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193回国会参議院2017/04/18

国土交通委員会 第9号

発言数
177
登壇者
22
会派数
8
開催日
2017/04/18

会議録

増子輝彦民進党・新緑風会

○委員長(増子輝彦君) ただいまから国土交通委員会を開会いたします。  住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。  本日は、日本大学経済学部教授中川雅之君、東京工業大学環境・社会理工学院建築学系准教授・一般財団法人エコロジカル・デモクラシー財団代表理事・ARCH会員土肥真人君及び立命館大学政策科学部特別招聘教授塩崎賢明君、以上三名の参考人に御出席いただき、御意見を聴取し、質疑を行います。  この際、参考人の皆様に一言御挨拶を申し上げます。  本日は、御多用のところ本委員会に御出席いただきまして、誠にありがとうございます。  参考人の皆様から忌憚のない御意見を拝聴し、本案の審査の参考にさせていただきたいと存じますので、よろしくお願い申し上げます。  それでは、議事の進め方について申し上げます。  まず、中川参考人、土肥参考人、塩崎参考人の順にお一人十五分以内で御意見をお述べいただき、その後、各委員の質疑にお答えいただきたいと存じます。  御発言の際は、挙手していただき、その都度、委員長の許可を得ることとなっておりますので、御承知おきください。  なお、参考人、質疑者共に御発言は着席のままで結構でございます。  それでは、まず中川参考人にお願いいたします。中川参考人。

中川雅之日本大学経済学部教授

○参考人(中川雅之君) それでは、お時間を頂戴いたしまして、今回提出されております住宅セーフティーネット関連の制度につきまして意見を述べさせていただきます。口頭で意見を述べさせていただく非礼をお許しください。  まず最初に、これまでの住宅セーフティーネット関連の制度、それからそれをめぐる環境の変化、それにつきまして私の方から述べさせていただきます。  まず、これまでの住宅セーフティーネット関連の制度というのは、公営住宅という公共部門が低家賃住宅を直接供給しまして、それでそれを管理していくという政策に非常にその大きな部分を依存してきたということでございます。この体系は一定の成果を上げてきたと評価できるわけですけれども、これから述べる三点に、三つの観点において変化が見られるのではないかと私は考えております。  まず一点目でございます。  民間給与実態調査、そういったようなものを見ても、この十五年程度で平均給与、これが一〇%低下する一方で、平均家賃はやや上昇する、そういう状況にございます。そういうことを考えますと、アフォーダビリティー、支払能力という問題は依然として重要な問題である、そういう認識は共有すべきだと考えます。  ただしでございますけれども、十年とか十五年、その間、単身高齢者、これが二百四十二万世帯から五百五十二万世帯、こういったものに倍増して、父子世帯あるいは母子世帯、これは七十一万世帯から八十四万世帯に二〇%程度増加している、そういう実態がございます。こういったような世帯というのは、身体状況が急変する、あるいはお子さんがいらっしゃいましてうるさいとか、けがをされるかもしれない、そういったリスク、それを理由にして賃貸人が入居拒否、これを行う可能性のある世帯である、そういうことが調査などでも明らかになってございます。  何を申し上げたいかといいますと、支払能力、そういったような観点以外からも、住宅のセーフティーネット網、こういったものを構築する必要性に恐らく迫られているんだろうと。住宅セーフティーネット、何を住宅セーフティーネットとして認識するか、その認識の多様化、これが大きな課題となっているのではないか、これが一点目の環境変化でございます。  二点目でございます。  公営住宅制度、これは地方公共団体が非常に全ての整備から管理まで引き受けると、そういった供給体制にあったわけですが、供給側の事情といたしまして、まず国、それから地方公共団体、双方とも財政が非常に厳しい状況にあるというのは今でも同じでございます。  それから、将来、もう既にでございますけれども、人口減少社会あるいは少子高齢化がますます激しくなっていくということを考えますと、大きな公的な資産、不動産資産ですね、国が持っている、あるいは地方公共団体の資産、これを抱え続けるということは非常に大きなリスクだと、そういう認識が非常に共有されつつあると。バランスシートを大きくしていると強い財政増嵩要因になるということが多くの自治体で何を行わしめているかというと、公共施設の再配置あるいは縮減、そういうものがパブリック・リアル・エステート・マネジメントですとかファシリティーマネジメントという形で取り組まれつつあると。そういうことから考えますと、公営住宅という政策手段を大きく拡大する、そしてそのストックを増やす、そういう環境にはないのではないかと、そういう認識が広まりつつあるというのが二点目のものでございます。  その反面でございますが、民間住宅については、活用可能な空き家として百三十七万戸、それからその他の空き家四十八万戸、それが存在していると。ということは、それらを政策資源として活用する、そういう可能性が急速に浮上しつつあると。  二点目で申し上げたいことというのは、ハードな政策資源、そういった形としまして民間の空き家、これが強く認識されるようになった、それが二点目の環境変化でございます。  それでは、三点目の環境変化、これについて述べさせていただきます。  三点目は、家賃債務保証ですとか、あるいは住宅確保要配慮者であっても、生活支援サービスなどを付けながら適切な賃貸住宅サービスを提供する大家さん、あるいはそれを紹介する不動産業者さん、それから、そういったものを側面としまして、生活支援サービスなどを提供する社会福祉協議会、NPOなど、公共団体そのもの以外の主体が非常に住宅確保要配慮者に対する支援を行うということが萌芽的に見られつつあるということでございます。住宅確保要配慮者、そういったものに対しての働きかけ、それが公共団体そのもの以外のプレーヤー、それも非常に大きな期待を掛けることのできる、そういった環境が今広がりつつあるんじゃないかと。  三点目の環境変化としましては、ソフトな政策資源として、公的なことをやるソフトな政策資源として公共団体そのもの以外の主体、それに大きな期待を掛けることができるような、そういった環境が整いつつあるのではないか。これが、住宅セーフティーネット制度を考えていく際の大きな三つの環境変化だと私は認識してございます。  こういったことを背景といたしまして、今回の住宅セーフティーネット制度、これは、今までのセーフティーネットの体系というのは、非常に手厚いサービス、それを公共団体が直接供給する公営住宅政策、非常に手厚いサービスを受けられるか受けられないか、そういった世界がこれまで基本になっていたもの、それを中間領域、要するに受けられるか受けられないかの中間領域を拡大する形で多様なサービス、それをこれまでの政策支援の対象となっていなかった方、それも含めて広く提供できるような体制を整えようとする、そういった制度の提案ではないかなと私は解釈してございます。  でございますので、どういう供給体制でこのセーフティーネット制度が構築されているのか。一つは、非常に広い中間領域だと申し上げましたが、多様な領域、これを対象にした政策スキームでございますので、国が何かを決めてそれをがっとやる、そういうような供給体制ではなくて、何をどうやってやるか、あるいはどこまでやるか、これは非常に広いバリエーションが考えられるものと考えてございます。  でございますので、地域の情報は地域に密着した主体、そこにその情報が集まっていると考えるのが普通でございますので、地方公共団体、それが何をどうやってやるか、それを決めて、地方公共団体そのものだけではなくて、社会福祉協議会あるいはNPOあるいは不動産業者あるいは関連する民間企業、そういった多様な主体が政策の担い手として登場する、そういう仕組みをつくり上げたというのが今回の制度の供給体制側の、何といいますか、特徴だと考えております。  そういったようなセーフティーネット制度が提案されていると私は認識してございますけれども、その提案されているセーフティーネット制度、これを評価するとすればということを申し述べさせていただきます。大きく分けて三点でございます。  基本的な評価といたしましては、現在どんな課題があるのか、あるいは持続可能な政策資源をこれからも使っていかざるを得ないだろうということを考えた場合には、今回の提案というのは私は基本的に評価すべき提案ではないかなと思っています。ただ、二点、是非運用あるいは制度の細部をつくり上げるに当たって御配慮いただければということを述べさせていただきます。  まず、一点目でございます。  これ、先ほど述べましたように、何をどれだけどのようにして行うのか、これは地方公共団体の判断に大きく委ねられているようなスキームになってございます。公営住宅というのは、基本的には基準が示されて、どれだけ財政的な資金が使えるのか、それによってやれること、やることがほぼ決定できるというような仕組みになっていたかと思います。ただし、今回の地方公共団体に大きな何をやるのかという部分、それが委ねられているようなそういうスキームにおきましては、地方公共団体がそもそも地域課題を適切に認識しているんだろうか、それを戦略的に解決するようなアイデアを持っているんだろうかと、そういう能力があるのかということが大きく問われるところだと思っています。  つまり、地域にとって何が課題で、どこまでセーフティーネットを用意するのか。それを、地方公共団体の住宅部局に限らず、内部でもちろん福祉部局、それと綿密な連携を取っていただきたい。それだけではなくて、社会福祉法人、民間企業、そういったものと地域のビジョン、それを共有するようなそういう困難な作業、それが前提条件になるということでございます。  それは、基本的にどうしたらいいのかというのは、恐らく国あるいは研究者である私どもが持っている情報よりも、実際にその現場でおやりになっているようなメンバーの方、地方公共団体の方、あるいは社会福祉協議会の方、NPOの方、不動産業者の方、そういったような方々がお持ちになっていると思います。こうやったら成功した、こうやったら失敗した、そういうことを教え合うようなそういう先進事例の紹介あるいは情報交換の場の設定、そういったものを設けていただいて、適切な戦略の策定あるいはその実施体制の設定、これが組めるようなそういう体制を是非整えていただきたいと思います。それが一点目です。  二点目ですけれども、基本的には地方公共団体だけが登場していた公営住宅のスキーム、それとは異なって、非常に多様なプレーヤー、これが登場する仕組みになってございます。それに関連して二点だけ申し上げたいと思います。  この登場が予定されているプレーヤーの中には、このセーフティーネット法の中だけではなくて、他の法律で指導監督が可能なものばかりではないと思っております。このため、この制度の執行に当たっては、例えば空き家等の登録制度とか賃貸人への指導監督とか様々な執行の適切性を確保するような仕組みが用意されていると思いますので、その執行をきちんと、指導監督をきちんとやっていただきたいというのが一点目です。  最後になりますけれども、多様なプレーヤーを登場させたということを解釈しますと、これまでは、公営住宅というような仕組みというのは公共団体が整備、それから住宅の管理あるいは生活の支援、それを全て引き受けるような、神様のようなそういう存在だったわけです。それを、そういう全てを引き受ける公共団体の役割を、賃貸人とか不動産業者とか社会福祉法人、NPO、それから債務保証を行う企業、そういったものにアンバンドリングして分業化すると、それが今回の提案されている制度の一つの肝になっていると思います。今までは公共団体が一つの主体としてそれをやってきましたけれども、アンバンドル化したことによって、主体が異なる人たちが協業体制を組まないといけない、それが非常に大きな、何といいますか、コストを伴う、そういった可能性があるんではないかと。  そういう意味で、各主体の綿密な連携あるいは統一的な戦略に従った執行、それを確保する意味でも、制度の中にございますが、居住支援協議会、その存在が非常に重要だと思います。居住支援協議会のそういった実質的な協調体制の確保、それがうまく発揮できるような体制、それを組んでいただきたいというのが私からのお願いということでございます。  私からの意見陳述は以上でございます。

増子輝彦民進党・新緑風会

○委員長(増子輝彦君) ありがとうございました。  次に、土肥参考人にお願いいたします。土肥参考人。

土肥真人東京工業大学環境・社会理工学院建築学系准教授/一般財団法人エコロジカル・デモクラシー財団代表理事/ARCH(Advocacy and Research Centre for Homelessness)会員

○参考人(土肥真人君) おはようございます。  本日はこのような貴重な機会をいただき、ありがとうございます。  私は、土肥真人と申します。東京工業大学環境・社会理工学院建築学系の教員であり、一般財団法人エコロジカル・デモクラシー財団の代表理事及び今回発表しますデータを作っておりますARCHの会員でございます。どうぞよろしくお願いします。  本日、お手元に資料をお配りしております。三枚めくっていただきまして、資料の二ページ目から、スライドの二ページ、二と書いてあるところから御説明差し上げたいと思います。  まず、資料の二ページ目ですが、本日、私は二つの立場より参考意見を述べたいと思います。  まず、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックに向け、ホームレスの人々を放置しない優しい都市を実現することを掲げて活動していますグループ、ARCHの研究者としての立場があります。これに関しては、二〇〇九年以降、文部科学省の科学研究費を受けまして、イギリスのロンドン、オーストラリアのシドニーやメルボルン、またアメリカの様々な都市のホームレス政策を研究してまいりました。日本においても、川崎市を始めとする各都市のホームレス支援団体や自治体の方にヒアリングを行い、研究をしてきています。また、二〇一五年からは、後述しますが、ARCHのメンバーとして東京ストリートカウントを企画し、実施しているところです。このようなホームレスに関する研究をしてきた者として意見を表明いたします。  もう一つの立場としては、もう三十年近くになりますけれども、コミュニティーデザイン、都市デザインを研究し、大学で講義してきた者として意見を述べさせていただきます。これに関しては、私は、主に都市オープンスペースに関する理論、法制度を研究し、コミュニティーデザイン、住民参加のまちづくりを行ってまいりました。近年は、特に都市デザインの新しい方法であるエコロジカル・デモクラシーの研究と実践を行っており、昨年来、エコロジカル・デモクラシー財団を設立して実践に当たっているところです。  このような立場から、都市のビジョンという点についても本法案への御意見を申し上げたいと考えております。どうぞよろしくお願いいたします。  三ページに移ります。本日は、この四点について意見を述べたいと思います。  次、四ページ、お願いいたします。  意見一ですが、住宅確保要配慮者の定義におけるホームレスへの言及についてです。第二条第一項の住宅確保要配慮者の定義は、現在六グループに言及がありますが、この中にホームレスが書かれていないということで、これは是非明記していただきたいと考えています。理由としては、ホームレスの人々が、本法が対象とする住宅の確保に特に配慮を要する人々の最たるグループであるということがあります。また、以下に御説明しますが、現在考えられているよりも多くの人々がホームレスを経験されていると推計されるということがあります。  次のページをお願いいたします。五ページです。  推計の御説明に入ります。これは、私たちARCHが昨年来行ってまいりました深夜にホームレスの人の数を市民が参加し数える調査、東京ストリートカウントの結果になります。  昨年の冬、夏、今年の冬と、市民二百四十五名、延べでは五百名近くの方々に、終電後、各駅に集まっていただきまして、毎回三十人から百十人程度で計九晩、東京中心部の十一区を歩いて、実際どれぐらいの方が寝られているかを調べたものです。  なぜこれを行ったかというと、東京都の場合、厚生労働省の概数調査が昼間に実施されており、夜間の数は大分違うだろうということがあります。実際に、東京中心部の十一区に関して、昼間の概数調査では五百五十八名とされていたものが、深夜調査では約二・五倍の千四百十二名寝られていることが分かりました。  この十一区の比率を基に東京都全体の推計を出すと、およそ二千六百五十名ということになります。都だけで推計値は約千二百名増えるわけです。全国では約七千五百人から一万人程度、これは少なめに見積もってなんですけれども、ホームレスの方々がおられるのではないかということになります。  六ページを御覧ください。  さらに、この七千五百から一万人というのは一晩にいる数を推計したものです。この一晩にいる数というのは一年間にホームレスを経験される方の数とは大きく違うということが、これは世界で唯一ホームレス個人をずっと追いかけているデータベースを作成しているロンドンの統計から分かっています。これによると、一晩に寝ている数の約十・八倍の方が一年間ではホームレス経験をされているということです。  これを仮に、先ほどの一晩の全国推計、七千五百人から一万人に掛け合わせてみると、約八万人から十一万人の方が日本でもホームレスの経験をされているということが当てはめてみると推計されます。  また、同じロンドンのデータによると、年間の人数のうち新たに路上に出てくる方が約六五%を占めるということですので、仮に、これも仮にですが、日本に当てはめてみますと、約五万から七万人の方が毎年ホームレス状態を新たに経験していると推計されます。  以上から、ホームレス問題は無視できない規模であり、持続的な仕組みづくりを必要とする社会的課題であると考えます。でありますから、是非ホームレスという定義を法律の中に設けていただきたいと、このように思うわけです。  次のページ、七ページに参ります。  意見二です。ホームレスその他の住宅確保要配慮者の入居後の支援の必要性についてです。  これに関しては、第四十二条、居住支援法人の業務、第五十一条、居住支援協議会に関する記述に必要事項を明記すべきだという意見です。  本法案は、ホームレスに恒久的住宅を提供するハウジングファーストという政策を支え得るものであり、その意味で画期的なものだと考えます。  一方で、ホームレスの方々の中には、安定した居住のために、就労、生活相談、福祉、医療など様々な支援を必要とする方々も少なくありません。入居に関わる支援から、入居後にも途切れることなく安定した居住のための各種支援サービスが提供できる体制を整える必要があります。  八ページをおめくりください。  現況のホームレス支援の基本的な考え方は、就労可能な方々には就労支援を行う、そのための場所としてホームレス自立支援施設が求められているというものです。あるいは、すぐに就労が難しい方には、多くの場合、生活保護などの利用によって無料低額宿泊所での施設保護を行い、その施設は生活相談や就労指導等を提供するものと位置付けられています。  問題は、これらの施設がいわゆる中間施設と呼ばれる一時的な宿泊施設だということです。ホームレスの人々は、まず中間施設で就労支援や生活支援を受け、住宅での自立生活ができるようになったと判断されて初めて住宅に移る形になっています。  これに対し、ハウジングファーストという手法は、誰にでも居住の権利があるという考え方の下、まずはホームレスの人々が住宅に入ることから始まります。その後に適切なアセスメントを行い、本人の意思も含めながら必要なサービスを決め、そのサービスを提供します。  これはアメリカで一九九〇年代初頭に生まれた手法ですが、ホームレスの方々の住宅定着率が中間施設を経由する場合と比べて非常に高いという成果が出ています。また、社会的コストも、ホームレスの人々に頻繁に利用されるその他の施設と比べて非常に安いという統計結果が出ております。この支援手法が現在欧米諸国で導入されておりますし、日本でも幾つかの事業が実験的に行われているところです。  でありますから、今回の住宅セーフティーネット法案は、ホームレスの方々に直接恒久的住宅への入居機会を提供する画期的なものだと考えております。  次のページをおめくりください。九ページです。  今回の法案は、こうした積極的意義を持つ一方、居住支援法人や協議会が行うとされている支援内容は主に入居までの支援であり、その後のサービスについては手薄であると言わざるを得ません。ですから、ここに関しては、是非、国交省の住宅行政と厚生労働省の福祉行政の強い連携をもって、支援とセットの中間施設における保護ではなく、住むことがまず権利として確保され、そこに必要な支援をシームレスに提供する体制を整えていただきたい。そのために、住宅行政と福祉行政の連携が強く求められていると考えます。  次のページをおめくりください。十ページです。意見の三番目になります。  今回の法案で行われる公共投資としての家賃保証や改修費補助は、市場を尊重した社会住宅ストックの拡充策であり、家賃の低廉化にもつながる重要なものです。よって、第一に、現在予算措置のみとされている家賃補助、改修費補助が法文に明記されることが必要だと考えます。  ちょっと駆け足で申し訳ないのですが、次、十一ページをおめくりください。  公共投資した住宅がセーフティーネットという公共財としてきちんと機能しているか、これも継続的にチェックする必要があると考えます。  十二ページをお願いします。  日本における住宅扶助と家賃保証のバランスを見ます。前者、住宅扶助は、生活保護の住宅扶助費として五千九百十七億円が平成二十六年に支出されております。一方、供給サイドである住宅への補助、貸主への保証は生活困窮者自立支援法の住居確保給付金に二十三億円の支出があり、これに加え、今回の法案では改修費約三十億円、家賃低廉化への補助約三億円の予算が加わると聞いております。住宅扶助と家賃保証に二桁もの開きがあるということです。  ちなみにですが、厚労省の試算では、本格的に日本で家賃補助制度を導入すると六千億円から一兆円程度の財政措置が必要になるという文献もございました。  十三ページをおめくりください。  諸外国と比べますと、まず左側のグラフからですが、日本の住宅ストックに占める社会住宅の割合が極めて低いことが分かります。社会住宅とは何らかの公的資金が投下される住宅のことですが、これが日本では三・八%で、そのほとんどが公営住宅及びUR等の公的住宅です。つまり、家賃補助による民間社会住宅がほとんどありません。  次に、右のグラフを御覧ください。GDPに対する政府の住宅手当支出額の割合を示したものですが、日本とアメリカの支出額の水準が極めて低いことが分かります。日本の支出額五千九百二十九億円は、ほとんどが生活保護の住宅扶助費で占められます。一方、アメリカはこれと逆で、支出額のほぼ全てが家賃補助で占められています。  つまり、日本は、社会住宅ストックの量で見ても住宅手当の政府支出額で見ても、家賃保証がほとんどないことが特徴であり、そして問題であると私は考えます。住宅セーフティーネットの形成と良好な社会住宅ストックの拡充を実現するため、家賃補助、改修費補助を本法に位置付け、大幅に増額されたいと考えます。  十四ページに参ります。  住宅行政の観点から、改修費補助や家賃保証を行う登録住宅は、公共投資をすることになるため、公共財としての住宅ストック機能を果たす必要があります。どれだけ社会住宅としてストックされ使われたかを政策目標及び成果指標とすべきです。  同時に、福祉行政の観点から、本制度によりどれだけ住宅確保要配慮者が住宅を確保できたのかを測る必要があります。低所得者、被災者、高齢者、障害者、子育て世代、それにホームレスの方などがどれだけこの登録住宅に入居できるのか、あるいは入居したかを政策目標及び成果指標とすべきです。さらに、その前提として住宅確保要配慮者の方が母数としてどれだけおられるのか、現在どういう状況にあられるのか、継続的な大規模調査が必要であると考えます。  十五ページをお願いいたします。  最後の意見ですが、本法が都市経営、地域づくりの視点を持つことが必要だと考えます。本法が住宅供給のみならず、多様で持続的な地域コミュニティーの形成に資するものとして位置付くよう、国がソーシャルミックスの理念を基本方針に明記し、地方公共団体が計画に反映できるよう啓発し、居住支援協議会が当該業務に当たれるよう支援することが必要だと考えます。  十六ページをお願いいたします。  ソーシャルミックスやミックス居住に関して、例えば国土交通政策研究所の報告書では、地域社会の形成には社会住宅を特定の地域に集約せず分散させ、バランスの良い社会を構築することが重要との趣旨が書かれています。また、厚生労働省内の検討会でも、生活困窮者自立支援を通じた地域づくりが大きな目標に掲げられ、共に住まい、暮らすことを互助で支え、生活困窮者が支えられるだけでなく支える側に立つ、そういう地域全体の在り方が求められています。  十七ページをお願いいたします。  続いて、こうしたソーシャルミックス実現の手段として、アメリカの低所得者向け家賃補助の考え方があります。住宅選択を可能にするセクション8プログラムという連邦政府の施策です。  アメリカでも各地域で家賃が違うわけですが、各地域の住宅公団が標準家賃というものを決め、その分の家賃を賃貸人は受け取る、そして賃借人は自らの収入の三〇%まで家賃として支払う、その差額に関しては連邦政府が家賃補助を入れるというものです。賃貸人は適正な家賃の安定収入が保証され、賃借人は様々な地域で居住できることになります。これによってミックス居住が可能となり、ソーシャルミックスの実現につながるというものです。  最後になります。  十八ページですが、ホームレス状態から地域で住宅を得て安定した方は、今現在ホームレス状態にある方々のニーズをよく理解できるわけですから、彼らを支える人になることができます。かつて要配慮者だった方々が配慮する側として地域の重要な人的資源になるということです。これは低所得者や被災者、高齢者、障害者、子育て世代など、他の様々な層でも起こり得ることで、本法はこれを実現する可能性を持つという認識を是非持っていただきたいと思います。  まとめますと、本法は、住宅供給のみならず、包摂的な地域づくり、持続的なまちづくりに資する可能性を持つものであり、都市経営の戦略としても、本法がソーシャルミックスという大きな理念を背景に持ち、また各自治体において多様性ある社会が実現されるよう、国が主導的役割を果たし、必要な支援施策を実施することが求められていると考えます。  以上、駆け足でしたが、四点について私から申し上げました。  御清聴ありがとうございました。

増子輝彦民進党・新緑風会

○委員長(増子輝彦君) ありがとうございました。  次に、塩崎参考人にお願いいたします。塩崎参考人。

塩崎賢明立命館大学政策科学部特別招聘教授

○参考人(塩崎賢明君) 立命館大学の塩崎です。  お手元に数枚のメモをお配りしてあると思いますが、それに沿って、大きくは二点についてお話ししたいと思います。  まず一点目は、今回のこの法改正全体についての私の意見です。  今回の改正法案を見ますと全六十四条になっていますが、現行法は十二条なんですね。物すごく大きく条文が増えていますが、中身の大半は、住宅確保要配慮者円滑入居賃貸住宅事業に関するものが三十二条と半分を占めていて、ほとんどがそこに費やされている。すなわち、今回の法改正の主眼は空き家を活用した住宅登録制度の創設という点に置かれていると、こう考えます。  ところが、この住宅セーフティーネット法というものは、本来、住生活基本法の基本理念を実現するという役割を担っているものであります。住生活基本法の理念は四つあるわけですが、その四番目が居住の安定の確保ということであって、住宅セーフティーネット法はこの四番目の理念を実現する役割を担っていると考えます。  住生活基本法の具体的な施策としましては、住生活基本計画、全国計画が昨年閣議決定されました。ここには八つの目標が掲げられているわけですが、そのうちの三番目が住宅の確保に特に配慮を要する者の居住の安定の確保ということに置かれています。  したがいまして、住宅セーフティーネット法の役割は、住生活基本法の理念を実現し、かつ住生活基本計画で掲げられているこの三番目の目標を実現するというところにあるだろうと考えられますが、今回の法改正はこの基本理念や住生活基本計画の目標三に対応していて、新しく住宅セーフティーネットの制度を設けるという点は、これらの基本理念や目標三を達成する上では一つの大きな前進だというふうに評価はできると思います。ただしかし、基本理念の四番目や目標の三番目を実現する上でこれで十分かというと、十分でないところがあるというのが私の意見です。  その一つの理由は、基本計画の目標には四つの基本施策が掲げられているんですけれども、今回の法改正はそのうちの二つについて対応はしています。すなわち、住宅確保要配慮者の増加に対応するために空き家の活用を促進するとともにというのが一つ目。二つ目が、民間賃貸住宅への住宅確保要配慮者の円滑な入居を促進するため云々と。こうした点には対応しているんですけれども、三番目の公営住宅、UR賃貸住宅等の公的賃貸住宅を適切に供給するという施策についてはほとんど言及がないわけですね。  現在、公営住宅に対する応募倍率は全国で五・八倍、東京都では二十二・八倍と言われています。なおかつ、公的住宅はこの間、この十年間で表にありますように五万戸も減少しているわけですね。公営住宅をどんどん建てるということは財政的に厳しいことはもちろん分かっているわけですけれども、法においても計画においても適切に供給すると、こう述べていますし、現実に減っているわけですから、これに対する対応というものが本来求められるだろうと思うんですね。この点がちょっと欠けているんではないかなということです。  この点については、衆議院の委員会で国土交通大臣が、この役割はいささかも低下するものではないということをおっしゃっておられまして、この点、衆議院の附帯決議にも付記されているわけですけれども、本来、法改正にきちんと位置付けるべきではないかなというのが私の意見です。  二つ目に、この新しい住宅セーフティーネット制度ですけれども、登録住宅制度なんですが、現状の住宅確保要配慮者の困窮状態を解決するのに十分なのかという点でやや疑念があるということです。  例えば、収入五分位以下の世帯だとか公営住宅以外の借家に住んでいる人たちの数だとか、あるいはその中で特に高家賃負担をしている世帯の数だとか、こういうものを見比べますと膨大な数があるわけですね。少ない数見ても二十八万世帯ぐらいあるんですけれども、今回の登録住宅の計画では二〇二〇年までに十七万五千戸、年間五万戸という目標を掲げているわけで、その間に大きなギャップがあるんじゃないか。なおかつ、自主的な任意の登録制度なので、どこまで計画がちゃんと行けるかという辺りも不安があります。また、家賃低廉化措置というのが設けられているんですけれども、先ほど土肥先生もおっしゃいましたけれども、初年度三億円という予算で、恐らく登録住宅全部が実現したとしてもその二〇%若しくは一〇%程度しかこの恩恵が受けられないという点でやや不安があります。  それから、本法案で私が注目すべき、評価すべき点だと思うのは、都道府県計画や市町村計画がきちんと導入されているということで、ここにきちんとした公的住宅も含めた計画が都道府県や市町村で計画されることが大変重要だと思います。  時間がなくなってきましたので、二つ目の大きな問題は、被災者の居住の安定の確保の問題であります。  改正法案の二条では、被災者を住宅確保要配慮者として位置付けているんですけれども、括弧三年に限るという限定が付いているんですね。しかし、私は、この現在の東日本大震災やあるいは熊本の、熊本はまだ一年ですけれども、状況を見ていますと、災害発生から三年を経過していないものに限るという限定は現実に合わないだろうというふうに思います。この点についても既に議論がされていて、法ではそうなっているけれども、実際、現実に被災者で住宅困窮に陥っている人に対してはそれなりの支援措置を講ずるということをおっしゃっているわけですけれども、私は本来、本法の本則においてその点を改めて、被災者を三年に限るというふうにしない方がいいのではないかなというのが私の意見です。  この点に関してはいろいろ細かい議論がありまして、私はどうして今回新たに三年に限るということを導入したのかということについてやや疑問、疑念を持っているわけですけれども、これは、公営住宅法における規定だとか被災市街地復興特別措置法における規定だとかに関連して、それと整合させているのだという説明もあるわけですけれども、私は、その点はちょっと時間がないので詳しくは申し上げられませんが、多分そういう整合性を取る必要はないだろうというふうに思います。今回の法改正は、公営住宅の入居資格だけに関したものではなくて、民間賃貸住宅に住宅確保要配慮者の人たちをどのように入居していただくかということを含んでいるわけですから、その点でいいますと、公営住宅の入居資格だけに整合させる必要はなくて、広く捉えるべきだろうというのが私の意見です。  被災者は、三年を経過しても居住の安定に大変難渋しているという現実があります。これは、東日本大震災で今も十二万人が避難し、五万人以上が仮設住宅に暮らしています。六年たってもこの状態なのでありまして、東日本については東日本大震災特別区域法があって、十年間、すなわち二〇二一年三月三十一日まで延長されるということになっております。この点では一定の安心材料があるわけですけど、しかし、果たしてその時点で問題が全部解決しているかというと、福島原発からの被災者の人たちのことを考えると、やや不安が残っているところであります。  また、阪神・淡路大震災から既に二十二年が経過しているわけですけれども、ここでも同様に被災者が居住の安定に難渋しているという問題が起こっています。これは具体的には、借り上げ公営住宅、借り上げた公営住宅を災害公営住宅として提供しているものがおよそ七千戸ぐらいあったわけですけれども、この借り上げ公営住宅というのは、県や市が民間若しくはURから借り上げて、それを転貸するという形で公営住宅として活用しているわけですけれども、この借り上げているときの賃借契約が二十年で切れるということがございまして、もう二十年既にたっているわけですけれども、入居している人たちに対して退去を求めているわけであります。  ところが、実際には、入居した人たちは入居当初にその話を聞いていないという人もいっぱいいるわけですね。あるいは、使用契約書の中に全く書かれていないという人もいっぱいいて、突然この話が降って湧いて、もう八十を超えるような人たちは目先真っ暗という状態ですね。もちろん、あっせんして別のところに移ってくださいということはしているわけですけれども、多くの人は、自分のかかりつけのお医者さんだとか、隣近所の人たちと助け合ってその日その日を暮らしているというような生活状態にあるわけなので、箱物としての住宅がどこかにあるよと、こう言われても、生活全体が成り立ち行かなくなるという、こういう問題を抱えておりまして、私はこれを強行するのは大変問題だなと思っています。  現在は、神戸市や西宮市では、出ていかない人たちを裁判に提訴して、強制退去に近いような形が行われようとしている、こんな問題もありまして、被災者の人たちが三年で居住の安定が確保できるということにはなかなかならないというふうに思います。  もう一つは、将来のことですね。南海トラフの巨大地震が三十年以内にほぼ確実に、七〇%以上の確率でやってくると。死者三十二万人とか、全壊、焼失が二百三十八万棟といった被害が予測されています。仮に三十二万人が半分に減ったとしても、残った人の大半は住宅がなくなるわけですね。これは東日本よりもはるかに大きな規模でそういう事態が起こるわけですから、この人たちが三年で居住の安定を確保できるかというと、恐らくそうはならないだろうと。  現在、東日本、熊本でみなし仮設住宅というのが大量に導入されています。多分、首都直下や南海トラフでもそういうふうになるだろうと思いますが、このみなし仮設住宅というのは、先ほど申し上げました借り上げ公営住宅とちょっと似ているわけですね。民間から借り上げたものを仮設住宅として提供するということで、その間は家賃は国費で支給されるわけですけれども、一定の期限があります。ずっと永遠にというわけにはいかない。  今、もうすぐ家賃支給がなくなるということで、住み慣れたみなし仮設住宅からまた移らなくちゃいけないという事態に直面しているわけですけれども、こういう問題を解決するには、私は家賃補助制度がどうしても要ると思うんですね。その場において、全額支給ではなくても、自ら払える公営住宅家賃並みの家賃で生活ができるようにするという、そういう措置が講じられれば、みなし仮設住宅に住んでおられる被災者の人たちの居住の安定確保はある程度図られるのではないか。  こういう点から見ましても、家賃補助制度の導入というのが、先ほど土肥先生もおっしゃいましたけれども、この住宅セーフティーネットの仕組みの中にどうしても導入することが必要なのではないかなというふうに思います。  以上で私の意見を終わります。どうもありがとうございました。

増子輝彦民進党・新緑風会

○委員長(増子輝彦君) ありがとうございました。  以上で参考人からの意見の聴取は終わりました。     ─────────────

増子輝彦民進党・新緑風会

○委員長(増子輝彦君) この際、委員の異動について御報告いたします。  本日、山添拓君が委員を辞任され、その補欠として仁比聡平君が選任されました。     ─────────────

増子輝彦民進党・新緑風会

○委員長(増子輝彦君) これより参考人に対する質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

石井正弘自由民主党・こころ

○石井正弘君 自由民主党の石井正弘でございます。  今日は、参考人の皆様方、大変お忙しい中御出席をいただきまして、また、先ほどは貴重な御意見、御提言を頂戴いたしました。与党側の筆頭理事といたしましても厚く御礼を申し上げる次第でございます。  それでは、順次御質問させていただきますので、できるだけ簡潔に御回答いただければと思っております。  まず最初に、中川参考人にお伺いをさせていただきたいと思います。  中川参考人は、御案内のとおり、国土交通省の中に設けられました有識者を委員といたします小委員会、新たな住宅セーフティネット検討小委員会、このメンバーとして、特に委員長代理という役職に就かれましての提言をまとめられたということでございまして、本法案を作成する際の一つの大きな原動力として様々な役割を担われてきたということでございまして、敬意を表させていただきたいと思います。  そこで、その立場から先ほど御意見、御提言をお聞かせいただいたわけでございますが、特にその中で、この法案の今後の成否を握っているのが、地方公共団体が中心となってこの法の執行、運用というものをいかに図っていくかということ。お話しのとおり、地方公共団体以外に、居住支援協議会のメンバーといたしまして多くのNPO法人等々活動されるわけでございますが、こういった地域の様々な課題があるわけでございますが、まずはその課題をいかに、地方公共団体、住宅確保要配慮者がたくさんいらっしゃるということを認識して政策を立案して実行していかなきゃいけないという、その認識を、意識を高めていただくということが大変重要かと。そして、そのリーダーとして地方公共団体の活動が期待されるわけでございますが、その点に関しまして、具体的に、中川参考人、どのような政策を、これから執行段階になるわけでございますが、講じていったらいいかということにつきまして御意見をお伺いいたしたいと思います。

中川雅之日本大学経済学部教授

○参考人(中川雅之君) 簡潔にお答えさせていただきます。  基本的に地方公共団体が課題認識、戦略を練っていくということにつきましては、余り画一的な何か情報の提供とか教え方というのは多分できないと思いますので、恐らく地方公共団体が、先進的な地方公共団体がどのように取り組んでどんな結果があったのかということをお互いに情報交換する、要するにお互いに教え合うという場が一番重要なのではないかなと、そのように考えております。

石井正弘自由民主党・こころ

○石井正弘君 ありがとうございました。  まさにそのとおりだと思いますね。しっかりとこれは国土交通省におかれましても、優良あるいは先進事例をどんどんこれからも様々な場面で発表していただく、提言していただくということをお願いをいたしたいというふうに思うわけでございます。  続きまして、土肥参考人にお伺いいたしたいと思います。  ホームレスについて大変研究をされているということでございまして、敬意を表させていただきたいと思います。  私も川崎市におけるこの研究事例、興味深く読まさせていただきましたけれども、このホームレスの問題は、御案内のとおり、二〇〇二年にホームレス自立支援法が制定されまして、政策がいろいろ推し進められているわけでございますが、今回の法案の中にホームレスも明記すべきであるという具体的な御提言を頂戴したわけでございますが、そのような御提言と、それから今申し上げた二〇〇二年のこのホームレス自立支援法、これをより一層充実強化していくというそのアプローチと、二つあろうかと思うんですが、その充実強化のアプローチについての御意見がもしもございましたら、お願いいたしたいと思います。

土肥真人東京工業大学環境・社会理工学院建築学系准教授/一般財団法人エコロジカル・デモクラシー財団代表理事/ARCH(Advocacy and Research Centre for Homelessness)会員

○参考人(土肥真人君) 御質問ありがとうございます。  ホームレス自立支援法ですけれども、今審議中だと思うんですが、今年の八月に失効することになっておりますよね。ですから、もしもこれが失効してしまうと、本当に幾つかの点で重要なことができなくなってしまう。ホームレス自立センター等の事業は、既に生活困窮者自立支援法に移っているというふうに聞いておりますけれども、概数調査ですとかあるいはホームレス自立基本計画を各自治体が立てること等が抜けてしまうんですね。  一番大事なことは、ホームレスとは何かという定義がなくなってしまうと。ホームレス自立支援法の中では、例えば本法に関係いたしまして居住支援協議会が言及されております、国交省と厚労省の両大臣が書いている方針の中にそれが出てまいります。それから、ホームレスのこともそちらで出てきます。ですから、一つは、是非そのホームレス自立支援法は僕は延長できたらいいなと思っております。  それと、この住宅セーフティーネット法ですけれども、先ほどちょっと申しましたけれども、大きく違うのは、ハウジングファースト、住宅をまず人々の権利として、基本的な権利として供給すべきだと。そのしかる後に様々な自立への支援を提供する、こういうことができる非常に貴重なスキームだと思っております。これが実現できますと、ホームレスというと皆さん長いこともうずっと路上におられる方を考えるかもしれませんけれども、本当に一晩二晩、家さえあれば自分で働いて社会に貢献できる方もたくさんおられるんですね。こういう方のことを考えますと、この法律で住宅が提供されるということが実現されますれば、先ほどのホームレス自立支援法と相まって大変すばらしいと、そういうふうに考えております。

石井正弘自由民主党・こころ

○石井正弘君 ありがとうございました。貴重な御意見だと思います。  それでは最後に、塩崎参考人にお伺いいたしたいと思います。  先ほども大変貴重な御提言いただきました。私も、日本住宅会議理事長とされましての居住貧困と住宅政策という論文も読まさせていただいた次第でございます。  具体的に今日御提言いただいたわけでございますが、まずは、その公営住宅とかUR賃貸住宅、この役割、今まで果たしてきた役割、これを、今回の法律ができるわけでございますが、そのことを更に、公営住宅等々の供給を更にこれからもしっかりやっていくべきだということもおっしゃられたわけでございますが、一方で、地方財政、国もそうでございますが、財政的に大変厳しいし倍率が非常に高いということは、そこに住んでいらっしゃる方はそれなりの意義はあるんですけれども、希望してもなかなか入れないという実態もまたある。  こういった中にありまして、こういった直接、公的な住宅を供給していくというこの政策、これの今後の在り方につきまして様々な制約があるということも先ほど申し上げた次第でございますが、それと今回のような民間の賃貸住宅を有効に活用する政策とのバランス、それを今後の公的住宅の在り方の中で御意見ございましたら、お示しをいただきたいと思います。

塩崎賢明立命館大学政策科学部特別招聘教授

○参考人(塩崎賢明君) どうもありがとうございます。  おっしゃるとおりで、結構難しい問題だと思いますが、結論からいいますと、私は家賃補助とそれから直接供給のバランスを総合的に考えるべきだと思うんですね。実際も全国で八百万戸も空き家があったり、その他空き家も半分ぐらいあると思うんですけれども、そういう中で、ハード的にたくさん物を造っていくというのが必ずしもいいとは言えないというふうに思います。  また、公営住宅も、被災地なんかで今見てみますとやはり制限がありまして、部屋の大きさもそこそこ狭いわけでして、必ずしもどこの地域でも自分たちの生活に合致するとは限らないので、やはりその人たちの生活に合ったものを提供するということが重要で、対して、その際、アフォーダビリティーといいますか、自分が家賃が支払えるかとか取得できるかという問題があるので、その部分についてやっぱり家賃補助というシステムが有効だと思うんですね。  どの地域でどれぐらいのものを直接供給し、どのぐらいの家賃補助を行うかというのは、これは個別に検討しないといけないと思うんですけれども、そこの総合的な検討が大変重要なんではないかなというふうに思います。

石井正弘自由民主党・こころ

○石井正弘君 ありがとうございました。大いにこれからの議論に参考にさせていただきたいと思います。  終わります。

鉢呂吉雄民進党・新緑風会

○鉢呂吉雄君 民進党の鉢呂吉雄です。  今日は、参考人の皆さん、御多用のところ、当委員会に御陳述、また、いろいろ私どもに御教示いただきまして大変ありがとうございます。  私もいろいろ勉強させていただいてまいりました。今の塩崎参考人の御答弁にあるいわゆる公営住宅との関係で、中川参考人と土肥参考人、お二人に同じような形でお聞きをいたしたいと思います。  今回のこの小委員会、中川参考人、委員長代理ということでありますけれども、このまとめ、二月に行われたんですけれども、検討の基本的な方向性という中で、新たな今回の法律に基づくセーフティーネット住宅は公営住宅を補完するものと、こういう位置付けをしております。必ずしも大臣は、衆議院の論議、先ほどありましたけれども、そこは明確にしておりません。あのような倍率が高い中で、また、先ほどお話ありました非常に給与、賃金が下がるという状況の中で、公営住宅の必要性というのはどういった見方を取るのか、それをお二人にまず御答弁いただきたいと思います。

中川雅之日本大学経済学部教授

○参考人(中川雅之君) 小委員会の報告の中での公営住宅を補完するセーフティーネット制度というようなお話、御指摘をいただいて、その中で、全体のセーフティーネット制度の中でどういう公営住宅の位置付けをするのかという御質問だと理解しておりますけれども、私自身、住宅のセーフティーネットというものにつきましては、公営住宅を含むより多様な政策によって確保すべきものだと考えております。  そういう意味で、やはり非常に厳しい状態に置かれているような方について地方公共団体が直接低家賃の住宅を造る公営住宅、それは、何というか、大切さとかコアになる部分というのは私は揺るいでいないと、しかも一定の効果を果たしてきたということは私は高く評価しているものでございます。  ただ、基本的に、それ一本でいいのか、住宅セーフティーネット制度というような趣旨から、より多様でより広いものを対象にしたセーフティーネット制度をつくり上げるという観点から補完をする、そういうことを多分小委員会の報告の中では述べさせていただいているというような認識で私はおります。

土肥真人東京工業大学環境・社会理工学院建築学系准教授/一般財団法人エコロジカル・デモクラシー財団代表理事/ARCH(Advocacy and Research Centre for Homelessness)会員

○参考人(土肥真人君) 公営住宅ですけれども、これは基本的に私もそんなに減らすべきではないと。ただし、先ほど塩崎先生からもありましたけれども、既にたくさんの住宅のストックがありますので、これを活用するのは大変いいんではないかと。  もう一つは、それを行いますと、家賃補助の方で行いますと、様々なところにこの住宅確保要配慮者の方が住まわれることになる、このことが、どこか都市の中の一部に公営住宅を造って、そこに集まって住むということとは違う効果をもたらすと。  これは是非、都市的観点ということなんですけれども、ですから厚労省というよりは国交省の感じなんですけれども、都市的観点から見て、様々なところに様々な属性の方々が住まわれるということ、このことを戦略的な観点から見ていただきたい、この法律はそれを実現できる可能性があると、そういうふうに考えております。ソーシャルミックスが経済活動及び人々の交流を活性化させて都市の力を増すと、こういう観点でこの法律のポジティブな面を私は評価しております。  以上です。

鉢呂吉雄民進党・新緑風会

○鉢呂吉雄君 この公営住宅を補完するものとしての位置付け、したがって民間の空き家等を賃貸登録制にするという法律の内容だと思いますけれども、一方、賃貸人は様々な拒否感があると、これは調査で出ています。高齢者あるいは独居の高齢者、障害者に対する拒否感が非常に高いと。そういう中で、本当に登録制がスムーズにいくのか、この点について、三人の方。  そして、家賃補助というのが、補助制度としてはつくったのでありますけれども、従来の例えば公営住宅法あるいは特定優良賃貸住宅法においても家賃の補助については法律できちんと明記されております。今回はそれが明記されないで、単なる行政の補助という形で、本当に賃貸人の皆さんにインセンティブが働いて登録がきちんと出てくるのか。  私は、この十年間の国の住宅政策を見て、必ずしもうまくいっていないと。今回も非常に法律的には弱い形で、家賃の補助なんかも三億円です。下半期、八月からだけということでありますけれども、目標についても定かに出ておりません。  そういう中で、お三人の方に、このような状況で本当にインセンティブは働くのか、家賃補助については法律の明記が必要ないのか、これをお答えいただければ有り難いと思います。

中川雅之日本大学経済学部教授

○参考人(中川雅之君) 二点御質問あったと思います。  登録住宅制度がうまくワークするかという話でございますけれども、非常にやはり難しい問題はあるということでございます。高齢者あるいは一人親家庭に対して拒否感があるということにつきましては、そもそもそういった方が入ったときに、生活支援とか見守りとか、そういうサービスがそもそもないので、大家さんが過大なリスクを負ったりその責任を負ったりするかもしれないと。逆に、入れていただける大家さんがいらっしゃらないからそういうサービスも育っていない。そういう協調の失敗みたいなものがあったので、それについて今回、居住支援協議会のようなチームあるいはそのタッグを組むというような仕組みが導入されたので、是非それはうまくワークするようなモデルとして運用していただければと思っております。  それから、家賃補助、これにつきましては、私は、法律補助にするか予算補助にするのかということは余り大きな点ではないんではないかなと私は考えております。どちらかというと、必要な方に必要な補助が行き渡る、そういう予算の実質を確保するということにこれから力を傾けていただきたいと、私はそのように考えております。

土肥真人東京工業大学環境・社会理工学院建築学系准教授/一般財団法人エコロジカル・デモクラシー財団代表理事/ARCH(Advocacy and Research Centre for Homelessness)会員

○参考人(土肥真人君) 御質問ありがとうございます。  まず、登録制が機能するかということですけれども、現在の予算補助としての金額等を見ると、先ほどから申し上げておりますこの法律が持っている可能性、都市の戦略としてを見るという意味では非常に弱いと考えております。  僕は、行政組織の中の言葉遣いはよく分かりませんけれども、必要ならば認定制度に持っていって法律補助に付け替えていく、こういうことが真剣に考えられるべきではないかと思います。  額に関しても、これはもちろん私の私見ですけれども、本当に二桁ぐらい違うのではないかと。住宅扶助に匹敵するぐらいの家賃補助があると公営住宅と社会住宅としての民間賃貸住宅のバランスが取れて大変良くなるんじゃないかと。これは、決して、ただただ困窮者を支援するということではなくて、それプラス将来の都市への投資として考えたいと、このように考える次第です。  もう一つ、大家さんの賃貸人の拒否感ですけれども、これも中川先生がおっしゃられたとおりで、さっき僕も申しましたけれども、入居後の支援サービスというのが必ず必要になると、これはもう申し上げたとおりでございます。  以上です。

塩崎賢明立命館大学政策科学部特別招聘教授

○参考人(塩崎賢明君) 私も、この登録制度が目標どおりにスムーズにいくかという点については大変不安を感じています。やはり、任意の自主的な申出によって登録を認めるみたいなことなので、そのとおりいくかどうかというのは相手次第みたいなところがあるわけですけれども、ただ、私は、賃貸人の中には、全く個人の方と、それから賃貸業を営んでいる方とでは随分違うと思うんですね。個人で親から引き継いだ家があるけれども空き家にしているというような方は、必ずしもこれでインセンティブが働いて登録しようというふうになるかどうかはクエスチョンな感じがします。  だけれども、今賃貸物件で余っているもの物すごくたくさんあるわけで、どんどん増えているわけですね。その部分については、行政がここまでやってくれるならビジネスとして成り立つかなというふうに気持ちが働くようにすれば、一定数は行くんじゃないかなと。そこのところは僕はちょっと見定めができないですけれども、そんなふうに見ていて、個人で自分の家が空き家になっているのをどうするかという人についてはなかなかそういかないんじゃないかなという気がします。  これは、私自身も実を言いますと生活保護の母子世帯に自分の元住んでいた住宅を貸しているという経験があって、これ、なかなか大変なんですね。そういうことを引き受ける気に、お金によっぽど困っていなかったらなかなかならないというのが実感です。  それから、家賃補助のことについて本法に明記すべきかどうかということについては、私はした方がいいとは思うんですけれども、それはなぜかというと、結局、予算を確保する場合の役所内部での一つの担保になるからという意味であって、中川先生おっしゃったように、きちんと予算が毎年毎年確保されていくならば別にこだわる必要はないわけですけれども、そこに不安があるので、きちんとこの制度における家賃補助というのが大変重要なファクターだということを示す意味では明記した方がいいのではないかなというのが意見です。  以上です。

鉢呂吉雄民進党・新緑風会

○鉢呂吉雄君 ありがとうございました。  終わります。

高瀬弘美公明党

○高瀬弘美君 公明党の高瀬弘美です。  今日は、参考人の先生方、大変貴重なお話ありがとうございました。それぞれの先生方に御質問をさせていただきたいと思います。  まず、中川参考人にお伺いをいたします。  最後の評価の部分で、今回の法案で多様なプレーヤーが出てくるということで、大家さんであったりNPOの方であったり、その執行の適切性の確保が大事だというお話の中で、監督をしていくことが重要というお話がありました。この監督、もちろんやっていく必要あると思うんですけれども、このプレーヤーの皆さんが民間ということもありまして、どのような形で監督をしていくことが一番望ましい形なのかということをお教えいただければと思います。

中川雅之日本大学経済学部教授

○参考人(中川雅之君) 基本的に、何といいますか、宅建業法なり業法にその根拠があるような民間主体であれば、その業法の中でいろんな措置ができますけれども、今回、登場が予定されている民間企業の方あるいは社団法人ですとか、そういった方の中には、必ずしもその業法でいろんな監督規定とか指導とか、そういう権限がない場合が恐らくあるんではないかなと思っております。それくらい多様なことが予定されていると。  そういう意味で、このセーフティーネット法の中に空き家の登録制度ですとかあるいは賃貸人への指導監督ですとか、この法律の中でいろんなその指導監督とかあるいは登録を取り消すとか、そういう、何といいますか、制度が用意されておりますので、それの執行を恐らく適正にしていくということが非常に大切なんではないかなと。それは、どういうものが適切な法の運用なのかということにつきまして、是非、国、地方公共団体、法を運用していく立場の執行の知見を高めていく、事例を高めていくというようなその努力を今後とも期待させていただければと思っております。

高瀬弘美公明党

○高瀬弘美君 ありがとうございます。  次に、土肥参考人にお伺いいたします。  先ほどホームレスのお話をいただいた中で、今回、この住宅法案で住宅を確保するとともに、福祉行政との連携というのが非常に重要だというお話があったと思います。住むところをまず確保した上で適切ないろんな支援をしていくということで、例えば仕事が見付かるように就業支援をしたり、あるいは医療が必要な方には医療支援したりと様々あると思いますが、また個別の例によってその支援も変わっていくと思いますけれども、何を第一に、行政側として何を優先してこの福祉支援の部分やっていくべきかということ、もし御意見がございましたら、お教えいただければと思います。

土肥真人東京工業大学環境・社会理工学院建築学系准教授/一般財団法人エコロジカル・デモクラシー財団代表理事/ARCH(Advocacy and Research Centre for Homelessness)会員

○参考人(土肥真人君) ありがとうございます。  住宅確保要配慮者全体に関しては、私もとてもお答えできる知見がないのですけれども、ホームレスの方ということに関して言いますと、これは、本当に様々ないわゆるホームレス状態からの脱却の阻害要因というのがあると言われております。精神障害あるいは発達障害、それからアルコール依存あるいはギャンブル依存等の医療的な措置が必要な支援、これは非常に多いと思います。それから、それの原因としまして、生活自体を、お金の使い方ですかね、その生活支援というのも必要なんだと思います。  先ほど申しましたけれども、特に若い若年層の方には就労支援というのは極めて重要で、もうすぐに働き出せる方がたくさんおられます。そうすると、彼らは逆に社会を支える側にすぐに回れることになると思います。これが、ただ、一時期空いてしまいますと、すぐにホームレス状態から家に入ってそういう支援が受けられればそのまま戻るんですけれども、そうでないと、逆になかなか出てくるのに本人も大変だし社会としてもコストが掛かってしまうということですので、今回は、居住支援協議会ないしは居住支援法人の中にできるだけ従前からのサポート、あるいは入居後にすぐにサポートが入る、そういうことが望ましいと申し上げました。  以上です。

高瀬弘美公明党

○高瀬弘美君 ありがとうございます。  今回、本当に住宅だけでなく福祉の部局にも関わっていただくというところが非常に肝になっていく部分ではないかなと私も思っております。  では次に、塩崎参考人にお伺いをいたします。  先ほど、被災者の皆様の住居の確保のことにつきまして、被災者を三年というふうに限るのは現実に合わないというお話がありました。また、阪神・淡路の方では借り上げの災害公営住宅は二十年という期限が付いていたということで、これを知らなかった皆さんが今大変な思いをされているというお話がございました。これはもう本当、おっしゃるとおりだなと思ってお聞きをしておりましたが、一方で、この住宅にいつまで入れるかという一定の期限あるいは目標があることで、生活を自分で自立してやっていこうという目標にもなっていくという部分もあるかと思います。  もちろん、お年寄りの方であったり年金暮らしの方であったり、御自身の力で生活を変えていくことができない方は別としましても、ある一定程度、やはりこの時期までに住居を出ないといけないという目標は必要なのかなと思いますけれども、この期限といいますか、こういう被災された方々に住居を提供する場合に、何年ぐらいを目安に、あるいはどれくらいの目標を差し上げることが一番適切なのかという点、お教えいただければと思います。

塩崎賢明立命館大学政策科学部特別招聘教授

○参考人(塩崎賢明君) その期限を一律に設定するのはなかなか難しいというのが、余り答えにならないんですけれども、率直な感想です。  むしろ、そういう住宅にいつまでもいたいというふうに思うんではなくて、自分はもっといい形で生活を再建したいというふうに誘導するというか、そういう施策を打っていくことによって、期限そのものに迫られて出ていくというのではなくて、自発的に自分が生活再建により望ましい形を求めていくというふうに、そういう施策を打つことが大事なんではないかなと思います。  先日、イタリアに行ってきたんですけれども、そこで仮設住宅に入っている人に期限聞いたら、ないと言うんですよね。だけど、周りはいっぱい空き家が出てきているわけです。こんなところにもういたくないという人はどんどん出ていっているわけだけれども、出ていけない人は、いつまでに出ていけというふうには言われていないというようなことを見まして、ああ、そういうのもあるのかなと思いました。  ですから、期限を一律に決めて、一定の力がある人はそれでいいんだけれども、なかなか自立できない人たちに対してはそれは非常に厳しい追い立てに近いような圧力になるので、一律に決めることについてはなかなか難しいなというふうに思います。

高瀬弘美公明党

○高瀬弘美君 ありがとうございます。  大変貴重な御意見であったと思います。  もう一度、土肥参考人にお伺いをしたいんですけれども、お話の中で、今回新しく住宅が登録住宅となっていくわけでありますけれども、その登録住宅となったものがどれだけ効果的に使われているかということは、目標を定めて、またその効果をしっかり検討していくということが重要だというお話あったかと思います。  私も、この点、非常に重要だと思っておりまして、空き家を何でもかんでも登録すればいいというわけではないと思いますし、目標を立てて、その政策効果をしっかりと検討していくという部分につきまして、どのような形でそれを行っていくことが望ましいと思われるか、お教えいただければと思います。

土肥真人東京工業大学環境・社会理工学院建築学系准教授/一般財団法人エコロジカル・デモクラシー財団代表理事/ARCH(Advocacy and Research Centre for Homelessness)会員

○参考人(土肥真人君) これは、現在、国交省で作られている資料の、KPIですか、キー・パフォーマンス・インジケーターというのを見ますと、二つありまして、二〇二〇年までに十七万五千軒を登録すると、それからもう一つが居住支援協議会ですね、これは八〇%まで自治体上げていくという、この二つなんですけれども、登録という意味ではこれでいいのかもしれないけれども、それが実際にどう使われたかというのこそが重要なのでありまして、やはりこの要配慮者という方々の様々なカテゴリーの方がどれぐらい入居されたかということが重要な政策目標及び政策指標になると思います。  例えば、私が今やっておりますARCHでは、二〇二〇年の東京オリンピックのときにホームレスの人をいかに社会に包摂できるかというのを世界が注目していると思っております。十七万五千軒のうち何軒が東京にできるか分かりませんけれども、そのうちのまた何軒がホームレスの方に提供されるか分からないけれども、その数あるいはそのスキームというのはオリンピックのレガシーとして是非世界に残していきたいと、そういうふうになればいいな、それから、世界はそういうことを注目しているというふうにARCHとしては考えております。  この法律には非常に期待しているところでございます。

高瀬弘美公明党

○高瀬弘美君 大変貴重な御意見ありがとうございました。  以上で終わります。

行田邦子無所属クラブ

○行田邦子君 無所属クラブ、行田邦子です。よろしくお願いいたします。  本日は、お三方の参考人の先生方には貴重な御意見賜りまして、ありがとうございます。  まず最初に、中川参考人に伺いたいと思います。  先ほどの中川参考人の陳述の中でもありましたけれども、地方公共団体が公営住宅ストックを抱え続けて、またそれを管理をするということ、財政的に考えればこれはなかなかの負担であろうというふうに考えておりますし、今後拡大するということはなかなか現実的ではないということ、私もそのとおりだと思っております。  ただ、やはり公営住宅の必要性というのはもちろんあるわけでありまして、これを、地方公共団体が責任主体となって民間などの力をうまく借りて、そして地方公共団体の整備、管理の負担を軽減できるような何か新しい公営住宅の整備、管理の在り方がないかと考えているんですが、その点いかがでしょうか。

中川雅之日本大学経済学部教授

○参考人(中川雅之君) 済みません、具体的なアイデアがあるかというと余りここで申し上げることはないんですけれども、基本的に公営住宅の建て替えとかあるいはその更新に当たりまして、PFIとかPPPとか、そういうものと連携をすることで財政資金を確保してそれで建て替えていくというような、そういう手法が今研究されており、あるいは実施されておりますので、そういうところに大きく期待したいと思っております。  あともう一点は、例えば学校などでも、学校施設を管理し続けるということはかなり非常に大きな負担になっておりますので、例えばその中でも特に維持管理費が高いものは何かというと、プールだと言われています。ですので、民間のスポーツクラブと連携するような形で、そのような維持管理費の高い施設につきましてはアウトソースしていくというような、そういう取組もございますので、公営住宅に限らず、公共施設の効率的な管理手法というものを是非これからも勉強して、それを実施していくことを私は期待したいと思っております。

行田邦子無所属クラブ

○行田邦子君 ありがとうございます。  続きまして、土肥参考人に伺いたいと思います。  最も住宅確保に支援が必要なのはホームレスであるということ、本当におっしゃるとおりだなというふうに感じながら伺っておりました。  ただ、伺いたいんですけれども、今回用意されています新たな住宅セーフティーネット制度なんですけれども、これができたとして、本当にホームレスが住宅を円滑に確保できるのかと、ちょっと私は疑問だなというふうに思っていまして、やはりいろいろなインセンティブを大家さんに対して用意をしても、それでも拒否感が強いんではないかなというふうに考えておりますが、その点いかがお考えでしょうか。

土肥真人東京工業大学環境・社会理工学院建築学系准教授/一般財団法人エコロジカル・デモクラシー財団代表理事/ARCH(Advocacy and Research Centre for Homelessness)会員

○参考人(土肥真人君) おっしゃる疑念はよく分かります。  二〇〇四年から九年だったかな、東京都の方で居宅支援移行事業というのを、このハウジングファーストのようなもの、通称三千円アパート事業というのをやっておりまして、私も伝聞だけなんですけれども、二千名近くの方が幾つかの公園からアパートに入られた。このときは、家賃は大体三万円から六万円か七万円ぐらいまでのものを借り上げて本人は三千円を払うという、そういうことだったんですけれども、定着率が極めて高かったというふうに聞いております。それから、実に三年、二年、それから一年延長して三年たった後も、半数以上の方が正規の家賃を払って、そのままそこに住み続けられたということです。  そういう実績を見ますと、大家さんも、この場合はサブリース方式というのを取ったそうですが、一括して借り上げる、その保証は基本的に公的な団体ないしはNPOが行う、それをサブリースするという形なんですね。だから、何かあった場合は、その本人ではなくて、基本的に僕は公的団体がいいと思いますけれども、ここが全体的に保証する、先ほど申し上げました福祉のサービスもここが提供すると、こういうスキームが実際に行われたことがあって、これ非常に機能したというふうに評価されています。  こういうことを活用しますれば、今回の法律でホームレスの方々が取り残されることはないのではないかというふうに考えています。

行田邦子無所属クラブ

○行田邦子君 どうもありがとうございます。  それでは、三人の参考人の先生方にそれぞれ伺いたいと思っております。  今回の住宅確保要配慮者の対象として外国人世帯も含まれていると理解をしております。外国人の世帯については、大家さんからすると最も入居の拒否反応が強いというような調査結果も出ています。様々なこれには理由があるかと思うんですけれども、必ずしも家賃の滞納のリスクといったことだけではなくて、コミュニケーションの何か不安とか、そういった様々なことが外国人世帯の入居の拒否感につながっているのかなというふうに思うんですけれども、住宅確保の施策だけではなくて、地域社会の中で外国人居住者がしっかりと根を張って、そして共生していくためにどういったことが必要なのか、お三方の参考人にそれぞれ伺いたいと思います。

中川雅之日本大学経済学部教授

○参考人(中川雅之君) 私は、二点あると思っております。  一点は、日本の、何といいますか、制度ですとか、あるいは生活慣習みたいなものを基本的に情報提供して、それを、何といいますか、地域に溶け込めるような形で交流を進めていくような、そういう支援活動が必要だろうというのが一点目でございます。  二点目は、やはり不動産を紹介するに当たって、不動産業者さんも外国人に対して適切な情報を提供できるような、そういう体制を整えていくということが恐らくこの制度の延長上でも必要になってくるのではないだろうかと、そのように考えております。

土肥真人東京工業大学環境・社会理工学院建築学系准教授/一般財団法人エコロジカル・デモクラシー財団代表理事/ARCH(Advocacy and Research Centre for Homelessness)会員

○参考人(土肥真人君) 私は、かつて、大泉町ですか、ブラジル人の方が大分住んでおられるところ、それから横浜のいちょう団地という、これはいろんな外国の方が住んでおられる、団地の二〇%以上がもう外国の方だと思うんですけれども、こういうところで研究をしたことがあります。  ここは、基本的にはやっぱり基礎自治体の方々の大変な努力が必要で、それを国が支えるということですけれども、やっぱり子供ですよね、教育が、日本語ができないということで非常に大きな壁があると。これを民間のNPOの方々が大分頑張って、あるいは教育委員会も頑張ってカバーしているというふうに聞いております。こういうことが日本の社会と多文化の、そのほかの世界とをつなぐ、それもローカルでつないでいくという意味ですばらしいことだと思うんですね。  これを、そのことを賃貸者の方に一々御理解いただくというのは難しいのかもしれないけれども、基礎自治体が、そのことが持っている自治体への価値というのを理解されて、賃貸人の方に是非それを実現されるためのサポートというのを、今回でいえば家賃補助等をしていくと、こういうことが重要ではないかと思います。

塩崎賢明立命館大学政策科学部特別招聘教授

○参考人(塩崎賢明君) 外国人の方に対する拒否感があるというのは、様々な理由があると思うんですけれども、もちろん言葉だとかコミュニケーションがしにくいというのがまずあるのと、最近は余り聞かなくなったんですけれども、生活スタイルですね。揚げ物を物すごくやってもうもうと煙を立てるとか、ごみの処理の仕方が全然違うとか、そういったことが恐らく例えば高齢の家主さんなんかにとっては大変大きな抵抗感が発生する原因だと思うんですけれども、これについても、先ほど言いましたように、賃貸業として行われる建物の場合と個人で持っておられる建物を貸すというのとでは少し違うと思うんですけれども、だんだんそういうことに対する抵抗感は減ってきているんではないかなというふうに私自身は思っています。  私、京都に住んでいますけれども、今、民泊という空き家を改装してホテル並みに貸すというのが物すごく増えているんですね。そこには外国人がいっぱい入ってきていまして、家主さんが結構お年寄りの方なんかもいるんですけれども、そうやって溶け込んでいくような傾向というのは、外国人の方も、日本というのはこういう社会だという理解が一方で進んでいって、観光もどんどん大きくなってきていますので、そういう傾向は徐々に減ってくるかなと思っていまして、自治体の側での受入れの構えがあれば、徐々にそのバリアは減っていくんではないかなというふうに思っています。

行田邦子無所属クラブ

○行田邦子君 ありがとうございました。  終わります。

室井邦彦日本維新の会

○室井邦彦君 日本維新の会の室井邦彦でございます。  参考人の方々には、お忙しい中ありがとうございます。いろいろと貴重な御意見をいただきました。後ほどの委員会でのいろいろと質疑の参考にさせていただきたいと思っております。  まず一つの質問をさせていただきまして、時間があればまた二つ目の質問をさせていただくということで、同じ質問をそれぞれ三人の参考人の方々にお聞きをさせていただき、それぞれの個性ある御意見を拝聴させていただきたいと思います。  まず一つ目は、スムーズにといいますか、円滑な居住支援の取組、仕組みについてお伺いしたいなというふうに思っております。  公営住宅の応募倍率が非常に高うございます。そういう中で、加えて、地方公共団体の財政の状況が非常に良くないという中で、高齢者の方々とともに、子育て世代、また障害者の方も含め、住宅確保要配慮者の円滑な入居の方法が大きな課題になっておるわけでありまして、今回のこの法改正では、市町村レベルにおいて居住支援協議会の活動を積極的に支援し、円滑な居住支援につなげていこうというように考えておるようでありますが、この円滑な居住支援の取組について、それぞれ参考人の方々のお考え、どのような問題が出て、この法改正については欠点はまさにない、お互いそれぞれの情報交換を密にすることによって円滑に行われるんだと、それぞれ御意見があろうかと思いますので、それぞれの、中川参考人から、恐縮ではありますけれども、順番にお考えをお聞かせをいただきたいと思います。

中川雅之日本大学経済学部教授

○参考人(中川雅之君) 簡潔にお答えしたいと思います。  私が思っているのは、地方公共団体がやっていた役回りをいろんな主体が分業をして、それでその統一的な入居支援といいますか、入居の円滑化を進めていくというのが今回の制度でございます。  でございますので、最も重要なことというのは、市町村が考える戦略、何が必要なのか、誰を対象にして何をするのかという目標を多様なプレーヤーが共有する、それがまず必要なのではないだろうかと。そうしなければ、多分その執行もちぐはぐなものになってしまうので、まずは目標の共有ということをやった上で、それでそれぞれの役割分担を決めて円滑な執行をしていくということが重要なのではないかと。  そういう意味で、地方公共団体の課題認識能力とか戦略策定能力、それだけではなくて、関係者の巻き込みを図る能力、それが今問われているような状況にあるのではないかなと思っております。

土肥真人東京工業大学環境・社会理工学院建築学系准教授/一般財団法人エコロジカル・デモクラシー財団代表理事/ARCH(Advocacy and Research Centre for Homelessness)会員

○参考人(土肥真人君) 私は、円滑な居住支援、端的に申しまして、賃貸人の方に家を提供してもらえるかと、このことが一番取組の肝だと思うんですね。  そういう意味でいいますと、家賃補助及び社会住宅のストックの質の担保として改修費の補助、これをどのぐらいの規模で、どういうふうに国が提供しようと考えるか、これを基礎自治体の方にお示しし、かつ、もう一つは、入居前からですけれども入居後までの支援、社会的な支援ですよね、これをやっぱりセットにして大家さんに安心してもらうと。また、基礎自治体としては、そのセットが例えば中心市街地を活性化し、ここに住めば消費もするわけですよね。あるいは、その支援をされる方のお給料も出るわけです。  ですから、是非、地域活性化という全体の利益、かつ、それから、その利益のために賃貸人の方が不利益を被らないような、そういう戦略的な判断の下に基づく大幅な家賃補助と住宅改修補助というのを位置付けていただきたいと、このように考えます。

塩崎賢明立命館大学政策科学部特別招聘教授

○参考人(塩崎賢明君) 私は、やはり居住支援協議会が大変大事だと思います。これは現在四割ぐらいで、これを八割ぐらいまでという目標を掲げておられるんですけれども、実態は、都道府県は全て設置されているんですね。ただ、区市町村になると多分十九とか二十ぐらいしかなくて、その機能の仕方も様々だと思います。  私の友人が、東京では豊島区かな、でかなり面白いことをしているというのは知っていますけれども、必ずしもそれが本当に要配慮者の人たちの居住支援に結び付いているような活動をしておるかどうかというところがやっぱり問題で、恐らく、全ての区市町村のレベルで居住支援協議会をつくってそれがワークするようにするには、相当その基礎自治体、市町村レベルでの力量のレベルアップを図らないと無理で、形だけ作って、その結成率が八割になったというような形で満足しているようでは全然駄目だと思うんですね。  そこは、具体的には、中川先生もおっしゃったように、お互いに学び合いながら、いい経験をうちの市でも町でもやろうというような形に持っていくような取組が欠かせないと思います。その中には入居後の生活支援ということも含めないと、形だけ数が行ったよということでは本当の意味での居住支援にならない、このように思います。

室井邦彦日本維新の会

○室井邦彦君 終わります。  ありがとうございます。

青木愛希望の会(自由・社民)

○青木愛君 希望の会、自由党の青木愛です。どうぞよろしくお願いいたします。  今日は三名の参考人の先生方に大変貴重な御意見と、また今後の課題を御示唆いただきまして、ありがとうございます。まさに、この制度は地方公共団体にその多くを委ねられていると私も認識をしておりまして、先ほど中川参考人からもございました、地方公共団体がその地域の課題をしっかりと調査をして、そしてそれに対するまた解決のアイデアを持ち合わせているかどうか、ここが大変大切だと私も共感をしたところでございます。そういう意味におきましては、今後とも、この制度がしっかりと機能しますように、それぞれの研究者の先生方には、是非地方公共団体、地方に対するまた御指導を引き続きお願い申し上げたいというふうに思っております。  そこで、まず質問でございます。三名の先生方にお伺いをさせていただきます。大都市圏と地方との差について伺いたいと思います。  この要配慮者への対策、大都市圏と地方とでは、その財政におきましても、また課題、意識についても大変異なる部分があるのではないかなというふうに思っておりまして、今回の制度の適用において、この都市部と地方でのそれぞれの課題、そして、この制度の効果を上げるための何か注意点がありましたら、是非お聞かせをいただきたいと思います。

中川雅之日本大学経済学部教授

○参考人(中川雅之君) 財政状況が違ってくる、それは御指摘のとおりだと思います。ただ、住宅確保要配慮者に対する何らかの支援が必要だということにつきましては、基本的な状況につきましては、大都市も地方も私は同じ状況ではないかなと思っております。  そこで、一点、多分違うのではないだろうかと考えているのが、例えば単身の高齢者に対する生活支援をやる場合に何が重要なのかということを考えたときに、恐らく、生産年齢人口の方がそばにいらっしゃるのか、そういう方が後方にいらっしゃったら、多分高齢者の方が分散していても生活支援サービスとか見守りというのは適切にできるんじゃないかなと思います。  ただ、そういう生産年齢人口の方、要するに若い方がそばにいらっしゃらない場合には、単身高齢者の方が非常に分散して離散してお住まいになっているような状況では、なかなか生活支援サービスを提供することというのは困難になっていくかもしれないと。その場合には、ある程度、単身の高齢者の方については集積をしていただいた上でそういうサービスを提供するということが必要なんではないかと。そういう状況が生まれてくるのは恐らく地方部の方が私は深刻に、分散して人口密度が非常に低いような地域においてはそういう配慮が必要なんではないだろうかと。そういうことを恐らく地方公共団体の方は認識して、いろんな計画を立てていただければと思っております。

土肥真人東京工業大学環境・社会理工学院建築学系准教授/一般財団法人エコロジカル・デモクラシー財団代表理事/ARCH(Advocacy and Research Centre for Homelessness)会員

○参考人(土肥真人君) 都市と地方の、特に大都市圏と地方都市あるいは地方のことですけれども、これは本当に住宅マーケットはかなりそのローカルによって違いますし、あと住宅確保要配慮者ですか、この方々の状況もかなり違うので、実際にミスマッチングが起きるんではないかということは当然想定されます。  ただし、そういう意味では、様々な自治体が様々な取組をされるというその多様性というんですか、モデルの多様性を是非それを広くサポートできる国の政策というのが必要になるんだと思います。私の考えでは、その一つがやはり居住のミックスでございまして、今、中川先生は集積と申しましたけれども、この集積も要支援者だけを集積されるということではないと思うんですね。様々な方が集まって住んで、そこで支援し支援されるという、そういう関係を、それこそ地方都市と大都市でそれぞれ別の課題になりますけれども、実現すると。そのことによって、レジリエント、回復力のある強いコミュニティーが、地域づくりが実現できる、そういうふうに思っております。  以上です。

塩崎賢明立命館大学政策科学部特別招聘教授

○参考人(塩崎賢明君) 大都市と地方との間の問題では、一つ、空き家の存在と要支援者の存在のミスマッチがあるということが一番根本の違いかなと思うんですね。地方には結構空き家があるんだけれども要配慮者がそんなにいるわけでもない、大都会にはたくさんいるんだけれども、じゃ、地方に空いているところに行きなさいと、これはなかなか無理ですので、そこにギャップがあるということがあると思います。  仮に、地方に要支援、配慮者の人がいるとしたら、それはそれでやらなくちゃいけないんですけれども、一方では、地方ではやっぱり地域の見守りとかコミュニティーというのがまだまだ大都市よりは存在していて、これをなくさないことが僕は非常に大事なんじゃないかなと思います。  そこのところが、私、今、東日本大震災の被災地の大船渡というところに行っているんですけれども、ああいうところの集落を見ていますと、役所の方はほとんど把握しているんですね。どの方が生活で困っているかということがよくよく分かっていますので、その部分はやっぱり大都会よりは対応の仕方がいろいろ役所としても可能だし、お金の面では苦しいんですけれども、そこを支援すれば、大都会よりは要支援、配慮者の人たちに対する支援は行き届く可能性は高いんではないかなというふうに思っています。

青木愛希望の会(自由・社民)

○青木愛君 ありがとうございます。  それでは、もう一点、三名の参考人にお伺いをさせていただきたいと思います。  家賃の低廉化について毎年度の予算措置という状況になっておりまして、土肥参考人からは家賃補助制度が欧米に比べて日本は未発達だという御指摘もあり、また塩崎参考人からは法律でしっかりと明記すべきだと、また中川参考人からは実質その予算を確保すればいいのではないかということで、今後の検討課題だとは思いますけれども、いずれにしても応募者全員を受け止める予算措置にはなっておりません。  予算が不足する場合、この優先順位というものがどのように決められていくのかということを大変懸念をいたしております。その辺をお伺いをしたいのと、あともう一点併せて伺いたいのは、今大学生が大変、大学生の約半数が奨学金を借りて、卒業後の返済に苦しんでいるという状況は皆さん御存じのとおりだと思いますけれども、地方から出てきて住居を必要とする学生、このような方々も要配慮者に含めるべきなのではないかなという課題意識も持ち合わせてはいるんですけれども、この法律においては、子育て世帯は十八歳以下ということになっていますので、その辺りも含めてお聞かせいただきたいと思いますけれども、優先順位というこの問題意識について御見解をいただければと思います。よろしくお願いいたします。

中川雅之日本大学経済学部教授

○参考人(中川雅之君) 済みません、きちっとしたお答えがちょっとできないかもしれませんけれども、基本的には、コアな政策として公営住宅というコアな政策がございますので、それをまずきちんと運営していくと。地方地方におきまして、公営住宅の整備状況ですとか、あるいは要配慮者の需要ですとか、それが違うので、公営住宅の補完として何が必要なのかということは地域地域で御判断いただくということが多分必要なのかなと。  それから、奨学金のお話、若者につきましては、大学の教育者としては非常に関心があるところではございます。ただ、こういうセーフティーネットにつきまして、どれだけの財政、政策資源を投入できるのかというのはかなり大きな方向性の問題でございますので、そういう投入できる財政資金との関係でどこまでそのセーフティーネットの範囲を広げるのかということは多分別の議論が必要なんではないかなと、そのように私は考えております。

土肥真人東京工業大学環境・社会理工学院建築学系准教授/一般財団法人エコロジカル・デモクラシー財団代表理事/ARCH(Advocacy and Research Centre for Homelessness)会員

○参考人(土肥真人君) 優先順位に関してですけれども、本当に大変な問題ですよね。  基本的には、一つは量の問題があると思います。少ないパイであれば、それをどういうふうに取り合うというか、分け合うかは非常に厳しくなる。けれども、やはりある程度の量をまず用意すれば、それぞれの、カテゴリーというとなんですけれども、要配慮者のグループの中で順番が付けられる。これは付けることができると思うんですね、あるいは付けざるを得ないと思うんです。ただし、ホームレスの方が子育て世帯よりも大変かどうかという、あるいは逆かどうかというのは、これは誰にも比べられないですよね。  ですから、やはり私は、この量の問題がまず第一にあって、しかる後に、それぞれのグループの中で是非その順番を付ける客観的な方法を示されるというのが基本的にはいいんじゃないかと思います。そのしかる後に、各自治体の自主性というのは当然尊重されるべきだと。  若者に関しては、今回ちょっと全くそのことを考えていなかったので、特に今すぐに何かアイデアがあるわけではないんですが、今回の住宅セーフティーネット法の家賃補助をするという意味では、ちょっと違うかなというふうに今は思います。ただ、将来的には、本当に国を背負うような若者が、そういう、家賃がないから東京の大学に来れない、あるいは行きたい都市の大学に行けないということであれば、それのサポート、支援施策というのは考えるべきなんだと思います。  以上です。

塩崎賢明立命館大学政策科学部特別招聘教授

○参考人(塩崎賢明君) 優先順位については私も答えがないですが、これは予算の枠があるということに問題があって、例えば外国の家賃補助制度なんかを見ると、ほとんどは要件が満たされればみんな出すというふうにやっているわけですね。予算枠があるところは、アメリカなんかはそうなんですけれども、だから、そういう構えでやっていないところが問題なんだと思います。一つの手としてはウエーティングリストですかね、順番待ちみたいな感じの方法ぐらいしか考えられないですね。  それから、大学生の問題については、奨学金が、私ももらっていましたけれども返さなくていい奨学金でした、当時は。だから、それが普通だと思っていたんですけれども、今はほとんど大学生ローンになっちゃっているわけですよね。これを改めるのが一番大事だと思いますが、私どもの仲間では若者について研究もしています。大学生だけじゃなくて、勤労の若者も住まいと職に困って結婚とか将来の展望が描けないという人が随分たくさんいるので、当然、この住宅確保要配慮者の範疇に入れてきちんと対策を打たないと、これは将来の我々の社会を担っていく人たちなので、おろそかにしてはいけないというふうに思っています。

青木愛希望の会(自由・社民)

○青木愛君 大変貴重な御意見をありがとうございました。

仁比聡平日本共産党

○仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平でございます。  参考人の皆さん、今日は本当にありがとうございます。  まず、中川参考人にお尋ねしたいんですけれども、セーフティーネットの言わば意義とか理念みたいなものが曖昧になっちゃならないなと。つまり、状況や施策を実現するための手法はいろんな工夫がされると思うんですけれども、そもそもの理念というのは何なのかと。  私、その辺りずっとこだわってきていまして、実は、二〇〇五年、平成十七年の六月十六日のこの委員会で、当時北側国土交通大臣だったんですけれども、一九九六年の国連人間居住会議、ハビタットⅡのイスタンブール宣言を私が引用して、住まいは福祉だという質問に対して、当時の北側大臣はこうお答えになりました。住宅というのは私どもの人間の生活、健康にとって基盤となるものがまさしく住宅でございます。日本の憲法二十五条にも、全ての国民は健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有するというふうに規定しているところでございまして、その思想と全く同様の思想、哲学ではないのかと思っております。今後とも、健康で文化的な生活を営むに足りる住宅の供給、住宅の質の向上に今後とも努力をしてまいりたいというふうに思っておりますというお考えなんですけれども、私は、この理念といいますか、私流に言えば住まいは福祉というこの考え方というのは今ももちろん変わらないと思うんですが、参考人、いかがでしょう。

中川雅之日本大学経済学部教授

○参考人(中川雅之君) 基本的に、日本国民のそういう生活を保障していくということがこのセーフティーネット政策全般の目的になっていると私は思っております。  そのときにどういう生活を支援していくのか、保障していくのかということにつきましては、それは全体で考えるべきであって、それはその生活の質、クオリティー・オブ・ライフ全体で考えていく。住生活だけではなくて、どんな消費生活をしていくのか、あるいは教育を受けられているのか、そういうことを総合的に考えるべきものではないかと考えております。  ただでございますけれども、基本的に、住宅というのは、そこに根付いて、そこから働き、あるいは楽しみ、あるいは家族の団らんの場になりますので、そういった面でクオリティー・オブ・ライフを確保する非常に主要な要素の一つではないかなと考えております。それにつきまして、基本的に、公営住宅だけではなくて、こういう様々な政策を用意している、これが今回の提案ではないだろうかと、そのように考えております。

仁比聡平日本共産党

○仁比聡平君 つまり、生活の基盤が住まいだということだと思うんですけれども、そこで土肥参考人に、私も、ホームレス自立支援法は必ず期間を延ばしていく、延長するということが大事だと思うんですが、その上で、家賃補助についてのアメリカの例の紹介が私ちょっと印象に残りまして、つまり、所得の三〇%を限度として、それを超える部分は公的に補助するという考えだと思うんですね。  一方で、我が国の賃貸住宅にお住まいの皆さんの生活の実態というのはもっともっととんでもなくひどいことになっていて、今日も傍聴席たくさんいらっしゃいますが、公団自治協の皆さんの生活実態調査を見ますと、例えば七十七歳の独り暮らしの女性で、年金収入なんですが、その七七%が家賃になってしまう。もちろん、そのほかに介護、国保などの負担が必要なわけですね。あるいは、長年連れ添われたお連れ合いが八年前に亡くなって、したがって年金は三分の一に減ってしまったと、それでもその家賃というのは変わらず払い続けなきゃいけないと。あるいは、知的障害の娘さんと二人で暮らして、年金だけなんだけれども、八年前から市営住宅を申し込んでいるんだけれども、落選続きで高い家賃を払い続けなきゃいけないと。そういう声がぎっしりなんですよね。  ところが、我が国の政治、政府の施策の中では、収入に占める家賃負担率というのをどう考えるのか、どこまでが限度なのかという、ここがない。その辺りについて土肥参考人の御意見がございましたらお伺いできますか。

土肥真人東京工業大学環境・社会理工学院建築学系准教授/一般財団法人エコロジカル・デモクラシー財団代表理事/ARCH(Advocacy and Research Centre for Homelessness)会員

○参考人(土肥真人君) 住宅は福祉だということ、私もそう思います。それ、本当にそのとおりで、もう一つ、住宅は権利でありまして、基本的な人権に含まれていると思います。これがないと、もちろん健康的な生活、文化的な生活は営めませんし、例えば就労して社会に還元していく、そういうことも損なわれてしまうと。  例えば、ホームレスの方も全然働いていないわけではないんですね。多くの方は働かれていまして、三万円とか六万円とかという収入を得られている方も結構おられます。この額だとアパートに住むのは難しいんですね。でも、アパートの分を支えてあげれば十分に社会に貢献できる、社会の中に居場所ができる、そういうことになります。  先ほどの、おっしゃられている家賃の負担率が七〇%を超えるような、こういうことは、私の思うには、もう本当に何かあればすぐにその家を失ってしまうのではないかと、そういうふうな状態だと思うんです。これは、住まいの貧困ということで本当に対応しなければいけないと思っています。  そういうわけで、この社会住宅という考え方ですよね。今、公営住宅、ほぼ公営住宅しかありませんけれども、僕が今考えるには、やっぱり公営住宅と匹敵する程度の社会住宅というのを家賃補助及び住宅改修補助で維持すると。そうすると、都市における、あるいは日本における二割程度の家が何らかの公的資金が入っているものになる。元々、都市というのはそういうものである。ただただ市場のマーケットによって住む場所が決まるのではなく、社会的に様々な人が住む場所であり、それの大まかな数というのは、ヨーロッパの国を見る限りにおいては二割程度であると、こういうことが分かっています。今の日本では公的住宅は三・八%ですか、ですから全然足りなくて、もっともっと手厚いものが要るのではないかと。  そうしますと、実際に家賃補助というのが収入のパーセントに対して出されるというこのアメリカの事例なんかは大変いいのではないかと思っております。

仁比聡平日本共産党

○仁比聡平君 そこで、塩崎参考人に、そうした住まいの貧困が現実に平時にある中で、大災害によって家財道具も含めて一切を失ってしまう、あるいは大事な家族を失ってしまうというのが被災者ということだと思うんですね。  先ほど、みなし仮設住宅、高家賃で元の生活に戻れないという被災者の実態のお話がございましたけれども、これ例えば熊本でも一年たってそういう事態が現れ始めているわけなんですが、この下で公営住宅、そして賃貸住宅の、今回の法案と予算措置によって賃貸人に対する家賃補助ということが始まろうとしているわけですが、賃借人の方への家賃補助というのをどう考えたらいいのか、あるいはその必要性などについて御意見を伺いたいと思います。

塩崎賢明立命館大学政策科学部特別招聘教授

○参考人(塩崎賢明君) 私は、本来は家賃補助は借りている方に、本人に支給すべきだというふうに思っています。だけど、大体日本では建設補助であったり、せいぜい賃貸人、家主側の補助というのにとどまっているところが一つの課題かなと思っています。  熊本では今みなし仮設の方がもうはるかに多いんですよね。あちらの賃貸協会の社長さんにも会ったことありますけれども、それしか今回は多分無理だろうということで、大いに提供されたのはいいんですけれども、これからその入居している人たちが、この先一年、二年とたっていくとどうなるのかということが大変不安で、先ほど東北の例を申し上げたんですけれども、熊本でも恐らく同じようなことが起こるだろうというふうに思っています。  本当はこの住宅セーフティーネット法でカバーする対象はそこも含めるべきであって、土肥先生がおっしゃったように、登録制度ではなくて、恐らく社会住宅制度にするとこういう問題が随分解消するというふうに私自身は思っています。

仁比聡平日本共産党

○仁比聡平君 あとちょっとだけ、時間あるので。  塩崎参考人、先ほど、借り上げ公営住宅の二十年追い出しというお話ありました。こういうやり方というのはそもそも公営住宅法の趣旨に私は反していると思うんですけれども、いかがでしょう。

塩崎賢明立命館大学政策科学部特別招聘教授

○参考人(塩崎賢明君) おっしゃるとおりだと思います。  通常の公営住宅だとこういうことはないわけですね。建設型の直接供給されたものについてはこういうことはないので、その間にも大変大きな不公平感があって、あってはならないことではないかなと私自身は思っています。

仁比聡平日本共産党

○仁比聡平君 ありがとうございました。

増子輝彦民進党・新緑風会

○委員長(増子輝彦君) 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。  参考人の皆様には、長時間にわたり貴重な御意見をお述べいただきまして、誠にありがとうございました。委員会を代表いたしまして厚く御礼申し上げます。ありがとうございました。(拍手)  午後一時に再開することとし、休憩いたします。    午前十一時五十五分休憩      ─────・─────    午後一時開会

増子輝彦民進党・新緑風会

○委員長(増子輝彦君) ただいまから国土交通委員会を再開いたします。  政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、国土交通省住宅局長由木文彦君外五名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

増子輝彦民進党・新緑風会

○委員長(増子輝彦君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

増子輝彦民進党・新緑風会

○委員長(増子輝彦君) 休憩前に引き続き、住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

石井正弘自由民主党・こころ

○石井正弘君 自由民主党の石井正弘でございます。  この度提案されました住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律案につきまして、通称住宅セーフティーネット法でございますけれども、質問をさせていただきたいと思っております。  まず、戦後、住宅政策は大きく様々な変遷を経てきておりまして、公的な住宅、そして民間の住宅、それぞれに時折々、その時期の要請に応えながら政策が推し進められてまいりました。私も今思い起こしておりますが、当時、住宅局というところに奉職させていただきました。平成になりまして初期の頃でございまして、当時はまだまだ住宅、質的にもウサギ小屋を脱却しながら量的な拡大を図っていこうという時期であったわけでございますが、その後、様々な変遷を経て、特に一番大きなエポックメーキングなことといたしましては、住生活基本法が平成十八年に成立をしたことではないかと思います。その第六条、先ほど参考人質疑のときにも御紹介がございましたけれども、低所得者、被災者、高齢者、子供を育成する家庭その他住宅の確保に特に配慮を要する者の居住の安定が図られることを旨として行われなければならないと、このように規定されているところでございます。  以来、約この十年にわたりまして様々な社会経済情勢、変化がございます。少子高齢化等が急速に進行するなどあるわけでございますが、まずは、この本法案改正に至るその背景といたしまして、住宅確保に特に配慮を要する方々の状況がどのように推移をしてきたのか、単身高齢者世帯、若年・子育て世帯、低所得者世帯、生活保護受給世帯、代表事例といたしまして、それぞれ現状、そして課題、これを数字をもってお示しをいただきたいと思います。

由木文彦国土交通省住宅局長

○政府参考人(由木文彦君) お答えいたします。  住宅確保要配慮者の状況につきまして、まず単身の高齢者でございます。これは現在約六百万世帯でございますが、直近の十年間で約二百万世帯以上増加をいたしております。  また、若者、子育て世帯につきましては、若年層の収入がピーク時から減少傾向にございまして、最近やや持ち直しの傾向ございますけれども、三十代の給与は平成九年時点で比べますと約一割以上減少しているところでございます。また、特に子育て世帯のうち一人親世帯は収入が低いという状況がございまして、夫婦子育て世帯は六百八十八万円世帯収入がございますけれども、一人親世帯は二百九十六万円といったような統計がございます。また、一人親世帯は民営借家に居住する割合も四八%と非常に高くなっているという状況がございます。  低額所得者につきましては、年収三百万未満の世帯の割合が約三四%を占めております。これはこの二十年間で約一割増加をしてまいっております。  生活保護世帯につきましては、現在約百六十万世帯でございますが、これも直近の十年間で約一・五倍に増加をしているという状況でございます。  こうした住宅確保要配慮者の民間賃貸住宅への入居につきましては、民間賃貸住宅の管理業者の団体が行っている調査によりますと、例えば高齢者あるいは生活保護受給世帯の入居に対して拒否感のある大家さんたちが約六割いらっしゃるというような、非常に高い傾向となっているという統計がございます。  今後十年間で、更に単身高齢者を取りましても約百万世帯が増加をするという予測がございます。住宅確保要配慮者の増加が見込まれる中で、住宅セーフティーネット機能の強化の必要性は増しているものというふうに認識をいたしております。

石井正弘自由民主党・こころ

○石井正弘君 ただいまの数字を挙げての説明をいただきましたけれども、これを見ても、本法案、そういったニーズに応えながら住宅確保要配慮者に対する対策を更に推し進めていくという意味におきまして、意義ある法改正の提案がなされているというふうに承知をするものでございます。  その中で、公営住宅、先ほどの参考人質疑の中にもあったんですが、これを更に増加を目指して建設を進めるべきではないかとの意見もあったわけでございますが、残念ながら、現在の国そして地方公共団体をめぐる財政的な制約というものもございますし、また将来の人口、世帯の減少、こういったこと等を踏まえますと、なかなかこれを増やしていくということは現実的には難しいという中にありまして、先ほどの御説明ありましたけれども、民間賃貸住宅、特に住宅確保要配慮者の入居を拒まない、こういう住宅を確保するということが本法案の最大の狙いだと思います。  改めて、そのための政策、今法案のポイントということにもなろうかと思いますが、副大臣の方から分かりやすく説明を願いたいと思います。

末松信介自由民主党・こころ国土交通副大臣・内閣府副大臣・復興副大臣

○副大臣(末松信介君) お答え申し上げます。  本制度が有効に機能するためには、先生御指摘のとおり、賃貸人に物件を積極的に登録していただきまして、できるだけ多くの登録住宅を確保する必要がございます。そのためには、賃貸人が住宅確保要配慮者の入居の際に感じている、例えば低額所得者による家賃滞納への不安、高齢単身者の孤独死などへの不安、また、入居中の高齢者の事故や子供の騒音による隣家からの苦情などのトラブル発生への不安、こうした様々な不安を払拭していただくための施策を講じ、賃貸人の拒否感をどう解消していくかということが大変重要な課題であると考えてございます。  本制度におきましては、登録を推進する観点から、家賃債務保証につきまして、住宅金融支援機構によります保険引受けもございます。また、生活保護受給者の住宅扶助費等の代理納付に関する手続の創設もいたします。居住支援活動の充実や住宅の改修に対する助成、改良融資、限度額もございますけれども、こういったこと、賃貸人の不安を払拭できるような様々な支援措置を講じているところでございます。  法の肝となるところを申し述べさせていただきました。よろしくお願い申し上げます。

石井正弘自由民主党・こころ

○石井正弘君 末松副大臣の方から大変分かりやすいポイント、御説明を頂戴したところでございます。  今回の法案の狙い、目的のもう一つに空き家、空き室の活用ということがあろうかと思います。藤井政務官の方にお伺いいたしたいと思います。  空き家の実情と課題というものはいかがでありましょうか。そして、その中でどのような空き家が本法案の目的からいたしまして利活用に適しているとお考えなのか、そして、それは具体的には何万戸ぐらいあると今推計されておられるのか、御説明をいただきたいと思います。

藤井比早之自由民主党・無所属の会国土交通大臣政務官

○大臣政務官(藤井比早之君) 石井委員御指摘のとおり、本法案におきましては、今後増加する民間の空き家、空き室を活用して、住宅セーフティーネット機能の強化を図ることといたしております。  平成二十五年時点におきまして、住宅ストック総数約六千六十三万戸に対して空き家の総数は約八百二十万戸となっており、この十年間で一・二四倍に増加しております。我が国が本格的な人口減少、少子高齢化を迎える中で、空き家につきましては今後も更なる増加が見込まれており、利用できるものは利用し、除却すべきものは除却するとの考え方の下、空き家対策を進めることが必要であると認識しております。  空き家の総数約八百二十万戸のうち、耐震性があり、腐食、破損がなく、駅から一キロメートル以内の比較的活用しやすいものは、賃貸用の住宅で約百三十七万戸、その他の住宅で約四十八万戸、合計で約百八十五万戸と推計しておりまして、本法案では主としてこれらの空き家を利活用することを想定しております。  なお、数値目標といたしましては、登録基準となる耐震性能や一定の床面積等を有し、かつ所有者等が登録住宅として活用する意向があるものといたしまして登録を受ける住宅を十年間でおおむね五十万戸と推計させていただきまして、平成三十二年度末までの約三年半の期間の分として十七・五万戸を目標として設定させていただいているところでございます。

石井正弘自由民主党・こころ

○石井正弘君 御答弁ありがとうございました。是非とも、今お話ございましたKPIの目標達成に向けての取組を大いに期待をするものでございます。  空き家の問題につきましては、本委員会でも審議がございました不動産特定共同事業法の改正とか、あるいはこの後出てまいります民泊新法の関係とか、いろいろ今回も国交省挙げて新しい取組を進めておられるわけでございます。  ただ、ちょっと懸念されますのは、資料の一、資料を御覧いただきたいと思うんですが、貸家着工戸数の推移というものが暦年で表記されております。低金利ということでございまして、これを背景として貸家、賃貸住宅の建築、これが増加傾向にあるということでございまして、そのまず実情を説明を願いたいと思います。このまま供給が進んでまいりますと、いわゆる供給過剰、新たな空き家の発生にもつながってくるんではないか、あるいは経営上の課題が出てくるんではないかと、このようにも考えるわけでございますが、この点、問題はないのかどうか、住宅局長の見解を求めたいと思います。

由木文彦国土交通省住宅局長

○政府参考人(由木文彦君) お答えいたします。  資料をお配りいただきましたように、平成二十八年の貸家の着工戸数は約四十一万九千戸、前年比一〇・五%増となっておりまして、平成二十年以来の高い水準でございます。この要因といたしましては、委員からお話ございましたように、平成二十七年一月に相続税の課税強化に伴います制度の変更がございまして、これを受けての例えば節税目的での建設や、あるいは低金利による影響があるというふうに見られているところでございます。  賃貸住宅につきましては、既に四百三十万戸空き家がございます。地域によっては、空室率の上昇や賃料の低下といった状況も見られているところでございます。また、駅から遠くて古いアパートなど条件の悪い物件については、稼働率の低下など経営上の問題を指摘する見方も出てまいっております。  今後、そうした状況を踏まえまして、市場の動向等を注意深く見守ってまいりたいと考えております。

石井正弘自由民主党・こころ

○石井正弘君 市場の動向を注意深く見守るという御答弁でございますけれども、実態を分かりやすくマスコミ等を通じて広めることによって警鐘を鳴らしていくということも時と場合によっては必要ではないかということを御指摘をさせていただきたいと思います。  そこで、次の質問でございますが、先ほどの参考人の皆さん方の意見陳述、質疑の中でも出てきたんですけれども、今回の新しい住宅セーフティーネット制度の枠組みの中で、今後の執行、運営という意味におきましてその成否を握っているのは、何と申しましても、登録住宅に対します改修とかあるいは入居への経済的支援、これをしっかりと講じていくべきだということ、これが指摘があったところでございます。  登録住宅に対する改修費の補助とか、あるいは住宅金融支援機構によります登録住宅に対する改修費融資等、さらには低額所得者の入居負担軽減のための支援措置、様々な補助制度が予算的にも用意をされているということでございますけれども、この政策を進めていく中にありまして、地方が実施をした場合において国の方がその半分を財政的に支出する、このような仕組みになっている、いわゆる間接補助の仕組みのようでございますが、そういたしますと、地方公共団体の負担も相当なものになりかねないかということが懸念されます。  私も地元岡山でこの法案につきましての担当者の意見を聞きましたところ、やはり法案の全体の設計図に加えまして、地方の財政対策というもの、財政的なものがどのようになってくるのかということについて心配だという見解が示されているところでございまして、地方財政対策といたしましての国の支援というものはいかが考えておられるのか。  それから、先ほど参考人の皆さん方からも意見がかなり出たんですけれども、家賃の低廉化、いわゆる家賃補助につきまして、関係団体よりもそうでございますけれども、予算補助だけではなくて制度化を図ってもらいたいとの要望が強く出されている、意見にも述べられたということでありますが、このことにつきましてもどのようにお考えなのか、末松副大臣からの御答弁をお願いいたしたいと思います。

末松信介自由民主党・こころ国土交通副大臣・内閣府副大臣・復興副大臣

○副大臣(末松信介君) お答え申し上げます。  本制度の登録住宅の改修費や家賃対策への支援における地方公共団体に対する財政支援につきましては、先生お尋ねは地方公共団体の裏負担分に対する地方財政措置という趣旨かと存じますが、地方交付税の算定の基礎となります基準財政需要額におきまして、人口に応じた所要の費用が新たに計上されることといたしております。これは、公営住宅や特定優良賃貸住宅の家賃対策等と同様のものとなっております。  次に、家賃低廉化の補助の法定化につきましては、法定補助は、公共団体が自ら整備を行う公営住宅のほか、補助にふさわしい対象を行政が認定等によって特定する制度がその対象となっております。一方で、一定の要件に該当するものを広く対象とする制度につきましては予算補助となっております。例えば、特定優良賃貸住宅は事業者の供給計画を認定するわけでありますので法定補助、サービス付き高齢者向け住宅は要件に該当すれば登録ということで予算補助という、そういう仕切りにいたしたところでございます。  今般の制度につきましては、民間の住宅ストックを活用しまして、住宅確保要配慮者の入居を拒まない賃貸住宅を広く供給し、市場においてマッチングが図られることを狙いといたしております。したがいまして、公的関与の度合いが強い認定等によるものではなく、一定の要件に該当するものを登録することとしております。  このため、家賃低廉化の支援につきましては柔軟かつ機動的な支援が可能な予算補助としており、今後は、地方公共団体における取組状況等を踏まえながら必要な予算の確保に努めてまいります。  先生は、岡山県の知事もお務めになりましたし、建設省にもおられまして、地方と政府の両方の立場が分かりますので、御指導をいただきたく存じます。

石井正弘自由民主党・こころ

○石井正弘君 御答弁ありがとうございました。  まさに、地方の皆さん方の様々な懸念もあるわけでございますから、しっかりと国交省挙げて地方公共団体との連携を深めていただきたいと思います。  そこで、次の質問なんですが、住宅局長にお伺いしたいと思います。  先ほど、局長の答弁の中にも一部数字が示されましたけれども、住宅確保要配慮者の入居に対しまして、大家さんの一定の割合の方々が拒否感を示しておられると、入居制限がなされているという状況にあるというお話の中で、やはり家賃の不払に対する不安等が入居制限の大きな要因となっていると、このように考えるわけでございますが、その中で、本法案の中で第二十一条というものが規定をされております。  まずは、住宅局長の方からその意義を説明をいただきたいと思います。

由木文彦国土交通省住宅局長

○政府参考人(由木文彦君) お答えいたします。  民間賃貸住宅の管理業者の団体が行っております調査によりますと、生活保護受給者の入居につきましては、拒否感のある大家さんが約六割、実際に入居を制限しているというものが約一割となっております。その理由といたしましては、家賃の支払に対する不安等が挙げられております。  一方、生活保護受給者に対しましては、家賃等の支払のために住宅扶助費等が支給をされているところでございます。この住宅扶助費等につきましては、生活保護の実施機関であります市町村等が生活保護受給者に代わって大家さんに対して直接支払う代理納付という制度も制度化されているところでございます。民間賃貸住宅の家主等の団体からは、この住宅扶助費等につきまして原則代理納付としてほしいといった要望もいただいているところでございまして、この代理納付の制度を十分活用することによって大家さんの拒否感を軽減するために大きな効果があるものというふうに考えたところでございます。  このため、お尋ねの本法案の二十一条におきまして、生活保護受給者が家賃を滞納するおそれがある場合などについて、大家さんから市町村等に対しましてその旨を通知できるという仕組みを設けることといたしまして、市町村等はその通知に基づき代理納付を行うか否かを判断するという規定を厚生労働省と御協議をさせていただきまして、調整の上で今回設けさせていただくこととしたものでございます。  厚労省とも連携してこの制度を着実に運用し、代理納付を推進することで大家さんの拒否感を軽減し、生活保護受給者の居住の安定確保に努めてまいりたいと考えております。

石井正弘自由民主党・こころ

○石井正弘君 これに関連して、今日は厚労省からも審議官に来ていただいておりますけれども、今局長の説明がありました生活保護受給者の住宅扶助費等の代理納付の推進、これは大変入居拒否を減らすための対策としても有効であると思いますが、現在、全般としてどのように実施をされておられるのか、そしてその中で本法案第二十一条が規定されるわけでありますが、このことによって生活保護行政の現場において何か変わっていく、前向きに進んでいくということが期待されるものでありますけれども、厚労省としての取組方針を説明をいただきたいと思います。

中井川誠厚生労働大臣官房審議官

○政府参考人(中井川誠君) お答え申し上げます。  住宅扶助の代理納付につきましては、住宅扶助費が適切に家賃に充てられることを確保するとともに、家賃滞納のおそれがある者が実際に家賃を滞納するリスクを減少させるということによりまして、賃貸人、賃借人の双方にとっての利益となるものでございます。現在、家賃を滞納している者につきましては代理納付を行うよう推進しておりまして、住宅扶助を支給している全国約百三十九万世帯のうち二二%の世帯で実施しているところでございます。  一方で、現状におきましては、生活保護受給者が家賃を滞納している状況を福祉事務所が知る機会が必ずしも十分ではなく、福祉事務所が、例えばその家計管理の支援などをケースワークを通じて適切なタイミングで必要な支援を行うことが困難な状況もございます。今般の法律改正によりまして、登録住宅の賃貸人から家賃滞納のおそれ等の事情を福祉事務所に通知することができることになりますので、この情報を基に福祉事務所が速やかに代理納付を始めとする所要の措置を講ずることができることから、生活保護受給者の地域における安定した居住につながると考えているところでございます。また、保護の実施機関に通知を行う登録住宅の賃貸人につきましては、福祉事務所としてもその方が優良な賃貸人であるということが確認できるということもございますので、代理納付の推進につながるものと期待しているところでございます。  厚生労働省といたしましては、今後、本法案に基づきまして、賃貸人からの滞納状況等の福祉事務所への通知につきまして具体的な実務の流れを国交省さんと協力して策定いたしまして、登録住宅に係る代理納付の推進に努めてまいりたい、かように考えている次第でございます。

石井正弘自由民主党・こころ

○石井正弘君 是非とも推進方、よろしくお願いを申し上げたいと思います。  それでは、最後に大臣に質問させていただきたいと思います。  今まで公的な住宅として、公営住宅あり、あるいは特定優良賃貸住宅等の公的な賃貸住宅、これに加えまして今回新たなセーフティーネット住宅が拡充されるということでありますが、是非ともこういった公的住宅に関わる政策は今後とも充実していただきたいと願っているところでありますが、公的住宅に係ります今後の政策の方針、並びに今回創設されました新たなセーフティーネット住宅につきまして分かりやすい名称、ネーミングを付けていただければと思いますけれども、更に加えて、できればそれに加えて略称を付けると、特優賃とかサ高住とかありますけれども、そうしたことも含めて大臣の見解を求めたいと思います。

石井啓一公明党国土交通大臣

○国務大臣(石井啓一君) これまで我が国の住宅セーフティーネット施策といたしましては、社会経済情勢の変化にも対応しつつ、地方公共団体による公営住宅のほか、都市再生機構や地方住宅供給公社による賃貸住宅、民間事業者を主体とする特定優良賃貸住宅やサービス付き高齢者住宅などの供給に取り組んできたところであります。  また、今般の法改正は、これらに加えまして、単身高齢者など住宅確保要配慮者の増加に対応するため、民間の空き家、空き室を活用し、住宅確保要配慮者の入居を拒まない賃貸住宅の登録制度を創設して、重層的な住宅セーフティーネット機能の強化を図るものであります。  今後とも、住宅確保要配慮者等が安心して暮らせる社会を実現するため、まず、住宅セーフティーネットの根幹である公営住宅につきましては、地方公共団体が地域の実情を踏まえて必要な整備ができるよう、引き続きしっかり支援をしてまいりたいと存じます。また、都市再生機構等の住宅におきましては、団地内に高齢者世帯や子育て世帯等の支援に資する施設の整備を促進をいたしまして、地域の福祉拠点等の形成を進めていきたいと考えております。さらに、サービス付き高齢者住宅に加えまして、今般の法改正で創設する登録住宅によりまして、住宅確保要配慮者の入居を拒まない賃貸住宅の供給を一層促進していくことといたします。  今後、引き続き、厚生労働省と密接に連携をいたしまして、官民で協調、連携しながら、重層的な住宅セーフティーネット機能の更なる強化を積極的に図ってまいりたいと考えております。  なお、略称の件でありますが、現時点では略称はまだ決めておりませんけれども、法案成立の暁には、新たな制度の施行に向けて、関係者の御意見も伺いながら略称を決めていきたいというふうに考えております。

石井正弘自由民主党・こころ

○石井正弘君 御答弁ありがとうございました。ますますの政策の拡充を期待しております。  これで質問を終わります。ありがとうございました。

鉢呂吉雄民進党・新緑風会

○鉢呂吉雄君 民進党の鉢呂吉雄でございます。  今日は、住宅のセーフネット法案、石井国交大臣を始めとして、質問をさせていただきたいと思います。  私も、札幌市のホームレスの支援センター、あるいは地方自治体の担当者、そしてまた午前中の参考人の意見陳述、そういった形で調査をさせていただいてまいりました。  先ほど石井委員からもお話あった、私は、この二十年間で日本の社会というのは非常に格差が拡大されてきたといいますか、例えば家計所得、これは二十年間で二割落ち込んだと、十年間では一割というデータがありますけれども、年収三百万以下は三四%になってきた、貯蓄ゼロの御家庭世帯も二割に相当する、高齢者世帯で生活保護世帯が二十年間で倍増したと、こういう状態があるわけであります。  富める者はどんどん富んでいるのかも分かりませんが、中間層は低所得に陥ってますます格差が拡大している、また放置されておるのではないか、こんな感じを持つわけでありますけれども、石井国交大臣、平和と福祉の公明党さんの唯一の大臣から率直に、今の現状の日本の社会、そしてその打開する方途というのはどういうところにあるのか、御所見を聞かせていただきたいと思います。

石井啓一公明党国土交通大臣

○国務大臣(石井啓一君) 私は、公明党を代表する立場ではございませんので国土交通大臣として答弁をさせていただきたいと存じますが、格差につきましては、それが固定化しないこと、また、その範囲が人々の許容の限度を超えないことが重要であると考えております。  このため、政府といたしましては、成長と分配の好循環をつくり上げるとともに、あらゆる人がその経験や能力を存分に発揮し活躍できる一億総活躍社会の実現に取り組むことで、格差が固定化されず、誰にでもチャンスがあり、頑張れば報われる社会を実現していきたいと考えております。  一方、今後十年間で単身高齢者が約百万人増加すると予測されるなど、住宅確保要配慮者の増加が見込まれております。この方々が安心して暮らし、社会で活躍していくためには、住宅の確保がまず必要でございます。このため、住宅政策におきまして、福祉政策と密接に連携をしながら重層的な住宅セーフティーネット機能の強化を図ることが重要と考えておりまして、今回の制度改正を提案しているところでございます。  今後とも、全ての国民が豊かさや成長を実感でき、安心して暮らし、活躍できる社会の実現に向けまして、様々な政策分野で連携を深め、政府全体で取り組んでまいりたいと考えているところでございます。

鉢呂吉雄民進党・新緑風会

○鉢呂吉雄君 今、一億総活躍、あるいはチャンスがあればもう一度このチャンスに巡り合える、そういったお話がございました。しかし、今の状況というのは、チャンスがあればもう一度というような簡単な状況ではない。やはり、下支えするべきところはきちんとする必要があるのではないか。  今日は橋本厚労副大臣、来ていただいていますので、厚労省では、昨年から、二十名の、これはもう本当に私も見て、いろいろな方が入っているなと。地方自治体の担当者からNPO、あるいは福祉関係の方々、もちろん大学の先生、学識経験者、そういった方々が入って、生活困窮者自立支援の在り方の検討会、七回開催されて、先般、三月六日にその論点整理をされたと。  こういう中で、生活困窮者自立支援法は平成二十七年に施行されて、その中身見させていただきました。現役世代でも就労やあるいは家族の問題でつまずいた、そういった若い世代、あるいは生活困窮家族の子供さん、そして三つ目には高齢者、生活困窮者、そういった三つのカテゴリーの中で、やっぱりやるべきことは、法の施行に当たって二つあると。一つは、生活困窮者の自立と尊厳をきちんと確保すること、それから二つ目に、そういった方々の自立支援というものは地域ぐるみで、地域をつくる中で行うべきと、こういう方向が出されております。そういう中で、三つの要素、住まいとそれから就労と家計、こういったことが報告されておるわけであります。  そこで、住居、住まいについて、この検討会でどういった方向が出されておるのか、御披露いただきたいと思います。

橋本岳自由民主党・無所属の会厚生労働副大臣

○副大臣(橋本岳君) 御指摘の検討会で本年三月十七日に取りまとめられました、今お話をいただきました生活困窮者自立支援のあり方に関する論点整理、これをまとめたわけでございますが、この中で、居住支援の在り方に係る点について御答弁を申し上げます。  まず、現状の評価と課題というところでは、まず、住まいは単にハードとしての住宅、住居の役割にとどまらず、家庭を育み、地域社会とのつながりを持ちながら生活をしていく拠点としての重要な役割があり、その確保が自立の基盤となるとされているところでございます。  一方で、生活困窮者にとっては、住まいを確保するに当たり、家賃負担の問題に加え、連帯保証人、緊急連絡先の確保などの様々な課題があり、生活支援とハード面を一体的にした居住支援のニーズがあるのではないかといった課題も指摘をされているところでございます。  また、具体的な在り方の論点として、生活困窮者自立支援において居住支援は不可欠な要素ではないか、また、民間事業者も含め、住宅分野の政策と一体的に進めていく必要があるのではないか。また、家賃などのことですけれども、その家計負担が大きい場合、本人が希望すれば、転居をすることで家計改善となり得るが、それに対してどのような支援が考えられるのか。また、自立支援や地域の見守りなどのサービスがその住居にしっかりと付いていることでより入居しやすくなるのではないか、こうした論点が挙げられたところでございます。  こうした点につきまして、生活困窮者自立支援法を施行三年後に見直すということになっておりますが、これが三十年四月に来るということで、本年度、この社会保障審議会において検討をしっかり進めてまいりたいと考えているところでございます。

鉢呂吉雄民進党・新緑風会

○鉢呂吉雄君 今おっしゃいましたように、生活困窮者の抱える家賃負担ですとか、あるいは保証人の問題等、支援の不足が明らかであると、こういうふうに言って、しかもさらに、一時的な、過渡的な住まい、支援ではなくて、本来的な、長期継続性のある住まいというものの支援が大事だと、こういうふうに述べられておるところであります。  そういう中で、午前中の東京工業大学の土肥先生もお話ありました、地域づくり、固まって生活困窮者が同じところに団地を造るというふうなことのマイナス面もあると、むしろ地域で健常者も、あるいは支援される側もする側も混在する中でその地域の発展性、継続性があるのではないかと、こういったお話があったところでございます。  そして、支えられる側はいつまでも支えられる側ではなくて、時にしてそういった経験を、また支えられる人に様々な、恩恵を浴することができる、支援することができる、こういった社会が求められておるのではないかと。  この点について、石井大臣、今のお考え、どうでしょうか。

石井啓一公明党国土交通大臣

○国務大臣(石井啓一君) 御指摘の検討会につきましては、昨年厚生労働省との間で設置をいたしました局長級の連絡協議会におきましても情報共有されたところでございまして、その取りまとめの中では住まいについても重要な論点の一つとして位置付けられていると承知をしております。  この論点整理におきましては、生活困窮者自立支援を通じた地域づくりといたしまして、地域において就労や活動の場を得ることで自己肯定感を回復し、自らの居場所を見出すとともに、自らの役割を果たすことにより地域の活力の向上に寄与するという好循環を目指すことの重要性が指摘をされておりまして、私としても同感でございます。  今回の御提案をさせていただいている制度におきましては、住宅確保要配慮者の居住の安定を図るため、空き家、空き室などの住宅ストックを活用し、地域の中での暮らしを確保するとともに、適切な居住支援を通じて、地域の中で孤立することなく自立を促していくことを目指しているところでありまして、御指摘いただいた地域づくりにも大きく寄与するものと考えております。  国土交通省といたしましては、住宅確保要配慮者が安心して暮らすことができ、地域を支える側に立てるようになる社会の実現を目指しまして、厚生労働省と連携をいたしまして、今回の制度改正による住宅セーフティーネット機能の強化に全力で取り組んでまいりたいと存じます。

鉢呂吉雄民進党・新緑風会

○鉢呂吉雄君 大臣おっしゃったように、私も、混在することによって、地域づくりというものがより継続性で、助け助けられるという形がプラスの面で出てくると、こういう良さは今回の民間の空き家利用というのは私はあると思っております。  そこで、午前中にもお話がありました。厚労省も、完全なホームレスと言われる方々に対する調査というのは法に基づいて行われておると。残念ながら、ホームレス状態、いわゆるネットカフェですとか二十四時間喫茶店ですとか、帰る家が若干あるようなないような、そういった厚生労働省の言葉では住居喪失不安定就労者、これに対して、平成十九年、十年前に一度調査したきりという形で、午前中の参考人のお話でも、それらを含めたらかなり、潜在的も含めて、ホームレスという方々の数は相当数あると。十一万人というような数字も出ておったわけでありますが、このホームレス状態の方々の調査というものを、今は法律がないからやっておらないようですが、やっぱり継続してやる必要があると思うんですが、副大臣の御答弁をお願いしたいと思います。

橋本岳自由民主党・無所属の会厚生労働副大臣

○副大臣(橋本岳君) 一般的なホームレスの調査ということと、あと、私どもの言葉で申し上げるならば住居喪失不安定就労者の方に対する調査ということと御質問があったかと思いますが、まず、住居喪失不安定就労者というネットカフェ等で夜を過ごしていらっしゃる方に対する調査についての御質問と承ってお答えをさせていただきたいと思います。  御指摘をいただきましたように、平成十九年に、住居がなく、いわゆるインターネットカフェ等に寝泊まりしながら不安定な雇用形態で就業する人の存在が指摘をされておりました。これを受けて、緊急に全国的な実態調査を実施をしたという事実はございます。ただ、その折に、ネットカフェ等の関係者の方あるいはその関係の団体等から、逆にそうしたことがネットカフェの営業にちょっと差し障りがあると。要するに、そうした方々であふれ返っているような印象があたかも世間に付くというのは彼らにとっては決して好ましいことではないということで、ちょっと様々な御意見を、風評被害のおそれを懸念する声などをいただいておりまして、現時点においてはそうしたような調査をすることはちょっと困難であるというふうに考えております。  ただ、御懸念をいただいておりますように、当然そうしたところで就労だとか生活が不安定な方が過ごしておられる実態というのはもちろんあり得ることだろうというふうに考えておりまして、平成二十七年四月に施行された生活困窮者自立支援法により全国に生活困窮者の相談窓口が整備しておりますが、そのネットカフェに滞在する人全てが福祉的支援のニーズを有しているわけではないとは思いますけれども、ただ一方、支援を要する方もおられるであろうということで、相談をいただいて個々の状況に応じてしっかりと支援を行える体制とするということがまず大事なんだろうというふうに考えております。  実態においては、例えばネットカフェ等に対して自立相談支援機関のチラシあるいは連絡先を配布する等の取組をしておりまして、そうしたところでおられて支援をもし希望される方がおられれば、きちんと適切にその相談につなげていくということについてしっかり取り組んでまいりたいと考えているところでございます。

鉢呂吉雄民進党・新緑風会

○鉢呂吉雄君 それに関連して、ホームレス自立支援法の五年の期間がこの八月に来るということで、議員立法でありますから今各党の議員の皆さんが協議をしておる状況ですが、厚生労働省として、この延長といいますか、それについての考え方、そしてその中にいわゆるホームレス状態の方々の定義というものをしっかりするのかどうか、お答えを願いたいと思います。

橋本岳自由民主党・無所属の会厚生労働副大臣

○副大臣(橋本岳君) 今御指摘をいただきましたホームレス自立支援法につきましてですが、議員立法でございまして、今後の在り方については国会において御議論いただくものと承知をしております。  ただ、この法律があることによってこれまでのホームレス支援策が支えられてきたものと認識をしております。具体的には、就業支援、住居確保のほか、医療の提供、生活保護の実施といったホームレス支援に係る総合的な施策を実施する国の責務を定めているほか、この法律に基づき、実態調査の実施や国や自治体における基本方針、実施計画の策定を行ってきてまいっております。  一方、実態として、依然として私どもの調査によれば六千人超ということになりますが、ホームレスの方はまだまだおられるということ、また、その方々も高齢化あるいは路上生活期間の長期化といったことが見られておるわけでございまして、ホームレスの自立支援に関する施策を引き続きしっかりと推進していく必要があると考えております。  今申し上げたことを踏まえて、国会においてしっかり御議論いただきたいというふうに考えております。

鉢呂吉雄民進党・新緑風会

○鉢呂吉雄君 その調査の関係で五千人超、だんだん減ってきておると。多いときは二万二千人以上いたという形ですけれども、午前中の参考人の聴取でも、潜在的といいますか、調査の仕方、昼間の調査ということで、ARCHの皆さんが調査したものは夜間の調査と、調査員もかなり数を多くしてダブらないような形でやって、その数からいけば十一万人ほどいるのではないかと。ですから、やっぱり調査方法というものをきちっと、アメリカ、ヨーロッパでは夜の調査をちゃんとやっておるということですから、その点についてもお願いをいたしたいと思います。  それで、国交大臣に聞きたいんですけれども、今回の法律では、二条の定義のところで低額所得者等の形があります。法律を作ったときの国交省の説明では、いわゆる要配慮者という言葉は余り私も好きでないんですが、その方々、かなり数は書いてあるんですが、今回限定をして下げた、少なくしたというのは私は納得できないと。  今言ったホームレスの方あるいは外国人、後でまたちょっと質問しますけれども、あるいはDV被害者とか例えば被生活保護者というような方は、やっぱりこの定義の中で明記することが至当ではないか。省令で定めるというふうな形で言っているわけですけれども、今更この法案を修正するというのはかなり難しいかと思いますけれども、国交省の話では数によって制限したというようなふうに聞こえるんですけれども、やっぱり基本的な住宅の関係ですから、こういったホームレスというのを定義の中に明記すべきだと思いますけれども、御答弁願います。

石井啓一公明党国土交通大臣

○国務大臣(石井啓一君) 法律では、この住宅確保要配慮者には低額所得者が明記をしておりますけれども、ホームレスや、あるいは住居を失い不安定な雇用等によりインターネットカフェなどで寝泊まりしている方については、通常この法律案で住宅確保要配慮者として定義をされております低額所得者に該当するため、法律上規定がなされているものと考えているところでございます。

鉢呂吉雄民進党・新緑風会

○鉢呂吉雄君 今日はちょうどオリパラの副大臣に来ていただきましたので、このホームレスの関係で御質問いたします。  二〇〇〇年のシドニー、あるいは二〇一二年のロンドン、二〇一六年のリオ・オリンピック、いずれもホームレス問題と抱き合わせで非常に前向きのアピールをしておると。例えば、ロンドンやリオでは文化オリンピアードの一環としてホームレスの人々が合唱団のパフォーマンスを行うとか、様々な取組をしています。  私もよく分からないんですが、前回の東京オリンピックのときはホームレスを排除するような形があったということを知らせていただいたんですが、今回の東京オリンピック・パラリンピックでも、多様性とか共生社会ということで、障害者とか高齢者、子供、外国人、LGBTへの言及はあるんですが、残念ながらホームレスの言及はないという形で、是非、このアクションさらにはレガシープランの中にホームレスの方々を加える、そういった方向で検討していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

水落敏栄自由民主党・こころ文部科学副大臣・内閣府副大臣

○副大臣(水落敏栄君) お答えいたします。  二〇二〇年東京大会におけるアクション・アンド・レガシープランとは、多くの国民の参画を促していく様々なイベント、取組等のアクションや、大会をきっかけに次代を担う若者たちに継承していくレガシーをオリンピック組織委員会がまとめ、策定したものであると承知をいたしております。  御指摘のとおり、ホームレスに関わる具体的な取組は、現時点において本プランに記載されておりませんが、大会ビジョンの一つである、委員おっしゃる多様性と調和の考え方に沿うものと考えております。  今後、ホームレスに関わる具体的な取組が出てきた場合には、組織委員会におきまして本プランへの掲載等について適切に対応していただけるものと考えておりまして、政府としても必要な助言を実施してまいりたいと思っております。  以上であります。

鉢呂吉雄民進党・新緑風会

○鉢呂吉雄君 よろしくお願い申し上げます。  住宅、住居の関係については、石井国交大臣、例えばこれは総務省の資料で、国交省の中にも出ておりますけれども、三十歳未満の若い勤労単身世帯の方々で、一か月の消費支出で住居費の占める割合ですけれども、これが、昭和四十四年ですから、今から五十年ぐらい前には男女とも五%程度が住居費の、家計支出の全体ですね、割合だったのが、今や何と食料費を抜いて男女とも二五%、二六%に住居費がなっておると。  先ほど、私はある人に聞いたんですけれども、フランスのパリに留学したら、寮に入っているそうですけれども、それでも申請をすれば誰もが国の住居の、家賃の支給を受けることができると。  先ほど、午前中の参考人の段階でも、一定の家賃よりも上回った分は国が支援する、アメリカ等でのそういう支援もあると。こういう中では、若い皆さんも含めて、日本では非常に厳しい状況にあると。  例えば、これもよく言われるんですが、結婚の障害になっているもの、男性でありますけれども、結婚資金がないので結婚できない、四三%、その次に多いのが結婚生活のための住居、これが一九・三%、だから結婚を諦めておるんだと。皆さんも御承知のとおり、先般発表された国立人口問題研究所の発表では、生涯未婚率、男性が二三・三七%と、四人に一人近くが生涯独身だというような中で、午前中もお話ありました、親のところにいるよりも、早めに実家を出て住居を持つことによって若者の自立も促進できる、こういう国もあると。  日本は日本的な風土がありますから一概にはいかないと思いますけれども、あるいはまた、先ほど、ホームレスは仮の支援はあります、給付金という形で最大九か月、一時的な給付をすると。二十二、三億、これは予算を使って利用しているようです。しかし、午前中の識者の参考人の発言では、むしろ、そういうホームレスの方に最初から居住するところをちゃんと与える方が、継続して、持続してそこで安定して職を持続できると、こういうお話がありました。  私も、札幌市の支援センターに行ったら、一時的なところに住んでおるんですけど、やはりなかなか長続きしないと。こういう中で、若い皆さんのこれに対する住宅政策というものもやっぱり考えていく必要があるのではないかと、こんな感じをしておるところでございます。  そこで、もう一つ、外国人の住民調査が法務省で先般、先々週でしたか、新聞報道に載っていましたので法務当局から聞かさせていただきました。四千二百五十二名の郵送での回答をしていただいたという中で、過去五年間で、日本で住居を探した経験のある者で外国人であることを理由に入居を断られた経験のある者、約四割、日本人の保証人がいないことを理由に入居を断られた経験がある者、これも四割と。  これ、ダブっているかどうかは法務当局も分からないということで、しかし、かなり入居を断られた外国人の方があると。外国人の方は、今現在、平成二十八年六月で二百三十一万人居住しておるわけでありまして、そういったものでは、先ほど、定義の中には外国人という定義はありませんでした。低額所得者に入るかどうか私分かりませんが、やっぱりこういった方々の定義というものは明確にする必要があるのではないかと、こういうふうに思います。  押しなべて、大臣、国交省の調査は、大家さんといいますか賃貸人の意向調査はやっておりますけれども、もっと入る人の考え、入る人のものというものを、法務省に聞いたら、厚生労働省から問合せはなかったと言っています。もっと入る側の調査なり、あるいは関係機関総合してこれに対応するということが大事だと思いますけれども、外国人の定義の問題についてもお答えいただきたいと思います。

石井啓一公明党国土交通大臣

○国務大臣(石井啓一君) 本法案の住宅確保要配慮者につきましては、地域や時代が変わりましても普遍的に住宅の確保に特に配慮を要する者として考えられる世帯属性を法律上定義するという考え方によりまして本法案を用意しているところでございます。  具体的には、現行法第一条に規定をしております低額所得者、被災者、高齢者、障害者、子供を養育している者について定義を行うとともに、その他で住宅の確保に特に配慮を要する者につきましては、国土交通省令でその内容を定めることとしております。  外国人につきましては、現行法に基づく基本方針におきましても、住宅の確保に特に配慮を要する者の概念に含まれるものとされるところでありまして、本法案の成立後、新たに定めることとしております国土交通省令におきまして明確に規定をいたしたいと考えております。

鉢呂吉雄民進党・新緑風会

○鉢呂吉雄君 あと五分少々ですので、端的に質問いたします。  先ほど、石井委員の質問に対して、今回の民間の賃貸については登録制という話で、認定でないので法律にも明記しなかったかの御答弁だったというふうに記憶しますけれども、今も公営住宅の応募倍率、午前中からお話しになっています、全国平均でも五倍以上の五・八倍の競争率、東京では二十二・八倍。これはもう何回応募しても当たるか当たらないか、こういった状況というのは、私はより深刻だと。単に空き家を利用するというような賃貸人の都合のところの問題ではない、むしろ低所得者を含めて、低額家賃のところに入りたいけれどもなかなか入れない、それを抜本的に、根本的に転換をするのが今回の法案でなければ私はならないと思うんです。  私は、本当にこれで皆さん、登録制にして、それだけの登録をしてくれますか。私は地方自治体に聞きました。もう地方自治体、都道府県や市町村で、居住支援協議会ですか、そこに委ねるのはいいんだけれども、午前中の参考人の質疑もありました、地方自治体の方向性が大事だと。それだけの人的なものがないと、こういう中で、私は、この十年間、様々な、公営住宅ばかりではありません、地域改良賃貸住宅、借り上げ公営住宅、住宅確保あんしん居住推進事業、どれも私は成功していると思えません。成功しているのなら、こんなに公営住宅を応募する人はいないじゃありませんか。  私は、そういう面では、本当に成功させるだけの国交省としての意気込みがあるのかどうか。単に登録制、ちょぼちょぼ改修するための五十万円の助成で、耐震構造だけで消えてしまいます。家賃二万円、三億円総額でこの下半期、こんな少額で公営住宅を補完するだけの家賃補助ができるんですか、量的に。  私は、是非、もっと深く考えて、本当に大転換するなら、公営住宅に係る建設費、これを年次的に下げていってもいいですよ。地方によっては公営住宅の改修費、こういったものを新設をしない。こういったもので事実上、財政的に苦しくなっていると。じゃ、そういった家賃補助で、本当の意味で低額所得者をこういった住宅に入れられるのかどうか。  先ほどヨーロッパの話をしました。申請すれば、そういった登録制の賃貸の住宅に入るというような姿を取れるかどうか、やっぱりそこが今問われておると思うんです。  大臣の御答弁をお願いします。

石井啓一公明党国土交通大臣

○国務大臣(石井啓一君) 公営住宅は住宅セーフティーネットの根幹を成すものでありまして、その供給は大変重要であります。一方で、今後加速化する人口減少や厳しい行財政事情の下、その大幅な増加は見込めない、なかなか厳しい状況でございます。  今後十年で単身高齢者が百万人増加すると予測されるなど、住宅確保要配慮者の増加が見込まれておりまして、住宅確保要配慮者の方々が安心して暮らすことができる社会を実現するため、これまで取り組んでまいりました公営住宅を始めとする公的賃貸住宅やサービス付き高齢者住宅等の供給に加え、重層的な住宅セーフティーネット機能の強化を図る必要があると考えております。  このため、本法案の登録住宅につきましては、民間の空き家、空き室を活用いたしまして、重層的な住宅セーフティーネット機能の強化を図ろうとするものであります。必ずしも公営住宅を代替するものではございませんけれども、公営住宅の入居資格を持つ方も含めまして、住宅確保要配慮者が入居できる賃貸住宅の選択肢を増やすものでありまして、その居住の安定の確保に十分資するものであると考えております。

鉢呂吉雄民進党・新緑風会

○鉢呂吉雄君 三年間で十七万五千戸、先ほどのお話では十年後五十万戸、本当にこれで今の公営住宅応募倍率の二十二倍なり五・八倍というものを解消できますか。  そして、大臣、家賃の補助についてもどういった見通しを持っているのか。もう時間が一分しかありませんから、これ以上はできません。最低でも、私は公営住宅法も全部見させていただきました。家賃補助について法律で条文で明記されております。今回、この法律条文明記はなくなりました。これではますます財政当局にも立ち向かうのはできない。やはり法律に明記をしてもっと大胆に、公営住宅が本当に建てられないのであればこの登録制の民間空き家を、空いているわけですから、これを徹底的に利用して、そしてこういった利用者、希望者を解消する。その考えがなければ、私は石井大臣のこの法案に対する魂は入らないと思いますので、最後の一分間でお答えいただきたいと思います。

石井啓一公明党国土交通大臣

○国務大臣(石井啓一君) 今回、家賃補助につきましては、いわゆる予算補助制度としてございますけれども、この法律制定後、初年度であります今年度は下半期分ということで約五千戸分を見込んでおりますが、平成三十年度以降につきましては、制度発足後の地方公共団体における取組状況等を踏まえながら、必要な予算の確保に努めてまいりたいと考えております。

鉢呂吉雄民進党・新緑風会

○鉢呂吉雄君 終わります。     ─────────────

増子輝彦民進党・新緑風会

○委員長(増子輝彦君) この際、委員の異動について御報告いたします。  本日、吉田博美君が委員を辞任され、その補欠として藤木眞也君が選任されました。     ─────────────

高瀬弘美公明党

○高瀬弘美君 公明党の高瀬弘美です。どうぞよろしくお願いいたします。  今回の法案は、お独り暮らしのお年寄りの人口が増加を続ける中、また、単身の高齢者の方々が入居が拒まれる、そういう事例が発生し、また、若い方の中にも所得が低いために家を借りることが難しい、子育て世帯が子供さんが小さいことを理由にアパートに入るのを拒まれる、また、外国人や体に障害を持たれている方が様々な理由で住居を確保することが難しいという状況と、また公営住宅の数が追い付かないという中で、全国的にどんどん増えている空き家を活用して、こうした方々の入居を拒まない賃貸住宅として登録していただき貸していただくという、非常に創造的な法案であると思っております。  国の方からは、バリアフリーにするための工事費用であったり子供さんの防音対策など必要な改修費の一部を大家さんに補助したり、また、所得の低い方や保証人を見付けることが難しい方でも入れるように、家賃補助や家賃保証料を支援するということも含まれております。  この法案に当たっては、既に各都道府県に設置してある居住支援協議会の機能強化をして、また、必要に応じて市町村でも居住支援協議会を立ち上げることができるように支援する予算が含まれるなど、地域に根差した居住支援協議会の役割が重要となってまいります。  本法案は、我が党の先輩方が約十年前に骨子として発表をしました住宅セーフティーネット法案が基となった議員立法の法案の改正案となっております。本当に住居確保の支援の必要な方の元にきちんと情報が届いていくように、我が党の山本香苗政審会長が提案されて粘り強く求めてきた国土交通省と厚生労働省との局長も含んだ連絡協議会が開催されるなど、縦割りではなく協力体制がつくられていった、諸先輩方の努力の結実の法案であると私は思っております。  まずは、この一歩前進の本改正案に御尽力いただいた皆様に対して心より感謝の念を申し上げ、質問に入らせていただきます。  まず、今回の法案は空き家対策でありますので、空き家をお持ちの大家さんに登録をしていただくということから始まっていきますけれども、今回の登録を想定している空き家、空き室というのはどのようなものなのでしょうか。空き家と聞きますと一軒家を想像してしまうんですが、アパートなども登録できるものなのでしょうか。

由木文彦国土交通省住宅局長

○政府参考人(由木文彦君) お答えいたします。  本法案におきます住宅確保要配慮者の入居を拒まない賃貸住宅として登録できる住宅は、今委員お話しいただきました空き家となっている持家の戸建て住宅を始めといたしまして、アパートやマンションの空き家、これについても登録されることを想定をいたしております。  登録に当たっては、適切な居住水準を確保することができますように、登録住宅の基準といたしまして、耐震性を有することや最低居住面積以上であること、あるいは近傍同種の賃貸住宅の家賃の額と均衡を失しないこと等の要件を定めた上で、必要に応じて登録住宅の賃貸人に対して都道府県等が必要な指導監督を行うことができるというような制度にいたしております。  こうしたことによりまして、持家の戸建て、アパート、マンションを問わず、広く登録をしていただきたいというふうに考えているところでございます。

高瀬弘美公明党

○高瀬弘美君 ありがとうございます。  アパートであっても一軒家であっても登録ができるということでありますが、この空き家をお持ちの大家さんが是非私の持家を使ってほしいと思っていただく、登録をしていただくということが大事な一歩となりますけれども、この登録を促進していく上での課題を国交省としてどのように認識をしていらっしゃるか、末松副大臣にお伺いしたいと思います。

末松信介自由民主党・こころ国土交通副大臣・内閣府副大臣・復興副大臣

○副大臣(末松信介君) お答え申し上げます。  先生御指摘のとおり、大家さんに物件を積極的に登録していただき、できるだけ多くの登録住宅を確保することが大変重要でございます。  一方で、民間賃貸住宅の管理業者の団体が行っている調査によりますと、例えば単身の高齢者については六五%、生活保護受給者については六〇%、障害者の方がおられる世帯については六八%の大家さんが入居の際に拒否感を感じてございます。これは、賃貸住宅の大家さんは、住宅確保要配慮者の入居につきまして、低額所得者による家賃滞納への不安、高齢単身者の孤独死などへの不安、入居中の高齢者の事故や子供の騒音による隣家からの苦情などトラブル発生への不安など、こういった不安を感じているものと考えられます。  本制度が有効に機能するためには、こうした不安を払拭していく様々な施策を講じまして、大家さんの拒否感を解消していくことが極めて重要であると考えております。大家さんの考え方が大切であります。御協力いただけるような環境整備をするのが行政の責任の一つと考えております。よろしくお願いいたします。

高瀬弘美公明党

○高瀬弘美君 ありがとうございます。  今御答弁のありました課題につきまして今回の制度の中で具体的にどのように対応し、大家さんや空室を持っている不動産会社が是非登録をしたいと思うようなインセンティブが含まれているのでしょうか。御説明をお願いいたします。

由木文彦国土交通省住宅局長

○政府参考人(由木文彦君) お答えいたします。  本制度におきましては、登録を推進する観点から、賃貸人の不安を払拭できますよう様々な支援措置を講じることといたしております。  まず、一つ目の家賃滞納への不安についてでございますけれども、これにつきましては、適正に家賃債務保証を行う業者についての情報提供をいたしますとともに、住宅金融支援機構の保険引受けの制度を新たに設けることといたしております。また、生活保護受給者につきましては、住宅扶助費等につきまして、賃貸人からの通知に基づく代理納付の要否を判断をしていただくための手続を創設することといたしました。  また次に、大家さんにとって、例えば高齢の単身の方の孤独死などの不安ございます。これにつきましては、今回、居住支援協議会の従来の活動に加えまして、居住支援法人の指定という制度を設けております。また、居住支援協議会への助成についても予算措置を講じているところでございます。こういった入居者に対する居住支援活動の充実により対応していただくべく努めてまいりたいと思います。  それから、入居に伴う高齢者の事故や子供の騒音等のトラブルへの不安につきましては、そうした事故を起こさない、あるいは騒音が起きないような住宅に改修をしていただく際の助成、自己負担分については住宅金融支援機構による改良融資、こういった制度を御用意しているところでございます。  こうしたインセンティブ措置を講じることによりまして、賃貸人の、大家さんの入居の拒否感の解消を図り、住宅を登録していただく動機付けとなるものというふうに考えているところでございます。

高瀬弘美公明党

○高瀬弘美君 ありがとうございます。  今、生活保護の方については市町村による代理納付というお話がありましたが、これは大家さんの側からすると、もう大変大きな安心材料になると思います。  大家さんの側に立ってみますと、生活にお困りの方に貸したいという思いはあったとしても、家賃の滞納が一番困る。そこで、先ほど石井委員の御質問の中にもありましたけれども、生活保護を実施している市町村から直接家賃が代理納付されるということであれば、これは安心してお貸しすることができることになるかと思います。ただ、大家さんにとっては、生活保護の方を受け入れてしばらくたってから代理納付がされるかどうか分かるという状況では、なかなか最初からお貸しをしますということにならないのではないかなと思います。  そこで、お伺いいたしますが、今回の代理納付を進める新しい制度につきまして、入居の段階から代理納付を活用できるように運用を図っていくべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。

由木文彦国土交通省住宅局長

○政府参考人(由木文彦君) お答えいたします。  御指摘のように、生活保護を受けられている方々の入居に対する大家さん、すなわち賃貸人の不安を払拭いたしますためには、代理納付の活用を推進していくことが有効であると考えております。  特に大家さんにとりましては、入居者を受け入れる段階で代理納付されるかどうかが分かることが望ましいと考えております。法律上、入居段階においても、賃貸人、大家さんは保護の実施機関に通知をすることができるという制度にいたしております。例えば、家賃を滞納するおそれが高いと認められる事情がある場合等には入居段階から通知をするということを想定しているところでございます。その際には、通知を受けた保護の実施機関が代理納付の要否を速やかに判断していただいて、賃貸人にその判断結果を伝えていただくということが賃貸人の不安の払拭と生活保護受給者の入居の円滑化に資するものというふうに考えております。  このため、国土交通省といたしましては、厚生労働省と連携をいたしまして、本制度に基づく賃貸人からの通知があった際の事務処理方法などを定めた上で、保護の実施機関への周知を行うなど、生活保護受給者の民間賃貸住宅への円滑な入居が進むように取り組んでまいりたいと考えております。

高瀬弘美公明党

○高瀬弘美君 ありがとうございます。是非周知の方も力を入れていただきまして、各市町村においてもこのことが広く知られているという状況をつくっていただきたいと思っております。  そこで、今度は家を探していらっしゃる方の側に立ってみたいと思いますが、私の友人でシングルマザーとして子育てをすることになった友人がおります。これまで住んでいた家を出ることになりまして、子供と一緒に住む家を探さなくてはならなくなりましたが、不動産会社に相談に行ったところ、子供さんの泣き声ですとか、近所が騒音で苦情が来るという理由で物件の紹介ができないということで断られてしまいました。その友人はシングルマザーでありますので、平日はお仕事をしております。動けるのは週末しかなく、週末は市役所等、県庁も閉まっておりますので、なかなか市やあるいは県が出している広報紙を読む時間もありません。本来、彼女は今回の法案の対象である子育て世帯でありますので、市や県に相談すると今回の法案が通った後に登録住宅の紹介を受けるということが可能となりますが、こうした制度があることすら必要な方が知らないという場合が多い。  そこで、今回の制度が本当に有益なものとなるかどうかは、不動産会社に行って断られたときに、地方自治体においてこういう新しい住宅の確保が困難の方のための住宅がありますよという紹介がされるということが実は重要ではないかと思っております。この点をどう推進していくのでしょうか。また、不動産会社や市役所に行く時間のない方のためにネットでこの登録住宅を簡単に検索できるような工夫も必要と思いますが、いかがでしょうか。

由木文彦国土交通省住宅局長

○政府参考人(由木文彦君) お答えいたします。  住宅確保要配慮者の入居を拒まない登録住宅につきまして、それを必要とする方々に必要な情報が確実に提供されるということは重要だと思っております。このため、住宅確保要配慮者の方々がいつでも好きな場所で登録住宅の検索をできるようにするなど、できるだけ利便性を高める工夫を講じていきたいと思っております。そうした工夫が効果的であるというふうに考えております。  御指摘をいただきましたまずインターネットでございますけれども、登録住宅の検索や閲覧を行うことができるインターネットサイトを構築をしてまいりたいと思っております。また、既存の賃貸住宅検索サイトに登録住宅である旨などを表示してもらうように検索サイトの運営者との調整も行ってまいりたいと考えております。住宅確保要配慮者が登録住宅の情報に容易にアクセスできるように、こうしたインターネット等を使って取り組んでまいりたいと思っております。  また、もう一つ御指摘をいただきました不動産会社でございます。これは、自ら紹介できる物件では住宅確保要配慮者が入居できなかった場合に、今回の新しい住宅セーフティーネット制度の仕組みや居住支援協議会の窓口を紹介していただくということは大変重要だというふうに思っております。不動産関係団体に対しまして、まず本制度の周知に努めてまいりたいと思っております。  なお、この法案の検討過程で、社会資本整備審議会の小委員会の中に不動産関係団体からも参加をいただいております。この制度については大変前向きな御意見をこうした団体からもいただいておりましたので、この点については業界からも積極的な御協力がいただけるものというふうに考えているところでございます。

高瀬弘美公明党

○高瀬弘美君 ありがとうございます。  例えば、広島県におきましては、先進的な取組としまして、県営住宅の抽せん会場に情報提供コーナーがつくられておりまして、県営住宅の抽せんに落ちたとしてもすぐに相談ができるようになっているということを国土交通省からお伺いをしております。このような取組が全国的に展開をされるように、公営住宅、県営住宅入れなくても、ちゃんと安心してほかに当たることができる住宅があるんだということを是非皆様に周知していただけるようにお願いをしたいと思います。  次に、住宅を探している方と、その住居を貸したいと思う大家さんとをつなぐ、各都道府県に設置されている居住支援協議会についてお伺いしたいと思います。  県レベルでの居住支援協議会は既に全国にあるということですけれども、今回の法案の中身に、この居住支援協議会の機能が強化をされることとなっております。また、強化がちゃんとされなければ、今回の法案うまく機能をしないのではないかと思っております。県によって恐らく取組にばらつきがあるのではないかと思っておりますが、公営住宅が足りなかったり、あるいは空き家がたくさん出ているのは、都心部だけではなくて、地方に行けば行くほどそういう状況は深刻になっております。  今回の法案を受けまして、町ですとか、あるいは政令市ではない市のレベルでも、うちは是非居住支援協議会を立ち上げたいという前向きなところが出てくると思いますが、そうした市町村に対する支援はどうなっているのでしょうか。

由木文彦国土交通省住宅局長

○政府参考人(由木文彦君) お答えいたします。  市区町村によります居住支援活動につきましては、都道府県の居住支援協議会に参画をいただくか、又は自ら協議会を設立していただくという市区町村、この全市区町村に占める割合を、現在四〇%でございますけれども、これを倍増させて八〇%まで高めるという目標を掲げております。  このためには、委員からも御指摘いただきましたように、地域の実情に応じて入居円滑化の支援が行われるような体制を取ることが重要だと思っております。自ら協議会を設立しようとする市区町村につきましては、できるだけ先駆的な取組をお知らせするなどの優良事例の横展開を図ることによりまして設立を促進をしてまいりたいというふうに考えております。一方、規模が小さい市町村などなかなか自ら設立することが困難な場合には、是非、都道府県の居住支援協議会に御参画をいただくということを働きかけてまいりたいと思っております。  特に、この居住支援協議会の活動におきましては、福祉部局とその関係団体の参画を促進することが極めて重要でございます。昨年、厚生労働省との間で局長級の連絡協議会がスタートいたしました。こういう場を使いまして、厚生労働省の方からも居住支援協議会の設置や参画について働きかけていただくこととしてまいりたいと思います。  また、この居住支援協議会の取組に助成を行っております。今後、市区町村の協議会や、あるいはより多くの市区町村が参画をする都道府県の協議会、こうしたところにおきます効果的な取組について国から重点的に支援を行ってまいりたいと考えております。

高瀬弘美公明党

○高瀬弘美君 ありがとうございます。  様々助成が行われるということですけれども、小さな町あるいは小さな市であればあるほど人材不足、人的資源が足りないという状況もありますので、是非その面も含めてのサポートを国土交通省としてお願いをしたいと思っております。  今回の法案は大変新しい取組でもありますので、実際行っていく中で様々問題点も見えてくるのではないかと思っております。例えば、改修費用の補助が今回出ますけれども、せっかく空き家を改修しても借り手がなかったというようなことになってしまいますと、結果として税金の無駄遣いになってしまいます。ですので、どの物件を改修補助の対象とするかについては、地元のニーズをしっかりと吸い上げていくということが大事だと思っております。  また、入居当時は要配慮者であったけれども、その後いろんな状況が好転をしまして民間の住宅を借りれるようになったという方に対して、入居を待っているほかの要配慮者の方が入れるようにどう住み替えを促していくかとか、今後運用の中で考えていかないといけない部分というのはたくさん出てくるのではないかと思っております。  しかしながら、まずはこうした住宅セーフティーネット法案が前進しているということが大変大きな一歩ではないかと私は思っております。  最後に、今回の制度の円滑な実施に対する大臣の御決意をお伺いして、私の質問を終わらせていただきます。

石井啓一公明党国土交通大臣

○国務大臣(石井啓一君) 今般の法改正は、単身高齢者など住宅確保要配慮者の増加や、人口減少等を背景といたしました空き家、空き室の増加といった課題を踏まえ、住宅確保要配慮者の方々が安心して暮らせる社会を実現するため、重層的な住宅セーフティーネット機能の強化を図るものであります。  このため、まずは本法案の成立をお願いをいたしますとともに、法案成立の暁には、国土交通省において速やかに基本方針や政省令の改正に取り組み、制度の迅速な実施を図った上で、昨年末に厚生労働省との間で設立をいたしました連絡協議会も活用いたしまして、住宅部局と福祉部局の密接な連携の下に居住支援の取組を進めるとともに、地方における住宅確保要配慮者の実態や居住ニーズの把握等も含めまして、居住支援協議会の活動を積極的に支援をし、地域の実情に応じた居住支援活動を強化するなど、本制度の円滑な実施を図ってまいりたいと存じます。  また、御指摘のように、実際に制度を運用していく中で様々な課題が生じていくことも想定をされるところでありまして、地方公共団体、不動産関係団体、居住支援団体等と緊密に連携して課題の解決を図っていくことによりまして、住宅確保要配慮者の居住の安定の確保に全力で取り組んでまいりたいと存じます。

高瀬弘美公明党

○高瀬弘美君 ありがとうございました。  以上で終わります。

仁比聡平日本共産党

○仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平でございます。  私は、熊本の被災住宅の再建とこの法案についてお尋ねをしていきたいと思うんですけれども、まず、午前中の参考人質疑でも御意見をお尋ねしましたが、このセーフティーネットということを住宅について考えるときに、私、ついの住みかということはとても大事なことだと思います。  大臣、UR公団住宅をついの住みかにとお住まいの方々の生活実態調査、これは秋の国会でも直接私どもの議員からお尋ねがあったと思うんですが、この公団自治協の皆さんの調査を拝見しますと、七十七歳の独り暮らしの女性で、年金が百九十六万円、一方で家賃が十二万六千六百円、ですから家賃の負担率が七七%にも上って、医療や介護の負担で使えるお金はほとんど残らないと。あるいは、九十九歳の男性が、六年前にそれまで住んでいた民間賃貸の更新ができなくてURに入居をされる。  高齢者のリスクというお話がこの法案について出ていますけれども、実際、六十五歳以上になると民間賃貸は断られてしまう。長年連れ添った夫を二年前に亡くされた七十八歳の女性は、御主人の分の年金、これがなくなりますから収入が三分の一に減って、食費を切り詰めても暮らせない。あるいは、七十五歳の女性は、障害がある娘さんと二人暮らしなんですけれども、八年前から市営住宅を申し込んでいるけれども落選続きと、それで家賃の支払が遅れてしまう、せめて公営住宅並みの家賃にならないかと。本当に切迫したニーズだと思うんですよね。  住まいの貧困が広がっている。本来、公営住宅でしっかりと住まうことができるようになるべき方々が、そうではない状況に置かれている。私は、このニーズをしっかりつかんで要配慮者に対する支援を充実していくということがこれから問われていくと思うんです。特に被災者について言いますと、元々そうした切迫したニーズがあるところに、災害で全てを失うわけですよね。  住まいは生活の基盤です。被災者にとってみれば元の生活を取り戻す基盤なわけですけれども、今度の法改正でこの被災者を要配慮者に入れた言わば魂といいますか、これは大臣、何なのか。そうした被災者のニーズをしっかりつかむことが大事だと思いますが、いかがですか。

石井啓一公明党国土交通大臣

○国務大臣(石井啓一君) 被災者につきましては、住宅の滅失等によりまして住宅を確保する緊急性が高いため、現行法や住生活基本法におきましても住宅確保要配慮者に含まれているところであり、今回の改正法案におきましても、新たに置いた定義の中で明確にしているところでございます。  被災者の応急的な住まいにつきましては、例えば昨年の熊本地震におきましては、民間賃貸住宅等を活用したみなし仮設住宅の提供が一万五千三百六戸、応急的な住まいの約七割を占めるに至っており、民間の空き家、空き室を活用した応急的な住まいの役割がますます高まっていると考えております。  今回の改正法案におきましては、民間の空き家、空き室を活用いたしまして、住宅確保要配慮者の入居を拒まない賃貸住宅の登録制度を創設することとしておりますが、この登録制度によりまして、被災者が応急的に入居できる賃貸住宅をあらかじめ明らかにすることによりまして、災害時において被災者の応急的な住まいへの円滑な入居、特に初動期においての円滑な入居につなげていくことができるものと考えております。

仁比聡平日本共産党

○仁比聡平君 大臣も、衆議院で、発災から三年たっても個別の災害状況に応じて丁寧かつきめ細かい対応をしていくと御答弁をされました。私、そうした全ての被災者が元の生活を取り戻せるように再建を支援する、これが国、自治体の責任だと思うんですね。  そこで、お配りしている資料一枚目ですが、一年目を迎えた熊本地震、四月十四日の熊本日日新聞の一面でございます。私も日曜日に改めて益城、訪ねてまいりましたけれども、御覧のように、仮住まい四万七千七百二十五人、二万二百六世帯が仮設住宅や今大臣がお話しになったみなし仮設を始めとしたところで避難生活を強いられているわけです。その下で、持家が全壊あるいは大規模半壊して、まだ一万四千棟の解体が残っていますが、ようやく公費解体が終わった方々、お話を伺ってきました。  この写真のとおり更地がどんと広がっているわけですけれども、多くの方が自宅再建のめどが立たないわけです。ある自治会長さんは、これからの一、二年、みんな苦悩するんじゃないか、支援金の基礎支援金百万円というのはもう避難生活のために大方費やされた。特に七十代以上の被災者は、新しく建ててもローンや固定資産税を払えないのではないか、いつまで住めるか、いずれ介護施設に行かなければならなくなるのではないかと、様々な悩みが深くて、その下で塞ぎ込んで孤独死に至ってしまう方が出ないようにするためにどうすればいいかと必死で考えているわけですね。そうした下で、持家がかつてあったし田畑もあるんだけれども、復興公営住宅に行くしかなくなるのではないかといった声が渦巻いているわけです。  具体的に出ている今の現在の声は、余震が続いている下で地盤が心配だということなんですよね。宅地整備にお金が掛かるという声です。例えば、元のところに自宅を再建したいけれども、基礎工事のくい打ちが必要になると。それで百五十万円から二百五十万円が必要と業者から言われたという方や、あるいは隣のおうちがそうした基礎のくい打ちに十五メーターの深さまで二十七本くいを打たなきゃいけないということが分かって、そうしたらうちの家はどうなるんだろうかと、まだ頼んでいないけれども不安が募るばかりというような声があるわけですね。  そこで、国土交通省の都市局がこの益城の地盤調査をこの間されました。二枚目に資料を抜粋していますが、三月末に最終報告が出されたんですけれども、被災者には全く知られていません。ホームページには出ているんですが、難しくて、とても読んでも、私も読みましたが、とてもこれだけで分かるようなものではないんですね。  この資料の下の方、御覧いただくと、つまり、三つの活断層で激しい地震があったわけですけれども、地盤に最大三十五センチのずれが生じたけれど、建物はそのずれで壊れたわけじゃありませんと。だから、耐震基準を満たす宅地の整備とその上の建物というのが再建されるなら、仮に万が一同じ規模の地震が将来あったとしても倒壊の可能性は低いですというのが国土交通省の評価だと思うんです。報告書の中身を見ますと、地域の地盤全体が広域的に液状化したのでもありませんという評価などもあるんですが、これで住民の皆さんの不安が払拭されるかどうか。  これ、共有してみて初めて分かると思うんですね。そのような形で、住民の皆さんにしっかり共有して検証するべきだと思うんですが、いかがでしょうか。

栗田卓也国土交通省都市局長

○政府参考人(栗田卓也君) 熊本地震の発災から一年が経過しまして、益城町における復興まちづくりもますます本格化してまいります。被災者の方々との間の情報共有、ますます大事になっていくものと思います。  今委員御指摘の熊本地震からの益城町の市街地復興に向けた安全対策のあり方等に関する最終報告、これは益城町の市街地直下で断層が活動したことを踏まえた国の直轄調査の成果でございます。内容としまして、今委員にもお触れいただきましたが、地質調査等に基づく活断層位置の推定と将来の活動に対する評価、市街地復興に向けた活断層のずれに対する安全対策の提案等について検討を行った結果を今年三月に最終報告として取りまとめております。  本報告内容につきましては、国土交通省、益城町のホームページからも閲覧可能としておりますが、これまでにも、より地元への直接的な説明にも心掛けてきております。例えば、本省の職員が、益城町の復興計画策定委員会というものがございます、その専門部会にオブザーバーとして参加しておりますが、町、県に対しまして調査の各段階で詳細な説明を行い、十分な理解をいただくように努めてまいりました。また、今年二月に開催された町主催のシンポジウムにおきましても、本省職員等が住民の方々に対して直接説明を行っております。  国土交通省としましては、今後とも、分かりやすさにも心掛けまして、できるだけ多くの方の御理解が深まるよう努力していきたいと考えております。

仁比聡平日本共産党

○仁比聡平君 局長、短く。  この調査、個々の宅地に着目してなされたものではないんですけれども、大臣、お聞きになっていてお分かりのとおり、実際、出てくる写真などを見ると、ああ、これはうちの家だとか、あるいはこれは隣の道だとかいうことが地域の皆さんにとってみれば分かるようなものなんですよね。これ、例えば甚大な被害の宮園地区とかあるいは安永地区とか、そういう自治会ごと、町内ごとに説明すれば、自分の宅地が抱えている課題も随分はっきりしてくるんじゃないかと思うんです。  今度具体化されている擁壁の、二メーター以上、二戸以上あれば支援するといった支援策などと併せて住民説明会をしたらどうかと思うんですが、大臣、いかがですか。

栗田卓也国土交通省都市局長

○政府参考人(栗田卓也君) 今後、益城町におかれましては、いろいろな課題の共有、まちづくりの検討などを行う住民主体のまちづくり協議会の設置を進められるということでございます。既にその端緒が始まっております。町ではこうした機会も捉えて最終報告の内容につきましても説明されると伺っております。  国土交通省としましては、町のこのような取組に対しまして、被害が甚大で早急な復興事業が必要な地区などにおいては、町からの求めにも応じまして、国自ら直接御説明するということも念頭に置いております。  報告内容について住民の方々の御理解が深まるよう、町、県と一体となって取り組んでまいります。

仁比聡平日本共産党

○仁比聡平君 是非、まずの出発点でよろしくお願いしたいと思うんですね。  実際に宅地を整備していく支援というのがもっともっと必要ですから、その相談の中から課題も浮かび上がってくるんじゃないかと思うんです。  ちょっと資料の一枚目をもう一度御覧いただきますと、そうした下で四万七千七百二十五人が仮住まいという状況で、下の方、災害公営住宅の整備予定数というのがこの間出されておりまして、県全体で千二十七戸にとどまっているというお話なんですね。例えば、今の益城で三百戸、熊本市で百五十戸というんですけれども、私は、これはもう到底そんなニーズではないと思うわけです。  持家が再建できない、あるいは借家に住まっていらっしゃった方で、壊れて、家主さんがもうそのアパート直しません、直せませんと。これについては今度の支援策で家主さんへの改修の支援ができるようになるわけですけれども、その目標がどれぐらいになるのかというのも、私、全然まだ分かっていないと思うんですね。  あるいは、家賃が地震から一年たって随分高騰しています。ですから、自分の収入あるいは地震の前の収入では家賃が払えるところが見付からなくて、だから仮設から出る見通し、あるいはみなし仮設から出る見通しは立たないという方々もいらっしゃるわけですね。  大臣、この法案に基づく地域の供給促進計画、これを作っていくには、今私が申し上げたような、実際どんな家が必要なのかという要配慮のニーズをこれちゃんとつかむことがまず大事だと思います。その認識と、それから、借り上げ公営住宅、これをしっかり活用していくと。新しく新築するというのには自治体の方でいろいろ限度があるかもしれない、いろんな状況が起こるかもしれないけれども、今日午前中、塩崎参考人からありましたように、今のみなし仮設になっているところをみなし公営として借り上げてもらって、ずっと住み続けるということができれば安心できると、こういうことは可能だと思いますが、いかがですか。

石井啓一公明党国土交通大臣

○国務大臣(石井啓一君) 被災地におきましては、自力では住宅の再建が困難となっている方も含め多くの被災者がいらっしゃいますが、こうした被災者の住まいに関する意向は様々であり、また時間の経過につれて変化することも想定をされます。こうした被災者の意向につきましては、地方公共団体が適宜実態調査を行い、その状況を綿密に把握して様々な施策を実施していくことが必要と考えておりまして、例えば災害公営住宅の供給計画につきましても、適時適切に被災者の状況を把握をしながら必要に応じ計画を追加するなどの対応が必要であると考えております。  また、今般の法改正におきましては、地方公共団体が自主的に住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給促進計画を作成できることとしておりまして、被災地においてこの計画を策定するに当たりましても、被災者を始めとした要配慮者のニーズや実態を丁寧に把握することが重要であると考えております。  また、借り上げ公営住宅につきましてですが、現時点では熊本県の各地方公共団体で供給の予定があるとは聞いてはおりませんけれども、地方公共団体が民間賃貸住宅等を借り上げ、被災者に災害公営住宅として提供することは制度上可能でございます。  いずれにいたしましても、自力で住まいの確保が困難な方に対しどのような形で災害公営住宅を提供していくかにつきましては、各地方公共団体におきまして被災者の意向や地域の住宅事情を踏まえながら適切に対応していただくものと考えております。  国といたしましては、借り上げ公営住宅も含めまして、地方公共団体が災害公営住宅を整備、供給するに当たりましてはしっかりと支援してまいりたいと存じます。

仁比聡平日本共産党

○仁比聡平君 ありがとうございました。

室井邦彦日本維新の会

○室井邦彦君 日本維新の会の室井邦彦です。  この住宅セーフティーネット制度に関するこれまでの取組についてお伺いをしたいと、このように思っております。  この住宅セーフティーネット、平成十九年に制定以来、国土交通省においても、これまでもこの住宅セーフティーネットの構築のためにいろいろと取り組んでこられてきたと思っておりますが、本法案の審議に当たり、これまで住宅セーフティーネットに関する取組をどのように実施をしてこられたのかということと、もう一点は、どのように成果を上げることができたと評価をされているのか、この点をお聞きをしたい。  もう一点、現状の課題をそしてどう認識、把握をされておられるのかということ、ここらをひとつ是非お聞かせください。

石井啓一公明党国土交通大臣

○国務大臣(石井啓一君) これまでの我が国の住宅セーフティーネットにつきましては、その根幹としての公営住宅を始めとしましてUR住宅やサービス付き高齢者住宅の供給を図るなど、社会経済情勢の変化に対応し、その機能を強化してきております。  具体的には、地方公共団体千六百七十六事業主体による公営住宅が約二百十六万戸管理されているほか、都市再生機構や地方住宅供給公社による賃貸住宅が約八十五万三千戸供給され、民間事業者を主体とする特定優良賃貸住宅等が約十六万四千戸、さらに平成二十三年に創設をいたしましたサービス付き高齢者住宅が約二十一万七千戸供給されているなど、住宅セーフティーネットとしての機能を強化をしてきたところでございます。  また、平成十九年には住宅セーフティーネット法が議員立法により制定をされまして、国において住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する基本的な方針を定めたほか、地方公共団体の住宅部局と福祉部局、不動産関係団体、居住支援団体等の様々な主体から構成される居住支援協議会が新たに位置付けられ、この協議会は現在、全ての都道府県と十九の市区町で組織をされているところでございます。  このように、住宅確保要配慮者の居住の安定の確保のため様々な取組を実施をしてきたところでありますが、今後、単身高齢者など住宅確保要配慮者の増加が予測されている一方で、住宅ストック全体を見ると、民間の空き家、空き室の増加が見込まれているところでございます。  こうした状況を受けまして、今般、民間の空き家、空き室を活用し、住宅確保要配慮者の入居を拒まない賃貸住宅の登録制度を創設する本法案を提案をしているところでありまして、これによりまして重層的な住宅セーフティーネットの機能の一層の強化を図ってまいりたいと考えております。

室井邦彦日本維新の会

○室井邦彦君 よくいろいろときめ細かく政策を打ち立てていただいているということ、よく理解をいたしましたけれども。  そういう中で、サービス付き高齢者住宅、サ高住、これもすごい勢いで財源、予算も確保していただいて、かなりの人気があるというか、業者が勢いよくサ高住を建設をしたわけでありますけれども、最近その立派なサ高住が競売に掛かったり運営できないという問題、社会問題に至っているということもよく耳にするわけでありますけれども、その辺は更にきめ細かく、原因がどういうところにあったのか、一つの地域に密集し過ぎたのか、また、いわゆる人手不足、そういうところが原因なのか、そういうところもしっかりとまた把握をしていただいて前に進めていっていただきたいなと、このように感じているところであります。  私は、団塊の世代が八百万人から八百五十万いると言われておりますけれども、二〇二五年には七十五歳以上の人口が二千百八十万人と。こうなってくると、ますますこういう住宅のセーフティーネットが必要となってきますので、是非しっかりと対応していただくように更にお願いを申し上げておきたいと思います。  続いて、二つ目でありますけれども、この住宅セーフティーネット制度における、今申し上げましたが、各先生方からもいろいろと質問が重なりますけれども、お許しをいただきたいと思いますが、単身高齢者に対する居住支援についてお伺いをしたいと思います。  この住宅セーフティーネット制度の対象となっている高齢者への居住支援がこの円滑な実施を図る上で非常に重要となってきております。特に単身高齢者は今後大幅に増加することが見込まれているわけでありますが、現在、この単身高齢者の民間借家への入居状況はどうなっているのかまずお聞きをしたい、気になるところであります。  さらにまた、平成二十六年度の日本賃貸住宅管理協会による実態調査報告によると、賃貸住宅の大家さんは、持ち主ですね、高齢者のみの世帯、特に単身高齢者に対して入居拒否感が強く持っていることが分析で分かっております。そして、孤独死などに対する懸念から入居拒否感が高いものと考えられておりますが、この単身高齢者世帯が安心できる住まいの確保が進むよう、今後どのようにこの部分を取り組んでいこうとされているのか、お聞かせをいただきたい。

由木文彦国土交通省住宅局長

○政府参考人(由木文彦君) まず、単身高齢者の居住の状況でございますけれども、現在、単身高齢者六十五歳以上で六百一万世帯ございます。これが今後十年間でまだ約百万世帯増えるであろうという見通しがあるわけでございますが、このうち民営借家に住んでおられます世帯は約百三十二万世帯でございまして、約二割強が民間賃貸住宅にお住まいになっているという状況でございます。  こうした単身高齢者の入居に対しましては、調査によりますと、拒否感のある大家さんの割合が六五%、実際に入居を制限しているものは一二%となっておりまして、入居の拒否感は非常に高いものがあるというふうに考えております。この入居の拒否あるいは制限をする理由といたしますと、様々ございますけれども、多いものはやはり家賃の支払に対する不安とそれから居室内で死亡事故等のトラブルに対する不安、こういったものが挙げられるのではないかと思っております。  このため、提案をさせていただいております制度におきましては、先ほど来申し上げておりますような住宅確保要配慮者の入居を拒まない登録制度というものを創設するとともに、登録住宅について、大家さんの不安を払拭できるような様々な措置を講じることとしております。  具体的には、家賃滞納への不安につきましては、適正に家賃債務保証を行う業者についての情報提供、また住宅金融支援機構による保険引受け、こういった制度を追加をいたします。また、生活保護受給者に対する代理納付の要否を判断をいたします手続を創設するということも先ほど来御説明をしてまいっているとおりでございます。  また、孤独死などの問題につきましては、居住支援法人の指定や居住支援協議会の活動への助成等によりまして、入居者に対する居住支援活動を充実してまいりたいと考えております。さらに、高齢者等の事故のトラブル等の不安につきましては、そういったことが起きないような改修に対する助成、あるいは自己持ち出し分に対する住宅金融支援機構による改良融資、こういったものも御用意をさせていただいておりまして、こうした措置を御利用いただくことによりまして大家さんの入居拒否感をできるだけ軽減させて、住宅確保要配慮者、とりわけ単身高齢者の入居の円滑化につなげてまいりたいと考えております。

室井邦彦日本維新の会

○室井邦彦君 局長には申し訳なく思っておりますけど、やはり後半になると同じような質問で重なってしまいますので、その点、御理解をお願いしたいと思いますね。  高齢化社会というか、日本の場合は超高齢化社会ということであります。そういうところを十分認識していただいて、やはり安心して暮らすことのできる社会を実現するというのが一番重要なポイント、重要なところであると思いますので、是非これからもそういう対応を、積極的に取り組んでいただきたい。また、各自治体にも指導を徹底的にしていただきたいと、このように願うところであります。  続きまして、住宅確保要配慮者に対する住宅賃貸の登録の促進策についてお伺いをいたします。  この法改正によるセーフティーネット制度が有効に機能していくためには、住宅確保要配慮者の入居を拒まない登録住宅をできるだけ多く確保するということが非常に重要なところであります。  国が登録住宅の登録戸数を二〇二〇年末までに十七・五万戸を目標としておられるわけでありますけれども、その根拠をお聞きしたい、このように思っております。あわせて、この賃貸人の入居拒否感の低減を図る、登録を増やしていくための登録促進としてはどのような取組を考えておられるのか、また、その登録促進策を持ち主、大家さんに周知徹底させていくためにはどのように取り組んでいこうとされているのか、お聞かせください。

由木文彦国土交通省住宅局長

○政府参考人(由木文彦君) お答えいたします。  まず、登録住宅の目標戸数につきましては、現在、空き家、空き室等となっております住宅ございます。このうち耐震性能や一定以上の床面積を有しますもの、さらに、過去の補助の実態等を踏まえまして所有者等が登録住宅として活用する意向を持つ、そういった割合を勘案をいたしまして、今後十年間でおおむね五十万戸、これを目標として設定をいたしました。この十年間で五十万戸という数字を、三十二年度末までの三年半でまず十七万五千戸分を達成するということで、目標値として設定をさせていただいているところでございます。  この目標を達成するためには、委員御指摘のとおり、登録を大家さんの方に広く行っていただく必要がございます。このためには、大家さんができるだけ登録をする動機付けとなるよう、住宅確保要配慮者に貸すことに対する不安を払拭をするということが一番のポイントだというふうに思っております。  この点は、先ほども御説明をさせていただきましたけれども、家賃滞納に対するやはり不安の払拭、それから、例えば、大家さんにとって、孤独死などが起きる、そういったことについての不安の払拭、さらにはトラブル、騒音とかあるいは事故が起きる、けがをするといったようなトラブルに対する不安の払拭、こういったことにそれぞれ、先ほど申し上げましたような家賃債務保証の問題とか、あるいは居住支援協議会の居住の支援の充実とか、あるいは住宅の改良の助成、こういったものについて支援策を講じることによりまして大家さんの不安を払拭して、住宅の登録につながる動機付けになるものというふうに考えております。こういったことを利用して、登録住宅を広く募ってまいりたいと思っております。  さらに、御指摘をいただきましたようなPR、制度全般の周知、これは大変重要だというふうに考えております。大家さんあるいは不動産関係団体の周知につきましては、国が直接説明会を実施してまいりたいというふうに考えております。また、それぞれの地域で地方公共団体やあるいは居住支援協議会がいろいろな情報提供をやることを是非進めてまいりたいと思っております。そういったところには、私どもの方で例えば分かりやすいPRの冊子等を作成して配布をするとか、あるいは説明会等に国の職員を派遣して説明をさせていただくとか、そういった取組で、特に地域における公共団体や居住支援協議会の取組の支援を行うことによりまして広く周知を図ってまいりたいと考えております。

室井邦彦日本維新の会

○室井邦彦君 五十四分までなので、もう一問だけ簡単に。  居住支援協議会を設立する市町村は、千七百四十一市町村のうち、先ほどもあったんですが、質問が、今年三月末で六百八十八市町村、四〇%という現状であるわけでありまして、これを二〇二〇年度までに八〇%にすると、こういうことでありますけれども、どのようにされるのか、それだけ答えてください。最後の質問にいたします。

由木文彦国土交通省住宅局長

○政府参考人(由木文彦君) お答えいたします。  目標は今委員御指摘のとおりでございます。  まず、このためには、やはり国、地方公共団体で住宅部局と福祉部局の連携を図ることと、それから、宅建業などの不動産団体や居住支援団体との連携を図ること、こういった様々なレベルで連携を進めることが非常に大切だと思っております。  市町村レベルでの取組につきましては、居住支援協議会に市町村レベルに設立をしていただくか是非参加をしていただくということで、それを呼びかけを行いたいと思います。これについては厚労省との間で連絡協議会をつくりましたので、厚労省の方からも呼びかけていただくということをしていただくようにしてまいりたいと思っております。  さらに、助成を今考えておりますが、助成についても、市区町村の協議会や、あるいはより多くの市区町村が参画をする都道府県の協議会、こういったものに国から重点的に支援を行うことによりまして、この支援協議会が市区町村レベルで設立をされる、あるいは市区町村が都道府県の協議会に参画をする、そうした割合を高めて住宅セーフティーネット機能の強化を図ってまいりたいと考えております。

室井邦彦日本維新の会

○室井邦彦君 ちょっと一言だけ。住宅部局……

増子輝彦民進党・新緑風会

○委員長(増子輝彦君) 申合せの時間が過ぎておりますので。

室井邦彦日本維新の会

○室井邦彦君 はい。  住宅部局とか福祉部局、また民間団体と行政との連携をしっかりと取っていただくことが大切だと思いますので、要望して終わります。

青木愛希望の会(自由・社民)

○青木愛君 希望の会、自由党の青木愛です。  住宅セーフティーネットの法案の審議に関しましては、午前中の参考人質疑の中で今後の課題について質問させていただきましたし、また午後の各委員の先生方との質問に重なることも多くありますので、私は、この法案にまず賛成することを表明いたしまして、一言、大臣からの御意見をお伺いしたいと思います。  将来に向かって、人口減少を背景にいたしまして、空き家、空き室がますます増加をすることを踏まえ、民間の空き家、空き室を利用して要配慮者に対しての住居を提供するという今回の制度は、大変現実的な制度の第一歩であると評価をいたしたいと思います。  この制度が今後有効的に機能するためには、まず国から地方自治体に至るまで住宅政策と福祉政策の連携を密にすること、また地域の実情に沿った実態調査を定期的に実施をすること、また家賃の低廉化に対してしっかりとした予算の保障をすることが大切だと考えております。  大臣の総合的な御意見をお聞かせいただきたいと思います。

石井啓一公明党国土交通大臣

○国務大臣(石井啓一君) 今回の制度改正によりまして重層的な住宅セーフティーネット機能の強化を図るに当たりましては、御指摘のとおり、まず、国及び地方公共団体におきまして、住宅部局と福祉部局との連携の下で施策を推進することが重要であると認識をしております。このため、国におきましては、昨年、厚生労働省との間で設置をいたしました関係局長級による連絡協議会などを活用し、より一層の連携を深めるとともに、地方におきましても、住宅部局や福祉部局、またその関係団体が連携をいたしました居住支援協議会の活動に対する積極的な支援を行ってまいります。  また、実態の把握につきましては、地域ごとに住宅事情が異なることから、本法律の基本方針におきまして、地域における住宅確保要配慮者の実態把握の重要性について明らかにすることとしております。厚生労働省とも連携をいたしまして、今回講じる施策の実施状況について、その有効性も含め、フォローアップをしてまいりたいと存じます。  さらに、家賃低廉化につきましては、継続的な支援を行い、住宅確保要配慮者の居住の安定を図る必要があると考えております。制度発足後の地方公共団体における取組状況等を踏まえながら、必要な予算の確保に努めてまいります。  こうした取組を総合的に推進をいたしまして、今回の制度改正の効果が十全に発揮されるよう、全力で取り組んでまいりたいと考えております。

青木愛希望の会(自由・社民)

○青木愛君 ありがとうございます。  この制度がしっかりと機能するように、様々な角度からの予算措置を含めた必要な施策をお願い申し上げておきたいと思います。  それでは、話題を変えさせていただきまして、昨年の十二月の六日に参議院国土交通委員会において全会一致で可決、成立しました建設職人の基本法について今日はお伺いをさせていただきたいと思います。  今この基本法に基づきまして、国土交通省と厚生労働省とが基本計画を策定しているところと伺っております。そこで、建設従事者の安全確保、この一点について今日はお伺いをさせていただきます。現場からは、安全確保において手すり先行工法というこの足場の設置が大変有効であるという声を伺っておりまして、この点についてお伺いをいたしたいと思います。  まず、国土交通省にお伺いをいたしますけれども、国土交通省が、平成十五年から仕様書におきましてこの手すり先行工法のガイドラインを位置付けております。国の直轄工事はこの工法によらなければならないと実質されております。この仕様書の採用に先立ちまして、国土交通省が実証パイロット事業を行ったと聞いておりますけれども、その経緯をまずお伺いしたいと思います。

五道仁実国土交通大臣官房技術審議官

○政府参考人(五道仁実君) お答えいたします。  国土交通省では、平成十三年度に中国地方整備局が発注した工事において、手すり先行足場を採用した実証パイロット事業等を四つの工事で実施しております。その結果、安全性の評価項目では二つの工事で従来技術と同等、残りの二つの工事で従来技術より優れるという評価が得られております。  その後、平成十五年度の土木工事共通仕様書において、仮設工の施工に当たって適用すべき諸基準の一つとして平成十五年に厚生労働省が策定した手すり先行工法に関するガイドラインを位置付けているところでございます。

青木愛希望の会(自由・社民)

○青木愛君 ありがとうございます。  その実証パイロット事業によって評価すべきということにおいて、ガイドラインが作られたという経過だと思います。  平成二十二年の十月の十二日の衆議院の予算委員会におきまして、足場の設置の際にこの手すり先行工法を採用している国土交通省の直轄の工事現場においては死亡者がゼロであるという答弁がありました。現在もその傾向は続いているという認識でよろしいでしょうか。

五道仁実国土交通大臣官房技術審議官

○政府参考人(五道仁実君) お答えいたします。  国土交通省直轄工事で発生した事故関係の統計によりますと、足場からの墜落事故による死亡者は、平成十六年度から二十八年度の間において年間ゼロ名から四名の間で推移しております。直近の平成二十七年度の二件、平成二十八年度の一件発生した足場からの墜落による死亡事故について確認したところ、手すり先行工法を採用した現場では死亡事故はございませんでした。  国土交通省としては、墜落防止の措置として土木工事安全施工技術指針等の周知徹底を図ってきております。具体的には、狭隘な場所や橋梁上部からの点検等の手すり先行工法が使用できない場合における安全帯の使用や、新規に入場した作業員に対する安全教育の実施等の対策を進めているところです。これらの総合的な取組の結果、足場からの墜落事故による死亡者が、近年、先ほど述べさせていただいたとおりの水準で推移しているものと考えてございます。

青木愛希望の会(自由・社民)

○青木愛君 ありがとうございます。  手すり先行工法による直轄事業において死亡事故はゼロだったということが確認できました。  厚生労働省にお伺いをしたいと思います。御出席ありがとうございます。  安全対策として有効だという国土交通省がおっしゃっているこの手すり先行工法の実は実施状況なんですけれども、国が発注している事業は九割この工法が実施されておりますが、地方の事業に対しては八割、それに対して民間が一割でしか採用されていない。手すり先行工法の実施状況、民間では一割ということでありまして、したがって、民間事業においてはいまだ足場からの転落、墜落事故が多発しているという状況がございます。  まさに、このことは、この手すり先行工法が墜落、転落の事故防止に一つの手段として有効であるという証明だと思いますが、厚生労働省の御見解をお伺いしたいと思います。

田中誠二厚生労働省労働基準局安全衛生部長

○政府参考人(田中誠二君) お答えいたします。  厚生労働省の調査では、平成二十三年度の当時、手すり先行工法の採用率ですが、民間の現場で二三・二%、それも含めて、それ以外の建設現場も含めまして全体の平均で三三・七%というふうに把握をしております。  手すり先行工法につきましては、平成二十六年十一月に取りまとめられました足場からの墜落防止措置の効果検証・評価検討会の報告書によりますと、平成二十一年度から二十三年度に発生した足場の組立て、解体時における最上層からの墜落、転落災害、合計三百八件のうち、手すり先行工法を実施した現場における災害は九件、全体の二・九%となっております。その当時の手すり先行工法の普及率は約三割強ということでございますので、これを踏まえますと、この工法は足場の組立て、解体時における墜落、転落災害防止効果が高いと考えられるとされております。  一方で、同じ報告書では、手すり先行工法による手すりは足場の外側のみに採用されることが多いことから、足場の外側への墜落、転落防止効果は期待できるが、足場の躯体側への墜落防止のためには手すり先行工法に併せて安全帯の使用が必要となるというふうに記載されているところでございます。

青木愛希望の会(自由・社民)

○青木愛君 ありがとうございます。  今の御答弁によりますと、この手すり先行工法というのは、やはり一つの手段として墜落、転落事故防止に有効であるという御見解でよろしいのでしょうか。

田中誠二厚生労働省労働基準局安全衛生部長

○政府参考人(田中誠二君) 先ほどの報告書にあるとおり、この手すり先行工法は、足場の組立て、解体時における墜落、転落災害防止効果が高いというふうに考えられるとされているところでございます。

青木愛希望の会(自由・社民)

○青木愛君 ありがとうございます。  そうした御見解の上で、厚生労働省自ら平成十五年に推奨するべくガイドラインも出しているわけであります。手すり先行工法は、この墜落、転落事故防止に大変有効であるというふうに考えておりますけれども、今この基本計画が作られている中において、やはり今、先ほど二割とおっしゃいましたけれども、私の調査では一割でしか採用していないという、一割、二割でしか採用していないということなんですが、国の直轄工事については、仕様書においてこのガイドラインを位置付けたことによって実質この手すり先行工法は義務化されていると言っていいと思うんですが、この官民格差を是正して、やはり民間の工事についても国と同様の環境を整えるべきではないかというふうに思いますけれども、厚生労働省の御見解、お願いいたします。

田中誠二厚生労働省労働基準局安全衛生部長

○政府参考人(田中誠二君) 手すり先行工法につきましては、平成二十七年に改定をいたしました足場からの墜落・転落災害防止総合対策推進要綱におきまして、労働安全衛生規則の確実な実施に併せて実施することが望ましい、より安全な措置の一つとして位置付けまして、この工法の普及促進を図っているところでございます。  委員御指摘のように、墜落、転落災害の防止は重要な課題と認識をしております。現在検討を進めている建設職人基本法に基づく基本計画におきましても、墜落、転落災害の防止対策の充実強化に関する項目を盛り込むべく検討をしておりまして、実効ある対策の推進に一層取り組んでまいりたいと考えております。

青木愛希望の会(自由・社民)

○青木愛君 ありがとうございます。  是非、官民格差をなくして、国の直轄事業と同様の環境を民間の工事についても整えていただきたい、重ねてお願いを申し上げます。私としますと、この手すり先行工法の実施を義務付けることもこの死亡災害をゼロにする道の一つだというふうに思いますので、そのことはお伝えをしておきたいというふうに思います。  この建設職人の安全確保という点について、最後、大臣の御意見をお伺いをさせていただきたいと思います。  この建設業は、国民生活と産業活動の基礎を築く要の産業であります。それに加えて、今、日本各地で地震や集中豪雨など自然の猛威がもたらす災害が多発しておりますけれども、そうした災害に遭遇したときにいち早く被災現場に駆け付けて、昼夜を問わず復旧作業をしてくださっているのが建設業の方々であります。いかなる復旧作業でも、いかなる建設事業であっても、この建設従事者の犠牲を伴うものであっては許されません。  そうした観点から、この現場で働く方々の安全確保について、最後に石井大臣の御見解をお聞かせいただきたいと思います。

石井啓一公明党国土交通大臣

○国務大臣(石井啓一君) 建設業は現場で直接施工を担う建設工事従事者によって支えられておりまして、人材で成り立っている産業であります。一方で、過去に比べると建設業における死亡災害等は大きく減少はしているものの、平成二十七年において四百八名の方が亡くなっている現状は重く受け止めております。  建設工事従事者の安全の確保につきましては、労働安全衛生法の規定の遵守を徹底していくことがまず重要でありますが、その前提といたしまして、建設工事従事者安全健康確保法にも規定されておりますように、請負契約において適正な請負代金や工期等が定められることや建設工事従事者の処遇改善や地位の向上が図られること等が求められていると考えております。  また、建設工事従事者安全健康確保法の施行を受けまして、厚生労働省等の関係機関と連携しつつ、同法に基づき建設工事従事者安全健康確保推進会議及び専門家会議を設置し、現在基本計画の策定に向けた議論を進めております。同法やその附帯決議の趣旨を踏まえまして、基本計画の策定にしっかりと取り組んでまいりたいと存じます。

青木愛希望の会(自由・社民)

○青木愛君 ありがとうございます。  是非、石井大臣におかれましては、厚生労働省との連携の下で積極的なお取組をよろしくお願い申し上げます。  また、墜落、転落の犠牲者を出さない、死亡者をゼロにするという、まさに厚生労働省ならではの、労働者の立場に立って、安全対策に資するものはあらゆる方法も排除しないと、そういう姿勢で是非この基本計画に当たってお取組をいただきたいということを切にお願い申し上げまして、質問を終わらせていただきます。  ありがとうございます。

行田邦子無所属クラブ

○行田邦子君 無所属クラブ、行田邦子です。よろしくお願いいたします。  住宅セーフティーネットといいますと、真っ先に挙げられるのが公営住宅であろうかと思います。ただ、地方公共団体も厳しい財政状況の中で新たに公営住宅を建設するということは、これは現実的ではないのかなというふうに思っております。  一方でなんですけれども、借り上げ公営住宅なんですが、今公営住宅が二百十六万戸あるうちの二万四千七百四戸と、平成二十六年度末時点なんですけれども、こういった数となっていまして、公営住宅の中で借り上げが占める割合というのは非常に低いんですけれども、この借り上げ公営住宅制度を地方自治体の負担を軽減するような制度に改善をして、そして空き家、空き室を借り上げ公営住宅として活用する、こうした検討の余地はないのかどうか、まず国土交通大臣に伺いたいと思います。

石井啓一公明党国土交通大臣

○国務大臣(石井啓一君) 公営住宅の供給方法は、地方公共団体が直接整備する方法のほかに、民間事業者等の住宅を借り上げて公営住宅として提供する借り上げ公営住宅制度がございます。  借り上げ公営住宅につきましては、家賃の低廉化に要する費用に対して公営住宅法に基づき国がその二分の一を補助することとしておりますが、地方公共団体にとりましては、残りの費用負担に加えまして、自らが貸主となって管理しなければならないことや、管理期間終了時に入居者の住居を確保しなければならないことなどの負担が生じることになります。  地方公共団体への財政的支援につきましては、自ら整備する公営住宅とのバランス等の観点から定められたものでありまして、引き続きその枠組みを維持する必要があると考えておりますが、地方公共団体の自ら貸主となるという負担を軽減することにつきましては、指定管理者制度の導入を進めるなど、借り上げ公営住宅制度を活用しやすい環境の整備に取り組んできているところでございます。  いずれにいたしましても、借り上げ公営住宅の活用も含めまして、公営住宅の供給につきましては、各地方公共団体におきまして、地域の人口動向、住宅事情や行財政事情等を踏まえ、自らの判断により選択されるものでございます。国におきましては、社会資本整備総合交付金等により支援を行ってまいりたいと存じます。

行田邦子無所属クラブ

○行田邦子君 公営住宅をしっかりと供給するということが、これ必要性はもちろんあるのは言うまでもありませんので、借り上げ公営住宅という制度をもっと改善することを検討していただけたらと思っております。  それでは、局長に伺いたいと思うんですけれども、今回の用意されている新たな住宅セーフティーネット制度なんですけれども、これは福祉目的の住宅制度というふうに理解をしていますけれども、これを実施するためには、地方公共団体だけではなくて、例えば社会福祉法人とかNPO法人といったこうした非営利の団体に加えてなんですけれども、営利を追求する民間の様々なプレーヤーの参画と協力が必要となるかと思います。  特になんですけれども、大家さんの動機付けが必要というふうに考えておりまして、質問のちょっと一つ飛ばして三番なんですけれども、大家さんが住宅確保要配慮者の入居を拒まない賃貸住宅に登録することのインセンティブとして改修費の補助があります。ただ、これは国が幾らこういった補助制度を用意しても、地方自治体が補助金制度を創設しなければ、大家さんは国、地方それぞれ三分の一補助を受けることができません。地方自治体にどのように補助金制度設置を促すのでしょうか。

由木文彦国土交通省住宅局長

○政府参考人(由木文彦君) お答えいたします。  委員お話しいただきましたように、大家さんの不安を払拭する一つの手段といたしまして、例えば入居に伴う高齢者のバリアフリー化、あるいは子供の騒音防止の改築を行う際の改修費補助、これを国、地方三分の一ずつを行うという形で今回手当てをしているところでございます。  この改良費の支援につきましては、地域の住宅の事情や改修を行う大家さんの意向等を踏まえまして、やはり御指摘いただきましたように、地方公共団体がこの補助制度を積極的に創設をして活用していただくということが必要になります。したがいまして、この法案が成立をいたしました後に、国が定めるまず基本方針におきまして、地方公共団体において主体的に取り組んでいただくことの重要性、これをまず明らかにしてまいりたいと考えております。  それから、何より今回国でこのような制度を用意したという趣旨を広く周知をする必要があるというふうに考えております。本制度の趣旨や内容についてできるだけ分かりやすいPR冊子等を作りまして、これをできるだけ広く広報、周知をしてまいりたいと思っております。  また、特に地方公共団体に対しては、公共団体に対する説明会の実施、それから各種会議を地方公共団体と持っておりますので、そういった際を通じまして、特に住宅確保要配慮者向けの賃貸住宅として改良してうまく配慮者が受け入れることができたような先進事例、優良事例をできるだけ横展開をさせていただくことで、この事業の必要性や意義を訴えていくということに努めてまいりたいというふうに考えております。様々な手法を使いまして、国として積極的に働きかけを行うことによりまして周知活動を努めてまいります。  なお、国におきましては、当分の間ではございますけれども、公共団体の負担がなくても改修費の三分の一を直接補助をするという制度を当初設けることといたしておりますので、大家さんに対してはまずその措置もインセンティブになるものというふうに考えているところでございます。

行田邦子無所属クラブ

○行田邦子君 地方自治体の理解を促して、そしてまた地方自治体が主体性を持って取り組むように促していただきたいと思っております。  そして、この制度が効果を上げるための重要なプレーヤーとして家賃債務保証業者が挙げられるかと思います。この制度では、一定の要件を満たす家賃債務保証業者については住宅金融支援機構による家賃債務保証の保険を利用することができると、このようになっています。家賃の立替え後に支払われる保険金の額は七割と想定しているということで聞いていますけれども、七割程度とする理由は何なのか、そしてまた、この制度を設けたことによりまして住宅確保要配慮者の家賃債務保証契約がどの程度進むとお考えでしょうか。

由木文彦国土交通省住宅局長

○政府参考人(由木文彦君) お答えいたします。  家賃債務保証業者が代位弁済した家賃債務の全てについて住宅金融支援機構が保険金を支払うことといたしました場合には、家賃債務保証が例えば審査を事実上行わずに保証の引受けを行うなど、いわゆるモラルハザードが発生するおそれがあるというふうに考えております。このため、七割については住宅金融支援機構が保険金として支払をいたしまして、残りの三割は家賃債務保証業者に負担をしていただくということを予定をして、ここは七割という形を考えているところでございます。  この七割といたしますことにつきましては、これまで幾つかの家賃債務保証業者にヒアリングを行ってまいっておりますが、これを否定するような御意見はこれまで伺ってきていないところでございます。  現時点でこの家賃債務保証契約がどの程度進むかということについて、残念ながら定量的にお示しをすることができませんけれども、当該保険の活用によりまして家賃債務保証業者のリスクは相当下がるものというふうに想定をいたしておりますので、住宅確保要配慮者が保証を受けやすい環境整備が進むものというふうに考えているところでございます。

行田邦子無所属クラブ

○行田邦子君 私もそのように期待をしております。  そして、賃貸住宅の契約の場合は、今大体六割が家賃債務保証業者を利用しているということであります。ただ、この家賃債務保証業者の選定なんですけれども、これは入居者が選ぶということはまずほとんどないのではないかなと思っていまして、多くの場合は大家さんによってどの家賃債務保証業者を使うのかということが選択をされる、また、その選択に当たっては大家さんの方で十分な情報がない場合というのは、恐らく不動産会社の影響もあるのではないかと思っております。  今分かっているだけで百四十七社あるという家賃債務保証業者ですけれども、この中で住宅確保要配慮者と契約をするというリスクを取る業者、つまり国に登録された業者を選択する動機付けを大家さんやまた不動産会社にどのように与えることができるのか、動機付けについてどのように捉えていますでしょうか。

由木文彦国土交通省住宅局長

○政府参考人(由木文彦君) お答えいたします。  今般、適正な家賃債務保証業者についての国土交通大臣による、任意ではございますけれども、登録制度を省令上設けたいというふうに考えております。この登録制度を設けることによりまして、登録された業者についてきちんとした情報提供を行うことにより、適正な業者が選択をされやすい環境を整えたいというふうに考えております。  御指摘いただきましたように、家賃債務保証業者については、多くの場合には大家側が選択をしております。今回のこの登録制度におきましては、一定の財産的基礎や適正な経理処理が実施されているかどうか、あるいは苦情等に適切に対応するための相談体制が整備されているかどうかなど登録の要件を設定する予定でございまして、この要件を満たす業者につきましては、大家さん等がより安心してこの家賃保証業者を選択できるということにつながるものと考えております。  また、今回登録を受けました家賃債務保証業者につきましては、住宅金融支援機構が保険の引受けができるという措置を新たに創設をいたします。この措置によりまして、保証のリスクが下がります。住宅確保要配慮者の家賃債務保証が促されることになりますので、大家さんにとっては入居の対象が広がって安定した経営にもつながるという効果もあるものというふうに考えております。  こうした措置によりまして、大家さんが登録された業者を選択する動機付けにつながるものというふうに考えているところでございます。

行田邦子無所属クラブ

○行田邦子君 それでは、最後の質問なんですけれども、藤井大臣政務官に私、初めて質問させていただきます。よろしくお願いいたします。  この法案の第四十二条一項なんですけれども、居住支援法人は、登録事業者からの要請に基づき、登録住宅入居者の家賃債務の保証をすることというふうに、このようになっていますけれども、ちょっとここで私は不安を感じたんですけれども、恐らく福祉のNPO法人とかあるいは社会福祉協議会などが想定されると思うんですけれども、このような団体というのは十分な債権回収のノウハウがあるとは思えませんし、また、引当金といいますか、積立金が十分に用意されているのかということもちょっと疑問を感じるわけであります。  恐らくこの居住支援法人が引き受けることになるであろう家賃債務保証というのは特にリスクの高いものになるかと思いますけれども、このようなリスクの高い家賃債務を保証しても問題がないとお考えでしょうか。

藤井比早之自由民主党・無所属の会国土交通大臣政務官

○大臣政務官(藤井比早之君) 行田委員にお答えいたします。  居住支援法人につきましては、その指定や債務保証業務規程の認可に当たりまして、家賃債務保証等の支援業務を公正かつ適確に行うことができることを都道府県知事におきまして判断することとしております。また、都道府県知事は、必要があると認めるときは居住支援法人に対しまして指導監督を行うことができるということとしております。  これらに加えまして、居住支援法人が行う家賃債務保証につきましては、住宅金融支援機構による保険引受けの対象とすることを予定しております。仮に家賃滞納が発生して居住支援法人が家賃債務保証を実施した場合には、その金額の七割を住宅金融支援機構が保険金として支払うことにより居住支援法人のリスク低減を図ることとしております。  これらの措置によりまして、居住支援法人において住宅確保要配慮者に対する家賃債務保証が適切に実施されるものと考えておるところでございます。

行田邦子無所属クラブ

○行田邦子君 ありがとうございます。  この法案の説明を聞いていまして、福祉ということとそれから市場原理、今回民間のプレーヤーがたくさん入ってきますので、基本的にはもうからなきゃやらないというのが民間ですので、こういったプレーヤーを参加させて、この折り合いをどうやって付けていくのか、非常に難しい制度だなというふうに思いながら質疑をさせていただきましたけれども、是非この新しい制度がしっかりと効果のあるものになるように私も期待を申し上げまして、質問を終わります。  ありがとうございました。

増子輝彦民進党・新緑風会

○委員長(増子輝彦君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。  これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。  住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

増子輝彦民進党・新緑風会

○委員長(増子輝彦君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  この際、長浜君から発言を求められておりますので、これを許します。長浜博行君。

長浜博行民進党・新緑風会

○長浜博行君 私は、ただいま可決されました住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・こころ、民進党・新緑風会、公明党、日本共産党、日本維新の会、希望の会(自由・社民)及び無所属クラブの各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。     住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講じ、その運用に万全を期すべきである。  一 本法による住宅セーフティネット機能の強化と併せ、公営住宅を始めとする公的賃貸住宅政策についても、引き続き着実な推進に努めること。  二 低額所得者の入居負担軽減及び安定的な住宅確保を図るため、政府は予算措置を含め必要な支援措置を講ずること。  三 高齢者、障害者、低額所得者、ホームレス、子育て世帯等の住宅確保要配慮者の入居が拒まれている実態について、国土交通省と厚生労働省とが十分に連携し、住宅政策のみならず生活困窮者支援等の分野にも精通した有識者や現場関係者の意見を聞きながら、本法律の趣旨を踏まえ、適宜調査を行うなど、各々の特性に十分配慮した対策を講ずること。  四 住宅確保要配慮者が違法な取立て行為や追い出し行為等にあわないよう、政府は適正な家賃債務保証業者の利用に向けた措置を速やかに講ずること。  五 地方公共団体による賃貸住宅供給促進計画について、その策定の促進を図るとともに、地域の住宅確保要配慮者の実情に即し、かつ空き家対策にも資する実効性のあるものとなるよう、必要な支援を行うこと。  六 住宅セーフティネット機能の強化のためには、住宅確保要配慮者居住支援協議会の設立の促進とその活動の充実等を図ることが重要であり、また、地方公共団体の住宅部局及び福祉部局の取組と連携を強化することが不可欠であることに鑑み、各地域の実態を踏まえ、必要な支援を行うこと。  七 災害が発生した日から起算して三年を経過した被災者についても、必要が認められるときには、住宅確保要配慮者として支援措置を講ずること。    右決議する。  以上でございます。  何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。

増子輝彦民進党・新緑風会

○委員長(増子輝彦君) ただいま長浜君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

増子輝彦民進党・新緑風会

○委員長(増子輝彦君) 全会一致と認めます。よって、長浜君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、石井国土交通大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。石井国土交通大臣。

石井啓一公明党国土交通大臣

○国務大臣(石井啓一君) 住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律の一部を改正する法律案につきましては、本委員会におかれまして熱心な御討議をいただき、ただいま全会一致をもって可決されましたことに深く感謝申し上げます。  今後、審議中における委員各位の御意見や、ただいまの附帯決議において提起されました事項の趣旨を十分に尊重してまいる所存でございます。  ここに、委員長を始め理事の皆様方、また委員の皆様方の御指導、御協力に対し深く感謝の意を表します。  誠にありがとうございました。

増子輝彦民進党・新緑風会

○委員長(増子輝彦君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

増子輝彦民進党・新緑風会

○委員長(増子輝彦君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後三時三十二分散会

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