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193回国会参議院2017/04/25

内閣委員会 第7号

発言数
186
登壇者
27
会派数
8
開催日
2017/04/25

会議録

難波奨二民進党・新緑風会

○委員長(難波奨二君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  昨日、和田政宗君及び矢田わか子さんが委員を辞任され、その補欠として自見はなこさん及び藤末健三君が選任されました。     ─────────────

難波奨二民進党・新緑風会

○委員長(難波奨二君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  医療分野の研究開発に資するための匿名加工医療情報に関する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として内閣官房内閣審議官大島一博君外十四名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

難波奨二民進党・新緑風会

○委員長(難波奨二君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

難波奨二民進党・新緑風会

○委員長(難波奨二君) 医療分野の研究開発に資するための匿名加工医療情報に関する法律案を議題といたします。  本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。

高野光二郎自由民主党・こころ

○高野光二郎君 おはようございます。  自由民主党、高知県選出の参議院議員、高野光二郎でございます。  それでは、早速質問に入らさせていただきたいと思います。  今般の新法は、健康長寿社会を実現していくために不可欠な取組であると考えます。医療分野の研究開発に資する匿名加工医療情報に関する法律案というかなり長い題名からも、専門的でありまして、我が国では個人情報の利活用に対してとかく懸念が抱かれがちであります。しかしながら、次世代の医療を支える基盤を構築していくためには、本法案の意義や内容について国民に分かりやすく伝え、理解していただくとともに、懸念や不安を払拭していく必要があると考えます。今日はそういった立場から質問をさせていただきたいと思います。  石原伸晃大臣にお伺いをいたします。  今回の新たな仕組みについて個別の内容を質疑をする前に、その趣旨や骨格について改めて確認をしておきたいと思います。  今回の仕組みを生かすためには、医学の研究者といった専門家だけではなく、医療情報の提供者である一般の患者や国民に制度の目指すところを的確に理解していただく必要があると考えます。こうした患者や国民の理解を得るために、大臣から簡潔かつ分かりやすく説明のほどよろしくお願いします。

石原伸晃自由民主党・無所属の会内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(石原伸晃君) ただいま高野議員が冒頭御意見を表明されましたとおり、健康長寿社会をどうやってつくっていくかということが本当に重要だと思います。平均寿命と健康寿命の間には十年近い誤差がございます。そして、このために、安倍内閣としては、成長戦略の一環といたしまして健康・医療戦略というものを位置付けさせていただいているところでございます。基礎から実用化までの一貫した研究開発あるいは健康長寿社会の形成に資するための新産業の創出などに取り組んできたところでもございます。  今回の法案、名前が長いという御指摘もいただきましたけれども、健康・医療戦略に基づく取組といたしまして、情報セキュリティーや匿名加工技術などに関する基準を満たし、医療情報の匿名加工を適正に行うことができる事業者を国が認定するという仕組みを初めて設けさせていただいております。その認定事業者が、本人の意思を医療機関等が確認した上で収集いたしました医療情報を、匿名性を非常に高めて個人が特定できないように加工し、医療分野の研究開発を行う利活用者に提供することなどを内容とする法案の中身となっております。

高野光二郎自由民主党・こころ

○高野光二郎君 非常に簡潔に分かりやすく、ありがとうございました。  それでは、中身に入らさせていただきたいと思います。  医療情報の利活用を通じて医療分野の研究開発を進めるといっても、国民には正直なかなかイメージが湧かないと思います。具体的にどのような研究開発に用いることで何が可能となるのか、国民が理解ができるように分かりやすく説明してほしいと思います。  私は、今後、我が国の医療分野の研究開発については、一つには有効性、二つには安全性、そして適正な価格という三つの要素を両立していくことが大変大事だと考えております。  最近、オプジーボという革新的な医療品の価格設定が話題になりました。今後の高齢化の進展とともに、国そして地方の厳しい財政状況を踏まえれば、一つには有効性、すなわち効果の高い治療法を一日も早く患者に届けること、二つ目に安全性、すなわち患者が受ける被害、副作用を最小限にすること、三つ目に適正な価格、すなわち国民皆保険である我が国においてイノベーションを阻害することなく国民皆が合理的な価格で利用できること、この三つの要素を実現していくことが極めて重要と考えております。  こうした観点から見た場合、今回の法案はどのように役立つのか、患者、国民、製薬企業といったステークホルダーのメリットとして説明をしてほしいと思います。

藤本康二内閣官房内閣審議官

○政府参考人(藤本康二君) お答えいたします。  まず、患者にとってのメリットでございますけれども、治療の効果や効率性などに関する大規模な研究を通じまして、医療者が個々の患者の背景や病状等を踏まえて処方の内容を含め最適な治療方法の選択を行うことができるようになることなどにより、個々の患者さんに対して最適な医療の提供が可能になると考えております。  また、これらを通じた国民にとってのメリットといたしましては、データを用いた最適な医療が行われ、そこから得られたデータが更に医療に還元される、こういった好循環が生まれることで、国民全体に提供される医療の質の持続的な向上につながるというふうに考えております。  製薬企業におきましては、匿名加工医療情報の利活用を通じて研究開発などの効率化が可能になると考えております。具体的には、対象となる患者数などが正確に分かることによる研究開発、治験等の設定の効率化や計画的な研究開発の実施、新薬の市場投入後、治験段階では得ることのできない日常診療における有効性や安全性の情報をより効果的に得ていくことが可能になるというふうに考えております。  このように、新法によります仕組みは、日本の国民がデータというエビデンスに基づく世界でも最も進んだ科学的で合理的な医療を受けることのできる基盤となります。また、日々行われる診療内容やその結果などが新しい科学的な知識、知見を得ることにつながり、医療技術の発展のための知的基盤そのものとなることが日本の医療を持続性のある形で発展させるための重要な役割を果たすというふうに考えております。

高野光二郎自由民主党・こころ

○高野光二郎君 国民皆保険の中で、治療技術や医薬品の安全性など、費用対効果を含め分析をする必要があると考えます。例えば、ジェネリックについて分析し、それがどれぐらい有効性を立証できる、できることで更なる使用促進につながることが考えられます。また、この法案により、日本発の新薬の研究開発を進め、世界で初めて日本で承認して利用していく、すなわち日本が世界における医療薬品開発のトップランナーになることを目指していくのであれば、市販後の有効性や安全性の情報の正確かつ迅速な把握が非常に重要と考えます。  今回の仕組みは民間の事業者を認定する仕組みでありますが、こうしたデータの質をどのように確保していくのか、お答えいただきたいと思います。

藤本康二内閣官房内閣審議官

○政府参考人(藤本康二君) お答えいたします。  今後の医薬品などの研究開発におきましては、市販後の実際の日常診療下でのデータを用いた治療効果の評価や安全対策などが重要であるというふうに考えております。医療分野の研究開発の多様なニーズに柔軟、迅速に対応できるよう民間事業者を認定する仕組みとしつつ、規格の標準化などを含め国が認定基準の設定などに適切に関与することで、正確かつ迅速な分析に資するデータの品質を確保してまいりたいというふうに考えております。

高野光二郎自由民主党・こころ

○高野光二郎君 続きまして、医療情報は機微な情報であることから、認定事業者における情報セキュリティーの確保については衆議院でもかなり議論があったそうでございます。私も拝見をさせていただきました。万全の対策を講じていく必要性は言うまでもありませんが、治療法のない患者さんは一日でも早く治療法が開発されることをとても待ち望んでいます。こうした患者さんの気持ちに寄り添っていくことが何よりも大事だと考えています。  過去、不治の病と言われたような病気であっても、研究が進み、原因や治療法が明らかになることでその病に対する差別や偏見が低減されるとともに、早期の発見、治療が促進されてきた歴史が我が国にはあります。そうした意味で、治療法がない疾患や希少な疾患を含め、どのような疾患であれ患者からデータを提供していただくことに御理解を得ていくことは重要であると考えますが、これについてどのように取り組むのか、お伺いをいたします。

大島一博内閣官房内閣審議官

○政府参考人(大島一博君) 今委員から御指摘ございましたように、新たな治療法を待ち望む患者さんの声に応えて実診療のデータを用いた研究開発を進めていくということの必要性は、治療法のない疾患についてもあるいは希少な疾患についても変わらない、むしろ重要であるかもしれないと認識しております。  今回の制度の理念は、自らが受けた治療や検査などの結果をデータとして研究、分析のために提供し、その成果を、自らを含む患者、国民全体のメリットとして還元していこうということでございます。その上で、今回の仕組みは、特定の個人が識別されない匿名加工による利用を前提とし、認定事業者における高い情報セキュリティーを確保して、個人の権利利益の保護に配慮したものとなっております。  研究開発に必要なデータの円滑な収集に向けて、こうした制度の趣旨ですとか仕組みにつきまして、医療機関あるいは患者さん、国民の理解が得られるようしっかり取り組んでまいりたいと考えます。

高野光二郎自由民主党・こころ

○高野光二郎君 続きまして、厚生労働省の政府参考人にお伺いをしたいと思います。  この新法によって医療分野の研究開発が進み、新たな医療技術等が生まれてくることについて期待をしております。一方、こうした新しい技術が、日本全国津々浦々の国民がそのメリットを享受することが私はとても重要だと考えております。厚生労働省においても、地域包括ケアシステムの実現に向けた取組、へき地医療対策など様々な取組を進めていただいておりますが、この新法の成立によって、厚労省が推進する既存の取組をいかに戦略的に反映をされ貢献できるのか、その意義をお伺いをしたいと思います。  私の選挙区の高知県におきましても、へき地の医療は超重要課題でございます。こうした地域の医療、医師は一人で幅広い分野の医療を担わなければなりません。新法はこうした課題にどのように解決につながるのか、お伺いをいたします。

椎葉茂樹厚生労働大臣官房審議官

○政府参考人(椎葉茂樹君) お答えさせていただきます。  この法案は、匿名加工されました医療データの安全かつ適切な利活用を通じまして医療分野の研究開発を促進し、新しい医薬品や医療技術の創出に資するものと考えているところでございます。こうした健康・医療分野の大規模なデータの利活用によりまして新たな医療技術が創出されれば、例えばでございますが、遠隔医療に資する技術の普及推進や、また地域の医療機関相互の間の中での医療ICTを活用した情報連携の一層の推進など、へき地医療を含めまして、医療分野の施策に順次反映していくことが可能であるというふうに考えているところでございます。  厚労省といたしましても、地域包括ケアの推進のため、こうした最新の医療技術を有効に活用できるよう普及啓発などに取り組んでまいりたいと考えているところでございます。

高野光二郎自由民主党・こころ

○高野光二郎君 この法案についてもそうなんですが、やはり医療課題については政府一丸となって取り組んでいただきたいと思います。  そこで、ちょっと私の思いを少しお話をさせていただきたいと思うんですが、医療の困難地域、へき地は、人口減少の中でも医師は増えてきております。これは皆さんの取組のおかげで、全国でも医師は増えていますし、高知県でも増えてきております。しかし、残念ながら都市部に集中をしております。例えば高知県なら高知市ばっかりで、へき地は全然いません。国とか地方とか国立大学が非常にこういったことについて貢献をしていただいていることは、大変私もすばらしいというふうに思っております。しかし、へき地は医療の診療科の不足、特に脳神経外科とか小児科とか産婦人科はほとんどいません。さらに、医師だけではなくて看護師も踏まえて、看護師もいないんですが、両方とも超高齢化しております。もう患者さんよりもお年寄りの看護師さんとかお医者さん、たくさん頑張ってくれています。  地方では、仕事がなければ幾らそこに暮らしたくても住めません。医療と教育がなければ家族がばらばらになっていきます、若しくは都市部に行ってしまいます。であれば、環境の整った都市部で住めばいいとか、その方が合理的で、国や自治体の財政投資も少なくなって効率的な都市運営が可能となると言う人がおったら、僕はばかげているというふうに思っています。地方こそが国土の保全を担い、水や空気、食料、エネルギーを供給しています。また、多くの人材も都市部に輩出をしております。  今本当、待ったなしの地方の危機である急速な過疎化や極端な少子高齢化は、いずれ遠くなく都市部も同じ課題を完全に抱えます、まず間違いなく。地方の課題を日本全体の将来の課題と捉えて対策、対応が取らなければ、そうなってからでは遅いですし、今の都市部にその課題解決能力はありません。そういう意味でも、地方の医療対策は日本全体の課題であります。  国民医療における課題は、今後更に増える医療費、平成元年には二十兆円弱、直近では四十一兆円、今から八年後の二〇二五年の見込みでは六十一兆円、年間の国民一人当たりに換算をすると、直近が年間で三十二万円強、二〇二五年は約五十一万円と推計されることも踏まえまして、課題解決に向けて全力で取り組んでいただきたいと思います。  こういった意味も踏まえまして、最後に石原伸晃大臣にお伺いをします。  メード・イン・ジャパンの革新的な医薬品、医療機器を開発し、我が国の健康長寿社会につなげていくことのみならず、積極的に海外にも展開していくことが我が国の経済成長にとってとても重要でございます。また、こうしたイノベーションを阻害することなく、誰もが最高の医療を受けられる我が国の国民皆保険制度を維持していくことも大事でございます。今回の仕組みは、こうした医療分野の研究開発を支える基盤であり、単に事業者が認定を受ければ終わりではなく、適切に医療情報を収集して、我が国の研究者や企業がこれを利活用して実際に成果を出すことが強く求められます。最後に、制度の実施に向けた大臣の決意をお伺いをいたします。

石原伸晃自由民主党・無所属の会内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(石原伸晃君) 今、高野委員の、高知県における医療の現状、実は私も介護保険の導入のときに高知に行きまして、高知の現状を見させていただいて、これはもう、結構介護保険に対して反対もあったんですけれども、絶対やらなきゃいけないということで、介護問題突破議員連盟というのをつくって、その導入に尽力をさせていただきました。  そこで見させていただいたのは、高知市のちょっと郊外なんですけれども、山間部に家がございまして、その家から、デイサービスがあるんですけれども、七十歳のおばあちゃんが九十四歳のおばあちゃんを背負って階段下りる、そして医療も、お医者さんは都市部にはいるんですけれども中山間地域にはいないという現状を見させていただいて、委員の御開陳は本当にもうごもっともだなと今聞かせていただきました。  そんな中で、委員が御指摘されたように、情報を集めて匿名加工するだけではこれ全く意味がないと思います。それをうまく利活用して、この最高の医療と言われる日本の国民皆保険を守り、さらに新技術をもって創薬する、あるいはどの薬がどう効くかみたいなことがビッグデータで分かれば、将来的にはある程度の医療費の削減というものにも資する部分もあると思います。  もちろん、この法案でそこを目指しているわけではございませんけれども、今の委員の御指摘をしっかりと受けさせていただきまして、匿名化された医療情報がAI技術などと組み合わされて我が国の研究者や企業に活用されて実際に成果が上がっていく、それが現場の医療に貢献できる、そういうようにしっかりと取り組んでいかせていただきたいと考えております。

高野光二郎自由民主党・こころ

○高野光二郎君 今大臣の答弁を聞かせていただきまして、本当に課題に対して真っ正面から受け止めていただきまして、課題解決のために御尽力をいただくことを私も確認をさせていただきました。私も、微力ではございますが、皆さんと共にに取り組んでまいりますので、今後とも御指導よろしくお願いします。  これにて私の質問を終わらせてもらいます。ありがとうございました。

自見はなこ自由民主党・こころ

○自見はなこ君 自民党の自見はなこです。よろしくお願いいたします。  ふだんは厚生労働委員会に所属しておりますが、本日は内閣委員会へ差し替え、伺い、医療分野の研究開発に資するための匿名加工医療情報に関する法案、いわゆる次世代医療基盤法案について質問の機会を頂戴いたしましたこと、難波委員長を始め理事、委員の先生方にも心から感謝を申し上げます。  また、今回の法案の趣旨は、医療情報を匿名加工し、健康・医療に関する先端的な研究開発及び新産業の創出を促進し、もって健康長寿社会の形成に資することとしてくださっております。石原大臣を始めとして、一丸となってこの目的を達成していただくということでより多くの方々が恩恵を受けるようになると確信をしておりますので、大きな期待を抱いているところであります。  特に、最近の創薬研究の流れや課題をお伺いしておりましても、必ずと言っていいほどデータの利活用ということが主要なテーマの一つとして出てまいります。  医療、特に創薬の分野の発展の歴史ですが、ヨーロッパで十九世紀の半ばに有機化学によって創薬が行われておりました。例えば、世界で初めて合成され、一八九九年に発売されたのは医薬品のアスピリンですが、これを創薬したバイエルなどはグローバル企業となっております。  一方、日本企業ですが、主に一九六一年以降に、国民皆保険が開始されてから本格的な創薬研究というものが開始され、数々の新薬を世に送り出してまいりました。その後、一九九〇年代からは、日本の製薬企業は、自分で作った薬は自分で売ろうということでグローバル化の流れに入り、MアンドAなどを通してその流れは現在も加速をしております。このような厳しい競争の時代に、日々、研究開発や経営努力などに我々の医療が支えられているんだなということに、医療関係者としても一国民としても大変な敬意とそして感謝を感じているところであります。  また、日本の創薬の力でございますが、国際的に見ても効率が良い方であるとは言われておりますが、残念なことに、新しい分野で、特に抗がん剤や分子標的薬やバイオ医薬品などの分野で出遅れてしまっております。背景にはマインドチェンジができなかったことがあるというふうに言われています。  創薬は、それまで、実験動物を使って薬理・生化学で得られた創薬の標的、いわゆるターゲットに対する低分子化合物というものを有機化学で作っていましたが、一九九〇年代に入りましてから、米国が国家プロジェクトとしてヒトゲノム計画というものを推進し、新しいタイプの創薬、ゲノム創薬が開発されてまいりました。また、加えて、経営実体としまして大学発のベンチャーが創薬の先頭に立ちましたが、日本はこの大きな二つの波に、これを自らつくり出せなかったことということに遅れがあるというふうにも言われているところであります。  このような背景からも明らかなように、これからの創薬、あるいはこの分野の研究開発の鍵の一つは、データを専門家集団がどう利活用していくのか、ここに大変大きく懸かっていると言えると思います。また、安倍政権になり、まだまだ課題は種々ございますけれども、研究開発の分野、例えば昔のいわゆるナショセンであります、国立研究開発その他の活動についても大変な御理解をいただいているというふうにも伺っております。  今回の法案も、研究開発で直面するいわゆる結果の出ない時期であります死の谷と言われる時期を、国としてどうデータを利活用しながら後押ししていくのかということを法律として進めてくださっているということで心強く思っております。  さて、今述べましたような創薬などに関する医療情報の収集は、特殊な情報をカスタマイズして集めるという側面のある一方で、その医療に関わるデータや医療ICT、いわゆる医療ネットワークについても、近年の技術の発展というものは目まぐるしいものがありまして、その切り口から考えても、実に多くの医療に関わる情報というものが存在しているのが現状であります。例えば電子カルテの情報ですとかレセプトの情報、医療だけでなく最近は介護の情報など、実に様々なデータがございます。  私は、今は百年に一度の大きな日本の医療の変革期であると考えております。それはデータネットワーク革命であるとも思いますが、ここに、単に技術に引っ張られるだけではなく、あくまでAIを含めてその主たる活用者は人間の側にあるんだということ、我々の人間としての生活に沿ったものであるんだということを大切にした上での制度設計でなければいけないと思っておりますし、また、逆説的に申し上げれば、人間生活を基盤に置いた制度設計であれば、我々医療従事者も安心して活用することができ、その活用も更に進んでいくだろうというふうに考えております。  そのような観点から、まず一問目の質問をさせていただきます。厚生労働省にお伺いをいたします。  塩崎大臣が先週、未来投資会議で発表されました全国保健医療ネットワークとはどのような構想でしょうか、お教えください。

安藤よし子厚生労働省政策統括官

○政府参考人(安藤よし子君) 現在、患者の医療情報を共有して効率的にサービス提供するためのシステムといたしまして、地域ごとに医療情報ネットワークが構築されているところでございますけれども、ネットワーク間の連携不足や情報連携項目のばらつきなどが課題となっているところであります。  このため、患者の保健医療情報を医療関係者で共有し、患者に対して最適な診療を提供するとともに、患者本人がこれらの情報を最適な健康管理に役立てることができる環境を広く整備するために、全国的な保健医療情報ネットワークを二〇二〇年度を目途に構築するということを目指す旨、未来投資会議において厚生労働大臣より表明をいたしました。  現在、厚生労働大臣の下でデータヘルス改革推進本部を立ち上げまして部局横断的に検討を進めておりまして、この中で実現に向けた具体的な方策を示していきたいと考えております。

自見はなこ自由民主党・こころ

○自見はなこ君 ありがとうございます。  全国には、現在、御承知のとおり、二百五十を超える地域に根付いた医療ネットワークというものがございます。長崎のあじさいネットですとか大分のうすきねっと、また、島根のまめネットですとかあるいは岡山の晴れやかネットなど、様々ございます。そして、これらの地域ですが、よく見てみますと、大変熱心なキーパーソンになるような医師会の先生方がおられて、そこに呼応して一緒にやりましょうということで協働してくれる行政の方々がいて、そして、さらには地域社会が顔が見える関係づくりというものが構築されている、このような地域でそのネットワークがうまく機能しているのではないかなという印象も全国を見て回って感じているところであります。  そして、私の感覚として申し上げれば、それらのネットワーク一つ一つは、実は、申し上げたように、非常に人間的な関係の上でも成り立っておりますので、つなげるといっても試行錯誤をこれからしていってくださるんだろうと思っております。特に、先ほどの答弁にもしてくださったように、利用規約、それから様々な機能のバリエーションなどが全国的にあると思いますので、基礎的な部分とそれからこのバリエーションの部分のこの二層分化というもの、そしてこの基礎的な部分のコンセンサスを図って全国的に統合していく、こういう作業になっていかれるんであろうと思っております。  その基本的な部分では、医療情報をどのように取り扱っていくのかということをもう一度見直していく必要も出てくると思いますし、また、今後はデータを二次利用しようという話が当然出てくるであろうと思っております。特に、二次利用に関して言えば、匿名加工をして情報を利用することを、この度改正された個人情報保護法では、一対一の関係では既に医療の匿名加工情報を流通させることを禁じていないと理解をしています。そして、これによりますと、レセプト情報も、支払基金から健保組合を経て株式会社の匿名加工をする事業所に流れるという構造も現段階で既に可能である現状だと理解をしているところであります。  加えて、切り口は違いますが、これらの医療情報を今回の法案を含めてトータルとして見た場合、私の観点としては、ヘルスケア産業の育成にも我々医師は責任があると思っております。ヘルスケア産業がどんどん伸びていっていただくために、適切な土壌をトータルで準備する必要があると考えております。  これら複雑なことを申し上げましたが、これまでの現状や今後の方向性、また今回の法案との関係が全体としてどうなっていくのか、そしてその真ん中には国民の議論、国民の目線というものがありますので、透明性、説明責任ということを真ん中に置いて今後の議論の構築を進めていっていただきたいと切に願っております。  次の質問に移ります。厚労省にお伺いをいたします。  現在、最も医療ICTが進んでいる国として、北ヨーロッパのエストニア共和国がよく挙げられております。人口規模が百三十二万人の小さな国です。そこでは、患者中心の医療情報サービスが行われており、医師の記載した医療情報のサマリーや画像データの共有化、さらには電子処方箋が既に実施をされております。共有されたデータは、医師も患者も、そして看護師もアクセスが可能で、また、どの医師が自分の情報にアクセスをしたかは患者はポータルサイトを通して知ることができると言われています。さらには、医療費の支払等の情報も自分で確認することができます。  このエストニアですが、原則オプトアウト方式ではありますが、どの医療情報を提供したいかということを患者本人が画面をクリックしてコントロールできる仕組みになっております。私も、医療現場で働いておりますと、日々、日常的に極めて機微な情報に触れます。守秘義務の中で打ち明けていただけることもあるんだろうと思っておりますし、それが医療だというふうに思っております。  さて、このような中で、これから百年の医療ICT時代を日本が牽引していくんだということで、安心して国民の皆様にジャンプインしていただくには、私は日本にも同様の仕組みを導入したらいかがかなと思っております。勝手に命名をしておりまして、マイ・メディカル・ポータル、マイメディポというのを考えてみましたけれども。  ここで改めて問いですけれども、このように自身の選択で提供する医療情報を選んだり、あるいは自分の医療情報がどう使われているのか知る権利を分かりやすい形で今後構築していく必要があると思っておりますが、お考えをお聞かせください。

安藤よし子厚生労働省政策統括官

○政府参考人(安藤よし子君) 保健医療データの取扱いにつきましては、個人の権利利益の保護やデータ利活用の透明性の確保という観点から、どの保健医療関係者が自らの情報にアクセスしたかが分かるようにする仕組みや、自分のどの情報を誰に共有するのかという範囲を設定できるというような仕組みも大事だというふうに考えております。  全国的な保健医療情報ネットワークの構築により医療関係者が患者の保健医療情報を共有できるようにすることに合わせまして、委員御指摘のように、自分の医療情報がどう使われているのかを本人にお示しすることができるようにすることを含めまして、必要なインフラの在り方を更に検討してまいりたいと考えております。

自見はなこ自由民主党・こころ

○自見はなこ君 ありがとうございます。  現在、議論として、情報銀行ですとかあるいはパーソナルデータストアというような議論も出ておりまして、私は大変注目をして見ております。私自身は、医療情報は本人固有の情報であると思っておりまして、その管理などの決定権も本人に帰属しているのではないかと思いながら日々医療現場で働いてきたところであります。その発想の下で今後も医療ICTを進めてほしいと願っておりますし、繰り返しますが、患者様もそして医療機関も安心して活用できる仕組みというものを是非構築していただきたいと思います。  次の質問に移ります。続きましても厚生労働省にお伺いをいたします。続きましての質問は、HPKIについてになります。HPKIとは、ヘルスケア・パブリック・キー・インフラストラクチャーの略称で、厚生労働省が定めた医療従事者の電子認証の略称になります。  厚労省にお伺いをいたします。現在のHPKIの普及の現状についてお伺いをいたします。また、さらに、医療職の資格認定に対して、HPKIの下で統一した電子的基盤で行う必要性があるかなと思っておりますが、お考えをお聞かせください。

椎葉茂樹厚生労働大臣官房審議官

○政府参考人(椎葉茂樹君) お答えさせていただきます。  日本医師会が医療従事者の資格の有効性の証明等を可能とするために構築しておりますHPKIにおきましては、日本医師会が医師免許証等を基に医師資格、本人確認を行った上でHPKIカードを発行しておりまして、平成二十九年二月時点で約八千枚が発行されたと聞いているところでございます。  また、医療関係者職種の資格証明を日本医師会等の関係団体が統一した電子的基盤で行うことにつきまして、今後の関係団体の取組状況を踏まえまして、どのような対応ができるか検討してまいりたいと考えているところでございます。

自見はなこ自由民主党・こころ

○自見はなこ君 ありがとうございます。是非早急に、特に塩崎厚労大臣もお示しいただきました二〇二〇年の医療ネットワーク構想、それから今回の匿名加工情報もそうでございますが、このネットワーク環境というものを更に強力に推し進めていく必要があると思っておりますので、普及に是非御尽力いただきたいと思っております。  また、今のこの時代に皆様信じられないかもしれませんが、私たち医師というものは、実は外の病院に、外勤というんですけれども、勤務をしに行くときに、いまだになんですけれども、筒に入った医師免許証を入れて、かばんに入れて、それを持参いたしまして、今日外勤に来ました自見はなこですと言って事務所に行ってその免許証を見せまして、本人ですと言ってコピーを取っていただいて、また筒に入れて持って帰っております。  今この時代に今の話は本当にびっくりするような信じられない話かもしれないんですけれども事実でございまして、また、もう一つ、大変前時代的なお話をすれば、専門医ということで、私も小児科専門医なんですけれども、五年に一度なり何年に一度、それぞれの学会で決められた期間にある一定の単位を取ってその専門医の更新をするわけでありますけれども、この専門医の単位の更新も、昭和のバスの半券みたいな券を集めまして、一つの学会に行って五単位とか十単位とかいうのを五年間なりで集めて、それを百単位分あるいはそれぞれの定められた単位分をのりで、紙で、貼りまして申請をして、専門医の更新をしているというのが現状でございます。  是非この医療の中で、是非ネットワーク化、それからICT化を進めていっていただきたいと思っておりますので、この医師資格証に関しましては、医師だという今は証明にはなりますけれども、医師免許証と同等だということにはなっておりません。是非もっと公的な証明の役割というものを担うように整備していただき、将来的に医療ICTがもっともっと進んだときには成り済ましドクターが出ないような仕組みといったものも構築してほしいと思いますし、学会とも連携して、是非この一つのカードで、医師の資格証明だけでなくキャリアデザインもできるんだと、そして、この医師のHPKIをもってネットにアクセスをしたときには、医師の生涯教育や専門教育のサイトも見れるし、又は自分の担当している患者様の情報も見れる、あるいは最新の知見、例えば薬剤の副作用の情報であるとかそういったものにも一元的にアクセスできると。これもまた私の勝手な命名で恐縮なんですけれども、ドクター・プロフェッショナル・ポータル、マイドクポというようなサイトの構築も含めて是非検討していっていただければ有り難いなと考えております。よろしく御指導ください。  それでは、次の質問に移ります。  さて、情報管理という観点からでございますけれども、金融の分野に目を転じてみますと、金融は特にセキュリティーというものが経営の要そのものになってございます。こういった観点から、昭和五十九年にそれぞれの金融機関、現在は六百四十の機関が会員となっておりますが、会員となり、金融機関ではこのFISC、金融情報システムセンターというものを設立し、運営をしております。ここでは金融情報システムに関する諸問題、特に技術、利活用、管理態勢、脅威と防衛等の国内外における現状、課題、将来への展望性など様々な研究調査を行っておりまして、同時に大変分厚いこのような本を出しております。各種ガイドラインやレポートなどを出して、金融機関と連携し、この金融に関する情報の安全というものを守っていると、こういう仕組みがございます。  そこで、厚生労働省にお伺いをいたします。  金融機関でいうところのFISCというような、例えば医療情報安全管理機構というようなものなどを設置して、医療情報の適切な管理について特化して取り組む機関が必要だと考えますが、いかがでしょうか。

椎葉茂樹厚生労働大臣官房審議官

○政府参考人(椎葉茂樹君) お答えさせていただきます。  医療機関の医療情報システムの安全管理につきましては、厚生労働省が医療機関等向けのガイドラインを策定しておりまして、医療機関等で取り組むべき内容を整理し、公表をしているところでございます。また、サイバーセキュリティーにつきましては、医療分野は、金融分野、また電力、ガス、鉄道、航空等の分野と並びまして重要インフラの一つと位置付けられているものでございます。今、内閣サイバーセキュリティセンター、NISCの統括の下に、医療分野におきましても、医療関係者間の情報共有の取組などを進めてきたところでございます。  今後は、健康、医療、介護の分野を有機的に連結したICTインフラの二〇二〇年度からの本格稼働を目指しまして、本年一月に厚生労働大臣の下に設置いたしましたデータヘルス改革推進本部におきまして、医療機関のセキュリティー対策の強化策につきましても、委員御指摘の他の分野の取組も参考に検討してまいりたいと考えておるところでございます。

自見はなこ自由民主党・こころ

○自見はなこ君 ありがとうございます。是非よろしくお願いをいたします。  それでは、次の質問に移ります。次は、健康・医療戦略室にお尋ねをいたします。  医療の情報は誰のものかという議論があるところではありますけれども、この今回の法律、それから今後の利活用にも関わる分野でございますけれども、医療情報を匿名加工した場合には、個人情報保護法においては、その時点、その医療情報を匿名加工したその時点で個人の管理が及ばなくなるというふうに理解をしておりますが、それでよいのかということと、それから一方で、認定事業者の中でその情報が存在するときには、名寄せをするという作業があると思います。この名寄せをした医療情報というものは、そこの機関内で匿名される前の段階にあっては、これは個人情報の保護の対象にあるというふうにも理解をしているところでありますが、いかがでしょうか。また、遡ってこの名寄せしたものというものは消去できるものでしょうか。

大島一博内閣官房内閣審議官

○政府参考人(大島一博君) 匿名加工情報の場合でございますが、この場合は、特定の個人を識別することができないように個人情報を加工して得られる個人に関する情報、かつ個人情報を復元することができないようにしたものでございますので、個人情報保護法に言う個人情報には該当しないものでございます。  そのため、個人情報保護法におきましては、匿名加工情報を取り扱う場合について、それを作成した事業者に対して、一部、作成時や第三者提供時の公表義務ですとか苦情処理の努力義務など、個人関与のための一定の規定はございますが、個人情報に係る規定については適用されないということでございまして、匿名加工情報から個人の希望に応じて本人に係る情報を除外するといったことまでは求められていないことになっております。  他方、今回の制度でございますが、医療機関等が認定事業者に医療情報を提供しようとする場合に、あらかじめ本人に対して通知をし、本人が提供を拒否した場合には医療情報を提供しない仕組み、いわゆるオプトアウトでありまして、本人はいつでも医療機関等に対して認定事業者への医療情報の提供を停止することを求めることができるというふうにしております。  医療機関等から認定事業者に対して既に提供された医療情報の削除を求めるということについてのお尋ねでございますが、法律には規定してございませんが、認定事業者が本人の希望に応じて任意にこうした削除の対応を行うことは可能です。  今後、基本方針あるいは認定基準を策定するに当たりまして、こうした運用についてどうしていくのか検討をしてまいりたいと考えております。

自見はなこ自由民主党・こころ

○自見はなこ君 ありがとうございました。  私は、名寄せをしている個人情報というものが認定事業者にある間、匿名加工される直前でありますが、やはりこれは個人情報でありますから、基本的には遡って消せるように制度設計を、事業者が任意でとおっしゃっておりましたけれども、していただけたら大変有り難いなと思っておりますし、また、仮にそれを事業者が条件としないのであれば、よほど慎重に周知とそれからオプトアウトの説明をしていただく必要があるかなというふうに思っております。  また、様々な受診の形や病気の発症の仕方があるのが現実の医療現場であります。しばらく糖尿病で一つの病院にかかっていたら、あるときうつ病を発症したりとか、あるいは統合失調症になって措置入院になってしまったり、突然あるいは腹痛になって医療機関を受診したり、様々な状態の中で、このいただいた書類、オプトアウトにまで気が回らない状態というものはあると思っております。是非、現実的でそして多くの国民が納得するルールを関係者とよく協議の上、構築していってほしいと思っております。  次の質問に移ります。私は、現在、与党の中で唯一の小児科医ということで、この問題を質問をさせていただきます。  今回の法案では、オプトアウトの通知は、子供の場合には何歳から適用されますでしょうか。また、それは誰が行うのか、また一定の年齢になった子供については再度通知を行うのかをお伺いしたいと思います。

大島一博内閣官房内閣審議官

○政府参考人(大島一博君) お答えいたします。  患者が子供である場合、通知は保護者に対して行うということを基本に考えます。個人情報保護法制あるいは研究倫理指針における取扱いを参考に、具体的には患者が中学の課程を修了している場合、あるいは、又は十六歳以上である場合には子供本人に対して通知をするということとする予定で考えております。  本法案では、「主務省令で定めるところにより、あらかじめ、本人に通知する」と規定をしておりまして、御指摘のように、通知対象が保護者から本人に切り替わるという、そういうタイミングございますので、こういう場合において、医療機関等が本人に対して改めて通知をするかどうか、この点を含めまして、主務省令を定める際に検討してまいりたいと考えます。

自見はなこ自由民主党・こころ

○自見はなこ君 ありがとうございます。  実際、小児科の現場なんですけれども、例えば、十五歳とか十六歳の女の子で生理が来ないということで受診をすることがあります。そのような場合にいろんな検査をするわけでございますけれども、染色体異常であることが分かるという場面もございます。その染色体異常の場合は、生理も来ないわけでありますけれども、同時に、実は生涯にわたって妊娠することが厳しいと言われております異常であります。親もそういったことの事実を子供にいつどのようなタイミングでお知らせをするか、大学卒業なのか、あるいは恋人ができたときなのか、結婚する前には知らせた方がいいのか、様々なことを悩みながら個別に、小児科医と、そして遺伝子カウンセラーといった方々も連携しながら模索をするというのが現実には起こっているわけであります。  是非、新たな疾患が分かった際には再通知をしていただくというような仕組みを含めまして、特に小児科領域の場合では、是非、医療界関係各位の意見を聞いていただいて、慎重な議論を進めていってほしいと思っております。また、このことを事務的に進めるに当たりましても、やはり複数の医系技官も含めて、要所要所の配置を含めて適切に行っていただきたいと思っております。  また、小児科医会、そして日本小児科保健協会から要望書も塩崎大臣とそれから石原大臣に提出される予定だということも伺っておりますので、是非、今回のことは、子供のことは臓器移植法案におきましても別建てで議論をしていただきましたので、より慎重な議論をお願いしたいと思っております。  それでは、続きましての質問に移ります。  次は、子供の健康に関してお伺いをいたします。  今回の法律に関して、学校での健診データも除外されてはいないというふうに認識をしております。学校の健診データに関しては、所轄は文科省でありますが、その項目についてはどのようなものがあるのか、学校保健法で定められているその目的は何か、教えてください。

瀧本寛文部科学大臣官房審議官

○政府参考人(瀧本寛君) お答え申し上げます。  学校における健康診断の項目は、学校保健安全法施行規則第六条において十一の項目が定められております。具体的には、身長及び体重、栄養状態、脊柱及び胸郭の疾病及び異常の有無並びに四肢の状態、視力及び聴力、目の疾病及び異常の有無、耳鼻咽頭疾患及び皮膚疾患の有無、歯及び口腔の疾病及び異常の有無、結核の有無、心臓の疾病及び異常の有無、尿、その他疾病及び異常の有無、この十一項目でございます。  また、この健康診断の目的でございますが、学校保健安全法上、児童生徒の健康の保持増進を図ることにあると定められているところでございます。  以上です。

自見はなこ自由民主党・こころ

○自見はなこ君 ありがとうございます。  お答えいただきましたように、学校の管理上ということもありまして項目立てがされておりますけれども、子供たちの健康というものを包括的な視点でもっと大切にしてほしいと考えております。例えばですけれども、現在、学校の中では、学校保健法の中では心臓疾患とだけ一項目になっておりますが、例えば学校管理下の突然死で最も多いのは先天性心疾患の術後や不整脈、心筋症ですので、こういった項目立てがあればデータの利活用を含めて幅広く子供たちの健康に資すると思っておりますので、どうぞよろしくお願いをいたします。  そして、それを受けてでございますけれども、厚労省にお伺いをいたします。  子供たちの健康という包括的な視点をもっと大事にして、厚労省と文科省で連携を深めていってほしいと思っておりますが、厚労省のお考えをお聞かせください。

山本麻里厚生労働省雇用均等・児童家庭局児童虐待防止等総合対策室長

○政府参考人(山本麻里君) お答えを申し上げます。  学校における健康診断につきましては先ほど文部科学省から御答弁があったとおりでございますが、一方で、母子保健法におきましては、一歳六か月健診や三歳児健診の実施を市町村に義務付けるほか、これ以外も必要に応じて五歳児健診を実施するなど、学校就学前である乳幼児に対して必要な健診の実施を求めております。こうした中で、保護者の理解を得て、乳幼児健診の結果を市町村の教育委員会が行う就学時健康診断の際に確実に情報提供するなどの連携は大変大事な課題と認識しております。  厚生労働省としては、文部科学省から具体的な御相談等をいただきながらしっかりと検討させていただきたいと考えております。

自見はなこ自由民主党・こころ

○自見はなこ君 ありがとうございました。  最後に、今回の法案に関して石原大臣にお尋ねをしたいと思います。  臨床研究の在り方ということに対して今回すばらしい取組をしてくださっておりますが、今までのような、いわゆる私たちの医療現場でオプトインによる学術研究というものを盛んに進めてまいりましたが、今回の法案はこれを妨げるものではない、むしろ包括的に後押しをしてくださるんだというふうに考えております。最後に御決意をお聞かせいただければと思います。

石原伸晃自由民主党・無所属の会内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(石原伸晃君) ただいま、自見はなこ委員の臨床医としての御経験から、当法案の運用面での問題の提起、並びに厚生労働省と文科省に対する御注文の話を聞かせていただきまして、なるほどなと非常に強く思わせていただいたところでございます。  今委員御指摘のオプトインの学術研究ですけれども、例えば、本人の同意を得て患者さんを集めまして、既存の医療にはない新しい手術ですか、あるいは投薬の医療行為を行って、その結果を分析するものがこのオプトインで、今回はオプトアウトという形で患者さんの御同意をいただいて、もちろん匿名加工をして広く利用していただくと、学術研究等々に行わせていただくと。  いずれの、両方の研究もやはり医療分野の研究開発においては重要な役割を担うものであるという認識は全く同じでございますし、今回の法案が今委員が御指摘になりました学術研究を妨げるものではないということは明確に申し上げさせていただきたいと思います。

自見はなこ自由民主党・こころ

○自見はなこ君 どうもありがとうございました。これで質問を終わります。

藤末健三民進党・新緑風会

○藤末健三君 おはようございます。民進党・新緑風会の藤末健三でございます。  私も自見さんと同じように、ほかの委員会、財政金融委員会でございますが、今日は出張してまいりました。  昨年は宇宙活動法案もこちらの方で議論させていただき、今日は次世代医療基盤法案を審議させていただくわけでございますが、私は政治家として、イノベーションで笑顔で働ける仕事をつくるというのがモットーでございまして、この次世代医療基盤法案、非常に大きなインパクトがあると思っております。なぜかと申しますと、今、日本の薬品、また医療機器の産業、非常に世界的には後退している状況でございます。  余り知られていないかもしれませんけれど、医薬品、薬の輸入超過、これ幾らあるかと申しますと、二〇一四年のデータですが、一兆八千六百十億円。恐らく今年は二兆円超していると思います。過去を振り返りますと、二〇〇九年時点、二〇一四年の五年前は何と九千億円。ですから、五年間で倍増している。また、二〇〇〇年まで振り返りますと、医薬品の輸入超過は二千億円。ですから、もうこの十数年で十倍増しているという状況です。ですから、どんどんどんどん我が国は輸入超過になっているという状況でございます。  ちなみに、我が国で最大の医薬品の売上げを誇る武田薬品、二〇一四年ですけど、世界ランキングは何位かというと十七位、十七位ですよ。そのような状況になっているというのが今の日本の医薬品の状況。  また、医療機器を見ますと、二〇一四年のデータを見ますと、何と八千億円の輸入超過になっています。どういう状況かと申しますと、医療機器にはクラスがありまして、クラスⅢ、クラスⅣというのがございまして、体に埋め込む医療機器などがあります。そういう非常に人体に影響が大きいような、リスクが高いような医療機器はほとんど輸入品、今、それが我が国の現状でございます。  私は、このような現状の中において、この次世代医療基盤法、過去の医療データを積み重ねることにより、それを利用することによって、私は是非この医薬品、そして医療機器の産業の活性化を進めていただきたいと切に願っております。  同時に、医療の進歩は実際の患者さんにプラスになると思いますし、また同時に、これから本当に世界に先駆けて高齢化社会を迎える我が国において新しいビジネスをつくる、ヘルスケアにおいて、その大きな契機となると思いますので、その点についてまず御質問したいと思います。  と同時に、この個人の医療情報、非常に重要な点でございます。衆議院の方で修正をしていただいたという状況でございますので、特にこの個人の医療情報をどうやって守るかということ、それに力点を置いて修正をしていただいたということでございますので、その点についても御質問をさせていただきたいと思っております。  まず、この法案に関しまして、主務大臣は、内閣総理大臣、そして文部科学大臣、厚生労働大臣、あと経済産業大臣という四つの大臣が主務大臣になられています。  その経済産業大臣でございますけれど、先日、経済産業大臣政務官を、中川政務官が辞任されたという状況でございます。このような状況につきまして、この法案を所管する省庁の同じ政務官という立場から、武村政務官はどのようにお考えかということをまずお聞きしたいと思います。

武村展英自由民主党・無所属の会内閣府大臣政務官

○大臣政務官(武村展英君) 同じ当選同期の政務官として本当に残念です。週刊誌を拝見いたしましたが、国民の信頼を大きく失墜する結果になっているというふうに思います。  私自身は、緊張感を持って襟を正して職務に当たっていきたいと考えます。

藤末健三民進党・新緑風会

○藤末健三君 私は、もうまさしく政府の立場の人たちに対する悪影響、そして、我々国会議員が非常に、何か大丈夫かというような批判もございまして、是非、我々きちんと正していくことも必要ですし、私はやはり中川前政務官は自ら責任を取っていただくべきだと私は思っております。  中身の方に、質問に移らさせていただきまして、まず一つ目にございますのは、基本方針について伺いたいと思います。  この法案の第四条におきまして、政府が匿名加工医療情報に関する基本方針を定めるとされております。その基本方針で定める事項の一つとして、本人又はその子孫に対する不当な差別、偏見その他の不利益が生じないための措置に関する事項というものが規定されています。  こうした差別の防止のための措置は、患者や国民の安心を確保することに大きく資するものであると考えますが、衆議院におかれては、その他個人という文言がこの四条に追加されておりますけれど、この修正の趣旨について、提案者に御説明、お願いいたします。

緒方林太郎民進党・無所属クラブ

○衆議院議員(緒方林太郎君) 御質問ありがとうございます。  御指摘のとおり、衆議院における修正で、基本方針に定める事項として、本人又はその子孫以外の個人に対する不当な差別、偏見その他の不利益が生じないための措置に関する事項を明記したところでございます。  政府原案では、政府が定める基本方針において、「匿名加工医療情報の作成に用いる医療情報に係る本人の病歴その他の本人の心身の状態を理由とする本人又はその子孫に対する不当な差別、偏見その他の不利益が生じないための措置に関する事項」について定めるものとされているが、医療情報が匿名加工化されたとしても、例えば、一定の地域あるいは団体に特定の疾患が多いことが明らかになり、当該地域や団体に対する風評被害などの不利益が生じるおそれが想定されます。そこで、こうした不利益が生じないための措置として、基本方針において定めることが適当であることから、本人又はその子孫以外の個人についても不利益が生じないための措置を講ずることを条文上明確にしたところでございます。  なお、衆議院の内閣委員会の附帯決議におきましては、匿名加工医療情報の利活用に際して、一定の地域や団体に属する者等の本人やその子孫以外の者にも不利益が生じる可能性があることを踏まえ、こうした不利益が生じないよう適切な措置を講ずることとされたところでございます。  以上であります。

藤末健三民進党・新緑風会

○藤末健三君 どうもありがとうございます。  私も、患者の方々のこの医療情報、これをきちんとプロテクトする、守っていくことは非常に重要だと思いますので、この修正を高く評価させていただきたいと思います。  続きまして、オプトアウトについてお聞きしたいと思います。これは、修正提案者及び石原大臣にお聞きしたいと思います。  今回の仕組みにおきまして、この医療情報に係る個人の権利利益を保護していくという上で、先ほど自見先生からも質問がございましたが、オプトアウトにより本人が関与する機会を適正に確保するということが非常に重要なポイントであると考えております。  この方法におきましては、第三十条の規定によりまして、医療機関はあらかじめ本人に通知し、本人が拒否しない限り認定事業者に対し医療情報を提供することができるが、この規定について衆議院では、「主務省令で定めるところにより」という文言を追加しているということを承知させていただいております。  まず、この修正の趣旨等を提案者に伺わさせていただきたいと思います。また、主務省令においてどのような規定をしていく方針か、政府、石原大臣にお聞きしたいと思います。お願いいたします。

緒方林太郎民進党・無所属クラブ

○衆議院議員(緒方林太郎君) 御指摘のとおり、衆議院における修正で、本人又はその遺族が、医療情報取扱事業者に対し、当該本人が識別される医療情報の認定匿名加工医療情報作成事業者への提供を停止することの求めを容易に行うことができるよう、その手続等について主務省令を定めるものとしたところでございます。  本法案では、本人又は遺族が拒否しない限り、医療情報が認定匿名加工医療情報作成事業者に提供される仕組み、いわゆるオプトアウトが採用されておりますが、このオプトアウトの手続が複雑になってしまいますと、内心では本人又はその遺族が提供を拒否したいと思いつつも、煩雑さゆえに提供拒否の手続を行わないおそれが想定をされ得るというところでございます。そこで、本人又は遺族が簡易な手続により医療情報の提供の停止を求めることができるよう、主務省令でオプトアウトの手続について定めることとしたところでございます。  なお、衆議院内閣委員会の附帯決議においては、この主務省令の内容に関し、医療情報取扱事業者に対し本人又はその遺族が医療情報の提供の停止の求めを行う際に、その手続を容易に行うことができるよう適切な措置を講ずることとされたところでございます。  以上であります。

石原伸晃自由民主党・無所属の会内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(石原伸晃君) ただいま緒方委員の方から修正の趣旨について、いわゆる「主務省令で定めるところにより」という文言を入れた経緯についてお話がございましたが、肝腎なことは、やはりこの制度が、先ほども御議論がありましたとおり、実際に運用されて研究開発に資する、それと一番肝腎なところは、国民の信頼をどう得るかというところだと思います。  そういう上では、本人や遺族が医療機関に対しまして医療情報の提供の停止を求めを行うに当たりましては、緒方委員がおっしゃられたとおり、複雑では、ああ、こんなのは面倒くさいからやめようよということになってしまうケースも多々あると思います。そうではなくて、簡易な手続により行うようにできることが望ましい、これは私もそのとおりであると認識をしております。  こうした趣旨で衆議院で修正が行われたわけでございますけれども、例えばですが、私は嫌ですというような口頭により申し出ることを含めて、本人や遺族にとって簡単な手続を認める方向でこの主務省令を作る中で具体的に検討してまいりたいというのが政府の立場でございます。

藤末健三民進党・新緑風会

○藤末健三君 是非、このオプトアウトを是非きちんとできる体制をつくっていただきたいと思います。やはり、自分の医療情報等が知らないうちに使われないようにするため、そしてまた、それを知ったときにきちんと止めることができるという仕組みが恐らくこの法律の制度の執行において信頼性を担保する大きな鍵となると思いますので、是非ともお願いしたいと思います。  続きまして、これは大臣に伺いたいと思いますが、学校の健診情報についてお話をお聞きしたいと思います。  やはり、この法律、私もいろいろ、野党ですが関与させて、話をさせていただく中でよく言われましたのが、子供たちの学校における健康診断なんかの情報はどうするんだということを実は非常に質問をいただいておりました。  この法律の中において、認定事業者は健康診断に関する情報についても収集可能であるというふうに枠組みは決められているわけでございますけれど、健康長寿社会を目指すためには、病気になってからの情報だけではなく、やはり健康であるときの情報も収集し、どうやって健康が失われるか、そしてその健康をどうやって維持したかというような分析が重要だと思います。当然、その病気のメカニズムを分析することも大事ですけれど、やはり健康な状況をどれだけ続けていただけるようにしていくか、そういう分析が重要だと思います。  そうした中、他方で、こういう健康診断については、学校の健康診断や、あと職場の健診など、医療現場以外で法律に基づいて行われているものが多くございます。認定事業者に対する情報の提供はもとより任意であるとしても、こうした情報の収集に際して丁寧に対応することが必要と考えますが、政府の対応いかがでございましょうか、お願いいたします。

石原伸晃自由民主党・無所属の会内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(石原伸晃君) 認定事業者が医療情報を収集する際には、その提供主体、すなわち国民、今の御議論でいうならば、子供さんたち、親御さんの理解が得られるように丁寧に対応する必要があるというのは、まさに委員の御指摘のとおりであると私も考えております。  じゃ、今回の仕組みでどうなっているかということでございますが、効果的な予防法の開発も見据えますと、これも今委員が御指摘になられましたが、医療機関が有する病気になった後の情報のみならず病気になる前の健康情報等も重要であることは、こういう生活をしていたからこういうふうに健康であった、また、こういう生活をしていたから不健康であったということを判断する上でも重要であるということで、収集の対象となっております。  こうした学校、職場などにおけます健康診断の結果を収集する際には、これも委員が今御指摘いただいたように、学校や事業者等の理解を丁寧に得るということが重要であると考えております。これらのデータは、子供たちや従業員の方々の健康増進といった観点からも大変有用であり、衆議院の附帯決議の中にも明確に示されております。認定事業者が学校、事業者等から適切に情報を収集するように、厚労省等々関係省庁を督励して指導をしてまいりたい、こんなふうに考えております。

藤末健三民進党・新緑風会

○藤末健三君 是非進めていただきたいと思います、きちんとした情報管理を。  私は、この健康診断の情報というのは非常に重要だと考えております。なぜかと申しますと、年間一兆円近い医療費、そして介護の費用などが、政府の負担が増えているという状況の中、いろんなデータを見ますと、健康診断を受けることによって医療費を削減する効果、まあいろんな計算ございますけれど、大きいというデータが出ています。  ただ一方で、見てみますと、企業における健康診断の受診率もそれほど高くない、日本は。同時に、扶養者に対する健康診断の義務もあるにもかかわらず、実際には扶養者に対しても健康診断の普及率はそんなに高くない状況でございます。  厚労省の方、これはもう質問はいたしませんけれども、是非、厚労省の方々にお願いしたいのは、医療費の抑制を行うためにもこの健康診断を進めていただきたい。そのとき何が必要かと申しますと、健康診断を受けることによってどれだけ健康になるかというデータがまだないんですよ、これは本当に。  ですから、どういうことかというと、健康診断受けないですごく体に負担掛けて、まあ極端な話するとお酒飲んでたばこをいっぱい吸う人はいるじゃないですか、そういう人の医療費は爆発的にでかいんですよ、これは本当に。ただ、じゃ、そのデータを精査できるかというと、できないんですね。何となくアンケート調査で見ていると、そうですよという話になっている。  ですから、もし私はこの次世代医療基盤のデータが取れれば、特に健康な方々がどれだけ健康でいることによって例えば医療負担を抑えられるか、介護の負担を抑えられるかということができれば、これは健康診断を受けるインセンティブにもなりますし、同時に、企業にとっては健保組合に対する負担も軽減することになると思いますので、是非、厚労省におかれてはそれを進めていただきたいと思います。  これはちょっと登録していませんけれども、坂口さんか何かがおられたら、ちょっと是非答えていただいてよろしいですか。お願いします。

坂口卓厚生労働大臣官房審議官

○政府参考人(坂口卓君) 今委員の方から御指摘ございましたけれども、やはり健康診断も含めまして、健康に関しましては常日頃からのいろいろ取組、あるいは介護につきましても介護の予防ということが大事かと思っております。  そういったところが今後増大していく経費の抑制ということにつながるかと思っておりますので、私ども厚労省としましても、しっかり取り組んでまいりたいと思います。

藤末健三民進党・新緑風会

○藤末健三君 是非お願いいたします。私は、この医療のイノベーションを起こすということとともに、健康を維持し長寿をつくるという基本データが取れると思っていますので、是非厚労省は進めていただきたいと思います。  続きまして、医療機関からの適正な情報の取得や利活用者への適正な提供ということを、これは修正者に伺いたいと思いますが、この法案は、情報セキュリティー、また匿名加工技術に関する一定の高い基準を満たす事業者を国が認定する仕組みというのをつくっているわけでございます。  この医療情報の安心、円滑な利活用を図るという観点からしてどのようなものが必要かということでございますが、今回の仕組みが適切に機能するためには、認定事業者のみならず、この情報を保有する医療機関がまずございます。この医療機関から認定事業者に、情報を加工する認定事業者にどうやって情報を渡すか。また同時に、認定事業者、情報を加工し保管する認定事業者から情報を受け取って、それを利活用していこうという、利活用までの一連の流れが適正に流れなきゃいけないというふうに考えています。  そうした役割をきちんと果たせる事業者を認定する必要があるわけでございますけれど、衆議院において、認定事業者の認定基準に関しての規定について修正が行われております。この修正の趣旨を是非、緒方修正者から御説明いただきたいと思います。お願いします。

緒方林太郎民進党・無所属クラブ

○衆議院議員(緒方林太郎君) ありがとうございます。  御指摘のとおり、衆議院における修正で、認定匿名加工医療情報作成事業者の認定基準に、医療情報を取得するに足りる能力及び匿名加工医療情報を適確に提供するに足りる能力を有することを明記いたしまして、情報の取得や提供に関する認定匿名加工医療情報作成事業者の能力についても主務省令で定める基準に適合していなければならないところを明記したところでございます。  本法案では、認定匿名加工医療情報作成事業者が医療情報取扱事業者から医療情報の提供を受け、匿名加工処理を施した上、匿名加工医療情報として利活用者に提供するという情報の一連の流れが想定されるところでございまして、医療分野の研究開発に資するという本法案の目的からは、この一連の流れ全体が適正になされなければならないことは言うまでもありません。  そこで、情報の一連の流れの中核を成す認定匿名加工医療情報作成事業者の認定に当たって、その認定基準に、医療分野の研究開発に資するよう、情報を取得する能力及びこれを提供する能力も含まれることを明らかにすることで、この一連の流れの全体が適正に行われることが期待されるものでございます。  なお、衆議院内閣委員会の附帯決議におきましては、「認定匿名加工医療情報作成事業者から匿名加工医療情報の利活用者への提供が適正に行われるよう、認定匿名加工医療情報作成事業者に対して適切な措置を講ずること。」とされたところでございます。  以上であります。

藤末健三民進党・新緑風会

○藤末健三君 私もこれは適切な修正をいただいたと思っています。なぜかと申しますと、この認定される事業者、非常に大事な医療関係の情報を集めて、そして加工してセキュリティーを守るということでございますが、私がすごく心配していますのは、例えばその情報が関係ない国々に流れるというのを非常に懸念しております。  冒頭で医薬品の産業の話を申し上げました、日本がいかに遅れているかという意味合いで。私はやはり、日本のいろんな医療情報、これをやはり我が国の産業のために役立てるということは非常に重要だと考えています、これは本当に。是非、その執行に当たりましては、これは私の個人の意見ではございますけれど、日本の産業の発展に資するような使い方を是非していただきたいと思います。産業が発展し、そして医療機器が生まれ、新しい医薬品が生まれることによって、我々は実際に、健康を害された方、病気になられた方々の回復も行えますし、また同時に、くどいですけど、健康な人たちがずっと健康でいていただけるようなことができると思っています。  実際に海外の動きを見ますと、例えばDNA、今ありますのは、唾液を取ってDNA鑑定をできるサービスが日本でもあります。ただ、その実際の中身を聞いてみますと、その我々が取られたDNAは何と海外に送られ、国を言うとアメリカです、アメリカに送られ、アメリカで分析されデータが来る。そして、その唾液はアメリカに保管されているんですね。そして、そのデータは、契約上、アメリカでも使えるようになっているというのが現状です、今。  なぜアメリカの企業が日本人のDNAの情報を集めるかと申しますと、アメリカ人のDNA情報はアメリカでしか使えないんです、医薬品的に、医療的に。逆に、我々日本人のDNAデータと医療データを掛け合わせますと何とアジアで使えるという、そういうのも実際にございますので、私はやはり、これからどんどんどんどん成長するアジアということを捉えた場合に、我々日本人の医療データというものがアジアで使えるということも是非、役所の方々は頭の隅っこに置いていただきたいと思います。  多分、今正直申し上げて厚生労働省の方々は、国内における医療、やはり健康の議論をされていると思いますが、これは文科省、そして経産省も入っていますので、是非連携して、やはりイノベーションを起こし、そして国内における産業、雇用をつくるということを進めていただきたいと思います。  次に、またこれは修正提案者に伺いたいんですが、利活用における、適正な利活用をどうするかということについて伺いたいと思います。  今回の仕組みについて、患者、そして国民の皆様の理解を得るという上では、提供された情報が果たして何に使われるかということ、そして自分が想定していないような用途に使われるんではないかという懸念を払拭する必要が非常に重要だと思います。認定事業者は医療分野の研究開発に資するような匿名加工医療情報を作成する事業者であるというふうに私は認識させていただいていますけれど、利活用者による適正な利活用、医療分野の研究開発のために利活用されることが、これを確保することが、患者の方々、そして国民の皆様の安心感につながると私は考えております。  衆議院におかれましては、認定事業者の利用目的による制限に関する条文、第十七条になりますけれど、この十七条の規定が修正されています。この修正の趣旨を提案者に伺いたいと思います。よろしくお願いいたします。

緒方林太郎民進党・無所属クラブ

○衆議院議員(緒方林太郎君) 御指摘のとおり、衆議院における本修正で、認定匿名加工医療情報作成事業者は医療分野の研究開発に資するよう医療情報を取り扱うべきことを明記したところでございます。  御説明したように、本法案では、認定匿名加工医療情報作成事業者を中核とした情報の一連の流れが想定されているところ、まずは、認定匿名加工医療情報作成事業者が医療情報取扱事業者から情報の提供を受けた場面において、認定匿名加工医療情報作成事業者が医療情報を適切に取り扱うことが重要であるというふうに考えております。  そこで、認定匿名加工医療情報作成事業者が医療情報の提供を受けた場合に、当該医療情報が医療分野の研究開発に資するために提供されたものであるという趣旨に反することのないよう取り扱う旨を明記することで、認定匿名加工医療情報作成事業者の認定基準の明確化と相まって、情報の一連の流れの全体が適正に行われることが期待されるものでございます。

藤末健三民進党・新緑風会

○藤末健三君 是非きちんとこの十七条の運用を政府の方にもお願いさせていただきたいと思います。  続きまして、主務大臣についてお聞きしたいと思います。これは越智副大臣に御質問申し上げます。  冒頭でも申し上げましたけど、今回のこの法案、この制度につきましては、主務大臣は、内閣府、そして文部科学省、厚生労働省、経済産業省の四府省が担当することになっています。まず、なぜこの四府省が所管するかということ。  同様にこの四府省で担当しているものとしてはAMEDがございます。AMEDの正式名称は日本医療研究開発機構ということでございますけれど、AMEDを中心とした医療分野の研究開発については成果が上がっているかどうかというのを是非伺わさせていただきたいと思います。  そして、今回の匿名加工医療情報に関する仕組みもこの四省庁で縦割りにならないかということをすごく懸念しておりまして、何というか、省庁の縦割り主義みたいなものに陥らないかどうかということについて、是非政治的な主導を取っていただきたいという願いも込めて、越智副大臣にお聞きしたいと思います。お願いいたします。

越智隆雄自由民主党・無所属の会内閣府副大臣

○副大臣(越智隆雄君) 三つ御質問をいただきました。  まず、本法案でありますけれども、基礎研究から臨床研究、実用化、産業化まで一気通貫で医療分野の研究開発を医療情報の利活用の面から支援するための基盤となるものでございます。基礎研究につきましては文科大臣、また臨床研究は厚労大臣が担われまして、そして実用化、産業化は経産大臣ということで、この三大臣に加えまして、医療分野の研究開発の司令塔であります内閣総理大臣、実際にはその特命を受けました石原大臣を加えました四大臣が主務大臣となっているところでございます。  次に、AMEDにつきましてでありますが、AMEDは基礎から実用化まで医療分野の研究開発支援を切れ目なく一体的に行うことを目的としているものでございまして、こちらも、委員の御指摘のとおり、同様の四大臣が主務大臣となっているところでございます。  AMEDの研究成果でございますが、例えば、文科省事業で進捗が良好でありました研究成果、がんの免疫療法等でございますけれども、それを厚労省の事業の臨床研究に活用するなど、省庁縦割りの弊害を改善するというような形で研究が進められているといった成果も上がっているところでございます。  そして、最後に、本法案におきましても、主務大臣であります四大臣が緊密な連携を図って共同で権限を行使するなど、適切に制度が運用されていくようにしっかりと努めていきたいというふうに考えております。

藤末健三民進党・新緑風会

○藤末健三君 越智副大臣には是非政治のイニシアティブを取っていただきたいと思っています。  私は、冒頭に、日本の医薬品の輸入超過、二〇一四年で一兆八千六百十億円あると申し上げました。ちなみに、ドイツとかスイスの医薬品の輸出超過って幾らぐらいあるか知っていますか、ドイツ、スイス。スイスが一番輸出額が大きいんですよ。  ちなみに、スイス、二〇一四年ですけれど、スイスの医薬品の輸出超過額は、一ドルが百円と計算すると三兆八千五百億円。三兆八千五百億円、スイスですよ。ちなみに、ドイツは二兆八千四百四十五億円になります。ということは、我々は一兆八千億円を輸入超過している、一方、スイス、ドイツ、あとイギリスもそうですけれど、輸出超過という、輸出産業になっているというわけでございまして、私はよほどのことをやらない限り追い付けないと思っています、正直言って。  その中で、ずっと私は元々経済産業省という役所でお世話になっていましたけれど、何が問題かというと、基礎研究は文部科学省ですよと、じゃ、臨床へ行ったら厚労省ですよ、実用化は経済産業省というのは、正直言って難しいと思っています、今でも、はっきり言って。統一的な医療産業を育てるような部隊をつくらない限りは難しいんじゃないかとずっと思っていまして、実はこれ、宇宙も同じなんですね。宇宙は文科省が研究開発をやります、打ち上げ、いろいろなところは経済産業省がやりますとか言っているけど、つながっていないんですよ。  そういうことが起きないように、是非私は高い目標を掲げていただきたいと思っています。それは何かと申しますと、やはり医療機器、薬、輸出産業にしなきゃ駄目ですよ、本当に。これは絶対できるはず、我が国の力があれば。  それはなぜできないかと申しますと、私は昔、ダビンチという、もう固有名詞挙げますと、ダビンチというロボット手術マシンがあるんですね、それの見学に行って、本当にもうできる頭のやつを、ハーバードのメディカルスクール、医学部の作りかけのやつを見に行ったんですよ。そうしたら、実際に取っ手が付いて、こうやってやりますよという話で、使っていてとてもこんなやつ使えねえよと思ったんですよね、実は。そうしたら、五年後にはもう何と実用化されていたんですよ。全くその研究したときと同じ取っ手ですね、使い方は。びっくりしました。  もっとびっくりしたのは、何と、これは聞いた話なんですけど、部品の七割、日本製。日本製なんですよ、部品は。ところが、作っているのはアメリカ。  もっとびっくりするのは、この使っている、まあ固有名詞を言ってしまうとダビンチなんですけど、使いますでしょう、使っているそのオペレーション、操作、全部データ吸い上げて送られているんですよ。日本は巨大ユーザーです。全部データ吸い上げられて何が起きるかというと、将来恐らく無人の手術ができるんですよ、全部データ取っているから、という状況になっている。  ですから、我が国の技術力が本当にその最後の一番利益が出るところまで行っていないというのは、私は非常に悔しいです、正直言って。是非、そういうものは、やっぱり多分、役所縦割りですよ、文部科学省は僕は研究開発だけします、厚労省は臨床だけします、経産省がビジネスしますと言っていますけれど、一気通貫に私はできなければ駄目だと思っていますので、これはちょっと問題だけ提起させていただきたいと思います。  そこで、もう質問を幾つかさせていただいていますけれど、オプトアウトの手続についてマクロの議論をさせていただきたいと思います。  これは先ほど自見委員からも質問がございましたけれど、個人情報保護法におけるオプトアウトの手続、これは本人に通知した場合に加えまして、本人が容易に知り得る状況に置いた場合についてもオプトアウトが可能であるとありましたけれど、この新法案ではどうなっているかという、個人情報保護法との関係を伺いたいということ。また、本人に対する通知については、本人が子供である場合、そしてまた大事なことは、意識不明である場合、そういう患者の場合はどうするのかということをお聞かせいただきたいと思います。越智副大臣、お願いいたします。

越智隆雄自由民主党・無所属の会内閣府副大臣

○副大臣(越智隆雄君) まず、本法案におきましては、医療機関等が認定事業者に対して医療情報を提供するに際しましては、ホームページに掲載するなどの本人が容易に知り得る状態に置く方式はオプトアウトとしては認められないで、本人に対して通知をするということを求めているものでございますので、個人情報保護法とはこの点の取扱いについては違うということでございます。  また、本人が子供である場合には、通知は保護者に対して行うということとしております。また、先ほど御質問ございました意識不明の患者等でございますけれども、当該の患者の意識が回復してから通知を行うことが必要だというふうにしているところでございます。  こうした本人が判断するための機会の適切な確保を通じて、本人の権利利益を保護してまいりたいと考えております。

藤末健三民進党・新緑風会

○藤末健三君 子供につきましては、先ほど自見委員からも細かい質問がございましたけれども、やはりより細かく定義をしていただきたいと思います。意識不明の方がどういう状況にあるか、あと子供たちも将来大人になったときにどうその情報の価値を、オプトアウトをするかというのも非常に重要だと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。  また、越智副大臣に、このオプトアウトにつきましてトラブル防止をどうするかということを聞かせていただきたいと思います。  これは修正案とも関係しますけれども、医療情報の認定事業者に対する提供の停止手続について誰でも容易に行うことができるようにするということは非常に重要です。ただ、手続を簡単にすればトラブルが増える可能性があるんではないかというふうに考えますが、その点いかがでございましょうか。

越智隆雄自由民主党・無所属の会内閣府副大臣

○副大臣(越智隆雄君) 委員御指摘のとおり、本人や遺族が医療機関等に対しまして医療情報の提供の停止を求めるということをした場合に、簡易な手続により行うことができるようにするということは重要であるということでございます。他方、こうした手続につきましては、患者と医療機関との間でトラブルが生じることのないようにすることも重要だということでございまして、これをしっかりと両立していかなきゃいけないということだというふうに思います。  このため、本法案では、患者本人又はその遺族から提供停止の求めを受け付けた医療機関は、遅滞なく、当該求めがあった旨などを記載した書面を患者に対して交付するということとしております。それとともに、その写しを保存するということとしているところであります。これによりまして、提供停止の求めを行った患者を認識し、認定匿名加工医療情報作成事業者に対して当該患者に関わる情報を提供されることがないようにしているということでございます。  こうした措置を通じまして、患者にとって簡易で、かつトラブルが生じない、そういった手続としていきたいと考えているところでございます。

藤末健三民進党・新緑風会

○藤末健三君 是非、トラブルの防止、きちんとやっていただきたいと思います。  越智副大臣に対する質問はこれで終わりますので、委員長、退席をいただけるように御指導いただけますでしょうか。

難波奨二民進党・新緑風会

○委員長(難波奨二君) 越智副大臣、御退席いただいて結構でございます。

藤末健三民進党・新緑風会

○藤末健三君 あと、武村政務官もお願いいたします。

難波奨二民進党・新緑風会

○委員長(難波奨二君) 武村政務官も御退席いただいて結構でございます。

藤末健三民進党・新緑風会

○藤末健三君 続きまして、より具体的な話をさせていただきたいと思います。  まず、厚生労働省にお聞きしたいんですが、このデータを利用したヘルス改革の全体像についてお聞きしたいと思います。  これからビッグデータとか、あとIoTのいろんな技術開発が進むわけでございますけれども、厚労省においても、ICTそして人工知能などを使った健康、医療、介護のパラダイムシフトの実現としてデータヘルス改革を進めると聞いておりますが、そのデータヘルス改革の全体像について教えていただけますでしょうか、お願いします。

安藤よし子厚生労働省政策統括官

○政府参考人(安藤よし子君) 厚生労働省といたしましては、四月十四日の未来投資会議におきまして、厚生労働大臣から厚生労働省のデータヘルス改革の全体像というものをお示ししたところでございます。この中で、ICT等を活用した個々人に最適な健康管理、診療、ケアの提供や健康、医療、介護のビッグデータを連結し、新たな医薬品、治療法等の開発や自立支援介護の実現の基盤となる保健医療データプラットフォームの二〇二〇年度本格稼働、また、そうしたものによりまして国民が世界最高水準の保健医療サービスを効率的に受けられる環境を整備していくという方針をお示ししたところでございます。  今後の方向性といたしましては、地域における健康、医療、介護データの全国ネットワーク化を目指すほか、ゲノム医療、AI等の最先端技術の活用、またビッグデータの活用等の一連の施策を戦略的、一体的に展開していくこととしております。  現在、大臣の下にデータヘルス改革推進本部を立ち上げまして部局横断的に検討を進めているところでございまして、この中で実現に向けた具体的な方策をお示ししてまいります。

藤末健三民進党・新緑風会

○藤末健三君 AIとかIoTというのは格好いい言葉なんですけれども、具体的にちょっと聞かせていただいてよろしいですか。  今、スマホがどんどんはやっている中で、スマホでいろいろデータを取ったり、またウオッチあるじゃないですか、スマートウオッチ、御存じかもしれませんけど、スマートウオッチをして寝ていますと、実は睡眠が深いかどうか分かるんですね、データで、動きで。というのもあります、例えばサービスで、睡眠の管理ができると。  また、電子母子手帳、どういう薬を受けたかというのを手帳でなくても全部スマホで管理するというサービスもあるわけでございますが、例えば電子母子手帳なんかどういうふうにお考えですか、教えてください。

難波奨二民進党・新緑風会

○委員長(難波奨二君) どなたに。

藤末健三民進党・新緑風会

○藤末健三君 安藤さんに質問、安藤政策統括官にお聞きしたいと思います。これ担当ですよね、たしか。お願いします。

安藤よし子厚生労働省政策統括官

○政府参考人(安藤よし子君) 申し訳ございません、AIの詳細につきましてはちょっと担当から外れておりますけれども、具体的なAIの開発の加速化につきましては重点領域を定めまして取り組んでいるところでございます。

藤末健三民進党・新緑風会

○藤末健三君 いや、安藤さんね、私が申し上げているのは、AIとかIoTという格好いい言葉じゃなくて、もう既に電子母子手帳なんかあるわけですよ。子供たちの健康を管理するために、もうスマホにデータを入れるとグラフがこう出てくるんですよ、子供たちの成長とかいって、いつ接種しましたかと。そういうものを対象としていますかということをお聞きしているんですけど、いかがですか。

安藤よし子厚生労働省政策統括官

○政府参考人(安藤よし子君) 今様々な取組が各地で行われているということについては承知しておりますけれども、将来的にはそうしたものにつきまして、いかにして統合していくか、つなげていくかということが課題になるかと思います。その際には、やはり一定の標準化なりプラットフォームといったものをつくっていくことが大事ではないかというふうに考えております。

藤末健三民進党・新緑風会

○藤末健三君 私は、ちょっと御提案ですけれど、何かすごいこのAIとかIoTとか格好いい言葉が躍っていますけれど、今あるサービスをどうやって発展させるかということにしてほしいです、はっきり言って。言葉が躍り過ぎですよ、いろんな資料を読ませていただいても、本当に。ですから、今あるデータがどこまではできているかって、今もうだってスマホでいろいろ取れるんですもん。脈も取れますよ。それを使わずして、じゃAI使いましょうといって、じゃ、何するのかよく分からないというふうにならないかなというのが心配です、私が知っている範囲では。ということを、ここはお願いですので、是非やっていただきたいと思います。  是非お願いしますが、公的データベースの利活用についても是非お願いしたいと思うんですが、この法律案は、医療分野の研究開発を視野に認定事業者がアウトカム情報を中心に収集する仕組みとなっています、アウトカム情報。これの中にはレセプト等の既存の公的データベースのデータもしっかり活用することが大事じゃないかと、新しいその取れる情報とともにレセプトなどの公的データベースの情報が重要じゃないかと思うんですが、このデータヘルス改革の中で、健康、医療、介護のビッグデータを連結した保健医療データプラットフォームを二〇二〇年から稼働されるということでございますけれど、その具体的な内容を教えていただきたいと思います。できれば先ほど私が質問した内容に即して、具体的に現状のサービス、アプリケーションなどに対してどうかというのを教えていただければと思います。お願いします。

安藤よし子厚生労働省政策統括官

○政府参考人(安藤よし子君) 公的データベースにつきましてお答えを申し上げます。  現在、厚生労働省では、NDBと呼んでおりますナショナルデータベースや介護保険総合データベースなどを保有しておりまして、膨大な特定健診の情報やレセプト情報が蓄積はされておりますけれども、残念ながらこれら個別に管理をされておりまして、それぞれ十分に活用できるとは言えない状況にございます。  そこで、この度打ち出しております保健医療データプラットフォームにおきましては、これらの公的なデータベースの情報を個人ベースで連結いたしまして、健康、医療、介護のデータプラットフォームを整備して産学官で活用できるようにしたいというふうに考えております。これらのデータを連結することができますれば、例えば特定健診や特定保健指導を受けた方がその後どういった医療、介護を必要としたかというような形で、個人の健康なときからの情報をその後の経過も含めて分析することが可能になりますので、これによりまして、予防医療の推進や生活習慣病対策、自立支援介護の実現などに役立つものと考えております。この具体化につきましても、データヘルス改革推進本部の中で、現在、省内検討を進めているところでございます。

藤末健三民進党・新緑風会

○藤末健三君 できれば、本当に国民の皆様が分かりやすいアプリケーションと申しますか、応用例を示していただければと思っております。何か、これ悪く言っているわけじゃないんですけれど、資料を読ませていただいても、じゃ、私たちの健康ってどれだけ変わるのというのがよく分からないんですよね、私も正直申し上げて。何とか役所の人たちはこうやりたいというのは分かるんですけど、じゃ、誰が主体になるといえば、やっぱり国民の健康であり患者の病気の回復だと思いますので、そこら辺のメッセージを是非送っていただきたいと思います。  私は特にお願いしたいのは、介護の情報の利活用をしていただきたいと思います。今、介護、非常に大きく財政も負担もありますし、実際に予算も十分ではなく、働ける介護士の方々そして介護を受ける方々も私は不満が高いのではないかと思っています。  この介護情報につきましては、医療情報に比較してもやはりいろんなデジタル情報や標準化が遅れているのではないかと思っています。現状は要介護度が高くなるほど報酬が高く評価されていますけれど、今後は、自立支援、あと重症化防止に効果のある介護を評価して進めていく。ですから、悪くなった人たちに介護をして高い報酬をもらうのではなく、重症化することを防ぐことや、あとは介護を受けられる方が自立できるようにすることによって、それを評価して進めることが必要じゃないかと私は思います。  特に私が印象深かったのは、東京大学のデータがございまして、数千人の方々の六十歳以降の健康のデータを取った研究がございました。それを見ますと、女性は平均してだんだんだんだん健康を害すというか、高齢化、老化していく状況ですけれど、男性は一一%の人たちが健康管理をちゃんとすればずっと元気でいられるという、そういうデータでございまして、いかに健康管理が大事かなということをそのデータは教えてくれたわけでございます。  そういう中で、やはりきちんと介護にならないようにすること、そしてまた介護を受ける方々がまた回復していただけるようにするためにもこの新しい医療基盤の情報が重要だと思うんですが、その辺に対してどのように取り組んでいくか教えていただけませんでしょうか、お願いいたします。

坂口卓厚生労働大臣官房審議官

○政府参考人(坂口卓君) お答え申し上げます。  介護の関係につきましても、先ほど出ておりました今月十四日の未来投資会議におきまして、厚生労働大臣の方から、科学的介護の実現ということとしまして、データ分析に基づいて科学的に自立支援等の効果が裏付けられた介護を実現していくという旨を述べたところでございます。  現在、先ほど安藤統括官の方からもございました、省内、データヘルス改革推進本部を大臣の下に立ち上げて検討を進めておりまして、この中で実現に向けた具体的方策というものを示していくということとしております。科学的に裏付けられた介護の実現のために、科学的分析に必要なデータを新たに収集いたしまして、世界にも例のないデータベースというものをゼロから構築した上でどのようなサービスが有効かということを科学的に分析、提示してまいりたいと考えております。  あとは、委員の方からも今、自立支援に向けた取組ということの評価ということについても御指摘ございました。そういったデータベースの構築というもの、科学的分析、提示というその結果を踏まえまして、以降の介護報酬上の評価ということについても検討してまいりたいと考えております。また、その前に、来年度、三十年度に介護報酬の改定もございますので、その前につきましても自立支援に向けたインセンティブというものを検討してまいりたいと考えております。

藤末健三民進党・新緑風会

○藤末健三君 是非、この介護の情報の分析により、そして介護を受けなくてもいいようにする、若しくは受けている方が自立できるようにするということを進めていただきたいと思います。  そのための科学的な分析の基盤がこの法案で多分できるのではないかと思いますし、同時に、先ほど前向きなお答えをいただきましたけれど、自立すること、自立支援やそして重症化を防止することに対するやっぱりインセンティブを提供することを是非やっていただきたいと思います。  同時に、これは医療についても同じでございまして、やはり健康であることを一生懸命努力している人たちに対するインセンティブシステムつくっていただきたいと思うんですね、是非とも。ですから、医療は、病気になって、そして治療をします、そうすると医療費が払われるというだけではなく、その予防をするインセンティブの仕組みも是非保険のシステムなどに組み込んでいただければと思います。その際に、まさしく今回の医療情報から得られたものを科学的に分析し、どのような健康管理を行えばどれだけ医療費が削減できるかとか、長生きできるかというものを明確に国民の皆様に提示していただくことがこの法律の一つの大きな効果ではないかと思っています。  続きまして、ヘルスケア産業について質問をさせていただきたいと思います。  最近は、民間企業における従業員の健康維持増進のための取組が行われているわけでございますが、本法案が成立したときにヘルスケア産業の発展にどのような影響があるかということを経済産業省にお聞きしたいと思います。お願いいたします。

吉本豊経済産業省商務情報政策局商務情報政策統括調整官

○政府参考人(吉本豊君) お答え申し上げます。  経済産業省では、従来より、ヘルスケアサービス産業の健全な発展の観点から、エビデンスに基づく質の高いサービス提供が図られるよう様々な施策に取り組んでおります。  一例を申し上げますと、平成二十七年度補正予算で行いました事業でございます、糖尿病軽症者約千名を対象にいたしまして、本人同意の下でウエアラブル端末等を用いまして健康データを取得、分析しまして、個別化された重症化予防サービスを提供する、こういった実証事業をやっております。これ、昨年から今年にかけて行われました。一定の予防効果が確認できたりしております。  これに加えまして、本法案に基づきまして認定事業者による匿名加工及びそのデータ利用が制度化されますと、医療機関等が保有するデータの活用によりまして、より幅広く、また深い分析が可能となるということが期待されるわけでございます。こういったことが、更に品質の高い効果的なサービス、商品の開発に結び付く研究開発が加速化されると、こういうふうに見込んでおります。  具体的に申し上げますと、例えば今御紹介しました実証事業で行いましたような個人の属性あるいは生活習慣を踏まえた行動変容を促す個別化サービスですとか、あるいはAIを用いました診断支援システム等、こういった新たなサービス、製品の創出が促進されると、こういうふうに期待申し上げております。  本法案が成立しました暁には、関係省庁等と連携しながらヘルスケア産業の発展に向けた支援を充実、加速してまいりたいと、こういうふうに考えてございます。

藤末健三民進党・新緑風会

○藤末健三君 ヘルスケア産業の発展ということでございますが、もしデータがあれば教えていただきたいんですけれど、今ヘルスケア産業ってどのくらいの規模になっているかというのをちょっと教えていただきたいということと、もう一つお聞きしたいのは、どのくらいの規模を目指すのかという話をちょっと教えていただきたいです。  私個人で今、個人的な話で申し上げますと、ヘルスケア産業も非常に海外の侵食がこれから始まるんじゃないかと思っておりまして、何かと申しますと、例えば先ほどウエアラブルによって、多分スマホとかスマートウオッチだと思うんですけど、若しくは装着する別のシステムだと思いますけれど、そういう機械も今海外の、会社名言うとアップルとかグーグルのシステムが入っていまして、どんどんどんどん吸い上げられている状況でございます。  恐らく、ヘルスケアの情報というものにおいては一般的な日常の活動のデータをどうやって集めるかというのは非常に重要になってくると思うんですけれど、そういう点をどのようにお考えか、ちょっと教えていただけますか。現状がどうかということと将来像と、あとは特に外国との競争力について教えていただきたいと思います。お願いします。

吉本豊経済産業省商務情報政策局商務情報政策統括調整官

○政府参考人(吉本豊君) 医療機器、医療サービス関連の市場規模というお尋ねでございます。  これは、我々のかなりざっくりとした推計ということでございますけれども、昨年度大体五・五兆円ぐらい、これを今、内閣官房にございます次世代ヘルスケアサービス産業協議会というようなことで、政府全体でこれどう成長させていくか、こういったような戦略を作っておりますけれども、この中では、二〇二〇年にこれを大体約十兆円ということにしていこうということでございます。  今おっしゃるとおりで、いろんなモバイルの機器も含めまして海外からの輸入品あるいはいろんなサービスあるわけでございますけれども、改めてこのヘルスケアサービスの、特にサービスの、医療とか介護、先ほどございましたような保険の対象外となるようなサービスを振興する、我々の役割でございますけれども、これをやればやるほど、やはり地域包括ケアもその一環でございますけれども、医療あるいは介護とその外にあるサービス、これシームレスにつなげていって、より地元の、現場に基づいたきめ細かいサービスをやっていく、こういうことがますます求められていくということかと思います。  そういう意味では、今飛び飛びに海外からのいろんなサービス入っている状況もございますけれども、これをより高度化させていく際には、ますます日本の地域の実情に応じたサービス産業の成長というのが期待されるわけでございまして、我々、そういった面から是非国内の事業者の方に、より質の高いサービスを提供していただいて、それが国民全体の厚生の向上に役立てればいいなというふうに期待しております。

藤末健三民進党・新緑風会

○藤末健三君 是非頑張っていただきたいと思います。  今、我々は世界に先駆けて高齢化社会に突入しているわけでございますけれど、大体二十年ぐらいすると中国も全く同じような人口構成になりますし、あと東南アジアの国々、あとヨーロッパの国々もあと十年ぐらいで同じような構成になってくる。我々は、正直申し上げて、新しいマーケットにどんどんどんどん突入しているわけでございますので、ヘルスケアの産業をより一層大きくすることが我が国の雇用をつくり、経済をつくると思っています。  そのとき一点お願いしたいのが、是非インセンティブを提供していただきたいんですよ。それは何かというと、介護を受けて、それで介護をしますよと、で、程度が重いほどお金いっぱいもらえますよじゃなくて、健康でずっとい続けることによって、メリットがある、インセンティブがあるような仕組み。ですから、介護も同じくで、それは医療も同じです。ですから、健康であることによってインセンティブが湧くような仕組みをつくらなければ、私はヘルスケア産業はそんなに発展しないと思いますよ。それは是非、経済産業省が音頭を取って研究していただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  ちょうど時間になりましたので、最後の質問を、これは大臣に申し上げたいと思います。  匿名加工医療情報のこの新しい法案でございますけれど、是非、この加工された医療情報の利活用の促進についてお聞きしたいと思います。  これは認定事業者が幾ら医療情報を収集して匿名加工医療情報に変えたとしても、これが実際の研究開発に使えなければ、私は、医療そして先ほど申し上げました介護などの発展にはつながらないと考えています。この匿名加工医療情報の利活用の促進に向けてどのように取り組んでいくかということを、是非、石原大臣の決意をお聞かせいただきたいと思います。お願いします。

石原伸晃自由民主党・無所属の会内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(石原伸晃君) ただいま藤末委員と経産省との間の、データヘルス業界をどうやって発展させていくか、それがすなわち日本の健康寿命を上げていって、また、医薬の分野でも、創薬等々でこの今御審議いただいている法案が役立つようにしていかなければならない。それは、情報情報といっても、意味のある情報をしっかり匿名加工業者が取る、そして提供する側もしっかりと出すと、そういう潜在的なポテンシャルは私は日本にはあるんだと思います。  質の高い医療情報が本当に幅広く存在していると考えますけれども、じゃ、ヘルスケア産業というのももう新しい言葉じゃなくて大分前からあるけれども、そんなものじゃ駄目だという御意見がこの法案の審議で出るということは、やっぱりこうした情報を十分利活用するための仕組みというものは実はあるようでなかったのではないか、また、御議論がありましたけど、縦割りの弊害みたいなものもあるんだと私も認識しております。  でも、ボトムのデータがなければ匿名加工したデータも存在しないということも、その一方で真実だと思います。その意味では、これも今の議論の前の中で委員が御議論されておられましたけれども、国民の間で信頼性をどういうふうに高めていくかということが実は一番重要でありますし、今回の法案によりまして匿名化された医療情報が、委員はAIとかIoTとかそういうことじゃないよと、スマホで何ができるかと、これ非常に私も聞いていて、そうしないと信頼なんて得ないですよね、実際に利便がなければ、ベネフィットがなかったら国民の皆さん方も拍手なんかしない。  そういうことを考え合わせたときには、やはり研究者が、企業がこの情報を活用して実際に成果を上げていく、そして、我々は言ってみればエンドユーザーなわけですから、委員の御議論の中で出ましたように、スマートフォンで健康管理ができるアプリがもう国民みんな持っているよと、そういうような社会にしていくためにしっかりと取り組ませていただきたい、こんなふうに考えております。

藤末健三民進党・新緑風会

○藤末健三君 是非、石原大臣のイニシアティブの下に、いろんな省庁が関係されていますので、それを統合して進めていただくことをお願いしまして、私の質問を終わらさせていただきます。  ありがとうございました。

難波奨二民進党・新緑風会

○委員長(難波奨二君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。    午前十一時四十九分休憩      ─────・─────    午後一時開会

難波奨二民進党・新緑風会

○委員長(難波奨二君) ただいまから内閣委員会を再開いたします。  委員の異動について御報告いたします。  本日、自見はなこさんが委員を辞任され、その補欠として和田政宗君が選任されました。     ─────────────

難波奨二民進党・新緑風会

○委員長(難波奨二君) 休憩前に引き続き、医療分野の研究開発に資するための匿名加工医療情報に関する法律案を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

里見隆治公明党

○里見隆治君 公明党の里見隆治でございます。本日は質問の機会をいただき、ありがとうございます。  本法案は、我が国における健康・医療に関する先端的研究開発や新産業創出を促し、健康長寿社会を実現していく上で重要な取組であるというふうに考えております。私からは、衆議院での議論を踏まえ、本法案の意義や本法案に基づき匿名加工された医療情報の医療分野の研究開発への利活用が円滑に進むために、施行に際して重要と考えられる点について議論を深めてまいりたいと思います。  まず、本法案の意義について確認をしておきたいと思います。本法案は、医療分野の研究開発を推進するため、医療情報を安心、円滑に収集し、匿名加工する能力を有する事業者を国が認定する仕組みを設けることとした上で、医療機関はあらかじめ本人に通知し、本人が拒否しない場合には、認定事業者に対して医療情報を提供できる仕組みとなっていると承知をしております。  この点に関して、私、今回の審議に当たって、医療分野の研究開発に携わる医師に今回の情報提供に関してその考えを伺ったところ、このようにおっしゃっていました。治療を行うお医者さんと、また患者さんとの関係というのは対等な関係になりにくい、患者さん御本人は、お医者さんに対してあらゆる努力により治療を進めてほしいという立場からどうしても遠慮がちになり、初期段階で治療方針について相談をすると同時に医療情報の提供について問われると、ともすると同意せざるを得ない精神状況に置かれてしまうのではないかといったおそれをおっしゃっていました。  この点、衆議院内閣委員会で附帯決議がなされておりまして、医療情報取扱事業者に対しては本人又はその遺族が医療情報の提供の停止の求めを行う際に、その手続を容易に行うことができるよう適切な措置を講ずることと決議されておりますけれども、私も賛成でございます。患者さん御本人が萎縮するようなことのないよう、御配慮をお願いしておきます。  さて、医療情報を提供する医療機関には、民間の医療機関はもちろん、国や独立行政法人の医療機関、あるいは自治体立の医療機関も含まれると思いますが、そもそも医療情報を含む個人情報の扱いの取扱いについては、医療機関の設置主体ごとに適用される法体系が異なるというふうに承知をしております。  民間であれば個人情報保護法、独立行政法人であれば独立行政法人等個人情報保護法、自治体立病院であれば自治体ごとの条例が適用されており、こうした主体ごとに適用される法令が異なり、各自治体の条例を含めれば二千種類にも及ぶことは二千個問題とも呼ばれております。  今回の法案は、こうした適用される法令の相違を超えて、医療情報の円滑な利活用を実現する仕組みとなっているか、お伺いをいたします。

石原伸晃自由民主党・無所属の会内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(石原伸晃君) ただいまの里見委員が御指摘をいただきましたとおり、医療機関における個人情報の取扱いというのは病院によって分かれていることによりまして、医療関係者の側からすると複雑で分かりにくいという指摘は私も聞かされております。  今回の法案によりますと、こうした医療機関の設置主体や場所ですね、地方ですと条例になっておりますので、市が変わるだけで市民病院などは変わってしまいます、こういう相違にかかわらず、統一ルールの下で当然本人に意思を確認し、認定事業者に医療情報を提供できる、そこは一つになるということでございます。これによって、午前中も御議論がございましたけれども、医療分野の研究開発に資する医療情報の収集がより効率的、円滑に行われるようになる、こんなふうに基本的に考えているところでございます。

里見隆治公明党

○里見隆治君 ありがとうございます。  この医療分野の研究開発を推進していく上では、あらゆる情報を全国民分収集する必要はなく、統計的に有意であるなど研究開発に必要な質の高い情報を収集していくことが肝要だと考えます。そうした観点からは、認定事業者については、単にデータの量の拡大を目指すのではなく、医療分野の研究開発のニーズを踏まえて研究開発に資する情報を収集していく必要があると考えております。  例えば、医療等IDといったデータの突合のためのツールも併せて活用していくことが必要ではありますが、糖尿病と歯周病のような異なる診療科の関連、また、急性期から回復期、そして介護までの一連の流れの中での分析といった研究開発も今回の仕組みによる医療情報を利活用することで実現が期待をされます。また、今後の高齢化の進展を見据えると、医療の質の向上のみならず、効果的な予防法の開発も重要であり、病気になる前の情報の収集も重要と考えます。  こうした点を踏まえて、具体的にどのようなデータを収集していくのか、その点、お伺いをいたします。

大島一博内閣官房内閣審議官

○政府参考人(大島一博君) 医療分野の研究開発におきまして、委員御指摘のような異なる診療科間の連携ですとか、急性期から始まる一連の分析あるいは予防、こういったことは極めて重要なテーマと考えておりまして、こういう分野でも今回の仕組みが役に立つことを期待しております。  今回の制度により収集される医療情報として考えておりますのは、具体的には、現在、医療情報の利活用の中心となって使われているいわゆるレセプト情報でございますが、こういったレセプト情報に加えまして、診療行為の結果に関する情報であるところの問診内容ですとか検査結果、治療予後、こういった情報を想定しているところであります。  認定事業者におきましては、ここが一つの力の見せどころになるわけですけれども、研究開発者の具体的なニーズを個別に踏まえまして、それに的確に応えられるように創意工夫しながら質の高いデータを収集していくと、そういうことになると考えております。

里見隆治公明党

○里見隆治君 是非、こうした運用面においての効率的、効果的なデータ収集の方法、これを運用の中でまた更に改善をしていっていただきたいと思います。  医療の情報を収集するといいましても、以前の、昔の、今日午前中も紙という話がありましたけれども、紙のカルテをスキャナーで読み込んでいたのでは利活用は困難でございます。医療情報のデジタル化が前提となると考えますが、電子カルテの普及が徐々に進んでいると。その上で、医療情報のデジタル化に際して、今度はそのデータの標準化の推進ということが不可欠となろうかと思います。データの標準化、これに関してどのように取り組んでいかれるお考えでしょうか。  厚生労働省にはあらかじめ説明を受けておりましたけれども、厚生労働省より、保健医療分野の標準規格の整備・普及推進までの流れという資料、本日お手元に、配付資料一ページ目に、お配りをしております。これは非常に分かりやすい資料でございましたので、この点、厚生労働省から御説明をお願いいたします。

大橋秀行厚生労働大臣官房サイバーセキュリティ・情報化審議官

○政府参考人(大橋秀行君) お答え申し上げたいと思います。  今御指摘をいただきましたように、医療情報のデジタル化の基盤となりますのは電子カルテでございます。この普及、徐々にではありますけれども進んでおりまして、例えば四百床以上の大規模な病院に関しては平成二十六年度時点で八割程度にまで普及が進んでいるというのが現状でございます。  こうした中、データの標準化ということが課題になってまいります。この点、異なる医療機関の間において必要な医療情報が容易に利用可能となりますように、厚生労働省において、病名や処方、検査データなどに関する標準的な規格を策定をしております。今後も、患者の入院から退院までの記録方法に関する規格など、民間からの提案も踏まえながら、更に必要な標準規格を策定するなど取り組んでまいりたいと思います。  また、今回の法案に基づいて認定事業者が医療機関等の電子カルテデータを収集、提供する際には、厚生労働省の標準規格への対応を求めていくなどの方策について、今後検討し、推進してまいりたいというふうに考えているところでございます。

里見隆治公明党

○里見隆治君 是非よろしくお願いいたします。  次に、医療機関から認定事業者に対する医療情報の提供、これは任意となっております。認定事業者が医療情報を収集するためには医療機関の協力が必要不可欠となります。衆議院における審議でも、医療機関が医療情報を提供する際に生じるコストは誰が負担するのかといった議論があったと承知をしております。より多くの医療機関等に参加してもらうためにどのような取組が考えられますでしょうか。  また、今後は、医療現場におけるデータを作成する段階からデータを用いた医療分野の研究開発への利活用を想定しつつ、データの入力といった面を含め、医療現場に新たな負担が掛けられないように、むしろICTを活用して事務負担を軽減していくような取組も必要となると考えます。この点、いかがでしょうか。

大島一博内閣官房内閣審議官

○政府参考人(大島一博君) 医療機関は任意でございますので、理解を得て、協力を多くしていくということが重要な施行後の課題と考えます。医療機関に対しまして、今回の仕組みに基づく医療情報の提供が治療効果等に関します大規模データ研究に通じて、それによりまして最適な医療の提供や医薬品副作用等の早期把握による安全性向上につながることなどにつきまして丁寧に説明、広報をさせていただきながら、趣旨及び意義について理解を求めていきたいと考えています。  その上で、認定事業者への情報提供に伴いまして医療機関に発生する情報システム等のコストにつきましては、今委員御指摘のありましたとおり衆議院でも議論がございましたが、認定事業者が負担することが基本となります。加えて、認定事業者から院内の情報セキュリティーに関しまして医療機関に対しましてアドバイスをしていただける、そういうメリットもあると考えます。  加えまして、やはり、先ほど電子カルテの音声入力の話もございましたが、医療情報規格の普及、標準化ですとか、あるいはそういう人手をなるべく減らせるようなITの活用、こういったことによって、データ作成、入力に伴う労力が減るようなことも進めていかなければならないと考えております。

里見隆治公明党

○里見隆治君 是非、その医療機関等の負担軽減については更なる運用の改善、また工夫をお願いをしたいと思います。  次に、今回の仕組みについて、信頼できる基盤として活用されるために、収集した医療情報が流出することのないように情報セキュリティーを確保することが肝要であると考えます。また、利活用は匿名加工された情報に限ることとされておりますけれども、この特定の個人が識別されないことがきちんと担保されていることが重要でございます。  最近の情報流出事案の中で、業務の委託先の関係者から情報が流出した事案があったと承知をしております。認定事業者は業務の委託を行うことを想定しているか、また、想定される場合、委託先についても適切な監督が及ぶ仕組みとなっているか。この点、しっかりとした対応が必要であると思いますが、御所見をお願いいたします。

藤本康二内閣官房内閣審議官

○政府参考人(藤本康二君) お答えいたします。  新法におきましては、認定事業者が委託を行うことを想定しております。そのような場合におきましても適切なセキュリティーが確保されるよう規定を置いております。  具体的に申し上げますと、認定事業者は、医療情報の安全管理が図られるよう、委託先の事業者に対する必要かつ適切な監督を行う必要があります。また、認定事業者が委託をできる事業者は、主務大臣が定められた基準、具体的に申し上げますと、欠格事由に該当しない、安全管理措置が図られる、安全管理措置の適確な実施ができるとの基準を満たすことを認定した認定受託事業者である必要がございます。また、委託を受けました認定受託事業者が再委託を行う場合も同様に認定受託事業者であることを求めつつ、再委託の際には認定事業者の許諾が必要になります。これらに違反した場合、認定事業者や受託者への是正命令の対象となり、違反すれば懲役や罰金刑の対象となります。  認定事業者や認定受託事業者がこれらの義務を適切に果たすことで匿名加工医療情報作成事業の遂行が円滑に行われるとともに、適切な安全管理、セキュリティーが確保されると考えております。

里見隆治公明党

○里見隆治君 是非、この委託先の管理監督、この範囲まで含めての適切な対応をお願いいたします。  今回の仕組みでは、認定事業者の運営費用については、研究機関等の利活用者が認定事業者に支払う利用料で賄うこととなっていると承知をしております。この利用料については、もちろん認定事業者が暴利を貪るような高額なものではあってはならない。その一方で、余りに低い価格であっては、認定事業者が医療分野の研究開発に資する質の高い匿名加工医療情報を適確に提供することが困難となってしまいます。  そうした観点から、認定事業者における利用料について、これはどのように決まるか、そのルールについてお伺いをいたします。

武村展英自由民主党・無所属の会内閣府大臣政務官

○大臣政務官(武村展英君) まず、認定事業者の事業運営に要する経費です。  これは、基本的に匿名加工医療情報の利活用者が負担することとなります。したがいまして、利活用者が負担する利用料の総額は、認定事業者が継続的な事業運営を確保できるように、情報の収集、加工、提供に要するコストを基本に適度のマージンを上乗せしたものとなります。こうした利用料の算定の考え方は基本方針や認定基準において示していく予定でございます。  なお、認定後の収支の状況につきましては、認定事業者に対して、事業計画の進捗と併せまして必要に応じて第三十五条の規定による報告を求め、対価が適正であると認められない場合には、第三十六条の助言、指導の規定により是正を図っていくこととしております。

里見隆治公明党

○里見隆治君 そうした事後的な規制というものはあろうというふうに伺いましたけれども、しっかりこれウオッチをして適正な状態になるようにフォローをお願いしたいと思います。  続きまして、人材の確保という観点から御質問をしたいと思います。  今後の我が国の医療分野の研究開発を推進していく上で、医療情報の利活用の基盤となる認定事業者の役割は重要であると考えます。認定事業者に求める情報セキュリティーや匿名加工に関する一定の基準の具体的内容は今後主務省令で定めるというふうにされておりますけれども、認定事業者の能力、質を支えるのは、とどのつまりは業務に従事する人材であると考えます。  そうした意味で、認定事業者の業務に求められる人材、その人材に求められる能力のイメージ、質の高い人材を確保していくための方策についてお伺いをいたします。

藤本康二内閣官房内閣審議官

○政府参考人(藤本康二君) お答えいたします。  認定事業者の業務を適正に実施していくためには、研究ニーズに応じて医療情報の匿名加工を適確に行うことができる医療、統計、匿名加工に関する知識、能力を有する人材、医療情報を適切に管理するための情報セキュリティーの知識や能力を有する人材、これらを育成、確保することは重要というふうに考えております。  こうした医療情報処理について知見を有する専門家が集まる日本医療情報学会、それから日本臨床疫学会、日本薬剤疫学会、こうした学会の先生方のお力をお借りして、こういう人材の確保、育成に取り組んでまいりたいというふうに考えております。

里見隆治公明党

○里見隆治君 そういった意味で、まさに基盤整備ということでございますが、その基盤を支える基盤、これはまさに人材でございます。そうした人材の確保、そしてその確保された人材がしっかりとこの時代にあって応じて、更に研修、育成が重ねられるように配慮をお願いいたします。  続いて、利活用者による悪用防止に関して御質問をいたします。  認定事業者については、認定基準や是正命令、守秘義務など様々な規制措置を講じていると理解をしております。匿名加工された情報であるとはいえ、利活用者が入手した情報を悪用することはないか適切に対応するべきと考えます。  午前中も質疑があったところですが、利活用者による適正な利用のために、具体的にどのような制限を掛け、どのように悪用防止をするのか、具体的にお示しをいただきたいと思います。

藤本康二内閣官房内閣審議官

○政府参考人(藤本康二君) お答えいたします。  新法におきまして、認定事業者は医療分野の研究開発に資するよう医療情報を取り扱うべきこととされております。匿名加工医療情報の利活用は医療分野の研究開発に資する用途に限られるものというふうに考えております。  その上で、新法第二十条の規定におきまして、認定事業者は、その提供した匿名加工医療情報が利活用者において不適切に取り扱われていないかについて適切にチェックを行う義務を有しております。あわせまして、利活用者による第三者への匿名加工医療情報の提供範囲が無限定に拡散しないよう、利活用者との契約において情報の共有範囲を明確化することとしております。認定事業者から匿名加工医療情報の提供を受けました利活用者が当該契約に違反しまして当該匿名加工医療情報を不適切に取り扱った場合は、認定事業者が適切にその是正措置を図るべきであるものと考えております。  さらに、匿名加工医療情報の利活用者は、匿名加工医療情報を取り扱うに当たりまして、作成の基となりました医療情報に係る本人を識別するために、加工方法に関する情報を取得する行為、それから他の情報と照合する行為は禁止されております。認定事業者が委託先を適切に監督していないと認められる場合や、匿名加工医療情報の利活用者が禁止行為を行った場合は、主務大臣による是正命令の対象となります。  これらにより、利活用者による匿名加工医療情報の適切な利用を確保してまいりたいというふうに考えております。

里見隆治公明党

○里見隆治君 この利活用者による悪用防止、まさにこの制度の信頼に関わる点だと思います。万全の対策をお願いいたします。  この今回の法案による医療情報の利活用基盤が整備されることで、様々な利活用が考えられます。今回の法案は内閣官房で作業、取りまとめされておりますけれども、今後の利活用については厚生労働省、文部科学省、また経済産業省と、それぞれの所管の分野で御検討されていると思いますので、これから各省庁にお伺いをしていきたいと思います。  今回の法案では、海外の製薬企業もこの匿名加工医療情報の利活用、これ排除されていないというふうに承知をしておりますけれども、これも午前中審議でございましたとおり、この医療情報の利活用の基盤が我が国の経済成長や新産業創出に寄与していくことということが大変重要でございます。認定事業者が収集した情報が実際に我が国における医療分野の研究開発に利活用され成果を上げていく、そのために何をしていくのかということが私どもに与えられた使命でございます。特に、人工知能も活用することで、最先端の診療支援ソフトを開発し、全国どこでも質の高い医療が受けられるようになることが期待をされております。  この点、午前中の審議でも触れられておりましたけれども、本日の配付資料三ページで配付させていただいておりますとおり、厚生労働大臣が去る四月十四日に開催をされた第七回未来投資会議において、保健医療人工知能、AIの開発加速化というテーマで今後の方針を打ち出されております。厚生労働省として、特にAIの開発加速化についてどのように取り組まれるのか、お伺いをいたします。

宮嵜雅則厚生労働大臣官房審議官

○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。  保健医療分野における人工知能の活用につきましては、一つには、新たな診断方法や治療方法が創出できるようになる、また、全国どこでも最先端の医療を受けられるようになる、あるいは、医療・介護従事者の負担の軽減が図られまして、より患者さんの治療とか介護に専念できるようになるといったようなメリットが見込まれるところでございます。  委員御指摘のとおり、認定事業者が収集した情報も含め、医療情報を利活用して人工知能の開発を進めることは大変重要であると考えております。このため、厚生労働省におきましては、本年一月から、保健医療分野におけるAI活用推進懇談会を開催いたしまして、人工知能の活用に向けた課題の洗い出しや対応策の検討を行っているところでございます。  委員のお示しいただいた資料にもございますが、本懇談会では、我が国における医療技術の強み、例えば画像診断系ですけれども、と、それから医療情報の増大とか医師の偏在など我が国の保健医療分野の抱える課題の両面を踏まえまして、画像診断支援などAI開発を進めるべき重点六領域を選定したところでございます。  人工知能の開発を促進するための基盤整備とそれから人工知能の質や安全性を確保するためのルール整備に取り組み、人工知能の活用によるメリットを国民がしっかり享受できる社会を実現してまいりたいというふうに考えているところでございます。

里見隆治公明党

○里見隆治君 今御答弁いただいたAIの開発加速化、こうしたことと、そして今回の匿名加工医療情報のこの制度、これが相まって、日本の医療、また研究開発をしっかり進めていけると思いますので、是非積極的なお取組をお願いいたします。  次に、文部科学省関係でございますけれども、私、この一つの利活用の方法として、例えば難病等の希少疾患に関する研究を進めると。これ、今までですと、なかなか希少疾患というだけに情報が収集しにくいということがあろうかと思います。こうした困難な状況が、今回の法案の施行により、医療情報の収集が非常に効率的に進められるのではないかという期待をお持ちの方もお見えです。当然、希少情報なだけに逆に匿名性と相反するような、したがって、その情報、その特性については十分考慮して行う必要があるというふうに考えますけれども、こうした能力を有する認定事業者により、こうした情報収集、効率的、円滑にしっかりと行っていく必要があると思います。  その上で、文科省にお伺いをいたしますけれども、難病等の研究においては大学等の果たす役割、これが重要であると考えます。その際に、これまでであれば大学等に埋もれているシーズを、これを実用につなげていくための支援、これが必要と考えておりますけれども、文科省としてこうした研究に対してどのような支援が可能なのか、この点、御答弁をお願いいたします。

板倉康洋文部科学大臣官房審議官

○政府参考人(板倉康洋君) お答えいたします。  文科省といたしましては、大学における革新的な基礎研究を行いまして、また、その成果を臨床研究、実用化につなげていくことが重要だと考えております。そのために、橋渡し研究戦略的推進プログラムを実施しておるところでございまして、その中でも、例えば難病対策の成果といたしまして、脂肪萎縮症に対するレプチン補充療法の薬事承認など、基礎研究の成果を基にした画期的な成果が創出されているところでございます。  現在御審議いただいておりますこの法案によりまして、大学などがこういった研究開発を実施するに当たりまして必要となる匿名加工医療情報を円滑に入手できる可能性が開けることになるのではないかというふうに考えてございます。  文部科学省といたしましては、今後とも、革新的な基礎研究を着実に推進し、その成果を臨床研究や実用化につなげるための取組を行ってまいりたいと考えております。

里見隆治公明党

○里見隆治君 難病等の研究においてこうした成果を待ち望んでおられる方、大変多くいらっしゃると思います。そのための積極的なお取組をお願いいたします。  続きまして、経済産業省にお伺いをしたいと思います。  民間企業において、従業員にウエアラブル端末を配り、糖尿病予防に生かすことで従業員の健康維持増進を図る実証事業を行っていると、これ、午前中の藤末委員からも質問があった点でございます。これは私も事前にいろいろと御説明いただきましたけれども、本日、資料では四ページで配付をいただいております。これは、今回の法案と相まって、また、こうした分野でその研究成果が一層進むことが期待されるところでございます。  経産省においての取組の概要と成果について、また、その成果が国民の皆様お一人お一人にどのように及んでいくかという点も含めて、御説明をお願いいたします。

吉本豊経済産業省商務情報政策局商務情報政策統括調整官

○政府参考人(吉本豊君) お答え申し上げます。  委員御指摘のとおり、経済産業省では、平成二十七年度補正事業といたしまして、お配りいただきました資料にございますように、ウエアラブル端末等のIoT機器、これを用いまして、民間企業や保険者あるいはサービス事業者等から成ります八つのコンソーシアムに委託をする形で、糖尿病軽症者約千名を対象にいたしまして、その重症化予防サービスを提供する実証事業を実施してございます。  具体的に申し上げますと、一人一人の従業員の方に個別化したサービスを提供できるように、まずは一つ、質の高いデータを取得するということ、このために、糖尿病診断指標の一つでございますヘモグロビンA1cという数字がございますが、これに基づきまして、行動変容の必要性が高い糖尿病軽症者あるいは予備群の方をまず抽出をいたしました。その上で、そういう方々にウエアラブル端末を活用して日々の健康情報を収集し、医師あるいは管理栄養士等の専門職とも共有をすると。そのために、本人同意をいただいた上で、個々人の状態に合った指導、介入をタイムリーに行って個々人の行動変容を促すと。こういうことから、糖尿病の重症化予防を目指したわけでございます。  これは、三か月から六か月程度介入をした八つのケースございますけれども、実際に、ヘモグロビンA1cの値、あるいは肥満度を表すBMIの値、体重等に一定の改善傾向を確認をいたしております。また、介入をしなかった群に比べて介入をした方が効果が高かった、こういったような有望な結果が出ております。  私どもとしましては、これはあくまでも僅か半年の実証でございましたので、今年度、平成二十九年度からは、国立研究開発法人日本医療研究開発機構、AMEDにおきまして、事業の規模、期間を拡充をいたしましてこうしたサービスの有効性をより科学的に検証する、こういったようなことを取り組む予定にしております。  今回の法案との関係でございます。  我々は、非常に質の高い個々人に刺さるサービスをやろうということで、千人、極めて軽症者に限定したデータで、質の高いアルゴリズムを目指しております。  ただ、あくまでも千人のデータということでございます。もし仮に外部に似たような健康情報の情報セットが例えば百万人あったとしたら、例えば千人の中にはなかったような異常値を百万人の中にあるからそれを排除することができたりとか、あるいは、糖尿病にフォーカスした事業でございましたけれども、例えば心臓疾患なんかの影響みたいなことが推定できるというようなことが、外部にこういった大きなデータセットがある場合に、よりそういった個々人に向けたサービスの質を外部の情報からも利用しながら高度化する、こういったようなことも期待できるということでございまして、いずれにしましても、今回の法案によりまして、医療機関が保有をするデータの活用、より幅広く深いデータ分析可能になるということ、これによりまして、より品質の高い効果的なサービス、商品の市場化に結び付く研究開発加速されることを大きく期待をいたしております。

里見隆治公明党

○里見隆治君 是非、そうした取組、積極的に推進をお願いいたします。  こうした事業も含めて、今回の法案により医療情報を集めることによって、ヘルスケア産業の振興、成長にどのような影響が想定されるのか、そして、それによって国民の皆様お一人お一人がどのようなメリットを受けるのか、これにつきましても経産省からお願いいたします。

吉本豊経済産業省商務情報政策局商務情報政策統括調整官

○政府参考人(吉本豊君) お答え申し上げます。  ただいま御紹介、御説明させていただいたことの延長になりますけれども、今の事例を一つ取りましても、こういった外部からより大きな深いデータが入手できることになることによりまして様々なサービスが生まれてくる可能性があると考えております。  先ほどの例でいいますと、個人の属性、生活習慣を踏まえた行動変容、こういったものを促すような個別化サービス、あるいは先ほどお話ございましたAIを用いたような診断支援システム等、あらゆる分野でのサービス、製品の創出が促進されると思っております。  私どもといたしましても、関係省庁と連携しながら、ヘルスケア産業の発展に向けて支援を加速、充実してまいりたいと、こういうふうに考えてございます。

里見隆治公明党

○里見隆治君 ありがとうございます。以上で質問を終わります。

田村智子日本共産党

○田村智子君 日本共産党の田村智子です。  まず、本法案と個人情報保護法の整合性についてお聞きいたします。  本法案によって、医療機関は、患者さん個人の医療情報をオプトアウト、つまり本人が拒否しない限りは自動的に提供されるという手続で、国が認定した匿名加工事業者に提供可能となります。一方で、個人情報保護法は、二〇一五年に改正され、人種、思想、社会的身分、犯罪歴などに並んで医療情報を要配慮個人情報とし、本人同意なしの取得及び第三者への提供を禁止しました。医療情報は、オプトアウトの手続では取得も提供もできないということです。この改正理由として、要配慮個人情報は、本人に対する不当な差別、偏見その他の不利益が生じないようにその取扱いに特に配慮を要するものだからだと内閣府自身が説明をしてきました。  改正個人情報保護法は、五月三十日に施行で、石原大臣が所管大臣です。施行直前になぜ要配慮個人情報である医療情報について本人同意という大原則を外そうというのでしょうか。

石原伸晃自由民主党・無所属の会内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(石原伸晃君) 今回の法案は、匿名化された医療情報をAI技術などと組み合わせて、医療分野やあるいはヘルスケアの分野等々で研究開発を推進して、医療の質の向上、さらには、その情報によって新たな産業をつくり出すことを通じまして健康長寿社会の実現につなげることを目的としている法律案でございます。そして、これは喫緊の課題であるということは多くの方々が認識をしているところでございます。  確かに、今、田村委員が御指摘になりましたとおり、平成二十七年の個人情報保護法の改正によりまして、個別の医療機関レベルで医療情報を医療機関側が匿名加工し、これを製薬会社などの第三者に提供することが可能になる、施行は委員の御指摘のとおり五月三十日でございます。しかしながら、医療分野の研究開発というものを推進していく上では、多数の医療機関のデータを適正かつ確実に整備、匿名加工する、すなわち、はやり言葉ではございますが、ビッグデータ化することによって利活用者に提供することがやはり必要である、言葉を言い換えますと、nの数をある程度確保しないことにはなかなか利用する利点がないわけでございます。  このため、個別の医療機関レベルを超えた、すなわち個人情報保護法の委員御指摘のことを超えた大量の情報の収集、匿名加工を専門に行うことのできる事業者を国が認定するという特別な枠組みを設けるとしたのが今般の法律の内容でございまして、そこはそのように御理解をいただければと思います。

田村智子日本共産党

○田村智子君 今のは、本人同意の原則を抜きにしたというのの説明になっていないんですよ。本人同意してやればいいだけの話ですよね。  医療分野の研究で個人情報をどう扱うか、その指針となっているのが、文科省と厚労省が連名で告示をしている人を対象とする医学系研究に関する倫理指針、個人情報保護法の改正を受けて、この倫理指針は、文科、厚労、経済産業の三省合同会議で改定についての協議が行われて、今年二月末に改定が告示をされました。その柱の一つが、改正個人情報保護法にのっとって医療情報の取得と提供について本人同意の適切な手続ということを追加した、これが柱なんです。オプトアウトについては、本人同意を受けることが困難な場合と限定した上で、あらかじめ研究目的等を通知又は公開し、研究が実施又は継続されることについて拒否できる機会を保障するとしています。  この倫理指針の見直しの過程では、医療情報を要配慮情報として規制強化すれば医学研究への影響が出る、こういう懸念は確かにありました。しかし、議論がまとまった段階で医師会、医学会は合同で記者会見を行って、次のように見解を示しているんです。医療、医学の進歩に向けた学問分野での研究が滞ることなく、その研究成果が国民の健康及び福祉の発展に寄与することを改正個人情報保護法が妨げないという方向性が打ち出されました、このことは極めて評価できるものだと。日本医学会の高久会長は、疫学やゲノムの研究などが倫理指針の見直しによって阻害される懸念が出ているが、十分に個人情報を守りながら医学研究を進めるという現在の方向は間違いないと考えていると、こう述べているわけです。  この倫理指針の内容を法律にして、より厳格に実施を求めるというのならば理解できます。ところが、反対なんですよ。日本医師会や日本医学会の見解さえ顧みずに、本人同意原則に背を向ける、どうしてこういう法案を出す必要があるんでしょうか。

大島一博内閣官房内閣審議官

○政府参考人(大島一博君) 倫理指針についてのお尋ねございました。  倫理指針と対象となるいわゆる学術研究は、例えば、本人の同意を得て患者さんを集めまして、既存の医療にはない新しい手術方法ですとか新薬等の投薬を行いまして、その結果を分析するものと認識しております。  他方、今回の法案は、個人が識別できないように匿名加工された医療情報の適正な利活用を通じて医療分野の研究開発を促進するものでありまして、言わば既に行われている医療におけるデータを事後的に解析しようとするものです。患者に最適な医療の提供、あるいはより確実な医薬品等の副作用の発見などのためには、こうした患者等の個人から提供された事後的な、統計的な分析を通じた利活用も不可欠と考えています。  今回の法案は、こうした取組の促進に向けまして、情報セキュリティーや匿名加工技術などについて厳格に審査を受けた認定事業者を認定するという仕組みを新たに創設した上で、認定した後も安全管理措置を義務付けておりまして、例えば、法令違反の疑いがある場合には立入検査や是正命令、それに従わない場合には認定の取消しや、あるいは罰則の規定があります。この罰則の規定は個人情報保護法よりも重い量刑を設定しておりまして、そういったことを通じまして信頼できる匿名加工情報の利活用の枠組みをつくろうとするものであります。  このように、国の監督、規制を受ける事業者による匿名加工ということを前提とした利活用に限った仕組みでございますので、あらかじめ本人に通知し、本人が拒否しない場合には医療機関は認定事業者に医療情報を提供できるという形にしたものでございます。

田村智子日本共産党

○田村智子君 医療機関から出されるのは匿名化なんかされていないですよ。それも本人同意に背を向ける理由には全然なっていないです。  個人に由来する医療情報を匿名加工して集積しビッグデータにすることが必要だと、だから認定というやり方で匿名加工事業者を規定するんだと、こういう説明なんですね、ぎゅっと縮めると。  しかし、医療のビッグデータは今も集積されています。百億件余りのレセプト、特定健診情報を収集するナショナルデータベース、四百万件のデータを収集するナショナルクリニカルデータベース、今年度からはDPCデータベースシステムが稼働し、年八百億件のデータが集積される。これらは資料でもお配りしました。厚労省が所管する主な医療データ集積システム、それぞれ私、担当部局に確認をいたしましたが、どこも改正個人情報保護法の規定に従うという、そういう御回答だったわけですね。  改正個人情報保護法にのっとって政府の監督の下で既にデータ集積は行われていて、これを生かすということを考える、だったら分かります。発展的な運用を検討する、それも分かります。そうではなくて、わざわざ個人情報保護法の例外をつくる本法案でなければできないような医学研究というのがあるんでしょうか。

大島一博内閣官房内閣審議官

○政府参考人(大島一博君) 今委員御指摘ございましたように、厚労省が運営するレセプト情報・特定健診等の情報データベース、NDBと呼ばれています、それから外科系の学会が設立しましたNCD……(発言する者あり)はい、分かりました。こういったNDBあるいはNCDといったデータベースございますが、NDBにつきましては、レセプト又は特定健診として定められた項目のみのデータベースでございまして、問診内容ですとか生体検査や画像検査の結果、あるいは治療予後に関する情報は含まれておりません。また、NCDは疾患や診療科が外科に限定されております。  この法案は、そういったデータ、既存のデータベースには存在しない情報も含めまして情報を収集しようという形でございますので、今までにはなかった研究ができると考えております。

田村智子日本共産党

○田村智子君 私の質問は、発展させてそういうこともできるでしょうという質問なんですよ。ごまかしていますよ。  本人が同意していない研究、本人に目的も知らされない研究、それをデータの売り買いによって進める、これは個人情報保護法の例外つくらなければできないんですよ。究極の個人情報である医療情報の生データをオプトアウトの手続だけで認定匿名加工医療情報作成事業者に提供し、今後、匿名加工された情報は様々な事業者に販売されることになります。製薬企業やヘルス産業の企業に提供された場合には、詳細な研究内容は企業秘密でしょうから公表もされないでしょう。  究極の個人情報の提供が成果になって社会的に生かされたのか、人類全体の福祉の発展に還元されたかどうかも分からないんじゃないのかというふうに思いますが、大臣、ちょっと短めでお願いします。

石原伸晃自由民主党・無所属の会内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(石原伸晃君) ただいまの田村委員と政府委員との御議論を聞かせていただいておりまして、委員はオプトインの方法で今ある制度を拡充していけばそれで十分ではないか、しかし、その一方で、こちらの政府委員側の答弁は、私も先ほど答弁させていただいたように、委員御指摘のとおり質の高い医療情報というものは幅広く存在しているんですけれども、いわゆるアウトカムデータに関する情報の利活用というものは残念ながら進んでおりません。  さらに、先ほど、n、要するに分母をどれだけ取るかということが重要であるというお話をさせていただいたわけですけれども、個別の医療機関だけでの対応では医療分野の研究開発に資するための大規模な医療情報を利活用することが困難である、ここはある程度、今日の午前中の審議等々を通じてコンセンサスができているのではないかと思っております。ですから、今回の匿名事業という方々を国が設定する仕組みを設けたわけでございます。  そしてまた、委員の御指摘はオプトアウトだけでは十分じゃないんじゃないかという御指摘でございますが、そこは匿名加工をするということで、一番肝腎な個人の情報とこの匿名加工されたものは突合できないようにやる責任が事業者の側に生じているということで、この大量のデータを使ってこれからのヘルスケアあるいは医療の発展に資する研究に役立てていただきたい、そのためにこういうものを仕込ませていただいたというふうに御理解をいただければと思います。

田村智子日本共産党

○田村智子君 既に医療機関を超えて八百億件のDPCデータが集積されるんですよ、今年。聞いていることに本当にお答えいただいていないんですね。  じゃ、そのオプトアウトで大丈夫なのか、手続についてお聞きします。  医療機関など医療情報取扱事業者は、本人に、認定匿名加工医療情報作成事業者にあなたの情報を提供しますよ、申出があれば情報提供を中止しますよと、これを通知しさえすれば即医療情報を提供することができるんでしょうか。それとも、一定期間、拒否の申出があるのかどうかを待つことが義務付けられるのか。それらを府省令でルールを示すのかどうか、併せて簡潔に。

大島一博内閣官房内閣審議官

○政府参考人(大島一博君) 手続を定める省令におきまして、個人情報保護法令で定めがありますのと同様に、すぐではなくて、本人が提供の停止を求めるのに必要な期間を置く旨を定めることを考えております。  この期間に関しまして、具体的な必要な期間という言葉でいくのか、具体的な期間を示すかどうかにつきましては、個人情報保護法令では具体的な期間を示されていないということも参考にしつつ、施行までに検討したいと考えます。

田村智子日本共産党

○田村智子君 昨日の質問レクでは省令考えていないと言っていたんですけど、一歩前進したのかなというふうに思いますが、しかし、それ期間も示さなければ、例えば一週間とか二週間とか一定期間、じゃ置きましたと、しかし通知なんですよ。通知というのは説明の必要もないんですよ。拒否の申出の必要性が理解できないまま一定の期間が経過するということは大いにあり得ます。通知って、例えば問診票の、書いてもらいましょうと、初診のときに、そのときに一枚ペーパー渡せば通知したということになるわけですからね。  そうすると、一定期間が経過してから、いろいろ問題考える機会があった、データ流出の事件など見ていたら不安になった、自分の医療情報を提供してほしくない、こういう結論を出す場合もあるでしょう。その場合、これもう既に質問ありましたが、情報提供の拒否を医療情報取扱事業者に申し出たら、既に提供されている、加工業者に提供されているその生データ、これ廃棄する仕組みにはなっていないというふうに思いますが、確認です。

大島一博内閣官房内閣審議官

○政府参考人(大島一博君) 法案の規定の中では、既に提供された過去に遡った医療情報の削除を求めるところはございません。  なお、ただし、認定事業者が本人の希望に応じて任意にこうした削除等の対応を行うことは可能であります。今後、基本方針や認定基準を策定するに当たりまして、こうした運用についてどうすべきか検討はしてまいりたいと考えます。

田村智子日本共産党

○田村智子君 これは、匿名加工を行う事業者には個人の名前も入った生データ、保有され続けることになるわけですよ。そこには、遺伝子情報というのは本人同意だという規定があるんですけれども、それだって後から取り戻したいと思う人だっていると思います。そういうのさえ手元に残され続ける、あっちゃならないですよ。  私、やっぱり本人同意とする、これは再検討すべきだし、また、せめて医療情報の提供を拒否したら提供済みのデータを消去するんだと、これを保証する、これ最低限のルールだと思いますが、大臣いかがですか。

石原伸晃自由民主党・無所属の会内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(石原伸晃君) 本人が提供を拒否した場合にはその医療情報を提供しないという仕込みは講じられているというふうに政府委員の方で答弁をさせていただきました。それは、ある意味では本人の関与というものを、関与の機会というものを確保している。しかし、委員の御指摘はそうではなくて、遡って、気が変わったらもう一回元に戻してくれ。それはまた、政府委員の答弁の中でありましたとおり、事業者の側が任意でそれを行うことができる。  しかし、元々、そもそも論でございますけれども、匿名加工されたデータでございますので、そこまで心配であるということをおっしゃるのであるならば、せめて匿名加工するデータはイコール生データで誰もが使ってしまうといっているふうに思われるように誤解をすることもありますので、そこのところはやはり切り離していただいて、匿名加工されたデータというものと個人がつながらないと。個人がつながらない以上は、気が変わったとしても、誰のデータだか分からないわけでございますので、過去に遡る必要はなく、事業者側の任意、こういうふうに整理をさせていただいたと御理解をいただければと思います。

田村智子日本共産党

○田村智子君 匿名加工したのが消去なんて、それはできたらおかしいんですよ、個人が特定できちゃうから。生データが加工事業者に行っちゃうでしょうと、それを消去しろというふうに求めているんですから、これは是非検討して、せめてそこは検討してほしいと思います。  EUでは来年から新たな法規制が導入されて、医療情報などのセンシティブ情報の取得、第三者提供について本人同意を原則とする、また本人申出に基づきデータを取り戻す、別の事業者に移管させるデータポータビリティーを義務付けました。さらに、EU域外にデータを移転するには、当該国と同等のデータ保護の規制が行われているかどうか、また移転を行う企業に、EU法と同程度のデータ保護を行う、そのことを義務付けるというところまでEUはやっているんですよ。私は、日本はこれ見習うべきだと思いますよ。  更にお聞きします。  この法案は、既になし崩し的に進行している医療情報の集積とビジネス利用、これにそれでは歯止めを掛けることができるのかどうか。  マーケット調査会社富士経済、医療関連業界向けにビッグデータ分析サービスの動向調査を行っています。「二〇一六年 医療ITのシームレス化・クラウド化と医療ビッグデータビジネスの将来展望」、これにまとめられているんですが、この中に主要な参入企業として二社が出てきます。  日本医療データセンター、保険者である健康保険組合の約百団体、約三百万人分のレセプトデータを個人を識別できない形でデータベース化し、解析、活用できる体制を構築していると。これ、認定も何も受けていないただの民間事業者です。  もう一つがメディカル・データ・ビジョン。DPC分析ベンチマークシステム、EVEの累計導入数が七百六十八病院となっている。そのうち二百三十病院分、実患者一千二百九十四万人分の二次利用の許諾を得ており、製薬企業向けビジネスとしてデータの利活用サービスを展開していると。  DPCデータというのは、病名、治療法、投与した医薬品、副作用などなどを統一記号化したもので、これは匿名化データであって個人情報ではないとされているので確かに違法ではないんです。しかし、元々のデータは公的医療保険を財源とする診療情報であり、一企業がビジネス、つまり自らの利益のために活用するというのは倫理的に大きな問題だと思います。  今回、皆さんは、認定事業者がそういうビッグデータ化するんだ、認定するんだ、認定するんだ、言われています。その認定のルールを作れば、こうやって無原則に広がっている民間企業に対して何らかの規制を行うことができるんですか。

大島一博内閣官房内閣審議官

○政府参考人(大島一博君) 今御指摘がありました民間の事業者は、委員御自身も御説明されましたが、あくまで医療機関から情報を得る段階で匿名された形で情報を得ています。今回の法案での仕組みは、医療情報を個人情報のままで認定事業者がいただきまして、それで匿名加工をするということで、事業内容といいますか、事業形態が基本的にその点で異なっていると考えます。  したがいまして、御指摘のような事業者に対しては、現行の個人情報保護法でも匿名加工基準を当てはめるといった規制は行われておりますので、こういった個情法での対応が基本でありまして、本制度のような新たな規制を導入することにはなっておらないものでございます。

田村智子日本共産党

○田村智子君 これ事前にいろいろ厚生労働省に聞きましたら、こういう日本医療データセンターとかメディカル・データ・ビジョンとか、大変なビッグデータ集積やっているよ、ビジネス化既にやっているよということをうちの事務所の方でお話ししたら、厚労省はその実態の把握もやっていなかったんですよ。  今度、この法案作って、認定だと、厳密な認定だと言っても、そうやって野放しになっている企業を、それじゃ、あなたは認定されていないからといって規制することにもならないわけですよ。何のためにやるのかと言わざるを得ないですね。  最後に、大臣にお聞きしたいというふうに思います。  私、冒頭の方で紹介しました倫理指針、これに基づいて医療機関や、あるいは医学研究というのをやられてきたわけですよ。その倫理指針には前文というのがあります。こう書いてあるんです。  「人を対象とする医学系研究は、医学・健康科学及び医療技術の進展を通じて、国民の健康の保持増進並びに患者の傷病からの回復及び生活の質の向上に大きく貢献し、人類の健康及び福祉の発展に資する重要な基盤である。また、学問の自由の下に、研究者が適正かつ円滑に研究を行うことのできる制度的枠組みの構築が求められる。その一方で、人を対象とする医学系研究は、研究対象者の身体及び精神又は社会に対して大きな影響を与える場合もあり、様々な倫理的、法的又は社会的問題を招く可能性がある。研究対象者の福利は、科学的及び社会的な成果よりも優先されなければならず、また、人間の尊厳及び人権が守られなければならない。」と。  私は、ビッグデータを経済産業の起爆剤だと、何に利用できるのか、何に利用されるのか分からないままに期待値ばかりをどんどんあおる、そして法律によって倫理を後退させる、こんなことはあってはならないと思いますが、大臣の見解をお聞きします。

石原伸晃自由民主党・無所属の会内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(石原伸晃君) 決して倫理を後退させているという意識は私どもにはございません。  倫理指針もしっかりと認めさせていただいておりますし、これまでの議論の中で、委員の言うところのいわゆる生データ、個人の出生地から、どういう生活環境でどういう既往症がある、そしてどういう薬を適用している云々、あるいは健康診断等々のデータ云々、こういうものが個人を特定できるものであることは事実でございますけれども、それを本制度ではビッグデータ化することによりまして、本人の権利利益を保護するための措置というものを何重にも適切に講じさせていただいておりますが、委員のお話を聞かせていただきますと、どうも業者は信用できねえ、生のデータがすぐ表に出るんじゃないかという御懸念でございますので、今後、基本方針や認定基準を作成していくに当たりまして、これは実際に法律が通りまして、実際に業者が決まりまして、意味のある情報を提供しない限り研究開発には資することにはなりませんので、どのような工夫が可能か、運用上どのような工夫が可能かということについてはしっかりと検討させていただきたい、こんなふうに考えております。

田村智子日本共産党

○田村智子君 終わります。     ─────────────

難波奨二民進党・新緑風会

○委員長(難波奨二君) この際、委員の異動について御報告いたします。  本日、野上浩太郎君が委員を辞任され、その補欠として今井絵理子さんが選任されました。     ─────────────

清水貴之日本維新の会

○清水貴之君 日本維新の会の清水と申します。よろしくお願いいたします。  まず始めに、今回の法案を作ることによって、これまでの議論を聞いていて、健康・医療に関する研究開発に資すると、貢献していくというような内容であるということは理解をしています。それに加えてなんですけれども、今、日本の大きな医療関係の問題点、やはり医療費がどんどんどんどん増えていっていると。医療費を、必要な医療というのはもうもちろんあるわけですが、その中でもやはり削減できるところは削減していかなければいけないと思うんですね。  その医療費の削減についてはこれまで話が出てきていませんので、今回のこの法案を作ることによって、様々なビッグデータが集まることによって、医療費に関して何か貢献できることがあるのかどうなのか、これについて、大臣、まずお答えいただけますでしょうか。

石原伸晃自由民主党・無所属の会内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(石原伸晃君) ただいまの清水委員の御指摘に近い話が一回だけ先ほど午前中に出たと思うんですけれども、今委員が冒頭で御説明をいただいたとおり、この法整備というものは、医療分野の研究開発に役立つように、医療機関が信頼でき得る認定事業者に対して医療情報を提供できることによりまして、分析される医療データの量や範囲の拡大、研究開発の目的に応じたオーダーメードによります高度な匿名加工の実施、これが可能になることによりまして、これまでの個人情報保護の枠内で医療機関が匿名加工した小さなデータではなくて、このマスが広がることによりまして、匿名加工した医療情報を本格的に活用する基盤がこれによってでき上がるというふうに、まず基本的なところは押さえていただきたいと思います。  そして、委員御指摘のとおり、新法の目的は医療費を削減するためにというような仕立てにはなっておりませんけれども、治療の効果や、あるいは効率性等に関する研究の実施が、今回データが集まることによって、こういう方にはこういう薬を投与していたけどこれだけの結果しかないということがマスで分かってまいりますので、当然、じゃ、この投与はやめようよ、こちらの薬に替えようよということで、委員の御期待に沿えるような結果も出てくるかもしれませんし、さらには、医薬品というものは往々にして個人個人によって副作用というものがございます。ビッグデータとして、こうこうこういうことによってこういう副作用が検知される件数が何割ありましたよ、安全性の比較などが容易になる。  これによりまして、委員御指摘の、治療の効果等に関する研究を通じて患者の皆さんに最適な医療の提供を実現することができて、さらに、その結果として医療費の削減につながる場合も、私もやはり清水委員が御指摘されたようにあるのではないかと考えております。

清水貴之日本維新の会

○清水貴之君 今お話しいただいたとおり、様々なデータを集めて、今度はそれを分析して、解析してということになっていくわけなんですけれども、そこでお聞きしたいのが、何ですかね、計算とか分析とかについてスーパーコンピューターというのが今もうどんどんどんどん進化していて、使われていっていると思います。  先日、スパコン開発企業の社長の方とお話しする機会があったんですけれども、文系の学部出ている私にはなかなか理解しにくいことばっかりだったんですが、でもすごい勢いで今世の中が進んでいて、ダイナミックにこれから近い将来変わっていくだろうということは感覚として分かりました。  その中で、まず中国企業の今スーパーコンピューターの開発のこの力の入れ具合、速度というのがすさまじいんですね。スーパーコンピューター性能を競うトップ五〇〇のランキングでは、昨年はもう一位も二位も中国です。日本は神戸にあります「京」が五位に入っていますね。二〇一三年から二〇一六年まで中国がもう連続一位なんです。今年とか去年の出来事ではないわけです。ずっと中国が一位を取っている。しかも、トップ五〇〇のうち、これは去年の六月のデータですけれども、中国が百六十七、アメリカは百六十五、日本は二十九ということですから、もうアメリカを抜く勢いで中国のスーパーコンピューターが入ってきているわけですね。  ただ一方で、その中国のスーパーコンピューターというのは、CPU自体はもうアメリカのものを使っているんだから性能は大したことがないんだとか、消費電力が大き過ぎるからなかなか実用的ではないんだなんて意見もあったりするわけです。  この辺りも踏まえて、政府として今の、まず中国のこのスーパーコンピューターの開発についてどう考えているのか、どう思っているのか、お聞きしたいと思います。

板倉康洋文部科学大臣官房審議官

○政府参考人(板倉康洋君) お答えいたします。  先生御指摘のとおり、今、中国のスパコンが、御指摘いただいた単純計算の速度を競うトップ五〇〇というランキングでは、この直近の四年間、首位を占めてございます。この四年間首位を占めておりますが、二〇一三年から二〇一五年まで三年間につきましては、中国の天河、ティアンヘ二号というスパコンが、これが米国のプロセッサーを使ってございますが、二〇一六年六月からサンウエイ・タイフライトという、これは中国が独自に開発したプロセッサーを用いて首位を獲得しているというような状況でございます。  一方、我が国のスパコン「京」につきましても、この単純計算ではなく、実際のアプリケーションで使う計算のランキング、性能ランキング、HPCG、あとそれから大規模データ解析の性能ランキング、グラフ五〇〇というランキングがございまして、そちらでは二〇一六年十一月現在首位を獲得しているという状況でございます。

清水貴之日本維新の会

○清水貴之君 そういった中で、今「京」の話もありましたけれども、日本として、どこに、どの分野にどう力を入れていくことかということだと思うんですね。  「京」というのがもちろん今一番手で走っていて、そこに予算も高く付いていますし、それを力入れていくというのも分かるんですが、一方で、日本は、処理速度を競う、さっき話があったトップ五〇〇ではなくて、省エネですね、どれだけ少ないエネルギーで動かせるかという消費電力当たりの性能を競うランキング、グリーン五〇〇では、三年連続でこれが、ペジーコンピューティングのものが世界一位になっているわけですね。こういったところは、やはり技術力というんですかね、省エネ技術、こういったところはやはり日本が強いところですから、こういったところに力を入れていくというのも一つの方針であるかもしれませんし、ちょっと私として、どうしたらいいのかというのは私が何か示唆できることではないんですけれども、限られた予算ですので、どこかに力点を置きながら開発をやはり進めていかないと、今世界の競争がこれだけ激しいですから、せっかく集めたデータが有効に活用されないと負けてしまうということになってしまいますので、その辺も戦略を持って進めていただきたいと思いますが、その辺り、日本のスパコンの戦略というのを是非教えていただきたいと思います。

板倉康洋文部科学大臣官房審議官

○政府参考人(板倉康洋君) お答えいたします。  我が国におきましては、先ほど御紹介いたしましたスパコン「京」、こちら兵庫県神戸市に設置してございますが、こちらが今、多くの研究者、企業に利用されている状態でございますが、こういった国際競争の激化もございまして、平成二十六年度からは、「京」の後継機といたしまして、二〇二一年から二二年の運用開始をめどに、世界最高水準の消費電力性能、それから計算能力、あとユーザーの利便性、使いやすさ、それから画期的な成果が創出できるような後継機として、スパコン「京」の後継機といたしまして、ポスト「京」というものを開発しているところでございます。  このほか、先ほど先生から御指摘もありましたペジーコンピューティング社と同じ、同系列の会社でエクサスケーラー社という会社で今消費電力の少ないスパコンの開発もしておりまして、そちらにつきましては、文科省で所管しております科学技術振興機構から産学共同実用化開発事業の公募に応募いただいて、昨年十二月に採択されまして、支援を開始をしたところでございます。  文科省といたしましては、こういった使用用途に応じたスパコンの開発について今後とも取り組んでまいりたいというふうに考えております。

清水貴之日本維新の会

○清水貴之君 やはりデータは集めるだけでは意味がないです。それを活用してのデータですので、その辺り、しっかりと対応いただきたいと思います。  続いて、こちらも午前中にも話が出ましたが、厚生労働省のデータヘルス改革の話ですね。この中身などは、午前中の説明もありましたので、もう繰り返していただかなくても大丈夫なんですが、これを紹介した新聞記事、これは去年の秋頃のものなので、もし変わっていたら恐縮なんですけれども、こういった内容になっているんですね。  現在、個人の治療情報や予防接種記録、健康診断のデータなどは病院や自治体などが別々に保有をしていると。その中で、国民の医療、保健、介護に関する情報について、国が主導してデータの規格を統一し、統合して管理することによって医療や介護の効率化を図るデータベース作りを求めたと。このデータベースはPeOPLeというんですかね、これ仮称というふうになっていますけれども、集まったデータを匿名化して分析し、病因の、原因解明や医薬品の安全対策、効率的な医療の実現などにも役立てる計画だということなんですね。  これだけ読むと、今回審議しているこの法案とほぼほぼ同じ目的ではないかと、内容ではないかというふうに思うんですけれども、どこがどう違うのか、若しくは同じなのか、どうでしょうか。

大橋秀行厚生労働大臣官房サイバーセキュリティ・情報化審議官

○政府参考人(大橋秀行君) お答え申し上げたいと思います。  まず、今回の法案の仕組みでございますけれども、これは、法が認定いたします事業者が医療機関等から任意に医療情報を収集し、匿名加工し、そしてビッグデータとして利活用していく、この基盤を構築するものであります。大規模な研究開発等を後押しすることによって、最適な医療の提供、医薬品副作用等の早期発見による安全向上等の効果、これを目指そうではないかということで取り組んでいるものでございます。  一方、ただいま御指摘をいただいたPeOPLeでございますけれども、これは、厚生労働省が開催いたしました保健医療分野におけるICT活用推進懇談会というのがありまして、そこで提言されている情報基盤の一つのコンセプトであります。このコンセプトといいますのは、患者、国民の同意を原則として保健医療情報を統合することで、国民一人一人が自分自身の健康管理に活用したり、保健医療関係者がその医療行為のために情報共有したりするということを一つの目標にして、これから構築していくことが望ましいのではないかというふうに厚生労働省が言わば提言を受けているということであります。  そういう意味で申し上げますと、今回の法律は、大きな目的として、多様な情報を収集し、匿名加工してビッグデータとして活用していく、さらに、それぞれの患者様の方でそのデータを自身の医療行為等々に活用していくような、そういう両側の仕掛けを目指していく際の言わば後方の部分を担当していくのがこのPeOPLeの考え方、すなわち、一人一人が自身の情報を管理しながら、自身の医療行為等々のために活用をお医者様にお願いをしていくような、そういう基盤づくりという点でありますから、大きく言うとその目標を同じくしております。  ただ、今回の法律は、あくまで匿名化という点に関して、それをより円滑に進めていくためのフレームワークづくりという点でありますから、厚生労働省としては、将来においてこうした仕組みが互いに役割を分担して連携するような形で、安全、有効に保健医療情報が活用できるような体制をしっかりと構築していくように取り組んでいきたいというものでございます。

清水貴之日本維新の会

○清水貴之君 僕がお聞きしたかったのはそのまさに最後の部分で、役割分担の部分ですね。  資料を見ていても、得るデータの範囲が違っていたりとか違いがあるのも分かるんですが、ただ、一緒にできるところもあるんではないかと。やっぱりデータ、情報を集める、匿名化するという作業に関しては、恐らく厚生労働省がやろうとしていることにおいてもこれは必要になる作業ではないかなというふうに思うわけですね。そういった場合に、今回の法案と全く別々でやるのは、やはり藤末委員からも指摘があったとおり、開発はどこだからとか、それを実用化するのはどこの省だからとかいう、別々にやるわけではなくて、もし一緒にできるなら一緒にやった方が効率いいですし、費用も掛かりません。こういったことを目指すべきではないかなという思いでのこれは質問なんですが、いかがでしょうか。

大橋秀行厚生労働大臣官房サイバーセキュリティ・情報化審議官

○政府参考人(大橋秀行君) まさに今御指摘をいただいたとおりだというふうに思っております。  元々、今回の匿名化していくための情報といいますのも、患者様の情報を集めて、収集して、それを加工していくということであります。一方のPeOPLeは、いわゆる匿名化を図るというよりは、その患者一人一人の情報を患者の医療行為に活用していきますので、匿名化というものとはまた違ってまいります。  ただ、まさに御指摘のありましたように、情報システムとしては同じようなことを行ってまいりますので、当然にそれが重畳することのないように、あるいはしっかりとそれが組み合わさって、より有効な、あるいは低廉なシステムがしっかりと構築され、またセキュリティーもしっかり担保されるように図っていくということが我々が目指すところでありますので、しっかりとこれは連携をして進めてまいりたいというふうに考えております。

清水貴之日本維新の会

○清水貴之君 続いては、今回の法律ができることによって、病院であったりとか事業者が取っていく手続について幾つか気になった点がありますので、細かくお聞きしていきたいと思います。  まずは、医療機関側ですね。医療機関が患者さんの、これはデータ取ってもいいですか、出していいですかという手続をする、許可、同意を取ると、さらに情報を提供をするという、こういった作業も出てくるわけですね。こういったやはり手間暇というのは非常に私は、ばかにならない、手間暇が掛かるんじゃないか、特に小さな診療所、クリニックなどではもうそれだけでも大変になるんじゃないかと。これが、もちろん皆さん、世の中のためならばといって積極的にやってくださるところも多いとは思うんですけれども、やはり現実的になかなか大変だなというところも多いと思うんですね。  そういったところに対しては、どのような対応といいますか、考え方を持っているでしょうか。

大島一博内閣官房内閣審議官

○政府参考人(大島一博君) 今御指摘ありましたとおり、医療機関におきましては手間や負担が掛かる部分ございます。オプトアウトにおけます本人への通知、それから、御本人又は遺族から停止の求めがあった場合には、遅滞なくその求めがあった旨を記載した書面を患者さんに渡すとともに、その写しを保存しなければならないということになっております。  それから、提供に当たりましては、院内の情報システムを改変したりですとか、セキュリティーを高めたりとか、標準化を進めたりとか、そういった費用も掛かってくることになる場合も多いかと考えられます。こうしたシステム関係の費用、掛かりますその費用につきましては、認定事業者が負担をするということを基本と考えております。  ただ、いずれにしましても、まずは医療機関に対しましては、この制度の趣旨を踏まえ、よく理解していただいて、できるだけ御協力していただくということは今後まず我々がやっていくべきことかなと考えております。

清水貴之日本維新の会

○清水貴之君 ということは、その手間暇を考えたら、大きな病院とかでしたら、じゃ、もう自ら医療機関が自分たちで認定事業者なろうと、こういうことは可能なんでしょうか。

大島一博内閣官房内閣審議官

○政府参考人(大島一博君) 今回の法案の中では、認定事業者の認定を受けることができる要件といいますか、条件として、法人と定めております。それから、欠格事由として医療機関である旨は規定してありませんので、形式的に見ればこの法律側からは否定はされておりません。  しかしながら、現実には、この認定事業者になるということは、相当セキュリティー面、それから人材面、かなり大変なことでありますし、通常、医療機関は医療法人という法人格を持っていると考えられますが、医療法人における本来業務とか附帯業務には、こうした匿名加工、ほかのよそからもらった情報を匿名加工するという業務はこうした本来業務等に該当しないことになると考えられますので、現実には想定しづらいと見ております。

清水貴之日本維新の会

○清水貴之君 もし、もし、病院がなるのでもいいですし、製薬会社などが認定事業者になる、若しくは、今回、数のことを事前にちょっとお聞きしたんですけど、どれぐらいの数が事業者になるかというのは特段想定はしていないということではありましたが、これだけなかなか大変なセキュリティーのことを投資をしてとかいうことを考えると、そんなにぼこぼこぼこぼこたくさんできるものでもないような感じも受けるわけですね。  そうすると、限られた少数の事業者のみが認定されたとしますと、今度は、情報がある程度一か所に集まってしまって独占化若しくは寡占化されてしまって、当初の趣旨は、国民の多くの利益のためにみんなで共有といいますか、使って、研究に資するようにしましょうよという意図だと思うんですけれども、それにある意味逆行するような流れにもなるんじゃないかなというふうに私はこれを見たときに懸念として感じたわけですけれども、それについてはどう思われますか。

大島一博内閣官房内閣審議官

○政府参考人(大島一博君) まさに御指摘のとおり、そういうことはあってはならないと考えています。貴重な医療情報の囲い込みは、今回の法案が意図しているものではございません。  このため、今後定めます基本方針等におきまして適切にこうした考え方を位置付けるとともに、指導あるいは監督官庁として、そうならないように対応してまいりたいと考えています。

清水貴之日本維新の会

○清水貴之君 もう一点、やはりこれは情報が命ですから、今度は、情報を事業者が取り合うといいますか、各病院やクリニックに、これは説明を読みますと、事業者側から病院の方にアプローチを掛けて、情報をお願いするという仕組みになっていると聞いておりますので、としますと、事業者が情報を取り合うようなことも起きる可能性があるんじゃないかなと思うわけですね。  ちょっと前でしたら、製薬会社のMRさんなんかがもう、まあそれはお医者さんにすごい接待攻勢を掛けて、あれは自主規制したんですかね、今ではかなり厳しくなっていますけれども、こういったことも起きていました。  こういった、接待攻勢なのか情報の奪い合いなのか、こういったことが起きる懸念もあるのではないかなというふうに感じますが、これはいかがですか。

大島一博内閣官房内閣審議官

○政府参考人(大島一博君) 医療機関から情報を集める際には、先ほどのように、医療機関の負担をなるべく少なくして情報を適切に集めていくことが必要になります。それから、利活用者に提供する場合には、囲い込み等にならないように適切に利活用者に情報を提供するということも必要になります。これは両方とも認定事業者に求められる重要な条件となります。  なお、認定事業者に対しまして利活用者がどういう情報を求めるかというのは、仮に競合する企業間であってもそれぞれ異なり得る場合が多いと考えられまして、認定事業者は、そういう個々のニーズもできるだけ柔軟に酌み取りながら役に立つ匿名加工情報を作っていくということが認定事業者の大きな役割と考えております。

清水貴之日本維新の会

○清水貴之君 そうしたら、最後にもう一点お聞きします。  その匿名情報によって、認定事業者があって、認定事業者も、多額の利益を上げ過ぎないように、そういった書き方があったと思うんですけれども、もちろんある程度の利益というのは生じてくると思います。で、その情報を使って、さらに製薬会社などは、薬を作ることによってもっと大きな利益を上げること、これはもちろん可能ですし、起き得るわけですね。特に、今回は海外の製薬会社などにも情報提供は可能ということですから、海外の企業が日本の言ってみたらデータによって大きくもうける可能性もある、利益を生む可能性もあるわけです。  こういった利益というのは、例えばですけれども、IRのときも議論になりましたけれども、IRで利益を上げた例えばカジノの業界などはそういう対策費に一定程度を回していくとか、今回もそうです、今回そうですけれども、みんなの共有情報とか物で利益を上げて、もう、一つの、一つとは言いませんね、企業が大きくもうけることが果たして正しいのかなというのは、私ちょっともやもやっとしている部分があるんですね。  ですから、何かしら、世の中のために、そういった、この情報で上げた利益は還元するなり、何か方策考えてもいいんじゃないかなと思いますけれども、こういったことについて何か議論とかはあったんでしょうか。

藤本康二内閣官房内閣審議官

○政府参考人(藤本康二君) お答えいたします。  本新法は、匿名加工医療情報に関わる新しい仕組みを設けることによりまして、健康・医療分野の先端的研究開発、それから新産業を促進することが目的でございます。  その際、その新しい仕組みにおいて、医療機関などの医療情報取扱事業者、認定事業者、研究機関や企業などの匿名加工医療情報取扱事業者が、各々に課せられましたルールの下で適切に活動しながら、それぞれの意欲や創意工夫を持続可能な形で発揮することが重要だというふうに考えております。  その結果、例えば、個々人に適した最も科学的で合理的な医療が行われるようになる、それからAIによる診断支援システムが実現し、様々な専門的な知見を医師が円滑に共有できるようになる、それから医薬品に関しましてはいち早く副作用や未発見の効能が発見されるようになるなど、利活用者が公益性の高い医療分野の研究開発に持続的に取り組み、こうした成果を実現し、さらにその取組を発展させる意欲を持つことが、匿名加工医療情報の利活用と医療分野の発展という好循環を実現することとなると考えております。  こうした好循環の形成により医療分野の発展が実現され、その成果で社会、国民が納得できる制度としてまいりたいと考えております。

清水貴之日本維新の会

○清水貴之君 終わります。ありがとうございました。

山本太郎希望の会(自由・社民)

○山本太郎君 ありがとうございます。  自由党共同代表、山本太郎です。自由・社民の会派、希望の会を代表いたしまして質問いたします。  通称医療データ法案についてお聞きします。この法案、五秒で説明しろと言われたら、一番センシティブな医療情報を業者に匿名加工させて医療ビッグデータとして利活用するものというふうになるのかなと思います。  詳しく聞いていきます。  本法案で、病院から匿名加工業者に提供される生データの医療情報、この中に個人の遺伝子情報も含まれるんでしょうか。

石原伸晃自由民主党・無所属の会内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(石原伸晃君) 具体的にはどのような情報があるかという御質問でございますが、病名、検査結果、健診結果、画像、診断病名、レセプトなどなど、全ての情報を含むと解釈していただければと思います。また、医療機関などが検査などに伴って患者から取得する、今、山本委員が御指摘になった遺伝子情報なるものは患者から取得するわけでございますので、新法案に定義するところの医療情報に含まれます。  こうした医療情報を個人が識別できないように、これもずっと御議論のあったところでございますけれども、匿名加工して医療分野の研究開発に利活用することを目的としているというのが本法案の目的でございます。

山本太郎希望の会(自由・社民)

○山本太郎君 ありがとうございます。匿名加工するから心配しないでという大臣からのお言葉も添えていただきました。  国連教育科学文化機関、ユネスコでは、研究の重要性はあるけれども、遺伝子情報により個人を差別してはならない、特に個人情報の収集に当たってはその管理をしっかりすべきであり、潜在的な危険性を十分理解すべきであると、個人の遺伝子情報による差別をしないとする宣言を九七年、二〇〇三年、二〇〇五年に採択。  それらの宣言での日本の立場、教えてください。

板倉康洋文部科学大臣官房審議官

○政府参考人(板倉康洋君) お答えいたします。  今先生から御指摘いただいた三つの宣言でございますが、いずれも日本を含みます全会一致により採択されているというふうに承知しているところでございます。

山本太郎希望の会(自由・社民)

○山本太郎君 ありがとうございます。これを答えていただくのに、文科省なのか外務省なのか内閣府なのかということでゆうべは随分もめていたみたいなので、余りこの件については触れたくないのかなというふうにもこちらは思ってしまいました。ありがとうございます、文科省からということですよね。  本法案では個人の遺伝子情報も取り扱う想定であると。一番の問題、情報漏えいです。それに関して最も危機感を持っておられる方々が遺伝性、家族性の病気のリスクを抱える方々。親や先祖から引き継いだ遺伝子、DNAに変異があるために、今は発症していなくても将来病気になるリスクを抱えている。それに加えて、医療情報の利活用で遺伝情報が漏えいしてしまったら、不当な差別、就職などへの影響などなど、心配は尽きません。  本法案の第二条では、当該個人又はその子孫に対する不当な差別、偏見、その他の不利益が生じないようにその取扱いに配慮を要すると定義しています。事前に省庁に連絡しまして、子孫って私から見てどこからどこまでなんですかとか、私のいとこやはとこは入らないということなんですかと聞いても、答えはすごい曖昧なんですよ。ストレートにお答えいただきたいんです、このことに関してのみ。  子孫というカテゴリーには、私のいとことかはとこは入りますか、入りませんか。

大島一博内閣官房内閣審議官

○政府参考人(大島一博君) この法案の二条に定義規定がございまして、そこでいう子孫は、ひ孫など卑属を広く含む概念ではございますが、いとこやはとこは含まれないと解釈しております。

山本太郎希望の会(自由・社民)

○山本太郎君 ありがとうございます。まあ卑属ですからね、直系の子や孫のことをいう、その先々のことをいう、横には広がらないんだということですよね。ありがとうございます。  資料の一、家系図、一番上、祖父ですよね、左側。祖父が病因の、原因であるDNAを持っていると考えると。そのDNAは祖父の子である母やその先の本人に引き継がれる、これが子孫縦のライン。恐らく、答弁でよく言われている先ほどの広く含むというのは、この縦のラインのお話をおっしゃっていると。  しかし、この家系図の赤のラインですね、横に広がっていく、縦だけではなく横にも広がっていく、これは祖父のDNAを引き継ぐ血縁ですよね。この家系図で赤いラインでつながった範囲、その先にまで遺伝的な病因などが引き継がれる可能性が存在しているわけですよね。遺伝子情報を持つのは縦ラインの子孫のみならず横のラインにも広がる、けれども、本法案ではカバーできているようにはちょっと思えないんですよね。  情報漏えいを心配する当事者の方々が守ってほしい情報は、縦の子孫だけではなく、いとこ、はとこなどの横のラインだとおっしゃいます。本法案を御覧になった当事者の方々、一番におっしゃったのは、不利益を生じない範囲の明記を血縁者にしていただきたいということでした。守備範囲を広げてほしいという当事者の思いとは別に、法文は限定されてしまったような書きぶり。  そこで、私がこの後提出させていただきます修正案には、二条、定義の該当部分、子孫の部分に「等」を加えて「子孫等」とさせていただきました。本当は血縁者と入れたかったんですけれども、血縁としてしまうと逆に範囲を狭めてしまう。血縁者というのが何なのか検討が不足しているということで、「等」にした方がいいと法制局にアドバイスをいただきました。考えてみれば、テロ等準備罪の等と同じ等ですから、かなり広い範囲を示すものと考えて、当然いとこもはとこも含まれるとし、ここに落ち着くことになりました。  第四条、基本方針では、二項三では、同じような内容の部分に関しまして、本人又はその子孫のところにその他個人と新たに付け加えていただきました。よって、本人又はその子孫、その他個人と衆議院で修正されたということですね。  この、その他個人というのは何なんでしょうか。先ほどの説明でいう横のライン、いとこ、はとこは含まれますか。

緒方林太郎民進党・無所属クラブ

○衆議院議員(緒方林太郎君) 政府原案では、政府が定める基本方針において、「匿名加工医療情報の作成に用いる医療情報に係る本人の病歴その他の本人の心身の状態を理由とする本人又はその子孫に対する不当な差別、偏見その他の不利益が生じないための措置に関する事項」について定めるものとされていますが、医療情報が匿名加工化されたとしても、例えば、一定の地域あるいは団体に特定の疾患が多いことが明らかになり、当該地域や団体に対する風評被害などの不利益が生じるおそれが想定され得るということでございます。  御指摘の、本修正で追加した「その他の個人」とは、このような一定の地域や団体に属する個人を念頭に置いております。一定の地域や団体に対する不利益がひいては当該地域あるいは団体に属する個人につながると考えられることから、こうした不利益が生じないための措置についても基本方針において定めることが適当であると考えた次第でございます。

山本太郎希望の会(自由・社民)

○山本太郎君 いとこ、はとこという部分には入っていないけれども、風土病であるとか、その地域とかというところに気遣ったケアを衆議院で入れていただいたというお話だと思います。ありがとうございます。  当事者の声をお聞きください。リンチ症候群患者家族会の声です。  遺伝性大腸がんの一つであるリンチ症候群、遺伝性非ポリポーシス性大腸がん、ポリポーシス性大腸がんは、大腸がんや子宮内膜、卵巣、胃、小腸、肝胆道系、腎盂・尿管がんなどの発症リスクが高まる疾患です。全大腸がんの二から五%程度がリンチ症候群と考えられ、最も頻度が高い遺伝性腫瘍の一つとされ、日本全国に三十万人のリンチ症候群患者さんがいると推定されます。中には、二十歳代前半で発がんし、就職先から解雇されそうになったところ、職場仲間の働きかけで何とか免れた若者もいるそうです。若くしてがんという悩みを抱えるだけでなく、治療による体と経済的な負担も大きくのしかかり、さらに就学、就職、婚姻などで制限や差別を受ける可能性があるといいます。  そのほかの声にも、胃、大腸、肺がんの闘病後、十二年前に父を、七年前に姉を診断から僅か三週間で亡くし、二年前には自分自身が卵巣がん、そして今年、姉が子宮がんを発病しました。これが遺伝性疾患の現状。自分が遺伝性と判明してからも病院では一般的ながんと同じ見解でしか診てもらえず、特別心の寄り添いなどはないと。根本的な治療法が確立していない患者さんたち。しかも、遺伝性の病気の場合、自分だけではなく家族や子供も同じような病気になる可能性が高く、不安はこれ、いかばかりかと思ってしまいますよね。  それに加えて、情報漏えいという心配まで加わるわけです。遺伝性の病気を抱える方々が恐れるのは、情報漏えいからつながる差別、それによる不利益。ヒトゲノムのDNA配列が明らかになり、個人の遺伝情報を利用した研究開発が活発化。新しい治療法が見付かる可能性に託して、研究や調査、開発には協力したいけれども、もしデータの流出などの問題が生じたら。不安は尽きません。  厚労省の所管する法律、採用や雇用、労働契約の際、明確に遺伝情報や医療上の情報の取得の禁止や、遺伝情報を基に雇用や勤務上の不利な取扱いをしてはならないという条文ありますか。

酒光一章厚生労働大臣官房総合政策・政策評価審議官

○政府参考人(酒光一章君) お答えいたします。  現行の法律では、採用や労働契約など雇用の場面におきまして、遺伝情報ですとか医療上の情報の取得あるいは遺伝情報に基づく雇用上の不利益な取扱い、これらを明確に禁止する規定はありません。  以上です。

山本太郎希望の会(自由・社民)

○山本太郎君 明確に禁止する規定はないと。解雇自体、それで禁止しているとかということでもないと。  個人情報保護委員会、流出した場合の人権侵害を禁止する法律ありますか。

其田真理個人情報保護委員会事務局長

○政府参考人(其田真理君) お答え申し上げます。  本年五月三十日に施行されます改正個人情報保護法においては、病歴や遺伝子検査の結果等の本人に対する不当な差別、偏見が生じないように、取扱いに配慮を要する個人情報を要配慮個人情報と定義いたしまして、原則として、あらかじめ本人の同意を得ないで個人情報取扱業者はこれを取得することが禁止をされております。  また、個人情報保護法におきましては、個人情報取扱事業者が第三者から個人データの提供を受ける際、その第三者による当該個人データの取得の経緯を確認する義務がございまして、かつ不正の手段により個人情報を取得してはならないとされております。このように、不正に流出したものなどの提供を受けることを抑制する規制が存在をしております。  また、個人情報取扱事業者は、取扱個人情報の利用目的を本人に通知又は公表する義務がございまして、本人の同意なしに、あらかじめ定めた利用目的の達成に必要な範囲を超えて個人情報を取り扱ってはならないとされておりますことから、本人に対して説明できないような目的に個人情報を利用することはできないルールになってございます。  仮に個人情報取扱事業者がこれらの規定に違反している場合は、当委員会といたしましては、報告徴収、立入検査、指導、助言、勧告及び命令を行うことができます。命令違反があった場合には罰則の対象となります。

山本太郎希望の会(自由・社民)

○山本太郎君 流出した場合の人権侵害というか、人権侵害を禁止する明確な法律、いろんなものに対してちょっと規則的なことは書かれているけれども、明確なものというのは恐らくないと思うんですね。事前にやり取りさせていただいたときにはそのようなお答えだったんですね。法務省において救済制度があるからという、最悪それ使ってくださいという話だと思うんですけど、随分冷たい話だなという印象を持ったんですね。  先に進みます。  別に、遺伝性の疾患を持つ当事者側が、お願いですからこれ利活用してくださいよ、どんどん、どうしてこれ早く進めないんですかということをお願いされたわけじゃないですよね、この法律。  結局、日本では、情報が漏れることを前提とした人権侵害を防ぐ法文、法律というのがなかなかないんじゃないかって、利活用の前にやるべき法整備あるんじゃないですかって思うんですよね。だって、漏れるに決まっているんだからって。じゃ、漏れた後にどう人権侵害に及ばないかというための法律を先に整備してからその後利活用という当たり前の流れが日本では行われていない。  アメリカはどうか。アメリカでは、皆さん御存じのとおり、GINA法という遺伝情報の保護に特化した連邦法が存在すると。本人の遺伝子検査結果プラスいとこの子、さらには胎児、人工受精卵まで幅広い血縁者の検査結果や病歴も含め、これらの情報を基に事業者による遺伝情報取得の禁止、採用、解雇、昇進等に関する遺伝情報に基づく不利な取扱いの禁止が定められている。  EUでは、EU基本権憲章によって、遺伝的特徴に基づく差別の禁止、欧州評議会のオビエド条約では、遺伝学的地位に基づく差別の禁止や防止のための適切な処置をうたっている。  先ほど田村委員からもありましたとおり、具体的なことをやっていくということはもう次々に決まっていっていると。アメリカでもEUにおいても、遺伝子情報を差別の原因と明文化して位置付け、患者や御家族が不利益を被らないようにちゃんと法律でフォローされているんだって、利活用する前にこのような法整備整えているんだって、これこそ真っ当な手順じゃないかって。  海外では情報が漏れる前提で対応する、日本とは法整備のやり方が少し違うようですね。日本では利活用が先、利活用が始まったとしても、そうした法制定が今後なされるかどうかは分からない。今後、遺伝子分野における研究が加速していけば、病気と遺伝子の関係、今よりも解明されます。結果、保険分野における遺伝子による差別、つまりは遺伝子によって排除されることが増えていくんじゃないでしょうか。個人の遺伝子情報などをさっさと利活用することが目的になっているんじゃないでしょうか。先走る前に、待ち受ける人権侵害からいかに人々を守るのかという部分が少し抜け落ちているんじゃないかなということで提案させていただきました、修正案では。  附則第五条一項に加えさせていただいたのが、引き続き検討を行い、その結果に基づいて法制上の措置その他必要な措置を講じるものとすると。本当はもっと強い文言だったりとかというのを入れたかったんですけれども、法制局、これが限界ですと言われてしまいました。でも、出さないよりかはいいだろうと思いました。  話を戻ります。  漏れることを前提に法案作り行われていますかということに関して、残念ながら、漏れることは考えたくない、若しくは漏れない努力をしますといった法案作りになっている気がします。現実を見詰めれば、漏れることが前提の法整備でなければ先々大変なことになるような事案であふれていませんか。膨大な医療情報、個人情報を取り扱うわけですよね。個人情報が漏えいすることは本当にないのか。  二〇一五年に起きた情報お漏らし事故の中で最もインパクトの強かったのは、五月発覚、年金機構の個人情報漏えい百二十五万件。厚労省の中でも、定期点検でも特に問題がないとされていた組織からの情報漏えいだった。官庁へのサイバー攻撃だけでも年間六百十三万件。さらに、医療情報のようなものが大量に集まるというところ、この認定業者ですか、加工するという、通常よりも多くの巧妙かつ大量の攻撃が集まると言わざるを得ません。しかも、生データいつまで持っているんですか、その人たち。  十九条関係の消去では、作成業者は利用する必要がなくなったときに消去しなければならないという話になっている。誰が判断するの、それって。特段決められているわけじゃない。じゃ、ずっと持っていますよ、普通。その上にどんどん情報も乗せていきたいし、つながった情報が必要なんでしょうって。だとしたら、そんなところにサイバー攻撃が集中したときにはとんでもないことになってしまう可能性があります。世界有数の国民皆保険に加え、治療後に亡くなられた方も加わる超ビッグデータ、匿名加工を施す二から三の認定事業者に集積されているわけですから、ターゲットになることは容易に想像できる。  幾らサイバー攻撃対策などにもお金や力を注いでも全く効き目がないんだという事例を今から御紹介します。  原子力規制庁、ごめんなさい、もう時間がなくなったので私が勝手に説明します。平成二十七年三月三十日、情報漏れが起こりました。資料の二でございます。この情報漏れ、誰が知らせてくれたんですか。あるブロガーさんでした。ランサーズという仕事依頼サイトで、原子力規制委員会のロゴが入った五十ページにわたる原子力基礎研修テキストが誰でもダウンロードできる場所にアップされていることをブロガーさんが発見、その表紙には機密性二という文字。こんなものをクラウドソーシングで第三者に翻訳依頼出していいのかとその方は不思議に思って、原子力規制委員会に、こんなことになっていますけど大丈夫ですかと質問メールを出したと。そうしたら、翌日この件が新聞で報道されていた。  全くお粗末な話なんですけれども、おまけに、通報者に対してお礼の一言もなかったんですって、これだけのことを教えてくれたのに。これ、規制庁、本当に通報者に対して虎屋のようかんでも持って、ありがとうございましたと今からでも言いに行くべきだと思いますよ、私は。  規制庁は、流出したのは機密情報を含むものじゃなかったと言っているんですけれども、問題はそこじゃないんだって。そんな形で資料が流出したことが問題なんだって。これ、ほかの省庁でこんなことは起きない、絶対起きないと断言できませんよね。  本当に、いろんな遺伝性の病気を抱えた方々がいらっしゃいます。例えば、遺伝性の乳がん、卵巣がんの症候群の方。当事者の話ですけど、これ、アメリカの女優のアンジェリーナ・ジョリーさんも同じような病気だったんですね。要は、予防措置として乳房を切断された、がんのために両方切断されたんです。要は、もうがん細胞はないという状況なのに保険に入るのに断られるというような状況。結果入れたんですよ。でも、そのようなずっと待ちの期間があったりとか幾つも書類を集めなきゃいけなかったりということで、本当に大変だったというお話をお聞きすることができました。こういうことがあるんじゃないの、この先って。  今後、ゲノム解析などが進んで、がんになりやすい変異陽性の遺伝子の発見が進んだ場合、病気は発症していないにもかかわらず加入制限されるような方々が増えること考えられます。  では、金融庁、お伺いします。日本において遺伝情報に基づいて加入制限をすることを禁止するような法律ありますか。

松尾元信金融庁総務企画局参事官

○政府参考人(松尾元信君) 現行の保険業法では、民間保険会社が保険契約を引き受けるに当たり、遺伝情報に基づき加入を制限することについて禁止する規定はないものと承知しております。  なお、保険商品の組成に当たりましては当庁が認可を行っておりまして、その認可において、例えば保険契約の内容や保険料に関し、特定の者に対して不当な差別的取扱いは禁止しているところでございます。

山本太郎希望の会(自由・社民)

○山本太郎君 必ず漏れるんだという前提を基に法整備を進めた上で利活用するという段取りは踏まない。諸外国とは違うやり方だったんですね、日本は。これ、必ず漏れるという前提で法整備ができていないこと、遺伝性の病気をお持ちになる方々を守る法整備ができていないこと、やるべきことをやらず先に利活用が決まっていくような状況を冷静に考えるなら、これ、私の修正案でも間に合わないかもしれませんよね。そもそもこの法案自体が私たち日本の政治ではまだ手を付けてはならない領域なのかもしれません。  時間が来たので、最後に一言、大臣、よろしいですか、今のような懸念に関して。

石原伸晃自由民主党・無所属の会内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(石原伸晃君) 山本委員の御指摘はごもっともな点もあるんですけれども、特定事業者は、生データは他のところからアクセスできるところには絶対に置かないと思います。それは誰でもアクセスができるわけでございますから、そこは税務情報と同じようにファイアウオールは十分に掛かるんだと思います。  仕組みは、やはり医療情報の匿名加工を適正に行う事業者を国がどのように認定していくのか、そこに懸かっているんだと思います。患者サイドから言わせていただきますと、その旨をあらかじめ通知されるわけでございますので、拒否がない場合に提供できる。ですから、拒否をすれば、これは載らないわけでございます。  このように、本法案では、本人の権利利益を保護するための措置が講じてありますけれども、委員は世の中に絶対はないはずだという御趣旨でございますので、制度の施行に際しても制度に対する国民の方々の信頼が得られるような適切な運用というものには努めてまいりたいと考えております。

山本太郎希望の会(自由・社民)

○山本太郎君 良かった、今、ありがとうございます、清水委員、教えていただいて。今日、二十五分間の質問時間だったんですよね。二十分でもう時間がないと思って焦っていたんですけれども。  今大臣が、誰もがアクセスできるところにあるわけじゃない、ちゃんとそういうところに保管すると言っているんですけれども、恐らく年金情報も同じことだったと思います。それ以外の情報もそうだったと思います。だけど、それが漏えいしちゃうんだよということが基にあると。だから、幾らファイアウオールとかいろんなものを使ったとしても、そこには侵入できるということが、まあもうイタチごっこですよね。そのような状況の中で、じゃ、どうやって守るんですかといったら、この人権侵害をいかに防ぐかということを先にやるべきなんじゃないかというふうに思うんですけど。  今一連で私が言ったような事柄に関しての法整備というのは、この人権侵害、例えばアメリカのGINA法みたいな法整備というものは既にもう考えられていて、それと両輪だというような形で考えてよろしいんでしょうか。いかがでしょうか、大臣。

大島一博内閣官房内閣審議官

○政府参考人(大島一博君) 政府の中におきましていわゆる遺伝子差別禁止法の具体的な議論があるとは、現在においては承知しておりません。

山本太郎希望の会(自由・社民)

○山本太郎君 これ、じゃ、困りますよね。どうするんです。漏れますよ、間違いなく、一番おいしい大きい情報。だって、国民皆保険でどれだけのデータが集約されているという、これだけのもの、アメリカみたいに一民間保険会社に対して情報が集約されるのではなく、国全体として情報を持っているわけですよね。田村委員の資料を見ていただいたら分かりますけど、人の資料使ってごめんなさい。これだけの情報を集めるようなものがもう既に存在していてという状況ですけれども、これ、漏れますよ、攻撃されるんだから。  漏れるということを前提に、じゃ、今お答えいただいた厚労省の方ですか、失礼いたしました、内閣官房の方に答えていただきましたけれども、そのような話はないということなんですけれども、これ、大臣、是非旗を振っていただいて、この人権侵害に関する不利益を被らないような法整備というのはやっていただけるんでしょうか。いかがでしょう。

石原伸晃自由民主党・無所属の会内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(石原伸晃君) これは所管外でございますけれども、本人の権利並びに利益というものは保護されるということが大前提である、その下にこの法案を整備させていただいているということで御理解をいただきたいと思います。

山本太郎希望の会(自由・社民)

○山本太郎君 所管外だということなんですけど、でも、やっぱり各省庁にまたがるというか、大臣がやられていることだけじゃなくて、ほかにも厚労関係だったりとかということが関係あるわけだから、大臣が横串刺していくわけですよね。だって、医療情報って厚労系から来るんじゃないですか。病院から集まってくるんでしょう、これって。  これ、権利は保護されるという前提だと言っているけれども、前提崩れていませんか。だって、そんな法整備ないんだから。大臣、これ、しっかり法制化するという約束してくれないと不安ですよ。先ほど御紹介したリンチ症の方だったりとか、いろんな病気抱えた方々、漏れるんだから、漏れる前提に立って法整備これからやってくれるんですか、やってくれないんですか。旗振っていただけるんですか。

藤本康二内閣官房内閣審議官

○政府参考人(藤本康二君) セキュリティーに関してのお尋ねでございますけれども、今回の仕組みにおきましては、認定事業者に対しまして、まず、組織、人的要因を徹底的に排除すること、それから、医療情報を処理する基幹システムはインターネット等のオープンなネットワークから分離をすること、これは、年金機構におきましてはオープンなネットワークにつながったところで情報を扱っておられたということがレポートにも書かれてございます。今回はその基幹システムはネットワークから隔離をするということです。それから、想定外の手口にも対応するため、多層的に防御、安全策を講じること、こうしたことによりましてセキュリティーを担保してまいりたいというふうに考えております。

難波奨二民進党・新緑風会

○委員長(難波奨二君) 山本君、時間が参っております。

山本太郎希望の会(自由・社民)

○山本太郎君 ありがとうございます。まとめます。  結局、ヒューマンエラー、こんな規制庁みたいなお話のほどは何も防護する方法がないということですよね。  もう終わるので、まとめますね。こういう法律作って、誰のために作るんだって、企業のための法整備は良くないと思います。もう一度考え直すべきだと思います。  ありがとうございました。

難波奨二民進党・新緑風会

○委員長(難波奨二君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。  本案の修正について山本君から発言を求められておりますので、この際、これを許します。山本太郎君。

山本太郎希望の会(自由・社民)

○山本太郎君 ありがとうございます。  私は、医療分野の研究開発に資するための匿名加工医療情報に関する法律案に対し、修正の動議を提出いたします。その内容は、お手元に配付されております案文のとおりでございます。  これより、その趣旨について御説明いたします。  本法律案は、匿名加工された医療情報の利活用を通じて、健康・医療に関する先端的研究開発及び新産業創出を促進するため、医療機関等が保有する医療情報をオプトアウトにより第三者たる認定匿名加工医療情報作成事業者に提供することを可能にするものです。医療情報の提供は義務ではなく、あくまでも個人や医療機関等の任意で行われるとはいえ、他人に知られた場合、不当な差別や偏見が生じかねないことから、医療情報の取扱いは慎重に制度化されなければなりません。  本法案には、医療情報の保護に関する規定も当然盛り込まれてはおりますが、提供される医療情報の中に最も機微な情報と言っても過言ではないゲノム情報や遺伝情報が含まれ、また、それらの情報を活用した研究開発が行われる可能性があるならば、この程度の保護では不十分であり、より一層手厚くする必要があると考えます。  衆議院では、本法律案の第四条に関して、政府が定める基本方針に、本人又はその子孫以外の個人に対する不当な差別、偏見その他の不利益が生じないための措置に関する事項を明記する旨の修正が行われた一方、第二条の「医療情報」の定義自体には修正が行われず、依然として本人又はその子孫だけがその不利益が生じないようにすべき対象として位置付けられています。遺伝と関係する病気も存在する中、親や兄弟姉妹など、本人又はその子孫以外の血縁者についても配慮がなされる必要があるのではないでしょうか。  また、ゲノム情報が漏えいするなどし、研究者以外の者がその情報を取得した場合、例えば雇用現場における不当な採用制限や解雇、保険契約の加入制限など、新たな差別が生み出される可能性があります。匿名加工医療情報に関する国民の理解を増進させるに当たっては、広報や啓発活動のみならず、医療情報のセンシティブな側面について積極的に教育活動を行う必要があると考えます。  そして、言うまでもなく、情報漏えい対策が極めて重要です。本法律案では、認定匿名加工医療情報作成事業者の役員等による不当な医療情報データベース等の提供に関する罰則については、二年以下の懲役若しくは百万円以下の罰金又はその併科とすることとされており、抑止効果としては不十分であると言わざるを得ません。  アメリカを始め諸外国では、遺伝子情報などの医療情報が流出することが前提で、遺伝子情報による、雇用上、保険加入の差別が起きないように法的整備がされておりますが、日本では全くされていない。日本では、多くの企業や官公庁において、数々の信じられないような情報流出が起こっており、今後、医療情報においても情報流出が起こらないという保証は全くありません。  このような状態のまま、今回の法案が通ってしまえばどういうことになるのか。  遺伝的疾病患者の皆さんは、今でさえ、日本では、遺伝子を起因とする病気だということで、解雇されたり、保険においても、遺伝性の病気を発症していないにもかかわらず、遺伝性疾患に今後かかる可能性から加入を断られるなどということに直面しています。しかし、これらのことに法的な歯止めが全く掛かっていない状況であり、不当な不利益を被る状態が野放しにされている状況です。  医療情報の漏えいがあった場合に備え、日本においてもこのような法整備が必要であり、法整備が進まないままこの法案を通しては大変危険であります。  そこで、修正案では、「医療情報」の定義のうち、「子孫」を「子孫等」に改めること、国民の理解の増進のための活動の例示として、「教育活動」を追加すること、認定匿名加工医療情報作成事業者の役員等が、正当な理由がないのに、その業務に関して取り扱った個人の秘密に属する事項が記録された医療情報データベース等を提供したときの罰則を引き上げ、二年以下の懲役若しくは二百万円以下の罰金又はその併科とすること、政府は、医療情報等又は匿名加工医療情報の漏えい等が生じた場合における本人又はその子孫その他の個人の権利利益の擁護の在り方について引き続き検討を行い、その結果に基づいて法制上の措置その他必要な措置を講ずるものとすることとしております。  以上が修正案の趣旨であります。  何とぞ、委員各位の御賛同を賜りますようお願い申し上げます。  ありがとうございました。

難波奨二民進党・新緑風会

○委員長(難波奨二君) これより原案及び修正案について討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。

田村智子日本共産党

○田村智子君 私は、日本共産党を代表して、ただいま議題となりました医療分野の研究開発に資するための匿名加工医療情報に関する法律案に反対の討論を行います。  本法案は、医療機関や健康保険の被保険者など、医療情報取扱事業者が保有する患者の医療情報を、自ら拒否を申し出ない限り、第三者へ提供できるようにするものです。これは、本人が同意しない限り、医療情報等要配慮個人情報の取得や第三者への提供等を原則禁止した改正個人情報保護法の施行前に、その原則を大きく後退させるものです。  そもそも要配慮個人情報は、本人に対する不当な差別、偏見その他の不利益を生じさせないように、その取扱いに特別配慮を要する情報だからこそ、本人が知らないところで勝手に情報が流出しないように個人情報保護法の改正が行われました。医学研究に資するためと言いますが、改正個人情報保護法に対応して改定された、人を対象とする医学系研究に関する倫理指針によって医学界は医学研究を進めることができると声明で述べており、改正個人情報保護法に穴を空けるための本法案制定の理由にはなりません。産業界のニーズに応えたなし崩しの規制緩和と言わざるを得ません。  第二に、自己決定権に配慮してオプトアウト手続が設けられましたが、医療情報取扱事業者が認定匿名加工医療情報作成事業者に提供した後に情報提供拒否の意思を表示しても、既に提供済みの本人が特定できる医療情報を削除する仕組みにもなっていません。  第三に、現にほとんど何も規制がなく、広く行われている民間事業者による医療情報のビッグデータ活用の現状を何ら改善するものではないからです。医療情報の管理を厳しくするというのであれば、現状把握とともにきちんと規制の枠組みをつくるべきです。また、認定匿名加工医療情報作成事業者が認定基準を守って運営しているかの確認、情報利活用者が適正に情報を管理、使用しているかの確認体制が不明確な点も指摘せざるを得ません。  なお、修正案については、以上述べた問題点を解決するものではなく、反対であることを表明して、討論を終わります。

難波奨二民進党・新緑風会

○委員長(難波奨二君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。  それでは、これより医療分野の研究開発に資するための匿名加工医療情報に関する法律案について採決に入ります。  まず、山本君提出の修正案の採決を行います。  本修正案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

難波奨二民進党・新緑風会

○委員長(難波奨二君) 少数と認めます。よって、山本君提出の修正案は否決されました。  それでは、次に原案全部の採決を行います。  本案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

難波奨二民進党・新緑風会

○委員長(難波奨二君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  この際、相原さんから発言を求められておりますので、これを許します。相原久美子さん。

相原久美子民進党・新緑風会

○相原久美子君 私は、ただいま可決されました医療分野の研究開発に資するための匿名加工医療情報に関する法律案に対し、自由民主党・こころ、民進党・新緑風会、公明党及び日本維新の会の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。     医療分野の研究開発に資するための匿名加工医療情報に関する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。  一 医療情報取扱事業者に対して本人又はその遺族が医療情報の提供の停止の求めを行う際に、その手続を容易に行うことができるよう適切な措置を講ずること。  二 制度の運用に当たっては、広報周知を積極的に行うとともに、本人又はその遺族等からの問合せに係る窓口機能の確保に努めること。その際、障害者や高齢者等に対して十分配慮がなされるように留意すること。  三 匿名加工医療情報の利活用に際して、一定の地域や団体に属する者等の本人やその子孫以外の者にも不利益が生じ得る可能性があることを踏まえ、こうした不利益が生じないよう適切な措置を講ずること。  四 医療情報の提供の停止を求めた患者が、受診等において不利益を被ることのないようにすること。また、医療機関等に対しては、将来にわたって医療情報の提供を強制することのないようにすること。  五 国民や医療機関等が医療情報を安心して提供できるようにするため、認定匿名加工医療情報作成事業者に対する医療情報取扱事業者からの医療情報の提供や、認定匿名加工医療情報作成事業者が利活用者に対し匿名加工医療情報の適正な利活用を求めることを含め、認定匿名加工医療情報作成事業者から匿名加工医療情報の利活用者への提供が適正に行われるよう、認定匿名加工医療情報作成事業者に対して適切な措置を講ずること。  六 医療情報等が機微性の高い情報であることから、情報漏えい等が生じないよう万全を期すること。特に、認定匿名加工医療情報作成事業者等の認定に当たっては、厳格なセキュリティ基準を設定するとともに、主務大臣の監督が行き届くよう配慮すること。  七 認定匿名加工医療情報作成事業者が、学校、職場等における健康診断の結果等の医療情報の提供を受けようとする場合には、学校、事業者等の理解を丁寧に得るようにすること。また、これらの医療情報の提供に当たっては、本人の権利利益の保護が図られることに留意されなければならないこと。  八 官民データ活用推進基本法の理念にのっとり、医療情報等及び匿名加工医療情報に係る個人の権利利益の保護に配慮しつつ、その適正かつ効果的な活用の推進を図ること。    右決議する。  以上でございます。  何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。

難波奨二民進党・新緑風会

○委員長(難波奨二君) ただいま相原さんから提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

難波奨二民進党・新緑風会

○委員長(難波奨二君) 多数と認めます。よって、相原さん提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、石原国務大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。石原大臣。

石原伸晃自由民主党・無所属の会内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(石原伸晃君) ただいま御決議のありました事項につきましては、その御趣旨を十分尊重してまいりたいと存じます。

難波奨二民進党・新緑風会

○委員長(難波奨二君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

難波奨二民進党・新緑風会

○委員長(難波奨二君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後三時五分散会

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