議院運営委員会 第21号
- 発言数
- 112 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 2017/05/10
会議録
○委員長(山本順三君) ただいまから議院運営委員会を開会いたします。 まず、小委員長の補欠選任についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い庶務関係小委員長が欠員となっておりますので、この際、小委員長の補欠選任を行いたいと存じます。 選任は、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山本順三君) 御異議ないと認めます。 それでは、庶務関係小委員長に佐藤正久君を指名いたします。 ─────────────
○委員長(山本順三君) 次に、本日の本会議の議事に関する件を議題といたします。 事務総長の説明を求めます。
○事務総長(郷原悟君) 御説明申し上げます。 本日の議事は、最初に、日程第一ないし第四を一括して議題とした後、外交防衛委員長が報告されます。採決は四件を一括して行います。 次に、日程第五について、経済産業委員長が報告された後、採決いたします。 なお、本日の議案の採決は、いずれも押しボタン式投票をもって行います。 以上をもちまして本日の議事を終了いたします。その所要時間は約十分の見込みでございます。
○委員長(山本順三君) ただいまの事務総長説明のとおり本日の本会議の議事を進めることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山本順三君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 なお、予鈴は午前九時五十五分、本鈴は午前十時でございます。 暫時休憩いたします。 午前九時四十一分休憩 ─────・───── 午前十時十五分開会
○委員長(山本順三君) ただいまから議院運営委員会を再開いたします。 まず、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 人事官及び原子力規制委員会委員長の任命同意に関する件のため、本日の委員会に参考人として人事官候補者・人事院総裁一宮なほみ君及び原子力規制委員会委員長候補者・原子力規制委員会委員更田豊志君の出席を求め、所信を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山本順三君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(山本順三君) 次に、人事官及び原子力規制委員会委員長の任命同意に関する件を議題といたします。 候補者から所信を聴取いたします。 まず、一宮なほみ君にお願いいたします。一宮なほみ君。
○参考人(一宮なほみ君) 一宮なほみでございます。 本日は、所信を述べる機会を与えていただき、誠にありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします。 国家公務員制度は、行政運営の基盤となる重要な制度であり、国家公務員法は、国民に対して公務の民主的かつ能率的な運営を保障することを基本理念としております。 この基本理念の下で、全体の奉仕者である国家公務員の人事行政の公正を確保するため、また、労働基本権制約の代償機関としての役割を担うため、中立第三者機関としての人事院が設置されているものと認識しております。 このように重要な使命を持つ人事院を構成する人事官には、その重い職責に照らして、公正な姿勢と高い倫理観が求められるとともに、公務員制度や職員の人事管理についての高い専門性も求められていると考えます。 私は、裁判官として司法に携わり、その後、平成二十五年六月に人事官に任命され、平成二十六年四月からは人事院総裁として国家公務員の人事行政に携わり、地域間、世代間の給与配分の見直し等の国家公務員給与における諸課題に対応するための俸給表や諸手当の在り方を含めた給与の総合的見直し、配偶者に係る手当をめぐる状況の変化等を踏まえた配偶者に係る扶養手当の見直し、働き方改革の推進に資するフレックスタイム制の拡充、女性の採用、登用の拡大などの人事行政施策の推進に取り組んでまいりました。 国家公務員の人事行政については、時代の要請や変化に対応して様々な課題があり、国民の公務や公務員に対する目には引き続き厳しいものがあります。このような状況にあって、全ての国家公務員が自らの役割と使命を深く自覚しつつ、高い専門性を発揮して国民の期待に応えていくということが強く求められています。人事院としても、人事行政の専門機関として、長時間労働の是正、仕事と育児や介護との両立支援などの働きやすい勤務環境の整備、多様な有為の人材の確保、人材育成などの課題に取り組み、その責務を適切に果たし、現在の諸課題にも関連して、採用から退職に至るまでの公務員人事管理全般にわたって国家公務員法の趣旨が実現されるよう、取組を進めてまいりたいと考えます。 仮に人事官に再任されました場合には、国民の代表である国会での御議論を始め、国民各層や関係各方面の御意見に謙虚に耳を傾けながら、お二人の人事官と協力して、重大な責務を果たすべく、全力で職務に取り組んでまいりたいと存じます。 以上、簡単ではございますが、私の所信を述べさせていただきました。本日は、このような機会を与えていただき、ありがとうございました。
○委員長(山本順三君) 次に、更田豊志君にお願いいたします。更田豊志君。
○参考人(更田豊志君) 更田でございます。どうぞよろしくお願いいたします。 私は、原子力規制委員会の委員となる前、およそ二十五年間にわたって事故時の核燃料挙動などを中心に原子炉の安全研究に携わってまいりました。長年原子力に関わってきた者の一人として、あのような事故に至ってしまったことに対し、強い衝撃とともに、事故以前に強く声を上げることはできなかったのかという後悔と反省を覚えました。 その後、原子力規制委員会発足とともに委員に任命され、東京電力福島第一原子力発電所事故のような原子力災害を二度と起こさないとの決心の下に、新規制基準の策定、原子力発電所の審査などに当たってまいりました。 田中現委員長は、福島県出身ということもあって、福島の県民の方々に寄り添う気持ちを強く持って委員長としての職務に当たっていることを、私もこの四年半余り、近くでずっと感じていました。たとえ委員長が替わっても、原子力規制委員会にとって福島に対する強い思いを持ち続けることが重要であると考えています。 福島第一原子力発電所では困難な廃炉作業が続いています。今後、作業の困難さは一層高まるものと思われます。一方で、現場の方々の努力によって、海側遮水壁の完成、海水配管トレンチの処理、汚染水の処理や滞留水の汚染低減などの進展も見られており、プラントのリスクは事故当初に比べると大幅に低減されていると考えています。しかしながら、事故の傷痕をさらし、おびただしい数のタンクが並んでいる福島第一原子力発電所には多くの方々が不安を感じています。原子力規制委員会が、福島第一原子力発電所の現状とリスクとを可能な限り正確に分かりやすく情報発信する努力を強めていきたいと考えています。 福島第一原子力発電所に加え、「もんじゅ」、東海再処理工場などの廃止措置についても、原子力規制委員会は、安全で効率的な作業が進むよう、科学的に合理的な規制を進めていく所存です。 原子力発電所や再処理施設などの新規制基準への適合性審査に当たっては、そのプロセスの透明性を維持しつつ、科学的・技術的知見に基づいた厳正な審査を進めてまいります。また、新規制基準や審査ガイドについても、常に最新の知見に学ぶ姿勢を忘れず、必要かつ適切な改善に努めます。 IAEAによる規制レビュー、IRRSの指摘に基づき、検査制度の革新、RI規制の強化などを目指した法改正を今国会で御審議いただき、お認めいただきました。新しい検査制度の下で原子力施設に対する監視を強化、効率化するためには、人材の育成はもちろんのこととして、安全文化の醸成、リスク情報の活用、適度な緊張感を持った事業者とのコミュニケーションを進めることが重要だと考えております。 原子力規制委員会は、福島第一原子力発電所事故の教訓に基づき、独立した規制機関として設置されました。これまで、高い透明性の確保や、国内外で起きた教訓事例、最新知見の規制への反映に努めてきました。福島第一原子力発電所事故の記憶はいまだに鮮明であり、原子力規制委員会の活動が高い注目を集めてきたこともあり、委員長、委員、規制庁職員の使命感、責任感は高いレベルで維持されてきたと思っています。しかしながら、人間は忘れやすい存在だということも事実です。原子力規制委員会は、福島第一原子力発電所事故の教訓を個人の記憶のみにとどめず、組織的な記憶にしていく必要があります。 安全の追求に終わりはないという初心を忘れず、常に自らに問いかけ、慢心を戒める姿勢を組織として保つには、強いリーダーシップを持って取り組むべきであると考えております。 私は、原子力規制委員会の委員長を拝命した場合には、他の委員、規制庁職員と協力し、原子力規制委員会設置法にのっとり、独立性と透明性の確保を基本として、国内外から信頼の得られる原子力の安全規制の実施に最善を尽くしてまいる所存であります。 どうもありがとうございました。
○委員長(山本順三君) 以上で候補者からの所信の聴取は終了いたしました。 速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(山本順三君) 速記を起こしてください。 まず、人事官候補者に対する質疑を行います。 質疑を希望される方は、挙手の上、委員長の指名を受けてから御発言いただくようお願いいたします。 なお、質疑及び答弁の際は着席のままで結構でございます。 それでは、質疑のある方は順次御発言願います。
○伊藤孝恵君 民進党・新緑風会の伊藤孝恵でございます。 本日は、貴重な質問の機会をいただき、ありがとうございます。 一宮参考人、下町生まれの下町育ち、三社祭ではみこしを担ぎ、息子さん二人を育てながら時に徹夜でお仕事をされて、そして歴代二人目の女性高裁長官、そして女性初の人事院総裁の道を歩まれました。参考人は、平成二十五年の所信の中で女性の登用を大きなテーマだとおっしゃいました。今日の所信の中でも触れられておりました。 まさに、女性不在の議論の弊害というのは、今この国の待機児童問題ですとか少子化問題始め多くの問題が物語っております。急いで何とかしないといけないのに、やはりガラスの天井と申しますか、そういったものがあるですとか、与党の女性議員の先生では、さびたはしごは上れないとおっしゃったような方もいらっしゃいました。 参考人は、女性だからですとか母だからという部分で、そういった制限とか息苦しさを感じたことというのはございますでしょうか。また、もしあるのであれば、そういったものをどうやって乗り越えていったらいいのか、私も、二歳と四歳を育てながら仕事との両立に四苦八苦している一人でございますので、御所見を伺えればと思います。
○参考人(一宮なほみ君) 前回の所信のときにも申し上げたんですけれども、私は、特に仕事をしている上で女性であるということを意識して仕事をしてきたわけではありませんので、女性であるということによってそれほど困ったことに遭遇したというような経験はなかったのですけれども、私が研修所の教官を女性として初めてなったり、それから今御紹介いただいたように高裁長官になったりした、そういうことによって後に続く女性の裁判官たちが非常に喜んでくれまして、励みになったということがあったのはとてもうれしく思っています。 また、平成二十六年に総裁に任命していただきましたときにも各方面からとても喜んでいただきましたので、それがとても私としてもやりがいであり、また一層頑張っていかなくてはいけないなというふうに考えた次第です。 子育てはそれほど、子育てをしながら仕事を続けるということはやはり大変な苦労はあったのですが、もう過ぎてしまうといろんなことを忘れてしまうなということで、若い方たちには、今は大変でも先が長いことだから、それほどほかに迷惑を掛けるのではないかというようなことで心配しないで頑張るようにというふうにアドバイスをしたりなどしております。
○伊藤孝恵君 では次に、検事というドラマを見て社会正義のために検察官を志されたという参考人に是非ともお伺いしたいんですけれども、共謀罪についての昨今行われております議論とかそういったもの、刑事局長の答弁さえ今ぶれているというような、そんな状態で今議論が進んでおりますけれども、そういったものをどういうふうに御覧になっておりますでしょうか。
○参考人(一宮なほみ君) 所管外のことでございますので、この場で私の立場として意見を申し述べるのは差し控えさせていただきたいと思います。 特に、私は裁判官を長くやってきておりますけれども、民事の裁判官中心としてやってきておりますので、刑事の方には余り明るくないので、申し訳ございません。
○伊藤孝恵君 では、所管内のことを。 文科省の組織的天下りあっせん問題など、構造的な問題が明らかになっておりました。明らかになったのはまだましな方ということで、国家公務員法で義務付けられている内閣人事局への再就職の届出をしていなかったOBも続々と出てきております。 知見の活用というのに異論は全くございません。ただ、疑義が出ないことが大切だというふうに思います。どのように天下り問題の解決など尽力されていくのか、そういったところを御所見を伺いたいと思います。
○参考人(一宮なほみ君) 国家公務員の再就職について問題なのは、官民の癒着につながりかねない公務員OBの口利きや、予算や権限を背景にした再就職のあっせん等の不適切な行為であると考えております。一方、法令に違反することなく再就職をして、公務で培った経験や能力を生かして社会貢献するということは非常に有用なことであるというふうに考えています。 国民の信頼を回復して、そしてそれを確立できるよう、採用から退職に至るまでの人事管理全般について国家公務員法の趣旨が生かされるように、各府省と連携を取りながら再発の防止に努めていきたいというふうに思います。
○伊藤孝恵君 御差配を心から願っております。 では、きっと最後の質問になります。 森友学園問題等で、会計検査院が公文書管理法の趣旨に照らして交渉記録の破棄が不適切だった可能性を指摘しております。これは財務省とは異なる見解を示しました。 参考人は、苦しい答弁を繰り返す各府省職員をどういったお気持ちで御覧になっているんでしょうか。私は、本当に日本の宝のような頭脳だと思いますので、そういった苦しい答弁を繰り出すために使うのではなくて、もっと別のところに使っていただきたいなというふうにいつも思います。 その点を伺って、終わりにしたいと思います。お願いします。
○参考人(一宮なほみ君) 国会での答弁は、国家公務員にとっても、参考人として質疑に答えるということは大変重要なことであるというふうな認識で全職員がいると考えております。そういう意味では、それぞれの立場でそれぞれの誠実な答弁をしているものと考えておる次第でございます。
○伊藤孝恵君 是非、一宮参考人の方からも、本当に誠実な答弁、参考人だけでなくこれは議員にも言えることだと思いますけれども、ここは立法府だというところを鑑みて真摯な答弁をお願いしたいというふうに私からも思って、質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平でございます。一宮参考人、どうぞよろしくお願いいたします。 そもそも憲法二十八条と公務員の労働基本権の回復問題について参考人がどうお考えか、まずお尋ねしたいと思うんですけれども、憲法二十八条に照らしても、また、ILOの度重なる勧告など国際労働基準に照らしても、労働基本権を奪われた状態にある我が国の国家公務員の地位には重大な問題があると私は思っております。 私は、労働基本権の早期かつ完全な回復が必要だと思うわけですけれども、この問題について、また人事院の役割についてどのようにお考えでしょうか。
○参考人(一宮なほみ君) 労働基本権回復ということは一つのお考えかとは思いますけれども、公務部門の労使交渉においては、やはり民間と異なって給与決定に市場の抑制力が働かないということ、また、勤務条件が法定主義ということで、国家公務員の給与は国会のコントロールの下に置かれていることによって使用者側の当事者能力に限界があるのではないかという難しい論点が指摘されているということでございますので、これらの論点について十分な議論を行った上で国民の理解と納得を得る必要があるわけですけれども、いまだそのような議論が尽くされたという状態にはないと思いますので、引き続き人事院において労働基本権制約の代償機能を果たしていくということが必要であるというふうに考えております。 また、ILOの方からの勧告については承知しておりますけれども、我が国においては、人事院がしっかりと労働基本権の代償機能を適切に果たしているということについてILOに説明していただき、理解を求めていくことが重要であるというふうに考えております。
○仁比聡平君 そうしたお考えの下での人事院の代償機能と参考人がおっしゃっている関連になるんですが、御案内のように、参考人がまだ人事官になられる前ではありましたけれども、マイナス勧告が行われましたし、その後、人勧水準をはるかに超える平均七・八%の給与削減という公務員労働者にとっての不利益が言わば政府によって強要されたという経過もあります。 参考人が人事院総裁となられた後に、二〇一四年の人勧に基づくいわゆる給与制度の総合的見直し、これ現実に具体化されてきて、私からすれば、労働基本権を回復しないまま不利益を強要するということになってはいないのか、職務給原則を損なって勤務地による地域間格差が拡大をする、年齢による賃金格差がつくられるということになっているのではないのか、これは現場の公務員労働者の皆さんからも強い声が上がっているわけですね。 参考人は、これがどうして労働基本権制約の代償機能と言えるとお考えなんですか。
○参考人(一宮なほみ君) まず、マイナス勧告とか二年間の給与削減の点についてでございますが、これについては、やはり労働基本権制約の代償機能としての人事院勧告は最大限尊重されるべきであるので、これを実現していただくということが基本であるというふうに考えております。政府も現実にそのような立場に立っておられると思いますけれども、給与削減の特例措置につきましては、東日本大震災に対する復興という目的のために、二年間に限った臨時的な措置として政府及び国会において判断なされたということだというふうに理解しております。 また、給与の総合的見直しの関係でございますけれども、やはり民間給与の低い地域を中心として、国家公務員の給与は高いのではないかという声がございますので、その辺りに考慮して、そしてそういう形で給与の地域配分見直しをしたというようなことでございます。また、そのときに、高齢者の方の給与を抑えて若い人たちの方に主にやるということで、給与カーブをフラット化したり、そういう形をしたものでございますので、決してこれが人事院の労働基本権制約の代償機能を損なうものであるというふうには考えておりません。
○仁比聡平君 先ほど、公務員の労働関係において市場抑制力が働かないという点を特におっしゃったわけですけれども、市場抑制力ではない何だか別の力がこの公務員の賃金体系などの問題について働いていやしないかということもちょっと私、思うわけですが、ちょっとそれは感想にとどめまして。 もう一点、国家公務員の職場で非常勤、非正規の職員さんがどんどん増えているということを私、随分懸念をしているんですが、その下で、均等待遇だとかあるいは期間の定めのない雇用への転換といいますか、こうした課題というのをどんなふうに認識され、取り組もうとしておられるか、伺いたいと思います。
○参考人(一宮なほみ君) 非常勤職員の給与に関しましては、人事院は平成二十年八月に各府省に対して指針を発出して、その後も運用状況の調査をしております。それによると、おおむね指針どおり運用されているということが確認されております。 また、非常勤職員の処遇についてでございますが、これ、非常勤職員は業務の必要に応じてその都度任期や勤務時間が定められて任用されるという性質がございますので、それを踏まえまして、民間の同様の労働者の状況との均衡等を考慮した必要な措置をするということを行っております。ただ、現在は、民間においても、また公務においても同一労働同一賃金というようなことで問題が指摘されているところでございますので、この点についてはよく注視していきたいと思います。 また、非常勤の職員から正規職員へ移すことはできないかという点でございますが、国家公務員は試験において採用するということが原則となっておりますので、この辺りは試験を受けていただいて、経験者試験というものもございますので、そういう形で採用するということになっておりますので、その辺りについては御理解いただきたいと思います。
○仁比聡平君 官製ワーキングプアと呼ばれるような実態はしっかり正していく責任が人事院にはあるということを私は強く申し上げて、質問を終わります。
○東徹君 日本維新の会の東徹でございます。 今年、昨年と公務員の人件費引上げについては、我が党としましては反対をしてまいりました。それは、今の日本の経済情勢を考えたときに、決してまだデフレから脱却ができていないという状況、そして実質賃金がなかなか上がっていない、そしてまた我が国の財政状況、そういったものを踏まえた上で考えたらやっぱり引き上げられないだろうと。また、更に言えば、東日本大震災を受けて国民には復興のための特別税を強いているというふうなこともあって、これまで反対をしてまいりました。 先ほど一宮総裁の方から話がありましたけれども、まず、我々としてはこの人事院の勧告制度について今いろいろと問題意識を持っております。先ほど、最初のお話の中に、様々な課題がありますというふうなお話をお伺いいたしました。どういった課題があるというふうにお考えなのか、まずお聞きしたいと思います。
○参考人(一宮なほみ君) まず、現在の若年人口が減少しておることとか、少子化によって地元志向が高いこと、また、景気が良くなったことによって民間との競合が激しくなったことという問題などがありますので、優秀な人材の確保ということが一つございます。 また、今も一番問題となっております働き方改革、勤務条件を、勤務環境を良くしていくということ、特に長時間労働の縮減というのも大きな問題でございます。 また、年金の支給年齢の開始引上げによって問題となってきます雇用と年金の接続の問題、退職後の雇用の問題等、課題がたくさんあるというふうに考えておりますので、今後検討していきたいというふうに思っております。
○東徹君 人事院勧告制度には触れられなかったんですけれども、人事院勧告制度についてはどのような課題があるというふうにお考えなのかなと思ったんですけれども、我々としましては、この人事院勧告制度ですけれども、民間給与の実態調査についてでありますが、調査対象が企業規模五十人以上かつ事業所規模が五十人以上の事業所というふうにされておるわけですけれども、実際には調査対象に入らない事業所の正社員もカウントしたものであって、実際の調査対象の人数とは異なるというふうに考えておりまして、この五十人以上の今の民間給与の実態調査の在り方について、これを検討していこうというお考えはありませんでしょうか。
○参考人(一宮なほみ君) ただいま御紹介いただきましたように、人事院勧告調査対象は五十人規模ということを中心としてやっておりますが、この理由は、やはり国家公務員と民間との比較をする場合に、同種同等の者同士の比較をしなくてはいけないということでございまして、その規模であれば役職段階が公務と同じような役職段階を持っているということ、また、現地調査をしておりますので、精緻な現地調査に基づいて正確な調査というものがその規模であればできるというようなことからその規模にしておりますけれども、これらにつきまして、調査対象をどういうふうにするかということについては、これまでもいろいろと改正をしてきたところでございますので、今後もいろいろな御意見を踏まえて検討はしていきたいと、変えるべきところがあれば変えていきたいというふうに考えております。
○東徹君 今、現地調査というふうなお話をされましたが、どれぐらいのところに、何か所ぐらいに現地調査行かれるのか、教えていただきたいと思います。
○参考人(一宮なほみ君) 現地調査は全企業のおよそ一割ぐらいのところを調査の対象としているというふうに考えております。 これは、全部実地調査というわけではないんですけれども、大部分、かなりの数の、今ちょっと手元に資料がないんですけれども、数を調査をしているということでございます。
○東徹君 より民間給与の実態調査を反映させていくのであれば、やはり企業規模五十人以上かつ事業所規模で五十人以上の事業所というのではなくて、もっともっと、私どもとすれば、一人以上の正社員がいれば、そういったところも含めて給与の実態調査をすべきというふうに考えておりますが、その点についていかがでしょうか。
○参考人(一宮なほみ君) 様々な御意見がございまして、これでも企業規模としては小さ過ぎるというような御指摘もいただいているところでもございます。いろいろな考えがあろうかと思いますが、現在、人事院といたしましては、このやり方が適切であるというふうに考えているところでございます。
○東徹君 国家公務員の人事評価ですけれども、給与や処遇に適切に反映されていなくて、大多数が毎年四号俸昇給などすることになっておりますけれども、このような人事評価制度についてはどのようなお考えか、お伺いしたいと思います。
○参考人(一宮なほみ君) 人事評価制度は施行されてもう大分なるので、慣れてきたところであるというふうに考えております。採用年次や採用試験の種類にとらわれず、職員の能力、実績に基づいた配置、処遇を行うということが職員の士気を高めているということにつながると思います。 人事院が本年二月に、本省だけではございますけれども、行政職(一)の職員全員に対して実施いたしました意識調査におきましても、人事評価制度の理解度、それと納得感については肯定的な回答が多かったということでございますので、順調に実施、運用がされているものと理解しております。
○東徹君 人事官は裁判官御出身ということでありますけれども、民間の給与の在り方とか、それから評価の仕方とか、そういったことについていろいろと理解していこうというような取組というのはなされてこられましたでしょうか。
○参考人(一宮なほみ君) 私は、先ほども申し上げましたように、民事裁判官としての経歴が長かったものですから、民事裁判を担当しておりますと、本当に様々な御苦労がある方たちを、何とか先々うまく生活をできるような工夫、法律的には難しくても、何とか、話合いとか、相手と、理解して助けてもらえるような和解など、説得して、理解するように努めてまいりました。そういう意味では、私自身は裁判官として守られた中で仕事をしてまいりましたけれども、そうした方たちの気持ちに寄り添った仕事をしてきたというつもりでおります。
○東徹君 時間ですので、終わらせていただきます。ありがとうございました。
○足立敏之君 自由民主党の足立敏之でございます。 一宮人事院総裁には、お忙しい中御出席をいただきまして、ありがとうございます。 私は、建設省、国土交通省で土木の技術屋の国家公務員として長らく勤務をしてまいりました。そのような立場ですので、人事院の皆様には是非現場をよく知っていただきたい、常々そういうふうに思っておりました。そうした経験を踏まえまして今日は質問をさせていただきたいと思います。 まず、一宮参考人には、既に四年間人事官として、そして三年間人事院総裁としてお務めをいただきました。この間の実績につきましては手応えを感じておられると思いますけれども、何かやり残したことがあるとか思っていらっしゃることがあればお教えいただきたいと思います。 また、やり残したことがあれば、そのやり残したことに対してどういうふうにこれから取り組んでいかれるおつもりなのか、その点もお聞かせいただきたいと思います。
○参考人(一宮なほみ君) 先ほども今後の課題ということの御質問の中でお答えしたわけですけれども、その中でも、一番これから力を入れていきたい、特に女性の登用拡大のためにも考えていきたいと思うのは、やはり長時間労働の縮減ということでございます。 これまでも、長時間労働の縮減については、人事院としては、指針を出しまして、目安時間なども決めて各府省に対して遵守努力をお願いしてきたところではございますが、何分にも、公務におきましては、少ない人員の中で、自然災害に対する対応とか、それから法案の作成だとか対外交渉だとか、また国会に対しての対応だとか、他律的な業務が多い部署も多いものですから、引き続き、関係各方面の理解と御協力を得ながら、長時間労働縮減に努めていきたいというふうに考えております。
○足立敏之君 ありがとうございました。 引き続き、再任されれば、しっかり取り組んでいただきたいというふうに思います。 次の質問に参りますが、先ほども申しましたけれども、私は、建設省、国土交通省で長年勤務をしてまいりましたので、やっぱり現場の把握というのが非常に重要なことだというふうに思っています。 余り光は当たっていないんですけれども、水害とか大規模な地震災害などが起こりましたら、被害状況の把握とか崩れた土砂の除去、アクセス道路の確保、壊れた堤防の修復、そういったことを一生懸命現場でやっている国家公務員、国土交通省職員がおります。しかしながら、災害の現場というのは、なかなかマスコミの皆様も危険で入っていけない、そういったことがありますので、ほとんどそういった行動、活動が報道されませんし、国土交通省の職員がそんなところで頑張っているというのを知っている方々はほとんどいらっしゃらないのが実情です。 そんな中で、私、大変うれしかったのは、人事院総裁賞というのがありまして、頑張った公務員が励まされ勇気付けられるすばらしい賞だと思っております。この賞をいただいた方々は、天皇皇后両陛下に御接見を賜りまして、励ましのお言葉もいただく機会もあります。大変光栄な賞だと思っております。 私は長らく防災の仕事をしてまいりましたので、頑張っている防災分野の皆さんに是非とも人事院総裁賞を授与していただきたいなというふうに思っておりましたけれども、期待どおりでございまして、ここのところ、平成二十七年の広島豪雨災害のときの中国地方整備局、それから平成二十六年の伊豆大島の豪雨災害の関東地方整備局、それから平成二十四年の東日本大震災の東北地方整備局、そういった方々に人事院総裁賞をいただきました。 また、私が四国地方整備局長というのをしておりましたときに、余り地道な取組で目立たないんですけれども、瀬戸内海の浮遊ごみあるいは油、こういったものの回収を行っていた部下の海洋環境整備事業グループというのが人事院総裁賞をいただいて、みんなでお祝いをしたという経験もございます。目に付きにくいそういった現場によく目配りをしていただいたというふうに、本当に感謝をいたしておりますし、これからも頑張っている方々が報われる、そういう人事院総裁賞であるように取り組んでいただきたいと思います。 もう一点ですけれども、公務員の災害対応のときの手当というのがございますけれども、国土交通省職員は、自衛隊、警察、消防の皆さんと同じように災害対応を実はしておるんですけれども、実際にその災害の現場に駆け付けたときの手当というのが必ずしも十分ではない、そういうふうに私なんかは思ってきておりましたけれども、実は、先ほど言いました平成二十六年の広島の土砂災害のときには、危険な渓流で活動するテックフォースの皆さんに危険手当を認めていただきました。私も感謝をいたしておりますけれども、災害現場で対応している皆さんに幅広く今後とも適用していただければ有り難いというふうに思っております。 いずれにいたしましても、なかなか目の届いていない、そういう現場に光を当てていただいたということは高く評価いたしておりますけれども、人事院総裁という立場で、そういった災害現場の実情など直接目にすることがなかなかできないようなところの実情をどうやってこれまで把握してこられたのか、お聞かせいただければと思います。
○参考人(一宮なほみ君) 私は人事院に来る前は東北の高裁長官をしておりまして、まさに平成二十三年三月の十一日には高裁の建物の中で執務をしておりましたので実際に直接被害に遭ったわけですけれども、その後も一か月後ぐらいから被災地現場をいろいろと次々と回りまして、つぶさにその現場の状況も見ておりますし、そこで自分も被災者でありながら家族と離れて復興作業に従事する職員の人たちをたくさん見て、励ましてまいりました。 また、人事院総裁になりましてからも、広島や常総市の被災現場には直接視察に伺っておりまして、職員の方たちだけでなくて近隣の住民の方たちの御苦労等も直接伺っております。熊本にはまだ伺っていないんですけれども、職員を派遣いたしまして詳しい報告をもらっている次第で、自分が経験したからではないですけれども、非常にそういったことに対しての関心は高いので、直接足を運ぶようにしております。 また、先ほどお話がありました、いろいろな現場にも直接足を運ばせていただいて、本当に何十メートルも下のトンネルの中にも入らせていただきましたし、お話のありました、海の油の実際に作業をやっている船にも乗せていただいて確認をさせていただいております。
○足立敏之君 ありがとうございます。 引き続き、しっかり現場の把握に努めていただきたいと思います。そうやって現場に光が当たれば、僕も国家公務員になって頑張ろうと思う若い優秀な人たちも入ってきてくれるんではないかというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。 ありがとうございました。
○吉川沙織君 民進党の吉川沙織です。 今、一宮参考人、所信の中で、働き方改革に資するフレックスタイム制の拡充等を図ってきた、こういう御発言がございました。実際、平成二十七年八月六日の人事院勧告の中でフレックスタイム制の拡充というのが盛り込まれて、平成二十八年一月の常会冒頭、法律第一号として改正給与法が成立をして、その中にも実際これが盛り込まれて制度は始まっています。 ただ、昨年十一月二十四日、参議院総務委員会で、私、このフレックスタイム制の利用状況、国家公務員と地方公務員分、それぞれ内閣人事局と総務省に尋ねましたところ、地方分は把握されていたんですが、国家公務員分は、アンケート調査こそ行っているものの、把握はされていないようでございました。把握すべきと考えますが、いかがでございましょう。
○参考人(一宮なほみ君) フレックスタイム制は、柔軟な働き方を可能にする観点から非常に重要な施策でもありますし、特に女性の登用、活躍に向けても非常に便利な制度でございます。 そういう意味では、活用は促進するべきだというふうに思っておりますし、かなりフレックスタイム制、利用している者も多いというふうに認識しておりますが、まだ、どのような形が一番フレックスタイム制として工夫できるのかと、そういったことについて、現実に実行した上で、各府省で運用することによってどういう形の工夫例があるかということを人事院としては集めた上で、また各府省に提案していきたいというふうに考えておりますので、把握することは大事であるというふうに考えております。
○吉川沙織君 施行されてから間がないのは事実でございますけれども、昨年十一月二十四日現在で、総務省の方では各自治体に聞き取りをしてしっかり答弁があったんですが、内閣人事局の方はアンケート調査の結果だけでございましたので、より良い制度をつくっていただいたのであれば、それが使われなくては意味を成さないと思いますので、是非把握をするよう進めていただければと思います。 それでは次に、前回、一宮参考人は、平成二十五年五月二十四日、当参議院議院運営委員会の質疑の中で人事評価についてこうおっしゃっています。「能力・実績主義のその徹底というものを、まだまだ現場が不慣れでございますので、その辺りが本当に適切な評価ができているのか、それから、それに基づく処遇がきちんとできているのかということをしっかりと検証してまいりたいと思います。」。 あれからもう四年たっております。先ほど、本年二月、行(一)の職員を対象に意識調査を行ったとございますが、それ以外で、平成二十五年の所信の質疑からこの間、そういう人事評価に対して検証というものを、一宮参考人、行われましたでしょうか、お教えください。
○参考人(一宮なほみ君) 特に人事評価に特化した調査等は行っておりませんが、優秀な職員を採用して、そしてこれをどのように育成していくかということが大きなテーマの一つでもございますので、それを考える過程において、非常にこの人事評価の在り方がどういう形にあるのが一番適切であるかということについては、各府省等と聞き取りもしながら協議、議論などをして、昨年の、人事院が年に一回国会と内閣に報告しております年次報告書の中でも取り上げまして、詳しく説明したりなどしているところでございます。
○吉川沙織君 今ほど引用しました平成二十五年の当議院運営委員会の会議録では「まだまだ現場が不慣れでございます」と答弁をされて、今ほど、これまでの質疑の中で、人事評価に関する質疑の中では、慣れてきた頃とありました。 この四年間で随分人事評価制度というのは国家公務員の中でなじんだという、こういう認識でいらっしゃいますか。
○参考人(一宮なほみ君) 先ほどもお話しいたしました意識調査を行うときに、やはり職員の不満というのは、人事評価が適切になされていない、それによる処遇が適切になされていないという意識が強いのではないかという問題意識を持ちながら調査したわけですけれども、担当した職員一同意外に思ったのが、先ほども御紹介いたしました、人事評価の制度についての理解度と納得感についての満足度がかなり高かったものですから、ああ、これはやはり大分この人事評価制度が浸透してきて、それぞれの上司、評価者の方が慣れてきて、よく職員と話し合いながら実施している、運用が適切になされているのだなというふうに納得した次第でございます。
○吉川沙織君 官と民と公に分けるならば、国家公務員なんかは官の最たるものだと思います。一時期から成果主義ですとか人事評価の考え方が一気に社会に浸透してきて、私が前に勤めておりました会社でも、どちらかといえば公的な分野を担う企業だったんですが、私が在職していた途中から成果主義に基づく人事評価が入ってきました。 民や公までならいいと思うんですが、実際、市場原理になじまない様々な公的な仕事を担う国家公務員にとって人事評価制度というのは果たして本当になじむのかどうか、その点について、もし御見解があればお聞かせいただきたいと思います。
○参考人(一宮なほみ君) 成果主義に関しましては、確かに公務の場合には民間と違って数字で成果が出るというようなことでもございませんし、また、グループで仕事をするという組織的な仕事の仕方というのがあるので、必ずしも成果というものに特化した評価ということにはなじむものではないというふうに考えておりますが、やはりマネジメント能力のない者が上司にあっては困るので、そういう人たちは役職を付けるのではないというようなことなど、やっぱり適性というものに合わせた人事をしていく、そして、余り成果が上がらない、働きが悪いというような人にまで同じような形で処遇していくということについては、周りもよく見ていますので、士気が下がってくるのではないかという、そういう意味では人事評価制度というのは公務になじんでいくものであるというふうに考えております。
○吉川沙織君 私も、官、国家公務員の皆さん、もちろん私は営業でしたから数値で営業の売上げが出るので評価もしやすい側面はあったと思いますが、とりわけ国家公務員、公務部門においてはそれがしづらいのではないかと思います。 ただ、人事院としては、目標値を設定させて評価を行うという、こういう方針にかじを切っていますが、評価のため余りにも客観性に欠ける数値だけを偏重したり、数値の定義の曖昧さを放置したまま評価するのであれば、特に公務部門においてはかえって実態を反映しないものになる可能性が、おそれがあるという思いがありますので、そこはその辺も加味しながら、人事評価マニュアル、去年も改訂されて、今年も改訂されておられるようですけれども、それが本当に果たして実効を上げているのかどうかということも見ていきたいと思いますので、一宮参考人、もし人事院総裁にもう一度おなりになるのであれば、その辺も是非見て、公務員の評価制度をどこまでやるべきなのかということも加味しながら指揮を執っていってほしいと思います。 ありがとうございました。
○委員長(山本順三君) これにて人事官候補者に対する質疑を終了いたします。 一宮参考人に一言御挨拶を申し上げます。 今日は、大変御多忙の中、わざわざ御出席いただいて御意見を披瀝いただきましたこと、心から感謝を申し上げます。誠にありがとうございました。委員会を代表して御礼申し上げます。ありがとうございました。
○参考人(一宮なほみ君) どうもありがとうございました。よろしくお願いいたします。
○委員長(山本順三君) 一宮参考人は御退席いただいて結構でございます。 次に、原子力規制委員会委員長候補者に対する質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○田名部匡代君 民進党の田名部匡代でございます。 更田参考人、どうぞよろしくお願いいたします。 いろいろと今日何をお伺いしようかなと思って来たんですが、先ほど更田参考人の所信をお伺いしながら、この二十五年間、安全研究ということに関わりながら非常に強い使命感を持ってお仕事をされてきた、そういうことが伝わってまいりました。また、あわせて、福島に対する思いというものも伝わってきたわけでございますが、先ほどの所信の中で、六年前のあの事故を振り返り、後悔と反省、その思いがあるというふうにおっしゃっていました。 幾つかの要因はあると思うんですけれども、いろいろと振り返れば、例えばこれまでは推進と規制というものが同居をしていた、まさにしっかりとした安全規制がつくられずにきた、また、多くの人たちが、事業者も含めて安全神話というものに寄りかかってきたということもあるかもしれません。逆に、縦割り行政の弊害というようなこともあったのかもしれません。いろいろと振り返れば皆が反省しなければならない側面はあるのかもしれませんけれど、改めて、更田参考人がお感じになる後悔と反省ということについてどのようにお考えになっているのか。それはある意味、なぜあの事故が起きたのかということにもつながってくるのかもしれません。お聞かせをいただければと思います。
○参考人(更田豊志君) 福島第一原子力発電所事故に関しては、教訓を抽出するための様々な分析の努力も行われていますけれども、それ以前に、まず、とにかくあの事故が起きたときに感じた衝撃とまた後悔の念についてお答えをしたいと思います。 一つは、事故が起きたこと、事故の引き金を引いたことの自然現象そのものよりも、事故が起きた後の備えですか、対処、そういったものについて心構えを欠いていたと。これは、私たちは、将来を楽観視する、ないしは将来の危険性を割り引いて考える特性をどうしても持っています。ですから、まさかあのような事故は起きないだろうと。事故に対する備えは、安全の世界では事故は起きるものとして考えるというのが基本的な考え方ですが、そうはいっても、やはりあのような事故が起きたときに、例えば指揮系統にしてもそうですし、どのように住民の方々の被害をできるだけ防ぐのかといった観点も含めて、事故に対する備えは、あのような事故は起きないだろうという楽観に基づいた慢心があったものだと思っております。 基本的にこれは最も大きな反省ですし、また、住民の方々も含めて、一般の方々に対する原子力の説明も、先生御指摘のように、推進と規制とが一体になって、規制上の判断が出た後は、これだけやってありますから大丈夫ですという説明に規制当局自身も参加して行ってきた。これは、コミュニケーションの在り方として、むしろ副作用どころか反作用、悪いコミュニケーションの最たるものだと思っています。推進と規制が分離していなかったことの弊害はこのほかにも様々なところに見られますけれども、事故以前の反省としては、規制当局が安全神話の普及に手を貸していた側面があろうかと考えております。
○田名部匡代君 ありがとうございます。 今、参考人の、備えがなされていなかったということへの衝撃、私も同じ衝撃を当時受けました。震災対応に当たるに当たって、私は特に農林水産分野を担当させていただいたんですけれども、家畜の問題、作られた作物の問題、土壌の問題、水の問題含めて、それらをどう処分するのかということも何ら備えが、もう本当に、そのときを迎えて初めてそこからどうするかという議論が始まったということに対する衝撃を私も受けました。 そういう意味では、まさに先ほどの所信の中で安全の追求に終わりはないということをおっしゃっておられましたけれども、国も、また委員会も、そしてまた国民もなのかもしれません、事業者も、皆が一体となってあらゆる安全に対して、事故に対しての備えということを行っていかなければならないと思うんですけれども、そういう意味では国民の皆さんの理解ということも非常に重要であります。 先ほど、分かりやすい情報発信を行っていかなければならないというような趣旨のお話をされていました。なかなか、専門的な分野ですから、国民の皆さんに分かりやすくというのは、私もホームページを拝見しましたけれども、簡単には伝え切れないところもあるのかもしれません。それでも、より分かりやすくいろんなことを発信していかなければならないと思うんですが、その点について、何か今後工夫をしていこうだとか、お考えになっているようなことがあれば教えてください。
○参考人(更田豊志君) 技術的、科学的な問題についての分かりやすい説明というのは、ほとんど永遠の追求課題であろうと思っております。 これまでも、質疑応答形式、QA形式の資料等を整えて公開してまいりましたけれども、今後も、よりそういった資料の拡充、公開等を進めてまいりたいと思います。 一方で、審査などに当たる際の会合、これは公開をしておりますけれども、これは技術者同士のやり取りになりますので、恐らく一般の方々から見て何を話しているんだかというようなやり取りになるだろうと思いますので、審査会合そのものではなくて、私たちが行ってきた審査の内容ないしはこれからの検査の内容等々についてお伝えする努力は別途しなければならないんだろうと思います。 それから、どうしても技術者の説明というのは、あなたの意見が私と異なるのはこれについて御理解をいただいていないからですという説明のパターンになりやすいんですね。あるいは、正しく御理解いただければ必ず同じ意見になっていただけるはずですという説明の仕方で、これは根源的に上から目線なんです。 昨日ちょっと私は東京電力のことを上から目線の姿勢が強いと言ったんですけれども、それは東京電力だけに限ったわけではなくて、技術者や科学に携わる人間は、どうしても説明の際に、御理解いただけていないのでという説明の仕方になる。こういった説明というのは、一般の方からすると、入口で反発を感じられてしまうところがあると思います。 ですので、そもそも御説明するという言葉に多少の上から目線的な、何といいますか、感じがありますので、本当に注意して、なるべく多くの方々に響くような説明の努力は続けたいと思っておりますけれども、同時に、大変難しい課題だとも思っております。
○田名部匡代君 率直な御意見ありがとうございます。 科学的、技術的な専門的知見を大いに生かしていただきたいというふうな思いと、今お話を伺いながら、非常に謙虚なお気持ちを持たれていらっしゃることがよく伝わってまいりました。 是非、多くの国民が、皆が二度とあのような事故を起こしてはならないという気持ちになっている今、その期待に応えられるように努力をしていただきたいというふうに思いますが、最後に……
○委員長(山本順三君) もう時間が来ております。
○田名部匡代君 終わらせていただきます。どうもありがとうございました。
○山添拓君 日本共産党の山添拓です。よろしくお願いいたします。 私からも、初めに、福島第一原発事故を振り返りまして、先ほど来お話もありましたが、とりわけ原子力規制行政が反省すべき点はどのようなところだったかということについて伺いたいと思います。 三月十七日の前橋地裁の判決では、事故についてあるいは津波について国の予見可能性があったと、あるいは結果回避可能性があったと、これを認めて、あの事故は防げたんだと断じているところでもあります。 個別の問題についてはなかなか御発言難しいところもあろうかと思いますが、ただ、事故をもたらした国の責任、とりわけ規制権限の行使の在り方についてどのようにお考えでしょうか。
○参考人(更田豊志君) たくさんありますけれども、三つのことをお答えしようと思います。 一つは、規制行政の中での優先順位付けを誤っていた部分があると思っています。 本当に安全上重要なことではなくて、むしろ一般の方の関心の高いものであるとか、あるいは事業者の財産保護に関わるようなことの方に随分時間を費やしてしまって、真に安全上やらなければならないことの優先順位付けを誤っていた部分、それから、細部にこだわった細かい検討に非常に多くの時間を費やしていたというところがあろうかと思います。 二つ目は、先ほどの御質問の際にもお答えをしましたけれども、規制と推進の分離、これは行政組織としての体制だけの問題ではなくて、それぞれの責任に当たる者の意識の中でも極めて曖昧な部分があったであろうと思っています。 そうなりますと、どうしても事業者の経済的事情であるとかそういったものにしんしゃくしてしまって、きちんとしたセーフティーファースト、安全第一というものから離れてしまった部分というのがあろうかと思います。 それから、これは既に優先順位付けのときにもお答えしたことですけれども、やはりできることはさっとやるという迅速さ、これに欠けていたこと。さらに、もう一つ申し上げますと、緊急時のときの備え。端的に申し上げますと、当時の体制でいえば、事故のときに、緊急時対応に陣頭指揮を執るべきは原子力安全・保安院ですが、院長の方は事務官の方でしたし、一方、原子力安全委員会の方は諮問委員会としての認識しか持っておりませんから、いざああいった緊急状況下で自分たちが陣頭指揮を執るというような思いは恐らく持っておられなかっただろうと思います。 そういった意味で、本当にあのような災害が起きたときに、しっかりとした知識を持った者がどう対応するかという体制が本当の意味でできていなかったというのが大きな反省になろうかと思います。
○山添拓君 次に、新規制基準のことについて伺いたいと思うんですが、地震動の想定が過小評価である可能性があると、こういう指摘がされています。 名古屋高裁の金沢支部に係属している大飯原発の運転差止めの訴訟の控訴審で、四月二十四日ですが、島崎邦彦さんが証人として出廷をされて、地震動の想定に用いる関係式を変えれば大飯の基準地震動は大幅に引き上がる可能性があると、必要な審査がまだ行われていないと述べておられます。 島崎さんは元規制委員長代理で、大飯原発についても地震動や津波想定を審査した方ですので、その証言というのは重いのではないかと思いますが、こういう指摘を受けて、どのように更田参考人としては受け止めておられるでしょうか。
○参考人(更田豊志君) 個別の係争中の訴訟に直接関することはお答えできないですが、御質問にありましたように、島崎元委員長代理は、原子力規制委員会において特に地震に関わる部分について審査に当たっておられた方ですから、原子力規制委員会も、特に島崎さんを規制委員会に来ていただいて、実際御意見を伺って、委員長それから石渡委員の二人で島崎さんと会って、御意見を、どのような主張をされているかというのを伺いました。まずとにかく主張の把握に努めました。 その上で、私どもも、規制委員会、規制庁の中で島崎さんの主張について検討を進めましたが、まず私自身としては、今回の島崎さんの指摘には、科学的、技術的に見てかなり無理があるというふうに考えています。そして、既にこれは規制委員会として判断を下したことですけれども、現在の地震動の評価において島崎さんが主張されるような過小評価に当たる部分はないと判断しております。
○山添拓君 島崎氏は規制委員会を退任された後、様々研究されたり、あるいは熊本地震の観測データを踏まえて証言をされているということですので、先ほど更田参考人がおっしゃった常に最新の知見に学ぶ姿勢ということからすれば、やはりその意見について耳を傾けるに値するものではないかと思います。 もう一つ、新規制基準に関わって伺いたいんですが、火山対策についてですね。 これも、二〇一六年四月に川内原発の再稼働差止めを求める福岡高裁の宮崎支部の決定や、あるいは今年三月に伊方原発の再稼働差止めを求める広島地裁の決定で不合理だという指摘がされています。特に立地評価は、設計上は対応できない事態の発生を基準とする際に、火山の評価を誤ると火砕流が襲って重大な事故になりかねないんだと、しかし噴火の時期や規模を的確に予測することは困難だと。予測は可能だということを前提にした規制委員会の火山ガイド、これは不合理だとされています。火山ガイドそのものを見直すということは今検討されているんでしょうか。
○参考人(更田豊志君) これは火山活動に限ったことではありませんけれども、全ての基準、全ての審査ガイドにわたって、新しい学ぶべき科学的知見が得られた場合にはこれに沿って改善を進めるというのが基本姿勢です。 その上で、火山については、特に火山灰の密度、降下してくるときの密度に対して一般から御指摘をいただいたこともあって、これについては、現在、検討を進めて、規制の強化、必要な場合は規制の強化ですけれども、に向けた検討を進めております。二つの側面がありまして、どのくらいの火山灰密度を考えればいいのか、それから、どこまでの火山灰に個々の機器が耐えるのかといった議論は、まさに原子力規制委員会で現在行っているところであります。
○山添拓君 今の点は火山灰対策としての非常用ディーゼル発電機のフィルターの問題に関わってのところだと思いますが、是非、それは大事な指摘かと思います。 最後に一点、電源開発が青森県で建設している大間原発のことなんですが、これ、ABWRというんでしょうか、改良型の沸騰水型軽水炉だと呼ばれていて、世界で唯一建設中の型式だと伺っています。これはヨーロッパでは多国間設計評価プログラムの承認が得られていない、建設、運転の見込みが立っていないということも伺いまして、こうした国際的には承認されていない型式について、規制委員会として、世界最高水準だと、こういうことが果たして言えるのかどうか疑問があります。この点についての御意見を伺いたいと思います。
○参考人(更田豊志君) 今のABWRという型式でいいますと、柏崎刈羽の六、七号機がABWRです。それから、島根の三号機と志賀の二号機ですか、ABWRは国内で既に幾つもございますし、また、現在、英国、イギリスはABWRの建設に向けた検討を進めております。あと、ちょっとこれは不確かな知識ですけれども、恐らく台湾にもABWRがあったと思います。 御質問をいただいたのは、むしろフルMOXという、MOXを全ての炉心に入れて運転するABWRという意味では、御指摘のとおり、大間が世界で唯一のものです。まだ大間は運転に入っておりませんけれども、通常、炉心の三分の一ないしは四分の一にいわゆるプルサーマル燃料、MOX燃料を入れて運転をしている、この実績は国内でもありますけれども、フランス等々も炉心の三分の一ないし四分の一のMOX、フルMOXで運転するというのは大間が世界初になります。このために、制御棒の数であるとかフルMOX炉心に合わせた設計上の改良がされていますけれども、先生御指摘のように、大間が唯一のものであるのは事実です。 MOX自体は、言葉は乱暴ですけれども、福島第一原子力発電所事故のような事故に至ってしまったら、これはウラン燃料もMOX燃料もないような側面はあります。一方、それよりも、事故に至りやすさであるとか、あるいはそれよりも程度の軽い事故において、事故になってしまえばMOX燃料であろうとウラン燃料であろうと大きな差はないんですけれども、制御棒の効き等々が多少変わってきますので、大間の審査の中で、原子力安全委員会それから保安院の既に行った審査の中でそういった点については確認がなされています。 しかしながら、原子力規制委員会としてはまだ大間について審査に入っておりませんので、これは今後の審査の中を通じて検討を進めていくことになります。
○山添拓君 終わります。
○東徹君 日本維新の会の東徹でございます。 まず、東日本大震災について、我々もあの東日本大震災の瓦れきの受入れ処分をした経験が大阪でございまして、それを住民説明会とか開くと大変怒号の飛び交う、そしてまた、受け入れたことによって多くの方が、我々のところにも、本当にやめてくれというふうなことを言ってこられたという経験がございます。 我々の考え方としましては二点ありまして、そういった原発の処分、最終処分も含めて、どこかが受け入れていかなきゃならないという考え方を持っておりますし、そしてまた再稼働については、これはもう我々よりも原子力規制委員会の方々の方が専門的知識というのはやっぱりしっかりと持っておられるというふうに信じておりますので、原子力規制委員会が再稼働と決めた分には、それはそれなりの確実さがあるんだろうというふうに考えております。 その中で質問させていただきますけれども、まず、どのような見方をされているのかなというふうにお聞きしたいので、いまだに原子力の燃料の最終処分場がこれ決まっていないということについてどのように見ておられるか、お聞きしたいと思います。
○参考人(更田豊志君) 最終処分場の立地の問題に関しては、これは純粋に科学的、技術的な観点だけでは到底解決し得ない問題があろうと思っています。 私たちの責任は、最終処分場が安全に存在し得るような基準を作っていくこと、さらに監視をどう行っていくかというところが原子力規制委員会の責任でありますし、また、最終処分場の近くでといいますか、近隣の方々に対して、放射線と生活、それから放射線と人との在り方等々についても、これ、先ほど来お答えをしておりますけれども、きちんとお伝えすることは重要であろうと思っています。 一方で、立地が進まないこと自体に関しては、今ほどお伝えしましたように、技術的側面だけではなかなかお伝えできないところがありますので、これはちょっと規制委員会の守備範囲を超える領域にあろうかと思っております。
○東徹君 どのような思いで見ておられるのかなというふうに思いまして、お聞きさせていただきました。 地域原子力防災協議会のことについてお伺いをしたいと思うんですが、原子力発電所の所在する地域ごとにこの地域原子力防災協議会というのが設置されておるわけですけれども、現在は防災基本計画に記載がありますが、原子力災害に関する地域防災計画の作成支援を行っておるわけですけれども、この地域原子力防災協議会、これ、非常に役割としては大事だというふうに考えておるんですが、その役割の在り方、どのようにお考えか、お聞きしたいと思います。
○参考人(更田豊志君) 基本的に、防災計画は、これは一般防災でも同じことですけれども、地域の実情に最も精通をしている地方自治体が個々の防災計画をお立てになる、ただし、原子力の特殊性に鑑みて、今御指摘の地域原子力防災協議会であるとか、それから原子力規制委員会自身もですが、その基本的な考え方について指針を立て、またガイドを作りという意味での支援をすることは大変重要だと思っております。 さらに、我が国では、原子力災害が起きる場合、かなりの割合と言って差し支えないと思いますが、一般災害と重なる部分がありますので、まさに東日本大震災の場合は自然災害と原子力災害が重なる形になったわけですけれども、こういった側面で、今後、原子力防災とそれから一般防災との間の連携等々に関しても私たちも十分に努めていきたいというふうに考えております。
○東徹君 原子力に関する専門的知識が必要だということでございます。 原子力災害に関する地域防災計画についてなんですけれども、地域防災計画の作成に当たりましては、先ほどおっしゃられたように、原子力災害の特殊性というところ、そしてまた原子力に関するやっぱり専門知識、こういったものが必要になってくるわけですけれども、原子力の専門家である原子力規制委員会の方が関与することが必要ではないかと、この原子力災害に関する地域防災計画についてですけれども、そのように考えますが、この点について御見解をお伺いしたいと思います。
○参考人(更田豊志君) 防災計画の策定のみならず、例えば訓練の在り方等々も含めて、これは内閣府の原子力防災と連携をして個々の協議会等々に関する支援を行っていきたいと考えております。
○東徹君 そうしたら、しっかりと計画の作成に当たっては関与していただけるということで間違いないんでしょうか。
○参考人(更田豊志君) 例えば防災上の対策の細部になると、これは地域の実情の方によりウエートが大きくなります。基本的に、例えばどのような事故の在り方、どのような規模に備えるような計画が必要かという、事故の規模であるとか事故の性格、性質等々に関しては原子力規制委員会が主な役割を果たすべきであろうというふうに考えております。
○東徹君 続きまして、原発の再稼働についてでありますけれども、原発の再稼働について、今回、司法の判断も分かれたことがありました。そんな中で、新規制基準への評価も定まっていないというふうに思うわけですけれども、更田参考人というか、参考人じゃないですね、済みません、規制委員会の候補についてですけれども、新規制基準について御尽力されてきたわけでありますが、司法の評価がこれ分かれたことについてどのように認識されているのか、お伺いをしたいと思います。
○参考人(更田豊志君) 司法の判断についてはコメントする立場にないと考えておりますが、司法に限らず、新規制基準に対しては様々な御意見、御批判も含めて、あろうかと思いますし、これは、一旦定めたらこれで十分だというのはまさに安全神話につながる発想ですので、常に継続的な改善の意識を忘れないということ、さらに、新規制基準策定後も国内外の事例に倣って、例えば三相電源の一相開放ですとか、そういった細かいものではありますけれども、新たな規制の強化を行ってバックフィットを掛けてまいりました。 そういった意味で、改善と、それから、これも福島第一原子力発電所事故の大きな反省の一つでありますけれども、国外で起きた事例に十分に学ばなかった部分が随分ありますので、やはり新たな知見や新たな事例に対して常に学ぶ姿勢とともに、情報に敏感であることが非常に重要だと思いますし、情報をつかんだら、検討にじっくり時間を掛けるのも大切なことかもしれませんけれども、できることからさっさとやるというのがとても重要だと考えております。
○東徹君 ありがとうございます。 時間が来ておりますので、終わらせていただきます。
○熊野正士君 公明党の熊野正士です。自民、公明を代表し、質問させていただきます。よろしくお願いをいたします。 福島第一原発の事故により国民的な不安が一気に高まり、全ての原子炉で運転が停止いたしました。原発の再稼働については、安全性を第一義として原子力規制委員会における世界最高水準の厳格な基準の下、審査が行われ、現在までに鹿児島県の川内原発、愛媛県の伊方原発で再稼働しております。そして今も再稼働に向けた審査が続いているわけですけれども、原発の再稼働について、その安全性ということに関して国民的理解も徐々に得られつつあるかなと感じておりますけれども、更なる理解が必要であるというふうに思います。 原子力規制委員会の委員長として、科学的、技術的な観点からしっかりとした規制行政を行っていただくことはもちろん重要でありますけれども、それに加えて、国民に対する説明もしていただきたいというふうに希望しております。規制委員会として判断されたことについて国民への理解を積極的にしていただいて、広く国民に理解が得られるような役割も是非とも果たしていただきたいと思いますが、その点、いかがでございましょうか。
○参考人(更田豊志君) 私どもの行った判断、規制の内容の説明責任を果たすことは大変重要であろうと思いますし、規制行政に対する信頼を回復し、これも透明性の一つだと思っています。かくかくしかじかで、論理的に考えた上でこういった判断に至ったという説明をすることは大変重要ですので、今後ともその努力はより一層強めてまいりたいと思います。私自身としても、機会を捉えて規制の内容についてお話をすることは前向きにやりたいと思います。 一方で、個々の原子力施設のリスクや安全対策について説明するのは、これは一義的に事業者に責任があって、事業者が自らの施設について一人称で安全を語れないようでは困ると。そういった意味で、個別の施設の安全性に関して、私たちが事業者やあるいは推進当局と並んで、ここまでやってありますというかのような説明をすることは戒めなければならないと考えております。
○熊野正士君 原子力規制委員会としては、組織内外としっかりとコミュニケーションを取るということが極めて重要であると思います。特に、原発が立地する地域の方々とのコミュニケーションが必要不可欠だというふうに思います。 規制委員会では現場主義を掲げているとも承知をしております。委員長御自身が現地へ足を運ぶことも含めて、立地地域さらには周辺地域の方々とのコミュニケーション向上のための御決意をお聞かせ願えればと存じます。
○参考人(更田豊志君) これは、田中委員長の仕事を近くで見ておりまして、やはり日常的な審査や重要な判断にあずかっておられて、非常に多くの時間的な制約があります。その中で田中委員長も既に幾つかの立地地域を訪れておられますけれども、これは私についても同様で、時間の許す限りで、特に施設に関わる安全の議論というのは東京で机を挟んでやっていても決して十分なものにはなりませんので、できるだけ多くの施設へ時間の許す限り行きたいと思っています。 その上で、では地域の方とのコミュニケーションですけれども、これはやり方がなかなか難しいところはあるだろうと思います。これは工夫も考えなければならないんですけれども、いずれにせよ、御理解を得るというようなスタンスではなくて、私たちの判断の内容についてきちんと説明責任を果たすという姿勢でもって現地を訪れることも積極的に進めてまいりたいと考えております。
○熊野正士君 よろしくお願いいたします。 三条委員会として独立した強力な権限を有する規制委員会であるだけに、職権の濫用であるとか恣意的な、場当たり的な行政は厳に避けなければならないというふうに思っておりまして、規制内容について新たな規制が追加されるということはもちろんあると思うんですけれども、事業者などからすると後出しじゃんけんのようだといった、そういった批判も一部にあるというふうにお聞きをしておりまして、従前、規制委員会としては透明性の確保ということに特に配慮してきたことは承知しているんですが、職権濫用や恣意性を排除するための適正手続として、透明性のほかにも、各種の指示等の文書化や明確化、あと予見可能性の確保といったことも不可欠だというふうに思います。 適正手続の確保に向けた御決意を是非ともよろしくお願いいたします。
○参考人(更田豊志君) 透明性に加えて、規制の予見性を高めることも大変重要だろうと思います。 端的に申し上げると、一つには、いわゆる実際に申請をしたらどのような目で審査をされるのかというのをあらかじめ文書化しておくことというのは、これは申請者だけではなくて私たち自身にとっても良いことだと思いますので、審査ガイドの充実と公表には今後とも努めていきたいと思います。 更に言えば、リスクの捉え方であるとか物事の重要度に関する、その規制に対する基本的な考え方に関する文書化というのが我が国も余り進んでいないところがあります。ただ、こういった文書の作成に当たる要員というのは実際の審査や検査で日常非常に忙しくしておりますので、大変難しい作業ではあるんですが、やはり業務の優先順位に鑑みて、こういった基本文書の充実にも努めてまいりたいと考えております。
○熊野正士君 是非ともよろしくお願いをいたしたいと思います。 最後の質問になりますけれども、原子力規制委員会の業務の中に原子力災害対策特別措置法に基づいて原子力災害対策指針の策定ということがあります。原子力災害に対する指針は既に策定はされているわけですけれども、これで十分といったことでは決してなくて、常にブラッシュアップしながら策定すべきであるというふうに思います。 例えば、救護所の活動であるとか安定ヨウ素剤の緊急配布の仕方とか、あと原発事故が発生したときの事業所内の対応のことなどなど、今後もっと議論が必要なことも多いかなというふうに思います。さらに、原発事故から時が経過するに従いまして事故の教訓というものが風化をしてしまって、原子力災害に対する意識が低下をしてしまうおそれというのもあるというふうに思います。この原子力災害対策ということに関しての御所見をお願いしたいと思います。
○参考人(更田豊志君) まさに御指摘のように、災害対策指針というのは継続的な改善を図っていく中で最も重要なものの一つだと思っております。 災害対策指針のみならず、その下位文書に当たるガイドであるとか、あるいはもっと分かりやすい説明資料であるとか、そういったものに改善の努力は必要ですし、それからもう一つ、御指摘を受けていて思ったんですが、やはり時間がたつとどうしても緊張感に欠けてくる部分があって、私たち五人の間でも事故が起きたときの自らの振る舞い方に対する緊張感が時間とともに、何といいますか、劣化してしまわないかという不安を持っていて、これは規制委員会の五人、それから規制庁幹部職員、それから職員のそれぞれに至るまでどれだけ緊張感を、これはやはり日常的に福島の方々に対する思いをきちっと持った上で業務に当たることによって維持が可能だと思いますが、所信の中で申し上げたように、どうしても人間には忘れやすいところがあるので、これをきちんとした体制化をしていくというのが最大のチャレンジの一つであろうというふうに考えております。
○熊野正士君 ありがとうございました。 これで質問を終えたいと思います。
○浜野喜史君 民進党の浜野喜史でございます。 御質問をさせていただきます。 まずは、昨年、原子力規制委員会に対して行われました国際原子力機関、IAEAによる総合規制評価サービス、IRRSへの対応についてお伺いをいたします。このIRRSの勧告、提言には基本的には真摯に対応をされるものだというふうに理解をいたしますけれども、基本的な考え方をお伺いしたいと思います。 とりわけ、その中でグレーデッドアプローチと、訳せば、等級別扱いを徹底せよといったような指摘が、組織体制、検査制度、マネジメントを始めとする規制活動全般にわたって強く指摘がされております。この問題提起にしっかり対応をしていただくべきだというふうに考えますけれども、見解をお伺いをいたします。
○参考人(更田豊志君) グレーデッドアプローチ、等級別の扱いというのは、規制活動の中でも非常に重要、かつ運用を誤ると危険なアプローチであると思っています。正しく運用する限りにおいてグレーデッドアプローチは様々な良い点をもたらしますし、ただ、グレーデッドアプローチは事業者にとって有利という脈絡で語られがちですけれども、グレーデッドアプローチを取ることは規制当局にとっても非常に有益な側面を持っています。 言い換えると、より重要なことにきちんと目を注いで、取るに足らないものに長い時間を、お互いの時間を費やすのはやめましょうと、非常にざっくり言ってしまえばそうですので、これはやはり審査の経験を積んでいって、それから規制の経験を積んで、さらに個々の職員の技術的能力を高めることによってグレーデッドアプローチも一層進んでいくことであろうと思います。 これは、お互いに気を付けなきゃならないのは、グレーデッドアプローチというのは決しておまけをすることではないので、より重要なことによりきちんと目を向けましょうという脈絡で捉えることが重要であろうと考えております。
○浜野喜史君 その御答弁というかお話に対してちょっと確認させていただきたいんですけれども、今のお話は、グレーデッドアプローチというものは重要であるというふうにお考えになられた上での御発言だというふうに理解してよろしいでしょうか。
○参考人(更田豊志君) 間違いなくグレーデッドアプローチは非常に重要な要素の一つであるというふうに考えております。
○浜野喜史君 次に、リスクコミュニケーションについてお伺いをいたします。 原子力規制行政につきましては、安全神話に立ってはならないということは当然のことだと思います。ただ、一方で、ゼロリスクの考え方からも脱却をすべきだということが言えようかと思います。 非常に難しい課題だと思いますけれども、安全や規制の考え方につきまして、規制委員会において更に議論を深めていただき、それを国民に分かりやすく発信をしていく、いわゆるリスクコミュニケーションについて規制委員会としても取り組んでいただくことが重要だというふうに考えますけれども、見解をお伺いいたします。
○参考人(更田豊志君) 少し既にお答えしたことと重なりますけれども、リスク情報の活用は、先ほど先生御指摘のグレーデッドアプローチや様々な規制上の判断を行う上での基本的な考え方について、基本文書を整えていくということは重要であろうと思います。これは、既に申し上げましたように、実際の規制実務に携わっている職員とそういった文書を整えようとするときの要員が重なりますので、なかなか難しいところはありますが、ただ、重要であるということの認識は持っております。 それから、リスクコミュニケーションですけれども、規制当局としてのコミュニケーションの在り方は、決して、これだけやりましたので御安心くださいというコミュニケーションではありません。私たちがこういった判断に至ったのはかくかくしかじかの理由に基づくものですというのをお伝えするのがコミュニケーションでありますので、存在するリスクについてしっかりお伝えすることが私たちにとってのコミュニケーションであるというふうに考えております。
○浜野喜史君 それに関連して更にちょっと質問させていただきますけれども、リスクコミュニケーションというその言葉、どう定義するかということにもよるんですけれども、いわゆるリスクコミュニケーションということについて規制委員会としては既に検討に着手しておられるというふうに理解していいのかどうか、御見解をお伺いいたします。
○参考人(更田豊志君) リスクコミュニケーションそのものに直接的に着手しているかというと、着手はしていないというのが現在の私の理解です。 私たちにとって、これもやはり業務の優先順位、重要度ですが、実際の安全を確保することがまず何より大事であって、福島第一原子力発電所の事故のような事故を二度と起こさないという決心の下に設置された組織ですので、実際のリスクを取り除くということ、少しでもリスクのレベルを下げるということがまず業務として最優先であって、その上でもちろん説明責任を果たしていくことは重要ですが、コミュニケーションの在り方そのものにまで私たちが大きな資源、大きな時間を割くという状態ではないというふうに認識をしております。
○浜野喜史君 関連して、具体的な質問になろうかと思いますけれども、たしか炉安審、燃安審に安全目標というものを定めておられるわけですけれども、それを国民に対してどういうふうに分かりやすく説明したらよいのかということを検討してほしいということを炉安審、燃安審に提起されているように記憶するんですけれども、それは関係ないんでしょうか。
○参考人(更田豊志君) 今、私は先ほど、原子力規制委員会として、原子力規制委員会、規制庁としての営みについてお答えをしましたが、原子炉安全専門審査会それから核燃料安全専門審査会は原子力規制委員会から独立して議論を行うところで、これは、リスクコミュニケーションという言葉ですぐにぴんとはこなかったんですけれども、確かに規制委員会、規制庁として、安全に関わる内容をより分かりやすくお伝えする工夫について両審査会に説明の仕方を考えていただいていることは事実であります。 安全目標をめぐる議論というのは、これは大変難しい要素を幾つもはらんでおりますけれども、これについての検討は、いついつまでにというよりは、安全目標というのは非常に基本的な考え方ですので、永続的に議論を進めていただけるものというふうに考えております。
○浜野喜史君 最後の質問にさせていただきます。 参考人は、この秋までお務めになられれば五年間、さらに、承認されれば更に五年間お務めになられるということになります。率直に、過去の五年間近くを振り返っていただいて、反省されているところもあるんじゃないかなと私なりには推察をいたします。 一つは、私が強く問題意識を持っておりますのは、五年前の秋以降、直ちに設置をされた有識者会合による原子力発電所の敷地内の破砕帯の再評価、これは私は極めて不適切な行政行為であったのではないかという問題意識を持っておりますけれども、率直に、携わってこられた更田参考人はどのようにお考えか、おっしゃりづらいかも分かりませんけれども、是非率直に、おっしゃっていただける範囲でお答えいただければ幸いでございます。
○参考人(更田豊志君) まず、個別の審査で継続的なものに関しては、規制委員会での議論、判断に予見を与えることはできませんので、この場でお答えすることは差し控えたいと思います。 それから、有識者会合からの得た報告、知見の扱いに関して、私は、瑕疵であるとか、ないしは不適切といったことは当たらないというふうに考えております。
○浜野喜史君 時間が参りました。 法にのっとって、恣意性というものを徹底的に排除をして、規制行政を就任された上に立って行っていただきますことを強く求めて、質問を終わります。ありがとうございました。
○委員長(山本順三君) これにて原子力規制委員会委員長候補者に対する質疑を終了いたします。 更田参考人に一言御挨拶を申し上げます。 本日は、大変御多忙の中、御意見をお述べいただき誠にありがとうございました。委員会を代表いたしまして心から御礼申し上げます。ありがとうございました。
○参考人(更田豊志君) ありがとうございました。
○委員長(山本順三君) 本日はこれにて散会いたします。 午後零時二分散会