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193回国会参議院2017/05/11

総務委員会 第12号

発言数
131
登壇者
16
会派数
6
開催日
2017/05/11

会議録

横山信一公明党

○委員長(横山信一君) ただいまから総務委員会を開会いたします。  政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  行政制度、地方行財政、選挙、消防、情報通信及び郵政事業等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、総務省自治行政局長安田充君外五名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

横山信一公明党

○委員長(横山信一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

横山信一公明党

○委員長(横山信一君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  行政制度、地方行財政、選挙、消防、情報通信及び郵政事業等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、日本郵政株式会社取締役兼代表執行役社長長門正貢君外四名を参考人として出席を求めることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

横山信一公明党

○委員長(横山信一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

横山信一公明党

○委員長(横山信一君) 行政制度、地方行財政、選挙、消防、情報通信及び郵政事業等に関する調査を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

森本真治民進党・新緑風会

○森本真治君 民進党・新緑風会の森本真治でございます。どうぞよろしくお願いいたします。  本日私が通告させていただきましたのは日本郵政についてということで、今日は長門社長さん、そして諫山副社長さんにもお出ましいただきまして、ありがとうございます。  日本郵政におかれましては、民間企業ではありますけれども、ユニバーサルサービスの維持が使命として課せられておりまして、国民生活に与える影響を考えれば、郵政事業の発展というのは、これは一企業の問題ではなくて我が国にとっても極めて重要であるということは改めて言うまでもありません。私、今回、郵政事業について取り上げさせていただくことが初めてではありますけれども、しっかりといろいろなことを聞かせていただければと思っておりますので、よろしくお願いをいたします。  特に今日は、先月、日本郵政さんの方が発表しました特別損失ですね、その結果、郵政民営化以来初の赤字転落ということが新聞各社大きく報道をされたわけでございます。今後の郵政事業に影響はないのかということが大変危惧されますので、このことについて質問をさせていただきたいと思います。  まず、今回の特別損失についてでございます。これは、二〇一五年、日本郵便が買収したオーストラリアの物流会社トール社の業績不振が大きな要因だと伺っております。なぜ、日本郵便さん、トール社を買収する必要があったんでしょうか。

長門正貢日本郵政株式会社取締役兼代表執行役社長

○参考人(長門正貢君) お答え申し上げます。  国内の人口減少及びインターネット等の影響によりまして国内市場が縮小傾向にある中、日本郵便は、成長著しいアジア市場への展開を中心として国際物流事業を手掛ける総合物流企業として成長していくことを目指しておりました。  トール社をターゲットにいたしました理由は三つございます。今後成長が期待されるアジア、オセアニア、環太平洋地域にあり、数十か国でグローバルに活動していること、英国法が準拠法であり、ルール・オブ・ローが徹底している国がオーストラリアであること、三点目に、オーストラリアは日本と補完し得る資源国であること等々の三つの理由でトール社がターゲットになりました。  トール社を日本郵便のグローバル展開におけるプラットフォーム企業と位置付け、同社の有する知見、経験及びMアンドAの活用により国際物流事業を拡大し、収益拡大を図っていくという狙いで買収に至ったものでございます。

森本真治民進党・新緑風会

○森本真治君 今後、日本郵政さん、日本郵便さんがアジア市場をターゲットに総合物流企業として成長を目指していくんだというような今お話もあったというふうに思います。  そのアジア太平洋地域をまずは市場ターゲットということだったと思うんですけれども、ちょっともう少し細かくというか、具体的に教えていただきたいんですけれども、その拠点としてこのトール社にターゲットを絞ったということですね。このトール社の将来性、可能性について、どのような可能性を秘めた企業であるんでしょうか。

長門正貢日本郵政株式会社取締役兼代表執行役社長

○参考人(長門正貢君) トール社は豪州で最も大きい物流企業の一社でございまして、五十か国を超える国々、主にASEAN中心になります、米国もございます、中国もございますけれども、そういう国々で積極的にロジスティクス、物流企業をやってございました。  私ども日本郵便、日本でやっておりますんですけれども、日本にいただけではこれから将来、世界成長に乗っていけないのではないかと思っておりまして、海外展開を展望しておりまして、一番伸びるであろうアジア、オセアニア、環太平洋地域に地盤の強いトール社が私どものターゲットになった次第でございます。

森本真治民進党・新緑風会

○森本真治君 オーストラリアにおいてのこのトール社のブランドというような、その中での可能性というお話だったのかなというふうにも思います。  その一方で、これは新聞報道でいろいろと幾つか出ている中で、この記事の範囲でございますけれども、例えば、じゃその可能性があるというふうな判断をされたんだというふうに思いますけれども、その一方で、この買収価格の妥当性であったり、例えば国内と海外の物流事業の相乗効果といったところは実はこれはいろんな幾つか懸念があったんだと、買収時にですね、というような報道もあります。例えば、これ一部社外取締役からも反対意見などもあったけれども、結果として承認をされて買収に至ったというような記事ですね。これは市場であったりとか政府関係者ということで、これはまあ事実かどうかということは別にしても、記事には、市場関係者からもそのような決定過程の中でのガバナンス体制への、社内のですね、日本郵政さん、郵便さんのガバナンス体制への疑問の声というようなこともあったというような報道でございます。  この社内の意思決定ですね、そのような声もあったというこの記事も踏まえてですけれども、社内の意思決定は適切に行われていたというふうに認識していらっしゃいますでしょうか。

長門正貢日本郵政株式会社取締役兼代表執行役社長

○参考人(長門正貢君) お答え申し上げます。  トール社の買収に当たりましては、会計、税務、法務、IT、金融等のプロの専門家による助言を踏まえまして、トール社に対するデューデリジェンス、我々自身の従業員も一緒に参りまして実施するなどの検討を行いまして、日本郵便、日本郵政の両社において取締役会の決議を経た上で買収契約を締結したものでございます。買収額についての御質問もございましたけれども、この買収額についても取締役会で適正であるということで決定した次第でございます。  したがいまして、意思決定に関わるプロセスについては適切であったというふうに認識してございます。

森本真治民進党・新緑風会

○森本真治君 最終的に取締役会で承認をされたということで、当然これは正しい判断というか、そういう会社としての方針の中で進められたんだというふうに思うんですが。  まあこれはちょっとお答えいただけるかどうか分かりませんけれども、ただ、その決定過程の中で様々な議論というか、取締役の皆さんとかも含めて様々ないろんな疑問のところとか確認しなければいけないことという議論はされたというふうに思うんですね、収益、将来性、あと雇用の問題なども含めてですけれども。  お答えできる範囲で、どのような議論がなされたのかということについて、もし御説明いただければ聞かせていただきたいと思うんですが。

長門正貢日本郵政株式会社取締役兼代表執行役社長

○参考人(長門正貢君) 取締役会の決定に際しましては、大変大型の買収案件であった、実質的には初めての海外進出案件であるということもございまして、検討に当たりいろいろ意見があったものと承知してございます。ですが、最終的には全員一致で議決してございます。プロセスは適切であったというふうに思っております。  個別にどんな議論があったのかということにつきましては、大変恐縮でございますけれども、経営判断に関わる事項でございますので、回答は控えさせていただきたいと思ってございます。

森本真治民進党・新緑風会

○森本真治君 ちょっと総務省にもお伺いしたいと思います。  前回の総務委員会で、これは山下先生が少しこの問題に言及をされていらっしゃいまして、それに対して大臣が御答弁をされております。そのときの御答弁では、平成二十九年度の事業計画の認可において、国際物流事業の状況等に留意をし、収益力の多角化、強化、経営の効率化の更なる推進、ガバナンスの強化などを着実に進めるということを要請いたしましたという御答弁をされていらっしゃるんですけれども、ちょっと今日確認したいのは、このトール社買収時の事業計画ですね。  その際に、今後、日本郵政さん、郵便さんとしてトール社の買収をしていく、さらには国際物流事業への参入を目指していくんだという当然これ事業計画があって、それを承認をしたということだと思うんですけれども、この承認をするに当たって、国際物流事業への可能性であったりトール社の可能性については当然総務省としても様々な分析をされていたと思うんですけれども、その時点での国際物流事業であったりトール社に対する評価というのは総務省としてはどのように判断をしたんでしょうか。

安藤英作総務省情報流通行政局郵政行政部長

○政府参考人(安藤英作君) お答え申し上げます。  先生の方から御指摘がございましたのは、平成二十七年度の事業計画かと存じます。この平成二十七年度事業計画でございますが、平成二十七年二月十八日に日本郵便からトール社買収の手続を開始した旨の発表がございました後、同年の二月二十七日に認可申請がございました。  この中におきましてトール社の株式の購入といったことが書き込まれているということでございますけれども、御案内のとおり、関係法令上、日本郵政及び日本郵便による企業買収や株式取得につきましては両社の経営判断に委ねられているということでございます。事業計画の認可の際におきましても、記載をされております個々の事項を個別に取り出して審査をするということはしてございません。そうではなくて、事業計画が法令に適合しているかなどの観点から総合的に審査をしているということでございます。  この結果、二十七年度事業計画につきましては、日本郵便株式会社法等の規定のとおり形式的要件を満たしており、また会社の目的となる業務を着実に実施するものであり、郵政民営化法等関係法令の規定に合致したものであると認められるということから認可を行ってございます。また、この認可に際しましては、内部統制の強化やユニバーサルサービスの確実な提供などについても要請を行っているということでございます。  今後とも、日本郵政及び日本郵便が担っております郵政三事業のユニバーサルサービスの安定的な提供などに影響がないか、しっかりと注視してまいりたいと存じます。

森本真治民進党・新緑風会

○森本真治君 この事業計画の認可の在り方については私も今後ちょっと研究もしていかなければならないというふうに思いますけれども。  今の御答弁ではあくまでも法令に適合しているかというところがその判断基準ということで、もちろん一企業の細かな経営戦略のところまでは踏み込まないにしても、日本郵政さんというのが、日本郵便さんがユニバーサルサービスを担っていく国民にとっても大変重要な企業であるという中で、国民生活にも様々な影響があるという中で、直接的なそこに判断は、指示は出さないにしても、例えばさっきお話ししたような国際物流事業がどうなのかとか可能性がどうなのかとか、トール社というのがどういう可能性を秘めた企業なのかというようなところについての調査、総務省なりの、そういうこともやっぱりやらないという、そういう仕組みになっているということですね。もう一度確認させてください。

安藤英作総務省情報流通行政局郵政行政部長

○政府参考人(安藤英作君) この二月十八日、日本郵便からトール社買収の手続を開始した旨の発表がありました後、この中身につきましては説明等のヒアリングは行ってございます。  ただ、事業計画の認可に際しましては、個々の事業を取り出して審査をするということではなくて、事業計画全体につきまして法令に基づき審査をしているということでございます。

森本真治民進党・新緑風会

○森本真治君 分かりました。引き続きちょっとこの認可のことについては研究をしたいというふうに思っております。  では、また日本郵政さんの方に質問を戻したいと思いますけれども、可能性を秘めたトール社でございます。そのトール社であったにもかかわらず、今回、業績不振ということで大変大きな損失を生んでいるということでございます。  ちょっともう一度、トール社のこの業績不振の要因について御説明ください。

長門正貢日本郵政株式会社取締役兼代表執行役社長

○参考人(長門正貢君) お答え申し上げます。  この二〇一七年三月期の営業利益でございますけれども、トール社、買収前と比較いたしまして八割ダウン、二割以下の水準まで悪化いたしました。買収以前のトール社は、豪州国内での事業の業績への貢献度が売上げベース、営業利益ベース共に七割から八割程度と非常に高かったところ、直近の収益性の低下は特に豪州国内物流事業が著しく不振であることが主因でございます。  豪州国内物流事業の業績悪化の要因の一つでございますけれども、資源価格の下落等による豪州経済の減速が挙げられます。豪州経済、都市部と鉱山地区で二極化が進んでおりまして、人口の多い都市部はプラス成長でございますけれども、都市部以外の鉱山地区は直近ではマイナス成長となってございます。トール社は、都市部のほかで鉱山地区を中心とした資源関係セクターに属するお客様及びそれらのサービスや部品等を供給しているお客様に対して輸送サービス等を提供するということで収益を得てございますけれども、その中でも鉱山地区の景気減速の影響を大きく受けたというのが一点目でございます。  二点目は、トール社自身が過去十年強、成長期間にあって、MアンドAを百個以上繰り返して成長してきている企業でございますけれども、好況のときはこれが余り目立たなかったんですけれども、バックオフィスがダブっている、システムがダブっているという固定費の高いところが景気が悪くなって一気に露見してきたということもございまして、これが理由の二個で、トール社の業績が非常に大きく落ち込んだということでございます。

森本真治民進党・新緑風会

○森本真治君 主にオーストラリア経済の低迷ということと会社自体の体質の問題という二点の御説明であったわけでございますけれども、ちょっとこれ今数字が分かれば教えていただきたいんですけれども、このトール社ですね、物流のこの資源輸送の部分というものの業績の占める割合ですね、大体これ会社のどのぐらいをこの資源輸送が占めているんですか。

長門正貢日本郵政株式会社取締役兼代表執行役社長

○参考人(長門正貢君) 資源輸送だけではなくて資源関連ということなんですけれども、マイニングサイトでウランを掘っている、鉄鉱石を掘っている、そこの労働者の方々は短期間そこに住んでいらっしゃいまして、そこへの衣服とか弁当とかそういうものも運ぶとか、豪州の国内におけるビジネスは非常にエネルギー関係に絡んでいるところが大きいんですね。  先ほど申し上げましたのは、全体で見て売上げベースで約八割、収益ベースで七割が豪州関係です。これ、豪州関係の中に一部エネルギー以外のものが入っておりますので全部ではないんですけれども、いろんな意味で、広い意味でエネルギー関係がこのぐらい大きいインパクトをトール社では持っていると御理解いただきたいと思います。

森本真治民進党・新緑風会

○森本真治君 圧倒的に鉱物関係というか、輸送とかも含めて、このトール社の業績の中に占めているということですね。  それで、これちょっと私がいろいろと伺う中で、オーストラリア経済の中でも特にこの鉱物資源関係ですね、この価格というのが、実はもう二〇一二年ぐらいの辺りから非常に下落というようなこともアジア太平洋地域では懸念をされていたんだというようなことを、市場関係者であったり専門家の方が言われているという話も私は説明を受けたんですね。実際に幾つかの日系企業も二〇一四年から一五年にかけて開発をもう中止をしている、このオーストラリアでの開発ですね、アジア太平洋地域での、というようなそういう実態があったということの説明を受けました。このような状況を踏まえても、このトール社の可能性について判断をされたということだったんですね。  実際にこの鉱物資源価格の将来性などもその買収のもう前辺りからそういう不安感というのが高まっていたにもかかわらずこの判断をしたということを、改めて適切だったというふうに思われるでしょうか。

長門正貢日本郵政株式会社取締役兼代表執行役社長

○参考人(長門正貢君) 委員おっしゃるとおり、エネルギー関連価格、二〇一四年には既に低下傾向にございまして、それは我々も認識してございました。ただし、山元自身での価格問題そのものが結果としてその後の豪州全体の小包とか貨物のロジスティクスの業務にまでインパクトが出てくるというふうに実は私ども十分評価しておりませんで、大変残念なんですけれども、そこまで十分見通せなかったというのが事実でございます。  今から振り返ると、買収当初の分析が甘く、資源価格の下落のインパクトを十分織り込めなかったというのは大変申し訳ないと思っております。

森本真治民進党・新緑風会

○森本真治君 今はっきりとお認めになられたというか、その将来見通しの甘さについての社長さんからの御答弁もあったわけでございます。  そうすると、ちょっと重複するような質問になるかもしれませんけれども、ここでやっぱり買収額の妥当性ということが問われてくるということになるんだと思うんですね。当然、これは全体の約八割も占めるような鉱物関係の分野の将来性の見通しの甘さがあった。恐らくそこの可能性ということに懸けての買収額の決定だったというふうに思うんですけれども、この買収額の妥当性について、改めて、この買収額を決定したその将来性の部分ですね、ちょっともう一度御説明いただけますか。この鉱物資源の部分での将来性以外にも何かあったんですか。

長門正貢日本郵政株式会社取締役兼代表執行役社長

○参考人(長門正貢君) トール社の業績が悪くなりました理由は、資源価格関連と、トール社自身がMアンドAを繰り返してまいりまして、かなりセクション、セクションで重なっているところがあって固定費が高くなっていたというところもあると思います。  買収価格が適正だったのかということでございますけれども、買収価格の算定に関しましては、会計、税務、法務、IT、金融等の専門家を雇いまして、彼らの助言も踏まえトール社にデューデリジェンスを適切に実施いたしまして、意思決定のプロセスは適切と思っておりますし、そのときに決定した買収額についても適正であると当時は考えてございました。しかしながら、今から振り返ると買収当初の分析が甘く、買収後の急速な経営環境の変化まで見通せなかったことについては重く受け止めてございます。  当時、トール、時価総額四千百億円ぐらいございました。買収する際に、一般的なケースでございますけれども、プレミアムが三割五分から六割ぐらい乗るような状況でございます。四千百億、二百億あった会社を六千二百億で決めましたので、この会社を買うためにはプレミアムが五割弱必要だというふうに当時考えて買収決定に至った次第でございます。

森本真治民進党・新緑風会

○森本真治君 そういう状況の中で、そうはいっても、このトール社の再建ということは重要なわけでございます。実際にこれは社長さんがコメントを発表されておる中でも、今後もトール社をグローバル展開の中核と位置付けるという考えは変わりませんというようなコメントを発表されているのも見させていただきました。  これは、日本郵政さんの方で発表された「二〇一七年三月期決算における減損損失の計上について」という資料の中に、経営改善策の方向性ということも述べられています。この中で選択と集中というところもありまして、重点地域・事業への集中と不採算事業からの撤退というようなこともあるわけでございますけれども、この鉱物資源の分野というのはこれ不採算事業になっていくんですか、今後将来的に見たときに。

長門正貢日本郵政株式会社取締役兼代表執行役社長

○参考人(長門正貢君) 今のエネルギー価格低迷がどのぐらい長く続くのかというのは分からないんですけれども、世界の経済、まだまだ成長しておりまして、鉄鉱石、原料炭、一般炭、ウラン、LNG、原油等々のエネルギーがまだ相応にニーズが伸びていくというふうに考えておりまして、トール社を中心に海外の物流事業に打って出るという日本郵便あるいは日本郵政の方向は変わってございません。  ただ、大変、大変本当に申し訳ないんですけれども、買った価格が少し今から思うと高かったのはございますので、今回、大変残念なんですけれども、減損に至ったということでございます。  減損はさせていただきますけれども、むしろこれでトールの方が身軽になりましたので、本来のトールを使って海外物流事業の方に進出していく、エネルギー等々の方についても積極的に絡んでいくという方向についてはいささかも変わってございません。

森本真治民進党・新緑風会

○森本真治君 今後の、先のことを考えたときの国際物流事業の中での鉱物資源ですよ、鉱物資源のこの物流というところ、ここはやっぱりこのまま維持をして特に重点事業としてそこを取り組むのか、今のこの状況の中ですね、それ以外に新たな新規参入分野というようなところを考えていらっしゃるのか、それについても御説明ください。

長門正貢日本郵政株式会社取締役兼代表執行役社長

○参考人(長門正貢君) トールの再建をしなければいけないと思っておりまして、減損は会計上の問題でございますけれども、百件ぐらいMアンドAをやっておりまして、非常にバックオフィスとかシステムとか重なっているところがございます。この辺をきれいに、いろんなビジネスユニットを統廃合してするということでコストを削減するというのが一つ。  それから、全部で従業員四万人おりますけれども、ダブっているところが多いこともありまして、従業員が少し厚めに、多過ぎるなと思っておりますので、これから一年掛けて二千人従業員を削減しようと思ってございます。既にこの一月―三月で三百人削減してございます。これが経費の方の対応でございます。  売上げの方は、委員おっしゃるとおりで、非常にこれまで豪州の中のエネルギー分野、鉱物資源分野が大事な分野だったんですけれども、これがしばらく価格が上がってきそうにないということでございますので、新たな売上げを増やすという注力もしたいと思います。主に二つございます。伸びているところ、医療関係、健康関係、これ豪州全体でも伸びてきておりますので、ここに注力すると。もう一点は、せっかく日本郵政、日本郵便グループが絡みましたので、私どものお友達の企業がいっぱい日本にいらっしゃって、豪州でもいろいろやっていらっしゃるんですね。そういう方々を御紹介して売上げを増やしていくと。  売上げ、経費面、両面で再生を図っていこうと考えてございます。

森本真治民進党・新緑風会

○森本真治君 ちょっと具体的な経営戦略というか目標が今あるのかどうか分かりませんけれども、これまで鉱物資源分野が大体八割であったけれども、この割合ですよね、比率。新たな新規参入部分をどんどん大きくしていくんだと思うんですけれども、今のところ、例えばその目標というか、どういう、例えば医療分野をどのぐらいにしていこうとか、さっき言われたようなところを増やして鉱物資源分野の割合をどんどん下げていくというか、そこら辺の具体的な今ビジョンがあれば御説明ください。

長門正貢日本郵政株式会社取締役兼代表執行役社長

○参考人(長門正貢君) 売上げ、伸ばせば伸ばすほどもちろんいいんですけれども、残念ながら我々の努力だけで、数字を作ったからできるというほど簡単ではないと思っておりますので、今減損しなければならないほど苦しい状況にトールがあるということで、当面は経費コントロールの方を一義的にやっていこうと思ってございます。  したがいまして、営業目標では、従業員二千人カットとか、五個以上あった営業本部を三つにする、二十以上あったビジネスユニットを十個にすると、こういう経費削減の方を目標に立ててございますけれども、売上げの方はなるべく頑張ろうということでございますけれども、数字目標まで今年度の営業目標ではございません。

森本真治民進党・新緑風会

○森本真治君 分かりました。  あともう一つ懸念されるのが、トール社自体のみならず、本体の日本郵政、さらには日本郵便にどのような影響が及ぼされるのかということも大変心配をされるところでございますけれども、その点について今どのように見通しを立てられているのか、御説明ください。

長門正貢日本郵政株式会社取締役兼代表執行役社長

○参考人(長門正貢君) お答え申し上げます。  減損損失の計上によりまして、二〇一七年三月期の最終損益は赤字となります。トール社の構造改革を徹底することによりまして、当期の損益をボトムとして、これを底として、次年度以降の損益を上昇トレンドに転じさせたいというふうに取り組んでまいりたいと思ってございます。  影響でございますけれども、今般四千億、四千三億の減損をいたしますけれども、日本郵政グループ自身のキャッシュフローには全く影響ございません。利益剰余金が、昨年末、連結ベースで三・六兆円、連結の純資産が十五・四兆円ございまして、四千億円は大変痛いんですけれども、まだまだ体力は十分に揺るがずにあると思っております。  したがいまして、期末配当につきましても予定どおり据え置くということで、株主の皆様には御迷惑をお掛けしたくないと思っております。同様に、日本郵政、日本郵便の社員に対しましても、何ら彼らにインパクトを与えない形で今回やっていこうというふうに考えてございます。

森本真治民進党・新緑風会

○森本真治君 今回の処理は過去の部分について清算をしたということで、現段階では本体の方への影響はないという御答弁でもあったわけでございますけれども、今いろいろとお伺いする中でも、今後、将来、この物流事業であったりオーストラリア経済の不透明感の中で、非常にただこれは予断を許さない中で経営ということもなされていくんだろうというふうに思います。  影響はないと言われましたけれども、実際役員報酬の返上などはされているというようなことでの影響ということはあるわけでございますけれども、先ほど社長さんの方は、社員の皆さんへの影響はないようにという御答弁もいただいたわけでございますけれども、やはり今後、将来に向かってこのトール社がどうなっていくかということが全くこの日本郵政、日本郵便に影響を与えないという保証はない中で、この従業員の皆さんの雇用であったり処遇への影響ということが絶対にあってはならないということだけは私からも強くお願いもさせていただかなければなりません。  かつて宅配便事業統合計画というのが頓挫した際も、これ人件費の引下げ等で、現場の皆さんのこれは協力によって収益改善が図られたというようなこともあったということも伺っております。今回のケースで再び従業員の皆さんに影響がないということの、そこのきちんとした強い思いを改めてこの場でも、経営の失敗、働く者に絶対に押し付けることはないんだということを再度社長さんから表明をもう一度していただきたいと思いますので、よろしくお願いします。

長門正貢日本郵政株式会社取締役兼代表執行役社長

○参考人(長門正貢君) お答え申し上げます。  今回のトールの減損問題でございますけれども、先ほど来申し上げておりますように、日本郵便、日本郵政の将来の戦略の布石として決して方向感は間違えていなかったと思っておりますけれども、結果として当初の分析が甘かったということでこのような事態になっているというふうに考えておりまして、今回の減損、赤字決算は経営の間違いというふうに思ってございます。  それで、委員から御指摘がありましたように、この責任を取るということで発表いたしましたのは、日本郵政、日本郵便の全役員、これは社外取締役も含めまして全役員が報酬の一部を返上するということで、大変重く受け止めておりますので責任を示したいというふうに思っておりますが、従業員については、これは経営陣の経営の間違いでございましたので、彼らに影響を与えるわけにはいかないと。  今回の減損の一つの側面でございますけれども、これから十八年間ずっとのれん代を毎年二百億償却していくのはそんなに収益力が高くない日本郵便ではつらいということで、一気にこれを切って、むしろスタートラインに立って本来やるべき経営をやっていこうじゃないかという側面もございます。中経、中期経営計画等々で打ち出した本来やるべき郵便、ゆうちょ、かんぽの施策を取っていって、業績を良くしていって、従業員たちに報いていきたいというふうに思ってございます。

森本真治民進党・新緑風会

○森本真治君 この郵政事業、もちろん働く皆さんに対して決してその影響が、経営者の判断というかによって影響が及ぼされてはならないということはもちろんですけれども、さらに、当然今後の国民にとってのこのユニバーサルサービスを果たしていくという、その責務も果たしていくということで、大変やはり経営陣の皆さんには重い使命がこれからも引き続きのしかかってくるわけでございます。  このことについては、やはりこれは国民の声をしっかりと届けていくこの国会の中でも、この郵政事業の在り方については引き続き注視もさせていただかなければならないということも改めて申し述べさせていただきたいと思います。  ちょっと残りの時間で、国内における郵政事業についても何点かお伺いをしたいというふうに思います。  特に今、宅配業界、現在大きな転換期を迎えておるというような状況だと思います。この業界内では、料金の見直しだったりサービス見直しの議論が業界の事業者の中には行われているというところもあります。さらには人材確保、宅配であったり運送部門の人材確保も非常に国内の中では厳しいと、難しくなっているという現状もあるわけでございます。  これらの環境変化に対して日本郵政さんとしてどのような認識を持たれていらっしゃるのか、そして、その対応策などについてもどのように今後取ろうと思っていらっしゃるかについても御説明いただきたいと思います。

諫山親日本郵政株式会社常務執行役

○参考人(諫山親君) お答え申し上げます。  労働力の不足につきましては、正社員につきまして必要数を確保しているほか、期間雇用社員につきましても、地域ごとの状況を踏まえた募集活動あるいは定着へ向けた取組を行いまして必要な労働力の確保に努めているところでございます。  また、運賃につきましても、引き続き高品質で安定的なサービスを提供するため、必要なお客様に対しては適正な運賃をいただくということで、不断に契約の見直し等をお願いしていくということで取り組んでいるところでございます。  このように、日本郵便といたしましても、労働力の不足やあるいは賃金単価の上昇等によります取扱費用の増加、こういったことにつきましては宅配業界全体の共通の課題だというふうに認識をしております。引き続き適切に対応してまいりたいというふうに考えております。

森本真治民進党・新緑風会

○森本真治君 ちょっと再質問になりますけれども、今の御答弁では、今の宅配業界の状況の中でも日本郵政さんとしては労働力は適切に確保されていると、だから今後も今のこの流れの中で事業を展開していくという今の御説明でよろしいんですか。  私が最初にちょっと問題意識として持ったのは、今本当に大きな転換期を迎えているという中で、やはり将来の見通しについては、現状認識、今ちょっと余り危機感がないようにも理解したんですけれども、その辺り本当に今ちょっと不安に思ったんですけれども、もう一度お願いします。

長門正貢日本郵政株式会社取締役兼代表執行役社長

○参考人(長門正貢君) 私ども日本郵政グループ全体、連結ベースで四十二万人、四十三万人の従業員がおります。約四十万人、仮にでございますけれども、従業員が二十歳から六十歳まで働くとすると、四十年ぐらい働くことになるんですけれども、えいやで単純計算しますと、四十万人、四十年ですから、一年間に一万人、平均、新陳代謝というか人が替わっていかないと我がグループの現在のオペレーションが守れないと、こういう業界でございます、業者でございます、会社でございます。  今、日本全体での新しい労働供給力、一年間に百万人いないという状況になりつつあると伺っておりますけれども、そうすると、一万人毎年雇わなきゃいけない会社は一社で日本の労働市場の一%を毎年キープしなければいけないと、これがサステーナブルにずっとできるとは感じておりません。  したがいまして、例えばヤマトさん等々が考えているように、どういうふうにしたら人手が掛からずにやれるんだろうかと。はこぽすをどこに置くのかとか、ロボットで対応できないのかとか、そういうような工夫を同じ質、量で悩んでいかなければいけないというふうに考えてございます。

森本真治民進党・新緑風会

○森本真治君 本当に、今、安倍政権で経済について有効求人倍率がどんどんと上がっているんだということを何か成果のようによく御答弁をされるんですけれども、いや、本当に今、今後やはり人手不足の問題というのは、この宅配業界に限らず様々な産業、分野において深刻になってくる。人口減少社会の中で、本当にじゃ、郵政事業を今後維持する中で人手をどう確保していくのかと。  先ほどちょっと社長さんも御説明もありましたけれども、その辺りのやはり働く環境をどう整えていって、より魅力のある職場をつくっていってということはもっともっとメッセージを送っていかないと、郵政の分野で働きたいなという方はなかなか、これから取り合いですからね、今後はね、ということもちょっと心配をしたもので、確認もさせていただきました。  ちょうど時間になりましたので終わりますけれども、せっかく私もこの総務委員会で郵政事業もいろいろと扱わさせていただいておりますので、引き続きまた議論もさせていただきたいと思います。  終わります。

那谷屋正義民進党・新緑風会

○那谷屋正義君 民進党・新緑風会の那谷屋正義でございます。今日は与えられた時間三十分ということでございますので、よろしくお願いしたいと思いますが。  大型連休が終わって初めての委員会、その前段に衆参両方で予算委員会集中が行われました。この予算委員会を振り返りますと、総理の読売新聞熟読答弁に始まって、非常にやはりちょっと国会に対してこれでいいのかなというようなそんな対応が、これは与野党問わず感じられた方たちが多いのではないかなというふうに思っています。  総務大臣は第二次安倍内閣になってもう二年半お務めになられて、この総務委員会を見ていても、私も何年かぶりに総務委員の一員にならせていただいていますけれども、与野党問わず審議において非常に真摯なものが行われていて、順調に進んでいるんじゃないかなというふうな感想を持たせていただいている……(発言する者あり)順調過ぎると今理事が言っていましたけれども、そんなふうに思っています。そんな総務大臣だからこそ、もう少し閣議の中で様々な発言力を持っていただくということも、逆に言うと国民の要請になるのではないかなというふうに思うんですけれども。  総理の答弁を始め、あるいはこの間の様々な、大臣が辞任をされるとか、いろんなことがございました。また、衆議院、九日の日は、衆議院の予算委員会でも相当、与党の出席議員の数が足りずにどうのこうのという、支障を来したなんという話もあります。ちょっとやはりここに来て、こういうことでいいのかなということが、これはもう与野党問わずやっぱり疑問に思うべきものじゃないかなと思うんですけれども、総務大臣、その辺についてどのように感じられているでしょうか。

高市早苗自由民主党・無所属の会総務大臣・内閣府特命担当大臣(マイナンバー制度)

○国務大臣(高市早苗君) 内閣総理大臣始め、また他の閣僚の皆様の言動に対して私が内閣を代表してコメントできるような立場にはございませんが、それでも、緩みが出ているんじゃないか、おごりが出ているんじゃないかという御批判をいただいていることは承知をいたしております。  少なくとも、私自身、誠実に職務に取り組み、真剣に働き、何とか結果を出すことで国民の皆様、また議員の先生方の信頼を取り戻してまいりたいと存じます。

那谷屋正義民進党・新緑風会

○那谷屋正義君 ありがとうございます。今の大臣のような答弁をいただくと、恐らく国民の皆さんも少しずつ納得されるんじゃないかなと思うんでありますが。  その予算委員会の中でもやはり引き続き集中として議題になったのは、もう言わずもがな、森友問題であります。  この森友問題、片山先生もいろいろと、これについてはもう司法に委ねたらどうだなんという質問もされていましたけれども、私はそうではなくて、仮に自分が与党であったら、あるいは自分たちがいろいろと疑義を掛けられているんであるならば、自らその曇りを晴らしていこうという、そういうふうなスタンスに本来立つべきなんじゃないかなと。どうも今の政府・与党、与党というか政府の方は、その辺りを非常に、言われたら受けて立つけれども、あとは知らない、いいんだ、放っておけばいいやという、そういう対応に見られる。  その結果どういうことが起こっているかというと、新聞各紙で、この四月実施の世論調査によると、説明しているとは思わない、納得していない、不十分だ、このように言っている方たちが非常に多い、七割を全て超えております。まあ時事通信だけ六八%ですけれども、ほぼ七割を超えている。とりわけ総理が熟読しろと言われた読売新聞においては八二%と、非常に多い方たちがまだまだ説明しているとは思えないと、このように言っているわけでありまして。  私、無理な話であるとは察しながらもあえて申し上げますけれども、閣議、閣僚会議という中でそういった提案があるのかないのか、なければ、やはり高市大臣として、もうある意味今の閣僚の中では安倍政権において長いわけですから、そういったことを発言する力もおありだろうというふうに思いますので、そういうところを期待したいと思うんですけれども、いかがでしょうか。

高市早苗自由民主党・無所属の会総務大臣・内閣府特命担当大臣(マイナンバー制度)

○国務大臣(高市早苗君) 森友学園に係る事案につきましては、関係機関、例えば財務省でしたり国土交通省でしたり大阪府でしたり、こういった関係機関において説明責任が果たされるべきものと存じます。  例えば国有財産の処分でございましたり、また学校の設立の認可などについては、私自身に権限がないものでございますから、何とかこの場で総務大臣としての答弁ができないことを御理解賜りたいと存じます。

那谷屋正義民進党・新緑風会

○那谷屋正義君 理解は内々できるものの、しかし、優しいから理解しちゃうのかもしれませんけれども、でも、そういう問題ではなくて、例えば今度、十五日、ようやっと行政監視委員会というのが開かれて、その担当いただく大臣でありますので、そのときにもまたちょっとお話しさせていただきたいと思いますけれども、いわゆる行政評価プログラムというものが毎年総務大臣によって提起されるわけですけれども、そういったことの中で今回のいわゆる国有地売却問題、あるいは特に際立った森友、あるいは加計学園の問題、こういったところをその評価プログラムの中に入れていくというようなことも実はあってもいいのではないかなということで、そのことについてはもう今日は結構ですので、また後日、別のその委員会でまた御質問させていただきたいので、答えを用意していただければというふうに思っております。  今日は、総務委員会ではありますけれども、学校用務員の役割についていろいろと質問をさせていただきたいと思っております。  学校用務員さんというのは、例えば災害を例に挙げれば、二〇一一年三月の東日本大震災、あるいは昨年の四月の熊本地震でも、学校が避難所として多くの人々のために役割を果たし、教職員が昼夜を問わず働き続けてきたということはもう皆さん御案内だというふうに思います。その中で特に重要な仕事をされてきた一人が現業職の学校用務員の皆さんであります。  ところが、この現業職員の皆さんの身分について、地公法五十七条では単純な労務というふうな文言があるために、誰でもできる業務であり、正規職員ではなく、非常勤職員でも外部委託でも大丈夫というふうに思われがちであります。後ほど申し上げますけれども、実は過去にもこの民営化についてこの総務委員会で私議論をさせていただいたことがありますけれども、そういうふうな中にあって、今、学校の用務員さんたちは、非常に自分たちの身分の問題、さらには士気を高めながらの労働意欲、こういったものにやはり少し揺らぎが出てしまう、そういう環境にさらされているということだというふうに思います。  例えば、熊本地震の例をちょっと挙げたいと思うんですが、ある高校の話です。そこは避難所の指定はされていませんでしたが、避難してきた地域住民が大勢来られたということで、グラウンドや体育館を開放して避難所となったそうです。ところが、体育館の電気が付かないというふうに言われて、学校用務員が体育館を確認し、作業をした結果、点灯させることができました。そして、その直後、直径三十センチぐらいのボルトを確認したところ、手でくるくる回ったために、それは避難住民にも危険が及ぶ可能性が高いということで、管理職に報告をして、住民を別の場所に移動して事なきを得たというような例がございます。これは東日本大震災のときにも多々あった例であります。これは、日頃から施設設備の点検等を行い、施設設備に熟知しているからできたというふうに思うわけであります。  そこでまず、今日は文科大臣政務官にもおいでいただきましたけれども、文科省にお尋ねをいたします。学校用務員あるいは高校における現業職員の教育現場における存在意義、役割についてどのような認識をお持ちか、お答えいただけたらと思います。

樋口尚也公明党文部科学大臣政務官

○大臣政務官(樋口尚也君) お答えいたします。  学校用務員の職務につきまして、学校教育法施行規則第六十五条において、「学校の環境の整備その他の用務に従事する。」と規定をされているところでございます。  一般的に学校用務員は、校舎等の学校の施設設備の清掃、また整理整頓などの環境整備などの用務、今委員からお話がありましたように、時には電気屋さんになったり大工さんになったり左官さんになったり植木屋さんになったりガラス屋さんになったりすると、全てのことをやっていらっしゃるというふうに聞きます。また、各学校の状況に応じまして、学校の円滑な運営を行っていくために大切な、また貴重な、必要な職務を担当されているというふうに理解をしております。

那谷屋正義民進党・新緑風会

○那谷屋正義君 さすがにチーム学校を表明するだけあって本当に有り難い答弁だったというふうに思いますが、そうした職種であるにもかかわらず、実は民間委託の一環として、トップランナー方式の一環としてこれが一業務に入っているというところに今日は私は問題、指摘をさせていただきたいというふうに思っているところでありますけれども。  今の文科省からの政務官のお答えを聞いていただいて、総務大臣、どんなふうに学校用務員さんの存在意義、役割に対する認識をお持ちになられているでしょうか。

高市早苗自由民主党・無所属の会総務大臣・内閣府特命担当大臣(マイナンバー制度)

○国務大臣(高市早苗君) 今、文部科学省から御答弁もありましたけれども、学校用務員の方々は、学校内の巡視など安全確保をしていただいたり清掃などの環境整備もしていただき、また学校の設備などの保守点検もしていただき、さらに学校の運営に必要な様々な業務に従事されていると、そのように認識をいたしております。

那谷屋正義民進党・新緑風会

○那谷屋正義君 そういう重要な役割があるというふうな認識をいただいているというふうに思った、そう受け止めたんですが、それをトップランナー方式の中の一業務に加えたということの思いというか、その辺のことについてもしありましたらお願いします。

高市早苗自由民主党・無所属の会総務大臣・内閣府特命担当大臣(マイナンバー制度)

○国務大臣(高市早苗君) 地方財政が依然として厳しい中でちゃんと継続的に、効率的、効果的にしっかりと行政サービスを提供するということが重要でございまして、地方団体に対しましては、民間委託などの業務改革の推進に努めていただくように私どもから要請をしてまいりました。  地方交付税の算定におきましても、この学校用務員事務を含めまして、多くの団体が民間委託等の業務改革に取り組んでおられるという業務について、その経費水準を単位費用の積算基礎とするトップランナー方式を導入させていただきました。このトップランナー方式の対象業務をどのような手法で実施していくかということは、各地方団体の自主的な判断によるものだと考えております。

那谷屋正義民進党・新緑風会

○那谷屋正義君 今、大臣が言われたように、最終的にはその自治体が、そして各学校がどうするかということに依拠するものだというふうに思うわけでありますけれども、やはり総務省の施策としてこのトップランナー方式の一業務にこれを加えているということの中で、ある意味その責任というものもしっかりとお持ちいただきたいということがまず一つあります。  そこで、再度になりますけれども、学校現場での安全管理の原則、これは、いつ何が起こるか分からない、危機の早期発見、早期対応というふうに思います。先ほど申し上げましたように、東日本大震災あるいは熊本地震のケースもございます。この観点からすれば、学校現場に常駐し、即時即応の対応が可能な学校用務員の役割は大変重要な役割だというふうに思っております。学校現場において学校用務員は必要であるというふうに考えておりますけれども、文科省さんの見解を改めてお伺いしたいと思います。

樋口尚也公明党文部科学大臣政務官

○大臣政務官(樋口尚也君) 学校の安全管理を進めるに当たりまして、各学校において管理職のリーダーシップの下、学校用務員も含めた教職員全体での組織的な体制を構築することが重要であると認識をしております。  学校用務員の役割につきましては、構内の学校安全体制を構築する中で当該学校の実情を踏まえて各学校において検討をしていただくものでございますが、例えば学校用務員により日常的な施設設備の安全点検や修繕等が行われている例が多数あるというふうに承知をしております。  これまで文部科学省では、学校における安全体制の充実を図るために、参考資料の作成、配布等を行ってきたところでございますが、引き続き各学校における組織的な安全体制の構築を推進をしてまいりたいと思います。

那谷屋正義民進党・新緑風会

○那谷屋正義君 今答弁いただいたように、いろいろなことにお取り組みいただいているわけであります。そういうふうなことを考えると、学校用務員の職務というものをしっかりと今みたいに検証していただければ、一定の学校用務員さんに対する資質要件というのが要求される業務ではないかというふうに思うわけでありますけれども、それについては、文科省、どのようにお考えでしょうか。

樋口尚也公明党文部科学大臣政務官

○大臣政務官(樋口尚也君) 学校用務員は、法令上、学校の環境の整備その他の用務に従事することとされておりまして、実際の学校現場においては、学校の円滑な運営のための環境整備や学校安全体制の一翼を担っていただいているというふうに思います。  学校用務員の資質でございますが、このような法令上の趣旨及びこれまで学校用務員が各学校で担ってきた役割を踏まえて、各地域の実情に応じて求められる役割を果たすことが重要でありまして、例えば今、採用の中で民間に委託をされているところがあると聞きますが、その中では、やはりその経験やスピードというものが求められるので、技術職のOBの方を雇っていらっしゃる、そういう方を採用されているというお話も承っているところでございます。

那谷屋正義民進党・新緑風会

○那谷屋正義君 今、そういうふうなことで、資質という言葉は出てまいりませんでしたけれども、しかし、あらゆる場面で対応できる方がやっぱり必要だというお話だったというふうに思いますけれども。  その方がいわゆる民間委託というふうなものに今さらされているわけでありまして、先ほど大臣は民間委託をされているところがかなりあるというふうに言われましたけれども、私の調べたところによると、トップランナー方式の様々な業務の中においてこの学校用務員事務というのは実は非常に少ない、他の業務と比べると非常に少ない、多くて四〇パーぐらいな感じでありまして、三四・一%とかそういうふうなものになっているわけでありまして、今ならまだ引き返すことができるというふうにも思うわけであります。  ところで、四〇%とはいえ、三十数%とはいえ、民間委託をされた。この民間委託をされたことの影響というものについて文科省は把握をされているでしょうか。しているとすれば、どのような見識をお持ちでしょうか。

樋口尚也公明党文部科学大臣政務官

○大臣政務官(樋口尚也君) 総務省さんの地方行政サービス改革の取組状況に関する調査によりますと、学校用務員の民間委託率につきましては、平成二十八年四月現在、都道府県で三九・五%、指定都市では三〇%、市町村では三三・五%となっております。  この民間委託につきましては、人件費を抑制することができるという声がある一方で、請負契約の場合には学校長から直接指示をすることができないという声もあるというふうに承知をしております。

那谷屋正義民進党・新緑風会

○那谷屋正義君 今最後に言われたところのとおりなんですよ。こういった施策が数値目標や交付税の見直しによって自治体の自主性や自立性を阻害するというふうな部分にも一定なっている、ある程度足かせになってしまっているという部分もあるわけで、このことによって民間委託が許容されるなんということがあってはならないというふうに思うわけでありますけれども。  例えば民間委託された学校では、私の知り得た範囲の様々なことの一つを紹介しますと、草刈りなど決められた、年数回草刈りを行うというふうになっているところがあるそうです。ところが、それ以降、その限られた数しかやらない。でも、草というのは気候によって伸びが速かったり遅かったりするわけですよ。そういうふうな、草が伸びていようがお構いなしということであるそうです。例えば、校長先生が仮にそこで草を刈ってもらいたいなと思っても直接命令できないんですよ、民間委託しているから。そういうふうにして何げなく言っても、それは民間委託ですから、その担当者はまず会社に連絡するわけです。会社に連絡して、こういうことを言われているので、これをやっていいかというふうなことを伺い、決裁を受けてから、仮にやるのならやるという、こういう状況になりますから、これは即時即応の原則に全く反するわけであります。  特に、これはちょっと怖い話、子供の健康にも関わる話ですが、これは熊本県の話ですけれども、マダニというのがこれがそろそろ出てくるそうなんですよね。これは山に生息しているけれども、実は町の中にも鳥や人の洋服などによって付いてくる可能性があるために、校内の除草作業は小まめに行わなければならない、年何回なんて簡単に言えるものではないということであります。これを、やはり今の用務員さんであれば、そこは気が付いたら、あるいは校長に言われたら、分かったということですぐ行くわけですけれども、これが民間委託だったらなかなかそういう状況にはならないという問題があるわけでありまして、まさに子供たちが安全、安心して学びを行う場所になり得なくなってしまう可能性があるということだというふうに思います。それは非常に僕は問題だというふうに思うんですけれども。  実は、さっき冒頭お話ししましたけれども、〇八年、当時これは誰政権だったかちょっと覚えていないんですけど、〇八年三月に、当時増田総務大臣、岩手県で知事をされて、そしてこちらで総務大臣をされた方なんですけれども、その方に質問をさせていただいた際に、そのときにも実は民間委託の話が持ち上がりました。これは賃金の問題でありまして、学校用務員さんは単純作業なのに随分いい給料もらっているじゃないかと、同じような職種の人と比べたらば随分高いぞというふうな問題がばあっと起こりまして、いわゆる賃金センサスというふうなことでいろいろ出てまいりましたけれども、その民間委託について増田大臣から、民間委託については、試行という経過を経て様々な状況を検証して、自治体として創意工夫して真剣に検討すべきであるというふうに答弁をいただいたわけであります。  民間委託をする上で様々な状況を検証をされているのかどうか、まずその問題について、文科省、検証されているかどうかお聞きしたいと思います。

樋口尚也公明党文部科学大臣政務官

○大臣政務官(樋口尚也君) 文科省といたしましては調べておりません。

那谷屋正義民進党・新緑風会

○那谷屋正義君 総務省としてはいかがでしょうか。

安田充総務省自治行政局長

○政府参考人(安田充君) 総務省におきましては、先ほど文科省さんの方から御答弁申し上げました地方行政サービス改革の取組状況等に関する調査というのを毎年行っておりますが、この際に、必要と認められる団体につきましては私どもの方でヒアリングを実施いたしております。  このヒアリングの状況でございますけれども、学校用務員の民間委託については、偽装請負などの懸念から学校長からの指示に柔軟に対応できなくなり直営化したと、こういう事例も聞いているところでございます。一方で、運営上の工夫によって問題に対応し、財政負担の軽減も図られているという意見もございました。  こういうような検証を行っているところでございます。

那谷屋正義民進党・新緑風会

○那谷屋正義君 いいと言うところもあれば非常に懸念される部分もあるという、そういうあれだというふうに思いますけれども、確かに工夫の仕方ってあるかもしれません。だけど、それを考え出すほど学校現場、今余裕ないんですよ。そうじゃなくて、やっぱりチーム学校って文科省さんがうたっているように、今ある学校用務員さんの役割というものを尊重しながら、みんなで子供たちの安全、安心のためにやっぱりここはしっかりと配置をしていただくということが私は大事だということを重ねて申し上げたいというふうに思うわけであります。  それと併せて、先ほど政務官の方からOBの方を任用されているところもあるというふうにお話があったんですが、現在、全国各地では退職不補充というのが非常に多くなっておりまして、新規採用者をようやく採っているところも出てきてはいますが、なかなかそこが思い切り、自治体の財政も含めて、そこに踏み切れないというところがあるようであります。  自治体の判断で行うということでありますから総務省としてどうのこうのということはこの部分についてはないと思いますけれども、まさか新規採用をやっていては駄目ですよなんという、そんな話は総務省の方から自治体の方に出てこないだろうと思うんですけれども、ちょっとその辺を念押しさせていただけたらと思います。

高市早苗自由民主党・無所属の会総務大臣・内閣府特命担当大臣(マイナンバー制度)

○国務大臣(高市早苗君) 各地方公共団体の定員管理につきましては、地域の実情を踏まえつつ、自主的に適正な定員管理の推進に取り組むよう助言をしております。  学校用務員の方を含めた技能労務職の採用の在り方につきましても、各団体において判断されるものでございますので、行政需要の変化に対応した職員の採用やめり張りのある人員配置など、適正な定員管理に取り組んでいただくことが重要だと思います。  なお、先ほど先生おっしゃった件でございますが、学校用務員を含め、各地方団体が直営、民間委託などといった事業実施方法のうちどのような方法を選択するかというのは地域の実情に応じて判断していただくべきものでございますし、安全性と、子供たちの安全ということを考えましても、民間委託を実施した場合でありましても、委託した事務事業についての行政としての責任を果たし得るよう、適切に評価、管理を行うことができるような措置を講じるということは必要でございますから、この旨は平成二十七年八月に発出した総務大臣通知においても要請をいたしております。

那谷屋正義民進党・新緑風会

○那谷屋正義君 最終的には各自治体ということでありますけれども、小破修繕を例えば行わなければならないときに、それができなくて、業務委託されたその会社がまた別の業者を頼むなんというそういう部分もあるわけでありまして、これじゃはっきり言って本末転倒だろうというふうに思いますので、是非これは一考いただきたい部分だなということを申し上げておきたいというふうに思います。  今日は、総務委員会ということではありますけれども、学校用務員について質問をさせていただきました。  学校での現業職員というのは、実は今言った義務制における用務員さんだけではなくて、農場職員だとかあるいは介助職員、調理職員、船舶職員など、学校現場では本当に校長を始めいわゆる一つのチームとして、これは私はあえてチーム学校とは申しません、一つのチームとして子供の学習権保障のために働いているわけであります。  学校用務員は、教員とは異なる立場で子供たちに教育的な影響を与えているというふうに思います。それは、常に毎日子供たちと触れ合い、家庭や地域の大人とも違う、また先生とも違う、そういう距離感で向かい合いながら、子供たちのちょっとした変化や表情、心の動きも感じ取り、学校現場でその気付きが共有されていることなど多々ございます。  私も現場にいたときには、これは用務員さんでしたけれども、那谷屋さん、あなたのところのクラスの誰々ちゃん、ちょっと最近元気ないねというふうなことをふっと言われて、たまたまそうかなと思って教室へ行ったところ、やっぱりちょっと悩みを持っていたというふうな、そういうようなことで助けられたことも多々ございます。  だから、そういうふうなことを考えると、学校用務員においても、現業職員においても、人間性はもとより福祉的な役割も期待される業務であって、民間の業者がそういった役割を担えるというのは甚だ疑問であります。特に学校現場では突発的な出来事も想定される。それに対して即時即応の対応が重要であって、大規模災害が起きた場合には、学校に常駐する正規の現業職員、学校用務員の役割は大変重要であるということがこの間の災害でも証明されているわけであります。そういう点についても、これが民間委託であったときには対応が相当難しいのではないかなというふうに言わざるを得ません。  民間委託や非常勤化する中で様々な弊害が出てきていることも事実でありますので、安易に学校用務員の民間委託を推し進めることは私は適当ではないというふうに思っております。民間委託を推進し、業務改善を図り、自治体の歳出効率化を図る目的というトップランナー方式は、やはり学校現場には私はなじまないということを申し上げておかなければいけないというふうに思っております。  総務省におかれましては、そのことをきちんと検証していただき、まだ半分行っていませんから、戻すべきところは戻すということも含めて御検討いただきたい、このことを切にお願いを申し上げながら、ちょうど時間となりましたので、質問を終わりたいと思います。

山下芳生日本共産党

○山下芳生君 日本共産党の山下芳生です。  四月二十五日、日本郵政は、六千二百億円を投じて買収したオーストラリアの物流企業トール社の業績不振によって、二〇一七年度三月期決算において約四千億円に上る巨額損失を計上すると発表いたしました。日本郵政の責任は重大だと言わなければなりません。  そこで、日本郵政の長門社長に伺いたいと思います。買収後僅か二年で業績不振になって巨額の損失を出した。これは余りにも見通しが甘かったのではないでしょうか。

長門正貢日本郵政株式会社取締役兼代表執行役社長

○参考人(長門正貢君) お答え申し上げます。  二〇一七年三月期のトール社の営業利益でございますけれども、買収前と比べまして八割ダウン、二割まで悪化いたしました。  豪州国内物流事業の業績悪化の要因の一つとしては、資源価格の下落等による豪州経済の減速が挙げられます。豪州経済、都市部と鉱山地区の二極化が進んでおり、都市部の成長はプラスでございますけれども、都市部以外の鉱山地区は直近ではマイナス成長が続いております。トール社は、都市部のほか、鉱山地区を中心とした資源関連セクターに属する顧客及びそれらにサービスや部品等を供給している顧客に対して輸送サービス等を提供することによって収益を得ておりますが、その中でも鉱山地区の景気減速の影響を大きく受けているところでございます。  資源価格の推移を見ますと、二〇一四年頃から下落トレンドが始まっておりましたけれども、資源価格の下落がここまで深刻なものとなり、結果としてその後の豪州経済の小包や貨物の物流がここまで減少することまで見通すことはできませんでした。今から振り返ると当初の分析が甘く、結果として大きな損失を招くことになったことに対して重く、大変重く受け止めてございます。  今回の処理はトール社に関わる負の遺産を一掃するという大きな意味もあるものと認識しており、損益好転に向けた転機となるよう、あわせて、株主、関係者の皆様からの信頼回復を果たせるよう、業績回復に努めてまいる所存でございます。

山下芳生日本共産党

○山下芳生君 先ほどから、結果として見通しが甘かったと、そういうふうに聞こえるんですが、私それは違うと思うんですよ。トール社が業績悪化する懸念は日本郵政が買収を発表したときから既に指摘されておりました。  当時、二〇一五年二月十八日、日本郵政の西室社長が買収を発表した会見でも記者の方からトール社の経営を心配する声が出されておりました。具体的にはこういう声です。折からの資源価格の市況悪化でトール社の資源関係の物流事業が弱含んでいる、オーストラリアの本業でのてこ入れが必要なのではないかなどなどであります。  それに対して西室当時社長はこう答えております。いろいろやっている中で、資源物流は一つの大きなトール社のメリットと言ってきたが、ここのところ資源価格の低下で打撃を受けているのは明らかに御指摘のとおりですと。要するに、単に資源価格が低下しているということだけではなくて、それによって資源物流が打撃を受けているのは明らかだということをもう認識していたと。それに続けて、西室社長はこう述べております。これについて私ども、どういう対策をやっているのかという話も含めて突っ込んで聞いた、現経営陣がそこで損が出るようなことはやらないようきちんと手は打っていますと確認もしておりますと、こう当時記者会見で述べているんですね。  要するに、資源物流が打撃を受けていることを認識していた、その対策をトール社に突っ込んで聞いた、そうしたらトール社は損が出ないようきちんと手を打っていると言っているということを確認した、ところが二年でこんなことになっちゃった、巨額の損失を計上しなければならなくなったということですから、私、これは当時、日本郵政がそういうことを懸念しながら突っ込んで聞いて大丈夫だというふうに判断したというわけですが、言葉は悪いですけど、日本郵政の目は節穴だったのかと言わざるを得ないんですが、この点の自覚、おありですか。

長門正貢日本郵政株式会社取締役兼代表執行役社長

○参考人(長門正貢君) 当時でございますけれども、トールの時価総額が四千百億ぐらいございまして、仮に買収するとなりますと、いわゆるプレミアムを乗っけないと買えないと。プレミアム、通常のMアンドA業界で三割五分から六割ぐらいでございます。今回はたまたま五割弱でプレミアムを乗っけて六千二百億円という価格が決定いたしました。私ども、一人でこの判断をもちろんしたわけではございません。いろいろプロのコンサルタントを雇いまして、フィナンシャルアドバイザーも雇って、みんなで検討をして決断をした次第でございます。  確かに、その当時、原油価格が落ちている等々、エネルギー価格の方につきましては下落傾向一部見えましたけれども、一体どこまで落ちてどのぐらい続くのかというところについては必ずしもコンセンサスはなかったというふうに理解してございます。アドバイザーの方々についても、特にこれは相当危険であるというようなアドバイスは実は一件もいただいておりません。結果論として、非常に長く続き大きく落ちてしまったので、大変に甘かったと言われれば、今となってはそうだなと思っております。  トールの売上げの中で資源そのものに直に関わる部分というのは二割弱でございます。あとは、それに関わるいろんな物流が多くありまして、豪州全体の貢献度が売上げベース七割ぐらいになっておりますけれども、資源価格が落ちてどの程度物流業界全体にインパクトがあるのかということについて読み誤ったというふうに感じております。当初の分析は甘かったと言われればまさにそのとおりで、大変大きい経営責任があると感じてございます。

山下芳生日本共産党

○山下芳生君 私は、結果としてとは言えないですね。ちゃんとそのことを見通すべきだったと言わざるを得ないと思います。  それから、単にトール社だけではなくて、専門家、研究者からも、国際物流市場は既に当時で、DHL、UPS、フェデックスなどのドイツやアメリカの企業によって分割されておって、今更日本郵政の出る幕はないという指摘もされておりました。そのことも指摘しておきたいと思います。  次に、長門社長にもう一点聞きます。買収費用の六千二百億円の原資は何なのかと。私はこれは国民の財産ではないかと思いますが、原資、説明してください。

長門正貢日本郵政株式会社取締役兼代表執行役社長

○参考人(長門正貢君) お答え申し上げます。  トール社の買収に要した資金六千二百億円でございますけれども、これは日本郵便の手元キャッシュを使用して行ったものでございます。

山下芳生日本共産党

○山下芳生君 私の聞いた説明とちょっと違うんですね。  二〇一五年十二月の株式上場に向けて日本郵政グループの中で資本再分配をやった、資本増強を行ったわけですね。日本郵政が一〇〇%保有するゆうちょ銀行の株式の自社買いをやったと、そこで得た一兆三千億円のうち六千億円を日本郵便の資本増強に充てたと、そこからこの六千二百億円が充てられたということは否めませんという私は日本郵政から説明聞いております。それ、否定するんですか。

長門正貢日本郵政株式会社取締役兼代表執行役社長

○参考人(長門正貢君) 六千億円でございますけれども、十四年九月に増資をいたしまして日本郵便に六千億入ってまいりましたけれども、この資金は、日本郵便の経営基盤を強化するとともに、郵便・物流ネットワーク再編あるいは次世代郵便情報システムの開発等の成長のための投資を実施するために日本郵政株式会社を引受先として行ったものでございまして、トール社の買収を前提としたものではございません。

山下芳生日本共産党

○山下芳生君 前提としたものではなくても、お金に色は付いていませんから、それ自身が買収にも充てられたというのは日本郵政から私説明聞いたんですよ、執行役の方から。それで、いずれにしても、このゆうちょ銀行の自社株買いによって日本郵政が得た資金も増資という形で今度の買収には回されていると。つまりは、公社時代の三事業によってつくられた国民の財産によって買収を行われたということになるわけですね。  長門社長、トール社の買収原資は国民が築き上げてきた財産だった、元々日本郵便だって国民の財産ですから。国民の財産が買収の原資だったという認識、ありますか。

長門正貢日本郵政株式会社取締役兼代表執行役社長

○参考人(長門正貢君) 日本郵政、民営化がナショナルプロジェクトでございまして、国家のプロジェクトでございました。このままとどまっているわけにはいかず、成長していかなければいけないと。純資産十五兆円強ございまして、これをいかに有効に使って成長をしていって、株主の方々、市場、国民のお客様にお返しをするのかということで、効率的な投資方法を考えてございます。  その中の一つとして、日本郵便の方でほかの資金需要がございましたので増資をして六千億手にしたわけですけれども、たまたまそのときに、今から思えばちょっと金額が高かったかもしれません、ちょっとというか、金額が高かったかもしれませんけれども、これが将来の成長につながる一石であると経営判断をして実行した次第でございます。  結果的に日本郵政は今度減損になりまして、大変に申し訳ないと思っておりますけれども、成長のために有効に使おうと思った経営判断であったと認識してございます。

山下芳生日本共産党

○山下芳生君 買収発表当時、西室社長は、国家の基本的に私どもがお預かりした財産を毀損しない、それを元に成長していける、そういう基盤をつくるのが私どもの一番大事な部分というふうにおっしゃっていました。甘い見通しによって国民からお預かりした財産を毀損した、これ、私は一般の株式会社のMアンドAの失敗とはこれは重みが違うと思います。株主の自己責任だというわけにはいかない、国民の財産が基盤だという重みがあるわけですね。  長門社長、もう一度、日本郵政の責任は極めて重大だと思いますが、その自覚、問いたいと思います。

長門正貢日本郵政株式会社取締役兼代表執行役社長

○参考人(長門正貢君) 私どもまだ上場して、一昨年十一月四日上場いたしまして、まだ二割弱しかマーケットに株が出ておりません。お国が八割以上持っている会社でございますので、その点十分に留意して今後も経営戦略を練っていきたいと思っております。  今般の減損でございますけれども、大変申し訳ないと思っておりますけれども、十八年間、これからのれんの償却期間、毎年二百億円強の償却をしていく方がいいのか、今一気に減損させていただいて、日本郵便の体を少し軽くさせていただいて、時間を買わせていただいて、これからの十八年間でこの四千億をむしろ返すと、その方がトータルな経済性が良くなるというような可能性もあると思っております。今、この機会をいただいて、十八年間の時間をいただいたと考えております。是非とも、本来やるべき経営戦略をきちっとやって、そのコストをお返ししたいというふうに考えてございます。

山下芳生日本共産党

○山下芳生君 今の後半は、四千億円の穴を空けてしまったけれども穴をどう埋めるかという決意であって、穴を空けたこと自体の私は責任が重大だと言わなければなりません。  今回の巨額損失計上によって、郵政で働く労働者にも負担が押し付けられるのではないかとの不安が職場で広がっております。利用者からお叱りを受けるとか、JPエクスプレスが破綻したときのようにまたボーナスがカットされるのではないかなどの声を聞きました。  今回の巨額損失の責任はひとえに経営陣にあります。決して労働者にしわ寄せしてはならないと考えますが、社長の認識、いかがでしょうか。

長門正貢日本郵政株式会社取締役兼代表執行役社長

○参考人(長門正貢君) そのように考えております。  今回の狙いは、日本のみならず、これから将来の成長を、グローバルな成長を取り込むというために一石、石を打ったというのがトール買収の目的でございました。その方向感については引き続き重要な方向感であると思っておりますし、引き続きトールを使って海外展開を進めてまいりたいと思っておりますが、最初の価格が高かったためにこのような減損になった次第です。ここについて、これはしかし、いっときで終わる措置でございまして、今後引きずるものはございません。それから、キャッシュフローが今回出ていくわけでもございません。利益剰余金、資本勘定も非常に厚くまだございます。  したがいまして、委員おっしゃったとおり、経営、そこのジャッジメントをしたという経営責任が経営層にあるのであって、従業員の方にはないと思っておりますので、従業員の方に対してそういうような種類の負担を求めるということはしないつもりでございます。

山下芳生日本共産党

○山下芳生君 次に、今回の巨額損失計上と郵政民営化の関係について問いたいと思います。  長門社長、そもそもなぜ日本郵便会社が国際物流事業に乗り出す必要があったんでしょうか。

長門正貢日本郵政株式会社取締役兼代表執行役社長

○参考人(長門正貢君) 日本郵便、御案内のとおり、郵便がどんどんどんどん、僅か二%程度ではありますけれども、毎年落ちていくと、インターネット等々の商界もあってですね。で、日本全体の経済も、御案内のとおり人口も落ちていくということでございますので、日本だけにとどまっていたのではあしたはない、あしたはないというか、厳しいあしたになってしまうのではないかというふうに考えまして、これから海外の成長も取り込まなければ、むしろユニバーサルサービス等の我々に課された国内での義務すらきちんとできないこともあり得ると、業務の多角化、収益の多様化、そういうものも図って成長しなければいけないと思っておりまして、海外展開を考えた次第でございます。この方向感については間違っていないと思っております。  一つの例でございますけれども、海外の物流業界、いろいろございますけれども、一つ成功していると思われているものにドイツ・ポスト、ございます。彼ら、二〇〇〇年から十年掛けて百以上のMアンドAを二・五兆円掛けてやりました。その中にたまたま、委員おっしゃいましたDHLが入っていたこともあって、現状は少なくとも最もバランスのいい物流業界として業界ではリスペクトされてございます。  私ども、言葉で言うほど簡単だとは思っておりませんけれども、日本は日本できっちりとやってまいりますけれども、海外の成長についても取り込むチャンスをフォローしていきたい、チャレンジしていきたいと思っております。

山下芳生日本共産党

○山下芳生君 私、本業を忘れちゃ駄目だと思うんですよ。郵便のユニバーサルサービス、これを国民にあまねく提供するというのが日本郵便の一番の事業なんですね。別に国際的に物流に手を出してくれと国民は思っていないんですよ、それは。  そこで、もう時間がなくなってきたので。西室社長も買収発表当時、こういうやり取りしているんですね。記者さんから、ユニバーサルサービスを続けていくためにもこういう新しい試みで収益を出していく必要があるということですか、ええ、そう思うと。  これはちょっと先ほど長門社長がおっしゃったこととかぶるんですけれども、ユニバーサルサービスを維持していくためにも新たな試みで収益を上げる必要があるということなんですが、要するに、いろんなことをやらなければならないと、多角経営しなければならないということだと思うんですけど、しかし私、多角経営と言うんだったら、公社以前の郵便、貯金、保険、この三事業一体経営こそ最も合理的な多角経営だったのではないかと、こう思うわけですね。一円の税金の投入もなく、三事業のユニバーサルサービスを提供しておりました。職員の給与もその中から賄っておりました。黒字経営をしておりました。さらに、その上、郵政公社時代には合わせて九千億円もの国庫納付金まで納めていたわけです。  私は、ユニークですけれども世界で最も優れたビジネスモデルだと、改正郵政民営化法のときに自見当時郵政大臣に申し上げたことがありますが、その三事業一体経営をあえてばらばらにしたために日本郵便が独自に郵便のユニバーサル事業を維持しなければならなくなった、長門社長、ここに日本郵便が全く未経験の国際物流事業など新たな試みで収益を出す必要が生じた根本要因があるのではないかと思いますが、この点、いかがでしょうか。

長門正貢日本郵政株式会社取締役兼代表執行役社長

○参考人(長門正貢君) 企業、組織でございますので、ユニバーサルサービスはきちんとやらなければいけない、そういう義務があります。大事な大事な仕事でございますので、もちろんきちんとやらせていただきますけれども、あらゆる組織は、現状に安寧するのではなくて、機会があれば成長の機会をフォローしていく、チャレンジしていくというのは当然だと思います。  国内だけでとどまっていて明るいあしたが保証されるのであれば、もちろんそれはそれでいいんですけれども、それも矛盾しない範囲で海外の機会を取り込むチャンスがあるのであれば果敢に目指すべきと思っております。一般論で言っても、日本だけにいればいいんだという形には経営層の意思決定としてはならないと考えてございます。

山下芳生日本共産党

○山下芳生君 これ、郵政公社時代までは国際物流に手を出すことはできませんでした。そういうことになっておりました、できないようにですね。それが、この郵政民営化によって国際物流に手を出すことができるようになった。また、出さなければユニバーサルサービスが維持できないという要因もあったでしょう。  高市大臣に伺いますが、日本郵政、日本郵便が国際物流に乗り出す際の二〇一五年度の事業計画は、これ、総務大臣が認可しております。先ほど郵政行政部長は、事業計画認可は個々の事業を取り出して認可するものではないと。私は驚きましたよ。だったら何のための認可なんだと、認可はするけど責任は持たないのかというふうに感じたんですが、もうこれ時間ないので問いません。  私が総務大臣に聞きたいのは、三事業一体だった郵政事業をあえてばらばらにした、背景には、もう言うまでもなく、日米金融資本が三百兆円に上るゆうちょ、かんぽの国民資産を明け渡せと迫ってきたということが背景にあるわけですが、この三事業一体をばらばらにしたために日本郵便が、これはユニバーサルサービスの義務付けは新しい民営化法でも日本郵便、日本郵政に義務付けられているわけですね。しかし、ゆうちょ、かんぽは切り離された。したがって、ユニバーサルサービスを維持するための選択肢がぐっと狭められた。そこに私は、国際物流にあえて、経験もないのにリスクを冒して、しかも危ないんじゃないかという指摘もあるのに乗り出していかざるを得なかった根本原因があると、こう考えるべきだと思いますが、総務大臣、いかがですか。

高市早苗自由民主党・無所属の会総務大臣・内閣府特命担当大臣(マイナンバー制度)

○国務大臣(高市早苗君) 郵政民営化法におきましては、郵政民営化は、経営の自主性、創造性及び効率性を高めるとともに公正かつ自由な競争を促進し、多様で良質なサービスの提供を通じた国民の利便の向上を図るということを基本理念としております。ですから、こうした理念を踏まえて、今回のトール社の買収と減損損失処理の判断についても日本郵政グループが適切に経営判断されたものだと思っております。ユニバーサルサービスの提供につきましても、現時点で日本郵政及び日本郵便からユニバーサルサービスの提供に影響はないと聞いております。  私は、これ、郵政民営化が原因で例えば今回のトール社の減損処理という事態に至ったとは思っておりません。今回、長門社長の思い切った決断によりまして減損処理されたことによって、やはり当初の目的、トール社を買収するということを判断された当初の目的をしっかりと達成していただきたいと、徹底的な経営改革をして、また収益につなげていただきたいなと、こう希望いたしております。

山下芳生日本共産党

○山下芳生君 そういう認識でいいのかと率直に思いました。  長門社長、先ほど、負のレガシーを打ち切り、攻めの経営のスタートラインに立つんだと、会見でもこう述べておられますが、率直に言いまして、そんな保証どこにあるんだろうと。  西室社長が買収発表当時の会見で、私ども日本郵便というのは、配送については長年の経験からノウハウがあるが、サードパーティーロジスティクス、要するに物流や運送の業務請負ですね、この分野については日本市場においても知識も経験も少ないというのが現状です。ましていわんや、グローバル市場におけるサードパーティーロジスティクス、国際物流業務についてはほとんど経験もないんだと。だから、今回、トール社を買収してそのノウハウを学ぶんだと言って買収したんですよ。  ところが、学ぶどころか、逆にこんな、二年で巨額損失を出すようになっちゃった、尻拭いしなければならなくなっちゃったわけですよ。それを、攻めの経営に転換するんだ、これから収益上げていくんだと言ったって、国際物流のノウハウはないんですから、日本郵政には。これ、どうやって乗り出すんですか。全く保証ないじゃないですか。

長門正貢日本郵政株式会社取締役兼代表執行役社長

○参考人(長門正貢君) 何回も申し上げておりますんですが、最初の計算が大変甘かったということについては本当に深く重く受け止めてございますけれども、私ども、成長を目指すときに、例えばですけれども、車産業の車を買うとか電機産業の子会社を買うとかいうのではなくて、郵便事業、物流事業をやっておりますので、これに近いところを当然ながら目指したつもりでございます。全く関係ない産業のところに初めて行ったというような未経験なところではございません。ある自分たちのテリトリーに似たところで、たまたまぴったり自分のノウハウと一致しないからといって、経験がないからやらないと言っていたのでは新しい経営はできないと感じております。近いところで、しかもチャンスがあると思ったのであれば、是非チャレンジする可能性は経営として考えたいと思ってございます。  何回も申し上げますけれども、当初の価格の読みが非常に甘かったことについては大変重く受け止めてございます。

山下芳生日本共産党

○山下芳生君 もう時間も参りましたので締めますけれども、二万四千の郵便局のネットワークを最も生かせる多角経営は私は貯金と保険だと思いますよ、郵便局のネットワークを生かしてね。それをばらばらにして、ユニバーサルサービスに今からチャレンジするんだ、世界に乗り出すんだといったって、失敗しているわけですからね。それよりも三事業一体でしっかりユニバーサルサービスを提供できる基盤を維持する方が大事だと、そのことを改めて見直すべきだということを申し上げて、またやりましょう。  終わります。     ─────────────

横山信一公明党

○委員長(横山信一君) この際、委員の異動について御報告いたします。  本日、杉尾秀哉君が委員を辞任され、その補欠として平山佐知子君が選任されました。     ─────────────

片山虎之助日本維新の会

○片山虎之助君 それでは質問いたします。  トール社が一番の今問題になっていますから、トール社の質問からやらせていただきますけれども、今回の買収はやっぱりちょっと無理がありましたわね。それは、長門社長、どう言われても、世の中結果責任だから。結果が良くないんですよね。大体平成二十七年でしょう。上場のときに何でばたばたばたばた初めての海外案件を、しかも六千億を超えるようなものを私は買収したのかというのが分からない。ばたばたし過ぎですよ。二月に判断して、買収するようにして、五月に終えて、十一月は上場でしょう。初めての海外案件でいろんなことが分かるわけがないと思いますよ。  その結果がこれだけの穴が空いて、買収のときから、これは高値づかみだとか甘いとか、相乗効果なんかないとかと言われたんですよ。まあ日本のメディアはいろんなことを言いますからね、それは気にせにゃいかぬところと気にせぬでいいところがあるんだけれども。それで結果がこうなった。当時の判断が、長門社長、正しいと思いますか、思いませんか。

長門正貢日本郵政株式会社取締役兼代表執行役社長

○参考人(長門正貢君) 委員おっしゃるとおり、経営は結果責任でございますので、今回、四千億の減損計上、初めての赤字計上、本当に重く受け止めてございます。  いろいろマスコミ等で巷間言われておりますけれども、もちろん私どもが発した情報ではございませんので、どこまで真実があるのかは分かりませんけれども、今回の事実を重く受け止めて、決してこのようなことがもうないようにして、しかし、経営戦略にかなう方向があるのであれば一生懸命またトライしていきたいと思っております。  大変重く受け止めてございます。

片山虎之助日本維新の会

○片山虎之助君 前の西室社長と私はいろんな因縁がありましてね、年も大体似ているんですよ。だから親しくないわけじゃないんだけれども、今回の買収は西室主導でしょう。彼が決めたから誰も文句言えなかったというじゃないですか。いや、それは大体東芝が海外のものを買ってろくなことはないんですよ、いや、本当に。まあそれはちょっと今のは言い過ぎですけどね。  それは、だから、どういう意思決定をやったんですか、西室さんが社長のとき。まあ、あなたはちょっといなかったんだから、関係ないといえばないんだけれども、手続は取っていますよ、手続は取っている、ちゃんと法的な。専門家の意見を聞かれたのは何度も言われている。専門家なんか信用しちゃいけませんよ、いい専門家も悪い専門家もあるんで。どういう経緯で、どういう異論が実はあったのが、最終的には満場一致になったんですか。

長門正貢日本郵政株式会社取締役兼代表執行役社長

○参考人(長門正貢君) いろいろマスコミで説明していただけるんですけれども、事実は、もちろんMアンドA案件でございますので、対外的に漏れると大変という、秘密性がある重要経営戦略でございますので、当初推進していた人間が限られていた、枢要な幹部たちであったというのは事実でございますけれども、最終的に決断をするに際してはガバナンス体系はきちっとやらなければいけないということで、きちんと経営会議、取締役会を経て決定した内容でございます。  ボードミーティング、取締役会でもいろんな議論がございました。ございましたけれども、最終的には、よし行こうということで、全員一致の結論で方向感が決まっております。いろいろ言われているような、いろんなことがあったんだけど誰かが、例えば私の前任が強引に行っちゃったんじゃないかとか、そのようなことはございません。  それから、専門家を信じ過ぎたかもしれませんけれども、法務、会計、システム、金融等々、多額の金も払って、まあ人のせいにしちゃいけないんですけれども、アドバイザーいっぱい雇って、彼らの方からもかちっとガードを固めていただいて、アンダーライトしてもらって決断したということでございます。

片山虎之助日本維新の会

○片山虎之助君 どういうあれか知りませんが。  それから、西室さんは二月のときの記者会見で失敗するかもしれないと言っているんですよ、これは失敗する想定もあり得ると。しかし、そうなったら潔くそれなりの対応をしますと言っているんですよ。  ということは、本人もそれほど自信がなかったんですよ。あなたが言われるように、形式的には整っている、みんな最終的には賛成したかもしれぬ。しかし、やっぱりちゅうちょするものがあったからそういうことを言って、潔くそれなりの対応をすると言って、それなりの対応をしましたか。

長門正貢日本郵政株式会社取締役兼代表執行役社長

○参考人(長門正貢君) 西室さん御自身じゃないので変なそんたくしちゃいけないんですけれども、当時、経営陣はこれはやるべきと、経営の方針に迷いはなかったと思います。ただ、記者会見の際に、万一、もしも失敗したらあなたどうするんだという質問がおありになったので西室前社長はそのようにお答えになったと、これは私の推察でございます。彼は、最初からとても不安で、そういうふうになる可能性があるかもしれないとは思っていらっしゃらなかったと感じてございます。

片山虎之助日本維新の会

○片山虎之助君 まあ、これも分からないわね。  それから、子会社にしてからもう今二年でしょう、約。二年間何をやっておったんですか。今日までほっておいたんですか。今いろんな再建策をあなた方は言われているけれども、二年間、だんだん悪くなるの分かるじゃないですか、国際物流がどうなる、資源の動きがどうなる。何か手を打ったんですか。どういう対応をしたんですか。

長門正貢日本郵政株式会社取締役兼代表執行役社長

○参考人(長門正貢君) 私どもが、当初、買収時点の前提とかなり乖離が出てきたなというふうに明確に危機感を覚え出しましたのは昨年年初からでございます。買収当時、西室社長が現地の経営者に全部任せるというスタイルで経営しておりましたので、現経営陣、豪州の方の経営陣にいろいろ注文を出し出したのが去年の年初からでございます。何回かかなり深刻なやり取りをしてございます。  ところが、どうも成果が出てこないというので、これはちょっと問題だなと、問題って重大な問題なんですけれども、明確に感じ出したのが去年の夏頃からでございます。隣におります日本郵便の社長、昨年の六月末、六月二十八日でしたか、着任しておりますけれども、彼の目でももう一度見てもらって、これはかなり問題と。その頃から、現地の社長、本当に大丈夫かというので、プロのヘッドハンター会社も使って、外資系の、後任たちをひそかに探し始めたのもその頃でございます。  ずっとこの議論をしておりまして、駄目だと我々の方で決断したのが昨年末でございまして、今年の一月から新しく、会長、社長、トップの経営陣を替えました。  この間全く何もやっていなかったわけではなくて、例えば私どもの知っている車業界、鉄鋼業界、商社さん、エネルギー業界の方々を紹介してトールを使ってもらったり、売上げを増やしたり。彼らは借入金があります。彼らの信用力では非常に高いスプレッドの借入れをしていましたので、我々の信用力で銀行団全部替えて借入れのコストを減らしたりとかいろいろやっておりましたんですけれども、らちが明かないというので、一番大事なトップの経営陣を替えたというのが今年一月からでございます。  これからの対応策で申し上げましたけれども、日本郵便、日本郵政から送っている役員陣も替えまして、もちろん横山は替わったわけですけれども、もっとプロを入れようと替えたりとか、日本郵政、親会社としてもコミットメントが必要だというので日本郵政からも役員を送るとかですね。今、もちろん更に本気になっていろいろ対応しているという段階でございます。

片山虎之助日本維新の会

○片山虎之助君 結果が出ますからね、結果を出してくださいよ、何度も同じことを言うけど。  その結果は、これだけ多額の減損処理なんですよ。民営化後初めての赤字なんですよ。それは、のれん代を一遍に消したからだといって言われるんでしょうけれど、赤字は赤字なんだから。その責任をもう一度、何度も言われておりますけれど、もう一度繰り返してください。私は初めて聞く。

長門正貢日本郵政株式会社取締役兼代表執行役社長

○参考人(長門正貢君) 四千三億円の減損、その結果、正式な決算は来週の月曜日、五月十五日でございますのでまだ暫定数字でございますけれども、当初、年度の計画が、連結ベース、日本郵政グループ全体で三千二百億円の益と言っておりましたんですけれども、先般、四月二十五日に本件を発表した際には四百億円ぐらい収益が上振れるということでございましたので、その計算でまいりますとマイナス四百億円ぐらいの赤字になると。  初めての赤字でございます。大変重く受け止めてございます。この責任を果たす意味で、何回か申し上げておりますけれども、日本郵便、日本郵政の全役員、社外取締役も含めまして全役員、報酬を一部返上させていただく所存でございます。

片山虎之助日本維新の会

○片山虎之助君 株が下がってないわね、そんなに。皆さんのところの株式のあれから東日本震災の財源を出すんですよ。四兆円超あるでしょう。今、一・六兆円か。あと二・四兆円あるんで、株が下がったらそれもちゃんとやれるかという議論が確かにあったんだけどね。  妙な質問になるかもしれぬけど、株が下がらないのはどうしてですか。あなたの力かな。

長門正貢日本郵政株式会社取締役兼代表執行役社長

○参考人(長門正貢君) 株価自体は市場の投資家が決めることなので、私どもがあれこれ言えるところでは、我々のコントロールの及ばないところでございますけれども、私どもがやるべきことは、企業体としてきちんと成長戦略も見せ、パフォーマンスも結果で見せて、良い業績を見せていくと。将来については、こういう具体的な戦略を打っていって、あしたがちゃんとあるんだというのを市場、株主の方々に御納得いただくことだけが我々できることでございますので、これを昼夜たがわずやってまいりたいと思っております。  収益ベースで考えますと、連結ベースで見ますと、八割はゆうちょ銀行の収益でございます。ここについては、融資業務等々できない変則の銀行でございますので、売上げの九四%が投資収益です。ここの深掘り、かつてやったことのないオルタナティブ・インベスト等々をプロを外から雇って始め出しました。あるいは、地域金融機関さんと組んでファンドを組んでエクイティーを出すとか、ATM、二万七千台ございます、ここに関わるフィー、こういうものを上げていってゆうちょ銀行のあしたを明るくする。かんぽの方は、やはり新しい商品等々を出して保有保険の数を増やしていくと。郵便の方は、ネットワークの再編成とか新しいサービスをしていくということを見せながらマーケットの方にあしたを訴えていくということだけが我々のできることでございますので、きちんと引き続きやってまいりたいと思っています。  株価ですけれども、先生おっしゃったとおり、昨日現在、日本郵政は千四百円で売り出しまして、一円足りないんですけれども、ちょっと落ちておりましたけれども戻ってまいりました。かんぽは三百九十二円プラスと。ちょっと、ゆうちょはマイナス金利等があって全体が悪いものですからまだ三十六円足りないんですけれども、何とか方向感を戻してまいりたいと思ってございます。

片山虎之助日本維新の会

○片山虎之助君 私は、これは自分のことをあれなんですが、縁がありまして、最後の郵政大臣させていただいて、最初の総務大臣やって、三年間、一番大きいのは郵政事業だったんですよ。国営の郵政事業を公社にして、それをさらに、小泉さんですからね、民営化するというんで大騒動ですよ。衆議院で可決したものを参議院で否決するんだが、今度は衆議院を解散すると言う。選挙でしょう。そういうことの中で今の郵政になったんですよ。また揺り戻しがあったりなんか、もうここにおられる方も、柘植先生を始めみんなもう大変だったんですよ。是非、難産の子はうまく育てにゃいかぬのですよ。それは国民の最大の関心事ですよ。  そういう意味で、今回、監督官庁として総務大臣、どう思いますか、一連のトール社買収、今日に至るまでの経緯について。

高市早苗自由民主党・無所属の会総務大臣・内閣府特命担当大臣(マイナンバー制度)

○国務大臣(高市早苗君) トール社の買収に関しましては、もうこれは片山元大臣が一番御存じのことでございますけれども、会社の買収ですとか株式の取得については私には認可等の権限がございません。  当時、平成二十七年二月十七日というのは、私自身が既に総務大臣でありましたけれども、総務省に対してトール社買収についての報告を受けた日でございますが、報告を受けた日は、もう既に日本郵便の取締役会で全て意思決定がなされた後でございました。現在、長門社長の強いリーダーシップの下でかなり思い切った減損処理をされ、また、トール社も本来の目的をしっかり果たすように、もう全く無駄になってしまわないように戦略を描いておられると存じます。  四月二十五日に総務省もヒアリングを行いましたけれども、やはり今年の一月にトール社の経営陣を刷新されまして、非常に大きな規模の人員削減ですとか広範なコストの見直しですとか組織の見直しを行っていかれるということを伺っておりますので、そこには期待をさせていただきます。  事業計画については、これは認可事項でございますので、平成二十九年度の認可に際しましても、国際物流業務の状況等に留意しつつということ、そしてまた、これまでもユニバーサルサービスの安定的な提供について、昨年度もその前の年も要請をしておりますので、しっかりここは注視をさせていただきます。  かなり思い切った決断をされ、経営陣としての責任の取り方も非常に早く決断をされたと、そう感じております。

片山虎之助日本維新の会

○片山虎之助君 郵便の社長にも来ていただいたんですが、六月から十円上げるんでしょう、通常はがきを。全体に、しかし、先ほどの質問にお答えもあったんだけど、長門さんからのお答えなんですけど、全体縮小していますよね、郵便事業は、二パーか、まあ余り数字が大きいわけじゃないけれども。どうやって郵便事業の立て直しを図りますか。  それから、物流事業というのは、これはクロネコヤマトの問題もあるけど、どうなるのか。それから、国際物流というのとうまくやれるんですか、まあそういうことを言っちゃいかぬけれども。いかがですか。

横山邦男日本郵政株式会社取締役

○参考人(横山邦男君) 郵便事業につきましては、確かに、ピーク、二〇〇一年度二百六十億通から直近百八十億通まで減っております。ITの進展等々により減っておるわけでございますけれども、私ども、全国の郵便局におきまして、小学校、中学校で手紙、はがきをどうやって書くかというような教室も郵便局員が出向いてまいりまして行っているところでございまして、裾野の拡大というところからもう一度いろんなことを絡めて郵便事業の伸展というものを図っていきたいというふうに思っております。  それから、二点目の物流事業につきましては、昨今の宅配事業の状況、全く同じでございまして、そして人手不足というものも、特にお中元、お歳暮の時期がありますから、そこをうまくどうするかということ。それから、業界でも問題になっております再配達ですね、不在の再配達。これは全体の二割ぐらいになっておりますので、私どもも、大口の事業者様といろんな実験をしながら、持ち帰らずに御指定の場所に置いて帰るような仕組みというものをどんどんつくっていきたいというふうに考えております。  それから、国際物流につきましては、当初、このトール社を買収して国際物流のプラットフォーム事業ということで位置付けたわけでございますけれども、今回会計上の処理を行って日本郵便の負担は軽くなったわけでございますけれども、まだまだ企業物流を強化する上で、トールとの、アジアの物流強化というのは図っていけるというふうに思いますので、国内の事業のための海外物流強化というものをこれから模索してまいります。  以上でございます。

片山虎之助日本維新の会

○片山虎之助君 時間がなくなりましたので質問を合わせますけれども、長門社長、成長戦略として日本郵政グループのMアンドAを今後もやるつもりですか。それが一つと、もう一つは、これも何度も質問ありましたが、ユニバーサルサービスを守るというのは皆さんに与えられた大きい課題ですよね、これはゆるがせにできない。これとの関係ですよ、今後。経営の関係ありますよ。併せてお答えください。

長門正貢日本郵政株式会社取締役兼代表執行役社長

○参考人(長門正貢君) お答え申し上げます。二問いただきました。  MアンドAを目的として続けるということはございません。相手あってのことでございますので、私どもの戦略と合ってプラスになる、向こうの方も納得するということであれば、MアンドAを私どもの成長戦略の一つとして除外するものではございません。ただ、これが自己目的化しちゃって、やらなきゃならないから何か探そうと、これはございません。  それから、ユニバーサルサービス、これはもうもちろんでございまして、これをやらなければ一体日本郵便、日本郵政は何なのかと、これができないでは本当に万死に値すると思っておりますので、これはきっちりとやると。ただ、きっちりとやりながらも、成長戦略でいろんなことをまた同時にやるチャンスはあるなと思っておりまして、MアンドAもそのうちの一つと考えてございます。

片山虎之助日本維新の会

○片山虎之助君 今、我々は超党派でコミュニティ議連というのをつくりまして、郵便局を一つ核にして、行政とそれから業界ですよね、輸送業界やコンビニ業界みたいな、そういうものとネットワークを組んで、買物の代行だとか見回りだとか、そういう地域振興というのかな、それが、人口増えるところも人口が減るところもやっているんですよね。  これは、是非郵便局頑張ってください。私、郵便局の大きい使命の一つだと思いますんで、御意見があったら簡単に言ってください。

長門正貢日本郵政株式会社取締役兼代表執行役社長

○参考人(長門正貢君) まだちょっと発表前なんでございますけれども、いわゆる見守りサービスとか健康増進サービスとか、二万四千局、全国津々浦々郵便局があって、そこに人々がいらっしゃって、お客様がいて、ニーズははっきりあるんですね。もちろんビジネスになりますので、できること、できないことございますけれども、是非貢献したいと、これが郵便局の力でもあると思っています。  もう一つ、ゆうちょ銀行の方も、地方創生というのは時代のテーマでございますので、今までできなかったんですけれども、地銀さん、信金さんと組んでファンドをつくってエクイティーを出す、資本を出すというのも始め出しました。そういうことを通じて地方創生に貢献してまいりたいと思ってございます。

片山虎之助日本維新の会

○片山虎之助君 消防庁長官、済みません、ちょっと時間がだんだんなくなってきた。続をやりますから、今日は触りだけ言ってもらいますけど。  消防団、よく頑張っているし、今年は火事が多いね。火事以外も、大きい自然災害も。そこで、消防団はどんどん減っていますよ。昔は二百二十万人おったんです。今は八十五万でしょう。この消防団員の動向とその対策。  それから、女性消防団員を私は増やさにゃいかぬと。だって、家におるのは女性なんですし、地域に残るのは女性なんでね。女性もしかし今男性と変わりませんわね。男性よりもっとたくましいところ大勢おるわね。だから、そういう女性消防団員を増やせということで増えてきたんだけれども、増えがそんなに物すごいことはないですね。その動向と対策と、女性消防団員にはどういうことをやらせたらいいかということについて、時間がないからまとめて答えてください。

青木信之消防庁長官

○政府参考人(青木信之君) お答え申し上げます。  消防団員の数でございますけれども、減少幅は小さくなりつつも減少を続けているというのが確かに実態でございまして、平成二十八年四月一日時点では、前年度と比べて三千七百人減の八十五万六千人程度となっています。ただ、減少幅は少しずつ小さくなっています。  一昨年、高市大臣から、地方団体のみならず、消防団員の七割が被用者であるサラリーマンであるということもありまして、経済界にも協力をお願いする書簡を出していただき、私どもそれを携えていろんな関係方面を当たりました。消防団の活動に是非協力してあげようという企業もだんだん出てきています。職員には消防団員になってもらっていいんだ、どんどんなってもらおうじゃないかというような会社も増えてまいりました。  お話しの女性消防団員は毎年毎年千人以上増えてきておりまして、特にこの女性の消防団員は、応急手当ての普及とか、それから子供たちの防災教育をしていただくとか、そうした活動をかなりしていただいておりますし、女性消防団の、何というか、責任範囲も少し広げるように、例えば富山県高岡市では女性消防団員用に副団長のポストまでつくって、その副団長の会議もつくっていろいろ議論していこうと、そんな雰囲気になってきております。これからもやっぱり女性消防団員は必ず増えていくと思います。  あと、学生の消防団員ですが、これも毎年毎年二百人から三百人増えておるんですけれども、学生時代に消防団活動をしたら市町村長がそれを証明書を出してあげようと、それを就職活動に使ってもらおうという、そういう仕組みを導入する市町村が、去年は六十九でした。二十九年度になりましたら百くらい増えておりまして、そういう意味で、いろいろな方々に消防団に入ってもらおうと、そういう動きが少しずつ出てきていると思います。  今後とも、あらゆる手段を講じて消防団員確保のために取り組んでまいりたいと思っております。

片山虎之助日本維新の会

○片山虎之助君 時間ですので、終わります。

又市征治希望の会(自由・社民)

○又市征治君 希望の会、社民党の又市です。  今日は、日本郵政とNHKについてお尋ねをしたいと思っております。  長門社長は、今回国会初めてですかね。私どもは、郵政三グループの健全な発展と、そしてまたユニバーサルサービスの維持向上、これをまず、この委員会全体がそういうことを求めるというか、これまでの歴史的経過からですね、そういう立場でありますから、その立場で一面厳しいことも申し上げたいと思いますが、是非しっかりとお答えいただきたいと思います。  ずっと初めから日本郵政のトール社買収問題で、連結決算で最終的には四百億円ぐらいの赤字になる、二〇〇七年の民営化以降初めて赤字になるということが騒がれていますが、これ初めてじゃないんですよね。少なくとも、経営判断のミスから財務状況を悪化させたというのは、二〇〇七年に日本郵便のゆうパック事業と日通のペリカン事業の統合を目指してJPEXという子会社を設立をして、その際も日本郵便は大きな損害を出したという状況があるわけです。  そのときに、日本郵政ガバナンス問題調査専門委員会の報告書によりますと、JPEXの設立に当たっては、所要の検討が行われることなく、そして郵便事業会社首脳陣がらち外に置かれたまま基本合意文書が二〇〇七年に締結され、翌年JPEXが設立された。しかし、元々赤字部門であった両事業が統合することには無理があったというふうにしています、この報告書は。  そこで、まず総務省に伺いますけれども、このJPEXをめぐる一連の問題について、専門委員会報告書はガバナンスの観点からどのように総括をし、そして総務省は日本郵政、日本郵便に対してこの件に関してどのような指導を行ったのか、お伺いをします。

安藤英作総務省情報流通行政局郵政行政部長

○政府参考人(安藤英作君) お答え申し上げます。  御指摘のございましたJPEXの事案でございますが、お話がございましたとおり、当時の郵便事業会社と日本通運株式会社の共同出資によりまして、それぞれのゆうパック事業それからペリカン便事業をJPエクスプレス株式会社を設立して統合していくという話でございました。最終的には事業統合を断念をし、同社は清算することになりまして、そのとき、ゆうパックの誤配事故でありましたり、あるいは多額の損失が発生したというものでございます。  総務省では、このJPEX事案を含めまして過去に問題になりました事案を検証することによりまして、日本郵政グループ全体の企業ガバナンス及びコンプライアンス体制の在り方について検討を行うということを目的にいたしまして、平成二十二年一月に日本郵政ガバナンス検証委員会を開催するとともに、この下に日本郵政ガバナンス問題調査専門委員会を発足させまして、第三者の立場から分析、検討を行い、同年の五月に報告書を取りまとめて公表させていただいているというものでございます。  この報告書によりますと、JPEX事案に関する経緯と検証結果につきましては、その過程におきまして、郵便事業会社の慎重論にもかかわらず、事業計画がないまま当時の日本郵政社長におきまして統合基本計画が締結されるなど、経営判断として合理性を大きく逸脱していると認められるというふうにされてございます。  その後、平成二十二年七月一日、JPエクスプレス株式会社の郵便事業会社への事業承継に当たりまして遅配事故が発生し、これに伴う業務運行費用の増加等から郵便事業会社は平成二十二年度中間決算におきまして九百二十八億円の営業赤字を計上したということでございます。  これを受けまして、総務省といたしましては、報告徴求を行いましたり、あるいは事業計画の認可等を通じまして同社の経営改善について指導監督をしたということでございます。

又市征治希望の会(自由・社民)

○又市征治君 ケースが違うと言いながらこの十年間に同じような事象が起きたということですから、これはやっぱり重く受け止めるべきだと思うんですね。  今回の日本郵政の海外事業展開の結末についていろいろと言われていまして、先ほど来からも出ていますけれども、「成長シナリオ誤算」であるとか「郵政 買収戦略に甘さ」といった見出しが新聞紙面を飾っています。これらの評価は結果論であって、リスクのない経営判断はあり得ないわけですけれども、損失をもたらす可能性があるならば、ユニバーサルサービスへの影響も考慮して、日本郵政の経営陣そして総務省にも慎重さが私は求められると思うんですね。  日本郵便がトール社の買収を発表した当時、海外物流への本格進出というのは日本郵政グループの成長戦略に欠かせないという見方が一般的にあったことは事実ですけれども、高値づかみだとか、あるいは海外の有力企業をきちんと管理できるのかといった課題も同時に指摘をされておったという状況、ですから慎重な検討が求められたというのが実態だろうと思うんです。だから、大臣もその当時、トール社買収が発表されたけれども、うまくいかなかったらこれは大変なことでございますというふうにおっしゃっているわけですね。  そして、今回、トール社の業務不振に伴って巨額ののれん代を一括減損処理をすることになって、買収当時の日本郵政グループ内での検討状況がぽろぽろとマスコミに報じられている。例えば、報道によると、今回この問題で記者会見した長門社長は、先ほどからおっしゃっているわけだけれども、減損と赤字を重く受け止めるとした上で、買収価格がちょっと高過ぎた、見通しが甘かった、こう述べられていることも載っていますが、そして、トール社の売上げの伸びを高く見込んだ当時の経営陣の姿勢をのうてんきだったと言っているというふうに伝えられています。のうてんきとおっしゃったかどうか知りませんけど、そういうふうに新聞は伝えています。  さらに、日本郵政グループの幹部によると、西室前社長は、さっき片山さんもおっしゃったが、一五年春の取締役会で初めてトール社買収を説明し、もう決めたと語った、取締役から批判が上がったものの西室氏の意思は変わらなかった、巨額買収を心配する声は当初からあった、別のグループ幹部は、買収について内部の検討はほとんどなかった、上から降ってきた話だと明かしたという報道まであるわけですね。まあどこまで真意かというのは、先ほど長門社長いろいろと説明はありましたけど、それはむしろ西室さんの立場をそんたくされておっしゃったということだと思うんだが。  そこで伺いますけれども、トール社買収に際して、このJPEXの失敗、ガバナンスの欠如という教訓というのは日本郵政内部で生かされておったのかどうか、改めてこの点はお聞きをしたい。  また、そうした、先ほど総務省も、JPEXのときに一定の指導をしたわけだけれども、今回は法令適合性を問うて、事業計画そのものは、民間なんだからそれはそれで承認をしたんだ、こういうふうにおっしゃっているわけだけれども、総務省はそういう状況というものを、さっき長門さんがずっと二年来の話がありました、これは把握していたのかどうか、その点だけは明確にお聞きしておきたいと思うんです。

長門正貢日本郵政株式会社取締役兼代表執行役社長

○参考人(長門正貢君) 経営は結果責任でございますので、当初の戦略について方向感は正しかったと思ってございますが、算数が合わなかったと。高いがゆえに、四千億の減損が出ました。連結ベース初めての赤字でございます。本当に重く受け止めてございます。  プロセスでございますけれども、会計、税務、法務、金融、IT、各分野でアドバイザー、専門家を雇いましてきっちり助言もいただいて、デューデリジェンスも、二月十七日、十八日、決定した後、一か月半掛けて現場に関係者、従業員も行ってやった上での検討で、日本郵便、日本郵政の両社におきまして取締役会の決議を経た上で買収契約を締結いたしました。意思決定のプロセスについては問題なかったと考えてございます。  いろいろ報道があって面白おかしく言われておりますんですけれども、そのときの議論ももちろんございました。経営会議、取締役会で議論もございましたけれども、最終的には全取締役で行こうという決断をしたものでございまして、プロセスについてガバナンスの問題はなかったと考えてございます。  ただ、もう何回も申し上げますけれども、残念ながら、想定外の状況になって非常に大きな減損計上をすることになりました。本当に重く受け止めてございます。

高市早苗自由民主党・無所属の会総務大臣・内閣府特命担当大臣(マイナンバー制度)

○国務大臣(高市早苗君) 当時の状況でございますが、日本郵便によるトール社買収に関して、日本郵便から事前に総務省に対する相談はございませんでした。日本郵便の取締役会で意思決定をされた後の報告でございました。

又市征治希望の会(自由・社民)

○又市征治君 経営判断が適切であったかどうかという問題もありますけれども、社内で本当に闊達な議論が十分に行われたのかどうかというのは、ちょっと私はやっぱり懸念をしますよ。社内の雰囲気が本当に風通しの良いものだったかどうか、やっぱりお考えになってみる必要があるんじゃないでしょうか。  そしてまた、総務省もそうですけれども、手取り足取り指導するという立場にないというのはそれは分かりますけれども、日本郵政の判断がユニバーサルサービスを揺るがす事態を招かないかどうか、これはやっぱり総務省、大変大事な観点なわけで、いろんなルートを通してチェックすることもできるわけだし、そういう意味で、先ほど長門社長が去年来のずっといろんな状況というものの説明があったけれども、そういうものは場合によればやっぱり状況を聴取される、そしてまた把握される、いろんなルートを通じて把握されているということは総務省としては当然必要なことではないのかと。そのための担当がいるわけですから、是非そういうふうにしてほしい。他人事のようなお話にならぬように、これは総務省の役割をしっかり果たしていただきたいということだけは申し上げておきたいと思う。  そこで、JPEXの設立とその清算、そして今回はこのトール社の買収に絡む減損処理といった日本郵政の新たな経営方針の打ち出しと失敗という、こういう状況があるんですが、この失敗というのは日本郵政の経営環境の変化と一体になって生じているわけですね。  JPEXの当時の設立というのは民営化直前にやった、そしてトール社の買収は株式上場の前夜、こういう格好にある。日本郵政ガバナンス検証委員会は、その総括報告書において、JPEX事業の成功が困難であり、この所要の検討も行われることなく持ち株会社の独断において進められたことは経営判断としての合理性を欠くものであったが、その拙速さは、郵政民営化の成果を早期に示し、その評価を高めたいとの思惑があったのではないか、こんなふうに指摘していますね。また、トール社の買収については、上場前に郵便事業の成長戦略を描く必要があった、国際物流で成長するというメッセージだったという当時の幹部の発言が報道されている。  このような評価、見方についてどのように一体全体お考えなのか、民営化や株式上場を目前に功を焦った、そういう側面はなかったのかどうか、この点については日本郵政としてどうお考えなのか、また総務省、総務大臣としてはどのように見ておいでになるのか、お答えをいただきたいと思います。

長門正貢日本郵政株式会社取締役兼代表執行役社長

○参考人(長門正貢君) お答え申し上げます。  たまたま買収したタイミングが上場の直前でございましたので関連付けて解釈する方々もマスコミ等々でもおありかと思いますけれども、私どもは単に、これからの日本郵便、日本郵政グループの今後の成長を考えたときにこれが必要な措置であると。海外に出る、一石打つ、一番伸びるところはアジア、オセアニア、環太平洋圏だと、そこに打って出るんだという経営戦略で決断したものでございまして、上場前だから少し成長戦略を見せてマーケット受けを良くしたいということを狙って決断したものではございません。  ガバナンス、JPEXのお話ございますけれども、どんな前例があろうとなかろうと、ガバナンスをきっちりやるというのは上場した企業体として当たり前のことと思っておりますので、今後も、ガバナンス体系、コンプライアンス、きっちり対応して意思決定に臨んでいきたいと思ってございます。

高市早苗自由民主党・無所属の会総務大臣・内閣府特命担当大臣(マイナンバー制度)

○国務大臣(高市早苗君) 郵政民営化及び株式の上場は郵政民営化法などの法律に基づいて行われています。郵政民営化法におきましては、郵政民営化は、経営の自主性、創造性及び効率性を高めるとともに公正かつ自由な競争を促進し、多様で良質なサービスの提供を通じた国民の利便の向上を図ることを基本理念としております。総務省としては、こうした理念を踏まえまして、今回のトール社の買収と減損処理の判断についても日本郵政グループが経営判断をされたものと考えております。  また、総務大臣に私自身が就任しましてからですが、平成二十七年度以降、日本郵政及び日本郵便に対して事業計画の認可の際にガバナンスの強化を毎年度要請しております。さらに、日本郵便の平成二十九年度認可の際には、国際物流業務の状況等に留意しつつ、引き続き収益力の多角化、強化、経営の効率化の更なる推進、ガバナンスの強化などを着実に進めることを要請しております。  しっかり今後とも日本郵政及び日本郵便が担っておられる郵政三事業のユニバーサルサービスの安定的な提供を行うということとともに、やはり企業価値を更に向上させていただくこと、国民の皆様に民営化の成果を実感していただける取組をしていただくということを期待申し上げております。

又市征治希望の会(自由・社民)

○又市征治君 民営化、株式上場を機会に日本郵政、郵便を発展させていきたいという気持ち、願望というのは理解できるんですが、現実にはそうならなかった。時期、タイミングがたまたま合っているからそういうふうに見られると社長おっしゃったけれども、やっぱり拙速に結果を求めているのではないかという世間の見方、これはこれでしっかりと受け止めていただく必要があるんだろうと思います。  その上で、先ほど来からもお話がありますが、今回のことを契機に、日本郵便の事業の海外展開の立て直しは不可欠だけれども、海外展開それ自体はやめるわけじゃないということをおっしゃっているわけですよね。  日本郵政の純資産は単体で八兆円、グループ全体で十五兆円に上って、株式等で多額の含み益を抱えているので四千億円規模の減損処理は一括で行っても屋台骨が揺らぐということはない、こういう評価が一般的なわけですけれども、あるいは株価もそういう格好で大幅に下がるとかということになっていないということもあるわけですが、トール社の減損処理として四千億円を特別損失として計上して、トール社では千七百人程度の人員削減、日本郵便の経営陣の責任を明らかにするために役員報酬の一部の返上を行うということはおっしゃった。  ただ、この問題で、先ほども出ましたが、郵政に働く労働者の労働条件の悪化であるとかユニバーサルサービスが一部後退をするとかということはこれは絶対許される話じゃないということについて、改めて確認を求めます。

長門正貢日本郵政株式会社取締役兼代表執行役社長

○参考人(長門正貢君) 今回の減損損失の計上でございますけれども、日本郵政グループのキャッシュフローには全く影響ございません。四千億減損会計しておきながら余り大きな顔で申し上げられませんけれども、昨年末、利益剰余金三・六兆円、グループございます。純資産十五・四兆円ございますので、日本郵政グループの財務体質は全く揺らいでおりません。  そういうことで、株主様に配当も予定どおり一株当たり二十五円払う予定でございまして、ユニバーサルサービスの提供、もちろんでございます。日本郵便のサービス提供には全く支障ないと、今後そういうふうに対応してまいります。日本郵政グループの社員、雇用、処遇には全く影響が及ばないということで対応してまいります。

又市征治希望の会(自由・社民)

○又市征治君 それでは、日本郵政に対する質疑は終わりたいと思います。もしよかったら御退席いただいても結構です。

横山信一公明党

○委員長(横山信一君) 日本郵政株式会社のお二人は退室されて結構です。

又市征治希望の会(自由・社民)

○又市征治君 次に、NHKに伺いたいと思います。  先般、この場でNHK予算が三年ぶりに全会一致で承認をされました。しかし、それはNHKの現状を全面的に了解をしたということじゃないということは、当然、社長、御理解をされているんだろうと思います。幾つか問題がある、それは当然自律的に改善をされていくということが前提の承認ということだということです。  そこで、今日伺うのは、NHK本体と関連団体との関係についてでありますが、私は昨年、決算委員会でこの問題について会計検査院に検査を要請をする提案をいたして、その検査報告が三月に出されてまいりました。これは、何かどこかで徹底的に追及すればいいという立場じゃなくて、NHK自体が自律的にやっぱり問題を解決していただくということが大事だという立場からそういう措置をとらせていただいたということであります。  実はNHKに対する会計検査院の検査というのは今回が初めてじゃなくて、ほぼ十年前、二〇〇六年にも検査要請を行って、二〇〇七年に報告が発表されているわけですね。  そこで、会計検査院も今日見えていますね。会計検査院にまず伺いますが、二〇〇七年報告と今回の報告を比較して、関連団体との関係について改善された点、後退した点、かいつまんで評価をお願いしたいと思います。

寺沢剛会計検査院事務総局第五局長

○説明員(寺沢剛君) お答えいたします。  今回の報告の内容でございますが、関連団体との取引につきましては、前回の報告を受けて契約の競争性を高めるための各種要領が制定されるなど、一定の対策が講じられておりました。  一方、業務委託契約において経費節減に結び付いていないと思料されるものが見受けられましたことから、業務委託する必要性を適切に検討するよう所見として記述したところでございます。  また、子会社における利益剰余金につきましては、平成十八年度末に計七百六十一億余円だったものが二十七年度末には計九百四十八億余円に増加しておりましたことから、利益剰余金の適切な規模について検証し、特例配当を要請するなど、指導監督を適切に実施していくよう所見として記述したところでございます。

又市征治希望の会(自由・社民)

○又市征治君 この会計検査報告を受けてNHKとしてはどのような改善策を考えているのかということをこれからお尋ねしようと。ちょっと私も時間がなくなってきたから、みんなまとめて質問してしまいますけれども。  この子会社を設立する目的は一体何か。当然それは経費節減というものも一つの理由だと思いますが、かといって安ければ安いほどいいというものでも、これはNHKなどの事業でとっていえば、そんなことは言えないわけですね。独立化することによって仕事の質を確保、向上させることができる場合もあると思います。その点、子会社を設立していることはどういう意味があるのかということをどのように受け止めているのか。  また、関連会社の多くの役職員はNHK出身者ですよね。それがいい悪いというふうに言う気はありませんけれども、そういう関係にあるならなおさら、NHKは関連会社との関係の透明化を図って、そして関連会社の活動がNHKの事業について質的にも経費的にも貢献していることが誰の目にも明らかになるようにされるべきではないかと、このように思うんですね。何かNHK本体の役職員の天下り先であるような印象を与えるのは決して良くない、このことは言えると思いますが、この点どうお考えになっているのか。  以上の点についてお伺いをします。

上田良一日本放送協会会長

○参考人(上田良一君) お答えいたします。  NHKの関連団体の役割は、NHKの業務の補完、支援をすることが基本であります。その際、NHKの業務を効率的に推進すること、それからNHKのソフト資産やノウハウを社会に還元すること、それからさらには、これを通じた経費節減や副次収入によって視聴者の負担を抑制することを目的といたしております。NHKの関連団体は、この事業目的にのっとり業務を運営していくことが大前提となっております。  NHKの関連団体の売上げの多くは、NHKからの委託業務やNHKのソフト資産やノウハウを社会に還元し、親しみを持ってもらったり、ブランド力を高めるための展開業務などであります。NHK退職者の培った知識、経験、人脈を生かして高品質かつ効率的に業務を担ってもらうことは経済的に合理的であると考えております。  ただ、その際には、NHKと関連団体の取引について透明性、説明性を高める必要があると考えておりまして、昨年度から関連団体の全取引を分析する取組を進めてまいっております。今後も更なる適正化を進めてまいりたいと考えております。  NHKと関連団体の関係について目指すところは、時代の変化に対応し、通信と放送の融合の時代の新たな放送サービスを実現するために、NHKグループ全体で効率的で効果的な業務遂行体制を構築していくことと考えております。また、今年度は次期経営計画の策定を進めておりますので、関連団体の在り方についても更に検討を深めてまいりたいと考えております。

又市征治希望の会(自由・社民)

○又市征治君 時間が参りましたが、通信と放送の融合であるとか受信料問題などなど、NHKが検討すべき課題は山積みしているわけですよね。関連団体問題でも多額のやはり内部留保が関連団体にたまっているということの御指摘があるわけで、そのこともどうするのか、国民にやっぱりはっきり説明がされるようにする必要があるだろうと思う。  公共放送としての立ち位置をしっかり踏まえられて、関連会社との関係も国民に理解が得られるように更に改善をされるように心から求めて、終わりたいと思います。  ありがとうございました。

横山信一公明党

○委員長(横山信一君) 本日の調査はこの程度にとどめます。     ─────────────

横山信一公明党

○委員長(横山信一君) 次に、地方公共団体情報システム機構法等の一部を改正する法律案を議題といたします。  政府から趣旨説明を聴取いたします。高市総務大臣。

高市早苗自由民主党・無所属の会総務大臣・内閣府特命担当大臣(マイナンバー制度)

○国務大臣(高市早苗君) 地方公共団体情報システム機構法等の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。  この法律案は、個人番号制度の一層の円滑な運用を図るとともに、行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律の規定により地方公共団体情報システム機構が処理する事務の適正な実施を確保するため、機構について、役員の解任、業務方法書、機構処理事務特定個人情報等保護委員会の設置等に係る規定の整備を行うとともに、当該事務について、機構処理事務管理規程、機構処理事務特定個人情報等の安全確保、総務大臣による監督命令、機構保存本人確認情報の利用等に係る規定の整備を行うものであります。  次に、法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。  第一は、地方公共団体情報システム機構法の一部改正に関する事項であります。  まず、機構の代表者会議による理事長に対する是正措置命令について、法令、定款に違反し、又は違反するおそれがあると認めるときに行うことができることとしております。  また、機構の役員の解任事由について、職務に係る義務の違反等も含ませるため、組織法たる同法等違反、定款違反としているものを、職務上の義務違反に改めることとしております。  さらに、機構の業務における適正を確保するため、必要な体制の整備に関する事項を業務方法書に記載しなければならないものとすること、そして機構に、機構処理事務特定個人情報等の保護に関する事項の調査審議等を行う機構処理事務特定個人情報等保護委員会を設置すること等の見直しを行うこととしております。  第二は、行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律の一部改正に関する事項であります。  まず、機構処理事務の適正な実施を確保するため、機構に対し、同法の規定により機構が処理する機構処理事務の実施の準則となる機構処理事務管理規程の制定を義務付けることとし、そして、機構処理事務管理規程の制定、変更については、総務大臣の認可を要するものとし、総務大臣による変更命令の規定を設けることとしております。  また、機構処理事務において取り扱う情報の適切な管理のため、機構に対し、機構処理事務特定個人情報等の安全を確保する措置の義務付けを行っております。  さらに、機構処理事務の適正な実施を確保するため、機構に対し、機構処理事務に関する帳簿の備付け等及び報告書の作成、公表を義務付けるとともに、機構処理事務の実施に関し、総務大臣の機構に対する監督命令並びに報告要求及び立入検査を可能としております。そして、帳簿の備付け等並びに報告要求及び立入検査に関し、不履行等があった場合における罰則を設けております。  第三は、住民基本台帳法の一部改正に関する事項でありますが、機構が保存する本人確認情報を利用することができる機構処理事務の範囲を拡大することとしております。  以上が、この法律案の提案理由及び内容の概要であります。  何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願いいたします。

横山信一公明党

○委員長(横山信一君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。  本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。    午後四時三十分散会

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