国土交通委員会 第7号
- 発言数
- 149 件
- 登壇者
- 21 名
- 会派数
- 8
- 開催日
- 2017/04/11
会議録
○委員長(増子輝彦君) ただいまから国土交通委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 去る六日、小川敏夫君が委員を辞任され、その補欠として羽田雄一郎君が選任されました。 ─────────────
○委員長(増子輝彦君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 海上運送法及び船員法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、国土交通省海事局長羽尾一郎君外九名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(増子輝彦君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(増子輝彦君) 海上運送法及び船員法の一部を改正する法律案を議題といたします。 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○朝日健太郎君 おはようございます。自由民主党、朝日健太郎です。 まず冒頭に、発生から間もなく一年を迎えようとしている熊本地震に関して、避難生活を送られている方々へお見舞いを申し上げます。春を迎え、学校では新入生の新たな生活が始まったことと思います。私の生まれ故郷でもあります熊本の復興をしっかりと後押しをしていきたいと思います。 さて、本日は、海上運送法及び船員法の一部を改正する法律案について質問をいたします。 まず、世界を俯瞰してみた際、我が国の特徴といえば、言うまでもなく、日本は四面を海に囲まれた島国であり、海洋立国でもあります。皆様御承知のように、我が国は資源に乏しく、国民生活の大半を海外の資源に大きく依存しているのが現状でもあります。 私は、海岸を利用するビーチバレーというスポーツ競技者出身でもあることから、海と日本プロジェクトと題し、海辺環境の活性化事業をライフワークにもしております。また、競技者時代には、大会等を通じ世界の海や港に関わる機会を多く持つことにも恵まれました。海外で競技会を行うその中で特に印象的だったのが、前回の質問の場でも質問させていただきましたけれども、大型化するクルーズ船の活況な市場であったり、そのほか海事産業に関わる大きな経済活動を目の当たりにもしてきました。 そのような視点から、四面を海に囲まれている日本は海外と比較し地理的優位性があると認識をしておりますし、海に開かれている我が国日本だからこそ、積極的に海事産業の開発や促進をすることが我が国の強みになると考えております。そうした観点からも、我が国の経済成長を推進する大きな柱として、強みを最大限生かした海事産業に関わる施策は不可欠と考えます。 その中で、海事産業の分野においてもグローバルな動きは加速しており、我が国の国際競争力強化が特に重要と考えます。競争が激化する国際社会において我が国の海事産業がどのように勝ち残っていくのか、国としての対策の必要性を強く感じております。 その中で、本日は、トン数標準税制の拡充、先進船舶を始めとする造船業について、そして最後に海事産業全体の取組について質問をしていきたいと思います。 まず、トン数標準税制について質問をいたします。 海洋国家である我が国において、海上輸送の重要性は論をまちません。海運は国民経済を支える大きな基盤であることは明白であります。一方で、我が国の海運大手である日本郵船、商船三井、川崎汽船の三社がコンテナ船事業を統合するとの話があるなど、海運業界は世界的に厳しい市場環境にあると聞きます。 このように競争が激しさを増す海運業界の現状について、国土交通省としてどのような認識を持っているのでしょうか、お聞かせください。
○副大臣(田中良生君) 我が国の外航海運企業は、中国経済の減速、また船腹過剰等から運賃水準が歴史的に低迷している状況にあります。また、近年、運航船規模の縮小による用船契約の解約金等により大幅な特別損失を計上するなど、大変厳しい経営環境下にあります。 このような中、邦船三社はコンテナ事業を統合した新会社を本年の七月に設立をし、そして来年四月からサービスを開始する予定であります。現下の市況に対応すべく、規模の経済、これを追求しているところであります。これによりまして、コンテナ事業の一層の効率化とともに邦船三社の経営基盤の強化が図られ、利用者ニーズに応じた安定的なサービスの提供につながることを期待するものであります。
○朝日健太郎君 ありがとうございます。 今答弁があったように、日本の海運事業者も本当に再編を目指すところでもあります。昨年は韓国の海運大手が破綻をするなど、厳しさはますます進行しているように感じます。そのため、各海運事業者は、コスト競争力を高めるために自身が運航する船舶の数を減らしているという話も聞いております。我が国の外航海運業界、海外と海でつながる市場というのは世界単一市場という特殊な世界でもあります。より国際競争が激しいと私も認識をしておりますが、それを示すように、我が国に籍を置く日本船舶もピーク時よりも相当数減少しています。 そのような中で、今回この法律で準日本船舶の対象を拡大するわけですが、その理由はどういったところにあるのでしょうか、お聞かせください。
○政府参考人(羽尾一郎君) お答えいたします。 昨今の我が国周辺海域における情勢変化を踏まえれば、経済安全保障の早期確立が急務となっております。しかしながら、現下の歴史的な海運市況の低迷により認定事業者は総運航隻数を縮小せざるを得ない状況にあり、日本船舶及び現行の準日本船舶のみで経済安全保障の確立に必要な四百五十隻を早期に確保していくことは困難な状況にあります。このため、日本の船主が海外子会社を通じて実質的に保有する船舶であって、航海命令発令時の日本籍化が確保されるものを新たに準日本船舶の対象に加えることにより、経済安全保障の確立に必要な四百五十隻の早期確立を図る必要がございます。
○朝日健太郎君 今ありましたように、経済安全保障の観点から四百五十隻を目指すと。現在はまだ道半ばかと思いますので、一定期間日本船籍で経済安全保障を担う備えをしていくことは大変重要かと思います。 次に、今回拡大する新しい準日本船舶は、先ほどありましたように、航海命令時に日本船籍に戻すフラッグバック契約をあらかじめ締結するということを求めるわけですが、日本船舶を一定数確保していくことは国際競争力への寄与と併せて災害等の備えとしても必要であると思います。 日本船籍に対して国土交通大臣が発令する航海命令とは一体どのような場合に発令されるのでしょうか、お答えください。
○政府参考人(羽尾一郎君) お答えいたします。 海上運送法第二十六条第一項におきましては、災害の救助その他公共の安全の維持のため必要であり、かつ、自発的に当該航海を行う者がない場合又は著しく不足する場合において航海命令を発することができるとされております。 具体的には、災害の救助その他公共の安全の維持のため必要である場合とは、第一の事例といたしまして、国内において自然災害、事故等が発生した際、外国から緊急物資を輸送する場合、第二の事例として、外国で災害、紛争等が発生した際にマラッカ・シンガポール海峡等が通航不能になり貿易物資の輸送に支障が生じる場合、第三の事例として、外国において災害、治安悪化等が発生した際に安全な地域に邦人を避難させる場合などを想定しております。
○朝日健太郎君 ありがとうございます。 今回拡大する新しい準日本船舶は、今答弁にあったように、航海命令が発令されるような非常時にあっても我が国に必要な物資や日本人を輸送することができるように平時から備えておくことが必要だと思います。これがまさに経済安全保障の考え方だと思います。あわせて、外航日本船舶と外航日本人船員は我が国としてもしっかりと管轄し保護すべき対象だと思いますので、しっかりと進めていただきたいと思います。 この経済安全保障の確保をするためにも、我が国の海運業界の中においても日本の海運企業が勝ち残っていかなければならないわけですが、その意味でも、冒頭に申し上げた国際競争力の確保という観点も大変必要ではないかと思っております。 そこで、非常時を含む安定的な国際海上輸送の確保を担う我が国外航海運企業の国際競争力強化をどのように図っていくのか、国土交通省の考えを伺いたいと思います。
○政府参考人(羽尾一郎君) お答えいたします。 我が国外航海運企業の国際競争力の強化を図るため、特別償却等によりエネルギー消費効率の良い環境負荷の少ない船舶の導入を促進しているほか、トン数標準税制の活用を通じて安定的な船舶投資の実現を図っております。また、今般の法改正により、先進船舶の導入を促進し、最適航路の選定による経済的運航、故障の未然防止によるメンテナンスの合理化等を通じ、我が国外航海運企業の国際競争力強化を図ってまいります。 このほか、外航海運企業につきましては、外航日本人船員の確保が重要であることから、外航船員を目指す若年者を対象とした座学、乗船訓練から成る外航日本人船員確保・育成スキーム、一般大学卒業者を対象とした新たな三級海技士養成コースなどを活用し、必要な人材の確保を支援してまいります。
○朝日健太郎君 ありがとうございます。 船舶そして船員に関する取組、国交省の定める日本船舶及び船員の確保に関する基本方針に沿ってしっかりと進めていただきたいというふうに思います。 次に、先ほど話にも上がりました先進船舶を始めとする造船業の国際競争力強化について質問をしたいと思います。 日本の造船業は多数の海事関係事業者が集積をしており、国内生産比率八五%と大変大きく、また地方での生産比率が九三%を維持するなど、地域の雇用そして地方経済の成長を支える大変重要な産業でもあります。 一九五六年に我が国日本は造船業において世界シェア一位となってから、一九九〇年代初頭まで世界でも約五割のシェアを獲得してきましたが、一九八〇年代からは韓国が、そして一九九〇年からは中国が台頭しシェアを拡大しております。その中で、我が国の造船業においても受注競争が激化しております。二〇一五年の新造船建造量のシェアを見ると、我が国は今現在三位というところになっております。 そこで質問ですが、中国や韓国、まさに我が国の造船業においてもライバルだと思いますけれども、国際競争の中で日本の造船業がこの競争を果たして勝ち残っていくことができるのか、お聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(羽尾一郎君) お答えいたします。 日本の造船業は、建造船舶の優れた燃費性能や高い品質などを競争力の源泉として、近年受注量を増加させてきました。現に、二〇一五年には三〇%を超える受注を行い、一時的ではあるものの、韓国を抜き世界第二位となりました。この流れを持続し日本造船業が将来にわたり発展していくためには、一層の競争力強化を図っていくことが重要であります。 このため、国土交通省では、海事生産性革命、i―Shippingとして、例えばAI技術を活用した造船溶接ロボットの開発による現場生産性の向上などの取組を進めるとともに、本法改正により、IoT技術を活用した最適航路の選択や故障の事前予防を可能とする先進船舶の開発促進に取り組みます。 これらの総合的な取組により、建造コストを削減することや燃費性能の優位性を維持することに加え、新たな付加価値を有する先進船舶の開発、導入が進み、船の一生を通じたトータルコスト面で世界市場における優位性を確保できると考えております。
○朝日健太郎君 ありがとうございます。 造船の業界においても日本の技術を生かした生産性革命をより進めていただきたいというふうに思います。 その中で、造船業の中において、より具体的な話になりますが、先進船舶の中で導入される技術とは、今ありましたけれども、より具体的にどのようなものが想定されるのでしょうか。また、先進船舶の導入等の促進を法律の中に位置付ける必要は何か、お答えください。
○政府参考人(羽尾一郎君) お答えいたします。 改正後の海上運送法では、先進船舶を、「液化天然ガスを燃料とする船舶その他の海上運送事業を営む者の運送サービスの質を相当程度向上させることができる先進的な技術を用いた船舶であつて国土交通省令で定めるもの」と定義しております。具体的には、一つに、液化天然ガスを燃料とする船舶、これは、一般的な船舶で燃料として使用されております重油と比べまして環境負荷が低い天然ガスを燃料とする船でございます。これのほかに、航海データや気象情報を分析し、最適な航路選定による経済的な運航が可能となるIoT活用船などがございます。 次に、先進船舶の導入等の促進を本法律に位置付けることにつきましては、これらの先進船舶の導入に当たりまして、我が国の船舶運航事業者のみの努力に加えまして、ガス事業者、電気通信事業者等との連携が必要でありますこと、天然ガスを船舶へ供給する拠点や陸上の通信施設、管制施設等の整備が必要となることなどを踏まえまして、国がビジョンと多様な関係者の役割を示すとともに、必要となる法的手続の円滑化を図るため、本法律に位置付けたものでございます。
○朝日健太郎君 ありがとうございます。 造船の業界においても造船イノベーションを期待し、日本の造船業が更なる強みを発揮し、再起することを願っております。 次に、先進船舶の一つの例としてただいま言われたLNG燃料船について質問したいと思います。 LNGを燃料とするメリットは、船舶燃料油の硫黄分規制が二〇二〇年から強化される対策の一つだと思い、関心が高いわけですけれども、その開発普及に向けて国土交通省はどのように取り組まれているのでしょうか、お聞かせください。
○政府参考人(羽尾一郎君) お答えいたします。 国土交通省といたしましては、二〇〇九年度から二〇一五年度にかけまして、LNG、液化天然ガスを燃料といたします舶用エンジン、船舶用エンジンの開発の支援をしてきたほか、二〇一三年度から一五年度にかけましては、経済産業省と連携し、LNG燃料船の建造支援を行ってまいりました。 このような取組により、LNG燃料船の技術開発についてはおおむね完了し、LNGを燃料とするタグボートが国内で順調に運航しておりますことに加えまして、日本郵船株式会社はLNGを燃料とする自動車専用船二隻及びLNGを供給する船舶一隻を欧州において運航させているところでございます。また、我が国の知見を生かし、ガス燃料船の安全性を向上させるための国際基準の策定に貢献してまいりました。その結果、設計、建造時の要件が明確化されましたことにより、今後、LNG燃料船の建造が促進されると見込まれます。 国土交通省といたしましては、LNG燃料船の導入は二〇二〇年から開始されます硫黄分規制の対応方策の一つとしても有効なものと考えており、引き続きLNG燃料船導入の促進に向けて適切に対応してまいりたいと考えております。
○朝日健太郎君 ありがとうございます。 LNG船に関しては今、現在シンガポールが先を行っているのかなという印象を持っておりますので、しっかりと日本も追随していきたいと思います。また、LNG船の効果につきまして、各産業においても環境配慮への動きは大変加速化しているわけですけれども、パリ協定に代表されるように、温暖化対策を始めとする取組など、我が国としても果たすべき大きな責任であると考えます。一方で、造船の分野においても、我が国の強みとして、この環境配慮に資する技術開発にも期待をしていきたいというふうに思います。 もうあっという間に最後の質問になってまいりました。今まで御答弁いただきましたけれども、海運そして造船を始めとする海事産業の国際競争力の強化を図ることは我が国においては極めて重要であり、経済成長の根幹となるものと考えます。今後、より具体的に世界の競争下で勝てる手法、措置が必要と思います。海洋国家である我が国の経済成長を土台となって支える海事関連産業の振興を今後も力強く後押ししていく必要があると考えますが、最後に大臣の御見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(石井啓一君) 我が国の海運は我が国の経済活動、生活物資の輸送に欠かせない基幹的輸送インフラであります。また、造船は国内に生産拠点を維持し、地域経済と雇用を支えている重要な産業であります。このように海運、造船を始めとする海事産業の振興は極めて重要であるため、委員御指摘のとおり、海事産業の振興を力強く後押ししていく必要があると考えております。 このため、国土交通省といたしましては、本法律案を提出していることに加えまして、海運については特別償却制度等、税制面の支援、造船については輸出拡大や運航の効率化等を図る海事生産性革命の推進、そして、これらを支える船員や造船人材の確保、育成などに取り組んでおります。これらの政策に引き続き取り組み、海事大国日本の実現に全力で取り組んでまいりたいと存じます。
○朝日健太郎君 大臣、ありがとうございました。 国土交通省におかれましても、海事産業の分野において我が国の強みをしっかりと認識をし、世界で勝てる海事産業に進めていきたいというふうに思っております。 ありがとうございました。
○野田国義君 おはようございます。民進党・新緑風会の野田国義でございます。 今日は大変寒い、もう四月十一日というのに寒い日になっておりますけれども、この委員会室は暑くなるように質問をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いをしたいと思います。 それで、私、今ずっと森友問題が、いろいろな話が次から次に出てきておるわけでありますけれども、私も過去の経験、市長十六年の経験上、いろいろ重ね合わせて考えることが非常に多いわけでありまして、今日はちょっと二つに絞って質問をさせていただきたいと思います。 一つは、昭恵夫人、首相夫人でございますけれども、この問題、恐らく石井大臣も議員のとき、それから大臣になられて、また、ほかの政府に入られた副大臣あるいは政務官の皆さんもそうだと思いますけれども、非常に変わってくるんですよね、権限も持つし、また人事権も持つしというふうなことで。それで、私も市長時代は本当に妻の行動というものは非常に、何といいますか、用心しながらと申しますか、やらせていただいたところであります。 大変私事で恐縮なんですが、うちの妻、ピアノをやっておりましたので、ボランティア活動で各地域に出向いておりました。しかし、私の市長をやっている市だけはちょっと行ってくれるなということ、いろいろなことが起こる可能性があるし、またいろいろ言われる可能性もあるので、ちょっと遠慮してくれというようなことを言いながら話しておったのを思い出しているところでございますけれども。 そういう意味では、私、ある意味では、昭恵夫人、非常に積極的に活動をされて尊敬しておりました。尊敬する部分もたくさんあろうかと思います。しかしながら、この一連の森友をきっかけに、いろいろなことが次から次に判明をしてきておる。ですから、この公私の問題をどう付けていくか、これがまたリーダーの一つの使命ではないのかなと思いながら、これまでも思ってきたわけでありますけれども。 その点におきまして、昭恵総理夫人が海外の方にも訪問をされ、私的な、社会貢献支援財団ですか、会長としてカンボジアあるいはハワイ等訪問をされたというようなことでございます。それから、UZUの学校ですか、私的イベントでありますけれども、そういういろいろな役もお受けになっておる。ですから、こういった活動は非常にいいことである、しかし、先ほど私申し上げましたように、いろいろな問題が起こってくる可能性が当然これはあるし、いろいろ言われるということも覚悟してやらなくてはならないということではないのかなと思っております。 そして、さらに、例の籠池さんの証人喚問のときに明らかになりましたけれども、秘書が付いておると、スタッフが、国家公務員が付いておるというようなことも明らかになりました。私もそのことは知らなかったわけでありますけれども、五人のそういったスタッフも付いておると。そういうところにそういう方々が、昭恵夫人がいろいろな活動をされている、ここがまた非常に問題でございまして、公私をちゃんと分けてこの秘書と言われる方々がやっているか否か、これも非常に大切なことではないかと思っているところでありますけれども、石井大臣、大臣になられてその点のところをどうお感じになっておるのか、お聞きしたいと思います。
○国務大臣(石井啓一君) 恐縮ですが、その点のところというのはどの点のところでいらっしゃいますでしょうか。
○野田国義君 いやいや、今話をいたしましたその公私の問題ですね。いわゆる、夫人あるいはその秘書官、石井大臣もおられると思いますけれども、その辺りのところ、どう公私を分けてお使いになっておるのかということでございます。
○国務大臣(石井啓一君) 私は、大臣に就任してから、いわゆる公務と政務ということはきちんと立て分けてやっているつもりであります。
○野田国義君 この公務と政務と分けてやるということが、今私話してきましたように、非常にこれ大切なことなんですね。恐らくほかの副大臣あるいは政務官の皆さんもそうだと思いますけれども。 そこで、それじゃ、ちょっと具体的にお聞きしたいと思いますけれども、二〇一六年の七月十日、参議院選挙が行われたわけでありますけれども、こういうところに誰と行くかということですよね。今おっしゃったように、公私をどう分けていくかというようなことが非常に大切なことだと思います。ですから、こういう選挙応援には、やっぱり政務秘書官は行けるんですかね、しかし、ほかの秘書は行けないというようなことになるわけでありますけれども、最近のいろいろなメディアの情報ですと、この七月十日、去年ですね、あった選挙に秘書を同行して昭恵夫人が行かれているということ、私は、これはやっぱり国家公務員法違反になるんではないかと思いますが、大臣はどうこのことについて思われますでしょうか。
○国務大臣(石井啓一君) 昭恵夫人の行動について、国土交通大臣としてはお答えする立場にはないと考えております。
○野田国義君 いや、これは非常に大切なことだと思うんですね。(発言する者あり)
○委員長(増子輝彦君) 御静粛にお願いします。
○野田国義君 今二十人だと声掛かりましたけれども、また、これを私的な方というような閣議決定もされておるということ、これも私はおかしいなと。 ですから、そういった秘書を付けるなら、もう公的な方という位置付けの下にやっていただくというような、私はそれを否定するものではありません。しかし、それはちゃんとやった中でやるべきであると。それを、閣議決定をして、私的な昭恵夫人という形に今なっているわけでありますから、国家公務員がそこに同行をするということは、特に選挙応援などに、私はこれはいかがなものかと思いますし、また非常にこれはただされる問題であろうと思っているところでありますが、大臣、もう一度お願いしたいと思います。
○国務大臣(石井啓一君) 例えば、国土交通省におきましても、重大事故や大規模災害が発生した場合、緊急に本省等との連絡調整を行う必要があるため、選挙応援時におきましても事務の秘書官を同行させる場合はございます。ただ、その場合においても、実際のその選挙応援には一切関与させませんが、同行する場合はございますけれども、それは公務の目的で同行するものであり、問題があるとは思っておりません。 昭恵夫人の場合はどういうケースだったか、私はよく承知をしておりません。
○野田国義君 これは連絡調整ということを盛んに政府側は答弁されているようでございますけれども、先ほど私申し上げましたように、それでも私はやっぱり私人という形では駄目だと思うんですね。 先ほど私申し上げました、例えばUZUですか、学校のイベント等、これは、この間から問題になった経産省から政府の方に、官邸の方に職員が、谷さんという方が見えているそうでございますけれども、そういう方々が主催者になるというようなこともあっているみたいなんですね、主催者になると、そういった私的なイベントに。こういうことは、じゃ、どう思われますか。
○国務大臣(石井啓一君) 総理夫人の行動につきまして、コメントする立場にはないと存じております。
○野田国義君 いやいや、ちゃんと大臣、内閣の一員でありますので、しっかりと責任を持った答弁を是非とも期待をしたいなと、お願いをしたいなと思います。 私は、こういった問題が非常に信頼を失う可能性がある、また誤解を与える可能性があるということで、ちゃんとリーダーとなる方々はこの公私をしっかりと分けて対応をする、行動をするということが非常に大切なことではないかと思うことをしっかり皆様方にも述べさせていただきまして、それではもう一つ、もう一つは、さきの委員会でも質問をさせていただきましたけれども、この行政文書の廃棄の問題でございますけれども、私も、行政をやっていく、政治をやっていく上で最も大切なのはやっぱり情報公開ですよ。情報公開が一番大切。オープンにすることによって、国民、市民への説明責任、あるいは理解あるいは信頼にもつながるということが言えると思います。 そこで、私は、福田康夫元首相、この方が最近度々登場されるようなことになっております。これはその記事の一つでございますけれども、ちょっとその言葉を御紹介、披瀝させていただきますと、民主主義国家では、国民が様々な判断をするために正しい事実を知っていかなければならない、だが、記録を残すための法整備がされておらず、お粗末だと思い、小泉内閣の官房長官時代に公文書管理に関するルールの整備に着手をしたと。御承知のとおり、消えた年金ですね、この辺りの問題からではないかと思いますけれども。各官庁は公正な立場で何を残すか、何を開示するか判断していかないといけない、第三者では本当にどれが大切なのかは判断できない、当事者が一番分かっている、経緯がどこかでぶっ飛んで切れて、いきなり結果はこれですということでは国民の理解は深まらないと。 こういった福田康夫元首相のインタビューがあるわけでありますけれども、このことについて、大臣、どう思われますでしょうか。
○国務大臣(石井啓一君) それは、当時官房長官でいらっしゃったんでしょうかね、公文書管理法をお作りになったというときのお気持ちを、狙いをおっしゃったものだというふうに受け止めております。
○野田国義君 もう少しコメント欲しかったんですが、本当にこれは重要なことだと思うんですね。これは本当に重要なことだと思うんです。 この精神、当時を是非とも思い出していただきたいと思うんですね、先輩方も。ですから、こういうことでしっかりやっていかなくちゃいけない、そしてまた歴史の石垣を積み重ねていかなくてはいけないというようなことで、この公文書管理法という法律が国にできたということであろうと思っております。 私、今回、一番この一連の森友問題で大きいのは何かということになれば、この官僚による情報隠しですね、これが一番の問題ではなかろうかなと思うんです。だから、御承知のとおり、世論調査等、八割近い方々がなかなか納得ができないというようなことになっておりますし、この情報を開示するということは、先ほどから何回も言っておりますように、本当に国民の信頼を得るためにも最も大切なことであろうと思っているところであります。 そこで、ちょっとお尋ねしたいと思いますけれども、政府の公文書管理委員会の委員長代理の三宅弘さんですか、この方、この間からもテレビに出ておられました。そして、非常にこれ話題になっておるわけでありますけれども、この言葉をちょっと紹介いたしますと、この森友問題の国有地を八億円もの値引きをして売却したとなると会計検査の検査対象になるのは当然で、最低五年間は文書を保持していかなければならないと、もしこの交渉記録を故意に破棄していたら刑法の公文書等毀棄罪に該当するのではないかと、こういうような発言がなされているところでありますけれども、私は、本当にこれ、官僚の皆さんも良識の中で、まずそういった文書は残していく、そしてかつ、その法律に基づいて仕事をしていく、都合のいいように解釈していいというような話では私ないと思うんですね。 ですから、今のこの三宅公文書管理委員会の委員長代理のお話、ちょっと披瀝させていただきましたけれども、このことを聞いて、大臣はどう思われますでしょうか。
○国務大臣(石井啓一君) 恐縮ですが、その三宅さんがどういう背景、あるいはどういうことを基にしておっしゃっているのかよく分かりませんので、詳しくはそれに対してのコメントはなかなかしづらいのでございますけれども、少なくとも、私どもは、国土交通省といたしましては、公文書管理法また国土交通省の公文書管理規則にのっとって適切に文書を管理をしていると、このように思っております。
○野田国義君 御承知のとおり、あの森友学園の問題、いわゆる会計検査が入るということになったということでありますけれども、会計検査ということになれば、当然皆さんは、財務省にしろ、国交省にしろ、いろいろなことを開示していかなくてはいけない、また説明をしていかなくてはいけない。 我々も本当に、会計検査院が入るというと、地方辺りも、職員の皆さん、大変大慌てでいろいろな資料を集めて、本当に緊張感の下に会計検査を受けておったことも思い出すわけでありますけれども、これは会計検査院が入るということになっておるわけでありますけれども、国会の国政調査権の中では廃棄した廃棄したと言っておりますけれども、会計検査院に対してもこういった文書、交渉記録などは廃棄をしたというお答えをされているんですか。
○委員長(増子輝彦君) どなたにお聞きしますか。
○野田国義君 事務方でいいです。
○政府参考人(佐藤善信君) 国土交通省の対応について御答弁させていただきます。 国会において会計検査院に対しまして検査要請が議決されたということでございますので、国土交通省としては、これを厳粛に受け止め、会計検査の受検に当たりましては真摯に対応してまいりたいと考えておりますし、現に、既に昨日から大阪航空局の方に会計検査院の方来られまして、もうその作業を始めておられますので、これに対して真摯に対応しているというところでございます。
○野田国義君 いやいや、これ答えていないじゃないですか。 ですから、そういった、国会で再三、予算委員会あるいはこの委員会でも、いわゆる廃棄をしたと、そういった交渉記録などを。そう、じゃ、会計検査院等にも答えているんですか。それをお答えいただきたいと思います。
○政府参考人(佐藤善信君) お答え申し上げます。 今回の森友学園に対する国有地売却に関連いたしまして、大阪航空局におきましては、先ほど委員御指摘がありました地下埋設物費用の約八・二億円の見積りを行って、これを近畿財務局に報告をしてございますけれども、その際に、担当する職員が必要となる文書を作成し、決裁を経るという手続をしてございます。その決裁の参考資料として、その決裁に至った経緯でありますとか決裁後に想定される将来の課題でありますとか、そういったものは全て参考資料として添付をさせていただいてございます。 このような決裁文書につきましては、公文書管理法及び国土交通省文書管理規則に基づきまして、それぞれの文書ごとの保存期間に応じて適正に管理を行っておりますので、こうした決裁及びその参考資料を基に会計検査院には真摯に対応させていただいているというところでございます。
○野田国義君 財務省も見えているはずですよね。お願いします。
○政府参考人(中尾睦君) お答えいたします。 財務省でございますけれども、公文書管理法に基づき制定されている財務省行政文書管理規則等にのっとって適切に文書管理を行っており、国有財産の売買契約に係る決裁文書は三十年間保存するなど、契約書ほか重要な経緯に係る文書はきちんと保存をいたしております。 会計検査院の検査に対しましては、財務省といたしましても検査に全面的に協力してまいる所存でございます。
○野田国義君 そう何度も何度も国会ではお答えになります。まさしくこれは官僚のおごりあるいは欺瞞じゃないのかなと、そのようなことを思っております。本当にちゃんと国民に、あるいは国会に対して説明をする、そういう良識が私は働いて当然だと思うんですけれども、非常に憤慨をするということであります。 それで、今日でしたかね、ちょっと、今日、朝いろいろな情報を取っておりましたら、菅官房長官が、あっ、菅官房長官じゃありませんね、この間の決算委員会等で森友との交渉記録、データ復元の可能性があるというようなこと……(発言する者あり)あっ、そうですね、朝日新聞の取材に、財務省でしたかね、何か答えているようでございます。これは復元できないというような、またこれも変な答弁しているようでございますけれども、これ、復元できるんでしょう。できるならできるとちゃんと言っていただきたいと思いますが。
○政府参考人(中尾睦君) お答えいたします。 先ほど申し上げましたとおり、財務省においては、公文書管理法の規定に基づき制定されている財務省行政文書管理規則にのっとり文書管理を行っております。 この規則に基づき、面会の記録の保存期間は一年未満とされ、保存期間満了時期については事案の終了後とする扱いをしている一方、先ほど申し上げましたとおり、契約書を含む国有財産の取得及び処分に関する決裁文書については三十年の保存期間が定められているなど、保存すべき文書は適切に保存をいたしております。 委員御指摘の個別の報道についてコメントは差し控えたいと存じますけれども、財務省においては、電子データについても紙と同様、公文書管理法等の規定に基づいて保存期間が満了すれば適切に消去をしており、その後一定期間を経過すれば復元できなくなるというふうに承知をいたしております。
○野田国義君 あなたたちそんなことばっかり答えるんですけど、先ほど紹介した三宅先生ですか、公文書管理委員会の委員長代理ですよ。その方が、いわゆる会計検査の監査対象になるものは当然最低五年間は文書を保存しなくてはいけないと、そういうことを言われているんですよ。 だから、皆さんはただ都合のいいようにそれを解釈しているだけじゃないですか。どうですか。そして、ちゃんと答えてくださいよ。この森友との交渉記録、データ復元の可能性、どうなんですか。
○政府参考人(中尾睦君) お答えいたします。 まず、一点目の会計関係の書類の御指摘でございますけれども、財務省行政文書管理規則別表第一の項目十五、予算及び決算に関する事項の(2)、「歳入及び歳出の決算報告書並びに国の債務に関する計算書の作製その他の決算に関する重要な経緯」の②番、「会計検査院に提出又は送付した計算書及び証拠書類」に言う証拠書類でございますけれども、会計検査院が定める計算証明規則において、歳入に関しては決議書の類いや契約書などの類いとされておりまして、面会の記録はこれに該当しないというふうに考えております。 二点目の電子データについてのお尋ねでございますけれども、先ほど申し上げましたとおり、財務省においては、電子データについても紙と同様、公文書管理法等の規定に基づいて保存期間が満了すれば適切に消去しており、その後一定期間経過すれば復元できなくなるというふうに承知をしております。
○野田国義君 これ、そういう答弁をしている中で、当然これ会計検査院、あるいは御承知のとおり、検察が入っていくわけですよね。その中でできたら、じゃ、どうしますか。皆さん、それ、うそを今までずっと国会で言っていたということになりますけど。お答えいただきたいと思います。
○政府参考人(中尾睦君) お答えいたします。 財務省の行政文書の管理につきましては、先ほど申し上げているとおりでございます。 また、委員御指摘の会計検査院に対する検査につきましても全面的に協力してまいりますし、大阪地方検察庁の捜査につきましてもしっかりと協力してまいる所存でございます。
○野田国義君 ですから、復元できたら今までの答弁は全てうそだったということになりますよ。 何度も言っておりますように、もう検察が入っているんですから、我々にはそういうことは話さない、会計検査院や検察には話す、情報を出すと。恐らくこれ復元できるはずですよ、今の技術をして。そういうことについてもちゃんと答えていただきたい、それがやっぱり国民の信頼を高める、そのことにつながるということを申し上げまして、この森友問題については終わりたいと思います。 それでは、海事のことにつきまして質問をさせていただきたいと思います。 一枚、資料一を皆様方にお配りをしているところでございます。先ほどからも、朝日議員辺りからもいろいろ話があっておるわけでありますけれども、本当に成長産業である海運、あるいは世界経済に貢献をしているということでございますし、海外物資に頼る我が国の生活のほとんどをこういう形で運んでおるということ、そして、私ちょっとびっくりいたしましたのはこの四でございまして、輸出入のほとんどが海上運送であると、九九・六%もなんですね。これには本当びっくりいたしまして、航空は、〇・四%しか飛行機はないということでございまして、いかにある意味では大切かということを再認識をしたところでございます。 そこで、質問をさせていただきたいと思います。 ただ、ちょっと気になりますのが、資料二に示させていただいておりますように、先ほども大臣がちょっと答弁されておったかと思いますが、非常に厳しい決算になっているんですね。日本郵船あるいは商船三井、川崎汽船ですか、非常に厳しい決算になっておるということ、これを何とか挽回をする手だてをこれからしっかり共にやっていかなくてはいけないと、そのように思っているところでございます。 それで、まず船員関係についてお聞きしたいと思います。 国土交通大臣が定めた基本方針や、海洋基本計画に明記された外航日本人船員の人数を平成二十年度から十年間で一・五倍に増加させるとの目標に関わる取組の進捗と現状認識について、それから、交通政策審議会海事分科会国際海上輸送部会において試算された最低限必要な日本人船員数五千五百人という目標を達成するための実効性のある具体的な施策、どうお考えになっているかをお答えいただきたいと思います。
○政府参考人(羽尾一郎君) お答えいたします。 外航日本人船員につきましては、昭和六十年、一九八五年のプラザ合意以降の円高の進展によります外国人船員とのコストの格差の拡大から、一九八五年の三万十三人から、二〇〇八年、平成二十年には二千三百十五人、翌年には二千百八十七人まで減少いたしました。 このため、日本船舶及び船員の確保に関する基本方針を策定いたしまして、日本船舶・船員確保計画を導入し、外航日本人船員を確保することとし、この結果、二〇〇八年の二千三百十五人から二〇〇九年の二千百八十七人と一旦減少しましたが、その後、二〇一五年の二千二百三十七人と若干の増加を見ております。特にトン数標準税制適用事業者につきましては、二〇〇八年の千七十二人から二〇一五年の千百四十六人と増加いたしております。 一方、日本人船員のコストが割高であることなどに加えまして、近年の歴史的な海運不況におきまして厳しい競争にさらされている外航海運事業者の経営状況も相まって、十年間で一・五倍とするという目標にはまだ至っていないところでございます。 また、外航日本人船員を約五千五百人とするということにつきましては、御指摘のとおり二〇〇七年の交通政策審議会答申に記載されておりまして、重要な試算であると認識しております。国土交通省としては、この試算を努力目標としつつ、外航日本人船員数を一・五倍とする当面の目標を目指して関係者とともに取り組んでおります。 具体的な施策としまして、日本船舶・船員確保計画の着実な実施、トン数標準税制の活用、外航日本人船員確保・育成スキームによるキャリア形成の支援といった施策を講じているところでございます。
○野田国義君 しっかりとした施策をお願いをしたいと思います。 それから、この間から船員組合との勉強会等をさせていただき、また訪ねていったわけでありますが、そこで異口同音におっしゃるのは、いわゆる地方における外航船員の税の軽減措置についてということでございますけれども、長期の航海を行う外航船員については、船上にいる間、住民サービスを受けることができないことから、諸外国においては住民税の一部が、我が国においても三重県の四日市市や鳥羽市において、半年以上外航勤務する船員に対して住民税の一部を軽減する措置がとられておるところであります。 このような外航船員に対する税の軽減措置について全国での実態はどうなっているのか、また、国土交通省はこのような取組についてどの程度把握をしているのか。日本人外航船員の確保策としてこのような取組は非常に有効であると考えるところでありますけれども、船員の更なる確保に向けて、このような外航船員の税の軽減措置について船員の多い他の市町村にも広まることが私は望ましいと考えるところでありますけれども、国交省、総務省の考えをお伺いしたいと思います。 そしてさらに、日本人外航船員の確保のため、国レベルにおいても国税の軽減措置を行うべきと考えますけれども、これも国交省、財務省の考え方をお伺いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○政府参考人(羽尾一郎君) お答えいたします。 国土交通省におきましては、日本人船員の確保を図るためのインセンティブとしての所得税や住民税の軽減措置を検討すべく、二〇一一年度に日本人船員に係る税制に関する検討会を設置し、検討を行いました。その結果、国税である所得税につきましては、船員が乗船中に受けられない国家行政サービスを特定することが難しい、一方、地方税である住民税は、乗船中、長期間住民サービスが受けられないことに着目すれば実現可能性が高いとの内容が取りまとめられました。 このため、平成二十四年の二〇一二年度要望におきまして外航船員に係る住民税減税を要望した結果、住民税の減税については各自治体の判断で可能であることが確認され、総務省から自治体にその旨周知が行われました。これを受けまして、委員御指摘のとおり、三重県四日市市において二〇一四年度に、三重県鳥羽市において二〇一六年度にそれぞれ住民税の減税がなされたものと承知しております。 また、これを他の市町村に広めることはどうかということでございますが、国土交通省としましては、地方運輸局と連携し、自治体に対し、先行して導入した自治体があることなどを船員の重要性とともに周知してまいりたいと考えております。 さらに、国税の軽減措置を行うべきという御指摘につきましては、こうした今までの経緯を踏まえまして、住民税の軽減措置の先行導入事例や船員の重要性の周知に力を入れてまいりたいと考えております。 なお、乗船中に船員に支給される手当であります航海日当につきましては、国税において非課税所得としての取扱いがなされているものと承知いたしております。
○政府参考人(開出英之君) お答えいたします。 総務省でございますが、個人住民税におきましては、地方団体の条例の定めるところにより地方税法の規定に基づく減免を行うことが可能であり、総務省といたしましても、減免等に関する解釈について既に地方団体にお示しをしているところでございます。 船員に対する個人住民税について具体的にどのような減免を行うかは個別の納税者の事情等を考慮して各地方団体において主体的に判断すべきものでございますが、総務省といたしましても、地方団体からの相談等に対し丁寧に対応してまいりたいと考えております。
○政府参考人(矢野康治君) 国税におきましては、海上運送法に規定する我が国の安定的な海上輸送を確保する観点から、日本船舶及び日本人船員の計画的増加を図るため、日本船舶・船員確保計画を作成し、国土交通大臣の認定を受けられた外航船舶運航事業者につきまして、日本船舶及び一定の要件を満たす準日本船舶に係る利益について、みなし利益課税を行うトン数標準税制を措置しているところでございます。 また、今般の制度改正におきまして、我が国の安定的な海上運送の確保を一層推進するために、トン数標準税制につきましてその適用期間を延長するとともに、本税制の適用対象となる準日本船舶の対象範囲を拡充するなどの制度拡充を行うこととしておりまして、この措置によりまして日本人外航船員の確保が図られるものと考えております。
○野田国義君 しっかりと支援もお願いをしたいと思っております。 それから、もう時間も来ましたので最後になりますけれども、資料五、六で委員の皆さんにもお配りしておりますけれども、船員の、見ていただけば分かりますように、高齢化に伴う船員の確保、特に若い船員の確保の取組について学校等の状況も示しているところでございますけれども、このことについてどうお考えになっているか、政府の答弁をお願いしたいと思います。
○政府参考人(羽尾一郎君) お答えいたします。 近年、独立行政法人海技教育機構の応募倍率が二倍を超え、船会社の採用意欲も高まってきておりますことから、入学定員をこれまで平成二十五年度の三百五十名から段階的に増員させ、二十八年度の入学定員につきましては、これまでの最高の規模である三百九十名といたしました。この海技教育機構の入学定員につきましては、学生の応募状況、船会社による採用の状況、教室、寮などの学校施設、練習船の収容人数、教員の数などを踏まえて設定しております。 さらに、この定員拡大につきましては、関係者からそのことを求められていることは承知いたしておりますが、このような受入れ側の制約要因の下でどういった工夫ができるか、産業界など関係者の意見も聞きながら、教育内容の高度化、安定的、効率的な運営の観点も含めて検討してまいりたいと考えております。
○政府参考人(松尾泰樹君) 文科省の方からお答えいたします。 文科省といたしましては、御指摘の点、船員の計画的な育成、確保等、これは重要なことだと考えてございます。現在、大学及び高等専門学校でございますけれども、船舶職員養成、これやらさせていただいておりますが、二つの大学、五つの高専において実施をしてございます。 そこの船舶職員養成課程の卒業生の進路状況でございますけれども、大学につきましては、昨年三月の学部課程の卒業者、これ三百七十三名でございますが、そのうち乗船実習科に入学した者が八十六名、うち卒業した者が八十五名、そのうち船員を含みます外国航路、内国航路関係の就業者、これは六十名でございます。また、高専につきましては、昨年の九月に卒業した百七十七名のうち、船員を含む外国航路、内国航路関係の就職者は八十五名となっておりまして、引き続き、新たな海運技術に対応できる高度な技術者としての船員の養成のための教育、こういったことで船員になる学生が増加していくように努めていきたいと思っています。 特に、就職の多くを占めます高専でございますが、これは五つの高専を設置しています国立高等専門学校機構、これは第三期の中期計画においても、関係機関と協力をして船員としての就職率を上げるための取組を行うという旨を記載をしてございます。 文科省といたしましても、こういった機構における運営費交付金を通じまして、引き続き商船系高専における船員の増加に資する体制の強化、支援を強化していきたいというふうに考えてございます。
○野田国義君 日本丸とか海王丸ですか、そういった老朽化もひどいということでございますので、そういった支援体制もよろしくお願いを申し上げまして、質問を終わらせていただきたいと思います。 ありがとうございました。
○新妻秀規君 今回の海上運送法、そして船員法の改正は、海事生産性革命に直結をする大変重要な法改正だと認識をしております。この海事生産性革命、とりわけ海洋開発の人材育成に向けての大臣の決意については所信、そして所信に対する私の質疑でも伺いましたので、本日は法案の中身について詳しく伺っていきたいと思っております。 まず、船員法の改正について伺います。 STCW条約、またMLC条約の改正に伴いまして、この度船員法が改正になります。STCW条約は、千九百七十八年の船員の訓練及び資格証明並びに当直の基準に関する国際条約と言い、船員の訓練要件、資格証明、当直などに関する国際的な統一基準を規定をしております。今次の条約改正に伴う船員法の改正では、極海、これは北極海、南極海のことですが、極海を航行する船舶に乗り込む船員に必要な資格を新設をする、そして天然ガス燃料船に乗り込む船員に必要な資格を新設する、このように承知をしております。 一方、MLC条約は、二千六年の海上の労働に関する条約と言い、船員の雇用条件、居住設備、食料及び供食、医療、厚生、社会保障などに関する国際的な統一基準を規定をしております。 今次の条約改正に伴う船員法の改正では、海上労働証書の有効期間の五か月延長、保険についての検査項目の追加が盛り込まれております。 まず、STCW条約の国内法化について伺います。 そのうち、まずは北極海航路の利活用についてですけれども、今、地球温暖化に伴いまして、北極海航路の利活用が大きな注目を集めています。日本とヨーロッパの間の距離、そして時間を飛躍的に短縮することができると承知をしております。ここで、我が国の北極海航路の利活用の現状及び今後の見通しについて御答弁をお願いします。
○政府参考人(藤田耕三君) お答えいたします。 御指摘のとおり、近年、北極海の海氷面積が減少傾向にありますため、欧州とアジアを最短距離で結ぶ航路として北極海航路が注目されております。 現在のところ、実際の北極海航路の利用は、ロシア北極海沿岸の天然資源開発のためのプラントの資機材や、あるいは産出された資源の輸送が中心となっております。この資源輸送に関しましては、現在、ヤマル半島で建設中のプラントから今後生産されるLNGの輸送に我が国の外航海運企業が従事することが決まっておりまして、早ければ来年には輸送が開始される見込みであります。 一方で、当分の間は北極海の通年航行は難しい状態が続くと考えられますこと、それから、香港、シンガポール等の貨物集積地を経由しないことなどから、北極海航路のコンテナ航路としての利用には課題がありまして、当面はヤマルLNGのような資源輸送が中心となっていくものと認識しております。 国土交通省としましては、民間事業者及び関係行政機関から成る官民連携協議会を平成二十六年から開催しておりまして、実際の利用状況を注視しながら、今後とも、情報の収集と共有を通じて北極海航路の利用に向けた環境整備を進めてまいりたいと考えております。
○新妻秀規君 北極海航路は資源輸送に係る非常に重要な航路だということが確認できました。状況を確認しながら、更なる活用の促進を推進していただきたいと思います。 次に、北極海航路の安定的な利活用のための外交努力について伺いたいと思います。 本日は外務大臣政務官の武井先生にお越しいただいております。ありがとうございます。 北極海航路を安定的に利用するためには、ロシア政府との連携が大切だと考えます。正確な海図の入手、そして二〇一三年に大幅に改正となったロシア北極海航路法の安定的な運用、そして実質的に国営企業による独占である砕氷船及び水先案内人による支援、いずれもロシア政府との連携が欠かせません。ロシアでは、一方で、法律や制度が頻繁に変わるとの指摘もあります。最近では、ロシアの排他的経済水域でのサケ・マスの流し網漁を禁止するという突然の国内法の改正がとりわけ北海道の漁業に大変大きな影響を与えたことは記憶に新しいところです。 北極海航路の安定的な利活用のために、外務省には先手先手の情報収集、そして国際社会と連携した外交努力に注力をしていただきたいんですけれども、武井政務官、いかがでしょうか。
○大臣政務官(武井俊輔君) 外務省からお答えをさせていただきます。 先ほど、国土交通省藤田局長からもございましたが、近年、地球温暖化に伴います北極海の氷の減少によりまして、アジア、欧州を結ぶ最短距離でありますこの北極海航路の潜在性が、これは国際的にも関心を集めていることは承知をしているところでございます。 その上ででございますが、政府におきまして、ロシアの動向を含めました北極海航路に関する情報収集を行うとともに、日ロの関係当局間、これは国土交通省さんと私ども、ロシアの側の運輸当局でございますが、こちらでの議論と様々な機会を捉えまして、先ほど先生の問題意識もございましたが、私ども日本側としても、関心事項、そしてまた懸念する事項等をロシア側に提起をしているところでございます。 外務省といたしましても、引き続き様々なルートを通じまして情報収集に努めるとともに、国土交通省等々の関係省庁ともよく連携をしまして、必要に応じましてロシア側に対し北極海航路の円滑な利用に向けた働きかけも行ってまいりたいと考えております。
○新妻秀規君 今政務官が御答弁いただいたように、平時の活動が全てですので、本当に先手先手の取組をお願いをしたいと思います。 武井政務官におかれましては、答弁終わりましたので、委員長、御退席のお取り計らい、お願いいたします。
○委員長(増子輝彦君) 武井外務大臣政務官については、御退席いただいて結構でございます。御苦労さまでした。
○新妻秀規君 次に、ポーラーコードの適用範囲について伺いたいと思います。 今回の法改正のベースとなりましたMLC条約等の改正に伴う国内法に関する勉強会が平成二十八年の十月に出した取りまとめには次のような記載がございます。オホーツク海等における航行においても一定の着氷等の状況は発生するが、事業者側委員からは、ポーラーコードの適用に当たっては、これまでの実態も踏まえ、過度な規制とならないよう求められている、このようにありまして、流氷とかを踏まえての事業者側からの懸念というふうに受け止められます。 国は今後、我が国周辺のオホーツク海や北太平洋海域について、極海に準ずる海域として船の船体の構造や乗組員についてポーラーコードに類似の新たな規制を掛けることはあるんでしょうか。御答弁をお願いします。
○政府参考人(羽尾一郎君) お答えいたします。 今般の船員法の改正のうち、極水域を航行する船舶に乗り組む船員に係る資格の創設につきましては、昨年十一月に国際海事機関、IMOにおいて採択されましたSTCW条約の改正を国内法化するものでありまして、資格の創設は北極水域及び南極地域を航行する船舶に乗り組む船員に限られております。オホーツク海等におきましては、極水域と同様、流氷の危険性や低温下における機器の取扱い等が求められますが、極水域とオホーツク海等とでは温度差などの気象や氷の厚さなどの海象が異なるため、船体構造や船員に対して直ちにポーラーコードに類似した規制が必要とは考えておりません。 オホーツク海等におけるポーラーコードに類似した規制を設けるかどうかにつきましては、両海域間における気象、海象条件の相違に留意しつつ、国際動向も見極めながら適切に対処してまいりたいと考えております。
○新妻秀規君 事業者側の要望は要望として、船員の安全に直結する話でもありますので、是非とも慎重な検討をお願いをしたいと思います。 次に、LNG燃料船の普及と資格保持船員の不足の懸念について伺います。 この点については朝日先生からも御質問ありましたけれども、改めて質問をしたいと思います。 我が国のLNG燃料船等ガス燃料船の今後の普及状況についてはどのような見通しなのか、また、資格を保持する船員は不足しないのかについて御答弁をお願いします。
○政府参考人(羽尾一郎君) お答えいたします。 現在我が国におきまして運航しておりますLNG燃料船はタグボート一隻のみでありますが、今後、船舶用燃料油の硫黄分規制が強化されることや、LNGバンカリング、燃料供給拠点の整備が進むことなどによりまして、LNG燃料船の普及が進む環境が整っていくものと考えております。 このような中で、今般の法改正により先進船舶としてのLNG燃料船の導入が進んでいくものと見込んでおり、今後二〇二五年までに更新される日本商船隊船舶の約一〇%がLNG燃料船になると試算しており、その結果、二〇二五年までに約七十隻が導入されると見込んでおります。 また、LNG燃料船に乗り組む船員は今般の法改正により所要の資格を取得することが必要となりますが、今後のLNG燃料船の普及状況や海運界のニーズ等にも留意しつつ、資格を保持する船員が不足することのないよう措置してまいります。 具体的には、独立行政法人海技教育機構におきまして、講習の開催回数を柔軟に定める等の対応によりまして資格取得の便宜を図り、LNG燃料船の運航に支障を来すことのないよう努めてまいります。
○新妻秀規君 大変に大きな可能性がある分野だということが分かりました。是非とも人材不足が生じないような万全の取組をお願いをしたいと思います。 次に、MLC条約の国内法化について伺います。 船員は、労働基準法、そして労働安全衛生法の適用除外となっておりまして、船員の労働については船員法が規定をしていると承知をしてございます。ここで、船員であるか否かにかかわらず、労働安全は全てに優先するぐらい大変重要な課題だというふうに思います。 ここで、船員の労働災害と防止策について伺いたいと思います。 船員の労働災害の発生状況を示してほしいと思います。また、今後、この船員の労働災害の低減のために具体的にどのように取り組んでいくのか、御答弁をお願いします。
○大臣政務官(大野泰正君) 船員の労働災害については、漁船や内航船を中心に、高波や強風による船体の揺れなどに起因した転倒事故が多く発生しております。これは陸上に比べ災害が確かに多いように思えますが、二〇一一年度で具体的数字を言いますと七百七人の方、そして二〇一五年度で六百六人の方であります。二〇一一年度に比べて二〇一五年度では一四・三%減少しているのが現状でございます。 このため、このようなことがなくなりますように、五年ごとに船員災害防止基本計画を策定するとともに、毎年その具体的な方針を定める実施計画を策定しております。 具体的には、毎年九月の船員労働安全衛生月間を中心に、各地方運輸局による訪船指導、安全講習会の実施、国、荷主、船舶所有者、船員等全ての関係者による船員災害防止大会の開催等、多くの関係者がそれぞれの意識を持って、しっかりと役割分担の下、死傷災害の防止に取り組んでいるところであります。 また、優れた取組を行う事業者や長期間にわたり災害発生が少ない事業者を対象とする表彰を実施してきたところですが、労働災害防止を更に啓発し、安全をより一層高めることができますよう、現在の表彰範囲の拡大を検討しております。 こうした取組により、先ほど申し上げましたように、この五年間においては船員の労働災害の発生は約一四%減少しており、施策の取組の効果が出たものと考えております。 今後とも、船員災害の防止のため、国交省といたしましては、全ての関係者と一丸となり、労働災害ゼロを目指し全国各地での取組に邁進してまいりたいと思います。
○新妻秀規君 船員さんの労働災害が減っていること、大変喜ばしいことだと思いますが、本当は根絶、労働災害ゼロを目指して、必要に応じて厚生労働省とも連携を取りながら、様々な知見を生かして、この根絶を目指して取組を進めていっていただきたいと思います。 〔委員長退席、理事長浜博行君着席〕 次に、海上労働に関わる問題について伺いたいと思います。 資料の一を御覧ください。これは国際運輸労連による船舶査察の結果なんです。この船の絵の左下に示すように、査察した船が九千七百十七隻、大体一万隻近くと。びっくりしたのが問題が判明した船舶六千六百八十四隻、三分の二以上なんですよね。問題がなかった船舶数三千三十三隻の倍以上なんです。 じゃ、どんな問題かというと、左下のグラフ、御覧ください。この真っ青なところがこのパイの三分の一くらい、これ賃金の未払、千七百十三件なんです。右上はITF、これ国際運輸労連のことですけれども、が回収した未払賃金の総額、これ二〇一五年ですけれども三千五百八十万ドル、これざっくり四十億円にも上っているんです。条約では船主の責任が明記されているのに、賃金の未払とか、ひどいのは船員さん港に置き去りにしちゃうなんて、そんなとんでもないことまであるわけなんですよ。船員の遺棄といいます。こんなことが報告されているんですね。 我が国では一体どのような状況なんでしょうか。御答弁お願いします。
○大臣政務官(大野泰正君) 今の御懸念についてお答えさせていただきます。 我が国の外航船においては、海上労働条約に抵触する船員への賃金の未払や船員を先ほど紹介いただきました遺棄をするような事案は生じておりません。しかしながら、一部の途上国の船舶においては、船舶所有者の破産等で船員の賃金未払や船員を遺棄する事案が発生していることは事実であります。 このことから、今般、国際労働機関、ILOにおいて船員の労働基準を定める海上労働条約の改正がなされ、船員への賃金の支払や船員の送還に要する費用を担保した保険への加入を事前に義務付けられており、金銭上の保証が義務付けられました。この条約改正を踏まえ、締約国が適切な措置を講じることにより、御指摘の船員への賃金未払や船員を遺棄する事案が世界的に解消されていく取組がなされているのが現状であります。 国土交通省といたしましては、外国の船舶が入港した際に行う検査、ポートステートコントロールといいますが、これにより、船舶の安全とともに船員の労働保護を確認しております。厳しい人員の中ではありますが、今後もポートステートコントロールのより一層の充実を図ることにより、しっかりと対応してまいりたいと思います。
○新妻秀規君 今回の条約改正、また法改正の意義がよく分かりました。ありがとうございます。 続きまして、この海上運送法の改正について伺いたいと思います。 〔理事長浜博行君退席、委員長着席〕 今回の法改正の柱の一つが、先進船舶の導入であります。この法案では、先進船舶としてLNG燃料船、そして海上ブロードバンドを活用した通信での運航効率化を行う船舶を想定しているとのことですが、それ以外に先進船舶としてどのようなものを考えているのか、御答弁をお願いします。
○政府参考人(羽尾一郎君) 改正後の海上運送法におきましては、先進船舶を、「液化天然ガスを燃料とする船舶その他の海上運送事業を営む者の運送サービスの質を相当程度向上させることができる先進的な技術を用いた船舶であつて国土交通省令で定めるもの」と定義しております。 先進船舶として、当面はLNG燃料船及びIoTを活用した船舶を想定しておりますが、将来的には、航行時に温室効果ガス等を排出しないゼロエミッションを実現する燃料電池船や、IoTを活用した船舶が更に発展し、船舶の中で現在人が行っている操作を船舶自体が一部代替して自動的に行う自動運航船などが想定されます。
○新妻秀規君 自動運航船なども出てくるんですね。分かりました。 次に、今の質問にも若干絡むんですけれども、IoT、ビッグデータ、AIの活用について伺いたいと思います。 今御答弁ありました、ブロードバンドを活用し、そしてIoTで情報を集めて、その集めた情報をビッグデータ、これをAIで分析することで、単に人が行う業務の代替以上に将来どんなことが可能なのか、御答弁をお願いします。
○政府参考人(羽尾一郎君) お答えいたします。 海上ブロードバンド通信を利用し、船舶における様々な情報を取得、解析することによりまして、人間の処理能力を超えた大容量データの処理が可能となります。これによりまして、航海データや気象情報を分析し、最適な航路を選定する経済的な運航や、エンジン等の状態をリアルタイムで監視し、事故、故障を未然に防止する安全な運航など、人力に頼っていては十分に効果を発揮できないことが可能となると考えております。 これらの技術の更なる活用により、先ほどお答えいたしました将来の先進船舶の一つであります自動運航船の実現にもつながるものと考えております。
○新妻秀規君 次に、海上ブロードバンド利活用の拡大に向けた取組について伺います。 本日は、総務省の総合通信基盤局の電波部長である渡辺さんにお越しいただいております。ありがとうございます。 この海上ブロードバンド関係の周波数の割当てとか無線施設の技術基準策定は総務省さんの所管でありますけれども、今後の海上ブロードバンド利活用の拡大に向けてどのように取り組んでいくのか、御答弁をお願いします。
○政府参考人(渡辺克也君) お答え申し上げます。 総務省としましては、海上における安心、安全の確保、船上での生活環境の充実の観点から、海上における通信インフラの拡充が重要と認識しているところでございます。特に、海上ブロードバンドの利活用に向けましては、関係省庁との連携が不可欠であり、今年の二月には関係者への情報発信、情報交換等を行うことを目的に、水産庁、国土交通省海事局及び総務省による関係省庁連絡会を開催しておるところでございます。 また、今後の技術の進展により、より一層の海上ブロードバンドへの対応も重要というふうに考えておりまして、新たな無線システムの導入のための制度化、実証実験にも取り組んでいるところでございます。 具体的には、平成二十七年度から、現行サービスの十倍以上のブロードバンド環境を実現するため、次世代の移動衛星通信システムの実証実験を実施しているところでございます。また、その結果を踏まえまして、技術基準の検討を審議会において行っていただきまして、今年の三月に答申されたことから、今年の夏頃を目途に、新たな周波数の割当てを行うとともに、実用化に向けましての制度化を予定しているところでございます。 総務省としましては、海上における安心、安全の確保、船上での生活環境の充実の観点から、引き続き、関係省庁とも連携を図りながら、海上ブロードバンドの利活用の拡大に取り組んでいきたいというふうに考えてございます。
○新妻秀規君 今、渡辺部長の方から御答弁いただいたように、この取組って非常に海事生産性革命の肝になってくる重要な取組だと思うので、是非とも関係省庁と連携した取組を更に加速していっていただきたいと思います。 じゃ、渡辺部長におかれましては、答弁終わりましたので、退席をお取り計らいお願いします。
○委員長(増子輝彦君) 渡辺電波部長、御退席いただいて結構でございます。ありがとうございました。
○新妻秀規君 最後に、トン数標準税制について伺います。 今回の法案では、準日本船舶の範囲を拡大して、日本の船主の海外子会社保有船まで含むようにすると承知をしております。 ここで、準日本船舶の増加数の見込みについて伺います。 今回の法改正によって準日本船舶は具体的に何隻くらいになるのかというふうに予想されるのか、また、改正による準日本船舶の増加は船舶の確保の目標である四百五十隻の実現にどの程度寄与するのか、御答弁をお願いします。
○政府参考人(羽尾一郎君) お答えいたします。 今般新たに対象といたします準日本船舶は、日本の船主が海外子会社を通じて実質的に保有する船舶であり、航海命令時に迅速に日本籍化されることが措置されていることにつきまして国土交通大臣の認定を受けた船舶でございます。 この新たな準日本船舶の隻数につきましては、認定事業者が運航いたします日本の船主実質保有船のうち、船齢の高いものや長期契約が付されていないものなど、認定申請が見込めないものを除外し、平成三十年度からの五年間で数十隻程度確保されるものと見込んでおります。 経済安全保障の確立に必要な四百五十隻の達成時期につきましては、現下の歴史的な海運市況の低迷によりまして認定事業者は運航総隻数を縮小せざるを得ない状況にございますが、今般の準日本船舶の対象の拡大によりまして四百五十隻のできる限りの早期確保を図っていきたいというふうに考えております。
○新妻秀規君 なかなかこの海運不況の影響もあって厳しいというお話ですけれども、旗を下ろさず、是非とも四百五十隻の実現に向けて粘り強い取組をお願いをしたいと思います。 それでは、質問を終わります。 ありがとうございました。
○山添拓君 日本共産党の山添拓です。 本法案は、経済安全保障の確立のために日本船舶の確保が必要だとして、準日本船舶の認定対象を拡大するものです。海運業における課税を外形標準課税として実質的に減税をし、準日本船舶化を誘導する一方で、非常時には航海命令の対象とするものとなっています。 この航海命令は、災害の救助その他公共の安全の維持のため必要であり、かつ、自発的に当該航海を行う者がない場合又は著しく不足する場合、国土交通大臣が命じることとなっています。ただし、東日本大震災の折にも航海命令は発動されておりません。 国交省に伺いますが、これはなぜだったんでしょうか。
○政府参考人(羽尾一郎君) お答えいたします。 東日本大震災の際には、我が国海運企業は自発的に救援物資の無償輸送を行ったことから、航海命令の発令要件に該当しなかったため、航海命令を発令するに至らなかったものでございます。
○山添拓君 それがやっぱり本来の姿であろうかと思います。かつてない規模の津波と原発事故による放射能汚染も生じ、燃料や食料あるいは生活必需品の不足が言われたときですら必要はなかったわけです。 二〇一四年の三月に国交省海事局の内航課が大規模災害時の船舶の活用等に関する調査検討会最終報告をまとめていますが、ここでは防災基本計画に船舶の活用を位置付けて、事業者との事前の協力協定など環境整備を整えておくと。いざというときには国交省が事業者に輸送の要請を行うことが想定されておりまして、航海命令は位置付けられておりません。 東日本大震災の際ですが、外国船舶の中で日本周辺への航海を制限した国がありましたでしょうか。
○政府参考人(羽尾一郎君) 東日本大震災後、各国による独自の航行制限及び各海運会社の判断による京浜港、東京、横浜港でございますが、への寄港の取りやめの事例はございました。具体的には、リベリアや米国が福島第一原発事故による放射線量の増加等への懸念から、福島第一原発から一定の距離の範囲内の海域における航海を避けるよう推奨いたしておりました。また、各海運会社の判断により、京浜港への外航船舶四十四隻の寄港取りやめがございました。
○山添拓君 日本近海への接近を禁止するとか、そこまでの措置がとられたことはなかったわけです。ですから、今の話を伺いますと、むしろ対策を要するのは、放射能の被害をいかに防ぐか、原発事故が災害救助の大きな障壁となったんだと、こういうこともうかがえると思います。日本中が被災して国内輸送では供給が間に合わないと、そして外国籍の船を使わなければならないと。しかも、その外国が日本への就航を禁止するような事態にこの航海命令想定されているんですが、これなかなか想定しづらいと私は思います。 原発事故が起きたらどうするんだと、こういうことであれば、むしろそんな壊滅的な事態を招くような原発政策の方こそ改めるべきだと考えますが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(石井啓一君) 原発政策は私の所管ではございませんので、お答えは控えさせていただきたいと存じます。
○山添拓君 恐らくそうおっしゃるだろうと思ったんですが、やはり起きている現実を前提にお考えいただければと思っています。 同様のことは、国交省が考えている他の事例でも言えると思うんです。 先ほどもありましたが、航海命令想定されるのは、外国での治安悪化、テロや紛争が生じて邦人輸送やあるいは貿易の輸送に支障が生じると。例えば、ペルシャ湾が通航できないといった事態もあるわけです。外国籍の船が運航できない状況を想定をしていると。そういう状況で日本のタンカーに石油を運ばせるというのであれば、中東地域の各国と安定的な関係を保つ必要があります。ですから、アメリカ第一だというトランプ政権に付き従うような外交政策こそ転換すべきだと思います。 航海命令を発するケースには、いわゆる有事の場合は含まれないとされています。しかし、安倍政権は、集団的自衛権についての憲法解釈すら閣議決定でひっくり返し、安保法制、私たちは戦争法と呼んでいますが、これを強行しました。航海命令も条文上は「公共の安全の維持」と、こうあるだけで、そもそも有事は含まないと断言できるのかどうかも懸念があります。そして、安保法制は切れ目ない対応を可能にするといって、有事でなくても自衛隊が出動する場面を大幅に拡大したわけです。 お手元の資料の一枚目に表を載せていますが、この中で、例えば今度新たにつくられた集団的自衛権を行使できる場面としての存立危機事態、あるいは周辺事態法の改正によって日本の平和と安全に重要な影響を与える事態だという重要影響事態、それから、これは日本が危険でなくても国際社会の平和と安全を脅かす事態だと言っている国際平和共同対処事態、あるいはPKO法の改正による駆け付け警護など武器使用が可能となる場面の拡大、こういったものがあるわけですが、これらのケースで、自衛隊員や武器弾薬、物資の輸送あるいは邦人の輸送のために航海命令が発令される余地はあるんでしょうか。
○国務大臣(石井啓一君) 航海命令につきましては、海上運送法第二十六条第一項の規定に従いまして、災害の救助その他公共の安全の維持のため必要であり、かつ、自発的に当該航海を行う者がない場合又は著しく不足する場合に限り発令することができるとされております。 御指摘のそれぞれの事態がこの海上運送法第二十六条第一項の規定に該当するかどうかにつきましては、各法律と海上運送法との間で観点等が異なりますので、一概にお答えをすることは困難でございます。 いずれにしましても、海上運送法第二十六条第二項において、航海命令を発令するに当たっては、航海に従事する船舶及び船員の安全の確保に配慮しなければならない旨規定されておりまして、船舶及び船員の安全が確保されない場合に航海命令を発令することは想定をしておりません。
○山添拓君 今、一概に答えることはできないという御答弁でした。ですから、これは有事でない場合が含まれていると。ですから、発令しないんだということは断定できない、航海命令を発令することを否定しないという御答弁だったと思います。 そうすると、安保法制によって航海命令が発令され得る危険な場面がこれ大幅に拡大したということになります。これは極めて重大なことです。有事でなくても自衛隊と一体の、あるいは危険な、極めて危険な海域での航海を命じる場合があるということだと思います。 防衛省に伺いますが、南スーダンのPKOに派遣する自衛隊が民間船舶を使用して武器弾薬や物資を運搬した事実はあるでしょうか。
○政府参考人(辰己昌良君) お答えいたします。 南スーダンPKOにおいて民間の船舶を利用して物資を輸送した例はございます。一方で、武器弾薬を輸送した例はございません。
○山添拓君 資料の二に南スーダンPKOの部隊展開・輸送計画、資料があります。右の方に定期コンテナ船と、日本からこの南スーダンに向けて物資を輸送する過程で使用したということが記されているとおりであります。 これで、もし、こうした際に日本の船舶がこの航行を拒否するということになれば、こういう場合に航海命令を発動し得るというのが先ほどの大臣の答弁を踏まえた結論になろうかと思います。今、世界中の紛争に日本が切れ目なく参加できるようにした下で、危険な航海を航海命令によって強制することがあってはならないと考えます。 次に、航海命令が発令されるのは、自発的に当該航海を行う者がない場合又は著しく不足する場合だと先ほど大臣からも御答弁がありました。自発的には航海したくない海運業者に命令をして、これは断れば罰則が科されます。その際、船員の側は乗船を拒否することができるんでしょうか。乗船を強制したりあるいは拒否した場合に罰則を科したりする規定は法律上ありませんけれども、業務命令を拒否しても船員が不利益取扱いを受けないと、こう言えるでしょうか。
○国務大臣(石井啓一君) 航海命令に係る船舶への乗組みを船員が拒否いたしたといたしましても、船員に対して乗組みを強制する制度や乗組みを拒否した船員に対する罰則はございません。 その上で、乗組船員が航海命令による航海であることを知らされずに航海に従事することのないよう、船員法第三十二条第二項の規定に基づき、船員の雇用主たる船舶所有者に対し、乗船前の雇入契約締結に際し、当該契約に係る航海が航海命令によるものであるときは、あらかじめその旨を書面を交付して説明することを義務付けているところでございます。
○山添拓君 船員は、その時々の雇入契約とは別に事業者と雇用契約も結んでいます。ですから、その船員にとっては、ここで断れば次はない、こういうプレッシャーが働くことになります。 一九六八年の十二月二十四日付けで電電公社の千代田丸事件の最高裁判決というものが出されています。これ、一九五六年当時、朝鮮海峡の公海上に李承晩ラインという境界線が引かれ、その内側に入れば攻撃すると通告されていた中で、米軍の要請により電電公社が海底ケーブルの敷設を命じました。これに対して、労働組合が危険だといって乗船を拒否する運動を展開したのに対して公社が懲戒解雇を行った、こういう事件です。最高裁は解雇無効だと判断しています。 こうした先例を踏まえれば、航海命令を拒否したとしても乗組員を不利益に取り扱ってはならない、このことを法律上も明らかにすべきではないでしょうか。大臣、いかがでしょうか。
○政府参考人(羽尾一郎君) お答えいたします。 先ほど大臣からお答えを申し上げましたように、乗組船員が個々の実際の船舶に乗り組むに当たりましては、雇入れのいわゆる手続を行います、雇入契約の締結を行います。その際に、この航海が航海命令によるというときにつきましてはあらかじめその旨を書面を交付して説明すると、こういう形に既に法制でなっておりまして、そういう運用の下では委員御指摘のような御懸念は当たらないというふうに考えております。
○山添拓君 船員の側がどういう状況に置かれるのか、その実態を是非踏まえた施策をしていただく必要があると思います。 船員を、日本人船員をとりわけ増やしていこうというのが政府の政策ではありますが、そしてまた、それは私も必要だと考えますが、しかし、先ほど来お話もありますとおり進んでいないわけです。 今度トン数標準税制の適用を受けるために計画される船員確保計画、この認定基準の中では、日本船舶や準日本船舶、それぞれ日本人の船員を何名確保すべきだとしていますか。
○政府参考人(羽尾一郎君) お答えいたします。 日本船舶・船員確保計画の認定に関する基準というものがございまして、その中で、日本船舶一隻当たり外航日本人船員四名を、準日本船舶一隻当たり国際航海に従事できる日本人海技士二名をそれぞれ確保することとされております。
○山添拓君 しかし、実際には増えていないわけです。これは努力義務にすぎず、日本人船員を養成し、採用を増やすという目標はあるんですけれども、しかし、日本人船員自体を増やしていく、総枠を増やしていくという目標にはなっていないからだということだと思います。 資料の五枚目に、日本企業が運航する外航船の乗組員、国籍別の比率を載せています。七三・七%がフィリピン人で、日本人の船員は三・九%にすぎません。日本人の船員と外国人の船員の雇用条件、とりわけ雇用契約や賃金、どのような違いがあるんでしょうか。
○政府参考人(羽尾一郎君) お答えいたします。 外航海運事業者と船員の個別の労働契約につきましては労使間で締結されるものであり、国として詳細は承知いたしておりません。 ただ、その契約形態につきましては、一般的に日本人船員は終身雇用、外国人船員は期間雇用が多いと聞いております。これらの雇用形態の違い、ベースとしての給与、賞与レベルの違い、こういったことに加えまして、国による社会保障制度の違い等によりまして、日本人船員と外国人船員の賃金については相対的に一定程度の差があるものと考えられます。
○山添拓君 実態を調査するという御予定はないんでしょうか。
○政府参考人(羽尾一郎君) お答えいたします。 私どもも、海運事業者の日本人船員の確保、これが非常に大事なことだと思っております。そういう観点から、日本船舶、日本人船員確保計画、こういったものに基づきまして日本人外航船員の確保を進めております。そういう観点から、必要に応じて判断してまいりたいと、このように思っております。
○山添拓君 海運業者が国際競争力の名の下にコストカットを進めて、便宜置籍船化を進めて、そして安い賃金で外国人を雇い入れる、こういう実態が続いてきたわけです。そうした在り方そのものを転換させていく方向での海事政策を取っていくことが必要だということを申し上げて、私の質問を終わります。 ありがとうございました。
○室井邦彦君 日本維新の会の室井です。 物流を制する者世界を制するという言葉があります。まさにこの九九・六%が船舶依存というか、船が活躍をしてくれているということでありまして、いろいろとデータをお聞きしたり、また調べると、やはりもう皆様方御承知のとおり、日本の国は半世紀近く造船大国として、この技術力というのは世界に冠たるすばらしいものがあります。先人が培ってきたもので、一九三〇年代でしたか、戦艦大和、武蔵という世界一の巡洋艦を造り上げるというこの技術力、そういう過去をいろいろと学んでみますと、調べてみますと、今、日本の造船力は韓国や中国よりもまだ下だと、本当に情けなくという。いろんな環境があるのはよく分かっておりますけれども、もう一度、再びこの島国の日本の国が海運王国といいますか、物流大国としてもう一度、再び浮上していただきたい、国土交通大臣、また皆さん方に大きく期待をするものであります。 そういう中で今回の法案が改正されるわけでありますが、その中で第一番目の質問として、先進的な技術力、これを活用して先進船舶の導入などを促進していくということでありますけれども、世界でどのような技術力のレベルを確保しようとされるのか、また国際競争力をどう強化していこうというように工夫、努力をされるのか、その点を大臣にお聞かせをいただきたいと思います。
○国務大臣(石井啓一君) 海運業、造船業等の海事産業は、我が国の経済を持続的に支える基幹産業でありまして、国際的な環境規制やユーザーニーズへの対応を確実に行い、その活性化及び国際競争力の強化を図っていく必要がございます。我が国造船業の競争力の源泉は建造船舶の優れた環境性能や高い品質であり、これらを実現する高い技術力を更に向上させることが重要と考えております。 現在、国土交通省では、i―Shippingと称しまして海事分野における生産性革命を進めているところであります。例えば、気象データ等を踏まえて自動的に最適航路を選択する船舶やゼロエミッションを実現する燃料電池船の実用化、造船現場の生産性を飛躍的に向上させるAI技術を活用した溶接ロボットの開発等を推進しているところでございます。 我が国が誇るこうした世界最先端の技術力を引き続き維持向上させることによりまして、我が国造船業の国際競争力を一層強化し、現在約二〇%であります建造シェアを二〇二五年には三〇%に上昇させたいというふうに考えておるところでございます。
○室井邦彦君 三〇%と言わず三五%でも、ともかく大きく目標は持っていただきたい、このように自信と誇りを持って進めていっていただきたいというふうに期待をしておるところであります。くどいようでありますけれども、これは世界が日本の造船技術を認めているところでありますので、今、中国や韓国に勝てるといえばそういう先端技術力であるというふうに思っておりますので、是非今後とも力を入れて推進をしていただきたいというふうにお願いをしておきます。 続きましての質問は、いかに日本の造船業界が国内においても貢献しているかということを一言申し上げて質問に入りたいんですが、国内での生産拠点、地方圏ではこの生産比率は九三%に達しているとお聞きをしております。そしてまた国内での部品調達率も九一%、そしてまた、裾野の広い部品を製造する舶用工業、これを合わせると売上高約三・四兆円と、そういうことであります。また、雇用者数は約十二万五千人に達していると。いかに地方の経済の雇用を支えているか、いかに重要な産業であるかということが言えるわけでありまして。 そこで、この先進的な船舶の製造、導入等を促進するための、ここで計画認定制度というものを取り入れておられるということで、この内容はどのようなものなのか、是非お聞きをしておきたいなと思っております。もう一つは、海事産業の生産性向上にどう寄与していくのか、この二点をお聞きをしたいと思います。
○政府参考人(羽尾一郎君) お答えいたします。 本法の改正によりまして、先進船舶導入等計画制度が入ることになります。この計画認定制度に関しましては、まず、国が基本方針を定めることによりまして、先進船舶の導入等に関するビジョンと、船舶運航事業者、ガス事業者、電気通信事業者等、多様な関係者の役割を示すことといたします。その基本方針に沿いまして、船舶運航事業者等が先進船舶の研究開発、製造、導入等についての計画を作成し、国土交通大臣から計画の認定を受けることとなります。 このような制度によりまして、先進船舶の開発、製造、導入に当たりまして、国の定める総合的かつ計画的な見通しの下、船舶運航事業者等が腰を据えて取り組むことが可能となります。また、関係者の役割を明確化することによりまして、関係者の連携が円滑に進むものと考えられます。 さらに、当該計画の認定を受けることによりまして、法的手続の円滑化のための特例措置を受けることができます。加えて、研究開発に必要となる費用の一部についての予算上の支援も受けられることとしております。 これらによりまして、IoTを活用し最適航路を選定するなど、輸送の効率化を図る先進船舶の導入が効率的かつ迅速に進み、海事産業の生産性向上に寄与するものと考えております。
○室井邦彦君 よろしくお願いをしておきます。 続いての質問に入ります。 MLC条約の改正内容とその国内法制化に伴う実施体制についてお伺いをいたします。 ところで、その前に、二〇〇六年に開催された国際労働機関、ILOですね、海事総会において、MLC条約がそこで採択をされた、こういうことであります。 今申し上げたように、このMLC条約の改正された内容についてと、国内法法制化に伴う我が国船員の労働環境がどのように改善され、どのような実態にあるのかということをまずお示しいただけませんか。
○政府参考人(羽尾一郎君) お答えいたします。 MLC、海上労働条約は、船員の労働基準、労働環境及び療養補償に関しまして遵守すべき要件を定めるものといたしまして、国際労働機関、ILOにおいて二〇〇六年二月に採択され、二〇一三年八月に発効したものでございます。 二〇一四年及び二〇一六年の海上労働条約の改正によりまして、海上労働証書の発給に先立つ検査項目として船員の送還及び傷病等に係る金銭上の保証が追加され、また、一定の条件下で海上労働証書の有効期間を最大五か月延長することが認められました。今般の改正法案は、この条約改正を国内法化するものです。 我が国の外航船におきましては、船主責任保険に加入しておりますことから、船員の送還及び勤務中の傷病、死亡等に係る金銭上の保証は担保されておりますが、一部の途上国等の船舶においては船舶所有者の破産等で船員を遺棄する事案等が生じていることから、このような条約改正がなされることとなったものでございます。今回の改正により、国際的に船員の労働環境の改善が図られることとなります。 私ども国土交通省としましても、引き続き、海運先進国たる我が国として、ILOにおける同条約に関する審議に積極的に参加するとともに、国際的な連携の下、船員の労働環境の改善に努めてまいりたいというふうに考えております。
○室井邦彦君 この船員の労働環境については、一九八五年、プラザ合意後の円高の進展によって外国人船員とのコストの差が非常に拡大になったということで、一九八五年、三万人いた日本人の船員が、二〇〇八年、平成二十年には二千三百十五人、極端に減少したという、こういう極めて憂慮すべき事態が発生したということでありますので、これを機会に、更に外航の日本人船員の育成を積極的に取り組み、確保を是非していただきたい、このようにお願いをしておきます。 最後の質問に入ります。船員の資格の創設についてお伺いをいたします。 各先生方の質問と非常に重複して申し訳ありませんが、あらゆる北極海の航路が新たに活用される、またクルーズ船が南極まで広がっていく、そういう中で、極海は非常に気象条件が厳しい、こういう中での新たな資格制度が創設されるということでありますけれども、まさにこの日本人船員の職域確保の観点から見ても極めて重要だと個人的にも思っております。 そこで質問いたしますが、創設される船員資格のまず位置付け、そしてこの資格の取得方法、そして実施機関についてお聞きをしたいと思います。
○政府参考人(羽尾一郎君) お答えいたします。 まず、創設いたします資格の位置付けでございますが、我が国におきましては、航海士や機関士等の船舶の運航に携わる船員の資格は、一定の技能を持つことを要件として免状を交付することにより定められております。一方、今般の法改正で創設されます、液化天然ガス、LNG燃料船及び極水域、北極水域及び南極地域を航行する船舶、これらに乗り組む船員の資格というものは、燃料や機器の取扱いについて特殊な技能を要することから、船員の資格に加えまして別途更に必要な資格として定めるものでございます。 次に、この取得の手続等でございますが、これらの新たな資格の取得に当たりましては、液化天然ガス燃料船につきましては液化天然ガス燃料の特性に関する知識等を、それから極水域航行船舶につきましては氷海、氷の海における操船技術等を取得するための訓練課程を修了することが必要となります。 これらの訓練につきましては、独立行政法人海技教育機構において、本改正法の施行に合わせまして、液化天然ガス燃料船の場合、十から二十時間程度、極水域航行船舶の場合、三十時間程度の座学と実習による講習を設置する方向で所要の検討、準備を進めているところでございます。
○室井邦彦君 一言お願いをしておきますけれども、私は素人なのでよく分からないんですけれども、十時間とか二十時間程度でいいのか、また、極水航行ですか、三十時間程度の座学ということでありますけれども、非常にリスクを伴う、気象現象が激しいというか、極海は、そういうことで非常に心配をしておりますけれども、しっかりとした教育をしていただくように更に要望しておきます。 質問を終わります。
○青木愛君 希望の会、自由党の青木愛です。 先ほど来各委員の先生方からお話ございましたけれども、外航海運は、周囲を海に囲まれ資源の乏しい我が国の経済活動と生活物資の輸送には欠かせない基幹的な輸送インフラであります。現在、貿易量の九九・六%を海上輸送が担っています。 そのような背景の下で、日本の造船建造量は、二〇〇一年までは世界一を誇っておりましたが、現在では中国と韓国に抜かれ世界三位、シェアは二〇%に落ちました。外航日本人船員の人数は、プラザ合意時、一九八五年の三万十三人から激減をし、二〇一五年では二千二百三十七人となりました。日本商船隊も、日本籍船の、一九七二年の一千五百八十隻から二〇一五年には百九十七隻に落ち込んでおります。 そこで、まず質問をさせていただきます。 日本国籍の船舶、また日本人船員がいなくても、運賃さえ支払えば運送を引き受ける船舶は世界中どこにでもあるという意見もございます。 日本籍船及び日本人船員の確保について、まず国交省のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(石井啓一君) 委員御指摘のとおり、四面を海に囲まれた我が国にとりまして、貿易量の九九・六%を担う外航海運は我が国経済そして国民生活を支える基盤として極めて重要であります。 我が国における安定的な国際海上輸送の確保を図る上で、日本船舶、日本人船員はその中核となるべき存在であります。さらに、日本船舶、日本人船員は我が国の管轄権が排他的に及ぶため、経済安全保障の観点から通常時より一定規模確保することが必要であるほか、海上輸送の安全性の確保、操船技術等、海技の世代間の安定的伝承等の観点からも重要な意義がございます。このため、日本船舶、日本人船員を確保することは大変重要な国家的課題であると考えております。
○青木愛君 ありがとうございます。 経済安全保障の観点から、非常時において安定的な海上輸送を確保するため、日本籍船及び日本人船員の確保が必要だという認識をまず確認をいたしました。 まず、非常時についてお伺いをしていきたいと思います。 航海命令が発せられる場合とはどういう事態をいうのでしょうか。テロや政変等で治安が悪化した場合、例えば朝鮮半島での不測の事態、現実味を帯びているやに思いますが、邦人救出、輸送の必要が発生した場合、どのように考えたらよろしいのでしょうか。また、航海命令に従うことにより損失が発生した場合、経済的な損失については補償されておりますけれども、航海命令を受けて万が一危険地域への航行によって船員が負傷、あるいは最悪の場合死亡した場合に対する補償等はどうなっておりますでしょうか。
○政府参考人(羽尾一郎君) お答えいたします。 海上運送法第二十六条第一項におきまして、災害の救助その他公共の安全の維持のため必要であり、かつ、自発的に当該航海を行う者がない場合又は著しく不足する場合におきまして航海命令を発することができると、こういうふうにされております。 具体的に、災害の救助その他公共の安全の維持のため必要である場合といたしましては、一つに、国内において自然災害、事故等が発生した際、外国から緊急物資を輸送する場合、二つに、外国で災害、紛争等が発生した際にマラッカ・シンガポール海峡等が通航不能となり貿易物資の輸送に支障が生じる場合、三つに、外国において災害、治安悪化等が発生した際に安全な地域に邦人を避難させる場合などを想定しており、御指摘のような有事における海上輸送は航海命令の対象としては想定しておりません。 また、危険地域を航行したことによる損失補償につきましては、海上運送法第二十六条第二項において船舶及び船員の安全に配慮しなければならないというふうにされておりますことから、そのような事態はおよそ想定されないものと考えております。
○青木愛君 ありがとうございます。 先ほど大臣の御答弁にもございました海上運送法第二十六条の第二項に船舶及び船員の安全の確保が明記されているわけでありますので、これは極めて大臣の適切な判断に懸かってくるというふうに思いますので、その点を指摘をさせていただきたいというふうに思っております。 もう一点、併せてお伺いいたしますけれども、この航海命令を船舶運航事業者あるいは船長、船員は拒否できるのでしょうか。また、拒否した場合の罰則規定などはありますでしょうか。
○政府参考人(羽尾一郎君) お答えいたします。 まず、船舶運航事業者が航海命令に違反した場合には、海上運送法第四十九条の規定により罰則が適用されます。一方、航海命令に係る船舶への乗組みを船員が拒否したとしましても、船員に対して乗組みを強制する制度や、乗組みを拒否した船員に対する罰則はございません。
○青木愛君 ありがとうございます。以上の点をまず確認をさせていただきました。 次に、平時における日本籍船についてお伺いをいたします。 日本は島国であり、貿易立国との宿命を重視しますと、国内企業間の税の公平性に配慮したとしても、それ以上に、海運の国際競争力の向上というものは日本国の存亡を左右する極めて重要な案件だと考えております。日本籍船を一定数確保するためには、トン数標準税制の拡大は当然のこと、先ほど住民税の軽減のお話もございましたけれども、あわせて、登録免許税あるいは固定資産税の減免、また行政手続の利便性の向上など、更なる支援策を強化すべきだと考えておりますけれども、国際競争力に耐え抜くための総合的なお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(石井啓一君) 我が国貿易量の九九・六%を担う外航海運は、経済、国民生活を支える重要な基盤であり、世界単一市場において厳しい競争下にある中で、安定的な国際海上輸送の確保を図ることは極めて重要であります。 例えば、パナマ、リベリア等諸外国の外航船舶の登録免許税及び固定資産税は、非課税又は手数料並みが主流となっております。これを踏まえまして、我が国におきましても、二〇〇九年、平成二十一年度からトン数標準税制を導入したほか、国際船舶につきましては登録免許税率を千分の四から千分の三・五に、固定資産税の課税標準を六分の一から十八分の一にそれぞれ軽減する措置を講じて、日本船舶の増加を図っております。 また、パナマやリベリアでは、登録船舶の増加を図るため、行政手続負担を軽減するための取組を積極的に実施していることを踏まえまして、我が国におきましても、例えばポートステートコントロールを受けた際に、日本政府の確認を求められる場合に備え、休日、夜間の緊急対応窓口を開設する等、日本船舶の保有に係る行政手続の負担軽減を図っているところでございます。 いずれにいたしましても、海外の動向を踏まえ、安定的な国際海上輸送の確保を推進してまいりたいと存じます。
○青木愛君 ありがとうございます。 徐々に少しずつ努力をされているということであります。海運の国際競争力向上は極めて重要なことと思いますので、引き続きの御検討を是非お願いしたいというふうに思います。 次に、先進船舶導入計画について、最後お伺いをいたしたいと思います。 海上ブロードバンドの普及やビッグデータの解析と活用によって、より安全な船体の設計、また安全で効率的な運航、船員の負担軽減が可能となります。また、LNGを燃料とする環境負荷の少ない船舶の建造など、先進船舶導入計画は積極的に進められるべきだと考えております。 先進船舶導入等計画の認定を受けますと、補助金の交付を受けることができます。平成二十九年度の予算を見ますと、一億二千五百万円とされています。まずは調査費ということであります。調査費ということでありますけれども、今後、計画の認定を受けて、研究開発や先進船の製造の段階になりますと、これでは補助額が少ないというふうに思います。今後、補助金の規模拡大が必要ではないかと考えております。ましてや、申請手続に必要な費用、また準備書類が、この申請者である船舶運航事業者に過度な負担となるという指摘もございます。 今後の先進船舶の推進、また導入推進に向けて、事業者にとっても見通しが立つように更なる予算確保が必要だと思いますけれども、この今後の予算確保につきまして、石井大臣の御決意を最後に伺いたいと思いますが。
○政府参考人(羽尾一郎君) お答え申し上げます。 御指摘の予算につきましては、この法律案により導入されます先進船舶の研究開発、製造、導入を促進する制度に基づきまして実施される研究開発に対しまして給付されるものでございます。具体的には、航海データや気象情報を分析し、最適な航路選定により経済的な運航を可能とするなどの先進船舶の研究開発に係る経費の補助に充てるものでございます。 この研究開発につきましては、本年度予算上は御指摘のとおり一・二五億円の計上となってございますが、これは当面は企画、設計段階にあるためでございまして、今後、研究開発の進捗や実施する事業の増加などに対応いたしまして、来年度以降の必要な予算の確保に向けまして適切に対応してまいりたいというふうに考えております。 また、先進船舶導入等計画認定制度の導入に当たっての御指摘の申請の負担の軽減でございますが、これにつきましては、申請書に記載すべき事項を必要最小限度に限るとともに、申請書作成の要領を分かりやすく定めた手引書を策定し、その負担軽減に努めてまいりたいというふうに考えております。
○青木愛君 ありがとうございます。 最後に、石井大臣の御決意を一言いただけませんでしょうか。
○国務大臣(石井啓一君) この先進船舶の導入というのは、我が国の海事セクターの国際競争力のやはり源になっていくというふうに思っておりますので、国土交通省としてもしっかりと推進していきたいと考えております。
○青木愛君 期待しております。 ありがとうございました。
○行田邦子君 無所属クラブ、行田邦子です。よろしくお願いいたします。 私は、まず初めに、無主の国境離島の国有化について伺いたいと思います。 先日もこの国土交通委員会におきまして総合海洋政策本部にお越しいただきまして確認をさせていただきましたけれども、日本の領海、それから排他的経済水域の外縁を根拠付ける国境離島が四百九十一あるということであります。そのうち所有者がいない無主の島、宙ぶらりんになっている島が二百七十三ということでありますけれども、これらの無主の島につきましては、平成二十八年度中、三月末までに国有財産登録を行って、また不動産登記を行うという政府方針となっています。 そこで確認なんですけれども、二百七十三の島のうち国土交通省が管轄する島が十七ということでありますけれども、この十七の島について既に国有財産登録が終わったのか、また不動産登記も終えているのか、その確認をさせていただきたいと思います。そしてまた、今後どのように国土交通省としてこれら十七の島を管理をしていくのか、お答えいただきたいと思います。
○政府参考人(藤田耕三君) お答えいたします。 無主の離島二百七十三、今御指摘ございましたけれども、そのうち低潮線保全区域が設定されている十六、それから近隣の離島の灯台の管理に併せて状況確認が可能な一つの島、合計十七の島について国土交通省におきまして国有財産登録、それから不動産登記の手続を進めてまいりましたが、国有財産台帳への登載は先月までに終了をいたしました。不動産登記につきましても、詳細な所在の確認が必要な離島を除き、先月までに登記の嘱託を終了したところでございます。残りの島につきましては、内閣府から登記に必要な資料が提供され次第、速やかに嘱託手続を進めてまいります。 また、今後の管理につきましては、内閣府総合海洋政策推進事務局が衛星画像等を活用して海岸線の変化などの日常的な状態の監視を行うこととしております。国土交通省におきましても、通常業務の一環としまして、低潮線保全区域の巡視、点検、あるいは近隣の離島の灯台の管理に併せて把握した状況について必要に応じて内閣府に情報提供を行うこととなっておりまして、政府全体として適切な管理、保全に対応する体制を取っております。 国土交通省としましては、引き続き関係省庁と連携してしっかり対応してまいります。
○行田邦子君 不動産登記の方も速やかにお願いしたいと思っております。また、低潮線保全区域をこれまで以上に、引き続きしっかりと管理をしていただきたいと思っております。 我が国は、EEZ、海洋面積で世界第六位という海洋大国であります。こうした我が国日本におきましては、海事産業というのは日本の様々な強みを生かすことができる成長のポテンシャルがあると私は考えております。 そこで、大臣にまず伺いたいんですけれども、この海事産業について、日本経済の再生、そしてまた地域経済の活性化に海事産業がどのように貢献できるとお考えでしょうか。また、そのための戦略についてお聞かせいただけますでしょうか。
○国務大臣(石井啓一君) 我が国の外航海運は輸出入貨物の九九・六%、また内航海運は国内貨物の約四割、産業基礎物資の約八割の輸送を担っており、我が国の経済活動に欠かせない基幹的輸送インフラでございます。また、我が国の造船業は国内各地に生産拠点を展開し、地方圏での生産は九割以上に達します。さらに、国内での部品調達率は九割以上に達し、裾野の広い部品を製造する舶用工業と合わせますと売上げが約三・四兆円、雇用者数は約十二・五万人に達し、地方の経済と雇用を支えている重要な産業と認識をしております。加えて、我が国海運の船舶の約九割は国内の造船所で建造されており、造船を支える舶用品等、海事に関連するほとんど全ての業種が国内にそろうなど、海事産業の付加価値総額は我が国GDPの中で約三・七兆円に上るところでございます。 このように、多数の企業が集積する層の厚い海事クラスターは世界にも類がなく、この集積により国内各地域で相乗的に経済、雇用効果を創出していることから、海事産業の振興は極めて重要であると考えております。 このため、国土交通省といたしましては、本法律案を提出していることに加えまして、海運については特別償却制度等税制面の支援、造船につきましては輸出拡大や運航の効率化等を図る海事生産性革命の推進、そしてこれらを支える船員や造船人材の確保、育成などに取り組んでおります。これらの政策に引き続き取り組みまして、海事産業の振興を通じ、政府が掲げるGDP六百兆円の実現、日本経済の再生、地域経済の活性化に全力で取り組んでまいりたいと存じます。
○行田邦子君 海事産業の発展が日本経済、そしてまた地域経済に与える影響というのは私は非常に重要であると考えておりますので、よろしくお願いいたします。 世界の海運、造船市場なんですけれども、これは世界経済の成長に伴って成長が長期的に見込まれているということでありますけれども、ここ数年の建造量を見てみますと、二〇〇九年から一〇年、一一年と急増をしています。そして二〇一一年には一億総トンを超えるというピークを迎えたんですが、一二年、一三年、一四年とがくがくがくっと、このように建造量は落ちています。 そこで、局長に伺いたいんですけれども、世界の海運、造船市場の足下の状況をどのように捉えていますでしょうか。そしてまた、今後の市場、世界市場の見通しについてお聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(羽尾一郎君) お答えいたします。 現在、中国等の新興国経済の停滞により海上荷動き量に対する船腹量が過剰な状態となっており、海上運賃は歴史的に低い水準で推移し、海運市況は低迷しております。これに伴いまして、世界の新造船の発注量も減少しており、造船市場の国際競争は激化しております。 今後につきましてですが、中長期的な世界経済の成長による海上荷動き量の増加に伴い、いずれ海運市況は回復し、老朽船舶の解体に伴う代替需要も加わり、世界の新造船需要は増加していくと見込まれております。具体的には、学識経験者に加え海運、造船業界の専門家から成る審議会におきまして、二〇一五年の約六千八百万総トンの建造量から二〇二五年には約七千五百万総トンに建造量を増加させると、こういう試算がされているところでございます。
○行田邦子君 今市況が低迷してしまっているということでありますけれども、逆に今が我慢のしどころということで、長期的に見れば、やはり世界の経済が発展すればそれに伴って海事産業も発展していく、成長していくというふうに思っています。 そこで、続いて局長にまた伺いたいと思うんですけれども、国土交通省として、海事生産性革命、先ほどからありますが、i―Shippingというものを掲げています。そこでは新造船建造量の世界シェアを、二〇一四年でしょうか、二〇一四年の二〇%から二〇二五年には三〇%のシェアに伸ばしていくということを掲げています。 ただ、私、最近の中国が受注が減っているということ、それからまた、逆に日本の受注が増えているというこの傾向、そしてまた直近の数字を見ますと、二〇一五年の一―九月でいきますと日本の受注量シェアが二九%まで行っていることを踏まえれば、私は三〇%ではなくてもう少し意欲的な目標設定をしてもよいのではないかと考えていますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(羽尾一郎君) お答えいたします。 我が国の造船業は、二〇一五年の新造船受注量におきまして、燃費性能や品質を強みに、円高是正にも支えられまして、一時的には受注量で世界の三〇%のシェアを確保いたしましたが、建造量シェアは約二〇%で推移しております。 新造船受注量は海運市況や為替などにより大きく変動いたしますが、その受注量が建造量として反映されるためには、競争力を維持し継続的に相応の受注量を確保することに加えまして、それに見合った人員や生産体制を構築していくことが必要となります。二〇一五年の建造量千三百万総トン、シェアで約二〇%でございますが、これを二〇二五年までに、建造量につきましては九百五十万総トン増加させまして二千二百五十万総トンに、シェアにつきましては一〇ポイント増加させ三〇%にそれぞれしていくためには、一つには、生産性向上により二〇一五年における一人当たりの建造量を約五〇%増加させるということとともに、造船と舶用工業の就業者数を約一万人増加させることが必要となります。さらには、中国や韓国でも同様の取組が進められることが想定される中で、日本の造船業が技術的にもコスト的にも他国に対する優位性を確保しなければなりません。 こういう意味で、この目標達成には相当の努力を要するものと考えており、官民を挙げて生産性の向上や先進船舶の開発、導入に取り組んで、その達成に向けて全力を投じてまいりたいと考えております。
○行田邦子君 ということですけれども、私は、海事生産性革命ということを掲げているのであれば、やはりもう少しチャレンジングな目標設定をしてもよいのではないかと思います。これまで日本は、オイルショック前から比べますと約三倍、一人当たりの建造量を伸ばしている、つまり相当な生産性の向上ということを実現をしているわけでありますので、海洋大国日本として私はもう少し意欲的な目標設定をしていただけたらなというふうに思っております。 続いて局長に伺いたいと思うんですけれども、海事生産性革命のテーマの一つとして人材育成を掲げています。大学造船系学科からの採用を十年で千五百人、五〇%増やすとしています。造船系学科で専門知識や技術を習得をしても、その学生のうちの六割から七割程度が他産業に就職してしまうというこの傾向をどのように食い止めようとされているのか、造船企業など海事産業への就職をどのように増やそうとしているのか、具体的な方策について伺いたいと思います。
○政府参考人(羽尾一郎君) お答えいたします。 造船業が高品質で高性能な船舶を開発、建造し海運業界に供給していくためには、優秀な人材の確保、育成が不可欠でございます。 造船分野の学科やコースを有する大学は国内に八つありますが、これらの大学では、造船分野の教育を受けた後、海事分野に就職する人は、二〇一五年三月の卒業生約二百六十人で見てみますと、そのうち約百人と四割にとどまっております。このような状況を踏まえ、昨年六月、交通政策審議会より、海事生産性革命、i―Shippingの一環として大学の造船系学科からの採用者数を五〇%増加させるなどの目標とともに、その実現に向けた各種対策が答申されました。 具体的には、造船企業と八つの大学の協議会を通じまして、日頃から相互の意思疎通や造船業を取り巻く状況への理解を深めること。二つ目に、複数の企業が連携して大学に寄附講座を安定的、長期的に開設すること。三つ目に、造船企業と大学との共同研究資金を増加させること。さらに、企業からの社会人学生を増やすことなどのことに取り組むこととされております。それを受けまして、昨年度は産業界と大学との協議会を開催するとともに、大学の寄附講座の新設も行われております。 今後とも、各地域において産業界と教育機関との間のネットワークや連携体制を強化するとともに、就職先としての魅力向上に向け、産学官一体となって各種対策に取り組んでまいりたいと考えております。
○行田邦子君 是非よろしくお願いいたします。 最後、大臣に海洋開発市場について伺いたいと思います。 海洋開発市場は今後も拡大する見通しであります。そしてまた、日本にとりましては、この海洋開発というのは一隻当たりの受注額が非常に大きいということもありますし、エンジニアリングや設計費の占める割合が高いので、日本の高い技術力を生かして収益率の高いビジネスとなると思われます。日本の海事産業にとっても魅力ある市場なんですけれども、国内には海洋資源開発のフィールドが、ガス田やそれからまた油田などがほとんどないために、実績も乏しく、また産業として育っていません。 政府としても、海洋開発を重点、また戦略市場と位置付けて市場の参入を積極的に後押しをすべきと考えますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(石井啓一君) 海洋開発は、海洋からの石油、天然ガスの生産から、メタンハイドレートや海洋鉱物資源のような新しい資源開発、洋上風力発電のような海洋再生可能エネルギーに至るまで、幅広い分野が存在をいたします。これらはいずれも我が国の経済成長や国民生活に直結するものであり、中長期的に成長が見込まれる世界の海洋開発市場を我が国海事産業が獲得していくことは極めて重要であります。 このため、海洋開発市場の獲得を目指しました海事生産性革命、j―Oceanを昨年、国土交通省生産性革命プロジェクトに位置付け、強力に推進することとしたところであります。その柱は、一つは技術開発、二つ目には人材の育成、三つ目にはファイナンス支援の三つであります。技術開発につきましては、我が国海事産業の競争力を確保するため、石油や天然ガスの生産、貯蔵を行う船舶、さらには海中ロボット等の技術開発を支援をしております。 また、この市場の獲得のためには技術者の育成が喫緊の課題であり、国土交通省では、安倍総理が一昨年の海の日に掲げた海洋開発分野の技術者を一万人まで引き上げるという目標に向けまして、専門教材や海洋構造物のシミュレーター開発を通じた技術者育成に取り組んでいるところであります。さらには、ファイナンス支援に向けまして、海外交通・都市開発事業支援機構、JOINの活用も含め、関係者との調整を進めております。 我が国の成長と資源確保に貢献していけるよう、我が国海事産業の国際競争力強化に向けて、引き続き海事生産革命の取組を全力で推進してまいりたいと存じます。
○行田邦子君 私は、海なし県、埼玉県の人間でありますけれども、海なし県の私、埼玉県の人間といたしましても、海洋開発につきましても、海事生産性革命にふさわしい取組をしていただきますようお願いを申し上げまして、質問を終わります。
○委員長(増子輝彦君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○山添拓君 日本共産党を代表して、海上運送法及び船員法の一部を改正する法律案に反対の討論を行います。 本法案のうち、国際条約の履行のために要する船員法改正については、船舶の安全な航行や船員の安全確保のために必要と考えます。しかし、準日本船舶の対象の拡大は航海命令の対象となる船舶数の増加につながり、船舶と船員の危険が増大することになります。 航海命令は、公共の安全の維持のためとして発令でき、テロや政変により外国籍船が就航を拒否するような状況で、罰則の強制をもって航海を命じることができます。二〇一五年に強行された安保法制、戦争法の下では、有事には至らないものの、自衛隊が出動し、後方支援や武器使用を可能とする場面を大幅に拡大しており、こうした場面で航海命令により……(発言する者あり)
○委員長(増子輝彦君) 御静粛にお願いします。
○山添拓君 自衛隊員や武器弾薬、物資等の輸送、邦人輸送等を行わせることも十分に考えられ、大臣もその可能性を否定しませんでした。 有事か平時かを問わず、世界中の紛争に日本が切れ目なく参加できるようにした下で、危険な航海を命じる航海命令の対象範囲を拡大することは容認できません。 また、トン数標準税制の適用を受けるための船員確保計画は、日本人船員の増加に結び付いておらず、実効性がある措置となっていません。 以上の理由から本法案には反対とする旨を申し述べ、討論といたします。
○委員長(増子輝彦君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。 これより採決に入ります。 海上運送法及び船員法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(増子輝彦君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(増子輝彦君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後零時三十一分散会