国土交通委員会 第1号
- 発言数
- 5 件
- 登壇者
- 2 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 2017/03/07
会議録
○委員長(増子輝彦君) ただいまから国土交通委員会を開会いたします。 国政調査に関する件についてお諮りいたします。 本委員会は、今期国会におきましても、国土の整備、交通政策の推進等に関する調査を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(増子輝彦君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(増子輝彦君) 国土の整備、交通政策の推進等に関する調査を議題といたします。 国土交通行政の基本施策について、国土交通大臣から所信を聴取いたします。石井国土交通大臣。
○国務大臣(石井啓一君) 国土交通行政につきまして、私の所信を述べさせていただきます。 昨年末、新潟県糸魚川市で大規模火災が発生しました。被災された方々に心からお見舞いを申し上げます。被災地の復興まちづくりを全力で支援するとともに、今回の災害を踏まえ、密集市街地対策を一層推進します。 改めて、国民生活の安全、安心を守ることを最優先に、国民の皆様が豊かさや成長を実感できるように、国土交通省の強みである現場力を生かして施策を前に進めてまいります。 具体的な取組について申し上げます。 東日本大震災から間もなく六年となりますが、今なお多くの方々が避難生活を続けておられます。 本年四月に復興・創生期間の二年目を迎えます。基幹インフラの復旧復興や住まいの確保、観光振興などに、引き続き関係省庁と連携し、被災地が地方創生のモデルとなるような復興の実現に取り組みます。 熊本地震からの復旧復興について、計画された応急仮設住宅が全て完成するなど、生活の再建は着実に進んでおります。今後とも、被災者の方々の気持ちに寄り添いながら、恒久的な住まいの確保や宅地の早期復旧、耐震化に取り組みます。 また、熊本城の復旧等の復興まちづくりを着実に推進するとともに、コンセッション方式を活用した熊本空港ターミナルビルの再建を支援します。 通行止めとなっておりました俵山トンネルが昨年末に開通するなど、インフラの復旧を進めてまいりました。引き続き、復旧工事の円滑な施工の確保に万全を期すとともに、国土交通省の持つ技術力を結集し、一日も早い復旧に努めます。 昨年、観測史上初めて北海道に月三回、東北の太平洋側に初めて上陸するなど、相次ぐ台風により甚大な被害が発生しました。気候変動の影響により、今後、水害、土砂災害の更なる頻発化、激甚化が懸念されており、大災害は必ず発生するとの意識を社会全体で共有し、これに備える防災意識社会への転換に取り組んできました。この取組を加速するため、逃げ遅れゼロと社会経済被害の最小化の実現を目指し、多様な関係者の連携体制の構築や、要配慮者利用施設における避難計画の作成の義務化等の措置を講じる法案を提出しております。 また、昨年打ち上げた気象衛星ひまわり九号等による気象観測体制の強化や、分かりやすい気象情報の提供に取り組みます。 切迫する南海トラフ巨大地震、首都直下地震など大規模地震への備えも重要です。無電柱化や緊急輸送道路における橋梁、住宅・建築物の耐震化、実践的な訓練の実施等により、大規模地震への対応力の向上を図ります。 急速に進行するインフラの老朽化に対しては、昨年十一月に設立されたインフラメンテナンス国民会議において、産官学民が一体となって理念の普及や課題の解決を図るとともに、ロボットの開発、導入の促進や自治体への支援等を通じて計画的に対策を推進します。 交通の安全、安心の確保は、国民の日常生活にとって極めて重要です。 貸切りバスについて、昨年一月の軽井沢スキーバス事故のような悲惨な事故を二度と起こさないよう、事業許可に係る更新制の導入などを図る法改正がなされました。更に一層、安全、安心な貸切りバス運行の実現に努めます。 昨年四月に発覚した自動車の燃費不正事案等を踏まえ、不正行為の再発防止に万全を期すため、型式指定時における厳格な審査を実施するとともに、不正が起きた際の行政処分や罰則の強化を図る法案を提出しております。 相次ぐ高齢者による交通事故防止に向け、自動ブレーキ等の自動車の先進安全技術を活用します。高速道路の逆走事故ゼロを目指す取組や、暫定二車線区間の正面衝突を防ぐワイヤロープの設置検証を進めます。さらに、高齢者が安心して移動できる環境整備に努めます。 また、駅ホームにおける転落事故防止について、駅ホームの安全性向上に向けた対策をハード、ソフト両面から積極的に進めます。 昨年十一月には、地下鉄建設工事に関連しJR博多駅前の道路が陥没しましたが、土木研究所に設置した委員会において原因究明及び再発防止策の検討を進めるとともに、地下空間の利活用に関する安全技術の確立に取り組みます。 厳しい国際競争にさらされている外航海運については、四面を海に囲まれた我が国の経済安全保障の早期確立等を図る観点から、安定的な国際海上輸送の確保等を推進するための法案を提出しております。 中国公船による領海侵入や外国漁船の違法操業、北朝鮮による弾道ミサイル発射等、我が国周辺海域は緊迫した情勢が続いております。昨年の海上保安体制強化に関する関係閣僚会議で決定された海上保安体制強化に関する方針の下、戦略的海上保安体制を構築し、引き続き、領海警備や外国漁船の取締り、我が国周辺海域の監視、海洋権益確保のための海洋調査等に万全を期します。さらに、日本とアジア各国の海上保安機関職員が共に学ぶ海上保安政策課程の拡充等を通じ、法が支配する海洋秩序の構築に向けて取り組みます。 人口が減少する我が国では、働き手の減少を上回る生産性の向上等によって潜在的な成長力を高めるとともに、新たな需要を掘り起こすことが求められております。 こうした観点から、本年を生産性革命前進の年として、昨年選定した二十のプロジェクト等についてスピーディーに具体化を進めます。 例えば、ピンポイント渋滞対策の実施、新たな高速道路料金の導入等、ストック効果を最大限発揮するため、「賢く投資・賢く使う」取組を進めます。 また、ICTの活用等により建設現場の生産性の向上を図るi—Constructionや、造船や海洋開発等について技術力等の向上を図る海事生産性革命、さらに、モーダルシフト、共同輸配送の促進等による物流生産性革命の取組を加速します。 自動車の自動運転については、昨年設置した国土交通省自動運転戦略本部において、車両の技術基準等の必要なルールの整備や中山間地域の道の駅等を拠点としたシステムの実証を推進します。 今後、生産年齢人口が減少する中で、建設業、運輸業、造船業や観光業等の担い手の確保、育成は重要な課題です。このため、処遇改善の徹底、教育訓練の充実強化、若者や女性等の活躍促進に取り組み、働き方改革を進めます。 さらに、地域企業の活用に配慮しつつ、適正な価格、工期設定による契約、債務負担行為の活用による施工時期の平準化等により、公共事業の品質確保や円滑な施工確保に努めます。 我が国の国際競争力を強化するためには、人流、物流を支える交通ネットワークの整備、機能強化が不可欠です。 新幹線については、整備新幹線の整備の促進を図るとともに、リニア中央新幹線について、財政投融資の活用により、全線開業を最大八年間前倒しします。 大都市圏環状道路については、二月の二十六日に圏央道の境古河インターチェンジ—つくば中央インターチェンジ間が開通し、湘南から成田空港まで東名、中央、関越、東北、常磐、東関東道が接続されました。今後とも着実に整備を進めます。 海上物流について、我が国への基幹航路の維持拡大を図るため、国際コンテナ戦略港湾の更なる機能強化や、LNGバンカリング拠点の形成に取り組みます。 航空の分野では、羽田空港の飛行経路を見直して国際線を増便していくとともに、成田空港の第三滑走路整備等につき地元説明を進める等、首都圏空港の機能強化に取り組みます。 東京や大阪を始めとする大都市については、国際都市にふさわしいビジネス・居住環境の整備を進めます。 昨年の訪日外国人旅行者数は、年間二千四百万人を超え、過去最高となりました。二〇二〇年四千万人、旅行消費額八兆円等を目指し、観光先進国の実現に向け、政府一丸、官民一体となって明日の日本を支える観光ビジョンに基づく取組を進めます。 具体的には、観光資源の魅力向上、訪日プロモーションの高度化、観光産業の基幹産業化等を進めるほか、地方空港へのLCC等の国際線就航を促進します。 訪日外国人旅行者の受入れ環境の整備を図るため、通訳案内士資格に係る規制を見直すとともに、旅行の安全や取引の公正を確保するため、旅行の企画、手配を行ういわゆるランドオペレーターの登録制度の創設等の措置を講じる法案を提出します。 また、訪日クルーズ旅客を二〇二〇年に五百万人の目標達成に向け、クルーズ船の受入れ環境の整備を促進するため、国際旅客船拠点形成港湾の指定制度や官民の連携による旅客の受入れの促進を図るための協定制度の創設等を進める法案を提出します。 さらに、多様化する宿泊ニーズへ対応し、民泊サービスの健全な普及を図るため、民泊に用いる住宅を提供する者の届出等を定めた法案を提出します。 人口減少社会を見据え、コンパクト・プラス・ネットワークの具体化を更に進めるため、関係省庁によるコンパクトシティ形成支援チームを通じて、歩いて暮らせる健康まちづくりなどの市町村の取組を支援します。また、持続可能な地域公共交通ネットワークの形成に向けた取組や自転車の活用を推進します。 高齢者、低額所得者、子育て世帯等の住宅確保要配慮者が安心して暮らせる住宅を確保できるよう、空き家、空き室を活用して住宅セーフティーネット機能の強化を図るための法案を提出しております。 また、既存の良質な住宅ストックを有効に活用するため、既存住宅流通・リフォーム市場の活性化に取り組みます。 空き家対策については、市町村による計画的な活用、解体や、民間事業者と連携した流通の促進に取り組みます。さらに、クラウドファンディング等の小口資金を活用した空き家等の再生を推進するための法案を提出しております。 所有者の所在の把握が難しい土地等については、関係省庁と連携して、探索・利活用のガイドラインの改訂等の対策を進めます。 さらに、人口減少社会における豊かな都市空間の形成に向けて、民間活力を活用した、都市公園の魅力向上や老朽化対策、緑地の創出の促進、都市農地の適正な保全等の施策を総合的に講じる法案を提出しております。 このほか、リニア中央新幹線の開業も視野に入れつつ、広域的な地域間の連携を促進し、地域の活力を維持する広域連携プロジェクトを推進します。 中山間地域等においては、小さな拠点づくりを推進するとともに、道路ネットワークで地域や拠点をつなぎ、広域的な経済生活圏を形成します。 奄美、小笠原を始めとする離島や半島地域、豪雪地帯など、生活条件が厳しい地域に対しては、引き続き生活環境の整備や地域産業の振興等に対する支援を行います。 質の高いインフラシステムの海外展開については、各国ごとの重点プロジェクトへのトップセールスも含めた戦略的な働きかけ、人材育成や制度構築支援、株式会社海外交通・都市開発事業支援機構等を通じた支援などを強力に推進します。 二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催は、世界を代表する成熟都市となった東京を発信する絶好の機会です。海上警備を含むセキュリティー対策等、大会の成功に万全を期すとともに、障害者、高齢者等にとっても安全、安心なユニバーサルデザインのまちづくりや心のバリアフリーに取り組み、未来志向の交通まちづくりを積極的に推進します。 以上、国土交通行政の諸課題について私の考えを申し述べました。 今国会におきましては九法案を提出し、御審議をお願いしたいと思います。 委員長、委員各位の格別の御指導をよろしくお願い申し上げます。
○委員長(増子輝彦君) 以上で所信の聴取は終わりました。 本件に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。 午後零時二十三分散会