国土交通委員会 第5号
- 発言数
- 116 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 8
- 開催日
- 2017/04/04
会議録
○委員長(増子輝彦君) ただいまから国土交通委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日、酒井庸行君及び金子原二郎君が委員を辞任され、その補欠としてこやり隆史君及び古賀友一郎君が選任されました。 ─────────────
○委員長(増子輝彦君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(増子輝彦君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に中野正志君を指名いたします。 ─────────────
○委員長(増子輝彦君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 不動産特定共同事業法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、国土交通省土地・建設産業局長谷脇暁君外三名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(増子輝彦君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(増子輝彦君) 不動産特定共同事業法の一部を改正する法律案を議題といたします。 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○井上義行君 自由民主党の井上義行でございます。 法案の前に一、二問質問したいんですが、三月二十七日に破産申立てを行った株式会社てるみくらぶの問題について御質問をしたいというふうに思います。 本当、今回の破産によって海外に残された人たちを帰国する素早い対応に対して感謝を申し上げたいと思います。非常に大臣のリーダーシップの下、副大臣、そして政務官、職員が一体となって、海外に残されている人を帰国できたというふうに思っております。 これ、確認なんですけれども、海外にはこの案件で残されている人はいないというふうに聞いておりますけれども、事実関係を観光庁長官、お願いします。
○政府参考人(田村明比古君) 実際には、てるみくらぶの旅行商品を購入されたお客様で既にその航空券が発券されているお客様、これは、この航空券自体は運送契約が発生しておりますので有効なものでございます。それをお使いになって、海外に追加の例えばホテル代を払ってでも旅行をされるという方がいらっしゃいます。昨日の時点で千百名ほどまだ海外にいらっしゃるというふうに承知をしております。
○井上義行君 今、そういう意味で、桜のシーズンが終わるとゴールデンウイーク、そして夏休みが来ます。やっぱりこうしたことで影響があって、旅行業者に対する不安というのが広がって移動ができないようでは困りますので、私としては、これを契機にガイドラインを作って、こうした旅行業者の、いわゆる国民から見る目をしっかりつくるべきだと思いますが、観光庁長官、どうでしょうか。
○政府参考人(田村明比古君) 観光庁といたしましても、今回の事案を受けまして、再発防止についてどのような対策が必要かということは検討してまいりたいというふうに考えております。 今先生の御指摘の件も参考にさせていただきながら検討させていただきたいと思います。
○井上義行君 是非、観光立国日本でこうしたことが起こらないように、万全な体制を引き続き行ってもらいたいというふうに思っています。 それでは、不動産特定共同事業の一部改正する法律案についてお伺いをしたいというふうに思います。 この法案は、ファンドを引き下げて地方創生に役立てる法案だというふうに思います。私の地方創生の考え方は、やはり地方にある中核都市を中心に、いろんな鉄道やあるいは道路あるいは飛行機、様々ないろんなネットワークを使って中核都市をしっかり強固にして、そこから地方の過疎地とかあるいは村とか町を元気にするという考え方があるんですが、こうした地方創生を考えるときに、個々で見るよりもやはり国土全体を考えて、そして一つの方向性を持って、優先度を持って進めるべきだというふうに考えておりますが。 そこで、国土交通省として、こうした地方過疎地対策、こうした一つの指針というか考え方、これはどういうような推進方法があるかを大臣にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(石井啓一君) 人口減少下におきまして、どのような地域でありましても住民の生活を守り、住み続けられる国土を維持することが重要でございます。このため、地域間で人、物、情報等が活発に行き交う対流促進型国土と、それを実現するためのコンパクト・プラス・ネットワークを形成していくという基本的な考えを国土形成計画の全国計画で掲げているところでございます。 この考え方の下、過疎化の進んだ地域につきましては、集落生活圏内外の交通ネットワークを形成するとともに、生活サービス機能や地域活動の拠点をできるだけ歩いて動ける範囲に集め、利便性を高めた小さな拠点の形成を促すことによりまして持続可能な地域づくりに取り組んでいきたいと考えております。
○井上義行君 そこで、今回ファンドを今までよりも額を下げて、そしてそのファンドを集めたお金で金融機関、あるいはリノベーションを図って多くのお客様を迎え入れる、こういうような運用がなされるというふうに思いますけれども、私も地方から通勤をしております。私の地元でも、周りには一万人以下の町が存在をして、そしてそこにある企業とか様々な人から話を聞くと、なかなかそこは、資金が本当にこのファンドによって集めることができるかどうかというのがやはり今回の運用では大切だというふうに思っております。 一説には、これは法案が成立した後、運用について検討していくと思うんですが、出資金の上限を一億円、そして出資限度額を一人当たり百万円ということが言われておりますが、そうすると、一億円集めるとすれば百社集めなきゃいけないと。そうすると、この百社集めるの、地方といっても中核都市、二十五万人とかあるいは三十万人のところで募ると、そこには優良な企業もいますので集まると思うんですが、もっと過疎地に行くとなかなかそういう企業は見当たらないと。そうすると、東京の企業であるとかあるいは東京の個人であるとか、そういう人たちが出資をするようになると。 ここで、私がどうしてもちょっと考えた方がいいなというふうに思うのは、これはファンドですから当然自己責任でやっていかなきゃいけないと。そうすると、例えば大プロジェクトだと、企業とかはリサーチ力が高いですから、リサーチにお金を掛けて、期間を掛けて、どういうニーズがあるか、こういうことを徹底的にやりますので、非常にリスクというのも少なくなっていくわけですね。ところが、額が少ないと、やはりそのリサーチをするのを省いてしまったり、あるいは勘でやってしまうところが多々起きる可能性があるのではないかということをちょっと心配をしています。 そこで、今回のファンドの額を下げた最大の理由というのはどこにあるのでしょうか。そして、地方でこのファンドで数多くの人から、インターネットを使ったり、あるいはいろんな出資を募る、こうした資金が集められる根拠を是非お聞かせ願いたいと思いますが、局長、いかがでしょうか。
○政府参考人(谷脇暁君) お答えいたします。 まず、空き家、空き店舗等、あるいは古民家等といったものの再生を行います際に、通常その不動産の担保価値が低いということで、現状では金融機関などからの資金調達というものに限界がある、こういう実情があるというふうに思っております。こういう実情を踏まえまして、商店街の再生とかまちづくりの一環として空き家、空き店舗等の再生を行う際に、担保ということではなく、プロジェクトの企画、内容に基づいて投資家から広く資金を調達できると、こういう点でこの不動産特定共同事業は有効であるというふうに考えております。 また、今回創設をいたします小規模不動産特定事業につきましては、御指摘もございました地域創生の実現に貢献するような地域づくりの一環として活用されることが重要であるというふうに考えております。地域の不動産会社やまちづくり会社などの参入が容易になるようにということで、資本金の額を、現在一億円以上ということでございますけれども、この小規模の不動産特定事業につきましては一千万円以上ということを予定してございます。一億円以上という不動産会社は全国に三千社ほどしかございませんけれども、一千万円以上ということになりますと全国に五万社ほどあるわけでございます。こういったような企業に御活躍をいただきたいというふうに考えております。 また、具体の事業につきましては民間の事業者が計画を策定して実施するものでございますけれども、国の方といたしましても、地域の金融機関あるいは関係の自治体と連携をいたしまして、事業者のネットワークづくりあるいは優良事例の横展開、こういったようなことを進めまして、この小規模不動産特定共同事業が地域づくりの取組の一環として活用されるように取り組んでいきたいと考えております。
○井上義行君 そこで、先ほども質問したんですが、地方でお金を集められる根拠なんですけれども、例えば利回りというのがすごく大事になってくるような気がするんですが、例えば、私は投資家ではないので投資をしたことがありませんが、いろんな人に話を聞くと、株もあるし、あるいは信託もあるし、あるいは家賃収入とか、様々ないろんな利回りがあります。その場合、新規の投資をする場合、利回りが何%ぐらいあるか、そういうことによって確実性があるかということでお金を投資するというのをよく聞くんですね。 今回の場合、例えば明日香村、あそこは私も役人のときに行ったことがありますが、非常に景色が整っていて、古都保存されていますので、そうしたことが再生するのは何となくすごくうまくいくなというふうに思います。それでも、利回りの想定が〇・六ということになると、少しちょっと低いのかなというのがありまして、投資家が、本当にぽんぽんぽんとお金が集まるかが心配でございます。特に商店街、商店街で集める場合には、商店街に働くあるいは経営をしている人がこのリノベーションによって自分たちのお店ももうかると、だから十万やあるいは五十万円出資する人もいるかもしれません。しかし、本当にこの出資が集まるという何か根拠というものが、国民に分かりやすいような形で説明を願いたいと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(谷脇暁君) 今御指摘がございましたように、地方の、地域の空き家、空き店舗等を再生をしていこうというようなことを考えましたときに、それに対するリターンというものがそれほど大きいというものにはならないであろうということがございます。非常に高いリターンを求めようと思いますと、今御指摘ございましたように、いろいろな金融商品なり不動産投資の道もあるわけでございます。 今回のこの小規模な事業をつくるという趣旨は、例えば一つの古民家なり店舗を再生しようといたしましたときに、通常一千万ほどありますればそれなりの改修ができるわけでございます。そういったような資金、これはまさに地域を活性化する事業でございますので、どちらかというと、高いリターンを求める資金というよりも、地域の活性化なり古民家の再生というようなものに自ら関与をして、そういうような地域づくりにもある意味貢献しながら一定のリターンが得られるという、私ども、志ある資金というような言い方もしておりますけれども、そういうような資金が集まるように、これはいろいろな取組を、地元の地方公共団体でございますとか、あるいは関係する団体、金融機関などとも連携をいたしまして取組を進めていく、そういうことで資金を集めていきたい、そんなふうに考えております。
○井上義行君 そこで、今度のファンド、今局長から説明があったとおり、志がある人が出資してくるということになると、今までプロが参入してきたファンドとちょっと色合いが違ってくるので、その分リスクも抱えてくることもありますので、私としては、失敗も成功もある様々ないろんなものを国民に示して、何か一つのガイドラインみたいなものを作った方がいいと思うんですが、いかがでしょうか。
○政府参考人(谷脇暁君) 今、現行の不動産特定事業法でも、事業者に対しまして事実に相違する広告の禁止等々、あるいは事前のいろいろな説明ということを義務付けているところでございます。 今回の小規模事業につきましても同様の規制が掛かるという、その上で、今回の小規模事業の創設に併せまして、このいわゆるガイドライン、指針、これを充実を図りたいというふうに考えております。 内容といたしましては、投資をされる方が高齢者であるかどうか、あるいは投資経験がどれぐらいあるかなど、顧客の属性に応じた適切な勧誘、広告、事業内容の説明の在り方、こういったようなことについて具体的な指針、ガイドライン、こういったような中身を含めまして、そういうものの充実を図っていきたいと考えております。
○井上義行君 そこで、いろんな事業が様々なその地域の方の知恵によって出てくると思うんですが、そこで、国土交通省として、そうしたファンドをつくってリノベーションをして何かをやっていこう、あるいは商店街全体をやっていこう、あるいは古民家を使って何かをやっていこうというときに、国土交通省としての支援、補助金あるいはいろんな整備事業があると思うんですが、どのようなことを想定しているのかを大臣にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(石井啓一君) 小規模不動産特定共同事業につきましては、地方創生の実現に貢献をする地域づくりの一環として活用されることが重要と考えております。 現在、空き家等の再生事業やまちづくり事業、耐震化事業に対する各種補助制度がございまして、小規模不動産特定共同事業を行う場合もこれらの支援を活用することが可能でございます。 さらに、国土交通省といたしましては、地方自治体と連携をいたしまして、まちづくりのビジョンの策定に対する支援、空き家、空き店舗の見える化、どこにあるかということをはっきりさせる、まちづくりやリノベーションのノウハウを有する人材のマッチング、事業者のネットワークづくりや優良事例の横展開等の支援を行ってまいりたいと考えております。
○井上義行君 是非、地方活性化につながるような運用を是非お願いをしたいというふうに思っております。 そして、最後にお聞きしたいのは、こうしたファンドを使って地域づくりをしていくんですけれども、大手の場合は、いろんな契約であるとかその事業の内容、先ほど申し上げましたけれども、リサーチをしますので、非常に事細かいところまで把握をして投資をするということなんですが、私も地方に住んでいると、商店街の人は細かいところまでやらないで人の話を聞いて動く場合がありますので、あくまでも投資ですから、そのときに事業が失敗した場合はどこに責任があるのかを明確にしてもらいたいと思います。局長、いかがでしょうか。
○政府参考人(谷脇暁君) この不動産特定共同事業法、この不特法の成立の経緯でございますけれども、そもそも平成三年頃に不動産の小口化商品を販売する事業者が倒産するというようなことが起こりまして、投資家被害が発生したということを受けまして、この不動産特定共同事業を営む事業者に対しまして、宅建業の免許が必要だ、あるいは参入の要件、あるいは不当な勧誘の禁止、あるいは定期的な業務報告、こういった監督の規定を定めまして業務の適正な運営を確保すると、こういうためにこの不特法ができたということでございまして、今回の小規模事業につきましても、こういう一般の投資家保護の規定を兼ね備えたこの法律の枠の中で行っていただくということで、いろいろなリスクでございますとかそういったようなこと、あるいはその事業者の財務状況、こういったようなものはしっかりとオープンにし、事業についての説明をすると、そういう体制を取っているということでございます。 そういういろいろなセーフティーネットを取りながらの事業であるという、そういう前提でございますけれども、今御指摘ございましたように、この事業への出資、これは投資という性格でございますので、万が一その事業が計画どおりとならず失敗したような場合には、出資の範囲内で投資家が責任を負うという性格のものでございます。
○井上義行君 終わります。
○羽田雄一郎君 冒頭、栃木県の那須町で発生しました雪崩事故によって尊い若い命が奪われたことに哀悼の意を表したいというふうに思います。また、自衛隊とか警察、消防等、救助に当たられた方々に敬意を表したいというふうに思います。 法案の質疑に先立ちまして、一点お伺いをしたいと思います。 文部科学省による組織的な天下り問題が国会で大きな議論となっているところであります。国交省においては、地方を始め、また多くの国民のために即戦力になる人材が多く存在している中で、技術や知見を持った人材の再就職をどのように考えているのか、また推奨しているのか、大臣にお伺いをさせていただきたいというふうに思います。
○国務大臣(石井啓一君) 国土交通省におきましては、かねてから、様々な機会を捉えまして、職員に対し再就職規制の遵守と周知について徹底を図ってきたところでございまして、各職員は法律にのっとって適切に対応していると認識をしております。一方で、法令に違反することなく再就職をし、国土交通省の職員として培ってきた能力や経験を活用して社会に貢献することは大きな意義があるものと考えております。
○羽田雄一郎君 私も、天下り全てが悪だというふうには思っていません。やはり国土交通省の中で、技術、また即戦力として多くの企業も含めて求めているというふうに思いますので、ルールの中でしっかりと再就職等に関しては考えていただきたいなというふうに思っているところであります。 また、もう一つ大きな問題として、航空局と関わっている森友学園の問題についてでありますけれども、まだ全容が明らかになっておりません。また、国有地の安価な払下げという問題でありまして、国民の財産でありますから、これはしっかりと明らかにしていかなければならないというふうに思いますし、また、なぜあの学園が問題視されながら認可相当であると結論が出たのか、このことについては、次回、木曜日の一般質疑の中で私どもの会長の小川会長が来て質問をされる予定になっておりますので、しっかりと準備をしていただいてお答えをいただきたいというふうに思っております。 それでは、法案の質疑に入っていきたいというふうに思います。 今回の法改正は、小規模不動産特定事業に係る特例の創設、クラウドファンディングに対応した環境整備、また良質な不動産ストックを形成するための規制の見直し等を行うこととしており、不動産特定共同事業法の規制の見直し、また規制の緩和を行うことで、地方創生に資するような空き家、空き店舗の再生、観光、物流などの成長分野における不動産の再生を目指すものであると理解をさせていただいております。 しかしながら、規制緩和を行う一方で、参入規制が緩和されることによって問題業者やまた悪質な業者が参入することも容易になると考えられますけれども、その対応は万全であるかどうか、大臣にお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(石井啓一君) 小規模不動産特定共同事業者につきましては、投資家から集めることのできる出資総額に上限を設けた上で資本金要件を引き下げることとしておりますが、事業者につきましては、財務状況等や運営体制のチェック、契約約款の審査、一定の資格を有する業務管理者の配置の確認等を行うことによりまして、事業者の業務遂行能力を確保してまいりたいと考えております。また、小規模不動産特定共同事業者につきましては、五年ごとの登録更新を通じましてこれらの要件が維持されているかを確認をいたしまして不適格業者の排除を図ることとしております。 さらに、今回の改正に併せまして、事業者に対する監督指針であります不動産特定共同事業の監督に当たっての留意事項につきまして、内容の充実を図り、高齢者であるかどうか、投資経験がどれぐらいあるかなど、顧客の属性に応じた適切な勧誘、広告や事業内容の説明の在り方などについて具体的な指針を示すこととしてございます。こういった規定や指針に基づく指導監督を通じまして投資家保護に万全を期してまいりたいと存じます。
○羽田雄一郎君 投資家保護に対してでありますけれども、国交省だけではなくて、金融庁や消費者庁との連携協力を図っていくこと、これは重要だというふうに考えます。それぞれどのような役割を果たして取組を行っていくのか、お伺いをしたいと思います。
○政府参考人(谷脇暁君) お答えいたします。 不動産特定共同事業法につきましては、これは金融庁と共同で所管をしてございます。したがいまして、許認可、指導監督等につきまして緊密な連携の下に運用を行っているというところでございます。 今回の法改正に当たりましても、金融庁にも参加をいただきましてこの制度の検討を行ってきたところでございます。また、今後、政省令の整備あるいは事業者に対する監督指針でございます、今大臣の方から答弁いたしましたこの留意事項等の内容の充実、こういうのを図ることにしてございます。こういう点につきましても、金融庁と十分連携を図りながら対応していきたいと考えております。 また、消費者庁に関しましては、各市区町村の消費生活センターに寄せられた一般の消費者からの相談事項あるいは苦情の情報、こういうものが寄せられました場合には指導監督に活用するということとしてございます。 今後も関係省庁と緊密な連携を行いながら投資家の保護に努めてまいりたいと考えております。
○羽田雄一郎君 最近の空き家再生、また地域のまちづくりの取組を見ると、例えば私の地元である長野市でありますけれども、善光寺門前町においても、「門前暮らしのすすめ」と題して、空き家入居のライフスタイルを発信するということを行っております。 地域づくりにおいては、このような地元の自治体や事業者の熱意を生かすことが必要であると考えますけれども、今回新たに創設される小規模不動産特定共同事業制度と地域のまちづくりの取組との連携をどのように図っていくのか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(石井啓一君) 委員御指摘のとおり、地域づくりにおきましては、地方自治体によるまちづくりや空き家対策等の取組とともに、リノベーションや観光まちづくり等の企画力を有する民間事業者の熱意を生かすことが重要でございます。 今回の改正案は、地域に根差した不動産業者やまちづくり会社等が空き家、空き店舗等の再生事業を行う際の資金調達手法の多様化を通じ、地域の事業者による地域づくりの取組を加速させようとするものでございます。 このような取組の推進に当たりましては、御指摘のとおり、地域のまちづくりの取組と小規模不動産特定共同事業の連携を図ることが重要でございます。この連携を促進するため、国土交通省といたしましては、小規模不動産特定共同事業制度の仕組みや活用方法につきまして、事業者のみならず、地域づくりを進める自治体に対しましても具体的な事例を交えて情報提供するとともに、地域づくりのための各種支援制度の事業者に対する提供も行ってまいりたいと思っております。 また、地方自治体におきましては、まちづくりのビジョンの策定や空き家、空き店舗等の見える化を図り、地域の意欲ある事業者が活動しやすい環境をつくることが重要でありまして、国土交通省といたしましてもこういった取組を支援をしてまいります。 これらを通じまして、地域づくりの取組と一体となって小規模不動産特定共同事業が活用されるように取り組んでまいりたいと存じます。
○羽田雄一郎君 一方で、地域の事業者にとってみると、クラウドファンディングを活用した不動産特定共同事業、いわゆる不動産証券化ということは、市場規模が拡大傾向しているとはいえ、まだまだなじみのない手法であり、まちづくりに取り組みたいNPOや企業家、また地元の建築家等にとっては参入しにくいのではないかというふうに考えられます。地域の事業者の人材育成も進め、このギャップを埋めることが課題と考えますけれども、国土交通省の見解をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(谷脇暁君) 今御指摘ございましたように、この不動産特定共同事業、これまでなかなか地域の事業者の皆さんにはなじみのない事業でございます。そういう意味で、地方にそういうことがしっかりできる人材が今余り育っていないという実情にあるわけでございます。 御指摘ございましたように、この事業を積極的に活用を進めていくという上では、この人材の育成、活用、これが必要不可欠であるというふうに考えております。このために幾つかの取組をしていきたいと思っております。 一つ目は、この不動産証券化に関する知識、ノウハウ、これの普及啓発。二つ目といたしまして、不動産事業者、リノベーション事業者、あるいは地方公共団体、金融の専門的知識を有する人たち、この事業につきましては、この事業の企画をする、あるいは空き家、空き店舗でこの対象になるいわゆるいい物件を探してくる、事業の企画をする、そしてその資金の調達、これをしっかりと説明をして行っていくという、こういういろんな人材が必要でございますので、そういう人材のネットワークといったようなものを構築をしていく。あるいは三つ目といたしまして、やはりいい事例が実際に地域で体験されていくということも重要と考えておりますので、先進的な優良事例の形成、横展開、こういったようなことを地方自治体と連携して進めていきたいと考えております。
○羽田雄一郎君 小規模不動産特定共同事業の例として、空き家、空き店舗の再生・活用事業を第一に国交省は掲げているわけでありますけれども、空き家対策については、国による基本指針の策定とか市町村による空家等対策計画の作成、また、特定空き家等は一定の場合除去等の強制執行を可能とすること、また、所有者の把握等に資するための固定資産税情報の内部利用を可能とすることなど、空き家等に関する施策に関しては、必要な事項を定めることによって空き家等に関する施策を総合的かつ計画的に推進しようとする空家等対策の推進に関する特別措置法、これが平成二十六年に制定されております。 空き家対策の観点において、空家等対策の推進に関する特別措置法に基づく施策と小規模不動産特定共同事業をうまく組み合わせて施策を行うことが望ましいというふうに考えますが、どのように施策の連携を図っていくのか、お伺いをしたいと思います。
○政府参考人(谷脇暁君) 御指摘ございました空家等対策の推進に関する特別措置法に基づく指針におきましては、空き家等に関する対策の一つといたしまして、地域の実情に応じて地域活性化などの観点から有効活用を図るというふうに位置付けられてございます。小規模不動産特定共同事業は、地域の事業者が空き家などを地域資源として再生する取組を行う際に有効な一つの手段というふうに考えてございます。 同法では、市町村の取組といたしまして、今御指摘ございました空き家等の対策計画の策定、実施、あるいは空き家等に関する情報の整備といったようなことを定めてございます。このような計画に基づく取組や空き家などに関する情報を地域の意欲ある事業者が活用できるように、自治体とその事業を行おうとする者とのマッチングの支援、こういったような取組を行っていきたいと考えております。
○羽田雄一郎君 ありがとうございます。 次に、小規模不動産特定共同事業者に対する監督、登録申請の審査、また事業報告書のチェック、立入検査等について、やはり多くの人が必要だと思うんですね。出先機関を含めた国や地方自治体の人員、こういう体制の整備をどのように行っていくのか、お伺いをしたいと思います。
○政府参考人(谷脇暁君) これまで不動産特定共同事業の許可を受けた事業者というのは大規模な事業者でございまして、この監督というものにつきましては、国土交通本省を中心に事業者に対する指導監督等を行ってきたと、こういう経験が蓄積をしてきているところでございます。一方、地方整備局、都道府県におきましては、宅地建物取引業法に基づく指導監督などを通じまして地域の不動産事業者に対する指導監督等の経験が蓄積をされてございます。 今回の、この不動産特定共同事業を行うにつきましては宅建業の免許が必要だという、そういう制度になっておるところでございます。今回の改正によりまして、地域の不動産事業者などによる小規模事業、これへの参入が見込まれるところでございますので、本省に蓄積されておりますノウハウ、これが全国の地方整備局や都道府県にしっかりと浸透し共有されるように取り組んでいきたいと考えております。また、今後、小規模事業の普及拡大に併せまして必要な指導監督体制が取れるよう、関係機関とも必要な調整を図ってまいりたいと考えております。
○羽田雄一郎君 事業者については地元の不動産業者やまちづくり会社等、さらに投資者についても地域の様々な人々から構成されるということで、小規模不動産特定共同事業自体に関わる不動産事業者、また投資者、全てが地域に根付いたものであるというふうに思いますし、また志ある資金等を活用した取組であるということが望ましく、また経済的リターンだけを追い求める投機性が強いものとなることを避けるべきではないかというふうに考えますけれども、国交省の見解をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(谷脇暁君) 不動産特定共同事業につきましては、不動産の利用者から得られる収入や不動産の再生等を通じて向上する価値など、実際の需要に基づいた投資を行うための仕組みということでございまして、実需に基づかない投機的な取引を防ぐということで幾つかの法律上の規定がございます。今申し上げました、投機的な取引の抑制に配慮する、あるいは勧誘に当たりまして利益を生ずることが確実であると誤認させるような情報提供をしてはいけない、あるいは契約締結前に投資対象となる不動産の価格、根拠、テナント状況などにつきまして書面を交付して説明するといったようなことで、ある意味で投機的な取引というのが行われないようにという制度設計をしているわけでございます。 今回創設される小規模事業につきましては、さらに出資総額の上限を一億円とする予定でございます。空き家、空き店舗などの小規模な不動産が対象となるということでございます。こういうような事業につきましては、一般的に収益性が余り高くないということでございまして、高い経済的リターンというよりも地域活性化に自分でも参加をして貢献したいというような志ある投資家の資金が集まることを期待しておりまして、そういうような取組が進むように地方公共団体なんかと一緒に取り組んでいきたいと考えております。
○羽田雄一郎君 クラウドファンディングについて少しお聞きしたいと思います。 いわゆるクラウドファンディングについて対応する不動産特定共同事業者が義務付けられている一定の業務管理体制について、サーバーの管理体制が整備されていることや取引に必要な情報を情報通信上などで観覧できること等が必要とされることと思いますけれども、具体的にどの程度の業務管理体制の水準を求めていくのか、お伺いをしたいと思います。 また、特に個人情報保護やセキュリティーについては特段の注意が必要でありますけれども、人的、物的にもどのようにこれらを確保できるように担保していくのかも併せてお伺いをさせていただきたいと思います。
○政府参考人(谷脇暁君) 業務管理体制の整備は非常に重要な点でございます。具体的な業務管理体制につきましては、個人情報保護やセキュリティーの確保を含むインターネットの管理を十分に行うための措置、標識などをインターネット上で閲覧させるための措置、対象となる事業の事業計画につきまして適切な審査を行うための措置、さらに投資家への定期的な情報提供のための措置、さらにインターネット上でクーリングオフに対応するための措置、こういったようなものを具体的に省令で定めていきたいというふうに考えております。 また、これらの業務管理体制が構築をされているということにつきまして、許可審査の時点あるいは指導監督の中で徹底を図っていきたいと考えております。
○羽田雄一郎君 クラウドファンディングは、対面の取引ではなくてインターネットを利用するという特色があります。投資対象となる不動産についての詐欺行為が懸念されております。投資家に対する適切な情報提供は特に重要でありますけれども、本法律案においてどのようにこれを担保しているのか、お伺いをしたいと思います。
○政府参考人(谷脇暁君) 今回の改正におきましては、インターネット上で契約の締結を行うクラウドファンディング事業者に対しまして、許可申請の審査に当たりまして、事業者の財務状況や実施中の事業の状況などを投資家がインターネットを通じて適切に閲覧できる措置をとることを求めることにしてございます。このインターネット上で契約の締結を行いますクラウドファンディング事業者に当たる事業者につきましても、この不特法上の許可が必要という、そういう制度設計になってございます。 さらに、オンラインで契約手続を完結できるというクラウドファンディングの特性に対応いたしまして、契約の代理を行うクラウドファンディング事業者に対して募集される事業の計画に関する適切な審査を行うための措置をとること等を義務付けることとしてございます。 また、今回の改正に併せまして、事業者に対する監督指針でございます不動産特定共同事業者に対する監督上の留意事項、これの充実を図りまして、事業リスクの説明を徹底すること、あるいは高齢者か否か、投資経験がどれぐらいあるかなど顧客属性に応じた適切な勧誘、販売等の確保、あるいはインターネット上での広告、契約内容の説明の在り方などについて具体的な指針を示すという、先ほど答弁させていただきましたこういうような指針も示すということとしてございます。 このような規定、指針に基づく監督を通じまして投資家保護に万全を期していきたいと考えております。
○羽田雄一郎君 最後の質問にしたいと思います。 平成二十五年の法改正時は、特例事業について、リスク判断の難しい開発事業等に活用されることが想定されることから、事業参加者はプロ投資家に限定することとしたというふうに思います。今回の改正ではこの特例事業について一般投資家も参加を認めるとしておりますけれども、前回の改正時の考え方とどのように整合させ参加対象を一般投資家まで拡大することにしたのか、国交省の見解を伺って、終わりにしたいと思います。
○政府参考人(谷脇暁君) 今御指摘ございました平成二十五年の改正におきましては、特定目的会社、SPC型の不動産特定共同事業でございます、特例事業と呼んでおりますけれども、これにつきましては、老朽化ビルの建て替えなど一般投資家には投資判断の難しい事業での活用が想定されたことから、事業参加者はいわゆるプロ投資家に限るということとしたところでございます。 しかしながら、その後、この運用が進んできておりまして、この特例事業の活用、これの実際の事例を見ておりますと、リスクの高い建て替え案件などだけではなく、既に稼働している物件の取得などリスクの低い案件、こういったようなものも扱われております。賃借人をそのままにしたような形で修繕を行うというようなリスクの低い案件、こういうようなものもあるわけでございます。 このようなリスクの小さい事業や、今回創設をいたします投資の上限を定めたこの小規模不動産特定共同事業、こういうものに限定した上で、一般投資家も参加できるように措置をしたいということでございます。一般投資家に対する説明やリスク開示に関する監督指針の充実を図るとともに、都道府県の監督部局などとの連携も強化いたしまして、引き続き投資家の保護に万全を期していきたいと考えております。 ─────────────
○委員長(増子輝彦君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、古賀友一郎君が委員を辞任され、その補欠として金子原二郎君が選任されました。 ─────────────
○新妻秀規君 冒頭、私からも、栃木県那須町で発生いたしました雪崩の事故で犠牲になられた方、そしておけがをされた方、そして御家族に対して、心からお悔やみとお見舞いを申し上げたいと思います。 政府におかれましては、各省連携の上、徹底した原因究明と再発防止に取り組んでいただきたいと思います。 それでは、質疑に入ります。 まず、資料の一を御覧ください。クラウドファンディング等を活用した遊休不動産の再生について伺いたいと思います。 この資料の一、国交省から入手した資料です。この上の箱のところには、制度改正の概要というところに、今回の法案で創設をする小規模不動産特定共同事業に係る特例、そしてクラウドファンディングに対応した環境整備の概要が示されています。そして、下の箱、ここには施策の内容が示されています。ここで一番大事なのが、右下の、矢印が引っ張ってあって、赤枠で囲ったんですけれども、これが結論部分です。実効性のあるガイドラインの策定により、円滑な事業推進と投資家の保護の両立を図る、ここがみそなわけなんですけれども、この実効性のあるガイドラインの策定がこのクラウドファンディングを活用した遊休不動産再生の鍵になるということなんですね。 ここで、ガイドラインの策定に向けてどのようなスケジュールで作業を実施していくのか、また完成はいつの予定なのか、御答弁をお願いいたします。
○副大臣(末松信介君) お答え申し上げます。 今回の改正におきまして、クラウドファンディングに対応しました環境整備を行うことによりまして、地方創生に資する事業での資金調達の手法の多様化を図ることができると考えております。 この改正に併せまして事業者に対する監督指針を充実しまして、広告の内容や投資家の年齢や経験等に合わせた適切な広告、説明の在り方についての先生御指摘の具体的なガイドラインを示すこととしております。これらを通じて投資家保護に万全を期してまいります。 また、改正法の施行につきましては、公布の日から六か月以内で政令で定める日となっております。一方で、監督指針は改正に基づきまして事業者が事業を実施する基準となりますので、できるだけ速やかに策定し、事業者に対して十分な周知を行うなど、施行までに万全を期してまいりたいと考えております。よろしくお願い申し上げます。
○新妻秀規君 今副大臣がおっしゃったように、できるだけ速やかに、そして分かりやすい、そうした実効性のあるものを、是非ともガイドラインを作っていただきたいと思います。 次に、国、地方公共団体が連携した小規模不動産特定共同事業の展開についてお伺いをしたいと思います。 資料の二を御覧ください。この資料の二には、空き家とか空き店舗、また古民家、これをどのように活用していくのかという青写真がここには示されています。ここで一番大事だと思うのが、この一番下、赤枠で囲った国の役割なんです。まんま読みますと、地方公共団体や小規模不動産特定共同事業者等のネットワークづくり、優良事例、そしてノウハウの横展開とあります。 ここで、資料の三を御覧ください。これ、都道府県別の空き家率なんですけれども、この空き家率、結構、都道府県でばらつきがあるんです。一番低いのは東京都で、二%くらい。一方で、一番トップ、鹿児島県だと一一%くらいあると。結構、地方部で空き家の率が高いわけなんです。 ここで、特に地方で高いこの空き家率の低減のために国の果たすべき役割は大変大きいと思うんですね。先ほどの羽田先生の質問ともかぶりますが、具体的にどのようにしてこの取組、つまり地方公共団体や小規模不動産特定共同事業者とのネットワークづくり、優良事例、ノウハウの横展開進めていくのか、御答弁をお願いします。
○大臣政務官(根本幸典君) 今回の改正において、小規模不動産特定共同事業の登録制度を創設することにより、空き家、空き店舗等を再生する取組への地域の不動産会社などの新たな参入が促進され、地方創生の実現に貢献できると考えております。 したがって、小規模不動産特定共同事業の普及に当たっては、国、地方公共団体が連携して地域のまちづくりなどの方針に沿った形での案件形成を促すことが必要と考えております。 国は、地方公共団体によるまちづくりビジョンの策定、空き家、空き店舗等の見える化、まちづくりやリノベーションなどのノウハウを有する人材のマッチングなどの取組と連携し、空き家対策事業などに対する各種支援メニューの提示、官民の連携によるモデル案件の形成とその成果の周知などを通じた事業者のネットワークづくりや優良事例の横展開などを進めてまいります。 これらを通じて、地域づくりの取組と一体となって小規模不動産特定共同事業が活用されるよう取り組んでまいります。
○新妻秀規君 そうですね。ノウハウの横展開とか、やはり国の果たすべき役割は大変大きいと思うので、分かりやすい周知、また横展開をお願いをしたいと思います。 次に、大臣に伺いたいと思います。 地方における不動産証券化事業の人材育成、ノウハウの普及について伺います。これは先ほど、まさにこれも羽田先生が御質問されて、かなりかぶるんですけれども、私からも問いたいと思います。 資料の四を御覧ください。これは都道府県別の不動産の証券化による資産の取得実績の推移、これは東京都とか都道府県別になっていますけれども、これ上のグラフ御覧ください。上のグラフで、この青の折れ線が東京都なんです。この東京都の折れ線の下にいろんな県別のやつがありますが、これ全部都道府県、東京都以外足したやつがこの緑の上に上っていく折れ線なんですね。 このグラフを見て分かるように、平成二十六年から二十七年にかけてようやくこの青線が下に向いて、この緑の線が上に上って、ようやく東京の勢いが落ちてきて、地方、東京都以外伸びてきたんですけれども、この下の表を御覧ください。この赤枠で囲ったところ、平成二十七年度、東京はやはりまだ三四%、全国の三分の一で圧倒的な多数を占めているわけなんです。 今回の法改正のベースとなりました国交省の下の不動産投資市場政策懇談会の提言にはこのようにあります。地方における不動産証券化に関する人材、ノウハウ不足が課題ですよと。地方における不動産証券化事業を推進する上で、人材育成、ノウハウの普及を図ることは最重要の課題、このように指摘しているわけなんです。 地方における不動産ストックの有効活用によって地方創生を加速するためには、やはり石井大臣のリーダーシップで地方におけるこの不動産証券化事業を担う人材育成、そしてノウハウの普及を是非とも進めていただきたいんですけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(石井啓一君) 本法案により創設されます小規模不動産特定共同事業を含めまして、地方における不動産証券化事業を推進するためには、委員御指摘のとおり、地方における事業の担い手となる人材の育成、活用が必要不可欠でございます。 地方における事業の担い手となる人材の育成のためには、知識、ノウハウの普及啓発、人材ネットワークの構築、優良事例の形成、横展開等を行うことが重要であると考えられます。このため、国土交通省といたしましては、制度の普及啓発を進めるためのセミナー等の実施、人材ネットワークの形成に資する事業者の連携組織の形成、先導的モデル事業の案件形成等によりまして地域の人材育成を進めてまいりたいと存じます。
○新妻秀規君 是非、大臣がおっしゃった取組を着実に進めていただきたいと思います。 次に、条文ごとの逐条審査に入っていきたいと思います。 まず、二条の六項の一号及び二号について、小規模不動産特定共同事業の定義について伺いたいと思います。 小規模不動産特定共同事業の定義、これは第二条に新設される六項に定義されておりますが、類型が二つあると承知をしております。一つ目の類型は六項の一号に示されていまして、ちょっと長いのですが、読みます。 第二条四項一号に掲げる行為、これ改正しますと、不動産特定共同事業契約を締結してこの契約に基づいて営まれる不動産取引から生ずる利益の分配を行う行為であって、当該行為に係る不動産特定共同事業契約に基づいて事業参加者が行う出資の価額及び当該出資の合計額が事業参加者の保護に欠けるおそれがないものとして政令で定める金額を超えないもの、こんな定義なんです。 二つ目の類型は、六項の二号に示されています。第二条四項三号に掲げる行為、これ改正しますと、特例事業者の委託を受けて不動産特定共同事業契約に基づいて営まれる不動産取引に係る事業であって、当該行為に係る不動産特定共同事業契約に基づいて事業参加者が行う出資の価額及び当該出資の合計額が事業参加者の保護に欠けるおそれがないものとして政令で定める金額を超えないもの、こんな定義なわけなんです、二つの類型は。 この二つの条文で、ここに、今申し上げた政令で定める金額、これは幾らを想定されているのでしょうか。また、今回の法律の附則の第十七条には施行後五年での見直し規定が置かれていますけれども、この政令で定める金額、この金額もこのタイミングで見直しを行うのか、それとも任意のタイミングで行うのか、これについて御答弁をお願いします。
○政府参考人(谷脇暁君) 今御指摘がございました政令につきましての現在想定している内容でございます。両方の、今委員の方から御指摘がございました二つのタイプ、共通でございますけれども、この政令を考えてございます。 二点あるわけでございますけれども、一点目は、事業者が各投資家から集めることのできる出資額の上限、この点につきましては、例えば個人投資家の場合、これは百万円を上限とするといったようなことを考えております。それともう一点、事業者が集めることのできる出資の総額、これにつきましては一億円という金額を想定してございます。 この政令で定める出資額、出資総額につきましては、今御指摘ございましたように、この五年後の法律の条項の見直しと併せて検討対象になるというものと考えております。
○新妻秀規君 ということは、この百万円、個人から集めるお金を百万円とか、あとは事業者が集めるお金の一億円というトータル金額、これはこの見直し、この法律の見直しとともに変えるということであって、任意のタイミングで変えるというわけじゃないという御答弁だったんですか。
○政府参考人(谷脇暁君) 法律の事項の見直しが五年ということになってございますので、その際にはこの政令の事項も含めまして全体を検討対象とするという、そういうことになろうということを申し上げたわけでございますけれども、それ以外のタイミングにおきましても、何か事業の実態等々を踏まえて仮に見直す必要があるという場合には適切に検討していきたいと考えております。
○新妻秀規君 ということは、その五年見直しを待たずに変えるということもあり得るということなんですか。
○政府参考人(谷脇暁君) この事業がこれからスタートするわけでございますので、どういうふうに展開していくのかということをしっかり見ていかないといけないわけでございますが、法律上の法律事項の見直しの検討が五年ということになっておりますので、基本的にはその時点でいろいろなことを総合して検討するということかと思っておりますけれども、ちょっと予期せぬいろいろな事項とかそういうようなことが生じれば、そういうものに適切に対応するための検討は行う必要が出てくるかもしれないということでございます。
○新妻秀規君 はい、分かりました。 次に、二条の八項について伺おうと思います。これは特例事業の事業参加者の範囲の拡大についてです。 二条の八項には特例事業の事業参加者の範囲の拡大が示されているわけなんですが、条文に則して申し上げますと、不動産取引の目的となる不動産について、宅地の造成又は建物の建築に関する工事その他主務省令で定める工事であってその費用の額が事業者の保護に欠けるおそれがないものとして主務省令で定める金額を超えるものを行わない限り、特例投資家以外の投資家を特例事業の対象として追加する、このような定義となっております。 ここで、この金額はどのように定めようとしているのでしょうか。また、見直しのタイミングはどのようになるのでしょうか。御答弁をお願いします。
○政府参考人(谷脇暁君) 特例事業につきましては、この省令を定めます際に、ちょっと二つの点から定めたいというふうに思っております。 一点は、建物の建て替えとか宅地の造成のようなリスクの高い事業を行う場合におきましては、引き続き一般投資家は事業に参加できないという書き方をしたいというふうに思っております。あわせまして、一般投資家が事業参加者になることができる事業といたしましては、テナントの入替えがないような増改築あるいは修繕等のリスクの低い事業を行う場合で、その具体的な基準としては工事費用が不動産の評価額の一割未満の場合に限ると、こういったようなことを規定するということを予定をしてございます。 この金額につきましても、先ほどの政令等の規定と同様でございますけれども、五年後の法律の条項の見直しと併せて検討対象となるものと考えておりますけれども、それ以外のタイミングにおきましても、事業の実態等を踏まえ見直す必要がある場合には適切に検討をしていきたいと考えております。
○新妻秀規君 はい、分かりました。 次に、二条の十三項、特例投資家の定義について伺いたいと思います。 第二条に新設される十三項には特例投資家の定義があるんですけれども、それは、「「特例投資家」とは、銀行、信託会社その他不動産に対する投資に係る専門的知識及び経験を有すると認められる者として主務省令で定める者並びに資本金の額が主務省令で定める金額以上の株式会社をいう。」という、そんな定義なわけなんです。 ここで、具体的にこの特例投資家とはどういう人とか機関を定めようとしているのか、また資本金の額は主務省令で定めるというようになっているんですけれども、幾らを想定されているのか、またこの額の見直しのタイミングはどうなのか、これも御答弁お願いいたします。
○政府参考人(谷脇暁君) 特例投資家の範囲につきましては、現行法にも規定があるわけでございますけれども、具体的には、銀行等の金融機関、投資法人、上場企業、それと資本金の額が五億円以上の株式会社、こういうものが現在も定めております。この規定と同様の規定を定めたいというふうに考えてございます。 この特例投資家の範囲につきましても五年後の法律の条項の見直しと併せて検討対象となるものと考えておりますが、それ以外のタイミングにおきましても、事業の実態等を踏まえ、見直す必要がある場合には適切に対応してまいりたいと考えております。
○新妻秀規君 次に、二条の十四項、適格特例投資家の定義について伺いたいと思います。 この第二条に新設される十四項には、適格特例投資家とは、特例投資家のうち、不動産に対する投資に係る専門知識及び経験を特に有すると認められる者として主務省令で定める者をいうと、こんな定義なわけなんです。ここで具体的にどういう人若しくは機関を適格特例投資家と定めようとしているのか、御答弁をお願いします。
○政府参考人(谷脇暁君) 今回の改正におきまして適格特例投資家、これも新たに定義付けをするということでございまして、この適格特例投資家のみを相手方とする事業者につきましては届出のみにより事業を開始することができるようになるという、そういうことでございまして、多様な不動産投資に対する機動的な事業の実施が可能になるというふうに考えてございます。 御指摘のございましたこの適格特例投資家でございますけれども、これ金融商品取引法の適格機関投資家の規定を参考にしつつ、先ほどの特例投資家のうち、機関投資家など不動産に対する投資を専門的に行っているプロの投資家を定める予定でございます。 ちょっと具体的に申し上げますと、銀行、保険会社、信託会社、あるいは民間都市開発推進機構、あるいはこの不特法で事業を行っております不動産特定共同事業者、あるいは投資運用業者、こういったようなものを省令で定めることを考えております。
○新妻秀規君 終わります。ありがとうございました。
○山添拓君 日本共産党の山添拓です。 不動産特定共同事業法は一九九四年に制定された法律です。不動産投資を小口化し、売買や賃貸による収益を配当して投資家に還元する不動産証券化の手法だとされています。 大臣に伺いますが、この法律によって不動産特定共同事業を営む事業者について許可制を取り、投資者に対する情報開示など行為規制を行うことになった経緯とその趣旨は何でしょうか。
○国務大臣(石井啓一君) 不動産特定共同事業法でございますが、平成三年頃に不動産の小口化商品を販売する事業者が倒産をし、投資家被害が発生をしたことから、不動産特定共同事業を営む事業者に関しまして、宅地建物取引業の免許、一定の資本金等の参入要件、不当な勧誘の禁止等の行為規制、定期的な業務報告や立入検査等の監督等の規定を定めまして、その業務の適正な運営を確保することにより投資家の利益の保護を図るとともに、不動産特定共同事業の健全な発達に寄与することを目的といたしまして平成六年に制定されたものでございます。
○山添拓君 今、平成三年頃にと冒頭おっしゃったんですが、これの、一九九一年頃ですが、突然そういう事態が起きたということではないわけですね。バブル期に経営基盤が脆弱な事業者が増えて、そしてバブル崩壊によってこうした事業の中で被害が発生したんだと、こういう反省から規制がしかれることになったものだと思います。 ところが、その後、九七年には特例投資家という制度で投資家保護を目的とした規制が一部緩和をされ、さらに、二〇一三年には特別目的会社、SPCによる特例事業制度をつくったと。これは、事業者が行う他の事業が不振となった際に不動産特定共同事業に影響が及ぶのを排除するものだと説明があったんですが、逆に不動産特定共同事業が傾いた場合には、投資家に対する保護はこれはSPCの責任の限りになる、言わばトカゲの尻尾切りを可能にするようなものでもあると。また、許可制から届出制にする大幅な規制緩和でもありました。今度の改正法案は、一連の規制緩和を更に推し進めるものとなっている点で問題があると考えています。 この法案、二〇一六年八月二十六日付けで発表されました不動産投資市場政策懇談会制度検討ワーキング・グループの報告書に沿って作られておりますが、この報告書では、小規模事業の特例を創設するに当たって「許可要件を緩和することが適当である」、あるいは「資本金要件等の財産的要件、業務管理者等の人的体制要件等において適切な許可要件を設定すべき」と書いておりました。 なぜ今度の法案では許可制そのものをやめて五年更新の登録制としたのでしょうか。
○政府参考人(谷脇暁君) 現行の不動産特定共同事業につきましては、事業者が行おうとする事業の内容に応じまして、事業者の財産的基礎あるいは人的構成について裁量を持って審査する必要があり、行政が裁量を持って審査できる許可制となっているものと考えております。 一方、今回の小規模不動産特定共同事業につきましては、出資総額などの事業規模に制限が設けられる、そういう事業でございますので、その範囲内での事業を行うために必要な財産的基礎や人的構成を有するか否かを確認すれば足りるということでございまして、許可と比べ裁量性の低い登録制としたということでございます。 また、大規模な事業、規制のない大規模な事業を行うことができる事業者と小規模特定共同事業のみ行うことができる事業者、これを許可業者と登録業者ということで区別するということは、投資家にとっても分かりやすくなるというふうにも考えられているところでございます。 今回の法改正では、登録は許可とは異なり五年ごとの更新制という制度も導入してございます。定期的に事業者の業務状況を審査して不適格業者の排除を図ることができる制度とするなど、投資家の保護を徹底をしているというところでございます。
○山添拓君 裁量の幅が狭くなるんだと、登録するかどうかは裁量の幅が狭くて、要するに、申請があって、形式的に要件を満たせば基本的には受け付けるということになりますから、悪質な業者を排除するための重要な参入規制である許可制を緩和するものだということは指摘しなければならないと思います。 小規模不動産特定共同事業については、空き家、空き店舗の再生・活用事業によって地方創生につながるのだと。古民家を宿泊施設にするとか、あるいは舟屋をカフェにした、こういう事例が紹介をされています。ただし、投資総額は一億円までとされておりますので、再生だけではなく、新築についても一部は対象となり得るかと思います。 一般の金融投資でも投資判断というのは難しいわけですが、不動産の再生・活用事業において、投資者が見通しを立てるということは困難があります。事業者が投資者に提供する情報については、法律には詳細な定めはありません。事業計画の内容はもちろんですが、空き室の発生や賃料の下落、あるいは物件の価値の下落などで収益の分配がない、あるいは損失が発生するというリスクがあるということなど、具体的にはどのように情報提供されるんでしょうか。
○政府参考人(谷脇暁君) 小規模不動産特定共同事業者の情報提供義務につきましては、既存の許可業者と同様に、広告や契約締結前のリスクの説明、財産管理状況の説明などの情報提供を投資家に対して行わなければならないということとしてございます。 さらに、この改正に併せまして、事業者に対する監督指針でございます不動産特定共同事業の監督に当たっての留意事項につきまして、この内容の充実を図り、高齢者であるか否か、投資経験がどれぐらいあるかなど、顧客属性に応じた適切な勧誘、広告や事業内容の説明の在り方などについて具体的な指針を示すこととしております。
○山添拓君 今聞いている限りはまだ抽象的な中身だと思うんですが、この事業は小規模な宅建取引業者に担わせることを予定していますが、その多くは投資運用業務に精通しているわけではないということも併せて指摘をしておきたいと思います。 国交省に改めて伺いますが、この五年程度の間に不動産特定共同事業に関して行われた行政処分の事例についてどのように把握をされているでしょうか。
○政府参考人(谷脇暁君) 五年以内の実績といたしまして、不動産特定共同事業者に対する業務停止命令処分は三件行われております。東京都によるものが一件、大阪府によるものが二件でございます。
○山添拓君 東京都の例でいいますと、二〇一二年の八月二十二日付けで、都市綜研インベストバンク株式会社に対して、不動産特定共同事業に係る業務の一部停止三十日間、それから指示の行政処分が行われています。 これは、法律の二十四条一項に定めている重要事項説明書面で最近五年間の賃料収入などの実績を書くべきとされているところ、一年半分の実績であることを隠していたとか、これから賃貸するために過去分が不明であるのに予定額のみ記載していると、こういう投資判断をする上で重要な点で違反があったというような事例があります。この件は意図的になされたものかどうかまで認定はされていないんですが、参入要件を緩和すれば悪質業者の参入も更に懸念されると思います。 国交省は先ほど来の説明で志ある資金とおっしゃるんですが、詐欺的な資金集めの手法として使われることも十分あり得ると考えられます。国や都道府県が行う行政処分の事例について、国交省はこれ一覧にして公表するというようなことを考えるべきではないでしょうか。
○政府参考人(谷脇暁君) これらの処分につきましては、現在のこの不動産特定共同事業法、この法律の規定に基づきましてそれぞれ公告がされているというところであると承知しております。
○山添拓君 ですから、それを国交省が一覧にして当事者に対して提供するということを検討されるべきではないかと思います。 この法律、不動産特定共同事業者が海外不動産を国内で販売する場合の投資についても適用はされますでしょうか。
○政府参考人(谷脇暁君) 日本国内において締結される不動産特定共同事業契約につきましては、不動産の所在地にかかわらず本法の規制が及ぶことから、海外不動産につきましても不動産特定共同事業法の適用対象となります。 なお、現在までのところ、海外不動産についての実績はございません。
○山添拓君 二〇一三年に東京都の消費者被害救済委員会が扱ったある事例では、七十歳代の男性がカンボジアの三十平米のアパートを購入するように繰り返し勧められて、断ったんですが、名義だけでも貸してほしいと懇願をされたと。仕方なく名義貸しを了承しましたところ、後日になって、トラブルが生じたから代金の一部を代わりに支払ってほしいと、こう言われて百五十万円の立替えに同意をしたと。よく確認すると、立替金のつもりだった支払はカンボジアのアパートの三平米を百五十万円で購入したということになっていたんですね。この契約では、共有持分を取得して賃貸させると同時に、共有部分で運営されるレストランの収益の分配も規定されておりまして、不動産特定共同事業に当たるわけです。この件は詐欺まがいのものですが、海外投資の事例となりますとますます当事者にとっては判断が難しくなるかと思います。 プロ投資家向けの事業においては、今度、約款規制を廃止し、機関投資家などスーパープロ投資家が事業参加者となる場合には許可を不要とする制度になっています。金融商品においては、プロ向けファンドだと銘打って、簡便な届出制を悪用して投資経験の乏しい高齢者などをターゲットに押売をする事例が相次いだんですが、今度のスーパープロ向けの事業において一般投資家が投資することが可能になるケース、これはあり得るんでしょうか。
○政府参考人(谷脇暁君) まず、プロ投資家向け事業を行う事業者はプロである特例投資家のみを対象として事業を行わなければならず、プロ向け事業の投資家は、不動産特定共同事業契約上の地位を特例投資家以外の一般投資家に譲渡することが法律上まず禁止をされております。 また、適格特例投資家限定事業につきましては、適格特例投資家のみを対象とするため、許可を受けることなく届出で事業を開始できるものといたします。そのため、適格特例投資家限定事業者が一般投資家を相手方として事業を行うことは法律上禁止をされているわけでございます。したがいまして、経験のない高齢者のような一般投資家はプロ向け事業やスーパープロ向け事業に投資することはできないということになるわけでございます。
○山添拓君 規制の外側で個人から金をだまし取る無届けの悪質業者が増える、こういう可能性も指摘をされているところです。金商法上そういう経験があるわけですから、その反省を踏まえるのであれば、この不動産特定共同事業についてもあえて許可制を緩和する必要はないと言うべきだと思います。 最後に伺いたいんですが、二〇一三年の法改正では、民間資金の導入を促進し、建築物の耐震化、老朽不動産の再生を進めるものだとされていました。法改正で十年間で五兆円の新たな投資が行われるんだと、こううたっていたんですが、現時点で、大臣、どのように総括をされているでしょうか。
○国務大臣(石井啓一君) 不動産特定共同事業法におきましては、平成二十五年の改正によりまして、地方の老朽化ビルの再生事業などでの活用を念頭にいたしまして、特別目的会社、SPCを活用した特例事業を創設したところであります。 特例事業につきましては、平成二十五年十二月の施行以来三年間で特例事業者数が三十四社、事業の投資累積額が約八百億円に達しているところでございます。この特例事業につきましては、小松市、札幌市など地方都市でのプロジェクトが半数近くになるなど地方での活用実績が上がっておりまして、民間資金を活用して地域の不動産の再生を進め、地域活性化につなげるという法改正の狙いは着実に実現をしていると考えられます。 委員御指摘のとおり、平成二十五年改正時には十年で五兆円という目標を立てたところでありますが、これは様々な仮定を置いた上で設定をされたものでございます。現状は目標から乖離しているところでありますけれども、今後とも、少しでも目標に近づけるよう、引き続き努力をしていきたいと思っております。 いずれにいたしましても、民間資金を活用して地域の不動産を再生をし、地域の活性化を着実に進めていくことが重要なことだと考えております。
○山添拓君 不動産投資をこれ以上あおることのないようにしていただきたいと思っております。 以上で終わります。
○室井邦彦君 維新の会の室井邦彦でございます。 平成六年、先ほど来いろいろと御質問出ておりますが、不動産特定共同事業法が成立をして、そしてその後、平成九年、更に平成二十五年、法改正をされたわけでありまして、今回、二十九年の新たな時流とともに法改正をしていくということで改正を行うわけでありますが、私もこの法案については非常に前向きで、喜ばしいというか、経済活性化につながるんじゃないのかな、こんな思いでございます。 そこで、質問する前に、まず、この流れをざっと申し上げて質問に入りたいんですけれども、やはりこの不動産投資市場、これはやっぱり不動産ストックの質的、また量的向上に必要であるというふうに思っておりますし、民間資金を調達する一つの方法、市場であるというふうに認識をしております。また、国内外の投資家の金融資産の安定的な運用を図る市場としても国民生活やその経済活動を支える重要な役割をしておると、このように認識をしております。 ここで、今回の法改正における趣旨と目的についてお聞きをしたいと思います。
○政府参考人(谷脇暁君) お答えいたします。 我が国では、現在、人口減少に伴います空き家、空き店舗等の増加、あるいは国際的な都市間競争の中での高性能なオフィスビルへの需要の拡大、さらに観光先進国実現に向けた宿泊施設への需要の拡大、こういったような課題が出てきております。 こういったようなものに対応するため、低利用あるいは未利用となっている土地、不動産への再生投資や流通の活性化が重要な政策課題となっていると考えております。 今回の改正法案は、このような政策課題を解決する取組の一つとして、投資家保護の仕組みを備えた不動産特定共同事業の活用をより一層促進しようとするものでございます。 具体的には、空き家、空き店舗等を再生する取組への地域の不動産会社等の新たな参入を促進をする、地方創生の実現に貢献をするとともに、クラウドファンディングにより多様な主体から資金調達を可能とするといったようなところでございます。また、プロ投資家向け事業に関する規制の見直しによりまして事業の機動的な実施が可能となることから、経済成長を支える良質な不動産ストックの形成を促進する、こういったようなことを目的としているところでございます。
○室井邦彦君 先ほど新妻先生の方からも資料、データも出ておりましたけれども、確かにこの環境は、平成二十七年度の不動産の産業規模の売上高は約三十九兆円と、非常に日本の経済の底支えをしていただいて貢献をしていただいているなと、こう評価をしております。産業全体の売上高は二・八%ということであります。 ここで、我が国の全住宅流通量に占める中古住宅の流通シェアは少しずつ右肩上がりになっておるんですが一四・七%で、これは欧米と比べるとこの数字は六分の一程度ということであって、これは欧米に追い付くことがいいことなのかどうかは別として、やはりこの中古住宅の見直し、これもリフォームやいろんなところでの産業の、経済の活性化につながっていく、このように思っております。 そして、平成二十五年、住宅ストックが六千六十三万戸、さらに総世帯数が五千二百四十六万世帯ということで、世帯を上回っておるという、こういう現状。さらに、空き家は八百二十万戸ということでありますので、是非、こういうことを活性しながら、リフォーム等の適切な維持管理をしながら、この既存住宅ストック市場においても更に循環、更に利用できるようにお願いをしておきます。よろしくお願いをいたします。 続いて質問いたしますが、この小規模不動産特定共同事業に対する出資総額及び投資家の、先ほども、申し訳ございませんが、かぶる、重複するわけでありますけれども、出資額についての質問になるわけでありますけれども。 一つ、京都の京町屋、この個人投資家の事業がありまして、これがうまく成功した一つの例だと思うんですけれども、資金調達の成功例として、事業費の約六割に当たる六千五百万円を二百人以上の個人投資家が出資をされたと。平均しますと一人三十万程度になるわけですか、そうですね、三十万程度になるわけですね。事業資金が調達をされたわけでありますけれども、これはこの事業がうまく成功した例の一つなんですけれども。 今回の法改正で新設される小規模不動産特定共同事業に対する出資額及び投資家一人当たりの出資額の上限を政令で決めることとなっておりますけれども、その具体的な内容についてお聞かせをください。
○政府参考人(谷脇暁君) 今御指摘ございました、具体的な金額について政令で定めるということになってございます。 現時点におきましては、次のような上限を設けることを考えております。 一点目は、事業者が各投資家から集めることのできる出資額につきまして、例えば個人の投資家の場合は百万円を上限とするといったような点が一点目でございます。もう一つが、事業者が集めることのできる出資の総額につきましては一億円、これを上限にするということを今考えているところでございます。
○室井邦彦君 そういう、投資したけれどもその目的どおりにいかなかったと、いろんな、全ていい方に考えればいいんですが、また逆のことも考えられるということも想定しておいていただきながら、きちっとした責任ある対応を取っていただきたい、また主張をしていただきたいというふうに思います。 続いて、特定のこの案件については、一部の投資家間に多くの利益を配分をする、損失が出た場合その負担を大きくするわけでありまして、ハイリスク・ハイリターンの柔軟な取引を可能にしようとする考え方で不動産投資市場の拡大を図ろうとする、そういう狙いはどこにあるのかということを一つお聞きしたいことと、もう一点は、このプロ投資家向けの事業を拡大させていく一方で、不動産、証券取引の信用性も確保していくためにも、監督体制をしっかりと充実をさせていただかないといけない、このように感じておるわけでありますけれども、その取組はどのようになっているのか、お聞きをしたいと思います。
○政府参考人(谷脇暁君) 今回のプロ投資家向けの事業に関する規制緩和でございますけれども、これはプロ投資家のみを相手方とする場合における事業の機動的な実施を可能とするものでございまして、観光、物流、ヘルスケア等の成長分野における良質な不動産ストックの形成を促進をすると、そういうところに狙いがあるわけでございます。 具体的には、プロ投資家向け事業における約款規制の廃止につきましては、約款の変更に伴う変更認可が不要となること、スーパープロ向け事業につきましては、届出のみで不動産特定共同事業が開始できることから、多様な不動産投資に対する機動的な事業の実施が可能となるということでございまして、リスク、リターンというものと直接関係するということではなくて、機動的な実施が可能になるということを狙いとしているところでございます。 一方、今御指摘がございました指導監督でございますけれども、既存の不動産特定共同事業者と同様に、主務大臣、都道府県などによる監督規定を設けております。スーパープロにつきましても設けるなど、十分な事後監督体制を確保することによりまして、規制緩和とのバランスを図っているところでございます。
○室井邦彦君 最後の質問をさせていただきますが、これは大臣にお答えいただきたいと思います。 今回のこの法改正を通じて、空き家、また空き地、あるいは古民家、それぞれの有効利用を、地域創生につながる、このように考えられておるわけでありますけれども、もちろん観光、物流、ヘルスケア等の成長分野における不動産投資の促進をされるということでありますから、私たちも非常に期待をしているところでありますが、この地域づくりに取り組んでいく大臣の抱負を、ひとつ決意をお聞かせをいただきたい、このように思います。
○国務大臣(石井啓一君) 今後の地域づくりにおきましては、地域の個性を重視した地方創生を実現するとともに、経済成長を支える地域づくりが重要であると考えております。 こういった考え方の下、人口減少に立ち向かうコンパクト・プラス・ネットワークの推進、個性と連携による対流促進型国土の形成、住み続けられる国土と稼げる国土の両立により、各地域の独自の個性を生かした国土・地域づくりを進めたいと考えております。 このような取組に当たりましては、地域に根差した民間事業者の活躍が不可欠でありますことから、今回の改正によりまして、小口の投資を集めた空き家、空き店舗等の再生のための制度の創設等を行いまして、地域に根差した不動産会社の参入を促進いたしたいと思っております。 この今回の改正によりまして、低未利用地となっております土地、不動産の再生のための投資やその流通が促進をされ、地域の稼ぐ力が高められ、地域の資金を活用した個性ある地域づくりにつながるよう、しっかりと取り組んでまいりたいと存じます。
○室井邦彦君 終わります。
○青木愛君 希望の会、自由党の青木愛です。 まず、小規模不動産特定共同事業に関してお伺いをいたします。 一号事業者の資本金要件が一億円以上から一千万円以上に下げられたこと、また、許可制から届出制に緩和されたことによりまして地方の業者なども参加をしやすいということでありますけれども、今回の改正によって資本金一億円未満の業者がこの事業にどの程度参加をする見通しを持っておられるか、まずお伺いをいたします。
○政府参考人(谷脇暁君) お答えいたします。 本法案により創設されます小規模不動産特定共同事業につきましては、今御指摘ございました、資本金が一千万円以上の宅地建物取引業者が参入することを想定してございます。この中には、新しく宅建業の免許を取るという方もいらっしゃるとは思いますけれども、宅建業者が参入をするということでございます。 参入の見通しでございますけれども、この資本金が一千万円から一億円の宅地建物取引業者のうち、五年間で八百社程度が参入するという見通し、目標を立ててございます。 また、小規模不動産特定共同事業としての新たな投資といたしまして、五年間でおおむね五百億円程度の出資が行われることを目標、見通しとしているところでございます。
○青木愛君 ありがとうございます。 その際、懸念されますことは、大手ではない不動産会社などでは、投資家から出資を募ったり、またその収益を投資家に配当するといった経験とかノウハウとかがないというふうに想像できるのですが、この制度の普及や指導に関してどのように考えておられますでしょうか。
○政府参考人(谷脇暁君) 本法案によって創設されますこの小規模不動産特定共同事業につきましては、御指摘ございましたように、地方の不動産事業者にとってなじみが少ないものでございますので、その制度がどのようなものであるかということにつきまして、まずその普及啓発が重要と考えております。このため、地方における事業の担い手となる事業者の育成を進めることが重要でございまして、知識、ノウハウの普及啓発、人材ネットワークの構築、優良事例の形成、横展開などを行うこととしております。 また、事業者への指導という点でございますけれども、事業者が不動産特定共同事業制度の内容、趣旨の理解を深めることが重要でございます。例えば、事業者の連携組織を形成するといったようなことを通じまして、事業が円滑に行われるような助言、指導というものに努めていきたいと考えております。
○青木愛君 ありがとうございます。 ここで、私の地元であります東京の北区の不動産会社の声を御紹介をさせていただきたいと思います。 今後、この法律を私たちも皆さんにお知らせをしていかなければならないんだろうと思いますけれども、現在、この法律自体を全く知らないという方が多くございました。法律自体を知らない、別の不動産会社さんも、法律自体を知らない、また、法律自体を聞いたことはあるが内容は知らない、空き家はなかなか商品にするには難しい、持ち主を国は特定できるが我々には特定できない空き家が多い。 また、別の不動産会社さんですが、この法律を立ち上げるに当たって国土交通の専門委員として参加をしていたので詳しく知っている、この法律は町おこしをする人たちが利用するべきだ、実は北区もこの法律を利用して委員会を立ち上げようとしているが公共的なものに限定しようとしている、例えば保育園とかであるが限定しない方がいい、いろんな角度から最も有効活用でき、あらゆる人たちが利用できるようにするべきである。 また、別の不動産会社さんですが、この法律に関しては全く聞いたことがない、いつも何年かしてから利用状況が見えてくる、不動産業の現在の仕事でも忙しい。 また、別の方ですが、この制度が広まれば大きく活性化をする、しかしながら、事業が失敗した場合の投資家に対する補償をどうするか検討し、安心して投資できるようにしなければならない、一般の不動産業者は二足のわらじを履くことになるので参入しないのではないか、誰かが空き家を利用して事業を起こし、そこに入居者を入れるのが不動産業者の本来の仕事だからである、また、投資者に対しては弁護士を入れて安全対策を講じることが大切ではないかなどなど、こうした声をいただいたので、是非今後の参考にしていただきたいというふうに思いました。 いずれ今後、成長が著しい大都市ではこの事業の成功率は高く、また投資家に対する配当、売却益の還元を期待できると思うんですけれども、地方では事業者また投資家がたとえ志が高く意欲があったとしても、この事業を軌道に乗せるということがなかなか容易ではないということは想像できます。 今ふるさと納税制度が地方の自治体にプラスの効果を発揮しているのは、利用者への動機付けがあるからだと考えます。是非、地方の宅建業者また投資家が参入したくなるような動機付け、また支援策などがあってしかるべきではないかと思いますけれども、地方創生事業との関わりの中で、今後このようなことについて何か検討されておられますでしょうか。
○国務大臣(石井啓一君) 今回の改正案は、地域の不動産会社等による不動産特定共同事業を活用することによりまして、全国で増加をしております空き家、空き店舗等の再生の取組を加速し、地方創生の実現に貢献することを主たる目的としたものでございます。このような取組を推進するに当たりましては、地方創生に向けた地域のまちづくりのビジョンに沿った形で地方創生を推進する事業に小規模不動産特定共同事業が活用されることが重要になります。 地方創生を推進する事業に対する支援といたしましては、地方創生推進交付金や都市再生事業に対する各種補助金制度がございまして、小規模不動産特定共同事業を行う場合もこれらの補助金による支援を活用することが可能でございます。また、税制の特例措置といたしまして、本法案の成立を前提といたしまして、小規模不動産特定共同事業者が不動産を取得する場合の登録免許税などの不動産流通税の軽減を措置をしてございます。 このような各種制度を活用いたしまして、土地、不動産の再生のための投資やその流通が促進をされ、地域の稼ぐ力が高められ、地域の資金を活用した個性ある地域づくりにつながるよう、しっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
○青木愛君 丁寧な御答弁、誠にありがとうございます。 是非、地方においてこそ、この法律の効果が発揮されるよう、十分な後押しをお願いを申し上げます。 次に、この参入要件が大幅に緩和されたことによって、問題業者あるいは悪質業者の参入も格段に容易になったと考えられます。かつてもいろいろな悪徳商法があり、被害者の多くは高齢者で、老後の資金が狙われたりもしております。現在でも投資マンションの悪質な勧誘に関する苦情が生活相談センターに寄せられ、年々増加をしていると聞き及んでおります。是非、この一般投資家、特に高齢者が被害に遭わないよう、こちらからも徹底した対策をお願いをさせていただきます。 続いて、クラウドファンディングについてお伺いをいたします。 何点か端的にお伺いいたします。一定期間中、目標額が集まらない場合、プロジェクトは成立せず投資金は返還されるという認識でよいのか、また、一定の出資金が集まり事業が開始されたとしても失敗に終わった場合、保証あるいは担保という制度はないと聞きましたけれども、投資家は自己責任で被害を被るという認識でよいのか、またプロジェクトに投資した金額は一種の金融商品だと考えますが、それは途中での売買が可能なのかどうか、この点についてお聞きいたします。
○政府参考人(谷脇暁君) 三点ございました。 まず一点目でございます。投資金の返還についてでございます。不動産特定共同事業におきましては、一定期間内に目標額が集まらない場合には原則として投資家の出資金は投資家に返還されるということとなります。 二点目でございます。事業の失敗の場合ということでございます。不動産特定共同事業への出資は、投資という性格上、万が一その事業が計画どおりとならず失敗したような場合には出資の範囲で投資家が責任を負うということになります。さらに、その保証、担保といった点でございますけれども、不動産特定共同事業法におきましては金融商品取引法を準用しておりまして、同じ考え方になってございまして、事業者は投資家に対し損失補填を行うことが禁止をされてございます。そういう意味で、そういうものはないということでございます。 三点目、期中での売買でございます。不動産特定共同事業は、事業者と投資家の間で不動産特定共同事業契約を締結して実施するものでございまして、契約の相手方である事業者の承諾を得た場合に限りまして投資家としての地位を他の者に譲渡することが可能となる、こういった制度となってございます。
○青木愛君 ありがとうございます。 最後の質問になりますけれども、プロ投資家向け事業の規制緩和についてお伺いをいたします。 これによりまして、大企業による巨大プロジェクトの効率が上がることは期待をできるわけなんですが、また、その弊害もあるのではないかと懸念をしております。例えば、一部の大都市圏でその土地に限定したバブルを誘発しないかどうか、また、そのあおりを受けて周辺の地価が上昇し通常の開発を妨げる事態を起こすのではないか、またあるいは、大都市中心部の開発地域に資金が集中することによってその周辺の開発が置いてきぼりになって、大都市圏内でも開発の格差が拡大をするという事態を招くことにはならないかどうか、このような懸念を持っておりますけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(谷脇暁君) 不動産特定共同事業、実物の不動産を対象といたしまして、さらに主として賃料収入を投資家に分配する事業ということでございます。実体経済を反映した商品でございますので、不動産特定共同事業の発展によって不動産バブルを誘発するという、そういう性格のものではないというふうに考えております。ただ、不動産投資市場の状況につきましては、関係行政機関とともに常にその動向を注視していきたいと考えております。
○青木愛君 ありがとうございます。 今回の改正案は三本柱から成っておりますけれども、この改正案の基になりました不動産投資市場政策懇談会、この報告書を見ますと、出発点は成長戦略の一環として提案されたものと思います。懇談会の委員は、三菱地所、不動産証券化協会、野村証券、東京証券取引所、東京建物不動産投資顧問など巨大プロジェクトに関係する人たちと、そして大学教授三名、そして弁護士一名の九名から構成をされています。地方創生の観点からすると、当然、地方の首長さんなど加わってもしかるべきではないかなというふうにも思いました。 先ほどの石井大臣の御発言、力強い御答弁もありましたように、是非、この改正が大手の企業、また都市部の開発だけに有利になるのではなくて、地方においてこそこの法律の効果が発揮されますことを強くお願いをいたしまして、質問を終わります。 ありがとうございます。
○行田邦子君 無所属クラブ、行田邦子です。よろしくお願いします。 私が最後の質問者になりますので、できるだけ重ならないようにしていきたいと思っております。 まず、大臣に伺いたいと思います。日本再興戦略二〇一六におきましては、二〇二〇年頃までにREIT等の資産総額を約三十兆円に倍増することを目指すと、このようにされています。政府としては、不動産投資や流通を規模的に拡大して活発化させていくという方針が示されていると理解しておりますけれども、この本法案というのはこうした政府の方針にのっとって提出されたものだというふうに考えております。 ただ、先ほども局長からの御答弁がありましたけれども、本制度の創設による新たな投資の目標というのが、KPIが五年間で五百億円ということでありました。そうしますと、この制度を創設しても、規模への影響というのは極めて限定的だと思っております。 そこで、大臣に伺いたいんですけれども、このタイミングでこの制度を創設する目的は何なんでしょうか。
○国務大臣(石井啓一君) 我が国におきましては、地域の個性を重視した地方創生を実現をし、経済成長を支える国土・地域づくりを実現するためには地域に根差した民間事業者の活躍が不可欠でございます。近年、人口減少を背景といたしまして全国で空き家、空き店舗等が増加する中で、民間の意欲ある事業者がこれらを再生をし、宿泊施設や商業施設等として活用する取組が拡大しつつあるところであります。 一方で、このような事業を立ち上げ、又は広域展開しようとする際に、出資金を用いて増改築した不動産を賃貸をし、その収益を投資家に分配するような場合、不動産特定共同事業に該当し、許可要件として一億円の資本金要件などが課せられるため、地域の事業者にとってはハードルが高いとの声があったところでございます。このような声に応える形で、今般、小規模不動産特定共同事業を創設し、地域に根差した不動産事業者やまちづくり会社による地域づくりの取組における資金調達手法の多様化を図ることとしたものでございます。 先ほど局長が答弁いたしました五百億円という目標はこの小規模不動産特定共同事業の目標でございますが、先ほど御紹介いただいた成長戦略の方でございますが、これは不動産特定共同事業のみならず、不動産証券化事業全体として、J—REITほか、全体としてそういう流動化を進めていこうという目標でございます。
○行田邦子君 地域に根差した民間事業者の力を生かして地域の活性化を図っていくということでありますけれども、先ほど大臣の御答弁にもありましたJ—REITですけれども、不動産証券化というと私なぞはまずJ—REITを真っ先に思い浮かべます。投資をしたことがない方でもJ—REITというと言葉としてはなじみがあるのかなというふうに思うんですけれども、そこで伺いたいんですけれども、このJ—REITは過去十年間で資産総額を約三・五倍、今約十五兆円ぐらいでしょうか、に伸ばしているわけでありますけれども、このJ—REITと不動産特定共同事業の違いは何なんでしょうか。
○政府参考人(谷脇暁君) お答えいたします。 J—REITと不動産特定共同事業、いずれも不動産を小口化して投資対象とする手法であるという点では共通をしておりますけれども、根拠とする制度あるいは募集方法、対象とする不動産の規模などの違いがございます。 まず、J—REITでございますけれども、これは投資信託及び投資法人に関する法律、いわゆる投信法でございますけれども、これに基づきまして上場市場での不特定多数の一般投資家から資金を集めるための制度ということで、非常に流動性の高い制度となってございます。上場のためのコストが高く、大規模なオフィスビルなどが主な対象となるとともに、そのテナントの転居を伴うような大規模な改修といったようなものは制限をされております。 一方、不動産特定共同事業でございますけれども、これは、本法に基づきまして、投資家が組合形式で出資して共同事業を行うための制度ということでございます。商品の組成に係る事務コストが比較的低く、中小規模の不動産が主な対象となるほか、建て替え、改修等の再生事業にも活用されていると、こういう特徴がございます。今回の法改正における小規模不動産特定共同事業制度の創設などによりまして、空き家、空き店舗なども含め、より小規模な不動産の再生に活用されることが期待されているところでございます。
○行田邦子君 建て替えなどにも使えるのが不動産特定共同事業で、これを今回小規模化するということでありますけれども、そうしますと、先ほど来から投資家保護という視点での質問が随分なされていますので御答弁は結構ですけれども、やはり私もこの点非常に気にしておりまして、懸念をしておりまして、せっかく法案の説明にもあるような地域に対する愛着やまた思いのある投資家が、いわゆる志のある投資家が、何だ、こんなものに手出さなければよかったというようなことにならないように、投資家の保護という視点をしっかりと持ってこれからの制度設計をお願いしたいということだけを申し上げて、御答弁は結構です。 次の質問に行きたいと思いますけれども、こうした小規模不動産特定共同事業を進めていって、また空き家、空き店舗の再生、活用を促進するためには、空き家や空き店舗あるいは空き地といったものがどこにどのようなものがあるのかという、この情報にアクセスしやすくすることが求められると思いますけれども、どのような対策を考えていらっしゃいますでしょうか。
○政府参考人(谷脇暁君) 平成二十七年に国土交通省と総務省が実施をいたしました地方公共団体の空き家対策などに関する調査におきまして、平成二十七年四月時点において全市町村の約四割が御指摘がございました空き家バンクというようなものを設置しております。さらに、約二割の市町村が空き家バンクを準備中又は今後設置予定というふうになってございます。このように、地方公共団体におきます空き家バンクの取組が進んできておりますけれども、現状では自治体ごとに各々設置をされておりまして、開示情報の項目が異なっていたりとか分かりづらいというような課題も指摘をされております。 このため、今年度予算措置を講じていただいておりまして、開示情報の標準化を図りまして各自治体の空き家等の情報を集約して、全国どこからでも簡単にアクセスして検索できるようにということで、全国版の空き家・空き地バンクの構築に取り組むこととしております。全国版空き家・空き地バンクの構築に当たりましては、民間の不動産情報サイトと連携をし、消費者ニーズに応じた情報提供ができる仕組みとする予定でございます。
○行田邦子君 全国版の空き家・空き地バンクの情報掲載などの標準化ということを今年度予算を付けてやられるということですが、ただ、こうした空き家や空き地、また空き店舗などの情報が見やすくなるということももちろん大切でやっていただきたいと思うんですけれども、そこから更に空き家、空き店舗などを実際に不動産市場で生かしていくためには、その所有者の所在をしっかりと把握することが必要だと思っております。 空き家の流通や利活用を促進するためには、宅建業者などの民間事業者との連携が重要であるということはもう言うまでもないと思います。空き家、空き地の所有者の所在を把握するには、こうした民間の事業者が不動産登記簿を見るわけでありますけれども、ただ、その不動産登記簿を見ただけでは真の所有者かどうかということが分からなかったり、あるいは所有者の所在が違っている、分からないということも結構あるというふうに聞いております。 行政が所有する不動産所有者の情報というので一番把握できているのが市町村が持つ固定資産課税台帳だと、このように言われているわけでありますけれども、そこで、平成二十七年五月に完全施行されました空き家特措法の第十条第一項では、法律施行のために必要な限度において固定資産課税台帳の情報を行政内部で利用することができると、このように規定されました。 市町村が持つ固定資産課税台帳の情報というのは秘密情報としてかなり秘密度が高いものということでありますので、これを空き家特措法で行政内部で利用することができるというこの第十条一項を設けたというのはそれなりのハードルを越えたというふうに理解をしているんですけれども、ただ、行政内部で利用することができても外部の宅建業者等にそのまま提供することはできないわけであります。ここでまた別のハードルが生じてしまっていて、この第十条第一項の運用というのが十分になされていないんではないかというふうに私は思っております。 そこで伺いたいんですけれども、空き家所有者情報をどのように民間事業者に提供していくことができるんでしょうか。
○政府参考人(由木文彦君) お答えいたします。 委員御指摘いただきましたとおり、いわゆる空き家法の第十条によりまして、固定資産税部局が保有する課税情報のうち所有者等に関する情報を空き家対策のために行政内部で活用できることとなったところでございます。 一方で、空き家の流通を促進するためには、宅建業者等の外部の事業者のノウハウを活用することも極めて有効でございます。また、今の点につきましては、宅建業者の業界団体からも要請をいただいたところでございます。 一方で、課税情報を含む空き家所有者情報を外部に提供する場合には、地方税法上の守秘義務の問題に加えまして、個人情報保護条例との関係等について整理する必要がございます。この点につきまして、所有者本人の同意を得るという仕組みを導入することで整理し解決ができないかということで、これまで国交省とそれから総務省、関係省庁との間で調整を進めてまいったところでございます。 この度、関係省庁との調整がほぼ整いましたので、例えば京都市等の先進的な取組をされておられます市の取組事例も踏まえまして、去る三月二十九日に国交省におきまして、課税情報も含めまして市町村の空き家部局が収集、保有する空き家所有者情報を本人の同意の下で外部に提供することによりまして空き家の利活用を促進するためのガイドラインの試案を策定して、公表をさせていただいたところでございます。 このガイドラインの試案におきましては、空き家所有者本人の同意が得られれば課税情報を含む所有者情報を外部に提供することが可能であるということを示すとともに、その際の、所有者の同意を得て外部に提供していく場合の運用の方法やその留意点、あるいは市町村における先進的な取組を整理をいたしているところでございます。 これを活用していただくことで外部の事業者との情報の共有が進み、空き家の流通、利活用の促進が期待されることから、今年度、平成二十九年度におきましては、予算におきまして、空き家の所有者情報を活用するモデル的な取組を行う市町村を支援をするということで横展開を図ってまいり、かつ、その成果を改めてまたガイドラインの充実に生かしていくというような取組を進めて、空き家の利活用、流通の促進を図ってまいりたいというふうに考えているところでございます。
○行田邦子君 三月二十九日にこのガイドラインの試案を出されたということでありますけど、私も見させていただきました。地方税法だけじゃなくて、地方公務員法、それからまた条例との整合性ということで、疑問の声といいますか、問合せが上がってきたと思うんですけれども、このガイドラインをしっかりと地方自治体においても見ていただいて、そしてまた民間事業者、宅建業者等にも見ていただいて、そしてこの特措法の第十条第一項をしっかりと生かしていただきたいというふうに思っております。 また、先進的な取組についても、事例を増やしていって、そしてまさに局長おっしゃった横展開をしていただけたらと、このように思っております。 あともう一点お聞きしようかなと思ったのですが、そろそろ持ち時間でありますので、私の質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○委員長(増子輝彦君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○山添拓君 日本共産党を代表して、不動産特定共同事業法の一部を改正する法律案に反対の討論を行います。 不動産特定共同事業法は、バブル期に投機目的で不動産取引を行う事業者が増加し、その後、経営基盤が脆弱な事業者が倒産したことから投資被害が発生したため、事業の参入規制や行為規制により投資者を保護する目的で制定されたものです。本法案は、法制定時の反省を忘れ、不動産投資市場の更なる拡大のため規制緩和を進めるものです。 スーパープロ投資家と呼ばれる適格特例投資家を対象とする事業について、国や都道府県の許可を必要とせず、届出だけで可能とする特例を設けるものであり、最大の参入規制である許可制度に風穴を開けるほか、プロ投資家と呼ばれる特例投資家向けの事業については約款規制を廃止するもので、これら規制緩和により投資者保護を後退させる内容です。 新設される小規模不動産特定共同事業の特例は、現行法では事業者の資本金が一億円以上と比較的厳格な参入規制となっていますが、資本金一千万円以上へと大幅に緩和するもので、かつ許可制ではなく登録制とされます。同事業は、空き家、空き店舗の再生事業等地方創生につながる取組だとされますが、これらは本来、リスクのある手法に委ねるべきではありません。また、同事業の多くを小規模な宅建取引業者が行うことが想定されていますが、その多くは投資運用業務に精通しているわけではありません。 再生事業は投資者にとって判断が難しく、小規模であっても被害が出ることも懸念されます。しかし、一般投資者の保護のための方策は不十分と言わざるを得ず、特例を設けて更に規制緩和をする合理性はありません。 以上の理由から反対とする旨を申し述べ、討論といたします。
○委員長(増子輝彦君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。 これより採決に入ります。 不動産特定共同事業法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(増子輝彦君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(増子輝彦君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後零時六分散会