政府開発援助等に関する特別委員会 第2号
- 発言数
- 106 件
- 登壇者
- 18 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 2017/03/21
会議録
○委員長(野村哲郎君) ただいまから政府開発援助等に関する特別委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 去る十七日、杉久武君、大家敏志君及び大沼みずほ君が委員を辞任され、その補欠として宮崎勝君、青山繁晴君及び佐藤啓君が選任されました。 ─────────────
○委員長(野村哲郎君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 委嘱審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として外務大臣官房地球規模課題審議官相星孝一君外五名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(野村哲郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(野村哲郎君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 委嘱審査のため、本日の委員会に参考人として独立行政法人国際協力機構理事長北岡伸一君及び同理事加藤宏君の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(野村哲郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(野村哲郎君) 去る十五日、予算委員会から、本日一日間、平成二十九年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、政府開発援助関係経費について審査の委嘱がありました。 この際、本件を議題といたします。 政府から説明を聴取いたします。岸田外務大臣。
○国務大臣(岸田文雄君) 平成二十九年度政府開発援助に係る予算案について概要を説明いたします。 平成二十九年度一般会計予算案のうち政府開発援助(ODA)に係る予算は、政府全体で対前年度比〇・一%増の約五千五百二十七億三千四百万円となっており、二年連続の増額となる予算を計上しております。 このうち、外務省所管分については、対前年度比〇・〇三%増の約四千三百四十三億二千九百万円となっております。開発協力は我が国外交の最も重要な手段の一つであり、一般会計予算案における外務省所管のODA予算は、七年連続の増額となる予算を計上しております。 今回の予算案計上に当たっては、一、テロその他の脅威から在外邦人や国内を守る安全対策、二、不透明性を増す国際情勢への対応、三、地方を含む日本経済を後押しするための外交努力、四、戦略的対外発信を外務省予算全体の柱とし、国益に資するODAの更なる拡充をこれらの諸課題を実現するための重要な手段と位置付けております。特に、我が国が開発途上国を支援し続けていくためには、現地で国際協力に携わる日本人の安全を確保すべく、改めて万全の体制を構築することが不可欠であります。 次に、協力の形態ごとに概略を御説明申し上げます。 まず、無償資金協力については、さきに述べた柱に沿って、対前年度比〇・一%増の千六百三十億六千四百万円を計上しております。 技術協力については、政府全体で対前年度比〇・〇三%増の約二千五百八億三千九百万円となっております。このうち、独立行政法人国際協力機構の運営費交付金は、対前年度比〇・八%増の約千五百二億九千六百万円を計上しております。 国際機関への分担金、拠出金については、政府全体で対前年度比〇・三%減の約九百二十億五千百万円となっております。このうち、外務省所管分については、対前年度比二・五%増の約五百十七億九百万円を計上しております。 最後に、有償資金協力については、インフラ・システム輸出などに円借款等を積極的に活用していくべく、出融資の計画額は対前年度比二〇・九%増の一兆二千七百二十億円となっております。 以上が平成二十九年度ODAに係る予算案の概要であります。 なお、平成二十八年度補正予算(第2号)については、ODA予算は、政府全体で約千五十七億百万円となっております。このうち、外務省所管分については、約百六十七億四千万円となっております。未来への投資を実現する経済対策に基づき、ODAを活用したインフラ輸出、中小企業等の海外展開支援につながる即効性の高い事業や援助関係者等の安全対策強化及び途上国の治安対策能力強化の支援といった安全、安心の確保につながる事業のための予算を計上しております。 また、平成二十八年度補正予算(第3号)については、ODA予算は、政府全体で外務省所管分のみとなっており、約千二百七十二億四千七百万円となっております。平成二十八年度当初予算編成時に想定されなかった緊急性のある追加的経費に限定した予算を計上しております。 外務省としては、開発協力大綱の下、国際協調主義に基づく積極的平和主義の観点から、国際社会の平和と安定及び繁栄により一層積極的に貢献していきます。その際、有償資金協力の枠組み等、多様なツールを活用するとともに、中小企業を含む民間企業、地方自治体、NGOなどと連携しつつ、開発協力に対する幅広い理解と支持を得ながら、戦略的、積極的な開発協力を実施していく考えです。引き続き、野村委員長を始め、理事、委員各位の御指導と御鞭撻を心からお願い申し上げます。
○委員長(野村哲郎君) 以上で説明の聴取は終わりました。 これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○堀井巌君 おはようございます。自由民主党の堀井巌でございます。 私は、去る一月に本ODAの特別委員会の調査として、ここにもおられますが佐藤正久委員を団長に、民進党、杉尾秀哉議員とともに三名でアンゴラ、南アフリカ、マラウイ、モーリシャスの四か国を訪問いたしました。野村委員長を始め委員各位の御理解に心より感謝を申し上げます。また、調査実施に当たりましては、現地のJICAの皆さん、それから在外公館の方々、多くの民間企業の方々、そして参議院の事務局の皆さんに多大なる御助力をいただきました。ここに厚く感謝を申し上げます。 私は、今回、ODAの現場をアフリカ諸国で見て強く思ったことが二点ございます。一点目は、何よりも、このODAというのがいかに我が国にとって重要なものであるかということであります。これは本当に外交上の極めて重要な大きなツールである、手段である、このことを感じたわけであります。もう一点は、我が国のODAというのは、これまでの関係者の方々の、多くの関係者のたゆまぬ努力によって、その内容とか手法、供与のやり方、非常に高く相手国から評価をされている、そのことが諸外国においてこの日本という国に対する信頼だとか良きイメージにつながっているというふうに実感をしたところでございます。 さて、早速質問にそのことを踏まえて入らせていただきます。 今外務大臣からの御説明にもございました七年連続増額を目指しているということで、このODA予算、大切な予算をしっかりと確保するために外務大臣自ら尽力されていることに敬意を表します。他方で、これまでの推移を見ていますと、このODA予算、日本が世界第一のODA供与国だと言われた時代から比べると相当実は減少しているのではないかというふうに思うわけですが、まず、ODA予算の推移についてお聞かせいただきたいと存じます。
○政府参考人(山田滝雄君) お答え申し上げます。 現在国会で御審議いただいております来年度予算において、政府全体の一般会計ODA予算は二年連続で増額となる五千五百二十七億円を計上しておりますが、これはピークの平成九年度の約一兆一千六百八十七億円に比べますと約五三%減となっております。また、ODA実績の国際比較におきましても、委員御指摘のとおり、我が国は二〇〇〇年頃までは量の面で世界一位でございました。しかし、近年、主要国がODAの量を増やしており、最新の二〇一五年の統計では世界第四位となっております。また、国連で決定されましたODAの対国民総所得、GNI比〇・七%目標との比較におきましても、我が国は〇・二一%でございまして、第十九位にとどまっておるのが現状でございます。
○堀井巌君 ありがとうございます。 五三%減ということで、実は我が国のこのODA予算というのはピーク時に比べると半分以下になっていると、これがまず私は今現実なんだろうと思います。我々は、その質の向上だとか官民連携、それぞれ非常に大切なことであります。しかしながら、この量的拡充についてどのように本気で、しっかりと正面から見据えて今議論をしていくべき時期に来ているのではないかというふうに思うわけでございます。 諸外国は軒並み伸ばしているという話もありました。そして、例えば、昨年に開かれたTICADⅥで、日本の安倍総理大臣は、今後三年間で官民合わせて三兆円の供与を表明されました。しかし、その半年前に、例えば中国が南アフリカで開催した同様の会議では六兆円の供与が表明されているわけであります。 これはもちろん、その金額が三兆円だと、六兆円の半分だからどうだということではありません。しかしながら、諸外国が軒並みODAをしっかりと増額をしながら、それぞれの国との関係でコミットをしていこう、関わっていこう、そして支援をしていこうという中で、一体我が国はどうしていくのか。私はこの量的拡充という点、確かに厳しい財政状況ではありますが、しっかりと正面見据えて取り組んでいくことが大事だというふうに思っておりますが、外務大臣の所見をお聞かせいただきたいと存じます。
○国務大臣(岸田文雄君) まず、ODAは我が国外交にとりまして大変重要な手段であります。ODAの実施に当たっては、一件一件の案件の質を高めるとともに、相手国が返済の義務を負う円借款ですとかあるいは民間資金、こういったものを活用するなど様々な工夫を加えています。最大限効果的かつ戦略的な実施に努めているわけですが、その中にあって、委員御指摘のように、我が国が国際的な責任を果たし、そして国際社会において存在感を示すためには、ODAの質の向上と併せてODAの予算規模の拡充、これも極めて重要であると認識をいたします。 国際社会の平和と安定のために、テロ、難民、貧困などの課題に国際社会全体として取り組んでいる中、我が国だけこれに背を向けることはできない、このように考えます。そういった観点から、今回のこの来年度予算案の御審議におきましても、政府全体のODA予算二年連続、そして外務省ODA予算七年連続増額計上、お願いしている次第であります。 引き続きまして、質はもちろんでありますが、ODAの予算確保にもしっかり努めて、国際的な責任果たしていきたいと考えます。
○堀井巌君 ありがとうございました。 今、我が国では、やはり外交の重要性ということを勘案しながらしっかりと、今、在外公館も増やす方向で対応をしようとしています。当然、その中で外交上の重要な手段となるこのODAというものについても、やはりその拡充、正面からしっかりと見据えて、これは行政府の取組のみならず、やはり我々自身も国民の方々に、我が国は外交で生きていくんだ、そのときに、やはりその大切な手段、こういったものをどのように国民が理解をし、そしてそれをしっかりと拡充することについてもう一度支持を得られるようにするのか、私はこれは立法府の立場としても大きな責任があるというふうに感じておる次第でございます。 次に、今回のODAの派遣調査で幾つか具体の事例で気付きの点を質問をさせていただきたいと存じます。 まず初めに、アンゴラの首都ルアンダというところの近郊のヴィアナ職業訓練センターというのを訪問いたしました。ここでは、土木技術だとか建築技術だとか、現地の方々の職業訓練を行う施設であります。まさに、技術移転、人材育成という我が国のODAの特色が生かされた施設だというふうに感じました。 現地のメディアの取材に佐藤正久団長が、魚を供与するのではなくて魚の捕り方を供与するんだ、それが我が国のやり方なんだと、このことが現地のメディアでも大きく報道されました。非常に好感を持って、そして強い共感を持って報道されたということでありました。 こういった、私は、人材育成だとか技術移転ということの支援というのが、非常にこれは、これからこの質の向上という点からも、もちろん今でもそのことを念頭にやっておられると思いますが、こういったやはり日本のODAの支援の特色について少しお聞かせいただければと思います。
○国務大臣(岸田文雄君) まず、我が国のODAの基本的な考え方ですが、開発途上国の自助努力を後押しする、また自立的発展を目指す、こういった考えに基づいて実施をしてきています。こういった考え方から、我が国は、インフラ整備や機材供与といったハード面、もちろんこれも大事でありますが、これのみならず、これを担う人材育成といったソフト面の支援に力も入れてきた次第であります。委員が今御指摘になった考え方にまさに沿って努力を続けてきたと認識をしています。 このように、相手国との対等なパートナーとしての関係の下、その国に合ったものを共に考え共に進む、これが日本の支援の姿勢であり、こういった姿勢は相手国からも高く評価されていますし、我が国に対する信頼にもつながっている、このように考えております。 政府としましては、こうした日本の特色のある支援、こういったものを通じて国際社会の平和や安定にしっかり貢献をしていきたい、このように考えます。
○堀井巌君 ありがとうございます。 もう一点、アンゴラでの事例を挙げたいと思います。 アンゴラの首都ルアンダというところに、ジョシナ・マシェル病院というところがあります。これはアンゴラの中で唯一無二と言える一番の中核的な病院でございます。 ここには、玄関のところに、一年三百六十五日、アンゴラ国旗とともに日本の国旗がずっと掲げられています。どうしてだろう。この一番の病院にこのような日本国旗がずっと掲げられている。町の一番の中心部であります。中に入りまして様子を聞きましたら、十数年前に日本が医療機器や何かを幾つか供与をして、これが本当にアンゴラの方々の命を救い、医療の発展に寄与してきたということであります。日本に対する強い感謝の意が示されました。 今、この病院で我々要望受けたのは、例えば一度十数年前に供与したそういった機器、メンテナンスの時期に来ている。そういったところが、少し手伝ってもらうと、非常にまた大事に大事にその機械を使いながら十年、二十年とこれからも医療を継続することができるというふうな要望でございました。 これまで、ひょっとしたら、日本のODAというのは、一度供与したらあとはそれぞれの国でやってください、ずっと供与し続ける、コミットし続けるというのは自立にならないからという考え方がひょっとしたらあったのかもしれません。しかし他方で、今ODA予算なかなか制約のある状況でもありますし、一度供与したものをメンテナンスや何かで少しサポートをするということをフォローアップをしていくということによって、また同じだけの効果を生み出すこともできるのではないかと。これは、もちろんその国の自立を促すという基本的な考え方を持ちながらも、そういったフォローアップをしていくというのは極めて有効な手段ではないかというふうに我々出張者一同感じたところではありますが、その点についての御見解をお聞かせいただければと存じます。
○参考人(北岡伸一君) 御質問ありがとうございます。 ODAによって整備されました施設や機材は、被援助国側により適切に維持管理され援助効果が十分に発現されると、これが支援の実効性確保や日本の国民に対する説明責任の観点から非常に重要だと認識しております。 こうした観点から、JICAは、外務省と連携しつつ、施設や機材を被援助国自身がしっかりと維持管理できるようにするため、すなわちその自立の観点から、必要に応じ技術協力等を通じ、それらの国の維持管理能力向上支援を実施しております。そのほか事業実施後の施設、機材の利用状況の把握に努めております。援助効果が十分発現されるよう、相手国に働きかけるなど、幅広くフォローを行っております。 維持管理上の問題の把握は、JICA在外事務所による日常的なモニタリング、すなわち視察や打合せ等、それからまた案件完了後の事後評価などにより行っております。状況把握の結果、施設や機材の維持管理が被援助国側によって必ずしも適切に行われていないということを発見した場合には、被援助国側に適切な対応を要請することとまずしております。しかしながら、予期せぬ自然災害ややむを得ない財政的な事情等により、自助努力だけではどうしても改善が困難と認められる場合には、JICAがフォローアップ協力を活用して支援することといたしております。 JICAとしては、引き続き外務省と連携しつつ、効率的かつ効果的なきめ細かい支援の実施に努めてまいりたいと存じております。
○堀井巌君 ありがとうございます。 恐らく理事長のところにも現場から様々な情報が上がったり、報告が上がったりすると思います。本当に現地の第一線で頑張っておられるJICAの職員を始めODAの関係者の方々の声を是非とも引き続き吸い上げていただいて、適切な御判断をいただければというふうに心から期待をしております。 もう一点、別の国の事例について申し上げたいと思います。 マラウイという国でございます。ここは青年海外協力隊の方々が今でも七十名以上の方が今日現在でも現地に赴任をして、マラウイ全土で活躍しておられると思います。私も現地で数多くの青年海外協力隊の隊員の方々とお会いをしました。多くが二十代、三十代の若者、男性、女性を問わず、日本から派遣をされた若者の人たちでありました。 電気も水も何もない、もちろんガスもないところで、自分で火をおこしながら、生活をしながら現地の方々とともに暮らしている、そして様々なサポートをしているということで、それぞれの方々が本当に日本とは異なった大変厳しい生活環境の中でも一生懸命その活動をされていることに頭が下がる思いでありました。 私は、その皆さんに聞いたんです。佐藤団長とともに、皆さん、何か要望はないですか、我々は東京に戻ったら、国会かあるいはいろんな機会で皆さんの要望を伝えますよ、こんな不便な生活をしていると、何か要望あるでしょう、どうですかと全員に聞きました。そのときに、彼らから異口同音に同じ答えが返ってきました。それは何か。こんなすばらしい得難い経験をしているということを是非日本のほかの若者にも、若い人たちにも、同世代の人たちに伝えてほしい、そして、もっともっと多くの人たちがこのような得難い経験ができるように、もっともっとPRをしてほしい、伝えてほしい、これが青年海外協力隊の皆さんの全員、異口同音、一致した答えでありました。 本当に、私は、個人としての人生の中でこのような得難い経験をしている、それは本当に本心だろうと思いますし、また、そのことが地域で、あるいはその国で感謝をされ、日本という国の信頼にもつながっているということで、本当に心から敬意を表した次第でございます。 そこで、まずお伺いしたいのは、この青年海外協力隊、最近の応募状況、派遣状況についてお教えいただければと存じます。
○参考人(北岡伸一君) 御質問ありがとうございます。 青年海外協力隊は、幸い世界からも高く評価されておりまして、昨年はマグサイサイ賞という大変名誉ある賞を頂戴いたしました。 さて、御質問の趣旨でございますが、二〇一五年度の青年海外協力隊及び日系社会青年ボランティアの応募者の総数は二千六百七十七名でございました。実際の派遣者は千二百四十七名、ですから、半分以下に絞り込んでおりますが、そのうち、マラウイへの派遣者は四十名でございます。 ところで、この人数は、実は、例えば五年前、二〇一〇年度と比べますと、当時は約千五百名でございまして、二百五十名近く減少しております。なぜ減少しているか。青年層人口がそもそも減っている、それから若者の間の内向き志向、それから国内の雇用情勢が良い、海外の治安情勢が不安定という様々な状況がありますが、基本的にはやや下方圧力が掛かっております。 JICAとしましては、こうした状況を踏まえ、広報を強化し、地方を含む説明会の機会を増やし、応募年齢の幅を若干増やし、それからまた大学生の派遣の枠組みを若干増やしていくというふうなことで、応募を何とか減らないように、また質を維持できるように派遣前訓練を充実するということに努めている次第でございます。
○堀井巌君 ありがとうございます。 いろいろと少子化の時代の中で苦労されながらも、JICAの方でより優秀な隊員を確保するために尽力をされておられるということで、その点、心から敬意を表したいと思います。 その青年海外協力隊の皆さんとお話をする中で、この任期を終えたらどうされるんですかという話を皆さんに私は質問をいたしました。企業から派遣をされて休職が認められている方は、元の企業に戻りますという方もいらっしゃいました。地方公務員の方の場合は、これももう認められていますので、また自分は例えば学校の教員に戻ります、こういう方もいらっしゃいました。しかし、昔の会社を退職してそして今ここに来ていますという方々については、やはりこれからどうしようかな、そういう隊員の方も少なからずいられました。 私は、この青年海外協力隊というのは、先ほど来、大臣も、JICAの理事長、皆さん異口同音に触れていただいていると思いますけれども、これは本当に日本の外交的な宝でも、財産でもあると思います。いかにこの人たちをサポートするか、支えていくか、この仕組みを支えるかということは極めて重要なことだというふうに思います。 それで、一点、これはそのとき感じたんですが、卒業後に、すなわち隊員の任期を終えた後に、皆さん結構大学院等々に進みたい、そして院卒の修士や何かを、資格を得た、できれば国際機関や何かで働くことにもチャレンジしたい、そのように思っている人も少なからずいたことをまず報告をさせていただきたいというふうに思います。 私、実際にそのような形で青年海外協力隊出身で国際機関に入ったという方にもお目にかかりました。決して容易な道ではない、相当勉強しないといけない、隊員の任期を終えてからまた大学院にしっかり行かないといけない。しかし、私は、彼らにはそのやる気は、モチベーションはあるんだと思います。やはりその仕組み、彼らを支えてあげる仕組み、任期後に大学院に行って、そして国際機関にもチャレンジしたいと思うときにそのようなサポートをしてあげる仕組み、最近の言葉で言うと、昔から使われている言葉ですかね、リカレント教育と言うんでしょうか、そういった形でトータルで、その任期のときの、その前のところの研修と任期ということだけではなくて、その後の部分のサポートということをしっかりと提示することによってもっともっと応募者も増えるんではないか。そしてまた、これだけ海外で、困難な地であっても、二年間なら二年間、本当にすばらしい実績を上げた人たちを、再び国際社会の様々な分野で活躍してもらえることにもなるんじゃないかというふうに思いますが、その点、どのような支援体制を構築していかれるか。是非JICAの方にはいま一層の、より一層の支援体制を拡充していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○参考人(北岡伸一君) 御指摘ありがとうございます。 ボランティア経験の社会還元というのは誠に重要なことだと考えております。数年前の震災の後のボランティア活動にも彼らは積極的に参加してくれました。さらに、人材確保のためにも、安心して協力隊に参加できる環境の整備が大変重要でございます。 この観点から、帰国隊員の進路開拓支援として、再就職に向けた様々な支援に加えて、地方自治体職員としての採用や、大学、大学院入学における優遇措置の拡充などにいろいろお願いして取り組んでいるところでございます。 例えば、現在のところ、教員の採用における優遇というのを三十七自治体、そして、公務員採用における優遇制度というのを六十自治体でつくっていただいております。また、現在、十七の大学で協力隊員に対する大学、大学院入学優遇の措置が行われており、またこれを更に拡充していただけるよう取り組んでいるところでございます。また、国連ボランティア計画と提携し、帰国隊員を国連ボランティアとして海外に派遣する制度を設けており、これまで累計で三百四十名が派遣されております。 今後とも、帰国隊員がその経験を生かして内外で活躍できるよう支援に努めてまいる所存でございます。
○堀井巌君 ありがとうございます。様々な努力、取組を国内でも行っておられる、感謝を申し上げます。 この状況を更に改善し、前に進めていくためにも、私最初に申し上げましたように、やっぱり予算の量的な拡充、JICAの予算も、きちんとそういった青年海外協力隊員の任期後のキャリアパスの支援をしっかりと、の仕組みを確保するためにも、量的な拡充ということも必要だと思いますし、また、JICAのみの努力ではなくて、やはり政府全体で、あるいは民間の方々にも理解をいただきながら進めていくことが何よりも重要だというふうに思います。 こういった青年海外協力隊員の方々のサポート、そして、例えばこの青年海外協力隊員、どのようにいろんな国に最適に配置していくのか、様々なこの青年海外協力隊に関わる事柄について、やはり国としても、外務省としてもしっかりとサポートをしていただきたいというふうに強く要望いたしますが、大臣、いかがでございましょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) まず、青年海外協力隊、これは、日本の顔の見える国際協力として途上国の国づくりに協力するという意味で大変重要な存在であると思っています。そして、帰国隊員の進路支援、これは、先ほど委員が御紹介されました隊員の皆さんの声、要は、貴重な経験、能力、これを活用するという意味においても、また、グローバル人材をしっかりと確保するという意味からも大変重要な取組であると認識をいたします。 外務省としましても、隊員の配置ですとか、あるいは帰国隊員のキャリアパスということについてもしっかりと考え、青年海外協力隊の隊員が派遣国においても活躍する、これももちろんですが、帰国後においても一層活躍できるように、JICAとしっかり連携しながら努力を続けていきたい、このように考えます。
○堀井巌君 ありがとうございました。是非よろしくお願いしたいと思います。 これ、最後の質問になります。 ちょっと別の話になりますが、先月、私、今、常任委員会の方で所属しております外交防衛委員会の委員派遣でJICAの九州国際センターを訪問いたしました。北九州市にあります。アジアとか中東からの研修員の方々がこの研修センターで研修を受けて、例えば水道の浄化技術や様々な環境技術について学んでおられました。我々、授業も見学をしましたし、また、直接、研修に来ている方々といろんなやり取りをすることができました。実はJICAもこうやって国内でもこういうすばらしい活動を行っているということを改めて私も学びまして、そのことも併せて敬意を表したいと思います。 一点、その中で出てきました話が、技術を教える、委託を受けて教えておられる方々が、JICAの委託を受けて実際に授業をされている方々がいらっしゃるんですが、教えた後、研修員の方が帰国をして、その後実際に自分たちが教えたことがどのように活用されているのかというのをもしできればフィードバックしてもらえる機会があればという要望を受けました。そうすると、今度また授業の中で生かせるし、自分たちが教えていることもなかなかその研修員の国に戻るとうまくいかないんだな、もっと別のやり方を提示してあげた方がいいかなということにもつながるということで、研修内容の充実にもつながるので、この辺は多分、外務省の在外公館あるいはJICAの事務所、いろんなところからの少し現地での努力も大事だと思いますが、そういった点、是非、帰国研修員とのネットワークなりフォローアップも重要ではないかというふうに思いますけれども、JICA理事長の方のお考え、聞かせていただければと思います。
○参考人(北岡伸一君) JICAの帰国研修員は、日本での学びを生かし、それぞれの国の開発課題を解決に導く要だと存じております。また、我が国にとっても、親日派、知日派を育成するという点から誠に貴重な存在でありまして、帰国研修員のネットワークの構築、関係の維持強化には努めているつもりでございます。 現在、世界百三か国に百二十三の、一国に複数のがあるときもあるんですが、帰国研修員同窓会が存在しておりまして、帰国研修員に対しまして同窓会への加入を促し、また同窓会を通じて研修員の状況について様々な情報共有を行っております。私も出張するたびにこういう元研修員とお会いするようにしておりますし、また、フェイスブック等の利用によりコミュニケーションは以前よりは容易になっておると思います。 今後とも、帰国研修員同窓会の活用、支援の強化等を通じまして、帰国研修員の現況把握、ネットワークの構築、関係の維持強化に努めてまいりたいと存じます。
○堀井巌君 ありがとうございました。終わります。
○藤末健三君 民進党・新緑風会の藤末健三でございます。 私、本日、短い時間をいただきましたので、ポリオ、小児麻痺の世界からの根絶について御質問をさせていただきたいと思います。 私は今、超党派のポリオ根絶議員連盟の事務局長をさせていただいていまして、今日、ODA委員会のメンバーにも何人か参加していただいているんですけれど、今、日本がイニシアティブを持ってこのポリオ、小児麻痺を世界からなくしていこうという動きを加速させていただいています。 日本は、我が国はもう三十年近くこのポリオを世界からなくす取組をさせていただいていまして、一九八八年には百二十五か国に約三十五万人の感染者がいたというように言われております。しかしながら、日本が中心にWHO、ユニセフや、あと国際ロータリー、あと最近ではメリンダ・アンド・ビル・ゲイツ財団などとも連携させていただきまして、このポリオの問題、取り組まさせていただいています。 そして、二〇一六年を見ますと、何と今、三十年前に三十五万発症だったものが、何と三十五事例にまで減っているという状況です。特に、ナイジェリアにおきましては二〇一五年の九月に終息宣言、一年間ポリオが発症しなかったということで様子を見て、もうじき根絶かなというところでまた昨年、四事例ぐらい出てきたわけでございますが、残すところ、パキスタン、アフガニスタン、ナイジェリアの三か国だけになっているという状況になっておりまして、もう一歩で世界からポリオと小児麻痺という病気をなくすことができるということでございます。 我々は、是非、東京オリンピック、二〇二〇年までに、この東京オリンピックの場所で我が国が、ポリオが世界から消えたという宣言ができないかということを夢見ているわけでございますが、安倍総理におかれましても、平成二十七年十二月に、世界で最も評価が高い医学雑誌の専門誌と言われていますランセットというジャーナルがございます。そこに安倍総理が寄稿をしていただきまして、日本は、ポリオ撲滅のような貧困に関連する感染症に対する対策のため、国際的な資金調達、民間セクターの投資を促進する仕組みを支援してきましたと。そしてまた、これからもこのポリオ根絶に向けてやっていきますというメッセージを発信していただいております。 こういう中におきまして、日本が、我が国がどのような形で世界からポリオを根絶していく、国際的な資金調達や民間セクター等の投資を促進していくつもりなのか、是非お聞かせいただきたいと思います。お願いいたします。
○政府参考人(相星孝一君) お答えいたします。 ただいま委員御指摘の国際的な枠組み、仕組みというものは、一九八八年にアメリカの疾病予防管理センター、WHO、ユニセフ、そして国際ロータリー財団、さらにゲイツ財団等も加わって立ち上げた官民連携のパートナーシップであります世界ポリオ根絶推進計画、通称GPEIと呼んでいますけれども、のことを指すと承知しております。 ポリオ根絶に向けましては、委員御指摘のとおり、国際的な資金調達や民間セクターの関与を強化していくことが不可欠でございます。我が国はこれまで、ポリオ根絶に向けて、GPEIの目標達成に貢献してきております。具体的には、ユニセフなどの国際機関との連携を通じた支援を累次にわたり実施してきているほか、ゲイツ財団とも協力して、ローンコンバージョン方式と申します、日本がポリオ対策のため円借款を供与し、具体的な効果が発現すればゲイツ財団がそれを返済するというようなスキームを、二〇一一年からパキスタン、そして二〇一四年からナイジェリアで実施してきております。 このほか、ゲイツ財団との間では我が国の民間企業との協力も進展しておりまして、ゲイツ財団の支援を受けて新たなポリオワクチンの開発、供給計画も進んでいると承知しております。
○藤末健三君 是非、一緒に力強く進めさせていただきたいと思います。 冒頭で申し上げましたように、今私が事務局長をさせていただいていますこのポリオ根絶議員連盟、二〇一六年には、G7伊勢志摩サミット開催に向けまして、ポリオ根絶の要望書を塩崎厚生労働大臣、あと当時の内閣官房副長官であられた世耕さんに渡しています。その成果、G7伊勢志摩首脳宣言においては、G7各国は国際保健のためのG7伊勢志摩ビジョンに基づいて活動するということを宣言いただいております。 このように、我が国が主導してまた進めるということを宣言していただいた中で、日本がどのように具体的な貢献を進めるかにつきまして、岸田外務大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(岸田文雄君) まず、委員を始めポリオ根絶議連の皆様方の活動には心から敬意を表し申し上げますし、様々な形で御示唆をいただいておりますこと、感謝申し上げます。 そして、政府としましても、ポリオの根絶、これは人類共通の公衆衛生上の課題であるとして重視をしております。そして、今御指摘がありましたように、昨年のG7伊勢志摩サミットでも、ポリオ根絶議員連盟の要望書を踏まえて、ポリオ撲滅の目標達成へのコミットメント、再確認をした次第であります。そして、これも先ほど委員の方から御指摘がありましたが、ポリオの常在国、今、ナイジェリア、パキスタン、アフガニスタン、これ三か国となりました。この常在国及びその周辺国における取組がポリオ根絶に向けて重要であると考えます。 その観点から、ナイジェリアとその周辺国のポリオ対策を支援すべく、先般、平成二十八年度第三次補正予算において約四十億円の拠出を行うことにつき国会の承認をいただいたところであります。また、パキスタン及びアフガニスタンについても、昨年十一月から十二月にかけて、ユニセフとの間で約十一億円相当のポリオ対策を進めていくことで合意をしており、今後着実に取り組んでいく考えであります。 あのG7での決定も踏まえて、そして現地のニーズにもしっかりと対応しながら必要な支援を検討し、ポリオ根絶に向けて積極的に政府としても取り組んでいきたい、このように考えます。
○藤末健三君 是非国際的な連携を強めていただきたいと思っています。 特に、私は、このポリオの根絶はメリンダ・アンド・ビル・ゲイツ財団が非常に力強く進めておりまして、先ほど審議官からも御説明いただきましたローンコンバージョン、我々が、日本政府がお金を貸して、そして目的を達成すれば、目標を達成すればビル・ゲイツ財団が代わりにこの支払をするという仕組みをつくっておりまして、非常に私はアメリカと日本の協力としても重要じゃないかと思っておりまして、是非、大臣におかれましてはビル・ゲイツに会っていただきたいなと思っています、正直申し上げて。ちょうど二〇一五年の十二月にビル・ゲイツが日本に来られたときにいろいろ議論させていただいたんですが、私はビル・ゲイツに申し上げたのは、やはりこれは日本とアメリカが共に世界のために貢献している一つの事例ではないかということをお伝えさせていただいていまして、是非それを政府として岸田大臣のイニシアティブの下に進めていただければ加速するんではないかと私は考えております。 実際に私は、先ほど申し上げましたように、ポリオ根絶議員連盟の仲間と一緒に、二〇一五年十月にはパキスタンに伺ってきました。それで、実際にそのワクチンを接種している現場、伺ってきたんですが、非常に環境厳しい中で、パキスタンの方々が一生懸命ポリオのワクチンを配っていただく。そしてまた、実際に総理の補佐官をされている方、上院議員ともお会いしましたし、あと保健大臣とも直接議論をさせていただきました。 そういう中で、実際の現場を見させていただき、我々日本の貢献がどれだけ期待されているかということも見させていただきましたし、また過去に振り返りますと、私、インドネシアに今からもう四、五年前に伺いました。何に驚いたかと申しますと、インドネシアにポリオワクチンの工場を日本がODAで造ったんですね。びっくりしたのは、そのODAの工場長、日本のお金で造ったことを知らなかったというような状況だったんですが、本当に一つのワクチンをもう十円以下の価格で作っているような工場を我々が過去に造って、それを世界に配付しているような状況でございまして、是非ともこの日本の貢献が、今までずっと先輩方が続けてきた貢献を、もう少しでゴールに達することができる、これを是非我々が引き続き、過去のもう二十年以上のこの努力を結び付けさせていただきたいと思っております。 このポリオ根絶の大きな課題は、このワクチンを提供することだけではなく、先ほどパキスタンの議論を申し上げましたけれど、やはりパキスタンやアフガニスタン、ナイジェリア、治安の問題、そしてまた脆弱な保健医療制度がございます。このような中で我が国が具体的にどのような貢献をしていくか、それにつきまして是非外務省の御意向をお聞かせいただきたいと思います。お願いいたします。
○大臣政務官(小田原潔君) 委員御指摘のとおり、現地の不安定な治安状況や脆弱な保健医療制度がワクチン接種や治療行為を妨げております。ポリオ根絶のためにはこうした状況を改善していくことも重要であります。 我が国は、ポリオの常在国に対してこの点の支援にも取り組んでいます。例えば、アフガニスタンでは、現地警察に対する訓練等を通じ、治安維持能力向上のための支援を実施しています。また、パキスタンでは、病院拡充支援や予防接種の実施体制への支援を行っています。 こうした取組を通じ、今後とも現地のニーズに応じて必要な支援を検討し、ポリオ根絶に向けて積極的に取り組んでまいる所存であります。
○藤末健三君 ありがとうございます。 もう一年半ぐらい前に安保法制の議論が非常に行われたわけでございますが、私はやはり、我が国は平和憲法を頂いている国でございますので、本当に、全世界の国民が恐怖と欠乏から免れひとしく平和に生存するという憲法前文に書いてございますので、そのように、世界中の方々がやはりこの病気という恐怖から逃れ平和に生存するということを目指すべきだと思っております。 是非とも、我々国会の方からも政府の方を応援させていただきたいと思いますし、是非とも、我が国の先輩方がもう何十年にわたって努力をしてきたこのポリオの根絶、ゴールが見えてきましたので、一緒に頑張らさせていただき、できれば東京オリンピックで世界から一つの感染症がなくなったということを宣言させていただきたいということを願いまして、私の質問を終わらさせていただきます。 ありがとうございました。
○古賀之士君 おはようございます。民進党・新緑風会の古賀之士でございます。 冒頭まず、財務省の方々もお見えになっていらっしゃいますので、世間を今騒がせております森友学園問題についてお尋ねをいたします。 小学校認可におけます近畿財務局と大阪府、これ公的機関の接触の記録の有無、これはあるのかないのか、お答えいただけますでしょうか。
○政府参考人(中尾睦君) お答えいたします。 本件国有地の処分に当たりましては、平成二十五年九月に森友学園から公的取得等要望書の提出があった以降、土地の処分の前提として、近畿財務局は、大阪府の私立学校審議会に向けた事務的な手続等を把握するため、私立小学校の認可権者でございます大阪府に対して、学校設置の認可申請についての制度概要、土地の公的取得等要望の制度や本件土地について取得等要望が出ているとの事実、それぞれの審議会の手続等の内容の確認などを事務的に行っておりました。 委員御指摘の文書についてでございますけれども、財務省においては、公文書管理法の規定に基づき制定されている財務省行政文書管理規則にのっとり文書管理を行っております。これに基づき、面会の記録についてはその保存期間は一年未満とされ、保存期間の満了時期については事案の終了後とする取扱いとしております。 一方で、同規則に基づき、国有財産の取得及び処分に関する重要な実績が記録された文書については十年の保存期間が定められており、近畿財務局と大阪府との間で取り交わされた照会やその回答はこれに当たり、保存しているところでございます。
○古賀之士君 公文書管理法の目的を果たしているとは思えない、一年未満ではやはり不適格だ、私も本会議でも質問させていただきましたが、見直しをお願いしたいという声も上がっております。 また、証人喚問も一人だけでは不自然であり、また不十分であるという声も上がっておることを付け加えさせていただきます。 さて、野村委員長、そして各理事の御配慮をいただきまして、今年の二〇一七年二月十六日から二十四日までの九日間、参議院ODA調査第三班といたしまして、カンボジア、シンガポール、ミャンマーを調査してまいりました。この場を借りまして、岩井茂樹団長、三宅伸吾議員、竹谷とし子議員、山添拓議員、私、古賀之士、五人と、そして参議院事務局の大山氏、鈴木氏、同行スタッフ、大変そういった人々にも恵まれたということも感謝の気持ちとしてお伝えをさせていただこうと思っております。 また、感謝といえば、関係各国の大使館、そして公的、民間関わらず、それぞれの皆様方、そして日本企業、日本の商工会議所、そして現地のNGO、それぞれのスペシャリスト、また各研究機関の皆様方にも大変御尽力をいただきまして、お世話になりました。大変タイトなスケジュールの中、有意義な時間を過ごさせていただきました。 この中で、まずODA全般についてお聞きをいたします。 いずれの三か国について、やはり中国のプレゼンス、存在感というものを感じざるを得ない状況でございました。そこで、まず外務省にお尋ねをいたします。 中国の海外援助の状況、そして今後の見通しと日本の関係についてはどのようになっているでしょうか。
○政府参考人(山田滝雄君) お答え申し上げます。 中国政府財務部の二〇一六年の発表によりますと、二〇一五年の中国の援助支出額は百九十五億三千七百万元、日本円にしますと約三千百二十六億円とされております。他方、この発表では、対象国別の実績、具体的な案件の概要等、詳細な情報は明らかにされておらず、中国の援助につきましては不明な点も多うございます。 我が国としましては、中国を含む新興ドナー国も参加する国連、世銀、G20等の場も活用しながら、中国が国際的な取組や基準と整合的な形で透明性を持って援助を行うよう、引き続き国際社会と連携しながら粘り強く働きかけていきたいと考えております。
○古賀之士君 時間がありませんので、次の質問を伺います。 海外産業人材育成協会で、これまでの実績、お願いをいたします。経産省にお伺いします。
○政府参考人(小林一久君) お答え申し上げます。 海外産業人材育成協会についてのお尋ねでございますが、経済産業省といたしましては、海外産業人材育成協会、略称HIDAを通じまして、開発途上国の社会経済の発展の担い手となる現地産業人材の育成支援を行ってきているところでございます。これは、支援対象国の社会経済発展のみならず、我が国企業の海外展開にも資する取組であり、双方にとってウイン・ウインの関係をもたらすものと考えております。本年度は、ODA予算、技術協力活用型・新興国市場開拓事業二十四億円を計上し、そのうちの八億円を現地の産業人材育成に充てているところでございます。 HIDAは、これまで半世紀以上にわたり、延べ約三十八万人の途上国人材の育成を行ってきております。製造業、サービス産業を含む様々な産業分野において、日本の技術、ノウハウ、ビジネスマナー等を学んだHIDA卒業生の多くは母国の発展の担い手として活躍しております。その中には閣僚等の指導的立場に就いた方も含まれております。 また、HIDAの卒業生は、自主的に同窓会を組織し、母国で日本語や日本的な企業文化等の普及活動を展開しているところでございます。このような同窓会ネットワークは、現在、世界四十三か国の約三万人が参加する規模に広がっており、日本と途上国の懸け橋として重要な役割を果たしてございます。 このような取組は各国首脳からも高く評価されているところでございまして、引き続き、他省庁とも協力しつつ、政府一体となりまして海外の産業人材の育成に取り組んでまいりたいというふうに考えてございます。
○古賀之士君 ありがとうございました。 今お話のありましたように、三十八万人の方々が日本で様々な研修をされまして、自主的に四十三か国で同窓会なるものを結成されていらっしゃるというのは私も初めて聞きました。 このHIDAというのは、東南アジアに四か所しかないわけなんですが、HIDAが四か所しかないにもかかわらず同窓会は四十三か国にあるという、こういった意味でも、次の質問なんですが、人材育成の環境づくりに関わる外務大臣の御所見、並びにJICAの今後の将来像についてお尋ねを申し上げます。よろしくお願いいたします。
○国務大臣(岸田文雄君) JICAは、言うまでもなく、我が国の国際協力の実施の中核を成す機関であります。開発協力を一層積極的かつ効果的に実施するためにも、JICA職員一人一人が能力を最大限発揮できるような待遇、環境を整える、これは大変重要な取組であると認識をいたします。 外務省の立場からも、平成二十五年度に独立行政法人改革等に関する基本的な方針というものが閣議決定されています。こうした方針に沿って、JICAによる効率的かつ効果的な予算配分を通じて、適切な待遇、これが確保されるよう努力をしていかなければならない、このように認識をしております。
○古賀之士君 ありがとうございました。 大変厳しい財政環境だということは先ほどの中にもお話ありました。二〇〇九年に比べると五三%予算も削減されている、あるいは、二〇〇〇年まで世界ナンバーワンだったのが今四番目になっているという、その状況の中でも是非御努力いただければと思っております。 さて、国別の、訪問を、調査をいたしました国々について具体的に伺ってまいります。 まず、カンボジアについてでございます。 北九州市が長年にわたって、プノンペンの奇跡とまで言われるぐらい水道の基本計画事業に携わってまいりました。この点について、外務大臣の御評価、伺いたいと思います。
○国務大臣(岸田文雄君) 我が国は、内戦により被害を受けたカンボジアの生活インフラを整備するため、これは内戦終了直後、一九九三年から、同国の上水道分野の支援、取り組んできました。 そして、その中で北九州市は、一九九九年から職員を専門家として派遣し、カンボジアの浄水施設の運転・維持管理技術の向上に大きな役割を果たしていただいたと認識をしております。こうした北九州市の貢献もあり、カンボジアの首都プノンペンでは、二〇〇六年には給水率九〇%、無収水率六%、二十四時間給水の実現、これらを達成いたしました。これらの成果が、まさに委員が御指摘になられましたプノンペンの奇跡と呼ばれていると承知をしております。カンボジアにおける上水道分野の支援は、我が国とカンボジアの友好関係の象徴にもなっています。自治体のノウハウを活用した協力の好事例でもあると考えます。 我が国は、カンボジアを始め多くの国でODAを活用し、そして自治体との連携も進めているところであり、今後とも自治体のノウハウ等も活用しながら途上国の開発課題の解決に支援を続けていきたい、このように考えております。
○古賀之士君 ありがとうございました。 また、各自治体のお話が出ましたが、福岡市も先日、ミャンマー・ヤンゴン市との姉妹都市を提携して、水道の技術協力へ向けての取組も始まったということでございます。 では、続きまして、シンガポールについて伺います。 シンガポールの案件では、大変大きなプロジェクトの動きがございます。御存じの方も多いと思いますが、シンガポールとマレーシア・クアラルンプール間の高速鉄道プロジェクトでございます。現在の計画及び予想される応札者、そして日本が直面する課題など、お尋ねをいたします。
○政府参考人(四方敬之君) お答え申し上げます。 御指摘のプロジェクトは、二〇一三年二月、マレーシア、シンガポール首相間で合意したもので、マレーシアとシンガポール間約三百五十キロメートルを高速鉄道で結ぶ計画でございます。二〇一六年七月には、両国間で本プロジェクトの事業スキームに関するMOUを締結し、また、同年十二月には、より詳細な事業計画や今後のスケジュール等を取り決めました二国間協定を締結しております。 両政府によりますと、二〇一七年後半から入札を開始し、二〇二六年末までに開業することを目標としていると承知しております。入札に関心を示している国といたしましては、我が国のほか、中国、韓国、フランス等も関心を示していると承知しております。 以上です。
○古賀之士君 調査をいたしましたシンガポールは、御存じのように、もはや援助される国ではなくて援助する側でございますけれども、そういった、今お話があったように、二国間が協力して、いい形で国際的な高速鉄道プロジェクトに関われるように御尽力いただければと思っております。 なかなか、今のインドネシアの高速鉄道の案件も含めまして、国際的には厳しい状況だとは思っておりますけれども、是非ひとつ御尽力いただければと思っております。 さて、お時間がありません。ミャンマーについて伺います。 インフラ産業整備における日本の取組についてでございます。道路やそれから特に電力、これについて御所見を伺います。
○政府参考人(山田滝雄君) ミャンマーは、地政学的に極めて重要な位置を占めておりますし、豊富な資源と経済的に大きな潜在性を有し、また、自由民主主義、人権、法の支配といった基本的な価値を共有するパートナーでございます。 我が国は、ミャンマーの持続的発展のためにインフラ整備が重要との認識の下に、ティラワの経済特区やその他の地域において電力基盤整備や道路、橋の建設等のインフラ整備を多数のプロジェクトを通じて実施してきてございます。 今後とも、インフラ整備を始めとするミャンマーの開発を官民挙げて支援していく考えでございます。
○古賀之士君 現地に行ってやっぱり驚いたんですが、国道一号線と言われるところでも未舗装のところがありますし、片側一車線しかないと、まずは片側一車線で国道一号線を造ろうという、そういう現状でもございます。また、電力に関しましては、訪問した、調査した小学校が、できたてのほやほやにもかかわらず今年の一月にようやく電気が通ったという、電力率は六〇%しかないという状況もございますので、まだまだ国際貢献ができるチャンスが日本にもあるのではないかと考えております。 お時間がなくなりました。 そういった形でインフラ開発、ソフト、人材教育はもちろん、関係強化を努めていくことで平和の礎を築いていくことも大切だと思いますが、その一方で、これ最新号のニューズウイークでございますが、この訪問しました、調査しましたミャンマーについてリポートがあります。どういうことかというと、民主化の中でもちろん日本も貢献はしているんですけれども、記事の中には、軍事独裁政権に別れを告げ、民主化したはずの新政府だが、中略、国民民主連盟はロヒンギャ迫害を止めようとせず、虐殺行為は今も続いていると、こういう現状もございます。 とにかく、私どもも調査、どうしてもなかなか奥地までは行けなかったわけなんですけれども、遠いところ、それからなかなか不便なところ、本当に、先ほども協力隊のお話もありましたけれども、実際の、なかなか私どもが行けないようなところの皆さんたちにとっての御意見やそういった調査、アンケート、そういった声を是非皆様方で集約をしていただいて、そして予算や今後の計画に生かしていただければ大変幸甚だと思っておりますし、また現地の皆様方からもそういう声を多数聞いたことをお伝えをいたしまして、私の質問とさせていただきます。 ありがとうございました。
○河野義博君 公明党の河野義博です。 まず、SDGsを推進するといった観点から質問をさせていただきます。 人間中心の開発、誰一人取り残さない、こういった理念の下、二〇一五年九月、国連サミットで全会一致をもって採択された持続可能な開発目標、いわゆるSDGsでありますけれども、我が党が長年主張してきました人間の安全保障、こういった概念と高い親和性があるものと承知しております。 先進国を含む国際社会全体の開発目標として、二〇三〇年を期限とする包括的な十七の目標を設定いたしました。日本政府におきましても、総理を本部長として全大臣から構成されるSDGs推進本部が立ち上がりまして、昨年十二月、実施方針を決定いたしました。「持続可能で強靱、そして誰一人取り残さない、経済、社会、環境の統合的向上が実現された未来への先駆者を目指す」と、こういったビジョンが示されたわけでありますが、SDGs、SDGsと単なる枕言葉というふうにならないためのより具体的な取組が求められると考えます。そのための方策を、対応方針をお示しいただきたいと思っております。 〔委員長退席、理事中西祐介君着席〕
○国務大臣(岸田文雄君) 二〇一五年九月に国連において採択されましたSDGsですが、御指摘のように、この人間の安全保障の理念が反映されているものであり、政府としましても、この持続可能な開発目標推進本部、これを立ち上げて取り組んでいる次第です。 そして、その取組において重要なのは、国内の実施とそして国際協力、これ両面で取組を進めていくことであると考えます。国際協力では、今後、協力案件の形成から評価に至る一連のプロセスにSDGsへの貢献の観点を盛り込む、さらには途上国のSDGsの実施体制の構築及び計画策定、こういったものも支援していきたいと考えます。 また、多様な担い手との連携を深めることも重要だと考えております。最近では、民間企業あるいは地方自治体でもSDGsに取り組む動きが出ていると承知をしておりますが、こういった取組を加速させるべく、私自身、先般、経団連との会合におきまして民間企業の連携も呼びかけたところであります。 七月に国連のハイレベル政治フォーラムが予定されています。その際に、我が国の取組状況を発表することを予定しています。是非こうした機会も念頭に置きながら一層取組進めていきたい、このように考えます。
○河野義博君 まさに大臣おっしゃるとおり、国内、海外両面での取組が大切でありまして、国内においては、自治体や民間企業の協力も得ながら国内隅々まで行き渡らせていくということが大事なんだろうというふうに思います。 続きまして、国益に資するという観点でODAをどのように拡充していくのかという点でございます。 政府全体のODA予算、当初ベースで二年連続前年対比増加を確保いたしました。一方で、国際目標はGNI対比〇・七%、この目標に対しては、大きな、より一層の努力が必要となるわけでありますけれども、量的な拡大は求められることは言うまでもございません。一方で、ODAの質を高めていくことで日本が国際社会においてリーダーシップを果たしていけることというのはたくさんあるんだろうというふうに思っております。加えて、厳格にPDCAを回していくこと、そして選択と集中を厳格にやっていくこと、こういったことで質を高めて国益に資するODAを行っていくべきだと思いますが、取組方針を教えてください。
○政府参考人(山田滝雄君) お答え申し上げます。 委員御指摘のとおり、ODAの実施におきましてはその質を高めることが極めて重要でございます。政府としましては、ODA案件の一件一件の質を高めるとともに、我が国への返済義務を負う円借款や民間資金を活用するなど様々な工夫を加えることにより、最大限効果的かつ戦略的な実施に努めておるところでございます。 〔理事中西祐介君退席、委員長着席〕 また、委員御指摘のとおり、より効果的で質の高い支援を行っていく上ではPDCAサイクルの確立や透明性の確保は極めて重要でございます。こうした観点から、外務省、JICAにおきましてはODAの政策や事業ごとの評価を実施しており、得られた提言や教訓を次のODA政策の実施に反映させているところでございます。
○河野義博君 ハード面での支援が長年にわたり大きな評価を得たことは言うまでもありません。御答弁の中にもありましたけれども、人材育成といった観点も含めて、今後はやはりソフト面での支援、もっともっと強化していくべきなんじゃないかなというふうに思います。 我が国が多くの国と共有しております自由、平等、民主主義、そしてまた法の支配といった普遍的価値を共有する国を増やすため、こういった観点からもODAが果たしている役割というのは非常に大きいんだろうなと思います。従来型の施設整備などのハード支援に加えて、ソフト支援として支援国に対して様々なルール作りから関与していく、こういったことは非常に大切と思います。これまで、途上国における法の支配を確立させるため、このお手伝いとして、アジア各国を中心として民法整備などを中心とした法整備、こういった支援を行ってきた点、これ大変大きく評価をされるものだと思います。 今後はこういった法整備に加えまして、工業製品の規格、基準、そして認証制度といった仕組みづくりにも積極的に関与していくことが重要だと考えます。そういったことによって日本経済との親和性も必然的に高まっていくものだと思いますけれども、こういった取組、今までの取組、そして今後の方針についてお聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(山田滝雄君) お答え申し上げます。 委員御指摘のとおり、自由、平等、民主主義、法の支配といった我が国が重視しております普遍的な価値の促進、また我が国の規格認証制度の普及などにおいて、ODAによる途上国支援が大きな役割を担っていると考えております。 我が国は、ルール作り等、途上国に対するソフト面での支援をODAにより積極的に推進しており、御指摘のとおり、法制度整備支援についてはアジアを中心に法令の整備や司法関係者の人材育成等の支援を行ってきたところでございます。 さらに、我が国の規格認証制度の仕組みづくりに向けた支援にも積極的に取り組んでおります。具体的には、地上デジタル放送、郵便制度の整備といった分野でODAによる支援を行っております。このうち、地上デジタル放送につきましては、途上国に対して、デジタル放送移行に向けた計画の策定、放送網や規格の整備といった技術支援を実施しております。現時点で世界十八か国において地上デジタル放送の日本方式の導入が決定されております。 今後とも、関係省庁とも連携しつつ、またJICAとも連携しつつ、ODAを通じたルールや仕組みづくりに向けた支援に積極的かつ戦略的に取り組んでいく考えでございます。
○河野義博君 やはり仕組みづくりに関与していくということが非常に大切なことなんだろうと思います。施設を整備をしてしっかり旗を立てていくということに加えまして、制度をつくってしまえばその制度というのは永続的に使われるものでありますので、そういったところを根っこから関与を今後とも深めていきたいというふうに思います。 これはお願いでありますが、ODAとしてハード、ソフト両面にわたり整備していくということは、これは従来も行ってまいりましたが、近年は、各省庁が官民ファンドなどつくってインフラを整備したりソフト面の整備をしたり、こういうことを強化をしている状況にありますので、これはODAの枠内には入りませんけれども、支援を受けた国にとっては、これはODAの予算なのか官民ファンドの予算なのか、これは余り関係のない話でありまして、こういったところもしっかり日本がやったんだということをちゃんと分かってもらうような努力をしていただく。ODAはODA、行政の縦割りというのはいかんともし難い面もございますが、これをできるだけ排除して、受入れ手、受入れ国にとって、日本がやったんだということをちゃんと官民挙げて示していくということが大切なんだろうというふうに思いますので、今後ともよろしくお願いいたします。 次に、南スーダンの支援に関して伺います。 過去五年間、自衛隊施設部隊を派遣いたしまして南スーダンPKO活動を行ってまいりました。この政府が行ったことというのは高く評価ができると思います。南スーダンPKOミッション、通称UNMISSでございますけれども、自衛隊施設部隊の派遣は平成二十四年一月から五年間で延べ四千人、道路の補修は延べ二百十キロ、用地の造成は五十万平方メートルと、いずれも過去のPKOと比較して群を抜いて大きな実績を上げております。最大の成果と言えると思います。 今般、南スーダン国内が政治的安定に向けた対話も進んでおるというこのフェーズの移行を受けまして、施設整備の支援から、南スーダン政府による自立をサポートする方向に支援の重点を移すことが適当であるというふうな政府の判断がなされまして、施設部隊の任務終了に至るわけであります。 一方で、UNMISSの司令部に対しては、引き続き自衛隊要員を存置させまして、国づくりへの支援は引き続きコミットしていくという、今までの南スーダンへの支援というのは変わらないということは示されているものと承知をしておりますけれども、今後は、自衛隊・防衛省による施設活動中心となった支援から、外務省が中心となった南スーダン政府の自立の動きをサポートする方向に担い手もまた移っていくわけであります。 そこで、今後、継続、強化される南スーダンの国づくりへの具体的な支援策、また予算規模の見通しに関しても、分かる範囲で御説明をいただけたらと思います。
○国務大臣(岸田文雄君) この南スーダンにおけるPKO活動ですが、まさに委員御指摘になられたように、施設部隊の活動は終了するわけですが、UNMISS司令部における要員は存続するわけであります。そして、国づくりへの関わりは、南スーダン政府の自立支援に力点が移っていくということであると認識をしております。 その際に、我が国としまして、この南スーダンの平和や安定のためには、民族間の融和、そして関係者で合意されています衝突解決合意、この合意の履行、これが極めて重要であると認識をしています。その観点から、この政治プロセスの進展への支援、あるいは国民対話の支援、人材育成あるいは人道支援、こういった南スーダンの自立に資する支援を継続、強化していきたいと考えます。このうち、人道支援については、我が国は、国連の要請にも応えて飢饉対策として六百万ドルの緊急無償資金協力の実施を南スーダンに対して決定をいたしました。 その他、支援の予算規模についても御質問いただきましたが、予算規模については相手のニーズ等も踏まえて実施しなければならないので、今の段階で具体的な予算規模、申し上げることは難しいのですが、是非、南スーダンの自立に資する支援を継続、強化していくために必要な予算等も考えていきたい、このように考えます。
○河野義博君 まずは六百万ドルの緊急無償資金協力、これコミットしていただきました。迅速な対応だと思います。 国づくりにおいては、引き続きの継続的な支援というのが必要なんだろうというふうに思っておりますのでお願いをしたいと思いますし、また施設部隊が円滑に無事故で任務を終えることが本当に大切だと思いますので、全てのプログラムが成功に終わって無事に皆さんが帰ってこれるようにしっかりと外務省からもサポートしていただきたいというふうに思います。 続いて、フィリピンで二〇一三年十一月に発生をしました台風被害に関する支援でございます。 二〇一三年十一月八日、フィリピン中部を直撃した台風三十号、フィリピン名で台風ヨランダと言われておりますけれども、レイテ島を中心に大きな被害をもたらしました。 私、初当選後間もない時期ではありましたけれども、現地調査に個人渡航で行かせていただきました。政府としては、発災後すぐに医療チーム、専門家チーム、そして自衛隊部隊と派遣をしまして、大きな成果を上げ、緊急フェーズをフィリピンと力を合わせて乗り切ったという状況で、年が明けて、私、先輩議員とともに現地調査入らせていただきましたけれども、保健大臣、各地方自治体の首長、面談させていただきましたけれども、日本の支援に大きな感謝の意が表されておったわけでございますけれども、引き続きの支援をお願いしたい、再建に向けては日本の協力が不可欠だというお願いもいただいてまいりましたので、二〇一四年の予算委員会で、私も初めて予算委員会の質問でありましたけれども、岸田大臣に質問させていただきまして、地域医療拠点の再建、また高台移転、防災に強い町づくりの支援、こういった継続的な支援を政府に私としても求めたわけであります。 当該台風被害に対する日本の継続的な支援の状況、また成果に関してお示しをいただきたいと思います。
○政府参考人(山田滝雄君) お答えを申し上げます。 二〇一三年の台風ヨランダに際しまして、我が国としましては、フィリピンに対して、災害発生直後から国際緊急援助隊として自衛隊部隊や医療チーム、専門家チームを派遣したほか、緊急援助物資の供与、国際機関を通じた緊急無償資金協力等を実施してまいりました。また、緊急対応から復興に向けての継ぎ目のない協力を行うため、被災地域の医療施設等の社会インフラや防災インフラ等の建設、必要な機材を支援したほか、復興計画作成等の災害に強い社会づくりなど、フィリピン政府の復旧復興に対する協力を実施してまいりました。 これで終わりということではなくて、引き続き、洪水分野等の防災分野への技術協力などの支援を実施してまいりたいと考えております。
○河野義博君 御答弁にもありましたように、やはり継続的な支援が大切だと思いますので、よろしくお願いいたします。 最後に、二問まとめて伺います。 上下水道整備の支援に関して伺います。途上国の衛生環境改善のために我が国の有する浄化槽の高い技術を活用すること、これが期待されているわけであります。浄化槽は、個別設置となることから人口の分散している農村部において特に効果的で、生活環境の向上に寄与するものであります。しかしながら、個別設置ゆえに、現地において設置工事やメンテナンスといった技術を育てていくことも不可欠であります。 そこで、我が国の衛生分野へのODAにおける浄化槽の位置付け、また代表的な支援例、二十九年度予算案においてどの程度の額が確保されているんでしょうか。 また、浄化槽は単独で自動的に動くわけではありませんで、電力の確保が課題になってまいります。浄化槽の普及が期待される農村部ほどこの電力の確保、大きな問題になっているわけでありますが、近年、地産地消のエネルギー源として再生可能エネルギーも期待されておりまして、我が国は、高い技術力を持っております太陽光そして風力といった観点においては、ODAを活用した普及にも力を入れているものと承知をしております。 浄化槽の普及に再生可能エネルギーなどを組み合わせた衛生改善プロジェクトも効果的ではないかと思いますけれども、政府の方針を教えてください。
○政府参考人(山田滝雄君) お答え申し上げます。 浄化槽は下水道未整備の途上国において衛生状況の改善に貢献するものでございますので、我が国は主にアジアにおいて浄化槽の整備をODAにより支援してきております。一例としましては、ミャンマーにおいて、日本企業と連携し浄化槽を供与した上で、浄化槽の清掃、点検、維持管理技術等に係る技術協力を実施しております。浄化槽につきましては、それ以外にもインドネシア、ベトナム、カンボジア等で協力を実施しております。 平成二十九年度予算案につきましては現在御審議をいただいているところでございますが、途上国からの要望を踏まえた上で、引き続き途上国の衛生状況改善のための浄化槽を活用した支援を実施していきたいと考えております。 第二点目でございますけれども、ODAを活用した太陽光発電や風力発電の整備については、委員御指摘のとおり、近年、ODAによる支援を積極的に行っております。今後、こうした再生可能エネルギーと浄化槽、これを組み合わせた支援の可能性についても検討してまいりたいと考えております。
○河野義博君 浄化槽の支援、また再エネの支援、しっかりとODAも使って広げていくということが大事だろうと思っております。 時間となりましたので、終わります。ありがとうございました。
○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。 モザンビーク共和国のフィリッペ・ニュシ大統領が先週訪問されまして、同国と日本の共同声明が発表されました。この中で、モザンビーク政府が日本、ブラジルの支援を受けて大規模農業を導入する熱帯サバンナ農業開発事業、プロサバンナについて協力を確認をしております。この事業についてお聞きいたします。 まず、外務大臣にこのODAの基本方針について伺います。 二〇〇三年のODA大綱では、基本方針の三つ目に公平性の確保が掲げられております。「ODAの実施が開発途上国の環境や社会面に与える影響などに十分注意を払い、公平性の確保を図る。」としております。ところが、二〇一五年に改定された政府開発協力大綱の基本方針からはこの公平性の確保というのはないわけでありますが、これはなぜでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) まず、結論から申し上げますと、二〇〇三年のODA大綱における公平性の確保という方針、これは新しい開発協力大綱にも引き継がれております。 二〇〇三年のODA大綱を見ますと、基本方針として、公平性の確保、御指摘になった公平性の確保が明記されているわけですが、その内容としまして、社会的弱者の状況ですとか貧富の格差、地域の格差を考慮するとともに、環境や社会面に与える影響などに十分注意を払い、公平性の確保を図るとされています。さらには、男女共同参画にも触れているわけですが、こういった内容は、この二〇一五年の新しい開発協力大綱の中にも実施上の原則として全て盛り込まれています。具体的には、実施上の原則としてずっと並んでおりますが、エ、開発に伴う環境・気候変動の影響、オ、公正性の確保・社会的弱者への配慮、さらにはカ、女性の参画の促進、このように記されています。 要は、この二〇〇三年のODA大綱に盛り込まれた公平性の確保の中身、全て新しい開発協力大綱の中にも盛り込まれているということであり、結果として、その方針はしっかり引き継がれていると考えております。
○井上哲士君 しっかり引き継がれているということでありました。 一方、JICAが二〇一〇年に策定をした環境社会配慮ガイドラインは、この「ODAの実施が開発途上国の環境や社会面に与える影響などに十分注意を払い、公平性の確保を図る。」というODA大綱を引用して、理念として掲げております。 今の答弁にありましたように、開発協力大綱の策定以降もこのガイドラインでの理念は堅持をされていると、こういうことでよろしいでしょうか。
○参考人(北岡伸一君) 委員御指摘のとおりでございます。
○井上哲士君 そこで、そのプロサバンナ事業における環境社会配慮というのがどうなっているかということについてお聞きをいたします。 この事業については、小規模農家を中心にした地域住民から、自立を奪われる、環境破壊も進むなど、事業の中止を求める声が上がって、全国農民連合や市民団体によってプロサバンナにノーキャンペーンもつくられてまいりました。その中で、JICAも出資して、プロサバンナ・コミュニケーション戦略書が作られておりますが、この策定の時期と目的、受注者、JICAの支出した費用は幾らでしょうか。
○参考人(加藤宏君) お答え申し上げます。 コミュニケーション戦略でございますけれども、まず策定の目的でございますが、様々なステークホルダーに対しましてプロサバンナ事業に対する正しい理解を促すということでございました。策定の時期は二〇一三年の九月、契約の受注者は現地のコンサルタントでございます。支出は全体で八十五万九千九百五十メティカル、これはモザンビーク通貨でございますが、御参考までに日本円に換算いたしますと約二百八十五万円でございます。
○井上哲士君 具体的な会社名はどこでしょうか。
○参考人(加藤宏君) 失礼いたしました。 契約の受注者はCVアンドAという会社でございます。失礼いたしました。
○井上哲士君 この策定は市民社会に説明なく進められて、戦略書は二〇一六年まで市民社会には開示をされませんでした。それに対して二〇一六年の八月二十七日に三か国の市民社会が抗議声明と公開質問状を出しております。 この声明では、この戦略書の中にプロサバンナ事業に反対する市民社会組織の影響力を弱めるための方策が書かれているということに抗議をしております。それによりますと、戦略書にはこう書かれています。プロサバンナがコミュニティーとの直接的なコンタクトを行うことによって、コミュニティーあるいは農民を代表するこれらの組織の価値や信用を低めることができる。それから、モザンビーク市民社会諸組織の重要性を奪うことによって、モザンビークで活動する外国NGOの力をそぐことができる。さらに、その結果として、これらの組織からのメディアへのコンタクトも減ると。まさに反対運動の力を弱めるという、こういう項目が並んでいるわけですね。 これは、先ほど確認をした公平性の確保、環境社会配慮には反しているんではないでしょうか。JICAはこういうことを政府と協力して進めているということですか。
○参考人(加藤宏君) 御説明申し上げます。 まず、このコミュニケーション戦略書でございますけれども、先ほど申しましたように、CVアンドA社が作成いたしましたものでございまして、私ども、これを参考とさせていただいております。JICAとしての見解を示すものではないということを申し上げたいと思います。 また、今先生御指摘のいろいろな点が指摘されましたけれども、私どもは、市民社会の影響力を弱めるといった活動はこれまでも行っておりませんし、また、これからも行うつもりは元々ございません。そのことを申し上げたいと思います。 参考までにですが、これまでにやってまいりましたことは、具体的には、現地でこのプロジェクトに対して協力、理解をいただくための広報素材の作成その他のものをやっていましたということでございます。 以上でございます。
○井上哲士君 この公開書簡では、現実にJICAがモザンビークの市民社会に直接介入をしているとして、二月十七日にモザンビークでプロサバンナにノーを表明する農民と社会組織が公開書簡、プロサバンナにおけるJICAの活動に関する抗議文を北岡理事長に対して送っております。この中で取り上げているのがメディアへの介入なんですね。 この戦略書にはメディア対策も盛り込まれているわけでありますが、昨年末、これまでプロサバンナを批判的に報じてきた現地の独立系メディアに、賛成派の市民団体が全国農民連合など反対組織を名指しして批判する記事が掲載をされました。そして、この記事は年明けに、この記事は日本大使館主催の旅行の一環で執筆されたものですという文章が加筆をされたとされておりますが、実際、外務省に聞きますが、日本大使館は十二月にメディアを案内した旅行を行ったのではありませんか。
○政府参考人(山田滝雄君) お答え申し上げます。 日本の開発協力につきまして、相手国含めた国際社会に積極的に戦略的に発信することは重要でございます。こうした考えに基づきまして、外務省としましては、海外において日本の開発協力についての理解を促進する広報活動の一環として、在外公館が中心となって現地の報道機関に対して日本の開発協力の現場の視察を企画するプレスツアーを実施しておりまして、平成二十七年度から六十か国以上で実施しております。御指摘のプレスツアーもその一つでございます。 このプレスツアーは、TICADのプロセスにおいて主要回廊と位置付けられておりますナカラ回廊沿いの開発協力案件全般について視察し、この地域での日本の対モザンビーク協力について広く認識していただくと、これを目的として昨年十二月に実施したものでございます。
○井上哲士君 通常行っていると言われますけれども、このモザンビーク・プロサバンナの場合に、市民社会の間に大きな意見の対立があるんですね。その中で、一方的にこういうことを行って、現にその結果としてこういう記事が出ていると。 私は戦略に基づく市民分断ではないかと思わざるを得ないわけでありまして、この記事の中に繰り返し登場するアントニオ・ムトゥア氏、彼はプロサバンナを賛美してこの反対運動を攻撃しているわけでありますが、このムトゥア氏が最高責任者を務めるNGO、ソリダリエダーデがこのプロジェクトに関わってJICAとコンサルタント契約をしていると思います、市民社会調整メカニズム関与プロジェクトに関して。この契約金額とこれまでに支払われた金額はどうなっているでしょうか。
○参考人(加藤宏君) お答え申し上げます。 ソリダリエダードとの契約金額でございますが、当初、二十万六千百三十九ドル七十五セントでございましたが、その後、契約変更がございまして、最終的に契約金額は二十三万五百六ドル七十一セントとなりました。支払金額は以上でございます。(発言する者あり)支払金額は十万三千七百二十八ドル一セントでございます。 失礼いたしました。
○井上哲士君 モザンビークのNGOは国内法で非営利団体とされております。ところが、契約書によれば、契約金のうち六〇%が報酬で、その中にはコンサルタント利益も含まれているとされておりますが、こういう利益をもたらす契約をするということはモザンビークの国内法に反するんではないかという指摘がありますが、いかがでしょうか。
○参考人(加藤宏君) お答え申し上げます。 ソリダリエダードという組織は、モザンビークの法律に基づきまして、活動目的等をモザンビーク当局に届け出、認証を受けております。JICAとのソリダリエダードとの契約に基づく業務につきましても、その届出事項の範囲内で実施されているものと私どもは認識をしております。 そして、利益の話でございますけれども、JICAとソリダリエダードとの契約において計上されている費用がございますけれども、具体的には人件費、管理費、そして活動実費といった活動に必要な経費でございまして、商業的利益としての費用を支払うものではないというふうに認識をいたしております。 以上二点、すなわちソリダリエダードがモザンビーク当局に対して届け出た業務範囲の中に入っているということ、そして商業的利益とみなし得るものが含まれていないということに照らしまして、本件契約につきまして国内法上特段の問題があるとは認識をしておりません。 以上でございます。
○井上哲士君 あの契約書ではコンサルタント利益となっているわけですね。 いずれにしても、モザンビークの市民社会などは様々な反発をしているわけで、公平性が不可欠であるコンサルタント契約をこうした人物のNGOと契約するということ自身が問題だとされております。 この人物とNGOが実施することになっていたのが、コミュニティーコンサルテーションであります。二月二十七から三月七日まで二百七か所で開催されることが告知されておりましたが、反対派の市民が参加しない中で開かれるならば一層分断を広げるという懸念がありました。これについては延期をしたと聞きましたけれども、その理由及び延期後の開会の予定などはどうなっているでしょうか。
○参考人(加藤宏君) お答え申し上げます。 まず、このコミュニティーコンサルテーション、先ほど先生御指摘の点でございますけれども、この農業開発マスタープラン策定のプロセスの一環といたしまして、マスタープランのドラフトに対しまして御説明をし、かつ農業開発に関する地域住民、農民の意見そしてニーズを広く聞き取るものとして企画しているものでございます。プロサバンナ事業対象地域の現地市民社会組織が市民社会調整メカニズムというものをつくりまして、これを実施することが計画されていたところでございます。 他方、日本政府及びJICAは、このコミュニティーコンサルテーションへの参加をまだ拒んでいらっしゃる反対派の方がいらっしゃるということもありまして、それらの方々の意見も聞き、より丁寧な対話を進めることが必要であると考えまして、モザンビーク農業食料安全保障省に対しましてコミュニティーコンサルテーションの延期を促したということでございます。その結果、三十日間延期されることとなったと承知しております。 今後の予定につきましては、現地市民社会、農民団体と丁寧な対話を進めながら、モザンビーク政府とも密接に連携しながら検討してまいる所存でございます。
○委員長(野村哲郎君) 時間が来ておりますので、まとめてください。
○井上哲士君 冒頭言いました共同声明では対話の継続ということが書かれておりますが、今様々申し上げられましたように、公開書簡では市民分断が厳しく指摘をされているわけでありまして、この書簡にも真摯に対応し、市民分断の活動はやめること、合意のない事業は中止をすること、そのことを求めまして、質問を終わります。 ありがとうございました。
○清水貴之君 日本維新の会の清水貴之と申します。よろしくお願いいたします。 先ほど河野委員の方から、PKO活動、南スーダンでの自衛隊の活動の話がありました。その南スーダンでは、JICAも入って様々な活動をこれまで、現在は国外に一時退避しているということなんですが、行ってきています。 先日、その南スーダンの状況を調査するために、我々の党の吉田豊史衆議院議員が隣国のウガンダに行ってきています。そのウガンダでも、JICAの南スーダンでの活動というのは非常に高く評価する声というのを聞いてきたということなんです。 自衛隊とJICAの活動というのは、もちろん活動内容も違うでしょうし、活動の体系であったりとか法的な根拠とか、様々違いはあるとは思うんですが、厳しい状況の国に対する日本としての貢献、支援を行うという点であるとか、その活動についてはやはり安全面というのを最優先にしなければいけない部分などは共通するところがあると思いますので、そういった観点から今日は質問をしたいと思います。 まず、南スーダンでのJICAの活動なんですが、これまでどのような活動をして、どういう成果を出してきているのでしょうか。
○参考人(北岡伸一君) お答えを申し上げます。 JICAは、基礎的な経済社会インフラの整備にまず取り組んでおります。これは、例えばナイル川架橋建設計画を進めております。また、ジュバの河川、川の港の拡張工事などに取り組んでおります。また、水道事業に取り組んでおります。 それからまた、第二に、代替産業の育成に取り組んでおります。石油依存を変えて、農業その他の代替産業を育成するということに取り組んでおります。これはマスタープランを作成というようなところの段階でございます。 第三番目に、基礎生活及び生活向上支援、そしてまた第四にガバナンス及び治安能力強化、向上などの、この一、二、三、四、四つを重点分野と考えております。 それ以外には、研修員の受入れ、若者に対する技能職業訓練等々を実施してきております。成果は、完成していないものも多いのでありますが、職業訓練については六千人以上の若者について職業訓練の機会を提供しております。JICAの包括的農業マスタープランは、本年三月、南スーダン議会で承認されました。 それから、やや変わったものでは、昨年も行ったのでありますが、本年、首都のジュバで全国スポーツ大会の開催を支援いたしました。これは部族間対立を緩和し、お互い仲よくしてもらおうと、相互理解、交流のためにやりまして、去年に続いて今年も成功裏に開催されました。
○清水貴之君 大変幅広い分野、範囲で活動をされているということなんですが、それぞれでもいいですしトータルでもいいんですけれども、その活動の終了見込みとか、当初どういった設定をして、さあ南スーダンで活動しようという、こういったことを決めていくんでしょうか。若しくは、これもいろいろ状況によって変わるでしょうから、決められないものでしたら決められないのかなとも思いますが、どういった状況になっているんでしょうか。
○参考人(北岡伸一君) これは何よりもその安全状況に懸かっておりまして、今委員御指摘のとおり、JICAのジュバ事務所は隣国に置いて、現地のナショナルスタッフがこれまたなかなか有能な人たちが多いものですから、彼らと遠隔操作で仕事を進めているというわけで、どれがいつ完了するかというのはなかなか見通しが付けにくい状況でございます。
○清水貴之君 その様々な活動の中で、やはり今いろいろと南スーダン全体でいいますと危険な状態もある中で、やはり安全性の確保というのが最大限必要なことだというふうに思います。 まずお聞きしたいのが、日々の活動ですね。様々な活動をしていく中で、今日は例えば安全だと、でもあしたは、ちょっと逆かな、今日これからさあ橋を架けに行こうとする、でもその現場で何か暴動が起きそうだとか危険なことが起きる可能性があるんじゃないか、そういった場合は決して積極的に行く必要はなくて、活動をやめて安全なところに退避しているべきだと思うんですね。でも、じゃ、どうやってその判断をするかというのが非常に重要なことになってくると思います。これは自衛隊も一緒だと思うんですけれども、活動しないから駄目だ、危険だからやめるんだというよりも、危険な場合は、もちろんもう命に支障を来すような状況だったらこれは退避しなければいけないと思いますが、そうじゃない日々の活動の中でも微妙な判断というのは迫られると思うんですね。 こういった判断というのはどのように行われていて、もちろん報告なども理事長も受けられると思うんですけれども、どういうJICA全体として判断をしているものなんでしょうか。
○参考人(北岡伸一君) 日々の行動につきましては現地の所長の判断で行動いたしますが、もう絶えず、そもそもそんなに危ないところは行きません。日々の状況は、大使館、それから国連のUNMISS、そして他国の援助機関、そして政府等々といろいろございます。そこと緊密に連絡を取り合って進めておるということで、大きな問題になりますと本部の判断になりますが、日々の行動については現地の所長の判断。ただ、今、現地の本部は隣国に移っていると、そういうことでございます。
○清水貴之君 その現地の所長の判断ということで日々は行っていると。ただ一方で、今ありましたとおり、様々な機関とも情報を共有しながら、去年の七月に国外退避ということを決めたわけですね。その前にも一度、二〇一三年ですかね、このときも国外退避を決めて、で、また退避したものが二〇一四年に一年ぐらいたってから戻って活動、やはりその状況を見ながら出て入ってということをしているわけです。今回は、今現状は退避をしている状況ということです。 この日々の活動は所長の判断ですけど、退避となりますとこれはまた更に違う判断も必要になってくるのかなと思いますけれども、どういった基準なり判断なりをして今回退避ということを決断したのでしょうか。
○参考人(北岡伸一君) これは私もよく覚えておりますが、昨年の七月の八日頃に、金曜日の現地時間の十七時頃でございましたが、断続的に銃声が聞こえ始めたと。これはまずい、治安情勢が急激に悪化してきたと。ということで、活動を中止いたしました。そして、事務所から無線で、建物の中にいる関係者は待機、屋外にいる者は直ちに建物の中に入るようにと、こう指示をいたしまして、そして外務省と緊密な連絡の下に、七月の十日の二十時頃にJICAの本部からの連絡で、国外退避と、可能な幾つか手段は用意したんですが、可能な限り早く、幾つか準備している方法の最も早い方法で国外退避せよという指示を出しました。
○清水貴之君 JICAが退避して、ただ一方で、自衛隊とも連絡は取っていると思うんですが、自衛隊は今年の五月まで残って活動ということで今現在も残っているわけですね。 この辺の、一般的に考えたら、装備も違いますし、国連の監視下等で活動しているとか状況も違うんですけれども、日本から行っている団体、組織、自衛隊、JICA、それぞれ判断がここで異なっているわけですね。こういうのはどういった理由から生じているというふうに考えられますでしょうか。
○参考人(北岡伸一君) 違っていたところが具体的にどういうところを委員御指摘かよく分かりませんが、自衛隊の部隊は基本的に国連の南スーダン・ミッション、UNMISSの中にございます。ですから、そのUNMISSのヘッドクオーターの指示で動くというふうに理解しております。 ただし、我々は頻繁に携帯等で現地の所長とも連絡は取り合っております。
○清水貴之君 前回も一度、退避の後に戻って活動を再開しているということです。 今後の活動再開の判断なんですけれども、吉田豊史衆議院議員からは、駐ウガンダの南スーダン大使と会談をしたところ、やはり非常に日本の貢献、JICAの貢献というのが大きいと、早く戻ってきてほしいという声を南スーダン大使の方から聞いたということなんですね。 ですから、戻りたいという思いもありながら、安全面とのもちろん兼ね合いでというところの判断になるんでしょうけれども、いつ頃、どういうまた基準を持ってその活動再開というのを今後は決めていく見込みなんでしょうか。
○参考人(北岡伸一君) これは大変難しいんですが、委員御指摘のとおり、JICAの事業の、なかんずく架橋事業それから河川拡張事業は非常に高く評価されて、期待は大変大きゅうございます。 そしてまた、政府から何度も逐次国会等で説明されているとおり、ジュバの町自体の安定はそれほど損なわれているわけではございません。ただ、ジュバから外へ行きますとかなりもう予測不可能な事態もございますし、さらに加えて、今は気候上の条件で南スーダンに飢饉が起こりかけているということは否定し難い事実、干ばつでありまして、そういう状況であって、干ばつが起こりますと当然治安が乱れるわけでございます。 こうした状況におきましてはUNMISSの能力も必ずしも十分でないということを国連の方でも判断しまして、地域防護軍というのを派遣するということになりまして、周辺国からUNMISSの部隊を増強してそれで治安の維持に努めようということになりまして、この部隊が入るのは五月ぐらいになるかなというふうに言われておりますので、それが入ってどういうふうに定着するかどうかと、それを見ないとちょっと何ともまだ言えないというのが現状でございます。
○清水貴之君 最後に大臣にお聞きしたいんですけれども、先ほど、これも河野委員からありましたけれども、自衛隊は撤退を決めたと、JICAも今は状況を見ながらということで、そうなると、やはり日本の貢献は非常に大きくて感謝されている、南スーダンでなかなか活動する組織や団体がなくなってしまうわけですね。でも、南スーダンは、今、北岡理事長からもあったように、今後、飢饉も予想されると、激しい、激しいといいますか散発的な衝突なども多数起こっているというような状況の中で、やはり南スーダンをどう日本としてサポートしていくかというのが非常に大事になっていきます。 先ほどもお金の話もありました。じゃ、お金出すと、飢饉対策出すけれども、それが本当にちゃんとその苦しい方々、地元のいろいろ被害を受けている皆さんに渡るのかどうかと、こういうところまでしっかりと、お金出して終わりではなくて、手厚く最後までしっかりサポートしていただきたい。これは、大臣、是非お願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) 今回、施設部隊の終了は決定いたしましたが、先ほども答弁させていただいたように、このUNMISSの司令部には要員はしっかり残し、引き続き南スーダンの国づくりには貢献していきます。 そして、加えて、この支援の力点を南スーダンの自立に置いていこうということで支援を引き続き考えているところです。そのために、政治プロセスを支援する、あるいは国民対話を支援する、あるいは人道支援をしっかり行う、さらには人材育成、こういったものにもしっかり貢献していこうということを考えています。その中の一つとして、御指摘になられましたこの人道支援として六百万ドルの飢饉対策の支援を行ったわけであります。 こうした支援につきましても、具体的には、国際機関を通じて食糧や栄養や保健及び水・衛生分野の支援を早急に実施していきたいと思います。国際機関を通じるということで、おっしゃるように、実際に必要な方々にそれが届くということについてもしっかり確認をしていく、こういったことも考えていかなければならないのではないかと思います。 南スーダンの平和と安定のために、より南スーダンの国民の皆さんからもしっかり感謝されるような支援をしっかり続けていきたい、このように考えます。
○清水貴之君 以上で終わります。ありがとうございました。
○又市征治君 希望の会、社民党の又市です。 これまでに日本は、マレーシア、フィリピン、ベトナム、インドネシア、スリランカ、ジブチ、この六か国にODAの枠組みで巡視船を供与をしてきました。有償、無償、両方のパターンがあるようですけれども、どのような経緯で各国に巡視船を供与することになったのか、まずこの点から伺います。
○政府参考人(山田滝雄君) 近年頻発しておりますテロや海賊などの国際犯罪、これに対処し、海洋における法の支配を確保していくため、とりわけ海洋に面した東南アジア諸国においては、巡視船等の供与や人材育成といった海上法執行能力の向上に対する支援ニーズが高まっております。各国からも多くの協力要請が寄せられております。 我が国といたしましては、海洋国家として海洋における法の支配を重視する観点から、こうした要請に応え、海上法執行などの能力向上を目的とした人材育成、巡視船等の供与といった種々の開発協力を行っているところでございます。
○又市征治君 この巡視船の供与はここ二、三年に集中をしてきているわけですが、供与する国のうちスリランカ、ジブチを除く四か国は、まさにこの緊張が高まっていると言われる南シナ海の湾岸諸国、こういうことになります。 総理は、今年の一月にフィリピン、インドネシア、ベトナムなどを訪問をされ、各国での首脳会談では、中国のことも意識したんでしょう、南シナ海周辺情勢にも言及をして、仲裁裁判所の判断の尊重であるとか法の支配や紛争の平和的解決の重要性で一致したと、こういうふうに伝えられております。 情勢の緊張化に対して平和的解決を強調することそのものは私どもも賛成ですけれども、ただ気になるのは、この南シナ海をめぐる中国と各国との関係、また日本と中国との関係自体が必ずしも良好と言えない中で、海洋法執行等の能力向上のために巡視船等、まあ数字を挙げてみると四十五隻以上数値が挙がってまいりますけれども、これ供与することを一体この中国がどう見ているか、そしてそれが南シナ海周辺の緊張緩和につながるのかどうかということだろうと思うんですね。一部報道機関は、安倍政権による巡視船の供与を巡視船外交、こういうふうに呼んで、海洋進出を強める中国を念頭に警備能力が低い湾岸国を後押しする戦略だ、こういうふうに指摘をしています。 特定の国に対抗する意図を持ってODAを利用するということは妥当ではない、私はこう思うわけですが、この点、外務大臣の御見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(岸田文雄君) まず、東南アジア諸国においては、海上法執行機関等に対する支援のニーズ、これが高まっています。まず、こうしたニーズがあり、このニーズ、さらには要請、こういったものを受けて、我が国として、海洋国家として海洋における法の支配を重視する観点から、インドネシア、フィリピン、ベトナム等に対し、海上法執行能力向上のための種々の開発協力を実施しているところです。 こういった支援は、周辺海域の安全あるいは海洋における法執行の確立に貢献するものであって、国際社会の平和と安定を重視する我が国のみならず、国際社会全体にとって重要なものであると考えています。これは特定の国への対処を念頭に置いたものではないということはしっかり説明をしていかなければならないと考えます。
○又市征治君 そもそもこの巡視船艇というのは、輸出貿易管理令における軍用船舶、こう位置付けられているわけで、武器輸出三原則には抵触していたわけです。そのために、軍事転用しないことを条件としていますけれども、その意味で、やはり相手がどう見るか、ODAの利用が巡視船外交だという見方もあるということについても当然認識をされていると思いますが、この点の留意を改めて求めておきたい、このように思います。 次に、昨年十一月にキューバのカストロ元国家評議会議長が亡くなり、キューバもいろんな意味で新たな条件の下での国づくりに移行するんだろう、このように思います。 昨年三月に、本委員会において私は日本とキューバの経済関係について伺ったところ、医療機材や農業機材の整備について調査を開始する、こういう回答でありました。その後の進展状況はどうなのか、また民間レベルでの経済関係に何か新たな動きがあるのかどうか。加えて、この三月、キューバのハバナで開催された第二十二回カリブ諸国連合閣僚会議に薗浦副大臣が日本政府を代表して出席をされておりますが、この点についても、どのような成果があったのか。以上三点伺います。
○副大臣(薗浦健太郎君) キューバは、現在、経済社会モデルの改革、また外資の誘致を積極的に推進しております。私自身も現地に参りまして、日本の経済協力への期待が非常に高いということを感じまして、日本とキューバの経済関係を抜本的に強化する好機にあるというふうに感じております。 先ほど先生御指摘になりました医療機材でございますが、昨年九月の総理のキューバ訪問の際、初めての本格的な無償資金協力案件となる医療機材の供与を決定いたしました。また、今回私が訪問した際には、農業機材の供与、また廃棄物収集車の供与も決定をして、伝えてきたところでございます。 また、カリブ諸国連合の閣僚会合についても御指摘をいただきましたけれども、この閣僚会合において我が国のオブザーバー国入りが承認をされました。今後、地政学的に非常に重要でありますカリブ地域等の国々の関係を一層強化することができるというふうに考えております。 いずれにしても、キューバの経済社会の本格的な発展に一層貢献するため、関係強化に今後とも努めてまいりたいと考えております。
○又市征治君 親日のお国柄ですから、薗浦副大臣お会いになったかどうか分かりませんが、結構日本からの移民の人々が多いんですね。そして、おまけに主食は米なんですよね。この米がなかなか作れないと、こういう問題があるから、農業関係の援助、私も長年それに携わってきた一人でもありますけれども、是非関係拡大に外務省としても汗を更にかいていただきたいと、こう思います。 そこで、大臣に伺いますけれども、一昨年七月にアメリカとキューバ、国交が五十四年ぶりに回復を一応しました。しかし、経済制裁は依然として解除されていない、経済関係が前進している様子はないんですけれども、外務省としてはどのように分析をなさっているのか。また、トランプ大統領が誕生したわけでありまして、キューバとアメリカとの関係に正直言って私は水差すんじゃないかというそういう心配がありますけれども、外務省はどう見ておいでになるのか。また、アメリカの対キューバ関係の行方に、日本はキューバとの関係について何もアメリカには影響されないというふうに思いますけれども、この点についても確認を願いたいと思います。
○国務大臣(岸田文雄君) まず、トランプ政権の対キューバ政策について、日本政府としてコメントする立場にはありませんが、ただ、米国とキューバの関係、これは中南米地域全体の安定的発展のためにも重要だと認識をしていますので、しっかり日本としても注視はしていきたい、このように思います。 なお、日本としては、一昨年五月に私が訪問させていただきました。昨年九月には安倍総理がキューバを訪問させていただきました。その際に、ラウル・カストロ議長と会談を行うなど、日・キューバの友好関係、これはしっかり確認しております。 日本は、キューバとの間でハイレベルの人的交流あるいは政府間の意見交換、民間交流、こうしたものを活発に行っています。こうした良好関係は引き続きしっかり維持をしていきたいと我々は思っています。
○又市征治君 時間参りましたから、終わります。ありがとうございました。
○委員長(野村哲郎君) 以上をもちまして、平成二十九年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、政府開発援助関係経費についての委嘱審査は終了いたしました。 なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(野村哲郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後零時六分散会