行政監視委員会 第1号
- 発言数
- 191 件
- 登壇者
- 34 名
- 会派数
- 8
- 開催日
- 2017/05/15
会議録
○委員長(佐藤信秋君) ただいまから行政監視委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 去る十二日までに、清水貴之君、岩井茂樹君、熊野正士君、滝波宏文君、武見敬三君、柘植芳文君及び倉林明子君が委員を辞任され、その補欠として儀間光男君、森ゆうこ君、新妻秀規君、宮島喜文君、渡辺美知太郎君、佐藤啓君及び辰巳孝太郎君が選任されました。 ─────────────
○委員長(佐藤信秋君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い現在理事が二名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(佐藤信秋君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に儀間光男君を指名いたします。 なお、あと一名の理事につきましては、後日これを指名いたします。 ─────────────
○委員長(佐藤信秋君) 国政調査に関する件についてお諮りいたします。 本委員会は、今期国会におきましても、行政監視、行政評価及び行政に対する苦情に関する調査を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(佐藤信秋君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(佐藤信秋君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 行政監視、行政評価及び行政に対する苦情に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房内閣審議官多田健一郎君外二十二名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(佐藤信秋君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(佐藤信秋君) 行政監視、行政評価及び行政に対する苦情に関する調査を議題といたします。 行政評価等プログラムに関する件、政策評価の現状等に関する件及び行政評価・監視活動実績の概要に関する件について、総務省から説明を聴取いたします。高市総務大臣。
○国務大臣(高市早苗君) 本委員会におかれましては、総務省の行政評価機能を御活用いただきつつ、行政監視、行政評価及び行政に対する苦情に関する調査を精力的に行っておられることに対し、深く敬意を表する次第です。 それでは、昨年四月四日の本委員会に対する御報告以降に公表した案件について御説明申し上げます。 初めに、行政評価等プログラムにつきましては、平成二十九年度以降の調査テーマを含め、行政評価局の当面の業務運営方針を定めたものであり、本年三月に決定の上、公表いたしました。 行政評価局調査について、今年度は問題意識を絞ったコンパクトな調査などにも取り組むこととし、女性活躍の推進や太陽光発電設備の廃棄処分等など、新たに十三の調査テーマに着手することとしております。また、政策評価審議会の知見を生かした政策評価の質の向上、行政相談委員との協働の推進などに取り組んでまいります。 このプログラムに基づき、全国ネットワークを活用して行政上の課題解決を推進してまいります。 次に、「平成二十七年度政策評価等の実施状況及びこれらの結果の政策への反映状況に関する報告」につきましては、昨年五月二十四日に国会に提出したものです。平成二十七年度においては、各府省で計二千六百五十七件の政策評価が実施されており、その結果を踏まえた改善、見直しなど、政策への反映が行われています。 次に、行政評価局調査の結果につきまして、「がん対策に関する行政評価・監視」など九件について、それぞれ関係府省に勧告を行っております。また、国家公務員の働き方改革の推進に資する観点から、各府省におけるテレワーク実施のための環境整備状況を機動的に調査し、更に推進していただくよう通知を行いました。 以上、最近の公表案件の概要を御説明申し上げました。私といたしましては、国民に信頼される質の高い行政の実現に向け、行政評価機能を更に発揮していくことが重要だと考えております。また、総務省の活動が本委員会における調査に一層資するよう、今後とも真摯に取り組んでまいる所存でございます。 委員長、理事、委員の先生方におかれましては、よろしく御指導を賜りますようお願い申し上げます。 続いて、詳細につきまして行政評価局長から説明させます。
○委員長(佐藤信秋君) 次に、補足説明を聴取いたします。讃岐行政評価局長。
○政府参考人(讃岐建君) それでは、行政評価等プログラムなどについて詳細を御説明いたします。 初めに、行政評価等プログラムについて御説明いたします。 お手元の資料の一ページから二ページを御覧ください。 行政評価局が行う調査につきましては、平成二十九年度においては、女性活躍の推進などの調査を全国規模で実施してまいります。また、太陽光発電設備の廃棄処分等などのような問題意識を絞ったコンパクトな調査や、緊急の事案等を契機とした臨時調査を実施いたします。 政策評価の推進につきましては、政策評価審議会の委員を始めとする学識経験者の知見を活用しながら、政策の見直し、改善への一層の活用を図るため、評価の質の更なる向上を図ってまいります。 また、各府省が行う規制、公共事業及び租税特別措置等に係る政策評価について、重点化を図りつつ点検を行うことにより、政策評価の客観性の確保に取り組んでまいります。 行政相談につきましては、行政相談委員との協働、災害時における特別行政相談活動、国際協力の推進などに取り組んでまいります。 次に、「平成二十七年度政策評価等の実施状況及びこれらの結果の政策への反映状況に関する報告」について御説明いたします。 資料の三ページから四ページを御覧ください。 平成二十七年度において、各府省で計二千六百五十七件の政策評価が実施されており、評価結果を踏まえ、税制改正要望、事業の採択、予算概算要求等が行われるなど、政策評価結果を踏まえた政策の改善、見直しが行われています。 総務省としては、「食育の推進に関する政策評価」について意見通知を行うとともに、租税特別措置等、規制及び公共事業の政策評価が適切に実施されているかどうかの点検に取り組みました。 次に、行政評価局が行った調査につきまして、前回の御報告後に行いました九件の勧告等について御説明いたします。 資料の五ページを御覧ください。 昨年四月に公表した「地下街等地下空間利用施設の安全対策等に関する実態調査」につきましては、地下空間ネットワークの安全を確保する対策について、その実態を調査いたしました。 その結果に基づき、施設管理者の連携による災害時の利用者の安全確保対策の推進や、浸水防止設備の適切な設置、運用の推進などを勧告いたしました。 六ページを御覧ください。 昨年五月に公表した「アスベスト対策に関する行政評価・監視」につきましては、アスベストによる健康被害を防止するとの観点から、飛散・暴露防止対策の実施状況等を調査いたしました。 その結果に基づき、建築物の解体時におけるアスベスト含有建材の調査の適正な実施の確保や、災害時に備えた対策内容の周知徹底などを勧告いたしました。 七ページを御覧ください。 昨年七月に公表した「個人情報の保護に関する実態調査」につきましては、個人情報の管理に関する国民の不安の解消を図るとともに、個人情報の適切な管理のための取組を促進させる観点から、行政機関等における個人情報の管理の実態を調査いたしました。 その結果に基づき、一部の対応の遅れに対して改善のための措置を求める勧告をいたしました。 八ページを御覧ください。 昨年七月に公表した「地域活性化に関する行政評価・監視」につきましては、地域活性化関係施策の効果的な実施に資する観点から、これまで講じられた施策の実施状況等を調査いたしました。 その結果に基づき、地方公共団体における適切な指標設定等のための支援、申請手続の簡素合理化などを勧告いたしました。 九ページを御覧ください。 昨年九月に公表した「有料老人ホームの運営に関する行政評価・監視」につきましては、施設入居者の保護を図る観点から、未届け施設を含む有料老人ホームの管理運営状況等を調査いたしました。 その結果に基づき、関係機関との連携による未届け施設の把握及び届出の促進、集団指導等の活用による効果的、効率的な指導監督の実施の促進などを勧告いたしました。 十ページを御覧ください。 昨年九月に公表した「がん対策に関する行政評価・監視」につきましては、患者及びその家族の立場に立ったがん対策を推進する観点から、がん対策推進基本計画等に基づく各種対策の実施状況を調査いたしました。 その結果に基づき、がん検診対象者への個別勧奨、再勧奨の徹底、がん診療連携拠点病院の指定要件の充足確認の厳格化、拠点病院における緩和ケアの徹底などを勧告いたしました。 十一ページを御覧ください。 昨年十二月に公表した「子育て支援に関する行政評価・監視」につきましては、子供の預かり施設の効果的な整備等を図る観点から、子ども・子育て支援に関する計画の作成状況等を調査いたしました。 その結果に基づき、地域の実情に即した計画作成の推進、小規模保育施設等の整備の推進などを勧告いたしました。 十二ページを御覧ください。 本年一月に公表した「発達障害者支援に関する行政評価・監視」につきましては、発達障害者に対し、各ライフステージを通じた切れ目のない支援の充実を図る観点から、保育所、学校現場を含む都道府県、市町村の取組状況等を調査いたしました。 その結果に基づき、発達障害が疑われる児童の早期発見に資する有効な措置を講ずること、適切な支援と情報の引継ぎなどを勧告いたしました。 十三ページを御覧ください。 本年三月に公表した「申請手続等の見直しに関する調査」につきましては、申請者の負担軽減を図る観点から、戸籍謄本等の提出が必要とされる手続の実態を調査いたしました。 その結果に基づき、申請手続等における戸籍謄本等の提出の見直し、相続時に提出する戸籍謄本等の返却の推進を勧告いたしました。 以上に加え、「イノベーション政策の推進に関する調査」や、内閣官房と共同で実施した「国家公務員の働き方改革を推進するためのテレワーク・リモートアクセス環境整備の実態調査」に取り組み、その結果に基づき関係府省に通知いたしました。 御説明は以上でございます。本委員会の御審議に行政評価機能が一層資するよう今後とも取り組んでまいりますので、何とぞよろしくお願いいたします。
○委員長(佐藤信秋君) 以上で説明の聴取は終わりました。 行政の活動状況に関する件について質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○徳茂雅之君 自由民主党の徳茂雅之です。 本日は、質問の機会を与えていただき、委員長を始め与野党の理事の皆様には厚く御礼申し上げます。本委員会での質問は初めてであります。よろしくお願いいたします。 では、早速質問いたします。 先ほど大臣からも御説明ありましたとおり、各府省の行政運営の適正化あるいは効率性を確保し、国民の声をしっかりと行政に反映させていくためには、まず、一義的に各府省庁が自らその評価を行い、次の企画立案、施策に役立てていく、これは当然のことでありますけれども、やはり総務省が横断的に各府省の取組、政策の客観性、統一性、これをしっかり評価することが大事であります。そして、行政組織内における行政評価、これに対して、国民の代表者であります議会、つまり我々がしっかりと審議を行うこと、これはまさに熟慮の府たる参議院の役割としても極めて大切なことだ、このように考えております。 このことは、本委員会が発足するに当たり、二十年前に国会法の一部を改正する法律案の趣旨説明におきまして、参議院に期待される行政監視機能を向上させるため、オンブズマン的機能を備えた行政監視のための委員会を参議院に設置するものでございますとされていることからも明らかであります。 そこで、まず政策評価制度についてお伺いいたします。 本委員会におきましては、二年前の平成二十七年七月六日に政策評価制度に関する決議を行いました。平成十七年に行った政策評価制度の見直しに関する決議以来十年ぶりの決議だというふうに聞いております。 決議には、政府において、国民目線に立って行政について不断の見直しを行うとともに、国民への説明責任を果たす観点から、今後とも、政策評価制度の実効性を高め、国民の行政への信頼向上を図るため、次の事項について適切な措置を講ずべきであるということで、八項目の決議を行っております。 主な内容につきましては、例えば、事前評価、事後評価の徹底、目標管理型政策評価の目標、指標の改善、分かりやすい政策評価の推進、総合評価における評価手法の開発や外部シンクタンクの活用、総合性、統一性確保の充実強化、客観性担保評価の見直し、改善、地方創生諸施策の調査、検証、地方公共団体におけるPDCA活用のための情報提供、こういった八項目になっております。 まず、これらについて、いずれも政策評価制度がしっかりと機能するために極めて重要な項目、決議だというふうに承知しておりますけれども、政府での対応は今どのような状況になっているのかということについて伺います。
○政府参考人(讃岐建君) お答えいたします。 政策評価制度に関する平成二十七年七月の決議を受け、各府省及び総務省においてそれぞれ取組を行っているところであります。 政策評価の推進を担う総務省における取組の例を申し上げますと、事前評価、事後評価の徹底、また目標管理型政策評価の目標、指標の改善及び分かりやすい政策評価の推進について、平成二十八年度に、政策評価審議会において、目標に対して因果関係が明確な測定指標を設定することなどを盛り込んだ目標管理型の政策評価の改善方策等を取りまとめ、各府省に提示したところであります。また、地方公共団体に対する情報提供について、国の機関及び地方公共団体の職員等を対象に研修等を実施し、評価手法等に関する情報の提供を行っているところであります。 今後も引き続き、決議の趣旨を踏まえ、政策評価の質及び実効性の一層の向上を図ってまいりたいと考えています。
○徳茂雅之君 どうも御説明ありがとうございます。 今、目標管理型の政策評価につきまして局長から御説明ありました。これにつきましては、同じ事業評価の仕組みであります行政事業レビュー、これとのある意味役割分担、すみ分け、連携というのが極めて重要だと、このように考えております。 事前に御説明をいただきまして、政策評価の評価シート、評価書と行政事業レビュー、これのレビューシートとの連携をきっちり図っていますよ、各省庁との連携を図っていますよという御説明をいただいたのでありますが、やはり行政の重複、こういったものがないように、無駄がないようにこれからもしっかりと連携に努めていただきたいと、このように考えております。 政策評価につきましては、いわゆる行政プロセスのPDCA、Pにつきましては企画立案、Dは実施、Cは政策評価、それをまたAということで反映させていく。このサイクルをしっかり回していくための鍵になるのがやはりC、チェックであります行政評価だろうと、このように考えております。この行政評価を次の行政に対してしっかり反映させていくアクション、これができていなければまさに絵に描いた餅になるなと、このように感じております。そのためには、総務省と各府省とのやはり連携というのが極めて大事だろうというふうに思います。 総務省、各府省と対比しても、例えば人員面での問題、情報量、専門性ということで、それぞれの行政分野については若干不足するかもしれませんけれども、逆に、一方で多くの経験、ノウハウ、あるいは各府省横断的ないろんな知見を逆に総務省については有しているなというふうに感じておりますので、ある意味、行政組織における内部監査人、企業でいけば内部監査人を置いておりますけれども、その役割をしっかりと果たしていただきたい、このように考えておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。 続きまして、行政評価局調査につきましてお伺いいたします。 先ほどありましたとおり、総務省では、毎年テーマを決めて、各府省の業務について十数件の調査を行って勧告を行っているということでございます。そこでお尋ねしますけれども、各調査テーマの選定につきまして、その時々の時代の要請に応じたタイムリーなもの、こういったものにすべきだと考えておりますが、どのようなプロセスでテーマを選定されるのか、伺います。
○政府参考人(讃岐建君) 毎年度の行政評価局調査の選定に当たりましては、内閣の重要政策等の動向や地域の課題に関する情報を幅広く収集するとともに、各方面の有識者から成る政策評価審議会の審議やパブリックコメントの実施を通じ、調査テーマが時々の要請に応じたタイムリーなものとなるようにしているところであります。 平成二十九年度におきましては、先ほど大臣からも御説明いたしましたとおり、女性活躍の推進など新たに十三の調査に着手することとしております。さらに、必要な場合には、年度当初に定めたテーマに限らず臨時、機動的な調査を行うこととしております。 今後とも、我が国が直面する課題の解決に資する調査や、国民、社会のニーズを踏まえた調査に取り組んでまいりたいと考えています。
○徳茂雅之君 どうもありがとうございます。 それで、行政調査を行い、それを勧告すると、そうすると、勧告を受けた府省が今度は行政に反映させていく、例えば改善を行っていくということで、それをどのように行っていくかというフォローアップが必要だろう、このように思います。 総務省では、勧告した後、六か月後、それから一年六か月後の二度にわたってフォローアップを行っているというふうに聞いておりますけれども、そういう形でしっかりフォローアップを行う中で、それでも改善されないようなケースがあるのかどうか、もしあれば、それはどういう理由によって改善されないのか、難しいのか、この点について伺います。
○政府参考人(讃岐建君) 勧告に基づいて講じられた措置につきましては、勧告からおおむね六か月後及び一年六か月後に関係府省からその内容について報告を求め、勧告の趣旨の徹底が図られているか確認し、その結果を公表しております。 二回目のフォローアップの段階では、法令改正などが必要なため改善措置の実施に時間を要しているものが一部あるものの、それらの場合でも、改善の方向を確認しており、基本的に勧告に沿った措置が講じられているものと考えております。
○徳茂雅之君 そういう面で、きっちりとフォローアップの方もお願いしたいというふうに思います。 先ほど説明がありましたテーマ調査以外に、総務省では、その時々の課題に応じたアドホックな調査、あるいは、総務省には本省以外に地方組織として地方管区行政評価局あるいは行政評価事務所、こういったところで地域計画調査という、ある意味、地域に密着したいろんな調査を行っておられます。 私、実は議員になる前に日本郵便株式会社の近畿の支社長、近畿エリアの支社長をしておりました。ちょうど三年前に近畿大阪に赴任をいたしました。その際に、これは九州管内、九州管区の調査でありましたけれども、郵便ポスト、皆さんが町中で郵便を出される郵便ポスト、これが利用しやすく、安全にしやすく配置されているのかどうかという調査を九州管区行政評価局で行われたということであります。 どういうことかといえば、例えば、郵便を出すときにポストの投函口が、普通なら歩道の側に付いている部分が車道側に付いていて出しにくいとか、歩道の真ん中に郵便ポストが設置されていて、例えば歩行をするのに危ないとか通りにくい、いろんな御意見があり、そういったところについての調査を行われたということであります。 これは九州管区、九州エリア内の調査でありましたけれども、結果的には、全国には十八万本を超える郵便ポスト、これが設置されております。これらについても改めて調査をし直すということで、結果的に、その地域、エリアのそういった調査が全国のいろんな改善につながってきているというケースがあるということでございます。 このように、総務省のある意味地方組織である管区行政評価局あるいは評価事務所から、地域に密着した様々な声を端緒とした調査が全国レベルの改善に結び付いてくると、これは本当にすばらしいことだなというふうに思っております。 さらに、草の根レベルで国民の声を行政に反映させる、生の声を吸い上げる仕組みとして、先ほどありました行政相談、これもあります。これについて少しお伺いしたいと思います。 事前に行政相談についてお伺いしたところ、全国には五千人の行政相談委員の方がいらっしゃって、ある意味、ボランティアで、地域で発生する地域住民からのいろんな行政に対する声、こういったものを聞いて、それが端緒となって最終的にいろんな改善に結び付くというケースがあるということでございました。先ほどの九州エリアの郵便ポストの関係も、実は、これ行政相談を端緒としているというふうに聞いております。 同じ国民の声を聞くという面では、消費者行政につきましては、例えば全国三千人、消費生活相談員という方がいらっしゃいまして、その声をPIO―NETというシステムに入れまして、年間百万件近い、九十万件ぐらいのいろんな消費者の声をその中に登録し、行政や企業や一般の国民にもそれをオープンにしているというような形で、非常に役に立っているケースがございます。 そこでお尋ねしますけれども、行政相談においては毎年どの程度の相談があって、それがどのように政策に反映されているのかということについてお伺いします。
○政府参考人(讃岐建君) 総務省では、全国で五十か所の出先機関と約五千人の行政相談委員とが協力し、国民の皆様からの行政に関する様々な相談を受け付け、行政の制度、運営の改善につなげており、ここ数年は毎年約十七万件の相談が寄せられているところであります。相談の内容といたしましては、児童生徒、高齢者、障害者の安全確保、各種申請手続の合理化など、社会的弱者の保護や国民生活に身近な相談が多くなっているところであります。 受け付けた相談は、その内容に応じ、具体的に改善が必要と考えられるものについては、現地確認や関係機関の意見を聞いた上で改善方策のあっせんを行うなど、速やかな解決に努めております。また、現行の制度や運営上のルールがネックとなって解決が困難な苦情については、有識者で構成する行政苦情救済推進会議にお諮りし、その意見をいただきながら、制度改正等を含めたあっせんをするなど、国民の立場に立った解決に努めております。 総務省といたしましては、今後とも、行政相談機能を通じて個々の苦情の迅速な解決を図るとともに、国民の立場に立った行政の制度運営の改善に努めてまいりたいと考えています。
○徳茂雅之君 どうもありがとうございます。 国民の行政に対する生の声、これをしっかりと各府省の行政に取り込んでいくこと、これは、すなわち霞が関、今いろいろ、国民からも批判といいましょうか、そういった目で批判されがちな霞が関の行政に対して逆に国民の信頼構築にしっかりつながってくるというふうに思いますので、そういう草の根、生の声の行政への反映、これを是非しっかりお願いいたします。 以上、政策評価、それから行政評価局調査、それから行政相談の三点についてお伺いいたしました。この三つの機能がやはり一体となって有効に機能すること、これが私ども議会の行政に対する、ある意味、行政監視、行政評価の機能の実効性を高める上で極めて重要だというふうに思っております。 そこで、最後、大臣にお伺いしますけれども、総務大臣には、是非、各府省の大臣に対して決して遠慮することなくしっかりと取り組んでいただきたいな、このように思いますけれども、決意のほどをよろしくお願いいたします。
○国務大臣(高市早苗君) 今、徳茂委員がおっしゃってくださいました総務省の三つの機能と行政監視委員会を始めとする立法府による行政監視機能が相まって行政運営の改善を図るということは、国民の行政に対する信頼を確保するために極めて重要だと考えております。 総務省は、政府部内にありましては、各行政分野の政策を所管する担当府省とは異なる立場に立って行政上の課題をチェックする役割を担っております。閣議のときに私から各大臣に勧告を行い、まあ時々にらまれるんですが、私が総務大臣に対して勧告をするというケースもあり、行政評価局は、総務省とも異なる立場に立って、非常に冷静に評価をしていただいていると、そう考えております。 幅広い国民の皆様のニーズを踏まえながらしっかりと調査に取り組んでまいりますし、行政相談につきましては、全国約五千人もの行政相談委員の皆様としっかり連携しながら、国民の皆様の行政に対する意見、御要望を受け止めるとともに、一つ一つの苦情の解決を図っています。しっかりと国民目線で行政の質の向上につながる改善を各府省に対してしっかりと促してまいります。
○徳茂雅之君 どうもありがとうございました。 続きまして、先週決算委員会で質問しようと思ったのに時間がなくてできなかった4K、8Kテレビの普及についてお尋ねしたいというふうに思います。 日本再興戦略におきましては、今の2Kテレビ、ハイビジョン、このスタンダードのテレビを二〇二〇年までに4K、8K、これを五〇%まで世帯で視聴できるようにしようというふうに目指すとされております。二〇二〇年といえば、東京オリンピック・パラリンピック、その前の年にはラグビーのワールドカップが開かれるということであります。 これまでも、オリンピックなどのスポーツの祭典、これは放送分野での我が国の技術を高める上で極めて重要な舞台であったというふうに思います。例えば、一九六四年の前の東京オリンピック、これは最初にカラー放送、これが本格的に実用化されたときであります。それから、八八年のソウル、これは初めてハイビジョン中継され、九八年の冬季長野オリンピックにつきましては、ほとんどの種目がハイビジョンで放送されたということであります。それから、二〇〇〇年にデジタル化が進み、二〇〇二年には日韓のワールドカップ、これがハイビジョン、デジタルハイビジョンで中継されたというのは記憶に新しいところでございます。こういった形で、新技術の普及のためには本当に魅力的なコンテンツ、これが重要であります。そのためには、やっぱりオリンピックといったスポーツの祭典、これはまさにうってつけだろうと、このように思っております。 そして、ワールドカップ、それからオリンピック・パラリンピックには、当然、選手団、観光客、コーチ以外に、例えば多くのメディア関係者も来日されるというふうに思います。メディア関係者の皆さんが宿泊されるような施設、ホテル、あるいは街角のディスプレーだとかパブリックビューイング、あらゆるところで4K、8Kという極めて高精細な放送を見ることができれば、ある意味、競技場に行かなくても、毎日行けなくても競技に対して満足できるような、そういった迫力ある映像、満足できるようになると思いますし、何より、我が国の高い技術、これが本当に日本全体に普及しているなということを実感いただける、このように思っております。 そこでお尋ねしますが、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピック、これを4K、8Kという高精細の放送、これでなされることにつきましてどのような期待を政府としてお持ちなのか、お伺いいたします。
○政府参考人(多田健一郎君) お答えをいたします。 二〇二〇年の東京大会は、世界中から日本に注目が集まりますとともに、多くの外国人の方々が日本を訪れることとなるものと考えてございます。 そういった中で、このような機会を捉えまして、4K、8K技術によって高精細で立体感、臨場感ある映像を提供することができますれば、より迫力ある競技の模様を多くの皆様にお楽しみいただけますとともに、日本の技術力をアピールする絶好の機会になるものと考えているところでございます。 以上でございます。
○徳茂雅之君 ありがとうございます。 この4K、8Kの技術というのは、もちろん放送分野は当然でありますけれども、例えば医療や教育、いろんな部分に活用も可能ということで、当然、国内への経済波及効果、これも極めて高いというふうに思います。政府としてどの程度の経済効果を見込んでいるのか、お尋ねします。
○政府参考人(南俊行君) お答えを申し上げます。 4K、8Kの経済波及効果でございますが、検討会の中での試算によりますれば、二〇二〇年の時点におきまして全世帯の約五〇%に4Kテレビが普及をすると、それに伴いまして、放送コンテンツ、これに関連する機材を含めまして放送関連市場だけでも約二兆円、その周辺の他の産業分野への波及効果といたしまして、医療の分野でありますと、次世代の内視鏡の開発等に使われるということで約三千四百億円、それから、教育、学術分野、博物館ですとか美術館への普及ということで約三十億円、これを全体で合計いたしますと三兆円程度の市場規模になるというふうに見込んでいるところでございます。
○徳茂雅之君 ありがとうございます。 経済波及効果、我が国が目指すアベノミクス六百兆円に対しても極めて効果は高いというふうに思います。よろしくお願いします。 二〇〇〇年以降のデジタル化の際に、特に地上波のデジタル化のときによく当時議論になりましたのが、地方放送局の設備投資のコスト負担の問題、あるいはこれからアナログ施設では見られなくなるなという停波の問題ということで、当時、私は担当ではありませんでしたけれども、随分国会でも議論になり、行政としてもかなり難しいさばきをされたなというふうに思っています。 今回、4K、8Kに際しましても、例えば、放送事業者ももちろん新しい設備投資を行わなきゃいけない、あるいは、私、技術のことはよく分からないんですが、電波には右巻きと左巻きがあって、左巻きの電波についてはまだ受信できるような施設設備がない、あるいは家庭の中で電波が漏えいするというような問題もあるようでございます。そういうようないろんな面で、これから解決しなきゃいけない課題があると聞いております。 これから4K、8Kの普及に向けて、放送事業者、機器メーカーだけの努力だけではなくて、政府のいろんな支援策も必要だというふうに思いますが、どのような取組を行っているのか、お伺いします。
○政府参考人(南俊行君) お答え申し上げます。 4K、8K、そのうち特に8Kの衛星放送につきましては、来年十二月から、まさに我が国が世界に先駆けて実施をするものでございます。 2Kに加えましてこの4K、8Kの新しい技術を普及させるという意味で、その4K、8Kならではのコンテンツの魅力というものをまず国民の皆さんに多く御体験いただく必要があるというふうに考えてございます。 先ほど先生から御指摘いただきましたとおり、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックの機会をつかまえまして、パブリックビューイングと言われるものの機会を増やしていくことが必要であるというふうに考えてございまして、それに伴って我が国の技術の粋を見せる、そういう機会を増やすための努力ということに対しまして、政府としてもよくサポートしてまいりたいと思っております。 その上、先生から御指摘いただきましたとおり、今の市販の2Kのテレビでは、あるいは普及している4Kテレビでは当然のようにはその衛星放送は受信できませんので、その放送の受信に必要な機器あるいは視聴方法というものに関しまして十分な周知、広報が重要になってくるというふうに考えてございます。 先般、放送事業者、メーカーに加えまして、家電量販店の皆様方にも御参加をいただく新しい枠組みとして、4K、8Kの放送推進連絡協議会というものを設置をさせていただいたところでございまして、総務省が事務局となりまして、こういった活動をしっかり支えてまいりたいと思っております。 それから、4K、8Kのうちの左旋円偏波を使った放送を受信する際に、一部の旧式の受信設備の場合には、電波が漏えいをしまして、WiFi等ほかの無線局に混信を与えることが分かってまいりました。そのため、先ほど電波法の改正を可決、成立をしていただきまして、電波利用共益費用の使途を拡大をしまして、こうした受信環境整備の支援にも使えるようになったところでございます。 そして最後に、4K、8Kの全国的な普及ということを考えます場合に、ケーブルテレビの果たす役割は非常に大きくなってくるというふうに思っております。このため、大容量の4K、8K番組の伝送というものに適したケーブルテレビの光化を支援するための補助金というものを新設をさせていただいたところでございまして、地方の自治体あるいは第三セクターの事業者に対して、そういう支援措置の活用を是非検討してまいりたいというふうに考えてございます。 こうした様々な支援措置を組み合わせることによりまして、先生御指摘のとおり、二〇二〇年に全国の世帯の五〇%で4K、8Kが実際に御使用いただける環境を実現するためにしっかり取り組んでまいりたいと思っております。
○徳茂雅之君 ありがとうございます。 是非、地上波のデジタル化の際の行政の経験、これをしっかりと生かしていただいて、二〇二〇年に4K、8Kが視聴できるようにお願いしたいというふうに思います。 最後に、ふるさと納税制度についてお尋ねします。 残り時間が僅かになってまいりましたので、若干質問も飛ばさせていただきます。 この四月一日に、総務省ではふるさと納税制度の在り方について通知を出されています。皆様御承知のとおりということで、例えば、金銭類似性が高いもの、あるいは資産性の高いもの、高額のもの、あるいは返礼割合が高いものについてしっかり見直すようにというような、簡単に言えばそういう通知を出しておられます。 そもそも、ふるさと納税制度は、納税者が自らの意思で納税先を選択するということで、税に対する関心を高めるということになります。それから、生まれ育ったふるさと、あるいはお世話になった地域、応援したい地域に貢献するということで、地方を支援するきっかけにもなる、あるいは自治体間が自らの地域の取組を国民にアピールするということで、地域に対する考え方、これをまた改めていくきっかけになるというようなこともありますし、その結果として、我が国でなかなか定着しない寄附制度、これが進んでいくとか、最終的に地域の活性化につながる、地方創生にもつながる、その意義をしっかりと果たせば、極めて意義深いというか役割高いものだと、このように考えております。 平成二十年度に制度を創設して以来、毎年毎年徐々に取扱いが増えてきたわけでありますけれども、平成二十六年度以降、急激にふるさと納税についてはその実績が増えてきたということでありますが、これについての要因についてどのようにお考えか、お尋ねします。
○政府参考人(林崎理君) お答えいたします。 今御指摘のように、ふるさと納税、平成二十七年度の実績額が約一千六百五十三億円でございまして、対前年度比で約四・三倍と伸展しているところでございますけれども、その要因としましては、ふるさと納税制度が国民の皆様に広く認識され定着してきているということ、また、ふるさと納税制度を通じまして、今御指摘あったような、各地方団体が切磋琢磨をして地域の魅力のアピールに努めていること、また、平成二十七年度税制改正によりまして特例控除額の上限が引き上げられたということ、そして同じく、納税者にとって使いやすい仕組みとするため、確定申告が不要となりますワンストップ特例制度が導入されたことといった点がその要因として考えられるところでございます。
○徳茂雅之君 ありがとうございます。 ふるさと納税の制度の本来の意義からいえば、本来は、返礼品を競うのではなくて、各自治体が寄附金をどのように活用して、それがふるさと、地域のために役立っているのかと、これをしっかりPRすること、あくまで返礼品というのは寄附の感謝のしるしであるということにとどめるのが筋だろうと、このように思っております。 一方で、ふるさと納税に関する返礼品を開発するために、地方、企業とか、こういったところがいろんな面で、体制をつくったり人員を確保したりということで、投資もしているなというふうに思っております。 先日の日経新聞でも、寄附金が多い百団体調べてみたら、七十六団体については見直しをすると言っているんですが、残り四分の一については様子見だろうというようなことで報じられております。 今回の件につきましては、時間を掛けるというわけではありませんけれども、今のような地域との関係、こういったものに配慮しつつ、今回の通知によってしっかりと見直していくことが必要だろうというふうに思われますが、今回の通知で本来の意味でのふるさと納税制度の在り方が実現できるのかどうかという見込みをお伺いしたいと思います。
○政府参考人(林崎理君) お答えいたします。 先ほど御紹介いただきました四月の通知におきましても、私どもとしても、そもそも、返礼品の送付を強調してふるさと納税を募集するのではなくて、その使い道について、地域の実情に応じて創意工夫を図りまして、その周知を行ってふるさと納税の募集をしていただく、そういったことが望ましいと考えておりまして、通知でもその旨を明記しているところでございます。 他方で、返礼品の送付につきましては、その過熱が指摘される状況にあるということでございまして先般通知を出したところでございますけれども、その上でふるさと納税の趣旨に反するような返礼品の送付を行っております地方公共団体に対しましては、今般の通知の意義とそこに示したルールにつきまして、ふるさと納税の健全な発展のためにはどうしても必要な対応であるということを御理解いただけるように、総務省として、今後、個別の団体に直接必要な働きかけを行っていくこととしております。こうした取組の強化を通じまして、過度の返礼品競争等について是正を図って、制度の健全な発展が図られるように努めてまいりたいと考えております。 こういったプロセスにおきましては、各地方団体の事情につきましても丁寧にお伺いしながら、その上で、やはり返礼品競争の過熱問題、速やかな是正に向けて見直しを求めてまいりたいと考えているところでございます。
○徳茂雅之君 ありがとうございます。 時間が参りましたので、これで質問の方を終わります。
○那谷屋正義君 民進党・新緑風会の那谷屋正義でございます。 先ほど、高市大臣より、行政監視、行政評価及び行政に対する苦情に関する調査について御報告を受けました。 総務省が各府省の行政運営の現場を国民に成り代わりチェックをし、勧告、あっせん、そして通知等を行う取組につきましては、私も一定の評価をさせていただいているところであります。また、この行政監視委員会は、我々主権者の代行者である政治家が行政活動を専門に監視する唯一と言ってよい重要な機関だと考えております。つまり、国権の最高機関たる国会が行政活動について主権者に代わって監視し、そして真に国民のためにただす極めて重要な委員会というふうに考えるわけであります。 そこで、今般ずっと問題になっております森友学園に関してでありますけれども、総務省の行政評価局として、国民から財務省あるいは国交省の業務に対して苦情、意見、要望等が、そういった要請が直接あった場合、この両者に対して実地調査あるいは行った施策に対する評価、分析等を行う可能性はあるのでしょうか。
○国務大臣(高市早苗君) 一連の学校法人森友学園に関する事案に対しては、関係機関において現在説明がなされているところでございます。 それから、参議院予算委員会の検査要請を受けて会計検査院が検査を実施しており、また、大阪地検において捜査中であるということでございますので、まずは、これらの取組を見守ってまいりたいと思っております。 なお、評価、監視の目的でございますが、個別の事案の問題点を明らかにするということではなくて、行政の制度、仕組みそのものの改善にございます。このため、本件についての対応状況の過程で指摘された論点などを踏まえて、必要がある場合には、国有財産の管理などに関する行政運営の実態について調査を検討するということも考えられます。 また、毎年度の調査テーマは、内閣の重要政策などの動向や地域の課題に関する情報を幅広く収集して、政策評価審議会の審議やパブリックコメントの実施を通じて、行政評価等プログラムにより決定をしております。しかし、必要な場合には、年度当初に定めたテーマに限らず、臨時、機動的な調査を行うことはあり得ます。 現段階では、関係機関における説明や会計検査院における調査が実施されておりますので、これらの対応を見守っているところでございます。
○那谷屋正義君 可能性がないわけではないということだったというふうに思います。 先ほど、閣議の中でこの行政監視、行政評価のプログラムのことについて各府省の大臣にお話をするとにらまれることもあるなんという、そんなお話がありましたけれども、これから、もっともっとここのところはにらまれて結構だと思いますので、そのぐらいしっかりとやっていただけたらというふうに思いますし、ここは別の委員会でして、総務委員会でしたけれども、同じような質問をさせていただいたところ、大臣は、全体的に政府あるいは与党に緩みが出ているんじゃないか、おごりが出ているんじゃないかという御批判をいただいていることは承知をしている、少なくとも、私自身、誠実に職務に取り組み、真剣に働き、何とか結果を出すことで国民の皆様、また議員の先生方の信頼を取り戻してまいりたいと、こういうふうに言われました。 総務大臣自身のひたむきさというのはそこからうかがえるわけでありますけれども、先ほどありましたように、総務大臣、総務省のみならず、やはり行政全般にわたってその役割もありますから、是非、それを実施をしていく可能性を追求していただけたらというふうに思っております。 さて、この国会はいわゆる働き方改革というふうな形で始まったというふうにされています。今日は、そういう意味では、厚労大臣、そして今日直接質問をさせていただく文科大臣にもおいでをいただきました。 政府は、非正規労働の処遇改善、長時間労働是正に踏み込むこととしているというふうに私も理解をしておりますけれども、非正規公務員についても、総務省は、実態調査に基づいて研究会を立ち上げ、地方公務員法などの改正案を今国会に提出をされたわけであります。まさに、実態を国民に公表し、国民的議論を得て法案が提出されたわけであります。 ところが、非正規教員の実態について、二〇一二年以来、文科省は実態調査を国民になかなか公表していただけておりません。これでは、処遇が低いとかあるいは雇用が不安定というふうに指摘をされている非正規教員の現状を広く国民に知らせてはいないということになるのではないかというように思うわけであります。これでは、国民全体の共通の課題として教育をより良くしようという機運づくりにもならないのではないかと。 教育現場の実態を国民に伝えるという観点から、実態を公表する必要があるのではないかと思いますけれども、文科大臣の答弁を求めます。
○国務大臣(松野博一君) お答えをいたします。 教職員も含めた地方公務員の臨時・非常勤職員に関する実態調査を総務省で実施をしております。その中で、臨時・非常勤職員を任用している地方公共団体のうち、御指摘のいわゆる空白期間の設定の見直しにつきましては、全体の約半数が対応済み又は今後予定ありと回答しておりますが、予定なしも四割程度存在しているものと承知をしております。 臨時・非常勤教職員につきましては、地方公務員法等の関係法令において、新たな任期と前の任期の間に一定の期間を置くことを直接求める規定は存在をしておりません。 文部科学省としては、任用されていない者が空白期間に事実上業務に従事することがないよう、臨時・非常勤職員の任期につきましては、職員に従事させようとする業務の遂行に必要な期間を考慮して適切に定めるよう指導しており、引き続き、各教育委員会の指導の徹底に努めてまいりたいと考えております。
○那谷屋正義君 今、大臣からはいわゆる空白期間についてお答えいただきましたけれども、私が申し上げたのは、例えば正規教職員がどのぐらい各都道府県にいらして、そして、そのうち臨時・非常勤の方がそれぞれどのぐらいいるのかという、そういったことについての公表が実はされていないわけでありまして、これだと、例えば保護者の立場からすると、自分の子供の担任は一体非常勤なのか臨任なのか、私たちのクラスの担任は非常勤だったんでしょうかというふうなこと、そういったことをやっぱり理解する必要が、いい悪いは別にしてあると思うんですね。 ですから、やっぱりこれは公表していただくべきだというふうに思うんですけれども、その点、改めていかがでしょうか。
○政府参考人(藤原誠君) お答え申し上げます。 先ほど大臣からお答え申し上げましたとおり、現在、総務省の方で教職員も含めた地方公務員に関する実態調査がされているところでございまして、私どもとして別途調査する予定は今のところございません。
○那谷屋正義君 お手元にお配りをさせていただいた資料の一を御覧いただけたらと思います。 公表するというか、そういう予定はないというお話でありましたけれども、実は、これ文科省さんからいただいた資料なんですけれども、公立小・中学校の正規教職員、臨時的任用教職員、非常勤講師数(都道府県別、二十八年度)というふうに出ておりまして、これをやはり私はもっともっと知っていただくべきだろうというふうに思うわけです。 私はこれを更に分析をさせていただいて、それぞれがどのぐらいの割合を占めるのかというふうなことも計算をさせていただきました。数的なものよりもやっぱり比率の方が問題なんだろうというふうに思いますけれども、特に三重県は、二二・九%ということで二三%、つまり四人から五人に一人はもう非常勤、臨任になっていると。続いて多いのが沖縄県でありまして、沖縄も、一九・三ということで、約五人に一人が非常勤、臨任になっているわけであります。都道府県によってこのように臨時・非常勤教職員の割合には違いがあるわけですけれども、どの地域でも、臨時・非常勤教職員がいなくては学校の教育活動がうまくいかないというのがもう実態になっているわけであります。 今国会で成立した地公法、地方自治法の改正によって任用が整理されて、非常勤職員への期末手当の支給が可能になりました。今後三年間を目途に自治体での整備がされることとなるわけでありますが、勤務労働条件や報酬や手当も含めた賃金等に、これは地域の財政状況というのが非常に懸念されますけれども、その地域間格差が出ないように、総務省として説明や支援等を行っていただきたいと考えておりますけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(高原剛君) 御答弁申し上げます。 今般の改正法は、地方公務員の臨時・非常勤職員について一般職の会計年度任用職員制度を創設し、任用、服務の適正化を図るとともに、あわせて、勤務条件面においても、国家公務員の取扱いとの均衡を踏まえ、期末手当の支給を可能とするものでございます。 総務省といたしましては、法改正の趣旨や地方公務員法に定める均衡の原則などの給与決定原則を踏まえ、それぞれの地方公共団体において、期末手当を含めて給与が適切に支給されるべきものと考えております。その旨助言を行ってまいります。 以上でございます。
○那谷屋正義君 しっかりと行っていただきたいというふうに思いますし、また、今後自治体での整備に当たって、あるいは説明会等々に向けてマニュアルが作成されるというふうに伺っております。 重ねてになりますけれども、法改正では入り込めなかった地公法二十二条の三の臨時的任用職員のいわゆる空白期間に業務を行っている実態が改善されるように、適切な任用を求めることをこのマニュアル等で示していただくことが大事だというふうに思っておりますけれども、その作成に当たって、地公法二十二条の三、臨時的任用職員は学校現場に多くいることから、文科省とも協議をしながら作成をしていただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(高市早苗君) 臨時・非常勤職員の任期につきましては、基本的には各地方公共団体において適切に判断されるべきものでございますけれども、退職手当や社会保険料等の負担を回避するために空白期間を設けるということは適切とは言えません。また、任用されていない者を事実上業務に従事させた場合に、公務上重大な問題を生じるおそれもございます。 去る五月十一日に成立をさせていただきました改正地方公務員法において、会計年度任用職員についての、国の期間業務職員についての人事院規則も参考として、各地方公共団体が任期を定める際に職務の遂行に必要かつ十分な任期を定めるものとする配慮義務を明確に規定し、いわゆる空白期間の適正化を図ることとしています。また、臨時的任用職員についても、空白期間に関する考え方は会計年度任用職員と同様でございます。 総務省は、今後、任期の設定が適切に行われ、不適切な空白期間の是正が図られますように、今年の夏までに作成しますマニュアルにその旨を記載し、地方公共団体に対してしっかりと助言を行ってまいります。
○那谷屋正義君 ありがとうございます。是非お願いをしたいというふうに思います。 続きまして、今日も決算委員会行われておりますが、五月八日の参議院決算委員会で、我が会派の斎藤議員の質問に対しまして松野文科大臣は、教員の働き方改革を進めるために中教審に諮問するというふうに答弁をされました。大臣のこの御決断には大変感謝を申し上げたいというふうに思うわけであります。 さて、四月二十八日に、文科省が一六年度に実施した教員勤務実態調査の速報値が公表されました。今回の調査結果を一か月当たりに換算すると、時間外勤務時間数は厚労省が過労死の労災認定の目安としている月八十時間を平均値で優に超えており、教員の勤務実態は限界に達していると言わざるを得ません。 この結果について、改めて、率直にどのように捉えられているか、文科大臣にお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(松野博一君) お答えをいたします。 御指摘の調査結果の速報値では、いずれの職種においても十年前に実施した調査の結果と比較して勤務時間が増加をしているなどの結果が示されているところであります。業務内容別に見ると、平日については、小中学校共に授業、授業準備など授業に関する時間が、土日については、中学校においての部活動の時間が特に増加をしております。 これまでも、教育の質の向上や様々な教育課題への対応が求められる中、教員の長時間勤務に支えられている状況は既に限界が来ていると認識をしていましたが、今回の調査結果の速報値において、改めて看過できない大変深刻な事態が客観的なエビデンスとして裏付けられたと考えております。
○那谷屋正義君 ありがとうございます。その認識は、共有化というか同じだというふうに思っております。 また、そういったことを予想してか分かりませんけれども、昨年の六月の十三日に文科省で、学校業務の適正化に向けてということで様々通知等々をいただきました。 非常に画期的な通知だったというふうに思いますけれども、しかし、今のこの多忙化を解消するには、業務改善だけでは実は駄目なんです。もう一つ大事なのは、この勤務時間というものについてしっかりとこれは適正化していくということが私は求められているというふうに思いますので、併せてやっていただくことが大事だというふうに思います。 その中で、給特法第五条に、公務員の健康及び福祉を害しないように考慮しなければならないと規定があります。この趣旨について御説明をください。
○政府参考人(藤原誠君) お答え申し上げます。 委員お尋ねの給特法の第五条でございますが、地方公務員法の五十八条第三項、それから労働基準法の三十三条第三項の規定の読替えを定めているものでございます。 その趣旨は、公立学校の教育職員につきまして、公務のための臨時に必要がある場合においては時間外勤務を命じることができるようにするとともに、時間外勤務があくまで正規の勤務時間の例外であることから、過度な勤務にならないように、健康及び福祉の保持について考慮することを付け加えたものでございます。
○那谷屋正義君 教員の業務というのは、もう言うまでもなく特殊性があるわけでありまして、どこまでが業務なのかという、そういう境界線がはっきりしていないためについつい長時間労働になってしまうということが特徴として挙げられると思います。 そこで、給特法第五条では教員の健康及び福祉に考慮しなければならないという規定が設けられているというふうに思いますけれども、もう一度、そういう認識でよろしいでしょうか。
○政府参考人(藤原誠君) お答え申し上げます。 学校教育は、教員と児童生徒との人格的な触れ合いを通じて行われるものでございまして、教員が心身共に健康を維持して教育に携わることが極めて重要であるというふうに考えております。 しかしながら、先ほど大臣から御答弁申し上げましたとおり、今回の勤務実態調査によれば、まさに看過できない深刻な事態が明らかになっているところでございまして、このような教員の長時間勤務に支えられている学校の状況は既に限界が来ているという認識を文部科学省としては持っているところでございます。 委員御指摘のとおり、教員の健康維持のためには、勤務時間の適正な把握を行い、業務負担を軽減することは当然として、教員のメンタルヘルス対策の充実にも取り組む必要があるというふうに考えておりまして、文部科学省といたしましては、この給特法第五条の規定の趣旨を踏まえまして、各教育委員会における取組が充実するように引き続き指導していきたいというふうに考えております。
○那谷屋正義君 ということは、今回の勤務実態調査で、教員の健康及び福祉に考慮しなければならないという給特法第五条の趣旨と教育現場での実態とに乖離があって、それが甚だしいということを文科省として、大臣もお認めになっているというふうに思うわけでありますけれども、改めて、大臣の率直なお考えをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(松野博一君) 先ほど御答弁させていただきましたとおり、今回の実態調査の速報値において、学校現場で先生方が大変な長時間勤務になっているということは、もうこれは共通する見解であろうかと思います。 この第五条に関しては、先ほど申し上げましたとおり、公務員の健康及び福祉を害しないように考慮しなければならないということであり、特に教師は、子供たちとの人間的な触れ合い、人格同士の触れ合いにおいての教育というのの重要性があります。その観点からおいても、この教師の長時間労働をしっかりと是正をして、そして教育の質を上げていかなければならないという思いであります。
○那谷屋正義君 お配りさせていただきました資料の二を御覧ください。 これは、ウエブサイトの方から抜粋したものでありますけれども、学校現場の方ではなくて、全く一般の方から出てきた御意見であります。 例えば、私の職場に高校の理科の教諭と御結婚された女性がいらっしゃいますが、旦那様の毎日の帰宅が二十三時、それから中間試験の問題作りやら部活動指導やらで八連勤。来週のどこかで時間休取りたい希望があるけれども、取ったらまた業務の山があるから微妙ということであります。これでは、新しい指導方法を研究したくてもできる時間がありません。新婚の彼女も大変心配しています。先生たちにも家族がおられます。人間的に豊かな生活をしてこその教育指導だと思います。 あるいはその次、これは、未来を担うというか、まだ教員養成の方だと思いますが、教育学部卒業のため、知り合いはたくさん教師になりましたが、みんな疲弊し切っています。そのような方が日本にたくさんいらっしゃると思うと恐ろしいです。教師は尊敬される立場、教師の労働環境を考えないことは教育を絶やすことと似ているような気がします。 働き過ぎると視野が狭くなります、そんな人に教育を任せたくない、これは保護者からの御意見だというふうに思います。 こうしたことが多々ネットでも紹介がありますので、是非、この問題はやはり解決をしていかなければいけない問題だというふうに思います。 こうした声を今目にされて、大臣、どんなふうにお考えでしょうか。
○国務大臣(松野博一君) これはもう那谷屋先生一番御存じのことでありますが、日本の教育の特質といいますのは、学習指導、またしつけ、運動を含め、総合的に生徒児童に対して指導していくというのが日本の教育指導の特質であり、これは世界的にも大変高く評価をされ、実際に成果を上げてきている指導方法であるかと思いますが、しかし、それが教師の長時間労働によって支えられているということでは、これは日本の教育制度の持続可能性に関する重大な問題であると認識をしております。 また、教師の方々の労働者としての側面から考えても、適正な労働の中にあって教育の質を高め、また個々の先生方の生活も充実をしていただくと。その方向に向けて、今、各種ヒアリングを文科省であさってから始めますけれども、その結果を受けて、中教審の場においてしっかりと議論を進めていただきたいと考えております。
○那谷屋正義君 併せて、是非お願いしたいというふうに思います。 先ほど申し上げましたように、学校現場の教職員の多忙化を解消する上では、業務改善をするということと、それから勤務時間についてしっかりと管理をするということが今求められているというふうに思います。ただ、私の教員経験時代、あるいは今も、学校現場では管理職によります勤務時間の把握がきちんとされていないというのが実態であります。勤務時間をきちんと把握することが長時間労働是正のまず原点、出発点だというふうに思います。 まず、厚労省に確認をいたします。 厚労省が今年一月二十日に出した労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドラインの中で、使用者は賃金台帳を適正に調製しなければならないことが書かれていますが、賃金台帳というのには具体的に何を記入しなければならないんでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 労働時間の正確な把握を徹底するために、これまで厚生労働省の地方労働局向けに示しておった通達を改めまして、使用者向けに、今御指摘をいただきました労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドラインと、こういう形で新たにこの一月二十日に発出をさせていただきました。 このガイドラインにおきましては、使用者は、労働基準法第百八条及び同法施行規則第五十四条によりまして、労働者ごとに、労働日数、労働時間数、休日労働時間数、時間外労働時間数、深夜労働時間数といった事項を賃金台帳に適正に記入をしなければならないこと、そして、賃金台帳にこれらのことを記入していない場合や故意に賃金台帳に虚偽の労働時間数を記入をした場合は、労働基準法第百二十条に基づきまして、三十万円以下の罰金に処せられることを明記をしているところでございます。
○那谷屋正義君 ありがとうございます。 なぜ今のようなものについて塩崎労働大臣直々にお答えいただいたかというと、お隣に座っていらっしゃいます文科大臣にも今の項目をしっかりと頭にたたき込んでいただきたいということが私の趣旨でございまして、本当にありがとうございます。 もう一つ、塩崎労働大臣、厚労省でも結構ですが、このことというのは、公立学校の教員や学校事務職員等についてもこの労基法百八条や百二十条は適用されると考えていいんでしょうか。
○政府参考人(土屋喜久君) お答え申し上げます。 公立学校の教職員につきましては、今お話のございました労働基準法第百八条及び第百二十条は適用がございます。
○那谷屋正義君 適用されるということでありますから、そこで文科省にお伺いをしたいというように思います。 公立学校の教員や学校事務職員などについても今言われたように適用されるということでありますけれども、公立学校の教員や学校事務職員などの労働時間数や時間外労働時間数等を賃金台帳に記入しなければならないわけであります。このときに、冒頭、塩崎大臣が使用者はというふうに言われましたけれども、使用者というのは一体どなたになるんでしょうか。
○政府参考人(藤原誠君) お答え申し上げます。 労働基準法第十条におきまして、使用者とは、事業主又は事業の経営担当者その他その事業の労働者に関する事項について事業主のために行為を行う全ての者をいうとされております。 したがいまして、委員お尋ねの労働基準法第百八条における賃金台帳を調製することとなる使用者でございますが、これは、服務監督権者である市町村教育委員会や所属職員を監督する学校長がこれに該当すると考えられます。
○那谷屋正義君 教育委員会か学校長ということでありますが、またこれも古い話にと怒られてしまうかもしれませんが、私が学校にいたときに、この賃金台帳なるものは一切見たことがありません。私が学校に出勤をすると、出勤簿というのがありまして、そこに出勤しましたという印鑑を押すだけでございます。帰りには、いつ何時に帰ったなんというのは全くそこにはありません。ただし、年休を取ったとかそういうことになると、そこで後ほど記載をするということにはなりますけれども、それ以外はありません。 いわゆる賃金台帳というものがない中で勤務時間の把握というのはやはりできていないというのが実態だというふうに思いますけれども、文科省はそのことを把握されているでしょうか。
○政府参考人(藤原誠君) お答え申し上げます。 委員御指摘のとおり、学校現場におきましては、労働基準法の規定に基づき、労働時間等を記録した賃金台帳の作成と保管、出退記録など労働時間に関する重要な書類を保存することが義務付けられております。本年一月に厚生労働省で定められました労働時間の適正な把握のための使用者が講ずべきガイドラインにおきましてもそのことが求められておりまして、文部科学省におきましては、その旨を各教育委員会に周知し、その旨を促したところでございます。 労働基準法上、労働時間の管理を適切に管理することや賃金台帳の調製につきましては使用者に当然に求められる責務でございますので、引き続き、文部科学省といたしましては、教育委員会に対してその責務が果たされるようにしっかりと指導し、さらに徹底し得る必要な取組があれば検討していきたいと考えております。
○那谷屋正義君 今、今までよりも前向きな答弁をいただいたかなというように思うんですけれども、そうすると、例えば、まだ見たことのないその賃金台帳ではありますが、教員勤務実態調査の結果のうち小学校教諭の学内勤務時間が平日十一時間十五分というふうになっているわけですね。これは平均値でありまして、もっともっと多い方も多々いらっしゃるわけですが、仮にAという教諭が学内で十一時間十五分勤務した場合、この日のA教諭の賃金台帳にはどのように記載をしたらいいのでしょうか。教諭の正規の勤務時間数は七時間四十五分ということになっておりますから、労働時間七時間四十五分、時間外勤務時間数は差し引いた三時間三十分という記載になるのでしょうか。
○政府参考人(藤原誠君) お答え申し上げます。 労働基準法の施行規則におきまして、賃金台帳には労働時間数を記入しなければならないとされております。厚生労働省が作成いたしました先ほどのガイドラインによりますと、労働時間とは使用者の指揮命令下にある時間とされております。このことから、正規の勤務時間を超過して従事した分に関してでございますが、給特法に基づき、学校長から命じられた業務に関する時間については賃金台帳に記載すべき労働時間に含まれるということでございます。 他方、使用者からの指示に基づかずに正規の勤務時間を超えて教員の自主的、自発的な判断によって勤務を行った時間については、賃金台帳に記載する労働時間には含まれないものと考えております。
○那谷屋正義君 今いただきましたけれども、時間外勤務命令が出されたときの時間分しか記載ができないということですね。そうすると、教員に対しては、今ありましたように、原則として時間外勤務命令が出せないわけであります。じゃ、どのような場合にこの時間外勤務命令というのを出せるんでしょうか。
○政府参考人(藤原誠君) お答え申し上げます。 公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法、いわゆる給特法でございますが、そこにおきましては、教育職員を正規の勤務時間を超えて勤務させる場合は、政令で定める基準に従って条例で定める場合に限るとされております。 その政令におきましては、教育職員に対し時間外勤務を命ずる場合につきましては、一、校外実習その他生徒の実習に関する業務、二、修学旅行その他学校の行事に関する業務、三、職員会議に関する業務、四、非常災害の場合、児童又は生徒の指導に関し緊急の措置を必要とする場合その他やむを得ない場合に必要な業務、これら四つの場合に従事する場合であって臨時又は緊急のやむを得ない必要があるときに限るものとされております。
○那谷屋正義君 そうすると、賃金台帳に記入できる時間外勤務時間数というのは実態と比べて大幅に減るという可能性が大きいと思いますけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(藤原誠君) お答え申し上げます。 賃金台帳に記入すべき対象については先ほど御答弁申し上げたとおりでございます。そのほかに、教員が自主的に、自発的に従事している場合については、その時間は当然その賃金台帳の中には載ってこないということは既に御説明申し上げたとおりでございます。
○那谷屋正義君 今、限定四項目について言われましたけれども、じゃ、例えばお聞きします。 中間テスト、期末テストが近くなったときにそのテストの問題を作るというときに、勤務時間内にやれればもちろん一番いいわけでありますけれども、なかなか今そういう実態になっていない。そのテスト問題作りというのは教員の業務でしょうか、業務でないでしょうか。
○政府参考人(藤原誠君) 試験問題を作るということは教員の業務であると思われます。
○那谷屋正義君 これは一例にすぎませんけれども、つまり、そういうことが多々あって、限定四項目から漏れる様々な業務が今教職員を多忙化に追い込んでいると言っても間違いではないんです。ですから、やはりそこのところをよく見ていただきたいなというふうに思うわけであります。 賃金台帳に記入される時間と、それから勤務実態調査の時間が大きく乖離をするということは、学内勤務時間という表記になっているのに、賃金台帳では、今言われたように、勤務時間としては大きく懸け離れているということでありますから、今後、やっぱりこういったことについてしっかりと把握をすることが検討されているかどうか、お聞きしたいと思います。
○政府参考人(藤原誠君) お答え申し上げます。 先ほど大臣から御答弁申し上げましたとおり、現在、私どもにおきましては、中央教育審議会への諮問に向けて様々な準備をしておりまして、その前提として、明後日から関係団体等のヒアリングをしていきたいと思っております。 そのヒアリングを受けまして、様々な観点で中教審で議論をしていきたいと考えておりまして、委員御指摘の事柄につきましても、関係団体等の御意見を踏まえながら対応していきたいと考えております。
○那谷屋正義君 いずれにしても、この給特法ができたときというのは、実はそのときの文科大臣が、これは前にどこかの委員会で私も申し上げましたけれども、学校の教員にそれ以上の忙しさをさせないような、そんな状況にするからこの給特法でいいんだというふうに時の文科大臣が言われていた。 しかし、今現在、こうしていろいろな状況を見てみると、今の文科大臣が言われるように、もう極限に来ているというような状況の中にあってこの給特法がそのままの状態になっているということ、これは問題ではないかということを指摘せざるを得ないというふうに思うわけでありますから、是非、文科大臣、この部分についても御検討いただきたいんですけれども、御決意いかがでしょうか。
○国務大臣(松野博一君) 先生御指摘のとおり、給特法ができた時点の教員の働き方の状況と、現在の学校現場は複雑化、困難化をしておりまして、教員の長時間労働が進んでいるという実態がございます。 給特法についても中教審における審議をという御指摘でありましたけれども、まずは、先ほどお話をさせていただいたとおり、現状の働き方に関して問題点を、文科省で争点をまとめまして、中教審で審議をし、結論が出たものは逐次実施をしてまいりたいと思いますが、その審議の過程で、更にそれを超える問題が出てきたという状況の中において、委員からお話があった給特法に関してどういった形で検討していけばいいかについても考えたいと思います。
○那谷屋正義君 しっかりと検討していただきたいというふうに思いますが、その検討の参考のためにあえてこの場で質問をさせていただきますが、厚労省にお伺いします。 民間労働者の場合、明示的な時間外勤務命令が出ていなくても、その業務をやらざるを得ない客観的な事情があれば、それは時間外労働時間数に含まれるのではないでしょうか。
○政府参考人(土屋喜久君) 本年一月に策定をいたしましたガイドラインにおきましては、労働時間について、労働時間とは使用者の指揮命令下に置かれている時間のことをいい、使用者の明示又は黙示の指示により労働者が業務に従事する時間は労働時間に当たるとしております。 使用者の指揮命令下に置かれていると評価されるかどうかは、労働者の行為が使用者から義務付けられ、又はこれを余儀なくされていたなどの状況の有無などから個別具体的に判断をしていくことになりますけれども、いずれにいたしましても、明示の指示がない場合であっても、法定労働時間外において使用者の指揮命令下に置かれていると評価される時間については労働時間として適正に把握する必要があると考えております。
○那谷屋正義君 是非、今の厚労省からの御意見も参考にしていただいて、今後の教職員の長時間勤務について是正が図られるよう、私の方からお願いをさせていただきたいというふうに思います。 さて、そこで今度は、具体的に勤務時間というものをしっかりとどのように把握するかということであります。 先ほど引用させていただいた厚労省のガイドラインでは、始業・終業時刻の確認及び記録の方法も書かれているわけでありますが、原則的な方法というのはどのようなものでしょうか。
○政府参考人(土屋喜久君) 御指摘のガイドラインにおきまして、始業・終業時刻を確認及び記録する原則的な方法としては、使用者が自ら現認することにより確認し、適正に記録すること、タイムカード、ICカード、パソコンの使用時間の記録などの客観的な記録を基礎として確認し、適正に記録することが挙げられております。また、こうした原則的な方法によらず、やむを得ない場合の方法として、自己申告制によることが挙げられております。
○那谷屋正義君 出張ですとか休憩時間に、休憩や自主的な研修等があるときも、そういった自己申告等も含めて労働時間として扱うということでよろしいですか。
○政府参考人(土屋喜久君) お話のありましたように、休憩時間等に実際に働いたという時間が労働時間として評価されるものであれば、労働時間に含まれるということでございます。
○那谷屋正義君 そうすると、これは学校現場の教員や学校事務職員等の始業・終業時刻の確認についても同じでしょうか。
○政府参考人(土屋喜久君) 今申し上げたガイドラインは公立学校の教職員の皆さんにも適用があるものでございますので、同様と考えております。
○那谷屋正義君 それで、学校で実はこのタイムカードというのが今設置されているところってどのぐらいあるか、文科省、把握されていますか。
○政府参考人(藤原誠君) お答え申し上げます。 文部科学省の平成二十八年度の調査でございますが、教育委員会における学校の業務改善についての取組状況の調査をいたしました。その結果、教職員の勤務時間につきまして、全体の市区町村教育委員会の六・一%からタイムカードの導入等で管理しているとの回答があったところでございます。
○那谷屋正義君 ここで質問しているのは、その数字だけを聞いているんじゃなくて、六・一%というその数字をもって、そして今の学校現場の実態を見てどのように感じられているか、お聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(藤原誠君) お答え申し上げます。 委員御指摘のとおり、労働基準法の規定を遵守する観点から、各学校で教員の勤務時間を適切に管理することは重要でございます。文部科学省では、平成十八年に実施した教員の勤務実態調査におきましては、おおむね勤務時間の管理が適切に行われているものの、適切に行われていない学校が一部あるということも分かっているところでございます。また、タイムカードの実施率については先ほど御答弁申し上げたとおりでございます。 文部科学省におきましては、厚生労働省で作成されたガイドラインにおきまして、始業・終業時刻を確認、記録する方法の一つとして、タイムカード、ICカード、パソコンの使用時間の記録等の客観的な記録を基礎として確認し、適正に記録することと示されておりますので、その内容につきまして各都道府県・指定都市教育委員会に周知いたしまして、改めて勤務時間の適正な把握を促しているところでございます。
○那谷屋正義君 そうすると、もうその内容については各都道府県あるいは市町村に通知をされたということでいいですか。
○政府参考人(藤原誠君) お答え申し上げます。 既に通知をしているところでございます。
○那谷屋正義君 勤務時間を正確に把握する上では、タイムカードが全てではないというふうに思います。今いろいろな方法があるというふうに言われましたので、そうしたことを含めて、各自治体、市町村、そういったところに御指導いただきたいというふうに思いますけれども、そうはいっても、やっぱり先立つものではありませんけれども、やはり予算の問題というのがどうしても必要になってくるというふうに思いますけれども、その予算を確保する部分についてどのように御指導いただいているんでしょうか。
○政府参考人(藤原誠君) お答え申し上げます。 文部科学省では、学校現場における業務改善の取組を一体的、総合的に推進するために、今年度から、学校現場における業務改善加速事業を実施しております。この事業のモデル校におきましては、勤務実態の把握、時間管理の徹底に関する取組を必ず実施していただくことにしております。 また、労働基準法上、労働時間の管理を適切に行う責務は使用者にあるところでございますので、国として、現時点において一律に予算措置を行うことは考えておりませんが、教員の勤務時間を適正に把握することは非常に重要であると考えておりまして、今後とも、各教育委員会に対しての指導を徹底していきたいと考えております。
○那谷屋正義君 そうしたタイムカード等を導入するにしろ様々な方法をするにしろ、やはり時間外勤務というものの概念が、現場との乖離が大きく離れていっているような状況ではこれなかなか正確な勤務時間というものが測れない、また、一般民間の話も今伺わせていただきましたけれども、そことも大きく違っている部分があるかというふうに思いますので、是非、この限定四項目を中心とした給特法の問題点ということについてしっかりと、中教審に依拠するのかどうか分かりませんけれども、そこで議論をしていただきたいというふうに思うわけであります。 テストを作ることも業務だというふうに言われました。保護者にもう夜遅くまで詰め寄られて、その親といろいろ子供に対して議論をするということも多々ございます。私も、かつて半ドンのときに、土曜日でしたけれども、土曜日の午後一時から夕方の七時、八時まで、私のクラスの親が来てずっと議論を、議論じゃありません、伺っていただけです。ほとんど話を伺っていましたけれども、最後は向こうの体力が尽きて、先生、分かりましたと、こういうふうにして事なきを得たということもございます。 そのぐらい忍耐の要ることでありまして、これを勤務と言わないと言われると、私にとって士気に影響するというふうにも逆に思うわけであります。勤務だと言われれば、よっしゃと思う部分もあります、単純ですから。そういうところをやはりしっかりと文科省として後押ししていただきたい、このことをお願いを申し上げたいというふうに思います。 最後に、この問題とはちょっと別な問題でありますけれども、この行政監視の中で必ず絶対聞いておきたかったことがあります。 高等学校等就学支援金制度というのがございます。これは、民主党政権のときに実は高校の授業料無償化ということで、全ての高校生が授業料無償であったわけであります。しかし、また第二次安倍政権になって、所得制限というものを設けられることによって、一定の所得がある方たちは授業料を払うと。その払われたお金というのが一体どういうふうに使われるのだといったらば、時の文科大臣は、しっかりとそれを、いわゆるより低所得者、貧困層、そういった困っている方たちにそれを回すんだというふうに言われているんですけれども、そのことについて、今そうなっているのかどうか、お尋ねをしたいと思います。
○国務大臣(松野博一君) 平成二十二年度から始まった高等学校等就学支援金制度につきましては、制度創設後も低所得世帯における授業料以外の教育費負担が大きいこと、公私間の教育費格差等の課題がありました。 こうしたことから、厳しい財政状況の中、限られた財源を有効に使っていくという観点から平成二十六年度に所得制限を導入したわけでございますが、捻出された財源を活用して、私立高校等に通う生徒への就学支援金の加算、拡充、授業料以外の教育費を支援するための高校生等奨学給付金制度の創設、高校生等の教育費負担の軽減のための取組に使用されているところでございます。
○那谷屋正義君 もう時間が参りましたので終わりたいと思いますが、今の中にも、今年から入るいわゆる給付型奨学金の予算も若干含まれているというふうに伺っておりますが、しかし、それはほんの一部でありますし、いわゆる成績が、一定程度というよりも相当優秀な方のみが対象になっております。 実は、先日、藤沢の方に行ってまいりましたらば、藤沢市ではいよいよ奨学金を独自で行う、給付型奨学金を行うというようなことがございました。文科省としても、自治体、地方にそういった後れを取らないように、この制度をしっかりとしたものにしていただくということをお願い申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。
○秋野公造君 公明党の秋野公造でございます。お役に立てますように質疑をしたいと思います。 まず、インターネット取引における最近のトラブルについてお伺いをしたいと思います。 インターネット通販サイトで格安に出品された商品を注文しても届かない、こんな被害が相次いでいるということでありましたが、私のところにも同様の相談が参りまして、既に、経産省の皆様方にはその具体的な相談をさせていただいたところであります。金銭的な被害だけでなく、これは保険等で埋め合わせていただくこともありますけれども、注文者の個人情報が漏れるといったような二次的な被害も指摘をされているところであります。 これはちょっと対応していただかなくてはならないかと思いますが、経産省の御見解、お伺いをしたいと思います。
○大臣政務官(井原巧君) お答え申し上げます。 昨今、インターネットの取引、様々トラブルが生じておりますし、取引ではありませんが、昨日も、世界のサイバー攻撃というのでランサムウエアというのが非常に事件として取り上げられておりますけれども、アマゾンのマーケットプレイスとかにおいてもその商取引について様々なトラブルが出ているところでありまして、電子商取引市場の健全な発展を阻害し、また、事業者にとっても自らの信頼性を毀損する大変重要な問題だというふうに認識しております。 この問題への対処といたしまして、一般的には、事業者による、事業者というのはアマゾンということになりますが、アマゾンによる金銭的被害の補償制度などが考えられますが、根本的には、詐欺まがいの行為や個人情報の不正取得を謀る悪質なユーザーを排除するため、例えばアカウントの乗っ取りを防止する措置を事業者において整備することなどがより重要と考えております。 経産省といたしましても、事業者が自主的に行う各種の取組について確認も行っているところでありますが、その内容、対策については、公表するとこれイタチごっこになってしまいますので、公表はなかなかできないそうでありますが、そういう取組を是非促進するべく、関係省庁とも連携し、事業者が負うべき責任の明確化を図るほか、事業者の取組の周知、支援などを行ってまいりたいと考えております。 御指摘の件のみならず、電子商取引を取り巻く様々な課題に対しまして、事業者、関係省庁とも引き続き協力し、利用者が安全、安心に利用できる電子商取引の環境整備に努めてまいりたいと考えております。
○秋野公造君 ありがとうございます。どうぞよろしくお願いをしたいと思います。 次に、地方の私立大学の支援についてお伺いをしたいと思いますが、先週開催をされましたまち・ひと・しごと創生本部の地方大学の振興及び若者雇用等に関する有識者会議におきまして、東京二十三区においては大学の定員増を認めない、法改正も検討するといったような中間報告案が出たと聞いております。 規制を進めるのであれば、これは私結構なことだと思いますが、一方で、もしもこれ、地方の受皿となる地方の私立大学の強化が行われませんと、これは学生のニーズに応えることができない、ただ数だけの移動になってはいけないと思います。 かつては、文科省においては、特に地方創生に資する奨学金などもつくっていただくなど、地方のためのこういった取組なども迅速に対応していただいたこともありますけれども、自治体とかの地域の連携を進める取組とか学長のリーダーシップでブランド化を図るといった取組を行う私立大学については、手当てを早急に行って、地方私立大学の強化に努めるべきではないかと考えますが、御見解をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(村田善則君) お答え申し上げます。 地方私立大学の振興についてのお尋ねでございます。 文部科学省におきましては、平成二十九年度より、私立大学等改革総合支援事業におきまして、各私立大学の特色化、資源集中を促し、複数の大学間の連携、あるいは自治体や産業界との連携を深めるためのプラットホーム形成を新たに支援することといたしております。またあわせて、先生からも言及いただきました私立大学の研究ブランディング事業におきましては、学長のリーダーシップの下で、私立大学の特色ある研究を基軸として独自色を打ち出す私立大学に対する支援を行うなど、特色ある私立大学の取組を促進するよう、私学助成において支援しているところでございます。 私立大学等の取組を支える私学助成につきましては、現在、私立大学等の振興に関する検討会議におきましても御議論をいただいているところでございまして、その中では、教育研究の質の向上に向けた取組の強化、促進、それから地方に貢献する私立大学の支援等の観点から見直しを図る必要があるといった御意見をいただいているものでございます。 そうした御議論も踏まえながら、文部科学省といたしましては、今後とも、地方の私立大学が自らの特色、強みを生かした教育研究が実施できるよう支援してまいりたいと考えておるところでございます。
○秋野公造君 私、村田部長にお願いをしたいことは、今までの取組では、これちょっとスピードを上げなくてはならないのではないかということであります。 地方との関係が重要であるということがあれば、私一つ提案をしたいと思うんですが、ニーズと質ということは別かとは思いますけれども、例えば、地方の私立大学における卒業生の地元定着率、こういったものが重要と考えておりまして、私学助成の配分の際の基準に追加してはどうかと御提案を申し上げたいと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(村田善則君) 私学助成にそういった地元定着率を取り入れるべきではないかという御提案でございます。 これは、私学助成の特別補助におきましては、地方に貢献する大学等への支援として、今、地方企業への就職率の割合等も一つの指標として、これは増額の措置を行っているところでございます。 今後でございますけれども、先ほど御紹介申し上げました検討会議等の御議論も踏まえながら、今後の私立大学等の振興について、特にそうした地方の私立大学、頑張っているところを御支援するという観点からどういう工夫ができるのかということについては今後検討させていただきたいと存じております。
○秋野公造君 急に済みませんでした。 山本大臣にお伺いをしたいと思います。 地方創生の観点で東京二十三区内の大学の規制を進めるのであれば、是非、これは内閣官房においても、学生の受皿とこれからなっていく私立大学の支援というものをしっかり行うべきかと思います。御見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(山本幸三君) 御指摘のように、私の下で開催しております地方大学の振興及び若者雇用等に関する有識者会議におきまして、地方大学の振興、東京の大学の新増設の抑制等について検討を行っておりまして、近日中に中間報告がまとまって提出されることとなっております。 有識者会議の議論では、東京二十三区の大学の定員増を認めないこととする一方、その受皿となる私立大学を含めた地方大学の振興方策が提言されているところであります。具体的には、首長のリーダーシップの下、組織レベルの産官学の持続可能な推進体制を構築し、地域産業における地方大学の役割、位置付けを強化した上で、優れた産官学連携の取組について支援を行うこととされております。 私としても、今後、骨太の方針の時期と合わせて、まち・ひと・しごと創生基本方針二〇一七に地方大学の振興を目玉施策として盛り込み、具体化につなげていきたいと考えているところであります。
○秋野公造君 是非よろしくお願いをしたいと思います。 山本大臣、井原政務官、委員長の許可が得られましたら御退出いただいても結構でございます。
○委員長(佐藤信秋君) どうぞ、大臣。
○秋野公造君 次に、和楽器の保存、振興の取組についてお伺いをしたいと思います。 和楽器の効用ということで、例えば二万ヘルツ以上の音を聞くことができるといったようなことを通して質疑も続けてきたところでありますが、残念ながら、これを維持するのがなかなか困難な状況になってきております。 文化庁には以前一度御相談をいたしましたが、例えば長唄協会などが、カンガルーの革を使いまして、それで三味線を作って維持をしようといったような取組なども行おうとしているところであります。例えば、この和楽器を維持していこうとする取組については、文化庁などから後援名義を付けるなどして支援を行って、末永く和楽器が我が国で活躍することができるように取り組むべきではないかと考えますが、御見解をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(中岡司君) お答え申し上げます。 我が国古来の伝統音楽の振興を図ることは極めて重要なことと考えております。こうした認識の下、文化庁では、伝統芸能分野のプロフェッショナルな実演家団体の海外公演等を支援する国際芸術交流支援事業や、地域に古くから継承されている固有の伝統音楽の公演等を支援する文化遺産総合活用推進事業等を実施してございます。 御提案のように、和楽器について、その保存あるいは継承につきまして考える取組につきましては、和楽器を取り巻く現状や課題について理解を深めるものでございまして、伝統音楽の保存、振興の観点からも有意義なものでございます。一定の要件を満たしているものにつきましては、文化庁といたしまして後援を行ってまいりたいと考えております。 和楽器について考える取組を含めまして、和楽器の保存、振興に関わります取組について、文化庁としても引き続き積極的に支援してまいりたいと考えております。
○秋野公造君 ありがとうございます。 省庁横断的に大きな成果を上げてきました沖縄の海洋開発、海底資源の開発についてお伺いをします。 その中でも、SIP、次世代海洋資源調査の技術、これがいよいよ四年目に入りまして、大きな成果も上げているということで伺っております。 これまでの成果と今後の予定についてまずはお伺いをするとともに、日本の資源の確保にとっては、これは大変重要なことだと思います。新しい資源の開発の技術が散逸するようなことがあっては絶対にならないと思っておりますので、JAMSTECとかJOGMECといった国の機関がしっかりとそういったものを活用していくということも非常に重要かと思いますが、御見解をお伺いをしたいと思います。
○政府参考人(山脇良雄君) お答え申し上げます。 SIP、戦略的イノベーション創造プログラムの次世代海洋資源調査技術におきましては、有用な鉱物資源が含まれている海底熱水鉱床の位置を広大な海域から絞り込むことのできる統合海洋資源調査システムの構築を目指しているところでございます。 その成果でございますけれども、五年間のプログラムの三年目に当たります昨年度におきましては、調査システムの一部を前倒しして実証試験を行いました。具体的には、自律型の無人探査機、これを複数同時に運用するということに成功いたしました。また、既にJOGMECが鉱床の位置を特定している沖縄の伊是名海域におきまして、新たに開発された電気探査、音波などを利用した海底下の調査を行い、その結果と既知の鉱床の位置とがよく一致するなど、世界でも初めてとなる大きな成果を上げたというふうに評価をしております。 今年度は、鉱床のデータの一部が取得されている久米島西方のごんどう海域において調査を行い、本システムの有用性を検証する予定であります。さらに、今後、鉱床のデータがほとんどない未調査の海域においてシステムの検証を実施したいと考えているところでございます。 これらの成果の活用という御質問ですけれども、海洋資源の調査を実施している民間企業グループ等に技術移転するということとしておりまして、終了後もこの開発技術が実用化につながるように進めていきたいと、また、国の海洋鉱物資源探査を担うJOGMECを始め、海外案件などにおいてもこのSIPで開発された成果を活用していただきたいと考えているところでございます。
○秋野公造君 今、山脇統括官、「ごんどう」というお話がございました。「ごんどう」の資源はより深くより広くというようなことが分かっておりまして、今、ちきゅう号を活用するというお話も聞かれなかったところであります。深いところの開発には、我が国が誇る世界最新の掘削能力を持つちきゅう号の活用というものが重要かと思いますが、重ねて見解をお伺いをしたいと思います。
○政府参考人(山脇良雄君) 今御質問ありました地球深部探査船「ちきゅう」の活用に関して、SIPにおきましては、これまで、この海底熱水鉱床の形成過程を解明し、それを基に鉱床のある有望な海域を絞り込む手法を開発するために、初年度から昨年度までの三年間、この掘削能力の高い「ちきゅう」を活用して海底熱水鉱床の掘削を行ってきたところでございます。 これによりまして開発した調査手法を用いて、今年度は、ただいまありましたごんどう海域におきまして、この海洋資源調査システムの調査結果を検証するために掘削を行う予定でありますが、この調査対象である鉱帯が比較的浅い海底下にあることから、将来の民間主体の調査の実用化も想定いたしまして、掘削にはこのような民間企業の所有する船舶を使用する予定でございます。 今後、民間船では対応できない海底下深部の状況を調べる必要がある場合には、掘削能力の高い「ちきゅう」を活用することが必要であると考えておりまして、議員の御指摘も踏まえて、今後調査を検討している未調査海域の状況などに応じて「ちきゅう」の活用を図っていきたいと考えております。
○秋野公造君 どうかよろしくお願いをしたいと思います。 次に、橋梁の塗装に含まれるPCBの処理、これをきっちり行っていくことが大変重要で、お伺いをしたいと思いますが、まず環境省にお伺いをしたいと思います。 廃棄物処理法におけるPCB汚染物の定義についてお伺いをしたいと思います。
○政府参考人(中井徳太郎君) お答え申し上げます。 PCB、ポリ塩化ビフェニル汚染物は廃棄物処理法施行令で規定されておりまして、具体的には、ポリ塩化ビフェニルが染み込んだ汚泥や、ポリ塩化ビフェニルが付着し、又は封入された廃プラスチック類、金属くず等のことをいうとされております。 なお、同施行令のポリ塩化ビフェニル汚染物には濃度に関する基準がなく、例えば、ポリ塩化ビフェニルが付着していることが確認できた廃プラスチック類はポリ塩化ビフェニル汚染物に該当し、特別管理産業廃棄物として適正に処理する必要がございます。
○秋野公造君 廃棄物の種類を問わずPCBが付着していること等の確認ということは、これはPCBの特性を考えて行うべきかと私は考えておりますが、その見解でよろしいでしょうか。
○政府参考人(中井徳太郎君) お答え申し上げます。 御指摘のとおり、ポリ塩化ビフェニルの染み込み又は付着等が確認できればPCB汚染物に該当するということでございます。
○秋野公造君 橋梁の塗装の剥ぎ取り工法については、乾式、そして湿式の両方法があるわけでありますが、作業者の安全、そして環境への影響といったようなことを考えますと、湿式で推進すべきと私は考えます。 直轄国道や高速道路の橋梁の塗装剥ぎ取り工事において湿式工法が実施できないケースということはあり得ましょうか、お伺いをしたいと思います。
○政府参考人(石川雄一君) お答えいたします。 橋梁等の塗装の剥ぎ取り工事におきましては、鋼板面におきまして研削材をぶつけて塗装を削り取るなどの乾式方式と、溶剤を塗布し塗装を剥ぎ取るなどの湿式工法がございます。鉛等の有害物を含有する塗料の剥離作業を行う場合には、有害物質の飛散を防止するために、厚生労働省の基準に基づき、湿式工法等を採用しております。 一般的な作業環境におきましては、湿式工法が実施できないケースは承知しておりません。
○秋野公造君 その上で、この橋梁の剥ぎ取り工事においては、繰り返しになりますが、健康障害防止の観点で、工事前に塗装に含まれる有害物質の有無の確認を行って、安全な方法で工事を実施するということを私はもっと徹底すべきではないかと思いますが、これについての御見解をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(石川雄一君) お答えいたします。 橋梁の塗装の剥ぎ取り工事におきまして塗装に有害物を含む場合には、湿式工法での実施や労働者への有効な防護具の着用など必要な対策を行うこととされており、国や高速道路会社は、これについて会議等の場で周知してきたところでございます。また、高速道路会社は、塗装に含まれる有害物質の有無が不明な場合において、成分調査を行い、その有無について確認することを社内で文書に周知したと承知しております。 国におきましては、地方整備局に対し、有害物質の有無について工事着手前に確認し、安全な方法で対応することを改めて周知徹底するとともに、地方自治体に対しましても、高速道路会社や国の取組を周知してまいります。
○秋野公造君 湿式工法を勧めておいてあれですが、その中には、例えば体に危険あるいは環境に危険なそういったものが含まれている可能性もあるかと思います。湿式工法には様々な工法があって、その適用に当たっては効能や取扱いなどを適切に評価する必要があるかと思いますが、工法選定に当たっての対応についてお伺いをしたいと思います。
○政府参考人(石川雄一君) お答えいたします。 湿式工法に用いる土木鋼構造用塗膜剥離剤技術は、委員御指摘のように、様々な特徴を持つ技術が民間会社等において開発されていると認識しております。土木鋼構造用塗膜剥離技術の選定につきましては、施工管理、安全管理、剥離後の塗料の付着性、材料の安全性、剥離性能などを踏まえまして、適正な技術を評価していくことが必要であると考えております。 このため、国土交通省におきましては、今後、土木鋼構造用塗膜剥離剤技術を広く公募し、今年度内にも各技術のフィールド試験を実施いたしまして、その特徴等を評価する予定でございます。その後、その評価結果について施工業者等に情報提供をしてまいりたいと考えております。
○秋野公造君 どうかよろしくお願いをしたいと思います。 今日はお手元に資料を配らせていただいております。これは、プロス・ワンという雑誌に、ザ・HIV・ケア・カスケード・ジャパニーズ・パースペクティブスということで、我が国でどれぐらいHIV感染が蔓延をしているかということについて、これまで我が国は、長い間、極めて正確な報告については取れていたわけでありますが、実際として、診断を受けていないHIV感染者がどれだけいるかということについてはなかなか分からないでいました。それを、東京大学名誉教授の岩本愛吉先生が日本赤十字社の献血のデータなどを用いてそれを明らかにしたものであります。 ちょっと二ページ目の一番下の四角を見ていただきますと、生存しているHIV感染者が二万六千六百七十名、そして診断に至っていないHIV感染者が左側、三千八百三十人ということで、これが多いか少ないかという評価は避けたいと思いますが、まず国に対して、私は大変画期的なHIV対策を全般的に俯瞰をすることができる貴重な論文ではないかと考えますが、この評価についてお伺いをしたいと思います。
○政府参考人(橋本泰宏君) お答え申し上げます。 UNAIDS、すなわち国連合同エイズ計画というのがございますが、この中では、HIV感染者やエイズ患者を減らしていくために、まず第一には、感染した方が検査を受けて感染しているということを自覚をしていただくと、第二には、定期的に治療を受けていただくと、第三には、ほかの方に感染させない状態にまでウイルス量を低下させていただくと、こういった各段階を一連のものとして対策を実施していくことが重要であるということで、これをケアカスケードというふうに称しております。 このケアカスケードと申しますのは、こういった全体としての全ての感染者、それから診断者数、それから定期的に通院治療されている数、それから治療が功を奏している方、そういった数をグラフで横に並べてみますと、あたかも滝であるかのように少しずつ数が絞られていくということで、カスケード、滝というふうなことで呼ばれているものでございます。 このケアカスケードを明らかにするためには、そもそも感染者数等を推計いたしまして実態を把握する必要があるわけでございますが、委員御指摘の論文といいますのは、先ほど御紹介ございましたように、日本赤十字社の初回献血者におけるHIV陽性者数等を基に推計いたしましたHIV感染症の推定患者数、それから厚生労働科学研究事業の研究班が推計いたしましたHIV陽性者の数、それから定期通院患者数、さらに治療成功者数、これらのものを勘案いたしまして我が国のケアカスケードを初めて発表したものでございます。更なる学術的な検討の余地はあると思いますが、大変重要な論文であるというふうに考えているところでございます。 この論文によりますと、我が国のケアカスケードは、診断率が八五・六%、受診率が八二・八%、治療成功率が九九・一%というふうになってございます。UNAIDSにおきましてはそれぞれ九〇%とするということを目標としておりまして、我が国は、定期的に受診している感染者の治療成功率は非常に高い水準でありますが、一方で、診断率と受診率が九〇%未満であるということから、厚生労働省といたしましては、引き続き、検査機会の拡大と診断された感染者の確実な医療機関への結び付け、こういったものを強化してまいりたいと考えているところでございます。
○秋野公造君 この論文の推計値をWHO又はUNAIDSに報告することを御提案申し上げたいと思いますが、御見解を伺いたいと思います。
○政府参考人(橋本泰宏君) 先ほど申し上げましたように、この論文は我が国のケアカスケードを初めて推計した大変重要な論文でございますし、また、この論文の推計値を基に有識者による議論を行いまして、UNAIDSに報告することについては前向きに検討したいと考えているところでございます。 なお、厚生労働省といたしましては、今後、厚生労働科学研究事業の研究班等におきまして更なる学術的な研究を行い、感染者数や診断者数に関する推計の精度の向上に取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
○秋野公造君 終わります。ありがとうございました。
○辰巳孝太郎君 日本共産党の辰巳孝太郎でございます。 大阪市立住吉市民病院の統廃合問題について、昨年三月十日に続いてお聞きをいたします。 厚生労働省は、二〇一五年十二月に、大阪府から申請のあった市民病院廃止に伴う民間病院再編統廃合計画に、二〇一六年の二月、同意の決定を下しました。改めて確認しますが、この申請に当たって必要な手続と同意の要件というのは何でしょうか。
○政府参考人(神田裕二君) 医療法においては、都道府県は、病床過剰であっても特別な事情がある場合には医療機関の病床数の変更を認めることができることとされており、特例とする病床数については、厚生労働大臣に協議し同意を得るということとされております。 この特例を利用する場合の手続として、特例とする理由と病床数の算定根拠を明らかにして都道府県医療審議会の意見を聴くこと、また、厚生労働大臣への協議に当たっては、その理由と算定根拠等を記載した申請書に都道府県医療審議会の意見を付して提出することを都道府県に対して示しているところでございます。 また、厚生労働大臣が医療機関の再編統合を行う病床特例の協議に同意する要件といたしましては、再編統合後の病床数が再編統合前の病床数に比べて減っていること、再編統合後の公的医療機関と民間医療機関との役割分担が明確にされているなど、医療機関相互の機能分担と業務の連携を踏まえた対応が行われていることとされているところでございます。
○辰巳孝太郎君 続けて、申請には医療審議会の意見書を付すことになっているということがありましたけれども、それはなぜなんでしょうか。
○政府参考人(神田裕二君) 病床特例の仕組みでは、特例となる病床数について、先ほど申し上げましたように、厚生労働大臣が同意をする必要があることから、都道府県において、特例としての取扱いを必要とする理由やその病床数の算定根拠について都道府県医療審議会で議論していただいた上で厚生労働大臣に協議をしていただくこととしているところでございます。このようなことから、厚生労働大臣の同意協議の申請書には都道府県医療審議会の意見を付すこととしております。 この取扱いにつきましては、同意協議に当たっての手続を地方自治法二百四十五条の四第一項に基づく技術的な助言としてお示ししているところでございます。
○辰巳孝太郎君 医療審議会というのは多くの方が医療関係者、医師会の方々ですから、そういう人たちの助言、そういう人たちの意見が大事であって、そしてそれが同意に反映されるべきだと私は思うんですね。 ところが、当案件は、大阪府の医療審議会では、この民間病院は産科の経験のない病院だ、役割分担や市民病院が担ってきた医療の継続も困難だと異論が噴出をいたしました。その結果、反対が十二名、賛成は一名のみの反対の意見書採択となりました。 昨年も聞きましたけれども、このように審議会で反対で採択をされて厚労省に申請が上がってきたのはただの一件もない、前代未聞の提出だったということであります。前代未聞の厚労省が同意をしたわけですけれども、この同意でどのような事態に今陥っているのか。 昨年四月、民間病院の建設が日影規制に抵触するとして、病院建設が予定どおりにできないということが判明をいたしました。一方、大阪市は、このことを議会に半年以上も報告せずに、議会で問われても虚偽の答弁を続けて、とうとうそれらの誤りを認めて、今年の三月に調査報告を公表するに至りました。大阪市議会では、本年三月、南港病院、これ民間病院ですけれども、いまだに全体計画を示していない、小児科や産科の医師の確保ができていないではないか、財務基盤が脆弱などとして、来年四月からの暫定利用をするための病院改修の予算、これが削除されたわけでございます。まさに医療審議会や市民が懸念したとおりの事態に今大阪では陥っているということであります。 大臣は、昨年の私の質問に対して、地域住民や医療審議会が医療体制の確保について大きな懸念を示し、再編計画そのものに反対しているにもかかわらず、この同計画に同意をした上で、大阪府市は丁寧な説明を行い、再編計画を円滑に進めるようにと答弁をいたしました。しかし、大阪市が行ったのは丁寧な説明でも何でもなく、議会や地域住民をだましたということであります。 大臣にお聞きしますけれども、大臣の要請を裏切ったとも言えるこの大阪市の言動に対してはどのように受け止めておられますか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 御指摘がございましたけれども、昨年二月、私の方から直接大阪府知事に対しまして、関係者の方々に丁寧な説明を行って再編計画が円滑に進むようにしていただきたいというふうに要請をいたしたところでございます。 今回の住吉市民病院の再編計画につきましては、日照権の課題がございまして、新たな病棟の建設が予定どおり進んでいないという状況が生まれているというふうに聞いているわけでありまして、現在、大阪府、そして大阪市で今後の対応策を検討しているというふうに承知をしているわけでございますので、それらを注視をしてまいりたいと思っております。 厚生労働省としては、その対応の方向性が見えた段階で大阪府、大阪市からよく話を伺って、必要な対応を行ってまいりたいと、このように考えているところでございます。
○辰巳孝太郎君 大臣、私の質問に答えていただきたいと思うんですね。 大臣は、丁寧な説明をして理解を得るんだと、同意を前提にこういう要請を大阪府市にしたわけであります。ところが、大阪府市は、この日照権の問題、おっしゃいました、これが分かった時点でも議会にも市民にも知らせずに、これずっと半年以上来たわけであります。大臣の要請を裏切ったわけですよ。このことについて大臣はどのようにお考えなのかをお聞かせいただきたい。
○国務大臣(塩崎恭久君) 先ほど申し上げたとおり、私の方からは、丁寧な説明を行うようにということで府知事の方に申し上げているわけでありまして、現在なかなか答えが出ないということでありますが、いずれにしても、大阪府、大阪市でこれは今後の対応を検討しているわけでございますので、それらがどういう答えを、方向性を出してくるのか、これについて、出てきた方向性を受けて私どもとしては必要な対応を図るということでございますので、私どもの申し上げたことは申し上げたこととしてそのとおりでございますが、今後どういう展開になっていくのかということで、私どもも、その必要な対応というのを考えていきたいと考えております。
○辰巳孝太郎君 大体、こういう政治案件のときは、遺憾であるとか、そういう言葉があるはずなんですけど、それさえもないのがびっくりするんですね。これ、やはり同時に指摘しなければならないのは、これは再編計画に同意をした厚労省の責任ということだと思うんですよ。だから歯切れが悪いんだと思うんですね。 厚労省は、同意する直前に、医療審議会で出された懸念にどのように対応するのか、これを説明させる府市の見解文書というのを大阪府市に提出をされているわけであります。厚労省は、厚労大臣は、これらは実現可能だと納得して申請への同意を行ったということになるわけであります。 大臣、このような事態になっているということについて、厚労省として、厚労大臣としてどのように受け止めておらっしゃいますか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 繰り返しで恐縮でございますけれども、私どもとしては、今、大阪府と大阪市でそれぞれ今後の対応策について検討しているわけでありますので、これをきちっと方向性を出してもらって、その上で、私どもとしてどうするのかということを決めるということになるわけでございますので、大阪府並びに大阪市がよく話合いをして答えを出していただきたいと考えております。
○辰巳孝太郎君 相変わらず私の質問には何一つ答えていただかないんですけれども、厚労大臣は、これ同意しない選択肢だってあったわけであります。同意の要件が病床数の減少と審議会の意見書の添付だけならば、府市の見解を出させるという必要はないわけであります。 我々は市民病院の廃止そのものに反対をしてきたわけでありますが、大阪府市の下で強行された経緯があります。民間病院の選定は二度の公募に失敗、結果、公募によらず、前市長の政治判断によって選定をされました。民間病院の財務基盤の脆弱さやずさんさは関係者からも当初から指摘をされており、今回の事態も、全体計画の提出を市から再三にわたり促しながら、一向に提出しなかったことが調査報告でも明らかになっております。 そもそものスタートから間違っていたと。住吉市民病院は、児童相談所からの児童の受入れを一か月にわたって行ったり、重い病気や障害を持つ子供を預かって家族の負担を軽減する重症心身障害児のショートステイなども担ってまいりました。民間では担えない必要な公的医療に二重行政とのレッテルを貼って廃止をした維新政治に安倍政権がお墨付きを与えたということで、私は重大だと思います。今日は資料に自民党大阪府連のチラシも付けておりますけれども、まさに私が申し上げているような角度から痛烈に批判をしているわけであります。 これから問題になるのが、この産科、小児科を含む、来年四月に引き継がれるはずの百床であります。民間病院に引き継がれるはずの百床であります。もはや示された再編計画の不履行は不可避であり、このままだと二年以上医療空白が生じることになる可能性があります。 大臣、医療空白をつくることは許されない、これ、どうですか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今回の医療機関の再編統合、これに伴う大阪府からの厚生労働大臣への協議につきましては、先ほどお話が一部ありましたが、再編統合後の公的医療機関と民間医療機関の役割分担、これが明確化されているなど、医療機関相互の機能分担と業務の連携を踏まえた対応が行われていることを要件に、同意を私どもはしているわけでございます。 繰り返しになりますけれども、現在、大阪府と大阪市で今後のこの事態に対する対応策というものを検討しているわけでありますので、それをどう答えを出してこられるのか、それを注視をしているというのが私どもの今の立場でございまして、この対応の方向性が見えた段階で、申し上げたとおり、大阪府、大阪市からよく話を伺った上で、地域医療に対する考え方、それについてしっかりと対応を考えていきたいと思います。
○辰巳孝太郎君 確認するんですが、この当民間病院が来年の四月に開院しない、すなわち百床が一旦空白になった上で後年度にこの百床を同病院が引き継ぐということは可能なんでしょうか。局長、どうですか。
○政府参考人(神田裕二君) 御指摘の今回の再編計画につきましては、先ほど大臣からも御答弁申し上げたとおり、大阪府の府立急性期・総合医療センターと民間病院との間で役割分担をして再編をしていくという計画だというふうに承知をいたしております。 先ほど先生から御指摘もありましたように、例えば産科については、ハイリスクのものについては府立のセンターで行い、一般の正常分娩については民間病院で行う、また、重症な児童に対する対応等は府立のセンターで行い、一次医療を中心とした小児医療については民間の病院で行うといった考え方に基づいて行っているものでございます。 御指摘のとおり、仮にその民間病院が三十年の四月に開設をできないということになった場合、御指摘のように、正常分娩はどうするのか、小児の一次救急はどうするのかといった問題がございます。この点については、まさに先ほど大臣からも御答弁申し上げたとおり、大阪府と大阪市で現在協議をしている、検討しているということでございますので、その内容をしっかりと伺った上で、私どもとしては、その話をよく聞いた上で対応を検討していきたいというふうに考えております。
○辰巳孝太郎君 簡潔にお願いしたいんですが、府立の方に行く九十七床分、これは来年四月から、今、共同センターが建設されているわけですよね。これは移管できるということでよろしいですか。
○政府参考人(神田裕二君) まさに、府立のセンターについては、九十七床の増床に向けまして、平成三十年四月から始められるように、現在、病棟の新築工事を行っているというふうに伺っております。 ただ、今回承認するに当たりましては、先ほど申し上げたような府立のセンターと民間病院との役割分担を前提にした再編を行うということで同意をしたわけでございますので、残りの九十七床の増床だけでも認めてはどうかというお話でございますけれども、これを先行して移管した場合に、民間病院に移管する予定であった百床の扱いをどうするのかという問題点がございますので、ここの整理がやはり必要になってこようかというふうに思っております。 そういうことで、先ほど御答弁申し上げたとおり、大阪府、大阪市で対応策を検討しておりますので、その対応の方向が見えた段階でよく話を伺っていきたいというふうに考えております。
○辰巳孝太郎君 時間ですので最後にしますけれども、これ、再編計画は医療機能の充実を図るためのものなんですね。役割分担、業務の連携、これも充実のためにあるのであって、私は、単なる数合わせ、単なる言葉だけの連携では絶対駄目だと思います。 住吉市民病院の廃止の延期や、医療空白を起こさないため公的な医療機関の設置を促すという役割を私は国が率先して先頭に立って果たすべきだということを申し上げて、私からの質問を終わります。 ─────────────
○委員長(佐藤信秋君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、佐藤啓君が委員を辞任され、その補欠として大沼みずほ君が選任されました。 ─────────────
○儀間光男君 日本維新の会の儀間光男でございます。 行政監視委員会、本委員会は私は初めてでございまして、初めて質問させていただきますが、光栄に思っているところであります。持ち時間が私流に表現するとくしゃみ三回分しかありませんから、十五分という短い時間ですので、答弁ひとつ簡潔にお願いしたいと思うんですが。 まず、確認する意味で申し上げますというと、総務省からの勧告資料の十一ページ、子育て支援に関する行政評価、これのみで質問させていただきたいと思いますが、勧告が一、二、三と三つありますけれど、内閣府、厚労省、それぞれ勧告されたその後、今、現況どういう状況にあるかを簡単にちょっと報告をいただきたいと思います。
○政府参考人(西崎文平君) 内閣府に対しましては、市町村子ども・子育て支援事業計画について、より正確な需要把握に基づく計画の作成の推進という勧告がございました。 現行の市町村計画の作成に当たりましては、支援法に基づく基本指針において、保護者に対する利用希望調査等を行い、量の見込みを推計し、具体的な目標設定を行うこと、各年度の量の見込みを定める際には、必要に応じて地域の実情を踏まえて社会的流出入等を勘案することができること、また、都道府県が広域的な観点から市町村間の調整を行うこと等を示しているところでございます。 その上で、今年度は五年を計画期間とする市町村計画の中間年に当たりますので、必要な場合、自治体においてその見直しを行っていただくこととしておりまして、本年一月に、その見直しの参考となるよう、自治体に対し、今回の総務省の勧告を踏まえて、新制度施行後における保育認定等の状況を踏まえて量の見込みを算出すること、都市開発部局と十分に情報共有、連携を行い、大規模マンションの開発等の社会増に伴い必要となる保育の受皿を確保すること、都道府県において、市町村域を超えた保育等の利用に関し、関係市町村間の連携、調整を支援することなどを内容とする事務連絡を発出したところでございます。
○政府参考人(吉田学君) 厚生労働省関係の二点についてお答え申し上げます。 一点は、待機児童の範囲の明確化という御指摘でございました。この待機児童数の範囲につきましては、平成二十九年三月末、私ども厚生労働省に設けました待機児童数調査検討会での取りまとめを踏まえまして、市区町村ごとに不合理な運用上の取扱いのばらつきをなくすということとともに、各保護者の意向や状況を丁寧に確認しながら判断するということを明確化いたしまして、三月三十一日、自治体に対して新たな調査要領をお示ししました。 また、二点目、小規模保育施設における実効性のある連携施設の確保をせよという御指摘をいただきました。今回の勧告を踏まえまして、市区町村が自ら連携施設のコーディネートを行うなど、連携施設の設定に効果を上げた好事例を周知させていただくなど、積極的な関与を各市区町村に促しております。 また、現在国会に提出、御審議をいただいております国家戦略特別区域法の改正法案におきまして、特区における小規模保育事業につきましては、対象年齢をゼロから五歳に拡大するということを盛り込ませていただいております。これによりまして、連携施設の確保、いわゆる三歳の壁の解消に向けた一つの方策となり得るものと考えているところでございます。
○儀間光男君 ありがとうございました。 それでは、その勧告、十一ページの資料を御覧いただきたいと思いますが、これの右側上の方の棒グラフ、これをまず見ていただきたいと思うんですけれども、ここは、施設に対する定員割れがあるんですよね。そうなんです。いろんな条件があってこうなっているとは思いますが、こういうことをさっと見せられては、何だいという話になるんですよ。ここを少し、ちょっと説明していただけませんか。
○政府参考人(吉田学君) 御指摘いただきましたように、保育所の場合、全体の定員数に対しまして、地域によっては、それぞれ市区町村ごとに調整をしてございますので、都市部を中心とする待機児童という形で入れない方たちが多数おられる一方で、地方部におきましては、全体の子供数の減少などによりましてそこにおいて空きが生じているということから、全国を合わせますとこのような形の資料になっているというふうに私どもは思っております。
○儀間光男君 今説明を受けたことを押さえて、まず三歳の壁、この話を今度させていただきたいと思いますが。 小規模保育所から二年保育をして三歳になるというと、いわゆる認可保育所やその他の連携施設への配置換えが促進されるわけですが、これを政府は、小規模の保育所に連携施設を確保しなさいということにしたんですね。現場を私ずっと経験してきたんですが、これ大変難しい話なんです。 例えば三歳の壁というのは、今おっしゃったゼロ歳から五歳まで一貫しておやりになるということは、五歳というと幼稚園児ですよ、幼稚園児。認可保育所というと、その五歳児は、何というのかな、幼稚園といわず年長組というようなことでやっているわけですけれども、この年長組がいわゆる文科省でいう幼稚園であって、ここを、この三歳児の壁を突破するには二年幼稚園制度、四歳児まで幼稚園に入れるという二年幼稚園制度、こういうことを制度化していくべきだと私は思うんですけれども、その辺のちょっと見解を伺いたいと思います。
○政府参考人(吉田学君) 幼稚園の行政につきましては所掌文科省かとは思いますけれども、今委員御指摘いただきましたように、全体の、学齢期前、小学校へ入学される前のお子さんをどういう形でお預かりをするか、あるいは働くお父さん、お母さんのニーズに応えてその受皿を用意するかということにつきましては、全国ベースでは、三歳から保育園へ入り、また幼稚園からも三歳から預けられるというところがございますので、それ以前のゼロ歳児から二歳までの間の受皿を整備することと、三歳以降におきまして保育園及び幼稚園という形での選択肢をそれぞれ地域のニーズに応じてバランス良く整備をする。 ただ、実際には、都市部を中心にゼロ―二歳児を中心とする待機児童が大変多うございますので、そこの分野につきまして、小規模保育事業であるという形での受皿を整備したり、あるいは今後どういう形でそこの部分を埋められるかについても、幼稚園を含めて、私ども、関係部局、省で相談をさせていただきながら対応させていただきたい、そういうことを通じて政府全体として、いわゆる御指摘いただきました三歳の壁というものがないように、利用者の立場から見たときの向上について取り組ませていただきたいというふうに思っております。
○儀間光男君 ちょっと質問の仕方がまずいのかも分かりませんが。 私は、沖縄で浦添市という市があって、十二万の都市ですが、そこで三期十二年、市長をさせていただきました。会派沖縄の伊波委員がおりますが、私の隣の市長さんで、一時期、一緒に市長業務を二人連続しながらやったんですけれども。 私が市長時代、沖縄の学校教育は、終戦直後のどさくさと関連があって、幼稚園を全部公立にしたんですね。市町村立小学校附属幼稚園、これでスタートして、今まだそうなっているんですね。あとは、認可の五歳児あるいは学校法人の幼稚園ということでやっていて、私がどういうことをしたかというと、いわゆる四歳児を市立の幼稚園に上げて、二年幼稚園の形にしたんですね。それで、幼稚園に入れますから、その四歳児が移動した分、三歳児の方で空くわけですから、これを小規模からの連携施設として受入れを促進するというようなことを試みて、今、十一幼稚園ありますが、十一幼稚園を全部二年制にしたんですよ。 そういうことからすると、こういうきめ細かいことを政府が主導し、各市町村でばらばらな面がありますから、それをなべて標準化していかないと、制度の満ち足りないところ、満ち足りないというか対応できていないところは、ますます人口が減少化していって成り立たなくなっていくんですね。一方は、そういうことをやっていると子供を預けやすい、三歳児も預けやすいから、そういうことをやっている市町村へ移っていこうと、横浜市辺りがそのような状況だと聞き及んでおるんですが。 今報告があった中でも、そういうことをやっていかぬと、首長の熱心さ、不熱心さとは言いませんが、財政状況等も含めて対応できないところは、ますます衰退していって過疎化が促進するというような状況に現場はありますから、その辺を御配慮いただきたいということを申し上げているんです。
○国務大臣(塩崎恭久君) 待機児童の解消を熱心にやっていらっしゃるところが今特に都市部に多いわけでありますけれども、それらの中で、幾つかの市長さんたちとお話を生でついこの間お聞きをさせていただきましたが、今先生御指摘のように、幼稚園を活用されているところが待機児童解消をうまくやっていらっしゃるところに多いということをこの間も改めて確認をさせていただきました。 横浜なんかも、いっとき待機児童ゼロとなりましたが、そのお話を市長さんから聞いても、かなり幼稚園との連携というものが、保育園と幼稚園とをもう分け隔てなくやっていらっしゃって、連携をされて、もちろん市役所から出向いて直接お話もしながらやっているということを拝見をして、そしてまた、ついこの間、この四月に入ってからですが、改めて、五月になってから市長さんたちからお話を聞きましたが、連携を緊密にやっているというところ、そして、もちろん預かり保育をやることができる幼稚園を育てているというか、結果としてですね、そういうことがとても大事でありますので、制度的な問題というのは全体として考えなければいけませんが、この幼稚園をうまく活用しながら子育て全体を進めていくということは大変大事だというふうに私どもも思っておりますので、問題提起を受けて、何ができるか考えていきたいというふうに思います。
○儀間光男君 そういうことをやっていかないというと、二〇二五年度に安倍総理は合計特殊出生率一・八%にするんだとおっしゃった。今、全国で一・四三ですよ。東京都が一・一三、一番多いのが沖縄県で一・九四、平均が一・四三。あと三七出生率を上げぬといけませんが、幼児教育の無償化も含めて、こういう三歳児の行き場所、そういうことをきちっとやっていかぬというと、この一・八出生率というのはなかなか難しい。しかも、出生率が、釈迦に説法ですが、これからの社会保障も含めて、医療保険も含めて、つまり、出生率を上げて新しい国民を多くすることが負担者が多くなることですから、給付者に対しても、バランスを取れて修正されていくわけですよ。 今だというと、逆三角形で分母がぐらぐらしている状態ですから、この出生率を上げるということが、僕は、日本の人口問題の根幹、いや、経済問題も含めて、医療、福祉、社会保険問題も含めて、出生率のいかんによって決まってくると思うんですね。 ですから、国が出生率一・八と言っても、これまだゼロにはならないですね、少子化が止まったということにならないんですよ。少子化が止まったということは、政府は二・〇七、おおむね二・一、これで少子化が止まる、それ以上やらないといけないと、こういうことですから、こういうことを目指すんだったら、今申し上げたようなことをやらぬとなかなかできないと思います。 もうやめなさいということですからまとめますけれども、大臣、今局長からの説明で、五歳児は文科省、幼稚園は文科省という話がありました。私が言いたいのは、文科省と向き合って、幼稚園を二年幼稚園にする、四歳、五歳児を幼稚園とするということを制度化して全国一斉に基準化していくと、そうしないというと、首長の熱心、不熱心によってはまたばらつきが付く。あるいは一生懸命やったところに、横浜市みたいにやって集まってきて、ゼロになったかと思うとまた待機児童をつくってしまうということで、一市町村ではこれもたないんですよ。 そういうことを解消するには、幼保一貫した、一元化した幼児教育、無償化も含めて是非とも文科省と向き合ってやっていただきたいと思うんですが、大臣の決意を堂々と、ちょうちょうと丁寧に述べていいですから、答弁をもって質問を終わりたいと思います。
○委員長(佐藤信秋君) 時間でありますので、簡潔にお願いします。
○国務大臣(塩崎恭久君) はい。 少子化の背景には様々な要因があるということはもう先生御案内のとおりでありまして、ただ一方で、御指摘のように、元々、一九五〇年の人口ピラミッドを見ると見事な三角形でありましたが、今お話しのように、今度二〇五〇年になると逆三角形になる、こういう先進国の中でも最も変化の激しい人口構成、人口問題を抱えていると。その大きな原因がやはり少子化であるということを踏まえて、なおかつ、この経済的な将来見通しとか、あるいは長時間労働のような企業文化とか、あるいは仕事と子育ての両立がなかなか難しい、これも企業文化でもありますが、そして、子育てをすることの負担感が非常に大きいという、いろんなものが併せてクローズアップされて、問題意識が、我々、一億総活躍社会をつくるためのプランというものを去年出しましたが、そういう中でフルメニューを出しているわけでございます。 特に、働き方改革、そして総合的な子育て支援を車の両輪としてしっかりやっていくということが大事で、そんな中で、今御指摘の幼稚園を含めてやっていかなきゃいけないので、この省庁の壁は乗り越えてやるということが大事だということは御指摘のとおりだと思いますので、しかと問題意識を頂戴をして対応してまいりたいというふうに思います。
○儀間光男君 終わります。ありがとうございました。
○森ゆうこ君 希望の会、森ゆうこでございます。 獣医学部新設について、経緯の詳細について確認をさせていただきたいと思います。 委員会の冒頭、自由民主党の委員の方から、政策の客観性、そして国会で審議をすること、国民に対する説明責任を果たすこと、これが重要なんだという御指摘がございました。もっともだと思います。この獣医学部の新設については、五十二年ぶりですけれども、全く客観性を欠く決定がなされているというふうにまず冒頭指摘をさせていただきたいと思います。 資料をお配りしておりますけれども、一ページ目は、タイトル付いておりませんが、これは先ほど、午前中にようやく出していただいた国家戦略特区における獣医学部新設についての会議の開催状況、たったこれだけなんですけど、提出していただくのに数日掛かるという、大臣、こういう対応なんですよ、内閣府の対応が。山本幸三大臣、いいですか、こういう状況でございますけれども。その次は、三ページにわたりますけれども、私の方で、今治市から提出をしていただいたり各省庁から提出をしていただいた資料あるいは答弁を基に作ったこの問題に関する年表でございます。 まず、山本幸三担当大臣にお聞きをしたいんですけれども、昨年の十月十七日に京都府が京都産業大学と一緒にすばらしい提案をされました。一方、今治は今治でずっと提案をしているわけですけれども、大臣の国会答弁等々を見ますと、京都と今治を比較をして、そして今治の方を選んだということでよろしいですか。
○国務大臣(山本幸三君) 獣医学部の新設につきましては、今治市が従来から、構造改革特区のときからずっと要望がありました。それから、新潟市も一度はありました。しかし、これはちょっと立ち消えになった形であります。その後、昨年、京都府からございまして、そうした形で提案が出され、それぞれのワーキンググループ等で検討し、そしてワーキンググループ等の委員との協議あるいは各省との調整、そして区域会議、諮問会議ということで、最終的に今治市に決定したということであります。
○森ゆうこ君 昨年の十一月九日に地域限定を付けるわけですけれども、どのような根拠を持って今治あるいは愛媛における産業動物医師の確保が困難であると判断をされ、そして京都府についてはそうではないと判断されたのか、その根拠について伺います。これは農水大臣かな、内閣府ですか、どうぞ。
○国務大臣(山本幸三君) 国家戦略特区というのは、過去何年も手が着けられなかったいわゆる岩盤規制の改革を行っているわけでありまして、これは、農業委員会の見直しとか病床規制の緩和など、民主党政権でも閣議決定されたにもかかわらずたなざらしになっていたようなものもございます。 そういう意味で、獣医学部の新設も長年実現できなかった岩盤規制でございまして、これを突破するという意味で、全体の獣医師の需給やあるいは獣医師会等からの慎重な議論も踏まえて、最終的には私の判断で、昨年十一月の特区諮問会議で広域的に獣医学部がない地域に限ることといたしましたし、さらに、今年一月の一校に限る制度改正となったわけであります。 今回は、地域での水際対策の充実あるいは専任教員の確保の具体的な見通し、自治体との連携、それから国際基準に沿ったカリキュラムの充実といった点で、京都府と比べて熟度が高い今治市の提案を早期に実現するという判断になったわけであります。しかし、今治市や加計学園に限定するという趣旨ではなく、今後特段の問題が生じなければ、更なる規制改革として二校目、三校目を認めていくことも検討に値すると考えているところであります。
○森ゆうこ君 いや、質問にお答えいただきたいと思います。 空白区域に限ってという決定をされたのは山本幸三担当大臣ですね。この間、そういうふうに事務方に指示をして、案文を作らせ、文科省そして農水省、根回しをしてその十一月九日の案文を決めたというふうに答弁をされていますけれども、その根拠は何ですか。 空白区域に限って、つまり、これで事実上京都府、京都産業大が落ちるわけですけれども、何で愛媛県、それで今治の方が、そういう意味で地域偏在、特に産業動物医、大型動物を診る獣医師さんが不足していると、そう判断した具体的な根拠をお聞きしているんです。判断されたのは山本幸三大臣です、自らお認めになっているわけですから。具体的に何を根拠にこちらの方が不足しているんだと、だから空白区域に限ると、こういうふうに決断をされたのか、具体的に答えてください、根拠を。
○国務大臣(山本幸三君) この点については、産業動物医師について、国際感染症の拡大に伴う水際対策を担う重要な役割を担っているわけですが、地域偏在がある、四国地方など確保が困難な地域があるということは事実ということでございます。 また、国際感染症の発生時においては、行政が適切に判断や対策を行えるよう学術面から支援する拠点が地域で果たす役割は大きいと、そしてまた、獣医学部の新設に対しては日本獣医師会等から慎重な御意見が多いということから、これを含めて、必要性が真に高い地域、すなわち広域的に獣医師養成系大学の存在しない地域に限定するものとしたものであります。
○森ゆうこ君 いや、だから答弁になっていませんよ。 六枚目の資料を御覧になってください。愛媛県と京都府、これは、農水省が所管しております獣医療法第十条に基づいて農水省が獣医療提供体制の基本方針を作り、そしてそれに基づいて、第十一条に基づいて各都道府県、各自治体が獣医療提供体制の計画を作ることに法律で決められているんです。その法律に基づいて出されている、公表されている計画でございます。これを見ていただいても、別に愛媛県が少なくて京都府が足りていると、逆じゃないですか。京都府は二十一人を目標にしているということで、愛媛県は平成三十二年度における獣医師の確保目標はゼロなんですよ。だから、全く客観的な根拠になっておりませんし、次のページめくっていただけますか。 いつも同じことを大臣たちが繰り返すので私の方で説明しますけれども、度々農水大臣あるいは山本幸三大臣が答弁をされる修学資金貸与事業という獣医師になる学生さんに向けた特別な奨学金があるんですけれども、この申請状況も、一番多いのはやっぱり九州なんですよ。九州と、そして群馬県なんですね。だから、特に愛媛が少ないというわけではないということで、これ何度やってもしようがないんですけれども、全く客観的じゃないです。今の答弁でも、今治そして四国が客観的にほかの地域と比べて不足しているという根拠にはなっておりません。 それでは、次の質問に行きたいと思いますけれども、この広域的に獣医師系養成大学等の存在しない地域に限りという条件を付けたわけでございますけれども、具体的にどの程度の範囲が想定されていたんでしょうか。それに該当し得る地域がどれだけあるのかを明らかにしていただきたいと思います。具体的に、その存在しない地域に限りという範囲はどのぐらいなんでしょうか。半径何キロ以内とか、そういうことをお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(山本幸三君) 昨年十一月の諮問会議取りまとめに当たりまして、特区ワーキンググループで文科省、農水省の議論、それから獣医師会などからの慎重な意見などの状況を踏まえて、こうした関係者の方々も御納得いただけるように、広域的に獣医師系養成大学等の存在しない地域と限ることを私が決断したものでございます。 広域的にという文言は、こうした目的から獣医学部の新設を認めることとする場合の考え方を定性的に示したものでありまして、具体的に何キロ以内とか、そういう範囲や距離を定めたものではございません。ただ、仮に一定の目安を示すとするならば、四国や北陸といったブロックごとの固まりが一つの目安にはなり得るものと考えております。
○森ゆうこ君 具体的に告示、これは共同告示ですけれども、文科省に伺いますが、この広域的に獣医師系養成大学等の存在しない地域に限りというのは、文科省としては具体的にはどの範囲と考えていますか。
○政府参考人(常盤豊君) お答え申し上げます。 広域的に獣医師系養成大学等の存在しない地域に限りというこの案文につきましては、内閣府さんの方から御提示をいただいたものでございますので、今、大臣の方から御答弁があったところでございます。
○森ゆうこ君 文科省、それでいいんですか。 これまで、厳しくこういう専門の国家資格についてはきちんと管理をしてきたはずです。そんな曖昧な答弁でよろしいんですか、内閣府に言われたからそうなんだと。それじゃ文科省の責任果たせないでしょう。大臣、いかがですか。
○国務大臣(松野博一君) 文部科学省が獣医師養成大学に関して抑制をしてまいりましたのは、需給の観点からの要請に基づいてでございます。 今回に至りましては、国家戦略特区の中において、先端的ライフサイエンスでありますとか水際対策等の今回の目的がなされ、それに関して、関係省庁がその需給面に関して必要性を認めるということでございましたので、文部科学省としてはこの国家戦略特区の告示に合意をしたということでございます。
○森ゆうこ君 非常に無責任な答弁だと思います。客観的な根拠も示さなければ、この広域的にについての定義をきちんと示さないということであります。 それで、パブリックコメントの資料もお付けしましたけれども、そもそもパブリックコメントには、一校に限る、最終的に決めた告示の案文に盛り込まれました一校に限るという文案ではなかったわけであります。様々私が判断したと山本幸三大臣繰り返し答弁をされておりますけれども、何のためにパブリックコメントをおやりになったんですか。 広く寄せられた、千件近くも寄せられた国民からの意見の中には一校に限るというのはなかったと思いますけれども、その広く寄せられた、パブコメで寄せられた意見に対しては特段の対応がないにもかかわらず、パブコメにかけたその文言とは全く違うものを入れた告示の改正というのは手続的におかしいというふうに思いますけど、いかがですか、山本大臣。
○国務大臣(山本幸三君) パブリックコメントにおいては、十一月九日の諮問会議の決定を受けて、広域的に獣医学部がない地域に限るということでパブリックコメントをしているところであります。 そのパブリックコメントの結果を受けまして、かなり慎重な意見が多いということ、それから、その間に日本獣医師会から是非一校に限ってもらいたいというような要請を受けまして、その上で、最終的に告示に至る段階においては一校に限ることが適当であると私が判断し、そうした手続を取ったということであります。
○森ゆうこ君 パブリックコメントには寄せられていない、国民の広く意見を募集したにもかかわらずそういう意見を反映せずに、しかし一校に限るというふうに行った。しかも、定員は百六十人、急に増えるわけです。五ページ目の資料を見ていただいても、一挙に九百人台から千人を超えると。百六十人、慎重にという対応の要求にもかかわらずこれだけの大勢の定員を増やすということに、説明に全く論理の一貫性がないと言わざるを得ないというふうに思います。 ところで、山本大臣は、昨年、この資料にもありますけれども、加計孝太郎加計学園理事長から直接陳情を受けられましたね。
○国務大臣(山本幸三君) 私が就任して、その後、九月七日に加計学園の理事長が挨拶に来られまして、そこで、今治市にそういう提案をしているというお話がありました。私からは、公正中立に、厳正に、ルールに基づいて審査をさせていただきますと、そういうふうにお答えいたしました。
○森ゆうこ君 それはおかしいですよ。規制改革、岩盤規制を突破するわけでしょう。そして、その一校に決まるわけじゃないですか。利害関係者に会って陳情を受けて、その人に決まると、おかしいんじゃないんですか、それは。それを堂々と答えられているということに私としては驚きを感じますけれども。 なぜ陳情を受けられたんですか。利害関係者じゃないですか。おかしいと思いませんか。
○国務大臣(山本幸三君) 国家戦略特区に関することだということで、事務的にそういう会見がセットされて、そしてそういうお話を伺ったということであります。 これは、いろんな場合もあり得ると思いますけれども、関係者がそれなりに挨拶に来て、そういう要請をしているというようなことをお話しされることはあり得ることだというふうに私は思っております。
○森ゆうこ君 いや、おかしいんじゃないでしょうか。岩盤規制を突破して、そして、その人一人だけに、一校だけにその利益が供与されるわけですよ。おかしいんじゃないですか。 そして、山本農水大臣も陳情を受けていますよね。この間ちょっと忘れていたようですけど、今回はもうよく思い出していただいたと思いますので、一言お願いします。
○国務大臣(山本有二君) 平成二十八年八月二十三日に加計孝太郎理事長さんと面会しております。その際に、大学の設置についての話題はありました。しかしながら、用件は大臣就任祝いということだけでございましたので、所管の役人を同席させることなく短時間で済ましたわけでございますが、その際に、今治に獣医学部をつくるという話題はございました。
○森ゆうこ君 国家戦略担当大臣、そして農水大臣、関係大臣二人に陳情したわけです。 松野文科大臣もお会いになったそうですけれども、当然、これは規制官庁ですね、直接的な、文部科学省が。松野さんのところでも加計孝太郎理事長はそういうお話をされたと思いますけれども、どうですか。
○国務大臣(松野博一君) 平成二十八年九月六日に加計理事長及び豊田元理事が大臣就任の挨拶に来られましたが、その際、就任の挨拶があったのみで、獣医学部新設に関する話はありませんでした。
○森ゆうこ君 おかしいですね。ほかの両大臣にはよろしくというお話があったそうです。松野文部科学大臣、忘れたんじゃないですか。あったと思いますよ。絶対なかったと言い切れるんですか。
○国務大臣(松野博一君) 事実としてなかったものですから、なかったと申し上げたところでございます。
○森ゆうこ君 五十二年ぶりの獣医学部の新設、客観的な空白区域の根拠も示さない、そして担当大臣が、利害関係者である、最終的に一校に絞られるその事業者に陳情を受けている。松野さんは認められませんでしたけれども、農水大臣、そして国家戦略担当大臣は認められました。これは全くおかしい、恣意的に、そしてその政策がゆがめられていると改めて指摘をさせていただきたいと思います。 これこそ行政監視ということで厳しくチェックされるべきだということを申し上げまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。
○伊波洋一君 沖縄の風の伊波洋一です。 本日で、一九七二年五月十五日の沖縄の施政権返還からちょうど四十五年目です。米軍統治下から日本国憲法の下に帰り、この四十五年で、教育、社会保障制度、社会インフラが整備され、発展し、沖縄も大きく変わりました。 一方、この四十五年間、今も変わらないのが米軍基地の重圧です。米軍統治下では米軍が住民の土地を取り上げて基地を建設していきましたが、今は、米軍に代わって日本政府が新基地建設を強行しています。昨日も、辺野古のシュワブ基地向かいの瀬嵩の浜で新基地建設に抗議する五・一五県民大会が開かれました。多くの沖縄県民が沖縄の未来とちゅら海を壊す辺野古新基地建設に反対していることを強調し、沖縄の今後の発展に向けて質疑をいたします。 沖縄では、四十五年前に五十六万人だった観光客数が昨年度で八百七十六万人になり、ハワイよりも多い観光客となっています。台湾、韓国、中国、香港などから海外観光客も二百十二万人が来県しました。二年後には一千万人を超える見込みです。 米軍基地関連収入への経済依存度が五%以下に減少する中で、観光産業と情報産業はそれぞれ一五%を超えています。 沖縄では昔から畜産が盛んで、戦前までの屋敷には豚を育てる石造りの場所があり、農家では、馬や牛、ヤギを飼育するのが一般的でした。沖縄の食文化として豚肉やヤギ肉は大切なもので、特に豚肉は、伝統料理に欠かせませんし、鳴き声以外は頭のてっぺんから爪先まで食べるというのがよく言われることです。 今では家ごとの飼育はなくなりましたが、畜産は沖縄の農業産出高の五割弱を占める重要な産業です。今日、沖縄に伝わるアグー豚が評価され、観光客の皆さんに提供されるようになっています。香港にも輸出されています。沖縄は全国各地に向けた子牛の生産地ですが、観光客の増加で、石垣牛やもとぶ牛など沖縄各地で牛肉のブランド化が行われるようになり、観光客に提供されています。 今、那覇空港は航空貨物のハブ空港として、全国の付加価値の高い生鮮食品が那覇空港を経由してアジア各地に届けられるようになっています。アジア各地からの観光客が年間二百万人を超えるようになった沖縄の畜産にとっても、今後一層拡大することが重要です。 現在、香港へは県内の食肉処理センターで解体されたアグー豚や一般豚の精肉が多く輸出されていますが、牛肉については、県外の認証を受けた食肉処理センターで精肉することが必要です。シンガポールへのアグー豚肉輸出でも、県外の認証施設での食肉処理が必要です。現在輸出できない中国ですが、今後大きなマーケットになります。中国への精肉輸出では、認証された食肉処理センターが必要になるでしょう。 一千万人近い観光客に沖縄の食を安心して食べてもらうためにも、県内の食肉処理センターが輸出認証も得られるような施設になることが大切です。そこで必要なのが沖縄県内の食肉処理センターへのHACCP認証の導入です。 HACCPとは、原材料の入荷から出荷までに発生するかもしれない食中毒菌汚染や異物混入を防止するため、特に重要な工程を管理する食品衛生管理の手法の国際基準です。政府は、訪日外国客に食の安全、安心を提供するため、厚労省の食品衛生管理の国際標準化に関する検討会でHACCP義務化の方向を打ち出しています。 質問です。現在のHACCPの導入状況、今後のHACCPの義務化はどのような見通しでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今御指摘ございましたHACCPでございますけれども、食品の衛生確保のための工程管理の国際基準でございまして、この普及状況につきましては、農林水産省が実施をいたしました調査によりますと、年間販売金額百億円以上の大手層では約九〇%の事業者で導入が既に進められているということでございます。一方で、中小規模層を見ますと約三五%、全体でいきますと約二九%にとどまっているわけであります。 このHACCPの義務化につきましては、有識者による検討会を開催をいたしまして制度化の在り方について検討を進めて、昨年末に取りまとめを行ったところであります。この取りまとめの中では、HACCPが多くの先進国で義務化を既にされており、国際標準となっていることなどを踏まえて、食品の製造、加工等を行う全ての食品事業者に対してHACCPによる衛生管理を義務化することを基本として、小規模事業者などの一定の業種についてはHACCPの弾力的な運用を可能とすべき、こういった方向性が示されているわけでございます。 今後、この検討会の取りまとめを踏まえて、薬事・食品衛生審議会、ここにおきまして関連法令の整備も含めて具体的な今後の進め方の検討を行ってまいりたいというふうに思っております。
○伊波洋一君 HACCPの導入については、施設設備の整備に多額の資金が必要とか、あるいはモニタリング、記録管理等の人的コスト等HACCP導入後の運用コストが大きいなど、中小企業を中心に支援を求める声も出されております。 政府としてHACCPの義務化や導入促進に向けて支援をすべきと考えますが、いかがでしょうか。農水省の方で答弁をお願いしたいと思います。
○国務大臣(山本有二君) 委員御指摘のとおり、農林水産物、食品の輸出、これは重要なことでございまして、沖縄県に非常に期待を掛けるところでございます。 平成三十一年の輸出額一兆円の目標を政府は掲げておりまして、昨年五月に策定いたしました農林水産業の輸出力強化戦略に沿って各般の施策を実施しているところでございますが、食肉の輸出につきまして、御指摘のHACCPなど、輸出先国が求める衛生条件等を満たす必要がございます。ハード面で、平成二十八年度補正予算に計上した農畜産物輸出拡大施設整備事業も活用しまして、輸出拠点施設の整備費に対する支援を行っているところでございます。また、ソフト面でも、輸出先国が求める認証等を取得するために、必要な査察の受入れや衛生検査に対応するための経費等につきましても支援を行っているところでございます。 今後とも、政府全体の重要な政策課題である農畜産物の輸出拡大に向けまして、ハード面とソフト面、両面から積極的に御支援をさせていただければというように思っている次第でございます。
○伊波洋一君 ありがとうございます。 HACCPを前提に、食肉処理施設が相手国から輸出認定を取得しなければなりません。沖縄でも、輸出認定に対応できる食肉処理施設を整備していく必要があります。 農水省は、強い農業づくり交付金や輸出インフラ整備プログラムなど、施設整備を支援しております。食肉処理施設では、岩手、栃木、京都、宮崎がこの輸出インフラ整備プログラムのリストに載っており、それぞれの地域に輸出認定を受けた施設がないことが理由になっていますが、沖縄県内の食肉処理施設をめぐる状況も全く同様です。政府は農産物の輸出拡大に取り組んでいますから、農水大臣、特に熱意を持っていらっしゃると伺っております。 そこで、質問です。輸出認定の取得に向けて、食肉処理施設への支援、特に施設整備への支援策が今後とも大変重要と考えますが、御所見を伺います。
○政府参考人(枝元真徹君) お答え申し上げます。 今御指摘いただきましたとおり、平成二十八年度の補正予算に計上いたしまして、農畜産物輸出拡大施設整備事業等を活用いたしまして輸出拠点の整備を行って、それに対する支援を行っているところでございます。また、その対象といたしましては、先ほど先生がおっしゃったとおりでございます。 これらにつきまして、沖縄県の場合、現在は、例えば牛肉につきましては輸出対応型の施設がないということ、あと、豚肉については香港以外はそういう施設がないということで、県外の方に一度出してやっているという実態でございますので、沖縄県も、先生からございましたアグー豚等々、肉質に優れた固有の品種を保有しておりますし、県や生産者におきまして前向きな意欲を持って取り組んでいただいているというふうに考えてございます。 海外市場でも十分通用するポテンシャルを有しているというふうに考えておりますので、各種支援措置を是非御活用いただければというふうに考えてございます。
○伊波洋一君 是非、沖縄県内においても施設整備、輸出認定が進むよう御支援をお願いしたいと思います。 課題は、まだまだ食肉の輸出相手国が限られているということです。現在、豚肉の輸出拡大については中国、タイと、それから牛肉の輸出拡大については台湾、韓国、中国、マレーシア、サウジアラビアと動物検疫協議中と聞いております。沖縄にとってアジア諸国は、地理的にも近く、航空輸送便もあり、マーケットとして有望で、県内の事業者からも早期の解禁の大きな声が寄せられております。 現在、輸出解禁協議の見通しはいかがでしょうか。
○政府参考人(今城健晴君) お答え申し上げます。 おっしゃるとおり、輸出をするためには、動物検疫、これによりまして輸出が閉ざされている国ございますので、ここについて、やはり重点的に輸出をしたいというターゲットの国を定めまして、それで、おっしゃるとおり、輸出検疫協議を精力的にやっておるところでございます。 ただ、相手もあることでございますし、私ども、検疫協議におきまして、データの提出でございますとか相手との協議の促進ということに相努めておりますけれども、具体的にいつ頃というまではなかなかめどが立っていないものがほとんどでございますけれども、なるべく早期の輸出解禁に向けて精力的に交渉に当たってまいりたいというふうに考えております。
○伊波洋一君 ありがとうございます。 特に中国、韓国は大きなマーケットです。カンボジアに輸出された和牛肉が中国に転売されているという報道もあります。是非、早期の輸出解禁に向け、一層の御尽力をお願いしたいと思います。 日本政府は地理的優位性を口実に沖縄に基地を押し付けていますが、今後は、軍事のためでなく経済のために地理的優位性を活用すべきだと思います。 沖縄県産の畜産物、県産食肉の輸出拡大は、これからの沖縄経済にとって大きな可能性を持っています。生産者や食肉業者側は、輸出に挑戦したくても近くに輸出認定施設がなく、現状ではコストがかさんで踏み切れない。食肉処理施設の側は、収入は頭数に応じた処理費用だけで、経営自体も厳しく、輸出に向け食肉処理の需要もない中、新たに投資してまで輸出認定を取得するインセンティブが欠けています。輸出に向けては、こうした状況を打破する必要があります。 沖縄県内の食肉処理施設のHACCP取得、輸出認定の取得は、沖縄振興にとって大きな意味を持つと考えます。そのために、HACCP義務化に伴う支援、あるいは輸出認定施設に対する支援を、是非、沖縄担当大臣のイニシアチブで検討していただきたいと考えます。 政府として沖縄振興の視点で一層のサポートが必要と考えますが、沖縄担当鶴保大臣の御所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(鶴保庸介君) 御指摘のとおりだと思います。この度、伊波委員の御質問を受けて、私も関係部局に状況を精査させました。 この三月からは、品目ごとに分野別に課題の抽出、対応方策等々について、これは畜産だけではありません、様々な輸出についての関係機関と具体化に向けた調整や検討も行われ始めている、また、今御指摘のようなHACCPの導入につきましても、ターゲットとなる輸出先国の求める輸出条件等を確認をし、関係者の意見を聞きながら、関係省庁と連携して今取組を始めておるところであります。 特に、問題になっております食肉関係の輸出施設につきましては、JAが四月から人材育成等々の検討を始めたということも聞いておりますので、農水省及び厚生労働省等々とも密に連携を取りながら、積極的に推進をさせていただきたいというふうに思っております。
○伊波洋一君 ありがとうございます。 業界も、香港輸出等を通して、業界の協議会などもつくりながら、県も挙げてやっております。そういう意味では、政府としても沖縄の地理的優位性を、やはり日本経済全体の農産物の輸出にも貢献することですから、是非、大きく見てもらって、その流れをつくっていただくようお願いして、質問を終わりたいと思います。 ありがとうございます。
○委員長(佐藤信秋君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後四時十分散会