環境委員会 第7号
- 発言数
- 87 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 2017/04/06
会議録
○委員長(森まさこ君) ただいまから環境委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日までに、松川るい君、長沢広明君及び世耕弘成君が委員を辞任され、その補欠として鴻池祥肇君、三浦信祐君及び小野田紀美君が選任されました。 ─────────────
○委員長(森まさこ君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 原子力利用における安全対策の強化のための核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣府政策統括官平井興宣君外七名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(森まさこ君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(森まさこ君) 原子力利用における安全対策の強化のための核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○磯崎仁彦君 自由民主党・こころの磯崎仁彦でございます。 今議題となりました原子炉等規制法等の改正法案について質問をさせていただきたいと思います。 まず、質問に先立ちまして一言発言をさせていただきたいと思います。 去る三月の十七日に前環境大臣政務官をされておりました白石徹衆議院議員が逝去されました。ちょうど私がこの環境委員会の委員長をさせていただいているときに環境大臣政務官をされておりました。そのとき体調が悪い様子でございましたので、非常に心配をしておりましたけれども、このように残念な結果になってしまいました。山本大臣はまさに同郷の同志でございますし、私も四国の議員ということで、四国ブロックの会議におきましてはいろいろ御指導いただきました。白石徹先生の御冥福を心からお祈りを申し上げたいというふうに思っております。 それでは、気持ちを切り替えまして、質問をさせていただきたいと思います。 まず、非常に大きな話でございますけれども、安心と安全ということについて大臣に質問をさせていただきたいというふうに思っております。よく安全、安心ということで、対でいろいろ話がなされます。しかしながら、安全と安心とは当然のことながら内容は異なるわけでございます。 私は、この安全、安心につきまして意識をしましたのは、国会議員になります前に民間の企業におりまして、危機管理、リスクマネジメントを担当しておりました。また、同じくコンプライアンスというのを担当しておりまして、そのアドバイザーの先生から、もう十年近く前になりますけれども、最近は消費者の企業を見る目が非常に厳しくなってきている、消費者の方は安全ということだけではなくてやはり安心を求めるようになったという、そういう発言をされたことがございました。そして、たしか昨年であったと思いますけれども、党のある部会の中でもある有識者の方が、安心と安全とは違うんだ、これをやはりはっきり分けて議論すべきだという、そういう話を伺いまして、改めてこの安全と安心ということにつきまして強く意識したということでございます。 安全は基準等で推し測ることができる、そういう評価することが可能なものだというふうに認識をしております。他方で、やはり安心というものは、まさに人それぞれの心理的なものがあるというふうに思っております。なかなか評価をしたり推定をすることができない、ただ、やはり非常に重要な要素だというふうに思っております。安心感を得るためには、まさに信頼を得ることが前提であるというふうに思っております。信頼のない企業が幾ら安全基準を満たしたと言っても、安全だ安全だと言っても信じてもらえないわけでございます。信頼感のないところに安心はない、私はそのように思っております。 そして、一般的には、安全は、その安全の基準を満たすためにはやはりコストが掛かるという面があるかと思います。安全の基準を厳しくすることにはなかなかやはり上限がない、どこまで安全というのを満たしたらいいんだろうかということも恐らくあるんだろうというふうに思っております。また、コストを考えない安全対策というものは、それによって別の安全対策、これを失うということで機会費用をもたらすということがあるんだろうというふうに思っております。私は、決して安全ということをおろそかにすべきだということではないので、誤解をしていただきたくないなというふうに思っておりますけれども、そのように考えております。 私は航空会社におりましたので、一つ例を挙げさせていただきたいと思います。今でこそ飛行機はほとんどエンジンが二発、こういった飛行機が今一般的になってきておりますけれども、昔は、例えばジャンボとかいって四発エンジン、こういった飛行機がたくさん飛んでおりました。これもある意味理由がございまして、いわゆるETOPSという、こういう考え方がございます。英語は苦手なんですけれども、エクステンデッド・レンジ・ツインエンジン・オペレーショナル・パフォーマンス・スタンダード、いわゆるETOPSというふうに言われておりますけれども、これは、ツインの、エンジンを二基しか持たない旅客機、これはそのうちの一基が飛行中に停止した場合であっても一定時間に代替の空港へ緊急着陸できる、こういうことが可能な航空路のみでしか飛行が許されないということで、例えば、一番最初は、最寄りの飛行場から百マイル、あるいは、そこに六十分以上離れたら駄目なんだということで、大きな大洋上空を飛んだり、北極海上空を飛ぶことが難しい、こういった状況の下で、四発の飛行機がそういう長距離では使用されておったという状況がございました。 ただ、その後、やはりエンジンの性能も非常に良くなって、このETOPS、百二十分ルール、いわゆる、昔は六十分離れておったら駄目だということが百二十分まで拡大をされて、それによって例えばこの二発のエンジンの飛行機が今のようにどんどん導入されてくるようになった。今ではETOPS二百四十とかで、百八十とか二百七とか二百四十とか、どんどんやはりエンジンの性能が良くなってきているということで、こういった基準も緩和をされて現在に至っているということがございます。 やはり私は、技術開発をされたり新しい技術が導入をされる、これによって安全基準といったものも不断に見直していく、そういうことが必要なんだろうというふうに思っております。ただ、やはり他方で、いろんな事故が発生をした場合には、それに伴って規制を厳しくしていく、こういったことも必要なんだろうというふうに思っております。 私は、多くの人が納得をするような、こういう安全基準を満たした上で、日頃から消費者に対して、国民の皆様に対しては真摯な対応を取ること、これはやはり必要なんだろうというふうに思っております。 またとかく隠蔽という言葉もよく使われるわけでございますけれども、こういった物事を隠す隠蔽体質ということではなくて、公開をしていく、透明性を持って臨む姿勢、これがやはり信頼感を醸成することにつながるんだろうというふうに思っております。 更に言えば、万が一の事故の場合でも被害を阻止できる、そういう体制を、例えば企業であれば社内にきちんと完備をしていく、こういったことを取っていくことによって国民の皆様に安心感を持ってもらう、安全基準をきちんと満たした上で国民の皆様に安心感を持ってもらって初めて事業は成り立っていくんだろうなというふうに思っております。 そういった意味では、とかく安全、安心ということで一くくりに言われるわけでございますけれども、やはり安全、安心というのはきちんと区分けをした上で、安全とは何なのか、安心とは何なのか、これをやはり、きちんといろんな機会に認識をした上で物事を遂行していかなければいけない、このように思っているわけでございますけれども、この安全、安心ということについて、大臣の所見がございましたら是非お伺いをしたいというふうに思っております。
○国務大臣(山本公一君) 安全と安心については様々な意見があると思っております。 具体の事例によっては異なることも考えられますけれども、委員が今おっしゃいましたように、航空会社での御経験を踏まえての御発言だったと思います。一般論としては、委員のようなお考えはよく我々も理解ができるところでございます。
○磯崎仁彦君 ありがとうございました。 先ほども申し上げましたように、やはり安全基準というのは、技術開発、そういったものを踏まえて不断に見直す、そういった中で、信頼感を醸成をする、安心感をもたらす、そういったことにやはりきちんと取り組んでいかなければいけないなというふうに思っております。 それでは、次の質問に移らさせていただきたいと思います。 原子力規制委員会のいわゆる自己評価ということを是非行っていただきたいなということで質問をさせていただきたいと思います。 平成二十三年の三月の十一日、もうこれは忘れもできないことでございますが、東日本大震災が発生をいたしました。東京電力福島第一原発の事故が発生をしたわけでございます。そして、翌平成二十四年六月二十日に原子力規制委員会の設置法が制定をされました。この法律に基づいて、同年平成二十四年九月十九日に三条委員会として原子力規制委員会が発足をしたわけでございます。 この法律におきましては、法の目的としまして次のような記載がなされております。原子力利用に関する政策に係る縦割り行政の弊害を除去し、並びに一つの行政組織が原子力利用の推進及び規制の両方の機能を担うことによって生ずる問題を解消するため、原子力利用における事故の発生を想定し、その防止に最善かつ最大の努力をしなければならないという認識に立って、国際的な基準を踏まえて原子力利用における安全の確保を図るため必要な施策を策定し、又は実施する事務を一元的につかさどるとともに、委員長及び委員が専門的知見に基づき中立的な立場で独立して職権を行使する原子力規制委員会を設置し、もって国民の生命、健康及び財産の保護、環境の保全並びに我が国の安全保障に資することを目的とする、これがまさに原子力規制委員会の設置の目的ということでございます。 原子炉等規制法もこの平成二十四年の原子力規制委員会設置法によりまして改正をされました。いわゆる四十年運転制限制度あるいはバックフィット制度の導入等がなされたわけでございます。また、新規制基準に基づいた審査が今行われているということでございます。 二〇一六年のIRRSのレビューにおきましても、資料としてお配りをさせていただいておりますけれども、冒頭のGP1、GP2、この二つがいわゆる良好事例ということで、そこに記載をされておりますとおり、やはり評価をする、そういった内容のコメントもこういった中で出されているわけでございます。 これらを踏まえて、原子力規制委員会として、設立から四年半、どのように自己評価をされるのか、評価すべき点、まだまだ不足点がある、そういう点について、田中委員長に是非御見解をお願いをしたいというふうに思います。
○政府特別補佐人(田中俊一君) 先生御指摘のように、原子力規制委員会はほぼ四年半前に発足しました。この発足の経緯は、今御紹介いただきましたように、東京電力福島第一原子力発電所の深刻な事故が起きたということであります。その結果何が起こったかというと、原子力安全規制行政に対する信頼が全く失われてしまったということがあります。よく俗に規制のとりこになっていたということがありますので、そういったことを踏まえまして私どもが一番最初に目指したことは、いかに失われた信頼を取り戻すかということであります。 そのためにどうすればいいかということですが、まず安全審査、安全の審査は科学的、技術的な見地から独立して判断し、意思決定も独立して行うということであります。それから、私どもの全ての会議、審査、そういったものは全部今ユーチューブで公開しておりますけど、まず国民の目から見て極めて透明性の高いものにする必要があるというふうなことで運営してまいりました。実際に、今インターネットで全ての会議や審査が全部御覧いただけることになっております。 それで、そういった観点から、そういった基本的な考え方に基づいて、原子力施設については新しい新規制基準と言われるものを策定いたしました。これは福島の事故の反省を踏まえて作ったということであります。つまり、福島のようなああいった深刻な事故を二度と起こしてはいけないということ、それから、仮に完全にトラブル、事故は防ぐことはできないにしても、住民が避難しなければいけないような事故を防ぐことが必要であるということであります。 今回の規制基準の一番大きな柱になっていますのは、大きな事故につながる共通要因と言われる天災、自然災害、これについての要件を非常に厳しく見ております。そういった規制基準に基づいて、これまで二十六基の原子力発電所の申請を受け、審査を行ってまいりまして、現在三基が稼働しているという状況であります。 このほか、私どもに与えられたミッションとしましては、いわゆる核セキュリティーの問題、これも今の世界の情勢の中では非常に重要なものであります。それから、従来から原子力委員会等で所掌しておりました、いわゆる保障措置、セーフガード、こういった機能も私どもに統合されました。さらに、医療とか工業とかいろんなところで広く使われております放射線利用、放射線利用に関する所掌業務も文部科学省から私どもの方に移りましたので、これについても適正に安全に利用できるような取組を図ってまいりました。 こういった非常に幅広い取組について、昨年IRRSというIAEAのレビューを受けまして、私どもの取組について、どういった問題があるのか、どういった点は良くて、どういった点がいいというよりも、どういう改善すべきところがあるのかということを指摘していただくためにIRRSのレビューを受けました。準備に一年以上掛けて、組織を挙げて取り組んでまいりまして、昨年そのレビューを受けた結果、今日ここに資料にお出しいただいておりますように、良好事例も二つほどありましたけれども、いわゆる幾つかの改善すべき提言もたくさんいただいています。今回、その中でも特に検査制度を始めとして改善すべき点、私どもとしては、これを実際に具体的にどういうふうに法律に反映していったらいいかということで検討してまいりまして、今回の法律の提案になっております。 どのぐらい反省すべき点、自己評価ということですが、なかなか自己評価は難しいんですけれども、非常に短期間の中に相当インテンシブに規制庁の職員の皆さんとともに努力をしてまいりまして、一定程度の使命は果たしてきていると思いますが、まだまだ改善すべき点は多々ありますので、引き続き謙虚に規制行政の推進を図っていきたいというふうに考えております。
○磯崎仁彦君 今、田中委員長の方からお話をいただきました。是非、国民の皆様の信頼を取り戻すためにこれからもしっかりと頑張っていただきたいなというふうに思っております。 今、田中委員長のお話にも出てまいりました。お配りをしている資料が、まさに昨年にIAEAの方から提出をされました報告書の内容ということでございます。二項目の良好事例とともに十三の勧告と十三の提言、これが示されているというわけでございます。まさに今委員長の方からもお話がございましたように、この中の一項目が検査制度の見直しということにつながっているわけでございますけれども、この十三の勧告と十三の提言、これが法改正の前提になっているというふうに思っておりますけれども、なかなか恐らく全てのものが今回の改正に結び付いていないのではないかなというふうに思われるわけでございます。 もちろん、全てが法改正でやるものなのかといえば、法改正でやるべきものもあれば、運用の変更とか、そういったもので対応すべきものもあるんだと思いますけれども、まずお伺いをしたいのが、今回のこの十三の勧告、そして十三の提言、これが今回の法改正によってどのように反映をされているのか、そのことについて質問をさせていただきたいと思います。
○政府参考人(荻野徹君) お答え申し上げます。 IRRSの勧告につきましては、真摯に対応するということで、法改正が必要であるもの、あるいはそれ以外の予算措置が必要であるもの、運用上の改善があるものがありますが、全ての項目についてきちんと対応するということで取り組んでおります。 そのうち、今回御提案いたしております法案との関係で申しますと、検査制度の見直しが勧告の九、この資料で見ますと、レコメンデーションのRを取りましてRの九とありますけれども、その関連でございます。それから、廃止措置実施方針の作成、公表といった規定を新設をしておりますけれども、これは勧告の八、Rの八の関連でございます。それから、放射線源規制における防護措置の義務化や放射線審議会の調査審議、意見具申機能につきましては勧告の三、Rの三で、放射線規制について規制委員会としてもっと資源を投入すべきであるという勧告に関連するものでございます。
○磯崎仁彦君 今御答弁をいただきましたが、この十三の勧告と十三の提言については、法改正については今お話のあった提言の三、八、九、これに関係するということではあるものの、その他の項目につきましても、例えば予算措置であるとか、あと何ておっしゃっているんでしたっけ。(発言する者あり)予算措置等々で全て今回対応をしているということでよろしいんでしょうか。
○政府参考人(荻野徹君) お答え申し上げます。 内容は多岐にわたるわけでございますけれども、体制を増強しろといったものにつきましては予算措置を講じて体制を整備をしております。それ以外のマネジメントシステムについての勧告も多々ございます。これはまさに運用にわたる事項でございますので、法律改正ということではございませんけれども、内部的にいろいろな計画を立てる等々の改善を加えているところでございます。 それ以外にもいろいろな細かい基準を明確にせよというものも多々ございまして、これは原子力規制委員会の規則でございますとか、あるいはそれ以外のガイドラインでありますとか、そういったところをより精緻にせよという提言も多々ございまして、それも全て取り組んでおります。
○磯崎仁彦君 そういった意味では、法改正、それから基準、ガイドライン等々の明確化、それから予算措置、いろんなやり方で今回のこの十三の勧告、十三の提言については対応されるということで理解をいたしましたので、是非しっかりと対応をしていただきたいというふうに思っております。 それでは、具体的な原子炉等規制法改正の内容について質問をさせていただきたいと思います。 まず、この改正の内容につきましては多岐にわたっているわけでございますけれども、内容によって時期的なものは段階的な運用になっているというふうに思っております。公布から三か月以内に実施するというふうにされているのもあれば、一年六か月以内に実施する、あるいは柱であります検査制度の見直しについては公布から三年以内ということで、非常に段階的な運用になっているわけでございますけれども、この段階的な運用になっている、段階的な施行とした理由について、御答弁をお願いをしたいと思います。
○政府参考人(山田知穂君) 今回の法改正は、原子力利用における安全対策の強化ということで、原子力施設等の検査制度の見直し、放射性同位元素に対する防護措置の義務化、放射線審議会の機能強化、放射性廃棄物の処分などに係る規制制度の整備などなど、多様な分野での取組を行おうとするものでございます。 制度運用のための規定類の整備とその周知に加え、被規制者における具体的な安全対策の準備や実施等が必要でございますので、それぞれに要する期間が異なっております関係上、段階的な施行という形にさせていただいたものでございます。
○磯崎仁彦君 今いただきましたように、規制の周知であるとか準備にそれぞれ時間が掛かるということでございますので、しっかりこの期間に対応していただきたいなというふうに思っております。 それでは、メーンとなります検査制度の見直しについて質問させていただきたいと思いますが、時間の関係もございますので少し質問を飛ばしまして、今回の改正の内容につきましては、恐らく現在の検査制度の課題あるいは問題点、これに対応する、あるいはIRRSのレビューで指摘された、先ほど御答弁いただいたこの内容に対応していくということが内容だと思いますけれども、今回の検査の見直しのポイントがどこにあるのか、答弁をいただきたいと思います。
○政府参考人(山田知穂君) 今回の検査制度の見直しの考え方でございますけれども、原子炉等規制法では、事業者に対して原子力施設が基準に適合するよう維持する義務等を課してございます。その適合の状況については、法律上明定された複数の種類の検査、これによって確認をするという仕組みになってございます。 その中で、現行の検査制度につきましては、様々な対象ごとに国が行う検査というものと、事業者が行うとされている検査が混在をしているところがございます。それら検査の内容や実施時期が限定されているといったようなこともございます。基準への適合性を確認することに主眼を置く余りに、検査の結果としてその適否を指摘をするといういわゆるチェックリスト方式となっているという課題があるというふうに認識をしてございます。 こうした制度では、ともすると、事業者にとってみますと、検査に際して規制上の要求、これを最低限満たしていればいいといったような考え方で対応するといったようなことになりがちだというふうに考えてございます。 今回の見直しにおきましては、このような懸念を払拭するという観点から、検査の実施の義務を事業者に課した上で、この実施状況を踏まえて事業者の保安活動全般を規制機関がチェックするという仕組みとして、事業者による主体的かつ継続的な安全性の向上への取組を促進をするという制度にしたいというふうに考えているところでございます。
○磯崎仁彦君 ありがとうございます。 検査制度につきましては、やはり見直しを行っただけで機能するというわけではないというふうに思っております。やはり機能させていくためには様々な条件が必要なんだろうというふうに思っております。 先日、四月の四日のこの委員会におきましても浜野委員の方からいろいろこの条件等々について質問があったと思いますので、一部重複はするかと思いますけれども、違った観点を含めて質問させていただきたいと思います。 私、この新たな検査制度を機能させていくためには、事業者側で満たしていく条件、これが一つあるんだろうというふうに思っております。もう一つはやはり規制側、こちらで満たしていく要件、これももちろんあるというふうに思っております。更に言えば、前回、浜野委員の方からも話ありましたように、今回の変更の内容、これをやはり立地自治体であるとか国民の皆様にきちんと説明をして理解をしていただく、こういったことも恐らく条件の一つに入ってくるのではないかなというふうに思っております。 これらのそれぞれの条件の前に一点、是非、田中委員長に御見解をお伺いをしたいなというふうに思っております。 先ほどもお話をしましたように、私は航空会社にいた人間でございます。一番感じましたのは、日本とアメリカの事故に対する考え方、これはやはり大きく違っているなということを痛感をしておりました。やはり航空会社も、航空機事故というのは非常に大きなリスクでございますので、それにどう対応していくかということが大きな課題であったわけでございますけれども、日本とアメリカの大事故が発生をした場合、この対応については、日本の場合には、どちらかというといわゆる処罰ということに重きが置かれて、再発防止というのはその次になっているのではないだろうかと。ただ、アメリカの場合には、やはり再発防止をどう進めていくのか、原因がどこにあって、そのために、それを踏まえて再発防止をどうやっていくのかと。もちろん処罰という観点もありますけれども、この比重というものが私はアメリカと日本とで違っているのではないかなということを航空会社にいたときに強く感じました。 事故はよくヒューマンエラーがかなりの割合を占めるというふうに言われるわけでございますけれども、特に今のこの時代には、事故の多くはいわゆるシステム性の事故であるというふうに言われます。例えば機械と人間との関係であるとか、人間と人間との関係であるとか、こういったところで発生するのが事故であるというふうに言われておりますので、こういったことをやはりどう踏まえていくかというのは必要なんだろうというふうに思っております。 もう一つは、やはり日本の場合には、事故のその加害者に対してのみ結構注目が当たると。ただ、やはり事故の被害者に対する例えば事故原因の説明であるとか支援であるとか、こういったことがどちらかというと後に置かれているんじゃないかということもよく言われるところでございます。 更に言えば、私はリスクマネジメントという観点からすれば、よくハインリッヒの法則ということが言われます。一つの大きな事故が発生する裏側には二十九の小さな事故、いわゆるインシデントがある、その背後には三百のいわゆるヒヤリ・ハットがあるということがよく言われております。したがいまして、大きな事故を発生をさせないためには、ヒヤリ・ハットの段階でいわゆる不安全要素というものの芽を摘んでおけば小さな事故も起こらないし、大きな事故も発生をしないんだと、こういうことがよく言われるわけでございます。やはりこのヒヤリ・ハットを未然に防ぐ、こういったことの重要性が指摘をされているということでございます。 したがいまして、ヒヤリ・ハットが発生をしたときにどうしてもこの処罰ということに重きを置けば、処罰を恐れるが余り、そのヒヤリ・ハットが起こったということを報告するということがおろそかになってしまう。ただ、やはりこのヒヤリ・ハットというものは一つの事業者の中で共有化をするということも必要でございますし、やはり、同じような事業をしている人がたくさんいる場合には、事業者間でそのヒヤリ・ハットを共有化することによって他の事業者においても事故を発生するのを防ぐ、こういったことに恐らくつながっていくんではないかなというふうに思っております。 そういった意味では、我が国において安全文化を醸成するという観点からすれば、やはり処罰ということももちろん重要でございますけれども、処罰優先ということではなくて、原因究明と再発の防止、こういったものに重きを置くということにやはりシフトをしていくべきではないかという、こういった考え方もあるのではないかというように思っておりますけれども、是非田中委員長の御見解をお伺いをしたいというふうに思っております。
○政府特別補佐人(田中俊一君) 先生御指摘のとおり、私、全く異存はありません。それで答えにはならないんですけれども。 まず、原子力委員会の発足の経緯ですが、これはもう先ほど申し上げましたように、福島の第一原子力発電所の事故の反省に立っております。私どもに与えられたミッションとしては、福島第一原子力発電所の事故の原因とか調査を引き続ききちっと行って、そこから教訓を酌み出しなさいということであります。 それから、新しい規制基準というのは、まさにその福島の事故の反省に基づいて、あるいは教訓に基づいて作ったものであります。細かいことは、先ほどちょっと触れましたけれども、余り触れませんけれども、結局、事故というのは大なり小なり、やはり人間が行っていることですので、いろんな過ちとかいろんなことが起こります。そういったことをいかになくすかということです。 それで、先ほども、ちょっと繰り返しになりますけど、安全、安心、信頼という関係の御指摘があったかと思うんですが、私どもとしては、まず我々のミッションとしては安全の確保であると。安全の積み重ねの中で信頼ができ上がって、それで安心につながるということかというふうに考えております。 したがって、安全の確保については、私どもとしてやるべきこと、規制者側としてやるべきことはきちっとやる、これについては本当に厳しくやっていきたいと思っております。その厳しさというのは、別に処罰するとかそういうことではありません。同時に、被規制者の方も、安全確保に自ら、安全文化という言葉で言われますけれども、まず安全の確保に全力を傾けていただくということかと思います。そういった積み重ねが、結果的には地域、国民の信頼、それから安心につながっていくということかと思っています。 したがいまして、今回の法律改正の中で検査制度を重視したのは、結局、安全をずっと継続的に確保していくために、まさに小さなトラブルもできるだけ少なくするためにやはり事業者の取組というのは非常に重要であって、それを私どもがきちっと見ていくという考え方を取るべきだということで今回の法律改正をお願いしているところでございます。
○磯崎仁彦君 ありがとうございました。 時間の関係がありますので、質問はまとめてさせていただきたいと思います。 先ほど、やはりこの検査制度の見直し、これを機能させていくためにはいろんな条件が必要なんだろうということをお話をさせていただきました。 今まさに田中委員長の方から、事業者側において安全文化の醸成をしていく、これが必要なんだというお話がありました。まさにそのとおりだろうというふうに思っております。やはり、事業者の一義的な責任をしっかりと認識をして、自らの安全確保の水準の維持向上に主体的に取り組む、これはやはり全社の中でそういうものを核として、文化としてつくり上げていく、こういったことは間違いなく必要だろうというふうに思っております。それとともに、一義的に責任を負うということになると、やはり事業者の中の体制ということをきちんと構築をする、こういったことも必要なんだろうというふうに思っております。 それから、規制側でいけば、これは前回の浜野委員の御指摘もありましたように、検査官の養成とか力量アップ、これは間違いなく必要なんだろうというふうに思っておりますし、まさに自らの原子力の規制検査を通じて高度な安全文化を促進をしていく、こういった意欲を持った中で検査をしていくということも必要なんだろうというふうに思っております。 今回のこの法改正はまさに骨格ということでございますので、これから、先ほど施行まで三年間という話がありますので、この三年間の中でどのような検査制度の運用設計をしていくか、これがまさにポイントだろうというふうに思っております。前回のこの委員会の答弁の中でも、アメリカの原子炉監督プロセス、ROP、これがひな形になるという、そういう御指摘もございましたけれども、現時点において、このROPのどういった点を取り入れていくのか、そういった点について今御見解があればお示しをいただきたいというふうに思います。
○政府参考人(山田知穂君) 御指摘のアメリカで行われておりますROP、原子炉監視プロセスでございますけれども、この米国のROPというものにつきましては、パフォーマンスベースそれからリスクインフォームドと言われておりますけれども、事業者の安全に対する取組、これの実績がどうなっているのか、その状態をよく見た上でどういう検査のやり方をしていくのかということを決めていくといったようなやり方になってございます。 また、いわゆる確率論的な安全評価といったリスクを評価する方法、そういったものを活用して、安全上重要な問題に重点的に検査を集中していくといったような効果的な検査のやり方を取るといったような方法を採用しているところでございます。私どもも、こういったリスクインフォームド、パフォーマンスベースといった考え方を取り入れた検査方法を開発をしていきたいというふうに思っております。 また、アメリカのROPについては、検査の方法をマニュアルですとかいろんなガイド類としてきちんと整備をしておりまして、それをまた公開をしております。私どもも、検査のやり方については透明性とそれから予見性、これをしっかりと確保するという観点から、こういったガイド類、マニュアル類をしっかりと整備をして公開をしていくといったようなことをしていきたいと思っておりまして、それに向けての準備を今後施行に向けてということで取り組んでいきたいというふうに考えているところでございます。
○磯崎仁彦君 今まさに御答弁をいただきましたように、やはり安全上重要なことに集中をしていく、それによって効率的にすべきという点、それから、やはり実質的な安全性への影響度、これを判断の軸に監視、評価をしていく。そして、前回も答弁等でありましたように、結果の公表、これがやはり必要なんだろうというふうに思いますので、こういった観点を踏まえて是非きちんとした設計をしていっていただきたいなというふうに思っております。 そしてもう一つ、やはり事業者にとってみれば、パフォーマンスが優れているということになれば、それに対してのインセンティブといいますか、こういったものが当然欲しいなというふうに思うわけでございますし、こういったことによってますます安全度が高まっていくということかと思います。 現時点におきまして、いわゆるどのようなインセンティブというものをお考えになられているのか、あればお答えをいただきたいというふうに思います。
○政府参考人(山田知穂君) 新たな検査制度におきましては、総合的な評定というものを実施をして、その結果を次回以降の原子力規制検査の頻度や検査の内容に反映させるといったようなことを考えてございます。 総合的な評定の結果がすぐれて良好な事業者については、例えば検査項目のうち現場で確認するものの割合などを低減をするといったようなことをして、結果として、検査の回数等に対応した検査手数料が軽減されるといったようなことによって事業者の検査負担の低減につなげるといったようなこともあるのではないかと考えているところでございます。 また、検査における指摘事項だけではなく、良好事例といったようなものについても公表することによって、一つには、他の事業者が教訓を得てより改善をしていくということもございますけれども、当該事業者自身にとってみても、自主的に継続的に改善につなげていくということのインセンティブにつながるのではないかというふうに考えているところでございます。 このような事業者の安全性向上に対する意識、意欲が高まるように、具体的な運用の詳細については引き続き検討をしていきたいというふうに考えているところでございます。
○磯崎仁彦君 ありがとうございました。しっかりとこの点についても御検討いただきたいなというふうに思っております。 最後でございます。 前回の四日の答弁におきましても、やはり規制と被規制の間で連携を取っていく、このことが必要だというお話がございました。まさに、これから詳細設計をしていく中でも、規制側の面だけではなくて、やはり被規制の観点からもきちんと意見を踏まえながら調整をしていっていただきたいなというふうに思っております。前回も、この三年の期間内にいわゆる試運用というお話がございましたので、そういったことも踏まえて、試運用を行って検証した中でより精度の高いものをつくっていっていただきたいなというふうに思っております。 そして、最後になりますが、アメリカにおきましては、このROPの導入によってプラントの安全性が一貫した価値軸で的確に評価されることになったというふうに言われております。評価結果に基づいて、規制介入範囲の明確化であるとか、軽微な事項は事業者の改善活動に委ねられる、こういったことから、事業者の安全努力向上が促されてプラントの士気とか安全性とか運転成績が共に向上したというふうに言われております。 是非、我が国におきましてもこの新たな検査制度を導入をすることによってプラスのサイクルになっていく、そのことを期待して、私の質問を終わらせていただきたいと思います。 ありがとうございました。
○若松謙維君 公明党の若松謙維です。午前中に引き続き、午後、違うテーマで質問をさせていただきます。 まず、田中委員長にお伺いいたしますが、原子力規制委員会の発足から四年半ということで、もうその時間ほぼ田中委員長が、大変課題が毎日毎日増えて、また組織も大きくなって、いろいろ難しい組織運営も強いられながら原子力の安全性向上に取り組み、また原子力行政への信頼回復を進めていると評価するわけでありますけれども。 また、田中委員長は、委員長になられる前に福島の被災地にいろいろな形で積極的に行かれて、大変、原子力行政を非常にきちんと、ある意味で失敗が許されない、でも起きたわけでありますが、失敗が許されない非常に厳しい、ある意味で管理というか、そういうものが求められる中で、数少ない知見者ということでの立場で仕事をされて、本当に委員長になられる前からも様々な形で実は福島県もお世話になっているということを本当に心から御礼申し上げたいんですけれども。 そんな思いも含めて、この四年半の規制委員会の活動について今どんな思いなのか、是非お伺いしたいと思います。
○政府特別補佐人(田中俊一君) 先ほどの磯崎委員の質問とかぶるところがあるので、その辺は少し省略させていただきたいと思いますけれども、今、福島のことについて先ほど申し上げませんでしたけれども、私どもの大きな使命として、福島第一原子力発電所を安全に、速やかに廃止措置を進めるということがございます。 そういった点で、最初の頃はどこから手を着けていいか分からないような状況にありました。死亡事故といった労災事故も度々起こりました。そういったことについてはかなり厳しく東京電力に改善を求めまして、今ではほとんど、全面マスクもする領域も狭まりましたし、この数年間はそういった労災事故で深刻な事故は起こらないという実績が積み重なっておりますし、当時は七千人とか八千人という方が日々出入りしているところで休憩所もなくていたわけですけれども、今は大きな休憩所も造っていただき、シャワーも浴びられるようになりました。 そういった改善は進んでおりますけれども、具体的に、やはり汚染水問題に象徴されますように、今後数十年続く廃止措置が円滑に持続的にきちっと進められる状況にあるかというと、まだまだ暗中模索みたいなところがございます。それで、こういった点については、福島第一の廃止については、規制委員会は、単なる規制の立場ではなくて、国民的課題として積極的に協力するという立場で最初から臨んでおりますので、是非そういう点で我々としてできる取組を今後していく必要があると思っています。 それから、福島県民にとって、やはりいまだにその事故の後遺症というのは非常に深刻です。農業とか水産業の被害というのは、これは本当に言葉には表せないほど深刻なものがあります。それから、最近よく話題になりますように、福島県民に対するいろんな差別的な状況もございます。こういったものについてどういうふうに解決していくかと。 これは国民一人一人が考えなきゃいけないところもありますけれども、我々規制の立場からいうと、やはり放射線、放射能に対する規制の一貫性という点で、私は、我が国はまだ十分でないと思います。そういう点で、今回の法律改正でもお願いしている放射線審議会の機能というのを強化して、やはりそういった点で国際的にも納得できるような一貫した整合性のある基準を作って、そういった今福島の状況を解決するような、そういう取組につなげていきたいというふうに思っています。 あと、先ほど磯崎先生にお答えしたので、繰り返しになりますので、省略させていただきたいと思います。
○若松謙維君 大変重い御感想だと思います。 あわせて、今の汚染水の問題もございますが、いわゆる廃炉のための、炉に入って、ロボットを投入して、また炉の中の現実等も知るたびに大変放射線レベルが高いとか、それがまた発表になって、中国とかまた輸入規制が強化されたりとかという、そういう非常に難しい中で、田中委員長、原子力規制庁の仕事されているわけでありますけれども、福島は、私も森委員長もそうでありますけれども、やっぱり福島県民として、とにかく風評被害、もうこれ以上大きくしたくないと、まずそういう本当に素朴な気持ちがありまして、そこに規制委員長、委員会なり、どんな形でそういった観点からお仕事されるのか、できるのか、そこら辺もちょっと率直な思いを聞かせていただければと思います。
○政府特別補佐人(田中俊一君) 風評被害とか輸出問題とかということは、なかなか私どもだけで解決できることではありませんけれども、やはりそのベースにありますのが放射線とか放射能に対する恐れですね。ですから、そういったことについてきちっと正しい知識を持って理解していただくということ、それから、そういったものに対する、先ほどの繰り返しですけど、規制基準というのをきちっと国際的なスタンダードにするということかと思います。 残念ながら、我が国は各省庁いろんな立場で規制が行われていまして、それの間に整合性がないというようなところがありますので、そういったことを含めてきちっと納得できるようなものをつくり上げていくと。その中で、やはり風評被害というのは、これはなかなか一言ではいかなくて時間の掛かることですけれども、きちっとやはり国民全体の世論として、気持ちとして取り組んでいただくことも大事かというふうに思っております。 私どもとしては、できるだけのことをやらせていただきたいと思います。
○若松謙維君 まさに、風評被害又は放射線量の話になるとやっぱり環境省になるんですけど、山本大臣、三春に環境創造センターという県立の施設がありまして、いわゆる放射線が見えると、霧の中に入ってですね。アルファ線、ベータ線、ガンマ線と動きが全部違う。いわゆるアルコール、蒸発してやると、まさに飛行機雲ができるように放射線も見えるんですね。実はこれ、この中にもあるということで、是非そういった施設も大臣に見ていただいて、あわせて、とにかく、福島の風評被害は、もう除染、きれいに、とにかく除染、除染、除染、もうこれしかありませんので、そういった観点から、是非、創造センターも行っていただいて、更なる除染の必要性等を再認識していただきたいと思うんですが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(山本公一君) 私もこの立場になりまして、改めて原子力というものの勉強を再勉強させていただきました。そういう意味において、今先生御指摘のように、私も先生の御指摘の場所にも行っていろんな意味で勉強の幅を広げていきたいというふうに思っておりますので、よろしくお願いします。
○若松謙維君 それでは、この規制法についてちょっと掘り下げて質問させていただきますが、これももう既に磯崎委員ともかぶると思うんですけれども、今回の法改正の背景としてのいわゆるIRRSレビュー、これはあくまでも、この規制委員会の活動を第三者がチェックする仕組みという意味合いで大変重要でありますけれども、今回のこのIRRSの規制委員会の活動についての評価と、それに対して規制委員会対応するということで、今後どうされていくのか、かなりダブるんですけれども、改めてお尋ねさせていただきます。
○政府参考人(荻野徹君) お答え申し上げます。 総合規制評価サービスでございますが、これはIAEAが各国の原子力規制に対して行うものでございますが、まさに総合的とありますように、許認可、検査に係る法制度、それから関係する組織等も含め、非常に幅広い課題についてレビューを行うものでございます。 今回のIRRSのミッションでございますけれども、フランスのASNという、フランスの原子力安全規制機関でございますが、そこなど各国の規制機関の幹部あるいは専門家の方々やIAEAのスタッフがレビューチームをつくって、我が国の原子力規制につきまして、IAEAの安全基準に照らして総合的な評価を行っていただいたということでありまして、我が国の規制委員会の活動につきまして、国際的な観点からのいわゆるピアレビューといった形で非常に意義深いものであるというふうに認識をしているところでございます。 これにつきましては、昨年四月に報告書が提出されたわけでございますけれども、私どもとしましては、先ほど委員長からも一年近い準備をしたということを申し上げましたけれども、そういった準備の過程で自己評価といったものを行っております。 それからまた、このレビューの期間中に相当詳細な議論を先方の専門家と交わしております。そういった中からいろんな課題が浮かび上がっているといったことがございます。 したがいまして、この十三の勧告、十三の提言はもちろんでございますけれども、それ以外にもいろんな課題がございますので、その全体につきまして、三十一項目に整理をして対応方針を決めて計画的に進めていくということで、先ほども申し上げましたけれども、法改正が必要なもの、あるいは予算措置が必要な体制、人員の増強、それから、いろんなガイドラインでありますとか、会の規則の改正、それから、もろもろのマネジメント等の運用上の課題についてきちんと進めていくということでございます。
○若松謙維君 今のピアレビューというお話しされましたが、私も実は公認会計士なので、監査法人もまさに監査証明、非常に独立性が求められるとか、監査証明のミスは許されないということで、いわゆる監査法人が他の監査法人をチェックする、こういったことというのはそれなりに機能しているんですけども、そういう意味では、この原子力規制庁、当然国によって違いがあるでしょうけど、お互いにこの規制庁同士がチェックし合うというんですか、そういった実務的なチェックというのは行われているんですか。
○政府参考人(荻野徹君) おっしゃるとおりでございます。 IAEAが行うレビューというのはいろんな種類のものがございまして、いろんな分野のものがございますけれども、今回のものは、そのうち、かなり総合的に行う、そういう種類のレビューであるということでございます。
○若松謙維君 そういうことでありまして、かつ、現在の検査制度、このIRRSレビューでの指摘もあったわけでありますが、いわゆる国と事業者の検査が混在しているということでの不都合性を指摘されたと思うんですけれども、ちょっと、いろいろと、現在の例えば事業者と国のチェックの在り方とか、新たな検査制度の事業者と国の在り方を表で見ると何か分かったような分からないような、かつ、現場に行きますと、御存じのように、特にF1におきましても、じゃ、誰が東電社とか、誰が事業者とか、誰々がチェックする人とか、非常に分かりにくい状況なんで、これだけ複雑な、かつミスが許されない制度の中で、どうやって本当にそれが行われているのかなというのが不安になるんですけど、それについてはいかがでしょうか。
○政府参考人(山田知穂君) 先生御指摘のとおり、今ございます検査の制度というものは、過去いろいろな事故、トラブル、それから不祥事がございました関係で、国が検査をする、規制機関が検査をするというもの、それから事業者に検査をしなければいけないという義務付けを掛けるもの、そういったものとか、検査の対象も、いろいろなものを対象とした検査が各種つくられてきておりまして、非常に複雑になってきておりまして、重なっているところがあるんじゃないかとか、それから抜けているところがあるんじゃないかといったような御指摘を多数受けているというふうに認識をしてございます。 さらに、国際的には規制機関のやる検査は事業者の検査を代替するものであってはいけないといったような原則もございます中、現在の我が国の検査は、国による検査を受けなければいけないという形になってございまして、一見したところ国が責任を持って検査をしているんじゃないかといったようなことにもなっているといったような課題がございました。 そういったものを踏まえて、IRRSの中では検査制度を抜本的に見直す必要があるんじゃないかという御指摘をいただいたところでございます。 国際的には、いろいろな活動をきちんとやる、安全に関する活動をきちんとやるというのは事業者に義務付けられているものであって、事業者がその第一義的責任を負うものだということになってございますので、今回の制度の見直しにおきましては、もろもろの活動、検査によって基準に適合しているかどうかを確認するということについても一義的に事業者に義務付けるといったことをした上で、各種様々な種類に分かれておりました検査を一つの原子力規制検査という形にして、事業者が自ら検査をしているところを国が立ち会って検査をするといったようなことも含めて一本にまとめて整理をして、それで、なるべく分かりやすい検査制度にした上で、より効果的な検査ができるようにということで、先ほども申し上げましたが、パフォーマンスベース、リスクインフォームドといったような考え方を採用した検査方法を実施をしていきたいというふうに考えているところでございます。
○若松謙維君 ということでの改善なんでしょうけど、一方、そうすると事業者任せになるんじゃないかと、当然こういう御指摘もあろうかと思いますので、だけれども、今回の法規制で、あくまでも規制庁は全般にチェックということなんですけど、だけれども事業者任せになるんじゃないかと、こういう懸念に対してはどのようにお考えですか。
○政府参考人(山田知穂君) 新しく設けようとしている制度におきましては、原子力施設の基準適合性を事業者自らが検査するといった義務を課すということにしてございまして、原子力規制委員会は事業者の保安活動全般を対象とした検査により監視を行うという仕組みとすることによって事業者と国との役割を明確に区分して、双方が果たすべき責任をきちんと果たして安全を確保していこうというものでございます。 この新しい検査の中での検査手法といたしましては、運転状況や機器の作動状況を示す計器の表示確認など、規制機関の検査官自らが現場で実地に確認をするといったものに加えて、従来、規制機関による検査として行ってきておりましたものと同様の、検査官が事業者が行う検査などの現場に立ち会うといったようなことも含めて検査を実施していくということを考えてございまして、決して事業者任せにするといったような制度ではないというふうに考えてございます。 また、新しい原子力規制検査の対象は、従来の個々の検査制度で対象としていたものも含まれることはもとより、事業者の保安活動全般に対象を広げた上で、いつでもどこでも検査をすることができるといったような形にしようとしておりまして、監視自体はこのことによって強化がされるものだというふうに考えてございます。 したがって、検査制度の見直しは、先ほども申し上げましたとおり、検査を事業者任せにするものではなく、事業者の主体的かつ継続的な安全性向上への取組を促進をするものとなるものというふうに考えているところでございます。
○若松謙維君 田中委員長、済みません。ちょうど三月十七日の衆議院の環境委員会で、我が党の斉藤鉄夫議員、これが、ちょっと全く違った話なんですけど、HⅡAロケット、これ御存じのように、数年前はもうミスばかりしている。それは、いわゆる事業者と国との責任関係が不明確であったと。それが、いわゆる事業者に責任を一元化させたというところが、結果的に今はもう連続して成功が続いていると。 やはり一発数百億円ですし、失敗は許されないという事業、これは原子力でも同じでありますので、そういった流れで今回のIRRSレビューですか、それを、そういったHⅡAロケットの一つの何というか成功例、そういうような今回の指摘なのかなと思うんですけど、田中委員長、どんな御認識されていますか。
○政府特別補佐人(田中俊一君) 御指摘のとおりの方向に行くことを私どもとしては狙いとしております。 それは、従来は、保安検査とかいろんな定期検査、いろいろあるわけですけれども、それに合格すればいいんだという受け身の姿勢の事業者が多い。ですから、その場だけをうまくクリアする。そこに、従来は、非常にあってはならないような虚偽報告とか、そういうことも生じていたと思います。 今回はそういうことではなくて、自分たちがそういうことをきちっと、自分たちの意識、しかし、きちっと検査をすることによってトラブルが減ると。これは、米国NRCでも、最近、計画外停止が減ってきているということをかなり高らかに誇っておりますけれども、そういったことは事業者にとっても非常にメリットになりますので、そういうことを踏まえて、事業者が自ら安全の確保に取り組んでいただくということを狙いとしておりますし、そうなるように、我々の検査の方も、制度だけではなくて、検査する人間の力量も上げていきたいというふうに考えております。
○若松謙維君 今おっしゃった、いわゆる受け身検査から、まさにPDCAですね、改善するという、検査ということなんですけど、そうすると、今おっしゃったように、自ら能力を高めていかなくちゃいけないと。そうすると、田中委員長としては、原子力規制庁のPDCA、更に自ら高めていって、まあいろんなことをやらなくちゃいけないんでしょうけど、どうやったらそういう、ある意味では世界との情報交換とかいろんな、いっぱいあると思うんですけど、委員長、どんなイメージで思っていらっしゃいますか。あればで結構ですから。
○政府特別補佐人(田中俊一君) 検査制度については、いろいろ事務方の方で細部については詰めておりますけれども、実際には、先ほども部長の方からお答えしましたように、検査結果についてその結果を公表するという、まず全てその結果を公開する、いい面、悪い面も公開していくというのを原則として、それを他の事業者にも周知していくと。それから、私どもとしては、やはり検査官の制度を、身分もかなり高く処遇も含めて置いて、優れた検査官と若い検査官を育てながら、その検査の充実に努めていくということを、そういった繰り返しをしながらこの検査制度の成熟化を図っていきたいというふうに考えています。
○若松謙維君 新たな検査制度ですけど、米国の制度を模範にしていると。もう当然、原子力の歴史にしろ、さらに核兵器ですね、極端なことを言えば、大変な技術的な知見があるでしょうし、そういったところは参考にしているんですけど、具体的に、米国の制度を模範にしたということですが、どんなところが模範にされているのか。あと、あわせて、現在でも米国の規制庁等に恐らく、人事交流というんですか、そんなこともされているんですか。併せて答弁願います。
○政府参考人(山田知穂君) アメリカの制度の恐らく優れているというところは、一つは、透明性それから予見性が非常に高いということだろうと思います。今アメリカで行われておりますROPというもの、これも前身の制度がございまして、そちらは事業者との関係で、検査官の主観性が強いんじゃないかといったようなこともあって次第に改善をされてきて、それで、検査のマニュアルですとかそれから検査で見付けられたいろんな不具合、これについての評価の仕方といったようなものがしっかりと固まってきて、それで、いろんなマニュアルですとかガイドとかが整備がされて、それが公開をされて、そのガイドとかマニュアルについても、事業者との間でコミュニケーションを図りながら継続的に改善をしているといったようなところがございますので、そういったような透明性ですとか予見性ですとか、それから継続的に改善をしていくといったような仕組みについては私どももまねをしていきたいと、取り入れていきたいというふうに考えているところでございます。
○若松謙維君 率直な感想でありがとうございます。 そうすると、それを早くキャッチアップしなくちゃいけないと、日本はですね。そういうことになるんでしょうけど、まあどうなんでしょうね、何年ぐらいビハインドして、日本は、どのくらいでキャッチアップしていきたいのかという、そこら辺の決意の話になるんですけど、それはいかがですか。
○政府参考人(山田知穂君) 先ほど申し上げましたアメリカの古い制度から今のROPに変わるに当たって十年以上の時間が掛かっているようでございます。 ただ、私どもは、アメリカがやったことをそのまま後ろを付いていくというわけではなくて、アメリカの経験をなるべく早く取り入れて改善を図りたいと思っておりまして、先ほど先生から御指摘をいただきましたとおり、私ども、職員をアメリカのNRCに派遣をして、どういったような経験の中から今の制度がつくられてきているのかということと、それから現在の制度がどういうふうに運用されているのかということを勉強してきておりますので、こういったような経験を我々の方に取り込んで、できる限り早くアメリカに追い付きたいと思っておりますけれども、目指すところとしては、法律のこの検査制度の施行が三年以内ということでございますので、できるだけその三年の間にキャッチアップできるところまでキャッチアップしていきたいというふうに考えているところでございます。
○若松謙維君 分かりました。三年、だから、この三年が実は長いんですよ、議論もありますけどね。もうとにかく一日でも早くいいものをキャッチアップできるようにお願いしたいと思いますけれども。 でも、もう一つ大事なのは、そうはいいながらもやはりやることはやってきたと。ある意味で、これは法制化されていませんけれども、検査官のフリーアクセス、これを今回法制化したわけでありますけれども、改めてこの法制化した意味というか効果というか、それはどういうものなんでしょうか。
○政府参考人(山田知穂君) 現行の制度におきまして、法律に基づいたいわゆるフリーアクセスが可能な検査というものは、あくまでも法律上定められた検査時期に実施するものだけとなってございます。したがって、検査期間外にはフリーアクセスの権限が法的に担保されたものではなく、あくまでも事業者の協力を得て規制機関が検査の現場の状況を確認をするという、そういう位置付けになってございます。 今回の法改正で、検査官には定められた検査期間等に限定されることなく、常に事業者の全ての保安活動に対して包括的な検査を行うフリーアクセスの権限が付与されることになりますので、検査に必要となる情報が事業者からその意向にかかわらず随時入手することができ、より効果的かつ柔軟な検査、これが可能になるものというふうに考えているところでございます。
○若松謙維君 もし分かればなんですけど、今、検査官、これから法制化される検査官、何人ぐらいいるんですか、人数的には。ざっくりで結構ですけど、分かればですが。
○政府参考人(山田知穂君) 済みません、正確な数字ではございませんけど、たしか今二百数十名いるというふうに考えてございます。
○若松謙維君 分かりました。またこの検査官のまさにレベルアップというかPDCA、それも大事になってくると思いますので、是非それもよろしくお願いいたします。 次に、原子力規制委員会に対しまして、今回の原子力施設に係る基準の明確化を求める規定を新設すると、こういうことでありますが、この基準の明確化というのは具体的にどういう取組を行うのか、それについていかがでしょうか。
○政府参考人(山田知穂君) 基準の明確化につきましては、既に原子力規制委員会においては、原子力施設の安全上の特性に応じて規制基準の策定等を進めているところでございますが、今後の基準の見直し策定等の際においても、引き続き、今回の法改正の趣旨を踏まえ、その規定内容について解説する解釈ですとかガイド類、こういったようなものを整備をしてまいりたいというふうに考えております。今御審議をいただいております新たな検査制度につきましても、規則やガイドの制定に際しては同様に基準の明確化に努めてまいりたいというふうに考えてございます。
○若松謙維君 この基準の明確化、規制委員会が自らこれは基準の明確化をするわけですね。そうすると、その基準の明確化の作業を、何というんですかね、客観的にチェックするというんですか、その手続というのはあるんですか。これは、ある意味でそれが最終になるんですか。
○政府参考人(山田知穂君) 基準とかガイド類を策定する際におきましては、多くの場合、私ども、検討チームというものをつくりまして、これも公開、ユーチューブでの中継付きの議論をさせていただいております。さらに、その検討チームの場で作られましたガイド案、規則案につきましては、パブリックコメントを必要に応じて実施をさせていただいておりまして、一般の方々からの御意見を踏まえた上で規則、ガイド類を整備をするといったようなことについても取り組んでいるところでございます。
○若松謙維君 国内のいわゆる公開もあるんでしょうが、国際的にはどんな手続されるんですか。 御存じのように、この世界って非常に、専門家というんでしょうか、人材が限られていますので、やっぱり国内だけのチェックというよりも、本当に世界的なある意味ではオープンソースのチェックを受けるような、かえってその方が効果的じゃないかと思いますが、それはいかがでしょうか。
○政府参考人(山田知穂君) 一つは、IAEAで国際的な基準類を作っておりまして、私どもも、基準を作る際にはそのIAEAの基準、ガイドを参考にして作るということで、国際的なところのいろいろな知見は取り入れるといったようなことをしておりますし、私どもで作りました基準については、国際的な場で御紹介をすることによっていろいろなコメントをいただくといったようなことも、いろいろな国際会議の場でそういったような取組を進めているところでございます。 策定自体に海外の方に入っていただくということはしておりませんけれども、そういったような形で国際的な知見を基準の中に取り入れるといったような努力は続けているところでございます。
○若松謙維君 日本人って非常にやっぱり緻密ですし、日本人のマニュアルというのは非常に日本人ぽくて、世界的に何か見れば分かりにくいようなところに行きやすいんで、今お話聞きましたら、IAEA、しっかりガイドラインとか、かなり意識しながらやっているということなんで、是非その点は大事にして今後も続けていただきたいと思います。 次に、埋設地の掘削ですか、こういう行為制限は国が責任を負うということなんですけれども、その監視ですね、今後どういうふうに実効性を担保していくのかについて、特に私は、去年、おととしぐらいですかね、東海村、いわゆるあれだけの規模で、現在の原子炉の構造とは違いますけれども、いわゆるまさに廃炉をやっていると。その炉の隣の熱交換器ですか、これ四本あるうちの一本ですね、取りあえず解体して、その解体置場をどうするかという、いわゆる高レベル以外のL1、L2、L3にいるんですけど、じゃ、それもやはり原子力規制庁のいわゆる承認待ちというんですか、埋設の方法も含めてですね、そういうことなんで、非常にこの埋設地の掘削、行為制限を含めて、非常に廃炉というのは物すごく、廃炉も含めてそういう放射性廃棄物の管理というのは非常に難しいというか時間が掛かるということなんですけど、それについてはどういうふうに実効性を担保していくのかということについてはいかがでしょうか。
○政府参考人(山田知穂君) 廃棄物につきましては、その廃棄物の濃度ですとかそれから放射性物質の減衰する時間が放射性物質によって違いますので、様々な規制の考え方に基づいて今規制は進められてございます。 先生御指摘がございました、今、日本原子力発電の東海第二原子力発電所の中につくろうとしている東海発電所の廃棄物につきましては、これは非常に、今申請がございますのは放射性物質の濃度の低いものでございますので、これはピット処分、トレンチ処分という方法で処分をされるものでございますので、これは、管理としては何年間か置いた上で土をかぶせて、それでその後は管理から外れるといったような形でございまして、この埋設施設の審査につきましては、今、申請がございましてその審査を進めているところでございますけれども、それ以外に廃炉に伴って出てまいります放射性廃棄物につきましては、今回、法律の中で新しく規制の仕組みをお願いをしているところでございまして、こちらにつきましては三百年、四百年といったような長期間にわたっての管理が必要になるものでございますので、その期間若しくはその期間が終わった後に誰かが掘削をしてその放射性物質にアクセスすることがないようにということで、掘削等の行為制限を掛けるといったような仕組みをつくることでお願いをしているところでございます。 具体的に、三百年、四百年がたった後の埋設地の掘削等の制限の実効性を担保する方法につきましては、具体的に跡地の利用等の状況がどうなるかといったようなことを踏まえた上でということで、適切な方法を今後検討するということになるかというふうに考えているところでございます。
○若松謙維君 とにかく、私も、御存じのように東海発電所の廃炉作業と福島第一原発はもう全く違うと思うんですが、いずれにしても、東海発電所のいわゆる平時での廃炉でもL3の熱交換器の廃棄処分というんですか、これ一つでも大変規制委員会でもかなり気を遣ってやっているし、時間掛かっているということなので、本当に今おっしゃった三百年、四百年とかという話で、じゃ福島第一原発は三、四十年でなるのかなという、やっぱり私たちはそういう不安に駆られるんですね。 ですから、当然、非常に、いわゆる放射性廃棄物というのはあっちゃいけないものであるので、それに対する管理とか大変だと思うんですけれども、規制庁においてもやはりできるだけ迅速化して、もちろん大変危険性の高いものですから、それは配慮した上で、事業者が申請をした場合には返事を早くしてやるとか、やっぱりそれは努力していただくということを、是非、現場の声がありましたので、それをお伝えさせていただきたいと思います。 最後の質問なんですけれども、田中委員長にちょっと総括的な質問をさせていただくんですが、私も先ほどの東海発電所、行きましたら、結局、県からのいわゆる指摘で津波の堤防のかさ上げをやったと。一部まだ工事が終わっていなかったので、そこから水が入ってきて電源が一時途切れましたけれども、それは対応できたということで事故に至らなかった。 女川原発は、いわゆる東北電力の自己規制というんですか、当初よりもかなり高めで十五メートルに堤防をして、結果的にいわゆる十四メートルの津波で収まって、ぎりぎり何とかなったと。それに比べて、何で隣の福島が、津波が来ない来ないということの何というんですか、いわゆる機能停止に陥ってしまったか、本当に悔しくてならないんです。 これは、終わったことを今から言ってもしようがないんでしょうけれども、やっぱりそういったことも含めて、田中委員長、今後の法改正を通じて、さらに今後の日本の原子力利用の安全対策、いろいろとあると思うんですけれども、廃炉も含めて、あとこれからの再稼働等もあるんでしょうけれども、そういうことも含めて、原子力利用の安全対策の強化について、御意見なりまた決意をお伺いできればと思うんですけど。
○政府特別補佐人(田中俊一君) これまでは、残念ながら我が国の事業者はやや受け身の安全だったと思います。そういう意味で、やはり、先ほどからの繰り返しになりますけど、安全を確保するということが自分たちの利益につながるんだという視点もきちっと踏まえて積極的に安全確保に取り組んでいただきたい、そういう意味で安全文化、トップマネジメントの重要性というのを今、月に一回ぐらい社長さんたちと意見交換をしながらそれを進めています。 その一方で、新しい規制基準は、これは完成形ではありません。やはり、新たな知見が得られた場合には、それもきちっと評価した上でバックフィット制度というのが今回法律の中で担保していただきました。これは、普通はなかなかないそうですけれども、一旦許可されたものでも、必要に応じてその新しい規制に適応していただかないと運転を認めないというふうな制度でありますので、こういったものも適切に活用しながら、安全の確保に努めていきたいというふうに考えております。
○若松謙維君 ありがとうございました。終わります。
○石井苗子君 日本維新の会の石井苗子です。 私も福島県の医療支援活動、今週末出かけていくんですけれども、住民支援の医療の方ですので、原子力の方、余り明るくなかったんですが、各省庁の方にレクチャーをいただきまして、ありがとうございました。 早速ですが、この原子力規制委員会のこちらの分厚いものですけれども、(資料提示)読まさせていただきまして、百五十三ページを配付させていただきましたけれども、本法案は国際原子力機関の勧告を踏まえて作ったとあります。昨年一月にIRRSミッションが出したこちらが報告書でございまして、合わせるともう十センチ以上になるんですけれども。あれほどの事故があった日本ですので、英語のリスク、危険という意味の言葉にかなり神経質になっておりまして、英語と日本語を比べますと、まず片仮名でそのままリスクと書いてあるんですね、微妙な判断を読者に任せるというような感じで。そのほかにも、民進党の方からこの間御質問がございましたパフォーマンスベースというのもそうなんですけれども、片仮名表記が多いと意味が非常に分からなくなってしまう。もう少し丁寧に、曲解されないような日本語訳であったらよかったのになと思うものもあります。 例えば、ここのパフォーマンスベースだったら、注釈を付けて、これはその文書に書いてあることを実際にやっていくことで効果を上げていくということをもっと増やしていかなきゃ、実践本位でやっていかなきゃいけませんよということをレコメンデーション、勧告しているわけです。そうした英語のレコメンデーションを踏まえて作ったとありますけれども、本法案は、基本的に日本の原子力利用の安全性を強化していくものだと私は理解しております。 その上で質問をさせていただきますが、日本維新の会は、法案と附帯決議共に賛成でございます。原子力の利用についてはフェーズアウト、これも英語で分かりにくいんですが、徐々に消えていくという意味です。つまり、原子力利用は徐々に消えていくエネルギーを想定して政策を作っていくつもりでありますと表明しているわけですね。私は、環境省が代替エネルギーの開発に向けてイノベーションを後押ししていくという姿勢に大きな期待と夢を持っております。 そこで、環境大臣にお伺いしたいと思います。フェーズアウトの立場を取る政党から申し上げますと、代替エネルギー開発がここまで進んだから原子力の利用はもうこのくらいでいいんじゃないか、十分足りるんじゃないかという、エビデンス・ベースド・データというのがあります。根拠に基づいた数値という意味ですが、これを発表してくれるところがどこかにあってほしいと思うんですけれども、それがエビデンス・ベースド・ポリシー、根拠に基づいた政治にならなくてもいいです、その手前で、途中で今データはこのような状況にありますというのを誰か教えてもらえないだろうかと。 その辺の環境規制委員会の科学的な判断というものをゆがめるような発言は大臣としてはできないということは重々承知でございますが、環境大臣として、科学的に中立なデータの在り方、それは何なのか、どういうようにお考えであるかということをまずお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(山本公一君) 石井先生御指摘のとおり、環境大臣としては極めて発言は控えめにさせていただきたいと思います。 その上で、CO2を排出しない再生可能エネルギー等々、温暖化の対策の柱でありまして、私どもはこの再生可能エネルギーの最大限の導入拡大をこれからも図っていきたいというふうに思っております。 具体的に、持続可能な導入拡大のために、小水力発電であるとか地熱発電であるとか、ポテンシャルの大きい洋上風力の低コスト化であるとか、CO2フリー水素の実証であるとか、風力発電等の環境アセスの迅速化等々をやっていきますと、先生がおっしゃっていただけるような期待の大きい世界は生まれてくると私は確信をいたしております。
○石井苗子君 ありがとうございます。 国民の意見、二分されていますよね。でも、やはり一つのことを、大きな姿勢を持って環境省の立場を示していっていただきたいと思います。 次に、原子力規制委員会によるテロ対策について質問させていただきます。 この英語の先ほどのレコメンデーションなんですけれども、この分厚い中の十四ページ、和訳の方に、世界一安全な日本の創造戦略として、国民の安全を確保するため、政府はテロ活動と闘う対策の実施を継続すると書いてあります。 共謀罪、今議論の真っ最中でありますけれども、原子力規制委員会の立場として、放射性同位元素が病院や研究所のようなところから盗まれてテロなどに使われないようにするための安全確保をどうするかという点について、これは原子力発電所内ではなくて、こうした事業の中で何らかのテロ行為が起きたときに飛んでいって問題解決をするという制度の確立はどう立てているのでしょうか。責任者は誰になるのか。国家公安委員会なのか。責任の所在と義務、そしてできれば予算枠についてもお答えいただきたいと思います。
○政府参考人(片山啓君) お答え申し上げます。 本改正によりまして導入する予定になっております特定放射性同位元素の防護措置におきましては、悪意のある者が特定放射性同位元素を盗み出してばらまくといったようなテロ行為を防止することを念頭に置いております。 その上で、規制委員会の役割は、まさしく事業者への規制を担う、具体的には、対象事業者にそういうテロ行為を防止するための規制要求を具体的に制度設計をし、事業者がそれをしっかりやっているかどうかを検査で確認をするというのが規制委員会の役割でございます。 また、事業者は、この法律に基づきまして防護措置のために必要な措置を講ずる責務を有するという関係になります。具体的には、監視カメラや堅固な扉の設置、防護措置の細目を定める防護規程の作成、こういった防護の関連業務を管理するための防護管理者の選任といった措置を講じる義務を、責務を負うということになります。 国家公安委員会との関係で申し上げますと、まさしく公共の安全を確保するために防護措置に係る規制委員会のこういった制度の運用につきまして必要があれば我々に意見を述べてくださると、そういう関係にございます。 こういった防護措置の実効性を高めるためには、盗取等の非常時の対応に万全を期すということも含めまして、原子力規制委員会と国家公安委員会が平常時から密接に連携を図るということが重要だと思っておりまして、本改正案にも必要な規定を整備をさせていただいているところでございます。
○石井苗子君 ありがとうございます。 私、研究所に出入りするんですけれども、もう指紋か何か、目か何かでチェックされないといけないんじゃないかなと思っていたんですけれども。 次の質問に移らさせていただきます。規制委員会の人員体制についてお伺いします。 六本木にあります規制庁、現在千人という、すごい数だなと思ったんですが、そこ、法案の第一のところを読みますと、いつでも出向いていって能動的に検査ができる体制をつくるために人員の強化をしていくと書いてあります。現在のその千人の事務職と技術職のバランスというのをお伺いしたいんですけれども、原子力発電所一か所だけで五百名以上いて、何万級の職場だったわけですけれども、今後はメンテナンスにこの人員を異動していくのかな、検査員に異動していくのかなと思っております。 検査員というのはどこからどんな人材を持ってくるんでしょうか。新人教育はどうしていくのかとか、中途採用は考えていらっしゃるのかというようなことを具体的に教えていただきたく、また、この法律の改正で予算はどこまで拡大していくのかというのがお分かりになれば教えてください。
○政府参考人(荻野徹君) お答えを申し上げます。 原子力規制委員会、原子力規制庁でございますけれども、昨年度末の時点で、定員としては約九百五十人程度でございまして、内訳といたしましては、八割強が技術職で、残り二割弱が事務職ということになりまして、技術職中心の職場ということでございます。 これにつきましては、検査を非常に強化をするという観点で人員の増強が必要であるということで、今年度予算において人員の増強などをお願いをして付けていただいているというところでございます。それで約千人ぐらいの体制になるということでございます。 そういった中で、いろんな業務がございまして、全員が検査をやっているわけじゃございませんけれども、検査官を含め非常に優秀な人材が必要であるというところでございます。 もちろん、人材の確保につきましては、いわゆる新規学卒者の採用と、それから実務経験者の中途採用、両面ございます。 新規学卒者でございますけれども、これは、もちろん国家公務員の採用試験ということで、総合職、一般職とございまして、若干法律職もおりますけれども、理科系のいろんな職種で採用しているということに加えまして、原子力規制庁独自の職種として原子力工学系職員採用試験といったものを実施をしております。それから、いわゆる技術職以外に研究職も必要でございまして、これは非常に特殊な領域でございますので、通常の試験ではなくて公募という形で採用をしております。 それから、実務経験者、即戦力の確保でございますけれども、これは民間等から多様な職種の人材を確保しようということで取り組んでおりまして、これも、過去、発足以来、年四回程度、つまり切れ目なく公募をしまして面接等により採用をするということで即戦力を努めてまいります。 こういったことによりまして、比較的新しい組織でございますけれども、平成二十四年九月の発足以降、新規学卒者につきましては九十三名、それから実務経験者につきましては百八十五名を採用しておりまして、これにつきまして、専門性のある内容につきまして体系的な教育を行っていこうということで、いろいろ資格制度をつくるとか、その認定のプログラムを整備するといったことに努めているところでございます。
○石井苗子君 試行錯誤ということで、私は、海外に流出していかないようにしていっていただきたいと思っております。 次は質問というより問題提起の投げかけになるかもしれませんが、原子力規制委員会の権限の強化について、私は個人的にはもっと強化していって人々の安心をゲットできるような委員会になってほしいと思っています。 二〇一二年に国家行政組織法三条によって環境省の外局となったことが大きな一歩だったと思っております。それまでは経産省の中に資源エネルギー庁と安全・保安院があったということを考えればこれは改正に近いものがあったと思うんですけれども、しかし、委員会のトップファイブというので、お写真入りのを見させていただきました。これは、時の政府の推薦した人の中から選ぶというのでありまして、その後から国会の同意を諮るということであると、これ独立性が盤石とはまだ言えないんじゃないかなと思っております。改正はされたけど独立性が十分担保されていないんじゃないかと。 私は、これは田中委員長にお伺いしたいと思うんですが、福島の御出身だということで、原発の安全性を規制するという機関として、あくまでも科学的に中立の立場を明確にしていくには、将来どのような形にしていくことが望ましいと思われているかという、お答えにくいかもしれませんけれども、御意見を伺いたいと思います。
○政府特別補佐人(田中俊一君) 先生御指摘のように大変お答えにくいことですけれども、私どもの人事については、委員会は国会同意人事ということで、国会の方で御承認いただいております。 幸いなことに三条委員会って非常に独立性の担保された委員会でありますので、それを独断にならないように、独善とか独断は戒めなければいけないと思いますけれども、きちっと科学的中立性を保って、その独立性を保っていくということは非常に重要なことで、そういう努力をずっとしております。これは、国際的にも、規制機関にとって一番重要なのが特に政治からの独立性というようなことを言われますので、そういった点については十分注意しております。 それで、それを担保する方法として、私どもとして今、先ほども申し上げましたけど、全ての会議、審査会合含めまして委員会も全部ユーチューブで公開しておりますし、週に一回私は記者会見を開いてきちっといろんな質疑に応じるようにしています。 そういうことで、今現在、私は今の規制委員会は必要な独立性とか権限というのは担保されているというふうに思っております。あとは、それ以上のことは国会の方で御議論いただければと思いますが。
○石井苗子君 数々いろんな難しいものがあると思うんですけれども、環境省とかこの原子力規制委員会というのはもう本当に科学的に中立したことを科学的なベースに基づいて言っているんだということを出していっても、国民はそれはそれなりの立場で物を言っているんだと思って聞くと思うんですよね。その方が、安心というものを担保できるところなのか何なのかという判断がしやすくなってくるのではないかと思っております。 次に、解体した後の廃棄物埋設についての規制、この整備についてお伺いします。 これは、今も福島第一の三号機に、使用済みの核燃料プールに使用済燃料というのがたくさんあるはずでございまして、これはまだ地下埋設施設の場所がない、これから自治体に頼んでいくんだというような感じでございます。 この原発の中に貯蔵したままである状態が世界レベルから見て危険ですよという指摘をレコメンデーションとかサジェスチョンのところで言われているわけなんですけれども、今後は、地下に埋めるような廃棄物、トンネルの埋め戻しも含めて、こうした指示というのはどこから出てくるのかという質問なんですけれども、これはエネルギー製作所なのか、それとも事業者ベースでやってくれということなのか、廃棄物というのをどこに埋めるのかについて原子力規制委員会のお立場というのを明確に教えていただければと思います。
○政府参考人(山田知穂君) 放射性廃棄物をどこに埋設をするのか、その放射性廃棄物の埋設施設をどこに造るのかということにつきましては、放射性廃棄物を発生させた事業者、これの責任ということになってございますので、この事業者が決定をするものだというふうに考えてございます。 原子力規制委員会は、あくまでも事業者が予見性を持って計画を立案をして、安全を確保して様々な活動を実施できるような環境を整えるという観点から放射性廃棄物の埋設に関する規制の仕組みを整備をするのが役割だというふうに考えてございます。
○石井苗子君 安全かどうか、例えば埋めたものをまたそこを掘り返してはいけないとかという、その整備に責任があるのであってということですよね。お立場はよく分かりました。 ちょっと質問の方向性を変えまして、これは言わない方がいいんじゃないかと言われたんですけれども、私は保健師でございまして、DHEATの宣伝係をやっておりまして、何かこの引き合いに出せないか出せないかというところがございまして、厚生労働省にお伺いしておりますけれども。この教育のプログラムをこれから作っていくという、DHEAT政策なんですが、この国民の認知度を上げていってもらいたいと思って一生懸命やっているんですけれども。 本法案の中で、原発事故の対応、放射線障害の防止についてというところがございまして、事故が起きたときに、どうその放射線の障害を防止していくかということを先へ先へと原子力規制委員会が持っていくということになっているんですが、お配りしました資料の二でございますけれども、安定ヨウ素剤の配布というところがございまして、ヨウ素剤というのは、もしもの事故が起きたときに時間と競争なんですね。ヨウ素剤をもう早く配らなければ意味がなくなってしまうんですけれども、その配布と服用について災害勃発時に緊急を要する対処なんですが、これは、DHEATというのは、自治体と自治体の保健活動の脆弱化しているところに寄り添うように溶け込んでやっていくんですけれども、私が申し上げたいのは、そういったものに対して、DHEATの訓練や教育のカリキュラムの中に放射線障害の防止には安定ヨウ素剤の使い方に緊急を要するんだというようなこともちょっと入れていただきたいんですけれども、どなたかお答えができたら、よろしくお願いいたします。
○政府参考人(橋本泰宏君) お答えいたします。 今先生おっしゃっていただきました災害時健康危機管理支援チーム、いわゆるDHEATでございます。こちらは、自然災害に伴う重大な健康危機が発生いたしまして、被災自治体だけでは健康危機管理対応が困難になるような場合、そういったときに支援を行う、ほかの地方自治体の医師あるいは保健師等で構成されるチームでございます。 すなわち、このDHEATというのは、災害発生から一定の時間が経過する中で、被災自治体だけでは健康危機管理対応が困難になった段階におきまして、被災自治体の保健所あるいは県庁等の支援に入りまして、そこの職員とともに管内の市町村の公衆衛生業務のマネジメント機能、そちらを支援するということを目的といたしております。 したがいまして、今先生おっしゃいましたように、発災直後、緊急時におけます一刻を争うような状況の中でこの安定ヨウ素剤の配布、服用といった個別対応を行う、こういったものは、DHEATとしてそういったことを行うということを想定しているものではございません。 なお、安定ヨウ素剤の配布、服用といった運用に関しましては、原則として原子力規制委員会の方で必要性を判断するということとされておりまして、地方自治体が地域の実情に即した実効性のある対策を講じることができるように、原子力規制庁の方で解説書も作成されているものというふうに承知いたしております。
○石井苗子君 これは原子力規制委員会の方からのガイドラインが出るという理解でよろしいかと思うのですけれども。(発言する者あり)違いますか。
○政府参考人(片山啓君) お答えいたします。 原子力規制委員会では、原子力災害対策特別措置法に基づきまして、原子力災害対策指針というものを作っております。その中で、安定ヨウ素剤についての事前の配布でございますとか服用といったようなことを規定しておりまして、それに基づきまして、該当する地方公共団体において地域防災計画あるいは避難計画というものが作成されます。そういうものの中で、じゃ、各地域において具体的に安定ヨウ素剤をどういうふうに備蓄をするのか、あるいは具体的にいざというときにどういう場所で配布をするのかといったような詳細が定められる、それを実際に行う人をどういうふうにして配置をするのかといったようなことが定められております。 そういう意味におきまして、そういう中で実際にそういう、何というか、安定ヨウ素剤の配布ですとかの担い手をどういうふうに見付けていくのかというのは、国もいろいろと御相談に乗ることはあるかと思いますけれども、一義的には各地方公共団体の方で御検討いただくものというふうに考えております。
○石井苗子君 今後の検討が必要だと個人的には思います。 時間がもうあと二分しかないので、広報体制についてなんですけれども、広報というものは頻繁にやるものでありまして、向こうが読んでくれたり見てくれたりするのを待つというものではない、それに期待するものではないんですね。こちらから能動的に出ていく、まさしく原子力規制委員会の、こちらから出向いて検査していくというような、攻めの状態で広報はあっていいと思うんです。 徹底して、資料三の朝日新聞ですけれども、災害の被災地の三百四十六か所が避難所として脆弱であるとか、環境的に裏山、川のそばにあって、崖崩れがあるようなところで建っているじゃないかと、計画がずさんだと、こんなようなことを書かれないように、攻めに、先にやっていく。整備を含めて、検討や計画はここまで進んでいるんだというようなことを内閣府の方からもうどんどん出していくというような形でもいいかと思っているんですが、強化ということについて、対策をどうしているのかという内閣府の御説明がもし一分でできればと思うんですけれども。 食の安全が次の資料の四なんですけれども、風評被害ということもありまして、福島県の方は食の安全の担保について、本来ならば、この記事にあるように、自治体の体制に任せるのではなくて、もう検査しなくていいのだというようなところも含めて、キノコとか魚だったらまだやっている最中だとかいうように広報できちんとやっていって、国が明確な基準を作って検査体制の縮小を示すべきだと思っておりまして、この縮小ということに関して記事になる前に広報を出していっていただきたいなと思っております。国民の安全じゃなくて安心というものをゲットしていくという、この解決していく段階で何度も何度も地域の住民の方に周知してもらう広報の在り方というのを、避難所なんか特にそうだと思うんですけれども、全面的にやっていっていただきたいと思うんです。 一分しかないんですけれども、どちらかお答えを御用意していただけたら、四十六分までですので、お答えいただければ。よろしくお願いいたします。
○政府参考人(平井興宣君) 内閣府の原子力防災担当でございます。 原子力災害に係る避難計画につきましては、非常に詳細な計画を各自治体とともに作ってまいっております。それにつきましては、今後とも、住民に周知していくように努力するとともに、皆さん、一般の方にも分かりやすく広報できるよう、内閣府としても全力で努力したいと思っております。
○石井苗子君 ありがとうございました。質問を終わらせていただきます。
○委員長(森まさこ君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○武田良介君 私は、日本共産党を代表して、原子力利用における安全対策の強化のための核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律等の一部を改正する法律案に反対の討論を行います。 反対の第一の理由は、本法案にある原子炉等規制法の改定が、原子力発電所等の検査を事業者任せにし、事故防止のための国の責任を放棄するものだからであります。 改定は、施設の安全確保に対する事業者の一義的責任を明確化するという理由で、事業者自らが検査を行うよう義務付け、国は事業者が行った検査をチェックし、その結果に基づいて総合的な評定を行うというものです。 福島第一原発事故の根底にあるものは、重大事故に至れば炉心溶融が起こることを知っていながら、その対策を事業者任せにしてきたことです。国会事故調査委員会報告書も、規制当局が事業者のとりことなり、規制の先送りや事業者の自主対応を許し、国が自らの責任を回避してきたことが事故の背景にあると指摘をしました。審議の中でも、東京電力は柏崎刈羽原発の免震重要棟が基準地震動に耐えられないという解析結果を隠していた問題を明らかにしました。 原発の再稼働にひた走る電力事業者に検査の一義的責任を持たせることは許されません。事業者任せの検査の見直しは、福島原発事故の教訓をないがしろにし、過去の検査制度の改定の経緯にも逆行するもので、認められません。 第二は、放射性廃棄物の埋設処分規制が不十分だからです。 今回の改定では、低レベル放射性廃棄物の浅地中処分、トレンチ処分とピット処分についての見直しは全くなく、公衆への被曝防止や環境汚染防止の対策として問題があります。浅地中処分に対して、遮断型構造による施設建設など強化を図る規制を加えない改正は不十分です。 第三に、放射性物質であるRIの防護は当然必要です。 しかし、本改定では、物質防護に加え、二〇〇五年に原子炉等の核物質防護の強化で原子炉等規制法に導入された国家公安委員会との関係が持ち込まれています。これは、犯罪捜査でもない警察官の質問に返事をしなかっただけで罰則を設けるなど、警察による人権侵害、大学、研究機関の自治への介入が懸念されます。研究活動の自主、民主、公開の原則にも反するものであり、認めることはできません。また、内部脅威に対応するとして原子炉等で始められている信頼性確認制度などの導入に道を開くもので、容認できません。 最後に、本法案は、原子炉等規制法、放射線障害防止法、放射線基準法の三法を束ねた法案であり、本来、立法機関である国会で法案ごとの審査を要するものであり、このような法案の提出の在り方を改めるべきことを申し添えて、反対の討論といたします。
○委員長(森まさこ君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。 これより採決に入ります。 原子力利用における安全対策の強化のための核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律等の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(森まさこ君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 この際、浜野君から発言を求められておりますので、これを許します。浜野喜史君。
○浜野喜史君 私は、ただいま可決されました原子力利用における安全対策の強化のための核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律等の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・こころ、民進党・新緑風会、公明党及び日本維新の会の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 原子力利用における安全対策の強化のための核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずべきである。 一、本改正により国際規制物資使用者間での少量核燃料物質の譲渡し又は譲受け、国際規制物資使用者による少量核燃料物質の輸出入が可能となった場合、取引の増加に伴い核燃料物質の移動が活発になることが予想され、これにより少量核燃料物質の所在等の把握が煩雑になることも考えられることから、少量核燃料物質の平和的利用が担保されるためにも、国際規制物資使用者に係る計量管理の強化及び効率化の検討を速やかに行い、必要な体制を整備すること。 二、原子力施設の廃止措置の実行可能性を担保するため、廃止措置実施方針の定期的な見直し・更新を発電用原子炉設置者等に求めるとともに、あらかじめ適切な公表の方法を定めた上で、定期的に公表すること。 三、中深度処分を行う第二種廃棄物埋設施設については、放射能濃度が比較的高い廃棄物を数百年にも及ぶ長期間取り扱うことから、その間、事業者によって安定的に事業が継続されるよう、当該事業者の体制強化を図る施策の実施も含め、必要な指導・監督を行うこと。また、事業者による管理終了後に放射性物質の漏えい等が発生した場合においては、国が責任を持ってその対処に当たること。 四、放射性廃棄物を取り扱う埋設施設の立地選定に当たっては、有害物質であるポリ塩化ビフェニルのように、民間主導の処理の計画が頓挫したケースも過去に見られることから、立地選定及び処分が円滑に進むよう、国として立地の選定に積極的に関与すること。また、放射性廃棄物の埋設の事業を円滑に実施するためには立地自治体及び地元住民の協力が欠かせないことから、事業者と立地地域の合意形成が進むよう、国も積極的に働きかけていくこと。 五、指定廃棄物埋設区域制度の創設に伴い、発電用原子炉及び試験研究炉施設の規制基準策定に向けた検討が今後進むこととなる一方で、再処理施設等から生ずる放射性廃棄物など、炉内等廃棄物以外の放射性廃棄物の中深度処分についてはこの検討の対象とされていないことから、当該廃棄物に係る規制基準についても早急に検討を進め、その結果を国民に分かりやすく、丁寧に説明すること。 六、原子力規制委員会は、今回新設される第六十二条の二の二の趣旨を踏まえ、国際的な基準や先行する海外事例との整合を図りつつ、バックフィットの運用に関するルールや判断基準を明確化し、規制化するためのプロセスを整備すること。 七、今回の検査制度の見直しにおいては、国際原子力機関による総合規制評価サービスの指摘や東京電力福島第一原子力発電所の事故の教訓を踏まえ、科学的・技術的知見を基本に、国際的な基準や先行する海外事例との整合を図りつつ、原子力安全規制の実効性を高め、実質的な安全性を効果的に向上させることができる規制体系となるよう特段の配慮を行うこと。 八、原子力規制検査及び総合的な評定に当たっては、国際原子力機関による総合規制評価サービスの指摘を踏まえ、安全への実質の影響程度で判定するといった考え方で厳格に検査を行うという指摘の理念が実現されるよう実施すること。また、見直し後も不断の検証を行いながら、継続的な改善を図っていくこと。 九、原子力規制検査の導入に当たっては、安全上の重要性やリスク評価に着目して検査対象の選定を行い、その運用や判定の一貫性や予見性、透明性を確保する観点から、原子力事業者等との緊密かつ継続的なコミュニケーションを図りつつ、その具体的な方法をマニュアル等で明確化するなどにより実効性ある運用がなされるよう十分な体制を整備すること。 十、原子力規制検査の運用においては高い能力が検査官に求められることから、同検査の運用開始までに資格付与等の能力管理の仕組みを整備・公表するとともに、同検査の運用に必要な人員を十分に確保し、検査の実効性を担保すること。 十一、規制体系の大幅な変更を伴う新たな検査制度の導入に当たっては、原子力事業者等の実務を担う現場において過度な負担や無用な混乱が生じることのないよう、十分な準備期間を設定するとともに、その運用開始までに実際の運用のための評価・分析を含めた十分な検討を行い、新旧制度間の円滑な移行に万全を期すこと。 十二、原子力規制委員会は、原子力規制に関する理解と信頼をより一層高めるため、見直し後の検査制度に基づく取組状況について、国民に分かりやすく説明するとともに、国会に定期的に報告すること。特に、原子力規制検査及び総合的な評定の結果に当たっては、根拠等含め明確かつ具体的に国民に対しても分かりやすく公表すること。 十三、原子力規制委員会は、国際原子力機関による総合規制評価サービスの報告書を真摯に受け止め、今回の検査制度の見直し等にとどまることなく、自らのマネジメントシステムの確立、原子力事業者等とのコミュニケーション、高経年化に関する認可手続等に係る諸課題に関して、迅速かつ不断の改善に取り組むとともに、その状況を国会にも分かりやすく報告すること。 十四、放射性同位元素、放射線発生装置及び核燃料物質等は、研究機関、大学、医療機関、民間企業等において幅広く使用されており、多様な放射性廃棄物が発生している状況にあることから、これらの施設を所管する関係各法律においても、早期に処理・処分の合理化に係る規定を整備すること。 十五、特定放射性同位元素防護規程の届出制度が創設されるに当たり、放射線障害予防規程との内容の重複等により、事業者からはセキュリティとセーフティの内容が重複し混乱を来すのではないかとの懸念が示されていることから、事業者に対し過度な負担を強いることとならないよう制度を構築すること。 十六、防護措置の対象となる血液照射装置は現在では使用されなくなってきているものの、同装置を廃棄するには多大な費用がかかり、廃棄されずに各施設に保管されている状況にあること等を踏まえ、防護措置が義務付けられることとなる装置の廃棄に対し、必要な支援策を検討すること。 右決議する。 以上でございます。 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(森まさこ君) ただいま浜野君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(森まさこ君) 多数と認めます。よって、浜野君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、山本環境大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。山本環境大臣。
○国務大臣(山本公一君) ただいまの附帯決議につきましては、その趣旨を十分に尊重いたしまして努力してまいる所存でございます。
○委員長(森まさこ君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(森まさこ君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後二時五十九分散会