経済産業委員会 第11号
- 発言数
- 143 件
- 登壇者
- 20 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 2017/05/16
会議録
○委員長(小林正夫君) ただいまから経済産業委員会を開会いたします。 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 外国為替及び外国貿易法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、経済産業省貿易経済協力局長寺澤達也君外十三名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小林正夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(小林正夫君) 外国為替及び外国貿易法の一部を改正する法律案を議題といたします。 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○青山繁晴君 皆様、おはようございます。自由民主党・こころの青山繁晴です。 今回も、党利党略のためではなく、ただ国益のためにこそ質問いたしますので、どうぞよろしくお願いいたします。 さて、いわゆる外為法、正確に申せば外国為替及び外国貿易法は、日本の安全保障にとって実は極めて重大な鍵を握っている法律であります。しかし、一般的にはやや理解しにくいと申しますか、本当の機能、働きが十分に国民に理解されている、あるいは企業その他にも完全に理解されているかどうかというと、やや、安全保障の現場歩いてきた立場から申しますと、疑問も残ります。 そこで、法の意義などにつきまして、実は私が勝手にしゃべろうかと思いましたけれども、やっぱりここは政府のお立場から、そして世耕大臣におかれては、いきなり余談を申して恐縮ですが、予算委員会でずっとあの長い審議を拝聴しておりますと、どちらかといえば答弁者を通じて国民に分かりやすく、分かっていただこうとする姿勢が僕は見えると思っておりましたので、やっぱり世耕大臣から、そもそもこの外為法、言葉が難しいですので、外国為替と一言で言っても、実務にあずかっていないとなかなか分かりにくいです。 その言葉をかみ砕いていただくことから始まり、要求がいろいろ多いですけれど、そこから始まって、法が制定されるきっかけ、そして法の意義、特に北朝鮮情勢も踏まえた安全保障上の意義についてお話し願えますでしょうか。
○国務大臣(世耕弘成君) この外為法と言われている法律、正確に先ほど言っていただきましたが、正確には外国為替及び外国貿易法という法律になるわけであります。昭和二十四年に外国為替及び外国貿易管理法として制定をされました。外国為替の安定化の必要など、戦後復興期に入る前の我が国経済を取り巻く環境を反映をして、対外支払などを全面的に管理すべく我が国の外国為替と外国貿易を一体的に管理する役割を果たすものでありました。 当初は恐らく、いわゆる日本もそんなに外貨がない時代でありますから、外貨の流出を防止するというような観点もあったんだろうというふうに承知をしておりますし、当時、IMFからやっぱりこういう法律を定めるべきだという指摘を受けて定めたという経緯もあったようであります。さらに、余談を申し上げますと、あのロッキード事件で田中角栄首相は、一番最初立件されたのは外為法違反、海外からお金を無断で持ち込んだと、手続を経ずに持ち込んだという疑いで立件をされたというようなこともありました。 だから、そういう意味で、名前も外為法といいますから、お金の出入りかなという感覚が国民にも非常に強いんじゃないかというふうに思うんですけれども、その後、我が国が経済成長をしていくに当たっていろんな意味で資金の流れの自由化というのは進められてまいりまして、昭和五十四年改正において、特に対外取引についてはもう原則自由というふうになったわけです。 しかし一方で、その頃から徐々に日本の工業技術というのは非常に高いレベルになっていきまして、機微技術が軍事技術に転用される懸念というのが高まっていったわけであります。そういう意味から、安全保障に係る輸出や投資については、逆にきちっと管理をしていかなければいけない、例外としていかなければいけないということでありまして、外為法は我が国の安全保障の一端を担う法律としての位置付けが、このちょうど昭和五十四年の改正で明確になっていったわけであります。 そして、昭和六十二年には、皆さんにも御記憶にあると思いますが、東芝機械ココム違反事件というのがありました。これ、非常に国際的にも大きな衝撃になったわけでありますけれども、こういった事件を再発を防止しなければいけないということで、罰則の強化ですとか行政制裁の強化と対象の拡大、立入検査の範囲の拡大などを措置をする法改正が行われました。このときはかなり抜本的な改正であったというふうに思います。 当時の通商産業省においても、安全保障貿易管理に関する体制を強化しなければならないということで、省内に新たに課や室を設置するなどの取組を進めまして、その後、一貫して体制強化を続けてきております。現在は、寺澤局長の下で百名を超える職員が安全保障貿易管理に携わっているという状況であります。 平成九年にはこの名前が、元々二十四年には外国貿易管理法となっておりましたのが、外国為替及び外国貿易法という名前に変わりました。さらに、平成二十一年には、インターネットの普及などの国際環境の変化に対応して、いわゆるデジタルでやり取りをする、電磁的手段でやり取りする技術取引を規制対象にするということも行われました。 常に国際社会の平和と安全を支える役割を適切にこの法律が果たすことができるよう、必要に応じて法改正が段階的にずっと行われてきているわけであります。 そして、今回の改正法案は、我が国が、グローバル化がもっと進んでいく中で、機微技術の軍事転用の可能性が拡大をして、国際的商取引の複雑化も進んでいるという中で、機微技術の管理を更に強化する必要があることから、輸出入、技術取引規制における罰則の強化、そして輸出入規制における行政制裁等の強化、そして対内直接投資規制の強化、こういったものを講ずることで機微技術の流出防止の一層の強化を図っていこうというものであります。
○青山繁晴君 僣越ながら、期待どおり分かりやすくお話ししていただいたと思うんですけれども、今大臣の御説明を伺っていても、法のスタートの時点から今に至るのはまさしく日本の敗戦後の歩みそのままですね。法の目的も、実は日本の復興と成長、あるいは国際社会の中での役割増大に伴って変わってきました。さっき東芝機械のココムの件もお触れになったんですけれども、冷戦下での日本の機微技術の扱いというのは、冷戦崩壊後は、特に今は北朝鮮あるいは中国、懸念のある諸国について法の意義を発揮しようという段階になっていると思います。 今回の法改正については、そういう目的の変化に合わせて、外為法の実効性、実際に、特に日本企業にとってこれ守らないと企業の存立に関わる、あるいは個人にとっても、日本で、分かりやすく言えばまともにやっていけない、活動できないというぐらいに実効性高めようということだと思うんですね。 それについてはいろいろ手段があるわけですけれども、今回の法改正全部をチェックしていきますと、基本的には、今大臣も少しおっしゃいましたけれども、罰則の強化によってその実効性を担保しようというのが要は一本の大きな柱だと思います。そういう趣旨として私はこの改正を受け止めましたけれども、それでよろしいでしょうか、井原政務官のお考え、お聞かせください。
○大臣政務官(井原巧君) お答えを申し上げます。 今委員が御指摘のとおり、罰則の強化ということですが、この外為法は我が国は非常に特徴がありまして、為替とそして貿易が一つの法体系でできている法律というのは、アメリカ、ドイツ、イギリス、フランスとか先進五か国の中でも、我が国とドイツは為替と貿易が一体で体系していて、その他の国は別々の法律になっていると、これが戦後我が国の発展にも寄与したと、こういうふうに思っております。 しかし、その上で、今回、その両方を兼ね備える法律で、情報の共有、各機関が取組ができていたわけですけれども、どうしてもやっぱり穴があるというようなことで、それを埋めようというのが大きな趣旨でございます。 今回の改正法案では、ポイントとして大きく三点ございまして、一点目は、輸出入、技術取引規制について違反を行った法人に対する、これはもう十億円という大変高額な重科を創設するなど、罰則をまず大幅に強化したこと。 二点目には、輸出入に係る制裁の実効性を強化するために、一つには、輸出入規制の違反者に対する行政制裁について、別法人を利用した制裁逃れに対応するための制度を創設したということ。そして、二点目は、北朝鮮との輸出入禁止措置など我が国独自の経済制裁に違反した場合、これまで一年間であったんですけれども、これを、大量破壊兵器等、通常兵器等と同じように、行政制裁措置の期間を一年を三年に延長しようというものでございます。 また、対内直接投資について、違反投資に対して株式売却命令等の事後措置を命令できるようにする等の規制強化などの措置を講じて、機微技術の管理の抜本的な強化、対北朝鮮制裁に基づく輸出入禁止措置の実効性の強化などを実現したいというふうに考えております。
○青山繁晴君 まさしく今、井原政務官からお話がありましたとおり、一番目の罰則強化と合わせて、大体三つぐらいペナルティーが厳しくなっているわけですけれども、その上で、まずその一番目の罰則強化からお伺いしたいんですけれども。 また私事を一瞬申しますけど、私は元々、共同通信の政治部の記者でありましたが、その前、経済部の記者でありましたので、経済界の方々といまだにお付き合いは続いております。今回御質問の機会いただくに当たって、経済界の現役の方々、技術者も含めて、いろいろ電話を中心にお話を聞きました。 そうすると、ちょっと厳しいことを申し上げるようですが、罰則強化が本当に厳しくてこれで十分だという答えは、残念ながら経済界からはほとんどなかったです。今、井原政務官がおっしゃったとおり、法人については十億円というふうに非常に大きいと考えられるんですけれども、ところが、匿名を条件に答えてくれましたから、特に、機微技術ということはつまりハイテクノロジーで、日本が世界に先駆けて非常に高い地点に到達しているので、単価もすごく高いと。したがって、常にこういう話というのは御自分の会社を一応棚に置いておいて、ライバルを含めいろんな会社のことを、電話では実名も挙げておっしゃっておられましたが、要は、もうけからするとこの十億円というのは必ずしもすごい罰金と思っていないと、業界の全体としてはですね。 それで、改めて国民の方々に分かっていただくために、この罰則強化の中身を、これを簡単に私の方から申し上げれば、今までは個人、法人の区別なかったのを今回わざわざ区別を付けて、法人の責任もより明確にしたと受け止めています。改正案では、もしこれが成立すれば、個人と法人に罰金が分かれて、個人は三千万円かあるいはその輸出したものの単価の五倍、それから、法人、ものの単価については同じ五倍だけれども、十億円というふうになるわけであります。 しかし、これ、実は個人にとっても法人にとっても利益が残ると。言い方は更に厳しくなりますが、ちょうど小笠原諸島のアカサンゴを捕っていった中国の漁船が、数百万の罰金を払っても億単位のもうけがあるので結局捕り尽くしてしまって、アカサンゴが現在失われています。そういう懸念を実はこの改正案をチェックすればするほどやや感じましたので、今回の改正案は、これでも一気に伸びていますから意義は十分あると思います。 それから、当然、法の在り方として横並びというよりはバランスを取らなきゃいけないんで、いきなりこれを、つまり、僕のブログにもっと厳しい国家反逆罪のような罰則にしてはどうかという御意見も実は複数、極端なようでいて、別に右だ左だという話じゃなくて、やっぱり北朝鮮や中国の動きを懸念される普通の国民からそういうブログへの書き込みなども思ったよりたくさんいただきました、今日質問するというのを予告しましたから。 それを考えれば、やっぱり今回の改正案が成立した場合に、一旦それを施行してみて、その後、更なる強化と、罰則の強化ということも検討なさるべきではないでしょうか。ここをお答え願えますでしょうか。
○政府参考人(寺澤達也君) お答えします。 今委員の方から今回の罰則の強化について御説明があったわけですけど、少し私どもから補足をさせていただきたいと思います。 委員御説明があったとおり、これまでの罰金の上限が法人では一千万だったやつを今般最大で十億円に引き上げるということは、百倍引き上げるということになります。ちなみに、この十億円という水準というのは、国内でいうと、営業秘密保護の侵害、不正競争防止法に基づく、その罰金のレベルと同等であって、国内の法律としては最高水準の罰金となっています。 これに加えまして、外為法については五倍スライド制というのがあって、目的物の価格の五倍の罰金、いずれか大きい方が科せられるということでございますので、先ほど委員がお話しされた、某社長さんが自分のところは単価が高いと、仮にそれが五億円の単価であれば掛ける五の二十五億円というものが罰金の上限になるということで、決して小さいものではないと思っています。 また、この十億円プラス五倍のスライド制があるものですから、国内の法令におきましては罰金としては最も厳しいものが今回外為法の改正によって実現するということでございます。 あわせて、違反があった場合に、罰金以外に行政制裁を掛けることが可能です。行政制裁というのは、例えば輸出を一定期間禁止すると。いかなる大企業であったとしても、輸出活動を一定期間止められるというのは非常に大きな、大企業であれば大企業であるほどその損害は、ダメージは大きくなるということになるので、この国内最高水準の罰金、国内最高水準を超える罰金と行政制裁、さらに、罰金というのは刑事罰ですから、この刑事罰を受けた企業というのは社会から厳しく批判されるということでございますので、これを併せ見ますと、大企業であったとしても今回の法改正の持つ抑止力というのは相当なものだと思っています。 委員御指摘のとおり、今回法改正というのが成立するということになれば、捜査当局等々としっかり連携して厳格にこの法律を執行し、抑止力を高めていくということが重要だと考えている次第でございます。
○青山繁晴君 ちょっと予定といいますか、質問通告、一部飛ばしたりしていますけど、そこは御了解ください。あるいは順番を変える。 今政府参考人からおっしゃった話は、実はよく理解はできます。輸出単価に掛ける五倍ということも、その意義もよく分かります。その上で、世耕大臣、申し訳ございませんが、通告の一部だと理解していただいて、それでもやっぱり状況を見て更なる強化ということについて何かお考えあれば、お話しいただけますか。
○国務大臣(世耕弘成君) 現に今法案の審議をお願いしている立場の大臣として、不十分ですからまた強化をということはなかなか申し上げられない。 今、寺澤局長がお答えしたその十億円、さらに五倍ということ以外にも、これ、大企業であれば、外為法違反で立件されたとなれば、これはもう大変な評判上の、レピュテーション上のダメージは非常に大きいわけでありますから、そういうことも踏まえて、大企業は大企業でこの問題に関しては当然引っかかることがないように慎重に対応されると思いますし、これは中小企業にとってはもうまさに金額が直撃するわけでありますから、そういう意味でこの改正案で十分な歯止めになってくるんではないかというふうに思っております。
○青山繁晴君 今大臣がおっしゃった、改正案審議中に次の話できないというのはそのとおりだと思います。ただ、今罰金のことをちょっと集中してお聞きしましたけれども、まさしく今まで御説明あったとおり、井原政務官から最初に御説明あったとおり、罰金だけじゃなくて行政制裁と対内直接投資、この対内直接投資という言葉も非常に分かりにくいですけど、要するに、日本に対して、今ですと中国を中心に大きな外資が企業買収、日本の優れた企業の、特に先端技術を持っている企業の株を買い占めたりすることに関しての新たな規制もあるわけです。 それで、ちょっとお聞きしたいんですけど、例えば行政制裁の中に、今回の改正案の眼目の一つとして、今まで大量破壊兵器関連の輸出違反、これは重大なことですよね。それについて、摘発できれば、摘発あるいはされた法人については輸出入禁止期間三年だと。これ、実は今回の改正案は変わっていないですよね、そこは。ただ、北朝鮮への独自制裁などについては、これまで日本の独自制裁などについては輸出入禁止が何とたった一年であったのが、これ大量破壊兵器と同じように三年に延びましたということですよね。 これ、やっぱり実は今回の改正案の中で私は一番引っかかるところでありまして、まず経産省にお伺いすると、この質問の前にお伺いすると、これ、その輸出入禁止であったり輸出禁止であったりというのが、間違いを犯して法によって裁かれる企業が作るものは全部駄目なのかというとそうじゃなくて、やっぱり事案の中身を考えて、悪質だったら全てのものについて輸出あるいは輸出入禁止をやることはあるけれども、必ずしもそうでなかったら、そのものについてだけ、問題になったものだけ例えば一年を三年と。これ、やっぱり簡単に言うと甘くないですかと思うんですよね。 これを例えば無制限禁止というふうに、無制限といいますか無期限禁止、本当は無制限の中にその製品についても、その企業なら企業が作るもの全部それから無期限禁止、ただし、無期限って、ちょうど刑事罰と同じように、一旦無期限にするけれども、その後の業者の権利も尊重して、不服申立てとかそういうのはできるというような制度の導入は考えられないんでしょうか。これ、お答え願えますでしょうか。
○政府参考人(飯田陽一君) お答えいたします。 ただいま、行政制裁について、その期間、対象について無制限とできないかという御質問がございました。 まず最初に、期間でございますけれども、御指摘のとおり、現在、大量破壊兵器について三年、それから今回の改正で、北朝鮮独自制裁向けについて、これ一年を三年に延長するということになっております。この三年の輸出入の禁止措置というのは、対象は別として期間について申し上げれば、まずは、それを、貿易を業務としている企業にとって三年間輸出入禁止をされるというのは、メーカーであれ商社であれ、非常に大きな事業にとっての打撃であって、会社の存続を左右しかねない重たい制裁であるということであるというふうに思っておりまして、上限を三年とするということについて大きな抑止効果を持つというふうに思っております。 無制限にしてはどうかということでございますけれども、やはり輸出入は、本来的には、外為法の目的にも書いてございますように、基本は自由な経済活動で、必要最小限な規制をするという観点からは、無期限の処分という仕組みを導入することについては少し慎重に検討する必要があるのではないかというふうに考えております。 それから、範囲につきまして、全貨物を対象に輸出入の禁止とすべきではないかという御質問がございましたけれども、これは、現在も全貨物を対象に輸出入の禁止をするというケースがございまして、現に、過去、外為法で最も厳しい行政制裁を科したケースにつきましては、これは個別の事例でございますけれども、最初の半年は全貨物について禁止をし、その後は実際に違反のあった貨物に絞って残りの二年半禁止をしたという事例もございまして、これは違反の内容に応じて判断をするということでございますが、最大で全貨物を輸出入禁止をするということが十分な抑止力を持つという意味で、今の状態でも最大で、無制限といいましょうか、全貨物の輸出入禁止ができるという制度となっているということで、御理解をいただきたいというふうに考えております。
○青山繁晴君 今の御答弁の中で、本来はこの法律、先ほど世耕大臣からお話しいただいたとおり、自由な貿易を担保するものだと、そこも同感です。その上で、今の時点ではそうであっても、この期間は常に厳しくする方向も検討していただきたいと願います。 もう一点、罰則強化の中の残る一点の、さっき申しました投資の問題ですね。改正案を拝読しますと、例えば外国の投資家、別に中国のことだけ殊更言うわけじゃないけれども、やっぱり今回の改正の趣旨の中に、中国の非常に大規模な、場合によってはルールを外しかねないような株の買占めに対する、懸念というよりは正当な防衛、国家防衛が含まれていると思います。あるいは国際社会の責任上もそうです。 その上で、そうやって具体的な懸念がある中での改正案なんですけれども、どう書いてあるかというと、国の安全を損なうことになるおそれが大きい買収というふうになっているわけですけど、これ実は、一生懸命読んでも、ちょっと規定が曖昧ではないかと。その上で、改正案を補強する意味でも、これは具体的にどういうことを想定されていらっしゃるのか、答弁残りますので、お願いいたしたいと思います。
○政府参考人(寺澤達也君) お答えします。 まず、想定している具体的な業種としては、例えば戦車などを製造する武器製造業やロケット、航空機、原子力の製造業、さらには炭素繊維、高性能工作機械等の機微技術を保有する製造業などを想定しているところでございます。 こうした業種に対する個別の投資内容を審査した結果、投資によって軍事転用可能な技術の流出のおそれが認められる投資や、投資先の企業が国内の防衛生産の基盤を担っており、投資によってその維持が損なわれるおそれが認められるような投資が国の安全を損なうことになるおそれが大きい投資や買収になるというふうに考えているところでございます。
○青山繁晴君 今具体的に挙げていただきましたので、少し意義が深まったのではないかと思います。 今までは罰則強化のことについてお聞きしてきたんですけど、この後、次は、じゃ、その実効性ですね、実際に運用されるときに、そもそも摘発しないと罰則も当てはめられないので、運用に絞って、実効性があるように行われているかについて御質問したいんですけど。 例えば、これは経済産業委員会で経産省を中心に審議あるいは答弁いただいているんですけど、最前線の一つは税関ですよね。税関の、ありていに申せば非常に限られた人員、先ほど、経産省におかれては最初十人、十人という話じゃなかったかもしれませんが、最初は十人ぐらいでスタートされて今は百人体制になっているというお話ありました。 税関、最前線の重大な一つの税関については、これ、まず、網羅的にチェックできるとはとても思えないので、どんなテクノロジー、これ、手のうちをさらすことになるから答弁慎重にしていただくのは、当然、僕もそれはそう思いますけれども、おっしゃれる範囲で、その網羅的にできないやつをどんなふうにチェックされているのか、それから人員は足りているのかということについて御答弁願います。
○政府参考人(藤城眞君) お答え申し上げます。 外為法等の規制によりまして輸出が規制される貨物、こちらにつきましては、輸出承認等の証明がなされない限り税関は輸出の許可を行わないということにしております。 他方で、輸出が規制されない貨物として申告をされた場合でありましても、輸出者の資質や申告内容などに基づきまして、必要に応じて、仕入れ書や契約書など取引関係書類に加えまして、貨物の内容や性能などを確認できる書類の提出を求め、輸出貨物が外為法等に基づき輸出が規制されているものかどうかということを審査、確認をしております。 さらに、必要に応じまして貨物自体の確認というのも行っておりまして、その際には、コンテナごと検査できるような大型エックス線検査装置、これなども活用しております。 税関の輸出許可件数ですが、まさに御質問のありましたとおり、年間千六百万件というのが、これが平成二十八年の実績でございます。これを超えるような中におきまして、申告の電子化というのを進めつつ、先ほど申し上げましたような取組によりまして、限られた人員ではございますけれども、情報なども活用して効果的、効率的な取締りに努めているところでございます。 引き続き、経産省との緊密な連携というのを図りながら、税関におきまして厳正な審査及び効果的、効率的な検査というものを実施しながら、外為法の輸出規制の実効性というものを確保してまいりたいというふうに考えております。
○青山繁晴君 税関が苦労されながら、人員のことは何もおっしゃいませんでしたが、恐らく余り足りていないんだと思いますけれども、その中でテクノロジーも使って努力されていることは伝わります。 ちょっと更に具体的にお聞きしたいんですけれども、例えば、今一番国民の関心の強い北朝鮮に対しての独自制裁を含めた取決めの違反について、その摘発した記録を見ますと、もうほとんどの迂回経由地、つまり、さすがに北に直接持っていくケースはまだゼロとは言い切れないけれども、まれですけれども、逆に迂回させて実は北に届くということは懸念が強まっています。ほとんどが中国なんですけれども、例えば韓国が平成二十四年に中古パソコン、二十五年には中古自動車、それから二十六年には香港経由で食料品が北朝鮮に輸出された、あるいはされようとした。それから、二十八年にはシンガポールが初めて出てきて、ということは、たくらむ側も迂回経由地を増やそうとしている気配は明らかにありますね。 現実に、中国、韓国、香港、シンガポール、こういう日本にとって主権がないところで、どんなふうに各省庁が連携をしてどんな対策を取っておられるのか。これも手のうちを全部明かせというわけじゃなくて、言える範囲でお願いできますか。
○政府参考人(飯田陽一君) お答えいたします。 我が国が摘発した事案を始めとして、中国、韓国、香港あるいはシンガポール、こういったところを経由した違法輸出というのが後を絶たないというのは御指摘のとおりでございます。こういうことがございますので、まずは経済産業省といたしましては、私ども輸出管理当局でございますので、こういった国々における輸出管理の強化ということを働きかけをしておりまして、これが対北朝鮮措置の実効性を確保する上でも重要であるというふうに考えております。 このような考え方に基づきまして、具体的な取組といたしましては、過去二十四年間にわたりまして毎年アジア輸出管理セミナーというのを、これは外務省あるいは関係の省庁と連携をいたしまして開催をし、アジアの国々の輸出管理の強化を支援してきております。今年二月にもそのセミナー開催しておりますけれども、十九か国の参加を得て百九十人の政府関係者が集まって、どのような形で輸出管理を行っているかという制度や具体的な運用を共有しているということでございます。 これに加えまして、毎年、経済産業省としては、四から五か国を対象に二国間の政府間協議を行いましたり、あるいは現地で産業界を対象とした普及啓発活動を行っております。 さらに、昨年度からは、これから輸出管理制度を構築しようとするフィリピンとかタイ、こういった国に対して専門家を派遣して輸出管理の強化を支援すると、こういった取組を開始しておりまして、今後更にこういった取組を強化してまいりたいというふうに考えております。
○青山繁晴君 では、時間もだんだん迫ってくるんですけれども、具体的なものの例を挙げてお尋ねしたいと思います。 先ほど御答弁の中でも炭素繊維が出てきたんですけれども、これ、日本の炭素繊維が世界トップであるということを知っている日本国民は結構いらっしゃると思います。でも、安全保障の現場ではもう本当に想像以上の、ちょっと具体的に申し過ぎかもしれませんが、ドイツをも引き離して、あるいは中国などとも、あるいはアメリカとも差を持って非常に高付加価値の炭素繊維を作っていますね。 これ、インターネットで普通の国民の方も見てくださるので、念のため申せば、炭素繊維というのは、鉄の四分の一の重さしかないのに、強さは鉄の少なくとも十倍以上、硬さも大体五倍以上ありますよね。したがって、ミサイルとか、あるいは高速で移動する戦闘機、戦闘爆撃機に非常に多用される。 かつては万景峰という船が北朝鮮と日本を行き来していたときは、そこにゴルフクラブが大量にあって、その中のカーボンファイバーを取り出しているんだと話もありましたが、それは実は基準でいうとやっぱりテニスラケットを作るぐらいのもので、しかもこの基準というのが、元々東レの社内でTという、何のTか僕は知りませんけれど、テクノロジーのTかもしれないけど、そのTという基準でそこに数字かませて、東レの中の基準だったのが今世界基準になってしまっていて、だから、恐らくゴルフクラブとかテニスラケットというのはT300ぐらいですよね。それが今、東レや三菱レイヨン、それからもう一社、東邦テナックスという会社も含めて、この三社で世界シェアの六割占めていて、このT1000でいうとミサイルの一番大事な素材だと考えられています。 ということは、日本の誇りを込めて今お話ししたんですけれども、日本の技術力というのは本当に世界のトップランナーになっていると。もう全然、一瞬飛びますけど、メタンハイドレートの技術も実は世界のトップランナーになっていて、また砂が出たからしばらくお休みということだけメディアは強調していますけど、大体予想の範囲内で出砂しているので、全体の日本の技術力というのは、憲法改正などがちっとも進まない中で、どんどん良くなっているわけです。 逆に、例えば外為法においても本当は憲法のリストリクション、制限というのはあるので、なかなか防衛しにくい中でどうしても狙われる。狙われると、日本の中でやっぱりデフレに困っている企業もたくさんありますから摘発も増えていって、例えば最近ですとおととし、平成二十七年ですからおととしですね、の初夏の頃に、炭素繊維そのものが韓国を迂回して中国に不正に輸出された事件も摘発されました。その物だけではなくて、実は機械を出そうとした事件も摘発されている。あるいは、機械を一旦、機械って炭素繊維を作る機械を出そうとして摘発されたり、あるいはもっと手が込んで、それをばらばらにして現地で組み立てて云々ということまで行われています。 すなわち、先ほど申しましたとおり、炭素繊維を扱っている企業にも、今の三社かどうかは申すことできませんけれども、日本は繊維不況のおかげで逆に化学繊維メーカーはどこも本当はこういうハイテクの素材やりましたから、たくさん企業が関与しています。そういうところに次々聞いていくと、実は摘発は氷山の一角だと、狙われているということは非常に値打ちが出るので、大規模に流出しているおそれもあるというのがその当の業界の中の反応です。 それに対してこの改正案はどのように立ち向かおうとしているのかということを、改めて御答弁願えますでしょうか。
○政府参考人(寺澤達也君) 御指摘のように、炭素繊維というのは非常に機微性が高い技術だと思います。これが問題あるような主体あるいは国に渡らないようにするというのは極めて重要なことでございます。 そうした観点から、委員冒頭から御指摘のとおり、外為法の規制をしっかり守らせるということは不可欠でございます。そのためにも、違反があった場合にペナルティーを最高に強くするということで、罰則を強化し行政制裁を強化すると。また、行政制裁逃れの穴があったものですから、それを塞ぐという対応をやることによって、最大限、御指摘のような事態にならないように、関係機関とも連携しながら取り組んでいく所存でございます。
○青山繁晴君 じゃ、時間が限りありますから次の視点に行きたいと思うんですけど、最前線の企業から聞いた、言わばヒアリングした中で出てきたのが、目に見えない無形の技術移転というのが実は大問題なんですと。 済みません、一瞬英語で申しますけど、これ、国際社会ではITTと言っていますね、インタンジブル・テクノロジー・トランスファー。インタンジブルというのは、普通、もやもやして捉えようがないという意味ですね。そのテクノロジーのトランスファー、要するに出していったりもらったりすることです。 これが大問題で、日本の外為法でも実は前から努力は行われていて、国境を越える前から、国境を越えてから初めて摘発するだけじゃなくて、言わばその前からみなし輸出としてそれを規制したり数々行われていますけれど、基本的にこういう今申しましたITTというのはネットを使います。しかも、高度に使います。 平成二十一年の先ほど大臣もおっしゃった法改正でネット規制が盛り込まれて、具体的に言うとUSBメモリーの使い方、あるいはメールについても手が入っていることは承知しておりますけれども、ただ、特にそのネット技術の進展と、それからメールにしても単純なメールの送受信だけではありませんので、こういう質問はいつもその手のうちをどこまで見せるかということになりますけれども、これはあえて僕の方から一議員として提案すれば、これ、メールのチェックというのはエシュロンという技術も現にあります。それを全部やれとは言いませんけれども、少なくともこのITTに関しては、見えざる無形の技術、それを情報という言葉に置き換えてもいいし、それについては少なくともキーワード検索、膨大なメール、それから実はファクシミリも本当はできます。日本の技術を使えば実は可能ですから、憲法その他の大きな制約はあっても、目的がはっきりして、しかも使い道が限定されれば、されるわけですから、キーワード検索といったようなことを将来、今回の法改正には盛り込まれていませんけれども、検討される余地はあるでしょうか。
○政府参考人(飯田陽一君) お答えいたします。 ただいま御指摘いただきましたとおり、インターネットを使いました機微技術の提供については、外為法において規制の網を掛けたというのが平成二十一年の改正でございました。その上で、これをどう違法なやり取りを捕捉するかということでございますけれども、今の委員の御指摘は、言わば通信傍受をしてはどうかというような御質問、あるいはそれを立法によって可能としてはどうかという御指摘であったかというふうにございます。これについては過去様々な御議論あったかというふうに考えておりますので、慎重に対応することが必要ではないかと。 ただ、私どもといたしましては、現行与えられている権限の中では外為法に基づきまして立入検査あるいは報告徴収といったことができるようになっておりますので、それをどのような対象企業に行っていくのかということで、御指摘のとおり、手のうちをさらすことになりますので、何を狙うかとか、あるいはどういう内容でそれを報告を求めていくのかということについてはコメントを差し控えたいというふうに思いますけれども、そういった現行与えられた権限の中でもしっかりと対応していきたいというふうに考えております。
○青山繁晴君 あと三分ぐらいしかないんですけれども、一番最初にこの外為法、意義は極めて重大、しかも、どんどん強くなっているのに理解が深まらないということを申しましたけれども、一つのこれも提案として、外為法という名前を変えてはどうかと思うんですけれども。これ、本当は外為法じゃなくて外国為替及び外国貿易法なんですけれども、大臣からお話あったとおり、当時は金の動きについての法律だったのが、今もそれはありますけれども、だから外国為替という言葉は省いちゃいけないけれども、不正な輸出入が行われないということに大きな柱が動いている以上は、例えば、例えばですよ、貿易と外国為替の安全保障に関する法律。じゃ、これをどう略すのか。貿易為替安保法、ひょっとしたら貿為法。 別に笑っていただこうと思って質問したんじゃなくて、実は法律というのは、この法律まだ短い方なんですけど、長い名前が、特に日本の法律、実は海外でも案外そうですけれども、多いので、略称が大事になるので、趣旨が変わって今安全保障の根幹に関わるんだということをやっぱり理解していただける名称になるのは大事じゃないかと、日本は言霊の国ですから。今笑いが思わず出ましたけど、外為法だって、よく考えたら変な名前でしょう。 だから、今のは一つの提案ですけど、名称の変更、それについてお考えあればお聞かせください。
○大臣政務官(井原巧君) 御提案大変ありがとうございます。 冒頭、私の答弁であったように、為替と貿易が一つになっているというところが非常に我が国の特徴で、それが関係機関の連携強化につながって、物と金が一緒に把握できるというのはすごく意味があるというふうに思っております。 先ほど先生御指摘のお話、提案、安全保障の言葉を入れる等云々ですか、ちなみに、そのアメリカの法令の名前は、いろいろ、貿易と投資分かれていますから、一つは投資の方は外国投資及び国家安全保障法という名前になっていて、貿易の方は武器輸出管理法という名前になっている。片や、ドイツは対外経済法とか、イギリスは輸出管理法とか企業法とか、もうそういうふうになっておりまして、それぞれ銘々であります。 その中でポイントは管理ということだろうと思うんですけれども、規制を強化しようという意味では管理を強く押し出せればいいんですけれども、平成九年に例のあの金融ビッグバンあったときに、基本的に金融の緩和をうたわれたときにその管理という名前をどけたということでございます。為替と貿易という名前が残っているということですが、これをどちらを前にするかどうかについては今後検討することもあろうと思いますけれども、我々は今のその効果を発揮していること、この法律の目的を考えると、現在の外国為替及び外国貿易法が現在では適切ではないのかと、このように考えております。
○青山繁晴君 時間が来ましたので、終わります。ありがとうございました。
○礒崎哲史君 おはようございます。民進党・新緑風会の礒崎哲史でございます。 本日、この外為法についての改正案、早速質疑に入ってまいりたいと思いますが、やはり法の趣旨、そもそもの趣旨に沿って論議をしていくということが基本だと思います。やはりその肝となるのは、今まさに青山委員の方から冒頭に大臣の方に質問があったその経緯も含めてどういった内容かというところで、詳細についてはその質疑をされておりました。 この法案が大変重要だという認識は、先ほどの青山委員と私も全く同じ認識に立っておりまして、だからこそ、後ほどまた申し上げますけれども、実際に健全に商売をしている人たちにとってこれが有益であることと、そうではなくて、悪意に満ち満ちた人たちがしっかりと御退出していただけるのかどうか、そういう観点が大変重要だと思っております。 この法の趣旨については先ほどやり取りがありましたけれども、改めてその一条ですが、対外取引が自由に行われることを基本とし、対外取引に対して必要最小限の管理又は調整を行うことによって、対外取引の正常な発展並びに我が国又は国際社会の平和及び安全の維持を期し、もって国際収支の均衡及び通貨の安定を図ることとともに我が国経済の健全な発展に寄与することを目的とするというところでございます。まさに安全保障の部分と健全な経済の発展、この二つが大きな趣旨の中身になってこようかというふうに思って、理解をしております。 また、今回の提案理由についてもまさにその観点が、法の提案理由についてもそうした説明がなされておりました。大臣の提案理由の中にも、安全保障上機微な技術の管理の更なる厳格化を図るということ、そして輸出入に係る規制の実効性の強化を図るということが言われておりました。 あわせて、もう少しちょっと調べてみたんですけれども、今回の法案提出については、事前に産構審、産業構造審議会の安全保障貿易管理小委員会という場の中で様々な有識者の会議が行われておりました。 そこで様々な提言がなされているんですけれども、その中に、業界の方からある意見書が提出をされておりました。様々中身についてはあるんですけれども、細かい法の中身というよりも、まず全般的に留意をお願いしたい事項ということでこれ業界から出されている中身なんですが、まず第一に、正直者がばかを見る事態の回避をしてくれというのが、これが一番最初に書いてありました。まさに悪意を持った人は規制を初めから守る気はないんだと、ですから、規制を、規制の手続をいたずらに厳しくすると、真面目に取り組んでいる人たちの負担が増やすだけになるということですから、これを回避をしてほしいということ。そういう意味で規制と負担のバランスを取ってほしいというのが、これが第一に書いてありました。 第二のところに、まさに安全保障の両立ですね、業界としてもやはり安全保障、それの観点、それと経済、学術活動の促進というもの、これの両立を図るような中身、これをバランスを取ってほしいということ。 少し中身はしょりますけれども、あとは中小企業と大学、研究機関への配慮ということも全般的なお願いとして入っていました。やはり大企業と違ってマンパワーが厳しい中小企業にとっては、当然、いろいろなそれぞれの企業の実態はあろうかと思いますけれども、法律に従って行っていくわけですけれども、先ほど冒頭でも言った正直者がばかを見るような大変厳しい中身にされてしまうと、そもそもの事業活動が回らなくなるということもありますので、そうした配慮をしてほしい。 これが業界からも出されている中身ということでございましたので、まさにこうした様々出されている意見書、それから法の趣旨を含めて、やはり産業目線でこの法律がしっかりと真面目に商売をしている人たちのためになる法律になっているのかどうか、そのための法改正になるのかどうか、そんな観点で今日は質疑をしていきたいというふうに思います。 先ほども申し上げましたけれども、やはり正直者にとって負担大にならないのかどうか、あるいはトラブルに巻き込まれるような形にならないのかどうか、あるいは悪意を持った皆さんに対しては抑止力があるか、そもそも入口を狭められるか、あるいは中に無理やり入ってきたときにしっかりと外に出ていただける中身になっているかどうかということだというふうに思っております。 具体的な中身に入っていく前に、まず立法事実の確認といいますか、全般的な傾向ということで、これまでの外為法による検挙の件数の推移と、あと特徴的な傾向があれば御説明をいただきたいと思います。
○政府参考人(寺澤達也君) お答えします。 外為法は、大量破壊兵器関連物資の不正輸出や対北朝鮮向けの輸出入を規制しているところでございます。 こうした分野について見ますと、昨年末時点で少なくとも六十数件の外為法違反事件が検挙されているところでございます。このうち、外為法に基づき平成十八年に北朝鮮から輸入を、平成二十一年に北朝鮮向けの輸出をそれぞれ全面的に禁止したところでございますが、こうした北朝鮮向き措置あるいは制裁が実施されて以降、三十六件の対北朝鮮に関連する措置に関する事件が検挙されているところでございます。 また、その内容を見ますと、近年、輸出品目を偽ったり、第三国を経由した迂回輸出が確認されるなど、犯罪の手口が悪質、巧妙化している傾向が見られます。また、行政制裁の網を逃れようとする、そうした事案も発生しているところでございます。 こうした状況を踏まえまして、今回の法改正におきましては、北朝鮮との輸出入禁止措置を含め、規制違反に対する罰則を大幅に強化するとともに、行政制裁逃れに対応するための制度を新たに創設するなど、規制の実効性を抜本的に強化をしたいと考えているところでございます。
○礒崎哲史君 今傾向をお伺いいたしましたけれども、そういう意味でいくと、地域としてやはり北朝鮮絡みのものの件数が増えてきているという考え方を捉えればいいですかね。規制といいますか、対象範囲を広げているということもあるのかもしれませんけれども、そういう傾向としてはやはり増えてきていると、地域が限られてきているという見方なのか、それとも全般的にやはり増えてきているという見方の方が正しいんでしょうか。
○政府参考人(寺澤達也君) やはり対北朝鮮向けの案件が多いのは、平成十八年に北朝鮮からの輸入を全面禁止し、平成二十一年に北朝鮮向けの輸出を全面禁止したという、全面的な輸出入を禁止するという措置を講じた結果として、結果として北朝鮮関連の検挙件数が多くなっているということかと思います。 外為法というのは北朝鮮以外も含めて幅広く規制しているわけでございますけれども、それに違反する事例というのは、北朝鮮以外については残念ながら後を絶たないという状況、説明、表現が正しいかと考えております。
○礒崎哲史君 そのお話でいくと、範囲を増やしたということで、考え方としては、それでも、不正を犯してでも輸出をしようという人たちが後を絶たないのか、それともたまたま網が掛かっていたことに気付かずに輸出をしてしまったのか、結果として検挙が増えたという考え方もできるのかもしれませんが、事北朝鮮に関してはこれだけ報道で流れておりますから、後半の考え方というよりも、どちらかといえば前半の不正を承知で引き続き輸出をしている人たちが後を絶たない状況なんだろうというのが正しい認識なんだろうというふうに思います。 その意味では、今回法の改正を行うことでこの抑止力を高めていこうという考え方につながってきているということは、ある方向性としては正しいことだというふうに思いますが、今回その大きな中身としては、罰則を引き上げていくということ、それによって抑止効果を高めていくということがお話がございました。 先ほど青山委員とのやり取りでもありましたけれども、少しかぶるところもございますが、改めて、今回の罰則引上げによる抑止効果、これは個人、法人、それぞれがあろうかと思いますが、これはやはり、改めて聞きます、十分だとお考えでしょうか。
○国務大臣(世耕弘成君) この外為法の罰則というのは過去何回か引き上げられてきたわけでありますけれども、それでも、今委員がおっしゃったように、輸出規制の違反事案というのが後を絶たないという状況になっております。ですので、今回、罰則による抑止力を抜本的に高めるためには罰金額の大幅な引上げが必要だというふうに判断をさせていただきました。罰金の上限を、現在の一千万又は輸出価格の五倍から、個人で三千万そして法人で十億又は輸出価格の五倍という形に引き上げたわけであります。 先ほども答弁がありましたように、この罰金額十億円というのは不正競争防止法の営業秘密侵害と並んで経済関係の法規の中では最高額の罰金と、しかもそれに五倍スライド規定が付いているわけですから、これは国内法の中で最も重い罰金刑と言えるというふうに思いますので、一定の抑止力は果たしてくるというふうに考えております。
○礒崎哲史君 そこで踏みとどまってくれるということは少しは良心が働いた人たちなのかもしれないかなとは思いますけれども、それでも悪意を持った人たちというのはいるんだろうという想定の下にやはり様々法体系考えなければいけないというふうに思っています。 その意味で、最近の特徴ということでは偽りの申請あるいは迂回というようなお話も御紹介を先ほどの中でいただきましたけれども、悪意を持った人物がそもそもうその申請を行うと、こういう行為に対しては、今回の改正も含めてですけれども、どのように規制できる今体系になっているのか、この点について改めて確認をさせていただきたいと思います。
○政府参考人(飯田陽一君) お答えをいたします。 輸出審査を我々はするわけですが、その審査に当たりましては、最終的にその物や技術を使うユーザーの事業内容、あるいはその物や技術をどのように使うか、それからそれを使ってどういう事業計画を持っているか、こういったことを聴取をいたしまして、それが実際に申請された物や技術の、スペックです、技術的なスペックですとかあるいは数量、それがそれに見合ったものであるかどうかということを厳格に確認をしております。 また、私ども、過去三十年間ほどの審査の実績というものをデータベースで一元的に管理をいたしておりまして、その中で様々な情報を蓄積しておりますので、今申し上げた最終的なユーザーですとか間に入る荷受人のような方々が不審な取引に関わった実績があるかどうか、こういったことも確認をしながら審査をいたしております。加えまして、具体的な執行ということで警察や税関とも緊密に連携をしておりまして、不審な企業に関する情報も日々情報共有をしているということでございます。 これらの対応によりまして、虚偽の申請が仮になされた場合であっても輸出の許可をしないような、そういう対応を現行の規制の中で実施をしております。
○礒崎哲史君 今御説明いただきましたけれど、それでもやはり虚偽申請を行う人間というのはいると思いますし、ちょっと罰則の面で確認なんですけれども、虚偽申請を行った場合の罰則、それで検挙された場合の罰則について確認をしたいと思いますが。 〔委員長退席、理事石上俊雄君着席〕
○政府参考人(飯田陽一君) お答えいたします。 貨物の種類あるいは輸出先の国といったような最も根本的に重要な事項について虚偽の申請があった場合、それに基づいて輸出を行った場合には、何も申請していないことと同じでございますので、無許可で輸出を行ったということとみなして罰則が適用されることになります。 現行の体系の中では、最大で十年以下の懲役あるいは一千万円以下の罰金又はこれを併科するということになってございます。また、輸出価格の五倍が一千万円を超える場合には輸出価格の五倍以下の罰金が科されるということになっておりまして、先ほど御答弁申し上げたとおり、今回の改正によりまして、この一千万円が、個人で三千万円あるいは法人で十億円というところで大幅に引上げをしているところでございます。 なお、貨物の用途あるいは需要者といったような事項につきましては許可をするかどうかを判断する上で重要な事項でございますので、これについても虚偽の申請が行われた場合の罰則がございまして、これについては三年以下の懲役若しくは百万円以下の罰金あるいはこれを併科すると。あわせまして、輸出価格の三倍が百万円を超える場合には輸出価格の三倍以下の罰金が科されると、こういった形で罰則を適用しております。
○礒崎哲史君 そうしますと、今併科ということですから、そもそも輸出してはいけないものを輸出したときの罰則に加えて、無許可の部分、ですから今のでいくと懲役刑も入るという御説明だったと思います。それの両方が科せられると、そういう理解でよろしいですね。ちょっとそこだけ確認。
○政府参考人(飯田陽一君) 申し上げをいたしましたとおり、懲役と罰金が併科されるということでございます。
○礒崎哲史君 意地悪ではないですけれども、それでも何かしらやろうとする人間というのは多分いるんだと思いますけれども、今のはちょっと偽りの申請ということをしましたが、迂回というようなことも先ほど最近の傾向としてお話がありましたので、その観点でいくと、我が国の企業からほかの国の企業に一回輸出をして、その相手国企業がそれを転売をするというような形、これも結果的には外為法の考え方でいけば違法という形になってこようかと思いますが、こうした相手、第三企業といいますかね、相手企業をまたいだ形での再輸出、これを防ぐ手だてとしては具体的にどういうような対応を取られていますでしょうか。 〔理事石上俊雄君退席、委員長着席〕
○政府参考人(飯田陽一君) お答えいたします。 取引相手の企業から再輸出を防ぐための方策でございますけれども、これは輸出者に対しまして、再輸出の際には経済産業省の事前同意を得てくださいということを条件にしております。また、これを確実に実施するために最終需要者、最終的に物や技術を受け取る、使用する方からも、目的外の使用をしないことや再輸出は行わないということを誓約書として提出を求めているところでございます。 これに加えまして、最終需要者による転用の懸念を払拭するために、輸出した貨物の保管や在庫状況、設置状況等につきまして経済産業省に対して定期的に報告することも、先ほど申し上げたとおり、輸出許可の条件として付しております。 さらに、個別の事例でございますけれども、工作機械につきましては、許可申請時の設置場所と異なる場所に動かされた場合、これを検知するソフトウエアによりまして工作機械が自動的に停止をする移設検知装置の搭載をお願いをしておりまして、これが再輸出されないように、より高いレベルで、この移設検知装置の設置をすることで再輸出を防止するということにしております。 あわせまして、今回の改正におきまして、許可条件の違反につきまして、従来は過料を十万円ということでございましたけれども、これを罰則化いたしまして、百万円あるいは輸出価格の三倍のどちらか高い金額の罰金、併せまして懲役三年以下ということで、条件違反による再輸出への抑止効果を高めたところでございます。
○礒崎哲史君 相手からきちんと誓約書を取るというようなお話もありましたが、ここが一つポイントなんだと思いますね。一回日本の国外に出てしまったときに、この外為法がどこまで最終的に法の網として、規制として掛かるのかということだと思いますので、その第三国に出てから別のところに渡ってしまう、そういうことを想定したときに今回のこの法規制でどこまで管理ができるのか。そういうことを考えていけば、やはり国際的にもこういった観点で論議をし合う場はありますので、そういうところで国際的に連携取り合いながらそうした不正輸出について防いでいくこと、そうした手だてについて連携をしていくということも重要なのかなというふうには一つ思っております。 あわせて、今日は財務省の方はお呼びしませんでしたけれども、そもそも日本から出ていく水際で防ぐということでいけば、税関の体制、私も空港あるいは港に行って実際に税関の方の働き方見てきたりもしています。先ほど、データベースで様々な蓄積もあるということで、当然蓄積もあるんですが、最後は人の力でやっているのが実態といいますか、ノウハウなんですね。そこの人間の持っているノウハウということで、ここの詳細は特殊技能といいますか、ノウハウなので言えませんということで教えてもらえなかったですけれども、様々なノウハウを人々が持って水際で防いでいるというのが税関の実態でもありましたので、これは所管部署は違いますけれども、是非、世耕大臣も麻生大臣とは会われることは頻繁にあろうかと思いますので、こういった税関についての話が出た際には、やはり輸出入、それをきちんと管理をしていく上でも税関の体制強化については是非大臣の方からもお話をいただければ幸いでございます。是非よろしくお願いをいたします。 今、悪意を持った人という立場、その人たちを取り締まるという観点でお話をしましたけれども、続いて、真面目に企業活動をしている、こうした皆さんにとってやはり間違いがあってはいけませんので、この皆さんの事業運営、事業活動についてで質問していきたいと思いますが、まず、今現在様々な技術革新、それも相当速いスピードで、それもいろいろな技術革新が起こっているというのが現状、足下の状況だというふうに思います。今後の様々な技術革新においてどのような基盤技術が機微な技術の対象となっていく可能性があるか。例えば、車の自動運転などもこの技術の対象になっていくんじゃないかというふうにも考えられるわけですけれども、この点について確認をさせていただきたいと思います。
○国務大臣(世耕弘成君) 外為法の規制対象となる機微技術は、まず国際輸出管理レジームの下、軍事転用リスクの観点から、管理すべき技術として参加国が合意したもの、これをまずベースにして決めているという状況であります。 例えば、ワッセナー・アレンジメントなどの国際輸出管理レジームでは、最新の技術開発動向などを踏まえて、どのような技術を規制すべきかについて参加国で議論をして、当然技術はどんどん変わっていきますから、毎年対象技術のリストを更新をして外為法の政省令などにおいて公表しているところであります。 したがいまして、今後どのような基盤技術が規制対象になるかについて、なかなか予断は難しいわけでありますけれども、安全保障の観点から、毎年国際的コンセンサスの下で議論をされ、適切にそれに従って定められていくことになるかというふうに思います。 また、今御指摘の自動運転技術が規制対象となるかどうかについては、例えばセンサーや制御技術など、個別の要素技術の性能等の内容次第ということになります。ですから、一概に今お答えすることは難しいわけでありますが、普通に考えれば、自動運転となりますと、例えばジャイロスコープですとかあるいはカメラなどのかなり高度なセンサーですとか、それを認識する技術、集積回路とか、こういったものは性能次第では当然規制の対象になる可能性があるんだろうというふうに思っております。
○礒崎哲史君 ちょっと、そこで、もう少し具体的な話なんですけれども、そうすると、例えば、今自動運転ということでいくとセンサー類あるいは制御技術、カメラもそうですね、そうしたものが機微技術になっていく可能性がある。とすると、そうしたものをてんこ盛りにしている製品としての自動車そのものというのが輸出入の対象になっていくのではないか。それこそ、自動車のどんがらだけ取り替えて装甲車に変えるとか、そういうことも考えられるわけですし、それこそ、もう今は軍事転用ということでいけば無人で飛行機飛ばす、あるいは装甲車走らせる、あるいはドローンを飛ばすということはこれ当然できるわけでありまして、そういう意味でいくと通信技術なんかもなっていくのではないかなというふうに思いますけれども、そういう技術が入った製品そのものが輸出入に影響を与える、こういうことの可能性についてはいかがでしょうか。
○政府参考人(寺澤達也君) 基本的考えとしましては、安全保障貿易管理というのは経済的利害を勘案して行うものではなくて、あくまでも安全保障上の懸念を払拭するため、そのために行うものであります。このため、輸出入等々への影響に左右されるべきものでは本来はないと考えている次第でございます。 他方で、安全保障貿易管理というのは安全保障上懸念のある貨物の海外への輸出を管理するものでありまして、懸念がない貨物については当然ながら輸出することができることになります。ただ、将来どういう制限が出てくるかというのは、その製品が登場した段階で、こうした安全保障に対する影響があるかないか、そうしたものを個別に見た上で判断がなされるということになるかと考えております。
○礒崎哲史君 先ほど、大臣の答弁の中でも毎年リストの更新を行っていてというようなお話もありました。技術の進歩速いですから、どういう時点でどういう懸念があるかという、今はリストに入っていないけれど将来的にはというような話もその会議体の中では出るかも、ちょっと様子分からないですけれども、出るのかもしれません。 是非そういう情報については業界の方ともしっかりと連携を取っていただいて、将来的にそういうリスクがあるのであれば、業界に対しては、それを踏まえた技術開発あるいは製品開発というところに結び付ける必要もあろうかと思いますので、この間、国際標準化の論議ここでさせていただきましたけれども、例えばそういう観点の中で、こういうものはいきなり輸出しちゃ駄目だとかという規制をばっと掛けられたときに、結局日本企業が市場から締め出されるなんというようなことがあってはいけないと思いますので、是非そういう観点でも様々業界の方とは連携を取っていただく必要があるのではないかと思います。 今、実際の製品という観点でお話をさせていただきましたが、実際にそのもうちょっと手前の技術開発という観点で、企業同士の連携ということで質問をしたいと思うんですが、企業の連携の中でもいろんな資本の関係があったりなかったり、いろんな形があろうかとも思います。今、実際に技術開発のための連携というのは非常に多く、それはもう国の国境をまたいだ形の連携は行われておりまして、これは実際様々な技術開発を同時並行で幾つもやっていかなきゃいけないということですから、お金の面、それからマンパワーの面でもう一つの企業では太刀打ちできないので企業連携が始まっているということです。 ですので、今後更にこういう動きというのは加速していくんだと思いますが、こうした様々な企業の技術協力あるいは協業という形態が生まれている中で、機微技術が含まれる製品開発、これを行っていくときに企業は一体何に気を付ければいいのか、いや、そもそもそういう製品開発ができるのかどうか、その点について確認をさせていただきたいと思います。
○政府参考人(飯田陽一君) お答えいたします。 外国企業との技術の協力、共同研究あるいは協業という中で様々な技術情報の交換が行われるということが想定できるというふうに考えております。その中で、先ほど来申し上げておりますとおり、国際レジームで合意された機微技術については外為法で規制をしておりますので、それが外国企業との間で取引がされるということになれば、これは規制対象ということで手続を取っていただくということが必要になります。 その上で、経済産業省におきまして、最終需要者、相手の事業の内容ですとかその用途などを確認をして、懸念がなければ輸出を許可をするということになりますので、問題がなければ、当然のことですけれども、製品開発、外国企業と協業した形で進めることができるということになるというふうに考えております。
○礒崎哲史君 さらに、確認ではありますけれども、最初はそこまでの技術ではなかったんだけれど、途中で様々なブレークスルーが起きて急にぽんと新しい技術がお互いの協力の中で生まれて、結果的にそれが機微技術のリストに載っていくようなものになっていったとなったときに、その企業の関係というものは一体どういう形になるのか。 今回、資本の取引等で様々な規制が入ることにはなりますけれども、後で機微技術に発展をしていった場合に何らかの企業間の連携について影響があるのかどうか、その点についても確認したいと思います。
○政府参考人(飯田陽一君) お答えいたします。 外為法で規制対象となった技術が結果として開発されたり、あるいは新たに規制対象になるということが想定されるわけですけれども、このときには、委員御案内のとおり、これは規制対象ということですので、外為法上の手続を取っていただくということが必要になるというふうに考えております。 ただ、当然、外国企業もそういった政府の規制についてどう取り扱うかということについて、あらかじめ、共同研究あるいは協業を行うときに両者間の間で取扱いをどうするかということをあらかじめ想定して対応されているということだというふうに考えておりまして、きちんとした手続を取っていただくということになろうかというふうに考えております。
○礒崎哲史君 ちょっともう時間がなくなってきましたので、最後、あと二問できればと思いますが。 今回、対象のカテゴリーをEUリストに準拠したものに直すと、今まで日本の独自のリストでやっていたものをEUリストに準拠したものに変更するというふうに話が、内容がありました。これ、どのようなスケジュールで変更を行っていくのかという点、それと、その際に中小企業に対して何らかしらの配慮、そうしたものは検討しているのかどうか、その点について確認をしたいと思います。
○政府参考人(飯田陽一君) お答えいたします。 事業がグローバル化する中で、複数の国で輸出管理を行う企業が増えているというのが実態であろうかというふうに考えております。このため、今回、多くの国に採用されておりますEUリストに準拠したものに変更するということで検討を開始したところでございますけれども、この変更に当たりましては、企業等の管理体制あるいはシステムを構築するに当たって企業側にも負担が発生する可能性もございまして、企業からは、事前に細部にわたって十分に調整してほしい、あるいは準備期間を十分に確保してほしいといったような要望を頂戴をしております。 現在、こうした要望も踏まえまして、関係者と意見交換を重ねて、今後の改正スケジュールも含めて検討をしているところでございまして、現時点、この場で具体的なスケジュールをお示しすることはできないんですけれども、今御指摘ございましたように中小企業への配慮も重要であるというふうに認識をしておりまして、新しい制度に対応するための十分な準備期間を確保するなど、丁寧に検討を進めてまいりたいというふうに考えております。
○礒崎哲史君 今、スケジュールについては今後検討というお話でしたけれども、大臣に最後お伺いしたいと思いますが、まず、冒頭申し上げました、そもそも中小企業、マンパワーは大変厳しい状況にございます。こういう状況の中で、今回のスケジュールも含めて様々な対応をしていただく必要が、ミスを犯してもいけないですし、企業側が、負担をむやみに増やすのもよくないと思います。様々な対応が必要だと思いますけれども、最後に、この点についてどういう対応をされるか、大臣の御所見を確認したいと思います。
○国務大臣(世耕弘成君) これはやはり国家安全保障に関わる問題でもありますので、中小企業だから甘くするとかマンパワーが足りないから配慮するというわけにはこれなかなかいかないわけでありますが、一方で、やはり中小企業の皆さんには安全保障貿易に対する認識を高めていただくことが非常に重要だと。ここは丁寧にやっていきたいと思います。 全国各地で年間百回程度この安全保障貿易管理に関する説明会などを開催をしてきておりますし、パンフレットを配布するとか、普及啓発活動をしっかり行っていきたいと思いますし、説明会の一部は商工会議所ですとかジェトロが主催するなどして、輸出を実際にこれから検討するような中小企業にもしっかり理解してもらうよう工夫をしておりますし、あと、コンプライアンスプログラムというのが多くの企業等で策定されるなど、理解が進んできております。今コンプライアンスプログラムを策定しているのは千四百五十社ですが、そのうち五百社は資本金三億円未満ということでありまして、中小企業にもこういった動きが、いわゆる輸出管理体制の構築というのが進んでいるんではないかというふうに思っております。 これからも、中小企業にはしっかり丁寧に説明を行いながら、輸出管理の一層の徹底を図ってまいりたいと思います。
○礒崎哲史君 是非よろしくお願いをいたします。 私の質疑を終わります。
○石上俊雄君 おはようございます。民進党・新緑風会の石上俊雄でございます。 先ほど来、青山先生、礒崎先生と基本的なところからしっかりとした質問で、ああとか、ああそうだなということで聞かせていただきました。私も電機産業の企業人の一員でございますので、そういった観点で、この外為法を適用されるとか、そういう視点で質問ができればいいなというふうに思っているところでございます。 先ほど礒崎委員からも話がございましたが、産構審の中の安全保障貿易管理小委員会で三回ほど審議がされたと。その議事の結果と議事録というかを見させていただいて、さらに、それを受けた形で産業界がどういう形になって反応をしているかというのも見させていただきました。 その中で、先ほど最後の方でちょっと質問が礒崎委員からありましたが、規制品目番号の関係についてでございます。私が見る限りでは、このことに対しての要望が何か一番大きかったのかなというふうに思うんです。苦節十年と何か表現されておりましたけれども、ようやく最終の報告書の中にEU準拠との方針ということで提言が入ったということで、これはすごいことだということらしいんでございます。そういうことで、まずはその規制品目番号のグローバルスタンダード化、いわゆるEU準拠についてお伺いをさせていただければと思います。 資料もちょっと準備をさせていただいているので、それを見ながら質問をさせていただきたいと思いますが、今の構造がどうなっているかというと、先ほど大臣からもありましたが、我が国は国際輸出管理レジームに沿ったカテゴリーの構造となっているわけでありますが、じゃ、世界はどうかというと、先ほどもちょっとキーワードで出てきましたが、ワッセナー・アレンジメントを基にしたEU体系が、これが結構多く取られているという。 したがって、この日本だけ異質の状態にあるというふうに言われておりまして、じゃ、それがどうなるかというと、日本だけ異質だと、国内でやっているだけはいいわけでありますが、海外は当然のごとく出ていくわけですから、そうすると、品目の形態が違ってくるということは一々対応していかないといけないということで、かなり手間暇掛かるというふうなことを聞いております。 企業によると、四十万件、四十万件というか数十万件のものを追っかけながら、毎年数万件のものがリニューアルされているということでありますから、それをまた品番が違うものを追っかけていくということで、かなりの労力があるのでここは統一していただきたいというのが産業界の要望で、苦節十年というふうになっているわけでございます。 まず、これについて大臣の所見というかお考えをお聞きしたいのと、先ほどもちょっと出ましたが、これを統一していくとなると、要はシステムを変えていかないといけないんですね。これもいろいろ書き物がありましたが、数千万円から、もしかしたら億単位でお金が掛かってしまう、さらには期間も掛かってしまうんじゃないかというところも懸念をされているわけでありまして、ここも全体で、スケジュール感とか費用の掛かり具合も含めた形でこのEU準拠に対する大臣のお考えについてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(世耕弘成君) 経済のグローバル化が進んで流通形態も大変複雑化している中、複数の国をまたがる流通を管理する企業などの輸出管理に関する負担を軽減するためにも、日本の品目番号の構成を国際的に広く採用されているスタイルに見直すということは大きな意義があるというふうに認識をしております。 審議会でも、産業界の委員からは、EU体系に準拠させる方向性が初めて公式に提示されたことは画期的であり評価したいなどの御意見をいただいております。 一方で、この品目構成の見直しというのは、社内システムの大幅な変更などが必要になって、準備期間は十分に確保してほしいとの御指摘もいただいております。したがって、品目番号の変更に当たっては、企業等の管理体制やシステム改修など、企業などにも負担が発生する可能性がありますので、企業等との十分な調整や準備期間を十分に確保しなければいけないと考えております。 こうした点も踏まえて、審議会の報告書においても、企業や大学などに対して必要以上に負担を掛けないように留意をして取組を進めていくことが必要であるという御指摘をいただいておりまして、現在、関係者と意見交換を重ねて、鋭意検討しているところであります。 現段階で、我が国の品目番号の見直しについて具体的なスケジュールを示すことは困難でありますけれども、企業等の管理体制やシステム改修等に必要となる十分な準備期間の確保を含めて、丁寧に検討を進めてまいりたいと考えております。
○石上俊雄君 是非お願いしたいと思います。 その検討を進める中で、資料の一の②にも付けさせていただいておりますが、規制品目番号の体系の国際調和というところを進めていくわけでありますが、日本の法令でよく使う漢数字、さらには、イロハニホヘトというんですかね、イロハ四十七文字というふうなものがあるわけでありますが、これはいろいろ考えると日本独自のものなのでそぐわないのかなというふうな気がしています。 したがって、世界で通用するアルファベットとか算用数字を用いていくべきではないかというふうに考えているわけでありますが、この辺についてお伺いしたいのと、さらには、EU体系で役務と外為の二十五条と貨物と外為の四十八条が合体化されているわけでありますけれども、これも同様にするべきではないのかなというふうに考えているわけでありますが、経産省のお考えをお聞かせください。
○政府参考人(飯田陽一君) お答えいたします。 各国の輸出管理法制は、各国がそれぞれ有する法体系の整理の中で整備をされているというふうに認識をしておりまして、外為法も日本の法体系の中で、その整理に従って整備をされております。 日本の法体系では、委員御案内のとおり、何条何項何号あるいはイロハという形で統一的に整理をされておりまして、EUリストは確かにアルファベットを使っているわけですけれども、この日本の法体系の整理の中で外為法の関係も整備をしていくということでございますので、EUリスト準拠に当たりましてもこの原則に基づいて対応していきたいというふうに考えてございます。 なお、今回、EUリストということで、要は国際レジームのリストと国内のリストがある種クロスするようなところとか、そういうところがいろいろありますので、そこで整理をきちんと品目ごとにしてほしいという御要望が背景にございますので、外為法における規制対象となる貨物、技術の整理の仕方や順序がEUリストと整合的になるのであれば、単に記号を置き換えれば対応できますので、事業者の負担の軽減につながるというふうに考えているところでございます。 また、役務と貨物の関係について御指摘がございました。 これ、外為法の基本構造で、役務と貨物、それぞれ異なる条文を基に規制をしておりますので、その結果として異なる政令で具体的な役務、貨物を規定しているというのは事実でございます。ただ、役務におきまして、貨物の規定を引用して定義をするという点においては、これはEUリストと全く同じ構造になってございまして、事業者がEUリストに準拠した整備を進める中で、役務と貨物を別の政令で規定したとしても事業者等の解釈を混乱させるようなものではないのではないかというふうに考えているところでございます。
○石上俊雄君 ありがとうございました。 続きまして、罰則上限の格差の合理性についてお伺いをさせていただきたいと思います。 これもまた資料を付けさせていただきましたが、資料の二の①に、現行の法の先ほど話がありましたけれども、重科とかスライド規定という表を付けさせていただきましたが、ここの罰則の分類が大量破壊兵器と通常兵器に分かれているというのはこれは見れば分かるわけでありますけれども、通常兵器でも殺傷性や非人道性において大量破壊兵器と差がないものもあるのも事実だということであります。 ちなみに、クラスター爆弾というのは禁止されておりますけれども、これは大量破壊兵器ではなくて通常兵器の分類になるんですね。しかし、いろいろ内容を見ていくと、ううん、これどうなのというふうに思うわけであります。 また、その罰則は、そもそも平和と安全に与えた法益侵害の程度や悪意の有無に基づいて個別に量刑で差が付けばいいんではないかなというふうに思うわけでありますけれども、大量破壊兵器と通常兵器で罰則上限に差を付けるのは果たして必要があるのかどうかというふうに思うわけであります。さらには、EU準拠にすると同一カテゴリー内に大量破壊兵器関連と通常兵器関連が混在することになるというふうに思いますので、罰則の水準を同一化してシンプルにしたらどうかなというふうに思うわけでありますけれども、このことについての大臣のお考えをお聞かせください。
○国務大臣(世耕弘成君) この大量破壊兵器と通常兵器の罰則の上限に差ができたのは、今回の改正ではなくて、これは平成二十一年の外為法の改正のときにできました。それまでは大量破壊兵器でも通常兵器でも罰金の上限額は二百万円だったわけですが、このときに、通常兵器の場合は七百万円、大量破壊兵器の場合は一千万という形で引き上げられたわけであります。 これ、当時の状況として、まず一つは、北朝鮮がミサイル発射や核実験を始め出していた時期でありますね、平成二十一年というのは。それと、あと、そういう中でも違反事例がなかなか後を絶たないと、そういう状況認識の中で、特に軍用の細菌製剤などもう大量破壊兵器そのものと言えるような貨物ですとかあるいは核原料物質、もうこれは明らかに大量破壊兵器の開発に転用される蓋然性が非常に高い貨物と言うことができるわけでありまして、そういった貨物についてはやはり技術管理をより厳しくやっていかなければいけない。そして、そういったものが無許可で輸出をされた場合には、国際的な平和と安全のみならず、北朝鮮が核実験、ミサイル発射を始めているという状況の中では、我が国国民の生命、財産に直接的な危険性が及ぶ可能性が強い、おそれが多いということで、守るべき法益が極めて重いと平成二十一年当時考えられたわけであります。 この考え方は、もう昨今の今の状況を見てもより厳しくなっているわけでありまして、収まっているというようなことは全く言えないわけでありますから、今回の改正法案においてもこの罰則に差を付けるという考え方は必要だというふうに考えているわけであります。 リストに混在をするということは、これはもう丁寧に説明をして、企業側でも丁寧にそのリストを読み取って対応していただきたいというふうに考えております。
○石上俊雄君 さらに、今回の法の改正で今まで空いていた穴をしっかりと埋めていくということで、中身を見ると罰則の抜本的な強化ということで、さらにそれをやることによって抑止力というのは高まっていくんだろうなというふうに思うわけであります。 そんな中で、資料の二の②に付けさせていただきましたが、違反に係る共犯者というところで、ここに対しての罰則適用というのは多分あるんだろうというふうに思いますけれども、そのことについて、共犯者やあとは幇助犯ですね、ここについてどういうふうな形になるのかと、さらには、その幇助犯や教唆犯に対する行政制裁の適用があるのかないのか、その辺について、理由も含めて経産省、教えていただけますでしょうか。
○政府参考人(寺澤達也君) お答えします。 罰則規定には刑法の総則が適用されますから、従来から幇助犯については刑法第六十二条、教唆犯は刑法第六十一条に基づき処罰可能となっているわけでございます。今般、外為法の罰則を引き上げることになりますが、そもそも幇助犯や教唆犯の罰則の重さは正犯に準じて決まるものでございますので、結果的に幇助犯や教唆犯の罰則も強化されることとなります。 一方で、行政制裁について御質問ございました。外為法に定められている行政制裁とは一定期間の輸出入等の禁止を行うものでございますが、この対象というのは外為法の違法行為者、すなわち無許可輸出等を行った本人のみであって、幇助犯や教唆犯は対象とはしておりません。この理由でございますけれども、行政制裁は先ほど申し上げたように一定の期間に輸出を禁止するものでございますけれども、輸出者に幇助や教唆を行うブローカー等は一般的には輸出を行っている者ではございませんので、輸出禁止等が制裁の手段としてなっているわけですけれども、これがブローカー等には対応しない、これが理由として行政制裁の対象としているものではございません。 他方、今回の外為法の改正においては、立入検査の対象を拡大して、違反行為者本人だけではなくて関係者に対しても立入検査を行うような規定を盛り込んでおります。この結果として、教唆犯や幇助犯というのはこの関係者に該当するわけでございますから、経産省の方から立入検査を受ける可能性が出てきます。これが大きな抑止力になると思います。また、そうした立入検査を通じて教唆や幇助の犯罪事実を経産省が発見した場合には経産省から捜査当局に刑事告発をするということになりますので、こうした幇助犯とか教唆犯に対しても、今回の改正法案によりまして非常に大きな抑止効果の発揮が期待できるところと考えている次第でございます。
○石上俊雄君 ありがとうございます。 今日は法務省にもお越しいただいておりますのでお伺いしたいと思いますが、幇助犯を幇助した場合、さらには教唆犯を教唆した場合、ここの資料にも書いておきましたが、幇助の幇助、教唆の教唆、又は教唆の幇助、幇助の教唆などへの罰則の適用は刑法上どうなるのか、教えていただけますでしょうか。
○政府参考人(加藤俊治君) お答えを申し上げます。 あくまで刑法の規定に基づく一般論でございますけれども、まず、お尋ねいただきました中で二番目と四番目、すなわち教唆の教唆とそれから幇助の教唆については刑法に条文がございます。すなわち、刑法第六十一条二項は、教唆者を教唆した者についても正犯の刑を科するというふうにされております。また、従犯、すなわち教唆者、を教唆した者については従犯の刑を科する、すなわち幇助犯の刑を科するということになっております。この二つについては明文がございます。 それから、お尋ねいただきました最初のもの、幇助を幇助した場合につきましては刑法に明文の規定はございませんので、これは処罰できないという学説もございます。ただ、一応の判例といたしまして、幇助犯の幇助も処罰可能であると理解できる裁判例がございます。ただ、その裁判例に対する理解自体、学説上の争いがあるところでありまして、幇助の幇助が処罰可能であるかどうかということについては、法務省として確定的なお答えができないという状態にございます。 また、お尋ねいただきました三番目、教唆犯を幇助した場合でございます。これにつきましても、教唆を幇助した者については処罰ができるという判例がございます、そのように理解できる判例がございます。ただ、この判例も昭和十二年のかなり古いものでございまして、反対の学説も有力となっておる状態、状況にあるというところでございます。 以上でございます。
○石上俊雄君 ありがとうございました。よく分かりました。 次に、温泉地の老舗旅館とやゆされる法体系の見直しについてお伺いしたいと思います。 資料も三に付けさせていただきましたが、安全保障貿易管理に関する産業界の要望は様々、先ほどから話が出ておりますが、あるわけでありますが、その底流には、体系が複雑で条文が難解で、労力、コストが膨大に掛かるということで苦悩が共通にあるとお聞きしているところでございます。 資料の三の①に示させていただいておりますけれども、現行の法体系は長年の情勢変化への対応で、政省令、告示、通達、QアンドAなど継ぎ足しを繰り返してきた結果、まるで、先ほどちょっと言いましたけれども、本館、別館、新館、さらにはアネックスと、増改築した温泉地の老舗旅館とやゆされるほどのようだというふうに言われているわけです。 これ、温泉地の老舗旅館は、それがまた情緒があって寂という形になるわけでありますが、この貿易管理に関しては、これは負担以外の何物でもないと、分かりにくさというところにつながってくるわけでありまして、これはいかがなものかなというふうに思うわけであります。 各国とも状況は同じようでありますけれども、ドイツは二〇一三年に法文の整理統合や用語の平易化など大規模な改正を断行したということを聞いておりますし、また、お隣の韓国では毎年のように見直しを行っているというふうに聞いております。これは法令が、先ほど申し上げましたけれども、複雑で難解では産業界の利便性や国際競争力が失われるという懸念があるということから抜本改正を行ったと聞いているわけであります。 そこで質問をさせていただきますが、現在の輸出管理で最重要業務はエンドユースのチェックだというふうに考えるわけでありますけれども、しかし、この基本の枠組みであるキャッチオール規制は法体系のどこでどう規定されているのかがよく分からないということでございます。法律で明示されていない理由や経緯がありましたらお聞かせいただきたいということと、輸出管理の法律なのにその輸出の定義が存在しないなど、基本事項を法律できちんと規定するべきとの指摘もあるわけでありますが、これについての考え、併せて経産省、教えていただけますでしょうか。
○政府参考人(飯田陽一君) お答えいたします。 御質問のございましたキャッチオール規制について、主として物に即して御説明を申し上げたいと思います。 現在、外為法の第四十八条第一項におきまして、特定の地域を仕向地とする特定の種類の貨物の輸出をしようとする者は経産大臣の許可を受けなければならないというふうにされておりまして、その上で、この特定の地域、特定の貨物、あるいはその輸出の態様について、具体的な内容については政令、輸出貿易管理令に委任されているところでございます。 このキャッチオールでございますけれども、輸出貿易管理令の中で、第一条、それから別表の第一ということで、その中で十六の項というのがございまして、ここで具体的な貨物と地域を定めております。その上で、第四条というのがございまして、具体的な規制対象となる輸出について定めておりまして、輸出貿易管理令第四条第一項三号におきまして二つの要件が設定されておりまして、核兵器等の開発等に用いられるおそれがある場合、それから、経済産業大臣からこういうおそれがあるものとして許可申請をすべき旨の通知を受けた場合、こういったものを規制対象としているところでございまして、外為法の体系の中でキャッチオール規制はしっかりと規定をされているということでございます。 それから、輸出の定義がないという御指摘がございました。これは一般論でございますけれども、用語の意味が定着をしていて誤解を招かないという言葉については法律であえて定義を置かないというふうに認識をしております。 したがいまして、外為法には輸出そのものについての定義規定はございませんけれども、これは確認的にということでございますけれども、輸出貿易管理令の運用についてという通達の中で確認的に輸出が何を指すのかということが分かるような形の定義を示しておりまして、これに基づいて輸出者の方は御判断をされているということで、特段の混乱もなく運用されているというふうに認識をしております。
○石上俊雄君 ありがとうございました。 さらに、産業界には法体系全体を抜本的に改正してほしいとの要望もあるというふうにお聞きしております。 資料の三の②に示させていただきましたが、現在の輸出管理では、大量破壊兵器の開発やテロ等の懸念用途に使わせないということが目標というか目的でありまして、冷戦時代のココムのように、対象はソ連など共産圏、貨物が規制のハイテク製品かどうかという単純な図式では対処できなくなっているのが現状ではないかなというふうに思います。 さらに、キャッチオール規制の導入でリスト規制の意義は低下しているというか、イギリスとかドイツではキャッチオール規制のみというところもあるわけでありまして、逆にエンドユース、エンドユーザーのチェックこそが核心部分となってきているのではないかなというふうに思います。 しかし、にもかかわらず、依然として膨大な労力が必要な該非判定管理に費やされている、その労力が費やされているというのが現状だというふうに言われているわけであります。実際、該非判定のミスが法令違反、無許可輸出というふうになり得るということになるわけでありますけれども、一方で、より本質のエンドユースチェックでは、ミスしても法的な責任は発生しないわけであります。 ですから、今こそ該非判定優先から取引審査優先へとかじを切るというふうに、キャッチオール規制や輸出などの基本事項の規定がしっかりと盛り込まれた時代にふさわしい法体系へと抜本改正するべきと考えておるわけでありますけれども、井原政務官、経産省の御見解をお伺いします。
○大臣政務官(井原巧君) 先生の御指摘は、要するに、管理制度ともう一つはその負担とのバランスの話をされているんだろうというふうに思っておりますが、まず基本的に、先ほども答弁ありましたが、各国の国際輸出管理レジームにおいては、依然として特定の貨物、特定の技術がリストにてまずは指定をされて、各国はこうした規制対象を厳格に審査することでそれぞれ輸出管理を行っていこうというふうになっています。そして、その国際輸出管理レジームの専門家会議でそれが毎年議論をされていって、追加されるなどの措置をされているということでありまして、まず最初は、やっぱり国際的には、リスト対象となるか否かの該非判定がまず行われて、その上で輸出についての適否を判断するという輸出管理が行われていると。 そして、先生が御指摘されているそのキャッチオール規制でありますけれども、これについては、国際輸出管理レジームのリストで指定されていない貨物、技術ではありますが、テロを含む大量破壊兵器等の開発等に用いられるおそれがある場合に、用途上の懸念から規制対象として厳格に管理をするというものでありまして、どっちかにシフトというものではなくて、両方がやっぱり補完し合うということが一番大事なことなんだろうと思っておりまして、制度をやっぱり維持する、安全保障上はですね、する上では、この厳格なリストをしっかりと該非判定するということが大切だと思います。 負担の軽減については、それぞれその各者の負担が大きいわけでありますから、逆に、支援するサービスとかそういう方を十分充実したり、あるいは経産省としての相談窓口の機能の強化を図ることによって制度を維持しつつ、しかし負担の軽減を図っていくという今の体系がまずは必要だろうというふうに考えております。
○石上俊雄君 ありがとうございました。 さらに、現行の法体系には非国家主体に対する輸出規制の直接的な規定が存在しないというふうに思うわけでありますが、これは必要ではないのかな、どうかということについてお伺いしたいのと、あと、民生用品をそのままテロに使うケースに対処するテロキャッチオール的規制も必要ではないかなというふうに考えておるわけであります。最近、自爆テロというのは、車に乗ってというふうな形もあったりいろいろあるわけでありまして、そういった面での対応も必要ではないかなというふうに思うわけであります。 具体的な規制が難しい側面はあるわけでありますけれども、EUでは現在審議中であったり、アメリカでは既に導入済みだったりというところもあるというふうに聞いているわけでありまして、我が国も検討すべきというふうに思いますけれども、経産省のお考えをお聞かせください。
○政府参考人(飯田陽一君) お答えいたします。 外為法には、先ほど来御答弁申し上げているとおり、リスト規制とキャッチオール規制というのがあるわけですけれども、そのいずれの規制におきましても、非国家主体でありますとかあるいはテロリストであるか、その最終ユーザーあるいはその間に入っている方々が非国家主体かテロリストであるかどうかにかかわらず、その輸出される貨物あるいは技術といったものが軍事転用のおそれがないかどうかというものを審査をいたしまして、輸出許可の可否を判断しているということでございます。 したがいまして、今御指摘の非国家主体あるいはテロリストを対象としたキャッチオール規制という御質問ございましたけれども、現行の規制におきましても、これは物や技術あるいは地域といったものに着目をして網を掛けておりますので、テロなどについても、現状、規制対象とし得るものであるというふうに考えております。 その上で、各国の規制におきましては、そういったグループをどのように捕捉をして規制の実効を高めるかという観点から様々な議論が行われているというふうに認識をしておりまして、こういった国際的な議論や、あるいは国内におきましては警察や税関、こういったところと緊密に連携をしながら規制の実効性を高めていきたいというふうに考えております。
○石上俊雄君 時間がもうないので最後の質問になりますが、みなし輸出管理における我が国の課題についてお伺いしたいと思いますが、これ、最後の質問になりますけれども、世耕大臣にお伺いしたいわけでありますが、現行、みなし輸出規制ということで、国内から海外への移転について、居住のその六か月というところがあるわけでありますが、六か月は短期間過ぎるのではないかという、そういう意見が多くあるわけであります。 一方で、ドイツは五年を上限とする検討もしているというふうにお聞きしますが、この五年について検討していくべきではないか。しかし、それだけ取ると、日本はほかの規制もありますので強過ぎるので、アメリカでやっていることとかいろいろ検討しながら日本として判断をしていく必要があるのではないかというふうに思いますけれども、このことについて、大臣の御見解をお伺いします。
○国務大臣(世耕弘成君) 今の御指摘のこのみなし外国人規制、これをもう少し期間を延ばした方が、みなし輸出ですね、に当たる期間をもっと延ばした方がいいんじゃないかというお話ですけれども、その規制強化をやるに当たっては、まず、ドイツやアメリカといった諸外国とのバランスも考えなければいけませんし、一方で、グローバルな経済活動ですとかあるいは研究活動の推進とこの規制のバランスということも考えていかなければいけません。 特にこれ、例えば、今六か月超えたらもういいですよ、六か月以内の人だけがみなし輸出ですよ、これを、例えば今おっしゃるように、ドイツのように五年にした瞬間に、特に大学の現場なんかではそれに当たる人というのがどっと増えますので、これ大変な負荷が掛かってくるわけであります。しかも、これ大学や中小企業は、そもそもこういった機微情報の管理のインフラそのものがまだまだ整っていないという面があります。今、大企業の研究所なんかへ皆さん行かれても、携帯電話は預かられるし、入出管理なんかも非常に厳しい。その中で働いている人に対しても、入れる部屋入れない部屋、あるいはパソコンでアクセスできる情報できない情報、物すごくきめ細やかに区分をされるなど、きちっとした管理がされている。それが中小企業や大学などではまだ、特に留学生や研究者が非常に多い、外国からの研究者が多い大学でまだその辺がしっかりとできていませんので、まずはそこの体制の強化を図りたいというふうに思います。 特に、大学等において留学生や研究者を受け入れるときに、出身、経歴、そして過去の研究内容などをしっかりと確認をする、あるいは、その大学にいるときに海外出張をするとか一時帰国をするときに持ち出せる技術をしっかりと確認をする、管理をする、あるいは、卒業をするときに自分の使っていたパソコンから持っていっていい情報などをしっかりと確認をする、こういうまず情報管理のインフラを整備をするところから始めていきたいというふうに思っております。
○石上俊雄君 以上で終わります。ありがとうございました。
○委員長(小林正夫君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。 午前十一時四十八分休憩 ─────・───── 午後一時開会
○委員長(小林正夫君) ただいまから経済産業委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、外国為替及び外国貿易法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○石川博崇君 公明党の石川博崇でございます。本日はどうぞよろしくお願い申し上げます。 早速質問に入らせていただきたいと思います。 今回の外為法改正案では、違反に対する罰則が法人重科など強化され、今後一層安全保障上機微な貨物や技術の移転に抑止力を高めていくことが期待されているところでございます。また、許可対象の貨物の輸出を無許可で行った場合の行政制裁措置などにつきましても、今回、制裁逃れ対策など様々な強化策が講じられております。こうした規制強化の方向性は極めて重要であり、これによりまして抑止力を高めていくことは、是非とも今回成立を図りたいと私自身も考えているところでございます。 一方で、こうした規制強化とともに大切なことは、機微な情報を取り扱う各企業あるいは団体が自らの主体的な取組をしっかり推進していくよう、また認識を高めていただくよう、そのための支援策を充実していくことも重要だと考えております。 現在、安全保障貿易管理に関します内部規程、コンプライアンスプログラム、CPにつきましては、全国で千四百社強策定済みとされておりますが、中小企業やまた大学におきましてはいまだ十分な体制が取られていないという現状がございます。もちろん、企業の経済活動や国際競争力、これに過度な負担とならないような配慮は大事でございますけれども、こうした分野にどう手を差し伸べていくのかということをしっかりと取り組んでいただきたいと思います。 本日、皆様のお手元にお配りをさせていただいています一枚目の資料を御覧いただきたいと思いますが、これで明らかになりますとおり、外為法の最近の違反原因の分析を行ったものでございます。その原因としましては、該非判定の未実施、これは輸出しようとする貨物がリスト規制貨物に該当するか否かを各企業あるいは大学等が判定をするものですが、そもそもこうした該非判定を行っていないというところが、四五%が最も多い原因となっております。その次に、該非判定の判定誤りあるいは法令解釈の誤り等が三二%、用途・需要者確認誤りが六%、出荷確認等の誤りが八%と、故意・重過失によって違反をしたということが九%に対しまして、圧倒的にこうした過失によるものが多いというのが現状かというふうに思います。 こうした該非判定の未実施といった違反原因を踏まえてどのような対策を講じていくのか。経産省に対策をお伺いすると、いつも御説明を受けるのは、研修を行います、あるいは説明会を行います、パンフレットを配布します、こうしたことが答弁として多いわけでございますが、そうした研修等に参加される企業というのは概して関心を持っている、又は自らの企業の技術がこういった機微技術に当たるという認識を持っている企業が参加されるわけでありまして、今お示ししましたように、そもそも該非判定を行っていない企業というのは自分の持っている技術がそもそもそういった機微技術に当たるという認識が薄いというところが問題かと思います。 例えば、こうした機微技術に当たると、経産省が可能性があるというふうに把握する企業を個別に、まあ網羅的にというのはなかなか難しいかもしれませんけれども、個別に注意喚起をしていくとか、あるいはサプライチェーンを通じて大企業から中小企業に対する注意喚起を行っていくとか、関連業界団体を通じた周知徹底を行っていくとか、様々な手法によりまして裾野の広いこうした安全保障技術に対する関心を高めていくべきだと思いますが、経産省の答弁を求めます。
○政府参考人(寺澤達也君) 委員御指摘のとおり、外為法の違反のその多く、圧倒的多数というのは故意、重過失ではなく過失ということで、そうした該非判定の未実施等々が違反原因になっていると。こうした問題については、経産省としましては、安全保障貿易管理に対する産業界、中小企業を始めとする産業界の認識や理解を高めていただくことが大変重要だと考えております。 このため、委員からも御指摘がありましたけれども、まず、経産省としては、全国各地で年間百回程度の安全保障貿易管理に関する説明会を開催をし、また、その制度を分かりやすく解説したパンフレットの配布等、様々な普及活動、啓発活動を行っているところでございます。また、委員からも御指摘がございましたけれども、この説明会の一部というのは各地の商工会議所やジェトロが主催するということを通じまして、輸出を検討する中小企業にも規制の内容等々が十分に周知されるよう工夫しております。 また、御指摘もございましたが、機微技術を保有する企業に対して年間百件程度の立入検査を個別に定期的に実施しているところでございます。こうした立入検査を通じて、企業に対して個別にアドバイスをしているところでございます。 こうした取組により、御指摘あったとおり、多くの企業、千四百社を超える企業でコンプライアンスプログラムが策定されているなど、理解が進み、輸出管理体制の構築も一定程度進んできているところだと承知しております。 経産省としては、これらの取組を通じて輸出管理の一層の徹底を図っていきたいと考えているところでございます。
○石川博崇君 是非、裾野を広げていただいて、企業自らが気付くといいますか、そういう気付きを与えていくきっかけを多く与えていくことが、こうした全く自らが該当するとは思っていなかった方々の違反というのを防いでいくことにもつながろうかというふうに思っておりますし、各企業の予見可能性を高めて、より競争力を高めて企業活動、経営活動をしていただく機会にもなろうかというふうに思っておりますので、よろしくお願いを申し上げます。 また、各企業の主体的な行動あるいは体制を強化していくという観点からは、経産省が行っております様々な行政指導についての透明性を高めていくということも重要ではないかというふうに思っております。 今現在、無許可輸出等に対する行政制裁につきましては、企業から自主申告があった場合、自分はそうは思っていなかったけれども後で確認をしてみると違反に該当するんではないかというようなことに気付いて、自主申告があった場合には処分が考慮されるという対応を取っていると伺っております。今経産省が取っております行政制裁には、警告、原則企業名を公表するものもある、また経緯書あるいは報告書を提出を求めて企業名を非公表とする制裁もある、あるいは包括許可の取消しといった様々なランクがあるわけでございますが、こうした様々な行政制裁の中でどの制裁を適用するかは経済産業省の裁量となっているところでございます。 どういった場合にどういった指導がなされるかというようなパターンとかあるいは実績が広く周知されることによりまして、例えば中小企業において自主管理を進めて違反を見付けた際に、これは過重な指導を恐れて報告しないといったことを避けられることにもつながるのではないかというふうに思っております。自主管理の上で違反を発見した場合などに、どのような事例があるのか周知することで自主申告を促す、そうした制度を充実させるべきではないかと考えますが、経産省の御所見を伺いたいと思います。
○政府参考人(寺澤達也君) 御指摘のとおり、企業の注意喚起を促し外為法違反を予防する観点から、行政制裁事例の紹介や指導内容を周知することは重要であると考えております。このため、経産省としては、重大な外為法違反の事例についてはホームページ等を通じて周知しているところでございます。 例えば、株式会社ミツトヨというケースがありまして、これは三次元測定機の違法輸出を行った会社でございますが、平成十九年に、罰則として、元幹部四名に対して懲役二年から三年、執行猶予は付きましたけれども懲役二年から三年、また法人に対しては四千五百万円の罰金を科し、さらに行政制裁として三年以下の輸出禁止という重い制裁を科したところでございまして、これらについては経産省のホームページでその旨周知しているところでございます。 また、恐らく御指摘あったようなより軽微な違反については、事例の形で、企業の対応も含め、その原因や指導内容などを説明会等を通じて企業等にきめ細かく紹介しているところでございます。 このような取組を通じて、企業等における輸出管理の一層の徹底を図ってまいりたいと考えているところでございます。
○石川博崇君 是非よろしくお願いいたします。 続きまして、大学における輸出管理について伺いたいと思います。 我が国は、産業競争力強化の観点から、グローバル化による世界トップレベルの教育の実現、産学連携、イノベーション人材の育成、若手外国人研究者の活用拡大等を目指すこととしておりまして、こうしたグローバル化に対応する人材力強化のために、二〇二〇年までに日本からの海外への留学生を六万人から十万人に、また海外からの留学生を十四万人から三十万人に倍増させることを目指すという目標を掲げているところでございます。今後、ますます各大学の国際化が推進されて国際通用性を高めていくことが期待されているわけでございます。 一方、こうした国際的な大学の活動が増加する中におきまして、外為法に輸出者等遵守基準が定められていることから、留学生の受入れ、あるいは所属教員の海外での研究活動等、いずれかの形で国際的な活動が行われる大学等では、学内で行われる教育研究活動につきまして安全保障貿易管理の観点からの体制の整備が求められているところでございます。 大学におけるこうした輸出管理といいますと、一般的には大量破壊兵器への転用懸念がある技術として、原子力、航空宇宙、機械工学、生命科学など、一見して機微な技術に触れるのではないかと思われる分野に限らず、一般的な自然科学分野全般が関連すると言われております。また、例えば考古学なんていうのは一見するとこうした機微な技術に関係するのかと思われるかもしれませんけれども、放射線の炭素の年代測定を行う技術など、機微な安全保障上の懸念がある技術も、そうした文系とされる分野においてもある場合がございます。 こうした様々な分野における安全保障貿易管理の体制を進めていかなければなりませんけれども、現在の各大学における管理体制の実態について、今日は文部科学省来ていただいておりますので、御説明をお願いします。
○政府参考人(松尾泰樹君) お答えいたします。 大学におきます安全保障上の機微な技術の管理体制の状況でございますけれども、本年二月に、文部科学省におきまして、全国の国立大学そして公私立大学でございますが、これは医学、歯学、薬学、理学、工学、農学系の学部等を持つ公私立大学を対象にアンケートを行ったところでございますが、国立大学におきましては九四%、公私立大学におきましては三七・五%、国公私の平均では五六・八%の大学におきまして輸出管理担当部局が設置されているという状況になってございます。
○石川博崇君 今御説明いただきましたのが、お配りしております三枚目の紙でございます。 今御説明いただいたとおり、二〇一七年におきましては、国公立において九四%、公立、私立において三七・五%の大学で輸出管理担当部署というのが設置されているところでございます。 左にあります二〇一五年に比べると増えてきているということは、文科省、経産省協力をして各大学に通達などを発出していただいている効果が出てきているのではないかと思いますけれども、いかんせん、公立、私立においてまだ四〇%以下の大学しかこうした担当部署が設けられていないという状況はゆゆしき問題だというふうに思っておりますし、また、これはあくまでも担当部署を設置しているというだけでありまして、その担当部署の例えば能力であるとか、あるいは各研究室ごとにどの程度把握をしているのか、そこの質の部分というのは見ていないわけでございます。 量とともに質も今後増やしていくということが大事かと思いますけれども、文部科学省として、是非、各大学に個別に相談に応じていただくなど、経産省から機微な技術に関する情報もしっかりと入れていただいて、連携していただいた上で取組を進めていただきたいと思いますけれども、御所見をいただきたいと思います。
○政府参考人(松尾泰樹君) 今先生から御指摘いただきましたように、大学においてしっかりと適切な安全保障管理を行うこと、これ重要だと私どもも思っております。引き続きまして、経産省とも連携しながら、外為法の遵守の徹底及び大学における安全保障貿易管理体制の強化を図るべく取り組んでまいりたいと思っております。 これまでの取組でございますけれども、先ほど経産省の方からも御説明ありましたように、文部科学省におきましては、累次の通知等を発出し、関係会議でもその旨周知をしてございます。また、その内容につきましてでございますが、経産省から出されております安全保障貿易に係る機微技術管理ガイダンス、これ大学・研究機関用というものがございますけれども、それについても周知を図っているところでございまして、また全国での説明会等も実施をしているところでございますので、引き続き周知徹底を図ってまいりたいと思っております。
○石川博崇君 是非、経産省とも連携をしながら、文部科学省におかれては進めていただきたいというふうに思います。 経済産業省においては、お手元にお配りした順番前後して恐縮ですが、二枚目の紙にありますとおり、今年度、貿易管理対策事業委託費というものを四・五億円計上しているところでございます。その中で、右手の一ポツ、安全保障貿易管理対策事業の(2)の安全保障貿易普及啓発の中の②、国内普及啓発という事業として、国内大学等にアドバイザーを派遣して自主管理促進のための助言等を行う。この大学へのアドバイザーの派遣というのは、今年度新規事業として盛り込まれたものと認識をしているところでございます。 事業の具体化はこれからだというふうに聞いておりますけれども、この具体的な派遣人数あるいは派遣先の大学の選定方法など、どのような検討をされているのか、経産省より御答弁をお願いします。
○政府参考人(飯田陽一君) お答えいたします。 先ほど文部科学省から御紹介ありましたとおり、輸出管理担当部署を設置している大学はまだ全体の六割弱、公私立大学においては四割に満たないという状況でございますので、私ども、大学における輸出管理の能力構築というものを積極的に支援をしてまいりたいというふうに考えております。 このような考え方から、御指摘のございましたとおり、アドバイザー派遣事業というのを今年度から開始するということで今準備を進めているところでございまして、予算の上では年間四百八十人日、派遣回数、そのときに派遣するアドバイザーの人数、それから、それに大学の数を掛けますと四百八十人日ということになるわけでございますけれども、具体的な派遣先の大学につきましてはまだ輸出管理の体制が整備されていない大学を中心に選定をしていきたいというふうに思っておりますし、派遣するアドバイザーにつきましては、民間の専門家を活用して、これまで民間で培った、輸出管理の実務をよく御存じの方を含めて派遣をさせていただきたい、それから実際の取組の状況に応じて派遣の日数というのは調整していきたい、このように考えております。
○石川博崇君 是非、今年度最初の事業ということですので、試行錯誤はあろうかと思いますけれども、有意義なアドバイザーの派遣に取り組んでいただきたいというふうに思っております。 また、先ほど申し上げましたとおり、大学によって体制の設置の状況というのは千差万別、ケース・バイ・ケースであろうかというふうに思います。是非、そういった体制づくりがうまくいっているところといいますか、既にいい成果を上げているところ、こうしたところのグッドプラクティスを集めていただいて各大学関係者が集まるところで紹介をする、こういった取組も是非考えていただければというふうに思っております。 それで、今のアドバイザー派遣に関しまして一点お聞きをさせていただきたいのは、今のお配りさせていただいております紙に、左下に成果目標というのが書かれてあります。成果目標、この委託費全体の成果目標でありますが、貿易救済措置と安全保障貿易管理等を効果的に実施するための体制、ノウハウを平成三十二年度までに構築することを目指しますという、最近の政府の予算案策定に当たってはこうやってKPIをきちっと掲げて目標設定するというのは大変重要なことだというふうに思っておりますが、この国内大学にアドバイザーを派遣して行っていく事業において、KPI、この平成三十二年度までの体制構築というのは、どういった水準で、先ほど、私立、公立では四〇%足らずしかまだ設置がされていないわけでございますが、どのような目標を掲げていくことになるのか、御説明をお願いしたいと思います。
○政府参考人(飯田陽一君) お答えいたします。 大学等における輸出管理につきましては、先ほど委員から御指摘のございましたとおり、大学の事務当局が法人として組織の体制あるいは内部規程を整備することに加えまして、個々の研究室、あるいは個々の研究者あるいは教員のレベルにおいて技術情報を外為法に照らして適切に取り扱うこと、それから、意図しない形で技術情報が外部に流出して、その結果として懸念国に外為法に反する形で違法に移転されることがないように内部管理を充実すること、こういったことが、何というんですか、現場レベルまで浸透して徹底されることが重要だというふうに考えております。 このため、個々の大学レベルで実現することが望ましい輸出管理の在り方につきまして、先ほど文部科学省から御紹介のございました機微技術管理のガイダンスというものが大学・研究機関向けに準備されているわけですが、これを改訂いたしまして、可能な限り具体的に望ましい姿というのをベストプラクティスも引用しながらお示ししたいというふうに考えておりまして、これを先ほど御紹介いたしましたアドバイザー事業も活用して使っていきたいというふうに考えてございます。 御指摘のいわゆる成果の目標につきましては、御指摘のありましたとおり、各大学における取組がまだまちまちでございますし、その量だけではなくて質についてもまちまちでございますので、直ちに今具体的にお示しするというのは非常に困難なんですけれども、例えば、先ほど来御議論いただいているような輸出管理体制の整備の状況の比率といいましょうか、その数字をできる限り向上させていくといったようなことを目標に今後取組を進めてまいりたいというふうに考えてございます。
○石川博崇君 できる限り向上させるということで、具体的な数値目標というのをなかなか出せない状況かと思いますけれども、是非積極的に推進をしていただきたいと思います。 一方で、こうした政府が大学等における貿易管理体制を進めていこうという方向性に対しまして、大学側から考え方あるいは意見というものが示されております。国立大学協会あるいは日本私立大学団体連合会から、規制の運用に当たっては、大学に過度の責任や負担を課すことのないよう十分に配慮すること、あるいは具体的な判断に紛れがないよう明確で分かりやすい基準を設定すること等が求められております。 特に、明確で分かりやすい基準の設定に関しましては、研究成果の公開を前提とした公知の研究活動は規制対象から明確に除外するよう定義や解釈の見直しを図ることを要望されているところでございますが、こうした要望に対しまして経産省として今後どのような対応を考えておられるのか、大学運営にも御知見のあられる経済産業大臣、是非御答弁をよろしくお願いいたします。
○国務大臣(世耕弘成君) 我が国では、ワッセナー・アレンジメントなど国際輸出管理レジームの定義を踏まえて、外為法の関係法令において規制対象を規定させていただいています。 確かに、御指摘のように、大学などからは規制の例外となる公知や基礎科学に該当する技術について詳細な説明を加えることで明確化してほしいという御要望があることは承知をしております。しかし、今申し上げたように、国際輸出管理レジームで決定された内容をできるだけ忠実に対応させる形で規制対象を定めているということから、いろいろと説明を書き加えますと規制対象がそういったレジームから離れて日本独自のものになってしまう懸念もあるわけでありまして、そういうことがないよう慎重に検討していく必要があるというふうに思っています。 ただ、いずれにせよ、引き続き大学などからの意見も丁寧に伺いながら、より機微技術の管理が適切に行われるよう検討を重ねてまいりたいと思います。
○石川博崇君 是非、大学当局とのコミュニケーションを密にしていただいて、今大臣がおっしゃっていただいたような国際的なレジームに対する考え方等も広く御認識をいただく、その努力をお願いできればというふうに思います。 残された時間で外国人留学生の受入れについてお伺いをしたいと思います。 冒頭申しましたとおり、大学の国際化という観点から、外国人留学生の受入れを増加させていこうという政府全体の大きな流れがあるわけでございますが、こうした留学生の受入れに当たって機微技術の流出、移転がないような確認体制というのがどうなっているのか、特に懸念国からの外国人留学生などの受入れに当たってどのような手続を行っているのか、文部科学省に伺いたいと思います。
○政府参考人(松尾泰樹君) 委員御指摘のとおり、我が国におきましても、優秀な外国人留学生を積極的に受け入れまして大学等の国際化を推進すること、これは重要なことだと考えております。 一方で、先ほども述べましたとおり、留学生を受け入れる大学等におきましても、輸出管理担当部局を設けるなど適切な安全保障管理を行うこと、これ求められているところでございます。大学におきましては、留学生の受入れに当たってこれらの体制等を構築しながら、当該学生が懸念国の出身であるか否か、提供する可能性のある技術が機微技術に該当するか否かなど、外為法上の確認を行い、疑わしい場合には経済産業省に相談するというようなことで対応しているというふうに理解しておるところでございます。 引き続きまして、外為法の遵守徹底及び大学における安全保障管理体制の強化を図るべく、関係省庁とも連携しながら取り組んでまいりたいと考えております。
○石川博崇君 また、こうした外国人留学生が日本に入国する際には、在留資格あるいはビザの審査が行われるわけでございます。あるいは、文科省の国費留学生の受入れに当たっては、現地在外公館、大使館なども選定業務に関わっているわけでございます。 今日は法務省、外務省からもお越しいただいておりますけれども、こうした外為法上の懸念に対して外国人留学生の受入れに当たってどのような確認作業を行っているのか、それぞれ御答弁をお願いします。
○政府参考人(佐々木聖子君) それでは、まず法務省から御報告いたします。 これは各国共通の一般的な取扱いでございますけれども、外国人が日本に留学するために在留資格認定証明書交付申請を行った場合には、出入国管理及び難民認定法に規定する上陸を拒否する事由に該当していないか、入学が許可されている事実又は本邦在留中の生活費の支弁能力等について審査をしています。 今後、御指摘の点にも関連をいたしまして、外国人留学生について経済産業省、文部科学省等関係機関から慎重に審査すべき個人の情報が提供された場合には、当該機関とも協力して適切に対応してまいります。
○政府参考人(宮川学君) 日本への留学生のビザ申請に関する御質問でございますが、査証の原則的発給基準に基づきまして審査を行っております。具体的には、有効な旅券の所持、過去の犯罪歴の有無などに加えまして、留学に関する書類の適正性、適正であるかどうかの審査を実施しているところでございます。
○石川博崇君 今、法務省、外務省からそれぞれ受入れに当たった審査の手続について簡単に御説明いただきましたけれども、大学が許可しているということ、当然これは、外為法上の機微技術の流出というものがないということを大学が確認したということを前提に法務省あるいは外務省として在留資格あるいはビザの発給等を行っているということでございます。 法務省、外務省それぞれ、それぞれの研究内容が果たして機微技術に当たるのかどうかという情報はなかなか把握しにくいわけでございまして、そういう意味では、入管の現場あるいは大使館で十分に把握できるように、それぞれの技術が、文科省そして経産省で把握して、外為法上の懸念に当たる技術なのかどうか、あるいは研究内容なのかどうかということをしっかりと法務省、外務省に情報提供を行っていただく、そういった省庁連携の枠組みを構築していただくことが大事なのではないかというふうに思っております。 例えば、アメリカに留学する際には学歴も含めた詳細情報の提供が求められますし、イギリスに留学する場合には大量破壊兵器関連の機微技術に関する大学院の留学については大変慎重なビザ審査が行われるとされているところでございます。 衆議院での審議で法務省から御答弁がありまして、今も触れていただきましたけれども、外為法を所管する経済産業省からのアプローチがあれば、今のところ大学の研究内容というのは法務省は所管外なんですけれども、どのような審査、資格付与にするか検討を行う旨答弁をされているところでございます。 政府全体でインテリジェンス情報も活用したチェック体制を取っていただくことを検討していただくべきだというふうに思いますけれども、経済産業大臣の御所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(世耕弘成君) 今の答弁からも分かるように、法務省は法務省の情報、外務省は外務省の情報、文科省は文科省の情報、そして経産省は経産省の情報を持っているわけでありますが、やはりこれは密接に連携をすることが非常に重要だと思います。どういう情報で連携するかというのは、余り言ってしまうとちょっと手のうちを見せることになるかと思いますけれども、経産省としては、やはり機微技術を守るという観点から、また留学生をこれから増やしていく、あるいは外国人の研究者も積極的に受け入れる、あるいはこれから高度人材の受入れなんてことも行っていくという中で、やはり関係省庁がしっかりと密接に連携する枠組みについて検討してまいりたいというふうに思います。
○石川博崇君 ありがとうございます。以上でございます。
○辰巳孝太郎君 日本共産党の辰巳孝太郎でございます。 外為法は、重大な経済犯罪に対する罰則、行政制裁を強化する、そういう内容でありますので、我が党としては賛成をいたします。 今日は、五月八日の決算委員会でも私取り上げました放射線出前授業についてまず聞きたいと思います。 昨年行われた大阪府堺市での当授業において、君たちの体にも放射線がちゃんと入っている、よかったねと述べたり、何かあったときは鉄板だらけの服を着て歩いちゃうなどと、およそ科学的とも言えない発言が講師からありました。そして、結果、この堺市では全てやり直しの授業が行われたわけでございます。 この問題は、この講師一個人の責任に帰すものではなく、委託されている団体の代表理事自身がエネルギー・原子力政策懇談会という団体の発起人有志の一員であると。この団体は、政府に対して原発の再稼働を求め、原発輸出を促し、再エネでは駄目だと言っている団体であるということも指摘をいたしました。出前授業においても、誤解を与えた授業ということでやり直しもされたわけですけれども、当事業そのものが中立公平を公募の条件としているにもかかわらず、受託している事業者が原発推進団体の一員ではないかと、これを私は問題にしたわけであります。 さらに、当団体が二〇一五年十月二十三日に熊本工業高校において行った出前授業において、健康異常が現れるのは五百ミリシーベルト以上というパネルを使用していることをめぐって私はただしました。政府は、この理由について、電力会社に高校生が多く就職していると、一般公衆ではなくて職業人に対する線量限度をこの五百ミリシーベルトということで示したと、皮膚や手足に健康異常として現れる等価線量が年間で五百ミリシーベルトと言われていると、だから大丈夫なんだということを言ったわけであります。 今日は原子力規制委員会にも来ていただいているんですけれども、これ、健康異常が現れるのは五百ミリシーベルト以上と言い切ることは私は間違いだと思うんですけど、いかがでしょうか。
○政府参考人(片山啓君) お答えいたします。 放射線被曝による健康影響には、被曝後の細胞死又は細胞の機能不全による確定的影響というものと、体細胞の突然変異によるがんの発生を含む確率的影響があると承知をしております。 ICRP二〇〇七年勧告では、確定的影響は通常、閾線量によって特徴付けられるとしており、閾線量より上では障害の重篤度は線量の増加とともに増加するが、百ミリシーベルトまでの線量域では、どの組織も臨床的に意味のある機能障害を示すとは判断されないというふうにしております。また一方、確率的影響につきましては、放射線防護の目的上は、百ミリシーベルトを下回る低線量域ではがんなどの発生率が被曝線量の増加に正比例して増加すると仮定するのが科学的にもっともらしいとの見解を支持すると、こういった見解を示していると承知しております。
○辰巳孝太郎君 問題は二つあると思うんですよ。一般的に示されているのは、我々が逆ピラミッドの図で見るやつですね。あれは実効線量を示したものだと思うんですね。いわゆるそれで確定的というのはもっと上の線量で、確率的線量というのは、これは百ミリシーベルト以下であっても、これはがんなどのリスクというのは比例的に高まっていくんだと、こう考えるのが今おっしゃったもっともらしい考え方なんだということなんですね。だから、幾ら低い線量であっても、健康異常が出ないんだと言い切ることは、これはどう考えても間違いなんですよ。 この団体が使用しているパネル、これ高校のホームページにも当初は掲載をされていたんですけれども、今は見れなくなっております。私は、先日も正しく怖がることが大事なんだという話がありましたけど、私もそう思うんですね。だから、確定的影響や確率的影響というのを理解しながら、やはりこの授業そのものが余計な被曝はしない、したら駄目なんだ、するべきじゃないんだということをきちんと教えなければ、これは授業の意味が私はないというふうに思います。 そもそも冒頭申し上げたとおり、当団体が放射線の人体への影響を軽微なものだという印象を与えて、私は、原発を推進していく意図があるんじゃないかと、こう言わざるを得ないということも最後に付け加えておきたいと思います。 今、今年度に向けての公募が始まっております。こういう団体が改めて出前授業を受託することは絶対許されないということを申し上げておきたいというふうに思います。 今日は、東芝問題を聞きます。同時に、国の責任についても取り上げたいと思います。 東芝は、昨日、二〇一七年三月期連結決算を暫定値として公表をいたしました。純損益が九千五百億円の赤字で、債務超過額は五千四百億円に上りまして、東証二部への降格が決定的となりました。業績悪化の主要因は、東芝の原発子会社ウェスチングハウスの破綻処理で、これが一・三兆円にも上ったということであります。この東芝の赤字は、国内製造業の単年度で見ても過去最大でありまして、全産業で見ても東京電力に次いで史上二位、つまり日本企業の決算で史上一位、二位の赤字が原発によってもたらされたということであります。 大臣は、四月十七日の本会議で、政府は国策として政官財一体となって原発を推進し、東芝のような結果を招いた責任、これどう考えるかと私が聞いたのに対して、原発に関する個々の事業を具体的に進める主体は民間事業者であり、原子力をめぐる事業環境や各社の経営事情に基づき、各事業者が各自の責任において実施されるものだと考えていると答弁をいたしました。 大臣、もう一度聞きたいと思います。国に一切責任はないとおっしゃるんでしょうか。
○国務大臣(世耕弘成君) ないと思っております。 東芝のアメリカにおける原発の建設費増加の要因については、AP1000という建設実績のない新型の炉の建設であったということ、そして、アメリカでは三十年間原発の新設がなかったことによって建設作業のノウハウですとか人材といったものが喪失をしていたこと、そして、現場作業員の作業効率向上へのインセンティブが働きにくい契約形態になっていたことなど、こういった事情があるというふうに考えています。加えて、メーカーであるウェスチングハウスに損失が集中したのは、費用負担に係る個別の契約や実施体制によること、これも要因だというふうに思っております。 原発に関する個々の事業を具体的に進める主体は民間事業者でありまして、原子力をめぐる事業環境や各社の経営事情に基づいて各事業者が各自の責任において実施をされるものだというふうに考えておりまして、今回の損失計上は民間企業の経営判断とそれによる結果によるものだというふうに思っております。
○辰巳孝太郎君 大臣はないとはっきりおっしゃるんですけれども、その答弁が全くそうはならないということを見ていきたいと思うんですけれども。 結局、今回の東芝の一件で、情報セキュリティーの面からも、半導体メモリー事業が海外資本に売却されると、こういうことを政府は懸念せざるを得なくなっているわけであります。半導体事業の世界売上高トップテンには、一九九五年当時で東芝以外にもNEC、日立、富士通、三菱電機などがランクインをしていたわけでありますけれども、今や東芝のみとなっております。その事業を手放さざるを得なくなっているという局面になっております。 大臣、この原発事業の失敗で、いわゆる稼ぎ頭ですね、これが売却される、まさに虎の子の半導体事業、日本にとっても虎の子のこの事業が売却されることについてどのように受け止められますか。
○国務大臣(世耕弘成君) これはもう上場企業の経営に関する問題ですから、コメントは控えたいと思います。 一方で、東芝の半導体事業、これはグローバルに見ても高い競争力を有し、そして日本の雇用維持の観点からも重要な事業ではあると思っています。また、情報セキュリティーの観点からも重要性が増していくものだと認識をしております。 今後も、東芝の対応についてしっかりと注視をしてまいりたいと思っております。
○辰巳孝太郎君 人ごとのように聞こえてしまうわけですけれども。 これに関わって、産業革新機構が軸となって、日米連合を結成して買収をするのではないかという報道がされておりますけれども、これについてはいかがですか。
○政府参考人(吉本豊君) お答え申し上げます。 ただいま大臣からも申し上げましたとおり、これ上場企業の経営に関する話でございまして、コメントは差し控えさせていただきたいと、こういうふうに存じます。
○辰巳孝太郎君 そういう答弁になるわけですけれども、この東芝の問題でありますが、この中身について今日はただしていきたいと思うんですね。 二〇〇六年十月にアメリカのウェスチングハウスを六千二百十億円で買収をして以降、原発の受注目標で常に大風呂敷を広げてきたわけであります。 経産省に確認しますけれども、東芝がウェスチングハウスを買収した後に掲げた原発の受注目標と受注実績はどのようになっていますか。
○政府参考人(村瀬佳史君) お答え申し上げます。 東芝が公表している資料によりますれば、二〇〇六年にウェスチングハウスを買収した後に受注目標として、当初は二〇一五年までに世界で三十三基の原発を受注するという目標を掲げ、その後、これは二〇一六年でありますけれども、二〇三〇年度までに世界で四十五基の原発を受注するとの目標を掲げていたものと承知しております。 また、実績といたしましては、東芝が公表している資料によりますれば、アメリカで、米国で四基、中国で四基の計八基を受注したものと、このように承知しております。
○辰巳孝太郎君 まあよくもここまで大風呂敷を広げるなと。二〇一一年の三月、福島の原発事故が発生した後も今後十五年間で六十四基を受注するんだと、そういう目標を立てていたということであります。 このような過大な目標を掲げてついに失敗をしたと。原発事業に手を染めたことが危機の原因であるということは紛れもない事実だというふうに思いますし、福島の原発以降もひどいんですが、実はその原発前もシェールガス革命などで原発の優位性というのはもう失われていたと。そもそもこのウェスチングハウスの六千億円の買収そのものが、二千億ぐらいの価値しかないのになぜそれだけ高い値段で買ったのかというところからの失敗の始まりだということも指摘をしておきたいというふうに思います。 この政官財一体となって、大臣は否定されるわけですけれども、原発推進政策を推進してきたということであります。私は、政府と経産省の責任というのは重いし、明白だと思うんですね。 政府は、例えば二〇〇五年の十月に原子力政策大綱を閣議決定し、二〇〇六年八月に資源エネルギー庁が原子力立国計画を策定をいたしました。これは東芝がウェスチングハウスを買収する二か月前のことであります。ここには原子力政策立案に当たっての五つの基本方針、今日、資料にも付けましたけれども、があります。ここの三番目にこうあるんですね。国、電気事業者、メーカー間の建設的協力関係を深化。このため関係者間の真のコミュニケーションを実現し、ビジョンを共有。まずは国が大きな方向性を示して最初の一歩を踏み出すと。こうされております。 経産省、この第四章第三節の「今後の目標と対応」の中で、原子力の海外展開に当たって国の掲げる目標と対応としてどのように掲載がされていますか。紹介ください。
○政府参考人(村瀬佳史君) お答え申し上げます。 まず、御指摘の原子力立国計画でございますけれども、これは御指摘のように二〇〇五年に閣議決定されました原子力政策大綱、これを、この基本方針を実現するための具体的方策について、二〇〇六年に経済産業省の審議会、具体的には総合資源エネルギー調査会電気事業分科会原子力部会が原子力立国計画として取りまとめた報告書でございます。 この該当箇所につきまして、今御指摘の点、(3)②のことかと思いますので、その部分を読み上げさせていただきますけれども、「海外市場の獲得はメーカーだけでは限界があるため、国が、政府としての意思表明や公的金融による支援等、国際展開に向けた環境整備を行うとともに、電気事業者がメーカーと必要な連携を行うこと。」と記載されております。 なお、この部分につきましては、我が国の原子力技術、産業、人材の厚みの確保、発展の観点から、一般論として政策の在り方について論じられた部分でございます。 以上でございます。
○辰巳孝太郎君 これが一般論と言われてしまったら困るんですけれども、メーカーだけでは限界だと言って、国の関与なしに海外市場の獲得できないんだと、これは明確に言っているわけですよ。 続いて、「官民連携の場の設定」のところを読んでいただけますか。
○政府参考人(村瀬佳史君) 御指摘の該当箇所につきまして読み上げさせていただきます。 「以上のような国際展開の推進を官民一体となって効率的に進めるため、政府と民間が方針や役割分担等について協議する等、コミュニケーションを強化すべきである。」というように記載されているところでございます。
○辰巳孝太郎君 ですから、官民一体と、これははっきり二人三脚で海外事業もやるんだと言っているわけですね。 原子力産業の国際展開支援について具体的に述べた第五章「我が国原子力産業の国際展開支援」、第三節の「原子力産業の国際展開支援施策」の中では、「公的金融の活用」、「資金調達がボトルネックとなる可能性が高いことから、民業圧迫にならない範囲で、貿易保険や国際協力銀行の融資等による公的支援も国際ルールに従いつつ、引き続き積極的に進めるべきである。」と、こう述べているわけであります。 ここに関わって、「輸出管理・輸出信用付与手続きに係る柔軟な運用」、輸出管理についてはどのように述べていますか。
○政府参考人(村瀬佳史君) 御指摘の該当箇所をそのまま読み上げさせていただきますが、これ、先ほど述べましたとおり二〇〇六年当時のものでございまして、その後、二〇一一年には福島事故も起きまして、その後規制庁もできたという中で、今読み上げるようなところの中で大きく状況が変わっていることもありますので、その前提でお聞きいただいたらと思いますが。 読み上げさせていただきますと、「輸出管理については、引き続き厳格に実施すべきである。ただし、国際入札において輸出許可の取得が参加条件となっている場合もあることから、柔軟な対応を図っていくべきであり、特に契約前に輸出許可の見通しを求められることが多いのが実情であることから、これに個々の案件に応じて柔軟に対応すべきである。 国際協力銀行や日本貿易保険による輸出信用の付与については、経済産業省による安全確認を前提として、引き続き積極的に行っていくべきである。その際、国際協力銀行、日本貿易保険及び輸出事業者と緊密に連携を取りながら、ビジネスのスピードに合わせ、迅速な対応を図るべきである。」と、このように記載されております。
○辰巳孝太郎君 ですから、ウェスチングハウスの買収の前には、国がこういう大綱を示して、国としても旗振りをやっていくんだと、国として関与していくんだ、応援していくんだと言っていることは、これはもう明白なんですよ。ですから、大臣冒頭おっしゃられたように、国の責任はないんだと。それはもちろん東芝には責任、第一義的にはありますよ。だけど、国の責任はないというふうに言い切るのは余りにもおかしいと言わなければなりません。 二〇〇五年当時、日本の原子力を担う国、メーカー、電力会社は、一九九五年の「もんじゅ」におけるナトリウム漏えい事故などによって、日本における原子力の未来に確信が持てない、いわゆる三すくみ状態と言われておりました。この三すくみ状態を打開するために国が一歩前に出る姿勢を示したかったんだと、二〇〇五年の七月五日、日刊工業新聞でインタビューに答えているのが当時のエネ庁原子力政策課長であった柳瀬さんであります。 今日は柳瀬さんも来ていただいているんですけれども、当時の原発推進の旗振り役を御自身されていたと思うんですが、これを振り返ってどのようにお考えになりますか。
○政府参考人(柳瀬唯夫君) 先生今御指摘になりました二〇〇六年の原子力部会の報告書、原子力立国計画、これを審議会でやったときに私もその担当の事務局の課長をしてございました。そこの最初の二ページに、国、電気、メーカー間の建設的協力関係を深化するというところの文章を読んでいただくと、先生の御指摘とは違うことが書いてございます。ここは、やはり電力自由化の進展の中で、それまで地域独占、総括原価主義の下でできていた電力、メーカー、国の関係が、新しく自由化の時代になって、関係がそれまでと変わっていくという中で、それぞれの役割分担をちゃんと模索をしていかなきゃいけないと、そういう時期にあったわけでございます。 その中で、こんな原子力みたいな問題を三者がばらばらになってやっていたのではとても良くないんじゃないかということで、よく意思疎通をして進めようということで、この三すくみという話をしたところでございます。そこははっきりと当時の報告書に書いてあるというふうに認識してございます。
○辰巳孝太郎君 ですから、その三すくみ状態を打開するために国の踏み込んだ政策提言、国が一歩前に出る姿勢を示したかったというふうに柳瀬さんはインタビューに答えているわけですね。当時の原発推進の旗振り役、これやっていたことは認めないんですか。どうですか。
○政府参考人(柳瀬唯夫君) まず、当時の経緯を申し上げますと、まず原子力委員会というところで原子力政策の基本的な方向を、当時は五年ごとを原則に大きい方針を決めていたわけでございます。それで、そのときに原子力委員会が、二〇〇五年の十月に原子力政策大綱というのを閣議決定してございまして、これは原子力委員会が作ったものを閣議決定したものでございます。これを受けまして、これを具体的にどういうふうにやっていくかということで、当時資源エネルギー庁の方でその具体策を議論するということで、この原子力部会の審議をしたわけでございます。 そういう意味で、原子力についての大きい方向性はこの閣議決定した原子力委員会の原子力政策大綱のところで方針は出ていて、そこの具体策を当時議論して、私は事務局の課長としてまとめたということでございます。
○辰巳孝太郎君 答えていないんですけど、旗振り役をやっていたということですよね。 東芝は、この現状に、どこで間違えたのかというメディアの問いに対して、綱川社長は、二〇〇八年に受注した原発事業と答えて、続けて、ウェスチングハウスを買ったこととも言えなくないとはっきり言っております。誰が考えてもそうだと思うんですね。そのウェスチングハウス買収を高く評価したのが柳瀬さん、あなたなんですよ。今となってはその評価は間違いだったと思いませんか。
○国務大臣(世耕弘成君) 今日は産業政策局長として政府参考人として来ていますので、包括的な話として私の方がお答えしたいと思いますけれども、当然国が、これは原子力政策にかかわらず、大きな政策的方向性、国家戦略を描くというのは、これは当然あるわけであります。また、その国家戦略に沿った方向で民間が具体的アクションを取ってくれたら、それは一定の評価をする、政府として評価をするというのは、これは十分あり得る、普通のことだというふうに思う。今だって、私は、第四次産業革命、自動運転というのを一つの大きな戦略の方向性としてうたっているわけであります。その方向へ向けて協力している、その方向へ向けて取り組んでいる企業があれば、私だって高く評価をすることになろうかというふうに思います。それと個々の経営としての結果というのは、これは完全に別問題だというふうに思います。
○辰巳孝太郎君 ということは、大臣の一番最初の責任はないという答弁もおかしな話になってくると思うんですよ。国が大きな政策を掲げて、それに東芝が乗ったんだから、もちろん東芝の責任もありますよ。だけど、国の責任だってあるということじゃないですか。 柳瀬さんはこの資源エネルギー庁原子力政策課長だったときに、東芝がウェスチングハウスを買収したというのは画期的だったと「Energy for the future」という二〇〇七年一月号の雑誌で語っております。また、海外マーケットで勝負できるように日本の原子力産業が切磋琢磨する必要がありますし、このようなビジネスチャンスには積極的に挑戦していくべきだと考えますと、これは「原子力eye」という二〇〇五年八月号の雑誌で語っております。まさに政府は、原子力大綱によって一歩前に出る姿勢を示して、海外での原発事業の旗振り役を振るってきたと、もうこれは明白だと思うんですね。 大体、原子力関連企業の買収などは、これ一企業の判断では済むような問題では私はないと思います。これ、当然政府も当時米国政府と調整をしてウェスチングハウス買収を後押ししたんじゃないですか。柳瀬さん、どうですか。
○国務大臣(世耕弘成君) あくまでも国は大きな方向性を示すのであります。それに、その方向で取り組んでくれる企業に対して評価をするのは当たり前のこと。ただ、個別の投資の判断ですとか、そのプロジェクトの収益性をどう確保していくかというのは、これはやはり個社の問題だというふうに考えております。個社の経営の問題であり、その責任はあくまでも個社の経営陣に一義的には帰するものだというふうに考えます。
○辰巳孝太郎君 そういうわけなんですけれども、二〇〇七年の四月五日付けの原子力産業新聞において、柳瀬さんはこう述べているんですね。原子力産業、マーケットのグローバル化時代を迎える中で特に気を付けなければならないことは、日本政府が日本企業とだけの話合いで国際展開して、後からアメリカに止められるのが一番高いリスクである、それを事前に日米政府間で調整可能ならしておくことが、企業経営者から見ても一番リスクが下がると、こう言っているわけですよ。 これ、ウェスチングハウスのときも日米間でやったんじゃないですか。
○国務大臣(世耕弘成君) それは、何も個別の案件とか個別の企業のどこへ投資するという話ではなくて、それは包括的に当然同盟国であるアメリカとそういった分野で、特に原子力分野において方向性の調整をする、気持ちを合わせておくというのは、私は全く普通のことだと思いますよ。 今も海外から原発の技術、日本に期待したいというような話が首脳会談レベルで議論されることも多々あるわけでありまして、それはあくまでも包括的、国と国との間の話であって、その後出てくる個別の案件について判断する、特に投資をするかどうか、収益性があるかどうかを判断するのはそれぞれの企業ということになろうかと思います。
○辰巳孝太郎君 結局、今日の議論聞いて、初めに責任はないと大臣答えたわけですけれども、どう考えても政府の責任というのはもう明白だと、旗振りをしているわけですから。そして結局、虎の子の半導体の技術、これの流出を懸念せざるを得なくなっているというのが現状であります。これが原発事業の失敗が原因ということであれば、政府の責任を重く受け止めなければならないのは当然であります。 先日、原賠機構法の改定が国会を通過いたしましたけれども、結局、原発事故に関しては、原発、原因者であっても、東電潰さない、何度でも救済するということであります。結局、これも国民にとっては際限のない負担になっていきます。こんなものに固執するのは私は本当に国家の損失だと、原発に固執するのはおかしいと、損失だと言わなければなりません。 今日見てきたように、原発は結局もうからない、そもそも、福島県民や被災者は原発を輸出してもうけた金で復興してほしいなんて望んでおりません。文字どおり、日本経済の重荷になっている原発ビジネス、原発推進政策から転換し、再生可能エネルギーの爆発的普及に全力を尽くすべきだということを述べて、私の質問を終わります。 ─────────────
○委員長(小林正夫君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、丸川珠代君及び松村祥史君が委員を辞任され、その補欠として朝日健太郎君、今井絵理子君が選任されました。 ─────────────
○石井章君 日本維新の会、石井章、通告に従いまして、外為法改正法案について質問いたします。 にわかに東芝の問題が議論の中心になっているようでありますけれども、実は昨日、東芝の経理の方からいわゆる決算の報告がありました。でも、これもまた仮の報告ということで、当然ながら、監査法人、公認会計士の印鑑もらえなければ正式な報告になれないということでありますけれども、いろいろ歴史、これはこの間の質疑で共産党さんがやるわけだったのを、今日、辰巳先生がおっしゃっていましたけれども、いわゆる、今結果的に東芝がこうなりました。しかし、その当時の政府の判断というのは、これは、政府というのは当然ながら、我々は、この自由主義経済の中で政府の果たすべき役割というのは、やる気のある企業にはどんどん後押しするのはこれは当然なことであります。でも、経営的な判断というのはこれ企業がすべきであって、だから企業がもうかれば株主さんももうかるし、そこで働いている方々の給与も上がると。結果的にこうなっただけであって、当時の政府の判断は、先ほど柳瀬さんとかいろいろおっしゃっていましたけれども、それは全然全く間違っていない判断であったと私は個人的に思うと。 それから、今、東芝がこうなりましたけれども、そこで働いている方々の責任では全くないということも、石上先生いらっしゃるから言っているんじゃなくて、私は個人的にはそう思います。 そういうところを踏まえて、私の思いを込めて、最後のラストバッター、いつもながら出がらしにならないようにしっかりと質問をしたいと思います。 まず、外為法、経産省と聞くと、当然ながら一九八七年の東芝機械のココム違反事件が思い出されるわけであります。東芝機械が共産圏へ輸出された工作機械によってソビエト連邦のいわゆる潜水艦の技術の進歩に大分貢献したんじゃないかというようなことで、アメリカ軍に潜在的な危険を与えたとして日米間の政治問題に発展した大事件でもありましたが、当時は冷戦状態という時代でもありまして、我が国は武器輸出三原則という明確な縛りもあり、比較的外為法違反事件への理解も容易であったとは思います。 現在、東西冷戦の終結とともにココムは解消され、新たな輸出管理体制としてワッセナー・アレンジメントが発足し、世界の四十一か国が参加をしております。そして、日本を取り巻く安全保障環境も大きく変化し、北朝鮮を始めとするアジアからの脅威に加え、世界的なテロリストの脅威にもさらされております。また、防衛装備移転三原則の決定により我が国としての武器の輸出等も行われている状況では、以前にも増して武器の拡散を防ぐことは我が国の平和と安全にとって非常に重要であると思います。 今般、本法案改正により規制を強化することは非常に有効な施策であり、武器輸出の拡散を防ぐと同時に、国際貢献にもつながるものと評価をしております。今回の質問は、経産省の本旨とするところである国内輸出事業者の国際競争力の推進という観点から幾つか質問をさせていただきたいと思います。 外為法の改正は、関連する企業などの輸出者への多大な影響を与えております。立法当局が予見するよりも実際の影響は大きく、輸出者は膨大で緻密な改正に伴う作業を時間と闘いながら行うことを余儀なくされております。 そもそも、外為法上の該非判定は各輸出者に委ねられており、各輸出者は自己の製品の該非判定を開発者、技術者が行っております。それぞれの企業で行っております。しかし、輸出者の大部分を占める中小企業や個人事業者においては、該非を専門に行う部門や人はいない場合が多く、通常の開発研究を行いながら判定業務も行うという厳しい環境に行われているのも事実でございます。 また、該非判定を迅速に行うことは他国の競争相手との勝負にも大きく影響します。そのため、各輸出者は該非判定に関するデータベースを所有していることが多いわけでありますが、改正項目をデータ上に反映させる作業は、小さな改正であっても相当の時間と手間を要するということであります。そこで、輸出者からは、輸出機関、政府に提出した既存データに対する該非判定結果の反映を一括して省庁あるいは輸出機関等において改定することができるようなシステム構築など、負担軽減について要望が多くあると聞いております。 政府参考人の皆さんに代表でお伺いしたいと思います。
○大臣政務官(井原巧君) まず、先ほども質問があったように、安全保障上の管理の精度を上げていくということもすごく大事だし、片や、しかし企業の負担をどうするかということ、これを両立させようということが主たる質問だろうと思いますけれども。 御案内のとおり、該非の判定というのは輸出者自身がしなければならないということになっております。その実務においては、輸出者が貨物のメーカーでない商社などの場合、つまり、メーカーは技術使って造っていますけど、商社の場合はそういう知見が余りありません。そういう場合には、輸出する貨物の技術的仕様について知見がないということから、経産省は輸出者に対してメーカー等にできるだけ規制対象の該非を照会するような指導をまず行っているということ。次に、個別ケースの該非判定を支援するサービスも行っておりまして、例えばこういう団体があります。一般財団法人で安全保障貿易情報センター、つまりCISTECというんですが、各メーカー、産業団体と協力して該非の判断を支援するパラメーターシートというシートを作っていまして、このパラメーターシートに従って個々の項目をチェックしていけば自動的に該非の判定をできると、こういうような取組もしているところでありまして、できる限り、小さな企業、中小企業にはそういうところを御紹介するような取組も行っています。 その上で、なお該非の判断が難しい場合には、経済産業省の申請窓口においても相談に応じているところでございます。
○石井章君 丁寧な御答弁ありがとうございます。 次に、国際レジームの原則等についてお伺いいたします。 毎年一回、規制リストの一部見直しを行っている、そこで各国ではその改正を自国の政令等改正によって反映させることになっております。その反映が公布されるまでのリードタイムは、国際競争の観点からは非常に重要と言えます。 経産省でも、法制局審査等の制約などがある中で早期化への努力をいただいているということでありますけれども、現実として、現在は事務ベースの合意から数か月近く経過した後の公布実施となっていると伺っております。これは、おおむね三か月でEARを反映し、実施することが定着している米国や、近年に早期化を図ったEUなどに比べるとまだまだ時間を要しているとの指摘もされております。 なぜ我が国はそれらの他国に比べて規制見直しから公布までに時間を要するのか、井原政務官に御答弁をお願いします。
○大臣政務官(井原巧君) お答えを申し上げます。 先ほど御指摘ありましたように、この国際輸出管理レジームにおいては、規制対象とされる貨物、技術のリストは毎年改定を行うということであります。それに基づいて、外為法においても規制対象を定める政省令等の改正を毎年行っているということなんですけれども、このリストが改正が決定されると、経済産業省は外為法における規制対象を当該リストに速やかにできるだけ移そうということでありますが、一つは、我が国の場合は、やっぱり民主主義というか、周知を十分しようというところもあります。ですから、まず政省令等の改正を行うと。 これは実務的に改正を行いますが、実は期間が掛かるというのは決して実務のことではなくて、まずパブリックコメントを一か月取りましょうというのは、他国で全て定められているわけじゃありませんが、一か月パブリックコメントを取ることになっております。そして、関連する産業界や専門家が国際的なリストの改定の内容が国内規制に適切に反映されているかどうかを確認する時間を取っていると。その上で、二か月程度の周知期間を確保して新たな規制の施行を行っているということでありますので、速やかにとも言えるというふうに考えております。
○石井章君 ありがとうございます。 以前、EUではレジーム合意の反映には二、三年が必要であった時期もありました。それは議会の承認等が必要であったためでありますけれども、国際競争力の強化のための輸出者への配慮などの観点から、二〇一四年には規定を改正しまして、議会承認を不要としました。その結果、二〇一五年以降は飛躍的に早期の合意、反映の実施が行われております。 我が国でも輸出者からは公布の早期化を望む切実な声が上がっておりますけれども、もう一度、政務官の方にこの御答弁をいただければと思います。
○大臣政務官(井原巧君) 先生おっしゃるとおりでありますが、実務には他国とそんなに時間の差がないんです。パブリックコメントを受けて、その日に施行というわけにいきませんから、当然、一か月公布期間を与えて、それからまた二か月、施行までに、この周知期間というのは企業の対応というところもあるので、それを含めた上で、今後どれだけ早くできるかということを検討してまいりたいと、このように考えております。
○石井章君 ありがとうございます。 続きまして、書類の保存義務について。通常、ほとんどの法律に付随しており、外為法の他の対外取引の分野にも規定されております。しかし、輸出入取引分野においては規定がされておりません。これは、悪意ある者などが無許可輸出に対し報告徴収等の監督手段が担保されないおそれがあるのではないかということもあります。 報告徴収や立入検査については全ての輸出者に適用されるよう規定されておりますが、書類保存の義務規定がないために、無許可輸出がなされた場合や該非判定をしかるべく行わずに輸出された場合、報告徴収等を掛けても、書類保存はしていないとして、その輸出の実態や該非判定の適否が当局として把握できないとの事態が生ずることが懸念されておりますが、書類の保存に関して義務規定とされていない理由について、大臣の方からお伺いいたします。
○国務大臣(世耕弘成君) 外為法第五十五条の十では、輸出等を行う者は輸出者等遵守基準を遵守することを義務付けております。遵守しない者に対しては経産相は指導、助言の上で勧告、命令を行うことができ、そして命令に違反した場合にはさらに罰則によって強制力を確保しているところであります。 この輸出者等遵守基準はこのように強制力を伴う強い規制となっているわけでありますから、当該基準の内容は規制しなければならない事項に限定すべきだというふうに考えております。 委員が今御指摘になった書類の保存については、当該基準の中でも遵守すべきものとしては定められているわけですが、リスト規制品に該当するかどうかを判断する手続を定めることなどに比べると、輸出管理を行う上で罰則で担保しなければならないものとまでは言い難いということで、また書類保存ということになりますと中小企業等への配慮も必要であることから、努力規定とすることで規制の適正化を図っているところでございます。
○石井章君 ありがとうございます。 時間がないので途中飛ばさせていただくと思うんですが、外為法の法体系に基づく安全保障輸出管理法体系についての分野で御質問いたします。 規制体系、規定内容が複雑であればあるほど、輸出管理委員を十分に確保しづらい組織、中小企業や大学、研究機関などでは、難解さに起因して理解不足や誤解により事故を起こすリスクが高まる、これまで発生している事案も少なくないと思われております。また、それによって国際的な事案へと発展するような事態になれば我が国は国際的な信用も大きく損なうと思いますが、大臣の答弁をお伺いいたします。
○国務大臣(世耕弘成君) 経済の国際化が急激に進展する中で、金、物、技術の国際的な流れは、ばらばらではなくて、相互に関連しながら複雑さを増しているところだというふうに思っています。外為法はこうした金、物、技術の対外取引全般をカバーをして包括的に管理ができるという強みがありまして、現行の法体系は十分合理性があるのではないかというふうに思っております。 また、外為法は昭和二十四年制定以来七十年の歴史、その間、いろんな改正も時代の要請に応じて行われてきているわけでありますけれども、やはり長い歴史の中でこの外為法の運用や解釈といったものが確立をされて今日に至っているわけであります。 ですので、長い歴史の中で積み上げられてきた現行法の体系や規定そのもの、根幹に関わるところを改正をするということになりますと、この法律を遵守してきた事業者等、特に輸出業務などを長くやっている方々が多いわけでありますから、そういった方々に混乱を来すおそれがあることを常に意識をしながら取り組まなければいけないというふうに思っております。 いずれにしても、法律の安定的運用の観点から、単に複雑かどうかということだけではなくて、規制対象の分類の見直しなど、国際的な整合性や事業者の負担を軽減するための見直しについてはよく実態を踏まえながら丁寧に検討していきたいというふうに思います。
○石井章君 世耕大臣、井原政務官、御丁寧な御答弁、ありがとうございました。 私の質問はこれで終わりにします。ありがとうございました。
○委員長(小林正夫君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 外国為替及び外国貿易法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(小林正夫君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 この際、石上君から発言を求められておりますので、これを許します。石上俊雄君。
○石上俊雄君 私は、ただいま可決されました外国為替及び外国貿易法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・こころ、民進党・新緑風会、公明党及び日本維新の会の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 外国為替及び外国貿易法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、本法施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。 一 世界の安全保障環境が厳しさを増している現状を踏まえ、実効性のある安全保障貿易管理の実施に資するよう、関係省庁の一層緊密な連携を図るとともに、海外における我が国の政府関係機関や進出企業等との連携強化を図ること。また、安全保障貿易管理体制の構築に取り組む各国に対し情報提供等の支援を行うとともに、国際的な連携を強化すること。 二 中小企業や大学等における安全保障貿易自主管理体制の構築を進めるに当たっては、企業や大学等の実情や意見を十分踏まえるとともに、講習会の開催やアドバイザーの派遣等必要な支援措置を講ずること。さらに、海外での事業展開を図る中小企業に対しては、中小企業の海外展開支援施策とも連携しつつ支援を行うこと。 三 国の安全等に係る対内直接投資等については、機微技術の流出が生ずることのないよう、規制の確実な実施を図るとともに、外国投資家に対する必要な措置命令が行えるよう、投資実施後のモニタリングを強化すること。また、我が国の対内直接投資規制の考え方が外国投資家に十分理解されるよう、情報提供に努めること。 四 安全保障上の機微技術の管理強化の観点から、「みなし輸出」管理等の課題について検討を進めること。 右決議する。 以上でございます。 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(小林正夫君) ただいま石上君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(小林正夫君) 多数と認めます。よって、石上君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、世耕経済産業大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。世耕経済産業大臣。
○国務大臣(世耕弘成君) ただいま御決議のありました本法案の附帯決議につきましては、その趣旨を尊重してまいりたいと考えております。
○委員長(小林正夫君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小林正夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後二時十七分散会