環境委員会 第4号
- 発言数
- 154 件
- 登壇者
- 17 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 2017/03/22
会議録
○委員長(森まさこ君) ただいまから環境委員会を開会いたします。 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 委嘱審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、財務大臣官房審議官井上裕之君外九名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(森まさこ君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(森まさこ君) 去る十五日、予算委員会から、本日一日間、平成二十九年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、総務省所管のうち公害等調整委員会及び環境省所管について審査の委嘱がありました。 この際、本件を議題といたします。 予算の説明につきましては既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○高橋克法君 自由民主党の高橋克法です。 環境と経済成長というのは、かつて環境か経済成長かという対立の概念で捉えられていましたけれども、今や環境と経済成長の両立という新たな局面を迎えていると思います。そういう意味で、一貫して真面目に愚直に環境問題に取り組んでこられた自由民主党の中では第一人者である山本大臣、私は大変な期待を持って大臣を見ております。そういうことを前提として質疑に入らせていただきます。 まず、自然環境関係ですが、現在、明日の日本を支える観光ビジョンというものに基づいて、外国人の誘致に向けた取組が進められています。環境省においても、この観光ビジョンに基づいて国立公園満喫プロジェクトが進められており、昨年の七月には、先行的、集中的に取組を実施する八つの国立公園が選定をされました。私の出身地である栃木県日光国立公園もその一つに選定をいただきました。選定後は、観光関係者なども含めた地域協議会を設立をして議論をされていると聞いております。同プロジェクトに掲げる二〇二〇年に訪日外国人の国立公園利用者一千万人という目標に向けては、首都圏から近い日光国立公園の取組が重要と考えている者の一人です。 そこで、外国人誘致に向けた日光国立公園の現在の取組状況及び今後の方向性についてお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(山本公一君) お話がありましたように、環境省といたしましても、国立公園満喫プロジェクト、大いに力を入れてやっていきたいというふうに思っております。 その上で、先生が今御指摘になりました日光国立公園については、昨年策定されたプログラムに基づき、滝や渓谷、湖を堪能する水のアクティビティーや温泉などといった自然と、世界レベルの文化財を有する歴史ある国際観光地という特徴を生かした取組を進めていきたいと考えております。官民連携して取り組んでいくことが大変重要と考えており、例えばJR東であったり東武であったり、交通事業者と連携したPRや観光団体と連携したアクティビティーや観光情報の一体的紹介などを進めていきたいと考えております。
○高橋克法君 今の質問では私の地元の日光国立公園を取り上げました。それは決して、手前みそな部分もあるんですが、それだけではなくて、実は、栃木県というのは北関東なんですけれども、実はイメージとしては南東北なんです。ですから、この日光から東北に向けて誘客をしたい、そのことが東北の復興にもつながるんではないか。特に、もうすぐ桜の季節になりますが、毎年巡ってくるこの春になりますと、桜前線がずっと北上していくんですね。こういう日本の美しさというものも外国人の方々にとっては大きくPRできるんではないか。だからこそ、東京―大阪のゴールデンルートではなく、今度は東京から東北に向かった、そしてそのまず最初の入口に日光を位置付けて外国人の方々を北上させたい、そんな思いを込めて質問をいたしましたので、どうぞ環境省におかれましてもよろしくお願いを申し上げたいと思います。 次に、高病原性鳥インフルエンザについてお伺いいたします。 栃木県においても、今シーズン、オオタカ、オオハクチョウ、オシドリの野鳥から高病原性鳥インフルエンザウイルスが検出をされました。幸いにして、栃木県では家禽での発生は起きておりませんが、常にその危険が隣にあると認識をしています。全国的にも、今シーズンは野鳥の過去最多の発生件数が認められました。家禽においても各地で認められていると聞いておりますが、具体的な発生状況をまずお伺いしたいと思います。
○政府参考人(亀澤玲治君) お答えいたします。 今シーズンは、御指摘のとおり、高病原性鳥インフルエンザウイルスH5N6亜型が確認をされているところでございます。 具体的には、現在までに、家禽において七道県十件、野鳥等におきましては二十二都道府県二百十八件が確認されております。野鳥等につきましては、これまでに一番多かった平成二十二年から二十三年にかけてのシーズンの発生件数の約三・五倍となっておりますが、三月に入ってからは野鳥での発生も下火になっている状況でございます。
○高橋克法君 野鳥から家禽に感染をしますと家禽農家は全頭処分しなければならない、そういう深刻な影響を受けます。野鳥の監視はその意味でも大変重要なことだと考えています。 野鳥のモニタリングは、現場の自治体の職員の皆さんが休みなく対応して、非常に大変な作業を行ってくれていると認識をしていますけれども、環境省として、これら関係機関と連携していかに野鳥の監視を効率的、効果的に進めていこうとしているのか、特にこの部分は重要な部分ですので、そのことについてお伺いをしたいと思います。
○政府参考人(亀澤玲治君) 環境省では、毎年、冬鳥の渡来に合わせまして十月から翌年四月に全国の渡来地でふん便を採取し、また通年で、死亡野鳥等があれば検体を採取して鳥インフルエンザウイルスの保有状況を調査しております。また、発生時には、各発生地の周辺半径十キロを野鳥監視重点区域に指定して野鳥緊急調査チームを派遣する等野鳥の監視を強化しておりますが、その調査結果は速やかに農林水産省等と共有する等、迅速な対応に努めております。 特に、今シーズンは全国で続発したことを踏まえまして、野鳥の死亡が続発している地域では、全ての死亡個体を検査するのではなく、何個体かまとまった段階で検査することによって新たな発生地域での検査の方を優先する体制を整えるとともに、野鳥の密集を招く給餌の見直し等を図ることとしたところでございます。各都道府県に対しましては、監視の強化と迅速な情報共有の徹底と併せて、この旨を通知いたしました。 今後とも、各地の発生状況等に応じて、関係機関とも連携して一層の効率化と対応の強化を図ってまいりたいと思います。
○高橋克法君 早期発見、そして対応、これが非常に重要であると思います。これまで懸命に取り組んでこられたことは重々承知しておりますが、新たな手法等の研究も忘れずに、しっかりとやっていただきたいと要望しておきたいと思います。 次に、廃棄物関係について質問いたします。 昨年のG7環境大臣会合において、資源効率性に関してG7が協力して取り組むことに合意をいたしました富山物質循環フレームワークが取りまとめられるなど、国際的にも非常に関心が高まっていると思います。我が国の先進的な技術を生かして途上国の環境改善に資することはもちろんでありますけれども、このことが実は我が国の循環産業の発展にもつながってまいります。まさに、環境が経済成長に資するという事例でもあると思います。 その意味で、循環産業の国際展開をより積極的に進めるべきではないか、もう進めていらっしゃるんだけれども、より積極的に進めるべきではないかと思いますし、また、その一つの事例である廃棄物発電、この導入というのは、同時にCO2の削減にもつながるものでありますから、JCM、これは非常に私はすばらしい制度だと思っていますが、このJCMの積極的な活用も図りながら前へ進めていかなければならない。その点についての大臣のお考えをお願いいたします。
○国務大臣(山本公一君) 現在、アジアを始めとした途上国、新興国では、経済成長と人口増加に伴い、廃棄物管理が大きな課題となっております。そういう意味で、先進的な技術を有する我が国循環産業の国際展開は、こうした国の廃棄物の問題の解決に貢献するだけでなく、拡大する巨大な海外市場を狙うことができるビジネスチャンスでもあろうと思っております。 こうしたことから、環境省では、二国間協力、多国間協力、そして事業者への支援に取り組んでまいりました。環境省としても、より一層きめ細かい事業者支援等に取り組み、我が国循環産業の国際展開を戦略的に進めてまいりたいと思っております。 また、廃棄物発電事業などについてはCO2削減にも大きく寄与するものでございまして、既にミャンマーで四月に開所式を行います。JCMの活用例がミャンマー等でもう既に行われております。 世界的なCO2削減にも貢献すべく、費用対効果も勘案しつつ、JCMの活用を積極的に進めてまいりたいと思っております。
○高橋克法君 大臣がおっしゃられましたとおり、東南アジアなどの新興国におきましては、人口増加や経済成長を背景に、廃棄物処理が喫緊の課題となっていることは御承知だと思います。 我が国は長年廃棄物処理に取り組んでまいりましたが、我が国の循環産業にはどのような技術、ノウハウ、世界に誇れるものだと私は認識をしていますが、どのような技術、ノウハウ、その強みがあるのか、お伺いをしたいと思います。
○政府参考人(中井徳太郎君) お答え申し上げます。 我が国はこれまで、循環型社会の実現に向けまして、廃棄物の適正処理、リデュース、リユース、リサイクルの3Rのための政策推進、焼却による廃棄物の最終処分量の減容化などに取り組んでまいりました。こうした取組によりまして、例えばテレビやエアコン、携帯電話などの様々な家電から選別を行い有用な金属を回収するリサイクル技術、また廃棄物の焼却時に熱エネルギーを回収し発電を行う廃棄物発電技術、そして適切に管理しながら廃棄物の埋立てを行う最終処分技術など優れた技術を有しておりまして、こうした技術は東南アジアなどの新興国におきましても有望な技術であると考えております。
○高橋克法君 世界に誇れるそういった技術を日本は持っています。そして、その技術を世界の環境のために使っていく。 ただ、使っていきたいんだけれども、相手国には相手国のいろいろな状況があります。つまり、適正な廃棄物処理を行う法制度がその国において整備をされているのか、又はそれを担う人材がしっかりと育っているのか、そういう相手国の事情もあるので、ただ良いものだからはいどうぞという簡単なことにはならないと思うんですね。ですから、大事なのは、技術プラスアルファ、仕組みであるとか人材であるとかといった部分もパッケージとしてこれから提供していくというような視点が大切になってくると思うんです。 その意味で、新興国の廃棄物処理を進めて、我が国循環産業の国際展開を図るための制度整備や人材育成、このパッケージという概念での取組というのが行われているのかどうか、行われているとすればどういうものなのか、よろしくお願いします。
○副大臣(伊藤忠彦君) 高橋委員にお答えを申し上げたいと存じます。 循環産業の国際展開に当たりましては、相手国の状況にまさに合わせて、技術そのものの国際展開だけではなく、制度の整備でございますとか人材の育成というのは包括的に支援をしていくことが極めて重要でございます。 例えば、ただいま中井部長から少しお話がございましたが、アジア太平洋3R推進フォーラムを国連地域開発センターとともに毎年開催をさせていただいております。アジア太平洋地域の政府担当者との間で各国の制度や経験を毎年共有をさせていただいておりますが、私も昨年、オーストラリア、南オーストラリアのアデレードで開催をいたしました折、各国の担当大臣がここに参加をしておられましたが、それぞれの担当大臣とバイの会談をさせていただきまして、諸事情の交換させていただいたところでございます。 わけても、インドネシアという国につきましては、極めてこれまで準備もなされてまいったんですけれども、この二国間の一例と申しますと、インドネシアのことを御報告申し上げたいのは、この一月にも安倍総理がインドネシアを御訪問されまして、ジョコ大統領と二国間のバイ会談をされたわけでございますが、ここでも実は、我々の技術あるいは人材育成の能力、こうしたものを是非共有をしていただいて、インドネシアを美しい国にしていきたい、クリーンな国にしていきたいという会談が行われました。 その後、私もすぐにインドネシアに参りまして、廃棄物発電導入を包括的にサポートする支援プログラムを御提案を申し上げ、極めて好意的に受け止めていただきました。四、五人の大臣と、担当は先方国は環境林業大臣でございましたけれども、させていただきまして、これに基づきまして、廃棄物発電ガイドラインの策定の支援を始めていくことと同時に、この三月に終えたばかりでございますけれども、廃棄物発電導入を包括的にサポートする支援プログラムをその折提案をし、直ちにインドネシアの主要都市、州等を対象とした訪日研修、実務者会議を実施をいたしまして、お帰りをいただいたところでございます。 これ、今、東南アジア地域で大いにやらせていただいておりますが、昨年、TICADⅥ、ケニアのナイロビでございました。この折も、私どもの方からは、アフリカ各国に対し、既にJICAでいろんなプログラムがございまして、廃棄物の取扱いというのは重大なテーマでございましたが、ここまでアフリカの経済が成長してまいりますと、やはりさらに観光客ですとか投資ですとかということを迎えていくには、いよいよこの廃棄物に対してどう取り組むかということが大事な課題であるということは大体首脳の皆様方の頭の中にあったわけでございますが、私たちとしては、各国に対し、やはり同様に廃棄物の処理とその熱を使った、なかなか電力がございませんので、そうしたことを供給する仕組みというものについて、含めてどうでしょうかということを申し上げて、言っただけではなくて、やはり国連のUNハビタットですとか、あるいはUNEPですとか、こうした組織とJICAと、そして私たち環境省と各国関係者を集めて、いよいよアフリカで、アフリカのきれいな街プラットフォームという協議会の設立を、この四月にモザンビークのマプトという首都で開催をすることにいたします。 ここで、先ほどお話が出ましたとおり、人材の育成をもう少ししていくためにどうしたらいいか、ABEイニシアティブを使った制度はどうしたらいいのかということでございますとか、各国の事情に合った廃棄物の処分のガイドラインですとか、こうしたアジアで今展開をしている経験とアフリカの事情を組み合わせたことをまたしていけることができればということで、前に進めようという努力を今させていただいているところでございます。 まさに、環境技術の輸出と経済成長、そして全体の調和、こうしたことができますように、大臣の下で私たち打って一丸となってこうしたことをさせていただいている状況でございます。
○高橋克法君 大変ありがとうございました。 というのは、実は、昨年まで二年間、ODAの特別委員会に所属をしておりまして、二回、一昨年と昨年とODAの調査に参りまして、現地でのJICAの方々の活躍というのを目の当たりにしてきたものですから、ただ、彼らだけの活動ではやはり限界がある、その先をどうするんだということになると、今、副大臣がおっしゃられたような取組というものが必要になってくる。そして、今の副大臣のお話だと、それらが一つの連携された仕組みとしてできつつあるという言葉でよろしいんでしょうかね、そのお話を聞いて大変心強く思いました。 是非とも、その形を強力に前に進めていっていただきたい。JICAの方々の苦労も、初めて花が咲いて実が結ぶというふうにつながっていくと思います。よろしくお願いいたします。 次に、地球温暖化関係について質問をいたします。 我が国は、かつて石油ショックでありますとか公害問題、深刻な公害問題を乗り越えて今の日本を形作ってまいりました。そのことは、同時に、世界に冠たる環境技術を獲得したという歴史でもあったと思います。 昨年十一月に発効いたしましたパリ協定の下、世界は脱炭素社会に向かって間違いなく動き出しています。こうした中で、我が国は、国内での大幅な排出削減を実現をして世界に範を示しつつ、さらに優れた環境技術を生かして世界全体の排出削減にも貢献をし、この分野で世界をリードしていくべきである、これが日本に与えられた大きな使命であるというふうにも思いますが、総理もおっしゃっていられるように、経済と環境の両立の鍵はイノベーションである。そうしたイノベーションの創出を力強く後押しできるように、実は環境省の中にはエネルギー特別会計予算というものがありますので、この予算を効果的、戦略的に活用していくべきではないかと思いますが、これまでどのような成果を上げてきているのか。さらにまた、今後、これを効果的、戦略的に活用していくためにはどのようなお考えがあるのか、この二点についてお伺いいたします。
○副大臣(関芳弘君) 高橋委員のおっしゃるとおりで、非常にこの技術イノベーションというのはCO2の中長期的な大幅削減の鍵であると思います。環境省では、エネルギー対策特別会計を活用いたしまして、様々な革新的技術の開発、実証に取り組んでいるところでございます。 まず、成果が既に出ております項目につきまして三つほど例を挙げさせていただきたいと思いますが、一つには、LEDのコスト低減や高効率化のための開発、実証が一つでございます。二つ目には、電気自動車用のリチウムイオン蓄電池の大幅な大容量化の開発、そして商品化。三つ目には、我が国の深い海でも設置のできます浮体式の洋上風力の発電所の開発。ちょうど私も先週末、長崎の五島列島の方に視察に行かせていただいてきました。このような成果が三つ、今例を挙げさせていただきましたが、もう既に成果が出ているようなところでございます。 さらに、実証段階のところの部分を二つほど例を挙げさせていただきたいと思いますけれども、省エネの技術的な技術といたしまして、電気機器の電圧制御等を大幅に効率化をいたします窒化ガリウム半導体の開発の実証が一つでございます。そしてまた、二つ目には、鉄よりも五倍も軽くて、また五倍も強度があります、車の軽量化等に役立っておるんですが、セルロースナノファイバー、この用途の開発を手掛けているところでございまして、中長期の大幅削減の鍵となりますこのような新たな技術の開発、実証、これを我々は、エネルギー対策の特別会計予算を効率的、また戦略的に活用してまいりたいと、そのように思っております。
○高橋克法君 今、関副大臣のお話の中にもあった窒化ガリウム半導体、これたしかノーベル賞受賞者の天野先生などが取り組んでいらっしゃると思いますし、セルロースナノファイバーは素材革命、一大素材革命の大きな素材になり得る、これを日本がしっかりと先頭に立ってやっていく。 できれば、アメリカでいうところのマイクロソフトとかアップルが世界標準をつくって、世界から、まあ下品かもしれませんが、お金を全部アメリカに集めて、そのことでアメリカの富を蓄積しているみたいな側面もあります。これからの日本の状況を考えたときに、やはり、福祉をやるにも教育をやるにも医療を充実させるためにも、国の富というものは蓄積をしなきゃならない、これは私たちの責任だと思いますが、そのためにも、この窒化ガリウム半導体とかセルロースナノファイバー、これの世界標準をしっかり取っていくんだという、そういう意味で大切な部分だと思うんですが、この二つについて、現在の状況、お答えをいただければと思います。
○政府参考人(鎌形浩史君) お答え申し上げます。 窒化ガリウムにつきましては、窒化ガリウムは半導体の素材の一種でございまして、現在は半導体の素材として使われているのは主にシリコンなどですけれども、これに代えて窒化ガリウムを用いることで大幅な省エネになるということでございます。具体的には、大学、企業等の研究開発グループによりますと、電気機器で電圧を変換する際などのロスを従来の六分の一以下に抑えることができ、我が国全体に当てはめてみますと一千万トン以上のCO2排出の削減につながるということが見込まれております。 環境省では、平成二十六年度から窒化ガリウムの技術開発を開始しておりますが、現在行っていることと申しますと、LEDを発光させる素材あるいはパワーコンディショナーといったものに実際に窒化ガリウムを搭載いたしまして、CO2の削減効果などを含めて実証する事業に今取り組んでいるところでございます。 次に、セルロースナノファイバーでございます。これは鉄の五分の一の軽さで五倍以上の強度を持つということで、かつ再生可能な素材でもありまして、様々な素材や部材への活用が期待されているところでございます。 環境省といたしましては、セルロースナノファイバーの早期の社会実装を目指しまして、セルロースナノファイバー製品を試作いたしましてCO2削減効果を検証するなどの取組を行っているところでございます。特に、国内事業規模が大きく、CO2削減ポテンシャルの大きい自動車へのセルロースナノファイバーの活用について、現在実証を進めているところでございますが、メーカーなどと連携いたしまして、平成三十二年に自動車の重量で現状より一〇%程度の軽量化を実現すると、こういうことを目標に開発、実証を進めているところでございます。
○高橋克法君 是非、精力的、積極的に進めていただきたいというふうに思います。 一方で、再生可能エネルギーの最大限の導入に当たりましては、自治体を始めとする地域での取組を一層促進させるということも重要だと思います。例えば昨年の熊本地震の際に、被災地の避難所等にあらかじめ設置されていた太陽光発電によって、被災直後にもかかわらず電気の利用が可能となったという事例も耳にいたしました。このような地域における自立分散型エネルギーシステムの浸透は、温室効果ガス排出削減に加えて、防災・減災、国土強靱化等、多くの地方が抱える政策課題の同時解決にも資するものと考えております。 農業で昔から言われて、今も言われている地産地消という言葉がありますが、私は、エネルギーに関しては地消地産、地域で消費するものは地域で産出していこうじゃないか、この考え方が大切だと思っていますが、先ほど質問したことを踏まえて、環境省としてどのような施策を講じていくつもりなのか、質問いたします。
○政府参考人(奥主喜美君) お答えいたします。 地域における再生可能エネルギーの導入、特に自立分散型エネルギーシステムの導入促進は、地球温暖化対策のみならず、委員御指摘のとおり、地方が抱える様々な課題を解決する上で重要な取組と考えております。 環境省では、昨年春の熊本地震の教訓も踏まえ、昨年秋の補正予算において、防災・減災と地域の低炭素化を両立する自立分散型エネルギー設備の導入支援事業を措置し、多くの自治体での導入が進められているところでございます。また、二十九年度予算案におきましても、再生可能エネルギー電気・熱の自立的な普及促進に関する事業を計上し、地域での再生可能エネルギー導入における多様な課題を解決するためのモデル的な設備導入を推進していくこととしております。 今後とも、自治体などの地域ニーズをしっかりと伺いながら、地域での再生可能エネルギー導入拡大に向けて全力を尽くしてまいります。
○高橋克法君 地域における再生可能エネルギーと考えたときに、どうしても電源が不安定である。太陽光であれば、夜、又は曇り、雨のときには発電効率が落ちるか発電していないわけだし、風力の場合には風が吹かなければ発電できないわけなんですが、そういった不安定な電源であるという大きな弱点があるんですね。これを解決するのは、先ほど関副大臣の御答弁の中にもありましたけれども、蓄電池、これが不安定な地域での再生可能エネルギーの弱点を克服する大きなポイントになってくると思うんです。 ただ、蓄電池はまだまだ普及が少ないので値段も高いし、研究開発はどんどん進められているんだと思うんですけれども、この蓄電池こそが弱点を克服する肝であるとすれば、蓄電池の現在の状況がどのようなことになっているのか、お分かりになれば御答弁をいただきたいと思います。
○政府参考人(鎌形浩史君) 御指摘のとおり、太陽光や風力など自然に左右される不安定な再生可能エネルギーにつきましては、蓄電池を組み合わせることで安定電源とすることができます。 環境省といたしましては、蓄電池も含めて、公共施設等への再生可能エネルギー設備の導入や地域での再エネ導入における多様な課題を解決するためのモデル的な再エネ設備の導入、これを支援しているところでございます。 蓄電池の本格普及に当たってはコストなどの課題がございますが、引き続き、太陽光や風力、蓄電池などを組み合わせた地域の特色ある自立分散型エネルギーシステムの確立に向けてより一層取り組んでまいります。
○高橋克法君 もちろん、この蓄電池については、環境省だけということではなく、環境省の役割分担があるでしょう、経済産業省で果たすべき役割もあると思うんですけれども、これらは互いに連携をしてやっていくことだと思っていますので、よろしくお願いをしたいと思います。 機会があれば、経済産業省の方の担当の方にも来ていただいていろんな議論をしてみたいという思いもありますけれども、今日は予算関連の委嘱審査ですので、この質問は鎌形局長の答弁を受け取っておきます。 最後の質問になります。浄化槽について質問いたします。 浄化槽は、災害に強く、その設置推進が防災や国土強靱化に寄与するものであるというのは、さきの大震災においても私たちが実際に経験をしたことです。さらに、人口減少社会をこれから迎えるわけで、多くのインフラが更新期を迎えてくるという転機になります。そういう意味では、大規模な公共下水道よりも、効率的な汚水処理施設である浄化槽の整備をより積極的に進めるべきではないかと私は確信をしていますが、その辺のところの見解について答弁を求めます。
○大臣政務官(井林辰憲君) お答えをいたします。 委員御指摘のとおり、浄化槽は、特に汚水処理の未普及人口が多く残る地方部、例えば、全国では八九・九%、二十七年度末で汚水処理人口が進んでおりますが、例えば栃木県ですとまだ八四・四%というような、地方部におきまして経済的、効率的な整備が可能な汚水処理施設でございます。 また、御指摘のとおり、個別分散型の処理システムのため、災害時の被害が面的に広がりにくく、国土強靱化にも寄与するものと考えてございます。 さらに、地方部では、浄化槽普及率、全国で九・一%でございますが、例えば栃木県では一五・五%のように、地方部で非常に高い普及率でございます。設置、維持管理も地域の中小企業が担っていただいていることから、地方創生にも貢献をしているところでございます。 現在、汚水処理施設の計画の見直しは各地で進められており、下水道等の集合処理から浄化槽に方針転換する市町村も現れているところでございます。 このような動向も踏まえ、環境省では、浄化槽の整備に係る市町村への支援を強化するため、平成二十八年度補正予算十億円に加えまして、平成二十九年度予算案におきましては、浄化槽整備関係予算を対前年度比一一二%の九十四億円に拡充して計上しております。 今後とも、未普及地域の早期解消に向け、浄化槽整備を積極的に進めてまいります。
○高橋克法君 なかなか大きな船というのは方向転換するのに時間が掛かるものだと思いますが、これだけ公共下水道信仰みたいなので来ましたので、意識の転換というのは難しいかもしれませんけれども、これから先ほど言ったようにインフラの更新期を迎えますから、そのときに浄化槽というものがいかにすばらしいものであるか発信をし続けて、大きな船でありますけれども、方向をしっかりと変えていくように、我々も努力していきますので、よろしくお願いします。 終わります。
○浜野喜史君 民進党の浜野喜史でございます。 まず、防衛省の特別防衛監察についてお伺いをさせていただきます。 三月十七日、防衛省は、南スーダンPKO部隊が作成した日報を陸上自衛隊が破棄したと説明しながら保管をしていた問題で、特別防衛監察に着手をいたしました。 環境大臣は、この事態についてどのようにお考えか、見解を伺います。
○国務大臣(山本公一君) 行政文書を適切に作成、保存、管理することは、行政の適正かつ効率的な運営を確保する上で、また国民に対し政府の説明責任を全うする観点から、非常に重要かつ基本的な事項であると認識をいたしております。環境省では、環境省行政文書管理規則に基づき、毎年度、行政文書の自己点検、行政文書管理状況監査を行っております。 防衛省における特別防衛監察の子細は承知しておらず、コメントは差し控えますが、環境省としては、今後とも引き続き適切な文書管理を徹底するよう努めてまいりたいと思っております。
○浜野喜史君 この防衛省の特別防衛監察の結果いかんによりましては、防衛大臣は重大な責任を取っていただかざるを得ないのではないかと私は考えますけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(山本公一君) 今申し上げましたように、詳細を承知をしておりません。コメントは差し控えさせていただきたいと思います。
○浜野喜史君 大臣からお答えをいただきましたけれども、私は、省庁を問わず、事実を隠すとか事実を曲げるといったようなことがあってはならず、事実に基づいて業務が遂行されていくべきだというふうに考えます。 環境省としては、それを自信を持ってやっているということを大臣はお考えでしょうか。
○国務大臣(山本公一君) そのように思っております。
○浜野喜史君 私は、後ほど指摘をさせていただきますけれども、環境省におきましても、事実を隠すとまでは申し上げませんけれども、都合の良い事実だけを示して事を進めようとしているのではないかと疑念を持つ部分がございます。これは後ほど指摘をさせていただいて、大臣始め環境省の見解を伺いたいと思います。 本日も、前回に続きまして地球温暖化対策につきまして質問をさせていただきます。 三月十六日、中央環境審議会、中環審地球環境部会におきまして、長期低炭素ビジョンというものが取りまとめがされました。その中でも、主要な施策の方向性の中で、カーボンプライシングというものが盛り込まれております。 まず、このカーボンプライシングなるものについて、それが何なのか、御説明をいただきたいと思います。
○政府参考人(鎌形浩史君) お答え申し上げます。 カーボンプライシングは、経済的手法の一つでございまして、世の中の全ての主体が温室効果ガスのコストを意識するよう炭素の排出に対して価格を付けるものでございます。排出量取引制度、炭素税などが主要な施策例とされておりますが、OECDによりますと、排出を削減するための費用効率的な政策ツールとされているところでございます。
○浜野喜史君 このカーボンプライシングでありますけれども、経済成長であるとか長期の目標に向けて最も大切とされておりますイノベーションに役立つものであるというふうにお考えかどうか、お願いいたします。
○国務大臣(山本公一君) カーボンプライシングが経済成長に資するのかという御質問だろうと思っております。 カーボンプライシングの導入が化石燃料価格の上昇要因となって経済に影響を与える側面があると指摘されていることは承知をいたしております。他方、長期低炭素ビジョンでは、カーボンプライシングは、環境問題のみならず、経済、社会的課題との同時解決に重要な役割を果たす可能性があると指摘もされております。 その理由としては、特に投資、イノベーションが伸び悩んでいる現下の日本経済において、企業の設備投資や研究開発を誘発するなど新たな投資機会を生み出すこと、諸外国においては、カーボンプライシングの収入が競争力強化のための法人税減税や社会保障など環境以外の多様な政策に活用されていることなどが挙げられております。 また、先般来日されたノーベル経済学賞を受賞されたコロンビア大学のスティグリッツ教授が、長期低炭素ビジョンと同様の趣旨について、先日、経済財政諮問会議や中央環境審議会の場において言及されたと承知をいたしております。 環境省としては、このような指摘を踏まえつつ、カーボンプライシングの検討を進めてまいりたいと思っております。
○浜野喜史君 大臣のお答えは、カーボンプライシングは経済成長に結び付く可能性ありというお話でした。可能性ありということは私も否定しませんけれども、そもそも基本的に、カーボンプライシング、いろんなことが考えられるかも分かりませんけれども、要は環境規制ということになるんだろうと私は理解するんですけれども、そもそも環境規制が基本的に経済成長に結び付くというものなのかどうか、もう一度お答えください。
○国務大臣(山本公一君) カーボンプライシングの導入は既にヨーロッパを始め様々な国で先行いたしております。そういう国が経済成長をしていないかといえばそうではないというデータも我々承知をいたしております。したがいまして、いろんな可能性を秘めていることだけは間違いないというふうに私は思っております。
○浜野喜史君 可能性は私も否定するところではありません。 少し別の角度からお伺いしますけれども、私は、地球温暖化をめぐる国際交渉は困難を極めてきたというふうに認識をしております。様々な合意がなされたとしても、関係国が離脱をしたり、そして先進国とそれから途上国との厳しい対立もあったということだと思います。 そういうふうに私は認識をしているんですけれども、大臣はどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(山本公一君) 今先生御指摘のように、私が政務次官を務めましたCOP3からの十九年間を振り返ってみたときに、様々な動きがこの問題に関してはあったことは私は身をもって体験をいたしてきております。やっぱりいろんな時代時代に応じて様々な国の考え方、出てくるということは致し方ない。 ただ、パリ協定において、長年の対立事項であった先進国と新興国との間で全ての国が参加するという形を取り得たこと、これはやっぱりパリ協定の大きな成果であったというふうに思っております。
○浜野喜史君 パリ協定の成果は私も否定するものではありません。 ただ、この地球温暖化をめぐる国際交渉が大変厳しいものであったということを考えますと、どうしてもやはり対策については、自国の経済成長を抑制するという面があるということを各国が認識をしていたからこういう厳しい交渉が続いてきたんだというふうに理解をいたします。 したがって、環境規制、それが経済成長に結び付くんだということであるならば、そんな厳しい国際交渉が展開をされてきたはずもないわけですし、基本的にはカーボンプライシング等々の環境規制はやはり経済成長を抑制するんだという観点に立つべきではないかというふうに私は考えますけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(山本公一君) 先ほど申し上げましたように、ある意味からいったら、企業の設備投資や研究開発を誘発するような新たな投資機会を生み出すことは間違いないんだろうと思っております。 我々は経験上、今先生がおっしゃったようなことを随分経験してまいりました。かつてはあのアメリカのカリフォルニア州がマスキー法の世界で大変厳しい状況をつくり上げてきたことも承知をいたします。その中でそれをクリアしていった、何といいますか、最先端の企業は日本であったということを振り返ってみますときに、先生のおっしゃることもよく分かりますけれども、環境規制が全て経済成長にはつながらないとは私は思っていないような次第でございます。
○浜野喜史君 そこは見解の分かれるところかも分かりませんけれども、私は楽観論には立つべきではないということを申し上げておきたいと思います。 その上で質問させていただきます。イノベーションと環境規制ということについて御質問をさせていただきます。 今日は資料も配らせていただきました。今年の一月の十九日、長期低炭素ビジョン小委員会におきまして配られた資料がこの資料一でございます。読み上げさせていただきます。 環境規制が厳しい国でTFP(全要素生産性)上昇率が高い傾向がある。少なくとも環境規制が強いことがマクロ的な生産性の上昇を大きく阻害したという事例は、二〇〇〇年代の先進国では見出せないと。平成二十二年度年次経済財政報告、需要の創造による成長力の強化というところからの引用でございます。 これは委員会で配付された資料でありますけれども、年次経済財政報告の中から適切にこの部分を引用されてきたというふうに認識かどうか、環境省にお伺いいたします。
○政府参考人(鎌形浩史君) 環境対策とイノベーションとの関係については、国内外で様々な分析が行われているところでございます。 御指摘の平成二十二年度の年次経済財政報告では、カーボンプライシングに特化したという議論ではございますが、資本と労働の増加によらない生産の増加を表す全要素生産性に着目した記述がございます。その中では、委員読み上げられたとおり、環境規制が厳しい国でTFP、全要素生産性上昇率が高いという傾向があるとか、あるいは少なくとも環境規制が強いことがマクロ的な生産性の上昇を大きく阻害したという事例は二〇〇〇年代の先進国では見出せないと、こういうような記載がございました。こういった記載は資料に引用させていただいているということでございます。 いずれにしましても、我が国におけるカーボンプライシングにつきまして、検討に当たって、長期大幅削減に向けたイノベーションを生み出す国内の取組を加速する上でどういったものが適切かと、こういう観点から様々な議論を踏まえて検討していく必要があると認識しております。
○浜野喜史君 適切に引用してきたんだという御説明だったと思いますけれども、もう一枚めくっていただきまして、資料二を御覧いただきたいと思います。二十二年度の年次経済財政報告の中から引っ張り出してまいりました。 おっしゃるとおり、環境規制がマクロ的な生産性の上昇を大きく阻害した事例は見出せないという記述は確かにございます。しかしながら、読み上げますけれども、その関係には重要な例外がある。それはアメリカである。アメリカは、経済が著しく発展しているにもかかわらず、環境規制の強さが中程度である。にもかかわらず生産性上昇率は高いため、こうした結果になっている。アメリカという重要な例外があることに加え、環境規制の強さを国際比較することは容易でなく、以上の結果は幅を持って解釈する必要がある。ただ、こうした限界を踏まえつつも、あえてここから読み取るとすれば、少なくとも環境規制が強いことがマクロ的な生産性の上昇を大きく阻害したという事例は、二〇〇〇年代の先進国では見出せないという点であろうと、こういうことなんです。 アメリカという重要な例外があると、そして環境規制の強さを国際比較することは容易でないと、こういう前提を付けた上での記述であるわけですので、正確に引用するとすればその辺りも表現されてしかるべきだというふうに考えますけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(鎌形浩史君) お答え申し上げます。 今読み上げられましたとおり、アメリカの事例、あるいは環境規制の強さの国際比較の難しさ、こういったものを挙げつつ、こうした限界を踏まえつつも、あえてここから読み取るとすればということで、そういった限界を前提とした上でのある意味一つの結論的な文章を記述されていると、こういうふうに考えておりまして、それを引用させていただいているということでございます。 もちろん、出典を示しておりますので、こういった留保が付いているということは前提でございますし、また、いろんな説明に当たっては、そういったことも踏まえた対応をしてまいりたいと思います。
○浜野喜史君 失礼ながら、苦しい私は御答弁じゃないかなというふうに思いますけれども。 もう一つ、この資料の二の下の部分です。 同じこの報告書の中で、環境とイノベーションという項目のその記述のすぐ下に、環境規制は少なくとも短期的には生産性にマイナスという項目、これは別の場所に記述されているものではありません。少し読み上げさせていただきます。以上から、素材型は省エネ等によるコストの削減、加工型は売上増で中長期的に便益がコストを上回る可能性があることが読み取れるが、短期だけではなく中長期的にもコストが便益を上回る可能性もあり、環境規制と生産性の関係について楽観的に捉えるべきではないと。これは、繰り返しますけれども、引用された部分のすぐ下に記述されてあります。 環境規制がマクロ的な生産性の上昇を大きく阻害した事例は見出せずという項目の下に、環境規制は少なくとも短期的には生産性にマイナスだと。さすがにこれを載せずに上だけ載せるというのは、少し私はひどいんじゃないかというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(鎌形浩史君) お答え申し上げます。 私ども、長期低炭素ビジョンにおきまして、長期的に大幅な削減をしていくというためにはどうしたらいいかという、こういう方向性の議論をしていただいてまいりました。カーボンプライシングもそこで大きな課題として議論されたわけでございますけれども、長期的な効果をもたらすためにどういう政策があるべきなのか、こういった文脈の中で議論されてきたものと、こういうふうに承知してございます。 それで、御指摘の部分でございますけれども、短期的には生産性マイナスということでございます。中身見ますと、例えば、第一にというところでございますが、一年目には生産性が低下することが分かった。ただし、二年目からは逆に生産性が上昇する結果が得られた、こういったような記述もございます。中長期的な問題をどう捉えるかということにつきましては、第二、第三にもそれぞれございまして、様々なデータなり議論があるということを承知してございます。 いずれにいたしましても、私ども、中長期的なものについて議論していくということでやってきているということでございます。 ただ、御指摘のように、短期的に生産性にマイナスになるようなケースがあるということ、それから、中長期にもコストが便益を上回る可能性もあるという指摘があること、そして、楽観的に捉えるべきではないと、こういう指摘があること、それは前提として考えていかなければならないと考えています。 そういう意味で、今後の政策を考えていく上で、こういった御指摘についてはしっかりと受け止めて検討していく必要がある、このように考えてございます。
○浜野喜史君 しっかりと受け止めるべきというふうに認識されるのであれば、当然こういうことも記述をした上で国民に判断を求めていくということではないかというふうに思います。全く別の部分に記述されてあるのであれば見落としたということもあるのかも分かりませんけれども、すぐその下に記述されているものをあえて載せずに上の部分だけ載せるということはいかがなものかというふうに思います。 環境大臣はこういうところに関与されているとは思われませんけれども、今までの私の指摘を聞いていただいて、ちょっとさすがにそれは都合のいいところだけを引用したなというふうにお感じだというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(山本公一君) 私は、今回、この長期低炭素ビジョン、長期という言葉に私は注目をいたして指示を出したつもりでございます。つまり、短期的にはいろんな問題があろうかと思いますけれども、長期の低炭素ビジョンという、この国にとってのビジョンというのはいかにあるべきかという観点から議論をしてもらいたいという指示を出したつもりでございます。
○浜野喜史君 そういうふうにおっしゃいますけれども、ここに記述されているのは、環境規制と生産性との関係について楽観的に捉えるべきでないという記述がしっかりと入っているんですね。短期のことだけをどうこう言っている記述じゃありませんので、それは指摘をさせていただきたいと思います。 その上で、カーボンプライシングという話に戻させていただきます。このカーボンプライシングはパリ協定などにおいて国際的に合意がされたものであるのかどうか、見解を伺います。
○政府参考人(鎌形浩史君) カーボンプライシングについての国際的な合意に関するお尋ねでございます。 まず、パリ協定を採択したCOP21の決定、COP決定におきまして、国内政策やカーボンプライシングといった手法を含め、排出削減活動にインセンティブを与えることの重要性を認識しというふうな記載がございます。そういう意味で、その重要性が位置付けられているというところでございます。 また、昨年五月のG7伊勢志摩首脳宣言におきましても、同趣旨の記述がございます。
○浜野喜史君 おっしゃったように、国内対策やカーボンプライシングを含め、排出削減にインセンティブを与えることの重要性を認識すると。重要だという認識はありますけれども、カーボンプライシングという手法をもって各国が取組を進めていこうじゃないかというような合意は私はなされていないというふうに認識をするんですけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(鎌形浩史君) パリ協定におきまして、カーボンプライシングにより削減を進めるというふうな記述はないというふうに認識しております。
○浜野喜史君 国際的な合意はないというふうに理解をいたしました。 その上で、そういう合意はないんですけれども、国際的に共通したといいますか、標準化されたカーボンプライシングというようなものは私は存在しないというふうに考えるんですけれども、見解を伺います。
○政府参考人(鎌形浩史君) お答え申し上げます。 カーボンプライシングの中には排出量取引や炭素税などがございます。世界銀行の報告書によりますと、既に世界で四十の国と二十四の地方政府が何らかのカーボンプライシングを導入、検討しているということでございます。これにつきましては、各国がそれぞれの状況に応じて制度設計を行っているというのが現状でございます。 それから、欧州の排出量取引制度であるEUETSのように複数の国によって構築されている制度、あるいは制度間で国際的なリンクを行っているところもあるというふうに認識してございます。
○浜野喜史君 標準的なというか、共通するカーボンプライシング制度というものが存在するわけではないというふうに理解をいたしました。 次に、炭素リーケージと呼ばれるものにつきまして御質問をいたします。 環境規制の掛け方によりましては、規制の厳しい国から緩い国に産業、企業が出ていき炭素が漏れていくという、いわゆる炭素リーケージが生じるという懸念があります。結果として世界的に炭素は削減されない、こうした懸念があるというところでありますけれども、この炭素リーケージというものについて環境省としてどのように認識をされているか、お尋ねをいたします。
○政府参考人(鎌形浩史君) お答え申し上げます。 カーボンプライシング制度を導入した場合に、一つの指摘といたしましてですが、企業が排出コストの安い海外に生産や投資を移転させ、そこでのCO2排出を増やし、結果的に世界的な排出量が増加する、委員御指摘のようないわゆる炭素リーケージが起こるリスクがある、こういう指摘がございます。 しかしながら、世界銀行が取りまとめた報告書におきましては、リーケージのリスクは、排出量取引において排出枠を無償で割り当てたり、あるいは炭素税の導入に当たって免税や還付を行ったり、それから国境調整措置を設けるなどの制度設計などによって実効的に対応可能であるというふうに記載されてございます。 実際、既にカーボンプライシングを導入している諸外国では、国際競争にさらされている部門につきまして排出枠の無償割当てを行うなどの措置が講じられているものと承知してございます。
○浜野喜史君 炭素リーケージというものについてのリスクは認識しているということでよろしいんでしょうか。
○政府参考人(鎌形浩史君) 先ほどるる申し上げたような対応が取られなかった場合にそういった炭素リーケージが起こるリスクがあるということは私ども認識してございます。
○浜野喜史君 ということは、元々の話に戻りますけれども、この地球温暖化対策というものは産業、企業が自国から出ていってしまうようなおそれがあるんだということを認識されているということになるわけでして、ということは、冒頭の私の質問に戻りますけれども、基本的にはやはり地球温暖化対策、環境規制は、それぞれの産業、企業の成長、総体でいいますとそれぞれの国の経済成長を抑制するものであるという認識にそもそも環境省は立っておられるというふうになるのではないかというふうに私は理解するんですけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(鎌形浩史君) 炭素リーケージにつきまして私お答え申し上げましたのは、制度の設計の仕方、つまり環境規制の制度設計の仕方によって様々なことがあり得ると、その中の一つとしてリーケージが起こり得ると、こういうことを申し上げたところでございます。
○浜野喜史君 リーケージが起こり得る、そういうふうに起こるようなことがあるのであれば何らかの対策が講じられるんだという御説明ですから、炭素リーケージがあるんだという前提でお考えになっておられるわけで、本音のところではやはり地球温暖化対策というのは経済成長を抑制するものだというふうに根本的には認識しておられるのではないかというふうに私は推測をいたしました。 その上で、そもそもこのカーボンプライシングについて現時点で環境省がどのようにお考えかということについてお尋ねをいたします。 昨年五月に閣議決定をされました地球温暖化対策計画におきましては、我が国産業に対する負担やこれに伴う雇用への影響、海外における排出量取引制度の動向とその効果、国内において先行する主な地球温暖化対策の運用評価等を見極め、慎重に検討を行うというふうにされています。現状においてもこの認識のとおりということでよろしいでしょうか。
○国務大臣(山本公一君) 御指摘のとおり、地球温暖化対策計画においては慎重に検討を行うというふうに記されておりますので、私ども、国内排出量取引制度を含むカーボンプライシングについては地球温暖化対策に沿って検討を進めてまいりたいと思っております。
○浜野喜史君 要は、そのカーボンプライシングと言われるものの導入であるとか強化ということの結論を現時点において導き出しているわけではないというふうに理解をしてよろしいでしょうか。
○国務大臣(山本公一君) 慎重に検討を進めているというふうに御理解をいただきたいと思います。
○浜野喜史君 結論が出ているわけではないというふうに理解させていただいてよろしいでしょうか。もう一度お願いします。
○国務大臣(山本公一君) 低炭素社会を築いていくためにはカーボンプライシングというのは極めて有効な手段であることは、私どもは認識をいたしております。その上で、慎重に検討を進めてまいりたいと思っております。
○浜野喜史君 予算の関係について質問いたします。 この二十九年度の予算におきましては、カーボンプライシングの導入可能性調査事業として二・五億円計上がなされております。この内容について御説明を願います。
○政府参考人(鎌形浩史君) お答え申し上げます。 平成二十九年度予算案において計上しておりますカーボンプライシング導入可能性調査事業におきましては、中長期の温室効果ガス削減に向けて、施策の進捗状況に応じて見直しを行い、カーボンプライシングを導入することとなった場合に速やかに効果的な制度を実施できるよう、制度の在り方の検討を行うものです。 具体的には、地球温暖化対策計画に基づきまして、我が国産業に対する負担やこれに伴う雇用への影響等を分析し、諸外国の事例なども参考に、幅広く我が国においてカーボンプライシングを導入することとなった場合の制度の在り方を検討することとしております。
○浜野喜史君 ということは、導入ということ自体が目的になっているわけではないというふうに理解してよろしいでしょうか。
○政府参考人(鎌形浩史君) お答え申しましたとおり、我が国において導入することとなった場合の制度の在り方の検討ということでございますので、導入したことを決めた上で制度の検討をしているという構成にはなってございません。
○浜野喜史君 導入することとなった場合にという、そのために検討しておられるということでございました。 とすると、導入されなければこの二・五億円というのは無駄になってしまうというふうに私は理解するんですけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(鎌形浩史君) 政策の検討には、様々な調査、あるいは海外情勢も含めて検討、あるいはいろんなシミュレーションなども必要となってまいります。そういった上で制度をどうするかという判断をしていくということでございますので、その政策形成に係る経費というようなことで、結論にかかわらず必要な経費であると、こういうふうに考えてございます。
○浜野喜史君 導入することとなった場合にどういう制度がいいのかということを検討するんだということは、まだ導入するということは決まっていないというわけですので、導入されなかった場合にはこれは全く無駄なお金になってしまうということではないかなということだと思います。 導入することにおいて効果があるのかどうかという研究、検討をするのであれば、それはそれで私は話が成り立つと思うんですけれども、導入することについてはまだ結論を得ていない。その場合に、どっちかまだ結論は出ていないんだけれども、導入することになった場合にどんな制度がいいのかということは少し説明が成り立っていないのではないかという疑念を持つということは申し上げておきたいと思います。 次に、長期低炭素ビジョンの中では、今日は資料も配らせていただきました、こういう表現がございます。六十三ページ、資料の四ですけれども、長期低炭素ビジョンの六十三ページに、また、IPCCも、カーボンプライシングは原理的に費用対効果の高い形で緩和を実現できる手法としていると。ここのIPCCと言われるものは気候変動に関する政府間パネルと訳されるものでありまして、各国推薦の専門家による会議だということであります。このIPCCも、カーボンプライシングは原理的に費用対効果の高い形で緩和を実現できる手法としているというこの記述もIPCCの報告書から適切に引用されてきたというふうにお考えかどうか、見解を伺います。
○政府参考人(鎌形浩史君) 今御指摘のとおり、IPCCの報告書には、原理的には、キャップ・アンド・トレード制度や炭素税を含む炭素価格を設定するメカニズムにより、費用対効果の高い形で緩和を実現できるということでございます。ただ、制度設計に加えて国情等のために効果は差があるというような指摘もございます。そういう中で、費用対効果が高い形で緩和を実現できると、そういう結論部分も引用されているということでございます。
○浜野喜史君 先ほど来指摘をさせていただいてまいりましたけれども、これまで指摘してきたものは議論に当たっての参考資料というふうに提示されているものでありました。先ほど指摘させていただきました部分はビジョンの本文、記述の部分で事実関係が記載されている部分でございます。繰り返しません。 これ、IPCCの報告書の中身を見てみましたところ、資料四で配らせていただいていますけれども、読み上げます。原理的には、キャップ・アンド・トレード制度や炭素税を含む炭素価格を設定するメカニズムにより、費用対効果の高い形で緩和を実現できるが、政策設計に加えて国情等のために、効果には差がある形で実施されてきた。キャップ・アンド・トレード制度の短期的効果は、キャップが緩いか排出を抑制することが証明されなかったため、限られたものになっている(証拠が限定的、見解一致度が中程度)と、こういう記述です。 原理的には実現できるんだけれどもと。これは、言葉を換えれば、理論上は、理屈上は緩和を実現できるんだけれども、政策設計に加えて国情等のために、これは、意味合いとしては、政策設計の困難さ、それぞれの国における事情の違い等々のために効果には差がある形で実施されてきたと、こういう記述です。原理的には何々であるがというふうに書いてある文章ですので、言わんとするところは、原理としては、理屈上は成り立つんだけれどもそうではないんだというところ、このそうではないんだという後段の部分も含めて記述をするのが当然のことだというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(鎌形浩史君) 御指摘のとおり、原理的にはという部分についての引用がされているところでございますが、原理的には実現できるとされて、その後、制度設計や国情の違いというものが述べられてございます。 御指摘の引用の部分でございますけれども、その後の部分も、幾つかの国では、温室効果ガスの排出削減に特に狙いを定めた税ベースの政策が、技術や他の政策と組み合わさり、温室効果ガス排出とGDPの相関を弱めることに寄与してきた、これは確信度が高いというような整理になってございますが、様々な制度の在り方によって、あるいは国情によって違うということはそれぞれ述べられているということでございますが、原理的な問題として費用対効果の高い形で緩和を実現できるという部分の引用がなされているというところでございます。
○浜野喜史君 私が申し上げたいのは、原理的にはということを記述したのをおかしいというふうに言っているわけじゃないんです。原理的には実現できるんだけれども、かくかくしかじかだという、なぜこの後段の部分をわざわざ削除をして本文の中に記述をするのかということを質問させていただいております。
○政府参考人(鎌形浩史君) 長期低炭素ビジョンの別の部分にもございますけれども、やはり導入した場合の我が国産業に対する負担や、これに伴う雇用への影響、国際競争力を含め、どのような効果、影響が想定されるのか等を分析しつつ、長期大幅削減に向けたイノベーションを生み出す国内での取組を加速する上でいかなる制度の在り方が我が国にとって適しているか、具体的な検討を深める時期に来ていると、こういう記述がございます。 原理的には先ほど引用されているようなとおりでございますけれども、様々なことを具体的に検討していかなければならない、このような記述になっているというところでございます。
○浜野喜史君 これ、全く答えていただいていないんですね。私が御質問させていただいているのは、なぜこの後段の部分を載せなかったのかということなんです。もう一度お願いいたします。
○政府参考人(鎌形浩史君) 様々な事情を考慮して検討すべきということは別の部分に記載されているというところでございます。
○浜野喜史君 全く説明に私はなっていないというふうに思います。 大臣、ここの部分も大臣が掌握されている、把握されているところじゃないと思いますけれども、やはりこれ本文ですから、IPCCがどういうふうに評価をしているのかということはやはり正確に記述をして、その上で国民に判断をしていただくという姿勢が必要だと思います。 これはやはり不適切な引用だというふうに言わざるを得ないと思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(山本公一君) 先ほど来、鎌形局長が答弁いたしておりますとおりでございますけれども、私は、やっぱり基本的には低炭素社会を実現していくためにはカーボンプライシングというのは非常に有効な手法であると。その手法であるがゆえに、世界を見渡したときに、日本がある意味で導入が遅れているというのもこれ事実でございます。 そうしたときに、国際社会の様々な動向を見て、さっきから先生御指摘のありましたように、導入して失敗といいますか、うまくいかなかったところもあるやに聞いております。様々な例を、世界各国の例を見ながら、もし導入するならば日本らしいカーボンプライシングの在り方というのを考えていく必要があるんじゃないかということを常々私どもは考えております。
○浜野喜史君 失礼ながら、大臣も私の質問に対しては真正面からお答えいただけなかったということは申し上げたいと思います。 そして、大臣、言葉の端々に、日本は遅れているんだと、諸外国ではこういう施策が入っているんだけど日本は遅れているんだというお言葉をお話しされる中で端々にちりばめられるわけでありますけれども、私はそこに非常に疑問を持ちます。可能性があるんだと、カーボンプライシングというものについては可能性があるんだというふうにおっしゃりながらも、大臣の頭の中にはもしかしてもう結論が出ているんだと、そのための条件整備をされようとしているんだというふうに私には思えてしまうんですけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(山本公一君) 何度も申し上げますけれども、非常に有効なツールであるということは私は常々認識をいたしております。 遅れているというのは、非常に進んでいる国があるということも事実なので、私が一番、何といいますか、この二、三年で衝動を受けましたのは、中国がこの制度を導入するということを耳にしたときに、やっぱり日本は少し遅れているのかなということを認識せざるを得なかったことだけは事実でございます。
○浜野喜史君 中国のことをおっしゃったので、またこれは別の機会にお伺いしたいと思うんですけれども、おっしゃったように、中国が導入したということに衝撃を受けた、中国が導入してどういう効果が現実問題出ているのかということを分析した上に立って、それなら日本でもという話であれば私は分からないでもないんですけれども、中国が導入をしたという事実だけをもって、それに衝撃を受けたので日本も考えなければならないんじゃないかという筋立ては、少し私は違うのではないかということを申し上げたいと思います。 その上で、時間の関係もありますので最後の質問にさせていただきます。最後の項目にさせていただきます。 ビジョンの中には約束された市場という言葉があります。これは誰が誰に対して何を約束したというものなのか、この約束された市場という言葉の意味を御説明いただけますか。
○政府参考人(鎌形浩史君) お答え申し上げます。 ビジョンの中にも記載がございますが、気候変動対策は科学に基づき必要とされる取組でございまして、長期にわたり継続的かつ大規模な投資が必要であることが予見され、世界中で既に取組が加速しております。 対策には、現時点では未知のものも含め、多様な可能性があり、市場の活力が最大限に活用されることにより、イノベーションや成長の余地が大きいとされております。既存のストック対策も含め、低炭素化、脱炭素化に向けた取組には、将来にわたって継続的に大きな需要があり、結果として市場規模が拡大していく可能性が極めて高いと考えられます。これらのことから、長期低炭素ビジョンにおいては、気候変動対策に関する市場をいわゆる約束された市場と呼称しているものでございます。 このように、約束された市場とは、市場規模の拡大していくというところを指しているものでございます。
○浜野喜史君 ちょっと一つだけ確認いたしますけれども、この約束された市場というようなこの記述、これはパリ協定等々の国際合意の中にはこういう表現がされたことがあるんでしょうか。
○政府参考人(鎌形浩史君) 私どもとしては、そのような表現が国際文書にあることは把握はしてございません。ないという証明はできませんが、把握はしてございません。
○浜野喜史君 この部分も私は非常に前のめりの表現ではないのかなというふうに思います。約束された市場というのがそもそもあるのかという、私、根本的な疑問もありますし、少し譲って表現するのであれば、今後現れ得る市場とか期待される市場というふうな程度の表現にとどめておくべきものであって、何か投資をすればリターンがあるという、何か約束された、まさに市場が生み出されるというようなイメージを振りまくことはいかがなものかということは申し上げておきたいと思います。 最後に、やはりこのビジョンはカーボンプライシングの導入強化ということを強く提起をしたものだというふうに私は受け止めます。しかしながら、このカーボンプライシングなるものは経済、イノベーションの阻害要因となることが懸念されるということも事実であります。安易に規制に走らずに、真に効果ある対策を求めていただくことを強くお願いをして、本日の質問を終わります。 ありがとうございました。
○若松謙維君 公明党の若松謙維です。 予算委員会では山本大臣に度々質問の機会をいただきました。今日は、委嘱の件もありますので、特に東北、北海道の地域の課題についてこの場をお借りして質問したいと思います。 まず、八郎湖ですね、昔、八郎潟と言いましたが、今、八郎湖と言います、の水質改善に向けた支援についてお伺いいたします。 湖沼水質保全特措法というのがありまして、これが二〇〇七年にちょうど、全国で十一番目の指定湖沼があるんですが、秋田県の八郎湖はその十一番目の最後という状況になっておりますが、そのために県が策定した保全計画に基づいて現在水質の改善に努めております。しかし、九年経過しても水質が好転しないと、こういう現実の課題もありまして、私も現場に行ったこともございまして、その話も伺いました。 この八郎湖なんですが、国の干拓事業で現在の形になったわけでありまして、それに関連して水質が良くないということであれば、是非国に対して積極的に関与してほしいと、これが地元の切なる思いでもございます。そういうことで、財政支援等を通じて県の水質改善事業をサポートすべきと考えますが、見解はいかがでしょうか。
○政府参考人(高橋康夫君) 八郎湖でございますけれども、委員御指摘のとおり、平成十九年度に湖沼水質保全特別措置法に基づく指定湖沼に指定をされてございます。同法の下、現在、秋田県によって策定されました第二期の湖沼水質保全計画に基づきまして、汚水処理施設の整備、湖内の浄化対策、あるいは水質汚濁に係る調査研究など、水質改善に向けた総合的な対策が鋭意進められていると承知をしてございます。 環境省といたしましても、秋田県に委託をいたしまして、平成二十七年度から八郎湖での湖底の貧酸素改善に向けた高濃度酸素水の供給を行うことによりまして湖底の水質及び底質等の改善効果を検証する実証試験を実施をしてございます。 今後とも、八郎湖の水質改善に向けまして、秋田県を始めとする関係自治体あるいは関係省庁と連携をいたしまして対応してまいりたいと考えております。
○若松謙維君 ということで、よろしくお願いいたします。 それでは次に、北海道の環境課題について質問をいたします。 いわゆる廃棄物処理施設と浄化槽の整備の件でありますが、廃棄物の広域的な処理体制を構築する北海道でありますが、御存じのように大変広大な面積で、かつ百七十九市町村があると、そういう地域でもありまして、あわせて、積雪寒冷地という非常に豪雪地帯も多い北海道特有の課題がありますので、この地域の廃棄物を、しっかり処理体制を構築するのは非常に困難だという道からの訴えがあるわけであります。 そこで、各自治体の廃棄物処理施設の整備について国として是非しっかり支援していただきたいと、そういう要望がありますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(中井徳太郎君) お答え申し上げます。 環境省としては、循環型社会の実現におきましてごみ処理の広域化が重要であると考えておりまして、循環型社会形成推進交付金におきましては、その創設時より、人口、面積要件を設けておるところでございます。一方、北海道など地理的条件等により人口、面積要件を満たすことが困難であると認められる地域につきましては、この要件にかかわらず本交付金の交付対象としておるところでございます。北海道につきましては、全域豪雪地域ということでの取扱いとなっておるところでございます。 環境省といたしましては、市町村が一般廃棄物の処理を適正かつ着実に行えるよう、引き続き可能な限りの対応に努めてまいりたいと考えております。
○若松謙維君 具体的にペーパーで恐らく環境省にも要請が行っていると思うんでしょうけど、実際、平成二十八年度予算状況、地元要望、不足額二・二億円と、こういう事実もありますので、是非可能な限り要望に応えていただきたいと思うんですけど、いかがでしょうか。
○政府参考人(中井徳太郎君) 予算の確保につきましては、循環型交付金、大変大きな課題でございますが、地元の要望を踏まえまして可能な限りの対応を図ってまいりたいと考えてございます。
○若松謙維君 是非、山本大臣も応援してください。よろしくお願いいたします。 次に、人口密度の低い地域での下水道の集合処理についてお伺いいたしますが、これも経済性、効率性も欠くということで、地元は浄化槽の整備促進に対して強い支援を求めているわけでありますが、その点についてはいかがでしょうか。
○政府参考人(中井徳太郎君) お答え申し上げます。 汚水処理施設につきましては、公共下水道、集落排水施設、合併浄化槽のそれぞれの特性、経済性等を勘案いたしまして、地域の実情に応じた最適な整備手法を選択することとしてございます。これにより、今後十年程度を目標に汚水処理未普及地域が解消するよう、現在、国土交通省、農林水産省、環境省の三省で取り組んでいるところでございます。 浄化槽は、人口密度が低い地域におきまして、経済的、効率的な整備が可能であります。近年の地方における財政状況や人口減少社会に鑑み、今後、浄化槽の果たす役割は大きくなると認識してございます。このような状況を踏まえまして、環境省では、汚水処理未普及地域の早期解消に向け、浄化槽整備の支援を進めてまいります。
○若松謙維君 御存じのように、北海道は、広大な自然、土地、気候、食料と非常に観光資源が豊かなんですが、あわせて、今北海道は、あれですか、下水が九割、合併浄化槽が三%、集落が一パー、ですから残り約六%が垂れ流し若しくは単独ということで、ちょっと十年長いのかなと。ちょっと短縮是非していただきたいんですが、それいかがですか。
○政府参考人(中井徳太郎君) 現在、今後十年ということでの目標での解消を目指しておるところでございますが、一日も早い実現を目指して、精いっぱい御支援できるように努めてまいりたいと思っております。
○若松謙維君 とにかくお願いします。何度もお伺いしますので、よろしくお願いいたします。 次に、道内の国立公園の施設整備促進についてお伺いをいたします。 現在、道内には六か所の国立公園があるわけでありますが、当然、これは国が一部について整備を行っているということでありますけど、国立公園でありますので、それに付随する施設のメンテナンス、整備ということなんですが、なかなか十分に行われていないというのは全国的な課題でもあろうかと思っております。 そこで、どうしても道の負担になっているということなんですが、御存じのように、道の人口減少、さらにはJRの北海道問題とか、非常に財政が厳しい地域でもありますので、あわせて、国立公園である以上、国立公園全域の整備を是非国が責任持っていただきたいと要望するわけでありますが、いかがでしょうか。
○副大臣(関芳弘君) 若松委員の道内を思う強い気持ちの御質問だと思うんですが、道内におけます国立公園の中で、保護上及び利用上重要な事業につきましては、効率的な予算執行に努めつつ国が進めるという形になっておるんですが、他方、公園全部となりますと、重要なところは国がやるんですけど、公園全部となりますとやっぱりなかなか難しいところもございまして、予算の問題もございましたり、また三位一体改革という法整備がございまして、その中で国が直轄でやるところはここだという取決めもまたございます。さらには、またその公園の中に私有地もございまして、公園の中全域が国がというのはちょっとなかなか難しいんですが、先ほど申し上げましたように、保護上また利用上重要なところについては国がしっかりやろうというところでございます。 阿寒国立公園を例えて申しますと、ここは国立公園の満喫プロジェクトということで、先行します八つの公園の中に選ばれております。昨年の末にはここで今後の取組方針決まりまして、ステップアッププログラム二〇二〇を策定しておりまして、このプログラムに基づきまして、今後は、環境省の直轄事業及び自治体に対する自然環境整備交付金、これを通じまして、支援によりまして北海道と協力して整備を集中的に行ってまいりたいと思っております。
○若松謙維君 今の満喫プロジェクトですけど、取りあえず阿寒湖、これいつまでにやっていただけるという制度でしょうか。
○政府参考人(亀澤玲治君) 満喫プロジェクトにつきましては、二〇二〇年度を一応の目標としております。
○若松謙維君 その満喫プロジェクトで具体的に今まで、三十四の国立公園ありますが、それが満喫プロジェクトに、どういったところが国のいわゆる整備というのがなされるんですか。具体的にどんなところなのか。それはトイレなのか駐車場なのか、ちょっとお答えいただけますか。
○政府参考人(亀澤玲治君) 満喫プロジェクトにつきましては、三十四の国立公園のうち八つの公園で集中的、先行的に取り組むこととしておりますが、それぞれの公園につきまして、地元とも協議をして整備の内容を詰めてきたところでございますが、具体的には、駐車場もあればキャンプ場もありますし、ビジターセンターの再整備等もありますし、またソフト面でのWiFi環境の整備等も行う予定でございます。
○若松謙維君 そうすると、八つの地域によって違うということですね、中身がね。そうしますと、じゃ、もし二〇二〇年までにそれなりの効果が出ればほかのいわゆる国立公園にそれを広げると、そういう議論はなされていますか。
○政府参考人(亀澤玲治君) 八つの公園はあくまで先行的、集中的に取組を進めることとしておりますので、その成果を見つつ、今後ほかの公園にもその成功例を広げていきたいというふうに思っております。
○若松謙維君 ちょっとここのところに質問集中して恐縮ですけど、では、例えば八つでやりましたと、次の段階、一挙に三十四に広がるとか、どんなイメージですか。それとも少しずつ広げる。是非三十四に広げていただきたいんですけど。
○政府参考人(亀澤玲治君) 具体的に八つの次をどうするかというのは現在検討中でありますが、いずれにしましても、八つで具体的な成果を出して、その成果を三十四の国立公園に広げていきたいというふうに思っております。それによって二〇二〇年までにインバウンド一千万人を達成したいというふうに考えております。
○若松謙維君 分かりました。とにかく目標は一千万ですね。ということで、八つで進めればそれはいいんでしょうけど、そうすると、三十四に広げると二千万の可能性が出てくると、そういう前向きの気持ちをこちらは期待しておりますので、是非環境省としても取り組んでいただきたいと思います。 次に、水素社会の実現に向けた取組への支援という観点から質問をさせていただきます。 車社会、寒冷地、いわゆる北海道の家はもう気密性が高くて、もう家でがんがん、大変ですけど、エネルギーを使って暖房していると。中途半端にやると凍っちゃうんですよね、家の中で。そういう東北よりも大変厳しい寒冷状況でありますので、当然、道民一人当たりの温室効果ガスの排出量は全国の約一・二倍と、こういう実態でありますけれども、でも一方、道内の豊富な再生可能エネルギーですか、これを生かす。例えば、稚内ですと風力と太陽光がありまして、その二つだけで市内の家庭用のエネルギー供給九五%をたしか達成していると。非常に新エネというか再エネ、自然エネルギー先進の地でありますけれども、そういうところを是非全道に広げる意味で、かつあわせて、水素利活用に関する実証実験とか水素ステーションの設置とかエネファームの導入拡大とか、そういった様々な取組を、水素社会実現に向けたそういう取組を是非国としても支援していただきたいんですが、環境省、いかがでしょうか。環境大臣。
○国務大臣(山本公一君) 議員御指摘のように、私も水素の利活用に大いに期待をしている一人でございまして、私が思っている以上に水素の利活用に対する様々な実証実験その他、比較的早く進んでいるような気がいたしております。 その上で、環境省では、再生可能エネルギー等から水素を製造し、貯蔵、輸送を経て利用するまでの低炭素な水素サプライチェーンの実証や、再生可能エネルギー由来の水素ステーション、燃料電池フォークリフトの導入支援等の取組を行っております。北海道においても、豊富な再生可能エネルギーを生かして、家畜ふん尿由来の水素を使用した実証や、小水力発電から製造した水素を利用する実証を進めております。 将来の水素社会の実現に当たっては、温室効果ガスの大幅削減を求められておりまして、このために、再生可能エネルギー由来の水素について今からしっかり取り組んでいく必要があると思っております。引き続き、低炭素な水素社会の実現に向けて、実証事業や導入支援を着実に進めてまいりたいと思っております。
○若松謙維君 ちょっと経済産業省、藤木部長来ていただいているんですが、私の知っている限りでは、特に北海道のいわゆる水素社会ですか、今国交省がかなり何か勉強会やっているということを聞いているんですけど、経済産業省の顔がちょっと見えてこないんですけど、そこら辺はどんな状況か、分かる範囲で結構ですのでお願いします。
○政府参考人(藤木俊光君) お答え申し上げます。 まず一つは、議員御指摘のように、再生可能エネルギーを生かして水素をつくって、これを活用していくというプロジェクトでございます。現在、私どもNEDOの方の実証事業でもこういった取組、北海道の方でやらせていただいております。 それから、もう一つ議員御指摘ございましたエネファームでございます。エネファームは、熱と電気両方供給できるということで、特に北海道などの寒冷地での活用が期待されるわけでありますが、同時に、本州等で使う場合に比べまして断熱材などの追加設備が必要になるということがございます。 私ども、今エネファームの導入については全国的に補助制度を実施しておりますけれども、この補助金を寒冷地仕様のものについては三万円上乗せするといったような措置を今年度から講じたところでございます。 顔が見えないという御指摘ございますけれども、私どもとしてもしっかり取り組ませていただきたいと思います。
○若松謙維君 訂正いたします。もっと見えるように是非それはお願いしたいと思います。 そうしますと、山本大臣に、先ほど言いましたように、非常にエネルギーある意味で使わなくちゃいけない寒冷地帯と、そういうことで、だから一・二倍。やはり、そういう意味では恐らくCO2削減ではハンディがある北海道ですけど、そうであっても、やっぱり北海道は先ほど言いましたように新エネとかそういうポテンシャル高いので、それも含めて、決して北海道だけが一・二とかですね、甘んじてそれを、何というんですか、ただ見ているだけではなくて、やはり北海道ももっと下げて、ある意味でCO2削減の先進のモデルとなるべきだと、そういう認識で、そのためにも是非国として応援していただきたいと私は思っているんですけど、そういう観点ではいかがでしょうか。
○国務大臣(山本公一君) 北海道なればこその事情があって一人当たりの排出量が一・二倍ということになっているんだと認識をいたしております。 そういう観点から、やっぱりいろんな意味で、私は四国の人間ですけれども、余りにも四国と北海道は様々な分野において違い過ぎる。北海道なればこその様々な施策があっていいんだろうと思っておりますので、これからも注視して環境省ができることはやっていきたいと思っております。
○若松謙維君 是非、四国、もちろん御自宅でもあるでしょうけど、北海道もちょくちょくお邪魔してください。よろしくお願いいたします。 次に、最後の質問になると思うんですが、再生可能エネルギーと地方創生という観点からお伺いいたします。 いわゆる、秋田県ですか、今までですと、特に北の方面に風力発電が非常にポテンシャル値高いということで、北海道と青森だったんですが、ここに来て、本当に、ここ二、三年ですか、秋田県が非常に今急速に拡大している。恐らく今、全国一位でしょうか。それは非常にすばらしいことであるわけなんですが、ところが、じゃ実際、いわゆる風力の機材ですね、この風車がいわゆる海外の輸入というんですか、地元の地産地消になっていないということで、何らかのそのインセンティブというんですかね、やはり地元の、はっきり言って、もう何十メートルも高い、鉄塔というんですか、何というんですか、ポールというんですかね、これそんなに高い技術は要らないので、地元の鉄工所でも実は造れるんですね。そんなインセンティブをやはりつくるべきではないかと思いますが、経済産業省、いかがでしょうか。
○政府参考人(藤木俊光君) お答え申し上げます。 再生可能エネルギー、今風力のお話ございましたけれども、当然のことながら、単に発電をするだけではなくて、地元と共生しながらやっていく、地元の産業に貢献しながらやっていくという形が望ましいものだというふうに考えておりまして、地域の関連事業者とこういった再生可能エネルギーの発電事業者の間をうまくつないでいくと、こういう取組が重要だろうというふうに思っているところでございます。 こうしたことで、経済産業省としても、こうした地域の事業者、それから地域の自治体とこの発電事業者を結び付けるような、そういった協議会というのを各地でつくれないかということで今検討しているところでございます。 具体的には、例えば風車の建った後も、メンテナンス、保守点検という部分、かなり手数が掛かるわけでございまして、こういったところであれば、例えば地元の事業者の方が入っていただけるとか、あるいは地元にはこういった技術を持った企業がありますよといったようなことを発電事業者の方に紹介していくと、そういったような活動を是非取り組んでまいりたいというふうに思っているところでございまして、まさに再エネ、再生可能エネルギーが地域に導入されることによって、それが地域の産業と結び付いて地域の発展につながる、そういったような好循環を目指して私どもとしてもお手伝いをしていきたいというふうに考えているところでございます。
○若松謙維君 公明党には月刊公明という雑誌がありまして、そのちょうど四月号に、デンマークのフォルケセンターですか、そこで十基の風力があって、二基が地元に発注をしているということで、そういう事実を記載されておりますが、先ほど、メンテナンス、それなりの需要ということですけど、ちょっと私、専門家じゃないので分からないんですけど、そんなに多くないんじゃないかなと。もっと何か希望が湧くような具体的なのはないですか、どうですか。
○政府参考人(藤木俊光君) 私も、これは事業者の方から伺っている範囲でございますが、風車の場合ですと、屋外で、かなり高速の回転体でございますので、部品含めて結構交換とか点検の頻度はかなり高いというふうに伺っております。これをいかに安く素早くできるか。一々部品をヨーロッパから取り寄せていると、その間止めておかなきゃいけないという問題もありますので、事業者の方もなるべく地元で済むものは地元で済ませたいという思いがありまして、そういったようなものについてしっかりやっていく。そういうところから入って、やがては例えばその本体の最初から入っていけるといったような道が開かれるというふうにも考えておりまして、そういったことで風車を支えるビジネスというのを拡大していければというふうに思っているところでございます。
○若松謙維君 少しイメージが見えてきました。そうすると、東北、北海道なりにそういう風力、かなり増えてくるでしょうから、そこをサポートするさっきの部品製造のためのいわゆる今後インセンティブ等ですね、是非それも工夫して設置していただいて、さらに地方創生につながるように御努力をお願いを申し上げまして、質問を終わります。 ありがとうございました。
○市田忠義君 日本共産党の市田忠義です。 今日は、水俣病被害者の救済問題についてお聞きしたいと思います。 私、当委員会でこの間十数回水俣病問題を取り上げてきましたが、山本大臣にお聞きするのは今日が初めてですので、大臣の水俣病問題についての基本認識をまずただしたいと思います。 大臣は、昨年の水俣病犠牲者慰霊式の祈りの言葉の中で、水俣病の拡大を防げなかったことを改めて衷心よりおわび申し上げますと、そう述べられました。これは、メチル水銀を排出したチッソの責任と同時に、被害の拡大を防げなかった国及び県の不作為の責任があったということをお認めになっていると理解していいですね、これはイエスかノーで簡潔にお答えください。
○国務大臣(山本公一君) そのように理解していただいて結構でございます。
○市田忠義君 そこで、具体的にお聞きしていきたいと思います。 私、ここに、二〇一五年八月二十五日、熊本県が公表した特措法、水俣問題の特別措置法ですね、特措法判定結果の出生年別、暴露時の居住市町村別による集計についてという文書を持っています、マスメディアにも公表されたものですけれども。これによりますと、いわゆる対象地域外から申請した五千八百五十八人のうち、実に六四%、三千七百六十一人が救済対象、一時金若しくは療養費に該当した、こうなっております。 大臣、この数字をお聞きになって、これ地域外でも半数以上が被害を認められたということになるわけで、これは特措法による対象地域指定という線引きがこれで妥当と言えるのかと。いかがでしょう。
○国務大臣(山本公一君) 水俣病特措法は、被害者のあたう限りの救済を行ったものでございまして、多くの方が救済の対象となったことは水俣病解決に向けて大きな前進であったと認識をいたしております。 〔委員長退席、理事高橋克法君着席〕 政府としては、今後も、公健法に基づく補償はもとより、医療、福祉の充実、地域の再生、融和の促進、地域振興など、水俣病対策に積極的に取り組んでまいりたいと思っております。 いずれにしましても、環境省としては引き続き水俣病問題にしっかりと取り組んでまいりたいと思っております。
○市田忠義君 質問にお答えになっていないと思うんですね。 特措法によって地域の線引きが行われていて、対象内と対象外があるわけですね。対象外とされた人々の中からも申請されて救済の対象になったという人が実に六四%もあったということを熊本県が発表したと。ということは、特措法で決められている地域指定が意味をなさないんじゃないかと、破綻しているんじゃないかと、この事実は。これについて、大臣、いかがかと聞いているんです。
○国務大臣(山本公一君) 水俣病特措法の救済措置の方針では、救済の対象者は、通常起こり得る程度を超えるメチル水銀の暴露を受けた可能性があり、水俣病患者が多発した地域に相当の期間居住していた方であります。 具体的な対象地域や対象年齢は、ノーモア・ミナマタ訴訟において裁判所が示した和解所見を基本に、訴訟しなかった患者団体との協議も踏まえて定められたものだと思っております。 また、対象地域に相当の期間居住していなかった方についても、水俣湾又はその周辺水域の魚介類を多食したと認められる場合は救済の対象とされていました。対象地域外や対象年齢外の方でも救済対象者がいるという点については、関係県がこの救済措置の方針に沿って丁寧に運用した結果だと思っております。
○市田忠義君 もう全然答えになっていないと思うんですけどね。 患者団体の意見も聞いて対象地域決めたと。これは当時の関係者の意見であって、全然実態が変わってきているわけですね。私、以前の委員会で、対象地域外の熊本県の芦北町の黒岩・上原地域、これは標高二、三百メートルの山の上の集落なんです。こんなところに住んでいる人が水俣湾で捕れた魚を食べるはずがないというので対象地域外になった。しかし、行商人がいつも魚を運んで、そこでたくさん魚を食べていたということが明らかになったところなんです。この問題、国会でも取り上げました。あるいは、鹿児島県の伊佐市の山野・布計地区、ここにも行って、私、直接話を聞いてきて、それに基づいて地域による線引きの不当性をただしたことがあります。 今回は、町のほとんどが対象地域外とされている天草市、上天草市にも直接行ってきました。そこで被害者の声聞いてきました。対象地域外の天草市の倉岳町、上天草市姫戸町の人からも対象地域内の症状と同じような、手足のしびれ、カラス曲がり、いわゆるこむら返りですね。あるいは耳鳴り、視野狭窄などの症状があって、日常生活、非常に困っているという切実な声が寄せられました。私、小型漁船に乗って天草市の本渡港から瀬戸を通って、下浦、大多尾、栖本、倉岳、龍ケ岳、この沖を通って上天草市の姫戸まで実際調査に行ってきました。水俣が目と鼻の先の地域なのに、これは対象外となっている地域なんですね。そこの被害者のお訴えなんですが、本当に胸が詰まりました。 それで、大臣は、水俣病には常に温かい目を持ち続けたいと、こうおっしゃっています。やっぱり、そうおっしゃるなら、こういう生の声に正面からお答えになるべきじゃないでしょうか。いかがでしょう。
○国務大臣(山本公一君) 繰り返しになって恐縮でございますけれども、裁判所が示した和解所見を基本に、訴訟をしなかった患者団体との協議を踏まえて定められた今回の対象地域、対象年齢でございますので……
○市田忠義君 年齢聞いていないから。
○国務大臣(山本公一君) 気持ちは私も十二分に持っておりますけれども、諸般の事情を考えていったときに、こういうお答えをせざるを得ないということを御了解を願いたいと思います。
○市田忠義君 対象年齢はまだ聞いていないんです。それは後で聞くんです。今、地域のことを私聞いているんです。 こういう人々の声に正面から応えて、昨年十月、民間医師団が一万人の検診記録の分析結果を発表されました。それによりますと、特措法によって救済対象の地域外とされた不知火海沿岸や周辺内陸部で暮らす熊本、鹿児島両県の六市四町の住民千六百十九人のうち九割の人に水俣病特有の症状がある、手足の末端や全身の感覚障害が認められたと。これは対象地域内とほぼ同様の結果だったんですね。一万人のデータを基にした医学的、科学的調査であって、これは、不当な線引きの破綻はもう明らかだと思うんです。大臣、これはお認めになるべきだと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(山本公一君) 民間医師団が行った調査の詳細は承知をいたしておりません。したがって、検診時の所見の記録、検診の方法、分析の在り方について情報が不十分な中で評価することはできませんので、コメントは差し控えさせていただきたいと思っております。 ただ、いずれにしましても……(発言する者あり)いいですか。はい。
○市田忠義君 国が悉皆調査もやらないで、民間の医師が手弁当で必死で一万人の調査をやっているんですよ。幾ら県が要求しても、四十七万人の不知火海沿岸に住んでいた人の健康調査をやりなさいと言っても国は拒否したんですよ、調査方法をいまだに研究中だと。質問をすれば手法の研究、何十年手法の研究をやっているのかと。 やむにやまれない気持ちで民間の医師団がこういう調査をしたら、地域外でも地域内でも不知火海沿岸に住んでいた人はほとんど同様の症状が認められたと。 公平を期すために、この医師団はほかの地域の調査もやっているんですよ。客観的で公平な検査結果とするために、不知火海から遠く離れた奄美大島、いわゆる非汚染地域、そこの調査をやった。そうしますと、不知火海沿岸に居住歴のある人の場合は地域内でも地域外でも同じような症状が出ている、九割の人から。ところが、非汚染地域、奄美大島地域なんかになると、これが一%から二%なんです。ということは、この点でも私は線引きの不当性は明らかだということを指摘しておきたいと、もう幾ら聞いても同じ答弁なので。 〔理事高橋克法君退席、委員長着席〕 もう一つ、問題はこの地域の線引きだけじゃなくて、出生年による線引きの問題もあります。これも民間医師団による一万人調査によると、対象外とした一九六九年十二月以降生まれの人でも、対象地域内外に関係なく汚染地域であれば八割から九割近くの人に両手足の触覚や痛覚の鈍い症状が見られるということが明らかにされました。 一九六八年五月に加害企業チッソがメチル水銀を含む排水を止めた、だからそれ以降に水俣病になるはずがないという前提の下でこういう出生年による線引きがやられているわけです。これは、これほど実態を無視した出生年による線引きはないと思うんですよ。 何よりも、民間医師団は信用できないと言うんだったら、先ほど私が紹介した熊本県の集計でも一九六九年十二月以降に生まれた人で給付対象になった人が四人いたんです。これ少な過ぎると思いますが、それでも四人いたという事実は私大変重いと思うんです。これは一九六九年十二月以降に生まれた人でも水俣病被害者がいるということを示している数字だと思う。この事実を私は政府は重く受け止めるべきだと思うんです。 民間のやつは信用できないかのようなことを言われたけど、熊本県の調査でもこういうことが発表されているんですよ。いかがですか。大臣、無理だったら事務方でもいいですよ、横からわいわい言わずに。どうぞ、簡潔に。
○政府参考人(奥主喜美君) 結果につきましては、あくまでもノーモア・ミナマタ訴訟におきまして裁判所が示した和解所見を基本に、訴訟しなかった患者団体との協議を踏まえて定められたものであると理解しております。 また、対象年齢以外の方でも救済対象者がいた、今先生御指摘のように、いるという点につきましては、関係県がこの救済措置の方針に沿って丁寧に運用した結果だと考えております。
○市田忠義君 それが被害者に本当に心を寄せる答えだと。本当に官僚的な答弁だよね、大臣もさっきも一緒だったけど。今日は水俣病の被害者問題について聞くということでかなりレクもしているわけだから、大臣も基本的なことはやっぱりちょっと頭に入れた上で御答弁いただきたいと思うんですね。 該当者は熊本の発表でも四人だったんです、六九年十二月以降生まれの人は。しかし、これ決して特殊な例ではないと。一九六九年十二月以降に生まれた申請者は、救済されたのは四人だけど、四百六十六人いたんですよ。無理だと思って申請しない人もたくさんいると、出生年で区切られているから。それでもやむにやまれず手を挙げたというような人が四百六十六人いたわけです。出生年で線引きされている人の間にも被害が広がっているということのこれは私は何よりの証明で、事実、考え方ではなくて事実だと思うんですね。 非該当となった被害者の一人に私聞いてきました。これは先月の十四日、十五日に水俣に行ってきました。今月ですね。熊本県芦北町の対象地域内で生まれた女性、これは四十七歳の方。水俣病に特徴的な感覚障害を訴えて、特措法に基づき申請したが認められなかったと。なぜか。彼女が生まれたのが一九六九年十一月末の僅か十数日後の十二月中旬だったから却下されたと。 彼女のお母さんは、六七年、イワシ漁の網元に嫁いで、捕れた魚が毎日食卓に上る暮らしの中で妊娠したと。生まれた彼女の離乳食は白身魚を炊いてすり潰したものだと。彼女は小さい頃からよく茶わんを落として割る、転ぶことが多かった、手足の感覚が鈍くて足の爪が剥がれても気付かないことがあったと。四十五度ぐらいのお風呂でも熱いと感じたことはなかったと。口の感覚も鈍くて、食事をしながらよく舌をかんだと。カラス曲がりも大変ひどい、頭痛にも悩まされていたと。 この人のおじいさんは、亡くなられた後、水俣病と認定されたと。お母さんやおじいさんの被害が認められたのに、自分自身は出生年から僅か十数日後に生まれたということで門前払いになったと。まともな検査もせずに被害を認めないのは納得いかないと。 メチル水銀の汚染拡大を防げなかったことで生じたこういうやっぱり胎児性、小児性の水俣病被害者の声に、大臣、正面から応えるべきじゃないですか。さっき気持ちは分かるとおっしゃった。気持ちが分かるなら、こういう声に応えるべき。機械的過ぎる、余りにも線引きが、出生年による。 いかがですか。これは大臣の政治的発言でいいんですよ。重く受け止めて検討したいというお答えいただきたい。
○国務大臣(山本公一君) 私が知る限り、随分と特措法の扱いの世界も変わってきたように理解をしているんですけれども、例えば、昭和四十四年以降に生まれた方であっても、高濃度のメチル水銀の暴露の可能性を示すデータ、臍帯であったり毛髪などをお持ちの方については、地域要件、症候要件と併せて総合的に判断することということになってきているように理解しています。
○市田忠義君 この対象地域外とか出生年の期限から後に生まれた人が申請する際には客観的な材料を持ってこいと、当時のへその緒とかあるいは毛髪とか、あるいは当時魚介類を多食した証明を持ってこいと。そんな、四十年、五十年前に魚を買った領収書を置いておく人がどこにいますか。非常に厳しいんですよ、対象地域外とされている人や出生年の遅い人は。それでもやむにやまれず申請して、先ほどへその緒の水銀値の高い人が認められているとおっしゃったけれども、へその緒の水銀値は通常〇・一ppm未満と考えられて、特措法が目安としている一ppm以上はとてつも高い値なんですね。ほとんどの被害者がこれでは切捨てになると。 私は、特措法であたう限りの救済と言うんだったら、やっぱりこの出生年による線引きだとか地域による線引きはこの際見直すべきだということを指摘しておきたいと思います。 次に、低濃度、中濃度のメチル水銀で暴露した胎児性の水俣病患者、被害者の問題についてお聞きします。 同じく非該当となった、これは対象地域内にお住まいの、水俣市で生まれた胎児性、小児性水俣病被害者、これは坂本秀文さん。本名出してもいいとおっしゃったので、本人の了解を得てお名前を出しますが、今四十六歳です。この方は一九七〇年の十一月生まれです。お聞きしましたら、言葉がもつれる、何を言っているかなかなか分からない、なかなか頭の中で物事が整理できない、足はつる、目がちかちかする、成人してからは頭痛はほぼ毎日、眠れないときもあったと。夕方になると車酔いみたいな気分になる、年に二、三回ぐらい呼吸困難になって救急車で運ばれたこともあると。仕事も長く続かずに、もうこの十年以上仕事に就いていないとおっしゃった。お母さんも一緒にお聞きしたんですけど、この子よりも私が先に死んだら一体この子はどうなるんだろうかということをおっしゃっていました。 この人のへその緒の水銀値は〇・四九五ppmなんですね、比較的高いんですよ。ところが、生まれた年が一九七〇年の十一月だから、そういう人が水俣病の有機水銀の被害を受けるはずがないという前提で対象外にされていると。 私は、水俣病に特徴的な症状が見られて、へその緒の水銀値が日本人の平均値を大きく上回っているこういう人、こういう被害者を出生年で切り捨てていいのかと。特措法の総合判定で救済された四人だけが被害者ではない、もっと裾野は広いと、そういう視野で物事を見るべきじゃないかと。いかがですか、改めて。
○国務大臣(山本公一君) 胎児性水俣病を含む小児水俣病については、知的障害が認められる場合があるなど病像が一様ではなく、このような事情を個別に勘案した上で、関係県、市と密に連携しながら公健法の丁寧な運用を積み重ねるとともに、高齢化していく患者の生活支援を始めとする医療、福祉の充実、地域の再生、融和などにもしっかりと取り組んでまいりたいと思っております。
○市田忠義君 この低濃度、中濃度のメチル水銀暴露による被害の研究は、国際的に最近ずっと進んでいるんですよ。日本はこれ大変遅れています。 ただ、昨年九月、岡山大学の大学院の准教授の頼藤貴志というお医者さんが神経認知機能の調査と分析結果を発表されています。それによりますと、胎児期に低濃度のメチル水銀暴露を受けた者でも、見た目には余り症状が分からないんですけど、水俣病というと何か狂い死にするような劇症型患者という印象が強いんだけど、そうでない人もいっぱいいるんです。この人は学校でちょう結びができない、はさみがうまく使えなくて悔しい思いをした人がいっぱいいるということを調査の中で言っておられます。言葉が聞き取りにくくて友人から苦情を言われた、計画的な段取りができないなど様々な困難を抱えている人がいた。疲れやすさ、頭痛、耳鳴りなどの具体的な自覚症状のほかに、段差のないところでも転びやすい、言葉が出にくい、順序立てて物が言えない、対人関係がうまく築けない、多くの悩みを聞かされたと。長きにわたって大きな影響を与え続けてきたのではないかと。この人は、医者として、学者として、見過ごされてはならない問題ではないかと。要するに、低濃度の有機水銀で暴露した人の被害についても幅広く救済すべきじゃないかと。 それで、私、水俣病研究の権威として著名な藤野糺というお医者さんからも直接お会いして聞いてきました。 藤野医師は、以前から、チッソが工場操業を停止した後のいわゆる残留メチル水銀汚染の影響が今後重要になるとこの人は指摘しておられたんですが、特措法の救済対象年齢を一九六九年十一月までとしていることは、要するに、もう排水をやめたから、やめたら一年か二年後ににわかに被害がなくなるなんていうことは、これ常識的に考えてもないわけですよ。日本政府とチッソで急いで一九六八年以降の出生者を含む不知火海沿岸の全住民を対象にした健康調査を行って、汚染による健康影響がどこまで続いているのか明らかにするべきだとこの先生はおっしゃっていました。 歴代の環境大臣も、水俣病は終わっていないというふうにおっしゃるわけです。大臣も同じ認識だと思うんですけど、だとするなら、全ての水俣病被害者を救済するために、水俣病がどこまで広がっているのか調査すべきじゃないかと。 全域の調査を一遍にやるのが無理だったら、大臣、私、一遍にやれって無理なことを言いませんよ。被害が大きかった水俣市など地域を区切った全住民調査なら、その気になったらすぐにでもやれるじゃないか。何でそれだけ拒むのかと。何度も、私、全域の調査やれやれと言ってきたんですよ。 全容を知らなかったら、どう救済していいかという対策は立てられないですね。全容を知るためには、健康調査、環境調査やるべきじゃないかと。全部一遍にやるのが無理なら、特に被害が大きかったところは全域調査やると。直ちに踏み出すべきじゃないですか。
○国務大臣(山本公一君) 水俣病特措法においては、政府はメチル水銀が人の健康に与える影響等に関する調査研究を行うまずは手法の開発を図るとされており、和解条項にも同様の規定があります。政府としては、こうした規定に沿って、着実に取組を進めているところでございます。 具体的には、国立水俣病総合研究センターにおいて脳磁計等を活用した客観的な診断手法の開発を行っております。住民の方々に適切な医療を受けていただく機会を確保するという観点を含めて、メチル水銀が人の健康に与える影響を的確に診断する手法は、慎重かつ確実に開発していかなければならないと考えております。 調査研究には関係者の御理解、御協力が必要なものもあり、時間を要しておりますが、環境省としても、調査研究に係る一般への周知活動を実施するとともに、研究者とともに調査研究の成果が得られるよう精いっぱい努めてまいります。
○市田忠義君 手法の開発に努めていると、調査の。何十回言っているか分からぬ。会議録読んでみてくださいよ。歴代の環境大臣、全部そう言っているんですよ。いつまで手法の研究しているのかと。これは、私は、調査をやれば被害者が増えて、救済しなければならない人が増えるから困る、だからやらないんですよ。これ、今だけの問題じゃないんですよ。 私、NHKの報道、去年八月、加害企業チッソの元副社長の久我正一氏の手記、当時の政治家、官僚たちの生々しいやり取り聞いてびっくりしましたよ。もうこれ以上ほっておけば被害者がどんどん増えるから、認定基準もっと厳しくすると。チッソを潰したらあかん、チッソを国が支援する代わりに認定基準をもっと厳しくせよと。できるだけ被害を少なくしよう少なくしようと。 それが、私、被害を拡大させてきたわけで、もう時間が来たから終わりますけど、やっぱり大臣、この際、これだけの被害者の生の声があるわけだから、機械的な出生年、地域による線引きはやっぱり改めて、全域の悉皆調査やっぱりやるべきだと。限定的なところでもいいから、いつまでも手法の研究、手法の研究って、本当に一回会議録読んでみてください。私の質問に何十回そう答えたか分かりませんよ。いつになったら手法の開発が完了するのかということを指摘して、もっと前向きにやってほしいということを指摘して、終わります。
○石井苗子君 ありがとうございます。 財務省にお聞きいたします。 先ほどから出ておりますコロンビア大学のジョセフ・スティグリッツ教授ですけれども、カーボンプライシング。お配りしました資料の中、実際にお使いになりましたパワポの資料ですけれど、全部英語でございます。日本語になっておりません。 タイトルは、経済と環境は表裏一体というタイトルでございまして、資料の七の中に日本のことが書いてございます。この方は学者でいらっしゃいますので、まず教授は、CO2の削減ファースト、これが正義なんだと言っております。二番目に、日本は二十五年近く経済が低迷、低成長しているではないかとおっしゃっています。消費税導入したって経済が鈍化を招くだけだと、炭素税が最善なんだとおっしゃっています。 そこで、炭素税は企業活動の低迷を招くことがあるではないかと先ほど御発言がありました。これに反論されておりまして、企業が炭素税の負担を軽くしようと省エネの機器や再生可能エネルギーに投資をするんだと、日本の市場は総需要が足りない、炭素税を導入すれば投資が促進して需要を生むんだと、こうおっしゃっているわけなんですが、例として、財政再建目的であるアイルランド型、そして二つ目が法人税や所得税などの減税を目的とするスウェーデン型と、二つ打ち出したんです。この先生は全然日本型というのは出しておりません。 日本のように天然ガス以外は燃料代が安くて電気代は比較的高いという、これは企業の岩盤利益集団なのではないかという批判もありますが、財務省としては、今後この、先ほど結論が出ていないのではないか、二・五億円の平成二十九年度の予算があるのではないかという御質問もありましたこの予算の中で、何か具体的に方針があるのであれば、お聞かせください。
○政府参考人(井上裕之君) お答えをいたします。 スティグリッツ教授の御見解、我々も承知をしております。 日本型というお話がございましたけれども、日本の炭素税につきましては、先生御案内のとおり、平成二十四年から地球温暖化のための税を導入しました。これは三段階に分けて引上げを行っていまして、昨年の四月に最終段階の税率に引上げをしております。この税については、化石燃料に対しましてCO2の排出量に応じた課税を行うということで、価格メカニズムを通じてCO2排出を抑制し、税制による地球温暖化対策を強化するとともに、その税収をエネルギー起源のCO2の排出抑制のための諸施策の推進に充てているということで平成二十四年に導入しまして、昨年、最終段階の引上げを行っております。 その上で、今後の炭素税の在り方ということでございますけれども、温暖化対策に係る様々な政策的手法の中での全体の中での位置付けでありますとか、御指摘のあった経済それから産業に与える影響等々、様々な観点から総合的に検討すべき課題であると我々は認識をしております。 御指摘のあった諸外国の動向も踏まえて、引き続きしっかり勉強してまいりたいと考えております。
○石井苗子君 ありがとうございました。 まあ、ちょっと具体的にはないのかなと思いますが。 財務省の方、お時間があるようでしたら、お引き取りいただいても結構でございます。 次に、これも出てきておりますが、国立公園満喫プロジェクトについてですけれども、政府が外国人観光客を二〇二〇年には四千万人、その中で環境省としては国立公園満喫プロジェクトで外国人観光客を一千万人、これを目指すということは、全体の四分の一を国立公園に持ってこようというダイナミックな計画でございまして、絵に描いた餅にならないように、私は、綿密な計画は全国公園プロジェクトにシフトして応援していったらいいんじゃないかと思っております。 資料の一、配付資料の一の表ですね、を御覧ください。 これは公園の定義とか種類が書いてございますが、国立公園が三十四、国営公園が十七、自治体の公園というのが十万七千ございます、これすごい数ですけれども。そして、新宿御苑、京都御苑、皇居外苑と、この三つが国民公園となっております。 これらの管理、管轄がどうなっているのかというのを整理していただきたいのと、もう一つ、先ほどから出ております一番上の三十四の国立公園の中に、さきの一千万人プロジェクト、まず八つの公園に力を入れるとおっしゃっていましたが、その八つの公園のお名前だけで結構ですので、教えてください。
○政府参考人(亀澤玲治君) まず、国立公園につきましては、自然公園法に基づいて環境大臣が指定するものでありまして、環境省で管理をしております。また、都市公園法に基づく国営公園は国土交通省による管理、その他の都市公園は地方公共団体による管理となっております。さらに、国民公園につきましては、昭和二十二年の閣議決定に基づき広く一般国民に開放されることとされた旧皇室園地であり、環境省が管理をしております。 また、国立公園満喫プロジェクトにつきましては、現在三十四か所ある国立公園の中から先行的、集中的に取組を進める公園として昨年七月に、北から申し上げますと、阿寒、十和田八幡平、日光、伊勢志摩、大山隠岐、阿蘇くじゅう、霧島錦江湾、慶良間諸島、その八つを選定したところでございます。
○石井苗子君 ありがとうございます。 ここから少し分析をさせていただきますけれども、まず資料、表の②を見ていただきますと、外国人来訪者が多い国立公園、丸印三つ付いております。阿蘇くじゅう、日光、錦江湾、この三つでございまして、先ほどの力を入れるとおっしゃって紹介していただいた公園の中の八つの中のたった三つでございまして、あとの五つは外国人が来ていないという公園ということになります。 表の一番来る表を見ますと、一番来るというのが富士箱根伊豆でございまして、日光が二十四万、北海道の大雪山八万人です。昨年、五百万人の外国人観光客が国立公園に来ました。うち半分が富士山。富士山に何かあったら五百万の半分はもう来ないということになってしまいます。 二〇一六年に来た外国人、去年ですね、は、どこの国が多くてどんな人だったのかというのを③の外国人に関するデータというところを見てください。順番に行きますと、一位中国、二位韓国、三位台湾、四位が香港、五位がタイと、トップファイブでございます。その横に携帯電話の普及率というのを書きました。一〇〇%以上になっているということは、一人がアイパッドと携帯ともう一つと、三つ、二つ持っているということでございまして、もう一人が二つ以上持つというような時代になったと。その右側に書きましたのが、これが男性喫煙率です。中国四八%、韓国五〇%、二人に一人はたばこを吸うということです。タイも四一%と喫煙率が高くて、香港も、データはございませんが、正確ではないので書きませんでしたけど、かなり喫煙率が高いと。 こうした人たちを力を入れているその八つの、まだ五つは来ていないという国立公園に呼ぶにはどうしたらいいかということで、資料を裏返していただきますと、ステップアッププログラム二〇二〇の中にあるのが力を入れているという八つの公園で、先ほど御紹介をいただきました。これが一月の補正予算で百億円もの予算が使われたということなんですが、赤で囲んだ共通の取組というところを読まさせていただきます。百億円。 民間企業や関係機関と連携した国内外への魅力発信、よく分からないんですけど、多分インターネット戦略のことだと思います。二、ビジターセンターにおける公園利用の、公園を利用する総合案内、総合案内と書いてあるだけで何の総合案内だか分からないんですけれども、多分外国語で総合案内を書いていこうということかもしれません。次は、国立公園のエントランス標識整備による結界感の創出と書いてあって、これよく分からないんですけれども、結界感の創出。次が、トイレの洋式化などによるユニバーサルデザイン化と書いてあるんです。 さて、ここからなんですが、私は是非ここに、まずWiFiの整備、それから訪日外国人向けに完全分煙化施設を入れるという、この一行を入れてはどうかと思うんですが。どうしてかといいますと、これお配りしませんでしたが、皇居外苑の、先ほど御説明があった公園のパンフレットをちょっと手元に見ました。禁煙とも喫煙ともどこで吸っていいとも、何にも書いていないんですね。 で、日本は今、国会で受動喫煙防止対策がクローズアップされていまして、もう禁煙社会まっしぐらなんです。オリンピックまでに建物の中では基本的に禁煙、外は歩きたばこは禁止、そしてヨーロッパのように歩道に灰皿が置いてあるという環境は日本にありません。吸いたい人は一か所に集まって吸ってもらうというふうに日本はなっています。そこも、そばを人が通ったら煙にさらされるから、そのうち禁煙になるだろうと。 私は保健師でもあります。体とたばこのことについてここで話をしようとしているのではなくて、たばこをよく吸う外国人であってWiFiを持っていて公園が好き、この人たちをどうやって国立公園に呼び込んでいくか。しかも、完全に分煙システムの環境整備をくっつけていったらどうかというお話をしております。 喫煙率の高い外国人観光客が多い日本で、国立公園全面禁煙となりますと、行かないか、たばこをぼこぼこ捨てるようになるか、たばこはどこで吸うのかと尋ねられるというような形になりますので、国立公園では、たばこが吸える閉鎖的な場所があり、完璧に分煙されて火事は起こさない、中でカフェやお土産を売ったりする強化対策はどうかと思っております。 もちろん、禁煙のレストランやお店をなくせと言っているわけじゃなくて、あるのは結構なんですが、絶対に動員数を増やしたけれども火事は起こさないという、それを環境省が先頭を切るというようなことで、先ほどのところに完全分煙強化対策というようなものを入れて、自治体の方とも話し合っていただきたいと、ユニークな分煙国立公園プロジェクトをやっていただけないでしょうかという分析をしておりますが、お答えいただけますでしょうか。
○国務大臣(山本公一君) 私も愛煙家でございまして、今の御提案は大変面白い御提案だろうと思っております。 今、八つの国立公園、御紹介がありましたけれども、ほとんどの国立公園、行っております。そういう中でたばこで苦労したことは今まで余りなかったんですけれども、先般、沖縄のやんばるの国立公園の開所式に行きました、八つの中には入っていないんですけれども。そこでビジターセンターに行きまして、ビジターセンターは、国立でございますので、あそこでは分煙をやっておりまして、外の雨の降るところに灰皿が置いてありまして、済みませんがあそこで吸ってくださいといって吸わさせていただきました。それはそれでよろしいんですけれども、分煙をすることによってお客様が来ていただくということであるならば、私は積極的に何か考えていきたいなと、面白い提案だと。 たばこを今頃、ちょっと、本当に吸うところがないので、非常に、何というか、抑圧されているというぐらいの思いで日々過ごしておりますので、いい御提案であったと思っております。
○石井苗子君 たばこを吸えば体にいいと言っているわけではないんですが、やはりさすが日本だ、完璧クリーンだなというような、そして国立公園の一つの魅力はその完璧クリーンジャパンというようなイメージで出していって、全国公園満喫プロジェクトというようにしていっていただきたいと思います。是非、一行入れるだけで、百億円の中の少しでも自治体の方と工夫していけばいいんじゃないかなと思っております。 最後に、グリーンボンドについて質問いたします。 東京都の東京環境サポーター債が話題になりました。ヨーロッパで浸透しているグリーンボンドですけれども、東京の事業者が東京の資本で事業を始め、収益を東京に持っていってしまう、これでは地元の地域の経済の活性化や雇用の促進、創出にならないということでこのような不満が出てきているんですけれども、再生可能エネルギー事業がこれでは成功しているとは言えないんではないかと。 資料にグリーンボンドの概要というのを入れました。丸で囲んでありますところが、ここで利益なんだと。先ほどの環境と経済は表裏一体という先生の講演の中にありましたように、この環境改善事業というところ、ここで利益なんですね。廃棄物のリサイクルとかいろいろあります。こういったところで成功を収めていく、その収益で地元が活性化して雇用が生まれる、結果として温室効果ガスが削減されるという、こういうグリーンボンドの貢献というのは是非期待しているんですが、御説明お願いします。
○政府参考人(奥主喜美君) お答えいたします。 先生御指摘のとおり、地域の資金で地域で行われる環境を改善する効果のある事業、いわゆるグリーンプロジェクトを実施することにより地域の活性化と環境保全を同時に実現していくことは大変重要と考えております。 例えば、地域の再生可能エネルギー事業や里山保全活動に要する資金を調達するに当たり、地方自治体や地元の事業者がグリーンボンドを発行し、そのグリーンボンドを地域住民の方々が購入すれば、地域で循環する資金の流れが生み出されるとともに、温室効果ガスの削減や良好な自然環境の保全につながるものと考えております。 環境省では、国内におけるグリーンボンドの更なる普及のため、今月中にグリーンボンドガイドラインを策定する予定であります。その中でも、グリーンボンドがグリーンプロジェクトの推進を通して地域経済の活性化に資する旨の記述をすることを検討しており、今後、このガイドラインも活用し、御指摘いただきました地域におけるグリーンな資金循環を生み出すような事業に利用されるグリーンボンドの普及を推進してまいりたいと考えております。
○石井苗子君 ありがとうございます。 先ほどから、炭素税もそうなんですけれども、このグリーンボンドもそうだと思います。日本はガラパゴスというような批判を浴びることがありますが、私は、絶対それは勝手に言っていればいいと思っている人間なんです。日本型の成功を求めなければ、諸外国の例を言われてもしようがないわけです、アイルランドとかスウェーデンとか。 やはり、天然ガス以外は燃料代が安い、しかし電気代は高いというようなことはみんなが感じていて、そこの経済構成とか企業構成はどうなっているんだろうかと。何とかそのグリーンボンドも日本型で進めていくやり方で、先ほど学者が言った経済と環境は表裏一体の時代になるんだと言われるんだったら、私は、内政干渉のようなことを言われているんじゃなくて、やっぱり日本型のグリーンボンド、そして日本型のカーボンタックスというのをやっていけばいいんだと思っています。 そして、日本型の、先ほどのここの一行に、百億円というお金を掛けるんでしたら、皆さんにお配りしたこの中の一行に、この取組のところに訪日外国人向けに完全分煙化の施設をつくる努力とか、何かちょっと各自治体でやっていただければいいので、これは景観も見た目も良くなると思うんです。何か傘差してたばこ吸っているとか、そういうようなことのないようにやっていけば、日本型のパーフェクトグリーンジャパン、さすがに日本はきれいだと言われるようになりますし、この中国の方々、韓国、そして香港、日本の方というのは土日に公園に遊びに行く人少ないんですよ。ところが、この外国の観光客の方、公園好きなんです。私、チャンスだと思うんですね。四千万人のうちの一千万人を持ってくるということであれば、喫煙者が、高い人たちを持ってきて、非常にいい環境の公園だということになると、ひいてはだんだん日本の人たちも公園に行ってみようよというふうになるんじゃないかと思って、期待しております。 時間が過ぎましたので、これで質問を終わらせていただきます。
○委員長(森まさこ君) 以上をもちまして、平成二十九年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、総務省所管のうち公害等調整委員会及び環境省所管についての委嘱審査は終了いたしました。 なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(森まさこ君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後零時二十七分散会