厚生労働委員会 第24号
- 発言数
- 297 件
- 登壇者
- 26 名
- 会派数
- 8
- 開催日
- 2017/06/13
会議録
○委員長(羽生田俊君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 去る九日、羽田雄一郎君が委員を辞任され、その補欠として石橋通宏君が選任されました。 また、本日、片山大介君が委員を辞任され、その補欠として石井苗子君が選任されました。 ─────────────
○委員長(羽生田俊君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 児童福祉法及び児童虐待の防止等に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省雇用均等・児童家庭局長吉田学君外八名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(羽生田俊君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(羽生田俊君) 児童福祉法及び児童虐待の防止等に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○自見はなこ君 おはようございます。自民党の自見はなこです。今日もどうぞよろしくお願いいたします。 今日は児童福祉法及び児童虐待の防止等に関する法律の一部を改正する法律案について質問をさせていただきます。 昨年、平成二十八年五月に児童福祉法等の一部を改正する法律が成立いたしました。児童虐待の発生予防、児童虐待発生時の迅速、的確な対応、被虐待児童への自立支援など、具体的な項目立てをし、児童に対する福祉の充実をうたってくださいました。 その中でも、前回の改正での大きなポイントは、私は、昭和二十二年から見直しがされていなかった第一条の児童福祉法の理念の明確化にあると思っております。そして、それまで保護の対象だった子供に関して、子供を主体として捉えていただき、子供目線でその権利を明文化してくださったことと、その上で国民、保護者、国、地方公共団体の責務を明確にしてくださったことにあると思っております。 私はこの第一条が大好きでありますので、ちょっと読ませていただきます。第一条、「全て児童は、児童の権利に関する条約の精神にのつとり、適切に養育されること、その生活を保障されること、愛され、保護されること、その心身の健やかな成長及び発達並びにその自立が図られることその他の福祉を等しく保障される権利を有する。」とあります。小児科医にとっては、この子供の目線に立った子供の権利の法的根拠というものは長年の悲願でありまして、これはコペルニクス的な転回であると私自身は受け止めております。前回の法改正の審議の前の時期でございましたけれども、今の参議院議員という立場をいただく前に、日本医師会館で開催されました母子保健講習会で塩崎大臣がこのことをお話しされたのを覚えておりますが、余りの大きなことに大変衝撃を覚え、にわかに信じられなかったことを覚えております。 また、今回の法改正では、前回の法改正に示された事項についての改正案であると理解しておりますが、大切なことは、法改正を通じて、子供を取り巻く問題を社会科学的に、あるいは公衆衛生学的に見て包括的に問題解決をしていく、考えていくという姿勢であると思っておりますので、是非よろしくお願いをいたします。 さて、最初の質問に移ります。 まず、虐待に関してでございます。今回の法改正と連動し母子保健法も改正され、母子保健施策が児童虐待の発生予防や早期発見に資するものであることが明確化されました。御承知のとおり、児童虐待は年間十万件の通報と五十名近い児童が死亡していると言われております。小児科医の私の感覚からいいますと、私自身の経験した死亡例だけでも三件ございますので、この数字はもしかしたら全容を捉えていない可能性もあるのではないかと感じたりしております。 さて、一問目でございます。 児童虐待等により児童の命が最も多く失われているのは生後どれぐらいの児童か、また、死亡事例について障害の有無や親の年収などを調べるべきではないかと思いますが、お考えをお聞かせください。
○政府参考人(吉田学君) お答えいたします。 厚生労働省では、心中事案を含めまして児童虐待による死亡事例について、自治体からの御報告を受けて、国の専門委員会で毎年度その養育環境や関係機関の関与の状況等について分析、検証を行って、虐待死の防止のための取組につなげていくということにしております。 直近、第十二次報告というものを平成二十八年の九月に出しておりますが、これによりますと、七十一人を対象に分析や検証をしております。このうち、心中以外の虐待死四十四人について見ますと、死亡時点における子供の年齢につきましてはゼロ歳児が二十七人と最も多くて、心中以外の虐待死全体の約六割がゼロ歳児という実態でございます。 また、今御質問いただきましたように、障害の有無、年収につきましては、子供の障害につきましては、心中以外の虐待死四十四人について、身体障害又は知的障害があるという人数がお一人、二・三%、ないというのが二十八人、六三・六%、よく分からない、不明というのが十五人、三四・一%となってございます。 また、世帯の年収につきましては、虐待死したお子さん、心中をこれ含めてのデータでありますが、家庭の経済状況について判明している限りでの事例で見ますと、生活保護世帯などを含む年収五百万円未満の家庭が約八割ということになってございます。この数字は、心中以外の虐待死に限りますと九割に上るというのが私ども把握している実態でございます。
○自見はなこ君 ありがとうございます。 ゼロ歳児の死亡が二十七名、六割と大変多いということでございますけれども、生後間もない乳幼児の命が虐待により奪われているのは本当につらい事実でございまして、一刻も早く日本から虐待死がなくなることを願っております。また、その際にも、先ほどお答えをいただきました両親の年収であるとか、あるいは、今回は含まれておりませんでしたけれども、教育歴であるとか、そういったものがどのような影響あるかということもしっかり丁寧に調べていく必要があると思っておりますし、社会全体の施策としてそれらにどうやって手当てをしていくのか考えていく必要があると思います。 また、ちょうどこの週末でありますけれども、富山県で日本小児科医会総会フォーラム・イン富山というものが開催され、そこに参加をしてまいりました。その特別講演の中でフィンランド大使館の方のお話を聞きました。 フィンランドは人口六百万人弱の国で、合計特殊出生率は一・七五人の国であります。一時景気が低迷し、出生率は低くなったものの、最近では再度増加傾向であるということでしたが、私が何よりも驚きましたのは、児童虐待はあるものの、児童虐待による死亡はゼロだということでありました。 そして、最近よく耳にすることのありますネウボラというのを聞いたことがあると思います。ネウボラというのは相談するところという意味だということでございますけれども、フィンランドでは、妊娠期からその生まれたお子さんが小学校に上がるところまで一つのネウボラに通うことがあります。ここでは包括的な家族に対する支援を目的としておりまして、この存在の意義が大変大きいということでありました。 ネウボラは、一九一七年、フィンランドがロシアから独立し、経済的に貧しく、周産期の妊産婦死亡率や乳幼児の死亡率が高かったことから、小児科医、看護師、助産師、保健師とともに一九二〇年代から始まりました。そして、一九四四年に法制化、一九四九年には国内どこでもサービスが受けられるようになり、六百万人弱の国で八百五十近くのネウボラが整備されていて、そして、フィンランドにおける母子の死亡率の低下など大きな成果をもたらしているというお話を聞きました。 フィンランド大使館のホームページを見ますと、そこにビデオがあるんですけれども、それは日本からの訪問の見学が多いということで、日本語用にビデオを作成しているということで、大変まとまったビデオがございましたけれども、妊娠に気付いた女性はまず近くにあるネウボラを訪れるところから始まって、そして、医師や保健師、専門職が配置されているところで妊娠中に最低でも八回から九回の健診、出産後も二回の健診が行われまして、子供に対しては十五回ほどの健診が予定をされているということで、必要に応じて家庭訪問も組まれているということでした。また、保健師や医師だけでなく、ネウボラを通じて、管理栄養士、リハビリセラピー、ソーシャルワーカーなどともつながることが可能で、利用者にとってはワンストップサービスとなっております。 また、日本でもそうでございますけれども、虐待では望まない妊娠があった場合に増えると言われておりますが、ネウボラでは妊娠時には夫婦で受診する機会も多く設けられており、また、子供の十五回の健診のうち幾つかは両親そろっての受診ということが努力義務として課せられております。妊娠を肯定的に夫婦で受け止める、時にメールでも相談ができ、保健師さんの下でチームが組まれて包括的に支援していくということで、大変すばらしい発表を聞くことができました。 日本でも、昨年の法改正により、切れ目のない支援ということで、平成三十二年度までを目途に子育て世代包括支援センターの全国展開を行うと定め、目下その展開に取り組んでいるところだというふうに理解をしております。 二つ目の質問でございます。 虐待の防止の観点からも妊娠期から子育て期までの切れ目のない支援が大変重要であると考えておりますが、子育て世代包括支援センターの平成三十二年度の全国展開に向けて今後どのように取り組んでいくのかを教えてください。
○政府参考人(吉田学君) 今委員御指摘いただきましたように、私ども、子育て世代包括支援センター、ニッポン一億総活躍プランなどにも基づきながら、現在、平成三十二年度末までに全国展開するということで取り組ませていただいております。 この仕組みは、今御紹介いただきましたようなフィンランドにおけるネウボラなどの例ですとか、あるいは我が国における地域において先駆的に取り組んでおられた方々の取組なども参考にさせていただいて、切れ目のない支援、そして地域において関係者が集うということをコンセプトなどなど取り組ませていただいておりますが、現在、本格的に実施しております平成二十七年度から直近におきまして平成二十八年四月一日時点のデータが手元にございますが、二百九十六市町村、七百二十か所となっておりまして、先ほど来御指摘いただいておりますように、平成三十二年度末に向けての全国展開に向けて取り組んでおります。 二十九年度の予算におきましては、このセンターの立ち上げに必要な職員の雇い上げなどに要する経費を新たに計上させていただいておりますし、また、この運営に当たってのガイドラインの作成を今現在作業中でございます。 センターの全国展開に向けて、私どもとしてもしっかり取り組んでまいりたいと思っております。
○自見はなこ君 大変熱心な取組をありがとうございます。ただ、まだ、お話を伺いますと二百九十六市町村ということですので、まだまだこれからやるぞという自治体の方が多いと思いますので、せっかくですから、多少道のりは遠いかもしれませんが、目指すところはやはりネウボラだということで気概を持って頑張っていただきたいと思っております。 また、私、去年の七月十日に当選させていただきまして、九月二十六日から国会が始まりまして、初めて議員になって厚生労働省から受けたレクチャーが実はこの子育て世代包括支援センターでございました。そのときに、先人たちの努力によってこういったセンターが日本でできるのは本当にすばらしいなと大変感動したのを覚えていますけれども、同時に、そのときに受けた印象は、ひょっとしたら行政の側からだけ見たワンストップサービスになっちゃうかもしれないなということでありました。大人の目線からだけ見た支援ではなく、やはり子供の視点というのが非常に大事であるというふうに思っております。 窓口は一本化するんだけど、その後はまた細分化されていたり、また、そこには保健師さんが中心で働かれていると思いますけれども、当初、今随分と変えてくださいましたけれども、当初伺ったときにはその発想の中に小児科医が関わるということが余り明確化されていなかったり、あるいは、虐待は、虫歯、齲歯からも発見されることが大変多いわけですけれども、小児歯科の先生方も当初はガイドライン作りに入っていなかったりと、行政の皆様本当に良くしてくださっているんですけれども、どうしても自分の範疇のことからの発想になってしまっているのではないかなと思いました。 一番のステークホルダーは子供たち自身でありますので、子供たちを取り巻く環境を本当によく観察していただきまして、関係者には漏れることなく十分に声を掛けていただいて、丁寧に積み重ねて制度設計をしていってほしいと思います。よろしくお願いいたします。 さて、次の質問に移ります。 その子育て世代包括支援センターでございますけれども、特に医療的ケア児や障害者の保護者の方、高齢出産に伴うダブルケアといった方に対してもしっかりと窓口としての機能を果たす必要があるのではないかと思っておりますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(吉田学君) 御指摘いただきましたように、医療的ケア児あるいは障害児の保護者の方、それから育児と介護のダブルケアをされている方なども含めて、全ての子育て中の方々に対してワンストップで相談対応をするということが重要だというふうに私ども思っておりまして、子育て世代包括支援センターは、御指摘のような手厚い支援が必要なケースについて通常の情報提供あるいは助言に加えて支援プランを作成するなど、より関係機関と密に連携をして専門的な支援につなげる意味での拠点という機能も望まれるというふうに思っております。 こういう観点、基本的な考え方に立って、先ほども少し申しましたが、現在作成作業をしておりますガイドラインの中で、御指摘いただきましたように、この間いろんな形で外からも御意見をいただき、多くの方に御参画いただいてこのガイドライン、作業を進めておりますけれども、その中で明示させていただきたいというふうに思っておりまして、今後、その趣旨を実施する市区町村に伝わるように、このガイドラインの策定をしっかりと周知をさせていただきたいというふうに思っております。
○自見はなこ君 ありがとうございます。支援プランの作成をしてくださるということで、大変大きな期待をしております。 皆様御存じかとは思いますけれども、医療的ケア児に対しましての休暇というのは、子の看護に関する休暇ではなく介護保険による介護休暇に当たります。加えて、高齢出産に伴った親の介護と子育てが一緒に起こるのが今の時代でありますので、介護保険のパンフレットや簡単な説明も同じ窓口で、妊娠、出産というライフイベントの初めにしてあげるようにすると大変役に立つと思います。子育て世代を一生懸命に応援しようという温かい気持ちで是非やっていただきたいと思います。 また、実は医療的ケア児に関してでございます。 医療的ケア児でございますけれども、実は二十歳までは親が子の世話をするべきだという考えがございまして、成人で利用可能な長時間の見守りを想定をした重度訪問介護サービスが利用することができないのが今の現状であります。このため、障害児の兄弟の授業参観は、親として参加し、その役割を果たしたいなと思ってもできないケースなどもそうですが、このサービスが利用できないことが引き起こしているそれぞれの事情、家庭の事情というのは実に切実なものがありますが、私はこれはいかがなものかと思っております。 制度の説明を詳しく伺いますと、重度障害者包括支援というサービスが法律上あるということではありましたけれども、これの要件が大変厳しく、実施してくれる事業主が少ないことや、診療報酬上の評価が少ない、あるいは介護保険上の評価が少ないということもあり、利用ができていない現状があるということでありました。想像に難くないと思いますが、様々なところでやはり行政の壁というものにぶち当たってしまいます。 是非、我が事・丸ごとが今の厚労省のモットーであるというふうに思っておりますので、このような壁はすぐにでも撤廃してくださいますように強くお願いを申し上げます。 さて、次の質問に移ります。 児童虐待を事前に防止するためには特に母親のメンタルヘルスが重要だと認識しておりますが、妊産婦への精神的なケアについて国としてどのような取組を行っているか、教えてください。
○政府参考人(吉田学君) お答えいたします。 我が国では、いわゆる褥婦の五%から一〇%に産後うつ病が認められるという知見もあるというふうに承知しておりまして、御指摘のとおり、妊産婦のメンタルヘルスケアのための取組というのは非常に重要だと思っております。 このため、子育て世代包括支援センターに加えまして、特に集中的な支援が必要な産前産後期の支援を充実させるために、これは歴史的には平成二十六年度から始めてはおりますけれども、子育て経験者が相談支援を行う産前・産後のサポート事業でありますとか、あるいは、助産師などの方々、専門職が母子への心身のケアを行う産後ケアという事業をこれまで実施してきております。 さらに、こういう実績を踏まえながら、現下における課題を踏まえて、今年度から産後うつの予防などを図る観点から産後期の初期段階における母子に対する支援というものを強化をさせていただいております。具体的には、地域における全ての産婦の方々を対象に産婦健康診査という形で二回分の費用について助成を行わせていただいております。 こういう取組を通じまして、妊娠・出産期から子育て期の女性のメンタルヘルスケアについてもしっかりと取り組ませていただきたいと思っております。
○自見はなこ君 ありがとうございます。 産後うつは非常に大きな問題であります。是非、小児科、産婦人科、保健センターなど、よく皆様で連携を取って、包括的に親子を支える、お母様を支えるという支援を是非推進していっていただきたいというふうに思っております。 さて、御存じの方もおられるかと思いますけれども、我々小児科の領域では、母子愛着形成という言葉を大変大事にしております。生後、生まれてから三歳まで、特に一歳までの間ですけれども、赤ちゃんとして生まれて、お母さんあるいはお父さんと非常にスキンシップを取る、目と目を見る、あるいは母乳のときも、お母さんが赤ちゃんの目を見ることでお互いの体内ホルモンのバランスも整って非常に情緒が安定する。もちろん、母乳だけじゃなく粉ミルクをあげているときでも、それは目と目を合わせる、スマホをしないとか、私たち小児科医はそういったことを呼びかけています。 そして、この時期、この人格形成の基盤となる時期に、愛着形成期と申しましたけれども、この時期は人格形成において極めて重要な時期でありまして、言わば私たちの人格のプラットホームの時期であります。実は、この愛着形成がしっかりできるので人見知りが始まるというふうに言われておりまして、赤ちゃんが泣くと、人見知りが始まると、みんなあやすのが大変でもありますけれども、実はそれは心の中の人格のプラットホームができつつあって人見知りが始まっているということでありますので、人見知りが始まったということは、実は健やかな成長、発達の姿の一つでありますので、喜ばしいことであると私たちは受け止めています。 そして、今の日本では、安倍政権の下、待機児童の解消というものがうたわれております。皆様の精力的な取組のおかげで、過去に類を見ないスピードで保育園の整備等が行われている現状がございます。それ自体は女性の就業率の上昇から見ても極めて重要な政策課題であるということは十分に承知をしていますが、その際に、子供の心、子供の目線は本当に考えられているのでしょうか。前回の法改正第一条でうたわれた、「適切に養育されること、その生活を保障されること、愛され、保護されること、その心身の健やかな成長及び発達並びにその自立が図られることその他の福祉を等しく保障される権利」とは、一体何なんでしょうか。 北欧では、両親が一歳になるまでの間にお互いに交代をして育児休暇を取ることができますので、ゼロ歳児を基本的に集団で預けるという保育の概念はないというふうに言われております。この時期でファミリーというものを形成する時期だからでございます。ただし、自宅で見るだけですと、やはり煮詰まってしまうこともありますし、子供の社会性という問題もありますので、ゼロ歳から六歳までが通う児童館のようなものも整備もされておりますし、また、その後でございますけれども、国によっては、一歳から三歳ぐらいから入れる、国によって違いますけれども、保育園と学校が一緒になったような設備や保育園と言われるものが子供の権利として保障をされております。 今現在、我々の日本が進もうとしている道は果たして本当に子供を中心にしているのかということは、私は大変疑問を感じるときがあります。造った保育園の数で私たちは評価をしていないでしょうか。あるいは、待機児童の解消の数だけで評価をしていないでしょうか。まずは数で解消をすることは、本当に喫緊の課題としては大変重要で必要なことでもちろんありますけれども、本質、何か見失っているような気がしております。多くの女性の特に出産間もない間は、働きたいから預けるというよりも、若年世代の所得が低所得化している中、働かなければならないと思われる状態が存在するので預けているということも実際のところ大変多いと思います。女性には、もちろん男性にもでございますけれども、女性には母性がありますし、母子分離あるいは愛着形成期の引き剥がしに起こるこの悲しさというものは決して子供だけのことではなく、母親も同じように感じております。 是非、働き方改革とセットで我々の生き方改革、是非していってほしいと思っております。次世代の健全な育成に対して政治が責任を持つならば、いま一度立ち止まって考える必要があると私は思っております。 それから、まだ議員になって間もないですけれども、この間、厚生労働省の皆様がいかに多忙かということもよく分かりました。是非、一日だけ夜の八時に電気を消すというような取組ではなく、抜本的に厚労省丸ごとで業務改善の見直しをしていってほしいと切に願っておりますし、たとえ厚労省で働いていてもというのは語弊があるかもしれませんけれども、たとえ厚労省で働いていても六時半には帰路に就いて七時には家族と御飯を食べてという生活ができるような日本の社会に是非していきたいと思っております。 大きな課題かとは思いますけれども、我々全体が社会でシフトしなければいけないことだと思いますので、皆様の御指導いただけると大変有り難いというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。 さて、次の質問でございます。産後ケア施設についての質問に移ります。 富山を実は前回訪問しましたときに富山市が新しい取組をしております施設を拝見いたしまして、すばらしいなと思いました。これは富山市内のレガートスクエアに設置されたばかりのセンターでございますけれども、ホテルのような産後ケア施設で、五床ございました。本当にかわいらしい、女性が好きそうな、そしてお母さんが本当にゆっくりできるような敷地の設計がされておりました。そして、その同じ建物でございますけれども、発達支援センターと在宅診療所と、それから病児保育がございました。地元医師会ともよく連携が取れていて、まだ始まったばかりの施設でありましたが、有機的に機能してくれると大変有り難いなというふうに考えております。 さて、質問でございますが、実はその富山のまちなか総合ケアセンターというものを拝見した後でございますが、様々なことを市役所の方からお伺いをいたしました。その後、いろんな課題についてもお話を聞く機会がございましたけれども、この産後ケア事業というものを実施しております施設の中には、実は法的な位置付けが現在ないということでございました。そして、その中では、簡易宿泊所として実施しているものもあるというふうにお話も伺いました。 このような産後ケア施設について、私は、せっかく国で進めていただきますので、多くの自治体が迷子にならないように法的な位置付けを付与するなど、今後の方向性について是非大臣のお考えを教えていただけたらと思います。よろしくお願いいたします。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今、産後ケア事業についてお尋ねをいただきましたが、退院直後のお母さんと子供さんに対しまして心身のケア、そしてまた育児サポートなどを行って、産後も安心して子育てができるようにということで支援体制を構築する、その目的のために平成二十六年度にモデル事業として一部開始をして、二十七年度から予算事業として継続的に本格実施をしているのがこの産後ケア事業でございます。 この事業の中で、一部の自治体では、産後ケアセンターなどの名称を用いまして休養のための宿泊もできるという、そういう機会を提供をしている独立した施設もありまして、そこについて今法的な位置付けが不明確であるがゆえにいろいろ問題があるということを御指摘をいただいたわけでありますけれども、特に旅館業法など他の法律との関係について、この事業のガイドラインを作成をいたしまして可能な限り整理をするということとしております。現在、事業を実施している市町村を含めた関係者と話合いを進めておりまして、ここで不都合がないように調整をしてまいりたいというふうに思っております。 また、法律的に新たな枠組みを設けるということにつきましては、この事業の将来的な課題の一つではないかというふうに思っておりますので、今後の事業の実施状況などを見て、また関係者の御意見をしっかり踏まえて対応をしてまいりたいと思っております。
○自見はなこ君 ありがとうございます。将来的な課題の一つというふうな御発言、大変心強く思っております。 いろいろな様々な自治体で開設しようとする方はやはり同じところで悩んでいるようでして、助産院として開設しようとするのか、あるいは簡易宿泊所として開設するのかというところで皆様壁に当たるようでございます。そして、やはり簡易宿泊所ですと、宿泊所としてのカウンターですとか帳簿、台帳ですとか、そういったものも整備しなければいけないということですとか、あるいは泊まりたいといった人を拒否することができないですとか、いろいろな不都合があるようでございますので、是非、産後ケアセンターのケア施設、すばらしい取組でありますので、法的な位置付けを将来の課題として取り組んでいっていただけたら大変有り難いと思います。よろしくお願いいたします。 それでは、次の質問に移ります。 乳幼児健診の未受診の中に虐待が多いとの指摘がございますが、乳幼児健診の受診率は現在どのようになっているでしょうか。
○政府参考人(吉田学君) お答えいたします。 母子保健法では、一歳六か月の健診それから三歳児健診というのを市区町村に義務付けております。私ども、地域保健・健康増進事業報告によりますと、平成二十七年度の受診率は、一歳六か月児健診が九五・七%、三歳児健診が受診率は九四・三%でございます。
○自見はなこ君 九五・七%という数字でございましたけれども、児童虐待防止のためにもこの未受診の者に対してのフォローが是非とも必要であるというふうに考えておりますが、どのようにフォローしているのか、教えてください。
○政府参考人(吉田学君) 乳幼児健診をお子さんに受けさせていない家庭というのは、受けさせておられる家庭よりも虐待リスクが高いという指摘もございます。未受診家庭の把握を通じまして、私どもまさに虐待予防の支援につなげるということが重要だと思っております。 未受診家庭に対しましては、家庭訪問等により受診勧奨に努めるということ、あるいは、それでも受診いただけない場合には児童福祉担当部局等に母子保健担当から情報をつなぎまして、連携して子供の安全確認を徹底するということをこれまで市区町村、いろんな機会を通じて求めております。 いずれにしましても、乳幼児健診を始めとした母子保健施策と児童虐待防止対策というのが連携を深めなきゃいけないという認識でございますので、虐待の発生予防、早期発見に全力を挙げて、関係者の御協力もいただきながら取り組みたいと思っております。
○自見はなこ君 ありがとうございます。 市区町村の取組を深めてくださっているということで本当にすばらしいと思うんですけれども、介護保険のときにも議論になりましたけれども、やはり最近は自治体への負担というものを私は大変心配も同時にしております。こうあればいいというものを、完璧なものを求めれば求めるほどそのしわ寄せは自治体に行きます。今朝のニュースでもやっておりましたし、最近のニュースでもやっておりましたけれども、やはり自治体がそろそろ、高齢化が進展していることに伴い、自らの議会をどう運営していくか等々についての話が出てまいりました。 私も全国行脚をする中で、実は日本を本当に五周近く回らせていただいたんですけれども、初めの一周目だけは都会を回ったんですけど、あとは全部地方を中心にあえて回らせていただきました。そのときに感じましたのは、地方はもう限界なんだということであります。シャッター通りも本当に日常的にありますし、それから医師会のことでいえば、医師会の先生方が、大体七十歳の先生方が休日夜間診療所を当番で支えてくださっておりますけれども、あと三年後、五年後、十年後、これがどういう形になるかということの答えは、やはり明確であります。 その中で私たちは打ち出したい社会というものがあるわけでありますけれども、市区町村のこの働き、機能というものを本当に包括的に見直してあげなければ、とてもではないんですけれども職員になりたいと思う人もいないでしょうし、それから本来私たちがしたいと思っている仕事が完遂するところまで行く手前で多くの方が疲労してしまうんではないかなと思います。 児童虐待にしましても、私が経験しました例で、特に都会でございましたけれども、院内に入院しておりました方、通報してから一か月半も児童相談所の方来なかったのでどうしたんだろうと思いましたら、六十何番目の待ち順であるということでありまして、ここにたどり着くまで大変だったんですという話を伺ったことがあります。 都会にもそういった問題がございますし、地方はまた別の問題がありますので、是非そういったことを、日本の国の実情をよく踏まえた上での施策を是非柔軟に執り行っていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。 それから、次の質問に移ります。 特定妊婦やハイリスク妊婦というものをどのように現在把握していますでしょうか。また、これらの者の把握のための対応を私はより一層充実すべきだと思っております。特に産婦人科医と小児科医の連携が必要ではないかと思いますが、そのお考えをお聞かせください。
○政府参考人(吉田学君) お答えいたします。 特定妊婦あるいはハイリスク妊婦と言われる方々の把握につきましては、まず、先ほど来御指摘もいただいております子育て世代包括支援センターというのが期待できるということで、ここでは、妊娠の届出等の機会に得た情報を基に、妊娠、出産、育児に関する相談を行っております。また、必要に応じて、例えば御指摘のようなハイリスクの方につきましては個別に支援プランを立てるということ、先ほども御答弁申し上げました。さらに、児童相談所、学校、医療機関等の地域の関係機関もつながって、切れ目のない支援を関係者でやるという形で行うべく今運営をしていただいているというふうに思っております。 この中には小児科あるいは産科のお医者さん方も含めた地域の関係機関の方々がお集まりをいただけるという形になっておりますし、そのための定期的な連絡会議を行って密な連携を図っていくこともお願いしております。モデル的に先行していたセンターを含めまして、こういう考え方に立った運営が今後できるセンターにおいても実現していただけるようにこれからも取り組んでまいりたいと思います。 また、加えて、昨年の児童福祉法の改正によりまして、病院、診療所などが特定妊婦あるいは要支援児童と思われる方を把握した場合につきましては、その情報を市町村に、地元の市区町村に提供するよう努めるという規定を設けさせていただきました。これを受けて、妊産婦の方々からの相談を待つだけじゃなくて、積極的にアプローチをして支援につなげるということ、その際には市区町村に設けております要保護児童対策地域協議会、いわゆる要対協と言っておりますが、要対協を活用した関係機関との連携ということが必要になるというふうに思っておりまして、この間、我々も、日本医師会あるいは日本小児科医会、日本産婦人科医会等の方々にも御協力をいただきながら、こういう形で行ってはどうかという周知をさせていただいております。 さらに、二十九年度予算におきましては、新たに産前・産後の母子支援事業という形で創設をさせていただいて、産科医療機関等に配置したコーディネーターの方が特定妊婦の方々を支援するというモデル事業も実施しております。これ現在事業者の募集中でございますけれども、こういう取組を通じまして、今おっしゃっていただきました特定妊婦あるいはハイリスク妊婦と言われる方々に対する必要な支援がきちっと届くように取り組ませていただきたいと思っております。
○自見はなこ君 ありがとうございます。ハイリスクの方に対してコーディネーターを設置してくださるということは大変有意義であると思っております。 といいますのが、やはり産婦人科、小児科の医療の現場では、本当に忙しい外来を、あるいは入院患者様への処置をしております。冬場になりますと、一日二十四時間当直しますと百人の患者さんをインフルエンザ等がはやったときには診ることもありますし、また、平日の外来でも午前だけで五十人以上、あるいは先生によっては八十人、百人というのを分担しながら診るということもある中で、そういった中で、実はこの子ハイリスクかなという方が来られるのが現状なんですけれども、電子カルテでは見えませんけど紙カルテですと、こんなに積もり積もったカルテがある中で、この子に対して何をしてあげられるんだろうと思うんですけれども、このカルテもさばかなければいけないという中で、かなり現場では、実は、誰かにそれを引き継いでもらいたい、あるいはコーディネーターになってもらいたい、一緒に関わりたいんだけど自分だけではもう時間が足りないというのが現状でありますので、こういったコーディネーターの方が有機的に機能するような仕組みづくりについても是非考えていっていただければ有り難いと思っております。 また、もう一問質問でございますが、児童虐待について、お答えいただいたかもしれませんけれども、児童相談所のみならず、住民に身近な市町村における体制の整備も進めていく必要があるのではないかと思っておりますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(吉田学君) お答えをいたします。 まさに、児童相談所も非常に通報が多くて繁忙を極めております。担当者の方々も非常にお忙しい思いをされておりますし、やっぱり地域でいろいろと向き合うためには、児童相談所の体制強化も片一方で進めますが、在宅ケースと言われるものを中心に市区町村の相談体制の強化というのも重要であると思っております。 昨年の法改正によりまして、その体制強化についての、例えば拠点を設けるための設置努力義務でありますとか、先ほど申しました要対協の調整機関への専門職の配置義務化、あるいは専門職の方に関する研修受講の義務化という仕組みをつくらせていただきましたし、予算におきましては、その拠点の運営費用の補助あるいは既存のハードで必要ならば改修の費用、そして要対協の調整機関の専門職の方々に対する研修を開催するための費用なども確保させていただいております。 非常に現場は大変だと思いますけれども、その方々の支援をしっかりさせていただいて、市区町村、そして関係機関が連携した形で取り組むように、我々も支援してまいりたいと思っております。
○自見はなこ君 誠にありがとうございます。是非しっかりとした取組をお願いいたします。 今日は様々質問させていただきましたけれども、児童福祉法の精神であるこの子供の福祉ということでございますが、私はやはりもう一つ大変大事なことがあると思っております。繰り返し同じ視点からお話をさせていただいておりますけれども、それは、子供を取り巻く環境は社会の課題そのものであるという認識が必要であるということであります。そのような認識の下で、公衆衛生学的な視点を入れて、子供を取り巻く環境を包括的に、科学的に、客観的な知見に基づいて、このPDCAサイクル、何が問題でどうやって対応したらいいのかというこのサイクルを政策として回していくことが何より求められていると思っております。 そして、現在の法律の立て付けでは、国が地方における専門性ばらつきを解消し、均てん化を図り、児童が適切に養育される体制確保や助言や情報の提供を図るとなっております。ただ、子供の心身が健やかであるということに対しては、御承知のとおり、厚労省の中でも担当部署が実に多岐にわたっております。病児保育一つを取っても幾つの課にまたがりますし、それがまた医療的ケア児やあるいは保育中に発見された児童虐待となってもその担当課は更に多くなってまいります。そこに本来は保護者の利用できる制度が、また介護保険、先ほど申しました、等々が入り込みますと、今度は労働の分野にまで及ぶということで、実に様々な課がまたがっているのが現状であります。これがやはり現状ではございますけれども、これを何とか私は解消してほしいと思っております。 その中で、先ほどから申し上げております情報提供の部分に関しましては、小児科医を是非積極的に参画させていただきたいというふうに考えております。小児科医会が二十年間にわたり小児保健法を、今は成育基本法というものの議員立法を目指しておりますけれども、現在、私は、これは閣法であるべきだというふうにすら感じております。ネウボラの創立もそうですが、是非是非もっともっと考えを深めていっていただきまして、この施策を進めていっていただきたいと思います。 国家にとって最も大切なものは私は子供であると思っておりますし、是非これからも精力的な取組をお願いいたしまして、私の質問を終わります。 ありがとうございました。
○三原じゅん子君 自由民主党の三原じゅん子でございます。 時間が押していることと、あと、自見先生と今重複する質問があるかと思いますので、幾つか質問を飛ばさせていただきながら御質問をさせていただきたいと思います。 虐待かもと思ったらいちはやく一八九番、皆さんも御存じのことと思います。これは平成二十七年の七月一日に開始されました児童相談所の全国共通ダイヤルでございます。 自民党本部には女性局という部署がございます。この子供の児童虐待についてずっと研究をしてまいりました。この委員会でも、歴代の女性局長、石井みどり先輩、そして私、そして今現在は高階恵美子委員が女性局長を務めておられますけれども、この女性局では、自民党が野党時代でありましたが、当時の谷垣総裁から児童虐待について研究をしてほしいという指示がございまして、党の女性局、そして自民党本部の中にプロジェクトチームを立ち上げまして、この二つがタッグを組んで、全国の地方議員の皆様方を巻き込んでこの児童虐待問題というのを研究してまいりました。 理由は、皆様御承知のとおり、谷垣当時総裁は法律の専門家でいらっしゃいました。そして、過去の数々の凶悪事件を事細かに調べておられたそうです。そのときに、加害者であられた方たちの人生の生い立ちから家庭環境、家族関係、そうしたものを調べていくうちに、凶悪犯ほど幼児期に複雑な家庭環境、家族との関わりがあることに気付いたということだったそうです。それならば、そうした凶悪な事件が起こる前に、幼児期の家庭環境を整えて、虐待のない社会を築くべき取組を女性局で是非行えというものであったと私は記憶しております。 全国の自由民主党の女性議員、地方議員の方に、児童虐待防止の法律に基づいてうちの自治体は児童虐待の対策きちんとできていますかとか、そうしたことを議会で質問していただくというキャンペーンを行ったり、また、広報活動の一環といたしまして、みんなで考える児童虐待ゼロ標語、こうしたものもホームページで募集して、全国から千五百件以上の応募作品を集めたこともございました。また、月と日の数字が重なる日、例えば二月二日、三月三日、そうした日を子供たちを児童虐待から守る日と定めまして、全国の女性局で街頭演説会を行ったり勉強会を行う、こうしたこともしてまいりました。また、多くの事例がありますアメリカへの視察の勉強会、これも行ってまいりました。全国の多くの女性局の皆様と一緒に、アメリカの児童虐待への厳しさ、こうしたことも学んできたところでございます。 さて、虐待といっても大きく四つに分かれております。一つ目が身体的虐待、これはもう殴る、蹴るという暴力であります。二つ目は性的虐待、これは、密室性が高く、思春期を過ぎて成人になられてからも複雑な影響があるという場合もございます。三つ目がネグレクト、いわゆる食事を与えないとか、病気なのに病院に連れていかない、不衛生な環境に置いておくという、言葉の直訳どおりに、無視、放置状態に置かれている状態であります。そして、四つ目が心理的虐待、これは言葉の暴力、そしてあるいは、最近では子供たちの目の前で両親がDVを行う、これもこの心理的虐待に入るということとなりました。地域の目というのがこの児童虐待には大変必要だと思っております。 ということで、全国の自民党の女性議員、女性党員の皆様、また専門家の方たちといろいろと議論をいたしまして、様々な論点が出てきて、また事例報告なども集約されてまいりました。しつけと暴力は異なるということ。虐待を受けている子供たちは自分が間違っていたり能力が足りないから親から怒られるんだと錯覚をして、自分自身を責め、自己評価を著しく下げてしまうケースもあるということ。虐待には、当該御家庭の地域や社会からの孤立や貧困、そして育児のストレス等々も背景にあるということ。 そして、全国の皆様と議論をさせていただいたことを思い出してみますと、平成十二年に児童虐待防止等に関する法律が施行され、平成十六年改正のときに立入調査の強化ということで警察官の同行ができるようになり、そして、平成十九年、家庭裁判所の令状を取っての臨検制度が行えるようになり、平成二十三年には親権の一時停止をさせ、子供の監護権などを一時的に停止をして、児童相談所の所長が見ることができるようになりました。そして、平成二十七年七月一日より、冒頭申し上げました、全国共通ダイヤル一八九、虐待かなと思ったらいちはやくというサービスを始めました。虐待かもと思ったらいちはやく一八九番へ、かわいい赤ちゃんの横顔が写されたオレンジ色のポスターであります。もちろん、今も私の議員会館の事務所にもこのポスターをずっと貼らさせていただいております。 これまでの厚生労働委員会や厚生労働省の皆様の議論を基に、虐待から児童を守るためにこんなふうに順を追って法整備をされてまいりました。このような経過をいろいろと思い出し、考えながら今回の法改正の質問をさせていただきたいと思います。 近年、児童虐待相談対応件数が大きく増加しています。平成二十七年度の対応件数は、児童相談所では初めて十万件を超え、市町村でも九万件強と過去最多となりました。児童相談所における対応件数は、児童虐待防止法が施行される前の平成十一年度と比べて、この十六年で八・九倍に増えております。これは必ずしも児童虐待事例そのものが急激に増えているということではなく、これは児童虐待が発見されて通報される件数が増えたという見方もあるのかと思われます。 児童虐待の通告、相談手段として、先ほどから申し上げております児童相談所全国共通ダイヤル「いちはやく」、これが導入されておりますが、これは、虐待を受けたと思われる子供を見付けたとき、あるいは子育てに悩んだとき、こうしたときにためらわずにすぐに児童相談所に通告、相談ができるようにという趣旨で導入されたものでありました。それまでの十桁の番号から覚えやすい三桁へと変更されたということは、これは全ての児童相談所で運用され、虐待通告と緊急相談等について二十四時間三百六十五日の対応がなされている、児童虐待の早期発見に資することから、三桁化には一定の評価をするところではあります。 しかしながら、子供の権利擁護運動をされている神奈川県の伊勢原市の女性医師と私対談させていただいたときに指摘をされたことがございます。このダイヤル、児童相談所につながるまで郵便番号を入力したり幾度も幾度も待たされたりと、物すごく時間が掛かり過ぎて途中で切れてしまう、こんな問題もあったということでありました。 厚生労働省は、昨年の四月から音声ガイダンスの所要時間を短縮するなどの改善を行ったということは承知しておりますが、これまでの取組も踏まえながら、今後の「いちはやく」の改善のために、一八九番の改善のためにどのような取組を行っていくのか、改めてお伺いしたいと思います。
○政府参考人(吉田学君) お答えいたします。 今御指摘いただいております児童相談所全国共通ダイヤル、いわゆる「いちはやく」につきましては、委員もお触れいただきましたように、それ以前の音声ガイダンスが長いとか郵便番号等の入力操作が非常に必要だという御指摘を踏まえまして、昨年、二十八年の四月から音声ガイダンスの短縮等の改善を図ったところでございますが、いまだいろいろと課題も抱えているということでございまして、私ども、この二十九年度予算におきましては、発信者の利便性向上、あるいは児童相談所につながるまでの時間を短縮するということを目指して、これは本年の秋を目途と今しておりますけれども、郵便番号等の入力が必要な携帯電話などからの入電につきましてはコールセンター方式という形を導入させていただいて、音声ガイダンスに代わったオペレーターで対応するという仕組みを構築させていただこうと思っております。 いずれにいたしましても、こういう形で発信者の利便性を高めて、「いちはやく」の有用性、そしてそういう形での虐待の早期発見につながるように我々も不断の努力をさせていただきたいと思っております。
○三原じゅん子君 「いちはやく」ですから、スピード感を持ってお願いしたいと思います。 今回の法改正は、児童福祉法第二十八条の施設入所等の措置の申立てがあった場合に、家庭裁判所が都道府県に対して保護者に対する指導措置をとるよう勧告することができる内容となっております。 これまで行政が中心となって実施されてきた保護者指導に対し、司法が関与することによりどのように指導の実効性を上げることができるのでしょうか。あわせて、どのような事案にこの制度の活用が期待されるのでしょうか。お願いします。
○政府参考人(吉田学君) 今回の改正法案では、里親委託あるいは施設入所などの措置の承認の申立てがあった場合に、家庭裁判所が都道府県等に対して保護者指導を勧告することができるという仕組みにし、家庭裁判所はその結果を踏まえて審判するという仕組みにさせていただいております。 保護者の方々が家庭裁判所の勧告の下での指導に従ったかどうかということが、里親委託あるいは施設入所等の措置、これは結果的に親子を分離するという形になりますので、それに係る審判においての重要な判断要素ということになる、判断要素の一つとして考慮されるということでございますから、この旨もお伝え申し上げれば、保護者の方々に対して一定のその効果が見込まれるのではないかというふうに思っております。 加えまして、私ども、今回の改正法案では、家庭裁判所が勧告をした場合には保護者の方々に対して勧告した旨を通知するということにしておりまして、裁判所が勧告した事実が保護者に裁判所から直接伝わる、それ以前に児童相談所とはやり取りをしていると思いますが、そこに裁判所から話が来るということで、重ねて指導の実効性が高まるのではないかと思っております。 また、こういう今回導入いたします勧告の仕組みの活用される事案についてお尋ねをいただいておりますけれども、いろいろあろうかと思いますが、例えばで申し上げれば、保護者によるネグレクトが長期化していて、必ずしも緊急性は高くないかもしれないけれどもお子さんにとっては不適切な養育が続いているという事案につきましては、家庭裁判所の関与の下での実効性ある保護者指導が行われれば引き続き家庭養育が可能であるというケースもあろうかと思いますので、このような場合などを想定しているところでございます。
○三原じゅん子君 重複するかもしれませんが、今回の法改正では、施設入所等の措置の申立てに対して却下の審判をする場合、すなわち在宅での養育となる場合においても、家庭裁判所は都道府県に対して保護者に対する指導措置をとるよう勧告することができることとなっております。 これまでも、申立てを承認した場合には、家庭裁判所が都道府県に対して保護者指導を勧告できる制度はありました。この度、新たに申立てを却下した場合にも勧告できる制度を導入したこの趣旨は何ですか。そして、あわせて、この指導に保護者が従わなかった場合には児童相談所はどのような措置をとることができるんですか。
○政府参考人(吉田学君) 今御指摘いただきましたように、家庭裁判所の勧告に基づく指導が功を奏して、結果的には親子分離までは不要という申立てが却下された場合も今後あろうかと思いますが、このような場合についても、指導を行う前の状態に、家に帰したら単純に逆戻りしちゃうということにならないように、引き続き養育環境の改善が図られることが重要だというふうに思っておりまして、そういう意味からいうと、却下の審判をするというだけではなくて、審判後も引き続き家庭裁判所の勧告の下での実効性ある保護者指導を行うことができるという意味では、却下した事案においても勧告の仕組みを設けるという形にさせていただいたところでございます。 また、却下の際の勧告の下での指導に保護者が従わなかった場合という御質問をいただいております。児童相談所としましては、再度、児童福祉法第二十八条の措置の承認の審判の申立てを行うかどうかということを現場では検討することになろうと思います。その上で、実際に家庭裁判所に対して再度の申立てが行われた場合には、勧告の下での指導に保護者が従わなかった点も踏まえて、今度は家庭裁判所において審判が行われることになるだろうというふうに想定しております。
○三原じゅん子君 現在、親権者の意に反して二か月を超えて一時保護を行う場合には児童福祉審議会の意見を聞くこととなっておりますが、本改正案では、これに代えて家庭裁判所の承認が必要とされております。これまでは行政のみの判断で一時保護を実施してきましたが、司法が関与することによりどのような効果が見込まれるのでしょうか。
○政府参考人(吉田学君) 一時保護におきましては、迅速にお子さんの安全を確保するなどのために、親権者などの意に反する場合であっても行政の判断で行うことができるという仕組みにさせていただいております。 しかし、暫定的な措置ではありますけれども、強制的に親子を分離する措置であると、また、残念ながら現実においては長期化している場合も見られるという実態を踏まえて、この一時保護の手続の適正性を一層担保するという観点から司法の関与が必要ではないかという指摘をいただき、今回検討させていただきました。 この結果、私どもとしては、親権者等の意に反して二か月を超えて一時保護を行うという場合につきましては、御指摘いただきました現在の都道府県の児童福祉審議会、言わば行政の中における意見聴取に代えて家庭裁判所による審査を導入するということでございまして、これにより手続の適正性が一層担保される、結果、私どもとしては、併せて一時保護の長期化の抑制にもつながるのではないかというふうに考えているところでございます。
○三原じゅん子君 家庭裁判所による一時保護の審査の例外規定について幾つか質問させていただきます。 今回の改正案では、児童相談所の業務のうち一時保護について初めて家庭裁判所が関与する仕組みが導入されます。 今回の改正法案の条文を確認したところ、家庭裁判所による一時保護の審査、これは児童福祉法第三十三条になります。ここには幾つかのただし書があり、家庭裁判所による審査の例外が多く規定されているのではないか、多くの抜け穴があるのではないかとの懸念があります。 そこで、家庭裁判所による一時保護の審査について、例外となるケースがどのようなケースなのかを伺いたいと思います。まず、家庭裁判所による一時保護の審査が不要となる例外規定が設けられていますけれども、どのようなケースなのかを分かりやすく説明願いたいと思います。
○政府参考人(吉田学君) 今回の改正案では、家庭裁判所による一時保護の審査を導入することとしてございますけれども、御指摘のとおりに、幾つかの必要な例外規定を設けているところでございます。 御指摘の例外的に一時保護の審査が不要となる場合に関しましては、一時保護とは別の家庭裁判所の審査が既に行われている場合に一時保護の審査を不要としてございます。具体的には、里親委託、施設入所等の措置の申立てや親権喪失の請求など、親子関係に関するより重大な判断を既に司法に委ねている場合には、家庭裁判所による審査の重複を防ぐため、一時保護の審査を不要としているところでございます。 まず、これということでよろしゅうございましょうか。
○三原じゅん子君 また、今回の改正案では、親権者等の意に反して二か月を超える場合には家庭裁判所の承認を得なければならないこととなっておりますが、二か月経過後も家庭裁判所の審判が確定しない場合に一時保護を継続できるという例外規定が設けられています。この例外規定について、どのようなケースなのか、お願いします。
○政府参考人(吉田学君) お答えいたします。 二か月経過前に家庭裁判所に承認の申立てが行っているけれども審判がまだ確定していない場合でやむを得ない事情がある場合には、二か月経過後も、審判が確定するまでの間、一時保護を継続することができるという規定にしてございます。 具体的には、二か月経過前に家庭裁判所に承認の申立てをしたけれども、二か月経過時点で家庭裁判所の審判がなされていない場合、まあ審査中、審理中。また、家庭裁判所の審判がなされた後、いまだ即時抗告の期間、これ二週間でございますが、の即時抗告期間が満了していない場合、これは即時抗告期間中。それから三つ目として、家庭裁判所の審判がなされた後、即時抗告が行われた場合、これは即時抗告から審判確定までの期間につきましては、児童の安全を確保する必要があるなどやむを得ない事情がある場合には、審判が確定するまでの間、一時保護を継続することができることとさせていただいております。 なお、家庭裁判所による却下の審判がなされた場合には、家庭裁判所の判断を尊重すべきでありまして、児童相談所による恣意的な判断を排除する趣旨から、児童の安全を確保する必要があるため、即時抗告が行われる場合を想定しているところでございます。
○三原じゅん子君 では、家庭裁判所による審査の例外規定の運用に当たっては、児童相談所等の現場にしっかりと周知していただき、その適正な運用を図っていただくことが必要であると思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(吉田学君) 御指摘のとおり、審査の例外規定の趣旨などを含めた今回の改正内容につきましては、施行の際の通知や全国会議などあらゆる機会を通じて全国の児童相談所に対し周知を行い、適正な運用を図ってまいりたいと考えております。
○三原じゅん子君 ところで、申立てが却下されて、一時保護を解除し子供を保護者の下に帰した場合に、再度虐待が発生して子供の命が奪われることにならないのでしょうか。このような懸念について、厚生労働省、どのように考えておられるんでしょうか。
○政府参考人(吉田学君) 家庭裁判所による一時保護の承認の審判は、お子さんの安全を確保して適切な保護を図るために、二か月を超えて引き続き一時保護を行う必要があるかどうかを判断するものでありまして、子供を家庭に戻したときに児童の安全が脅かされるおそれがないかという点についても十分考慮して審判が行われるものとまず考えております。 また、仮に申立てが却下されて、一時保護を解除してお子さんを保護者の下に帰すという場合には、児童相談所は、地域の関係機関と連携して、定期的な子供の安全確認、あるいは保護者の方への相談支援というのを実施するということ、あるいは、それでも再度虐待が発生してしまったときには再度迅速に一時保護を行うということで、子供の安全を確保して適切な保護を図ることになると考えております。
○三原じゅん子君 本改正案は、児童虐待対応における司法関与及び特別養子縁組制度の利用促進の在り方に関する検討会で議論されておりました。そして、その議論の整理を拝見いたしますと、児童相談所や家庭裁判所の体制整備と併せて段階的に司法審査を導入することとし、その第一段階として、現行の一時保護の二か月という期間を考慮し、一時保護が一定期間を超える場合に司法審査を導入することが考えられるとの記載がありました。 この記載のとおり、厚労省は今後も一時保護に対する司法審査の対象範囲を拡大する方向で考えていると理解してよろしいでしょうか。
○政府参考人(吉田学君) お答えいたします。 今引用いただきました検討会での議論におきましては、一時保護を開始する際のその必要性を審査するためには、家庭裁判所による一定期間内の速やかな審査、あるいは事前審査の導入を目指すべきであるという御提案もありましたし、一方で、緊急時の対応に支障が生じたり、児童相談所が必要な一時保護をためらったりすることがないようにすべきであるという御意見もございました。その結果、第一段階として、一時保護の期間、二か月を考慮して、一時保護が一定期間を超える場合に司法審査を導入することが考えられるという対応案が取りまとめられたというふうに思っております。 私どもとしましては、この取りまとめを踏まえまして今回司法審査を導入することといたしましたけれども、更なる今後の審査対象につきましては、今回の改正法案の附則に検討規定がございます。その検討規定に基づき、この法の施行の状況あるいは児童相談所の体制整備の状況などを勘案しつつ、今後検討させていただきたいというふうに思っております。
○三原じゅん子君 本改正案により、児童の保護等に対する司法関与が増えることとなりますが、それに対応するためには家庭裁判所の体制を整えておく必要が生じるのではないでしょうか。例えば、適切な保護者指導の勧告を行うためにも、家庭裁判所の児童虐待に関する専門性の向上が求められると思います。また、親権者の意に反して二か月を超えて引き続き一時保護を行うケースは現在年間で四百七十件程度と推計されており、この一つ一つにもしっかり対応していただかなければなりません。 本改正案の趣旨を実効あらしめるためには、家庭裁判所の専門性の向上や人的体制の整備、これが必要だと思いますけれども、家庭裁判所はどのように対応するつもりでしょうか。
○最高裁判所長官代理者(村田斉志君) お答え申し上げます。 まず、専門性の観点でございますけれども、児童虐待に関する家庭裁判所全体の専門性の向上は重要な課題というふうに認識をしております。裁判所におきましては、これまでも、児童虐待などをテーマに精神医学ですとか心理学等の専門家をお招きして御講演をいただくなど、研修を行ってきております。 今回の改正に関しましては、もちろんこの国会での御審議の結果を踏まえての対応を考えさせていただくことにはなりますが、改正がされたという場合には、その改正法の趣旨にのっとった審理を実現できるよう、一層の研修の充実に努めてまいりたいというふうに考えております。 また、人的体制の整備についても御質問をいただきました。これも同じく、この国会での御審議の結果を踏まえて対応を考えさせていただきますが、家庭裁判所による一時保護の審査など、新たに導入されることとなる制度が円滑に運用されますよう、これまで増員してきた現有人員の有効活用をもちろん図りますが、法改正の趣旨を踏まえまして、必要な人的体制の強化に努めてまいりたいというふうに考えております。
○三原じゅん子君 よろしくお願いいたします。 それでは、予期せぬ妊娠というものについて考えてみたいと思います。 十代の子が、自分が母親になるという自覚がなく妊娠、出産をしてしまう、こういった事例は私が十代の頃からございましたし、現在も続いていると思います。私たち女性局が調べた結果でも、虐待をしてしまう母親の多くは予期せぬ妊娠を理由に挙げておりました。そうした、自らが予期せぬ妊娠をした十代の女性は、親にも誰にも相談できず、自分の部屋でこっそりと出産をしているというケースも少なくないそうです。 母子健康法にあるように、一般的に、妊娠が判明した妊婦さんは、地元のお役所に届出をして、市区町村から母子健康手帳が交付されるわけですが、自分が母親になるという自覚のない、また、産むという覚悟を持てずにいる妊婦さんは、こうした知識もなく、無届けのまま出産を迎えているケースも少なくないと思っています。 そこで、お伺いします。母子手帳を持っていない妊婦さんの割合、推計でも結構ですから教えていただけますでしょうか。
○政府参考人(吉田学君) 母子健康手帳の交付を受けておられない妊婦さんの数という形、その直接的な数字については、残念ながら、私ども把握してございませんが、母子健康手帳は、母子保健法に基づいて、市町村が妊娠の届出をした方に対して交付するという仕組みでございますので、それを使って一つの試算をさせていただきますと、平成二十七年度に百一万七千九百七十五件、分娩がありました。一方、分娩後に妊娠の届出がなされたというのを先ほどの母子保健のサイドで把握をしておりまして、それが二千六百十四件ということでございますので、これ、仮に単純に計算をさせていただきますと、分娩のうち分娩後に妊娠の届出ということでございます、割ってみますと約〇・三%ということになりますので、一つのよすがとしては、母子健康手帳の交付を受けずに妊娠検査も受けず受診し出産しているのかなというふうに推計できるところでございます。
○三原じゅん子君 妊婦健診を受けていない十代の妊婦さんもいらっしゃると思います。妊婦健診は、妊娠経過を把握して心身ともに健康な妊娠期間を過ごすためにはとっても大切なものだと思います。そこで、妊婦健診の不受診率と申しましょうか、この妊婦健診を受けていない方たちの割合のデータ、こうしたものも是非把握をしていただきたいと思います。 性的虐待を受けてしまった少女は加害者を避けるようになるというふうに私は考えていたんですけれども、これ逆なんだそうですね。虐待を受けた後は、いつもより加害者が優しくしてくれるからという理由で虐待の加害者により一層依存してしまうケースもあると、そんな事例があるんだという、教員出身の同僚議員から聞いたこともございます。 ですから、こうした場合には、虐待を受けた児童を確定して、限定して支援していくというよりも、予期せぬ妊娠をした十代の妊婦さんにしっかりと手を差し伸べる仕組み、こういったものが何よりも必要だと私は考えます。予期せぬ妊娠をした妊婦さんに一日も早く気付いてあげる母親、教員、友人又は地域の皆さんの目、こうしたものが大切なのではないでしょうか。そうした家庭の中での教育、あるいは子供の頃から家族皆さんが通うかかりつけ医、そうした方たちの存在というものが私は大きな役割を果たすのではないかなと思っております。 本日は、今国会に提出された児童福祉法等改正案の審議であるがゆえに、虐待された児童等の保護に対する司法関与についての質疑というものを行ってまいりましたけれども、しかし、本来あるべきは虐待のない社会を実現することであると思っています。 昨年成立した改正児童福祉法により、児童は適切な養育を受け、健やかな成長、発達や自立等を保障される旨が法律上明記されました。また、国、地方公共団体は児童が家庭において健やかに養育されるよう保護者を支援しなければならない旨の規定も追加されております。 虐待のない社会を実現すべく、厚生労働省では、児童虐待の発生予防について引き続き真剣に取り組んでいく必要があると思います。虐待の負の連鎖というものを断つためにも、母親になるという自覚のない若い妊婦さんに対する健康づくりや家庭教育、学校教育というものにも私はしっかりと考えていかなければならないと思っています。更に言えば、そうした妊婦さんは学校や家庭から孤立している可能性も高いんです。 児童虐待被害者を含めた予期せぬ妊娠をした十代の妊婦さんに対する支援についてどのようにお考えになっているか、教えていただきたいと思います。
○政府参考人(吉田学君) お答えいたします。 まず、先ほどの御質問来、やっぱり妊婦の健康診査なり、妊娠に悩んでおられる方、その不安の解消につなげるというところが大事だということでございますので、私どもはまずそこの啓発用のリーフレットということで、広く私どもとしては自治体の方々に御協力をいただきながら取り組んでまいりたいと思います。 その上で、予期せぬ妊娠をされた女性の方含めまして、特に若年妊娠につきましては、誰もが相談することができる子育て世代包括支援センターというもの、我々、そこを一つの入口として三十二年度末までの全国展開をできるようにさせていただきたいと思っておりますし、さらに、妊娠届を行っていない予期せぬ妊娠の方が気兼ねなく相談できるという意味では、都道府県などにおいて女性健康支援センターというものを設置してございます。ここでは、匿名で電話相談を受けれるという体制の整備、あるいは相談窓口やっておりますので、こういう形で取り組ませていただきたいと思います。 また、今、かかりつけ医のお話もいただきました。昨年の法改正を踏まえまして、病院、診療所などが特定妊婦と思われる方を把握した場合の情報提供を市町村にしていただきたいという努力義務も入れさせていただきましたので、こういうあまたな関係団体、関係機関の方々の御協力をいただいて、予期せぬ妊娠に対して、特に若い若年の方々に対しての取組を進めさせていただきたいと思っております。
○三原じゅん子君 よろしくお願いします。 また別の観点から、児童虐待の発生予防について考えてみたいと思います。 子供たちが大人たちの振る舞いから無防備な位置に置かれている、危険が近くにあるのにそれが放置されている、そういう意味で、閉鎖された空間における受動喫煙もまた子供たちが虐げられているある種の状態ではないかと私は捉えております。例えば、喫煙しながら親が運転する同じ車に子供が乗っているといたします。窓を開けながら運転しているから大丈夫だといっても、窓から入ってきた外気は車の中を一周して次々と外に押し出していくわけであります。窓の近くで吐いた煙は車を一周回ることになって循環し、結果的に子供たちへの受動喫煙となります。 車の中というのは完全なプライベートな私的空間ですから、それを法律で規制するというのは難しいのではないか、そう思います。しかし、国民の中で、意識の高揚、モラル向上につなげてほしい、私はそう強く考えております。 また、受動喫煙は子供たちが生まれる前から行われているんです。 年齢別の妊娠中の母親の喫煙率調べますと、十五歳から十九歳が一番多く、次に二十歳前半となっています。五月三十一日付けの読売新聞夕刊によりますと、妊婦や受動喫煙によって生まれてきた赤ちゃんがアトピー性皮膚炎や乳児湿疹になるリスクがあることが判明したそうです。子供や妊婦に対する喫煙、受動喫煙の影響としては、早産や低体重などの妊娠中や出産時のトラブル、出生後の乳幼児突然死症候群や気管支ぜんそくなどの発症リスクが高まることがこれまでの研究でも判明しておりましたが、この記事によりますと、平成二十七年までに発表された海外の研究八十六本を分析した論文では、喫煙や受動喫煙がアトピー性皮膚炎の発症に関係しているとし、特にアジア地域の人の場合、妊娠中の喫煙が赤ちゃんのアトピー性皮膚炎の発症に影響すると結論付けられているそうです。 こうした根拠から、私自身は、妊娠中からの喫煙、授乳時の母親の喫煙、子供に煙を浴びせる受動喫煙は、ある種の児童虐待にも相当する可能性があると考えております。 これまで述べさせていただきました直接的な受動喫煙の危険に加えて、産業医科大学の大和教授や諏訪中央病院の鎌田名誉院長によりますと、たばこの煙の成分はたばこを吸い終わった後も二十分から三十分は呼気から出続けているという研究結果が出ているそうです。子供を大切に思うなら、喫煙後三十分は有害な成分を出し続けているわけですから、その間、家族に近づくことは避けるべきであるともおっしゃっております。 また、それだけではなく、一般的な受動喫煙とはいわゆる二次的な喫煙を指しておりますけれども、最近では、アメリカの国立のがん研究センターが提唱し始めた言葉でございますが、その先の三次喫煙という考え方も出てきております。三次喫煙とは、たばこのニコチンが大気中の物質と結び付き、発がん性物質となってたばこを吸う人の手や髪の毛、服にも付着し続ける、さらに、部屋の中でたばこを吸うと、カーテン、壁などにも付着し続ける、これらからの煙の成分や発がん性物質を吸い込んでしまうことを三次喫煙と言うそうです。 この三次喫煙の研究が、どのくらい悪影響があるのか、まだ研究は進んでおりませんが、最も影響を受けるのは乳幼児と言われております。小さなお子さんがいる方はたばこを吸ったことのある部屋には入れない等の対策が必要だと警鐘を鳴らしておられます。 そもそも、我が国会で全会一致での可決、承認を経た、たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約の前文にはこのように書かれております。出生前にたばこの煙にさらされることが児童の健康上及び発育上の条件に悪影響を及ぼすという明白な科学的根拠があることを認め協定したと。 こうしたことを踏まえ、子供における受動喫煙の健康状態について厚労省の考えをお聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(福島靖正君) まず、たばこの規制に関する、今御紹介の世界保健機関枠組条約、FCTCの前文では、今御指摘のように、児童の健康への悪影響が指摘されておりまして、この条約を批准している我が国においても条約にのっとった取組を進めていく必要があると考えております。 昨年九月に公表いたしました喫煙の健康影響に関する検討会報告書におきましては、妊婦自身の喫煙がその胎児や子供への影響ということで、因果関係があると推定する証拠が十分確実なものとして、御指摘の早産、低出生体重、胎児発育遅延、出生後の乳幼児突然死症候群などが挙げられております。 また、妊婦の受動喫煙との因果関係が示唆されておりますのが低出生体重、胎児発育遅延、さらに子供との受動喫煙の因果関係があるというものは、ぜんそくの既往、それからSIDS、乳幼児突然死症候群が挙げられております。 三次喫煙に関しましては、今御紹介のように、喫煙の健康影響に関する検討会報告書におきまして、三次喫煙の概念が報告されてからまだ数年のために現段階で三次喫煙による健康影響を示す疫学調査報告は見当たらないが、三次喫煙の発生を示す実験結果が次々に報告されており、今後、三次喫煙に関する研究成果や健康影響に関する報告が増えることが予想されるとされておりまして、今後も、胎児や子供への健康影響も含め、科学的知見の収集を行ってまいりたいと考えております。 この受動喫煙防止の観点からは、もちろん子供だけではなく、未成年者だけではなく、さらにたばこを吸わない方々、あるいはがんやぜんそく、難病などの患者さん、そして今後増える一方の海外からのお客様など、そういう多くの皆様が徹底した受動喫煙も待ち望んでいると考えております。 科学的根拠に基づいて我々の規制というのは行われるべきものでございますので、そういうものを私ども進めていく必要があると考えておるところでございます。
○三原じゅん子君 御答弁いただいたように、受動喫煙というのは子供の健康に大きく悪影響を与えるんです。こうした受動喫煙防止への急激な世論の高まりというのも、私のところに日に日に増して伝わってきております。 前回も大臣からとても心強い御答弁頂戴いたしました。大臣、児童それから胎児、赤ちゃんに対する受動喫煙について、私はこれ虐待に相当する可能性があると考えております。最後に、この法案を通して子供の命を守るんだという大臣の御決意をお伺いして、終わらせていただきたいと思います。
○国務大臣(塩崎恭久君) 受動喫煙被害によって年間約一万五千人もの方が亡くなっておられ、また医療費も年間三千億円以上掛かっていると、こういう科学的な立証されたデータがございます。そのために、厚生労働省としては、健康を確保して全ての国民の命を守り、子供たちの未来を守るために、あらゆる望まない受動喫煙、これをなくしていかなければならないというふうに思っています。 受動喫煙による健康影響が大きい、今お話がございましたけれども、胎児から始まって、三次喫煙を含めれば乳幼児、そして未成年者を始め、今や八割を超えるたばこを吸わない方々、がんやぜんそくあるいは難病などの患者の皆様方、さらには妊娠をされている女性、子供たち、そして今後増える一方の海外からのお客様、本当に多くの皆さんが徹底した例外なき受動喫煙対策を待ち望んでいるというふうに思っています。 感染症から国民を守る際のもろもろの規制措置というのは、科学的な根拠に基づいて行われます。政治的な妥協にはなじみにくいというふうに思います。受動喫煙の被害も科学的に証明をされているわけでありますから、その対策の徹底も基本的には科学的に行わなければならないというふうに思っているわけでありまして、少なくとも原則屋内禁煙を守ることを基本とした厚生労働省の案の考え方への理解を広く求めていかなければならないというふうに思っています。 世界の流れを踏まえた対策の必要性についてできる限り説明を尽くして、早期に成案を得て法案を提出に向けてしっかりと努力してまいりたいというふうに思います。
○石井みどり君 自由民主党の石井みどりでございます。 本日は、児童福祉法及び児童虐待の防止等に関する法律の一部を改正する法律案の法案審査でありますが、その法案審査の前に、一問どうしても、私、先週御質問させていただいたんですが、各都道府県の医療計画における精神病床に係る基準病床数について御質問させていただいたんですが、そのときにちょっと一問、一問というか何問か御質問できなかった中で、一問だけどうしてもお聞きしなければいけないものがあるので、それを聞かせていただきます。 平成二十九年三月三十一日付けの医政局長通知、医療計画についての中で、精神病床数の算定式に関して、地域精神保健医療体制の高度化による影響値ベータというのがあります。これが、この中に、治療抵抗性統合失調症治療薬の普及等による効果を勘案し、一年当たりの地域精神保健医療体制の高度化による影響値として、原則として〇・九五から〇・九六までの間で都道府県知事が定める値を三乗し、当初の普及速度を考慮して調整係数〇・九五で除した数とするという記載がございます。 この治療抵抗性統合失調治療薬、クロザリル錠、いわゆるクロザピン錠でありますが、これは、医療現場に伺うと、大変使いにくい、非常に問題があるといいますか、という薬剤だというふうに聞いています。クロザリル、クロザピンのを見ますと、非常に厳しい警告とか禁忌とか、副作用の記載も非常にこれ現場で使いにくいだろうなと思うような内容です。この薬を使うに当たっては、血糖値のチェックが物すごく厳しくしなければいけないというふうに聞いています。こういう薬を、非常に今申し上げたように副作用の問題は大きい、それから在宅においても管理困難と思われるんですね。これは順調に普及するかどうか非常に疑問が持たれるわけでありますが、こういう不確定要因を数値として病床数の整備の計算式に入れるのはいかがなものなんでしょう。 しかも、この基になっている精神障害者の重症度判定及び重症患者の治療体制等に関する研究の中の四の重度かつ慢性基準に該当する患者への治療体制と治療指針に関する研究にこれ記載されているクロザピンの使用実績は著しく少ないんですね。急性期、亜急性期群両群とも〇・九%という、そういう使用実績ですね。このことからも、こういうものをこの普及による効果を見込んだというこの算定式、非常に問題があると思うんですね。いかがお考えでしょうか。
○政府参考人(堀江裕君) お尋ねの治療抵抗性統合失調症治療薬に基づきます効果を平成三十年度から始まります医療計画の精神病床に係る基準病床数の計算式に盛り込んでいるところでございまして、現状において我が国では処方率が低いというのはおっしゃるとおりでございますが、精神科単科病院が多いということも遠因としてあるというふうに言われているところでございます。 地域の実情を踏まえて各都道府県が影響を見込むこととして今回通知の中で提示させていただいているわけでございますけれども、御指摘いただきましたように、その治療抵抗性統合失調症治療薬のクロザピンは、その使用によって免疫を担う白血球の数が減って感染症の重症化を引き起こす無顆粒球症などの副作用が生じ得るということで、これについては精神科と血液内科の診療科の間での連携、そして適切な医学的管理が重要であるというふうに言われているところでございまして、厚生労働省では、平成二十六年度から難治性精神疾患地域連携体制整備事業を実施してございまして、難治性の精神疾患を有する患者がどこに入院していてもクロザピンの専門的治療を受けることのできる地域連携体制を構築するために、地域の実情に応じた複数の地域連携モデルの構築を進めているところでございます。 事業の中で、都道府県と拠点となります精神科病院が協力して、精神科医療機関と血液内科のある総合病院との連携を推進いたしまして、研修あるいは緊急時の受入れ体制の明確化などを通じてクロザピンを利用している患者が増加するなどの好事例が明らかになってきていて、そうした意味でかなりの実績を上げてきている病院もあるということでございます。 厚生労働省といたしまして、こうした事例を全国に広げることによりましてクロザピンの治療によります普及を図ることが可能になると考えていることから、平成三十年度からの医療計画に基づきまして各都道府県が地域の連携体制を構築できるように支援して、その治療効果の発揮とそれから副作用管理の両立というのをしっかりと両立させていきたいというふうに考えているところでございます。
○石井みどり君 今の御説明は本末転倒じゃないでしょうか。この薬を使うために地域連携進める、ましてや、専門医が関わらないと非常に重篤なこれ副作用があるわけですよ。本末転倒じゃないですか。さっき申し上げた研究ですら〇・九%ですよ、急性期群も亜急性期群も。 今の御説明の中で、精神科単科では使いにくいと。当然ですよ、専門医がいないわけですから。それも単なる内科では駄目なんですよ。この糖尿病専門医の中も、これいわゆるクロザリル患者モニタリングサービスに登録された医師、薬剤師のいる登録医療機関においてということが言われているんですね。非常に使い勝手が悪いものを、なぜこれを病床数の算定要件の中に入れるんでしょうか。もう信じられない。本末転倒ですよ。 この研究者が、幅広い精神科病院でクロザピンが使用できるような条件づくりが期待されるということもお述べにはなっているんですが、しかし、これなぜ使わないかという主治医の回答が、急性期群も亜急性期群も、それ以外の方法で改善が見込まれるというのが圧倒的に多いんですね。 いや、今の御答弁ではとても納得できません。
○政府参考人(堀江裕君) この治療抵抗性統合失調症の治療薬で広く使われている地域があり、また国もありという中で、その治療抵抗性統合失調症であってもクロザピンの使用によって三割から七割に症状の大幅な改善又は一部改善が見られるというようなことも言われてございまして、効果もあるし、それから、委員御指摘のように強い副作用もある、あり得ると。一%程度の方に無顆粒球症等の副作用が発生し得るということで、そうしますと、発生した、そういう症状が起きた、副作用が起きたときにしっかりと対応ができる仕組みを併せ持つことによりましてその治療も進んでいくのではないかということで、私どもの方で御提案して、通知の中にも織り込ませていただいているところでございます。
○石井みどり君 とても納得できませんけど、どうも御答弁伺っていると水掛け論になりそうなので。 使用実績が高い地区と今おっしゃいましたね。どこでどういうデータがあるのか、これ、この場でなくて結構ですから、私個人にどうぞお教えください。更に研究します。とてもじゃないですけど、これは幾ら、統合失調症、非常に今減ってはきているんですね、気分障害の方が増えていて、統合失調症。しかし、その中で非常に難治性、治療抵抗性の統合失調症があるのも事実ですが、しかし、こういう薬を使うことを前提みたいなことはとても看過できませんので、是非、どこでどういうふうにデータがあるのか、お教えください。 では、本来の児童福祉法、児童虐待防止法改正案についての質問に移らさせていただきますが、先ほど来、自見はなこ委員、三原じゅん子委員の御質問と重複するところはなるべく避けようと思いますが。 昨年も改正がございました。昨年の改正案に御質問した際に、私、自立援助ホームのことを伺いました。そのときに、これ児童養護施設もそうですが、二十二歳の年度末、基本的には大学卒業まで在籍できるという、いられるというようにするという改正がされたわけでありますが、しかし、人の暮らしですから、病気をしたり事故に遭ったり、あるいは留年したりということで、二十二歳の年度末に卒業できない、自立ができない、就職もできないという事態は想定できるわけですね。それを、そういうケースでどうするんだというふうに伺ったら、運用面で対応するんだという御答弁いただいたんですが、どのように運営をされるのか、一年たちました、そこをお聞かせください。
○政府参考人(吉田学君) お答えいたします。 昨年の児童福祉法の改正時において、自立援助ホームの入所者について、必要に応じて二十二歳の年度末までの間、引き続き入居して支援ができるという仕組みにさせていただきました。その審議の中で、まさに石井議員から、今お話ございましたように、病気だとかあるいは不慮の事故などなど、休学するなどして四年間で卒業できない場合はどうするんだという御指摘をいただいたところでございます。 それを踏まえさせていただきまして、本年三月、二十九年三月三十一日に、就学者自立生活援助事業の実施についてという、私ども雇用均等・児童家庭局長通知を発出させていただきましたが、その運用面の取扱いを定めておりまして、その中で、疾病等やむを得ない事情による休学等により二十二歳の年度末を超えて在学している場合は、卒業までの間、引き続き支援を行うということを規定させていただき、御指摘を踏まえた対応をさせていただいているところでございます。
○石井みどり君 ありがとうございます。 少しでも自立できる方が増えるのがまずはやっぱり一番大事な支援だと思いますので、その運用のまた実績等を今後伺っていこうと思いますが。 先ほど来ありましたが、児童虐待相談の対応件数というのが、児相で十万三千二百八十六件、市町村で九万三千四百五十八件、過去最多となっています。しかも、この児相に寄せられた虐待相談の経路別件数としては、医療機関によるものが三千七十八件になっています。年々増えています。特に子供虐待の予防的観点の明確化がうたわれています。 虐待の発生予防に関しては、妊娠期から切れ目のない支援体制が必要であります。特に望まない妊娠で生まれたお子さんは虐待を受ける可能性が非常に高いと、先ほど来の御質問でも出ていました。そのために、子育て世代包括支援センターが設置をされました。児童虐待を予防するという観点からは児童虐待の予兆を早期発見する必要性がありますが、子育て世代包括支援センターの果たす役割は大きく期待されるところであります。 先ほどもフィンランドのネウボラの話が出ました。ネウボ、これはアドバイスという意味でありますが、日本でも、例えば広島県も今年度からひろしま版ネウボラとか、何県かお取り組みのところございますが、そこでまず、子育て包括支援センターの市町村の設置状況を簡単にお答えください。
○政府参考人(吉田学君) お答えいたします。 直近の実施市町村数及び箇所数につきましては、子育て世代包括支援センター、二十八年四月一日時点で二百九十六市町村、七百二十か所でございます。
○石井みどり君 子育て世代包括支援センター、まさしく妊娠期から子育て期までの切れ目のないサービスをワンストップで提供する相談拠点であるネウボラともなり得るわけでありますが、しかしこのネウボラ、フィンランドのと少し、日本型の私はネウボラがあってもいいと思っています。それはやはり、先ほど来も御質問出たんですけれども、多様な専門職、周産期から育児期に関して多様な専門職の関与が必要だと思います。 専門職の重要性に関する例といえば、昨年も申し上げたことですが、例えばネグレクトに関しては、歯科で発見するケース、かなりございます。今、子供たちの口腔状況、非常に改善されていて、乳歯齲蝕、圧倒的少ない。そして永久歯の齲蝕、特に第一大臼歯とかそういうところも少ないんですが、しかし、必ず、健診へ行ったり、小学校の健診へ行ったりしても、一定数、少数ではあっても必ず多数の重症の乳歯齲蝕を持った子供がいます。こういう子供と接する、健診するときは非常に注意が必要になるわけですね。もうそれは親子関係を見たり、心身の正常な発達をしているか、あるいは清潔な生育環境で育てられているかとか、事細かく、歯科医といえどもきちんとチェックします。そのことが特にネグレクトの発見につながるわけでありますが。 この子育て世代包括支援センター、当初拝見したときよりは少し、小児科医等というふうに書き方してあるんですね。私どもは歯科医とか歯科衛生士も関与すべきだという主張をいたしましたが、まだ、今日、今回拝見した資料では、保健師さん中心であるのは分かりますが、しかし、小児科医等というふうにくくってあります。是非、歯科との関連、歯科医師とか歯科衛生士、どう関連してどういう役割を果たすのかというふうに国はお考えなのか、お聞かせください。 それからまた、各センターですが、これ専門職、今市町村、非常に財政逼迫して厳しいので、例えば専門家のアドバイザリーボードを設置するとか、そういう専門職との連携を是非生かしていただきたいんですけれども、どういうふうに、その専門職との連携等の実施状況等、お聞かせください。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今お触れになられました子育て世代包括支援センターでございますけれども、全ての妊産婦、そして乳幼児などの状況を継続的に把握をして、妊娠期から子育て期にわたる切れ目のない支援を実施をするというのが基本コンセプトであるわけでありますが、御指摘の小児科医あるいは歯科医師、歯科衛生士が果たす役割、これにつきましては、主として乳幼児健診の場におきまして、心身の発育、発達状況とか、あるいは歯や口腔の疾病の有無などについて確認をするということと、保健指導、これを行っていただいているというふうに理解をしております。 特に、歯科保健の分野では、虫歯の状況を通じて児童虐待のリスクが把握されることもあって、支援を必要とする乳幼児やその保護者に対してより的確に支援を行っていく上でこうした専門家の果たす役割というのは極めて重要だというふうに思っております。 現在、子育て世代包括支援センターにおきまして、定期的に関係者会議を開催するなど、関係機関との密な連携を図るということとしていただいているわけでありまして、今後お示しをいたします予定のガイドライン、ここにおいて、連携を図るべき関係者として小児科医、歯科医師、歯科衛生士等専門職を明記をしていく必要があると考えておりまして、こういうことによって専門職との連携が進む中で子育て支援がしっかり地域地域でできるようにしてまいりたいというふうに思っております。
○石井みどり君 今日ちょっと理事会が延びましたので、私、自分の質問カットしようと思いますので、少しまたスキップさせていただきます。 昨年の児童福祉法改正のときも、児童虐待防止策のために、塩崎大臣、この法律制定に向けて並々ならぬ覚悟を持っていたというふうに仄聞をしておりますが、この子育て世代包括支援センターの財源としては、子ども・子育て支援交付金と母子保健衛生費補助金、これが充てられていると思いますが、熱心に取り組む自治体ほど自治体の予算が必要になる、そういう仕組みではないのでしょうか。 子育て世代包括支援センターの全国展開に向けて、先ほど今の設置状況を教えていただきましたが、この全国展開に向けて、国としてどのような予算措置をおとりになるんでしょうか。また、児相についてもどのような予算措置をお考えなんでしょうか。先ほど少し児相の予算のお話ございましたから、重複するところは結構ですので、簡潔にお願いします。
○政府参考人(吉田学君) まず、児相については、先ほどもお話ございましたように、私ども、強化プランに基づいて、それに必要な人員については地方交付税措置が講じられるものと承知をしておりまして、個々の事業については必要に応じてまた支援策を今後講じてまいりたいと思います。 その上で、子育て世代包括支援センターにつきまして、この運営費につきましては、まず、子ども・子育て新制度に基づく利用者支援事業ということになってございまして、これに基づいて、自治体負担分を含めて、財源としては消費税引上げによる財源分を充当するという仕組みになってございます。また、二十八年度予算から、利用者支援事業の母子保健型につきましては、補助基準額を従来の一市町村当たりから一か所当たりの補助というふうに、自治体の中に数多く設置していただくところの国庫補助は増額できるようにさせていただいたところでございます。 ただ、御指摘のように、これ国庫補助事業、定率補助でございますので、結果、事業をたくさんやっていただくところについてはその自治体においても御負担をいただくということになろうかと思いますけれども、そういう形で熱心にこの事業に取り組んでいただけるところに対してはきちっと国として支援をさせていただきたいというふうに思っております。
○石井みどり君 ちょっと首をかしげますが、先に進ませていただきます。 子供虐待防止への予防的対応として、厚生労働省が設置している社会保障審議会児童部会新たな子ども家庭福祉のあり方に関する専門委員会の報告書の中で、地域子ども家庭支援拠点の整備ということが検討されていますが、これどのように検討されているんでしょうか。それをちょっとお聞かせください。
○政府参考人(吉田学君) お答えいたします。 地域子ども家庭支援拠点につきましては、今御指摘の専門委員会の報告を踏まえて、昨年の児童福祉法改正によって新たに市町村による整備を努力義務としてまず制度化をさせていただきました。その上で、法律に規定された支援拠点について有識者によるワーキンググループをこの間議論させていただき、本年三月にそのワーキンググループの議論を踏まえて支援拠点の設置運営要綱という形で定めさせていただきました。その中では、具体的に、例えばということではありますけれども、児童人口当たりの規模に応じた職員配置などについて規定させていただいているところでございます。 また、この拠点につきましては、二十九年度予算において、既存の施設の修繕をしてその拠点をつくる市区町村については、その修繕費に対する費用の補助、あるいは人件費等の運営に必要な補助についても今回二十九年度予算に盛り込んでございまして、そのような形でまず法律に位置付け、そしてソフトについては運営要領を定め、そして予算において市区町村を支援させていただいているという形で取り組んでいるところでございます。
○石井みどり君 今お答えいただいたその報告書ですが、その報告書の中で、児相においての相談支援の質的水準確保のために、的確に評価できる機関による第三者評価制度、これも提言されていますが、この提言をどのように検討し、実現化するようにとお考えでしょうか。
○政府参考人(吉田学君) 専門委員会報告にございます第三者評価につきましては、まず、児童相談所の一時保護、一時保護所の第三者評価からということで、今年度予算において、まず都道府県などが子供の虐待あるいは権利擁護に知見を有する者を評価委員としてまず選んでいただいて、その上で、一時保護所の運営についてこの評価委員から評価を受けた場合に、その全体の事業についての費用を補助するという仕組みを今回二十九年度予算において創設をさせていただきました。 現在、この第三者評価は少しモデル的、先駆的に取り組むことから始めることになろうかと思いますが、そのような知見も踏まえて、具体的な仕組みあるいは判断基準等につきましては、現在、別途厚生労働省に集まっていただいております新たな社会的養育の在り方に関する検討会という有識者の方々の会議において議論をしていただいているところでございまして、それを踏まえて今後対応させていただきたいと思っております。
○石井みどり君 是非、自己評価から第三者評価、この仕組みをきっちりとつくっていただきたいと思います。 児童虐待による子供の死というのは、本来まさに防げる死なんですね。感染症とか事故とか外傷とか、そういう防げ得ない死ではない、本来は防げる死でありますので、痛ましい事件が本当に経年的に増えていっている状況でありますが、これは私、虐待は非常に複合要因によるというふうには理解しておりますが、死亡事例に関しては検証が非常に重要だろうと、不可欠であろうというふうに思っています。 この痛ましい子供の防げる死、これを防止するために、海外では子供の全ての死の検証、チャイルド・デス・レビューの制度があります。私は日本でもこの制度をつくる必要があるというふうに思っていますが、一どきには無理でしょうから、さっきもおっしゃった、まずパイロットスタディーのようなところから始めて、そこに厚労科研みたいなところで予算をお付けになるんだろうと思うんですけれども、そういうところからお始めになるんだろうと思いますが、国としてどうお考えか、お聞かせください。
○政府参考人(吉田学君) お答えいたします。 子供の全ての死の研究、いわゆるCDRにつきましては、既に私ども厚生労働大臣の方から、昨年五月以降モデル事業あるいは海外事例を参考にしてということで取り組むべし、検討しろという指示をいただいております。これを踏まえまして、三か年計画の調査研究、これは今委員御質問の中にありましたけれども厚生労働科学研究、いわゆる厚労科研を活用して行おうということで、まず予防可能な死亡から子供を守るという意味で医療分野における情報収集の方法あるいはその進め方について研究を進めております。 まず二十八年度を初年度としておりまして、システム整備を行いました。今年度が二年目ということで、二十施設程度の協力医療機関を募って実際にそのシステムを稼働して課題の抽出を少し先駆的にやってみようかと。それを踏まえて、最終年度、三か年計画、平成三十年度になりますので、調査研究で得られた知見を基にCDRの制度化に資する具体的な手引までいければいいなということで今研究を進めさせていただいているところでございます。
○石井みどり君 是非、CDRのシステムきちんと、本来起こってはいけないんでありますが、しかし防いでいく、減少させる、そしてゼロを目指すというところでありますので、是非今の御検討を制度に、システムにしていただきたいと思います。 もう時間がありません。少し早めに終わりたいと思いますので、これを最後にさせていただきますが、今回の法改正で司法関与ということが強調されました。今回の制度創設は児童虐待防止に向けた第一歩ではあるんですが、司法関与に関して課題も指摘をされています。 先ほど来もちょっと御答弁の中ありました、家裁の専門性というところで、予算も付けるよという、研修をするよということでありましたが、しかし、家裁は少年事件と家事事件があるわけですけれども、児童虐待の専門家はいらっしゃいません。裁判官が専門家でなければ調査官はそれに少しは精通されていればいいんですが、両方とも専門性がないということもあります。ですから、是非子供の権利擁護を標榜している弁護士の方、これ家裁の中で関与されている方が結構いらっしゃいます。こういう弁護士の方を活用するということもありますし、ただし、こういう方が保護者の代理人になったりしたときには家裁と利益相反というようなそういうこともあったり、様々な課題も出てきておりますが、この司法関与、これについてどう更に進めていくのかというところをお教えいただけますか。これで最後の質問にさせていただきます。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今回、保護者に対する指導への司法関与による在宅のケースの場合の支援の強化ということで、家庭裁判所による一時保護の審査の導入による手続の適正化も行っているわけであります。 まずは、この円滑な施行をしっかりとやっていただくということで、家庭裁判所における審査手続の流れを踏まえて、児童相談所が家庭裁判所に提出する資料等について検討を行うとともに、児童相談所の体制強化を図っていくということで、これは、家庭裁判所も児童相談所も両方体制強化を図っていかなきゃいけないんじゃないかなというふうに我々は思っています。 その上で、今回、改正法案の附則で施行後三年の見直しが入っております。検討規定が入っておりますので、児童相談所の体制整備の状況とか今回の改正法案の施行の状況を踏まえて更なる制度の見直しが必要かどうか検討していくこととするわけでありますが、これまでの議論の中では、検討会などでは、やはり裁判所による直接的な命令とか、そういうことについての意見も随分いただいておりましたが、そこを制度化するにはまだ議論が熟していなかったということで、今回、こういう形での在宅での支援をどう裁判所がかんでこれをバックアップしていくのかということを仕組んでいるわけであります。そのほかに一時保護の問題もございますが。 そういうようなことで、在宅に戻して、そこで不幸な事件に遭遇してしまう子供たちがいかに多いかということを考えてみると、これはもう行政、独り行政だけではなくて、つまり、児童相談所だけでやるのではなくて、もちろん児童相談所も弁護士を雇うなりなんなり専門性を高めるというようなことをやってパワーアップをしていくことは当然でありますけれども、ここに司法も関与しながら、親の権利そして子供の権利のぶつかり合いでありますから、ここのところをしっかり、子供の権利を去年入れさせていただいたこの法律の趣旨にのっとった形で子供の命を守っていければというふうに思っております。
○石井みどり君 ありがとうございました。終わります。
○委員長(羽生田俊君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。 午後零時七分休憩 ─────・───── 午後一時開会
○委員長(羽生田俊君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、児童福祉法及び児童虐待の防止等に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○牧山ひろえ君 民進党・新緑風会の牧山ひろえです。 本日は、児童福祉法及び児童虐待の防止等に関する法律の一部を改正する法律案、いわゆる児童福祉法改正案について主に質疑を行わせていただきたいと思います。 まず、児童相談所における児童虐待相談対応に関する傾向としましては、児童虐待防止法施行前の平成十一年度以降、その件数が右肩上がりになっていることが非常に注目されているかと思います。平成二十七年度におけます児童相談所の児童虐待相談対応件数は、調べましたら十万三千二百八十六件ありました。同じく、市町村の虐待相談対応件数はといいますと、九万三千四百五十八件ということが分かりました。これらは、単に受けた電話ですとか連絡等の総計などといったものではないということでした。つまり、いたずらですとか冷やかしなど根拠の薄いものは含まれない、児相や市町村において連絡を受けたその先の対応を行った件数であり、一応のスクリーニングを経ているものの集計ということでした。 では、児相把握の数字と市町村把握の数字の単純な合計が平成二十七年度における日本全体の児童虐待相談対応件数かと思うとそうではなくて、これらの数字には同一の事案が一部重複もしているようなんですね。 そこで、質問なんですが、では、重複を取り除いた合計の児童虐待相談対応総件数は何件ということになるんでしょうか。それから、もう一つですが、また、二〇一七年の新成人は百二十三万人ですが、このうち成年到達までの成長過程で虐待を受けた経験のある新成人の割合は、統計上どの程度なんでしょうか。
○副大臣(古屋範子君) お答え申し上げます。 児童相談所及び市町村における虐待相談対応件数につきましては、厚生労働省の福祉行政報告例により把握をしておりますけれども、同調査におきましては、それぞれ虐待相談の内容別件数や、また虐待を受けた子供の年齢構成等の件数は把握をしているものの、両調査はひも付いていないために、御指摘の児童相談所と市町村の児童虐待相談対応件数について、重複している件数を除いた合計の件数を算出することは困難となっております。 また、これらの件数は児童相談所や市町村に通告、相談があった件数でございますので、成人になるまでに虐待を受けた経験のある割合を正確に把握するということは困難となっております。
○牧山ひろえ君 効果的な対策ですとか解決のためには、やはり事実関係の正確な把握が重要となってくるかと思うんですね。そういった意味で、虐待件数の統一的な把握はやっぱり必要ではないかと思うんです。また、個別のケースの対応のための連携の必要性からいっても、児童相談所と市町村の間での同一案件の情報共有というか、そういった仕組みは整備すべきではないかと思うんです。 また、虐待が日本の社会全体にどの程度のインパクトを持っているかということを把握することも、解決のためにどの程度社会的コストを掛けるべきかという判断の素材にもなりますし、参考にもなりますので、必要なことではないかと思います。 関連し、児童養護施設についてお伺いしたいと思います。 資料にてお配りしましたとおり、配付資料三のところですけれども、社会的養護を必要とする児童におきましては、障害などのある児童が増えています。児童養護施設においては、昭和六十二年に八・三%が障害ありだったのが、平成二十五年には二八・五%が障害ありとなっているんです。 この障害などのある児童の急増については、今後も含め、どのように対処される御方針でしょうか。
○副大臣(古屋範子君) 今資料でお示しをいただきましたように、現在児童養護施設に入所をしている児童のうち約三割が何らかの障害を有しておりまして、この割合は近年増加傾向にあるものと認識をいたしております。 障害のある児童を始め、個々の児童に対して適切な支援を行うために、児童養護施設におきましては、通常の児童指導員等に加えて全ての施設に個別対応職員を配置し、個別の対応が必要となった児童への一対一の対応やその保護者への相談支援等を行っております。また、心理療法を行う必要があると認められる児童を一定数受け入れる施設に心理療法担当職員を配置をいたしまして、専門的なケアを実施しているところでございます。 今後も、これらの取組を通じまして、障害のある児童に対する支援の充実に努めてまいりたいと考えております。
○牧山ひろえ君 障害などのある児童の割合の増加に合わせたやはり加配の増員もきめ細かく行う必要がありますし、障害児対応に関する高い専門性も求められてくると思うんですね。このグラフにもあるとおり、増加の目立つ発達障害など、いろいろな障害に関しましては早い時期からの療育が重要等の指摘があることも踏まえて、やはりしっかりとした対策が必要ではないかと考えます。 ただ、それだけではなくて、実際に私は何度か児童養護施設の視察に行ってきたんですけれども、そこでいろんなお話を聞いてきました。現場の声として私が聞いてきたことの一つは、職員と子供との比率が一見足りているように見えるんですけれども、実は障害児にどうしても職員さんの手が取られてしまって、障害を持っていない子供たちへのケアが、十分にケアしたいと思っていてもそっちの方にまでケアが届かなかったりという、そういったケースが非常に多いということを現場に行ってから私は知ったんですけど、かなりの加配が、やっぱり加配の比率の改善が必要なんではないかということを私は実感いたしました。その点、是非御検討いただきたいと思っております。 一方で、児童養護施設を対象にした性的マイノリティー、LGBTに関する全国調査では、LGBT当事者と思われる子供を養育した経験があると回答した施設が四五%もあったとの結果でした。 そこで質問ですが、ちょっと配付資料四を御覧ください。LGBTである要保護児童に対して、児童養護施設は今後も含めどのように対応するのが適切とお考えでしょうか。 それからまた、ちなみに文部科学省は二〇一五年の通知でLGBTの児童生徒へのきめ細やかな対応を学校に求めていますけれども、児童養護施設は通知の対象外ということなんですね。児童養護施設についてもやはり厚生労働省から同趣旨の通知をきちんと出すことを検討すべきではないかと思いますが、その辺はいかがでしょうか。
○副大臣(古屋範子君) 児童養護施設におきまして、近年、子供の抱える課題や特性が多様化をしておりまして、より個別的また専門的な対応が必要となっております。このため、入所した子供に対し個別に自立支援計画を策定をして、個々の子供のニーズに応えられるよう計画的に支援を行っております。 性的マイノリティーとされる子供に対しましても同様の丁寧な対応が必要と考えられますので、文科省における取組も参考としつつ、児童養護施設等における性的マイノリティーの子供に対するきめ細かな対応等につきまして、全国会議等を通じてしっかりと周知をしてまいりたいと考えております。
○牧山ひろえ君 個別性の重視という方針が全ての養護施設で実施される必要があるかと思います。施設におけるLGBTの存在を例外と考えずに、いて当たり前という前提で研修の充実や対応の強化への政策誘導が必要ではないかと考えております。 続いて、保護者指導に対する司法関与についてお伺いしたいと思います。 本改正案では、児童福祉法第二十八条に基づいて児童養護施設への入所などに関する措置の承認の申立てがあった場合には、家庭裁判所が都道府県に対して保護者に対する指導措置をとるよう勧告することができることとしております。保護者指導が長期間に及ぶ場合には、児童福祉法第二十八条の申立てから施設入所などの審判が行われるまでに時間を要することとなり、審理期間の長期化につながるといったことが心配されています。 ここで質問ですが、家庭裁判所が勧告する保護者指導の期間は、現時点でどの程度を想定しているのでしょうか。 それからまた、一旦家庭裁判所の勧告の下での指導措置が行われて変化が見られなかった場合でも、別の指導措置を行えばまだ改善の余地が残っている場合には再度勧告が行われることもあるのでしょうか。
○副大臣(古屋範子君) 勧告による保護者指導の期間をどの程度にするかということでございますが、家庭裁判所が判断するものでございますけれども、事案の性質や勧告に係る指導の内容等により様々な場合があると考えております。その際、家庭裁判所が適切に判断できるよう、児童相談所が必要と考える指導の期間や内容につきまして、家庭裁判所に対して上申書等を通じて十分に説明をすることが重要でありまして、都道府県等に対して周知を図ってまいりたいと考えております。 また、家庭裁判所の勧告による保護者指導が行われ家庭における養育環境が改善されなかった場合等において、別の保護者指導を行うことで改善をされる可能性があるときは、個々の裁判官の判断によりまして再度の勧告を行うこともあり得ると考えております。
○牧山ひろえ君 申立てから審判が出されるまでの間、児童は自身の処分について見通しが付かない非常に不安定な状況に置かれます。勧告の下の指導措置については期限が定められますが、新たな保護者指導の仕組みが加わることも踏まえれば、保護者指導のために不必要な、審判が遅延しないように留意が必要だと考えております。 本改正法案では、都道府県に対して保護者に対する指導措置をとるように勧告した際には、家庭裁判所がその旨を保護者に通知することとなっていますけれども、この通知に関しましてはどのような内容を想定しているのでしょうか。例えば、保護者に対し指導に従うインセンティブを与えて指導の実効性を高めるために、この通知をする際に、単に勧告した事実を通告、通知するだけではなくて、指導に従ったかどうかが審判において重要な判断要素の一つとなることを明確に伝える形としてはいかがでしょうか。
○副大臣(古屋範子君) 家庭裁判所から保護者への通知の内容につきましては、児童相談所からの上申の内容も踏まえつつ家庭裁判所が判断することになりますけれども、都道府県等に対して勧告を行った事実及び勧告の内容を保護者に対して通知することとなると想定をされております。また、今回の改正におきましては、家庭裁判所の勧告の下での指導に従ったかどうかがその後の親子分離に関する審判における判断要素の一つとなるため、そうした趣旨を保護者に伝えることは重要であると考えております。 保護者に対する通知を行う際にその旨を明確に伝えるかどうかについては、最終的には個々の裁判官の判断によるものでございますが、いずれにいたしましても、今後、施行までの間に、通知の具体的な内容や方法につきまして関係機関と協議をしてまいります。
○牧山ひろえ君 保護者指導の内容ですとか結果は、家庭裁判所の二十八条審判の判断材料となります。今まで行政が中心となって行われてきた保護者指導ですけれども、在宅での指導に司法が関与することとした効果を最大限発揮できるように工夫するべきだと思います。 次に、一時保護についてお伺いしたいと思います。 一時保護は原則二か月を超えてはならないものであります。ですが、昨年実施されました全国の児童相談所に対する実態調査に基づく推計によりますと、一時保護が二か月を超えるケースは年間で三千六百十二件にも及んでいるということが分かりました。平均在所日数も二十九・六日と、これも増加傾向にあります。本来暫定的であるはずの一時保護が長期化するといったケースが生じているんですね。二年以上と極端に長期化している事例もあります。また、厚生労働省の資料によりますと、一日当たり保護人員も、直近の平均、二十七年では千八百八十五人に達するといったような増加傾向にあると言えると思うんですね。 ここで質問ですが、資料五を御覧ください。一時保護の長期化や一日当たり保護人員が増加傾向にあることについてどのように分析されているんでしょうか。また、こういった状況について厚生労働省としてどのように対応していくおつもりでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 一時保護の長期化などについてお尋ねをいただきましたが、児童相談所による一時保護は、虐待などを受けた子供たちについて迅速に安全を確保するということと、それから支援につなげるためのどういう手だてが必要なのかというアセスメントを行うという、この二つの機能が重要な目的でございます。 この期間についてでございますけれども、児童福祉法において原則二か月を超えてはならないと、こうなっておりますけれども、今回の改正の検討に当たって実施をした調査によると、今御指摘をいただきましたが、一時保護の約一二%が二か月を超えているということで、ケースによっては長期にわたって保護が行われる場合も見られるという状況でございます。 長期化の主な要因としては、適当な入所先あるいは里親が見付からない、あるいは保護者の同意を得るのに時間を要するといったこと、それから家庭環境の調整に時間を要する、戻ろうと思ってもなかなか戻れない、こういうことからなかなか長期化をする傾向にあるということを現場の方から報告を受けているわけであります。加えて、近年の児童相談所における児童虐待相談対応件数の増加によって、結果として、一日当たりの保護人員、これも増加傾向にあるというふうに思います。 このため、厚労省としては、従来から一時保護所の改修とかに必要な整備費の補助を行うとともに、平成二十八年度からは、里親に一時保護委託をした場合の手当を引き上げるということもやってまいりました。それと、児童養護施設などで専用の居室を設けていただくということで一時保護委託児童を一定数受け入れてもらうということを進めておりますけれども、その運営費に対する補助の加算を行うなどの措置を講じてきております。 また、今回の改正によりまして、一時保護の手続に家庭裁判所の審査を導入をするということで、手続の適正化がより一層確保されると、同時に、一時保護の長期化の抑制にも、歯止めにもなるのではないかと期待をするわけであります。 今後とも、引き続き、法律、予算、運用のあらゆる面で一時保護の長期化の抑制、そして一時保護が必要な子供たちの安全を確保してまいりたいというふうに思います。
○牧山ひろえ君 一時保護の長期化の根本的な解決策は、児童虐待の発生予防はもとより、一時保護が解除された後に家庭に戻れない児童の受皿となる里親ですとか施設等を増やすこと、それから、児童の一時保護中に家庭の養育環境の改善ですとか、一時保護の解除後に児童を受け入れる施設等の調整を迅速に行うことであると考えております。 受入れ施設の不足について最も抜本的な対策は、やはり里親ですとか施設など全体の受皿数を増やすことだと考えていますけれども、その辺りについて厚生労働省はどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今、里親と施設と両方のお話をいただきましたが、乳児院とか児童養護施設の施設への入所の児童数というのを見てみますと、近年減少をしております。一方で、里親あるいはファミリーホームへの委託児童数、これは増加をしてきておりまして、社会的養護全体としてはおおむね横ばいという形になっております。 昨年の児童福祉法の改正によりまして、家庭における養育が困難又は適当でない場合には、まずは家庭と同様の環境における子供の養育を推進するという法改正をさせていただいて、そこを明確にしたわけでありますことから、今後は、特別養子縁組を推進をする、里親を推進する、こういった受皿の整備としても、施設は今までの主流だったかも分かりませんが、これを家庭ないしは家庭と同様の環境、こういう場を確保していこうということでありますので、私どももそちらの方にシフトをしていかなければならないというふうに考えております。
○牧山ひろえ君 家庭的な環境を拡大していくということは非常に重要だと思いますけれども、いずれにしても、この受皿の拡大というのはゆっくりし過ぎるペースなんですね。その根本的な原因として、そもそも日本は社会的養護に使う予算が国際的な比較からすると格段に少な過ぎるという指摘がございます。日本の社会的養護予算がGDPに占める割合は〇・〇二%であるのに対し、例えばアメリカのワシントン州では二・六%、デンマークでは調べましたら一・七五%に上ります。 この国際的比較を視野に入れての日本の社会的養護予算について、厚生労働省はどのような認識、問題意識を持ち、今後どのように取り組んでいかれるのか、その辺をお聞きしたいと思います。
○国務大臣(塩崎恭久君) 御指摘の調査研究につきましては、社会的養護関係予算の定義というのがいろいろ各国によって異なっているということでございますので、各国の関係予算を単純に比較をして多い少ないを言うのはなかなか難しいところがあるわけでありますけれども、虐待を受けた子供など社会的養護が必要な子供の支援に必要な予算を確保するということが大事であることは、もうそのとおりだというふうに思います。 こういうことから、厚生労働省としては、昨年の児童福祉法の改正を踏まえて、平成二十九年度予算において、特別養子縁組あるいは里親など家庭と同様の養育環境の推進に向けた里親支援事業、それから児童養護施設であっても良好な家庭的環境のための小規模化、こういったところへの必要な予算として、前年度から百七十八億円増の千四百五十六億円を確保いたしたところでございます。
○牧山ひろえ君 去年の児童福祉法の改正ですとか特別養子縁組あっせん法の成立など、社会的養護をめぐる法整備は最近では徐々に進みつつあることは確かですが、そのような法制度を実効性あらしめるためにはやっぱりしっかりとした財政措置が必要だと思うんですね。所轄官庁である厚生労働省の奮起を是非期待したいと思います。 一時保護の長期化は全国一律の傾向ではありません。平均在所日数は地域差が非常に大きいものがございます。 資料七を御覧ください。この資料でも分かりますように、平成二十七年の平均在所日数の最短は鳥取県の八・四日、最も長期となったのは山形県の五十一・三日と六倍以上の開きがあります。 もし平成二十七年度の一時的ではなく長期的、恒常的に平均在所日数が短いあるいは長い都道府県市があるならば、その原因を分析して、全国的な一時保護期間の短縮、あるいは長期化への歯止めのためのヒントとするなど、こういったことをするべきと考えますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 資料をお配りいただきましたように、一時保護所での平均在所日数というのも都道府県によって随分ばらつきがあるわけでございまして、毎年の都道府県等の協力を得て調査を実施していますが、今のとおり非常にばらつきがあって、環境改善の状況を把握をして他の自治体と自らの自治体が比較できるように、今、調査結果については、私ども、このような数値について、全国児童相談所長会議それから全国児童福祉主管課長会議、こういったところでこの数字もお披露目をして周知をしているわけであります。 平均在所日数が長い又は短い一時保護所につきまして、その要因は何なのか、詳細な実態把握や分析などがこれまで十分行われてきておりませんでしたので、御指摘の取組については、都道府県などや、あるいは関係団体の御意見も聞きながら、どのような工夫ができるのか、検討してまいりたいと思いますし、一時保護はできる限り短い方がいいわけですけれども、当然、しかし、その次にどこへ行くかというところが大事な問題かというふうに思います。
○牧山ひろえ君 是非、このグラフにもありますとおり、大きな地域差から貴重な教訓がいろんな形で読み取れるはずですので、是非それを活用して生かしていっていただければと思います。 一時保護の長期化や保護人員の増加に伴って、都市部で一時保護所の過密化は顕著だと思います。一時保護所の過密化、つまり定員オーバーは収容している児童にどのような影響を与えていると厚生労働省は認識されているでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) これ、一時保護所に入所する原因というか理由は幾つかあるわけでございまして、虐待だけで占めているわけでは決してないわけでございます。この入所率が常に一〇〇%前後となっている一時保護所すらあるという現状の中で、いろいろな子供たちがそこに混在をしているということでございます。 一般的に申し上げると、子供たちは生活環境が著しく変化をして、自身が今後どうなるか分からない状況で一時保護所に置かれたままになるということがある。それから、一時保護所には他にも、今申し上げたように虐待とか非行とか、いろんな事情を抱えた子供たちが同じ部屋にいたりすることが多いわけでございまして、そういうことからも精神的に非常に不安定な状態となることも考え得るわけであります。こういう中で定員を超過して受入れを行うということは、適切な援助を行いにくくなるおそれがあるわけでございますので、望ましくないと思います。私も幾つか見に参りましたけれども、やはり虐待を受けたような子供の場合には特に一人の部屋でないとなかなか精神的にも落ち着かないということを聞いた記憶がございます。 児童相談所の運営指針というのがございますけれども、ここでは、一時保護について一人一人の子供の状況に応じた適切な援助の確保、これに配慮するように求めておりまして、各自治体がやむを得ず定員超過で保護する場合においては、子供への適切な援助が行える範囲で受入れを行う、また、適切な援助を行うことが困難である場合は里親等への委託を行う、こういうような配慮がなされていると承知をしておりますけれども、やはり、混在をし、またオーバーキャパシティーでたくさん入って、それまた長期化をするというのは決していいことではないと思いますので、改善をしっかり図れるように私どもも目配りをしていかなければならないと思います。
○牧山ひろえ君 一時保護所に収容されている児童というのは、虐待で傷ついて心のケアが必要な子供たちが多い、定員を超え、十分な対応ができない状況が生じているのはやはり大きな問題だと思うんですね。 本法案は、昨年の通常国会で民進党も賛成して成立させた改正児童福祉法の検討規定に基づくものでありまして、虐待を受けている児童の保護に資する内容が含まれています。しかし、子供の最善の利益のための取組には終わりはないということを申し上げて、本日の私の質問を終わらせていただきたいと思います。
○石橋通宏君 民進党・新緑風会の石橋通宏です。 牧山委員に続きまして質問させていただきたいと思いますが、議題に入ります前に、一つ、今日、この後議題になっておりますけれども、ホームレス自立支援特措法に関係して少しだけ確認をさせていただければと思います。 今日、こうしてこの後議論させていただく、まず関係者の本当に御努力に感謝を申し上げたいと思いますし、敬意を表したいと思います。これ、十五年前に議員立法で成立が図られて、五年前に一度延長されて今日に至っております。 先頃発表された最新の全国調査の結果を見ますと、初めて六千人を割るという状況で、当初は二万五千人以上だったと思いますので、そうすると五分の一ぐらいにまで減少してきたということを考えますと、改めて、この特措法の下で、国、自治体の皆さんの頑張りも含めた御尽力、御努力があってのこういう状況かなというふうにも思いますが、一方で、本当の実態がどうなっているのかというのは改めて我々考えなければいけないのかなというふうにも思っておりまして、その関係で、今日、定塚局長、参加をいただいておりますが、まず、改めての確認なんですが、ホームレスの定義というのは一体どうなっているか、簡潔に御説明ください。
○政府参考人(定塚由美子君) ホームレスの定義でございますが、ホームレス自立支援法第二条におきまして「都市公園、河川、道路、駅舎その他の施設を故なく起居の場所とし、日常生活を営んでいる者」と定義されているところでございます。
○石橋通宏君 そのとおりなんですが、聞いていただいても、果たしてこれ現代の状況にどうなのかということが課題になると思うんですね。 定塚局長、今全国調査のことも申し上げましたが、調査のやり方、手法というのも、当然この定義に基づいて調査されていると思いますが、簡潔に調査の手法を御説明いただけますか。
○政府参考人(定塚由美子君) 御指摘のとおり、ホームレスの実態の全国調査については、今申し上げた定義に該当するホームレスについて調査を行っております。 具体的には、毎年度、各市区町村の協力を得て、巡回で目視、見てですね、把握をするという概数調査を実施しているほか、五年に一度、ホームレスの方への聞き取りによる生活実態調査を行っているところでございます。
○石橋通宏君 巡回による目視、大臣も御存じだと思います。ここが一つポイントかなと。 果たして、じゃ、今、十年前、十五年前と同じように路上、公園、河川、いろんなところに寝泊まりをされてという、いわゆる我々がイメージするところのホームレスということと果たして今の実態が本当に合っているのか、ここが一つ鍵なのかなと思うんです。 定塚局長、例えば、先ほど言いました、二万五千人かつておられた、でも、今は五千人少し、五千五百人ぐらいになっている。じゃ、そのホームレスの皆さんって、皆さん自立をされたんでしょうか。自立ができたんでしょうか。そこまで確認、追跡されているんでしょうか。
○政府参考人(定塚由美子君) ホームレスの場合には、支援につながった方については自立支援センターやシェルターに入所していただいて、就労あるいは生活保護の受給に至るという段階を経るというのが通常でございます。 そうした自立支援センターに入った方であれば、二十七年度で、退所した方のうち、就労自立の方は三〇・八%、生活保護を含む福祉的措置につながった方が三一・八%、また、シェルターの方につきましては、就労自立の方が六%、生活保護を含む福祉的措置につながった方が二五・九%となっているところでございます。
○石橋通宏君 現場の皆さんからいろんな話を聞きますと、確かに、こうしていろんな支援につながって、自立に向かわれている方もおられるのは事実だろうと。ただ、残念ながらそうなっていない方も現にまだまだたくさんおられるのではないか、そういう報告も我々もいただいています。 そこで、特に今若い世代の方々ですとか、いわゆる先ほど申し上げた従来型の定義に当てはまるホームレスという形態ではないんだけれども、例えば今、ネットカフェ難民ですとか、そうやっていろいろな場所で夜を過ごされる若者たちも増えていると。そういったことになると、定義に当てはまらなくなってしまう。目視調査では見られなくなってしまう。まさに、隠れた、隠された、表になかなか現れないホームレスというのがむしろ拡大をしているのではないかということも懸念するわけです。 厚生労働省として、どうなんでしょう。こういった新しい形態のホームレスと言っていいのか、ホームレス自体の新しい態様といいますか、そういったものが現に増えてきているのではないか、その辺は認識をお持ちなんでしょうか。
○政府参考人(定塚由美子君) 御指摘のように、今、失業、貧困、いろいろな理由で寝泊まりする場所を転々とされている方のように、必ずしも法の定義に当てはまらないけれども困窮を抱えているという方がいらっしゃる、生活の拠点を失っている方がいらっしゃるということは認識をしております。 こうした方につきましては、生活困窮者自立支援制度の相談につながれば支援を受けることができる体制となっておりますので、私どもとしては、この生活困窮者自立相談支援機関をまずは広く周知をして、御相談に来ていただくように支援をするということが重要ではないかと考えております。
○石橋通宏君 それでは、大臣に最後二つだけ、要請も兼ねてお願いをしたいので御答弁いただければと思いますが、一つは、今申し上げたように、やっぱり新しい時代、新しい社会、生活環境、特に若い世代でいろんな新しい態様が出てきていると、そういうことから、今日、この後、法案については審議するわけですけれども、今後の対応として、是非そういうことも視野に入れて、新しい形態が生まれてきているのではないか、じゃ、それをどうやって調査をして、そして適切な支援につなげていくのか、そのことも含めて、今後厚生労働省としてもしっかりとした対応を、地方自治体の御協力、御支援もいただきながら指導いただくような対応を取っていただきたいと思いますが、大臣、同じ認識で、そういう対応いただけるということでよろしいでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 結論から言うと、御指摘のとおり、この不断の改善をしながら調査をしっかりやっていく、実態を把握をするということが絶えず大事だというふうに思っています。 先ほどの局長からの答弁のとおり、全国調査はホームレス自立支援法の定義に基づいて、目視によって基本的にはやっているわけでありますので、失業や貧困などの理由で寝泊まりする場を転々としているという、その転々とする場もいろいろ多様化をしているのかも分からない、実際まだ把握ができていないところもあるかも分からないと、そういうことでありますので、生活の拠点を失っている方という意味で、生活困窮者自立支援制度につないで支援をしていくためにも、まず、どこにどれだけの方がおられるのか、どういう形になっておられるのかということを絶えず把握をし続けていくというために、研究をし、不断の改善をしながら把握をしていくということが、私どもにとってもホームレス支援策として大事な基本ではないかというふうに思います。
○石橋通宏君 その観点でしっかりと対応いただきたいと思いますし、もう一点、これ特措法の第十二条にあるんですが、これやっぱり、自治体の御努力も大事なわけですが、なかなか今のような新しい形態も含めて十分な対応、人的な問題もあって行き届かない面もあるのかもしれません。その上で、民間の多くの団体の皆さんが本当にいろんな形で、大臣も言っていただいた、貧困の現場で頑張っていただいたり、いろんなアウトリーチをしていただいたりという取組をいただいています。是非、そういう民間の方々との連携、協力強化をしていただきたいと思いますし、民間の方々の持てる能力とかノウハウとか知識、これをしっかりといい形で活用して最大の支援につなげていっていただきたいというふうに思いますので、これまで以上に、この民間の方々の活用、連携強化していただきたいと思いますが、これも大臣から確認の答弁をお願いします。
○国務大臣(塩崎恭久君) おっしゃるとおり、この官民のパートナーシップを組んで、こういう問題に官民挙げて力を合わせて取り組むということは私は大変大事だというふうに思っていますし、その他の分野でも、同じようにやらないと、官だけで全部やろうと思ったってできるわけがないのでありますので、特にそういう問題にお詳しい民間の知恵はしっかりと使うということが私は大事だというふうに思います。 実態調査のやり方についても、恐らく実態を知っている方の方がはるかにお詳しいのではないかというふうに思いますので、民間支援団体の役割は当然大きいわけでありますので、そういった団体と各自治体がいい関係をふだんから持って、コミュニケーションを太くしながら地域の実情に応じた効果的な取組ができるようにしていくということが大事でありまして、今後とも、このホームレス自立支援法第十二条、今お触れをいただきましたが、この趣旨に基づいて、民間団体と緊密な連携を図って、ホームレスに対する自立支援施策を進めていきたいと思います。
○石橋通宏君 是非、今答弁いただいた趣旨で厚生労働省としてもしっかりやっていただくようにお願いをして、それでは、今日の本題であります法案の質疑に入らせていただきたいと思います。 まずは、私も、保護者指導における家裁の関与について幾つか確認をしてまいりたいと思います。先ほど牧山委員も質問いただきましたけれども、改めて確認しますが、何で今回この家裁の関与が必要なのかということ。これ、現実的にはなかなか児童相談所の保護者指導に十分に対応いただけない、もっと直接的には、従っていただけない親御さんたち、保護者の方々がやはり現におられるんだろうなというふうにも思いますが、少しちょっとその実態、児相の言うことをなかなか聞いてくれない、従ってくれない、そういう実態って一体どれぐらいあるものなんでしょうか。
○政府参考人(吉田学君) お答えいたします。 まず、今回この法改正を提案させていただいた趣旨としましては、児童虐待を行った保護者の方に対する指導につきましては、児童相談所と保護者の方々がとかく対立構造という形で生じやすいということ、結果、それで児童相談所による指導が実効性を上げられないケースがあるということで、この実効性を高めるためにも司法関与ということが望ましいのではないかという御指摘、これまでいただいておりました。 そういう意味で、今回の改正法案、保護者指導に対する司法関与ということで、里親委託あるいは施設入所等の措置の承認の申立てがあった場合に、家裁による都道府県に対する保護者指導の勧告ということにさせていただいて、家庭裁判所は勧告の下での指導の結果を踏まえて審判という仕組みにさせていただいたところでございます。 保護者指導に従わない保護者の方々の実態という御指摘がありました。ちょっと私ども、統計的にはなかなかこれ把握できないものですから、定量的には手元に数字ございませんけれども、一般的な話として、一つには、虐待あるいは自らの養育の困難さは認めつつも、子供の健全な成長を願う姿、そういう姿勢も示していながらも、支援方法について児童相談所等の方針が受け入れられなくて、親御さんと児相の間の見解が異なって緊張状況に至るというようなケース、気持ちはあるんだけれども、見解が相違する。 それから、他方、虐待そのものをもう否定している、あるいは子供の養育に責任を持つ姿勢が見られないという親御さんも残念ながらおられまして、そういう方とは話し合うための前提すら成立しないというようなケースもあると、そういう関係になってしまっているというようなこと。 なかなか保護者指導に従っていただけない保護者の方々、今申し上げたような、例えばでありますけれども、例があるということを私ども現場からの声として承知をしております。
○石橋通宏君 局長、規模感、数が分からないと言われましたけれども、これ規模感で言ったらどうなんでしょう。全体の、児相が行う保護者指導、その中で一体、もうにっちもさっちもいかない、ガチンコでなかなか、対立構造というふうに言われたけれども、そういって児相の指導に従っていただけない、従わない保護者、つまり家裁のこういった勧告のプロセス、今回導入したこれが必要になるようなケース、これが有効なケース、それが全体の中でどれぐらいの割合を占めるのか、それぐらいの規模感はおっしゃっていただけますか。
○政府参考人(吉田学君) お答えいたします。 重ねての御質問ではあるんですが、先ほどの対立構造も、その児童相談所と保護者の方々がやり取りしている状況の中で非常に先鋭化するときもあれば、少しお互いに息が合い、歩み寄りもあるというように、刻々と状況は動きますし、お子さんのまた状況もいろいろと変わるということのように現場からは聞いております。 今回のこの新たに導入いたしますものが、規模感という意味でもどれぐらいかというのはちょっと申し上げにくいんですが、我々、逆に言うと、今回のこの提案をするに当たりまして、現場の方々から、やっぱりこういう形でこそ司法関与をしてもらうというか、司法関与の仕組みを入れることにより現場の保護者指導に対して非常に有効ではないかという多数の声をいただいた、それは客観的な事実というよりも、関係者の方々からそういう形を望まれてということを私ども背景に今回提案させていただいたところでございます。
○石橋通宏君 なかなか規模感は分からないということですが、なぜこれあえてお聞きしているかというと、私これ、今回の提案を見て、逆に、質疑でもありましたけれども、児童相談所側の人員不足、体制不足というのは現にあるわけです。そうすると、児童相談所側でも一つ一つのこういったケースに対してきめ細かい対応がなかなか、現実的にですよ、現場では頑張っておられるんだけれども、そうはいったって、たくさんケースを抱えておられれば、なかなか一つ一つ丁寧な対応ができないのではないか。そういったところから、なかなか相互理解の確立ができないというケースもやっぱりあるのではないか。なので、あえてこれ、確認をさせていただいたんです。 局長、例えば今回、審判申立てを行って家裁で判断をされるそのときに、これ、勧告に行くのか、審判にそのまま行くのか、家裁の方で判断される判断の材料というか、どちらをやるべきなのかというそれは家裁の方で判断されるんでしょうが、児童相談所が十分な対応を取っているのか、保護者指導を十分に行っているのかどうかという観点も家裁は見られるんでしょうか。
○政府参考人(吉田学君) お答えいたします。 家庭裁判所の方がどのように個々のケースを判断されるかというのは、結果的には個々の裁判に当たられる裁判官の判断ということになりましょうけれども、これまでこの議論を最高裁関係者とも一緒にさせていただいている中では、やはり従来の家事事件についても家庭裁判所側にも順番に事例としての蓄積が生まれる、専門性を家裁側も今後強めていただけるというお話もいただいておりますので、そういう中で、家裁の方にも、目といいましょうか、児童相談所の行っている保護者指導についての一定の評価というのも今後形成されるだろうというふうに思います。 そういう中では、何が一律正しいかどうかというのを機械的に示すことは難しゅうございますけれども、私どもとしては、児童相談所側の保護者指導の実を上げる、専門性を上げるという努力をしながらも、家庭裁判所からのいろいろな、この間、この法律施行後の実績を踏まえて、その後についてより良い保護者指導ができるように現場に対しても働きかけていきたいというふうに思っております。
○石橋通宏君 これ、今回このシステムを導入されるのは、もっと家裁にも司法関与してもらって、その後ろ盾で引き続き児相に保護者指導を頑張っていただくと。 それによって、どうなんでしょう、厚生労働省の目指すべき方向性というのは、できる限りそれによって保護者の方がしっかりその指導に従っていただいて家族が引き続き一緒に過ごせるように、そういう環境をつくるためにこういう制度を導入していると、そういう理解でよろしいんでしょうか。それとも逆なんでしょうか。そこをちょっと確認させてください。
○国務大臣(塩崎恭久君) 去年の改正の際に、一つの大きな変更は、市町村の役割を非常に大きくして、支援の役割は市町村に、やはり身近な市町村が担ってもらうということで、それは裏返すと、今御指摘のように、児童相談所はもうぱんぱんになっているものですから、十分手が回り切れないこともあり得るということで、それを市町村が、言ってみれば支援の委託を受けるという形でやってもらいたいということをもって去年の改正も行っているわけでありますが、今回のこの家庭裁判所による在宅保護者指導というのは、言ってみれば、在宅での指導措置というのを児相がやるけれども、実際のケアは、支援はやはり市町村がやってもらわなきゃいけない。 ですから、家庭裁判所がこのような形で関与しながら勧告もし、そして在宅指導措置が行われる際には、措置は当然児相ですけれども、児童相談所ですけれども、それと組んでやはり市町村が、一番身近なところがよく見ていくと、そのことによって、家庭に戻したけれども、結果、そこで悲惨なことになるとか、そこにならなくても虐待が続くとかいうことを食い止めたいという、そういう思いでこのような仕組みを導入できないかということだったんだろうと思うんです。 特に最近、先ほどボリューム感の話がありましたが、こういう件数の、最近弁護士を活用するケースが増えているということは、やはり親権と、去年の法律でできた子供の権利との間のせめぎ合いが非常に法律的にも難しいケースが増えているということで、どの児童相談所も、常勤ではないにせよ、いろんな形で弁護士を活用しているということは、そういう難しい問題が増えているというふうに私ども考えた方がいいんではないかというふうに思っております。
○石橋通宏君 大臣から今のような答弁もいただきました。 我々、やはり子供の保護、子供の権利の尊重、これを最大限考えてどういう形をつくるかだと思っていますので、是非そういう観点からこの新しい御提案をいただいた部分がうまく機能するように今後しっかりとつくっていっていただければなというふうに思います。 その観点で、次に、家裁による一時保護審査の導入について確認をしますけれども、先ほど牧山委員からも取り上げていただいて、二か月以内、本当に短期的な、これに限る一時保護であるはずが、かなり長期にわたっているケースも実態的にはあるんだという御指摘もありました。 そこで、現状では、二か月を超える部分についてこれ審議会の意見を聞くというふうになっているわけですが、現実的にその審議会が異を唱えたケースはないというふうに聞いておりますが、それでよろしいですか。
○政府参考人(吉田学君) 今回、検討に当たりまして私ども実態を把握した限りにおいては、審議会において駄目という形の意見が出たものはないと把握をしております。
○石橋通宏君 ないということです。ということは、これまでは事実上児相の所長の判断がそのままになっていたということなんだと思います。 一点確認なんですが、なぜこの一時保護についてこれまで司法の関与がなかったんでしょう。なぜ行政判断だけでこれ、親権者の意に反する、これまで一時保護も含めて行政判断でできていた、かなり重たいところだと思いますけれども、これまで司法判断をかませずに行政判断だけでできていた、これ何でこういうシステムになっていたんでしょうか。
○政府参考人(吉田学君) 児童福祉法の改正の経緯を少し振り返らせていただきますと、平成二十三年の法改正のときにも、この一時保護については強い権限だということで、司法審査の導入の検討がありましたが、当時、司法あるいは児童相談所それぞれの体制の状況なども議論があり、最終的には児童福祉審議会の意見聴取という仕組みが当時は導入されたということかと思います。 今般は、私ども、昨年の児童福祉法の改正の附則において、裁判所の関与の在り方について検討を加え、必要な措置を講ずるということを受けまして、改めて関係者の方々とも議論をし、一方で、今回の検討に当たって全国の児童相談所に調査を実施しましたところ、その調査期間においていただいた意見の中では、都道府県児童福祉審議会の実態として、先ほどもお話ありましたように、延長は認めているんですけれども、意見が付いた事実があるものの、一時保護の延長を認めなかった事案はないということでございまして、こういう経緯の中で、より手続の適正性を担保するという観点から今回の提案に至ったというところでございます。
○石橋通宏君 そこで、一つ確認なんですが、一番大事な子供の意見というのは現状反映されているんでしょうか。子供の意見は一体今聞かれているんでしょうか。反映されているんでしょうか。そして今回、司法の関与ということをする、そのときに、じゃ子供の意見というのはちゃんと聞かれて、そしてそれが尊重される、そういう新しい制度になるんでしょうか。
○政府参考人(吉田学君) まず、現状におきましては、児童相談所において、審判などの前におきましても子供の意見については丁寧に把握して、そのお子さんの意見の内容あるいは背景等も勘案した上で援助方針を決定するということになっておりますので、私どもとしては、今後、審判におきましてもその内容を適正に説明をして、どのような方法で子供の権利保護をできるかということについて、なかなか、現場において工夫をしているというところかと思います。 今度、新しい提案させていただいています仕組みに入りますと、これは家事事件手続法の規定が適用されるということになりますので、その法の規定に基づきまして、原則として十五歳以上の児童の陳述は聞かなければならないというふうに法制上なります。そういう意味では、審判手続において、子供本人の意見を聴取する機会が保障されるという形になろうかと思います。 また、十五歳未満の子供につきましても、家庭裁判所は、子の陳述の聴取あるいは調査官による調査その他適切な方法により子供の意思を把握するように努めて、審判するに当たり、子の年齢及び発達の程度に応じてその意思を考慮しなければならないということに裁判実務においてはなっているというふうに私ども承知をしておりますので、このような形で今回提案させていただくに当たっても、子供の意見というものがあくまでも最善の利益、その子供の利益を最優先に考えるということを当然に現場は運用させていただきたいというふうに思っております。
○石橋通宏君 今、新しい制度の下での子供、児童本人の意見聴取、これは十五歳以上であれば、ならなければならないということ、それ未満であっても現実的な運用の中では意見を聞くんだということでお話があったと思います。児童の権利条約第十二条では、自己の意見を形成する能力のある児童という形で定義をされて、意見をちゃんと聞くんだというふうに権利条約上なっています。ですので、今、是非、言っていただいたとおり、十五歳未満であっても自己の意見を表明する能力のある子供というのは現にいるわけですから、しっかりとそれ、現場で対応いただくようにこれは確保をいただきたいということを改めて申し上げておきたいと思います。 あと、時間がなくなりましたが、接近禁止命令について一つだけ確認します。 接近禁止命令も、現場ではほとんど数としてはないというふうに聞いておりますが、さはさりながら、接近禁止命令自体はかなり強い命令処分だというふうに思います。理想的にはというか、本来あるべきは、これも仮に、例えば今回、一時保護で接近禁止命令が出るようになる、先ほどの二か月を超える場合に司法関与をする、であれば、この接近禁止命令が出ている一時保護の場合には、同様にこれ司法の判断をその時点で仰ぐべきなのではないかというふうにも思うわけですが、この点については、厚労省、どういうふうにお考えでしょうか。
○政府参考人(吉田学君) 今回の改正案を提案させていただくに当たりまして、児童虐待対応における司法関与及び特別養子縁組制度の利用促進の在り方に関する検討会において御議論をいただきました。そこでは、この接近禁止命令の主体について都道府県知事から家庭裁判所に変更するという御提案もございまして、議論をさせていただきましたけれども、今回の議論におきましては、緊急に児童の保護を図る必要があるということ、そういう場合に必ずしも迅速に対応できないというようなことも考えまして、命令主体は引き続き行政ということにさせていただいております。 そういう意味では、今後、親権者の意に反して二か月を超える場合を行いますけれども、接近禁止命令につきましても、面会、通信の全てが制限されて特に必要がある場合、あるいは一時保護の目的を達するために必要な場合においては、適切な行政権の行使として行うということで整理をさせていただきました。 今回の法案、附則におきまして施行後三年を目途とした検討規定を設けられておりますので、この辺りを念頭に置きながら、まずは施行の状況なども勘案させていただきたいというふうに思っております。
○石橋通宏君 是非、あるべきまた形をしっかりと今後の見直しの中で追求していっていただければ、検討いただければと思います。 最後に、これ前回の質問のときにちょっと積み残した課題だったんですが、今日、これも牧山委員から虐待の相談件数の話が出てきました。牧山委員の資料で見ていただければお分かりのとおり、実は児童本人からの相談というのはほとんどないです。周りからの相談が主なわけですが、これをどう捉えるかというのはあると思いますけれども、前回、やっぱり子供たち本人、なかなか電話を掛けて相談というのができない、是非SNSを活用するべきではないかということで、前回大臣からも前向きな答弁をいただいておりますが、最後に、児童相談所のSNSの今後の活用の必要性含めて是非検討いただきたいと思うんですが、そのことについて御答弁をいただいて、終わりにしたいと思います。
○政府参考人(吉田学君) 前回、大臣の方からも答弁ございましたように、若者層におけるコミュニケーションツールとして非常にSNSはポピュラーになってございますので、私ども、児童相談所、現状ではやっぱり本人の状況をきちっと把握するという意味からも来所あるいは電話を基本としながら、一部メールも受け付けているということでございますけれども、今後、こういうSNSが幅広く浸透しているという状況の中で、こうした社会状況の変化も踏まえて、セキュリティーなど課題ですとか懸念もございますので、それはきちっと対応しながら、引き続き相談者の利便性向上に向けてどういう形でできるか検討させていただきたいというふうに思います。
○石橋通宏君 終わります。ありがとうございました。
○川合孝典君 民進党の川合孝典です。 いよいよ国会も最終盤で、今後いつ厚生労働委員会で質問ができるか分かりません。分からない状況やに伺っておりますが、秋の臨時国会まで引っ張ったのではちょっと間に合わなくなってしまう課題がちょっと見付かってまいりました。直接法案とは関係ございませんが、今後審議を行っていく上で必要かと思われますので、一件、いわゆるバイオハザード施設の関係のことについて御質問をさせていただきたいと思います。 また加計学園かと思われるかもしれませんが、これ、ちょっと是非皆さんにも聞いていただきたいんですが、最近になりまして、今治市の方から様々な資料が実は出てまいりました。そうした資料の中で、いわゆるバイオハザード対策の施設を今回獣医学部で設置するという、この中で、その手続や在り方というものに対して少なからず疑問を感じるところがちょっと見付かってまいりました。今後、厚生労働省としてこの問題を所管していく上で知らなかったでは済まされない問題もその中には含まれておりますので、その点につきまして少し確認をさせていただきたいと思います。 まず、バイオハザード施設、いわゆるバイオセーフティーレベル3、4という、極めて性能、安全性の管理が高い水準が求められるバイオセーフティーレベル3、4の施設を設置する上で留意すべきこととして、厚生労働省としてはどのように捉えていらっしゃるのかという、総論で結構でありますから、そのことを少し御説明いただきたいと思います。
○政府参考人(福島靖正君) お答えいたします。 病原体の取扱いにつきましては、WHOが生物学的な安全を確保するための実験室バイオセーフティー指針、これを策定しておりまして、この指針に基づいて、各国に対しまして自国内の実験室での病原体の取扱いに関する指針を策定するように勧奨をしております。 我が国におきましては、WHOが策定した指針などを参考に、感染症法におきまして、人に対する病原性や国民の生命、健康に対する影響を踏まえて、感染症法による規制対象とすべき病原体を一種病原体から四種病原体まで区分しております。また、これらの病原体を所持する施設については、病原体の区分に応じた施設基準を設けて、その遵守を求めております。厚生労働大臣による指定、許可などに加えまして、立入検査や改善命令などの規定を定めておるところでございます。
○川合孝典君 お聞きいただきましたとおり、かなり厳密な基準が設定されているということでありますが、そこでちょっと確認なんですが、これ、入ってきた情報ということですので確定ではございませんけれども、今回、今治で獣医学部を設置するに当たって、獣医学部長の候補者でいらっしゃる千葉科学大学の教授、お名前は申し上げません、千葉科学大学の教授に伺ったところによりますと、今回設置されると言われているバイオセーフティーレベル3施設というのはどこに置くのかというと、学生居室、つまり学生の寮、住宅があるビルの五、六階に置くという、こういう説明だったんです。つまり、学生寮の中にバイオセーフティーレベル3の施設を置くという何か説明だったらしいんですが……(発言する者あり)あり得ないですよね。 だから、これ、まずそのこと自体が事実かどうなのかということも御確認いただかなければいけないんですが、同時に、もしこういうことだとすると、万一バイオハザードが発生したときのことを考えたときの安全性管理なんというのはあったものじゃないわけでありまして、こういったことというのは厚生労働省の基準からいってあり得るんでしょうか、これをお伺いします。
○政府参考人(福島靖正君) お答えいたします。 BSL3の実験施設については、WHOの指針におきまして、実験室は建物内の交通が制約されていない区域と切り離されなければならないとされております。我が国の感染症法上も、この指針を勘案して、病原体等取扱施設の実験室については、病原体の管理区域を設け、立入り制限を行うことや、実験室に同時に開閉できない前室を設けることなどの要件を設けております。BSL4の施設であれば、他の施設とは別の独立した建物又は完全に隔離された区域としているということを求めております。 ただ、したがって、一般論として申し上げますと、これらの要件を満たしているのであれば、それは、人が住んでいる居住棟であるところに感染法上の病原体等取扱施設の設置許可を得ることは可能でございますけれども、それは具体的にどういう設置をされておるのか、具体的にどういう構造で造られるのかということについて、個別に申請が出てきた場合に審査をしないと、そこについては判断はしかねるということでございます。
○川合孝典君 非常に怪しげな答弁なんですよね。 実は事前に伺ったときにも、管理されていれば居住スペースにバイオセーフティーレベル3の施設を置くということについては違反ではないという話だったんですが、今局長お話ございましたけれども、私、別に局長を責めるつもりでこの質問をしているわけではございません。今おっしゃったような話、要は、厚生労働省の説明に基づいて、実際にバイオセーフティーレベル3の施設が、一般に人が常に居住している居住空間の中にそういう施設が置かれているといった実例というのは既にあるんでしょうか。
○政府参考人(福島靖正君) 居住という言葉がどういうことを意味するのか、ちょっと議論ありますけれども、例えば地方衛生研究所がございますけれども、地方衛生研究所はBSL3レベルの施設を持っておりますが、そういうところはそのBSL3区域の周辺にそれ以外の作業場所、あるいはその事務的なスペースが一緒にあるわけでございますから、そういう面でそういうことが起こり得るということを申し上げているということでございます。
○川合孝典君 多分そういうことをおっしゃるんだろうなと思いましたけれども、私が申し上げているのは寮ですから、ふだん住んでいる場所であります。しかも、今例示されたのは、専門家の方々が実務をされる実務スペースが要は併設されているというお話でありまして、学生や教職員、職員が居住するかもしれないスペースにそういう非常にセンシティブな施設を置くということは基本的にはあり得ないはずなわけであります。 これ以上言っても堂々巡りになりますので、これ以上申し上げませんけれども、この施設設置に当たって、今私はっきりと御指摘させていただきました。各党の皆様も聞かれたわけでありますから、今回、いわゆる認可の話も含めてきちんと、バイオセーフティーレベル3の施設をどういう形で設置するのかということについてはきちっと確認を厚生労働省としてもしていただきたいということを申し上げておきたいと思います。 それともう一つなんですけど、このバイオセーフティーレベルのいわゆるレベルの高い実験施設の施工、これは設計施工、安全管理等、厳格な管理が必要になるために、施工実績がある一部の特殊な技術を持った業者にしか施工ができないというふうに実は言われておりました。 ところが、今回調べてみますと、今回の獣医学部の施工業者の方はその経験がないいわゆる設計会社さん、建設会社さんがそれに当たっていらっしゃるというふうに伺ったんですが、現実問題として、施工実績のない業者さんにバイオセーフティーレベル3、4の施設というのは造れるものなんでしょうか。
○政府参考人(福島靖正君) 感染法上の病原体等取扱施設につきましては、その感染症法に定める基準を満たす陰圧設備等が必要となりますけれども、これらの設備はいろいろな業者さんが製造されている実績もございますし、そういうものを一部の業者しか造れないというものではないというふうに承知しております。施工実績がないということでいいますと、正直言いまして、それは、論理的に言えば一番最初に造ったときには誰も施工実績は日本の中にないわけでございますので、そういうところでは造り得る、BSL4施設も当該施設を造った経験がないところで造っておるわけであります。ただ、それについて、実際にそれが十分な構造基準を満たしているものかどうかということについては、私どもはきちんとそれは確認をするということでございます。
○川合孝典君 議事録残ってしまいますよ、余りそういういいかげんな御答弁をされると。 私、事前にこの質問を投げたときに、いや、複数どこでもある程度造れるんだといったような話を担当の部課から連絡を頂戴したので、それからホームページ等々で実際バイオセーフティーレベル3、4の施工をやっている建設会社さん、設計会社さんがどのぐらいあるのかと思って調べてみました。そうしましたら、きちっとヒットしたのが、まあ探せばほかにもあるのかもしれませんが、せいぜい四、五社なんです。一番最初に施工されたのは千代田化工建設さん、これが一九七九年にバイオセーフティーレベル4の施設を造られたということでありまして、それ以外にも昭和科学さんや日本医化器械製作所さん、こういったところがバイオセーフティーレベル3施設は造っていらっしゃる。 大手のゼネコンさん、どうなのかなと思って見ましたら、大成建設さんはホームページに特にこのバイオセーフティーの話は書いてございませんでした。竹中工務店さんが去年の六月にバイオセーフティー実験施設を稼働させたといったようなことを書いていらっしゃるんですね。 したがって、当然のことながら、実際、それ、設計施工やろうと思うと、技術を蓄積してきちんとした安全性管理ができる状態をつくってから要は実際に施工に移るというのがこれ当たり前のことでありまして、そういう意味では、そういう実績がない状況の中で取りあえず建物だけは造っていくということは、今の局長の御説明だと整合性というか安全性という観点からかなり問題が生じるのではないのかということであります。 これ以上、この問題についても、局長を困らせるつもりはございませんので、これ以上突っ込みませんけれども、実際にこの施工業者と言われている業者さんがきちんとそのことをやっていらっしゃるのかということを、技術的に確立されているのかということも含めて、責任を持って厚生労働省の方でも確認をいただきたいということについて申し上げておきたいと思います。 別にこれ揚げ足を取ろうだとかいうつもりは一切ないんですが、いいかげんなことをやってしまいまして、バイオセーフティーレベル3というのは高病原性鳥インフルエンザですとか狂犬病ですとかというかなり危ないウイルス、菌を取り扱うということでありますので、ここにそごがあって周りの職員、学生の方々や周辺住民の方々に感染症が広がるということは絶対にあってはいけないことでありますので、この点についてあえて、申し訳ございません、法案とは関係がありませんけれども、申し上げさせていただいた次第でございます。 大臣、今指摘したことも含めて、今後八月に認可の話が議論がなされるということでありますが、それまでの段階できちんと指摘したことについて調査いただけないでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) これは調査してみたいと思います。
○川合孝典君 ありがとうございました。それでは、この問題についてはもう終わらせていただきまして、法案の方に入らせていただきたいと思います。 私、まず関連の質問から入りたいんですが、実は保育士、いわゆる今回の児童福祉法に関わる話で子ども・子育てというところからまず一点ちょっと確認をさせていただきたいことがございます。それは、保育士人材の処遇改善を既に国として取り組んでいらっしゃるわけであります、子ども・子育て新支援制度でありますが、この新支援制度を導入されたことによって生じている問題についてちょっと大臣に聞いていただきたいことがございます。と申しますのは、今回、子ども・子育て新支援制度を導入されるに当たって公定価格制度というのが入りました。これは所管は内閣府だと伺っておりますが、この公定価格制度が導入されたことによって保育士人材が偏在化が進んでいるということの指摘を私の党の同僚であります埼玉県選出の大野元裕議員から実は指摘を受けたわけであります。 これどういうことかと申しますと、お手元の資料、お配りさせていただきました一、二がその資料なんですが、子ども・子育て新支援制度で、保育士人材の確保のために、いわゆる処遇を改善させるための係数というものを、地域区分を設けて要は処遇の改善を図っていらっしゃるわけでありますが、二枚目の資料の二を見ていただきますと、埼玉県で実は、地図設けてありますが、例えば埼玉県の一番南の方の戸田市とか川口市、これ、荒川を挟んで東京都北区と向かい合っているわけでありますが、この東京のすぐ隣の町の地域区分の設定が、これ、一枚目に戻っていただいて地域区分見ていただきますと、百分の六地域ということに実はなっているわけであります。その下の東京都、東京特別区を見ていただきますと百分の十八となっておりまして、実は百分の十二、地域区分の差が生じております。そのことの結果、何が起こるかと申しますと、川を挟んで戸田市や川口市では給料が安いのに、川を渡って東京都北区に入ると給料が上がるという、こういう状況が生じております。 結果、年間、実は百万円ほどの年収差が生じている。公務員の方であれば配属されますから別に動くことはないわけでありますが、保育士さん、処遇が少しでもいいところを探して、介護士さんも一緒ですけど、移動されるわけでありますから、二百メートル橋渡るだけで百万円給料の高い場所に入るということで、埼玉のこうした地域の方々が給料の条件のいい東京に流れていってしまわれているという、こういう指摘があるわけであります。 これを何とかしなければいけないのではないのかという問題提起でございますが、まず、これ内閣府の方にこの問題についての御認識を伺いたいと思います。
○政府参考人(中島誠君) 委員御指摘の公定価格の地域区分につきましては、地域ごとの民間給与の水準を反映させております国家公務員の地域区分というものに準拠して設定しているものでございまして、介護報酬、診療報酬等の分野と同様、一つのルールとして設定させていただいているわけです。 ただ、この公定価格の地域区分の設定については、今委員御指摘のような問題というのも、埼玉県と東京二十三区だけではなくて、ほかの地域においても同じような御指摘というのはいただいていて、なかなかこれ頭が痛い問題なことは事実でございます。 この地域区分設定につきましては、これまでもいろいろ、国家公務員の人事院の地域区分、さらには地方公務員の地域区分等を参考にしてこれまでやってきたところでございますけれども、こうした課題ということもあるということは認識しておるところでございます。 今後、地域区分設定の見直しにつきましては、人事院における地域区分の見直しの動向を踏まえながら、公定価格の在り方に関する検討を進めていく際に、関係省庁とも御相談をしながら、考えれるほかの案があるのかどうかということも含めて考えさせていただきます。 ただ、今回、四万円を配らせていただいております、本年度から。その処遇改善の四万円につきましては、地域区分に関係なく一律の額として全国配付させていただくことにしておりますので、これらを通じて保育士の確保を支援したいと思ってございます。
○川合孝典君 処遇改善のための施策も含めて、別に何もやっていらっしゃらないと言っているわけではないんです。ただ、国家公務員のいわゆる基準に基づいてやるということが、今回の保育士さんだとか介護士さんの区分を考える上で必ずしもきちっとフィットしないというかマッチしていないということでありまして、大切なことは、それぞれの地域で待機児童対策が適正に進められる枠組みがちゃんと維持できるのかどうかということでありますので、このことについては、これまでやってきたことが駄目じゃないかということを言っているわけではなく、こういう問題が現在生じているから、今後そうしたことを踏まえてより使い勝手が良くて地域間格差が生じないような基準設計というものをしていただきたいという、このことについての指摘だと受け止めていただければと思います。 大臣、今のお話聞かれていかがですか。是非、この問題解決に向けて大臣のリーダーシップを発揮していただきたいんですけど。
○国務大臣(塩崎恭久君) これは、新制度が始まってすぐに、例えば福岡と久留米なんかでもかなり違って、久留米で養成をした保育士さんが福岡に行ってしまうということで久留米の人たちからお話を聞いたことがございますが、この間、待機児童のいろいろ御苦労されている市長さんたちに集まっていただいてお聞きをしたときには、やはり今お話あった、この公定価格だけではなくて、上乗せを独自に東京都はやっている、それに引っ張られるんだということを強く複数の近隣の県の市長さんから御指摘をいただきました。なかなか悩ましい問題でありますが、そういうようなことで人の偏在が起きつつあるということは認識をしておりますので、どういうことができるのか考えなければいけないなというふうに思っております。
○川合孝典君 やっぱり需要と供給で人件費というのは当然変わってまいりますし、それだけ保育士人材を求めている方が多い、需要が増えてきているということだと思いますので、根本的に解決しようと思えば、保育士の基本的な処遇を、ベースの部分をきちっと引き上げて他産業と同水準にまで持っていくという、このことしか結局はないんだろうということであります。 方向としては頑張って取組を進めていただいていると思いますが、当面の課題として何か仕掛けをつくらなければいけないのは事実でありますので、是非早急にこの問題については取組を始めていただきたいということでございます。 中島審議官にはここまでで結構でございます。委員長、よろしくお願いします。
○委員長(羽生田俊君) 御苦労さまでした。
○川合孝典君 それでは、次の質問に移らせていただきたいと思います。 これは児童福祉法に係る関係で、虐待を受けている児童等の保護者に対する指導への司法関与の一連の改正の中で少しちょっと気になったことがございましたので御質問します。虐待死亡件数調査についての実は御質問でありますが、厚生労働省と日本小児科学会とで虐待死亡件数調査の結果にかなり大きな乖離が、数字に乖離が生じているということでございます。 どういうことかと申しますと、厚生労働省さんでは虐待の重大事例に関する検証委員会を設置既にされていて、毎年死亡事例に関する分析結果を検証報告書で公表していらっしゃいます。ここ十年間の虐待死亡事例が年間大体五十人から七十人ぐらいで推移しているということでございますが、一方、日本小児科学会が二〇一一年に東京都など四つの自治体を対象に調査を行ったところ、死亡したお子さん三百六十八人のうち七・三%に当たる二十七人が虐待で死亡した可能性があるという調査結果が実は出ておりました。 この調査を全国規模に換算いたしますと、およそ三百五十人ぐらいという数字に実はなるわけでありまして、そうすると、厚生労働省が公表している数字の五倍以上のお子さんが虐待によって死亡している可能性があるということになるわけであります。なぜこれほど調査結果に大きな差が生じているのかということについて、厚生労働省の御認識を伺います。
○政府参考人(吉田学君) 私どもが検証結果として報告させていただいている死亡事例の数と日本小児科学会の発表の数の違いについて、詳細についてはもう少し分析が必要かとは思いますが、少なくとも今の時点で明らかなところは、私ども厚生労働省として発表させていただいている数字の基は、虐待死ということで全国の自治体が御判断をされて国に登録をいただいている数。日本小児科学会の方のデータ、私ども調査から承知をしておりますのは、単に虐待による死亡と判断された事例だけではなくて、幅広く、事故死の可能性もあるが虐待死の可能性も臨床的に疑われる事例というところまでカテゴリーを広くして、先ほど御質問の中にもありました四地域での先駆事業の数字を全国に当てはめて三百五十という数字をお出しになったという意味では少しカテゴリーが違うということかとは思いますが、いずれにいたしましても、私ども、この虐待による死亡事例というものについては重く受け止めて、その背景について分析をする必要があろうと思いますので、その定義の違い、あるいは数字の違いは踏まえさせていただきながら、幅広くいろいろな形で私どももこの問題について関心を持って取り組ませていただきたいと思っております。
○川合孝典君 調査、検証は更にきっちりやっていただきたいと思いますが、もう一件、これに関連してなんですけど、厚生労働省の研究班で全国の医療機関を対象に調査を行って、虐待で死亡した可能性があると医師が判断をし、その後警察や児相に通告をした事例のうち、およそ九〇%が警察による立件や児童相談所による調査が行われなかったと、九割が調査されていないという結果が明らかになってきております。 医療の現場で虐待死の可能性を指摘されていながら、なぜ司法や福祉の現場で無視されてしまっているのか、九割もが。 このことについてどういう問題認識をお持ちなのかを伺いたいと思います。
○政府参考人(吉田学君) 今御指摘いただきましたのは、司法サイドによる死の問題について、死因究明というような問題での御議論もいろいろなところにあるということ承知をしておりますし、そういう趣旨についての御議論があることも私ども勉強させていただいておりますけれども、いろいろな要因のある中で、私ども虐待を担当させていただいている部局としては、きちっとその残念ながら虐待において亡くなられた方々についてその背景を含めて分析をさせていただくということと、そういう事案が生じた場合において、地域における要保護児童対策協議会、要対協などを含め、関係者の間の方々で事案を共有をしていただいて、その後ろについてのいろいろな分析あるいは再発防止について取り組んでいただくという意味では、まだまだいろいろとやり得る行政として課題があるのかなというふうに受け止めさせていただいております。
○川合孝典君 質問に対するお答えにはなっていませんが、要は、いかに関係各所が連携をすることによって正確に実態を把握できるのかということでありまして、今までやってきたことについての説明ということであれば、ちょっと残念ながら、今御説明あったことだけでは足りないんじゃないのかということでありますので、今後どうあるべきなのかということについて、早急にこの問題については検証の上、実行策というものを取りまとめていただきたいと申し上げておきたいと思います。 時間がなくなってまいりましたので、ちょっと飛ばさせていただきまして、七番の質問に入らせていただきたいと思います。 児童福祉法上の対象年齢についてのちょっと質問をさせていただきたいと思います。 お手元の資料の五の資料をちょっと飛ばして見ていただきたいと思いますが、お手元の資料で、進学、就職の状況という資料、厚生労働省の資料を付けさせていただきました。一般家庭で普通に育ったお子さんのおよそ八割の方が専門学校や大学まで進学していらっしゃいますが、その一方で、児童養護施設等で育ったお子さんはおよそ八〇%が高卒までで就職、社会に出ていらっしゃるという実はデータが出てきております。 お育ちが大人になってからやその後の様々な生活、ライフスタイルに大きく影響を及ぼすということについては先ほど三原委員も御指摘されておられましたけれども、この進学率の大きな差が生じているということで、これ、昔と違って高学歴化が随分進んできているという、こうした状況の中で、学歴の差、それが全てとは申しませんが、教育の差がその後の生活水準に大きく影響を及ぼす、さらには貧困の連鎖に影響を及ぼすということを考えたときに、今、児童福祉法では十八歳、プラスアルファで二十歳までということは、そこは動かせるということに一応措置としてはなっておりますが、基本十八歳でありますが、社会全体で一体何歳まで支援を行う必要があるのかということをこれから早々に議論を始めるべき時期に来ているのではないのかという問題提起でございます。 これ、最後の質問にしたいと思いますが、今私が指摘させていただいた内容について大臣の御認識を、是非前向きな御答弁をいただければ有り難いと思いますが、よろしくお願いします。
○国務大臣(塩崎恭久君) 年齢を引き上げるべしという意見は、去年の児童福祉法改正に当たっていろいろ検討していただいた有識者の皆さん方の中でもかなりの方々がそういう意見でございましたし、また現場が、やはり児相の現場であったり、あるいは施設の現場の人たちの御意見の中でもそういう御意見が、先生が御指摘のような御意見が多かったということは、そのとおりでございます。 諸外国を見ると、例えばイギリスだったらたしか二十五まで見ているというふうに思いますが、そういうことを踏まえた上で、今回、ともあれここまで、前回法改正をし、また今回も法改正をするという中での二十二歳ということでございまして、大学進学率が児童養護施設の子供たちの中で低い状況にあって、大学等への進学を支援をしてできる限り貧困の連鎖を絶つ、そういう意味で重要であるということはそのとおりで同意を申し上げるわけでありまして、それから、児童養護施設に入所する子供については、生活の知識とか経験が不足しがちであって、自立に時間を要する場合が多いわけでありますので、引き続き支援の必要があるにもかかわらず、一定の年齢に達したからといってぽんと社会に出てしまう、出されてしまうということがいいのかどうかということは絶えず考えなければいけないと思っています。 こういうことで、去年の児童福祉法の改正では、自立援助ホーム、これに関しては、入居している方についても大学等に進学をしている場合は二十二歳の年度末まで引き続き支援できるということでありまして、いろいろ議論があった末に、就職など進学以外で自立援助ホームに入居している場合とか、それから児童養護施設などへ、あるいは里親などで入所、委託をしていた方についても同様に、この措置解除後、二十二歳の年度末までの間、引き続き、入所、委託を支援する事業を平成二十九年度の予算で盛り込んでいるところでございまして、その上で、法律上の児童養護施設の対象児童の年齢を引き上げることについては、こういった改正法の施行状況や予算事業の実施状況等を踏まえて、関係者の御意見なども伺いながら引き続き検討してまいりたいと考えておりまして、押しなべて全部が二十二とかそういうことでは多分なくて、個人個人、一人一人やっぱり違うので、よく見た上で支援が必要な人に支援が行くようにどうしたらいいのかということを考えるべきだろうというふうに思います。
○川合孝典君 是非積極的な取組をお願い申し上げまして、終わります。 どうもありがとうございました。
○山本香苗君 公明党の山本香苗でございます。 まず冒頭、法案審査に先立ちまして、脊髄性筋萎縮症、SMAの治療薬の承認につきまして、大臣にお伺いさせていただきたいと思います。 先週の金曜日に薬事・食品衛生審議会医薬品第一部会におきまして、乳児期に発症した1型については承認が適当と判断されました。今後、一か月以内には承認されると伺っておりますが、一か月と言わずに一刻も早く承認をしていただきたいと思います。 他方で、小児期以降に発症する2型、3型等については審議されませんでした。引き続き優先的な審査を進めるとは伺っておりますが、患者さんの四割は小児期以降の方々です。是非とも小児期以降についても一日も早く部会にかけていただきたいと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今御指摘がございました脊髄性筋萎縮症、いわゆるSMAですね、この治療薬につきましては昨年十二月に承認申請が行われております。患者数が極めて少ない希少疾病用の医薬品として指定をした上で、申請から通常は十二か月ぐらい要するわけでございますけれども、九か月以内に承認することを目標として優先的な審査を進めてまいりました。 六月九日に開催された医薬品部会におきまして、乳児期に発症し、より重症な疾病でございます乳児型SMAへの効能、効果について承認が適当と判断をされたところでございます。現在、承認に向けた手続を行っておりまして、おおむね一か月前後で、もっと早くせいという話ですが、承認できる見込みでありますので、どれだけ早めることができるか、よくまた考えて、伝えておきたいと思います、現場の方に。 それから、小児期以降に発症するSMA、これも大事だということを今お話をいただきました。優先的にこれも審査を進めておりまして、可能な限り早期に承認できるように努力をしてまいりたいと思います。
○山本香苗君 一月の予算委員会で取り上げた際に大臣からも総理からも大変前向きな御答弁をいただきまして、患者会の皆さん方、本当に国会に私たちの思いが届いたといって大変喜んでおられたわけなんです。しかし、私があの場で御紹介させていただいた小学校三年生の女の子は、実は2型なんですね。是非この薬につきましては、今御答弁いただきましたとおり、最優先で審査していただいていることはよく存じ上げておりますけれども、是非とも、1型も、また小児期以降の2型、3型等につきましても早期の承認をお願いしたいと思います。 そして、この薬はかなり新しいタイプの薬でございまして、高額になると伺っております。承認後可及的速やかに保険適用していただきますよう、この点につきましても重ねてお願いしたいと思います。 もう一問、大臣に引き続いてお伺いさせていただきますが、子供と家庭をめぐる状況が多様化、複雑化する中で、従来の制度だとか枠組みのままではもう対応できませんと。子ども家庭福祉の新たなあるべき姿を示し、社会全体で共有して、そのあるべき姿に向かって動き出すことが必要だと判断していただいて、平成二十七年九月に専門委員会を立ち上げていただきました。その後、さきの国会では子供の権利を初めて法律上明確に位置付けていただいて、また特別養子縁組の推進もしっかり書き込んでいただきました。そして、第二弾として、今回、司法関与を強化する内容の法案を提出していただいたわけでございますが、これらの私は一連の流れというのは、塩崎大臣なくして進まなかったと心から確信をしております。 ただ、残念なことに児童虐待下の悲惨な事件というのは後を絶ちません。また、まだまだ支援が届いていない子供たちがたくさんいます。 そこで、大臣に率直にお答えいただきたいんですが、我々が一生懸命やろうとしたこの新たな子ども家庭福祉の実現ということに至って、残された課題は何なのか、次に大臣として何をなさろうとお考えなのか、お答えいただきたいと思います。
○国務大臣(塩崎恭久君) 副大臣として山本香苗委員には一緒にこの問題に取り組んでいただいたわけでありますが、昨年実現成ったこの児童福祉法の改正は大きなコペルニクス的な転回をしたと思います。それはやはり、施設中心ではなくて家庭中心だということで、やはり子供は家庭で育つと。したがって、今回、厚生労働省の中も子ども家庭局というのを新たにつくって、単なる児童ということではないということで、やっぱり家庭があって子供があり、子供があって家庭があると、こういう認識から組織の名前も変えさせていただいたわけでありますけれども。 いずれにしても、家庭養育の原則は法律ではできました、順番も付けてしましたが、法律を変えたからといって、子供の権利が書かれたからといって、世の中全部ごろっと変わるわけでは全くないわけでありますので、今まで違う論理でずっとやってきたことをどう新しい論理に変えて、制度も、そしてそれぞれの最終的には家庭がどう変わっていくかということを実現する、これをやらなきゃいけないという大作業があるわけでありまして、今、検討会を四つ回していますけれども、全てこれは、新しい体制になるための必要なインフラは何かということを今検討していただいているわけでありますし、かつて課題と将来像というので各都道府県は計画を作ってくださっていますけれども、もう今度は家庭中心でいくということになれば、三分の一、三分の一、三分の一というのは全く変えてもらわなきゃいけないことになるわけです。 これはやはり、子供の一人一人の愛着形成の時期とその重要性を考えたら、やはりこれを成し遂げていかなきゃいけないということでありまして、そのためにいろんなインフラを、さっき申し上げたとおり、今検討はしていただいていますけれども、これもやはり予算も要りますし、それから、これは都道府県が基本的にはやって、政令指定都市もそうですが、そういったところで人事を含めいろいろ変えていくというのはこれは並大抵のことじゃないわけですから、ここは、今まで雇児局と言ってまいりましたが、今度は子ども家庭局が中心となって、自治事務なんていって突き放さないで、自らの問題として、法律所管しているのは厚生労働省ですから、厚生労働省がやっぱりリーダーシップを発揮して、今申し上げたような、細かいこと言いませんけれども、いろんなインフラを全部つくり直していくという、あるいは強化をしていくということをやっていかないといけませんし、都道府県だけじゃなくて今度は市町村にも、さっき御答弁申し上げたように支援の役割を持っていただいていますから、これはもう人材は要対協で頑張ってくれていますけれども、本当の意味で支援を細かくやれるためには相当やっぱり私どもも研修等々で引っ張っていかなきゃいけないんだろうというふうに思いますので。 そういうようなことで、ここに何か準備してありますけど、細かいことはともかく、何しろ今言ったような大きなコペルニクス的転回をしないといけないと。そのための検討を今鋭意やっておりますので、これを続けて、そして実態を変えていくということが一番大事だというふうに思います。
○山本香苗君 まだまだやらなくちゃいけないことがたくさんあるということでございますので、引き続き大臣には頑張っていただきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。 次に、具体的に法案について伺ってまいりますが、午前中、これまでの議論で重なるところはちょっと抜かしていきながら行かせていただきたいと思いますが、まず、保護者指導につきまして、ここに関して、いろんなケースがあるということなんですけど、村田家庭局長にお伺いしたいと思いますが、今回、保護者指導に関する司法関与においてどういう指導が必要なのか、家裁でどうこれ判断できるんでしょうか。
○最高裁判所長官代理者(村田斉志君) お答え申し上げます。 今回、法改正がされました場合には可能となります審判手続上の勧告でございますけれども、家庭での養育を前提として保護者に対する指導措置を続けても養育環境の改善は見込めないというふうに言えるかどうかと、この点が施設入所措置の要否の判断の分かれ目となる、そういう事案があればまさに勧告をするということは考えられるかというふうに思っております。 具体的には、個別の事案ごとに個々の裁判官によって判断されるということにはなりますけれども、一例として想定されるものを申し上げますと、保護者によるネグレクトがある程度長期化をして、それによる緊急性は必ずしも高くないという状況ではあるものの、子供にとっては不適切な養育が続いているといった事案でありますと、家庭裁判所が関与した下で実効性のある保護者指導が行われれば引き続き家庭での養育が相当と判断される可能性もあるのではないかと、こういうふうに考えられる事案であれば審判での勧告を利用するといったことがあり得るのではないかというふうに考えております。 なお、今回の法改正で審判手続上の勧告が可能になった場合でも、二十八条審判事件の全てで勧告を行うというものではないと思っておりまして、例えば虐待が深刻な場合で施設入所等が避けられないといったような事案であれば、勧告を経ずに速やかに施設入所等を承認する審判を行うことになるというふうに理解をしております。
○山本香苗君 実際、家裁が指導措置を勧告される場合というのは、実際の実務としては、児相がこの審判申立てとともに指導内容等を記載した上申書を出すこととなると伺っておりますけれども、そもそもどのような指導支援プログラムというのがあるんでしょうか。
○政府参考人(吉田学君) お答えいたします。 児相の現場、児童相談所の現場において、虐待対応としてその虐待を行った保護者に対して行う指導、子供への接し方であったり、あるいは生活環境の改善ということもあろうかというふうに思います。個別ケースに応じてもちろん様々でございますけれども、現場で今使われている幾つかのものを、どんなものかというお尋ねですので例示的に申し上げさせていただきますと、一つは、例えば日常的な子育てのスキルを高める、今ある子供との関わりに具体的に役立つプログラムということで、例えばこれ、固有名詞で言いますとコモンセンスペアレンティング、CSPという手法が結構普及して現場では使われていると思いますし、精研、精神の研究ですが、精研式ペアレントトレーニングというのも汎用されているというふうに承知をしております。 また、二つ目のカテゴリーとして、保護者自身に内的なテーマ、精神医学的な治療ですとか、保護者御自身のトラウマに合わせた心理治療というのに焦点を合わせたプログラムとしては、マイ・ツリー・ペアレンツ・プログラムというような形のものが現場には使われているということでございます。 私どもそれぞれ、もちろん一つのものではありませんし、いろいろな研究者の方の使われているものも現場においては使用されているかと思いますけれども、厚生労働省からすれば、子ども虐待対応の手引きでありますとか、児童相談所における保護者支援のためのプログラム活用ハンドブックというようなものも示させていただいて、それぞれのケースに応じた保護者指導がきちっと行われるようなものを支援させていただいているのが現状でございます。
○山本香苗君 今おっしゃっていただいたハンドブックの基になった厚労省の委託調査では、約半数の児相でプログラムを取り入れていますけれども、参加者、大半の児相で年間十人に満たなかったということが明らかになっております。指導に従ってくれないだけじゃなくて、仕事でプログラムが受けられない、また、精神的にしんどくて受けられない、こうした保護者というのは、今御紹介いただいたような既存のプログラムを受けたくても受けられないわけです。 また、性的虐待を受けた子供と、被・加害親であった母親に対する支援プログラムであったり、DV被害者と子供への支援プログラムというものも支援の現場からは必要だと声が上がっております。 特に、性的虐待につきましては、衆議院の参考人質疑でも指摘されておりましたけれども、子供が父親から性的虐待を受けたと、子供はなぜ母親は助けてくれなかったのかと母親に対して不信感を抱いて、そして母親は自責の念に駆られて家族が崩壊していくと、こうしたケースにも対応できる多様なきめの細かい支援プログラム、指導プログラムが必要です。厚労省が率先して是非多様な保護者指導、支援のプログラムを開発、提供していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(吉田学君) お答えいたします。 まず、質問された山本委員御存じなんですけれども、保護者指導というのは、今お話ございました、非常に参加者が少ないプログラムもあるというお話でございましたが、決してプログラムを当てはめるだけではなくて、日常的にいろんな手法で児童福祉司あるいは児童心理司の方々が保護者に対して働きかけておられる。その中で、特に専門性とかいろいろ困難ケースについては、先ほど御紹介したようなプログラムというような言わば一連のものを適用して保護者の方々に働きかけをしているということでございますが、その上で、今お話ございましたように、いろいろと困難事例あるいは性的虐待を始めとする事例もございます。昨年の児童福祉法の改正法によりまして国の調査研究の推進というのを明文でうたわれましたので、私どもとしては親子関係再構築のプログラムに関する更なる開発をさせていただきたいというふうに思っております。 まず、今年度におきましては、その調査研究事業としまして従来の保護者指導プログラムなどいろんなものございますので、それを参考にさせていただきながら、虐待の再発防止に資する新たな保護者指導プログラムの策定に向けてどんなことができるのかということをこの調査研究事業として取り組ませていただこうと思っております。具体的には、この調査研究、まだ公募により研究事業者を募っておりまして、今後この公募に応じていただいた方から選定をさせていただき、実際の研究事業に進めさせていただきたいというふうに思っております。
○山本香苗君 先ほどの調査でも、児相が保護者支援に取り組みにくい理由として人手不足、時間不足が挙げられています。先ほども石橋委員の御質問の中にもありましたように、児相ではなかなか余裕がないというのはもう現実でございまして、民間との協力というのを進めていくべきだと考えます。 現在、児童相談所が保護者指導を民間に委託した場合に二分の一補助する事業がございますが、一児相当たり七十万六千円が上限となっておりまして、現場からはこの補助単価を是非引き上げてほしいという声が上がっております。民間委託を進めるために是非来年度に向けて補助単価の引上げを御検討いただきたいと思います。 また、併せてお伺いしますが、この事業というのは実施主体が都道府県、指定都市、児童相談所設置市となっているわけなんですね。しかし、先ほど大臣おっしゃっていただいたように、身近な自治体である市町村においてこそ保護者指導が行える体制整備が私は必要だと思います。実際、大阪府内の幾つかの市町村におきましては実施しておりますけど、この事業の補助対象外となっております。ですので、是非この補助対象についても見直しを図っていただきたい。 二点併せてお伺いします。
○政府参考人(吉田学君) お答えいたします。 児童相談所が行う保護者指導を民間に委託をするというときに、今お話ございましたように、実際自ら行う場合もございますけれども、そういうカウンセリングを実施するための費用を私どもとして支援、補助をさせていただいていて、民間に委託をされた場合についてはその民間委託の部分について児童相談所に補助をするということでございます。 保護者指導カウンセリング強化事業という予算事業につきましては、今御指摘いただきましたように、前年度、二十八年度七十万余でありましたものを、今年度八十八万六千円という形で、二十九年度、ちょっと私どもとしては大幅に上げさせていただいたところではございますが、実態につきましては、またいろいろと実際どんな形でこの費用が使われていて経費が掛かっているかということも引き続き注意深く私どもとしてもフォローをし、実際に御指摘いただいておりますように児童相談所が非常に繁忙だということも事実でございますので、民間の方々に対してきちっと委託をして御協力いただけるようなものになるように引き続きまず実態を把握させていただきたいというふうに思います。 また、実施のところにつきましては、今申しましたように、現在の予算におきましては児童相談所が行っているものを委託するということになっておりますので、児童相談所に着目した形の予算の組立てになってございますけれども、おっしゃっておられるように、また大臣が先ほど来御答弁申し上げておりますように、これから支援の中心が市区町村という形での、担い手としての期待もございますので、その辺り、どのような形で市区町村からの民間団体への委託について支援をするかについては検討させていただきたいというふうに思います。
○山本香苗君 よろしくお願いしたいと思います。昨日聞いたときにはそんな話はなかったんですが、またよく確認させていただきたいと思います。 従来、児相の指導を保護者がどの程度受け入れたかどうか家裁が確認をするということはなかったわけですが、今回の法律案では、家裁が児相の指導をちゃんと受けたかどうか児相から報告を受けた上で二十八条の審判を下す、つまり親子分離の判断をすることになります。保護者にとっては、これを受けないと子供を返してもらえない、これが一番怖いんです。 今回、新たに家裁から直接保護者に勧告が通知されることになっております。通知方法につきましては今後協議されると伺っておりますけれども、指導の実効性を担保する観点から、是非とも直接口頭で勧告したものをお伝えいただきたい。指導の結果についても、このような親子分離の判断の一つになることを伝える等、効果的な方法を取っていただきたいと思っておりますが、村田局長、お願いいたします。
○最高裁判所長官代理者(村田斉志君) お答え申し上げます。 通知の方法及び内容は、個別の裁判所において判断されるべき事項でありますが、一般的には書面で都道府県等に対して勧告を行った事実とその勧告の内容を通知する方法というのが考えられますが、事案に応じて、委員の御指摘にもございましたが、裁判所で保護者等を呼び出して審問期日を行う場合がございますので、そういった場で裁判所から保護者に対して書面での通知と併せて口頭でその内容をお伝えするということも考えられるかと思っております。 また、その際、事案によっては、当該裁判官の判断によりまして、保護者に対して口頭で勧告の内容を伝えることはもとより、児童相談所からの指導措置の結果として、監護状況が改善されたかどうか、これがその後の審判の判断材料になりますよといったことを、これは勧告の位置付けということになるかと思いますが、こういったものを御説明するということも考えられるのではないかというふうに思われるところでありまして、こうした方法を含めて、事案に応じた適切な方法により勧告の通知が行われると理解をしております。
○山本香苗君 次に、一時保護に関する司法関与についてお伺いします。 今回の法律案におきましては、児相は二か月を超えて引き続き一時保護を行う場合に家裁の承認を得なければならないこととなります。 一時保護が二か月を超えるケースというのは、先ほども御答弁ありましたけれども、現場で聞いていますと、保護者に対して何度も何度も連絡を取っているにもかかわらずなしのつぶてと、音信不通というケースが多くて、こうした場合、なかなか児相としても方針を決めにくいと伺っております。 家裁ではどう一時保護の延長の適否を判断されるんでしょうか。
○最高裁判所長官代理者(村田斉志君) 具体的な手続の進行は各裁判所の判断に委ねられておりますが、一般論として申し上げると、申立人、これは児童相談所のことが多いと思いますけれども、申立人から提出された申立書及びその主張の裏付けとなる証拠資料、これを精査するとともに、他方の極の親権者等からも陳述をお聞きすると、こういった形で事実の調査を行った上で、引き続いての一時保護を承認するかどうか判断していくものと考えられます。
○山本香苗君 その場合におきまして、どういう書類を出さなくちゃいけなくなるんでしょうか。できる限り定型化、簡素化していただきたいんですが、いかがでしょうか。
○最高裁判所長官代理者(村田斉志君) 引き続いての一時保護の承認の審判に当たっては、申立人から、まず二か月を超えてなお一時保護を行う必要性、これを明らかにする書類を提出していただくものというふうに理解をしております。 具体的にどのような書類が必要であるかは、個別の事案に応じて裁判官が判断すべき事項ではありますので、なかなか一律に必要な書類を定めるのは難しいところでございますけれども、他方で、裁判所に提出する書面の準備のために、児童相談所に過度の負担が生じて必要な申立てをちゅうちょするというようなことになってはならないというふうにも認識をしておるところでございます。 最高裁といたしましては、今後、各家庭裁判所がそれぞれ児童相談所の実情を踏まえた運用ができるように、関係省庁とも御協力をして必要な情報提供を行ってまいりたいと考えております。
○山本香苗君 一時保護の承認がなされる前に二十八条の審判申立てがなされた場合はどうなるんでしょうか。取下げは必要になるんでしょうか。
○最高裁判所長官代理者(村田斉志君) 法律上明確に規定をされておりませんので、解釈ということになろうかと思います。一般的には、取下げがされる例が多いのではないかというふうに考えられます。
○山本香苗君 一時保護の承認と二十八条の審判申立てと時期的に近接する場合、同じような書類を二回出さなくちゃいけないということになって、事務負担がかなり大きくなります。家裁においても児相においてもできる限り負担を軽減して、円滑に手続が進められるように何らかの工夫をしていただけませんでしょうか。
○最高裁判所長官代理者(村田斉志君) この引き続いての一時保護の承認の審判事件とそれから二十八条の承認の審判事件は異なる事件でありますので、裁判所としては事件ごとに書面を提出していただいて、これを整理して記録として持っておく必要があるということ自体は御理解をいただきたいと思います。 もっとも、両者で御主張いただく事実関係、これにはかなり共通する部分も少なくないかなと思っておりまして、先行する事件で提出済みの書類があれば、後の事件においてはその写しを出していただければ足りるという場面も多いのではないかというふうに考えております。 いずれにいたしましても、最高裁といたしましては、各家裁が児童相談所の実情を踏まえた運用ができるよう、関係省庁と協力して必要な情報提供を行ってまいりたいと思っております。
○山本香苗君 一時保護に家裁が関与する仕組みというのは今回初めてなんですよね。スムーズに導入を図っていくためには、今まで以上に家裁と児相との間の緊密な連携が不可欠だと思います。大阪家庭裁判所におきましては、家事部と少年部が毎年度交互に児相との連絡協議会を開催していると伺いました。今後、より一層連携強化を図るため、まずはその実態、全国の実態ですね、把握をしていただいて、特に件数の多い家裁においては、年に一回ずつとかいう話じゃなくて、常時連携、協議できるような体制を是非家裁においてつくっていただきたいんですが、どうでしょうか。
○最高裁判所長官代理者(村田斉志君) 今回の改正法案が成立した場合に、家庭裁判所と児童相談所の連携が一層重要になるということはそのとおりであろうかと思っております。 各家庭裁判所におきましては、今委員から御紹介ありましたとおり、各地の実情に応じて児童相談所を含む関係機関との協議会を開催しております。これは年一回に限っているものではございませんで、各裁判所の判断で年一回から数回開催するということも地域によっては行っております。 また、こうした正式な協議会というもののほかにも、必要に応じて、家庭裁判所調査官を窓口として、児童相談所との間で極めて実務的な意見交換を行っている例も少なくないというふうに承知をしているところでございます。 最高裁といたしましては、今後とも、このような取組を通じて、家庭裁判所と児童相談所との連携が十分に図られるよう、必要な支援をしてまいりたいと考えております。
○山本香苗君 次に、文科省に伺います。 一時保護所には、虐待のみならず様々な背景を持つ子供たちがいます。こうした子供たちは学校教育にアクセスできず、多くが教員免許状を持たない一時保護所の職員から日々学習指導を受けています。親に課せられた就学義務については、入所中は履行することができないにもかかわらず、猶予も免除もされていません。他方で、児童福祉法四十八条で入所中の児童への就学義務を親でなく施設長に課することを規定しているところに、一時保護所は入っていません。要するに、一時保護所における子供の就学というのは宙に浮いた状態になっているわけです。 文科省は、一時保護所における子供の学習状況をどう把握して、どう認識されているんでしょうか。
○政府参考人(瀧本寛君) お答えします。 近年、児童相談所の一時保護所において、一定の学習時間の確保など学習条件を向上させる取組が行われていることなども踏まえ、文部科学省においては平成二十七年の七月に通知を発出し、校長の判断に基づき、児童生徒が一時保護所等において相談ないしは指導を受けた日数を指導要録上の出席扱いとすることができることとしたところであります。 一時保護所に保護されている児童生徒の学習状況についての御質問ですが、厚労省さんが平成二十七年度に行った委託調査によりますれば、教科書や様々な参考書を用意をして支援をしているという一時保護所が七二%、教員資格等を有する職員が授業を行っている、指導を行っているというのが六七%、在籍学校と連携をしてカリキュラムや教材等を準備しているところが四四%などとなっております。なお、このデータは一時保護所で行われている学習支援等の内容を施設単位で調べたものでございますので、支援を受けている児童生徒の割合を示したものではございません。 したがいまして、文科省としましては、こうした児童生徒に対してより適切な学習環境を提供することが重要と考えておりまして、引き続き、厚生労働省との連携の一層の強化に努めてまいりたいと考えております。
○山本香苗君 連携強化じゃなくて、実態を文科省としても把握していただけませんか。
○政府参考人(瀧本寛君) お答え申し上げます。 ただいまお答えしたのは、厚生労働省さんの予算事業による委託調査の結果でございますし、あるいは児童相談所の中で行われている学習指導でございますので、よくよく連携をしながら、引き続き子供たちの学習状況について把握をしていきたいと思います。 以上です。
○山本香苗君 一時保護所を含めて児童相談所に学校教員が複数年にわたって勤務している実態というのは余り知られていません。学校教育と福祉行政の連携が求められている中で、一時保護所における教員の勤務というのは福祉と教育の連携の在り方の一つとして大変重要なものだと思います。また、子供にとっても、学校にとっても、児相にとっても大変いいことだと思います。 是非、厚労省と連携してその実態を明らかにするとともに、一時保護所への教員派遣、配置、これをより一層進めていただきたいと。文科省の立場からお答えいただきたいと思います。
○政府参考人(瀧本寛君) 平成二十八年四月現在、児童相談所において児童福祉司又は児童指導員等として人事交流等によりまして教員が百三十二名、教員OBが百二十三名の職員が配置をされており、子供たちの生活指導や学習指導等に当たっているものと承知しております。文部科学省としては、通知を発出し、都道府県教育委員会等に対し、児童相談所の求めに応じて、一時保護所の学習指導協力員等となる者として退職教員を紹介する等の協力を行うことを促してきております。 また、現職教員の人事交流につきましては、一時保護されている児童生徒の学習環境を充実させるという点や、あるいは交流対象となった教員の視野や経験を広げるという点、さらには在籍校や教育委員会と児童相談所の連携をより密にするという点など、様々な観点から文科省としても有意義であると考えておりまして、厚生労働省とも連携をしつつ、各教育委員会に対してこうした人事交流の好事例の紹介等を通じ、教育と福祉の人事交流が一層促進されるよう努めてまいりたいと考えております。 以上です。
○山本香苗君 いや、大変、今日は文科省の答弁が一番私は不満足です。この点につきましては、またしっかりほかの機会を捉まえまして質問させていただきたいと思います。 次に、民間への一時保護委託について伺いたいと思います。 民間団体に一時保護委託した場合に、一時生活相当分の委託費千六百三十円に加えまして、里親手当分の委託費四千四十円も支払われるという二階建て方式になっています。 しかし、昨年、児相から一時保護委託を受けたNPOの方から、委託費がたった千六百三十円だったと。本人の所持金は僅かで、食事ももちろんのこと、衣類など生活に必要なものをNPO側で買いそろえたといったような話を伺いました。要するに、この里親手当分の二階の部分が支払われていなかったんですね。 厚労省は、こうした実態を御存じでしょうか。今後こうしたことが起きないように、民間委託の実態を把握するとともに、しっかり周知徹底していただきたいと思いますし、私はなぜそもそも二階建てにする必要性があるんだろうかと思っておりますので、よろしくお願いします。
○政府参考人(吉田学君) お答えいたします。 一時保護について、今お話ございましたように、自らが児童相談所、一時保護所で行うもの以外に、民間あるいは里親の方々に一時保護の委託を行うということが制度として認められており、実態としましては、平成二十七年度の一時保護を行った件数のうち委託の割合が約三七%という実績になってございます。 このような形の中で、今御指摘いただきましたように、一時保護中のお子さんがより適切な環境で生活できるということで、平成二十八年度から一時保護委託をした場合の手当を日額二千三百六十円から日額四千四十円に引き上げたということでございますが、今御質問にありましたように、それが最終的に実際自治体を通じて委託を受けていただいていたNPOの方に届いていなかったという事案があったということでございますので、私どもとしてもそういうことのないように、私ども、補助制度を持っている立場からすると、自治体にしっかりしていただいて委託事業を活用していただくことかというふうには思っておりますが、今後、そういうことがないように私どもも心したいというふうに思っております。 そういう意味では、私ども、全体としては、一時保護委託というのがある程度これからも進められるべきものというふうに思っておりますので、各都道府県などに対しまして、一時保護を委託した事例の周知ですとか、今お話しいただきましたような補助金の仕組みを用いてどういう形で手当の支給ができるのかということなどなど、現場における自治体のお取組が十分実際にできるように徹底してまいりたいというふうに思っております。
○山本香苗君 是非よろしくお願いしたいと思います。 今まで、一時保護や措置解除から親元に戻った途端に再び虐待に遭って子供が亡くなるという事件が多々ございました。一時保護や措置解除後の体制というのはまだ十分とは言えません。そうした中で、大阪府警では、児童虐待対策室を全国で初めて立ち上げまして、一時保護や措置解除から親元に戻った子供が再び虐待に遭うことがないよう、親元に戻る際には児相から大阪府警に連絡をして、大阪府警は保護者に関する情報を提供するという取組を進めていると伺っております。 こうした取組は是非全国に展開をしていただきたいと思うんですが、警察庁、よろしくお願いします。
○政府参考人(小田部耕治君) お答えいたします。 大阪府警察におきましては、児童相談所を設置する大阪府、大阪市、堺市との間で協定を締結し、警察が児童虐待を受けたと思われる児童を発見した場合に、確実に通告を行うほか、警察が身柄を保護して児童相談所に引き継ぎ、児童相談所におきまして一時保護措置を行うに至った児童等については、その後、児童相談所が一時保護解除や施設入所等の措置を行った場合についても情報共有が図られる仕組みを構築していると承知しております。また、児童相談所が一時保護を解除するかどうかを判断するに当たりまして、必要があれば事前に警察に照会を行い、それに対して警察が把握しております保護者の状況等について情報共有を行う仕組みも構築しておりまして、児童の安全確保の観点から、児童相談所における適切な一時保護解除の判断に資する有効な取組であると認識しているところでございます。 警察庁におきましては、平成二十八年四月一日付けの児童虐待への対応における関係機関との情報共有等の徹底について等の通達によりまして、通告後の措置状況等につきまして児童相談所等の関係機関と緊密に連携を行って情報共有を行うよう指示をしておりまして、各都道府県警察におきまして取組を進めているところであります。 大阪府警察での先進的な取組につきましても周知を行い、各都道府県警察の対応力強化が図られるよう指導してまいりたいと考えております。
○山本香苗君 是非やっていただきたいと思うんですが、警察に頑張れと言っても、結局、児相が警察に連絡しない限り警察は動けないわけです。児相によっては、親との関係から、なぜ警察に伝えたのかということが問題になるため、情報の共有を拒むケースがあると伺っております。 大阪においてはどうこの点をクリアしてきたのかということを是非研究していただいて、通告しておりませんが、是非、吉田局長、厚労省としてもこの大阪府の取組をしっかりと連携してできるように、全国でできるようにやっていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○政府参考人(吉田学君) お答えいたします。 今御紹介いただきました大阪府警と大阪市の取組、二つの点で非常に先進的かというふうに思います。一つは、今お話ございましたように、措置解除後の児童を関係機関が連携してフォローをするということと、児童相談所と警察の間の情報共有についていろいろな工夫をされているという点かと思います。 いずれにつきましても、全国で横に広げるべき、とりわけ警察と児童相談所の間の情報共有につきましては、いろんな機会を通じて共有する仕組みにはなっておりますが、なかなか今御指摘いただきましたように、児童相談所の立場からすると、親御さんの関係が非常に厳しくなるとか、そういう形で行動することによって、いよいよ相談件数がなかなか来なくなる、警察ということによってちゅうちょするというのも実際現場にはあるというふうに聞いておりますので、その辺りをどう工夫しながら連携を進めるかという点については学ぶべきところも多いと思いますので、我々も一緒になってその先進事例、横にどう展開するかについて研究してまいりたいと思います。
○山本香苗君 是非よろしくお願いします。 今そこのところで試行錯誤をしているところがあると伺っておりますけれども、やるという前提でどこを留意しなきゃいけないのかというところを今詰めていると伺っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。 児童養護施設退所者等自立支援貸付事業とアフターケア事業、このそれぞれの実施状況、お伺いします。
○政府参考人(吉田学君) お答えいたします。 まず、児童養護施設退所者等に対する自立支援貸付事業につきましては、平成二十七年度の補正予算において創設をさせていただき、二十八年度から都道府県に対して交付をしております。 ただ、私どもまだこれ、都道府県に対して交付をして貸付原資として持っていただくという数字そのものは、交付決定ベースで二十七年度補正、二十八年度というので合わせて六十五億余ございますけれども、実績という意味では、これが結果的にどういう形でそれぞれの退所者の方々に対して届いているかというところが必要かと思っております。そこのレベルにおける貸付金額あるいは実績については現時点において手元に数字がございませんので、二十八年度末時点の数字についてこれから把握をできるだけ早くにさせていただきたいというふうに思っております。 それから、もう一方の退所児童等アフターケア事業、これにつきましては、施設に入所中の間から地域生活を始める上での必要な知識あるいは社会常識を学んだり、金銭管理などの技能を身に付ける、そして退所後もそこで集まる、集いとしての意見交換をしていただくということを目的としておりまして、都道府県等に実施をしていただいておりますが、これ、直近二十八年度の見込みにおきましては三十三自治体において取り組んでいただいているということでございます。
○山本香苗君 この自立支援貸付事業を立ち上げる際に、貸し付けるだけでは単に借金するのと同じですと、貸し付けるだけではなくて、一人一人の自立をサポートしていくアフターケアが大事なので、アフターケアとセットでお願いしますと強く申し上げたところでございます。六十九自治体中三十三、大臣の御地元の愛媛県も実はまだ実施をしておりません。速やかに全ての自治体で実施できるように、是非とも厚労省から強く働きかけをしていただきたいと思います。 先日、施設や里親を巣立った子供たちを支援している団体の若い女性の方にお話をお伺いしました。彼女は幼い頃に虐待を受けて、中学三年生のときに施設に入って、今は施設を出て働きながら活動をしています。彼女が自らの経験を通じて強く言っていたのは、つながりが切れる前に、支援者の視点のみならず、当事者の視点に立った支援をしてもらいたいということでした。例えば、施設ではお金の管理は全て施設が行います。ですので、銀行でどうやってお金を振り込むのか知らなかったそうです。そのため、家を借りて初めて家賃を払う際に、大家さんとの間で払った、払っていないということでトラブルになったと。また、施設を出てから家具を無料提供してくれるような団体があるということも知ったと。保証人の事業のことについても施設出てから知ったと。もし、これを施設を出る前に教えてもらえていたら、自分の大事なお金、無駄なことに使うことはなかったのにと、そういった話がありました。 アフターケア事業の実施要綱には、退所を控えた者に対する支援を行うことになっておりますけれども、退所直前なのか、入所した後、退所まで計画的に実施をしていくのか、はっきりしていません。また、私はここは是非書いてもらいたいと思うんですが、奨学金等進学についての記述すらないんですよね。 退所前からのアフターケア事業というのを当事者の声も聞きながら実施していくことによって、施設で生活している子供たちの選択肢を増やしていく、私はこれが極めて重要だと思うんですが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 極めて大事だと思いますが、その前に、先ほど申し上げたように、今後、家庭養育の原則ということに移っていこうということであれば、当然、乳児院それから児童養護施設に入所している子供たちをどうやって早く家庭に入れていくかということが大事で、特別養子縁組、里親、特に特別養子縁組についてはまだ直さなきゃいけないところがたくさんあって、今法務省といろいろ掛け合っていますけれども、これについては、年齢要件が六歳になっている、それから児童相談所長の申立て権はない、さらには実親の同意撤回の制限をしないといつでも拒否権を発動されると、こういうような問題もあって、できたら来年の通常国会に三年連続、この子供のための法律改正が行われるようにということで法務省に今いろいろ言っているところでございます。 まあ、そうはいってもすぐに全てがというわけにはいきませんし、施設においては今後新しい役割や機能を担っていただくことに地域でなっていただくと思いますが、しかし、今お話があったように、そこから今自立をする、その方々への支援というものが十分じゃないじゃないかということが仕組みとして今お話をいただいたわけでありまして、退所後に円滑に社会生活を送ることができるように、入所中から退所後の生活を念頭に置いたきめ細かなやはり対応をこれからしていかないといけない、更にしないといけないというふうに思います。 これまで、入所中に地域生活を始める上で必要な知識や社会常識等を学んで、金銭感覚などを含む、今お話がありましたが、家賃のことでもありましたが、生活技能というか、こういうものを習得するための支援を更に厚めにやっていかなければいけないと思いますし、こうした取組に加えて、昨年の児童福祉法の改正によって、自立援助ホーム入所者、これについては二十二歳年度末まで引き続き入居ができるということにしましたし、また里親それから児童養護施設等に委託をしていた方々についても先ほど予算事業で二十二歳の年度末までということでやっているわけでありますが、いずれにしても、それは入所中から子供や、あるいは児童相談所、施設の職員などがよく話し合いながら自立に向けたステップを踏んでいくことが極めて重要でありますので、まずは全ての自治体に取り組んでいただけるように働きかけるとともに、引き続き自立支援の充実に取り組んでまいりたいと思います。 ただ、行く行くはやはり家庭に入ることで、普通は家庭にサポートされながら社会に巣立っていくわけでありますので、早くこちらの方に行けるように、今は御指摘のような制度をしっかり充実をしてまいらなければならないというふうに思います。
○山本香苗君 将来的なところも大事なんですが、現にいる子たちに是非、全ての自治体でアフターケア、それも中身として、出た後という話じゃなく出る前の段階でしっかりと支援をしていただく取組をしていただきたいと思います。 実際アフターケア事業が実施されている自治体においても、施設ごとに支援の差、情報格差というのがあるんです。こちらの施設で教えてもらえたのにこっちでは教えてもらえなかった、かなりそういうところが当事者にとっては大きい進路の分かれ目になってしまうわけでありまして、ここを当事者の目線から一生懸命、先ほどお話しした若い女性の方々を含め、今改善する取組を自分たちがまずやっていこうということで、そういう取組を進めておられます。このことにつきましては、でき上がりました暁には大臣の下にまた御報告に行かせていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。 終わります。ありがとうございました。
○倉林明子君 日本共産党の倉林明子です。 児童虐待を理由に児童相談所が子供の一時保護した件数というのが、二〇一五年度、過去最多となりまして一万七千八百一件だと、保護件数全体の約半数に及ぶという数になってきております。 先ほど来議論になっておりますけれども、一時保護は本来二か月を超えてはならないということですけれども、実態はどうなっているのか、改めて私からも確認をさせていただきたいと思います。
○政府参考人(吉田学君) 一時保護の実態についてのお尋ねでございますが、まず前提として、私ども厚生労働省としましては、今回の法案を検討するに当たりまして、有識者の方々から御検討いただきました検討会において、この一時保護の期間別の件数について全国の児童相談所に対し平成二十八年の四月一日から七月三十一日までの四か月分、四か月の間に一時保護が終了したケースを対象に調査をしたというまず調査サンプルだということを御理解いただきたいと思います。 その上で実態でございますが、期間という意味では二か月というのを念頭に置かせていただくと、二か月未満というものが全体の占める割合で約八八%、二か月以上というものが約一二%でございました。また、一時保護としての在所日数につきましては、これは二十七年度のデータでございますけれども、一時保護の在所日数、全国平均が二十九・六日という形でございます。 これ事前に御指示いただきまして、もうちょっと中で見れないかというお話もございました。都道府県別で見ると、山形県が五十一・三日という形で平均で一番長くなっており、鳥取県が八・四日ということで最短ということでございます。
○倉林明子君 平均すれば二十九・六日という全国平均の数あるんだけれども、県でいえば山形県がそれよりも、五十日超えていると。最長ということで見れば、これ二年経過するというような事例もあるというふうな結果出ているんじゃないかなと思うんですね。 私、子供の生命の安全確保という観点からあくまで緊急避難と、これが一時保護だというふうに思うわけですね。そういう観点からいうと、なぜこれ二か月以上になっているのか、原則超える例が出ているのかということで、先ほど答弁もあったように、適当な受皿が見当たらない、家庭にも帰せないと。つまり、待機をこの一時保護でしているような状況をつくっているというふうに思うわけです。適切な環境とは言えないわけですから、あくまでも緊急避難的な措置になっているわけで、受皿、確かに家庭的な監護を促進していくという観点からの取組を私否定するものではありません。しかし、この緊急避難的な一時保護という状況を長期化しているという問題は、早急に改善しなくちゃいけない問題でもあろうと。 今の子供たちが置かれている状況改善、こういう観点から受皿となる施設の増設というのは考えるべき急務な課題ではないかというふうに思うんですけれども、いかがですか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 御指摘のように、一時保護を必要とする子供の数というのは増加傾向にあって、中には、入所率が大分出ていますが、一〇〇%前後になっている一時保護所もあって、このため、地域の状況に応じて一時保護所の数とか定員を増やすということ、それから里親等への一時保護委託も進めなければならないという、そういう状況であるわけであります。 厚生労働省においては、従来から一時保護所の改修などに必要な整備費の補助を行うとともに、平成二十八年度からは、里親に一時保護委託をした場合の手当も引き上げ、それから、児童養護施設等が一時保護委託児童を一定数受け入れることができる専用の居室等を設けている、そういう場合には運営費に対する補助の加算も行うということなどをやってきてまいっておるわけでございます。 子供の安全等を適切に確保するためには、一時保護所の整備、それから里親等への一時保護委託、こういったことに一層の推進を掛けていかなければならないというふうに思っておりまして、引き続き必要な支援を行ってまいります。
○倉林明子君 虐待による保護の増加という、こういう状況が続いておって、はっきり言いまして、やっぱり施設整備や委託というのは現状追い付いていないという実態だということは、もう言うまでもないと思うんですね。そこで、いろいろやってきているんだけれどもということで、今御紹介もあったとおりだと思います。さらに、環境改善、一時保護所の環境改善も含めて思い切った対応、補助率も含め、支援策の強化も含めて踏み込んだ対応が必要だということは強く申し上げておきたいと思います。 そこで、ぱんぱんだという御紹介もあった児童相談所の実態なんですね。 衆議院でも大臣も答弁されていましたし、今日も答弁ありました。児相の方々がいっぱいいっぱいで対応できていない、本当にそうだと思います。人員的なキャパが超えている、そこで、中核市、二十三区でも児相をつくってもらうんだと、非常に苦労している児相が丁寧な対応が可能となるような状況をつくっていかなきゃいけないと、こういう趣旨で答弁されている。本当に、私、そこが肝になってくるんだろうと思います。 児相を増設をする、いろいろ補助率上げたりという取組されていることは承知しておりますが、これを本当にしっかり増やしていけるような支援も踏み込んでやっていく必要があるというふうに思いますけれど、大臣、いかがですか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 全体として業務量が児童相談所において過重になっている、そういうことを考えて、また、きめ細かな、編み目を細かくするという意味においても、中核市、特別市、そういったところへの児童相談所を設置するということで、全体の児童相談所の数を増やせば、当然カバーする範囲は少し狭くなって濃密なお世話ができるようになるんではないかと、そういうこともあって、中核市、特別区における児童相談所の設置を昨年の児童福祉法の改正法の附則を踏まえてやったりしているわけでございます。手当てをしているわけでございますが、法施行後五年をめどに全ての中核市、特別区において児童相談所を設置できるように必要な支援を行うと、こういうことでありますから、これは言ってみれば児童相談所を増やすということになるわけでございます。 こういうことで、厚労省としては、平成二十九年度予算では児童相談所設置に係る事務量の増加に対応する職員配置への新たな補助を創設をいたしました。それから、児童相談所の設置準備から開設までに必要な事項をまとめたマニュアルを作成をして新たにやりやすくするようにということ、それから、各都道府県等に対して児童相談所設置自治体の拡大に向けた協力を依頼をするといった支援策を講じてきているわけであります。さらに、先月九日に中核市市長会の総会がございまして、私が出向きまして、そこで直接私の方から市長の皆様方に、中核市に是非児童相談所を設置していただきたいと、その意義を説明をするとともに、私どもとしても支援をやるということは法律にも書かれていることでありますから、前向きに是非御検討いただきたいということをお願いを申し上げたところでございます。 中核市市長会においても、児童相談所設置に向けた検討を行うプロジェクトを今年度に立ち上げて活動を開始しているというふうに承知をしておりますし、今後、厚労省として、現在行っている支援策の効果を見極めながら、中核市などの御意見もしっかり伺って、引き続き必要な支援策を検討してまいりたいと思っております。
○倉林明子君 本当にスピード感持って、児相増設へと、それに、中核市、二十三区にとどまらず増設も踏み込んでいけるように本当に思い切った支援必要だと、子供の命に懸かった問題で、やっぱり環境改善待ったなしだと、増設待ったなしだということで取り組んでいただきたいと、強くこれも要望をしたいと思います。 そこで、一時保護の司法関与の強化について様々御議論もありましたが、私からも質問したいと思います。 検討会に提出されました児童相談所の調査結果によりますと、司法関与が必要だとの回答は三割程度にとどまりまして、仮に司法関与を強化する場合は児相の体制整備が必要である、この回答がおよそ九割ということになっています。 そこで、どういった体制整備の必要性、具体的な中身ですね、お答えもうされていると思います、御紹介ください。
○政府参考人(吉田学君) 御質問いただきました今回の改正法案の検討に当たって行いました全国の児童相談所に対して実施した調査、これ回答数二百九でございますが、その調査結果における特に児童相談所現場の体制整備に必要という具体的な御意見内容としては、今回の司法関与を強めることによって、手続ですとか書類ですとかそういう業務が出てまいりますので、やっぱり人員の整備が必要であるとか、あるいは法的な業務が増えてまいりますので、国としてこれまで支援もしておりますが、現場からも弁護士等の配置が必要であるというような御意見がありました。また、その他という形で自由記載のところには、児童相談所の体制強化に加えて裁判所側の体制強化も要るのではないかという意見でありますとか、あるいは今回の新しく導入させていただこうと思っております司法関与、司法審査の手続に当たって、これやっぱり手続の流れについて研修をする必要があるんじゃないかというような意見も現場からは出ているところでございます。
○倉林明子君 やっぱり体制の整備要求、要望が、やるんだったら是非やってほしいって、こういう声だと思うんですね。 そこで、体制強化の取組はどうなっているかということです。 児童相談所強化プラン、これ策定されているということで、達成は二〇一九年度ということで伺っております。四年間計画と。現在の目標に対する達成状況はどうつかんでおられるのか。弁護士については数値目標ということはないんだけれども、設置状況というのはどうなっているか、確認させてください。
○政府参考人(吉田学君) お答えいたします。 平成二十八年四月に児童相談所強化プランというのを策定をさせていただいて、今御指摘いただきましたように、平成三十一年度までに児童福祉司などの専門職千百二十人を増員するということで、このために必要な交付税措置も講じられているものと承知をしております。 実績ということでございますが、これ三十一年度までの四年間の目標ということでございますけれども、それに対して、プランを策定した時点における直近数字、これが平成二十七年四月、これが発射台でありまして、実績の取れます二十八年四月、言わば二十七年四月からプランを作ったときまでの一年間の増員として、児童福祉司につきましては最終的な四年間の目標五百五十人に対して九十六人、うちスーパーバイザーという形では増員目標百十人程度に対して四十二人の実績、児童心理司につきましては増員目標四百五十人程度に対しまして四十四人、保健師さんが増員目標百二十人程度に対して十五人ということで、合計、四年間の増員目標は、先ほど申しました専門職千百二十人ということに対して、発射台の二十七年四月からまず一年間の期間として、初年度百五十五人という形で実績を承知をしております。 それから、児童相談所における弁護士の配置については、本年四月時点、全国の児童相談所二百十か所ございますけれども、常勤配置の弁護士さんがいるというのが六か所、それから非常勤配置を行っているという児童相談所が八十二か所になってございますし、それ以外、百二十二か所の児童相談所では弁護士事務所と契約をして児童相談所の中における法律業務について処理をしているという話でございました。 私どもとしましては、このプランに基づく配置目標に向けて、専門職の整備、そして弁護士の配置を進めるということで、今後とも着実な増員を各都道府県等に働きかけるとともに、関係省とも連携してまいりたいと思っております。
○倉林明子君 今御紹介、初年度分なんだということだけれども、初年度分としてもなかなか厳しい、目標達成に向けてはね、到達状況ではないかというふうに思うんです。 実際、虐待相談対応件数ということでいうと、一九九九年以降で見れば八・九倍になって十万件超えということになっている一方で、児童福祉司は二・四倍の増だっていうじゃないですか。だから、ここでも追っ付いていないんですよね。対応、スピードが追い付いていないと思う。 私、二〇一九年度の目標というのは本当に早期に達成する必要があると。その上で大幅な目標の引上げも視野に入れてやっていくべきだと思うんですけれども、いかがでしょうか、大臣。
○国務大臣(塩崎恭久君) 児童相談所強化プランを進めているわけではございますけれども、この対応件数は児童相談所で増える一方という状況で、児童相談所の職員は本当に厳しい状況の中でいっぱいいっぱいで働いていただいているというふうに認識をしています。 こういうことで、昨年四月に、今申し上げたこの児童相談所強化プラン、これを作成をいたしまして、児童相談所の専門職を平成三十一年度までの四年間で千百二十人増員をするということを目指しているわけでございます。これに加えて、昨年の改正児童福祉法を踏まえた政令改正によって、児童福祉司の配置基準、これも、人口当たりの数だけではなくて、人口だけではなくて、業務量も考慮した上で配置を行うということをやってきております。 厚労省としては、まずは都道府県などに対して児童相談所強化プランの着実な実現、これを働きかけまして、それらによる配置実績、児童虐待に関する動向等を踏まえて、必要な見直しを引き続き検討してまいりたいというふうに思います。
○倉林明子君 児童相談所の調査でも明らかなように、この司法関与の前提として、やっぱり体制整備が必要だという回答九割に及んだということは本当に重く受け止める必要があるというふうに思っております。この体制強化という点では国の責任は重いということでしっかり取り組んでいくべきだし、予算措置も含めた目標達成、目標を前倒しで達成できるような取組を強く求めておきたいと思います。 そこで、この司法関与に関わって、児童相談所の調査権限について質問したいと思います。 一時保護の司法審査の導入に当たって、家裁を説得するといいますか、証拠の提供というのが児相に求められるということに新たになるわけです。 そこで確認したいと思います。児童相談所には、第三者に対し資料や情報の提供を義務付ける調査権限の規定、これはありますでしょうか。
○政府参考人(吉田学君) お答えいたします。 児童福祉法あるいは児童虐待防止法に、今御質問ありましたように、児童相談所が第三者に対して情報提供を義務付ける調査権限の規定はございません。一方、昨年の児童福祉法の改正におきまして、児童相談所による関係機関からの情報収集に資するという意味では、民間の医療機関あるいは児童福祉施設、学校等の関係機関も、それ以前からありました地方公共団体と同様に、児童相談所長から虐待の防止等に関する資料あるいは情報の提供を求められたときはこれを提供することができる。つまり、民間の医療機関、福祉施設の方からはできるという規定を昨年の法改正で規定を入れさせていただき、昨年の十月から施行しております。 これによりまして、原則として個人情報保護法あるいは守秘義務に違反することなく情報の提供をその方々からできる、児相からすると受けられるということは明確にさせていただきましたので、この旨を周知をさせていただき、また、この後の現場における情報の行き来について注視してまいりたいと思っております。
○倉林明子君 個人情報の保護、これがやっぱり壁になって情報提供断られるというような事例が、児相、先ほどの調査でも五五%になっている。これが更に、児童を保護するという観点からも、長期化してしまうと、情報収集。で、障害になっているというようなことも報道でもされているとおりだと思うんですね。 司法審査の導入と併せてやっぱりこの調査権限そのものももう一つ踏み込んで法制化すべきじゃないかというふうに思うんですけれども、その点、いかがお考えでしょうか。
○政府参考人(吉田学君) 先ほども御答弁申し上げましたように、昨年の法改正を踏まえて、今御指摘ありました個人情報保護などの関係については、私ども、二十八年十二月の総務課長通知におきまして、個人情報保護なりなんなりの関係について整理を明確にさせていただき、その通知を出すに当たりましては、文科省ですとか、あるいは個人情報保護委員会事務局、あるいは総務省、あるいは法務省など関係部局とも協議をさせていただいておりますので、現場においてそこについてのハードルというのは低くなっている。それを周知徹底して現場が動きやすくするということが次の課題だと思います。 〔委員長退席、理事島村大君着席〕 その上で、さらに、法制化という御質問でございますけれども、なかなか、これまでの法改正の議論の中におきまして、調査権限という形で捜査機関でない児童相談所の調査を、相手方に対して応答義務を掛けるという形につきましては、どういう事案を対象にしてどういった機関に応答義務を課すのかなど、少し課題が多いというふうに思います。 私どもとしては、先ほど申しました、個人情報保護のハードルを低くするとか、あるいは、昨年の改正を踏まえて、民間事業者、これコンビニとか不動産業者の方からの情報提供についても整理をさせていただいておりますので、必要な場合にちゅうちょなく資料又は情報の提供が依頼できるようにということを都道府県等に周知をさせていただきたいというふうに思っております。
○倉林明子君 やっぱりできる規定ということで、周知徹底を含めて様々なところのハードルは下げているということではあるんだけれども、協力を得られないという実態がある下で、児相の調査、児相からの実態として五五%できていないと、情報提供いただいていないというようなことがやっぱり障害になったらあかんと思うんですね。情報収集の遅れというのが子供の命にやっぱり関わってくるという受け止めが必要だと思うんですね。だからこそ児相の調査権限についての法上の検討というのは必要なことじゃないかと思うんですけれど、大臣、いかがですか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 児童相談所の調査権限の強化についてお話をいただきました。関係者に応答義務を課すことについては、捜査機関ではない児童相談所の調査に対する応答義務をどういうような事案においてどういった機関に課すのかというような課題が多いのではないかと考えています。 一方で、児童相談所による関係機関から情報収集をするということに関しましては、昨年の児童福祉法などの一部改正において、民間の医療機関、それから児童福祉施設、学校などの関係機関も、児童相談所長からの児童虐待防止等に関する資料又は情報の提供を求められるという場合にはこれを提供することができるという、先ほどできる規定というのがありましたが、できることとしておりまして、引き続いて関係者から必要な資料や情報の提供が受けられるようにこうした規定等について周知を行ってまいりたいというふうに考えております。
○倉林明子君 司法関与に伴って児相の負担がやっぱり増えちゃうというようなところをどう軽減していくのかという観点から質問しましたので、是非検討していただきたいなと思います。一方ではスタートする、一方では情報収集についてのハードルは下げているというものの、できる規定での限界はあるということを踏まえて、負担軽減につながっていく検討、求めておきたいと思います。 〔理事島村大君退席、委員長着席〕 そこで、昨年の法改正で家庭での養育が原則というふうに位置付けられたことによって、保護者指導の重要性というのを本当に増したというふうに受け止めているわけですが、一方で、子供の最善の利益が保障されなければならないと、これも規定されたわけですね。指導優先ということになって、子供の権利侵害が長期化されるようなことがあってはならないというふうに思うんですね。 子供の最善の利益を尊重した対応、これ、家裁の勧告に保護者が従わないという場合の対応についても同様に、これ、ここが最大尊重した対応となるところの肝だと思うんですね。子供の最善の利益を尊重した対応、こういう対応を貫いていくんだということを最後大臣に確認して、終わりたいと思います。
○国務大臣(塩崎恭久君) 家庭裁判所は、申立てのあった全ての事案について勧告を行うというわけではないわけで、親子分離が避けられないほど深刻な虐待の場合など迅速な審判が必要と考えられる事案については、従来どおり勧告を経ずに審判が下されると、こういうことになるわけでございます。 勧告が行われる事案についても、審判までの期間というのは個々の事案ごとに家裁の判断がなされるわけで、必ずしも最終的な保護者指導の効果を見極めるまで待たずとも審判がなされることもこれまたあるというふうに考えられます。 また、今回の改正法案では、勧告に基づく指導を行った後に却下の審判がなされた場合にも勧告の下での指導ができる仕組みとしておりまして、この仕組みを活用することで、指導の効果が認められ、親子分離が必要でないというケースについて、必要以上の審判の長期化を防ぐことができるのではないかというふうに考えております。 厚労省としては、こうした勧告の仕組みの活用方法について都道府県等に周知をすることによって、この仕組みが勧告に適した事案に活用されるとともに、審判が必要以上に長期化をすることのないようにしてまいらなければならないというふうに考えております。
○倉林明子君 昨年の法改正で、大きく大事な改正だったと。子供の利益、子供の最善の利益を大切にするというこの観点から、今回の法改正の実施に当たってもしっかりこれ最優先で取り組んでいただきたい。これは求めまして、終わります。
○石井苗子君 日本維新の会の石井苗子です。 終盤になりましたが、申し訳ございません、私も本題に入る前に、厚生労働省に教えていただきたいことがあります。 平成二十七年一月に施行されました新しい法律、難病法の規定によりまして、三百三十疾患の自己負担が軽減され、多くの方が助成を受けられるようになりました。それ自体は大変喜ばしいことなんですが、一方で、これまで特別な疾患として公費の助成の対象だった方が外されました。 この件に関する質問が多く私のところに来ておりまして、平成二十七年ですので、まだ二年しか経過していないからよく理解されていないのかもしれませんが、整理しますと、難病法というのにあります難病の定義というのがございます。その定義に当てはめ、難病を決めます。その中から条件によって選ばれた疾患が指定難病となるわけですから、そこの指定難病になったところで所得に合わせた助成が行われるという、こういうことなんですが、例えば以前、劇症肝炎ですけれども、先ほどの難病の定義というところからいきますと、長期療養が必要というところから当てはまらないということになりまして、自動的に難病ではなくなる、そうなりますと指定難病でもないということになる、こういうルールなんですが、平成二十七年の前に劇症肝炎になられた方と以降に発症された方と、以前と以降で同じ助成を受けられる方、受けられない方というふうに二つに分けたということで、この辺は折り合いを付けたというふうに聞いております。 また、肝臓の移植を受けた場合などは高額医療費助成、障害者助成などで守られているというふうに厚生労働省から説明がありました。ではあるにしては医療費の負担額が大きくて困っているという声が届いてくるんですが、今、皆さん、ネットを頼りにいろいろ情報を集めているということなんでしょうけれど、今回難病から外されました平成二十七年度以降の劇症肝炎の場合だけで結構なんですが、平均的な治療費は一般的にどのぐらいなのか、保険の対象とならない治療は多いのか、移植までの期間、三割負担とはどのぐらいの額になるのか。果たして、この患者さんたちは外されてしまったんですけれども、若い方も多いんですが、守られていくことができるのか、簡単に御説明をお願いいたします。
○政府参考人(福島靖正君) お答えいたします。 御指摘の劇症肝炎でございますが、今委員御紹介ありましたように、難病対策の見直しにより成立いたしました難病法におきましては、指定難病の要件である長期の療養を必要とするという要件を満たさなかったことから指定に至らなかったわけでございますが、平成二十六年末までに特定疾患治療研究事業の対象となっていた患者さんに対しては、激変緩和措置として引き続き医療費助成の対象としております。 二十七年一月以降に新たに劇症肝炎と診断された場合、急性期の医療につきましては、血漿交換あるいは血漿ろ過透析、これを組み合わせた人工肝臓、肝臓の機能を補助する人工肝補助療法、これが行われるほか、原因に応じた集中治療が行われるために多くの場合は高額療養費の支給対象になりまして、そうなった場合には、例えば六十九歳以下で年収三百七十万円までの、市町村民税非課税でない場合の年収三百七十万円までの方の場合は一月の自己負担額が五万七千六百円となるわけでございます。なお、内科的治療で救命された場合には、通常は後遺症を残すことなく治癒されていると言われております。 また、その劇症肝炎について移植が必要となる場合がございますが、移植治療がなされた患者さんについては、免疫抑制剤による治療が生涯にわたって必要となりますので、そういう場合には障害者自立支援医療制度の対象となるために、それらの医療に対する自己負担額は、例えば、先ほど御紹介した市町村民税非課税でない年収三百七十万円の方の場合は一月の自己負担額は所得に応じて五千円又は一万円となっております。
○石井苗子君 ありがとうございました。 日本は今少子化対策を進めておりますので、今ある若い命、労働力というのを維持していくためには、児童福祉法の改正の中で守っていける疾患も多いのではないかと思います。 またの機会に重度心身障害児の社会インフラについても質問させていただきますが、今回の児童虐待防止法第五条、虐待児童の早期発見について質問させていただきます。 塩崎厚労大臣が衆議院の厚労委員会でおっしゃったように、児童虐待の問題点は、児童相談所のキャパシティーがオーバーしていること、それから、虐待されていた児童が家庭に戻されてから死亡するということが間々あるということです。その対策として早期発見というのは大変意義があると思っております。通告を待つのではなくて早期に発見するということなので、これは新しい考え方だと思いますが、医学の分野で早期発見は必ず医学的な検査機能とその技術者というのを必要としておりまして、検査結果を医師に報告して適切な治療につなげ、命を救うという、この順番になっていますが、この制度を虐待の早期発見に応用するとすれば、今回、新しく記載されております第五条、歯科医師、保健師、助産師、看護師、この専門性をどう生かして、どこに報告する義務を持って早期発見に役立てるのかというシステム化が必要だと思います。ガイドラインで決めていくとおっしゃっていらっしゃいましたが、運用のところの文言の具体性が足りないと思っております。 例えば、今回、歯科医師の協力を追加されましたが、具体性について、例えばですが、私の考えですと、学校保健安全法第十一条、就学時の健康診断のところに、歯科健診で口腔破壊に近い症状を発見した場合は、歯科医師は虐待の疑いの調査願を教育委員会に速やかに報告する義務があるとか、そういった文言を入れて、早期発見のシステムをつくっていく、制度をつくっていく必要があると思います。別に学校法でなくてもいいんですが、例えば歯科医師の専門性を生かした運用を厚労省としてはどこにどのような具体性を持って定めているのか、副大臣に御答弁をお願いいたします。
○副大臣(古屋範子君) 歯科医師につきましては、診療や健診などを通じて児童虐待の兆しや疑いを直接的に発見しやすい立場にございます。従来より児童虐待防止対策において重要な役割を担っていらっしゃいます。今回、児童虐待の早期発見に係る責務を有する者等の例示として歯科医師を追加したところでございます。 児童虐待を発見した後の通告義務につきましては、現行も児童虐待防止法第六条に規定をされておりまして、児童虐待を受けたと思われる児童を発見した者は、速やかに、市町村、都道府県の設置する福祉事務所若しくは児童相談所に通告をしなければならないとされております。このため、歯科医師が健診等を通じて児童虐待を受けたと思われる児童を発見した場合も、市町村、児童相談所等に通告することとなると考えているところでございます。
○石井苗子君 ありがとうございました。 児童相談所に、何でも児童相談所にというと、ただでさえ超多忙な方なので、例えば附帯決議辺りに早期発見についてはもうちょっと別に具体性を入れていただけたらいいなと思っておりますが、次に、その早期発見を目的とした虐待の分析の必要性に申し上げます。傾向と対策について質問します。 児童の虐待死亡で一番多い年齢が三歳、次がゼロ歳、一歳、二歳です。特徴はもちろん加害者の多くが大人であることと、被害者の年齢が自分から虐待を訴え出る可能性がないということです。 こうした傾向を分析して虐待の特徴を捉えて、年齢ごとにブロックして死亡を減らしていく対策ができないかと思っております。小学生はどうしていくのか、中学生はどうしていくのかといったふうに、年齢ブロックごとの傾向と対策の委員会を別建てで地域の自治体でつくることを義務化する、そういうことをしていただきたいと思います。 保健師の数は足りておらず多忙を極めておりまして、児童相談所の相談員は超多忙です。例えば、保健師の生後四か月の全戸訪問で不安だった家庭の再訪問、これ早期発見になりますが、それを誰がやるとか、三歳児健診で不安な家庭などのサポートは誰がやるとか、何もかも地域包括ケアばかりに任せるのではなくて、国が本気で虐待児童を早期発見しようと考えるのならば、先ほど個人情報という話も出ましたが、家庭というプライバシーのどこまで踏み込んでいくかというのを決定して、法の中にシステムを明確に明記してつくっていかなければならないと思うんですが、早期発見システム、傾向と対策委員会をつくって人事体制をつくるという、厚生労働省として新たな予算を割いて考えていただくことができるか、厚生労働大臣に御答弁をお願いしたいと思います。
○国務大臣(塩崎恭久君) 子育てに不安を感じているなど支援が必要な家庭に対して訪問を行うという、今お話がございましたが、そういう市町村や児童相談所の体制整備をどう行うかということを今御指摘をいただいたと思います。 乳児家庭全戸訪問事業あるいは乳幼児健診などを通じて、子育てに不安を持って支援が必要であると市町村が判断をした家庭、ここに対して保健師、助産師、保育士などが居宅を訪問して、そして養育に関する指導、助言を行う養育支援訪問事業、これにつなげることとしておりまして、市町村に対して交通費とか非常勤職員の人件費などの事業実施に必要な経費について国庫補助をやってきております。 児童相談所の専門職についても、昨年四月に児童相談所強化プランを策定をいたしまして、平成三十一年度までに四年間で千百二十人増員をしようということを決めておりますが、配置目標の達成に向けて、今後必要な交付税措置が講じられるものと承知をしております。 いずれにしても、厚労省として必要な予算額の確保を含めて、子育てに不安を感じておられるなど支援が必要な家庭に対しての支援を積極的にかつ専門性を持ってやっていきたいというふうに考えております。
○石井苗子君 ありがとうございました。 それでは、今回、第五条に追加されました看護師についてお伺いします。 私、一つアイデアがあるんですけれども、先に政務官に、看護師の専門性、これを生かした運用、どこに考えておられるでしょうか。
○副大臣(古屋範子君) 石井委員、看護師でいらっしゃるわけなんですが、看護師は、病院に限らず保健所や保育所等様々な関係機関、施設等に配置をされておりまして、児童と接する機会が多くて、また診療の補助を行うなど、医療的知識を持って児童虐待の兆しや疑いを直接的に発見しやすい立場にいらっしゃると考えております。 施行に当たりまして、歯科医師、助産師と併せましてこうした看護師を例示に追加した趣旨等につきましても、自治体や関係団体を通じまして周知に努めてまいりたいと考えております。
○石井苗子君 ありがとうございます。 虐待を早期に発見した場合、次にやらなくてはいけないことは、虐待を与えている、加害者という言葉を使っていいかどうか分からないんですけど、虐待を与えている人に対する治療の開始なんですね。そこを速やかにやらないと、子供が家庭に帰ってきてから死亡するという事故の予防になりません。 看護師が精神科医と協力して、医療モデルの例えばマズローとかヘルスビリーフモデルとか使ったプログラムを作って、速やかにどんな治療に当たったらいいかというようなことを考える義務を、児童虐待防止法第五条、虐待児童の早期発見の具体的運用としてどこかに書いていく。みんなが連携をしていくので、歯科医とか保健師とか看護師とかじゃなくて、看護師はこれをやるというのを運用として書いていく。精神的治療の対応策を児童虐待に特化して考えていくのは看護師の専門性を考えたシステムであるというようなことをやっていっていただきたいと思うんですが、この辺にして、特別養子縁組についてお伺いします。 三月三十日の雇用保険法改正のときにも質問したんですけれども、特別養子縁組の法の整備というのは児童虐待を解決する一つの糸口にもなるのではないかと考えております。二〇一六年から十五回検討会議を開かれたと聞いておりますが、血縁関係にない子供を戸籍上の実子として家族として迎え入れ、その子の将来を築くというための特別養子縁組の、この六歳未満の事項のところを、フランスの完全養子の十五歳以下、あるいはイギリスの十八歳未満といったことを参考にして変えていっていただきたいと思っております。これは大きな改革になると思うんです。 先ほどから出ているように、子供はどうしたということで、子供ファーストで行っていただきたいんですね。子供がどうしたいかという気持ちを最初に聞いてから特別養子縁組を成立させるという制度にしていくためには、特別養子縁組の年齢を上げる必要があると思うんです。考えるために年齢を上げる必要がある、六歳未満ではできないということなんですが、今後の方針について、大臣の御答弁をお願いいたします。
○政府参考人(吉田学君) 特別養子縁組について御指摘をいただいております。 何らかの事情により実の親御さんが育てられない子供について温かく安定した家庭の中で養育されることが望ましいというのは私どもの基本的なスタンスでございますし、昨年の児童福祉法改正におきましても、子供を権利の主体とするということが一つ、そして家庭養育優先の理念を明確化するということが二つということで、実の親による養育が困難であれば、特別養子縁組ですとか里親による養育を推進するということをまず明確にさせていただいたというところでございます。 その上で、特別養子縁組の利用促進でございますけれども、昨年七月に有識者による検討会を立ち上げて議論を重ねてまいりました。その中では、特別養子縁組の今御指摘いただきました六歳未満というその年齢要件を引き上げるということ、あるいは特別養子縁組の申立て権者に現在入っておりません児童相談所長を加えるということ、そしてまた特別養子縁組に関する実父母の同意の撤回ということを制限するということなどの議論がなされておりまして、私ども厚生労働省としまして、この児童福祉の観点から、これらの議論は非常に有効、大臣のお言葉ではありませんが、進めるべきものというふうに私ども受け止めております。 これらの議論を踏まえまして、現在、関係省庁ともしっかり相談をして、子供の健全な育成を図る仕組みである特別養子縁組制度の利用促進に向けて取り組ませていただきたいと思っております。
○石井苗子君 私、専門家ではないんですけど、特別養子縁組をちょっと勉強しておりますと、中が非常に複雑なんですね。やっぱり日本の親というのはどうしても血族を大事にするという傾向がございまして、いろいろと大変、条件がそろっていないとどうこうというのがあるんですが、やはり子供が自分で考えてこういう人生にしたいというようなことを聞いてから特別養子縁組という制度を、今度は大人を集めてきて話合いをするという、少し順番を変えていってもいいのではないかと思っております。 一人親家庭あるいは多子家庭、子供が多い家庭への支援という名目で、ニッポン一億総活躍プラン、これにおいても、児童虐待対応における特別養子縁組制度の利用促進の在り方検討会がこちらでも設けられているそうですけれども、是非、来年の特別養子縁組制度がどういうふうに変わってくるか、期待をしております。 時間がありますので教育の話をさせていただきたいんですけれども、先ほど来、一時的に預かっているところだからどうしても教育の制度が中途半端になったり、宙に浮いていたりというようないろいろな問題が出てきましたが、教育の無償化についてお伺いします。 現在、児童養護施設にいる子供たちへ支給される、これ支弁と言うんですね、その額が、義務教育は無料です。公立高校、一人当たり二万二千七十円、私立高校は三万二千九百七十円、大学生は一年間で約二十七万円とされております。これは支弁というんですか、十分な支援とは言えないのではないかと。児童養護施設から大学に進学できる高校生ですけど、一二%ということで、先ほど来ありましたが、二〇一六年のデータで、一般の高校生、日本人は五三%です。 この教育の無償化は、今、どの党が先に言い出したということではなくて、これがあれば、国会議員が何とか財源を工夫して考えて、子供の将来を導いて、親にも希望を与えるために大学まで無償化を実現するべきだと思っているんですけれども、児童養護施設の子供たちのためにも、厚生労働大臣からも応援をいただきたいんですが、現時点での御所見をお伺いいたします。
○国務大臣(塩崎恭久君) 児童養護施設に入所をしているなど社会的養護が必要な子供の大学への進学率は、今御指摘のように一一・一%と、全高卒者の平均五四・五%に比べると極めて低い状況にあります。 こういうことから、厚生労働省としては、児童養護施設に入所をしている子供等に対して、高等学校在学中の授業料、それから学習塾代などを支援をしてまいっております。それから、退所後の大学などへの進学をされる方々、こういった方々に対しては、大学進学に際して必要となる学用品費の支援、これも行っておりまして、五年間の就業継続で返還免除となる貸付金によって家賃とか生活費の貸付けも行っているところでございます。また、児童養護施設等や里親などに入所、委託している方々についても、措置解除後、二十二歳の年度末までの間、引き続き入所を委託して支援をする事業を平成二十九年度予算に盛り込んでおります。 子供の貧困対策の観点からも、文科省においては、平成二十九年度から、返済不要の給付型奨学金制度、これを新たに創設をいたしまして、その対象者には児童養護施設を退所した子供たちが加えられているものというふうに承知をしております。 いずれにしても、これらの取組を通じて、引き続き関係省庁とも連携しながら、大学等への進学を希望される児童養護施設等の子供たちをしっかりと支えてまいりたいと思います。
○石井苗子君 奨学金制度というのは、私もこの間若い方とお話ししていたら、まだ何百万という借金があるんだというような話で、なかなかそれを返さないと結婚もできないというようなことも聞いておりました。なので、いずれ教育費が無償化、大学まで無償化することができれば、どういうところで育ってきても、自分が勉強をすれば、その教育の差が社会の生活している貧困の差につながるんだとしたら、そこで頑張ることができるというふうに思っているんですが、今の話はちょっとお答えが、それぞれにこれから奨学金ということでお答えをいただいたというふうに整理しまして、最後に、まだ時間がありますので、ちょっとこの間も言ったんですが、社会的入院ということについてお伺いします。 社会的入院という言葉ですけど、一般的には、高齢者が病院からなかなか退院できずに病院にとどまって、結果として、本当に入院を必要としている人の退院だったり入院だったり治療を妨げているというのが社会的入院の阻害ということの意味で使われています。 しかし、ある関西の方の大学の先生の研究によりまして指摘されたことが、実は虐待を受けた子供が病院から退院できずにいるという事例が通告されていまして、よく似たケースとして、入所、入院を待つ虐待児や障害児のレベルとして、虐待を受けた重篤な児童を優先することによって、本来入所あるいは入院すべき障害児あるいはほかの虐待児が長くそこにずっとある方がいらっしゃるために待機になっていると、これは病院をどういうふうに考えていらっしゃるのか。 ずっとそこに入院、先ほど、一時預かりのところ、保護所というところが、二か月が二か月以上になっているというのがあったり二年になったりという、社会的入院でもそれが問題になっているんですが、社会的入院に関して厚生労働省の現在の認識をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(吉田学君) お答えいたします。 虐待を受けた子供が入院をする、そこで医療的ケアが終了したにもかかわらず、その後、その先の受皿がない、あるいは児童相談所による調査が長引いているということなどで、結果として、医療ケアが終了した以降の入院が続いているという事態を御指摘いただいているのだと思います。 このような事態は、子供自身にとっても、不必要に子供の生活空間ですとか、いろんな学習、社会生活というものを制限することにつながるかと思います。もちろん、先ほどの一時保護の中で一時保護委託というのがありましたけれども、医療ケアが必要な場合に一時保護委託として病院を活用されるというのはありだと思いますけれども、今のお話、医療的ケアが必要ないという状態になったということを前提での御質問だと思いますので、そういう意味から申し上げると、不必要に、子供にとってそこの場が適切なのかどうか、長らくそこにいることは、発達面あるいは精神面、学習面など、お子さんにとっていろいろ影響が出るだろうというふうに思います。また、今お話しのように、病院、医療機関の使われ方として、それが非常に望ましいのだろうかということもあろうかと思います。 私どもとしましては、社会的養護の受皿確保ということが大事であろうということでありますし、また、その際には、特別養子縁組あるいは里親委託というようなものを中心とした受皿確保というものを今後進めていかなければならないというふうに認識してございます。
○石井苗子君 ありがとうございました。今後対応をお願いいたします。 質問を終わります。
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。 まず冒頭、大臣に、私も禁煙議員連盟なので一言お聞きをいたします。 月刊「選択」というのを読みましたら、冒頭の巻頭言で大臣が受動喫煙に関して、これをきちっと取り組むという、物すごい熱意にあふれるメッセージを出していらして、本当に心強く思いました。子供が生まれたときに禁煙しようと思ったということや、あるいは小さな女の子から手紙をもらった、おばあちゃんが飲食店をやっている、おばあちゃんの健康のために、ちっちゃなお店だからもう禁煙にしてほしい、おばあちゃんの健康のためにやってほしいという、お孫さんだと思うんですが、ちっちゃな女の子から手紙をもらった、それに応えなければならないという。 ですから、これはもう本当に、命のために、厚生労働省、今こそ頑張るべきときだと思います。いかがでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 私の地元の小学校四年生、今五年生になっていますが、女の子から手紙をもらって、今の、おばあちゃんが飲食店を営んでいて、そこで心配なのは、お客さんはとってもいい人なんだけど、たばこを吸うのでおばあちゃんが肺がんになるのではないかと心配だということで、ニュースでたばこの喫煙場所を制限するような法律を作っていることを知りました、お店を経営する人たちは反対が多いのですね、お客さんが減ったら困るのは分かります、でも、オリンピックを開催した国は法律で規制してもお客さんは減りませんでしたよね、いろいろな考えの人もいると思いますが、私は健康が一番大切だと思います、どうか小さな店でもたばこが吸えないように頑張ってください、応援していますという手紙をいただきました。 今朝ほど三原じゅん子さんにお答えしたとおり、やはりあらゆる望まない受動喫煙をなくすということが科学的に証明をされている受動喫煙の被害をなくすためには必要だということに尽きるわけでありますので、これは、今朝申し上げたように、感染症から国民を守るときにはやはり科学で判断するわけですから、この受動喫煙も、被害は科学で害があるということがはっきりしていれば、やっぱり科学的に対応をしていくことが大事ではないかというふうに思いますので、私どもの原則屋内禁煙という最低限守らなきゃいけないこの原則の考え方を是非国民の皆様方に御理解をいただいて、法律を早期に成立をさせていかなければならないというふうに思います。
○福島みずほ君 その女の子、小学四年生、本当に正しいですよね。おばあちゃんのことも思っているし、それからオリンピックで飲食店が潰れたところもないと。ですから、今、まさに命を守るために、働いている人の命も守らないといけません。 大臣はその女の子に会われたんですよね。
○国務大臣(塩崎恭久君) この間、おうちに行って御両親にも御本人にも会ってまいりました。写真も撮ってまいりました。とってもかわいい子でした。
○福島みずほ君 じゃ、その女の子の気持ちに是非応えてください。一言また決意表明をお願いします。
○国務大臣(塩崎恭久君) 何度も申し上げているように、これは科学でありますから、科学をしっかり政治に生かしていきたいというふうに思います。
○福島みずほ君 是非、本当によろしくお願いいたします。 それで、一時保護されている子供の権利についてお聞きをいたします。 これは以前この厚生労働委員会でも質問したんですが、一時保護所に入っていた子供、あるいはそれをケアしているNGO、弁護士、いろんな人に話を聞くと、やっぱり自分から行く子供もいる、保護されたい、もうそこしか行く場がないという子供ももちろんいるんですね。でも、やっぱり窮屈というか、考えてほしいという声も、やっぱり子供たちですからそういう声が出ました。これはなかなか難しいかもしれないんですが、携帯電話を所持できないんですね。私は、もちろん小中ぐらいだったらあれだけれども、高校で、確かに親やいろんな人から電話が掛かってくるかもしれないけれども、今どきの子供はスマホがないと友達とも連携ができにくいという点もあると思うんです。問題がないケースに関しては、携帯電話を持ってもいいという場合もあるんじゃないでしょうか。
○政府参考人(吉田学君) お答えいたします。 児童相談所の一時保護所の子供の状態について、平成二十七年度に児童相談所一時保護所の更なる質の向上のための調査研究事業というのを実施いたしました。その調査から把握されたこととしますと、回答のあった一時保護所の中で、今御指摘いただいています携帯電話の所持の状況について、約九七%の一時保護所でいわゆる私物持込禁止、必要なものはもちろん別ですが、必要なもの以外の私物持込禁止というルールが定められている。それから、全ての一時保護所で無断での外部との連絡を禁止するというルールが定められているというまず実態がございます。 私どもとしましては、その一時保護の機能からいたしますと、子供の安全確保、あるいは心身の安定のためには、外部との通信手段を遮断するなど一定のルールを設けることは必要であるというふうにまず思っております。 その一方で、昨年の児童福祉法等の改正により、その一条で、子供は、適切な養育を受け、健やかな成長、発達や自立等を保障されることを位置付けたというところでもございますので、最大限子供の権利擁護を図っていくこと、これはこれで一つ重要だというふうに思っております。 こういう意味では、なかなかルールはルールとして一方で必要性があろうかと思っておりますけれども、そういう中で、一時保護所について、例えば子供の権利擁護を図ってその運営の透明性を高めるということでの一つのやり方が、今年度の予算にも盛り込んでおりますが、第三者評価を受けるというような形で、そこの両方を両立させるような工夫というのがあるのではないかということで、その費用を補助させていただくことを盛り込んでおりますので、一時保護所の質の向上に向けていろいろと考えていきたいというふうに思っております。
○福島みずほ君 自分から保護所に行く子供もいるわけです。ただ、経験者は、やっぱり窮屈というか、物すごく制約されるのでつらいという声もやっぱり聞くんですね。是非これは検討をよろしくお願いします。 もう一つ、今日も委員会で出ていますが、子供が学校に通う権利ですね、学習権なんですが、これも、この間、この委員会で聞いたときに、やはり学校に行けないんですよね、今まで通っていた学校に行けない。でも、これが何か月にも及ぶと、結局、友達との関係も切れてしまう、どうしてあの子は学校に来ないんだろうと、お友達とも切れてしまう、もちろん携帯も突然つながらなくなるわけですし、ですから望む子供も必要な場所で大事なんですが、子供にとってつらいということもあるんですね。 私は、ケース・バイ・ケースで、子供を権利の主体として見れば、必要だったら元の学校に通えるとか、まあ場所にもよるし、距離にもよるし、ケースにもよりますけれども、少し柔軟に考えてもいいんじゃないか、いかがでしょうか。
○政府参考人(吉田学君) お答えいたします。 厚生労働省としましては、その一時保護期間が長期化するお子さんについて特別な配慮が必要だと、まさに教育という意味でいうと必要だということで、教育委員会と連携協力をして就学機会の確保に努めるということ、これは児童相談所の運営指針には明記をして、これまでもその周知を図ってまいりました。 一方で、今、繰り返しになりますが、昨年の法改正による子供の権利擁護というものの重要性をうたったという中で、昨年三月に取りまとめられました新たな子ども家庭福祉のあり方に関する専門委員会の報告書、提言におきましても、一時保護期間中に子供が学校教育を受けられていないことから、通学時の送迎を保障するなど、できる限り学校教育を受けることができるよう尽力すべきであるという御意見や、その際には、今委員御指摘もありましたように、お子さんの学校生活の連続性というのを保障するという意味から、元々所属している学校への通学の可能性まで検討するというような御意見もいただいております。 今、私ども、一時保護の在り方につきましては、新たな社会的養育の在り方に関する検討会という場において検討することとしておりますので、その御議論を踏まえて、子供の権利擁護を図る観点から御指摘の点についても考えてまいりたいと思っております。
○福島みずほ君 先ほども質問ありましたが、二〇一六年の児童福祉法改正によって児童相談所への弁護士配置が義務付けられ、同年十月に施行されています。さっき、数字で、常駐の場合とそれからそうでない場合というのがありますが、非常勤勤務をもって配置済みに扱われるケースもあります。改善に向けた方針を教えてください。
○政府参考人(吉田学君) 児童相談所の弁護士の配置を促進するという観点から、私ども、今年度、法的対応機能強化事業というものを設けまして、児童相談所が弁護士を配置するための費用の補助というものを設けて、二十九年度予算においてはその単価を昨年二十八年度より約四百七十万円引き上げて七百八十二万円とするという形で支援を強化させていただいております。 先ほど御答弁申し上げましたように、現状における常勤の弁護士配置あるいは非常勤の配置あるいは契約という形で実態はございますけれども、これも今働きかけによって刻々と変わってくるかと思います。非常勤についてもどういう形かというところまで私ども丁寧に実態を把握させていただきながら、関係者の方々の御理解をいただいて弁護士配置というものが進むように取り組ませていただきたいと思っております。
○福島みずほ君 一時保護所においては、子供同士の私語を一律に禁止しているケースが多いです。虐待にまつわるプライベート情報を話さないよう指導することは必要だと考えますが、どんな食べ物や遊びが好きかなどについての会話も一律に禁止するのは基本的人権に対する侵害ではないでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) これは、児童相談所で行うこの一時保護は、子供の安全を確保するとともに、心身の状況とか置かれている環境などを適切に把握をするということのためにやっているわけでありますので、子供同士で過去の話を聞いたり話したりすることを禁止するなど、子供のプライバシーを守る観点から一定のルールを設けることは必要ではないかというふうには考えております。 一定のルールを設ける場合においても、しかし、御指摘のような、どのような食べ物や遊びが好きかなど、子供同士の私語を一律に禁止するといったルールを設けるのは適当ではないというふうに考えるわけでございまして、やはり子供の権利はいずれにしても重要であります。 昨年の児童福祉法の改正によって法律の第一条に子供の権利を明確に位置付けたわけでありますので、子供の権利擁護を図りながらこの運営の透明性を高めるためには、平成二十九年度の予算に新たに第三者評価を受けた場合の費用の補助というのを盛り込むことも始めました、質の向上を図るということでございますが。 こういうような取組を通じて、最大限子供の権利擁護を図りながら、一方で児童を一時保護するというこの目的を達成するということを両立をさせていかなければならないというふうに思います。
○福島みずほ君 それはよろしくお願いします。 先ほどもありましたが、子供の児童虐待相談対応件数は、一九九九年の一万一千六百三十一件から、二〇一四年、八万八千九百三十一件、七・六倍になりました。でも、児童福祉司は、この間、千二百三十人から二千九百三十四人、二・四倍増加したにすぎません。児童福祉司を大幅に増員すべきではないでしょうか。
○政府参考人(吉田学君) 私どもといたしましても、児童相談所における虐待相談の増に比する児童福祉司の増加というものについては、先ほど来いろいろと御議論いただいておりますように、今後児童福祉司を始めとする専門職の増員が必要だという基本認識に立ってございます。 さらに、その体制の強化に加えて専門性も強化しなきゃいけないというふうに思っておりまして、昨年四月には児童相談所強化プランを策定させていただいて、三十一年度までの千百二十人の増員ということを目指しております。また、昨年の改正児童福祉法に踏まえた政令改正によって、児童福祉司の配置基準について、人口当たりの数を増やすとともに、人口だけじゃなくて業務量も考慮できるという形にさせていただきました。かつ、加えて、増員とともに専門性を高めるという意味では、専門職としての児童心理司あるいは弁護士の位置付けを法律に記するとか、あるいは児童福祉司等に対する研修の受講を義務付けるということを行いました。 私どもとしては、この強化プランを着実に都道府県において実施していただくというように働きかけさせていただいて、その配置実績あるいは児童虐待の動向を踏まえまして、引き続きこの分野についても注力してまいりたいと思っております。
○福島みずほ君 今回の法律改正で、家庭裁判所及び厚生労働省の体制整備と更なる専門性の向上が必要です。とりわけ家庭裁判所、調査官含め、人員増強、裁判官もそうですが、これは非常に体制としてつくらなければならない。裁判所、厚生労働省、その取組についてお願いいたします。
○最高裁判所長官代理者(村田斉志君) まず、裁判所の側についてお答えさせていただきます。 家庭裁判所の体制整備につきましては、まずはこの国会での御審議の結果を踏まえて対応を考えてまいりたいと思っておりますけれども、家庭裁判所による一時保護の審査など新たに導入されることになる制度が成れば、それが円滑に運用されるように、これまで増員してきた現有人員の有効活用を図るほか、この法改正の趣旨を踏まえまして、必要な人的体制の強化に努めてまいりたいと考えております。 あわせて、専門性につきましても、虐待の関係の専門家をお招きして講演などをいただくというようなことはこれまでも行っておりますけれども、今後も一層研修の充実に努めてまいりたいと考えております。
○政府参考人(吉田学君) 厚生労働省というお尋ねでございました。 先ほど来御答弁申し上げておりますように、今回の法改正を踏まえてという意味では、児童相談所強化プランに基づく専門職の増員を着実に行う、また、昨年の法改正に伴う弁護士の配置、あるいは、児童福祉司、スーパーバイザーに対する研修を実施するということでございます。 また、今回のこの司法関与の強化というだけではなく、全体としての虐待対応能力を上げるという意味では、やっぱり市区町村における受皿整備、そしてそこにおける専門人材の強化というのも必要だと思いますので、併せて私ども取り組ませていただきたいと思っております。
○福島みずほ君 子供に対する性暴力をどうなくしていくのか。野党は衆議院に性暴力被害者支援法案を提出しています。病院拠点型も支援する。東京にはSARC、大阪にはSACHICOがあり、兵庫、沖縄、愛知、様々なところで病院拠点型、あるいは様々な性暴力被害者支援センターがあります。それを応援する。 しかし、今思っているのは、本当に性暴力に遭っている子供たちにどう手を差し伸べるかということが本当に課題だと思っています。これに関して、何をこれからやって、子供たちに本当に伝わるように、性暴力に遭っている子供たちをどう本当に救済して、なくしていくのか。厚労省、文科省、内閣府、お願いいたします。
○政府参考人(吉田学君) お答えいたします。 性暴力を受けた子供、心や体に深い傷を負っておりますので、私どもとしては、性暴力の被害児童に対しましては、児童相談所において安全確保が必要な場合の一時保護に加えて、被害児童の身体的、心理的なケアを行っていきたいというふうに思っております。 具体的には、児童心理司によるカウンセリングでありますとか、専門的な医療的ケアのための医療機関受診につながる援助などの支援を実施していきたいと思っておりまして、この旨は、子ども虐待対応の手引きにおきまして、性的虐待を受けた児童に対するケアについて留意しなければならない事項をまとめ、周知をさせていただいているところでございます。
○政府参考人(瀧本寛君) 学校での取組についての御質問ですが、学校の教職員は、職務上、性暴力を含めまして児童虐待を発見しやすい立場にあることから、その早期発見、早期対応に努める必要があるところでございます。 文部科学省では、学校における児童虐待の早期発見を徹底するため、衣服が汚れている、着替えをしたがらない、あるいは理由が不明確な遅刻や欠席が多い、あるいは急に増えた、さらには保護者において家庭訪問、懇談等のキャンセルが多いなど、児童生徒の身体、行動、家庭環境の変化について児童虐待を疑うポイントを示した教職員用の研修教材を作成し、各学校に周知をしているところであります。 また、学校保健安全法に基づき行われる就学時の健康診断においては、内科健診や歯科健診を始めとする各種の健診や検査が行われているほか、毎年度行われる健康診断においても各種検査が行われていることから、虐待を発見しやすい機会であると認識しており、文部科学省では、各学校等に配付しました手引において、歯科健診時における口腔内の不衛生や歯の破損、放置の発見、内科健診時の不自然なあざや発育不良の発見など早期発見の機会と視点を示しております。 特に、性暴力の被害につきましては、学校において日常の生徒指導や健康観察等を通じて児童生徒の問題を早期に発見するようにしているとともに、養護教諭、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー等の教職員が被害を把握した場合には、児童相談所を始めとする関係機関と連携して対応することとしております。 今後とも、各学校において児童虐待や性暴力の被害を見逃さず、早期発見や早期対応がより効果的に行われるよう、各都道府県教育委員会等を通じて指導、助言を行ってまいります。 以上であります。
○政府参考人(大塚幸寛君) お答えいたします。 内閣府におきましては、先ほど委員御指摘のいわゆる性犯罪のワンストップ支援センター、こちらの設置を今進めておるところでございますが、当然様々な年齢層の方がこういった相談にも訪れるわけでございまして、そういった被害者の年齢等に応じた適切な支援を行うことができるように内閣府としてはその研修などを行っているところでございます。 それ以外にも、広く広報啓発的なものといたしまして、これは例えば七月には青少年の非行・被害防止の全国強調月間がございます。それからまた、十一月には子供・若者育成の強調月間が予定されております。こういう中で、例えば児童虐待の予防と対応といったようなことを重点項目として取り上げる、あるいは、その非行・被害防止の中で特に子供の性被害の防止をこれまたウエートを置いた広報展開を行う、こういったようなことも予定をしておりまして、こういったことを通じまして、内閣府、関係府省とも連携をしながら、性犯罪、性暴力被害をなくす取組に引き続き努めてまいりたいと考えております。
○福島みずほ君 中村格警察庁刑事局組織犯罪対策部長にはお越しいただけなかったので、刑事局長来ていただいております。 人身売買についての取組を教えてください。
○政府参考人(吉田尚正君) お答えをいたします。 人身取引は、被害者の方々の心身に著しい苦痛をもたらします重大な人権侵害であるというふうに認識をいたしております。このため、私ども警察といたしましても、引き続きでございますけれども、犯罪対策閣僚会議で決定をされました人身取引対策行動計画二〇一四、これに基づきまして、関係機関、団体との連携を強化しつつ、犯罪組織により敢行される人身取引事犯の徹底した把握、そして徹底した取締りを一層推進してまいりたいと考えております。
○福島みずほ君 性暴力被害の届出に対して警察は適切に対処しているかということについてお聞きをいたします。 詩織さんという女性が二〇一五年にあるジャーナリストから準強姦、強姦をされたということで訴え、逮捕状まで発付されていましたけれど、執行する直前、空港で待ち伏せして、まさに逮捕するという直前にその逮捕状の執行が取り消されてということがありました。 逮捕状が、逮捕状を裁判所が出た後、どれだけ取り消されているかについて裁判所も警察も統計を取っていないということを事前にお聞きをいたしました。 刑事局長にお聞きします。逮捕状が出て、執行に入っているのに、それが取り消される例って、今まで経験したことありますか。
○政府参考人(吉田尚正君) お答えいたします。 個別の事案についてのお尋ねについてはお答えしづらいところでございますけれども、先ほど委員からも御指摘ございましたように、都道府県警察の警察本部の指導によりまして警察署が逮捕状を執行しなかったというような件数あるいは事例については、警察庁におきましては具体的に把握をできているものではございません。しかしながら、警察署が行っている捜査に関しまして警察本部の各部がそれぞれの所掌に応じて適正捜査の観点から指導等を行うということは通常のことであるというふうに承知をいたしております。
○福島みずほ君 中村刑事部長は、これは雑誌というかメディアの取材には、自分が判断して取り消したと言っているんですね。 刑事局長が担当警察署の頭越しに取り消すことがあるんだろうか、あるいは百歩譲って、相談する事件はあるかもしれない。しかし、これは実際、逮捕令状が出て執行に入っているにもかかわらず取り消すということで、極めて問題だと。 強姦事件は、二〇一六年、認知件数百三十八件、氷山の一角だと思います。女性への性暴力についてきちっとやるべきだ。でも、せっかく今日来ていただきましたので、刑事局長、こういう取り消した例というのを、御自身、経験したことありますか。
○政府参考人(吉田尚正君) お答えいたします。 繰り返しになりまして恐縮でございますけれども、個別の事案についてのお答えは差し控えさせていただきたいと思います。 あくまでも一般論としてお答えをさせていただきますけれども、今お話のありましたように、性犯罪につきましてはやはり非常に深刻な犯罪でございますので、警察署が行っている捜査に関しまして警察本部が適正捜査の観点から指導を行うということ、通常でございます。 特に、この性犯罪と申しますのは専門性の高い捜査が要求をされますので、その適正確保のために全ての都道府県警察の警察本部に専門の指導官が置かれております。そういった観点から、平素から警察署の捜査幹部に警察本部が指導しているということで御理解いただきたいと思います。
○福島みずほ君 刑事局長、経験したことあるかないかだけ教えてください。
○政府参考人(吉田尚正君) お答えをいたします。 個別の案件につきましては、個人的な経験につきましてのお答えは差し控えさせていただきたいと思います。
○福島みずほ君 いや、刑事局長、あなたの経験を聞いているんです。個別のケースではありません。
○政府参考人(吉田尚正君) 現在、刑事局長の立場としてのお答えということについては大変困難であるということを御理解いただきたいと思います。
○委員長(羽生田俊君) 福島みずほ君、お時間ですので。
○福島みずほ君 時間ですので終わりますが、女性への性暴力について警察は適切に対応してほしい。この件についてはまだお聞きをいたしますし、今の答弁は納得がいきません。 終わります。
○薬師寺みちよ君 無所属クラブの薬師寺みちよでございます。 子供の幸せというものは誰しもが願うものでございます。ですから、しっかりと私も今日は議論させていただきたいと思っております。 今回は児童の保護というものを司法関与を強化していくという改正であるということは理解をさせていただいておりますけれども、やはりそれに当たりましても、じゃ、司法の関与を強化すればもう一度家族が再興できるのかといったら、私はそうではないと思います。ですから、そこには様々な仕組みを準備しなければ、虐待を受けた子供の心の傷、そして虐待をしてしまった親の心の傷、両方ともやはりもう一度見直し、そしてそこでカウンセリングを行われ、マッチングさせていく、これ大変な作業がそこには生じてしまうと思います。 今回の法改正に合わせまして、保護者指導支援カウンセリング事業というものがしっかり強化されているのかということを、まず、局長、お答えいただけますでしょうか。お願い申し上げます。
○政府参考人(吉田学君) お答えいたします。 今御質問いただきました保護者指導支援のカウンセリング事業、より大きな枠組みとしまして、私ども、児童虐待・DV対策等総合支援事業という形で予算執行をしてございます。児童相談所が親子関係の再構築を目指して自らがやる、あるいは民間等へ委託するという場合、両方ございますけれども、精神科医などの御協力をいただきながらカウンセリングを実施するということで、それに対する必要な経費への補助という仕組みでございます。 今回の法改正に合わせというよりも、昨年の児童福祉法の改正もございましたので、今回この措置解除に当たって、児童相談所が保護者に対して子供への接し方などの助言を行う、あるいは措置解除後の一定期間、児童相談所が地域の関係機関と連携して定期的な子供の安全確認、あるいは保護者への相談指導を実施するということになり、それを踏まえました二十九年度予算において補助単価の増額を行ったところでございます。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。 では、今おっしゃっていただいた様々な事業というものが全国で行われているかどうか確認させていただいてよろしいですか。
○政府参考人(吉田学君) 保護者指導そのものはいろいろな児童相談所で行われているところでございますけれども、今御質問いただきました保護者指導支援のカウンセリング事業、国庫補助を受けて日常業務に非常勤心理司等の雇用あるいはNPOの協力を求めて保護者指導を行っているということで申し上げれば、二十七年度実績で、児童相談所の数で百五十七か所、全体の約七割ということでございます。
○薬師寺みちよ君 では、残りの三割についてはしっかりとした事業が行われているかどうか、もちろん予算事業ではなく、しっかりとした体制かどうかというのの確認は取れていますでしょうか。
○政府参考人(吉田学君) 私どもは、児童相談所の業務について報告を受けておりますけれども、いわゆるこういう複雑であったり困難な問題を抱える家庭環境のお子さんに対する援助、それも専門的な知識でありますとか技術を要する事例ということになりますので、児童相談所の現場においては、家庭訪問ですとかあるいは通所をしていただいて、それに対して保護者指導を行うということを日常的に行っております。 そういう意味では、先ほど御質問をいただきました、国庫補助事業としてのカウンセリング事業というものを受けていないという、そういう児童相談所においても、保護者に対する指導あるいは支援というものは行われているというものでございます。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。 私もいつも困ってしまうんですけれども、子供たちが言うことを聞かなかったら、ついかっとしてしまう、それが親の心でもございます。ですから、しつけという範囲がどこまでであって、それでそれ以上を超えてしまったら虐待になっているのか、やっぱり必死になればなるほどどこかで見えなくなってしまう、そういう瞬間もございます。ですから、しっかりとその辺りが親も見詰めていかなければならない、冷静にならなければならない、そのためには第三者の皆様方の力を借りなければ、私はとても大事な事業だと、これは考えております。 しっかりとしたその効果というものの判定をしていらっしゃいますか。その辺りも教えていただけますでしょうか。局長、お願い申し上げます。
○政府参考人(吉田学君) 個々のケースについて、保護者の方に対する保護者指導というアプローチ、その結果については担当しております個々の福祉司あるいは心理司が、言わば児童相談所の中におけるカンファレンスなどにおいて復命をし、スーパーバイザーを始めとするチームにおいて、それについての評価といいましょうか、あるいは課題、あるいは次に向けての打つ手というのが評価されているということでございますけれども、事業全体としてについては、予算の執行状況について把握をしているというのが現状でございます。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。 しっかりと質の担保もしていただきたいと願っております。せっかく親元に帰った、だけれども、そこでまた虐待を受けてしまったといったら、二重、三重のトラウマを抱えてしまうことになりますので、お願い申し上げます。 それから、実際に私いろいろ調べておりましたら、資料一にもお示ししておりますけれども、発達障害を有した子供たちというのが虐待を受けやすい実態も分かってまいりました。虐待を受けている五四%が発達障害を有している子供たちではないかというようなデータもございます。ということは、親だけではなく、子供たちもしっかりと診断を受け、そして子供たちに対する様々な指導というものも私は行っていかなければならないと思いますけれども、局長、いかがでしょうか。このようなシステムになっておりますでしょうか。
○政府参考人(吉田学君) ここは一般論ということかと思いますけれども、発達障害、症状、様々ではありますものの、問題行動があるということで児童虐待の背景となります子育てのストレスを、実際問題、保護者の方々は感じる要因になるという可能性を指摘されているところかと思います。 児童相談所、今御指摘にありましたように、保護者の方々に対してのペアレントプログラム、あるいは保護者指導のいろいろなカリキュラムを持って保護者指導に当たってございますけれども、こういう保護者指導のプログラムを活用した指導だけじゃなくて、必要に応じて一時保護をしたり、あるいは児童心理司によるカウンセリングということを通じて、発達障害が疑われるような場合につきましては、適切な診断、治療が行われるように、例えばですけれども、保健所を通じて医療機関につなげるというような取組も児童相談所現場では行われておりますし、必要に応じて児童相談所から発達障害者支援センター、地域にございますそのセンターの方に紹介するなど、これは、私ども国としては、児童相談所の運営指針というものについていろいろな形の明記をしてございますが、こういうのも踏まえて、現場においてはそれぞれ適切な対応を取っているものというふうに理解をしてございます。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。 しっかりそれは確認いただきたいと思います。発達障害をお持ちのお子さんというのは全く悪気も何もないんですけれども、親御さんは振り回されてしまって、それでへとへとになって、ついついというような事例が私も見聞きいたしております。ですから、しっかりと国として、もしかしたらお子さんがそうかもというときは、早期発見でしっかりとした指導を受けられることになっておりますので、そういう道にシステム的に導いていただけるようお願いを申し上げます。 それから、皆様方に資料三、お配りをいたしております。今日はこうのとりのゆりかごについても議論させていただきたいと思います。 衆議院でも少し触れられたところでございましたけれども、五月十日で、こうのとりのゆりかご、十年目となりました。これ本当に長い期間の間で、実は百三十人の子供たちの預け入れがございまして、私はこれを、命を救ってくれたのではないかと思いますけれども、このことについて大臣の見解をお聞かせいただけますでしょうか。お願い申し上げます。
○国務大臣(塩崎恭久君) これは衆議院でも大分議論が行われ続けてきておるところでございますけれども、ちょうど十年前に私は官房長官をやっておって、記者会見で随分このことについて質問もあり、答えました、そういう記憶がありました。一つの衝撃でもありました。 こうのとりのゆりかごへ預けられた子供たちが十年で百三十人というのはやはり重たい真実だなというふうに思います。一件一件が預けざるを得なかったというケース、また、熊本特有のことかと思えば全国から来ていると、こういうことでありまして、本当に重たい事実だと思っています。様々な事情で子供を育てられないという、育てることが難しいケースがあるわけでありまして、しかし、どんなことがあっても、どんな事情があっても、やっぱり子供の命は最終的に社会全体で救わなきゃいけない、そのためのいろんな仕組みが考えられなければならないんだろうというふうに思います。 厚労省としては、いわゆるこの赤ちゃんポストに預けなくてもいいような施策を早め早めに打っていく、このことこそが一番大事で、去年の児童福祉法の改正はまさにその一つであり、先ほど山本議員に対しても申し上げたように、特別養子縁組を進めるということ、イギリスなんかに比べると、人口半分のイギリスが日本の十倍ぐらいやっていますから、そのことを考えてみれば、子供の命を社会全体で守るというのは、制度としてもそういう用意をしておかないといけないということでありますので、この十年で百三十人が続いてきた、やっぱりこういうことがあるんだということは大変重たいことで、この命の重みをしっかりと踏まえながら我々、政策対応をしていかなきゃならないというふうに思っています。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。 私もちょうどこの赤ちゃんポストができたときに大学で教鞭を執っておりまして、生命倫理でございましたので、倫理的にこれをいかに捉えていくのかというところで、ずっと数値も追いながら見てまいりました。しかし、これが存在している意義というものが大変大きいというのは、先ほど大臣も申されましたけれども、北海道からも預けにいらっしゃるんですね。もしかしたら遺棄することもできたかもしれない、でも、命を救いたいからこそわざわざ北海道から熊本に。でも、それがいいとは私決して申し上げることはできませんけれども、そうでもして救いたいというその思いが、私はしっかりと厚労省にも受け止めていただきたいと思います。 先ほども申し上げましたけれども、熊本市で定期的に預け入れの状況だとか、あとは検証なんかも報告されているんですね。そのようなことにつきまして、厚労省、どのようにまずは関与してくださっているのか、局長、お答えいただけますでしょうか。お願い申し上げます。
○政府参考人(吉田学君) お答えいたします。 こうのとりのゆりかごを設置されている熊本市では、六か月に一度の短期検証、それから三、四年に一度の中期検証というのを行っておられるということは十分承知をしております。特に直近でございます平成二十六年の九月に公表されました第三期の中期検証報告書など、私ども拝見させていただいておりますけれども、これには、実態の分析とともに国に対する要望ということも書いてございまして、その中には、子供の身元判明につなげるため、出生届が完了しているか確認できるような全国的なシステムの導入について検討してくれ、あるいは、妊娠、出産や子育てに関する相談窓口や支援制度について更なる周知、広報に努めてくれという御要望もいただいております。 私ども、これを受け止めてということでありますけれども、二つございました。出生届に関するシステムというものにつきましては、元々が法務省所管で、戸籍法に基づいて父母等が市役所などに届けるという仕組みではございますけれども、私ども厚生労働省におきましても、遺棄された子供の身元判明などのためにも、出生届が確実に提出されることは重要だというのが基本的なスタンスでございます。母子健康手帳に出生届済証明の欄を設けておりますので、このような形での出生届の提出を促しているというのが実態でございます。 また、二つ目の相談窓口等の周知、広報につきましては、平成二十七年度以降の児童相談所全国共通ダイヤル、いわゆる「いちはやく」を周知するとか、あるいは特別養子縁組や里親委託の選択肢があることを周知するとか、あるいは、本日の委員会でも何度かお取り上げいただいております子育て世代包括支援センターによる切れ目のない支援を行うなどなどのことを行っているところでございます。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。 この検証に是非参加してほしいと以前から要望があっていたはずでございます。しかし、国は、そうやって要望書を受け取って、その文字面で判断をしてくださっていますけど、私は実はここからもっともっと奥深い、データと言ったら本当に子供たちに悪いんですけれども、ものがつかみ取れるんではないかと思っております。 その一例といたしまして、このこうのとりのゆりかごに預けられた後に、預けられた母親の元に戻し、そして心中で死亡してしまったという、そういうケースがございます。これは重たいですよね。ですから、やはり育てられないからこそ預けに来たんだけれども、そこで結局は児相が帰してしまった、そこで結局お二人とも亡くなってしまう。こういったことを一つ一つ、私は、何が必要だったのか、それを厚労省としても追いながら検証するべきだと思うんですけれども、局長、いかがでしょうか。
○政府参考人(吉田学君) まず、こうのとりのゆりかごに預けられたお子さんのその後という意味では、先ほど来申しております熊本市の専門部会による中期検証が、特に平成二十六年の第三期においては追跡調査も行っておられるということで、私どももこれを拝見させていただいております。 ここによれば、こうのとりのゆりかごに預けられたお子さんのうち身元が判明した事例で、親の居住地の児童相談所にケースが移管されたというものについては、その後、児童相談所において社会調査などを行って、お子さんの家庭環境を把握して、子供にとっての最善の利益を第一に考えて援助が行われたということかと思いますが、今お取り上げいただきましたケースも、このレポートによりますと、ケース移管後、児童相談所の判断により家庭引取りになったものが残念ながら母親による無理心中という形につながった事例というふうに私どもも報告書を読ませていただきました。 もちろん、厚生労働省としてこのゆりかごの報告書から学ぶべきものと同時に、今お話ございましたように、虐待による死亡事例という意味では、虐待等の要保護事例の検証に関する専門委員会というものを設けて、一般的にではありますけれども、心中死を含む児童虐待による死亡事例についていろいろと背景分析などを検討して、そこから問題点あるいは課題を把握させていただいているというような実態でございますので、私どもとしても引き続きこのような形で課題を把握し、その次の取組につなげてまいりたいと思っております。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。 数値にしてしまえば死亡一なのかもしれませんけれども、そうではないですよね。しっかりとその一の大きさ、重みというものをもう少し厚労省でも私は感じていただきたいと思います。そうでないと、数値だけ見てシステムだけつくっていれば全てがうまくいくなんてことはあり得ません。ケース・バイ・ケースでこれすごく慎重に動かなければなりませんし、かつしっかりとそこを厚労省が受け止めて、予算も付け、そしてシステム化できるものについてはシステム化していく、そういう姿勢こそ私は今求められていると思います。 資料二、準備させていただきました。実は、思い掛けない妊娠、予期せぬ妊娠、これ、女性だったら人生のうちで何回かどきっとしたような経験もあるというふうなこともございます。実はこの相談窓口もまだまだ不足しているんではないかという御意見がございます。 ここに挙げておりますのが、皆様方お聞きになったことあると思いますけれども、これ、妊娠SOSネットワークのウエブサイトから取ったものでございますけれども、これが機能していないような地域もあるんではないかということで白抜きになっております。 吉田局長、まだまだこの相談体制、二十四時間にもなっていないところ、そして相談体制がシステム化されていないところがあるんではないですか、教えてください。
○政府参考人(吉田学君) 予期せぬ妊娠をされた方が気兼ねなく相談できるという体制づくりという御指摘、本当にそのとおり大事だと思っております。 資料でお示しいただきました全国の妊娠SOSネットワーク、これ、私ども、自治体ですとか民間団体の方々がネットワークを形成されて、今取り組んでおられるということだと思いますので、このような形でのお取組というのを私ども注視をさせていただきたいと思いますし、並行して、行政としては、女性健康支援センターという形で二十四時間対応できる、そして、匿名で電話相談を受けられるという体制の整備、進めさせていただいております。現在、全国六十五か所ということで、まだまだネットワークとしては進める必要があるというふうに思っておりますので、今後、私どもとしては、子育て世代包括支援センターという一方できめ細かな相談体制の窓口もございますけれども、このようなもの、あるいは児童相談所全国共通ダイヤル、「いちはやく」ダイヤルなども活用しながら、予期せぬ妊娠に悩まれている方々に対してその相談の受け止める先をきちっとつくっていくことが大事だというふうに思っております。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。 日中仕事をしていたり学校に行っているときは、みんな忘れられるんですよ。結局、家に帰って一人になって、はたと、どうしたらいいんだろうとやっぱり現実に向き合う、そういうときにそこから夜中にかけて電話できるような、そういう安心して電話できるようなネットワークを是非こちらとも、実はこれ、自治体のものも入っておりますので、組んでいただいて、もっと多くの方々がちょっとネットで検索すれば分かるような形で工夫をしていただきたいと思います。 時間もございませんので、大臣にあと数問お願いをしたいと思っております。 やっぱり県外から預け入れがあるというふうなこうのとりのゆりかご、そして、しっかりと、まだまだ思い掛けない妊娠で悩んでいらっしゃる女性が多い中で、私はこのような取組というものが、一自治体、一施設だけで責任を持てるものではないと思います。 これをお願いできるのであれば、全国何か所かで設けていただくことによってもっと救える命が増えるんではないのかなというふうに期待を抱いておりますけれども、まず、そのことを、大臣の見解をいただけますでしょうか。お願い申し上げます。
○国務大臣(塩崎恭久君) こうのとりのゆりかごに預けられたこの百三十名のうち、父母等の居住地が判明しているものは九十九ケースありまして、このうち八十九ケースが県外ということになっています。 子供を置き去りにすることはあってはならないことでありますし、また、こうした事態に至らないようにあらゆる方策を講じて子供の健全な育ちを保障しなければならないというのが基本的な考え方であります。こうした問題意識に立って、昨年、児童福祉法の改正をやったわけでありますし、また、特別養子縁組、里親、これを中心とする家庭養育の原則というものを打ち立てたわけであります。その上で、厚生労働省としては、いわゆる赤ちゃんポストといった匿名で子供を預かる方法ではなくて、子供の遺棄、置き去りを未然に防止するための子育てや予期せぬ妊娠に悩む方への早めの相談体制というものをやはりつくっていかなきゃいけないんだろうと思います。 こうのとりのゆりかごについては、先ほど局長から答弁申し上げたように、熊本市が中期検証を行っているので、それを受けて私どもは、熊本市からよく中身もお聞きをして、それを踏まえて子育てや予期せぬ妊娠に悩む方への効果的な支援に何をすべきなのかということをもう一度考え直してみたいというふうに思います。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。 やはり小さな町で、顔見知りばかりがいる中で相談に行けますかというところもあるんです。どこの誰だってすぐに顔がばれてしまうような関係性の中で、望まない妊娠をした女性が次にどこに行けばいいのか。私は、熊本の電話相談が年々伸びているのも驚きました。今や年間六千件を超えるんですよ。やっぱりそこまで、皆様方、全国からこの慈恵病院について信頼を寄せ、そして心を託されていると、やっぱりこれが事実です。 ですから、やっぱり匿名で医療機関で出産できて、出自というものを知る権利というものを子供に担保するような内密出産制度、衆議院でも御提起がございましたけれども、私はこれに向かって法整備をすべきではないかと、議論を少し厚労省の方でも御検討いただきたいと思いますけれども、大臣の御見解いただけますでしょうか。お願い申し上げます。
○国務大臣(塩崎恭久君) ドイツの今内密出産制度についてお話をいただきましたけれども、これに先行して実施されていた赤ちゃんポストについて、連邦政府、それから議会の政策助言機関であります倫理審議会が評価を行って、平成十九年に赤ちゃんポストの廃止等を勧告をしたと承知をしております。 その上で、妊娠相談所による包括的な相談援助を行った上で、援助があってもなお妊婦が匿名での出産を希望する場合、この場合には、出自証明書を妊娠相談所が発行した上で医療機関において匿名で出産できると、これが内密出産制度で、これは三年前、まあ日本でいえば平成二十六年から施行されているというふうに承知をしています。 こういう制度を我が国で検討するに当たりましては、新生児遺棄の有効、適切な予防策は何か、子供の出自を知る権利をどう考えるのか、戸籍上の取扱いをどうするのか、こういったことなど、多岐にわたって幅広い議論が必要だと思っております。ドイツでの制度の評価も注視してまいりたいというふうに思っております。 厚労省としては、妊娠に悩む妊婦を早期に把握をして必要な支援につなげることが重要だと思っておりますので、先ほど六十五か所ということでありましたが、女性健康支援センター、ここで匿名での相談を受け付けるとともに、子育て世代包括支援センターにおいて妊娠期から子育て期にわたる切れ目のない支援を行っているということでございますが、あったりなかったりのまだ状態でありますから、これは引き続き相談体制の整備、それから周知をやっていかなければいけないというふうに思います。
○薬師寺みちよ君 難しい複雑な制度だからこそ、誰かがそれを、糸をもつれたのを解いていかないといけないと私は思っておりますので、是非、大臣が私はそれをやっていただきたいというふうにお願いを申し上げまして、質疑、終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○委員長(羽生田俊君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 児童福祉法及び児童虐待の防止等に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(羽生田俊君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 この際、足立君から発言を求められておりますので、これを許します。足立信也君。
○足立信也君 私は、ただいま可決されました児童福祉法及び児童虐待の防止等に関する法律の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・こころ、民進党・新緑風会、公明党、日本共産党、日本維新の会、希望の会(自由・社民)及び無所属クラブの各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 児童福祉法及び児童虐待の防止等に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府及び関係者は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。 一、家庭裁判所の研修内容に、子どもの権利や児童福祉についてのソーシャルワークの研修を組み込む等、人材育成に努めるとともに、業務量の増加に対応できるよう家庭裁判所の人員を含めた体制強化に努めること。 二、児童の社会的養護については、障害等のある児童が増加している状況を踏まえ、職員の研修など支援のための取組を強化すること。また、性的マイノリティーの入所者の存在を考慮し、適切な対応について研究を進めること。 三、一時保護所においては、多様な背景を持つ子どもの心の安定が保たれ、プライバシーに関して十分な配慮が払われるよう、個室化等の環境の改善を図るとともに、入所時における教育を受ける権利の保障、教員等の配置を充実させること。また、在所日数など、各都道府県等における一時保護所の実態について継続的に調査を行い公表するとともに、里親や民間NPO等への一時保護委託の活用を進めること。 四、児童虐待の発生予防・早期発見が重要であることに鑑み、乳幼児健康診査等における医師、歯科医師、保健師、助産師、看護師や児童の福祉に関係のある者が、相互に連携を図りながら、より一層協力できるよう支援すること。 五、子どもに対して永続的な家庭を保障することの重要性に鑑み、特別養子縁組の利用拡大のための制度的枠組みについて速やかに検討を加え、その結果を踏まえ、必要な法的措置を講ずること。 六、予期せぬ妊娠をした妊婦や養育困難と見込まれる妊婦に対する支援については、妊娠中から特別養子縁組も視野に入れて児童相談所や民間団体との連携を深めること。また、妊娠を他者に知られたくない女性に対する相談支援の方策について検討すること。 七、親子の再統合を支援するため、児童相談所の体制整備を進めるとともに、保護者に対するカウンセリング、依存症等の必要な治療、家庭内の子どもに係る衣食住を含む日常生活についての指導など、養育環境の計画的な改善を図ること。 八、DV被害者が子どもを連れて婦人相談所に来た場合は、子どもに対する直接的な虐待がないとされる場合も面前DVの疑いについて児童相談所に連絡し、その後の対応について、一時保護委託先として取り扱うことも含めて検討し、連携を図ること。 九、児童心理治療施設については、各都道府県一施設を早期に実現するとともに、子どもの良好な成育環境を提供できる人材の育成と専門職の確保に努めること。 十、児童相談所、婦人保護施設、NPO等の支援団体等が相互に連携する体制について検討を加え、適切な措置を講ずること。 右決議する。 以上でございます。 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(羽生田俊君) ただいま足立君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(羽生田俊君) 全会一致と認めます。よって、足立君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、塩崎厚生労働大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。塩崎厚生労働大臣。
○国務大臣(塩崎恭久君) ただいま御決議になられました附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重いたしまして努力いたす所存でございます。
○委員長(羽生田俊君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(羽生田俊君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(羽生田俊君) ホームレスの自立の支援等に関する特別措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。 提出者衆議院厚生労働委員長丹羽秀樹君から趣旨説明を聴取いたします。丹羽秀樹君。
○衆議院議員(丹羽秀樹君) ただいま議題となりましたホームレスの自立の支援等に関する特別措置法の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容を御説明申し上げます。 平成十四年にホームレスの自立の支援等に関する特別措置法が制定・施行されて以来、巡回相談員による相談、自立支援センターにおける宿泊場所や食事の提供等、ホームレスの自立の支援等に関する施策が総合的に推進されてきました。こうした取組によりホームレスの数は大幅に減少してきているものの、依然として約六千人のホームレスが確認されているほか、ホームレスの高齢化、路上生活期間の長期化等の新たな課題も生じております。 本案は、こうした状況に鑑み、ホームレスの自立の支援等に関する施策を引き続き計画的かつ着実に推進するため、平成二十九年八月六日までとなっているホームレスの自立の支援等に関する特別措置法の有効期限を十年延長し、平成三十九年八月六日までとするものであります。 なお、この法律は、公布の日から施行することとしております。 以上が、本案の提案理由及びその内容であります。 何とぞ、御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
○委員長(羽生田俊君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 これより質疑に入ります。──別に御発言もないようですから、これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 ホームレスの自立の支援等に関する特別措置法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(羽生田俊君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(羽生田俊君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時九分散会