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193回国会参議院2017/04/12

国際経済・外交に関する調査会 第4号

発言数
90
登壇者
13
会派数
7
開催日
2017/04/12

会議録

鴻池祥肇自由民主党・こころ

○会長(鴻池祥肇君) ただいまから国際経済・外交に関する調査会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  昨日までに、里見隆治君、浜口誠君、糸数慶子君及び今井絵理子君が委員を辞任され、その補欠として古賀之士君、伊波洋一君、熊野正士君及び渡辺美知太郎君が選任されました。     ─────────────

鴻池祥肇自由民主党・こころ

○会長(鴻池祥肇君) 国際経済・外交に関する調査を議題といたします。  本日は、「アジア太平洋における平和の実現、地域協力及び日本外交の在り方」のうち、「外交能力及び戦略を向上させるための取組の課題」に関し、「外交と議会の役割」について参考人から御意見をお伺いした後、質疑を行います。  本日は、明治大学国際総合研究所フェロー川口順子参考人、フリードリヒ・エーベルト財団東京事務所代表サーラ・スヴェン参考人及びジャーナリスト菅原秀参考人に御出席いただいております。  この際、一言御挨拶を申し上げます。  お三方の先生方には、参考人として、御多用の中、御出席をいただきまして、誠にありがとうございます。  今後の我々の調査の参考にさせていただきたいと思いますので、先生方には忌憚のない御意見を頂戴できますことをお願いを申し上げて、御挨拶といたします。  本日の議事の進め方でございますが、まず、川口参考人、サーラ参考人、菅原参考人の順でお一人二十分程度御意見をお述べいただいた後、午後四時頃までを目途に質疑を行いますので、御協力をよろしくお願いを申し上げます。  なお、御発言は着席のままで結構でございます。  それでは、川口参考人から御意見をお述べいただきます。川口参考人。

川口順子明治大学国際総合研究所フェロー

○参考人(川口順子君) 御紹介をいただきました川口順子でございます。この場に、席に座るのは本当に久しぶり、四年ぶりでございまして、大変に懐かしくも思っております。  私は今、研究者をしておりますけれども、必ずしも議員と外交の問題についての研究者ということではございませんので、むしろ今まで実践者であった立場、あるいは今、政界を引退しました後で、一人の有識者として国際関係に関わっているという立場から、実践的な立場からお話をさせていただきたいと思います。何らかの御参考になれば大変に光栄に存じております。  まず、議員外交の必要性でございます。  本題と少し迂遠な立場、遠い立場からこのテーマにアプローチをしたいと思いますけれども、私は数年前に、劇団四季のミュージカルで「異国の丘」というのを見ました。「異国の丘」は、若い方ではあるいは御存じない方もいらっしゃるかもしれませんけれども、シベリアに抑留された日本人の望郷の念、哀感を歌った歌でございまして、私ぐらいの世代から多分上の世代の人間には何らかの感慨を持たずしては聴けない歌でもございます。  このストーリー、ミュージカルのストーリーですけれども、これは、戦前首相を務め、終戦後の東久邇内閣で国務大臣でもあった近衛文麿の長男である近衛文隆をモデルといたしておりまして、近衛文隆によって企てられた和平工作についてでございます。  ストーリーはここの本筋ではありませんで、私がこのミュージカルについて非常に印象深かったのは、日中戦争前の、宋美齢、この方は九歳で米国に行って、英語が堪能で、そして蒋介石の夫人でもあった方ですけれども、この方を中心とする反日工作を中国がアメリカの市民社会に対して行っていたということでございました。  アメリカの雑誌である「ライフ」や「タイム」の発行者であるヘンリー・ルースという人がいましたけれども、その支援を宋美齢は獲得をしまして、「タイム」は、一九三七年にパーソンズ・オブ・ザ・イヤー、その人に蒋介石を選んだということがございました。また、そのヘンリー・ルース自体も、反日キャンペーンを、あるいは対中支援を米国の市民社会に対して行ったと言われていまして、それから宋美齢は、フランクリン・ルーズベルトの妻のエレノア・ルーズベルトと親交が深くて、大統領の支援を得て、第二次大戦中もアメリカで抗日戦の支援を訴えたと言われております。  史実がどれぐらい正確であるのか、この史実については検証が多分必要なんであろうと思いますけれども、それはともかくとして、私たちがここで認識をしなければいけないことというのは、政策実施の環境づくりにおいて市民社会に働きかけることの重要性であります。この認識を当時の中国の国民党政府が持っていたということでありますし、当時の日本政府がこの点をどう考えていたのかはよく分かりませんけれども、興味のある点だと思います。  これは今から約八十年ぐらい前の一九三〇年代におけるお話でして、この時点で既に世論は外交に影響を与えたわけですけれども、現代のように国際政治経済の相互依存が進んで、市民社会が直接に国際問題に広く深く関わる、これには近代のあるいは現代のコミュニケーションの技術の発展というのも大きく資しているわけですけれども、こういう時代に我が国として国際社会の各層に日本として働きかける、あるいは日本に対する理解を持ってもらうということは、大変に重要であると私は考えております。  この仕事は政府だけではできません。日本社会を構成する様々な主体が、それぞれの立場からこれに取り組む必要があります。その中で、国会議員の果たす役割というのは極めて重要だと私は考えています。  それは、レジュメに幾つか書いてございますけれども、まず、言うまでもなく、政策決定の鍵を国会議員は握っているからであります。それから、各国の、これは国内外の世論に大きな影響を与えるということであります。それから、社会からも尊敬をされる存在であるということです。  私は、数年前にスウェーデンを訪問する機会がありまして、スウェーデンの有識者と話をしておりました。そのときに、スウェーデンの有識者がしばしば、これは国際交流について話をしていたんだと思いますけれども、パーラメントから、議会からお金をもらってというせりふを口にしました。私は最初、政府の組む予算と別なお金をパーラメントが、議会が枠として持っていて、それを使う話をしているのかなと思って聞いてみましたら、いえ、違います、別の枠ではありません、予算を決めるのは政府でなくて議会でしょう、ですから私たちは予算を政府からもらうとは言いません、議会からもらうと言いますという答えが返ってきたわけです。  民主主義社会において議会の位置付けがかくも重要であるとスウェーデンの国民が思っているということを認識をいたしまして、目からうろこが落ちた思いがいたしました。当時、私は参議院議員だったと思うんですけれども、それにもかかわらず、予算を政府からもらうというふうに思っていたということを反省もいたしました。議会あるいは議員、国会や議員の役割というのはそれほどに重要だと認識されているということだと思います。  それから、このレジュメの一ポツの最後のところに、議員同士である方が、相手の立場に理解を持ちながら円滑に話ができるというふうに書いてありますけれども、私、かつてアメリカにある日本大使館で公使を務めていたことがございます。そのときは通商摩擦華やかな頃で、アメリカの議員に働きかけようと思ってしばしば公使という立場でアポを申し込んだわけですけれども、これがなかなか会いにくかったというのが実際でございました。私、二年おりましたけれども、その間に会えた、直接に話ができた国会議員、議会議員というのは本当に数名しかいなかったということでございます。  これは、議員が行って議員と話をするというのは、対等であって、お互いの立場もよく理解しながら話ができるという意味で、一番円滑にいくということであります。  国際社会で、私も今いろいろ参加をしておりますが、多くの有識者同士の会合がありまして、国際問題、政治問題、環境問題、いろいろなテーマについて開催されています。そういった場で日本の立場を責任ある人が発言をしていくということは求められているわけですけれども、私が参加をしている中で、あるいは私が見聞している中で、議員の参加というのは本当にまれです。日本からの議員の参加はまれです。忙しいので短時間しか参加できない人が多くて、こういった議論への貢献がしにくいということもあろうかと思いますけれども、これも機会を失っているという意味では非常にもったいないことだと思います。  次に、レジュメの二番目、議員外交とは何かということでございます。  幅が広いということが言える、一言で言いますと幅が広いということだと思います。これはいろんな視点でそうだと思います。まず、分野からいきましても、これ、外務省の設置法を見ますと、設置法の四条一項に所掌事務として日本国の安全保障、対外経済関係、経済協力、文化その他の分野における国際交流とありまして、以下、二項以下に条約締結とか邦人保護とか、全部で二十九ぐらいの項目が並んでいます。これをその議員外交の対象と考えれば、いかに幅が広いかということであるかと思います。  それから、その次に機能とあります。この議員外交の果たす機能というのも幅が広いというふうに思います。いろんなタイプがございまして、例えば政府の発令があって特使として行くということもあるでしょうし、あるいは政府の意を酌んで自主的に、あるいは党の意思で行くということもあるでしょう。議員団や議員個人の交流、議員連盟や議員個人の政治活動の一環として行う、あるいは市民社会と共同して行う、日本の外交の環境づくりとして行う、様々あると思います。政府の意見に反対だからそれを言いに行くというのもあるかもしれません。そういった非常に幅の広さというのがあると思います。  じゃ、どれが大事なんだというふうに疑問をお感じかもしれませんけれども、私はそれぞれの機能が全て大事なんだろうというふうに思っております。国会や国会議員の関わり合い方というのは、それぞれの機能に応じておのずから異なってくるのではないかと思います。  三番目に舞台ですけれども、議員外交が行われる場も、これは何も海外に行って人と会ってということだけではないと思います。国内に大勢の方がいらっしゃる、その方と日本で会う、あるいはネット社会に今なっていますけれども、ネットでメールをするとかあるいはチャットをするとか、いろいろな場がございます。  それで、最後に議員外交の権限というのは何かということですが、私はこれ、法律の専門家ではありませんので詳しく申し上げることは控えますけれども、基本的に、こちらに書いてありますように、外交というのは、憲法によって内閣の職務権限として規定をされております。それに対しまして、国会は立法府でありまして、外交との関係では、憲法六十二条の国政調査権、報告受理権、これは憲法七十二条です、それから、条約を締結するのは政府ですけれども、これを承認する承認権、憲法七十三条、それからあと、国会法で質問権ですとか、衆議院規則及び参議院規則で質疑権とか、いろいろあります。立法府の立場というのは、そういう法令で決められたことを介して、政府の行う外交を広い意味でいえば監視をするという立場にあるというふうに思います。  ただ、日本は米国と違いまして議院内閣制の国ですから、立法と行政の関係、立法府と行政府の関係というのは、アメリカのようなチェックス・アンド・バランセスで非常に厳しくチェックをし合うということよりは、より緩やかな分立関係だというふうに私は理解をしております。外交についても、共働で行う部分というのが、共働的に行う、共に働くという部分が広いのではないかというふうに思います。  三番目に、効果的な議員外交のための環境整備ということについて申し上げたいと思います。国がどこまで議員外交の環境整備をすべきなのかという点が一つ論点としてあるかと思います。  これ、結論を先に申し上げると、さきにお話をしましたように、議員外交の幅、機能というのは非常に広いということですので、一言で、国は議員外交を支援すべきだということは一概には言えないと思います。  公的な色彩が強い、例えば政府の特使として行くというようなものもありますし、政府に反対の意見を言いに行くというのもありますし、あるいは、たまたま自分の政治的な立場と一致するから行くというようなこともあるだろうと思います。ですから、国民の税金を使ってそれをどこまで支援していくかということは、これは一つのルールで決めることは困難で、言ってみれば、議員活動を国があるいは国民が税金を使ってどこまで支援するのかという問題と同じ問題であるというふうに私は思います。  私も議員外交には非常に関心を持って議員時代行ってまいりましたし、ここにいらっしゃる皆様もそうだろうと思います。ですから、支援については、その立場に立てば多々ますます弁ずだと思っております。私も同意見をずっと持っております。  これは、議員外交というのがこの複雑な国際情勢の中でどれぐらい意味を持つか、どれぐらい大切かということについて国民の皆様の意識がそろうことがまず必要であって、これは鶏と卵のようなところがあって、一生懸命にやって、それが国民に見えて、そして税金がそこにもっと使われるようになるということで、今はそれを好循環に持っていく、悪循環に持っていくのではなくて好循環に持っていくというのがまずは議員の務めではないかというふうに思います。  この観点で、私は参議院が自ら一つ改革できることがあると思っています。それは何かといいますと、国会議員の海外出張をより柔軟にするということであります。  日本の閣僚は国会の承認がないと国会開会中は海外に行けませんが、大変に世界的には、海外に出にくい閣僚は日本の閣僚だということで有名になっています。国会議員についても同じことが言えると思います。ここを自由にするのは、これはまさに国会の中の問題でございますので、皆様でお話しになられて、そしてそれを緩やかな、議員活動がしやすいルールにしていただくということは、一つできることではないかというふうに思います。  各国いろんな工夫があって、例えば、各会派一人ずつ出るというようなこともありますし、委員長には代理を立てる、これは実際に制度としては可能なんだろうと思いますが、それを柔軟に進めるということもあり得るかなというふうに思います。  残り二分でございますので、私が思うところの議員外交のための実践的なノウハウをちょっと申し上げたいと思います。  これは、それぞれの議員の時間あるいは志向、選挙区の事情、いろんなことがありますので、自分のスタイルで柔軟にということだというふうに思っておりますが、私は、いろいろなやり方がある中で、これは面と向かって会うのが一番いいと決めないで、メールとか電話とかソーシャルメディアとか、いろいろなものを使うというふうに考えることが大事だと思います。  それから、議員外交を効果的にやるためには、多分、その相手の、例えば議員なら議員、人と長期的につながる関係を築くということだろうと思います。それに非常に資すると私が思いますのは、二国間の議連、あるいはマルチの議連というのもありますが、そういうのがありますが、余りアメリカとかEUとか大きいところに入ってもなかなか人数が多過ぎますが、どっちかといえば、小さな二国間の議連に入って真面目にその議連の仕事をやっていくということで、そこで相手国の議員と親しくなればこちらもだんだんに歳月を経て発言権が出るようになりますし、向こうもそういうことなので、十年付き合ってみたら向こうは首相になっていたということもあるかもしれません。ですから、そういう長続きする関係をつくるということが大事だろうと思います。  議論をするというのは大事なことなんですけれども、私は、結論先にありきではなくて、相手が議論をするときの議論の仕方が面白いとか切り口が面白いとか、日本のことをよく知っているとか、あるいはその相手の国のことをよく知っているとか、人間的に魅力があるとか、これは日本人同士のお付き合いと同じで、お互いにいかに相手に魅力を感じるかという関係を議員同士で付き合うということが大事であるというふうに思います。そういう意味では、議員団として行くことも意味があるんですけれども、個人で飛び込んでいっていろいろな関係をつくっていくということも非常に意味があるかと思います。  議員外交への御関心をお持ちいただいているということを大変にうれしく思いますし、皆様のますますのその面での御活躍も御期待を申し上げたいと思います。  ありがとうございました。

鴻池祥肇自由民主党・こころ

○会長(鴻池祥肇君) ありがとうございました。  次に、サーラ参考人から御意見をお述べいただきます。サーラ参考人。

サーラ・スヴェンフリードリヒ・エーベルト財団東京事務所代表

○参考人(サーラ・スヴェン君) ありがとうございました。御紹介にあずかりましたサーラです。  今日は、ドイツの政治財団の制度とその活動について紹介し、特に私が関わっているフリードリヒ・エーベルト財団という組織を紹介し、特に国際交流事業を紹介したいと思います。  皆様の手元にあるパワーポイント資料に沿ってお話進めさせていただきたいと思います。このカラー印刷で皆様に配付されているものです。よろしくお願いします。  ドイツの政治財団の中でフリードリヒ・エーベルト財団は唯一戦前にルーツがある財団です。一九二五年に初代ワイマール共和国大統領のフリードリヒ・エーベルトが亡くなった後に設立されました。一九三〇年代のナチス支配下に一度解散させられましたが、戦後直後再建されました。  ワイマール共和国は民主主義者のいない民主主義体制だったので失敗したという歴史認識を踏まえて、戦後において、民主主義の重要性について啓発活動を行い、成熟した自立している民主主義者を養成することを目的として政治財団が設立されました。この歴史的背景と戦後の財団の目的について、各政党が共通認識を持ち、一党を超えて幅広いコンセンサスになっております。そのために、現在はドイツの六つの政党それぞれに一つの政治財団があります。最も大きいのは、キリスト教民主連合に近いコンラート・アデナウアー財団と、ドイツ社民党に近いフリードリヒ・エーベルト財団です。  今日は、特にドイツの外交との関連において政治財団はどのような役割を果たしているかについて説明したいと思いますが、その前に、エーベルト財団の活動の全体像を簡単に紹介したいと思います。その際、エーベルト財団は一例でありますが、そのほかの財団も同様な活動を行っています。  財団の活動は主に四つの分野に分けることができます。これは配付資料の三ページにあります。  一番目は、国内向けの政治教育です。  さっき言いましたように、ドイツのワイマール共和国が民主主義者がいなかったために失敗したのではないかという歴史認識に立って、戦後ドイツの政治財団は政治教育を行っています。エーベルト財団の場合は、ドイツの主要都市の十二の拠点の下で、財団が民主主義に関する啓発活動を行い、考える市民を養成し市民の政治への参加を促す、そして民主主義に対する理解力を深めることを目指しています。  その具体的な手段と対象、そして活動の効果ですが、パワーポイント資料の六ページにありますように、一般市民向けの講演会等、公開セミナー、シンポジウムを企画したり、市民社会のネットワークを深化させるイベントを開催したり、そして、主に学者を対象とする学術的会議、学問的な会議を企画しています。その数ですが、二〇一五年一年間に、ドイツ国内だけに二千六百回のイベントを行いました。  さらには、このイベント開催以外には、刊行物を出版したり、ウエブサイトで情報を提供しています。二〇一五年一年間に一千件以上の出版物を出しております。ウエブサイトへのアクセス数ですが、ドイツ国内、本部のウエブサイトだけで月五百万回のヒットに達しております。  二番目の活動領域は、研究とコンサルティングです。  これは財団のシンクタンク的な機能を指している領域です。具体的には資料の八ページにありますが、近年は、特に重点的に研究されているテーマは経済政策、社会福祉問題、そして特にここ二、三年間重要性を増しているのは移民政策に関する研究、そして右翼台頭に対する対抗策であります。これらのテーマは、財団員が研究して、政治と政治家に対して提言をしたりしています。  三番目の活動領域は、学生の支援です。  やはり民主主義を養成するという目的で、特に若者に対する啓発が重要視されますので、大学生の奨学金制度を設けています。二〇一五年の時点で三千人弱の大学生に奨学金を給付しています。なお、中学校、高等学校で主権者教育を行う活動も支援しております。  次は、財団の国際対話事業を紹介したいと思います。  資料の十二ページにエーベルト財団の組織図がありますが、組織的には国際対話事業は二つの課で推進されています。一つは国際開発協力課、もう一つは国際対話部でございます。  十三ページですが、国際開発協力課は、主に中南米、アフリカ、南アジアと東南アジアという範囲で活動しています。これらの諸国において、政治、経済界、労働組合、学界、メディア、文化施設などと交流を促し、シンポジウムを開催したり、技術とノウハウを提供したり、教育を支援しています。一部の国において紛争解決というところにも取り組んでいるところがあります。その代表例はアフガニスタンです。今でもエーベルト財団がアフガニスタンに事務所を持って、紛争解決の議論を促しております。  次は国際対話課なんですけれども、その国際対話課の行動範囲はいわゆる産業国でありまして、北米、欧州、そして日本となっております。これらの国では、ドイツと相手国の社会と政治が共有する問題を議論し、安全保障に関する議論を推進し、相手国に関する情報をドイツに発信することが主な仕事になっております。この情報発信という研究成果ということは、またドイツの国民のために世界情勢に関する重要な情報源になっております。もちろん、必要に応じてドイツに関する情報を相手国に紹介することもあります。  この国際協力部の下で、世界百か国以上の国と地域にエーベルト財団の事務所があり、国際交流が行われています。パワーポイント資料の十五ページにその海外事務所を示す地図が載っておりますので、併せて御参照ください。  フリードリヒ・エーベルト財団において国際協力の重要さは財団の予算からも簡単に分かります。国内の活動よりも国際的な活動は大きな位置を占めて、大きな予算が割り当てられているのが資料の十六ページのグラフで明らかになっております。国際事業は明らかに最も大きな財団内の事業になっています。  これは二〇一四年の数字ですが、二〇一四年に海外との交流の予算だけは八千二百万ユーロに達しておりました。約百億円になっております。このような予算を使って、幅広い活動と世界中の市民団体、研究者、研究団体そして政治家を取り巻く交流は可能になっております。  次は十八ページですが、東京事務所の紹介ですが、東京事務所はエーベルト財団の海外事務所ネットワークの中では規模の小さいものではありますが、既に五十年前に設立されて、それ以来、継続的に活動しています。東京事務所においては、主に日本とドイツの社会が共有している問題に取り組んでいます。パワーポイント資料の十八ページにありますように、現在の重点テーマがここにリストアップされていますが、ここ数年間は主に日独の人口動態の変化と高齢化社会、移民政策と移民の社会的統合、エネルギー安全保障とエネルギー政策、そして東アジアと欧州における地域統合というテーマに取り組んでいます。一例を挙げると、ちょうど二か月前に、日本国際交流センターという団体との共催で、人口動態の変化とグローバルな人の移動という国際シンポジウムを開催し、日本とドイツの移民政策を議論しました。  今年は東京事務所の五十周年に当たって、フリードリヒ・エーベルト財団東京事務所の五十周年という冊子を作成しましたが、この冊子も皆さんのお手元に配付されています。この冊子の中にまたFES東京がここ五十年行ってきたシンポジウムとかの詳細もリストアップされていますので、また時間がありましたら御参照ください。  次は財団の予算の問題ですが、冊子ではなくてパワーポイント資料の十九ページにあるように、ドイツの政治財団の予算は基本的には国から出ています。国から出ているということは、すなわち納税者の税金を利用して仕事をしています。十九ページは二〇一四年度のフリードリヒ・エーベルト財団の財源を示すものでありますので、ここでほとんどの予算が連邦省庁から出てくることが明らかになっております。  予算が省庁から出てきますが、研究しているテーマとか内容について全ての財団が自由に仕事しておりますが、財源である省庁に対して説明責任と報告責任を負いまして、さらに、経理に関して連邦行政庁に定期的に監査を受けます。パワーポイント資料の二十、二十一ページです。  ドイツの政治財団について、政党との関係についてよく聞かれます。基本的には、今説明したように予算は国、納税者から出ますので、政党から一切お金が出ません。そのために、財団は公益のために働き、政党のために働くことはできません。なお、ワーキングレベルにおいても、政党との関係が求められておりませんが、理事会のレベルでは、各政党からその理事会のメンバーが選出されますので、そこが重要な接触点になっております。  つまり、全体的に、党の直接影響は極めて限定的ですが、各政党に一つの財団がありますので、当然ながら、どの財団がどの政党と協力関係を持つかは明らかになっております。一方、特に海外活動において、二つ以上の財団が協力することも決して珍しいことではありません。全体的に競争よりも協力を重視しております。  次は、財団の活動と国会、政府との関係について説明したいと思います。  政治に関する全ての決定権はやはり、先ほど川口先生からも説明があったように、国会にありますので、政治的なシンクタンクである政治財団が議員に専門的知識を提供し、議会と省庁による政策決定プロセスをサポートすることは、重要な仕事であります。  外交に関しては、財団は、政府の外交を補う、いわゆる民間外交という形で取っておりまして、海外におけるドイツのイメージをより多様化させ、正式外交が必ずしもカバーできない交流を促進しています。  海外事務所の予算は外務省、経済協力省から出るので、省庁との協力関係は不可欠であります。現場において、在外ドイツ大使館と財団の現地事務局も非常に密接に連携して活動しております。例えば、ドイツから国会議員が来日する際には、財団の現地事務局が例えば日本側の議員との会談の場を設けたり、議員が参加するシンポジウムを企画しております。日本の場合は、例えば言論NPOという組織との共催で開催したシンポジウムで川口先生も出ていただいたこともあります。  全体としては、現代社会には多数のステークホルダーが存在し、政策に影響を与えるべくそれぞれの正当性を主張しています。その中で政治財団は、多元主義的な政治と外交に貢献し、多元主義的な社会的組織形成を促進し、民主主義の発展を深めることに尽力することを根本的な理念にし、活動を行っております。  このようなドイツの政治財団の活動は、国際的にも高く評価されています。このフリードリヒ・エーベルト財団東京事務所設立五十周年の冊子の四十五ページを見ていただくと、アメリカの研究所が作成した世界のシンクタンクのランキングが掲載されています。その総合ランキングには、ドイツの二つの大きな政治財団であるコンラート・アデナウアー財団とフリードリヒ・エーベルト財団は十六位と十七位でランクインしています。  その次の四十六ページにシンクタンクネットワークというランキングがありますが、そこはやはり海外事務所が多いために、コンラート・アデナウアー財団は一位、フリードリヒ・エーベルト財団は二位に入っており、特にやっぱりその世界的な事務所ネットワークの高い評価がうかがえます。  これで私の説明は終わらせていただきます。  御清聴ありがとうございました。

鴻池祥肇自由民主党・こころ

○会長(鴻池祥肇君) ありがとうございました。  次に、菅原参考人から御意見をお述べいただきます。菅原参考人。

菅原秀ジャーナリスト

○参考人(菅原秀君) 発言の機会をお与えいただき、ありがとうございます。  川口先生から議員外交の基本的な在り方をお話ししていて、全く私、そういうふうな形になれば本当にいい国際社会に我々貢献できるのじゃないかなと思いました。それから、スヴェンさんのすばらしい、ドイツでこういうことをなさっていることによって、我々よりも本当にドイツの人たちは国際的な外交の可能性を切り開いていかれるんじゃないかなと非常に参考になりました。  川口先生がおっしゃった中で、要するに国でやれることには限界がある、市民社会あるいはNGO、議員とNGOが力を合わせなければ、なかなか豊かな多元的な外交をつくっていけないんじゃないか、そのためにはどうしたらいいかという先生の御経験からの発言だったわけですけれども、そのためには、皆さん国会議員になって、とにかくいろんなことをやろうと思っても、衆議院の場合には四年間、でも場合によっては解散で、本当に一年、二年で何もできなくなって、国会議員になったのに何もできなかったわというようなこともありますし、参議院議員六年間で長いと考えていても本当に忙しくて、その間に川口先生が、もう十年近く恐らく議員なさったんだと思うんですけれども、いろいろなかなか解決できなくてお悩みになって、議員辞められてからもこれを何とか解決しなきゃなというふうにお思いだと思うんですけれども、これやるためには我々みんなの力で仕組みをつくっていくことだと思います。そのことを私、一つの案として参考意見を述べさせていただきたいと思います。  クリップで留められました資料が私のあれですけれども、これ、クリップを外していただくと二つございます。二つに分けてくださいませ。後ろの方に入っている、ワークショップ、シンポジウムというのを書いてあります。これ、二〇〇二年十一月十三日、非常に古い時期ですけれども、実は二〇〇二年に、隣にいらっしゃるスヴェンさんのフリードリヒ・エーベルトの先輩の方にも来ていただきまして、東京でこういったワークショップを開いたのです。  既にこの時点に、こちらにいらっしゃる藤田幸久先生であるとか自民党の河野太郎先生なんかが、よくいろんな国に行かれまして、こういった仕組みをつくらなければならないということをいろんな方に話しておられたんです。それで、私がそのときに、ちょっと国会議員じゃこういうシンポジウムつくったりする仕事をするのは大変ですから、外部の人間に頼まなきゃならないのでおまえ事務局やってくれと言われて、私がその事務局を担当しまして、憲政記念館で二〇〇二年に行ったんです。  当時、民主化支援財団というふうに私ども呼んでおりましたけれども、話がすごく盛り上がって、自民党の先生方、それから民主党の、当時民主党ですね、民主党の先生方が賛同してくれまして、それで議員連盟ができまして、そのときに非常にいい御意見が出たんですけど、これ全部の党に呼びかけようと、例えば日本共産党なんかに呼びかけていない議員連盟というのは今まで多かったけれども、それじゃいかぬと、全部の党に呼びかけてやりましょうといったら、全部の党が、当時の党が賛成してくださったんです。  で、やりましょうということで、そうしたらどんどん盛り上がりまして、最初は限られた予算の中で逐次通訳でやって勉強会をしようと思ったんですが、それじゃなかなか話が通じないだろうと、外国の方々と日本語で話するの大変なので、同時通訳を入れましょうという話が盛り上がりまして、その予算を取るのにどうしたらいいかというんで、じゃ、衆議院議長と参議院議長両方に話してみようよと。そうしたら、これは非常にすばらしいことだから、じゃ何とか両院で力を合わせて同時通訳のための予算も取りましょうということで同時通訳のブースを入れまして、だんだん話が大きくなりまして、憲政記念館で、両院議長の御支援の下に、それから全ての政党が集まって、それで各国から来てくださった、いわゆる当時民主化支援財団というふうに呼んでいましたけれども、の方々にいろいろ発言していただいたと。  これを何とか日本で盛り上げていこうというふうなことがこういうふうな形で行われましたということをまず一つ報告しておきまして、これを踏まえて次に、先に進めていかなければならないのですけれども、なかなか、先ほど申し上げましたように、国会議員というのはいろんなことやれると思っても時間的な制約、それから選挙に対する対応、いろいろしょっちゅう会議があります、いろんな事件が起きます。そこでどうしたらいいかという、なかなか時間が取れないわけですけれども、もう一回繰り返しますが、その意味である一定程度の仕組みを日本につくったらいいんじゃないだろうかということが私の提言でございます。  そこで、今度は表の方にあった資料、議会と政党による平和構築のためのセカンド・トラック外交というふうに題しましたけれども、これの方をちょっと見ていただきたいと思います。  まず、モデルとして考えていただきたいのがアメリカのシステムでございます。アメリカには米国民主基金というのがございまして、ナショナル・エンダウメント・フォー・デモクラシーという団体ですけれども、実はこれが全世界のこの手の財団をつくるのに物すごい力を貸していまして、モデルとなったのは、隣にいらっしゃいますフリードリヒ・エーベルトあるいはコンラート・アデナウアー財団というドイツの財団をモデルにしているんですけれども、それをモデルにしたのがアメリカのレーガン大統領でございます。その辺の歴史をちょっと振り返ってみて、私たちはこれを日本に応用できるかどうか、ちょっと考えてみようと思います。  一九七八年に、ダンテ・ファッセルという民主党の下院議員の先生が、ドイツのモデルをアメリカに輸入して何かできないかと、いわゆる民主化支援機関というのをつくれないかと考えました。で、これを議会に提案しました。そうしたら、その話を聞いた翌年大統領になったレーガン大統領が、イギリスに行ったときに、イギリスに何かお土産を持っていこうと考えたらしくて、我々は民主化、世界のデモクラシーを支援するための支援財団をアメリカにつくろうと思うということを、ウエストミンスター・アドレスというふうに呼ばれていますけれども、ウエストミンスターというのは英国の議会ですね、英国の議会で発言なさったんです。つまり、これ外国でこういうことを言うということは、もうつくらなきゃならないわけですね。それで、レーガン大統領は御承知のように共和党、民主党と共和党と力を合わせて、超党派ですね、NED法というのを一九八三年に成立することができました。  これはどういうことかというと、民主党と関係のあるこういった支援財団、それから共和党と関係のある支援財団、それからもう一つ、これが画期的なんですけれども、労働組合と関係のある支援財団、それからさらに、アメリカ商工会議所と関係のある支援財団。つまり、こういう四つの大きな機関というのは、全世界に自分たちの仲間というかよく付き合っている友達がいるわけですよね。それぞれ、アメリカの多様性を表現するためには、共和党、民主党、それから労働組合、商工会議所、この四つを軸とした支援財団をつくったらどうかなという案を出したら、これが非常に通ったんですね。しかも、今現在なされていて、物すごくうまくできております。  それの刺激を受けて、一九九二年には、イギリスでこのNEDのシステムを基にウエストミンスター民主基金というのをつくりました。ウエストミンスター・デモクラシー・ファウンデーションをつくりました。  それから、その次の次の年に、今度はアメリカのNEDの中に、「ジャーナル・オブ・デモクラシー」という、これは英語の雑誌としては非常に格式の高い、全世界のデモクラシーのありようを考えるためのフラッグシップマガジンといいますか、それができまして、そこで、皆さんも名前ちょっとだけ聞いたことはあると思うんですけれども、ラリー・ダイアモンドとか、それからトーマス・キャロザーズという、デモクラシーの推進者として理論付ける人ですね、識者ですね、そういう名前が国際的に有名になる。フランシス・フクヤマなんという人もいますね。よく皆さん名前聞きますね。  そういった民主研究を進めながらいろいろやってきたところ、今度はオーストラリア政府がそういうものをつくりたい、NEDさん、ちょっとつくり方を教えてくれということで、オーストラリア政府で、これ大学の中に、そういった研究所及び国の資金による、少額ですけれども、海外のNGOを支援してデモクラシーを推進するというものをつくりました。  それから、いろいろありまして、当初の予算は三千万ドル程度から出発したんですけれども、だんだんだんだん予算が増えてきて、そして、御承知のように、アメリカには日本のJICAと似ているのでUSAIDというのがありますね。ここでも民主化支援は以前からやっていたんですけれども、ここよりもどんどんどんどん効率的にやるようになってきたんで、それから議員さんたちとのシンポジウムなんかもしょっちゅうやっているんで、おい、NEDにもっと金出せ、もっと金出せ、そうすれば自分が関係している、いろいろな関係していますね、皆さん議員の人って思い入れありますね、例えば中国が嫌いなんだけれどもチベットの人たちを守らなきゃならないと考える先生方もいらっしゃいますし、アフリカに力を入れる先生方もいらっしゃる。そうすると、そのためには、NEDと仲よくしていると自分たちの仲間に対する支援が増えるんで、USAIDよりもNEDに対する予算を多くしようという先生方が増えたわけですね。  先ほど川口先生がおっしゃったように、政府だけじゃできないけれども、NGOと協力することによっていろんな持ち駒を増やすことができると。それから、自分自身の政治活動にも非常に豊かにすることができるということが分かったということですね。  この二ページ目、次、御覧ください。  二番目に、NEDのしくみと書いてありますけれども、今現在、予算が三千万ドルから一億五千万ドル、去年、たしか一億七千万ドルというふうにおっしゃっていたような気がしますけれども。ドイツの全体のこういった財団に対する支援と大体同じぐらいの金額が、この一つの財団というかNED及び四つのコア機関に出ているわけですけれども、そのうち五五%は四つのコア機関、民主党の機関、共和党の機関、それから労働組合、労働組合ではないですよ、労働組合と付き合いのある団体を支援する財団という意味ですよね。四五%はNEDが直接審査して全世界のNGOに支援しています。約千二百団体ぐらいです。  どういった支援か。その次のページ、三ページ御覧くださいませ。  これは、アメリカのカーネギー・エンダウメント・フォー・インターナショナル・ピースという、カーネギー平和財団という財団のトーマス・キャロザーズが一九九〇年の後半に作った表なんですけど、これ、全世界の、恐らくフリードリヒ・エーベルトさんもこれ使っていると思います。こういったものを見ながら、みんなでプログラムを作るときに何が必要かと。  つまり、例えばかつてのカンボジアのように完全に国が破壊されてしまったとか、それから、ひどい独裁者がいてもうめちゃくちゃにしているような国、いろんな大変な国があります。戦争でもう回復するのが大変だと、議会も何もないわという国もあります。そういうときに何の支援をしていったらいいか。まず、政党をつくらなければならない。それから、議会もつくらなければならない。それから、民主主義というけれども、直接民主主義じゃにっちもさっちもいかないですね。一千万人、一億人もいる国があるわけですから、直接民主主義は不可能。どうやるかというと、代議制というのをつくらなければならない。じゃ、代議制って何だと。そのためには選挙をしなければならない。そういった教育を最初に始めたのがフリードリヒ・エーベルトでありコンラート・アデナウアー財団なわけですけれども、そういったことと同じことをアメリカでもやろうとしました。  その結果、先ほどの一ページの表にありましたように、アメリカだけじゃなくてイギリス、それからオーストラリア、それからここに台湾も書いてありますね。  それから、今度、最近ではヨーロッパ民主基金というのもできました。これはブリュッセルに本部があって、イタリア人の女性の方が代表をやっていらっしゃるんですけれども、ここではアラブ諸国の人たちの民主化を支援しています。例えば、女性の権利。どこの国でも女性の権利を、これは、イスラム教が女性の権利を奪っているわけじゃないですよ。権力者の人たちが勝手な古い因習でもって女性の権利を奪っているわけですけれども、そこで女性の権利を声を大にしてしゃべっていいんだよというような教育活動なんかやっているのもそのヨーロッパ民主基金ですけれども、そういったものがいろいろございます。  それで、最後に、私自身が関係したので一つ二つ事例を申し上げたいと思うんですけれども、まず印象的なのは、御承知のように、ミャンマーですね。ミャンマーが、流血することなく数年前にアウン・サン・スー・チーと軍事政権がどうにか仲よくなっていますね。そのために全世界の民主化支援がお金を出しました。あなた方は軍事政権の中で孤立していないんですよと、全世界があなた方を見守っていますよということを教えたのがこの諸団体であります。アメリカもイギリスもドイツも、みんな協力しております、お金を出し合ってですね。  海外でどういう状況になっているということを、タイでもって、タイに逃げてきているビルマ人の人たちの、特にジャーナリストが新聞を作ったんです。それを何十万部という単位でもって国境を越えて運んでいくわけですね。国境を越えていくと、あそこから近いんですね、ラングーンまで車で数時間で行けますから。カレン軍の兵隊さんたちに守ってもらったりしながら、どうにかラングーンにたどり着いて配るわけですよ。そういった形で、インターネット禁止されていましたから、あのときは、そういった形で伝えるというのをやっていました。  皆さん御承知のように、アウン・サン・スー・チーの「ビルマからの手紙」というのを毎日新聞に連載されましたね。皆さんびっくりしましたね、どうやってこういう手紙は着くか。これ、逆流通です。運んでいったあのグループが持ってきたんです。ただ、残念ながら二人、途中で軍隊に捕まって殺されていますけれども、そういった苦労をしながらあの手紙を届けたと。  それから同時に、このとき全世界の財団は、あなた方、軍事政権が崩壊したら軍事政権の人たちを殺しちゃいかぬよ、和解をしなさい、これが非常に大事ですよと、恨んで殺すようなことをしたらあなた方の国はおかしくなりますよということを徹底して、私たちも含めて、私もビルマ問題ずっと関係していましたので、しょっちゅうしゃべっていました。和解が大事であるといって、南アフリカの人たちが来て、そういうシンポジウムを開いて、和解するためにはどうしたらいいのか、ルワンダの経験を学んでみな、あなた方は絶対軍事政権の人を殺したら駄目だよと、彼らは徹底して私たちによって教育されました。で、流血騒ぎを回避することができました。  そういった努力によって今のビルマがあるんじゃないだろうかなと、今のミャンマーですね、ということが言えると思います。  そういう意味で、いろいろな役割を果たしているのが全世界のこういった財団でございます。日本にこういうものがあったら、国会議員の先生方、すごく楽になると思いませんか。これを利用していろんな多角的な外交をできるわけですから、何とか頑張ってこれをつくりましょう。ひとつよろしくお願いします。  失礼いたします。

鴻池祥肇自由民主党・こころ

○会長(鴻池祥肇君) ありがとうございました。  以上で参考人からの意見聴取は終わりました。  これより質疑を行います。  本日の質疑はあらかじめ質疑者を定めずに行います。  質疑及び答弁の際は、挙手の上、原則、私の指名を受けてから着席のまま御発言くださいますようにお願いを申し上げます。  まず、大会派順に各会派一名ずつ指名させていただき、その後は、会派にかかわらず御発言をいただきたいと存じます。  委員の一回の発言時間は答弁も含めて十分以内となるよう、また、その都度答弁者を明示していただきますことをお願いを申し上げます。  それでは、質疑のある方は挙手を願います。  宮本周司君。

宮本周司自由民主党・こころ

○宮本周司君 自由民主党・こころの宮本周司でございます。  三人の参考人の先生方、貴重な御意見、また御提言をいただきまして、ありがとうございます。  時間も限られておりますので早速内容に入りたいと思いますが、この議会若しくは議員が持つ国際外交の中での役割ということで、やはり大きく分けたら私は二方向あると思っていまして、やはり政府と政府、国と国の関係性をより円滑にするための仲介役であったり中和役であったり、そういった機能を持つ議会、議員の外交と、あとはいわゆる国境を越えたような世界レベルでのいろいろな取組ですね、草の根活動を進めていくとか。  ちょうど二年前の三月下旬から四月にかけて、IPUの方に私、日本国会議員団の方で派遣をされまして、そのときにちょうど、二〇一五年のMDGsからSDGs、持続可能な開発目標の方に変換をしていく時期でございましたので、国際間でのいろいろな取組というものも目の当たりにし、いろいろとこの政治活動の中で考えさせられることもございました。  今日、お三方の先生のお話をお聞きしまして、特に、それぞれの御主張に応じて、少し私の理解ができなかったことも含めてお伺いをしたいと思いますが。  まず、川口参考人におかれましては、やはり閣僚として、また議員としての経験もおありでございます。お話の後半の方で、やはり国民にもっと見えるようにしたらいいのではないか、もっと理解されるように努めるべきだというお話もございました。その意味におきまして、先ほど菅原参考人からのお話の中で、衆議院は解散もあるし、参議院は六年あるけれども、やはり日々の議員活動の中で、なかなか多忙で思うように活動できないような御指摘もあったかと思いますが、やはり解散がない六年間の任期を全うできる参議院だからこそできる議員外交、これは国内のいわゆる議会として政府に対するものも含めて、具体的なお考えがございましたら是非御教示をいただけたらと思います。  そして、サーラ参考人におかれましては、いろいろな形でFES東京事務所での御活動、また本体の方の御活動の方も歴史とともに御説明をいただいたわけでございますが、ほぼ政府の方から財源が出ているということで、大変大きな金額であるということも認識したわけでございますが、二点お伺いをしたいと思います。  一つは、過去から、財源といいますか運営の予算、これがやはり一定の時代とか、ドイツにおける、また世界各国の、世界的な環境の変化においてやはり変化をしてきた、そういったものがあればその変遷の方を教えていただけたらと思います。  あと、お取組の中で、中高の学生に対する主権者教育であったりとかまた奨学金の支援というお話もございましたが、その先、これで支援した学生たちを、今度は例えばドイツにおける若しくは世界における政治の現場に導いていこうとか、出口戦略というとあれですけれども、その奨学金の先に何か具体的にプログラムされていることとか、さらに期待されていることがあれば御教示をいただけたらと思います。  そして最後に、菅原参考人です。  お二人の参考人のお話も受けて、今力強い御提言もいただきました。もう率直にこういう仕組みができたらいい、財団のような仕組みができたらいいというのは私にもびしびし伝わってきたんですが、もうざっくばらんにという表現が正しいか適切か分かりませんが、なぜ日本においてそういうものが、じゃ、できないんだろうと、その障害となっているもの、障壁となっているものを参考人のお立場若しくは見地の中で御指摘をいただけたらと思います。よろしくお願いします。

鴻池祥肇自由民主党・こころ

○会長(鴻池祥肇君) では、まず川口参考人からお話を承ります。

川口順子明治大学国際総合研究所フェロー

○参考人(川口順子君) 御質問ありがとうございます。  参議院だからできる、参議院の特色を生かした議員外交というのは、考えなければいけない重要なテーマだと思います。  三つのことを申し上げたいんですけれども、実際に私が参議院議員をやってきまして、それで、私は外交を割に大事なことだと思って時間を割いてきたんですが、にもかかわらず、私がこれを申し上げるまでもない話なんですけれども、とにかく忙し過ぎて、やることがたくさんあり過ぎてそこに時間を十分に割けなかったということでして、これはみんな同じだと思います。どうしたら参議院でそのための時間をより多く使うことができるようにするかということが一つ大きな大事なことなんだろうと思います。そういう意味では、先ほど申し上げた海外に行きやすくするような約束事を院内でつくるということは大事だと思います。  それから二番目に、常に問題になるのが党か参議院かという選択肢なんですね、一人の議員にとっては。いろいろな活動が党ベースで行われる、国会の投票も党によって決まった形になっていくということで一方でありますし、それから他方で衆議院とは異なった参議院の在り方ということもあるわけでして、この二つをどのようにマネージをするか、あるいはどのように整理するかということを議論をする必要があるんだろうと思います。  それから三番目に、私は、参議院だからできることの答えの一つとして挙げられるのが、より中長期的なイシューについて国際的な場で他の国の議員、上院の人たちと意見を交換するということじゃないかと思います。往々にして、我々はすぐ足下のところの問題にとらわれて、特に議員ですからそれに回答を見出していかなければいけないという立場にあるわけですけれども、我々はって、まだ議員のつもりで言っていますね、済みません。議員だから、議員は見出していかなければいけないんですけれども、参議院であれば、より中長期的な未来の問題について議論をしていくという場をつくっていくということは一つできることではないかと思います。  一応、簡単ですが、お答えです。

鴻池祥肇自由民主党・こころ

○会長(鴻池祥肇君) ありがとうございました。  サーラ参考人、お願いいたします。

サーラ・スヴェンフリードリヒ・エーベルト財団東京事務所代表

○参考人(サーラ・スヴェン君) 重要な質問をありがとうございました。  まず、財団の予算なんですけれども、時間の問題もありまして簡単に今の予算だけを説明しましたが、もちろん、戦後を通して全てのドイツの政治財団の予算は何回もかなり根本的に変わりました。  戦後直後はまず国内的だけの活動を行いまして、一番最初に説明したように、歴史的な教訓を踏まえ国内の民主主義に関する啓発活動だけに限られたものでありまして、一九六〇年代から初めて海外の活動が展開されました。一九六〇年は日本でも高度成長、ドイツでも高度成長だったので、初めて経済的にも金銭的にもこのようなことが可能になりまして、いわゆるODA、開発協力政策の中で政治財団がいろんな国に活動を展開してきました。そして、いわゆる産業国の中で活動し始めたのはもっと後のことで、一九八〇年代になってからです。  それ以来は割と予算が一定したままなんですけれども、特に海外活動については簡単に減らすことはしないように頑張っています。なぜかというと、やっぱりある国には、事務所を閉鎖すること、特に余りいいメッセージにならないので、あくまでも海外の事務局を閉鎖しないようにその予算を確保するように努力しています。  二つ目の質問なんですけれども、奨学金の後は特にないんですけれども、奨学金をもらって何か条件があるとかそういうわけじゃないんですけれども、もちろん、逆に奨学金を与えることによってこれからも政治に積極的に参加するような人間を育てようという目的はありますので、学生が大学卒業した後に特に積極的に何かすることは余りないですね。

鴻池祥肇自由民主党・こころ

○会長(鴻池祥肇君) 続いて、菅原参考人、お願いをいたします。

菅原秀ジャーナリスト

○参考人(菅原秀君) ありがとうございます。  簡潔に二つお答えさせていただきたいと思います。  まず、IPUですね。これは議員である皆さんの責任だと思います。IPUという言葉を御存じない方もいらっしゃると思うんですけれども、全世界の国会議員の国際会議ですね。  私、民間人なのにIPUの会議にもう十回以上参加しています。何をやりに行っているかというと、菅原さん、今度ビルマ、コーカサスをやるので司会をやってくれと、あるいはチベットの国際議員連盟の会議を、何ていうんですか、パーティーでやるので司会をやってくれということで、もう十回以上顔を出しています。  各国の先生方は、同じ人がずっと参加して組織的にやっております。例えば自民党の瓦力先生が、私が親分になるんだと言って十年近くずっとまとめる物すごい御努力なさりました。しかし、自民党も含めて各党から順繰り順繰り、順番に出すわけですよ、あなた行って、今度はあなただよと。  初めて行って、何にもできません。やっぱり同じ人が一つの目的を持って、私は環境をずっとやるとか、私は反テロを絶対やるとか、北朝鮮問題を絶対やるんだとか、そういった中心になって国際的に本当にやっていく場に使えるわけです。それで、私たち民間人を使ってやっているわけですよ、各国の先生方が。  ですから、日本の先生方もまねして、そういう同じイシューを持った先生方の集まるシンポジウムをあそこで開けばいいんですよ、会場どこでも広いですから。そういった御努力をなさって、瓦力先生がなさった努力を先に皆さんの力で、各党でこれ責任持ってやっていただきたいと思います。本当にいい会議に、IPUの会議にしていただきたいと思います。  それからもう一つ、なぜできないかということですね。民主主義、デモクラシーという言葉をちょっと勘違いしちゃっているんじゃないかなと。  つまり、最初、明治時代の英語の達者な方たちがデモクラシーを民主主義と訳したんですね。ところが、その後、日本に来た中国人の学者が、民主主義というのはおかしいぞ、イズムじゃないよということで、中国語では民主主義のことを民主と言うんですよ、民主。私たちは民主主義と言っています。韓国語でもミンジュジュイと言いますね。中国ではミンジュです。  ですから、デモクラシーというのは、イズムと間違っている、共産主義とか資本主義の一種と勘違いしているので敬遠されるんじゃないかと。そうじゃなくて、デモクラシーというのは永続的に変えていかなきゃならないシステムの変革ですね。私たちは死ぬまでデモクラシーを頑張って先に進めていかなきゃならないんです。永久革命ですよ。そういうふうな理解の仕方が非常に大事じゃないかなと思います。  ありがとうございます。

宮本周司自由民主党・こころ

○宮本周司君 終わります。

鴻池祥肇自由民主党・こころ

○会長(鴻池祥肇君) ありがとうございました。  それでは、藤田幸久君。

藤田幸久民進党・新緑風会

○藤田幸久君 今日は三名の方々には、ありがとうございます。  川口先生が「異国の丘」の話をしていただきました。吉田正さんという作曲家は私が生まれた日立市の出身でございまして、吉田正さんは、シベリア等々で御自身の目の前で仲間が亡くなっていくたびに作曲をされて、貢献をしてきたという、吉田正記念館、日立市にございまして、私も参りますと、そういう形で吉田正さんが作曲をされたんだと、平和のための作曲だということを感じたことがありますけれども、そのことをおっしゃっていただきましてありがとうございます。  まず、菅原さんから質問させていただきます。  先ほど宮本委員がおっしゃったこの障害なんですが、実は、先ほど資料で配られました、二〇〇二年にシンポジウムをされたときに、当時のベーカー駐日大使の奥様、ナンシー・カッセバウム・ベーカーさんという女性議員として有名な方ですが、アメリカで国務省が抵抗したのに、どうやって我々議員が克服してこういうNEDのような法律を作っていったかという話をされました。これは各国共通ですけれども、大体どこも外務省、国務省は反対します。自分たちの権限が取られると。それを議員たちが動いて克服をしてきたということをこのベーカー夫人がおっしゃっていただいて、一番説得力を持ったわけですが。  それぞれの国でどういう形で外務省なり国務省が反対したものを克服してきたかという、当時の事例も含めて、二、三簡潔にお答えいただければ有り難いと思います。

菅原秀ジャーナリスト

○参考人(菅原秀君) ありがとうございます。  あの場に私もおりましたので、あのベーカーさん、たしか上院議員だったんですよね。  どういうことかといいますと、彼女が感動なさったのは、そのときアメリカの、今現在も会長をやっていますけれども、カール・ガーシュマンというNEDの会長がいます。それが国会のテスティモニーで発言したときに、カール・ガーシュマンというのは労働組合活動を長年やった人なんです。その人が、例えばマーティン・ルーサー・キング・ジュニアの闘い、あるいはその後に続く女性の権利の闘い、六〇年代の闘いをやってきて、それにつながるものを、こういうものを私たちはつくることによって全世界でつくることができた、その結果、女性の権利はこれだけ獲得していると、あるいは労働組合というものはこういった形で非常にスムーズに動いているという発言をして、それが実際になされたデータとして、彼、出されたわけですよね。非常に説得力があったと。そのことによって上院議員の方々は非常に納得されて、結果的に支持することになったと、そういうふうなお話だったというふうに記憶しております。

藤田幸久民進党・新緑風会

○藤田幸久君 ありがとうございます。  川口先生が先ほど、アメリカで公使をされたときに議員に会いづらかったという話がございましたが、最近、いろいろ国際情勢が多様化している中で、役所、つまり政府の人間であると当事者に会えないことが増えてきていると思っています。ですから、議員である、あるいは財団の民間人であれば、紛争地域でも政府以外の人にも会える。  したがって、今までは、ある意味じゃ、その不利益あるいはえてしてないときもあったわけですが、今になってみると、逆に政府じゃなくて議員であるがゆえに会うことができるというものがあると思いますことと、先ほど、スウェーデンで議会から予算をもらう。これは、単に議員外交というよりも日本における立法府の権能といいますか、をもう少し確立しないと、アメリカに行っても、実は大統領も強いですが議会が強いですね、予算を決めるのは議会。  そういう意味で、立法府の権能を高めるということと、今こういう世の中においては、むしろ国務省あるいは外務省以外のプレーヤーが必要だという二点が議員外交の特徴かと思いますが、それについて川口先生からコメントをいただければ幸いです。

川口順子明治大学国際総合研究所フェロー

○参考人(川口順子君) おっしゃるとおりだと思います。特に日本から見た場合に、明治以来ずっと中央政府が持っていた権限が多様化しつつある、多岐になっているという現象は起こっていると思います。それがほかの国では元々そうだったり、あるいはほかの国もそうなっていたりということで、インターフェースが広がってきたというのは私は非常にいいことだというふうに思っています。  会える人が会ってそれぞれの思いを述べるということでいいと思うんですが、一つ気を付けなければいけないのは、そういうことをする場合に、自分の立場は何だろうか、何なのかということを相手に明快に伝えるということだと思います。政府の代表でもないのに、政府に委任を受けていないのに私は政府に代わって話を聞きに来たんですというようなことを言うと相手をミスリードするということになりますから、自分は議員として、与党の議員として来ました、あるいは自分は野党の議員として来ました、自分は個人の立場でこういう意見を持っています、そこを明確にして進めるということなんだろうと思っております。  以上です。

藤田幸久民進党・新緑風会

○藤田幸久君 今の関連で次の質問でございますけれども、スヴェンさんにお伺いしたいんですが、多分、ドイツとかフランスとか今日話に出ているような国においては、外交の一元化という言葉がもう必要ないんだろうと思いますね。つまり、政府と議会との間で役割分担がきちんとできているので、例えば皆さんのような財団も、当然ドイツの外務省も外交の中の重要なプレーヤーとして認知されている。  それの一つのポイントは、先ほどおっしゃったように、例えばあなたの財団の場合も、政党の政策にこだわらなくていい、自由度があるというのが多分非常に説得力がある。したがって、その立場について言っても、つまり外務省がエーベルト財団が余計なことをするなということを言わなくて済む、それが大きいと思っているんですけれども、それについてお答えいただきたいと思います。

サーラ・スヴェンフリードリヒ・エーベルト財団東京事務所代表

○参考人(サーラ・スヴェン君) ありがとうございました。  おっしゃるとおりだと思います。特に、ヨーロッパの中ではドイツは外交路線について余り激しい議論はないので、かなりコンセンサスが広いので、外務省と政治財団が違う方向に行くことはほとんどないですね。ただ、やっぱりほかの国においては、政党、政治財団によってその考え方は多少違って、協力する相手も多少違っているので、主にそういうところで重要な役割を果たしています。  具体的には、現場でも、それはヨーロッパの中の国でもそうなんですけれども、やっぱり国は、政府と各国の大使館はあくまでも政府と政府のコンタクトを取っておりますので、やっぱり市民社会との交流を促すというのがまたドイツ国民と政府と国益のためにもなりますので、そこは非常に利益は一致しているわけだと思いますね。

藤田幸久民進党・新緑風会

○藤田幸久君 もう一つ、前、フランスの財団の方に伺ったところ、その方は元々フランス外務省の人でした。で、その数年間、財団に来ていた。  私の印象だと、ドイツとかフランスは、実は外務省とか、要するに政府の役人が財団に来て数年いてまた戻る、非常に人事交流が活発なので、だから、いわゆる外交官と財団の人の区別がほとんどないというか、一緒にやっているという感じが強い印象を受けたので、その辺の実態についてお答えいただければ。

サーラ・スヴェンフリードリヒ・エーベルト財団東京事務所代表

○参考人(サーラ・スヴェン君) ありがとうございました。  外交官は、財団で働いていることは余り聞いたことないです、これは要確認なんですけれども。余り多くはないと思います。元国会議員が財団で働くこと、それはたまにありますけれども、外交官がドイツの政治財団で一時的でも働くことは余りないですね。  ただ、やっぱり現場で非常に近い間柄ではなっています。例えば、パリでは、パリの大使館のドイツ人の外交官とパリのエーベルト財団、アデナウアー財団の事務局の代表が一緒に相談したり一緒に仕事をしていることは多々あります。そういう意味では非常に近い間柄ではありますが、ドイツの場合は外交官が政治財団で働くことはまずないと思います。

藤田幸久民進党・新緑風会

○藤田幸久君 フランスの場合はそうだとおっしゃっていたので、参考までに。  最後に、川口先生に、なぜ日本ではここまで来ていなかったんだろうかという宮本さんの質問の関連で、結局、最終的には財務省を説得することがポイントかと思うんですけれども、よく、外務省よりも、川口先生いらっしゃった経産省とか、場合によっては財務省もかなり独自のパイプで動いているという話も聞いているんですが、それで、それぞれの持分を認めた上で、最終的に財務省も説得をして、やっぱり立法府が権限を持ってやることが国益に生かされる時代が来たと思っておりますので、その辺の持っていき方が重要かと思うんですけれども、その点について何か御意見があればおっしゃっていただきたいと思います。

川口順子明治大学国際総合研究所フェロー

○参考人(川口順子君) 各省がそれぞれの立場で情報収集、活動をするというのはあると思いますけれども、最終的に国際関係の例えばそれが協定になるとか、そういう形を取るときには、日本政府として意見の統一が行われて一つの立場になるということだと思います。  それで、立法府と行政府の関係というのは、議員が先ほど申し上げたような広い立場で活動するということは大いにあると思いますけれども、それはあくまで議員としての立場であって、外交については、外交は内閣の職務権限であるということを立法府が変えることはできない、要するに、共働、共に働くという分野が広がっていき、より融合的になっていくというふうに私は考えております。

藤田幸久民進党・新緑風会

○藤田幸久君 それでは、今の関係で、恐らくほかの国も外交の権限というのは外務省、国務省にあるんだろうと思いますが、にもかかわらずここまで各国、先進国、日本以外はやってきたという部分について、なぜほかの国は、つまり外交の一元化という言葉は余り聞いたことないんですけれども、なぜほかの先進国はできて日本ができてこなかったのかについて、菅原さんなり、あるいはスヴェンさんの方でコメントがあれば言っていただきたいと思います。

菅原秀ジャーナリスト

○参考人(菅原秀君) ありがとうございます。  ほかの国を見ると、例えば国連憲章であるとか、それから世界人権宣言であるとか、こういった問題が起きたときに、世界人権宣言で守られている、これ違反じゃないかと、あなたの国、違反しているんじゃないですかというふうなアプローチをよくなさいます。中国に対してもそれをよくやっていますね。そうすると、中国の側は反対できないです。反対できないでうやむやむやとしながら、何となくそのプログラム、中国でできたりするということもございますね。  ですから、理念ということをきちっと伝えること、意外と日本はしないんじゃないだろうかと。相手の、政府と政府の関係だけを心配しているけれども、それを乗り越えた先の理念ということを強く言うことによって、全世界のこういった財団が、基本的人権であるとか、そういったことを強く言うということが非常に大事なことじゃないかなと思いますけれども。

サーラ・スヴェンフリードリヒ・エーベルト財団東京事務所代表

○参考人(サーラ・スヴェン君) じゃ、簡単に。  ドイツについてなんですけれども、ドイツの場合は、菅原さんが主に政治財団とかいろんな財団の民主化という目的を説明されましたが、何でドイツにとってはこのような活動が重要視されているかというと、やっぱり戦後になって、ドイツは戦争で負けて、なかなか国際的なイメージはかなり悪化してきたわけですね。そのイメージを改善するためには、国際交流を促して、市民団体も、政府間だけではなくて市民団体の交流を促すことによってドイツのイメージを改善させる、そのような背景もあります。そのためには、やっぱりドイツは非常に、海外における様々な文化交流もそうですが、このような政治財団の活動も展開させたと思います。

藤田幸久民進党・新緑風会

○藤田幸久君 ありがとうございました。

鴻池祥肇自由民主党・こころ

○会長(鴻池祥肇君) 続いて、佐々木さやか君。

佐々木さやか公明党

○佐々木さやか君 公明党の佐々木さやかです。  今日は、参考人の先生方、大変にありがとうございます。  今、サーラ参考人のお話をお聞きをして、私がお聞きしたいな、質問したいなと思っていたことをちょっと説明はいただいたんですけれども、こうした政治財団というもの、日本にはないと思うので関心があるんですが、初めは国内の民主化というところに力を入れていたと。その後、予算の面を見ましても、国際対話というところに力を入れているというのがどうしてなのかなと思って、そこの背景をお聞きしようと思ったんですが、今あったように、ドイツ自体そういったところに力を入れていらっしゃるということでございました。  そうなると、各政党に一つずつそれぞれ財団があるということも非常に興味深いんですけれども、その各財団、どの財団もやはり国際対話には力を入れているということなのか。それとも、政党との関係で、例えばこの政党は力を入れているのでそのサポートとして、例えばある財団は各国にたくさんの支所というんでしょうか、があるけれども、ある財団は余り数は少ないとか、そうした違いが政党との関係であるのかどうかというところを最初に教えていただきたいと思います。

サーラ・スヴェンフリードリヒ・エーベルト財団東京事務所代表

○参考人(サーラ・スヴェン君) ありがとうございました。  海外の活動についてですが、やっぱりそれぞれの政治財団の規模が大分違います。  やっぱり、非常に大きいのはフリードリヒ・エーベルト財団とコンラート・アデナウアー財団。その二つは割と似たような構造でありまして、コンラート・アデナウアー財団も多分同じぐらいの割合の予算を海外との交流に入れていると思います。そして、アデナウアー財団とエーベルト財団は、両方百か国以上の国に拠点、事務所を持っております。  そのほかの四つの財団は、それぞれ規模が大分小さいんですね。これは、やっぱりその近くなっている政党も小さいので、例えば緑の党だと大体選挙で五%から一〇%の票を取るんですけれども、それなりの予算が割り当てられているんですね。その四つの財団は、海外事務所はありますし海外で活動もしていますけれども、やはり予算が少ない、規模が小さいので国の数が少ない、その海外活動の規模が小さくなっております。

佐々木さやか公明党

○佐々木さやか君 ありがとうございました。  次に、菅原参考人にお聞きしたいと思います。  民主化支援財団ということも、私、今回勉強させていただきまして、大変興味深く思っております。  それで、様々な、日本においてどうして進まないのかとか、そういったことは今議論に出ましたので、ちょっと具体的なことをお聞きしたいんですけれども、海外の、ウエストミンスター民主基金による支援のユニークな参考事例としてこの資料の中に挙げていただいておりますけれども、ルワンダ国会が女性クオータ制を導入をして、女性の権利がその結果著しく改善されるような法改正も行われたと。こういう形で海外の民主化支援基金というのは非常に大きな影響力を持っているのだなということで、初めて勉強させていただいたんですけれども、この支援というのは具体的にどういう働きかけをして、結果、その国で一国の制度を大きく変えるような力になったのかというところを教えていただければと思います。

菅原秀ジャーナリスト

○参考人(菅原秀君) ありがとうございます。  どの財団もおっしゃるんですけれども、自分が考えるデモクラシーの押し付けは駄目であると、相手と対話をしてやってくださいというふうにおっしゃっています。  このウエストミンスターの、資料を読んでいただいて本当にありがとうございます。このルワンダの件は、最初、私は実際レポートを読んだだけなんですけれども、レポートによれば、ルワンダの支援をするときに、女性の議員がどうして少ないんですかと質問をしたら、いや、女性というのは国会議員やらないだろうというふうな話だったわけですね。いや、そうじゃなくて、どの国でも女性は国会議員やっていますよと。  じゃ、どうしたらいいんだろうという話になったときに、我が国ではクオータ制度というのをつくっていますよと、それをやってみたらどうですかと言ったら、ルワンダ側が議論をしたそうです。議論をした結果、ああ、いいねと、こういうのだったらみんな受け入れられる。つまり、駄目だったらそれをやらないわけですよね。相手と話をして受け入れられるという、それで、やってみたら非常にあんばいが良かったと。ですから、このクオータ制度ってそもそもイギリスでできた制度らしいですけれども、これがルワンダにとって受け入れやすかったわけですね。  今度、セネガルの方です。セネガルが今、来年辺り選挙があるそうですけれども、このクオータ制度を受け入れてやっていこうと。  ですから、非常に地域に合ったものだったということですね。合わなかったらクオータ制度をやめてもいいわけです、別な方法も考えられますから。たまたま合って、こういうふうないい結果が出たと。とんでもない法律ですよね、男性しか土地を持っては駄目だとかね。それが変わったわけですから、セネガルも今度変わるんじゃないでしょうか。楽しみですよね。

佐々木さやか公明党

○佐々木さやか君 ありがとうございました。  最後に川口参考人にお聞きしたいと思うんですけれども、お話の中で本当に具体的に、例えばインターネットを使ったやり取りとか、国内にいていろんな情報を発信したり交流をすることも議員外交だということで、非常に具体的に、議連に所属をして地道に仕事をすることが大切だとか、非常に具体的なアドバイスをいただいたような気がして大変勉強になりました。ありがとうございます。  少し抽象的な質問になってしまうんですけれども、先ほど参議院ならではの役割というような質問がありましたが、若手議員の、若手の国会議員だからこそといいますか、のうちに取り組んでおいた方がいいような外交のための活動ですとか、私自身も若手議員の一人として、例えば党での訪問団ですとか様々な機会で努力をしているつもりなんですけれども、川口参考人は大先輩でもありますので、もし若手議員に対するアドバイスのようなメッセージがございましたら一言いただければと思います。

川口順子明治大学国際総合研究所フェロー

○参考人(川口順子君) 先ほど、どこかの議連に入るというのも一つあるでしょうというふうに申し上げましたけれども、議連でやっていく、これも、議連もただでは入れませんので、いろいろ大変だったりするのであれば、心の中で一つ国を決めて、その国について全部情報を取ってみるとか、その国については自分が誰よりも知っている、あるいは理解をしている、そういう深いものを一つつくっていくというのが私は大事なんじゃないかなと思っています。  よくT字形という話がありまして、Tの横バーの割に広く知っている部分、その中で一つ深いTの縦棒というのがあるという話がよくありますけれども、私もそれを信じておりまして、やはりその縦棒の深いところがあってこそ横バーの広いところが生きるというふうに思っております。  日本は、外国の理解なくしては、あるいは支援なくしては存在していけない。経済にしても資源にしても、よその国に依存する度合いが非常に高い国であるわけですから、そういう意味で、日本もほかの海外の情勢に十分に関心を持っている人たちが増えるということは大事でして、議員は特に重要な役割を果たしていただきたいので、是非関心を何よりも持っていただくということと、それからもう一つは、やはり言葉だと思います。もちろん、可能な限り恐らく外務省は通訳のお手伝いをするでしょうけれども、何分にもリソースが限られておりますし、また、ネットでやるとか、あるいは国内で自分の事務所で話をするとかいうことになりますと、やはり言葉の障害は少なければ少ないほど誤解を生まないという意味で、是非、これも英語だけでなくて結構なので、広く言葉の重要性というのも若いときには認識していただければというふうに期待をいたしております。  ありがとうございました。

佐々木さやか公明党

○佐々木さやか君 終わります。     ─────────────

鴻池祥肇自由民主党・こころ

○会長(鴻池祥肇君) この際、委員の異動について御報告いたします。  本日、大野泰正君及び大塚耕平君が委員を辞任され、その補欠として足立敏之君及び川合孝典君が選任されました。     ─────────────

鴻池祥肇自由民主党・こころ

○会長(鴻池祥肇君) 続いて、武田良介君。

武田良介日本共産党

○武田良介君 日本共産党の武田良介です。  今日は、三人の参考人の先生、大変お忙しい中、大変貴重なお話ありがとうございます。  まず、川口参考人に質問させていただきたいというふうに思っています。  私もまだ国会に来てさほど日がたっていないわけですが、幸いにして、COP22という会議がモロッコのマラケシュで先日開かれました。私、今環境委員会の方にも所属をしておりまして、その会合にも行かせていただいた際に、やはりCO2の排出国といいますか、歴史的に排出してきたいわゆる先進国の側と、これから経済成長の関係でCO2の排出が見込まれるいわゆる途上国の側と、やはり政府と政府の立場としてはぶつかるものもあろうかと。しかし一方で、その会場で、やはりNGOだとか市民団体の皆さんだとか、また議会人の会合も、その場でもIPUの会議なんかもありましたけれども、そういう会合に対して各国非常に積極的に参加しているという様子も見てまいりました。  先ほど、川口参考人も中長期的な課題でというお話もありまして、私も、この環境問題、CO2の問題というのは一つのテーマになろうかなというふうに思っておりましたし、資料も事前に読ませていただきましたが、環境省でお仕事もされてきたということもあり、京都議定書の話も出てまいりましたので、現段階で、具体的にこのCO2の問題、温暖化の問題なんかを見て、国際的なやり取り、議会が国際外交の中で果たしていくその役割について考えているところがあればお聞かせいただきたいというふうに思っております。

川口順子明治大学国際総合研究所フェロー

○参考人(川口順子君) COPについては、私は、そのとき政府で交渉をしたという部分、場面と、それから何年か後、議員としてある場に参加をしてほかの国から来た議員といろいろなやり取りをしたというのと、両方経験をいたしております。  それで、他の国の議員の人たちとCOPの場で話をして思いましたことは、日本のやっている政策で水平展開できる、その国にその後展開できることというのがたくさんあって、それで、その議員の人たちは必ずしもそれを知らないということがよく分かりました。もちろん、そのときの日本の考え方についても、必ずしも情報が全部に行き渡っているわけではありませんので、話をして、お互いに立場についてよく分かったという関係になったということもあります。  政策について、これはもちろん政府も一生懸命やっていると思いますけれども、多々ますます弁ずというか、政府のやることだけではやっぱり染み渡らない。それで、議員は各国において立法をする立場にあります。したがって、その人たちが法令で何ができるかということについての知識を十分に持っているということは非常に重要なことですし、それから、より基本的なところに戻って、温暖化について、この問題の重要性を共に認識をし、共にどういう手段でやっていけるかということの話合いをするということは、結果につながりやすい非常に意味のあるテーマだと私は思っています。  もちろん、政府でやっていますとなかなか、議員の方もいろいろな御意見の方がいらっしゃいますので、必ずしも、こういう方向で交渉を進めたいと思っているときに、お願いだからそういうこと言わないでよねということが起こったことなきにしもあらずでありますけれども、それはそれで広く理解が涵養される、日本国内にもいろいろな立場があるわけですからという意味で意味があるというふうに思いました。取り上げていただくいいテーマだと思います。  ありがとうございます。

武田良介日本共産党

○武田良介君 ありがとうございます。  私も、行かせていただいて本当に難しい問題だなということを思いましたが、しかし、やっぱり国際社会、市民も含めて、CO2の問題、温暖化の問題は、これはもう正面から立ち向かわなければならない問題として誰もが受け止めているので当然議題になるわけですので、私もこれから引き続き深めていきたいなというふうに感じているところであります。  それから、サーラ参考人に次にお伺いをしたいというふうに思います。  フリードリヒ・エーベルト財団、非常に私も興味深く聞かせていただきました。端的に聞かせていただきたいと思うのは、先ほど来の話を聞いていても、やはりそれぞれの市民レベルでの民主主義的な取組、財団が取り組んでこられた取組、非常に重要なものがあると思うんですが、先ほどの資料にも、右傾化の流れについての研究、検討というのが出てまいりました。  私も、ヘイトスピーチということが言われるようになってこれは注目して見ているわけですが、この間の財団の活動をどう評価しているかということにも関わるかもしれませんけれども、今のヘイトスピーチをどう見ているのか、ちょっとその辺についてお聞かせいただければというふうに思います。

サーラ・スヴェンフリードリヒ・エーベルト財団東京事務所代表

○参考人(サーラ・スヴェン君) ありがとうございました。  御承知のとおり、ドイツではここ一、二年間、非常に難民の数が増えておりまして、それに対して、やっぱりドイツでこれは難民を入れ過ぎなのではないかという声も上がっておりました。それによって、一時的、かなり地域的にも限定的なんですけれども、ある意味では右傾化というか排外主義的な動きはドイツには広がったと思いますけれども、これは、やっぱり全ての政治財団が非常に大きな問題として受け止めて、これは即時に対応して、例えば講演会、シンポジウムとかを開催して移民政策と移民の社会への統合を議論したり、そして、それ以外にも、なぜ移民がドイツに来るかというのはやっぱり理由がありまして、その背景、中東問題について市民に啓発する、そのような活動は国内にはたくさんやりました。やっぱりそれが一定の効果があったと思われます。  最近の世論調査を見てみると、一年前には、新しくできた政党がありますが、少し右派的な政党で、その政党が一年前にはかなり人気がありまして、最近の世論調査で見てみると、今年国会の選挙がありますが、ドイツでは、そこに、ぎりぎり国会に入れるか入れないかというところまで下がってきました。全体的には、そこが少し不人気が落ち着いたという背景もありますが、政治財団がこのような啓発活動、そして政治財団以外のほかの組織もこのような活動をやっている成果でもあると思われています。

武田良介日本共産党

○武田良介君 ありがとうございました。  最後に菅原参考人にお聞きしたいというふうに思いますが、この民主化の運動をずっと進めてこられて、NEDのお話でありますが、今、アメリカでトランプ政権が誕生する、一方で、バーニー・サンダース、サンダース現象と言われるような流れもあるという中で、このNEDの活動をどのように評価されているかといいますか、今どういう到達にあるといいますか、アメリカの民主主義の発展にどういう役割を果たしてきているのかという点、現状どういう認識かという点を最後にお聞かせいただければと思います。

菅原秀ジャーナリスト

○参考人(菅原秀君) ありがとうございます。  民主主義というのは、言論の自由を保障するという意味で、暴力による政府の転換であるとかそういうことでない限り自由に話していいわけですよね。それに基づいて行われているわけであって、私自身の意見も含めて、私は、NEDのイデオローグであるダイアモンド教授ですね、スタンフォード大学の、あるいはフランシス・フクヤマ、あるいはトーマス・キャロザーズ、カーネギー平和研究所ですか、こういった先生方と同じ意見でして、彼ら、以前から言っているのは、既にトランプ政権ができたときに、非常に彼は短気な人なので時にはアメリカが全体混乱に陥れるかもしれない、そのときは我々の力でもって、民主主義の原理に基づいてどんどん修正していかなければならないということをはっきりおっしゃっています。私もそう思います。ちょっと短気な方じゃないかなと思いますが、それが道を誤った場合、私たちは声を大にして、あなた間違っているよ、駄目だよと、そんなことやったら地球に対して非常に悪い影響を与えるということをちゃんと言うべきだと思います。  アメリカには底力があります。私たちも力を持っています。その力をもって、一部の政治家がちょっと誤りを犯した場合、私たちの力で直していくということ、これが民主主義じゃないかなと思います。

武田良介日本共産党

○武田良介君 ありがとうございました。私もそのように思いますし、これからも私もNEDの活動も注目していきたいと思います。  ありがとうございました。

鴻池祥肇自由民主党・こころ

○会長(鴻池祥肇君) 東徹君。

東徹日本維新の会

○東徹君 日本維新の会の東徹でございます。  今日は、三人の参考人の方、本当にお忙しいところをお越しいただきまして、ありがとうございます。国の役割としてやっぱり外交というのは非常に大事なわけでありますから、外交政策を進めていく上において大変貴重なお話を賜りまして、大変感謝をいたしております。  それでは、質問をさせていただきたいと思います。まず、川口参考人の方からお聞きしたいと思います。  ちょっと、川口参考人の方からは、国会議員及び閣僚の海外出張をより柔軟に認めるルールを作るべきではないのかというふうなお話がありました。ちょっと遠慮がちにお話しされたんじゃないのかなというふうには思っておるんですけれども、実は、そもそも我々も、総理、今の総理は物すごく海外をもう本当に飛び回っていると思うんですけれども、それまでの政権の中ではそうなかなか海外には行けなかったんではないのかなというふうに思っておりまして、総理がやっぱり百日ぐらい海外に行けるような、そういった国会の在り方をつくっていくべきではないのかとか、そんなことを思っております。  また、当然、外務大臣とか閣僚なんかは海外へ行くのは当然でありまして、議運の了解がなかったらなかなか行けないというのも、これも気を遣って、発言にも気を遣わないといけない、こういったものもどうなのかなというふうに思ったりとか、議員も一週間以上行こうと思えば本会議の議決が要るんでしょうかね、そういった結構ハードルが高いというかルールがありまして、そういったところをもう一度、川口参考人の方から、こうあるべきじゃないのかというふうなことをお話聞ければ有り難いなと思います。

川口順子明治大学国際総合研究所フェロー

○参考人(川口順子君) 東先生におっしゃっていただいて、私は、実際に心の中で強くもっと自由にすべきだというふうに思っております。議員時代にいろいろそういうことについてほかの党の方にお話をすると、これは自民党が野党だったときでしたけれども、与党からは言い出せないんだよな、野党から言ってほしいというお話があったり、党内なかなかまとまらなかったり、いろいろ気持ちは皆さんそう思っていらっしゃる方は多いと思いますけれども、実際にそれを実行していくということにはあと一歩、非常に強いみんなの総意が必要なのかなというふうに思っております。  先ほどちょっとちらりと申しましたけれども、国によっては、採決に数が影響しないように、同じ、それぞれの会派から一人ずつ認めるというふうにしたり、代理立てたりということもありますし、多分調べればもっといろいろな工夫があると思います。  閣僚については、私いろいろ聞きましたら、例えば、これちょっと古い話なので記憶が違うところがあるかもしれませんし、その国はもう制度を変えたかもしれませんけれども、お隣の韓国の外務大臣と話をしていたら、基本的に幾つか自分でプライオリティーを持って自由に選ぶことができる、その範囲内では自由なんだということを言っていましたし、元々、まあ韓国はちょっと議院内閣制ではありませんのでというところがありますが、議院内閣制の国であっても、閣僚が国会に縛られる、局長等の答弁で済むというようなところも随分あるかというふうに思います。  国際社会では、今重要な会議がたくさんあります。例えば、私の記憶では、当時、今から十年以上前の話ですけれども、OECDで毎年一回、閣僚理事会というのがございました。これは春あるんですけれども、私は外務大臣をやっているときに一度も出席できたことがございませんでした。重要な会議を逃しているということに今の日本の閣僚はなっていると思います。それは、日本国の海外におけるプレゼンスを低くするという意味では大変に大きなロスであるというふうに思います。そのことをもう少し、国会の議員の方及びその背後には国民の方がいらっしゃるわけですから、に理解をしていただいて、より日本が、国内だけではなくて国際社会で政治をやっていくことでイニシアティブ、リーダーシップが取れるようにしていく必要があると思います。  ありがとうございます。

東徹日本維新の会

○東徹君 ありがとうございます。  もう一点、川口参考人にお聞きしたいと思います。  先ほど、武田議員の方からも地球温暖化のことで話がありました。今、アメリカのトランプ大統領、パリ協定から離脱するのではないのかというふうなことが言われております。  川口参考人は、環境大臣、外務大臣を御経験された中で、アメリカに対して議員の外交というか役割として何かやっていくべきこととか、何か思っていることとか、政府としてでも結構でありますし、何かそういう思いがございましたらお聞きしたいなと思います。

川口順子明治大学国際総合研究所フェロー

○参考人(川口順子君) これはもう東先生おっしゃったように、閣僚であれ、すなわち政府の一員であれ、あるいは議員であれ、有識者、NGO、学者、そういった方々であれ、温暖化に取り組むことの重要性というのをもっともっと訴えていくべき状況に今あると思います。  アメリカの政策については、まだトランプ政権発足をしまして短いものですから、政策自体、政府の人間も議会の承認を経ていない人が非常に多いので、十分に議論をして決めるという段階にはないと私は思っています。それで、もう少し長期的な視点から、少し時間を掛けてアメリカがどう動こうとするかということを見ていかなければいけないと思いますが、やはり問題の重要性についての感度が同じでないと同じような政策がいいというふうに思ってくれないので、基本的にはその点だと思います。  それから、アメリカ、ちょっと本題から外れるかもしれませんが、について重要なのは、環境について言えば州政府の力をどう評価するかということだと思っています。ですから、これは国会議員が働きかけるというのもありますし、州政府レベルで例えば排出量取引制度を既に導入しているという州も少なからずありますので、そういった州との話合いも大事だと思います。  いずれにしても、議員外交との関連でいえば、私は、誰が、どういう立場の人が何を言ったかということについて、十分なその背景についての知識をそれぞれが持って相手を理解するということが大事なんだろうと思います。そうしませんと、コンテクストの別なところを重要視してしまったり、必ずしも相手の意思をこちらが十分に受け付ける、受け入れるということにならない可能性があり、それもまた誤解を生んで危険なこともありますので、議員の方としても十分にその辺りを常に勉強しているということが重要ではないかというふうに思います。  ありがとうございました。

東徹日本維新の会

○東徹君 ありがとうございます。  もう余り時間がありませんので、サーラ参考人だけに一つだけお聞きしたいんですけれども、東京にも拠点があるということで、財団のですね、ほかの財団もあるのかどうか、日本で何をされているのか、簡単にお聞きしたいなと思います。

サーラ・スヴェンフリードリヒ・エーベルト財団東京事務所代表

○参考人(サーラ・スヴェン君) ありがとうございました。  ドイツの政治財団ですと、エーベルト財団以外にはアデナウアー財団、コンラート・アデナウアー財団の事務所もありまして、割とエーベルト財団と同じような、シンポジウムを行ったり、ドイツの議員が日本に来たらこちら側の、日本側の議員と会わせたり、議員が参加するシンポジウムを企画したりしています。それが主なこの東京事務所の、アデナウアー財団もエーベルト財団も変わらない仕事の内容です。

東徹日本維新の会

○東徹君 時間となりましたので、終わらせていただきます。ありがとうございました。

鴻池祥肇自由民主党・こころ

○会長(鴻池祥肇君) 次に、木戸口英司君。

木戸口英司希望の会(自由・社民)

○木戸口英司君 希望の会(自由・社民)、自由党の木戸口英司でございます。  三人の参考人の先生方、本当に今日はありがとうございます。大変関心ある興味深いお話をいただきました。  それでは、まずサーラ参考人にお伺いをいたします。  ドイツのソフトパワーといいますか、歴史と風土の中で培われた政治制度ということ、その中で培われてきたものというものを非常に強く感じるところであります。先ほど菅原参考人から、やはり理念が大事だというお話がありました。ドイツがさきの大戦の後、特に、多国間主義と言っていいんでしょうか、これは安全保障の世界も含めて、そういった価値観といいますか規範を持って臨まれてきたこと、ここがEUの中でも名誉ある地位を占めてきた、そういう感をいたしております。また、非常に分権的な国家の制度、これも歴史、風土の中で培われてきたものだと思うんですが、そういう中で財団の独自性というものも培われてきたのかなという感がいたしております。  資料の中を読ませていただいて、この東京事務所の活動の中でちょっとやはり気になるところがありまして、日本に対して、過去の戦争に対する日本の姿勢、なかなか進まないかつての対戦国との和解交渉、この点が二十一世紀日本におけるこの財団の活動の中での大きな部分となってきたというくだりがございました。先ほどのドイツの大戦後のこういった理念、価値観ということと一つ対比される部分であるのかなと、そしてまた、日本がソフトパワーを持って世界に貢献をしていくことにとって非常に大事な視点ではないかと思いますので、この点についてお話をいただければと。  それから、この点を大きな東京事務所での活動にしたということ、やはりドイツにとって、また財団にとって、このことの必要性というか重要性ということ、その点もちょっと触れていただければと思うんですが。

サーラ・スヴェンフリードリヒ・エーベルト財団東京事務所代表

○参考人(サーラ・スヴェン君) ありがとうございました。  最初に、ソフトパワーという言葉をお使いになりましたが、やはりドイツは、戦後は、さっき私も説明したように、そのイメージを改善することは非常に重要な外交政策の一側面として推進してきた政策でありますので、その中で、各国における政治財団の事務局はその枠組みの中で非常に大きな役割を果たしています。  歴史に関する和解ということについても、その中で、一つのテーマはいろんな事務所において議論してきたりしていますし、東京事務所では特に九〇年代においてこれは大きなテーマになってきたと思います。九〇年代において日本も戦争に関わる声明いろいろ出して、近隣諸国との和解に強く踏まえて、そのプロセスの中でドイツが参考になるのではないかという話があって、エーベルト財団がそのようなシンポジウムを開催したり、日本側の大学とかNGOと開催してきたわけであります。  その一番成果になっていると思うものは、最近、日本と中国と韓国の歴史学者が共通に書いている教科書だと思います。これは、ドイツは既に戦前に歴史教科書を多国間で書く組織がありまして、それもエーベルト財団と同じくナチス時代には一度潰されたんですけれども、一九五〇年代から、まずドイツとフランス、七〇年代になってからドイツとポーランドが共通教科書と共通教材、歴史教材と地理教材とかもそうなんですけど、を作成しようという動きがありまして、九〇年代にはそれは東アジアにも出てきて、現在まで続いているわけです。そこは、ドイツの教科書研究所という組織もありますが、その研究所とエーベルト財団が日本側の様々な団体とか大学、研究者と協力してこの教科書の作成に関わってきました、これは簡単に言いますと。

木戸口英司希望の会(自由・社民)

○木戸口英司君 ありがとうございます。非常に参考になります。  それでは、菅原参考人にお伺いをいたします。  やはり議員外交、またこういう財団を今後日本で考える上で、政党の在り方、そして議員個人の在り方ということ、大きくあるんだろうと思います。  アメリカのNEDで、様々資料を読ませていただいて、国庫金を出すこと、理事会の在り方、資金の在り方等々、様々懸念があったことを一つ一つクリアして、今非常にいい形になっているという紹介がありました。これもやはり、共和党、民主党という二大政党制の中で、党内民主主義といいますか議員個人の活動といいますか、そういったことが非常に大きく担保されている中で、こういった今のNEDの活動ということも評価されるまでになってきているのかなと。また、イギリスのウエストミンスター民主主義基金、イギリスももちろん民主主義のもう最大の発展国ですから、それを否定するわけではありませんが、逆に、ここでは政党が余りにも強く出て、いろいろ批判も出ているということの紹介もありました。  そういう中で、やはり日本も、小選挙区制も導入されて政党政治ということになっているわけですけれども、党内民主主義の問題、また議員の自律の問題ということ、大きなテーマがあるんだろうと思います。その辺、少し厳しめで結構でございますので、菅原参考人から何か御意見があればと思います。

菅原秀ジャーナリスト

○参考人(菅原秀君) ありがとうございます。  皆さん、国会議員になる前には、国会というのは、与党と野党がけんかしていて、場合によっては取っ組み合い、殴り合いになるんじゃないだろうかなと思っていらしたかもしれないけど、実際議員になられるとそうでもないなと。今まで敵だと思っていた人たちとも話をするし、もちろん、何というんですか、対決する場でははっきりと言ったりするわけですけれども、実際はそうじゃないわけですよね。その典型的な形で非常によく機能しているのが議連という形だと、特に超党派の議連だと思うんです。  ただ、超党派の議連がなぜ動かない、私、秘書の仕事を長年やっていましたので、なぜ動かないかということを見ていると、議員の先生方がやるというのはもう忙しくて駄目ですよね、秘書もなかなか時間がない。うまくいっている議連というのを見ると、予算を集めて、年間三千万とか、例えばGLOBE議連とかですね、そういったところは機能しているわけですよ。つまり、外部の、何というんですか、裏方の人を雇う力があるとこれは機能しますよね。  ですから、超党派の議連で機能するものをつくって、それを中心にやっていかれるという形が大事だと思うのと、それから、敵同士の、敵というか、政党が違っていても、選挙のとき敵視したりするかもしれませんけれども、ふだんの政治活動の中ではお互いに矜持を保って尊重し合うという姿勢が、とにかく与党でも野党でも助け合うべきところは助け合って、対決するときは対決していいですけれども、それ以外の場所で対決しちゃいけません、人間としての対決は絶対いけませんという形で助け合いながら、それで白黒を明確にしながらやっていくというのが本当の政治の在り方じゃないかなと。議連というのが非常に、後、私たちの政治活動を助けるんじゃないかなと思います。  ありがとうございます。

木戸口英司希望の会(自由・社民)

○木戸口英司君 ちょっと時間もなくなりまして、本当はじっくり聞きたい次の質問なんですが、川口参考人に。  ちょっと韓国との関係が非常に気になります。韓国の状況も、大統領選を控えてということですが、これから議員の外交というのが非常に大事な局面になるんじゃないかと思いますが、何か御意見をいただければと思います。

川口順子明治大学国際総合研究所フェロー

○参考人(川口順子君) 大変に大きな問題なので、三十分ぐらい掛けてお話をしたいところなんですけれども、一言で申し上げますと、私が思いますのは、日本は、日本の議員も日本の国民も日本のマスメディアも、韓国を日韓関係の眼鏡で見ているということなんだと思います。韓国を韓国という国全体として、日韓関係だけでないいろいろな側面を韓国は持っているわけですから、全体を見るということをやる必要があるんではないかと、結論だけを申し上げればそういうことです。  ありがとうございました。

木戸口英司希望の会(自由・社民)

○木戸口英司君 終わります。

鴻池祥肇自由民主党・こころ

○会長(鴻池祥肇君) 次に、伊波洋一君。

伊波洋一沖縄の風

○伊波洋一君 沖縄の風の伊波洋一でございます。  私は、沖縄から参議院に出ております。その中で、今日は御三名の方から貴重なお話承って、本当に有り難く思っております。  じゃ、少し質疑をさせていただきますが、サーラ参考人にまずお聞きしたいと思いますが、この政治財団というものは、私初めて知ったんですけれども、例えば今、SPDの政治財団、それぞれ政党というものがあるようですから、その政党の価値がそれぞれあるんだろうと思っております。それに対して政府がお金を出して、その国外活動を支援しているというふうにも見えますし、あるいはひょっとしたら国内活動も含めてしている。  それは主にいわゆる政治に絡むことだというふうに思うんですけれども、そういうふうに政党に財源を与えて、いわゆる政治が公正に育つよう、あるいは外国との関係においてもそれぞれの形が、方向性が国内において見定められるようにというようなニュアンスなのかなと思うんですが、そのやっている、そういうのが合っているのかどうか、その目的やその全体としての、完全に対極の政党もあるわけじゃないですか、それだけ六つありますとですね、それぞれのやり方も違うんだろうと思うんですが、全体的にどういうふうになっているんでしょうか。

サーラ・スヴェンフリードリヒ・エーベルト財団東京事務所代表

○参考人(サーラ・スヴェン君) ありがとうございました。  六つの政治財団がありまして、それぞれが一つの政党に近いと私がさっき説明しましたが、やっぱりあくまでも政党の財団ではありません。のと、「の」を使ったら所有名詞になってしまうので。予算は国から、納税者から国を経由で出てきて、そのために、まず公益のために働かなければいけないです。それは一つ規則になっておりますし、ドイツの憲法裁判所のそのような判決も出ております。直接政党のために働いてはいけません。  ただ、やっぱり各政党に一つ財団がありますので、そういう意味では役割分担がありますし、例えば、東京にキリスト教民主連合の議員が来たら、それはアデナウアー財団が面倒を見て、ドイツの社民党の議員が来たら、それはエーベルト財団が面倒を見ます。ただ、内容に関して、もちろんそれぞれの政党に価値がありますし、それなりにその価値がそれぞれの政治財団も共有しているんですね、それは確かなことであります。  ただ、政治財団の活躍自体については、やっぱり非常に幅広いコンセンサスがあります。国内活動は、その政党の宣伝よりもまず民主主義に対する理解を深める。さっきは排外主義の台頭とかそのような質問がありましたが、それは全ての政党が否定しますので、それに対する対抗策が、それに対するコンセンサスもありますし、さっき藤田先生の質問にあったように、EUの統合についても幅広いコンセンサスがあります。もちろん、具体的にはEU政策についてこうだ、こうだという違いは各政党にありますが、コンセンサスはかなり幅広いので、一応そのコンセンサスの上に立って政治財団が活動しています。  もちろん、細かいところを見てみると、それぞれの特色とか、特に積極的に取り組んでいるテーマがあるんですけれども、それよりもやっぱり非常に活動に関するコンセンサスが幅広いというのが特色だと思います。

伊波洋一沖縄の風

○伊波洋一君 ドイツにおいては、教育の場でいわゆる戦争中からの近代教育の時間が極めて多いというふうに聞いています。そういうようないわゆる関わりも、このような国内での政治教育の観点でいうと財団が関わることもあるんでしょうか。

サーラ・スヴェンフリードリヒ・エーベルト財団東京事務所代表

○参考人(サーラ・スヴェン君) ありがとうございました。  学校の教育自体には政治財団が関わらないんですけれども、主権者教育について研究して、それはまた、先生方、中学校とか高校の先生方に提示、提供したりはしますし、学校教育に関する学者のシンポジウムを開催したりとかはします。  だから、直接学校の教育に積極的に取り組むことはそれほどないんですけれども、学校の教育をどのように改善するか、そのような研究をしたり交流を促したりはしています。

伊波洋一沖縄の風

○伊波洋一君 ありがとうございました。  菅原参考人に次にお聞きしたいんですけれども、今日はいろいろ提言もされていらっしゃいますが、日本の海外への取組としてはJICAなどが大きくあるわけですけれども、いわゆるここで提起されている民主化の支援とかあるいはそういう取組が、国内的には政府あるいは国としてやっているという状況ではないんでしょうか。それ、国として、日本の国がどの程度のことを支えているのかということについてのもし御見解があれば。

菅原秀ジャーナリスト

○参考人(菅原秀君) 例えば、先ほど私が説明した、アメリカにはUSAIDというのがございますね。そこも民主化支援やっています。そして、もちろん、例えばJICAでも非常にすばらしい民主化支援の活動をやっていますね。例えば、私の知っているものだと、カンボジアに対して、カンボジアのたしか民法かな、それから刑事訴訟法かな、その辺を、全く何にもなくなっちゃったんですよね、国自体が、議会制度から何かも含めて。本当はフランスが支援しようと思っていたんですけれども、なかなか人的に、予算的に大変なので、じゃ日本政府で引き受けましょうということで、クメール語の達者な学者さんたちを集めて、何年も時間を掛けて、向こうの学者さんと話ししながら、非常に大事な民法であるとか、刑事訴訟法もそうだと思いますけれども、その学者さんたちの話も私も何度も聞きました。これはJICAと外務省のイニシアティブで行われているものですよね。  ただ、これに対して、民間も加えると、民間の場合、もっとクメール語の達者な人を集める力はありますから、恐らく政府よりも。政府の場合、学者と外務省だけでちょっと限界があります。民間だといろんな、ビジネスマンも含めてもっと豊かになってくるので、その両方からやっていったときに物すごく豊かなものになるんじゃないかなと。  それから、先ほど川口先生がおっしゃった、恐らく御自分の議員経験の中で、政府にできることはあるんだけど民間にできることと違うんだわというふうな気持ち、どなたもお持ちになりますよね。その意味で、政府でやれることの限界を突き破れるのはやっぱり民間とかNGOの力ですから、両方の力で、一元化とかそういう問題じゃないですよね、国全体の、日本の価値を国際的に高めるという、皆さんで協力し合うことによって豊かにするということですね。そういう考え方でもっと多元的にしていけば、非常に豊かな外交が展開できるんじゃないかなと考えます。  ありがとうございます。

伊波洋一沖縄の風

○伊波洋一君 参考人の意見をとても私もそうだと思います。是非そういうのが実現できるようになればと思います。  最後に川口参考人に質問させていただきます。  私、沖縄からと申し上げましたが、私自身は沖縄はまだ戦後が終わっていないというような感じがしております。いわゆる戦争中の基地づくりがそのまま残って今日に至っている。  沖縄は、どちらかといいますとずっとアメリカにも要請などいろいろやっておりますが、先ほどのお話聞きながら、改めて、参議院としてより多くの時間を直接的にアメリカの市民とかそういったところに訴えていかなきゃいけないなということを実感いたしました。  これまでも何度も言っておりますけれども、やはり米国などにおいては国会議員の地位というのは結構高く評価されておりますので、それなりにお話ができるようになるのかなと思いますが、やはり、国会の中で私たちは、私は外交防衛委員会にいるんですけれども、常に政府の判断を通して問題の結論といいますか、そういったのを受け止めざるを得ない状況にあるんですが、実は国会の側、アメリカの側では違う話が進んでいたりする、そういうことがなかなかつかめないまま、いろんな議論が行われていない状況がとても強いと思います。  環境問題とかではないんですけれども、いろんな観点で、是非いま一度、やはり国会議員としてそういう国際的な、国を越えて意見交換をする。先ほど立場を明確にするというようなことをしっかりお話しされて、そういうことでやはり相手と意見をぶつけるということを大事にした方がいいというアドバイスいただきましたけれども、いま一度、例えば沖縄問題などにおいて、やはり沖縄にとってはよりもっと国内的にも知ってもらわなきゃいけないこといっぱいあるんですけれども、アメリカの側にもよく知ってもらわなきゃいけないなということたくさんございます。そこら辺でアドバイスがあればお願いしたいと思います。

川口順子明治大学国際総合研究所フェロー

○参考人(川口順子君) 私、参議院議員時代に自民党の中で、沖縄振興調査会でしたかね、特別委員会だったか調査会というのがございまして、そこの会長を務めさせていただいたことがありまして、沖縄についていろいろ勉強させていただきました。  沖縄の、これ、えてして沖縄というと基地の問題ですとか安全保障の観点から沖縄を見がちになるんですけれども、そうではなくて、沖縄は日本の南、アジアに開いた玄関としてもっともっと進んでいく、前に進んでいく、そういう可能性を秘めているということだと思います。そういった非常に広い視点で沖縄を世界に理解をしてもらい、国内で理解をしてもらいということのために、議員の果たせる役割というのは大きいと思います。  ただ、先ほどの繰り返しになりますが、やはり、自分の立場がどういう立場だということを明確にして、相手の理解を深めるということだろうと思います。  ありがとうございます。

伊波洋一沖縄の風

○伊波洋一君 ありがとうございました。

鴻池祥肇自由民主党・こころ

○会長(鴻池祥肇君) 以上で各会派一巡をいたしましたので、これより自由に質疑を行っていただきます。  質疑のある方は挙手を願います。  吉川ゆうみ君。

吉川ゆうみ自由民主党・こころ

○吉川ゆうみ君 ありがとうございます。  三重県選出の吉川ゆうみでございます。三人の先生方におかれましては貴重なお話を賜りまして、誠にありがとうございました。  先生方のお話をお伺いいたしまして、今我々の中では、例えばSDGsというものに対して我々はゴールに向かっていかなければいけない、あるいはそのファクターの一つとしてESGインベストメントのようなものがあると。そういったことは他国においては、これは政治の世界だけではなくて経済の世界においても、あるいは金融のような世界においてもごく当たり前の流れの中で行われていることであるにもかかわらず、我が国の中では、やらなければいけないという意識はあっても、少し当事者感というものが薄いようなところが我々政治家の中にももしかしたらあるのではないかということを、自分に対しての思いも含めて少し考えさせられながらお伺いをいたしました。  まさに、川口先生始め皆様おっしゃるように、私たちはもっと外に出ていかなければいけないですし、行きたいという思いはございますし、行かせてもらえるような環境づくりというものを我々議員の中から声を上げていかなければいけないのだなということも思った次第でございます。  その中で、私、川口先生にも大変お世話になっておりますGLOBEに所属いたしておりまして、超党派の中で活動する中で、今回は22は行けなかったんですけど、COP21の際にもテロ直後のパリに、COP21に合わせて開催されたGLOBEの国際会議に出席をさせていただきました。  COP21への参加者とGLOBEに所属している全世界の環境に携わる、あるいはエネルギーに携わる国会議員というのはかなり重なっておるわけでございますけれども、その中でよく聞かれたものが、他国の国会議員の方々は、この二十数年間のCOPの関わりの中に皆さん最初からずっと続けて参加をされておられて、今までの議論の経緯というのを非常に分かっていると。にもかかわらず、日本は毎年参加される方が異なるということで、形としてはもちろん参加もしますし、本当にすばらしい大臣たちも今まで実績を残してきていただいて本当に感謝をしておるわけでございますし、今の山本大臣なんかはまさにCOP3のときに政務次官されておられましたし、そういった形もあるんですけれども、ずっと二十年間続けてその会議に参加をしているという方々が他国には何人もいらっしゃる中で、我が国はそういう方が少ないというところは問題なのではないかというところを他国の国会議員の方々からも言われました。  そういった意味で、今は環境の話でございますけれども、ほかの分野も恐らく全てにおいてそうなのかなというふうに思っております。まずは、この点におきまして、我が国において、我々議員の中で一つの専門家を、ずっと国際的に話をされてきている分野において、ずっと分かっているよというような議員の方もたくさんおられるんですけれども、よりそういった方々を育てていくあるいは増やしていくにはどういったことが必要なのかということを三人の先生方にお話をいただければなということが一つでございます。  そしてもう一つは、私、自民党でございますけれども、自民党の青年局の中では、例えば台湾でありますとかあるいはベトナムとの、もう何十年にわたる、特に台湾とは、若手の我々国会議員と台湾の議員の人たちとのつながりというのを長年にわたってもう何十年も持ってきたというような経緯がございます。  そのような中で、例えば、私のような新人の議員でも台湾に行くとそれなりの立場の方に、震災以降輸入を受け入れてもらえないような我が国の食品の話をできたり、そういったことがあるわけでございますけれども、我々若手の国会議員に期待される、あるいは若手だからこそできる議員としての活動というものについて先生方からお考えをお伺いできれば。  特に、サーラ先生なんかはドイツのシンクタンクの中でどうそういった人たちを育てているのか。あるいは、そういったコミュニケーションをグローバルの中で取るような何か仕組みといいますかアプローチといいますか、プログラムというものもあるのかなども含めて、三人の先生方からお教えをいただければと思います。

鴻池祥肇自由民主党・こころ

○会長(鴻池祥肇君) では、まず川口参考人からお願いいたします。

川口順子明治大学国際総合研究所フェロー

○参考人(川口順子君) まず、議員の専門性ということですけれども、これは、私も海外の会議に行って、例えば交渉の経緯について、私は閣僚としてCOP6、7と交渉をしたんですけれども、向こうの人たちは閣僚でなくてもその下の人たちが実に過去の経緯をよく知っている、教えてもらったりしまして、ということがあって、専門家を育てるということは非常に大事なことだろうと思います。  日本の参議院において、私はこれはむしろ参議院の問題というよりは各政党の問題なんだろうと思います。私の個人的な感触としては割に育っているではないだろうかというのが印象を持っておりますが、その人たちが例えば海外に行ける、常に行っているかというとこれはまた別問題かもしれません。できるだけ海外に行く機会を平等にしようという考え方も働いているというところもあると思います。  それからまた、専門家であり過ぎると今度は逆に考え方が固定してしまうとか改革ができなくなるとかいう問題もありますので、なかなかそのうまいバランスがどこにあるかという辺りは常に、特に時代が早く変わっているときには常に考えながらやっていく話かなと思っておりますが、基本的に専門家である、あることに詳しい人を育てるというのは非常に重要なことだろうというふうに思っています。  若手だからできる活動というのは、これも同じようなお答えになってしまうんですが、老若男女問わない部分もありますし、それから同じ時代の風を吸っている、呼吸しているという意味で理解がしやすいというところもあると思います。いずれにしても、若い方には私はもういろいろなところに御自分で範囲をつくらないで最初飛び込んでいってほしいと思いますし、先ほどの話に関係しますが、長い関係を今から築いていって二十年つなげるということはとても大事だと思います。吉川先生が首相になって、相手も首相になっているということは十分にあるというふうに思います。  ありがとうございます。

サーラ・スヴェンフリードリヒ・エーベルト財団東京事務所代表

○参考人(サーラ・スヴェン君) ありがとうございました。  ドイツの政治財団におきまして、特に議員の専門性を育つ仕組みとかプログラムとかはないんですけれども、国内の一つの役割はまさにそれであって、ベルリンには本部がありまして、そこが財団の学者が研究していろいろ専門知識を提供しています。その専門知識を利用するかどうか、それはもちろん議員次第ですね。例えば海外の情勢について専門知識が必要としない議員もありますし、必要とする議員の中でも政治財団の仕事を評価しない人もたまにいるんですね。ただ、余り財団から押し付けることはなくて、ただいろいろ専門知識などを提供して、それは議員は一応かなり利用しています。  あとは、海外に議員が行ったら大体それぞれの政治財団の事務所に連絡が来て、何かアポを取ってもらえませんかとか、そのような仲介役もやっています。  ただ、仕組みとかプログラムまではないですね。ただ、全体的には、特に国内において政治財団は専門知識を提供する役割を果たしています。

菅原秀ジャーナリスト

○参考人(菅原秀君) 吉川先生はある程度力のあるGLOBE議員というところを通じてそういった海外の声を聞くことができたわけですよね。ですから、先ほど私が申しましたけれども、超党派の議連をつくっていくということは国際的な活動をする上で非常に重要だと思うんです。  それからもう一つ、先生方皆さんにお願いしたいことは、例えば、先ほど申し上げましたけれども、インター・パーラメンタリー・ユニオンですね、IPU、みんなどの政党も順送りでやっています。誰々先生、次は誰々先生、これじゃ先に進みませんよ。ですから、もうちょっと専門性を持たせて、是非、党の先輩のところに持ち帰って相談なさったらいかがでしょうかね。もうちょっと専門的に、環境問題だったら環境問題、人権問題だったら人権問題というふうに、ある程度、瓦力先生が、自民党のですね、そういうことを一生懸命なさろうとしていたわけですから、そういうことをどんどんやっていって、先輩がなさったことをどんどん先に進めるという、これが若手の人たちに課せられた義務じゃないかなと思いますね。  ですから、是非、IPUのあの場を国際的にすばらしいものにして、日本の議員のプレゼンスを高めていただきたいと思います。皆さんの力で是非やっていただきたいと思います。お願いします。

吉川ゆうみ自由民主党・こころ

○吉川ゆうみ君 大変貴重な御回答、誠にありがとうございました。また今後とも御指導よろしくお願いいたします。  ありがとうございます。

鴻池祥肇自由民主党・こころ

○会長(鴻池祥肇君) 杉尾秀哉君。

杉尾秀哉民進党・新緑風会

○杉尾秀哉君 民進党・新緑風会の杉尾秀哉でございます。  三人の参考人の皆様におかれましては、大変貴重なお話をありがとうございました。  私からは、まず、菅原参考人にお話を伺います。  今日配っていただきました資料、二〇〇二年のワークショップ、シンポジウム、中のプログラムを見ますと、非常にテーマも多彩で、今日いらっしゃっている川口当時の外務大臣を始め、与野党問わず広範な議員が参加されていて、こういう取組をやるといいなと、こういうふうに思ったんですけれども。  ちょうど今から十五年前ということになりますが、その後、この間の十五年の経過を見ていて、こうした、例えば人権問題、それから紛争解決、各国のですね、民主主義支援、こういったテーマでの日本の国会、それから国会議員の取組、率直にどういうふうに評価されておられるのか、よく内向きの日本人というようなことが言われたりはするわけですけれども、国会の方も内向きになっている部分があるのかないのかということも含めてお聞かせください。

菅原秀ジャーナリスト

○参考人(菅原秀君) 二〇〇二年に盛り上がった後で、実は衆議院議長と参議院議長が話し合って、何とかこれ、国会の、つまり議会の力でそういった財団の原型をまずつくっていって、そこから発展させていこうじゃないかという話が持ち上がりまして、それで会計の事務方と話したんですよ。そこでつまずきが始まりまして、つまり、日本国憲法に基づいて、国庫金というのはNGOのイニシアティブに使ってはいけないのであると。議員の先生が外国に行くのは使えるかもしれませんよと、しかし、そこにNGOが関与してきてこういったオペレーションをするということは憲法の下で許されないのであるという会計の見解が出てきて、各党が頑張ったんですけど、なかなかその壁を突き破れなかったということがありまして。  この問題、先ほど川口先生もお出しになりましたけれども、これは皆さんでもうちょっと検討していかないと。つまり、我々は遅れているわけですね、ほかの先進国から比べて圧倒的にこの分野で遅れているわけですよ。ただ、民間でこういったものを出しなさいと言ってもなかなか出てこないわけで、民間のイニシアティブとどうも違いますよね。政府と民間が助け合って、議会が間に入って、つまり、何というんでしょう、議員外交をもっと豊かにするものというふうな考え方じゃないでしょうかね。  その意味では、どこかから予算が出てこなければならない。ですから、そのつまずきですね、その辺の会計の問題に関して、これはその辺の専門知識のある先生方に是非検討していただいて、その辺を先に進めていただければなと思います。よろしくお願いします。

杉尾秀哉民進党・新緑風会

○杉尾秀哉君 今のお話に関連しまして川口参考人に伺いたいんですけれども、今日はエーベルト財団のサーラ参考人来ていただいて、この財団の活動、僕もびっくりしたんですけど、世界の百か国以上、東京も含めて事務所を持っていらして、これだけ国際対話にも予算が割かれていて、それから、先ほどアメリカのNEDの話もありまして、遅れているという今話があったわけですけれども、こうした政治財団の設立、その可能性ですね、それからその必要性について、川口参考人は長く議員もされていて、外務大臣もされていて、学校の先生とか、いろんな経験をされていらっしゃいますので、どういうふうに御覧になっているのか、お聞かせいただけますでしょうか。

川口順子明治大学国際総合研究所フェロー

○参考人(川口順子君) ありがとうございます。  これは、私は非常に根の深い問題なんだろうと思います。結果的には、ドイツのようなその政党の財団があって独自の活動を展開しているというのは、民主主義の一つの在り方としては理想だと思います。ただ、我が国の場合に、この問題遡って考えなければいけないのは、そもそも政党というのはどういう力を持った存在なのかという基本問題なんだろうと思います。  今から十年、もうちょっと前ぐらいに、官から政へという動きが非常に活発に表に出た頃に、各政党、これは自民党もつくりましたし当時の民主党もつくったと思いますが、シンクタンクをつくろうという動きがあり、実際につくりました。それで、そこでやろうとしたことは、それぞれの政党の政策を考えていこうということであったわけです。ところが、実際には十年、もっとたちまして、そこのシンクタンクは自民党が与党だったときも民主党が与党だったときもありましたけれども、機能を結果的にはしなかったというのが日本の政党の現状なんだと思います。  ですから、この理由は何かということに遡ってまず考える必要があると思います。海外で活動できる政党ごとの財団があるのが理想的であると申しましたけれども、それはむしろ結果であって、基本的な問題を解決あるいは考えていくということがまず根本にあるのではないかというふうに私は思っております。  ありがとうございました。

杉尾秀哉民進党・新緑風会

○杉尾秀哉君 本当におっしゃっていることよく分かります。このところのやっぱり政治の流れにこういった分野もやっぱり翻弄されてきたということではないか、何とかここは腰を落ち着けてやるべきテーマだというふうに思いますけれども、時間が余りございませんので、サーラ参考人にはちょっと違うお話を聞きたいんですが、今日配っていただきましたこの五十年の歩みという中を見まして、こういうくだりがございました。  日本におけるフリードリヒ・エーベルト財団の活動というテーマの一文なんですけれども、私も存じ上げているんですけれども、この初代の代表をされていたゲプハルト・ヒールシャーさん、南ドイツ新聞の特派員でいらっしゃってよくテレビにも出ていらっしゃったので、私、テレビに在籍しておりましたので、何度かお目にかかってお話しさせていただいたこともあります。こういうくだりがあるんですね、この財団、かつての対戦国との和解をめぐる日独対話を推進すべく活動を始めました、先ほど木戸口委員の方から質問があった話です。  その延長線上で伺いたいんですけれども、おととし亡くなられたドイツのワイツゼッカー元大統領の有名な言葉がありますね。過去に目を閉ざす者は現在にも盲目になるという、本当にまさにそういう考え方に立って戦後ドイツは努力をされてきた。一方、日本も同じように国交を回復し、近隣諸国と、そして平和条約を結び賠償もし努力をしてきたわけですけれども、日本は、今なお近隣諸国と完全な和解ができているかというと必ずしもそうとは言えない。最近の、例の従軍慰安婦像をめぐる韓国大使の帰任問題というのもございました。  こうした日本とドイツの違い、ドイツにあって日本にないもの、これどういうふうにお考えかということと、そうしたその近隣諸国との外交を進める中で議会が果たすべき役割、これどういうふうに考えていらっしゃるのかお聞かせください。

サーラ・スヴェンフリードリヒ・エーベルト財団東京事務所代表

○参考人(サーラ・スヴェン君) ありがとうございました。  非常に難しい質問なんですけれども、おっしゃったとおり、ヒールシャーさんが九〇年代にこのテーマをエーベルト財団が東京事務所の仕事で導入したときに、日本でも早く近隣諸国との和解が進んで、それにドイツは何らかの参考になるのではないかということで、日中韓のシンポジウムをやったりとかしていますが、それ以来はドイツと日本は少し違っていた方向に来たとは私も感じております。  私がいつもそういうことを聞かれると、ドイツと日本は基本的には戦後において和解政策に関しては似ているところの方が多いと思います。いろんな段階があって、和解が積極的に進められた時期とそうじゃない時期もありました。今、杉尾先生がワイツゼッカーを例として取り上げましたが、ワイツゼッカーがこの有名な演説したと同じ年だったと思うんですけれども、コール首相はある戦没者の墓園に行って、アメリカのレーガン大統領を連れていったんですね。それが大きな事件になりました。なぜかというと、その戦没者墓園にSSという団体の兵士も埋葬されていましたからです。ドイツでもコール首相の時代にはやっぱり和解よりも国内にはこの戦争を再考しようとする勢力が出てきて、コールはその代表例なんですね。そういう議論があって、結局、それに対してワイツゼッカーが違う答えを出て、かなり海外で注目されて、結局、それでその方向性が付けられました。  でも、現在までドイツでもいろんな問題がありまして、同じとき、二〇〇〇年代ぐらいに、ドイツは、例えば旧ソ連からドイツに連れてこられた捕虜にようやく賠償金を払い始めたのは二〇〇〇年以降なんですね。そのために、一つのまた財団をつくって賠償金を払いました。今は、去年かおととしだったと思うんですけれども、また別の国の捕虜がまだ賠償済みではなかったということが明白になって、今でもまだ現在進行形なので、ドイツでもまだそういうことに取り組みつつありますが、おっしゃるとおり、和解が割合に成功してはいるんですけれども、まだ残っている課題はドイツの方にもあります。

杉尾秀哉民進党・新緑風会

○杉尾秀哉君 時間です。ありがとうございました。

鴻池祥肇自由民主党・こころ

○会長(鴻池祥肇君) 次に御発言の方いらっしゃいますか。──それでは、他に御発言もないようでございますので、本日の質疑はこの程度とさせていただきたいと思います。  一言御挨拶を申し上げます。  参考人で三人の先生方、来ていただきました。誠にありがとうございました。長時間、お疲れさまでございました。我々の調査の参考にさせていただきたいと思います。誠にありがとうございました。(拍手)  本日はこれにて散会いたします。    午後三時四十八分散会

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