財政金融委員会 第14号
- 発言数
- 130 件
- 登壇者
- 23 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 2017/05/18
会議録
○委員長(藤川政人君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日、小西洋之君及び足立敏之君が委員を辞任され、その補欠として白眞勲君及び鶴保庸介君が選任されました。 ─────────────
○委員長(藤川政人君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として内閣官房内閣審議官土生栄二君外十三名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(藤川政人君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(藤川政人君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に参考人として日本銀行副総裁岩田規久男君、同理事雨宮正佳君及び同理事桑原茂裕君の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(藤川政人君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(藤川政人君) 財政及び金融等に関する調査を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○三宅伸吾君 おはようございます。自由民主党の三宅伸吾であります。 質問の機会をいただきまして、委員長、理事始め委員の各位に心より御礼を申し上げたいと思います。 我が国は、小泉政権以来、知的財産、特許権とか商標とか著作権のことを指しますけれども、知的財産立国を二十年近く標榜をしてまいりました。本日は、その知的財産権の中でも特に特許権について、少し金融庁関係のことを含めてお話を伺いたいと思います。 まず、二つの質問をちょっと併せて冒頭させていただきたいと思います。 企業の財務諸表において特許権の資産評価はどのように取り扱われているのか、その基本原則と、そして、上場企業において財務諸表で特許権は実際どのように資産計上されているのか、具体例を幾つか挙げていただいて概要の御紹介をいただきたいと思います。
○政府参考人(池田唯一君) お答え申し上げます。 まず、特許権の評価の方法でございます。 企業が他の者から特許権を取得した場合、この場合は、特許権を取得した時点におきまして、取得した価格を貸借対照表に資産として計上すると。その後は、特許権の有効期間にわたり毎期減価償却を行い、その残高を資産として計上することとされているところでございます。また、企業が自ら研究開発を行い特許権を結果として取得した場合は、研究開発を行っている時点におきまして研究開発に要した支出は、資産計上せずに費用として処理するということとされているところでございます。 そうした中で、我が国の上場企業の二〇一五年四月から二〇一六年三月までの決算期におけます連結財務諸表を見てまいりますと、連結貸借対照表において特許権として独立した項目を記載している企業の中で特に特許権の計上額が多い企業の例を挙げさせていただきますと、住友化学株式会社で約四十五億円、それから船井電機株式会社において約三十三億円、デクセリアルズ株式会社において約三十一億円といったものが資産に計上されているというのが実際の計上の状況でございます。
○三宅伸吾君 もう一点、金融庁にお聞きしたいと思います。 特許権を一生懸命取っているベンチャー企業とか、ベンチャーに限らず大企業も多かろうと思うんですけれども、特許資産経営という言葉ももう十数年前から流布しておりますけれども、実際、金融の現場におきまして特許権を担保とする融資というのがどの程度あるのか、とっても関心がございまして、特許権資産担保等に着目をした融資というものについて、政府は応援しているのか、それともどのような基本方針を持たれているのか、御説明いただいた上、現状の評価をお聞きしたいと思います。
○政府参考人(遠藤俊英君) お答え申し上げます。 まず、政府の方針でございますけれども、政府といたしましては、平成十五年から知的財産推進計画、これを策定しております。平成二十七年からは、その中で融資における知財活用の促進というものを掲げて、これを推進するために主に二つの大きな施策を推進しております。 一つは、企業の持つ知的財産について技術内容などを含めたビジネス全体を評価した知財ビジネス評価書の作成支援、二つ目は、金融機関の職員を対象とした知財セミナーの開催や知財金融シンポジウムの開催による啓蒙活動、こういった活動を行っております。 平成二十八年度の成果を具体的に申し上げますと、知財ビジネス評価書に関しては百五十件作成されました。百七の金融機関が活用しております。知財シンポジウムにつきましては三回開催するとともに、地銀十五行、信金十一金庫の職員に対するセミナーを実施しているところでございます。 今月五月十六日に閣議決定されました知的財産推進計画二〇一七におきましても、知的財産を活用した融資の推進の観点から、こうした施策を引き続き実施することとしております。 金融機関の特許権を担保とした融資の全体像でございますけれども、この全体像というのは把握していないのでございますけれども、一部の地域銀行におきましては特許権を担保とした融資が実際に行われているというふうに承知しております。 銀行からのヒアリングによれば、こうした融資の推進に当たっては、特許権の価値を評価することが困難、あるいは担保権を行使して特許権を取得したとしてもその処分が困難といった課題があると聞いておりますけれども、金融機関の中には外部専門家との連携や職員の能力向上を通じて課題解決に取り組んでいる先もあると承知しております。 金融庁といたしましては、特許権は企業の重要な経営資源の一つであり、金融機関は、こうしたものも加味しつつ、取引先企業の事業の内容や成長可能性を評価して、その成長につながる融資や本業支援に取り組むことが重要と考えております。引き続き、関係省庁と連携して、こうした取組を促してまいりたいと思います。
○三宅伸吾君 結論から申しますと、特許権を担保にした融資総額が幾らになるのか、実は統計がないということでございます。知財経営を後押しする様々なシンポジウムとか、いろいろ政府が取り組んでいるのは評価をしているのでございますけれども、毎年、民間企業が莫大な研究開発投資をしていますけれども、それが特許権になった場合に実際どの程度アウトプットを生み出しているのか実はよく分からないというのが実態でございます。 私、一番懸念をしておりますのは、知財立国を標榜しながら、実は我が国では知的財産の資産、特に特許権の資産デフレがずっと続いているというふうに実は思わざるを得ないことがたくさんございます。 麻生大臣にちょっとお聞きしたいのでございますけれども、もう想像で結構でございます。昨年末までの十年間ぐらいで、日本全国全ての地方裁判所において出された十年間の判決におきまして、特許権侵害を理由とする損害賠償で過去最高額というのはどのぐらいであっただろうと、大臣、御想像されますでしょうか、感想で結構でございます。
○国務大臣(麻生太郎君) これは、特許権の最高の額というのは、これは最高裁判所の所管だと思いますので、ちょっと私どもの所管じゃないので答弁はちょっといかがなものかと存じますが、私の記憶でいいというお話だったので、最高額は二十億を行ったことはない、私の記憶では、何だ、こんなものかと思った記憶がありますので、二十億はなかったと記憶しております。
○三宅伸吾君 もう大臣おっしゃるとおりでございまして、最高裁に調べました。最高裁に調べたところによりますと、平成十九年から平成二十八年まで全国の地方裁判所、実際には東京地裁と大阪地裁に特許権侵害訴訟は専属管轄を、集中管轄をしておりますので、現実には東京地裁、大阪地方裁判所の二つの地裁における昨年末まで十年間の特許侵害を理由とする損害賠償の認容額の過去最高は十七億九千万円でございまして、大臣おっしゃるように二十億円に満たないというわけでございます。制度が違いますので一概に比較はできませんけれども、米国等におきましては丸が一個、二つ、場合によっては三つ多いというような状況になっております。 今申し上げましたのは、第一審の判決の認容額でございます。じゃ、当然、不服の原告は上訴をいたします。上訴審は知的財産高等裁判所、東京にございますけれども、知的財産高等裁判所に集約をされております。 最高裁にお聞きしますと、昨年末までの十年間の知財高裁における特許侵害による民事救済の過去最高額は約十八億円でございます。お手元に配付しております資料は地裁の判決の動向でございますけれども、平成二十二年に十八億円弱というのがございます。今申し上げました知財高裁の過去最高額の十八億円というのは平成二十三年の判決言渡し日になっておりますので、ひょっとしたらこの地裁、二十二年のやつが翌年に知財高裁に行ったんではなかろうかと思っております。 裁判所の判決の認容額を私が議論のテーマにいたしますと、いろいろ反論が出てくるわけでございます。知財裁判の判決認容額が低いから知財デフレではないかというような話をしますと、大体出てくる反論は、いや、判決だけではなくて、判決にならない交渉でまとまるものもある、それから、訴訟を起こしても最後は和解になるから表に出てこないんだと、もっともっと巨額なものがあって、日本は特許の資産デフレではないんではなかろうかという御批判も受けるんでございます。 そういう指摘も私、一理はあると思うんですけれども、裁判になって、最後、和解の交渉になったとき、和解の交渉の判断の物差しは、万が一判決になったらどうなるんだろうということを双方の代理人弁護士は念頭に置いて、当然当事者も念頭に置いて和解交渉に臨むわけであります。それから、紛争になる前の任意のライセンス交渉におきましても、万が一ライセンス交渉が決裂をして裁判になったらどうなるんだろうということを考えてライセンス交渉が任意に行われるわけでございますので、少なくとも判決の認容額というのは特許権資産評価の重要なバロメーターであるということは間違いないんだろうと私は思っております。その重要なバロメーターにおいて、一般の方が見て分かりやすいバロメーターで日本は丸が場合によっては三つぐらいアメリカより低いということをまず皆さんにお伝えしたいというように思います。 その結果何が起きるかというところが実は大変問題でございまして、企業は大変莫大なRアンドD投資をする、しかし企業の財務諸表を見ても特許権がどのぐらい資産計上されているのかよく分からない、仮に、今、池田局長から御説明ございましたけれども、あっても一番多いやつで四十五億円でございましたか、四十五億円だったと思いますけれども、よく分からないと。その四十五億円計上している会社の企業規模から考えますと、多分数百億、一千億以上のRアンドD投資をしているのは間違いないわけでございますので、その投資対リターンがどうなっているのかをもう少し分かるような私は統計というか財務諸表があってもいいんじゃないかというふうに思います。ただ、当然なかなか評価が難しいというのも理解はいたしますけれども、今後何らかの検討をお願いしたいと思います。 次に、ちょっと法務省にお聞きしたいと思います。 一般に、民事責任と刑事責任は分けて考えるという講学上の説明をよく耳にするんですけれども、もう少し分かりやすく民事と刑事の責任の分担について御説明をいただきたいと思います。
○政府参考人(金子修君) お答えいたします。 我が国におきましては、民事責任と刑事責任を峻別しまして、加害者に対する制裁や一般予防は刑事責任に委ね、民事責任は被害者に生じた損害の填補を目的とするという考え方が一般的です。こうした民事責任と刑事責任を峻別する考え方は近代法において初めて確立したものとされておりまして、我が国においても、明治時代にこのような考え方を踏まえて民法及び刑法が制定されたというふうに言われているようでございます。
○三宅伸吾君 一般的にはそのように民刑峻別という言葉は説明をされると思います。 著作権もそうですけれども、特許権においても、特許権侵害をすると法定刑が定められておりまして、場合によっては刑務所に行っていただくという立て付けにはなっております。 そこで、私の素朴な疑問がございまして、じゃ、特許権侵害で手錠を掛けられて裁判に、公判に引きずり出されて刑務所に行った人がいるんだろうかということでございますけれども、法務省、いかがでしょうか。
○政府参考人(加藤俊治君) お答えを申し上げます。 法務省で作成をしております検察統計におきましては、御指摘の特許法百九十六条のいわゆる特許権侵害の罪に限定した起訴人員等についての統計はございません。そのため、特許法違反の罪全体の起訴人員についてお答えを申し上げますと、把握できます範囲では、特許法違反の罪の過去二十年間の起訴人員は合計二名でありまして、いずれも略式命令請求がなされたものであると承知をしております。
○三宅伸吾君 特許法で罰則定められております。一番分かりやすいのが特許権侵害を故意にやったやつ、悪質な場合は、場合によっては検察が出ていきますよと、こういうふうになっております。それ以外にも、特許法に規定をされております刑事罰というのがございまして、例えば特許申請とか特許期間の延長等の申請につきまして虚偽の申請をするとか、それから、特許庁の職員が漏らしてはならない情報を漏らした場合も刑事罰が規定をされております。 今、過去二十年間で二件、一応事件があったというふうに御説明がございましたけれども、直近のやつは何年でございますか。
○政府参考人(加藤俊治君) お答えを申し上げます。 お尋ねの起訴した事件で直近のものは、平成十四年に略式命令請求がなされたものでございます。
○三宅伸吾君 ということは、平成十五年以降、特許法に規定されている刑事事件の起訴数はゼロだということになります。よろしいですか。
○政府参考人(加藤俊治君) お答えを申し上げます。 把握している限りでは御指摘のとおりでございます。
○三宅伸吾君 ということは、平成十五年以降、特許権侵害で起訴された人はいないということになります。皆さん御案内のように、著作権侵害というのが実はありまして、例えば映画とか音楽のいわゆるソフトをデッドコピーをしていろんな町で売っている方がたまにいらっしゃって、それで逮捕されるというのは新聞記事によく出るんですけれども、著作権侵害については刑事司法が場合によっては出ていくというふうになっているのでございますけれども、特許権侵害について、知財立国を標榜する我が国の知財立国の根幹とも言うべき特許権について、平成十五年以降、刑事罰の執行は一件もなかったということでございます。 民刑峻別という法の建前からいうと、損害賠償は民事でやる、それから一般予防効果、抑止機能は刑事が出ていってがつんとやって、やったら大変なことになりますよというこの二つの仕組みできっちりと特許権を保護して知財立国を前に進めようというのが特許法の精神だと思いますけれども、現実はそうなっていないというふうに言わざるを得ないと思います。 刑事司法がうまく機能していない上に、先ほど申し上げましたように、民事の救済の実態も、どうも権利の侵害のし得じゃないかというふうにずっと言われてきているんですけれども、なかなか改善をされていないように私には見受けられます。 そこで、他の金融庁所管の法令等についてちょっとお聞きしたいんですけれども、処分というか、民事は民法七百九条のいわゆる不法行為、填補賠償、実損の補償を原則とする填補賠償の民事責任、それから今申し上げた刑事、もう一つ、様々な分野で行政上の処分というのがございます。例えば、一番分かりやすい例は脱税でございます。明らかに意図的に悪質な所得隠しをいたしますと、重加算税というのを取られるわけでございます。様々な分野で、民事、刑事、それから行政と、政策をフル動員して、納税をきっちりやってくださいね、真面目に申告している方が、正直者がばかを見ないようにということできっちり税についてはやっているわけでございますけれども。 ちょっと金融庁にお聞きしたいのは、例えば金融商品取引法においても、民事の、例えば証券詐欺等で株主が損害を被った場合、当然裁判も起こせます、場合によっては刑事処分があるわけでございますけれども、金融商品取引法においては行政上の処分としてどのような違反行為抑止のための手続を備えているのか、概要のみお知らせください。
○政府参考人(池田唯一君) お答えいたします。 金融商品取引法上は、例えば相場操縦などの不公正取引につきまして、民事上の不法行為責任の原因となるほか、金融商品取引法の規定に基づきまして課徴金制度が設けられております。 この制度は、不公正取引の抑止を図り、不公正取引規制の実効性を確保するという目的達成のため、規制の違反者に対しまして金融商品取引法の定める手続に従って金銭的負担を課する行政上の措置でございます。その課徴金の水準につきましては、基本的に違反行為によって違反行為者が得る経済的利得相当額を基準としまして、算定方法が法律に定められているところでございます。
○三宅伸吾君 金商法の分野では、被害を受けた方の民事裁判による損害の回復の手続、これは民法七百九条に基づく手続でございますけれども、それから、例えば東京地検特捜部等による刑事の執行、そして、それに加えて課徴金という仕組みがあるというわけでございます。 じゃ、他の分野も実は似たようなものがないかというとありまして、御案内のように、独占禁止法にも課徴金という制度があります。独禁法も、民事の救済、それから刑事の制裁、価格カルテル等をやった場合ですね、それから独禁法の違反にも課徴金はあります。あと、労働分野を、実はちょっと変わった民事救済手続があります。例えば、未払、賃金を払わない、それから割増し賃金を払わないような場合に従業員が会社に対して訴えを起こすと、裁判官の判断によって、場合によっては割増し賃金、未払の賃金の倍額まで払わせるという制度が労働基準法には入っております。 私、こういう仕組みを御紹介申し上げるのは、違反をする人間に対して、十分な民事救済を最後は負わされるんだよ、場合によっては訴追もされる、訴追されなくても行政処分によって金銭的な制裁が掛けられるんだよというような、様々な政策を総動員していわゆる法目的を達成しようとしているわけでございますけれども、知財立国を標榜している我が国において、特許権侵害についてはそのような政策が総動員されているという気が私はいたしません。 その結果、日本は特許権の資産デフレが起きて、そしてベンチャー企業が銀行からお金を借りようとして、いや、我が社はこんなすばらしい特許を取りましたと、是非この特許権を担保にするか、担保まで言わなくても、特許全体を評価してきっちり融資をしてくださいというお願いをしに行った場合、例がないわけではありませんけれども、お金を貸す方から見たら、いや、万が一、あなたの特許権を信用してお金貸したんだけれども、ライバル会社があなたの特許権を侵害をした場合に裁判所に訴え出たら、じゃ、一体幾ら裁判所は損害賠償を認めてくれるんですか、過去十年の裁判所の例を見ると最高十八億弱じゃないですかと、それじゃ融資をしても貸倒れになるリスクがあるかもしれませんね、だから貸せませんよというような私は状況になっているのをとても危惧をいたします。 それから、そういう懸念は、特にベンチャー企業にとって私は死活問題だと常々思っております。特許を取ったからといって事業が成功するとは、それは限りません。マーケティングのアイデア、PRの仕方、様々な経営戦略の総合力の結果として、数多く生まれるベンチャーの本当にごく数%がブレークスルーをして世界を席巻するわけです。 例えば、言うまでもありませんけれども、このインターネット時代を迎えて、グーグル、フェイスブック、ツイッター、韓国系でございますがLINE、それからインスタグラム、たくさん多くのネットベンチャーが生まれてきておりますけれども、彼らのビジネスのコアに知的財産権があるのは間違いないと思います。それだけでビジネスがうまくいったとは私絶対申しませんけれども、最後の最後、私の虎の子のこの技術、特許権で排他的独占権を認められているこの権利を侵害したら、最後は裁判所に訴えてあなたのサービスを止めますよ、場合によったら、悪質な場合は実損の二倍、三倍の金銭的賠償命令が裁判所から出ますよという、こういう構えを取っているわけでございます。 大陸法の中国でも今、特許法の改正をやっておりまして、いわゆる米国法の懲罰賠償を中国でも導入するのがほぼ現実味を帯びております。国の数で見ると懲罰賠償を入れている国はまだまだ少のうございますけれども、特許について言うと、アメリカと中国の出願数は全世界のもう既に六割近くを行っておりまして、数で見るとグローバルスタンダードは、もう米中がある仕組みを導入した瞬間グローバルスタンダードに切り替わるというわけでございます。 我が国におきましては、その懲罰賠償制度というのは一般には認められておりません。先ほど労働基準法のお話をいたしましたけれども、例外的な法制度としていわゆる民法七百九条の填補賠償とは異なる仕組みもないことはありませんけれども、一般的に言うと、填補賠償の原則は我が国においては大陸法系というところでこれまでは堅持をされてきておりますけれども、法律は目的ではなくて手段でございます。 我が国が本当に研究開発そしてその成果の知的財産権をうまく使って国を豊かにしよう、海外からどんどんロイヤリティー収入も得ましょう、それから、技術開発の成果を権利で保護し、それをてこにしてどんどんどんどんベンチャー企業がたくさん出てきて、産業の新陳代謝を通じて元気に国をしましょうということであるならば、特許権の侵害のし得だと言われるような悪評が我が国にずっと付いて回るのは甚だ遺憾だというふうに思った次第でございまして、本日はそのような思いを是非皆さんと共有したくてこのテーマを取り上げました。 我が国においても、特許権侵害に対する民事救済、填補賠償がまだまだ不十分だから、まず填補賠償をしっかりやれという議論も当然必要でございます。証拠収集手続が足りないとか、いろいろ言われております。七百九条の中身をしっかりと充填させるということも必要であろうかと思いますけれども、実際に検察が特許権侵害で捕まえるのは実はとっても難しいんです。 例えば、iPSの特許権を私取りました、侵害されましたので、ちょっと検察庁さん、あの会社のiPS細胞由来のあのサンプル品を作っている会社、立入検査をして調べてくれと、これ言っても、まず、iPSとは何ですかと、ここから勉強しなきゃいけないんです。極めて大変です。それはよく分かります。 ですから、なかなか、警察、検察が特許権侵害罪の法執行について慎重になるのは私は分からないではありませんけれども、であるならば、国全体の法執行のトータルとして、侵害し得を許さないように、民事分野においても、一般予防効果のあるような場合に、積極的加害意思のある、いわゆる本当に悪質な侵害であることが立証できれば、そういう侵害者に対しては民事上がつんといくということが必要ではなかろうかと私考えておりまして、本日の質問をさせていただきました。 ありがとうございました。
○風間直樹君 よろしくお願いします。 今日は、最初に加計学園問題について触れたいと思います。 昨日の朝日新聞の朝刊でこの問題が報じられました。文科省が作成したと朝日新聞が報じている資料が出ています。 文科省にお尋ねします。この資料を確認されたと思いますが、松尾さん、これ、文科省作成で間違いないでしょうか。
○政府参考人(松尾泰樹君) お答えいたします。 恐縮でございます。今確認中でございます。
○風間直樹君 昨日の夕方、うちの党の会議でこれお渡しして確認を求めたわけですが、時間が掛かっている理由は何ですか。
○政府参考人(松尾泰樹君) お答えいたします。 現在、この文書につきまして、どういう範囲でどういう形での確認をするかということを含めて現在確認中でございます。
○風間直樹君 まあ、あれですね、出るはずがない文書が出てしまったので省内が大騒動になっていて、今後どうこの文書について対応していくかという協議をしていると、こういうことですね。 内閣府にお尋ねします。これらの文書に示されているのは、総理の意向を受けて、内閣府が文科省に対してこの加計学園の獣医学部の学校を新設するように強く働きかけているという構図ですが、こうした働きかけを文科省あるいは他の省庁に行ったのは事実ですか。
○政府参考人(川上尚貴君) お答え申し上げます。 内閣府といたしましては、規制改革を推進する立場にございまして、常々、スピーディーに規制改革を実現することが重要との考えを持って関係省庁との事務的な議論に参加をしてございます。こうした通常業務の一環として、できるだけ早期に規制改革の効果が発揮されるよう、関係省庁と今後の進め方などの事務的な調整を行ってはきております。 しかしながら、御指摘のような、官邸の最高レベルが言っている、あるいは総理の御意向であるといった説明を文科省に行った事実はございません。 以上でございます。
○風間直樹君 これ、皆さんも報道で、昨日今日御覧になっていると思いますが、新聞社もこれ一社でなく、マスコミ複数社がもう事実を押さえています。日時の入った文書も入手しています。ですので、これは森友とはまた別次元の問題で、逃げられないと思いますよ、関係省庁の皆さんは。ですから、後々、今日この委員会での答弁が虚偽だったとされないように留意されて答弁をしてください。 もう一回同じお尋ねを内閣府にいたします。
○政府参考人(川上尚貴君) お答え申し上げます。 繰り返しになって恐縮でございますけれども、御指摘のような、官邸の最高レベルが言っている、あるいは総理の御意向であるといった説明を文科省に行った事実はございません。
○風間直樹君 要請ですね、これ、文科省作成と言われる文書に出ているわけですから。 配付資料の一と二にその文書の一部を添付しました。 配付資料の一は、文科省の事務方が義家副大臣にレクをしたとされる内容です。ここで義家さんがこう言っているとされています。平成三十年四月開学で早くやれと言われても、手続はちゃんと踏まないといけない。正論をおっしゃっていますね、義家さんは。四番目の丸で、官邸はどうなっているのか、やれと言うならやるが、閣内不一致、麻生財務大臣反対をどうにかしてくれないと文科省が悪者になってしまうと。非常に具体的でリアルな内容です。 二枚目を見ますと、これ、大臣御指示事項、松野大臣が文科省の事務方に指示をした事項ということで書かれていますが、一番目の丸に、以下二点について内閣府に感触を確認してほしいと、平成三十年四月に開学するためには、平成二十九年三月に設置認可申請する必要があるが、ちょうど今現在この時期ですよね、大学として教員確保や施設設備等の設置認可に必要な準備が整わないのではないか、平成三十一年四月開学を目指した対応とすべきではないかと。二つ目の丸で、麻生副総理、森英介議員など獣医学部新設に強く反対している議員がいる中でと、このように記されています。 そこで、麻生大臣にお尋ねさせていただきますが、国務大臣としてお尋ねをします。国家戦略特区の諮問会議に加計学園の事案が諮られるという、この前後の時期に国務大臣として獣医学部の新設に反対されたのは、これは事実でしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 議事録を読んでいただいた上で質問されているんだと思いますけれども、読んでいないわけじゃないでしょう、読んでいただいたら書いてあると思いますが、方向としては間違っていないと書いてあると思いますが。 したがって、獣医学部新設そのものに反対してはいないということは、その資料を読んでいただいたらはっきりしているんじゃないでしょうか。
○風間直樹君 大臣、これ、安倍総理の意向があったということは御承知でしたか。
○国務大臣(麻生太郎君) 私は、加計学園のその加計さんという方と総理とが学生時代からの友人だったということは知っておりますけど、この件に関しては特に何か話があった記憶はありません。
○風間直樹君 すると、その議事録に基づいて、反対をされなかった理由は何でしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 私は反対をしないというのは、獣医学部が新設されることに関しましては、獣医というものがかなり偏在していますから、御存じかと思いますけれども、おたくの北陸の方は知りませんけど、四国の方には獣医学部関係はないと思いますし、九州大学も獣医学部はないと記憶しますので、そういった意味では、かなりこの獣医学部というのは偏在しているというのが記憶がありますので、獣医学部新設そのものに反対することはありませんと申し上げたと記憶します。
○風間直樹君 分かりました。 次に、官房副長官にお尋ねします。 この報道されている文書ですが、これは、この真偽のほどはどのように確認されていますでしょうか、現在。
○内閣官房副長官(野上浩太郎君) 文部科学省からは、報道されている文書については現在確認中で、現時点ではまだ確認できないということを聞いております。
○風間直樹君 いつまでに確認されますか。
○政府参考人(松尾泰樹君) 現在確認中でございますので、速やかに確認したいと思います。
○風間直樹君 速やかというのはいつですか。今日中なのか、今週中なのか、来週中なのか。
○政府参考人(松尾泰樹君) 現時点で具体の日付を申し上げることはできません。
○風間直樹君 それでは速やかにならないと思うわけですけれども、速やかというのはいつまでなのか、これ、官房副長官、お願いします。
○政府参考人(松尾泰樹君) できるだけ早くということでございます。
○風間直樹君 私が官房副長官に答弁をお願いすると文科省松尾さんが答弁に立たれるんですが、これ、要はあれですか、官邸でこの文書の真贋をチェックするのではなくて、文科省でされているということなんですか。
○政府参考人(松尾泰樹君) ええ、文科省でしてございます。
○風間直樹君 そうすると、文科省で確認をした上で官邸にその結果報告を上げるということですね。
○政府参考人(松尾泰樹君) さようでございます。
○風間直樹君 そうすると、文科省、これ、速やかにやるという松尾さんの答弁でしたが、いつまでにされますか。それ、はっきりおっしゃってください。
○政府参考人(松尾泰樹君) 繰り返しになりますが、現時点で日付を申し上げることはできません。
○風間直樹君 今理事が場内協議中なのでちょっと麻生大臣への質問に戻りますが、この文書ですと、義家副大臣が、閣内不一致、麻生財務大臣が反対されていると、こう言及していらっしゃる。松野大臣もそうおっしゃっている。ということは、麻生国務大臣のお考えというのは途中で変わられて、獣医学部の新設もやむなしと、理解を示すと、こういうことになったということなんでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) それもよく文書を読んでいただいた上で質問されているんだと思いますが、少なくともこの話に関しては、獣医学部に限らず、かつてロースクールなんかの場合は、鳴り物入りでやった結果はどうなりました。ロースクールってどうなったんです、今。あれだけわんわん言ってやった結果、続々閉鎖になったりしたじゃないですか。あの結果は何です、あれは。文部省は間違いですか。ああいったような結果になるということも十分に考えておく必要があると申し上げた記憶があります。
○風間直樹君 ロースクールの件は私もよく存じ上げています、まあ惨々たる結果ですよね。その問題は今日、本題ではないのでちょっと置きますが。 文科省、これもう一回お尋ねしますが、いつまでに確認、結果確認をして官邸に報告するんですか。
○政府参考人(松尾泰樹君) 繰り返しになりますが、日付を現時点で申し上げるわけにはいきませんが、可及的速やかにということでございます。
○風間直樹君 そうすると、文科省にお尋ねしますが、速やかに確認するということと、それから、いつまでか分からないというのは両立しませんので、どちらなのか、速やかにを撤回するのか、それともいつまでにをはっきり言うのか、これお願いします。
○政府参考人(松尾泰樹君) 現時点では日付を申し上げることはできません。
○風間直樹君 そうすると、官邸、副長官にお尋ねしますが、これ昨日の官房長官の会見では、この文書というのは出どころが不明で怪文書だという趣旨の発言をされていますよね。その旨を自民党国対にも連絡されたという報道がなされていますが、これはどういうことなんでしょうか。今確認中だと文科省は言っていますが、なぜ怪文書だと分かるんでしょう。
○内閣官房副長官(野上浩太郎君) それは、長官がその長官会見で申し上げたとおり、そこの文書自体がまだ確認されていないということだというふうに思います。
○風間直樹君 そうすると、確認されていないんだから、怪文書と断定することもできないですね。そこを確認させていただきます。 今日この問題、また我々、午後会議を開いて検討しますが、またこの委員会で行政監視の一環で質疑させていただきます。 次に、森友問題に移ります。 先日、籠池さんが民進党の会議にいらっしゃって、新たなメールの記録が発見されたという事実をお伝えになりました。配付資料の三枚目と四枚目にそれを添付いたしました。 これ配付資料の三枚目見ますと、こういう表現が出てきます。これは、キアラ建築研究機関、設計事務所から森友の酒井弁護士宛てに送られたメールでして、その中ほど、こういった文章があります。ボーリング柱状図というもので、これはどれぐらいの深さで、どのような地層があるかということを示した図です、これでいくと、ボーリングした位置においては約三メートル以深には廃棄物がないことを証明していますと。 この柱状図は、財務省、国交省の両省が国有地払下げの際に価格を算出した根拠資料でありますが、両省はこれまで、このボーリングデータなどを基に、地中九・九メートルまでごみが埋まっていたとして八億円の値引きを決めたと答弁されています。ところが、このメールでは、ボーリング調査をした業者自身が三メートルより下にはごみがないと認めている内容です。近畿財務局に柱状図を提出したらごみがないことがばれるから、どうしようかと協議をしているメールなんですね。結局、キアラ設計は酒井弁護士に、工事に関わるボーリング調査に関する資料は抹消いたしましたと報告をしています。 これが事実だとしたら、このボーリングデータが抹消されたにもかかわらず、財務省、国交省がどうやって地中九・九メートルのごみを確認して八億円の値引きを決めたんだろうという疑問が湧くわけなんですね。 これ、財務省、国交省にお尋ねしますが、柱状図が提出されなかったというのは事実でしょうか。
○政府参考人(佐川宣寿君) お答え申し上げます。 まず最初に答弁申し上げますが、今委員が御指摘になられた、先日の委員会で前理事長がお出しになった資料のところで、ここに書いてあることであれば、その建築研究機関から別の方に対する資料は、これは先方、森友学園側の関係者間のやり取りでございまして、果たしてこの関係者の間でどういう状況でどういうやり取りがなされたのかというのを全く承知しておりませんので、この紙、今のやり取りにつきましては、コメントは差し控えさせていただきたいというふうに思います。 それから、柱状図の話でございますが、ボーリング調査を行いますと、おっしゃるとおり柱状図というのはありまして、それは今までも随分国交省から答弁いたしておりますけれども、私ども、貸付けの契約を結ぶに当たりまして森友学園側から地盤に関するボーリング調査の報告書を受け取っておりまして、その中に柱状図は付いてございます。その件に関して申し上げれば、森友が実施したボーリング調査の柱状図は、私どもも、国土交通省も、その貸付け契約の前の柱状図は受け取ってございます。 その中で、今までも随分国会で御議論になっているんですが、その調査では、地下三メートルより深いところに生活ごみの埋設物がないではないかという御指摘ございます。その件につきましても、国交省の方が詳しゅうございますが、この調査は、地盤の地質構成を明らかにするために二か所のみ、それも十センチ程度の径で掘削したものでございまして、本件土地、かつて池沼でございます。河川であったところに由来する池沼でありますので、その深さ、場所によって相当変わってくるものでございます。 したがいまして、僅か二本のボーリング調査で三メートルより深いところに生活ごみがないと言うことは困難であろうと考えられますと、随分、国交省から何遍も答弁をさせていただいているということでございます。
○風間直樹君 佐川さん、その答弁、無理がありますよ。 森友側の関係者だけのやり取りだとおっしゃっているけど、これ、そうじゃないんです。今日は一部を抜粋して配付していますが、これ、一連のメールがありまして、そこには近財の池田さんもメールのやり取りに加わっているし、国交省の航空局の方もやり取りに加わっている、その一部なんです、これ。ですから、あなたがおっしゃることは、これ、理に合いません。 それと、確認ですけど、このボーリングの柱状図、森友側から一度出ているとおっしゃいましたが、いつのものが出ているのかを確認させてください。
○政府参考人(佐川宣寿君) 今手元にございませんが、二十七年の五月に私ども貸付けの契約を結んでございますので、その前に不動産鑑定を行うために森友側からボーリング調査の資料を受け取っているところでございます。
○風間直樹君 そうすると、その後、また再度このボーリングの柱状図を出すようにという依頼を森友側にしたという、こういう事実経過になりますよね。それはなぜですか。
○政府参考人(佐川宣寿君) 私ども、二十八年でございますが、二十八年の三月の十一日に新たなごみが出てきたわけでございまして、それで、これ前から御説明申し上げておりますが、開校を控えて、早くこの新たな埋設物に国として、貸主としての責任がございますので対応しなくてはいけないという立場の中で、早く、向こうから買受けの希望も出ておりますので早く対応せねばいかぬという中で航空局に撤去費用の見積りを依頼しているわけでございますが、そのときの参考となる資料、データについては、それは様々、森友学園側にも資料の提出を依頼して、資料を受け取っているところでございます。写真等いろいろ受け取っておるところでございますが。 そういう中で、先方に、私どもが事前に受け取っている森友学園がボーリング調査を行った調査も含めて、その以外にも、彼らに、もしボーリング調査とかいうのもしているのであれば、存在の有無にかかわらず様々な資料について提出していただきたいというのは私どもの方からお願いしているところでございます。
○風間直樹君 いや、これね、佐川さん、メール御覧になっていないかもしれないけど、メールの全体読むとそういう流れじゃないんですよ。森友側非常に困っているんです。国側からボーリングの柱状図を出してくれと言われて、どうしようと。非常にその弁護士と設計事務所の間で右往左往している様子が出てくるんですね。それと今の佐川さんの答弁は全然一致しない。ですから、今の財務省佐川さんの答弁にはやはり虚偽があるんでしょう。 佐川さん、これね、私も今まで二月以来ずっと予算委員会通してこの経過聞いてきましたけれども、財務省が、財務省側のミスが明らかにならないという意図なのかは別として、いろんな論理構築をされて一生懸命佐川局長が答弁されている、その佐川さんの努力はよく分かります。ただ、私、おととい籠池さんが民進党の会議にいらっしゃって話をされていたのを全部聞いて感じたんですが、あの方ほかにもいろいろ持っていますよ、こうした類いのまだ公開していない資料を。で、これから出してきますよ。ですから、最初から事実、真実を明らかにされないと後で答弁がうそだったということになりかねませんので、そこは十分御留意ください。 私は、野党の一員として、この場で、行政監視の一環でこの問題も加計の問題もやっていますけれども、事実を究明して、そして皆さん公務員が国家公務員法並びに法令に基づいて誠実に法律を履行されているかどうかを確認するのが私の役割ですから、そのことは申し上げておきます。 それで、重なりますが、これキアラ設計ですね、航空局に対して、ごみの処分費単価を送ります、御用命いただいておりました小学校建設地のボーリング及び液状化の第三者資料を送りますと、こういうメールをしているんですね。これは、業者がごみの処分費用の積算資料を作って国交省に伝えていたというふうに解釈できるんですけれども、これまで財務省は国交省が適正に値引き費用を算出したと説明しています。これ、事実だったんでしょうか、この答弁は。財務省でも国交省でもいいですけれども、答弁してください。
○政府参考人(和田浩一君) お答えをいたします。 私どもは、大阪航空局でございますけれども、平成二十八年三月三十日に近畿財務局から地下埋設物の撤去処分費用の見積り依頼を受けて以降、見積りに必要な工事関係書類、これを提出していただきたいということで求めております。そこで、工事関係者の方から、設計の概略図ですとか八か所の試掘結果、それから工事写真等の提供を受けております。 こういったものも参考にしつつ、私ども独自の方で見積りをさせていただいたということでございます。
○風間直樹君 この独自の見積りというのは何を指していらっしゃるんですか。
○政府参考人(和田浩一君) お答えをいたします。 まず第一に、平成二十二年の地下構造物状況調査の結果。これは三メートルを超える深さのところに廃材等のごみがあるということでございます。それから二点目に、近畿財務局、大阪航空局職員による現地の確認。実際に現地に行ったところ、廃材等を含む土砂が積み上がっていること等を確認したということでございます。それから三点目に、工事関係者からのヒアリングや工事写真ということで、大量のごみ等が発見をされたこと、それから、工事関係者からくい掘削中、工事中の様子を示す状況ですとか工事写真を見せていただいたこと。それから四点目に、池沼であった土地の履歴、地歴。こういったものを総合的に活用をして、売主の一切の責任が免除されることを前提として、検証可能なあらゆる材料を用いてできる限りのチェックを行った上で見積りを実施したものでございます。
○風間直樹君 この問題はこの国会中ずっと続くんでしょう。こうしたやり取り、委員会でもやりますし、籠池さんも我が党のいろんな会議に御出席をいただきますので、答弁いただいた内容は我々も精査をした上で籠池さんの証言と突き合わせています。その過程の中で何が真実なのかを明らかにしていきますので、先ほど申したとおり、正確な答弁を、事実をしっかり答弁をしてください。 それで、配付資料の四枚目なんですけれども、これは衝撃的な内容でして、これ、近畿財務局の池田さんがキアラ設計に送ったメールです。 これ、二点、目を引く部分がありまして、一つは、当局としては五月末をめどに土地の評価額算定を実施し、森友学園との土地の売買契約を締結するべく作業を進めたいと考えておりますと、こう言っているんですね。 そうすると、事前協議は今までなかったと佐川局長もずっと答弁されてきたんですが、これ、池田さんが書いていることと事実が違うんじゃないでしょうかね。佐川さん、いかがですか。
○政府参考人(佐川宣寿君) お答え申し上げます。 今委員御指摘の事前協議の意味はよく分かりませんが、私どもがずっと答弁してきましたのは、先方にあらかじめ不動産鑑定というかその価格について申し上げることはございませんということはずっと答弁してきているところでございます。
○風間直樹君 でも、池田さん、ここに書いていますよね。当局としては五月末をめどに土地の評価額算定を実施し、森友学園の土地の売買契約を締結すべく作業を進めたいと考えていますと。佐川さんの答弁と違うじゃないですか。
○政府参考人(佐川宣寿君) お答え申し上げます。 平成二十五年に、九月に公的取得要望が出て以来、先方は学校を建てたいと、それで、最初は貸付けで、その後に買い受けたいということで、それはもう取得要望が出て以来ずっと、処分の相手側であります森友学園と近畿財務局がずっと会話をしているわけでございます。 それは貸付けの契約の前もそうでございますし、その後、二十八年の三月に新たな埋設物が発見されて、これは一年後の開校に向けて相当早急な対応が要るということを我々部内でも検討してございます。そういう中で先方と話合いをして、その埋設物どう対処するのかといったようなこともしながら、先方から三月中に買受けの希望が出てきているわけでございます。急がなくてはいけないというのも双方の理解でありますので、そういう意味ではなるべく早く対処しなくてはいけないということで、大阪航空局に撤去費用の見積りも依頼してございますし、どういうタイミングでなるべく早く買受けに向けて進むかということの議論をしているというのは、別にごく普通の会話であろうというふうに考えます。
○風間直樹君 以前のこの委員会で、なぜ財務省がガードを必死に固めて答弁をされているかというその理由、私の推測を二点申し上げました。やっぱり、この近財の担当者レベルで法令上言ってはいけないことを森友側に言ってしまった、それがやっぱり皆さんの側の瑕疵として残ってしまうのでガードを固めざるを得ないんだろうというのが私の推測です。このメールもその一端を示していると思っています。 さらに、駄目押しは、このメールの冒頭、こうあります。いつもお世話になります、瑞穂の国記念小学院開校に向け御協力いただきありがとうございます。これ、キアラ設計側が近財に言っているんじゃないんですよ。近財の池田さんがキアラ設計に頭を下げているんです。協力してくれてありがとうと。 ここに、この問題の本質が全部出ています。こんなこと言いませんよ、普通、役所は。我々が陳情したり要望したりしたとしても、いや、風間議員、いつも風間議員の陳情に関しては、我々がそれに協力するためにお力添えいただきまして本当にありがとうございますと、私、二十年間政治活動していますけど、そんなこと言われたことありません。ですので、やはり財務省の姿勢が出ているんでしょう。 籠池さんに、これ私質問したんです。これ、国が、国を代表して近財の池田さんが森友学園側に、協力してくれてありがとうと頭を下げている構図ですねと。そうしたら、籠池さん、そのとおりだと言っていました。いつ頃からそういう姿勢に国側は変わったのかと聞きましたら、総理夫人がこの学校の校長に就任されてからだと、こうおっしゃいました。 籠池さんによると、この瑞穂の国記念小学院というのは、今、建築現場、皆さん、写真で御覧になると分かりますけれども、この小学校の壁面に学校名が出ています。印刷というか、張られています。瑞穂の国というのがまず上段にあって、その下に記念小学院とあるんですね。記念小学院の前のスペースが少し空いているんです。これ、何で空いているんだろうと思って、籠池さんになぜですかと聞きましたら、いや、実は、今年の二月にこの問題が大きく報道されるまでは、自分は、安倍さんに総理をお辞めになった後でこの学校の名前、命名をしていただけると、こういう理解だったので、この空いているスペースに安倍晋三というお名前を入れるつもりだったと、こうおっしゃっていました。 ですので、そういう流れからしますと、やはり近財の方で、総理夫人が校長をやっていると、しかも名称もこの当時は安倍晋三記念小学院ですから、メールにもそう書いてありますから、そういうふうにいろんな配慮を財務省の方でしたというのは私は事実だったんだろうと思っています。 今日、財務省からも明確な答弁、従来どおりありませんでしたけれども、引き続きこの問題、行政監視の一環で続けていきます。 次に、同じ森友の問題ですが、総理夫人の夫人付きの問題についてお尋ねをいたします。 私も、この谷元夫人付きの行動についていろいろ調べておりまして、一つ腑に落ちない事案が出てきました。配付資料の五枚目、六枚目です。これ、フェイスブックのいわゆるグループのページなんですが、UZUの学校という、総理夫人が校長を務めていらっしゃるグループのページです。ここを見ますと、二〇一五年十二月六日にグーグル東京オフィスで開催されたこの学校の第五回講義で、主催者の名前の欄に谷査恵子さんとあります。総理夫人付きが主催者のお一人ということなんですね。 これは、ちょっとお尋ねをしたいんですけれども、まず一点目は、この日、政府から谷さんに旅行命令が出ているのかどうか、出ているとしたら命令書が存在するのか、この二点をまず伺います。
○内閣官房副長官(野上浩太郎君) お尋ねの二〇一五年十二月六日について、御指摘の職員は、これは勤務時間外において私的に参加したとの報告を受けております。したがって、職員の関与は公務ではなく、旅行命令等発出をされておりません。
○風間直樹君 そうすると、当然旅行手当も出ていなかったということでいいですね。
○内閣官房副長官(野上浩太郎君) はい、そのとおりでございます。
○風間直樹君 これ、第五回の勉強会とあるんですが、谷夫人付きは全部で何回の会合の主催をしたのか、お願いします。
○内閣官房副長官(野上浩太郎君) 職員からは、これ以外にも勤務時間外に私的に会合に参加したことがあるとの報告を受けておりますが、これは職員の私的な活動であることもありますので、それ以上のお答えは差し控えさせていただきたいと思います。
○風間直樹君 これ、配付資料の五枚目に写真が載っているんですけれども、この写真の一番最後の列といいますか、一番後ろの列の一番左端に写っている女性、顔半分、これが谷さんです。写真で確認をいたしました。それから、配付資料の六枚目には、これ、谷さん御自身の投稿で、UZUの学校の第四回の講義の写真をフェイスブックにアップをされています。ですから、谷さん、この元夫人付きが、総理夫人と公務でも一緒、こうした、今、野上副長官おっしゃったように、もう純粋に私的なプライベートの活動でも、総理夫人の校長を務める学校の、主催者を務めているという、勉強会の。こういうことで、公私共にもう行動が一体していたんだという様子がうかがえると思います。 これ、法令を見ますと、国家公務員制度改革基本法というのがありまして、その五条の三で政官接触が厳しく定められています。これ、その対象となっている総理以下、各省の政務三役。総理夫人が外れているんですね。その理由は、総理夫人は公人ではなく私人とされているためなんですけれども。私は、こうした総理夫人とそれから夫人付きの行動を見ていくにつれて、果たしてこれ総理夫人を外したままでいいのかということは、我々国会として考えなければいけないというふうに今感じています。この話は、総理、官房長官、各大臣、またそれぞれの夫人について記述する必要があるんじゃないかということで、国会でやるべき話だろうというふうに思っています。 今述べましたこの話について、総理夫人付きの話と、それから前段に述べた森友の柱状図等の話ですが、私は、法令に照らして、政府、公務員の皆さんが法令にのっとった行政をしているかどうか、誠実に法を実行しているかどうかというのが我々がチェックすべき対象だと考えています。そうした目で見ると、いずれの事案でもこれ明白な不公正行政が行われている、若しくはその疑念が強いというふうに感じます。 これ、そろそろ、総務省の行政評価局に与えられている設置法の四条十二の権限、つまり、各行政機関の業務の実施状況の評価及び監視を行うことという、これを総務省が行使すべきそれぞれの事案ではないかと思うんですね。 総務副大臣にお尋ねしますが、この総務省設置法四条を誠実に執行し、これらの実態調査を行うべきではないですか。
○副大臣(原田憲治君) お答えを申し上げます。 総務省設置法第四条により、評価・監視の対象は国の行政機関の業務の実施状況であるとされているところでございます。 御指摘の総理夫人付きの行動につきましては、先ほど御答弁がありましたとおり、私的な活動であると説明をされておりまして、行政評価・監視の対象にならないものと考えております。 また、本件については、関係機関における説明などが行われている状況にあることから、これからの対応を見守ってまいりたいと思います。
○風間直樹君 配付資料の六の、この谷査恵子さん御自身が投稿された日時を見てみると、二〇一五年の十一月十二日となっていまして、これ木曜日なんですね。日曜日じゃないんです。ですので、今副大臣おっしゃったことは当たらないおそれが強いと。つまり、公務に該当する時間も、土日の私的な時間も、このUZUの学校の事務運営を主催し、それに関わっていた疑いが谷さんには出てきているということです。 総務副大臣、もう一回お尋ねしますが、設置法四条の行政評価局のこの監視の権限というのは、平成に入ってしばらくした頃にこの参議院の当時の行政監視調査会で、肝煎りで、当時の様々な公務員不祥事に鑑みてこれを十分活用し、さらには当時の行政管理庁かな、に置かれていたと思いますが、現在の行政評価局、これを様々な公務員不祥事の監視に当たらせることとして、ここに記載をされている内容です。 この間、当時は、自民党でいいますと竹山参議院議員、それから公明党の山下栄一参議院議員などの方が非常に大きな危機感を持って、この条文の意味するところをしっかりと把握をした上で、行政評価局に、そうした事案があった場合、この四条十二に基づいて監視をさせるということを決意されたんですね。 ですから、そういう経緯に鑑みますと、今の原田副大臣の御答弁は非常に物足りなさを感じるんですけど、いま一度御答弁いただけますか。
○副大臣(原田憲治君) 公務であるかどうかというお尋ねであると思いますけれども、先ほど官房副長官の方から御答弁がありましたとおり、私的な活動であるということでありますので、何度も申し上げますけれども、行政評価・監視の対象にならないものと考えております。
○風間直樹君 もう限界がありますね、この総務省に行政評価局を置いていくというのは。やっぱり政務三役、こうやってかばいますから、これではいつまでたってもこの設置法四条の十二の監視の権限は、評価局、行使できないですよ。 私は、この行政評価局という一部門、一部隊、相当のスタッフと相当の見識と相当のこれまでの経験の実績がここにはあります。この人たちは貴重な人材ですので、私は、これ国会、なかんずく参議院に移設をした上で、国会という独立した場で内閣に対して監視を行う機関とすべきだと考えています。 人事院にも同様のお尋ねをしますが、これ、人事院規則の細目を読んでみると、公務員の政治的行為については、公私を問わずと規則にあるんですね。非常に厳しく書かれています。ですから、夫人付きが総理夫人に協力すること、このように休日あるいは平日を問わず、これは政治色が濃厚になります。ですので、今回の総理夫人と夫人付きの関係は、一般国民から見ても公私混同が明白、だからこそ国家公務員法の条文に違反する可能性が濃厚だと感じています。 例えば、条文は、信用失墜行為の禁止、これ九十九条ですね、信用失墜行為の禁止、職員は、その官職の信用を傷つけ、又は官職全体の不名誉となるような行為をしてはならない。それから百二条、政治的行為の制限、職員は、政党又は政治的目的のために、寄附金その他の利益を求め、若しくは受領し、又は何らかの方法をもってするを問わず、これらの行為に関与し、あるいは選挙権の行使を除くほか、人事院規則で定める政治的行為をしてはならない。百一条の職務に専念する義務、職員は、法律又は命令の定める場合を除いては、その勤務時間及び職務上の注意力の全てをその職責遂行のために用い、政府がなすべき責を有する職務にのみ従事しなければならない。 谷さんのこのフェイスブック上で示されている行動は、百一条に触れる可能性が濃厚だと思いますね。主権者国民に、これでも総理夫人付きという官職を信用されていると言えるかどうか、また、職務に専念していると理解してもらえるかどうか、ここを人事院は国家公務員法に基づいて、人事院規則に基づいてチェックをしていただきたいと思いますが、人事院、いかがでしょうか。
○政府参考人(松尾恵美子君) お答え申し上げます。 先生の指摘されました三つの条文に書いてございますような職員の服務に関する個別の事案につきましては、所属職員の服務を統督するとともに事実関係を十分承知し得る立場にある任命権者において事実関係に照らして適切に御判断されるということが原則でございます。 人事院といたしましては、国家公務員が行政を運営するに当たっては、国民全体の奉仕者として服務義務を遵守することが求められますことから、国民に疑念を生じさせることのないよう、各府省に対して適切な運用を強く求めてまいりたいというふうに考えております。
○風間直樹君 もう何度質問しても人事院もこの答弁なんですよ。先日、松尾さんにもお越しいただいて意見交換しましたが、私、これでは人事院に対する国民の目が厳しくなっていく一方だと思います。 やっぱり、国家公務員法、非常にすばらしい法律です。政府、公務員に対してやはりそれをチェックする、調査する、あるいは勧告する、そして懲罰する、この権限がこの国公法で人事院に与えられています。それを使えなくしているのは人事院自身です。その背景に何があるのか。例えば、人事院の局長ポストに各省から出向者がたくさん来ている、その見返りに人事院職員が、OB、退職するときに各省の差配で天下りあっせんをしてもらっているんじゃないかという指摘も出てきています。ですので、人事院には、こうした情勢に鑑みて、今の御答弁では国民納得しませんので、松尾さん、もう一回、人事院でこれ検討してください。私、今質問した問題を整理して見解を出していただきますように要請いたします。 国家公務員法を誠実に人事院が運用していない現状を見ると、私は、人事院も先ほどの評価局と同様、国会、なかんずく参議院に持ってきて、真の意味で内閣から独立した組織にした方がいいと思う。 松尾さん、最後にお尋ねしますが、国家公務員法上、総理と人事院総裁は、これどちらが格上なんですか。
○政府参考人(松尾恵美子君) お答え申し上げます。 人事院は内閣の所轄の下に置かれておる機関ということでございます。
○風間直樹君 つまり、内閣から独立している、総理と人事院総裁、同格だということですよね。どっちが上でもないんです。しっかりやってください。 以上で終わります。
○平木大作君 公明党の平木大作でございます。 最近、キャッシュレス社会とかあるいはキャッシュレス化という言葉を大分見聞きするようになったというふうに思っておりまして、今日はこのキャッシュレス化及び、その少し先のところでありますけれども、デジタル通貨というところをテーマに少し質問させていただきたいと思います。 十五分という限られた時間ですので本当に頭出しの部分だけなんですけれども、まず、これから四、五年のうちは多分このテーマというのが当委員会の中でも主要なテーマになってくるだろうというふうに思っておりますので、そのいい形での頭出しができればなというふうに思っております。 このキャッシュレス化、これ別に、定着して久しいクレジットカードとか、あるいはいわゆるカードの中に入った電子通貨、デジタル通貨、電子マネーだけではなくて、最近はいわゆるスマホを使った決済ですとか、あるいは実証段階ですけれども指紋を使った決済ですとか、そういったもの、様々あるわけであります。 日本においてこういったいわゆるキャッシュレス化、どこまで遡ったらいいのかってあるわけですけれども、例えばいわゆる交通系ICカードと言われるものの先駆けはあのSuicaですね。あれはFeliCaという日本の技術を使ってスタートして、二〇〇一年に導入されていまして、そういうことを考えますと日本は割と進んでいるのかなという勘違いをしてしまいそうになるわけですけれども、実態はその逆だということであります。 二月に日銀から発表されましたレポートによりますと、国際決済銀行、BISの統計を援用しながら、日本で流通をしている現金残高、これの対GDP比というのを世界各国の比較をしていただいているんですけれども、実に日本は対GDP比で二割に迫っておりまして、これ、世界の中でも実は現金主義というのが突出しているという傾向が明らかになっています。 ちなみに、最もキャッシュレス化が進んでいると言われているのがスウェーデンでありまして、ここが対GDP比でいくと一・七%ですから、もう本当に全く違う世界に今なってしまっている。 まず、日銀として、この理由どう分析をされているのかお伺いしたいと思います。
○参考人(雨宮正佳君) お答え申し上げます。 委員御指摘のとおり、我が国における現金流通残高の名目GDP比率は二〇一五年時点で一九・四%と、他の主要国に比べて大変高いわけでございます。 ただ、こうした現金流通が高い背景につきましては、経済的要因のほかに、それぞれの社会の社会、文化あるいは歴史的な背景がございますので分析が大変難しいんですけれども、私ども、一般的にはこういう三つの要因があるかなと考えておりまして、一つは、やはり何といっても、国内の治安が相対的に良く、盗難、窃盗等により現金の被害を被るリスクが他国より低いということが挙げられると思います。それから二つ目でございますけれども、日本では、お札ですね、銀行券の偽造の比率が他国に比べても圧倒的に低うございまして、銀行券、お札に対する国民の信認が高いということが挙げられるというふうに思います。加えまして、ここしばらくの間、他国と比べましてやはり低い金利、低金利環境が続いているということでございまして、これだけ金利が低いと現金を小まめに銀行に運んで預金に変えるというインセンティブは低くなりますので、こうした低金利ということも影響しているというふうに考えてございます。
○平木大作君 今大まかに四つほどの理由に集約してお答えいただいたわけですけれども、キャッシュレス化ということ自体を考えてみますと、これ、消費者の利便性を高めるということのみならず、例えば現金を扱わなければいけない銀行ですとか小売店の観点からいけば、現金を管理するそもそものコスト低減等を含めて、実はメリットって本当にたくさんあるはずなんですね。このメリットを考えたときに、今挙げていただいた例えば治安の良さみたいな日本が誇るべきある意味ポイントが逆にキャッシュレス化にとってはマイナスに働いてしまっているという、ちょっと皮肉な状況もあるのかなというふうに思っているわけです。 そして、キャッシュレス化ということを考えたときに、実は我々個々の消費者自体は、例えばクレジットカードが決して普及していないわけじゃない。むしろ一人で何枚も持っているって方多いわけでありますし、お財布の中を開いてみますと、さっき言ったようないわゆる電子マネー何枚も入っていて、それだけでお財布がぱんぱんになっているみたいな状況がある。やっぱり、これ、なかなかもうちょっと軽くならないかなと思うわけです。 先ほどのスウェーデンでいきますと、大人が外出をするときに持ち歩く現金の額というのが一人当たり六百円とかという数字があるみたいでして、そのくらい、ある意味我々お財布忘れて外出しちゃうと本当に今日一日どうなるんだろうという冷や冷や感があるわけですけれども、ある意味手ぶらでも決済できてしまうという安心ですとかあるいは便利さ、これってやっぱり追求しない手はないなというふうに私は思っております。 ただ、この点について、政府としても日本再興戦略等の中できちっと実はもう大分前から明記をしていただいていまして、これから、例えば海外から様々お客様がいらっしゃる東京オリンピック・パラリンピック始め、どんどんインバウンドが広まっていく中にあって、やはりこれ中長期的に今、取組を進めていただいているというふうに認識をしていますが、これ、政府としてこれまでキャッシュレス化に向けてどういう取組されてきたのか、御紹介いただきたいと思います。
○政府参考人(小瀬達之君) お答え申し上げます。 委員御指摘のとおり、キャッシュレスの推進につきましては、消費者にとっては大量の現金を持たずに買物が可能となり、また紛失、盗難時の被害リスクが現金に比べて軽減されることに加えまして、事業者にとって現金処理コストの削減による生産性の向上の効果をもたらすなど、様々なメリットがございます。また、キャッシュレスにより蓄積される個人の購買情報や履歴を活用して、ビッグデータ分析によるマーケティングの高度化及び公共的観点から脱税の減少やマネーロンダリングの抑制などの効果も期待されているところでございます。 こうした様々な効果に鑑みまして、経済産業省といたしまして、さきの臨時国会におきまして、安全、安心にクレジットカードを利用できる環境を整備するため、割賦販売法を改正いたしまして、加盟店にIC対応等のセキュリティー対策を講じることを義務付けたところでございます。さらに、商店街でのクレジットカード対応端末の導入促進といった対策も進めているところでございます。 また、訪日外国人の五四%がクレジットカードを利用することから、キャッシュレスの決済の普及は、我が国経済成長を支えるインバウンド需要を取り込むためにも不可欠な環境整備というふうに考えてございます。このため、政府としましては、日本再興戦略二〇一六におきまして、二〇二〇年までに外国人が訪れる主要な商業施設、宿泊施設及び観光スポットにおいて一〇〇%のクレジットカード決済対応を実現するとの明確な目標を掲げているところでございます。 二〇二〇年に向けまして、更なる安全、安心なカード利用環境の整備を進めるなど、キャッシュレス化を進めていきたいというふうに考えてございます。
○平木大作君 今朝も実はあるフィンテック企業の方といろいろ意見交換をさせていただいていまして、私自身の問題意識としては、なかなか日本、このキャッシュレス化進まないなという思いがあったんですけれども、結構実は日本も変わってきているんですよということを御紹介をいただきました。 例えば、若い世代の方の中で今LINEペイというのがやはり急速に普及したようでありまして、たった二年半で実は一千万アカウントを超えてきている。若い方たちが今飲み会をやると、割り勘の支払をLINEペイでそれぞれやり合っていると。こういうことが実はもう着実に進んでいるということでありまして、ある意味一つの観点として、スマホが普及したということで、やっぱりこれ、そもそもこのキャッシュレス化を進める上での環境自体ががらっと変わったというふうに認識をしてくださいというふうに言われて、私もはっとしました。 たしか五、六年前なんですけれども、大手の携帯キャリアの方と、今後スマホってどういうふうに日本の中で伸びていくのかという議論をしたことがあって、そのときの私たちの結論は、今考えると恥ずかしいんですけれども、スマホは頭打ちになるという話だったんですね。女性には余り受け入れられないとか、高齢者にはやっぱりガラケーじゃなきゃ駄目だみたいな話があって、この後は頭打ちになりますということを未来予測として出したという恥ずかしい経験がありました。 ただ、今、じゃ、どうかと見てみますと、私の両親も両親共に今スマホを使っていまして、その友達もスマホを使っている。この環境をやっぱりこれきちっと、消費者の側は実はもう変わりつつあるという中で、やはりどれだけあと環境整備進めていただくのかということかなと私は思っております。 中国で今言ったLINEペイに当たるのがウイチャットペイってあるわけですけれども、あれが急速に普及した要因の一つとして御紹介をいただいたのが、旧正月のときにお年玉のやり取りみたいなことを大人もやり合うらしいんですけれども、そのときにこのウイチャットペイ使うと便利だということで急速に広まったというふうにお伺いをしまして、じゃ、これ日本でどうか。ある意味、遠隔地に住んでいる親戚の子供からお年玉はLINEペイでちょうだいねと言われたときに、あっ、そういえばスマホ持っているし、どうやってやるんだろうというところから急に実は変わったりということがやっぱりあり得るんだろうと思うわけです。 ある意味デジタルの世界だけにこれ完結させないで、今おっしゃっていただいたような、御紹介いただいたような施策、様々あると思っていまして、最後リアルの店舗でやっぱり使いにくいわけです。あるコンビニに行くとこのカードは使えないとかいう話があって、結局今お財布が膨れているという状況でありまして、このリアルの中でどれだけ使いやすい環境を整えていただくのか。これ、世の中の変化を見過ごさずにきちっとやっぱりこれからも取り組んでいただきたいということをまずお願いしたいと思います。 ここでもう一回日銀に質問したいんですけれども、この日本の現金主義、ある意味ちょっと行き過ぎているんじゃないかというぐらいの現金主義が、現金の保有の多さというのが、実は金融政策の政策の効果自体を低減させているという指摘もあるわけであります。 この点について、まず日銀、どう考えているのか、お伺いしたいと思います。
○参考人(雨宮正佳君) お答え申し上げます。 我が国で他の主要国と比べて現金保有が多いことそれ自体が金融政策の効果を低減させているとは私どもは考えておりません。 御案内のとおり、金融政策の主たる波及経路は、全般的に金利を引き下げるということによって、その低金利を通じて企業や家計の経済活動を刺激するということでございます。実際、私どもがこの間金融緩和政策を進めている下で金利全般は大きく低下しておりまして、貸出金利も既往最低まで下がってございます。 こうした下で銀行貸出しは伸びを高めておりまして、最近では前年比三%程度の伸びとなってございますので、日本銀行の金融政策が現金保有が多いことそれ自体によって効果が低減させられているというぐあいには考えてございません。
○平木大作君 ここも少し実は議論したいところなんですが、ちょっと時間が迫ってまいりましたので、最後の問いに移りたいと思います。 実は、このデジタル通貨という論点、キャッシュレス化というところはいわゆる民間で今進んでいるところを前半にお話しさせていただいたんですが、実は中央銀行も今様々各国で検討をされているということでありまして、先ほど御紹介した最もキャッシュレス化が進んでいるスウェーデン、中央銀行が法定デジタル通貨、通称eクローナと言うらしいんですが、これの導入に向けて既に三段階の工程表というのが発表されていまして、二〇一八年末、つまり来年末ですね、来年末にはこのデジタル通貨を中央銀行が発行するかどうかというこの是非を判断するんだということがもう決められているというわけであります。 日銀も実はこれ、昨年の十一月、東大と共同で、こういったいわゆる金融技術の研究会の中で、デジタル通貨発行の可能性について検討したというふうにも聞いているところでありますが、これ、どのような検討行われたのか。また、将来、少し先かもしれませんが、このデジタル通貨について今後の具体的な展望があればお伺いしたいと思います。
○参考人(桑原茂裕君) お答え申し上げます。 日本銀行といたしましては、先ほどからも御指摘がございますような決済イノベーションに対する内外の関心の高まりを踏まえまして、様々な調査研究活動に取り組んでおるところでございまして、その中の一つが、今委員御指摘の、昨年十一月に行われました東大との共催コンファレンスでございます。 その内容でございますけれども、この中では、決済に伴う情報の活用が経済活動やビジネスにとってますます重要になっていることが指摘されました。また、これとの関係で、デジタル化された決済手段についても、価値の移転に加えまして、今後は情報伝達などの新たな機能が一段と注目されていくのではないかといった見方も示されたところでございます。 さらに、各種の決済手段の間での競争が内外で激化する中、中央銀行も、自ら発行するソブリン通貨、日本でありましたら円でございますけれども、それの使い勝手の向上に努めていく必要があるのではないかという指摘もございました。 もっとも、中央銀行によるデジタル通貨の発行につきましては、民間銀行を通じた資金仲介への影響など検討すべき点も多いこともまた事実でございまして、現時点でデジタル通貨の発行について検討すると表明しておる中央銀行は、今委員御指摘のスウェーデンや中国の中央銀行など、ごく一部にとどまっている状況にあります。日本銀行といたしましても、現段階でデジタル通貨を発行する具体的な計画を有しているわけではございません。 ただ、一方で、こうした中、日本銀行といたしましては、決済イノベーションや決済手段のデジタル化などの動きに適切に対応していくことは大変重要であると考えておりまして、こうした課題をめぐる内外の議論に積極的に参画していく考えでございます。また同時に、中央銀行としての立場から、円の使い勝手の向上についても努めてまいりたいと考えております。
○平木大作君 今御答弁でもいただきました決済に伴う情報をどう活用していくのか、これはある意味、民間のキャッシュレス化の流れもそうでありますし、中央銀行のデジタル通貨についても同じテーマとしてあるわけであります。 最近このキャッシュレス化とか法定デジタル通貨について少しずつ論考が出てきているわけですけれども、どうも、例えばお金の流れが政府とか日銀に全部把握されるのは怖いとか、そういう何かちょっと懸念点、懸念点というところが先にどうしても出てくる傾向というのが日本にはあるのかなと思っていまして、こういう懸念があるのは事実でありますから、きちっとこれ、今から日銀としても力を入れてこのメリットとデメリットの部分、あるいは懸念点にどう対処していくのか、これからも研究を進めていただきたいとお願いを申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○大門実紀史君 大門です。 三月の二十二日のこの委員会で損保の代理店の問題を取り上げさせていただきました。地域に密着して災害時なども社会的セーフティーネットとして頑張っている中小の損保代理店が、損保会社が一方的に決める手数料ポイント制度によって手数料収入が減額されて苦境に陥っているという問題でありました。 まず実情を把握してほしいということで質問をいたしまして、それに対し遠藤監督局長は、中小の損害保険代理店は地域に密着した大変重要な存在だということで実態を把握したいと、麻生大臣も、中小の皆さん頑張っている、ヒアリング等々丁寧にしていきたいという誠実な御答弁をいただいたわけであります。その答弁などがネットでも流れて、全国の中小の地域で頑張っている代理店の皆さんが大変喜んでおられるところであります。やっと自分たちにも光が当たってきたのかという期待が広がっているところであります。 そこで、ヒアリングという話も出ましたけれど、その後の対応がどうなっているのか、教えてもらえる範囲で結構ですが、ちょっと説明してください。
○政府参考人(遠藤俊英君) お答え申し上げます。 損保代理店のポイント制度に係る実態把握を行うために、この実態把握のための手法でありますとか対象先などについて検討を行いまして、ヒアリングを行う前の事前準備として損保会社と代理店の両者に対してアンケートを実施したところでございます。 このアンケートにおきましては、幾つか質問項目があるんでございますけれども、例えば、ポイント制度が代理店の顧客本位の業務運営をどのように評価しているのか、あるいはそのポイント制度が代理店の業務品質向上、収益性向上のための取組をどのように評価しているのかなどを質問項目といたしまして、ポイント制度の目的や評価項目、その考え方、代理店の説明プロセスなどについて確認したところでございます。 その上で、この当該アンケートの回答を踏まえたヒアリングを今月中旬から開始したところでございます。
○大門実紀史君 ヒアリングも実際に開始していただくということで、大変機動的な、機敏な対応をしていただいていることに感謝を申し上げたいと思います。これからヒアリングが、今週からですかね、始まるということなんですけれど、改めて幾つか私の方からお願いをしておきたいというふうに思います。 一つは、この手数料ポイント制度は、結局顧客のニーズ、お客さんの、契約者の保護、ニーズに沿っているのかと。つまり、このポイント制度は、その規模に応じてポイントが、規模の大きい方がポイントが加算されるということになりますので、規模で判断した場合、結局顧客のニーズにとって沿うものになっているのかという点をよく聞いていただきたいという点と、二つ目は、代理店そのものの問題なんですけれども、最初から規模の大きさで差を付けられますと、幾ら顧客のために頑張っても、質のいい経営を心掛けても追い付かないという点でいくと、この代理店の頑張るインセンティブどころか頑張る意欲をそぐような結果になっていないかという、代理店の頑張るインセンティブの問題として聞いていただきたいということと、三つ目に、調べてまいりますと、そのポイントの格差が百二十ポイントから三十ポイントくらいまで約四倍の格差があるんですね。同じ保険募集の仕事に従事して同じ商品を販売しながら、百二十から三十ポイントというこの差は異常ではないかと。なぜこんな格差が付くのかという点をよく聞いてもらいたいなと思うのと、ちょっとまだ調べ切れていないんですけれど、大手のディーラー、代理店とか大手の企業代理店には最初から、最初から大変優遇的な大きなポイントが与えられているんではないかと。それはどういう理由からなのかがよく分からない、何かおかしな仕組みになっているんじゃないかというちょっと疑問があります。 こういう点を踏まえてヒアリングをきちっと行っていただきたいのと、もう一つは、代理店にもヒアリングをされるということなんですけれども、それで、昨日金融庁の方に聞いたら、どうやってその代理店を選ぶのかと、どこに聞くの、どこの代理店に聞くの、どうやって選ぶのかと聞きましたら、日本損害保険代理業協会、いわゆる日本代協を通じて何社か選んでもらって、そこにヒアリングをするということを聞きました。 そこで、ちょっと心配になったのは、この日本損害保険代理業協会、日本代協の事務方、専従者の方は、実は大手損保から出向しているメンバーなんですね。つまり、金融庁はただ代理店の話を聞きたいといってそこに投げた場合でも、これはちょっと懸念なんですけれども、ひょっとして各損保会社に対してまあ都合のいいとまでは言いませんけれど、余り当たり障りのないことを言う代理店を選んで金融庁に紹介するということがあると本当の話は聞けないということにもなりますので、きちっと本当に問題点を分かるような代理店の選び方を金融庁としても心掛けて選んでもらいたいと思いますけど、こういう点気を付けて是非ヒアリングしてほしいと思いますが、これはお願いですけど、何かコメントがあればお願いしたいと思います。
○政府参考人(遠藤俊英君) 様々な御指摘いただきまして、ありがとうございました。 ポイント制度につきましては、大門委員御指摘のように、損保会社が顧客本位の業務運営、これを進める上で適切な機能を発揮していることが重要であるというふうに考えております。このため、ヒアリングの際には、このポイント制度が代理店における顧客本位の業務運営の観点からどのようなインセンティブになっているのか、あるいはそのポイント制度において代理店の取組がどのように評価されているのかなどの観点からヒアリングを行うこととしたいというふうに考えております。 また、バランスの取れた実態把握を行うことが御指摘のようにこれは重要だと思っておりますので、保険会社のみならず、ヒアリング対象の保険会社と委託契約を締結している代理店からもヒアリングすることとしております。ヒアリングを行う代理店につきましては、募集人が数名の小規模な代理店から数十名以上の大規模な代理店まで様々な先を対象とするということとしております。 いずれにいたしましても、御指摘いただきました点を踏まえながらヒアリングを行ってまいりたいというふうに考えております。
○大門実紀史君 代理店の皆さんも我が党も、別に、この問題でいえば損保会社を追及しようとか、そういうことで取り上げているわけではありませんので、損保会社と代理店が共存共栄、対等の立場で顧客を第一に共に伸びていってほしいという、健全な損保業界になってほしいという立場で取り上げているわけでございますので、ヒアリング結果出たところでまた質問させていただきたいというふうに思います。 この問題、調べている中で、変だなと思うことが一つ出てきましたので質問したいと思うんですけど、資料をお配りいたしましたけれども、いわゆる事故あり等級制度といいまして、自動車保険で事故がなければ保険料は安くなる、事故を起こしちゃうとその後保険料が高くなるということなんですね。このノンフリートというのは十台未満の契約という意味で専門用語ですけれども、要するに普通の契約という意味ですけれども、その資料でございます。要するに、各社共通なんですけれど、これは東京海上なんですけれども、事故を起こしちゃうと、その後三年間保険料が高くなるというようなことであります。 資料の二枚目に、具体的にある方の例なんですけれど、これは代理店の方を通じて東京海上に問合せをした資料でありまして、事故が起きましたと、保険を使ったらどうなりますか、使わなかったらどうなりますかという問合せ、シミュレーションしてもらったわけですね。その方の場合、保険を使わないでそのまま行ったら毎年十万円の保険料と。今回事故起こしちゃったんだけれども、保険をもし使っちゃったら保険料が高くなって、三年間高くなって、結局五年間でいくと六十八万七千円になります、差額は十八万七千円ですと、こういう資料なんですね。 事故にもいろいろありまして、ちょっとこすっただけとか、十数万円とか、十万円ちょっとの事故って結構あるんですよね。そうなりますと、その事故の場合は保険使わない方が、後で保険料高くなっちゃいますから使わない方がいいということになってしまうわけですね。 代理店としては、お客様にせっかく保険料払ってきてもらって契約してもらったんだけれども、今回使わない方が保険料高くならないからいいですよということで保険請求を取り下げてもらうというようなことが現場で起きていて、現場では何のために保険入ってきたんだという不満がかなり起きているということをお聞きいたしまして、それで、実はちょっとどういう仕組みなのか調べてみたんですけれども、要するに、二〇一三年の十月以降、こういう事故を起こした場合高くなる、起こさなかったらというような、そういう制度になったんですけれども、これは一見、何か事故を起こさなかったら保険料安くなるのは納得、起こしちゃったら高くなるの仕方ないな、何かみんなそのとおりだな、そうだなと思うように、私もそういうふうにテレビコマーシャルを見て思ってきたんですけれども。 実は全体として、保険会社と保険契約者全体ということで見ると、誰が得してきたのかと、この制度でというふうな見方をすると、例えば東京海上自動車保険の資料を見ますと、この事故あり等級制度に変える前はずっと自動車保険というのは、これ各社共通なんですけれども、赤字だったんですよね。で、この事故ありに、事故あるかないかによってこういう保険料に差を、差別化した後、もう翌年から、東京海上でいえば、その前までは七十八億の赤字だったのが、翌年いきなりもう三百億の黒字になっていると。この制度によって、こういうことによって赤字だったのが黒字に変わっているわけですね。これは東京海上だけじゃないんですね、各社ともそうなっているわけでありまして。 何か事故を起こした人と起こしていない人を対立させて納得させて、もっともらしいように見えますけど、結局誰が得したかというと、この保険会社が、そこにごまかしといいますかね、そういう仕組みやることによって収入増やして得をしているというような構図ではないかというふうなことが見て取れるわけです。 そういう中で、さっき言った、保険にせっかく入ってきたのに、十万円とかそれぐらいのレベルのちょっとこすったとか結構多いわけですけど、車両保険なんか、そういう保険は使えないという人たちが大量に出て、使わない分、その分も保険会社の利益になっている、黒字になっているというような構図があるのではないかということがちょっと分かってきたといいますか、私思うんですけれど。 これは本当に初めての問題提起だというふうに思うんですけれども、是非この事故あり等級制度を見直す余地はないのか研究してほしいなというふうに、これはお願いしておきたいというふうに思います。 最後に、時間が余りありませんので、麻生大臣に、こういうことも含めて、ちょっとこの損害保険の世界、やっぱり代理店の皆さんがまず誇りと希望を持って頑張れる仕組みをつくってもらいたいと、それが業界全体の発展につながると思いますし、今申し上げたようなことも含めて、誰が一体得していて誰がどうなっているのかということですね、改めてこの損保の問題をよくウオッチングしてほしいなと思いますけど、大臣に一言いただければと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) この代理店というのは、もう基本的には損害保険会社といわゆる保険者との間に立って仲介役をやってもらっているわけでありますから、基本的にはその仲介役に立っている、特に中小の保険代理店というのは大体地方に多いんですが、この地方にあります保険代理店の方が大保険会社に比べてよう歩いとるということも確かなんですけれども、逆に言えば、歩いている分だけ、選挙と同じで、きっちり情報の収集が一番確実にできているんですよ。そういった意味では、地方銀行の方が大銀行より、さらに、中小の信用金庫とか信用組合とかいうものの方が組合員のニーズがよく分かっているというような部分がいっぱいありますので、そういった点ではこの保険代理店というのの果たしている役割は極めて大きい。 いわゆる保険のニーズ、こういったものの保険はないのかというような御希望に応える、そういったものの要求を一番拾っているというのもこの保険代理店であることは間違いありませんので、是非、今言われたような話もなるほどなと思って、なるほど手口としては分かりやすい手口だなと思ってさっき聞いていたんですけれども、そっちの方安くなりますよと、いや、事実なんでしょう、多分、事実だからそうなるんですけど、そうすると、それを聞いて、ああ、これはやめた方がいいかなというような話というのは、私も今言っている気持ちはよく分かりますので、結果として保険会社はもうかっておるという話になっていますけれども、全体として、そういった点も含めて、いろんな意味でこの保険代理店の果たしている役割は極めて大きいと私どもそう思って、その方向で指導していきたいと思っております。
○大門実紀史君 終わります。
○藤巻健史君 日本維新の会の藤巻です。よろしくお願いいたします。 おととい黒田日銀総裁がウォール・ストリート・ジャーナル主催のイベントでかなり金融緩和からの出口について強気の発言をされたという報道がありましたので、今日は出口戦略について岩田副総裁にお聞きしたいと思っております。 まず、FRBが昨年十二月に一回利上げをして、今年の三月にも第二回目の利上げ、FFレート〇・七五から一%に引き上げましたけれども、これはどういう方法で引き上げたのかをお教えください。 〔委員長退席、理事長峯誠君着席〕
○参考人(岩田規久男君) FRBは、今回の局面では、二〇一五年十二月、昨年十二月、本年三月の三回にわたって利上げを行いました。いずれの場合も翌日物金利であるFFレートの誘導目標レンジを〇・二五%ずつ引き上げております。 その際、短期金利を操作するための具体的な手段としては、準備預金に対する付利金利を引き上げるとともに、証券会社等を対象とした資金吸収オペであるリバースレポの適用金利を引き上げております。
○藤巻健史君 今年三月二十一日、やはりこの委員会で私は岩田副総裁に質問したそのときのお答えが、日銀はどういう方法で、手法で利上げをするかというふうにお聞きしたときに、大きく分けて二つあると、一つは当座預金に対して付利金利を上げていくという方法、二つ目はバランスシートを少し縮小していくという方法があるというふうに御回答されたんですが、その当座預金に対しての付利金利を引き上げるというその御回答は、今回FRBがやったのと同じ方法であるというふうに、リバースレポのお話はちょっと別にしておいて、同じだというふうに理解してよろしいでしょうか。
○参考人(岩田規久男君) 御指摘の私の発言ですが、それは、将来における出口に当たっては、日本当座預金に対する付利金利を引き上げることが短期金利を引き上げる手段の一つとなり得るという趣旨で申し上げたことでございます。これは基本的にはFRBと同様の趣旨のものですが、現時点では出口の際の金融政策運営について具体的な方法は決まってはおりません。
○藤巻健史君 ほかに方法があるのならお聞きしたいんですけれども、それは別としまして、なぜ今、当座預金、日銀当座預金の付利金利を上げるという方法はかつての伝統的金融政策では行っていなかったと思うんですけれども、どうしてそういう昔の伝統的金融政策ができなくなったのか、お教えいただければと思います。
○参考人(岩田規久男君) 中央銀行は、伝統的には短期金利の操作を主たる政策手段としておりました。もっとも、リーマン・ショック以降は、主要国の中央銀行は、短期金利がゼロ制約に直面する下で、長期国債などの資産買入れを大規模に実施することになりました。その結果、従来とは異なり、多額の超過準備が恒常的に存在するようになりました。こうした超過準備が存在する下では、短期金利を有効に操作する手段としては、多くの中央銀行にとって当座預金に対する付利の制度が導入されたわけであります。 日本銀行においても、リーマン・ショック後の二〇〇八年十月に補完当座預金制度を導入し、日本銀行の当座預金に対する付利を行っている次第であります。
○藤巻健史君 まとめますと、要するに、伝統的金融政策のときの政策は使えないから、日銀当座預金への付利金利を上げるというふうにまとめられるかと思う、まあ可能性ということで結構なんですけれども、ということだと思うんですが。 そうしますと、まず利回りについてお聞きしたいんですが、二〇一六年上期の日銀の保有国債利回り〇・三三二%とお聞きしましたけれども、二〇一六年度下期の保有国債の平均利回りと平均残高、お教えいただければと思います。
○参考人(岩田規久男君) 日本銀行の保有国債の平均残高と平均利回りについては、決算公表時に対外的に示す扱いとしております。二〇一六年度下期の決算については現段階では公表していないため、御質問の点については現時点ではお答えすることはできません。
○理事(長峯誠君) 済みません、副総裁、マイクに向かって御答弁をお願いいたします。
○藤巻健史君 分かりました。じゃ、上期の〇・三三二%ということを前提に議論したいと思いますが、配付資料の日銀のバランスシート、資産サイドにある国債、これは三月末なんですが、上期だとたしか三百八十兆円ぐらい、平残で三百八十兆円ぐらいだと思いますが、三百八十兆円の〇・三三二%ということだと思います。 〔理事長峯誠君退席、委員長着席〕 そうしますと、この三百八十兆円で〇・三三二%の利回り、これから上がる収入はどのくらいだったのか。要するに運用益ですね。プラス、償却原価法を使っていますので、その利益か損失か、それを合わせて、国債を保有していることによって上がる運用利回りは、額ですね、幾らか、お教えいただければと思います。
○参考人(岩田規久男君) 二〇一六年度上期の国債利息収入は六千二百八十四億円であります。
○藤巻健史君 そうしますと、今度は、日銀付利金利上げということになりますと、日銀当座預金残高、この配付資料を見ていただくと分かりますけど、約三百四十三兆円、これ三月末ですから、当然、二〇一六年下期の残高はもうちょっと低いかと思うんですが、万が一、二〇一六年下期に、これは金利を、景気が良くなる、若しくはインフレが加速してきて、一%付利金利を上げざるを得なくなったときに、どれだけの金利支払が増えますでしょうか。
○参考人(岩田規久男君) 委員の御指摘のような仮定を置いて機械的に計算すると、二〇一六年十月から二〇一七年三月までの準備預金積立期間における超過準備の平均残高は約三百八兆円となっております。その残高を所与として付利金利を一%引き上げた場合の支払利息は半年間で一・五兆円程度になります。
○藤巻健史君 そうしますと、運用益が六千二百八十億円で支払金利が一・五兆円ということは、約九千億円ぐらいの損失が半年間で出るということで、一年間でいえば一・八兆円の日銀は損失になるということだと思います。 消費者物価指数が二%になったときに、三%ぐらいにはしないと、抑えられない。まさか付利金利一%で済むわけありませんから、消費者物価指数二%になったときに。そうすると、三%になったとすると、今の単純計算で二兆七千億という損失が、これは仮定の話ですが、出るかと思います。 要するに、通貨発行損が大きく出てくると思いますが、そのときの、これ質問に、引当金と準備金合わせて幾らかという質問をいたしましたけれども、この答え、ここに書いてありますが、七・七兆円なわけですけれども、一年間で二・七兆円だということですと、三%になれば二・七兆円ということになると、これはもう三年ぐらいで日銀は赤字になってしまうということになる、その辺は認めますか。
○参考人(岩田規久男君) 将来の出口の過程における日本銀行の収益に対する影響について申し上げますと、経済・物価情勢が好転し、当座預金に対する付利金利を引き上げる場合には、長期金利も相応に上昇すると考えられます。したがって、当座預金に対する支払利息が増加する一方で、日本銀行の保有国債の利回りも次第に上昇していきます。このように、出口の過程において、日本銀行の収益は保有国債に対する利払いの保有資産から生じる収益と当座預金への付利金利などの負債に係る費用などの差などによって決まってきます。 先行き日本銀行の収益が実際にどのようになるかは、将来の経済・物価情勢の下での金利環境に加え、日本銀行がどのような手段を用いていくかということによって大きく変わり得るものであります。
○藤巻健史君 今のは、私には詭弁に思えてしようがないんですけれども。 じゃ、保有国債の、質問通告ないんですが、保有国債の残存平均期間って何年ですか。たしか、私は七年ちょっとだというふうに理解しておりますけれども。 何を申し上げたいかというと、私が現役だった頃、日本銀行というのはほとんど成長マネー以外に長期国債なんか買っていなかったですよ。ですから、ほとんど短期国債ですから、それは満期が来れば保有国債の利回り上がっていくというのは分かりますけれども、今、この前も聞きましたけれども、四十年国債買っているわけですよ、物すごい低い金利で。これ、すぐに上がるんですか。四十年たたないとそれ、利回り上がらないですからね。ということで、金利が上がれば資産サイドの収入も上がるというのはまさに詭弁そのものだと思います。それが一つ。それについては後でちょっとコメントはお聞きしたいんですが。 もう一つ、先ほど、三%によってかなり大きい通貨発行損が出て、日銀が数年すると赤字に陥るんじゃないかという話をしましたけれども、三%というと歴史的に見ても低い金利ですよね。私がディーラーになったときの一九八〇年、たしかアメリカなんかは二〇%近くになっていたし、長期金利二五%ぐらいあったので、日本もたしか、ちょっとうろ覚えですけれども、公定歩合一二・七五%とかいうような数字がありましたから、別に五%という仮定をして、物すごくでかい通貨発行損になりますね、赤字になる可能性はありますねというのは別して過剰な話ではないと思うんですね。 普通に金利が上がってきてインフレが抑えられなくなってきたときにもう物すごい債務超過になっていく、そういうリスクがあると思うんですが、それでも出口はきちんとコントロールできるというふうにおっしゃるのか。要するに、金利を上げる方法というのは、私は、FRBもやっているように、この日銀当座預金の金利を上げることしかないというふうに、ほかにあれば教えていただきたいんですが、ないと思いますが、これを上げていった場合、どう考えても、算数でいっても、物すごい損の垂れ流しになると思うんですが、それでも黒田日銀総裁がおとといおっしゃったようにコントロールできるというふうにおっしゃるのか。それは根性論であって、具体的方法なくして大丈夫なんて言われても極めて不安感を持つんですが、いかがでしょうか。
○参考人(岩田規久男君) 先ほど藤巻委員がおっしゃったように、日本銀行の保有国債の平均残存期間は大体七・四年、七・四年でございます。 金利が当座預金は上がっていきますが、それとともに、残高をある程度維持している間、借り換えている間にだんだんだんだん長期金利、日本銀行が持っているのが上がってくるわけでありまして、それが何か四十年間ずっと日本銀行の持っている国債の金利が上がらないというわけではありませんので、今、藤巻先生がおっしゃったような、そのような心配はないというふうに考えております。
○藤巻健史君 それはスピード感の問題であって、何年も掛かって、それは七年、まあかなり長い間になれば上がるというのは分かりますけれども、当座預金はもう日々上がって、インフレになっていけば日々上がっていくわけで、それが黒字になるというのは時間の要素を全く無視している話じゃないかなというふうに思います。 それで、もう一つお聞きしますと、日銀は償却原価法だということで、国債、市中の国債、長期国債の金利が上がっても評価損は計上されないと思うんですが、マーケットはそうじゃないですね。別に時価評価であろうが簿価評価であろうが、日銀の保有する国債の評価損というのを明らかにマーケットで計算して、これは日銀大変だということになってマーケットは非常に動転すると思うんですが、もし長期金利が一%上がると、この大量に持っている国債、これ、評価損というのは、長期金利が一%上がるとどのくらい評価損は出るんでしょう。簿記上じゃないですよ、実際に評価損はどうなるかということをお聞きしたいんですが。
○参考人(岩田規久男君) 二〇一六年の九月末時点で日本銀行が保有する長期国債を前提として仮に長期金利がイールドカーブ全般にわたって一%上昇するケース、パラレルシフトと言われますが、それを想定した場合の時価総額は二十三・八兆円程度減少するという計算になります。
○藤巻健史君 純利益が一兆円だとすると、二十三兆円も減っちゃうと、一発で、簿記上ではないです、財務諸表上ではないですけれども、マーケットがきっと想像するであろう評価損というのはかなりの債務超過と、日銀債務超過ということになるんではないかと思います。 もう一つ最後に、時間がないので最後の質問をしますが、アメリカは二〇一四年一月にテーパリングを開始しましたけれども、そのどのぐらい前に出口戦略を公表したのか、お聞きしたいと思います。
○参考人(岩田規久男君) まず、FRBが現行の出口戦略を公表したのは、二〇一三年十二月にテーパリングを開始した後の二〇一四年九月であります。
○藤巻健史君 いや、もうちょっとかなり、私の認識だと二年ぐらい前に出口戦略を公表しているというふうに私読みましたですけど、テーパリング後なんというのはとても思えませんが。
○参考人(岩田規久男君) それでは、やや詳しく申し上げます。 FRBは二〇一一年六月に、それまで行っていた国債買入れプログラム、LSAP2ですが、これが終了を迎えたことから、一旦出口戦略を公表いたしました。しかし、実際には、その後の金融経済情勢を踏まえて、二〇一一年九月にオペレーションツイストを開始したほか、二〇一二年九月には新たにむしろ国債買入れプログラムをまたLSAP3として始めたわけであります。その後、二〇一三年十二月にテーパリングを開始しましたが、二〇一四年十月に国債買入れプログラムを終了する直前の二〇一四年九月に従来とは異なる新たな出口戦略を改めて公表することになったわけであります。
○委員長(藤川政人君) 時間が参っております。
○藤巻健史君 はい。 そういうことを考えると、日銀の公表は、もう公表してもいい時期じゃないかなと、シミュレーションを公表してもいいんじゃないかなというふうに思います。 時間が来ましたので、これで終わります。ありがとうございました。
○委員長(藤川政人君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後零時四分散会