財政金融委員会 第3号
- 発言数
- 218 件
- 登壇者
- 24 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 2017/03/09
会議録
○委員長(藤川政人君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として内閣官房内閣審議官土生栄二君外十五名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(藤川政人君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(藤川政人君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に参考人として日本銀行総裁黒田東彦君及び同理事雨宮正佳君の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(藤川政人君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(藤川政人君) 財政及び金融等に関する調査を議題とし、財政政策等の基本施策及び金融行政に関する件について質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○大塚耕平君 民進党・新緑風会の大塚耕平でございます。 今日は、せんだっての大臣の所信も踏まえてもろもろ審議をさせていただきたいというふうに思います。 まず、大臣所信、改めて文章でも拝読しましたが、財政再建に向けても引き続き触れておられます。二〇二〇年度の財政健全化目標、これはまだ維持しているという理解でよろしいでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 一月三十日の予算委員会でも申し上げましたとおり、財政運営に当たりましては、二〇二〇年度のプライマリーバランスの黒字化の目標というのは堅持をいたしておりまして、歳出歳入両面から財政健全化に取り組んでいくとの方針には変わりありません。
○大塚耕平君 私も財政健全化は非常に大事だと思っております。自分の政治活動においても最も重視をしていることでございますので、目標を堅持するというのは決して反対ではないんですが、以前もこの委員会で御提案申し上げたと思いますし、予算委員会でも一度申し上げたと思うんですが、もはや難しいんじゃないかと。現実的な財政健全化目標に少し軌道修正をされた方がいいんではないかというふうに御提案も申し上げたことがあるんですが、その点は大臣はどういうふうにお考えになりますか。
○国務大臣(麻生太郎君) 確かに、内閣府が公表いたしております中長期試算では、二〇二〇年度のプライマリーバランスの赤字というものは前回試算の去年の七月の試算に比べれば悪化はいたしておりますが、これは税収が下振れしたものであります。その主たる原因は、二〇一六年度から円高方向に事が推移して、御存じのように百十五円が百四円までたしか円高が進んだと、推移したことが大きな理由だと思いますが、しかし、こうした為替水準の変動による税収の増減というものは、これは実体経済の動向にかかわらず生じることだと思っております。 また、歳出面におきましても、経済・財政再生計画に沿って、御存じのように一般歳出の伸びは毎年五千三百億円ということにとどめております目安を、これは二年連続で達成をするなど、やるべきことは確実に実行してきております。 また、これらの結果、政権交代前と比較して、税収からいきますと全体で約十五兆円伸びておりますし、新規国債の発行は十兆減っておりますし、二〇一五年度プライマリーバランスの半減目標、あれはマイナス六・三が三・〇だったと思いますが、そういったことなどはいずれも成果を着実に上げてきておると思っておりますので、将来につきまして、これは物価水準等々が増加していくことを前提としておられるのは、これは内閣府の長期試算でもありますし、かつ、今後行う改革は全然織り込んではおられませんので、これまで同程度の歳出改革を続けていって、更なる改革が進めば私どもは収支改善が見込めると考えております。 したがいまして、今後とも、歳出面では、大きな社会保障の改革を含めまして、改革工程表に挙げられましたあの改革を着実に実行して、目安に沿った歳出改革というものを強化すると同時に、歳入面につきましては、二〇一九年の十月に消費税というものを確実に引き上げさせていただければと考えております。 また、二〇一八年度の時点で進捗状況というものをやらせていただきますけれども、その段階で追加措置というのを検討することといたしておりますが、いずれにいたしましても、私どもとしてはデフレ不況というものの脱却から力強い成長を目指してまいりますということを考えておりますので、財政健全化というものはいろんな、シムズとかいろんな話がいっぱい最近よく出回って、よく本も売れておるそうですけれども、どういう人が買うんだか知りませんけれども、えらい売れておるそうで、御本人も本の売り込みに来られるぐらいいろいろやっておられますけれども、私どもは、財政健全化というのは国家にとりましては、これはおたくらと、おたくらというのはシムズさん、おたくらと違って俺たちはこれは国の財政を預かっておる立場で、おたくらみたいに金もうけだけでやっているんじゃないからという話はよく、二回ほどしましたけれども、私どもとしては財政健全化はきちんと進めたいと考えております。
○大塚耕平君 今御答弁の途中で、消費税率引上げは確実に今度はやるというふうにおっしゃいましたが、もう一度そこ、もう間違いなく次は消費税率引上げをやるということでよろしいですね。
○国務大臣(麻生太郎君) 前回もその覚悟でやったんですが、残念ながら力不足でやり切らなかったというのは否めない事実だと思っておりますが、経済が少なくとも消費というものに関してかなり冷え込んでおる、消費にいま一つ力強さがないという話が出ておりましたけれども、少なくともあのときに比べて今の方が更に状況は良くなってきておると、私どもはそう思っておりますので、確実にこの二〇一九年十月というのはやらせていただきたいと、そういうふうに思っております。
○大塚耕平君 そうすると、今日は日銀総裁にはいわゆるシムズ教授のシムズ理論のことも御質問させていただいておるんですが、アベノミクスの理論的支柱とも言われている浜田宏一先生までもがこのシムズ理論がいいのではないかと最近御発言しておられて、シムズさんは、消費税再引上げはもう物価上昇率の目標が達成されるまでは凍結するべきだと言っておられるんですが、このシムズ理論について日銀総裁はどういう印象を持っておられますか。
○参考人(黒田東彦君) このシムズ理論、このシムズ教授が言っておられる理論自体は、御案内のとおり物価水準の財政理論と言われていまして、たしか二十年ほど前から一部の学者が主張しておられる理論であります。 その理論によりますと、政府債務というものは最終的には通貨発行益を含む財政黒字でファイナンスされなければならないという、いわゆる予算制約式をベースにしまして、政府、中央銀行、民間の相互作用が物価水準を決定するという過程を理論的に示したものでございます。 この理論によりますと、ある一定の条件の下では財政政策が物価水準の決定に主導的な役割を果たす場合もあり得るという結論が導かれております。ただ、これはあくまでも学術的な理論でありまして、物価の決まり方に関する一つの視点を提供するものではありますけれども、実証的な研究が十分行われているものではないというふうに理解しております。 いずれにいたしましても、私どもといたしましては、二〇一三年一月の政府、日本銀行の共同声明において、デフレ脱却と持続的な経済成長の実現のためにそれぞれが果たすべき役割を明確にしておりまして、日本銀行は金融緩和を推進し、二%の物価安定の目標をできるだけ早期に実現するということになっておりまして、他方、政府は成長力の強化に向けた構造改革を進めるとともに、機動的な財政運営を行いつつ、中長期的に持続可能な財政構造を確立するための取組を進めるということになっておりまして、私どもといたしましては、シムズ理論については一つの学術的な理論であることは確かですけれども、それが日本や欧米において現実的な政策論として有意義なものであるとは考えておりません。
○大塚耕平君 分かりました。 アベノミクスの理論的支柱である浜田宏一先生が学術的に有意義でない理論を支持しておられるということが、今、総裁の御発言で明確になりましたが、今日は、せんだって予算委員会質問させていただいたときの資料をまたお配りをさせていただいております。日銀総裁はそのときはおいでいただかなかったので初めて御覧いただく資料もありますが、まず、この委員会で何度も配らせていただいておりますこの財政赤字の対GDP比とマネタリーベースと株価のグラフでございます。 財政赤字対GDP比の方は、これは、それぞれのグラフの定義は図示したとおりでございますが、特にこの赤い線、日銀の保有国債の対GDP比がもう急速に上昇している。これがアベノミクス下において起きたことでありまして、それは、その反対側のマネタリーベースと株価のグラフを見ていただくと、要するにこの青い線のマネタリーベースの増加と表裏一体ですね。これ、裏表を繰り返し見ていただくと、御覧のとおりであります。 そこで、シムズ理論、御存じの方も多いと思いますが、ひょっとして御存じない委員の皆様方のためにごく簡単に申し上げますと、何を言っておられるかというと、もう日本においては金融政策の有効性はほぼなくなった、物価上昇率二%を目指すのであるならば、財政再建目標を余りこだわらずに財政支出をして、物価目標も財政政策によって達成せよと、こういうことを言っておられるわけです。私は決して賛成ではないので、賛成の立場から申し上げているわけではありません。 以上申し上げた上で日銀総裁にお伺いしますが、黒田総裁が就任以来、これで丸四年がたったんですが、毎年度のマネタリーベースの前年度比増加率を述べてください。
○参考人(黒田東彦君) マネタリーベースの伸び率は、二〇一三年度は四四%、二〇一四年度は三九・三%、二〇一五年度は三二・一%となっております。なお、二〇一六年度は、本年二月までの計数で算定いたしますと二三・五%となっております。
○大塚耕平君 そこで、予算委員会のときには麻生大臣にも完全には説明し切れませんでしたので、ちょっとこのA3の方の大きい、高橋財政とは何だったのかというこの資料を御覧いただきたいんですが、お手元ございますか。大きい方が、秘書官の方、もしあれでしたら、大きいのをお渡しいただいた方が見やすいと思いますので。カラーでお配りしていますので。ちょっと大臣にお渡ししてください、委員部。いやいや、まだ老眼にはなっておられないと思いますが、せっかくですから。せっかくカラーで作ってきたので、どうぞ御覧ください。 この図の表の右の方に、財政政策や金融政策あるいは予算に関わる数字埋めてあります。これ、財務省や日銀の若い皆さんにも御協力いただいて、内閣府にも協力してもらいましたが、数字埋めてありますのでね。このMBと書いてあるのがマネタリーベースです、マネタリーベース。今、日銀総裁は、黒田総裁の下では初年度四四%、次年度三九・三、その次三二・一で、直近では二三・五%。この伸び率は、実はその裏側を見ていただくと、一九三八年、つまり昭和十三年から終戦に至る過程ぐらいの数字ないしはそれ以上なんですね、マネタリーベースの伸びが。 その下に、今、日銀の副総裁である岩田さんと審議委員をやっている原田さんのお二人が、岩田副総裁が二〇〇四年にまとめられた「昭和恐慌の研究」の中で述べておられることをここに書いておきました。この方々は、この当時、リフレ派と称して、高橋財政の下で行われた様々な財政金融政策が有効だといって随分持論を展開されたわけであります。ところが、マネタリーベースを例えば見てみますと、今申し上げたとおり、今、日銀総裁がやっておられることは、昭和十年代半ばから後半、つまり、もう戦争に入った頃の話なんですね。 いわゆる高橋財政というのは、表面を見ていただくと、このシャドーを掛けてあるところなんですよ。高橋是清元大蔵大臣、この方は日銀総裁も総理大臣もやっておられる唯一の方ですけれども、高橋財政下ではマネタリーベースは全然増やしていないんですよ、実は。だから、僕は、岩田副総裁は随分誤解をしておられるか、御自身の主張が随分誤解をされて世の中に伝わっているか、どちらか知りませんけれども、高橋財政下では実は金融緩和はそんなにしていないんですね。 そのことを申し上げた上で大臣にお伺いしたいんですけれども、その当時、戦前の話で恐縮ですが、ポンド建ての日本国債がロンドン市場で金利がどういう展開になっていったかをちょっと御説明いただけませんでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) これ、四分利付きの話、四分利の話ね。第一回の四分利付きのポンドというのは、四分の利率付きのポンド建ての日本の国債というもののロンドン市場における利回りというものは、一九三〇年代で六%で推移、満州事変のありました一九三一年九月頃から上昇して、この年、一九三一年末に八%を超えております。その後、日中戦争、いわゆる日支事変が勃発した一九三七年以降は一〇%を超えて上昇、第二次世界大戦が勃発した一九三九年には二〇%を超えたというふうに記録されております。
○大塚耕平君 いや、そのとおりなんです。その当時のポンド建ての日本の国債は、もうロンドン市場では最後はたしか二五%ぐらいまで行ったと思うんですが、もうロンドン市場では資金調達できなくなっていたんですね、事実上。 しかし、日本では極めて超低金利の資金調達を続けていた。それができたのは、一つには、今の日銀と同様にマネタリーベースを大幅に増やす、その当時はもう日銀が直接国債を引き受けていましたから、その反射効果としてマネタリーベースが増えるわけでありますが、そして昭和十年代は予算も大いに拡大していったということなんですが、こういう、海外では資金調達ができないけど国内では低金利でできたという、そのことを可能とした原因は何だったと思われますか。これを日銀総裁にお伺いしたいと思います。
○参考人(黒田東彦君) その当時の状況を必ずしもつまびらかにしているわけではありませんけれども、現在の日本との違いという点でいいますと、御承知のように、現在日本は世界最大の純債権国でありまして、国が海外で国債を発行したりするということがありませんので、日本の国債の海外における金利というのは分かりません。 したがいまして、その当時と比較して現在の日本の国が海外で資金調達する場合にどういう金利が付くかということは分からないわけですが、海外の人自身がある程度日本の国債を今の状況でも取得しておられますので、恐らく、今、麻生大臣が説明されたようなポンド建ての四分利国債のような金利とは懸け離れて、非常に低い金利であるだろうと思います。ということは、国内と国外とで非常に大きく乖離するということは余り考えられないと。 その上で、現在の金利、国債の十年物が例えばゼロ%程度ですけれども、これはもう確かに、日本銀行が大規模な金融緩和を続けているという下で国債の金利も低位にとどまっているということではないかと思います。
○大塚耕平君 率直に申し上げて、総裁、ちょっと私は残念でもあり、心配にもなりましたけれども。ここは、当然の御認識としてすぱっと御回答いただけるところだと思っていました。 お配りした資料の裏側にその岩田さんと原田さんの御発言も明記してありますけれども、なぜロンドンでは二五%の金利が日本の国内では今のような低金利だったかというのは、内外金融分離していたからですよ。これはもうほぼ常識だと思いますけれども、金本位制を放棄することによって内外金融を分離していたから、言わば国内では日銀が引受けさえしてくれたら国債を発行できるという状況が続いていた。 そして、岩田さんと、まあ原田さんはともかく、岩田副総裁が言っていたことは御覧のとおりですから。これは本に書いてあるとおりですから。内外金融分離をして大幅な金融緩和をしていたので言わば高橋是清さんの時代の高橋財政と言われるものは成功したという言い方をしているんですが。確かに内外金融分離は高橋大臣のときにしました。しかし、金融政策についてはちょっと認識も間違っておられますので、この辺り、少なくとも、そういうことを主張しておられた方も今執行部に入っているわけですから、よくよく御議論をいただいた方がいいかなというふうに思います。 その上で大臣にお伺いしたいんですけれども、これも予算委員会で少し消化不良でしたのでもう一回お伺いしたいんですが、今回の政府の税制改正大綱の中に含まれている外国金融機関等に対する債券現先取引に対する特例の拡充、これについてごく簡単に、今日はレポの説明までは結構ですので、内容だけ簡単に御説明ください。
○国務大臣(麻生太郎君) 外国のいわゆる金融機関というものが国内の金融機関との間で行います債券の現先取引、通称レポ取引と言うんですけれども、これにつきましては、これはバーゼル規制の強化が予定されております中で、これは資産規模を管理するために、外国金融機関が債券の現先取引を縮小していくという傾向にあります。 それで、イギリスにおいては、これは四年前、二〇一四年だったと思いますが、日本の国債の格付というものを下げたりしたので、ダブルAからシングルAになんかしたというようなことがあって、最近の、債券の現先取引の残高が銀行税の課税対象となったことというのが大きな理由で、イギリスの金融機関が取引を縮小するという傾向にあったという環境が変化を生じさせているんだと思いますので、私どもとしては、これはたしかムーディーズでやった話でしたけれども、今般の税制改正において、こうした事情を勘案して、日本の国債市場の流動性の確保とか日本の金融機関の短期資金の調達の円滑化を更に徹底するという観点から、外国の金融機関以外の外国法人が行う債券の現先取引の利子につきましては一定の要件の下で非課税とするということにさせていただいたのが今回の改正であります。
○大塚耕平君 今日は御答弁の最初に日本の国債の格付が引き下げられたことに起因するということを明確におっしゃっていただいたので認識はほぼ一致してきていると思うんですが、この税制改正要望、そして今回、政府・与党の皆さんがおやりになろうとしているのは、ロンドン市場において日本の国債の位置付けが不安定化していることに伴う措置なんです、簡単に言ってしまうと。それで、証券会社やそれに関わる皆さんがこの状況を少しリカバリーするために望んできた税制改正要望なんです。 戦前の状況と似てきたとまでは言い切りませんけれども、かなり潜在的な不安要素が高まりつつあるという認識はお持ちいただいた方がいいのかなと思います。今日は、財務省の御出身でもあり、自民党の税調会長もいらっしゃいますので、表面だけの税制改正要望を聞いていると、よしよし、じゃ、まあ証券業界がそう言うなら聞いてやろうということにもなりますけれども、そのバックグラウンドとして何が起きつつあるかということについては重々御留意をいただいた方がいいかなというふうに思います。 この資料はもう再三これから使わせていただきたいと思っておりますけれども、高橋是清財務大臣、この方は大蔵大臣四回やっておられるんですけれども、このとき四回目なんです。途中で一回、半年間退任されたので五回就任したとも言っていいんですけれども、マネタリーベースはそんな増やさなかったんですが、内外金融分離をした上で、財政拡大をしながらも、最初から大体三年ぐらいでそれは終えるつもりだったと述懐しておられるんですが、その後、ここにも書いてありますけれども、四年目に財政拡大そして公債の発行拡大をそろそろやめようという方針を打ち出されたところ、半年後に二・二六事件で暗殺をされて、その後、日銀は本格的にマネタリーベースの拡大をしていったという歴史については是非認識を共有していただければ幸いでございます。 その上で、税制についてもう一個だけお伺いしたいんですが、大臣、トランプ・アメリカ大統領が、まず、いろんなことを言っておられるんですけれども、日本はアメリカの車を日本市場で売れなくしているんだということを時々、前もおっしゃっていましたが、どういう理由でトランプさんはそう言っているのかという認識でおられますか。
○国務大臣(麻生太郎君) 知識が一九七九年代ぐらいの日米関係のまんまで、それ以後の日米間の変化をよく把握しておられぬ、それが全てだと思います。
○大塚耕平君 そういう面もありますが、私も不思議でしたのでアメリカの関係者の方とかにいろいろ聞いてみたら、あちらでも諸説あるんですけれども、例えば、日本には消費税があるということも理由にしておられるようなんですよ。つまり、日本の車は日本で造って、日本の国内で売るときには消費者に最終転嫁を消費税はされていきますけれども、海外、アメリカで売るときには消費税掛かりませんから、それは御承知のとおり輸出事業者に還付されますよね。ところが、アメリカの車はアメリカで造って日本で売るときにはアメリカでは掛かっていない八%の消費税を掛けられる。だから、これが非関税障壁だ的なことをどうも思っているのではないかという説です、これは説。トランプさんに聞いたわけではありませんので。 それからもう一つは、自動車に対する重課税もそうなんですよ。アメリカでは掛かっていない税金が日本で掛かるということがアメリカの車に対する非関税障壁だという極めてシンプルな発想でいるようなんですけれども、まあ日本の消費喚起、日本の国内の自動車販売の底支え、さらにはトランプ大統領との不必要な摩擦を避けるためにも、自動車に対する重課税、そろそろやめませんか、日本では。
○国務大臣(麻生太郎君) アメリカの車は売れていませんけど、ドイツの車やらヨーロッパの車はよう売れておりますからね、自分らも右ハンドルぐらい造るぐらいの努力はした方がいいですよ、そう思う。本人も、本人というか、ペンスやら何やらにそういう話したことありますけれども、私そう思っています。 今の話ですけれども、自動車関係の税負担につきましては、言われるように車体課税とか燃料課税とか、まあ消費税含めまして、欧州諸国と比べて、これを全部で見ますと欧州諸国と比べても高い水準にはないというように理解をしておりますが、車体課税につきましては、これはもう御存じのように、あれはリーマンのときだったと思いますが、あのときのエコカー減税やら税率の引下げを行った結果、車体課税全体では一兆、いやいや〇・九兆ぐらい、何か八兆だか近く減少しておりますので、ユーザー負担の軽減は図ってきたところでもあります。 これは、車体課税というのは元々、原因者負担とか受益者負担の考え方で、自動車の走ることによって道路が傷むとか、そういった社会的費用を発生させておるではないかと。また、自動車のユーザーというものは、道路が整備される、それによって利便性の向上の恩恵を受けるのは利用者じゃないかというような関係から自動車ユーザーに負担をお願いしているものなんですが、今後の車体課税の在り方というものにつきましては、これは国とか地方の厳しい財政事情というのもありますので、いろいろ検討する必要があるんだとは考えております。
○大塚耕平君 自動車に対する重課税については一刻も早く改善することを改めて望んでおきたいと思います。 日銀総裁にはそろそろお帰りいただきたいんですが、最後に一つだけお伺いします。 私は今日の御答弁でも一抹の不安を感じましたけれども、もう任期はあと一年であります。御覧いただいたグラフ、これどうやってこのマネタリーベースの増加を事態収拾するのかということについては、みんな心配しているし、それぞれの立場で悩んでいるわけでありますが、次の総裁は大変だろうなということをみんな思っているわけですね。そうすると、事態収拾まで含めて、それはやっぱり黒田さん御自身にやっていただくべきではないかという意見もあるんですけれども、もう今年も後半になると次期日銀総裁の人事についていろいろ取り沙汰されることと思いますが、黒田総裁は、もう一期やったらどうだと政府から言われた場合に、もし言われることがあるとすれば、その場合にはお受けになるおつもりはございますか。
○参考人(黒田東彦君) 御案内のとおり、日本銀行総裁、まあ副総裁も同じでありますけれども、内閣が国会の同意を経て任命するということになっておりますので、私が個人的に何か申し上げるということは適切でないと思いますので、何はともあれ、二%の物価安定目標をできるだけ早期に実現するために現在の強力な金融緩和を続けてまいりたいと。私の任期は来年の四月でございます。
○大塚耕平君 戦前からの歴代の日銀総裁の足跡も十分振り返っていただいた上で、御自身が四年間でおやりになっている壮大な社会実験の先々への影響については深く思いを致していただければ有り難いというふうに思っております。 委員長、もしよろしければ日銀総裁はお帰りいただいて結構です。
○委員長(藤川政人君) 黒田総裁は御退席いただいて結構でございます。
○大塚耕平君 それでは、冒頭大臣は財政健全化には引き続き取り組むというお話でございましたので、やはり財政健全化に取り組むためには、財政を預かる財務省としては歳入面においても歳出面においてもやはりきちっとした対応をしていただきたいと思うわけでございますけれども、その観点から、今話題になっております森友学園への国有地の売却、これが本当に適正に行われたのかということについて少しお伺いをしたいというふうに思います。 ここから先の答弁は必ずしも大臣でなくても結構でございますので、適宜御対応いただければと思います。まず、大体の今話題になっていることの概要はもう皆さん御存じのとおりですので、御承知いただいているということを前提に進めますので、その前提について改めてここで説明していただく必要はありませんので、質問に対して的確にお答えをいただきたいというふうに思います。 まず、森友学園にその用地を売却したわけでありますけれども、売却価格を最初開示していなかったというのは事実ですね。理財局長で結構です。
○政府参考人(佐川宣寿君) お答え申し上げます。 委員おっしゃるとおりで、先方の要請によりまして非開示にしてございました。
○大塚耕平君 たしか衆議院で国有地の売却の価格を非開示にしていた前例はないというような答弁があったと思いますが、前例はなかったということでよろしいですか。
○政府参考人(佐川宣寿君) お答え申し上げます。 過去三年を調べまして前例がないと申し上げまして、ちょっと、その前の随分昔まではちょっと調査してございません。
○大塚耕平君 私も多分前例ないと思うんです。じゃ、なぜ今回は非開示にされたんですか。
○政府参考人(佐川宣寿君) お答えします。 当初、先方より、契約金額を公表することで地下埋設物の存在が周知されることで保護者等への風評リスクが懸念されるため、契約金額を公表しないよう要請がございましたので、非公表といたしました。
○大塚耕平君 いや、その答弁も議事録で何度も読ませていただいたんですが、地下埋蔵物を撤去するために減価をしたわけですから、むしろ公表をして、なぜこんなに安いのかといったら、地下埋蔵物を撤去するための減価措置をしたのでしっかり健全な土地になっていますということをアピールするためには、むしろ堂々と公表すべきであったし、風評被害などというのは起きるのか起きないかも分からないわけで、よく融通の利かない財務省が今回は融通を利かせましたね。理由はそれだけですか。
○政府参考人(佐川宣寿君) お答え申し上げます。 埋設物が現実にある中で、それを学校側が生徒さんあるいは保護者の方についてどういうふうに判断されるか、もちろん学校側の判断でございますけれども、やはり保護者の方々にしてみれば、そこにそういうものがあるということでやや懸念を思われるということもあり得るということは十分考えた上での判断でございました。
○大塚耕平君 今日、文科省にも来てもらっていると思いますけれども、今のような理由で、これから新設の小学校を建てようというときにそういう情報を非開示にするということが保護者やあるいは生徒にとって、文科省の立場でそれはどうお感じになりますか。文科省の参考人の方で結構ですので。
○政府参考人(山下治君) お答え申し上げます。 文部科学省におきましては、小学校を設置するのに必要な最低の基準として小学校設置基準を定めてございますが、この省令の中で、学校予定地の土壌汚染、地下埋設物等についての具体的な定めは実は設けてございません。 なお、法的拘束力はございませんが、文部科学省としては、学校施設の計画、設計上の留意事項を示したガイドラインである小学校施設整備指針を定めておりまして、その中で、建物、屋外運動場施設等を安全に設定できる地質、地盤であるとともに、危険な埋設物や汚染のない土壌であることが重要である旨記載し、学校設置者に周知しております。そういった意味で、私ども、法的拘束力がありませんが、そういったものを示しながら適正な学校環境になるように努めているところでございます。 したがって、今のことについて私ども述べるべき立場ではないというふうに考えてございます。
○大塚耕平君 いや、こういうときは、文科省、遠慮せずに、財務省、その判断は良くないですよということを言った方がいいと思いますよ。こんな前例つくっちゃったらまずいですよ。これから学校を新設するときに、何か風評被害があるかもしれない、経営者にとってマイナスかもしれないという情報を今後も同じような形で秘匿するなんてことがあっては、それをまた私たちがとやかく申し上げる立場ではないなんて文科省が言っているようでは、文科省も信頼を落としますよ。 そのことを申し上げた上で、理財局長、さっきおっしゃったような理由で非開示にしたというのは、まあそれは裁量的な判断としては分からないではないけど、法的根拠は、どういう法的根拠に基づいて非開示にされましたか。
○政府参考人(佐川宣寿君) お答え申し上げます。 行政機関の保有する情報の公開に関する法律の中に開示義務の例外規定がございまして、その中に、「公にすることにより、当該法人等又は当該個人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるもの」というのが根拠規定でございます。
○大塚耕平君 条文というのは、一部だけを読むと、あるいは取り出すと、非常にある意味、恣意的とは言いませんけれども、必ずしも適切ではない適用が可能になっちゃう、そういう法律の条文って結構いっぱいあるんですね。 やっぱり全部きちっと読み下す必要があると思っていて、法人その他の、今のおっしゃったところです、これは、行政機関の保有する情報公開法の第五条に、法人その他の団体(国、独立行政法人等、地方公共団体及び地方独立行政法人を除く。)に関する情報というふうに定義してあるんですよ。その細則イとして、「公にすることにより、当該法人等又は当該個人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるもの」と、このイのところだけを一生懸命繰り返し衆議院でも答弁しておられるんですけれども。 これが、例えば国有地を売却する先がある会社だとすると、ある会社の事業情報をその売却に当たっての審査のために国が入手した、報告をしてもらったと。その情報を表に出すと同業他社に知られちゃうから、そういう不利益に当たるようなことは非公開と、これは分かるんですよ。ところが、この条文の冒頭のところには、法人その他の団体として、括弧、国等は除くと書いてあるんですね。この売却という行為は森友学園だけではできないんですよ。国と森友学園という売買の両当事者がいて初めて成り立つ話なので、だから、この売却価格というのは、この条文からこれを非開示にしていいというふうには読み取れない。なぜならば、売却の片方の当事者が国だからなんですよ。だから過去に例がないんですよ。そういうことじゃないですか。
○政府参考人(佐川宣寿君) 売買契約でございますが、もちろん国が先方に、学校法人に売却しているわけでございますが、買い受けた学校法人はこの条文の法人その他の団体という、この当該法人等に該当するわけでございまして、その学校法人が正当な利益を害するおそれがあるものということでございますので、私どもこの条文で読めるというふうに解釈してございます。
○大塚耕平君 いや、だから、それは法律の解釈の間違いだと思いますよ。 であれば、売却価格、国が当事者となった国有地の売却価格などについてもこの条文が該当するんだという、だから前例を示してください。
○政府参考人(佐川宣寿君) お答え申し上げます。 国有財産の一般競争入札の落札金額が法五条二号イに該当するかどうかは個別に判断する必要があるとした上で、二号イの該当性を認めた事例というのが内閣府の情報公開・個人情報保護会のデータベースにございますが、これは林野庁でございますが、林野庁が契約締結時に相手から同意を得て落札金額を公表しており、本件のように落札者らの同意が得られなかった場合には落札金額を公にしていないというようなことがございまして、少なくともこの内閣府の個人情報保護会のデータベースには国としてのこういう前例はございます。
○大塚耕平君 であれば、その前例を示してください。
○政府参考人(佐川宣寿君) 済みません、今手元にございますのは平成十七年にその保護会に諮問し答申があったものでございまして、これについて、本当の詳細については今ちょっと手元にございませんが、この事例について、もしもう少し詳細に分かりますれば、後ほどお示ししたいと思います。
○大塚耕平君 いや、もうこれは、理財局長、もう既に皆さんは現に非開示にしたわけですよ。当然、非開示にするに当たっては前例なども調べておやりになるのが筋であって、お手元にそういう情報はあってしかるべきだと思うし、そもそも私は法律の解釈が間違っていると思っているんですよ。だから、それ、前例があるならちゃんと示していただけませんか。
○政府参考人(佐川宣寿君) ちょっと、今申したように、今申したこのデータ保護の、済みません、事例集があるようでございますが、ちょっと今手元に詳細がございませんので、今すぐお示しすることはできません。
○大塚耕平君 じゃ、それは後で示してください。 ということは、過去三年は調べた限りはなかったという御答弁が最初にありましたけれども、それ以前は幾つかはあったかもしれないという理解でいいですか。
○政府参考人(佐川宣寿君) 済みません、先ほどのは多分林野庁の件なんだと思いますけれども、私ども、普通財産の所管として過去三年調べたというところで公共随契において価格を非開示にした例はないというのが私が申したところでございまして、それを遡った調査についてはちょっと調べさせていただきます。
○大塚耕平君 繰り返しになりますが、私は、この行政機関情報公開法の第五条の二の読み方について、この条文をもって片方の当事者が国である国有地の売却の売却価格を非公開、非開示にできるというふうには読めないと私は思っているんです。だから、今のことについては悉皆調査をやってきちっと報告をしていただきたいと思いますが、よろしいですか。
○政府参考人(佐川宣寿君) 大変恐縮でございますが、私どもは読めると思っておりますので、そういう意味ではちょっと調べられる範囲で調べさせていただきたいと思います。
○大塚耕平君 いや、私どもは読めるというふうに思うと言って、法律の解釈を財務省の立場ないしはその時々の判断でやられては困るんですよ。日本語として読めばですよ、法人その他の団体、国を除くと言っているので、その国が当事者となって売買が成立しているから、だから売却価格は過去に非開示にしたことがないんじゃないかと聞いているわけですが、そういうところのレトリックとか法文の解釈も確認しないで今回非開示にされたんですか。
○政府参考人(佐川宣寿君) お答え申し上げます。 委員おっしゃっておられますように、国と学校法人のもちろん売買でございますけれども、片や買い取った学校法人側の競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるということでございますので、それはもう、買い取った側にそういうおそれがあれば、それはここの条文に該当するということだと思います。
○大塚耕平君 いや、副大臣、ここね、簡単にうなずくところじゃないですよ。 そこについての解釈はちょっと今後も議論させていただきたいので、まず前例をきちっと調べてください。 その上で、でも、今回はそういう解釈でやっておられるというのはこれまでの答弁、議事録読んで分かりますからね。大臣、ここで提案ですけれども、もし前例も調べた上で過去もそういうことであったとするならば、今後ですよ、やっぱり国有財産の売却に当たって売却価格を非開示にするということは、これはもう例外なくそれは認めない、もう原則開示であるというふうにされるおつもりはございませんか。
○国務大臣(麻生太郎君) これは相手側の話もありますので、国として相手側の事情もある程度考慮するというのは、これは国であろうとお互いの商売であろうと同様のことだと思いますので、相手側の事情によるんだとも思いますけれども、直ちに一方的に全部というのは、国の事情ではありません、相手側の事情を考えてやった場合に、ある程度配慮をするというのは必要なことだと思っております。
○大塚耕平君 いや、私はそれは違うと思います。 民間同士のビジネスであればもちろん常に相手のことを配慮してやらなきゃいけないですが、これは国が国民の財産を売却しているわけですから、それが相手に不利益を与えるというのはどういう意味なのかというのがさっぱり分からないです。 しかも、今回のケースでも、なぜ減価されたかといえば、それは学校を建てるための土地の環境を整えるためにその対応をさせてほしいということで減価したわけですから、これが風評被害が起こるどころか、それはむしろ風評被害をシャットアウトするためには、現にこうやって減価されてその費用は国側に負担してもらっているので自分たちはきちっとやりましたという、十分これは説明が成り立つわけですから。一見、これまでの議事録精査させていただきましたけれども、もっともらしい答弁が組み立てられていますけれども、私は大いに問題があるというふうに思います。 あわせて、前例を、くどいようですが、調べていただいた上で、国有財産の売却の、その売却価格の非開示なんということはあり得ないということを申し上げておきたいと思います。 それから、この森友学園の土地は登記上はいつ森友学園に移転されましたでしょうか。
○政府参考人(佐川宣寿君) お答え申し上げます。 登記簿を見ますと、平成二十八年六月二十日に学校法人森友学園に所有権が移転してございます。
○大塚耕平君 そうすると、理財局長、国有財産法によると、十分御承知のとおりだと思いますが、売払い代金等の納付については第三十一条に定められていて、当該財産の引渡前に売払い代金の納付をさせなければならないと書いてありますが、これはどういう御対応になりましたか。
○政府参考人(佐川宣寿君) 法律上、国有財産の売払いは、原則、もちろん一括して払っていただくというのが原則でございますが、本件につきましては、これも国有財産のその法令に基づきまして、先方の事情を勘案して分納ということで、分割払ということで認めているところでございます。
○大塚耕平君 どういう条件ですか、分割払は。
○政府参考人(佐川宣寿君) 先方のその収支状況等を勘案し、この土地を抵当権の代置とし、金利を付して、その上で分割払を認めているということでございます。
○大塚耕平君 担保は何になっていますか。
○政府参考人(佐川宣寿君) この土地そのものが抵当権代置になってございます。
○大塚耕平君 確かにこの三十一条をよく読むと、後段には、「ただし、当該財産の譲渡を受けた者が公共団体又は教育若しくは社会事業を営む団体である場合において、各省各庁の長は、その代金又は差金を一時に支払うことが困難であると認めるときは、確実な担保を徴し、利息を付し、五年以内の延納の特約をすることができる。」と、非常にこの法律を熟知をした対応をしておられるんですが、その分割払の契約書は何月何日付けで交わされましたでしょうか。
○政府参考人(佐川宣寿君) お答え申し上げます。 この売買契約書そのものは、平成二十八年六月の二十日でございます。
○大塚耕平君 ということは、分割契約の内容もその同じ日でいいですか。
○政府参考人(佐川宣寿君) 売買契約書が六月の二十日に締結されてございますが、その中に延納代金の支払方法として、第一回目に延納代金幾ら、延納利息幾ら、合計額幾らというものが契約書の中に記してございます。
○大塚耕平君 これは予算委員会でも明らかになりましたが、しかし、ちゃんと分割払の計画は契約として交わしたにもかかわらず、これが予算書には歳入として計上されていないということも明らかになりましたが、私もよく条文読んだら、三十一条に、公共団体だけかと思ったら、「教育若しくは社会事業を営む」と、よく書き込んであるなというふうに思いましたけれども、確かにこの条文からいえば決して違法じゃないです、この教育関係者という意味ではですね。 ただし、これは財務省側からやはりそういう提案をしてあげないと、普通の人はこんな条文知らないですよね、条文知らない。これは、だから、こういう条文があって対応できるということを財務省側からアドバイスしてあげたという理解でいいですか。
○政府参考人(佐川宣寿君) お答え申し上げます。 通例、国有財産の売払い等につきましては、法令、通達等、ルールにつきましては全て公開してございますので、誰でも見ることができるわけでございます。 したがいまして、個別にこちらから何かということはありませんが、先方、その交渉というか、国有財産の売払いの相手方から、法令に基づいてこうしてほしい、ああしてほしいという要請がございますれば、法令に基づいて適切に対応しているところでございます。
○大塚耕平君 常識的に考えると、くどいようですが、この国有財産法第三十一条、ここまで理解している人はもう極めて少ないです、私も今回初めて条文読みましたので。 じゃ、この三十一条を適用して、分割払にしてくれということを言ってきたのは森友学園側だという理解でいいですか。
○政府参考人(佐川宣寿君) そういう理解で結構でございます。
○大塚耕平君 そのエビデンスを提出してください。
○政府参考人(佐川宣寿君) 貸付合意書、平成二十七年の五月に買受け特約付きの合意書を結んでございまして、その過程で一連の、今までの経緯、委員の御承知のとおりでございますが、その中での、新たな埋設物が出てのこの契約書でございまして、そういう意味では、先方から要請があって分納になっているわけでございますが、そういう意味では、この契約書そのものがそういう分割払のその証拠でございます。
○大塚耕平君 そのエビデンスを出してくれと言っても、それらの応答録も全部捨てたと言い張っているわけですから、なかなかこの一連の経緯をごくごく一般的に国民の皆さんが納得できるかというと、納得できないと思いますね。 エビデンスは、だから、ないという理解でいいですね。
○政府参考人(佐川宣寿君) お答え申し上げます。 その個別の面談の記録、面会の記録については処分して、ございませんが、今申し上げましたように、この契約書にそういう分割払の規定が全て入っているということでございます。
○大塚耕平君 いや、そうではなくて、国民の皆さんは、いつでも財務省が親切で、何か財務省と国有財産の売買をやるときにいろいろ知恵を貸してくれたり便宜を図ってくれたら、それはみんな有り難いと思うんですよ。だけど、普通は、良くも悪くも非常に厳格な財務省はそんなことしないので、今回だけ財務省の方から提案があったんではないかというふうにどうしても思ってしまうんですが、そうではないとおっしゃるので、そうではない、森友学園側からこの国有財産法第三十一条を適用してくれという申出があったという御答弁だったんですが、それを証明する応答録はないという理解でいいですね。
○政府参考人(佐川宣寿君) お答え申し上げます。 そういう面会録は売買契約と同時に処分してございますが、ただ、先方、学校法人でございまして、弁護士さんもいらっしゃいまして、貸付合意書あるいは売買契約書、これは全て弁護士さんがきちんと先方も見ていらっしゃいますので、そういう意味ではいろんなことに詳しかろうというふうにも思います。
○大塚耕平君 じゃ、その弁護士さんに、そのときのそういうやり取りの書類が残っていないかとか、財務省から一回聞いていただけませんか。
○政府参考人(佐川宣寿君) お答え申し上げます。 もう売買契約締結した後でございますので、その点について私の方から確認するということはございません。
○大塚耕平君 それから、納得したわけじゃないですよ。佐川さんとも付き合い長いので、こういう立場でこういう質問をするのはじくじたる思いですけれども、余り、合理的で一切疑義のない展開だというふうにはとても思えません。 そのことを申し上げた上で、国有財産法の二十二条というのはどういうことが書いてありますでしょうか。
○政府参考人(佐川宣寿君) 国有財産法の二十二条は、普通財産は、次に掲げる場合において、地公体あるいはその他の公共団体に無償で貸し付けることができるということが書いてございます。
○大塚耕平君 いや、今回の一連の経緯を私も知って、まあ財務省も随分なことをするなと思ったんですけれども、隣の土地は豊中市に十四億円で売っているわけですよね。この国有財産法二十二条だと、国有財産を公共団体が緑地や公園等々のため公共用若しくは公用に供する政令で定める施設等の用に供するときには無償で貸せると書いてあるんですよ。 時価よりも高い価格で豊中市には売っておきながら、ほぼその同じ地質である土地をいかに教育とはいえ民間の法人に対してここまで便宜を図って売っているというのは、豊中市に対してちょっと申し訳ないと思いませんか。
○政府参考人(佐川宣寿君) お答え申し上げます。 本件、私ども、処分の委任を受けて処分しているわけでございますが、この豊中市の土地も、元々国土交通省のいわゆる空港整備のための特別会計の財産でございまして、国土交通省の方から時価で処分をしてほしいという処分依頼を受けまして処分をしているところでございます。 済みません、かてて加えて申しますと、豊中市の方は、当時国から補助金なり交付金をいただいて、ほぼ十四億円という予算を補助金でもらっておりますので、そういう意味では豊中市自身の負担は数千万だというふうに承知してございます。
○大塚耕平君 総務省、豊中市は交付団体ですか、不交付団体ですか、地方交付税は。
○政府参考人(池田憲治君) お答えいたします。 交付団体でございます。
○大塚耕平君 いや、だから、公園だけを見れば、その公園建設の補助金も出ていたから、その部分の資金のやり取りだけ見れば実質の負担はほとんどなかったという説明はまあ分からないではないんですけれども、もしこれ無償で貸していれば、その分やっぱり豊中市の財政状況は好転するわけですから、結局元をたどれば全部税金ですから、理財局の衆議院からずっとおっしゃっておられるその理屈というのは、やっぱり一般的には国民の皆さんからすればちょっと納得し難いものですね、それは。 何かコメントありますか。
○政府参考人(佐川宣寿君) 済みません、補助金の話はちょっとあれですけれども、私どもが先ほど申し上げたのは、国土交通省の特別会計の中のその予算のやりくりとして、是非時価で売ってほしいという処分依頼を受けて処分をさせていただいたということでございます。
○大塚耕平君 国土交通省、国土交通省と言って、だんだん話が佳境に来ると本件は常に国土交通省に振られるわけで、国土交通省も今回大変だなと思いますけれども。 森友学園の建設地のくいの部分の土砂千七百トン、それから建物、土地の部分の土砂九千五百トンを搬出したということになっておりますが、この処分地はそれぞれどこでしょうか。
○政府参考人(平垣内久隆君) まず、御指摘のくいの部分の土砂についてでございますけれども、本件土地の価値を算定するに当たって、想定すべき……(発言する者あり)
○委員長(藤川政人君) 質問にしっかり答えてください。
○政府参考人(平垣内久隆君) はい。 我々、想定すべき地下埋設物の処分量を見積もったものであります。よってもって、地下埋設物の具体的な処分状況を含む売却後の本件土地の取扱いについては承知してございません。御指摘の建物、土地の部分についても同様でございます。
○大塚耕平君 いやいや、その承知していないという答弁も衆議院からずっと聞いてきていますけど、今日はそうじゃなくて、もう明確に、私は割と質問項目全部きちっとお渡しする方なので、渡しているわけですよ。くいの部分の土砂千七百トンの処分地はどこでしょうか、建物、土地の部分の土砂九千五百トンの処分地はどこでしょうかと聞いているんですから、それはやっぱり確認して御答弁いただくのが筋です。 もう一回聞きます。千七百トンのくいの部分の土砂、建物、土地の部分の土砂九千五百トンの処分地はどこでしょうか。
○政府参考人(平垣内久隆君) お答えさせていただきます。 今回の土地処分は、土地の更地価格から地下埋設物の撤去処分費用の見積額を差し引いた時価にて売買後には一切瑕疵担保責任は負わないという条項を含む売買契約を締結するということになっているものと承知してございます。よって、時価で売買した後の御指摘の地下埋設物の処分については、購入者が関連の法律に従って適切に処分しておるものと承知しております。
○大塚耕平君 これは、これだけ国会で議論になっている事案ですから、それはもう聞けばいいだけの話ですから、森友学園さんに。 もう一回だけ聞きますよ。この土砂、合計でいうと一万千二百トンの処分地はどこでしょうか。
○政府参考人(平垣内久隆君) お答えさせていただきます。 売買契約上も、売買後の地下埋設物の具体的な処分については確認することとはなっていないものと承知してございます。
○大塚耕平君 それじゃ、これ要請しておきます。確認をして、やはりこれは国有地が適切に売却されたかどうかということに関わる情報なので、確認をして委員会に報告を求めたいと思いますので、委員長にはよろしくお取り計らいをいただきたいと思います。
○委員長(藤川政人君) 理事会にて協議をいたします。
○大塚耕平君 では、国土交通省にまた伺いますけれども、この埋蔵物に伴う土地価格の減価をどのぐらいの金額で行うか、これも随分話題になっていますけれども、その算出根拠を聞かせてください。
○政府参考人(平垣内久隆君) お答えさせていただきます。 今回の土地処分は、土地の更地価格から地下埋設物の撤去処分費用の見積額を差し引いた時価にて売買後は一切の瑕疵担保責任を売主が負わないという条項を含む売買契約を締結することとしたと承知してございます。 すなわち……(発言する者あり)はい、すなわち将来のリスクを断ち切るために、今基本的な考え方の方をまず御説明します、将来のリスクを断ち切るため森友学園側に瑕疵担保責任免除を了解させることを前提とした契約を行う上で、地下埋設物の撤去処分費用の見積額の精算の基本的な考え方としては、想定される地下埋設物を対象とするという考え方に、取っております。 具体的なことも御説明……(発言する者あり)はい、具体的な算出方法について御説明させていただきます。 具体的な検査方法といたしましては、公共事業に係る一般的かつ標準的な方法となってございます。すなわち、本件土地に係る数量であります面積、深さ、埋設物混入率に単価を掛け合わせて撤去処理費用を見積もってございます。
○大塚耕平君 これも委員の先生方ももう御承知のことと思いますが、三・八メートルまではこれは全部言わば埋蔵物が混入しているということで、その分を減価して評価額から差っ引いたと。くいの部分は九・九メートルなので、その部分は九・九メートル掛ける、何本でしたか、三百八十本ぐらいのくいの部分の土砂の減価分を評価額から差っ引いていると。だけど、九・九メートルまで埋まっているというふうに考えると、私が森友学園側だとすると、いや、九・九メートルまで埋まっているという蓋然性があるわけだから、九・九メートル分全部減価してくれと言いそうなものですが、九・九メートル分全部減価すると、平垣内さん、これ金額はどういうことになりますか。正確な金額じゃなくていいです、結局どういうことになるんですか、九・九メートル分全部減額すると。
○政府参考人(平垣内久隆君) お答えさせていただきます。 ちょっとすぐに計算できません。後ほど計算してでよろしゅうございますでしょうか。
○大塚耕平君 いや、計算までしてもらわなくていいんですが。 だって、三・八メートル分を一律減価をして、それより下の残り六メートル分はくいの部分だけを減価をした結果、一億三千万円ぐらいになっているわけですよ。だから、九・九メートルまでその分全部減価すると、要するに評価額マイナスになっちゃうということでいいですね。
○政府参考人(平垣内久隆君) お答えさせていただきます。 それはそのとおりだと思います。
○大塚耕平君 だから、本来であれば森友学園はそういう主張をしてもいいぐらいなんですよ。ところが、九・九まで全部やらないでベースは三・八、一部を九・九、三百八十本分、これをやると、差っ引くと一億三千万円ぐらいの評価になり、その一億三千万円とほぼ同額の三・八メートルまでは自分たちで処理をしましたという、その森友学園がやったと言い張る工事の代金として一億三千万円を国が渡していると、こういう構図です。これはもう皆さん理解していると思いますし、私もそういうふうに理解しています。 これは、麻生大臣はもう御承知だと思いますが、平垣内さん、もうここはきちっと、佐川さんも御答弁いただいた方がいいと思いますよ。この土地を幾らで売却するかというときに、どういう計算方法でどのくらいに着地をさせるかということを、売買の相手方である森友学園といろんなケーススタディーをして、こういう基準でこういう計算をするとこうなるということを交渉でまとまったものを今回の売買価格にしているというふうに考えるべきだと思うし、平垣内さんは私にそのように説明を部屋でしてくれましたので、そこからスタートなんです、きちっとした議論は。 そういうことでいいですね。だから、ただ計算するときに単価とかいろんなものを根拠なしにできないので、単価はもう決まっていますからね。だから、それを掛け合わせて計算をすると、頃合いに収まる組合せとして、三・八までは全部で、三・八から以下はレーダーでも調べなかったと、わざわざそういうことになっていますが。で、九・九メートル分まではくいの部分はやったと。それに国が定めている単価を掛けて計算すると、まあうまいこと一億三千万円になったと。で、これでどうですか、森友さん、本来はマイナスの土地だけど国が金を渡すわけにもいかないし、あなたのところに無償で渡すわけにもいかないから、こんなものでどうですかと、分かりましたという、こういう交渉があって売買契約が成立したというふうに理解をしております。 平垣内さん、どうですか。
○政府参考人(平垣内久隆君) お答えさせていただきます。 以前、大塚先生に御説明に行ったことについて言及をされましたので、正確にお答えいたしますと、私が申し上げたのは、積算するに当たって、先ほども申し上げましたけれども、将来のリスクを断ち切るため森友学園側に瑕疵担保責任を免除という売買契約を結ぶという前提の下に、地下埋設物の撤去処分費用の見積りの積算をやっております。それで想定される地下埋設物を対象としたということを申し上げていたわけでございます。
○大塚耕平君 国としても瑕疵担保責任を全て免責される必要があるので、そのために相手と条件交渉をやったわけですよ。それは別に、条件交渉をやったこと自体は悪いと思いませんよ。 だから、おっしゃっていたじゃないですか、校庭の用地の一部も九・九メートル対象に入れる、この部分を入れないとその金額に落ち着かないから、校庭のあの部分だけは入れたという。だから、これはやっぱり、いや、平垣内さん、今度ちゃんと答弁しますとおっしゃったんだから、そうですと言っていただかないと、これ前に進みませんよ。
○政府参考人(平垣内久隆君) お答えさせていただきます。 私が申し上げたのは、あくまで、見積りの積算をするときに基本的な前提として瑕疵担保責任を一切負わないということを念頭に置いていたということを御説明申し上げたわけでございます。
○政府参考人(佐川宣寿君) お答え申し上げます。 今の委員の御指摘ですと、最初にこの撤去費用の金額を決めて何かこの計算をしたかのようにもお聞き受けするんですが、そういうことでは決してございませんで、今、国土交通省の方から御説明しましたように、この面積についても、その地下構造物調査を踏まえて、大体この全体の何%、深さについては現場関係者との確認等も含めて、くいがここでごみが出て、こちらは三・八までごみが出てというので、その深さも合理的に判断、そして混入率を判断ということで、まさに国土交通省として合理的に、その手元のデータを見ながら判断できる費用に一般的な工事単価を掛けて見積もった結果として撤去費用が出たということでございます。
○大塚耕平君 はいそうですかとここで私が申し上げると私が平垣内さんと話をしたことについてうそを言っていることになりますので、それは承服できません。交渉事として大体このぐらいの着地点だということをお互いに理解した上で、あとはルールに基づいて計算をしたと。現実的に想像してみてもそれが真実だと思います。だから、そのことの是非を僕は言っているわけじゃないんですよ。そのことの是非を言っているわけじゃない。でも、そういうことをきちっと認めないと話が前に進みませんよということを申し上げている。 その上で、じゃ、理財局長に聞きますが、国有地を売却する、国民の財産ですからね、国有地を売却するというこの大事なことに関してですよ、例えばその瑕疵担保責任、もう三・八メートルまでは現に国はやっているわけですしね。例えば、あの二階建てと思われる森友学園の建物を建てるに当たって、九・九メートルまでくい打ちをすることが建築基準法上どういう意味を持つのか、あるいは、じゃ、どのぐらいの深さまで埋蔵物が出てきたときに瑕疵担保責任を問われるのかということについて判例等、こういうことを調べた上で今回の合意をなされているという理解でいいですか。
○政府参考人(佐川宣寿君) お答え申し上げます。 大変恐縮でございますが、建築基準法等についてまで今、私、つまびらかにしませんが、当時の状況を申し上げますと……(発言する者あり)恐縮でございます、少なくともその建築基準法とかそういう話についてはつまびらかにしてございませんし、当時の状況を判断してああいう売買契約に至ったということでございます。
○大塚耕平君 いや、もうやっぱり相当無理があります、答弁にね。 片方では、法律上無償で貸してもいい土地を時価よりも高い価格で豊中市には売り、片方では、一般の人は御存じないような法律の条文まで適用をして民間の法人にこれを売却する。しかも、そのときに、一体その瑕疵担保責任というのは地下何メートルまで責任を持つのが過去の判例であるのかとか、その九・九メートルまでくいを打ったから九・九メートルという計算上の一つのベンチマークができちゃったんですが、九・九メートルまで果たしてくいを打つ必要があるのか、建築基準法上どうなのかとか、やっぱりこういうことは当然調べているものだと思って僕は質問しているんですけれども、じゃ、調べていなかったという理解でいいですね。
○政府参考人(佐川宣寿君) お答え申し上げます。 一般的に売買契約で瑕疵担保責任条項を結ぶというのは、いわゆる普通のその土地なりを向こうに売却した後に、それまで分からなかった隠れた瑕疵が出てきたときに当方で例えば民法上二年なら二年間責任を持つというのが瑕疵担保条項でございまして、そういう意味では、何メートルに何があるかとかそういうことではなくて、どこかで例えば土壌汚染が出たとか、どこかで埋設物が出たとか、どこかで何か公共的なもので道路が入ったとか、いろんなそういうそのときに想定し得なかったものを売主として瑕疵担保条項を結ぶということでございますので、何か建築基準法上の判例とかそういうことでこの条項を結ぶわけではないというふうに承知してございます。
○大塚耕平君 じゃ、国交省にお伺いしますけれども、このくい打ちをする前にボーリング調査は行っていたんですか、ここの工事をやった事業者は。
○政府参考人(平垣内久隆君) お答えさせていただきます。 本件土地につきまして、平成二十八年の小学校開設に向けまして早期に設計に取りかかりたいということで地盤を調査したいとの御相談が森友学園よりあったことから、学校建設工事を開始する前の平成二十六年十月に工事事業者においてボーリング調査が実施されておると承知してございます。
○大塚耕平君 実施されていると承知しているということは、そのボーリング調査の報告書は手元にはありますか、ないですか。手元というのは、今じゃなくてもいいですよ、国交省としてそれは持っていますか、持っていませんか。
○委員長(藤川政人君) 先に、じゃ、佐川局長。
○政府参考人(佐川宣寿君) 森友学園がボーリング調査を行った結果はございます。
○委員長(藤川政人君) 平垣内さんはいい。 局長。
○政府参考人(佐川宣寿君) もう一度。恐縮でございます。 森友学園がそのボーリング調査を行った調査の結果があるかという御質問でございましょうか。そういう調査の結果はございます。
○大塚耕平君 ございます。
○政府参考人(佐川宣寿君) はい、ございます。
○大塚耕平君 じゃ、恐縮ですが、それもできれば委員会に御提出いただきたいと思いますので、よろしくお取り計らいをお願いします。
○委員長(藤川政人君) 後刻理事会にて協議いたします。
○大塚耕平君 こればっかりお伺いしているわけにもいかないので、森友学園についてはこのぐらいにさせていただきますけれども、私は国会での仕事も、麻生大臣とは長さでいうと全然比較にならないですが、多少年数もたってきて、いろいろ分かっていること、思うこともあるんですが、今回のことで何か官僚組織が不正をしていたなどというふうには思いません、なぜならば余りにも関係者が多過ぎるので。 ところが、普通、よほどのことがないとこんなに弾力的にかつ短期間に迅速に動くなどということはなかなかないですね、良くも悪くも日本の霞が関は。これがこういうふうに動くというのは、大体、特定の政治家の圧力で動くかなんという、そんな簡単なものでもないとも思っています。どっちかというと、特定の政治家ないしは政治的バイアスがもしあったとすれば、それを何らかの判断の下に組織のトップが、例えば事務次官とか、そういう高い立場の方がこういうことについて応対せよと、対応せよというふうにおっしゃると、それはもう組織は号令以下ぱっと動きますね。そういうものだと思っていますので。 やっぱり私は、これだけ異例な対応をしているわけですから、その当時の、これは国交省なのか財務省なのか分かりませんけれども、組織のもっと高い立場にあった人たちがどういうふうに近畿財務局や理財局に指示を出したのかということが大きなポイントではないかなという印象だけ申し上げて、次のことについてお伺いをしたいと思います。 こんな森友学園のような問題が起きたために、ために話題になり始めている今治市における獣医大学の新設に関わる、この獣医大学への時価三十七億円の土地の無償譲渡というのがございます。 まず、この事実関係だけお伺いしたいんですが、これは内閣府にお伺いした方がいいのか、総務省なのか。この無償譲渡はもう確定したという理解でいいですか。もう事実関係だけでいいです。経緯はもう結構ですので。
○政府参考人(青柳一郎君) お答えいたします。 今回の土地の無償譲渡は今治市が実施するものでございまして、国有地ではございませんが、そもそも私立大学等の設置に当たりまして地方自治体から土地の無償譲渡を受けるということは、前例もございますので、珍しいことではないのかと思います。 なお、今治市でございますけれども、今治新都市開発事業に着手いたしました昭和五十八年から、すなわち加計学園による獣医学部構想の誘致を決める前から、今回無償譲渡する土地を高等教育施設用地として位置付けて、歴代の市長さんが大学誘致を目指して、市議会も将来的に市が土地を購入することを議決していたものと承知しております。
○大塚耕平君 農水省にも来ていただいているんですが、我が国の獣医師の需給バランスと、我が国においては動物感染症に対する水際対策が何か十分じゃないということが今回の対応の前提となっているようなんですが、本当に我が国の水際対策は十分じゃないのかと、この二点についてお伺いします。
○政府参考人(岩本健吾君) お答え申し上げます。 我が国の獣医師の需給バランスの関係でございますけれども、家畜やペットの頭数というものは減少している状況でございますが、獣医師の数自体が全体的に不足しているという状況にはないというふうに考えております。しかしながら、いわゆる産業動物獣医師というカテゴリーで申しますと、地域によってはその確保が困難なところがあるというのが現状でございます。 また、鳥インフルエンザ等の動物感染症に対する水際対策につきましては非常に重要なことでございまして、これにつきましてはできる限りのことはしております。空港なり港において靴底消毒ですとか入国者への質問ですとかポスターによる注意喚起、動物検疫所、探知犬による徹底した水際対策は実施しております。 ただ、近年、アジア諸国におきまして高病原性鳥インフルエンザや口蹄疫の継続的な発生がございまして、リスクが非常に高まっているということは現状としてございます。しかも、訪日外国人の旅行客自体も増加するという見通しがございますので、そういったことを踏まえて、侵入防止には万全を期してまいりたいと考えております。 以上でございます。
○大塚耕平君 これは内閣府にお伺いしたいんですが、改めてこの国家戦略特区法読みましたら、産業の国際競争力を強化するとともに、国際的な経済活動の拠点の形成を促進するというのがこの特区の目標なんですが、この獣医大学をつくることが今の目的に照らしてどういう因果関係があるんでしょうか。
○政府参考人(青柳一郎君) お答えいたします。 獣医学部の新設の問題につきましては、構造改革特区として、十九年度以降、今治市からの要望があったところでございますけれども、二十六年から二十七年にかけまして、今治市のみならず、新潟市、宮崎県などの他の地域からも国家戦略特区提案がございましたことから本格的な議論を行って、二十七年六月の日本再興戦略の改訂二〇一五に本件を検討する旨を記載したところでございます。その上で、二十七年十二月には今治市を広島県とともに国家戦略特区に指定することを決定したところでございます。 国家戦略特区の関係では、獣医師系養成系大学・学部の新設に対する検討ということで、現在の提案主体による既存の獣医師養成でない構想が具体化し、ライフサイエンスなどの獣医師が新たに対応すべき分野における具体的な需要が明らかになり、かつ、既存の大学、学部では対応が困難な場合には、近年の獣医師の需要の動向も考慮しつつ、全国的見地から本年度内に検討を行うということで、国家戦略特区法の趣旨に従って位置付けているものでございます。
○大塚耕平君 事前にレクチャーしていただいた内容によると、そのやろうとしている特区の事業について、少なくとも一事業者、一主体以上が希望するという状況になったら公募をするということだというふうに説明を受けました。この今治市の獣医大学の場合は、加計学園という学園だけが、じゃ、公募要項を出す前に手を挙げていたという理解でいいですか。
○政府参考人(青柳一郎君) お答えいたします。 御指摘のとおりでございますけれども、国家戦略特区における構成員の公募を、今回、一月四日から十一日までの八日間の公募を行い、さらに、追加の申出についても、これまで同様、六日間受け付けたところでございまして、その結果、加計学園だけが応募されたということでございます。
○大塚耕平君 今いみじくも答弁されたんですが、十二月にこの特区をやることになって、その時点では加計学園しか手を挙げていなくて、一月四日に公募をして締切りが十一日ですからね、大学をつくるなんていうのはほかに手が、手挙げるわけないじゃないですか。 この件についてはまた改めて対応させていただきますが、大臣、これは副総理として、申し上げておきますけれども、国家戦略特区法、改めてお読みすると、これ限りなく同様の事例が起きやすい枠組みになっているんですよ。少なくとも一事業者が手を挙げたら公募をするということは、誰か特定の人がその特区をやりたいということについて希望を言ってきて、それを政府がうんと言ったらもう直ちに公募をして、そうすると、ほかはもう手を挙げるチャンスがないわけですよ。 だから、この国家戦略特区法が実は相当今後も様々な疑義を招きかねない法体系になっているということを、取りあえず今日はそのことだけ申し上げておきますので、副総理として、内閣全体にガバナンスを働かせていただく意味でも、ちょっとよくよくこの仕組みを御理解いただいた方がいいと思います。 特に、この加計学園は、総理の動静を見ると、去年も何回も学園長とお会いになって、直前にもお会いになっておられた、その直後に、何をやるかというのは内閣総理大臣が最終決定することになっているんですね、この法律は、で、総理がここで獣医大学をつくる、特区をやれと指令をされて、決定をされて、十二月にスタートして、一月四日に公募して十一日が締切りということですから、やっぱり痛くもない腹を探られないためにも、ちょっと法の枠組みを変えた方がいいですね、これは。 最後になりますが、やはり今日の新聞にも出ていましたけど、総理夫人、いろんな意味で総理をお支えになっておられる、それはもう御夫婦ですし、当然のことだと思いますけれども、ちょっと余りにもいろんな公職なり、いろんなものの顧問をしておられて、やっぱりいかがなものかというふうに思いますが、総理夫人は公人ですか、私人ですか。何か答弁がこの数日で二転三転しているようですが、この財政金融委員会としても、そのことをサポートする公務員の給料はこれは予算から捻出されるわけでありますので、もう一度確認をしておきます。財政金融委員会の委員として確認をさせていただきます。 総理夫人は公人ですか、私人ですか。
○政府参考人(土生栄二君) 御説明をさせていただきます。 総理夫人は現に内閣総理大臣の職にある者の配偶者を指す一般的な呼称でございまして、国家公務員としての発令を要するものではございません。この意味で公人ではないというふうに考えております。 それから、総理夫人の活動をサポートするスタッフでございますけれども、総理夫人の活動のうち、総理の公務遂行を補助される活動というのが、安倍内閣になりまして、海外出張でございますとか外交活動、国内の会議、これが大幅に飛躍をしているということでございます。この公務遂行の補助に関する活動につきまして連絡調整を行うということでございますので、この活動をサポートする職員につきましては国家公務員ということでございます。
○大塚耕平君 これでやめますけれども、この二、三日、答弁が変わってきているんですが、夫人は私人、しかし、それをサポートする公務員は公務である、しかし、そのことによって出かけていったときの費用弁償は私人たる夫人にしてもらっているということなんですが、これは多分、私の理解では、費用弁償を受けて何かをやるというのは国家公務員法上何か制約があったような気もします。それから、土日に公務員が私人のサポートを自由にしていいというふうにもなってないというふうに思います。さらには、これを休日じゃない日に行っていたとしたら、これは機会費用を使っていることになりますので、公務員がその労働時間を別のことに費やしていることになっていると思いますので。 これも最後にお願いをしますが、土生さんにおかれては、今申し上げたような幾つかの点について、国家公務員法上、どういうふうに整合性を付けているのかということを整理して委員会に御提出をいただきたいので、委員長にお取り計らいをお願いして、質問を終わりにさせていただきます。
○委員長(藤川政人君) 後刻理事会にて協議いたします。
○大塚耕平君 終わります。
○大門実紀史君 大門です。予算委員会の関係で質問の順番を御配慮いただいて、ありがとうございます。与党の皆さんにお礼を申し上げたいと思います。 今日は私も森友をやりたいところですけれども、明日の予算委員会で準備をしておりますので、今日は昨日の本会議に続いて日米経済関係についてお聞きしたいと思います。 一言申し上げれば、森友、森友がずっと続いておりますけれど、本来やらなければいけない大事な議論いっぱいあるわけでありまして、その点からも早くこの問題をクリアにしていく必要があると思いますので、証人喚問、参考人招致、あと大塚さんからもあったこの委員会でも資料の提供とか、きちっと対応して、本来の議論ができるように早く戻していかなければいけないと、その点で政府の御努力を求めておきたいというふうに思います。 昨日の本会議に続いて日米経済関係について麻生副総理に伺いたいと思いますが、日米首脳会談で麻生副総理とペンス副大統領の下に日米経済対話を発足させて、経済政策、インフラ投資・エネルギー分野、そして貿易・投資ルールの三つの柱で包括的に議論していくことを確認したということでございます。 麻生副総理は、この日米経済対話の日本側の責任者としてどのように臨んでいかれるか。まだこれからでしょうけれども、今のところでのお考えをお聞きしたいというふうに思います。
○国務大臣(麻生太郎君) これまでも日米間でいろいろ協議を行ってきたのは、多分最初は一九六〇年代のニクソン・佐藤栄作の繊維交渉が最初かな、あれから繊維、鉄鋼、自動車、関税障壁、非関税障壁、もういろんな二国間協議を行ってきたんだと思いますが、いわゆるアメリカが、日米構造協議と言われるところ、あの辺からが一番はっきりしていると思いますが、巨大な貿易赤字に悩んでいたというのが、米国の赤字のって、いわゆる双子の赤字とか言われたあの頃から非常に激しくなってきたんですが、あの頃のアメリカに対する日本の貿易黒字額、向こうから見れば赤字は、一九九八年でアメリカの貿易赤字総額の五八%です。 一方、今はどうなっているかというと、米国の貿易赤字に占める対日割合というのは、もう日本の自動車が向こうで造られたり、日本の自動車の方がアメリカの自動車よりアメリカの部品使っていたりというような状況に大きく変わってきておりますので、今は九・四%が実態であります。 したがいまして、一位は中国で、今、四七か八になっていると思いますので、そういった状態になってきておりますので、いわゆる日米間の投資というものとか赤字というのは全くあの時代とはもう違っているので、トランプさんの頭は一九七九年で止まっておると最初に申し上げたのは、私は側近にもそう言いましたし、安倍総理との会談の後からこの種の話は全く出なくなっていますから、きちんとした情報が伝えられないといかがなものかというのが正直なところで。 少なくとも、今回の首脳会談において、自由で公正な貿易のルールに基づいてきちんとやっていこうという話を確認されたところが、私、今回一番のみそだったと思っております。 この種の話は、大国が大体ルールつくって小国はそれに合わせる、大体世界中、長い歴史、皆そうなっているんですが、初めて日本側が提案して、向こうも乗ってきて、両方でルールつくろうという話をしたわけですから、そういった意味では非常に大きな意味があったと思っておりますので。 私どもは、基本的に、自由貿易というアメリカがつくってくれた、ブレトンウッズとかいろんな話がありますけれども、こういったアメリカが戦後つくってくれたものの中で、やっぱりGDPが世界の四〇%ぐらい占めておりまして、今、二〇切りましたでしょうか、四〇%ぐらい取ったアメリカが自由貿易をやってくれたおかげで、領土の面積に比例して経済が大きかったという世界中のルール、ルールというかそれまでの常識がひっくり返って、いわゆる貿易というものでやっていけるようになったおかげで、日本とドイツという敗戦国同士が巨大な経済大国にのし上がれたのは自由貿易制度のおかげだと、私はそう思っておりますので。 今回も、基本的には日米間の貿易・投資関係を深めていくことに併せまして、いわゆるアジアとか太平洋地域、これから伸びるのはその地域だということはアメリカも分かっておるわけなので、その地域に向かって、ここで公正なルールに基づいたマーケットというものを両方でつくり上げていくということでは、これはアジアもそれに乗ってこれるようなルールをつくり上げないと、日本とアメリカにだけ都合のいいルールつくったってできませんから、そういったものを考えて建設的な議論を深めていかないかぬと思って、おなかの中ですけれども。 一番分かっている人は一番分かっているそこへ行くんですけど、そこの周りにはいろいろ各地域の州を選出されている議員さんの自分の、我田引水というか、自分の地域の都合があるのは日本と同じですから、それは。そういった意味では、物すごくいろんな方がもう個別にいろいろ言ってきますので、全体の話、全体の話してからそういう個別の話という話にしていかないと、何となく個別の話にとらわれると話が非常に込み入って、えらく歪曲する、何というか、稚拙、いろんな瑣末なものになりかねませんから、きちんとしたものをつくり上げるというのを二人で共通の哲学として持っておかねばならぬと思って、きちんと対応できるような方にお見受けしましたので、私どももこの部分に関してはきちっと陣容を整えて、各省にまたがりますので、副総理という立場からこれを引き受けることにしましたけれども、向こうもそれで副大統領ということになったんだと思っておりますので、全体的に見てきちんとした、負けたとか勝ったとかいうような話にならないようなことを考えにゃいかぬと思っております。
○大門実紀史君 二国間交渉という形式は自民党の皆さんの中からも懸念が示されていて、西川公也さんもこの前のパーティーでやっぱり二国間交渉はまずいという発言をされていた、当事者が言われているぐらい、やっぱり直接アメリカのいろんな要求が強く寄せられるという中でなんですよね。 その辺が危惧されているわけですけれども、今お話あったとおり、日米構造協議、年次改革要望書はちょうど竹中さんが郵政民営化とかあの頃で、さんざん国会でも議論になったり、ありましたし、TPPでいえば日米並行協議が続けられてきたと。そういう中で、やっぱり二国間交渉の中でいろんな譲歩をさせられてきたんじゃないかというのがあるんではないかと思います。 ただ、私は榊原英資さんが書かれた日米戦後史の真実、経済交渉から読み解くというのを読んでちょっと思ったんですけれども、私たちも決して何でも言われるとおりに、何でもアメリカの言われるとおりにやってきたなんて思っていないんですよね。かなり相当のせめぎ合いを、榊原さんですから当事者ですから、相当のせめぎ合いをして、はね返すところははね返したというようなすごいやり取りをされてきたのはもう十分分かっているわけで、何でもはいはい言うことを聞いてきたんだろうという言い方をしているわけではないんですけれども、ただ、大きな流れでいくと、かなりやっぱり譲歩をさせられた面が大きいんではないかというのは、実は榊原さんもそういうことをおっしゃっていて、どうしたらそういうことが、構造的、日米の構造的な関係があるから結果的にやっぱりアメリカの相当強い押しが最後利いてしまうところはあるのではないかというふうにおっしゃっておりますし。 なかなか参考になる本で、日米同盟どうするかということと、日米経済がこれからやっぱりアジア経済にシフトしていくとか、そういうこと全体でアメリカとの対等の関係をつくっていかなければいけないんではないかという大変いい提案をされていて、私たちともちょっと共通するところがあるんですけれど、そういうこと、大きな視野を、トランプさんというちょっと変な人が出てきた状況でありますので、ちょっと大きな視野で日本がイニシア取って、本当に頭の中がまだ八〇年代みたいな方でございますので、こちらが教えながら対等な関係をできるだけつくっていっていただきたいということは、もう今日は要望だけ申し上げておきます。 もう一つ、具体的なことなんですけれども、トランプ大統領が二月三日に金融規制法、ドッド・フランク法ですね、この抜本的な見直しを指示する大統領令に署名をいたしました。この金融規制法というのは、リーマン・ショックを受けて金融機関によるリスキーな取引とか、よくこの委員会でも問題になりましたけれども自己勘定取引、そういうものを使ったいろんなマネーゲームをやったわけですけれども、そういうものを原則禁止した、何でしたっけ、ボルカー・ルールでしたっけ、そういうものも含めていったということで、金融危機を受けて国際的にいろんな取組の中でアメリカでも、当事者のアメリカでそういう法律を作ったものを規制緩和の方向に、緩和していく方向にトランプさんが踏み出したということなんですけれども。 これは、アメリカの金融機関だけではなくて、日本のメガバンクも含めて国際的な金融機関がリーマン・ショックを受けて、二度とああいう金融危機を起こさないためにそれぞれ努力もする、国も規制を考えていく、むちゃなことをするなというようにしていくという流れがあった中で、トランプさんがこういう金融規制緩和の方に動くと、ちょっと今までの流れが変わってくるんではないかというふうに思いますし、これはEUも含めて相当な議論があった結果だと思うんですけれども、これもまだ始まったばかりでどう見るかというのは難しいですけど、こういうアメリカの動きに対して、これは金融担当大臣としてでも結構ですから麻生大臣の今の段階での御見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) これは大門先生御指摘のとおり、リーマン・ブラザーズがバンクラプシー、破綻をいたしました二〇〇八年の九月でしたか、あの頃以降の話で、とにかく金融危機というかファイナンシャルクライシスという、もうとにかく金融収縮という、とにかく市場からドルが、全くキャッシュがなくなりましたから、あのときは。そういった事態で、ああいう金融危機の再発防止という観点から、いわゆるG20をつくり、FSB、ファイナンシャル・スタビリティー・ボードでしたっけ、FSBをつくる等々の場において金融規制の改革が進められていることは確かです。 他方、今言われましたように、米国の金融システムの規制するための主要原則というものについて大統領令が公表されたことは私ども承知をしておりますが、この原則を踏まえて、アメリカは今からどのようなことをやってくるかというところは予断を持ってお答えする、そういった段階じゃないんですが、ムニューシン自身は、この間の自分の指名承認公聴会においての発言を読んでみますと、金融危機の再発防止の重要性についてもこれ言及をしておりますので、そういった意味では、きちんと、GS、何でしたっけ、GS、ゴールドマン・サックスに長くいまして、本人も長いこと金融の世界にいて、日本にも半年ぐらい住んでいたことがありますので、そういった意味では、引き続き普通の話ができる、事ファイナンスの話に関してはきちんと話ができるように思いますので、電話の感じもそういう感じでもありますので、きちんとして、我々、G20とかG7で国際的に合意されたルールというのがありますので、そういったものを基本にして話し合っていくのがベース、これが基本だと思っております。
○大門実紀史君 日米関係、アメリカの問題で、今年の一月に参議院の重要事項調査でアメリカの財政金融問題の海外派遣、調査に行ってまいりました。長峯さんと一緒に伺いましたけれども、ニューヨーク、ワシントン、五十人以上ですかね、ヒアリングもやったわけですけれども、その中で、この日米関係でいきますと、日米経済関係でちょっとみんなで驚くことがあったので質問したいと思いますけれど、日米間の取引関係で余りに不公正ではないかということがあったんですね。 ちょっと個別の話の具体的な前に、経済産業省が不公正、公正でない不公正貿易報告書というのを毎年出しておられて、これはWTO協定、経済連携協定から見た、それから考えていろんな不公正な取引、日本に不利な取引があるということを、これ相当分厚いやつですね、出されております。 その中のアメリカの部分があるんですけれども、アメリカにおいても何十項目という点で不公正な取引があるということで問題点が指摘をされているんですね。日米関係で日本の企業が不利になるという意味でございますけれども。これの中で、政府調達の関係でバイ・アメリカ、アメリカを買う、バイですね、というのがありますけれど、ちょっと時間の関係でもう簡潔で結構ですが、経済産業省、このバイ・アメリカとは何なのか、簡潔にちょっと説明してくれますか。
○政府参考人(渡辺哲也君) お答え申し上げます。 委員御指摘のとおり、アメリカにおきましては、連邦政府それから一部の州政府におきまして物資の購入契約を締結します場合に米国製品を購入しなければならないと、そういう規定を設けている事例がございます。
○大門実紀史君 そのバイ・アメリカなんですけれども、調査団で伺ったある大企業から聞いた話でございます。ある大企業といっても川崎重工なんですけど、いずれ調査報告書に名前出てくるから名前出してもいいかなと思いますけど、もう川崎重工と申し上げますが、何が要望、私たち受けたかというと、川崎重工だけじゃないんですよ、いろんなアメリカに進出している大企業がこういう目に遭っているわけですけれども、川崎重工でいえば鉄道事業に参入したいと。そのときに、このバイ・アメリカで調達コストの六〇%以上はアメリカの製品を使いなさい、アメリカの材料を使いなさいと。で、最終組立ては必ず米国内でやりなさいと。ローカルコンテントといって、州のお金が入った公共事業の場合はまたそれはそれで厳しい要望があるわけですね。あと、米国企業優先要求というのがあって、そういう鉄道事業、公共のお金が入った鉄道事業に参加するときは、簡単に言いますと、その会社は海外出張は全部アメリカの航空便を使えとか、海上輸送はアメリカの船を使えというようなこととか、まあマイノリティー保護とか、国内の雇用促進はあれなんですけど、こういう要件が付けられて、そうでないと向こうの公共事業に日本の大企業は参加できないと。 これは日本でどうなるかと。日本はWTOに加盟しておりますから、そういう条件は何もないわけですね、自由に入っていいわけですね。強いて言うなら、地方の公共事業で地元の企業を優先するというのは政策としてありますけれど、これは金額からいって小規模でありますのでWTOには引っかからないということで、日本の大きな公共事業でこんな条件付けないと外国の企業は駄目ですというのはないわけですね。これ大変不公正な状況だというふうに思います。アメリカに進出する大企業はもうこれを黙って我慢して、これで契約させられているという現状ですよね。これはやっぱり大変不公正取引、日米関係で不公正な取引だと思いますし、まあうちが大企業の要求を取り上げるのは珍しいわけですけれども、本当にこれは何とかしてあげなきゃいけないんじゃないかと、本当に思います。 こういうバイ・アメリカ、これだけじゃないんですけれども、今まで当事者は経済産業省ペースで改善の取決めをされてきたと思うんですけど、これ改善されてきたんですかね、このバイ・アメリカに関するいろんな項目、いっぱいまだあるんですけれど、いかがですか。
○政府参考人(渡辺哲也君) 御指摘のバイ・アメリカでございますけれども、鉄道の関係にもそういう規定があるのは事実でございます。 それで、他方で、アメリカのこのバイ・アメリカの関連の法律におきましては、国際法上の米国の約束した義務に適用するようにという規定がございます。それで、米国はWTOの政府調達協定、日本と同様に入っておりまして、米国連邦政府それから三十七の州が約束をしております。そうしますと、運用がどうかという問題でございまして、私ども、過去に度重ねてWTOの関連委員会で運用を注視しているということを問題提起をしているところでございます。それから、過去に、政府調達の関係ではマサチューセッツの州法をWTOの協議要請まで持っていきまして解決した事例がございます。今後も案件に応じて具体的な解決を図っていきたいと思っております。
○大門実紀史君 この報告書にもあるんですけど、何もやっていないわけじゃないですよね。もう二〇〇一年からいわゆる日米規制改革イニシアティブにおいてもアメリカ政府に対してもうちょっと公正な状況にするように要望してこられましたし、二〇〇八年にも二〇〇九年にも、二〇〇九年はWTOの政府調達委員会でも提案をされておりますし、ずっとアメリカにこのバイ・アメリカ条項については要するに改善してほしいということを日本側から働きかけてきているわけですよね。ところが、アメリカは一切、ほとんど何も要求に応えないという状況になっているわけであります。 これはWTOという関係が一つあるんですけれども、今度本当に、その二国間交渉を逆に逆手に取って、二国間で考えないと、WTOとは別に、こういう不公正なことをちゃんと直してもらいたいということはやっぱりきちんと言っていくべきではないかと、対等な、先ほど申した関係をつくっていくためにもと思うんですけれど、一遍に進むかどうかは別としても、こういうこともこれからの日米経済対話の中でやっぱり物を言っていくべきではないかと思うんですが、麻生大臣、いかがですか。
○国務大臣(麻生太郎君) 議題の一つとして大いに参考になる話で、これは昔からよく、今の経産省の話というのは、これは昔から結構続いている話で、もう二十年以上かな、この話はWTO違反であることははっきりしていると思いますので、いろいろ話にあります。 今、川崎重工の話が出ていましたけれども、今例えばダラス—ヒューストンとかそれからニューヨーク—ワシントンのマグレブの話とかいろいろ話が、具体的な話というのはもう土地も三割ぐらい買って進んでいる部分というのはアメリカはあるんですけれども、じゃ、鉄道おまえ造れるのって、造れないんですから。おまえレールやれるのかよって言って、レールですら、そうですね、一メーター六十キロまでなら造れますけれども、一メーター八十キロの重さのレールは、今、日本の新日鉄の君津とJFEの扇島ぐらいしか造れないと思いますので、そういったようなものは、できないものを、じゃ自分でやれやと言ったら、できないわけですから。だから、そういったようなもの、バイ・アメリカンも何もあるかというような話やら何やら、こういう具体的な交渉というのはそういうことになりますけれども。 いろんな話が今から出てくるんだとは思いますけれども、双方がやっぱりメリットがあるようにしなきゃいかぬですけど、やっぱり、大門先生、一番問題なのは、ラストベルトと言われるあの中西部の真っただ中の、かつてUSスチールがあったところがないんですから、今、それが。完全に製造業というものが衰退していった中において、日本がそれを全部大きな力を占めて、今では日本のGDPだかで二次産業というものの比率が極めて、きちっとした約二〇%ぐらいのものがあるというところが日本の、まあドイツと似たようなものですけれども、そういったものが強みになっているんで、ここのところがもう一回アメリカに復興してこない限りは、アメリカとの間の構造というのはなかなかそんな簡単に直る話ではないというのが基本的なところだと思っておりますけれども。 いずれにしても、今回の交渉の中でいろいろな話が出てくる中の一つとして、今言われたような問題含めまして、ほかにもいろいろあるのはもう確かなので、そういったものを含めていろいろな有意義な話ができるようにしていかにゃならぬと思っておりますけれども。 これこそ、いっぱいそこに付いておられる方がおられますので、大企業を代表して言っていただいた共産党に言われて、私らも労働組合の賃上げ交渉を連合に代わって、連合の代弁を私らが大企業に申し上げておるんで、時代が随分変わってきたことは確かですな。本当つくづくそう思います。
○大門実紀史君 ありがとうございます。 長峯さんとも同じ考えだと思うんです。アメリカのインフラ整備ってひどいんですよね。もうがたがたなんですよね。僕思ったんですけど、こういうことで海外の最先端の技術を持った企業をできるだけ入れさせないみたいなことをやっていると、ああいうひどいインフラになって、もっと最先端の技術を取り入れていくためにも、こういう変な障壁を外していけばアメリカのためにもなるんじゃないかと思いますので、そういう点も含めて取り上げていっていただきたいということを申し上げて、私の質問を終わります。ありがとうございました。
○藤巻健史君 日本維新の会の藤巻健史です。よろしくお願いいたします。 最初の数問は相対的に小さい問題というか、これが問題であろうとも別に金融システムがおかしくなるとか経済がおかしくなるとかいうことではないんで、さらっと行きたいなと思っておりますので、回答もできれば短めにお願いしたいなと思います。 数日前の新聞、三月七日の日経新聞を見て、私、ひょっと、えっと思ったんですけれども、これ、この件に関しては、半年ぐらい前だったかな、やはり日経新聞にも出ていたんですけれども、個人国債の販売費が払われていて、その販売費を原資に証券会社が現金を顧客に渡しているという記事だったわけなんですが、私も長い間銀行にいて、四十年前に貸付信託とか、もう今なくなりましたけれど貸付信託を売っていたり、預金を集めるときに、現金なんか配っていたらとんでもないことであって、せいぜいティッシュペーパーとかビニールの貯金箱みたいなものしか配れなかった記憶があるんですが、それと、かつ、販売促進費なんていうものを私は予算で審議してアプルーバルを国会議員としてしていたのかな、余り記憶にないなと思ってチェックしましたら、これが、資料の二枚目のこの二十番と書いてあるところで、二百六十六億円、七億円あるって書いてあるんですね。結構大きいお金だなと。 機関投資家に売るのであれば簡単に売って、銀行、機関投資家等は日銀トレードをやって稼いでいますからそんな販売促進費なんて要らないと思いましたし、新聞を読んでいる限り、この販売促進費二百六十七億円というのは、個人向け、それも四兆円に対して、百五十四兆円分の四兆円出しているうちの、去年は百五十数兆円ですか、のうちの四兆円という小さい金額にかなりの大きい販売費が回っているんじゃないかなと思ったんで、まず最初に、その今年度予算の二百六十六億円のうちの個人国債販売用の販売経費というのは幾らなのか、お答えをいただければと思います。
○政府参考人(佐川宣寿君) お答え申し上げます。 今委員御指摘の個人向け国債の募集取扱いに関しましては、銀行、証券の募集取扱いの事務コストに見合う対価として手数料を支払っておりまして、二十九年度一般会計予算におきましては百六十五億円計上されてございます。
○藤巻健史君 二百六十六億円のうちの百六十五億円が個人国債用、三年固定、五年の固定、十年の変動ですけれども、そのためにこの百六十五億円も払われているということはちょっとでか過ぎるんじゃないかなと。ほかに今年度予算で、百五十四兆円で個人国債三兆円、その三兆円ぽっちにそんなにでかい販売費を掛ける必要があるのかというのが疑問の一つですね。 それと、筋としては、そんな販売促進費を掛けるよりはクーポンを高くするのが常識ではないかと。こんな現金配られたらば、同じような他商品との、競合商品が極めて不利になるんではないかと。民間との商品との競合の問題はないのか。 そして、もう一つ申し上げたいことは、要するにこんなに大きい、大体この新聞によると百円につき四十銭と書いてありましたから〇・四%ですけれども、四十銭、三年ですからまあ一年当たりにすると〇・一ちょっと、パーセントですよね、こんなでかい販売費を掛けないと売れないということは、個人国債なんかもう全く魅力がない証拠ではないかと。機関投資家向けのやつは日銀が買ってくれるからいいんでしょうけれども、そうでなければ全然売れていない、国債の魅力がないという証拠ではないかと思うんですけど、その辺はいかがでしょうか。
○政府参考人(佐川宣寿君) お答え申し上げます。 この個人国債もそうでございますが、同様に地方債あるいは社債もそうですが、個人向けに販売する場合につきましては、販売に当たります証券会社等の事務コストに見合う対価として発行体から証券会社に手数料を支払っておりますので、別に商品に魅力がないから支払っているということでもございません。 ただ、個人向け国債の販売に当たりましての手数料につきましては、これまでも地方債あるいは社債に係る手数料を見ながら設定してきたものでありますけれども、経費節減の観点もございますので、この四月から若干の引下げを行っているところでございます。
○藤巻健史君 今年から下げるというのは新聞にも書いてありまして、これはまあまともかなと思うんですけどね。去年までの話、今年度までの話って、事務コストに見合う販売促進費を払っていたものが、証券会社が個人に現金で配っていたと書いてあるわけですね。リンクしているというふうに、明らかに日経新聞には、どこだか忘れましたけど、原資としてって書いてあるわけです。この販売料を原資として配っているというふうに書いてありました。 ということは、まず、財務省としてはそれを認識していたのか。それを原資にして、販売手数料を原資にして顧客にそれを配っていたのか。それ、認識しているということであれば事務手数料がちょっと過大だったという認識になるかと思いますし、かつ、個人、何というかな、現金で払われると、きっと買った人からとってみると、これ、私の考え方だと雑所得になると思うんですね、雑所得。現金。その現金って、例えば個人、普通の一社にしか勤めていないサラリーマンですと、雑所得だと二十万円まで無税だとなっちゃうわけですよね。クーポンできちんと上乗せして払っていれば、少なくとも二〇%の源泉税分は戻ってくるわけで、まあ金利が低いですから余り大きい問題ではないんですけれども、そういうことを考えると、現金で証券会社が配っていたというのは余り通常、感覚的におかしいのかなと、感覚の問題ですけどね、と思うんですが、いかがでしょうかね。
○政府参考人(佐川宣寿君) お答え申し上げます。 一部の証券会社におきまして、一定額以上の個人向け国債を購入した顧客に対しまして購入額に応じてキャッシュバックを行うキャンペーンが行われていることは承知してございます。ただ、こうしたキャンペーンは投資信託等他の金融商品の販売に当たっても行われると承知しておりまして、各証券会社がどういうものを原資にして行っているかも承知してございませんが、いずれにせよ、個々の証券会社の営業戦略に基づいて行われているものでありまして、コメントすることは差し控えたいというふうに思います。
○藤巻健史君 ちょっと感覚的におかしいなと思っていたことだけなんですけれども。 それ以上にもう一つだけちょっと確認しておきたいのは、こういうふうに現金を配るというのは、これは金融庁にお聞きしたいんですけれども、金商法上何ら問題はないんでしょうか。
○政府参考人(遠藤俊英君) 委員御指摘の問題は、個人向け国債の購入の見返りとして顧客に現金を提供することが金商法上禁止されている特別の利益の提供に該当するかどうかという問題だと思います。 これを判断するのは二点ございまして、一点は、顧客に提供される利益の内容、水準について社会通念上相当性、妥当性が認められるかどうか。それから二つ目が、当該利益の提供が一定の基準に基づいて全ての顧客に平等に提供されるものか、それとも特定の顧客に対するものであるかという二点でございます。こういった点に鑑みまして、個別具体的な事情を考慮して判断するということでございます。 現在、我々、複数の証券会社が個人向け国債キャンペーンと称して個人向け国債の購入金額の水準に応じた現金を顧客に提供している事例があることは承知しております。この特別の利益の提供に該当するような事例については、我々はそういう実態、事例を見ておりますけれども、そういった該当する事例はあるとは考えておりません。
○藤巻健史君 分かりました。私も別に、感覚的に、長い間金融マンであった私として、預金とか株を買った人に現金を渡すというのは何となくしっくりこないのでお聞きいたしましたけれども、まだ私自身余り考え方が固まっていないので、この質問はこれだけにしておきます。ちょっと大臣にもお聞きしようかなと思ったんですけれども、まあそこまでのこともないのかなと思うので、大臣への質問はちょっと省かせていただきます。 次に、財務省の方にお聞きしたいんですけれども、二〇一五年GDPですが、これ、評価替えというか計算方法を変えてから上がっていますですね、当然、幸いなことに。五百三十二・二兆円から今年度は五百四十・二兆円に上昇しようと、伸びるだろうと、こういう予想があるわけですが、税収は減っていると、五十六・三兆円から五十五・九兆円ぐらいの減収になるだろうと予想されているわけです。これは税収弾性値がマイナスだったということになるわけですけれども、これで思い起こしますに、社会保障費の原資を議論したときに、この委員会でもそうですし、それから予算委員会でもかなり議論したと思いましたけれども、そのときに税収弾性値がかなり話題になったと思うんですね。そのときに、内閣府、立派だったなと思うところは、ずっと一・一、一・〇というふうにおっしゃっていた。税収弾性値は三だとか四だとか主張して、もっとそれを原資に社会保障費にしろというような主張をされていた人たちもかなりいたと思いますけれども、結局は今年はマイナスだったということで、財務省、相変わらず税収弾性値というのは一から若しくは一・一が妥当であるというふうにお考えなのかどうか、お聞かせいただければと思います。
○政府参考人(星野次彦君) お尋ねの税収弾性値でございますが、理論的に各税目で見てみますと、消費税につきましては課税ベースである消費、これが経済成長率におおむね連動いたします。したがって、基本的に弾性値は一と考えられますが、その税収シェアが拡大をしてきている。それから、法人税につきましては、景気回復局面においては、例えば赤字企業が黒字化すると、それで納税を開始し、税収が伸びるというようなことがございますので、弾性値が一時的に高くなる場合がありますけれども、中期的には課税ベースである企業の所得が経済成長率におおむね連動することを踏まえれば、弾性値は一に近い数値と考えられます。所得税につきましては累進課税でありますので弾性値は一以上と考えられますが、その累進構造を中期的に緩和してきているということなどを考えますと、税収全体としての弾性値は中期的には一に近い数値が妥当と考えております。 単年度ごとに見ますと、税収弾性値、大きく振れる場合がございます。例えば近年では、分母である名目成長率がゼロに近い数字であることですとか、あと、税制改正の影響が考慮されていないといったことから、それぞれ単年度で見ますと、税収弾性値が一〇を超えたり、あと、成長率、税収共に負の数値となったりする言わば異常値となる年度がございます。それらの数値を単純に平均した場合には三や四といった数値になるとの主張もございますけれども、中期的な財政収支を見通す、そういった議論をするに当たっては、一に近い数値が妥当であると考えております。
○藤巻健史君 負になるのは異常値だというふうにおっしゃいましたけど、ということは今年度は異常値が出てきたわけでありますということになるわけですが。 ということを考えますと、これはちょっと財務大臣にお聞きしたいんですが、すぐ異常値が上がるような事態が起こったわけで、今後、社会保障費の税収を考えるときに、簡単に、今まであったように弾性値が三だとか四だとかいって絵に描いた餅のような財源を基に社会保障費を増やすということはないということを断言できるかどうか、また、税収弾性値が三だとか四だとかいう意見を入れて、当てにもならないのを財源に社会保障費に回さないか、その辺についてお聞きしたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 税収弾性値については、先ほど星野の方からも答弁をしておりますけれども、これは計算上、名目成長率がいわゆる分母になりますので、近年では名目成長率がずっとゼロというのが続いておりましたので、そういった意味では、極端に大きな数値になったこともある、これは事実だと思いますし、したがいまして、中期的には今申し上げました一に近い弾性値ということで想定することの方が妥当なんだと、私どもは基本的にそう思っております。 今御指摘の社会保障の財源ですけど、これは世代間とか、いわゆる、何ですかね、世代内の公平性というものを確保するということと、もう一つは、やっぱり社会保障の安定した財源というものを確保するという観点からは、やっぱり景気とかそれから人口構成とかそういったようなものに左右されにくい、いわゆる働く世代とかそういう特定の人に負担が集中するということがないなどの性格を持つという意味においては、やっぱりこれ消費税が最もふさわしいんだと、私どもは基本的にそう思っております。 したがいまして、社会保障と税の一体改革におきましては、これは、よく言われますように、市場やいわゆる国際社会からの国の信頼というものを確保するとともに、いわゆる世界に冠たる日本の皆保険とか社会保障制度を次の世代に引き渡していくという責任を果たすためにも、これは消費税を一〇%に上げて、これを財源にして社会保障の充実、安定を図るということを、政府としては基本的にそう思っておりまして、私どもとしては、二〇一九年の十月にいわゆる消費税一〇%というものの引上げが可能なような環境というものに、我々としては、経済運営等々に当たりましてはこれができる環境づくりというものに是非全力を挙げたいと思っております。
○藤巻健史君 私は、去年ですかね、要するに、社会保障費の財源に、その税収弾性値を三とか四とかの議論と一緒にしてそれを社会保障費の財源に充てるべきだという議論がかなりあったようなので、そんなことはないぞと、今後はそういうような議論に甘んじること、そういう議論を取り入れることなくきちんとした財源を見付けていただきたいとくぎを刺させていただいたわけでございます。 次に、副大臣にお願いしたいんですが、満期までの四十年債、これ最長の債券ですけれども、来年度予算では今年度よりも六千億増やして三兆円の発行ということになったわけですが、この理由、どうして増やしていったのかということを御説明いただければと思います。
○副大臣(大塚拓君) 四十年債につきましては、藤巻先生御存じのように、皆さん御存じだと思いますが、リニア中央新幹線の、この低金利環境を生かして、財投を積極的にやっていくという中で超長期資金の供給が増えると、こういうことになったわけでございますけれども、その中で、二十八年八月の経済対策に伴う財投計画の追加ということの中で、ALMの観点も踏まえて年度途中から入札一回当たりの発行額を〇・四兆円から〇・五兆円に引き上げたところでございます。 二十九年度の財投計画におきましても、引き続きリニア中央新幹線等のインフラ整備に対する超長期の資金供給を行うこととしておりますので、こうしたことを受けまして、また市場関係者の意見、事業者の方でもニーズが相応にあるということもございますので、二十九年度の国債発行計画におきましても引き続きこの引上げ後の水準というものを維持をして、二十八年度当初に比べプラス〇・六兆円増額ということにしたものでございます。
○藤巻健史君 リニア新幹線については我が党も非常に賛成していますので、推進しておりますので、それについては全然問題ないんですけれども。 いや、ちょっと想定していた回答と違っていましてですね。想定していた回答は、たしかこれを発表、新聞発表というか、発表されたときに大臣が今の低金利時代を活用するためだというふうにおっしゃったんですけれども、それについて、今低金利だからこそいい、絶好のチャンスだということで上げたということはないでしょうか。じゃ、副大臣。
○副大臣(大塚拓君) 先生おっしゃいますように、確かにリニア中央新幹線を今前倒しでやるぞということ自体が低金利環境を生かしてやることでございますので、しかし、それに伴ってどれぐらいの国債をどういうふうに発行していくかという計画は、これはまたALMというレンズをもう一回通してやるわけでございますので、どちらも整合性が取れた内容の御発言ではないかなというふうに理解をしております。
○藤巻健史君 そこまで聞いていると、非常にロジカルで正しいなと思うんですが。 いずれ、今度、黒田日銀総裁にお聞きしたいと思っているんですが、今の異次元の量的緩和、私が現役の頃には、日銀が買うものというのは大体一年未満の国債、短期国債。マネーサプライ、社会に必要な成長資金を供給する場合だけ長期国債を買っていたわけですが、最近は十年債、三十年債ばんばん買っているわけですね。 これ、日銀がもし四十年債も買っていくようなことがあれば、たしか今もう買っているのかな、増やした分もまた買っていっちゃうと、せっかく低金利の時代を活用するために長期国債を発行しても、日銀がそれを買うことによって、政府と日銀のバランスシートを合算するとまさに超短期調達になっちゃうわけですよね。要するに、政府の負債サイドと日銀の資産サイドがキャンセルアウトしますから、残るのは政府の資産サイドと日銀の負債サイド、すなわち発行銀行券と日銀当座預金しか残らないわけです。 ですから、これを異次元の量的緩和と称して日銀がまたこの四十年債も日銀オペの対象に加えると、まさに財務省が低金利時代をエンジョイしようと思っていたのが、日銀がまさに超短期調達、すなわち金利上昇のときに日本国全体が極めて危険な状況に追いやってしまうというふうに思っております。 これをちょっとどう思いますかと聞こうと思ったんですけど、どう思ったと聞いても、どうせ日銀に聞いてくれと言われると思いますので、これはカットしておいて、次の質問に入りたいと思います。 麻生大臣がペンス副大統領やムニューシン財務長官といろいろお話ししているということをお聞きしていますけれども、トランプ大統領は為替について、日本が為替操作をしているというクレームを随分、大統領になる前から、そして大統領になった後もしていたわけです。当然、日本は長期にわたって為替介入をしていませんから、もしトランプ大統領が非難しているとするならば、異次元の量的緩和によって円安を導いているのではないかと、こういうクレームだったと思うんですよね。 もし、これ、いまだトランプ氏若しくはムニューシン財務長官が同じような主張を今持っていて、異次元の量的緩和は為替操作であると、だからやめろということでやめざるを得なくなると、日本は大変なことになると私は思うんですね。あしたから私の給料、誰が払ってくれるんだろうと、日銀がお金貸さなくなるわけですからね。日銀が国債を買ってお金を供給することがなくなって、政府のお財布は、まあ金利が数十%に暴騰すれば話は別でしょうけれども、政府のお財布がなくなってしまって日本は大変なことになる。私は、お金を刷り続けることによってハイパーインフレになるのであって、日本の財政は破綻することはないかなと思ったんですが、もし異次元の量的緩和をあしたやめるんであれば財政破綻の危機も出てくるんじゃないかなと私は思っちゃうわけですよね。だって、政府に金なくて、供給しているのは日銀だけなんですからね、今ほぼ日銀だけなんですから。というような、極めて向こうはすごい攻撃手段を持っているわけです。 それについて、ペンス副大統領とかムニューシン財務長官からは、量的緩和については全く言ってこなかったのかどうか、それについてお聞きしたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 全くありません。
○藤巻健史君 そう答えざるを得ないと思うんですけれども。 今日の日経新聞のマーケット欄にも、またまた量的緩和はデフレ脱却という国内目的のためであると日本政府は反論しているけれども、米国の出方には予断を許さない面もあると、こうマーケット欄にも書いてあるわけで、これはやっぱりみんなが心配していることなんですよね。 このマーケット欄では、そういう話が出てくると円高になっちゃって日本は大変じゃないかという話になっていますけど、私はそういう次元の問題じゃなくて、それこそ日本の資金繰りはどうなっちゃうのということで、円安、物すごい円安になっちゃうのかなというふうに思っているわけですけれども、この辺については、安易に異次元の量的緩和の注文に対して、はいって言っちゃったらその時点で日本は大変なことになるぞという認識だけはお持ちいただければというふうに思っています。 次の質問ですけれども、トランプ大統領は米国企業を国内に戻したり、それからトヨタを、メキシコの工場をメキシコではなくてアメリカに造れとか言ったりしている。これを識者によっては反グローバル主義だというふうに言っている識者もいますけれども、麻生大臣はどうお考えになるのか。トランプ大統領は反グローバル主義なのかどうか、それについてお聞きしたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 基本的に他国の政策についてコメントするというのは余りこの業界じゃやらぬことになっておりますので、逐一コメントすることは差し控えさせていただきますが。 その上で、アメリカ・ファーストというのを掲げているというのは、これずっと言っておられましたのでそれよく知っておりますけれども、大統領になるという人が自分の国をファーストじゃなく考えるってやつはいるんですかね。自国ファーストじゃない人なんていう人がなるんでしょうか。だから、何となく、言うから何となくへえというような感じがしたのは正直なところですけれども。否定されるべき話ではありませんから、それは当然のことで、日本だって皆同じことだと思っております。 それから、それが反グローバルという意味からいうと、必ずしもその反グローバル化の定義がよく、不明ですからよく分かりませんけれども、自由貿易に対して保護主義だというように考えておられるのであれば、我々、先ほども大門先生の御質問の中にありましたように、戦後間違いなく国土が狭くなって経済が大きくなった国は世界の中でドイツと日本。いずれも自由貿易のおかげでこれだけ経済力が強くなったんですが、そういった意味では自由貿易というものの重要性というのは、これはしつこく訴えていかないかぬというのは、これは間違いないと思っております。 また、共同声明の中におきましても自由で公正な貿易のルールに基づいて日米両国間及び地域における経済関係を強化ということをうたっておられますので、自由貿易の重要性につきましては、これはかなりなレベルではっきり両国の首脳間ではこの認識については共有されておるというように理解しております。
○藤巻健史君 大臣がおっしゃった、どの大統領も自国ファーストであると、当たり前の話で、私もこれは非常にアグリーなところでして、ただ、私が申し上げたかったのは、アメリカって別に、トヨタをメキシコじゃなくて自分の国に受け入れたいというのは、決して反グローバル主義じゃなくて当たり前じゃないかと、非常にグローバル化じゃないかと私は思っているわけで、逆にトランプ氏の行動、言動から日本はもっと学ぶべきではないかと。 要するに、日本はいかにもグローバル化しているような印象があるかもしれませんけれども、配付資料の三にありますように、対内直接投資は極めて低調なんですよね。別に出ていくだけがグローバル化じゃなくて、受け入れるのもグローバル化なんであって、イギリスなんかはウィンブルドン現象といって、シティーなんかは他国の銀行ばっかりで繁栄しているわけで、あれはまさにグローバル化が成功した例だと思うんですが、そういうことを考えると、まさにトランプ大統領はトヨタを自国に招き入れようとしていると。非常にグローバルなんですね、逆の考え方をすると。日本は、この表を見ていただくとおり、全く対内直接投資がないわけですよ。これ、非常にグローバル化していないと思うんですよね。 これ、グローバル化すれば、今政府は賃金上げろとか何か会社へ言っていますけれども、グローバル化してくればみんなが、企業が国内に入ってくれば、日本人の労賃も需要も増えて、当然のことながらこれだけで給料はぼんぼん上がっていっちゃうわけです、賃上げを。だから、労働問題だけではなくて、対内直接投資を増やすというのは極めて重要なので、まさにもうちょっとトランプ氏のことを見習ったらいいんではないかと。 そのために、対内直接投資を増やすにはどうしたらいいかというと、円安が必要なんですよね。トランプ氏でさえ自国通貨安がいいと。あの国は基軸通貨ですから、ひょっとするとドル高の方がいいのかもしれないんですけれども、トランプ氏でさえ自国通貨安がいいと言っているわけですから、どうして麻生大臣とか安倍総理が自国通貨安がいいといって先導しないのかどうか。特に、最初の、今日のこの委員会でも円高のせいで税収が減ったと、税収が減った理由、円高のせいにされていましたけれども、円安にすれば税収は増えるんですよね。 ということもあって、トランプ大統領が言っているんだったら、うちもどんどんどんどん言って、これは対内直接投資を増やすためだと言ってやればいいと思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 対内直接投資の促進ということは、これは間違いなく安倍政権も重視している課題の一つで、世界で最もビジネスをしやすい国を目指していろいろな、様々な取組をしているところであって、いわゆる法人実効税率というものはアメリカに比べて日本の方が安くなりましたし、そういった意味では成長志向の法人税改革というのをやらせていただきました。 また、国家戦略特区の活用とか、また電力市場改革等々の岩盤規制というのも随分始めておりますので、ビジネス環境の整備には結構いろいろなってきているんだと思いますが、その結果、今、対内の直接投資、いわゆる対日直接投資残高というのは、政権交代前の二〇一二年が十九兆二千億だったのが今二〇一五年度末で二十四兆四千億ですから、約五兆円ぐらい増えたというのは事実であります。間違いなく五兆円増えていますから、三年、四年間で。 そういった意味では、まだ道半ばであろうとは思いますが、引き続き、委員の御指摘のありましたとおりに、これは最もビジネスのしやすい国ということで日本は更にやっていかなきゃいかぬと。 やっぱり圧倒的に優位なところは幾つもあるのであって、それは、治安がいいとか子供にSP付けなくても町が歩けるとか、大きいですよ、そういう話は。日本に住んだことのある人だったら皆言いますから。住んだことのない人が多いからそういうことになるので、やっぱり日本というのは圧倒的な条件の良さ、中国から転勤してきた人はまず空気の良さと治安の良さというのは必ず言います。 そういった意味では圧倒的なものがありますので、今少なくともインバウンドを含めて八百万の観光客は二千四百、今年中に三千万近くに増えてくると思いますけれども、そういった人たちのかなりの部分がリピーターが多いという実態は、日本がいいからまた来るという人が多いということを意味しておりますので、そういったところは大いに今後とも活用していくべきところだと思っております。
○藤巻健史君 時間が来ましたので終わりますけれども、目標にするのは非常にすばらしいことだと思うんですが、結果が出ていませんので、この表を見ていただくとおり結果が出ていませんので、結果を出すためには、やっぱり円安と、あと雇用、終身雇用制の問題でしょうね、その辺も十分考えていただきたいと思います。 以上で終わります。
○委員長(藤川政人君) 午後二時に再開することとし、休憩いたします。 午後零時二十九分休憩 ─────・───── 午後二時開会
○委員長(藤川政人君) ただいまから財政金融委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、財政及び金融等に関する調査を議題とし、財政政策等の基本施策及び金融行政に関する件について質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○徳茂雅之君 自由民主党の徳茂雅之でございます。 本日は、大臣所信に対する質疑の機会を頂戴し、大変ありがとうございます。 早速、我が国の経済についてお尋ねいたします。 まず、経済という言葉であります。この言葉は、元々は中国の古典で経世済民という言葉があります。これを幕末の福沢諭吉ほか多くの方が経済という言葉に置き換えて使われたというふうに聞いております。経世済民、世を治めて民を救うと、まさにこれは政治の姿そのものであります。まさに経済は政治である、このように感じ取られます。 安倍政権におきましても、経済再生なくして財政再建なしということで、縮小再生産に陥ることなく、アベノミクス三本の矢を放って、デフレからの脱却、雇用の確保、あるいは賃金の上昇と、しっかりと着実にその成果を上げてきたところでございます。 元々、三本の矢という言葉、これは安芸の国の毛利元就が、病床、病に伏しているときに、三人の息子に対して、一本の矢、折ってみろというふうに命じたときに、すぐ折れたと。じゃ、三本の矢を束ねて折ってみろと言ったときには堅くて折れなかったと。まさに、自分の息子三人に対して、ばらばらになることなく一体となって、一緒になって藩を引き継いでくれと、こういったことを暗に伝えたというふうに聞いております。 アベノミクスの三本の矢も、一本一本であれば、もちろん効果は金融政策、財政政策、あるいは構造改革、それぞれあるわけでありますけれども、やはりこの三本の矢をしっかりと束ねて取り組むことが最終的にデフレ脱却、経済の再生にしっかりつながってくるのじゃないかな、このように私は考えております。 本日、日銀からもお越しいただいていますけれども、日本銀行法第二条、ちょっと読み上げますと、「日本銀行は、通貨及び金融の調節を行うに当たっては、物価の安定を図ることを通じて国民経済の健全な発展に資することをもって、その理念とする。」と、このように条文には書かれております。 ここでいう物価の安定、いろんな物価については考え方あるというふうに思います。ただ、その水準については近年、先進諸国、特にグローバルスタンダードでいえば大体二%程度がそのスタンダードなのかなというふうに考えられております。また、日銀におかれましても、二%という数字、これをターゲットとしてインフレ水準、持っていこうということで従来から取り組まれています。伝統的な金融政策のほかに、量的緩和、質的緩和、それからマイナス金利の導入、それから長短金利の調節といった本当に今までにないような手段、手を本当に尽くして頑張っておられます。これについては本当に理解できるわけでありますけれども、まだなかなかその二%、安定的に二%の水準に達するというところまでは及んできていないんじゃないかなと、このように思っています。 例えば、オイルショックなど大変なインフレ時に金融引締め、例えば金利の上昇であるとか市中の通貨を引き揚げるというような引締め策をしっかり取ればインフレは収まるというのは、何となく私のような素人でも直感的に理解できるわけであります。一方で、物価の下落、デフレに対して金融緩和であるとか資金、通貨の供給といったような金融政策が本当にどこまで通用するのかなというところは、恐らくこれほど長くデフレ、低金利が続いたことは多分この日本の歴史でもなかったでありましょうし、午前中には大塚先生の方から壮大なる社会的な実験であるというようなお話もいただきましたけど、まさに今まで実証されたことはなかったんではないかなと、このように私は思っております。 そこで、日銀にお伺いするんですけれども、ある意味これほどまでにデフレが長く続いて、ようやくその出口が見えてきたとはいえ、まだまだ厳しい状況の中で、今やっておられますいろんな手段での金融政策、これが本当にどこまで効果があるのかと。本当に、ゼロ金利、マイナス金利という状況の中でどこまで効果があるのかと、そういうふうに言われている方も多くいらっしゃいますけれども、改めて日本銀行としての立場、考え方を御説明願いたいと思います。
○参考人(雨宮正佳君) お答え申し上げます。 私どもといたしましては、名目金利が先生御指摘のとおりこのように大きく低下した状況でありましても、金融政策はデフレ克服に有効であるというふうに考えてございます。 確かに金利はもう既に量的・質的金融緩和を開始した時点でもう相当低くなっていたわけでございますけれども、それでもなおこの大量の国債買入れですとか、あるいは昨年導入いたしましたマイナス金利政策も含めて、名目金利を更に押し下げるということと同時に、この二%の物価安定の目標をできるだけ早期に実現するという明確な強いコミットメントによって人々の予想物価上昇率を上げるということにトライしておりまして、こうしますと、名目金利が下がり、人々の予想物価上昇率は上がるということですと、いわゆる物価を加味した金利、実質金利は下がるということをメカニズムとして想定しているわけでございます。 実際に量的・質的金融緩和導入以降、約四年間が経過してございますけれども、我が国の物価情勢は大きく好転しておりまして、生鮮食品やエネルギーを除く消費者物価の前年比、量的・質的金融緩和導入前はマイナス〇・五%程度で推移してございましたけれども、二〇一三年秋にプラスに転じた後、現在まで三年以上にわたってプラスで推移してございます。こうしたことは、一九九〇年代末に我が国がデフレに陥って以降初めてのことでございますので、ようやく物価が持続的に下落するという意味でのデフレではないという状況にはなっているというふうに考えております。 私どもといたしましては、今後とも、この二%の物価安定の目標をできるだけ早期に実現するため、現在の政策の枠組みの下で強力な金融緩和をしっかりと推進していく所存でございますが、もとより、先生御指摘のとおり、こうした日本銀行の強力な金融緩和は政府の財政政策あるいは構造政策面での取組と相乗的な効果を発揮するということは申し上げるまでもないというふうに存じます。
○徳茂雅之君 御説明ありがとうございました。 私自身は、最初に申し上げたとおり、三本の矢の例えのとおり、今おっしゃったとおり、金融政策、財政政策、それから構造改革、これを連携してしっかり取り組むことが重要だというふうに考えております。 経済政策のテキストなんかを見ますと、よくポリシーミックスということで論じられているケースがあります。これは経済だけではなくて、いろんな政策手段、政策手段にはいろんな目的があります。こういったものを組み合わせることによって、一つの政策よりも複数の政策を同一方向に持っていけばその効果がより高まるといったような観点で使われる用語でございます。逆に言いますと、いろんな政策手段を、相反する政策手段を同時に使うと、逆に言えば、当初想定している効果が十分表れないというようなことなんだろうなと。言ってみれば、アクセルを踏みながらブレーキを踏む、逆かもしれない、ブレーキを踏みながらアクセルを踏むといったようなものだろうというふうに思っています。 今、お手元資料をお配りさせていただきました。資料一、御覧ください。ちょっとポンチ絵というか、本当に単純なモデルということでありますけれども、金融政策と財政政策、これはちょっと簡単にマトリックスにしたものであります。金融政策については単純に緩和あるいは引締め、財政についてはある意味積極、拡大、あるいは消極、規律、相反するものをそれぞれ書いております。 直感的にいきますと、このAの部分、金融を緩和し財政を拡大すれば景気が良くなり、単純にデフレから脱却できるでしょうと。逆の象限としましては、金融を引き締める、あるいは財政活動を消極的に行うということによって過度なインフレは抑制できると。このBとC、ある意味それだけの目的でいえば、相反する目的になるわけであります。 今回、アベノミクスということで、デフレから着実に脱却しつつあるということでありますけれども、再びデフレに陥らないために、あるいは着実に経済回復をすることに向けていくためには、やはりこのAのスタンス、金融は緩和、財政は積極という立場が基本的に一貫しているんじゃないかな、このように感じております。 先ほど日銀の方から金融政策を引き続きしっかりと取り組んでいくということでありましたけれども、財政の方もどのように取り組んでいくのかということは重要でありまして、ある意味、政策の一貫性ということを考えますと、このAの立場というのが現時点ではある程度取るべき課題なのかな、方向性なのかなというふうに考えております。 今日午前中に大塚先生の方から、プリンストン大学のシムズ教授、シムズ理論というものを御紹介いただきました。私自身も全く不勉強でありまして十分理解できているわけでありません。ありませんけれども、このシムズ理論については御説明ありましたけれども、例えば将来インフレになりつつあったときにどのようにコントロールするのか、あるいはプライマリーバランス、今、二〇二〇年度にもプライマリーバランスをもうしっかりゼロに持っていくというようなところについてどうするのかと、いろんな考えはあるというふうに思っておりますけれども、ある意味、財政政策の役割について論じたということになろうかと思っています。 このシムズ理論について財政当局としてどのようにお考えなのかということについて、大塚副大臣の御所見を伺いたいと思います。
○副大臣(大塚拓君) 御指摘の、午前中も話題になったわけですけれども、シムズ教授の物価水準の財政理論、FTPL、フィスカル・セオリー・オブ・プライス・レベルというふうに言われているものでございますけれども、政府が財政規律を、多分一定の条件が付いていると思いますけど、放棄することで将来の物価上昇を実現し、その上昇によって政府債務も持続可能になるという学説の一つであるというふうに認識をしておりますけれども、午前中も黒田日銀総裁もおっしゃっておりましたけど、一つの学術的な理論でありまして、実務上、たしか余り有意義でないという言葉を使っておっしゃっておられたような気がするわけですけれども、私どもも必ずしも十分に実証された学説ではないというふうに考えているところでございます。 実際に学説を政策で適用しますときに、この学説でターゲットにしている財政政策と金融政策の関係だけで物事が決まってくるわけでもございませんで、現実にはどの程度の財政収支の悪化でどれぐらい物価上昇が生じて、それがコントロール可能であるのかという実際の生きた経済との対話も必要になってまいりますし、先進国で最悪とも言われる財政状況にある我が国において、この財政規律に対する考え方が変わった場合に国債がどのようにそれを受け止めるか、そのことによって、市場がどう受け止めるかですね、市場で国債がどういうふうに安定的に消化されていくかどうかといった、こういう非常に重要な要素がこの理論からは直ちに紡ぎ出されるものではないというふうに思っておりますので、実際に政策として考えるということになると、直ちに使えるものではないというふうに考えているわけでございます。 安倍政権における経済政策は、大胆な金融政策、機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦略、この三本の矢を一体的に推進することを基本としておりまして、今後とも、この三本の矢、各々しっかりと実現をしていく、そして整合性の取れた形で推進をしていくという形で経済の好循環を生み出していくということでございます。 引き続き、経済再生と財政健全化の両立ということを基本線として取り組んでまいりたいと考えております。
○徳茂雅之君 どうもありがとうございます。 先ほどありましたとおり、アベノミクス三本の矢、それぞれがやはりばらばらではなくて、先ほど大塚副大臣もおっしゃったように、整合性の取れるような形でしっかりと取り組んでいくことが今の時期大切だというふうに思っていますので、政府、日銀にはよろしくお願い申し上げます。 次に、日本郵政株式会社の株式の売却についてお尋ねしたいというふうに思います。 先日、財務省から報道発表があり、日本郵政の株式の二次売出しについて主幹事証券会社の選定をするという報道発表がございました。 資料の次のページ、ちょっと御覧いただけますでしょうか。今の日本郵政グループの全体像といいましょうか、のイメージを書かせていただいています。 概略申し上げますと、政府が持ち株である日本郵政株式会社の株式を保有しております。日本郵政株式会社はグループの持ち株会社でございまして、その下に日本郵便株式会社、ここは主に郵便事業あるいは郵便局を運営しております。それから、銀行法上の銀行であります株式会社ゆうちょ銀行。それから、保険業法上の保険会社であります株式会社かんぽ生命。この三社、大きくこの三社がぶら下がっているというような状況にあります。 一昨年の十一月に、この政府持ち株であります日本郵政株式会社の株式、これ上場し、売出しをいたしました。売出し価格は当初千四百円ということでございまして、その後二千円近くまで値を付けたわけでありますけれども、一時、昨年の夏辺りには千二百円程度まで下落をし、今は、今日ちょっと見てきておりませんけれども、大体千四百円、一昨年の売出し価格をちょっと上回る程度の水準で推移しているのかな、このような状況でございます。一昨年の売出しによって政府にも売却収入が入ったということで、約一・四兆円、一・四億円ではなくて一・四兆円もの売却収入が政府には入ったということでございます。 今回の売出し、そして最終的にいつ頃までにということはあると思いますけれども、最終的にこの日本郵政、政府の持ち株、政府保有の株式についてどの程度の売却収入を見込んでいるのかということと、その株式の売却で得た収入の使途、使い道についてお伺いしたいと思います。
○政府参考人(佐川宣寿君) お答え申し上げます。 日本郵政株式の売却収入につきましては、東日本大震災からの復興財源確保法に基づきまして、平成三十四年までの売却収入を復興財源に充てることとなってございます。 また、日本郵政株式につきましては、復興財源フレームにおきまして、平成三十四年度までの売却収入としまして約四兆円程度を見込んでいるということでございます。
○徳茂雅之君 どうもありがとうございます。 あさってで東日本大震災から六年目を迎えるということでございます。まだまだ東北地方、震災からの復旧復興については進んでいない中で、この政府保有株の売却収入というのは、まさに財源確保の観点からも極めて大きな役割を果たしているんじゃないかなと、このように考えております。 日本郵政の株式、これは元々は国営時代からずっと引き継いで営んできたものであります。もちろん、性格としては国有財産であり、国有財産の処理、処分、売却ということでありますけども、最終的に四兆円もの価値を生んできたというのは、やはり明治の創業、百四十有余年前の創業以来、郵便局、郵政に関わる多くの先人、局長、社員の皆さんがしっかりと取り組んできてその価値を高めてきたからだろう、私自身、そのように感じております。 来月にはJRが分割民営化後三十年を迎えます。当時国鉄から今JRのサービスを見ますと、本当に良くなったな、経営も改善されたな、このように感じます。ただ、民営化した当時、あのときの国鉄の旧債務については、国鉄清算事業団に引き継がれ、さらに一般会計の方に引き継がれ、今、現時点でも恐らく十数兆円の、何というんですか、債務が残っていると、このように感じております。 そういった点からの郵政、今回の日本郵政の持ち株については、そういった国民負担、赤字を出すことなく、むしろ東日本大震災からの復興という観点で非常に大きな役割を果たしているんじゃないかな、このように考えております。 先ほど理財局長から四兆円という話がありました。当初どおり、見込みどおりこの売却収入が政府に入ってくるかどうか、ある意味東日本からの復興について安定的に復興ができるかどうかというのも、ある意味その売却をするときの株式の市場の動向であるとか、あるいはグループ全体の経営動向、将来見通し、こういったところが大きく左右するのかなというふうに考えております。 先ほどグループの図も御覧いただきましたとおり、このグループ全体、日本郵政の株価というんですか、価値を決めるのも、多くは、その金融子会社であるゆうちょ銀行、かんぽ生命のある意味業績次第ということもございます。 昨年四月には、ゆうちょ、かんぽの限度額について一部引上げということになりました。しかしながら、グループ各社、ゆうちょ、かんぽについてはまだまだ多くの政府の規制が残っております。こういった規制が残る会社に対する投資というのは、当然、将来に対する不透明感、リスクを残しているわけでありまして、できる限りそういったものを早期に除去する、取り除くことがある意味政府に入ってくる日本郵政の株式の売却収入にも影響してくるのかなと、このように感じております。 そういう観点から、できるだけ早期に日本郵政グループ、ゆうちょ、かんぽに対する政府の規制を取り除いていく必要もあるんじゃないかなと、このように考えております。 今日、本来であれば国有財産担当大臣である麻生大臣、かつ金融担当大臣である麻生大臣にお伺いしたかったわけでありますけれども、ちょっといらっしゃいませんので、こちら、越智副大臣の方から御答弁をお願いします。
○副大臣(越智隆雄君) お答え申し上げます。 ゆうちょ銀行及びかんぽ生命、金融二社においては、上場企業に求められる企業価値の向上を目指して、中期経営計画に示された取組、すなわち、一つ目には資金運用、リスク管理の高度化、二つ目には郵便局ネットワークを活用した優れた金融商品の販売、三つ目には民間金融機関との連携を着実に実施することが重要であるというふうに考えております。平成二十七年十二月に示されました郵政民営化委員会の所見におきましては、このような中期経営計画の具体化等のために必要な規制緩和については優先順位を上げて検討することが望ましいとされております。 金融庁としましては、新規業務の認可等については、法令にのっとりまして、他の金融機関との適正な競争関係や新規業務を健全かつ適切に遂行できる体制などについて審査するとともに、郵政民営化委員会の所見を踏まえて適切に対応してまいりたいというふうに考えております。
○徳茂雅之君 どうもありがとうございます。 政府保有株の売出しに当たっては、まさに長年の歴史の積み重ねである国民共通の財産であるということをしっかりと御認識いただいて、特に財務省につきましては、総務省あるいは日本郵政との連携をしっかりお願いしたいと、このように考えております。どうぞよろしくお願いいたします。 続きまして、いわゆるフィンテックについてお尋ねしたいと、このように思います。 昨年の通常国会でも銀行法等の改正が行われました。当委員会でも十分な審議を行われたということであります。銀行グループの経営管理について少し充実をさせていく、あるいはIT企業等に出資していくための規制を緩和する、あるいは仮想通貨、ビットコインといった仮想通貨についての法的な枠組み、こういったものを整備していくということでありました。 しかしながら、IT技術を含めて世の中の動きというのは非常に急速であります。一年前当たり前といったことだけではなくて、もう恐らく昨日当たり前だと思ったことが今日にはもう世の中が変わっているということもたくさんあろうかというふうに思います。昨年の銀行法改正に当たっても、金融庁におかれましては、金融審、ワーキング・グループ等で本当にしっかりと御議論いただいて検討を進めてこられたというふうに思っております。 昨年以降のそういうフィンテックに関する検討状況について、この場で少し御説明いただければというふうに思います。
○副大臣(越智隆雄君) フィンテック等への対応につきましては、昨年の通常国会で、銀行等による金融関連IT企業への出資の容易化等を内容とする銀行法等の改正が行われたところでございます。 その後もフィンテックの動きが世界規模で進展しているという状況を踏まえまして、昨年七月以降、金融審議会に新たに設置されました金融制度ワーキング・グループにおいて決済関連法制の整備等について精力的な審議をいただいておりまして、そして昨年の十二月に報告書を取りまとめていただいたところでございます。 この報告書を踏まえて、いわゆるオープンAPIの推進を通じて、利用者保護を確保しつつ金融機関とフィンテック企業とのオープンイノベーションを進めていくために、口座管理や電子送金等のサービスを提供する電子決済等代行業者に最低限の登録制を導入して、一方で、金融機関には、フィンテック企業が金融機関のシステムに安全に接続するための接続方式、APIの開放やその接続の基準の策定、公表を求めることを内容とする銀行法等の一部を改正する法律案を今月の三日に国会に提出をさせていただいたところでございます。
○徳茂雅之君 どうもありがとうございました。 先ほど副大臣から御説明あったとおり、今国会においても、フィンテックについて銀行法等の改正、審議されるということでございます。 実は、私もそれに先立って党の部会の議論にちょっと何回か出させていただきました。その場で感じたことが本当にまさにフィンテックだなと、金融、ファイナンスとテクノロジーの融合であるというのを実感いたしました。 テクノロジー、ITの世界、立場からいえば、ある意味そういった技術の進展だとか国際化、いろんな流れにしっかり乗るために、できるだけ規制を掛けない、自由にやらせることが重要だというふうな意見が出ておりました。一方、金融の世界からいえば、もちろん不必要な規制を掛けることはしないわけでありますけれども、やはり信用であるとか顧客保護、あるいはマネーロンダリングといったようなどちらかといえば影の部分についてもしっかり検討する必要があり、何らかの法的な枠組みが必要じゃないだろうかと、こういった議論が何回か重ねられたな、このように感じております。 金融庁としても、このフィンテックについてはしっかりと支えていただくというか、発展に向けて取り組んでいただくことになるというふうに思いますけれども、今後のフィンテックについての金融庁としてのスタンスを改めて御説明願います。
○副大臣(越智隆雄君) フィンテックは、単なる金融サービスのIT化にとどまらず、金融取引の仕組みの変革や従来見られなかったIT関連技術の取組を通じて金融の将来的な姿を変えていく可能性が高いというふうに我々も考えております。こうした中にありまして、様々なプレーヤーによるイノベーションを推進する一方で、委員も御指摘されました利用者保護や不正の防止、システムの安定性等の観点から必要な対応を図っていくことも重要であるというふうに考えております。 その上で、フィンテックの動きについては、顧客が抱える課題やニーズを出発点にしまして、利用者利便や生産性の向上など、より高い付加価値が提供されて、日本の金融経済の発展につなげていくことが重要であるというふうに考えているところでございます。
○徳茂雅之君 どうもありがとうございました。 フィンテックについては、金融機関とフィンテック企業という当事者だけではなくて、例えばIT企業であるとかもちろん政府の役割、ある意味フィンテックを取り囲むエコシステムに関わるあらゆる主体が、常に顧客第一、はやりの言葉で言えばカスタマーファーストの視点でしっかり取り組まなければ顧客のニーズに対応できない、あるいは世の中、国際的な競争の流れに対応できないということになるというふうに思っていますので、どうか金融庁におかれましてはしっかりとした率先した取組をお願いしたい、このように思います。 済みません、ちょっと時間のコントロール悪くて、最後に実は保険行政についてお伺いしようと思って、監督局長、遠藤局長にお越しいただきました。私も実は郵政民営化の後、保険会社に勤めておりまして、実は保険行政についてもある意味事業者というんですか、保険会社の立場で関わってきた者であります。今日はもう細かい中身については問いませんけれども、やっぱり保険の役割について実は少しこの場で、時間がありますのでお話ししたいと思います。 当委員会で保険、とりわけ生命保険について議論されるケースは過去の議事録を拝見しても余りなかったのかなと、このように感じております。しかし、生命保険というのは実は、人生、個々の人の人生、あらゆる場面でのリスクをある意味保険という立場で救済する、そういう重要な役割を私自身は担っているなというふうに思っております。 死亡でありますとか病気、介護と、こういったものに備える生命保険、これについては、近年は保険の見直しということで世の中的にはどうもその役割が低下してきたんじゃないか、少なくなってきたんじゃないかという印象をお持ちの方もたくさんいらっしゃるんですが、実は個人保険の分野というのはここ数年、成長産業というのか、毎年契約件数が五%ほど伸びてきています。ある意味、医療保険であるとか、そういう第三分野の保険に対するニーズというのが実は高まってきております。 一方、個人の年金につきましては、ほぼ年間二千万件、保有契約二千万件で横ばいということでございます。高齢化、少子化という中で、本来であれば、自助努力で自分の将来の老後のリスクに備える手段がなかなか普及していないというのは、公的年金、特に基礎年金だけで暮らしていくのは厳しい中で、やはりその部分についていろんな面での行政面での支援というのか配慮というのか、こういったことが必要じゃないかなというふうに思います。 マイナス金利の中で、大変経営も厳しいと。今日も朝の新聞を見ますと、一時払いの終身保険の契約が減ってきているという話もございましたが、やはりそういった中で行政としてもいろんな面でのお取組をお願いしたい、詳細については時間がありませんので申し上げられませんけれども、そういうことだけお願い申し上げまして、私の質疑を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。
○松川るい君 委員長、ありがとうございます。 大阪選出の自由民主党、松川るいでございます。今日は、大臣の所信表明に対する質問の機会をいただきまして、大変ありがとうございます。 今日は私、是非、財政についてお伺いをしたいと思っております。私は財政金融のプロではありません。専門は外交でございまして、その私がこの委員会でどういう貢献ができるだろうかと考えて、毎回この委員会で先生方の、委員の皆様方の御議論聞いて、大変勉強させていただいているところなんですけれども、やはり一般の方々に分かるように財政というものを考えてみようと。 その財政というのは、普通の人の例えでいくと家計の運営に当たるのではないかと思っております。家計における収入が税収であって、予算配分というのは家計においていろんなニーズ、子供が学校に通うんだよとか、おばあちゃんが入院しましたとか、いろんな家族のライフステージ、それから例えば家の周りの環境、治安が悪化しましたということになれば戸締まりのための費用と、いろんなことが掛かってくるというふうに考えられるわけです。 家計をずっと運営していく、まあ家族の形はいろいろありますけれども、国家というのは永遠に運営するということを前提にしてこの予算やそれから財政運営考えていくわけでございまして、そうすると、これに引き付けて考えると、改めましてでございますけれども、日本、我が国が置かれた環境がどういうものになっているのか、その中で日本国の国民が安全にかつ幸せに暮らしていくことができるような家計運営、財政運営ができているかという観点になるわけでございます。 ここで、じゃ、日本を取り巻く環境がどうなっているかということを考えますと、この一年で大変いろんな変化があったと思います。大きくは、やはり英国のEU離脱、それからトランプ政権の誕生によって、日本を取り巻く環境、世界的に言ってもですけれども、力の時代に入ったなと。中国とロシアが存在感を増し、EUが弱体化をし、そしていろんな変化が起きている。直近でいくと、特に朝鮮半島情勢というのは大変厳しいものがございまして、北朝鮮が我が国をターゲット、まあ在日米軍ですけれども、ターゲットにして四発の弾道ミサイルを発射した。これについては、全員一致で昨日も非難決議を可決していただいたところでございます。南の方も、朝鮮半島、韓国も非常に厳しい情勢になっている、混乱を極めているということになっております。そしてまた、トランプ政権は、これは明らかに同盟国に対しても自主防衛を求める傾向にある。日米同盟というのが幸い安倍政権の下で非常にしっかりと強固に、いろんな首脳会談、四発のミサイル発射の後の電話会談においても確認をされていて、それは大変結構なことなんですが、さはさりながら、やはり同盟国としてこの日米同盟をしっかりと担保していくためにも、今まで以上に、厳しい情勢にも鑑みて、自主防衛の備えを強化することが必要だと考えます。 ここで、じゃ、日本の防衛費というのを考えてみたいわけなんですが、副大臣、日本の防衛費、私は非常に、私、実は女性活躍担当していたことがあって、そのときに大変恥ずかしい思いをいたしました。ジェンダー・ギャップ・インデックス、世界百三十六か国中、日本は百十一位なんです。しかし、同じぐらいちょっとどうかと思うのがこの防衛費です。国際的に比較をして、日本の防衛費というのはかなり私は低いと思っております。そして、北朝鮮情勢、また尖閣諸島防衛ですね、これを考えましても、日本の国民の安全と領土保全考えていっても、防衛費、しっかり守っていかないといけないということは当然だと思っているんですが、これ、国際的に見てどうか、そしてまた日本の防衛をしっかりしていくためにこれどういうふうにお考えでしょうか。しっかり守っていただきたいと思っているんですが、御決意をお願いします。
○副大臣(大塚拓君) まず、財政当局としての考え方を申し上げますと、防衛関係費については、厳しさを増す安全保障環境を踏まえて、中期防衛力整備計画に沿って実効性ある防衛力整備を効率的に進めているところであると。二十九年度予算においては、SACO、米軍再編経費等を除いた中期防対象経費、これは対前年度プラス〇・八%増としたところでございます。 安全保障環境が厳しさを増していく中では、防衛力整備を着実に行うため、今後も計画的に防衛予算を安定的に手当てしていく必要があるものと考えていると。 あるいは、海上保安庁予算についても事前には御質問通告があったというふうに聞いておりますけれども、そこにつきましても、尖閣周辺海域などで中国公船の武装化、大型化等が進むなど、引き続き情勢の深刻化が進んでいるといった情勢を踏まえまして、海上保安体制強化に関する方針、これ二十八年十二月二十一日関係閣僚会議決定でございますが、これで取りまとめられたところでございまして、平成二十九年度予算においてはこの方針を踏まえて、これは防衛予算も一緒ですけれども、平成二十八年度補正予算とともに緊急的に必要な予算をしっかり確保をしているということになっているわけでございますけれども、委員御指摘のように、今この我が国が置かれている環境を考え、また諸外国が自国の防衛あるいは海上警備のために割いている資源配分と置かれた状況とのこの比較をしますと、我が国は非常に、かなり少ない資源配分で頑張ってここまでやってきているという状況は言えるのではないかなというふうに思っております。 もとより、安全保障に関すること、これは外的環境に対してどのように対応していくかということでございますので、外的環境が変化しているにもかかわらず内輪の論理だけで我々はこの範囲でしかやりませんということでは、我が国の領域でありますとか国民の生命、財産ということを守っていくことができないということになってしまうわけでありまして、それは政府としてはやっぱり責任放棄というそしりも免れないというふうに思いますので、財政状況が厳しいことももちろん踏まえなければなりません。 この中で効率的な整備というものをしていく必要があるわけでございますけれども、しっかりと政府としての責任が果たせるように、これは総理もあちこちで御答弁をされておられますように、一%という基準を設けて、何かその基準に沿ってやるということではなくて、必要なことをしっかりと効率的に、効果的に整備をしていくということであろうというふうに考えておりますので、財政当局も政府の一員でございますので、しっかり頑張っていきたいというふうに思っております。
○松川るい君 大変力強い御答弁ありがとうございます。 私、先に言わなかったんですけど、まさに総理も言っておられるように、一%枠などというものは存在しないわけであります。そしてまた、今副大臣御答弁の中でおっしゃられなかったので是非ちょっとこちらで御紹介させていただきたいんですが、日本の防衛費、対GDPに占める割合は〇・九六%でございます。 これ、ほかの国どうなのかと。アメリカ三・三%、ロシアは四・一%、お隣の韓国は二・四%、そして中国は公表で一・三で、これは普通三倍しろと言われていますので四%弱と。それで、じゃ、ニュージーランド、島国なので似ていますね。このニュージーランドの防衛費、対GDPに占める割合は幾つかと。一・三%なんです。周りに何の脅威もないあのニュージーランドですら一・三%の防衛費をしっかりとGDPで出して、自国を防衛しているわけです。 我が国は明らかに、尖閣諸島なんかは特に中国から領土に対する強圧を受けているわけでございまして、特に、副大臣もうおっしゃっていただきましたけれども、私は上陸させないということが非常に大事であると。もう上陸されてしまえば、犠牲を伴わないでそれを解決することが難しくなる。日中関係が破綻するというだけでなく、一旦また、実効支配している領土で最後に残っているのは尖閣諸島です、竹島と北方領土は不法占拠されてしまったので。これを守れないとなると、日本の国家的な、主権国家としての非常に自尊というか存立にも関わる問題だと思っていますので、海保の予算もしっかりと安倍政権になりましてから増額いただいたことを私は高く評価をしております。引き続き、副大臣がおっしゃられたように、高い志と国民を守るぞという決意を持って財政当局としても御努力いただきたいと思います。これはエールでございます。よろしくお願いいたします。 そして、次にもう一つ、経済の方なんです。今私が申し上げた日本を取り巻く環境、安全保障環境について今お尋ねをいたしました。 日本を取り巻く経済環境ということで申し上げると、実はこのところ、三月三日、おひな祭りの日に日経新聞の一面は、世界同時株高、最高額を更新という、そういう見出しだった。実は株高だけではなくて、中のファンダメンタルな指標といいますか、そういうものを見てみても割合実はいいんだというようなことが背景にあると。その背景になっているのは、さらにトランプ政権の下でのインフラ、巨額の、百十三兆円に当たるインフラ投資、まあ発表段階ではありますけれども、であったり、法人税減税であったりといったこともあります。ただ、その発表だけではなくて製造者指数も改善しているといったところも見られるわけでございます。 中国も、これは諸説ありますけれども、意外と、成長見通しは下方修正したものの、それなりにいい指標も出ているねというような分析をされる方もおられます。離脱した英国もどうなるのかと、破綻するのかと思っていたらそうでもなかったと言う方もいる。 一言で言って、世界経済見通しというのは実は好循環軌道に入った、すなわち、アベノミクスがまさに三本目の矢を放って、例えば米国のインフラ需要に応えて日本から積極的に出ていくとか、若しくはいろんなこれまで日本が努力していた企業の活動が花開くような、そういうもしかして環境に入りつつあるのかどうか。ちなみに、日本の経済指標も若干上向いたというようなのが今朝OECDで発表されておりましたけれども、ここについて見通しはいかがでしょうか。
○副大臣(大塚拓君) 世界経済の見通しということでございますけれども、委員も幾つか御指摘になられましたように、私どもも、例えば米国経済を見ますと、これは雇用・所得環境が改善を続けているということを背景にこれは個人消費を中心に回復が続いているというふうに考えているわけでございます。それから、中国経済につきましても、二〇一六年後半以降、持ち直しの動きが見られてきているという、こういったことを背景に全体としては緩やかに回復を続けている基調にあると考えてございます。 このような状況の下で、先日、これは二月二十八日のトランプ大統領の演説においても、官民合わせて一兆ドル相当のインフラ投資を引き出すための政策、あるいは歴史的な税制改革ということについて表明をしたという状況になっているわけでございます。 いい方向の要素もいろいろ見られるわけでございますけれども、一方でトランプ政権は、経済政策がどのように経済に影響を与えていくかということについては、まだ恐らく政権の中でのポリティカルアポインティーも全部出そろっているわけでもないという状況もございますし、議会との関係等々、今後どうなっていくかということについては予断を持ってコメントすることは差し控えたいというふうに思いますけれども、更なる景気回復の期待が高まっていると。 こういう中で、逆に景気が過熱をするとインフレ懸念が高まって金利が上昇すると。それによって新興国から逆に資金が移転をしていってしまうというような状況もリスクとして指摘をされているところでございます。また、中国経済についても、これは過剰債務問題の動向等によっては景気が下振れするリスクというのも指摘をされているところでございますので、世界経済全体として見ると、これはやっぱりリスク要因が引き続き存在をしているというふうにも考えてございます。 これは、慎重になり過ぎるばっかりでもいけないと思うわけですけれども、やっぱり財政当局でございますので、しっかりダウンサイドのリスクも見ながらしっかり見極めてやっていきたいと、このように思っているところでございます。
○松川るい君 ありがとうございます。 是非、アメリカ経済については、先ほどちょっと他の委員からの御質問の中にも出ておりましたけれども、まさに日米経済対話、麻生大臣、副総理と、それからペンス副大統領の間に枠組みをつくっていただいて、これ、もうなかったことだと思うんです。これは、若干見通しの暗い、暗いというか不透明なトランプ大統領ではなく、ペンス副大統領としっかり麻生副総理がライン・オブ・コミュニケーションをつくって、この二国間の経済枠組みをマネージされるということは非常に経済的にもすばらしいと思いますし、また、私は、安倍総理、トランプ大統領だけでなく、ペンス副大統領、麻生副総理とのこのダブルのライン・オブ・コミュニケーションができて、日米同盟というのは非常に強化されているという意味でも、もう経済面でも外交面でも大変高く評価をしておりまして、まだもちろん中身は分からないわけですけれども、期待をしております。 期待している中で、一つだけ、やはり、アメリカの方はバイのFTAというようなことも言っていますので、そこは、最初のFTA相手国にならないように、是非、枠組みは大事にしつつ慎重にやっていただければと思っているところでございます。 そしてまた、国際環境との絡みでいきますと、やはり防衛費だけでなく外交に係る努力というのが非常にまた大事になってきますので、実は、日本のODAは対GNI比でいうと世界十八位で大して多くはございません。安倍政権になってから大変維持強化していただいているところを評価しておりますが、引き続き、外交の方にもしっかりと財政当局として温かい目配りをしていただければと思っております。 次に、済みません、私、実はもう一つ、本当に大きなテーマというのは最後にあるんですけど、たどり着かなかったらどうしようと今思っています。思っていますが、是非これは、日本の国内といいますか日本自身の発展のために、もう一つ、どうしてもこれは必要だと思うのが、子育てといいますか若年層というか未来を担う人材に向けての投資であります。 これは麻生大臣の所信表明にもしっかりと書いて発表していただいているところでございまして、目標も同じだと思うんです。ただ、その中身なんですけれども、私は、またこれ各国比較で申し訳ないんですが、日本の子育て支援に対して国家の中の予算がある中で割いている割合が非常に少ないと思っています。少ないから、少子化にも十分にアドレスされていないし、また女性活躍も十分に進まない。 そしてまた、これはもう有名なリポートなのでもう御存じの方が多いと思いますけれども、アメリカのペリー就学前報告書なんかでも示されているように、就学前の幼児期からの教育にお金を掛けるというか力を入れることが格差是正であったりその子の将来の所得にも大変いい影響を及ぼす、逆に言うと、そうでないと悪い影響を及ぼすということがもうはっきりしているわけでございまして、これ、社会保障政策というだけでなく経済政策として、私は、財政当局としても、予算を差配している財政当局としても、もっと子供や子育てや幼児教育であったり、若者も含めていいと思うんですけれども、そこに掛ける予算配分割合をもっと増やすべきではないかと思っております。 この本を読まれた方、多分多いんじゃないかなと思います。割とその世界では有名な本で、柴田先生という方が研究されているんですけど、子育て支援に掛ける日本の割合は、GDP比に対する割合について比べると先進二十六か国の平均の半分にすぎないと。つまり、日本政府は子供一人当たりに対して先進二十六か国平均の僅か半分程度のお金しか使っていない。他方、お金がないからできないかというと、そうではなくて、高齢者一人当たりに対しては先進二十六か国の平均並みのお金も使っている。だから、これは選択というか意思の問題であると私は思います。 それで、一つ、これ一回のお答えで言っていただくとすると、今もう言ってしまおうかと思っているんですが、実は事前に、どうなのかとお伺いをしたら、各国の家族関係社会支出の対GDP比の比較という資料を見せていただいて、これが日本は一・三六で、スウェーデンとかイギリスとか高い出生率を誇っている国は四%とか三・七%近いんですね。これはこれでいいんですが、子供一人当たりに掛けているお金の割合というものの資料がない、使っていないとおっしゃったんです。私はそれは問題だと思っています。 我が国は非常に高齢者人口が多いので、総体だけ見てしまうとこれでは分からないんです。やはり大きなマクロ的な予算配分をするときに、どこにどれぐらいお金を掛けて今いるのか、それがもう少しどういうふうに修正されるべきなのかということを考えるときには、一人当たりの子供に掛けている費用がどれぐらいの割合なのかということを調べ、それが各国比較においてどうであるかといったことをやはり把握しておくべきではないかと思っております。この点について、済みません、別に指標そのものでなくてもいいんですけれども、ちょっと簡潔にお答えいただければ、済みません、とっても簡潔にお答えいただければ有り難く存じます。
○副大臣(大塚拓君) ちょっと、どこからどこまでまとめて答弁すればいいのかよく分からないのであれなんですけれども、ちょっとまとめて私もある程度答弁いたしますと、基本的に安倍政権においては、一億総活躍社会の実現の観点から、子育て支援等を充実させていくことは極めて重要だというふうに認識をしておりまして、二十九年度予算においても、保育の受皿拡大や保育士の処遇改善、幼児教育の無償化について低所得世帯や一人親世帯等の負担軽減策の拡充、無利子奨学金の拡充や給付型奨学金の創設など、これまでになかった施策も含めてしっかりと予算配分を行っているということはまず申し上げておきたいと存じます。 それから、国際比較ということでいろいろとるる御質問があったわけでございますけれども、例えば家族関係社会支出の対GDP比ということで見ると、ヨーロッパ諸国と比較して日本は低水準だという資料があると、こういう指摘があるということは承知をしているところでございます。 一方で、子供一人当たりのお金というのはないという話でしたけど、ちょっとそこは私確認しておりませんで、よく分からないんですけど、比較をしている国、対GDP比で比較をしている国が、アメリカ、ドイツ、イギリス、フランス、スウェーデンといったような形で、一人当たりのGDPがそんなに日本と水準の違う国でもないことを考えると、指標として必ずしも全く足りないということでもないのではないかなと思いますけれども、そのことと併せて、これらの国々とはいろいろ比較の前提が違うところもあるということをちょっと申し上げておきたいと思いまして、国民負担率、例えばこれ、日本は国民負担率が非常に低いということは言われているわけでございます。それから、給付対象の違い、これは例えば、ドイツとかフランスの児童に対する現金給付には失業者とか大学生等に対する給付も含まれているということでございますので、日本の場合は中学校終了までの児童手当ということなので、なかなか単純に比較することも難しいということも御理解をいただきたいというふうに存じますが。 いずれにしても、この子育ての分野、重要だというふうに考えておりますので、しっかり取り組んでいきたいと、こういうふうに思っております。
○松川るい君 どうもありがとうございます。 それでは、私、今、実は、防衛費増額してくださいとか子育て費増額してくださいと、財務当局からしたら困ると思うんですね。多分、違う人は違うものをもっと力入れてくれと、いろんなことをおっしゃるわけです。どうやってそれを、我が国の別に税収は増えるというよりは、むしろ財政赤字を抱えて、財政健全化を図らないといけないわけでありまして、増えないパイの中でどうやってその要求を聞いてまさに予算を作っていくのか。これ一体、誰がどうやってプランニングして、高い視点から、いや、こっちよりもあっちが大事だからこっちを削ってあっち、どうやって、どのように決めているんでしょうか。
○政府参考人(茶谷栄治君) お答え申し上げます。 予算編成全体の在り方でございますが、まず政府としましては、予算編成プロセスに先立って閣議決定されます経済財政運営と改革の基本方針、いわゆる骨太の方針でございますが、これにおきまして、重要課題とそれに対する取組の方向性や経済財政運営の考え方、予算編成に向けた考え方などを示しているところでございます。その上で、概算要求基準に基づきまして各府省からの予算の要求、要望を受けました上で、政府が閣議決定します予算編成の基本方針や経済財政諮問会議で決定される改革工程表、それに与党が取りまとめられる与党予算編成大綱等を踏まえて、政府・与党の関係各方面と調整をして予算編成を行っているところでございます。
○松川るい君 ありがとうございます。 そうなんです。骨太の方針であるとか経済財政諮問委員会が出された改革工程表とか、いろんな指針を御覧になられて、財務当局がそれも勘案しながら、各省庁からいろいろあれこれ下さいという要求もボトムアップとトップダウンの両方を見ながら決めておられるということなんです。 ただ、じゃ、その骨太の方針なりいろんなものあるときに、マクロ的な視点というのは本当に入っているんだろうかというのが私の疑問です。マクロ的視点というのは時間軸が入ったという意味なんですけど、分かりやすいのは例えば人口動態でありまして、二〇六〇年になったら半分は六十五歳以上であると。ただ、別に高齢者もずっと増えるわけではなくて、四〇年をピークに下がっていくわけであります。ただそのときに、労働人口というのは一様に減り続けるというのが見通せます。 もう一つは、プライマリーバランスの話になるんですけれども、じゃ、財政健全化するべきなのはもう誰もが当然だと思います。私も財務省にはしっかり頑張っていただきたい。というのは、ほかの役所はみんなくれくれと言う方ですから、財政健全化のとりでを守るのは財務省だけですから、しっかりそれは頑張っていただきたいと思うわけです。 しかし、プライマリーバランスがもう赤字化してから二十五年ですか、たつわけでございまして、こうなってくると、時間軸を持って考えるという意味は、人口動態、特に労働力人口とか、負担の方になる、負担というか、保障の対象になる方の老齢人口とかの動態と、それから、じゃ、プライマリーバランスはもちろん二〇二〇年という目標はあって、これ、何で、どうして二〇二〇年という根拠があるのかもお聞きしたいんですが、いつまでに健全化しないとまずいのか。まずいというのは、結局、これ、発表はできないでしょうけど、いつかデフォルトするからまずいわけであって、しない理由は、九割が日本人がファイナンスしているから、長期国債はですね、しているからこんなにたくさんの国債債務残高があってももっているわけで、別に国債市場で信認を得ているわけだと思うんです。 ちょっとややこしくなりましたけど、私が是非お聞きしたいというか、お考えいただきたいというか、やっているんだったら是非教えてほしいという話なんですが、そういったマクロ的な、家計でいえば、うちの息子が何年から何年まで大学に行くよと、おばあちゃんが多分認知症になるのがこれぐらいだと、お父さん定年だからこれぐらいで収入が減っていくねと。でも、ずっと掛かるわけじゃないわけです、例えば社会保障費だって、高齢者に掛かる。じゃ、二十年間、例えば、だから、この何年から何年ぐらいまでの間は国債すごく発行しないともしかしたらまずいのかもしれないけど、その後はこれぐらい圧縮できるねとかですね。 実はプライマリーバランスの健全化というのは、どこまで行ったら、つまり債務残高がどこまで行ったら本当にまずいのかとか、若しくは、外国人の保有率が、例えばギリシャは四五%ですけど、どれぐらいになったらまずいのか、そういったことを勘案してプライマリーバランスの健全化目標を立てたり、また毎年の予算配分をする際に、分かったと、この十年は社会保障費はもうこんなに増えたってしようがないんだとか、子育て費がこの十年はこうなっても仕方ないんだとか、そういうマクロ的なプランニングというかシミュレーションというか、そういったことをした上でこういう骨太の方針が出されているわけではないんじゃないのかと思います。 その骨太の方針じゃなくてもいいんですが、そういうことをどこかの国家の政府の部局でやっていらっしゃるのか。これ、もしもやっていないんだったら是非やっていただきたいと思うんですけど、この点についてどのような努力をされているか、教えてください。
○政府参考人(嶋田裕光君) お答え申し上げます。 内閣府では、政府の掲げる経済再生と財政健全化のこれまでの進捗状況とともに、今後、財政健全化といったような目標実現のために必要となる取組の検討に必要な基礎データを提供することで、経済財政諮問会議等におけます審議に資するべく、年二回程度の頻度で中長期の経済財政に関する試算を作成しているところでございます。 この試算におきましては、経済、財政、社会保障を一体的にモデル化した経済財政モデルを用いておりまして、その中で人口動態というのも織り込みながら、内閣の経済財政政策の効果が着実に発現するという前提で置かれておる経済再生ケースと、それから経済が足下の潜在成長率並みで推移するといったようなベースラインケースというのを、二つのケースを想定しておりまして、それぞれの中長期的な経済の姿とそれと整合的な財政の姿をプライマリーバランスや公債等残高の対GDP比等の指標を用いて比較考量するような、そういうことの取組を行っているところでございます。
○松川るい君 済みません、時間がもうないので、本当に申し訳ない。 でも、プライマリーバランスというか、そちらについてはどのように、二〇二〇年ってどういう、どれほど根拠があるものなんでしょうか。
○政府参考人(茶谷栄治君) 御案内のとおり、我が国の財政状況というのは、債務残高がGDPの二倍程度に膨らみ、今なおも更なる累増が見込まれるなど、引き続き極めて厳しい状況でございます。 その上で、人口動態を鑑みますと、二〇二〇年代の半ば頃から人口減少、高齢化が一層進展することが見込まれております。こうした状況を踏まえますと、社会保障制度を次世代に引き渡すとともに、国に対する信認を確保するためにも、経済再生を図りながら財政健全化を着実に進める必要があると考えております。 このため、政府としましては、今申し上げたとおり、二〇二〇年代半ば頃から更に深刻化するものですから、その先立つ二〇二〇年度までにプライマリーバランスを黒字化し、債務残高GDP比を着実に引き下げる目標を立てているところでございます。
○松川るい君 どうもありがとうございました。 もうこれ事前にもお伺いしたところなのでお答えは承知していたわけですけれども、私、政府の各部署でいろんなことをやっていると思います。
○委員長(藤川政人君) 時間が参っております。まとめてください。
○松川るい君 はい。 しかし、それを総合的にもう少しマクロ的にやっていただく、そしてそれを国民に示していただくといいのではないかと思っているところでございます。 どうもありがとうございました。
○平木大作君 公明党の平木大作でございます。 今日、最後の質問のバッターに立たせていただきました。 まずは、大臣所信に関する質疑ということで何問かお伺いしたいんですけれども、今日、質問に当たって、昨年の秋の臨時国会のときの大臣の所信をもう一度読ませていただきまして、明らかに変わったところがあるなと思いました。書きぶりはそんなに劇的に変わっているわけではないですけれども、明らかに変わったものというのが、いわゆる世界経済のリスクに対する見方が、大分、前回は、この世界経済のリスクにとにかく日本として政策総動員でしっかり対処していくんだということが書いてあったわけであります。今、楽観的ですとは今回のものにも書いてはありませんけれども、少し中国が持ち直してきていたり、アメリカの公共投資みたいなものの期待がまだ世の中に少しあったりということを反映してなのか、ここは前ほどの深刻さを感じなかったところで、一番の私は実は違いじゃないかなというふうに思って読ませていただきました。 ただ、じゃ今、世界経済についてどう御覧になっていますかと聞くと、大体何となく内閣府等で発表しているもののラインでお答えになってしまうんじゃないかなと思いましたので、今日あえて聞きますのは、前回と実は全く表現ぶりも含めて変わっていないところについて確認の意味でお伺いしたいと思います。 もう午前中の審議でも出てきたとおりでありますけれども、財政健全化の方針というところでありまして、これ一昨日の麻生大臣の答弁の中ではきちっと二〇二〇年度のプライマリーバランスの黒字化目標をしっかりやっていくんだというふうにありました。ただ一部、今報道等では、安倍総理の今年の施政方針演説の中には今までずっと出てきたのに落ちている、これは政権として、ある意味財政健全化の目標というのを少しずつ変えてきているんじゃないかと、こういう見方があるわけでありますので、改めてこれは大臣に財政健全化に向けた決意をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 二〇二〇年度のプライマリーバランスの黒字化の実現に向けてという話なんだと思いますけれども、これは経済の再生なくして財政の健全化なしというのは、これは基本方針でして、これは基本的には経済再生といわゆる財政再建の両立というのを最初からこの内閣としては取り組んできたところです。 結果として、御存じのように、税収としては約十五兆円税収が伸びていますし、新規の国債発行も総額で約十兆円ぐらい減っておりますし、また、いわゆる、何ていうの、プライマリーバランスの達成、ゼロにする前の、達成のところの前として半分までしますといって、当時六・三%のバランスが、マイナス六・三だったのがちょうど三・〇、ですからちょうど半分は達成したということで、きちんとした方向というか実績はこの四年間の間は上がってきていると思っております。 引き続いて、これはきちんとやり続けていかないかぬわけなんで歳出歳入両面から取り組んでいくんですが、具体的には、歳出面でいけば、これはもう社会保障等々がほたっておけば一兆円超しますなんて話を抑えさせていただいたり、改革工程表に掲げられておりますいろいろな改革を着実に実行して、いわゆる目安というもので予算の伸びは毎年五千三百億円以上に伸ばさないというのも、きちんとこれ二年連続で五千三百億円以下に収めることができております。 また、歳入面という意味でいきますと、これはもう歳出削減だけだとこれは縮小均衡みたいなことになりかねませんので、私どもとしては二〇一九年の十月には消費税というものを上げさせていただこうと考えております。 いずれにいたしましても、途中になりますけど、来年で、二〇一八年という段階で、私どもとしては、この歳出改革などの進捗状況というのをきちんと見とかぬと、五年たってみたら全然駄目でしたじゃ話になりませんので、二〇一八年で一応見た上で、更にこれが必要というのは歳出歳入共にやらないかぬということになろうかと思っております。 いずれにしても、経済再生というのを図りながら歳出改革の取組をやって、きちんとプライマリーバランスゼロにするという目標を掲げておりたいと思っておりますし、総理の話が今出ていましたけど、二月一日だったかな、衆議院の予算委員会において、黒字化の話を達成したいというのは累次申し上げているとおりだというふうに答弁をしておられますので、この点に関しましては基本方針として全く変わっておりません。
○平木大作君 ありがとうございます。明確に断言していただきました。 個人所得税改革についても少しお伺いをしておきたいと思います。 これはきちんと税法のところで議論すればいいわけでありますけれども、一つ、私自身も振り返ってみまして、今回の改革の中でやはり配偶者控除の見直しというところが目玉になっているわけでありますけれども、正直言うと、ちょっといま一つ国民的な議論にきちっとならなかった、広がらなかったなという感じを持っております。 落ち着くところには落ち着いたと思っているんですね。税収中立とかいろんな観点から考えたらやっぱり今回のところなんだろうと思うわけですが、今実際に、いろんなところで実は今回この百三万円の壁というのが変わるんですよというお話をしても、パートで働いている方が、あっ、そうなのという反応をされていたりして、まだまだ実は今変えようとしていることについて理解が至っていない。もっと言うと、我々が一生懸命年末に議論していたときにこれをもっと伝えておかなきゃいけなかったんだなということを改めて私自身も今感じています。働き方改革という大きな改革の中でも極めて重要な部分を税制というものは担っているというふうに思っていますし、その中で、何か三六協定だとかインターバル規制だとか、そっちばっかりの話になってしまうとやっぱり違うんだろうと思っているわけであります。 一応、これからのスケジュールとしては、今回の配偶者控除の見直しというものについては、あくまでも個人所得税改革の第一弾なんだ、これから連続してやっていくんだということであります。そういう意味では、まさに今年の年末にかけて、また来年の年末にかけてと続いていくものでありますから、これ、最終的には私、税ってどうしても難しいから専門家に任せておけ的なやっぱり考え方って世間にもあると思いますし、国会の中にもあるんじゃないかなと思っているんですけれども、もっとやっぱりこれ分かりやすく制度自体を変えていかなければいけませんし、分かりやすく語る努力というのを我々がしていかなきゃいけないんじゃないか。今からきちっと、大改革に取り組むのであれば、ある程度の全体像というか、これから、例えば今年の年末にかけてはこういうことやりますよ、ああいうことやりますよということをやっぱり広く世間にもこれは訴えていくことが必要だと思います。 その点で、長期的な観点から、現在のそもそも個人所得税制の課題と、それから今後の改革の方向性についてお示しいただけたらと思います。
○副大臣(大塚拓君) 内容につきましては落ち着くところに落ち着いたということで御評価をいただいているものというふうに考えているわけでございますけれども、今後進めていくに当たって、やっぱり国民的理解はもっと得るようにしていかなければいけないということでございます。しっかりと受け止めさせていただきたいと存じております。 今般の税制改正においては、就業調整をめぐる喫緊の課題に対応する観点から配偶者控除等の見直しを行ったわけでございますけれども、その上で、今後数年をかけて個人所得課税改革に取り組んでいくこととしているところでございます。 具体的には、平成二十九年度与党の税制改正大綱において、所得再分配機能の回復の観点から、基礎控除などの人的控除等における控除方式の見直し、そして、多様な働き方を踏まえた所得の種類に応じた控除と人的控除の在り方の見直し、また、老後の生活に備えるための自助努力を支援するための私的年金、金融所得等に係る税制の見直しなどの改革の方向性が示されているところでございます。 個人所得課税改革については、負担構造のあるべき姿などについて検討が必要であることから、委員御指摘のとおり、改革の意義を国民の皆様に丁寧に説明しながら検討を進めてまいります。
○平木大作君 関連して、確認の意味でお伺いをしていきたいと思います。 昨日の本会議におきましても、大家理事から質問の中で言及があったところでありますけれども、この百三万円の壁を破ろうとしたときに、税制だけ動かしていてもやっぱり実は動かないということでありまして、幾つかあるんですけれども、特にその中で、やはり今働いている方が、パート等、アルバイト等で働いている方が就業調整を意識しないでも済むように、そういう働き方が実現できるようにということを考えると、これやっぱり企業の側にも変わっていただかなければいけない、動いていただかなければならないわけでありまして、その中でも特に、結局、いわゆる夫に対して支給をされている配偶者手当、これの基準自体が変わらないとなかなか百三万円を超えるインセンティブが湧かないというわけであります。 これは従来、これ政府の方からも企業に対してしっかり働きかけていくんだというお話あったわけでありますが、これもう近々に変えていただかなければいけないわけでありまして、この今進捗状況について確認をさせていただきたいと思います。
○副大臣(大塚拓君) 御指摘のように、就業調整を意識しなくて済む仕組みの構築は税制だけで達成できないわけでございますので、関連する社会保障制度や民間企業の諸手当など、複合的な要因を一つ一つ丁寧に解きほぐしていくことが必要というふうに考えてございます。 このうち、御指摘のあった民間企業の配偶者手当につきましては、先日、一月二十五日の経済財政諮問会議におきまして、総理と麻生大臣から見直しをお願いしたところでございまして、経団連の榊原会長からも、今回の税制改正を好機として見直しに向けた検討を早期に広げていきたいという旨の御発言があったところでございます。 このように、今回の配偶者控除等の見直しを契機に民間企業の配偶者手当についても見直しが検討され始めたところであるというふうに認識をしておりますけれども、就業調整問題の解消に向け、私どもとしても引き続き多角的に取り組んでまいりたいと考えております。
○平木大作君 金融行政の在り方についても少しお伺いをしておきたいと思います。 本当に昨今、一生活者としても超低金利時代というものをやっぱりいろんなところで実感をするわけであります。昨年は随分住宅ローンがとにかく史上最低金利だということでいろんなところでニュースにもなり、実感したわけですけれども、今年に入って、例えばこの三月は保険の方ですね、予定利率が四月から下がりますということで、これもう三月中に契約すると終身保険だとか学資保険だとかお得ですよということで、今タイムセールみたいな形になってしまっている。今のうちに契約しましょうと、そうしないと保険料が値上げになっちゃいますよという形の取組がなされている。 あるいは、銀行、証券、先ほども少しありましたけれども、個人向け国債というのが、九年ぶりですか、の高水準でとにかく申込みが今殺到しているということでありました。個人向け国債って、クーポンは本当にちっちゃいんですよね。でも、そこにある意味どこの方が一番有利なんだろうということで、探して探して皆さんやっぱり飛び付いてくるという今状況なのかなと思っています。ここまでかと思うわけであります。 私、改めて一つ思うのは、こういうときこそ金融機関には本当は、タイムセールスだからとか契約変わる前にやっちゃいましょうじゃなくて、今こそいわゆる商品開発力だとかサービスというところで是非競っていただきたいなということをつくづく思うわけでありますが、今日の本題はちょっとそっちではありませんで、もう一つ、超低金利下というのはやっぱり金融機関にとって相当経営の環境として厳しいというのは間違いのない事実であります。私も銀行に就職した当初は、金利が上がるとやっぱり銀行の株は上がるというのはずっと何となく感覚としてあって、いわゆる長短の金利差が開くと銀行にとってはすごくいい環境なんだなというのを見て知って覚えてきたわけでありますけれども、今はもうそんな長短の金利差なんということが議論できないような状況になってきてしまっている。苦しいのは間違いないと思うんですね。 ただ、その中で、じゃ、今何を金融機関の皆さんが創意工夫されているのかなと考えてみると、ちょっと心もとないなと思っております。特に地銀の今ポートフォリオが、どんどんどんどん超長期国債の割合がちょっと増えているんじゃないかとか、二十年、三十年の国債ばかり、十年よりはクーポンが付くからみたいなところで買われているんだとは思いますけれども、ちょっとそこが増えているというのは正直言って大丈夫かなと。ある意味この超低金利下で運用に悩んでいるわけでありますけれども、この運用と併せて、別に二十年、三十年の国債買っていただいて全く問題ないんですけれども、これはちゃんとその銀行として取れるリスクなのかどうかということが把握できない限りにおいてはやっぱり危ないわけですね。 ここについて、金融庁としてどう指導監督していくのかについてお伺いしたいと思います。
○政府参考人(遠藤俊英君) 委員御指摘のように、低金利下におきまして、金融機関が収益確保の観点から、よりリスクの高い投資を行っている、そういう動きが見られるところでございます。 金融庁といたしましては、運用方針でありますとか金融機関の金利変動リスクへの対応について金融機関と今対話を行っているところでございます。 より具体的に申しますと、委員御指摘のように、リスクテークに見合う運用リスク管理体制、どのように確立されているのかということでございます。具体的なポイントといたしましては、金利リスク量が自己資本の額と比べて過度に膨らんでいないかとか、金融機関において経営陣を含め有価証券運用に関するリスク認識を高めているのか、あるいは有価証券運用の経験を有する人材を適切に配置した運用体制を構築しているのか、市場の変化に対応した意思決定が機動的に行われる体制が構築されているのかといった様々な点について現在金融機関と対話を深めているところでございます。
○平木大作君 ちょっと通告していないんですけれども、関連して今の問いについてなんですけれども、今日のちょうど新聞報道でも、これは超長期国債ではなくて外債投資で結構地銀、含み損が膨らんでいるんじゃないかというふうにありましたので、ちょっと関連してお伺いしたいんです。 新聞の見出しは「金融庁、地銀に特別検査」というふうになっておりまして、運用部門に絞って検査に入るのは今回が初めて、複雑な証券化商品を大量に保有しているなど過剰なリスクを取っているような場合は改善を求めると、こう報道では書いてあったわけでありますけれども、ここについて、過剰なリスクを取っている場合には改善というのは、具体的にちょっとどういう基準で何を見てどう改めさせるのか、もうちょっと詳しく教えていただきたいんですが。
○政府参考人(遠藤俊英君) 今、平木委員御指摘がありました日本経済新聞の記事でございますけれども、今私申しました金融機関、特に地方金融機関が、低い国債の金利、今まではかなり国債の運用が多かったわけでございますけれども、それに代わるものとして外債運用というものを非常に膨らませてまいりました。しかし、昨年の十一月のトランプ大統領の当選以降、米国債金利等が引き上がる、その局面においてどういった運用体制、どういったポートフォリオの調整を行っているのかということについて具体的なヒアリングをやってきたわけでございます。 本日の記事は、特別調査という名称を付しておりましたけれども、我々はその金融機関のリスク管理体制について、通常はヒアリングという形でオフサイトのモニタリングをやっているんでございますけれども、特定の金融機関について十分にそのヒアリングの中ではリスク管理体制の実態というのがよく分からない場合は、これはオンサイトのモニタリングに入ろうという形で、その金融機関に応じて機動的に我々モニタリングを展開しようとしているということでございます。幾つかの金融機関に関してはそういう形でオンサイトで入っていこうということを決めましたので、そのことをこの記事は書いているんだというふうに理解しております。
○平木大作君 今御答弁もいただきました。ちょっと私、朝新聞見ていてふと思い出しまして、私自身も銀行にいたときに、いわゆるパワーデュアルカレンシー債ですとか、いろんないわゆる仕組み債あるいは仕組み預金、いろいろつくって供給する側におりました。そのときによく聞かされていたのは、私自身は営業に行かないので分からないんですけれども、こういう、これ本当にリスク分かっているのかなと思うようなパワーデュアル債とかが地銀とかに飛ぶように売れていまして、果たしてこれ本当に大丈夫って思いながら実はつくっていたときがあります。 何が大丈夫かって、いろいろあると思うんですけれども、一つは、これやっぱり複雑な仕組みが付いていれば付いているほど、マーク・ツー・マーケットで、要は今この瞬間に時価で評価すると幾らかということが少なくとも評価できるところ以外は買っちゃいけないと思うんですね。ところが、地銀とかからこれ今幾らですかって電話掛かってくるわけです。こうなると、自分で時価評価を瞬時にできないものを本当に買ってリスク管理できているのかなというところはやっぱり疑問でありまして、是非、今オンサイトでちょっと疑義があるときには実態調査もするんだということをおっしゃっていただきましたけど、まずその複雑な仕組み債ですとか仕組み物の商品ですね、こういったものが入っているときは、まず自分たちのところでどう時価評価しているのかということについては、ちゃんとそれができているのかということについてはきちっと見ていただきたい。 あわせて、複雑じゃなくても結構いわゆるリスクとしてきちんと把握できていないものって、やっぱりあると思っています。お話をしながら思い出しましたのは、最強のヘッジファンドと言われたロングターム・キャピタル・マネジメント、LTCMが破綻したときに、いろんな要因で破綻しているんですけれども、たしか最後の引き金を引いたのは、実はイタリア国債か何か、ちょっとどの国だか忘れましたけれども、いわゆる国債が最後流動性が全く干上がってなくなってしまって換金できなくなったというところが最後の引き金になったんじゃなかったかなと思っています。 そういう意味では、国債自体は、しかも先進国の国債でありますから、イタリアとはいえ、ある意味リスク管理上はそんなに注意を払う先じゃなかったはずなんですけれども、そういったものですら、期間が長いとかあるいは少しマーケットの厚みがないものというのは、流動性というところで考えたときに、急に干上がってしまうことがあるわけです。そこら辺も含めて、是非この時価評価の点ですとか流動性の点、踏み込んでちょっと一回見ていただきたいなということだけお願いしたいと思います。 もう一問お伺いしたいと思います。 これも先ほど来何度も出てきているかと思うんですが、私もやっぱり気になってしようがないのがシムズ理論でありまして、何でだろうと。これ、日本においては取り得ないんだろうなと思いつつも、いろんなところが魅力的に見えてしまうというところがあります。 やってはいけないのは、きちっとこの全体像をつかまないで、要するにこれはぼんぼん国債を発行してじゃんじゃん使えばいいんだろうというところだけつまみ食いするというのがやっぱり一番いけないわけでありますけれども、じゃ、これ、何でこのシムズ理論にこんなに引き付けられるのかなと思ったときに、一つはやっぱりこの日本の状況に割と置き換えて考えやすい。 二〇一九年十月に増税するということがもう法律に書かれていて決まっている。ある意味これを物価がきちんと安定的に上昇するまでもうやらなくていいよと無期限に延期して、そして国債をどんどん増刷していいよという話なので、特に日本に切実に響いてくるというか、ああ、この手があったかと思いたくなるやっぱりやり方なわけです。 じゃ、何でここまで考えさせるかというと、恐らく、最後の最後は全然アプローチは今の日銀と違うわけですけれども、現時点だけじゃなくて将来時点の人々の気持ちにどう働きかけて、どう期待形成させて、消費マインドを動かしていくのか、沸き立たせていくのかというところについては、何となくこういう手もあったかなとやっぱり思わせてくれる、そういう話だと思うんですね。 改めてお伺いします。特に消費増税と絡めて、この理論をどう受け止められているのか、政府の御見解をお伺いいたします。
○国務大臣(麻生太郎君) 何となくおいしい話を聞いて、危ねえなと思わないと駄目なんですよね。 少なくともサブプライムローンなる怪しげなローンが出たときに、あれ難しい話でしたものね、一回聞いたぐらいではとても分からなかったので。あのときすごい記憶があるんですけれども、こんなもの、怪しげなものがそんな売れるのかと言ったんですけれども、あれはかなり売りに来た。ただ、日本じゃ売れなかった。日本の銀行がしっかりしていると当時金融庁は褒めたんですよ。あれはうそで、結局日本人は英語が分からなかったんですよ、あれ。俺は確信していますね、あれだけは。だから日本の銀行は買っていないんですよ、あれ。 だけど、ほかの銀行は全部買ったから、あれを。だって、格付会社がみんなトリプルAなんかみんな付けているんだから、あれ。だから皆さん買ったわけです。そしたら、御存じのようにサブプライムローンのあれによって、簡単に言えば、リーマン・ブラザーズという巨大な投資会社が破綻して、今言われたように、全く、フロアというか、マーケットからキャッシュがなくなったんですよ。だから、あの会社ですら、たったイタリア銀行のほんのちょっとの金が足りないという、キャッシュがないんですから、それで結果的にぽおんといって、だだだだっと連鎖倒産していったという話になっていったんですけれども。 ああいったような話というのは、なので、今回のシムズという、クリストファー・シムズというプリンストンだかイエールかどこかの先生だったと記憶しますけれども、まあ昔、はやった話で、これは一九九〇年代だかどこかにこの話が出たと記憶するんですけれども。早い話が、政府がどんどんどんどん国債を刷り倒してえらい勢いで財政放漫にやっていけば、自然と物価上昇が起きると。物価上昇が起きることによって、早い話が、政府のいわゆる持っている国債の値打ちというか、負担の率も相対的に下がってくるからうまくいくんだと。簡単に、極端な言い方すれば、そういう言い方でえらく無責任な話なんですが。 この話は、結構いろいろやってきまして、少なくともジョージ・ソロスなんという何となく怪しげなおじさんが財務大臣室まで訪ねてくるぐらい、これがいい話、ヘリコプターマネーの話ですよ、簡単に言えば。真面目な話をして、大真面目にして、まあ九十も過ぎて金の話しかできないというのはよほど病気みたいな人なんだなと思って話を聞いていましたけれども。とにかくお金の話しかしませんでしたね、一時間三十分ぐらいしゃべっていたんですけれども。それはすごく記憶にあるんですが。 その人に随行してきたあれも、前のイギリスのバンク・オブ・イングランド、バンク・オブ・イングランドじゃなかった、あれはイギリスの財務大臣やっていて、今ソロスのところにいるんですけれども、ソロスと一緒に来て、債権と悪魔とかいう本を置いていって、これ是非読んでくれという話で、ヘリコプターマネーのことが書いてあるのは二、三ページ読んだら分かりましたから、意味ないと思ってあとは読んでいませんけれども。 少なくとも、そういったことをやった場合にどれくらい物価が上昇すれば債権とバランスするのかというのを実験したのかと。ノー・サーと言うから、じゃ、どうやってそれを俺たちが説得するんだと、俺たちはその実験台かと聞いた。俺たちにはその実験をするんだけど、それはあんたらはそれで売り逃げて得するかもしれないけど、俺は一億二千万の国民を預かっている財務大臣という立場で、あんたらみたいな無責任な立場で金もうけやっているんじゃないんだと、俺の立場は。だから、この立場でできないと、それが一つ。 二つ目。これ、どんどんどんどんやっていった場合はえらいハイパーインフレという、藤巻さんの好きそうな話になるんでしょうけれども、ハイパーインフレに仮になっていったとした場合は、それによって年金で生活している人は全く食えなくなっちゃうんですよ、日本じゃ。そういった人に対してはどうするのという話は全く出ていない、出てきませんから。そういった意味では、これは単なる実証された学問でないことははっきりしていますので、私どもとしてはとてもくみする話ではないということが政府としてははっきりしています。 したがいまして、先ほど申し上げましたように、これは社会保障という制度というものをきちんと次の世代の人に引き継いでいくというのは我々の世代に与えられた責務でしょうから、少なくとも年金、年金というか、税と社会保障の一体改革と、これ三党合意でこれまでやってきた話なので、これをきちんと仕上げていくためにも、私どもとしては、今申し上げたような二〇二〇年までにまずはプライマリーバランスをゼロにして、その後、いわゆるGDPとの比率をずっとやっていく、きちんとやっていくという従来の手堅い確実な方法をやりながら、かつ消費を喚起し、将来、日本の財政は確実に俺たちが償還していく、返していくという意欲があるんだということをきちんとマーケットに示さない限りは今後国債だって売れなくなりますから、そういったこともきちんと考えてやっていくというのがあるべき姿なんだと、そう思っておりますので、この内閣では、少なくとも私がいる間はそんないいかげんな話にならないことだけは保証します。
○平木大作君 ありがとうございます。 同じ話をただ日銀にもちょっとお伺いをしておきたいと思うんですね。 もうこれ、今、麻生大臣から政府としての取組、考え方というのをお示しいただきました。日銀も黒田総裁がこれまで、このいわゆるシムズ理論というのはどうしてもいろんな仮定を置かないとこのなかなか政策経路というのは通らないんだ、成り立たないんだという話をされていて、通らないということは私も分かっています。その上で、これ、そもそも今の日銀とこのシムズ理論というのはアプローチが全く違うわけでありますけれども、実は第一歩目から真逆の動きをするというのが一つの特徴だと思っています。 今、日銀というのは、長い、十年のものも含めて、金利をとにかく低く抑えておかないと、多少景気が良くなってきたとしても、今のようやく起きてきた設備投資ですとか消費意欲というものをそいでしまう、きちっとここに下に張り付けておくということが大事なんだというアプローチを取られている。 ただ、シムズさんはどうされているかというと、国債の増発と結局連動しているわけでありますけれども、長期金利を上げなきゃいけない、国債に対するアペタイトを失わせなきゃいけないということを言っておりまして、損失するから持ちたくないってやらないと人の消費行動は変わらないんだというところが第一歩目でありますので、実は金利が上がるように、長期金利が上がるように最初に誘導するということを言われているわけであります。 そもそも私、今の日本において長期金利を上げるということをやっちゃいけないと、手前でやっちゃいけないと思っているんですけれども、この点について、上げると、そもそも、現下の日本経済の中で考えたときにメリット、デメリットどうなるのか。また、シムズ理論自体は、単純に上げるんじゃなくて、単純に国債を増発するんじゃなくて、消費増税を凍結するということを付けるのがみそなんだみたいな話をしているわけですけれども、これは何か条件変わるのか、お考えをお示しいただきたいと思います。
○参考人(雨宮正佳君) 委員御指摘のとおりでございまして、現状では私どもの二%の物価安定の目標までには相当なお距離があるわけでございますので、これをできるだけ早期に実現するという観点からは現在の金融市場調節方針の下で強力な金融緩和を推進していくべきでありまして、現下の情勢の下で長期金利の操作目標を引き上げるということは適当でないと思っておりますし、これは何と申しましてもこの物価安定目標を実現するということのために行っておりますので、消費税等々の条件とは独立して、現段階ではこの金融緩和を推進していくということが肝要かというふうに存じます。
○平木大作君 済みません、もう幾つか通告させていただいておりましたけれども、時間が参りましたので、以上で終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○委員長(藤川政人君) この際、申し上げます。 松川君から、先ほどの同君の発言中に不適当な言辞があれば委員長において適当に処理されたい旨の申出がございました。 委員長といたしましては、後刻速記録を調査の上、適当な処置をとることといたします。 本件に対する質疑はこの程度にとどめ、本日はこれにて散会いたします。 午後三時三十分散会