財政金融委員会 第13号
- 発言数
- 188 件
- 登壇者
- 23 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 2017/05/16
会議録
○委員長(藤川政人君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日までに、矢田わか子君が委員を辞任され、その補欠として野田国義君が選任されました。 ─────────────
○委員長(藤川政人君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 金融商品取引法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として金融庁総務企画局長池田唯一君外九名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(藤川政人君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(藤川政人君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 金融商品取引法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に参考人として株式会社商工組合中央金庫代表取締役社長安達健祐君及び日本郵政株式会社常務執行役諫山親君の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(藤川政人君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(藤川政人君) 金融商品取引法の一部を改正する法律案を議題といたします。 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○大塚耕平君 民進党・新緑風会の大塚でございます。 今日は、本来は金商法の話から入らせていただきたかったんですが、前回の日程から今日に流れた間に商工中金をめぐって問題が発生しましたので、そのことからお伺いをしたいと思います。 金商法については私ども基本的に賛成でございますので、後ほど同僚である古賀さんや藤末さんから細かい論点についてはお伺いしたいと思います。 また、商工中金のこの不祥事とあえて申し上げますが、不祥事に関して概要を大臣にお伺いしたいというふうに通告はしてありますが、もう概要は十分承知しておりますので、商工中金社長に今日はおいでいただきました。まず、この件をめぐっては多分参議院に初めておいでになると思いますので、商工中金に出資を認める立場である、また商工中金に絡む様々な予算や制度を認める立場である当財政金融委員会において、今回の件に関して社長としてまず一言申し述べていただきたいと思います。
○参考人(安達健祐君) 国費が投入されております危機対応業務におきまして不正行為を発生させましたことにつきまして、危機対応業務の指定金融機関としての信頼を大きく損ねてしまったことに深く反省しております。この場をお借りいたしまして、国民の皆様に対して心よりおわびを申し上げたいと思います。誠に申し訳ございませんでした。 事案の発生以降、調査の客観性、中立性、専門性を確保するため、第三者委員会を設置し、同委員会の調査に全面的に協力してまいりました。四月二十五日に調査の結果の報告を受けました。報告書によりますと、危機対応業務の要件確認において、長年にわたり、全国的な広がりを持って試算表等の改ざん行為が行われていったことが確認されました。また、二年半前に池袋支店において不正行為を把握する機会があったにもかかわらず、当時の管理部門が不適切な対応を行った結果、問題事案が適切に把握されなかったことが判明いたしました。誠に重く受け止めております。 五月九日、主務省から業務改善命令を受けたことを非常に重く受け止めております。今後、業務改善命令に従いまして、調査未実施の危機対応貸付けの全件の調査を継続し、問題の所在と根本原因を特定し、全容解明を進めた上で、ガバナンスの抜本的強化を含めた再発防止策の策定等、必要な対応にしっかりと全力で取り組んでいきたいと考えてございます。 今回は誠に申し訳ございませんでした。
○大塚耕平君 もう商工中金としては各党の会議等に呼ばれているというふうに思いますけれども、社長は今までどの党の会議には出席をされましたですか。
○参考人(安達健祐君) 自民党の会議に出席させていただきました。
○大塚耕平君 これは事柄の性質上、公明党さんや共産党さんや私どももまたお招きをいたしますので、それは役目柄しっかり御出席をいただくべきことだと思いますので、そのようにお願いをしておきます。 その上で、そういたしますと、うちの部門会議でもいろいろ議論をしましたけれども、そこで出た質問やら意見やらはお聞き及びだという理解でよろしいですか。
○参考人(安達健祐君) はい、報告を受けてございます。
○大塚耕平君 この問題については、自民党の長峯理事にも御了解をいただいて、またあさって一般質疑でもさせていただきますが、二、三、あらかじめお伺いをしておきたいというふうに思います。 報告によりますと、大変多数の書類の改ざんと、それによる危機対応融資の不正実行が行われたわけでありますが、取引先の皆さんが了解の上で行われた事案はないというふうに内部の会議では商中の副社長さんから伺いましたが、そういう理解でよろしいですか。
○参考人(安達健祐君) 第三者調査委員会の國廣弁護士が第三者委員会報告書の結果を会見いたしました。その場で、取引先との共謀とかそれからキックバックはあったのかということについて、それは見事になかったということを、調査の結果として、そういうことは一切なかったというふうにおっしゃってございます。 今後、我々はまた調査を継続いたしますけれども、そのことにつきましてもきちっと調査していきたいというふうに考えてございます。
○大塚耕平君 当然、内部での調査結果は社長として熟知をしておられるというふうに理解をしておりますし、今お伺いしたところ、各党の会議で問われたことについても報告を受けているということですのでお伺いをしているわけであります。 今の御答弁ですと、取引先からキックバック等を受けたということはなかったということは第三者委員会で聞いたということでありますが、私がお伺いしたのは、取引先もこういう、本来は要件に当てはまらない融資なんだけれども、書類を改ざんしてでもこの融資を受けるということを了解済みで実行されたという事例はあったんですかというやり取りが我々の内部の会議でもあったんですが、それはなかったという御報告だったんですが、社長もそういう御認識でよろしいですか。
○参考人(安達健祐君) 第三者委員会の調査結果としては、取引先が私どもが不正をしているということを理解している、了解しているものはなかったということでございます。
○大塚耕平君 という前提でお伺いをしたいわけですが、その上で、本来行われるべきでなかった融資に伴う利息の減免等々については全部返還を受けたという報告も聞きましたけれども、それも事実ということでよろしいですか。
○参考人(安達健祐君) 今回、危機対応融資の要件に該当しないものについて融資実行し、利子補給したものに対しては、それは私どもの不手際でございますので、お客様に対しましては我々のプロパー融資に切り替えて、かつ利子については私どもの負担で利子補給したものと同じ水準の利子を設定させていただいてございます。 したがいまして、お客様から利子を返還していただいたということではございません。
○大塚耕平君 ということは、それは我々が内部の会議で、経産省、財務省の担当者並びに副社長もおいでになりましたけれども、その際にお伺いした内容とは今は全く違うことを御答弁されましたので、もう一回確認の上、あさって審議に臨んでください。 といいますのは、我々の内部の会議で聞いたときには、その不当な減免分は全部返還を受けたというふうに聞いたわけでありますけれども、しかし、社長もその前にお認めになったように、事情を了解した上でこの不正融資を受けた取引先はなかったわけですから、取引先には実は返還義務はないんですよ。だから、返還義務はないものを返還を受けたという御報告を受けたので、それはおかしいのではないですかということを指摘をしておりますので、内部の会議で。そういうことはきちっと御報告を受けていただきたいと思いますし、受けているというふうにおっしゃったので今お伺いをしているわけであります。 念のためもう一回確認しますが、返還を受けたという事実はないということでよろしいですね。
○参考人(安達健祐君) お客様から返還を受けたことはございません。ただ、私どもがその利子を日本政策金融公庫から補填していただいていましたので、その補填分については日本政策金融公庫に私どもから返還をしてございます。返還は、私どもから政策公庫への返還でございます。
○大塚耕平君 今、商工中金の株主はどういう状況ですか。一〇〇%政府という理解でいいですか。
○参考人(安達健祐君) 四六%政府で、残りが中小企業の組合、中小企業の組合員の構成員でございます。
○大塚耕平君 ということは、政策金融公庫に商工中金としてその補填分の利息を返還したということは、五四%の株主の了解は取ってそういう行為はされておられますか。
○参考人(安達健祐君) 返還した分は一億三千万円でございます。これから、まだ手続は終わってございませんけれども、それは今度の株主総会で御説明を申し上げたいというふうに思ってございます。
○大塚耕平君 それはちょっと順番が逆のような気がするんですが、どういう社内の意思決定によってその処置が決まったんでしょうか。 四六%の政府に対しては、それは財務省や経産省に対して、こういう事後処理をしますということで御報告されれば、まあ政府側はそれで納得すればいいわけですけれども、残りの五四%の皆さんにはそれは事後報告でいいような事柄だということは定款のどこに書いてあるんですか。
○参考人(安達健祐君) 取締役決議でその財務を確定してございます。 定款のどこかと今言われましたが、ちょっと今、通告がないので手元に定款を持ってきていないので、お答えはちょっとできないんです。大変申し訳ございません。
○大塚耕平君 社長、もう経産省の事務次官ではあられないんですから、これ、通告があるとかないとかじゃなくて、これだけの不祥事が起きたことについて子細に全部把握しておられるのが社長として当然のことであります。ちょっと今の御答弁には私は驚きを禁じ得ませんけれども。 これは詐欺と一緒ですからね、やっていることは。いやいや、別に後ろを振り向かなくてもちゃんと向き合っていただければ結構です、御答弁し切れないものについてはまた改めてお伺いしますし。ちょっと、今回起きている事柄の重大さについて少し商工中金として御認識が甘いんじゃないかなという印象を受けております、率直に申し上げて。 組織的ではなかったという説明も受けていますけれども、改めてお伺いしますが、一体何件が調査の対象になり、そのうち何件が実際に不正であったと認定されたかという、その規模について改めてちょっとこの場で簡単に御報告いただけますか。
○参考人(安達健祐君) お答え申し上げます。 第三者委員会の調査でございますけれども、弁護士九名が三千三百時間を費やしまして、百五十五時間に及ぶヒアリングとか各種資料、サーバーやPC等を徹底調査した結果でございます。第三者委員会の調査手法は二つございまして、一つはリスクベースアプローチということでございまして、例えば、行為者が自分がやったとか、それからアンケート調査で浮かび上がったもの、それから最近の退職者のものというように、不正があるリスクが大きなところにつきまして一万八千件ほど調査をいたしました。それとは別に、一万件につきまして無作為抽出調査を行いました。合わせて二万八千件の調査を行ってございます。それによって、不正行為とされたものが七百六十件、人数について九十九名でございます。 それで、今申し上げたリスクベースアプローチでの判明した不正行為でございますけれども、不正行為は八・〇%の割合で出てまいりました。それからもう一つの無作為サンプリングでは〇・五六%ということで、十四倍の差が発生しておりまして、手法の適切性を裏付けていると第三者委員会ではしてございます。 現在、だから、これによりまして、二十二万件のうち二・八万件、一二・六%が調査されたということでございますので、残りについては、今後商工中金の方で、外部の監視の御指導もいただきながら、きちっと調査を継続していきたいと考えてございます。
○大塚耕平君 ちょっと国会が緩んでいるというのは何度もこの場でも申し上げて、それは半分以上が、私どもというのは、まあ私は所属が民進党でありますが、民進党の責任でもあり、大いに反省をしている次第なんですけれどもね。 もちろん、今の現社長が在任中にスタートした話ではありませんから、今そのお立場にたまたま座っておられるというその偶然には一定の理解をいたしますけれども、これ、国会が緩んでいるからここに至るまで非常に緩い対応で社長も臨んでおられますけれども、これ、事柄の重大性から考えたら、社長自らが衆参の財金委員会の委員のところを全部回っても全然不思議ではない案件ですよ。もちろん事務方の方は説明に来てくださり、いや、事務方は来ていないかな、経産省と財務省が説明に来ましたけれどもね。これは与党の先生方にも是非少しお含みおきいただきたいのですが、私なりの経験年数の中で起きた様々な事案と比較してみると、これは社長自ら少なくとも委員長のところにはいらっしゃるべきことでありますし、ちょっと御認識が甘いんではないかなというふうに思います。 その上で、またあさって何らかの形で、私か、あるいは私以外の者が我が党としても質問をさせていただきますが、財務大臣にちょっとお伺いしたいんですが、商工中金に対する政府の出資というのは将来的にはゼロ%にする方向という理解でよろしいですか。
○国務大臣(麻生太郎君) 基本的には我々としては、民営化ということの方向について、完全民営化というものの方向というのは堅持していってやっていかないかぬと思っておるんですけれども、危機対応の話につきましては、これはなかなか、災害とかそういったときになりましたときの危機対応のことにつきましては、なかなか民間で対応し切れないケースが続出した例がこれまでにもありますので、そういったもの等よく考えながら、いろいろ必要な株式はある程度保有しておきながらやっていかないかぬなという感じでいるというのが基本的姿勢であります。
○大塚耕平君 実はこの危機対応業務は、麻生大臣が総理であられたときのリーマン・ショック対応として、私どもも当時参議院では多数派を形成させていただいておりましたので、危機対応プランとしてこの危機対応業務をしっかり使うべきだということも御提言申し上げて、そしてしっかり御対応いただいた延長線上に今の仕組みがあるわけです。その仕組みを、言わばビジネス上のシェア拡大、他行との競争に負けないために書類を改ざんして随分多用されたというのは、何ともじくじたる思いが我々もあります。 そこで、将来的に商工中金を完全民営化するということであれば、民営化された先にはこの危機対応業務はできないということだと思いますので、もはや商工中金からはこの業務は除外をしてもいいんではないかなと私は思っておりますし、そうでないとしても、当分の間、こういう公的業務に関する対応は差し止めるというような行政処分をしてもいいんではないかなと私は思っておりますけれども、大臣、その辺はいかがでございましょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 今回の事案というものを踏まえて、我々としては、商工中金におけます危機管理対応について、今風の言葉で言えばガバナンスを強化するということに関しましては、我々としては必要であろうとは考えておりますけれども、直ちに完全民営化をすべきかといえば、その点に関してはいささか、今の状況を考えるとそこまでは踏み切っているわけではありません。
○大塚耕平君 もう最後にいたしますけれども、社長には是非、事の重大さをもう一度再認識をしていただいて、国会にも向き合っていただきたいと思いますし、事後処理にもしっかり当たっていただきたいと思いますが、商工中金の在り方については、商工中金が公的業務とどう関わり合うべきかについてはまた改めて別の機会に議論をさせていただきたいと思います。 これで終わります。
○古賀之士君 民進党・新緑風会の古賀之士でございます。 先ほど大塚理事からは、今回は金商法に関してというお話がございましたし、またそれに関しまして詳しくは私どもからというふうなお話もありましたですけれども、通告を既にさせていただいております。私からも、商工中金のその不正貸付けに関しまして御質問をさせていただきます。 商工中金の不正の貸付けの問題につきましては、もう皆様よく御存じかと思いますが、融資実績を増やそうと、経営が悪化した企業支援のために危機対応融資制度を濫用して、本来は融資対象にならない企業に対しましてこれまで分かっているだけでおよそ二百億円資金を貸し付けたと、融資できるようにしているということでございます。 これにつきまして、まず資料の一、御覧いただきたいんですけれども、行政処分を受けたことに対しまして商工中金がプレスリリースを五月九日付けで出しております。この中に、取引先の皆様、そのほか多くのステークホルダーの皆様に多大なる御迷惑と御心配をお掛けしておりますことを改めて深くおわび申し上げますとございます。 しかし、まずは、このプレスリリースに関しましては、やっぱり国民への謝罪が必要ではないかと感じておりますが、この点につきまして麻生財務大臣のお考えをお伺いをいたします。
○国務大臣(麻生太郎君) これは、商工中金におきましては、危機対応業務というか、融資の際に、これは、顧客受領資料というものを改ざんするなどの不正行為が行われたという話はまずふざけたところなんですが、このステークホルダーにつきましては、これ取引先のみならずこれは国民も含まれておるということですから、少なくとも商工中金において先般の謝罪のこの話というのはその認識の下に行われているんだと私自身はそう思っております。
○古賀之士君 ありがとうございます。 ただ、お言葉でございますが、ステークホルダー以外の皆様方、国民の皆様方に対して、といいますのも、やはり先ほど社長からもお話がありましたけれども、国費を投入しているというこれ大前提でございますので、是非、ステークホルダーの皆様方の中に国民がいらっしゃるという考え方も一理あるかと思いますが、その一方で、国民の皆様方の中にこそステークホルダーの皆様が一部いらっしゃる、あるいはその関係の皆様方がいらっしゃるという考え方もある種自然ではないかと思いますので、是非お考えをいただければと思っております。 さて、続きましての質問に移らせていただきますが、資料の二、御覧ください。この中ほどに、第三者委員会の報告書、池袋事案の発覚時に社長は首や報酬の返上もいとわないというふうに発言しています。つまり、かなりこの辺は危機意識をお持ちですし、しかもこれはかなり重要な、いや、かなりどころか極めて重要な、重大な問題だというふうに御認識があることがにじみ出ております。 また、資料三、これはみずほ銀行さんの事案でございますが、これにつきましては、多少その当然事案の性格というものや具体性というものは異なりますけれども、このみずほ銀行の事案では会長は辞任、頭取は一年無給となっております。 しかしながら、資料の四、更にめくっていただきますが、今回の事案に関しまして、現時点では商工中金の関係者の処分といいますのは、関係のこの資料の四を見ていただきますように、現社長と副社長並びに元社長と副社長が報酬月額の三〇%、二か月分を自主返納というふうに書かれてございます。これにつきましては、この処分は軽過ぎるのではないかという声も上がっております。 これにつきまして、麻生財務大臣はどのようにお考えでいらっしゃいますでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 四月の二十五日に商工中金が公表した役員処分の内容につきましては、現役の役員に加えて代表取締役については過去に在任していた者というものも含めて給与の自主返納を求めたものだと承知をしております。 これらの処分内容につきましては、これは第三者委員会が実施いたしました、二・八万件だったと記憶しますが、危機対応貸付け全体の約一二%、一二・六%を対象とした調査の結果を踏まえて商工中金において判断されたものだと認識しておるんですが、この問題の解決のためには、これは徹底した内容の洗い出しというか、解明するというか、きちんとするというのが必要なんだと思っておりますので、五月の九日に継続調査の実施とか根本原因の特定などを求める業務の改善命令を出したところであります。 今回の業務改善命令によって特定された根本原因などを踏まえた上で、担当役員の管理責任の明確化とか不正行為を行った職員の処分とか等々について、商工中金に対して更なる対応を求めてまいりたいと考えております。
○古賀之士君 ありがとうございます。 今、麻生財務大臣が御答弁になりましたように、現時点での調査が一二・六%、全体のおよそ八分の一の段階でのこれは処分だというふうに認識をいたしました。 また、徹底的に究明、解明をしていく、またその善後策も考えていきたいという、これは大臣とも今後の方向性については意識を共有させていただいたと認識をしておりますので、是非この点について、全ての調査が終わった段階でも結構ですので、しっかりとこの処分については追加も含めて御対応いただけたらと考えております。 現実に追加での処分というのは決して珍しいことではないわけでございますし、現時点での調査も、何度も繰り返しますが一二・六%、全体のおよそ僅か八分の一の状況でございますので、認識の共有をせっかくしていただいたのですから、是非その辺もしっかりとお考えいただければと思っております。 では、続きましては、資料の二ページに戻らせていただきます。 この資料二のページの上段、五行目ですが、下線部分で、池袋事案のときに社長が、指定金融機関を剥奪されるような最悪の事態を想定したとあります。つまり、重大かつより大規模な不正が明らかになったわけでありますから、これ、危機対応業務の剥奪や停止、先ほど大塚理事からも御指摘がありましたけれども、社長が述べましたこのコメントも含めて、危機対応業務の剥奪や停止というのがこれは必要ではないか、こういう点が一点。それから、社長が述べました経産事務次官経験者の相場観という言葉も出てまいりますけれども、これにつきまして経産省はどのようにお考えでしょうか。
○政府参考人(吾郷進平君) 商工中金は、指定金融機関といたしまして、危機の状況において民間金融機関からの資金調達が困難となる中小企業に対して融資を行う危機対応業務を実施しているところでございます。現時点におきまして、危機対応業務を行う指定金融機関となっている民間金融機関が存在していないということを踏まえますと、資金繰り支援に万全を期すためには、商工中金による役割が必要であると考えております。また、昨年末、不正事案の発覚を受けまして、新規貸出しについては危機対応要件の確認を全件本部で協議をするなどの当面の対応策を取っていることもございます。こうした点も踏まえまして、現時点では危機対応業務の停止命令等の措置は行っておりません。 しかしながら、今般の不正事案はもとより、平成二十六年十二月に商工中金の池袋支店において、顧客から受領した資料の改ざんが疑われる事案が多数発覚しました際に、問題が適切に把握されず十分な対応がなされなかったことは商工中金の経営管理態勢、内部管理態勢及び法令等遵守態勢に問題があったものと認識しておりまして、私どもとしましても大変遺憾に存じております。 こうした問題を根絶すべく、五月九日に商工中金に対して業務改善命令を発出し、全件調査により問題の所在、その根本原因を特定することなどを求めたところでございます。その全容解明の結果を踏まえた上で、直接関与した職員の処分や担当役員の管理責任の明確化とともに、ガバナンスの抜本的な強化に向けた組織態勢の見直しの検討など、更なる対応を求めてまいりたいと考えておるところでございます。
○古賀之士君 それはそうなんですよね。確かにこの危機対応の融資制度そのものを否定しているわけではないんです、それは是非誤解のないように。実際にその危機対応融資制度をしっかりと活用をして、そして何とか立ち直りたいんだと、あるいはきちっと健全な企業活動に戻りたいんだ、そういうもう本当に至極真っ当な企業関係者の皆様方はそういう形でこの制度を利用されている方がほとんどだというふうに思います。 ただ、今おっしゃったように、必要だからこそ逆に言うとわざわざ相手企業の、これは赤字が前提になっているわけですけれども、そういう相手企業さんの数字、データまで改ざんしてまでやらなきゃいけないのかという大きな疑問にたどり着くわけです。そしてまた、それが今回の重要な案件として、しかもこれは単発ではなくて広がりを持っている。一部報道では三十五支店、八百件以上だということも言われているわけです。その御認識を含めた上で是非御答弁をいただきたいと思っております。 更にお伺いをいたします。 では、その池袋事案のときには中企庁に報告したようですけれども、その後の対応というのは適切だったとお感じでいらっしゃいますか。
○政府参考人(吾郷進平君) 経済産業省といたしましては、その池袋事案の発覚直後から一貫して徹底した調査を行うよう指示をしたところでございます。商工中金において問題事案が適切に把握されず、十分な対応がなされなかったことは、その管理態勢や法令等遵守態勢に問題があったものと認識しておりまして、大変遺憾に存じます。また、結果といたしまして、商工中金において十分な対応がなされず、また今般のような不正事案の発生を防げなかったということは事実でございまして、商工中金を監督指導する主務省として大変重く受け止めておるところでございます。 このため、今後、徹底的に問題を洗い出し、全容を解明していく中で、国の監督の在り方について検証をし、その結果を踏まえて必要な対応を取ってまいりたいと考えております。
○古賀之士君 ありがとうございます。国の対応を取っていくという言葉も非常に重い言葉として受け止めさせていただきます。 更にそこで質問をさせていただきますが、危機対応業務の範囲を見直すお考えというのは現時点でおありになるんでしょうか。 資料の、更にめくっていただきまして五、ここに平成二十九年五月一日現在の危機対応の認定事案という一覧表が出ております。この中で、先ほどから申し上げておりますけれども、当然これ必要な危機対応の事案というのがいっぱいございます。例えば二の中でも、右上の二に書いてありますが、例えば原材料・エネルギーコスト高対策特別相談ですとか、新型インフルエンザ関連の中小企業金融支援対策ですとか、口蹄疫に関する云々とか、いろいろ書いてあるわけですが、ただ、例えばその下に書いてありますデフレ脱却等特別相談窓口、例えばこういうのは、これは善意に解釈すれば当然必要なことですし、あってもいい話なんですけれども、その一方で、どういう問題にでもこれかぶせることができる、そういううがった考え方を持てばどうしても、本当にこれはいいんだろうかと、更に深く見ていかないと見えてこないものも出てくるのではないかと思っております。そこで、こういった書類は、デフレ脱却関連に全部してしまえることももしかすると可能なのかもしれないとも思ってしまうわけです。 そこで、お伺いをいたします。危機対応業務の範囲というのを、これは当然政府としてのお考えになってくると思います。麻生財務大臣、一部だけでも見直すお考えというのはこの時点でございますでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) これはもう古賀先生御存じのように、この危機対応の業務というのは、もう経済環境の大きな変化というのも物すごく今、デフレの話もされましたけれども、そういうのも、というのもありましょうし、災害もあるでしょうし、テロなんというものもありますでしょうし、日本はテロがないじゃないかと言った訳の分からぬ人いたけど、五千人も霞が関でテロに巻き込まれたということをきれいに忘れている人もいるんですよね。あれぐらい大きなテロがどこにあったんですと申し上げたことがあるんですけど、あれによって影響を受けた人というのは、実は余り出なかったろうし、かなりな数に上っていますから、そういったような話もありますので、こういったことを考えますと、指定金融機関であります商工中金等が、日本政策金融公庫からいわゆる信用供与を受けて中小企業に対する必要な資金というのを貸し付ける業務を行うというのがいわゆる危機対応業務というものなんだと思いますが、どのような危機を危機対応の対象にするかにつきましては常に考えておかなきゃいかぬでしょうし、またそういったものの対象から外すかについても同様に考えておかなきゃいかぬということは全く私どもも同じでありますので、これまでもその点に関しましては適切に判断してきたところだとは思っておりますので、今後ともこういったところに関しては必要に応じて見直しをしていくというのは大切なことだと思っております。 いずれにしても、この危機対応業務というものの制度の趣旨というものの徹底というものがこれは不十分だったということが一番問題なんだと思っておりますので、この業務の本旨にのっとった業務というものがきちんと行われるように、これはしっかり私どもとしても監督をしてまいらねばいかぬところだと考えております。
○古賀之士君 そういう意味でも、今、麻生財務大臣がしっかりと共有の意識を持っていただいたというのは大変有り難いと思っておりますし、また、見直すお考えも前向きに御答弁をいただいたと理解をしております。ありがとうございます。 更にお伺いをいたします。 この第三者委員会の報告書、さらに資料の、一枚めくっていただきまして、資料の六、中ほどに下線の部分がございますけれども、これは、社長が、危機対応業務の予算数字は行政府と立法府の意思として執行しろというもので、その意思に沿うよう執行することは必要だと思っていたとあります。つまり、政府系の金融機関として、行政府、立法府、つまり国の意思を執行しろというものだから、適切にこちらは処理をしていくという、そういう認識だと。こういう社長の認識が逆に現場レベルまで不正が起こってしまった間接的な原因、つまり現場の方での要因の中には、これはノルマだというような報告も上がっております。 つまり、そういうノルマ意識、例えば、この危機対応の融資制度というものに関しましては、これ、本来ノルマというものがあっていいのかどうかというのは若干これは皆さん方からも御意見の交換が必要だとは思うんですけれども、ノルマありきで融資しますよ融資しますよというような形になっていたのではないかと。それは、元をただせば、こういった行政府と立法府の意思として執行しろという社長の御意思がやっぱり働いたものなんではないだろうか、こういうことを考えてしまっての御質問なんですが、麻生財務大臣はこれはどういうふうにお考えでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 御指摘の社長のインタビューについてのこの発言について、これは、趣旨がちょっと私も必ずしも明確ではありませんので政府としてのコメントとしては差し控えさせていただきますけれども、その上で、古賀先生、申し上げさせていただければ、いわゆる危機対応業務については、その時々、その状況状況に応じて経済とか金融の情勢なんかを考えたり反映したりしたいろいろ経済対策をするわけですけれども、それにのっとって、業況が特に悪化している中小企業というものの資金繰りに万全を期すというのが本来の目的ですので、十分な事業規模は確保してきたからこれまでそれなりの効果があったんだと私ども考えております。 商工中金においては、本来はこれは経済環境の大きな変化などの影響を受けた事業者に対してのみ活用されるべき危機対応業務というものについて、制度の趣旨に沿った運用というのが徹底できていなかったというところが一番の問題なんじゃないんですかね、これは、そう思いますので、今回の業務改善命令によって特定をされておりますので、根本原因等々をきちんと踏まえた上で、ガバナンスの強化等々に関しまして、商工中金に対しましては更なる対応を求めてまいりたいと、さように考えております。
○古賀之士君 制度としても、是非ひとつ、この辺の意思というものに関しましては、それぞれの現場が認識をどう考えるかという大きな問題にもなってまいりますので、是非その辺も含めて、今後の商工中金の在り方というものに関しましては、是非また意見交換なり御指導いただければと思っております。 さて、資料七、次の資料をめくっていただきたいんですが、危機対応融資は大きな利益を期待できないのに商工中金の本来業務、責務である点に矛盾があるとしております。これは第三者委員会の報告です。また、資料の八、こちらの下線部分にも指摘しておりますが、民営化問題に関連するこれ政治的プレッシャーも一つの要因とも指摘されております。 この第三者委員会の指摘につきましては、麻生財務大臣はどのようにお考えでいらっしゃいますでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) これ、商工中金につきましては、完全民営化の方針というのはこれはもう堅持しつつ、民間によります危機対応というものが十分に確保できないというようなところを考えると、やっぱりこれはしっかり確保されるまでの間、国内の危機の対応というものの能力を確実にしておくためには、いわゆる商工中金法というものによって危機対応業務というのをこれ義務付けをしておるわけです、この法によって。 したがって、第三者委員会の調査結果においても御指摘をされているとおりですけれども、本来の経済環境の大きな変化というものなどの影響を受けた事業者に対してのみ、先ほど申し上げましたように、事業者に対してのみ活用されるべき危機対応業務について、これは商工中金における制度趣旨の徹底が不十分だったということなんだというように理解をされないかぬところなんだと思いますが、この制度の趣旨に沿って適当なとか、しかるべき運用というものを確保するために、これはガバナンスの整備というものがされていなかったということなんだというように、これ、今回の状況を見ると、そういうふうに理解されてしかるべきなんだと思って、更なる対応をこの点については求めていくということだと思います。
○古賀之士君 分かりました。 では、次の質問に移らせていただきます。 資料の九、御覧いただきます。この第三者委員会が今回報告書を作成するに当たりまして感じた中に、役職員間のメールがこの商工中金の場合は六十五日間で自動削除される仕組みになっていると、これが事後検証が困難であると指摘されております。この件につきまして、財務省はどのようにお感じでしょうか。
○政府参考人(太田充君) 第三者委員会の調査結果において御指摘いただいていますとおり、過去の事実関係に関する事後検証を可能とする体制の整備は重要であるというふうに認識をしておりまして、メールのみならず、多様な観点からこうした体制整備が行われる必要があるというふうに考えてございます。 今回の業務改善命令により特定された根本原因を踏まえまして、十分な事後検証を可能とする体制の整備も含めましたガバナンスの強化等に対して、商工中金に対し更なる対応を求めていきたいと考えております。
○古賀之士君 つまり、森友学園問題でもありましたけれども、財務省のメールが自動消去されたことが明らかになっておりまして、これはある意味共通する問題だと考えておりますが、これについてはどうお考えですか。
○政府参考人(太田充君) 財務省本省内の電子メールのデータについては、メールサーバーの容量等々もあって、一定期間、六十日を経過したら自動的に消去、削除されるということを申し上げてきております。 ただ、いずれにいたしましても、財務省におきましては、公文書管理法という規定がございますので、その規定にのっとりまして、保存が必要な行政文書等につきましては紙媒体等において規定にのっとって適切に保存しておるというふうに考えておるところでございます。
○古賀之士君 その規定にも問題があるのではないかという声も上がっております。それについても御指摘をさせていただいておきます。 少なくともこのメールを含めたという御答弁ですが、結局、それぞれの職員や役員間でのメールがないということで、非常にこの第三者委員会も事後検証するに当たって本当に苦労をされていらっしゃるということが、あえてこれ、ページを割いて書かれていらっしゃるわけです。 ですので、今後のやっぱりメールの保存に関して、サーバーの容量に限界があるというようなことの御指摘も今ありましたけれども、しかし、これから先何か問題が起こったり、あるいはまた事後検証していく場合に、先ほどの問題のみならず、今回のこの商工中金の問題でも、メールがない、これは六十五日間で自動削除されているということで更に検証が難しくなっている。いわゆるもう皆さんたちに一連アンケートを取って、そしてその膨大なアンケートの資料の中で調査していくしかない。しかも、そのアンケートが本当のことを書かれているのかも正直まだ分からない。九人の弁護士の方がおっしゃっていますが、膨大な職員の皆様方のアンケートを短期間で処理するだけでもこれ大変な作業でございます。 その中で、手掛かりになるメールの処理、メールの対応につきましては是非見直しを御検討いただきたいと思いますし、もちろん、そのほかの公文書も含めまして、改めるべきところは是非改めていただきたいと要望を述べさせていただきます。 では、次の質問へ参ります。更に次のページでございますが、資料の十でございます。 金融庁は内部統制に関するメールを保存するように求めているようにこれは読めますけれども、これは、申し訳ございません、通告しておりませんけれども、この情報の開示、これにつきまして、重要な案件でもございますのでお答えいただけませんでしょうか、金融庁に対しての質問でございます。
○政府参考人(池田唯一君) お答え申し上げます。 金融商品取引法では内部統制報告制度といった制度が導入されておりまして、上場企業におきましては財務報告に係ります内部統制の整備を行うことが求められておりまして、その整備に関しまして内部統制報告というものを作成することが義務付けられております。そして、その内部統制報告の適正については会計監査人の監査を受けるというのが金融商品取引法の制度で定められているところでございます。 そうした制度の下でどのように内部統制を整備していくかということは、基本的に企業の主体的な判断により行われるものでございます。その際に、内部統制報告制度の下での内部統制整備については実施基準というものが存在しておりまして、それについて記述されているものがお示しいただいている資料だと理解をしております。 ただ、いずれにしましても、これは一つの指針のようなものでございます。こうしたものを踏まえながら、最終的には各企業において主体的に判断して整備が行われる、そういう制度になっているものでございます。
○古賀之士君 済みません、ありがとうございました。 ですので、情報開示に関しましては是非前向きに、内向きにならないでいただければと思っておりますし、また、そのメールの保存を、これは第三者委員会として、これは私が言っているわけではなくて、これは第三者委員会がメールの保存を求めているようにも読み取れるわけですので、是非こちらも前向きに御検討いただけたらと思っております。 さて、資料をちょっと戻していただきまして、次は八の二の部分でございます。もうお時間もだんだんなくなってまいりましたので、麻生財務大臣に結びに伺います。 その資料の八の二、第三者委員会の報告によりますと、日本型不祥事の典型というふうに指摘もされております。この点も含めまして、今回の商工中金の不正の貸出し、大事な国費が投入されたこれは問題でございますけれども、どのようにお考えなのか、まとめていただければ有り難いです。よろしくお願いいたします。
○国務大臣(麻生太郎君) 日本型不祥事の典型、なかなかいい表現というか味わい深い表現ですな、これは。 少なくとも、この池袋支店でしたっけね、これで発生したこの事件についての本部に対しての対応について、その場の空気でとか何となくとかいうような話になっているというところがたしか書いてあったと記憶しますけれども、まあ、簡単なことを言えば、これは集団的な隠蔽工作じゃないかということが、端的にはそういう表現ですよ、これは。そういうことになっているんだと思いますので、これは商工中金だけで発生した特殊な事件じゃないということも暗にこれ述べておるのであって、ほかにも起こり得るんじゃないんですかということを、これ第三者委員会としては日本型不祥事の典型という表現で指摘をされているんだと、私どもにはそう聞こえますので。 この対応については、甚だ遺憾な話なんですけれども、この第三者委員会の、何というのかな、指摘というものを踏まえた上で、この事案の問題解決のためには、これは徹底的な洗い出しやらないかぬという話と同時に、これは商工中金に限らずほかのところにもこういったようなことが起こり得るということを腹に収めて対応しなきゃいかぬことなんだと思いますので、いずれにいたしましても、一層の対応を求めてまいりたいと、かように考えております。
○古賀之士君 ありがとうございます。 日本型のそういう不祥事の典型という言葉には、確かに今財務大臣がおっしゃったような意味合いも当然含まれると思いますし、また、逆にこの日本型の不祥事の典型というものをこれ看過していいものだろうかと。つまり、これはもうどこでもやっていることだから、これはもうしようがないねというような話にしてしまっていいものだろうかというふうにも読み取れる部分でもございます。 したがいまして、この国の行く末を考えていく、まして大きな予算を組んでいくという参議院の財政金融委員会にありましては、麻生財務大臣、また副大臣、またまた金融庁長官ですとか日銀の総裁なども、本当にこの日本の経済を、行く末を左右するキーパーソンの方々が、重鎮の皆様方が多数御出席、御参加をされていらっしゃいます。したがって、その方向性や御発言が、極めて今後の日本のこの不祥事全体、経済だけではなく、その空気ですとか雰囲気、極めて重要なことにもなってまいります。 是非、そういう部分では、国民の一部の中には、もしかすると、ああ、もうこういうことがまた起きたね、どこでもやっているんだねというような思いのままで行くのを、声もあるかと思いますけれども、そうではなく、やはりここはしっかりとできるだけ日本型の、では解決方法をどこかで見出していこう。日本というのは、世界的に見れば、異常なまでに正常な国とも言われております。ある意味、その正常な部分をしっかりと世界にアピールするということも大事かと思いますので、是非その辺を、麻生財務大臣始め、リーダーシップを発揮されることを大いに要望をして、質問を終わらせていただこうと思っております。 まだ少し時間がございますけれども、この問題につきましてはまたあさっても皆様方が取り上げていただくということでございますし、また、先ほど大塚理事からも御説明がありましたけれども、金商法につきましては私たち会派も賛成の立場でございますので、また鋭意、意見、補足等がありましたら、またまとめて機会がありましたら御質問させていただきたいと存じます。 これで質問を終わります。ありがとうございました。 ─────────────
○委員長(藤川政人君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、野田国義君が委員を辞任され、その補欠として藤末健三君が選任されました。 ─────────────
○藤末健三君 民進党・新緑風会の藤末健三でございます。 今日は金商法の改正案の審議でございますが、まず冒頭に、学校法人森友学園への国有地の格安売却問題について質問させていただきたいと思います。面会記録の破棄に係る判断の妥当性ということでございます。 平成二十九年四月二十五日の財政金融委員会で事案の資料に関する会計検査院の答弁があったわけでございますが、この森友学園の契約は十年間の分割払でございまして、さらに支払が遅延した場合の延納の規定も含まれているわけでございます。 この事案の終了時期は、契約成立時ではなく、売買契約の代金が完済された時点とすべきではないかと考えますが、財務省佐川理財局長のお考えをお聞かせください。
○政府参考人(佐川宣寿君) お答え申し上げます。 財務省におきましては、公文書管理法の規定に基づき制定されてございます財務省行政文書管理規則にのっとり文書管理を行ってございます。個別の面会の記録は、組織で共有した後に、最終的には決裁文書の形で組織としての意思決定として集約されていくことから、保存期間は一年未満とされ、保存期間満了時期につきましては、時期を明確化する観点から事案の終了後とする取扱いとしてございます。本件の処分に関しまして、昨年六月の売買契約締結をもって、売買契約書の決裁を行った時点を事案の終了と判断してございます。 国有財産の売払い代金につきましては国有財産の特別措置法におきまして分割払が認められているところでございますが、森友学園との売買契約におきましては、延納代金に係る債権を保全するため、確実な担保として売払いした土地に順位番号一番の抵当権を設定するとともに、債権の保全あるいは用途指定の履行確認のために契約上実地調査を行う等の契約条項を入れているところでございます。 まさにこの延納も含めました契約の経緯につきましては、契約書に組織としての意思決定が集約されているところでございます。したがいまして、それまでの面会の記録につきましては、この契約をもって保存期間満了と取り扱い、公文書管理法に基づき適切に対応しているところでございます。
○藤末健三君 局長にお聞きしたいんですけれど、お金を分割払で払っていますよと、途中で払えなくなりましたと、そこでいろいろ問題が起きたときに様々な資料がなかったら裁判とかそういうのに対応できないと思うんですけど、常識的に。どう考えます、局長。
○政府参考人(佐川宣寿君) 御指摘の、委員がおっしゃっているのは延納というか延滞のお話をされているのかもしれませんけれども、その延滞金の規定も含めましてこの契約書には全て入ってございます。延滞金の計算方法も入ってございます。延滞金も一定の時期までに納めなければならないというふうにも契約上書いてございますし、仮に契約上の義務が履行されなければこれはまた契約解除という方向も可能性としてあり得るわけでございまして、そういう意味では、延納あるいは延滞、用途指定、全てを含んだ契約書になっているわけでございまして、そういう契約書を結んだ時点で事案終了というふうに判断したということでございます。
○藤末健三君 いや、もうそれは会計検査院の考えとは多分違うと思いますよ、正直申し上げて。かつ、契約書だけ残っていればいいというものじゃなくて、契約書があって、問題が生じて裁判になるわけですから、そのときにいろんな様々な参考資料がなければ私は裁判で勝つことはできないんじゃないかと思います。まあ、ここで終わらさせていただきます。 具体的に、これから金商法の一部を改正する法律案の議論をさせていただきたいんですけれど、まず初めに、ハイ・フリークエンシー・トレード、HFTという取引について御質問させていただきたいと思います。 皆様のお手元に紙を配ってございますが、株式取引の変化というものを載せさせていただいております。上の方に従来の取引ということで、従来であれば、投資家であり、事業法人が証券会社を通じて、そして電話等でやって、そして注文などを証券取引所がマーケットで調整するということになってございますが、近年の取引は何かと申しますと、まず一つございますのが、電子取引システムということで、事業法人、機関投資家が電子システムを使い、そして証券会社を通じて取引するという方法もございます。ただ一方で、下の図にございますように、ヘッジファンドや独立系投資会社がそのままシステムで証券会社を通じて取引を行う。また、証券取引所の中に、電子取引システムと書いてございますが、コロケーションシステムといいまして、取引所の中にシステムを置いて取引するようなことも行われております。 正確なデータかどうか分かりませんが、今の取引において七〇%近くがこのようなコンピューターのプログラムを使った取引になっているんじゃないかということでございまして、このようなシステムを使ったハイ・フリークエンシー・トレード、もう一秒間に何回も取引をするような仕組みに対して規制を掛けることは非常に正しいと思います。 ただ一方で、このハイ・フリークエンシー・トレードは、もう超々々短期的な戦略としてプログラムで取引を行うということでございますが、そうなりますと、一方で、中長期的な企業収益に基づくような株価の形成が、逆にその足を引っ張るのではないかと、長期的な戦略で、基づいてどの企業がこれからどれだけ成長してどれだけの利益を上げるかという観点で投資をしている方々に対してはマイナスになるんではないかと思いますが、その点、金融庁、いかがでしょうか。
○政府参考人(池田唯一君) お答え申し上げます。 中長期的な投資を促進いたしますことは、企業の持続的な成長ですとか、中長期的な企業価値の向上に向けた企業と投資家の対話を促進し、日本経済全体の好循環を実現していくという上で極めて重要な課題であるというふうに考えているところでございます。 御指摘のあった株式等の高速取引がこうした中長期的な投資に与えている影響について正確に申し上げることは困難なところでありますけれども、高速取引につきましては、他の投資家よりも先に売買をすることで他の中長期的な投資家の売買の機会が制約を受けてその取引コストが増大するということがないか、あるいは中長期的な企業価値に基づく価格形成を阻害するということがないか、そうした懸念が指摘されていることは私どもも承知をしているところでございます。 そして、こうした懸念があることも踏まえまして今般法律の改正をお願いをしているところでございまして、登録制を導入させていただいて、体制整備、リスク管理を求めていくとともに、こうした高速取引の実態などを確認できるよう、ルール整備をお願いしているということでございます。
○藤末健三君 是非、市場においてこのHFTがどれだけの影響を及ぼしているかというのは調査をいただきたいと思います。このための法律整備でございますので、お願いしたいと思います。 私がちょっとお聞きしたいのは、このハイ・フリークエンシー・トレードがこれからまた進みますと、前にもございましたけれど、もうプログラムが勝手に取引をしますので、あるとき、そのマーケット、市場が変則を来すと一気にそのコンピューターのトレードが止まってお金を一気に引き揚げると、一斉に、呼応してということが実際に起きておりました。このようにコンピュータープログラムが一斉に動いて例えばマーケットをもう止めてしまうような事態が発生しないように、ほかの国では例えばマーケットメーキングの義務、プログラムの中で何か変動が起きたときにもう一斉に引き揚げてその取引をプログラムが止めてしまわないようにするような義務などを課しているところもございますけれど、この法案においてはどのような取決めになっているか、また、ない場合には今後どのように検討するかを教えてください。お願いします。
○政府参考人(池田唯一君) お答え申し上げます。 高速取引を行う者にマーケットメークを義務付けるべきではないかという御指摘かと思います。 一般論で申しますと、経済活動の自由ということがございますので、特定の投資者に一定の行為を義務付けるということには基本的に慎重に考える必要があるという点があると思います。それから、この問題について審議を行いました金融審議会における議論などでも、高速取引に過度の規制を及ぼすことで日本市場からそうした取引を完全に排除してしまうというような対応は適当ではないという指摘も数多く出されたところでございます。 そうした中で、今回の法律案では、高速取引を行う者に登録制を導入して、体制整備、リスク管理義務を課するとともに、当局への情報提供などの枠組みを整備するという対応を提案させていただいているところでございます。 金融庁としましては、まずは今回の制度整備を通じまして高速取引の実態等の把握に努めたいと考えておりますが、市場の動向を十分注視し、市場の公正性、透明性、安定性を確保する上で、必要があれば、適切に対応を検討していきたいというふうに考えているところでございます。
○藤末健三君 是非、現状を明確にしていただいて、制度づくりをやっていただきたいと思います。 そのときにひとつ御配慮いただきたいのは、恐らくマーケット、証券取引所のやはり国際競争がもう始まっていると私は思っております。ですから、もう日本国内で日本証券取引所が実際に利用者がどれだけ使いやすいものをつくるかということは非常に大きなポイントだと思っていまして、例えば細かいことをお聞きしますけれども、世界的には取引所の最小取扱金額、単位、ティックというふうに言っていますけれども、普通だったら現物であれば一円という感じになりますけれども、〇・〇〇一円の単位で取引できますよと。で、何があるかと申しますと、単位が小さいほど変化が激しいじゃないですか、起きるじゃないですか。ですから、単位が小さいほど変化が起きて、それで取引する利用者は便宜があるということで、逆に今、この単位、ティックがどんどんどんどん小さくなるという競争があります。それをどう考えるか、例えの一例として。 また、今回、ハイ・フリークエンシー・トレードを行う者は金融庁に届けるということが義務付けられておるわけでございますけれども、私、限られた範囲でございますが、やはりこのハイ・フリークエンシー・トレード、プログラムを使うITの戦いになっているわけでございますけれども、そういうテクノロジーとかノウハウが流出することを恐れて高度な技術を持ったハイ・フリークエンシー・トレードの投資家が市場から撤退するようなこともあるのではないかということを考えるわけですが、その点、いかがですか。簡単に申し上げますと、国際的なイコールフッティングをどう考えるかということです。お願いします。
○政府参考人(池田唯一君) 御指摘のとおり、市場のルールを考えていきますときには、国際的なイコールフッティング、整合性といったものは極めて重要な要素であるというふうに考えております。 御指摘のあった点のうち、まずティックサイズの問題でございますが、注文値段の刻み幅の問題でございますけれども、このティックサイズを小さくするということは、御指摘のとおり、投資家にとってより良い価格での約定が可能になって利便性が向上するという見方が一方であると思います。他方、過度にそうしたティックサイズが小さくなりました場合には、一つの価格当たりの注文数量が減少しまして、ひいては円滑な取引が阻害されるおそれがあるという見方もあると承知をしております。 そうした中で、両者のバランスの中でどうルールを設定していくかということかと考えておりますが、現状、我が国の状況を見ますと、過度なティックサイズの縮小競争が生じているとは必ずしも認識をしておりません。直ちに規制を検討するということが現在取引所で検討されているとは考えておりませんけれども、いずれにしても、今後の市場の動向を注視して、このティックサイズの点も含め、市場の公正性、透明性、安定性の確保には万全を期していきたいというふうに考えております。 それから、今回の法律案で、登録をしましたHFTから届出をいただくということでございますが、この点については、今回提案をさせていただいておりますルールの内容は、例えば欧州において来年の一月から導入が予定されているルールの内容とおおむね同等の内容になっていると理解をしております。 そうしたことで、今回のルール整備によって高速取引を行う主要な者が日本市場から直ちに退出するというようなことにはならないというふうに考えておりますが、いずれにしても、状況はよく注視してまいりたいと考えております。
○藤末健三君 是非、今回の法律が整備されますといろいろな調査ができるわけでございますので、やっていただきたいと思います。特に、取引所がハイ・フリークエンシー・トレードを行う人に対する調査ができるということもございます。また同時に、金融庁もいろいろなことができることになると思いますが、私が思いますのは、私、今、フィンテックを非常に自分なりに勉強させていただく中で感じますのは、麻生金融担当大臣からも答弁いただきましたけれども、金融のテクノロジーに対する投資、もう圧倒的に日本負けている状況、一番今伸びているのは中国でございまして、中国、そしてアメリカ、ヨーロッパに対しても圧倒的に負けている状況でございまして、何を申し上げたいかというと、テクノロジーが分かる人が取引所には必要であるし、また金融庁にも必ず必要だと私は思っています。 もうはっきり申し上げまして、今の日本の金融業界は、大きなSI、システムをつくるところがメーンプレーヤーになっておりまして、正直、新しいテクノロジー、今スマホとかのテクノロジーを使うような状況でございますけれど、対応できているとは思えません、正直申し上げて。 そういう中で、金融庁、また取引所が新しいテクノロジーを分かった人間が必要だと思うんですけれども、その点いかがですか。人材の整備についてお答えいただきたいと思います。
○政府参考人(池田唯一君) お答えいたします。 取引所におきましては、現在でも取引所での売買の審査などの業務を行っているところでございまして、こういう業務を適切に遂行するためには、ITに関する専門人材の活用などが極めて重要で、それに対応するための努力も取引所においては行われてきていると理解をしておりますけれども、今回、そうしたことに加えまして、登録制が導入され、取引所にも調査の権限が付与されるということでございますので、ITの面からそうした売買の審査を強力に行えるような体制の充実というのは一層取り組んでいっていただく必要があると考えております。 また、金融庁におきましても、これまでITに関する専門人材の確保ということについては我々なりに努めてきたつもりではございますが、HFTというようなことになっていきますと相当高度なITの専門家ということがまた求められてくると考えておりますので、いま一層積極的な人材確保に努めていきたいというふうに考えております。
○藤末健三君 是非、人材を集めていただきたいと思います。 私が聞いている話ですと、例えば外資系のIT担当の役員クラスの人たちはもうすさまじい金額の給与を取られているみたいです。恐らく我々が、素人が見ていると表面的には同じようなシステムになっていますけど、実は取引スピードが何ミリセカンド違いますよという、もうそういうところで争っている、彼らは、という状況でございますので、そういうテクノロジーの細かいところが分かる人がいなければ、何となくこれ何か同じに見えるから同じだろうという話じゃないと思っております。 実際に私が危惧しますのは、このハイ・フリークエンシー・トレードもそうですけれど、フィンテックの世界もそうですが、今、我々、例えば携帯を使っていますと、グーグルとかヤフーとか使っているじゃないですか。この検索エンジンは全部グーグルがつくっています、実は。グーグル一社。 これから我々が恐らくいろんな取引をするシステムができてくる中で、間違いなくグローバルスタンダードみたいなシステムができてくると思うんですね。もし金融庁がテクノロジー分からなくて外国のテクノロジーなどの評価を十分できなければ、私はまた携帯が生まれると思いますよ、ガラパゴス携帯が。何かすごいですね、技術ありますねと言っていますけど、あっという間にスマホに変わっちゃう。なぜ早く外国のテクノロジーを入れて日本のテクノロジーを盛り込まなかったのかと私は本当に思います、正直言って。そのようなことがないように、金融庁でテクノロジー分かる人間を絶対に入れてほしいです。何となく何か情報分かっていますよという人じゃなくて、本当に金融のテクノロジーの最先端分かる人を是非入れて議論を進めていただきたいことをここでお願いさせていただきます。 続きまして、この金商法でございますけれども、情報開示が非常に規則ができるということでございまして、やはりメディアの方々の話を聞いていますと、この金商法の改正、最大の関心事は会社の決算等の重要データを一人のアナリストに開示した場合は速やかにそれをインターネットに載せなさい、ホームページで公開しなさいということになりますけれども、具体的なことをお聞きしたいんですが、経済紙の記者にも同様な規制が掛かるんでしょうか。例えば記者に、アナリストではなく記者にいろんなデータを示したときに、そのデータをインターネットで公開するということが課されるかどうかということをお聞きしたいと思います。 恐らく答えは、経済記者はアナリストと違うという答えになると思うんですが、金融庁として、行政機関の守秘義務とメディア記者との守秘義務の違いをどう考えるのか。例えば金融庁の人が新聞記者にある情報を流しましたと、そういうときと、あと、アナリストが金融庁の人にアクセスすることはないとは思いますけれども、そういう記者とアナリストをどう見るかということをお聞きしたいと思いますし、また、アナリストと経済記者を兼業している人が出てきた場合どうするかということをお聞きしたいと思いますが、お願いいたします。
○政府参考人(池田唯一君) お答え申し上げます。 御指摘は、今回の法律案に盛り込まれておりますフェア・ディスクロージャー・ルールに関してであるというふうに理解をいたします。 このフェア・ディスクロージャー・ルールは証券市場の信頼確保のためのルールと考えておりまして、また、そのルールの対象を広くしました場合、企業における情報管理の面でその対象範囲が広がり、企業の実務に支障が出るおそれもあるといった指摘もありましたことから、今回の法律案では、米国におけます制度と同様、有価証券の売買等に関与する蓋然性が高いと想定されます証券会社、投資運用業者や機関投資家などへの情報提供、この証券会社などの中にはアナリスト、御指摘のアナリストも入ると考えておりますけれども、そうした者を対象とするということにさせていただいております。 そして、御指摘の経済紙の記者への情報提供というのは、それは守秘義務がどうだということ、そうした守秘義務の有無ということにかかわりませず、有価証券の売買等に関与する蓋然性が高いか低いかということの観点から、本ルールの対象とはしないという取扱いにさせていただいているところでございます。 守秘義務についてどう考えるかという点については、私ども必ずしもお答えする立場にはございませんけれども、新聞協会が示されている見解によれば、取得源を秘匿することは報道機関が何より優先すべき責務であり、個々の記者にとっては取材活動の根幹を成す究極の職業倫理だというふうに書かれていると承知をしておりますけれども、いずれにしても、そういう守秘義務がどうだということではなく、有価証券売買に関与する蓋然性が高いかどうかということで判断をさせていただいたということでございます。 それから、御質問の中にありました、アナリストと経済紙記者が兼務しているというような御指摘です。 報道機関の中には、金融商品取引業者としての登録を行って投資助言業などの金融商品取引業を行っている会社もあると承知をしております。このため、今回の法律案ではこれは内閣府令で細目を規定していくことになりますが、金融商品取引業を行っている部門とそれ以外の部門の間で情報のやり取りが行われないような適切な措置が講じられているようなときは、金融商品取引業に関与していない者に対する情報伝達はルールの対象から除くということを考えているところでございます。 御指摘の、経済紙記者と証券アナリストが兼務しているというような場合に、実際にどういう具体的な業務になるのか、ちょっと現時点では分かりかねますので一概にお答えすることは困難ですが、その業務の実態あるいは情報の遮断の程度等を踏まえて判断をしていくことになろうかというふうに考えております。
○藤末健三君 是非、私が聞いていると、余りにもアナリストの方々に対する規制を強めるとアナリスト登録をやめちゃう人がいるんじゃないかという話を聞いています。アナリスト登録をするよりも、経済記者として活動していろいろな情報を発した方がいいんじゃないかということを言っている方もおりますので、これはもう発言だけですので、この規制についてはきちんとガイドライン等で示していただきたいと思います。 情報開示に関しましてちょっと変わった御質問をしたいんですが、日本銀行は金商法の対象となるかということでございまして、例えば、日本銀行の方がいろんな金融機関の方々と話をする、若しくは経済紙の方と話をして、それから情報が流れ、例えば、個別の企業のことはないと思うんですけれど、ETF、株価全体の総合指数に対して価格への影響があった場合、金融庁はどう考えるか、教えてください。
○政府参考人(池田唯一君) 御質問が今回のフェア・ディスクロージャー・ルールに関してということで仮にいたしますと、今回のルールにおいては有価証券を発行する者にこうしたルールが適用されますので、必ずしも日銀はそうした者に当たらないということ、またマスコミもそもそも対象には当たらないというので、本ルールの適用は受けないということになろうかと思います。 今回のフェア・ディスクロージャー・ルールということを離れて金融商品取引法全般ということですと、これは仮定の御質問ということになってまいりますのでなかなかお答えは難しいのですけれども、金融商品取引法では不公正取引の禁止ですとか風説の流布あるいは相場操縦の禁止など、こうしたものは何人にも適用される規定で、行為者について限定はございませんので、論理的には全ての方に適用されるということがあり得るということだと思います。 ただ、いずれにしましても、日本銀行の役職員の方には職務上知ることのできた秘密を漏らしてはならないという秘密保持義務が課されておりますので、この義務を徹底するということがまず本則ではないかというふうに考えているところでございます。
○藤末健三君 是非、ディスクロージャーの話は徹底していただきたいと思いますし、あと私は、個人的な意見を申し上げますと、四半期ごとの決算の情報開示はもう要らないと思っています。企業の負担が大きいですし、新技術とか人事とかも非常に曖昧な情報を開示しなきゃいけないということで相当な負担を掛けていると思いますので、それだけは申し上げます。 また、日米の投資信託の手数料の違いについて質問しようと思いましたが、資料だけちょっと御説明したいと思います。 私がお配りした資料の株式取引の変化の下に規模の大きい投資信託の日米比較というのがございますが、これを見ていただきますと、何を申し上げたいかというと、真ん中に販売手数料というのがございます。日本は三・二%、アメリカは〇・五九%ということでございまして、日本の投資信託、非常に手数料が高いと。まあいろいろ理由はありますけれど、高いです、はっきり言って、結論から言うと。これを下げる努力を金融庁はやってください。きちんとリスクマネーが回るようにしてほしいということをお願いしまして、これはもう質問を終わらさせていただきます。 続きまして、海外投資案件等の会計の問題をさせていただきたいと思います。東芝とか、今、日本郵政などの海外の投資案件につきましていろいろな会計上の問題があるわけでございますが、特にのれん代の問題がございます。 裏のページ、ちょっと御覧になっていただいてよろしいでしょうか。のれんの計上と損失計上のイメージということでございます。これは何かと申しますと、郵政がトールを買ったときに、左側にございますように、企業価値の評価ということで書いてございますけれど、このときに七十九億豪ドルで買ったわけでございますが、実際の試算が右側にございますように二十六億豪ドルであると。その差額がのれん代ということで計上されまして、大体一般的には二十年掛けて償却されるということでございますが、今回は一括で償却し、のれん代を損失に回したということでございます。 こののれん代の問題ですけれど、国際ルールに適しているかどうかということもありますけれど、金融庁にはもうお聞きしませんが、この会計の問題、例えばIFRSとかSECの会計、日本の会計と、いろいろな会計がございまして、そして会計基準が三つある。そしてまた、ガバナンス、企業の会計ガバナンスも委員会設置、監視委員会設置、監査と三つありまして、この三つと三つ掛け合わせると九つになってしまう、非常に複雑になっているんではないかということでございます。 ちなみに、郵政がトールを買うとき、このトールはのれん代を中心とする無形資産が約十七億豪ドル当時あったということでございまして、非常に会計の不透明につながっているのではないかというふうに思っております。特に、のれんの処理については一括と定期処理ということでダブルスタンダードになっていまして、今回の郵政はこのダブルスタンダードを使ったことになるということでございます。 私が御質問したいのは、これは財務省、あと日本郵政に、あと総務省にもお聞きしたいんですけれど、この郵政のトールの投資損失、四千億ぐらいということでございますが、株主に対しても非常に大きな影響を与えていると思います。 株主は国であり財務省ということでございますが、今、郵政は半官半民の状況にありまして、民間だから役所の規制は受けませんよということ、一方で株主は八割が政府でございますので、株主のチェックも受けにくいということで、ガバナンス機能が十分に発揮できていないのではないかということを考えるわけでございますが、実際にこの郵便会社の方々、実際に郵便を配達される方々、局で働く方々に話を聞きますと、自分たちにはいろんな規制が掛かると、ガバナンスの、様々な細かい。ところが、経営にガバナンス掛かっていないんじゃないかということをおっしゃる方もおられますが、その点につきまして、財務省、総務省、そして日本郵政のお考えをお聞かせください。短くお願いします。
○政府参考人(佐川宣寿君) お答え申し上げます。 日本郵政のトール社の減損処理は日本郵政の経営判断で行われたものと承知してございます。 日本郵政は、法律に基づいて総務大臣が適切に監督を行っているところでございますが、また、会社法に基づく株式会社でありますので既に上場もしてございます。市場により日々評価を受けるとともに、株主総会なども通じまして株主による経営のチェックも受けてございます。 株主としての財務省といたしましては、日本郵政がトール社の今回の経営改善策も含め企業価値を向上させていくとともに、市場関係者に対しトール社の改善策あるいは配当方針などについてしっかりと説明を行っていくことが重要と考えてございまして、そうした点を求めてまいりたいというふうに考えてございます。
○政府参考人(安藤英作君) お答え申し上げます。 今回のトール社の買収につきましては、関係法令に基づきまして、適切な手続により経営判断がなされたものと私どもは承知してございます。 御指摘のガバナンスの強化ということにつきましては、総務省におきましても、日本郵政及び日本郵便のガバナンスが強化されるように、毎年度の事業計画の認可の際に要請を行っているというところでございます。両社におきましては、これを踏まえましてしっかりと取り組んでいただきたいと考えてございます。
○参考人(諫山親君) お答え申し上げます。 トール社の買収につきましては、日本郵便及び日本郵政の経営判断として行ったものでございます。 その判断に当たりましては、会計その他の専門家の助言を踏まえまして、デューデリジェンスを実施するなどの検討を行いまして、日本郵便及び日本郵政両社におきまして、取締役会の全会一致の決議を経た上で買収契約を締結したものでございます。 このため、意思決定に係るプロセスは適切だったと認識しておりますけれども、しかしながら、今から振り返りますと、買収当初の分析が甘く、当時見られておりました資源価格の下落傾向、これをその後の急速な経営環境の悪化につながるリスク要因としてきちっと把握することができていなかったということでございまして、重く受け止めているところでございます。 今後、株主、関係者の皆様からの信頼回復、これが果たせるようにトール社の業績回復に努めてまいります。
○藤末健三君 諫山常務にお聞きしたいんですけれど、私はこの現場の声の代弁者と思ってお聞きいただきたいんですが、二〇一〇年に日本通運のペリカン便というMアンドAがあったじゃないですか。そして、結局大きな赤字が生まれて何が起きたかというと、働く方々のボーナスが削減されたという状況じゃないですか。皆さんすごく心配しているんですよ。四千億円ものお金が損失があって、また自分たちの給与が削減されるんじゃないかというおそれがあるということを心配ちょっとしている方がおられまして、多分、ここで言えることは限られていると思いますが、その不安に対する答えが欲しいということ。 そして、もう一つありますのは、この四千億円の資金は、私は、やはり働く方々の待遇改善、若しくは、例えば局ネットワーク、あと配達のいろんなシステムに対する投資をすべきだったと思います、はっきり申し上げて。私は実際書いていますもの、そういうことを。国会でもたしか申し上げたはずです。その点についてどのようにお考えですか。 私は、このデューデリをやった会社、知っていますよ。責任問わないんですか、これだけの問題を起こすようなデューデリをやった、企業評価をやった専門の会社があるわけじゃないですか。そこに責任は問わないんですか。いかがですか、教えてください。
○参考人(諫山親君) お答え申し上げます。 まず、社員に対する御説明ということでございますけれども、今回の減損損失の計上でございますが、日本郵政グループのキャッシュフローに影響はございません。利益剰余金も十分あるということでございますので、日本郵政グループの財務体質は揺らいでおりません。このため、日本郵便のサービス提供に支障はございませんし、日本郵政グループの社員の雇用、処遇にも影響を与えるものではございません。 また、今回の処理でございますけれども、トールに係る負の遺産を一掃するという大きな意味もあるものと認識しておりますので、今後の業績回復に努めてまいりたいと思いますけれども、日本郵政グループの社員に対しましては、こういった点につきましてきちんと説明してまいりたいというふうに考えております。 それから、日本郵便も含めました成長戦略でございますけれども、もちろん郵便局ネットワークを通じまして三事業を一体的に提供していくというのが非常に重要な使命であるということは承知しておりますけれども、やはり事業体としては、成長戦略を描いていく、それがひいてはユニバーサルサービス提供の確保にも資するという観点もございますので、こういった観点から、トール社をプラットフォーム企業とする今後の国際物流事業展開につきましても引き続き対応していきたいというふうに考えておりますし、しっかりと対応していけるかというふうに考えております。
○藤末健三君 是非、これは金融庁にはちょっと申し上げたいんですけれど、先ほど申し上げたように、会計基準が幾つかあるという話がございますし、あと、その中でものれん代の償却の基準が違うということについては、私はやっぱり国際的な整合性を取っていただきたいというのが一つ。なぜかと申しますと、これから日本企業の国際的なMアンドAはもっと進むと思うんですね。 もう一つお願いがありますのは、この企業価値の評価をやった会社を責めるわけじゃないですけれど、企業価値の評価をする専門の日本の金融機関が足りないと思います、はっきり言って。東芝も含めて、今回のこの郵政も含めて。こんなめちゃくちゃな評価、ないですよ。素人でも分かるもの、本当に。それを許してしまった専門の会社が、止めなきゃいけないところが止めることができなかった。私は、この海外とのMアンドAなどを安定して行うためにも、是非今回の問題、反省を生かして金融庁としての対応をやっていただきたいことをここでお願いさせていただきたいと思います。 私は、やはり過去のいろいろな問題を問題だと言うだけでは駄目だと思っておりまして、一応資料の裏側の、今後の事業展開とガバナンスの徹底ということで郵政が発表された資料を付けさせていただきましたけれど、是非、郵政グループにおかれましては、企業価値を上げ、そしてまた、その企業価値を上げることが国民の資産を上げることになりますので、頑張っていただきたいと思います。 一方で、この郵政の企業価値につきましては、改正郵政民営化法の七条に、郵政の公益性、地域性を発揮するために国は支援を行わなければならないというふうに書いてございますし、また、附帯決議においても郵便や金融のユニバーサルサービスの義務を郵便会社やこの郵政会社に課していますので、それに対する政府の支援が必要であるというふうに書かせていただきましたが、この郵政の企業価値を上げるためにも取組をやっていただきたいと思いますけれど、政府の考え方、財務省、総務省の考え方、簡単に教えてください、お願いします。
○政府参考人(佐川宣寿君) 株主としての財務省としては、日本郵政が企業価値を向上させていくことが重要でございますので、郵政との対話を通じまして、企業価値、株式価値の向上を求めてまいりたいと思いますし、ユニバーサルサービスにつきましては、また総務省の方においてきちんと検討を深めていただけるというふうに考えてございます。
○政府参考人(安藤英作君) お答え申し上げます。 郵政民営化法七条の二におきまして、日本郵政及び日本郵便のユニバーサルサービス提供の責務が定められているとともに、同法の七条三におきまして、その責務の確保が図られるよう政府が必要な措置を講じることを規定しているということでございます。 この七条の二が基本ということになろうと存じますが、私どもも必要な措置を講じるということにしっかり対応してまいりたいというふうに考えてございます。 この点につきましては、現在ユニバーサルサービスがきちっと適切に提供されているというふうに考えてございますが、さらに、中長期的な視点から、現在、郵便のユニバーサルサービスに関する検討会におきまして日本郵便からユニバーサルサービスの提供に係ります課題やあるいは要望等をしっかりと聞いてございまして、事務負担の軽減等に資する省令改正などをこの三月に行ってございます。 さらに、平成二十九年度与党税制改正大綱におきまして、郵政事業のユニバーサルサービスの安定的確保の観点から経営基盤の強化のために必要な措置の実現に向けた検討ということが記載されてございますので、日本郵政グループ等の関係機関と連携しながら、引き続き必要な措置につきまして検討してまいりたいと考えてございます。
○藤末健三君 是非この郵政の問題はきちんと、働く現場の方々が動揺しないように政府もそして会社もきちんとやっていただきたいというのがまず一つございます。政府は是非支援するということを明確にやっていただきたいです、実際に、検討だけではなく。 そしてまた、この金商法におきましては、これ是非、池田局長にお願いしたいのは、繰り返しでございますけど、国際的な競争ですから、もう完全に。ですから、国際的なイコールフッティングを徹底的にやってほしいです。そして、そのために何があるかというと、制度をつくり、もう一つ必要なことは、完全にコンピューターシステムの戦いですもの、これ。私の感覚ではもう今完全に負けていますよ、日本のシステムは。ですから、是非、金融庁にこのシステムの専門家を入れていただいて、そして新しいシステムを見て、規制をつくり、そして日本の新しい金融サービス、国際的に戦える金融サービスをつくることをお願いしまして、私の質問を終わらせていただきます。 どうもありがとうございました。
○徳茂雅之君 自由民主党の徳茂雅之です。質問の機会を頂戴し、大変ありがとうございます。 私も、法案に関する質疑の前に、商工中金の問題について若干質問させていただきたいと思います。 冒頭、大塚先生それから古賀先生の方からも質問もあり、またあさっての一般質疑でもこの場で審議されるということでございます。是非とも、原因究明あるいは責任の所在、再発防止、本当に、政府だけではなくて、国会も含めてしっかりと議論すべきだろうと、このように感じております。 その中で、やはり中小企業金融の役割について改めて再認識する必要があるんじゃないかなと、このように思います。私自身、昨年十月のこの委員会の場でも、中小企業の役割、企業数でいえば九九%、従業員でいっても約七割を占める、まさに日本の経済あるいは雇用の大宗を占めるこの役割は極めて大きいと、その中で中小企業金融機関、地域金融機関の役割というのはまさに重要であるという話を申し上げました。 従来の担保あるいは保証に依存した金融から、事業性をしっかりと評価をし、寄り添って、まさに企業、中小企業と一体となってやっていく、この役割を伸ばしていただきたいと。麻生大臣からも、金融庁は金融処分庁から金融育成庁を目指していくんだという強い決意もいただいたところであります。 ある意味、今回の商工中金の問題が、これまでの金融庁が目指そうとしている新しい役割に対して水を掛けることのないように、是非とも、個別の問題についてはしっかりと原因究明をする、再発防止をする、しかし、金融の行政の在り方については、これまでのとおり、しっかりと目指していただきたい、このように思います。 今日は遠藤局長も来ていただきましたので、今回の商工中金の問題について今後金融庁としてどう取り組むのか、御説明の方をお願いしたいというふうに思います。
○政府参考人(遠藤俊英君) お答え申し上げます。 今回の商工中金におきましてこのような不正行為が行われたことは極めて遺憾であるというふうに考えております。御指摘のとおり、経済産業省、財務省、金融庁、この三省庁連名で五月九日に商工中金に対して業務改善命令を発出いたしました。 今般のこの業務改善命令では、危機対応業務の重要性に鑑みまして、三省庁で現時点で把握している問題点について当面直ちに必要な再発防止策の実施を命じるとともに、商工中金において調査未実施の危機対応貸付け全体の調査を継続して、その調査結果と第三者委員会の調査結果を踏まえて問題の所在あるいはその根本原因を特定することを求めております。また、業務改善命令では、特定された根本原因などを踏まえまして、法令等遵守態勢、経営管理態勢及び内部管理態勢の整備、強化などに関し、新たな行政対応を検討することも申し添えております。 加えて、業務改善命令と同じ日、五月九日でございますけれども、三省庁共同で立入検査の実施を通知しております。 金融庁といたしましては、財務省、経産省と協力いたしまして、この立入検査を通じまして、本件の実態把握、それから商工中金においてまさに先生御指摘のようなこの中小企業金融というものがどういう形でその態勢を整えて行われていたのかということについて、その実態を、努めてまいる所存でございます。 以上でございます。
○徳茂雅之君 ありがとうございます。 それでは、金融商品取引法について質問申し上げたいと思いますが、今日、午前、午後に分かれていますので、午前中は一般的な質問をさせていただきたいと思います。 金商法が成立してはや十年がたちます。金商法ができた当時の金融庁作成の資料をちょっと読ませていただきまして、その中で、我が国の金融資本市場は、その当時ですけれども、大きく変貌して変わりつつあるという、三つの課題を抱えているというような御説明の資料がありました。 一点目が、利用者の視点から、利用者保護ルールを整備して安心して投資を行える環境を整備する。二点目が、市場の観点から、家計金融資産が預貯金に偏っており、貯蓄から投資へシフトさせるため市場の信頼を回復させる必要がある。三点目が、国際化の観点から、国際市場として我が国市場の魅力を高める必要がある。 これ、十年たって見てみても、依然として我が国のある意味金融市場の課題、全然変わっていないなと、このような感じがいたします。特に、二点目申し上げました市場の視点から貯蓄から投資へと、ずっとこの十年間掛け声を掛けてきている中で、私も先日の委員会でも御指摘申し上げたとおり、我が国の個人金融資産、これの五二%が相変わらず預貯金に偏っていると、これは十年前も全く同じ数字であります。 これほどまでに、政府も、あるいは民間金融機関も含めて、業界も挙げて取り組んできている中で、この部分が変わってきていないということでありますけれども、この点についてどのように金融庁として分析されているのか、御説明いただきたいと思います。
○大臣政務官(武村展英君) お答えいたします。 日本の家計金融資産は、その過半が現預金でありまして、米国等と比べ株式や投資信託の保有割合は低くなっております。日本の家計金融資産の伸びは依然として低い水準にとどまっている状況にございます。 そういった中で、リスク性資産の保有に積極的であるというふうに見られている米国でも、かつては家計の株式や投資信託の保有比率は日本と同程度にとどまっていたところであります。そういった中で、米国におきましては、家計の資産形成を支援する様々な政策的な対応を通じまして、現在のような姿を実現してきたものと考えております。 日本におきましても、政策的な対応を通じまして、家計の安定的な資産形成を後押ししていくことが重要であると考えております。
○徳茂雅之君 ありがとうございます。 いろいろ、この十年間、金融庁としても取り組んでこられたんだろうというふうに思っています。 私自身、日本で、我が国で家計が安全資産を志向するという背景というのは、恐らく、これまでの多くの投資経験をする中で、その成功体験がやっぱり実感できていなかったということがあろうと思います。その中でずっとデフレが続き、現金を持っていても、預金を持っていても目減りはしないんだと、投資に向かわせるそういう意欲、そのインセンティブが働かない、そういう固定観念がもう国民の間に浸透し切っているんじゃないかなというふうに思えております。 二〇一二年十二月に始まったアベノミクス景気、これ、バブルを超えて戦後三番目の長い景気回復期だというふうに言われています。失業率も完全雇用に近い三%程度まで低下してきている。企業の収益も本当にいまだかつてないぐらいに大きな収益を生んできている。これほどまでに景気は着実に回復する中で、まだまだそのメリットが家計、個人に行き渡っていないことが問題だろう、その問題の一つが個人の金融資産が預貯金等安全資産に向かっていることなんだろう、このように感じております。 所得税法改正の際にも質問させていただきました積立NISA、これについては長期、分散、積立て、まさに個人が将来に備えるために最もふさわしい投資手段だろうと、このように思っております。当局としても、その際もしっかり取り組んでいきたいという御答弁をいただきました。 たまたまゴールデンウイーク前に日経新聞を拝見いたしましたところ、よく分かりませんけれども、当局と証券業界との間で、特に手数料の関係で若干隙間風が吹いているというような表現の記事が出ておりました。来年一月いよいよスタートするということで、業界も含めていろんな面でその準備、品ぞろえも含めて準備をしている最中だというふうに思う中で、是非とも、金融庁当局としては業界としっかりと対話をいただいてやっていただきたいと、このように思いますけれども、どのようにお考えでしょうか。
○大臣政務官(武村展英君) 金融庁におきましては、平成二十九年度税制改正関係法の成立を踏まえまして、本年三月末、積立NISAの対象商品の具体的な要件を定める告示を公布したところでございます。その後、この告示の内容や積立NISAの趣旨につきまして、業界を含め幅広く周知や説明を行ってきているところでございます。 今後とも、告示の内容に関するQアンドAの作成や御指摘のような業界との対話も含めまして、関係業界におきまして長期、積立て、分散投資に適した顧客本位の投資信託が適切に提供されるよう取組を進めていきたいと考えております。 あわせまして、幅広い家計におきまして積立NISAが利用され、長期、積立て、分散投資を通じた安定的な資産形成が実現されるよう、制度の周知、広報にも引き続きしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
○徳茂雅之君 ありがとうございます。是非ともしっかりお取り組みいただきたい、このように思います。 次に、企業の内部統制について、せっかくの機会にちょっとお伺いしたいというふうに思います。 二〇〇六年に会社法が制定され、金商法の中でも、先ほどありました四半期開示でありますとか、あるいは内部統制報告書の提出、監査法人等のチェック、こういったいろんな内部統制に関わる規定が整備されたわけであります。私自身、実はそのとき日本郵政公社におりまして、民営化の準備の仕事をしており、会社法への対応ということでいろんなチェックリストを作って検討したなというのをちょっと思い出すわけであります。 内部統制システム、これがしっかりと軌道に乗って十年たつ中で、先ほどありましたとおり、例えばオリンパスの問題でありますとか、今日は各紙新聞一面、トップ記事は東芝の記事でありまして、その中で、この二〇一七年三月期の決算について監査法人のコメントといいますか、あれが出ないというような記事も出ておりました。こういった中で、しっかりと内部統制システムの導入を図ってきたにもかかわらず、依然としていろんな上場あるいは大企業が、こういった会計も含めた不祥事が起こるということでありますけれども、これについてはどのような背景があるのかと分析されているのか、お尋ねしたいというふうに思います。
○政府参考人(池田唯一君) お答え申し上げます。 内部統制につきましては、企業の不祥事が相次いで明るみになったということを受けて、御指摘のとおり、平成十七年に会社法、それから平成十八年に金融商品取引法において、企業に対して適正な内部統制の取組を求めることとされました。そして、内部統制への取組は企業活動が適正に行われていく上で不可欠なものであって、多くの上場企業等において内部統制の強化に向けた取組が行われてきたものと承知をしております。 その一方で、御指摘のとおり、その後も上場企業等をめぐり不正事案が発生していることは事実でございまして、オリンパスあるいは東芝など、最近の不正事案におけますそれぞれの第三者委員会の報告書などにおきましては、経営トップ等の適正な財務報告に対する意識の欠如ですとか、あるいは取締役会、監査役会が経営者に対する適切な牽制機能を果たしていなかったことなどが指摘されておりまして、そうしたことから内部統制が実効的に機能していなかったというような分析がされているものと承知をしております。
○徳茂雅之君 ありがとうございます。 こういう不祥事については、当然個々の企業の問題ということもあるわけでありますけれども、一方で、やはり監査法人、会計監査人側の問題、課題もあろうかというふうに思います。 金融庁では、監査法人のガバナンスの確立に向けて検討会を開催し、昨年度末、三月に監査法人のガバナンス・コード、これを公表、取りまとめられたと承知しています。改めて、この検討会を開催した背景とその概要について御説明いただきたいというふうに思います。
○政府参考人(池田唯一君) この懇談会は、昨今、不正会計事案などが発生し、それを契機として会計監査の信頼に対して疑問を呈する指摘があると。そうした中で、金融庁として今後の会計監査の在り方を考えていく上で御意見を頂戴するということで会計監査の在り方に関する懇談会というものを設置し、御意見をいただいたところでございます。 その懇談会におきまして、会計監査の品質を確保するためには、やはり監査法人が監査法人組織全体にわたってマネジメントを有効に機能させる、そういうことが重要であると。そして、具体的には、監査法人のガバナンス・コードを策定すべきであるという提言をいただいたところでございます。 こうした提言を受けて、この三月三十一日にガバナンス・コードを策定、公表をさせていただいたところでございますが、そこでは、監査法人のトップがリーダーシップを発揮すること、あるいは監査法人の監督、評価機関などの機能の強化を図るなど、監査法人組織の運営の原則が示されているところでございます。 私どもとしては、こうしたコードを踏まえて、大手監査法人を始めとする各監査法人がその公共的な役割を認識して実効的な組織運営を実現すべく改革が進められていく、その結果、会計監査の品質が確保されるということを期待しているところでございまして、私どもとしてもその状況を今後しっかりモニタリングしていきたいと考えているところです。
○徳茂雅之君 どうもありがとうございます。 こういった内部統制システムについて、行政も含めてしっかり取り組む中で不正が相次ぐということになれば、よくありがちなのが、やはり更に規制を強化していくというような方向になっていくことを恐れるわけであります。幾ら内部統制システムを完璧なものにしても、悪意がある経営者、経営者が悪意を持っていればそれを防げないんじゃないかというような話もありますし、例えば、従来からの日本的な、先ほどちょっとありましたけど、日本的なむしろ経営の良さが失われるんじゃないかという意見を言われる方もいらっしゃいます。先ほど藤末先生からありましたけれども、例えば四半期決算の開示とか、いろんな面で内部統制を構築するためのコストも掛かるんじゃないかということをおっしゃる方もおられます。 そういった意見がある中で、この内部統制システムについてやはりしっかり取り組んでいくべきだと、このように私は思うわけでありますけれども、金融庁としてはどのようにお考えなのか、お伺いします。
○政府参考人(池田唯一君) 御指摘をいただきました幾つかの点で、例えば内部統制と経営者の姿勢の関係につきましては、確かに内部統制を機能させていく上では経営者が高いモラルを有しているということがまずもって重要だということでございまして、このためには、内部統制システムの構築ということと併せまして、コーポレートガバナンスの充実など総合的な取組が必要なんだろうというふうに考えているところでございます。 また、日本的経営との関係についてもしばしば指摘があるところでございますが、日本の企業においても、しっかりとした経営を行っておられる企業では従来から適切な内部統制システムが構築されてきていると考えておりまして、内部統制というのは必ずしも専ら欧米的なものとして捉えることは適切でないと考えているところでございます。 コストとの関係につきましては、内部統制の整備は、企業全体のリスクを把握した上で真にリスクが存在する部分に効果的な対応を行っていくことが重要だと考えておりますので、コストとの両立は十分に図っていくことが可能であると、私ども考えておるところでございます。
○徳茂雅之君 どうもありがとうございます。 もう時間が参りましたので、これで終わらせていただきます。残余の質問につきましては午後ということにさせていただきます。 どうもありがとうございました。
○委員長(藤川政人君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。 午前十一時五十九分休憩 ─────・───── 午後一時開会
○委員長(藤川政人君) ただいまから財政金融委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、金融商品取引法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○徳茂雅之君 じゃ、法案について伺います。 まず、アルゴリズムによる高速取引について、いわゆるHFTについてお伺いします。 HFT業者、これはアルゴリズムに基づいてより速くより大量に取引を行うということで、言ってみれば、市場にとってみれば、取引が増える、その厚みが増す、流動性が高まるというある意味メリットというか、そういう点があります。一方で、短期に大量に売買を行うということからいえば、企業の例えば中長期的な発展、成長、こういったものに対する投資にはなかなかつながっていないなと、むしろ、こつこつとそういったさやを抜いて、それを積み上げることによって利益を上げているということであります。いわゆる裁定取引でありますけれども、必ずしも別に裁定取引が悪いというわけではありませんで、アービトラージ、裁定というのは本来、価格差、それに着目してそれを埋めるというある意味資源配分機能も有するわけでありますので、決して悪いわけではないわけであります。 しかしながら、ほかの一般の市場参加者からすれば、ある意味、より速くより大量に、しかも、先ほどコロケーションという話がありましたけれども、取引所の中、近くにそういうシステムを置くというのは、一般的な個人の投資家からすれば、何かちょっと不公平じゃないかな、不公正じゃないかなというふうに思えるところもあるんじゃないかというふうに思います。それから、高速に大量に取引を行うことから、万一その取引業者のシステムが破綻をしたり、おかしいことになってしまった、トラブルになった場合に市場に与える悪影響、副作用というのもあるかと思います。 こういう観点から、今回、金商法によってHFT業者、登録制度にするというのは、ある意味妥当な望ましい改正だというふうに考えますけれども、このことによって取引の安全性、安定性が本当に確保されるのか、リスクは解消されるのかという点について金融庁に伺います。
○政府参考人(池田唯一君) お答え申し上げます。 ただいま御指摘がありましたように、高速取引については、市場の安定性とか公正性の観点から懸念も指摘されているところでございます。また、米国では、実際に市場の混乱に高速取引が関わっていたとされる事例も報告されているところでございます。 我が国ではこれまでも、取引所におきましては、市場の安定性、公正性を確保する観点からは各種の取組が行われてきているところでございまして、例えば価格急変時に取引を一時中断するサーキットブレーカー制度ですとか、一日の値動きの幅を一定限度までとする制限値幅などの制度が導入されておりますし、さらに、市場に混乱を来す注文を排除するという観点から、例えば誤った発注が起きた場合に一度成立した売買を取り消すことができる誤発注取消しルールの導入ですとか、あるいは、証券会社に対してはシステム管理体制の整備や顧客注文の審査といったことを求めているところでございます。 これに加えまして、今回の法律案では、高速取引を行う者自体に対しての登録制を導入して取引システムの適切な管理、運営を求めていくということを考えておるわけでございますが、金融庁としては、こうした取組を全体として行うことで市場の公正性、透明性、安定性の確保を図っていきたいと考えているところでございます。
○徳茂雅之君 ありがとうございます。 個人投資家が、やはりしっかり投資に向かわせる、こういう業者に戦っても勝ち目がないねと思わないように、是非ともこの法案成立の暁にはこの制度の適正な運用に努めていただきたい、このように思います。 続いて、金融商品取引所グループの業務範囲の柔軟化について伺いたいと思います。 そもそも取引所というのは、取引の公正さあるいは透明性を確保するという観点で極めて公共性の高い役割を担っております。そして、その業務は更に常に安定的に運営されなければいけないということであります。そのために、恐らく取引所の業務というのは制度上もいろんな面での限定を受けてきたんだろうというふうに思います。 しかしながら、先ほどフィンテックの話もありました。取引所取引においてもそういったものへの対応、あるいは国際的なプレゼンス、日本のプレゼンスを考えても、取引所の業務規制については、徐々に緩和をして、より効率的により幅広い業務が行えるようにすべきだろうというふうに思います。その観点からは今回の改正についても非常に妥当なものだと、このように思います。 しかしながら、取引所につきましては、元々、東証、大証とが合併をして、JPX、日本取引所グループができ上がったということで、実はJPXが取引所に占める取引の割合というのは九割以上を占めています。当初、私的な取引システム、いわゆるPTSの取引、これ八社あったわけでありますけれども、今は縮小されて二社しかないということで、ある意味JPXの市場の寡占状況、独占状況に近いことになっております。そういう面では、取引所取引と取引所外取引の間の公正な取引というんですか、公正な競争ということもある意味求められるんじゃないかなというふうに思っております。 その観点で、取引所外取引でありますPTSの取引、これについても充実、取組を図っていくべきじゃないかと考えますけれども、この点についてはどのようにお考えでしょうか。
○政府参考人(池田唯一君) お答え申し上げます。 私設取引システム、御指摘のありましたPTSの制度は、平成十年に取引所外取引が解禁されました、それとともに市場間競争を促進する観点から導入されたものでございまして、これまでのところ、それを行う会社数が減少しているという御指摘もありましたけれども、利用者のニーズに合った取引手法の提供といった面では一定程度の効果が認められるとの指摘もあるものと承知をしているところでございます。 このPTSに関しましては、現状、信用取引が認められていないということがございまして、この信用取引を認めるべきであるという議論があると承知をしております。この点につきましては、今般の金融審議会の審議において議論、検討が行われまして、例えば、PTSを提供する業者等が実質的な資金、株券の提供者にならない、あるいは、自主規制機関がPTSの取引についても一定の自主規制機能を発揮するなどの適切なスキームが構築された場合には、PTSにおける信用取引を認めることも考えられるのではないかといった整理が行われたところでございます。 金融庁としましては、必ずしもPTSの取引シェアの拡大を目指しているというわけではございませんが、御指摘のありましたように、取引所と取引所外取引を担うPTSとの間で適切な競争が図られていくということは重要な点であると考えております。そうしたことを通じて、市場のイノベーション、利用者の利便向上、同時に、市場の公正性確保が図られていくことを確保していきたいと考えているところでございます。
○徳茂雅之君 どうもありがとうございます。 個人投資家を含め、投資家が安心して取引ができるように、ある意味幅広い選択肢で取引ができるようにということで、今回の改正が取引全体の健全な発展につながるようにお取り組みいただきたい、このように思います。 最後に、上場企業による公平な情報開示、いわゆるフェア・ディスクロージャー・ルールについて伺います。 本ルールにつきましては、未公表の重要情報をアナリスト等に提供した場合に他の投資家に対しても情報を提供をするというもので、諸外国でもルールの導入等が行われているというふうに承知しております。 本来、他人より少しでも早く情報を入手してそれで利益を上げると、そういった短期的な視点ではなくて、やはり中長期的な視点に立って、本来の意味での投資の拡大、これにつなげていくことが私は重要だろうと、このように思います。その面で、ルールの運用に当たっては、公表の対象となる情報の範囲、それと実際に担保する措置、これが重要だろうというふうに思っています。 法案の中では、投資判断に影響を及ぼす重要な情報という定義があります。しかし、その内容については、かなり多様といいましょうか、千差万別でありまして、余りその対象を広げ過ぎると、企業と投資家の間の言ってみれば建設的な対話について、萎縮、水を掛けることにもなりかねない、限定すれば逆に制度の実効性が上がらないということであります。 ということで、今回の公表の対象となる情報の範囲、これをどのように考えておられるのか、それから、公表すべきであるけれども公表しなかった場合における担保措置、これについて特にインサイダー情報との関係で御説明をいただきたい、このように思います。
○政府参考人(池田唯一君) お答え申し上げます。 まず、重要な情報の範囲についてでございますけれども、これにつきましては、御指摘のありましたようなフェア・ディスクロージャー・ルールの趣旨も踏まえまして、インサイダー取引規制の対象となる情報に加えまして、決算情報など未公表の確定的な情報であって、公表されれば有価証券の価格に重要な影響を及ぼす蓋然性があるもの、そうしたものは含めて考えていくことが適切であると考えているところでございます。 また、上場会社が公表すべき情報を公表しなかった場合の対応ということですが、これについては、まずは上場会社に情報の速やかな公表を促して、これに適切な対応が取られなければ行政的に指示、命令を行い、それでも正当な理由なくその命令に従わない、そうした場合にのみ罰則の対象とするということを想定しているところでございます。 インサイダー取引規制の場合は、その違反に対しては直接罰則や課徴金が課されておりますが、このフェア・ディスクロージャー・ルールについては、先ほど申しましたように、行政的な対応を基本として対応することにより、上場会社による積極的な情報開示の萎縮にならないように留意していく必要があるというふうに考えているところでございます。
○徳茂雅之君 ありがとうございます。 そういう面では、金融庁当局の役割というのが極めて重要だというふうに思います。 以上、今回の金商法の改正につきましては、いずれも貯蓄から投資への流れをつくる、個人投資家が投資に向かわせていくための重要な改正だというふうに思っておりますので、先ほど申し上げたとおり、この改正が行われた暁には是非金融庁当局の適正な運用に努めていただきたい、このように思います。 以上で終わります。ありがとうございました。
○松川るい君 ありがとうございます。大阪選出の自由民主党、松川るいでございます。 今日は、金商法改正に関して質問の機会をいただきまして誠にありがとうございます。金商法について御質問させていただく前に、少し日本経済について質疑させていただければ有り難く存じます。 お手元の配付資料、やたらとたくさんグラフが詰め込まれていてちょっと見にくくて誠に恐縮なんですけれども、私の是非お伺いしたいと思うのは、まず、アベノミクスのおかげでこの日本社会の心理的な経済に関する心理というのは非常に明るくなりましたし、実際、今日の委員会でも御指摘ありましたけれども、イザナミを超える戦後最長の景気回復ということになっております、数字上は。ただ、非常にそれが緩やかであって、余り一般の国民生活に実感されるところまでは行っていないと。 この失われた二十年というのを改めて私、数字で見てみようと思ってみたのが、この資料一の図なんです。そこで、名目GDPの国際比較をしますと、これは我々知っているわけですが、改めて図で見ると、本当に日本が横ばいでこの二十年来ている中で、ドイツやアメリカ、ユーロ圏、英国含めて一・五倍から二倍の拡大を、名目でですね、拡大をしてきたんだなと。実質で見てみても日本が一番低迷をしたままでありまして、同じ先進国であってもユーロやアメリカというのは上にあって、新興国はもっと上ですと。各国のまた潜在成長率、OECD推計の右上のグラフを見ていただいても、これが、アベノミクスしっかり進展しているにもかかわらず、低いままであるということです。 特に、今直近で出された四月のIMFの数値で、今後の日本の実質GDP成長率の見通しですね、これは、二〇一六年、例えば二〇一八年比べてみますと、図で描き出してみましたが、アメリカが一・六から二・五、ユーロは、英国のEU離脱もあったと思うんですけど、一・七から一・六、日本が一・〇から〇・六に、半分ぐらいに減っていると。これは、かなり私はショッキングというかショックでありまして、どうしてなんだろうというのがお伺いしたい点であります。 これは率直にどのように、いろいろな我々の努力にもかかわらず見通しはこのように半減しているというのはどういうことが原因だと思われますでしょうか。
○副大臣(大塚拓君) これまでの日本の経済成長率が低迷してきた背景としては、労働力人口の減少とか、長引くデフレ不況の中、企業が設備投資に慎重であったことなどがあるというふうに認識をしているところでございます。 あわせて、よく言われることですけれども、これはデフレ不況がずっと続いてきているということですけれども、デフレについても、日銀なんかもよく指摘をしているところですけれども、適合的期待ということで、フォワードルッキング、先の様子を見通してインフレ形成を期待するというよりは、足下の状況に引きずられるような状況があるということが物価についてよく日銀が言うわけですけれども、設備投資とか賃金がなかなか上昇しないとか、そういう企業の経営者のマインドにやっぱりそういうところがこびりついているのかなと、こんなふうにも思っているところでございます。 したがって、政府としては、中長期的に持続可能な経済成長を実現するために、もちろんIoT、AI、介護ロボットといった第四次産業革命、こういったものになかなか対応し切れているのかと、こういう問題意識もあるわけですから、こういうところの実現を通じて生産性を向上していくとか、一億総活躍社会の実現に向けて、働き方改革、子育て、介護等の環境整備の取組を進めるなど、少子高齢化を乗り越えるための取組を推進していくとともに、民間、民需主導の好循環の確立に向けて、高水準の企業収益を賃金引上げ、設備投資に回していくために攻めの投資を後押しする、特に中小企業の攻めの投資を後押ししていくための固定資産税の軽減措置の対象拡大とか、賃金引上げ環境整備のための所得拡大促進税制の拡充といったことで、民間のなかなかアニマルスピリッツが喚起されていないところを後押ししていこうと、こういうことをやっているということになっているわけでございます。
○松川るい君 ありがとうございます。 今副大臣が御指摘された点、いずれも私も大事な点だと思うんです。ただ、本当にそれだけなのかなというのが実はちょっと疑問でありまして、確かに労働力のうち、まさに我が国の最大の課題は少子高齢化による人口減少でありまして、今二・五人で一人を支えている高齢人口が二〇六〇年には一対一にほぼなってしまうと、この急激な大きな変化が、例えば人口減少というか、この高齢化自体がデフレの原因だと言う方もいるぐらいなので、まあそうかなとも思うんですが、これ、この二十年の話ではないと思うんですね。しかも、ドイツの例なんかを見てみますと、先進国の中で労働人口の増加率が一番低かったのは実はドイツであります。しかしながら、ドイツは日本よりもずっと経済成長しているわけで、それが原因の一つではあると思いますが、それだけではないのではないかと。 ここで、今副大臣も御指摘されたように、内需といいますか、その投資を民需主導、民間主導で投資をして需要を喚起してもらいたいという御指摘がありましたが、ここが私、もう少しまだ政府がやるべきところがあるんじゃないのかなと思っているところであります。つまり、何かというと、投資をしなければ成長しないわけですが、その投資の中には、まさに民間の投資、しかも内部留保ためまくっておりますけど、それから政府による投資、いわゆる公共事業とか教育とか、アベノミクスのその第二の矢としても頑張っているところもあるわけですけれども、政府による財政出動ということがやはりもうちょっとあってしかるべきなのではないのかなと。 ここが実は私はまだ自分の中でも勉強中でありまして、西田昌司先生、我が党の西田議員なんかは、財政出動が全てを解決すると、特に公共事業ですね、ということを主張されておりまして、私はそこまでまだ確信は及んでおらないのですが、しかしながら、一部当たっているところあるんじゃないのかなと思い始めております。 それが、二ページの資料を見ていただくとちょっとどう思われるかという点なんですが、これまた、済みません、大変多くの図を詰め込んでおって、余り優しくない表で大変恐縮なんですが、左から見ていただくと、左の二つは財政支出額総額であります。これは要するに予算額と思っていただければいいのではないかと思います、国債とかの償還に使う以外のですね。 これを見ると、日本はかなりほかの先進諸外国に比べましてモデストだなと、小さい、予算規模が小さい国なんではないか、つまり小さい政府なんじゃないかと思うわけなんです。この支出の中の内訳に、教育であったりそれから公共事業であったり、いろんな政策費目であったり、そういうものが含まれているわけですが、全体に言ってまず少な過ぎるのではないか。 もう一つが、私、次のページでまた御説明するんですが、公共事業、本当に西田先生の言うとおりなんだろうかと思って調べてみたんです。確かに、これはかなり当たっているところがもしかしたらあるのかもしれないと。 つまり、真ん中の列の上の段を見ていただきますと、これ見にくくて大変恐縮なんですが、一番下が日本であります。一番上から、カナダ、イギリス、韓国、アメリカ、フランス、ドイツと来るんですね。日本の公共事業は本当にこの二十年ずっともう低迷で、安倍政権になってから少しだけ、六兆円ぐらいに戻していただいて、補正で少し付けていただくという格好になっているんですが、ほかの国がこうやって公共事業を始めとした財政出動で経済を良くしている中で、日本はもしかして財政規律を恐れる余り少しその手を緩めてしまったのではないのかなと。もしかすると、アベノミクスで少し景気が戻ってきているのは、まさに第二の矢で金融緩和とともに財政出動したからこそ少し戻ってきているということなのかもしれないと、これは推論でございます。 この真ん中の列の下の段の図表というのは、我が同期の足立委員が、足立先生が、自民党の、下に書いておりますけれども、足立敏之先生が公共事業と経済成長の関係をプロットした表であります。これ見ると、明らかに、公共事業をちゃんとしているところは割合それに連動して景気が、景気というか経済成長率が上がっているのに対して、日本はそうでないということがすぐに分かると、こういう図になっております。 ここはまだ私としても確たる考えがあるわけでは、確たるというか確信までは行っていないんですけれども、まず、金融緩和によるデフレ解消はもう限界にまで来ていて、出口戦略を探すところに来ていると思いますが、やはりデフレ下における財政緊縮政策というのは、これはいろんな論者がおりますけど、緊縮財政政策はすべからく失敗してきたという指摘をされる論者もございます。今やはり必要なのは財政出動ではないかという、こういう御見解についてどのように思われるでしょうか。
○副大臣(大塚拓君) 御存じのように、政権交代してからアベノミクスということで三本の矢ということでやってきているのは、一つは大胆な金融緩和、それから機動的な財政出動、それから構造政策とか科学技術イノベーション政策なんかとセットになっている成長戦略ということの三本の矢を同時にやっていくんですよということでやってきているわけですけれども、ターゲットは、これは二十年続いたデフレ不況から脱却していこうということでやってきているわけです。 それで、金融緩和がもう限界ではないかというお話もあったんですけれども、もとより金融緩和だけで全て解決しようということでやっているわけではないわけでありまして、デフレも、もはやデフレではないという状況はつくり出すことに成功しておりますけれど、経済は生き物であること、消費税の増税もあったかもしれないし、去年、一年間、グローバルにいろいろリスクが顕在化しかかったと、こういうこともありますので、少し予定どおりかどうかというところについてはあるかもしれませんけれども、基本的には緩和的な金融状態の上で機動的な財政政策を打ったり構造政策を打っていくということによって、総合的に政策の効果を発揮していこうというパッケージになっているわけでありまして、これまでもデフレマインドの払拭という意味で金融緩和は相応の効果が果たしてきていると思いますけれども、まだデフレから完全に脱却したと言える状況まで至っていないことを考えると、もう金融緩和が効果を発揮しないというわけではなくて、そういう状況に至るまでしっかりと粘り強く緩和的な金融環境を維持をしていくということが必要だということは、これは日銀が言っていることだと思いますけれども、私もそう思いますので引用しているわけですけれども、ということなんだと思います。 その上で申し上げますと、公共投資が重要なのではないかと、こういうお話なんですけれども、日本の状況が緊縮財政かと言われると、これだけ毎年まだ赤字を抱えていながらも一生懸命機動的な財政出動をしていると、補正などもかなり大幅に積んでいるということを考えたときに、緊縮財政とは私は言えないんじゃないかなというふうに思っているわけですけれども、恐らく更に積極的にやれというのが例えば自民党の西田委員なんかの御意見であることはよく承知をしているわけでありますけれども。 よく考えなければいけないのは、公共投資といったときに、要するに、政府が投資をするときにどの分野に投資しても本当に効果は一緒なんですかというと、そんなことはないんだろうというふうに思うわけでありまして、特に社会資本については、これはOECDの分析であるわけですけれども、ちょうど先日、五月十日の財政等審議会においても財務省からお示しした資料の中で触れているわけでありますけれども、要するに、社会資本の蓄積がどんどん進んでいくと投資効率がずっと低減していくということが、これはいろんな国の状況を分析したときに見られますねと。日本の場合はかなり社会資本の蓄積がもう進んだ状況に入っているので、傾向値としてはひょっとすると、これはOECDの分析ですけれども、一単位の公共投資をしたときに、その公共投資が経済成長にマイナスにもなりかねないエリアに入っているんじゃないんですかというのがかなり雑駁な言い方をするとOECDの指摘するところなわけですけれども、その公共投資が果たしてだから経済成長につながる投資なのかということを厳密に見て、その上でどの分野にどれだけ投資をしていくかという判断がしっかりなされる必要があるんだろうというふうに思っております。 いろいろ政府の支出といったときに、今、教育投資が大事だという方々もいらっしゃいます。科学技術投資がもうこんなんじゃ全然足りないと、こういう方々もいらっしゃいますし、公共事業と言われている分野の中で見たときに、もう本当に、例えば道路についてはBバイCということでそこそこ参考になる指標ができているわけですけれども、じゃ、道路と公園のBバイCが横で並べてどっちに投資すべきかとうまく比較可能な状況になっているかというと、そういうところも含めてやり方も少し精緻にしていく必要もあるんじゃないかなと私としては思っていますけれども、どういう分野にという重点化というのが一つ重要だろうというふうにも思っているところでございます。
○松川るい君 ありがとうございます。 どういう分野に投資していくのかが大事だというのは全く私も同感でありまして、公共投資、これ以上、私もまだ勉強が進んでいないのでやる気はないんですが、ただ、今言ったOECDかどこか分かりませんけど、乗数効果がマイナスじゃないかと、これ、いろんな意見があって、わざと低く見積もっているんじゃないかという、いろんな御指摘をする先生もいます。 私、日本のいろんな地方を、大阪が私の地元ですけど、実際に見てみて、やはり道路とかいろんなものが老朽化していて、六〇年代から七〇年代に我が国のまさにいろんな交通網、幹線道路から何からを造ったときから五十年が経過をしていて、五十年が大体耐用年数と言われていますので、補修だけではなくて、新しいものが必要になるときとか、そのサイクルの中には実は入っているのかなという気がします。アメリカが実際そのとおりで、少し前のアメリカにちょっと日本がなってきているというところは実はあるんじゃないのかなというのが私の実は率直な今のところの感想でありまして、これはまだ研究していきたいと思います。 どの分野に投資をするのが大事かというところがまさに一番大事で、日本が勝ち筋になれる、結局、経済成長は一人当たりの生産性掛ける労働力、労働人口でありますので、生産性を上げるためには、やはりイノベーションが起きるとか、勝ち筋の分野に多くの優秀な人が行くようになるとか、それからICTとかいろんなものが進むといったことがもちろん必要だと思うんです。 中で、次のページになりますが、私がまさに一番日本が投資をしなければならないと思っているのがやはり子供でございます。これはもうこの前の委員会でも指摘させていただいたので詳細は申し上げませんけれども、やはり子育て、教育も含めまして、に掛けている予算の分配が非常に日本は少ないと率直に感じます。ここが将来の人材投資という意味でも日本が掛けるべき重点分野の一つであろうかと思います。 また、これ、少しいい兆しが出たなと思って、昼休みのテレビを見ていたら、文科省が大学入試センターの試験で、英語は民間の、多分TOEFLとかそういうものだと思うんですが、それを採用しますと。もうすばらしいと思うんです。 本当に日本に必要な教育というのは、インダストリー四・〇、五・〇となっていく中で、そこにおいて活躍できるような人材を生むような教育をしているんですかということで逆算の発想が必要でありまして、一億総活躍で女性も働こう、シニアも活躍しようということでやっていますが、さらに外国人も積極的に高度人材、それから介護、家事労働についても入れていただくということで、まあ特区ですけど、これも大変すばらしいと思うんですけど、特に、今の逆算の発想でいくと、そもそもいろんなアジアの国から留学生を入れていくときに、その方たちが日本の中で就職してちゃんと生産してもらえるような分野の学生さんを入れようという発想で元々呼んでくるべきなんだと思うんですよね。そういう、日本のいろんなお金の使い方の中で、最終的に日本の税収が上がるとか日本の経済成長に資するとか、そういうところに資する人材を外国から呼んでくるというのをもうその留学生段階から考えるとか、いろんなところで逆算の発想をしていくということが必要なのではないのかなと思っているところであります。 これも、いびつな日本の財政とちょっと名付けましたが、人口の話はさせていただきましたが、子供がどんどん少なくなって子供に頼らないといけないのにお金を掛けていないというのもおかしいですし、国防費も、これ前の委員会で指摘させていただいたので、そのときに表を出す機会がなかったので入れておきました。ニュージーランドよりもGDP比で日本の方が国防費に掛けている割合が少ないという、それを言いたかったわけであります。それで、もう一つは金融資産形成でありまして、まさに貯蓄から投資へということで資産形成をしていかないと、日本は一番もうけていない、この二十年でアメリカ人は金融資産を三倍にし、イギリス人は二・二七倍にし、日本はそれなのに一・五倍ということなので、まさに貯蓄から投資への流れを後押しするということが必要かと思っているところであります。 済みません、今日は金商法の質問をしっかりしようと思って準備をしてまいりましたので、まだまだこの問題意識、今回だけで、質問させていただける中で全部分かるはずもないと思って、頭出しをさせていただきました。また引き続きいろいろと御質疑させていただきたいと思います。 さて、金商法に、済みません、ちょっとインバウンドとFTAについてもお伺いしたかったんですが、時間がないので誠に申し訳ございません。 金商法についてです。今日も、先生方、各委員からいろいろと御質疑ありまして、いろいろと明らかになってきていると思いますが、更に金商法に関して、少し一般の国民の皆様は分かりにくい取引だと思いますので、お伺いしたいと思います。 高速取引についてはどんなもので、どういう規制を今回やるんだよということについては、概略、先ほどの御質疑で明らかになったと思うんですが、具体的にもうちょっと踏み込んで、この高速取引をやっている主体というのは一体どういう方々なんですか。日本の証券会社なんですか、それとも海外の方が多いのか。どういった方々がHFT、この高速取引をやっていらっしゃるのかについて、一般国民が分かるように御説明いただけますでしょうか。
○政府参考人(池田唯一君) お答えいたします。 今回の法律案では、まず高速取引を行う者につきましては、株式等の取引を行うことについての判断をプログラムに従って自動的に行っているということを一つの要件といたしまして、あわせまして、コロケーションエリアからの発注など、判断に関する情報の伝達に要する時間を短縮するための方法を用いていることということをもう一つの要件にしておりまして、この二つの要件を満たしたときに今回の法律案の対象となる高速取引と定義をしておるところでございます。 こうした定義に当てはめて考えてみますと、現在、我が国の証券市場においてこの定義を満たす高速取引を行っている者は七十程度かというふうに考えております。ただ、この七十程度の会社のうち十社程度は証券会社であると見ておりまして、したがいまして、今回の法律案によって新たに登録を義務付けられるいわゆる投資会社は六十社程度になろうかと見込んでおるところでございます。 こうした形で新たに登録を義務付けられる投資会社の大宗は、例えばバーチュ・ファイナンシャルですとかフロートレーダーズといった名称の会社が代表的になりますけれども、既に海外でも高速取引を行っている、基本的に海外の会社であると承知をしているところでございます。
○松川るい君 ありがとうございます。 実は、だから新しく登録される方の、登録することになる業者のほとんどは海外の会社であるということだというふうに今御答弁を聞いて理解いたしましたが、海外の会社であるということでありますと、一体この日本の法律をどのように、登録してもらうにしても、監督、どういうことをやっているんですかと。いろんな監督をするにしても、これ実効性を持たせるためには、外にいるところだけしか何も、日本の中に何もないんだとちょっと困ってしまうんじゃないかと思うんですが、この実効性確保の観点でどのような工夫をされておられますか。
○政府参考人(池田唯一君) お答えいたします。 今申し上げましたように、今回の法律案で対象となる高速取引を行う者の大宗が海外の投資家であると想定されるところでありまして、規制の実効性を確保する観点から、今回の制度案では、まず外国籍を有する者が高速取引を行う場合には登録をしていただくわけですが、その登録に際して、国内における代表者あるいは代理人の設置を要件とさせていただいております。また、高速取引を行う営業所が所在する国の当局が私ども当局と覚書を締結するなど、我が国の調査協力に応じていただける旨の保証があるということを求めているところでございます。 さらに、証券会社に対しましては、無登録で高速取引を行う者からの取引の受託を禁止するということにしておりまして、これらによりまして規制の実効性を確保していこうと考えているところでございます。
○松川るい君 ありがとうございます。 しっかりその点担保されているということで、安心いたしました。やはり私も、中長期の取引が本来株というか取引所の主であってほしいなと思う一方で、やはりこういう高速取引は現実に進んでいて、これができるようにしっかり、できるようにならなければならないというのも一方の要請だと思いますので、そこがきちんと確保されているのが大事だと思います。 同時に、この法律拝見しますと、取引所の中に開発業務とかいろんなことをできるようにしましょうとか、そういったことも入っていると思いますし、それから取引所自体の、取引所の機能についてのいろんなことも書かれているということだと思いますが、まずグループ業務範囲についてお伺いする前に、一般人からすると、高速取引ってすごい、もうミリセカンドとかいってやるんだなと。たくさん、この取引業が更に発展していった場合は、サーバーがクラッシュするとか、そういう取引所のキャパシティー大丈夫なのということが気になります。 この点、取引所の機能が万一にも停止してしまうとか、どんどん発展していくとそういう事態に陥ったりすることはないんでしょうか。
○政府参考人(池田唯一君) お答えいたします。 取引所におきましては、これまでも高速取引による注文件数の増加ですとか、短時間での注文の集中などに対応できるように売買システムの整備を進めてきていると承知をしております。 例えば、現在、東証の売買システムは一日の最大注文処理件数が三億二千万件となっております。これをどう見るかということですが、過去、注文件数が多かった例でいいますと、最近ですと、例えばブレグジットに関する英国国民投票の際の注文件数が約九千万件、あるいは米国大統領選の際の注文件数が約九千三百万件、そうしたことに照らしても相応の処理件数ではあると考えられようかと思います。 いずれにしても、金融庁としましては、情報技術の進展と市場の環境の変化に取引所が適切に対応していくよう状況をよく注視してまいりたいと考えているところでございます。
○松川るい君 ありがとうございます。是非そのようにお願いいたします。 藤末先生も先ほど御質問されていて、私も全くフィンテックに関して問題意識を同じくしております。 今回の高速取引に関しては、特にフィンテックに関する直接の言及とか、前文とかにも何もないとは思うんですが、やはり今後の金融サービスの在り方だけじゃなくて、もう本当にいろんなところでフィンテック大きな影響を及ぼすと思いますし、そこに我が国ができるだけ国際標準スタンダードでやっていけるような体制をつくることは私も大変大事だと思っています。 今回、取引所グループにおいてもいろんな機能が少し拡充されたところ、私、良かったと思っているんですが、取引所グループにおいてもフィンテックへの対応というのを今後考えていくということはもう既にお考えなのか、どういう御姿勢で臨まれるのか、教えていただけますでしょうか。
○副大臣(越智隆雄君) 現行法上、取引所に対しては、まず市場の運営という公共性の高い業務を安定的に運営させるなどの観点からの業務範囲規制が課されているということであります。 その中で、今委員御指摘ありましたけれども、近年、フィンテックを活用しました革新的な金融サービス市場が急速に拡大しつつありまして、AIですとかブロックチェーン技術などは今後の取引所の業務にも大きな影響を与えることが考えられているところであります。そのために、取引所グループにおいてもそうした技術の活用などに関する先駆的な取組が始められています。例えば、イノベーション創発の一環としてブロックチェーンの実証研究などが行われているということであります。 このような状況を踏まえまして、金融審議会では、取引所グループがフィンテック企業に出資して子会社化することも可能とするような提言が去年の十二月に市場ワーキング・グループで取りまとめられたということでございます。これは現行法の運用に係る事項でありまして法改正をお願いする問題ではないんですけれども、金融庁としては、このような審議会の提言などを踏まえまして、取引所の業務の公共性を保ちつつ、フィンテックの活用などのイノベーションにも取引所がタイムリーに対応していくことができるように適切に制度を運用していきたいというふうに考えているところでございます。
○松川るい君 ありがとうございます。 是非そのような問題意識で取り組んでいただきたいと思いますし、また、フィンテックのみならず、AIとかいろんなところもそうなんですけど、日本がトップを走っているところはいいんですが、もう官だとか民だとか学だとかいうことではなくて、日本の知恵、日本になければ外から、外国からの知恵を集めて、最終的に何を達成するかということについて一番の最短距離を走るという発想でやらないといけないと思いますし、取引所にももちろん優秀な方はたくさんおられると思うんですが、ここが、どこ出身であるとか日本人であるとかいうことに関係なく優秀な人材を入れて、是非、この金融、非常に大きな分野であります。金融だけでなくて、仮想通貨から、仮想通貨も金融といえば金融ですけど、いろんなところにも波及し得る、次の、もう何十年かしたら今の四割の仕事はなくなると言われているわけでありまして、もうそういう発想で五十年先、三十年先にどういう社会になっているかということを前提とした人材活用をしていただきたいなと、私も藤末先生の問題意識と全く合わせて申し上げさせていただきます。 最後に、一分残りましたので、済みません、さっき飛ばしてしまいましたが、来ていただいているので、是非、FTAについてお伺いしたいと思います。 今、内需はないわけで、内需というか、内需がまだ喚起されていないわけで、そうするとインバウンド、外国人の国内における消費と、それからトレード、市場を海外に拡大するというこの二つがどうしても必要になってくると思います。 今、TPP11で進めていくんだということが世上新聞なんかでも報道されていますし、またRCEPの交渉もどんどん進んでいると承知しています。私、これ、とても両方ともいいことだと思っていまして、日米FTAが一番最悪なんですから、是非、TPP11とそれからRCEP、同時並行でがんがん進めていただきまして、牛肉どうするのとアメリカに言ってここに入っていただくという戦略でやっていただきたい。 そうじゃないと、一帯一路構想の昨日国際会議がありましたが、中国はユーラシア大陸ですね、もちろんこれは地政学的発想でもやっているとは思いますし、もしかしたらだぶついている内需を拡大するためにやっているというのもありますが、さはさりながら、結局、我が国としてこの太平洋をカバーする海の同盟、海の経済同盟をつくることができなければ、結局チャイニーズ・ティエンシャーにいやが応にも入ることになるわけです。だから、それはそれで必要なんですけれども、中国大きいので。しかし、そうであってはならない。そこは、アメリカもエンゲージする太平洋の開かれた海の発想の経済連盟というのは必ず私必要だと思っておりますが、このTPP11、RCEP、どうやって進めていこうというFTA戦略をお持ちか、教えてください。
○政府参考人(飯田圭哉君) 委員御指摘のFTAでございますけれども、最初に御指摘がありました日米FTAについては、先般、日米経済対話においても、具体的議論があったわけではありませんが、米国から二国間貿易投資関係を重視するという考えが示されたわけです。しかし、日本政府としては、どういう枠組みが本当にいいのか、委員の御指摘も踏まえてですね、そういうことは今後建設的に議論していくことになっていまして、この点については日米で認識が一致しているというふうに思っております。 また、TPPはまさに委員御指摘のように非常に重要な意義を持っているということで、これは様々な機会を通じて米国にも説明してまいりますし、アメリカも日本がそういう既存のイニシアチブを基礎として地域レベルでやっていくということには了解をしているというふうに考えております。 委員御指摘のTPP11も含め、あらゆる選択肢を排除せず、何がベストかということで、ポイントは多分日本が主導的に議論を進めていくということが一番大事ではないかということで、大きな戦略は、やはりアジア太平洋地域において自由で公正な経済圏をどうやってつくり上げるか、これが一つの大きな戦略でありまして、この目的のために、米国とTPP11各国との緊密な連携を行う、それからRCEPも早期に合意、質の高いものを目指していくということでその橋渡し役を日本は担っていくという、そういう主導的なリードする議論をしてまいりたいというふうに思っているところでございます。
○松川るい君 どうもありがとうございました。 中国が自由貿易の旗手では困るわけで、しっかりアメリカにも、中国の方がまともに見えるようなことがないように、しっかり日本としてもリードをしていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。 ありがとうございました。
○平木大作君 公明党の平木大作でございます。 本日のテーマであります金融商品取引法の改正案につきまして、少し限られた時間でありますので、今日は、これまでの審議でも取り上げられてまいりましたけれども、いわゆる超高速取引について、少しテーマを絞って質問させていただきたいというふうに思っております。HFTですね。 〔委員長退席、理事長峯誠君着席〕 このHFTにつきましては、何年か前にマイケル・ルイスの「フラッシュ・ボーイズ」という本が出まして、私も大変面白く読ませていただきました。 ここではもう、先ほどありましたけれども、まさにマイクロセカンドとかナノセカンド、要するに百万分の一秒とか十億分の一秒のいわゆるしのぎを削る戦いというのが書かれておりまして、本当に、この速さを追求するために取引所までの最短のルートでどうやったら光ファイバーを敷設できるのかとか、高速のスイッチってどういうものがあるのかとか、あるいはソフトウエアのいわゆるプログラム取引のコードをどれだけ短くするかみたいなことにとにかく競争を掛けるということが書かれておりまして、これ、ただ基本は、何でこんなことを一生懸命、いわゆる百万分の一秒とか争っているかというと、端的に言うと、アメリカみたいな広い国土、タイムゾーンが幾つもある広い国土の中で、アメリカの場合、例えば取引所だけで十二か所、それから、いわゆるダークプールと言われる私設取引所だけで四十か所あるという中で、一番ベストなところに最短でどう届くかということを私は競っているんだろうと思っていたわけですね。 だからこれ、基本的には東証で全て取引が完結してしまう日本においては余り関係ない話かなと思っていたのですけれども、実際には、これ今、現状どうなっているかというと、東証における全取引におけるコロケーションエリアからの取引というのが注文件数ベースで七割、それから約定ベースで四割から五割と、いつの間にか日本でもこの高速取引の存在感というのは高まっているということでありました。 そこで、先ほども少しありましたけれども、この議論を整理するために、国内株式市場において高速取引を行うことによる収益機会って一体どういうものがあるのか、この点ちょっと整理のためにお伺いしてみたいと思います。
○政府参考人(池田唯一君) お答えいたします。 高速取引を行う投資家が採用する戦略としては、これは一般的に、大きくマーケットメーク戦略、それからアービトラージ戦略といったものが指摘されていると承知をしております。 そのうちマーケットメーク戦略については、市場に売り買いの両方の注文を出しておいて、他の投資家の取引相手になることで売り注文と買い注文の間の価格差分を利益とするという戦略で、その時々の相場の状況や自らのポジションの状況に応じて適時のタイミングで注文数、価格を調整することで収益機会を得ると、そういった戦略であると理解をしております。 これに対してアービトラージ戦略は、同一の商品の市場間での価格差あるいはETFとその原資産との価格差などに着目していわゆる裁定取引を行うことで利益を上げる戦略で、市場メカニズムによって価格差が修正されるまでの短い時間の間に裁定取引を行うことで収益機会を得るといったことが基本になっているのだと理解をしております。
○平木大作君 今御整理いただきました。マーケットメークにしても、それから、アービトラージというのは、いろんなちょっと幅がありまして、単純に全く同じ商品じゃなくてもいいわけですね。ある意味、非常に価格の動き方が連動しているものですとか、そういったものの間でもよく取引をされるわけであります。こういったものが東京の市場でもいつの間にか、ある意味高速取引とともに大分注目を集めるようになってきた。 ここで一つ投げかけたいのが、実は先行している米国市場におきましてこのHFTが盛り上がりを見せたのはもうちょっと前でありまして、二〇一四年ぐらいまで。最近は勢いに陰りが出てきているということでございます。アメリカの調査会社、タブ・グループによりますと、二〇〇九年、アメリカの市場ですけれども、七十二億ドルだった米国株の高速取引の約定、二〇一六年には十一億ドルまで減少したということで、大分これも実は規模がちっちゃくなってきていまして、最近のニュースでいきますと、例えば金融大手のHFTからの撤退ですとか、あるいは先ほども答弁の中に名前ありましたけれども、大手のバーチュ・ファイナンシャル、ここがKCGホールディングスを買収すると、こんな話も出てきたわけであります。 この背景、ちょっと金融庁としてどう認識をされているのか、またこの取引のアメリカにおける減少というのが、これ、米国においても実はこの今規制というのが導入を検討されているわけでありますけれども、これと関係がありそうなのかなさそうなのか、その点についてもお伺いしておきたいと思います。 〔理事長峯誠君退席、委員長着席〕
○政府参考人(池田唯一君) お答え申し上げます。 ただいま御指摘のありました米国での状況については私どもも承知をしているところでございます。市場関係者の間では、そうした動向の要因としまして、一つには、高速化のための情報通信インフラやアルゴリズム開発に要するコスト負担、あるいは主要取引所が相場情報の配信料を引き上げたことに伴うコスト負担、あるいは市場のボラティリティー、価格変動の度合いが低下していることによる収益機会の低下、そうしたものが指摘されていると承知をしております。 また、アメリカでの規制をめぐる議論が影響をしているかというお尋ねでございますけれども、現在、アメリカでは、先物市場において高速取引を行う者を登録制とする規制案が今月の初めまで市中協議に付されていまして、現在は寄せられた意見等を踏まえ検討が進められているところと承知をしておりますけれども、そうした規制案そのものが収益減の直接の要因になっているという見方が一般的とは認識をしていないところでございます。
○平木大作君 アメリカの議論もいろいろあるようでして、有識者の方の中には、そもそもこの取引の速度規制をするべきだみたいな話もあるというふうに聞いておりますけれども、実際は、今、アメリカそれから欧州含め検討されているものは、どちらかというと取引の見える化、今そもそも実態として何をやっているのかということを規制できちっと対応していくという方向だというふうに私も認識をしております。 いずれにしても、今御答弁をいただきました裁定取引をするにしても、それからマーケットメーキングにしても、結局それぞれの取引については、個々の取引自体は利ざやの薄いものでありますから、ある意味各社が一通りこの高速化に向けた投資を終えて、いよいよそこで差を付けるのが難しいという状況の中で、やはり競争環境自体は厳しくなってきているんだろうなということが分かったわけであります。 ただ、じゃ、これからの日本はどうなっていくのかというところなわけですけれども、HFT、本当にそれで全てなのかというところが最後やっぱり疑問が残ると思っておりまして、そもそも取引の実態が分からない。欧米でも結局何が行われているのかを探るために今規制をということでありましたから、そもそも不正な取引が行われていないということも確証がいまいち得られないわけですね。 この点について、今回の法改正におきましても、実態把握のために株式等の高速取引を行う投資家に対する登録制を導入されて、そして取引記録の作成それから保存、これを義務付けるわけでありますが、こういった今回の一連の措置を通じて、例えばフロントランニング、いわゆる先回り取引ですね、こういったものというのはこれ不正排除できるんでしょうか。
○政府参考人(池田唯一君) フロントランニングという御指摘がございましたけれども、これについては、先ほど先生からもございましたように、米国では複数の証券市場、複数というか大変多数の証券市場が分散している中で、他の投資家の注文を高速取引を行う投資家が先回りする、そうしたものが指摘をされていると理解をしておりますが、我が国では必ずしも多くの銘柄が複数の取引所で活発に取引されるという状況はございませんので、アメリカと同じようなフロントランニングのような問題がそもそも生じるかということはちょっと状況が違うという面があるとは考えています。 ただ、同時に、こういう高速取引にも用いられるアルゴリズムが絡んだ相場操縦などの不公正取引の事例は我が国でも摘発を既にされているところでございまして、御指摘のありましたように、やはり高速取引の実態はよく把握していく必要があると考えているところでございます。そうしたことで、今回は登録制を導入して、取引記録の作成、保存を義務付けるとともに、取引システムの適正な管理、業務管理体制の整備などを求めることとしておりまして、その中では例えば取引システムによる不公正な取引を防止するための管理体制の確保を求めていくということも検討していきたいというふうに考えております。 こうした取組を通じて、市場の公正性確保には万全を期していきたいと考えております。また、今回の法案に基づいて実態を把握し、その中で取引の公正、透明、安全性確保のため、必要があれば更なる対応を考えていきたいというふうに考えているところでございます。
○平木大作君 不正というのはなかなか見破れないというか、金融市場というのはやっぱりスマートな方たちが基本的にしのぎを削っている世界でありまして、一目見て不正だと分かるようなものってほとんどないんですね。 私も、バンカー時代の実は最後の仕事というのが東京地裁で四時間にわたって証言台に立つというのがありまして、オプションの売り買いですとかスワップの取引、これを一個一個見ていくと実は何のルール違反もないんですけれども、組み合わせることによって実は不正になっている、いわゆる飛ばしですとか損失の先送りに、どうなっているかという証言を延々と四時間にわたってやったことがありまして、これ、極めてやっぱり専門性と細かい作業を積み重ねて、結局一つ一つの取引をパズルのように合わせていくと実はこれおかしいことになっているというのを立証していかなきゃいけないわけですね。大変なものでありまして、ちょっと次元違うかもしれませんが、HFTを使った不正についても同じようなものというのは幾らでも考えられるんだろうなと。 今、御答弁の中ではフロントランニングは日本の市場においては起きにくいんじゃないかという御指摘もいただいて、それはそうかなというふうにもお伺いしたわけでありますけれども、今回の取引、今回の法的な措置の中でも例えば登録制にするということは、基本的にはIDタグを付けるということだと思っています。 ただ、やっぱりこれだけだと済みませんで、当然、HFTの業者というのは複数のブローカーを使い分けて発注しますから、最終的には注文が行き着く取引所のところでどういう順番でどういういわゆるディールが行われたのかということを名寄せしていかなきゃいけないわけですね。名寄せした挙げ句に、これ何が、これ実際にディールが立て込んだだけなのか、それともこの組合せによっておかしいことが行われているのかということをやっぱり検証しなきゃいけない。 そういう意味でいくと、例えば取引上のログの付け方も、百万分の一秒を争っているということは、いわゆる一秒単位でログを残しても余り意味がないわけですね。一秒を一体どれだけ刻んでシステムの中に記録として残すか、こういったところも含めて、これ、これから様々考えていただかなければいけない点かなというふうに思っております。 この法案におきまして、取引システム、例えば必要な体制整備、適切な管理運営、リスク管理、こういったものを課して金融規制当局への情報提供というのも義務付けたわけでありますが、米国では、フラッシュクラッシュですか、二〇一〇年の五月六日に実際に発生していまして、急にいわゆる相場が大きく乱れた、変動したということがあって、これ、実際に規制当局で五か月後に報告書を出されているんですね、作られていまして、一応のアメリカの証券取引委員会の検証報告で何と言われているかというと、先物取引での大口注文が誤発注された、これが引き金なんじゃないかというところまで指摘はしているみたいなんですけれども、実は本当に何が起きたのかというのはよく分からない、可能性を実は指摘したところで終わっちゃっています。 そういった意味でいきますと、いわゆる市場の大暴落の引き金を引いてしまうような誤発注というのは、当然事前に防ぐことができればそれにこしたことはないわけでありますが、実際に今回、今議題にしておりますアルゴリズム取引ですから、プログラムコードの中に一行、一か所バグが入っていて、それがある意味引き金を引いてしまうみたいなものというのは、事前に基本的に検知するってほぼ不可能かなということもあるわけであります。 監督官庁として、このいわゆるハードもしっかり見ていく、ソフトも見ていく、さらにはこのシステムの健全性だとかあるいはその運営の仕方はどうなのかということも見ていく、なかなか難しいと思うんですが、これどう取り組まれるのか、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(池田唯一君) お答え申し上げます。 今御指摘がありましたように、今回の法案との関係で申しますと、登録制を導入して体制整備、リスク管理を求めると、そのための措置として、取引システムの適正な管理、あるいは業務管理体制の整備などを求めることとしているわけでございます。 その際には、当然に、高速取引を行う投資家が取引用のプログラムとかサーバーとか、そういったハード、ソフト両面におけるシステム管理などを含めて、適切な体制で業務を行っているかについて確認をしていくことになるわけでございます。具体的には、例えば、登録申請時の審査においては高速取引を的確に遂行するための必要な体制が整備されているかどうかを確認することになりますし、登録後も、取引所などと連携して、日常の検査監督等を通じて適正な管理体制の確保を求めていくといった対応が基本になろうかと思います。 ただ、御指摘のように、それを実際に実効性ある形で行っていくためには、私どもあるいは取引所におけるIT人材の確保のような課題も含めて、いろいろな取組を並行して進めていかなければならないというのは御指摘のとおりだというふうに考えております。
○平木大作君 まずは実態の把握からというところでありますので、これ当然、これから運用していく中において様々課題も発見されることかなというふうに思っております。当委員会でもこれ引き続き議論させていただきたいと思っております。 HFTに限った話ではないんですけれども、アルゴリズム取引における人工知能、いわゆるAIの扱いについても少しだけ議論、今日しておきたいと思います。 昨今、ディープラーニングと呼ばれる技術で、大分、第三次AIブームと呼ばれるまでの一つのブームを迎えておりまして、例えば囲碁だとか将棋みたいな特定の分野に限ったAIについてはもう人間のパフォーマンスを超えてしまう、こんな事態もちらほら出てきているわけであります。 ヘッジファンドとか金融取引においてもこのAIを大分活用しているというふうな話も少しずつ聞こえてきているわけですが、ただし、今日指摘しておきたいのは、AIの抱えている最大の欠点って何かというと、基本的には判断したことについて、その理由だとかロジックの部分というのが基本的にブラックボックス、開発している方も基本的には説明し切れないというところだと私思っております。結局、囲碁でこれはというような手を指すわけですけれども、何でそこに石置いたのってことが基本的に誰も説明できないわけですね。これ、つまり投資のパフォーマンスを追求するAIにおいても結局同じことでありまして、その投資戦略だとかその一つのオーダー、これ何でこういう取引やったんですかということを説明を求めても、基本的にはAIが判断したものについては誰も説明ができないというのが現状なわけです。 現時点でそもそも、これお伺いしたいのは、アルゴリズム取引を人工知能によって行う国内の投資家ってどのくらいいるのか、あるいは、その場合、投資戦略を確認するですとか、あるいは何か問題が見付かったときにどのようにして業務の改善を図っていくのか、現時点でのお考えをお聞かせいただけたらと思います。
○政府参考人(池田唯一君) AIを使った取引の状況を私ども現状においてつぶさに把握しているわけでは必ずしもないところでありますけれども、近年、AIを活用した投資信託が設定されて投資家に販売されるなど、投資において人工知能が利用されている例も出てきているということは承知をしております。 将来的に人工知能を用いて高速取引が広く行われるということも想定されないではないわけだろうと思いますけれども、今回の法律案との関係で申しますと、高速取引を行う者に対して登録を求めた上で、情報提供に係る措置としましては取引戦略の届出や取引記録の作成、保存を求めていくということでございますので、投資判断にAIが用いられた場合でも、直接的には、どのような取引施設において、どのような金融商品に対し、どのような戦略に基づいて取引を行うことを前提にAIが設計されているかといったような届出をしていただき、注文やキャンセルなどの実際の取引状況は記録していただくと、そうした中で実態を把握していくということになろうかと思っております。 そういう意味で、御指摘のあったようなことは留意していく必要があろうかと思いますが、AIが用いられた場合においても、今回の制度の下での実態把握ということはある程度基本的に可能であると考えているところでございます。 ただ、AIを含めたIT技術は日進月歩で進化をしていると私どもも認識をしておりますので、市場の動向を十分注視して、必要があれば適切に更なる対応を検討していく必要があるだろうというふうに考えているところでございます。
○平木大作君 ちょっと時間が押していますので関連する問いを一問したいんですけれども、今回の法案の中で基本対象としているのは株式等の有価証券なわけでありますけれども、実は外国為替市場においてもこの高速取引の存在感が増しているというふうに言われております。ただし、外国為替の場合は、株式などと違いまして、基本的にはいわゆる相対のOTC取引でありますので、よりこれ実態、取引の実態というのが把握が難しいんじゃないかと思っているんですが、現時点で、外国為替における高速取引、現状どう認識されているのかということと、今後もし今規制の在り方等を検討されているものがあればお示しいただきたいと思います。
○政府参考人(武内良樹君) お答え申し上げます。 為替市場においても、高速取引の増加等を含めて市場の構造が変化してきているとの指摘があることは十分承知しているところでございます。 一方で、為替市場はグローバルな市場であり、流動性、取引量が株式市場よりも圧倒的に大きいこと、それから、今委員から御指摘のありましたように、株式市場が取引所取引なのに対し、為替市場は相対取引であることなどから、高速取引自体が為替市場の変動を高めているかについては定まった見解がないというふうに認識しているところでございます。 その上ででございますけれども、いわゆるローカルな市場である株式市場と異なり、株式市場は、グローバルな市場であります。そのため、規制の関係でございますけれども、日本が独自に取引規制を行えば、世界の投資家が東京市場における取引を避け、東京市場における円の流動性の低下を招き、ひいては為替の安定を阻害しかねないという問題があることも十分踏まえる必要があると思っております。 他方で、為替市場においては、総合的な観点から、市場参加者が守るべき一般的な倫理や取引の規範、グローバル外為行動規範を世界の大規模な為替市場の業界団体が主体となって策定中であり、五月中に公表されるものと承知しております。これは為替の安定に資するものと期待しているところでございます。 いずれにせよ、為替の安定が重要でありますから、市場の構造変化や市場参加者の取組にも留意しながら、為替市場の動向を引き続き注視してまいりたいと考えているところでございます。
○平木大作君 最後に一問お伺いしたいと思います。 先ほど松川委員からも御質問あった点なんですけれども、これだけある意味システムへの負荷がやっぱり高い取引というものが多くなってきたときに、改めて金融市場の要である取引所の機能というのをきちっと維持していくということがやっぱり大事だろうと思っております。この点については、最近、日本取引所グループの方からもBCP、いわゆる事業継続計画というものが発表されたというふうに認識をしておりますが、この点、最後、どう評価されているのかお伺いして、終わりたいと思います。
○政府参考人(池田唯一君) 御指摘のとおり、日本取引所グループにおいては、自然災害、システム障害、あるいはテロ等が発生した場合に備えた業務継続計画、BCPを策定し、かつ、それを新たなリスク、環境変化に応じて見直しを行ってきているところでございます。 最近ですと、昨年十二月より、上場企業や投資家を交えた検討会、これBCPフォーラムと呼んでおりますけれども、そちらの方で業務継続計画の見直しを検討し、この四月二十日にその検討結果が公表されているところでございます。 ここでは、日本取引所グループは、東京証券取引所及び大阪取引所がそれぞれ近郊に用意しております既存のバックアップオフィスに加えて、大規模災害時の交通障害に備えて、今年の四月から東京証券取引所については大阪拠点を、大阪取引所については東京拠点をバックアップオフィスに追加するなどの措置をとるということが公表されているところでございます。 金融庁としましても、証券市場における重要な基盤である取引所が、不測の事態に備え、その機能を継続できるよう今後とも業務継続計画の実効性の維持向上に努めていくということは極めて重要なことだと考えておりまして、その状況をしっかりと注視をしていきたいというふうに考えております。
○平木大作君 以上です。 終わります。ありがとうございました。
○大門実紀史君 大門です。 今回の改正案は、高速取引への規制強化、あるいは上場会社の情報開示など、顧客保護に必要な措置が入っているということで、賛成したかったんですけれども、一点、取引所グループの業務範囲の柔軟化、拡大化のところが、これが後々どう影響するのかという点にどうも懸念が払拭できないということでございます。 なぜかといいますと、そもそもこれは、いわゆる金融ビッグバン以来、取引所集中義務を撤廃して取引所外の取引を拡大してきた方向を促進することにつながるんではないかという懸念があるわけでありまして、取引所外取引というのは、今日もちょっとありましたけれども、情報格差、不公正取引を拡大してきたという指摘も多いわけであります。 そういう点で、今日は取引所外取引の現状と問題点について質問したいというふうに思いますけれども、御存じのとおり、株の取引には東証とか大証などの取引所での取引と、取引所を通さない取引所外の取引、いわゆる取引所外取引というのがあるわけですけれども、この取引所外取引というのは、要するに取引所以外の場所で成立する取引なんですけれども、これは、先ほど申し上げたように、九八年の十二月に取引所集中義務が撤廃されてから証券会社のところで取り扱えるようになってきたということであります。 この取引所外取引には、PTS、私設取引所とか私設取引システムと言いますけれども、PTSというものとPTS以外の取引所外取引に分かれるわけですけれども、改めて、PTSとは何か、ちょっと具体的に説明をしてください。
○政府参考人(池田唯一君) お答えします。 私設取引システム、PTSとは、証券会社が電子情報処理組織を利用しまして、取引所を介さずに、同時に多数の者を相手に有価証券の売買等を集団的、組織的に行うものということで、証券会社が行っているものですが、金融商品取引所と類似の機能を有するもの、有していると考えられるところでございます。こうしたものをPTSと称しているところでございます。
○大門実紀史君 もう少し具体的に言いますと、東証、大証を通さないで証券、通常は東証、大証に売買注文というのは通すわけですけれども、証券取引所に通さないで自社で処理するという取引でありまして、一般的には日中取引ですね、証券取引所は九時から三時、平日は九時—三時までですかね、で取引できる時間帯と。このPTS取引だと、市場が、取引所が閉まった後でも取引ができるわけであります。もちろん開いているときもできるんですけれども。したがって、三時以降に何か海外でいろんなニュースが入るとか企業決算が出てサプライズが出るとか、そういうときでも、次の日を待たずに株式の処分、売買ができるというところでございます。 ただし、このPTS取引は信用取引ができないと、現物取引しかできないというふうに限定されております。信用取引ができないということは、証券会社から資金を借りたり株を借りての取引はできないと、現物だけの、自分が持っている現物だけの取引ということでございます。 現在、ただ、もう一つ、この個人投資家の売買代金の六割が今信用取引ということが背景にあるわけなんですけれども、今、このPTS、私設取引所では信用取引ができない、それはなぜでしょうか。
○政府参考人(池田唯一君) PTSにおけます信用取引については、従来、PTSを提供する業者自身が信用取引に伴います資金の貸付けですとか株券の貸付けですとかを行いますと、利益相反のおそれがあるのではないかというのが一つ。それからもう一つは、PTSを提供する業者に自主規制機関と同等の自主規制機能の発揮を求めることができるのかといった点がもう一点。その二つの論点が存在しておりましたことから、従来、PTSにおける信用取引は認められてこなかったということでございます。
○大門実紀史君 資料をお配りいたしましたけれども、これが今の取引所外取引での売買の状況であります。棒グラフでいきますと、水色の部分が取引所の取引でありまして、小さい紺色のところがPTS、私設取引所での取引ということになります。赤い折れ線グラフが全体に占めるPTSの割合でありますけれども、ずっと伸びてきましたが、今、頭打ち、減少傾向になっております。緑のラインというのはPTSとPTS以外の取引所外取引の合計、つまり取引所外取引全体が取引に占める割合であります。これは伸びております。 PTS以外の取引所外取引というのは別途質問することにして、まずPTSなんですけれども、今お話がありましたけれども、このPTS、私設取引所というのは証券会社の中でやる取引ですから、証券会社が資金を貸したり株を貸したりしてやると利益相反になるということで信用取引は認められてこなかったわけですけれども、この間、金融審議会のことも踏まえて、金融庁は信用取引を認める方向に今進んでおります。日本証券業協会も、具体的にPTSの信用取引について、規制の在り方などの検討会を設置いたしております。 先ほど言われたように、利益相反の可能性があるのに今度は認める方向になぜ変わってきたのか、説明をお願いします。
○政府参考人(池田唯一君) このPTSにおけます信用取引の問題については、昨年の金融審議会におきまして、取引所市場の問題について幅広く議論がされましたときの一つのテーマとして取り上げられたところでございます。 そちらの議論では、先ほど従来からの考え方を申し上げましたが、関係者によるその後の議論等を踏まえますと、例えばさっき二つの問題点があるということを申し上げましたけれども、例えばPTSを提供する業者等が実質的に資金、株券の提供者にならない、それから自主規制機関がPTSにおける信用取引についても一定の自主規制機能を発揮する、そういった手当てがスキーム上適切にできる、そうしたスキームが構築された場合には上記の問題点はクリアされるものと整理できるのではないかということが議論され、その旨が報告書に記載をされたということでございます。
○大門実紀史君 それがよく分からないんですけどね。信用取引というのは、証券会社から資金を借りたり株を借りて、もちろん担保を出しますよね、証拠金出してですけれども、それが信用取引なんだけれども、今もおっしゃったように、PTSを提供する業者、つまり証券会社が資金や株券の提供者にならないということですね、今おっしゃったのは。 じゃ、どこからその人は資金を借りたり株を借りるんですか。どういう信用取引が考えられるんですか、証券会社から借りない場合というのは。
○政府参考人(池田唯一君) それ自体は、仮にこういうスキームで信用取引を業務の中に組み入れていこうと考えられる方があるとすれば、そういう利益相反にならない供給者をどう見付けてくるかということに関わっているかと思います。 取引所の場合でいいますと、御案内のとおり、取引所で信用取引をやるときには、証券金融会社という全く独立の会社がありまして、そちらの方で株式等の貸付けをしているわけですけれども、自分自身で貸し付けると利益相反が生じる、そういう中で、何かそういう利益相反関係に立たない供給者が見出せるかどうか、それはスキームを組まれる方自身が基本的には考えられること、それが適切と考えられれば認可の対象になってくるということかと考えております。
○大門実紀史君 私は、実質的にそういう信用取引だと思ったより広がらないというか、見付けるのに相当困難だと思うんですね、実質的に利益相反にならないという形を取るのはですね。 元々、なぜこのPTS、私設取引所に信用取引を認めてほしいのか、認めなきゃいけないのか、どこにニーズはあるのかということなんですけれど、これはどこにニーズがあってこういう法改正の方向になってきているんですか。
○政府参考人(池田唯一君) PTSに信用取引を解禁してほしいという要望は、これまで過去も規制緩和要望などの場において度々要望が出されてきたところでございますけれども、要望の主体としては、投資家あるいは証券会社などの市場関係者からの要望というものが多かったと承知をしております。
○大門実紀史君 大前提として何を申し上げたいかといいますと、今の証券市場、株の売買が、前にもそういう議論をしたことありますけど、投資の、中長期的な日本経済を支えるような投資の世界というよりも、もう投機の世界になっていて、個人投資家という言い方はしますけれど、投資家と呼べるような人がどれだけいるのかと。 大体、いろんな資料あるんですけど、最初に、例えばネットのトレーディング、トレードをやる人もほとんどもう素人ばっかりで、今でいえば主婦の方とか若者とか、あるいは年金生活に入った方が将来不安だとか老後の資金足りないと。一部宣伝されますよね、幾らもうけたという話をですね。で、やる、入ると。入って損をして出ていくわけですけどね。そういう人を巻き込んでいるのが今なんですね。 実際問題としてそういうマーケットになっていて、そういう人が入ってくればくれるほど、結局、証券会社と一部の特別な情報を握ってもうける大口投資家、ヘッジファンドはもうかるわけですよね、彼ら利ざやを稼ぎますから、パイが大きいほど利ざやが大きくなりますのでね。そういう人を巻き込んでもうけるために入ってほしいと。 その中に、何といいますか、PTSにも信用取引を入れれば、個人投資家は大体信用取引やっていますから、広げられるんじゃないかというところがあるし、それは金融審議会のワーキンググループの議論でもそういうことをおっしゃっている、もうあからさまにおっしゃっている委員もいらっしゃるわけですね。個人投資家のシェアを伸ばすために信用取引をPTSで認めるべきだということをおっしゃっている方がいらっしゃるわけであります。 申し上げたいことは、今の、個人投資家といってもそういう人たちが多い、そういう人たちが引き込まれて損をしてもう出ていくというようなことを繰り返しておるわけですけど、そういう中でこのPTSに信用取引を認めていくことになれば、更にそういう個人投資家を引き入れていく、素人のということにつながるのではないかという危惧を大変持っているわけですけれども、そうならないようにすべきだと思うんですけど、いかがでしょうか。
○政府参考人(池田唯一君) 私設取引システム、PTS制度につきましては平成十年以降導入されてきたわけですけれども、利用者のニーズに合った取引手法の提供といった効果も一定程度で見られるところだというふうに考えております。もちろん、適切な投資者保護、あるいは先ほど来の利益相反の払拭等は適切に図っていく必要があると考えておりますが、信用取引を解禁する場合にも、先ほど言いましたような条件が満たされた場合には認められるということでございますように、取引の公正確保というのは大前提になると考えております。 私どもとしては、PTSの取引量を増やすとか、そうした目的のためにやっているものではなくて、取引所取引とPTS取引、そうしたものの間の適切な市場間競争が図られることによって証券市場全体の利用者利便の向上が進んでいくということを期待し、そうしたものを目指し、一定のスキームが構築された場合にはそうしたものを容認していく余地があるというふうに判断をしておるということでございます。
○大門実紀史君 そういうことですね。個人投資家といっても、一定の知識があって、そしてマーケットが公正で、そして自己責任で、そういう部分なら分からなくはないんですけど、今大変そういう素人の人が引き込まれている段階で安易に解禁していくことはいかがなものかということは申し上げておきたいと思います。 その個人投資家というか、そういう素人投資家の問題に関して、一点、デートレードの中心に先ほど申したネットのトレードがあるわけですね。今、大体ネットでやるわけですよね。そのシステム障害の問題でちょっと質問しておきたいんですけれども、株式とかFXのネットトレードの利用者は相当広がっておりまして、ネット証券の最大手のSBIでは口座数だけで三百五十万突破したということであります。初心者も含めて、そういう顧客獲得競争が進められております。ネットトレードを始めた人の八割が経験なしと、先ほど申し上げました主婦とか若者とか年金生活に入った人とかが大変多いということであります。 そういう中で、二年前にカブドットコム証券でシステム障害をめぐって金融庁から厳しい行政処分を受けていたということが分かりましたけれども、その処分の概要を簡単にちょっと説明してもらえますか。
○政府参考人(遠藤俊英君) お答え申し上げます。 委員御指摘のように、平成二十七年五月に証券取引等監視委員会より、カブドットコム証券に対する検査の結果、金融商品取引業等に係る電子情報処理組織の管理が十分でないと認められる状況、いわゆるシステム管理が十分ではない状況という金融商品取引法令の違反の事実が認められるとして行政処分を求める勧告を受けました。このシステム管理が十分でない状況の一例として、金融庁長官に報告されるべき多くのシステム障害が報告されていないことなどをこの勧告の内容の一部として掲げているところでございます。 これを受けて、二十七年五月、カブドットコム証券に対して業務改善命令を発出したものでございます。
○大門実紀史君 それで、その点に関してこの間、私の方にも、システム障害はほかでもありまして、顧客といいますか利用者の方から苦情相談来ているんですけど、今現在、システム障害は金融庁に、金融庁というか、公表されていないわけですよね。インターネット取引を行う十四社が必要と思ったものだけを公表しているということで、一体どこでどれだけシステム障害が起きて、そのためにどれだけの顧客の人が被害とか被ったということは報告されていないんですけれど、これはもう、こういう事件、システム障害がかなり多くなってきていますので公表すべきじゃないかと思うんですが、今の段階でいかがお考えですか。
○政府参考人(遠藤俊英君) お答え申し上げます。 証券会社のシステム障害の情報でございますけれども、当庁におきましては、監督指針に基づいて、証券会社にシステム障害が発生した場合にその報告を受けております。より具体的には、証券会社の登録時に証券会社に対して報告徴求命令、これを発出いたしまして、このシステム障害の報告の履行を確保している次第でございます。 当局に報告されるシステム障害発生に係る情報は、このように報告徴求命令という行政権限に基づいて収集したものでございまして、これは直ちに、そもそもが一般的に開示を予定をするものではないというふうに考えております。 他方、今、大門委員のおっしゃった問題意識は、投資家に対して必要十分な投資情報というものは提供されるべきだということだと思いますけれども、こうした情報につきましては、個々の証券会社において、システム障害の発生時には関係する顧客に障害情報の周知を行っているほか、大きな障害の発生時には一般向けに障害情報の開示、これは主に会社ホームページでの発表でございますけれども、これを行っているというふうに承知しております。 このように、証券会社による顧客への情報提供、一般向けの開示の取組を超えて、当局が報告徴求命令に基づき報告を受けた情報を主体的に一般向けに開示するということに関しては、慎重であるべきではないかなというふうに考える次第でございます。
○大門実紀史君 ただ、まだまだ個人投資家といっても素人の皆さんが多い状況でありますので、顧客保護を第一に考えていっていただきたいというふうに思います。 時間がちょっと少なくなったんですけど、もうありませんが、資料をお配りしたところで、PTSとともに取引所外取引のもう一つの大きな問題がダークプールの問題であります。資料を用意して、大変興味深い問題だと思うんですけれども、時間がありませんので、次回、このダークプールについては触れさせていただきたいというふうに思います。 いずれにしても、今回の法改正とPTSとこのダークプール、直接すぐ結び付くという話ではないんですけれども、今回の改正がこういう取引所外取引の機能強化といいますか促進につながる懸念があるということを指摘して、今日は質問を終わりたいと思います。 ありがとうございました。
○藤巻健史君 日本維新の会の藤巻です。 私がディーリングの世界に入ったのは一九八〇年なんですけれども、そのときは、黒電話のハンドルをぐるぐる回して発電して、仲介業者が出たら、もしって呼びかけたんですね。もしもしというふうに言っているとその間に他社に負けるので、もしとしろと先輩に怒られた記憶がありますが、そのときと比べて、コンピューターでの高速取引と、もう隔世の感があるなと思いながら、本日の法案を読んでまいりました。 まず、金融庁の方に高速取引についてお聞きしたいんですが、金融庁にお聞きしたいんですけれども、今までの各委員の中で随分聞かれましたのでダブるところも多いかと思いますけれども、それはお許しいただきたいと思います。 最初に、高速取引、現在の高速取引というのは対顧ビジネスの方が多いのか、それともアービトラージを含めたプロップ取引ですね、自己取引、どちらが多いのか。確かに、今回の法案で事態を把握したいということで、まだはっきり分かっていないのかもしれませんけれども、お教えいただければと思います。
○政府参考人(池田唯一君) 今回の法律案で新たに登録義務が課されることが見込まれる投資会社は六十社程度と見込んでおりますが、こうした高速取引を行う者の中には、海外で顧客向けに業務を行っている者もいるとは承知をしておりますけれども、一般的に言いますと、新たに登録の対象となるこうした会社の大宗は自己勘定取引を行っておられる方であるというふうに理解をしております。
○藤巻健史君 次に、これも先ほど平木委員等でお聞きしているかと思うんですけれども、高速取引が増えてきた理由というのをもう一度教えていただけますか。
○政府参考人(池田唯一君) 高速取引が増えてきた理由は様々な理由があろうかと思いますけれども、一つには、取引所においてシステムの高度化が行われ、そもそもそうした高速の取引が我が国の市場において可能になったということがあろうかと思います。また、証券会社などにおいても、技術の進展の中で、取引注文、発注の高速化が可能になったという、そうした背景はあろうかと思います。その上で、やはり取引の国際化、それから自動化といいますかプログラム化、そうしたものが広がってきたということが大きい背景にあるというふうに理解をしているところでございます。
○藤巻健史君 もう一つ、別に、結構手数料が安くなったというのが大きい原因じゃないかと思うんですね。手数料が高かったらそんな高速取引やれないですよね、コストが掛かっちゃってね。それはどう思います。
○政府参考人(池田唯一君) 取引頻度が多くなりますから、そういう取引のための手数料等による部分もあろうかと思います。
○藤巻健史君 そういうことを考えると、コストが安くなるという非常に顧客にとってのメリットがこういう、副産物とは言いませんけれども、高速取引を生み出したのかなという気も私はちょっとしているんですけどね。 次に、これもいろいろ聞いてきましたけれども、高速取引に対する金融庁のスタンスをちょっともう一度御確認したいと思います。 流動性が増えるというのは明らかに市場にとってはメリットだと思うんですが、その他、メリット、デメリット、もう一度お聞かせいただければと思います。
○政府参考人(池田唯一君) 御指摘がありましたように、市場に流動性を供給しているというそういう肯定的な見方、側面もあろうかと思います。他方、市場の安定性、効率性、あるいは中長期的な企業価値に基づく価格形成に与える影響、さらにはシステムの脆弱性のようなことも懸念としてはしばしば指摘されるところでございます。 そうした中で、いずれにしても、現状、私どもあるいは取引所においてもそうした投資家から直接情報を取る枠組みが存在していないということでございまして、まずはよく実態を把握することが重要な課題になっているというふうに認識をしているところでございます。
○藤巻健史君 私が現役だった頃は、当然、顧客玉とそれから自己ポジション取引、プロップ取引がダブった場合には必ず顧客玉を先にやれというのが一種の常識であり我々の良識だったんですけれども、これだけ取引が高速になりますと最初に顧客玉を出した後でもそのプロップの取引が先を越しちゃってできちゃうということもあるんですが、それに対して、今までのお話ですと、そういうことはチャンスもないだろうということもありましたし、それから、ほとんどの会社がプロップビジネスだろう、対顧は余りやっていないだろうという先ほどの御回答があると、それほど心配する必要はないかと思うんですが、先回り取引になっちゃったものと意図的に最初にその対顧ビジネスを後回しにしちゃったのと、その区別というのは付くのかなという疑問が残りますが、それについてはどうでしょうか。
○政府参考人(池田唯一君) これ、まず法令上は、証券会社については、顧客保護のためのルールとしまして、顧客に対して誠実かつ公正に業務を遂行する義務というものが存在しています。それから、顧客の利益が不当に害されないよう利益相反管理体制をきちんと整備する義務というものも存在しております。さらに、顧客の注文に係る情報を用いて有利な自社取引を行うことは、これは禁止をされております。また、投資会社についても、特に国内での対顧業務を行っている場合には同様なルールが存在をしているということであります。 現状においては、国内で対顧業務をやっている投資会社というものは確認をされていないところでございますが、今後、こういう会社の業務形態がどういうふうになっていくか、これも変化することもこれはあり得るわけですから、そうしたことも踏まえ状況を把握していく必要があるだろうと。同時に、大変高速の世界ですから把握が大変だろうというのも先ほど来数々御指摘をいただいておりますが、そうしたものにしっかり対応していけるような私たちとしてもスキルを磨いていく必要があるというのは御指摘のとおりだと考えております。
○藤巻健史君 高速取引って、要するに投資をたくさんした人がもうかる、しない人よりはもうかるということだろうと思うんですね。 先ほど、私、昔のアービトラージの話をしましたけれども、当時は、例えば東京マーケットとシンガポール市場の金利が違って、ドル金利なんかも違っていて、英語ができて、かつ国際電話を使える人がアービトラージのチャンスがあって、普通の人たちはなかったわけですよね。だけれども、そういう国際電話と英語ができる人がもうかったと、それはそれなりに理屈が付くのかなと思うんですけど、高速取引も、私はこれがいいと言っているわけじゃなくて、一つの考え方を申し上げているんですけど、投資をしたんだから、よりほかの客よりももうかってもしかるべきという考え方もあるかなとも思うんですが、それについてはどうお考えですかね、やっぱりまずいですかね。
○政府参考人(池田唯一君) これは、市場は、様々な取引動機に基づく様々な投資家がそういう取引を掛け合わせることによって適正な価格発見がされていくという、そういう機能も期待されているところでございますので、私どもの立場からどういう取引が行われるべきだということを申し上げる立場ではないかと考えております。 ただ、市場の公正、透明性、安定性、安全性、そうしたものは確保されていくことが重要だと思いますし、また、HFTにつきましてはやはり多くの投資家の方が様々な懸念について不安を持っておられるということは、そこは様々な投資家が参加する厚みのある市場をつくっていくという点では問題を生じるということであろうかと考えております。そういう不安を払拭するためにも、私どもとしては、より詳細に実態を把握していくことが必要であると考えているところでございます。
○藤巻健史君 高速取引についてはちょっと離れますけれども、次に金融大臣にお聞きしたいんですが、麻生大臣にお聞きしたいんですが、日銀が四月の十九日に金融システムレポートを発表して、日本の銀行や信用金庫の高コスト体質を指摘しました。職員一人当たりの業務粗利益の水準が金融機関同士で似通っている点を指摘し、その原因を、米銀に比べて似通ったサービスを提供している銀行が多いことにあると分析したそうなんですけれども、金融庁はこれに対する問題意識があるのかどうか、これは日銀の分析だから別に関係ないと、こう思われるのかどうか、お聞きしたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) これは日銀に指摘されるまでもなく、この地域銀行の場合というのを見ていただくと分かるんですが、貸出しの規模の拡大によって利益の拡大を目指す、基本的には日本の地域銀行はみんなこれでやってきたんですが、御存じのように、人口は減っております。おまけに超低金利になってきていますので、当然のこととして利幅が減った、当たり前のことになっておるんですけれども、したがって、横並びで皆大体同じようなことをやっておったところが横並びで皆低くなってきているということになってきているんだというのが、簡単に言えば、ビジネスモデルが限界に近づいてきていますよということを、人口がこれまで減っていくということを考えれば当然のこととしてそういうことになってくるんだと思っておりますので。 そういった中で、やり方を変えていかないかぬということで、いろいろ変えている銀行、ちょっと名前を言うと具合悪いですけど、いろいろ銀行の中では伸びている地域銀行というのもありまして、そういった中を見ていただいたら分かりますけれども、事業や人を見た融資をやって、きちんとその仕事を充てて、当然、担当を、取引銀行は自分のところということになっている。これはもうかっている銀行というのもありますし、また、いわゆるファイナンシャルテクノロジー、通称フィンテックというものをえらく利用してやろうとしているところが出てきたり、いろいろな形で収益力については形が随分違ってきていると思っておりますので。 我々としては、全員が全員同じことをやっても意味がありませんし、そういった意味では、きちんとした自分たちのアイデアに基づいた、その地域の特性もありますから、そういったものに基づいた方法をやっていかないと駄目ですよという話を、我々としてもそういった方向を促しているところでもあります。
○藤巻健史君 次に、金融庁にまたお聞きしたいんですけれども、金融庁は、外債運用をしている、拡大している銀行のリスク管理態勢を検証するというニュースが昔流れました。 それで、今日ちょうど日経新聞のマーケット欄にこういう記事があるんですけど、こうした環境下で為替リスクのある外債の売却推進と捉えた地銀はフランス国債売りに回ったと。要するに、金融庁の検査自身が外債の売却推進だったと地銀は見ているというふうに日経新聞に書いてあるんですが、それは本当かどうか。そういう意図でやった検査なのかちょっとお聞きしたいと思いますが、検査というか。
○政府参考人(遠藤俊英君) お答え申し上げます。 地域銀行は国内における利ざや縮小を受けて、相対的に利ざや確保が可能な外貨建て資産運用を拡大しているということを承知しております。 そういった中で、従来のように貸出しの与信運用という形よりも、利益を、収益を確保する一つの手段として今は国債から外国債に運用が移っているということなんでございますけれども、そういったその外債運用についての管理態勢、あるいはどういう方針に基づいてその外債運用を行っているのかという実態を、全ての金融機関、全ての地域銀行を見るわけにはいきませんので、そこは外債の運用割合が大きい銀行あるいはその割合が最近急に大きくなったような銀行をサンプリングいたしまして、その実態把握を行ったということでございます。
○藤巻健史君 ということは、外債保有を減らせというふうにそんたくしたのは間違いだというふうに考えてよろしいですか。
○政府参考人(遠藤俊英君) 外債保有を減らせというような議論はしておりません。あくまで、外債を保有し外債を運用するというのは彼らの利益を確保する一つの手段だと思っておりますので、そういったその手段、リスク、リターンの適切なバランスが取れた形でそういった外債運用が行われているかどうかということについて、その実態というものを議論いたしましたし、そこにもし欠ける部分があるというふうに我々見立てる場合には、それは、じゃ、どういった形でその態勢というのを整えていくのかということについて地銀と議論したということでございます。
○藤巻健史君 金融庁の方針は分かりましたけれども、そうすると、この新聞記事を見ていますと、為替リスクのある外債のと書いてありますけれども、為替リスクがあるということは、円をユーロに円投したか、円をドルに円投してやっているというふうに新聞は書いているみたいなんですけれども、実際そうなんでしょうか。 私は、地銀とか日本の銀行って大体外債投資をするときは、ドル投資だったらばドル調達をしている、ユーロだったらユーロ調達をしている、そっちの方が多いというふうに理解していたんですよね。例えば、典型的にいうと、例えばベーシススワップのマイナススプレッドが拡大したというのは、これは邦銀がドル調達を増やしたからというふうに考えると、それはドル運用ドル調達ですよね。でも、この新聞記事が正しいとすると、円をドルに交換して、アウトライトで買っているというふうに読めちゃうんですけれども、どちらが地銀としては今多いんですか。 外貨調達外債運用なのか、それとも完璧にアウトライトでドルに替えて、これは為替に影響するんですけれども、外債を買っているのか、どちらが多いんでしょうか。
○政府参考人(遠藤俊英君) まず、円投ということでございますけれども、先生のおっしゃる円投というのは為替スワップあるいは通貨スワップによって為替リスクを取らない形で円をドルに替えることというふうに理解しております。 地域銀行のバランスシートの負債側でどういった外貨の調達をしているかということに関してでございますけれども、これも外債運用が大きい銀行幾つかサンプリングいたしまして、中を見てみますと、円投による調達は大体三割程度でございます。外貨全体の調達の三割程度でございます。それに対して、外貨預金、外貨預金はこれは一割程度でございます。それから、いわゆる米国債等の高流動性証券というものを担保にした短期金銭の貸借取引、いわゆるレポ取引でございますけれども、これも三割程度ということでございますので、いわゆる円を売ってドルを調達するというような円投というのは全体の中の三割程度と。それ以外に元々預金を、米ドルを預金として持っていたというのが一割程度、それから、米国債を持っているので、それを担保にして短期の借入れでドルを調達をしたのが三割程度といった実態でございます。
○藤巻健史君 ということは、要するに為替リスクを取っていない外債投資が七割だということでよろしいですよね。 じゃ、それでお聞きしたいんですけれども、そうすると、為替リスクを取っている投資が三割ということなんですけれども、これは満期まで持つつもりだったらばこれ時価評価する必要ないですね、債券自身は。でも、為替の方はこれ時価評価せざるを得ないんでしょうか。そうすると、私のトレーダーの経験、ディーラーの経験からすると、やっぱり動くのって嫌なんですよね。何というか、時価評価されるもの嫌ですから、どうしても為替のリスクを取って外債を買おうという気にきっとならなくなっちゃうと思うんですよね。 米銀の場合には全てが、もう全部時価評価ですから、財務諸表はともかくとして、成績評価は全部時価評価ですから、国内の投資をしようが為替リスクを取ってやろうが全部同じなんですけれども、日本みたいに為替だけ時価評価で、それから満期まで持つ証券を簿価評価していると、どうしても国内志向になっちゃいますよね。 その辺は今どういうことになっているんでしょうか。やっぱり為替は時価評価、それで投資のキャピタルゲインの方、キャピタルロスは評価しないと。どっちなんでしょうか。
○政府参考人(池田唯一君) 御指摘のとおり、満期保有目的の外貨建て債券の評価については、外貨ベースで取得原価を元に評価を行った上で決算時の為替相場で円換算額を付すということになっていますので、その決算時における円換算によって生じた換算差額は当期の為替差損益として処理をする、御指摘のような処理になっているということです。
○藤巻健史君 今の仕組みですと、そうするとやっぱり外貨に対する投資が非常にモチベーションが落ちちゃって、本来、日本が、例えばいろんなことでドルを買おうかなと思っても行かないという、システム的な間違いがあるんじゃないかなと思うんですけれども、それはちょっと後で議論いたしますけれども。 次に、先ほど遠藤局長の方から七割が為替リスクを取らない投資だというふうにお聞きしたんですけれども、今その七割のリスクを取らない外債投資が減っているということは、要するに、例えばドル投資であれば、ドル調達が減っていて、それがゆえにベーシススワップのマイナス幅が縮小しているんじゃないか、一時拡大していたのが縮小しているんじゃないかと思うんですね。 要するに、ベーシススワップのマイナス幅の縮小というのは、やっぱり邦銀がドル調達の必要がなくなってきたからじゃないかと思うんですけど、そうすると、一方、逆サイドの例えば欧州の銀行、例えばリターン・オン・アセットを気にしない欧州の銀行というのは今短期国債をたくさん買っていると思うんですね。 この前、佐川局長にお聞きしたところでは、短期債の外国人保有率、五〇%を超している、五〇・九%という佐川局長のお話があったんですけれども、これはひとえにマイナス金利の短期国債であってもそのベーシススワップのマイナス幅がすごい拡大しているので、物すごく安いドル調達ができると。極端な例示をすると、マイナス〇・五の国債だってマイナス一%の調達ができればここでもうかるわけですから、そういうことで欧州銀行って買っていたと思うんですが、そのマイナスベーシスが縮小していっちゃうとそういうことをする欧米銀行がいなくなっちゃうんじゃないかと思うんですね。ということは、短期国債の購入、五〇%も買っている外銀がいなくなっちゃうんじゃないかという危険があるかと思うんですけれども、その辺についてどうお考えでしょうか。
○政府参考人(佐川宣寿君) お答え申し上げます。 今委員御指摘のとおり、ドル・円ベーシススワップを活用して国庫短期証券の投資をしています海外投資家はおります。ただ、国庫短期証券は、それ以外にも国内外の投資家から余資運用あるいは担保目的など様々な用途で購入されておるため、御指摘のドル・円ベーシススワップスプレッドのマイナス幅の縮小により直ちに国庫短期証券の消化に問題が生じるとは考えていないと。 現に、年明け後、随分ベーシススワップレートは縮小しているんですけれども、国庫短期証券の消化に問題も生じておりませんし、応札倍率を見ましても、昨年の秋から直近まで見てみましたが、大体三倍から五倍でずっと平均的に推移しておりますので、問題は起きてございません。 いずれにしましても、市場環境を注視して市場との丁寧な対話を行いながら、適切な国債管理政策の実施に努めてまいりたいというふうに思います。
○藤巻健史君 となると、今の話は今年に入ってからということだったので、この前、佐川局長に聞いた外国人の割合というのは五〇・九%、昨年末でしたから、ひょっとすると、今のお話が正しいのであれば、外国人比率というのは、保有比率というのは今減っているという、五〇・九から減ってきているだろうと想像されますけれども、そうなんでしょうね。
○政府参考人(佐川宣寿君) お答えします。 前回お答えしたのは、おっしゃるとおり十二月末で、三月に答えが出ていて、日銀の資金循環統計、一—三を見るときに、六月の後半にしか出ないので、ちょっとそこの推移を見ないとよく分からないと思います。
○藤巻健史君 時間が来たので、終わります。 ─────────────
○委員長(藤川政人君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、鶴保庸介君及び白眞勲君が委員を辞任され、その補欠として足立敏之君及び小西洋之君が選任されました。 ─────────────
○委員長(藤川政人君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 金融商品取引法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(藤川政人君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 この際、大塚君から発言を求められておりますので、これを許します。大塚耕平君。
○大塚耕平君 私は、ただいま可決されました金融商品取引法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・こころ、民進党・新緑風会及び公明党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 金融商品取引法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、次の事項について、十分配慮すべきである。 一 アルゴリズムを用いた高速取引の進展により、市場の安定性や効率性、システムの脆弱性等の観点から様々な懸念が指摘されていることを踏まえ、本法に基づき創設される高速取引行為者の登録制度の下で、当局による検査・監督及び金融商品取引所による調査を活用して高速取引の実態把握に努めるとともに、個人投資家等の保護に欠けることのないよう、国際的な連携も図りつつ今後の規制の在り方を適宜検討すること。 一 上場会社による公平な情報開示に係る規制の実効性を高めるため、規制内容の明確化や周知徹底などの環境整備に努めるとともに、金融商品取引業者等による情報の不適切な取扱いによって市場の透明性や公正性に対する信頼を損ねることのないよう、不公正取引規制の実効性確保を図ること。 一 証券・金融と商品を一体として取り扱う総合取引所の創設が、我が国市場の国際競争力の強化及び利用者利便の向上を図るために重要な取組であることに鑑み、総合取引所についての規制・監督を一元化する金融商品取引法の趣旨を踏まえ、その早期実現に向けて取引所等の関係者に対し更なる検討を促すなど、金融庁、農林水産省及び経済産業省が連携して対応を強化すること。 一 本法に基づく制度の運用に当たっては、情報通信技術の進展等の我が国の金融及び資本市場をめぐる環境変化を踏まえ、投資者保護の観点から、実効性のある検査及び監督体制を整備すること。 その際、地域の金融商品取引業者等の検査及び監督を主に担当する財務局も含め、優秀な人材の確保と職員の専門性の向上を図るとともに、必要な定員の確保、高度な専門的知識を要する職務に従事する職員の処遇の改善、機構の充実及び職場環境の整備に努めること。 右決議する。 以上でございます。 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(藤川政人君) ただいま大塚君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(藤川政人君) 多数と認めます。よって、大塚君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、麻生内閣府特命担当大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。麻生内閣府特命担当大臣。
○国務大臣(麻生太郎君) ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましても御趣旨を踏まえまして配意してまいりたいと存じます。
○委員長(藤川政人君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(藤川政人君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後三時五分散会