厚生労働委員会 第9号
- 発言数
- 197 件
- 登壇者
- 20 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 2017/04/06
会議録
○委員長(羽生田俊君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日までに、東徹君、徳茂雅之君及び小野田紀美君が委員を辞任され、その補欠として片山大介君、古川俊治君及び太田房江君が選任されました。 ─────────────
○委員長(羽生田俊君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 臨床研究法案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省医政局長神田裕二君外四名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(羽生田俊君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(羽生田俊君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 臨床研究法案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、独立行政法人医薬品医療機器総合機構理事長近藤達也君を参考人として出席を求めることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(羽生田俊君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(羽生田俊君) 臨床研究法案を議題といたします。 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○古川俊治君 自由民主党の古川俊治です。 今日は代打ちでこちらに参りまして、この研究法案につきまして質問をさせていただきます。 といいますのも、私、自民党の厚労部会長として今日いらっしゃる皆様とこの法案の取りまとめをいたしました。実は、内心じくじたる思いというか、反対の意見がたくさん私自身の中であって、最後までこれを通さなかったのは私自身であります。今日は、その思いもあって、たくさんの文句を言わせていただくという立場でここに伺いましたので、そのつもりでよろしく御答弁をお願いしたいというように思っております。 私、今年で外科医三十年目でありますけれども、大学病院での診療が長かったものですから、大体私のやってきた仕事の七割ぐらいが臨床研究ですよ。これ、普通の大学病院でやっていることというのはほとんどが臨床研究に組み込まれていますから、その意味ではそういうプラクティスなんだということをまず頭に置いていただく。特別なことじゃないんです、何も。それがやはり日本の今までのイノベーションにもつながってきたし、あるいはライフサイエンス、これから国が向かっていこうというところにも活力になる、その源になるところなんですよ。そこを規制するということについては本当に極めて慎重に丁寧にやっていかなきゃいけないというふうに思っています。 最初に、今回の臨床研究のこの法律上の定義なんですけれども、これは、実は医薬品とか医療機器とか再生医療等製品に限った研究だけをこれを臨床研究と定義しているんですね。そもそもが、二年前まで厚生労働省自身が臨床研究に関する倫理指針という指針を皆さんのお名前で出していまして、そこでの臨床研究の定義というのは全然違っているんですよ、そもそもがですね。 私は、先ほど申し上げましたように、臨床研究をたくさんやってきましたけれども、もちろん医薬品や医療機器や再生医療等製品に関わるものもその一部として重要でありますけれども、そのほかに、例えば手術の手技をどっちがいい方法かというのを比較したり、あるいは患者さんの検体から遺伝子を取ってきて、その遺伝子の発現状況とその疾患の予後、あるいは治療方法との成績の関連性を調べるなんという臨床研究も極めて重要なわけですね。そういうのは今後どう呼べばいいんですか。もう臨床研究じゃなくなっちゃうんですか。この点、はっきりしていただきたいと思います。
○政府参考人(神田裕二君) 先生御指摘の臨床研究についての定義についてでございますけれども、この法律の第二条におきまして臨床研究の定義がございまして、「医薬品等を人に対して用いることにより、当該医薬品等の有効性又は安全性を明らかにする研究」というふうに定義付けております。したがいまして、この法律の中では医薬品等を人に対して用いるというものだけを臨床研究という定義にいたしております。 先ほど先生御指摘のように、手術手技に関する臨床研究もあるわけでございますけれども、この法律に当たりましては、諸外国におきましての規制も参考にいたしまして、諸外国でも手術手技に関する臨床研究を規制していないことですとか、手術手技については非常に個別性が高いというのに対して、医薬品等については非常に幅広く使用されて影響が大きいということなどを勘案して、このような定義をさせていただいているところでございます。 いずれにいたしましても、法案の施行に当たりましては、法案の対象範囲について誤解のないように関係者に対して丁寧に説明を行って、周知を図ってまいりたいと思っております。
○古川俊治君 我々は研究者なんでいっぱい論文も書きますけれども、そういうときになるべく正確な用語を使いたいと意識するんですよ。臨床研究ですとかあるいは臨床試験なんかという定義につきましては、それはやはり公的な機関が出しているものが一番参考になるんですね。そのときに、今回、これから今後、我々が、手術手技の研究なんかは法律上の臨床研究じゃないけど臨床研究なんだと、こういう非常に用語の混乱をもう惹起するようなこと、一般概念とは違うような定義を法律上置くということは、これは極めて非常識だと思いますよ。 こんなの医薬品等臨床研究とやればいいじゃないですか。特定医薬品等臨床研究とすれば何の問題もなかったんですよ。知恵がないんですよね、本当に、どういう現場になるか。これをまず申し上げておきたいんです。これはひどい法案ですよ、その意味ではですね。 それから、それが第一の嫌な点なんですけど、もう一個、もう一方が、今日、川田先生その他いらっしゃいますけれども、私は臨床研究ってやっぱり規制されるとどうしても現場が萎縮していくと。それは一部の人が悪いことをやりましたよ。だからっていって、みんな頑張ってきたやつに一律に課していくというのも大変これは残念ながら心の底から喜べないんですよね、こういう法律作られると。 それで、この法案の基になった制度改革の在り方に関する検討会なんかでも言われています。現場に萎縮を与えるなと、運用に関しては気を付けろよと言っているんですよ、ちゃんと。それは分かっていると思いますけれども。これ、運用に関してというのは一番いいかげんなんですね。これは担保できない、何にも。私は是非、制度として現場を萎縮させないという制度をつくっていただきたいと思っていまして、これから幾つかお願いをしたいというふうに思っています。 私は、研究者になりまして、ずっと手術の医療機器の研究に主として関わってきました、まあ医薬品もやりましたけど。その中で、結局、ずっと医療機器を最終的なものにうまく作り上げるには、何回も何回も実は患者さんに使ってみて、一番いい形にしないと製品にならないんですね、それって。ずっと医療現場ではそれが許されてきたんですけれども、二〇〇二年に実は医師主導治験というのが導入されたんです、制度として。そのときに、外部、すなわち企業が作ったような未承認の医療機器を医療現場で臨床することは医師主導治験以外はまかりならぬというような解釈を明確にこれを厚労省がしました、そのときは。それで大騒ぎになっちゃったんです、全然これじゃ開発できないと。最終的に治験機器にするようなものは、よっぽど患者さんで何回か使用してみて練り上げないとできないんですよ。それで、これは困ったということで、まあ私が議員になったという一つの大きな理由でもあったんですけれども。 ようやく二〇〇八年になって、今の先進医療Bですけれども、高度医療評価制度というものをつくってもらって、あれで未承認医療機器であっても医療現場に持ち込んでいいということが明示的に薬事法に抵触しないということが分かったんですが。今、先進医療Bの形でやっていると。この枠組み、しかしながら、現在は、その後も広がってきたというふうにお聞きしていますけれども、やっぱり最終的なことを見ると、一例一例いいかどうか厚生労働省にお聞きを立ててくださいと書いてあるんですね。だから、それが未承認で医療機器として企業から提供を受けていいかどうかというのは最終的に言うとお上が判断しますということになっているんですよ。 それは、ただ、先進医療Bのように、一定の根拠、有効性、安全性の一定の根拠があるものについてはやっぱり堂々と臨床使用するようにできないと、これは本当に今後の医療機器、医薬品開発に影響及びますから、これ是非、個別判断ではなくて、せっかく本法案を作るわけですから、本法案で認められたような臨床研究については、外部からの医療機器や未承認の医療機器、医薬品、あるいは再生医療等製品の導入を、これをフリーにしていただきたいと、まずこれをお願いしたいんですけれども。
○政府参考人(武田俊彦君) ただいま先生からの御指摘ございました本法案に基づく臨床研究でございますが、この法案に基づきまして認定臨床研究審査委員会の審査で認められた臨床研究につきましては、臨床研究法で規定する臨床研究実施基準を満たすということ、それから製薬企業などが法律上の権限に基づく調査や監査指導の対象となるなど、従来以上に臨床研究の妥当性や信頼性が確保される、こういう仕組みになってございます。このため、認定臨床研究審査委員会の審査で認められた臨床研究におきましては、企業から未承認や適応外の医薬品、医療機器などの提供を受けることは可能であるというふうに考えております。 ただいま御指摘ございましたように、個別の判断ではなかなか運用が難しくなるという御指摘も踏まえまして、私ども、今般の法改正で疑義が生じないよう何らかの形で今後明確化も含めて考えていきたいというふうに思っております。
○古川俊治君 ありがとうございます。 これは私が臨床研究法案を承諾する前提としておりましたので、今の御答弁いただいて、これで一々一々個別に判断しないということは明確にしていただく、これでこの認定臨床研究審査委員会で通過したものについては一切外部との提携ができるという形にしていただくということでよろしくお願いします。 ついでになんですけれども、先進医療Bの形にしていただいたときに大変いいことがあったのは、未承認の医薬品、医療機器をただ単に病院に持ち込めるということではなくて、それとともになんですけれども、実は保険外併用療法ができたんですよね。だから、今までは自分たちのお金で研究しなきゃいけなかったのが、突然保険が使えるようになっちゃったので、保険外のところだけを手当てすればいいと。そのぐらいのお金は十分病院でも用意できるんですけれども、保険部分も自費でやれと言われたらできないんですよ、これ。それも、この先進医療Bの制度、高度医療評価制度は一気に解決されたので、物すごく研究者の間で評価が高かったんですね。 今回、今の先進医療Bの制度は、一定のエビデンスを持ったものということを限定的に列挙して、これも一つ一つ認定をしてやっているというふうに理解しておりますけれども、今回の臨床研究法案がこれで成立いたしましたら、臨床研究審査委員会で認定されたような臨床研究については是非この先進医療Bを適用していただいて、保険外併用療法、これを進めていただきたいと。患者申出療養なんと言っていますけど、あんなのよりよっぽど筋がいいですよ、はっきり言って。是非お願いしたいと思うんですけど、いかがでしょうか。
○政府参考人(鈴木康裕君) 特定臨床研究、それから保険外併用療法の関係についてお尋ねがございました。 御指摘のとおり、本法案の枠組みによって、有効性、安全性に関する一定の根拠と適切な実施体制があると認められた特定臨床研究を推進することは極めて重要と考えております。将来の薬事承認、保険適用を目標とするような場合に、未承認、適応外の医薬品に係る特定臨床研究を現行の治験と同様に保険外併用療法制度の対象とすることについて、御指摘の先進医療Bの在り方も含めて、今後、本法案に基づく臨床研究の具体的な政策を踏まえてしっかりと検討していきたいというふうに思います。
○古川俊治君 若干保険財源を使うことになりますけれども、実際、今、実は先進医療に使っているお金ってトータルで百五十億ぐらいですね。だから、保険分で百億ぐらいですよ、国費で二十五億。そんなものでけちったって、もっともっと税収が伸びるような分野ですから、これ産業化していけばですね、是非それは頭を使ってやっていただきたいと。混合診療は何も何も反対と言う人もいるんですけど、それは絶対おかしくて、こういうような使える部分、やっぱり産業を伸ばしていけるようなところにはしっかり混合診療のシステムを入れていかないと、今後本当にいい医療はできないというふうに思っていますので、鈴木局長、期待しておりますので、よろしくお願いをしたいと思っております。 今、未承認の医療機器の自由な病院への持込みですとか、あるいは先進医療Bの拡大、混合診療の拡大という部分につきましては前向きな御答弁いただいたと、制度を変えていただくというふうに期待しておりますけれども、もう一個は、是非お願いしたいと思っていますのがこの承認の仕方です。薬機法上の承認の仕方なんですね。 皆さん、先生方ももう記憶に新しいと思うんですが、薬機法を作ったとき、そのときに再生医療等製品の承認の新しいルールを作りました。これは、条件・期限付承認といって、有効性の推定あるいは安全性の確認ができればその時点で仮免許を与えてちゃんと市道を走らせて、七年以内に実施をちゃんとやっていって、その最後に決めるというやり方ですね。 これをつくるときに、そういった制度、この制度は大変世界でも評価は高い、非常にファストトラックでできるということで高いんですけれども、なぜ世界からちゃんと評価されるかというと、それは、国際的な規制の枠組みに整合的だからなんですね。御案内のように、医薬品につきましてはICH、国際規制調和の中でやっていると。そして、医療機器についてはGHTFというシステムがあって、なるべく世界で同じ規制にしていき、研究開発コストを下げて、最終的にはなるべく世界の患者さんに早く安くそうした医薬品や医療機器にアクセスできるという制度なんですけれども。それに、そのルールに違反しないからこそ、この条件・期限付承認というのができたわけなんですね。 これは今、再生医療等製品だけになっているということなんですけれども、別にそのICHに違反しないのであれば、このシステムを私は一定の医薬品や医療機器に広げるということも、これは十分検討に値すると思うんですよ。 例えば、認知症の治療薬、これはもう高齢化が進んでいます日本では本当に特に必要ですし、そういったもの、一定の、認知症の治療薬なんかで是非お願いしたいですし、医療機器でいえば、リアルタイムナビゲーションで、粒子線照射を行っているやつですね、外科医が手が届かないところにリアルタイムで追っていって、照射治療の機器ですとか、ああいうのは非常に付加価値が高いので、是非日本からそういう先進的な医薬品や医療機器を生み出すためにも、ICHに整合的だったら何にも問題はないわけですから是非お願いしたいと思っているんですけど、この点についていかがでしょうか。
○政府参考人(武田俊彦君) 今御指摘がございました条件・期限付承認制度、これは再生医療等製品で導入されておりますけれども、この制度の趣旨といたしましては、人の細胞を原料とした再生医療等製品は製品が不均一で最終製品の品質のばらつきが大きいため、この有効性等の確認のためにはどうしても多数の症例が必要で、結果として臨床試験が長期になる。こういう背景がございまして、このような性質を持つ再生医療等製品の迅速な実用化を図るために、市販後に再度承認申請することなどを条件として、有効性が推定されるものを承認する仕組み、こういう仕組みとして導入をされてございます。 一方、医薬品、医療機器につきましては、製品が均一で最終製品の品質が一定ということもございまして、再生医療等製品とどうしてもその背景、性質が異なりますので、こうした制度そのものにはなじまないものとは考えてございますけれども、例えば希少疾病など、医療上の必要性が高く、治験の実施に困難がある医薬品、医療機器につきましては、承認後に有効性、安全性を確認することなどを条件に、少数の臨床データで承認することなど、個別に対応してきたところでございます。 ただ、しかしながら、今御指摘をいただきましたように、医薬品、医療機器の承認審査につきましては、早期承認で患者さんに早くこの医薬品、医療機器を届けるといった必要性ももちろんございますので、こうした個別的対応、これまで図ってきた個別的対応だけではなく、臨床開発に困難を伴う革新的な医療機器について、市販後の調査を充実させることを条件といたしまして、市販前の臨床試験実施の負担を最小化し、早期承認を行う制度、こういった制度を導入することができないか、現在、私どもも検討しているところでございます。さらに、革新的な医薬品についても、市販後の調査を条件に、同様に早期承認を行う制度も併せて検討していきたいと考えてございます。
○古川俊治君 再生医療等製品が特別だという話もありましたけれども、ただ、今般、今話題になっている分子標的薬なんかも、言ってみれば不安定ということは同じなんですよね。 それから、特に革新的な医療機器では症例の適用数なんかにも限界があるので、そういう意味では、できるだけこの規制は緩和していって、ようやくこういったしっかりとした臨床研究の枠組みもつくるわけですから、是非そういう意味では、研究の進行面というか、ちゃんとした研究をやって出てきた成果をなるべく早く実用化につなげていくという支援も是非厚労省としては考えていただきたいというふうに思っているんですね。 特にこういう薬事の規制、特に薬機法上の規制というのは、正直申し上げると、やっぱり緩めればそこでたくさんの臨床研究開発が行われていって、科学技術が進歩するし、産業化もしやすくなってまいります。そうすれば、国際競争という意味じゃないですけれども、やっぱりいい規制を持ってそこでしっかりと管理ができるところというのは、結局は科学技術のイノベーションというところでは勝っていくわけですよね。 やっぱり、今までは我々は、いいシーズを持ちながらも、結局何かアメリカに先を越させたというところがあるんですけれども、国内でちゃんとやって、そこで投資を集めていくと。それは、しっかり臨床研究開発ができて短期間でできるというのがやっぱり売り物なんですよ。今までさんざん日本は、臨床研究の質が悪い、治験の質が悪いと言われてきましたけれども、そういうことを脱する、脱していくというためには、是非このクオリティーを上げる臨床研究をやって、治験をやっていくとともに、そういった制度的な担保というものを是非考えていただきたいと、これはもう是非お願いをしたいと思っています。 同時に、これはもう衆議院の議論でもありましたけれども、いまだに日本の中では臨床研究プラス治験というダブルトラックですよね。ここのところはルールとしては整合的にまだまだなっていません。さっき言ったように、かなり期限・条件付承認とかそういうようなモジュレーションもICHの中では可能なわけですから、今後は、臨床研究、こうしたしっかりした枠組みを持った、ほとんどICH—GCPに沿っていますよね、この今の、例えば多分これから作る臨床研究実施基準なんというのは。 そうであれば、その臨床研究のデータ、安全性だけじゃなくて有効性の方も一定程度は承認に結び付けると、是非それはお願いをして、なるべくテストされた患者さんの症例が無駄にならないという制度は今後も鋭意検討していただきたいと、これはお願いをしたいと思っています。 今後、臨床研究、認定臨床研究審査委員会という立派な委員会ができるようなんですけれども、実施する側からすると、結局、そうするといろいろチェックしなきゃいけない項目が恐らく増えるんで、スタッフも雇わなきゃいけないと、人件費も掛かるんです、そうするとね。それから、外部から多分いろんな人も呼んでこなきゃいけないというと、そのための人件費も結構掛かるんですよね。いろんな作業が増えてくるということになると、結局、この臨床研究周りのバックオフィスで使っているようなお金がどうしても必要になってくると。 今後、この研究支援をしていただくときには、是非そうした上乗せ分の臨床研究の管理の費用も考えていただいて、モニタリングもしなきゃいけないわけですから、それはお考えいただきたいんですけど、これAMEDに質問しようと思ったら、財布を握っているのは厚労省だから厚労省に聞いてくれと言われたものですから、担当でお答えできる方、お願いしたいと思うんですけど。
○政府参考人(神田裕二君) 御指摘の研究費に係りますもろもろの費用についてでございますけれども、現在も日本医療研究開発機構が配分する研究費におきましては、倫理審査委員会の審査費用を含めて支援をしているところでございます。 御指摘のようなこの法案に基づきます認定臨床研究審査委員会の審査に係る費用についても、同様にこの研究費の支援の対象になるものと考えております。
○古川俊治君 じゃ、よろしくお願いをします。 それから、今後やはり、医薬品や医療機器開発、特に今、日本ではまだ創薬ベンチャーですとか医療機器とか弱いと言われています。今後、臨床研究、治験で一貫した早期の実用化と考えていく場合には、やはり早期にそうした知識のない医療関係者が具体的に制度というものを理解して、何をやればいいか明確にしていただくと。 これは、PMDAが今までやっていらした薬事戦略相談というものが非常に役立ってきているわけであります。四月からレギュラトリーサイエンス戦略相談と名前を変えたようだと思いますけれども、是非この分野でもしっかりと、名前変えるだけじゃなくて、更に医療研究者に分かりやすいように、あるいは個別的にしっかり手が届くような細かい御指導をいただきたいと思いますけれども、近藤理事長、お願いできますでしょうか。
○参考人(近藤達也君) どうもありがとうございます。 まず、レギュラトリーサイエンスということについてお話しさせていただきます。 これは二つの要素になりまして、評価、予測の科学、それからもう一つは適正規制の科学という二点にございます。 評価、予測の科学については、例えば関心のある事項、つまり医薬品、医療機器のシーズでございますね、それの良い点、悪い点を整理して、その倫理性、公益性、将来性を考慮して判断する学問でございます。それからもう一つが、適正規制科学というのは、それに対応をして規制の内容を改良していくという、そのための学問であります。これらの学問は、三十年前、国立衛生試験所の内山博士によって提唱されまして、二〇〇八年よりPMDAが世界に向けて発信し、現在では世界の言葉となっております。 この薬事戦略相談事業は、レギュラトリーサイエンスを進めていく観点から、アカデミアやベンチャー企業が持つ有望なシーズを日本発の革新的な医薬品、医療機器、再生医療等製品として実用化することを目的として行ってきた事業でございます。約五年半前ですね、平成二十三年の七月から平成二十九年三月、五年半の間に延べ三千五百件を超える様々な相談に応じてきております。 この薬事戦略相談事業は、レギュラトリーサイエンスを更に推進していくということを明らかにするために、レギュラトリーサイエンス戦略相談と名称を変更した上で、今月、レギュラトリーサイエンス総合相談窓口を設置し、相談の初期の段階から医薬品医療機器法に基づく規制等について助言をする体制を整えるなど、相談体制の充実を図ってまいっております。 さらに引き続き、PMDAは革新的な医薬品、医療機器、再生医療製品等の開発のニーズ等を踏まえまして、適切に相談に応じ、新薬を国民に届けることに貢献してまいりたいと思っております。
○古川俊治君 特に個別相談の充実、安くなるべくいい相談をしていただくと、これはよろしくお願いをしたいと思っております。 最後に一つ、私がこの法案で特に気に入らなかった点というのは、一点が名前の話ですね、それからもう一つが規制強化になるということ、最後にもう一つ、これはもう最後まで粘った点ですけれども、結局この法案では自由診療について何の手当てもできなかったんですね。再生医療新法のときは、自由診療と臨床研究は同じ規制にして、ちゃんと倫理審査委員会を通したんですよ。ところが、今回は自由診療について穴が空きました。 だから、今でも、今日でも、いろんなクリニック見てみると、インビボの今遺伝子治療なんかは全然規制されていませんから、そうすると、こんなに効いたんですよと半ば宣伝をしながら自由診療でやっているクリニックがいっぱい出てくるんですよね。やっぱり最後になると、なかなか難しいと医者から言われた患者さんは、最後になるとそういう眉唾物のクリニックにいっぱい行って、いっぱいお金使ってくるんですよ。そういう事象がまだ平然と行われているわけですね。それなのに、真面目にやっているこういう臨床研究ばっかり規制してくると。これは、このアンバランスはどうしてもこれは否めないんですよね。 私の知り合いというか、私が仲よくなった教授なんですけれども、従来、一生懸命、国公立で教授をやっていたと。自分の研究なかなか認められない、あんまり筋が良い研究じゃないんでね。国公立の教授をやっていて、どうせ給料悪いですから、辞めて、何か俺、じゃ大もうけしてやるかと、六十五になって自分でクリニックを開院いたしまして、それで同じ技術ですよ、もうずっと臨床研究さえその病院でできなかった同じ技術をやって、それで大金持ちになっている人いますから、平気で。実際、それで投与を受けている患者さんがいるわけですよ。 そういう実態があるということを厚労省分かっていながら今回のところはできなかったと。これは、二年以内に何とかしようということになっていますけれども、このままではやっぱり真面目にやったやつがばかを見るルールになっちゃっているんですよね。 この点について、必ず自由診療についても一定の規制をちゃんと及ぼしていくというようにしていただきたいんですが、この点、どうでしょうか。
○政府参考人(神田裕二君) 先生御指摘の点は、この法案の検討段階でも大変重要な論点であったところであるというふうに考えております。 自由診療も含めまして、医療行為そのものについては患者の治療を目的として高度な専門性に基づく医師の裁量の範囲内で実施をされるということが基本でありますので、これを過度に規制をすることについては国民の医療を受ける権利を制限するおそれがあるということから、未承認とか適応外の医薬品等を用いていることのみを理由にこの自由診療を規制するということについては慎重にすべきということから、今回の法案では自由診療については規制の対象としていないところでございます。 ただ、御指摘のとおり、現実には自由診療として非常にリスクの高いもの、科学的根拠が明らかでないものが実施されているという実態がございますので、御指摘のような問題意識に基づきまして、この法案の附則におきましては、自由診療を含めまして十分な科学的知見が得られていない医療については、その有効性、安全性の検証のための措置について本法案の施行後二年以内に検討を行う旨を規定しているところでございますので、この検討規定を踏まえて検討してまいりたいと考えております。
○古川俊治君 再生医療新法のときには、死亡例が出たのでようやくやったんですよね、それを覚えていらっしゃるかもしれませんけれども。だから、現に今訴訟なんかを見ていますと、自由診療クリニックで死亡例出ているんですよ、なかなか表立ってきませんけど。それが実態なんですから、やっぱり一定の安全性がなければ医療として成り立たないという体制はこの法案を機に是非つくっていただきたいと。これは是非やらなきゃいけない。まあ我々も努力しますけど、ここでお願いをしたいと思っております。 最後、一点なんですけれども、資金提供の問題について申し上げます。 やっぱり、なかなかお金が集まらない。これは、政府のファンディングというのも科学技術に対しては日本は決して高くないので、やっぱり民間から資金を持ってこないとまともな臨床研究もできないというのが今の大学の実態です。 この検討会の報告書にも書かれていますけれども、実際、資金提供があるから悪いんじゃないんですよね。資金提供があったって、ああいう悪いことがされなければ何の問題もないんですよ。この点は是非誤解のないようにしていただかなきゃいけないと思っているんですね。ノバルティスの事件なんかは、確かにお金があって、それでうそを書いたという問題もあってああいう大きな問題になっちゃったんですけれども、決して資金提供があることに問題があるというわけじゃないですから、公正な臨床試験が実施されればそれでいいわけですから、その点は間違いなく国民の皆さんに認識していただくように、厚労省からも是非積極的に、特に認定臨床研究審査委員会、そこに言っていただきたいんですけれども。 今回の法案で見たときに、このいわゆる資金提供に関する利益相反問題について臨床研究実施基準がどう書かれるのか、あるいは認定臨床研究審査委員会がどう判断するのか、資金提供に関する利益相反ですね、ここのところが全く書かれていないんですよ。この法案じゃ分からないんですね、そこのところが。どういうふうな、今後、臨床研究実施基準を書いて、そして認定臨床研究審査委員会がどういうふうに判断するかというような基準をどう作っていくのか、この点についてまずは明確にしておいてください。
○政府参考人(神田裕二君) 議員御指摘のとおり、利益相反管理については、認定臨床研究審査委員会の委員でございますとか臨床研究を実施する者を排除するということではなくて、先ほど御指摘ございましたように、産学連携によってイノベーションを推進していくということは非常に重要であるということから、その透明性を担保していくことこそが重要であるというふうに考えております。 したがいまして、今回のこの実施基準の中では、まさにその利益相反管理に関すること自体を実施基準の中に定めることといたしております。認定臨床研究審査委員会に対しまして、その認定要件の中で委員会ごとに製薬企業等から資金提供を受けている委員の議決への参加を制限するなど利益相反管理のための規定を作成し、公開することを求めることとしております。 また、先ほど申しましたように、実施基準の中に利益相反管理に関することも定めることといたしておりますので、製薬企業の関与につきましては、利益相反管理の方法を実施計画に記載した上で、認定臨床研究審査委員会の審査を受けていただくということと、それをまた研究対象者にも説明していただくということを義務付けることといたしております。 一方で、これらの対応が審査委員会における実施計画の審査業務ですとか臨床研究の実施そのものを阻害することのないように、高い専門性を有する委員の確保でございますとか、研究者が適切に確保されるような仕組みについて検討していきたいというふうに考えております。
○古川俊治君 まあモニタリングしたらすぐ分かるわけですから、そういうシステムも入っていますから、是非誤解のない審査が行われるように適切な実施基準を出していって、お願いをしたいというふうに思っています。 塩崎大臣は、党にいらっしゃるときは、是非、このイノベーションということには本当に先頭を切ってずっとやられてきたわけですけれども、これ、臨床研究、やっぱり法律を運用していく上では、一定の研究現場に対して緊張感がやっぱりあるわけですね。なるべく現場に負担を掛けないような産学連携、そうしたものを推進していただくために、運用等あるいは今後の省令作っていく中で是非御配慮いただきたいんですけれども、この点について大臣から最後に一言お願いします。
○国務大臣(塩崎恭久君) この問題につきましては、古川委員は当初からいろいろ深く関わってこられた、それを受けて今日御質問をいただいて大変勉強になりました。 民間の資金や技術力を活用した産学連携というのは、当然これ、イノベーションの推進のためには必要不可欠だというふうに思います。したがって、これを萎縮させるということは避けなければいけないというふうに思います。 今回の法案は、臨床研究の言ってみればデュープロセスを確保して、そして国民の臨床研究に対する信頼の確保を図るということを通じて臨床研究のむしろ推進を目指すものであって、今後、具体的な実施基準を定める際においても、今御指摘をいただきましたように、法の目的をしっかりと踏まえながら、この臨床研究の現場を萎縮させることのないように、議員の御指摘を踏まえて十分に配慮してまいりたいというふうに思います。
○古川俊治君 どうもありがとうございました。終わります。
○藤井基之君 自由民主党の藤井基之でございます。 同僚の古川議員に引き続いて、臨床研究法案について御質問をさせていただきたいと存じます。 御案内のとおりですが、この法案は、実は昨年の第百九十国会に提出されていた法案でございまして、私は一日も早い審議を待ち望んでおりまして、ようやくその機会ができたことをうれしく思っております。法案審議を進めまして、一日も早い法案の成立とスムーズな法施行を待ちたいと思っております。 細かい点をお尋ねしたいんですが、その前に一つ大臣にお尋ねをさせてください。 この法案提出の契機の一つとしては、幾つかの臨床研究におきまして、どうも不適正な事例が目立ったと、そういうことがございました。 その一つには、ノバルティスファーマ社が高血圧症治療薬のディオバンに関わる京都府立医科大学等で実施された研究でございます。不適正なデータ処理がなされたこれらの研究論文等が、ディオバンの普及啓発、宣伝活動を行ったと。これに対して厚生労働省は、平成二十六年一月、旧薬事法、現在の薬機法ですが、これの第六十六条に規定する虚偽、誇大な広告に該当する疑いがあるということで、ノバルティス社と氏名不詳者を告発をいたしました。そして、その告発を受けて東京地検は、六月に元同社の社員一名を逮捕したものでございます。このディオバン事案に対しまして東京地裁は、本年の三月十六日、元社員のデータ改ざんを認める一方で、いわゆる旧薬事法における広告の違反は構成しないと、企業及び元社員にこれに関しては無罪判決を下しております。 この地裁判決につきましては、現在、東京地検が控訴手続中だと伺っておりますが、告発をなさった厚生労働省としてこの地裁判決をどのように受け止められたのか、是非大臣の御所見をお聞かせいただきたいと存じます。
○国務大臣(塩崎恭久君) このディオバン事案につきましては、この委員会でも川田議員などを中心にいろいろ再々触れられてきた象徴的な問題であるわけでありますが、今回の事案につきましては、三月十六日に東京地裁において、データ改ざんの事実を認定する一方で、学術論文は医薬品医療機器法第六十六条第一項の規制対象である広告に該当しないという判断の下で、ノバルティスファーマ社とその従業員に対して無罪判決が出されたわけであります。これに対しまして、三月二十九日、判決が示した法の解釈を不服として検察庁が控訴をしております。控訴審において当然、検察庁による主張、立証が尽くされるものというふうに承知をしておりますが、厚生労働省としては、当然のことながら、検察庁の要請に応じて最大限協力を行ってまいりたいと考えております。 厚労省は、我が国の臨床研究に対する国民の信頼を回復するために、ディオバン事案をきっかけとしてこの臨床研究法案を今回提出をさせていただいて、御審議をいただいているわけであります。この法案によって、製薬企業から資金提供を受けて行われる臨床研究等について、一定の実施基準の遵守や、あるいは製薬企業が行った資金提供の公表を義務付けることになるわけでございます。 臨床研究と製薬企業の活動の適切性、また国民の信頼の確保を図るという、先ほども申し上げたとおりでございますが、このためにこの法案の成立をお願い申し上げたいというふうに思います。
○藤井基之君 ありがとうございました。 今、大臣から大きな方向性についての厚生労働省の考えをお伺いしましたので、この後、少し法案内容について各論的に質問をさせていただきたいと存じます。 まず、臨床研究の定義についてでございます。私は、古川議員と別に、この臨床研究の定義というのは、この法律における定義だということですから、一般論としての臨床研究ということではないというふうに理解をさせていただいておりますが、法二条で、この本法の中における臨床研究について、治験及びその他厚生労働省令で定めるもの、これを除くというふうに規定をされております。治験については分かりますが、この省令において規定する除外される研究というのはどのようなことを想定されているんでしょうか。
○政府参考人(神田裕二君) 先生御指摘のとおり、この法律の定義規定の中では、先ほど古川委員にお答え申しました臨床研究の定義の中から、治験に該当するものその他厚生労働省令で定めるものを除くというふうにされております。 この厚生労働省令で定めるものといたしましては、医薬品医療機器法に基づいて実施基準等の遵守が法令上義務付けられている研究を規定することを想定しております。具体的には、医薬品等の製造販売承認を受けた後に医薬品医療機器法に基づく再審査や再評価を目的として実施される臨床研究であって、医薬品の製造販売後の調査及び試験の実施の基準に関する省令、いわゆるGPSP省令等の遵守が義務付けられているものを規定することを想定しております。
○藤井基之君 日本においては、人を対象とした臨床研究が数多く実施されているというふうに認識しております。 厚生労働省に設置されました専門家から成る検討会であります臨床研究に係る制度の在り方に関する検討会、ここが平成二十六年十二月に報告書を公表しております。それによりますと、年間延べ約五千五百件程度の臨床研究が実施されていると考えられると、このようにこの報告書の中では述べているわけです。 厚労省にお伺いしたいと存じますが、治験とか臨床研究などという人を対象とした試験、これ、どのくらい実施されているのでしょうか。その現状を教えていただきたいと思っております。その件数以外にも、例えばその施設の数はどのぐらいなのか、患者さんの数はどの程度なのか、また、これらの臨床研究のうち、本法が定義する特に規制を厳しくしようとしております特定臨床研究、これについてはどのような数字を厚生労働省として把握されているのか、それをお示しいただきたいと存じます。
○政府参考人(神田裕二君) 臨床研究ですとか治験についての数についてのお尋ねでございますが、平成二十五年度におけます薬物ですとか機械器具等の治験計画の届出総数は六百四十六件というふうになってございます。 また、その臨床研究の実施件数に関する公式の統計というものはございませんけれども、現在、臨床研究に関するガイドラインとなっております人を対象とする医学系研究に関する倫理指針に基づいて公開データベースに登録されている臨床研究は、年間約三千件というふうになってございます。このうち、特定臨床研究についてでございますけれども、この公開データベースに登録されている臨床研究を対象にいたしましてサンプル調査をいたしました。その結果によりまして推計をいたしますと、この法案の対象となります特定臨床研究は年間八百件程度となるというふうに予測されておりまして、全ての臨床研究に占める割合は四分の一程度というふうになると推計いたしております。 ただし、特定臨床研究を実施している施設数でございますとか患者数については、現状ではお示しできるようなデータは手元にございません。
○藤井基之君 やはり件数だけでは実態がなかなかつかめないのではないかと思うんですね。今、それを把握する手法、手段がないというお話でございましたけれども、何らかの方策を考えて、これから先、適切な指導とか監視をしていくためには、やはりそのバックグラウンドの数字を把握する必要があるんじゃないかと私は思っております。御検討いただきたいと思います。 今回、ディオバンの臨床研究が法案の契機の一つになったということを申し上げましたが、この研究においては多額の奨学寄附金の提供が行われたということが明らかになっております。今般の定義によりまして、特定臨床研究というものについては、未承認、いわゆる適応外の新しいものを使った臨床研究と、もう一つは、医薬品等の製造販売業者から研究資金等の提供を受けて実施する臨床研究、この二つは特定臨床研究と定義されて必要な規制を受ける話になるわけですが、今回そのディオバンのケースに見ましたとき、これは直接的な試験研究費ではなくて奨学寄附金を提供されたんだと、こうなっているわけです。もしも本法が施行されたとしたら、このディオバンの臨床研究というものは特定臨床研究になるのでしょうか、どうでしょう。
○政府参考人(神田裕二君) 議員御指摘のとおり、ディオバン事案は、製薬企業からの奨学寄附金が企業の製造販売する医薬品の臨床研究の研究費として用いられ、研究データの改ざん等が行われた事案だというふうに承知いたしております。企業側も、奨学寄附金というふうな名目にはなってございますが、それが研究費として充当されることを期待していたというふうに検討会の中でも認定をされております。 このため、この法案におきましては、製薬企業からの寄附金を企業の医薬品の臨床研究の研究費として実質的に充当する場合には、これを特定臨床研究に該当するものとして、臨床研究を実施する者に対しまして研究の実施基準の遵守を義務付けることとしておりますので、今回のディオバンのような事案はまさに特定臨床研究に該当し、規制対象になるものと考えております。
○藤井基之君 ありがとうございました。 約四半世紀前に遡る話で恐縮なんですが、当時、新薬開発のキープレーヤーでありました日本とアメリカと欧州の三極の製薬界、産業界の代表が各々三極の規制当局と一緒になりまして、国際的なそのデータの国際標準を作ろうという動きがありました、ICHの動きでございますが。このICHの動きを受けて、やはりそのとき一番重要な問題になっていたのが実はGCPに関してでありました。このICH—GCPの合意が数年掛けてでき上がりまして、それを日本国においても具体的にするために新しいGCP省令を当時の薬事法の中に作りました。一九九七年に公布して、一九九八年から施行されたものでございます。 この新しいGCPの基準におきまして、省令におきましては、治験の準備のために何をしなきゃいけない、治験の管理のために何をしなきゃいけない、治験を実施するためにはどういう条件が要るか、これは被験者の同意等も含むわけでございます、そして治験を企業が例えば依頼する場合にはどのような準備をしておかなきゃいけないか、そのようなことがるる決められたわけでございます。 このGCP省令というのは国際標準だということで、日本の企業群もこれに対応する努力をしていただいたわけでございますけれども、残念だけど、この省令が実施された一九九八年以降、数年間にわたって日本においては治験の件数が大幅に減るといういわゆる治験の空洞化を招くこととなりまして、新医薬品の研究開発が停滞したとの指摘を受けたことを覚えております。 先ほど同僚議員からの指摘もありましたが、本法案の成立においても同様の状況が生じないか懸念をいたします。本法案の施行によりまして必要な臨床研究が停滞して、結果として臨床研究の質や医療の質の向上にとってマイナスの要因となることはないのでしょうか。そうならないようにするための対応策をお持ちでしたらお示しをいただきたいと存じます。
○政府参考人(神田裕二君) この法案に基づきます臨床研究の実施基準につきましては、現在既に適用されております人を対象とする医学系研究に関する倫理指針において遵守を求めている内容と同等の内容とすることを想定いたしておりまして、現在この倫理指針を遵守している研究者にとって、新たに大きな負担を課すものではないというふうに考えております。 また、実施基準の運用に当たりましては、リスクに応じまして、例えばモニタリングの実施体制ですとか頻度についてもリスクに応じて研究ごとに臨床研究審査委員会で御判断いただくというようなことにいたしまして、研究に過度の負担を課すことのないものとする予定といたしております。 このため、本法案が成立することによって我が国の臨床研究が停滞し、医療の向上へのマイナス要因が大きくなるというようなことはないものと考えております。
○藤井基之君 そのように期待をしております。 このような、ある種規制が強化されるわけでございます。このことが、例えばそれを依頼をする、臨床研究データをこれからもやろう、そういった企業あるいは研究者にとっては、そういった厳しい規制となった場合でもそれをやるメリットが実感できれば、あるいはそのデータがもっと今まで以上に幅広く利活用できれば、これはいわゆる停滞をもたらすことにはならない、逆にそういった臨床研究を振興することになろうと思っています。 この法三条で規定する省令を受けまして、臨床研究の実施に関する基準、これは衆議院での答弁等を見ますと、ICH—GCPに準拠したものとすると厚生労働省はお答えになっております。ICH—GCPに準拠するということは、これは現在の薬機法におけるGCP省令に近似するものになると考えます。治験に求められるGCP省令と同様の実施基準で行われた特定臨床研究の試験成績、これを医薬品の承認申請に用いることは可能ではないかと考えます。それは規制上の重さからということです。 確かに、契約のときの目的規定等々に問題点がないとは申し上げませんけれども、例えて言うならば、希少疾病を対象とする医薬品の開発等において、特定臨床研究のデータをもっと活用する方策というのはあってしかるべきではないかと思いますが、お考えを伺いたいと存じます。
○政府参考人(武田俊彦君) ただいま委員からも御指摘がございましたように、臨床研究と医薬品医療機器法上の治験とはその目的が異なっておりますので、一般的には医薬品医療機器法に基づかずに実施された臨床研究の結果を医薬品、医療機器等の承認申請にそのまま用いることはできないと考えているところでございます。 しかしながら、これまでも、治験で得られた以外の情報でありましても、医薬品、医療機器等の承認審査に活用していることもございますので、ただいま御指摘ありましたように、希少疾病用医薬品を含む医療上の必要性の高い医薬品などの薬事申請が円滑に進むよう、臨床研究法に基づく臨床研究の結果を承認審査の資料として活用する、こういったことについて検討してまいりたいと考えております。
○藤井基之君 ありがとうございました。是非その方向でお願いをしたいと存じます。 本法案では、特定臨床研究の実施に当たりまして実施計画を厚生労働大臣に届けることを求めています。そして、実施計画の届出につきましては事前に試験計画に係る特定臨床研究の実施の適否や実施の留意事項等につきまして厚労大臣の認定する認定臨床研究審査委員会の意見を聴くこととされております。 本法案の施行時には厚生労働大臣が認定した認定臨床研究審査委員会が存在して、その審査の受入れ体制が整備されている必要があります。この体制というものについてはどのようにお考えでしょうか。例えば、どのくらいの数のIRBが認定を受けられるように想定されているのか、その辺についてのお考えがありましたらお聞かせをいただきたいと思います。
○政府参考人(神田裕二君) 議員御指摘のように、この法案の施行に際して、認定臨床研究審査委員会が特定臨床研究の実施計画の審査を円滑に行える体制について速やかに整備していくことが必要であるというふうに考えております。この法案では、施行日前においてもあらかじめ臨床研究審査委員会の認定の申請ができる旨の経過措置を規定しておりまして、施行前から認定の作業は進めてまいりたいというふうに考えております。 具体的な数についてでございますけれども、先ほど申しましたように、特定臨床研究については八百件程度あるというふうに予測いたしております。月に一、二回程度この審査をするというふうに仮定いたしますと、大体、施行の段階で五十程度の認定臨床研究審査委員会が必要ではないかというふうに考えております。 現在、予算事業といたしまして、臨床研究の倫理性、科学性を適切に判断できる倫理審査委員会を認定する倫理審査委員会認定制度構築事業というものを行っております。この認定を受けた委員会からこの法案に基づきます臨床研究審査委員会の認定申請が行われた場合には、既に一定の審査が済んでおりますので、必要な資料について一部省略を認めることなどを含めて柔軟な運用を行うことを検討してまいりたいというふうに考えております。 今後、できる限り早く臨床研究審査委員会の認定を受けていただけるように、認定の要件ですとか実施基準を早期にお示しすることによって制度の円滑な施行に努めてまいりたいと考えております。
○藤井基之君 ありがとうございます。 この審査委員会、五十程度ということをおっしゃられました。現在、このような名の下の審査委員会というのは千何百あるというふうに言われている、ということは、大部分のところはワークしなかったという帰結かなという感じもしておるわけですね。ですから、今後認定されるものについては、そのちゃんと機能を発揮できるようなその体制の指導をお願いしたいと思っています。 それから、この委員会におきます審査をしていただくためといいましょうか、申請をする側はやはりそれに必要な経費を払わなければいけないんだろうと思いますけれども、この際の経費というのはこれは申請者側がそれを払うと、そういうふうな考え方になるわけでしょうか。
○政府参考人(神田裕二君) 認定臨床研究の審査委員会の審査を受けるに当たりましては、手数料の徴収等についても検討いたしております。実費に必要な範囲での手数料の徴収等は可能とするという考え方でございます。
○藤井基之君 適切な額に規定をされることを望みます。 人を対象とする研究の実施に当たりましては、研究過程の透明性を確保して、研究の進捗状況の把握でありますとか学術的解析を可能にすることが重要となります。このため、現在、文部科学省と厚生労働省の二つの省庁の名前で平成二十六年十二月に出されております人を対象とする医学系研究に関する倫理指針、これにおきましては、研究に関する登録、公表が規定されております。具体的には、公開データベースに対して、研究の概要は、これは試験を実施するに先立って登録をすると。まあかなり細かい点が、これは指導であろうと思いますけど、そういった登録の仕組み、公表の仕組みというものが現存しております。 本法案におきましても、臨床研究の概要とか進捗状況、結果を公的なデータベースに登録する必要があるし、そのことがそれから先の臨床研究の質を向上するためにも重要だろうと考えますが、どのような対応をお考えでしょうか。
○政府参考人(神田裕二君) 臨床研究に関する情報の登録、公開については、研究対象者を始めとした国民の皆様に対して研究の透明性を確保する観点から重要であるというふうに考えております。また、研究者間で研究成果を共有することにもつながるものでありまして、研究をより推進する観点からも重要であるというふうに考えております。 この法案におきましても、臨床研究に係る情報を公的なデータベースに登録、公表することについて、先ほどから申し上げております今後省令で定める臨床研究の実施基準において規定することを検討してまいりたいと考えております。
○藤井基之君 臨床研究に関する資金等の提供につきましては、法の三十二条で契約の締結について、また三十三条におきまして資金提供に関する情報等の公表について規定されております。しかし、手続の多くは省令に委ねておられまして、具体的には全部を読み切ることは困難なところがあります。 我が国の資金提供の状況につきましては、任意の民間団体でありますけど、日本製薬工業協会、これは新薬開発を主力と考えている七十三社の製薬企業から成る団体でございますが、ここがこの資金提供の公表等について自主ガイドラインを既に制定しておりまして、それによって資金提供を公開をしております。例えて申し上げますと、二〇一五年度は、資金提供の総額は約三千八百二十四億円、そしてその約半分の一千八百六億円が研究費開発費等ということが明らかにされております。しかし、製薬協、今の団体に加盟する以外の製薬産業であるとかあるいは医療機器産業界、あるいは再生医療製品等の業界は、公表の実績をまだ持っていないんじゃないかというふうに思います。 本法案に基づく資金提供の公表の範囲をどのようにお考えでしょうか。そして、この公表の範囲というものは各産業群ごとに違いをつくるのでしょうか、それとも同一の基準を考えられているのでしょうか。
○政府参考人(神田裕二君) ただいま御指摘のございました資金提供に関する情報の公表の範囲につきましては、厚生労働省令で定めるということとしているところでございます。 先ほど先生から御指摘のございます日本製薬工業協会の自主ルールと比較いたしますと、この法案におきましては、臨床研究の実施を推進することを目的としているということから、自社製品の臨床研究を実施している医師等への資金提供を公表の対象としているところでございますけれども、製薬工業協会のガイドラインでは、製薬企業と医師等との金銭関係の透明性を図る観点から、臨床研究をしていない医師等への提供も含む資金提供を公表の対象としているところでございまして、そういう意味では対象範囲は日本製薬工業協会の取組の方が広いということになってございます。 ただ、先ほど先生からも御指摘ございましたけれども、この製薬工業協会に加入していない企業もございますし、再生医療等製品の産業については現在そのような取組がございません。 したがいまして、今回のこの法律に基づく公表の範囲といたしましては、先ほど先生から御指摘ございました加盟企業以外の製薬企業、それから医療機器、再生医療等製品のメーカーの意見なども聞きながら共通のルールを決めていきたいというふうに考えております。また、今回の法案では、企業が公表を行わない場合には厚生労働大臣が勧告を行い、勧告にも従わないというような場合には企業名を公表するということにいたしております。 今の工業協会のガイドラインそのものにはペナルティーございませんけれども、こうした担保措置がございますので、こうしたことによって資金提供の透明性の確保が図られるよう、実効性ある取組を進めていきたいというふうに考えております。
○藤井基之君 私の質問の最初に大臣からもお言葉を頂戴いたしましたし、大臣の本法案提案の理由として、臨床研究の対象者を始めとする国民の臨床研究に対する信頼の確保を図ることを通じてその実施を推進していくんだと、そのように大臣は御説明をなさいました。私も、今回の法案の意義というのはそこにあると思っております。 私は、本法の成立によりまして、日本国におきます臨床研究の質の向上は約束されていると、そして厚生労働省はそのような方向でこれからも努力をしていただけると信じております。 ただ、現時点において申し上げますと、今までるる述べましたように、多くの細かい点が省令規定となっていて、これから検討しますという内容が多いわけですね。そういったことから、実際にこの法案に関心の強い研究実施者やあるいは研究契約を締結しようとする企業にとって実は分かりにくい不明な点が多いんだと、関係者からは戸惑いの声を聞くことが多々ございます。私は、本法案をスムーズに施行するためには、本法案の成立後早急に省令をお示しいただいて、その周知を図るべきであろうと考えます。 加えまして、厚生労働省に設置した検討会も指摘をしておりましたが、今回の臨床研究における不祥事発生の原因の一つとして、人材の問題を指摘しているところがございます。具体的に申し上げますと、民間企業から大学の講師という肩書でこの研究に参加してデータ処理を行った方が何をやっていたかというと、いわゆる生物的な統計をやっていたわけでございます。まさに、このような生物統計の専門家というのは、我が国において大学における講座も少のうございますし、人を育てるようなツールも少のうございます。また、この報告書にもありますように、レギュラトリーサイエンスに係る薬事審査に精通した人間の育成、これはもう喫緊の課題だというふうに言われておるわけでございます。 最後に、大臣にお伺いしたいと存じます。本法案の適切な実施、そして臨床研究の質の向上に向けての御決意をお伺いしまして、私の最後の質問とさせていただきます。
○国務大臣(塩崎恭久君) 私ども日本が毎年のようにノーベル賞を取るだけの力は持っていらっしゃる科学者がたくさんおられるという、つまり、新しいものを生み出すイノベーションの力、そしてまた、それを担う人たちがしっかりと基礎研究をやっていただき、また、様々な研究をしていただく上で、また更に臨床研究にまで大変力を入れていただいているわけでありまして、私どもとしては、今回の臨床研究法案によりまして、イノベーションをつくり出すことにつながる臨床研究、これへの信頼を国民から回復をするということが大変大事だと思います。 そういうことが今回の法律によってきちっとできることが、また、そういった臨床研究をやっていらっしゃる方々がしっかりとこの研究を進めて、新しい治療法やあるいは新しい薬や様々な機器などについてまさにイノベーションを形にしていただけると、こういうことを大いに期待をしているわけでございまして、そういう意味での、今回、デュープロセスを明確にして、守るべきものを明確にするという中にあって、この臨床研究が信頼回復されてますます盛んになっていくことを私どもとしても大いに期待をしているわけでございます。 やはり、この産官そしてまた学、特に今回は産と学の間での不明朗なことがないようにする、そういうルールを明確にして、この協力関係がいい結果をもたらすようにしていただこうということでありますので、私どもとしても、省令委任になっていることもたくさんございますから、そういったこともしっかりと、できるだけ早く皆様方の御意見を聞きながらやることによって円滑なこの法律の施行ができるようにしてまいりたいというふうに思います。
○藤井基之君 ありがとうございました。終わります。
○足立信也君 民進党の足立信也です。 臨床研究というのを考えるときに、大臣も先ほどおっしゃいましたが、研究の積極的な推進ということと、研究の正当性あるいは被験者の安全というのが両輪だと思うんですね。私どもは、私の後に川田委員が質問します。後者の方が中心になるかと思いますので、私はまず研究の推進ということについて質問をしたいと思います。 もう資料が行っていると思います。三月の下旬に、ネーチャーインデックス二〇一七で、日本の論文の割合が激減しているという、これが資料です。二〇一五年と二〇〇五年を比較して、日本は明るい紫といいますか、残りが、グレーが日本以外の世界ですね。これで、十四分野、世界では全て増えていると、論文が。しかし、日本が三分野しか増えていない。この三分野というのは、上に出ているやつですが、メディシン、医学ですね、それからマスマティックス、数学ですね、それとアストロノミー、天文学。残る十一分野は全て減少していると。三つ増えているからということもありますが、全論文数が八〇%増えている、なのに日本は一四%しか増加していないということです。 分野別にちょっと見たいわけですが、順位ということで見たいわけですが、二枚目を御覧ください。これも明らかに、九〇年代、二〇〇〇年代、二〇一〇年代と、日本の、地域別の論文数を見ると明らかに低下していっている。下は、トップテンの、つまり被引用数がトップテンのを分析した場合にはもっと低下していると。質の方もという感じになりますね。こういう現状です。 それで、資料三を御覧ください。今回の法案に関連の深い、これを、基礎研究論文が左、臨床研究論文が右というふうに分けてみました。欄の左と真ん中はこれ五年分、一番右が二年分ですからそこは考えていただきたいんですが、元々日本は臨床研究が非常に少ない、しかも減少してきたということがある中で、やっぱり基礎研究も臨床研究も順位を下げている。この中には、先ほど藤井委員がおっしゃいましたが、研究不正やデータ改ざんも入っているんですね。ということです。 先ほど大臣は、日本はノーベル賞をという話がありましたが、昨年のノーベル賞受賞者の大隅良典東工大の栄誉教授が、二十年、三十年後は日本から出なくなるとおっしゃいました。これ、大変ショッキングな発言だったと、皆さん覚えていると思います。それだけ日本の研究というのは衰退してきていると。今、二枚目にありましたように質も下がっているんではないかと、そういうふうに私は考えます。 そこで、日本の論文数の急激な減少と私は捉えていますが、その原因として考えられる要素、文科省としてはどういうふうに考えていますか。
○大臣政務官(樋口尚也君) お答え申し上げます。 日本の研究者が出している論文につきまして、文部科学省科学技術・学術政策研究所の報告書におきましても、ネーチャー誌と同様に、論文数は近年横ばい、シェアは近年低下傾向にあるというデータが示されております。ネーチャー誌においては、日本は二〇〇〇年以降十七個のノーベル賞を受賞するなど優れた研究成果を出してきているが、一方で科学技術関係投資の伸び悩みなどが悪影響を与えているというコメントが紹介をされていると承知をしております。文部科学省といたしまして、世界全体で国際共著文が大きく増えている中で我が国の共著論文の伸びが相対的に低いことなどが要因の一つだというふうに分析をしております。 こうした状況を背景といたしまして、第五期科学技術基本計画におきまして、政府研究開発投資の目標として、経済・財政再生計画との整合性を確保しつつ、対GDP比一%、試算といたしまして五年間で総額約二十六兆円を掲げるとともに、国際共同研究の推進や、国内外からの第一線の研究者を引き付ける世界トップレベルの研究拠点の形成など、国際的な研究ネットワーク強化に取り組んでいるところでございます。こうした取組を通じまして、我が国の科学技術力の強化に努めてまいりたいと思っております。 以上です。
○足立信也君 今、研究分野への投資の伸び悩みということが主因のような御答弁だったと思いますが、これ日本の科学技術関係経費、それから科研費を見ますと、僅かではありますが増えているんですね。まあ微増です。しかし、ほかの日本以外の国に比べるとその増える割合ははるかに低い、それはあります。ただ、微増しているというのは事実です。 私は、もっと大きな要因は人だと思います。そこで、対象を広げ過ぎると分からなくなりますので、国立大学に絞りたいと思います、国立大学法人。 そこで、法人になって十二年、この十二年間で運営費交付金はどれほど減額されたんでしょうか。
○政府参考人(浅田和伸君) 国立大学が継続的、安定的に教育研究活動を行うための基盤的経費である国立大学法人運営費交付金については、平成十六年度の一兆二千四百十五億円から平成二十八年度には一兆九百四十五億円となり、過去十二年間で千四百七十億円、率にして約一二%減少しております。なお、平成二十九年度予算の運営費交付金等については、対前年度比二十五億円増の一兆九百七十億円を確保したところでございます。
○足立信也君 運営費交付金、これは人件費等々、ベースになるところですね。今お聞きになったように、十二年間で千四百七十億円減額しているんです。まあ、二十九年度は二十五億増やされたということですが、その減額によってどういうことが起きているか。端的な例で、四十歳未満、若手研究者が、じゃ、どれだけ減って、この変化ですね、従来、常勤でといいますか、大学に勤めている方々が任期付きに多くの方がなっている。この現状、前もって資料四、御覧いただきながら、そしてまた答弁をお願いしたいと思います。
○政府参考人(浅田和伸君) 国立大学の法人化後の四十歳未満の若手研究者の雇用状況につきましては、データのある平成十九年度、二〇〇七年度と平成二十八年度、二〇一六年度で比較しますと、総数では一万七千六百六十七人から一万六千九百二十人へと七百四十七名減少しております。一方、そのうち任期付きの若手研究者、この資料でいいますと赤い棒グラフのところでございますが、六千八百五十三人から一万六百五十人に三千七百九十七人増加しており、若手研究者の中で任期付きの研究者が占める割合が三九%から六三%へと大幅に増加をしております。
○足立信也君 強調します。九年間で任期なしの方が四千五百四十四人減っているんですよ。そして、任期付きが三千七百九十七人増えているんです。 給付型の奨学金、これはいいことだと思いますけれども、入りやすくなる、皆さんが学びたいという希望を実現しやすくなる。でも、教える側がいない、しかも任期付きである。私たちが高等教育受けたいというときは、どの教授がいる、この研究室の研究してみたい、そういう憧れがあるはずなんですね。しかし、任期付きで、もういないよということなんですよ。 そこで、現在、我々のところには、労働契約法を改正して施行から五年に来年の四月になりますね、そこで、二〇一九年の四月に、五年たつので、これはもう雇い止めが大量に発生するんじゃないかと、私たちは無期転換を図ったわけですけど、この不安を訴える方が非常に多い。この法律は雇い止め法理を法定化したもので、無期労働契約への転換を図るものだったわけです。これは職員は五年かもしれませんが、そもそも大学等々の研究開発法人は十年にしたんですよね、これ、いろいろあって。しかし、これがどうなのか。今現場では、来年になったら大変だって教員も職員も言っているんですよ。 こんなことで本当に魅力ある大学というものが継続できるのか、研究そのものが非常に私は心配になりますので、まず文科省に、これは大量雇い止めの危険がある、懸念があるのはもう確かですから、これ、教員と職員に分けて、現状認識とどのような対応を考えているか。それから、厚労省には、橋本副大臣だと思いますけれども、無期転換への法の趣旨ですね、我々がやってきた法の趣旨を踏まえ、今どんな対応をしているのか、来年に対して何を今やろうとしているのか、その点についてお聞かせください。
○大臣政務官(樋口尚也君) まず、職員についてお答え申し上げます。 国立大学の職員につきましては、平成二十七年九月に、厚生労働省労働基準局長から出されました無期転換ルールへの対応に関する早急な検討のお願いについての文書を全ての国立大学に情報提供するとともに、改正労働契約法の趣旨を踏まえて適切に対応していただくようお願いをしたところでございます。また、平成二十八年の十二月の九日に、改正労働契約法の趣旨を踏まえて適切に対応していただくことを再度お願いをするとともに、改めまして、対応の方針の検討が遅れている国立大学に対して、平成二十九年四月の五年目の契約更新時に各労働者に明示できるよう早急に無期転換ルールへの対応方針を検討いただくこと、通算五年到来前の雇い止めについては都道府県の労働局と相談の上、適切に対応していただくこと、様々な資料を送りまして、全ての国立大学への周知を行うことに併せて、現在、国立大学における対応状況の進捗状況を測るための調査を行いました。 しかし、昨年十二月の時点ではまだ検討中の国立大学が多くありましたので、さらに、平成二十九年三月の二十一日に、全ての国立大学に対しまして、厚生労働省が各独立行政法人における無期転換ルールへの対応状況に対する調査を行った内容に準じた調査を行っているところでございます。四月の中旬には、これをめどとしまして、それを取りまとめる予定でございます。取りまとめをいたしまして、これは、各大学の雇用形態等は各国立大学においてそれぞれの経営方針に基づき適切に定めるものでございますが、今後とも必要に応じましてその情報提供を行ってまいりたいと思っております。 次に、教員につきましてでございます。 国立大学を始めとする大学等及び研究開発法人の研究者や教員等につきましては、労働契約法の特例といたしまして、大学の教員等の任期に関する法律等の改正により、無期転換申込権の発生までの期間を、先ほど先生お話ありましたとおり、五年から十年にする措置が設けられております。本特例の内容につきましては、同法施行の平成二十六年四月からの施行に合わせて、通知において国立大学に対して周知を行ってきたところでございます。 文部科学省といたしましては、今後も必要に応じまして本特例を含む関係法令の趣旨について情報提供等を行い、国立大学における教員の雇用形態等が関係法令に従ってそれぞれの経営方針に基づき適切に定められるように支援をしてまいります。
○副大臣(橋本岳君) まず、改正労働契約法の趣旨について御答弁をいたしますが、この労働契約法第十八条は、同一の使用者との間で締結された二以上の有期労働契約の契約期間を通算した期間が五年を超える労働者が使用者に対し無期労働契約の締結の申込みをしたときは、使用者が当該申込みを承諾したものとみなすとした規定でございます。これは、有期労働契約の濫用的な利用を抑制し、有期契約で働く方の雇用の安定を図る、このために設けられた規定と承知をしております。これが趣旨でございます。 一方、御指摘のような御懸念があるということではございますが、厚生労働省としては、無期転換ルールを避けることを目的として無期転換申込権が発生する前に雇い止めをする、そのようなことが仮にあるとすれば、これは労働契約法の趣旨、今申し上げましたものに照らして望ましいものではないというふうに考えております。 これに対する対応でございますけれども、全国でのセミナーの開催、リーフレットやハンドブック等を通じて、無期転換ルールの趣旨や研究者等への特例などについて周知を行うとともに、無期転換ルールを避けることを目的とした雇い止めなどの事案を把握した場合には、都道府県労働局において啓発指導を行っております。 また、加えて、平成二十九年三月末ですけれども、都道府県労働局に対し通達を発出をしております。これは、平成三十年四月の本格適用に向けた無期転換ルールの周知啓発について、法の趣旨の更なる徹底を行うこと、また、いわゆる民間法人に限らず、大学法人等も含めた、労働契約法が適用されるあらゆる事業所に対し積極的かつ効果的に周知啓発を行うこと等を内容としたものでございまして、通知の内容の中に大学法人等ということも明記をさせていただいたところでございます。 こうしたことを通しまして、引き続き、厚生労働省としてしっかり取り組んでまいりたいと考えております。
○足立信也君 この国は人しか資源がない、学ぶことはできるだけ後押ししたい、しかし教える側のところが不安定でどうしようもないということは改めなきゃいけない。やっぱり与野党問わず行革推進法そのものを考えなきゃ、この国はこれから先難しいと思いますよ。 そこで、先ほどもありました、ちょっともう時間の関係で、神田さん、申し訳ないですけど、そこの質問飛ばします。 認定臨床研究審査委員会についてです。 控訴の方針だということが出ていますが、ディオバンのノバルティス社と京都府立医大のこの事件といいますか、ポイントは、データの改ざん、論文不正、それはあったと。しかし、論文を作成、投稿、掲載する行為は、薬事法、まあ薬機法ですか、今、の規制対象ではないということが無罪判決の根拠です。そのことが立法事実として今回の臨床研究法案につながっていく。だとすれば、その後も、ブロプレスの武田薬品と京都大学もありました。これは明らかに論文あるいはスライドの改ざんでしたね。 そこで気になるのが四十一条で、研究実施者が虚偽の記録をした場合は罰せられることになっています。しかし、アメリカなんかでは、研究の段階から最後のゴールといいますか研究発表、そこまでも監視される。そんな中で、論文不正の責任あるいは学会発表の責任、これはこの法案で担保されるのかどうか、そこが大きな問題だと私は思うんです。 これは、あくまでもこの法律は研究の実施の範囲だけでしょうか。
○政府参考人(神田裕二君) 今回の法律では、不適正な、不透明な資金提供に基づきまして臨床研究のデータが改ざんされたという不適正事案を踏まえまして、一定の実施基準の遵守を義務付けるといったようなことを通じまして臨床研究の適正な実施を行いまして、研究対象者を含む臨床研究に対する国民の信頼を確保し、これを推進していくということを目的としているものでございます。したがいまして、今回の実施基準の中でモニタリングをするとか監査をするということを義務付けることによりまして、できる限りデータの改ざん等がないようにしていくということにいたしております。 結果としてデータの改ざん等があった場合、実施基準の疑いがあれば、立入検査ですとか報告徴収を行いまして、違反が確認されれば、その原因の究明と再発防止をすることといたしております。ただ、結果として虚偽のデータが広告等に使われることについては、医薬品医療機器法等に基づきまして、必要に応じて刑罰の適用でございますとか行政処分の問題になるものというふうに考えております。
○足立信也君 先ほどの無罪判決の認定と大分違うと思いますね。論文や結果発表は、この作成、投稿、掲載する行為は薬事法の規制対象ではないというのと今の答弁は違うような気がしますね。 私は、この法案でこそ、結果の発表、その不正をどこまでモニタリングしながら、これ認定臨床研究審査委員会の範疇だと私は思いますよ。そこが抜けているのが、去年あるいはその前からずっと問題になっていたことの対処になっていないんじゃないでしょうか。実施中のデータは改ざんしなくても、結果として発表のもので変えてしまったら同じじゃないですか。そこが大きく欠けているということを指摘して、時間ですので、川田先生に替わりたいと思います。
○川田龍平君 川田龍平です。 今日は、この法案の審議に入れることを本当にうれしく思っております。私は古川先生とは逆の立場で、不十分だとは思っていますが、この法案については野党でありながら賛成したいという思いでいっぱいであります。 私自身は、議員になるに当たってやっぱり一番求めていたのが、薬害を再発防止をするための特に被験者の保護、被験者の権利をやっぱりしっかり守るというための法律を作りたいという思いで国会議員になりましたので、その一つでありますこの法案の審議に、ここまでたどり着いたということを本当にうれしく思っておりますし、関係者の皆さんには本当に敬意を表し、御礼申し上げたいと思っています。 本当にこれまで国会議員になって十年間、なってからすぐ無所属だったんですけれども、ずっと超党派で、古川先生にも勉強会に参加していただいたりして、ずっとこの検討をしてまいりました。しかし、無所属のときには法案化に至る作業、法制局というのは相手にしてくれません。法案提出に至らないものについては取り合ってくれないわけですので、ずっとこの法案を温めてはいたんですけれども、法文化はできませんでした。 それがずっと十年ぐらい、七年ぐらいやってきた中で、ノバルティスのディオバン事件が発覚したことによってようやくこれが表にクローズアップされてきまして、そして、二〇一三年の十一月の薬事法改正のときにこの参議院の当委員会で附帯決議に、「臨床研究の実施に当たっては、被験者自身の安全の確保はもとより、研究の着実な推進と公正さの確保の観点からも、被験者保護を十分に行うことが必要であることから、被験者保護の実効性の確保について、関連指針の遵守を徹底させるとともに、その法制化の必要性を含めた検討を行うこと。」ということを、これを決議いただきまして、その後、省内で検討会は続かなかったんですが、進まなかったんですが、私はこの当時、結いの党というところにいまして、その党内でこれを立法するということに、党内手続を経て十二人で提出可能なプログラム法案というのを方針を決定をして、ようやくこれがこの法案化の目を見て、ようやく党内でも検討をしてきて、その後、維新の党というところになったんですが、維新の党の中で参議院の臨床研究適正化法案というのを提出して、ずっとこれ、塩崎大臣の前の田村大臣の頃からもうずっとこの法案について是非提出してほしいということを、これ、ディオバン事件の検討委員会が二〇一四年秋までにこの法改正の検討というのを提言をして、その法改正の検討会、ようやく二〇一四年の四月にスタートしていまして、二〇一四年の十二月に臨床研究に係る制度の在り方に関する報告書の法規制が必要ということが出ました。 ようやく二〇一四年の十二月から、これ、ずっともうC法案扱いで国会提出がされずに、ずっと出してくれ、出してくれということを私は本会議、それから予算委員会、それから決算委員会でもやりましたし、ずっとこの厚労委員会でもこの法案の必要性を提言してきて、ようやく昨年の五月十三日に臨床研究法案の閣議決定を経て衆議院に提出されて、でも、それでも衆議院に提出されても審議入りした後採決には至らず、臨時国会も進まず、ようやく今国会になってここまで来たということで、本当にここまで来たことを感無量というか、本当にうれしく思っております。 そこで、何よりもやっぱりまず、私が取り組んできた中で、被験者の人権の保護という観点について、昨年もこの委員会で聞きましたけれども、引き続いて質問させていただきます。 三月の十七日に衆議院の質疑において、郡和子議員、郡議員も私が議員になる前から実はこの法案に質問など立っておりまして、昨年の五月の私の質疑についてもこの三月の質疑で郡さんが取り上げてくれて、第二次世界大戦、その第二次世界大戦における悲惨な人体実験、これを二度と繰り返さないためにということで国際社会の強い決意、そして国際人権規約が合意されたこと、そして、日本においては、ハンセン病問題に関する検証会議、薬害肝炎事件の検証及び再発防止のための医薬品行政のあり方検討委員会における検討において被験者の権利の確立が求められて、薬害再発防止のための医薬品行政等の見直しについてという最終提言、これにおいても、治験以外の臨床試験と治験を一貫して管理する法制度の整備を視野に入れた検討を継続すべきである、その際、被験者の人権と安全が守られることは絶対条件であるため、被験者の権利を明確に規定すべきであるとされた点について、これも重ねて質問されました。 今、この臨床研究法案の最終段階の審議において、国際人権規約の尊重が法律の本文にないことは誠に残念でありますが、衆議院での附帯決議にこれが書き込まれたことは非常に重要なことであると考えています。これは、過去の過ちを二度と繰り返さないという国際社会の合意としての条約であるからです。 ハンセン病問題や薬害肝炎事件の反省において、この治験と治験以外の臨床試験を一貫して管理する法制度の整備が求められて、そこで被験者の人権と安全が守られることは絶対的な条件であるとされた事実について、これを認めていただいて、国際人権規約を尊重しつつ、今後も引き続き検討課題としていくことを、大臣、是非お約束いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 平成十七年のハンセン病問題に関する検証会議最終報告書と平成二十二年の薬害肝炎事件の検証報告書、これにおきまして、治験とその他の臨床試験を一貫する法制度について検討すべきということ、またその中で、被験者の権利、繰り返し御指摘をいただきましたが、この被験者の権利について規定すべきことなどの指摘がなされたことは私どもとしても十分認識をしているところであります。 一方で、本法案は、一定の範囲の臨床研究に限って、独自の制度として、治験について定める医薬品、医療機器等とは別の法案として提出をしているわけであります。これは、治験とその他の臨床研究はその目的が異なること、それから、平成二十六年の臨床研究制度に関する検討会報告書においても、臨床研究の質の確保によります信頼回復を図りつつ、法規制による研究の萎縮を防止することが必要とされたことを踏まえたものであります。 また、臨床研究の対象者の保護に関する規定につきましては、法に基づく実施基準等において、治験の実施基準を定めましたGCP省令と同等の内容を定めることを想定をしておるところでございます。 また、法の対象範囲等については、今後、附則の規定に基づいて、施行後の五年以内というのが見直し規定としてございますが、法の施行状況等を踏まえて、国際人権規約も尊重しながら検討してまいりたいと思っております。
○川田龍平君 ありがとうございます。是非よろしくお願いいたします。 この臨床研究法の成立については、先ほども申し上げましたように、ディオバンの臨床研究不正事案が大きな後押しとなっています。しかしながら、これ以外にも、ノバルティス社のタシグナであったり、武田のブロプレス、またその多くの臨床研究不正が後を絶たずに頻発しております。また、私のところには今、バイエル社の抗凝固薬のイグザレルトをめぐる臨床研究の不適切な事案の情報が寄せられています。内部告発です。 この問題は、後日、時間を掛けてしっかり議論したいと思いますが、昨年三月、この委員会で取り上げた聖マリアンナ医科大学病院の精神科臨床研究事案に関して伺います。 これは、同病院での精神保健指定医の大量不正取得事案の発覚をきっかけに被験者の方が不信を抱いて大学側に問合せを行って、その後の大学側のカルテ改ざんを含む不適切な対応を実名で告発したことによってようやく厚労省と大学が動いたという事案です。この聖マリの精神科臨床研究の不適切事案は、まさに医療者の被験者に対する人権意識の低さの問題が発端であると考えざるを得ません。しかしながら、その点についての反省が今回公表されました調査報告書には全く明記されていません。被験者はこの臨床研究の参加以来五年間、失業や生活面など多大な不利益を被っています。 同病院はこの本人の話に真摯に耳を傾けて調査をし、この方が被った不利益とそれに対する受け止めについて改めて報告書にまとめるよう厚労省として指導すべきではないかと考えますが、いかがですか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 平成二十七年に発覚をいたしました聖マリアンナ医科大学病院、ここにおける臨床研究における不適正事案、これにつきましては、御指摘のとおり、研究対象者からの情報開示の求めに対して病院側が虚偽の説明をするといったことなど、研究対象者の保護の観点から極めて不適切な対応だったというふうに思っております。病院において真摯に反省すべきであるというふうに思います。 厚生労働省としては、本年二月、病院が設置をいたしました第三者委員会の報告書が公表をされましたが、これを受けて立入調査を行いました。利益相反管理体制の欠如などが判明をその立入調査でいたしたわけでありまして、このため、三月三十日、病院に対して、今後臨床試験を適正に遂行するための学内での体制、ガバナンスをしっかりと整備をするとともに、神経精神科以外の診療科における臨床研究体制についても点検を行うように指示をいたしました。それは、やはりきちっとしたガバナンスの体制ができていないということが読めたわけでございます。 先ほど申し上げましたとおり、本事案は研究対象者からの情報開示の求めに対して病院が虚偽の説明を行っており、御本人の御希望により御本人に与えた影響について十分に話を伺うように更に病院に対して指導をしてまいりたいというふうに思います。
○川田龍平君 ありがとうございます。是非よろしくお願いいたします。 この聖マリの精神科臨床研究の不適正事案を引き起こした張本人である宮本医師というのが学会発表している研究概要、告発したこの被験者の湯浅さんは第三番目の論文と呼んでいますが、これも被験者の一年分のデータが使用されているにもかかわらず、その取扱いについての検討がなされていないことについて、厚労省から同大学病院、同大学及び病院に対して再検討を求めるべきではないでしょうか。
○政府参考人(神田裕二君) 倫理指針におきましては、研究対象者が同意を撤回した場合には原則として撤回に従った措置を講ずることとされており、既に論文化されている場合など撤回の内容に従った措置を講ずることが困難な場合については倫理審査委員会の意見を聴いた上で研究機関の長が許可したときには撤回の措置を講じないこと、またその理由について研究対象者に説明して理解を得るよう努めることとされているところでございます。 厚生労働省といたしましては、聖マリアンナ医科大学病院に対して、同意を撤回している研究対象者のデータを用いた論文を引用して当該医師が作成した研究概要について、当該部分の修正又は撤回を行うよう指導するとともに、研究対象者御自身に対して丁寧に説明を行うよう指導してまいりたいと考えております。
○川田龍平君 この被験者の方も重ねて強く要請されていますので、是非よろしくお願いいたします。 次に、群馬大学医学部附属病院で二〇一〇年から二〇一四年の間に腹腔鏡による肝臓切除手術を受けた患者八人が相次いで死亡した事件に関連して、高難度新規医療技術と臨床研究法の間をつなぐようなシームレスな、あらゆる患者に対して平等な権利保護となるような制度を検討すべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。
○大臣政務官(馬場成志君) お答えします。 御指摘の群馬大学附属病院の事案など、特定機能病院において医療安全に関する重大な事案が相次いで発生したことを踏まえ、これまでその病院において実施したことのない重大な影響が生じる可能性のある高難度新規医療技術を用いた医療を提供するに当たっては、その医療の実施の適否について診療科の長以外の者が確認するプロセスなど、特定機能病院の承認要件に義務付けるとともに、その他の病院については努力義務とする医療法施行規則の改正を昨年六月に行ったところであります。 また、臨床研究は革新的な医薬品等の開発に不可欠であり、過度な規制は研究の萎縮を招きかねないことから、本法案においては、研究に参加する研究対象者に対するリスクと研究結果が医療現場の治療方針に与える影響の度合いなどの社会的リスクを考慮し、未承認、適応外の医薬品の臨床研究、製薬企業等から資金等の提供を受けて実施される自社の製造販売する医薬品等の臨床研究に限定して臨床研究の実施基準の遵守を義務付けることといたしました。 いずれにしましても、医療の提供を受ける患者の権利を保護することは大変重要と考えておりまして、法案の内容については、その対象範囲を含め、今後の施行状況を踏まえて附則の規定に基づき検討してまいりたいと存じます。
○川田龍平君 是非よろしくお願いします。 この臨床研究の実施プロセスにおける研究対象者の保護についてはこの法案で一定の枠組みができましたが、臨床研究が終了した後の論文の改ざんなどの不正行為が起きない枠組みをつくることも必要であると考えます。人を対象とする研究は研究対象者の善意による協力があって初めて成立するものであり、その成果の発表の際にうそをつくことは研究対象者の善意をないがしろにすることであり、人権を尊重する観点からもあってはならないものです。 文部科学省においては、研究活動における不正行為への対応等に関するガイドラインを策定していますが、不正防止のための取組は研究者への研修の実施などにとどまっており、実効性に乏しいのではないでしょうか。人を対象とする研究における不正については特に重大であるとして、特定臨床研究とそれ以外の臨床研究、法律の範囲外の指針による臨床研究を区別せずに、その結果を論文等で発表する際の不正行為を防止するための包括的な枠組みを検討するべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(真先正人君) お答えいたします。 研究活動における不正行為は、国民の科学への信頼を揺るがし、科学の発展を妨げるものであり、あってはならないものである一方、過度な措置が学問の自由を侵すものとならないように、また研究を萎縮させることがないよう十分に配慮することが必要であるというふうに認識してございます。 このような認識に基づきまして、文部科学省では、研究活動における不正行為への対応等に関するガイドラインを策定するとともに、厚生労働省と共同で人を対象とする医学系研究に関する倫理指針を策定するなど、各研究機関において不正行為を防止するための取組の実施を促すことにより、公正な研究活動の実施を推進しているところでございます。 文部科学省といたしましては、今後とも、各研究機関において公正な研究活動が行われるよう適切に対応してまいりたいと考えておるところでございます。
○川田龍平君 これは、公的資金を受けていない研究を含め人を対象とした研究全般について、論文不正を含めて、厳しく罰則等、統合指針の見直しも含めて改めて検討していくべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。厚労省と文科省、お願いします。
○政府参考人(神田裕二君) 今回の法案では、まず、実施基準等を定めまして、改ざん等が起こらないように未然防止するという措置を講じているところでございます。これまでの倫理指針では、不正があった場合には研究費を返還させるとか、そういった措置しかございませんでした。 先ほども御質問ございましたけれども、事後的に改ざん等があった場合、実施基準が守られていないという可能性がございますので、実施基準違反があれば、これは立入検査、報告徴収等を求めて、必要な改善命令、それから、更に必要な場合には臨床研究の停止命令等を発動するということはしっかり行ってまいりたいと思います。 それから、事後的な改ざんについては、先ほども申しましたけれども、一定の範囲では医薬品医療機器等法の規制の対象になるものというふうに考えておりますが、追加的な制裁措置等については、今後、関係省庁とも協議しながら検討してまいりたいと考えております。
○政府参考人(真先正人君) 先生御指摘の民間からの資金を含めてということでございますが、文科省といたしましては、個々の研究機関に対する指導監督する立場、あるいは研究振興を適切に行う、推進するという立場から、個々の事案に対して適切に対応してまいりたいと思ってございます。
○川田龍平君 先ほど足立議員からも質問がありましたけれども、先日の、日本の科学研究は失速しているというイギリスのネーチャー誌の分析、この報道、この予算の増額も必要ですが、世界からきちんと評価をされるためにも、論文不正に対する毅然とした取組にやっぱり期待いたします。 レギュラトリーサイエンス財団というところでも懸念が表明されているように、研究の結果が承認審査に使えないために、この臨床研究法上の特定研究をやりたがらない傾向が製薬会社にあると聞いています。研究に縛りが掛かる上に承認審査に使えないとなると、特定研究に該当しないように製薬会社は医師に別の方法でお金を渡すようになる、つまり地下に潜るおそれがあるんではないかと考えますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今回の法案では、製薬企業などによる自社製品の臨床研究への資金提供について、その旨が明らかになるように研究資金の額などを定めた契約を締結をして、そして公表を義務付けると、こうしているわけでございます。 議員御指摘のような、別の方法での資金提供ということをお触れになりましたが、通常、実質的に研究資金目的のものと考えられることから、本法案における厚生労働大臣による勧告、企業名公表の対象となるものというふうに考えます。 御指摘のような不適切な資金提供がなされることがないように、製薬企業等に対して本法案の遵守を指導するとともに、疑わしい、今御指摘のような資金提供につきましては、しっかりと実態調査を行うなどによって、資金提供の透明性の確保に努めてまいりたいというふうに思います。
○川田龍平君 是非よろしくお願いいたします。 NPOをトンネルとして悪用したり、製薬会社同士でたすき掛けの資金提供をするなど、これまでにも懸念を伝えていますので、是非しっかりと目を光らせると同時に、特定研究を堂々と行うメリットを用意して分かりやすく示すべきだと思いますので、よろしくお願いします。 そこで、ここからは、この研究現場と、それを支援する企業側の声も踏まえて幾つか質問したいと思います。 衆議院の附帯決議において、臨床研究実施基準の策定に当たっては、ICH—GCPに準拠するとあります。このICH—GCP、つまり医薬品の臨床試験の実施基準では、インベスティゲーター、つまり研究責任者と併せてスポンサー、これは資金提供者ではなく試験を立案、実施、結果に責任を持つ組織、個人という意味で使われているんですが、このスポンサーについての定義をしており、両者の責務が明記されています。一方のJ—GCP、つまり我が国のGCP省令では、スポンサーを、企業治験の場合は治験依頼者、又は医師主導治験の場合は自ら治験を実施しようとする者又はする者として規定していますが、これまで臨床研究においてはこのスポンサーの定義がなく、誰の研究であるかが不明瞭となっているとの研究現場の声を聞いています。 現状は、アカデミアが自ら企画、実施する研究者主導臨床研究、いわゆるアカデミア研究と企業自ら企画、実施する企業主導臨床研究とがありますが、この辺りは製薬協の方でも整理され、企画した側が最終責任を負うこととしているので、アカデミア研究への企業からの資金提供においてスポンサーがどちらであるかを明確にしておくことが必要となっていると思います。そこで、この際、厚労省は、ICH—GCPのスポンサー概念を整理し、規定するべきではないでしょうか。 あわせて、特定臨床研究の定義として、どちらがスポンサーである研究かが不明瞭である点についても伺います。 ICH—GCPを適用する場合、スポンサーの概念も導入されることになるので、企業が企画、実施する研究であるか、アカデミアが企画、実施する研究であるかが問われることになります。特定臨床研究においても、スポンサーの概念を導入するということでよろしいでしょうか。
○政府参考人(神田裕二君) 御指摘のとおり、我が国のGCP省令やこの法案においては、スポンサーという用語そのものは用いられておりませんけれども、一般的に、GCP省令においては、企業主導治験の場合は企業が、医師主導治験の場合には治験の責任医師が、それぞれICH—GCPに規定されております、企業の方はスポンサー、責任医師の方はスポンサーインベスティゲーターというふうに該当するものというふうに考えております。 この法案におきましては、特定臨床研究の実施主体を特定臨床研究を実施する者というふうにしておりますけれども、これは医師主導治験と同様に、臨床研究の研究の、先ほどの先生の御指摘でいいますと、発案をするということと実施と両方に責任を負います研究責任医師を想定しておりまして、これはICH—GCPのスポンサーインベスティゲーターに該当するものというふうに考えております。
○川田龍平君 次に、多施設共同臨床研究における各施設の研究責任者や全体を統括する者の責任の所在について、実施基準の中で整理して規定するべきではないでしょうか。医政局長。
○政府参考人(神田裕二君) 御指摘のとおり、多施設において臨床研究を共同して行う場合には、実施計画の届出や健康被害が発生した場合の対応等について、各施設の研究責任者と、研究全体を統括する者としての研究責任者の中から選任する統括責任者という両方が考えられますので、その責任分担を明確にすることが重要であるというふうに考えております。この点につきましては、今後省令で定めます実施基準において規定をすることを検討してまいりたいと考えております。
○川田龍平君 ありがとうございます。よろしくお願いします。 ICH—GCPは、昨年、補遺が付く形で改定されましたが、同時に、日米、EU以外の臨床試験を推進しているアジア、アフリカなどの国々では、アカデミアの承認申請を目的としない臨床試験についても補遺の付いたICH—GCPが適用され、高い信頼性の臨床試験データが作成されてくることになると承知しています。そのため、日本の臨床研究法に基づく医薬品臨床試験にICH—GCPの補遺も含めて適用されないと国際的に大きく後れを取ることになると考えますが、実施基準は、この補遺まで含めたICH—GCP準拠とし、データの信頼性、品質マネジメント、バリデーション等についても準拠となるものと考えてよいでしょうか。
○政府参考人(神田裕二君) ICH—GCPにつきましては、先生御指摘のとおり、昨年、データの信頼性等に関する内容について補遺を付する形で改定がされたものというふうに認識をいたしております。この法案の実施基準につきましては、基本的にICH—GCPに準拠したものとすることを想定いたしておりますけれども、具体的な内容につきましては、御指摘の補遺も含めて、ICH—GCPの内容を踏まえ、厚生科学審議会の意見を聴いて検討してまいりたいと考えております。
○川田龍平君 ありがとうございます。よろしくお願いします。 次に、この治験と臨床研究の制度区分、臨床研究で得られた情報を医薬品等製品の承認申請の資料として利活用できる仕組みについての政府のお考えを伺います。 何度も繰り返して言いますが、欧米のみならず、アジア、アフリカ諸国も含めて、医薬品の臨床試験は承認申請目的があろうとなかろうと、薬事法令に基づくGCPに基づき実施しているのが世界的な標準です。日本は治験の定義を製造販売承認申請のための資料収集を目的とする臨床試験と定義してしまい、それを変更せずに、EUのように改革を行ってこなかったがために、製造販売承認申請目的がないエビデンス確立のための臨床試験を医薬品医療機器法に基づいて実施できないという、世界標準から大きく外れた体制となっています。 臨床研究法に基づく医薬品の臨床試験は、実施基準を幾らICH—GCPに近づけても、科学的エビデンスとしては治験と同等であっても、法律上の定義が異なるために、承認申請資料としては参考資料という位置付けになってしまうのではないでしょうか。 つまり、内容の問題ではなく、制度上の位置付けによる問題だと理解しますが、その理解でよいでしょうか。
○政府参考人(武田俊彦君) ただいま委員から御指摘ございましたように、臨床研究、それから医薬品の承認申請のために行われる治験につきましては、それぞれ目的が異なっておりますので、一般的には医薬品医療機器法に基づかずに実施された臨床研究の結果を医薬品、医療機器等の承認申請にそのまま用いることはできないというふうに考えてございます。 しかしながら、これまでも、治験で得られた以外の情報であっても、医薬品、医療機器等の承認審査に活用していることもあるため、医療上の必要性の高い医薬品等の薬事申請が円滑に進むよう、臨床研究法に基づく臨床研究の結果につきましても承認審査の資料として活用することについて検討してまいりたいと考えております。
○川田龍平君 是非、今後の検討課題と認識していただきたいと思います。 次に、認定臨床研究審査委員会の制度について伺います。 これは、三月十七日の郡和子議員の質問に対する衆議院での塩崎大臣の回答では、大学病院、医療情報ネットワークのデータベースを調査したところ、年間八百件ほどの特定臨床研究の申請件数が予想され、五十の認定委員会を設けたとすれば、毎月一、二件の新規特定臨床研究の審査が見込まれるとの試算を示していただきました。 特定臨床研究は、諸外国では薬事規制当局が審査するものを、日本では当局への届出は薬機法上の届出より簡易なものにして、実質的審査は認定委員会で行われることを想定しているようですが、例えば、人に初めて投与する医薬品の場合などは、当局で薬機法における三十日調査と同等の調査を認定委員会がすることを想定しているのでしょうか。 昨年の一月にフランスで第一相試験の被験者が死亡した事故もありましたが、こうした事故を防ぐための責任は当局と認定審査委員会のどちらにあるのでしょうか。
○政府参考人(神田裕二君) 御指摘のとおり、この法律案におきましては、特定臨床研究については、実施計画について認定臨床研究審査委員会の意見を聴いた上で、その意見を添付して厚生労働大臣に届出を行っていただいて、その上で研究を開始するということを義務付けているところでございます。 研究の実施に当たりましては、特定臨床研究を実施する者に対して、科学的文献や十分な検証に基づいて実施計画を作成すること、また、認定臨床研究審査委員会に対しては実施計画の審査において科学的、倫理的な観点から検証を行うことを義務付けることを想定しているところでございます。 先生御指摘の健康被害が発生した場合についてでございますけれども、特定臨床研究の実施者は、認定臨床研究審査委員会にその健康被害を報告した上で、審査委員会におけます原因の究明ですとか、再発防止のために講ずべき措置についての意見を受けた場合にはその意見を尊重することとされております。また、重篤かつ予期しないものについては厚生労働大臣にも直接報告をすることとされているところでございます。 先ほど申し上げました認定臨床研究審査委員会が健康被害の発生について再発防止のために講ずべき措置等について実施者に意見を述べた場合には、厚生労働大臣にその内容を報告することとされておりまして、厚生労働大臣は必要に応じて改善命令や研究の停止命令等を行うことができることとされております。 このように、この法律の中では認定臨床研究審査委員会と厚生労働大臣が連携しながら、その役割を果たすことによって研究対象者の安全確保に努めることとしているところでございます。
○川田龍平君 是非この責任と役割明確にしていただいて、これ、あってはならないことですが、万一、有害事象発生の際には決して責任を押し付け合うことがないようにくれぐれもお願いいたします。 人に初めて投与する医薬品の場合などにおいてもこの認定臨床研究審査委員会が相当の責任を担うものと理解しましたので、そのような委員会については、その業務の質の確保を図るためにその実績を検証するようにしていただきたいと思います。認定基準の透明化を図り、認定に恣意的な判断が働かないようにしていただきたいと考えます。 臨床研究における健康被害補償についても伺います。 これ、三月十七日の同じく郡議員の質問に対する神田局長の答弁では、医師主導治験、人を対象とする医学系研究における健康被害の件数、補償が行われた件数については把握していないとのことでした。 そもそも倫理指針に基づく重篤で予測できない有害事象の報告が非常に少ないことを以前に私の質問主意書への答弁でお答えいただいたことがありますが、臨床研究法を薬機法の外に作ったことによって、安全性情報の集積の面では諸外国に大きく後れを取ることが懸念をされます。 健康被害補償についても、保険を掛けさせるばかりで実際に補償されているのかどうか把握しようとさえしていないということでは、これでは研究対象者が安心してこの臨床研究に参加することはできません。是非、この重篤な有害事象が適切にこの審査委員会、予測できないものには当局にも報告されるよう指導すること、また、その報告内容を当局としてきちんとこれ分析をして公表すること、認定臨床研究審査委員会においても、報告を受けるだけではなく、きちんとこれ内容の分析を行い、対象者の安全確保に役立てること、補償対象となる健康被害については、補償されているかどうか、保険契約だけではなく、補償の実態についての情報が公的に把握できるようにしていただくこと、以上四点について御検討をいただきたいと考えますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(神田裕二君) まず、一点目の報告、有害事象についての報告についてでございますけれども、先ほども申し上げましたように、全ての健康被害については、認定臨床研究審査委員会に報告をしていただき、その場で原因究明ですとか再発防止の措置について意見をいただき、その意見を尊重するということを実施者に義務付けているところでございます。また、重篤かつ予測できない有害事象については、直接厚生労働大臣にも報告することを義務付けることとしております。 二点目でございますけれども、厚生労働大臣に報告された重篤かつ予期しない有害事象については、これを公表することを検討してまいりたいと考えております。 三点目でございますけれども、認定臨床研究審査委員会については、健康被害の発生に際して、先ほども申しましたけれども、その原因究明や再発防止策について意見を述べることが、この法案において法律上行うべき業務として明確に位置付けられているところでございます。 四点目についてでございますけれども、健康被害が発生した場合の補償と医療の提供についてでございます。これは必ずしも保険に入らなければならないという義務付けではございませんけれども、保険に入れないような場合には、適切に医療を提供するというケースもあるわけでありますけれども、臨床研究の実施計画に記載を義務付けております。実際の補償がどのように行われたかにつきましては、審査委員会の定期報告の中で健康被害の対応の状況として把握することについて今後検討してまいりたいと考えております。
○川田龍平君 是非よろしくお願いいたします。 次に、この治験以外の臨床研究において、重篤で予測できない有害事象の報告は厚生労働大臣にこれまで何件届いていて、その内容をどのように分析しているんでしょうか。また、何か対策を取ったことはあるんでしょうか。
○政府参考人(神田裕二君) 倫理指針に基づきまして厚生労働大臣に報告されました重篤かつ予期しない有害事象についてでございますが、平成二十六年度は十九件、平成二十七年度は十二件というふうになってございます。 いずれも倫理指針に基づきまして倫理審査委員会での評価が行われまして、必要に応じて研究計画の変更、研究の停止等の措置、共同研究の場合には他施設への連絡などの措置がとられているところでございます。
○川田龍平君 それでは、最後、時間がちょっとありますので、ディオバン事件に関する東京地裁判決に関連して伺います。 判決が示した法解釈に誤りがあるとして東京地検が控訴していますが、この臨床研究の結果の公表においては、研究データの捏造、改ざん及び盗用が疑われる場合に、これによる保健衛生上の危害の発生又は拡大を防止するため、ないしはこの保健衛生上の危害の発生又は拡大を防止するために必要と認められる場合には、管轄当局が速やかに調査を行い、必要な改善命令、罰則等の措置を講じることができるよう実施基準において定めるべきではないかと考えますが、見解を伺いたいと思います。
○政府参考人(神田裕二君) 御指摘の点についてでございますけれども、この法律におきましては、実施基準の違反等によって現に保健衛生上の危害が発生していてその拡大を防止するために必要があるという場合には、原則は改善命令を発しまして、それでもなおかつ守られていない場合には、一定の期間を設けて研究の停止を命ずることができるというのがこの法律の立て付けではございますけれども、今申し上げましたような保健衛生上の危害の発生、拡大を防止するために緊急の必要がある場合には、応急の措置を、改善命令を経ずに臨床研究の停止を命ずることができるというふうになってございます。 こうした措置を適切に活用することによって、被験者の保護をしっかりと図ってまいりたいというふうに考えております。
○川田龍平君 最後に、大臣、一つお聞きいたしたいんですけれども、ディオバン事件の東京地裁判決とこの検察の控訴について、是非感想をお聞かせください。そして、さらに、この臨床研究法案についての決意を最後、一言お願いいたします。
○国務大臣(塩崎恭久君) ディオバン事件につきましては、三月の十六日に、東京地裁は、データ改ざんの事実は認めると、しかし、学術論文というのが薬機法の第六十六条第一項、この規制対象である広告に該当しないという、こういう判断が示されて、ノバルティスファーマ社とその従業員に対して無罪判決が出されたと、こういうことであります。これに対して、先ほど申し上げましたとおり、三月二十九日にも東京地検が控訴をしているわけでございますが、この法解釈を不服ということでありますので、東京地検としてこの主張をしっかりと立証をしていくということを私どもとしても期待をしているところではございます。 厚労省としては、当然のことながら、地検の要請に応じて協力を最大限するということでございまして、我が国の臨床研究に対する国民の信頼を失墜させた事件でありますから、私どもとしてもしっかりと臨んでいきたいと思っております。その結果、このディオバン事件を受けて、一つの大きなきっかけとなって臨床研究法案が出されたわけでもございますので、私どもとしては、こういった製薬企業から資金提供を受けて臨床研究をする場合の言ってみれば正しい基準、ルールというものを明確にし、これを守ってもらうことで被験者の権利も守り、そして新たな臨床研究による治療などがきちっと開発されるようにしてまいりたいというふうに思います。
○川田龍平君 私は、まだまだこれ不十分だと思っておりますので、二年後、三年後、五年後も含めてやっぱり改定をしっかりしていただけるように、この法案については、何か出来の悪い子でも産む苦しみというのを味わうとやっぱりかわいく感じるものですので、よく育つようにこれからしっかり取り組んでまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 ありがとうございました。どうもありがとうございます。
○委員長(羽生田俊君) 午後一時十分に再開することとし、休憩いたします。 午後零時九分休憩 ─────・───── 午後一時十分開会
○委員長(羽生田俊君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。 委員の異動について御報告いたします。 本日、薬師寺みちよ君が委員を辞任され、その補欠として行田邦子君が選任されました。 ─────────────
○委員長(羽生田俊君) 休憩前に引き続き、臨床研究法案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○熊野正士君 公明党の熊野正士です。 医師として臨床研究に携わった経験も踏まえ質問させていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いをいたします。 まず、臨床研究の透明性の確保についてお伺いいたします。 今回の法案では、製薬会社から資金提供を受けるなどの研究を実施する場合には契約の締結が義務付けられております。製薬企業などと医療機関が研究テーマをきちっと決めて臨床研究について契約を結ぶということは、透明性を確保する上で重要であると考えます。私の知っている範囲では、もう既に臨床研究の現場においては契約を交わしているケースも多々あるというふうに承知をしております。製薬企業なども透明性の確保に努めておりまして、医療機関、研究機関との契約を締結を求めるということが一般化しているようです。 臨床研究における契約の締結について、現在の厚労省の現状認識について教えていただければと思います。
○政府参考人(神田裕二君) 研究に関します資金の提供についてでございますけれども、現在、日本製薬工業協会におきましては、一連の臨床研究不正事案を踏まえまして、自社製品の臨床研究への支援については、奨学寄附金ではなく契約により実施することとしているものというふうに承知いたしております。したがいまして、現在においても、日本製薬工業協会の会員企業においては契約締結により資金が提供されているものというふうに認識いたしております。 この法案におきましては、製薬企業等による自社製品の臨床研究への資金提供につきましては、その旨が明らかになるよう研究資金の額などを定めた契約を締結して行うことを義務付けることといたしております。この製薬工業協会の会員でないものとか医薬品、医療機器産業等もございますので、こうしたことを義務付けることによりまして、製薬企業ですとか医療機器の企業から研究者に対します関与の透明性が一層確保されることになるものというふうに考えております。
○熊野正士君 ということは、既に製薬協とかでは契約を結んでいることが多いということですので、ほとんどが契約されているケースが多いんじゃないかということだと思いますが、さらに、本法案では、先ほども御答弁の中にありましたが、製薬企業から医療機関に提供された資金についてその公表が義務付けられております。研究テーマごとに契約を、基づいて資金提供があるというふうに思うんですけれども、公表する情報とかあるいは形式については、これは法案の中では厚生労働省令で定めることというふうになっておりまして、どのような情報をどういった形式で行うのかということを具体的に教えていただければと思います。
○政府参考人(神田裕二君) 今回の法案におきましては、臨床研究に対する信頼の確保を図ることを目的としていることから、製薬企業等からの資金の提供については臨床研究に関連したものに限って公表の対象とすることとしております。 具体的な公表の範囲は、今御指摘のように厚生労働省令で定めることとなりますけれども、特定臨床研究を実施する医師等やその医師が所属している機関に対します臨床研究費、それから寄附金、原稿執筆料や講演料等を対象にすることを想定いたしております。 また、公表の方法につきましては、原則として各企業のウエブサイトにおいて公表することとしておりますけれども、規模が小さな製薬企業などウエブサイト上の公表が困難な場合に限って事業所への資金提供の一覧の備付けを認めることを想定いたしております。
○熊野正士君 ありがとうございます。 人を対象とした臨床研究に関しては倫理指針というものが厚労省の方で定められておりまして、研究者はこの倫理指針にのっとって研究を進めていくわけですけれども、今回の契約の締結や公表ということに関しては恐らく倫理指針の中でもはっきりとは言及がされていなかったんじゃないかなというふうに思います。そういった意味では、今回の法整備の意味は大きいというふうに思います。 法案の大臣の趣旨説明の中で、日本は欧米諸国と比較して規則が不十分だというふうなお話がございました。今後は不透明な奨学寄附金というものが基本的にはもうなくなっていくということだろうと思うんですけれども、契約の締結、公表によるメリットを海外と比較なども通して御説明いただければと思います。
○政府参考人(神田裕二君) 奨学寄附金につきましては、学術研究や教育の充実、発展に資するものでございますので、提供そのものを禁止するということは考えておりません。 一連の臨床研究不正事案につきましては、製薬企業から奨学寄附金等の名目で資金が提供されまして、実質的に研究に充当されて、当該製薬企業の医薬品の臨床研究においてデータの改ざん等の問題が発生したものでございます。このため、本法案におきましては、製薬企業等による自社製品への臨床研究への資金提供について、研究資金の額を定めた契約を締結して行うことを義務付けております。実質的に研究に充当される資金によるものは、たとえ奨学寄附金という名称であっても特定臨床研究に該当し、この法律の規制対象となりますし、本来的には契約を締結して資金提供していただくべきものというふうに考えております。 日本製薬工業協会におきましては、一連の臨床研究の不正事案を踏まえまして、奨学寄附金については本来の趣旨にのっとって適切に提供することとし、自社医薬品の臨床研究に対する資金提供の支援方法としては用いないこととしてその適正化に取り組んでいるものというふうに承知いたしております。 それから、資金提供の公表方法についてでございますけれども、アメリカにおいては、サンシャイン法というのがございまして、十ドル以上の資金の提供等について幅広く公表するということが義務付けられております。ヨーロッパにおきましては、業界の自主的な取組として日本の製薬工業協会と同様な取組がなされているものというふうに承知いたしております。
○熊野正士君 だから、公表に関しては、アメリカではもう法規制があって、ヨーロッパは自主規制で、今回、日本では法規制できちっとやるということの理解でよろしいかと思います。 今回の法案の中には、モニタリングであるとか、それから利益相反の管理というものを、実施基準の遵守や記録の保存ということについても義務付けられています。これは、臨床研究の倫理指針の中にもモニタリングの重要性であるとか利益相反の管理の必要性についてはきちんと明記をされておりまして、もう既に多くの研究機関においてモニタリングであるとか利益相反の管理というものは実施されているのではないかなというふうに思っていたんですけれども、実際にはまだ十分に行えていない施設もあるんだというふうに伺いました。 厚労省で把握しているこの実態について教えていただければと思います。
○政府参考人(神田裕二君) 現在も、臨床研究を実施するに当たりましては、先生御指摘のとおり、モニタリングの実施でございますとか製薬企業等からの資金提供等に関します利益相反管理、それから資料、情報の保管について倫理指針の規定を遵守することを現状も求めているところでございます。 一方で、臨床研究に関する不適正事案につきましては、倫理審査委員会の審査を経ずに研究を実施した事案でございますとか、本日、川田先生の方からも御指摘ございましたように、適切な利益相反管理が行われなかった事案が現実にディオバン事案以降も発覚しておりまして、臨床研究の更なる適正な実施を確保する必要があるというふうに考えております。
○熊野正士君 このモニタリングであるとか利益相反の管理というものを誰が行っていくのかということも大事な点かなというふうに思います。一つの施設で研究グループがやるとき、同じグループの中でやるとか、いろんなパターンがあると思うんですけれども、一般的には直接研究に関与していない人が行うのが望ましいのかなというふうに思うんですけれども、今回の法案の中ではその点が余りきちっと明示されていなかったように思います。 このモニタリングであるとか利益相反の管理について、厚労省の見解をお聞かせ願えればと思います。
○政府参考人(神田裕二君) 特定臨床研究を実施する者におけるモニタリングの実施でございますとか製薬企業からの資金提供等に関する利益相反管理については、今後、実施基準として省令で規定することを考えております。研究に関する記録の保存については、法律において既に直接この法案の中で義務付けることとしております。 これらの事項につきましては、その内容や管理の方法を臨床研究の実施計画に記載をしていただきまして、厚生労働大臣が認定いたします中立公正な審査体制を有する臨床研究審査委員会の審査を受けて、その意見を付して厚生労働省に届け出ることを義務付けているところでございます。 この実施基準違反や実施計画どおりに研究が実施されていないことが疑われる場合には、臨床研究審査委員会が改善すべき事項等について必要な意見を述べるというふうにされております。また、その意見を述べたときには厚生労働大臣に報告しなければならないというふうになってございます。 したがいまして、厚生労働省におきましても、必要に応じて臨床研究審査委員会からの報告がございますので、それを踏まえまして報告の徴収ですとか書類の提出等を求め、あるいは立入検査等を実施することといたしておりまして、このような措置によりまして臨床研究の適切な実施を確保してまいりたいというふうに考えております。
○熊野正士君 お話の後半は何か違反があったときの対応が主だったと思うんですけれども、実際にモニタリングとかそれから利益相反の管理ということについて、だから、その辺の縛りというか、その辺は余り明確じゃないんでしょうか。
○政府参考人(神田裕二君) 具体的には、先ほど申しましたように、実施基準の中で、利益相反管理に関する事項を定めていただくということを実施基準にまず定めることといたしております。 それから、この法律の規制対象となります臨床研究を行う場合には、実施計画書の中にどうやってその利益相反管理をしていくのかということを記載していただくことにしております。例えば、企業から資金をもらっているような方については直接的にはモニタリングにタッチしないとか、監査については当然のことながら第三者性が必要でございますので、そういう方についてはモニタリングとか監査には関与しないといったようなことを具体的に定めまして、それを臨床研究の審査委員会で審査をしていただくということになってございます。 審査委員会の方では、その実施基準への適合性について、この適否を判断して必要な意見を述べていただくということになっておりますので、そのような形によりまして実施基準への適合性を担保してまいりたいというふうに考えております。
○熊野正士君 分かりました。だから、実施計画の中できちっとこういうふうにやりますよというふうに書いてもらって、それが本当に正しいというか、いいかどうかということをいわゆる倫理委員会で審査をするということですかね。 これまでの臨床研究において、データの改ざんであったりとか個人情報の漏えいであったりとか不適正な事案が明るみになったわけですけれども、そのときに、行政指導に強制力がなかったことが課題の一つだというふうにして言われておりまして、過去の不適正発覚事案を鑑みて、行政指導に強制力がなかったことによって一体どういったことが課題となったのかを御説明いただければと思います。
○政府参考人(神田裕二君) 現在、我が国の臨床研究につきましては、人を対象とする医学系研究に関する倫理指針により研究の実施の適正化を図っているところでございますけれども、この指針は法律に基づかないガイドラインという位置付けになってございます。 ディオバン事案におきましても、この事案を検証いたしました検討委員会でのヒアリングにおきましても、この事案に関与した製薬企業側の言い分と大学側の言い分が異なっておりまして、結局その中では事実確認というのが非常に困難な状況でございました。 また、この制度について、臨床研究に係る制度の在り方に関する検討会を設けまして、報告書が出されておりますけれども、その中でも、不適正事案が判明した場合には、調査、再発防止策の策定、関係者の処分等の迅速な対応が必要であるが、現状の制度では限界があるなど、我が国の臨床研究に関する信頼回復のためには、現状の倫理指針の遵守だけでは十分とは言えないというふうに指摘されたところでございます。 これを受けまして、このような不適正事案に対しまして、我が国の臨床研究に対する信頼を確保するため、臨床研究の実施基準を規定し、これに違反した場合には、厚生労働大臣の立入検査、改善命令等の是正措置を定めた法律に基づく制度が必要というふうに考えているところでございます。
○熊野正士君 今回の法整備で、先ほども答弁の中にありましたけれども、厚労大臣の調査権限が明確となっておりまして、帳簿や書類の提出を求めたり、厚生労働省の職員の方が立入検査を行うことが明記されているわけですけれども、これまでの不適正事案の教訓も踏まえてどのような調査が行われるのか、もう一度ちょっと分かりやすく御説明いただければと思います。
○政府参考人(神田裕二君) この法案におきましては、企業からの資金提供を受けて実施されます特定臨床研究を実施する者が実施基準に違反している場合などにつきまして、厚生労働大臣は、特定臨床研究を実施する者あるいは認定臨床研究審査委員会設置者等に対して立入検査を行い、また必要な書類の提出や研究の実施状況の報告を求めることができるというふうにされているところでございます。 具体的には、必要がある場合には、実施基準に適合させるように是正を図るために必要な措置を講ずることを命令をするという権限を厚生労働大臣は持ってございます。それから、その命令にも従わない場合には、臨床研究の全部、一部を停止することができるというふうになってございます。また、改善命令等を出して、その後に停止をしたのでは保健衛生上の危害の発生、拡大を防止することができないというような場合には応急措置を命ずるということで、改善命令を経ずに臨床研究の停止を命ずることができるというふうにされてございます。 したがいまして、この立入調査等におきまして、どのような違反事実があったのか、どうした措置を講ずればそれが是正されるのか、それから健康被害の実態がどうであるのか、その拡大の可能性はどうであるのかといったことを確認、報告をするために、報告徴収ですとか立入調査の権限を活用してまいりたいというふうに考えております。
○熊野正士君 ありがとうございます。 研究者の大半は真面目に研究をしているわけでして、ごく一部の心ない研究者のせいで臨床研究全体の国民からの信頼性が損なわれるということは本当に遺憾なことだというふうに思います。先ほど答弁にあった、調査に基づいて指導や措置が講じられるということですけれども、不適切なことを行った研究者や研究機関に対しては厳しい措置が講じられるべきではないのかなというふうにも思います。厚生労働大臣の御所見をお聞かせ願えればと存じます。
○国務大臣(塩崎恭久君) この今回御審議をいただいている法案におきまして、厚生労働大臣は、立入検査の結果などを踏まえて、実施基準違反や研究対象者からの同意の取得義務違反などが認められる場合には臨床研究を実施する者に対して改善命令を行うことができるということは、先ほど局長からまた重ねて答弁をさせていただきました。また、命令に従わない場合には臨床研究の一時停止、これも命ずることができるということになっているわけでございます。さらに、例えば大規模な特定臨床研究においてこの臨床研究に起因する入院を要する程度の重篤な疾病等が相当数発生している、こういう場合には、改善命令を経ずに臨床研究の停止、その他保健衛生上の危害の発生又は拡大を防止するための応急の措置をとることを命ずることができるというふうになっているところでございます。
○熊野正士君 ありがとうございます。 続いて、各医療機関には倫理委員会というのがあって、そこで臨床研究について審査が行われています。既存の倫理委員会というのが全国に約千六百ぐらいあるということです。これまでの厚労省の見解からすると、既存の倫理委員会ではこの不正防止の歯止めになっていないのではないかというふうに理解をしております。 そこで、本法案では、新しく認定臨床研究審査委員会というのを設置をして、これまでの届出制から大臣の許可制にして、不正防止のためにしっかり機能させるということだと思いますが、果たしてこの認定臨床研究審査委員会というのが不正防止の歯止めになるのかどうか、これまでの倫理審査委員会との違いも含めて古屋副大臣に御説明いただければと思います。
○副大臣(古屋範子君) 熊野委員御指摘のとおり、ディオバン事案の事実関係の確認や再発防止策の検討を行った検討委員会の報告書におきまして、この事案の発生に当たり各大学の倫理審査委員会が何ら歯止めとなった形跡が見当たらないということが指摘をされております。このような指摘がなされた要因としましては、倫理審査委員会において研究の目的や企業との利益相反関係も含めた計画の妥当性を倫理的、科学的観点から検証する機能が不足をしていたこと、また、臨床研究の実施に関する手順書の整備や必要な知識、経験を有する人員が不足をしていたということ、不適正な研究に対してその改善を指導する法令上の根拠を持たなかったことなどが考えられます。 本法案に基づく臨床研究審査委員会につきましては、専門的な知識、経験を有する委員で構成をされております。かつ、公正な審査意見業務を実施できる体制を有することを要件として厚生労働大臣が直接認定を行うこととしておりまして、実施基準に照らして実施計画の審査を行い、意見を述べること、また、特定臨床研究を実施する者から有害事象の報告や定期報告を受けて、改善すべき事項について意見を述べた場合には、厚生労働大臣に報告することが義務付けられております。さらに、これらの報告義務や要件等に違反した場合には、厚生労働大臣による改善命令や認定取消しの対象となる、このような措置によりまして臨床研究の適正な実施に資するものと考えております。
○熊野正士君 ありがとうございます。 先ほども申しましたけれども、大半の研究者は真面目に適正に研究をしているわけでして、そういった真面目な研究者に対して負担を強いるようなことがあってはならないのかなというふうにも思います。 通常、大体倫理委員会というのは一月に一回ぐらい例えば大学とかで行われているんですけれども、でも結構、一月に一回でも待たされることも多いかなというふうに思うこともありました。 今回の、認定臨床研究審査委員会というのが導入されるということで、午前中の質疑の中でも、全国で五十か所というふうに聞きました。となると、各都道府県に一つぐらいなので、例えば大阪であれば、今までだと自分の大学で倫理審査できていたものが、どこか出向いていかなければいけないみたいなことで、結構その負担というか、また、その責任が、審査会の、増すわけですから、時間を、必要以上に掛かるとか、いろんなそういう制約がこの認定臨床研究審査委員会というのを設置によって、研究所の負担が増えたり、あるいは研究そのものの遅滞とか萎縮というものがあってはならないなというふうに思うんですけれども、こういった懸念に対する見解を伺えればなというふうに思います。
○副大臣(古屋範子君) 臨床研究法案に基づく臨床研究審査委員会につきましては、先ほどもおっしゃったように、現時点では全国で五十程度を認定して、それぞれが月に一、二件の実施計画を審査するということを想定しておりまして、製薬企業から資金提供を受けた研究や未承認、適応外の医薬品等を用いた研究である特定臨床研究の新規申請が年八百件程度と見込まれることを考えれば、実施計画の審査が滞ることはないと考えております。 また、法律の施行後、できるだけ早く臨床研究審査委員会の認定を受けていただけるよう、認定要件の実施基準を早期にお示しすることによりまして、本制度の円滑な施行に努めてまいりたいと思います。
○熊野正士君 ありがとうございます。 私は放射線科が専門なんですけれども、学会でよく言われるのが、今日も午前中に足立先生の方から、論文の数が減っているとかお話がございまして、そういったのは指摘されています。 臨床研究では医師が主導でやるわけですけれども、医者が忙し過ぎて、論文の数が減っているんじゃないかというふうな見方もありまして、現在の日本の臨床研究の現状というものについて厚生労働省はどのように見ておられるのかをお知らせ願いたいと思います。
○政府参考人(神田裕二君) 二〇一三年から二〇一四年までにおけます著名専門誌への掲載論文数の国際比較によりますと、我が国は、基礎研究が第六位であるのに対しまして臨床研究が第十九位というふうになっておりまして、我が国の臨床研究は、基礎研究と比較すると国際的な評価が低いという指摘もあるところであります。 臨床研究は、革新的な医薬品や治療法の開発等に不可欠であり、我が国における国際水準の臨床研究の実施を推進することは、新たな医薬品等の開発を待ち望む患者にとって、また我が国のイノベーションを推進する観点からも極めて重要であるというふうに考えております。
○熊野正士君 ありがとうございます。 ちょっと二番目に質問しようと思っていたことも答えていただいたので、いわゆる臨床研究というか、本当、どっちかというと、この基礎研究と臨床研究とあって、基礎の方は、例えばノーベル賞受賞であったりとか、何となく分かりやすいというか国民的にもあれなんですけれども、では臨床研究にどういったメリットがあるのかということを今ちょっと答弁していただいたのかなというふうに、実際の臨床の場で生かされるであるとか、いろんなメリットがあると思います。だから、これやっぱりしっかり国を挙げて臨床研究というものを取り組まなければいけないというふうに思います。 実際に、アメリカとかでは研究体制というのがしっかりしていて、例えば一つの学会とかに行っても、アメリカに留学した先生方のお話を聞いても、アメリカだと本当にその研究チームというのがしっかりしていて、研究デザインをする専門家がいれば、また、もう統計だけをしっかりやっている専門家もいたり、あるいはプレゼンテーションだけをやっている専門家もいたりして、そういうチームでやっていると。日本の場合はもう一人で全部、研究デザインも自分でやるし、それから統計も自分で勉強してやるし、それからプレゼンも自分でやるということで、結構その負担が大きくてなかなか研究としては進んでいないというのも実態としてあるというふうな声も聞いております。 こうした現状を踏まえて、先ほども、十九位ですかね、日本の臨床研究の順位が、そういうことで、日本として臨床研究推進に向けた取組というか、ビジョンというか、そういったものを是非お示しいただければなというふうに思います。塩崎大臣、よろしくお願いいたします。
○国務大臣(塩崎恭久君) 臨床研究について、今自らの経験を踏まえてお考えを頂戴をいたしましたが、新たな治療法の開発とか創薬シーズの創出の礎となるのがこの臨床研究だろうと思います。そのために、基礎から臨床まで一貫して支援をするということを規定をしている健康・医療戦略などに基づきまして、厚生労働省として、実用化に向けた治験やあるいは臨床研究を積極的に推進していくことが重要だというふうに思っております。 こういうことから、厚生労働省において、我が国発の革新的な質の高い臨床研究などを推進するための中心的役割を担う病院を臨床研究中核病院、現在十一病院全国にございますが、として医療法上に位置付けて、他の病院が行う臨床研究の支援を行うことなど一定の基準を満たした病院を厚生労働大臣が承認をさせていただいております。こうした臨床研究中核病院の機能を活用して、医薬品、医療機器等の研究開発を支援をするとともに、産学官がしっかりと連携をして創薬に挑む研究を推進をしていくことで、国民に対してより質の高い医療を提供をするということを実現をしてまいりたいというふうに思います。
○熊野正士君 ありがとうございます。 しっかりとやっぱり推進すべきは推進していかなければいけないかなというふうに思いまして、やっぱり国民の信頼を得るということが大事だというふうに一番最初にありまして、実際に研究に協力していただくのは患者さんであって、同意もきちっと取っていかなければ研究としては進まないわけで、そういった患者さんというか国民にしっかりと理解をしてもらうというか、信頼を勝ち取れるように、この法案をしっかりと推進できるようにしていきたいと思いますので、ありがとうございました。
○倉林明子君 日本共産党の倉林明子です。 本法案は、臨床研究においてこれまでなかった法規制を新たに作るということで、賛成したいと思います。 そこで、このディオバン事件に端を発した、続発した不正事案、これ確実に防止していくということが求められていると思うわけです。そこで、最初に幾つか確認をしたいと思います。 まず一つ目、今回の法案で対象としていない臨床研究は何になるのか。二つ目、対象としているものの努力義務ということになっているのはどういうものか。三つ目、対象となる特定臨床研究、これが件数は先ほど紹介もありました。そして被験者数、これつかめないということでしたが、もう一回確認、これが全体の臨床研究の中でどの程度になるのか、それぞれ御説明ください。
○政府参考人(神田裕二君) この法案は、医薬品等を人に対して投与し、その医薬品等の有効性、安全性を明らかにすることを目的とする臨床研究を規制することを内容とするものでございます。 このため、個々の患者の病状に合わせた治療内容を変更することなく、その結果を用いる観察研究でございますとか、医薬品、医療機器等を用いない手術手技の臨床研究、それから既に医薬品医療機器法で規制されております治験については本法案の規制の対象には含まれていないところでございます。 二点目でございますけれども、この法律案の規制対象の臨床研究のうち、厚生労働大臣が定める実施基準の遵守を義務付ける特定臨床研究以外の臨床研究としてどのようなものがあるのかということでございますけれども、医薬品医療機器法に基づく薬事承認されたその適応に従って薬を用い、また製薬企業等から資金提供を受けない医薬品等の臨床研究につきましては努力義務を課すということにいたしているところでございます。 それから、三点目でございますけれども、特定臨床研究の実施件数についてでございますが、公式の統計はございませんけれども、臨床研究に関する指針に基づきまして公開データベースに登録されている臨床研究は年間三千件程度というふうな実態でございます。このデータベースに登録されている臨床研究を対象にいたしましてサンプル調査をいたしまして、その割合を基に推計をいたしますと、特定臨床研究は年間八百件程度と見込んでいるところでございます。 最後の被験者の数につきましては、研究によって参加する被験者の人数が異なるということから、現状ではデータがございません。
○倉林明子君 先ほども議論がありました、過度の規制は研究の萎縮を招くというものもあったわけですが、私、一方、被験者保護という観点から考えた場合、今回の法規制というものには、対象とならないものもあるし、努力義務にとどまるもの、これも多くあるということは確認できると思うんですね。被験者の保護という観点からは、いまだ格差が残るということにならないでしょうか、大臣。
○国務大臣(塩崎恭久君) 臨床研究におけるこの被験者保護の問題についてでございますが、これまで人を対象とする医学系研究に関する倫理指針、これに基づいて指導をしてまいりました。製薬企業等の資金提供を背景とした一連の不適正事案が発生したことを受けて、臨床研究に係る制度の在り方に関する検討会におきまして有識者による検討がなされまして、その結果、倫理指針だけでは不十分だということで判断をされました。 ということから、我が国の臨床研究に対する国民の信頼を回復するために今回の法案提出となったわけでありますが、本法案では、被験者のリスクが特に高いと考えられる未承認、適応外の医薬品等の臨床研究等は実施基準の遵守を義務付け、これに次いでリスクの高い臨床研究については本法案で努力義務を課すということと整理をさせていただきました。 さらに、リスクの低い研究に関しましては、従来どおり倫理指針を遵守していただくというように、リスクに応じた被験者保護を行うという形を取らせていただいているところでございます。
○倉林明子君 まあリスクに応じて差を設けている、つまり差はあるということに結果としてやっぱりなるんじゃないかなと答弁聞いていて思ったわけですが。 そこで、改めて確認をさせていただきたいと思うんです。国際人権B規約第七条の規定はどうなっているか、及びこれまで遵守を求めてきた倫理指針、すなわち医学系研究倫理指針、この目的規定がどうなっているのか、読み上げて御説明ください。
○政府参考人(神田裕二君) 国際人権自由権規約、B規約の第七条についてでございますが、「何人も、拷問又は残虐な、非人道的な若しくは品位を傷つける取扱い若しくは刑罰を受けない。特に、何人も、その自由な同意なしに医学的又は科学的実験を受けない。」というふうに規定されております。 また、人を対象とする医学系研究に関する倫理指針の第一章総則の目的におきましては、「この指針は、人を対象とする医学系研究に携わる全ての関係者が遵守すべき事項を定めることにより、人間の尊厳及び人権が守られ、研究の適正な推進が図られるようにすることを目的とする。」というふうに規定されているところでございます。
○倉林明子君 適正な研究の前提ということになるんだと思うんですね。人間の尊厳及び人権が守られる、これ必要なんだということです。 世界医師会のヘルシンキ宣言、ここでも倫理原則の一般原則で、医学研究の主目的は新しい知識を獲得することであるが、この目的の達成が個々の研究対象者の権利と利益よりも優先されることは決してあってはならないとされているわけです。 臨床研究を規制するこの新たな法案に、原則だということだと思うわけですね。大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 生命や自由の権利について規定をしております先ほど来出ております国際人権自由権規約、いわゆるB規約の第七条と、研究者が適正かつ円滑に研究を行うため遵守すべき事項について定めております人を対象とする医学系研究に関する倫理指針、ここにおいて研究対象者の人権を保護することの重要性が指摘をされているわけでございます。 今回の法案は、その検討過程において患者代表等の有識者から成る委員にも御参加をいただきました。被験者である研究対象者の保護や研究の質の確保等の観点から御意見をいただいてまとめられたものであります。具体的には、被験者保護の観点から、インフォームド・コンセントや個人情報の保護等について国際的な基準を踏まえて定めるべきとされておりまして、法案化を行って国会に提出をさせていただいたということでございます。 したがって、御指摘の国際人権自由権規約、B規約第七条と、人を対象とする医学系研究に関する倫理指針に記載があるような臨床研究の対象者の人権の尊重にも十分配慮した内容となっていると考えておるところでございます。
○倉林明子君 まあそうおっしゃるんだけれど、先ほども指摘あったとおり、この倫理原則が法案には触れられていない、だからこそ取り上げているんですよね。この指摘は衆議院でもあって、前提としているんだという御説明もありました。 それだったら、本当にどうやってこれ担保していくのかということが問われると思うんです。短めにお願いします。
○政府参考人(神田裕二君) 御指摘の人権の保護の点につきましては、多くの委員の方々からも御指摘をいただいているところでございます。 元々、この法律の中では、研究の対象者を含めます国民の臨床研究に対する信頼を確保してその推進を図るということで、被験者の保護の点についても十分配慮した内容となっておりますけれども、御指摘のように、人権の保護ということをしっかり位置付けるべきではないかという御指摘を踏まえまして、この法律に基づきます実施基準の中で御指摘のような点を規定することを検討してまいりたいと考えております。
○倉林明子君 言うまでもなく、医学研究は医学の進歩にやっぱり欠かせないものだと私も思います。しかし、通常の治療と違いまして、生命、健康、安全を損なうおそれがある、これも臨床研究の特徴だと思うんですね。だからこそ、臨床研究が個々の被験者の権利と利益よりも優先されることは決してあってはならないと、被験者の保護が最優先なんだということをしっかり原則として貫いていくと、強く求めておきたいと思います。 そこで、新たに設置する認定臨床研究審査委員会についても議論がありました。先ほど熊野委員からも御指摘があったように、ディオバン事案検討委員会でも、各大学の倫理審査委員会が歯止めになった形跡見当たらないということで、歯止めになる担保についての御説明がありました。そこで、法的規制を掛けていくということで歯止めにするんだということだったと思うんですね。 その上で聞きたいのは、この認定臨床研究審査委員会なるものは、厚生労働大臣が認定するという委員会になるわけですね。衆議院の議論でも、厚労省が関わった不適正な事案があったという指摘もありました。私、被験者保護という観点からいうのであれば、独立性の高い第三者組織、こういうものの設置が必要ではないかというふうに思います。大臣、お考えいかがですか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 臨床研究の実施計画を審査をいたします臨床研究審査委員会、ここにおきまして、委員の利益相反関係を適切に管理をして適正に審査がなされることというのが被験者保護の観点からも重要だというふうに考えておりまして、このため、今回の法案では、この審査委員会の委員構成につきまして、臨床研究を実施する者と同じ医療機関に属する委員を半数未満、外部委員がすなわちこれは半数以上ということですが、とするほか、審査に当たっては、臨床研究を実施をする者と過去に共同研究等を行ったことのある委員を審査から除外をするなどの審査委員会の独立性を高めるための要件というものを定めることを想定しております。 さらに、審査委員会が、これらの要件を満たさない場合には、厚生労働大臣は改善命令や認定取消しを行うことができるということでございまして、こうした措置によって、審査委員会の審査業務の適正性あるいは公正性、これらを確保してまいりたいと考えております。
○倉林明子君 第三者性を高めているんだという御説明ですが、二〇一三年の薬事法改正、この議論で、当時の田村大臣が、独立性、専門性、機動性を持った組織の必要性、これ認めておられます。私、当時の肝炎原告団と国との約束でもあったのではないかと思うんですね。第三者組織というのをこの法律を作るという機にしっかり設置を考えていくべきだと思うんです。 重ねて求めたいと思いますが、いかがですか。
○政府参考人(神田裕二君) 午前中の質疑でも御指摘ございましたように、その検討会の中で、薬事規制と同様に臨床研究も規制すべきであるという意見があったということは私どもも承知いたしております。また、その後発生いたしました不正事案等を踏まえまして、まさにこの制度化について御議論いただいたわけでございますけれども、その中では、現在の倫理指針だけでは法的な根拠がなく不十分であるということと併せまして、過度な規制をすることによって臨床研究そのものが萎縮することがあってはならないと、両面の配慮が必要だというふうにされたところでございます。 そういう観点から、今回の法律におきましては、薬事法におけますような、事前に届出をしまして三十日間は治験等に着手してはいけないという行政が直接審査をするような仕組みではなくて、臨床研究の審査委員会でまず審査をしていただき、その意見に従って是正等をした上で厚生労働大臣に届出をしていただくという仕組みにしたわけでございます。 そういう仕組みを取っておりますので、まさに臨床研究審査委員会の独立性、公正性というのは非常に重要でございますので、先ほど大臣からも申し上げました公正でございますとか実際の審査に当たっての利益相反管理等については十分配慮をした上で運用していきたいというふうに考えております。
○倉林明子君 やっぱりそこの独立性、中立性、公平性というのは肝になる部分だと思います。そこが担保されてこそ、国民の信頼というのは勝ち得ることができるということは強く申し上げたい。 そこで、続発した臨床研究の不正事案、ここで浮かび上がったのは何だったかというと、大学の権威付けが欲しいという企業と、企業から寄附金もそして無償の手伝いも受けたいという大学側、こういうもたれ合いの構図があったのではないかという指摘がされておりました。 今回の規制で、資金提供を公開していくということにしたのは当然のことだと思うんですけれども、これ、公開の範囲については御説明ありました。公開の範囲の対象とならないものは何か、御説明ください。
○政府参考人(神田裕二君) 今回の法案は臨床研究に対する信頼の確保を図ることを目的としていることから、製薬企業等からの資金提供について、例えば臨床研究費など臨床研究に関連したものに限って公表の対象とすることといたしております。このため、講演会を開催する場合の実費的な経費でございます会場費、交通費、宿泊費などの実費弁償的な情報提供関連費でございますとか、飲食費などの接遇費については公表の対象外としております。
○倉林明子君 労務提供はどうですか。
○政府参考人(神田裕二君) 製薬企業によります労務提供というのは非常に多岐にわたります。それを全て申告をするということになりますと、事務負担も非常に大きくなるわけでございます。まずは資金提供について公表することにいたしまして、実施の状況を見ながら、その対象範囲をどのようにするのかということについては、これは厚生労働省令で定めるということになっておりますので、施行状況を見ながら、その範囲を更に労務提供等に拡大するかどうかということについて、施行状況等を勘案しながら検討していきたいというふうに考えております。
○倉林明子君 まさにディオバンのときは労務提供が大きな問題の一つに上がっていたことではないかと思うんですね。実施状況を見てということでしたけれども、これが非公開になるということについては、しっかり私は監視していく必要あるなと思います。 さらに、資金の方ですけれども、情報提供関連費及び接遇費などについては、実費弁償的なものについては非公開にするということでした。これ、講師謝金、講師への謝金付け替えるということも可能になるんじゃないかということが懸念されるということを指摘したい。 さらに、先ほども御紹介あった日本製薬工業協会、製薬協の、今、透明性ガイドラインということで、公開が一部企業ということになりますけれども、されています。その中の公開対象を見てみますと、情報提供関連費及び接遇費、これ、公開対象となっております。わざわざ新たな規制を作るのに、業界団体のガイドラインよりも後退するようなことになるんじゃないかと。なぜこれらの資金提供が非公開でもよいということにしたんでしょうか。
○政府参考人(神田裕二君) 講演料につきましては、先ほど申し上げましたように、原稿執筆料と同様に公表の対象にすることを考えておりますので、そこはそのように現時点では考えております。 それから、なぜこのような御指摘のようなものを対象外にしたのかということでございますけれども、あくまでも今回のこの法律の趣旨は臨床研究に対する信頼を確保するということで、製薬企業等から研究者に対します資金提供の透明性を確保するということが主目的でございますので、それに必要な範囲で義務付けをするということを考えているということでございます。 先ほども申し上げたような、情報提供関連費のような実費そのもの、これによって臨床研究がゆがめられるようなおそれは少ないのではないか。それから、飲食費等の接遇費につきましては、既に医療用医薬品製造販売業公正取引協議会におきまして公正競争規約というものを定めまして、一定のものを除いて物品の提供等は禁止をされております。また、接遇に関しますものとしては、懇親行事等の飲食費でございますとか医療情報提供に伴う飲食については上限額が決められておりまして、これに違反した場合には、警告それから百万円以下の違約金、除名処分等の担保措置が講じられていることから、ここの部分につきましては、これによって研究がゆがめられる可能性は低いということから公表の対象としていないところでございます。
○倉林明子君 今から省令で定めていく事項も非常に多いという法案になっております。やっぱり二度とああいう事案が起きないんだと、不適正事案は起きないんだということの歯止めには、指摘事項も踏まえて対応していただきたい、求めまして、終わります。
○片山大介君 日本維新の会の片山大介でございます。 もう先ほどからいろいろ先生方がお話しされているので、どうしても質問重なるところがありますので、極力避けるようにはしたいと思いますが、重なることも御容赦いただきたいと思います。 それで、去年の五月に提出された法案が十か月たってこのように審議入りになったことというのは私良かったと思っています。それで、その間に、きっかけとなったディオバン事件のもう一審判決が、先ほどお話あったように出ました。そして、被告の元社員それから会社双方に無罪判決が言い渡された。今後、控訴審でどうなるか分からないけれども、少なくとも、それでも一審判決でもデータの改ざんというのは認定をされた。だから、臨床研究の現場で不正が行われた、そして不正に対処していかなければいけない、その必要性にも変わりがないと思います。 それで、研究には確かに民間の資金がこれからは必要になってくる、これも分かると思います。ただ、その一方で、日本の臨床研究はルールが曖昧だったと言われているのも事実なので、今回、このような法案を作ってそうした点に対応していこうというのは私は評価できるというふうに思っています。 それで、まず、今回の法案、ほかの先生からもあったんですが、特定臨床研究についてお伺いしたいんですが、これは配付資料の一枚目になりますが、特定臨床研究にこの二つを位置付けたと。それで、その一つ目が未承認、適応外の医薬品などの臨床研究、もう一つが製薬企業などから資金提供を受けた医薬品の臨床研究、この二つになっているんです。 そもそも、欧米では、治験だけではなくて、それで臨床研究に対しても法的規制が行われてきたけれども、日本の場合は、自由に研究してもらおうという趣旨からこれまで法的規制が掛けられてこなかった。そして、この法案の作成前に開かれた臨床研究に係る制度の在り方検討会、ここでも、自由な研究の余地の確保、それから規制による適正な臨床研究の進め方のバランスが議論されたというふうに覚えております。 そうした中で、この先ほどの二つを特定臨床研究に位置付けたわけなんですが、この妥当性と、それから、先ほど倉林先生からもお話あったんだけれども、努力義務、これも作った、この理由についても併せてお伺いしたいと思います。
○政府参考人(神田裕二君) 今回のこの法案の規制の対象につきましては、一連の不正研究事案等を踏まえまして、今の倫理指針では不十分であるということから、法的根拠を持った規制を行うことを目的としているものでございます。 また一方で、臨床研究を萎縮させることがあってはいけないということから、被験者の方に対するリスクの高い未承認、適応外の医薬品等に関する臨床研究と、それから、社会的リスクということで臨床現場に与える影響の大きい製薬企業等から資金提供を受けた医薬品等の臨床研究を特定臨床研究といたしまして、この法律に基づく実施基準等を義務付けることとしたところでございます。 これ以外の、例えばで申しますと、薬事承認を受けたその適応に従ってその薬を用い、なおかつ製薬企業からもお金をもらっていないような研究につきましては、これは努力義務といたしているところでございます。 それから、それ以外の手術手技の臨床研究でございますとか疫学的な臨床研究などにつきましては、今回の規制の対象としていないところでございます。リスクに応じまして規制をしていくという考え方を取っているところでございます。
○片山大介君 それで、その在り方検討会がこれ十二月にまとめた報告書には、今後更なる不正事案が生じた場合は対象範囲の妥当性について更なる検討を要する場合があるとしているんですね。これはどのような場合を想定しているのか、先ほどのその努力義務が機能しないようなケースも想定してのことなのか、ここら辺についての御説明をいただきたいんですが。
○政府参考人(神田裕二君) まずは、この検討会の中では、先ほど申し上げました特にリスクの高いところに限って規制をするということでございますけれども、今回のこの法律におきましても、五年後の見直し規定というものを置いておりますので、施行の状況等を見ながら、研究の不正の状況でございますとか、それ以外のものについても努力義務を課しております。そういった基準の遵守状況、問題の発生状況等を踏まえながら、この規制の対象の範囲の見直し等についても検討してまいりたいというふうに考えております。
○片山大介君 そして、次に、認定臨床研究審査委員会、ちょっとこちらの方についても聞きたいんですが、こちらは配付資料でいうと二枚目になるんですが、委員会の構成などは今後省令で定めるというんですけれども、この審査委員会がしっかり機能するかどうかが法律の実効性の担保という上では一番大切になってくるというのは分かります。 それで、先ほどからお話にあった特定臨床研究の対象となる新規の申請件数、これ大体年間八百件程度を見込んでいて、厚労省は全国で当面は五十程度の審査委員会を認定すると。それぞれが大体月に一件から二件ぐらいを審査することになれば、大体審査は滞りなく行われるというような見方をしていると。そうした場合の根拠としての一件当たりの審査期間というのがどれくらいになる予定なのか。これ少し何か見立てが少ないのかなと、何かこれどんどん積み重なっていくんじゃないかと思うんですが、そこら辺の懸念はないのかどうか、それを教えていただきたいんですが。
○政府参考人(神田裕二君) 五十程度の認定臨床研究審査委員会を施行までに認定をする必要があるというふうにお答えさせていただいている根拠といたしましては、データベースに登録されている臨床研究全体が三千件ほどございます。その中のサンプル調査をいたしました結果、年間八百件程度がこの規制対象となる特定臨床研究に該当するというふうに考えられるということでございます。 五十の審査委員会ができますと、年間、単純に計算いたしますと十五、六件程度ということになりますので、一月に一件程度の審査をしていけばよいということですので、現状の審査の実態等に照らしても十分審査等が滞ることなく実施できるのではないかということで、施行までの間に五十の審査委員会は必要になるものというふうに考えております。
○片山大介君 だから、まあ当面と言っているので、今後更に増やしていくのかなというふうにも思うんですけれども。 ただ、いずれにしろ、これまでの倫理委員会ですか、そちらよりは大変になることは間違いないと思うので、そこはちょっとしっかりやっていただきたいと思うのと、あと、この委員会なんですが、厚労省は、各地の大学病院などに担ってもらうというふうに言っていて、それで、その大学病院がもし手を挙げなかったら、よそのところの委員会に出っ張ってもらってやってもらうというふうにちょっと聞いているんですけれども、そうなると、やはりもうすっかり大変になってくるんじゃないかなと。あとは、そういう審査の質の確保とか、その煩雑化等に伴ってそういうものを担保できるのかとか、ちょっとそこら辺は気になるんですけど、そこら辺はきちんと読んでいるのかどうか、教えていただけますか。
○政府参考人(神田裕二君) この審査委員会では、医学、医療の専門家のほか、法律に関する専門家、生命倫理に関する専門家、それから一般の立場の方などを構成員とすることを考えております。こうした人員の確保についても、厚生労働省としても必要な支援をしていきたいというふうに考えております。 それから、質の確保ということにつきましては、この審査業務を実施するに当たりまして、業務実施に関するガイドラインを作ることを考えております。実際に審査をしていただく方々に目安としていただくという意味でガイドラインを作成するということでございますとか、具体的に委員の方々に対する研修の実施を行うことなどによって業務の支援をしていきたいというふうに考えております。
○片山大介君 これ、今回、その法が可決、成立すると、来年度からの施行になるのかどうか分からないですけど、そのガイドライン作るといってももう一年しか猶予ないですし、それから個々の研究者に対する認知だとか準備だとかという期間ももうそんなにないですから、それは一日も早く作らなきゃいけないというふうに思います。 それで、この委員会でその審査を受けるときの一回当たりの手数料なんですが、これが四、五十万というふうに聞いているんですけれども、これはかなりちょっと高いなというふうに思いまして、そうすると、これ中小の研究所だと余りお金払えないのかなと。そうなると、結局、臨床研究の数も減ってくるんじゃないかとか、いろんなある意味では悪影響というか、出てくるんじゃないかと思うんですが、これについてはどうなのか。それで、それについて何か少し対策とか対応とかって考えることはしているのかどうか、併せてお伺いしたいと思うんですが。
○政府参考人(神田裕二君) 御指摘の認定臨床研究審査委員会の審査手数料についてでございますけれども、実施計画を審査するに当たりましては一定の費用が掛かることから、各委員会の運営に必要な範囲で手数料を徴収することは認めるということで考えているところでございます。 小さな研究機関にとってはその負担が大変ではないかという御指摘についてでございますけれども、直接的に審査手数料そのものの助成ということではございませんけれども、例えば臨床研究中核病院の役割として、ほかの医療機関が行う研究実施計画の作成支援を行うという機能がございます。こうした機能を活用するということもございますし、それから、臨床研究審査委員会の審査を依頼する際の手順書でございますとか契約書のひな形を整備することなどによりまして、極力事務負担を軽減して手続の簡略化を図るための支援策を実施していくことによりまして、この臨床研究審査委員会に掛けますその費用負担が医療機関、中小の研究機関等にとって過度なものとならないような配慮をしていきたいというふうに考えております。
○片山大介君 是非ちょっとその配慮はしていただきたいと思います。 それで、ちょっと時間がないです、次の質問なんですが、やはり私も、資金提供の情報公開というか情報の公表について、これがちょっとやっぱり気になるんですが、これは製薬会社が資金提供などを行った場合のその情報を公表することを義務付けているんだけれども、その対象外として、飲食などの接遇費、それから先ほど話のあった労務提供は対象外にしているというんですけれども、例えばこれ、接遇費なんかというと、企業だと交際費に当たるようなもので、これ一般的な企業でいえば一番不透明だと言われているような費用ですよね。 これはもう対象外にしちゃうということなんですが、改めて、これを対象外にする理由というのを教えていただきたいんですが。
○政府参考人(神田裕二君) 接遇費についてのお尋ねでございますけれども、接遇費それ自体が臨床研究の費用に充てられるということが通常想定されていないということと、先ほども申し上げましたけれども、医療用医薬品の製造販売業公正取引協議会というところが策定しております公正規約におきまして、飲食等の場合については一人当たりの上限額が明確に定められておりまして、それ以外のものの物品の提供等については禁止をされているところでございます。なおかつ、ルール違反があった場合には百万円以下の違約金ですとか除名処分等の担保措置も講じられているということから、今回のこの法律に基づきます情報の公表の範囲には入れていないところでございます。
○片山大介君 確かに、自主規制でたしか飲食費五千円までなのかな、何か自主規制があるんですけれども、ですから強制力があるわけではないですよね。それで、私は、この対象外にしているもの、これ配付資料でいうと三枚目になるんですが、だから、これが抜け穴というか、アリの一穴のようになるんじゃないかなというふうなちょっと懸念があるかなと思っていて。 それで、例えば情報を公表したくない場合とか項目を付け替えるとか、先ほど同じような話もあったんですけど、例えば、本来だったら寄附金だとか研究費だとかというものをこの接遇費だとかに付け替えるような資金提供をシフトするようなことだって起こり得なくはないんじゃないかなと思うんですが、そこら辺は大丈夫なんでしょうか。
○政府参考人(神田裕二君) 今回の不正事案で、例えばノバルティスのケースでございますと、寄附金というような形で億単位のお金が実質的に臨床研究に充当されるようなことがございましたので、今回は臨床研究に絡むようなものについては、例えば原稿料ですとか講演料なども事後的に補填をするというようなことも考えられますし、それから寄附金なども公表の対象にするということにいたしております。 ただ、御指摘の飲食等の経費については、先生御指摘のとおり、一回当たり五千円とか二万円とか明確に限度額が決まっておりますので、それによって研究の公正性がゆがめられるという可能性は非常に低いものというふうに考えておりまして、それによって研究の公正性がゆがめられる可能性が低いというふうに考えまして、今回のこの法律に基づく公表の義務の範囲からは除外をしているところでございます。 ただ、先ほど申しました担保措置がないということでございますけれども、先ほどの公正取引協議会の規約に違反しますと、百万円以下の違約金もございますし、除名処分ということもございますので、一定の担保措置はあるものというふうに考えております。
○片山大介君 それで、こうした資金提供の公表とともに契約の締結の義務付けもあって、それ違反した場合には大臣によって公表や勧告ですか、規定が設けられているんですが、ただ、こちらには罰則がないわけですよね。これは、その罰則を付けなかった理由というのは何なのか、罰則がなくても実効性を担保できると思っているのか、ここについてはどうでしょうか。
○政府参考人(神田裕二君) 今回の製薬企業等からの資金提供についてでございますけれども、臨床研究に関する製薬企業等の関与の透明性を確保するという観点から、自社製品の臨床研究の資金提供が明らかになるよう研究資金の額などを定めた契約を締結することを義務付けることとしております。 この契約の締結を行わない企業に対しては、厚生労働大臣が勧告を行い、その勧告に従わない場合には公表をすると、公表ができるということとされております。企業名の公表につきましては、企業イメージの悪化ですとか社会的評価の低下を通じまして自社製品の売上げにも影響が大きく及ぶということですとか、治験への参加等についても大きな影響を与えるということになりますので、罰金等のような罰則という形ではございませんけれども、十分な実効性が確保されるものというふうに考えております。
○片山大介君 それで、あと、これについてまた更に言えば、そもそもこうした違反の情報の端緒ってどう集めるのかなというのがあって、これ違反があった場合のいろんな仕組みというのはつくっているんですけど、そもそもこうした情報を集めるというのが大変で、ディオバンの事件だってそうでしたし、なかなか顕在化するというか、発覚するのが大変なんだと思うんですよね。それで、もちろん捜査機関とかではないので情報をそうやって集めるわけでもないですから、ですから、内部通報や外部通報に期待するというのもあると思うんですけれども、それも限度があるのかなと。 こういうようなことをやって抑止効果というのはもちろんあるんだけれども、情報をどこまで集められるかということに対してはちょっとどうなのかなというふうに思うんですが、それについてはどのようにお考えでしょうか。
○政府参考人(神田裕二君) この法律におきましては、この法律の施行に必要な限度において報告徴収とか立入検査の権限もございます。したがいまして、もしこの情報の公表について違反をしているというようなおそれがある場合には、必要に応じてそういった報告徴収ですとか立入検査等によって、きちっと公表がされているのかどうか、あるいは資金提供が契約によって行われているのかどうかということを必要な事実確認を行いまして、先ほど申し上げたような勧告ですとか企業名の公表といった措置を講じてまいりたいというふうに考えております。
○片山大介君 そして、今回の法案で本当にディオバン事件のような不正を完全に防げるのかどうかということで、これについてはこれまでの審議の中で厚労省側としてももう完全に防げるものじゃないというふうに言っている、承知しています。確かにそれ、一つ一つのデータを突合させるとか、そんな巧妙に仕組まれた不正というのを暴けるというのは余り簡単じゃないというのは分かりますし、それから、この法案が出た後も、実際に臨床研究の不正事案というのも発覚もし、また新たに発覚しているからなかなか簡単じゃないのはよく分かります。ですから、研究者それから関係者含めての自覚と自助努力ということが大切になる。 その一歩が今回の法案だということは重々認識していますが、最後に大臣にお伺いしたいのが、今後こうした不正の根絶に向けて厚労省としてはどのように取り組んでいくのか、その覚悟というか意気込みというか、それをお伺いしたいと思いますが。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今日お配りをいただいたこの一枚目の規制の区分ですよね、これについて、本当にこの法案に至るまでかなり時間が自民党の中でも掛かりまして、私も古川先生を始め何人かの先生方からいろいろ御意見を聞いてみると、様々御意見がありました。 そういうことでありますが、今回こういうような形で努力義務も付す形で基準の遵守を義務化するというところを作っていったわけでありまして、これで完全になるかということを懸念をされる方々もおられることはよく分かっておりますが、何しろまず一歩前進をするということで今回ルールを作った。そして、これを実施してみてどういうことが起きるのか、ちゃんとしたことが行われるようになってもらわなきゃ困るというのは我々の考えでありますが、なおこれは見直し規定もございますから、しっかりと見直しを念頭にしながら、何しろやれることは今しっかりとやって、これからまた省令などで入れ込んでいかなきゃいけないことがたくさんありますから、ここの委員会で出た御意見もしっかりと受け止めながら、この執行に当たっていきたいというふうに思います。
○片山大介君 頑張っていただきたいと思います。 ありがとうございました。
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。 まず初めに、これは質問通告をしていないのですが、命の問題なので厚生労働大臣の見解をお聞きをしたいというふうに思います。今村復興大臣の発言についてです。記者会見で、いや、私も避難者の人たちとずっとこの間、行政交渉してきたこともあり、この発言に実は大変ショックを受けております。 問い、記者、帰れないんですよ、実際に。えっ。問い、実際に帰れないから避難生活をしているわけであります。答え、大臣、帰っている人もいるじゃないですか。問い、帰っている人ももちろんいます、ただ帰れない人もいらっしゃいます。大臣、それはね、帰っている人だっていろんな難しい問題を抱えながらやっぱり帰ってもらっているんですよ。 それから、大臣、それはそれぞれの人がさっき言ったように判断でやればいいわけであります。帰れない人はどうなんでしょう、問い。大臣の答え、えっ。帰れない人はどうするんでしょうか、問い、問いですね。答え、どうするって、それは本人の責任でしょう、本人の判断でしょう。自己責任ですか。それは、基本はそうだと思いますよ。大臣、裁判だ、何だってそこのところはやればいいじゃないというふうなことを言っているんですね。 これは、私はやっぱり余りにひどいと。これは、超党派で全会一致で作った子ども・被災者支援法の中でも、まさに原子力政策を推進してきた国の責任を明記し、被害者が居住、避難、帰還のいずれを選択した場合でも国が支援を行う旨が書き込まれております。残念ながら、復興庁は、この間、その実態調査も行わず、福島県が決定した自主避難者に対する住宅支援の打切りをそのまま追認すると。それが三月三十一日の打切りの実施だったわけです。 それにしても、自己責任でしょうとか、この発言は余りにひどいと。もしかしたら復興庁の本音が出たのかもしれませんが、被害者切捨ての自己責任でしょうとかという、こういう発言については、原発事故のゆえに故郷を失い、小さな子供の命を考えて自主避難をしている人たちの気持ちを余りに踏みにじるもので、復興大臣として不適格だと思いますが、大臣、いかがお考えでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 私ども閣僚は、任命を受ける際に総理から、一人一人が復興大臣のつもりで被災者に寄り添って復興に協力をするようにと、こういうことで、私は私なりの立場でそのように心掛けてきたつもりでございます。 今回の今村大臣のことについては私もつぶさに存じ上げているわけではございませんで、今お話がございましたが、内容につきましては私は判断する立場でも所管もしておりませんので、申し上げる立場ではないというふうに思います。 その上で申し上げれば、今回、ああいうような形で、記者会見で一旦発言をされたことを撤回しなければならないようになったということ自体は大変残念なことだというふうに思います。
○福島みずほ君 記者に対する暴言は、出ていきなさいとか、それは撤回したんですが、根本の元々についての撤回、謝罪はないんじゃないでしょうか。全国で本当に涙ながらに避難し、小さい子供抱えて困難な生活送っている人が本当に十万人以上いらっしゃるわけです。それに対して、帰る人もいるよ、でも帰れない人もいる、帰らない人もいる、その選択を保障するのが国であるべきだというふうに思っています。 私は、この復興大臣の発言は、復興大臣として不適格であり、辞任をすべきだというふうに強く考えております。辞任をしないのであれば罷免をすべきだというふうに考えております。一人一人が復興大臣のつもりで頑張るとおっしゃったのは本当にそのとおりですし、そのことを実現してやっていただきたいということを強く申し上げます。 本案について御質問いたします。奨学金寄附に頼らない臨床研究の推進についてです。 今回は、先ほどもたくさんの同僚委員からもありましたが、この法案が一歩前進するということは、私もそのとおりだと思い、心から賛成をいたします。 しかし、やっぱり釈然としないというか、根本的な解決を私たちはどこかでやらなければいけないんじゃないか、製薬会社が見返りを期待して莫大な額の奨学金寄附を提供するという自体そのものを是正していく必要があるのではないか、厚生労働大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 奨学寄附金につきましては、学術研究や教育の充実、発展に資するということで位置付けられているもので、製薬企業等が奨学寄附金を提供すること自体は不適切であるとは考えてはいないわけでありますが、その一方で、一連の臨床研究不正事案を見てみますと、製薬企業から奨学寄附金等の名目で行われた資金提供が実質的には研究に充当されてしまっていると、あるいはデータの改ざん等の問題が発生をその後にしているということがあったのは、大変これは否定し難い事実だというふうに思います。 こういうことから、本法案におきましては、製薬企業等からの自社製品を用いた臨床研究への資金提供については、その内容が明らかとなるように研究資金の額などを定めた契約を締結を一つ一つしていくということを義務付けること、あるいは臨床研究を実施する医師等に対する寄附金などの公表を義務付けるということで透明性の確保を図ることとしているわけでございます。 こういうような措置によって、製薬企業等の資金提供による臨床研究の不正を断ち切ることができる方向に向かっていくものだというふうに私どもは考えて、今回の法律を作らせていただいているということでございます。
○福島みずほ君 これは初めの一歩なので、これはこれでいいかもしれないんですが、長期的な視点で見たら、莫大なお金を製薬会社からもらって基礎研究に充てるということそのものをやめていく道筋を是非考えるべきだというふうに思っております。 今日、質問、足立理事からもありましたが、国立大学法人運営費交付金等の予算額はどんどん減っております。二〇〇三年は一兆二千四百十五億円だったのが、一番少ない二〇一五年では一兆九百四十五億円。私立大学の経常費補助金予算額に関しては、二〇〇五年は三千三百十三億円だったのが、今三千百五十三億円、二〇一七年度予算ですが、減っていっているんですね。ようやく最近ちょっと国立大学は下げ止まりになってはいるんですが、本当に減っています。知性や研究に対するお金をそもそも減らしている。 これは厚労委員会じゃなくて文部科学省に言わなくちゃいけないことなんですが、やっぱり基礎研究やそういうところは独立してちゃんとやれるように科研費も含めてそこを厚くしないといけないんじゃないか。やっぱりお金をもらえばスポンサーの言うことをそんたくしかねないというふうに思いますので、その点の道筋を、もし厚労省が薬害をなくすんだ、本当に正しい処方をちゃんとやる、薬を守るんだという考え方からすると、やっぱり割合を減らしていくとか、もっと本当に税金で中立的にちゃんと応援をしていく、駄目なものは駄目と言ってもらう、効果がなければないと言ってもらう、これは効果があると言ってもらう、そういうことをやる必要があると思いますが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) それは文科省の所管でありますから、私は私なりの考えはいっぱいありますが、余り言う立場ではないんだろうなというふうに思います。 国立大学法人にしたのは、人材の流動化と資金調達の、何というか、多様化も含めてやれるようにするためにやったというふうに考えております。したがって、今研究の話が出ておりますけれども、こういうことを考えてみると、民間の資金というのを引っ張ってくるということも国立大学は考えなきゃいけないので、国としての姿勢をどうするかということと、その法人化した大学がどういうふうに自らのやるべきことをファイナンスしていくのかということはそれぞれが考えられるようにしていますから、私はむしろ愛媛大学、熊野先生おいででありますけれども、愛媛大学の学長なんかにはよく大学法人になったときに言ったのは、まさに学長さんのやるべきことは優秀な人材とそれからしっかりとした資金調達をやるのがお仕事じゃないでしょうかというふうに申し上げてまいりました。 そういう際に、透明性がないといけないし、不正があっては絶対いけないということでもありますので、今日のような法律は特に必要なことだというふうに思います。
○福島みずほ君 でも、せめてやっぱりその割合を減らしていくとか、そういうことは必要だと思います。資金調達は大学の必要な仕事かもしれませんが、それも凸凹があったり、なかなかもらえない、あるいは、一般的にお金をもらうならいいんですが、関係のある製薬会社からそれの基礎研究として受けるというのであれば、やっぱりそれはそんたくする可能性が極めて高いというふうに思います。 では、逆にお聞きします。 本法案が成立することにより、製薬会社からの巨額の奨学寄附金を受けた臨床研究は減っていくと考えていますか。
○政府参考人(神田裕二君) この法案におきましては、製薬企業等から自社製品を用いた臨床研究への資金提供については、その内容が明らかになるよう研究資金の額などを定めた契約を締結して行うことを義務付けることとしているところでございます。 〔委員長退席、理事島村大君着席〕 このため、御指摘のような、奨学寄附金等の使途が明確化されておらず、その結果過大な資金提供を受けているような臨床研究は、この法律が施行されますと、実質的にその研究費に充当されているということであれば、特定臨床研究に該当するということになりますし、契約を締結して透明化を図るということになりますので、過大な奨学寄附金等については契約を締結した臨床研究に切り替わっていくものというふうに考えております。
○福島みずほ君 ディオバン事件でも、これ、十億円お金を出していたわけで、やっぱり巨額なお金を動かしてデータ改ざんなど本当にあってはならないというふうに思っています。将来、今答弁でもありましたが、私は、製薬会社からの巨額の奨学寄附金を受ける臨床研究が減っていくように、むしろインディペンデントで基礎研究がやれるような構図をつくっていくことこそ政治がやるべきことだというふうに思っております。 利益相反の排除なんですが、臨床研究における利益相反などの排除も重要です。でも、そこを十分にしても、今度はそれを製薬会社に出した後改ざんが起きるということはどうやってストップするんでしょうか。
○政府参考人(神田裕二君) 御指摘の点についてでございますけれども、この法案におきましては、特にリスクの高い未承認薬、適応外薬等を用いた臨床研究、それから製薬企業から資金提供を受けた臨床研究につきまして、実施基準等を義務付けることと併せまして、資金提供の公表等を義務付けているところでございます。具体的に、実施基準に基づきまして、データ改ざんが行われないようにモニタリングを行うでございますとか監査をするということにいたしております。 結果的にデータの改ざんを完全に防ぐということは難しいかもしれませんけれども、データの改ざんがあるということは、その途中でモニタリングがしっかりされていない、あるいは監査が不十分であったということが考えられます。この法律に基づくその実施基準等が守られていないということであれば、必要な報告徴収、立入検査等を行った上で、改善命令でございますとか、引き続きの臨床研究の停止等を命令していくということによって適切なモニタリングとか監査を担保していきたいというふうに考えております。
○福島みずほ君 第三条第二項第三号でモニタリング、監査の実施の義務付けがあります。 モニタリング、監査というのは全部やるんですか。 〔理事島村大君退席、委員長着席〕
○政府参考人(神田裕二君) 今回の実施基準でモニタリング、監査を義務付けることを考えております。 モニタリングというのは、カルテと研究に関する記録を照合して、その記録が正しく正確に記録されているかなどについてチェックをすることでございます。それから、監査につきましては、基本的には、研究の実施者以外の者が、実施計画や実施基準を遵守して適切に臨床研究が実施されていることを第三者として確認するものでございます。 今回のこの実施基準におきましては、リスクに応じたモニタリング、監査を行うと。監査については第三者が行うということが基本でございますけれども、例えばモニタリングにつきましては、リスクが高いようなものについては頻度を高く行うとかダブルチェックをするということを含めて、具体的にその内容を認定臨床研究審査委員会に出していただきまして、そのモニタリングですとか監査の仕方が適当であるかどうかということについても審査をしていただくこととしているところでございます。
○福島みずほ君 全部やるのは難しいのかもしれませんが、今のだと、ちょっとピックアップして監査、モニタリングするというイメージでしょうか。
○政府参考人(神田裕二君) そこは、まさにリスクに応じたということでございます。 この制度化を検討するに当たりまして検討を行いました検討会の報告の中におきましても、過度な負担を掛けることによりまして、当然のことながら、モニタリング、監査をすればそれだけの費用が掛かるわけでございます。これを一律に義務付けるということになる、全ての例えばデータのモニタリングをしろということになりますと、相当程度の費用が掛かるということになって、臨床研究の萎縮を招くおそれもあるわけでございます。 そういったことから、リスクに応じまして、非常にリスクが高いようなものについては頻度を高くするとかダブルチェックをするということでございますが、リスクの低いようなものについては抜取り的なモニタリングを行うと。そこは、実際の運用につきましては実施計画に書いていただいて、それを認定臨床研究審査委員会で審査をしていただくという運用を考えているところでございます。
○福島みずほ君 済みません、リスクが高い低いというのを説明してくださいますか。
○政府参考人(神田裕二君) まさに、今回規制対象となっております例えば未承認の医薬品ということであれば、これは有効性、安全性が完全に確認をされていないということでございますので、安全性の観点から人に大きな影響を与えることもあり得るわけでありますので、その主要な評価項目については丁寧なモニタリングをしていくことが考えられます。 一方で、例えば、製薬企業から資金提供は受けていますけれども、元々承認を受けた範囲でその医薬品を用いるということであれば、安全性、有効性は基本的には確認されているものでございますので、それを、全てのデータをカルテと照合しろということまで言う必要はないのではないか、一定の頻度で抜取りをしてデータの適切性等をチェックするというやり方もあるのではないかと。そこは、今申し上げたようなことに応じて臨床研究審査委員会で御審査いただくべきものというふうに考えております。
○福島みずほ君 利益相反に関する基準については、認定臨床研究審査委員会の中で各実施計画ごとに決めて取り組んでいくということなのですが、そのことが合理的にされているかどうかというのは情報公開などされるんでしょうか。
○政府参考人(神田裕二君) 具体的な利益相反についての運用でございますけれども、具体的には、利益相反管理につきましては実施基準でも定めることといたしておりますし、それを実施計画に書いていただきまして具体的に臨床研究審査委員会で審査をしていただくということにしております。 例えば、製薬会社から資金提供を受けているような方についてはモニタリングから外れていただくというようなことでありますとか、あるいは、共同研究を行ったような方についても例えばモニタリングなどの業務から外れていただくといった、そういった利益相反管理に関することを実施計画に書いて出していただいて、どのような管理をするのかということについて臨床研究審査委員会で審査をしていただくということを考えております。
○福島みずほ君 今までこの委員会で質問してきて、なかなか情報公開がされなかったとかいうことを経験しております。その認定臨床研究審査委員会の中できちっと利益相反に関することが守られているか。誰が審査委員で、どうやっているかという情報公開はきちっとされるのか。モニタリング監査についても、第三者性がきちっと担保されているように、誰がなっていて、どうしているのかという情報公開はしていただけるという理解でよろしいですね。
○政府参考人(神田裕二君) 御指摘の審査委員会につきましては、一定の情報については公表することとしていきたいというふうに考えております。それから、今回の対象となります臨床研究につきましては、公的なデータベースに登録していただくということも考えておりますので、そういった形で、どのような研究がされていて、どのような審査がされているのかということについて、透明性が確保されるように努力してまいりたいというふうに考えております。
○福島みずほ君 モニタリング監査を行う者の第三者性が担保されているかどうかについての情報公開もしていただけるということでよろしいですか。
○政府参考人(神田裕二君) 具体的な審議における公表の範囲等を現時点で細部を決めているわけではございませんけれども、先ほど申しました臨床研究の審査委員会における議事のポイントですとか、そういうことについてはできる限り明らかにしていきたいというふうに考えております。
○福島みずほ君 モニタリングなどについても、誰がどうやっていて、どうされているか、これは、客観的な担保が情報公開されて、私たちもチェックできることが必要だと思いますので、是非よろしくお願いします。 終わります。
○委員長(羽生田俊君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 臨床研究法案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(羽生田俊君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 この際、足立君から発言を求められておりますので、これを許します。足立信也君。
○足立信也君 私は、ただいま可決されました臨床研究法案に対し、自由民主党・こころ、民進党・新緑風会、公明党、日本維新の会、希望の会(自由・社民)及び無所属クラブの各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 臨床研究法案に対する附帯決議(案) 政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。 一、何人も、その自由な同意なしに医学的又は科学的実験を受けないとする国際人権規約の規定の趣旨を尊重し、臨床研究の対象者の保護に万全を期すとともに、本法の対象とならない手術・手技の臨床研究等の対象者も含め、その尊厳と権利を保護するための対応について、本法附則第二条の規定に基づき検討すること。また、臨床研究実施基準等において、研究者等による臨床研究の対象者の尊厳と権利の尊重を明確に規定すること。 二、臨床研究実施基準の策定に当たっては、ICH—GCPやGMPに準拠することにより、臨床研究の一層の信頼性の確保に努めるとともに、国際的な規制との整合性を確保し、国際的な共同研究・共同治験の一層の推進に向けて取り組むこと。 三、研究過程の透明性を確保し、研究の進捗状況の把握や学術的解析を可能にするため、臨床研究実施基準において、臨床研究の概要、進捗状況及び結果を公的なデータベースに登録する旨を規定し、臨床研究の結果を含む情報の登録・公開要件等の拡充について検討すること。 四、研究者等の事前準備に遺漏や混乱を生じさせないよう、臨床研究実施基準の案については、できるだけ速やかに公表すること。 五、医薬品、医療機器等の開発を推進するため、治験と臨床研究の制度区分と活用方法を明確化して、臨床研究を促進するとともに、臨床研究で得られた情報を、医薬品、医療機器等の承認申請に係る資料として利活用できる仕組みについて速やかに検討すること。 六、認定臨床研究審査委員会の行う審査意見業務の質の確保を図るため、認定の更新の際にその実績を検証し、結果を認定の更新の判断に反映させる仕組みについて検討すること。 七、臨床研究の対象者に健康被害が生じた場合の補償及び医療の提供が適切に行われるよう、医薬品副作用被害救済制度についての周知徹底を図るとともに、同制度の対象とならない臨床研究について、健康被害が生じた場合に同制度に準じた補償が受けられるよう、必要な措置を検討すること。 八、学問の自由に配慮しつつ臨床研究の一層の信頼確保を図るため、研究資金等の提供に関する情報等の公表制度の実施状況を踏まえながら、本法の公表の対象外とされている情報提供関連費や接遇費等を公表の対象とすることについて検討すること。 右決議する。 以上でございます。 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(羽生田俊君) ただいま足立君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(羽生田俊君) 全会一致と認めます。よって、足立君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、塩崎厚生労働大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。塩崎厚生労働大臣。
○国務大臣(塩崎恭久君) ただいま御決議になられました附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重いたしまして努力いたす所存でございます。
○委員長(羽生田俊君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(羽生田俊君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後二時四十八分散会