資源エネルギーに関する調査会 第2号
- 発言数
- 179 件
- 登壇者
- 28 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 2017/02/15
会議録
○会長(金子原二郎君) ただいまから資源エネルギーに関する調査会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日、石橋通宏君が委員を辞任され、その補欠として徳永エリ君が選任されました。 ─────────────
○会長(金子原二郎君) 原子力等エネルギー・資源に関する調査を議題といたします。 まず、「原子力問題に関する件」のうち、「原子力規制委員会の活動状況」について、原子力規制委員会委員長から説明を聴取いたします。田中原子力規制委員会委員長。
○政府特別補佐人(田中俊一君) 原子力規制委員会委員長の田中俊一でございます。 参議院資源エネルギーに関する調査会における御審議に先立ち、原子力規制委員会の活動状況について御説明申し上げます。 原子力規制委員会は、原子力に対する確かな規制を通じて、人と環境を守るという使命を果たすため、様々な課題に取り組んでおります。 まず第一に、原子力施設等に係る規制の厳正かつ適切な実施について申し上げます。 東京電力福島第一原子力発電所の事故の教訓を踏まえ制定された新しい規制基準への適合性審査については、これまで、発電用原子炉について十一の事業者から二十六基の原子炉に係る申請が、核燃料施設等について九つの事業者から二十の施設に係る申請が出されております。 これまでに、九州電力川内原子力発電所一号炉及び二号炉、玄海原子力発電所三号炉及び四号炉、関西電力高浜発電所一号炉、二号炉、三号炉及び四号炉、美浜発電所三号炉並びに四国電力伊方発電所三号炉の計十基に対して設置変更許可を行い、高浜発電所一号炉及び二号炉並びに美浜発電所三号炉について運転期間延長の認可を行いました。一方、九州電力玄海原子力発電所一号炉、日本原子力発電敦賀発電所一号炉、関西電力美浜発電所一号炉及び二号炉、中国電力島根原子力発電所一号炉並びに四国電力伊方発電所一号炉の計六基について、廃止措置計画の認可申請に基づき審査を実施しております。 また、試験研究炉については、国立大学法人京都大学原子炉実験所の臨界実験装置及び近畿大学原子力研究所原子炉の設置変更承認及び許可、国立大学法人京都大学原子炉実験所の研究用原子炉の設置変更承認を行うなど、原子力施設等に関する審査、検査を順次進めております。 このほか、高速増殖原型炉「もんじゅ」について、昨年末の政府方針を受けて、安全かつ着実な廃止措置が行われるよう、関係規則を整備する等の所要の取組を進めております。 第二に、東京電力福島第一原子力発電所の廃炉に向けた取組の監視等について申し上げます。 原子力規制委員会は、東京電力福島第一原子力発電所の早期かつ安全な廃炉や汚染水対策の実施に向け、規制当局としての立場から積極的な監視、指導を行うとともに、周辺地域のモニタリングに取り組んでおり、当初の様々なトラブルへの緊急対応が中心であった状態から、現在は、対策全般について、計画を一つ一つ十分に検討し、着実に対策を進めることのできる状態に移行したと認識しております。 引き続き、安全上の観点からの優先順位を明確にした中期的リスクの低減目標マップを定期的に改定し、完了した措置と引き続き監視が必要な措置を明示するなどして、処理した水の処分や廃炉作業に伴って発生する廃棄物の処理等の対策が適切に行われるよう、監視、指導を行っていきます。 第三に、原子力災害対策及び放射線モニタリングの充実について申し上げます。 原子力規制委員会では、最新の国際的知見を積極的に取り入れる等、防災計画の立案に使用する判断基準等が常に最適なものになるよう原子力災害対策指針の充実を図るとともに、原子力災害拠点病院の指定促進の支援等、原子力災害時における医療体制の着実な整備を進めております。 放射線モニタリングについては、地方放射線モニタリング対策官事務所における人員の増強等により、緊急時モニタリング体制の充実強化を図っております。また、総合モニタリング計画に基づき、東京電力福島第一原子力発電所の事故に係るきめ細かな環境放射線モニタリングを継続するとともに、モニタリング結果について、関係自治体その他の国内外への情報発信にも努めています。 最後に、原子力利用における安全対策の一層の強化のための制度の見直しについて申し上げます。 原子力規制委員会は、国際原子力機関、IAEAの勧告等を踏まえ、原子力事業者等に対する検査制度の見直し、放射性同位元素の防護措置の義務化、放射線審議会の機能強化等の措置を講ずるための検討を進めてまいりました。これを踏まえ、今国会に原子力利用における安全対策の強化のための核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律等の一部を改正する法律案を提出したところであり、原子力規制委員会としては、引き続きより実効性の高い規制の実現に取り組んでまいります。 以上、原子力規制委員会の活動状況について御説明いたしました。 我が国の原子力規制に対する信頼の回復は、いまだ道半ばにあります。原子力規制委員会では、与えられた職責を踏まえ、真の安全文化を構築し、原子力利用の安全が確実に担保されるよう、今後とも努力してまいります。何とぞよろしくお願い申し上げます。
○会長(金子原二郎君) 以上で説明の聴取は終わりました。 次に、原子力問題に関する件について質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○青山繁晴君 自由民主党の青山繁晴でございます。 本調査会ではこれが初めての質問です。党利党略のためではなく、ただ国益のためにこそ、不肖ながら質問いたします。どうぞよろしくお願い申し上げます。 まず、田中委員長におかれては、丁寧な御説明ありがとうございました。委員長の御説明の最後にありました我が国の原子力規制に対する信頼の回復はいまだ道半ばにありますというお言葉、私たち議員の側も肝に銘じて共に取り組んでまいりたいと思います。 さて、私は、民間人時代の本職の一つが危機管理でありました。原子力発電所の長所と短所、そのリスクにも真正面から対峙すべきだと考え、特にテロリズムに対する備えをささやかに問題提起しておりました。すると、内閣の原子力委員会に原子力防護専門部会が初めて設立され、内閣総理大臣によってその専門委員に任命されました。 原発テロに備えるということは、原発隅々の構造から始まって、放射性物質の漏えいが引き起こされた場合の人体への影響から避難誘導の在り方まで広く関わることになります。そして、三・一一のあの事故発生直後の福島第一原発に当時の吉田昌郎所長の正式許可を得て作業員以外で初めて入構し、専門家の端くれとして実地検分いたしました。これが二〇一一年四月二十二日のことでありました。 今日はそうした立場から質問いたします。今日は政府側の御答弁時間も合わせて四十分ですので時間は十分ではありませんけれども、広く国民の皆様とともに、なるべく専門用語を使わずにフェアな議論をいたしたいと願っております。 まず、福島原子力災害を考えるときに、どんな種類の放射性物質がどれほど環境に出てしまったかを計算することは、言わば根っこの根っこであります。ところが、この計算を原子力規制委員会としてはいまだに行っていないという、意外に知られていない事実があります。 事故の直後でありました二〇一一年の四月、菅内閣の当時に、経済産業省の原子力安全・保安院がヨウ素131とセシウム137を合わせて全体をヨウ素に換算いたしまして三十七万テラベクレル、そして内閣の原子力安全委員会が六十三万テラベクレルという、いずれも膨大な数値を公表いたしました。そして、翌年の二〇一二年の三月に、原子力安全・保安院は、およそ五十万テラベクレルという、言わば数字を上乗せした値を公表しました。日本政府が発表した数字はこれが全てです。 原子力安全・保安院も原子力安全委員会もその後廃止されまして、二〇一二年九月に野田内閣の下でこの原子力規制委員会が発足しました。しかし、放射性物質の計算は、国連の科学委員会とIAEA、国際原子力機関ではその後なされましたけれども、現在の政府機関である原子力規制委員会によってはいまだなされてはおりません。 そして、原子力安全・保安院と原子力安全委員会という二つの旧機関、今はない機関による数字が、IAEA、国際原子力機関の基準に照らして、あのチェルノブイリ事故と同じレベル7とする根拠になっております。 ところが、これは国民が普通にイメージなさるような実測値ではありません。コンピューターシミュレーションによる推測値です。コンピューターシミュレーションによる推測値というのは、値や条件の入れ方によっては手計算と違ってどんどん大きくなりかねないという、科学に携わる者であればどなたでも御存じの特徴があります。 事実、学者の中には、一部ですけれども批判もあります。例えば、事前に御当人に申し上げておりませんけれども、東京大学名誉教授の西村肇先生、この方は大気と海洋の汚染研究の大家として知られて、官公庁始め公の依頼によって環境調査を長年遂行されている方です。私はこの方とお会いしたことはありません。連絡も取っていません。何を言っているかというと、利害関係などもありません。この西村名誉教授が二〇一一年四月八日、だから事故の直後に記者会見を行われまして、福島原子力災害による放射性物質の漏えいは千テラベクレル程度という計算を明らかにされています。これを先ほどの保安院の数字と比べますと僅か〇・二%、安全委員会の発表の僅か〇・一六%です。つまり、いずれも政府発表の一%にも満たない放射線量を計算なさっています。これと似た計算の学者はほかにもいらっしゃいます。今日は紹介しませんけれども。 一番中立的な立場と思われる西村先生の発表を引用しましたけれども、余りに数字が違い過ぎないでしょうか。これらの計算をチェルノブイリの事故と比べると、政府発表では福島原子力災害はおよそ放射性物質の漏えいが十分の一程度、学者の計算では千分の一ほどになってしまいます。同じ事故の話とは思えません。 したがって、まず原子力規制委員会にお伺いしたいのは、原子力規制委員会の基本的な任務として、改めて放射線量について計算なさり、国民に公表すべきではないでしょうか。放射性物質の漏えいのもとである格納容器などはまだデータを取れる状況ではないことはよく理解しております。しかし、土壌であったり河川であったり海洋であったり、データはかなり取れるんではないでしょうか。 まず、この件について規制委員会にお伺いします。
○政府参考人(山形浩史君) お答えさせていただきます。 先生のおっしゃられたとおり、平成二十三年四月に実施しておりますけれども、福島第一原子力発電所の事故に関するINESの評価に関しまして、当時の原子力安全・保安院と原子力安全委員会、これらが放射性物質の放出量をそれぞれ、おっしゃるとおり、ヨウ素換算で三十七万テラベクレル、六十三万テラベクレル、そしてレベル7と評価しております。 また、平成二十三年九月に公表しました政府のIAEAへの報告書におきまして、放射性物質の放出量は、環境モニタリング、出されたものの環境モニタリングのデータの逆推計の結果も踏まえまして、大気中について、同じくヨウ素換算で五十万から百万テラベクレルと推定しております。 これらの放射性物質の放出量につきましては、国際機関においても評価がなされております。例えば、二〇一五年のIAEA事務局長報告書によれば、それらの値は三十八万から百二十万テラベクレルというものでございまして、日本政府の報告書における試算と大きく異なるものではございません。これらの放出量、先生御指摘がありましたように、セシウム137の放出量をヨウ素換算するために四十倍してヨウ素131と合算した推定値でございます。 御承知のとおり、現在、福島第一原子力発電所につきましては、高線量であるために詳細な現地調査、これ非常に難しい状況でございます。格納容器の損傷状況、依然として不明な部分がございますので、規制委員会としては、引き続き調査を必要としていると思ってございます。 原子力規制委員会としては、現在の廃炉の進捗状況を踏まえて、着実に事故の分析を進めることとしております。今後、新たな知見が得られましたら、放射性物質の放出量を見直すことができるかどうか、検討してまいりたいと思っております。
○青山繁晴君 今最後に、場合によっては検討するとおっしゃいましたから、是非前向きにお考えいただきたいと思います。 なお、念のためですけれども、今おっしゃった国際機関の計算というのも、基本的には日本の出した値あるいはデータの取り方を参照にしているわけですから、改めて、私たちの政府機関の中で一番大事な原子力規制委員会が本来の機能として取り組まれることをもう一度お願いしておきます。 次のテーマなんですけれども、この放射線量の探求というものが、本来はレベル7の見直しについて原子力規制委員会はIAEAと協議していただきたい、あるいは協議すべきではないかと考えます。 そこで一つ、本来、質問なんですけれども、提案がありまして、現在のIAEAの基準では、レベル6以上になると単に数値だけで、放射性物質の漏えいの数値だけで判断することになっていますけれども、しかし、本来は事故の総合評価、すなわち放射線障害による犠牲者の有無から始まって、環境破壊の度合いなどを含めて評価をすべきではないかとIAEAに問題提起をなさってはいかがでしょうか。田中委員長がおっしゃいましたとおり、福島原子力災害という言わば無残な、同時に、決してほかでは得られないことがベースになっていますから、そのような問題提起を一つ提案します。 どうしてかといいますと、現在、レベル7で同等とされているチェルノブイリと福島は、福島県民のためにも申したいんですけれども、事故の中身が違い過ぎます。チェルノブイリでは、御承知のとおり、プルトニウムを始め重金属が広く環境に漏えいして死者がたくさん出た事実があります。 福島原子力災害でも、事故によって命を奪われ、生活を奪われ、父祖の地を汚された無残な事実があります。これは本当に許すことができません。ただ、犠牲者については、災害関連死、すなわち誤った避難誘導が政府の手を含めてなされてしまったためであって、放射線障害では死者がいないだけではなく、実は放射線障害では治療を受けた方もいらっしゃいません。 例えば、子供たち、四十歳未満の若い方々、子供を含めて、本来は放射性ヨウ素が出ましたからヨウ素剤を投与して甲状腺にたまるのを阻止するはずですけれども、その当時のこれは適切な判断だったと僕は思いますけれども、ヨウ素剤というのは本来副作用少ないですけれども、それでもあの線量であればヨウ素剤を特に子供に与えた方が害が大きいんじゃないかということで、結局ヨウ素剤も投与しておりません。 したがって、人的な被害、先ほど委員長も人と環境を守るためということを明言なさいましたが、人の被害でいえば、さっき言いました災害関連死もきちんと考えなきゃいけませんけれども、チェルノブイリと同じような事故が起きたというのは、原子力発電への賛否も超えて、客観的に余りに不可思議ではないでしょうか。そして、あくまで客観評価が不可欠だからこそ、事故の総合的な評価方法の導入というものをIAEAに提起されてはいかがでしょうか。 原子力規制委員会の見解をできればお伺いしたいと思います。
○政府参考人(山形浩史君) お答えいたします。 まず、IAEAのレベル7がどのようなことで判断されるか御説明させていただきたいと思います。 まず一つには、放出された放射性物質の量というのがございまして、ヨウ素換算にして数万テラベクレルを超えるものというものがございます。 それと、詳しくなりますけれども、長期的な環境への影響の可能性が高く、また公衆に対する健康上の影響、また制限するための防護措置が必要とされているような場合というふうになっております。 今回の福島第一原子力発電所に関して言いましても、広域の避難を実施したことや長期的な環境への影響は発生しているということから、このレベル7の評価ということになっております。 この数量も含めて、また環境への影響、避難がなされたかどうか、そういうことも、このIAEAの考え方というものは現在妥当であると思っております。
○青山繁晴君 今のところをもう少し踏み込みたいところですけれども、時間がありませんので、次のテーマに移りたいと思います。 次は、いわゆる汚染水の問題です。 先ほど申しました事故直後だけではなくて、私は、二〇一五年の一月に、本来は原子力の専門家であります現在の戸谷文科省事務次官と二人で福島第一原発の構内を再訪して、言わば実地に検分いたしました。もちろん非公式な検分であります。 構内は、だから、おととしの一月の段階で既に汚染水のタンクでいっぱいでありました。実際は、そのタンク、外からは分かりませんけれども、まずALPS処理水、すなわち多核種除去設備、多核種という言葉は難しいですけど、多い核の種類ですね、いろんな放射性物質を除去できる設備、その英文の頭文字を取りましてALPSと普通呼んでおりますけれども、このALPSによる処理が終わってトリチウム、三重水素などの残存放射性物質だけになっている水がお聞きしたところでは現在大体七十二万トン、それ以外に、放射性物質が残ってしまっている元の汚染水がおよそ二十万トン、後者もいずれALPS処理水になる予定と聞いています。 このALPS処理水、ALPS処理水というのは実は福島のためにできてしまった新語ですけれども、これと実は全く同じ排水が三・一一が起きる前は国内の全ての原子力発電所から海に放出されておりましたし、それから現在世界でも放出されています。トリチウムの人体への影響については学者の中でも諸説ありますけれども、しかし、それにしても、福島原子力災害が起きると同じ排水を海に出せなくなるというのは、少なくとも国民の間にフェアな議論を起こす努力がやっぱり政府側に足りないんじゃないでしょうか。 まず、この質問に関連して、日本国内でも世界でも現在のALPS処理水と同じものが海に出されていた、その事実関係は間違いないでしょうか。それは原子力規制委員会、お願いできますか。
○政府参考人(山形浩史君) お答えさせていただきます。 ALPS処理水と言われておりますものは、ほとんどの放射性物質を取り除いておりますが、トリチウムだけが残っております。そのトリチウムにつきましては、福島第一原子力発電所事故の前は、今もですけれども、原子力発電所からこれは規制にのっとった形で放出されております。また、海外におきましても、各国の規制基準に照らして放出がなされているというふうに承知しております。
○青山繁晴君 それで、今のテーマの問いに戻るんですけれども、田中委員長は既に海に排出すべきだというお考えを明言されています。少なくとも私はそう受け止めています。 したがって、原子力規制委員会としてはやるべきことはやっているんだというお話かもしれませんけれども、しかし、現に汚染水というものが漁家の方々だけではなくて、漁家の方々が一番不安に思われるのは、むしろ、現地を歩いて漁家の方々と話しても、国民全体の不安がちっとも解消されていなくて、そのために例えば福島の魚についても依然として風評被害がある、貝についてももちろんあると、そういうことが最大の問題ですから、これは原子力規制委員会及び経済産業省に、より国民にフェアな議論を巻き起こす努力、マスメディアの問題も大変多いです。僕は共同通信の出身でもありますから、マスメディアというものの困った点もよく承知しておりますけれども、しかし、誰かのせいにしていれば、いつまでもあのタンクがたまっていって、そして、この後もう一回質問しますけれども、そのタンクに人とお金が使われていて、本来使われるべきところに使われていないという問題も実は起きていると考えていますから、もう一度申します。 汚染水の実態についてフェアな議論ができるような環境をつくっていただけないでしょうか。規制委員会と経済産業省にお聞きしたいと思います。
○政府参考人(山形浩史君) お答えいたします。 福島第一原子力発電所汚染水に含まれるトリチウムについて、これは技術的に除去することは極めて困難であることですから、先ほど申し上げましたように、国際的にも排出基準濃度以下に希釈されて海洋放出がなされております。また、元NRCの、米国原子力規制委員会のマクファーレン元委員長、バーンズ前委員長、また原子力規制委員会のイギリス、フランスの国際アドバイザーの方も、福島第一原子力発電所のトリチウムの水は海洋放出すべきと発言されているというふうに承知しております。 一般の原子力施設においては、従来より放射性液体廃棄物の処理に当たっては、審査、検査を経て、規制基準を下回ることはもちろんのこと、できる限り低くして環境への放出が計画的になされております。規制委員会としては、浄化された汚染水の規制基準を満足する形での放出であれば環境への影響は考えにくいと認識しております。このようなことにつきましては、広く伝わるようにしてまいりたいと思っております。
○副大臣(松村祥史君) お答え申し上げます。 青山委員御指摘がございました、いわゆるALPSにおきましての浄化処理をした水につきましては、その長期的な取扱いの決定に向けまして、風評被害など社会的観点も含めて総合的な議論が必要だと考えております。 そのために、昨年の九月に汚染水処理対策委員会の下に小委員会を設けまして、十一月より議論を始めたところでございます。既に二回の議論を開催しております。本委員会におきましては、福島県を始め、地元の方々、専門家の方々に御参加をいただきまして、その御意見を丁寧にお伺いし、検討を進めているところでございます。今月も開催予定でございます。 いずれにいたしましても、どのような取扱い方針となるにせよ、関係者の御理解を得ることは極めて重要なことであると考えております。取扱いの方針決定の前も、またその後も、国も前面に出ましてしっかりとその責任を果たしてまいりたいと、このように考えております。
○青山繁晴君 小委員会の議論というのは国民にずっと公開されていくんでしょうか。 済みません、この部分、通告はしておりませんが。
○政府参考人(平井裕秀君) 先生御指摘のとおりでございまして、委員会の議論についてはオープンにさせていただいているところでございます。
○青山繁晴君 あくまで質問が趣旨なので、余り提案ばかりしていてもどうかと思いますけど、ただ、今のことでも、世界で有名な話といいますか、諸国ではどれぐらいのトリチウムが入った排水を出しているか公表していますね。これも関係者ではみんな分かっていることですけど、例えばフランスのラアーグ再処理施設、僕もここに行きましたけれども、一年間で大体一京千六百兆ベクレルほど出しています。それから、カナダのブルース原発では、一年間で千二百八十兆ベクレルという大量のALPS処理水と基本的に同じ水を海に出していますね。 しかし、この場では関係者はみんな知っていても、国民は忙しいですし、こういう事実も実はほとんど知られていないと思います。実際、私がテレビ、ラジオで発言するとみんな驚くわけですから、知っているなら驚くはずがないので。そうしますと、済みません、ちょっと通告した質問と多少違うかもしれませんけれども、規制委員会、もう一度お答え願えますか。 例えば、小委員会の議論であったりするときに、当然海外の事例も現地で調べて、そして調べに行ったことも全部国民と世界に明らかにして、そしてその上で議論をしていただくと。目に見えるような、もっとはっきり言うとニュースになるような公表の仕方、考えていただけないでしょうか。
○政府参考人(平井裕秀君) この小委員会を開催いたします前、トリチウム水の処理につきましては、その前から各方面でどのような方法があるのかということをこれまでも検討を進めてきているところでございます。そうした議論の中では、各種の調査結果、情報のデータ等々をお示しいたしまして御議論をさせてきていただいているところでございます。 その意味においては、そうした議論の内容、それから成果というのが十分に各層に伝わっていないのではないかという御指摘だと思います。そうした点につきましては、我々とマスコミとの関係も含めて、どのように効率的に各層へ伝えることができるか、我々としてもまた知恵を出して、逆に先生方の御指摘も賜りながら、どう広げていくのかということについては進めていきたいと思います。
○青山繁晴君 先ほど申しましたとおり、汚染水の問題を殊更取り上げたのはなぜかといいますと、さっき申しました二〇一五年一月にもう一人の専門家と一緒に構内訪れたときに、ALPS処理水までそのままため込んでいるので、明らかに予算も人もそこに取られていて、防潮堤が事実上の仮設のままになっているという現場を、ありのままに言えば確認いたしました。 これは、皆さん御記憶の吉田昌郎所長、言わば憤死されたような状況で亡くなられてしまいました。亡くなった人の話を持ち出すのは御本人に確認ができないので最小限度にしたいんですけれども、しかし一点だけ申し上げれば、吉田さんが病を得られて、電話で最後にお話ししたときに、どうしても防潮堤のことが気になると、それから汚染水とセットでおっしゃいました。なぜかというと、あの辺りは、福島の浜通りは元々地下水が豊かで、水がどんどん出て、放っておけばどんどん汚染水と混じっていくだろうということも指摘された上で、僕が今たまたま申し上げたこととほぼ同じこと、東電は民間会社なのでそこに人とお金を取られると防潮堤があのままになってしまうんじゃないかと。 今の防潮堤、あくまで仮設です。それを確認した上で今質問していますけれども、最初は土のう積んでいましたから、それよりは良くなっています。良くはなっているけれども、例えば浜岡の防潮堤などとは全く別物で、あくまでテンタティブな仮のものですね。そうすると、今地球が活動期に入っているんじゃないかと、これは地球物理学会、シスコで開かれている国際学会でもいつも話題になっていることであって、何を申したいのかもうお分かりのとおり、また同じような津波、また同じような地震が起きることをいつも想定していなきゃいけないんですよね。そうすると、今の仮設の防潮堤で一体耐えられるのか。 あえて言うと、あの仮設の防潮堤でよく日々無事に関係者が、僕自身も含めて、国会に出ている僕自身も含めて、よく暮らせるなと思うんですよね。このことを、特に原子力規制委員会、それから当事者の東京電力は一体どうお考えなんでしょうか。済みません、ちょっと言葉が強くなってしまいましたが、でも、あの現状をなかなか一般国民見ることができないので、どうぞお答えください。
○政府参考人(山形浩史君) お答えいたします。 東日本大震災以降に設置されました仮設の防潮堤でございますけれども、これは、福島沖の海溝の周辺で発生する可能性があるいわゆるアウターライズ地震に伴う津波対策として高さ十四・二メーターのものが設置されております。これは、大地震の後、その外側の部分ですかね、その辺りが、外側の部分が上がってくる、そういう変動に伴うものでございまして、そのようなものを想定して高さ十四・二メーターのものが設置されてございます。 このアウターライズ地震に伴う津波の対策といたしまして、またそれが仮に越えたようなことも考えますと、建屋の開口部の閉塞等、建屋に津波が浸入しないように、いわゆる水密化の工事というのを現在進めているところでございます。 さらに、これを上回るような津波が発生した場合に備えまして、原子炉又はタービン建屋の中に滞留する汚染水を浄化いたしまして、高台三十五メーターのところまでタンクに移送される作業を進めて、その作業を我々としてはできる限り前倒しして進めるようにという指導をしております。 そして、二〇二〇年までには、セシウムの量、今たまっております汚染水の中のセシウムの量を大幅に引き下げる、そういうことをしっかりと指導監督しているところでございます。
○参考人(廣瀬直己君) 東京電力の廣瀬でございます。大変いろいろ御心配をお掛けしております。 今、山形審議官がお答えになったことと基本的には同じでございますけれども、若干補足させていただきますと、いわゆるアウターライズ地震に伴う津波というのはまず一番確率も高いしということでございまして、今十四・二メートルのところでまずはそれを防ごうというふうに考えておりますが、当然それ以上のものが来ましたらそれを越えて中に水が入ってまいりますので、今審議官がお答えになったように、まずはその建物の中に入らないような形で水密をしていくというのが一つございますし、やはり発電所の汚染水対策あるいは廃炉に向けた処理で今一番大事なのは、相変わらずその燃料デブリというのが中に入っております。また、使用済燃料もまだまだ、大分冷めてきたとはいえ熱を少し持っておりますので、それを循環冷却といって水をぐるぐる回してずっと冷たく冷却し続けるというのが一番大事な機能でございますので、そうしたポンプであるとかそうした冷却循環機能が防潮堤を越えてきた津波でやられるというのも非常に心配なところでございますので、そうしたものについては、御存じのように三十五メートルの高台がございますので、そこは基本的には津波の心配はございませんので、そこに例えば消防車等々を置いて、まさかのときにはそこから水を回して、最低の必要機能である燃料やあるいはデブリの冷却をするということを一つ併せて考えているということを補足させていただきます。
○青山繁晴君 今の両者の説明を受けた上で、でも明らかに仮設の防潮堤ですから、地元の大熊、双葉の皆様方のことを考えてもしっかりした防潮堤を、今おっしゃった水密扉とか、それから汚染水を移動させているという措置以外に、当たり前ですけれども、人々に不安感を与えないような防潮堤も必要だと考えています。どうぞお考えになっていただきたいと思います。 一応あと一つ、項目としては最後ですけれども、たくさん事故調査報告書が出ました。この国会の事故調も報告書を出しまして、そしてその中で一番後発、つまり後になればなるほど普通ですと見解が正されるはずですから、一番後に出たのが今日お見えいただいている原子力規制委員会による報告書ですね。 例えば、国会の事故調の報告書の大きな特徴は、まず地震が起きました、地震が起きて五十一分掛かって津波がやってきました。その津波がやってくるまでの間に実は水が出ていたというのを見たという従業員の方がいらっしゃったので、国会事故調の報告書の大きな特徴の一つは、地震でそもそも壊れたのではないかと。つまり、地震に耐えられないと、少なくとも1Fは耐えられなかったというのが特徴でした。 ところが、原子力規制委員会の報告書ですと、その水というのは実は使用済核燃料棒のプールから漏れ出たものであって、地震で破壊されたんじゃない。なおかつ、原子力規制委員会の報告書の大きな特徴のもう一つは、その五十一分の間、つまり地震が来てその後津波が来るまでのタイムラグ、一時間近い間、実は原子炉も含めて大きな変化、つまり異常は生じなかったので、実は地震で起きたんじゃなくて津波によって起きたんだという結論になっています。 これは当たり前のことを言っているようでいて、なぜこれを言うかというと、実はみんな地震で起きたと思っています、今も。みんなというのはもちろん言い過ぎですね。ただし、地元福島で拙い講演をいたしましたり、あるいは地元の福島テレビに出たり、あるいは東京や大阪のメディアも含めて、こういう発言をしますと、みんなびっくりするわけです。まず地震で壊れたと思っている。 で、この違いというのは非常に本質的な違いであります。つまり、地震でそうやって原発が簡単に壊れ、簡単にとは言っちゃいけないかもしれないけど、壊れていくのであれば、そもそも地震国に、日本は地震国であることは論をまちませんから、そこに原発を造っていいのかということに当然突き当たるわけです。 したがって、このそもそもの原因が地震なのか、それとも津波なのかということもとても大事ですし、それから、なぜ僕が事故直後に現場に入ったことを強調して言ったかといいますと、そのときは吉田所長の許可を得て海側に回りました。当時の吉田所長によると、海側は作業員もほとんど入っていないということで、作業員三人の方と僕と四人で車を使って入りました。目にしたのは、海側にあった補助建屋、そういう要するに原子炉建屋でないものが徹底的に破壊されて、僕のもう一つの専門である安全保障から見たら、海から小型戦術核を撃ち込んだのかと思うぐらいに物すごい破壊でした。逆に言うと、もう天に救われたんです。そこで津波の力がそがれて、原子炉建屋は津波によって破壊されたんじゃない。何が起きたかというと、水がしみていって、それが、例えば地下に非常用電源を置いているような東京電力の大きなミスとそれを見逃してきた政府の責任によってこの未曽有の大事故が起きてしまったということだと思います。 何を申しているかというと、人口に膾炙してしまっている地震で起きたんじゃないかというようなことを、原子力規制委員会が違う見解をお持ちであればあるほど、もう一度申しますが、汚染水の件も何もかも含めて国民に知っていただく努力がもっと必要なんじゃないでしょうか。 これも見方を変えて申せば、僕は与党の人間で、当然これ与党質問ですけれども、言わなきゃいけないことは、私は再稼働すべきだと思っていますが、再稼働するのであれば、当然、放射線量があれほど膨大であって、チェルノブイリと同じであって、汚染水もたまるばっかりで、防潮堤も仮設だと。その前提が何も変わらずに再稼働と言われても、原子力規制委員会の努力によって、委員長の御説明のあったとおり、厳しい基準、そのとおり厳しいです。その基準をもってしても、再稼働に対して、ごく普通に暮らし仕事をしている国民が短い時間の中で再稼働が必要だとどうやって理解できるんでしょうか。 そうすると、これもあえて今日は提案シリーズみたいな質問ですからむちゃな提案を一個今出しますと、これ当然政府側からは、原子力規制委員会を始めとして、いや、ちゃんと広報努力しています、広報担当もやっています、それも原子力規制委員会は特にオープンで議論をなさっています、そういう努力があるという話になるんですけど、それを一々フォローできませんから、再稼働を本格化させるのであれば、専門家を、原子力発電に極めて批判的な人も肯定的な人も舞台に上げて、オープンに、時間を四時間、五時間掛けて、テレビ、ネットで中継して、ラジオでも中継して、国民の眼前で議論していただくということを、このやり方だけで行けとは言いませんけれども、どうか御検討いただけないでしょうか。 田中委員長、お答え願えますか。
○政府特別補佐人(田中俊一君) 私も常日頃申し上げているんですが、国民のこの失われた信頼を回復するという大前提は、やっぱり1F、福島第一原子力発電所の安全を確保してきちっと始末をしないといけない、それが非常に大事だと。とは申すものの、一方では非常にああいう状況ですから、そう簡単に廃止措置が進むわけではないということもあります。ですから、私どもは、監視検討委員会で一つ一つの廃止措置については十分に安全確保を念頭に置きながら取り組んでおります。 いろんな形で、一つのやり方として、私どもは、発足以来、全ての会合は全部オープンにさせていただいていますけれども、いわゆる公開討論会的なことをやることがいいかどうかということについては、私自身も、これまでの経験から非常に難しいところもありますので、少し慎重に検討させていただきたいと思います。必要があれば、そういうこともあろうかと思います。
○青山繁晴君 幸いあと三分間残っていますので短い質問を最後にいたしたいんですけれども、これも通告はいたしております。 先ほどお話ししましたとおり、福島の悲劇は放射線障害によって起きたのではなくて、誤った避難誘導によって失われるべきじゃなかった命がたくさん失われました。そうすると、当然原子力規制委員会として、もう既にこの避難誘導の在り方、それから実は、これも忘れられていますけど、平成十六年に国民保護法が施行されて、これはテロに対しての避難誘導ですけれども、国民保護法が平成十六年に初めて施行されたということは、健康保険とか年金とかの国民保護はあっても、非常時に国民をどうやって保護して正しく避難誘導するかという概念そのものが実は乏しかったということです。 それも全部含めて、今後、福島で起きたような、例えば単純に同心円で見てしまって、同心円で二十キロ圏内だから、例えば腎臓の透析を受けていた高齢者の方を無理無理避難させて、そこでたくさん悲劇が起きた。そういうことが起きないために、原子力規制委員会として今どういう改善策に取り組まれていて、最終的な仕上げはどこを目指していかれるのか。 済みません、これも委員長、よろしいですか。
○政府特別補佐人(田中俊一君) 今御質問のことですが、よく新しい新規制基準の意味について問われることがありますが、この原点は福島の反省にあります。 これは、今先生おっしゃったように、放射線障害による急性症状とか、そういうことはサイト内外を含めて今検出されていないというか、ところが一方では、これは以前にも予算委員会で申し上げましたけれども、その避難、無理な避難をすることによって、もう既に、いろんな累計がありますけど、二千人近い方が亡くなっているという、この六年間で、そういうことがあります。 そういうことがないように、規制基準では、簡単に言いますと、セシウムで百テラベクレル程度を最大として、実際にはその十分の一か二十分の一ぐらいになっています、今。そうであれば、そうすることによって、無理な避難をしなくてもいいと。ですから、取りあえず、いろんな経験を踏まえて、五キロ圏については、PAZと言っていますが、予備的に避難の準備をして、放射能が出る前にそういう対応、アクションを取っておると。それから、五キロより遠くの場合には、いわゆるきちっとした建物の中にとどまっていただきたいということで、そういう指針を作らせていただいています。 ですから、先生がおっしゃるように、無理な避難というのがいかにいろんな生命とかいろんなことに被害をもたらすかということを物すごく身にしみております。ですから、そういうことをしないための規制であるということが我々の原点ですので、是非それについては御理解いただきたいと思います。 で、避難ができるかできないかとか、そういうことだけがどうしても議論が先に行くんですが、そういうことではなくて、私どもは避難はそんな急いでする必要がないというレベルまでそのリスクを抑え込んでいるということで御理解いただければと思います。
○会長(金子原二郎君) 青山君、時間が来ておりますので。
○青山繁晴君 はい、一言だけ。 例えば、建物にとどまっているときに、事故がどういう状況で放射性物質がどういう状況か、高齢であっても理解していないと家の中にいたりできませんから、そこは実は見解が一致する部分であると思いますから、よろしくお願いします。 終わります。
○浜野喜史君 民進党の浜野喜史でございます。御質問をさせていただきます。 まずは、国際原子力機関、IAEAの総合規制評価サービス、IRRSへの対応についてお伺いをいたします。 本年の一月十二日の原子力規制委員会におきまして、炉安審、燃安審の会長がIRRSへの規制委員会の対応について評価や助言をしておられます。本日、資料も配らせていただいておるところでございます。 その中にもありますように、正式な指摘とそれ以外の汲み取るべき事項への対応も進められるべきだという趣旨の指摘をされておられます。正式な指摘とそれ以外の汲み取るべき事項への対応も原子力規制委員会において進められるというふうに理解をしておりますけれども、見解をお伺いしたいと思います。
○政府特別補佐人(田中俊一君) 私どもとしては、勧告とかそういうものにはきちっと対応するというのは当然ですけれども、それ以外についても、その対応の仕方とか様々な有益な助言をいただいていますので、それについては、抜けがないかということも含めて、両審査会、炉安審、燃安審に諮って、その助言をいただいております。それはできるだけ取り入れる形で今取り組んでいます。
○浜野喜史君 もう一度、委員長、お答えいただきたいんですけれども、可能な限りで対応するということを委員長おっしゃいましたけれども、汲み取るべき事項についても規制委員会として対応するんだと、こういうふうな理解でよろしいんでしょうか。もう一度お願いいたします。
○政府特別補佐人(田中俊一君) 具体的に一つ一つ申し上げるとたくさんあって、いろいろな、幾つか時間も掛かることもありますので、それはまさに努力目標も含めて取り組んでいきたいということであります。
○浜野喜史君 御対応をいただくんだというふうに理解をいたしました。 その上で、これはもう規制庁でも結構でございます、お答えいただきたいと思います。 まず、正式に指摘されたものというふうに両会長がおっしゃっていることは、私なりには提言と勧告だというふうに理解するんですけれども、まず、そういう理解でよろしいでしょうか。規制庁でも結構です。
○政府参考人(荻野徹君) お答え申し上げます。 先生御案内のとおり、このIAEAの報告書はかなり大部なものではございますけれども、その中で、勧告であるとか提言であるとか、場合によってはグッドプラクティスであると、そういう評価がまとめられております。そういう構造になっておりまして、したがいまして、両方のいろんな議論の過程としてでき上がったものでございますけれども、そのポイントといいますのは当然、正式な提言といいますのはそこの、明確にまさにレコメンデーションであるとかサジェスチョンとして書かれたものでございます。 ただ、それを導き出す前提としていろいろな議論がありまして、その記述があると。そういった中にもいろんな我々として汲み取るべきものがあるわけでございますけれども、それはかなり長い文章になっておりますので、まさに明確な指摘という形で読み取れるものとそうでないものがありますので、それはじっくり読んでということになろうかと思います。
○浜野喜史君 正式な指摘事項というものは提言それから勧告だというふうに御説明されたというふうに理解をいたしました。 その上でなんですけれども、この炉安審、燃安審の会長が、汲み取るべき事項が含まれていると、こう明言されているんですね。この会合の中でも何回も、山本燃安審会長を中心として、正式な勧告、提言以外に汲み取るべき事項があるんだというふうにおっしゃっているんですけれども、この内容が何なのかということが明らかになっているのかどうか。これは規制庁で結構です、お答えください。
○政府参考人(荻野徹君) 炉安審、燃安審でこのIRRSに関する助言、提言いただきますのは、昨年の七月以来ほぼ毎月のような会合をやっておりまして、その中で数時間にわたる御議論をいただいております。その中でいろんな先生がいろんな御意見をなされているわけでございますけれども、そのうちどれをこういう形で取り上げるべきだということについて明示的に、例えば両会長からこれを取り上げようというような形で御指摘があったということではなくて、今まではどうしても、まさに勧告、提言についてこうやっていますということの御報告をして、それで、それについて、例えばこれについては法律案を出すとかこれについては制度改正をするという御説明をして、それについて御議論いただいているわけですけれども、それについてかなりボリュームのある御議論をしていただきましたが、それ以外にも、引き続きいろんな事項を汲み取るべきではないかと、そういうことで御指導といいますか御助言いただきまして、それ以上の具体化は今後の議論かと思います。
○浜野喜史君 汲み取るべき事項というのは、必ずしもこれだというふうに明らかにはなっていないという理解でしょうか。もう一回お願いします。
○政府参考人(荻野徹君) 先般、両会長が委員会の場にいらして御説明といいますか御議論させていただきましたけれども、その場では、比較的一般的な表現でいろいろ汲み取るべき事項もあるということでございますので、両会長がどのようなことをテーマとして取り上げるべきかということは、明示的にこうだということをおっしゃっていたわけではないというふうに考えております。
○浜野喜史君 そのことに関連しまして、昨年の七月一日の第八回の炉安審、燃安審の合同審査会で、当時の山本委員、今の山本燃安審会長でありますけれども、こういうことをおっしゃっています。私がちょっとざっと見ただけでも十から二十くらいの汲み取るべき事項があると、こういう趣旨の発言をされておられます。 今の御説明、必ずしも明示的にはなっていないという説明でしたけれども、そうであるならば、規制委員会の方から、山本燃安審会長は十—二十もあると、ざっと見ただけでとおっしゃっているんだから、山本会長、これはどういうものなんですかということを問うことが自然だというふうに思うんですけれども、そういう問うということはされているんでしょうか。
○政府参考人(荻野徹君) 両審査会の進め方につきましても、両会長と御相談をしてやってまいったところでございます。 これは既にオープンな議論でやっておりますけれども、今年度中に行われたたしか七回程度の会合では、まさにその勧告、提言で明示的になされたものを中心に議論をしましたけれども、今後、新年度に向けてどういったことを議論していくか。これは、引き続きそういったことも取り上げていこうということは一般的には決まっておりますけれども、そんな中で何を取り上げるかみたいなことにつきましては、こちらの事務局と先方の両会長と御相談をして、両会長の方からいろいろな御提案をいただければと考えております。
○浜野喜史君 ということは、今後の規制委員会の様々な会合の中で、炉安審、燃安審の会長の方にこの汲み取るべき事項というのはどういうものであるんですかということを今後問いかけていきますという御答弁だったというふうに理解してよろしいでしょうか。
○政府参考人(荻野徹君) 炉安審、燃安審につきましては、法律上も、どういったことを議論していただくかにつきましては、規制委員会がその検討事項を指示するという形になっております。 先般の委員会でも、来年度に向けてこういったことをやっていただきたいということで、引き続きIRRS勧告についての御助言をいただくということを一般的には決めておりまして、じゃ、その中身としてどういったことを取り上げていくかというのは、当然、両会長と御相談をして、両会長からいろいろお話があるのかなというふうに、そういう意味で問いかけをしていくということになろうかと思います。
○浜野喜史君 規制委員会は炉安審、燃安審に指示できるわけですね。したがって、私が申し上げているのは、汲み取るべき事項があるとおっしゃっているんだから、それを明示してくださいということを指示すればいいと思うんですね。そういう指示はできる立場にあるわけですから、そういうことをやっていただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(荻野徹君) 検討事項を指示するということでございます。その中で汲み取る事項があるというふうに会長もおっしゃっているわけですので、それを具体的にいろいろ言っていただくということは当然含まれているというふうに思いますが、ですから、委員会として改めてその汲み取るべき事項についてそれを明示的に示してくださいという指示をするまでもなく、当然それはやっていただけるというふうに考えております。
○浜野喜史君 当然にやっていただけるというお話でありますので、私は、ここで資料要求を二つさせていただきたいと思います。 汲み取るべき事項とは何かが分かる資料、これが一つ目でございます。二つ目は、汲み取るべき事項への対応は、本年一月十二日の第五十五回原子力規制委員会臨時会議で配付された資料二のどこに記載されているのかが分かる資料、この二つの資料をこの調査会に提出をいただきたいと思います。 会長、よろしくお願い申し上げます。
○会長(金子原二郎君) ただいまの件につきましては、後日理事会において協議いたします。
○浜野喜史君 次に、四十年超えの運転延長の認可申請時期につきまして御質問をさせていただきます。 四十年超え運転の延長認可につきましては、運転期間満了の一年三か月から一年前の三か月間に申請を行うというようなルールになっております。そのような結果、審査の過程において追加評価が必要となった場合など、期限までの審査が困難になるということも考えられます。また、原子力事業者としても、四十年が経過する直近にならないと延長運転の可否が分からず、安全対策投資など経営判断ができないため、電力の安定供給に影響を及ぼす可能性を否定できないとの意見もあります。 こういった状況を踏まえますと、例えば運転期間満了の数年前から申請が可能とするように見直すことが有益だというふうに考えますけれども、御答弁をお願いいたします。これも規制庁で結構でございます。
○政府参考人(山田知穂君) 本年一月十八日に原子力規制委員会の方で原子炉設置者の原子力部門の責任者の方々と意見交換をさせていただいております。その中で、先生の御指摘と同様に、事業者の方から運転期間延長認可制度の申請時期の見直しについての御提案をいただいているところでございます。この意見交換の場におきましては、運転期間延長認可申請が可能な時期については、手続上の問題でもございますので見直しを検討することのハードルは高いものではないという見解を示させていただいております。 現時点におきまして、運転期間延長認可に係る審査自体に時間的な問題は生じていないと、これまで実績としては生じていないというふうに考えてございますけれども、したがいまして、申請の時期に審査上の問題があるというふうには考えてございませんけれども、より一層充実した審査を行うということができるようにするという観点からは検討していくべきことであろうというふうに考えてございます。
○浜野喜史君 ありがとうございます。おっしゃったとおり、規制行政の充実という観点から前向きに検討いただきたいと思います。 質問を続けます。 次に、四十年運転制限・二十年延長制度につきましてお伺いいたします。 原子炉等規制法では、発電用原子炉の運転期間を四十年、認可を得た場合には二十年を超えない期間で運転延長できるものとされております。四十年及び二十年という年限の科学的、技術的根拠について、立法時の議論も踏まえて御説明をいただきたいと思います。規制庁です。
○政府参考人(山田知穂君) 立法時の国会の御審議におきましては、運転期間の年限に関しては、経年劣化等に伴う安全上のリスクを低減するという観点から、原子炉設置許可、最初の許可の審査に際して設計上の評価が運転開始後四十年の使用を想定して行われていることが多いといったようなことも考慮して原則四十年とした旨の説明があったというふうに認識してございます。 また、高経年化の技術評価、これは従来ある制度でございますけれども、運転開始後六十年を見通した経年劣化の評価を行っていること、また、米国の事例として運転許可の更新を二十年を超えない期間としていることといったことを考慮した結果、最大二十年の延長規定というものが設けられた旨、これも御説明があったというふうに認識をしてございます。
○浜野喜史君 今の御答弁は、四十年については設計上の評価を運開後四十年というふうにしていることを考慮して定めたと、二十年につきましては高経年化の技術評価が六十年間を目安として行われていることを考慮して定めたと、こういう趣旨の御答弁だったと思います。 とすれば、四十年、二十年という年限につきましては、設備機器等の劣化に関する科学的、技術的データに基づくものではないという理解でよいか、また、専門家によって調査検討がなされたものでもないという理解でよいかどうか、これは通告しておりませんけれども、お答えをいただければと思います。規制庁で結構です。
○政府参考人(山田知穂君) 四十年の評価ということにつきましては、今御説明申し上げましたとおり、様々な経年劣化事象についての評価が基礎になっているというふうに申し上げましたけれども、そこの中では、例えば中性子の照射の脆化でございますと四十年分の評価で大丈夫だと、そこまでは大丈夫だという評価がされているということでございますので、そこから先については改めて技術的には確認をしてみないといけないんじゃないかということが考え方の基礎にはあったんだと。そういう意味では、科学的、技術的な根拠は、必ずしも四十年を超えると危険になるという科学的、技術的根拠があった上でのことではないということではございますけれども、技術的な検討はされているものだというふうに考えてございます。
○浜野喜史君 ありがとうございます。 次に、この年限の議論に関連をいたしまして、安全対策工事などで原子炉が運転停止している間は、原子炉容器の中性子照射脆化など、安全上重要な設備に関する劣化は進展せず、技術的に影響ないという意見もありますけれども、見解をお伺いをいたします。規制庁で結構です。
○政府参考人(山田知穂君) 御指摘をいただきましたとおり、例として申し上げました中性子照射に伴う原子炉容器の脆化ですとか応力腐食割れといったような経年劣化事象につきましては、温度ですとか圧力ですとか、そういった条件がその進展に影響してまいりますので、原子炉が停止している場合の劣化の進展が遅くなるということは事実だというふうに考えてございます。 他方で、電気・計装品の絶縁の低下ですとかコンクリート構造物の中性化といったような、原子炉を運転していない場合であっても時間とともに進む経年劣化事象というものもございますので、一概に期間で安全上重要な設備に影響がない、運転しているかどうかということで一概に安全上重要な設備に影響がないとまでは言えないのではないかというふうに考えてございます。
○浜野喜史君 この関係、最後にさせていただきますけれども、現行の四十年運転制限・二十年延長制度につきましては、過去、田中委員長も今後の検討課題であると国会で答弁をされておられます。 大きな課題でありますので、まずは四十年、二十年といった年限の科学的、技術的な意味や劣化評価を踏まえた妥当な時間のカウント方法について規制委員会で議論し考え方を整理することが有益であり、義務でもあるというふうに私は考えますけれども、田中委員長の見解をお伺いします。
○政府特別補佐人(田中俊一君) その四十年運転制限、二十年の延長ということですが、実際に四十年を超えて運転しているという経験は世界でもそれほど多くありません。ですから、それをアプリオリに現段階で議論して、いい悪いという判断はできませんので、そういった実績ですね、高浜一号機、二号機、美浜三号機については一応評価をしました。そういったところで詳細なデータを見ながら、そういった経験を踏まえて、それがどの程度のものであるのかということを評価していくことが大事だと思います。今、私どもが議論をしたから何か決定的な結論を出せるという段階ではないと思います。 これは、アメリカは比較的今延長していますけど、フランスも四十年延長については相当今慎重に検討しておりますので、そういったこと、四十年超えの延長について議論されています。そういうことを踏まえて、国際的な経験も私どもとしては積極的に収集して、そういった判断につなげていきたいと思います。
○浜野喜史君 委員長、お答えいただきました。いろいろ御説明いただきましたけれども、私には、検討課題なんだけれども今はそのときにあらずという御説明であります。 私は、直ちに結論を出すべきだということを申し上げているわけでは決してありません。ただ、検討課題であるということはもう明言されておられますので、どのような視点で検討をしていくのか、検討の考え方について規制委員会で議論をして明示をしていただくということは必要だろうというふうに私は思います。直ちに結論を出せなどということを私は主張しているわけではありません。課題とおっしゃっていますので、どのような視点で検討していくのか、検討の考え方、これを是非明示をしていただきたいと思います。それを踏まえて、規制行政の充実の観点で今後とも建設的な質疑をさせていただきたいと思います。 最後のテーマに移らせていただきます。今日はまた資料も配らせていただいております。日本原電の敦賀発電所の敷地内の破砕帯の再評価につきまして御質問をさせていただきます。 資料の二ページ目でございます。この件につきましては、事業者の説明を拒む、質問に答えない、会議なしで結論を書き換えるなど、様々な不適切な対応が積み重ねられてきた事案であると私は理解をいたしております。今日は、結論部分の書換えの事務局提案について質問をさせていただきます。 最終的に、「D—1破砕帯等、原子炉建屋直下を通過する破砕帯のいずれか」というような表現の事務局提案の追加があり、そのとおりに了承されたということになっております。この中で、私は、ピアレビュー会合の意見などを踏まえると、「D—1破砕帯等、」というところまでは百歩譲って、ピアレビューアーのコメントを踏まえて事務局が提案したということで百歩譲ってこれは理解できるというふうに思います。しかしながら、「原子炉建屋直下を通過する破砕帯のいずれか」という表現を追記するという事務局提案は何を根拠としてやったのか、何を材料としてやったのか、全く分かりません。事務局が勝手に、恣意的に提案を行ったというふうにしか考えられません。 今日お越しいただいております櫻田審議官もこうお答えになっています。ピアレビューアーのコメントの中に原子炉建屋直下を通過する破砕帯のいずれかということにつながるコメントはないと、これ明言されました。かつ「D—1破砕帯等、」という、この「等」という字句と、「原子炉建屋直下を通過する破砕帯のいずれか」ということ、この二つの追記は意味が違うとも明言されておられます。 加えて、二十六年の十一月十九日の追加評価会合において、まさに「D—1破砕帯等、原子炉建屋直下を通過する破砕帯のいずれか」というような記述をしてもいいのではないかということが議論されたんですけれども、議論の結果しなくなったと、有識者会合の中でこれ否定されたということも明確にされております。 こういうことを考えれば、事務局が「原子炉建屋直下を通過する破砕帯のいずれか」という表現を提案するということが誠にもって不適切だというふうに思いますけれども、答弁をお願いします。櫻田審議官、お願いします。
○政府参考人(櫻田道夫君) お答えいたします。 浜野議員からは、この件についてほかの委員会も含めて何度か繰り返し御質問をいただいておりまして、その場で様々な御質問のされ方をなさるので、それに応じてお答えをさせていただいてきておりますので、これから申し上げる答弁もその繰り返しになるところがあることは御容赦いただきたいと思います。 今御指摘いただいたこのK断層とD—1破砕帯、これが一連の構造であるのかとか、あるいは原子炉建屋直下を通過する破砕帯のいずれかと一連の構造であるのかといったところがなぜ問題になるかと申し上げますと、この有識者会合が調査の対象としていたのが、そもそも、日本原電敦賀発電所の敷地内に破砕帯がたくさんある、その中でも二号炉の原子炉建屋の直下を通過するものもいろいろある、その中でD—1破砕帯というものが比較的長く、また、この日本原子力発電株式会社敦賀発電所の敷地の中に存在する第一級の活断層である浦底断層につながっているということも容易に想定されるということがありましたので、このD—1破砕帯の活動性の有無について調査をしたというのがそもそもの問題意識でございました。 そういった問題意識の下でずっと議論を重ねてきて、最終的にこのK断層というものが見付かった場所は、実はこのD—1破砕帯が浦底断層の方に延びていって、その近くまで到達する、この辺が接触するかもしれないところだなというところを穴を掘って調べたところ、K断層というものが見付かって、じゃ、これはD—1破砕帯につながるのかどうかというところがポイントになったと、こういうことで先生も問題意識を持って追及しておられるんだというふうに考えてございます。 問題の最終的な書換えのところでございますけれども、今日御提出いただいているこの資料をちょっと使わせていただいて恐縮でございますが、平成二十六年十一月十九日の第五回追加調査評価会合において、ここに書いてあるような評価書の表現が議論をされて、先ほど御紹介ありました「原子炉建屋直下を通過する破砕帯のいずれか」と下の方に少し大きな字で書いてございますけれども、そういう文章との関係も議論されて、その時点においては、その時点の最終案である一番上に書いてあるような表現でよろしいのではないかという形で終わったわけでございます。 しかしながら、その次の箱にありますピアレビュー会合において、このK断層とD—1破砕帯が同じものなのか、K断層とつながるのはD—1破砕帯だけというのはおかしいのではないか、こういった議論がありましたので、それではそういったピアレビュー会合のコメントも踏まえてどういうふうに直すのが適切かということを考えた際に、遡って十一月十九日の会合で提案されたこういう表現を採用することにしてはいかがかということで御提案を申し上げたということでございます。 そして、その修正案について、有識者の先生方にこの修正案をお諮りしたところ、特にコメントなく、これで差し支えないというふうに御了承をいただいたものというふうに理解をしているということでございます。
○浜野喜史君 全くもって納得がいきません。本当にもう、何といいますか、虚偽答弁というふうに言ってもいいと思います。この件につきましては、引き続き質疑を交わさせていただきたいと思います。 終わります。ありがとうございました。
○石上俊雄君 民進党・新緑風会の石上俊雄でございます。 時間に限りがありますので、早速質問をさせていただきます。 福島第一原子力発電所の廃炉に向けて、大変多くの方の知識とか経験を寄せ集めて、今少しずつ作業が進められるというふうに思っています。その中で、最近は格納容器の中にカメラが入ったり、ロボットが入ったり、さらには、透過して見ていろいろなデブリの状態とか水漏れがどうなっているか、そういったところを調べられているというふうに認識しております。 そこで、各号機、三つあると思うんですけれども、それぞれ分析の結果どんな状況に今なっているというふうに認識されているのかを簡単に説明していただきたいと思いますし、特に二号機においては、せんだってカメラが入ったときにちょっと予想だにしなかった高い放射能のレベル、五百三十シーベルト、六百五十シーベルトというのが出てきたという、このことについてどういうふうに捉えられているのか。ペデスタルの外にデブリが一号機と同じように二号機もしみ出しているという、こういうふうなことにつながるような認識を持たれているのかというところも含めて、説明をいただけますでしょうか。
○参考人(廣瀬直己君) お答え申し上げます。 一号機、二号機、三号機、それぞれについてお答えいたします。 一号機は、直近では一五年の四月に自走式のロボット、自分で走るロボットを入れまして格納容器内について調べましたけれども、大きな損傷等はなかったんですが、現状、我々は、これは既に公表されていることでございますけれども、溶けた燃料は、本来であれば燃料棒ということで立っているわけですけれども、それが圧力容器の下に溶け落ち、更にそこから突き抜けて下の格納容器にまで落ちているのではないかというふうに推測しております。 これは、昨年の二月から五月ぐらいにかけてミューオンという宇宙線の透過で核燃料がどの辺にあるのかという調査をしましたけれども、そのときも、一号機の中には余りその黒いものが見えないということから大分溶け落ちているのではないかというふうに推測しているところでございます。 それから、二号機については、先生御指摘のように、この一、二週間でいろいろな調査が始まっております。まだ本当にとば口に入れただけ、あるいはたまった障害物を取ろうとしたロボットということですので、これからどのぐらいの線量があるのかといったようなことを測るロボットを入れてまいりますので、まだまだこれからでございますけれども、御指摘の五百三十であるとか六百五十といった大きな数字は、画面を見ておるわけですけれども、カメラを積んでいるロボットを入れましたので、そこにノイズが飛びます。そのノイズの量によって、このぐらいの線量があるために、ノイズがいっぱい飛ぶとそれだけ放射線量が高いのではないかという算定ができることがありますので、そうしたことで算定をしたということで、そういう意味では全く実際に測った数字ではなくて、カメラの画像から判定しておりますので、細かいところ、正確なところはこれから、その放射線量を測るためのロボットをこれから目的的に入れてまいりますので、それを待ってみないといけないと思っております。 それから、一号機のように落ちているのではないかという先生御指摘ございましたけれども、そもそも一号機もまだこれから、できれば来月中ぐらいにロボットを入れてその辺を見ていきたいと思っていますので、一号機もまだそこまでははっきりしておりません。 二号機については、ただ、これもミューオンのものとかなんとかでいろいろこれまでつかもうという努力をしてまいりました結果、二号機については御存じのように建屋も残っておりますので、かなりの部分が燃料は残っているのではないかというのが私どもの推定でございますが、これも今後のロボットの調査等々に待たなければいけないところがございます。 三号機については、一号機と同様に、一五年の十月に貫通部からカメラを垂らしまして、そのカメラに映った映像でいろいろ確認しましたけれども、その結果、格納容器の中の構造物あるいは壁面等については特に大きな損傷はその時点では見られておりません。ここも三号機については一号機と同じような状況で、やはり燃料が溶け落ちて圧力容器の下あるいはそこから突き抜けて格納容器のところまで行っているのではないかなというふうに考えているところでございますけれども、あと、特にそのほか漏えい等々については、三号機については確認できておりません。 今そういったような状況ということでございます。
○石上俊雄君 ありがとうございました。 とにかく中の状態が分からないと、一番この要というか、一番困難だと言われているデブリをどうやって取り出すかといったところにつながっていかないということであると思います。 そして、今現在、デブリをどういう状態で、どういう形で取り出すか。スリーマイルアイランドの二号機ですかね、この事故が起きたときに、圧力容器の中に全部デブリがあったので、要は水で浸してそれを取り上げるという、これが一番の過去の事例としてはあるので、日本もこの冠水式で何とかできないかといったところで初め計画されていたと思うんですが、最近になって、何というんですかね、冠水式じゃなくて、どうも気中工法というんですかね、そういう方向も検討されているというか、そっちの方をよく聞くようになったんですが、今後どのように考えておられるのかといったところを一点お聞きしたいのと、この取り出しは、冠水工法で取り出すということを前提にして、取り出し費用として最大六兆円ぐらい掛かるという試算が出されているわけですが、気中工法に変わったらこれが変わっていくのか、そこのことについてお聞かせいただけますでしょうか。
○副大臣(高木陽介君) 今御指摘ありましたように、燃料デブリの取り出しにつきましては、平成二十七年の六月に改訂した中長期ロードマップにおきまして、それまでに得られた知見を踏まえて、格納容器内の水位又は燃料デブリへのアプローチ方向を組み合わせた複数の工法について比較検証を行うこととしております。 現在、取り出し工法の研究開発を進めるとともに、原子炉や格納容器の内部状況をできる限り事前に把握することを最優先の課題として取り組んできておりますので、先ほどの社長のお話にありましたように、ロボット投入等々を含めて現状を把握しようとしております。特に二号機におきましては、現在、格納容器内部の調査において新たな情報というのが収集され始めております。こうした調査評価を踏まえて、今後、号機ごとの燃料デブリ取り出しの方針や工法を決定してまいりますので、現段階では冠水工法若しくは気中工法といった特定をしてはいないという現状でもございます。 ただ、そうした中で、廃炉に要する資金につきまして、現時点で政府として具体的かつ合理的に見積もることは困難ではありますけれども、他方、東電改革の具体的な姿の検討や廃炉に関わる制度整備を検討するためには一定の規模感が示されないと議論を進めることは難しいということで、今般、廃炉に要する資金として、現時点の最新の情報に基づきまして、一定の蓋然性を有するものとして約八兆円という試算の金額をお示しをさせていただきました。 今後どのような工法を採用するか決定していくという状況の中で、最新の情報に基づき、原賠機構が有識者へのヒアリングに基づき算出したものであるということで御理解をいただきたいと思います。
○石上俊雄君 ありがとうございました。 これとはまた別な話なんですけれども、やはりこれから賠償とかも含めていく中で、東電さんの非連続の経営改革というのをしっかりやっていかないといけないという話がよく出てくると思うんです。 そこの中で、せんだって、新潟県知事の米山知事が、要は知事が掲げる三つの課題、これを何とか解決をしながらそこから話を進めていきたいという話をされているというふうに思います。三つの課題とは、事故原因、健康、生活への影響、そして避難方法、こう三つ挙げているんですね。これ、全て東電ができるかというと、なかなか難しいところがあるわけなので、特に避難方法についてはやはり国がしっかりと対応すべきものではないのかなというふうに思っているわけでありますので、そこをどう政府は考えているか、答弁をお願いします。 〔会長退席、理事福岡資麿君着席〕
○政府参考人(平井興宣君) 避難計画は、住民の状況や具体的な避難経路、避難先など地域の実情を熟知している地元の自治体が中心となって策定しています。しかし、原子力災害の性格上、国の関係機関が大きな役割を担わなければ実効性ある計画はできないことから、国が前面に立って自治体を支援することとしております。 柏崎刈羽地域における避難計画の充実については、内閣府が柏崎刈羽地域原子力防災協議会を設置し、これまでも関係省庁と連携し、きめ細かく関与し、新潟県及び関係市町村等と一体となって検討を進めてまいっております。 国としては、引き続き新潟県等と密にコミュニケーションを図りながら、避難計画の充実に取り組んでまいります。
○石上俊雄君 ありがとうございます。 とにかく、住民の皆さんというんですかね、県民の皆さん不安を抱えられているので、その不安を払拭するために、東電、政府、しっかりと連携を取りながら対応していただきたいというふうに思います。 それで、次なんですが、先ほど浜野委員から原子炉の四十年のその運転ルールというやつを聞かれましたので、これは、田中委員長に来ていただきましたが、ちょっと時間の関係で飛ばさせていただきますので、御容赦いただきたいと思います。 資料は資料四のところに付けさせていただきましたが、運転期間の四十年原則というのは議員立法で出たんですね。その中で、いろいろ議論の中で、要は規制委員会ができたらそこでしっかりと方向性を改めて示すという、そういうような文言も入っていますので、是非、先ほども意見がありましたので、よろしくお願いしたいと思います。 〔理事福岡資麿君退席、会長着席〕 それでは、また続きまして、東電の非連続の経営改革関連で、ちょっとこういう話を聞いたのでどうかなというのをお聞きしたいと思うんです。 東電が所有されている分離プルトニウムを、現在保管しているのが全体で四十七トンぐらいあるんです。資料は四に付けてありますが、そのうちのイギリスとフランスに置いてあるやつが三十何トンあるんですね。日本にあるやつが約十・何トンあるんですよ。 そこのことについて、要は非連続の経営改革ですから、これを資産とした場合ですよ、アイデアとしてこんな話があるんですが、保管中のそのプルトニウムを要は売却をすることができないのかという、こういうことがありまして、国としてこの妥当性、可能性についてどう考えられているかということですね、そこをちょっとお聞かせいただければと、そういうふうに思います。
○政府参考人(村瀬佳史君) お答えさせていただきます。 東京電力改革につきましては、昨年十二月に東電委員会から東電改革の提言というものが出されておりまして、それを踏まえてしっかりと改革に向けた取組を進めていただきたいと、このように思っております。 今御指摘ありました保有している分離プルトニウムの扱いにつきましては、これは民間事業の話でもありますので、事業者が置かれているその事業環境又はその事業環境の変化なども踏まえながら事業者自身が検討するべきものと考えております。 いずれにいたしましても、政府といたしましては、資源の有効利用、それから廃棄物の量の減少、また、その放射性レベルの低減といった観点から、エネルギー基本計画に基づきまして国内外の理解を得ながらプルサーマルを含む核燃料サイクルを推進する方針でございまして、その中で政府としてもしっかり対応してまいりたいと、このように思います。
○石上俊雄君 よろしくお願いします。 またちょっと、あえてテーマをまた変えますが、昨年の十二月、原子力関係閣僚会議で高速炉開発の方針が示されました。高速炉、核燃料サイクル技術の二本柱の一つ、もう一つは再処理になるわけでありますが、これが、核燃料サイクル技術というか、この再処理技術展開の大前提となっているのが、日米原子力協定というのがあるんですね。それが約三十年前に結ばれまして、期限が二〇一八年の七月に来るわけです。 これをどうするのかといったところですね。自動延長にするのか、相当期間延長の手続を取るのか、同協定を改定して新しい協定を締結するのかとか、来年以降は当面無協定状態にするのかというような四つのパターンがあると専門家の方は言われているわけでありますが、国として現在どんなふうな考え方を持ちながら進めようと考えられているのか、答弁をお願いします。
○政府参考人(川崎方啓君) 日米原子力協定の当初の有効期間は三十年、二〇一八年七月十六日までということでございますが、その後は、自動的に失効するのではなくて、日米両国いずれかが終了通告を行わない限りこれが存続をするというものになっております。 この日米原子力協定は、我が国の原子力活動の基盤の一つを成すものであって、極めて重要なものであると考えております。政府といたしましては、ただいま先生から御指摘ありました今後の協定の在り方といった点も含め、引き続き米国との間で緊密に連携をしてまいりたいと考えております。
○石上俊雄君 時間がなくなっちゃいましたので、最後の質問になるというふうに思いますが、原子力関係閣僚会議において、先ほど「もんじゅ」の話も田中委員長から説明もいただきましたが、廃炉に向けてしっかりと進めていくんだというふうなことがありました。しかし、「もんじゅ」は原子力基本法第三条の第四号で定める原子炉で、要は燃料を取り出すと原子炉じゃなくなっちゃうんですね。 要は、「もんじゅ」はたくさんのお金を掛けてあそこまで造り上げたんですから、この資料の六に書いてありますけれども、いろいろな知見を得るために、大型ナトリウム試験施設というところで何か模擬試験をやろうという話が出ているわけですね。要は、燃料を取り出せば原子炉じゃなくなるわけですから、残ったナトリウムの循環機能だけ使って大型施設というところに変えて、これ模擬試験みたいなやつをやるようなことを考えられれば、地元の皆さん等の理解も得られるし、何かこれは一石二鳥のような気がするんですが、そういうことについて、「もんじゅ」の担当であります文科省、どういうふうにお考えがあるかお聞かせいただけますでしょうか。
○政府参考人(板倉周一郎君) お答え申し上げます。 「もんじゅ」につきましては、昨年十二月に開催されました原子力関係閣僚会議におきまして「もんじゅ」の取扱いに関する政府方針が決定されまして、原子炉としての運転再開はせず、今後廃止措置に移行し、あわせて、今後の高速炉研究開発における新たな役割を担うよう位置付けることとなっております。 具体的には、「もんじゅ」を含む周辺地域を我が国の高速炉研究開発における中核的拠点の一つとして位置付け、「もんじゅ」を活用した高速炉研究を引き続き実施することとしております。 まずは、「もんじゅ」の継続的な運用、保守を行うことによって、データの蓄積や知見の獲得を進めるとともに、さらに、ナトリウム炉の解体技術の実証を行うなど、これは安全規制にのっとりつつ、今後適切な活用を検討してまいりたいと考えております。
○石上俊雄君 ちょうど時間になりましたので、この辺で終わりますが、福島第一の廃炉もそうですし、あらゆる技術開発もそうなんですが、結構長い時間掛かるわけでございます。そこの中で、相当数の技術を持った方々が携わっておりますので、是非計画的に、なかなか、新たな課題が見付かってスケジュールをキープするのも大変だと思いますが、是非皆さんのお力で前に進めていただければと思います。 以上で質問を終わります。ありがとうございました。
○三浦信祐君 公明党の三浦信祐でございます。早速質問に入らせていただきます。 二〇三〇年度においてもベースロード電源と位置付けている原子力発電、この再稼働について今後議論をする上で必要な知見を得るために、まず初めに周辺技術について質問させていただきます。 世界的潮流として、電源構成に対する再生可能エネルギーの割合が戦略的に増加していると認識をしております。日本も三・一一以降、加速度的に取り組むべき課題として、政策的にも、また技術開発的にも注視すべき状況にあると思います。 日本において二〇三〇年の再エネ比率目標達成へ向けての認識、また課題を資源エネルギー庁に伺いたいと思います。
○政府参考人(藤木俊光君) お答え申し上げます。 再生可能エネルギーは、エネルギー安全保障、低炭素社会の創出といった観点から重要な電源であり、エネルギーミックスにおいて二〇三〇年度の導入水準を二二から二四%としているところでございます。FIT制度開始後四年間で導入量二・五倍ということになっておりますが、一方で、太陽光発電に偏った導入が進み、国民負担増大への懸念や未稼働案件の発生、電力系統への受入れ制約の発生などの課題が生じております。 こうした課題に対応するため、昨年五月にFIT法を改正いたしまして、新たな認定制度を創設して、未稼働案件の防止や適切な事業運営を確保する、中長期の価格目標の設定、あるいは大規模な太陽光についての入札制度などコスト効率的な導入を進めるための工夫、さらには、風力、地熱などリードタイムの長い電源について数年先の買取り価格をあらかじめ決定するということで事業の予見可能性を高めるといった見直しを行ったところでございまして、今年の四月に施行する予定でございます。 こうした改正FIT法の適切な運用に加えまして、送電網の強化、規制・制度改革、研究開発など総合的な施策を講じて再生可能エネルギーの導入拡大を進めてまいりたいと考えております。
○三浦信祐君 ありがとうございます。 制度と技術を両立させていく、特に制度をしっかり見ていくということは国民負担の観点からも重要なことだと思いますので、今後、不断の努力を続けていただきたいと思います。 続きまして、再生可能エネルギーによる発電というのは、自然変動による影響を受けやすいものというのはもう理解があるところだと思います。発電安定化技術の確立へ向けての現状と取組について、同じく資源エネルギー庁に伺います。
○政府参考人(藤木俊光君) 自然変動電源であります太陽光、風力発電、これを導入拡大していくためには、まさに今御指摘のように、天候等によって出力が変動するという課題を克服していくことが重要でございます。 この課題を克服いたしまして電力の需給を常に一致させるというために、具体的には、出力の変動を事前に予測して需給調整を円滑化するために気象データ等を用いてその予測精度を上げていく、さらには火力を含めた運用を自動化するシステム、こういったものを開発して実用化をしていきたいと思っております。 また、周波数の維持や余剰電力の吸収を行う大型蓄電池を電力会社の変電所に設置して、その系統安定化のためにどう使えるかという実証実験を行うといったことでございますとか、あるいは、反対に、需要家側の敷地に設置された蓄電池等のエネルギーを統合制御して、一種一つの発電所のようにやってみるという実証事業、バーチャルパワープラントと呼んでおりますけれども、こういった取組を進めているところでございまして、こういった技術開発によって太陽光、風力といった自然変動電源の導入拡大ということにつなげてまいりたいと考えております。
○三浦信祐君 ありがとうございます。 挑戦的なテーマをたくさん挙げていただいたと思うんですけれども、それが議論ができるというのは、当然、日本のマネジメント力も含めた上で、高い技術力があるということだと思います。是非、今後世界をリードしていける技術分野だと思いますので、これは育てていかなければいけないことだと私は考えております。そういう意味で、この技術をうまく活用していけば持続可能な世界に貢献することにもなっていくのではないかなと思います。 しかし一方で、注目すべき点もあります。電源構成ベースで再生可能エネルギーの割合というのは実は二〇%強、先ほど言っていただきました。八〇%近くというのは従来からの技術であります。再生可能エネルギーとの共存を図る上でも、具体的な課題もたくさんあるのではないかなと考えております。 例えば、太陽光発電。日中で晴天のときには十分な太陽光量もあるために発電能力を発揮をすることになります。一方で、夕方に向かうに従って、光量低下に伴う発電量の低下を招いていきます。この時間帯というのは電力需要が増加をしていくことになります。現時点においては、発電側では発電所で需給急変対応のためにガスタービンなどを動かしている状況にあります。この手法では、二酸化炭素排出量削減の取組に悪影響を及ぼしていきます。 需要が増加した場合に対応する発電の能力、技術というのは確立へ向けて進んでいるのか、資源エネルギー庁にお伺いします。
○政府参考人(小澤典明君) お答えいたします。 先生御指摘のとおり、太陽光や風力発電などは天候の変化によりまして発電電力量が急変するおそれがございます。このため、需給バランスを確保して電力の安定供給を図るためには、火力発電などによって供給力を補いまして電力需要に合わせる必要がございます。その際、先生御指摘のとおり、より低炭素な方法で需給バランスを図ることが重要な取組というように考えております。 このため、経済産業省では、太陽光や風力発電などの出力を予測する技術、その高度化のための開発や高密度で低価格な蓄電池の技術開発等に取り組むとともに、出力調整力が高いガスタービンの高効率化に向けた技術開発を進めているところでございます。 特に、ガスタービンの技術開発につきましては、燃焼温度の更なる高温化を図り、発電効率を高め、併せて二酸化炭素の削減を進めるための技術開発に取り組んでおります。現在の燃焼温度は千五百度程度でございますけれども、これを千七百度程度まで引き上げて効率を良くすることで、発電効率と二酸化炭素の削減量を一割程度改善することを目指しております。 こうした取組を通じまして、調整力としても活用される火力発電からの二酸化炭素排出量の削減を進めてまいりたいと考えております。
○三浦信祐君 ありがとうございます。 日本の技術、たくさんいいものを持っておりますので、これをしっかり経済産業省もバックアップをしていただきたいというふうに思います。 次に、石炭火力発電に関して伺います。 一般的に、石炭火力というのは二酸化炭素の排出量が大きく、石炭利用に対する技術の進展が強く求められております。一方で、日本は世界最高水準の石炭火力発電技術を有しております。この技術を活用したプラントなどを輸出することによって世界の地球温暖化対策に貢献できると私は考えます。 これらの認識と検討について、井原政務官、お答えいただければと思います。
○大臣政務官(井原巧君) 三浦委員にお答えを申し上げます。 先生おっしゃるとおり、石炭については、一つには、経済性やエネルギー安全保障の観点から、アジア等新興国を中心にエネルギー資源として欠かすことのできないエネルギーとなっているのが現状です。 こうした国にとりましては、可能な限り効率的な石炭火力を導入することこそが現実的かつ実効的な気候変動対策であるというふうに考えておりまして、このため、資源エネルギー庁では、気候変動対応クリーンコール技術というのを、これCCTと申しますが、この国際協力事業として、石炭需要が増加するアジア等において、我が国の優れたクリーンコール技術の海外への普及を目指して、政府関係者や電力技術者等を対象とした石炭火力に関する技術セミナーの開催とか、あるいは、これら関係者の招聘をしているところであります。 また、クリーンコール技術海外普及展開等事業というのがございまして、それを通じまして我が国技術者の派遣等を支援しているところでございまして、こうした取組を通じて、先生おっしゃるとおり、地球規模の温暖化対策に貢献してまいりたいと、このように考えております。
○三浦信祐君 ありがとうございます。 重ねてになりますけれども、石炭火力発電に関連する技術者、研究者というのは日本にとっては重要な人材です。特に、金属材料分野というのは、世界の最先端の能力と実際の人というもの、そして技術を有しています。単純に石炭火力を減らしていくという議論というのは近視眼的であるように思います。 井原政務官、この辺の部分に関して御意見をいただければと思います。
○大臣政務官(井原巧君) 本当に先生のおっしゃるとおりで、私も同意するところでありますけれども、現実に海外において、特にアジア等の新興国では石炭火力の利用拡大が見込まれているというのがもう現状でございまして、日本の高効率発電技術への期待が非常に大きいわけでございます。 石炭火力発電に関連する技術者は我が国にとっても非常に重要な人材でありまして、我が国の技術力を今後とも維持強化していくためにも、高効率な石炭火力発電の技術開発を進めると同時に、我が国の優れた石炭火力発電技術を国内外で活用することによってその優秀な人材を我が国としてもしっかりとつなげて確保してまいりたいと、このように考えております。
○三浦信祐君 ありがとうございます。 実際の資源はなくても、人材という資源というのが日本の最大の持ち味だと思いますので、是非バックアップをしていただきたいと思います。 さて、従来の石炭火力発電に比べて、より二酸化炭素排出量を削減できる石炭ガス化発電、これについて、現在の技術の進展と国の支援体制、また取組について資源エネルギー庁に伺います。
○政府参考人(小澤典明君) お答えいたします。 石炭ガス化発電につきましては、現在、福島県で民間事業者が実証試験機、これは二十五万キロワットの規模でございますけれども、これを商用運転しているほか、同県におきまして現在の試験機の約二倍の規模、これは五十四万キロワットでございます、のプラント二基を平成三十二年以降の運転開始を目指して建設工事を進めている状況でございます。これによりまして、現在の最新鋭の石炭火力発電よりも二酸化炭素排出量を一割以上削減することが可能となります。 さらに、石炭ガス化発電に燃料電池を組み込むことで更に高い発電効率を目指す実証試験を、これ広島県において、平成三十三年度までの計画で進めております。この実証試験につきましては、国からも補助を出して支援をしている最中でございます。これによりまして、現在の最新鋭の石炭火力発電より二酸化炭素排出量を三割程度削減することが可能となります。 こうした実証試験等を通じまして、技術的な課題を克服し、石炭ガス化発電とそれを通じた効率的な二酸化炭素の削減技術、これをできる限り早く実用化できるよう、引き続きしっかり取り組んでまいりたいというように考えております。
○三浦信祐君 ありがとうございます。是非継続的な取組をお願いしたいと思います。 次に、福島第一原子力発電所の廃炉について伺います。 先ほども石上先生、また廣瀬参考人からも様々ありましたけれども、先日、福島第一原発二号機のデブリの状況について写真が公表されて、現状が少しずつ明らかになってまいりました。関係者の御努力に敬意を表したいと思います。 その上で、監督官庁として、廃炉の進捗状況と具体的な近々の課題について高木副大臣にお伺いします。
○副大臣(高木陽介君) 燃料デブリの取り出しに向けましては、取り出しの工法の研究開発を進めるとともに、原子炉や格納容器の内部状況をできる限り事前に把握する、このことを最優先の課題として現在取り組んでおります。このため、これもこれまでお話が出たように、透過力の強い素粒子を利用したいわゆるミューオンによる調査、さらには遠隔操作ロボットによる調査などを順次実施をしてきております。 今般の二号機での調査におきましては、事前の調査の段階ながら、原子炉圧力容器に近い場所の状況を初めて直接確認することで新たな情報が着実に収集されており、大きな一歩となりました。 また今般、一号機及び三号機においても、遠隔操作ロボットを順次投入し、より詳しい情報の収集を進めることとしており、こうした調査などの結果を踏まえて、本年、号機ごとの燃料デブリの取り出し方針を決定することとしております。 今後、調査が進むにつれ、予測の難しい困難な作業が発生することも想定されますが、我が国の技術力を結集してこの廃炉作業をしっかりと進めて、福島の皆様方の復興、安心につなげてまいりたいと思います。 もう一つ申し上げたいのは、今、間もなくあの事故から六年を迎えますが、実は一号機でヘビ型のロボットというのを原子炉内、格納容器内に四年半で入れました。大きな事故というのは、チェルノブイリ、スリーマイル、そしてこの福島の原発事故でございますが、チェルノブイリは原子炉本体も爆破をしてしまいましたので石棺という形を取っておりますが、スリーマイルは十一年掛けてこの燃料デブリを取り出しました。しかし、この原子炉内にロボットを入れたのは六年半掛かりました。日本の場合には、あれだけの過酷事故でありながら四年半で一号機にまずロボット投入、そして今回、六年目にして二号機にロボット投入という、スリーマイルと比較をした場合にはかなり早い段階でのこの作業になっているということもどうか御認識をいただきたいと思います。
○三浦信祐君 ありがとうございます。 極めて、技術者、研究者の一体感が実際に成果として表れてきているものだと思います。そうなってきますと、大事なことは、現時点において、廃炉過程における技術のニーズとシーズのマッチング、これどのように進めていくかということになると思います。 経産省平井審議官に御答弁いただければと思います。
○政府参考人(平井裕秀君) お答え申し上げます。 福島第一原発の廃止措置における技術のニーズとシーズのマッチング、大変重要な御指摘だと思っております。これにつきましては、まずは炉の設置者であります、さらには現場に精通した東京電力において、具体的なニーズをホームページなどを活用して公開し、国内外から技術や知見を広く募集する取組を昨年の八月から開始しているところでございます。 また、JAEA、日本原子力研究開発機構におきましては、将来的に廃止措置において直面するであろうそうしたニーズを念頭に置きながら、大学や研究機関が進めている技術研究の中から将来的にマッチングにつながるような技術シーズの洗い出しを行っているところでございます。 さらに、こうした取組がより一層効果的に進められるよう、東京電力、メーカー、研究機関、有識者等から成る廃炉研究開発連携会議というものを原子力損害賠償・廃炉等支援機構に設置いたしまして、マッチングを促進するに当たっての課題と対応策について議論、検討を行っているところでございます。 刻々と判明してまいります現場の状況に応じて、研究開発が無駄に終わることのないよう、今後とも現場のニーズに即した研究開発として進めてまいる所存でございます。
○三浦信祐君 ありがとうございます。 今般の事故の廃炉プロセスを今後に反映をしていくためには、人的知見に頼るだけではなくて、明瞭な記録、書類やデータ、映像として確実に残すべきだと考えます。特に、最前線の技術者、作業者のノウハウというのは貴重な知見となります。 今後どのように取り組んでいくか、平井審議官に伺います。
○政府参考人(平井裕秀君) まずは、炉の設置者でございます、実施責任を負うところの東京電力におきましては、今後とも、これまでに現場での作業等を通じて蓄えてまいりましたその知見を生かして、その責任をしっかりと果たし続けていくということが求められているかと思います。例えば、三号機の使用済燃料取り出しに向けた建屋上部の放射線量低減対策ということを例に取って申し上げれば、放射線源の調査を通じて、除染だけではなく、鉄板の設置による遮蔽対策を組み合わせる方が効果的であるというような知見を得たところでございますが、これを公表し、記録として残した上で、今後の作業に役立てていくということが進められていると認識しております。 昨年十二月に閣議決定されました原子力災害からの福島復興の加速のための基本指針、この文書の中におきましても、技術者、作業者のノウハウを蓄積し、活用することも含めたプロジェクトマネジメント機能の強化などに向けて、現場を含む運営体制全体の見直しを東京電力に対しまして求めているところでございます。 また、貴重なノウハウが雲散霧消することのないよう、東京電力のみならず、関係する原賠・廃炉機構を始めといたしまして、学会、メーカー、建設業者など、様々な関係者に協力を働きかけてまいりたいと思います。
○三浦信祐君 ありがとうございます。貴重な知見だと思いますので、よろしくお願いします。 続いて、既存の国内原子炉の廃炉について伺います。 我が国において通常の運用状態からの廃炉技術というのはそもそも確立をされているのか、また世界での廃炉の状況と併せて実際に確立されているのか、資源エネルギー庁に伺います。
○政府参考人(小澤典明君) お答えいたします。 まず、世界の廃炉の状況でございますが、昨年末の時点で世界で既に廃炉を完了した原発、これは十五基ございます。それから、廃炉を進めている原発、廃炉中の原発は百五十基程度というふうに承知しております。我が国におきましては、試験研究炉でありました日本原子力研究所のJPDRという炉の廃止措置が完了しております。こうした廃炉の取組を通じて、技術的な知見の蓄積が進んでおります。 また、通常の原子力発電所の廃炉につきましては、電力会社やメーカー等の事業者がこれまでの原発の建設、保守メンテナンス等で培ってきた技術、それから既に廃炉したJPDRから得られた知見、こういったものを生かしながら取り組んでいくということが基本でございます。既存の技術、さらには今後の廃炉の取組から得られる知見を活用して十分に実施可能であるというふうに認識をしております。 なお、我が国におきましては、商業用原子炉につきまして、福島第一原発も含め、現在十五基の廃炉が決定しております。これをいかに安全に進めるかが重要な課題でございます。このためには、高度な技術の維持、安全確保を大前提とした廃炉工程の具体化、効率化、そして高いスキルと安全意識を持った人材の確保、これらが非常に重要であるというふうに考えております。
○三浦信祐君 今御答弁いただいた部分から考えますと、今後、世界では四百基程度の原発の新増設があるとも聞いております。すなわち、継続的に廃炉が必要になるということは間違いないと思います。むしろ、廃炉というのは世界的なビジネスチャンスになる可能性も十分はらんでおります。 その上で、今回の原子炉システムでのシビアアクシデントからの廃炉というのも世界で初めてになります。得られる技術と生み出す能力をしっかり保護すべきだと私は強く思います。他国に安易に技術をもたらすべきでもないと思いますし、日本がこれから行っていくであろう原子炉の廃炉を通して、技術集積、知見、知財確保と保護、オープン・クローズ戦略を計画的に進めていかなければならないと思います。その根幹となるのは人材育成、これが不可欠だと思います。 原子力人材及び関連業界の今後の見通しはいかがでしょうか。また加えて、建設時点から運用時点での経験則が原子炉ごとに異なって、ノウハウもあると思います。事実や技術の伝承をどうしていくのか、現状の認識と展望について高木副大臣に御答弁いただきます。
○副大臣(高木陽介君) 今御指摘ありましたように、廃炉人材の育成というのは大変重要なことだと思っております。 一般社団法人の日本原子力産業協会の報告書によれば、我が国の原子力関係従事者数というのは現在四万八千人であり、人数自体は震災以降ほぼ横ばい傾向にありますが、今後、プラントの建設、運転経験を有する世代が退職により減少していく可能性があるとも承知しています。 他方で、円滑な廃炉を実現するためには高度な技術の維持と高いスキルと安全意識を持った人材の確保が非常に重要であると考えており、国としては、原子力を支える高度な技術、人材を維持発展させるため、例えば現場技術者の技能向上に向けた実習や講義など、廃炉や原子力安全などに係る人材育成の取組についても支援しているところでございます。 現在、福島第一の廃炉に向けて楢葉町にモックアップ施設というのを建設いたしました。いわゆる格納容器をそのままの大きさでモックアップで造っていますが、そこをベースにして、昨年末に全国の高専の方々を集めてロボットコンテストを行いました。このように、若い人たちにもしっかりとこの廃炉を見ていただいて、この原子力の技術というものはしっかりと継承して、原発に対して賛成をする方も反対をする方もこの中にいらっしゃると思います。しかし、廃炉という問題は、これは私たちの世代でしっかりとやらなければいけないということで、この技術開発については、原発について賛成であろうが反対であろうがしっかり協力してやっていくべきものであろうと、このように考えております。
○三浦信祐君 ありがとうございます。全く私もそのとおりだと思います。 例えば、福井では原発のたくさんあるところで廃炉ビジネスを構成していると聞きます。今、文科省からも、補助事業となっている事業で、JAEAが廃炉に関することにも取り組むことになっていると思います。この詳細について伺いたいと思います。また、今後国が全力でバックアップすることが大切だと思いますけれども、いかがでしょうか。文部科学省に伺います。
○政府参考人(板倉周一郎君) お答え申し上げます。 文部科学省におきましては、平成二十八年度補正予算によりまして地域科学技術実証拠点整備事業を実施しておりまして、企業と地域の大学や公的研究機関などが連携しまして、一つ屋根の下で研究成果などを実証するための施設設備の整備を支援しております。 今般、当該事業におきまして、原子力発電所の解体等の廃止措置技術に関し、福井県内の企業の技術力強化を行うことを目的として、国立研究開発法人日本原子力研究開発機構が提案した拠点構想が採択されたところでございます。採択されたこの構想におきましては、今後、レーザーによる効率的な切断技術の開発、実証や、廃止措置技術の実証試験場の整備などを行い、福井県内の企業における廃止措置に係る技術力の強化につなげていくこととしております。 文科省としましては、本事業を始め産学官の連携強化等を通じ、原子力機構の研究開発成果を広く国民社会に還元することが重要と考えておりまして、引き続き必要な支援等を行ってまいりたいと考えております。
○三浦信祐君 時間になりました。ありがとうございました。 ─────────────
○会長(金子原二郎君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、徳永エリ君が委員を辞任され、その補欠として石橋通宏君が選任されました。 ─────────────
○山添拓君 日本共産党の山添拓です。 二〇一六年の六月に原子力規制委員会が、「実用発電用原子炉に係る新規制基準の考え方について」、こういう文書を発表しています。 まず伺いたいんですが、どういう人に読まれることを念頭に置いて作成されたものなのか、また、こうした文書を原子力規制行政として作成するのは初めてのことかどうか、お答えください。
○政府参考人(大村哲臣君) お答え申し上げます。 御指摘の「実用発電用原子炉に係る新規制基準の考え方について」、これは昨年作成したものでございますけれども、これまで新規制基準の内容やその根拠になる考え方については体系的に整理をしたものがなかったということでございまして、特に規制基準に関心のある方も含めまして、広く様々な方の参考となるようにということで作成をしたものでございます。 作成に関し留意した点につきましては、特に専門家に対しましても正確に伝わるということを念頭に置いて作成を行ったというものでございます。 それから、最近、原子力規制委員会を当事者とする訴訟等もございまして、この規制基準の考え方が問われるというケースもございますので、そういうような場合においても使えることを念頭に置いて作成をしたということでございます。 それから、このようなものが初めて作られたのかという御質問でございますけれども、これにつきましては、以前から記者会見とかパブリックコメント等を始め様々な機会で資料を作り説明をしてきたわけでございますけれども、こういう根拠となるような考え方につきましては、先ほど申しましたように、体系的に整理した資料がなかったということで、今回初めて作成をしたところでございます。
○山添拓君 初めて作成されたということなんですが、例えば、委員の皆さんには資料一でお配りしておりますが、ここの文章は一九九二年の伊方原発訴訟の最高裁判決をおおむねなぞったものかと思います。そういう意味では、旧規制基準の下での法解釈とほとんど同じだと。 ただし、表現が微妙に変えられているところもございます。資料一の下に五ページと打ってあるところのマーカーの部分ですが、判決でも、原発の安全性が確保されなければ住民の生命、身体に重大な危害を及ぼし、周辺環境を放射能で汚染するなど深刻な災害を引き起こすと。だから、深刻な災害が万が一にも起こらないようにするため、規制行政による十分な審査が必要だと、こう言っています。 この深刻な災害が万が一にも起こらないようにするためという判決の文言が、今回の考え方では「このような災害が発生する可能性を極めて低くするため、」となっていまして、表現としては若干後退した印象を受けます。これは規制委員長にできればお答えいただきたいんですが、規制委員会として、深刻な災害が万が一にも起こらないようにする、こういう姿勢は取らないという姿勢なんでしょうか。端的にお答えいただきたいんですが。
○政府特別補佐人(田中俊一君) 当然、私どもの規制は、福島のような事故を二度と起こしてはいけないと。ああいう事故が起きる可能性があるなら、原子力の利用はやめた方がいいということを私は国会で何度か申し上げています。 ですから、新しい規制基準は、深刻な災害、重大な事故をできるだけ、私どもとしてはいろいろ知恵を絞ってそれを起こらないようにするというための規制基準になっているということを御理解いただきたいと思います。 ただし、事故もいろんなことがありますが、科学技術ですので、私どもとして考えの及ばないこともあるかということで、それはある種の科学技術に対する考え方というか哲学みたいなものとして、全く事故が起こりませんということを申し上げることはしないと。もしそれを申し上げたら、いわゆる昔の安全神話に戻ってしまうということも含めて、そういうことを申し上げてきております。
○山添拓君 それは、新規制基準をクリアしても絶対安全だと言えないということでしょうから、それではどうして世界最高水準だと言えるのかという疑問がございます。 また、その点はおくとして、深刻な災害が万が一にも起こらないようにする、これは原発が放射能という異質の危険を扱うものだからにほかなりません。そのために、審査基準の策定やあるいは基準への適合性の審査において最新の科学的、専門技術的知見に基づく総合的な判断が必要なんだと、これは最高裁判決や今回のこの考え方でも言っています。 国は、福島第一原発事故の以前には最新の知見に基づいて判断してきたと言えるのかどうかと、今日はこの点を問いたいと思っています。福島第一原発の事故は、敷地の高さを超える津波が全交流電源喪失を決定的なものにしたものです。これが想定外だと言っている国や東京電力、その説明が正しいのかどうかが問われています。 この点で、二〇〇二年の七月に地震調査研究推進本部が発表しました「三陸沖から房総沖にかけての地震活動の長期評価について」、この調査報告は重要な意味を持つと思います。 資料の二を御覧ください。この推進本部というのは、阪神大震災の教訓を踏まえまして地震防災対策特措法が議員立法で制定をされ、地震の調査研究を政府として一元的に推進するために政府の特別の機関として設けたものです。この推進本部が作ったのが長期評価です。 文科省に伺いますが、地震の長期予測について、政府の初めての公的見解だ、こういうものだと理解してよいでしょうか。また、どういう方が参加して作ったものか、意見が分かれた場合にはどのような経過を経て公表することに至ったのか、この点を御説明ください。
○政府参考人(板倉周一郎君) お答え申し上げます。 地震調査研究推進本部は、平成七年に発生しました阪神・淡路大震災の教訓を踏まえ、地震に関する調査研究の責任体制を明らかにし、関係行政機関、大学等の連携の下、政府として一元的に地震調査研究を推進するために当時の総理府に特別の機関として設立され、現在は文部科学省に置かれているものでございます。その地震調査研究推進本部に設置している地震調査委員会は、大学等における地震研究者や調査観測を行う機関の者で構成されております。 地震に関する評価としましては、過去に発生した地震のデータを用いて、同じような規模の地震がほぼ同じ場所や間隔で繰り返し発生するという考え方に基づき、将来発生すると想定される地震の場所、規模、確率について評価し、これを長期評価として公表しております。 なお、長期評価に当たっては、委員会としての合意に基づき取りまとめているところでございます。
○山添拓君 ですから、参加された学者や研究者、この意見が一致する、言わば最大公約数として公にされているものだと思います。 二〇〇二年の長期評価では、歴史地震の記録やあるいは観測の成果に記された津波の記録、震度分布などに基づいて調査結果を吟味して、そして次の地震はどういうものか、これを予測しています。「三陸沖北部から房総沖の海溝寄りのプレート間大地震(津波地震)」と書かれています。 どのような地震を予測したものであったか、これも文科省に御説明いただきたいと思います。
○政府参考人(板倉周一郎君) お答え申し上げます。 地震調査委員会は、平成十四年に公表した三陸沖から房総沖の海溝型地震の長期評価におきまして七つの領域に分けて評価しており、その中の三陸沖北部から房総沖の海溝寄りの領域に関しましては、震源域は具体的な地域は特定できないが、日本海溝に沿って長さ二百キロメートル程度の長さ、幅五十キロメートル程度の幅で、地震の規模につきましてはマグニチュード八程度、さらに、今後三十年以内の発生確率は二〇%程度などと評価しているところでございます。
○山添拓君 委員の皆さんは資料の三の一も御覧ください。マーカーを引いた下のところには、特定の海域、つまりここでは福島県沖なども含まれるんですが、ここでも今後三十年以内の発生確率は六%程度、五十年以内は九%と推定されるとしています。 二〇〇二年の長期評価は、この領域について政府の機関である推進本部が初めて策定したものです。防災対策のために信頼に足りる長期的な予測として公表されたものだと思いますが、この点は規制委員会としても特に異論はないでしょうか。規制委員長にお答えいただけますか。
○政府特別補佐人(田中俊一君) 地震調査研究推進本部は専門家の方々が検討されていることですので、私の方から何か申し上げることは特にはございません。
○山添拓君 特段その信頼性について否定するつもりもないということで伺ってよろしいでしょうか。
○政府特別補佐人(田中俊一君) 私から信頼できるとか信頼できないとかということを申し上げる立場にはありません。
○山添拓君 それは、地震や津波に対する対策を原子力規制行政として扱う立場として非常に無責任だと私は思います。今も長期評価というのは繰り返し更新され、発表されています。これに対して、信頼できるともできないとも言えないというのは、これは私はおかしいと思います。 次に参りますが、二〇〇二年の長期評価に沿って、その六年後、東京電力が津波のシミュレーションを行いました。結果、福島第一原発の敷地の南側で基準面から十五・七メートル、第一原発の敷地高さは基準面から大体十メートルですので、一号機から四号機で一メートル又は二メートル浸水するんだと、こういう結果が出ました。ところが、これはすぐには公にされなかったわけです。 重要なことは、この二〇〇八年の試算ですが、二〇〇二年の段階にも実施できたんではないかということです。長期評価が発表されて、これを受けて推計を行えば、程なくして福島第一原発で敷地高さを超える津波の可能性を認識することができたはずだと。 伺いますが、国は当時、長期評価に沿って津波のシミュレーションを行ったでしょうか。また、東電にその試算を指示したということはあったでしょうか。そして、なかったならば、それはなぜなのか、お答えいただきたい。
○政府特別補佐人(田中俊一君) 私どもの調べた限りにおいては、規制機関でも東京電力でも、推本のその推定に基づいた評価はやっていない、津波評価はやっていないというふうに理解しております。なぜ評価をしなかったかということについては、私は詳細には存じ上げておりません。
○山添拓君 なぜ詳細に分からないんですか。これはレクの中でも通告しておりますし、調べてくるようにとお願いしているところです。なぜこの長期評価を踏まえてシミュレーションを行わなかったか、行うよう指示をしなかったか、もう一度お答えください。
○政府参考人(山田知穂君) 私どもで承知をしております範囲でございますけれども、土木学会の津波評価技術手法による津波評価については、手法策定後の二〇〇二年に、事業者が自主的に津波評価を行って原子力安全・保安院へ報告していたことについては承知をしておりますが、当時の長期評価の取扱いについては承知をしていないところでございます。 なお、それ以降の津波評価につきましては、二〇〇六年に耐震指針が改訂をされてございますけれども、その後の耐震バックチェックの中で行われるという予定となってございました。
○山添拓君 津波評価技術ということを今御紹介になりました。 土木学会の津波評価技術、これは民間機関のものです。しかも、土木学会というのは、これはこれまでにも何度かいろんなところで問題になっておりますが、委員や幹事三十名のうち十三名が電力会社の出身です。事務局も電力事業者です、原子力事業者です。研究費の全額を電力会社が負担してきたものです。 その津波評価技術というのは、原発の安全性を担保するための設計上の水位を求める、この津波の推計の方法を定めたものであって、津波評価技術というのは、この考え方は、津波を引き起こす地震がどういうものかについては明らかにしたものではありません。かつ、津波評価技術は、どういう地震を想定すべきかというときに、既往最大のもので構わないと、これまでに起こった最大のものを考慮すればよいというものでした。 これに対して長期評価というのは、先ほども御紹介いただきましたが、各地域における地震の発生可能性あるいは規模を予測するもので、想定し得る最大規模の地震、津波を考慮すると、こういうものです。過去に起こったものだけでは不十分だ、これから起こるかもしれないものを考慮すべきだと。そして、これこそが当時の地震予測の観点で最新の知見だったわけです。 資料の四を御覧ください。 東電は、二〇〇二年に、おっしゃったとおり、津波評価技術に沿って、一九三八年の塩屋崎沖地震、マグニチュード八・〇です、これを参考にシミュレーションを行っています。この地域での既往最大地震で試算をしたと、福島第一での津波水位は五・四から五・七メートルと予測をされたと。 一方で、東電が二〇〇八年に行った推計では、長期評価の考えに沿って、一八九六年の明治三陸地震、これマグニチュード八・三、八・六とも言われていますが、これが福島沖でも起こり得るんだと、長期評価に沿って、この考え方を前提として予測をしました。マグニチュード、〇・三違うとエネルギーは約二・八倍になります。 長期評価に沿って推計を行えば、東電の当時の試算をはるかに超える津波高さ、福島第一で敷地高さを超えるような津波となるということは容易に想定できたはずなんです。なぜ国は長期評価に基づいて推計を行わせなかったんでしょうか。
○政府参考人(山田知穂君) 繰り返しになって恐縮でございますけれども、二〇〇六年に耐震指針が改訂されてございまして、その耐震バックチェックの中で評価をするということで予定をされてございましたので、その中でやるということでございました。
○山添拓君 それでは、耐震バックチェックの中でこの長期評価に沿って試算をするように、そういう指示をされたんですか。
○政府参考人(山田知穂君) 耐震バックチェックというのは、地震動についてのバックチェックと、それから津波についてのバックチェック、両方するようにということは指示はしてございました。 ただ、この耐震バックチェックの中では、中越沖地震がございましたので、まず地震動の方を先に評価をするということで順番に評価を進めていたということで、この二〇〇六年、それから地震が起きた時点ではまだ津波地震については評価をしていなかったというのがそのときの状況でございます。
○山添拓君 私は、それはおかしいと思いますね。二〇〇二年に長期評価という形で想定し得る最大の地震を想定すべきだと、こういう知見が新たに示されたわけです。そして当時、国も原子力発電所の津波対策が必要だと、このこと自体は十分認識されていたはずです。長期評価を津波想定に反映させなかったというのは、これは意図的に無視したとしか私は考えられないと思います。これまで起きた最大、既往最大だけでは足りないんだ、このことも既に指摘をされていたんです。 北海道南西沖津波を契機に九七年から九八年にかけて策定された太平洋沿岸部地震津波防災計画手法調査、あるいは幾つかの省庁にまたがって作られた手引というものがございますが、この中でも、一般的な防災対策としても想定し得る最大規模の地震、津波を考慮すべきだとされていました。しかも、こういう中ですから、国がもはや既往最大、これまで経験した最大を考慮するだけでは足りない、想定し得る最大規模を考慮すべきだということを知っていたというべきだと思います。 こうして考えてみますと、結局、最新の科学的、専門的、技術的知見を判断に反映させるんだという姿勢を欠いていたと言わざるを得ないと思います。長期評価に基づく推計を二〇〇二年の段階で行わせていれば、敷地高さを超える津波の襲来を予見し得たと、敷地の高さを超える津波への対策をそこから取ることができたはずだと考えます。 ところが、従来の津波対策というのは敷地高さを超えないんだということに終始していた。敷地高さを超える津波の可能性を示唆するような知見はあえて排除して、起こることはないと決め付けてきたわけです。結果として、非常用電源も水没し、全交流電源が喪失する、炉心の冷却不能だと、こういう事態に陥りました。最新の知見を基準策定や適合性審査に反映させるという、その姿勢がなかったということではないでしょうか。 田中委員長に伺いたいんですが、現時点で振り返って、この二〇〇二年の長期評価の知見、規制行政に反映させなかったこと、結果として敷地高さを超える津波対策を行わなかったということについて反省すべきだとお考えでしょうか。
○政府特別補佐人(田中俊一君) 先生御指摘のように、1Fの事故がその結果として起こっているわけですから、それは深刻に反省すべきことだと思います。 そういった反省も踏まえて、私どもは今、規制基準も含めて審査においては、推進本部のいろんな、震源断層とか、加えて津波の場合は土砂崩れとか、いろんな自然現象を全部考慮して、その上で最大津波の高さを評価し、それに耐えるような対策を求めているわけです。 ですから、おっしゃるとおり、過去のそういった規制は不十分だったということについては、それを私は否定するつもりはありません。
○山添拓君 私は、二〇〇二年の長期評価を、その知見を無視したことについて伺いました。 そして、今委員長は現在の新規制基準に基づく審査の中で推本の知見についても考慮に入れていると、こういうお話だったかと思います。すなわち、長期評価、推本による長期評価についても一定の信頼を置いている、こういうことではないんですか。
○政府特別補佐人(田中俊一君) もちろん置いております。 ただ、私どもは置いておりますけれども、先ほどの御質問はちょっと意味が違ったというふうに私は理解しました。
○山添拓君 どう違うのか、にわかには分かりませんが、委員長にもう一度また改めて伺いますけれども、現在、全国で福島第一原発の事故による被害賠償を求める裁判が取り組まれています。例えば、福島地裁で全国の四千人の方が原告になっている「生業を返せ、地域を返せ!」福島原発訴訟、この中で被告の国は、二〇〇二年の長期評価について、これは座長だった学者の意向に沿うようまとめただけだ、あるいは、信頼性が低い、科学的根拠に基づかないものだと、こういう主張をしています。その上で、土木学会がまとめた津波評価技術が津波の波源設定から敷地に到達する津波高さの算定まで津波評価を体系化した唯一のものだと、ここまで持ち上げているんです。国の機関である推進本部が作った長期評価については信頼性がないと言いながら、土木学会が作ったものについてはここまで持ち上げる。 委員長は、国がこうした主張をしている事実を御存じでしょうか。また、こうした主張についてどのようにお考えか、お聞かせください。
○政府特別補佐人(田中俊一君) 国が裁判でどういった主張をしているかという、つぶさには存じ上げていませんけれども、先生が今おっしゃっているのは、推進本部が作っているのは震源、要するに地震の断層の長さとかそういう震源、少し専門的に言えば、地震力の大きさとか、そういうものを評価、この場所ですね。ところが、土木学会は、それをベースにして津波が、それによって津波がどういうふうな大きさになるかというレシピなんですね。地震推進本部は、津波を、実際に地震から津波起こるまでのそういう評価式を出したのは今年の一月ですよ、初めて。 ですから、そこについては、違うものを比較しても、これはちょっと議論にならないというふうに私は思います。
○山添拓君 二〇〇二年の時点で長期評価が出されている、こういう地震を想定すべきだということが示されています。この地震の想定に基づいて、東京電力が二〇〇八年には実際に津波のシミュレーションをやっているんですよ。これ、二〇〇二年にできなかったものかといえば、当時もできたものなんですよ。それはもうはっきりしています。だったら、なぜ長期評価という知見が現れたときに国が率先してこれに沿ってシミュレーションをしろということをしなかったのか、指導しなかったのか、このことを問題にしています。 今年、各地で国家賠償訴訟が判決やあるいは結審を迎えます。国の責任が判断されていく上で、今日の答弁は極めて重要なものだと私は思っています。 最後に、時間の許す限りで次の質問に参ります。 二〇一六年の九月に北陸電力の志賀原発二号機で雨水が流入して漏電したという事故が起こりました。どのような事態だったか、御説明いただけますでしょうか。端的にお願いします。
○政府参考人(山田知穂君) 御指摘の事象につきましては、志賀原子力発電所内の道路が雨水により冠水し、その雨水が道路脇の縦穴などを通じて原子炉建屋のケーブル貫通部などから原子炉建屋内に流入したというものでございます。原子炉建屋内に雨水が流入したことによりまして、当該建屋、地上一階にある照明分電盤、ここに水が掛かりまして、この分電盤に漏電、地絡、電気事故が発生をしたというものでございます。 なお、被水した分電盤については、地絡、漏電しても電気が送られる設計となっていたということで、要求される安全機能は喪失していなかったということで、結果論ではございますけれども、安全上の問題はなかったというものでございます。
○山添拓君 資料の六に記事を付けておりますが、田中委員長のコメントとして、これほどの雨が流入するのは想定外だったと、安全上重要な機能を失うおそれもあったと紹介をされています。ただし、当時の雨量は最大で一時間二十六ミリだと。この志賀町でいえば、大雨注意報が出るレベルより低いぐらいです。自然現象としては当然想定しておくべきものかと思います。新規制基準はもちろんですが、旧基準の下でも、想定される自然現象によりその安全性を損なうおそれがある場合には適切な措置を講じるべきことが義務付けられていました。 委員長は今回の事態をどのように受け止めておられるか、お願いします。
○政府特別補佐人(田中俊一君) これは、そういうことを想定できていなかったということについては十分反省しなきゃいけないし、そういう反省に立って、早急に雨水等の貫通孔を塞ぐとかそういう対策を、全ての原子力発電所に調査し、今それを求めています。
○会長(金子原二郎君) 山添拓君、時間が来ています。
○山添拓君 最後に。 東日本大震災のように、津波が敷地高さを超えると、それは想定外だと言い、今度また開口部から雨水が流入すれば、また想定外だと言うと。これ、常に行き当たりばったりじゃないですか。深刻な災害を万が一にも起こさないという姿勢とは程遠いと私は思います。原子力の異質の危険を踏まえた対応とは言い難いものです。 こうした下で全国の原発を再稼働するなどもってのほかだということを申し上げて、質問を終わります。
○清水貴之君 日本維新の会の清水と申します。どうぞよろしくお願いいたします。 まず初めに、使用済核燃料から出る高レベル放射性廃棄物、核のごみと言われているものです、これについてお聞きしていきたいと思います。 この最終処分場です。これが非常に、これまでにも長年にわたって議論になってきていますけれども、大変難しい、でもやらなければいけない大きな大きな問題だというふうに思っています。 この最終処分場の候補地は、これまでの手挙げ方式ではなくて、今後は政府の方で適性地を調べて科学的有望地を提示していくという話になっていたかと思います。これを当初の予定では昨年のうちに、一か所じゃなくて色分けして示していくという話だったかと思うんですが、年明けて、今のところはまだそういった候補地が出ていない、示されていないように思うんですが、現状はどのようになっているんでしょうか。
○政府参考人(村瀬佳史君) お答えさせていただきます。 御指摘のとおり、高レベル放射性廃棄物の最終処分の問題は、現世代の責任で解決すべき重要な課題と認識しておりまして、一昨年五月に特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律、いわゆる最終処分法に基づきまして基本方針を改正し、科学的に適性が高いと考えられる地域を示しまして国民に関心と理解を深めていただくと、このような方針で取り組んでいるところでございます。 この方針を改定した後、専門家の方々にお集まりいただきまして精力的に検討を進めていただいておりましたけれども、昨年の十月に原子力委員会から、国民の目線に立って要件、基準について注意深く設定するとともに、マップの提示の際にも説明や表現について慎重に検討するべきといった御指摘をいただいたところでございます。現在、この指摘を踏まえまして審議会で更に議論をいただいているところでございます。 御指摘のとおり、最終処分は国民の皆様の関心や理解の深まりなくしては実現できるものではございません。そのために、拙速であってはならないというふうに考えておりまして、処分の実現に至る長い道のりではございますけれども、その道のりを着実に進んでいくためには、マップの提示のタイミングでしっかりと準備をして最初の一歩を丁寧に示していく、踏み出すということが重要であると、このように考えております。 国民や地域の方々に冷静に受け止めていただけるような準備をいたしまして、スケジュールありきではなく、必要な議論、必要な準備をしっかり進めてまいりたいと、このように考えております。
○清水貴之君 今、遅れている理由のところで、国民の皆さんに対して慎重にやらなければいけない、その理由は大変よく分かります。 ただ一方で、これはおととしの十二月の関係閣僚会議で、一年後、二〇一六年中の提示を目指すというふうに決めたわけですよね。これ、誰かからやれと言われてスケジュールを決めたわけではなくて、まず内部の方でもうこの時期までにやりましょうというルールづくりをして、で、様々な要因があって今遅れているという話ですけれども、とはいえ、本当の一歩の一歩ですから、今後もすごい時間が掛かるわけですよね。 ですから、やはり、スケジュールありきではないとおっしゃるのも分かりますが、一方でスケジュールというのも大変大事ではないかな、これを見ていかないと、もういつまでたってもずるずるずるずる決まらないということになりかねないとも思います。スウェーデンとかフィンランドなんかはやはり二十年、三十年掛けて議論をして場所を決めていったということです。 原発の再稼働、もう今までもいろいろ質問が出ていますが、ここが決まらないのに動かすというのは私はもう非常にやはり無責任なことではないかなというふうに思っていますので、是非ここの部分、最初の部分を進めていただきたいけれども、スケジュールありきではないとおっしゃる一方で、しっかり、最初の候補地を示すスケジュールもそうですが、その後何年ぐらい議論して一か所に決めていって、どこで地質調査をしてとか文献調査してというところも、これ最初からある程度見込んでおかないと決まらないと思うんですね。この辺りについてのトータルのスケジュール感を教えていただけますでしょうか。
○政府参考人(村瀬佳史君) 先ほど申し上げました最終処分法で、文献調査、概要調査、精密調査の三段階で段階を経て処分地を選定していくと、このように決まってございます。それぞれの調査段階におきまして、地方自治体の御地元の意見を聞きながら段階的に丁寧にプロセスを進めていくと、このようになってございます。 ただ、この法律ができて以降、これまでまだ文献調査にすら着手できていないというのが実態でございます。このような中で、国民の皆様に、これまでの手挙げ方式ではなくて、情報をしっかり示すという観点から、科学的に適性の高い地域、これをマップとして提示するということにさせていただいているところでございまして、今いただいた議員の御指摘も踏まえながらしっかりと対応を進めさせていただきたいと、このように考えております。
○清水貴之君 繰り返しになりますが、その最初のマップの部分に関しては、今のところ、いつ頃、どういった形で示せるかというのは全く決まっていないということでよろしいでしょうか。
○政府参考人(村瀬佳史君) 昨年末を目指して作業しておりましたが、先ほど申し上げましたとおり、昨年の十月に原子力委員会から、改めて国民の目線に立って要件、基準について注意深く設定をし、説明の際の表現といったようなことについても慎重を期しなさいと御指摘をいただいておりますので、これも踏まえてしっかりと準備を進めたいと思っております。
○清水貴之君 委員会の委員長来ていらっしゃるので、今の点について、ここは質問通告はさせていただいていなかったんですけれども、もし御意見何かいただけるなら、国民の皆さんに丁寧にというような意見をされたということですが、どのような思いで、その辺り、もしお聞かせいただけるならお願いできますでしょうか。
○政府特別補佐人(田中俊一君) 多分、部長がおっしゃったのは原子力委員会の委員長だと思うんです、私の方ではなく。
○清水貴之君 間違えました。済みません。了解しました。 じゃ、次、移りまして、その核のごみ、処分もありますが、減らしていくというのも、これやっていく作業の一つとして進んでいまして、六ケ所村の再処理工場、トラブルが続いていたりしてなかなかここも進んでいません。再処理工場、トラブルで二十三回今まで見直しをされていますが、現在、安全審査の最中だというので、これは規制委員会の方で、どのような状況なのか、教えていただけますでしょうか。
○政府参考人(青木昌浩君) お答え申し上げます。 御質問のありました日本原燃株式会社の再処理施設につきましては、先生から指摘ありましたように、現在審査中でございます。申請につきましては、平成二十六年の一月に申請を我々受理いたしまして、本日まで七十五回、公開での審査会合というのを行っております。現在も審査を継続しているところでございます。 これまでの審査の状況でございますけれども、地震や津波等の自然災害への備えや設計基準事故に関する事項というのはおおむね確認を終了しておりまして、現在、最も大きな割合を占めますシビアアクシデント、重大事故等の対策につきまして残された主要な論点を検討しているところでございます。 今後の見通しでございますけれども、これはほかの審査と同じですが、審査に対する事業者の対応状況等によることが大きいわけでございまして、一概にいつ終わるということは申し上げることは困難でございます。原子力規制委員会としては、引き続き、厳正かつ着実に審査を行っていきたいと考えているところでございます。
○清水貴之君 もう一つ、再処理事業の中核だったのが「もんじゅ」です。これについてもやはりお聞きしていきたいと思うんですけれども、「もんじゅ」は廃炉にするという、廃炉というか、停止するということですけれども、一方で、核燃料サイクル政策は堅持して高速炉開発は進めていくというふうに聞いていますが、やはり「もんじゅ」がなぜうまくいかなかったのか、一兆円以上、二十年という歳月掛けているわけですから、ここをしっかりと総括して次に行くなら行くということをしないと、国民の皆さんにとっても説明が付かないんじゃないかというふうに思います。 まず、「もんじゅ」のこれまで掛けてきた費用に対してどういった結果が得られたのかなどの総括について、どういうふうに見ているんでしょうか。
○政府参考人(板倉周一郎君) お答え申し上げます。 「もんじゅ」につきましては、これまで運転再開に向けて真摯に取り組んできたところでございますが、しかしながら、最近の情勢変化としまして、新規制基準対応に伴う時間的、経済的コストの増大や新たな運営主体の特定に関する不確実性が明らかとなり、高速炉開発の方針におきまして、「もんじゅ」の運転再開で得られる知見は国内施設や国際協力の活用などの新たな方策によって獲得していくとの方針が示されたところでございます。これらの状況を踏まえまして、「もんじゅ」については、原子炉としての運転再開はせず、今後、廃止措置に移行することといたしました。 この「もんじゅ」の課題や成果等の総括につきましては、昨年十二月の原子力関係閣僚会議で取りまとめられました「もんじゅ」の取扱いに関する政府方針に明記されているところでございます。その課題としましては、「もんじゅ」の保全実施体制や人材育成、関係者の責任関係などマネジメントに様々な問題があったことが指摘されているところでございます。一方、成果につきましては、これまで設計、建設、四〇%出力までの運転を通じて高速炉開発に関する様々な技術的成果を獲得し、研究人材の育成にも貢献するなど、今後の実証炉の開発に貢献するものが挙げられているところでございます。
○清水貴之君 そういった中で、引き続き高速炉開発を続けていくということで、今度、新高速炉、これも進めていくと。原子力関係閣僚会議で、二〇一八年をめどに高速炉開発の工程表をまとめ、核燃料サイクル政策を維持することをこれ確認したというふうに聞いています。 新高速炉の役割なんですけれども、なぜこれを更に「もんじゅ」で、私はこれだけの費用を掛けているというふうにやっぱり思ってしまうんですけれども、がありながら新しい次のステップに進むのか、何を目的としてやるのか、これについて教えていただけますでしょうか。
○政府参考人(村瀬佳史君) 今委員御指摘ありましたとおり、昨年末の原子力閣僚会議におきまして、「もんじゅ」で得られた教訓を真摯に踏まえて、その教訓から各主体の役割の明確化をしっかりする、それからプロジェクトマネジメント機能をしっかり強化する、効率化を徹底するといったような方針、高速炉開発の方針を決定したところでございます。今後この方針に基づきまして開発方針を具体化していくことになっておりますが、今後十年程度の開発作業を特定するロードマップを策定するということになってございます。 このロードマップを策定するためにワーキンググループを設置しまして今後検討を深めていくということになってございますが、二〇一八年をめどに策定をすることを目指しております。この中で、実証炉につきまして、この新高速炉というのは実証炉でございますが、いつどこで建設するといったような具体的な想定を現時点で行っているものではございませんで、このプロセスの中で具体化を進めていくということになってございます。 当面は、国内施設の活用、それから国際協力プロジェクトの活用といったようなことで、高速炉特有の技術課題に対応した要素技術の開発というものを取り組んでいくということになってございまして、高い安全性と経済性が両立するような将来の具体的な開発に向けて研究を行っていくと、こういう方針になってございます。
○清水貴之君 田中委員長にも是非お聞きしたいんですけれども、日本はフランスの高速炉のASTRIDの実験に参加しているかと思います。こういった中でいろいろ情報とかも出ているのかとは思いますけれども、この今言っているような新しい次のステップの実証炉の日本での実現可能性であるとか、この辺りについて見込みというのは、現時点で何か考えや、何か話聞いていて思われたことはありますでしょうか。
○政府特別補佐人(田中俊一君) 私どもは規制の方の立場でして、今後どういうふうな形で高速炉、高速増殖炉開発をしていくかということについては申し上げる立場にありません。 もし必要になれば、フランスはこれまでも高速炉の開発については先進的にやってきておりますが、今は廃止措置に移っていますので、そういったことも情報としては得ることはできますけれども、現段階ではそういったことは、私どもとしては今必要だというふうには認識しておりません。
○清水貴之君 ありがとうございます。 続いて、原発の運転期間について、これもまず田中委員長にお聞きしたいなというふうに思うんですけれども、もう本当にこれは私の素朴な疑問でもありまして、原発の運転期間です。四十年、原則は四十年だと思いまして、二十年の延長も可能ということで今進められているかと思うんですけれども、本当にそれだけ長い期間、四十年前といいますと私が生まれたぐらいですから、一九七〇年代の前半ですね。その頃にあった、例えばもう、一緒にしたら違うのかもしれませんが、車であるとか家電であるとか様々な機械というのが、今その当時のものをそのまま使って大丈夫かといったら、やはりいろいろと不具合も出てくるし、それだけ長い期間使っていたら劣化ももちろんしますので、プラス十年、二十年、五十年、六十年となると、本当にそのまま使っていて安全性というのは担保できているのかなというのは、もうこれは本当に素朴な疑問なんですけれども、思ってしまうんですが、委員長、御意見をお聞かせいただけますでしょうか。
○政府特別補佐人(田中俊一君) 現在の原子炉規制法の規定では四十年、その後、認可を得た場合には、私どもの認可したものについては更に二十年を最大として延長することができるということになっております。 当然、その場合には、四十年たってそれ以上の運転をしようと思うと、今の規制基準に合格するということが求められておりまして、具体的には、そういった審査をして、高浜の一号機、二号機、それから美浜三号機の三つについてはそういう審査をさせていただきました。 当然、新しい規制基準に対応できるかどうかということについて、その対応については相当の、ケーブルもそうですし、いろんなところの手直しということもありまして、相当の投資を事業者はすることになるということは理解しております。 安全性ですけれども、一応そういうことで、私どもとしては安全は担保できるということで認可しておりますけれども、今後、そういったものについては、経験のない期間に入っていきますので、慎重にその辺については検査等いろんな形で見ていくということにしております。
○清水貴之君 その新規制基準の見直しなどについてもお聞かせいただきたいんですけれども、いろいろ新しい研究が進んだりしているかと思います。こういったことに合わせて基準も見直していくということでよろしいでしょうか。
○政府特別補佐人(田中俊一君) 新しい新規制基準の考え方、これはバックフィットするということです。だから、新しい知見が得られて、必要になれば、従来とは違いまして、今、かつて許可をしたものでも、許認可したものでも、新しい知見にバックフィットしていただくということを求めていくということになっております。これは多分世界でも我が国だけだろうというふうに思います。
○清水貴之君 となりますと、例えばですけれども、これまでの基準で許可して動いているものがあります。でも、新しい知見が入ってきて、基準がそれに合わせて若干の変更があったとします。でも、その部分がこれ、今動いているものでは引っかかってしまいますなんといったときにはどう対応をするのでしょうか。一回止めてまたその基準に合わせるようにするのか、それとも、過去の基準には合致しているわけですから遡及しないということでそのまま動かし続けることができるのか、どういった対応を取るのでしょうか。
○政府特別補佐人(田中俊一君) それは、バックフィットするべき内容によると思います。即停止して対応していただかなきゃならない場合もあるだろうと思いますが、多くの場合は、ある程度時間的余裕を持ってそれに適合するようにしていただくということになると思います。 基本的にいろんな安全、大きな安全対策については現規制で相当程度見ておりますので、でも、なおかつそういうことが起こらないということではありませんので、それは適宜そういうバックフィット制度を活用していきたいというふうに思っています。
○清水貴之君 一番初めの委員長からの報告で、その審査の数はもう二十何件ですか、原発のみで二十何件で、関連施設は二十何件、合わせるともう四十件、五十件という審査があって、もう既にもちろん終わっているものと思うんですけれども、それだけのものを、体制についてお聞きしたいと思うんですけれども、今の規制委員会、規制庁の中でその体制、人材育成、こういったものも非常に大切になってくるかと思います。その厳しい基準にしっかりと合っているかどうかも見ていかなければいけないわけですから、厳しい目も必要なわけですね。でも、数もたくさんあるのでかなりのハードな業務になるかとも思うんですけれども、こういった体制、将来的なものについては委員長自身はどのように考えていらっしゃいますでしょうか。
○政府特別補佐人(田中俊一君) 今、そういう発電所について見ると、二十六基の申請がありまして、十基までは一応許可を出したという段階です。まだまだ残っておりますが、いろんな御意見があります。時間が掛かり過ぎたとかそういうことも多々ありますけれども、私どもとしては、その審査に手を抜くようなことはあってはいけないということで、時間が掛かってもきちっとした対応で審査をするということで取り組んでいます。 ただ、その申請されたものに対して私どもの体制が十分な人とかいろんなリソースがあるかということについては、私の立場から申し上げるのはちょっとと思いますけれども、非常にタイトな労働というか負荷に各職員にはなっておりますので、私自身はいつも健康に注意してやってくださいということを申し上げつつ、一方では、やっぱり全体としての体制強化に今一生懸命取り組んでおります。当初の頃から見ると審査チームも二つほど増えましたし、そういうことでできるだけきちっとした審査ができるように計らっているところでございます。
○清水貴之君 そういった中、大変な業務の中、もう一つ、汚染水の処理についてもお聞きしたいと思いまして、これも凍土壁の認可は規制委員会の方でされているということなんですが、運用始まって間もなく一年になります。三百五十億円ぐらい掛けてということなんですが、どうもなかなか、やっぱりこれは技術的にも高いものが求められていて、効果、結果が出てきていないんじゃないかという話も聞こえてきます。 現状をまず教えていただけますでしょうか。
○政府参考人(平井裕秀君) 凍土壁についての御質問をいただきました。 御指摘のように、昨年三月末から凍結を開始したところでございます。その海側についての凍結につきましては、昨年十月に完了をしたところでございます。これによりまして、護岸エリアからの地下水のくみ上げ量は、凍結開始前の日量約四百トンから現在約百四十トンまで減少してきているところでございまして、その遮水効果が現れてきているところと認識しております。 一方、山側につきましては、建屋周辺の水位が急激に低下しないよう五つの未凍結箇所を残していたところでございますが、先月の原子力規制委員会の検討会でそのうち四か所の凍結が了承されたところでございまして、残り一か所についても建屋周辺の井戸からのくみ上げ量の変化を確認しながら判断する、その旨の方針が示されたところでございます。 総じて申し上げますと、凍土壁全体として見ますとまだ造成の最中ではございますが、凍土壁、山側の凍結完了に向けて早期に認可を取得いたしまして、安全かつ着実に作業を進めるよう東京電力を指導してまいる所存でございます。
○清水貴之君 私、以前、去年は経産委員会の方におりましたもので、そのときも質問をさせていただいて、やはり当初のお答えとしては、もうやれる対策は、まあ費用の問題ももちろんありますけれども、何でもやっていきたいんだというような、そういう強い意気込みを感じたので、それはそれで必要なことだなというふうに思ったんですが、一方で、やはり時間が掛かってきますと、適正なちゃんと効果や何かを見て、もし無理だったらもうそれは方向転換するなりなんなりすることも、もうこれだけの費用を使うわけですから必要だと思うんですね。そういう時期にも入ってきているかと思いますので、是非その辺は効果的な対応を積極的に取っていただきたいというふうに思います。 以上で質問を終わります。 ありがとうございました。
○山本太郎君 ありがとうございます。 自由党の共同代表、山本太郎と申します。自由・社民の会派、希望の会を代表いたしまして質問をいたします。 本日は、本題に入る前に一つ触れておきたいことがあります。昨日のニュースです。もう皆さん御存じだと思います。 東電が一四年に把握していたという内容が昨日発表されたと。柏崎刈羽の免震棟が耐震不足だったよ、でも、そのことを再調査したんだけれども、ずっとその結果黙ってたんだという話なんですよね。それを規制委員会の審査で初めて説明したという、バレンタインデーにどえらいプレゼントだなっていう話だと思うんですけれども。 どういうことだったかということなんですけれども、元々、東京電力の免震重要棟、これ二つ用意しますと、免震重要棟ともう一つは五号機の建屋内の緊急対策所。それ理由何ですかって話なんですけれども、免震重要棟の一部、これちょっと揺れに弱いことが分かったよということだったんですね。だから二つ、ダブルスタンバイしますというお話だったと思うんです。 けれども、翌年の、東電、二〇一四年にもう一回試算したら、免震重要棟、一部どころか、七パターンの基準地震動、想定される地震パターン全てで揺れを吸収できないことを把握していたけれども、それを報告、公表していなかった。すごい話ですよね、これね。 で、東電の常務さんですかね、昨日お話しされた方が、隠していたわけじゃない、社内の連絡が不足していたんだと。これ、不足というレベルの話じゃないんですけどってことなんですけれどもね、これすごいなと思って。これはどういうことだ、東電という、つるし上げるわけじゃなくて、実は、こういうことが出てくるというのは東電内部の悲鳴なんじゃないかなというふうに私は思うんですよ。実は再稼働したくないと思っている人たちの方が、技術者であったりとか、こういう情報を持っている人たちの中にはいるんじゃないかなと思うんですよね。もうしようがないか、やるしかないよな、国策だしというところもあると思うんです。 社長にお伺いします。 これ、通告していないんですけれども、時間短めでお答えいただけると助かります。実は原発再稼働、余りしたくないんじゃないですか。原発とはちょっと距離を置きたいとかという気持ちがあるんだったら、ここで言っといたら少し楽になると思うんですけど、いかがでしょうか。
○参考人(廣瀬直己君) 私どもは電力会社でございますので、電力会社の使命として、電気を皆様に安定的にお届けすること、そしてできれば少しでもお安く、できれば少しでもCO2の少ない電気をお届けすることが我々の使命だと思っておりまして、様々な電源を通じて電気をそうやってお届けするということがオイルショックも踏まえた我々の経験でございますので、そうした中の一つの選択肢として原子力というのを位置付けております。 以上でございます。
○山本太郎君 ありがとうございます。 意気込みは十分なんですけれども、それに行動というか実際の部分が伴っていないという、非常に危ない状況だと思います。 この原子力を運営する資格があるかどうかというのは、ほかの企業にもちょっと疑惑があるようなところが幾つかあります。東電だけではありません。 理事会で是非お諮りいただきたいんですけれども、東電はもちろんなんですけれども、関電の社長も参考人に招致して、集中的な本調査会での質疑というものを是非考えていただきたいんですけれども、理事会でお諮りいただけますか。
○会長(金子原二郎君) 理事会で検討します。
○山本太郎君 ありがとうございます。 それでは、本日の本題に入りたいと思います。 収束方法も分からず、いつ収束できるかも全くめどが立たない、最終的に掛かる費用は恐らく桁違い、天文学的金額に届くであろう世界最悪の核惨事、福島東電原発事故。スリーメルトダウンですからね、世界に例がないです。 事故当初、東電は事故現場からの撤退を考えていました。もし実際に現場から撤退していたと考えたら、ぞっとしますよね。現在も原子力緊急事態宣言の真っただ中です、この日本は。 その一方で、日本では、原発事故などなかったかのような雰囲気も社会の中には確かに存在します。誰のおかげでこの国がそのようなほうけた状態でいられるのか。今もこの瞬間も現場で頑張ってくださっている人々がいらっしゃるから。収束作業員の皆さんです。被曝をしながらの作業、ある意味、命を削りながらお仕事をしてくださっている方々。 まずは、東電の廣瀬社長さん、ありがとうございます、本日来ていただいて、お忙しい中。社長から、収束作業員の皆さんに心からの感謝と、そして健康、安全を守っていくという誓いを是非お言葉にしていただきたいと思います。お願いします。
○参考人(廣瀬直己君) 本当に厳しい作業環境の下で、一日六千人を超えるような作業員の方々に本当に頑張っていただいて、本当にもう感謝のしようもないところでございます。本当に有り難く思っております。 また、汚染水対策あるいは廃炉作業は、三十年、四十年と言われる長期的な取組ですので、これらをしっかり私どもとしてやっていきたいと思っておりますが、そのためには、やはりしっかりとした環境でそうしたたくさんの作業員の方々にこれからも安心してお仕事をしていただくという、そういう場を私どもとして提供する責任があると思っておりますので、御存じのとおり、食堂をつくったり、あるいはコンビニが入ってきたり、あるいはまた、一番もっと大切なところでは、作業員の方々の被曝を抑えるために、地面をモルタルで吹き付けて線量を下げたり、あるいは工事現場そのもので、鉛の遮蔽板を置いたり、放射線量を下げるといったような努力をして、少しでも安心してお仕事をしていただけるように、また御家族にも安心してお仕事をしているということをお伝えいただくためにも、これからもしっかりそうした努力をしてまいりたいというふうに思っております。
○山本太郎君 ありがとうございます。 東電社長の作業員の皆さんへの言葉が、これ表面的ではなく本気のものであると願います。 現在、年間二十ミリシーベルトの地域へ人々を帰らせよう、戻らせようという帰還政策、事実上行われています。この年間二十ミリシーベルトといえば、放射線管理区域の約四倍に当たります。今現在も存在し、生きている法律、チェルノブイリ法、これ移住しなければならない義務的移住地域の四倍に当たると。現在、避難解除の条件となっている年二十ミリシーベルトというのは、ICRPの勧告、緊急時被曝状況と現存被曝状況の考え方から持ってきているものですよね。私は、どう考えてもこの数値は、子供や妊婦、一般の方々にはこれ高過ぎる数値だなと思うんですよ。これ、日本ではICRPの勧告や声明を国内法に反映させていますよね。このICRPが出す勧告や声明、信頼の置けるものなのでしょうか。 原子力規制庁に基本的なことをお聞きいたします。短く答えてください。簡単に言います。ICRP、信頼できるんでしょうか。
○政府参考人(片山啓君) お答えいたします。 ICRPは、世界各国の放射線防護の専門家により構成されております民間の国際学術組織でございます。ICRPが取りまとめた放射線防護の考え方、被曝線量限度等の勧告は、我が国を始め世界各国において放射線障害の防止に関する基準を作成する際に尊重されているものだと承知をしております。
○山本太郎君 ありがとうございます。信頼できるという話だと思うんですよね。 本日は、目の水晶体への被曝にフォーカスしてお話ししたいと思います。 放射線を扱う現場では当然目も被曝いたします。目の水晶体は、厚さ四ミリ、直径十ミリ程度、一千層もの細胞で構成されているかなりセンシティブな器官。体の中でも最も放射線への感受性が高い組織の一つ。体のほかの細胞とは異なって、不要になった組織や傷が付いた細胞を排出するような仕組み、ございません。目の水晶体が被曝すると水晶体の中に突然変異で濁った細胞がつくり出される。そのまま増殖、蓄積され、放射線白内障になるといいます。ですから、目の水晶体の被曝の限度が定められていると。 現在、収束作業員の目の水晶体、線量限度幾つでしょうか、教えてください。そして、それはいつのICRP勧告を基にしていますか、お願いします。
○政府参考人(片山啓君) 現行法令におきましては、職業被曝に係る目の水晶体の等価線量限度を年間百五十ミリシーベルトと規定をしております。当該限度は、ICRPの一九九〇年勧告に基づいたものでございます。
○山本太郎君 ありがとうございます。 日本では、一九九〇年に出されたICRP勧告を基に目の水晶体の線量限度を定めていると。一九九〇年以降にも、ICRPの勧告としては大きく一つ、声明は二つ、そしてパブリケーションという放射線の健康への影響や対策を取りまとめたものは七十を超えるものが公表されている。中には水晶体の被曝に関する変更もありましたけれども、日本では反映されなかった。日本では目の水晶体の線量限度は変わっていません、年間百五十ミリのまま。 お聞きします。二〇一一年に出されたICRPの声明では、目の水晶体の線量限度は年間幾つでしょうか。
○政府参考人(片山啓君) 二〇一一年に開催されましたICRP主委員会、ソウル会合におきます声明では、職業被曝に係る目の水晶体の等価線量限度は五年平均で二十ミリシーベルト、年間五十ミリシーベルトというふうになっていると承知しております。
○山本太郎君 単年度、一年で見ても五十ミリシーベルトが最上限だと。で、五年間でならしても二十ミリ、平均二十ミリということですよね。違いますか、そうですよね。はい、先に進みます。 現在、日本が採用しているICRP勧告は一九九〇年のもの、目の水晶体に一年間で百五十ミリの被曝を許容している。一方で、二〇一一年にICRPが出した声明では、目の水晶体の線量限度は一年間で二十ミリ。被曝の限度が年間二十ミリと年間百五十ミリとでは天と地ほどの開きがある。言い過ぎですか、言い過ぎじゃないですよね。ICRPの最新の数値と現在日本が採用する数値を比べれば、その差は七・五倍。日本の労働者は目の水晶体に対して七・五倍もの被曝を押し付けられている。これ、ひどい話だと思いませんか。 このICRPの二〇一一年の声明、水晶体の線量限度が引き下げられた後、世界では変化がありました。IAEAは、二〇一四年一月、最終版は七月に、国際基本安全基準、BSSの新しい基準を技術文書、TECDOC一七三一として刊行、EU、欧州連合は、二〇一三年十二月にICRPが示した新たな水晶体等価線量限度を二〇一八年二月六日までに受け入れることとした。放射線を浴びる現場で働く労働者、この方々の健康を守る動きが世界では始まっている。 で、日本では、一九九〇年の勧告のまま、労働者の目の水晶体を七・五倍もの被曝をさせ続けてもいい、そのような考え方が続いた。これ、事故現場で働く方々だけが押し付けられるものじゃないんですよね、放射線を取り扱う労働者全てにこの数値が当てはまるということになるから。その人々にも被曝を許容する話であり、非人道的としか言いようがないです。 東京電力社長にお聞きする前にくぎを刺しておきます。恐らく何を聞いても法令は遵守している、そのようにしかお答えされないと思いますけれども、法律、法令を遵守していたとしても、その内容が現実と合っていない、現実とマッチしていない、その数値では労働者の水晶体がよりリスクにさらされるというならば、省庁や国に対して企業のトップとしてしっかりと要求していくということが必要だと思います。当然の務めだと思います。 お聞きします。二〇一一年、ICRPの声明で目の水晶体の線量限度が下げられてから、具体的に国や省庁に対して東電が線量限度を下げるように要求をしましたか。文書など出されたのでしょうか。もし要求されたことがあるならば、いつ要求をしたのか、その回数と内容を教えてください。
○参考人(廣瀬直己君) ICRPの勧告については承知しておるところでございます。また、その後、規制庁さんがどういうふうな対応をされようとしているのかということについても私ども承知しております。 その上で、私ども事業者としては、とにかく作業員の方々の被曝の線量を、瞳だけでなく、水晶体だけでないですけれども、そうしたことを様々取り組んでいかなければいけないと思っておりますので、まずはそうしたことに一生懸命やらさせていただいておるところでございます。
○山本太郎君 東電から国に対するアプローチはなかったという話ですよね。死ぬわけじゃないだろう、目をやられても、そういう話ですか。余りにもおかしいじゃないですか。企業のトップとして労働者を守るという意識がなさそうなんですよね。冒頭でのお話はどうなったんですか。感謝のしようもない、場を提供する責任がある、安全を守るためのというお話でしたよね。 この放置状態であった水晶体の線量限度問題、規制庁、動いてくださいました。ありがとうございます。二〇一一年にICRPから出された声明を基に水晶体の線量限度を下げる決断してくださいました。この部分に関してはすばらしいお考えだと思います。評価できると言っても間違いないと思います。 今国会、炉規法の改正がございますよね。放射線審議会の在り方が変更されます。その法改正が行われるんですけれども、それと関連する形で国際原子力機関から指摘された放射線防護に関する問題点に対応することを示すのが資料の一でございます。 規制庁にお聞きします。水晶体の線量限度の問題は、この問題は重要であると、その認識は前からお持ちであったということでよろしいですよね。
○政府参考人(片山啓君) 二〇一一年の四月にソウル声明が出されております。その直後に、二〇一一年の八月に、当時、文部科学省の所管の下にあった放射線審議会でこのソウル声明についての報告がなされました。そのときの審議においては、一部の委員からこれは検討課題として取り上げるべきだといった御指摘がございましたが、その後、放射線審議会では審議がされておりませんでした。 その後、原子力規制委員会の方でIAEAの国際レビューを受けるときに自己評価をいたしまして、その中で、こういうICRPの勧告あるいはその後にできたIAEAの基準、こういったものの国内法令への取り入れというのをしっかりと検討すべきだということが委員会で決まりまして、それを受けて、今国会に放射線審議会の機能強化についての法案を出させていただいておりますし、放射線審議会の事務局として、原子力規制庁におきましても、必要な調査研究の予算の確保といったような準備に今取り組んでいるところでございます。
○山本太郎君 ありがとうございます。 規制庁、水晶体の線量限度、実際いつから下げられますか。いつから現場で適用されるようになるでしょうか。具体的な目標を短めにお答えください。
○政府参考人(山田知穂君) 今お話に出ております放射線審議会に関する法律案がまだ成立していない現時点でございますので、新たな放射線審議会の体制の下で調査が開始される時期や審議に要する期間、これが不明でございます。したがいまして、目の水晶体の線量限度が引き下げられることになった場合にいつ国内規制に適用できるかをお答えすることは困難な状況でございます。 しかしながら、いずれにしても、放射線審議会から目の水晶体の線量限度に関わる考え方が示された際には、関係機関とも連携を図りつつ、できるだけ速やかな必要な対応が講じられるように努めてまいりたいというふうに考えてございます。
○山本太郎君 はっきりしないんですよね。そのやり方だったら一年以上掛かりますよ。何のために限度を下げたんですか。目に影響があるからでしょう。緊急性が高いんですよ、これは。それでなくても、二〇一一年にICRPからの話が出た後に何もしてこなかったんだから、一刻を争うでしょう。今も被曝していますよ。 放射線審議会がどうした、こうした、そして、皆さんにいろんな意見を聞いてという話、まあ段取りとしては当たり前かもしれない。過去にもそういうことがあった。作業員の線量限度を百ミリから二百五十ミリに上げるということをちゃんと書き込むというときに、これ一年半ぐらい掛かっているんですよね。けれども、緊急事態として認定されたとき、例えば、原発が爆発しました、そのときには一日でこれをやり切っているんですよ、緊急事態として。 一日で省令変更しているでしょう、法律の変更じゃないんですもん。省令、告示、変更するだけでいいんでしょう。緊急性高いじゃないですか。目標いつまでって、余りこのことには興味ないのかなって。全体的な変更をする一部としか捉えていないんじゃないかという話なんですよ。急いでいただきたいんですね。 レベル7の事故が三件もあった東電福島第一原発事故、世界でここよりも過酷な被曝環境の現場って存在しますか。オンリーワンじゃないですか。断トツですよね。この環境で働く作業員の方々にこそ最新の知見を、できるだけ放射線防護、すぐに反映するというのが当たり前の話だと思うんですよ。緊急性が高い案件なんですよ。やっているじゃないですか、以前にも。ここでやらなきゃうそでしょうって。のんびりするのやめていただいていいですかって話なんですよ。 チェルノブイリ事故後、七十本もの論文が出され、実際にチェルノブイリ事故の作業員の調査により、水晶体被曝で白内障が増えるというおそれを基に閾値が下げられた。私も実際、チェルノブイリ、二〇一一年に行ったとき、たくさんの現場に入っていて水晶体をやられて白内障になったという方々にお会いしましたよ。それがICRPパブリケーション一一八でちゃんと採用されているわけですよね。その説明は資料の二、東大の放射線取扱者再教育資料の中に書かれているとおりです。 お聞きしたいんですよ、もう時間もないからね。七・五倍、この基準で被曝させ続けていいのかって。普通の省令変更、告示変更するときみたいに一年以上掛けていいのかって。無責任にも程があるじゃないですか。 で、何が言いたいのか。物すごい被曝されていますよ。この二〇一一年の基準、二〇一一年のICRPの声明から見ると、どれぐらいの方々が被曝されているのか。平成二十三年度から昨年の終わりまでの間で、目の被曝が二十ミリを超える人たちは累積で八千七十九人、五十ミリ超え九百十人、百ミリ超えは七十八人。最初の年以外は、これ東電の社員じゃなくて、関連企業、下請の人たちが被曝しまくっていますよ、目を。これに対しての救済を何考えているんですか。救済策ありますよね。東電の社長、お答えください。そしてその後、厚生労働省、しっかりとこれを進めていくという約束をください。一刻を争う話です。人の被曝だから関係ないというのはやめてくださいね。お願いします。
○会長(金子原二郎君) 時間が来ておりますので、答弁は的確に、簡潔にお願いします。
○参考人(廣瀬直己君) もちろん、まずはその線量を少なくするような、先ほど来申し上げているような努力を今後も引き続きしておりますし、被曝線量をしっかり個人それぞれに管理をし、その後の発がんの問題であるとか、そうした健康管理について、会社としてもしっかり取り組んでいるところでございます。
○大臣政務官(堀内詔子君) 厚生労働省といたしましては、今後も最新の国際知見も踏まえながら、廃炉作業に従事する方たちの健康管理にしっかりと取り組んでまいる所存でございます。
○山本太郎君 済みません、全く答えをいただいていないんですよ。必ず厚生労働省内で話し合って、規制庁と話し合うという場を設けてください。 田中委員長、是非その後押しといいますか、是非これやった方がいいんじゃないかというような助言をよろしくお願いします。 ありがとうございました。
○会長(金子原二郎君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後四時十一分散会