厚生労働委員会 第10号
- 発言数
- 365 件
- 登壇者
- 22 名
- 会派数
- 8
- 開催日
- 2017/04/11
会議録
○委員長(羽生田俊君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 去る七日、行田邦子君及び古川俊治君が委員を辞任され、その補欠として薬師寺みちよ君及び自見はなこ君が選任されました。 ─────────────
○委員長(羽生田俊君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、来る十三日に参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(羽生田俊君) 御異議ないと認めます。 なお、その人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(羽生田俊君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(羽生田俊君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長堀江裕君外七名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(羽生田俊君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(羽生田俊君) 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。 政府から趣旨説明を聴取いたします。塩崎厚生労働大臣。
○国務大臣(塩崎恭久君) ただいま議題となりました精神保健及び精神障害者福祉に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。 相模原市の障害者支援施設で発生した殺傷事件、精神保健指定医の指定の不正取得の事案等を踏まえ、措置入院者が退院した後の医療等の支援の強化、精神保健指定医制度の見直し等を行うため、この法律案を提出をいたしました。 以下、この法律案の内容につきまして、その概要を御説明申し上げます。 第一に、国及び地方公共団体の義務として、精神障害者に対する医療は精神的健康の保持増進を目的として行われるべきことを認識するとともに、精神障害者の人権を尊重し、地域移行の促進に十分配慮すべきことを法律に位置付けます。 第二に、措置入院者が退院した後に医療等の継続的な支援を確実に受けられるようにするため、都道府県及び政令市が、措置入院者の入院中から、退院後の医療等の関係者と協議の上、退院後支援計画を作成し、退院後は帰住先の保健所を設置する地方公共団体がこの計画に基づいて支援を行う仕組みを創設いたします。 第三に、精神障害者の適切な医療その他の援助を行うため、保健所を設置する地方公共団体が、精神障害者支援地域協議会を組織をし、精神障害者の支援体制、退院後支援計画の作成に関する協議等を行うこととします。 第四に、精神保健指定医の指定申請の適正を図り、その資質を担保するため、申請者に一定の要件を満たす指定医の指導の下での実務経験を求めるなど、指定医の指定及び更新の要件の見直し等を行います。 第五に、医療保護入院に係る手続を改め、家族等が同意又は不同意の意思表示を行わない場合に、市町村長の同意により医療保護入院を行うことを可能といたします。 最後に、この法律案は、一部の規定を除き、公布の日から起算をして一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとしております。 以上が、この法律案の趣旨でございます。 御審議の上、速やかに可決していただくことをお願いを申し上げます。
○委員長(羽生田俊君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○石井みどり君 おはようございます。自由民主党の石井みどりでございます。 まず冒頭、昨年七月に神奈川県相模原市の障害者支援施設で発生した事件によりお亡くなりになった十九名の方々の御冥福をお祈りし、御遺族の方々に対して心から哀悼の誠をささげます。 それでは、今回の法案の質疑に入らせていただきます。 今回の精神保健福祉法改正案の条文中に、精神障害に対する医療は病状の改善など精神的健康の保持増進を目的とすることを認識するとともに、精神障害者の人権を尊重し、地域移行の促進に十分配慮すべきと明記をされました。このことは評価をしたいと思います。精神障害者の人権尊重の重要性、そして地域移行が促進されるべき点、医療支援が重要であること等からも、今回のこの法改正には賛成をしたいと思います。 今回の改正案が提出された背景には、冒頭申し上げたような相模原市の障害者支援施設で発生した殺傷事件、精神保健指定医の指定の不正取得の事案がございました。これまでも、精神保健福祉施策については、今回と同様に、事件を背景として見直しが行われたこともございますが、精神保健福祉は精神疾患の患者に対して医療や福祉などを行うものであって、犯罪を防止するものではないということをはっきりと申し上げておきます。 そこで、確認をさせていただきたいと思います。 そもそも医療の役割は疾病の治療や健康の回復、維持増進を図るものであり、障害者の中でもとりわけ精神疾患の患者さんには、メディカルワークを中心として、行政や精神保健福祉士など地域生活に関わる人たちを総動員して支援することで病状の安定を図り、結果として犯罪の防止につながるものと理解をしております。 今回の改正は、地域移行した患者さんに対する医療を充実させることにあり、犯罪防止を目的としているものではないという趣旨でよろしいか、お尋ねいたします。
○大臣政務官(堀内詔子君) 今回の法案は、相模原市で起きた殺傷事件などを踏まえながら現行制度の検討を行った結果、措置入院について、患者が退院した後の医療や地域福祉等の支援が不十分であるなどの課題が明らかになり、これに対応するために提出させていただいたものであります。したがって、今回の法案は、相模原市の事件は検討の契機ではありますが、相模原事件のような犯罪を防止することを目的としたものではございません。 こうした基本的な考えの下、措置入院者の退院後の医療等を充実させるため、措置入院を行った自治体による患者の入院中からの退院後支援計画の作成、そして退院後支援計画に基づき保健所設置自治体が中心となって行う相談、指導、そして保健所設置自治体に対する精神障害者支援地域協議会の設置の義務付けなどを行うこととさせていただいております。 こうした改正により、精神障害を持つ方々の社会復帰を促進してまいりたいと存じます。
○石井みどり君 改正案に対する意見の中には、こうした改正案の趣旨を理解されていないものも散見をされます。すなわち、措置入院者の治療や健康維持増進ではなく治安維持につながるおそれがあるとか、退院後の支援は監視につながるおそれがあるというような意見であります。しかし、今回の措置入院者の退院後の支援は、精神障害者の地域生活への移行促進を目的とした平成二十五年の精神保健福祉法改正の延長にあるものであると理解をしております。 平成二十五年の改正では医療保護入院の見直しが行われ、精神科病院の管理者に対して、退院後の生活環境に関する相談や指導を行うため、退院後生活環境相談員の選任が義務付けられました。あわせて、施行規則の改正により、医療関係者等から成る退院支援委員会の開催も義務付けられました。改正案の内容は、措置入院者の退院後の支援を確立するため、退院後生活環境相談員の選任の義務付けに加え、入院措置をとった都道府県等が医療関係者等と協議して退院後支援計画を作成し支援するものであります。 再度確認をしたいと思います。 措置入院者が退院後、地域において生活していくためには、地域生活において支援を受けることにより病状を安定させることが重要であり、法案への批判は法案の趣旨や意図について理解不足と思われますが、御見解を教えてください。
○大臣政務官(堀内詔子君) 措置入院者を含めた精神障害者の地域移行を進めるためには、その病状が安定するよう、地域生活において支援を行っていくことが重要であります。このため、今回の法案により、措置入院者の退院後の医療等の支援の充実を図ることとさせていただいております。 一方で、治安のための改正である、監視を強化することになるなどの御意見があることは承知しております。本法案の目的は、治安維持や監視強化ではなく、精神障害者が退院した後の医療等の支援を確実に受けることができるようにすることを通じて、その社会復帰の促進等を図るための法改正であるという趣旨について御理解いただけるように留意しながら、法案の内容の周知に取り組んでまいりたいと存じます。
○石井みどり君 また、この法案への否定的な意見の中には、退院後支援計画の策定が本人不在のままで行われることを指摘するものがあります。もちろん、退院後支援計画の内容は、本人や御家族が理解、納得することが重要であります。言うまでもありませんが、特に本人の理解がなければ、途中で継続的な支援や治療を受けることを放棄するのではないかと懸念をされます。 退院後支援計画の内容を本人に十分に理解し納得してもらうためにはどうすればよいのか、その方策をお考えであれば教えてください。
○政府参考人(堀江裕君) お答え申し上げます。 措置入院者の病状や意向等に応じて適切な医療等の支援を受けられるようにすることは、患者の社会復帰の促進等のために重要だと考えてございます。 このため、退院後支援計画の作成に当たりましては、精神障害者支援地域協議会に可能な限り患者本人と家族の参加を促すこととし、計画を患者、家族に交付して、計画の内容や必要性について丁寧に説明し、できる限り理解を求めること等とすることで、本人に十分理解、納得いただいた上で適切な支援がなされるように取り組んでまいりたいと考えてございます。
○石井みどり君 退院後の支援について、法案の確認と御提案をしたいと思います。 措置入院解除後の支援対象者の病状増悪防止や病状増悪に迅速に対応するためには、精神障害者支援地域協議会における協議の結果が支援対象者に迅速、効果的かつ確実に反映されなければならないと考えます。これには医療を中心とした体制整備が必要であると思います。 支援対象者お一人お一人、体調や病状は刻々と変化をいたします。代表者会議の開催によってそれらの情報共有は十分に行われるのか、地域において支援対象者お一人お一人の状況を把握できるシステムが必要と考えますが、その体制整備についてお伺いしたいと思います。
○政府参考人(堀江裕君) 精神障害者支援地域協議会では、地域における精神障害者の支援体制の協議と個別ケースの支援内容の協議という二つの役割がございます。このうち、支援対象者の協議を行う御指摘の代表者会議については、個別の患者の事例の情報共有は行われません。一方で、個々の支援対象者の情報は、個別ケース検討会議において、支援に当たる関係者間においてのみ共有されることになります。 こうした個々の支援対象者について、病状が大きく変化した場合などは、関係者間で共有され、退院後支援計画に基づき適切な支援が行われることになると考えてございます。
○石井みどり君 措置入院中は、病院管理者が選任する退院後生活環境相談員が支援対象者をサポートいたします。退院後においては、必要な治療等が途切れなく継続するための支援は、地域の医療、保健、福祉関係者がサポートをすることになります。 例えば、ストレスが影響する統合失調症など、地域生活における病状把握やストレス状況の把握などは平常時より不断の病状把握が必要であり、支援対象者の通院と看護によるサポートのみでは不十分であると考えます。退院後に再度体調が悪化すること、治療の中断等、支援対象者の変化に対してどのように迅速な支援を行っていくのでしょうか。 退院後の生活支援、地域移行支援において、在宅精神障害者の生活を多職種のチームで支えていくアウトリーチ支援は非常に重要な役割を果たすと考えていますが、特にメディカルサポートの面からの対応策をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(堀江裕君) 精神障害者の地域生活を支えていくためには、本人の意思の尊重と医師を始めとした多職種協働による包括的な支援が重要であり、御指摘のアウトリーチ支援は有効な訪問支援であると考えております。 このアウトリーチ支援につきましては、平成二十三年度から平成二十五年度まで精神科病院等に多職種チームを配置し、受療中断者や入退院を繰り返す患者、未受診者を対象として訪問支援を行うモデル事業を実施いたしましたが、再入院を予防する効果が一定程度認められました。 これを踏まえまして、平成二十六年度より、長期入院患者や入退院を繰り返す患者に対して医療機関が行う多職種による訪問支援については診療報酬上評価されることになり、受診者などに対して都道府県等が実施主体となって行う多職種による訪問支援については、地域生活支援事業のアウトリーチ事業として事業化を行ったものでございます。 また、平成二十九年度からの新規事業といたしまして、精神障害者の生活支援に向けまして、実際に地域の保健、医療、福祉の連携の調整役を務められておられる方がアドバイザーとなって都道府県や政令市に助言、指導を行うことで、地域連携の好事例の全国展開を図ることを目指してございます。 厚生労働省といたしましては、精神障害者の方々が地域の一員として安心して自分らしい暮らしをすることができるよう、保健、医療、福祉による重層的な支援体制を構築してまいりたいと考えてございます。
○石井みどり君 アウトリーチには、ACT、アサーティブ・コミュニティー・トリートメント、地域医療及び各種生活支援を含めた包括的地域生活支援プログラムという、原則的には利用者と治療契約等が交わされ、医師、看護師、作業療法士、精神保健福祉士等の多職種による訪問形態があります。 ACTは、医療チームの治療下にあって、入院率を低下させ、入院期間を短縮し、患者満足度、雇用、住居状態においてより良い結果を示しています。医療のコストパフォーマンスも良いとされています。 ACTは、個々の利用者に柔軟なサービスを提供することを重視して、利用者のニーズに合わせてサービスの形が決められます。ACTでは、一つのプログラムに多様な対象者がいるとサービス内容が拡散されるため、重い精神障害の方に限定し、利用者の数も上限が決められています。一方で、スタッフ全員でお一人お一人の利用者のケアを共有し、チームによる直接的なサービス提供が行われ、積極的な訪問を行うなど、期限を定めず継続的なサービスが二十四時間三百六十五日体制で行われます。 ACTでは、利用者がサービスを受けるために別々の施設を利用するのではなく、始めから一つのチームに各職種の専門家がいるので機動性が高く、様々なサービスを即座に受けることができます。これは、一九七〇年代のアメリカで開始をされ、オーストラリア、イギリス、フィンランド、デンマーク等、諸外国で普及をしています。 日本では、残念なことに、これまで多くの病院や診療所において採算が取れてなるべく手が掛からない患者さんを中心に診る傾向がありました。また、訪問看護等では、個別担当制でスタッフがケースを抱え込んでしまうということや、外来で患者さんが来る期間は診療、診察しても、途中で通院が中断されたら往診することもなくそれまでとなるケースも多くありました。 そのような中、平成十五年五月に精神保健福祉の改革に向けた今後の対策の方向が取りまとめられました。入院医療中心から地域生活中心へという方向性を推し進めるため、重点施策項目の地域ケアとしてACTのモデル事業の実施が検討され、千葉県市川市にある国立精神・神経医療研究センターの精神保健研究所がこのプログラムに関する研究を行い、国立国際医療研究センターの国府台病院において基準を満たす患者の同意を得た後プログラムが実施されたのが始まりであります。 そこでお尋ねをいたします。厚生労働省はこのACTについてどのような評価をされているのでしょうか、また現在の日本におけるACTの導入状況をお教えください。
○政府参考人(堀江裕君) ACT、地域医療及び各種生活支援を含めた包括的地域生活支援プログラムについてお尋ねがございました。 平成二十八年度より厚生労働科学研究としてACTを含めた包括的支援マネジメントに関する研究を行ってございまして、多職種連携による包括的な支援の有用性が医療機関の取組事例から明らかとなってございます。厚生労働省といたしましても、ACTを含め多職種連携による包括的支援の取組は有用であるというふうに評価してございます。 当該厚生労働科学研究の調査によりますと、国際的に認められている基準を満たすACTのチームは国内に少なくとも九チーム以上存在するというふうに承知してございます。
○石井みどり君 九チームあるということですが、もう少し実態をお教えいただけませんか。それと、残念ながら九チームが決して多いとは言えないと思います。なぜ九チームなのか、なぜ広がらないのか、そこも併せてお教えください。
○政府参考人(堀江裕君) 現在の時点では、この厚生労働行政推進調査の中での研究者の方にお願いして障害者地域生活支援を推進する政策研究として行っているものでございまして、看護師、精神保健福祉士、作業療法士、精神科医から成る多職種チームアプローチで利用者の生活の場へ赴くアウトリーチが支援活動の中心でございまして、それが三百六十五日二十四時間のサービスを実施する、それからスタッフ一人に対し担当する利用者を十名以下とするというようなものがその国際的なACTの基準でございまして、なかなかそこまで基準を満たせてそれを標榜できるところがまだ多くはないと、こういうことでございます。
○石井みどり君 このACTを採用すれば、その病院にとっては赤字が増える、不採算になるからではないんでしょうか。やればやるほど不採算になるからではないんでしょうか、いかがでしょう。
○政府参考人(鈴木康裕君) ACT等のアウトリーチに対する診療報酬上の評価等について御質問ございました。 御指摘のACT等に対する支援につきましては、平成二十六年の診療報酬改定におきまして、精神科重症患者早期集中支援管理料、いわゆるアウトリーチ管理料というのを創設をいたしました。これは、同一建物でない場合、一人の場合、千八百点ということでございます。二十八年においては、対象患者を拡大をしたり、専従要件を緩和というのはございましたけれども、御指摘の採算が合わないのではないかということにつきましては、現在、調査、検証を進めておりまして、こういう結果を踏まえて、来年の平成三十年改定で検討してまいりたいというふうに思います。
○石井みどり君 診療報酬上の評価が低いということもさることながら、非常に多職種で、まさにそれぞれの専門性を持った職種が医療の支援から、そして看護、そして就労にまで生活全般を支えるというのが私はACTだというふうに認識をしておりますが、そういう職種をそろえること、表現は悪いんですが、その多様な職種を確保することもこれは困難にしている一つなんではないんでしょうか。通告をしていないかも分かりませんが、当然予想される質問だと思いますので、お答えください。
○政府参考人(堀江裕君) 精神障害者の地域生活を進めていくために、多職種協働によって包括的な支援が有効で、御指摘のような多職種チームが全国に普及することが大変有効なものではないかというのは大変重要な御示唆であるというふうに考えてございます。 精神障害者の方々が多職種によって包括的な支援を受けて、重層的な支援を受けられるような方向性につきまして、思いは一緒にしてございます。
○石井みどり君 アウトリーチ支援として、ACTだけでなく、アメリカにおいては一九八〇年代に始まったICM、インテンシブ・ケース・マネジメントというサービスもあります。これは、退役軍人病院が主に関わり、精神科医、ケースマネジャー、その他のサポートスタッフが、これもチームを組んでケースマネジャーが十から十五名程度の患者さんを担当をしています。国府台病院のような重装備なACT事業はなかなか他の病院が採用したくても難しいのではないか、そして運営も非常に厳しいものがあるんではないでしょうか。 そこで、簡便なACTチーム若しくはICMチームによって支援を行っていくことができるのではないか、必要ではないかというふうに考えます。そこで、アウトリーチ支援においても、支援対象者お一人お一人の体調や病状が日々刻々と変化することを考慮すれば、これは精神科医の判断と指示は欠かせないと思います。精神科医を中核とする小規模のACTチームやICMチームであれば、これまで以上の普及が目指せると考えますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(堀江裕君) ACTチームが普及がそこまで行っていないという中で、今委員が御指摘のように、精神科医を中核とする多職種協働による包括的支援かつその小規模な多職種チームというのは、全国へ普及させていくという観点から重要な御示唆だというふうに考えてございます。 厚生労働省といたしまして、精神障害者の方々が地域の一員として安心して自分らしい暮らしをすることができるように、保健、医療、福祉による重層的な支援体制を構築するその一つの手掛かりといたしまして研究させていただきたいと考えております。
○石井みどり君 ちょっと今の答弁では正直ACTが普及するという余り期待が持てない。もう少し具体的にきちんと、本当に地域移行を促進したいのか。そして、はっきり申し上げて、日本の精神科の病床数は多いと言われている。ただ、それは外国と同じ状況ではありませんので、一律に多過ぎると言うのは、これは当たりません。 きちんと地域移行できる、そういう体制をつくって後に病床を減らすというのが私は本筋だろうと思いますが、これは地域社会の中でその人らしい生活をする、精神障害があっても安心して就労しながら御自分の生活を成り立たせていくというためには、私はこういう今申し上げたような支援、サポート体制が大変重要だと思うんですが、進んでいないのが実態ですね。もうちょっと本気で取り組むのであるならば、今の答弁ではないお答えを期待したいんですが、いかがでしょう。
○政府参考人(堀江裕君) やはり精神科医療、今回の法律もそうでございますけれども、地域移行を推進させていくというのが一番の基本にあるわけでございまして、それが、やはり地域に戻るときの基盤とか条件とかいうものが整っていなければいけないという意味では委員と思いは一緒でございまして、多職種によります包括的なサポート体制、ACTであるとかをこれから先進めていけるように頑張っていきたいと思います。
○石井みどり君 進めていきたいというお気持ちは分かるんですが、気持ちだけでは動きません。医療も地域も動きません。具体的に動かしていくような、そしてそれに対するきちんとした評価が、採算が取れて、そして患者さんたちは病院じゃなくて地域社会の中できちんと自分が生かされて生きていくという、その仕組みが大事なわけですから、別に意地悪をしようと思って通告と違うことを聞いているわけではないんですが、肝はここなんですね、肝はここなんです。どうやって本当に地域移行を進めるのか。特にストレスフルな、就労すると本当にストレスフルな環境になる、病院の中で守られている環境とはまた違ってくる、そういう方々に対して、はっきり申し上げて、ストレス脆弱性の方々が多い精神障害者の方々をどう本当にサポートしていくかという、その仕組みの問題だと思っています。 同じ答弁が返ってきそうなので、それでは……(発言する者あり)いやいや、期待をしたいのでありますが、期待をする裏にはその裏付けが要ると思うんですね、期待するには。でも、まだはっきり今の御答弁では裏付けが見えてこないのでありますが。 それでは、何度も申し上げますが、小規模であってもこういう多職種の包括的な支援ができるチームが普及するためには、まさに診療報酬上の評価が欠かせないわけであります。さらに、ニーズが多い地域では、精神保健指定医あるいは精神保健福祉士、保健師、臨床心理技術者等の配置人数を増員したりあるいは専従とするなど、柔軟な人員配置が必要だと思います。地域によって、その地域によって形態を変えていくということ、その柔軟な仕組みが必要なのではないかと思いますが、いかがでしょう。
○政府参考人(鈴木康裕君) 先ほども御答弁申し上げましたが、平成二十六年改定においていわゆるアウトリーチ管理料を創設をいたしまして、訪問支援、それから緊急時の対応を評価をしているところでございます。これ、いろいろな御意見がございましたので、昨年の二十八年度診療報酬改定におきまして具体的に二つの点を変更いたしました。一つは、障害福祉サービスを利用中の患者の方々にも対象拡大をするということ、それからもう一つは、柔軟なという先生の御指摘もあると思いますが、チーム員がほかの業務を兼務をできるようにして専従要件を緩和をしたということでございます。 これによってより一層推進を図れるということではございますが、地域によって異なるという先生の御指摘もございますし、増員した場合はどうするかということもございますので、来年の改定に向けて、そういった御意見も踏まえながらしっかりと検討してまいりたいというふうに思います。
○石井みどり君 来年は診療報酬、介護報酬、DPC、トリプル改定でありますので、今回冒頭で、大変不幸な事件が背景にあった、だからといって法改正をするのではない、本来の患者さんの人権を尊重しながら地域移行を促進するということが一番の目的だと思いますが、じゃ、来年の診療報酬改定の後、この委員会で更に伺わなきゃいけないですね、本当にその仕組みを評価をされるのかどうか。 広島県で、アウトリーチを進めようとする、早期に始められた病院がありまして、そういう試みをするところでは、残念ながら事件や事故が起こっているんですね。良心的に、積極的にそういうことをやるところで、そういう事件、事故が起こっています、非常に不幸なことではありますが。要は、支援対象者の方の体調が急変する、あるいは病状が増悪するというようなそういうときに、アウトリーチの支援と精神科救急医療との連携体制が非常に重要となってまいります。つまり、症状増悪時には、直ちに精神科救急によって医師等が現場において診察をし救急処置をする、あるいは入院の必要があれば医療保護入院等も含めた入院の体制が取られる必要があると思います。 精神科救急医療に求められる役割、そしてアウトリーチ支援時との連携の在り方についてどのようにお考えでしょうか。
○政府参考人(堀江裕君) お答え申し上げます。 日頃から多職種連携による包括的支援を行い、精神障害者の方との信頼関係を構築し、症状が増悪した際には医師が訪問して診察を行い、本人への十分な説明と同意の下で必要な医療につなげていくことが適切だというふうに考えてございます。 精神科救急医療には、地域で生活している精神障害者が緊急な医療を必要とする場合に迅速かつ適切な医療を提供する役割がございまして、早期に本人の意向に沿った医療を提供できるようアウトリーチ支援との連携が重要だというふうに考えてございます。
○石井みどり君 済みません、お尋ねしたこととちょっと違うと思うんですが、今の答弁では。 救急時、急速に増悪をした、そういう救急時は、本人の意向と関係なく入院をしてもらったりとかということも出てくるんじゃないんでしょうか。ちょっと今の答弁、少し違うと思いますが。
○政府参考人(堀江裕君) 失礼申し上げました。 日頃から、精神障害者の方と包括チームとかで、間で信頼関係を構築しておいて、症状が増悪した際には医師が訪問して診察を行うと。こういう日頃からの人間関係の構築、そして本人への十分な説明と同意の下で必要な医療をつなげていくということで申し上げました。
○石井みどり君 何に引っかかっているかというと、御本人の意思のとおりできないこともあるわけですよね。そこを、今の通り一遍の答弁では、本当にこの救急の事態のときには対応できないと思いますよ。そのことが事件や事故につながっているわけですよ。それを伺っているんですが。
○政府参考人(堀江裕君) ちょっと、通り一遍ということでございまして、申し訳ございませんけれども。 やはり、日頃からの関係性を医療機関、医師、チームとその患者様、精神障害者の方との信頼関係を構築しておいていただいて、症状が増悪したようなときには、まさに精神障害者の方がしっかりと対応、反応ができない場合もあるかもしれませんが、そういうときに医師が訪問して診察を行って対応すると、こういうことだと考えてございます。
○石井みどり君 こちらが想定していることをちょっと御理解いただいていないような気がするんですが。 それでは、平素から意思の疎通を図り、人間関係をつくって、医療に対して、アウトリーチのチームに対しても信頼をされるというのは、これは当然のことなんですね。当然のことなんですが、例えば就労したりすると、ちょっと作業量が変わったり、あるいは職場の人間関係等で、一般の人では考えられないような、えっ、そんなことでストレスになるのというような、そういうときに非常にデリケートに反応してしまうんですね。自傷他害とは言いませんが、非常に問題が起こるわけです。 それを通常の定期的な観察やあるいは訪問看護だけでは、アウトリーチの看護、そういうだけでは、そういう事件、事故を防げないんではないかというふうに申し上げているんですね。だからこそ精神科救急との連携が重要であると。そのためにはどのようにお考えなのか、その連携をというふうに伺っているんですが。
○政府参考人(堀江裕君) 御指摘はごもっともでございまして、先般、これからの精神保健医療福祉のあり方に関する検討会のところでも、地域において医療アクセスの確保について検討するに当たって、どのような場合にどのようなアクセスの手段、アウトリーチによる受診勧奨あるいは移送等を用いるべきか、患者の状態などに応じた一般的な対応の在り方の研究を進めるべきというふうにしてございまして、今日最初に御回答いたしました、平成二十八年度より厚生労働科学研究としてそのACTを含めました包括的支援マネジメント研究を行っているわけでございますけれども、これが平成三十年度までのものでございます。精神障害者の地域生活支援を推進する政策研究ということでございまして、この成果も踏まえながら検討させていただきたいと考えてございます。
○石井みどり君 いやいや、ちょっとそれおかしくないですか。三十年までですよね、その研究は。その成果も踏まえながらと言って、今回法改正をして施行は一年後ですよね。その間どうするんですか。本来そういう体制をつくってから法改正じゃないんですか。それ、順序が後先じゃないですか。
○政府参考人(堀江裕君) 今の研究は三年間の研究でございますので、順次成果が出たところは反映させていただきたいというふうに考えてございます。 また、今回の法案の中におきます精神障害者支援地域協議会の代表者会議の中で、地域の精神科医療機関の役割分担や連携等につきまして協議することになってございますので、そうしたところで具体的に進めていくことになろうかと思います。
○石井みどり君 ここをなぜ私がしつこく伺うかというと、これまでの日本の精神科医療、本当に不幸な歴史があるんですね。ライシャワー大使を襲撃した事件から始まり、そして皆さんの御記憶の中には池田小学校があったりとか、本来、地域社会の中で、精神に障害があろうと知的だろうと身体だろうと地域社会の中でその人らしく暮らしていくという、そういう仕組みが大事なんですが、しかしそれをやろうとすると、事件、事故が起こると後退をしてしまうという、そういう私は認識を持っているんですね。 ですから、冒頭申し上げたような地域移行、これを厚生労働省も進めたいという、そして精神障害者の方の人権も尊重されるべきだと。そのためには、やはり医療がきちんとベースとなって、もちろん保健、医療、福祉のサポートが必要ですが、精神障害の方に関してはきちんと医療がベースとなってサポートする必要があるということを特に思うわけであります。ですからこのことをしつこく伺っているんですね。是非重く受け止めていただきたいと思います。かつては本当に日本は座敷牢のような、そうではない、そうしてはいけない、そして精神科医療も一部に質の悪いのがあるかもしれない、そういう人たちをもう排除して淘汰されなきゃいけない、どの医療でも質の向上、これは求められていることだと思います。 それでは、今回の改正案では、医療保護入院に係る市町村長の同意について、家族等が同意、不同意の意思表示を行わない場合が新たに対象となります。そして、現行の医療保護入院の手続では、医療保護入院の措置をとった精神科病院の管理者は十日以内に都道府県知事に届けなければならないことが法律に明記をされています。一方、市町村長の同意については、市町村長同意事務処理要領において市町村長の担当者は速やかに手続を進めることとされていますが、いつまでに行うべきか不明確であります。このために、同意手続の遅れにより医療保護入院の届出が十日以内に行えないという事例が散見されます。また、自治体間の連携が非常に非効率で、時にはもう行政が怠慢ではないかというような事例さえございます。 市町村長の同意の対象を拡大するんであるならば、医療保護入院の届けに関する規定と整合性を持つように法律において同意手続の期間を明確に規定をし、これを義務化すべきではないんでしょうか。こういうケースは決して珍しくはない、非常によくあることなんですね。それでお伺いしています。
○政府参考人(堀江裕君) 医療保護入院に関する市町村長による同意の手続につきましては、従来より速やかに行うよう周知しているところでございますが、一方で、市町村長による同意の依頼を受けた自治体は、病院が把握していない家族等の存在を把握する必要がある、それから医療保護入院の判断の妥当性を確認しなければならない場合もあることから、医療保護入院の判断を適切かつ慎重に行う観点からは、同意手続の期間を一定のものとして義務化するというのはちょっと難しいと考えてございます。 その一方で、手続の期間が長引きますと患者が適切な医療を受けられる時期も遅れますことから、引き続き市町村長による同意については速やかに対応するよう自治体に周知するとともに、市町村長が同意を行う際に求められる手続や確認事項を明確化して自治体に示すことで迅速化を図ってまいりたいと考えてございます。
○石井みどり君 デスクワークでお考えになると御理解できないのかも分かりませんが、実態は、家族がなかなか見付からない、あるいは見付かっても同意、不同意の意思を示されない、こんなことはしょっちゅうあるんですね。そうすると病院が困るんです。十日以内に届けなければいけない。ところが、市町村長の方は、全くそれに対して期間の限定もありませんし、その理解が低いというところもあります。それで、一方だけ十日以内で一方でそうであるならば、非常に現場としては困っている事例がたくさんあるんです。だからお伺いしているんです。 厚生労働省のあの建物にいらっしゃると、紙切れ一枚通知を出せば市町村が動くとでも思っていらっしゃるんでしょうか。ほかの行政もそうですが、決してそうではないんです。だからどうするんですかと伺っているんです。
○政府参考人(堀江裕君) 今委員から御指摘いただいたようなことにつきまして、よく医療関係団体とか自治体とかと協議しながら改善を図っていくことになるんだろうというふうに考えてございます。まさに実情といいますか、よくお話をお聞きしてその改善に努めていくと、こういうことだと思います。
○石井みどり君 通達を出せば世の中が動くと思っていらっしゃるんでしょうから、現場が困るということだけは御理解ください。 それでは、精神保健指定医制度見直しについてお伺いをしたいと思います。 今回の見直しは、聖マリアンナ医科大学病院での精神保健指定医資格の不正申請を契機として、昨年十月に全国で八十九名の精神保健指定医の指定が取り消されたことを背景にしております。 精神保健指定医の指定に当たっては、精神科医療の実務経験の有無を確認するためケースレポートの提出が求められていますが、指定が取り消された事案は、自らが診断、治療に十分関与していない患者のケースレポートを提出したものなどが理由としており、指定医制度の信頼を大きく失わせるものでありました。 精神科医療は、患者の意思に関わらない入院医療や行動に一定の制限を行うことがあり、こうした措置の必要性を判定する医師には実務経験や研修が重要であります。そのためにも、指定医の要件というのは、これはきちんとされるものだと思いますが、こうした指定医制度は今後も精神科医療を支えるものとして必要であると考えています。 今回の改正内容は指定医取消し事案を踏まえたものと承知をしておりますが、これを契機に、指定医制度全体の制度管理の向上や質の向上を図るものとすべきであります。事例は少ないかもしれませんが、児童あるいは思春期精神障害を扱うケース、あるいは地域の実情を知るために精神科の救急システムへの参加などが必要と思いますが、いかがお考えでしょうか。
○政府参考人(堀江裕君) 精神保健指定医は、措置入院の判断を行うなど人権に関わる医療的判断を行う上で重要な役割を担っておりまして、その指定と更新には指定医としての知識と技能の評価が必要でございます。 指定申請に当たりまして、現行では、統合失調症、躁うつ病、児童・思春期精神障害等の六分野においてケースレポート八症例以上を書面で提出することを求めてございます。一方で、分野によっては症例数が少なく経験することが難しいという分野があるというような意見も承知してございます。 また、指定更新に当たりましては、現行では五年置きの研修を義務付けているわけでございますけれども、今回の法改正では、指定医としての必要な資質や能力がきちんと確保されますように、研修の受講に加えまして指定医としての知識と技能を要する業務の経験を追加してございます。この業務経験といたしまして、例えば御指摘のありました精神科救急等への参画とか、措置診察、精神医療審査会への参画等を想定しているものでございます。 厚生労働省といたしましては、指定医としての業務を適切に行うことができますよう資質を備えていただくのが非常に大事だということは委員と全く一緒でございます。その上で、分野別の入院患者数の実態や精神科医療に携わる有識者の意見を踏まえながら、経験すべき症例要件の見直し等につきまして医道審議会での御審議を得ながら議論を進めていきたいと考えてございます。
○石井みどり君 相模原市の事件は措置入院者の措置解除後の退院後の支援がいかに重要かを考えさせるものでありました。今回の改正案におきまして、措置入院者の退院後の支援体制を整備するということは評価をしたいと思います。しかし、きめ細かく生活をサポートしても、先ほど申し上げましたように、健常者から見れば極めてささいなことでも急性に症状が増悪することがあります。したがって、病状を安定させるには医療がベースとなって医療を中心とした支援が極めて重要であり、医療についてはアウトリーチ支援と精神科救急医療との連携を確立していくことが求められます。 改正案の施行は公布の日から一年を超えない範囲内と規定をされています。施行までの準備期間が短いのが気になりますが、最後に、精神障害者の地域移行を促進していくんだと、そして、そのためには、先ほど私が問題意識を持ったこと等を含めて厚生労働省として本当にどのように取り組んでいくのか、これは塩崎大臣の御決意を伺って、少し早いんですが、質問を終わらせていただきます。
○国務大臣(塩崎恭久君) 改正案の施行までの準備期間が多少短いのではないかという御指摘を含めて、地域移行への精神障害者の移行への決意というか、そういうことについてのお尋ねをいただいたわけでありますが、今回、この法律の改正は三つの柱がございまして、かねてより見直しが求められておりました医療保護入院の入院の手続等の見直し、そして、これは大変遺憾なことでありましたが、精神保健指定医制度でいろいろな不正があったということで、この中身についてもしっかり議論をしないといけないということ、そして、相模原での事件をきっかけに、改めて措置入院、そしてまた措置入院解除後のその措置入院を一旦された方々が地域にどう移行していくのかということを見るにつけて、様々な問題が浮き彫りになってまいりました。 例えば、この消退届の中での地域にどう戻っていくのかということに関して、記載がないというのが二割あるというようなことがサンプリング調査で分かってまいりましたし、記載があっても、全体の半分以上は必要ないと、特にケアが必要ないというような形で、退院後の地域への復帰に関して余りにもこれは言ってみればケアの体制が整っていないと、そんなことがございまして、今回こういう法律案を出させていただいているわけでございます。 精神障害者の地域移行を進めるに当たっては、自治体を中心として医療、保健、福祉の一体的な取組というのが必要でありまして、先ほどアウトリーチのお話が質問で出ましたが、これについては今研究中ではございますけれども、やはりかなり幅広く地域移行に当たっての必要要件というものをどう考えるのかということを踏まえながらアウトリーチの在り方というものを多職種でやっていく、そういう厚みのあるケアを考えていかなければいけないんだろうということで、なおこれについては研究を続けていかなければいけないと思っております。 改正案の施行までの間に自治体が施行に向けた準備をしっかり行っていただかなきゃいけませんから、関係する省令とかあるいは措置入院に関するガイドラインといったものをできる限り早く自治体に我々は示していかなければいけないだろうというふうに思います。 厚労省としては、今回の法案に明記をさせていただいたように、精神障害者が退院をした後に社会復帰がスムーズにできる、それを促進するということ、そして、自立と社会経済活動への地域での参加が促進をされるように必要な施策を更に充実をしていくということは私どもやり続けていかなければならないんだろうというふうに思います。 いずれにしても、そのようなことで、しっかりと準備をした上でこの法律を施行できるように万般にわたって努力をしていきたいというふうに思います。
○石井みどり君 来年の診療報酬改定を期待したいと思います。 ありがとうございました。
○自見はなこ君 参議院議員の自見はなこです。どうぞよろしくお願いいたします。この度は、質問の機会を頂戴いたしまして誠にありがとうございます。 冒頭でございますけれども、昨年の夏の相模原障害者施設の殺傷事件で亡くなられました十九名の方々の御冥福を心からお祈りいたします。また、重軽傷を負った方々、御家族の方々、関係者の皆様に対しても心からお見舞いを申し上げます。 私がふだんから大変親しく御指導をいただいている六十代の小児科医の先生と先日話しておりましたところ、その先生は若い頃に、今回の事件がありました津久井やまゆり園の園医を約二年間していたとのことでした。あんなにかわいくて純粋無垢な子供たちはいなかった、本当に何てことをしてくれたんだ、今でも信じられないと、大変優しい先生が強い口調でおっしゃっておられました。 私は、今回の事件は様々なことを私たちに突き付けることになったと考えております。障害を持つということはどういうことか、生きることとは、差別とは、福祉とは、我々の社会とはそれぞれ一体何であるか、また同時に、精神疾患の種類や症状、薬物使用、警察、精神科医療、福祉の体制などについても考えを巡らせることとなりました。 私は、私たちの社会にいまだに潜む差別や偏見に対しては粘り強く課題を乗り越えていけるものと信じておりますし、また、社会に当たっては、それぞれが持つ、私たちそれぞれが持つ多様性についても、もっともっと成熟した寛容さを内包できる強さを社会全体として育んでいってほしいと願っているところであります。 さて、今回の事件はまだ裁判中ではありますが、私は極めて特異な犯罪であると考えております。そして、医療とそして司法は別のものであるというふうに考えております。この大前提が今回の議論の中では非常に大きな意味を持っていると思っておりますので、冒頭申し上げておきたいと思います。 ただ、今回は、その事件を起こされた方が精神疾患をお持ちの措置入院者の退院後だったということから、このような領域の出来事に対して法改正で医療の役割を明確にすること、そして精神疾患の患者に対する医療の充実を図ること、さらには人権にも関わる精神保健指定医の資質を担保するための制度の見直し、これを図るという、この三つに留意をしているというふうに承知をしているところであります。 一つ目の質問になります。 相模原市の障害者施設の殺傷事件については、今回のこと、警察としてどのように受け止めておられるのか。特に当時の警察の対応についてどのように考え、事件を通して警察として今後どのような点に課題があると認識しておられるのか。その際に人権擁護の観点からのお考えも併せてお聞かせください。
○政府参考人(小田部耕治君) 本件は何の罪もない多くの方々が犠牲となられた大変痛ましく残忍な事件であり、二度とこうしたことが起こらないよう取り組んでいくことが重要であると認識しております。 警察といたしましても、当時、パトロールや防犯指導等の必要な措置を講じていたところでありますが、昨年十二月に事件の検証等チームが取りまとめた報告書におきまして示された課題や再発防止策を踏まえまして、都道府県、精神医療関係者等との間で薬物等の犯罪に係る情報共有の在り方を共有することなどを通じた相互理解の推進、社会福祉施設等の防犯に係る安全確保への協力等に取り組んでいるところでございます。 今後とも、改正法案の趣旨も踏まえ、人権保護等にも配意しつつ、また、関係機関等と連携、協力しながら再発防止に向けた取組をしっかりと進めてまいりたいと考えております。
○自見はなこ君 今回のことは精神障害ということで決して一くくりにすることがないように、くれぐれも人権擁護の観点からも適切な対応をお願いをいたします。また、治療や人権に配慮した適切なそれぞれの関係団体との連携強化と、また薬物情報の共有の在り方についても今後検討していくことを望みます。 実は私は、今回のこともありまして、津久井のやまゆり園を訪問させていただきました。このやまゆり園では、非常に風光明媚なところにありまして、相模湖の近くにありまして、標高が高い、自然が豊かなところでありました。そして、その施設の入口には古い木の置き時計がございました。創立五十周年を記念して贈られた時計でありました。隣接する近所の方々からも散歩する施設の利用者におはようと声を掛けるなど、地域に溶け込み、そして、すぐ近くには長年交流を続けてきた小学校と、その脇に小さな派出所がございました。 施設の方々のお話の中で私が特に印象に残っておりますことは、今回のことが自分たちの施設で働いていた者による犯行だったということに関して、我々の障害者施設で働いていたにもかかわらず、自分たちが彼に福祉の仕事の尊さや利用者の方々のすばらしさを伝え切れなかったのかと思うと残念でならないとお話をされていました。 私は、施設の現場での対応もお伺いしましたが、警察への相談や警備員の配置など、その都度で適切な対応が取られていたのではないかなと感じたところでもございました。先ほど示していただいたような課題はございますが、これから皆で前向きに頑張っていけたらと思っております。 また、施設の方々は、これから一旦引っ越しをして、再度新しくまたこの土地に戻ってきたいと話しておられました。そのときには、長年交流を続けてきた地元の小学校との交流を再び再開したいと楽しみにされておりましたので、社会全体で今回のことを応援していくことを私たちは忘れていけないと感じた次第であります。 さて、次の質問に移ります。 この度の事件では、加害者が措置入院の退院後であったということからも注目をされました。公益社団法人の日本精神神経学会が本年の三月十八日に、精神保健福祉法改正に関する学会見解として、事件の再発防止を目的として措置入院制度の改正を行うことに対して強い懸念を表明しています。いわゆる措置入院が犯罪の予防のために行われるというような制度であるというような誤解が出ているということが感じられたことからによります。 そこで、改めてでございますけれども、確認をさせていただきます。今回の法改正の趣旨として、様々な取組の中で、より精神科領域の医療の充実を図るということが主目的になると認識をしております。今回は、この目的を改正によってどのように実現しようと考えているのか、お考えをお聞かせください。
○政府参考人(堀江裕君) お答え申し上げます。 本法案は、措置入院者の社会復帰の促進等のため、入院中から退院後における医療等の支援の内容を関係者で協議の上、退院後支援計画を作成し、退院後は、退院後支援計画に基づき医療等の支援を行うこととするとともに、精神障害者支援地域協議会において退院後支援計画の実施に関する連絡調整を行うこととしてございまして、措置入院者に対する適切な精神科医療を充実させる仕組みとしてございます。 このほか、本法案は、精神障害者支援地域協議会において、精神障害者の適切な医療その他の援助を行うために必要な体制について協議することとしており、地域の精神科医療の体制の充実に資するものと考えてございます。また、措置入院中の診療に係るガイドラインを作成し、医療機関等に周知する予定でございまして、措置入院中の診療内容の改善を図ってまいります。 法案の施行に当たりましては、法の意図する精神科医療の充実が行われますよう、退院後支援の仕組みなどの運用の在り方につきまして自治体にしっかりと周知してまいりたいと考えてございます。
○自見はなこ君 ありがとうございます。 今回は、国及び地方公共団体が配慮すべき事項を明確化してくださったことにも大変大きな意義があると思っておりますが、大事なのは言葉だけではありません。その中身と実効性が問われていると思います。 また、後半にも質問させていただきますし、石井みどり先生にも御質問いただきましたが、退院後の支援というものが何よりも大事でありまして、それは措置入院の患者様だけに限らず、精神科の患者様全てに当てはまることであります。是非、実効性のある対策をよろしくお願いをいたします。 それでは、次の質問に移ります。 この度の事件では、容疑者が障害の有無によって人の優劣を付ける、いわゆる優生思想を持っていたということが明らかになっております。政府は平成二十六年に障害者の権利に関する条約を批准したと承知しておりますが、内閣府所管の障害基本法などに関して国内でどのような取組を今までしてこられたのか、教えてください。
○政府参考人(和田昭夫君) お答え申し上げます。 平成十八年に国連で採択されました障害者権利条約では、この条約の締結国は、障害が、機能障害を有する者とこれらの者に対する態度及び環境による障壁との間の相互作用であって、これらの者が他の者との平等を基礎として社会に完全かつ効果的に参加することを妨げるものによって生ずるものであることを認識してこの条約を協定したとされております。 英文の条約を和訳したものですので、やや翻訳調でお聞き苦しい点もあったかとは存じますが、一般的に、この定義は、障害を従来の心身の機能の障害のみに起因するものと捉えるいわゆる医学モデルの考え方から、社会における様々な障壁と相対することによって生ずるものと捉えるいわゆる社会モデルの考え方に大きく転換したものと理解されております。 そこで、我が国では、平成二十六年の障害者権利条約の批准に先立ち、障害当事者の皆様などからの御意見も踏まえ、国内法の整備を行ってまいりました。例えば、内閣府の所管で申し上げますと、平成二十三年八月に障害者基本法を改正し、平成二十五年六月に障害者差別解消法を制定していただきました。これらの法律では、障害者の定義を身体障害、知的障害、精神障害、これには発達障害も含みますけれども、その他の心身の機能の障害がある者であって、障害及び社会的障壁により継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける状態にあるものをいうと定めておりまして、冒頭に申し上げました障害者権利条約の考え方を反映したものとなっております。 内閣府といたしましては、関係省庁と連携しつつ、引き続き、これらの法律の実効性ある施行に努めてまいりたいと存じます。
○自見はなこ君 ありがとうございます。 障害者の権利に関する条約を批准するに当たって国内法の整備もしてくださっていたということで、今までの努力に心から感謝を申し上げます。 また、その中で教えていただきました、障害者ということを当事者として考えるということではなく社会全体のこととして考えるということで、百八十度の転換をされたわけでありますが、あと大事なのは私たちのマインドであると思っております。是非、これらのことをもちろん周知していただきたいとは思いますが、同時に、マインドを変えるのは、大変大事なのは経験だと思っておりますので、この点からもよろしくお願いいたします。 その点を踏まえまして、次の質問に移りたいと思います。 次は、その経験というところで教育に関してお尋ねをさせていただきたいと思います。 障害児の教育について、教育段階から障害特性等についての理解が促進されますようにインクルーシブ教育を進めてくださっているとは思いますが、その現状と取組、そして方向性などについてお考えをお聞かせください。
○政府参考人(白間竜一郎君) お答え申し上げます。 御指摘のように、障害のある子供とない子供が可能な限り共に学ぶ仕組みの構築、これは障害者に対する理解を深めることにつながり、大変重要であると、このように認識をしております。 そのため、文部科学省におきましては、障害の有無にかかわらず一人一人がその能力等を最大限に伸ばし社会に参画していくことができるよう、障害のある子供と障害のない子供ができる限り同じ場で共に学ぶことができるような体制の整備を進めてきております。 具体的に申し上げますと、看護師などの外部専門家を学校に配置するための補助事業ですとか、また、特別支援教育を支援する支援員の配置のための地方財政措置などを実施をしておりますし、また、独立行政法人の国立特別支援教育総合研究所におきましては、障害の状態や特性等に応じました教材又は支援機器等を活用した様々な取組の情報等を公開をするとともに、学校における合理的配慮の実践事例を公開をすることなどをしてきております。 文部科学省としましては、こうした取組の充実を通しまして、障害のある子供とない子供が可能な限り共に学ぶ仕組みの構築を更に進めてまいりたいと考えております。
○自見はなこ君 様々な取組をしてくださっておりまして、本当にありがとうございます。 また、発達障害ですとか自閉症があるお子さんが週に一回だけ通うような教室、通級指導教室というものも全国で展開してくださっておりまして、実に十万人近い児童が利用しているとも聞いておりますし、先ほどの答弁にもありましたように、医療的ケア児についても予算を押さえてくださっております。本当に感謝申し上げます。 また、実は現場現場では運営上も見えない苦労もあると思いますし、また御両親のこうあってほしいという思いもまだまだまだまだあると思います。是非、文部科学省の皆様には現地へ足をお運びになって、行政として更に何ができるのか、積極的に考えていっていただけたら大変有り難いと思います。どうぞよろしくお願いいたします。 さて、話を精神科医療に戻したいと思います。厚労省にお伺いをいたします。我が国の精神科医療の現状についてでございます。現在、我が国の精神疾患を抱える患者の数はどれくらいなのか、またその疾病構造の変化について教えてください。
○政府参考人(堀江裕君) 我が国の精神疾患を有する入院患者の推移は、平成十四年の調査で約三十四・五万人でございましたが、平成二十六年の調査では約三十一・三万人と減少傾向にございます。一方で、外来患者につきましては、平成十四年の調査では約二百二十三万九千人でございましたが、二十六年の調査では三百六十一・一万人と増加傾向にございます。これら入院と外来の患者数を合計いたしますと、平成十四年には二百五十八・四万人であったものが、平成二十六年には三百九十二・四万人と大きく増加していることになります。 疾病別に見ますと、統合失調症の患者数が七十三万四千人から七十七万三千人へと割合としては微増にとどまっているのに対しまして、認知症の患者数が二十二・七万人から六十七・八万人へと三倍近くの増加をしております。また、うつ病や躁うつ病を含みます気分障害につきましても、七十一・一万人から百十一・六万人と大きく増加してございまして、高齢化等の社会環境の変化により疾病構造が変化してきていることがうかがわれるというふうに考えてございます。
○自見はなこ君 ありがとうございます。 実に増えているということがよく分かったデータでありますけれども、それを一人というふうに考えますと、三十人に約一人が一生のうちで何らかの精神疾患にかかるとも言われております。 これほどの頻度のものですが、御指摘いただきましたように、最近の動態の中で着目すべきはやはり大きく二つになると考えております。一つは高齢化の進展に伴う認知症の増加、かなり増えてきております。また、もう一つは、統合失調症が新薬などの登場により以前と比べて軽症化しているということも大変重要な実態であると考えております。入院に至らずに外来で加療できる方々が増えてきたということは、より地域でのサポートが必要になってきているということであります。また同時に、発達障害や気分障害などのそれぞれの症例の多様化ということも認められているのがここ近年の実態ではないかなと考えております。 これらの疾病構造の変化等を踏まえて、次の質問に移ります。これは大臣にお答えいただけたら大変有り難いと思っております。 さて、このような地域で患者を支えていくということに関しまして、病院とそれから診療所の連携というものは、良好な連携を深めていくということは大前提でございますけれども、特にこの外来精神科の医療、とりわけ精神科診療所の機能の充実が不可欠であるということも自明となってきておりますが、現在の外来の精神科医療に関する診療報酬の評価では、通院・在宅診療療法とそれから精神科継続外来支援・指導料、この二つがございますが、これにおける療養生活整備の支援を目的とした場合の加算が同時にできないということが現状となっております。 分かりやすく言いますと、一度通ってももう一回通わないと退院後の継続の支援の部分の加算が受けられないということになっておりまして、これは全然実態に合っていないんじゃないかという声も多く聞かれます。これはほんの一例でございますけれども、他にも地域社会をしている精神疾患を持つ患者様を支える診療報酬の体系になっていない実例が散見されるのも事実でございます。 繰り返しますが、現在は、精神疾患の疾病構造そのものが近年変化しております。例えば、地域生活をしている単身の重度精神障害者への生活支援、また休職を繰り返すうつ病の方への復職支援、不登校の生徒への復学支援、子育てで悩む余りに虐待に発展しそうな母親への支援、認知症の行動・心理症状への対応など、精神科で対応する患者像が大変幅広くなっている中、私たちはメンタルヘルスに関する諸課題を解決するには、精神科の医師だけではなく、精神保健福祉士などによる専門職の関与が強く求められているところであります。 ここで質問させていただきますが、そういった、さきに挙げた診療報酬の検討も含めてでございますが、精神科医療を取り巻くこの状況の変化というものを踏まえた上で、これからの精神科医療の方向性について大臣のお考えをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今部長からも答弁申し上げたように、疾病構造というか、この精神科に関しましてもいろいろ変化があるということがございました。認知症あるいはうつ病などの気分障害の患者数が大きく増加するなど疾病構造が変化をしているということ、そして入院医療だけではなくて外来による精神科医療の重要性が先ほど来自見先生からも指摘を受けているとおり増えている、その重要性が増えているというふうに思います。 実際に、PSWを含めた多職種がチームとなって外来診療において医療等の複合的な支援を行っている精神科診療所がこれが増えているということで、昨年八月にはそのような診療所を私自身も実は都内で視察をさせていただきました。実に地域としっかり根差した活動をされているわけで、極めて先駆的な取組だなということを感じさせていただいて、全国に普及するまでには至っていないという段階だなと、しかしこれを広げていくということが大事だというふうに思いました。 こういうことから、入院医療中心だったかつての精神科医療、これを地域生活中心へという基本的な方向性の中で、入院医療を担う精神科病院と連携をして外来診療において多様な精神疾患に対応して、かつ地域に根差した活動ができる精神科医療機関が増えていくことが望ましいのではないかという方向性として、地域を大事にした、そして地域で暮らしていけるための患者様のための精神科医療と、こういうことだと思います。 この療養生活環境整備加算というのがこれございまして、この服用管理についての御指摘がありましたが、それに際して看護師等が精神疾患患者に対して服薬指導等を行った場合に算定できる加算が今の療養生活環境整備加算であるわけでありますが、こうした看護師等が行う業務は通院・在宅精神療法の中に含まれているものと整理をしているために、これらの診療報酬は同時には両方を算定をするということがなかなかできないということとなっております。 こうした患者さんへの服薬管理に関する評価の在り方について今御指摘のあったようなことが起きる背景としてあるわけでありますので、これにつきましては、平成三十年度の診療報酬改定に向けて関係者の意見もしっかりと聞いて検討してまいりたいというふうに思います。
○自見はなこ君 大臣からは大変心強い答弁をいただいたと思います。 疾病構造の変化を見据えていただきまして、また現場のニーズも酌み取っていただいた本当に塩崎大臣にしかできないようなすばらしい答弁をいただいたと思います。ありがとうございます。 さて、次に移りたいと思います。 今回の改正により、精神保健指定医の更新の際に、指定医としての実際の業務経験を求めることとしてくださっております。 質問は二点ございます。 この指定医というものは、人権を取り扱うということから、その責任は大変重たいと思っております。そして、それがゆえに是非厳格に行ってほしいと考えておりますが、それに対してのまずお考えをお伺いしたいと思っております。 また、その取得後でございますけれども、本人が努力をしても、特に精神科の先生が開業された後などは措置診察などの病院での業務経験というものの機会を得られない場合がございます。是非、診療所と病院との連携を日常的に行っていただくことで、指定医を更新できない先生方が発生するということを防ぎ、そして何よりも資質の向上につながると思っておりますし、結果として指定医の確保にも支障を来さないようになるかと思っておりますが、いかがでしょうか、お考えをお聞かせください。
○政府参考人(堀江裕君) お話しの、御指摘いただきましたとおり、精神保健指定医は措置入院等の患者さんの意に反した入院にも関わるという意味で大変重要な役割を持っているものでございまして、正しい知識を持っていただき、また経験も持っていただいて業務に取り組んでいただくということでございまして、今回のあの一連の事件というのは、そうしたものについての、軽視されてしまう風潮が生まれてしまったということで大変遺憾なことだと思っておりまして、今回改めさせていただくように考えてございます。 また、日頃から医療機関と連携を取っていただいてということでございます。今回の指定の中で、更新要件の中で、措置入院ですとか医療審査会ですとかについての経験もしていただくようにしてございます。それはなかなか機会を得るのが難しいということもございますけれども、一方で、そうしたことを契機といたしまして、日頃から指定医の資格をお持ちの方がそうした業務に携わっていただいて、そうした経験を持つ精神保健指定医が増えていくということを期待しているという意味合いもございまして、このように進めてまいりたいと考えてございます。
○自見はなこ君 ありがとうございます。 患者様の人権に関わることですので、襟を正して私たちみんなで臨まなければいけないことだと思っております。また、具体的に言及はなかったのかもしれませんけれども、口頭試問の導入ということなどに関しても是非御検討いただきたいと、御提示いただいているとは思いますが、是非していただきたいと思っておりますので、よろしくお願いをいたします。 また、次は、八問目用意しておりましたけれども、石井先生と同じ質問でしたので飛ばさせていただきますが、内容といたしましては、ケースレポートを提出してくださっておりますけれども、提出を明示、告示してくださっておりますけれども、これが具体的には児童精神などの数少ない症例というものも中には入ってございますので、是非ケースレポートの症例の選定に当たっては実情に合ったものを用意して選んでいただきたいなというふうに考えております。 また、コメントでございますけれども、今回の取消しの処分に際しましても、私もいろんな方々からのお話をお伺いをいたしました。そうしたところ、確かに非常に真面目に取り組んでおられたのに、なぜ処分に遭ってしまったんだというお声も聞いたところでありますが、その方たちがお話をしていたのは、カルテのみを根拠にされたということに対してのコメントでありました。実際の現場はチーム医療で行いますので、チームで診ておりましても、現場での多職種連携の中で、全ての主治医、担当医がコメントを書くということをせずに、一人二人が固定で記載をいたしまして、その後にカンファレンス等で共有するということも現場現場ではあることであります。厚生労働省の行ってくださっている講習におきましても、やはりもう少し丁寧にカルテを根拠にしていますということを明言していただいて、そして誤解のないように運用をこれからしていただければ大変有り難いと思っております。 また、いずれにいたしましても、我々としまして大事なことであります精神科医療の向上ということに対して一致団結して進んでいけたらと思っておりますので、引き続き、御指導のほど、よろしくお願いいたします。 次に、ちょっと質問を、十一番目に提出しておりました身体拘束の質問を先にさせていただきます。人権に関することでございます。 入院中の精神障害者の方々の身体拘束や隔離といったものが一万件を超えているという報道がございました。私は、これは今現在、県ごとで集計を六月三十日にされていると思いますが、病院ごとにこの集計をしていく必要があるのではないかと思いますが、これらの現状とお考えについてお伺いします。
○政府参考人(堀江裕君) 今御指摘のことでございますけれども、精神科病院におきます隔離、身体拘束につきまして、毎年六月に精神科医療機関を対象といたしました実態調査によって把握してございまして、御指摘のとおり、現在では都道府県、政令指定都市ごとに集計して公表しているというのが状況でございまして、医療機関ごとには明らかにしてございません。 現時点での調査につきましては、医療機関別に公表はしない前提で依頼させていただいて、率直な状況なども教えていただくようなことにしてございまして、現時点で病院ごとに公表する、この調査を使って公表するのはなかなか難しいところがあるかというふうには考えてございますけれども、厚生労働省といたしましては、この精神科、御指摘のように精神科病院におきます隔離、身体的拘束につきまして増加傾向にございますことから、その要因分析については必要であるというふうに認識してございまして、厚生労働科学研究といたしまして、本年六月に隔離や身体的拘束に関する全国調査を実施して、少し大規模なものとしたいというふうに考えてございます。その際には、病院や患者の特性を踏まえて分析をいたしまして、その増加要因というのを明確にしていきたいというふうに考えてございます。
○自見はなこ君 ありがとうございます。 公表するかどうかという非常に繊細な問題があるかと思いますけれども、実際の精神科救急の現場ですとか、あるいは重症度の高い精神科の疾患の病棟などにおきましては、やはり一番は患者様とそして医療従事者も同時に安全でいていただくということで、それの上で治療を進めていくことが大事だと思っておりますが、この二つのことを両立していることに、取組を先進的にしてくださっている病院、医療機関も多々ございますので、是非横の病院がどういった取組をしているのかということを関係者の中でまず共有し合うということも大切なことかなと思っております。 不必要な身体拘束というのはやはりあってはならないと思っておりますし、患者様の尊厳そのものでありますので、しっかりと取り組んでいただきますようにお願いを申し上げます。 さて、次の質問に移ります。 初期研修、医師の臨床の初期研修に関しての質問になります。いろいろな機会で私いつもお話をさせていただいておりますけれども、私自身は平成十六年度の初期研修、臨床初期研修の初年度に医師になった人間であります。その際には、初年度でありましたので、精神科や、またそういう精神科だけではなく小児科、産婦人科、そして外科というものが必修科目の中に組み込まれていた時代でした。平成十六年の後のその次の見直しでこれが必修から外れておりますけれども、私は初年度でしたので、幸いにもこの必修科目で精神科というものを一か月回ることになりました。 二週間は大学病院で回らせていただきまして、その後二週間は地域の基幹病院へと行かせていただきました。この一か月は私にとりましては実に学ぶことが多い一月でございました。その後、精神科ではなく私は小児科へと進みましたが、その後の自分の診療の中におきまして発達障害や自閉症、又は様々なお母様方の育児ストレスの相談といったことなど、やはり診療への深みが全く違うものになったなというのを実感として持っております。 また、内科領域でも、例えば認知症の行動・心理症状ですとか、それからメンタルヘルスというものも非常に重要なこれからは項目となってまいります。そして、外国では神経内科に行く際、あるいは神経内科で専門医を採る際に、その身体症状と精神症状の密接さといった観点から、精神科での臨床経験を神経内科の専門医のカリキュラムの中に入れているという外国の例もあるところであります。 そこで、お考えをお伺いしたいのですけれども、昨今の精神科患者のこのような増加といったものも踏まえまして、精神科の基本的な診療能力を身に付けるため、医師の初期臨床研修において精神科を必修に再度すべきではないかと考えておりますが、いかがでしょうか。
○副大臣(橋本岳君) お答えをいたします。 先ほどの質問で障害部長が答弁をいたしましたが、その精神疾患を有する患者数は増加傾向にあるというのはその答弁のとおりでございます。今、現行の臨床研修制度について委員からも御指摘があったわけでございますが、二年間の研修期間において、将来専門とする分野にかかわらず基本的な診療能力を身に付けることを基本理念としておりますが、その御指摘のあった精神科については選択必修科目として位置付けられておりまして、その全員が必ず必修ということにはなっていないというのは御指摘のとおりでございます。 臨床研修の在り方につきましては、現在、医道審議会の下にある医師臨床研修部会において平成三十二年度の見直しに向けて審議が進められているところでございます。本部会においては、参画する委員より必修科目の見直しの御意見をいただいているほか、関係団体からの要望書もございます。また、新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会の報告書、これを先般公表させていただいておりますが、この中でもやはり御指摘がございまして、そうしたもの、そして今委員からもいろんな御指摘もいただきました、そうしたこともしっかり踏まえまして、今後の研修、診療科の在り方の議論の中でしっかり検討してまいりたいと考えております。
○自見はなこ君 ありがとうございます。 大変重要なことだと思っております。そして、日本では、やはり医学部を卒業して、そして初期研修を終えたときには一般的な診療能力をしっかりと持った医師を国として養成するんだという方向性を是非打ち出していただきたいと思いますし、その中に精神科の存在というものが非常に大事になってくると思っておりますので、よろしく御検討のほどをお願い申し上げます。 続きまして、時間の関係で少し飛ばさせていただきます。十六番目の方で提出をさせていただいた質問になります。患者様の退院支援の手続のことであります。非常な大事な、テクニカルではございますけれども非常に重要なことかなと考えております。 精神障害の現在の退院支援においてヘルパーそして就労支援機関等の社会資源を活用したい場合でございますけれども、精神保健福祉手帳又は自立支援の交付を待たなければいけないというのが実情でありまして、その後の障害福祉サービスを行うための障害区分の認定を受けるのに、実に三か月近い期間を要するということになっております。これに関しまして、介護保険のように、認定を受けた日ではなく申請した日から有効にできないかという御意見をいただいておりますが、これについてのお考えと方向性をお聞かせください。
○政府参考人(堀江裕君) 障害福祉サービスの利用に当たりましては、今御指摘のとおり、利用の前に障害支援区分の認定を受けていただくことが原則となります。一方で、市町村は、必要があると認めるときは、障害支援区分の認定を受ける前に緊急その他やむを得ない理由により指定障害福祉サービスを受けた利用者に対しまして、特例介護給付費等といたしましてサービスに要した費用を支給できることとしてございます。こうした仕組みによりまして、障害支援区分の認定前であってもサービスを利用できるようになっているものと考えてございますけれども、その制度の周知には引き続き努めてまいりたいと考えてございます。 またあわせまして、今回の退院後支援の仕組みの創設によりまして、調整会議の開催等を通じまして、入院後に順次、退院後の支援に係る関係者間の調整が開始されます。そこで、障害支援区分の認定の申請時期の前倒しといいますか、も図られまして、結果として、退院していただいた後、速やかに障害福祉サービスが利用できるようなことも考えられるのではないかというふうに考えてございます。
○自見はなこ君 ありがとうございます。是非よろしくお願いいたします。 今回の法改正にとって非常に大事なことは、やはり措置入院のみならず精神疾患を持つ方々が退院後、支援を必要としている方々というのは全てが対象者だということであります。地域包括ケアの中での精神科医療というものを位置付けていただきまして、是非これに向けて推進をしていっていただきたいと思いますし、その中では、地域資源を増やすこと、特に市町村、保健所、保健センター、精神保健福祉センターなどの精神障害者支援機能を拡充するということが大事であると思っておりますので、引き続き精力的な取組をお願いして、私の質問を終わります。 ありがとうございました。
○そのだ修光君 自民党のそのだ修光です。 今、石井先生そして自見先生、医師という立場から専門性を持っての質問をしていただきました。今回の改正法案、精神科の医療、あるいはまた、措置入院者の退院後の支援であるとか精神障害者の地域移行を促進するという目的で今回改正法案出されたと思います。質問の中でも少しかみ合っていないところがあったり、やっぱり石井先生にしても自見先生にしても専門家であられますから、役所の皆さんも分からない点は聞いてやっていただきたいものだなと思っておるところであります。 私は、少し、本則とは少し離れるかもしれません。ただ、聞いておかなきゃならない大事なことがあります。私自身が社会福祉施設を運営をしている立場から、今回の相模原の事件、本当に心を痛めております。 まず、事件が起きて、やまゆり園の状況についてお聞かせいただきたいんですが、事件発生当時やまゆり園に入居されていた利用者さんは現在どのように生活をされておられるのか。そしてまた、やまゆり園で働く職員の方、労災の適用を受けるなど事件による精神的なダメージを受けておられると聞いていますけれども、職員の方々に対してどのような支援を行われているのか、お聞かせください。
○副大臣(橋本岳君) 二つお尋ねをいただきました。 まず、津久井やまゆり園で生活をしておられた利用者の方々、どのように今お過ごしになっているかということでございます。津久井やまゆり園から、百五十七名の利用者につきましては、在園されている方、引き続きですね、それからほかの施設へ移動された方、また帰宅をされている方、そして持病等により入院し、その後亡くなられた方、こうした方々がおられるという旨をお伺いをしております。 このうち、四月一日現在の在園者の状況としては、事件が起きる前の日々の生活に向けて、それぞれの御意向を踏まえた暮らしができるように、園の職員、また地域におけるボランティアの方々と一体的になって、落ち着きを取り戻しながら日々を取り組んでおられるとのことでございます。 また、この後、もしかしたら御質疑があるかもしれませんが、施設の建て替えをどうするかという議論がございます。それで、いずれにしても現在のまま使うということではないということを踏まえまして、四月五日以降、急にみんなで引っ越しというわけにもいきません。やっぱりそこは丁寧に段取り立てて、落ち着いた環境で移っていただくということを考えなきゃいけません。そういう意味で、四月五日以降ですが、今月中に在園者は順次、これまで使用していなかった仮移転先に移動される旨を伺っております。 厚生労働省としては、引き続き園の取組を見守るとともに、園から相談があればよくお話を伺い、必要な対応があればそれはしっかりさせていただきたいと考えているところでございます。 また、働く職員の方の支援について御質問いただいております。大変、津久井やまゆり園における事件というのは痛ましい事件であったわけでございますが、その職員の方におかれても、その凄惨な場面に遭遇をされた、大変ショックが大きかっただろうと思います。心のケアが必要な状況となったわけであります。 このため、事件当日に厚生労働省職員を派遣をし、状況を把握するとともに、国立精神・神経医療研究センターの技術的協力を得られるように必要な調整を行っております。平成二十八年八月八日からは神奈川県と相模原市による心のケアの体制がつくられ、国立精神・神経医療研究センターが支援方法について技術的な助言を行って、取り組んできたということでございます。 具体的な対応といたしましては、平成二十八年八月から二十九年一月まで神奈川県と相模原市の合同チームが施設を訪問し、継続的な面接や必要に応じた医療機関の紹介等が実施をされてきたわけでございまして、具体的に申し上げれば、今の期日で、期間で五十七チームが派遣をされ、延べ二百三回の面接をさせていただいているということでございます。 今後は神奈川県の精神保健福祉センターが必要に応じて対応するということで、そうした職員の方々の心のケアにつきましても引き続き万全を尽くしてまいりたいと考えております。
○そのだ修光君 本当に大変な事件でしたから、職員のみんなにとっても本当に不安だろうと思っております。 それと、先ほど、このやまゆり園についての建て替えのことを少し副大臣は話をされましたけれども、現状はどうなって、もう少し詳しくちょっと教えてください、建て替えの件で。
○副大臣(橋本岳君) 建て替えの件につきましてです。 現在、神奈川県で検討されています津久井やまゆり園の建て替え構想については、家族会の要望を踏まえ、三月末までに策定される予定でございました。しかしながら、その議論の過程で、障害者の関係団体などから大規模な施設を再建することについて異論が出たことなどから、その建て替え構想の策定を本年夏まで延期し、県の審議会で議論を行うなど、より慎重な検討を行うこととされたものと承知をしております。したがいまして、まだ議論、どのような方向、形で再建をするかということについて議論中という状況が続いているということでございます。 厚生労働省としては、まずは神奈川県の取組を見守るとともに、県から御相談をいただければ、総務省とも連携しつつ、よくお話を伺い、対応が必要であるということであれば、それはそのときにまたさせていただきたいと考えているところでございます。
○そのだ修光君 利用者の方々が安心して生活が送れて、現場の職員や運営者が不安なく福祉の提供ができる場所を設けることが是非重要だと私は思っております。できる限りの国の支援をよろしくお願いをいたします。 次に、事件発生後、施設の防犯対策についてでありますけれども、厚労省としては、これまでどのような対応を、今後またどういう対応を、について教えていただきたいと思います、していかれるのか。
○政府参考人(堀江裕君) お答え申し上げます。 津久井やまゆり園の事件を受けまして、厚生労働省といたしまして、地域と一体となった開かれた施設ということ、それと、その施設に入所していただいている方の安全確保ということの両立に留意しながら、職員に対する防犯講習の実施等の社会福祉施設等における防犯に係る日常の対応、あるいは不審者の情報がある場合の関係機関への連絡体制や想定される危害等に即した警戒体制等の緊急時の対応に関します点検項目を整理した通知を発出してございます。自治体において必要な取組がなされるようにお願いしたものでございます。 また、社会福祉施設等における防犯対策を進めるということで、二十八年度に第二次補正、それから二十九年度にも補助金を確保してございまして、そうしたことで防犯対策を進めてまいりたいというふうに考えてございます。 今後、これらの予算を踏まえまして、防犯設備の設置を進めるとともに、社会福祉施設が地域に開かれたものとしつつ、安全対策をどのように取り組むべきか、関係機関とも連携を図りながら検討を進めてまいりたいというふうに考えてございます。
○そのだ修光君 防犯対策にももちろん、全国の社福の事業所であって、施設もそうなんですけれども、やっぱり莫大なお金が掛かるんだろうと思います。 今のちょうど医療のことでも話がありましたけれども、介護の現場も大変厳しい状況の中で、また、こういう防犯対策にもお金が掛かってしまうと。先ほど石井先生から三十年の改定のことが話が出ましたけれども、医療、介護同時改定なんですよ。しっかりこういう面も、大臣、やっていただきたい、それができるような対策を取っていただきたい。未然に犯罪を防ぐという面でも、事件を防ぐという面でも大事なことだと思っております。 最後に、当法案によっては、先ほどから話がありました、措置入院者の退院後の支援が全国的に行われるようになること、また、患者の社会復帰の促進及び社会の受入れ体制を整備するものとして非常に意義深いと考えているところであります。 地域共生社会の実現に向けて、厚生労働省の意気込みをもう一回大臣から聞かせていただきたいと思います。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今回の法案で措置入院者が退院後に医療、福祉などの継続的な地域を中心とする支援、これを確実に受けられるようにこういう仕組みを設けることとしているわけでございますし、これによって精神障害がある方々の社会復帰をそれぞれの地域で促進をするということが目指されている法改正であるということでございます。 先ほども申し上げたとおり、措置入院を終えて退院をする際の症状消退届という中の訪問指導等に関する意見、退院後のですね、それから障害福祉サービス等の活用に関する意見と、こういう欄があるにもかかわらず、そこが十分なことが書かれていない、あるいは何も書いていないというようなことで、入院が終了するということだけで、そこからどういうふうな支援が医療に関しても地域福祉に関しても行われるかは分からないままで退院をされている方々が多かった。そのことを考えてみると、やはり今回そういった面に配慮をした法改正をすることの意味は大きいんではないかというふうに思います。 また、今御指摘のように、地域共生社会ということで、その地域が受入れをするための条件をどう整えていくかということは、これは法律だけではできることではもちろんないわけでございますけれども、やはり、地域に戻られて、精神障害のある方々が地域の一員として安心して自分らしく暮らしていけることができる条件をどう整えるのかということが大事でありまして、今回の法改正を契機に、この支援をどう充実させていくのかということを徹底的に考えていかなきゃいけないというふうに思っているところでございます。 いずれにしても、皆で支援をしていくという、そういう地域の受入れ体制をしっかりと整備することに私どもは更に力を入れていかなければならないというふうに思います。
○そのだ修光君 今大臣に答弁していただきました。 地域住民、福祉施設、医療関係、このコミュニケーションを活発に行って、誰も孤立しない社会を築いていくことが大事であると考えております。是非とも地域共生社会の推進をお願いをして、私の、少し早いですけれども、質問を終わります。
○委員長(羽生田俊君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。 午前十一時五十二分休憩 ─────・───── 午後一時開会
○委員長(羽生田俊君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、精神保健及び精神障害者福祉に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○川田龍平君 参議院議員の川田龍平です。よろしくお願いします。 今日、ちょっと法案の質疑に入る前に、今日お昼前に質問を終わっていただいたおかげでNHKのニュースを見ることができまして、バイエル薬品のニュースが出ておりました。バイエルの内部告発の問題については前回の厚生労働委員会でちょっとだけ触れたんですけれども、そのことについて動きがありましたので、ちょっとここで聞かせていただきます。 大臣も先ほどぶら下がりの質問で記者に答えておられますが、この件について、実は内部告発をした人の家族から、人からも、うちの事務所に問合せが来ていまして、それで厚労省に問い合わせたところ、厚労省には七月にもうこの内部告発ということで来ていたということなんですが、これは厚労省の方ではバイエルから事情を聞くということになっていますけど、ずっとこれ七月から放置されていたということでしょうか、いかがでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今確認しましたが、七月におっしゃるとおり来ていまして、それで、もちろん御当人からもお話を聞き、それからバイエル社からもお話を聞いていろいろ材料を集めていたということでございます。
○川田龍平君 これ、内部告発者の公益通報者保護制度というのがありますので、やっぱりしっかり保護していただきたいと思いますし、それから、この研究については、バイエルは、十日に発表した報告とおわびについてというところでは、臨床研究ではありませんと書いてありますが、これ論文にもなっています。本当にこれが疫学研究でも臨床研究でもないのかというところもやっぱりしっかりと調査していただきたいと思います。よろしくお願いします。
○国務大臣(塩崎恭久君) おっしゃるとおり、バイエル社のホームページには臨床研究ではないと書いてありますが、なお私どももちゃんと調べた上で判断をしてまいりたいというふうに思います。
○川田龍平君 是非よろしくお願いいたします。 では、法案の質疑に入らせていただきます。 これ、本会議で質問させていただいたんですが、大臣の答弁が大変短くて、質問三つぐらいが一つの答弁にまとめられていたりとか、結構質問時間早く終わってしまって、答弁時間はより短く終わって、全体でもう本会議、予定されていたよりも三十分早く終わってしまったという金曜日の質疑でした。私は、再質問ちゃんと予告しておけばよかったなと思うぐらい答弁漏れが幾つかありましたので、この委員会でしっかり質疑していきたいと思っています。是非、本会議ではしっかり答弁してほしいんですが、委員会では余り長々しゃべらないで的確に是非よろしくお願いいたします。是非直球で誠意ある答弁をよろしくお願いいたします。委員長にもお願いしておきます。 これ、大臣、ちょっと今あれですけれども、今回のこの相模原の事件というのは、七月に起きたとき、七月二十六日の未明に発生しましたが、大臣がこの事件発生を知ったのはいつでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) その日の朝でございます。
○川田龍平君 大臣はそのときどんなことを考えましたか。大臣がその事件を知ったときにどんなことを考えましたか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 何しろ一度に行った殺人という意味では戦後の犯罪史上最も多いということでありまして、何という凄惨なことが起きたんだろうかという大きなショックを受けました。
○川田龍平君 大臣は同日の午前中の記者会見で、関係省庁ともしっかり連携して再発防止の検討を早急に行いたいと表明をされています。 翌日の二十七日には、措置入院後のフォローの充実が必要との指摘も当然あると語り、これ八月八日には検討会の設置を表明しました。これは容疑者に措置入院の過去があったというだけで、あたかもその制度に欠陥があるかのような認識を持ったということで、大臣自身がこれ、精神障害者に対する差別や偏見があったのではないかと思うんですが、いかがですか。
○国務大臣(塩崎恭久君) いや、むしろ逆に、短時間で見てもすぐ分かるぐらい言ってみれば制度的な不備があって、措置入院をするということは、その段階では精神障害をお持ちだという判断の下で措置入院をするわけですから、それに対する医療やあるいは福祉の支援、あるいは、あのときにすぐ分かったのは、医師は八王子に行っていると思ったら、実はそうじゃない。おまけに、その同じ病院の看護師は相模原にそのまま残るということを知っていながら、その主治医は八王子に行くといって消退届を書いていると。これだけ見ただけでもすぐ、いかにも制度的にきちっとしていないものかということがすぐ分かったということであって、私の偏見とかいう問題以前の問題でありますし、元々私はそんな偏見は一切持っておりません。
○川田龍平君 そうであるならば、この法改正と相模原事件というのは全く関係がないと言い切っていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今回の法案は、相模原で起きた殺傷事件などを踏まえながら現行制度の検討を行ったところ、今申し上げたように、措置入院について、患者が退院した後の医療や地域福祉等の支援が全く不十分であるなどの課題が明らかになってまいりました。 先ほど申し上げたとおり、消退届の中で、私どもで後から調査をしてみたところが、二割は空欄のままだというようなことでありますし、書いてあっても、半分は必要ないといって、どういうふうに地域に戻るのかということについて何の判断もないままに退院だけ決めるという、そういう扱いが全国的にされているということを聞いて私は驚愕をいたしました。
○川田龍平君 これ是非、関係がないとはっきり言っていただきたいんですけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今申し上げたとおり、課題が明らかになったから提案をしているわけでありますけれども、今回の法案は、相模原市の事件は検討の契機ではありますけれども、相模原事件のような犯罪を防止することを目的としたものでは全くないということであります。
○川田龍平君 それであるならば、この法案の趣旨説明から相模原事件に触れるということを削除するべきですし、法案の概要ペーパーの法改正の趣旨からもこの相模原事件の言及を削除すべきと考えますが、これ削除していただけませんか。
○国務大臣(塩崎恭久君) この事件が起きていなければ、私はこの措置入院の制度がこんなことになっているとは分かりませんでした。法改正もなかったと思います。したがって、先ほど申し上げたとおり、相模原市のこの事件は検討の契機にすぎないということであります。
○川田龍平君 やっぱりそこはちょっと認識違うと思うんですね。やっぱりここははっきり関係ないと言っていただきたいんです。 これ、起訴された以上、この犯人が起訴された以上、被告の行為は措置入院時の精神障害と無関係なのではないでしょうか。これ、いかがですか。
○政府参考人(堀江裕君) 昨年の検証チームにおきまして事実関係の検証を行いましたけれども、お尋ねの被告人の行為、それは七月二十六日にあったわけでございます、それと措置入院時の精神障害、それは、それを遡りますと二月二十二日から三月二日でございますが、それとの関係性については明らかになっていないところでございます。 検証の結果で、昨年二月の措置入院時に精神障害と診断されたが、その措置入院解除後に医療等の支援が途切れていて、措置入院患者の退院後の支援が十分でないという課題が明らかになったわけでございまして、今回の法案を提案させていただいているものでございます。
○川田龍平君 大臣に、ちょっと通告なしですけれども、ディオバンの地裁判決、これも意外でしたが、この植松被告の起訴ということについても、これ厚労省は司法の判断を読み間違えたのではないかと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 司法の判断を、見通しを私どもは述べたことはないと思います。
○川田龍平君 じゃ、この法律に何か原因があって相模原事件が発生したということでしょうか。これ、被告人の退院後支援があれば事件は発生しなかったと考えているんでしょうか。これ、本会議でも質問したんですけれども、答弁漏れでしたので、大臣、お願いします。
○国務大臣(塩崎恭久君) 相模原市で起きたこの事件について検証を行ったわけでありますけど、その結果、被告人が退院後に医療機関や地方自治体からの必要な医療等の支援を十分受けることなく孤立をしていた、そして、退院後に医療、保健、福祉、生活面での支援を継続的に受けられるような確実な仕組みを今般改めて構築をするというものでございます。
○川田龍平君 これ、退院後も支援があれば、少なくとも事件発生のリスクは下がったはずと考えているんでしょうか。
○副大臣(橋本岳君) 補足をいたしますけれども、その検証チームの報告書において、退院後に医療、保健、福祉、生活面での支援を継続的に受けられる確実な仕組みがあれば、事件の発生を防ぐことができていた可能性があるという御報告をいただいております。それを踏まえてということで御理解いただければと思います。
○川田龍平君 そういうことであるならば、やはりこれ相模原事件との関係があるということになってしまいます。やっぱりなるということになってしまうんじゃないでしょうか。何か厚労省の対応と答弁、これは整合性がないと思います。 これ、被告人の優生思想の成り立ちに当該施設での就労経験が影響したと言われていますが、このことについてはどう考えていますか。この点についてどの程度調査したのでしょうか。 これ、障害者施設における職員の就労環境について、厚労省として調査し、改善策を講じるべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(堀江裕君) お答え申し上げます。 障害者施設での就労経験が被告人の思想にどのような影響を与えたかについては明らかではございません。また、政府としての調査にも限界があると考えておりますが、今回のような事件を再び生まないためにも、職場内のコミュニケーションの円滑化、職員の心の健康管理面の強化などの環境づくりが重要であると考えてございます。 一方、障害福祉サービス等に従事する職員の労働環境につきましては、処遇状況等調査において、職員の職場環境、処遇の改善状況として把握してございまして、平成二十九年度障害福祉サービス等報酬改定により処遇改善加算を拡充し、職場環境改善を行っている施設等が評価される取組を更に進めていくこととしてございます。 こうした取組に加えまして、職員の資質向上を図るため各種研修を実施することなどを通じまして、現場の職員が元気で生き生きと働けるような職場環境づくりを今後とも進めてまいりたいと考えてございます。
○川田龍平君 是非これ、施設職員の待遇改善というのはもちろんですが、これは、大規模施設の場合、監獄同然の閉鎖系であるということを言っている人もいて、閉鎖系という、外部と遮断されているということで人権侵害が避けられないとの立教大学の深田耕一郎先生の意見、これを重く受け止めるべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(堀江裕君) 社会福祉施設につきまして、地域と共生していくという考えの下、地域に開かれた存在であることを基本的な方針として運営が進められてきたものと認識してございまして、今回いろいろな防犯などの対応もいたしましたけれども、そうしたもので施設が地域に閉じてしまってはいけないと、施設が地域に開かれた存在であることと両立を図っていかなきゃいけないということでございまして、日頃から施設が地域と交流して、ボランティア、住民、関係機関、団体と顔の見える関係づくりを進めておくことは施設の在り方として望ましいことであるということで、厚生労働省といたしまして、こうした取組を広めていきまして、開かれた福祉施設となるようにいたしてまいりたいと考えてございます。
○川田龍平君 是非、職員の就労環境について、先ほどアンケートも取ったということですけれども、是非改めてアンケートの調査を行って、改善策を講じていただきたいと思います。 次に、精神障害者支援地域協議会に関して伺います。 これは、本会議において、医療と警察が適切な役割分担を行うとの答弁がありましたが、これをなぜこの医療と福祉の法律の中で行わねばならないのでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) この精神科医療の役割というのは、精神障害者に対する治療あるいは健康の維持増進を図るのが目的でございます。犯罪の発生防止は警察の役割であって、一方で、精神科医療の現場においては、措置診察の時点で他害のおそれが精神障害によるものか判断が難しい事例が存在するわけでございまして、こうした事例について、精神障害者支援地域協議会のうち代表者会議において、治療や健康の維持増進を図る医療と犯罪防止を担う警察との役割分担も協議をすることによって、医療関係者が精神障害者の治療等に集中して対応することが可能となるわけでございます。 こうしたことから、医療と警察の役割分担も協議することは、精神保健福祉法の目的である精神障害者の福祉の増進等に資するものと考えているところでございます。
○川田龍平君 やっぱりこれ違うと思うんですね。やっぱりこの法律の中でやるんではなくて、この法律でやるんではなくてほかの法律でもって、しっかり適切な役割分担をするための別の法律をこれ警察庁が検討すべきではないかと考えますが、警察庁、いかがでしょうか。
○政府参考人(小田部耕治君) 今般の法案におきまして都道府県等において組織されることとされております精神障害者支援地域協議会のうち、地域における精神障害者の支援体制を協議する代表者会議には、関係行政機関として警察も参加することが想定されているものと承知しております。これは、精神保健福祉法第二十三条におきまして、警察官が精神障害により自傷他害のおそれがある者を発見した場合は都道府県知事に通報することが義務付けられていることなどから、警察も同法の目的であります精神障害者の保護に関係する機関として位置付けられていること、また、厚生労働大臣の御答弁にもございましたように、代表者会議において行政、医療、警察の役割分担の在り方についても協議することが想定されていること等によるものと考えております。
○川田龍平君 済みません、それちょっと次の質問の答弁をされてしまったんですけれども、この法律の、今、ちょっと済みません、通告していなかったものですから、この法律、健康やこの精神障害者の福祉法ではなくて、やっぱりほかの法律でこれ警察庁が検討すべきではないかということなんですけど。
○政府参考人(小田部耕治君) 先ほど答弁差し上げましたような形ですが、精神保健福祉法第二十三条におきましては、警察官が精神障害により自傷他害のおそれがある者を発見した場合に都道府県知事に通報するといったような役割も与えられております。また、先ほど厚生労働大臣の御答弁にもありましたように、この代表者会議の場で行政、医療、警察の役割分担について協議していくということがこの法律の目的にかなうものであるということからこの法律の中で位置付けられているものと認識しております。
○川田龍平君 じゃ、堀江部長、もう一回聞きますけれども、代表者会議、これと個別のケース検討会議、それぞれの標準的な開催頻度、また保健所の設置自治体ごとにどれくらいを想定しているんでしょうか。
○政府参考人(堀江裕君) 代表者会議は地域における精神障害者の支援体制の構築を目的とするということでございまして、各自治体において年に数回程度の開催というのが想定されます。一方、個別ケース検討会議につきましては、個々の退院後支援計画の作成、その実施に係る連絡調整を行う場でございますので、個々の患者さんの状況に応じて開催するものでございます。 各自治体において、そうした制度の枠組み、制度趣旨を理解していただくようにいたします。
○川田龍平君 この代表者会議に参加する警察関係者と個別ケース検討会議に参加する警察関係者は、これは別の人物、別の職階の人と考えてよろしいでしょうか、堀江部長。
○政府参考人(堀江裕君) 警察が参加することが想定されておりますのは代表者会議の方でございまして、地域における精神障害者の支援体制の構築を目的として開催される部分でございます。 一方、個別のケースにつきましては、基本的には警察の参加はございません。
○川田龍平君 これ、警察庁、ちょっと通告していないですけど、それでいいですか、警察庁もその今の厚労省の答弁で。
○政府参考人(小田部耕治君) 基本的にそのとおりでございます。
○川田龍平君 じゃ、警察庁、もう一回聞きますけれども、例えばこの相模原の事件の場合はどのようなことができたとこれ想定されるんでしょうか、警察の役割として。
○政府参考人(小田部耕治君) なかなかちょっと仮定の問題につきまして御答弁するのは大変難しいので、ちょっと答弁控えさせていただきたいと思います。
○川田龍平君 じゃ、この代表者会議での警察の役割というのは何なんでしょうか。
○政府参考人(小田部耕治君) 代表者会議の、精神障害者支援地域協議会におきましては、精神障害者の適切な医療その他の援助を行うために必要な体制に関して協議をするものとされておりまして、これらの協議内容には関係機関との間の情報共有の方法や措置入院の適切な運用の在り方等が含まれていると承知しております。 警察も、先ほど御答弁差し上げましたように、精神保健福祉法の目的でございます精神障害者の保護に関係する行政機関であること、また、先ほど申し上げた協議内容にも関係する機関であることから、こういった協議に参画すると考えております。
○川田龍平君 これ、年数回の代表者会議で対応できたんですか、今回の相模原の事件。この相模原の事件の場合はどんなようなことが想定されるんですか。
○政府参考人(堀江裕君) 代表者会議ということでいきますと、今回の場合でありますと、明確な犯行の企図をしている方であった。ということは、非常に特殊な事件だったわけでございまして、代表者会議の場で、このケースが起きるよりずっと前の時点ということですけれども、こういうような場合があったらどういう対応をしましょうかということは警察、自治体、医療機関等で打合せをしておいていただくということで、実際にそういう事案が生じる前にその体制の会議のところで検討しておくと、こういうことになろうかと思います。実際に起きてしまった、起きそうになった場合にはどういう手順でどの、警察なのか自治体なのか医療機関なのかが対応するかと、こういうことを決めておくものでございます。
○川田龍平君 もう一回聞きます、警察庁。警察の役割というのは、これどういう役割を担うんですか。
○政府参考人(小田部耕治君) 代表者会議につきましては、先ほども御答弁申し上げましたように、精神障害者の適切な医療その他の援助を行うために必要な体制に関して協議する場と認識しておりますので、そこの協議内容としては関係機関との間の情報共有方法、また措置入院の適切な運用の在り方等が協議の対象になるというふうに考えております。
○川田龍平君 代表者会議だけではなくて、役割ありますよね、警察の。警察の代表者会議以外のその前の役割があると思うんですけれども。じゃ、措置入院に限って警察の役割というのはありますよね。
○政府参考人(小田部耕治君) 措置入院に関しましては、警察は、精神保健福祉法の中で第二十三条におきまして、警察官は、異常な挙動その他の周囲の事情から判断して、精神障害のために自身を傷つけ又は他人に害を及ぼすおそれがあると認められる者を発見したときは、直ちにその旨を最寄りの保健所長を経て都道府県知事に通報しなければならないとされているところでございます。
○川田龍平君 もう一度聞きますけど、相模原の事件の場合には、警察の役割、これどういうことができたと想定されるんでしょうか。
○政府参考人(小田部耕治君) 警察におきましては、本件被疑者に関する情報に接した後に、関係施設周辺での警戒パトロールを行うとともに、先ほど申しましたような精神保健法に基づく通報、また警職法上の保護等の措置を行ったものと承知しております。
○川田龍平君 今回のケース、別に警察はこの法律ができたとしても役割はないんですか、特に。
○政府参考人(小田部耕治君) 警察におきましては、犯罪を企図するような者がいるような場合につきましては、こういった場、代表者会議等の場におきまして、関係機関との連携を図りながら、先ほども御答弁しましたけれども、医療又は行政、警察との間で適切な役割分担を協議してまいりたいと考えております。
○川田龍平君 そうすると、この代表者会議でそういうことをやるということなんですね、事前に。事前に治安目的でやるということですね。
○政府参考人(小田部耕治君) 治安目的というわけではございませんで、先ほどのは、その代表者会議の枠組みの中で警察と医療機関と行政との役割分担についても協議をするということになっているものと認識しております。
○川田龍平君 これ、すごく問題だと思いますのでしっかり聞きたいと思いますが、大臣、これ聞いてどう思います、この今の発言。
○副大臣(橋本岳君) 代表者会議というのは、先ほど部長が答弁をしましたように、そんなに頻繁にやるというよりは、定期的に開催をし、日頃からの、医療機関なり警察なり行政機関なり、そういう精神障害者の方の支援をどのように構築をしていくのか、それぞれの役割の中で見守りなりケアなりサポートなりというのをどうしていくのかというものの連絡体制みたいなのを、きちんと顔合わせつくっておこうねという日頃からの取組というものだと御理解をいただければよいかと思います。 それと、先ほど来、今回の事件が仮にこの法律の下であったらどうなったのか、これは仮定の問いなのでちょっとお答えしにくいところは正直ございますけれども、個々の、個別のケースというものについては代表者会議で取り扱うものではなくて、個別ケース検討会議というものをその時々開催し、ちょっとそれで具体的にどうなるのかということまでは個別のケースのことですから申し上げかねますけれども、個別ケース検討会議というものの中でどうこれを考えていくのかということが議論される、そういう二段構成になっているということで御理解をいただければよいかと思います。
○川田龍平君 先ほどの警察庁の答弁はこれ否定されるということですね、厚労省は。
○副大臣(橋本岳君) 警察庁は警察庁の任務によって、当然ながら犯罪を防ぐという任務も持っているわけですから、それは、行動される、その場合によって警察の判断というのはされるということはあろうと思います。 ただ、全体として、今回の法律の枠組みでの代表者会議というのは、地域における精神障害者の支援体制を構築をしていく、日頃からつくっておこうということが目的であるということでございますが、その中での連携体制というのを日頃からつくっておこうということでございます。
○川田龍平君 これ、厚労省の作成した資料で今日配付していますけれども、この左側の代表者会議というところの真ん中に、これ、いわゆるグレーゾーン事例への対応についてということで、ここ、行政、医療、警察との間の連携について協議、確固たる信念を持って犯罪を企画する者への対応と書いてありますよね。確固たる信念って、これ何を指すんでしょうか。
○政府参考人(堀江裕君) 確固たる信念というのは、犯罪について具体的な企画を、計画を持って準備をしているというようなことでございます。
○川田龍平君 これは、その確固たる信念を持っているかどうかというのはどうやって知り得るんですかね。
○政府参考人(堀江裕君) 確固たる信念につきましては、非常に強い信念、思い込みを指して、具体的な企図をしているというような場合を指すものと考えてございまして、それが明確である場合ということでございますので、個別の事案によりまして確固たる信念があることが分かると、こういうことだと思います。
○川田龍平君 警察庁にも聞いておきたいんですけど、確固たる信念というのは、これ何を指すんでしょうか。
○政府参考人(小田部耕治君) 先ほど厚生労働省において答弁されましたような、非常に強い信念等を持って犯罪を企図する者というふうに考えております。
○川田龍平君 これ、警察庁ではどうやってそういう確固たる信念というのは知ることができ得ると考えますか。
○政府参考人(小田部耕治君) こういった協議、代表者会議等での協議の場のほか、個別の様々な過程の中で知り得ることがあり得ると考えております。
○川田龍平君 この確固たる信念を持って犯罪を企画する者というのはどうやって代表者会議で知ることができるんですか。
○政府参考人(堀江裕君) 確固たる信念がある場合の取扱いについて代表者会議で取決めをして、打合せをしておこうというものでございまして、個別のケースを代表者会議で一つ一つ対応するものではございません。具体的な事案に即しまして、この方については強い計画を持って強迫をしているとかいうような、いろいろな事案によりまして判断されるものだと思います。
○川田龍平君 じゃ、この確固たる信念を持つ者に対して、警察はこれ何をするんでしょうか、何を支援するんでしょうか。
○政府参考人(小田部耕治君) 警察におきましては、確固たる信念を持つ者に係る情報を得た場合には、個別の状況を踏まえながら、関係機関等との連携を図りつつ必要な防犯措置を講ずるほか、その言動等によっては、警察官職務執行法に基づく保護、精神保健福祉法に基づく通報等、法令に基づく対応を図っていくことになると承知しております。
○川田龍平君 ということは、これはやっぱり個別具体ケースもやるということですよね。
○政府参考人(小田部耕治君) 確固たる信念を持つ者に関しましては、先ほど厚労省の方からも御答弁されましたように、代表者会議におきましては、非常に強い信念等を持って犯罪を企図する者への対応について関係機関との間の連携の在り方が協議されるものと考えております。
○川田龍平君 じゃ、この個別ケース会議についても伺いますが、この会議には警察は参加することはないと理解してよろしいでしょうか。
○政府参考人(堀江裕君) 精神障害者支援地域協議会の二つの役割、代表者会議と個別ケース検討会議ということで、個別検討会議の方は、具体的な措置入院者等につきまして退院後支援計画の作成の協議を行うというようなことでございますので、原則として警察は個別ケース検討会議には参加はないものと考えております。 ただし、例えば自殺のおそれが認められるとか、繰り返し応急の救護を要する状態と認められるといったような場合で、保護を行ったり地域生活の継続を支える観点から警察の協力が必要になる場合には、警察がその限りで退院後の医療等の支援の関係者として例外的に個別ケース検討会議に参加することもあり得ると考えております。
○川田龍平君 やっぱりあるということですね。 じゃ、この個別ケース検討会議に警察が参加する場合の目的というのは、これは警察庁、何なんでしょうか。
○政府参考人(小田部耕治君) 個別ケース検討会議につきましては、退院後の医療その他の援助の関係者をもって構成されるものでありまして、援助の主体となる自治体や医療機関、福祉サービス事業者などが参加することが基本であり、警察の参加は通常想定されていないものと承知しております。 ただし、例外的に自殺のおそれが認められる者等の支援対象者について、その地域生活の継続を支える目的で関係者からその者の保護のために警察の協力を求められた場合には、警察も援助の関係者として参加することが考えられるものと考えております。
○川田龍平君 これは自殺予防とかそういったことが目的であって、犯罪予防が目的ではないと断言できますか。
○政府参考人(小田部耕治君) 個別ケース検討会議に入るのは例外的な事象でありまして、先ほど申し上げたような場合が想定されるわけですが、どのような場合にほかに当たり得るのかということにつきましては、個別事案に応じて判断されるべきものと考えております。
○川田龍平君 この個別の患者の事例は、先ほど代表者会議では、答弁、対象ではないということでしたけれども、個別の患者の氏名や病名などが、個人情報が代表者会議で出ることというのはあるんですか。
○政府参考人(堀江裕君) 精神障害者支援地域協議会のうち代表者会議では、精神障害者の支援体制、医療と警察の適切な役割分担といった制度の運用に関する対応等を協議するものでございまして、代表者会議では個々の入院者の具体的な対応について協議するものではございませんので、個別の患者の氏名、病名等の個人情報を取り扱うことは想定してございません。
○川田龍平君 警察庁にも伺いますけれども、じゃ、少なくともこれ、他害のおそれを理由に警察が参加することはないと考えてよろしいでしょうか。
○政府参考人(小田部耕治君) 個別ケース検討会議に入るのは例外的なことでございまして、あくまでも支援対象者の地域生活の継続をさせる目的で関係者からその者の保護のために警察の協力を求められた場合などが想定されると承知しております。 先ほどお尋ねのような場合に該当するかどうかということについては、個別事案に応じて判断されるべきものと思います。
○川田龍平君 この資料、配付させていただきましたけれども、これ、よく商品広告とかで、写真はイメージですというのがありますよね。これ、イメージであって、ここに運用のイメージって書いてありますけど、法案の中身ではこれ具体的に分かれていないんですね。だから、これが分かれていないから非常に分かりにくくて、写真はイメージですと一緒なんですよ。イメージって書いてあって枠は分けられていますけれども、米印もあって、これ両会議における課題や結論は相互に反映って書いてありまして、これが法律の中で具体的に明確に分かれているわけではなくて、イメージとして枠は分かれていますけど、ここ、明確な区別がないと思うんですけど、これいかがですか。
○政府参考人(堀江裕君) 説明資料の方にそう書いてあるところはございますが、法文の方では、協議会につきまして、これの五十一条の十一の二というところになるわけでございますが、その二項で、簡単に申しますと、体制に関して協議することと退院後支援計画についての連絡調整を行うことというのは分かれていまして、協議会には、退院後支援計画については、関係行政機関等のうち支援対象者の退院後の医療その他の援助の関係者をもって構成する合議体で当該協議又は連絡調整を行うというふうに明文で書いてございますので、明確に規定してございます。
○川田龍平君 いや、この一と二は分かれているかもしれないんですけれども、その上の算用数字の2では協議会はって一つで一くくりですよね。だから、結局これ明確に分かれていないで、やっぱりイメージとして、この図にはイメージですということでこういうイメージはあるけれども、法文上分かれていないことがやっぱりこういう具体的な分かりにくさを生んでいると思います。これはやっぱりもう一回改めた方がいいと思います。 次に、今日法務省の方も呼んでいますので、そこの質問までたどり着きたいんですが、薬物依存症への対策について質問させていただきます。 これ、薬物依存症の場合、どのようなルートで警察に個人情報が渡されるようになるんでしょうか。堀江部長、お願いします。
○政府参考人(堀江裕君) お答え申し上げます。 措置入院者が違法薬物を使用していることを把握した場合の対応については、精神障害者支援地域協議会の代表者会議において、自治体、精神科医療機関、警察等の関係者であらかじめ協議をしていただくことになります。その中で個人情報の取扱いについても検討されることになります。こうして協議会で決められた対応方針に沿いまして、具体的な事案が発生した際には、措置権者である都道府県知事等から警察に対して必要な情報提供が行われることになると考えてございます。
○川田龍平君 ダルクという、ダルク女性ハウスというところから、薬物依存症の女性のためのこれ回復施設ですが、精神科病院と警察が連携すれば依存症者は医療につながりにくくなり、治療が遅れる者が増えれば治安は悪化し、困窮者や障害者が増えることが予測されますと意見をいただいていますが、この意見についての見解を伺いたいと思います。
○政府参考人(堀江裕君) 措置を行った都道府県知事等が違法薬物の使用を把握した場合には、あらかじめ協議した対応方針に沿って都道府県知事等が警察に情報提供を行う場合があり得ると、こういうことでございます。しかし、医療機関から警察への情報提供を求めるものではなく、このため、医療機関と患者の信頼関係、これは大事なことなんだと思いますが、それが崩れて薬物依存症の治療を妨げるようなことにはならないものと考えてございます。 あくまで精神科医療の目的は患者の治療、健康維持増進を図るもので、薬物依存症者の方につきましても適時適切な医療につなげられるように取り組んでまいりたいと。
○川田龍平君 この改正案については、薬物依存症の問題に悩む当事者にとっては回復の妨げになる危険の多い法案であり、犯罪防止を目指すというのであれば治療を目指す必要があり、安心して病院に行けなくなる改正案に強く反対するとの意見がありますが、この意見についてはどのように考えますか。
○政府参考人(堀江裕君) 協議会の役割とか、それからあるいは個別の退院後支援計画の関係だとかということについて、説明させていただいているような内容をしっかりと説明をして、理解をいただけるようにしていくものだと考えてございます。
○川田龍平君 ちょっと難しいと思いますが。 次に、法務省の方、お伺いします。 ポルトガルでは、ヨーロッパのポルトガルという国では、薬物依存症は薬物そのものが原因ではなくてその根底に薬物に依存しなければならなくなった環境が原因であるということで、全ての薬物の解禁という思い切った政策を打ち出していまして、これまでの麻薬対策費の全額をこの依存症患者を社会に復帰させるための財源として使うことにしております。これについて、この政策についての見解を法務省、伺いたいと思います。
○政府参考人(畝本直美君) お尋ねの施策に関しましては、ポルトガルにおきまして、違法薬物の使用とそれに関連する行為を非処罰化して、治療を中心として依存からの回復と社会復帰を進めるという取組が行われているとの研究報告などがなされております。 こういった薬物依存者を社会復帰させるには、治療のほかに、再び薬物に依存しないための方法について学ぶこと、地域で継続的に必要となる医療や福祉等の支援が得られることが大変重要であると認識しております。
○川田龍平君 これ、厚労省も同じ認識でよろしいですか。
○政府参考人(堀江裕君) 研究報告などでポルトガルの薬物依存症対策について承知しておりますし、また、私どもの方は先ほど御紹介もありましたようなダルクなどの支援などもいたしてございまして、我が国なりに関係省庁と協力しながら社会復帰に向けた取組を進めてございます。
○川田龍平君 これ、やっぱり薬物使用を犯罪として処罰してしまって、出た後そのダルクなどで依存症対策をやるということは非常に時間も掛かりますし、できるだけ早く医療に掛かれる体制を取った方がいいのではないかと思っております。 これ、私もたまたま、去年のこの委員会でも映画の紹介をさせていただいたんですけれども、マイケル・ムーア監督の「世界侵略のススメ」という映画があって、そこに各国のそういういろんな、こういうポルトガルの事例もそうですし、これから長期休暇制度についても出ていたりするんですけれども、是非多くの人に見てもらいたいなと思う映画なんですが。そのマイケル・ムーア監督は、以前、「ボウリング・フォー・コロンバイン」という映画で、あのコロンバイン高校での大量虐殺殺人事件があったときも、それがマリリン・マンソンさんという歌手とか何か漫画が良くないとかと言われて、そういうのが有害だ、有害図書や有害音楽だとかと言って、それが犯罪に結び付いたんだみたいなことを言って、その犯人たちは、結局、その犯罪を犯す前にボウリングをしていたんですね。そのボウリングも実はあれは人を倒すゲームみたいに見えるし、ああいうのも良くないんじゃないかと、何でそれは規制しないんだということを訴えたりしていた映画もあったんですけれども。 犯罪に対してのやっぱりそういう見方というのは、本当にこれしっかりやり直す必要があるんじゃないかと僕は思っています。特にこの薬物依存者の問題については、是非これは法務省の方でも、警察も、それから厚生労働省も、患者としてやっぱり医療を適切にするということを是非考えていただきたいと思いますが、これ、厚労大臣、最後質問させていただいて終わります。
○国務大臣(塩崎恭久君) 適切な医療が大事だということはそのとおりだというふうに思います。
○川田龍平君 是非これはしっかり取り組んでいただきたいと思います。よろしくお願いします。 ありがとうございました。
○川合孝典君 民進党の川合孝典でございます。 川田議員に引き続きまして質問をさせていただきたいと思いますが、私は川田さんのように専門的にこの法案やこの分野の研究をしてきた人間ではございません。また、私自身、いかなる法案であっても是々非々で議論をするべきだと思っておりますので、いいものはいいと、駄目なものは駄目だという、そういうスタンスでこれまで各法案の審議に関わってきたと自分では自負しております。 が、この法案なんですが、実は法律案の概要の用紙を持ってきていただいて最初の二行を読んだ瞬間に、ああ、これは駄目だと実は思ったんです。 本日、大臣が趣旨説明をされました。この趣旨説明の中にはかなりトーンが柔らかくなった形で記載されているんですけど、最初に私どもが法案の改正の趣旨の説明の文書をもらったものの中、最初どう書かれているか。相模原市の障害者支援施設での事件は、犯罪予告どおり実施され、多くの被害者を出す惨事となった、二度と同様の事件が発生しないよう、以下のポイントに留意して法整備を行うと、こう書かれているわけであります。この記載の文章を読んでいる限りは、相模原事件があったから、それの再発防止のためにという、犯罪を抑止するということを目的としてやるんだということが大前提として実は書き込まれてしまっているんですよ。 大臣、なぜ今回の法改正が監視強化につながるといろんな方々が意見をされているのかということについて、大臣、どのように認識されておられますでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 私どもとしては、先ほどお触れをいただいたように今日読み上げた趣旨説明のとおりでございますし、先ほど川田先生に対しても明確に申し上げたとおり、今回の事件は一つのきっかけであって、改めて、このきっかけがなかったら、私も多分、措置入院制度、そしてまたその後の入院をされていた方の社会復帰の在り方ということについて検証しないままに他の法案等々のことで時間を費やしていたんじゃないかなというふうに思いますが、今回分かったことは、かなり社会復帰に向けて措置入院をされた方が地域移行するに当たって欠けているケアがたくさんあるんだなということで今回このような法律にさせていただいているわけでございまして、あくまでも私どもとしてはこの相模原での事件というのは一つのきっかけにしかすぎないわけで、私どもは改めてこの措置入院制度というものを、あるいは精神保健福祉法というものを見て、改めて検証した結果、こういう問題が様々出ているということに対する提案として今回法律を出させていただいているということでございます。
○川合孝典君 今御答弁された内容については私は理解できる説明をしていらっしゃると思うんです。であるならば、こういう書き方しちゃいけないですよ。一番冒頭の部分でこういう書き方をしてしまうから、監視強化につながる、事件再発防止のためにいろいろな措置を講じなければいけないという法律の趣旨として誰が読んだってそう受け止めてしまうわけであります。 立法論から申し上げましても、今回明らかに相模原のこの事件が発端となってということが書かれておるわけでありますけれども、先ほど繰り返し川田議員からも質問がありましたけれども、今回の事件のこの被告、五か月に及ぶ精神鑑定の結果、刑事責任能力があるという精神鑑定結果が既に出ているわけであります。したがいまして、障害に起因する事件ではないということになっておるわけでありまして、そうした意味からも、この法改正を行うことの立法事実自体がそもそも存在しないということになってしまうわけなんですよ。この点について、大臣、どうお考えになりますでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 立法事実は、先ほど申し上げたとおり、措置入院をされた精神障害者が地域復帰をするに当たって、地域移行をするに当たって欠けている医療や地域福祉の仕組みというものが余りにも、医療の中の体制においても、先ほど申し上げたような症状消退届などの運用の面でも余りにもケアがなされないようになっている、そういうことで、それが立法事実であって、この相模原の事件が立法事実であることはないということであります。
○川合孝典君 大臣の今日の趣旨説明の文章を読めばそういうことになっております。が、しかしながら、これはおかしいです。これを読んで理解をしようと思うと、どう見ても立法事実はないということに、そう理解せざるを得ない書き出しの文章になっておるわけであります。 私が申し上げたいのは、要は、こうした、私は率直に申し上げまして、障害を背負って一生懸命生活しておられる方々に対して配慮に欠ける文章だと思いますよ。こういう書き方されたら、怖い、危ないといったような印象を周りの方に植え付けてしまうじゃないですか。法律の文章を変えろとか何だとかということについての議論をする前に、この趣旨説明のこの紙、けしからぬ内容ですよ。誰がこんなこと書いたんですか。 しかも、刑事責任能力がないということがその後鑑定結果で出たわけでありまして、(発言する者あり)あっ、責任能力があるということがその後出たわけでありますから、そういう意味で、そういう点でこの法律が入口のところからおかしくなってしまっているということは是非御認識いただきたいんです。いかがですか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 誤解を招く表現ぶりだということで、大変そこは申し訳ないと思いますが、特に二度と同様の事件が発生しないようと書いてあるのがそのように誤解をされ得るのかなということでございますが、趣旨は、しかし、その以下の、以下のポイントに留意をして法整備を行うというところ以下が大事で、医療の役割を明確にする、あるいは精神疾患の患者に対する医療の充実を図る、そして、まあ指定医の問題は別でありますが、そういうことでございますので、自民党の中でもいろんな受け止めがございました。私どもは、しかし、考え方はもう一貫をしていて、今回の事件が立法事実でもないし、しかしながら、この事件をきっかけに検証をこの措置入院制度についてしてみれば、返す返すも、このままでよくここまで来たものだなと正直私は思いました。 そういうことで、精神障害者の皆さんが措置入院を仮に一回したとしても、地域に移行できるためのケアは、医療的に、地域福祉的に何ができるのかと、そしてそのためにそれぞれのプレーヤーが守らなきゃいけないことは何なのかということを整理した上で法律にしたわけでございますし、そういうことを検討会でも御提起をいただいて、それを受けて私どもとしてこういう法律にしてお出しをしているということでございます。
○川合孝典君 ただいま大臣から御発言いただいたことについては、はっきり反省をとおっしゃったことについては私は率直に評価をしたいと思います。 この法律は、この今の現行法に変わる前の一番最初は、精神病者監護法が一九〇〇年に制定されたところから始まって、最初は隔離からスタートです。その後、治療付きの隔離になって、そこから、隔離政策から今度は施設保護という形になって、そこに福祉の考え方が入ってきて、現在ではノーマライゼーションの観点からこの法律が運用されているという、そういう流れの中でこれまで来ておったわけであります。 これが、事件が起こったから今回監視を強化するがごとき誤解を招くような説明の仕方が最初に出てしまったがゆえに、非常に当事者の方々や関係者の方々は憂慮されているということであります。出てしまっているものは仕方がないとおっしゃればそれまでなのかもしれませんけれども、私は、本当の意味でノーマライゼーションの観点からこの法案、法律の内容の充実を議論していくのであれば、もっと現場に、当事者に寄り添った法律の改正の在り方というものを考えるべきだということを改めて申し上げておきたいと思います。 その上で、次の質問に入らせていただきたいと思いますが、今回、確認ですけれども、障害者権利条約と今回の法改正の整合性について、これも大臣にお尋ねしたいと思いますが、様々な方からの御指摘で、この障害者権利条約の第十四条、障害を理由とした人身の自由の剥奪をこの条約は禁止しており、精神障害者であることを要件とした非自発的入院制度は障害者権利条約に違反すると指摘されております。 そういう観点から、今回の法改正は国際社会の動向に逆行するのではないのかという有識者の声が多く上がっておりますが、この指摘に対して大臣の御認識をお伺いいたします。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今御指摘をいただいたこの障害者権利条約第十四条、これは、障害者が障害の存在を理由として不法又は恣意的に自由を奪われることを禁止をしていると、こういう条文でございます。 一方で、医療保護入院というのは、精神障害者がその精神障害のために自らの意思による入院が行えないなどの要件を満たす場合に法律に基づく適正な手続によってのみ行われるものだということになっているわけでありまして、このことから、精神障害者であることのみを理由に入院させるものではないと、そして障害者権利条約に反しないというふうに私どもとしては考えているところでございまして、その上で、今回の法案では、家族などが同意、不同意の意思表示を行わない場合に市町村長の同意によって医療保護入院を行えるようにして精神障害者に必要な医療を提供するということとしておるわけでございまして、障害者権利条約に反しないという考え方は法改正によっても変わらないというふうに思っております。
○川合孝典君 同意、不同意の話になりましたので、せっかくですからその点についても御質問させていただきたいと思いますけれども、実は患者さんを隔離をするというこの数字が一九九八年の統計を取り始めて以来初めて一万人を突破しています。急増状態にあるんですけど、じゃ、なぜこれだけ増えているのかということについてどのように捉えていらっしゃるのか、これ質問通告しておりませんから参考人でも結構です。
○副大臣(橋本岳君) 委員御指摘のように、その隔離あるいは拘束といったものが、毎年調査をしております、それで数字がどんどん増えていっているというのは御指摘のとおりでございます。 これがなぜなのかということについては検討しなければならないことだと思っておりまして、今年度それに関しての調査研究を行うという予定としておりまして、その中で、どういった要因でその隔離なり拘束なりが増えているのかということはしっかり見極めて、もし仮に何かしら対策が必要だということであれば、それはしっかりと対策を打ってまいるということで今考えているところでございます。
○川合孝典君 いろいろな御指摘をしていただける方がいらっしゃって、私の手元にも幾つか資料があるんですけれども、いわゆる隔離や身体拘束等が増えている一つの理由として指摘されているのが、精神科の救急入院病棟の認可の施設数がすごい増えているんですけど、その背景にあるのが、診療報酬がここ何度か数次にわたって大幅に引き上げられているということであります。特に救急ですね、精神科の救急入院料が非常に増額されているというそのことが背景にあって、当然病院も経営は大切なことでありますので、そのことが背景になって増えているのではないのかという、こういう実は指摘がございます。この点についてはどのように御認識されていますか。全然御存じないですか、まだ。
○政府参考人(堀江裕君) 精神科救急についてですよね。身体拘束等につきまして、毎年六月の精神科医療機関を対象としました実態調査において把握しておりまして、それをまた……(発言する者あり)精神科、違いますか。ちょっと済みません、もう一回お願いします。大変申し訳ございません、もう一回お願いいたします。
○川合孝典君 本当だったら言いたくないんですけれども、なぜ、要は、診療報酬が引き上げられていることが患者さん、いわゆる身体拘束や隔離の増大につながっているのではないのかという、その指摘についてどのように捉えていらっしゃるか。
○政府参考人(堀江裕君) 六月に隔離や身体拘束に関する全国調査を実施いたしますので、その際に病院や患者の特性を踏まえて分析をいたしまして、要因などにつきまして明らかにしてまいりたいと考えております。
○川合孝典君 要は把握していないということが、何も分かっていないということが分かったということでありますけれども、是非掘りたい方はこの後掘っていただければと思いますけれども。 いずれにいたしましても、今回大きく制度を触ろうとしたときに、背景にあるものが何なのかということがきちんと分析されない状況の中で大きく動かすということに対して当事者の方々は不安を感じていらっしゃるということなんですよ。もちろん、大量殺人につながるようなああいう事件は決して再発させちゃいけないわけであり、そのためにやれるだけの措置を講じようということ自体については十分理解しているんです。が、しかしながら、その責任の所在が精神障害をお持ちの方にあるという発想でいってはいかぬわけでありまして、医者の責任だってあるわけでありますし、ノーマライゼーションの観点からいけば社会がどう包摂していくのかという、こういう切り口も必要なわけであります。 この法律見ていると、やはり障害者の人をどう扱うのかという切り口からの法改正の立て付けにどうしても読めてしまうわけでありまして、だから問題があるのではないのかということを指摘していることを改めて申し上げたいと思います。 同意の話で追加で質問させていただきたいと思いますが、今回、先ほどちらっと出てまいりましたけれども、同意、不同意ですね、この判断の枠組みというものを一体どう整理していくのかということについて御質問させていただきたいと思います。 と申しますのも、医療保護入院の同意、不同意の判断をめぐって現場で少なからずもめ事が生じております、同意した、していないという。こういう問題が起こっているんですけれども、今回法律改正することによってまた現場が混乱する可能性が生じると思っておりますが、同意、不同意の枠組みはどのように整理されるのか、大臣、お願いします。
○国務大臣(塩崎恭久君) 医療保護入院における同意、不同意についてのお尋ねをいただいたわけでありますが、今回の法案の中では、この医療保護入院につきましては、精神障害者の家族等が同意、不同意の意思表示を行わない場合に市町村長の同意によりこれを行うことができるということになっていますが、家族等の全員が意思表示を行わないという、こういうケースがあり得たわけでございまして、今回こういうような提案をさせていただいているわけであります。 これに伴って、市町村長が同意の判断やその後の状態の把握などの対応を適切に行うことができるように、今後、厚生労働省としては同意を行う際に必要となる手続、それから確認事項、こういったことをしっかりガイドラインとして明確化をして、市町村長が判断をするに当たっての言ってみればガイドをするものとして用意をしようと考えているわけでございます。 家族の皆さん方が同意、不同意の意思表示を行わずに市町村長の同意によって医療保護入院が行われた後に家族等から不同意の意向が示された場合には、制度上は家族等から都道府県知事に対して退院請求を行っていただく仕組みとなっておりますけれども、複雑な手続とならないように配慮をしてまいりたいと思っております。
○川合孝典君 手続に瑕疵があって、同意で入院の手続が開始されたときに、家族同意がなされていない状況の中で入院されているということで退院させてくれということを家族が言うときは知事に言わなきゃいけないんですか。
○政府参考人(堀江裕君) 知事でございます。知事に対して家族等から都道府県知事に対して請求を行っていただくことになります。
○川合孝典君 医師の判断で同意したということで入院の手続取って、その後、家族が駆け付けて話聞いてみたら無理やり入院させられた、どちらの主張が正しいのかということもここはきちんと検証しなければいけない話かもしれませんが、家族が来て同意はしませんとおっしゃっているようなケースでも、医師の判断でということで入院の状態がそのままずっと続いてしまうと。内容証明でも出さなきゃいけないんじゃないのかといったような議論もありますけれども、家族同意がない状況で入院させられるということは、これは逮捕監禁ですよね。参考人で結構です。
○政府参考人(堀江裕君) 医療保護入院は基本的には家族等同意がないと入院できない仕組みに今なってございますので、今ある例外はその家族等が明確な意思表示ができないというような場合でございますので、家族等がいて、その意向に反して医療保護入院させられることはございません。
○川合孝典君 ルール上はそういうことなんです。でも、現実問題としてそういう問題が起こっているとなったときに、それを、申立てを知事にしなければいけないということになるわけですか。
○政府参考人(堀江裕君) 家族が不同意の場合に入院をさせられてしまっているということは医療保護入院の仕組みとは大きく異なるわけでございまして、もしそういうことであるとすると、ちょっとその取扱いについてよくお話聞かないと分からないわけでございます。 もう一回、基本を申し上げますと、医療保護入院は、家族の同意があった場合に医療保護入院ができるわけでございまして、それで、不同意の場合にはできません。家族等が判断が認知症等でできないということであれば、代わりに市町村長が行います。 今回追加しようとしているのは、それに加えまして、家族等が同意、不同意の判断をしませんという場合に市町村長の判断の場面をつくるものでございます。
○川合孝典君 建前の話をしているわけではなくて、現実にそういう、現場で判断に瑕疵が生じたときに、そのときにどう対応するのかということなんです。当然、それを、家族や当事者の方に、知事に対して申立てを行ってという様々な手続を行う責任が生じるのであれば、手続に瑕疵があった、じゃ、医療機関や判断した方に対しても、それにそれ相応のペナルティーが科されなければいけないですよね。そういうことではないわけなんですか。 だから、こうあるべきだ、こういうルールなんだということではなくて、現場で起こっていることに対してどうするのかという話なんですよ。
○副大臣(橋本岳君) 手続に瑕疵というか、恐らく手続としては、基本的に家族がまずは同意、不同意の意思を示さないということがあったんだと思います。そして、そのときに市町村長が代行して同意をする、そして医療保護入院になるというケースであったときに、後から家族が、いやいや、同意しないと言い出したときということについてのことでございます。大臣が申し上げましたように、その場合はその都道府県知事に対して退院請求を行っていただくという仕組みになっているというのは、先ほど答弁したとおりです。 それはなぜそうなっているかというと、医療保護入院をしたときには、都道府県の方で精神医療審査会というものに対して審査が行われるという仕組みになっております。ですので、退院請求を都道府県知事に行っていただくことで、知事はその審査会に審査をしてもらうという手続に入り、そこでその医療保護入院の要素、要件を満たさなくなったということになったのであれば、その審査会が病院に対して、これは医療保護入院の対象にならないから退院をさせるなり適切な措置をとるようにということを言うという仕組みになっているので、まず家族が今の医療保護入院について不同意だとおっしゃったときには、そういうような手続を取っていただくことによって適切な取扱いというものになるということでございます。
○川合孝典君 家族等同意、要は運用が、ルールがきちんと守られる枠組みをどう担保するのかということなんですよ。そこを実は指摘させていただいているということを御理解いただきたいと思います。こう決まっているから大丈夫という話じゃなくて、現場で必ずしもそうなっていない、そのことによって苦労されている方がおられることにどう向き合うのかという、そういうことだと是非御理解いただきたいと思います。 家族等同意の話が出てまいりましたので、家族等同意についてもう一件質問させていただきたいと思いますが、家族等同意を求める前提になるのは御本人に判断能力がないということが前提になると思うんですけれども、御本人に判断能力がないということの判断の客観性をどのように担保するのか。現場で判断ミスにつながるのも、ここに実は問題があるからだと思っておりますけれども、この点についてどう考えているのかをお聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(堀江裕君) 本人は医療保護入院の場合には入りたくないというふうにおっしゃっている場合で、それを家族等が同意して入っていただくというのが医療保護入院でございます。 本人のだから判断が、私は入りたい、入るので構いませんと言えば、それは当然そんな強制的な側面は全くなく任意入院していただければよろしいわけでございまして、この医療保護入院の意味というのは、本人は入りたくない、けれども医療の提供が必要であるということについて家族等の同意で行うということになりますので、ここの場では、本人の方は、もうまさに判断ができないとか、あるいは入りたくないというのがこの医療保護入院の前提に、前提というか、通常の場合になります。そうでなければ任意入院になります。
○川合孝典君 ということは、今の説明聞いている限りは、判断の客観性を担保する方法はないということですか。
○政府参考人(堀江裕君) 任意入院につきましては、この精神保健福祉法では、精神科病院の管理者は、精神障害者を入院させるときは、任意入院となるように努めなければならないというのが大原則でございますので、患者さんについて入りませんかと、入る必要があるのではないかということを言って、その本人がそれについて同意していただいて任意入院するというのが大原則でございます。 その上で、医療保護入院は、任意入院につなげる最大限の努力をしても本人の同意が得られない場合に選択されるべき手段でございます。このために、医療保護入院の要件でございます精神障害のために任意入院が行われる状態にないという判断は慎重になされるべきものと考えてございまして、今回の改正では、医療保護入院を行う理由を患者本人に対して書面により告知する義務を新たに病院管理者に対して課してございます。任意入院が行われる状態にないという判断についても、理由の一つとして本人に対して示すことが必要となりまして、本人とのやり取りの中で入院の理由というのが明確化されることになるわけでございます。 こうしたことによりまして、精神保健指定医が医療保護入院の必要性を判断するに当たって、任意入院が行われる状態にないかどうかも含めまして慎重な判断が行われるものと考えてございます。
○川合孝典君 入院の判断に当たってはいろいろなケースが考えられると思います。非常に難しいことを要求しているのも重々理解はしておるんですが、家族、家族同意、素朴な思いというか疑問として、家族同意の前提となる家族なんですけど、家族こそが最も大きな利害関係者であるのも、これ一面の事実なわけですよね。ですから、家族には利害関係があるということを前提として、どう制度設計をしていくのかということであり、その利害関係者の最たるものである家族の同意がこの前提になるということを考えたときに、どう判断の客観性を担保するのかということは、もう一歩踏み込んだ何らかの措置がやっぱり必要になってくると思うんですよ。 だから、今回の法案ではそういうことは一切書き込まれておりませんけれども、そういう要は切り口というものが今後必要になると思っておるんですが、その点についてはいかがですか。
○政府参考人(堀江裕君) 委員おっしゃるとおりだと思います。現実の入院というものにはいろんな事情があるんだろうということについて、先ほどからいろいろとお話を聞かせていただいておりまして、そのとおりだなというふうに思っているわけでございます。 今回の改正の中で、ここの部分は繰り返しでございますけれども、医療保護入院を行う理由を患者本人に対して書面により告知するということを病院管理者に新たに課することになります。そうしますので、なぜ医療保護入院をすることになるのかということについて本人に明確に示すことになります。 それから、これは事後のことになってしまいますが、医療保護入院につきましては、入院後、精神医療審査会において医療保護入院の必要性、妥当性について客観的な審査を受けるという仕組みも備わっているところでございます。
○川合孝典君 質問の順番ちょっと飛ばして、支援計画の実施に当たって負担が増大する医療機関に対する対応についてちょっと確認をさせていただきたいと思います。 今回、支援計画を作成するだとかガイドラインを作るだとか、いろいろ基準を明確にしていくといったような御答弁をいろいろいただいているんですが、そうした対応をきっちり行っていこうと思うと、医療機関は従来よりも確実に業務量とか責任が増大することになると思うんですけれども、それに対して何らかの対応をお取りになるのでしょうか。
○政府参考人(堀江裕君) 御指摘のように、今回導入する退院後支援の仕組みにおきまして、措置入院先の病院では、措置入院者が入院中から退院後の生活について相談できる退院後生活環境相談員を選任いただく、それから、患者の退院後支援のニーズについて多職種でアセスメントを実施するということにしてございます。 また、措置入院者の退院後の継続的な支援に関わる医療機関では、都道府県等の求めに応じまして、精神障害者支援地域協議会に参加して退院後支援計画の作成に協力するということになってございまして、これらの医療機関に求められる役割というものも大きくなるわけでございまして、医療機関がこうした一連の取組を適切に実施できますように、現在、厚生労働科学研究におきまして、措置入院者の退院後支援や診療内容等に関するガイドラインの検討を進めております。また、御指摘の医療機関の負担あるいは体制強化に係る支援については、診療報酬も含め、今後必要な対応を検討してまいりたいと考えてございます。
○川合孝典君 診療報酬の話が出たのでこの話はこれで終わりにしておきたいと思いますけれども、前回、平成二十五年改正のときには、様々な業務の見直しを行ったにもかかわらず診療報酬の見直しは行っていないんですよね。 お金だけの問題ではないといいながらも、施設、病院も、運営を行っていく上では様々な支援やインセンティブというものは当然考えていかないと体制の整備充実にはつながらないという意味では、この点については是非積極的に、厳しい財政状況があるかもしれませんけれども、きちんとした体制を整備するということを考えたときに、やっぱり診療報酬の見直しというものも是非そういう観点から行っていただきたいということを改めて申し添えさせていただきたいと思います。 次、続きまして、精神障害者の方の支援地域協議会の設置について質問させていただきたいと思います。 お手元にお配りした資料の二番目の資料をちょっと御覧いただきたいんですけど、こちら、法律のいわゆる二十三条通報の対応状況、各都道府県別のデータでございます。何か突出している県があるわけでありますけれども。 大臣にお伺いしたいと思いますが、これ、二十三条通報から措置診察、入院に至る件数にこれだけ開きが実は生じてきております。これ、法律の解釈、運用の仕方がばらつきがあるがゆえにこういうことになっていると思うんですけれども、この点についてどのように御認識されていますでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) お示しをいただいておりますけれども、この厚労省の調査によりますと、人口当たりの警察官通報の件数、あるいは通報を契機とした精神保健指定医による診察件数、そしてその後の措置入院などの件数について都道府県ごとにばらつきがあるという御指摘がありましたが、それはそのとおりだと思います。その原因を精査するために、現在、全国の都道府県や政令市に対して措置入院制度の運用についての実態を調査をしております。こうした調査結果を踏まえて、私どもとして、都道府県などにおける制度の適切な運営、これに資するようなガイドラインの整備を進めていきたいというふうに考えておりまして、目下その調査を進めているというところでございます。 今お配りをいただきましたけれども、かなり出っ張り引っ込みがございますので、その辺についてしっかり調査をして、その背景も踏まえた上でガイドラインを作ってまいりたいというふうに思います。
○川合孝典君 今回の法改正によって、警察の関与というのが高まることになるわけであります。初動の段階で対応の差が出てくるということになると、その後の対応にも差が生じることが当然懸念されるわけであります。このことについては多くの方々が御指摘されている問題点でありまして、この運用の基準、要は統一基準ですね、というものがきちんと早急に整備されなければいけないということでありまして、この点については、是非、具体的にどうするのかということも含めて今後のマップもきちんと早急に御提示いただきたいな、このように考えておるところであります。 続きまして、精神保健指定医制度に関する質問を幾つかさせていただきたいと思います。時間の関係がありますので、ちょっと順番ぐちゃぐちゃになりますけれども御容赦をいただきたいと思います。 今回この法改正を行うということに対して反発が非常に強まった一つの理由は、いわゆる精神科医療に対する国民の信頼が低下してしまったことにあると思うんです。その大きな一つの原因になってしまったのが、指定医の資格の不正取得ということであります。いざ法改正をしようと思っても、精神医療の現場自体がきちんとした医療をしてくれていないんじゃないのかという、そういう患者さんや国民の皆さんの目線こそがこの法律改正に対する大きな逆風になっているのは、これはもう事実だと思っております。 そこで、大臣の御認識をお伺いしたいのは、今回、精神障害者の強制入院などを判断するこの精神保健指定医の資格不正取得、八十九名行政処分行われましたけれども、このことによって精神医療に対する国民の信頼が損なわれたというこの事実に対して大臣はどのように御認識をされ、どうこれから対応されるのかということを、先ほどからおっしゃっていることにも若干含まれていますけれども、改めて大臣の口から認識をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(塩崎恭久君) これ、繰り返し申し上げておりますけれども、指定医というのは、措置入院を始めとして、患者の意に反した処置を行うという権限を持っている大変大事な、そして重要な資格であるわけであります。今般、多数の指定医がその不正取得によって指定取消処分となったことは、極めてこれは遺憾なことだというふうに思います。精神医療に対する、今御指摘のように、国民の信頼を損ねたということを私も考えております。 今回の法改正では、こうした事案の再発防止を図って指定医の資質を確保する観点から、一つは指定医の職務停止処分あるいは取消処分を受けた者に対して再教育研修の仕組みを導入をする、同時に、指導医を一定の要件を満たす指定医として法律上位置付けまして、指定申請者にはその指導医の指導の下での実務経験を求めるということなどの対応を図っております。 厚労省として、このような取組を通じて、指定医の不正取得の根絶を図り、精神医療に対する国民の信頼を回復できるように努めてまいりたいと、このように思っております。
○川合孝典君 論文だけで資格が取れるというその制度自体がもう制度疲労を起こしてしまっているというのは明らかなわけでありますから、この点についてはしっかりと、いわゆるスキルを担保できるような資格制度を是非構築していただきたいと思います。 いよいよ時間なくなってきましたので、確認させていただきます。 この強制入院ですが、指定医が判断する強制入院については、言うまでもなく身体拘束や閉鎖病棟への隔離など、非常に拘束力が強い措置となるわけでありますが、この指定医資格を不正取得したドクターの判断で既に入院しておられる患者さんの処遇というのは今どうなっているんでしょうか。
○政府参考人(堀江裕君) 昨年の十一月に四十七都道府県と二十の指定都市を対象に、過去の指定医業務につきまして不正取得した医師の関与の有無の確認を依頼いたしました。 平成二十九年三月末時点におきまして、措置入院又は緊急措置入院に係る入院時の判定に不正取得した医師が関与した患者に関して、六十七自治体中六十五の自治体から回答がございました。不正取得した医師が関与した患者は六百三十五人、退院済みの患者は六百三十一人、それから現在も入院中の患者は四名、ただ、その入院形態については不明ということで報告を受けてございまして、今まだ、なお、二つの自治体におきましては検証結果をまだ整理しているところでございます。
○川合孝典君 分かりました。 最後になりますので、申し上げたいと思いますけれども、今回、相模原のこの事件の関係で、この指定医というか、精神障害を持っていた被告の病歴が実は手元に資料として、間違っていたら御指摘いただきたいんですが、どういう病歴になっているかというと、何人かのお医者さんに診断を受けているんですが、診断名が七つあるんですよ。受診するところごとに診断名が違うという、こういう状況になっています。躁病、大麻精神病、非社会性パーソナリティー障害、妄想性障害、薬物性精神病性障害、抑うつ状態、躁うつ病の疑いと、これだけ出てきているわけであります。 今日は時間がなくて指摘はさせていただきませんでしたが、急性期医療が非常に増えてきているという状況もある中で、向精神薬を始めとする薬剤の使われ方についてもかなり指摘がされているわけであります。これまで起きたいわゆる無差別殺傷事件を始めとする事件も、その背景には医療の体制やその後のフォローがずさんであったということがその後の犯罪、大きな犯罪につながっていっているという検証がされている事例も幾つかあるということであります。 私も余り、私自身、親も親戚も医者なものですから、余り医者のことを悪くは言いたくないわけでありますけれども、むしろ、非常に苦労されている立場で頑張っていらっしゃる精神障害をお持ちの方々が、それでもどう社会に包摂されて、自分の力でできるだけどう生きていけるのかという、そういう枠組み、体制ですね、縛り付けてだとか監視を強めてだとかいうことを支援の名の下に、そういう縛り付けるようなやり方ではなくて、ノーマライゼーションの、何回も言いますが、理念に基づいてどう包摂していくのかという、そういう考え方での法改正、この問題については法改正を是非進めていただきたい、このことだけ申し上げさせていただきまして、時間が参りましたので私の質問は終わらせていただきます。 どうもありがとうございました。
○谷合正明君 公明党の谷合正明です。 精神保健福祉法改正案について質問させていただきます。 今回の精神保健福祉法改正では、措置入院者が退院後に医療等の継続的な支援を確実に受けられる仕組みの整備、精神保健指定医制度の見直し、医療保護入院の入院手続等の見直し等の改正が行われます。精神保健福祉法は平成二十五年にも改正されておりまして、前回の改正法では、例えば医療保護入院に係る問題などは附則の検討規定として掲げられております。また、参議院の委員会において、検討事項に追加修正ということで、精神科病院に係る入院中の処遇についても検討規定として掲げられてまいりました。 まず、本法案提出に至るまでどのような検討がなされてきたのか説明をしていただきたいとともに、今回法改正を行うに至った趣旨及び経緯についてまず確認させていただきたいと思います。
○政府参考人(堀江裕君) 今回の改正に向けての検討といたしましては、昨年七月に相模原市の津久井やまゆり園で発生いたしましたあの事件の検証を行い、その結果を踏まえて、それから精神保健指定医が指定を不正取得した事案、それから平成二十五年改正におきます施行後三年後の見直し検討規定で医療保護入院の手続の在り方等が見直しの検討事項とされたことを踏まえまして、精神保健医療福祉に係る制度について行ったものでございます。 検討経過といたしましては、障害当事者、家族、法学者、医療関係者などといった有識者で構成される検討会において、障害者団体などからのヒアリングも踏まえながら検討を重ねたものでございまして、その結果として、現行法では、措置入院者について患者が退院した後の医療等の支援が不十分であること、精神保健指定医制度について指定医になろうとする者を指導する指導医の役割が十分認識されていないこと、医療保護入院について、患者の家族等が同意、不同意の意思表示を行わない場合、患者の適切な医療につながらないことなどの課題があることが明らかになったことから、これら課題に対応するため今回の法案を提出したものでございます。
○谷合正明君 今、保健福祉部長の方からお話があって、最初に相模原の障害者施設事件について触れられておりました。改めて、昨年の七月二十六日、相模原市障害者支援施設津久井やまゆり園において入所者十九名の方が犠牲となり、二十名を超える方々が負傷するという大変痛ましい事件が発生をいたしました。この事件が国民に与えた衝撃というのは極めて大きく、精神障害者に対する差別や偏見の増長、あるいは共生社会実現への影響というものも懸念されてきているところであります。 我が党といたしましても、このような事件を二度と起こさないという観点から、再発防止策の推進とともに、障害のあるなしにかかわらず、誰もが多様性を認め合いながら地域で暮らすことができる共生社会の構築を力強く推し進めていこうという考えでございます。 この委員会の大臣所信質疑の中で、冒頭、私、SDGs、持続可能な開発目標について大臣に最初所見を伺ったわけでありますけれども、このSDGsも、結局その根底に流れる理念というのは、誰一人取り残さない、誰一人置き去りにしないという理念でございます。まさに私ども、そういう思いに立っているわけでございます。 厚生労働省が作成している法律案の説明資料では、相模原市の障害者支援施設の事件に触れた上で、二度と同様の事件が発生しないよう法改正を行う旨の記載がなされております。 先ほど来の質問でございます。大変大事な点でございます。改めてお伺いします。あのような痛ましい事件は決してあってはならないことでありますが、その一方で、精神障害者に対する医療は、犯罪防止、治安維持がその直接的な役割ではなくて、あくまでも本人のためのものであると考えます。まず、厚生労働省といたしまして、精神障害者に対して医療が果たすべき役割についてどのように考えているのか、橋本副大臣にお伺いしたいと思います。
○副大臣(橋本岳君) 御指摘をいただきましたとおり、精神障害者に対する医療の目的は犯罪防止やいわゆる治安維持ではございません。これははっきり申し上げさせていただきます。 その上で、精神障害者に対する医療は何のためにやるのかということを申し上げますと、病状の改善など精神的健康の保持増進を目的とするものであります。ですので、今回の改正では、このことを認識することを国と地方公共団体の義務として明記をするという改正を含めさせていただいたところでございます。 こうした規定の趣旨について、本法案に基づく退院後支援等の実施を担う地方公共団体に対し今後周知を徹底してまいりたいと思いますし、先ほど川合委員からの御質疑の中で、やっぱり誤解を招くという、それに対して大臣が答弁がございましたけれども、改めて、今申し上げたような趣旨をいろいろな機会に繰り返し申し上げて、徹底をしていけるようにこれからも努めてまいりたいと思っております。
○谷合正明君 それでは、具体的に退院後支援計画について伺いたいと思います。 今回の法改正では、措置入院者等に対する退院後の医療等の支援を継続的に行う仕組みを整備するという観点から、措置を行った都道府県、政令市が、患者の措置入院中から、通院先の医療機関等と協議の上、退院後支援計画を作成することとなっております。 退院後支援計画は、措置入院者等の退院後の社会復帰を目的としているものでありますから、可能な限り支援対象者の意向等が反映されるものが望ましいと思います。計画策定段階において支援対象者や家族の意向を聴取し、計画に取り入れていくことが重要であると考えます。 本会議では、こうした質問に対して、支援対象者やその家族の意向が退院後支援計画に組み入れられるよう、できる限り、可能な限り組み入れられていくという旨の答弁がございましたけれども、もう少し具体的に、どのように組み入れていこうとされているのか、この点について答弁をお願いしたいと思います。
○副大臣(橋本岳君) 御指摘いただきましたように、退院後の医療等の支援を行う上では、患者御本人や御家族の御意向を踏まえることが極めて重要であると考えております。 今回の法案で精神障害者支援地域協議会というものを設けるということになっておりますが、その個別のケース検討会議の方において、そこで退院後支援計画を作成するに当たっては、可能な限り患者本人や御家族に参加をしていただき、その御意向を踏まえた適切な支援がなされるようにしていただくことが大事だというふうに考えておりまして、そうしたことを自治体に求めてまいりたいと考えております。
○谷合正明君 それで、計画を作成しましたと、支援対象者に対してその計画を交付することとなっております。これは似たような質問になるんですけれども、本人や家族に納得してもらうためには、ただ交付するだけではなくて、内容について本人や家族に対してきちんと説明して、その内容を理解してもらう、そういうきめ細やかな対応というのが必要であると思っております。 改めて答弁をお願いしたいと思います。
○政府参考人(堀江裕君) 退院後支援計画に基づく支援を円滑に行うために、支援対象となります患者本人あるいはその家族の理解が不可欠であるという委員の御指摘は全くもっともだというふうに考えてございます。 このため、退院後支援計画の作成に当たりましては、帰住先の保健所設置自治体や入院先病院などが参加する精神障害者支援地域協議会に可能な限り患者本人やその家族の参加を促すこととしてございます。その上で、退院後支援計画の作成に関する協議の中で、患者本人やその家族等に丁寧な説明を行うことに努めるよう保健所設置自治体に周知し、また求めてまいりたいと思っております。
○谷合正明君 是非しっかりと丁寧に対応をお願いしたいと思っております。 精神障害者支援地域協議会についてお尋ねしたいと思っております。 今回の改正で、都道府県は、又は政令市ですね、関係行政機関及び関係団体等で構成される精神障害者支援地域協議会を組織することとなっております。この協議会は、精神障害者の適切な医療そのほかの援助を行うために必要な体制の協議を行うものと、退院後支援計画の作成に関する協議及び実施に係る連絡調整を行うもの、この二つがあると承知をしております。 それぞれの会議の構成員はどのようなものを想定しているのか、先ほどの答弁、先ほどの質疑の中で、若干、聞いている方としては、何か政府の答弁がはっきり整理されているのかなというふうな、ちょっと心配な面もございました。 改めて、整理して、それぞれの会議が果たす役割とともに伺いたいというふうに思っております。
○政府参考人(堀江裕君) 精神障害者支援地域協議会、今御説明いただきましたように、地域における精神障害者の支援体制の協議と個別ケースに関する退院後支援計画の内容の協議と、二つの役割がございます。 このうち、支援体制の協議を行います代表者会議につきましては、地域の関係行政機関や医療機関、関係団体により構成されるものでございます。 また、退院後支援計画の内容の協議を行う個別ケース検討会議につきましては、退院後の医療等の支援の関係者により構成されるものでございまして、これは法文案に明記してございます。退院後の医療等の支援を行う上では患者本人や家族の意向を踏まえることが極めて重要であるということから、退院後の支援計画の作成に当たり、その個別ケース検討会議に可能な限り、患者本人、家族に参加いただき、適切な計画となるようにしてまいりたいと考えてございます。
○谷合正明君 医療と警察のその適切な役割分担ということで先ほどの質疑、やり取りがあったわけでありますが、私の方でちょっと確認したいんですけれども、可能な限り本人や家族の参加ということでお話がありまして、実は厚生労働省の法案の説明資料にも、調整会議、個別ケース検討会議の中で、本人、家族については必要に応じてと書いてありまして、そこが多分そこの可能な限りというところに対応しているんだと思いますけれども、何というか、その言葉が、じゃ、参加できるようにしなくてもいいのかというようなニュアンスにも取られかねないものがありまして、改めて、この必要に応じて、可能な限り、この解釈についてお伺いしたいと思っております。
○政府参考人(堀江裕君) 退院後支援計画につきましては、まさにその措置入院者等の円滑な地域移行に向けての退院後の支援を行うことを目的としたものでございますので、しっかりとその協議会に本人あるいは家族が参加いただけるようにしてまいりたいと考えてございます。
○谷合正明君 次に行きますけれども、要するに、退院後支援計画や精神障害者支援地域協議会によって退院後もずっと管理されるのではないかなどと心配される方の声も今よく届いているわけであります。こういった心配、不安の声に対して、管理することが目的ではないんだよという丁寧な説明がやはり政府の方で必要だと思っております。 改めて、こうした今出ているこの不安の声に対して、副大臣の方から御答弁をいただきたいというふうに思っております。
○副大臣(橋本岳君) 今回の法律改正に当たりまして、措置入院について、その患者が退院した後の医療等の支援が不十分であることが課題となって明らかになったということが今回の検討のきっかけだったということはるる答弁したとおりでございます。このために、その患者の社会復帰の促進及びその自立と社会経済活動への参加促進のために必要な医療そのほかの援助を適切かつ円滑に受けることができるよう、それを目的として退院後支援計画を作成をするというものでございます。 この退院後支援計画については、精神障害者支援地域協議会における個別ケース検討会議において、患者の退院後の医療等の支援の関係者による合議体で協議を行い、今御質問いただきましたが、可能な限り、本当に可能な限り、患者本人とその御家族の御意向を踏まえて計画を策定するものでございます。こうしたことから、退院後支援計画や精神障害者支援地域協議会は、退院後の患者の支援を目的に行われるものでございまして、患者の管理を目的とするものではございません。 なお、言いますと、ずっとその支援という形で話が続くのかということも一つ誤解を招き得るところなのかなと思っておりますが、これはやはりその患者の病状等に応じて適切な設定ということになるわけでございますが、そのガイドラインを、退院後支援のガイドラインを作成するときに、その期間の目安を設けようと考えております。今のところ、その具体的な目安として、原則として半年以内程度の期間ということを想定をしているということでございまして、ずっとその支援の何かがずっと付いて回って、結果として管理をされるような感じになるというようなこともないということは申し添えていきたいと思っております。 なお、その患者支援の趣旨ということについて、今回追加された国及び地方公共団体の義務として、これは、精神障害者の人権尊重、退院による地域生活への移行の促進というものを規定をするということで、より明文でも記したところでございますが、具体的には今のような点をしっかりと御説明をすることで、管理をしたいんではないのだと、しっかりと半年なり適切な期間を区切って、患者あるいは退院された後の方が社会復帰をされる、あるいは適切な医療を受けて社会復帰をされるということをサポートをしていく、これを目的とした計画であるということでございます。
○谷合正明君 今、大切な視点を御答弁いただいたと思っております。支援そのものが目的じゃなくて、退院後の、その後の社会復帰というところが大事だと思っておりますので、本当にきめ細やかに対応していただきたいと思っております。 共生社会の実現について伺いたいと思います。 今回の法改正では、措置入院者の退院後は、患者の帰住先の保健所設置自治体が退院後支援計画に基づき相談、指導を行うこととなっています。精神障害者が真に必要とする支援が行われるためには、地域の受入れ体制が重要であり、医療と保健と福祉がしっかりと連携して支援を継続することが重要であります。地域の精神医療に関わる専門職等が連携して支援に当たっていくことが非常に重要でありますが、精神障害者の方に寄り添った対応をするためにはそれだけの人員が必要となってまいります。 私は昨日、政令市である岡山市の精神保健福祉センター、こころの健康センターを訪れました。所長にお話を伺いました。人材面についてということでいえば、保健所また精神保健福祉センター、これから極めて重要な役割になっていく、そうした中で、保健師さん、精神保健福祉士さん、こうした専門家の方のやっぱり体制強化というのが必要であると。保健所も年々カバーする領域が増えており、地域の精神医療だけに割けるマンパワーというのも限りがある。様々な事業をされておりますので、それに対応する事務処理の手続というんでしょうか、煩雑な書類整備というのも極めて増えてきているということで、今後も保健所やあるいは精神保健福祉センターの役割が増えていくという中においては、やはり財政面や人材育成の面においてしっかりと支援を行っていかなきゃならないというふうに私も強く感じたところであります。 今回の法改正に伴い、そうした面においてどのような支援が行われるのか、答弁をお願いしたいと思います。
○副大臣(橋本岳君) 保健所や精神保健福祉センターへの人員体制の財政面や人材育成面での支援ということで御質問をいただきました。 今回の改正法案は平成三十年度以降の施行というのを想定をしているところではございますが、その施行前の平成二十九年度、今年度においても、その退院後の支援に取り組めるよう必要な専門人材の確保等の経費について地方交付税が措置されております。 ただし、これは御案内のとおり交付税措置でございますので、しっかり自治体の方でその配置をしていただくということはしていただかなければなりませんので、厚生労働省としては、保健所、精神保健福祉センター等の職員が確実に増員されるように自治体に対して働きかけを行ってまいりたいと考えております。 その上で、また、今のは財政面での話ですね、そうした形で人材を増員をするということと、さらに人材育成という観点での支援でございますけれども、患者の退院後に適切な医療等の支援を提供するためには、退院後支援の調整の役割を担う保健所設置自治体の職員等に対して、支援の趣旨、内容等への理解を促進し、その専門性を向上させることが重要であると考えております。 今後、厚生労働省において退院後の医療等の支援等に関するガイドラインを、まあ秋頃をめどにと今考えておりますけれども、作成をする予定でございまして、それを今度は完成したらしっかり普及をしていくということが大事でございますので、そのために自治体職員等に対して研修を実施をしていくなど、具体的にそのガイドラインを作成する、そしてそれをきちんと周知をするというか、勉強していただく、研修を受けていただく、そして、今回の法律が通していただければ、それができて、来年、三十年度から施行ということを念頭に置いて、そうした人材面、財政面の支援を今しようとしているところでございます。
○谷合正明君 おっしゃるとおり、地方交付税措置でございますから二百名分の精神保健福祉士を新たに雇い入れるだけの財政支援があるんですけれども、実際それがどう使われるかというのは自治体の判断でありますから、そこはしっかり厚生労働省としても各自治体においての対応というものも見ていただきたいなと思っておりますし、私も実際、人材育成という面において副大臣の答弁は非常に重要だと思いますし、一方で、いろんな業務が増えてきたので、実際、事務手続なんかの書類上のいろんなやり取り、これももしかしたら、もう少しきめ細かく見ていくと、無駄な、不要な、何というのかな、厚労省とのやり取り、厚労省かどうかは分からないけれども、業務上のやり取りとかあるのかな、それをもう少しスリム化できる部分もあるんじゃないかなと。調査したわけじゃないんですけれども、厚労省としてもそうした問題意識を持っていただきたいなというふうに思っております。 〔委員長退席、理事島村大君着席〕 そこで、続きまして、同じく、今度は岡山県なんですけれども、岡山県の精神保健福祉センターにおいては、二年以上このセンターに関わる人を対象に行った調査では、精神科の治療を受けていなかった人が一割強、また治療を中断していた人が三割を占めることも判明しております。 精神障害者の方は引きこもりや経済的な生活苦など複数の問題を抱える場合も多いとされており、精神障害者に対する支援に当たっては、孤立を防ぐ仕組みやアウトリーチという観点も重要になってまいります。退院後の支援は、入院形態に関係なく、医療保護入院、任意入院を含め、支援を必要としている方に提供されるべきものであると考えます。 今後、支援を必要とする方に確実に支援が届くよう厚生労働省としてどのような取組を行っていくつもりなのか、この点について伺いたいと思います。
○政府参考人(堀江裕君) 今回の改正法案は、措置入院者について、自治体が中心となって退院後支援計画に基づく医療等の支援を行うこととしてございます。 そうした支援につきましては、措置入院以外の入院形態から退院された方にも実施することは考え得ますけれども、今回は、措置入院は他の入院形態と異なり都道府県知事等が入院させるものであるため、退院後の支援についても自治体が中心となって行う必要性が高い、また、措置入院に至るまで病状が悪化した方について、退院後も円滑に地域生活に移行できるような環境を整える必要性が特に高いと考えられることから、今回の支援の枠組みを設けることとしてございます。 ただ、退院後支援をするということについて考えますと、措置入院、退院した方だけでなく進めていくことと、これは重要なことだという委員の御指摘には共鳴いたします。
○谷合正明君 共鳴していただいてありがとうございます。 今回の措置は今回の措置で受け止めておるわけですが、今後、支援というのは、入院形態に関係なく支援を必要とする方にやっていくというのがやっぱり筋であると思っていまして、まさに今参考人の方からお話がありましたけれども、今後の私は課題だと思っておりますし、退院後に円滑な地域生活への移行の必要性というのは入院形態に限らないわけでございまして、まさにこの支援を必要とする方に、しっかりと全ての方に提供されるべきものと考えております。 〔理事島村大君退席、委員長着席〕 次に、相模原市の障害者殺傷事件を契機として、社会福祉施設等における防犯に係る安全確保対策の重要性も言われているところでございます。一方で、社会福祉施設は地域とともにあるものでありまして、また開かれた存在であること、利用者が窮屈な思いをせずに過ごせることが人権の観点からも重要であります。壁などで高く囲う、監視カメラ等で監視を強める等の防犯対策を行えばそれでよいという話でもありません。 この度の事件を受けて、地域と一体となった開かれた社会福祉施設と安全確保の両立を図るべく国はどのような対応を行ったのか、また今後の在り方とともに伺いたいと思います。
○副大臣(橋本岳君) 津久井やまゆり園での事件を受けまして、厚生労働省としては、地域と一体となった開かれた施設となることと安全確保との両立に留意をしつつ、職員に対する防犯講習の実施等の社会福祉施設等における防犯に係る日常の対応、それから不審者情報がある場合の関係機関への連絡体制や、想定される危害等に即した警戒体制等の緊急時の対応に関する点検項目、チェックリストのような形でこれを整理した通知を発出し、自治体において必要な取組がなされるように周知をしたところでございます。 また、何に取り組めばいいのかということとともに、実際に取り組むためには資源も要りますので、社会福祉施設等における防犯対策を進めるために、平成二十八年度の第二次補正予算それから平成二十九年度の予算において所要の予算を確保したところでございまして、そうした面でもサポートしてまいるということでございます。 今後、これらの予算を踏まえた防犯設備の設置を進めるとともに、先ほど、午前中、石井委員の御質問の中で、通知を出せば物事は動くと思っているのではないかという御指摘もいただきまして、これは重く受け止めなければならないことだなと思っております。しっかりと、安全対策がどうなっているのかということと社会福祉施設が地域に開かれたものとなっているというものの両立ということを今申し上げましたが、それがどのように進んでいるかということを、関係機関とも連携を図りながら、引き続き私たちも注目をしながら検討を進めてまいりたいと考えております。
○谷合正明君 内閣府に伺いたいと思います。 全ての国民が、障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会を実現するためには、障害者施策に関する国民への関心と理解を広く深める必要がございます。この点、公明党は、共生社会の実現に向けて、差別や偏見のない社会を実現するために、障害者基本法、障害者差別解消法等の理念をあらゆる機会を活用して啓発していくことが重要であると考えております。 内閣府としてどのような取組をしているのか、まずお答えをいただきたいと思っております。
○政府参考人(和田昭夫君) お答え申し上げます。 障害者基本法では、全ての国民が、障害の有無にかかわらず、ひとしく基本的人権を享有するかけがえのない個人として尊重されるものであるとの理念にのっとり、全ての国民が、障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現について規定しておりまして、委員御指摘のとおり、共生社会の実現に向けて政府としてしっかり取り組んでまいりますことは大変重要であると考えております。 また、障害者基本法では、国民の間に広く障害又は障害者に対する関心と理解を深め、障害者のあらゆる分野への参加を促進するために、毎年十二月三日から九日までの期間を障害者週間とすることとされており、この期間を中心に、国、地方公共団体が民間団体などと連携しつつ、障害又は障害者に対する理解促進のための様々な啓発活動を行っているところでございます。 例えば、内閣府では昨年度、政府広報を活用いたしました動画番組を作成いたしますとともに、障害者フォーラム二〇一六を開催し、その中で、全国から募集いたしました障害をテーマとする作文、ポスターの最優秀受賞者の表彰や、真の共生社会とは何かを改めて問うシンポジウムなどを実施いたしました。 政府といたしましては、障害者基本法や障害者差別解消法等の理念に沿って、国民の更なる理解が促進されますよう、障害者週間などのあらゆる機会を活用して共生社会の推進に向けた啓発活動を引き続き推進してまいりたいと存じます。
○谷合正明君 今、参議院の有志で障害者の文化芸術の振興のための議員立法も検討されていると聞いております。こうしたことも活用していただきながら、共生社会の実現に向けて取組を深めていただきたいと思っております。 テレビ番組なんかでよく障害者の方の特集をする番組があったりするんですけれども、例えば、これはアメリカなんかであれば、「セサミストリート」で、普通に番組の中に障害を持つ方と障害を持たない方も一緒になって番組に出ています。いわゆるインクルーシブな番組になっています。でも、日本だと、どちらかというと、インクルーシブな内容というよりは別途何か番組を作るようなところに今とどまっているということで、もう少し、そういう共生社会の実現に向けては、政府の広報についても一工夫、二工夫が必要なんだなと私は思っている次第でございます。 文科省にも来ていただいておりますが、私事になりますけれども、私は家族の中に重度の知的障害を持った姉がおりましたので、小さい頃から障害というものを身近な存在として他人事ではなくて我が事として捉える、そういう環境に育ってまいりました。そこで、やはり感受性豊かな小学生の段階から障害者や精神疾患に対する理解を深めていくということが肝要であると考えております。 これは、障害のある子供とない子供双方にとって極めて重要であるというふうに思っておりまして、今は学校教育などの場で心のバリアフリーという取組の充実というものがうたわれておるわけでありますけれども、文科省として、今までもやっていると思うんですけれども、今までに増して力を入れていくべきだと私は考えております。 児童生徒に対する対応、またその児童生徒に接する教職員の方に対する対応というんでしょうか、こうした心のバリアフリーの対応についてお伺いしたいと思っております。
○政府参考人(白間竜一郎君) お答え申し上げます。 学校教育におきます障害者理解の推進、これを図ることは、多様な人々が共に生きる社会の実現に不可欠であります他者への共感や思いやり、こういったことを子供たちに培っていくために大変に重要であるというふうに認識をしております。 このため、障害者への理解を深める教育を行っておるところでございますけれども、これを児童生徒の発達の段階に応じて指導するということとしておりまして、これまでに加えまして、さらに、小学校では平成三十二年度から、また中学校では三十三年度から全面実施をされます次期の学習指導要領におきましては、一つとして道徳を新たな特別の教科と位置付けまして、ここで相互理解、寛容、また公正、公平、社会正義と、こういったことの内容を充実をするということとともに、障害のある児童生徒との交流及び共同学習の機会を設けるということを規定をいたしまして、指導の充実も図ることとしております。 またあわせまして、教科を横断して障害者理解に活用できる書き込み型の教材、これは仮称でございますけれども、心のバリアフリーノートといったようなものも作成をすることとしているところでございます。 また、教員養成についての御質問もございましたけれども、この教員の養成段階におきましては、障害者等への理解を深めるために、平成十年度の大学に入学した者から、小学校又は中学校の免許状の取得の要件として、障害者福祉施設を含む社会福祉施設と特別支援学校での七日間の介護等体験を、これを必修としているところでございます。 さらに、昨年四月に施行されました障害者差別解消法について教育現場へ周知徹底を図るということで、教育委員会等への通知の発出を行うとともに、共に学ぶための、子供たちが共に学ぶための環境の整備のために、一つは学校に看護師などの外部専門家を配置するための補助事業を行う、また、特別支援教育の支援員といった形での配置を進めるための地方財政措置を実施をしているところでございます。 引き続き、より一層の推進に努めてまいりたいと考えております。
○谷合正明君 大臣に伺います。 本法案では、第二条第二項に、国及び地方公共団体が十分に配慮すべき規定として精神障害者の人権尊重も盛り込まれたところでございます。相模原の事件では、障害者はもちろん、我々国民一人一人に強い衝撃を与えました。事件を風化させずに、今後人権尊重のメッセージを様々なタイミングで発信していくことが重要と考えますけれども、厚生労働大臣の強い決意を伺いたいと思います。
○国務大臣(塩崎恭久君) これまで、精神障害者につきましては、精神保健福祉法の理念にのっとって、できる限り地域社会における生活への移行というものを進めるということでやってまいったわけでありますが、今回の事件を契機にこうした流れを揺るがすことが絶対にあってはならないというふうに考えております。 このため、今回の改正におきまして、国と地方公共団体の義務として、精神障害者の人権を尊重して地域移行の促進に十分配慮すべきことを、今御指摘をいただいたように法律上明記をさせていただきました。 今後、こうした制度の趣旨を自治体に対してしっかりと理解をしてもらうということが大事でありまして、それと同時に、様々な機会を捉えて広く国民に発信を私どもからしていく、そして、そのことによって精神障害者に偏見や差別の目が向けられることがないように、地域における生活への移行が進むようにしてまいりたいというふうに考えているところでございまして、今お話しのように、機会を捉えてできる限りこのような人権尊重の考え方をしっかりと発信してまいりたいというふうに思います。
○谷合正明君 続きまして、医療保護入院について伺います。 前回、平成二十五年の精神保健福祉法改正により、保護者による同意に代えて家族等のいずれかによる同意が要件とされ、必要な医療へのアクセスが一定程度改善されたと認識しております。しかし、患者の家族等が患者本人との関係の悪化や患者と疎遠であること等を理由に同意、不同意の意思表示を行わないケースについては必要な入院医療につながらないといった課題が一部生じているものと考えております。 そこで今回の法改正につながっているというふうに承知しておりますけれども、改めて、今回の法改正によりこうした課題についてどのような改善が見込まれるのかという点について伺いたいと思います。
○政府参考人(堀江裕君) 平成二十五年の精神保健福祉法改正によりまして、医療保護入院に当たっては家族等のいずれかの同意が必要となり、家族全員がいない等の場合にのみ市町村長の同意により医療保護入院を行うことができることとされたものでございます。このような現行法の仕組みの下では、患者の家族等は存在するものの、その全員が同意、不同意の意思表示を行わない場合には家族にとって必要な入院医療につながらない可能性があるということでございます。 このため、今回の改正法案では、家族等の全員が同意、不同意の意思表示を行わない場合でも市町村長の同意により医療保護入院を行うことができるよう市町村長の同意の対象を拡大することとしております。これによりまして、入院医療を必要とする精神障害者について適切な治療につながるように改善されるものと考えてございます。
○谷合正明君 質問を続けます。 今回の法改正では、措置入院等を行った都道府県知事及び医療保護入院又は任意入院者の退院制限等を行った精神科病院の管理者は、対象者にその措置を行う理由を書面により知らせることとなっています。措置の理由を知らせることは大変重要でありますけれども、ただ知らせるだけではなくて、きちんと対象者等に理由を説明して理解してもらう必要があります。さらに、対象者等がその理由について不満がある場合には、その旨を申し立てる又は必要に応じて迅速に措置解除や処遇改善へとつなげる体制が必要であると思います。 本会議においては、そのような仕組みは設けていくという答弁でございました。この委員会では、その仕組みを設けるとして、どのように具体的に運用されていこうとされているのか、政府にお尋ねしたいと思います。
○政府参考人(堀江裕君) 今回の法案では、家族の人権保護の観点から、都道府県知事が措置入院を行った場合や精神科病院の管理者が医療保護入院を行った場合等に、その入院措置をとる理由を患者に対して告知することを新たに求めてございます。一方、現行制度の下では、精神科病院に入院中の患者とその家族等は、都道府県知事等に対し退院や処遇の改善を請求することができることとされておりますが、告知された理由の内容を踏まえて、その入院措置等に不満がある場合はこうした退院等の請求の仕組みを活用することが可能になるということが改善でございます。 なお、請求があった場合には、都道府県等に置かれた精神医療審査会において専門家の合議体による公正な審査が行われることになります。
○谷合正明君 前回改正により、医療保護入院者の退院による地域移行の促進を担う退院後生活環境相談員が新設をされました。医療保護入院者の早期退院のためには、精神科病院内における患者の治療だけでなく、その退院後の生活環境の調整も重要であるということに鑑みて設けられたものでありますが、これはまだ導入されて間もないということなんでありますが、まずもって、この導入の効果をどのように評価しているのかについて伺いたいと思います。 そして、その評価は今回の改正にどうつながっているのかと、今回その対象を措置入院にも拡大するということなんですが、しっかりこの前回の改正をどのように分析、評価して今回の改正に至っているのかということの説明をしていただきたいと思っております。
○政府参考人(堀江裕君) 前回、平成二十五年の精神保健福祉法におきます退院支援に関係するものは、御指摘の退院後生活環境相談員の選任に加えまして、地域援助事業者の患者への紹介、それから医療保護入院者退院支援委員会の開催といった三つの退院促進措置が設けられているところでございまして、これらの取組について、平成二十六年四月の改正法施行以降、着実に進められているところでございまして、平成二十六年六月時点の医療保護入院患者数について、施行前の平成二十五年六月時点に比べまして十三万六千六百八十人から十三万千九百二十四人へと四千七百五十六人減少するなど、退院の促進が図られているものでございます。それまで、どちらかというとずっと右肩上がりだったものが、この時点で減少していることが見て取れます。 今回の法改正では、こうした医療保護入院におきます退院促進措置に期待される効果も踏まえまして、措置入院の場合にも退院後生活環境相談員の選任を医療機関に義務付けるとともに、退院後の医療等の関係者による協議の上、退院後支援計画の作成等を行うことといたしまして、退院後支援の強化を図っているものでございます。
○谷合正明君 私自身は、今回の改正が措置入院の方まで対象にするということで、この点についても評価をしているわけでございます。こうした今回の改正の趣旨をしっかりと踏まえた対応をしていただきたいというふうに思っております。 精神保健指定医について伺います。 平成二十八年には、全国において八十九名の指定医について、指定申請に当たり、自らが診断、治療に十分に関与していない患者についてのケースレポートを提出したなどとして指定の取消しが行われました。精神保健指定医に係る指定の不正取得は指定医の社会的信頼を損ねるものでありまして、決してあってはならないことであります。平成二十一年一月まで遡って調査が行われたと聞いておりますけれども、不正が発覚するより随分前からこのような不正事案が見逃されてきたのではないかということを懸念するわけでございます。 まず、今回の不正事案が起こった原因についてどのように分析しているのかとともに、今回の法改正によって指導医の役割というものを明確化するということでありますが、その内容及び目的について併せて伺いたいと思います。
○政府参考人(堀江裕君) 二点についてお尋ねいただきました。 厚生労働省としては、今回の不正取得の問題についての原因ということのお尋ねでございますけれども、指定医の申請を行う医師とその指導に当たる指導医に、指定医とは措置入院等の患者の意向に反した処置を行える権限を持つ重要な資格であるという意識が希薄であった、人権を扱う者の意識が希薄であったこと、それから指導医の役割の重要性が十分に認識されていなかったこと、そして指定医申請時の実務経験の確認をケースレポートによる書面審査のみで行っていた、これはこちら側の問題でございますけど、等の要因が影響していたと考えてございます。 また、指導医の役割の明確化についてでございますけれども、不正取得の事案では、ケースレポートの症例の診断又は治療について申請医を指導し、ケースレポートの内容の証明を行う指導医の機能が適切に発揮されなかったことが明らかになったものでございます。 このため、今回の法改正では、精神保健指定医の指定の不正取得の事案を受け、その再発防止を行うとともに、指定医の資質を確保するため、指導医を一定の要件を満たす指定医として法律上位置付け、指定申請者にはその指導の下での実務経験を求めるとともに、指定の更新要件に指定医業務の実績を新たに追加することといたしてございます。
○谷合正明君 今回の法改正によりまして、指定医の資格不正取得の防止及び社会的信頼の向上にしっかりとつなげていただきたいというふうに、大臣の方に要請というか要求をさせていただきたいと思います。 最後になりますが、附則に、施行後五年以内に、新法の施行の状況並びに精神保健及び精神障害者の福祉を取り巻く環境の変化を勘案し、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるとの検討規定が設けられました。 施行後五年以内の見直しまで、どのような点を重視しながら、今後、精神保健医療福祉行政の改革を行っていく考えなのか、最後、副大臣に答弁をお願いしたいと思っております。
○副大臣(橋本岳君) 今回の改正法案におきましては、先ほど御指摘をいただきましたように、附則に施行後五年以内の見直し検討規定が置かれているところでございます。 厚生労働省としては、この規定に基づき、今回新設する措置入院者の退院後の医療等の支援の在り方や、精神障害者の適切な医療等の支援を行うための関係行政機関等による協議の在り方を中心に、施行状況等を踏まえ検討を行うことを考えているところでございます。 具体的には、措置入院者に対する退院後の医療等の支援が患者の円滑な地域移行につながっているか、あるいは精神障害者支援地域協議会における地域の関係者での支援体制の協議や個別の支援内容の検討が適切な医療等の支援につながっているか、また法の運用を行う地方自治体の体制が十分か、こうした点に留意をして検討を行っていきたいと考えております。 また、医療保護入院に係る実態についても、今回、家族等同意がない場合のということを新設をしたわけでございますが、継続的にこれは検証を行いまして、今申し上げました家族等同意の在り方を含め引き続き検討を行ってまいりたいと、このように考えております。
○谷合正明君 以上で終わりたいと思いますが、改めて、共生社会の実現、そして治療と退院後のフォローアップ、こうした点をきめ細やかにやっていただきたい、そのことを申し上げて質問とさせていただきます。 以上です。
○倉林明子君 日本共産党の倉林明子です。 昨年七月二十六日の未明、相模原市の津久井やまゆり園で元施設職員によって引き起こされた殺傷事件、これは、障害者はもとより日本社会に本当に大きな衝撃を与えたと私も思います。容疑者は、障害者は生きていても仕方がない、安楽死させた方がいいと衆議院議長宛てに手紙を書いていたことも判明したと。容疑者の精神病院入院歴も明らかになる中で、精神障害者には、差別や偏見が助長されるんじゃないかと、これが大きく不安となって広がりました。 そこで、この七月二十六日の事件の本当に直後、七月二十八日、開催された関係閣僚会議、ここにおいて総理が指示を出されています。これはどんなものだったでしょうか。
○政府参考人(堀江裕君) 昨年七月二十八日に開催されました障害者施設における殺傷事件への対応に関する関係閣僚会議におきまして、総理からは、この事件で被害者の皆様やその御家族の皆様を始め多くの方々が大変な不安を感じておられます、事件を徹底的に究明し、再発防止、安全確保に全力を尽くしていかなければなりません、厚生労働大臣を中心に関係閣僚が協力して、施設の安全確保の強化、措置入院後のフォローアップなど、様々な観点から必要な対策を早急に検討し、できるところから速やかに実行に移していくよう指示があったものと承知してございます。
○倉林明子君 総理から直ちに指示があったと。そこで、厚生労働省に相模原市の障害者支援施設における事件の検証及び再発防止検討チームが立ち上げられるということになりました。これ、いつでしたか。
○政府参考人(堀江裕君) 検討チームの設置は八月八日でございまして、その第一回の開催は八月十日でございます。
○倉林明子君 総理の指示を受けて、事件から十日足らずと極めて短時間での立ち上げだったということだと思うんですね。 初回の会合で塩崎大臣は、まず、何が起きたのか、どういう経緯をたどってこの事件発生に至ったのか等、あらゆる事実関係をよく精査することが何より重要であり、その上で、現行制度の下で何をしておけばこの事件を防ぎ得ていたのか、よく検証するとともに、現行制度に加え、いかなる新たな政策や制度が必要なのか等を今後の再発防止策として提案していくことが重要であるというふうに発言をされております。 そこで、聞きます。そういうことでスタートしたこの検証・検討チーム、九月に早速中間取りまとめが発表されております。それが今日資料でお配りいたしました四枚物という、概要をまとめたものとなっております。これ、二枚目から結果の概要が書いてあるわけですけれども、見ていただいたとおり、被告人、今は被告人となっている植松容疑者、この人の措置入院、措置解除、この対応の解明に専ら重点が置かれたものというふうになっているんですね。 私、もう本当に歴史上ないような未曽有の事件が起こったわけなんですね。大臣も会議の冒頭でおっしゃっていたように、あらゆる事実関係の精査、解明が必要な案件だというふうに思うんですね。 そこで確認したいと思うんです。今回の検証チーム、この検証作業で事件の全容が解明された、そういう認識でしょうか。
○政府参考人(堀江裕君) 今回の事件の発生を受けて厚生労働省に設置された検証・検討チームでは、内閣府、警察庁、法務省、文部科学省の関係省庁の参加を得ながら事実関係の精査を行い、その上で、現行制度下での対応の検証や再発防止のための新たな施策や制度の検討を行ったものでございます。 昨年九月に公表した中間取りまとめにおいては、退院後の継続的な支援の在り方などの措置入院制度における対応のみならず、施設における防犯対策、それから、資料にも書いてございますが、共生社会の実現などにつきましても検証した上、検討課題としてお示ししており、こうした様々な観点から事件の検証を行ったものでございます。 その上で、昨年の十二月に報告書を公表してございまして、施設における防犯の取組の支援、施設の職場環境の改善、共生社会の実現に向けた政府広報など、あらゆる機会を活用した政府の姿勢や障害者差別解消法の理念の周知などを推進する必要性を提言してございまして、幅広い観点から事件の再発防止策についても検討が行われたものと考えてございます。
○倉林明子君 いや、私が聞いたのは、全容解明できたという認識かどうかということをお尋ねしたんですよ。そこははっきり答えていただきたいと思うんですね。措置入院見直しありきと、こういう検証になっているということ、私、極めて問題だというふうに思っているわけです。 今年の二月二十四日、先ほども指摘ありました五か月に及ぶ精神鑑定の結果で、自己愛、パーソナリティー障害という診断がされたわけで、これから刑事責任能力について法廷で争われるということになっていくわけです。要は、全容解明の作業はこれからが本番だというふうに思っているんですね。再発防止に措置入院の見直しが必要だという、こういう結論がなぜ今出るのか、明確にお答えください。
○政府参考人(堀江裕君) 先ほどからも大臣からもお答えいただいておりますけれども、今回の法案を提出するに当たりましては、相模原の事件を契機に現行の制度の検討を行った結果、措置入院について、患者が退院した後の医療や地域福祉等の支援が不十分であるといった課題が明らかになり、これに対応するために法案を提出したものでございます。したがって、今回の法案は、相模原市の事件が契機でございまして、犯罪防止そのものを目的とするものではございません。 今回の法案は、検討の結果明らかになった課題に対応するため、措置入院者が退院後に医療等の継続的な支援を確実に受けられる仕組みを設けるとともに、精神障害者支援地域協議会において、関係行政機関等のうち退院後の医療等の支援の関係者で構成される個別ケース検討会議で退院後支援計画の作成等を行うものとしたものでございます。
○倉林明子君 私、こういう未曽有の事件が起こったときに、全面的にその事件を解明していくという作業を丁寧にやらないと方向性を間違う危険があるというふうに思っているからこそ指摘をしているわけです。その点から改めて言いたい、余りにも拙速だというふうに思います。 日本障害者協議会の藤井克徳代表が昨年八月に記者会見をされています。その中でたくさんお話しされているんだけれども、私は、言いたいと思うんですね、伝えたいと思うんです。この半世紀を振り返ってみても、日本の精神障害者の政策は絶えず大きな事件とセットで動いてきました。事件とあるべき方向を区分けして論じる、そういう政策手法を取ってほしいと思いますと、この発言を本当に厚生労働省は重く受け止めるべきだと思います。 そこで、質問します。法案の趣旨説明で、二度と同様の事件が発生しないよう法整備を行うと、先ほど来、ニュアンスが大分弱まってきたというような指摘もありました。一方、退院後支援計画の策定の目的、これは社会復帰の促進で犯罪防止や治安維持ではないと、こう繰り返し答弁されているわけですね。 それならお聞きしたい。社会復帰の促進のためというのであれば、入院形態による違いではなくて、まず大きな問題になってきている社会的入院にこそ、私、必要じゃないかと思うんですね。なぜこの退院後支援計画の策定を措置入院だけに限定したのか、どうしてですか。
○政府参考人(堀江裕君) 御指摘のとおり、今回の法改正では、措置入院者について、自治体が中心となって退院後支援計画に基づく医療等の支援を行うこととしてございます。これについては、措置入院以外の入院形態から退院した患者についても実施することも考えられますが、措置入院が、他の入院形態と異なり都道府県知事等が入院させるものであるため、退院後の支援についても自治体が中心となって行う必要性が高いと考えられること、措置入院に至るまで病状が悪化した方については、退院後も円滑に地域生活に移行できるような環境を整える必要が高いと考えられることから、今回の法律改正では措置入院について行うものとしているものでございます。 なお、医療保護入院者などでございましても、退院後に医療等の支援を行う必要性が高いような方については各自治体の判断で同様に退院後支援計画を作成して支援対象としていただくことも可能であり、改正法の施行に当たりましては、そうした旨も周知してまいりたいと考えてございます。
○倉林明子君 相模原事件があったからでしょう、措置入院に限ったっていうのは、私、そうだと思うんですね。真に社会復帰の促進というのであれば、長年の課題であった社会的入院にしっかり光を当てていくと、どう支援していくのかという方向に向かうべき改正であったはずだというふうに思います。 措置入院患者のプライバシーについてお聞きしたいと思うんですね。どうプライバシーが保護されるのかという点です。 改正法第五十一条によりますと、退院後支援計画策定のために必要があると認めるとき、関係行政機関等に対し、資料又は情報の提供、意見の開陳その他必要な協力を求めることができるとされているわけです。代表者会議に参加する警察に対して措置入院患者の個人情報が、私、提供されることになるんじゃないかと思うわけです。先ほど来の議論で明らかになりましたように、個別ケースであっても自殺などの場合はあり得ると、そのほかでも、他害の場合でもこれ否定されなかったというふうに受け止めましたけれども、この中で措置入院者のプライバシーはどうやって担保されるんでしょうか。
○政府参考人(堀江裕君) 精神障害者支援地域協議会は、地域における精神障害者の支援体制の協議と個別ケースの支援内容の協議という二つの役割がございまして、法律に明記されておりますように、精神障害者に適切な医療等の支援を行えるようにするために設置するものでございます。 その支援の体制の協議を行う代表者会議には警察も関係行政機関として参加いたしますが、その目的は、警察官通報を含めた措置入院制度の適切な運用について、確固たる信念を持って犯罪を企図する者等が現れた場合に備え、あらかじめ医療と警察の役割分担を明確にするなど対応方針を協議することでございます。このため、個々の措置入院者の個人情報について参加者に共有されるものではございません。 一方、個別の支援内容の協議を行ういわゆる個別ケース検討会議については、法律上も退院後の医療等の支援の関係者による合議体で計画作成等の協議を行うというふうに明文で規定されてございまして、支援を受ける患者の個人情報がこれらの関係者以外に共有されることはございません。 そして、こうしたことから、警察は原則として個別ケース検討会議には参加いたしませんが、先ほどから申し上げておりますように、例外的に、自殺のおそれが認められる者や繰り返し応急の救護を要する状態が認められる者等について、その保護のために必要がある場合には退院後の医療等の支援の関係者から警察に参加を求めることもあり得るというふうに考えてございます。
○倉林明子君 そうなんですよ。結局、個人を特定する情報、その個人情報を渡さないという規定ないんですよ。そこが非常に精神障害者の方々に大きな不安と懸念を与えているんです。そして、まして先ほど来の答弁であり得るというふうに答弁しているわけだから、本当に問題だと思います。 相模原事件の容疑者のように、その原因が精神障害によるものかどうか、これ判断が難しいというグレーゾーン事例、大臣は、確固たる信念を持って犯罪を企図する者への対応などは医療と警察の役割分担が必要と、あらかじめ代表者会議で対応方針を明確化する必要があるんだという答弁をいただいているわけですが、なぜ措置入院患者に対してのみ警察との役割分担が必要になるのか、私、十分な説明を受けたと思っておりません。重ねて説明を求めます。どうですか。
○政府参考人(堀江裕君) 措置入院は、精神障害による自傷他害のおそれがあると認められることを要件としておりますが、緊急措置診察や措置診察の時点では他害のおそれが精神障害によるものか判断が難しい事例がございます。このようないわゆるグレーゾーン事例があることについて、これからの精神保健医療福祉のあり方に関する検討会の報告書におきまして、都道府県又は政令指定都市や警察などの関係者が共通認識を持つべきであるとされたものでございます。 本報告書を踏まえまして、地域の精神障害者の支援体制について協議を行う精神障害者支援地域協議会において、措置入院者に関するグレーゾーン事例について警察との役割分担、連携ということについて協議するものと考えてございます。これによりまして、医療関係者が精神障害者の治療等に集中して対応することが可能となりまして、精神保健福祉法の目的である精神障害者の福祉の増進等に寄与するものと考えてございます。
○倉林明子君 私、警察に情報が渡るんじゃないかということが、これ担保されていないと、渡るかもしれないと先ほど来答えているわけだから、医療関係者と措置入院者の信頼関係を根底から壊しかねない問題だと思うんですね。措置入院者には犯罪を企図する者が含まれると、こういう前提を置くことにもなるんじゃないかと。警察の関与というようなことはきっちり排除するということを担保すべきだと思います。 その上で、この退院後支援計画を決める協議会の個別ケースの会議について問題だと思うのは、本人や家族の参加、これは都道府県等が判断するという答弁になっているんですね。その基準について説明はありませんでした。参加が原則だ、原則にしていくということをはっきり決めるべきだと思うのに、なぜかと思うんですね。参加を認めない場合があるということだと思うんです。じゃ、この認めない場合というのはどういうときになるんでしょうか、簡潔にお答えください。
○政府参考人(堀江裕君) 可能な限り患者本人あるいは家族の参加を促すように求める予定でございます。本人が個別ケース検討会議に参加しない場合といたしましては、例えば都道府県等から参加を促しても本人が参加を希望しない場合や本人の病状等から参加が困難な場合などを想定してございます。
○倉林明子君 私、やっぱり原則としてきちんとその本人の参加を促していくというところを担保すべきだということは重ねて強く求めておきたいと思います。 医療保護入院に市町村長に同意の範囲を拡大したということで懸念されているのが、非自発的入院が増大するんじゃないかということです。資料の最後に付けておきました。前回の法改正で若干医療保護入院の減少が見られるということですけれども、いただいた資料ではその減少分が反映されないデータにはなっております。しかし、これを見て、一つ特徴が見て取れるのは、任意入院が減る一方で医療保護入院は右肩上がりの傾向になっているということなんです。先ほど紹介あったけれども、数値的には若干の減少にとどまる範囲ではないかと思うんですね。 現在入院医療につながらない患者を必要な医療につなげることが目的だと本会議では答弁をいただいております。しかし、入院医療につながらない患者、この実態というのは一体どうつかんでいるのかと。さらに、必要な治療というのは、私、入院だけじゃないと思うんですね。入院医療だけなのかと、そこ、御説明ください。
○政府参考人(堀江裕君) 現在、市町村長による同意で入院を行うことができるのは、家族等がいない場合又は家族等の全員がその意思表示をできないときに限られてございます。このため、家族等が患者本人と疎遠であることや患者本人との関係の悪化を恐れて同意、不同意の意思表示を行わない場合には、必要な入院医療につながらないという課題が生じており、平成二十六年度に日本精神科病院協会が行った実態調査においても、こうしたケースがあることが指摘されてございます。また、家族会からは、家族等同意を廃止するような要望もいただいているところでございます。 なお、そもそも入院医療によらず対応できる場合には医療保護入院は行われるべきものではございません。本法案では、医療保護入院の必要性が慎重に判断されますよう、精神科病院の管理者に医療保護入院を行う際に患者にその理由を告知することを義務付けているものでございます。
○倉林明子君 私は、入院から地域へと、こういう流れを促進するという流れを本当に作っていかないといけないと思うんですよ。それを逆行しかねないようなことにならないかと、この懸念については指摘をしておきたい。 更に質問します。当事者である精神障害者の方々から寄せられている声というのは、差別や偏見が助長されるんじゃないか、隔離政策が更に進んでいくんじゃないか、こういう不安と懸念の声が寄せられております。当事者の権利制限に関わる重大な法改正となっております。 そこで確認します。法改正に当たって、当事者の意見、これどれだけ聞いたんでしょうか。
○政府参考人(堀江裕君) 精神障害者にとって関係の大きい制度改正の検討に当たっては、当事者の御意見、しっかりお伺いすることが重要だというふうに考えてございます。 このため、今回の法案の検討過程では、これからの精神保健医療福祉のあり方に関する検討会において法案全般についての御議論をいただいてございます。この検討会には精神障害者当事者二名に構成員として参画をいただき、また、当該検討会において、全国「精神病」者集団からの意見聴取も行うとともに、精神障害者と日頃より関係の深い八つの団体からも意見聴取を行ってございます。 また、相模原の事件後速やかに立ち上げました相模原市の障害者支援施設における事件の検証及び再発防止検討チームにおきましても、社会福祉法人日本身体障害者団体連合会、全国手をつなぐ育成会連合会、全国「精神病」者集団を始めといたします九つの団体から意見聴取を行ってございます。
○倉林明子君 各種、各団体からよく聞いたんだという話なんだけれども、実際、連日のように、障害者の当事者の方、そして今名前を挙げられた団体の方からも、反対の声、この法改正についての御意見がたくさん寄せられているんですね。声が本当に反映されたら、こんな意見が届くはずないと私は思うんですよ。 大臣に聞きたいと思います。精神障害者の人権に関わるこの重大な法改正、様々な御意見が寄せられているし、様々な懸念、反対だと、撤回すべきだという声もある。立ち止まって、改めて当事者の声を真摯に聞くべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今回の法案は措置入院者の退院後の支援を強化することなどを内容としておりまして、精神障害者の社会復帰の促進などの観点から、精神障害者当事者にとって重要な内容を含んでいると考えております。このため、法案の検討過程におきましても、先ほど部長から御答弁申し上げたとおり、これまで当事者の方々の御意見もしっかり承ってまいったところでございます。 その後も、当事者の方からは意見書の提出をいただくなど、私どももしているわけでありますが、今後とも、様々な懸案事項にも丁寧に説明しながら法案の実施に向けての具体的課題の検討をしてまいりたいと思っております。 なお、こうした国会審議を通じて、またいろいろなことをお考えをいただけるのではないかと思いますので、そういった声には真摯に耳を傾けてまいりたいと思います。
○倉林明子君 最初に指摘したように全容解明はこれからなんですよ。法改正を急ぐべきではない、申し上げまして、続きはまたやらせていただきます。 終わります。
○片山大介君 日本維新の会の片山大介です。 私もまず最初に、去年の相模原の事件で多くの方の命、尊い命が亡くなったことに対してまず哀悼の意を申し上げるとともに、今でも、けがをしていたり後遺症が残っていたり、人たちもいらっしゃるというふうに聞いているので、そうした方たちの一刻も早い回復をお祈りしたいと思います。 それでは、質問を始めていきたいと思います。かなり質問重なるところがあるんですが、そこは御容赦いただければと思います。 まず、今回の法改正なんですが、前回、平成二十五年の法改正の附則に、三年後を目途にとする検討規定が設けられたことがそもそもの今回の改正なんですけれども、その後、相模原の事件が起きたり、それから精神保健指定医の資格の不正な取得などが相次いで、措置入院に対する退院後の支援や指定医制度の見直しなど、改正事項が多くなったという経緯があります。 まず、大臣にお伺いしたいのが、相模原の事件などが今回の法改正に与えた影響、これについてどのようにお考えなのか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(塩崎恭久君) これはもう何度もお答えをしてきたつもりでございますけれども、今回の相模原事件というのは、先ほども私から申し上げたように、障害者十九名の命を奪うという凄惨そのものの事件でありました。亡くなられた皆様方には改めてお悔やみを申し上げ、こうした障害者が標的とされるような事件が二度と起きないようにしなければならないということを決意として新たに思っているところでございます。一人一人の命の重さは障害のあるなしによって変わることはあり得ないわけでありまして、いま一度この考え方は共有していかなければならないというふうに思います。 こうした中で、精神保健医療福祉制度を検証した結果、措置入院者が退院後に医療あるいは地域福祉などの支援を確実に受けられる仕組みがなかったことなどが明らかになったことから、今回の法案を提出をしたということでございます。
○片山大介君 それで、今回のその法改正に当たっては多くの障害者団体などから声明やメッセージなどが出されたのは御存じのとおりだと思います。 それで、この中では、差別意識のない社会、そして障害者の地域での共生などを皆さんすごく訴えております。実際やっぱり、この相模原の事件の後、そうしたことに対して不安を持っていらっしゃる方というのは全国に数多くいると思うんですけれども、今回の法改正の作業で、中で、本改正案がそうした声明だとかメッセージだとか不安に対してきちんと応えたものになっているのかどうか、この点についてはどのようにお考えなのか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今回の私どもが提出申し上げている法案につきましては、精神障害者の当事者の団体などから、措置入院者に対する退院後の医療等の支援が支援の名を借りた監視なのではないか、あるいは警察が参加をする精神障害者支援地域協議会が設置をされることで監視強化になるのではないかといった懸念が示されていることはよく承知をしているところでございます。 こうした点につきましては、今回導入をする退院後の医療等の支援の仕組みは、措置入院者の方の社会復帰の促進等を目的とするものでございまして、監視をするためのものでは決してないということ、そして退院後支援計画の作成に当たっては、患者本人や家族の協議会への参加をできる限り促すことなどによって患者の意向を踏まえた支援内容とすること、そして協議会のうち警察が参加をする代表者会議、ここでは精神障害者に対する支援体制についての協議をするのみでありまして、患者の個人情報は扱わないということなどを今後作成をいたします退院後支援のガイドラインなどでお示しをする予定でございます。 これによって、制度趣旨に沿った運用を自治体に求めていくことなどを通じてその懸念を払拭してまいりたいと思います。
○片山大介君 そして、前回のその改正法の附則にあった幾つかの検討規定そのものはどうなったのかというのを次お伺いしたいんですけど、結局これ盛り込まれていないものも結構あるような気がするんですが、これについては、この法改正以外で行うのか、それともこれ積み残し課題にしてまた検討事項にしていくのか、そこら辺のお考えはどうなんでしょうか。
○政府参考人(堀江裕君) 平成二十五年の改正法において、医療保護入院における移送及び入院の手続の在り方、医療保護入院者の退院を促進するための措置の在り方、入院中の処遇、退院等に関する精神障害者の意思決定及び意思の表明の支援の在り方が見直しの検討事項として規定されました。改正後の施行状況等をこれからの精神保健医療福祉のあり方に関する検討会で議論し、その結果を踏まえて法案を提出したものでございます。 法案には、家族等同意について、制度導入後に明らかになった課題や本人と家族の関係に与える影響等を踏まえ市町村長同意の範囲を拡大すること、退院促進措置について、新たに退院後生活環境相談員を措置入院者についても選任することなどを盛り込んでございます。 また、法案に盛り込まれなかったものの、検討会報告書の内容を踏まえまして、地域の保健、医療、福祉の関係者による協議の場を中心に地域の実情に応じた医療へのアクセスを確保する体制づくりを推進するとともに、入院中の精神障害者の意思決定支援等について医療機関以外の第三者により意思決定支援等の権利擁護を行うことを地域生活支援事業に位置付けて実施することといたしてございまして、これらの取組も相まって精神保健医療福祉施策の充実に取り組んでいきたいと考えてございます。
○片山大介君 是非そちらでしっかりやってほしいなと思います。 それで、ちょっと今回の法案の中身について話をしたいんですが、私もまず最初に支援計画についてお伺いしたいんですが、まず、この検討に当たって、大臣、去年の十月に私の地元の兵庫県での取組を視察したと思いますが、兵庫では、去年の四月、一年前からなんですが、退院後の継続支援に係る取組というのがもう実は始まっているんですね。それで、具体的には、健康福祉事務所で継続支援チームをつくって、医療機関や行政などと連携をしながら、措置入院者の通院中から病院の訪問を行ったりだとか面接をしながら支援体制を構築していくというものなんですね。 それで、ここでの対象者というのは実際に同意を得た措置入院者だけにしているんですけれども、これ、視察をして今回の法改正の参考になった点、そしてちょっと違う点、そこら辺はどうお考えでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 去年の八月二十一日に私は、先ほどお示しをいただいたところでありますけれども、兵庫県精神保健福祉センター、ここにお邪魔をいたしました。地域で生活をされる精神障害者の方を支える現場の取組を、実際にそれを担っていらっしゃる方々を含めてお話を聞かせていただきました。 具体的には、今お話があったとおり、去年の四月から各保健所に精神障害者継続支援チームというのを設置をいたしまして、措置入院患者の方などへの継続的な支援を行うと。と同時に、県全体では精神保健福祉センターに連絡会を設置をいたしまして各チームの活動支援や課題抽出を行うという、そういったような取組を実施をしているということで、大変勉強になったところでございました。 こうした兵庫県の取組も参考にしながら、今回の法案では、措置入院者が退院後に医療等の継続的な支援を確実に受けられる仕組みを設けるとともに、保健所設置自治体に精神障害者支援地域協議会を設置をすることとしたところでございまして、また、兵庫県の取組では患者が県外に移転をされた場合に継続してフォローができないことなどが課題とされておりましたために、今般の法案におきましては、患者が県外に移転をした場合に、移転元の自治体から移転先の自治体に対して退院後支援計画の内容等を通知をする仕組みを設けているところでございます。
○片山大介君 なかなか参考にする点もあったというのは聞いております。 それで、今後具体的な規定内容については省令で定めていくことになると思うんですけれども、その省令で定める具体的な規定の内容というのはどのようなものなのか、教えていただきたいんですが。
○政府参考人(堀江裕君) 退院後支援計画について、改正法案において、措置入院者への退院後の医療等支援の内容、それから医療等の支援を行う期間について記載することを法定してございます。 それから、このほかの記載事項につきましては厚生労働省令に委任してございますが、その省令においては、医療その他の援助を行う担当者の名前、それから通院中断時の自治体や医療機関による対応等につきまして規定することを検討させていただいております。
○片山大介君 それで、あと援助を行う期間については、もちろん規定の中に具体的な期日を書くことはないと思うんですけれども、厚労省としての想定は期間としてどれくらいを想定しているのか、それで最大でどれくらいになる見込みだというふうな考えなのか、教えていただけますか。
○政府参考人(堀江裕君) 退院後の医療等の支援を行う期間につきましては、患者の病状等に応じて適切に設定されるよう、今後、退院後支援のガイドラインを作成いたしましてその目安を示す予定です。具体的な目安としては、原則として半年以内程度の期間とすることを想定してございますが、関係者の意見をよく聞いて検討してまいりたいと考えてございます。 またあわせて、不必要に長い期間が設定されることのないように周知をし、自治体に求めてまいりたいというふうに考えてございます。
○片山大介君 一年たった兵庫でも、実はその継続支援の期間というのがすごく課題になっているというんですよね。それで、恐らく今言われたように長期になると患者を縛ることにもつながるという懸念があって、こうしたのが長期化しないようにするためにはどのようなことを考えているのか、お伺いしたいんですが。
○政府参考人(堀江裕君) 繰り返しになりますけれども、目安といたしましては半年以内程度ということで、その趣旨についてよく自治体の方に周知を図って理解を求めていくというように考えてございます。 千葉県でも、二十七年十月から、措置入院者のうち退院後の支援が必要な者について、原則半年以内の支援ということで実施しているようでございまして、二十八年十二月までに支援の行われた三十名の方について、半年以上に支援期間が延長された例はございません。千葉市だそうでございまして、ちょっと今言い間違えました。失礼いたしました。
○片山大介君 是非そこは留意されてそのガイドライン作るなら作っていただきたいというふうに思います。 それで、ちょっと時間がないので、協議会の方でちょっと話を聞きたいんですけれども、協議会、先ほどからいろんな先生からも質問あるんだけれども、代表者会議とそれから個別ケース検討会議ですか、に分かれてそれぞれ行われるということなんですが、警察の参加、不参加については、代表者会議の方には警察が参加することになって、その一方、個別ケースの検討会議の方には警察は参加しないとなっているんですが、ただ、それぞれが相互に情報を反映させるというふうになっているんですけれども、そこのそれぞれの情報の共有とその守秘義務の関係でどうなっているのかなというのを聞きたいんですけど。
○政府参考人(堀江裕君) 個別ケース検討会議におきます個人情報等については、参加者に対して、精神保健福祉法において、守秘義務規定とそれに違反した場合の罰則を設けることとしてございます。 また、個別ケース検討会議は医療等の支援を目的とするもので、原則として警察の参加はなく、また警察への情報提供もございません。いわゆるグレーゾーンの対応につきまして、協議会の代表者会議で議論はいただきますけど、具体的には、その決めた方針に基づいて、その個別ケース検討会議で情報提供をするものではございません。
○片山大介君 ただ、その個別ケース検討会議、基本的に参加者、警察入っていないんですけれども、先ほどからの話だと、ケースによっては警察との情報共有を図ることもあり得るというふうに言っているんですけれども、これは守秘義務上の問題は発生しないのかどうか。
○政府参考人(堀江裕君) ケースによって参加する場合がある、その場合に、先ほどの自殺の企図を繰り返すような場合というようなことでございますけど、それは同じ守秘義務が掛かります。
○片山大介君 あと、相模原の事件の場合は、元職員の大麻使用の陽性反応というのが、警察への情報提供できていなかったという話なんですけれども、この場合は、今度、これからのケースはどのようになるんでしょうか。
○政府参考人(堀江裕君) それは、精神障害者の退院後支援の検討の場では議論するものではございませんと考えてございます。 非常に綿密な犯罪の企図などを持っている方について、代表者会議の方でどういう取扱いをするかというようなことを、具体的なケースと関係なく方針を決めていただいておいて、もしも実際にそういう事案が出た場合にはその取決めに従って対応していただくというものでございまして、措置入院者の医療等の退院後支援等の検討を行う個別ケース検討会議の議題ではございません。
○片山大介君 そこが分からなかったんですが、そうすると、個別ケース検討会議でその情報がもたらされた場合は、そこから警察との情報共有ではなくて、それは代表者会議に上げた上で共有をするという意味なんでしょうか。どういうことなんでしょうか。
○政府参考人(堀江裕君) 代表者会議で、こういうような事例があった場合には、例えば医療と警察の役割分担とか情報共有、例えば、何か非常に強い、他害の、人を傷つけるような計画というものが強く残っているような場合にはどうしようというようなことを代表者会議の方では打合せをいただいておいて、もしそういう事案である場合には、ごくまれなケースだとは思いますけど、そうしたときには、個別ケース検討会議で議論をするのではなくて、そのときの代表者会議での取扱いの方針に従って連携をしていただくと、こういうことになるかと思います。
○片山大介君 そうすると、ちょっとまだよく分かっていないんですが、そうすると、個別ケース検討会議では、その情報がもたらされたとしても、それについては判断はしなくて、警察との共有ということはないという判断でよろしいんでしょうか。
○政府参考人(堀江裕君) おっしゃるとおりでございます。(発言する者あり)
○片山大介君 言い切っている。ちょっと先ほどの流れとちょっと違うかなと思っていて、薬物使用に対しては、法に触れている行為であるという一方で、治療すべきことでもあるから医療の側面もあって、そこの、何というのか、届出の義務とそれから守秘義務との整理というのが、私、なかなか難しいんじゃないかなと実は思っていて、今回のそういうケースをどうするのかなと思っていて、しかも、それをそれぞれの各地域ごとにつくられる個別検討会議できちんと判断できるのかなと思っていて、しかも、その代表者会議というのは年に一回か二回しかやらないわけですよね。半年に一回ですよね、よくて、そうした場合、そういう情報をどうやって共有しながらそれで判断していくのかというのがいま一つ分からないんですけど、そこについてはどのようにお考えでしょうか。
○政府参考人(堀江裕君) 具体的には、体制に関する会議の方で、代表者会議の方で御議論いただくことになりますけれども、法律の施行に当たりましては、その考え方を十分に周知させていただくことになるんだと思います。
○片山大介君 ますますちょっと分からないところがあるんですが、ちょっと時間がもうないので。 それで、あともう一つ、私、気になったのが、先ほどこれ倉林委員も言われたんですが、その個別ケース検討会議で、必要に応じて本人や家族が参加するとなっていて、それで、こういう支援計画の実施だとかに当たっては、本人の理解だとか納得というのが大前提にあるというのは厚労省からのレクでも聞いているんだけれども、そこで必要に応じてって、私、やっぱりおかしいと思うんですね。 それは、一応促すんだけれども、それでも参加しなければ、その場合は本人がいないところでと言っているけれども、結構それも簡単な言葉だなと思っていて、もっと本人が納得する、参加する、理解するという取組をもっとした方がいいと思うんですが、それについてはどのようにお考えでしょうか。
○政府参考人(堀江裕君) 御本人のための退院後支援計画でございますので、御本人にできるだけ参加をいただいて納得をいただく、丁寧な説明を基に納得をいただくということはそのとおりだと考えてございます。
○片山大介君 だから、私も、そのための取組で何を考えているかを聞きたい。ここはきちんと、大切なところだと思うので、しっかりお答えいただきたいと思います。
○政府参考人(堀江裕君) 厚生労働省の方でこの退院後支援計画についてのガイドラインを考えていく際に、しっかりと盛り込んでいきたいと考えてございます。
○片山大介君 いや、今言えることがないのかどうか、それをお願いします。
○政府参考人(堀江裕君) 今言えることと申し上げますと、やはり措置入院者本人の退院後支援計画を作成する場でございますので、本人にしっかりと説明をして納得ができるよう、可能な限り参加をしていただくというのが大事だと思ってございまして、その旨につきましては、厚生労働省の方で今後ガイドライン等でしっかりと丁寧に御説明できるようにしてまいりたいと考えてございます。
○片山大介君 だとしたら、私はやっぱり、その必要に応じてという文言は私は要らないのかなというふうに思っています。ここ見たらあるんですけど、本人だとか家族のところにだけ必要に応じてと書いてあるんですよね。これ、かなり意図した書き方なんで、私はこれおかしいなというふうに思っています。 それで、ちょっともう時間がないので、最後に大臣にお伺いしたいのが、いずれにしても、今回の法改正でこれだけいろいろな指摘というか、あると思うんですね。それで、もう全国の人がやっぱりこれ注目していると思うんですよね。だから、そうした中で、本当にあらゆる人が共生できる社会の構築に向けて、今回の法改正に当たって大臣の覚悟というか、そこをしっかりお伺いしたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 政府として、障害のある方もない方も皆が活躍できるというのが一億総活躍社会だということは何度も総理からも申し上げてきているわけでありますが、厚生労働省としては、こうした方向でこれまでも、精神障害のある方ができる限り地域で生活をできるようにということでこれまで流れをつくってきているわけでございますが、したがって、今回の改正でも、国と地方公共団体の義務として、精神障害者に対する医療は病状の改善など精神的な健康の保持増進を目的とすることを認識すべきこと、そして、精神障害者の人権を尊重して地域移行の促進に十分配慮することなどを法律上明記をしているわけであります。 したがって、今後とも、関係府省と連携しながら、全ての人がお互いの人格と個性を尊重し合いながら共生できる社会の実現に向けて施策の充実に取り組んでまいりたいと思っておりますが、何度も申し上げますけれども、今回、措置入院、そしてまた退院後の地域社会での仕組みというものが余りにも精神障害者にとって十分地域に移行をするというのにふさわしいものではないというのが、制度もそうですし、運用もそうなっているところが多かったということでありますので、そこのところをしっかり、直すべきところを直して地域移行を促進をしてまいりたいということでございます。
○片山大介君 是非しっかり取り組んでいただきたいと思います。 終わります。
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。 まず初めに、優生保護法下における強制不妊手術についてお聞きをいたします。 塩崎大臣は昨年三月二十二日のこの当委員会で、御本人から厚生労働省に御要望があれば、職員が本人から御事情を聞くということで、厚労省としても適切にしっかりと対応したいというふうに思いますと答弁してくださいました。その後、厚労省の職員は物すごく対応をきちっとしてくださいまして、聞き取り作業がスタートをし、実際、直接会って話を聞いてくれて、書類もできる限り出すと、集められる限り集めるということでやってくれました。そのことは感謝をしております。 こういうふうに進んだことで、類似の被害に関する申出が男女各お一人から出されるなど、新たな動きもありました。日本弁護士連合会の人権救済申立てに対する判断もありました。 今後、この問題をどういうふうに進めていったらいいか。優生保護法下で強制不妊手術が行われていた、このことに関してどう進めていくのか。厚労省は、この際、この問題を広く告知し、プライバシーに十分配慮した上で被害の掘り起こしに尽力すべき、全容を明らかにすべきだと思いますが、大臣の見解、いかがでしょうか。
○政府参考人(吉田学君) お答えいたします。 御指摘いただきました旧優生保護法下で行われた手術の関係者につきましては、今御指摘いただきましたように、福島委員からの御指摘をいただき、日弁連の人権救済申立てを行われた方につきましては、私ども三回にわたって丁寧に対応させていただきました。 それを超えてのお話ということに受け止めさせていただきましたけれども、私ども、御指摘の旧優生保護法に基づく優生手術、本人の同意の場合あるいは都道府県優生保護審査会に申請されてというケースがあったかと思いますけれども、その後者におきましても、法律上、審査会において優生手術を行うことの適否が審査、決定されて、もしその際に異議がある場合、あるいは公衆衛生審議会への再審査請求や取消し訴訟の提起というのが当時認められていたというふうに思っております。 私ども、一般論としましては、私ども、当時の法律に基づく手続に反して具体的に違法に優生手術が行われたというような情報を私ども承知をしておりません。このために、私どもとしては、基本的にはこれまでの法律に基づいて適正に行われた執行だというふうに受け止めさせていただきたいというふうに思います。 なお、その上で、いただきましたような個別のケースにつきましては、引き続き先方の御意向もきちっとお承りしながら誠実に対応させていただきたいというふうに思っております。
○福島みずほ君 この優生保護法下における強制不妊手術は、やはり障害者に対する差別と偏見、優生思想が現れて、本人の同意なく不妊手術をずっと行ってきたということです。ですから、厚労省はこれは当時適法だった、私は人権侵害があったと思いますが、その見方は別としても、実態究明はこれは女性差別撤廃委員会や様々なところからも指摘をされているところであり、個別の事案のヒアリングはちゃんとやっていただいたんですが、それは感謝しております。しかし、もっと何が行われて全体でどうだったかという究明を是非もう一歩進んで厚労省していただきたい、いかがでしょうか。
○政府参考人(吉田学君) お答えいたします。 重ねてではございますけれども、委員からも御指摘いただきましたように、私どもとしましては、それぞれの当時の法律、旧優生保護法下において行われたもの、手続に反して具体的に違法な優生手術が行われたという情報を承知をしておりませんので、改めてといいましょうか、厚生労働省として今御指摘いただきましたような調査というようなことについては考えてございません。
○福島みずほ君 現にたくさんのケースが、強制不妊手術が同意なく行われたことは、厚労省の調査によっても結果によってもこれは明らかです。ですから、個別の問題もさることながら、私たちは、優生思想を克服しなければならない、障害のある人は子供を持つなと、あるいは子供を持たせないようにするということが何十年も行われてきたことを克服しなければならない、そのためにも過去の事実の究明は必要だと思います。 これはまた是非厚労省で一歩進んでやっていただきたいと思います。大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) これは議員立法で優生保護法というのができていたわけで、政府は国権の最高機関たる国会が立法したそれに従ってやっていたという、なかなか難しいことではありますが、そういうことが基本であったんだろうというふうに思います。 したがいまして、今局長から答弁申し上げたのが政府としての厚労省としての考え方でありますので、引き続き、面会の御要望等がございましたらしっかりお話をお伺いさせていただきたいというふうに思います。
○福島みずほ君 それでは、新たに申し出た方たちのヒアリング等を含め、是非よろしくお願いいたします。 次に、精神科病院の公衆電話設置状況についてお聞きをいたします。 これはずっと組合の皆さんたちも取り組んでいるんですが、お手元に配付資料をお配りいたしました、大分進んではいるんですが、要するに精神科病院の公衆電話を設置していただきたいと。厚労省は通知を出していただいておりますが、全国の千五百九十九精神科病院の六千二百五十一病棟において六千六十六の公衆電話が設置されている、設置率九七%ですが、引き続き一〇〇%の設置を目指していただきたい、いかがでしょうか。
○政府参考人(堀江裕君) 電話機は患者が自由に利用できるような場所に設置される必要がございまして、閉鎖病棟内にも公衆電話等を設置することを告示で定めてございます。毎年六月三十日時点の電話設置数について調査を行っているところ、精神病棟における設置の状況は、今御指摘ございましたように、約九七%程度ということで推移してございます。 引き続き、都道府県の個別の状況を把握しつつ、毎年一回実施しております都道府県等による精神科病院に対します指導監査、監督等を行う中で都道府県等の指導の状況を把握いたしまして、患者が自由に利用できるような場所に電話が一〇〇%設置できるよう進めてまいりたいと考えてございます。
○福島みずほ君 法案についての質問に入ります。 このやまゆり園での事件が起きた後、たくさんの障害者の皆さんは、この事件は社会の差別と偏見、優生思想がもたらした問題であると、措置入院の問題ではないということを言ってきました。それがなぜ措置入院の話になるのか、それは理解ができません。また、当事者は歓迎していません。当事者抜きの、当事者が歓迎しない法案がうまくいくとは思いません。 今日の委員会でも出ておりますが、私も退院後支援計画についてまずお聞きをいたします。 退院後支援計画なんですが、代表者会議と調整会議とあると。そして、例えば薬物使用がある、薬物使用のことなどが出てきた場合にそれが一体どうなるかということについてお聞きをしたいというふうに思います。 現在、措置入院において薬物使用などの犯罪行為が現認された場合、対応に当たっている公務員は警察に通報しているんでしょうか。
○政府参考人(堀江裕君) 実態は把握し切れておりませんけれども、警察に通報しているという取扱いを聞いたこともございますし、それから、患者の医療が阻害することにもなるということで通報していないというふうな先生の話も聞いたことがございます。
○福島みずほ君 薬物使用であれば、今公務員がそのことについて責任を持つとなっているので、通報するということも多いというふうにも聞いております。 それで、とりわけ薬物使用などの場合、これはあると思うんですが、代表者会議で、そこで例えば警察に情報を共有するかどうかということを各県ごとに決めるというふうにレクのときにお聞きをしました。 そうすると、例えば東京にいるときにある薬物使用の結果措置入院になって退院した人が、計画を作ってあると。そのときにその人が、じゃ、神奈川県に引っ越す、ただ住民票は移していないが神奈川県に引っ越したといたします。じゃ、神奈川県の代表者会議は、警察も入っておりますから、そこの中で薬物使用については情報を共有するというふうにルールを決定したといたします。そうすると、住民票を移した場合、移さなくても、この人、例えばAという人が薬物使用で、住民票は移していないが住所は移したということを警察に通報するということでよろしいですね。
○政府参考人(堀江裕君) 退院後支援計画につきまして、通報するのは自治体から自治体に通報するものでございます。そして、その際にその自治体の方でこういう状況にありますということについては退院後支援計画を共有させていただくことになると考えてございます。
○福島みずほ君 端的に答えてください。 例えば東京も、例えばですよ、東京の代表者会議でも、薬物使用については情報を共有するとしている。そして、Aという人が神奈川に引っ越した、住民票は移していないけれども引っ越したというふうにします。そして、神奈川も代表者会議で、やっぱり薬物使用はこれ重要な問題なので同様に情報を共有するとする。そうすると、住民票は移していなくても、東京からまさに神奈川に対して情報が行くわけですね。そうすると、そこで警察に、この人は薬物使用で措置入院で退院した人ですという情報は通報されるという理解でよろしいんですよね。
○政府参考人(堀江裕君) 確固たる信念を持って犯罪を企図するような者について、いわゆるグレーゾーン事例として、あらかじめ精神障害者支援地域協議会において協議された対応方針に基づいて、措置権者である自治体から警察に対して情報提供が行われる場合がございます。 一方で、今回の法改正では、退院後支援計画による支援期間中に患者が転居した場合に、転居元から転居先の保健所設置自治体に計画の内容等の通知を義務付けてございますが、これは患者がその転居後も継続的に必要な医療等の支援を受けられるようにするためのものでございます。支援期間中に転居した場合に転居先の保健所設置自治体に通知する仕組みを設けた趣旨を踏まえれば、グレーゾーンに該当する方が転居した情報について転居元の自治体から転居先の警察に通報する、通知するということは想定されません。 なお、患者が支援期間中に転居した場合におきます転居先の保健所設置自治体と転居先の警察との間の情報共有につきましては、当該保健所設置自治体の精神障害者支援地域協議会において協議されました、代表者会議において協議されました対応方針に基づいて判断されるものと考えてございます。
○福島みずほ君 いや、だから、端的に答えてくださいよ。 そのことは分かっています。私が聞いているのは、要するに、その代表者会議でグレーゾーン、グレーゾーンって何かと言われるけど、薬物使用などやそういうものに関しては情報を通知してもらうし、情報を通知するというふうに決めた、ルールを決めたんですよ、その県が。もしかしたら全国右へ倣えになるかもしれないけど、そういうふうに決めました。 そうすると、保健所に対してその基本計画が引き継がれるというのは分かります。でも、警察に対しても通知が行くということでよろしいですね、だって、代表者会議で決めているんですから。そのとおり、今あり得るとかいうふうに言ったけれど、代表者会議でそういうルールを決めたら通知されるということでよろしいですね。
○政府参考人(堀江裕君) それは、転居先の代表者会議での決定の内容に従うものだと考えてございます。
○福島みずほ君 だから、私もそれレクで聞きまして、そのとおりなんですよ。 つまり、代表者会議が、まさに、例えば薬物使用などについて警察に通知するということを決めれば、通知するんですよ。だから、それはできるんですよ。できるというか、四十七都道府県が、これ県のあれですから、どうするかということに任せられますが、しかし、薬物使用についてまさに警察に通報するというか、代表者会議で決めればですね、ということを今答弁になったわけで、そうすると、今日の議論の中で、やっぱり警察に、だから代表者会議で決めれば、でも、これって代表者会議に警察が入っているんですよ。 そして、この法案の一番初めの概略のときに、このやまゆり園の相模原の事件の防止と言っているんですよ。だから、措置入院をした人に対するケアとか社会保障や社会福祉ではなくて、犯罪防止もやっぱり掲げたんですよね。とすると、それはやっぱり間違っていますよ。 親切ごかしに大きなお世話というか、通知をすれば、薬物使用に関しては、その人が例えば歩いている、職務質問を受ける、あなた誰々さん、A子さんですねと、Aさんですねというふうになったら、そこで尿検査をするので来てくださいと言われかねない。もうそこから身動きできなくなっちゃいますよ。物すごく、このことによって、措置入院で退院した人がどこに引っ越してもどこに行っても代表者会議が通知するとなっていたら、全国どこでもくっついてくるわけじゃないですか、この通知が、本当に警察に対する通知というのが。だから、みんなが反対している。警察に通知をされるのであれば、犯罪者予備軍、何か薬物使用しているんじゃないか、するんじゃないか、今薬物使用しているというんだったら本当に現行犯で捕まえるぞみたいな形になってしまうということをみんなが恐れている。 つまり、この法案は、一旦措置入院した人に対する保安処分というか、ずうっと監視をするということになるんですよ。だからみんな反対しているし、だから問題だということを言いたいと思います。代表者会議が通知するということを決めれば、それは通知されるということの今日の答弁で、警察に通知されるんですよ。それは極めて問題な設定だというふうに思います。 そして、今日もずっと出てきました。私は、措置入院であれ、任意入院であれ、通院であれ、その人に対する、グループホームがありますよとか、地域の本当に様々な支援は本当に必要だと思います。ステークホルダーがその人をワンストップサービスで支援していく、それは本当に大事です。しかし、先ほども同僚議員からありましたが、この法案って措置入院の人だけなんですよ。措置入院で退院した人だけ全員に関して計画を立てるんですよ。これ、やっぱりおかしいですよ。本当に応援したいんだったら措置入院に限定する理由がありません。これは、総理が措置入院、措置入院、措置入院って言ったから、措置入院に関してやらなくちゃいけないと、この人たちに対して保安処分やるようなものじゃないですか。 それで、本人をなぜ入れないのか。精神障害以外の点で本人抜きに医療計画立てることなんてあり得ないでしょう。がん患者に関して、その人が治療嫌だとか、こういう抗がん剤嫌だと言ったときに、その人抜きで治療計画や支援計画なんてあり得ないですよ。本人抜きの支援計画なんて本人無視じゃないですか、どうですか。
○政府参考人(堀江裕君) 退院後支援計画は、御本人の退院後医療等支援のためのものでございます。これにつきましては、当然のことながら、その御本人に内容を通知するものでございまして、それを作成する過程におきまして、極力本人又はその家族の参加を可能な限り促すことといたしたいと考えてございます。
○福島みずほ君 全くおかしいですよ。どこの医療等支援に本人抜きのものがありますか。本人がどういう医療を受けて、どういうところに住みたい、どういうふうにしたいということに関して本人抜きがどこにありますか。そんな医療なんてないですよ。本人に通知するところであって、措置入院で入院した後、どんな医療を受けて、どこに住んで、どういうふうにしたいかは基本的に医者と本人とみんなで話して決めればいいわけじゃないですか。退院するときに、先生、私はこういうふうにしたいし、今後通院を一か月に一遍しますでもいいですし、あるいは、この医者、やぶ医者かなと思ったら、別のところにその人が通院できるようにその人自身をサポートすればいいわけで、その人を中心にして個別にやればいいわけじゃないですか。 ところが、この法案がおかしいと思うのは、措置入院した人、退院した人全員について、しかも本人の同意が要らないんですよ。自分の意思以外のところで何で退院計画なんて作れるんですか。あり得ないですよ。それがどれほど人権侵害かというのを厚生労働省は考えてほしい。これはやっぱり精神障害者に対する差別じゃないですか。優生思想じゃないですか。本人決められないと思っているんですか、どうですか。
○政府参考人(堀江裕君) 退院後支援計画は、あくまで本人の退院後の医療等支援が継続的に行われることを目的とするものでございまして、当然本人にお渡しするものですし、そのプロセスにおいてはしっかりと御意見を聞いて納得がいただけるようにしていくものだと考えてございます。
○福島みずほ君 でも、本人の同意は要件じゃないでしょう。
○政府参考人(堀江裕君) 関係者と一緒に、その本人、家族について御参加いただけるように促してまいりたいと考えてございます。
○福島みずほ君 措置入院って今八十日が平均だし、一週間とか短い人もいますよね。措置入院一旦したら、その退院の後の計画を自分抜きで勝手に決められてしまう。そして、薬物使用の場合だったら、それがどこに引っ越しても、自治体が、県が決めればですが、通知が警察に行く。町歩いていても、いや、警察が目を光らせているかもしれない、そんな状態で自由なんかなくなっちゃいますよ。本当に自由なんかなくなりますよ。 やまゆり園の教訓は、私たちが優生思想や差別と偏見を克服しなければならないということですよ。ところが、厚労省が引き出した法案は、まさに精神障害者に対する優生思想や差別、偏見じゃないですか。大きなお世話ですよ。全員に対して何でこんなこと決めるんですか。大きなお世話ですよ。本人の同意なくして何で勝手に決めるの。私たち抜きに私たちのことを決めないでというのが障害者の人たちのまさに叫びだったわけじゃないですか。こんなことが良くなるとは全然思いません。 次に、人員や体制のスタッフについてお聞きをいたします。法案の四十七条の二などでこれを決めるときに、すごいマンパワーというか、ヒューマンパワーが必要で、保健師さんなど、本当にもしこれやるとしたら、基本計画作ってフォローアップをするって、とっても必要になると思います。そのヒューマンパワーについてどのように考えているんでしょうか。自治体に対して何百人、何千人、保健師さんをちゃんと付けると思っているんですか、専門職を。あるいはこのお金はちゃんと国が手当てをするんですね、どうですか。
○政府参考人(堀江裕君) 今回の法案におきましては、地方自治体に対して退院後支援計画の作成を義務付けるものでございまして、精神障害者への支援に関し、その役割が大きくなるということは御主張のとおりでございます。 このため、保健所や精神保健福祉センターにおいて、相談、指導等の体制を強化できるように、法律の施行日よりも前でございますけれども、平成二十九年度から全国の自治体で二百人程度の精神保健福祉士を新たに雇い入れることが可能な地方交付税措置を講じてございます。 また、今後、退院後医療等の支援に関するガイドラインを作成するとともに、支援を担う自治体職員に対する研修を行うこと等によりまして、その専門性の向上を図ってまいりたいと考えてございます。
○福島みずほ君 措置入院で退院する人って七千人ほどいるわけですよね。それぞれ各都道府県にもいるし、今、二百人というのがあって、交付税出しますとありましたが、この、じゃ保健師さんたちってちゃんと正規で雇われるんですか。どんな状況になるんですか。
○政府参考人(堀江裕君) そこにつきましては自治体の判断でございますけれども、退院後の医療等の支援に関するガイドラインに従って適切に支援を担える自治体職員ということで、研修も行いましてその専門性の向上を図ってまいりたいと考えてございます。
○福島みずほ君 この基本計画で決められて、私は通院したくないし、そんな薬飲みたくないし、そんな医者のところに行きたくないと拒否することは可能なわけですよね。だったら、何のための基本計画かが分からない。 それから、この退院後支援計画の継続期間は、先ほど部長は半年ほどというふうに言いました。でも、この計画の終了は誰がどのような基準に基づいて決定するんでしょうか。 それから、この基本計画がなくなったら、でも、警察への通報はもう既にされているわけだから、Aという人が薬物使用でどこにいるということも分かっているわけですよね。結局、そういうのはどうなっていくんでしょうか。
○政府参考人(堀江裕君) 退院後支援計画の期間というのは法律に定められているものでございまして、その期間が終了時点で継続的に退院後支援計画を終了させてよいという判断であれば、そこで退院後支援は終了するものでございます。その決定をしますのは、退院後支援計画の作成主体でございますので保健所設置自治体になります。
○福島みずほ君 措置入院解除における症状消退届において、症状が完全に消退しており、退院後支援計画が不要というような場合でも全ての措置入院者に対して例外なく退院後支援計画が作られる、これは本当におかしいんじゃないかと。 代表質問の中でも、この計画を作ることで退院が遅れるんじゃないかという指摘がありました。八日間というか、だって、これ、早く作らないとというか、入院して八日とか一週間、五日で退院する人もいるわけで、でも、全員に支援計画作らないといけなければ、これ支援計画ができなければ退院させないというわけではないでしょうが、でも、これって支援計画作ることにきゅうきゅうとして本当に退院が遅れる可能性があるんじゃないですか。
○政府参考人(堀江裕君) 今回検証を行う中で退院後の支援が非常に遅れているということが分かりましたので、今回、退院後支援計画を法案に盛り込んで御提案しているところでございます。 ただ、措置入院者によっては入院期間が短くなる場合もございまして、その場合には退院後に支援計画を作成することでもよいというふうに法文上規定してございます。また、その間におきましては、その計画が作成されるまでの間については、自治体において必要な支援が途切れることがないように御配慮いただくようなことと考えてございます。
○福島みずほ君 極めて問題、大きなお世話、監視だと思います。また質問続けさせてください。 終わります。
○薬師寺みちよ君 無所属クラブの薬師寺みちよでございます。 今まで、朝からずっと質疑をしてまいりましても、結局、同じようなところをみんな心配しているのではないかということが分かってきましたので、しっかりこの部分をもう一度厚労省に持ち帰っていただきまして明確な答弁をいただけるようにお願いを申し上げます。でないと、堂々巡りで同じような質問が続く、これ大変もったいのうございますので、お願いを申し上げます。 ところで、私、まず最初に取り上げたいのは、今日余り話題に上ることがなかったんですけれども、医師の倫理観についてでございます。 ディオバンのまさに論文不正事件であったり、先日も報道されました、広島の病院で在庫処分するために過剰な投与を医師が行っていたというような事件、そして先ほど川田さんからも取り上げられましたあのバイエル薬品のような事件も、まさに、しっかりその医師が自分の意思でというか、しっかりとした倫理観を持っていれば起こらなかったようなものが、最近余りにも事件が多く、私の業界ではございますけれども、この医師の倫理観がもう一度問われてしかるべきだと思っております。 特に、今回議論をさせていただきますこの問題につきましても、更に大きくその医師の倫理観というものが問われます。一人の人間の自由を拘束してしまう、やっぱりそういうことを医師ができてしまうという今のこの制度の中で更に医師の倫理観を向上させる必要があると思いますけれども、大臣、何が必要なんでしょう。しっかりと厚労大臣がそういう指針を示し、そしてそこを充実させていかなければまた同じような事件が起こってしまうかと思いますが、お願い申し上げます。
○国務大臣(塩崎恭久君) 国民に対して安全、安心な医療を、あるいは質の高い医療を提供をし続けていくというために、養成課程などを通じて、やはり担い手の職業倫理、今倫理というお言葉がございましたが、そういうことに関する教育を実施をするということで医師の倫理観の向上をまず図っていくことが大事だろうというふうに思います。 厚生労働省では、医学部卒業前、卒業後の一貫性のある教育につきまして文科省と合同で取り組んでいるわけでありまして、現状でも、卒前教育において、卒業時の達成目標の中に、医療と医学研究における倫理の重要性を学ぶということが明記されております。それから、初期臨床研修におきまして、修了時の到達目標の中には、医の倫理、生命倫理について理解をし、適切に行動できるというフレーズが入っているわけでございまして、そういうものを設定して、これに基づいて各大学や各臨床研修病院において医師としての職責や価値観を身に付ける教育が行われているということになっているわけであります。 さらに、研修が終わった後の医師の倫理の向上、これも大変必要なことでありまして、例えば先日成立をいたしました臨床研究法、これにおいて、法の対象となる臨床研究を行う責任者については臨床研究に関する一定の研修を受けることを求めてまいりたいと思っております。 また、今回の法案においても、精神保健指定医の取消処分を受けた者に対する指定に当たりましては、指定医としての倫理の保持等に関する再教育研修の仕組みを導入することとしておりまして、こうした取組を通じて医師の倫理観の向上に努めてまいらなければならないというふうに考えております。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございました。 今、次の質問の答えまで大臣お答えいただきましたんですけれども、やっぱり職業倫理というものが身に付いていない人間が余りにも私は今多過ぎるんではないか。例えば医師でしたら、先生と呼ばれ、そして何かしらヒエラルキーのトップにいると勘違いをしてしまっているような人間も中にはいるかと思います。そこは厳しく何か力が働いて、しっかりとこれからのフラットな中でチーム医療を確立していく、その中心にいるのは患者様なんだと、やっぱりそういう意識をしっかりと植え付けていく必要があるかと思います。 でないと、私も様々な皆様方から、今回の法案審議するに当たりまして、こんな裁判事例があるとか、こんなひどい指定医がいたんだということを、たくさん情報をいただきました。でも、最後は人ですから、人がしっかりと医療を行っていく上での基本を忘れない、これがまさに今回の法案の中でも、私はまだまだこのケースレポートの不正が防げるとは思えません。ですから、これからもう一度、私どもも、医療の中で生命倫理というもの、そして医療倫理というものは何なのかということを是非議論をしていきたいので、大臣からもそういうふうな働きかけをしていただきたいと思います。 次に参りますけれども、やっぱりそういう生命倫理、そして医療倫理というものをしっかり理解した上でなんですけれども、今回のこのような事件が起こってしまいますと、正義感が強いドクターなどは、やはり違法薬物、いわゆる規制薬物というものを使ってしまった人が目の前にいるということになったら、これは警察に通報した方がいいんじゃないか、そうした方が私ども医師が問われる何か責任においてもそれは軽くなるんではないかと思うような方々が出てき過ぎてしまっても私は困るんではないかというふうに考えておりますけれども、武田局長、教えてください。医療者がその規制薬物を、使用者というものを認めた場合に警察通報を義務付けた法令というものが確実にあるんでしょうか、お願い申し上げます。
○政府参考人(武田俊彦君) ただいま御指摘がございました関係でございますけれども、麻薬及び向精神薬取締法、それから大麻取締法など薬物関係の法律でございますとか、医薬品医療機器法等の医薬品関係の法律、医療法等の医療関係の法律のいずれにおきましても、医療者がいわゆる違法薬物の使用者を知った場合に警察への通報を義務付けるという規定はございません。 しかしながら、一般的に申し上げれば、医療者が薬物使用という犯罪事実を知った場合には限られませんけれども、刑事訴訟法に基づき、誰であっても犯罪があると思料するときは告発することができるという一般的な規定はございます。 繰り返しになりますが、医療関係の法律で警察への通報を義務付ける法令はないということでございます。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。 ということは、その診療した医者のさじ加減ではないですけれども、やはりしっかりとした判断基準を自分の中で持っていなければ、これは危ないからこそ警察の方に通報しなければならない、やはりここは治療の範疇の中でしっかりと自分が責任持ってやらなきゃいけないというようなことも考えなければならないんだと思います。だからこそ、私ども医師の責任というものは大変私は重いのではないかと思います。 しかし、実際に多くの医師の意見を聞いてみましても、多くの勘違いを起こしていらっしゃる方々もいらっしゃいます。先ほどのように、規制薬物を使用した者を認めた場合に自分たちは報告義務があるといったような間違った知識も実際に一部のドクターは持っていらっしゃいます。ですから、今回、この改正に当たりまして、更に多くの医師が、自分たちがこの薬物に対して、若しくはこういった様々な入院の、我々が一般的に行わない、人権を侵害するかもしれない入院の在り方についてというものを、知識を持っていかなければならない。 じゃ、どうしたらいいのかと私も考えました。今回のこの指定を取りますに当たりましても、新規に指定を取る場合には法令科目として八時間の研修を受けることになっております。その八時間の内容というものは様々な、今回の改正も入っておりますような精神保健法の内容でしたり、これから日常生活及び社会生活を総括に支援するための法律でしたり、様々なものがこの内容に入っておりますけれども、やはりこれを指定医を取る皆様方だけではなく多くの医師に知ってもらうためにも、例えば厚生労働省のウエブサイトにありますみんなのメンタルヘルス、ここに一部専門職の皆様方へというような内容でも広報されております。マニュアル、ガイドラインなくてもここの中で知らせることができるようになっておりますので、是非そこを利用して更に多くのドクターに知ってもらうための工夫をしていただきたいんですけれども、大臣、いかがでしょう、今回の法案、改正をしたその後にしっかりここをメンテナンスしていただけますでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 精神保健指定医の指定を受ける医師が受講しなければならない研修の内容については、精神保健福祉法の意義とかあるいは精神障害者の人権に関する事項などが当然含まれているわけであります。これらの内容は、精神保健指定医に限らず、精神科医療に携わる多くの医師にももちろん知っていてもらいたい内容であると考えているわけでありますが、まずはどういった周知を行うのが効果的であるのか、今、みんなのメンタルヘルスのホームページに掲載してはどうかと、こういう御提案もありましたので、そういうことを含めてよく研究して、どう周知をしていくことが意味があるのかということを考えていきたいというふうに思います。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。 なぜ私は今回このみんなのメンタルヘルスを取り上げたのかと申しますと、実際にこのメンタルヘルスのところ、大臣も御覧いただきたいと思います。例えば、近年の自殺死亡者数の推移、一番最後、これグラフ、何年になっていると思いますか。平成二十一年です。全く更新されていないんです。精神保健に係るやはり厚労省の意識というものがまさにここに表れているんじゃないんでしょうか。この間、多くの法案が成立をしました。例えば、アルコール健康障害対策基本法、まさにアルコールの、薬物等もギャンブルも様々な中毒症状を起こした皆様方もこういうところを見られるでしょう。でも、そういう情報さえもここには載っていないんです。 だからこそ私は申し上げております。多くの広報のツールがあります。でも、そのツールの中でも、みんなが目にしやすい厚生労働省の、それもみんなのメンタルヘルスと掲げられているところが、最低でも四、五年、全く更新されていないこの現実をもう一度厚生労働省は反省していただきたいと思いますが、大臣の御答弁いただけますでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 点検したいと思います。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。 それをやっていただいた上でということなんですけれども、皆様方に資料一もお配りをいたしております。 いわゆる違法薬物を使った事例だということで、最近この中でも、法案を審議する上でも、皆様方、いろいろな麻薬、向精神薬の取締法についても触れていただいたところなんですけれども、これは医療保護というものを重視したアフターケアの制度だと私は考えております。 この中で、第五十八条、麻薬中毒者という用語が実は用いられております。麻薬中毒の状態については昭和四十一年の通知で示されているだけです。麻薬という言葉は行政用語として扱われ、中毒という表現が、今でいうと、これ急性中毒に限定して使用されているんです。それが、まさにこれもう時代遅れでございますし、一般的な診療の中でも国際的な診療分類の何に相当するかなんというのは全く解釈がされていないんです。 ですからこそ、再定義を今こそして、しっかりとこれを判断基準としても一定するものを確立するべきだと私は考えておりますけれども、武田局長、いかがでしょうか。
○政府参考人(武田俊彦君) ただいま麻薬中毒の定義についての御指摘がございました。 御指摘がございましたように、一般的に薬物の中毒といいますと、急性中毒を指す場合と慢性中毒を指す場合とございますけれども、麻薬及び向精神薬取締法におきましては、この法律の目的が麻薬及び向精神薬の乱用による保健衛生上の危害を防止することなどとなっておりますので、当法で定義をする麻薬中毒というのは、麻薬を常用し、慢性中毒の状態にあることというふうな法律に、構成になってございます。 一方、疾病分類につきましては、国際的に統一した疾病分類を用いるということで、現在でいいますと、ICD10というものが設けられております。これは、疾病、傷害及び死因の統計ということで、そういう統計目的で定められた分類方法でございますが、このICD10の中では、大麻で申し上げますと、大麻類使用による精神及び行動の障害、その下に小分類として、急性中毒、有害な使用、依存症候群、離脱状態、譫妄を伴う離脱状態などなど定義がなされているというふうに私どもも承知をしております。 ただし、先ほど申し上げましたように、麻薬及び向精神薬取締法の麻薬中毒概念につきましては、法律の目的、すなわち保健衛生上の危害の防止のために必要な取締り、必要な医療を行うということで定義がされておりますので、必ずしも、このICD10と異なるものであっても、同法の目的を考えれば、この現在の麻薬中毒の定義につきましては、現時点で再定義をすることは必ずしも必要はないのではないかと考えているところでございます。 なお、麻薬中毒の考え方につきまして、麻薬及び向精神薬取締法の目的が変わらない中で、委員御指摘のように、昭和四十一年の通知からこれまで変更してきていないわけでございますけれども、医療現場において、この法律の中毒概念が誤解なく、よく御理解いただけるように、私どもとしても周知する努力は必要だと考えておりまして、毎年全国六か所程度で実施している薬物中毒対策連絡会議などの各種機会を捉えて、私どもとして周知する努力をやってまいりたいというふうに考えているところでございます。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。 周知はよろしいですけれども、せっかくその連絡会をやっていらっしゃるんでしたら、御意見を伺ってみていただけますでしょうか。これ、実際に専門医の先生からいただいた御意見でございます。 このような形で古くなったものはしっかりブラッシュアップしていただかなければなりませんし、一方で、国際的なしっかりとした基準があるのであれば、そういうものに照らし合わせていかないと、日本だけが独自ですといったようなものではまさにグローバルスタンダードから遅れてまいりますので、よろしくお願いを申し上げます。 次に、資料二を皆様方に準備をさせていただきました。 実際に、先ほどから問題になっております措置入院となった患者の皆様方、私はその患者の皆様方全員に弁護士がアドボケーターとして付く仕組みも必要なんではないかと考えております。 現状では、患者自身が、自分から処遇改善や退院請求を求めて精神科の医療審査会に審査請求をしなければなりません。本当に患者の皆様方というのはすごい弱い立場に置かれているものでございます。そういう方々が勇気を奮って声を上げなければならないんです。請求をこれ受理されるまで、結果が出るまでに一か月余りを要すると言われておりますし、結論が出るまでにも様々な人権侵害にも、処遇にも耐えなければなりません。 ここにもございますように、審査対象とされない場合も三割ほどございますし、しかも、このメンバーの皆様方は、いつもの自治体の皆様方と懇意にしていらっしゃるような先生方だったり学者だったりということで、どうも中立性に欠けるんではないかということも、この二枚目に、実際にこれは厚生労働省の審議会で指摘をされている内容でございます。 オーストラリアでは、非自発的入院となった患者の皆様方に自動的に弁護士がアドボケーターとして付くようでございます。この方が迅速に患者の皆様方の不満をすくい上げることができますし、措置入院からの退院後の支援計画を策定するにも患者の皆様方の意思を反映しやすくなると、実行可能性がある計画を策定できるのではないかと考えますけれども、大臣、どのようにお考えでしょうか、お願い申し上げます。
○国務大臣(塩崎恭久君) 措置入院患者を含めた精神障害者の権利擁護につきましては、前回の平成二十五年改正法の三年後見直し規定に基づいて、有識者の会議におきまして障害当事者の御参加も得て検討を行った結果、障害者総合支援法に基づく地域生活支援事業、これを活用しましてその推進を図るということとなっております。 具体的には、退院に向けた意思決定や退院請求等の権利行使、これにつきまして、医療機関以外の第三者がピアサポーター等の地域の社会資源と連携をしながら精神障害者を支援する方針であるわけでございます。 このほか、今回の改正法案では、措置入院を行ったとき、全ての措置入院者の入院の必要性について、精神医療審査会、ここで審査を行う、そういう仕組みを新たに導入をしておりまして、措置入院者の権利擁護の強化に資するものだというふうに考えております。 なお、精神医療審査会についての位置付け、性格について今御指摘があったわけでありますが、自治体や医療機関から完全に独立していないという御指摘だというふうに受け取らせていただきました。 これに関してはいろんな御意見があるというのは今資料も配っていただいたので承知をしているところでありますが、審査会の審査結果に基づいて都道府県知事などが退院命令等の措置をとらなければならないこと、それから入院先病院の職員は委員として議事に加わることはできないということになっているわけであります。したがって、何をもって独立をして中立かということについてはよく考えなければならないというふうに思いますが、今の立て付けはそのようになっているということでございます。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。 やはり今朝からの議論を聞きましても、患者の意思をいかに反映させていく仕組みにしていくのかということがすごく重要だと私は考えています。ですから、いろんな可能性の中で、しっかりとその制度の中で、中立が保たれている、保たれていないというよりも、患者の皆様方が、なるべく自分の意見を話しやすい方が隣にいらっしゃって、それをしっかりと専門家の中で代弁していただけるような方、そしてしっかりと伴走していただけるような方というものが身近にいるかいないか、どれだけ心強いかなと私も思いますので、それを含めまして御検討いただきたいと思っております。 それから、先ほどからもいろいろ上がっております問題、私もちょっとまた質問させていただきたいんですけれども、措置鑑定医というものは非常勤の公務員として鑑定に当たってまいります。私は、措置入院というのは、精神疾患を抱えていらっしゃる皆様方に対して、機を逸することなく迅速に医療を提供するための制度であると考えているんです。措置鑑定医師があくまでも医師として医療の必要性をしんしゃくした上で人権制限の可能性というものを判断するべきものだというふうに考えております。しかし、どのような考えでそれを判断していくかによってかなり裁量の中で変わってくるということも御指摘をいただいたところでございます。 例えばこの職務内容、この職務内容の優先事項が治安維持なのか、それとも医療なのか、ここをはっきりさせておかなければ、その判断が同じような症状、同じような状態でも変わってくると思いますけれども、大臣、御意見をいただけますでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 精神保健指定医が措置入院に係る診察を行うという際に、現在の法律上は公務員の立場で行うことが明記をされていることはもう御案内のとおりでありますが、その役割についても、まず入院措置を講じる際には、診察の対象者が精神障害者であり、医療と保護のために入院をさせなければその精神障害のために自傷他害のおそれがあるかどうかを判定をする、そして、措置を解除する際には、その患者が入院継続しなくても精神障害のために自傷他害のおそれがないかどうかを判定するということが法律上明記をされております。治安維持を目的とするものでは決してないということでございます。 加えて、今回の改正におきましては、国と地方公共団体の義務として、精神障害者に対する医療は病状の改善など精神的健康の保持増進を目的とすることを認識すべきということも法律上明記をしているわけでありまして、こういったことで精神保健指定医の役割が医療にあることはこれはもう明確であって、このことについて、都道府県など、あるいは医療機関、そして精神保健指定医当事者にも周知徹底をしてまいらなければならないというふうに思っているところでございます。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます、明確にしていただきまして。 その今の大臣の意見をもってもう一度次に重ねていきたいと思うんですけれども、この薬物依存というのは本質的に再発と寛解を繰り返す慢性疾患であるということはもうこれ常識だと思っております。世界的にも、刑務所に服役して孤立性を高め、そして多く叱咤激励をされても全く効果がないということも証明されております。だんだんだんだん逮捕されるたびに社会参加というものは困難になってしまう現状もございます。 ですから、薬物乱用依存というのは犯罪でなくて健康問題だということで、先ほどもございましたけれども、そのような国も出てまいりまして、取締りというところから健康医療サービスの対象とシフトしつつございます。 今回の法案改正というものが、まさにその取締りを厳しくするぞというのではなく、しっかり健康問題として一回厚労省が受け取り、そしてその中で、その患者様の健康管理という意味において保健医療サービスを提供するというような法案であることを最後に確認をしておきたいんですけれども、大臣、お願い申し上げます。
○国務大臣(塩崎恭久君) これはもう何度も繰り返し申し上げてきたところでありますけれども、私どもは、措置入院が終わった後、医療支援あるいは地域の福祉の支援、そういったものがきちっと提供をされて自分らしく生きる、生きれるように、障害者が障害からも解き放たれていけるようにということで作られた法律だというふうに我々は信じているわけでありまして、今回の法案では、都道府県が措置入院者について原則入院中から退院後の医療等に関する支援計画を作成することとしておりまして、その計画の作成に当たっては、措置入院先の病院管理者が薬物など入院のきっかけとなった要因をしっかり把握をして、どうすれば再発が避けられるのかアセスメントを実施をした上で結果を個々の患者の退院後の支援計画に反映をさせていくという、そういう仕組みになっているわけでありまして、その仕組みによって、薬物に依存をしていた方がそこから解放されて、退院後に適切な支援を受けられる環境を整備し、それによって地域にまた帰っていけるというふうにしたいというのが我々の趣旨でございます。
○委員長(羽生田俊君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後五時散会