環境委員会 第9号
- 発言数
- 125 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 2017/04/13
会議録
○委員長(森まさこ君) ただいまから環境委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日までに、こやり隆史君及び里見隆治君が委員を辞任され、その補欠として渡辺美知太郎君及び三浦信祐君が選任されました。 ─────────────
○委員長(森まさこ君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。 遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、消費者庁審議官吉井巧君外七名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(森まさこ君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(森まさこ君) 遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○中川雅治君 自由民主党の中川雅治でございます。 平成十二年に遺伝子組換え生物等が生物多様性の保全及び持続可能な利用に及ぼす可能性のある悪影響を防止するための措置に関する国際的な法的枠組みを定めた生物の多様性に関する条約のバイオセーフティに関するカルタヘナ議定書が採択されまして、平成十五年に発効いたしました。この議定書において遺伝子組換え生物等の国境を越える移動から損害が生ずる場合の責任及び救済に関する国際的な規則及び手続について作業すること等を求めていることを踏まえまして、平成二十二年にバイオセーフティに関するカルタヘナ議定書の責任及び救済に関する名古屋・クアラルンプール補足議定書が採択されたわけでございます。 この補足議定書では、国境を越えて移動する遺伝子組換え生物等により損害が生じる場合に損害を引き起こした管理者に対応措置をとること等を締約国に求めておりまして、我が国としてこの補足議定書を締結する場合は、我が国においても補足議定書の的確かつ円滑な実施を図るための担保措置を講じる必要がございます。現在のところ、補足議定書は未発効であります。発効要件は四十か国の締結となっておりまして、既に三十六か国及びEUが締結済みでありますので、間もなく発効ということになろうかと思います。 私は、この補足議定書は早く発効すべきであると思っておりますし、我が国としても、今後のカルタヘナ議定書に関する国際的な議論に参画し、生物多様性の保全の分野で国際的なリーダーシップを発揮していくためにも、できる限り早期にこの議定書を締結する必要があるというふうに思います。 しかしながら、この補足議定書を締結するために必要な国内担保法であります、今回提案されておりますカルタヘナ法の改正案の取りまとめに六年を超える歳月が掛かりました。中央環境審議会の遺伝子組換え生物等専門委員会の議事録を読んでおりましたら、この補足議定書の交渉に日本政府代表団の一員として関わったという委員の方が、六年たってしまいましたけれども、ここまで実施に関する議論が進んできているということについては関係の方々の御努力に敬意を払いたいと思いますし、私自身も感慨深いものがありますと発言しておられます。 今回の改正法案提出に至るまでなぜ六年以上も掛かったのか、また、この委員の方がおっしゃっているように、その間の関係の方々の御努力というのはどういうものであったのか、教えていただきたいと思います。
○国務大臣(山本公一君) 中川先生のこの問題に関する御熱心な取組に敬意を表したいと思います。 名古屋・クアラルンプール補足議定書の締結については、カルタヘナ法の改正の要否やその内容について関係省庁間で慎重に検討を進めてきたため、準備に時間を要しました。具体的な検討事項としては、例えば現行カルタヘナ法において補足議定書についてどこまで担保できているのか、補足議定書の定める損害や対応措置といった概念を国内法においてどのように規定するかなどの点について慎重に検討してきたことが挙げられると思っております。
○中川雅治君 それでは、今までに遺伝子組換え生物等によって生物多様性に影響が生じた事例はあるのか、お伺いいたします。外国の例も含めてお示しいただければと思います。また、現実の例ではなくて結構ですから、遺伝子組換え生物等によって生物多様性に影響が生ずる事例としてどのようなことを具体的に想定しているのか、例示を挙げていただきたいと思います。
○政府参考人(亀澤玲治君) お答えいたします。 カルタヘナ法の下においては、遺伝子組換え生物等の使用等を行おうとする者は、事前の承認又は確認の手続等を経ることが求められております。このように未然防止が図られていることもあり、我が国において遺伝子組換え生物等の使用等によって生物多様性へ影響が生じた事例は確認されておりません。また、海外につきましても、遺伝子組換え生物等の使用等によって生物多様性に悪影響が生じた事例は承知しておりません。 一方、可能性として想定される遺伝子組換え生物等による生物多様性への影響の具体的な例といたしましては、一つは生態系に侵入して他の野生生物を駆逐してしまうということ、二つ目は近縁の野生生物と交雑し、その野生生物を減少させること、三つ目として、有害物質等をつくり出し、周辺の野生生物を減少させることなどが挙げられます。
○中川雅治君 外国の例も含めて、今までは遺伝子組換え生物等によって生物多様性に影響が生じた事例はないということでございます。そして、今あり得る例をお示しいただいたわけでございますが、確かに今まではそのような事例はないけれども、一たびこの遺伝子組換え生物等によって影響が出てくるということになりますと、これは被害といいますか、悪影響というものは相当大きなものになる可能性があるということで、まだそういう事例が生じないうちに予防的にこういったことを防ぐためにこの補足議定書が議論され、そして締結をするという運びになっていると思うんですね。世界がそのような方向に向かっているということは、非常にこれはいいことだというふうに思います。 補足議定書は、締約国の管轄権の範囲内にある区域において国境を越える移動に起源を有する改変された生物から生じた損害について適用するとなっております。また、改変された生物の意図的でない国境を越える移動、不法な国境を越える移動及び非締約国からの国境を越える移動から生ずる損害についても適用するとなっておりまして、適用範囲は広くなっています。 しかしながら、今回のカルタヘナ法改正案では、遺伝子組換え生物等の使用等により生物多様性を損なう等の影響が生じたと認めるときの環境大臣の損害回復措置命令の対象を重要な種・地域に係るものに限るということにしておりますし、また、違法な使用者等に限定しておりますが、このように限定した理由、これでいざというときに本当に我が国の生物多様性を確保することができるのか、お伺いいたします。
○副大臣(関芳弘君) 補足議定書では、対応措置を講ずべき損害につきまして、測定可能かつ著しい悪影響であるものと範囲を限定をいたしております。そのために、改正法案におきましても、対応措置を講ずべき損害の範囲を使用者等にとってある程度予測可能で明確なものとすべく、種又は地域で限定をいたしております。 また、カルタヘナ法に基づきます承認又は確認を受けて適法に使用しているにもかかわりませず回復措置を命ぜられる可能性があるということは、これは使用者等にとっては過度な負担となるおそれがございますために、回復措置命令の対象は違法な使用をした場合に限ることといたしております。 今般の改正によりまして、現行のカルタヘナ法に基づきます事前の承認又は確認の手続等に加えまして、この度、重要な種及び地域につきましては回復命令を発することができるようになります。これによりまして、我が国の生物多様性の確保を図ることができると考えておる次第でございます。
○中川雅治君 適法な使用等によって損害が生じた場合には、今御答弁がありましたけれども、管理者にそこまで損害回復措置を命ずるというようなことは過重になると、こういうお話でございました。 しかし、適法な使用であっても生物多様性に損害を与える、影響を与えるという、そういう事態を引き起こすということも当然考えられるわけであります。 この今の法案の考え方では、適法な使用等によって損害が生じた場合には政府が実行可能で合理的な範囲で回復措置を講ずるというふうにされておりますが、この場合の回復措置というのはどのような措置を想定しているんでしょうか。また、その費用は事業者に求償することになるのでしょうか、お伺いいたします。
○政府参考人(亀澤玲治君) お答えいたします。 遺伝子組換え生物等の適法な使用によって損害が生じた場合には使用者は応急の措置をとることとされておりますが、適法な使用をした者に回復措置まで求めることは過度な負担となることから、その場合は、政府が実行可能で合理的な範囲で回復措置を講ずることとなります。 その回復措置の内容は、生じた影響の内容等に応じて個別具体的に判断されるべきものでありますが、例えば保護地域内の生物が減少した場合には、生育・生息環境を再整備するとか、あるいは人工増殖した個体を元いたところに再導入するとか、そういうことなどが想定されるところでございます。その場合の費用の負担の在り方につきましては、損害の程度等も踏まえつつ、改めて検討することとしております。
○中川雅治君 その場合の費用の在り方についてはこれから検討というふうに今おっしゃいましたが、適法な使用であっても事業者が損害を与えるということでそのために国が回復措置を講じました費用について、まあそれはケース・バイ・ケースだということでしょうけれども、事業者に求償するということがあり得る、これからの検討だと、こういうお話でしたが、そういうことでよろしいですか。もう一度確認をいたします。
○政府参考人(亀澤玲治君) 具体的に求償をするかどうかにつきましては、今後、具体的な事例の発生を踏まえて検討していきたいというふうに考えております。
○中川雅治君 補足議定書第十条は、対応措置を命ぜられた管理者が当該措置を実施するための経済的負担に耐えられない場合に備え、金銭上の保証の手段としてあらかじめ保険に加入させる等の措置を国内法で定めることができるとされております。この金銭上の保証といたしましては、保険のほか保証金、積立金といった制度も考えられるわけでございます。 今回のカルタヘナ法改正案において、金銭上の保証に係る規定はどうなったのでしょうか。
○政府参考人(亀澤玲治君) この補足議定書の規定では、金銭上の保証について一定の考慮義務を規定しているにとどまっており、締約国に対して金銭上の保証について国内法令で定めること自体までを義務付けているものではありません。 一方、我が国では、カルタヘナ法の下で遺伝子組換え生物等の使用等を行おうとする場合には、事前の承認又は確認の手続等を行い、学識経験者による評価により生物多様性への影響が生ずるおそれがないと認められた遺伝子組換え生物のみの使用等について承認をしているところでございます。 そういうこともあり、遺伝子組換え生物等の利用により生物多様性へ影響が生じた事例はこれまで確認をされておりません。 今後も損害が発生することのないよう適切な審査を実施してまいりますが、万一生物の多様性に損害が生じたと認められる事案が発生した場合でも、今回の改正法に基づいて命ずることとなる回復措置の内容は実行可能で合理的な内容のものにすることを想定をしております。 そういうこともありまして、保証金や積立金等の財政的負担をあらかじめ事業者等に課す仕組みを取ることは適当でないというふうに考えております。
○中川雅治君 それでは、次にカルタヘナ議定書の補足議定書と同時期に採択された名古屋議定書についてお伺いをしたいと思います。 平成四年に採択され平成五年に発効した生物多様性条約は、生物の多様性の保全、その構成要素の持続可能な利用、遺伝資源の利用から生ずる利益の公正かつ衡平な配分を目的といたしております。 このうち、遺伝資源の利用から生ずる利益の公正かつ衡平な配分についての手続等を具体化するための交渉が長年にわたり続けられた結果、平成二十二年十月に名古屋市で開催された生物多様性条約第十回締約国会議において名古屋議定書が採択されました。これは民主党政権のときでございますけれども、当時の松本龍環境大臣を始め関係者は御苦労されたと伺っております。 名古屋議定書と併せて採択された愛知目標では、可能な限り早期に締結することができるよう平成二十七年までの国内措置の実施が目標となっていたのですが、我が国が名古屋議定書の締結に向けた国内措置の調整にこれほど長い時間を要したのはなぜかということをお伺いします。
○政府参考人(亀澤玲治君) お答えいたします。 政府といたしましては、愛知目標に基づく国内目標を定めた生物多様性国家戦略二〇一二―二〇二〇に基づきまして、名古屋議定書の早期締結を目指し国内担保措置の検討に最大限の努力を行ってまいりました。 名古屋議定書の締結に必要な国内担保措置につきましては、遺伝資源の利用に関わる様々な産業や学術研究において、国外から遺伝資源を取得する際の手続や利益配分の在り方に深く関係しております。そのため、我が国における遺伝資源の利用実態や他国の締結状況及び措置内容を踏まえて適切な担保措置となるよう丁寧な調整、検討を要したところであります。 このため、国内関係者の要望が十分反映されるよう国内措置の在り方に関する検討会を十六回開催するなど、環境省が中心となって関係省庁間で慎重に調整や検討を進めてきた結果、今般国内担保措置案の取りまとめを行うに至り、今次国会に本議定書の締結についてお諮りすることとなったものでございます。
○中川雅治君 この国内担保措置、随分時間が掛かりましたけれどもようやくまとまって、そしてこの名古屋議定書、我が国の都市名が冠されている議定書のいよいよ締結という段取りになったというふうに伺っておりまして、それはそれで大変結構なことなんですが、この国内担保措置というのはどういう形式で、つまりカルタヘナ法改正案のような法律改正案は出ていないわけなんですが、どういう形で国内担保措置をとるのか、そこをお伺いします。
○政府参考人(亀澤玲治君) 関係省庁の共同告示として定めることとしております。
○中川雅治君 今回の国内担保措置というのは、遺伝資源の取得者が提供国から適法に取得したことを提供国の許可書というか同意書を示して環境大臣に報告するということを、今答弁されましたように関係省庁の設置法に基づく共同告示として指針、ガイドラインという形で定めるという、法律上の措置ではないので緩やかなものとなったということであります。法律上の措置ではありませんので、罰則もなければ強制力もないということでございます。 いろいろ伺いますと、この遺伝資源の研究開発に係る関係業界、例えば製薬業界、化粧品業界、食品、種苗業界、化学工業品業界などの関係業界、また学術研究関係者などとの調整の結果こうなったのだと思いますけれども、主要先進国の国内担保措置と比べて今回の措置は正直どう評価すればいいんでしょうか。
○政府参考人(亀澤玲治君) お答えいたします。 名古屋議定書が遺伝資源の利用国に求める主な義務は、自国内で利用される遺伝資源が提供国の法令を遵守して取得されるよう必要な措置をとることであり、その措置の形式につきましては、立法上、行政上、政策上のいずれの措置も議定書で認められております。このように利用国措置の形式が幅広く認められている背景には、利用国措置はあくまでも遺伝資源の提供国の法令執行を補完するものであるということが挙げられると思います。 また、この議定書の国内担保措置は、利用者等にとって過度な負担が生じない明確で簡素かつ実際的なものとすべきというのが産業界や学術界からの要望でもありました。 これらを総合的に勘案いたしまして、EU等の他の先進国の措置も踏まえつつ慎重な検討を重ねた結果、我が国の利用措置は法令に基づく規制的措置ではなく、適法取得を奨励する行政上の措置で担保することで十分と判断するに至ったところでございます。
○中川雅治君 大変な御苦労の結果の担保措置だというふうに思います。 名古屋議定書は平成二十六年に発効しておりまして、既に締約国会合が二回開催され、実施ルールについて議論されております。これまで我が国が議定書に未締結であったことにより、国際的に不利になる事態が生じていないかどうか、お伺いいたします。
○政府参考人(亀澤玲治君) お答えいたします。 名古屋議定書が平成二十六年十月に発効して以降、今お話がありましたように、これまで締約国会合が二回実施され、いずれも我が国はオブザーバーとして参加しております。この過去二回の締約国会合では、議事運営の手続規則等が決定されておりますが、実質的な内容を伴う特段の決定はされておりません。 他方、来年、平成三十年に開催予定の第三回の締約国会合ではこの名古屋議定書の再検討が行われることとされていることから、我が国としてその議論に締約国として参加するためには早期の締結が必要と考えております。
○中川雅治君 終わります。
○浜野喜史君 民進党の浜野喜史でございます。御質問を申し上げます。 本日は、カルタヘナ法を主に質問させていただき、後段は地球温暖化対策につきまして質問をさせていただきます。 まずその前に、山本大臣にお伺いをいたします。 私は、国会議員の質問権についてでありますけれども、公序良俗に反するような質問、これはあってはならないというふうに思いますけれども、そういうことでない限り原則自由と、どのような内容を質問してもいいんだと、こういうふうに理解をしているんですけれども、大臣はどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(山本公一君) 全くそのとおりだと思います。
○浜野喜史君 そのことを確認して、安心をして次の質問に移らせていただきたいと思います。 四月四日の環境委員会で、大臣はこういうことをおっしゃいました。森友学園の国有地の売却をめぐっての問題でございます。「各社の世論調査の結果も承知をいたしております。国民の皆様方がまだまだ納得をされていないということは私どもは承知をいたしております。」と、こう発言されました。 国民が納得していないということを大臣も承知されているということですけれども、なぜ国民が納得をしていないのか、理解をしていないのか、その理由について大臣はどのようにお考えか、お願いをいたします。
○国務大臣(山本公一君) 先般の私のこの委員会での御発言を今紹介をしていただいたわけでございますけれども、まず世論調査で特に私が重視をいたしましたのは、NHKの当時の世論調査の結果が、今先生から御指摘のあったような、納得をしていないという国民の皆様方の声が多いというような報道がなされたと承知をいたしております。あれを受けましてお答えをしたようなつもりではございます。 そういう意味において、多分、政府は様々な場面で説明をしてきたんだろうと思うんですけれども、その上でああいう世論調査が出たということは、一つにはやっぱり説明の仕方が不十分であったと言わざるを得ないのかとは思っております。 その上で、私は、前回も申し上げましたけれども、閣僚としての発言ということになりますと差し控えさせていただきたいという場面が多かっただろうと思っておりますけれども、一般論としては、やっぱり説明が不十分であったがゆえの世論調査の結果であったと言わざるを得ないとは思っております。
○浜野喜史君 予想以上に大臣踏み込んでお答えいただいたんではないかなと私は思うんですけれども、説明が不十分だということを大臣はおっしゃいました。であるならば、前回も申し上げましたけれども、近しい存在ではないということではありましたけれども、総理に、しっかりと説明すべきだ、出すべき資料は出すべきだと、こういうことを進言をしていただきたいというふうに思います。そのことを強く求めて、本来の質問に入らせていただきたいと思います。 まずは、現行のカルタヘナ法について質問をさせていただきます。 カルタヘナ法の承認を受けた遺伝子組換え植物の代表例の一つに青いバラがあるというふうに思います。英語でブルーローズといいますと、不可能、存在しないものという意味もあるようでございますけれども、我が国とオーストラリアの企業が共同で平成二年から十四年もの長きにわたって研究に取り組み、平成十六年に開発に成功したということでございます。その後、実際に販売されたのは平成二十一年でございます。この間、カルタヘナ法に基づきまして、このバラを栽培、販売しても環境や生態系への影響がないか慎重な試験が重ねられたものと思います。 新たな遺伝子組換え生物を販売しようとした場合に具体的にどのような審査が行われるのか、御説明を願います。
○政府参考人(亀澤玲治君) お答えいたします。 カルタヘナ法では、事前に適切な承認又は確認の手続を経た場合等に遺伝子組換え生物等の使用を認めております。我が国において承認を受けていない新たな遺伝子組換え生物、例えばですが、遺伝子組換えの果物を日本で初めて店頭で販売しようとする場合には、環境中への拡散を防止しないで行う第一種使用等に該当することから、事前に環境大臣及び農林水産大臣の承認を受ける必要があります。 承認するか否かの審査に当たりましては、遺伝子組換えに関する研究等を行っている専門家による検討会を設置し、その遺伝子組換えの果物について在来生態系への侵入あるいは近縁種の野生生物との交雑等のおそれがないか、そういった観点から、野生動植物の種又は個体群の維持に支障を及ぼすおそれがないかどうかを確認をいたして慎重に評価をすることになります。
○浜野喜史君 そのような慎重な審査を行ってきていただいているというところでありますけれども、平成二十三年の報道では、未承認の遺伝子組換えパパイヤが沖縄で年間百トン生産されておりまして、カルタヘナ法に基づいて四ヘクタールの果樹園が伐採を余儀なくされたというふうに聞いております。この事案につきまして、事実関係を御説明願います。
○政府参考人(小川良介君) お答え申し上げます。 ただいま委員御指摘ございました沖縄県における栽培等が確認された未承認の遺伝子組換えパパイヤの事実関係でございます。 平成二十二年十二月、厚生労働省から、沖縄県内で流通する生果実あるいは苗を分析したところ、一部に未承認の遺伝子組換え体が混入している疑いがあるとの情報が農林水産省に提供されました。 これを受けまして、農林水産省では、まず科学的に信頼性の高い検査法を諸外国に先駆けて確立いたしまして、次に検査体制を整備した後、平成二十三年二月から、カルタヘナ法第三十一条に基づき、輸入されるパパイヤ種子及び苗の水際での検査、さらに国内に流通するパパイヤ種子さらに苗の検査を開始したところでございます。 この平成二十三年二月から八月にかけまして輸入され、あるいは国内で流通されている全ての種子、これは十九品種で、商品の数にいたしますと二十九商品ございました。及び苗、これは四品種につきまして四商品ございましたが、これらを検査した結果、台湾から台農五号という名称で輸入され沖縄中心に販売されていた種子、この一品種一商品でございますが、これが我が国で未承認の遺伝子組換え体であることを確認いたしました。また、これ以外の種子、十八品種二十八商品及び全ての苗につきましては遺伝子組換え体ではないことを確認いたしました。 その後、カルタヘナ法第三十条に基づきまして、台農五号の流通量及び流通経路を特定いたしました。また、台農五号と特定されました八千本強、約四ヘクタール分の全てにつきまして、平成二十三年、同年の十二月までに伐採をしたところでございます。 以上でございます。
○浜野喜史君 さらに、関連してその事案をお伺いいたしますけれども、パパイヤ農家の方が種苗会社から買った種の中にたまたま遺伝子組換えパパイヤが含まれてしまっていた、そして法律違反という指摘を受けたというところであります。 責任を負うべきは種苗会社ではないかなというふうに私は推察するんですけれども、結果的にどのような補償が行われたのか、加えて御説明を願います。
○政府参考人(小川良介君) お答え申し上げます。 まず、種苗会社から種を買って植えておられましたパパイヤの栽培農家に対する補償につきまして説明申し上げます。 これは、未承認の遺伝子組換えパパイヤ及びその加工品は、商業栽培をいたしたとしても、食品として売っていくわけでございますが、その際には、食品衛生法に基づく安全性の確認を受ける必要がございます。しかしながら、このパパイヤは未承認の遺伝子組換えでございますので、食品としての安全性の確認を受けておりません。したがいまして、食用のパパイヤとして販売するあるいは流通させることはできないことになりますので、このパパイヤ自体に経済的価値はないという整理になります。 しかしながら、種子を購入した農家は遺伝子組換えではない種子を求めて購入したものでございまして、先ほど委員も御指摘ございましたとおり、未承認遺伝子組換えパパイヤの種子を販売した種苗会社というのは、そもそもの売買契約の本旨に従った履行はしていなかったということになります。このため、この未承認の遺伝子組換えパパイヤ種子を購入された農家は、種苗会社に対して本来の債務の履行、すなわち遺伝子組換えでないパパイヤの種を販売するように民事上の責任を追及していけるというふうに認識しております。 農林水産省といたしましては、沖縄県と連携いたしまして、この生産者団体と種苗会社との補償に関する話合いが円滑に行われるよう、未承認遺伝子組換えパパイヤに関する情報を提供したり助言を行ってきたところでございます。その後、生産者団体と種苗会社との話合いの結果、種苗会社から生産者団体に対しましてパパイヤの生産を再開するための苗を供給することが合意されたと平成二十五年五月に報告を受けているところでございます。 また、御指摘ございました種苗会社でございますけれども、御指摘の遺伝子組換えパパイヤを輸入して販売していた種苗会社に対しましては、平成二十三年四月に、国内に流通していた未承認の遺伝子組換えパパイヤの品種が先ほど申し上げましたとおり台農五号であるということを特定し次第、直ちにこの種苗会社に対して販売を停止し、さらに在庫を廃棄し、また販売済みのパパイヤの回収を行うよう指導いたしました。また、カルタヘナ法第三十条に基づきまして廃棄や回収の実施状況の報告を命じ、これらの措置が確実に実施されたかどうかを確認いたしました。 こうした種苗会社による自主的な廃棄や回収が迅速に行われました結果、生物多様性への影響は防止できたことから、カルタヘナ法第十条に基づく回収等の措置命令は実施しておりませんが、農家に対して契約どおりの苗を供給するということはその後実施されているところでございます。 以上でございます。
○浜野喜史君 ありがとうございました。 この事案につきましては以上とさせていただきます。 先ほども中川委員との間で質疑が交わされました。今回の補足議定書が採択されてから六年以上の期間を要して、今回、国内法ということになっております。先ほども御説明がございましたけれども、慎重に検討をしてきた結果こうなったというところでありますけれども、そうだというふうに私も理解をいたします。さらに、どのような点について慎重な検討が必要であったのかということについて更にかみ砕いて御説明を願いたいと思います。
○政府参考人(亀澤玲治君) お答えいたします。 名古屋・クアラルンプール補足議定書の締結につきましては、カルタヘナ法の改正の要否やその内容について関係省庁間で慎重に検討を進めてきたために、準備に時間を要したところでございます。 具体的な検討の内容といたしましては、例えば、現行カルタヘナ法において補足議定書の義務の履行についてどこまで担保できているのか、あるいは補足議定書の定める損害とか対応措置といった概念を国内法においてどのように規定するのかといった点につきまして関係省庁間で検討してきたことなどが挙げられます。
○浜野喜史君 引き続きまして、同じく先ほども中川委員との間で質疑が交わされましたけれども、遺伝子組換え生物による生物多様性への損害が生じた場合における事業者に対する回復措置命令などの新たな措置が追加されることとなるわけであります。一方で、我が国では、これまで承認した遺伝子組換え生物により生物多様性に損害が生じた例はないという御説明でございます。さらに、海外でも同様の事例はないということだと承知をいたしております。 となりますと、そういう中で、こういう補足議定書を締結をしていく、そしてその上に立っての国内法を整備をしていくということの必要性、これも中川委員が先ほどおっしゃいました、損害が出た場合の影響の甚大さ、回復困難になるんだということを見通してということだと思いますけれども、改めて、補足議定書が制定されてきた背景、その上に立っての国内法の必要性について御説明願います。
○政府参考人(亀澤玲治君) カルタヘナ法の下におきましては、事前の承認又は確認の手続等を行うということで未然防止を図られていることもありまして、我が国において遺伝子組換え生物等の使用等によって生物多様性へ影響が生じた事例は確認されておりませんし、海外につきましてもその悪影響が生じた事例は承知をしておりません。 このように遺伝子組換え生物等による損害が生じた例は国内外共に確認をされておりませんが、今回の改正は、損害発生後の対応を定めた補足議定書を担保するために、これまでの未然防止の措置に加えて、万が一生物多様性への影響が生じた場合の回復措置を予防的な措置として追加することによって、遺伝子組換え生物等の規制に係る一貫した制度を整備することになるものと考えております。
○浜野喜史君 今回新たに追加される措置の対象は環境省令で定めるものとされております。現行の生物多様性保全に係る法令で保護されている地域及び種を想定されているというふうに理解をいたしておりますけれども、想定される主な区域、そして合計の面積がどれぐらいになるのか、我が国の国土面積に占める割合など御説明をいただきます。
○政府参考人(亀澤玲治君) 我が国におきましては、生物多様性の保全の観点等から、保護すべき特に重要な種又は地域を種の保存法や自然公園法等の各種法令で国が指定し、行為規制や保護増殖等を行っております。 このことを踏まえまして、生物の多様性の確保上特に重要な種又は地域として、種としては種の保存法の国内希少野生動植物種を、地域としては自然公園法の国立公園の特別保護地区や自然環境保全法の原生自然環境保全地域等を規定することとしております。 その対象となる地域につきましては省令で定めることとなりますけれども、今申し上げました自然公園法に基づく国立公園の特別保護地区は現在二十八万八千ヘクタール、自然環境保全法に基づく原生自然環境保全地域の方は現在六千ヘクタールが指定をされております。これら二つの合計は、日本の国土面積の約〇・八%に当たります。
○浜野喜史君 地方公共団体も独自に希少な生物の保護を行っております。例えば、希少な野生動物が生息する奄美大島では、奄美市が動植物保護のための条例を制定しております。 このような地方公共団体それぞれの状況を勘案して指定を行うということもあり得るのかなと考えますけれども、御見解をお伺いいたします。
○政府参考人(亀澤玲治君) 補足議定書では、対応措置を講ずべき損害につきまして、生物の多様性の保全及び持続可能な利用への悪影響のうち、測定することができるものであって、かつ著しい悪影響であるものと規定をしておりまして、損害の範囲を限定しているところでございます。 また、今般の改正におきまして、使用者等に損害の回復措置として一定の負担を負わせることとしており、対応措置を講ずべき損害の範囲は、使用者等にとってもある程度予測可能で明確なものとすることが重要かと思います。さらに、その損害を確認するためには、実態としてある程度生物多様性に係る状況があらかじめ把握されていることが必要でございます。 これらの点に加えまして、生物多様性への影響が生じた場合には国として回復命令を発することとなるため、生物多様性の保全の観点等から特に重要な地域であり、国が生物多様性の状況を継続的に把握してきている国立公園等に限ることが妥当と考えております。
○浜野喜史君 カルタヘナ法の関係につきまして、もう一問だけ質問をさせていただきます。 衆議院の質疑でも指摘されておりましたけれども、輸入された遺伝子組換え菜種が国内での輸送時にこぼれ落ち、それが何年も成長しているという事例があるというふうに聞いております。 現状がどうなっているのかということを御説明いただきますとともに、我が国に持ち込まれた遺伝子組換え生物が在来種と交雑しているという専門家の意見もあるわけでありまして、政府による調査が必要ではないかとも考えますけれども、御見解をお伺いいたします。
○政府参考人(亀澤玲治君) 環境省では、平成十五年度から主要な菜種輸入港周辺の主要輸送道路の橋梁やその付近の河川敷等におきまして、輸送中にこぼれ落ちた遺伝子組換え西洋菜種、いわゆるGM菜種等の生育状況調査を継続的に行っております。 これまでの調査では、こぼれ落ちた種子に由来するGM菜種と外来種である西洋菜種若しくは同じく外来種である在来菜種との交雑が確認されておりますが、在来種との交雑は確認されておりません。また、外来種との交雑個体の生育は主要輸送道路の橋梁や河川敷付近に限られており、生育範囲の拡大は確認されておりません。これらの調査結果については、専門家の意見も聴取し、生態系への影響は生じていないと評価しているところでございます。 また、農林水産省が平成十八年度から主要な菜種輸入港周辺一帯の道路沿いを対象として実施しております遺伝子組換え西洋菜種の生育及び近縁種との交雑に関する調査におきましても、生育は確認されておりますが生育範囲の拡大は確認されておらず、近縁種との交雑も確認されていないと承知しております。 そういう状況ではありますが、引き続き、GM菜種の生育実態、GM菜種と在来種等との交雑に係る遺伝的な分析等の調査を継続し、生態系への影響について調査を続けてまいりたいというふうに考えております。
○浜野喜史君 ありがとうございました。 以降は、地球温暖化対策についてお伺いをいたします。 大幅削減の長期戦略の検討に向けまして、環境省におきましては三月十六日に長期低炭素ビジョン、経済産業省においては四月七日に長期地球温暖化対策プラットフォーム報告書がそれぞれ取りまとめられました。こういうものを踏まえまして、政府全体としての長期戦略を策定していくということになろうかと思います。 そこで、四月の六日の経済産業委員会と環境委員会の連合審査におきまして、環境大臣、経産大臣に対しまして、大幅削減のためにはイノベーションの創出、革新的技術開発が必要だというふうに考えるかどうかということをお伺いしましたところ、そのとおりだという御答弁がございました。 環境省それから経産省、それぞれにおいてどのようにイノベーションの創出に取り組んでいこうと考えておられるのか、まず環境省、そして経産省という順番にお答えを願います。
○政府参考人(鎌形浩史君) お答え申し上げます。 イノベーションの創出には、一般的には、自社に閉じず、産官学、異業種や同業他社等と連携しながら進めるオープンイノベーションの推進、地域企業の活性化や地域大学の活用、そして学術的に基本的な素養を有し挑戦する人材の育成などが重要と認識してございます。こうした取組は、これまで関係省庁や民間においても様々になされてきているところでございまして、継続的に進めていくことが重要と考えております。 環境省としては、長期の大幅削減のためには、技術はもとより、経済社会システム、ライフスタイルなどあらゆる面でのイノベーションの創出が必要と認識してございます。そのため、科学的知見に基づき、ぶれることなく中長期に進むべき方向性を一貫して示す、そして世界全体で将来にわたって大きな投資を必要とする気候変動対策への投資環境を整える、こういったことなど、経済成長や地方創生などとの同時解決を念頭に置きながら、長期大幅削減に向けた政策を適切に講じてまいりたいと考えております。
○政府参考人(高科淳君) お答え申し上げます。 地球温暖化対策と経済成長を両立させる鍵は革新的技術の開発であることは政府全体の共通認識でありまして、温室効果ガスの抜本的な排出削減のためのイノベーションの創出に政府全体で取り組んでいく必要があると考えております。 そのため、政府といたしまして、昨年四月にエネルギー・環境イノベーション戦略を策定しまして有望な革新技術を特定したところ、経済産業省としましては、次世代地熱発電や二酸化炭素の回収・貯留技術の開発など、本戦略に基づく研究開発に取り組んでいるところでございます。 そのほか、関係省庁と連携しつつ、エネルギー・環境イノベーション戦略で特定した技術分野のロードマップを策定するとともに、今後解決すべきボトルネック課題を特定するためのフォーラムの立ち上げを検討しているところです。 このように、経済産業省といたしましては、内閣府を始め関係省庁と一体となってイノベーションの創出に向けた取組を行ってまいりたいと考えております。
○浜野喜史君 ここからは経済産業省にお伺いをいたします。 環境省の長期低炭素ビジョンでは、我が国の炭素税について、諸外国の水準と比べて極めて低く、排出削減の経済的インセンティブは極めて小さいと評価をされております。これについて、経済産業省としてはどのようにお考えか、お伺いをいたします。
○政府参考人(高科淳君) お答え申し上げます。 我が国における地球温暖化対策税は、二酸化炭素一トン当たり二百八十九円の税率となっておりまして、炭素税導入諸国と比べて低いという御指摘もあるものとは承知しております。一方で、石油石炭税など化石燃料に係るエネルギー税を全体として見れば、二酸化炭素一トン当たり四千円程度となっており、また、化石燃料の本体価格まで含めてカーボンプライスを考えれば、二酸化炭素一トン当たり二万五千円程度のコスト負担となっているところでございます。 長期地球温暖化対策プラットフォームの報告書案におきましては、企業の視点では、カーボンプライシング施策による価格付けのみならず、化石燃料価格も含めたカーボンプライスが行動に影響を与えると考えられること、我が国の化石燃料価格も含めたカーボンプライスは国際的にも高額な水準にあることが指摘されております。 いずれにしましても、昨年五月に閣議決定いたしました地球温暖化対策計画では、環境関連税制等の環境効果等について、諸外国の状況を含め、総合的、体系的に調査分析を行うとされているところでありまして、炭素税の環境効果等については引き続き丁寧に検証していくことが必要と考えております。
○浜野喜史君 更に御質問をいたします。 排出量取引制度も含めたカーボンプライシングにつきましては、排出削減に対して有効な施策と考えるかどうか、これも経済産業省の見解を伺います。
○政府参考人(高科淳君) お答え申し上げます。 カーボンプライシングの有効性につきましては、理論的には最も経済効率的な削減が図られるものとされておりますけれども、実際に導入した場合の効果については様々な見解があるものと承知しております。 長期地球温暖化対策プラットフォームの報告書案におきましては、世界の中で一地域だけ高額なカーボンプライスを付けたとしても生産地が変わるだけで世界全体の排出削減にはつながらないという、いわゆるカーボンリーケージへの懸念、あるいは、排出量取引制度につきましては景気変動や産業間の公平性を考慮した排出枠の設定が難しいこと、炭素税につきましては特定産業に対する不公平感や光熱費負担を通じた家計における逆進性などの課題が指摘されております。 こうした指摘を踏まえながら、引き続き慎重に検討してまいりたいと考えております。
○浜野喜史君 経済産業省に対してこれで最後にしたいと思いますけれども、私自身は、カーボンプライシングが経済成長を促すというような主張は非常に疑わしいのではないかというふうに私自身は考えております。経済産業省としてはどのようにお考えか、見解を伺います。
○政府参考人(高科淳君) お答え申し上げます。 カーボンプライシングが経済成長に与える影響については様々な見解があるものと承知しております。 長期地球温暖化対策プラットフォームの報告書案におきましては、まず、総需要に与える影響につきましては、カーボンプライシングの手法を取るか否かによらず、排出削減を求める規制を行えば排出削減のための設備投資等の市場は拡大すると考えられる一方、マクロ経済で見れば、他の投資を抑制する可能性もあり、需要全体の拡大をもたらすとは限らないと指摘されているところです。 それから、イノベーションに与える影響につきましては、ハーバード大学のマイケル・ポーター教授が発表しました適切に設計された環境規制は技術革新を刺激するとする仮説が有名でございますけれども、実用・普及段階に入っていない技術にポーター仮説を適用できるかは議論があり、慎重を要することが指摘されております。 さらに、産業に与える影響につきましては、我が国のカーボンプライスが既に高い水準にあることを踏まえれば、これ以上のプライス上乗せは国際競争力に悪影響を与える可能性があることが指摘されております。 こうした指摘も踏まえつつ、カーボンプライシングについては引き続き慎重に検討していくことが必要と考えております。
○浜野喜史君 ありがとうございました。 これで終えると大変不公平なことになりますので、そういう指摘も踏まえながら、環境省としてはどのようにこれからの議論を進めていこうというふうにされるのか、環境省でも結構ですし、大臣でも結構でございます。お願いいたします。
○政府参考人(鎌形浩史君) カーボンプライシングは、世の中の主体に対しまして温室効果ガスのコストを意識するように炭素の排出に対して価格を付ける経済的手法の一つということでございます。既に多くの国や地方自治体でカーボンプライスの導入がされてございます。 そして、長期大幅削減に向け技術や社会構造のイノベーションを生み出す国内での取組を加速するために、あらゆる主体の創意工夫を促しながら削減に向けた行動を誘発していくカーボンプライシングは有効な手法の一つだというふうには考えてございます。ただ、様々な御指摘、懸念もあるということは私どもも認識してございます。 そういった意味で、既にカーボンプライシングを導入している諸外国において蓄積されている様々な知見や経験、こういったことも踏まえまして、長期大幅削減に向けたイノベーションを加速化する上でどういった制度が我が国にとって適しているか、こういう観点も含めまして検討を継続してまいりたいと、このように考えてございます。
○浜野喜史君 長期大幅削減に向けた長期戦略を作っていくということは公になって決定されていると思うんですけれども、これは私のちょっと理解不足かも分かりませんけれども、どういうプロセスでどういう時期までに作るんだということは必ずしも明らかになっていないんじゃないかなというふうに思うんですけれども、説明できる範囲でお願いをいたします。
○政府参考人(鎌形浩史君) パリ協定に基づきまして長期戦略を出していくということになります。これは、G7の間では昨年のサミットにおきまして、二〇二〇年までのできるだけ早い時期に提出する、こういうようなことにコミットしているということでございます。スケジュール的にはそういうことで進めていくということでございます。 プロセスでございますけれども、経済産業省さんを始め各省とよく連携しながら調整をしつつ、政府としての長期戦略の策定に努めていきたいと、こういうふうに考えてございます。
○浜野喜史君 いろいろ質疑をさせていただきまして、ありがとうございました。 御答弁もありましたように、大幅削減に関してはイノベーションが大切、技術革新が大切だということ、これはもう全く認識が両省とも一致しておられるということだと思います。その上に立って、イノベーションをどう実現していくのかという方策の面で、私の理解ではやや大きな開きがあるのではないかというふうに私は推察をいたしておるところでございます。いずれにしましても、真に効果のある実効ある施策が導き出されるような長期戦略が必要だというふうに私は考えるところでございます。 これで質問は終わりますけれども、そういう私の問題提起に対して、最後に山本大臣にコメントを是非いただきまして、本日の質疑を終えさせていただきたいと思います。
○国務大臣(山本公一君) 先ほど来、委員の御質問に対して、経産省そしてまた環境省が、カーボンプライシングの考え方、申し述べてまいったと思っております。いずれにいたしましても、この国の目標は何であるかということにおいては共通をしているんだろうと思っております。 私の経験上申し上げますと、COP3の京都会議のときに、ハイブリッドは商売にならないとトヨタの首脳の方がおっしゃいました。その後ハイブリッドがどういう状況になってきたかは御存じだろうと思います。しかしながら、ここへ来て、もうハイブリッドもエコカーではないんだとなってまいりました。たった二十年足らずでございます。そう考えていくと、イノベーションのスピードというのは我々の想像以上にこれから進んでくるんだろうと思っております。 二〇五〇年というこれから三十数年後の話でございますけれども、やっぱりこの国というのは世界をいろんな意味においてリードをしていく国だと思っておりますから、これからも経産省とほかの各省とも相談しながら、日本の世界にリードするイノベーションの開発に我々は共に頑張っていきたいなと思っております。
○浜野喜史君 終わります。 ─────────────
○委員長(森まさこ君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、尾辻秀久君が委員を辞任され、その補欠として朝日健太郎君が選任されました。 ─────────────
○三浦信祐君 公明党の三浦信祐です。 早速ですが、御質問させていただきます。 先ほど来ありますけれども、名古屋・クアラルンプール補足議定書では、国境を越えて移動する遺伝子組換え生物による損害が生ずる場合に管理者に対応措置をとること等を要求する旨を規定するものであり、我が国が議長国を務めた平成二十二年の十月のカルタヘナ議定書第五回締結会合において採択されたと承知しております。 まず初めに、月日もたっているものですから、補足議定書はどのような経緯で採択をされたのでしょうか、伺います。
○政府参考人(亀澤玲治君) お答えいたします。 平成十二年に生物の多様性に関する条約のバイオセーフティに関するカルタヘナ議定書が採択されました。この議定書は、改変された生物、いわゆる遺伝子組換え生物等が生物多様性に及ぼす可能性のある悪影響を防止するための措置に関する国際的な枠組みを定めたものです。これに対応する国内担保措置として、我が国では、カルタヘナ法を平成十五年に制定しております。 一方、遺伝子組換え生物等の国境を越える移動から損害が生ずる場合の責任及び救済の分野につきましては、カルタヘナ議定書の交渉過程で合意に至らなかったため、更なる交渉が続けられることとなりました。平成十六年にクアラルンプールで開催されたカルタヘナ議定書の第一回締約国会合以降、およそ六年間交渉が継続をされました。損害の定義、責任を負う者の範囲などの論点が残っておりましたが、平成二十二年、我が国が議長国として名古屋市で開催された第五回の締約国会合において採択に至ったのが名古屋・クアラルンプール補足議定書でございます。
○三浦信祐君 責任と救済の分野の交渉が大変御苦労があったと思います。 その上で、この補足議定書というのは、繰り返しになりますけれども、国境を越えて移動する遺伝子組換え生物等によって損害が生じた場合に生物多様性の復元等の対応措置をとること等を締約国に求めていると。そう見ますと、国と国との間を移動した遺伝子組換え生物等によって生じた損害のみを対象としていると承知しております。 一方で、現行のカルタヘナ法では、海外から入ってきた遺伝子組換え生物等のみならず、日本国内で開発をされた遺伝子組換え生物等も含めて規制の対象にしております。こうした状況下で、この補足議定書を国内担保する今回のカルタヘナ法改正案ではどのような遺伝子組換え生物等を規制の対象としているのでしょうか。また、それはどのような考え方に基づくのでしょうか。比嘉政務官に伺います。
○大臣政務官(比嘉奈津美君) カルタヘナ議定書の適用範囲は国境を越えて移動する遺伝子組換え生物等ですが、同議定書の国内担保法である現行カルタヘナ法は国内起源の遺伝子組換え生物等の使用も規制の対象としております。これは、我が国の生物多様性を保全する観点からは、海外起源か国内起源かによって遺伝子組換え生物等の取扱いに差を設ける合理的な理由がないためであります。 改正法案においても、現行カルタヘナ法の考え方に沿って、補足議定書が対象としている国境を越えて移動する遺伝子組換え生物等だけでなく、国内起源の遺伝子組換え生物等も対象としています。そのため、改正法案で追加される回復措置命令の対象も、海外起源か国内起源かを問わず、遺伝子組換え生物等によって生じた損害となります。
○三浦信祐君 ありがとうございます。 今回の改正では、遺伝子組換え生物による生物多様性への損害が生じた場合における事業者に対する回復措置命令などの新たな措置が追加されることになっております。一方で、我が国において、先ほど来ありますけれども、これまで承認した遺伝子組換え生物により生物多様性への影響が生じた例はないと承知をいたしております。 改めまして、政府がこの制度を創設しようとする趣旨を伺うとともに、加えまして、仮に生じた場合、どのような影響が想定されるか、御答弁をいただければと思います。
○政府参考人(亀澤玲治君) お答えいたします。 カルタヘナ法の下においては、遺伝子組換え生物等の使用等を行おうとする者は事前の承認又は確認の手続等を経ることが求められております。このように未然防止が図られていることもありまして、御指摘のとおり、我が国において遺伝子組換え生物等の使用等によって生物多様性へ影響が生じた事例は確認されていないところでございますが、今回の改正は、損害発生後の対応を定めた補足議定書を担保するための改正であり、これまでの未然防止の措置に加えて、万が一生物多様性への影響が生じた場合の回復措置を予防的な措置として追加することによって、遺伝子組換え生物等の規制に係る一貫した制度を整備することになると考えております。 具体的な遺伝子組換え生物等による生物多様性への影響としては、生態系に侵入して他の野生生物を駆逐してしまうこと、近縁の野生生物と交雑してその野生生物を減少させること、有害物質等を作り出して周辺の野生生物を減少させること等が可能性としては想定されるところでございます。
○三浦信祐君 先ほどの質疑の中でも政府から説明をいただいたとおりですけれども、カルタヘナ法改正案においては、回復措置命令の対象を種の保存法の国内希少野生動植物種や自然公園法の国立公園の特別保護地区等に関する生物多様性に限ることを想定していると承知をしております。 この点、種の保存法については今国会に改正案が提出をされており、国内希少野生動植物種の中に特定第二種国内希少野生動植物種という新たな類型を設けて絶滅のおそれのある野生動植物種の保存を推進することとしており、この改正案、大変重要なことであると私も認識をしております。 この特定第二種国内希少野生動植物種もカルタヘナ法の回復措置命令の対象となる種に含めるべきであると私は考えますけれども、政府の考え方を伺います。
○政府参考人(亀澤玲治君) 今国会に提出をしております種の保存法の改正案では、里地里山等に分布する絶滅のおそれのある野生動植物種の保全を推進するため、特定第二種国内希少野生動植物種という新たな類型を創設することとしております。この特定第二種国内希少野生動植物種も、絶滅のおそれが認められる国内希少野生動植物種であることに変わりはないことから、カルタヘナ法改正案に規定する生物の多様性の確保上特に重要な種に含めることを想定しているところでございます。
○三浦信祐君 これは、第一種だけではなく第二種も含めていただけるということは重要なことだと思いますので、実効性あるものにしっかりしていただければなというふうに考えております。 さて、遺伝子組換え生物の適法な使用等によって損害が生じた場合にはどのように対応するのかが懸念をされます。先ほど来、中川先生からも、また浜野先生からもあったと思います。その上で、国としてこれを明確にしておく必要があると思いますけれども、山本大臣、御所見を伺います。
○国務大臣(山本公一君) カルタヘナ法の下では、事前に適切な承認又は確認の手続を経た場合等にのみ遺伝子組換え生物等の使用等を認めており、適法な使用等によって損害が生じる可能性は低いと考えております。 その上で、遺伝子組換え生物等の適法な使用等によって生じた損害については、まずは政府が実行可能で合理的な範囲で回復措置を講ずることとなりますが、その負担の在り方については、損害の程度等も踏まえつつ、改めて検討することとなります。
○三浦信祐君 まずは、政府が合理的な措置をするということを御明言いただいたと思います。 その上で、本改正案では、第三十八条に措置命令違反に罰則を明確に求めております。先ほど御答弁いただきましたように、第一種だけではなくて、第二種の方にもちゃんと適用をするということになっています。この罰則、一年以下の懲役又は百万円以下となっております。すなわち、ペナルティーが明確なわけです。と考えますと、この対応措置については、補足議定書第二条二の(d)において「合理的な措置」とされており、先ほど大臣からも答弁いただきました。この答申においても「実行可能で合理的なもの」となっております。 この措置の範囲について、遺伝子組換え生物等を行う者に対して明示していく必要があると私は考えます。現時点においてどの程度の行為を要求することが想定されているのか、御答弁をいただければと思います。
○政府参考人(亀澤玲治君) お答えいたします。 回復措置の内容は、生じた影響の内容等に応じて個別具体的に判断されるべきものではありますが、例えばとして申し上げますと、保護地域内の生物が減少した場合には、その生育あるいは生息環境の再整備を行うこと、あるいは人工増殖した個体を元いたところに再導入することを実施することなどが想定されているところでございます。
○三浦信祐君 ありがとうございます。 この明示をしていくということが極めて使用者であったりとか事業をされる方にとっては大事だと思いますので、ここをしっかり徹底をしていただきたいというふうに思います。 合理的な措置を明示することというのは本当に事業者にとって必要なことだというふうに私は思いますけれども、この回復措置である生育環境の整備、人工増殖・再導入等については科学的な知見が必要になります。しかし、遺伝子組換え生物の使用者にそうした知見があるとは限らないと思います。また、その知見を持たなければいけないという制約を掛けるというのも、これは行き過ぎだというふうに私は考えます。 一方で、この措置が形骸的なものとならないように損害の回復をしっかりと実現をさせていく、これも欠かすことができないと私は思います。措置の実施の後、有識者等の知見も踏まえて回復の評価を行うことが必要だと考えます。先ほど大臣からも答弁いただきましたように、国が率先して事があったときにはやっていただくというふうに考えておりますので、評価というのも欠かすことができないんじゃないかなと思います。 国としてどう実施をしていくか、御見解も含めて大臣にお伺いいたします。
○国務大臣(山本公一君) 御指摘のとおり、回復措置を命ずる場合には、合理的かつ効果的な回復措置が確実に実施されることが重要であろうと考えております。 環境省においては、これまでもツシマヤマネコやトキなどの希少野生動植物種の保護増殖事業や生息・生育環境の整備等を行ってきたところでございまして、回復措置を命ずる場合には、これまでの環境省が有する知見や有識者の知見等も踏まえて、しっかりと助言やモニタリング等の対応を行ってまいります。
○三浦信祐君 ありがとうございます。 この法案が改正をされたということによりまして事業者が萎縮をするようなことがない、むしろこれを活用することによってしっかりとした安心、安全な社会づくりをしていくということも両輪としてやっていただかなければいけないと思います。その上で、この周知徹底、そして僅かな法改正の部分もあるかもしれませんけれども、これを事業者に徹底をしていくことが、国民の税金を使って万が一のことのときに対応するというようなことをしないためには、やはり重要な広報、周知徹底が欠かせないと思います。 通告をしておりませんけれども、大臣の御決意、最後、伺いたいと思います。
○国務大臣(山本公一君) おっしゃるとおり、法を作っても周知徹底が行われなかったらその法の精神というのは広く行き渡ってまいりません。大変大事なこれからの作業だというふうに思っております。
○三浦信祐君 是非大臣のリーダーシップの下で周知徹底を図っていただきたいと思います。 以上で終わります。
○武田良介君 日本共産党の武田良介です。 遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物多様性の確保に関する法律、いわゆるカルタヘナ法の改正案について質問させていただきたいというふうに思います。 今回改正となるカルタヘナ法は、二〇〇〇年一月に採択されたカルタヘナ議定書を受けて作られた国内法だというふうに承知をしております。カルタヘナ議定書は、遺伝子組換え生物、よく一般にGM生物とか言われるようでありますが、これによる生物多様性への影響を防止するための措置を規定したものだと。ただ、先ほども議論ありましたが、損害に対する責任及び救済、こういう分野については、各国の交渉が収束しないで、その後の議定書の締約国会議の中で議論が重ねられて、二〇一〇年、名古屋・クアラルンプール補足議定書が採択された、その中で損害についての責任、救済の分野について定めていくことになったと。今回の法改正が、この補足議定書で追加された内容を国内法で担保する、そういう改定だというふうに理解をしております。 そういうことからして、私は、今回のこの法改正もカルタヘナ議定書、それから補足議定書の目的や精神、これを正確に踏まえた国内法にすることが求められている、そのことが非常に重要だというふうに考えております。 まず、補足議定書の前文を読みますと、この議定書の締約国は、リオ宣言の原則十三を考慮し、リオ宣言の原則十五を再確認し、損害がある場合又は損害の可能性が高い場合における適当な対応措置について定めることの必要性を認識するということを言っております。ここに出てくるリオ宣言の原則十三、リオ宣言の原則十五とはどういうものか、読み上げていただきたいというふうに思っております。
○政府参考人(亀澤玲治君) 一九九二年の環境と開発に関する国連会議で採択された環境と開発に関するリオ宣言の第十三原則につきましては、各国は、汚染及びその他の環境悪化の被害者への責任及び賠償に関する国内法を策定しなくてはならない。さらに、各国は、迅速かつ、より確固とした方法で、自国の管轄あるいは支配下における活動により、管轄外の地域に及ぼされた環境悪化の影響に対する責任及び賠償に関する国際法を更に発展させるべく協力しなければならないと定めております。 また、第十五原則の方は、環境を保護するため、予防的方策は、各国により、その能力に応じて広く適用されなければならない。深刻な、あるいは不可逆的な被害のおそれがある場合には、完全な科学的確実性の欠如が環境悪化を防止するための費用対効果の大きな対策を延期する理由として使われてはならないと定めております。
○武田良介君 資料の一にも付けてあります。この十三原則、ちょっと長いわけですが、責任及び賠償に関する国内法を策定しなければならないというふうに明確に述べておりますし、十五原則はいわゆる予防原則を言っている。この精神にのっとって国内法を整備していくことが重要だということを考えております。 続いて、今回の法改正では損害の回復を追加するわけですが、その対象について、第三条の四で、先ほどもありました、「生物の多様性の確保上特に重要なものとして環境省令で定める種又は地域に係るものに限る。」というふうに限定をしていますが、具体的にはこれはどこになるというふうに今検討されているのか、確認をしたいと思います。
○政府参考人(亀澤玲治君) 我が国におきましては、生物多様性の保全の観点等から保護すべき特に重要な種又は地域を種の保存法や自然公園法等の各種法令で国が指定して、行為規制や保護増殖等を行っております。 このことを踏まえまして、生物多様性の確保上特に重要な種又は地域としては、種として種の保存法の国内希少野生動植物種を、また地域としては自然公園法の国立公園の特別保護地区や自然環境保全法の原生自然環境保全地域等を規定することを想定をしております。
○武田良介君 ありがとうございます。 名前はたくさん出てくるんですが、先ほどの議論にもあったように、大分、地域でいえば限られた地域になっているという状況だと思うんです。 先ほどもありました種の保存法で新設が予定されている第二種希少種、これは里地里山等での昆虫や淡水魚などの希少種を念頭に置いて定めるものだというふうに聞いておりますが、この第二種希少種、今回の対象に含まれるということでよろしいでしょうか。改めて確認をしたいと思います。
○政府参考人(亀澤玲治君) 御指摘の特定第二種国内希少野生動植物種も、絶滅のおそれが認められる国内希少野生動植物種であることに変わりはないことから、カルタヘナ法改正案に規定する生物の多様性の確保上特に重要な種に含めることを想定しております。
○武田良介君 里地里山に生息するような種ということなので、先ほどの限定と、今度は里地里山ということになってくると、また意味合いが違ってくるのではないかなというふうに思うんです。その里地里山にいる希少種を守るために、里地里山に例えばGMの植物が自生をした、それが害虫抵抗性を持つような、虫を殺すような、そういう性質を持つ、そういうGM植物が自生するということになったら、これ希少種に対して影響も出るわけで、これは防がなければいけないような事態になるんだろうというふうに考えております。 実際に、この遺伝子組換え生物が国内に広がっていくのではないかという市民の皆さんの心配というのは非常に強いものもあるのではないかと。それは、市民の皆さんの周りに遺伝子組換え生物が既に自生をしているからだというふうに思うんです。 国立環境研究所が行った道路沿いの遺伝子組換え菜種の分布調査、私も結果をいただきましたが、三重県内を走る国道二十三号線沿いの調査で、西洋菜種のうちGMの西洋菜種の割合、これ何%あったか御紹介をお願いします。
○政府参考人(亀澤玲治君) 平成二十八年七月に国立環境研究所が公表した道路沿いの遺伝子組換え菜種の分布調査では、輸入した遺伝子組換え西洋菜種の種子を輸送する主要ルートである三重県内の国道二十三号線沿いに生育している西洋菜種のうち、七五%から七八%が遺伝子組換え西洋菜種であることが報告をされております。
○武田良介君 私の資料の二番にも付けておりまして、資料の二番が五ページになってしまっていますが、二ページ目の下の方に、その七五から七八%というのも出ております。 菜種油を生産するためにGM菜種を輸入をして、それを、今回の場合四日市港ですが、その四日市港から搾るための工場に運ぶときにその種なんかを落として、どんどん自生をしているということです。七五から七八%ですから、非常に多い割合で既にGM菜種が自生をしているという、こういうことが今、三重県内に広がっているということだと思うんですね。 環境省にお伺いしたいと思いますが、こうしたGM菜種が在来種を含む菜種とも交雑をしているということがあると思うんですが、これ確認だけですが、間違いないでしょうか。
○政府参考人(亀澤玲治君) 環境省では、平成十五年度から主要な菜種輸入港周辺の主要輸送道路の橋梁や付近の河川敷等において、輸送中にこぼれ落ちた遺伝子組換え西洋菜種、いわゆるGM菜種等の生育状況調査を継続的に行っております。 これまでの調査では、こぼれ落ちた種子に由来するGM菜種と外来種である西洋菜種、若しくは同じく外来種である在来菜種との交雑が確認されておりますが、外来種との交雑個体の生育範囲の拡大は確認をされておりません。 なお、在来種との交雑は環境省の調査では確認されていないところです。
○武田良介君 資料の三の二ページ目の最後のところ、ちょうど下線も引いておりますが、この資料の三の調査では、西洋菜種の、下線の二段目ですけれども、近縁種への遺伝子流動等が確認されてきたということで、これも出ておりますが、先ほどの答弁の中で拡大は確認されていないという話がありましたが、私、三重県のお話聞きましたら、市民の皆さんが、GM菜種が道端に自生をしているもので、それを引き抜き隊といって抜く作業を定期的に毎年毎年行っていると。それでもどんどんどんどんGM菜種が生えてくるもので、毎年毎年やっているんだというお話もされておりました。 これ、拡大はしていないということを簡単に言ってしまうと、環境省の方も十分これ規制掛けられていないんじゃないかという市民の声が更に上がってしまうのではないかということは指摘しておきたいというふうに思います。 あわせて、これ、三重県にしたら非常に大問題だというふうに私思っておりまして、三重県は菜花の生産が大変盛んなところだと。三重県のブランド野菜、三重なばなをずっと売り出してきた。しかし、先ほどのGM菜種との交雑ということが三重で問題になりまして、三重なばなとして売り出したいが実はGM菜種だったということではこれはまずいので、菜花の種を県外から持ってくることになったということをお聞きしております。 三重の菜花の歴史は古くて、元々、菜種の油を搾って、そういう主要な産地としてやってきたということで、江戸の明かりは伊勢でもつというふうにも言われたことだというふうにも聞いております。その菜花がGM菜種に取って代わられるかもしれないという、そういう大変な問題なんだろうというふうに思うんです。 ちょっと、先ほどの補足議定書の精神について一度立ち返りたいと思うんですが、補足議定書の「目的」、これを読みますと、「この補足議定書は、改変された生物に関する責任及び救済の分野における国際的な規則及び手続を定めることにより、人の健康に対する危険も考慮しつつ、生物の多様性の保全及び持続可能な利用に寄与することを目的とする。」というふうにあります。 衆議院の質疑でもありましたが、生物の多様性の持続可能な利用、ここに農業を含むということでよろしいでしょうか。これは確認だけですので簡潔にお願いします。
○政府参考人(亀澤玲治君) 生物多様性の保全及び持続可能な利用につきましては農業においても重要であり、この考え方は補足議定書においても同様であるというふうに認識をしております。
○武田良介君 補足議定書では、生物多様性の持続可能な利用ということで、農業を含むと。 それでは、現行の国内法であるカルタヘナ法ではどうかということなんですが、第一条、「生物の多様性の確保」というのがありますが、ここに農業を含んでいるのかどうか、よろしくお願いします。
○政府参考人(亀澤玲治君) 農作物は人が野生植物から改良を重ねて作り出した植物であり、野生植物とは異なるものであることから、農作物への影響につきましてはカルタヘナ法に基づく生物多様性影響評価の対象とはしていないところでございます。
○武田良介君 補足議定書では生物多様性の持続可能な利用というときに農業を含んで、カルタヘナ法では含まないということです。 しかし、三重の菜花の状況というのは、やはり三重のブランド野菜の採種の方法が変わったということもあるわけですから、客観的に、これは三重の菜花の生産、三重の農業に対して影響が出ているということだというふうに思うんです。 こうした農業の被害を含む損害に対して、補足議定書では第五条の「対応措置」のところで、締約国の権限ある当局が、「(a)損害を引き起こした管理者を特定すること。」、「(b)損害を評価すること。」、「(c)管理者がとるべき対応措置を決定すること。」を行うというふうに規定をしております。 補足議定書ではこういう規定になっているわけですが、現行のカルタヘナ法、また今回の改正案も含めてですが、このような対応措置の具体的な規定は盛り込まれているのかどうか、お願いします。
○政府参考人(亀澤玲治君) 回復措置命令につきましては、改正法案第十条の第三項、これは第一種使用等に関する措置命令を定めたものですが、それらの条項等におきまして、環境大臣は、カルタヘナ法に違反して遺伝子組換え生物等の使用等がなされたこと及び遺伝子組換え生物等による影響であって生物多様性を損なうもの等が生じたこと、これらを報告徴収又は立入検査等も活用しつつ認定した上で、使用等をした者等に対しまして当該影響による生物多様性に係る損害の回復を図るため必要な措置を命ずることとしております。 これらによりまして、御指摘の補足議定書第五条二の規定は、改正法案の中で担保できているものというふうに考えております。
○武田良介君 ちょっと分かりにくい答弁なんですが、要は、明示的には書いていないけれども、実際上はそういう手続をせざるを得ないので、書いていないけど実質的にはそういう意味を含んでいるということでよろしいんでしょうか。
○政府参考人(亀澤玲治君) 補足議定書と同じ文言は使っておりませんが、補足議定書の考え方を踏まえて、法律の中ではその考え方を規定をしているということでございます。
○武田良介君 現行法では明文で書き込まれていないということ自身、私は問題があるんじゃないかというふうに思っています。 事前にもお話聞きましたが、最後の方に民事対応ということも出てきました。民法で対応措置の手続を取るという話もあるわけですが、実際に民間同士で問題を解決しようということになった場合にどうなるのかということもあると思うんです。損害の評価というのは非常に難しいのではないかというふうに思うわけです。GM生物というその特殊性ということもありますし、非常に判断が付きにくい問題があるんじゃないかというふうに思うわけです。 GM生物をつくり販売する側、管理者は国際的にも展開するような大企業になり得るというふうに思いますし、片や日本国内で被害を受ける者ということになれば、個別の農家さんということも当然あり得るでしょうし、せいぜい農協だとかそういったものだろうというふうに思うわけですが、GM菜種による被害の全貌を証明することができるかどうかということは少し考えただけでも、これは本当に民法に任せていていいのか、それで本当に救済になるのかということは指摘をしたいというふうに思うんです。 EUの対応も一つ紹介をしておきたいと思うんですが、補足議定書の責任規定、これは汚染者負担の原則に基づいて大枠を定めたEUの環境責任指令が扱うということを言われております。これも、ある論文では、環境責任指令の未然防止措置と修復措置が補足議定書の対応措置を完全にカバーし得ると考えられるというふうに指摘をされております。 こうした内容はそれぞれの国内法で定められるわけですから、EUを見習って、今の話、カルタヘナ法でも今回の改正の内容に明示的に盛り込む必要があるんじゃないかというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(亀澤玲治君) 御指摘のEUの環境責任指令は、汚染者負担原則に基づいて環境責任の枠組みを確立することにより、環境的損害を予防又は回復し、損害を被った資源と事業を基準となる状態に戻すことを目的としたものと認識をしております。 我が国におきましても、遺伝子組換え生物等については、カルタヘナ法の改正によりまして回復措置命令を命ずることができるようになることから、同様の対応を図ることができるというふうに考えております。
○武田良介君 やはり、その責任と救済という点で明確に書いていく、そこの弱さを残してはならないだろうというふうに私は思っております。 カルタヘナ法の第一条、「目的」のところに、この法律は、カルタヘナ議定書の的確かつ円滑な実施を確保し、もって人類の福祉に貢献するとともに現在及び将来の国民の健康で文化的な生活の確保に寄与することを目的とするというふうにしております。 今読みましたが、議定書の的確かつ円滑な実施を確保する、これがカルタヘナ法だということですから、的確にこういう項目を含むべきだというふうに思いますが、最後に環境大臣の認識を伺いたいと思います。
○国務大臣(山本公一君) 現在までの先生の御意見等をお伺いしながら、まずは遺伝子組換え生物等の使用によって生物多様性に悪影響が生ずることを未然に防止していくということが重要だろうと思います。 そのため、カルタヘナ法に基づく事前の承認又は確認の手続等を一層確実に実施をしていきたいと思います。さらに、万が一遺伝子組換え生物等によって生物多様性に損害が生じた場合にも適切な対応を取ることができるよう、補足議定書をできるだけ早期に締結するとともに、改正法案をお認めいただいた場合には、その着実な実施に努めてまいりたいと思っております。
○武田良介君 未然に防止する、やっぱり非常に重要だと思います。それに本当に力を尽くすとともに、実際に三重の菜花とかパパイヤの話もありましたけれども、実際に被害が出るという状況も起こりつつあるわけですから、その点の救済という点も含めて更に強化をすることが必要だろうということを述べて、質問を終わりたいと思います。 ─────────────
○委員長(森まさこ君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、世耕弘成君が委員を辞任され、その補欠として足立敏之君が選任されました。 ─────────────
○石井苗子君 ありがとうございます。日本維新の会の石井苗子です。 私、最終なので質問が大分ダブってくるのは仕方ないと思いまして、通告の時点で山のように質問を出しまして、先ほど民進党の浜野議員から何でも質問していいのだと言われましたので、出したところ、ちゃんと通告は時間どおりやったんですが、昨晩の遅くまで答えたくない答えたくないというようなたらい回しの事件が起きまして、私はせっかく環境委員になったので少しでも賢くなりたいと思っていろんな質問を出しましたが、どちらかというと、このぐらいの法案で深いところ突っ込んでくるなみたいな反応がありまして、お答えいただくように集まっていただきまして、ありがとうございます。急ぎます、十五分なので。 改正された法案の中で周知徹底をお図りになるということでございます。これは周知徹底をしますと、その法律ができたら、国民のあらゆる人が要らぬ不安、不要な不安というのを抱えるような事態があってはいけないと私は思っております。 規制と罰則について具体的にどうやっていくのか、詳細に検討しないと実施が不可能になっていくということで、資料の一から入りたいと思います。 これは参議院環境委員会調査室参考資料の八ページ、措置命令の追加に対する罰則の追加ということで、今回の日本でのカルタヘナ改正法は、違法に遺伝子組換え生物などの使用がされた結果として生物の多様性を損なう影響が生じたと認めたときに損害の回復と一年以下の懲役又は百万円以下の罰金となっています。これは、例えば著作物の複製を頒布した場合、許可なく臓器のあっせんをした者という、それぞれ著作権法や臓器移植法で同じように百万円と一年以下というのが出てきて、これに相当する厳しさです。臓器のあっせんの経緯というのは判明できると思うんですが、この法案に関しては違反した事業者というのをどこにどう特定するのか、摘発の基準というのはどうなっているのかというのが気になります。 農水省の独立行政法人や環境省の人が立入り捜査をする前にどこかが通告を出してくるのだと思いますが、例えば一般の人たちはこの刑罰に当たらないように注意しなければなりません。どこかの知らない市民団体が知らないうちに遺伝子の検査をしていてそこで通報されたというようなことが起こらないように、どこで気を付けて注意していればいいのか、何かそういう注意することが分かれば安心できると思うのですが、この違反した事業者をどう特定するのか、摘発の基準はどうなっているのか、どこを気を付けていれば安心できるのかということについて、お答えいただきたいと思います。
○政府参考人(亀澤玲治君) お答えいたします。 改正法案における回復措置命令とその違反に対する罰則につきましては、事前承認の手続等を経ずに違法に遺伝子組換え生物等を使用等をした者を対象としております。この使用等には食用に供するための使用あるいは運搬などが含まれるため、遺伝子組換え生物であると知って食用としての使用や運搬等を行う場合には事前の承認が必要ということになります。ただし、例えば承認を受けていないことを知らずに譲り受けた遺伝子組換え生物等を栽培したような場合、そういう知らずに行った場合にはそもそも法の規制の対象にはならないというふうにしておりますから、その場合は回復措置命令やその罰則が適用されることにはなりません。 しかしながら、遺伝子組換え生物等の使用等に当たっては、カルタヘナ法に定められている手続等を遵守することによって、我が国の生物多様性への影響を未然に防ぐことが重要であることから、それと知らずに遺伝子組換え生物等が使用等されるような事態が生じることのないよう、国としても今回の改正内容も含めてカルタヘナ法のしっかりとした周知に努めてまいりたいというふうに考えております。
○石井苗子君 要するに、どこにどういう事業者をというのはまだ決まっていないようでしたら、後で教えていただきたいと思います。(発言する者あり)やっぱりもう一回、じゃ繰り返して。 このようなきつい罰則がありますと、まず事業者をどう特定しているのか、摘発の基準はどうなっているのか、市民団体から知らないうちに通報されたというようなことがないように、どこに注意をしていれば安心できるのかという、何か注意することがあれば教えていただきたいと質問いたしました。
○政府参考人(亀澤玲治君) 使用等をした者が事前の承認を経て使用、栽培とか運搬とか行うわけでありますが、その承認を経た内容に違反をして行った場合に対しまして回復措置命令、それによって生物多様性に……(発言する者あり)使用者等というのは使用等を行った者ということでありまして、それには食用に供するための使用とか運搬とか、そういうものが含まれるということでありまして、それらを行った者ということであれば、業者でなくても個人であっても、そういうことを行った者が使用者等ということになりまして、それが事前の承認を経ずに違法に遺伝子組換え等生物等を使用した場合に、生物多様性への影響が生じたことが確認をされれば回復措置命令を講ずることができるということでございます。(発言する者あり)
○委員長(森まさこ君) 速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(森まさこ君) 速記を起こしてください。
○政府参考人(亀澤玲治君) お答えいたします。 これまでに承認をされている事業者というのは、例えばでございますけれども……(発言する者あり)摘発に関しましては、警察等からの連絡等もありますでしょうし、実際に対象としている区域あるいは対象としている種に影響があるかどうかということにつきましては、そういうことの保護活動等を行っている一般の方々からの通報、あるいは環境省が管理している国立公園の特別保護地区等でありますから、そういうところの生物多様性が失われたということに関しましては現地のレンジャー等からの通報等、そういうことを踏まえまして違反かどうかということを確認をしてまいりたいというふうに思っております。
○石井苗子君 ありがとうございます。 今回の生態系への影響は、処罰や回復措置命令については国が主体となって違反した事業者を摘発するということになっていますので、周知徹底した後は、一般の人たちが通報してこないように、警察が何か言ってこないようにというふうに、例えば梨を農業しているとか、そういう事業者という人たちは日々、こういう法律ができたんだ、気を付けなきゃならないからね、摘発されることもあるからねというふうに考えて生きていくというふうに理解しました。警察と一般の人の通報ですね。 次の質問に参ります。ちょっと質問、楽しい方へ。 バナナの話をいたしますが、資料の二でございまして、新パナマ病でバナナの木が枯れる異常事態がフィリピンで続いておりまして、日本のバナナの値段がこれで上がりました。野生のバナナは五百種あります。食用になりません、じゃりじゃりで種が多くて。突然変異で生まれた種なしバナナが今食用になっておりまして、これが株分けで増殖します。つまり、全て同じ遺伝子を持っているクローンバナナというわけで、それが土壌のカビが原因で新パナマ病にかかり危機状態にあるという、今後は遺伝子組換えで強いバナナを作っていくということが、まあ期待していいのかよく分かりませんが、そういうことになりますが、日本人はバナナを年間百万トン食べます。輸入の米と小麦を合わせて五百万トンの輸入ですから、すごい消費国だということになりました。 こうした遺伝子組換えバナナですけれども、こうした具体的な案件が出てきたときにどこがどう判断していく日本国なのでありましょうか、お答えください。
○国務大臣(山本公一君) 現在、バナナを含む様々な遺伝子組換え生物等の開発が研究されているということは承知をいたしております。 今後、遺伝子組換えバナナを我が国で栽培するとの申請があった場合には、カルタヘナ法に基づきまして、農林水産省と環境省が共同で学識経験者による生物多様性に対する影響の評価を実施した上で、その承認の可否を慎重に判断をしてまいりたいと思っております。 その上で、先ほど来議論を聞いておりまして申し上げたいんですけれども、私は和歌山の南方熊楠という方を尊敬いたしております。あの方がおっしゃって、何十年掛かって、結局死後に実現してきた世界があるんですけれども、一度失ったらもう取り返すことは不可能に近いということをあの方はおっしゃっておられました。そういうことを私はずっと見てきて、今回のこのカルタヘナ法のいろんなことを思うときに、とにかく失うものがないようにしたいなというふうに思っておりますので、御理解を賜りたいと思います。
○石井苗子君 ありがとうございます。 五十二分までということなので、時間がありません。 菜種とそれからこぼれ落ちたことという話が出ておりましたけれども、アメリカは科学的危険性は遺伝子組換えについて認めておりません。人間に危険だという根拠や実証がまだないとしています。片やEUですが、真反対で、九〇年代から二〇〇〇年にかけてアメリカと真っ向から対立しました。先ほどの大臣がおっしゃったことをEUは予防原則と言っております。この理念を政策に掲げ、科学の不確実性は重大であり、後から取り返しが付かない、つまり生態系全体を俯瞰してEUの政策を出していかないといずれ人間も経済も悪影響を及ぼすことになるというのがEUです。この辺り、アメリカとEUの物の考え方は反対です。 そこで、その背景の中に、外務省にお聞きします。 アメリカから遺伝子組換え作物を大量輸入している日本がなぜ遺伝子組換えの基準が厳しいEUのルールに批准するのかということについて、現在はEUに日本から輸出しているのは、私調べました、水産関係のホタテ以外に余り主になるものがありません。EUは日本にとって厳しい食品基準を守っているわけですが、その高いEUの食品基準を守ってまで輸出するマーケットでないマイナーな市場だと思うのですが、これも答えたくないと言われましたけど、批准する意味というのをお聞かせください。
○政府参考人(森美樹夫君) お答えいたします。 本名古屋・クアラルンプール補足議定書でございますが、この補足議定書は、改変された生物、これがいわゆる遺伝子組換え生物等を意味しますけれども、改変された生物による生物多様性への保全の悪影響を未然に防止する二〇〇〇年に採択されましたカルタヘナ議定書、この規定に加えられる形で、改変された生物の国境を越える移動により損害が生じた場合の対応措置を規定した国際約束でございます。 この補足議定書が発効すれば、改変された生物の国境を越える移送がもたらし得る悪影響について、未然の防止に加えまして、損害発生後の対応に至るまでの一貫した国際的な枠組みが完成することになり、改変された生物の安全な利用のための国際協力の一層の推進に資するものでございます。 また、この補足議定書は、二〇一〇年に我が国が議長国となって開催いたしましたカルタヘナ議定書第五回締約国会合で採択されました、我が国の都市名を冠する国際約束でもあることから、我が国としては本補足議定書を着実に推進していくことが国際的に求められていると考えております。
○石井苗子君 名古屋という名前が日本にあるので、議長国なので、その顔という立場もあったと思っておりますが。 次の質問ですが、外務省で別途今議論をやっているということで、この条約と議定書、日本国内でどういう法律にしていけば、どういうふうに国内でやっていけばいいかということを環境省と外務省の間で話し合ったと。そもそも遺伝子組換え技術の条約とか議定書、さらにゲノムの編集に関してですが、国際的な合意というものがあるんでしょうか、それともまだコンセンサスがなくて規制の議論の最中なのかということなんですけれども。 それのお答えと、それから農林水産省に関しては、質問も出ていますけれども、発芽が可能な状態で毎年二百万トン以上輸入されているのが菜種です。八割以上が遺伝子組換えです。これが、菜種原料栽培は日本で認めていません。認められているのは、ハイテク企業には認めています。これ、正しいでしょうか、まず。カルタヘナ法上では、日本のハイテク企業は……
○委員長(森まさこ君) 石井君、時間になりましたのでおまとめください。
○石井苗子君 研究目的で栽培してよいとなっていますが、これを売ってもいいとか加工してもいいとかということなんですけれども、遺伝子組換え菜種を使っても、栽培されていなくても使って加工品にしてもいいというこの理解は正しいでしょうか。
○委員長(森まさこ君) 森審議官、時間ですので、お答えは簡潔に願います。
○政府参考人(森美樹夫君) お尋ねがございました遺伝子組換え技術自体を規制するような国際約束があるかということでございますけれども、これはあるとは承知しておりません。それから、そのような国際約束の作成のための国際的な議論が行われているとも承知しておりません。
○委員長(森まさこ君) 小川参事官、時間ですので、簡潔にお願いいたします。
○政府参考人(小川良介君) 遺伝子組換え菜種の栽培につきましてお答え申し上げます。 我が国におきましては、これまで十三種類、カルタヘナ法に基づき生物多様性の評価を実施した結果、栽培、加工、保管することが十三種類について認められております。したがいまして、これら十三種類につきましては国内において栽培を行うことは可能でございます。ただし、油ですとか食用として生産する場合には、別途食品衛生法に基づきまして食品としての安全性の審査が必要になっております。 以上でございます。
○石井苗子君 終わります。ありがとうございました。
○委員長(森まさこ君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(森まさこ君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(森まさこ君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午前十一時五十五分散会