厚生労働委員会 第20号
- 発言数
- 235 件
- 登壇者
- 37 名
- 会派数
- 8
- 開催日
- 2017/05/30
会議録
○委員長(羽生田俊君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日までに、小野田紀美君及び石橋通宏君が委員を辞任され、その補欠として馬場成志君及び宮沢由佳君が選任されました。 ─────────────
○委員長(羽生田俊君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 社会保障及び労働問題等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省健康局長福島靖正君外二十一名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(羽生田俊君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(羽生田俊君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 社会保障及び労働問題等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、年金積立金管理運用独立行政法人理事長高橋則広君を参考人として出席を求めることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(羽生田俊君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(羽生田俊君) 社会保障及び労働問題等に関する調査を議題といたします。 臓器移植に関する件につきまして、塩崎厚生労働大臣から報告を聴取いたします。塩崎厚生労働大臣。
○国務大臣(塩崎恭久君) 臓器の移植に関する法律に関する附帯決議に基づき、臓器移植の実施状況等について御報告申し上げます。 臓器の移植に関する法律は、平成九年に施行されてから今年で二十年を迎えます。また、臓器提供における本人同意の扱いについて、平成二十二年に、改正法に基づく新制度が施行されてから七年が経過をいたします。この間、善意により臓器を提供された多くの方々、また、様々な立場から移植医療の普及に取り組んでこられました関係者の皆様方に心から感謝を申し上げます。 まず、臓器移植の実施状況について報告をいたします。 本年三月末現在の移植希望登録者数及び平成二十八年度の移植実施数は、配付の報告書のとおりでございます。 平成九年の法施行から本年三月末までの間に、法に基づく四百四十一名の方が脳死と判定をされ、臓器を提供をされています。このうち、改正法が全面施行された平成二十二年七月十七日から本年三月末までの間に提供された方は三百五十五名でございます。このうち、改正法により可能となった、本人の書面による意思表示がなく、家族の書面による承諾に基づく提供は二百六十九名となっています。また、そのうち十五歳未満の小児からの臓器提供は十三名となっています。 脳死下での臓器提供を実施することができる施設や移植を実施することができる施設においても、報告書に記載したとおり、いずれも着実に整備が進められております。 次に、移植結果について申し上げます。 平成九年の法施行後に実施をされた移植に関する生存率と生着率は配付の報告書のとおりですが、国際的に見ても良好な結果を残すことができていると考えております。 厚生労働省では、今後とも、公益社団法人日本臓器移植ネットワークとともに、臓器移植に関する知識の普及や、臓器提供に関する意思表示を行っていただくための啓発を進めます。また、臓器提供施設の体制整備等のための支援や、脳死判定等が適切に行われたかどうかの検証作業も継続してまいります。 なお、平成二十九年一月二十六日に公益社団法人日本臓器移植ネットワークのあっせん誤りが判明したことを受け、厚生労働大臣より原因の検証と再発防止策の検討を行うよう指示をいたしました。現在、同ネットワークにおいて、第三者調査チームから出された提言に基づき、運営体制整備等の改革が行われております。 今後とも、臓器移植が法令等に基づき適正に行われるよう努めてまいりますので、委員の皆様方には御理解を賜りますようお願いを申し上げます。
○委員長(羽生田俊君) 以上で報告の聴取は終わりました。 なお、本日、厚生労働省から提出されております報告書につきましては、これを会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(羽生田俊君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。 これより質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○三原じゅん子君 自民党の三原じゅん子でございます。 本日は受動喫煙対策について質問をさせていただきたいと思います。 受動喫煙対策の必要性については、ここにおられる厚労委員の先生方はもう既に重々御承知のことと思います。ただ、受動喫煙対策の議論になると様々な方々が様々な解釈に基づく持論を展開なさるので、事の真偽があやふやになるときがございます。本日は、多くの国民の皆様へ何が問題でどうしなければならないのかを御理解いただきたいという意味も込めて、基本的な内容も含めて質問させていただきたいと思いますので、お付き合いをどうぞよろしくお願いしたいと思います。 そもそも受動喫煙とはどのようなものかでありますが、受動喫煙とは、たばこを吸った人が吐いた煙を自分の意思とは関係なく吸い込んでしまうことをいいます。受動喫煙対策とは、喫煙している本人の健康ではなく、喫煙者が吐いた煙を周りの人が吸い込み、その煙がもととなって健康を害することを問題にしています。決して喫煙している方に禁煙しろと言っているわけではありません。喫煙者の権利を奪うものではなく、煙が苦手な方やぜんそく等の疾病によって耐えられない方々にちょっとした思いやりの気持ちを持って接していただきたいと、このように思っているわけでございます。 それでは、受動喫煙の健康被害とは具体的にどのようなものがあるのか。この点につきましては、厚労省の喫煙の健康影響に関する検討会、これが昨年九月に報告書をまとめております。報告書の第六節、受動喫煙による健康影響の箇所には、受動喫煙が健康へどの程度影響があるかを科学的証拠に照らし合わせて評価しています。具体的に御紹介しますと、受動喫煙との関連について、科学的証拠は因果関係を推定するのに十分である、これをレベル一と言うらしいんですが、このレベル一と判定された疾患は、成人では肺がん、虚血性心疾患、脳卒中、呼吸器では臭気・不快感、鼻の刺激感、子供への影響ではぜんそく、乳幼児突然死症候群となっております。この六つの疾患は受動喫煙が原因である、因果関係があるとすることに十分な科学的証拠があると評価されています。 さらに、昨年八月には国立がん研究センターが、受動喫煙による日本人の肺がんリスク約一・三倍、肺がんリスク評価、ほぼ確実から確実へと、日本人の非喫煙者を対象として受動喫煙と肺がんとの関連に関する研究結果を発表しました。国立がん研究センターは、受動喫煙による肺がんリスクは科学的に明確であり、世界的には既に確実という結論が明確に示され、たばこ規制枠組条約などにおいて世界共通の問題として対策を進められてきたと前置きをした上で、受動喫煙による疾病リスクが明確に示された以上、たばこの煙にさらされることは人々の健康に危害を与えることと社会全体に強く認識されるべきです、我が国においても、受動喫煙による健康被害を防ぐため、公共の場及び職場での屋内全面禁煙の法制化など、たばこ規制枠組条約で推奨されている受動喫煙防止策を実施することが必要ですと力強く述べています。 この国立がん研究センターの発表に、JTが昨年八月に、本研究結果だけをもって受動喫煙と肺がんの関係が確実になったと結論付けることは困難であるとか、受動喫煙の疾病リスクについては、受動喫煙によってリスクが上昇するという結果と上昇するとは言えないという結果の両方が示されており、科学的に説得力のある形で結論付けられていないというコメントを出しました。これに対して、もう一度国立がん研究センターは、JTのコメントが、国立がん研究センターが行った科学的アプローチに対し十分な理解がなされておらず、その結果として受動喫煙の害を軽く考える結論に至っている、当センターとは全く異なる見解として、まあ異例の反論ですよね、異例の反論をしたことでニュースにもなりましたので、先生方も記憶に残っていると思っています。 厚労省が行った喫煙の健康影響に関する検討会の報告書や国立がん研究センターが行った受動喫煙による日本人の肺がんリスクに関する調査結果を踏まえても、受動喫煙が人々の健康へ害を及ぼすことは明らかです。受動喫煙の被害を確実に防ぐために、実効性のある、つまり効果のある対策を講じ、しっかりと取り組まないことは、もはや国際的には全く認められるものではないことが明らかだと言えると思います。 それでは、今なぜ受動喫煙対策を強化しなければならないのかについて質問をさせていただきたいと思います。 私の理解は、先ほど御紹介しました喫煙の健康影響に関する検討会の報告書の「はじめに」の部分で説明されているとおりです。具体的には、受動喫煙問題など喫煙に関する新たな科学的知見が蓄積されたこと、たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約が発効したこと、第二期がん対策推進基本計画が策定されたこと、健康日本21が開始などの状況変化があったこと、さらに、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けて受動喫煙防止対策を強化する必要があることであります。 そもそも、日本は、FCTC批准国として、第八条、職場、公共交通、公共の場所などで人々をたばこの煙から保護をするということを二〇〇五年の公布以降取り組んでこなければならなかったんです。 ところが、今回大もめしていることも分かるとおり、たばこに関する改革というのは進めるのが非常に困難です。幾ら、受動喫煙対策だと、禁煙対策ではないんだと言っても、ラーメン食べながらたばこ吸いたいとか、居酒屋が禁煙になったら客が減るとか、いろいろな意見が出て大騒ぎになっています。大臣も副大臣も、そして健康局の皆さんも大変御苦労なさっていることと思います。 そのような中、いよいよ日本もどうしても受動喫煙対策を真剣に対応せざるを得なくなったんです。その大きなきっかけになっているのが二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の招致です。二〇一〇年にWHOとIOCが健康なライフスタイルに関する合意に調印して以降、全てのオリンピック・パラリンピック開催国は、合意内容に記載されている、たばこのないオリンピックの実現に向けて国内法制度を整備していると理解しています。 東京オリンピック・パラリンピックの話をすると、開催地だけでやればいいじゃないかという意見もあるようですが、受動喫煙対策は、開催国として、国として対応しなければならないはずだと私は考えております。 そこで、局長にお伺いをしたいと思います。 二〇一〇年のWHOとIOCの合意以降、オリンピック・パラリンピックの開催国で受動喫煙対策に関する罰則付きの法制度を整備しなかった国はあるのでしょうか。あれば、その国をお答えください。
○政府参考人(福島靖正君) お答えいたします。 二〇一〇年七月のWHOとIOCによるたばこのないオリンピックを共同で推進するとの合意以降、オリンピックが開催されましたのは、二〇一二年のイギリス・ロンドン、二〇一四年のロシアのソチ、二〇一六年のブラジル・リオ、二〇一八年には、開催予定でございますが、韓国の平昌でございますが、これらは全て国レベルで、飲食店を含む公衆の集まる場、パブリックプレーシズでの罰則付きの敷地内禁煙、屋内禁煙ないし原則屋内禁煙とする対策が行われております。
○三原じゅん子君 そうなんです。二〇一〇年以降に開催されたオリンピック・パラリンピックの開催国で、受動喫煙対策、整備しなかった国はないんです。 では、続けて局長に伺います。 今、飲食店の受動喫煙対策についてお答えもいただきましたが、厚労省と自民党とが非常にもめています。ちなみに、私は現在の厚労省案は絶対に維持するべきだと思っています。 昨年の十月に厚労省が示した考え方の案では、スナック、バーを含む全ての飲食店が原則屋内禁煙でした。この原則屋内禁煙というのは、喫煙専用室を設けていいというものです。それが、今年になって出てきた厚労省の考え方の案では、一定面積以下の小規模なスナック、バーが規制対象外となっていました。小規模なスナック、バーを規制対象外とした理由。小規模ならママさんが一人でやっている可能性が高く、他に従業員がいなければ従業員の受動喫煙は妨げること、また、スナック、バーなら夜に営業するところが多く、お客様も限られているので、家族連れ、未成年、妊婦、様々な患者の方々や観光客なども来る可能性が低いだろうということが理由だったと伺っております。 ところが、規制強化に反対する方々は、ラーメン食べながらたばこ吸いたいとか飲食店の売上げが落ちるなどの理由で、食堂もラーメン店も居酒屋なども、一般の方々が多く訪れるであろう飲食店を一くくりとして規制対象外とすることを要望しています。 そこで伺いたいんですが、二〇一〇年のWHOとIOCの合意以降、食堂、ラーメン店、居酒屋など、いわゆる一般の人々が多数訪れる飲食店を喫煙可とした国はあるんでしょうか。あれば、その国、対象外とした基準、例えば何平米以下の食堂を喫煙可としたなどということを教えていただけますか。
○政府参考人(福島靖正君) お答えいたします。 IOC、WHOの合意後、日本の食堂、ラーメン店、居酒屋に相当するような一般の飲食店を喫煙可としておりますオリパラ開催国は存在しておりません。仮に日本がこうした例外を認めた場合は、少なくとも二〇一〇年以降守られてきた国レベルのたばこフリーオリンピックという伝統を日本が初めて破ることになります。 なお、韓国におきましては、主に酒類を調理、販売し、客が歌う行為が許可されている店など、日本のバー、スナックなどに相当すると思われる店は規制の対象外となっておりますが、その韓国でも一般の飲食店では、規模の大小に関わりなく、喫煙専用室以外での喫煙は許可されておりません。
○三原じゅん子君 今、健康局長が御答弁なさったとおり、WHOとIOCの合意以降、食堂、ラーメン店、居酒屋など、いわゆる一般の人々が多数訪れる飲食店を喫煙可とした国はないんです。自民党は、飲食店を一くくりにして、客席百平米以下は、禁煙、喫煙、分煙といった表示をすれば喫煙可とする制度を恒久措置にしてほしいと要請しており、最近の報道によると、厚労省は自民党へ歩み寄り、WHOとIOCの合意以降、初めて一定規模以下の食堂やラーメン店、居酒屋など一般の人々が多数訪れる飲食店を喫煙可とするという記事を読みました。 この点について、先週、衆議院の厚労委員会で民進党の井坂議員が、客席面積が百平米以下の店舗は飲食店全体のどのくらいを占めるのかという質問をなさいました。そのときの局長の答弁から、東京都のサンプル調査では、客席面積が百平米以下の飲食店は八五・七%もあることが判明しました。東京の飲食店の八五・七%、約九割、ほとんどの飲食店では喫煙可となり、この甚だしく骨抜きにされた制度が恒久措置となると、そういう可能性まである。こんなことが受動喫煙対策として認められるんでしょうか。 平成二十七年、最新の国民健康・栄養調査によると、受動喫煙を受ける場所に関して、四一・四%の方が飲食店と回答しています。国民は飲食店で受動喫煙の被害を受けていると答えているんです。四一・四%もの国民がです。 厚労省も自民党の幹部の方々もこの議論に相当疲れていて、少しぐらい飲食店を認めてもいいかななんて思われているかもしれませんが、でも、本当に、日本が初めて一定規模以下の食堂、ラーメン店、居酒屋といった飲食店を喫煙可としてしまっていいんでしょうか。あれだけ日本中が歓喜し、オールジャパンで獲得した東京オリンピック・パラリンピック、誘致するとき、いいことたくさん並べていました。それを開催国として、先進国として、こういうことならば、私は恥を知らなければならないと思っています。いや、これは国民全体の話だと私は思っています。だから、どうしても受動喫煙による健康被害を真剣になくしたいから今日質問をさせていただいております。どうぞ御理解をいただきたいと思います。自民党が言っている飲食店百平米以下は規制対象外とし、しかも恒久措置にするという考え、こんなもの言語道断、もってのほか、絶対に反対です。 そもそも日本はFCTCへ批准しています。FCTCには何が決められているのか、今回私も改めて読み直しました。国民の皆さんに是非知っていただきたい。この場でFCTCが締約国に法的義務を課している主な義務、十二項目、十二個あります。これを述べさせていただきます。是非聞いてください。 国民の健康を守る政策がたばこ産業とその利害関係者によってねじ曲げられないようにする。たばこ使用を減らせるように、たばこ税を上げる。受動喫煙の害を完全になくす。たばこ製品の成分、添加物を規制する。たばこ製品に関する情報を完全に開示させる。たばこ製品のパッケージやラベルの規制を厳しく行う。国民にたばこの危険性をしっかりと警告する。たばこの広告、宣伝、販売促進活動を禁止する。たばこ依存から抜け出すための援助を行う。たばこ製品の密輸、不法取引を根絶する。子供にたばこ製品を売らない。たばこ栽培に代わる経済的に実現可能な転作を支援する。これが十二項目であります。 日本は、FCTCに二〇〇四年の三月に署名して、同年の五月に国会承認し、六月に十九番の批准国となりました。本来ならこの二〇〇五年、条約が公布され、速やかに受動喫煙の害をなくす、完全になくすべく法制度の整備をしなければなりませんでした。それを十年以上も動かすことができなかったんです。FCTC第五条三項、国民の健康を守る政策がたばこ産業とその利害関係者によってねじ曲げられないようにしなければならないことへの対処、こうしたことももしかしたら日本はできていないから毎回毎回議論が紛糾するのではないかと、そうした疑惑を持たれても仕方ないのかもしれません。こうしたことによってFCTC批准国として私は対処しなければならないことがたくさんあると思っています。 さて次に、表示で受動喫煙の被害は妨げられるのかについてお尋ねをしたいと思います。 二〇一四年までに世界の四十九か国で国内全面禁煙とする罰則付きの法規制が施行されています。屋内全面禁煙とした国などでは国民の喫煙関連疾患による入院リスクが減少したことや、一般の職場だけでなく、レストラン、バー、居酒屋等まで全面禁煙化が広がっている国ほど入院リスクの減少の度合いが大きかったことが報告されています。 これまで我が国では、二〇〇三年の健康増進法の制定、二〇一五年の労働安全衛生法の一部改正で受動喫煙の防止を努力義務とし、学校や病院などの禁煙化が進んできました。しかし、幾ら喫煙室設置をしても、たばこの煙って漏れてくるんです。社会調査でも受動喫煙を受けた場所として飲食店を挙げる国民は多いわけであります。そもそも、喫煙室、そこの清掃に入る従業員の方、あるいは飲食店での喫煙席の接客をする従業員の方々、この方々、受動喫煙を防ぐことはできません。 しかし、その一方で、職場や飲食店の店頭などに禁煙、喫煙、分煙と表示すれば望まない受動喫煙は防ぐことができると主張される方もいらっしゃいます。つまり、労働者の場合には、受動喫煙を望まないんだったら、禁煙、喫煙、分煙の表示を見て喫煙や分煙の職場を選ばなければいい、また客として飲食店を利用する場合には、表示を見て喫煙や分煙の飲食店を選ばなければいいと、こういうことのようであります。 百歩譲ったとして、今後就職する人は、禁煙の職場を選べば受動喫煙の被害を避けることができるかもしれません。しかし、じゃ、今その職場で働いている人たちの受動喫煙は防ぐことはできないです。 また、全ての人が自分で飲食店を選ぶことができるわけではありません。私もそうですけど、仕事で上司から誘われたり接待でクライアントから喫煙席希望されたり、自分より立場が上の方からの要望なら我慢しなければなりません。立場の弱い女性は特にそうした断れない食事の場への同席を私は何度も経験しているのではないかと思います。私は、表示すれば受動喫煙を防げるという考えは強者の理論だと思います。 そこで、大臣に伺いたいと思います。受動喫煙対策として店頭へ禁煙、喫煙、分煙と表示すれば望まない受動喫煙を防ぐことができると、本当にそんなことができるというこのお考えに対しどのような評価をされておられるのか、大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今御指摘をいただきました表示義務、この制度によって、がん患者を含む従業員の受動喫煙、あるいはお客様として来られるがん患者の皆様方など、そして、いや応なく全員参加する会社の送別会あるいは接待、今お話がございました、そういういわゆる嫌々受動喫煙をこの表示義務によって完全になくすということは私は難しいと思っておりますし、厚生労働省としてもその立場は明確にしてきているところでございます。 厚生労働省は国民全体の健康に責任を負っている、そういう立場でありますから、原則屋内禁煙という前提を譲るということは、これはなかなか難しいと私は考えています。ましてや、広範な例外を、先ほどお話があったように、恒久措置として残すような案では国民にはなかなか納得をいただけないだろうというふうに考えているところでございます。
○三原じゅん子君 ありがとうございます。 そして次に、今や日本は二人に一人はがんになると言われております。このがん患者の皆様のお話をさせていただきたいと思います。 がんの治療も大分進化してきました。抗がん剤や放射線治療などを受けながら、普通に治療しながらも働くことができます。革新的な治療が現れて、早期発見、早期治療をすれば、がんとともに生き続けることができる環境が整ってまいりました。特に、塩崎大臣はがん対策に熱心に取り組んでおられ、プレシジョンメディスンを促進するなど、本当にがん患者は大臣の取組に希望の光を見ています。 ところが、一方で、がんだと分かると、疾患を抱える従業員にどんなに働く意欲や能力があったとしても、その職場には治療と仕事の両立を支援する環境が十分に整っておらず、就業を継続したり、治療のために休職をした後、復職することが困難な状況にあるなど、がん患者の就労の問題というのは本当に深刻であります。 ですから、がんを患っている方々の中には、自分ががんであるということを同僚や上司にも打ち明けることができずにいる、こういう方がたくさんいらっしゃるということ、これが現実だということも是非国民の皆様にも知っていただきたいと思います。 厚労省の調査では、がんになると、サラリーマンは三〇%が依願退職して、四%が解雇、自営業者では一三%が廃業に追い込まれているということが明らかになっています。また、東京女子医大が実施したがん治療から復帰した大企業の会社員への調査では、一〇%が依願退職し、三九%が再休職をしているという結果が出ております。中小企業など立場が弱いほど、がん患者が仕事を続けるのは大変なんです。 がんとともに生きることができる治療環境が整っても、仕事を続けられなければ治療費を払うこともできなくなります。生きるチャンスがあるのに経済的な理由から治療を諦めざるを得なくなるのは、こんな悲劇はありません。 がん患者は、そもそも受動喫煙を受けるところで働かず、禁煙の職場を選んで転職していただくのがいいという、そんな意見を言った方もいらっしゃいます。がん患者に対する就労について、受動喫煙を受ける職場で働いている場合には受動喫煙を受けない新たな職場を探していただけばよいという考えもあるようです。 では、今受動喫煙を受けているがん患者さん、どのように自分の健康を守りながら働く場所を確保しなければいけないんでしょうか。大臣、がん患者さんは日々転移の恐怖というものにおびえながら暮らしているんです。そして、受動喫煙を受けながら、苦しみながら働いている人を救うためにすべきこと、そういうことを考えるのが政治の役割なのではないかと私は思いますが、大臣の御意見をお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(塩崎恭久君) 三月に働き方改革実行計画というのを安倍内閣としてまとめたところでございます。その際に、その働き方改革実現会議のメンバーの中に生稲さんがおられて、がんのサバイバーとしてのお立場を数多く述べていただきました。 その中で、生稲さんがおっしゃっていたのは、やはり御自身も、かなりの期間、やっぱり皆には何も言わずにじっと一人でひそかに治療を重ねて手術も重ねた、そういうことをおっしゃっておられたので、私ども、今回働き方改革を行うに当たって、働いていらっしゃる方々のたしか三分の一ぐらいは確かに何らかの病気を抱えながら働いていらっしゃるということを我々も改めて確認をしたところでありまして、したがって、がん患者の皆様方や、あるいはがん以外の病気ももちろん抱えていらっしゃる方たくさんおられるわけでありますので、そういった方々、患者の皆さん方への就労支援が非常に重要であるということを、今回、働き方改革の中で、これは皆の合意として実行計画の中にも入れ込んだわけでありまして、これは生稲さんが提案をされましたけれども、主治医、それから会社あるいは産業医と、そして患者に寄り添う両立支援コーディネーター、この三者のトライアングル型のサポート体制を構築すべきじゃないかといった、がんを含めた病気を治療しながら仕事をされている大勢の方々に、しっかりと命と健康を守り、そして支援をする、そういう政策手段を提案をしているわけであって、これを現実にどういうふうにやっていくかということをこれから私どもはしっかり厚生労働省中心になってやっていかなければならないというふうに思っています。 したがいまして、このがんあるいは難病等を抱えながら就労を希望される方々に私たちは寄り添った施策を強力に進めないといけないと思っております。 そして、今回、三原議員が提起をされた、このがん患者やぜんそく患者などの弱い立場の方々が働く際の健康の問題、職場としての、たばこが吸えてしまうような職場の場合、その健康問題をどう考えるのかということを考えたときに、私どもとしては、どこの職場であったとしても望まない受動喫煙を完全に防止できるようにすることこそが重要だというふうに考えています。 加えて、働く場だけではなくて、先ほどお話があったように、職場の送別会とかあるいは接待であったりとかで自らの意思と関係なくそろって皆で飲食店に行くということもしばしばあるわけでありますので、その中にがんの患者、あるいはぜんそくの患者、あるいは難病の患者さん、こういった方々を含めて人知れず病気と闘っている方々がおられる、あるいは妊娠をされている方々、そういった、望まない受動喫煙から完全に解放するということを、そういった方々を完全に受動喫煙から解放するということをどう実現するか、これを真剣に考えなければいけないと、このように私は考えているところでございます。 したがいまして、これから受動喫煙対策の健康増進法をどう最終的にまとめて今国会に提出するか、ぎりぎりの協議を重ねてまいりたいと考えているところでございます。
○三原じゅん子君 とても心強い御答弁をいただいたと思っております。 しかし、政治がこのまま何もしなければ、これから失われる命がどれほどの数になるのか計り知れません。かつてがんを患った私にとって、守れるのに守れなかった命、声なき声を無視することはできません。受動喫煙が原因で年間一万五千人が亡くなっています。この数字、過去たった一年でです。一年で政府がこれだけの数の国民の命を守れなかったということなんです。我々政治家は、日頃から有権者の声を政治に反映しようと努力しています。ですが、それは今生きている人、その人たちだけの声でいいんでしょうか。 私は、七年前に議員とさせていただいたとき、民主党の山本孝史先生の議事録を全て読まさせていただきました。私の記憶によれば、最後までたばこの政策に関して非常に心残りだというようなことを発言されていたと記憶しています。こうした死者の英知というものも引き継いでいくのが私は政治であり、過去に受動喫煙で亡くなった方たちの無念の魂というものを鎮めることもまた使命なのではないかと思っています。それがあしたを生きる子供たちの未来につながっていくのではないでしょうか。 大臣、副大臣、厚労省の皆さんには、原則屋内禁煙、これを貫いていただきますように心からお願いを申し上げます。 最後に、何度も言いますが、富める者、強い者の満足のみによって世の中が回っていくと思ったら大間違いです。政治は、病に苦しむ人、弱い人をどれだけ救ったかで判断されるべきだと私は思っています。強い者、強者の意見だけでなく、弱い立場にいる方々、そして苦しい中で亡くなっていった方々の立場にも立った法案を作っていくことこそ政治の役割だと思います。 大臣、大臣への応援団はたくさんいます。ネット上でも、大臣頑張れ、たくさん書き込みがあります。どうぞ、命を守る政治、このことに大臣のリーダーシップを期待して、質問を終わらせていただきたいと思います。 ありがとうございました。
○高階恵美子君 おはようございます。自由民主党の高階恵美子でございます。 高度経済成長期から、日本では、特別な場合を除いて、人が尊い命を終える場に立ち会う機会が極端に少なくなってまいりました。命に終わりがあることは理解できても、現実にそれを受け止めることはとても難しくなってきています。二〇〇五年から人口減少が始まり、出生数と死亡数には既に三十数万件の開きが出てきています。今後二十年近くしますと年間の死亡数は徐々に百七十万人近くまで上ってまいりますけれども、国民が人生の最終段階をその人らしく穏やかに過ごせる環境はまだ整っていると言えません。私はこのことに危機感を感じています。 生涯の医療費は二千六百万円を超え、累積比率ではその半分が六十五歳以上に掛かっています。医療施設での最期を希望する国民は四人に一人、これに対し、在宅ケアへの支出を進めるべく、過去二十年余り努力はしてきたと思います。しかし、今なお国民の八割が、人生の最終段階を医療施設で過ごし、そこで最期のときを迎えています。より効果的な策を講じるべきです。いかがでしょうか。
○大臣政務官(馬場成志君) お答えします。 人生の最終段階における医療につきましては、患者、家族に十分に情報が提供された上で、これに基づいて、患者が医療従事者と話合いを行い、患者本人の意思決定を基本として行われることが重要であると考えております。 一方、死亡の場所の希望につきましては、自宅や地域の施設など住み慣れた場所で最期を迎えたいと望んでいる方が約六五%おられる一方で、実際には病院で最期を迎える方が約七五%となっているのが実態であります。 このため、厚生労働省におきましては、人生の最終段階における医療につきまして、患者の方々の相談に適切に対応できる人材を育成する研修、健康なときから人生の最終段階における医療について考える機会を確保し家族等と話し合う取組の推進の普及啓発、患者の方々の意思に反した救急搬送や医療処置が行われないよう、救急医療や在宅医療の関係者間の連携体制の構築に向けた取組を進めることとしております。 これらの取組を通して、それぞれの方が最良の道を選べるよう努めてまいりたいというふうに存じます。
○高階恵美子君 ところで、ターミナルケアに係る報酬等の技術評価の状況と算定実績はどうなっているでしょうか。
○政府参考人(鈴木康裕君) ターミナルケアに対する評価についてお尋ねがございました。 まず、医療保険でございますけれども、ターミナルケアの評価につきましては、診療報酬におきまして、死亡の前の約二週間の間に二回以上の訪問診療等を行った場合には在宅ターミナルケア加算を、そして、療養上の不安等の解消のために十分な説明を行った上で死亡の日に訪問診療等を行って患者をみとった場合にはみとり加算を算定することが可能でございます。それぞれ二十七年六月審査分でございますけれども、前者が五千七百回、後者が五千八百回の算定となっております。 次に、医療保険における訪問看護でございますけれども、死亡の前の約二週間の間に二回以上の訪問看護を行った場合、この場合、訪問看護ターミナルケア療養費を算定することが可能でございます。同じ審査分で二千九百回の算定となっております。 最後に、介護保険でございますけれども、在宅及び施設におけるみとりの評価を行っておりまして、例えば訪問看護では、医療保険と同様にターミナルケア加算、それから介護老人福祉施設、これは特養でございますけれども、みとり介護加算を算定することが可能でございます。こちらは二十七年四月審査分でございますけれども、ターミナルケア加算は約千三百回、みとり介護加算についての死亡日分は約二千二百回の算定となります。 平成三十年度は、六年に一回の診療報酬と介護報酬の同時改定でございますので、いわゆる団塊の世代が七十五歳以上になる二〇二五年まで残された期間を考えますと非常に重要と考えております。 患者が希望する場所で最期を迎えることができるよう、関係の方々の御意見を伺いながら、しっかりと検討をしてまいりたいというふうに思います。
○高階恵美子君 やみくもに算定回数を増やせと言うつもりはありません、もちろん。だけれども、やはり、在宅での療養を安定した形で過ごすことができ、そして、求めるときにしっかり最期までのケアを提供できるような環境整っていないからこういう状況なんじゃないでしょうか。桁が違うと思うんですね。しっかりと知恵を出して、体系的に施策を考えるべきと思います。 例えば、これ医療職であっても状況は一緒です。近畿地方にお邪魔しましたときに、ある病院で、新人研修、この場所で、シミュレーターを使って模型をセットして、御臨終のところまで、その最終までのところを、急変時、あるいは穏やかに亡くなるとき、いろいろなパターンで新人研修をして、そして医師、看護師に対して最期のときの対応ぶりというのを改めて学習させるということをわざわざ臨床でやっているという病院ももう出てきています。現実に何がハードルなのかということをもっとよく調べて施策を考えるべきだというふうに思います。 また、在宅ケア分野に従事する医師、看護師数が圧倒的に少ない。増やそうと努力していても、全く急激に増える兆候が見られない。こういうところにもうちょっと私たち関心を持つべきだと思います。医療は具合の悪い方々に足を運んでいただくものという固定観念にとらわれていないでしょうか。そういったようなところも少し考慮しながら検討していく必要があるんじゃないでしょうか。 間もなく世帯数も減少に転じる折です。世帯主が六十五歳以上で単独若しくは一人親と子の世帯、これはこれからも増加を続けてまいりまして、二十年後には約九百六十三万世帯と、全世帯の二割程度にまでなってまいります。つまり、これからは、単に介護をしている方に在宅を提供するという、家族をもう最初から単位にするよりも、単身での世帯で構成されているコミュニティーの中でサービス展開をしていくんだという、こういう標準モデルを描きながら、機動性が高く効果的にケア提供できる制度設計を急いでいかなければいけないと考えます。 医師、看護師など専門職の地域における新たな活用、これを本当に考えなきゃいけない、真剣に進めなきゃいけない、そういうときだと思うんですが、いかがでしょうか。
○大臣政務官(馬場成志君) お答えします。 今後、高齢化の進展に伴いまして、単身高齢世帯の方を始めとして在宅医療のニーズは高まると認識しております。国民一人一人が状態に応じた適切な在宅医療を受けられるように、その提供体制をしっかりと構築することが重要であると考えております。 四月六日に取りまとめられました新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会の報告書におきましても、地域を支えるプライマリーケア機能の担い手の確保、医師・医師間で行うグループ診療、看護師の特定行為研修制度等の医師・他職種間等で行うタスクシフティング、タスクシェアリングの推進などの必要性が示されておるところであります。また、看護師の協力の下、医師が在宅における死亡診断等を遠隔で行うことができるように、本年度から看護師に対する研修を開始することとしております。 このような取組を通じて、在宅医療の基盤構築を進め、来るべき高齢社会に対応できる医療提供体制の確保に努めてまいりたいというふうに存じます。
○高階恵美子君 海外に目を転じますと、地域に根差してサービス提供する医師、看護師数が全就業数の一定割合を占めておりますし、入院病床を見ましても、日本の三分の一、五分の一と少ないそういう入院環境の中で、診療看護師とかフィジシャンアシスタントを導入して効率よくクオリティーマネジメントをしています。また、外来についても、一部の診療、軟こうや湿布の処方、それから簡単な検査や処置などを地域看護師が行うという国もあります。施設の機能分化はもちろんのこと、関係職種における業務移管と共有化が進められているんですね。 今度、四月に報告書が出されましたけれども、報告を報告と受け止めて終わりではなくて、これをどうやって施策にしていくのかということ、これを真剣に考えていただきたい。教育あるいは技術水準、時代の変化にふさわしい新たな制度設計を是非お願いしたいと思います。 さて、在宅にちょっと話を戻したいと思うんですけれども、家族の理解なしに在宅ケアはできないという意見もあります。そうした場合に考えなければいけないことは、同居家族には家庭運営に必要な収支バランスの安定を図らなければいけないということや、自分の希望や仕事を諦めずに済むための様々な支援を工夫していかなければならないということだと思うんです。特に、みとり後の御遺族へのケアについては、今後しっかり取組を進めていかなければならないと思います。 孤立しがちな介護環境の中で、みとった後に予想以上に落ち込んでしまって何もやる気が起きなくなってしまったりとか、自分自身の生活リズムが非常に乱れてしまって取り戻せないとか、部屋の片付けもできなくなってしまった、予想を超えるような深刻な事態が長引いて体調を崩していく、こういう方もございます。介護は孤立しがちな環境、ここまでは皆さん分かっていると思うんですが、その中でも、頑張ったこの死別後の御家族へのケアの在り方について検討を進めていただきたいんです。いかがでしょうか。
○大臣政務官(馬場成志君) 家族に対するグリーフケアについてのお尋ねだというふうに思います。 身近な家族や大切な人との死別によりまして大きな悲しみを感じている遺族などの方の悲しみの緩和支援を行うグリーフケアは重要なものだというふうに考えております。 現在、人生の最終段階の医療について、患者、家族や医療従事者が事前に話し合うことによって患者の意向が尊重されたケアが実践されるように、平成二十六年度から医療従事者に対する研修を進めております。また、がんの領域においても、がん対策推進協議会の議論の中で、がん患者の家族、遺族等に対するグリーフケアの提供に必要な研修を充実させていくことの重要性について委員の認識が一致しておるところです。 今後は、こうした研修の中で医療従事者にグリーフケアの重要性について周知することも含め、厚生労働省としてどのような取組が可能か、検討してまいりたいと考えております。
○高階恵美子君 家族構成の変化とともに親の子育て負担が増してきたというふうに言われています。人格形成の根幹に関わる基本的信頼と愛着形成はもとより、自己理解と尊重、個人と社会、世代間のつながりなど、子の体験の幅を増やすために親が意識しなければならない事柄がとても多くなってきています。学校においても期待されることは多く、負担は増えているように感じます。 先頃、学習指導要領が改訂されました。周知徹底がこれから順次進められていく、そういう段階と存じますが、この中で、命の教育、そして自分の命を守るための健康教育については何を到達目標にどういった点を重視して体系付けられたか、改めて教えてください。
○政府参考人(白間竜一郎君) お答え申し上げます。 先生御指摘のように、子供たちが命の尊さを理解する、そして、かけがえのない自他の生命を尊重するということについて学ぶことは大変重要であるというふうに考えております。 現状でございますけれども、まず各学校において、各学校、地域の実態、また子供の発達の段階、こういったものを踏まえながら、生活科において生き物への親しみを持ち大切にしようとするですとか、また、理科の科目において生命を尊重する態度を養う、道徳の時間においても、生命の尊さを理解し、かけがえのない自他の生命を尊重すること、こういったことを学校の教育活動全体を通じて指導を現在しているところでございます。 御指摘の新しい学習指導要領におきましては、これを更に進めまして、総則において、生命の有限性などを実感しながら理解することができるように、御指摘にもございましたような体験活動、これを各教科等の特質に応じて重視をし、家庭や地域とも連携しつつ、体系的、継続的に実施できるように工夫をするということを新しく新たにこれを明記をいたしまして、学校の教育活動全体を通じて指導の充実を図るということとしているところでございます。 文部科学省としては、こういった学習指導要領の新しい趣旨、これをしっかりと周知をしてまいりたいと考えております。
○高階恵美子君 先ほど、脳死下での臓器提供については、平成二十一年の法改正後、僅かずつでも増加していることが報告され、十五歳未満での御提供もあるとのことでした。ドナーとなられた方と御家族の尊い意思がしっかりと新しい命に受け継がれますよう、これからも必要な支援について考えるとともに、その環境整備に努めたいと思います。 特に、厳しい状況下で提供を決断なさった御家族に対するその後の心情把握や支援の充実、臓器提供に携わる諸機関への適切な補助、国民への臓器提供に係る正しい知識と理解の普及促進は今後も重要な課題です。これらについて、現在の取組状況と今後の展望を伺います。
○政府参考人(福島靖正君) 臓器移植医療を推進していくためには、国民の皆様に十分御理解いただくとともに、臓器移植医療の実施体制の整備が重要であると考えております。 厚生労働省といたしましては、臓器移植医療への理解促進のために、これまで臓器提供意思表示カードなどの配付、臓器移植普及推進月間におけるイベントの実施、中学生向けパンフレットの作成と配付などの取組を行ってまいりました。今後、更に若年層への普及啓発を推進していくために、現在、中学校において精力的に臓器移植医療について授業で取り上げている方のお話も伺いながら、今後、中学校におけるパンフレットの活用の仕方などについて今検討をしておるところでございます。 また、臓器移植医療の実施体制の整備、特に臓器提供を行う医療施設を整備することにつきましては、臓器提供を行う医療施設に対する院内体制整備事業として、提供医療施設に必要とされる倫理委員会などの設置、院内マニュアルの作成、臓器摘出シミュレーションの実施、研修会の開催などを支援をしております。 また、移植医療はドナーがあって成り立つ医療であることを踏まえますと、ドナー御家族への配慮、これも必要不可欠でございます。現在、ドナー御家族に対する心理的ケア事業として、臓器提供をされた御家族に対する提供後の心理的ケアに関するリーフレットの送付、あるいは提供後のドナー家族への訪問、年一回のドナーファミリーの集いの開催を行っており、今後ともこうした取組によりましてドナー御家族に対しても十分な配慮を行ってまいりたいと考えております。
○高階恵美子君 例えばイギリスでは、心臓移植を希望する方のほぼ全て、腎臓移植では希望者の半数で移植が実施されています。しかし、我が国では、心臓移植希望者の十三人に一人、腎臓移植希望者の百人に一人が移植を受けているという状況であります。 待機者の心情を考えますと、更なる移植医療の推進はどうしても必要になってくると思います。こうした点からも、ドナーファミリーは臓器提供を取り巻く様々な課題について共に議論を深めていける大切なパートナーだと思うんです。数少ない経験をお持ちの御遺族と継続的に意見交換ができる場づくりにこれからも力を注いでいただきたいと思います。 また、子供の意思について言えば、聖路加国際病院名誉院長の日野原先生、百歳を迎えられた頃に、いのちの授業を終えたとき、おっしゃったことが非常に印象的に私その言葉が残っているんですが、年の差は九十歳、だけど子供たちは命の尊さを理解してくれた、十歳ってもう十分に大人なんですねというふうにおっしゃられたんですね。やはり大人だから子供だからというふうに区別をするのではなくて、きちっと伝えていく努力、これをすることがとても重要だ、その機会を提供することが必要だと思うんです。 臓器提供については、一般社会への啓発もさることながら、幼少期からの命を慈しむ教育、これが欠かせないと思います。文科省にも丁寧に向き合っていただきまして、子供が自らを大切にすること、周囲への思いやりを持つことのできる教育に力を入れてくださるよう重ねてお話を申し上げたいと思います。 その際には、学校だけで完結することにこだわらなくていいと思うんですね。市町村保健センターとか保健所には必ず複数の保健師がいますし、命の教育を展開するNPOも各地に育ってきています。そうした地域内の資源をフルに活用した社会学習あるいは総合学習、体験型の学習など、授業の持ち方を工夫していただければいいんではないかなと思います。 地域の医療人材活用を促す理由はほかにもあります。例えば、女児の平均月経開始年齢、今十二歳頃ですが、小学校中学年ぐらいから初潮を迎える子供が出てまいります。仮にまだ自らの体調を知り対処することが難しい状況であっても、心身の変化は着実に訪れてまいります。そうしたときに気兼ねなく相談できる人と場所の確保、これがどうしても必要だと思うんです。およそ二十年を経て結婚とか出産を機会に初めて自らの体と向き合うというのではなくて、早い段階で健康づくりの主体者となってライフプランニングすること、これは個人のみならず社会経済的な損失を防ぐことにもつながっていくと思います。 同様に、現在の特定健診、保健指導の在り方を再考し、生涯を通じた健康づくりのために、健診をチェックポイント機能、こういうふうに位置付けていく必要はないかなと思うんです。ふだんは何も気にせず具合が悪くなったら受診するという行動パターンを変えて、そして、健診を一つのきっかけにして自分の健康づくりに取り組んでいく。年に一度の血液検査など、こういう一般項目に加えて、例えば女性は乳がん検診を何歳から始めようなど推奨する水準を定めて公表して、それを参考に各々がこの健診を基点とする生活リズムの調整、あるいは食事や運動その他の健康増進に取り組む、こういう流れを定着させる工夫はできないものでしょうか。長く私たち健診の在り方については議論してきていますが、なかなか主体的な行動等、健診を一つのきっかけにしてサイクルで健康づくりを進めていく、こういうことが定着できていないように思うんです。御意見を伺いたいと思います。
○政府参考人(福島靖正君) お答えいたします。 いわゆる健診には、主に疾患の有無を確認するための検査であります検査の検の字を用いる検診、そして、健康づくりの観点から経時的にリスクファクターの状態を把握する検査群であります健康の健の字を用います健診とがあることはもう先生御承知のとおりだと思います。 特に、後者の健康の健の字を用いる方の健診につきましては、単に正常か異常か、病気か病気じゃないかということをチェックするだけではなく、経年変化を含めた自分自身の健康状態を把握して、ライフスタイルを振り返るきっかけとして、健康に関する意識付けにつながる重要な機会であると捉えておりまして、私ども取り組んでおりますスマートライフプロジェクトにおきましても、健診を通して定期的に自分を知るということを推奨をしております。 今後も、個々人が適切な時期に適切な健診を受けることに加えて、健診結果や保健指導などを自分自身の健康の保持増進につなげることの重要性について、広く普及啓発を図ってまいりたいと考えております。
○高階恵美子君 健康の主体者がいつも自分でしっかり健康づくりに励んでいけるように、やっぱりみんなで知恵を出していく必要があると思います。 次に、薬価制度についてお伺いしたいと思います。 抜本改革に向けた基本方針が示されました。収載時の予想販売額が短期間で五十倍以上になった、こういう例があって、状況変化への対応を含む適時適切な見直しを図るものと理解をしております。 しかし、これまでにも薬価制度については、くるくる変わり過ぎると対応ロスが大きいんだといったような指摘もありましたし、加えて、今般の改革によって創薬環境が萎縮することにならないか、少し心配をしております。 メーカーでは、一般的に売上げの二割をRアンドDに投じると聞いています。年間五兆円の売上げのある企業ですと、研究開発に一兆円が投じられている。しかし、がんや難病など希少疾病の治療薬、バイオ医薬品は容易に開発できるものではありませんし、実際に生産、販売、収益につながる新薬を創出できる確率は極めて低い、このことは皆分かっていると思います。企業が競争環境を維持し、開発投資を続けるマインドセットがとても重要だと思います。悪影響を及ぼさないようしっかり対応していただけますでしょうか。
○政府参考人(鈴木康裕君) 薬価制度の見直しと製薬企業の創薬意欲についてお尋ねがございました。 御指摘のとおり、薬価制度の抜本改革を検討していくに当たりましては、製薬企業の創薬意欲が萎縮しないよう革新的新薬創出のイノベーションにもきちんと配慮をしつつ制度設計をしていくことが極めて重要というふうに思っております。 昨年十二月に取りまとめました基本方針におきましては、新薬創出の加算制度をゼロベースで抜本的に見直すとともに、費用対効果の高い薬には薬価を引き上げることも含めて費用対効果を本格的に導入することなどによりまして、真に有効な医薬品を適切に見極めてイノベーションを評価し、研究開発投資の促進を図るということにしております。 また、薬価の制度の抜本改革と併せまして、我が国の製薬産業につきまして、長期収載品に依存するモデルから、より高い創薬力を持つ産業構造に転換するために、革新的バイオ医薬品等の研究開発支援方策等の拡充を検討することとしております。具体的な中身につきましては、現在、中医協において検討中でございますけれども、製薬企業にとっての予見性にきちんと配慮をしつつ、関係者の意見をよく聞きながら検討してまいりたいというふうに思います。
○高階恵美子君 先日、女性活躍加速のための重点方針原案が示されまして、この中でパスポートへの旧姓併記が示されました。 内閣府においては、各分野の旧姓使用の状況をどのように把握しておられますか。また、今後の拡大方策について御説明をください。
○政府参考人(大塚幸寛君) お答えいたします。 昨年五月に策定をいたしました女性活躍加速のための重点方針二〇一六におきまして、まず旧姓の通称としての使用の拡大が盛り込まれたことを踏まえまして、内閣府におきまして通称使用の状況等を調査を行ったところでございます。その結果、例えば各種国家資格制度の場合におきましては、例えば、弁護士等は職能団体への届出等によりまして職務上旧姓を使用することが可能であること、建築士につきましては国土交通大臣への申請等により免許証への旧姓併記が可能となっていること、医師や薬剤師、看護師等につきましては書換え交付の申請をしないことで旧姓の免許証を使い続けることができることといったような現状でございました。 また、公的証明書類に関しましては、例えばマイナンバーカード等の旧姓併記、これは現在、総務省におきましてシステム改修を進めており、パスポートにつきましても、現在でも必要と認められる場合には旧姓併記が可能でございますが、更にその拡大に向けた取組を検討されていると承知をしておりまして、議員お話のありました重点の二〇一七にどう盛り込むか、今関係省庁と調整中でございますが、とにかく、今後とも、働きたい女性が不便さを感じたり、あるいは働く意欲が阻害されることのないように、旧姓の通称としての使用の拡大に引き続き取り組んでまいりたいと考えております。
○高階恵美子君 医療職の国家資格についてもいろいろ議論があります。免許の書換え義務がないとはいえ、特に女性医師で、保険医登録や県境を越えての異動、あるいは留学の前後など、不都合が多いと聞いています。対応策を御検討いただけないでしょうか。
○政府参考人(神田裕二君) 医療従事者におけます旧姓使用に係る取組についてでございますけれども、例えば、医師につきましては、婚姻によって姓を改めた場合には医療法の施行令に基づきまして医籍の訂正を申請しなければならないというふうにされておりますけれども、免許証につきましては、同じ施行令で氏名の変更に伴う免許証の書換えは義務付けられていないことから、旧姓の免許証をそのまま使用することができることとなってございます。 また、保険医の旧姓使用につきましては、氏名に変更が生じた場合にはやはり地方厚生局に届け出なければならないというふうにされておりますけれども、保険医の登録票は保険医が婚姻により姓が変更された場合でも旧姓のまま使用を続けることが可能というふうになってございます。 先生御指摘のようなケースも含めまして、今後とも旧姓使用について円滑な運用が可能となるように適切に対応していきたいというふうに考えております。
○高階恵美子君 是非よろしくお願いします。特に、研究業績を積み重ねていくときとか、異動だけではなくて、いろいろな形で旧姓の使用という道を希望される方が多うございますので、旧姓併記という方法、現実的には使い得るんだろうと思うんです。データベースの修正なども含めまして、積極的に検討いただければ有り難いなと思います。 最後になりますけれども、私からもたばこ対策について少しお話をさせていただければと思います。 公衆衛生分野では喫煙は緩慢なる自殺と教わってきました。今や、たばこが人々の健康に有害であることは常識となってまいりました。これは世界共通の理解だと思います。国内の研究でも、喫煙による経済損失総額、これ年に六兆四千億程度と推計されています。 先ほど、一年間に亡くなる方について三原議員からも指摘がありましたけれども、たばこ税収について改めて見てまいりますと、これが総額でおよそ二兆四千億円程度、しかも、たばこによる健康被害の補償、あるいは経済損失を補填するというところにこれらの税収が使われているわけではない、このことを考えますと、たばこ被害による社会経済的な損失というのは極めて甚大だと思うんです。それを補い得るだけの何を用意することができるのかという点では、これ、たばこ対策は政府全体の大きな課題だと思います。 そもそも、受動喫煙の防止にとどまらず、禁煙教育などの喫煙防止対策、それから喫煙に由来する超過医療費、超過介護費の取扱いをどうするか、たばこ税の在り方、安全な製造たばこ等の研究開発インセンティブ付与、こういった様々な面から総合的に考えていく、こういう位置付けで取り組まなければいけないと思います。この捉え方でまいりますと、社会保障制度改革を進める上でも中軸に据えてこの課題に当たらなければいけない、そういうものだと私は理解をしています。 しかし、健康被害の防止というところに焦点を当てたときには、少なくとも、通常の社会生活において国民が不本意に製造たばこの喫煙で生じる有害物質にさらされる危険をなくす、つまり実効性の高い受動喫煙防止対策を講じること、これは喫緊の課題であって、その政策を中心になってつくり上げていく、それが厚生労働省のとても大きな役割だと思うんです。相当な決意で、覚悟で臨んでいただき、結果を出していただかないといけない。これは、オリンピックがやってくるからということではなくて、一刻も早くということだと思うんです。 これからのたばこ対策と目前の今やらなければいけない受動喫煙防止対策について、しっかりと考えをお示しいただければと思います。時間をどうぞ使っていただきたいと思います。
○政府参考人(福島靖正君) 厚生労働省におきましては、国民の健康を守る、こういう立場から、たばこ対策、受動喫煙防止対策に取り組んでおるわけでございます。 国内外の科学的知見からは、喫煙や受動喫煙による様々な疾患のリスク、これが高まることはもう明らかであるということでございまして、例えば、先ほど三原委員からも御紹介がありましたけれども、昨年、国立がん研究センターの研究班によりまして、受動喫煙により非喫煙者の肺がんリスクは約三割上昇すること、また、肺がん、虚血性心疾患、脳卒中で死亡する方は受動喫煙によるリスクがなければ年間で約一万五千人超少なかったと、こういう推計もされておるわけでございます。 私ども、今現在、厚生労働省では、科学的知見を踏まえまして、健康日本21、第二次におきましては、成人喫煙率を減少させること、そして未成年者の喫煙をなくすこと、妊娠中の喫煙をなくすこと、受動喫煙の機会を有する方の割合を低下させること、この四つを喫煙に関する目標として掲げて関連の施策を進めております。 私どもとしては、引き続き、国民の健康を守る、こういう立場から、たばこの健康影響などに関し科学的知見の収集を行うとともに、他省庁ともしっかり連携しながら、国民の皆様へ啓発を行い、受動喫煙などのたばこ対策にしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
○高階恵美子君 本当は大臣にお答えいただく必要があるのかもしれませんが、いろいろ多分アイデアを練っておられると思うので、またの機会にした方がよろしいでしょうか。 今日は、私は、命には終わりがあるのだということ、そしてその命をいかに輝かせるのか、生涯を通じてその人らしさを発揮していくためにどういう環境を整えることが必要なのかということを考えたときに、各段階においてでき得ることをすることができるような情報提供、知識の普及ということも非常に大事で、予防的な行動をみんなで取れるような社会的な取組というのが必要なんだということを話をさせていただきました。 そういうことを考えてまいりますと、今話題となっているこの受動喫煙対策というのは、これからの未来をつくるために私たちが今正面から向き合わなければならない課題だというふうに思いますので、またみんなで知恵を出し合って頑張っていければと思います。 ありがとうございました。
○足立信也君 足立信也です。 自民党本部の中の話じゃないので、というか反対側の人の意見も聞きたいなという気がしてきました。何か一様な感じがして、どうも報道と大分違うなという感じが受けましたので、一言申し上げます。 参議院でだけ年に一回、臓器移植の実施状況が報告されます。今日それがあったわけです。ですから、今、日本移植学会、江川理事長も湯沢副理事長も私同期ですので、今日はちょっと臓器移植のことだけ短時間で質問したいと思います。 まず、E型肝炎です。皆さん、E型肝炎って余り御存じないと思いますが、ウイルス感染で、口からの感染で、慢性化しないと言われておったんですけれども、私の出身医局、筑波大ですけれども、そこの大河内教授の調査で、全国二千人の腎臓移植を受けた方の調査で、九人からE型肝炎のウイルスを検出したと、で、三人が慢性化していたという発表がありました。チームの担当者の大城講師と話をちょっとしたんですけれども、当然のことながら、慢性化するということは将来肝硬変、肝がんの可能性があると。しかも、慢性化しないと言われていたのがどうも慢性化しているというこの状況は、臓器移植を推進する立場としてはやはり見過ごすわけにはいかない状況だと思います。 なので、健康局長に、まずは臓器移植後のE型肝炎の現時点の調査と、今後どういう方針で臨むかについてお聞きしたいと思います。
○政府参考人(福島靖正君) お答えいたします。 平成二十七年度から実施されております日本医療研究開発機構による研究事業、心・腎移植患者におけるE型肝炎ウイルス肝炎の全国実態調査、今御紹介のあった筑波大学の大河内先生が班長の研究班でございますが、ここが行った全国調査の中間報告によりますと、感染経路は不明でございますけれども、腎臓移植後患者及び心臓移植後患者において、E型肝炎のウイルス陽性率及びIgG抗体陽性率は一般人口よりも高いということが報告をされております。特に、腎移植につきましては九例で現行感染が同定されておりますが、そのうち三例がウイルス血症六か月以上持続ということで慢性化しているということでございます。今後、この研究班では移植学会とも連携して、心・腎移植におきますE型肝炎ウイルスの感染率、慢性化率について更なる追跡調査を行うということを承知をしております。 厚生労働省といたしましては、今年の一月十日でございますが、日本移植学会、日本臨床腎移植学会、日本心臓移植研究会に対しましてこの研究結果を伝えて注意喚起を行ったところでございますけれども、引き続き研究の状況を注視し、必要に応じて医療現場に情報提供するなど、適切な対応に努めてまいりたいと考えております。
○足立信也君 一般人よりも高いと今おっしゃいましたが、これの調査だと三十倍ですよね、かなり高い。 それから、この医局はずっと移植に関わっているわけですけど、私も一九八四年、日本で初めての膵・腎同時移植、手術に入っておりましたので、ここを、先ほど言いましたけど、推進する立場としては、やはり調査が最も大事ですし、対応も考えてほしいと思います。 そこで、どうして、どうやって臓器移植を推進するか。一番大事なのはやっぱり意思表示カードだと思うんですね。その件と、後で質問しますけれども、せっかく提供する意思があるのに臓器提供施設に搬送されないと、この問題が最初から非常に大きかったわけです。この二点についてお聞きします。 私、政務官室で担当者と、今、意思表示カード、これ鉛筆なめなめ書きました。自分で言うのもなんですが非常によくできたと思っていまして、かなりシンプルです。脳死でも心臓死でも移植をするか、あるいは心臓死だけするか、臓器を提供しないか、提供する場合でも、これはしてほしくないという臓器にバツを付けると。非常にシンプルなんですが、臓器提供施設というのは限られます、三条件等々ありますから。これ、報告書を見ると、どうなんでしょう、臓器提供施設というのは増えているんでしょうか、増えていないんでしょうか。私は余り増えなくてもいいとは思っているんですけれども、いかがなんでしょう。
○政府参考人(福島靖正君) 臓器移植に関する法律の運用に関する指針、ガイドラインに基づきまして、臓器移植を行う施設は、適正な脳死判定を行い、救急医療などの関連分野において高度の医療を行う必要があることから、五つの類型の施設に限られております。 二十九年三月三十一日現在では、臓器移植提供が行われる施設は四百三十五施設で、五年前に比べますと三十五施設増えております。また、十八歳未満の方からの臓器移植提供を行うための必要な体制を整えている施設は二百六十九施設でございまして、五年間で五十五施設増となっております。
○足立信也君 私がそんなに増える必要ないと申し上げたのは、これ定着してほしいんですよね、この施設は臓器提供が可能な施設なんだと。そこであれば搬送がよりスムーズに進むと思いますしね。 そこで、お聞きしたいのは、今、免許証にも保険証にも裏にこの意思表示カードが付いていますね。実際、意識がないような患者さんに、救急救命士等が行きます、それで身元を確認するためにも免許証や保険証は可能な限り見ると思うんですね。そこで、もしここで臓器提供したいという意思が表示がされていた場合に、臓器提供施設に優先的に搬送されるのかどうか、実態はどうなんでしょう。
○政府参考人(猿渡知之君) お答え申し上げます。 傷病者の搬送につきましては、都道府県ごとに消防機関と医療機関から成る協議会の意見を聞きまして、傷病者の搬送等に係る実施基準が定められておりまして、緊急性や専門性等を踏まえて定められた医療機関のリスト等に基づき、専ら当該傷病者の救命を主眼として搬送しているという格好でございますので、御質問のようなものについては把握をしておらないということであります。
○足立信也君 把握していないんですよ。でも、これ、最初から問題だったんですよ。せっかく意思表示しているのに、そして搬送された病院で臓器提供したいとおっしゃっても、ここはできないんですと。 これはやっぱりよくないと思いますんで、福島局長、実態把握していませんという答えだろうと思ったので、でも、これ臓器移植を所管している厚生労働省健康局はこの問題をしっかりやらなきゃ駄目ですよ。だから、これ、ここの部分は通告していませんけれども、福島さん、せっかく意思表示があるのに行った先は提供できない、これはやっぱりまずい。そして、身元確認に免許証とか保険証やっぱり見るんですよ。だから、この点については総務省にお任せではなくて、厚生労働省としてしっかり取り組んだ方がいいですよ。その点についてはいかがでしょう。最後の質問です。
○政府参考人(福島靖正君) 今御指摘のその脳死判定の対象となるような患者で意思表示カードを持っている患者が臓器提供できない施設に搬送されている状況があるというふうに考えています。 実際、臓器提供実施できた場合は六十四事例、脳死下の臓器提供六十四事例のうち十二例が健康保険証、運転免許証で確認されておりますけれども、それ以外の判定できない、臓器提供できない施設に搬送されているという状況については私ども把握をしておりませんが、今後、どういう把握ができるか、どういう施設でその意思表示、なかなかその意思表示をそういう施設では確認する必要がないために私ども手元にデータございませんけれども、どういう把握ができるか、今回の御質問の趣旨も踏まえまして、救急医学会ともどういう調査ができるか可能性についても検討してまいりたいと考えております。
○足立信也君 これで終わりますけれども、そうなんです、臓器提供できない施設に運ばれたら意思表示の確認もしないんですよ。そこがやはり大きな問題なので、今おっしゃったように、ここはしっかり取り組んでいただきたいと、そう申し上げて、質問を終わります。
○川田龍平君 川田龍平です。 今日は一般質疑させていただきますが、大臣には、実は先週金曜日に通告をした際に、大臣への通告は極力少なくしました。それは、先週から言っているように、やはり受動喫煙の問題に大臣にはしっかり取り組んでいただきたいという思いを込めて、大臣には余り質疑していませんので、通告していませんので、先ほど誰も聞かなかったので聞こうかなと思うんですが、時間があったら是非受動喫煙の問題についても大臣から意見を求めたいと思いますので、考えておいてください。 質問に入ります。先般より取り上げさせていただいていますバイエル薬品の抗凝固薬イグザレルト問題で、先週末、新たな展開がありましたので、急遽質問させていただきます。簡潔な答弁をお願いいたします。 問題となっている患者調査は、競合他社の苦情申立てに対して、バイエル社が臨床研究だと回答しているようですが、厚労省はまだこれを臨床研究と認めないのでしょうか。
○政府参考人(神田裕二君) 議員御指摘は、今回問題となっているアンケート調査について、バイエル社が他社からの問合せに対して臨床研究である趣旨回答したという報道に関するものと考えられますけれども、報道にあった患者調査は今回問題となっているアンケート調査とは別の調査で、患者の病態に関する理解度、服用や残薬の状況を調べたものであって、臨床研究には該当しないというふうに考えております。 今回問題となっているアンケート調査も、患者に対して好ましい服用回数ですとか剤型について聞くものであって、これも臨床研究には該当しないというふうに考えております。
○川田龍平君 それはバイエル社が言っていることであって、しっかり裏取れているんでしょうか。ちゃんと裏を取っていただきたいと思います。 といいますのは、この五月二十六日、もう一つの坂東先生の論文というのは、これは臨床研究と認めるわけですね。
○政府参考人(神田裕二君) この坂東教授の調査というものは、これは医師が患者の服薬状況等について患者から聞き取りを行ったと。病態や治療薬についての認識ですとか、服用の状況、残薬の状況等の聞き取りを行ったというものであって、いわゆる臨床研究というものには該当しないというふうに考えております。あくまでも医療を受けている患者さんに対する聞き取り等で確認を行っているというものでありますので、医療を行うことによって有効性、安全性等を確認するとかそういった臨床研究には該当しないものというふうに考えております。
○川田龍平君 競合他社には臨床研究と言っていて、厚労省には臨床研究とは言わない、そういう二重の舌を使っているわけですので。 五月二十六日にバイエル社は、この患者調査で判明した副作用十二例が報告漏れだったとの発表を行いました。その中に七例の重篤例があるとの報道がありますが、その七例とはどのような症状でしょうか。
○政府参考人(武田俊彦君) バイエル薬品株式会社が五月二十六日に公表したイグザレルト錠の副作用報告遅延症例十二例のうち、企業が重篤として評価した症例としては、今御指摘のありました七例でございます。その七例の症例につきましては、皮下出血などの副作用として報告を受けているところでございます。
○川田龍平君 確認ですけれども、この出血というのはこの薬の副作用ということですね。
○政府参考人(武田俊彦君) このイグザレルトの副作用ということで報告を提出しているものでございます。
○川田龍平君 この問題については、臨床研究法を通した責任として引き続き取り上げていきたいと思います。 次に、AYA世代のがん患者への学習支援について、十五歳から三十歳前後の思春期、若年成人のAYA世代、いわゆるAYA世代のがん患者に対する学習支援について伺います。 小児がんの治療研究が進む中で、いわゆる小児がんサバイバーの方々の教育ニーズが高まっています。私は先日、小児がんのサバイバーである中学三年生の女子から、長期入院の高校生の学びについて要望書をいただきました。 昨年十月に、厚労科研費研究班によるAYA世代のがん対策に関する政策提言が出ています。この中に教育についての提言がありますが、厚労省はどのような取組を行っていますでしょうか。
○政府参考人(福島靖正君) 今の委員御指摘の厚労科研研究班の政策提言でございますけれども、現在、がん対策推進協議会におきまして第三期がん対策推進基本計画の策定に向けた議論を行っていただいておりまして、この政策提言につきましても、昨年の九月三十日の第六十回の協議会におきましてこの研究班の班員の方から説明をいただきました。 協議会の中での議論では、小児、AYA世代のがん患者は、その年代によって就学、就労、妊娠などの状況が異なることから、様々な多様なニーズを踏まえた診療支援や教育支援、就労支援を行う必要があるということで認識は一致しております。 今後、これらの議論を踏まえましてがん対策推進基本計画取りまとめを行いまして、この第三期の基本計画に基づいて、AYA世代を含め、小児や高齢者まで個々のがんの種類やライフステージに応じた多様なニーズを踏まえた施策の実施に取り組んでまいりたいと考えております。
○川田龍平君 文科省に伺いますが、高校の院内学級について、小中学校の院内学級は一定程度整備が進んでいるようですが、高校の院内学級については全国的にどのくらい設置されていますでしょうか。
○政府参考人(白間竜一郎君) お答え申し上げます。 高等学校段階の数字についてお尋ねがございました。 病弱児を対象とした高等部のある特別支援学校のうち、その本校、分校、分教室、これが病院内又は病院と隣接して設置されている、こういったものが四十一都道府県、六十六校に存在をしているというふうに認識をしています。 そのうち、在籍している生徒の個々の病名については把握ができておりませんけれども、小児がん患者を含めました長期入院中の高等学校段階の生徒の教育の状況につきましては、これは引き続き現状そして課題の把握を努めてまいりたいと考えております。
○川田龍平君 是非、そのうちの小児がんサバイバーが利用できる院内学級どれくらいあるかということも引き続き調べていただきたいと思いますが。 手紙をいただいたこの方が入院している都立小児総合医療センターというところでは、高校の院内学級がないそうです。都内には、小児がんサバイバーの方が通う院内学級というのはありますでしょうか。
○政府参考人(白間竜一郎君) お答え申し上げます。 今先生の御指摘の東京都内の個々の状況については、申し訳ございません、今現状を把握できておりませんので、把握に努めたいと思います。
○川田龍平君 東京都の方では、受け入れているところもあるんですけれども、受け入れられないところもあるということで、ひずみがあるということなんですね。やっぱり是非これしっかり調べていただきたいと思います。 院内学級のほかに訪問学級という制度もありますが、訪問学級だけでは卒業に十分な単位が取れない仕組みになっているとのことですが、事実でしょうか。
○政府参考人(白間竜一郎君) お答え申し上げます。 個々の生徒さんの状況については今把握できておりませんが、先生御指摘のように、訪問学級だけで十分な学習ができないということで、卒業に、認定に至らないというようなケースは考えられるのではないかと思います。
○川田龍平君 そうすると、この女子生徒のような、どのようにして高校を卒業することができるのかと。文科省では遠隔教育の制度化というのを進めているとのことですが、その実施状況と、これによっても卒業に必要な単位が取れない、つまり、修了要件に利用上限を設定していることについてどのような認識をお持ちでしょうか。
○政府参考人(白間竜一郎君) お答え申し上げます。 遠隔教育につきましては、特に特別支援学校の高等部において制度化をしてきているということでございますけれども、上限としまして卒業単位の二分の一程度ということで設定をしておりますのは、これ教育におきましてはできる限り対面で教員と生徒との指導、交流の中で育まれていくのが望ましいということで、こういった制度になっているというふうに認識しております。
○川田龍平君 この対面の授業が不可欠という文科省の主張には分からなくはないんですけれども、この中学三年生のニーズには応えられていないのも事実です。是非、厚労省と文科省両省連携して、この子たちの願いというのを是非かなえていただきたいと思います。 特にこのAYA世代のがん患者は、数が少なく、思春期で心身共に不安定なために、長期入院によって孤立感を募らせやすいと。高校という居場所が精神的な支えになることが、留年をすると自分だけ取り残されたという思いが更に強まるということになってきてしまいます。 この厚労省の政策提言の中にもありますけれども、ほかの国では、AYAの治療成績の改善が不良であるということで、その背景にはAYA特有の心理・社会的要因も関係していることを踏まえて、心理・社会的要因を考慮したAYAがん対策が講じられているということから、特に国が遠隔教育の活用の推進や単位認定基準の検討を行うということが是非必要なことだと思います。 是非大臣、これ一言いただきたいと思うんですが、こういった意見を踏まえて是非取り上げてやっていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今のやり取り、拝聴しておりましたけれども、やはり教育を受けるべき年代の方々が当然この権利を受けられるように、行使できるように環境整備を整えるということが大変大事であり、この間、M・D・アンダーソンのがんセンターを見ましたが、そこでもしっかり教育ができるようにということで、その現地も見せていただきました。日本でもやっているところが増えてきているとは聞いておりますけれども、まだまだ十分じゃないということが今やり取りで明らかになっているわけでありますから、その点についてもきちっとした配慮がなされるように私ども厚労省としても努力をしたいと、こう思います。
○川田龍平君 ありがとうございます。よろしくお願いします。 この女子は、都に対して副籍制度の導入についても要望をしております。長期入院の高校生が院内学級や訪問学級で学び、退院後は元の在籍校にスムーズに復学できるよう副籍制度を導入すべきではないかと思いますが、いかがお考えでしょうか。文科省、また全国の導入状況についても教えてください。
○政府参考人(白間竜一郎君) お答え申し上げます。 この副籍制度、御指摘の副籍制度でございますけれども、特別支援学校と地域の小中学校、こことの交流、また共同学習、こういったことを進める上で、児童生徒がその地域の学校にも副次的に籍を置くと、こういった取組だというふうに認識をしています。一部の自治体で行っているものと承知をしておりまして、すべからく把握はできておりませんけれども、例えば横浜、東京等で実施をされているというのは承知をしております。 文部科学省としても、こういった地域とのつながりを維持する上で非常に意義のある取組だというふうに認識をしておりまして、こうした取組を今後周知をしてまいり、こういうことを通じて長期入院中の生徒がスムーズに継続して学ぶことができるように、そういった方向で進めてまいりたいと考えております。
○川田龍平君 私は十歳のときに感染の告知を受けて、自分も治療をしてきた、勉強というのは余りしなかったんですけれども、自分は長く生きられないと思っていたから勉強しなかったところもあるんですが、でも、やっぱり未来に希望を持てなければ元気になることもなかなかできなかったというのが自分の実感でもあります。やっぱり、希望を持って将来を考えられてこそ病気が改善していくということも絶対あると思いますので、是非そういう意味で、こういった若い世代に対する治療とそれから教育というもので、未来にちゃんと希望が持てるような体制整備をしっかりしていただきたいというふうに思います。 次に、障害者雇用について伺います。 同僚の石橋委員が中心になって取り組んでいる障害者の雇用、就労の在り方に関する共同勉強会という超党派の勉強会において、雇用率の対象以下の零細企業の相当数はハローワークと接点がなく、各種助成金の存在を知らないとの話がありました。従来からの方法や発想を超えて、様々な機会を捉えて周知を図り、零細企業での各種助成金の利用を促進すべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(生田正之君) お答えいたします。 雇用関係助成金を含む障害者雇用に係る各種施策につきましては、全国の労働局、ハローワークにおきましてリーフレット等を配付するとともに、事業主向けセミナーを行って、法定雇用率の対象とならない五十人未満の企業を含め、中小企業の事業主の皆様に適切に周知されるよう努めてございます。加えまして、日常的にハローワークを利用していない、あるいはセミナー等の参加が難しい事業主の方もおられることから、厚生労働省ホームページ、メールマガジン、最近はSNSなどの各種媒体を周知に活用したり、あるいは全国で約千回実施しておりました障害者雇用における差別禁止あるいは合理的配慮に係る説明会のような新たな施策等の説明の場を活用して制度を案内するといったことなどによる周知を行っております。 今後も、委員御指摘のように、周知方法の工夫というのは非常に大事だと思っておりますので、いろんな方法を検討しまして、様々な機会を活用して、より効果的な周知を努め、適切に情報が届くようにしていきたいと考えてございます。
○川田龍平君 これ随分前にレクしてもらったんですけれども、是非、私、提案そのときしたのは、零細企業がお付き合いのある銀行ですとか信用金庫、信用組合、そういったところでやっぱりちゃんと知っている人たちがいれば、そこから企業にちゃんと情報提供される場合もありますので、直接ということだけではなく、間接的にこういったことが広まるような方策というものも是非考えていただければと思います。 次に、三月二十八日に決定された働き方改革実行計画では障害者等の希望や能力を生かした就労支援の推進が盛り込まれていますが、現実には、賃金や雇用形態等の面で障害のない労働者との間に著しい格差が指摘されていることも周知の事実です。 ILOのディーセントワークは人間らしい尊厳ある働き方と訳され、日本政府もこれに同調していると理解してよいでしょうか。また、障害者権利条約は第二十七条で、あらゆる形態の雇用に係る全ての事項に関し、障害に基づく差別を禁止しています。今般の働き方改革の議論においては、賃金や雇用形態等の格差の解消に向けて、こうした世界の潮流の観点からどの程度議論が行われ、計画のどこにどう反映されたのでしょうか。
○政府参考人(小林洋司君) お答えいたします。 ディーセントワークにつきましては、私どもは働きがいのある人間らしい仕事というふうに訳しております。政府といたしましては、その考え方の普及に努めるとともに、障害者対策も含めまして、様々な雇用労働政策を推進することでディーセントワークの実現に努めているところでございます。 また、御指摘の障害者権利条約第二十七条、あらゆる形態の雇用について障害に基づく差別を禁止しているわけでございますが、これも非常に重要な論点であるというふうに認識をしております。 その上で、働き方改革実現会議におきましてでございますが、障害ある方が希望や能力に応じて活躍できることが普通になる社会を目指して関係者が一丸となって取組を強化しようという、主に活躍の場を広げようという観点からの議論が行われたところでございます。こうした議論を受けまして、実行計画におきましては、障害者雇用ゼロ企業を減らす、障害特性や希望に応じて修学から就労までの一貫した支援を行う、在宅就業等を促進していく等の取組が盛り込まれたところでございます。
○川田龍平君 是非しっかりこの計画に盛り込んで反映していただきたいと思います。 また、計画では、多様な障害特性に対応した障害者雇用の促進、職場定着支援を進めるための有識者による会議の場を設置し、障害者雇用に係る制度の在り方について幅広く検討を行うとありますが、ここには日本の障害のある人の働き方の一つとして大きな役割を果たしている福祉的就労というのも含まれるんでしょうか。
○政府参考人(小林洋司君) お答えいたします。 実行計画におきましては、御指摘のように、有識者による会議の場を設置し、障害者雇用に係る制度の在り方について幅広く検討を行うということが盛り込まれております。ただ、現時点でこの文言以上のものを持ち合わせているわけではございません。福祉的就労につきましては、ここでは明示的には掲げられていないところでございます。 この具体的な検討の範囲あるいは内容というのをどうしていくかにつきましては、今後、厚生労働省の方で検討がなされるものと認識をしております。
○川田龍平君 ということで厚労省に振られたわけですけれども、福祉的就労をめぐっては、最低賃金が適用されないといったことや、労働法による保護を受けることができないなど、一般雇用との二重構造の問題が長年指摘をされています。しかし、障害者権利委員会への日本政府からの報告書において、条約第二十七条についての項目では福祉的就労について全く触れられていません。このことについて障害団体から疑問の声も上がっています。 ディーセントワークの理念は、福祉的就労の場においても当然反映されるべきと考えますが、御見解を伺います。また、条約を批准した日本として、条約第二十七条に照らして、福祉的就労をどのように位置付け、どのように改善、改革しようとしているのか、その方向性も、三の四と三の五を併せて伺います。
○政府参考人(堀江裕君) ディーセントワークでございますけれども、お答えございましたように、企業における就労のみならず福祉的就労においても重視されるべきものだというふうに考えてございます。 障害者総合支援法において、障害のある方本人の特性、希望、能力に応じまして、就労移行支援事業といたしまして、一般就労を希望する方に対しまして訓練等を通じた一般企業への移行を推進するほか、就労継続支援事業、いわゆるA型とかB型というものでございますけれども、福祉的就労が望ましい方に対して、その方の障害特性に応じた支援を受けながら、やりがいを感じられる適切な就労の機会を提供するといったサービスを提供してございまして、これらはディーセントワークの趣旨に沿ったものと考えてございまして、今後とも、一般企業における雇用のみならず、福祉的就労においても障害のある方にとって働きがいのある就労を実現するよう努力してまいりたいと考えているところでございます。 二十七条と照らしてということでございますけれども、厚生労働省としては、働く意欲のある障害のある方の特性、希望、能力に応じまして就労を通じた社会参加が可能になりますよう、支援法における福祉的就労として就労移行支援、就労継続支援を提供していて、これが二十七条の障害者が自由に選択し又は労働によって生計を立てる機会を有するとする障害者権利条約の趣旨に沿ったものと考えてございます。 こうしたサービスにつきまして、今後、平成三十年度には報酬改定が予定されているところでございまして、一般企業への移行率あるいは平均工賃等の実績に応じためり張りの利いた報酬、一方で、障害の程度の重い方については就労継続が着実に図られるようにすること、こうしたことを、障害者にとってより望ましい就労を実現できるようにという観点から、障害者団体などの関係者とも議論を行って進めていきたいというふうに考えているところでございます。
○川田龍平君 先日の勉強会では、当事者、事業者の立場から、新たな働き方の可能性としてITを活用した在宅就労が挙げられました。その際の課題として、就労時には公的ヘルパー制度が利用できないという問題が提起されました。現行制度では、事業所への報酬と二重給付となってしまうために利用できないとのことですが、来年の報酬改定においてどのような方向で解決しようとしているのでしょうか。
○政府参考人(堀江裕君) 御指摘のとおり、ICTの機器の普及によりまして、障害のある方の在宅就労の機会は着実に増えつつあるという認識はございます。これを支援し、推進していくことが重要であるとの認識もございます。 現状におきまして、就労系福祉サービスを在宅で利用することは言わば例外的な扱いとなっておりまして、他の居宅介護等との二重給付あるいは併給というのが認められない取扱いとされているところでございますけれども、障害者の在宅就労を更に促進させるために、御指摘のように、在宅で生活の援助が必要な方々にどのような対応が適当か、また二重給付ということを避けるためにどのような対応が必要か、こうしたことを次期報酬改定に向けまして、障害福祉サービス等報酬改定検討チームにおける議論も踏まえまして、関係者の御意見もお聞きしながら検討していきたいというふうに考えてございます。
○川田龍平君 是非しっかりやっていただきたいと思います。 次に、障害福祉と介護保険の関係について、介護保険法は通ってしまいましたが、以降、今後の施行状況に関して伺います。 共生型サービス事業所の指定基準について、低い方に合わせて質が低下するのではないかという懸念を払拭するために、障害、介護それぞれの基準の高い方に合わせて設定するべきと考えますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(蒲原基道君) お答え申し上げます。 共生型サービスにつきましては、障害のある方が介護保険の被保険者となった際に使い慣れた障害福祉サービス事業所を利用できなくなるケースがあり、社会保障審議会障害者部会におきまして見直すべきとの意見が出されたことを踏まえまして、引き続き同じ事業所においてサービスを利用しやすくするために、今般の地域包括ケア強化法案に盛り込みまして、五月二十六日に成立いただいたということでございます。 この共生型サービスの具体的な基準の設定に当たりましては、サービスの量や質の確保に十分留意する必要があるというふうに考えております。この点につきましては、参議院の厚生労働委員会におけます地域包括ケア強化法案に対する附帯決議にも盛り込まれておりまして、これに加えまして、先ほど申しました、引き続き同じ事業所においてサービスを利用しやすくするという障害者部会の御意見等を踏まえまして、関係する審議会などにおいて適切に検討していきたいと、このように考えております。
○川田龍平君 しっかりやっていただきたいと思いますが、今まで慣れ親しんだ介助者が、利用者が六十五歳になった途端に派遣できなくなってしまう、いわゆる六十五歳問題に関しても伺います。 問題は、この事業所が介護保険の指定を取れていないことではないと思います。障害者のホームヘルプサービスにおいて日常的に長時間介護を必要としている障害者の多くは重度訪問介護サービスの支給決定を受けており、この重訪に従事するヘルパーは二十時間の重度訪問介護従業者養成研修、いわゆる重訪資格しか持っていないという方が少なくないと聞いています。 人材不足を解消するために、この重訪資格だけでも介護保険サービスを提供できるよう、資格要件の緩和を行うべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(蒲原基道君) 共生型サービス全体の施行につきましては、平成三十年四月一日の予定でございます。さきに申し上げましたとおり、従業員の方の資格要件を含めた具体的基準については、これは一方でやはりサービスの質を確保するということに十分留意をして設定される必要があるというふうに考えておりまして、関係する審議会などにおいてしっかりと検討してまいりたいというふうに考えております。
○川田龍平君 そして、六十五歳問題のもう一つの大きな問題点は、六十四歳までは問題なく利用できたサービスが介護保険になった途端に受けられなくなることです。例えば、電球や蛍光灯の取替え、草木への水やり、お客へのお茶出し、庭の掃除や草取りなどの多岐にわたりますが、自治体の担当者から、六十五歳になったら介護保険になり、どうせ利用が制限されるのだから、今から慣れておきましょうと言われて、六十四歳の時点で支給量を減らされたという人もいるようです。 今回の共生型サービスの創設は、こうした六十五歳問題の解決策になり得るのでしょうか。なるとすれば、具体的にどのような運用により解決されるのでしょうか。
○政府参考人(蒲原基道君) お答え申し上げます。 まず、介護保険制度におけます訪問介護について、これの範囲については、制度創設時に、関係審議会の議論を踏まえまして、日常生活上の世話に対し保険給付をするということになっているところでございます。その際、一方で、御指摘の来客時の応接など、そうしたものは直接本人への援助ではございませんし、また、大掃除なども日常生活の援助には該当しない行為であるということから、いずれも介護保険においては保険給付の対象とはしていないということでございます。こうした対象範囲の変更については、介護保険財政への影響などを踏まえて慎重な検討が必要であるというふうに考えております。 ただ一方で、障害者の方が六十五歳に到達したときに、先生御指摘のように、重度訪問介護サービスを利用されている方について、介護保険サービスにより必要な引き続きの支援が受けられないと市町村が判断した場合には、今度はそれに加えて、障害福祉サービスの側でこれまでのサービスを上乗せ的に引き続き受けることは可能でありまして、共生型サービスの施行に合わせては、このようなことを含めて更なる運用の徹底というのを図ってまいりたいと、このように考えております。
○川田龍平君 是非よろしくお願いします。 訪問系サービスにおける六十五歳問題の根本的な解決のためには、この問題に直面する人の多くが重訪の利用者であることから、重訪、行動援護、同行援護と同様、介護保険にない障害福祉サービス固有のものに切り分けて、六十五歳以降も引き続き介護サービスと併給できるようにすることも、是非先ほどもおっしゃっていただいたようにやっていただきたいと思いますが、これ、いかがでしょうか。
○政府参考人(堀江裕君) 重度訪問介護でございますけど、重度の肢体不自由者などに対しまして、身体介護、洗濯等の家事援助とともに日常生活に生じる様々な介護の事態に対応するための見守り等の支援を提供するサービスということでございまして、少し重なるかもしれませんが、重度訪問介護のうち身体介護などについては、介護保険の訪問介護と基本的に共通するものであって、介護保険の対象となった場合には介護保険サービスを利用していただくことになる一方で、重度訪問介護のうち、例えば社会参加や余暇活動のための移動介護については障害福祉サービス固有のものでございますので、介護保険の対象となる障害者がそのような支援を必要とする場合には、重度訪問介護として移動支援サービスを利用していただくことになるかと思います。 このように、介護保険と障害福祉の重度訪問介護の適切な組合せによりまして利用者が引き続き必要なサービスを受けられるようにしてございまして、引き続きその取扱いにつきまして周知徹底をしてまいりたいというふうに考えてございます。
○川田龍平君 それでは、六十五歳以上の障害者に共生型サービスの利用を義務付けるようなことはないでしょうか。また、この若年障害サービスの利用者が、既存の障害福祉サービスの利用を制限されて、共生型サービスの利用を強制されるということもないでしょうか。
○政府参考人(堀江裕君) 六十五歳以上の障害者について、介護保険の被保険者となった際に、これまで通い慣れたなじみの事業所でサービスを利用しやすくするために今回共生型サービスを創設されたものでございまして、共生型サービスを利用するか否かは利用者自身に御判断いただくものでございまして、共生型サービス創設後も、六十五歳以上の障害者に共生型サービスの利用を義務付けるようなことはございません。また、若年の若い障害者につきましても、市町村において、利用者の希望にも十分配慮した上で適切な支援が受けられるよう支給決定いただくものでございまして、現行の障害福祉サービスの利用を制限して新設の共生型サービスの利用を強制するようなことはございません。 なお、市町村による支給決定を受けた上でどの事業所を利用するかは障害者本人が選択して契約するものでございまして、障害者の意向に反して共生型サービス事業所の利用を強制することもございません。
○川田龍平君 この共生型サービスで、問題の解決にはならず、まだ六十五歳問題というのは残るということをお認めいただき、引き続き解決の方策を検討していただきたいと思います。 次に、我が事・丸ごとの様々な取組、制度を設計する上で、障害者権利条約でいう他の者との平等、及び障害者基本法、差別解消法、総合支援法でうたわれている社会的障壁の除去という理念は、しっかりとこれ織り込まれていると理解してよろしいでしょうか。
○政府参考人(堀江裕君) 厚生労働省では、地域共生社会の実現を基本コンセプトといたしまして、今般成立を見ました地域包括ケアシステム強化のための介護保険法改正を始めとして、様々な改革を進めていくこととしてございます。 この地域共生社会は、制度、分野ごとの縦割り、支え手、受け手という関係を超えて、障害者も含めた地域住民、地域の多様な主体が我が事として参画し、人と人、人と資源が世代や分野を超えて丸ごとつながることで、住民一人一人の暮らしと生きがい、地域とともにつくっていく社会を目指すものでございまして、こうした考え方は議員より御指摘ございました障害者権利条約、障害者基本法、障害者総合支援法、差別解消法に明記されておりまして、全ての者が平等であり、いかなる差別も禁止されること、社会的障壁の除去は実施されるべきものであることといった障害者施策に係る基本理念を大前提として共有しているものだというふうに考えてございます。
○川田龍平君 次に、特養の入居申請において、要介護一、二であっても家族が介護を担えない場合は特例措置の対象となると理解してよいでしょうか。
○政府参考人(蒲原基道君) お答え申し上げます。 特別養護老人ホームにつきましては、平成二十七年の四月から新規の入所者を原則要介護三以上に重点化したところでございます。一方で、それ以前から入所されている方につきましては要介護度にかかわらず引き続き入所することが可能であり、また、要介護一、二の場合でも特例的に入所が認められております。 この特例は幾つかございますけれども、その一つとして、単身世帯である、あるいは同居家族が高齢又は病弱である等によりまして家族等による支援が期待できないなどの事情により在宅生活が困難であると認められる場合、こうした場合については要介護一、二であっても特例的に入所が認められると、このようになってございます。
○川田龍平君 これ、確認ですけれども、家族で介護を担えない場合とは、独り暮らしである場合、また、配偶者がいても利用者と同じく高齢で入院中であったり認知症である場合、あるいは、子世代が同居できるとしても、仕事を辞める介護離職に追い込まれるケースや子育て中でダブルケアになるケースなどが含まれると理解してよいでしょうか。
○政府参考人(蒲原基道君) いずれにいたしましても、これはいろんな状況があって、単身世帯である、あるいは同居家族の状況で、いろんな状況によって家族等による支援が期待できなくて在宅生活が難しいと、こういう状況にある場合について要介護一、二の場合の特例が認められると、こういうことでございます。
○川田龍平君 毎日新聞の調査によると、特例措置で入所できた数は大変少ないのが現状のようです。結局、軽度者も、申請だけは受け付けて、実際には入所できていないというのが実態なのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(蒲原基道君) 先ほども御答弁いたしましたけれども、要介護原則三以上に重点化しつつ、一定の要件に該当すれば要介護一、二であっても特例的に入所できるという仕組みになっているわけでございます。 御指摘の点につきましては、厚生労働省として、特別養護老人ホームにおきまして要介護一、二の方の入所申込手続の徹底を図るということで先般通知を出したところでございます。その通知の中においては、具体的に特例入所の要件、これは先ほどの例のことに加えて、例えば認知症の場合とか四つ事情があるわけですけれども、そうした入所の要件を具体的に記載、チェック項目を入れるような申込様式を作ってもらって、これを使うように周知徹底を図ったところでございます。 申請を受けた後は当該施設ごとに入所に関する検討のための判定委員会を設けておりまして、その合議によりまして、介護の必要の程度あるいは家族等の状況を勘案いたしまして、入所の必要性が高いと認められる者を優先して入所してもらう、入所者を決定するというふうにしていきたいと思っています。 いずれにいたしましても、これは、高齢者の方々が住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるように、施設のみならず在宅サービスも含めまして幅広くサービスを確保することによりまして、必要な方に必要なサービスが提供できるように努めてまいりたいというふうに考えております。
○川田龍平君 ちょっと、大臣、済みません、お聞きしますが、よろしいでしょうか。 しっかりこれ実態を是非把握していただきたいと思います。そして、特養のこの軽度者切り、これが介護離職、それから子育てとのダブルケア疲れ、さらには老老介護による介護殺人などの社会問題を引き起こしているということについてもやっぱりしっかりとこれ実態を把握すべきではないかと思いますが、この特養の問題について、大臣、いかがお考えでしょうか。短くて結構です。
○国務大臣(塩崎恭久君) 四条件を満たしておれば一でも二でも入り得るということでありますが、これを十分徹底していなかったということは私どもも申し上げてきたとおりでありますので、そういった条件に合っている方々で困っている方がおられるかどうかを含めて、よく現場を調べて、その上で更にやることがあればやっていきたいというふうに思います。
○川田龍平君 介護療養病床から介護医療院への転換に伴い、医療、介護全体の費用というのはこれ増えるのでしょうか、若しくは減るのでしょうか。この財政効果の試算というのはしていないのでしょうか、いかがでしょうか。
○政府参考人(蒲原基道君) 介護医療院についてのお問合せでございます。 この介護医療院の基準やそれに伴う報酬などにつきましては、今後、社会保障審議会の介護給付費分科会において審議をお願いして、平成二十九年度末に確定する見込みでございます。 また、介護療養病床から介護医療院への転換につきましては、今後決定されます、今申しました介護医療院の基準だとかあるいは報酬等に基づいて、まさにその介護療養病床を今持たれている経営者の方々が総合的に判断するというものでございますので、現時点では移行の見込みというのはまだ明らかではなくて、そのため、その財政上の影響の見込みについてもお答えすることは今の段階では難しいと、こういう状況でございます。
○川田龍平君 大臣、厚労省として、総費用をこれ減らす方向なのか、それとも増やす方向なのか、どっちを向いてこの新施設を創設するのかだけでもお教えいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) これ何度も申し上げているように、介護保険は、自立を支援をし、そしてまた重度化を防止するという中で、必要なサービスは必要な方々にちゃんと行くということが大事だということで、今回のこの新たな介護医療院という名称で導入する仕組みも、これは決して財政が先にありきでやっているわけではなくて、したがって総費用がどうなるかというのはなかなか今すぐにお答えするのは難しいと思うんですね。 厚労省としては、介護医療院を、入所される長期的な医療と介護のニーズを併せ持つ高齢者に対して、日常的な医学管理、あるいはみとりやターミナルケア等の医療のサービスが不十分でなかなか移転が進まなかったと、移行が進まなかったということを反省しながら、今回、特にこの医療サービスに注目をし、そしてまた日常生活上のお世話、介護サービス、これが一体的に提供されるようなそういう場としての介護医療院というのを考えているわけで、そのような要件が満たされるということが重要なんだろうというふうに考えています。 今後、介護医療院の基準とかあるいは報酬などが今後決まってくるわけで、これは社会保障審議会の介護給付費分科会で議論しますが、それに応じてどういう形になってくるかというのは、ニーズに応じて最終的に決まってくるんだろうと思うので、いずれにしても、今のようないろいろな条件、基準、報酬、そういったことを適切に決めていくということが大事なんだろうというふうに思います。
○川田龍平君 それでは、来年に迫るこの介護報酬改定について伺いたいと思います。 前回、二〇一五年の介護報酬の改定、マイナス二・二七%の算定根拠、これを教えてください。
○政府参考人(蒲原基道君) 平成二十七年度の介護報酬改定については、いろんな様々な状況を総合的に勘案して結果的に、先生御指摘のとおり、マイナス二・二七%の改定を行ったということでございますけれども、その内訳でございます。 少し整理しますと、一つが介護職員処遇改善加算の拡充、これがプラスの一・六五%ございました。また、中重度の要介護者などの方に対します在宅生活を支援するためのサービスの充実、この部分がプラスの〇・五六%でございます。そして、収支状況を踏まえた適正化等がマイナス四・四八%となってございまして、プラスマイナスをいたしますとマイナスの二・二七%と、こういうことでございます。
○川田龍平君 この内訳を積み上げた結果二・二七%になったという説明は、これは事実と反すると思います。もっと引き下げるべきという財務省との折衝の中で、大枠から先に決まったのではないでしょうか。 これ、介護事業経営実態調査というのは、これまでなぜ三月度だけ調べていたのでしょうか。二〇一七年調査から一年間分の収支差率を見ることにした結果、事業者にとって負担減となると理解してよいでしょうか。今回の変更の結果、公表は遅れるのでしょうか。
○政府参考人(蒲原基道君) 介護事業経営実態調査について、幾つか御質問いただきました。 まず、時期の関係でございます。三月分だけだったのかどうかということでございますけれども、この実態調査につきましては、各介護サービスの収支等を把握いたしまして、介護報酬改定のための基礎資料を得るということを目的としている調査でございます。これまでは改定の議論に資するように、改定のできるだけ直近の状況を把握するということで三月の単月分の収支状況を四月に調査していたと、こういうことでございます。 この点については、平成三十年度の介護報酬改定に向けて、社会保障審議会の介護給付費分科会での議論を踏まえまして、介護事業者の経営の状況の実態をより丁寧に把握するということが大事だということで、そういう観点から見直すことにしたわけでございます。 少し具体的に申しますと、これまでは単月分だったわけでございますけれども、実際は季節変動だとか特殊要因の影響を受ける可能性があるので、平成二十九年度の調査から調査の対象期間を単月ではなくて一年分に変更しました。そして、一年分に変更することに伴って、実際は決算書に記載された決算額を調査すると、このように変えたところでございます。 こうした見直しによりまして、一つは、単月分に比べると数値の正確性が高まるというふうに考えます。また、もう一つ、記入いただく事業者の側にとっては、これまで単月分だと三月分を個別に転記したり書かなきゃいけなかったんですけれども、決算書を使うことによって負担軽減が図ることができるというふうに考えてございます。 また、調査の公表の時期について最後問合せがございました。この見直し後の調査につきましては、実施時期、もうペーパー配っておりますけれども、この五月ということで今実施をしているところでございます。公表の時期ですけれども、前回の二十六年度の調査と同じ十月を予定しているところでございます。
○川田龍平君 前回の報酬改定で財務省が大幅マイナス改定を主張した際の根拠となった収支差率を中小企業と単純に比較するやり方というのは不適切ではないでしょうか。あえて比較したとしても、二〇一四年十月の財政審で指摘された当時と比べ、現在ではその差は大幅に縮小し、適正化しているのではないでしょうか、いかがでしょうか。
○政府参考人(蒲原基道君) 介護事業経営実態調査やその前に行う概況調査では、これは介護サービスの種別ごとに収支差率を把握しております。御指摘のとおり、他産業でいろいろ把握されているのは法人単位で把握されているというものでございますので、そうしたものを単純に比較することはできないというふうに考えております。 そうした大前提の上で、御指摘の数値を少し簡単に言いますと、二十七年度の報酬改定のときは、二十六年三月の全介護サービス平均の収支差率が八%である一方で、二十五年の中小企業実態調査における平成二十四年度の中小企業の収支差率は二・二%ということでございました。 また、直近の状況でございますけれども、平成二十八年度の概況調査によりますと、平成二十七年度の全介護サービス平均の収支差率が三・八%になってございますけれども、一方で中小企業の側は平成二十六年度の収支差率が三・六%と、こういう状況でございます。
○川田龍平君 具体的な事業ごとの報酬改定率については、厚労省の裁量の部分が相当にあるのではないでしょうか。 概況調査の数字を見ると、財務省は決算の数字が比較的良かった通所系サービスの単価引下げをピンポイントで攻めてくるのではないかと懸念をいたしますが、通所系サービスの現状について厚労省はどのように思っているのでしょうか。前回改定を教訓として財務省への反論の備えをしっかりとしているのでしょうか。
○政府参考人(蒲原基道君) お答え申します。 まず、この報酬の決め方の関係でございますけれども、平成三十年度の報酬改定における通所系サービスも含めました各介護サービスの改定内容については、一つは、介護保険部会の意見書あるいは経済・財政再生計画の改革工程表に盛り込まれた検討事項等について、これから介護給付費分科会で議論を行いまして、この分科会で審議報告というのを取りまとめてまいりますので、これを一つ踏まえることになります。 また、全体の額で、全体の予算、平成三十年度の予算編成過程におきまして決定される言わば介護報酬全体の改定率、このようなものを踏まえつつ、具体的なサービスごと、あるいは中身については、最終的には審議会における諮問、答申を経て決まるということでございますので、何か厚労省の裁量がすごくとりわけ大きいということではないというふうに認識をいたしております。 また、通所系サービスについてお話がございました。この件については現時点で具体的な結論が出ているわけではございませんけれども、一つは、改革工程表で検討項目として挙がっているので、これを踏まえることが一つです。一方で、元々介護保険というのは、高齢者の自立を支援し、介護の重度化を防ぐという、そういう理念があるわけなので、こうした理念を十分踏まえた上で、併せて制度の持続可能性の観点ということも頭に置きながら、今後、審議会で御議論いただきたいというふうに考えております。
○川田龍平君 先ほど三原議員から受動喫煙の問題について魂のこもった質問がありました。高階議員からもありました。この受動喫煙の問題は、私も、別にこれは自民党内だけでやればいい問題ではなくて、やっぱり本当、国会でしっかり議論すべき問題だと思っています。 先ほど政治の役割とは何かと。もう本当に今、政治や特にこの行政の役割が大きくゆがめられてきてしまっている今の現状、森友問題、加計問題、そして今回、昨日はレイプをされたという女性が記者会見を司法記者クラブで行いました。この政治と、私的な政治の利用というか、今大きな問題が起きてきているということの中で、やっぱり本当に、私は、この政治の役割、今こそ大きく求められているときはないと思います。 先ほど健康局長からも、健康の問題に配慮してということを言っていましたけれども、命が懸かっているんですね。命の問題をやっぱりしっかりと扱う政治家が必要な時代にあって、本当にこの受動喫煙の問題は真剣にやっぱり厚労省に取り組んでいただきたいと、もちろん取り組んでいると思いますけれども。是非これは、ここでしっかり踏みとどまって、しっかり頑張ってもらわなければいけないと思っています。受動喫煙の問題について、これはもう大臣だけではなく厚労省一丸となってやっぱりしっかりと取り組むべき立場で頑張っていただきたいと思います。 私は、この間、政府が本当に今やらなければいけないことは何なのか。やっぱり本当に、前川前次官の、文科省の前次官の話もそうですし、様々この今の政府がやっていることのおかしさを自ら記者会見で述べて、この国のおかしさを正そうという人たちが本当に多く立ち上がっております。 是非、そういう意味でも、大臣には、ここは気合を込めて、受動喫煙防止の対策について本当に今の思いをやっぱりしっかり述べていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○国務大臣(塩崎恭久君) 先ほど三原委員からも御指摘がありましたように、十四年前に健康増進法で建物の管理者に対して努力義務として受動喫煙対策をやるようにということでありましたが、結果として受動喫煙の被害はなくなっていないと。したがって、努力義務ではこれは効果がないということが分かったということだと思います。 安衛法の話もございましたが、これも努力義務でありますので十分な効果がないということであって、今回は、やはり有効な実効性のある受動喫煙対策を、それもやはり例外なく皆が受動喫煙から、望まない受動喫煙を受けないという、そういうことをどうやって実現をしていくのかということが問われているんだろうと思いますし、これは総理から施政方針演説の中で受動喫煙対策を徹底をするということで言及があったわけであります。とりわけ、それはオリンピック・パラリンピックの開催を控えてということではございますけれども、しかしそれは一つのきっかけであって、先ほどの三原委員からの御指摘のように、既に科学的に実証をされた受動喫煙の被害から国民全てを守らなきゃいけない、そういうことであれば、いろいろ政治で協議をして決めるにしても、恒久的にたばこを吸えるところが残るというようなことはあり得ないことであって、私どもとしては、やはり原則屋内は禁煙という私たちの基本的な考え方の案というものを守っていきたいというふうに考えています。 先ほど働く場の話もありましたが、あらゆる立場の人たちが、がん患者はもとよりでありますけれども、いろんな方々が、受動喫煙を受けたくないと思っていらっしゃる方がたくさんおるので、そういう人たちが全てそういう被害に遭わないような対策を打たなければいけないと思いますので、これからまだ会期末に向けて最大限の努力をして法案提出をしてまいりたいというふうに思います。
○川田龍平君 ありがとうございました。
○委員長(羽生田俊君) 午後一時十五分に再開することとし、休憩いたします。 午後零時十五分休憩 ─────・───── 午後一時十五分開会
○委員長(羽生田俊君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。 委員の異動について御報告いたします。 本日、宮沢由佳君が委員を辞任され、その補欠として神本美恵子君が選任されました。 ─────────────
○委員長(羽生田俊君) 休憩前に引き続き、社会保障及び労働問題等に関する調査を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○山本香苗君 公明党の山本香苗でございます。 まず最初に、大臣にお伺いをさせていただきますが、昨年の十一月に与党の性犯罪・性暴力被害者の支援体制充実に関するプロジェクトチームで性犯罪・性暴力根絶のための十の提言を取りまとめまして、十二月二十一日に塩崎大臣のところにお持ちをさせていただきました。どう対応していただいたのか、お答えいただきたいと思います。
○国務大臣(塩崎恭久君) 昨年の十二月に、与党でおまとめをいただきました性犯罪・性暴力被害者の支援体制に関するPTにおいて取りまとめられました性犯罪・性暴力被害根絶のための十の提言、今御指摘がございましたが、これを頂戴をいたしました。女性に対する性暴力というのは重大な人権侵害であることは言うまでもないわけであり、また、性犯罪、性暴力被害に遭われた方々に対する支援というものは、これは山本副大臣時代からも熱心に取り組まれておりましたが、極めて重要な課題だというふうに思っています。 十の提言を踏まえまして、厚生労働省としてもこの問題に速やかに取り組んでまいらなきゃならないということで、まず具体的には、被害者に対する相談支援体制の強化に関して、平成二十九年度予算では、婦人相談員によります相談支援の充実を図るために、婦人相談員手当、これを大幅に拡充をいたしました。それから、婦人保護事業の抜本的な見直しや、それから若年の性暴力被害者、この支援に関して、今年度実施をいたします調査研究事業において、支援の実態そして性暴力被害を受けた若年女性の実態把握をしっかりと行うということにしております。 そして、特に若年女性への支援、これに関しましては、公的機関と民間の支援団体、これがやはり密接に連携をしながら、アウトリーチによる相談支援とかあるいは居場所の確保などを行うモデル事業を検討を今しているところでございます。さらに、中長期的な支援体制の検討、これに関しましては、婦人保護施設などでの支援プログラムの策定を今年度の調査研究事業で検討するということにしております。 さらに加えて、性犯罪や性暴力の被害を受けた方の中には自殺を図るおそれのある方もおられるために、被害者支援と自殺対策との連携、これが重要だと思っております。政府の自殺対策の指針でございます自殺総合対策大綱、これを見直して、相談体制や居場所づくりなどの支援の充実というものをしっかりと位置付けて支援を進めてまいりたいというふうに考えているところでございます。 厚労省としては、関係省庁ともしっかり連携をしながら、こうした取組を進めて、性犯罪、性暴力被害への支援の充実に努めてまいりたいというふうに思っております。
○山本香苗君 いろいろと具体的にお取り組みいただきましてありがとうございます。 その中で、今、婦人保護事業の抜本的な見直しに向けて実態調査を行うということを御答弁いただきましたが、どういうスケジュールでどういった形で実態調査していただけるんでしょうか。
○政府参考人(吉田学君) お答えいたします。 十の提言のうちの五番目の婦人保護事業の見直し、六番目の若年女性への支援、この二つの項目につきましては実態把握をするということにしてございますけれども、今年度実施する調査研究事業という形に位置付けてございます。 具体的なスケジュールというお尋ねでございます。現在、調査研究事業を委託して行うということで、その委託するための手続を進めているところでございます。委託業者が決定した後、速やかに調査を開始するということで、今年度末までには、調査結果をまず集計をして、分析をして、そしてそこから課題の整理を行うというところまで行いたいというふうに思っております。 特に、この調査の実施に当たりましては、調査項目の検討段階から、実際に現場でいろいろと取り組まれています婦人相談所あるいは婦人保護施設に働いておられる方々の御意見ですとか、実際に若年女性への支援活動をされている方々、こういう方々の現場の意見を十分私ども伺いながら、きちっと御協力をいただいて全体の調査研究を進めさせていただきたいというふうに思っております。
○山本香苗君 この点につきましては、引き続き与党PTで法整備も含めて議論してまいりたいと思っておりますので、石井委員がいなくなりましたけど、一緒に与党PTのメンバーとして頑張っておりますので、是非それに資するような調査研究をしていただきたいと思っております。 文科省にお伺いします。性暴力や性的虐待等様々な困難を抱えている若者、子供に対して、学校はどう対応しているんでしょうか。
○政府参考人(瀧本寛君) お答え申し上げます。 性暴力被害やその他様々な悩みや課題を抱えている児童生徒に対しましては、学校において、福祉の専門家であるスクールソーシャルワーカーや心理の専門家であるスクールカウンセラーが、児童生徒の個々の状況に応じまして、関係機関と連携しつつ、学校の教職員とともに組織的に支援を行っているところでございます。 以上です。
○山本香苗君 非常に簡潔に答弁していただいたんですが、要するに教職員が対応して、あとスクールソーシャルワーカー等で対応しているということを伺っていたわけなんですけれども、確かにスクールソーシャルワーカーというものの配置が全国的には広がってきてはいるんですが、全ての学校にいるわけではありません。常勤でもありませんし、中学校区に一人とかそういった場合が多いわけです。 子供たちに身近な学校の役割、中でも日々子供に接する教職員の方々の役割というのは大変重要だと思っております。しかしながら、残念なことに、過去に教員が虐待に気付きながら通報せずに子供が自殺に追い込まれたような事件もございました。 現在の教員養成課程におきましては児童福祉や家庭福祉に関する科目が設定をされていません。様々な困難を抱えている子供に対して福祉的な観点から十分な対応が取れるとは私は到底言い難い現状ではないかと思っております。目の前の子供たちの異変だとかSOSのサインに気付くことができるように教員が技術や知識を身に付けることが必要だと考えておりますが、今現在、教員養成課程において見直しが進んでいると伺っております。是非とも子供や家庭福祉を必修化していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○大臣政務官(樋口尚也君) お答えいたします。 様々な困難を抱えている子供たちに対しまして学校の教員が福祉の専門家等と連携をしながら適切な対応を取れるようにすることは極めて重要だと考えております。 このため、教職課程での教育内容を定めている現行の教育職員免許法施行規則において、幼小中高等学校の免許を取得する際に必須の内容として教育相談や生徒指導を位置付けております。これらを含めて教職課程の具体的な学習内容を示しますコアカリキュラムの整備については、平成二十七年十二月の二十一日付け中教審答申で提言がありました。 これを受けまして、教育相談において、地域の医療、福祉、心理等の専門機関との連携の意義や必要性を理解すること、生徒指導において児童虐待への対応等の今日的な課題に関し専門家や関係機関との連携の在り方を例示することを教職課程で修得すべき目標の一つとして明記するよう、教育課程コアカリキュラムの在り方に関する検討会において今議論がなされているところでございます。この六月にもまとめる予定でございまして、そうしますと、平成三十一年の四月から大学のカリキュラムに盛り込まれる予定でございます。 さらに、教員がスクールソーシャルワーカーなど多様な専門家と連携をしてチームとして組織的に対応し、様々な困難を抱える子供たちの課題に取り組んでいることを推進をしておりまして、この教職課程においてチーム学校への対応についても新たに学ぶように、七月中にも教育職員免許法施行規則の改正を予定しているところでございます。 山本委員の御指摘も踏まえまして、今後とも、保護者の病気や失業など経済的に困窮している子供たちに対しまして学校や職員が福祉的な観点から適切な対応が取れるように、この教職課程においても必要な措置を行ってまいりたいと考えております。
○山本香苗君 是非ともお願いしたいと思います。特に教育と福祉の連携というのは、極めて今、今日的な課題として重要だと思っております。この点については、この教員養成課程のみならず、ほかのところでもやらなくちゃいけないので、また児福法の改正のときに別途議論させていただきたいと思います。 次に、生活保護制度についてお伺いしたいと思います。 生活保護世帯の子供が大学等に進学する場合に、世帯分離され保護費が減額されます。世帯分離された後に生活保護世帯の大学生等がどんな生活を送っているのか、大変厳しいという話は個々には伺っておりますけれども、その詳細というものは具体的には把握されておりません。正確な人数すら分かっていません。 そこで、まずは実態を調査しようと、昨年度、堺市のケースワーカーさんたちが大阪市立大学と合同で、本日資料としてお配りさせていただいております、生活保護世帯の大学生等に対する生活実態調査というものを実施いたしました。この調査によって、世帯分離して大学等に進学した後の生活が想像以上に厳しいという実態が浮き彫りになったと思います。 例えば、三ページのところにありますけれども、大学生に今、二人に一人が学生支援機構の奨学金を借りているわけですが、生活保護世帯の大学生等においては八六・六%が奨学金を借りています。つまり、奨学金がなければ学生生活が成り立たないということです。家庭からの給付金は、一般の学生は約百万円なんですが、年間、生活保護世帯の大学生は年間約十二万円です。その結果だと思いますが、四ページにありますとおり、奨学金の借入総額四百万円以上の大学生が七四・一%、借入金額が大きいんです。その上、一般世帯の大学生等は親が加入している健康保険に入れますけれども、生活保護世帯の大学生等は新たに国民健康保険に加入しなくてはならなくなります。そのために、二ページのところにあります学生生活費に占める保健衛生費というところが一般学生よりも大きくなっております。 要するに、生活保護世帯の子供たちは、大学等に進学するという選択をすることによりまして多額の借金を背負うことになる、加えて、生活保護の対象でなくなるということによってケースワーカーの支援からもこぼれ落ちてしまう、最悪の場合は、健康保険料が払えなかった場合、無保険状態に陥ってしまうと。 今回の堺市の調査というもの、これはケースワーカーさんたちが自発的になさったそうでありますけれども、私は極めてタイムリーで、かつ有用な調査だと思います。ですが、本来、こうした実態調査というのは、私は厚生労働省こそが行うべきではなかったのかと思います。 是非、今からでも遅くはありませんので、厚生労働省としても、この堺市の調査を踏まえて、生活保護世帯の大学生等の実態調査を行っていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(定塚由美子君) お答え申し上げます。 生活保護世帯から大学等に進学した学生さんについては、生活保護制度の対象外となるため、現状では、御指摘のとおり、福祉事務所において把握している生活状況の内容は限られているところでございます。 今回の堺市の調査は、このような中で生活保護世帯の出身の学生の状況を明らかにしようという試みでございまして、意義がある調査だというふうに理解をしております。 特に、今委員から御紹介いただきましたとおり、収入やアルバイトの状況、奨学金の状況、あるいは生活保護の出身の学生さんが将来の進路について目的意識を持って就学しているということが分かるような項目もございまして、大変示唆に富むものと受け止めております。 こうした調査を参考として、御指摘のように、大学等に進学している生活保護世帯出身の子供について全国的にも実情を把握するということ、重要と考えますので、国として、この実情を把握することにつきまして、現場の負担ということも念頭に置きながら、その調査手法も含め検討してまいりたいと考えております。
○山本香苗君 検討じゃなくて実施していただきたいんですが、いかがですか。
○政府参考人(定塚由美子君) 今申し上げたように、大変意義があるということを考えておりますので、ただ、現場のケースワーカーさんの負担ということもありますので、どのような方法で行うかということも含めて実施する方向で検討してまいりたいと思います。
○山本香苗君 実施するということで、是非お願いしたいと思います。 今後、生活保護部会において、生活保護世帯の子供の大学進学については何が必要か総合的に検討していくと伺っておりますが、具体的にどういう観点からどのような支援の拡充を検討していくおつもりか、大臣の思いも含めて御答弁いただきたいと思います。
○国務大臣(塩崎恭久君) 貧困の連鎖を世代間で許さないと、こういうことが大事であり、また、そのためにはやはり自立をすることが一人一人大事であって、そのためにはやはり自分の力を付けるということで、その力の一つはやはり高等教育、大学などであろうかというふうに思っています。したがって、あらゆる子供さんにやはり希望すれば大学まで行けるというようなチャンスを与えるのが私たち政治の仕事ではないかと、このように考えてございます。 ただ、生活保護の問題については、の大学進学について、いろいろ議論がこれまでありました。その際に、私たちが、基本はやはり貧困が世代を超えて連鎖しないという環境づくりをすることが大事で、生活保護世帯の子供たちも当然、希望したら大学へ行けるというふうにしていくのが一番だろうというふうに思います。 ただ一方で、どういう、じゃ、サポートをするのかといった際に、我々としては、やはり、生活保護にはなっていないけれども、ほとんど実質的に同じような状態である子供さんたちもたくさんいる。生活困窮世帯の人たちは、それに近い状態でありながら、例えば大学に行かずに進学をしている若い人たちもいる、アルバイトなどで一生懸命頑張っている人たちもいるといった、こういった人たちとのバランスも考えながら、納税者に理解のできる生活保護世帯の皆さん方やあるいは生活保護にまでなっていない生活困窮世帯の子供さんたちに大学進学支援を行う手だてをどう考えていったらいいのか、この点をやっぱり総合的に考えていき、あらゆる人たちが希望すれば大学に行けるという状況をつくるということが大事なんだろうと思います。 私も三年ぐらいアメリカにいましたが、アメリカに行きますと、十八歳になるともう親と関係なく大学に進学をして、一年生のときにもう奨学金の返済計画が始まる。つまり、在学中からもうサマーインターンシップで三千ドル返すとか、いろんな形でもう早くから返済が始まって、芝刈りを大学でやることも含めていろいろやっていますから、そんなことも含めて是非総合的に考えていきたいと思っております。
○山本香苗君 次に、文科省にお伺いしたいと思います。 今日お配りした調査の概要版なんですけれども、全体版には、支援するために望ましいと考える制度は何かという問いがありました。一番多い回答は、実は学費の減免制度七一・七%、二番目が給付型奨学金六七%、そして、今大臣にお答えいただいた生活保護の適用については四番目で三七・七%なんです。しかし、実際減免を受けている学生というのは二割強で、四割以上の学生が大学に減免制度がない、つまり受けられていませんと回答しております。 要するに、この問題は、世帯分離しなくても進学できるようにさえすればいいという問題じゃないということなんです。授業料減免も拡充しないといけない、文科省も頑張らなきゃいけない、そういう問題なんです。 そこで、政務官にお伺いします。文科省としてもこの調査をよく見ていただいて、是非新たな支援策を取りまとめていただきたいというのが一つ。 あわせて、もう一個聞きます。 生活保護世帯の子供たちというのは、高校進学や高校生活においても困難を抱えております。こうした子供たちが高校や大学受験を断念しないように、東京都では平成二十年度から受験生チャレンジ支援貸付事業というのを実施しておりまして、この事業は、中学三年生や高校三年生等に塾の費用だとか受験料を無利子で一定所得以下の家庭に貸し付ける事業です。合格すれば返さなくていいと。創設時から昨年までの利用実績は約六万七千件で、利用者の約九割は高校、大学進学しておりまして、極めて有効だというふうに伺っております。実際、子供の学習支援等々を実施されている方々からも、これは大きな後押しだと伺っております。是非、東京都の取組も研究していただいて、国の制度として全国で実施できるようにしたいと。 もう時間が来ておりますので、この二点、簡潔に、やると言っていただいて終わっていただければと思います。よろしくお願いします。
○大臣政務官(樋口尚也君) 御指摘、御提言ありがとうございます。 まず、授業料減免は随分進んでまいりましたけれども、まだまだだという御指摘だと思いますので、しっかりと新たな支援策も含めて検討させていただきたいと思います。 東京都が行われている受験生チャレンジ支援貸付事業は、もう極めて自治体独自の取組がこうやって進んでいるということは大変歓迎するべきことですし、御尽力をされている関係者の皆様に心からの敬意を表するものでございます。周知活動は今努めていっているところでございますが、国全体として大変な予算が掛かる事業かと存じますので、この点についても先生方のまた御指導をいただきながらよく考えていきたいと、こういうふうに思っております。
○熊野正士君 公明党の熊野正士です。 本日は、まず受動喫煙について質問をしたいと思います。 受動喫煙の健康被害については国民的な関心も非常に今高まっておりまして、また国内外の論文などでも数多く発表されております受動喫煙の健康被害、特に若年者、未成年者、未成年の方への影響が大きいんだというふうな研究結果も数多くあると聞いております。科学的根拠に基づく受動喫煙の健康被害について、特に若年者、未成年者への健康被害について教えていただければと思います。
○政府参考人(福島靖正君) お答えいたします。 昨年九月に公表いたしました喫煙の健康影響に関する検討会報告書におきましては、受動喫煙と因果関係があると推定する証拠が十分な疾病として、肺がん、虚血性心疾患、脳卒中などが挙げられておりますが、特に未成年者につきましては、小児のぜんそくの既往と乳幼児突然死症候群、SIDSが挙げられております。また、受動喫煙との因果関係が示唆される疾患として、妊婦についての低出生体重や胎児発育不全が、また小児については、ぜんそくなど呼吸器の問題を始め、中耳炎や齲蝕など、様々な疾患が挙げられております。
○熊野正士君 この受動喫煙を防止するにはどうしたらいいかということですけれども、WHOは、建物の中で禁煙するのが何より必要だというふうに提言というか、推奨をしているわけです。建物の中での禁煙がどこまで法規制が進んでいるかということをWHOとしては基準としているわけですけれども、このWHOの基準を基にすると、日本の現状というものを国際比較の観点で教えていただければと思います。
○政府参考人(福島靖正君) WHOにおきましては、各国の受動喫煙防止対策に係る法令等の整備状況等を調査し、医療施設、大学以外の学校、大学、行政機関、事業所、飲食店、バー、公共交通機関という八種類の公衆の集まる場、パブリックスペースのうち、屋内禁煙を義務とする施設の種類の数に応じて四段階の分類でランキング、ランク付けをしております。我が国は、屋内禁煙を義務とする法律がないため、受動喫煙防止対策につきましては、四段階の分類のうち世界最低レベルに分類されております。
○熊野正士君 ありがとうございます。 今の答弁もお聞きしまして、私自身も医者という立場から、受動喫煙、この防止の法整備はもう必ずやらないといけないと、そのように訴えさせていただきまして、次の質問に移りたいと思います。 ギャンブル依存症について伺いたいと思います。 AMEDのギャンブル依存症の実態調査がこの五月末に新たな結果が発表されるというふうに聞いております。新たな知見などあれば教えていただければと思います。
○政府参考人(堀江裕君) AMEDの調査でございますけれども、三月に実態把握いたしまして、十一都市の住民基本台帳から無作為に対象を抽出いたしまして、世界的に最も多く用いられているギャンブル依存の簡易スクリーニングテスト、SOGSを用いまして面接調査を行って、中間取りまとめを行ったものでございまして、今お尋ねの医師の診断面接ということを四月以降進めていまして、まだ実は手元に届いているところに今なってございませんで、これにつきまして早急に結果を取りまとめて公表できるように促してまいりたいと考えてございます。
○熊野正士君 昨年の十二月に厚労省に依存症対策本部というのが設置されました。これは、アルコール、薬物、ギャンブルの各依存症対策を総合的に行うというふうに承知をしております。この取組の現状について答弁をお願いいたします。
○政府参考人(堀江裕君) 昨年十二月の二十六日に依存症対策推進本部が省内に設置されまして、ギャンブル等依存症についてはその日に関係閣僚会議が発足したわけでございますけれども、省内の方につきましては、大臣を本部長といたしまして、その下にアルコールの健康障害対策、薬物依存症対策チーム、それからギャンブル等依存症対策チームを設けまして、省内の横断的な施策を進めているところでございまして、それぞれ会合を開きまして、アルコールであればアルコール健康障害対策推進基本計画に基づいて多量飲酒による健康障害等のアルコール健康障害に係る施策についてなど、薬物については主に薬物依存症の再発防止のための相談、治療体制の構築について、それからギャンブルについてはギャンブル等依存症に関しますその実態把握調査、相談体制、医療体制の強化についてということで、それぞれ検討を行っておりまして、省内での連携、それから各府省との間の連携、そして来年度の概算要求に向けた検討などを引き続きそのチームを活用しながら進めていきたいと考えてございます。
○熊野正士君 あと、今年度の依存症対策予算は前年度に比べると約五倍になって増額をされておりまして、これは専門医や相談員の配置といった人材の確保に充てられるというふうになっております。この人材確保の目標などについて厚労省の見解を求めたいと思います。
○政府参考人(堀江裕君) 依存症対策予算、御指摘のとおり、前年度から大分多くなりまして、五・三億円となりまして、各都道府県等に依存症の専門医療機関、それから依存症相談員の増員に充てるということで、この専門医療機関につきましては、平成二十六年度から二十八年度までの地域における依存症の治療拠点となりますモデル事業を五府県で実施してございまして、これを今年度には六十七の県、市においてできるように予算措置させていただいているところでございまして、神奈川、岐阜、大阪府、岡山県、佐賀県において先行的に取り組んでいただけるものがもっと広げられるようにしてまいりたいと考えてございます。 それから、依存症の相談につきましては、全国の六十七か所の都道府県、指定都市の精神保健福祉センター職員等が依存症に関する問合せ、相談業務を実施しておりまして、二十七年度末のところで精神保健福祉センターには二百五十四名の精神保健福祉士が勤務しておるわけでございますけど、今年度、これにつきましても、全ての都道府県、政令指定都市の精神保健福祉センターに依存症専門の相談員の配置ができるように六十七人分の予算を確保しているところでございまして、こうした取組を着実に進めまして、拠点なり、あるいは人材なりの充実の積極的な強化を努めてまいりたいと考えてございます。
○熊野正士君 是非ともよろしくお願いをいたします。 最後に、アルコール依存症とかギャンブル依存症というのは自助グループとかの役割が非常に大きいとされていまして、本年度の予算でも、自助グループなど民間団体への支援のための予算措置が講じられておりまして、都道府県ごとに事業を行うとされているんですけれども、ほとんどの都道府県で事業化されていないとお聞きをしております。 せっかくの予算措置ですので、各都道府県でしっかりと事業が進むように厚労省として対処していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(堀江裕君) 今年度から、地域生活支援促進事業におきまして、依存症者、その家族が互いの悩みの共有、情報交換を行う交流活動に対する支援、依存症の理解を促進する刊行物発行費用の助成など、依存症に関します普及啓発に関する支援、依存症者、その家族を対象とします相談活動に対する支援などを民間団体に行っていただく助成を行うこととしてございまして、やはり公的なところでやるのと民間でやるのと両方で取り組むのがよかろうと、こういう話でございます。 本事業につきまして、今御指摘のとおり、年度当初から予算化できているところはないわけでございますので、もう既に手を挙げていただいているところもございますし、それから、いろんな会議を通じましてこれに積極的に取り組んでいただけるようにお願いをいたしまして、せっかく確保できました予算でございますので、しっかりと有効活用できるようにしてまいりたいと考えてございます。
○熊野正士君 終わります。ありがとうございました。
○倉林明子君 日本共産党の倉林明子です。 今日は、アスベスト訴訟の和解手続の周知徹底について質問したいと思います。 大阪泉南アスベスト訴訟で、二〇一四年の十月、初めて国の賠償責任を認めた最高裁判決が確定いたしました。二〇一四年十二月二十六日、和解が成立したわけですけれども、その際の和解条項四、これはどうなっているのか、その部分を読み上げて御紹介いただきたいと思います。
○政府参考人(山越敬一君) お答え申し上げます。 平成二十六年十二月二十六日の御指摘の泉南アスベスト訴訟第一陣の原告の方々との和解における和解条項、この第四項でございますけれども、第一審被告、厚生労働省は、大阪泉南アスベスト国賠一陣訴訟及び二陣訴訟の最高裁判決において国の責任が認められた方々と同様の状況にあった石綿工場の元労働者の方々についても、同判決に照らして、訴訟上の和解の道を探ることについて周知徹底に努めると記載をされているところでございます。
○倉林明子君 今御紹介ありましたように、最高裁判決において国の責任が認められた方々と同様の状況にあった石綿労働者の方々について訴訟上の和解の道を探ると、これを周知徹底するんだということだと思うんです。大臣は、判決を受けて、国の責任を認めるということで原告にも会われて謝罪もされたということで伺っております。 これ、早期解決のためには、該当者に提訴をしてもらうという必要があるわけです。そのためには、周知徹底をする、これ和解条項四に示したとおりだと思うわけで、改めて確認したいと思いますが、周知徹底は国の責任だ、よろしいですね。
○国務大臣(塩崎恭久君) この泉南アスベスト訴訟最高裁判決におきまして、国の規制行政における不作為責任と、これが認められたわけでありまして、これは極めて重い判決だというふうに思っております。 この判決を受けまして、泉南アスベスト訴訟の第一陣の原告の皆様方との間で和解が成立をしておるわけでありますけれども、その際の和解条項の趣旨も踏まえて、判決において国の責任が認められた原告の方々と同様の状況にあった方、この方々に対してはできる限り和解手続を知っていただくということが重要であるわけであって、今、周知徹底に努めるというところを局長の方から読み上げたところでございます。 こういうことから、平成二十七年以降、こうした石綿工場で働いてこられた方々に対しまして、和解手続の周知のためのリーフレット、ポスターを作成をいたしまして広く周知を行ってまいっておりますけれども、更なる周知を図る観点から、本年三月にも約七万部のポスター、約三十八万部のリーフレットを全国の自治体、そして労災指定医療機関などに追加配付をするということをいたすとともに、自治体に対しまして、市民センターなど多くの住民が御利用される施設へのポスターの掲示などを依頼をするなど、効果的な周知を図っているところでございます。
○倉林明子君 また新たに追加的にリーフ、ポスターの周知や配付をしていくということですが、二〇一五年の二月以降、これまでも三次にわたって、ポスターは約十六万五千枚、リーフは八十八万部、これリーフ八十八万部に加えて、今年更にまた百三十八万部配ろうというのが資料一枚目、二枚目のリーフということになっているわけです。 こうした取組によって提訴件数が増える、そして和解につながっていくと、これが望ましいことだというふうに思うわけですけれども、大臣、それで間違いないと思いますが、認識いかがですか。
○国務大臣(塩崎恭久君) そのとおりだと思います。
○倉林明子君 それでは、この間の周知徹底の効果はどう上がっているのかということで、周知が本格化した二〇一五年以降、工場労働者型のこの提訴状況、つまり泉南アスベストの方々と同様の方々ということについての提訴状況を厚生労働省から資料を提出いただきまして、それを取りまとめたものが三枚目の資料ということになっております。 これを見ていただいて、たくさんのポスターやリーフレットもチラシもお配りしているんだけれども、全体として、周知徹底後は、原告数が二百五十二、被災者数は百三十五という数字に私はとどまっているというふうに思うわけですけれども、周知徹底の効果についてはどのように評価されていますか。
○政府参考人(山越敬一君) 大臣からもお答え申し上げましたとおり、厚生労働省におきましては、全国の自治体あるいは労災指定医療機関などに対しまして、この工場労働者型のアスベスト訴訟の和解手続の周知のためのリーフレットあるいはポスターを配付しておりまして、見やすい場所への掲示でございますとか備付けを依頼することにより、和解手続の周知に努めてきたところでございます。 このリーフレットあるいはポスターにおきましては、法テラスあるいは弁護士会を相談先として紹介をしておりまして、法テラスからこのリーフレットとかポスターを見た方からの問合せが一定の数あるというような報告もいただいております。それからまた、自治体からも、配付いたしましたリーフレットについて、追加送付依頼、そういったものも厚生労働省の方にいただいているところでございまして、こうしたリーフレットでございますとかポスターの配付、これにつきましては一定の周知効果が出ていると私どもは考えているところでございます。
○倉林明子君 提訴に至って初めてこれは賠償ということになっていくわけですから、そこで実を上げていくという点から見ると、私は、現実的には、反応があるとか追加のリーフの、チラシの請求があるとかということだけでは少し評価できるような実績が上がっているとはちょっと言い難いなと思っているわけです。 そこで、この全体の件数は決して順調に伸びているとは言えない中でも、黄色の欄にしております佐賀県、ここでは、二〇一六年、二〇一七年合計が六十五件ということで、大阪は御当地でもありますので、それ以外のところ、全国的な比較を見てみますと、佐賀地域、これ突出して多いという状況になっております。これは、佐賀労働局が独自に労災補償給付を受給している人に対して直接リーフレットを送ったと、こういうことで効果が上がったと私言えると思うんですけれども、実態つかんでおられると思います。どうですか。
○政府参考人(山越敬一君) 佐賀労働局から、この和解手続の周知のためのリーフレットでございますけれども、これを個別に送付をいたしましたのは事実でございますけれども、それがどのような効果を上げたかということについては必ずしも明らかではないというふうに考えているところでございます。
○倉林明子君 数字を見れば、これ効果上がっているということを私否定できないと思いますよ。 その上で、佐賀ではこのリーフを直接送ったということで、実際によそでも同じように個別に周知徹底してほしいという要望が出たんだけれども、実はこれ、厚生労働省が本省の判断として適切ではないということで今ストップが掛かった状況になっているんですね。その説明として我々聞いているのは、こうして個別に送ると誤解を招くおそれがあると、そういう説明を受けているんです。じゃ、佐賀で実際配ったところで誤解や混乱なんかは起こっているのかといいますと、実際にはそういうことは起こっていないわけです。 佐賀労働局が送付したというのは、資料の一、二で付けておきましたチラシということになります。これを受け取って実際に提訴に至った遺族の方がいらっしゃいます。この方のお話を聞きますと、死亡から二十年ということになれば損害賠償請求権が消滅すると、そういうことを知って、もう少しでこういう提訴、そして賠償請求という機会を失うところだったというお話も伺っているわけです。こういうふうに佐賀の取組が私は数字を見ればはっきり効果を上げたというふうに思っているわけですけれども、それを全国に広めるんじゃなくて、慎重な対応をするようにと、事実上、厚労省が省の判断としてストップしているという状況にあるわけですよ。 そこで、大臣、これ知らなければ、早期解決どころか提訴できずに損害賠償請求権そのものが消滅する、そういう危険もあるし、それが迫っているという方々もいらっしゃるわけです。私は、誤解を招くことを恐れるよりも、補償を受ける機会を失わせてしまうと、この方が問題だと思うんですよ。大臣、認識いかがでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 先ほど申し上げたように、今回、この最高裁の判決では、国の規制行政の不作為、これが認められたわけで、同様の状況にあった方々は是非和解手続に応じてほしいと、こういうことであります。 したがって、そのことをしっかりと周知することが大事であり、知っていただくということがやはり大事であることは今御指摘のとおりでありまして、石綿工場で働いておられた方などに対する和解手続、この周知の重要性は当然認識をしているからこそいろいろポスター等々やってきたところでございますが、できるだけ多くの和解対象となり得る方に和解手続を知っていただくようにしなければいけないと思っております。 今後、具体的な送付先あるいは実施方法を検討した上で、国から関係し得る労災保険受給者に対しましてリーフレットを送付する方向で検討をしてはどうかということで進めてまいりたいというふうに思っております。
○倉林明子君 検討してはどうかじゃなくて、検討して実際に進めていただきたいと思うんです。それは、請求権を失うという、そういう期間も迫っているということを私は重く受け止める必要があるんだというふうに思います。 今おっしゃったように、労災補償給付、これを受け取っている方々というのは、それぞれ労働局つかんでいるわけですよね。そういう遺族の方も含めて情報を持っているわけですから、そこには私はしっかり届けていく、急いで届けていくという対応が必要だと、それが真摯に謝罪を実践に移しているということで受け止めてもらえる中身だと、やり方だというふうに思っています。 さらに、労災の補償給付に加えて、この泉南アスベストの訴訟で和解条項四にあったように、同様の状況にあった方々ということでいいますと、この石綿工場で石綿粉じん作業に従事し、じん肺管理区分の決定を受けていると、こういう方々も対象となるわけですよ。今回、佐賀はその労災の補償給付を受け取っているという方に対して個別の情報提供ということでしたけれども、実際に和解条項の中身に沿って周知徹底するというのであれば、こういう方々も含めて直ちに情報提供に踏み切るべきだというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(山越敬一君) 今御指摘をいただきました関係する労働者ということでございますけれども、石綿工場におけるその最高裁和解の内容でございますけれども、昭和三十三年五月二十六日から昭和四十六年四月二十八日までの間、国が規制権限を行使して石綿工場に局所排気装置の設置を義務付けなかったことを理由として国家賠償法の適用をするということでございますので、こういうことを踏まえて、関係し得る労災保険受給者への周知というのを図っていく必要がある、そういうことを検討する必要があるというふうに考えているところでございます。
○倉林明子君 だから、それをさっき聞いたんですよ。だから、その上で、もう一つ対象として広げてほしいということで、管理区分、これも周知、チラシにちゃんと書いてありますよ、だから、そういう対象の人にも配ったらどうやということに何で一つも答えられないんでしょうね。どうですか。
○政府参考人(山越敬一君) 今お答えを申し上げましたように、これは国家賠償法、訴訟することによって和解手続に進むということでございますので、そういったことの対象になり得る方に対しまして、関係し得る方として周知を行っていきたいということを検討していくということでございます。
○倉林明子君 なり得る方ということで情報提供をしっかり進めていくと。その方向で前に進めていただきたい、一刻も早くやっていただきたい。これ、大臣にもよろしくお願いをしておきたいと思います。 そこで、同じように国側が最高裁で敗訴し、提訴により和解を進めている、これに石炭じん肺訴訟があります。今日、経産省に来ていただきました。 この石炭じん肺訴訟の和解手続の周知というのも同様にやられています。これ、二〇一四年、資料で、四枚目、五枚目に付けておきました。ポスターとチラシ作られていて、チラシの方を紹介させていただいております。 これ、二〇一四年に改めて従前あったものを作り直すという作業をされております。なぜ作り直すことになったのか、その理由を端的に御説明ください。
○政府参考人(福島洋君) お答え申し上げます。 石炭じん肺訴訟の和解手続を分かりやすく被害者、遺族の皆様にお伝えすべく、平成二十三年十一月からポスター、チラシを作成し、医療関係機関などに配付をしてまいりました。その後、平成二十六年四月に、筑豊じん肺訴訟最高裁判決から十年という節目を迎えるに当たり、広報活動の強化を図るべく、病院関係者や弁護団などから寄せられた、文字が小さい、目立たないなどの意見を踏まえ、より見やすく、より分かりやすくをモットーに作り直したところでございます。 引き続き、効果的な広報に努め、じん肺被害者、遺族の皆様の救済に尽力してまいりたいと思っております。
○倉林明子君 大臣、これ経産省の仕事で私めったに褒めるようなことないなと思っていたんですけれど、この仕事はなかなかだというふうに思いました。これ、ポスターの方には損害賠償金をお支払いしますって黄色いポスターに黒い字で目立つように書いてあるんです。本当に大きい文字で、炭鉱で働いていた方を探していますというわけですね。賠償したいので手を挙げてくださいという周知の仕方なんですよね。もちろん、条件違いますよ。じん肺の方は、その名簿もないという中で、該当する方に手を挙げてもらわないと分からないという中で、十年目の節目になったので、当事者の方々からも要望を受けて、意見を踏まえて作り直したという経過になっている。字も大きいんですね。私らも、この厚生労働省の字、ちっちゃいですね。 それで、お支払についてと書いてあるけれども、その賠償金を受け取れますよ、支払いますよという、こういう分かりやすい周知を、厚労省は当事者つかんでいる、労災給付して、名簿を持っているわけなんですよ。だからこそ、そういうところにこういうチラシとして、また百三十八万部チラシ作るとおっしゃっていますけれども、ええとこはしっかり学んで、謝罪や賠償の意思がしっかり伝わるような周知徹底を御検討、前に進めていただきたい。
○国務大臣(塩崎恭久君) 字が小さかったり分かりづらいというのは、私もしょっちゅう大臣室で言っていることでありますので、全く同じような意見だなというふうに今拝聴をいたしました。 確かに、最高裁の判決、重たい判決でありますから、これに従って我々は損害賠償請求があればお応えをするということでありますが、できる限りそれに応じていただけるように、今御指摘をいただきましたが、この経産省のやり方も参考にしながらではありますけれども、やっていきたいと思いますけれども。 要は、先ほど明確ではなかったかも分かりませんけれども、このじん肺管理区分決定通知書が送付された方々もおられて、労災を受けているわけではないけれども、その手前の方々もおられるので、その方々も含めて、労災保険を受けていらっしゃる方々は当然、しかし、期限、期間がありますから、その期間は当然守るわけでありますが、いずれにしても、この二つのジャンルの皆さん方に送るという方向で検討してまいりますので、また送るものも小さくて読めないようなものではないものを送りたいと思います。
○倉林明子君 ありがとうございました。
○片山大介君 日本維新の会の片山大介です。 私は、前回の一般質問のときにちょっとお話をした地元兵庫の保育施設で起きた問題について、前回ちょっと時間が短かったのでできなかった質問があったので、今回改めてまた質問をしたいと思っています。具体的には、国や県などから保育施設への財政支援、公費負担というんでしょうか、そのお金の使われ方についてちょっと聞きたいというふうに思っています。 前回取り上げた兵庫姫路市の認定こども園では、国や県から毎年五千万円の財政支援を受けていたんですね。ですけれども、そこのこども園では、保育士の人数を偽るなどして不正に受給をしていた、それから市に無断で子供を多めに受け入れて、その子供たちの親から取った保育料というのはプールしていた、こういうことをやっていたわけなんですね。そういうような、これに限らず、ほかにもこうした財政支援に対する不適正な使用というのが散見されると。 じゃ、実際に国や県などから保育所や認定こども園、それから幼稚園などへの財政支援というのは一体どれくらいの額かというのをちょっと調べて聞いたら、私立のデータしかないんですが、年間で一兆七千五百億円にも上るというんですね。すごい額だなと思っています。この額、こうした財政支援の趣旨というのは、子供を預ける保護者、利用者の負担を軽減しようというのが目的で、それでそのお金もきちんと本来の保育に正しく使ってもらうというのが趣旨なのに、こうした不適切な事案というのが多々見られると。 何でこうしたことが起きてしまうのかということをまず大臣に少し聞きたいというふうに思いますが。
○国務大臣(塩崎恭久君) 保育園の運営費の不正受給、これについて、先生いろいろ御指摘を頂戴をしているわけでありますけれども、これはなぜ起きるんだと、こういうことでありました。 もちろん、悪意を持って意図的に行うというケースも中にはありますけれども、そしてまた知識が不足して間違ってそういうふうにするというケースも中にはありますけれども、様々なケースがありますけれども、いずれにしても、不適切なことであるわけでありますから、これは一義的にはまず法人内でガバナンスが利いていない、このことが一番まず問題だと思います。もう一つは、公的な監査がそれを見抜けないというときがあろうかというふうに思います。 社会福祉法人につきましては、今般の社会福祉法の改正や昨年の改正によって、一定のガバナンスの強化を図りました。監査であったり、いろんなことをやりました。他の法人形態についても、法人内のガバナンスを十分に機能させることがこれは重要だろうというふうに思います。 また、市区町村においては、各都道府県が年一回以上行うことになっている施設監査と連携して、保育園の運営費の支給等に関する事務処理が適切に行われているかどうかということについて定期的かつ計画的に監査を行うということになっていますが、これらの監査がしっかりと行われるように、国がやっぱり各市町村をしっかり指導するということも大事だというふうに思います。
○片山大介君 大臣おっしゃるとおりだと思います。 それで、前回のときは、私、監査の問題について監査しっかりやるべきだという話をしたんですが、私は、もう一つ今の財政支援の制度上の問題があるんじゃないかと思って、今日はちょっとそれをきちんと話をしたいと思っているんです。 それで、まず配付資料の一枚目なんですが、これ財政支援の仕組みをちょっと簡単にイラストにしたんですけれども、まず、公立の施設に対してはこの左側の施設型給付費というのが財政支援として支給される、給付される。それから私立の保育所に対しては今度は右側の委託費というものがあり、ちょっと呼び名がそれぞれ違うんですが、いずれにしろこれは財政支援で、二階建ての上の部分の黄色い部分になっています。それで、下の方が利用者負担で、保育料ですね、利用料、保護者が負担するお金となっているんですが、まず、公費負担、この算定の仕方、財政支援からの算定の仕方、それで公立と私立で違うのかというのを簡単に短く教えていただければ。
○政府参考人(中島誠君) 委員御指摘の施設型給付、委託費、それぞれ算定上の違いはございません。
○片山大介君 そうなんです。算定上の違いはなくて、基本的にはその施設で受け入れている子供の数が何人かだとか、そういうものを基準に算出されていくんですけれども、じゃ何で呼び方が違って、何が違うのかというと、この右側の私立の保育所に給付される委託費というのは弾力的な運用というのが認められている。どういうことかというと、本来の目的以外に使ってもいいという、本来であれば、人件費なら人件費、そして管理費なら管理費で使う、充てられるべきものを、一定の条件を満たせば別の用途に使ってもいいというふうになっている。そして、これは今、全国の私立保育所のほとんどでこの弾力運用というのが行われているんですね。 何でこの弾力運用というのを行うことにしたのか、これをまた簡単に御説明していただきたいんですが。
○政府参考人(中島誠君) 公定価格の積算に当たりましては、人件費、事業費、管理費といった立て方をいたしまして、標準的と考えられる部分というのを積み上げて設定させていただいているわけでございます。ただ、これを具体的に執行していただくに当たりましては、それぞれの保育所の実情等がございますので、その限りにおいて、経営の弾力性、柔軟性を担保するべく、そういう使途については一対一の羈束的な執行でなくてもいいという形を取らせていただいているというところでございます。
○片山大介君 そうなんです。それで、その弾力的な運用をする背景というのをいろいろ取材したりとかちょっと聞いてみると、今、国は待機児童の解消を急いでいる、だからもう多様な運営主体というのをどんどん保育業界に入ってもらおう、保育産業に入ってもらおうとしていると。ただ、保育施設の運営とかは保育士の賃金コストなどに掛ける割合がすごい高いですから、だから基本的に、俗に言われる労働集約型の産業なんですよね。だから、そうすると、余り入っても利益を生み出しづらいというのがある。だから、こうした弾力運用をすることによって、企業にも参入してもらいやすく、入ってもらいやすくしてもらおうというような意図があるんじゃないかと思いますが、そこはいかがでしょうか。
○政府参考人(吉田学君) お答えいたします。 今御指摘、また内閣府の方から御答弁ありましたように、現在の私立の保育所の運営費につきましては弾力的運用が一定のルールの下で求められてございますけれども、この仕組み、遡れば昭和四十二年からこの弾力的運用というのが保育園の運営の安定化ですとか効率化を図るという観点から進められておりまして、もちろん一方で、保育の質を始めとした適切な施設運営が確保できるということは要件とさせていただきながらも、段階的にそれを緩和してきたという歴史的事実がございます。 そういう意味では、委員御指摘のように、株式会社などいろいろな多様な保育の参入と絡めての御指摘をいただきましたけれども、歴史的事実としてはその前から、先ほど申し上げました運営の安定化、効率化という観点から進めさせていただいてきたというふうに私ども受け止めてございます。
○片山大介君 二〇〇〇年の企業の参入、株式会社の参入の際にもやはりこの弾力運用の通知というのを見直しているんですよね。だから、だんだん拡大していっているわけですよね。だから、そうやって参入しやすくするようにしてきたというのがあるんですね。その結果、いろいろな問題が出てきているというふうに思っているんです。 そもそもこの委託費というのがどうやって算定されるかというと、保育士の給与だとか、それから子供の数だとかという、そういうものを基に算定されていって、委託費の一番占める割合が高いのはやっぱり人件費なんですよね。 それで、弾力運用で自由に使ってもいいよとなれば、一番大きい枠を取っている人件費が削られて、それを抑制して、それをほかの項目に移そうというのはもう言わずもがなだと思うんですが、そこについてどうお考えになりますか。
○政府参考人(中島誠君) 委員御指摘のように、特に今日でございますけれども、保育士の処遇改善をしっかりしていくという点においては、保育士の皆さん方に対する人件費がしっかり確保されるということは大変重要だと思っておるわけでございます。 ただ、いわゆる公定価格の基本分単価におきましては、先ほど申し上げましたように、保育所のそれぞれの実情がございます。保育士の雇用されておる数、保育士の経験年数等々が様々でございますので、基本的には一義的に保育所の経営判断に委ねてやっていただきたいと。 ただし、それが余りにも人件費というものの割の食い方がひど過ぎるという部分については、監査等でしっかり把握をさせていただいて指導させていただきたいという形でこれまで臨んできたところでございます。
○片山大介君 じゃ、それをちょっと具体的にもう少し見ていきたいんですが、その委託費を算定するときの基準額というのがあって、それだと保育士というのは幾らの給与にしているかというと、それが二枚目の配付資料なんですが、およそ三百八十万円、これを基に委託費として計算して、それで財政支援として渡しているわけですよね。だけど、今これ実際に保育の現場で、これでも少ないですけれども、これだけの給与をもらっている保育士というのは一体どれくらいいるのかというふうに私は思います。 そして、二年前に国は委託費の運営に当たって通知を出しているんですね。その通知の資料が今度は三枚目になるんですが、そうすると、これに対して委託費を弾力運用してもいい条件というのがあって、それをちょっとアンダーラインで引いているんですが、特に施設内の給与規程が整備され、適正な給与水準が維持され、人件費の運用が適正であることとしている。 じゃ、この適正な給与水準というのは一体幾らなのか。普通に考えれば、算定、元々計算上でつくった三百八十万円なんだと思うんだけれども、そこについてはどうお考えなのか。
○政府参考人(中島誠君) この適正というものをどのように考えるかということについては、数値的に一律にこれが適正だという形では示しておらないところでございます。 委員配付をされましたこの統括官、局長通知の下位通知として、参事官、課長通知を発出させていただいていますけれども、そこでは、給与規程の整備がなされていること、それから地域の賃金水準と均衡が取れていること、それから初任給、定期昇給について職員間の均衡が取れていると、そういうような項目を挙げさせていただいて、市町村の方で総合的に御判断をいただいて監査をしていただきたいという形でお願いしておるところでございます。
○片山大介君 じゃ、実際にそれがきちんと確認をされているのかどうか、それについてはどうお考えでしょうか。
○政府参考人(中島誠君) いわゆる公定価格について適正に執行されているかについては、子ども・子育て支援法に基づく確認監査というものを行っていただいております。これについては児童福祉法に基づく施設監査と連携をしてやっていただきたいということでございまして、それぞれ、市町村の監査体制等を踏まえて、的確に監査に臨んでいただいておると承知しておるところでございます。
○片山大介君 その監査については、私は前回の質問でも言ったんですけれども、監査の中で具体的な給与を見る項目というのはないですよという話をしたんですね。だから、そうすると、やはりそれは向こうに、監査に任せているけれども、監査できちんとやるすべがないんだから、結局、この適正な給与水準というのが守られているかどうかというのはきちんと確認できていないというふうに私は思う。 それで、ちょっと時間ないから次行かせてもらいますと、国は二〇一二年度に保育所の経営実態調査というのを行っているんですね。それによると、保育所の総事業費の中で人件費は大体七〇%ぐらいだと。で、この七〇%が守られれば適正な給与水準になっているだろうというふうに言っているんですけれども、私はまず、この調査に参加した事業所数というのが千八百ぐらいしかないので、少ない上に、私は余り実態を把握できていないんじゃないかと思うんです。これは別に強制な調査ではないから、俗に言うブラックな保育施設なんてこんなのに回答していないと思いますからね。 それで、その一方、東京都はおととしから都独自の新しい民間の保育施設を対象にした補助制度というのをつくったんですね。そのときの条件としては、財務諸表の提出を必ず求めるようにしたんですね。そして、それがこのほどまとまったんですけれども、それを見るとやっぱり人件費の割合って七〇%じゃないんですよ、全然。社会福祉法人は六〇%台だし、株式会社だとこれ五〇%を切っているんですよ、達していないんですよね。 それで、次の四枚目の資料になるんですが、これがそのデータ、これは毎日新聞の記事なんですが、毎日新聞が情報公開をして独自に集めてこれを出しているんですけれども、これを見ると、保育所を運営している株式会社ごとで見ていっているんですが、平均するとやっぱり四〇%台なんですよね。中には、幅があって、三〇%台の保育施設なんかもあるんですよね。 そうすると、これは本来の保育施設、保育のための委託費、きちんと使われていないんじゃないか。だから、国としてもきちんとした私は実態把握をすべきだと思う、財務諸表を求めるなどして、これまでそれをやってきていないんですから。そうじゃないと、実態把握をしないままに税金を投入しているというふうに言われても仕方がないんじゃないかと思うんですが、これについてはどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今お配りをいただいた、株式会社の人件費割合をお配りをいただいていますけれども、保育園の場合、職員の人件費につきましては、どういうふうに人件費の実態がなっているかということは指導監査において賃金台帳などから個々に見れるようになっていますので、これは市区町村の指導監査の際に一人一人についても見れる形になっていますが、これは、もちろん一人一人の賃金は公開するわけにはまいりませんので、本当に適正になっているかどうか一人一人見る際には、やはりこの指導監査で賃金台帳をしっかり見ながら個々の職員の給与水準が適正かどうかということを見なければいけないというふうに思っています。 今の、公表を義務付けるべきか、財務諸表の提出を株式会社についても義務付けるということについてのお尋ねがあったかというふうに思いましたが、財務諸表につきましては人件費支出の総額がこういう形で、今お配りいただいていますけれども、記載されているので、まあこれはこれで個々の職員の給与水準の適正さを判断するのは難しいと思いますけれども、公費が投入されている事業でありますので、適切なガバナンスを確保する観点から事業実施主体における情報の公開の在り方についてはこれはやはり御指摘のように重要な問題だというふうに考えておりますので、今後どのようにすべきか考えてまいりたいというふうに思います。
○片山大介君 是非よろしくお願いしたいと思います。 それで、時間ないんで早口で言いますが、その社会福祉法人なんか、去年、社福改革もやられて財政規律も強化したんですけれども、例えば社会福祉法人でもやっぱり弾力運用が認められているから、保育のために給付された委託費が介護施設の方に回っているケースなんかもあるんですよね。私、それなんかもやっぱり若干おかしいんじゃないかなというふうに思っています。それで、そういうことがないようにするには、人件費はやっぱり人件費に縛るべきだというふうに思っています。この弾力運用の人件費についてはやめるべきだと思っています。 それで、以前にもこういう質問をしたら答弁の方では、処遇改善加算分については人件費に縛るようにしたからというふうに言っていて、確かに一歩前進だと思うんですが、ただ、加算部分ってほんのちょっとですから、それで処遇部分の本体の部分はやっぱり弾力運用が認められちゃっているわけですから、そうするとやっぱりその部分から弾力運用になって人件費が削られているわけですから、将来的には処遇部分の本体についても人件費に縛るような、人件費に縛ることの大切さをここ最近になって分かってきていらっしゃると思うので、是非それをやっていただきたいと思うんですが、最後にそれについてどなたかにお伺いしたいと思います。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今、弾力運用についての問題点を御指摘をいただいているわけでありますが、いずれにしても、この保育所の運営費の適正な運用をという意味では、まず第一に法人内のガバナンスがどう利いているか、それをきちっとさせるということ、それと市区町村の監査の有効性を高めていくということでありますが、この弾力運用の問題などを含めて今後どうするのかということでありますけれども、先ほど来御説明申し上げているように、経緯があって法人内での流用というものが認められるようになっていたわけでありますが、これをどういうふうな弾力運用が適切であり不適切なのかということが仮にあるとすれば、そこのところはしっかり必要に応じて、どういうようなことを、全体の体系として考え直さないといけないと思うんですね。 したがって、それを、今の御指摘の点を含めて、どういうような形で運用の在り方があるべきかということを考えていきたいというふうに思います。
○片山大介君 是非しっかり取り組んでいただきたいと思います。 これで終わります。ありがとうございました。
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。 まず初めに、管理栄養士の問題、栄養士さんの問題についてお聞きします。 管理栄養士、栄養士の地域包括ケアシステムにおける役割についてお聞きします。 高齢化社会で自立した生活を維持していくためには、食が大切であり、地域における栄養のケアが必要です。管理栄養士、栄養士の専門的技術の活用がますます求められています。しかし、地域包括ケアシステムにおける専門職は、現在、社会福祉士、保健師、主任ケアマネの三職種のみであり、栄養の専門職は入っておりません。地域包括支援センターに管理栄養士の配置を明記し、地域に対する栄養管理支援を行うべきだと考えますが、いかがですか。
○政府参考人(福島靖正君) お答えいたします。 地域包括ケアシステムにおける管理栄養士、栄養士の主な役割は、在宅療養をしている方を始めとした高齢者が食を楽しみ、自立した生活を送ることができるよう、疾病の状況や摂食嚥下機能に配慮した食事内容や食事形態等などの支援を行うことにあると考えております。 地域包括支援センターは、保健師、社会福祉士、主任介護支援専門員のほか、地域の実情に応じて市町村の判断によって栄養士を含む職種の職員も配置することは可能となっておりますけれども、現段階では、地域包括支援センターの活動に参画している栄養士などの実績が少ない現状にある中で、まずは地域における活動実績を重ねることが重要であると考えております。 厚生労働省といたしましては、地域における栄養管理支援は重要な課題と認識しておりまして、地域包括支援センターにおける管理栄養士、栄養士の活動への参画を進めてまいりたいと考えております。
○福島みずほ君 栄養士さんは法律上守秘義務規定がないことを理由に、地域ケアシステムでの医療、介護チームの情報連携の中で管理栄養士を含めるのはいかがかというふうに言われたことがあるやに聞いております。この排除は問題ではないか。そして、栄養士法に管理栄養士、栄養士の守秘義務をきちっと規定し、むしろ積極的に地域ケアシステムの中での登用をすべきだと考えますが、いかがですか。
○政府参考人(福島靖正君) 管理栄養士、栄養士に関しまして、栄養士法上守秘義務の規定がないというのは御指摘のとおりでございます。 地域包括支援センターなどが開催する地域ケア会議では、介護保険法上の規定によりまして、管理栄養士、栄養士を含む会議の構成員に対して守秘義務は課されておりますけれども、仮に栄養士法上に守秘義務の規定がないということを理由に地域ケア会議への参加を拒否されることがあるとすれば、まずはその地域ケア会議の参加者には守秘義務が課されているということを丁寧に説明していきたいと考えておりますけれども。 法律で規定するということにつきましては、これはもう昭和二十二年に栄養士法ができて以来ずっと規定がないわけですが、実際には、先ほどの地域ケア会議以外でも様々な場面での個別のケースについての支援の会議の場に参画していると思います。 こういうときには、実際には関連する様々な取決め、例えば協定であるとか、そういうことの中で秘密保持については実際には適切に対応し得ると考えておりますけれども、しかし、管理栄養士、栄養士の活動領域がそれぞれの人のケアに深く関わっていると、こういうことを考えますと、個人情報を扱うことが多い職種であるということ、そして個人情報の保護に関する社会的な要請、重要性が高まっているということを踏まえると、栄養士法にその秘密保持義務を明記すべきという点については重要な御指摘であると考えております。 今後、管理栄養士、栄養士が個別のケアを中心とした活動に参加しやすくするという観点から、その守秘義務の取扱いについては栄養士会始め関係者の皆様の御意見を伺いながら検討してまいりたいと考えます。
○福島みずほ君 次に、GPIFとクラスター爆弾についてお聞きをします。 日本は二〇〇八年十二月にクラスター爆弾禁止条約に署名をしました。GPIFがクラスター弾メーカーであるテキストロン社の株を二〇一六年三月末時点で百九十一万五千五百六十四株を保有し、これらを運用しております。テキストロン社は二〇一六年九月にクラスター爆弾の製造を中止したとされていますが、GPIFの同社株保有は製造時点のものです。問題だと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(塩崎恭久君) GPIFの年金積立金の運用というのは、法令に基づいて、まず専ら被保険者の利益のためだけに運用するということが第一点。第二点は、市場や企業経営に直接の影響を与えないように、株式投資に当たっては信託銀行等に投資一任をすると、こういう方針でございまして、特定の企業を投資対象としたり、逆に投資対象から外すということを政府あるいはGPIFが指示をすることはできない運用の形態を取っているわけでございます。 国民から預かった貴重な積立金を大切に運用するためということでルールを明確にしているわけでありますが、専ら被保険者の利益のためだけに運用し、そして、GPIFは個別の銘柄の投資判断をしないという従来から守ってまいりました原則は極めて重要であって、特定の企業を投資対象から外すことを政府とかGPIFが指示することはできない仕組みは今後とも必要ではないかというふうに考えているところでございます。
○福島みずほ君 GPIF側はどうですか。
○参考人(高橋則広君) GPIFは、独法通則法及びGPIF法に基づきまして設立された独立行政法人として、厚生年金保険及び国民年金の積立金の管理運用につきまして厚生労働大臣からの寄託を受けて業務を執行する立場であります。したがいまして、制度上の対応に関する事柄についてはお答えする立場にはないと存じております。
○福島みずほ君 非常に残念な答弁です。 先日、クラスター弾の廃絶を目指す国際的な非政府組織グループ、クラスター兵器連合の皆さんたちと意見交換をしました。GPIFとも意見交換したやに聞いております。ノルウェー政府年金基金においては、法律に基づいて倫理ガイドライン、エシカルガイドラインを定めた上で、独立の第三者機関である倫理委員会が同ガイドラインに反する企業の除外を勧告するという方式を取っております。こういった国は北欧を含め結構あるんですね。 今、エシカルというものはオリンピックを契機にも出ておりますが、この倫理的なというのは極めて重要だと思います。GPIF、やはりこれ一定程度の規制をすべきでないか、どうですか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 外国は外国のいろいろなやり方があって、例えばアメリカのように、市場運用は一切しないということでペイ・アズ・ユー・ゴーそのものをやっているという国もございますし、スウェーデンや今御指摘のノルウェー、これらのように年金基金が自ら株式の運用をアクティブにやっているという国もあって、様々だというふうに思います。 GPIFにつきましては、百十兆円という巨大な年金積立金、これは世界最大でございますが、民間市場でこれを運用をするという形で国民からお預かりをいたしました貴重な積立金を適切に運用するために、先ほど申し上げたようなルールを取っているわけでございます。そのような状況にない海外の積立金と単純に比較をしていくのはいかがなものかというふうに考えているところでございます。 ちなみに、ノルウェーの御紹介のございました政府年金基金、グローバルは、これは国民から徴収した保険料を運用しているわけではなくて、豊富な石油収入を原資とする言ってみればソブリン・ウエルス・ファンドでございます。国内企業の投資は行わないで、たしか北欧四か国を除いた海外の企業の投資のみを行うということで、我が国の株式も手広く購入をして運用をしているというふうに理解をしております。
○福島みずほ君 ノルウェー、スウェーデン、オランダ、カナダなどの年金基金は、クラスター爆弾関連企業を投資の対象から外しています。投資そのものも問題だと思いますが、クラスター爆弾に私たちの年金使うなと、こういうエシカルガイドラインというものは必要だと思います。 次に、アスベストについてお聞きをいたします。 建設アスベスト被害に関して、二〇〇八年五月の東京地裁への提訴から九年が経過をしています。判決は、二〇一二年東京地裁、二〇一四年福岡地裁、昨年一月大阪、京都地裁と、四つの地裁全てが国の責任を認定しています。京都判決では企業責任も断罪されました。 生存原告六百五十人で始まった建設アスベスト訴訟ですが、提訴後は百六十人以上が死亡しています。国の責任は明らかです。これ以上の裁判の長期化は人道上も許されない、直ちに補償あるいは謝罪に応ずるべきだと考えますが、いかがですか。
○大臣政務官(堀内詔子君) 建設作業従事者のアスベスト被害につきましては、現在、国及び建材メーカーを被告とする複数の訴訟が係争中であり、国の主張は引き続き裁判の中で明らかにさせていただくこととしております。 石綿による健康被害に遭われた方々に対しては、労災保険制度や石綿健康被害救済法に基づく給付制度等に基づき救済を図っており、引き続きしっかりとこれらの対策に取り組んでまいりたいと存じます。
○福島みずほ君 たくさんの人がもう亡くなっているんですよ。生きている間にもうこの救済すべきじゃないですか。一審で断罪されて、みんな遺影持って裁判やっているんですよ。もう死んでいるんですよ。もうこれ一刻も早い救済をお願いをいたします。 次に、肝炎についてお聞きをします。 ここの委員会でも、ウイルス性肝硬変、肝がん患者の療養支援についての請願が昨年六月採択をされました。その後の今日までの厚労省の取組と今後の方針を教えてください。
○国務大臣(塩崎恭久君) 厚生労働省では、昨年六月に衆参両院で採択をされました肝炎対策に関する請願、これは大変重く受け止めております。その六月に改定をいたしました肝炎対策基本方針、これに基づいて肝炎総合対策を推進をしているところでございます。 その中で、一点目は、ウイルス性肝硬変、肝がん患者に係る医療費助成がまずあるわけでありますが、これにつきましては、今年度から肝硬変、肝がんの定期検査費への助成の自己負担額を上限として一回六千円だったものを三千円に軽減をいたしまして、助成を増やしたという形になっています。更なる支援の在り方につきましては、従前の調査研究の結果や新たな治療法の開発状況、そして肝炎医療費助成や重症化予防事業等の実施状況などをしっかりと踏まえて検討を行っていくことにしています。 B型肝炎の治療薬の研究開発、これにつきましては、昨年十二月に肝炎研究十か年戦略というのを見直しましたが、その重点課題に位置付けておりまして、国立研究開発法人日本医療研究開発機構の研究事業、この中で治療薬の実用化に向けて研究を推進をさせていただいております。今後とも、引き続き本事業に対する支援を行ってまいります。 そして、三番目の肝炎ウイルス検査促進、そして陽性者治療のためのフォローアップ、これにつきましては、従来から地方自治体が実施をします検査やフォローアップの取組への助成を行うとともに、今年度からは、職場の健康診断などに合わせて行う肝炎ウイルス検査、これにつきまして保険者等に受検を勧奨していただく取組を開始をいたします。より多くの方に検査を受けていただけるようにしっかり取り組みたいというふうに思います。
○福島みずほ君 ただ、この肝硬変、肝がんの非常に重い人たちに対する肝硬変、肝がん患者に係る医療費助成制度というのがもう少しきちっとやって支援をすべきだというので、これは衆参で請願が採択をされておりますので、一歩を厚労省で進めていただきたいと思います。 次に、JALの解雇問題についてお聞きをします。 今日も傍聴に来てくださっていますが、二〇一〇年の大みそか、JALはパイロット八十一名、客室乗務員八十四名を整理解雇しました。しかし、JALはその後、客室乗務員を二〇一六年度までに二千九百七十人、二〇一七年度三百五十人採用し、二〇一八年度も四百人の採用計画を公表しています。整理解雇を行った企業とは思えない採用数です。で、もう人員不足のために、パイロットも客室乗務員も過酷な労働条件となっております。 この問題に関して、三百二十五回ILO理事会フォローアップ見解、二〇一五年十一月十一日は、今後の採用計画において、全ての労働組合と了解し合うことも期待すると勧告しています。組合員の採用抜きには労働組合の了解を得るのは不可能です。日本政府は、ILO勧告履行のために、JALに対して解雇された者の職場復帰を強く働きかけるべきではないでしょうか。
○政府参考人(山越敬一君) お答え申し上げます。 労使の当事者は、労働関係に関する主張が一致しない場合には、自主的にこれを解決するように特に努力することが求められるわけでございます。 本件のような整理解雇をされました職員の再雇用に関する事項につきましても、まずは労使の当事者が自主的に解決に向けて努力するべきものだというふうに考えております。
○福島みずほ君 労使で解決しないからこそ質問しているんですよ。労使で解決できるんだったら厚労省に頼まないですよ。これは、空の安全という観点からも、労働者の権利という観点からも、厚労省そして国土交通省、一肌脱いでくださいよ。しかも、ILOから言われているわけじゃないですか。 塩崎大臣は、二〇一六年十一月八日の当委員会において、労使の当事者が自主的に解決に向けた努力をやはりするべきこととして、この判決とは、またそれはそれとしての話合いをしっかりとやっていただくということが大事なことだというふうに思いますと答弁をやはりされました。しかし、労使の自主努力ではらちが明かないからこそ、この争議が長期化しております。 日本政府は、本事件に当たり、ILO八十七条結社の自由及び団結権保障違反、九十八条団結権及び団体交渉権違反の申立てにより勧告を既に受けています。条約締結国政府として、争議解決に向けてJALに対して強力に指導すべきではないでしょうか。 なぜこのことを言うかというと、空の安全や、そういうこととも非常に関係をしているということです。これはきちっと解決して、空の安全きちっとやらなくちゃいけない。これに関して、今日は国交省にも来ていただいております。航空行政を所管する省庁としてJALを強力に指導すべきだと考えますが、いかがですか。
○政府参考人(和田浩一君) お答えいたします。 日本航空の整理解雇やその後の再雇用につきましては、個別企業における雇用関係に係る問題でありますので、日本航空において適切に対処すべきものと考えております。 このため、航空行政を所管する立場から本件に関与することは適切ではないというふうに考えております。
○福島みずほ君 国交省からたくさんJALに天下りしているじゃないですか。もう少し、というのは変かもしれませんが、ただ、全くの民間企業と言えるんでしょうか。やっぱりこれは、空の安全とか、極めて重要なことが関係している。これはやっぱりきちっと、人員不足、おかしいですよ。大量に整理解雇しながら大量に採用して、しかも人員不足で空の安全保てるかという問題があるわけです。 これはもう、国交省、厚生労働省、長期の争議の解決は、よくないと思いますよ、長期化していますよ。政治は国労の千四十七名問題もやっぱり解決したんですよ。それはやっぱり、人道上の観点も、労働法上の観点からも、空の安全という観点からも解決してくださいよ、いかがですか。
○政府参考人(山越敬一君) 労使間の団体交渉の問題についてお尋ねでございますけれども、この労使の自主的な協議を確保するためには、労働組合法におきまして、使用者が正当な理由なく団体交渉を拒否することは不当労働行為として禁止されているわけでございまして、また、その救済制度といたしまして労働委員会制度が設けられているところでございます。 御指摘の再雇用に関する事項につきましても、使用者が正当な理由なく交渉を拒否した場合、労働組合が申立てを行えば、労働委員会は個別の事案に即して判断をすることになるわけでございます。 いずれにいたしましても、本件のような整理解雇された職員の再雇用に関する事項は、まずは労使の当事者が自主的に解決に向けた努力をすべきものというふうに考えております。
○福島みずほ君 JALの側の不当労働行為性なども認定されているわけです。空の安全の観点からも是非解決してくださるよう強くお願いして、質問を終わります。
○薬師寺みちよ君 無所属クラブの薬師寺みちよでございます。 皆様方にも資料をお配りさせていただいておりますけれども、私ちょっと本当に驚いたことがございましたので、今日、問題共有という意味も併せまして、スマートドラッグについて議論をさせていただきたいと思っております。 このスマートドラッグと申しますのは、人間の脳の機能そして能力を高めることができるサプリ、薬として実は一九八〇年代にアメリカで大ブームになったんですね。いわゆるアルツハイマー治療薬として開発をされたピラセタムというようなものが、記憶力や注意力を向上させて、いわゆる成績が上がる薬として学生、受験生たちが飲み始めたというようなことがございました。 それ以外にも、パーキンソンの治療薬であったり、血圧をコントロール、お薬というようなものも脳の循環改善というところで、実は私もインターネットを引っ張ってみてびっくりしたんですけれども、多くの子供たち、それも十代後半、二十代前半のいわゆる受験生や大学生のレベルの方々が、試してみましたとか、こんなのを購入してみましたとか、いっぱい投稿があるんですね。 ですから、やっぱりこれ少し問題にしていかなければならないんではないのかなと思って、スマートドラッグについて、厚生労働省、調査研究を行っているのかどうなのか、まず局長、教えていただけますか、お願いいたします。
○政府参考人(武田俊彦君) ただいまお尋ねのスマートドラッグについての調査研究でございますけれども、スマートドラッグそのものにつきましてはその定義、範囲が必ずしも明確ではございませんけれども、私ども厚生労働省の厚生労働科学研究で過去二件、個人輸入の実態調査を行ったことがございます。 まず、平成十八年度の医薬品の個人輸入の実態調査の中で、今もお話にありましたピラセタムを含有する製品の個人輸入についての調査がございます。これにつきましては、海外でのピラセタムを含有する医薬品やサプリメント四十一製品を購入した結果、医薬品四十製品はいずれも真正品であったけれども、サプリメント一製品は、販売国、米国でございますが、これ許可を得ていない製品があったというものでございます。 また、平成二十年度の厚生科学研究では、医薬品の購入、個人輸入の実態に関するアンケート調査を行っておりまして、医薬品の個人輸入の経験を有する者六百六十三名のうちスマートドラッグを輸入した経験があると回答した者は十五名、二・三%いるという結果でございました。 したがって、少ないながらも一定程度、個人輸入により入手している実態があるというふうな結果でございます。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。 いろんなサプリ、いろんな薬剤というものが、もう引けば引くほど個人輸入代行をというサイトに出てきておりますけれども、これ違法ですか。局長、お願いします。
○政府参考人(武田俊彦君) 医薬品の個人輸入でございますが、我が国の医薬品医療機器法におきましては、個人が自らの疾病の治療等のために海外から医薬品を輸入する際に、個人輸入代行業者を利用して申請書類の英訳や提出事務などの輸入に関する手続を輸入者に代わり行わせることにつきましては、業として輸入する、そしてそれを国内で販売を行うと、こういったものでない限りにおきましては医薬品医療機器法の規制対象とならないということでございます。 なお、その具体的な手続につきましては、個人が自らの疾病治療等のためにインターネット等を通じて海外から医薬品を輸入する行為、いわゆる個人輸入につきましては、輸入者自身が個人的に使用することが明らかな数量の範囲内であること、そして健康被害のおそれがある医薬品成分が検出された製品又は医師の適切な指導の下に使用されなければ健康被害のおそれがある未承認の医薬品として特に注意を要する医薬品でないこと、この二点につきまして税関で確認をしていただき、その結果、輸入することが可能となってございます。 今話題に上りましたような例えば処方箋薬につきましては、一か月分以内でありますとこの手続にのっとって個人輸入が可能という扱いになってございます。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。 ですから、簡単に手に入ってしまうということになります。中には、ADHDの治療薬を使っていらっしゃったり、私どもが、正常にもかかわらず、本当は病気の治療に使うお薬を成績を上げるがために子供たちが使っているのではないかということで、ちょっと私も息子に聞いてみました、大学生ですので。どうだったんだと言うと、いや、予備校で聞いたことがあるということでしたり、実はカフェインの錠剤なんかというのは結構今も試験中みんな飲んでいるよと言うんですね。 ちょっとこの現状を私は文科省でも把握していただいているんではないのかと思うんですけれども、審議官、いかがでしょうか、お願い申し上げます。
○政府参考人(瀧本寛君) お答え申し上げます。 委員御指摘のスマートドラッグにつきましては、その定義や範囲が定まったものではないこともございまして、文部科学省においては、生徒や学生に対するスマートドラッグの使用状況について調査を実施したことはございません。 以上です。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。 私もあるテレビドラマで見ておりまして、やっぱり高校生が受験生で、何かこうお薬のやり取りをやっているというようなところがあって、私はドラマの中のワンシーンなのかと思ったら、ああ、これは現実にやっぱり子供たちの間でそういうこともいろいろ情報交換しながら、ささやかれるだけではなく、実際に飲んでいらっしゃるんだなということ、大変危機感を持ったところでございます。 ところで、やっぱりこういうことというのは消費者庁も関係してまいりますので、消費者庁、簡単で結構なんですけれども、スマートドラッグに関する御相談というものは寄せられておりますでしょうか、お願い申し上げます。
○政府参考人(福岡徹君) お答えいたします。 全国の消費生活センター等に寄せられている消費生活相談のうち、医薬品とか健康食品に関するものの中には、いわゆるスマートドラッグに関連するのではないかと考えられる相談も見られているところでございます。 例えばということで申し上げますと、高校生の子供が記憶力や集中力が上がるという薬をネットの口コミで見付けて個人輸入して飲んでいるが、安全なものか分からず心配であるというような相談であるとか、年を取られた御両親から記憶力アップのサプリメントを探してほしいと頼まれて見付けた健康食品があるんだけれども、その製品について苦情がないかを知りたいというものなど、記憶力等が改善されるという効果をうたった医薬品やサプリメントについて、その有効性などに関する相談が寄せられているところでございます。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。 ですから、消費者庁においてもやはりある一定の問題意識を持っていただいているんではないかなと思います。 ところで、我が国におきましてカフェイン中毒というもので死亡したという報道がございましたけれども、北島部長、いかがでしょうか。
○政府参考人(北島智子君) お答えいたします。 現在までにカフェインの過剰摂取による食中毒事例として、医師の届出、保健所の調査が行われた事例は死亡事例を含めて報告はございませんが、一方、医薬品の副作用報告制度におきましては、平成二十六年四月一日から平成二十九年三月三十一日までの三年間で、大量服用によるカフェイン中毒が疑われる死亡例が二例報告されております。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。 カフェイン中毒の死亡例ではないかというようなところから、実は農水省からも、カフェインの過剰摂取についてということで、カフェイン中毒死と判断したとの報道がありました、このような形で情報提供をしますというような、ホームページにも既に載っております。 皆様方にお配りをしております資料でも、資料一がこれが消費者庁のデータでございますし、この資料二というようなものが、実はこれ内閣府の食品安全委員会のフェイスブックのページから取ったものでございます。カフェイン中毒と考えられる事案が報道されましたということで、このような形で注意喚起がなされておりますけれども、これも見ましたら、いいねと押されているのが二百幾つなんですよ。私のホームページの方がまだまだいいねを押されている回数が多いかなと思うぐらい全く見られていないんですね。だから、なかなかこれは一般的にも知られている事例ではないんではないのかと。 子供たちにいろいろ私も聞いてみましたら、このスマートドラッグの一つでカフェインがかなり多用されている、今はカフェインモカというような錠剤じゃなくてエナジードリンクに代わってきているよという情報を得ました。いわゆるエナジードリンクをコンビニで簡単に買うことができます。 実はこのエナジードリンク、清涼飲料水の扱いでございます。食品衛生法に基づくために、薬機法に基づくような栄養ドリンクと比較して基準が大変甘くて、子供でも簡単に買うことができます。飲料水ですので、カフェイン量というものは特に定められておりません。医薬部外品であれば、栄養ドリンクというのは一日に一本五十ミリグラムまでという基準があるんです。ですから、エナジードリンクを大量に飲んで、そしておなかの中からそのカフェインの錠剤が見付かったというのが先ほどの死亡例でございます。実は、アメリカで売られているエナジードリンクの一部を、医薬部外品になってしまうのでということで、ほかの成分に置き換えて清涼飲料水と売られているようなエナジードリンクというものもあることが分かってまいりました。 このようなことで、子供も簡単に手に入ってしまうような形でカフェインが摂取されている可能性にあることについて、厚生労働省としてはどのような見解をお持ちなのか、教えていただけますでしょうか。
○政府参考人(北島智子君) カフェインはコーヒー、紅茶、日本茶といった日常的に摂取される食品に多く含まれている物質であり、一般的にはこうした日常的な飲料を通じてカフェインが摂取されているものと承知をしております。 一方、一部のエナジードリンクと言われるものには、コーヒー、紅茶、日本茶等よりカフェインを多く含むものも御指摘のとおり存在をしていると承知しておりますが、パッケージ等で小児や妊産婦等の摂取を控えるよう表示している例も多く存在していると承知しているところでございます。
○薬師寺みちよ君 では、子供たちがこのような清涼飲料水、いわゆるエナジードリンクを購入して飲むことができるということに対しての問題意識は厚労省としてはお持ちではないというふうに思ってよろしいですか。
○政府参考人(北島智子君) お答えいたします。 エナジードリンクにつきましては、カフェインを多く含むものもありますが、国際的なリスク評価機関JECFAにおいては、一日の摂取許容量ADIは設定されておりません。 一方、例えばカナダなどにおきましては、子供のカフェインの摂取について、四歳から六歳の子供では一日当たり四十五ミリグラムを推奨最大摂取量として示すなど、諸外国においては消費者向けに注意喚起をしていると承知しております。また、国内に流通するいわゆるエナジードリンクにおいては、先ほど申し上げましたように、小児や妊婦に対して飲用を控えるよう表示をされているという例も多いと承知しております。 こうした状況も踏まえまして、厚生労働省といたしましては、エナジードリンクに限らず、カフェインの摂取について注意喚起を行うことを具体的に検討してまいりたいと考えております。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。 では、現在どのような表示になっているかということを消費者庁の方から御説明いただきたいと思います。
○政府参考人(吉井巧君) お答えをいたします。 御指摘のカフェインを始めといたしまして食品中に使用されている食品添加物につきましては、食品表示基準、これ第三条に基づきまして、容器包装に表示する義務がございます。カフェインを使用した場合には、カフェインが容器包装に表示をされるということとなります。例えば御指摘のいわゆるエナジードリンク、これにカフェインを使用した場合には、容器包装に添加物としてカフェインが表示をされることとなります。 なお、カフェインの過剰摂取に関する注意喚起につきましては、法令上の表示義務はないものの、任意で容器包装に注意喚起を行っている事例はあるものと承知をしております。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。 北島部長、もう一度確認させてください。 今ございましたように、表示義務はございません。しかし、妊婦であったり子供たちへの影響というものは、皆様方のお手元にお配りしております食品安全委員会のファクトシートの中でも海外の事例が様々取り上げられています。国内での様々な研究というものはこの中に載っていないんですね。しっかり国内でも研究をした上で、その表示の仕方について消費者庁としっかり連携をしながら考えていくべきだと思う。それを前向きに御検討いただくということでよろしゅうございますか。
○政府参考人(北島智子君) 御指摘のとおり、妊産婦や小児に対するカフェインの影響に鑑みまして、エナジードリンクに限らず、カフェインの過剰摂取に関する注意喚起を行うことをしっかりと検討してまいりたいと考えております。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。 大臣、今いろいろお聞きいただいたと思います。スマートドラッグというその言葉も、結構五〇%ぐらいの子供たちが知っているというような研究の論文も私読ませていただきました。大変いろんなところで子供たち、成績を上げるためにというところで、今、ネット社会の中でいろんな情報が反乱をし過ぎてしまって、自由に購入しようと思えば、先ほど申し上げたような実は精神疾患の治療薬なんかも簡単に手に入ってしまって、それを服用する。 いろんなサイトを見ましたら、実は副作用で物すごく苦しんだというような事例もございました。病院に駆け込んだとか、若しくは、誰にも言えないから、個人輸入で自分も後ろめたい思いをして買っている、だからこそ、黙ってそれに耐えたというようなものもございました。こういう形で、このスマートドラッグについては、もう少し厚生労働省もしっかり他省庁と連携をしながら私は前向きに考えていただきたいと思います。 食品安全委員会、これ、実は皆様方の最後にも付けておりますけれども、悪影響を及ぼすのではないのかなという懸念があるので、情報収集を行い、リスクに関する情報を提供することが重要であるとしただけで、それを注意喚起もしていないんですね。ですから、しっかりこれからこれを前進させていくにはどうしたらいいかというと、やっぱり厚生労働省の指示がなければ自分たちも動けませんと、諮問をしていただきたいというふうに昨日御意見をいただきました。 ですから、これだけではなく、先ほどの消費者庁もそうです。やっぱり厚生労働省がしっかり旗を振っていただかないと、ほかの省庁もやっぱり、食品添加物、厚生労働省として認めているからというような御意見もございましたので、しっかりそこは連携して調査研究を進めていただきたいんですけれども、大臣の御意見をいただけますでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 先ほど来議論が行われているように、このスマートドラッグにつきましては、保健衛生上のリスクがやはりあるのではないかということで私どもも認識をしているわけでありまして、厚労省はこれまで、無承認医薬品などの販売を行っているサイトを発見してその削除をプロバイダーなどに依頼をするインターネットパトロール事業というのをやってまいりましたが、この指摘を、今のこの議論のやり取りの中での御指摘を踏まえて、スマートドラッグについても新たにパトロール事業の対象に加えようというふうに考えます。 今後、文科省を始め他省庁ともしっかり連携をして、厚労省も問題の把握を更に進めて、インターネットを通じた個人輸入が主なルートの一つであるわけでありますから、このスマートドラッグを容易に入手できないように取組の強化を検討したいと思っております。 また、清涼飲料水であるいわゆるエナジードリンクについては、その一部にもコーヒーや日本茶よりもカフェインを多く含むものが存在をしているということで、これは子供たちも含めて危険で悪影響があり得るということでありますので、エナジードリンクを始めとした食品中のカフェインの摂取については、まずは製品の販売実態、事業者による消費者への注意喚起の取組などを把握をして、余り厚労省もきちっと把握をしているわけではございませんので、これをやるとともに、それを踏まえて過剰摂取に対する注意喚起について検討するとともに、今、食品安全委員会に対する諮問の話がありましたが、これについてもどうするか検討してまいりたいというふうに思います。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。 情報が氾濫するということは、そこでリスクが発生をするということでもございます。特に子供たちに対するお薬というものは、実はこれ、少し前でしたら、生活保護の皆様方がお薬を病院からもらって、それを販売するということで問題になったかと思うんですけど、今、個人輸入という形に変わっておりますので、どんどん手法は変わっております。その中で厚労省としてできることをまずは御検討いただきたいと思います。 以上で終わります。ありがとうございました。
○委員長(羽生田俊君) 本日の調査はこの程度にとどめます。 ─────────────
○委員長(羽生田俊君) 医療法等の一部を改正する法律案を議題といたします。 政府から趣旨説明を聴取いたします。塩崎厚生労働大臣。
○国務大臣(塩崎恭久君) ただいま議題となりました医療法等の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明いたします。 近年、遺伝子情報を用いた治療など医療技術が進歩する一方で、高度な医療を提供する特定機能病院におきまして医療安全に関する重大事案が相次ぐなど、医療を取り巻く環境が大きく変化する中で、遺伝子情報を含めた検体検査の精度を確保するとともに、特定機能病院におけるガバナンス改革を含めた高度な医療安全管理体制を確立すること等によって、安全で適切な医療を提供する体制を整備するため、この法律案を提出いたしました。 以下、この法律案の内容につきまして、その概要を御説明申し上げます。 第一に、遺伝子情報を用いた医療の実用化等に向けて検体検査の精度を確保するため、医療機関の中で検体検査を行う施設に関する基準の創設、衛生検査所等において行われる検体検査の精度の確保に関する基準の明確化等を行います。 第二に、特定機能病院におけるガバナンス体制を強化し、高度な医療安全管理体制を確立するため、特定機能病院が医療の高度の安全を確保する必要があることを法律上明記をし、多職種で構成される合議体の決議に基づく管理運営の確保、管理者の選任方法の透明化とその権限の明確化の義務付け等の措置を講じます。 第三に、医療機関のウエブサイト等についても虚偽の広告等を禁止するなど、医療広告規制の見直しを行います。 第四に、持分の定めのない医療法人への移行促進、法人経営の透明化等のため、移行計画の認定基準等の見直しを行うとともに、認定期限の延長を行うことといたします。 最後に、この法律案の施行期日は、一部の規定を除き、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日としています。 以上が、この法律案の趣旨でございます。 御審議の上、速やかに可決していただくことをお願いいたします。
○委員長(羽生田俊君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。 午後三時八分散会