経済産業委員会 第6号
- 発言数
- 159 件
- 登壇者
- 16 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 2017/04/11
会議録
○委員長(小林正夫君) ただいまから経済産業委員会を開会いたします。 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、経済産業省製造産業局長糟谷敏秀君外四名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小林正夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(小林正夫君) 化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○宮本周司君 おはようございます。自由民主党・こころの宮本周司でございます。 今回の化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律、以下、化審法と表現をさせていただきます。 過日、環境委員会の方からの申入れがございまして、当委員会との連合審査でもいろんな議論がなされたところでございます。ただ、あの議論でもお分かりのように、当然、環境面であったり健康面に対するいろいろな過去からしっかりと守ってきた本質、これは維持しながら、やはり我が国の経済であったり様々な産業の成長を期待する、その上での改正案と私は理解をしております。 我々の生活の中には様々な化学物質がございますし、暮らしを豊かにする、また、化学物質には、天然のものもあれば、石油などを原料にした人工的に製造される、そういったものも多く種類がございます。そのまま利用する、また、ほかの化学物質と調合する、いろいろな化学工業品や化学品として本当に多種多様な使われ方をしているというのが現状かと思っています。 現在、アベノミクスの更なる進化のために、やはりこの成長戦略の柱ともいうべき第四次産業革命、これがいろいろな形で推進されているわけでございますが、この実現にはAI等も含めたいろいろな画期的なイノベーション、これがやはり不可欠なものであると考えております。 そして、我が国では今、主要な産業、例えば自動車であったり、電気、電子、また服類、衣料であったり、また薬品等も含めた医療器具、医療機器、また薬品ですね、こういったものには、本当に化学産業からいろいろな新規性のあるもの、また高機能性のあるそういった素材が提供されておりますし、これなしでやはり成長をすることはなし得ることができないのではないかと考えております。 このように、我が国の化学産業は、やはり機能性化学品を中心にグローバル市場で高いシェアを獲得していく、そしてその上で日本経済の活性化と雇用の創出にしっかりと寄与していく、このことが大切であると認識をしております。 我が国の化学産業の国際競争力強化のため、こういった高機能性化学物質のイノベーションを促進していく、このことが極めて重要であると思っております。 まず最初に、世耕大臣にこのことに対してどのようにお考えか、御意見をお聞かせいただければと思います。
○国務大臣(世耕弘成君) 今回の化審法の改正は、まさに今御指摘の化学物質の分野におけるイノベーションと、しかし一方で、健康とか環境への影響を抑えると、この二つをいかに両立をしていくかというところが今回の法改正の一番のポイントだというふうに思っています。 我が国の化学産業は、なかなか化学物質というのは、そのもの自体が目に見えるわけではありませんので、目立たないんですけれども非常に縁の下の力持ちだというふうに思っています。液晶ディスプレーですとかあるいはリチウムイオン電池といった、これからまだまだ世界が活用していく分野において、その中で使われている高機能化学品というところで日本は高い競争力を持っているわけであります。例えば、リチウムイオン電池の材料のセパレーター、これは五七%のシェアを日本が持っております。また、電極でマイナスの方ですね、負極の材料は三一%のシェアということになります。 しかし一方で、国際競争が非常に激化をしてきていまして、日本のシェアはかなり低下している傾向もあるわけであります。例えば、電極の今度プラスの方ですね、正極の材料というのは今まで七七%日本が持っていたんですが、今一五%まで落ちました。あるいは、リチウムイオン電池で使われる電解液、この電解液も六八%持っていたんですが、今二〇%まで落ち込んでいるという状況であります。こういう中で、高機能化学品のイノベーションを促進することは成長戦略上も非常に重要だというふうに考えています。 経産省としては、新しい高機能化学品をAIなんかを活用してスピーディーに開発するための研究開発プロジェクトの実施ですとか、あるいはオープンイノベーション促進のための研究開発税制の見直しや産革機構による出資、この化学の分野も行っております。また、開発能力をもたらす事業再編ですとか新陳代謝の促進などにも取り組んでいるところであります。 ただ一方で、今回化審法を改正するといっても、健康ですとか生態系に影響を与えないというこの規制の趣旨を変えることは全くありません。事業者の費用面ですとか時間面のコストを減らす、規制の緩和ではなくて規制の合理化を目指すものだというふうに考えております。 具体的には、事業者が新規化学物質を少量製造したり輸入をする場合に審査を簡素化する特例制度、この特例制度について、ある一定の量以下であればこの特例制度ということになるんですが、その量の判定を、今まで化学物質を製造、輸入する量に着目をしていたんですが、これからは具体的に環境に排出される量に着目をするという見直しを行うということになります。 これによって、同じ化学物質を輸入したいという人が複数出てきたときに、今まではそれが、その結果としての総量が上限を超えないように国が調整をするという場面があるわけですが、その件数が減少していくことになるだろう。特にハイテク関連で、リチウムイオン電池のようなハイテク関連で用いられる化学物質については、恐らく基本的には数量調整が必要なくなるんじゃないかというふうに期待をされておりまして、そうなると、事業者の予見可能性、これだけ欲しかったんだけど実はこれだけしか入らなかったということが今まで多々あったわけですが、これからはその辺の予見可能性が高まって、事業者が事業機会を失うことが少なくなるんではないか。ただ、当然、健康、環境への影響をしっかり出さないという規制の趣旨は変えないという点であります。
○宮本周司君 ありがとうございます。 本当に環境や人体、健康に対する部分はしっかりと守る、その上で規制の合理化、これを図っていくんだということで、具体的なお考えもお示しをいただきました。 今回のこの法改正によりまして、やはり経済産業省、また先般の連合審査の申入れがありました環境省、また厚生労働省と多岐にわたる省庁が関与しております。化学製品がやはり広く我々の社会生活に浸透していく、また快適な生活を維持するためには不可欠なものになっている、こういった現状も踏まえながらも、やはりこの改正が実現が可能で、そして最も効果的な規制方法を取り入れていると、そういうふうにも理解しております。やはり産業の基盤であり、また国民生活に極めて広範囲に使用されております化学物質の安全性を確保すること、このことはやはり国民の生命や環境の保護に不可欠であると思っております。 ただ、その一方で、我が国の成長戦略、これをしっかりと推し進めていく、産業の国際競争力の一層の強化を図っていく、このことも同時に実現をしていかなければいけない。そういった意味では、やはり今般のこの審査特例制度の合理化、これ、環境への影響を変えない、そしてその上でイノベーションを促進する、真に経済そして環境が両立した形での規制の合理化であると考えております。 そこで、運用面でもその趣旨が徹底されることが必要だと思っておりますが、政府の方ではこれまでどのような役割を果たしてきたのか、またどのような支援を行っていくのか、是非政務官の方にお伺いをしたいと思います。
○大臣政務官(井原巧君) お答え申し上げます。 先ほど大臣からも御答弁ありましたけれども、今回の改正案の基本的な趣旨というものは、人の健康や生態に対する影響を防止するという、これまで世界でも先進的な全国総量上限というものをしいておりましたが、それはしっかり維持して、規制の趣旨は変えずに行うというものでございまして、同時に、事業者の機会損失を減らすよう、制度の緩和ではなくて合理化という意味で図ろうというものでございまして、この両立をするものと考えているところであります。 宮本委員御指摘のとおり、運用面においてでありますが、このような趣旨を徹底して行っていくことが安心、安全にもつながってまいり必要だと考えておりまして、今回のこの改正案が成立した場合には、例えばこの今回の排出係数というのも、予防の意味も込めて、厳しい、安全側に立った排出係数の設定や、事業者に手続上過度な負担とならないように留意しつつも、安全管理上の用途情報の把握方法の検討等を講じてまいりたいと考えております。
○宮本周司君 ありがとうございます。 今回のこの法改正、現行の場合は、新規化学物質審査の特例制度においては製造また輸入数量で全国で上限枠が掛けられておりましたので、先ほども大臣からの御答弁の中にもありましたが、申出の事業者が複数存在する場合には数量の調整が発生した。また、その数量調整が行われたことによって、当初いろいろな形で予定をしていた数量が製造できない、また輸入できない、こういった予見可能性が低下するという実態、これが起こっておりましたし、これは大臣からのお話だけじゃなく、現場からもこの不具合に対する声が多く上がってまいりました。今回のこの改正によりまして、この特例制度の合理化を図っていく、これが中小企業やベンチャー企業にとって事業機会を拡大していく、また日本の産業競争力の向上につながるべきだと思っております。 皆様のお手元に資料を一枚お配りをさせていただきました。現行制度に基づくこの少量の新規制度で数量調整が入った場合に、売上げ、利益、付加価値の喪失額について一定の試算がなされておりまして、その一覧表を御提示をさせていただきました。 このことからも様々な数字の方を読み取れるわけでございますが、しっかりと現行制度での不具合、これを改善をしていく、その上で今般のこの審査特例制度の合理化によって、数量ベースでの製造・輸入数量など、どの程度の経済的インパクトが見込まれるか、この表からしっかりと読み取って御確認いただける部分もありますが、サプライチェーン全体、ここでの試算数値も含めまして、是非経産省の方から御説明をお願いしたいと思います。
○政府参考人(糟谷敏秀君) お配りいただきました資料は、化学メーカーの中で過去に事業機会を喪失した事業者からのヒアリングを基に試算をしたものでございます。今般の改正によって化学メーカーの予見可能性が高まり、事業機会の喪失が少なくなることによりまして、現在生じている機会損失、売上げで八百六十一億円、利益で六十九億円、付加価値で二百二十四億円が解消されるものというふうに考えております。 最終製品も含めましたサプライチェーン全体について試算をいたしますと、売上げで四千七百七億円、利益で三百七十六億円、付加価値で千二百二十三億円の機会損失が解消されるというふうに試算をしているところでございます。
○宮本周司君 ありがとうございます。 こういった部分がしっかりと改善をされていく、今まで喪失されていたものがしっかりと国内の国益として生まれていく、このことがまた未来につなげていく大きな原動力、力にもなると期待をしております。 ただ、こういった制度の、当然、現場の方ですね、産業界ではいろいろなイノベーションを促進するために努力もされている、そのためにこういった政策を講じているところでございますが、政府自らが行ってきたこういった規制に関しましても、やはり現場の産業のいろいろなイノベーションであったり高度化であったり、こういったものも踏まえて、規制する側の政府側もやはり新たな科学的若しくは技術的な知見を十分に取り入れていく必要があるのではないか、こういったことにも私個人として関心を持っているところでございます。 その観点から、今般の化審法の改正案について、政府の取組として新たな科学的若しくは技術的な知見をどのように盛り込んでこれから運用をしていくつもりなのか、そういった部分も是非お聞かせをいただければと思います。
○政府参考人(佐藤文一君) お答え申し上げます。 議員御指摘のとおり、規制についても最新の知見を取り入れた、より合理的な制度としていくことがこれ大変重要なことだと思っております。 今回の改正案ですけれども、特例制度に関連する部分で、関連物質の排出量を合理的に算出することができるようにするための排出係数という新しい技術的知見が得られたことから提案をさせていただいたということでございます。この排出係数ですが、平成十三年に化学物質管理促進法が施行されまして、化学物質が事業所から環境へどれだけ排出されたかなどを届けることが義務付けられまして、一定の期間を経た後に排出量データを安定的に取れるようになったと、こういうことから作成が可能になったものでございます。こういった排出係数を活用することによって、化学物質の製造、輸入する量ではなくて環境に排出される量に着目できるようになったということかと思っております。 これは事業者と政府が共に化学物質管理を着実に実施してきたことから規制の合理化が可能になったものと思っておりまして、引き続き化学物質にしっかりと取り組み、その過程で得られた知見やデータを制度の合理化を含め様々な形で社会に還元していきたいと考えているところでございます。
○宮本周司君 ありがとうございます。 是非そういった部分もしっかりと実現しながらお取組を進めていただけるよう、期待もするところでございます。 この化審法におきまして、高機能性の製品の市場拡大に伴って特例制度の申出件数、これも年々増加していると確認をしております。二〇一五年度には約三万五千件ぐらいが申請されたと聞いております。そのうち四千二百件強が数量調整が行われたというふうに認識しておりますが、やはりこれだけ申請の申出の件数増えてくれば、行政コストの増加もかなりのものではないかなと推察をするところでございます。 今回の化審法の改正に関しまして、やはりこのコストの部分、試験に掛かるコスト、この部分に関しても少し伺わせていただきたいと思っているんですが、やはり人間の健康等をじわじわとむしばんでいく物質を規制する、しかし、通常新規制度において、事業者は、製造若しくは輸入する新規の化学物質についてその安全性に関するデータを事前に届けなければならないというふうになっています。 そのデータは、自然環境中で分解されやすいかどうか、いわゆる分解性の部分、そして生物の体内に蓄積しやすいかどうかという蓄積性、また人、生物に対する毒性があるかどうかという毒性、こういったものに関するいろいろな試験が必要と聞いております。一つの物質においては最長二年ぐらいの期間も掛かる、若しくは費用に関してもマックス三千万ほどコストが掛かる、こういったデータもこれまで確認したところでございますが、やはり中でも毒性に関するデータが一番期間や費用が掛かるというふうに認識もしております。 そして、国の方では届出内容の審査の結果に応じて規制を行う、こういった立て付けになっているわけでございますが、この届出が必要とされる事業者に求められている試験にはどの程度の期間と費用を実際要しているのか、また、年間、現在どの程度の物質が国の方に届けられているのか、現状の状況を是非お聞かせをいただけたらと思います。
○政府参考人(佐藤文一君) お答えいたします。 通常新規審査制度でございますけれども、事業者は、化学物質を新しく市場に投入する際には安全性に関するデータを国に提出するということになっておりまして、その観点は、御指摘のとおり、分解性、蓄積性、毒性と、この三つになってございます。 政府が当該化学物質に関する知見を既に有している場合にはこれが一部除かれますが、そういう場合ではない場合にはこの三つのデータ全てを提出することが必要ということになります。 これらのデータ取得に必要な試験を全て終えるには、平均的には、御指摘のとおり、一年半から二年の期間、それから合計で三千万円程度の経費が掛かっておるということでございます。また、こうした通常新規審査制度の対象となるものとしては、年間約四百物質程度が現在国に届けられているという状況でございます。
○宮本周司君 ありがとうございます。 やはりそれだけの数も発生しておる、また期間やコストも発生しているわけでございます。やはり誰もが自由かつ効率的に化学物質の流通に関するデータを把握できたり、また、IT技術、またAI等、IoT等いろいろ駆使したりということでシステムそのものも高度化していくことも当然必要だと思いますし、そういったことも今後盛り込んでいっていただけるものと思います。 やはり今回の化審法の改正、そしてこの通常新規制度に対応していくために、やはり産業界には試験に要する大きな時間、また金銭的なコスト、これが発生をしております。産業界におけるイノベーションをしっかり促進する観点から、今般の改正によるいわゆる審査特例制度の合理化の意義、これはやはり大なるものと考えております。 しかし、その一方で、それ以外の通常新規制度における合理化、これも考えることはできないだろうか。特に今回、経済産業省及び環境省の方でいろいろなお取組も想定をされていると思います。是非、それぞれからそのことに対するお考えをお聞かせをいただけたらと思います。
○政府参考人(佐藤文一君) お答えいたします。 議員御指摘のとおり、新しい科学的あるいは技術的な知見が得られたときには、規制の趣旨を超えない範囲において制度の合理化についても検討していくと、これは大変大切なことかと思ってございます。 現在、これまで得てきているあるいは今後得ることが想定されている知見といたしまして大きく二つございまして、一つはこれまで得られたデータの活用とそれに基づくシステムの構築、もう一つは安全性の検証に係る国際的な新たな評価基準、こういったものが考えられるかと思ってございます。 一点目につきましてですけれども、コンピューターを利用した評価方法でありますQSARというのがありますが、これの適用範囲の拡大や御指摘のAIを活用した有害性予測方法の開発など、こういったことを進めてまいりたいと考えておるところでございます。 また、二点目についてですけれども、最近の国際的な評価試験方法の動向なども踏まえまして、分解性試験の合理化、高分子に特化した試験の合理化など、こんなことを今後検討してまいりたいと思っております。 ただ、いずれにいたしましても、審査制度の合理化を行うに当たっては、専門家の意見も十分に聞いた上で、環境省、厚生労働省と三省合同審議会において審議して、さらにはパブリックコメントを掛けるといったしっかりとしたプロセスを踏まえて進めてまいりたいと考えているところでございます。
○政府参考人(梅田珠実君) お答えいたします。 通常の新規化学物質審査の合理化に向けた取組は、既に一部の審査におきまして、化学物質の構造から毒性を推定する手法であるQSAR、定量的構造活性相関を頭文字を取ってQSARと呼んでおりますが、この利用も行われているところでございます。 しかしながら、生態毒性に関しては、データの信頼性などの課題から、現状では試験データの参考として扱うにとどまっております。QSARの改善のため、環境省におきましては、QSARの一つである生態毒性システム、KATEの予測精度の向上と適用可能な範囲の拡大のためのシステム開発、調査と併せて活用場面の検討を行っております。 引き続き、環境への影響を未然に防止することを前提としつつ、新規化学物質審査の合理化に取り組んでまいりたいと考えております。
○宮本周司君 ありがとうございます。 やはりそれぞれの省におきまして可能な合理化も図っていただきまして、成長の機会、この芽を摘むことなく今回の法改正を前に前に進めていく、まさにその力にしていっていただくことを期待をするところでございます。 現在、欧米若しくは中国、韓国の規制はあくまでも個社の上限値。ただ、国全体の上限値を設定しているという例は、やはりこの日本以外にはないというふうに認識をしております。各国ともその方式で、いわゆる個社ごとの上限値の方式で実績を重ねてきた、環境問題なども生じていない、こういった現状も確認もできておりますし、国際調和という観点からも整合性を欠く、また日本企業にとっては、競争力強化またイノベーション促進の阻害要因にもなっている、これが今回の法改正の背景にあったものと認識をしております。 特に、少量新規化学物質の多くは高機能製品、用途は、先ほどもお話ししましたけれども、いろいろ多様でございますが、電気、電子の材料が全体の約四分の一、そして、中間物であったり、フォトレジスト材料、写真材料、また印刷の版とかの材料を含めた上位三分野、これで約六割を占める。二〇一五年のデータでございますが、ほぼその数字が今も堅持されているのかなと思っておりますし、ただ、いずれも技術であったり製品開発競争が激しいもの、若しくは製品そのもののライフサイクルが短いものが多いと認識もしております。 調整の方はやはり毎年行われて、割当て量は他社の動向によっても変動すると思いますし、企業が予定する数量が確保できなければ、それは事業規模も縮小をしていかなければいけない。少量で付加価値の高い化学物質を製造する中小の化学企業にとっては、やはりこれは大きな痛手若しくは向かい風になるんじゃないかなと思っています。数量調整によりまして、先ほども御説明ありましたが、サプライチェーン全体にわたってビジネスが喪失して海外企業連合に市場を奪われた、若しくは化学企業と顧客であるまた電気であったり電子企業が国内生産ではなくて海外に生産拠点を移した、そういった例もあると思っております。 やはりこういった国益を損ねる不具合をしっかりと改正をしていく、このことも含めて、過去からこの法律が守ってきた部分を守りながら法律そのものをイノベーションさせていくというふうに理解します。 この法律そのものは、設立当時から世界に先駆けて新規化学物質を事前に審査する制度を設けておりました。これは、実にやはり画期的なものだったと伺っております。当時の時代背景からも、産業の健全な発達にはやはり安全性の確保は避けては通れない、そういった時代背景もあったと理解もしております。 そして、そうした中で、法の施行から約四十年、この四十年という長きにわたってかなりの有害性のデータが、いろいろな試験も、またその届出によるデータも含めまして蓄積されていると思いますが、現状、我が国ではどの程度のデータを保有し、そしてそれがどういった状態にあるのか、是非現状をお聞かせをいただけたらと思います。
○政府参考人(糟谷敏秀君) この化審法、昭和四十八年に世界に先駆けて制定された法律でございます。昭和四十九年の施行以来、四十年余りにわたって運用してきたわけでございます。その間、分解性、蓄積性、毒性についての同一の試験方法を用いたデータが国に届け出られてきております。この結果、現在、累計で一万六千を超える物質についてのデータが国に蓄積をされております。これらのデータについては、基本的に公開をしているところでございます。
○宮本周司君 ありがとうございます。 このデータ、当然こういった化学物質に対して欧米の方でも試験をしている。それは、国際的なルールにのっとった部分はあるとは思いますが、欧米の方は、試験をするというのがいわゆる事業者側の自由によって行われてきたと。日本の場合は、やはり一定の試験手法も用いた有害性データの届出を求めている。これが、同じ試験制度であったり申出制度をやりながらも、根本でちょっと違うところだと思うんですね。要は、日本の場合は、蓄積されたデータそのものが世界でも類を見ない均一条件における質の高いいわゆるビッグデータになっているんじゃないか、この部分も非常に期待をするところなんであります。 この世界に類を見ないレベルでのいわゆる均一条件での質の高いこのデータ、こういったものをしっかりと今後どのように活用することができるのか、そういった部分も是非お聞かせをいただきたいと思っておりますし、それがまたいろいろな形でイノベーションを起こすことによって、今世界の中でも動物実験を避けるという国際的な潮流の中で、このビッグデータの活用、試験方法を新たに開発をしていく、これは、それこそ国際的な貢献にもつながる、そういった別の価値も秘めているんじゃないかなと私は期待をするところでございます。 今、この世界に類を見ないデータを保有している日本として、政府として、どのようにこの質の高いビッグデータを更に活用していくのか、また、世界に対してどのような発信をしていくのか、是非お聞かせをいただけたらと思います。
○政府参考人(糟谷敏秀君) 先ほどお答え申し上げましたように、現在、累計で一万六千を超える物質についてのデータを蓄積をしておるわけであります。これ、具体的には独立行政法人のNITEに蓄積をし、公開をしておるわけでございます。 こうしたデータを活用することによって、特にAIによってそれを分析することによって最先端の有害性予測手法の開発ができるのではないか、そういう考え方に基づいてプロジェクトを今年度から開始をすることといたしております。中長期的な取組になろうかと思いますが、こうした取組を進めてまいりたいということであります。 このプロジェクトは、化学物質の安全性評価に必要な動物実験をコンピューターシミュレーションによる仮想実験で代替をするということによりまして、化学物質の開発から製品化までの期間を短くし、企業の競争力を高めることにも資することになるというふうに考えております。 また、国際的には、特に欧州やアメリカを中心に動物実験を避けるという流れがございます。例えば、欧州のREACHの規制におきましては、動物試験を避けるために、本規制の目的に沿った脊椎動物の試験は最後の手段としてしか行ってはならないというような、そんなことが定められたりしておるところでございます。こうした潮流の中で、こうしたコンピューターシミュレーションによる仮想実験で動物試験を代替することができますれば、国際的な貢献にもつながるのではないかというふうに考えております。 新規化学物質の開発段階において、企業が毒性があるかもしれない化学物質についてその懸念を調べる簡易な試験をAIで代替をする、こうしたことの実現に向けて、今年度から着実に取り組んでまいりたいというふうに考えております。
○宮本周司君 ありがとうございます。 このことに関しまして、やはり今の御説明にもありましたように、世界に対して国際的な部分におきまして日本がしっかりと発信をしていく、言わばこの分野で日本がしっかりと未来に向けたプラットフォームをつくっていく、このことにも大きな期待が持てると認識をしております。 ただ、こういったイノベーションを進めていく上で、当然、この化学物質を使用するのは大企業だけではございませんし、いわゆる中小企業においてもしっかりとした利活用があり、またイノベーションも起きていると認識をしております。 少量新規制度におきましては、通常の新規制度とは異なって、データを取得するための試験に係る費用が不要であったりとかいうことから、中小企業からの申出が多いと聞いています。例えば、最近の実績だけで見ましても、数量調整を受けた件数は約四千三百件ほどあるそうですが、製造事業者に特化をしてみると約千三百件あって、そのうち中小企業分は六百四十二件、大体半分ぐらいを占めていると。また、数量調整を受けた企業数の中で中小企業が多くを占めるわけでございますが、件数ベースでは大体半分なんですが、社数ベースで見ると約六割がその中小企業に当たるということで、やはり中小企業そのものがこの化審法の下でいろいろな規制を受けながらも努力を重ねている。今回、この法改正が行われる、そしていろいろなイノベーションが行われる中で、やはり中小企業者にとっても、いろいろな申請であったり試験であったり用途証明であったり、いろいろな部分で負担にならないかというのが個人的にはやはり心配をするところでございます。 是非、今後詳細な制度設計を行うに当たっては、そういった地方の、地域の中小企業の実態も踏まえて、過度な用途情報を求めることによって、これが得られなかった場合に不当にビジネスが成り立たなくなる、こんなようなことが起こらないように是非検討を進めていただければと思います。 我が国では中小企業基本法というものが昭和三十八年に制定され、いわゆる我が国の中小企業を支えてきました。ただ、現状、全国で三百八十二万社という大企業、中小企業、小規模企業が実在する中で、中小企業は全体の九九・七%、三百八十一万社もあるわけなんですね。そして、その中で、従業員数二十名以下、またいわゆる商業、サービス業で規定される小規模企業、これが従業員数二十名以下、又は商業、サービス業においては従業員数五名以下というのが規定になるんですが、これが実に三百二十五万社存在するわけなんです。 ですから、これだけの中小企業であったり小規模企業がある中で、しっかりと三年前に小規模企業振興基本法なるものを作り、そして中小企業の中でも中規模企業の実態、そして小規模企業には小規模企業の実態に合ったいろんな政策が実現する、そのことによって、この二年、三年の間でも、中規模企業は中規模企業としての成長、発展、そして小規模企業は小規模企業にとっての持続的発展、これを実現する、そういった企業が全国で多く存在してきたと思っております。 これは、要は過度な負担、これまではいろいろな、例えば補助金事業であっても、中小企業が申請する際にはもう申請書を五十枚も六十枚も出さなければいけない、それが実際の負担となって、中堅企業、中規模企業には対応できても小規模企業に対応できない。このことが挑戦の芽を摘む不具合にもなっていたと思いますが、今お話ししましたように、三年前に小規模企業を分けて、そして小規模企業にはやはりその経営実態に応じた制度や政策の在り方、例えば、全てではありませんが、一部の支援事業に関しましては申請書が原則三枚、この原則三枚で申請書でしっかりと読み取らなければいけない、本質を読み取るということで、ある意味、政府の取組の中で合理化を図り、ある意味、小さいかもしれませんが、過去からのやり方を考えれば小規模政策の中ではイノベーションも起こったと認識をしております。 ですから、こういった事例も鑑みても、今回の法制度がやはり中小企業にとって大きな大きな足かせ若しくは負担にならないよう、運用面で是非御理解と、また現場に対する御理解の上での御配慮をお願いしたいなと思っております。 今回のこの化審法は、過去から国際的な動向を踏まえて徐々に改正をされてまいりました。二〇一一年に全面的に改正されて施行された後、五年経過をしてから一回見直そうということで、昨年、経産省、あと環境省、そして厚生労働省において施行状況を検証し、報告書が公表されました。そして、その報告書に基づいて化学物質管理などの今後の方向性が示された。報告書で示された課題のうちで、技術的なものに関しては三省の有識者会合で検討していきましょう、若しくは制度面に関しましては経産省、環境省の合同会合で検討していきましょう、このような方向性で今回のこの改正に至る流れができたと思っております。 化学物質に関する規制、これは本当に多岐にわたるものだと思っております。ただ、本法のこの規制の合理化を目指している経済産業省、経済産業大臣として、各省の連携ですね、この各省の連携をどのように取り組んでいくのか、若しくは特にITを使っての連携はどのようにお考えなのか、最後に大臣の方からお聞かせをいただけたらと思います。
○国務大臣(世耕弘成君) この化学物質の規制というのは、本当にいろんな段階とかそれぞれの物質の特性に応じて、例えば、製造する人なのか使用する人なのか廃棄する人なのか、あるいは、それを使う場面が労働者として仕事の場で接するのか、あるいは消費者として接するのか、あるいは普通に暮らしていて環境の中で接するのかとか、あるいは、体に対する反応が急激に急性的に来るのか長期にわたって効いてくるのか、いろんな分類でかなり規制が複雑に絡み合っているという状況になっています。これは何とかしなきゃいけないというふうに思っています。 既に化審法の中では、この化審法で得られた化学物質の毒性などのデータを労働安全衛生法など化審法で規制している以外の制度を所管する省庁に提供することで、この物質を規制すべきかどうか、ほかの法律での判断が迅速になるというふうに思っています。そのため、化審法の中には得られた情報を関係省庁に通知するという規定があります。平成二十四年から二十八年までの五年間の間で、家庭用品規制法、労働安全衛生法、消防法を所管するそれぞれの官庁に対して情報提供というのを実施をしてまいりました。 また、今度は逆に、化審法以外の法律が化学物質に関するデータの提出を事業者に求めているというケースがあって、事業者の側からは、いろんなデータをいろんな法律に基づいて提供するのは負担が大きいというような声もあるわけであります。こうした声を踏まえて、今度は逆に、化審法と同様に新規化学物質の届出制度を設けている労働安全衛生法の少量新規化学物質確認制度、この制度の中では、化審法で出した資料を、写しを提出すればその手続が省略できるというような連携も既に行われているわけであります。 また、今度は、化学物質自体の規制法が多岐にわたって複雑で分かりにくいという声もあります。これ何とかワンストップでできないかということで、今、化学物質ごとの性状データですとか規制内容ですとか規制対応手続を集約したプラットフォームの構築にこれから取りかかりたいというふうに思っています。 具体的には、NITEの化学物質に関する情報提供サイトでありますCHRIPというのがあります。これを改良して、これから事業者の方々がこういう化学物質を取り扱いたいんだけどというのを検索入力すると、その物質に関して各法令で必要になる申請手続をすぐ分かるようにしていくというような改善もこれからやっていきたいと思っています。 私は、第四次産業革命の中で日本の勝つ道筋というのは、製造業がやっぱりビッグデータをみんなで共有する、そしてそれをAIで分析をしたりディープラーニングをして活用してより品質の高い物づくりをスピーディーに行っていく、これが私は実は第四次産業革命での日本の勝ち筋だという信念を持って今取り組んでいます。 化学産業においても、是非この化審法で蓄積したビッグデータを各事業者がこれ縦横無尽に活用していただいて、より競争力のある化学物質を開発してもらうということを経産省として、NITEなども使いながら、全力で応援をしていきたいというふうに思っています。
○宮本周司君 ありがとうございました。 さすがこれまでも大臣就任以降いろいろなお取組をされている世耕大臣ならではのお考えと、本当に未来に向かったいろいろなお取組、具体的に御説明をいただきました。 今回の法改正、やはり日本企業にとって競争力を強化していく、そしてイノベーション促進、これを実現していく、このことにしっかりと効果を発揮することを期待しておりますし、今大臣の方からもお話ございましたように、これからはもう物と物をつないでいくだけではなくて、こういったデータとデータもつなぎ、また各省もつなげていく。先般大臣が発信されましたコネクテッドインダストリー、これをまず進めていく最初の足掛かりとなるような法改正になることを心より御期待をいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○礒崎哲史君 おはようございます。民進党・新緑風会の礒崎哲史でございます。 早速質問に入らせていただきますので、どうぞよろしくお願いをいたします。 今回のこの化審法の改正案に対する質疑、先週の木曜日になりますが、環境委員会との連合審査、その中での審議も聞かせていただいて、今回私が質疑するに当たって一体何にこだわって質疑をしていこうかなと改めて考えてみました。 この間の連合審査のときでもそうだったんですけれども、あるいは今回のこの化審法の改正に当たって現状何が問題点なのかという説明を経産省からお伺いしたときに、まず一つに、数量調整がビジネスに与えている悪影響ということ、その点についての御説明をいただきました。とすると、その観点での法改正をするということであれば、ビジネスを拡大していく、ある意味、規制緩和をしていくということになります。そうしますと、この間の連合審査を受けた印象でもありますが、どうも規制を緩和していくということが、結果的には、ビジネスチャンスは広げていくんですけれども、同時に何かを引き下げていくような、具体的に言えばそれは安全性になるのかもしれませんけれども、どうもそのビジネスと安全性というものが何かバランスに掛けられてしまっているような審議になるのかなという印象を私は受けました。 ただ、商品によってはそういう観点で開発がされているものもあるかもしれません。例えば、このマイクというのは、値段を上げて精度を高めればいろんな声を拾っていく、あるいは雑音が入らないように方向性を一定に保つことができるということはできるかもしれませんが、コストを下げればそういう性能が削られていくということではありますけれども、ただ、その一方で、もしその製品の性能を下げたせいで人体に影響がある、環境に影響がある、大事故につながる可能性があるかもしれない、ましてや人の命に関わることになるかもしれないということになれば、これはそういうバランスという観点はないと私は思いますし、安全性が大前提になるということになるんだと思います。 まさに、今回のこの化審法の中で取り扱われている化学物質というものは、今お話をした後者の方の立場、何を規制緩和しようが安全性は絶対に確保されているということが大前提だということなんだろうなということを改めて自分の中で意識をしたときに、じゃ、今回、何を質問しようかなということで、今日はとにかく安全性、大丈夫なんですよねということにこだわった審議を今日はさせていただこうということで私の中で考え方がまとまりました。 今、宮本委員の方からもいろいろとお話、質疑の方がありました。日本の大部分の企業は真面目で普通に取り組んでおられる企業です。ですから、あくまでもこうした企業の活動、企業活動を手助けをできる内容であるということと、その中において、不謹慎といいますか、不心得といいますか、そういう企業がなきにしもあらず、あるのかもしれません。ですから、そうした企業に対してしっかりと法の網を掛けて業界から締め出す、市場から締め出す、そういう法律の立て付けにやはりなっていなくてはいけないんだというふうに思います。 早速具体的な質問に入ってまいりたいと思いますが、今回、この化審法、実は非常に幅の広い法律でありまして、様々な検査あるいは監視というものをしていく内容になっております。今回の取扱いというのは、既存の物質ではなくて、あくまでも新規の化学物質についての取扱いの中でも特に少量のものであったり低生産量のものということで、これかなり中身が細かく分かれているんですね。ですので、まずはその細かく分かれている理由というところから、前提条件ということで確認をさせていただきたいと思いますので、今回の審査特例制度において、少量の新規化学物質と低生産量の化学物質に分けてそれぞれ審査をしている理由について、まずそこから確認をさせていただきたいと思います。
○政府参考人(糟谷敏秀君) 特例審査制度におきまして制度を分けておりますのは、一言で言いますと、新規化学物質のリスクに応じた規制をするという考え方に基づくものでございます。世界的にも、毒性が不明であっても有用なものはリスクに応じた管理をして使うというリスクベースの考え方が一般的でございます。 まず、新規化学物質については、毒性が全く分からないものでありますが、それが最も有害な物質であった場合でも健康や生態系に問題のない範囲で製造、輸入を認めるというものでございます。すなわち、少量新規制度では、化審法上最も強い規制が掛かる第一種特定化学物質のうち最も有害な物質についてシミュレーションを行いまして、この結果に基づき、環境に影響を与えない上限ということで全国数量上限の一トンというものを設けているところでございます。 他方で、生物の体内に蓄積しやすい性質がある場合とそのような性質がない場合とでは、その化学物質が人の健康や生態に及ぼす影響は大きく異なるわけであります。高蓄積性がない、蓄積性が高くないということが判明している化学物質についてはよりリスクは低いということでございますので、低生産量新規制度におきましては全国数量上限を十トンというふうにしているところであります。これは、蓄積性が高くない第二種特定化学物質のうち、現在製造されている物質の中で毒性の強い物質についてのシミュレーション結果に基づき健康や生態系に問題のない範囲であるということで設定をしたものでございます。 すなわち、少量新規制度と低生産量新規制度では、この蓄積性に着目してこの影響の違いがシミュレーション結果に表れ、それが制度の違い、それから全国数量上限の数量の違いになっているということでございます。
○礒崎哲史君 今二つのものについて確認をさせていただきました。少量の方は、とにかく少なくても有害度が高いもの、これについて評価をする。低生産量の方は、そこまで有害度は高くないんだけれども、広く一般的に使われる可能性が高い、使用量が多いということ、その観点を加味したものを低生産量ということで確認をしていくということでした。 では、今回の法改正において、個社及び全国の数量上限を維持しつつ、その算出方法を製造、輸入の数量ベースから排出量ベースに置き換えても安全性が確保されるという根拠について、まずその前提についてお聞かせをいただきたいと思います。
○大臣政務官(井原巧君) お答えを申し上げます。 まず一つ、少量新規制度において全国数量上限を一トンという根拠はいかがということですが、化審法上最も強い規制が掛かる第一種特定化学物質に分類されるディルドリンと呼ばれる殺虫剤を使って、それが毎年一トン放出したとしても人健康や生態に影響がないことに基づくというものでありますが、これ三省の審議会というのがあると先ほども答弁しましたけれども、そこの専門家委員会でも評価されている数字が一トンということでございます。 また、低生産量新規制度において全国数量上限を十トンと設けている根拠ということですが、同制度が対象とする性状を有する化学物質の事例といたしまして、第二種特定化学物質に分類されているテトラクロロエチレン、トリクロロエチレンと呼ばれる金属の洗浄剤を使って毎年十トン放出したとしても人健康や生態に影響がないことに基づくものというものでございまして、これも三者の審議会を経ているというもので、専門家の審議を得ているということでございます。 このように、全国数量上限は、毎年一トン又は十トンの製造・輸入数量の全量が環境中に放出されたとしても人健康や生態に影響がないことに基づくというものでありますから、環境排出量ベースに変更することは極めて合理的ではないかと考えております。
○礒崎哲史君 今御説明をいただきました。最後に、極めて合理的というお話もありましたが、私、済みません、性格が細かいものですから本当に合理的かどうかまだ納得ができていないので、細かいところを更に聞かせていただきたいと思っているんですけれども、今審議会等で実際に審議を行ったというお話がございましたので、実際に審議会のその報告書を私、見させていただいております。 その中で気になったことがあるので確認をしていきたいんですけれども、まず、その少量の新規化学物質確認制度の上限一トンの根拠なんですが、いろいろな前提条件を置いております。物質についてはディルドリンという物質を使っていました。ディルドリンについては、これは第一種特定化学物質の中でも最も毒性が強い、ですから、今、日本の中で考えている様々な化学物質の中で最も毒性が強いというものをまず条件として持ってきていました。 次に、その暴露の考え方ということでは、それが水質ですね、様々な水域から実際に人体に触れるところにあふれ出すということですので、海にあふれ出したときにという考え方を用いているんですが、そのときの代表的な環境として東京湾と瀬戸内海を選択をしています。 なぜ東京湾と瀬戸内海を選択をしたのか、その理由について確認をしたいと思います。
○政府参考人(佐藤文一君) お答えいたします。 このモデルですけれども、今御指摘いただいたことに関連しますけれども、閉鎖系水域、すなわち外海からの水の流出量が比較的少なくて、化学物質の滞留時間が長く、さらに漁業が行われている広範囲な水域というものを選択してモデルを回すということが基本になっておりまして、その水域として想定したのが東京湾あるいは瀬戸内海ということでございます。
○礒崎哲史君 ということは、外洋は水の流れが多く入れ替わりが多いのでそこまでの濃度にならないと。濃度が高くなる可能性としては、ある程度囲まれている湾、その代表例として特に漁業が盛んに行われている東京湾と瀬戸内海、そういうふうに御説明をいただいたと理解をいたしました。 では、その東京湾、瀬戸内海に流れ込む流入量として、もうここでは数字を決めているんですけれども、その流入量、何でこの数字でいいのか、その根拠について確認をさせていただければと思います。
○委員長(小林正夫君) 速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(小林正夫君) 速記を起こしてください。
○政府参考人(佐藤文一君) 流入量ですけれども、この東京湾とか瀬戸内海を選んだ理由のもう一つに、人口が多いこと、それから工場等が多いこと、工場等が集積していること、こういうことがございます。 流入量については、これ、人一人当たり大体どれぐらいの水を流すかということを仮定いたしまして、人口に掛けて流入量を決めている、そういうことでございます。
○礒崎哲史君 ということは、様々な水の流れ、川ですとか生活排水含めたもの、そうしたものから湾内に流れ込むということから人口をベースにして考えているということで今理解をいたしました。 そうしますと、先ほど言いました、最も厳しい毒性を持った毒物、毒物と言うとちょっと刺激的な言い方ですが、化学化合物が、水になかなか薄められない環境の中に人口に適した量流れ込んだという環境を想定してシミュレーションを掛けた結果ということだというふうに理解をしました。結果的に、その数字、最終的な数値をチェックいたしますと、人体に影響があるであろうというレベルを一とすると、東京湾ではここまで厳しい環境を設定しても〇・八五までしか行かないということで、安全性が確保されているということでこのレポートには書いてありましたので、今そのように理解をいたしました。 では、もう一つの低生産量新規化学物質の上限十トン、これについても同じように確認をしたいんですけれども、これについては、先ほど井原政務官の方からもお話の中に出てきましたが、ちょっと舌かみそうな化学物質ですけれども、トリクロロエチレンというものとテトラクロロエチレンというものを使って評価をしています。 これ、それぞれ大気中に排出をされたものと水に流れ出たものということで分けて、大気中についてはトリクロロエチレンを使う、水に関してはテトラクロロエチレンを使うというふうに条件を置いているんですけれども、なぜそれぞれこの物質を代表例として用いているのか、その理由について確認をしたいと思います。
○政府参考人(佐藤文一君) お答えいたします。 先ほど局長から答弁がありましたとおり、低生産性新規化学物質ですが、これ、分解性、蓄積性のデータを国に提出するということになっておりますので、高蓄積性を有する物質については国が確認をしないということで、第一種の特定化学物質でないということは、これは国が判定するということになっておりますので、したがいまして、第二種の特定化学物質の中で最もリスクの高い物質を選定してシミュレーションを行うと、こういった考え方になってございます。 現在、第二種の特定化学物質ですが、二十三の物質が指定されてございまして、このうち二十については、ここ十年間、製造、輸入の届出がなされておりません。したがいまして、リスクに着目すれば、残る三物質の中から選定することになりますけれども、実はトリクロロエチレンは人に対する毒性影響が、そしてテトラクロロエチレンは生態の方への影響が高いということで、この二つを代表的な物質としてシミュレーションの対象にしたものでございます。
○礒崎哲史君 最初この報告書を見たときに、トリクロロエチレンとかテトラクロロエチレンは代表的な物質だからと書いてあったものですから、いや、代表的な物質を持ってきたって安全性かどうかは分からないじゃないですかと思ったので、今の質問をさせていただいた次第です。 毒性として一番強いわけではないんですけれども、トータルとして、今使われている物質の中での生産量が多い、使用量が多い。ですから、最終的に人体に影響あるいは生態系に影響があるとすると、その毒性と実際の使用量の掛け算で効いてくるということから、その観点で、リスクとしては一番代表的な例を使っているというふうに今説明をいただいたということで理解をいたしました。 この十トンについても、ほかの部分見てみますと、先ほどの一トンの少量の化学物質の考え方と同じように、あとは推計ですので、東京湾に流れ込む、瀬戸内海に流れ込むという同じような厳しい条件を引いておりましたので、その他については厳しめ条件。ですから、基本的には物質、それからその他の環境面については常に安全サイドに振ったシミュレーションを掛けて問題ないという判断をしたということで今確認をさせていただきました。 では、この実際の審議会については、そうしますと問題ないのかなというふうに私としては評価をいたしますけれども、それと同時に、今回もう一つポイントになるのは、現在使用している排出係数のうちリスク評価に用いているもの、これはいろんな種類あるんですけれども、その中、ただ、幅があるんですよね。最小のものから最大のものまで大きな幅があるんですけれども、まず、これ大きな幅ができている理由について確認をしたいと思います。
○政府参考人(佐藤文一君) お答えいたします。 御指摘のとおり、リスク評価用の排出係数に幅がございまして、この幅がありますのは、リスクを詳細に評価するために、可能な範囲で各用途を更に細かく分けて、その細分化された用途毎の係数を作成しているということでございます。 例えばでございますが、プラスチック、プラスチック添加剤、プラスチック加工助剤の用途で用いられている化学物質についてですけれども、これは、リスク評価用の排出係数は〇・〇〇〇〇〇三から〇・八というような形になっております。〇・八という高い数字が現れておりますのは、リスク評価用の係数の細分化された用途の中に、プラスチックの中に添加するものだけではなくてポリウレタンなどの発泡剤、こういったものとして使われているものが含まれていると、こういうことから、こういう高い数字が現れているということになっております。
○礒崎哲史君 そうしますと、それだけ幅の広いリスク評価の係数がある中で、今回の法改正の中で、実際に排出量を計算して、それをもってという判断をするわけですから、どの排出係数を用いるのかというのはこれ大変重要なポイントになろうかというふうに思いますが、今回の法改正によって、では、その環境排出係数の計算、実際にどういう係数を用いるのか、その点について確認したいと思います。
○政府参考人(佐藤文一君) 今申し上げましたとおり、排出係数については、更に細分化された用途で、〇・八のように特別な用途に使われているようなものが現在のところは含まれているということになってございます。 したがいまして、まずはこういった実態を考慮いたしまして、新たに設定する排出係数がより実態に即した形になるように用途の分類の整理をし直すということをやる必要があるのではないかなと思っております。その整理した上で、より安全側に立つという前提に立って適切な排出係数を設定していきたいと思っているところでございます。
○礒崎哲史君 今、これから用途分類をしていくという御説明でした。 これ、実際にその整理をするというのは、もう少し、今細かく分かれている、その〇・〇〇〇〇〇三とか、そこから〇・八まであるというのは、それは、何ですか、中身を例えば四段階に分けるとか五段階に分けるとか、そういうめどというものは何か既にあるんでしょうか。
○政府参考人(佐藤文一君) 少し細かく申し上げますと、実は細かい用途ごとの数字というのが既に分かってございます。したがって、幅があるということになっておるんですけれども、したがいまして、そのうちの特別な数字、これ例えば今の場合でいいますと〇・八のように特に大きい数字、こういった数字についてはもう一度精査をしたいということです。 したがいまして、用途自体の分類は五十分類というふうに前回も答弁いたしました。この分類については、これを基本としつつ、その中身に入っているもので特別な用途のものがあるかないかということをもう一度見直しをしていきたいというような、そんな考え方でございます。
○礒崎哲史君 そうすると、繰り返しで恐縮ではありますが、実際のその一用途といいますか、その物質について、幅のある中身の中についての用途はそのまま置いて、数字そのものを更に詳細な部分見直していくということになるんですか、それとも、数字も含めてもう少しやはりくくりを見直していくということになるんですか。
○政府参考人(佐藤文一君) 簡単に申し上げますと、くくりの見直しという考え方かと思っております。 例えば、先ほどの例で申し上げますと、発泡剤と申し上げましたけれども、発泡剤については別の発泡剤といった用途のくくりがございますので、本来そちらに〇・八という用途のものは入った方がよいものではなかったかというふうに思っております。いずれにしても、そういった用途をしっかりどこの用途に本来入っているべきかということを、くくりの方を見直して数字を決めていきたいというふうに思っております。
○礒崎哲史君 さっき、上限の一トン、十トンについては、かなり科学的な根拠に基づいてしっかりと安全性があるなという思いで聞かせてはいただいたんですが、今のお話ですと、そのくくりについてはまだこれからということで、少し不安定要素が残っているのかなという印象をどうしても受けるんですけれども。 では、今回のこの法改正以降にそうすると見直しを実際していくということになるんですが、それ、実際に計算に使用するその排出係数においても、その安全性はもう絶対大丈夫なんですという、確保されるんですという根拠といいますか、何をもってそこはこちらは信じればいいのかなと、その根拠について御説明をいただければと思うんですが。
○政府参考人(糟谷敏秀君) 審査特例制度に使用する排出係数は、これから三省合同の審議会を開き、専門家の意見を聞き、公開の場でそういう議論をした上で、パブリックコメントを経て設定をするということになります。その際、これまで平成二十三年以降試行的に使っていた排出係数と、これから設定する排出係数、審査特例制度に使用する排出係数とは違う性質のものであるというふうに考えているところでございます。 具体的には、平成三十二年以降試行的に使っている排出係数については、化学物質がどの程度環境に排出されるかを簡易に算出するために用いているものであります。言い換えれば、現在の化学物質の環境排出の状況を把握するためのものであります。これから設定する排出係数につきましては、審査特例制度の対象となる化学物質の環境排出量が一トン又は十トンを超えないということを確認するために用いるものでありまして、将来の環境汚染を予防するためのものであります。 すなわち、今試行で使っておりますのは現在の排出状況を把握するためのものであり、これから設定するのは将来の汚染を予防するためのものでありまして、したがって、これから設定するものについては、より安全側に立った数値とすることが適当であるというふうに考えております。 こうした観点から、冒頭に申し上げましたような手続を経て新たに排出係数を設定し直すと、その際には、先ほど審議官からも答弁いたしましたように、現在の一つのくくりの中に様々な大きな係数が異なる用途が混在している場合には、それをくくり直しまして、同じ用途の中に排出係数が大きな幅を持って存在することがないように、そこも含めて見直していくということでございます。
○礒崎哲史君 何か鶏と卵のような関係の答弁に少し聞こえてきたんですけれども、いずれにしても、今お話がありました三省合同の審議会も開いてこれからしっかりと論議していくと。その中で、用途、それからくくり含めて、安全サイドに立った論議をしてその結論を見出すというようなお話があったかと思います。 そうしますと、その三省合同の審議会の時期といいますか、タイミングというものも気になりますし、あるいは、そうすると、さっき言いました用途によってまた変わってくるということであれば、常に最新の知見を入れた形での論議というのも必要になってくるかと思いますが、そうした論議ができる場、あるいは開催の頻度というものは今どのようにお考えでしょうか。
○政府参考人(糟谷敏秀君) 先ほど私御答弁申し上げました際に、試行的に使用している排出係数、平成三十二年以降と申し上げたかもしれませんが、平成二十三年以降の間違いでございますので、ちょっと訂正をさせていただきます。 それで、御質問につきましてでありますが、排出係数の見直しにつきましてでありますが、今般の改正案には、新法の施行後五年を経過した場合において、新法の施行の状況を勘案し、必要があると認めるときは、新法の規定について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるという旨を規定をさせていただいております。排出係数の妥当性も含めて、審査特例制度の施行状況の検討、少なくとも五年後見直しの際には行うということであります。 ただし、五年後見直しまでの間も、仮に特定の用途に係る排出データ、これはPRTR法に基づくPRTRデータというのを取って届出を受けておりますけれども、このデータが大きく変動して、その用途において構造的な変化が生じているというふうに判断をされる場合には、当該用途に関する排出係数について見直しを検討することが必要であるというふうに考えておりまして、その場合には三省合同の審議会を開催をし、専門家によるオープンな議論、それからパブリックコメントを経て見直しを行っていくということでございます。
○礒崎哲史君 五年後からということと、あとは必要に応じてというような話もございました。 ただ、この化学物質含めて様々な技術革新が進んでいる中で、いろんな物質どんどん出てくると思うんですよね。そういう中で、いつのタイミングが必要に応じてなのかというのはちょっとやはりあやふやな部分もあろうかと思いますけれども、これ本当にそうした科学が進んでいくスピードに合わせて、本当に必要に応じて、これは何かが起きたらではなくて、先ほど未来に対する環境保全というお話もありましたけれども、その手前手前でしっかりと審議ができるような体制、これは必要なのではないかなというふうに思います。 ほかにも質問用意していたんですが、もう時間がないので、最後に大臣に全体を通しての確認ということで改めて御質問させていただきたいんですが、今日はもうとにかく私は安全性にこだわって質問させていただきました。 今回の法改正、これはもう環境に対するリスクは高まらないんですと、それから先ほどの、今後の排出係数の決め方、それと、更にそれを最新の知見をもって見直していくという全体の方針も含めて、これまでどおり安全性はしっかりと確保されていくんだという点について、間違いないですよねということを改めて大臣に確認をさせていただきたいと思います。
○国務大臣(世耕弘成君) 先ほどから規制の緩和と言っていただいていますが、我々は緩和するつもりは全くありません。今回のこの規制の趣旨は変えることなく、その中身、制度の合理化を目指すものであります。 具体的には、事業者が新規化学物質を少量製造、輸入する場合に審査を簡素化する特例制度について、化学物質を製造、輸入する量ではなく、環境に排出される量に着目する見直しを行うということであります。 環境汚染防止のための規制は一切緩和されておらず、これまでどおりの安全性が確保されるというふうに考えております。
○礒崎哲史君 冒頭に申し上げましたけれども、この法案の大前提は安全性、それは、この化学物質というものは、万が一のことを考えれば、それは環境に対して、あるいは人体に対して影響があるからということでありますので、今大臣、最後にお話をいただきましたけれども、この安全性というものにとことん、これについては今後も、法改正がされてもまだ課題はある、課題はあるといいますか、論議すべきことはあるということですから、その点についても大臣にはしっかりと取組をしていただきたいということをお願いして、私の審議を終わりたいと思います。
○浜口誠君 皆さん、おはようございます。民進党・新緑風会の浜口誠でございます。 まず最初に、質問通告しておりませんけれども、森友学園の問題について、今日も冒頭質問させていただきたいというふうに思っております。 憲法の六十二条に国会の国政調査権というのが保障されております。一部、与党の皆さんの中には籠池氏の証人喚問に関する発言の真意を問うためにこの国政調査権を使うべきだというような御意見もあるようですが、私は、この国政調査権を使うのであれば、まずは今回の国有地の売却に関する財務省と森友学園側との面談記録あるいは一連の売却に関わる経緯が記された資料、これ、もう財務省等は廃棄しているという話を国会では説明をしておりますけれども、もう一度、国政調査権を使ってそういった資料が本当にないのかどうか、こういったところに使うべきではないかなというふうに思っておりますが、世耕大臣、その点に関してどのような御意見をお持ちでしょうか。
○国務大臣(世耕弘成君) 国政調査権に関しましては、これは国会の権能でありますから、行政府の一員である閣僚としてコメントすることは控えたいと思います。
○浜口誠君 NHKですね、昨日、最新の世論調査を発表しました。それで、その世論調査の中にも、今回の一連の国有地の売却に関して、これまで政府が説明してきた内容について納得しているかどうか、この設問がありました。四六%の方は全く納得していないと、三二%の方は余り納得していないと、合計しますと約八割の方が、いまだ、このタイミングにおいてもこの問題については納得していない。これは、国民の皆さんの大半の意見ではないかなというふうに思っております。 こんな中で、私も、支援者の方が国会に来ていただいたり、あるいは支援者の方のところに訪問させていただいて国政報告をする場合は、この森友学園問題については必ず報告をさせていただいております。まだまだ国会の中で議論をしていかないといけないと、そういう課題だということを説明させていただいておりますが、先回、世耕大臣に、地元に戻ったときどんな対応されていますかという質問をさせていただいたときには、忙しくてちょっと行けていないんですというお話ありましたが、政務三役であります松村副大臣、熊本、あるいは井原政務官、愛媛、御地元の支援者にこの森友学園問題に対してどのような御説明をされているのか、ちょっとお聞かせいただきたいというふうに思います。
○副大臣(松村祥史君) 私も、副大臣就任以来、なかなか地元に帰ることができておりませんので、比較的このお話については、私の後援会の方々についてはいろんな御意見はございません。 逆に、熊本は震災が起きておりますので、その震災の御要望の方が強うございまして、そういった状況であります。
○大臣政務官(井原巧君) 私は真面目ですからよく地元に帰りますけれども、報道ベースでしか私の方は把握しておりませんから、聞かれることはありますけれども、報道ベースとしてのコメントしか出しません。確かにそういう声も聞きます。と同時に、国会というのは予算委員会がテレビに映りますから、幾らも法案あるのにあればっかりという意見も片や聞くと、そういう状態だと思います。
○浜口誠君 まさに国会はいろんな課題が山積している中で、早くこの問題について真相を明らかにしていく、このことは非常に重要だというふうに思っております。予算が成立したからもうこの問題に蓋を閉じる、国民の皆さんがそういうことに対して敏感にならなくなるまで待つという姿勢ではなくて、やはり国会の議論を通じてこの問題の真相を明らかにしていく、そのことを国民の皆さんも期待していると思いますし、国会の責務として、今後の質疑を通じてこの問題、引き続き明らかにしていく努力を政府も国会もやっていく必要があると、そのことをまず冒頭強く御指摘をしておきたいと思います。 それでは、法案の質問、化審法の方に入らせていただきます。 私、今回の法案については賛成の立場でこれからの質疑をさせていただくということを冒頭申し上げておきたいと思います。そして、今回の化審法は、制定当初から人間の健康への被害ですとかあるいは環境汚染、こういったものを未然に防ぐために制定された、こういう法律であるというふうに思っております。そして、今回の法改正があってもそうした安全性に対する担保はしっかりできているんだと、そのことを今日の質疑を通じて是非確認をさせていただきたいなというふうに思っております。 まず冒頭、世耕大臣に、そもそも、一九七三年、この化審法が制定された背景だとか作った意義、これについてお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(世耕弘成君) この法律、正式には化学物質の審査及び製造等の規制に関わる法律ということになります。化審法と呼ばれていますが、昭和四十八年に制定された法律であります。 その背景には、昭和四十年代に魚類や鳥類の体内からポリ塩化ビフェニル、PCBが検出をされ、環境の汚染が認識されるようになってきた中、昭和四十三年に、食用油の製造過程において熱媒体として使用されていたPCBがこの食用油自体に混入したことによる健康被害が発生をしました。いわゆるカネミ油症事件と言われているものであります。 このような社会問題を背景として、当時のPCBのように、広く産業活動あるいは国民生活に有用なものとして一般に生産、流通されている化学物質のうち、急性毒性はないんですけれども、継続的に摂取をし続けた場合に人の健康に被害を生ずるおそれがある化学物質については、適切な管理を行う必要があるという認識に至ったわけであります。 その結果、化学物質を製造や輸入する前に人の健康への被害の有無を審査するとともに、PCBのように被害を生ずるおそれがある場合は、化学物質の製造、輸入等を原則禁止をするなどの規制を行うことによって、化学物質による環境の汚染を防止することを目的として化審法が制定をされた、そのように理解をしております。
○浜口誠君 ありがとうございます。 まさに、化学物質を適正に管理していくためだという趣旨の下に今回の法律はそもそも制定されたということでございます。 そんな中、審査特例制度、この法案の中に織り込まれておりますが、その審査特例制度で、少量であれば一トン、あるいは低生産量であれば十トンというような規制を設けているんですけれども、そもそも数量ベースでの規制を上限を引き上げる、このような議論がこれまでの審議会等であったのかどうか。もしなかったのであれば、そのなかった理由だとか背景をお聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(佐藤文一君) お答えいたします。 今回の改正ですけれども、産業界からの要望なども踏まえながら検討してきたものでございまして、産業界からの要望の中で、特に審査特例制度を運用する中で、全国数量上限を超えないように国が数量調整を行うことによって事業者のビジネスの事業予見可能性を低下しているということなので、それを是非予見性を高めてほしいというような趣旨の要望がありまして、全国上限そのものを引き上げてほしいという趣旨の要望ではなかったと私どもでは理解しております。 したがいまして、今般の改正は、先ほど来御説明しておりますとおり、人健康や生態に影響を与えないという規制の趣旨を変えることなく、事業者の予見可能性を高めて機会損失を減らすと、そして合理化をするというようなことを目指すものとして見直しの検討を行ったものでありますので、引き上げるという検討は行ってございません。 以上でございます。
○浜口誠君 まさに数量上限については、従来どおりの考え方でいくということだと思います。 そんな中、お手元に資料をちょっと配らさせていただいておりますけれども、今回の法案の中にも用途別の排出係数というのを、議論はこれから進めていくという先ほど来のお話ありましたけれども、ここに提示したのはスクリーニング評価用ということでお示しをしております。 五十種類の用途別に作っていくんだというお話、先ほどありましたけれども、今後、正式なやつを作るに当たっての具体的な排出係数の考え方、どんなステップで最終的に排出係数を決めていくのか、この点についてお伺いしたいと思います。
○政府参考人(佐藤文一君) お答えいたします。 これまでの作り方も含めて少し御説明させていただきたいと思いますが、これまで試行してきました排出係数は、EUにあります産業分類別の排出係数を物性ごと、用途ごとに整理し直したものをまず基本、基にしてございます。これに化学物質管理促進法、いわゆるPRTR法に基づいて収集された事業者から環境への排出データ、これをNITEが専門的に分析した結果を踏まえて、日本の実情に合うように反映し策定したものを、これを素案としてございます。さらに、この素案について、厚生労働省、環境省との三省合同の公開の審議会において議論を行っていただきまして、様々な有識者の意見を反映した上で、パブリックコメントを経て設定した、そういったものでございます。 したがいまして、本改正案が成立した後に、これまで試行的に活用してきた排出係数を基にしながら、規制の合理化の際に使用する目的ということで排出係数の見直しを行う、設定し直すということになりますが、まず、これまで活用してきた排出係数を基に、先ほど来御説明しているとおり、特例制度で活用するという前提で、安全性に立った係数としての素案を作成したいと思ってございます。そして、これまでと同様に、この素案について公開の三省合同審議会で有識者の皆さんによる議論と、さらにはパブリックコメントを踏まえて最終的に設定すると、こういった手順を考えてございます。
○浜口誠君 今の御説明の中で、最終的に、化学物質もライフサイクルというのがあって、いろんな工程というか使われ方があると思うんですけれども、やはり全体の環境への排出量ということを考えた場合には、廃棄段階の排出量というのも非常に大きな影響を与えるんではないかなというふうに思います。 今のお話だとその廃棄段階というのが含まれていないんではないかというふうに受け止めましたけれども、今後の排出係数を正式に決めるに当たって、その廃棄段階という考え方、その部分の排出係数をどのように考えていこうと思われているのか。また、具体的に廃棄段階での影響がかなりあるんではないかなというふうに思うんですけれども、どれぐらいの廃棄段階での影響が排出係数の中にあるのかどうか、その辺をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(梅田珠実君) お答えいたします。 現在、化審法のリスク評価におきまして活用されております排出係数は、化学物質のライフサイクル全体を考慮しまして、製造段階、調合段階、使用段階を考慮している一方で、化学物質を廃棄物として処理する段階での排出に関する情報は乏しいという現状にございますので、廃棄段階につきましては数値の設定には含めておらず、調査検討を進めているところでございます。 廃棄段階における環境汚染の防止は廃棄物処理法等により対応がなされているところでございますが、今回の審査特例制度の合理化に伴いまして用いる排出係数につきましては、既存の排出係数に安全係数を掛け合わせるなどの安全側に立った設定運用を行うことによって、安全の確保に万全を期してまいりたいと考えております。
○浜口誠君 じゃ、具体的に廃棄段階でどれぐらい排出係数に影響があるかというのは、現時点では全く把握ができていないということでよろしいんですかね。
○政府参考人(梅田珠実君) 現時点におきましてはなかなか、把握方法の問題ですとか、あるいはまだ知見、情報が不足しているというところでございますので、今後、知見を収集し、調査検討を進めているというふうに考えております。
○浜口誠君 是非ライフサイクル全体を、先ほど御説明あったように、ちゃんと把握していくということが非常に重要だというふうに思っていますので、引き続き、廃棄段階でどれぐらいの環境だとかあるいは人体に影響があるのか、この辺の知見をしっかりと蓄えていただきたいなというふうに思います。 続きまして、資料二、少し御覧いただきたいと思います。 これ、実際に幾つかの用途別、審議会で出された資料に基づいてちょっと整理をさせていただいたものなんですけれども、このシャープ20、殺生物剤3とか、いろいろ用途ごとにリスク評価用の最小から最大、それで真ん中辺りにスクリーニングの評価用ということで、先ほど礒崎委員の方からありました。これは具体的な数字なんですね、幅。 実際どの排出係数を取るかによって環境に排出される使用量というのが全く違うんですね。驚くべき違いが出てきます。例えば、一番分かりやすいのは上から二番目ですね、シャープ27。これはプラスチックの関係で使われているんですけれども、スクリーニング評価用の排出係数を取る場合とリスク評価用の最大値を取る場合で実際の使用量が八百倍違うんですね。今と比べれば一千倍の違いが出ると。例えば今と比べれば、今までは一トンしか使えていないものが、このスクリーニング用の排出係数を採用すると一千トンまで理論上は使えるということになるんですね。 だから、本当にこの排出係数をどう算出するのか、決めるのかというのは重要な要素になってくると思います。これ一例ですけれども、ほかの用途もあるので、最大どれぐらいの現状と比べて使用量の差が出るのか、最大値を教えていただきたいと思います。
○委員長(小林正夫君) 速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(小林正夫君) 速記を起こしてください。
○政府参考人(佐藤文一君) お答えいたします。 済みません、詳細な最大値ということは今お持ちしていないんですが、ここに書いてございます八百倍、千倍、あるいは使用の差三千三百倍と、こういった差がかなり大きい部類に入るものではないかなと推察してございます。
○浜口誠君 事前通告はしてありますけれども、具体的には一枚目の資料なんか見ていただくと、スクリーニング評価用のデータで仮に試算すると、ナンバー47の燃料ですとか燃料添加剤、これで計算すると二万一千倍違います、二万一千倍です。このスクリーニングの係数を使用した場合は今と比べて二万一千倍と、物すごい差が出るというのをやっぱりしっかり認識しておかないといけないというふうに思います。 こういう状況の中で、政府として先ほど来安全側に立ったという御説明をずっとされていますけれども、じゃ具体的に、安全側に立つのであれば、例えばリスクの評価用の最大値を取ってくるということも一つの考え方ではないかなというふうに思うんですけれども、その点に関してはいかがでしょうか。
○国務大臣(世耕弘成君) 現在、試行的な形ではありますけれども排出係数というのを定めていて、それには幅があるのは、一つの用途、分類に含まれるものでも詳細用途ごとにまた排出係数が別々になってくると、それが原因であります。 例えば具体例でいいますと、プラスチック関連でいいますと、プラスチック、プラスチック添加剤、プラスチック加工助剤と、これを用途とするものについては、排出係数、これも非常に幅があって、発泡スチロールにした場合は、これは排出係数〇・八、最大になります。じゃ、その系統のプラスチック関連のもので最小値は何かというと樹脂ということになりまして、〇・〇〇〇〇〇三ということになりまして、この差は二十七万倍になるんです。 これは、それぞれ使い方の用途によってやっぱり排出係数というのは変わってくる、もう同じプラスチック関連であっても二十七万倍も変わってくるわけでありまして、確かに安全サイドに立てば、じゃ一番大きいのを取れということになるんですが、じゃ発泡スチロールの基準値を使ったら、樹脂は二十七万倍もの排出係数を、普通今まで我々が適用しているものの二十七万倍の排出係数を使わなきゃいけないということになりますので、これはやっぱり現実にのっとったやり方にはならないんじゃないかというふうに思っています。 あくまでも、当然環境リスクは最小化するということが考え方の前提でありますけれども、やはり環境排出量の実態に即して排出係数というのを定めていくということがポイントではないかというふうに思っています。
○浜口誠君 そんな中で、実際排出係数が決まったと、その排出係数に基づいて各事業者の方が化学物質を使用されるということになると思います。そういった場合に、その決められた排出係数でちゃんと用途が使われているのかどうか、あるいは使用量が守られているのかどうか、これをしっかり国としても管理をしていく、厳格な管理が非常に重要になってくるんではないかなというふうに思っております。具体的にどんな管理方法を用いてちゃんと事業者の方が用途だとか使用量を守っているのか、これをどのような方法で把握されようとされておりますでしょうか。
○大臣政務官(井原巧君) お答えを申し上げます。 審査特例制度については、全国数量上限を製造・輸入量から環境排出量に変更するに当たって一番大切なのは、やっぱり先生が御指摘のとおり、用途情報だろうと思います。その重要性が更に増すわけでありますから、この正確性を担保することが非常に重要でございまして、事業者から追加の情報を求めるということにいたしております。 具体的には、事業者から、現状の申出事項に追加をいたしまして化学物質の提供先、要は川下ですね、川下の事業者と交わしたその売買の契約書のコピーなど、用途情報を把握するために必要な書類を提出していただくことを検討いたしているところでございまして、事業者にとって過度な負担にならないように留意をしつつも、製造・輸入業者を規制する体系の中で、実際に用いられる用途をしっかりと把握してまいりたいと考えております。
○浜口誠君 是非そのいろんな情報を集約して、正しく用途ごとに使われているかどうかの把握を行っていただきたいなというふうに思っております。 そんな中で、先般の連合審査のときに、実際、昨年度も立入検査を四十六か所程度されたというような答弁があったかなというふうに記憶をしております。具体的にどんなところに四十六か所、一部で結構なので、入られているのかどうか。今年度は何か所ぐらいに実際に立入調査をして現場確認されるのか。そのときに、何を基準にどこに入ろうと決めているのか。その立入り先の考え方、この辺りについてお伺いしたいと思います。
○政府参考人(糟谷敏秀君) 立入検査を実施している目的としましては、事業者の製造、輸入の実態が確認を受けた申出の内容と一致しているかどうかをチェックするために行っているということでございます。 具体的には、少量新規化学物質の場合におきますれば、その製造・輸入量が確認を受けた数量を超えていないということを立入検査によりチェックをしております。また、継続して少量新規化学物質の特例制度を利用しようという全ての事業者には前年度の製造・輸入実績を届出をさせることにもしておりまして、この届出によってもチェックができるわけであります。さらに、必要に応じて報告徴収を求めるなど、必要な事後的な監視を行ってきております。 なお、立入検査四十六件の中には、この少量新規化学物質の特例制度の対象となった確認に係る事業者に対する立入検査に併せまして、閉鎖系で用いられるなどのために確認を受けて審査の特例の対象となった事業者が含まれております。すなわち、施設や設備の外へ排出されるおそれが極めて低い閉鎖性で用いられるというような理由で確認を受けて審査の特例の対象となったものでありまして、これらについてもそれぞれ確認を受けたとおりに製造、輸入されているかどうかをチェックをしているということでございます。 こうした検査先の選定につきましては、化審法の共管しております厚生労働省、環境省とそれから経済産業省と相談をした上で、特例制度の対象となっている事業者のうち過去に検査を行ったことのない事業者を重点的に選定をしているものであります。なお、立入検査の実施に当たっては、三省に加えて独立行政法人NITEからも参加をしているところでございます。 今回の審査特例制度の合理化において用途情報の確認が一層重要になるというふうに考えておりまして、特に複数の用途で確認申出がされる化学物質を中心に、製造・輸入事業者への立入検査を行ってまいりたいというふうに考えております。 今年度も昨年同様の立入検査を予定をしておりますが、この制度の合理化後は、これまでの立入検査の件数に加えてより立入検査を重点的に行うことによって、用途情報の把握に遺漏なきを期していきたいというふうに考えております。
○浜口誠君 是非、立入検査等を通じてしっかりとした用途の把握をお願いをしておきたいと思います。 続きまして、特定一般化学物質というのを今回新たに定義しようということで法案の中に盛り込まれております。今までですと優先評価化学物質、その下に一般化学物質という分類だったんですけれども、新たに特定一般化学物質というのが加えられるということになりますが、そうした定義を新たに加えなければいけない背景、理由についてお伺いしたいと思います。
○政府参考人(梅田珠実君) お答えいたします。 現行の新規化学物質の審査につきましては、毒性が強いものの環境排出量が少ないことから、最も規制措置が弱い一般化学物質に分類される化学物質が存在しております。これまでは、そのような化学物質が見付かった場合は届出事業者に対して取扱いの注意喚起を行ってまいりましたが、法に基づく措置ではないために、事業者における対応状況を把握するということが困難という課題がございました。 現段階でそのような物質に起因する被害は発生していないものと認識しておりますが、毒性が強い新規化学物質の不用意な環境排出を防止するための予防的な措置として今般の制度改正で追加の規制措置を設けるものでございます。
○浜口誠君 実際、その特定一般化学物質をどう判断していくのか。今いろんなマトリックス、有害性クラスだと五つぐらいの分類、さらには暴露クラスだと六つぐらいの分類でマトリックスを作って、そこでいろいろな評価をして、そのマトリックス上で、この物質であれば優先評価の化学物質、この物質であれば一般化学物質というような判断をしておられるかと思うんですけれども、今回の特定一般化学物質、そういったマトリックスで見たときにどの辺りに来たときに特定化学物質という形で判断していくのか。その具体的な判断基準についてお伺いしたいと思います。
○政府参考人(梅田珠実君) 委員御指摘のマトリックスという考え方ですが、これは現在、優先評価化学物質を評価するときに当てはめて使っているものです。 今般の特定一般化学物質、特定新規化学物質は、毒性に着目をして考えているということでございます。具体的な判定基準、手順につきましては今後省令以下で定めていくことになりますが、改正法第二条八項の規定に基づきまして、人の健康又は生活環境動植物への著しい長期毒性の観点から、有識者が参加している薬事・食品衛生審議会、化学物質審議会、中央環境審議会の三省合同審議会の意見を聞いた上で、パブリックコメント等の手続も経ながら検討を進めてまいりたいと考えております。
○浜口誠君 非常に毒性が強いというのが大きなポイントだというふうに先ほどの御答弁で理解しましたけれども、先回の法改正のときに附帯決議で、消費者の方への理解促進という観点から化学物質に関する安全性情報について製品表示等をすることを検討すべきではないかと、こういった内容の附帯決議が付されているというふうに思っております。 今回の法改正の中では、そういった表示という点については前回から大きな変更はないというふうに思っておりますけれども、具体的に先回の附帯を踏まえてどのような検討がなされてきたのか、そして、今回それを一歩踏み込まなかった理由だとか背景についてお伺いしたいと思います。
○政府参考人(梅田珠実君) お答えいたします。 消費者に対しての伝達、情報の必要性ということの御指摘と思います。 今般の制度改正では、化学物質を取り扱う事業者に対して注意を喚起するため、化学物質の毒性が強いことを川下の事業者へ次々と伝達する努力義務を課し、必要に応じて国からも指導、助言を行うこととしております。これによりまして消費者向けの製品を製造する川下の事業者に毒性が強い物質だということの情報が伝わることになりまして、物質の適切な管理がより徹底されることを通じて、結果的に消費者から見てこうした製品の安全性が高まることにつながるというふうに考えております。 また、国連で制定されました化学品の分類及び表示に関する世界調和システム、GHSに基づいた絵表示を製品に付けるという取組がございます。環境省としましても、各化学物質がこのGHS分類のどこに該当するかを示していくという、そういう方法によって消費者製品を製造する事業者の取組を促進してまいりたいと考えております。
○浜口誠君 是非消費者の皆さんに安全の意識を高めていただくという観点からも、しっかりとした表示というのは是非検討いただく必要があるのではないかなというふうに思っておりますので、引き続きの取組をよろしくお願い申し上げたいと思います。 最後に、世耕大臣、今までの議論通じまして、先ほどの礒崎委員からのまとめのところでもございましたけど、今回の法改正についてはいろいろ産業界からの要望も踏まえながら合理的な対応を取られているというふうに思いますけれども、安全面に関してはもう一切後戻りしていないと、その点について、最後一言お願いしたいと思います。
○国務大臣(世耕弘成君) 今回の化審法の改正は、健康、生態に影響を与えないというこの法の目的ですとか規制の趣旨を変えるものでは全くないということは明言をしておきたいと思います。
○浜口誠君 以上で終わります。ありがとうございました。
○委員長(小林正夫君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。 午前十一時四十五分休憩 ─────・───── 午後一時開会
○委員長(小林正夫君) ただいまから経済産業委員会を再開いたします。 委員の異動について御報告いたします。 本日、丸川珠代君が委員を辞任され、その補欠として佐藤啓君が選任されました。 ─────────────
○委員長(小林正夫君) 休憩前に引き続き、化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○石川博崇君 お昼に続きまして、化審法の審議でございます。大変お疲れさまでございます。公明党を代表して質疑に立たせていただきます。 今回の化審法の審議に先立ちまして、先週の四日の火曜日になりますけれども、私ども公明党の経済産業部会として、NITE、渋谷区に所在しておりますけれども、独立行政法人製品評価技術基盤機構を視察をさせていただきました。化審法関連業務を行っておられます化学物質管理センターの方々等から現場での業務を詳しく説明をお伺いすることができました。辰巳理事長を始め、対応に当たっていただいた職員の方々に心より感謝と御礼を申し上げたいと思います。 NITEは、職員百名を超える中、過半の五十名を超える方々が化審法関連業務に当たっておられまして、極めて高度で専門的、技術的な知見を有する方々が多様な業務に当たっておられるところでございます。日頃から、科学的知見に基づいて全国の技術や情報の集約を行い、行政による法令執行を支えるとともに、事業者の方々の法令遵守を促し、同時に、私たち国民一般に対して化学物質というものに関する正しい理解を普及、促進、啓発をしている、こうしたことを通じて関係者間の相互理解を生み出しているというふうに認識をしております。また、こうした取組を通じまして、国民の健康、そして健全な生態系を守る化審法の施行を技術的にサポートしていただいているところでございます。 まずは、世耕大臣より、このNITEの果たす役割、またその重要性につきまして、職員の方々への激励も含めて御所見をお伺いできればというふうに思います。
○国務大臣(世耕弘成君) NITEは、御存じのように、製品安全分野での活動が非常によく国民に知られているところだと思うんですが、それ以外でも、バイオテクノロジー分野ですとか適合性認定分野などにおいて技術評価の実施や技術情報の収集、提供などを通じまして、今回、この化学物質管理分野も含めて社会に存在するリスクの低減に貢献をして、国民生活の安心、安全と持続的な経済発展の基盤を支えてきてくれているというふうに考えております。 そして、化審法の中では、このNITEは、その専門性から、事業者に対する立入検査を行う機関として位置付けられているわけでございます。そしてまた、法定の義務ではありませんけれども、化学物質管理に関しては、例えば新規化学物質の事前審査業務として新規化学物質の審査、名称付与、試験施設の確認における事業者支援などを実施するとともに、化学物質のリスク評価業務として、物質ごとの人、生態系の暴露量の推定とリスク評価、用途ごとの排出係数の算出などの実施を行ってきております。そして、さらに、化学物質総合管理情報の整備と提供として、化学物質総合情報提供システム、NITE―CHRIPという名前になっていますが、この整備と提供を行っているわけであります。 今回の改正後においても引き続き立入検査を行うとともに、まさに先ほどから議論になっております今後活用する予定の排出係数の検討に協力をしてもらいたいというふうに思っております。 そしてまた、このCHRIPは、先ほども申し上げたように、いろんな法制度が立ち並んでいる化学物質管理の中で、一つのワンストップのプラットフォームとしてこれから機能させていくようにしていきたいというふうに思っておりますし、今後とも化審法でのNITEの活躍というのは非常に期待されるものがあるのではないかというふうに思っております。
○石川博崇君 業務をお伺いする中で、例えば新規化学物質の審査は年間四百件程度、月に平均しますと三十件から四十件届出がされております。蓄積性、分解性等、試験結果の内容を確認し、また三省合同審議会の審議をサポートするということでございますが、その審査に必要な書類というのは大変膨大でございまして、一つの化学物質に対して、私も見せていただいたんですが、ファイルにして十センチを超えるような厚さの書類の束を取り扱っておられました。また、少量新規化学物質の申出は年間今三万件を超えるというふうに言われておりますし、既存化学物質のスクリーニング評価など、多種多様な業務を行っているわけでございます。 科学的な安全性が確保される前提で、また、審査の厳格性を担保しつつも、こうした業務の効率的な評価手法を開発していくというのは不可欠だというふうに思っております。 視察のときにこうした合理化努力の一つとして教えていただいたことに、類似の化学構造を有する物質については簡便な評価方法をNITEとして開発をしたと。具体的には、親物質から分解されてできる分解生成物の親水性を比較することによって蓄積性を評価する手法というのを開発されたそうでございます。この手法がOECDで評価され、OECDの化学品合同会合で承認されたとも伺っております。 こうした幅広い化学物質審査において国際社会の体制をリードしていく取組というのも極めて重要だというふうに考えておりますけれども、松村副大臣の御所見をお伺いしたいと思います。あっ、失礼しました、政務官の御所見を。
○大臣政務官(井原巧君) お答えを申し上げます。 化審法は、そもそも昭和四十八年に、御案内のとおり、化学物質による環境の汚染を防止するために、製造、輸入前に審査をするとともに、化学物質の製造、輸入等について必要な規制を行うことを目的として世界に先駆けて制定されたという、そういう歴史がございます。その後も、社会的背景や国際的な整合性を勘案しながら、三回の法改正を含む制度の見直しを重ねてまいりました。 加えて、ストックホルム条約締約国会議での残留性有機汚染物質の指定、これは、我が国でいうところの第一種特定化学物質に相当します、その指定や、二番目には、化学物質の有害性に関する試験方法の国際標準、これは先ほど先生の御紹介があった件でありますが、OECDテストガイドラインの策定など、国際的な議論にも貢献したところでございます。 現在御審議いただいております審査特例制度の規制合理化案も、平成十三年に国会のおかげで化学物質管理促進法というものが施行されました。その管理規制に着実に取り組んだおかげで得られた科学的、技術的な知見やデータを活用した結果、可能となったということでございます。 さらに、中長期的な取組として、化審法四十年間の運用によって蓄積された毒性データを用いたAIによる最先端の有害性予測手法の開発を目指すプロジェクトを今年度から開始するところでもあります。 引き続き、先生の御提案のとおり、世界をリードする化学物質管理規制となるように努力を続けてまいりたいと考えております。
○石川博崇君 私も今回視察で改めて認識をさせていただいたんですが、少量新規化学物質を数量調整をするということでございますが、この申出のあった化学物質が他の事業者が生産されている化学物質と同一の物質かどうかということを判断することが極めて重要なわけでございます。 その申出のあった化学物質の元素数、ベンゼン環の数などを記した構造コードとともに分子構造を図示している構造式などを照らし合わせてその物質が同一のものかどうかということを判断するわけでございますが、あわせて、その化学物質にどういう名前を付けるか、名称を付けるかということが極めて重要になってまいります。例えば、アミノフェノールという物質がございますが、これは科学と化学をされた方は御案内かもしれませんけれども、ベンゼン環にヒドロキシ基OHとアミノ基NH2が付いているだけで極めて単純な構造の物質ですけれども、これもヒドロキシ基OHを中心に見るのかあるいはアミノ基を中心に見るのかで、名前の付け方がアミノフェノールとなるのかヒドロキシアニリンという名前になるのかが変わってしまうという、同じ物質なんだけど名前の付け方がどこを基準に見るかで変わってしまうということになります。 こういった中において、特に高分子化合物においては、複雑な構造を持つ中で主な骨格、主骨格がどこにあるのか、置換基をどういう順番で名前を付けていくのか、統一されたルールの下で名称を決定していくことが極めて重要でございます。 我が国、そしてEU、欧米はIUPAC法という名称法で名称を付けておりますが、アメリカは違うCAS法という名称法で名称を付けておりますので、アメリカから輸入する物質と欧米から輸入する物質で物質の名称が異なる可能性もあるという中で、どのようにその物質の同一性というものを判断していくのか、化学物質の名称付与の重要性、またそこにおいてNITEが果たしている役割について、経産省の御説明をいただきたいと思います。
○政府参考人(佐藤文一君) お答えいたします。 御指摘のとおり、法律に基づく化学物質の製造、輸入の許認可、化学物質に関する事業者への義務の付与などに当たりましては、該当する化学物質の正確な名称というものを使用することが大変重要で不可欠でございます。 御指摘のとおり、現在、我が国ではNITEがIUPACという、これは非常に国際的に共通化された手法を用いて新規化学物質の名称付けを行っているところでございまして、これは実は、NITEがこれまで蓄積してきた化学物質構造に関する高度かつ専門的な知識、あるいはIUPAC法に関する高い理解、深い理解を有することから可能になっているということかと思っております。 こうして付けられました名称は化審法のほか労働安全衛生法でも用いられておりまして、まさにNITEの名称付与業務は国の業務とも非常に深く関連した大変重要な業務と認識しているところでございます。
○石川博崇君 今御指摘がありましたけれども、かつては化審法の下で管理されている化学物質の名称と労働安全衛生法で管理されている化学物質の名称が異なるという、我が国の同一国内における法令下でも違う名称があったという時代がありましたけれども、今はNITEが一元的にこの名称付与については管理されているということでございます。 また、同じように、同じ化学物質かどうかを確認する上で非常に業務は専門的な知見が必要とされるわけでございますが、今は、分子構造を図示したもの、その構造式を職員の方が目視をして確認をしている、これは非常に手間暇が掛かっている状況でございます。 これを可能な限り電子的に同一の物質であるということを判断できるようにしていくために進められている取組が、分子構造を二次元化してテキスト化するSMILESコードの導入というものを取り組んでおられるわけでございます。これが導入が進みますと、機械的にデータ上で同一物資を判断ができるということになりますので極めて有益でございますが、現在の導入の現状と今後の導入促進に向けての支援策を経産省から伺いたいと思います。
○政府参考人(佐藤文一君) 全く御指摘のとおりでございまして、SMILESコードというそのコード化手法を利用すれば、個々の物質とこのコードを一対一でひも付けすることができるようになっておりまして、大変便利な手法でございます。 国際的にはその利便性からSMILESの普及が進んできておりまして、例えば、物性の特性を評価する様々なソフトウエアにおいてSMILESコードが利用され始めているところでございます。 このため、経済産業省としても、今後のQSARの適用拡大やAIを用いた予測手法の開発に当たってSMILESを積極的に活用したいと考えておりまして、このコード化手法の普及促進が課題となっているということは御指摘のとおりでございます。 今後、NITEを中心にSMILESコードの普及促進を図っていきたいと思っておりまして、例えばSMILESコード化作成ツールに関するホームページなどでの情報提供、あるいは日本の各ブロックにおける講習会や個別相談会、こういったものを通じて、中小企業の皆様も含めて関係者、関係の事業者の皆様に理解を深められるよう啓発活動を行ってまいりたいと考えてございます。
○石川博崇君 是非、事業者の方々あるいは研究者の方々等を含めて、このSMILESコードに対する理解促進に向けて更なる御尽力をお願いをしたいと思います。 二〇〇二年にWSSD、持続可能な開発に関する世界首脳会議が開催をされました。ここにおきまして長期的な化学物質管理に関して首脳レベルでの合意がなされまして、我が国もその合意に参加をして、化学物質が人の健康と環境にもたらす著しい悪影響を最小化する方法で使用、生産することを二〇二〇年までに達成することについて合意がなされたところでございます。 このいわゆるWSSD二〇二〇年目標に向けまして、我が国としても科学的な信頼性ある有害性データが得られている物質についてはスクリーニング評価を一通り終えるということ、あるいは評価を行うためのデータが得られなかった物質については評価を行うことができるめどが立っているということを目指しているわけでございます。 二〇二〇年目標でございますので、残すところあと数年という段階に来たわけでございますが、数多くの対象物質にスクリーニング評価を行っていく必要があるということから、この加速化が求められる状況でございます。現在の目標達成に向けた政府の取組状況と今後の加速化に向けた具体的方策をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(糟谷敏秀君) WSSDで合意した目標の達成に向けまして、化審法の平成二十一年、前回の改正におきまして、この法律が施行される以前から存在しておりました化学物質を含む全ての化学物質について事業者に製造・輸入数量等の届出義務を課し、その数量等を踏まえて優先的に評価対象とする物質を絞り込み、絞り込んだ物質に関するリスク評価を行った上で規制等の対象とすることとされたわけであります。二〇二〇年度までに全ての優先評価化学物質のリスク評価を終了させることを目指して作業を始めたわけでございます。 これまでのところ、優先評価化学物質になる可能性があるというふうに前回の改正時に想定しておりました改正前の法律の第二種、第三種監視化学物質、これは約千三百物質ございますけれども、これらについてはスクリーニング評価を実施をいたしまして、このうち八十八物質を優先評価化学物質に指定をしたところであります。また、これ以外の化学物質についてもスクリーニング評価を実施をいたしておりまして、現在、二百一の優先評価化学物質を指定し、第二種特定化学物質への指定の要否についてリスク評価を実施しているところでございます。 他方で、こうした評価を行うに当たりまして、難しさも判明したところでございます。例えば、第一に、一つの化学物質名の下に毒性の異なる物質が多数含まれるものがありまして、これらについて一律の評価が難しいということであります。第二に、化学物質が環境中でどのように動いて人や生態に吸収されるかを科学的に推定することが難しいということであります。 こうした状況を踏まえまして、昨年の九月に三省合同の審議会を開きまして、目標達成の方策を検討いたしました。この検討の結果、二〇二〇年までに、第一に、科学的な信頼性のある有害性データが得られている物質についてはスクリーニング評価を一通り終え、要件に該当するものを第二種特定化学物質に指定するということ、第二に、評価を行うためのデータが得られなかった物質については評価を行えるめどが立っているようにすること、こうした状態を達成するために、評価の合理化、加速のための様々な具体策を講じることにしたわけでございます。 これを踏まえて、国内外で確立された知見を積極的に活用するとともに、優先評価化学物質の中でも有害性と環境排出量の多い物質のリスク評価に注力するなどして対応を加速しているところでございます。 また、特に一つの化学物質名の下に複数の物質が含まれているという問題に対応するために、こうした物質群の構造や組成に関する追加情報を事業者に求めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
○石川博崇君 二〇二〇年までいろいろな課題も見えてきたということでございますけれども、目標達成に向けて引き続きの御尽力をお願いをしたいと思います。 前回改正時、参議院当経産委員会におきましては附帯決議が付されておりまして、この附帯決議の中で、動物実験に関して、いわゆる3R、代替法活用、使用数削減、苦痛軽減、この原則を取り上げて、不合理な動物実験の重複を避けるなど、3Rの有効な実施を促進することと規定をされております。前回改正時以降、この附帯決議を受けてどのような取組が行われて、どのような効果を上げてきたのか、お伺いしたいと思います。 また、あわせまして、先ほど来、質疑、答弁の中で出てきておりますQSAR、これは構造活性相関というものの略称でございますが、動物実験等を行わずにコンピューター解析で安全性の推定を行う手法というふうに言われておりまして、先ほど申し上げた動物実験の軽減にも資するものではないかというふうにも思われるんですが、この適用拡大、昨年十二月の未来投資会議でQSARの適用拡大を検討するとされておりますけれども、これらの実施を今後どのように想定しているのか、関係省庁からお伺いしたいと思います。
○政府参考人(森和彦君) お答えいたします。 動物試験につきまして、動物を用いない代替法による置き換えが可能なものについて、今後置き換えを進めるということが重要であるというふうに認識しております。 化審法における新規化学物質の審査に際しましては、動物を用いる試験としては、哺乳類、主にラットでございますが、これを用いた二十八日間反復投与毒性試験のみを要求しているところでございます。 近年、委員御指摘の定量的構造活性相関、いわゆるQSARと呼ばれる原理を用いましたコンピューター上で化学物質の毒性を予測する手法が開発されておりますが、現状では、この二十八日間反復投与毒性試験の実際のデータを予測するということでは精度にはちょっと限界がございまして、実試験の代替というところまでは行っておらず、参考情報として取り扱うにとどまっております。 こうした状況につきましては欧米等海外におきましても同様でございますが、厚生労働省では、厚生労働科学研究費により、動物を用いない代替法に関する研究、これを実施するなど、科学的根拠に基づく代替法の開発推進に取り組んでおります。 今後とも、国際動向も踏まえつつ、動物試験における3Rの原則を踏まえた取組を進めてまいりたいと考えております。
○政府参考人(佐藤文一君) お答えいたします。 動物を用いない代替法による試験については、今後置き換え可能なものは置き換えを進めることが重要というのは、これは厚生労働省さんと私ども共通の認識でございます。 経済産業省は分解性、蓄積性に関する試験を担当しておりますけれども、これでは魚を実は用いておりまして、3Rの原則には含まれておりませんが、こういった試験についても可能なものは代替していくということが好ましいものと考えているところでございます。 御指摘のQSARでありますけれども、化学物質の構造を手掛かりに毒性を算出する仕組みでございまして、分解性、蓄積性に関する試験についても代替をできる可能性があるものと考えておりまして、QSARを用いました蓄積性評価については現在一部利用を開始しておりますが、今後、活用可能な物質を拡大できるようデータの整備あるいは検証を進めておりまして、検証が終了した物質から順次活用を図ってまいりたいと考えております。 また、分解性の評価についてでございますが、現在データの整備を進めているところでございまして、一年後程度をめどに一部試行テストに移行できるよう進めてまいりたいと考えてございます。
○石川博崇君 引き続きの進捗、期待したいというふうに思います。 午前中の審議にも各委員の先生方より御質問がございましたけれども、今後、用途別の排出係数を用いて全国生産そして輸入の上限値を環境排出量ベースに変更するということとなってまいります。先般の連合審査でも政府から御答弁があったわけでございますが、その用途別の排出係数を今後検討していく上で、国が用途情報というものを各事業者から厳密に把握していくということが必要となってまいります。事業者からすると追加的な用途情報の提供というものを行っていかなければならないわけでございますが、どういう用途情報を提供する準備をしていかなければならないのか、今後の事業の予見性等も与えるためにも、明快な答弁をお願いできればというふうに思います。
○政府参考人(糟谷敏秀君) 今回の規制の制度の合理化に当たりましては、用途情報の重要性がより増すわけであります。このために追加情報を求めることにしておるわけでありまして、具体的には、例えば事業者から化学物質の提供先の川下事業者と交わした売買契約書のコピーなど用途情報を把握するために必要な書類を提出いただくこと、こうしたことを検討しているところでございます。
○石川博崇君 また、あわせて、これも午前中質疑があったところでございますが、どのような排出係数を用いるのかと。これまでも試行的に使ってきたスクリーニング評価用あるいはリスク評価用に用いる排出係数、様々、正確に用いる上で数字があるわけでございまして、両者の数値の差異も大変大きい場合があるわけでございます。 政府は、環境保全等の観点から、安全側に立った排出係数の設定、運用を行っていくというふうに答弁されているわけでございますが、事業者にとってはこの排出係数がどのように決まっていくのかということが将来のビジネス展開の予見性に大きな影響を与えるわけでございますので、具体的にどのように排出係数を設定していくのかについて御説明をお願いしたいというふうに思います。
○政府参考人(佐藤文一君) 午前中も御説明してきておりますけれども、御指摘のとおり、本改正案が成立した場合には、規制の合理化の際に使用するという目的に基づいて排出係数の設定の見直しということを行うことにしてございます。 この設定の見直しに当たっては、一つには、これまでの用途分類を基本としながらも、用途の実態を考慮して、より実態に即した形の分類に整理し直すということを行いたいと思っておりますし、その上で、安全側に立つという前提に立って適切な排出係数の設定を行うと、こういう二段階の設定の仕方をしたいと思っているところでございます。 また、こうして作った案については、三省庁合同の審議会で議論を行って有識者の意見を反映した上で、パブリックコメントをした上で設定していきたいと考えているところでございます。
○石川博崇君 今回、全国数量上限に対して環境排出量ベースに変更するということになったわけでございますが、この全国数量上限という考え方、諸外国になく我が国においてのみ採用している考え方でございます。今回、この改正法案においてもこの全国数量上限というものを維持したその意義というものを御説明いただきたいというふうに思います。 また、あわせて、今回、全国数量上限を環境排出量換算、排出係数を掛けて実際に環境にどれだけ排出しているのかというふうな数値を見るということに変えたわけでございますが、引き続き、個社ごとの、事業者ごとの数量上限というものは維持されております。少量新規では一トン、それから低生産量では十トンという事業者ごとの個社数量上限というものは残されたわけでございます。これは、環境排出量換算を採用して個社ごとの上限も制度の合理化をするという考え方もあったんではないかというふうにも思いますが、こうしなかった理由について、併せて御説明をお願いします。
○政府参考人(糟谷敏秀君) 今回の改正におきましては、全国数量上限による数量調整という制度を維持することで、健康、生態に対する影響を防止するという規制の趣旨を変えることなく制度の合理化を図るものでございます。 すなわち、全国数量上限、この制度を維持することが前提でありまして、環境汚染の防止のための規制を緩和するものではなく、その範囲で最新の知見を取り入れて、より合理的な化学物質の審査制度へ転換することで、事業者の予見可能性を高め、事業機会の喪失を少なくするということであります。 また、個社数量上限について同様の排出量換算を入れないということにつきましては、どういうことかといいますと、今回の改正においても個社数量上限、すなわち製造・輸入量一トン又は十トンというのを維持することとしておるわけでありますが、これによって、事故などによってある社の製造・輸入数量の全量が環境中に仮に放出された場合においても環境へのリスクは従来と変わらないようにするということでございます。こういうことによって、化学物質の安全とか安心についての後退がないようにしたものでございます。
○石川博崇君 最後に大臣にお伺いをしたいと思いますが、今回改正されることになります少量新規特例制度、今は、この特例制度の受付は、海外では国によっては随時特例の受付を行っている国もある一方で、我が国では少量新規化学物質については年四回と限定されているところでございます。 事業者などからは、事業機会の喪失もこれによってあるので、例えば年十回にするなど受付の頻度を上げていただきたいという要望もありますが、この要望に対する政府の検討状況を教えていただければと思います。
○国務大臣(世耕弘成君) 今回質問通告を受けて、私も年四回の受付って何なんだろうと思って、こんなの随時、毎日受け付けてあげればいいんじゃないと言ったんですが、実際、一つの物質に上限がある中でどっと来ますから、これを随時にしてしまうと、一体どこで切って、どういうふうに事業者間、配分していいか分からない。だから、ある程度時期を決めて、年四回という形で受け付けている。そこできちっと事業者間の案分をやっている。ただ、そういう申請が三万六千件ほども来るので、今のところ、この年四回から増やすのがなかなか難しいということでありました。 事の性質上、随時というわけにはいかないですが、この四回をもうちょっと増やすことはできるんじゃないか。先ほどのようなSMILESのようなシステムを使えば、何もベンゼン環を眺めて目視で判断しなくても、もう瞬時に物質の分類もちゃんとできるわけでありますから、そういうものをうまく使いながら、今、年四回となっているのをなるべく回数を増やして、できる限り事業者がチャンスを失わないようにしていきたいというふうに思っています。
○石川博崇君 終わります。
○岩渕友君 日本共産党の岩渕友です。 化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律、化審法の一部を改正する法律案について質問をいたします。 先日の連合審査のあの議論を聞いて、改めて法制定の趣旨、目的に立ち返ることが重要だと考えています。 初めに、法制定時の趣旨説明、法の目的について確認をいたします。
○政府参考人(糟谷敏秀君) この化審法は、昭和四十八年に制定をされたわけでございます。その背景としては、PCBが食用油に混入したことによる健康被害、いわゆるカネミ油症事件などの社会問題が背景としてあったわけでございまして、こうした背景の下、広く産業活動あるいは国民生活に有用なものとして一般に生産、流通されている化学物質のうち、急性毒性はないものの、継続的に摂取された場合に人の健康に被害を生ずるおそれがある化学物質については適切な管理を行う必要があるという認識に立って制定されたものであります。 これについて、昭和四十八年の制定当時の中曽根通商産業大臣の提案理由説明の該当部分を読み上げさせていただきます。 従来の化学物質の安全性に関する考え方に再検討を加える必要のあることを痛感させるものでありました。すなわち、新しい化学物質の開発と利用は、国民生活の充実に多大な寄与を成すものである反面、このような化学物質の中には、その使用に際し、あるいは使用後の廃棄を通じて環境を汚染し、人の健康に被害を及ぼすおそれのあるものがあり、その防止体制の確立を図る必要があることが明らかになったわけであります。このような新しい人体汚染の形態は、化学工業の発展に伴い新たな化学物質が年々生産されていることを考えるとき、単にPCBの問題としてのみではなく、化学物質全般について安全性を確認する必要があること、そしてその結果問題とされた化学物質について環境に放出されないよう、その製造、輸入、使用及び消費にわたりクローズドシステムを確立する必要のあることを強く認識させるものであります。 このように述べられたところであります。 また、制定当時の化審法の目的規定でございますけれども、この法律は、難分解性等の性状を有し、かつ、人の健康を損なうおそれがある化学物質による環境の汚染を防止するため、新規の化学物質の製造又は輸入に際し事前にその化学物質がこれらの性状を有するかどうかを審査する制度を設けるとともに、これらの性状を有する化学物質の製造、輸入、使用等について必要な規制を行うことを目的とするとされておりました。 この目的規定は、平成十五年の改正の際に、「人の健康を損なうおそれ」に加えまして、「動植物の生息若しくは生育に支障を及ぼすおそれ」も追加する形で改正をされたわけでありますが、目的規定のその他の文言は制定当時のものが維持をされているわけでございます。
○岩渕友君 先日の連合審査会で大臣が、国民の健康をしっかり守る、あるいは生物の生態系に影響を与えない、そのことを前提にしながら、一方で化学産業の振興をどう図っていくのか、これがまさに今回の化審法改正の一番大きな根源的な考え方だと思っているというふうに述べています。しかし、先ほど確認をしたように、化審法は明確な規制法になっています。 そこで、大臣にお聞きをいたします。 今回の法改正は、法の趣旨、目的に沿ったものになっていると言えますか。
○国務大臣(世耕弘成君) 先ほど局長から答弁したとおり、化審法は、昭和四十八年当時、PCBのように一般に生産、流通されている化学物質のうち、継続的に摂取した場合に人の健康に被害を生ずるおそれがある化学物質について適切な管理を行う必要があるという認識の下で制定された法律だと理解をしています。 こうした背景の下で、化審法の目的規定、一番法律で重要な第一条に盛り込まれた「化学物質による環境の汚染を防止するため、」というこの文言は現在も変わらず存在しておりますし、今回の改正でもここをいじるというわけではないわけであります。 今回の化審法の改正は、環境汚染を防止するという規制の趣旨を一切変えることなく、事業者の予見可能性を高めて機会の損失を減らすため、制度自身の合理化を目指すというものであります。 具体的には、事業者が新規化学物質を少量製造、輸入する場合に審査を簡素化する特例制度について、化学物質を製造、輸入する量ではなくて環境に排出される量に着目する見直しを行います。その際には、特例制度によって事業者が安全性データの提出が不要となっている場合の上限値は引き続き全国合計で一トンとすることが前提でありまして、環境汚染の防止の目的に沿ったものだというふうに思っています。 その上で、最新の知見を取り入れたより合理的な化学物質の審査制度へと転換することで、事業者の予見可能性を高めて事業機会を失うことを少なくすることでイノベーションの促進にも貢献するものとしたいと思っております。
○岩渕友君 もちろん産業の振興は必要なことなんですけれども、環境が汚染をされて人の健康や生態系に影響を与えるということになれば、法の趣旨にも目的にも反することになります。 本法案では、新規化学物質の製造、輸入に当たって審査の全部又は一部が免除される場合の上限規制について、環境排出量ベースに変更をするんだと、そして数量調整を減らすことが最大の目的になっています。この上限を総量から環境排出量に変えるという要望はどこから出されたものでしょうか。
○政府参考人(佐藤文一君) お答えいたします。 要望についてでございますけれども、今回の改正内容のうち、新規化学物質の審査特例制度の合理化につきましては、平成二十五年五月の規制改革会議創業等ワーキング・グループにおける日本化学工業協会の要望がございますし、また平成二十七年度経団連の規制改革要望、こういったものが出されてございます。 一方、毒性が強い新規化学物質の管理の強化については、これは特に業界からの要望があって行うものではございません。
○岩渕友君 産業界や経団連からの要望がそのまま取り入れられている形になっているということです。 この総量から環境排出量に変えることによって数量調整はどの程度減ると見込んでいるでしょうか。
○政府参考人(佐藤文一君) 平成二十七年度の実績で幾つか数字を御紹介いたしますが、少量新規制度についての申出件数総数は三万五千三百六十件、うち数量調整を受けた件数は四千二百七十六件、低生産量新規制度については申出件数が千六百四十八件、数量調整を受けた件数が二百四十八件でございます。 同じ化学物質を申し出た企業の重複が最も多かったのが平成二十八年度の二十四件でありましたので、二十五社以上の重複は想定されないと、こう仮定して試算いたしますと、排出係数が二十五分の一以下、すなわち〇・〇四以下であれば数量調整は生じないはずであると考えております。 排出係数の設定は今後になるというのは先ほどから御説明しているとおりでございますが、仮に現在の係数を前提とすれば全体の八割、件数で申し上げますと、少量新規では四千二百七十六件のうちの約三千三百件、低生産量新規制度では二百四十八件のうちの約二百件については数量調整がなくなる見込みでございまして、例えばで申し上げると、液晶あるいは燃料電池、半導体の素子、医薬品の材料、こういったものは比較的現在でも係数が小さくなっておりますので、こういったものについては基本的には数量調整がなくなるのではないかなと思っているところでございます。
○岩渕友君 排出係数が〇・〇四以下であれば、二十五社が同一の新規化学物質の申請をしても数量調整は生じないという答弁がありました。 けれども、この場合、最大の製造・輸入量は量換算でいうと二十五トンにもなります。化学物質は少量多品種に移行しているんだ、そんなに大量には製造、輸入することはないといっても、例えば、今も説明ありましたけれども、液晶の排出係数を今のまま〇・〇〇一二とすれば、理論上は約八百トンの製造、輸入が可能になるということです。 いずれにしても、新規化学物質の総量が増えることは間違いありません。これで環境への負荷が増大しないと言えますか。
○政府参考人(梅田珠実君) お答えいたします。 これまでの特例制度では、化学物質の製造・輸入量の全てが全国に排出されたとしても環境への被害が生じないことを根拠として全国上限を設定しておりました。今回の改正において、全国上限について製造・輸入数量を上限とする規制から環境排出量を上限とする規制に見直すということでございますが、見直し後におきましても環境への被害が生じない環境排出量を上限としているため、環境への影響は増大しないというふうに考えております。 また、今回の合理化に当たっては、安全側に立った排出係数の設定、そして用途の厳密な把握、これを実施することとしておりまして、安全の確保に万全を期してまいりたいと考えております。
○岩渕友君 資料の①を御覧ください。事前審査を免除された新規化学物質というのはどんどん増え続けているわけです。この種類、そして総量はどのぐらいになるでしょうか。
○政府参考人(佐藤文一君) 少量新規化学物質及び低生産量化学物質の種類及び総量についての御質問でございますけれども、同じ物質構造で異なる化学物質の申出がされることがありますので、対象となった化学物質の種類についてはなかなか正確な量について今申し上げられないんですが、二十七年度の実績で量について申し上げますと、少量新規制度の確認量は約一万四千六百トン。ただし、実際に製造、輸入された量は約千三百トンでございます。また、低生産量新規制度の確認量は約八千七百トン。これも実際に製造、輸入された量は約千七百トン、こういう数字になってございます。
○岩渕友君 大きな量の化学物質があると。そして、種類については正確な量は分からないということだったんですけれども、この化学物質について実態が分からないということはやっぱり問題だというふうに思うんです。 これだけ膨大な種類の化学物質が審査を免除されて、製造、輸入が続けられていると。複合的な影響は評価をされているんでしょうか。
○政府参考人(梅田珠実君) お答えいたします。 化学物質の複合影響の評価方法でございますが、これは確立しておらず、国際的な動向を踏まえつつ、化審法では単体の化学物質を用いて評価を行っているところでございます。 環境省といたしましては、世界各国における検討状況について情報収集を行うとともに、環境リスク評価における化学物質の複合影響の考慮について検討しているところでありまして、これらによる成果が得られれば活用してまいりたいと考えております。
○岩渕友君 今答弁にあったように、複合影響についてはきちんとした知見がない、確立をされていないということは、人の健康であるとか生態系への影響が出るリスクがあるんだということです。 この排出係数について、化審法の見直し合同会合の中では、廃棄段階まで考慮して排出係数が出されているのか疑問の余地があるという懸念が出されています。こうした懸念に対してどういうふうに対応をするんでしょうか。
○政府参考人(梅田珠実君) 御指摘のとおり、現在の化審法のリスク評価において活用しております排出係数は、化学物質のライフサイクル全体を考慮には入れておりますが、製造段階、調合段階、使用段階を考慮している一方で、廃棄段階について、これは化学物質を廃棄物として処理する段階での排出に関する知見、情報がいまだ乏しいということで数値の設定には含めておりませんが、調査検討を進めているという状況でございます。 廃棄段階における環境汚染の防止につきましては廃棄物処理法等により対応がなされているというところでございますが、今回の審査特例制度の合理化に伴い用います排出係数につきましては、既存の排出係数に安全係数を掛け合わせるなどの安全側に立った設定、運用を行うことによって、安全の確保に万全を期してまいりたいと考えております。
○岩渕友君 この廃棄についても知見が乏しいという今状況だということです。これ、適正に廃棄が行われない場合や、例えば東日本大震災でPCB廃棄物が津波で流出をするなど、災害で一般環境に出てしまうといったことがこれまでもありました。こうしたことがあれば、環境排出量というのは桁違いに増えることになっていきます。 この化審法見直し合同会合では、用途の変更があった場合、排出係数が大きくなる場合、正確に把握できなければ制度の合理化の前提が崩れかねないという懸念が出されています。途中で用途が変更になっても必ず把握できるんだと言えるでしょうか。
○政府参考人(糟谷敏秀君) 制度の合理化後は、その用途の情報の正確性が非常に重要になってまいります。したがいまして、現状の申出事項に追加をいたしまして、事業者から追加情報を求めることとしております。化学物質の提供先の川下事業者と交わした売買契約書のコピーなど、用途情報を把握するために必要な書類の提出をいただくことなどを検討をしております。 こうした確認の際のチェックに加えまして、確認を行いました後でも、必要に応じて、確認を受けた製造・輸入事業者に対する報告徴収や立入検査を行うほか、川下事業者に対する任意の調査や行政指導を行うことを考えております。特に、複数の用途で確認の申出がされる化学物質については重点的にこうした事後監視を行うことを検討をしておりまして、そのために必要な立入検査につきましては、従来行ってきた立入検査に加えて追加的に実施をしたいというふうに考えております。 こうした事後監視の結果、万一、審査特例制度に基づき確認された新規化学物質が申出された用途と異なる用途に使われることにより確認された環境排出量を超える量となる場合には、国からの確認を取り消すことも考えております。確認の取消し後に、確認を受けないまま製造、輸入した場合は処罰の対象となるわけでございます。 こうした確認の際の事前の監視、それから事後の監視やチェック、そうした対応によって実際の用途をしっかりと把握をし、必要な対策、措置を講じてまいりたいというふうに考えております。
○岩渕友君 検討する、求めると言うんだけれども、これ、義務じゃないわけですよね。廃棄段階まで含めた排出係数も決まっていない、複合影響についても知見がないと、これでは科学的合理性があるというふうにはとても言えません。そもそも、消費者に化学物質の情報が正確に伝わるようになっていません。先ほども出されていましたけれども、例えば同じ化学物質でも名称が複数ある化学物質もあります。 そこで、大臣にお聞きをいたします。 消費者にも事業者にもよく分かるように、名称の統一を図る必要があるのではないでしょうか。
○国務大臣(世耕弘成君) 御指摘のように、化学物質名というのは化学物質のライフサイクルの各段階で変わることがあるわけであります。これは、各段階において化学物質管理を行う法規制の目的あるいは手法が異なることに起因をするんだというふうに考えています。それぞれ各段階のステークホルダー、事業者ですね、にとっては分かりやすい化学物質の名称を付していますので、法律を施行する上での混乱は生じていないというふうに考えています。 ただ一方で、一つの化学物質について複数の異なる名称が付与されるということは、これは消費者にとっては分かりにくいという指摘があることは承知をしております。そのため、NITEにおいて化学物質に関する情報提供サイトであるCHRIPを構築して、あらゆる名称での検索をまず可能とします。これに加えて、化審法のほか、労働安全衛生法、あるいは毒物・劇物取締法、化学物質管理促進法において新たな化学物質の名称を付与する際には、国際的に統一的なIUPACという手法に基づいて行うこととしております。 今後とも、こういった取組を通じて、化学物質の名称を付与するに当たっては事業者や消費者が適切な対応が取れる工夫をしてまいりたいと思っています。
○岩渕友君 ここで、身近にある危険な化学物質の問題について、大臣にお聞きをいたします。 資料の②と③を御覧ください。化審法で規制をされている化学物質の多くが使用域の海底の泥の中にいまだに蓄積をされています。その中には化審法制定と直結をするPCBも含まれています。PCBが海水内に漂うマイクロプラスチックに付着をして、それを魚や鳥がのみ込んでいるということが問題になっています。 東京農工大学の高田秀重教授に話を伺いました。資料④を御覧ください。東京湾のイワシを調べたところ、六十四匹中四十九匹から、一匹平均三個のマイクロプラスチックが見付かっています。二〇五〇年には海中の魚の量とマイクロプラスチックの量が同じになるのではないかと言われるほどだそうです。 資料⑤を御覧ください。二〇〇一年に行った皇居桜田濠での水底の泥をボーリング調査した結果、一八〇〇年代の層からはマイクロプラスチック当然見付からないんですけれども、一九五〇年代から出始めて、二〇〇〇年代には十種類を超えるマイクロプラスチックが大量に見付かっていると。 こうした調査結果を聞いて、大臣の率直な感想をお聞きしたいです。
○国務大臣(世耕弘成君) 化審法は、PCBを第一種特定化学物質として指定をして、その製造、輸入について事実上禁止をしてきているわけであります。この結果、この法律が施行された昭和四十九年以降から現在に至るまで、市場に流通するようなPCBの製造、輸入は全くないわけであります。このように、化審法自体のPCBの規制は着実な成果を上げているというふうに思います。 ただ、今御指摘のようなことが起こっているのはなぜかといいますと、これは化審法の規制対象ではないけれども、昭和四十九年の指定以前に製造、輸入されたPCBについて、それが在庫として存在したり、あるいはもう既にそのとき環境中に出てしまっているものがそのまま環境に残留をするということはあるんだろうというふうに思っています。 こうした海洋環境中に残留したPCBが、御指摘のようなマイクロプラスチックに付着をして食物連鎖を通じた生態系への影響を生じているとの懸念があることから、環境省がマイクロプラスチックに付着しているPCB等の有害物質の量を把握するための調査を実施中だと聞いております。環境省の調査の結果、実際に懸念があり、何らかの対応を経済産業省として取る必要があるというようなことがある場合には、経産省としても関係省庁と連携をして必要な対応を検討してまいりたいと思います。
○岩渕友君 ポリエチレンは残留性汚染物質を吸着しやすいプラスチックということで、基本的には水より軽いので浮いている状態なんですけれども、沈むこともあって、ヨーヨーのように浮いたり沈んだりを繰り返しています。そのために、沈んだときに海底に沈んでいるPCBが付着をして、そのマイクロプラスチックを魚がのみ込むと。 このマイクロプラスチックの大きな原因はレジ袋です。ポリエチレンというプラスチックを使って作られて、薄いフィルム状にレジ袋はなっていると。川や海などに捨てられると紫外線などが当たってどんどん劣化をして小さくなって、マイクロプラスチックになっていくと。室内実験では、プラスチックを通しての人や野生動物への影響も観測をされているということで、人や野生生物への被害、生態系への被害が発生するということが懸念をされます。 未然防止という観点、人や生態系への影響を考えれば、レジ袋の規制を検討するべきではないでしょうか。
○政府参考人(室石泰弘君) レジ袋等を含みます容器包装につきましては、我が国の家庭ごみの約六割を占めております。環境保全と資源の有効利用を図るため、容器包装リサイクル法に基づきまして容器包装を多量に利用する事業者には排出抑制の取組の報告を義務付けておりますし、特定の事業者には容器包装の再商品化の義務を課すなど、3Rの取組を事業者に求めているところでございます。特にレジ袋については、その削減を推進すべく、これまでマイバッグ持参運動を行ったり、レジ袋削減に関する全国の地方自治体等における取組を調査し、効果的な対策に努めてまいっております。 今後とも、環境省としては、レジ袋の削減等の対策を着実に推進するため、プラスチック製容器包装の廃止、抑制に関する企業の取組、レジ袋の有料化等に関する自治体等との協定締結等を更に推進してまいりたいというふうに考えております。
○岩渕友君 資料の⑥を御覧ください。世界的には、レジ袋について有料化をする、無料配布の禁止を決める国や州などもあります。例えば、二〇一四年の八月にはアメリカのカリフォルニア州でレジ袋禁止の法案が成立をすると。同じく二〇一四年の十一月、EUが加盟国へレジ袋の削減案策定を義務付けて、二〇二五年までにレジ袋の消費を一人年四十枚まで削減するというのがEUの目標で、日本では年間三百億枚以上、一人に年換算すると三百枚のレジ袋が使われている、こういう実態だと。二〇一六年九月にはフランスでプラスチック製使い捨て容器や食器を禁止する法律が成立をされるということで、世界的には国が先頭に立ってこうした取組を行っているということなんですよね。 化審法で規制をして既に過去の汚染物質になっているはずの化学物質が、今紹介をしたように現代によみがえってくる、こういうことが起こり得る、だからこそ入口でしっかり審査をする、規制をする必要があります。 国際的な合意では、予防的取組方法に留意しつつ、透明性のある科学的根拠に基づくリスク評価手順と科学的根拠に基づくリスク管理手順を用いて、化学物質が人の健康と環境にもたらす著しい悪影響を最小化する方法で使用、生産されることを二〇二〇年までに達成することを目指すことが求められています。 大臣にお聞きをしたいんですけれども、こうしたことを踏まえれば、新規化学物質の事前審査について規制を強化するべきではないでしょうか。
○国務大臣(世耕弘成君) 少し整理して考えていただいた方がいいと思うんですが、このPCBについては、昭和四十九年以降、化審法の事前審査がまさにきちっとワークしているから、昭和四十九年以降は環境に出ていっていないわけであります。ですから、そういう意味で、今から事前審査を強化したからといって、今起こっているこのPCBの問題、要するに昭和四十九年以前に環境に出たものが何らかの形で生物の中に堆積しているという問題に関して、幾らこれから事前審査を強化してもこの問題は解決をしないというふうに思っています。 ただ、当然我々は、今回のこの法の精神というのは今までどおりしっかりやっていくというのは先ほどから答弁しているわけでありますから、当然、環境への影響、PCBではなくてほかの物質も含めて環境への影響、生態系への影響がないようにという法の目的に沿ってしっかりと執行していきたいというふうに思っています。
○岩渕友君 先ほど言ったように、既に過去の汚染物質になっているはずの化学物質が現代によみがえってくるようなことが起こり得るんだと、だからこそ入口でしっかり審査する、規制する必要があるんだということなんですよね。 化審法制定時の提案説明では、事前審査制度を世界に先駆けて採用することにした背景について、問題の発生後、諸般の措置を講ずるとしても後手後手になることは否めない、化学物質による環境汚染を未然に防止することができないという深い反省があったからだと明確に述べられています。 カネミ油症事件から四十五年になるにもかかわらず、被害者は今なおPCBやダイオキシン類による身体被害に苦しんでいます。PCBを無害化する処理費用は既に当初想定を上回る約四千四百億円を超えて、さらに三千八百億円の膨大な費用に加えて、処理施設の解体撤去費用も掛かってきます。国民の税金がどんどん投入をされています。 一度環境が汚染をされれば、人にも生態系にも甚大な被害をもたらして、取り返しが付きません。経済的にも大きな負担となります。未然防止という化審法の目的に反するこの本法案に反対を強く表明して、質問を終わります。
○石井章君 いつものようにしんがりを務めさせていただきます。日本維新の会、石井章、通告に従いまして質問をしたいと思います。 まず、二〇〇二年、持続可能な開発に関する世界サミット、WSSDにおいて、一九九二年、国連環境開発会議で採択されましたアジェンダ21などの十年間の進捗を踏まえ、予防的取組方法に留意しつつ、透明性のある科学的根拠に基づくリスク評価手順を用いて、二〇二〇年までに全ての化学物質を人の健康や環境への影響を最小化する方法で生産、利用されることを目指すと、そういうことを二〇二〇年目標について出しております。 この目標内容は理想的と言われておりますけれども、抽象的にも感じております。これは具体的にどのような状況を指しているのか、また、二〇二〇年までにあと三年を切っている中で、我が国の進捗状況について松村副大臣にお伺いいたします。
○副大臣(松村祥史君) お答え申し上げます。 WSSD、持続可能な開発に関する世界サミット、こう称されているわけでございますが、ここで合意された目標というのが、先生御指摘のとおり、二〇二〇年までに化学物質が人の健康や環境への著しい悪影響を最小化する方法で使用、生産されるよう目指すことと、こうされたわけでございます。 この目標の達成に向けたより具体的な戦略が定められておりまして、これは国際的な化学物質管理のための戦略的アプローチ、SAICM、こう呼ばれておりますが、この中で、例えば、社会的経済的分析に基づく、透明性があり、包括的で効率的かつ効果的なリスク管理戦略を実施することでありますとか、科学的に基礎を置くリスク評価に基づいて、費用と便益に配慮しつつ、化学物質の意図しない放出によるリスクは最小化されること等が定めてあるわけでございます。こういう理念をサミットの中で掲げ、そして具体的な戦略がそれぞれ共有されたと、こういう意味のあるものだと考えております。 そこで、我が国では、平成二十一年の化審法改正を行いまして、全ての化学物質について、事業者の皆様方に製造・輸入数量等の届出義務を課したところでございます。その上で、その数量等を踏まえまして、優先的に評価対象とする物質を絞り込むいわゆるスクリーニング評価を行います。絞り込まれた物質に関するその上でまたリスク評価を行った上で、その結果に応じて規制等の対象とすることとしたわけでございます。 すなわち、二〇二〇年までに全ての優先評価化学物質のリスク評価を終了させることを目指して今日まで作業を行ってきております。
○石井章君 ありがとうございます。 我が国では様々な対応が進んでいるということであります。WSSD二〇二〇年目標を達成するには、我が国一国だけが化学物質の管理、規制に取り組んでもなかなか困難であることはただいまの答弁で分かりました。そこで、各国の協力が必要不可欠となってきます。 例えば、有害性情報を隣国間や近傍国の域内で共有し共通基盤化することや、各国の制度を調和させるなど効果的な化学物質管理を実現することや、各国の取組姿勢と進捗状況が非常に重要となってくるわけでありますけれども、現在のアジア主要国、特にASEAN諸国の状況についてお伺いをいたします。
○副大臣(松村祥史君) これは、アジアにおきましても、有害性のみで管理するハザードベースではなくて、有害性に環境排出量を勘案して管理するリスクベースでの化学物質管理に向けた取組が行われていると承知をしております。 例えば、ASEAN諸国の中でも化学物質管理に積極的に取り組んでおられるタイやベトナムなどでは、リスクベースでの化学物質管理の第一歩といたしまして、自国においてどのような化学物質がどの程度製造され、輸入されているか等の情報収集を進められていると承知をしております。 ただ一方で、リスクベースでの管理のためには、化学物質の性状や製造、輸入等に関する情報に加えまして、環境排出量の情報収集やリスクを評価するための手法等の技術が必要となってくるところであります。タイやベトナムではこのような評価手法の導入がまだまだ十分ではないと私も承知をしております。 このような状況の中にあって、我が国への期待というのは、これから管理手法に係る技術的な支援、こういったものが期待をされていくものだと認識をいたしております。
○石井章君 台湾、中国、韓国、フィリピンなどでは、化学物質の法規制の整備が進められております。新規化学物質の事前審査や既存化学物質リストの整備なども進んでおりますが、他方、その他多くの国々では、依然としてハザードベースで選定された規制対象物質に対する登録や申告の制度が中心で、有害性の不明なものも含めリスクベースで管理をしていくという段階には至っていないわけであります。 この背景には、我が国もたどってきた公害問題や環境問題に関する過渡期という問題が存在します。つまり、生活排水の処理問題から始まり、著しい工業化による大気汚染や水質汚濁による公害、そして湖沼などの窒素、リンなどの問題、その次に化学物質の問題へと移行していくわけでありますが、産業公害から微量有害化学物質というように年代を追って問題が発生してくるわけであります。したがいまして、各国が典型的な公害問題やフィジカルリスク、化学物質に関する国際条約への対応などが優先される状況となっているのは致し方ないとも言えると思います。 日本はこれまで、経験と実績を基に、リスク評価や管理方法に関する情報の提供や人材育成などの協力、また、多国間で有害性情報を収集し共有する仕組みの構築などを主導していくことにより、アジア地域全体のリスク低減に貢献することが望まれておりますけれども、政府の多国間の支援の取組についてお伺いいたします。
○副大臣(松村祥史君) 我が国のアジア各国にサプライチェーンを拡大しているという状況を踏まえますと、アジアと協力を取っていくことは、これは極めて重要なことだろうと、先生の御指摘どおりだと私どもも考えております。 化学物質の規制情報や有害性情報をアジア域内で共通基盤化できれば、これは同域内における経済発展と効果的な化学物質管理を実現することに貢献できると考えております。 このために、経済産業省におきましては、現在、ASEAN各国と共同で化学物質規制情報等を集めまして、それを掲載をいたしました日本・ASEAN化学物質管理データベースを構築をいたしまして、平成二十八年から正式版の運用を開始したところでございます。これは先生でもオンラインで見れるようになっております。また、平成二十四年には、タイ及びベトナムとの間で化学物質管理の強化に関する覚書書を締結をいたしまして、化審法に基づく知見や経験を提供するなど、ASEANに対する化学物質管理強化のための協力を行っているところでございます。さらには、人材育成についても、ASEANを対象にいたしまして化学物質管理に関する研修やセミナーを実施をいたしまして、協力体制を行っているところでもございます。 今後とも、これらの取組に引き続き積極的に行ってまいりたいと、このように考えております。
○石井章君 松村副大臣、御丁寧な御答弁ありがとうございました。 それでは、大臣にお伺いいたしますが、現在、化学物質の規制は先進国ではリスクベースが中心となっており、他の国々もこれに倣って、ハザードベースオンリーからの脱却に向けて制度整備を進めております。リスクベースへの変化は、物質固有の性質である有害性を基にした管理から、人及び植物へどれだけ影響を与えられる可能性があるか、環境排出量を加味したリスクベース管理体系への転換であり、化学物質を製造する企業だけではなくサプライチェーン全ての過程での管理が必要となり、それぞれの立場でリスク管理が求められるようになります。 近年でも、ダイオキシン、環境ホルモン騒動や韓国の加湿器殺菌剤死亡事故、大阪の印刷会社の印刷機洗浄液による胆管がん発症被害、それから中国製の毒ソファー事件など、化学品のリスク情報を正確に共有し、適切な管理や対策を取っていれば被害を防ぐこともできたと思われる事例が多く存在します。 リスクベースの化学物質管理は、これに関わる主体として拡張されるとともに、これまでの安全、安心への意識の変革が重要となってきます。これまでも官民連携による自主管理活動などが進められておりますけれども、今後は、リスク情報の共有と管理対策などサプライチェーン関係者の相互協力がリスク低減に不可欠であり、その連携を深化させていくことが重要なファクターとなってきます。 この先導的な役割を担うのは日本政府であると考えますが、その取組について大臣からお伺いいたします。
○国務大臣(世耕弘成君) 今おっしゃるように、化学物質の管理は、世界的潮流として、ハザードベースからリスクベースへと移行してきているというふうに認識をしています。 そういう中で、このリスクベースの管理の仕方についても、一社に閉じた形ではなくて、やはりサプライチェーン全体を見据えた形でやっていかなければいけない。しかも、サプライチェーンというのは国内に閉じているわけではありません、当然海外にも広がっていっているというのが今現実でありますから、そういうこともしっかり見据えながら、しかし、その上流に位置するまさに化学物質の製造・輸入段階で化学物質のリスクに応じた適切な規制措置をとっているところであります。 また、こういった化審法での措置に加えて、製品に含有される化学物質についてのリスク管理をしっかり行うべく、経産省も前に出て支援をさせていただいて、今、百社を超える川上、川中、川下の業界が協力をして、製品含有化学物質情報の伝達スキームの標準化を図っているところであります。その成果物として、またちょっと横文字になっちゃいますが、ケムシェルパという情報共有システムが開発をされまして、二〇一八年より本格稼働する予定になっています。このシステムを、今、各種説明会ですとかあるいはAPECでの会合で紹介をするなど、産官で連携をして国の内外に普及を図っているところであります。 引き続き、サプライチェーンの関係者の相互協力のための新たな関係性の構築や啓発を経済産業省としてもしっかりと行ってまいりたいと思っています。
○石井章君 ありがとうございました。 日本の化学物質管理の法律は、その法体系や管理については縦割りとなっております。化審法、化管法、安衛法、劇毒法、消防法、大気汚染防止法など様々な法律が存在し、一つの物質に対しても複数の法律で複合的に規制されております。縦割り規制は、その分野でリスク管理が効率的に行われるという利点もありますが、企業にとっては、過度の管理体制の構築や複雑で膨大な申請などが負担となってきております。今回の改正による審査特例制度の規制緩和による国内産業の国際競争力の拡充の狙いにも相反するものであると思います。 そこでお伺いいたします。 平成二十一年の化審法改正時の参議院の経産委員会において、化学物質によるリスク低減、削減に関する施策を長期的、総合的、計画的に推進するため、基本理念を定め関係者の責務及び役割を明らかにするとともに、施策の基本事項を定めるなど、化学物質に関する総合的、統一的な法制度及び行政組織の在り方等について検討を早急に進めるという附帯決議が採択されております。 化審法の限界を認識した上で、WSSD二〇二〇年目標の化学物質による人の健康と環境への悪影響を最小化するを達成するために更に包括的な管理の枠組みが必要であると考えておりますが、附帯されたものが、この点について今日までどのように取り組んでいるか、お伺いいたします。
○国務大臣(世耕弘成君) 御指摘の附帯決議に対しては、平成二十四年に閣議決定をされました第四次環境基本計画におきまして、リスクをできる限り低減をして、関係者間で意思疎通を図ることとされておりまして、これによって対応できているというふうに考えています。 この計画の中では、参議院の附帯決議でいただきました関係者の責務と役割についても定められているわけであります。さらに、その計画の中において、国は、具体的に、科学的なリスク評価の効率的な推進ですとか、各主体の環境リスクに対する理解の増進ですとか、アジア地域を中心とした国際協力、国際協調の推進を行うことを基本事項として定めさせていただいております。 そういう意味で、附帯決議に対しては誠実に対応させていただいていると理解しております。
○石井章君 時間が来ましたので、最後に大臣にお伺いしたいんですが、常に国民の安全、安心とこの化審法というのは表裏の関係でありますから、言うまでもありませんが、それを踏まえて政府は国民に対する安心、安全という立場を最大限に効果として表していただきたい、そういう要望をしますけれども、最後に大臣にその決意のほどをお伺いいたします。
○国務大臣(世耕弘成君) あくまでも法律の目的である健康、生態への影響を回避する、このことを大前提とした上でイノベーションを進めるという視点も加えて進めていきたいというふうに考えております。
○石井章君 ありがとうございました。これで終わります。
○委員長(小林正夫君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○岩渕友君 私は、日本共産党を代表して、化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律の一部を改正する法律案に反対の討論を行います。 そもそも化審法は、カネミ油症事件を契機に制定され、国民の健康の保護と生活環境の保全のために、化学物質の製造、輸入、使用について必要な規制を行い、環境の汚染を防止することを目的としています。 国による事前審査制度は未然防止策として法律の要を成すものであるにもかかわらず、化学業界の要望で、特例として事前審査の全部又は一部免除が導入されてきました。その結果、審査を免除された新規化学物質が大幅に増え続け、未然防止のための事前審査という基本的な枠組みに大穴が空いたまま、放置できない状況になっています。 事前審査免除の際に定めている国内総量上限を環境排出換算基準合計量に見直す本法案は、排出係数の定め方次第で、実質的に量の上限なしで、事前審査を経ない新規化学物質の製造、輸入を可能にすることになります。環境負荷の増大は必至であり、人の健康や生態系に悪影響が出ることが懸念されます。これが第一の反対理由です。 化学物質管理に係る国際的合意では、予防的取組方法、透明性のある科学的根拠に基づくリスク評価手順、科学的根拠に基づくリスク管理手段、化学物質がもたらす著しい悪影響を最小化する方法での使用、生産を二〇二〇年までに達成することが求められています。ところが、本法案は、産業界から提案された総量規制の見直しをそのまま取り入れたものです。審査を免除した新規化学物質が増え続けることは、国際合意に逆行したものであり、人の健康や環境への影響よりも事業の効率化、低コスト化要求を優先しているということが第二の反対理由です。 質疑を通して、本法案は科学的合理性がないことが明らかになりました。人の健康や生態系への影響よりも産業界の要請を優先させる、福島原発事故と同じ論理です。これでは環境汚染の未然防止という法の目的を果たすことはできません。 以上を指摘し、反対討論といたします。
○委員長(小林正夫君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。 これより採決に入ります。 化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(小林正夫君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 この際、石上君から発言を求められておりますので、これを許します。石上俊雄君。
○石上俊雄君 私は、ただいま可決されました化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・こころ、民進党・新緑風会、公明党及び日本維新の会の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、本法施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。 一 審査特例制度の見直しに併せて、事前確認により製造・輸入が認められる化学物質の管理状況及び使用状況について、事後監視の徹底を図るとともに、化学物質の有害性情報の収集に積極的に努めること。 二 審査特例制度の全国数量上限の算出に用いる用途別排出係数については、廃棄段階も考慮に入れるなど、化学物質のライフサイクルにも配意し、安全側に立った設定・運用を行うこと。また、国が用途情報を適切に把握できる体制の構築について、速やかに検討し、人の健康や生態系に悪影響を及ぼすことのないよう万全を期すこと。 三 特定新規化学物質・特定一般化学物質については、予防的な視点で、製造・輸入数量が増加した場合や専門家が必要と認める場合等には、速やかに優先評価化学物質に指定する等の適切な措置を講ずること。 四 化学物質管理に関する規制・制度については、化学産業の国際競争力の強化、事業者の負担軽減及び国際的な動向との整合性を踏まえて、合理的な規制や制度の運用に向け、引き続き検討すること。 五 WSSD二〇二〇年目標を確実に達成するため、官民の連携を一層強化し、科学的知見の更なる集積を図るなど、スクリーニング評価・リスク評価の効率化と加速化を進めること。そのため、取組の工程をより具体的に明らかにするとともに、所要の予算の確保・体制の整備に努めること。 右決議する。 以上でございます。 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(小林正夫君) ただいま石上君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(小林正夫君) 多数と認めます。よって、石上君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、世耕経済産業大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。世耕経済産業大臣。
○国務大臣(世耕弘成君) ただいま御決議のありました本法案の附帯決議につきましては、その趣旨を尊重してまいりたいと考えております。
○委員長(小林正夫君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小林正夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後二時二十二分散会