では担保できないですよ。どうなるか分からない話じゃないですか。こんな答弁に私納得できません。ちょっと質問できませんよ、この後。

柄澤彰農林水産省政策統括官

○政府参考人(柄澤彰君) 今の地方交付税の仕組みの中で、必ずしも今の地方交付税の交付対象事務につきまして見ますと、法律に基づくものに限定されておるわけではございません。私ども、種苗法なり新しい支援法案に基づく取扱いも含め、仮に法律の根拠がなくても地方交付税において所要の事務が措置されるように努めてまいりたいと存じます。

紙智子日本共産党

○紙智子君 根拠がなくても努めてまいりますって、これ本当、保証できないじゃないですか。もっと具体的な形でちゃんと約束できるようじゃなかったらいけないと思いますけれども、はっきり言えることないんですか。

柄澤彰農林水産省政策統括官

○政府参考人(柄澤彰君) 先ほどこの点については副大臣からも御答弁申し上げましたが、関係省庁との協議ではございますけれども、今までの経緯あるいは他の事務の例も含めましてしっかりとこれを交付税の中に位置付けるということで臨んでまいりたいと存じます。

紙智子日本共産党

○紙智子君 そうですよ、だったらどうして廃止しなきゃいけないんですか。改善ということでやればいいのに、何で廃止しなきゃいけないんですか。これ、繰り返し何回聞いてもよく分からないですよ。本当にこれやり直すべきだと、もう再三言わせていただきますけれども。  それで、九八年の種子法の改正のときに国の補助金を廃止して財源化したと。これ、地方分権推進委員会の勧告を受けて、地方の自主性を生かすという理由からですよ。当時の説明では、稲などの主要農作物の優良な種子の確保が食糧の安定供給等の観点から極めて重要であり、そのためには引き続き種子審査等を全国的な制度の下で実施する必要があることから、一般財源化について全国的な主要農作物種子の審査制度等を維持しつつ行うとされました。ポイントは、全国的な審査制度等を維持しつつなんですよ。  大臣は、これ構造的な問題があるって衆議院のときの答弁でも言われたんだけれども、そういうことを言うということは、これ地方分権改革の考え方にも反するんじゃありませんか。

山本有二自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(山本有二君) 種子法があるからといって、この優良種子を安定的に生産、供給しているというよりも、我らのこの米がおいしくて、そして生産者も収益が上がり喜ばれるという農業振興的観点からやってこられた県が多いというように認識しております。  その意味においては、法が廃止されましても、種苗法がございますし、農産物検査法もございますし、安定的供給については、これは必要であるということは関係各省庁全部同様の認識に変わりありません。そんな意味で、責任を持って私どもこの認識を財政当局に訴えてまいるということでございます。

渡辺猛之自由民主党・こころ

○委員長(渡辺猛之君) 時間が参りましたので、おまとめください。

紙智子日本共産党

○紙智子君 はい。  従来行ってきた政府の説明も次々と変えてきているわけですよ。その理由を幾ら聞いてもよく分からなかった。西川参考人、龍谷大学の教授は、九州の農業試験場で大分の地元産の大麦一〇〇%の焼酎を造りたいということで、醸造会社と協力して育成した大麦の品種、ニシノホシを例にして、地域の生活や文化に見合った品種の小規模な生産というのは利益を追求する民間企業には見合わないんだという話もされていたわけですよ。この種子法が廃止されれば地域振興にも影響が出ると言われました。さらに、種子法の廃止というのは、これ法律が一つなくなる以上の重大な意味を持つんだということも言われているんですよ。  国家が国民に良質の種子を供給する義務を放棄することは……

渡辺猛之自由民主党・こころ

○委員長(渡辺猛之君) 申合せの時間が来ております。質疑をおまとめください。

紙智子日本共産党

○紙智子君 国民に食料を供給する責任を持たなくなるということであり、戦後の日本の国家と国民の在り方を壊す大変革だと捉えるべきだというふうに強調しました。  私は、絶対これは許すことはできないし、もうでき得る限りやり直しの審議をすべきだということを申し上げて、質問を終わります。

儀間光男日本維新の会

○儀間光男君 日本維新の会の儀間でございます。  午前中は、参考人のお二方来ていただいていろいろと御教示をいただきましたが、詳しいことは皆さんやりましたから、総じて私が感じたことは、両参考人とも、入口では唐突な感じがしてという話からスタートして、西川教授に至ってはずっと問題提起をされておったような印象を受けました。佐藤農林水産部長さんは、さすが現場の部長だけあって、また優しい性格もあるんでしょうけど、余り政府に抵抗してはちょっと具合悪いのかなと思ったりしたのか分かりませんが、後で言い直しがありましたけれど、そのような印象を強く受けた次第であります。  さて、一昨日、十一日に、尻切れとんぼになって、今日があるからといって、プロローグだけをしゃべって、アユの話です。なぜあんな話やるかというと、この原種や原原種を保全、育成するということの重要さ、これをお伝えしようと思ってやったんですが、途中までやりましたから最後までちょっと言わせていただきたいんですが、戦争前にリュウキュウアユは、さっき、先々日言ったんですが、アユの中でも独立した個体を持ったアユであるということで、これは日本国民のまさに財産であるわけです。それが、戦渦が沖縄に迫る中で、いよいよここでは、沖縄では危ないという、当時の農林水産省、水産庁が判断をしまして、やっぱり国だからそういうことできるんですよ、それを危ないといって採取をしまして、奄美大島の住用という山深い地域があって、水も豊富ですが、こちらに移したんですね。ところが、奄美もいよいよ戦渦が、おかしくなるということで水産庁は更に心配をされて、どうしたかというと、ここから採取をして、大臣御出身の高知県の水産試験場へ移して元気で戦後を迎えるんですよ。戦後すぐふるさと帰りができるかというと、それは別枠の法律でありましたから、米軍の施政下ですから、簡単に移すわけにいかぬので、復帰後何度か移す作業をやって、二度、三度失敗するんですが、最後はとうとう成功して、ふるさとに帰っていって今は達者で暮らしている。達者というか、元気で、元気で泳いでいますけど。こういうものは、民間、これ、都道府県の義務を外し、あるいは国が外れていってはこういうことはできないんですよ、三十年も四十年も南方沖縄の、南の沖縄の種を高知県で保存するというのは。これ、国じゃないと、都道府県じゃないと無理なんですよ。  これだけじゃないんですよ。よく知っている琉球黒豚、俗に言うアグーですよ。これ、原種なんですが、これも戦争の被災を受けて絶滅寸前だったんです、絶滅寸前。戦後の沖縄の豚はどうしたかというと、ハワイに移住された沖縄県人会が五百頭の豚を送って豚を復活させるんですが、ここは原種のアグーを復活させぬといかぬといって、沖縄県と県立北部農林高校の畜産科と、ここが長年掛かってようやくその原種、アグーを、黒豚を再生させるんですね。今、その豚が基になっているんですが。  このアグーの原原種、これは南中国に生存するんですけど、福建省から南ですね。これ、実に醜い豚ですよ、しわくちゃで、鼻と目も口もどこにあるか分からぬぐらいの。原原種というのはああいうものなんですね。それを改良して、改良に改良を重ねて今私たちの食卓に来るわけですよ。これは国がしなければ、民間ではこういうのに投資をしておけば、すぐ消費物価に跳ね返ってくるというようなこと。  この農業の競争力強化の法律は農家の生産資材を安くしようという発想で出てきた法律で、そこでもし仮に皆さんが義務化、都道府県の義務化外しは制限しないぞといってなるというと、民間任せではこれは価格は安くはならないと私は思うんですね、膨大な研究費が要りますから。これ、種だって同じですよ、それは。膨大な研究費が要りますから、どうしてもこの研究コストを次の利用者にコストアップしていかないというと賄えないわけですよ。  そういうことを思うと、実に国、県、大事なことだと思うんですが、都道府県が義務化を外すんですが、四十七都道府県のうち、今継続してやりたいと、秋田さんみたいにやりたいと言っている都道府県は幾つあるんですか。

柄澤彰農林水産省政策統括官

○政府参考人(柄澤彰君) 御指摘いただきましたように、午前中の質疑で参考人がおっしゃっておられましたように、私ども、都道府県にお聞きしましたところ、ほとんどの都道府県は各県の農業振興の観点、法律があるからというよりもむしろ農業振興の観点で、種子の生産、普及に関与するお仕事をされているということでございます。したがいまして、ほとんどの都道府県は、この法律の有無にかかわらず、引き続き種子の生産、普及に関与するというふうにお答えになっておられます。(発言する者あり)

儀間光男日本維新の会

○儀間光男君 僕の代わりに隣の森委員が質問しましたけれど、幾つあるかと言っていて、ほとんどと言ってしまえばほとんどでしょうけど、幾つあるかと聞いているわけです。

柄澤彰農林水産省政策統括官

○政府参考人(柄澤彰君) 公表を前提にお聞きしているわけではございませんが、率直に申し上げまして、必ずしも米麦等の主産地でない数県におかれましては、まだどうするか分からないというお答えもございました。

儀間光男日本維新の会

○儀間光男君 曖昧にされるとちょっと困るんですが、とりわけ沖縄県は何と言っているんですか。

柄澤彰農林水産省政策統括官

○政府参考人(柄澤彰君) お尋ねでございますので、沖縄県につきましては、引き続き続けていくというふうにおっしゃっておられます。

儀間光男日本維新の会

○儀間光男君 是非これ、ほとんどの県と言わず、全都道府県に継続してやれるような環境づくりを国がやらぬと駄目ですよ。  ということで、今、豚を言いましたけど、午前中、僕は、秋田の農林水産部長さん、佐藤さんに時間切れのときに聞いたんですが、部長さんは沖縄県に秋田杉があるのを御存じですかって聞いたんですが、もちろん、知らないで終わったんですけど、後日茶飲み話でやりましょうと言ったんですが。  これも、昭和三十年代ですが、時の秋田県知事の小畑知事だったと思うんですが、それと、琉球政府、当時米軍施政下ですから琉球政府の大田さんという主席が、焼け野原になった沖縄に何とか緑をということで、小畑県知事の提案で、小畑さんは、沖縄県の慰霊祭に来られて、沖縄の現場見て、こんなに焼け尽くして、これは大変だと、何とか緑を増やそうじゃないかって始まったのが緑の使者という運動なんですね。それを、北、秋田から亜熱帯の沖縄へ行くわけですからなかなか活着しない。ところが、両県、県が資金を出し合って、これ民間でできる話じゃないです、資金を出し合って、何年も掛かってようやく沖縄県本島の北部に活着したんですね。それが今収穫期になってそびえておりますけれど、その間、杉の種子から種を取って沖縄県で発芽させてみた。これも何度も失敗するのに、成功したんです。だから、秋田県産杉が沖縄で市民権を得たというふうに思っているんですが。  事ほどさように、種子の移動というのは、種子の保存というのはこういうことをやっていかなければ駄目なんですよ。これ、民間がやってくれるなんて言って、悠長なことを言っちゃ駄目ですね。だから、今からでも思い直して、是非、国も変わっていくというようなことをしていただきたいと思いますが。  先ほどから財政支援の問題、また答弁も、サポートしていきたいとおっしゃって、地方交付税から出すと、あるいは種苗法でやるなんて言っているんですが、種苗と種子は全然違った側面を持っておって、これにどうして乗っけて財政支出しようとしているんですか。これをちょっと具体的に答えていただけませんか。

柄澤彰農林水産省政策統括官

○政府参考人(柄澤彰君) 今現在、種子法上の根拠に基づいて規定しております種子の品質の基準の関係につきましては、今後、廃止後は、種苗法、一般法でございます野菜なども含めた種苗法にもう既にその品質の基準が定められる条項がございますので、その条項におきまして現在の種子法の基準と同様の基準を規定していこうというふうに考えているわけでございます。  したがいまして、地方交付税の措置につきましても、これ関係省庁とのお話合い次第でございますが、一つの切り口として種苗法ということも考えられるということを申し上げているところでございます。

儀間光男日本維新の会

○儀間光男君 時間がないので、もうこれはまたいつかの、まあ、いつかって機会はもうなくなるんですが、ずっと怨念じゃなしに心に留めておきたいと、こう思います。  次に、機械化の廃止法案行きたいんですが、この機械化、いわゆる機構の方へ移していこうということですが、なるほど農業機械は、民間が先行して今いろんな機械出ていて、そういうことなのかなと、あるいは商業ベースに乗せた方がいいのかなと思ったりしておるんですが、この機能を機構に移す場合、機構の人的資源というか、人材、その能力、そういうものはどう整備されるんですか。

枝元真徹農林水産省生産局長

○政府参考人(枝元真徹君) 今の機械化促進法におきましても、試験研究そのもの、また検査につきましても農研機構が行うということになってございます。  今回、機械化促進法を廃止いたしまして、農研機構法の方に試験研究、また検査というものを位置付けますので、そういう意味からすると、同様の業務を行いますので体制は特に変わるわけではございませんけど、先生御指摘いただいたとおり、これから非常に先進的なものとかというのが出てまいりますので、その試験研究の方も、民間企業とか大学とのコンソーシアムを形成して異分野の技術導入なんかも積極的に農研機構もやることにしております。  そういう中で、当然ながら試験研究の、農研機構の研究者は、そういう異分野の民間企業との連携を通じて新技術の知見が習得されますし、安全の検査はこの研究者が兼務をして行っておりますので、そういう検査についても十分な知見を持って取り組めるというふうに思ってございます。

儀間光男日本維新の会

○儀間光男君 それはいいとして、これからはビッグデータを使った農業がいよいよ始まるわけで、もうアメリカでは盛んにやっているんですね。AIロボットあるいはIoT農業、こういうのをやっているんですね。  これからだとこういう農業の機械が今度開発されてくるわけですが、こういう先進的な農業、日本も規模を拡大化していく中で、そういう取り入れもしないと諸外国に太刀打ちできないような状況になると思うんですが、これへの取組を少し聞かせていただけませんか。

枝元真徹農林水産省生産局長

○政府参考人(枝元真徹君) お答え申し上げます。  非常に人手不足も農業の世界、深刻化している中で、ロボットの技術ですとかAIの技術、非常に重要でございます。ロボット技術の活用につきましては、農業機械の自動化ですとか、人手に頼る作業のロボット化等を可能とするので、非常に省力化、生産性の向上の実現として期待をされてございます。  こういうことから、農林水産省、また農研機構でもですけれども、優先的に取り組むべき課題ということで研究開発を進めておりまして、例えばトラクターの自動走行技術については、平成三十年までの有人監視下での自動走行システムの市販化を目標としています。また、自動の除草ロボットについては、平成三十一年度までに開発を完了して速やかな市販化を目指すというなど、それぞれの機種ごとに明確な開発目標を定めまして取り組んでいるところでございます。

渡辺猛之自由民主党・こころ

○委員長(渡辺猛之君) 時間ですのでおまとめください。

儀間光男日本維新の会

○儀間光男君 はい。  農業、農林水産物の貿易、一兆円貿易、これは経産省から少しデータが出ているんですが、この農業をしないと一兆円、あるいはGDP六百兆、そのときの農林水産物は一%ですから六兆、それには届かないという経産省のデータが出ています。時間ないので終わりますけれど、何か、大臣一言。

渡辺猛之自由民主党・こころ

○委員長(渡辺猛之君) 簡潔にお願いします。

山本有二自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(山本有二君) IoT、AIを使った農業は、各地域で大変優秀な成績を上げております。これが我が国のトレンドにならなきゃならぬという覚悟で臨みたいと思っております。

儀間光男日本維新の会

○儀間光男君 ありがとうございました。終わります。

森ゆうこ希望の会(自由・社民)

○森ゆうこ君 希望の会、森ゆうこでございます。  種子法の採決がこの後行われることに対して、まず強く抗議をしたいというふうに思います。物事の決め方が余りにもおかし過ぎる。民主主義、日本国憲法に基づいて、我々、国民の代表として選ばれてきて、そして農林水産行政を決めるこの委員会に属しているわけです。しかし、何も知らされないまま、あるいは資料もきちんと提供されないまま、あっという間に審議が進んで、そして多くの懸念が示されるのに採決をしてしまうということについて強く抗議したいと思います。  そして、安倍自民党、安倍内閣というのは、物事の決め方がもう、国家戦略特区、規制改革会議、みんなおかしいんですよ。その象徴である加計学園の問題、獣医師の問題、獣医学部の問題をこの間から、これ関連する話ですからやっているわけでございます。  それで、内閣府副大臣、いつも申し訳ありませんけれども、平成二十八年九月二十一日、今治分科会において提出された今治市提案の資料、訂正してくださいましたか。

松本洋平自由民主党・無所属の会内閣府副大臣

○副大臣(松本洋平君) 九月二十一日に今治市分科会で提出された資料の件、特に先般の委員会におきまして、いわゆる中東呼吸器症候群、MERSのスペルが違うということでありまして、文中はMIRSと表記をしてあるわけでありますけれども、正しくはMERSということであります。  この文書作成に関しましては、これは今治市の商工会の加戸さんがお作りになって提出をされた資料でありますので、こちらの方でそれを訂正するというものではないと思いますが、ただ、内閣府の確認が不徹底であったことにも起因をするものであると思っております。おわびをするとともに、内閣府の事務方にも注意喚起をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。

森ゆうこ希望の会(自由・社民)

○森ゆうこ君 それは、すなわち何を意味するかというと、これたった二枚ですよ。字数にすると何行、何字かな。要するに、今治市の提案の、熟度という言葉も間違っていますけれども、熟度が高いと、京都よりもずっといいんだというふうに判断されたわけですよね。この資料、これが基本です。それが全くされていないということの証左ではないかというふうに思います。  それで、平成二十八年十一月九日の国家戦略特区諮問会議において、地域を限定する取決め、決定をされました。先般もるる御説明ありましたけど、全く客観的な根拠になっておりません。副大臣、客観的に、この地域を区切るこの理由について教えてください。

松本洋平自由民主党・無所属の会内閣府副大臣

○副大臣(松本洋平君) 済みません、先ほどの答弁で、一部、私、MARSと間違って表記されていたというふうに言うつもりが、MIRSと言ってしまったようでもありますので、訂正をさせていただきたいと思いますので、お許しをいただきたいと思います。  先ほどお示しをされました加戸さんの資料でありますけれども、この日の分科会におきましては、農業界を代表いたしましての意見でありますとか、今治青年会議所からもいろいろと意見を頂戴したところでありまして、そうした方々と並びで産業界からの御意見ということでいただいたということでございますので、付け加えさせていただきたいと思います。  その上に立ちまして、地域を限定した客観的な理由ということでありますけれども、以前より申し上げておりますけれども、今般の諮問会議の取りまとめは、特定の地域をまずは念頭に置いたものではなく、獣医学部の新設を四国地域に限定するものではない、決定したものではないということであります。あくまでも制度といたしまして、獣医学部設置の認可申請を行えるように措置したというものが十一月九日の決定であるということであります。  その上で、昨年十一月九日の諮問会議取りまとめにおきまして空白域に限るといたしましたのは、従前から申し上げておりますとおり、感染症に対する水際対策をするに当たりまして、産業動物獣医師に地域ごとの偏在があり、確保が困難な地域もあるという認識、また、獣医師会などからの慎重論に耳を傾けつつ、産業動物獣医師の地域偏在への対応や獣医師が新たに取り組むべき分野に対応し得る獣医学部をいち早く実現するために、まずは地域を限ったものであります。  なお、国家戦略特区で規制の特例措置を講じる際、その影響などを考慮をいたしまして地域を限るなどの要件を設ける先例というものがございます。また、医学部の新設と同様、事業の数を限定することも要件設定として許容されるものであると考えております。いずれにいたしましても、是非、そうした趣旨で、今回空白域という形でこの地域を限定しているということで御理解を賜りたいと考えております。

森ゆうこ希望の会(自由・社民)

○森ゆうこ君 全然理解できません。説明になっていませんよ。コントですか、何かコントを繰り返しているんですか。この間のMERS、そのミススペリングといい、まともな説明してください。そうじゃないと、もうずっとお呼びすることになります。  全く説明になっていない。愛媛、今治を特定するものではないとか言いながら、京都より今治がよかったって、さんざんここで答弁しているじゃないですか。全く矛盾しているというふうに思います。しかし、今日は時間がないので、次回また、もっとみんなが納得するような、それをやらなければ、安倍総理のお友達だから特別扱いで、国家戦略特区で堂々と真っ正面からそこに利益がもたらされたんだということになるんですよ。だから頼んでいるんですよ。ちゃんとした答弁を持ってきていただきたいと思います。  そして、種子法の廃止法案ですけれども、先ほど来、要は、この根拠法がなくなるので地方への財政支援がどうなるのかということを皆さんが質問されている。そして、午前中の参考人質疑でも秋田県の佐藤農林水産部長は、地方財政措置があれば続けて一生懸命やれるというふうにお答えになっていました。今役所の方で各県に聞き取りをしているようですが、それ先にやるべきじゃないですか。そして、今聞かれたらどの県も、いや、政府に反対だ、この種子法の廃止法案やめてくれなんて言えるわけないじゃないですか。今聞かれれば、今聞かれれば、なくなってもやりますと言うに決まっているじゃないですか。  ということで、もっと具体的にきちんと担保する方法はないんでしょうか。佐藤部長は、地方交付税の基準財政需要額、もうそこに組み込まれていると、今までは、というふうにおっしゃっていましたけれども、今後ともそうできるんでしょうか。そのためには何が必要なんでしょうか。

柄澤彰農林水産省政策統括官

○政府参考人(柄澤彰君) 現在、平成十年以降、一般財源化されまして、この事務につきましては地方交付税の単位費用算定基礎の一部に組み込まれております。  今後、都道府県が廃止後も同様の措置が受けられるように、私どもとしましては、地方交付税の中に引き続き、先ほど申し上げましたように、例えば種苗法あるいは農業競争力強化支援法案等を根拠として措置されるように、平成三十年度の予算編成過程でございますけれども、関係省庁に働きかけるということでございます。そして、その結果、地方交付税において措置される内容等につきましてもしっかりと私どもの通知等によって明らかにし、各都道府県内におきまして所要の予算を確保されるように努めてまいりたいということでございます。

森ゆうこ希望の会(自由・社民)

○森ゆうこ君 全く信用ができる答弁じゃないというか、いや、別に信用ができないというわけじゃなくて、統括官も替わられる可能性ありますし、大臣も来年の予算編成するかどうか分かりませんから、そうすると信用できるのは法律的根拠だけなんですよ。  礒崎副大臣は総務省にいらっしゃいましたからそういうところも詳しいと思うんですけれども、今のような曖昧な話で本当に引き続きそういうふうに基準財政需要額の中に組み込まれてカウントされるんですか。そういう実務もやっていらっしゃったでしょう。本当にできるんですか、こんな話で。意気込みだけで各省庁に働きかけてと。私だって副大臣のときに財務省に三回乗り込みましたよ。だけど、法律がないとやってもらえないんですよ。どんなにみんながこれやった方がいいというふうなことを言ったとしてもですよ。  本当に組み込まれるんですか、今年度と同じように。もっときちんと明確に具体的に答えてください。

柄澤彰農林水産省政策統括官

○政府参考人(柄澤彰君) まずは、種苗法あるいは農業競争力強化法に基づくものとして調整してまいりたいと思いますが、万一法律に基づくものでなくても、ほかの事務を見ますと法律の根拠がなくても措置されている例はございます。そういったことで、実態的に都道府県の仕事として存続するということを法律並びにそれ以外のことも含めまして調整してまいりたいと存じます。(発言する者あり)

渡辺猛之自由民主党・こころ

○委員長(渡辺猛之君) 森ゆうこ君、質疑を続けてください。

森ゆうこ希望の会(自由・社民)

○森ゆうこ君 いや、そんな答弁じゃ納得できませんよ。そんな不安定な答弁するぐらいなら法律なくさなきゃいいじゃないですか、根拠法を。  いや、礒崎さん、どうぞ、何か答えたい。礒崎副大臣、いかがですか。

礒崎陽輔自由民主党・こころ農林水産副大臣

○副大臣(礒崎陽輔君) 御心配いただいているお気持ちは大変有り難く受け止めますけれど、先ほど事務方も答弁したように、必ずしも全て地方交付税の基準財政需要額に入るものというのは法律の根拠がなければ駄目だという、そういうルールはありません。基本的に、各都道府県における財政需要の全体を見積もって、現実の決算等も見て、そういうことの全体の配慮の中で基準財政需要額が決まってくるものであるということはまず前提でございますが、その上で、これまでも、先ほど私も答弁いたしましたように、非常にこれは今後も都道府県が重要な役割を果たす事務でありますから、毎年の地方交付税は毎年の予算編成の中で決まってくるものではございますが、そういうことも踏まえながら、新しい法律の根拠等も援用しながらしっかりと交渉してきちんとした結論を出すと、適切な対応を取ってまいりたいと思います。

森ゆうこ希望の会(自由・社民)

○森ゆうこ君 法律を廃止する必要は全くないと改めて申し上げたいと思います。  私、今回、この法案に関して国会図書館からいろいろ文献等を提供いただきまして、今、種子メジャー、とにかくMアンドAが進んで、バイオ産業といいますか、そういうところがどんどん寡占化してきているわけですよね。その状況の中で、二〇一三年の数字ですけれども、世界の種子市場は三百九十億ドルで、モンサント、これはアメリカです、デュポン、アメリカ、そしてシンジェンタ、スイスの三大大手企業が世界シェア全体の五五%、主要農作物では六〇%になっていると。しかも、さらには、このモンサントをバイエルが買収をしようと、したのかな、もう、そういうふうな話になっていて、どんどん寡占状況になっております。  そして、いろんな文献を見させていただいて、もう農民が奴隷のようになっている。さっき、信じられない話で、パテントはこの間ずっと一生懸命都道府県がつくってきた知的財産、これ、栽培の技術そのものが知的財産ですよ、遺伝情報だけじゃなくて、それを民間に提供すると。そして、そのパテントの帰属は民間企業であると。そうすると、ロイヤリティーが発生するわけでしょう。まさしくそのモンサントなんかに支配される農民の姿が今後現れてくるんじゃないか。本当に心配でなりません。  そういう姿、世界的に今進んでいる巨大種子産業、化学産業による農民の支配、農業の支配、そして農業主権を奪われている状況について、どのように現状を認識し、懸念がないのかどうか、農水大臣、お答えいただきたいと思います。

山本有二自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(山本有二君) 我が国の種苗会社が公表しております資料によりますと、世界の種子市場の市場規模と申しますのは三兆一千四百億円と推定されております。また、カナダのNGOが出しているレポートによりますと、世界の主要な種苗会社により種子市場の過半が占められていることが報告されております。  さらに、現在いわゆる種子メジャーで進められている統合が実現するということになりますと、委員御指摘でございましたが、世界の主要な種苗会社上位三社で六割が占められることになります。当然、そういった意味で、国内の種子の供給や、あるいは農民の生産者が自由に種子を買い取ることができるかという不安もこの数字を見れば出てくるわけでございます。  しかし、この主要農作物種子法で外資の参入を防止する規定があるかと申しますと、これはないわけでございまして、現状におきましても、外資が主要農作物種子産業に参入することが可能であったわけでございます。  しかし……

渡辺猛之自由民主党・こころ

○委員長(渡辺猛之君) 時間が過ぎておりますので、簡潔な答弁をお願いします。

山本有二自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(山本有二君) はい。  いわゆる、我々としましては、どうしても、この種子法を廃止した後、外資の跳梁ばっこを許してしまうというような御懸念もあるかもしれませんが、そういった面もしっかりと気を付けながら、日本の農業生産者の種子の安定供給、こういったことにしっかりと目を向けていきたいというように思っております。

渡辺猛之自由民主党・こころ

○委員長(渡辺猛之君) 時間ですので、おまとめください。

森ゆうこ希望の会(自由・社民)

○森ゆうこ君 まあ、到底納得できる答弁ではありません。そんなことなら、この種子法は改正するなりすればいいだけで、何で唐突に廃止してしまうのか。結果として、知的財産を守り、そして、そういうメジャーな巨大種子企業の参入を各都道府県の長年の血のにじむような努力で防いできたわけです。

渡辺猛之自由民主党・こころ

○委員長(渡辺猛之君) 時間が過ぎておりますので、おまとめください。

森ゆうこ希望の会(自由・社民)

○森ゆうこ君 そういうことで、この法案の採決、断固反対、そしてこの法案、廃止することに、この種子法を廃止することに断固反対して、質問を終わります。

渡辺猛之自由民主党・こころ

○委員長(渡辺猛之君) 他に御発言もないようですから、両案に対する質疑は終局したものと認めます。  これより両案について討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。

田名部匡代民進党・新緑風会

○田名部匡代君 民進党・新緑風会の田名部匡代です。  私は、民進党・新緑風会を代表し、主要農作物種子法を廃止する法律案に反対の立場から討論いたします。  反対の第一の理由は、種子法廃止の決定プロセスが余りにも不透明なことです。  本法律は、優良な種子の生産、普及を進めるに当たり、国、都道府県の役割を定めたものでありますが、本日の参考人質疑で秋田県農林水産部長から唐突であったと意見が述べられましたように、多くの役割を担ってきた都道府県の声を全く聞かずに廃止の方向性を決めました。議論を誘導したのは、規制改革派の委員から成る官邸主導の規制改革推進会議と未来投資会議でした。政策決定が著しくゆがめられている現状に強く抗議をいたします。  反対の第二の理由は、食糧の安定供給に問題が生じる可能性があることです。  稲、麦、大豆の主要農作物は国の基本的な食糧、基幹的な作物であり、その安定供給は国の極めて重要な責務であります。その実現には、地域の環境に適した優良品種の開発とともに、必要な種子を確実に生産し、適正価格で生産農家に販売することが前提となります。  このため、種子法は、主要農作物種子の開発、生産、普及、流通のうち、生産、普及における都道府県の役割を規定することで、食糧の安定供給の前提となる種子供給体制の構築に重要な役割を果たしてきました。  政府は、種子法が廃止をされた後も、都道府県による原種、原原種の生産、種子協会による需給調整など、現行の種子供給体制は変わらないとしていますが、その根拠法を失うこととなれば、一般財源の下で都道府県財政当局が長期的に財源を確保することが困難になるのではないでしょうか。  第三の理由は、民間企業の参入により、国内の種子生産、種子利用に深刻な影響が生ずる危険性です。  例えば、民間企業が開発したF1種子が広く普及した場合、その企業の種子への依存が高まり、地域農業が企業の方針に左右される危険性があります。また、将来的に、国際的な巨大資本による国内市場への参入や国内企業の買収等が生じた場合、優良な品種が海外へ流出する懸念や、外資の種子のシェア拡大が食料安全保障に悪影響を及ぼす懸念があります。  第四の理由は、そもそも、今、種子法を廃止しなければならない理由がどこにあるのかというところであります。  規制改革推進会議以外に種子法を廃止してほしいと要望している関係者はいるのでしょうか。  政府は、種子法が民間の品種開発の意欲を阻害しているため廃止するとし、その根拠として、民間の品種が都道府県の奨励品種に採用されていない事実を挙げています。しかし、種子法は奨励品種の決定等について何ら規定しておらず、種子法によって民間の品種が奨励品種から排除された具体的事例も示されていません。むしろ、法律を改正し、あるいは制度の運用を改善することで、民間活力を活用しながら種子の安定的な供給体制を明確に担保していくべきではないでしょうか。  種子は国家戦略物資であり、国の責任で守るべきものです。種子の国内自給を維持向上させることは国の責務です。種子法を廃止することは、このような国の責任、責務を放棄し、多様な環境にある地域農業を支えてきた都道府県による種子の生産、普及の仕組みを弱体化させるものです。食料安全保障上の観点からも大きな問題があり、将来に禍根を残すことになります。本法案には反対せざるを得ません。  なお、農業機械化促進法を廃止する等の法律案には賛成いたしますが、政府には引き続き農業機械の安全性の確保に努めるよう強く求め、以上、私の討論を終わります。

紙智子日本共産党

○紙智子君 私は、日本共産党を代表して、主要農作物種子法廃止法案及び農業機械化促進法廃止法案の反対討論を行います。  種子は農業生産の最も基礎的な農業生産資材であり、食と農を左右するものだからこそ、法律にすることで国の姿勢を示してきました。ところが、まともな資料も出されないまま、参考人からは慎重審議や国民的な議論を求められたにもかかわらず、法律を廃止すると言います。まず、このことに強く抗議するものです。  以下、反対理由を述べます。  第一の反対理由は、都道府県と関係者が積み上げてきた高い安全性と公共性を持つ種子の生産、普及体制が崩壊する危険性があるからです。外資系多国籍企業のもうけの場として独占されるおそれがあります。  第二の反対理由は、種苗法の中で位置付けるとする圃場の審査等は、予算的裏付け等が不明で現状が継続される保証はありません。農業競争力強化支援法に盛り込むという都道府県の役割も何ら担保されておらず、むしろ都道府県の知見を民間に開放させられる懸念があります。  第三の反対理由は、現在でも民間企業による育成品種が奨励品種となるなど、民間に不利とは言えない上、開発に係るコストの上乗せのため価格引上げにつながる危険があります。  次に、農業機械化促進法を廃止する等の法律案に反対の討論を行います。  第一に、型式検査制度の廃止について容認できるものではないということです。型式検査は、アメリカやフランスなどの欧米主要国、OECD諸国でも行われており、今後も農業機械の高度化が進む中で、農業者や製造業者のための制度的な担保が必要であるからです。  第二に、農業機械化促進法の廃止は、現場から廃止の要求が上がったわけでもなく、農業資材審議会の意見も聴くことなく、拙速で強引な進め方は容認できるものではありません。  以上を申し述べ、反対することを表明し、討論といたします。

森ゆうこ希望の会(自由・社民)

○森ゆうこ君 希望の会(自由・社民)、自由党の森ゆうこでございます。  私は、ただいま議題となりました主要農作物種子法を廃止する法律案に対して、反対の立場から討論をいたします。  まず、本日採決が行われることに強く抗議をいたします。衆議院では僅か五時間、今日は両筆頭の御配慮もありまして参考人質疑はございましたけれども、ますます問題点が大きくなる中で、このような形で採決が行われることに対して憤りを感じるものでございます。  種子が消えれば、食べ物も消える、そして君も、これは午前中の西川参考人が紹介されたベント・スコウマン、元国際小麦・トウモロコシ改良センター・ジーンバンク、氏の言葉です。氏は続けて、土壌、水、そして遺伝資源、種子は農業と世界の食料安全保障の基盤を構成している。これらのうち、最も理解されず、かつ最も低く評価されているのが植物遺伝資源である。それは、また我々の配慮と保護に依存している資源でもある。そして、恐らく最も危機にさらされている。そのとおりであるというふうに思います。  確かに、現行種子法には知的財産保護のための条項はありません。しかし、種子法に基づく財政の裏付けによって、各都道府県が原種、原原種の厳しい管理、栽培、地域に合った品種の研究開発、計画に基づいた安価な種子を長年にわたって安定的に供給してきたことが、結果として知的財産である種子を守り、我が国の主要作物の生産を支えてまいりました。  世界の種子市場は数社の多国籍企業が約六〇%を占め、今なおMアンドAなどを繰り返して寡占化が更に進んでおります。今まさに世界の食料が一部のグローバル企業によって支配されようとしております。  TPPが発効されなかったにもかかわらず、TPP関連法がこのように次々と流れ作業のように成立することに対して、本当に大きな怒りとそして危機感を覚えるものであります。  私は、最後に、この主要農作物である米、その米どころ新潟県の代表として、主要農作物種子法を廃止する、しかも唐突に廃止するこの法案は断固反対であると重ねて表明し、反対討論といたします。  ありがとうございました。

渡辺猛之自由民主党・こころ

○委員長(渡辺猛之君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。  これより順次両案の採決に入ります。  まず、農業機械化促進法を廃止する等の法律案の採決を行います。  本案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

渡辺猛之自由民主党・こころ

○委員長(渡辺猛之君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  次に、主要農作物種子法を廃止する法律案の採決を行います。  本案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

渡辺猛之自由民主党・こころ

○委員長(渡辺猛之君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  この際、徳永君から発言を求められておりますので、これを許します。徳永エリ君。

徳永エリ民進党・新緑風会

○徳永エリ君 私は、ただいま可決されました主要農作物種子法を廃止する法律案に対し、自由民主党・こころ、民進党・新緑風会、公明党及び日本維新の会の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。     主要農作物種子法を廃止する法律案に対する附帯決議(案)   主要農作物種子法は、昭和二十七年に制定されて以降、都道府県に原種・原原種の生産、奨励品種指定のための検査等を義務付けることにより、我が国の基本的作物である主要農作物(稲、大麦、はだか麦、小麦及び大豆)の種子の国内自給の確保及び食料安全保障に多大な貢献をしてきたところである。   よって政府は、本法の施行に当たり、次の事項の実現に万全を期すべきである。  一 将来にわたって主要農作物の優良な品質の種子の流通を確保するため、種苗法に基づき、主要農作物の種子の生産等について適切な基準を定め、運用すること。  二 主要農作物種子法の廃止に伴って都道府県の取組が後退することのないよう、都道府県がこれまでの体制を生かして主要農作物の種子の生産及び普及に取り組むに当たっては、その財政需要について、引き続き地方交付税措置を確保し、都道府県の財政部局も含めた周知を徹底するよう努めること。  三 主要農作物の種子について、民間事業者が参入しやすい環境が整備されるよう、民間事業者と都道府県等との連携を推進するとともに、主要農作物種子が、引き続き国外に流出することなく適正な価格で国内で生産されるよう努めること。  四 消費者の多様な嗜好性、生産地の生産環境に対応した多様な種子の生産を確保すること。特に、長期的な観点から、消費者の利益、生産者の持続可能な経営を維持するため、特定の事業者による種子の独占によって弊害が生じることのないよう努めること。    右決議する。  以上でございます。  何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。

渡辺猛之自由民主党・こころ

○委員長(渡辺猛之君) ただいま徳永君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

渡辺猛之自由民主党・こころ

○委員長(渡辺猛之君) 多数と認めます。よって、徳永君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、山本農林水産大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。山本農林水産大臣。

山本有二自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(山本有二君) ただいまは法案を御可決いただきまして、誠にありがとうございました。  附帯決議につきましては、その趣旨を踏まえ、適切に対処してまいりたいと存じます。

渡辺猛之自由民主党・こころ

○委員長(渡辺猛之君) なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

渡辺猛之自由民主党・こころ

○委員長(渡辺猛之君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後三時二十分散会

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