外交防衛委員会 第21号
- 発言数
- 139 件
- 登壇者
- 17 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 2017/05/25
会議録
○委員長(宇都隆史君) ただいまから外交防衛委員会を開会いたします。 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 防衛省設置法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として警察庁長官官房審議官白川靖浩君外八名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(宇都隆史君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(宇都隆史君) 防衛省設置法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○藤田幸久君 おはようございます。民進党の藤田幸久でございます。 まず、資料をお配りしておりますけれども、一枚目に、先日私が岸田外務大臣に質問した関係の記事が出ております。これは、九条改憲は当面不要だとされた岸田大臣の一年半前の発言について、考え方は変わっていないと明言をされたということでございます。そして、宏池会の会長としての見解だということでこういう発言をしていただきました。その同じ日の宏池会の会合でも、同じ考え、九条改正は考えないと繰り返された後で、首相発言と私の考え方はどこまで違うのか、あるいは同じか、一度よく確認してみたいとおっしゃったということでございます。この東京新聞の記事は、「次期総裁選にらむ」という解説が付いております。 先週の日曜日の「時事放談」という番組見ておりましたらば、野田聖子議員が次の総裁選には手を挙げると明言されておられました。先日、宏池会に安倍総理が出席されたときも、岸田外務大臣に対して、もう少し我慢してくださいと、やがてというような言葉があったとテレビに映っておりましたが、岸田大臣、せっかく日本を代表して外交をやっておられましたので、是非、日本を背負っていただくという意味で、いつの日か総裁選にも立候補されるという意欲を是非示していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) 自民党の総裁選挙について外交防衛委員会で御質問いただくとは思ってはおりませんでしたが、御指摘の点について私が申し上げているのは、まさに委員御指摘になりましたあの宏池会の会合においても申し上げたことではありますが、安倍総理は大変卓越したすばらしいリーダーでありますが、日本の政治はいつまでも安倍総理お一人に頼り続けているということでは甘え過ぎではないかと、いつか安倍総理の時代が終わる、こういったときも当然来るであろうからして、そのときに備えて我々は何をするべきなのか、それを今からしっかりと準備をし、そして考えておかなければならない、こういったことを申し上げた次第であります。 私が申し上げているのはそこまでであります。ここから先の政局については、いつの世においても政治は一寸先は闇、何が起こるか分かりません。具体的に自分の行動について今の時点で何か申し上げるのは控えさせていただいております。
○藤田幸久君 十分意欲を感じたわけでございますが、そういうときが来た場合には、来た場合にはやっぱり国を背負っていただくというお気持ちはございませんでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) 私が申し上げているのは、ただいま申し上げたことだけであります。 いずれにしましても、政治家として、絶えず多くの国民の皆さんからこうした役割を託されているわけでありますから、日々精進し、努力をしなければならない、これは当然のことだと思っております。
○藤田幸久君 この同じ日に、いわゆる総理と自分の考え方は同じか一度確認してみたいということでございますが、大臣、確認されましたでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) 今の発言、確認してみたいというのは、決して総理に直接お会いして確認するという意味ではなくして、自分自身しっかりと考えた上で確認してみたいという趣旨で申し上げました。 引き続き、いろいろな意見やらいろんな議論が行われています。引き続きしっかりと考えてみたいと思っています。
○藤田幸久君 その考える過程のことでしょうか、今朝新聞で報道されておりますけれども、自民党の中の憲法改正推進本部、保岡興治本部長、の上川陽子事務局長が岸田外務大臣に九条の二案を伝えたと、九条改正に懐疑的な見方を示していた岸田氏も、それならばいいと応じており、党内もまとまると見られるという報道がございますが、これは間違いございませんか。
○国務大臣(岸田文雄君) 昨今、憲法をめぐりましてはいろんな報道が行われています。いろんなことが新聞等においても報じられております。その一つについて、それは違うとか、それはそのとおりだとか言うことは控えさせていただきたいと思います。その御指摘の点につきましても、何か申し上げるのは控えさせていただきます。
○藤田幸久君 稲田防衛大臣に伺います。 前回、岸田外務大臣は宏池会の代表ということではっきり御自分の意見言っていただいたわけですが、稲田防衛大臣はそれを避けられておられました。 ただ、資料の二枚目、お配りしておりますけれども、今年の二月三日の衆議院の予算委員会では、大臣は、九条の下で最小限度の自衛権の行使ができるというのは最高裁でも判示がされているわけでありますけれども、憲法学者の多くが素直に文理解釈をすれば自衛隊が違憲であると解釈するような九条二項、もう既に現実には全く合わなくなっている九条二項をこのままにしていくことこそが私は立憲主義を空洞化するものであると考えます。済みません、これは二〇一六年ですが。 一方、先日の私の質問に対しては、はっきりおっしゃらない中で、ただし、ここで引用しますけれども、当時、この予算委員会の場で質問しました趣旨は、憲法学者の多くが自衛隊を憲法違反というふうに主張している状況について、当時、政調会長として総理に対し質問をしたということでございますということでございます。 この二つの答弁に共通するのは、憲法学者が違憲と主張していることが問題の核心であり、憲法学者が自衛隊を憲法違反と主張できないように変更することが重要であるというふうに理解をいたしますが、それで間違いないでしょうか。
○国務大臣(稲田朋美君) 前回、当時の政調会長として総理に質問した憲法に関する部分の一部を御質問いただきましたので、当時の自分の状況についてお答えをしたところでございますが、現在、政府の一員としてこの場におりますし、個人的な見解について述べる立場にはないというふうに思います。
○藤田幸久君 いや、ですから、岸田外務大臣は個人的なことも含めておっしゃっておられますので、いや、宏池会の会長でいらっしゃいますが、岸田大臣もそれは触れていただきたいと思いますが、このいわゆる安倍総理の言われる九条三項を追加することで、つまり岸田大臣が、ごめんなさい、稲田大臣が気にしていらっしゃる自衛隊が違憲と言われる状況はなくなると、九条三項を追加するということで。法的にそのような条文は可能と稲田大臣は思われますか。
○国務大臣(稲田朋美君) 憲法改正について、安倍総理が自民党の総裁として発言をされたということを承知をいたしております。 一方、憲法改正については国会の憲法審査会において御議論をいただくべきものであって、政府の一員である私から安倍総裁としての発言についてお答えすることは差し控えたいと思います。
○藤田幸久君 ここで、参議院の法制局をお呼びしております。と申しますのは、憲法改正原案の提出は国会議員が行うわけでございますので、条文作成というのは、内閣法制局ではなくて、衆参の法制局が議員をサポートするという観点からお伝えをいたします。 そこで、御質問いたしますけれども、九条三項を追加すれば戦力不支持を規定する九条二項が空洞化するではないかという指摘もあります。九条一項、二項を変えずにということは、単に条文が変わらないということを言うのではなくて、その意味内容、解釈が変わらないということだと考えますけれども、そういう観点から、九条一項、二項の意味内容、解釈を変えないまま九条三項に自衛隊を明記する条文というのは可能でしょうか。
○法制局参事(村上たか君) お答え申し上げます。 お尋ねの案につきましては、憲法九条一項、二項についてどのような解釈を取った上で、三項としてどのような規定を設けるのか現時点で不明であるため、そもそも判断はいたしかねるところでございます。 また、議院法制局は、議員の依頼を受け、その議員の立場に立って法律案の立案等を行う組織であり、憲法改正についても同様でございますので、議員の依頼を離れてある憲法改正の案の当否について法制局として意見を申し述べる立場にはないと考えております。
○藤田幸久君 今の段階では不明であるということですか。
○法制局参事(村上たか君) 今の段階ではどのような案になるか不明ですので、そもそも判断はいたしかねるという点と、繰り返しになりまして恐縮ですが、議院法制局は、あくまでも議員の依頼を受けて、そのお立場に立って立案等を行う組織でございますので、憲法改正につきましても、議員の依頼を離れてある案が可能であるかということについて法制局として意見を申し述べる立場にはないということでございます。
○藤田幸久君 今朝、実は私は、河野自衛隊統幕長を参考人として来ていただくことを、お呼びをしておりましたところ、残念ながら理事会でそれが通らなかったということで非常に残念でございます。 今、アメリカの議会なんかを見ておりましても、制服の方がしっかり議会で答弁をするということが非常に充実した議論になっていると思っておりますので、これから是非、せっかく名委員長の下でございますから、そういう道もつくっていただきたいと思っておりますので、是非お取り計らいをお願いしたいと思います。
○委員長(宇都隆史君) 先ほどの理事会でも協議をいたしました。今後筆頭間で更に協議をしていただくようにしておりますので、理事会協議事項として続けさせていただきます。
○藤田幸久君 河野統幕長ですけれども、先日、日本外国人特派員協会で会見をいたしました。 今日いらっしゃっていないので、稲田大臣にお聞きしたいと思いますけれども、今までこの統幕長あるいは陸幕長といった幕の長が外国人特派員協会に呼ばれたことが幾つかある、だけれども今までは防衛省がそれを断ってきたと伺っておりますけれども、今回は、統幕長が外国人特派員協会に行くについて、防衛省の方でも了解をして統幕長が会見に行かれたというふうに理解をしておりますが、それで間違いないですね。
○国務大臣(稲田朋美君) 部外に対して職務に関し意見を発表するような場合に際しては、あらかじめその旨を上司に届け出るよう大臣官房長通知により定められており、各幕長等にあってはあらかじめ大臣官房長に通報することとなっているところでございます。
○藤田幸久君 通報して官房長が了解をしたということでございますね。
○国務大臣(稲田朋美君) そういうことでございます。
○藤田幸久君 ということは、防衛省として、外国の記者には意見を述べる、国会では意見を述べないと、これはやっぱり変えていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(稲田朋美君) 五月二十三日の河野統合幕僚長の講演に関しては、特派員協会から依頼があったところ、統幕長の日程の調整が付いたことから、我が国周辺を取り巻く情勢認識、自衛隊の取組について、国内のみならず国外に発信する貴重な機会であると考え、講演を実施をしたところでございます。 一方、今お尋ねの国会での答弁に関しては、国政について幅広い御議論が行われる場でございまして、防衛大臣たる私を始めとする政務が答弁を行う、また政策的見地から大臣を補佐する官房長、局長、又は改編後の統合幕僚監部にあっては政策的見地を有する統括官といった文官に行わせることとし、統合幕僚長等については、引き続き、防衛大臣を軍事専門的見地から補佐する者として、自衛隊の部隊運用を始めとする部隊の管理運営に専念させたいと考えております。 ただし、ただし、当然のことながら、当然のことながら、自衛官の国会答弁の必要性、これはあくまでも国会において御判断いただく事項であるというふうに考えております。
○藤田幸久君 理由になっておりませんけれども、時間の関係で言いますが、統幕長がおっしゃったことは、一自衛官として申し上げるならば、自衛隊の根拠規定が憲法に明記されることになれば非常に有り難いと思うと発言しました。 そこで、質問します。例えば、宇都隆史自衛隊員がいた、あるいは佐藤正久自衛隊員がいたとすると、一自衛官がこういう発言をした場合には、これは憲法尊重擁護の義務がある公務員の服務規定及び日本国憲法及び法令を遵守しと服務宣誓した自衛官の、これ一自衛官の規定に違反するんじゃないんですか。
○国務大臣(稲田朋美君) まず、宇都自衛官、佐藤自衛官というお話でございますので、そういう仮定的な状況の下での答弁は控えたいというふうに思います。 ただ、憲法遵守義務との関係でございますが、その憲法遵守義務において、公務員であったとしても、今回の統幕長のように、統幕長としては高度に政治的な件について答えないと明確に立場を明らかにした上で個人の見解を述べた場合、これは憲法九十九条の憲法遵守義務との関係では問題がないというふうに考えているところでございます。 また、政治的中立性に関して……(発言する者あり)
○委員長(宇都隆史君) 答弁中ですので、御静粛にお願いいたします。
○国務大臣(稲田朋美君) 今委員からは憲法遵守義務の関係と、あと自衛官としてというお答えがございましたので、自衛官としてのお答えも今からさせていただきたいというふうに思います。 公務員は、全体の奉仕者であって、一部の奉仕者ではありません。したがって、一党一派の政治的勢力のために奉仕することが許されないのは当然でございます。職員が常に政治的中立の立場を堅持すべきことは憲法十五条の要請の結果でもあります。そして、職員の政治的行為を規制するについての基本的な精神でもあります。こうした基本的考えの下、自衛隊法第六十一条等について自衛隊員の政治的行為が制限されているというふうに理解をいたしているところでございます。
○藤田幸久君 一自衛官としての質問でございますので、しっかり答えていただきたいと思っています。 時間の関係で次に移りますけれども……(発言する者あり)
○委員長(宇都隆史君) 質問を続けてください。
○藤田幸久君 ヒットラーの「わが闘争」の防衛大学の教科書使用について、四月六日に、この教科書使用は可能だということをおっしゃっておられます。 確認ですけれども、この「わが闘争」というのは民族差別的な思想がある時代でありますけれども、この「わが闘争」の内容を否定する形で使用すべきだと、仮に教科書が使用が可能ならばと思いますが、稲田大臣の見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(稲田朋美君) まず、防衛大学校の授業では「わが闘争」について、その本の抜粋を授業の教材として使用しているということはありません。 そして、「わが闘争」に書かれている内容の精神、それをそのまま学生に伝える目的を持ってこれを使用されるというのであれば適切ではないということでございます。一方で、民族差別的な発想があった歴史的な時代があったということに関してどう考えるのかといった討論をさせるというような場合、教官の裁量の範囲であるということは申し上げたところでございます。
○藤田幸久君 資料の三ページ目の下の方に書いてありますけれども、これは宮崎衆議院議員の質問主意書に対する答えですけれども、仮に人権に基づく差別を助長させるといった形で同書、つまり「わが闘争」を使用するのであれば、教育基本法等の趣旨に合致せず不適切であることは明らかと言っておりますけれども、これは、政府のこういう質問書に対する答えと今中身について言及を避けた稲田大臣の答弁というのは矛盾していると思いますが、いかがですか。
○国務大臣(稲田朋美君) 矛盾はしていないというふうに思います。
○藤田幸久君 いや、ですから、不適切だというふうに政府答弁があるんです。ところが、大臣はその評価を避けたわけであります。 同じように、「わが闘争」についての、議論のあるところの教育勅語についても確認をしたいと思いますけれども、教育勅語は衆参両院において排除と失効確認の決議が行われています。歴史的事実として教育勅語を教科書で扱う場合は、そうした国会決議も同様に扱って、教育勅語の内容は否定的に扱われるべきだと考えますけれども、同じように大臣の見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(稲田朋美君) 教育勅語が戦後、衆参の国会決議で効力を失っているということはそのとおりでございます。 先ほどこのヒットラーの「わが闘争」に関しては、防衛大学校の教育に関して御質問をいただき、私の見解を述べさせていただいたところです。また一方、教育勅語に関しては、私がその内容について解釈をする立場にはないということを答弁させていただいているところでございます。
○藤田幸久君 いや、ですから、教育勅語に関する議会の扱い、それから先ほどの教育基本法に関して言えば、政府の答弁で評価が出ているわけですから、それに一致した形での使用でのみこの「わが闘争」は使われるということでなければ、こういう形で、少なくとも防衛省がこのヒットラーの「わが闘争」を教科書で使うということについては妥当性がないと考えますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(稲田朋美君) 防衛大学校において「わが闘争」に書かれている内容の精神をそのまま生徒児童に伝える目的を持ってこれが使用されるというのであれば、当然のことながら適切ではないというふうに考えます。
○藤田幸久君 分かりました。その答弁が必要だろうと思っておりました。 次に、資料の四ページ以降でございますけれども、共謀罪法案についてでございますけれども、国連の特別報告者でありますところの、これは国連プライバシー権に関する特別報告者であるジョセフ・ケナタッチという方が、共謀罪法案について、プライバシー権と表現の自由を制約するおそれがあるとして深刻な懸念を表明する書簡を安倍総理宛てに送付したということでございます。恣意的な運用のおそれがある、あるいは対象となる二百七十七の犯罪が広範でテロリズムや組織犯罪と無関係の犯罪も多く含んでいる等を指摘しております。 日本政府に対して、その情報の提供を求め、審議の、それから国連から法案の改善のために専門家を派遣する用意があるとしておりますけれども、政府はこの書簡の内容は明らかに不適切であると抗議をしたと言っておりますけれども、政府はケナタッチ氏に対して具体的にどのような抗議をしたのか、お答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(岸田文雄君) 今回の書簡公開を受けて、政府は、外務省、すなわちジュネーブ代表部からですが、国連人権高等弁務官事務所を通じて、まず一つは、直接説明する機会が得られることなく公開書簡の形で一方的に発出されたこと、そしてもう一つは、同書簡の内容は明らかに不適切なものである、こうした旨、強く抗議をいたしました。 テロ等準備罪は、百八十七の国・地域が締結している国際組織犯罪防止条約を締結するためにも必要であるということ、さらには、本法案は、本条約が認めている組織的な犯罪集団が関与するとの要件及び合意の内容を推進するための行為を伴うとの要件の双方を活用した、他の締約国と比して厳格な要件を定めたものであり、プライバシーの権利や表現の自由を不当に制約する、あるいは恣意的運用がなされるといった指摘は全く当たらないということ、こういった指摘を行った次第であります。 そして、政府としましては、同書簡の照会事項について、追って正式に回答することを予定しております。
○藤田幸久君 この国際組織犯罪防止条約そのものは国連で採択されているわけですね。そして、その国連の人権理事会が選任した専門家であるというのは間違いございませんですね。
○国務大臣(岸田文雄君) 御指摘の国連人権理事会の特別報告者ですが、各国の人権状況等について調査をし、その結果を人権理事会に報告することを任務の一つとする独立専門家であります。こうした立場の人間でありますので、その勧告等は国連の立場を反映するものではないと解されております。
○藤田幸久君 いや、最初の質問は、国際組織犯罪防止条約は国連で採択されているわけですね。その国連の方がこういう形で意見を表明され、しかも、日付で言いますと、十八日にこの方が表明をされて、それに対する日本政府の見解は同じ五月十八日で出ているんです。つまり、時差はあったにしても、ジュネーブとの関係でいえば七、八時間ですか、そうすると、すぐ反応したということは、これは非常に認識をして、これだけの数枚の日本政府からの反論の文書が出ているんです。 ということは、どういうコミュニケーションがということについて先ほどおっしゃいましたけれども、少なくとも国連の少なくとも間違いない方がこういう意見を表明され、それに対して政府がこれだけのものを政府見解で出しているわけですから、国連第一主義と言っている日本政府においては、まず、この方と会って直接やり取りをするなりして、そして、条約の責任者は外務大臣ですから、この国会審議におきましても日本政府と国連との方のやり取りについてしっかり各委員会等に提示をしていただいて、その議論を深めるということが、今度参議院に法案が来るわけですけれども、非常に重要だろうと思いますので、是非こういう、何というんですか、打ち合いをするだけじゃなくて直接やり取りをし、かつそれを、私ども、法案を審査をする、条約を審査をする、国会の方にも是非それを報告していただきたいと思いますが、いかがでしょう。
○国務大臣(岸田文雄君) 今回の特別報告者の方の公開書簡ですが、まず、先ほど申し上げましたように、特別報告者というものは先ほど御説明したような独立の専門家であり、国連の立場を反映するものでないということをしっかりと申し上げた上で、今回の公開書簡については、全く我が国に対して照会や報告の機会を持たず、一方的に公開書簡という形で明らかにされました。そして、先ほど申し上げましたように、我が国としましては抗議をしたわけですが、その抗議に対しましても全く一方的にマスコミに対して自分の意見を公開するということで、一方通行の状況にあります。 これは通常の、国会、報告者等の例を考えても、これは考えられないことではないかと思います。通常の特別報告者であるならば、日本を訪問して、現地をしっかり調査をし、日本国、日本政府の考え方も聞いた上で考え方を明らかにする。そして、その上で、日本国政府との間の考え方が違ったならば更にやり取りを行う、これが通常でありますが、今回の報告者の方の公開書簡のありようというのは全く一方的なことであると思います。 そして、そもそも、先ほど申し上げました、これ独立の専門家であり、この勧告者は国連の立場を反映するものではないと思います。国連の立場は、これまで国会においても何回も説明させていただいておりますが、国連の安保理の決議において、あるいは国連の総会の決議において、この国際組織犯罪防止条約の早期締結の実施、これを求めてきています。 そして、私は、五月の二日だったと思いますが、本条約の国連における事務局であります国連薬物犯罪事務所、UNODCのフェドートフ事務局長に直接お会いをさせていただきました。そして、事務局長の方から、日本による本条約の締結に向けた努力が成功し、早期の条約締結につながることを期待する、こういった発言も確認をしています。これらこそ、国連の基本的な立場ではないかと我々は認識をしております。
○藤田幸久君 五月十八日の日本政府見解の最後の部分で、直接説明する機会を得られてしかるべきということですので、直接説明する機会を求めるべきじゃないかと思いますし、それから、今の答弁で、もしこの方が日本にいらっしゃったら、会う御用意がありますですね、先ほどの答弁だと。
○国務大臣(岸田文雄君) はい。書簡に対しては、先ほど申し上げましたように、しっかりと我が国の立場を説明するものをお返ししたいと思いますし、当然のことながら、特別報告者の方に対しては、従来も同様でありますが、我が国としまして、しっかりお会いをさせていただき、説明をさせていただき、御理解をいただくように努力をする、これは当然のことだと考えております。
○藤田幸久君 時間の関係で、資料の一番最後の八ページ御覧いただきたいと思います。 これは、二月二十三日に、防衛省による米軍基地従業員の解雇を地裁、高裁が連続して解雇不当と断ずる裁判判決があったということでございます。その後、防衛省は控訴を断念したという、判決が確定したということでございます。 この実態は、二〇一一年に、米軍が免罪に近い嫌疑内容で一方的に立入禁止を言い渡された、いわゆるロックアウト解雇だと言われておりますけれども、米軍と共同雇用主の関係にある防衛省側が再調査をした結果、当時、解雇は不当であると判断し、防衛省は米軍と粘り強く交渉したにもかかわらず、米軍が解雇を主張して譲らなかったということで、それでやむを得ず裁判になったと聞いております。このロックアウト解雇から裁判の結果が確定するまで六年掛かっています。裁判だけで三年間、その結果、国は二千五百万円もの未払賃金と慰謝料を払ったということでございます。 質問でございますけれども、在日米軍基地では日本人従業員のほぼ全ての労務費などが思いやり予算で拠出されているにもかかわらず、なぜこのような日本の国の法律をある意味では無視するような行為が絶えないのか。これがかなりいろいろあると思っております。なぜこういうことになってしまうのかについてお答えを、これは稲田防衛大臣、お願いいたします。
○国務大臣(稲田朋美君) この訴訟についてですけれども、本件は、在日米海軍横須賀基地に勤務していた駐留軍等労働者の暴力等について、同僚である労働者からの通報を受け、日米間で様々な調査及び協議を行った結果、解雇が適当であると判断し、平成二十五年五月、雇用主たる防衛省として当該労働者を解雇したものです。 解雇をめぐる本件訴訟においては、今委員が御指摘になりましたとおり、本年二月、解雇の原因となる暴力等が事実として認められないとして解雇が無効との判決が言い渡されたところでございます。これを受け、防衛省としては、本年三月、当該従業員に対し約二千九百五十万の未払賃金及び損害賠償金の支払を終えているところであります。 一般論として申し上げれば、労働関係に関する労働者の権利は日本国の法令で定めるところによらなければならないことは当然であると考えており、このことは駐留軍等の労働者の権利を規定する地位協定十二条五においても同様に定められているところでございます。 防衛省としては、今後とも駐留軍等労働者の権利に不利益が及ぶことがないよう、引き続き権利保護に努めてまいりたいと考えているところでございます。
○藤田幸久君 こういった事例がほかにも報道されておりますけれども、是非、思いやり予算を出しながら日本の従業員の方が大変苦しまれるという立場の中で、防衛省は誰の味方かということをはっきりして対応していただきたいと思っています。 あと数分ございますので、先ほどの河野統幕長の関係で戻りますけれども、私が先ほどお聞きしたのは、一自衛官がこういう発言をした場合にはということでございますけれども、自衛隊員の服務の宣誓という中で政治活動に関与せずということも入っております。ということは、これは憲法に明記されることは非常に有り難いと発言したという自衛官がいるということは、これは政治的活動に関与をしたと、そしてこれは自衛隊のこの法律に基づいたことでございますので、一自衛官がこういう活動、発信を、しかも外国人の特派員あるいはメディアの前で一自衛官が発言をしたということは、これ政治活動にならないんですか。
○国務大臣(稲田朋美君) 統幕長の発言がそういった政治的行為に当たらないかということでございます。 自衛隊法第六十一条一項において、政治的目的のために政治的行為をしてはならない旨を規定しており、政治的目的については、自衛隊法施行令第八十六条において具体的に定義をされているところです。自衛隊法施行令第八十六条五項は、政治的目的として、政治の方向に影響を与える意図で特定の政策を主張し、又はこれに反対すること、これが政治的行為であるというふうに規定をされているところです。 今回の統幕長の発言については、記者の質問を受けて、憲法という非常に高度な政治問題でありますので統幕長という立場から申し上げるのは適当ではないと思いますと明確にしつつ、その上で、個人の見解、感想として、一自衛官として申し上げるならば、自衛隊というものの根拠規定が憲法に明記されることとなれば非常に有り難いなと思いますと述べており、この発言が自衛隊法施行令第八十六条第五号の「政治の方向に影響を与える意図で特定の政策を主張し、又はこれに反対すること。」には該当しない、すなわち政治的目的はないということは明らかであって、問題はないというふうに認識をしているところでございます。
○藤田幸久君 一政党の総裁の発言に関して、そして服務規定は、政治活動に関与せず、一方、大臣は今、政治問題とおっしゃいました。ということは、二十四万人の自衛官が外国メディアの前で、この自衛隊の根拠規定が憲法に明記されることは有り難いというふうに二十四万人の方が外国メディアに公の場でこれから言っても、このつまり服務規定に、つまり政治的関与、政治的活動に関与せずということについては、二十四万人、誰が発言しても構わないということですね。
○国務大臣(稲田朋美君) 今申し上げましたように、政治的目的のために政治的行為をしてはならないということでございます。政治的目的、そういった意図があったのかどうなのか、また、政治の方向に影響を与える意図でその政策を主張し、又は反対することに当たるのかどうなのか、これを個別具体的に判断をするということでございます。 そして、今回の統幕長のその発言に関しては、自分の立場も、そして高度に政治的な問題である憲法について申し上げるのは適当ではないと言った上で感想を申したにすぎませず、これは政治の方向に影響を与える意図で特定の政策を主張し反対するということには該当しないというふうに考えているところでございます。
○藤田幸久君 一自衛官が、二十四万人の方が外国のメディアに公の場で発言をする、その場合に意図と目的を、じゃ検証するんですね。確認をして、意図と目的が政治的なつまり結果を及ぼすということが確認をされなければ、これは自衛官がこの憲法という高度な政治問題について発言しても構わないということでございますね。
○国務大臣(稲田朋美君) 今申し上げましたように、自衛隊法六十一条で政治的目的のための政治的行為は禁じられております。また、施行令八十六条の第五号で、政治的目的として、「政治の方向に影響を与える意図で特定の政策を主張し、又はこれに反対すること。」と規定をされております。また、人事院が定める運用方針において、政治の方向に影響を与える意図とは日本国憲法に定められた民主主義政治の根本原則を変更しようとする意思を、特定の政策とは政治の方向に影響を与える程度のものであるということを要するということとされております。これらに照らして個別具体的に判断をするということだということでございます。
○藤田幸久君 意図は確認をするとして、結果的に影響を与えた場合には違反するということで間違いないですね。
○国務大臣(稲田朋美君) 今申し上げましたように、それが政治の方向に影響を与える意図で、しかも特定の政策を主張し、又はこれに反対することに該当するのかどうかということでございます。
○藤田幸久君 服務の宣誓で、「政治的活動に関与せず、」と書いてあるのは、これはどういう意味ですか。
○国務大臣(稲田朋美君) 今申し上げましたとおり、政治的目的のために政治的行為をしないということでございます。
○藤田幸久君 関与せずという意味はどういう意味ですか。
○国務大臣(稲田朋美君) 今のものを具体的に法律に表したのが自衛隊法第六十一条第一項であり、そしてそれを更に定義をしたのが自衛隊法施行令第八十六条だということでございます。
○藤田幸久君 確認をしますが、自衛官、二十四万人とは言いませんけれども、メディアの前で憲法に関して個人的な感想を述べることは許されるということですね。
○国務大臣(稲田朋美君) 個別具体的な状況において、自衛隊法第六十一条第一項、また自衛隊法施行令第八十六条に照らして、その政治的行為を禁じた自衛隊法に反するかどうかは判断しなければならないと、このように考えております。
○藤田幸久君 そうすると、自衛官の方が、安倍総理、あるいは国を指導する、あるいは政党を、しかもこの場合には政党の総裁としての発言です、安倍総裁の、その一政党のトップの方の発言に関して非常に有り難いと思うということを自衛官が公の場で発言しても問題ないということですね。これは一つの政党の総裁の発言であります。
○国務大臣(稲田朋美君) 一自衛官であったとしても自衛隊法第六十一条第一項……(発言する者あり)はい。ですから、一自衛官であってもというのは、今統幕長の話を前提として一自衛官の話を委員から御質問いただいておりますので、一般論として、一般論として私も、一自衛官が自衛隊法第六十一条一項、また自衛隊法施行令第八十六条に当たるかどうか、これを具体的に判断をするということでございます。
○藤田幸久君 自衛官が、政治的な団体であるところのトップである方の、憲法という日本で一番重要な政治問題について、感想、しかも評価をすることを述べても服務上問題がないということですね。
○委員長(宇都隆史君) 時間ですので簡潔に答弁ください。
○国務大臣(稲田朋美君) 「政治の方向に影響を与える意図で特定の政策を主張し、又はこれに反対すること。」に該当するかどうかを判断するということでございます。
○藤田幸久君 大変な答弁でございますけれども、質問を終わります。 ─────────────
○委員長(宇都隆史君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、滝沢求君が委員を辞任され、その補欠としてこやり隆史君が選任されました。 ─────────────
○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。 私からも、通告した質問の前に、河野統幕長の発言について質問をいたします。 総理の改憲発言について、自衛隊員として申し上げるならば非常に有り難いと発言をしたわけであります。憲法九十九条は一人一人の公務員に憲法尊重擁護義務を課しておりますし、自衛隊員の服務の宣誓でも憲法遵守が明記をされております。統幕長発言なら駄目だが一自衛隊員ならいいという話ではないわけですね。 しかも、ましてや、今回の発言は制服のトップとしてその会見をやっていたその場で、時の政権、そして政権党のトップが言っていることを支持をする会見発言をしたと、これは文民統制にも私は反すると思います。これは罷免をすべきだと思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(稲田朋美君) 自衛隊法六十一条一項、また自衛隊施行令八十六条に関しては、先ほど藤田委員の質問にお答えをしたところであって、政治の方向に影響を与える意図で特定の政策を主張し、又はこれに反することかどうかということでございますが、今回の統幕長の発言については、記者の質問を受けて、憲法という非常に高度な政治問題でありますので統幕長という立場から申し上げるのは適当ではないと思いますと明確にしつつ、個人の感想を述べられたものであります。この発言が、今申し上げました「政治の方向に影響を与える意図で特定の政策を主張し、又はこれに反対すること。」には該当はしないというふうに考えているところでございます。
○井上哲士君 一個人だと断ったら、統幕長として会見やっていても何でも言ってもいいと、そんなだったら大変なことになりますよ。 そして、現にこれ五月以降、今、この総理の発言というのは最大の政治問題になっているんです。特定の政党の総裁として、そして総理として言っているわけですよ。それを受けて発言をしているわけでありますから、この発言が政治的意図がなかったなどとかいうことは現実の報道の状況を見てもあり得ない話でありまして、私はそういう擁護をする防衛大臣自身の責任が問われるということを強く指摘をしておきたいと思います。 その上で、法案でありますが、今回の法案は陸上総隊を新編をし、その下に佐世保に水陸機動団が新設をされます。その輸送手段としてオスプレイを佐賀空港に配備をするという計画になっておりますが、佐賀空港は県営の民間空港であり、日本一の生産額を誇るノリの産地に接しております。ですから、空港建設に当たって一九九〇年に佐賀県と関係漁協との間で公害防止協定を結んで、県は佐賀空港を自衛隊と共用するような考えは持っていないと明記をしたわけであります。 漁協は地権者でもありますけれども、およそオスプレイの配備など到底了解をする状況にありませんし、県民世論は十六日付けの地元紙でもまさに二分をしております。そういう中で、地域住民の会は四月の二日に配備反対の決起集会を開いて、仮に県が計画を受け入れた場合には訴訟を起こすと、こういう決議すら行っております。 まず、事務方にお聞きしますけれども、こういう下で、佐賀空港へのオスプレイ配備計画に伴う年度ごとの予算額とその執行状況はどうなっているでしょうか。
○政府参考人(高橋憲一君) お答えいたします。 陸上自衛隊オスプレイ等を佐賀空港へ配備するための予算でございますが、平成二十七年度におきましては百六億円、用地取得、移転補償、基本検討、調査、設計及び造成工事に係る経費を計上させていただいてございますが、これにつきましては執行はされてございません。平成二十八年度においては当初予算は計上していない状況でございます。平成二十九年度におきましては、用地取得、移転補償、基本検討、調査及び設計に係る経費として約三十億円を計上してございますが、現時点においてはまだ執行されていないと、そういう状況でございます。
○井上哲士君 県民世論の中で全く執行できない、それでも何とか来年の概算要求にしたいということだったんでしょうか。 若宮副大臣が十九日に佐賀県を訪問をして県知事と懇談をされております。沖縄での米軍オスプレイの墜落事故について説明し、安全性を強調したということでありますが、副大臣は最終的な回答と表現をされております。米軍の事故の報告書はまだ出ていないにもかかわらず、なぜ最終的ということになるんでしょうか。
○副大臣(若宮健嗣君) 今委員が御指摘になりましたように、昨年の十二月の十三日に生じましたアメリカの海兵隊のMV22のオスプレイの不時着水につきまして、昨年十二月の十四日に佐賀県の方から、今般の事故につきまして徹底した原因の究明と情報の開示を行うということと、それから、県民の皆様に対して今回の事故に係る調査結果についての説明責任をしっかりと果たしてほしいと、こういった二点を強く御要請をいただいたところでございました。 アメリカ側からは現時点では先般のアメリカ海兵隊のMV22オスプレイの不時着水に関します事故調査報告書というのは提供されていないという段階ではございますが、こうした佐賀県からの要請を私どもといたしましては重く受け止めまして、私どもの、防衛省としての説明責任を果たしていくこと、こういった観点から、今般の事故の原因となりました空中給油について陸自のV22オスプレイの安全対策も取りまとめまして、五月の十九日に私から山口佐賀県知事ほか皆様方に御説明にお伺いをしたところでございます。 この不時着水につきましては、アメリカ側からは事故調査報告書はまだ提供されていない状況ではあるんですが、これまでのアメリカ側との協議も踏まえまして、私ども防衛省・自衛隊の専門的な知見とそれからまた経験に照らし合わせまして、私どもとして、この不時着水の要因については搭乗員の練度が十分ではなかった可能性があるということ、それからまた、航空機の搭乗員同士又は海兵隊と空輸する側の空軍同士の連携が不十分ではなかった可能性など八つの可能性のいずれかに該当するものであろうというふうに分析をいたしているところでございます。 したがいまして、私ども防衛省といたしましては、陸自でのV22オスプレイの運用に関しましては、この八つの可能性に対してきちっとした安全対策を講じるということで、昨年の不時着水のような事故に関して想定される原因につきまして網羅的に対策を講じたものでございます。同種の事故が発生することを防止できるものというふうに判断をしたところでもございます。こうした認識の下で、陸自V22オスプレイの安全対策の方向性につきましても、私どもとしての最終的な御回答ということで御理解をいただければというふうに私から発言をしたところでございます。 また、アメリカ側からこの不時着水に関します事故調査報告書が提出された際には、県を含めまして各自治体の皆様、また漁協組合等の皆様方に御説明申し上げるとともに、仮に陸自の安全対策になお追加的に必要だと思われるような措置があれば反映させていきたいと、かように考えているところでございます。
○井上哲士君 三月の予算委員会で我が党議員が、墜落したオスプレイに搭載するときに必ず持ち込むチェックリストを入手して質問いたしましたけれども、それについて政府は承知していないし照会も掛けていないという話でありました。こういう重大なものを見ずに最終回答というような、そういう姿勢に市民は不信を高めているということを指摘をしていきたいと思うんですね。 こういう地元の不信を高めている国の言葉がもう一つ、昨年十月の参議院予算委員会での総理の答弁であります。沖縄のオスプレイについて米軍の訓練の一部を佐賀で行うことで進めていると、こういう答弁でありますが、この答弁について菅官房長官は、米軍オスプレイの沖縄県外への訓練移転は全国で分かち合うという観点でお願いしている、その上で佐賀空港を一つの例示として述べたと言われましたけど、これ到底納得いかないんですね。全国の一例と言いながら、なぜ佐賀だけ名前を挙げたんですか。
○国務大臣(稲田朋美君) 昨年の十月十三日の参議院予算委員会で、総理は、訓練の一部は佐賀で行われるということでこれは進めているわけでありますというふうに答弁をいたしました。米軍オスプレイの沖縄県外への訓練移転については、これまでも申し上げてきたとおり、沖縄の負担を全国で分かち合うとの観点から、全国の他の空港と同様、佐賀の空港の利用も考慮させていただきたいというふうに考えており、総理は、こうした認識を前提とした上で佐賀空港を一つの例示として述べたものでございます。 長官も、昨年十月二十八日の衆議院の内閣委員会において、菅官房長官が、訓練移転についても佐賀空港を一つの例示として述べた、このように私は総理と話をしております、一つの事例として、従来の説明の中の、全国の受入先の、是非オスプレイを、訓練期間を期間限定でもしてほしいといろいろなところで今お願いいたしておりますので、それと同じ意味合いで総理が答弁をされたと答弁したとおりであって、私も、佐賀県、あくまでも四十六都道府県の一つとしての例示であるというふうに認識をしているところでございます。
○井上哲士君 ですから、なぜ佐賀だけ名前を一つ挙げたんですか。全然答えになっていないんですね。 盛んに今沖縄の負担軽減のためと、県外訓練と言っておりますけれども、実際に県外、これが沖縄の負担軽減になっていると、こういう認識ですか。
○政府参考人(深山延暁君) お答え申し上げます。 御指摘の米軍オスプレイの沖縄県外の訓練についてでございますけれども、実績といたしましては、昨年九月、グアムで訓練を行いました。また、本年三月上旬から中旬に新潟及び群馬県の演習場において陸上自衛隊と米海兵隊との実動訓練を実施いたしました。この訓練につきましては、実際にオスプレイのこの期間の飛行状況は減ったと、普天間基地における離発着は減っていると承知しておりますし、我々としては負担軽減に資するものであると考えております。
○井上哲士君 沖縄県が調査をしておりますけれども、今年二月から三月、全機種を対象とした離着陸回数調査を行っているんですね。一日平均四十三・八回ですけれども、オスプレイが県外に訓練移転している三月六日から十七日は四十六・七回、逆に増えているんですよ。 結局、オスプレイが訓練移転すれば、それを埋める形で他の機種が訓練を拡大をしていて、もう負担軽減なんてうそっぱちなんですね。これが実態なんですよ。ですから、基地負担を言うならばオスプレイの撤去以外にありません。 他の空港と同じと言いますけれども、これまで米軍オスプレイの沖縄の県外訓練移転で民間空港を使用した例及び今後民間空港を使う具体的計画があるでしょうか。
○政府参考人(深山延暁君) お答え申し上げます。 これまでのオスプレイの訓練実績については、ただいま答弁を申し上げたとおりでございます。この昨年九月から実施しております移転訓練につきましては、民間空港を利用した実績はございません。 今後の予定というお尋ねもございました。現在具体的に計画しておりますのは、今年度は三回程度の実施を予定しております。これにつきましては、まだ具体的に、いつからいつまで、さらにどの施設を使うかについては、細部、日米間で調整中でございますけれども、今の時点におきましては、民間空港をこの訓練に使うという具体的な計画はございません。
○井上哲士君 ですから、全国と同じように佐賀空港を使いたいと言いますけど、これまでもこれからも民間空港を使う例はないんですよ。その中で佐賀だけ挙げたわけでしょう。だから、佐賀県民はそうなるんじゃないかと、集中するんじゃないかと思っているんですよ。その懸念にどう答えるんですか、防衛大臣。
○国務大臣(稲田朋美君) 防衛省としては、米軍オスプレイの沖縄県外への訓練移転等については、これまでも申し上げたとおり、沖縄の負担を全国で分かち合うとの観点から、全国の他の空港と同様、佐賀空港の利用も考慮をさせていただきたいということを考えているということでございます。
○井上哲士君 ですから、他の空港と同様と言うけれども、これまで使ったこともなければ、これまでの計画ないんですよ。唯一挙げているのが佐賀なんですね。だから、県民の皆さん、地元の皆さんは怒っているわけですよ。もう公害防止協定にも反して、世論の了解もないようなこういう配備計画そのものの撤回を強く求めて、質問を終わります。
○浅田均君 日本維新の会、浅田均でございます。 私は、前回の質疑で、防衛省それから自衛隊に対するサイバー攻撃が発生したときの対応について伺いました。陸上自衛隊の場合、システム防護隊が攻撃手法の分析や被害拡大防止の検討、立案を行って、情報システム責任者に対策を実施させるという御答弁をいただいております。 その続きの質問をしたいんですが、攻撃手法を分析するという過程で、攻撃手法分析、簡単に言いますと、皆さん御存じだと思いますけれども、電気信号のやり取りに関してログファイルというのを取られていて、一番よく知られているのは、TCP/IPというプロトコルにのっとって電気信号が送られてくるわけですよね。そのIPアドレスというのがどこにあるか、この電気信号がどこから送られてきたかということを順次遡って調べていくわけでありますけれども、その分析する過程で、幾つかのサーバーとかを経由してそういう信号が送られてくるんですけれども、そういう分析過程で、その送ってきた、何というのかな、発生地が外国に存在するということが分かったときに、その攻撃者のシステムに入っていくことは認められるという御認識でしょうか。
○政府参考人(高橋憲一君) お答えいたします。 御指摘の防衛省・自衛隊に対するサイバー攻撃が発生した場合の防御の一環として行う攻撃手法の分析でございますけれど、この点につきましては、我が国に所在する防衛省・自衛隊の情報システム、情報通信ネットワークにマルウエアが送付されるということになりますので、我々といたしましては、今御指摘のように、攻撃者のシステムに入り込むことは殊更必要ではないと、適切な対応はできるものというふうに考えてございます。
○浅田均君 どこからこれが来ておるのかというのは調べないんですか。
○政府参考人(高橋憲一君) 全く御案内のとおりでございますが、いわゆる攻撃者につきましては幾つもの踏み台を、いわゆるいろんな国にサーバーを置いてそれで順次やってくることも当然想定されますので、攻撃者の特定というのは非常に困難な問題だと考えてございまして、我々としましては、サイバーセキュリティーの防御という観点からは、我々に送られてきたマルウエア、これを分析し、それに対する対処を行っていくということで一定の効果は発揮できるものと考えてございます。
○浅田均君 そうしたら、分析の中にトレースバックするというのか、今、物売られているやつでもトレーサビリティー、検査できるとかいろいろ問題になっていますけれども、これがこの電気信号の発生地はどこであるか、そこまでは特定しないんですか。
○政府参考人(高橋憲一君) 必要な場合においてはその攻撃者を特定するということもあろうかと思いますが、先ほど御説明いたしましたように、幾つかの各国に置かれたサーバーを踏み台にして攻撃者を特定できないようないわゆるサイバー攻撃をするということが通常考えられておりますし、またその対応策ということに関しましては、我々としては日本の情報システム等に送られてきましたマルウエアを分析するということで一定の程度の対応策が講じられることは可能だというふうに考えてございます。
○浅田均君 ちょっと問題があると思うんですけれども、次の質問に行きます。 前回の質問のときに、サイバー攻撃を分析してそれが武力攻撃であると評価された場合、そういう場合もあると。そういう場合、侵入された、今の話と同じなんですが、侵入されたルートの逆ルートを使って、例えばお土産を持って帰ってもらうと。お土産というのは、マルウエアを送ってきたら、開いてこれがマルウエアであるというのが分かったら、それよりも毒性の強いやつを逆ルートで送り返す。これは自衛権の範囲と考えられますか。
○政府参考人(前田哲君) お答えいたします。 今先生、お土産とおっしゃっているその意味するところが、それはいろんな意味合いがあろうかと思うんですけれども、まず御質問の前提として、前回お答えもいたしましたが、サイバー攻撃のみで武力攻撃と評価することができるかについては、これまでのところは、これはまだ国際的にも様々な議論が行われていますし、国家実行もないという点を踏まえて、今後ともそれらを踏まえて検討を進めていくことにしています。 その上で、サイバー攻撃と自衛権の関係ということにつきましても、これ一概に申し上げることは困難でありまして、何らかの事態が武力攻撃に当たるか否か、これは個別具体的な状況を踏まえて判断すべきものであるというふうに考えています。 他方で、先生、今お土産という表現で言われたわけですけど、その対処の方法につきましては、事態の態様や状況に応じてこれも個別具体的に判断をしていく必要があるんだろうと思っておりまして、御質問になった仮定の事例について一概に申し上げることは、これはなかなか難しいというふうに思っております。
○浅田均君 そうしたら、仮定の事例についてはお答えしにくいというのは分かるんですが、例えば、これは荒唐無稽なことと思わないでいただきたいんですが、北朝鮮がミサイルを発射すると、発射情報をキャッチして発射システムの中に入り込んで、例えば発射角度を変えてしまって、垂直に上がって垂直に落ちる、撃ったら自分のところに落ちますよと、そういうふうに変えてしまう。理論上は可能だと思うんですけれども、これは自衛の範囲ですか。
○政府参考人(前田哲君) お答えします。 繰り返しになりますが、御質問になったそういった事例も含めて、何らかの事態が武力攻撃に当たるか否か、これは個別具体的な状況を踏まえて判断すべきものであろうかと考えてございます。
○浅田均君 じゃ、そうしたら、もう東京を火の海にしてやるとかいう発言はかなり前にあったわけですけれども、そういう発言に、明らかに武力攻撃と解されるような意図を持ったミサイルが飛んでくると。もし、自衛隊の方にそういう能力があるとして、今申し上げたように向こうのシステムに入り込んで発射角度を変えてしまう。これは一例ですけれども、それは自衛の範囲に入るという解釈でいいんですか。
○政府参考人(前田哲君) 今先生がお話しになっていますけれども、一般論として申し上げれば、サイバー攻撃の態様は大変高度化をしているということは言えると思いますし、御指摘になりましたように、サイバー攻撃によって重大な被害をもたらすものも含めてこれは様々な効果が生じる、一般論としてはあるんだろうと思います。 他方で、そもそもそのサイバー攻撃というのが秘密裏に実行されることが多うございますし、それを成功させるかどうかというのは、攻撃能力だけではなくて、相手方のその防御能力、それから攻撃側が持っている情報収集・分析力、こういった様々な要素で決まってきます。 ですから、御指摘のようなことができるかどうかというのは一概にこれはなかなかお答えすることは困難だと思いますし、また、これが自衛権に当たるかどうかというお尋ねでありますけれども、これは、繰り返しになって恐縮ですが、あくまで個別具体的な状況を踏まえて判断すべきものであろうと、こんなふうに考えてございます。
○浅田均君 僕は別にSF映画とかそんなのの見過ぎでこういう質問をしているわけではないんですけれども、例えば防衛の仕組みとして、日本上空に静止衛星を打ち上げておいて、例えばそこから、北朝鮮がミサイルを打ち上げると、それに向けてぽおんと当てるんですよ、ぽおんと小さな物体を当てると、それで角度を変えてしまうことが可能なわけですね。だから、そういうものも含めて、荒唐無稽な話と思わないで考えていただきたいなと思っております。 それで、次の質問に移ります。 それで、自衛隊あるいは防衛省のシステムに対するサイバー攻撃、これ対応は、今御答弁いただいたように自衛隊のみで行うんですか、あるいは警察などの他の組織も加わって行うんですか。
○政府参考人(高橋憲一君) まず、一つの原則でございますが、防衛省・自衛隊に関する情報通信ネットワークに対するサイバー攻撃が発生した場合には自衛隊のサイバー防衛隊というふうに対処することになってございます。 しかしながら、仮に自衛隊に対するサイバー攻撃であったとしても、国民の生命、身体、財産等に重大な被害を与えるような大規模なサイバー攻撃が発生したような場合でございますが、その場合には、内閣官房に設置されました官邸対策室等による総合調整の下、御指摘の警察庁を含む関係省庁が連携をし、被害状況の把握、被害拡大の防止、復旧、原因究明、国民への適切な情報提供について政府一体となって対応するということでございます。
○浅田均君 僕、こういう質問を何でしているかといいますと、この間のサイバー攻撃でも見られますように、費用対効果というものを考えるとすごく安上がりなんですね。だから、ミサイル一発が仮に三億円するとしますと、同じ予算で十人も二十人もそういう人が、専門家が雇えるわけです。伝えられるところ、報道されるところによりますと、中国とかロシアはそういうサイバー攻撃隊を組織していると。だから、ミサイル一発造るよりもはるかに安い予算でそういう悪さをする人の集団をつくることができるわけですよね。だから、その人たちは、そういうサイバー攻撃というか、新たなマルウエアとかそれから攻撃方法とか、そういうことばかりを考えているわけです。 だから、今回の設置法の改正の中にもありますけれども、果たして、我が方のサイバー防衛隊は非常に要員不足になってくると思うんですけれども、この点どういうふうにお考えでしょうか。
○政府参考人(高橋憲一君) 今回のお願いしている法案でございますが、共同の部隊でございますサイバー防衛隊につきまして自衛官六名の増員をお願いしているところでございます。また、自衛隊におきましては、それ以外の陸上自衛隊システム防護隊が約六十名、海上自衛隊の保全監査隊が約百四十名、航空自衛隊システム監査隊が約五十名ということでサイバー防衛に取り組んでいるというところでございます。 また、サイバー対処能力の強化という観点からは、人員の増加のみならず、人材の育成、確保が大事だと思ってございまして、国内外の教育機関に留学をさせましたり、民間企業における研修、あるいは人材育成を重視したキャリアパスの設定、教育の充実、高度化、その他の人材の育成、活用が非常に重要だとも思ってございます。 いずれにしましても、自衛隊のサイバーに対する対処能力の強化につきましてはこれまで以上に強化する必要があると考えてございまして、サイバー防衛隊等の人員の増加、人材の育成、確保、サイバー空間における自衛隊の対処能力の強化に真摯に取り組んでまいりたいというふうに考えてございます。
○浅田均君 真摯に取り組む中に、やっぱり要員というか、そういうその専門家が多くおられるというのが何よりの防衛になると思いますので、よろしくお願いいたします。 最後、外務大臣にお尋ねいたします。 今、サイバー攻撃についていろいろ質問してきましたけれども、これ、サイバー攻撃って、本当にもう攻撃だけを目的としてつくられる仕組みなんですね。だから、攻撃があるから防衛隊というのをつくる必要があるわけであって、別にサイバー攻撃隊をつくるというのは本当に攻撃だけが目標というわけです。したがいまして、これ、一九二八年のパリ不戦条約なんかにも著しく間違った、とは違う方向に持っていく仕組みであります。 だから、そういうサイバー攻撃は攻撃だけが目的であって不戦条約に反するわけでありますから、国家間でやっぱり何らかの規制を話し合っていく必要があると思うんですけれども、この点、外務大臣はどういうふうに認識されておりますか。
○国務大臣(岸田文雄君) まず、御指摘の不戦条約ですが、国際紛争解決のため戦争に訴えることを非とし、かつ、国家の政策の手段としての戦争を放棄する旨規定した条約ですが、御指摘のように、これは一九二八年、この条約ができました。それで、この趣旨はその後国連憲章において引き継がれています。国連憲章において武力の行使は違法であるということを定めることにつながったと理解をしています。ですから、武力の行使は違法であると。ただ、五十一条における個別的自衛権と集団的自衛権、それから第七章の集団安全保障、これのみは認められる。これが国連憲章であり、不戦条約はそういったものに引き継がれているということであります。 そして、この……
○委員長(宇都隆史君) 時間ですので、簡潔に願います。
○国務大臣(岸田文雄君) 済みません。 これ、この武力行使についても、そしてサイバー攻撃についても個別具体的にこれは判断するということになるんだと思いますが、おっしゃるように、このルール作り、サイバー空間における法の支配の実現、これは大変重要であると考えます。 国連において、国連サイバー政府専門家会合、こういったものが設けられています。また、G7におきましても、ワーキンググループであります伊勢志摩サイバーグループ、これが設立をされています。是非、我が国もこうした取組に積極的に貢献することによってルール作り、進めていきたいと考えます。
○浅田均君 ありがとうございました。 終わります。
○アントニオ猪木君 元気ですか。元気があれば何でもできる。元気があっても、自衛はできても攻撃はできないということで、先ほども、憲法問題が絡んで、これからの日本をどうするかの大事な案件だと思いますが、今日はサイバー防衛隊ということで質問をさせていただきます。防衛省設置法の一部改正する法律案からサイバー防衛隊についてお聞きします。 先ほど浅田議員からも大分突っ込んだ話がありましたが、主要装備品にサイバー防護分析装置、サイバー情報収集装置、ネットワーク監視装置、サイバー演習装置とありますが、各装置について、まあ本当に我々にとっては分かりにくいというか、その辺をひとつ、各装置についてどう使用するのか、業務内容に併せてお聞かせください。
○政府参考人(高橋憲一君) まず、御質問のサイバー防護分析装置でございますが、防衛省・自衛隊に対するサイバー攻撃に用いられたマルウエアの解析、あるいは解析結果に基づく対処方針の策定と情報共有、サイバー攻撃対処に必要な様々なツールを提供するものでございます。 サイバー情報収集装置でございますが、これは、防衛省・自衛隊に対する不審メール送付や不正アクセス等のサイバー攻撃を検知、収集するとともに、一般に公開されているインターネット情報からサイバー攻撃の兆候やサイバー攻撃手法に関する情報を収集するものでございます。 また、ネットワーク監視器材でございますが、サイバー攻撃の早期発見、被害局限を目的といたしまして、防衛省・自衛隊の共通ネットワークである防衛情報通信基盤、DIIと呼んでございますが、その全国にある約三十拠点に設置をいたしまして、通信を常時監視しているものでございます。 サイバー演習装置でございますが、我々はサイバーレンジとも呼んでございますが、防衛省・自衛隊の指揮統制システムや情報通信ネットワークを模擬したサイバー演習環境を設置するためのものでございまして、攻撃部隊と防護部隊に分かれまして対抗形式によるサイバー演習を行うために必要な装置というものでございます。
○アントニオ猪木君 サイバーテロを仕掛けてくるのは組織なのか、国なのか、個人なのか、いろいろなパターンが考えられますが、一人がそういうような技術を持っている人が入ってくれば、一気に増えてしまうという。 日本ではテロはないと認識していますが、未然に防ぐためにどうしたらよいのか、その辺の対策についてお聞かせをください。
○政府参考人(白川靖浩君) お答えいたします。 インターネットが国民生活や社会経済活動に不可欠な社会基盤として定着する中で、社会機能を麻痺させる電子的攻撃でありますサイバーテロの脅威は、国の治安や安全保障に影響を及ぼすおそれのある問題となっているものと認識しております。 警察におきましては、サイバーテロの脅威に対しまして、被害の未然防止及び拡大防止のため、関係機関と連携した国内外における情報収集、分析に努めております。また、都道府県ごとに重要インフラ事業者等との間で構成するサイバーテロ対策協議会を設置いたしまして、共同対処訓練を実施するなどにより、官民の連携を強化する等の対策を推進しているところでございます。
○アントニオ猪木君 次に、自衛隊の南スーダン派遣は、施設部隊については今月末をめどに活動を終了する予定だと聞きます。撤退は完了したのか、現状についてお聞かせをください。
○国務大臣(稲田朋美君) 南スーダン派遣施設隊要員の帰国第一派約七十名は四月十九日に、第二派約百十名は五月六日に、第三派約百三十名は五月十四日にそれぞれ青森空港に到着をいたしました。第四派約四十名につきましても、本日南スーダンを出発の予定であって、五月二十七日、今週の土曜日に青森空港に到着する予定でございます。 装備品につきましても、陸上輸送、航空輸送による南スーダンからの撤収作業が順調に進んでいるところでございます。 全ての隊員が安全を確保して元気に家族の下に戻られるまで、私としても、引き続き緊張感を持ってしっかりと南スーダンの安全の状況、注視していきたいと考えております。
○アントニオ猪木君 派遣するときには大変な新聞もニュースも流れますが、撤退するニュースはほとんど余り耳にしませんが、せっかく危険な地域に派遣してその成果がなければ、自衛隊も気の毒です。南スーダン派遣の成果についてお聞かせをください。
○国務大臣(稲田朋美君) 南スーダンの施設隊の派遣は、平成二十四年一月からUNMISSへの派遣を開始し、五年を超える派遣期間を通じ、これまで延べ約四千人の隊員を派遣してきました。これは、施設部隊の派遣としては、期間、実績共に最長、最大規模のものです。主要な実績だけでも、道路補修は延べ約二百六十キロメートル、用地造成は延べ約五十万平方メートル、施設の構築等の箇所は九十七か所など、いずれも我が国の過去のPKO活動と比較して最大です。 具体的な活動事例としては、南スーダン北部への物資輸送のために重要なジュバ―マンガラ間、ジュバ―コダ間の道路補修等を実施したほか、ジュバ市内の主要幹線道路の補修、ジュバ大学の用地造成、国内難民保護サイト等の整備を実施をしたところでございます。その他、地域社会に対する支援として、ジュバ職業訓練センターでの車両整備、電気整備及びコンクリート施工等に関する教育支援、個人支援等の取組も実施をしたところでございます。 このような自衛隊の施設部隊活動成果、能力、規律、これは国連や南スーダンを始めとする国際社会から高い評価を得てきたところでございます。活動終了の方針を伝えた際にも、南スーダンのキール大統領からこれまでの活動について謝意の表明があり、私も大変日本らしい活動ができたというふうに思っております。また、撤収に当たっては、国連からの要請を受け、施設部隊が保有する重機、車両、居住関連コンテナ等を無償で譲渡することとしており、UNMISSからはこれに対する謝意も示されているところでございます。 本活動を通じて貴重な知見、経験も蓄積できたと考えており、今後、反省点、改善点も摘出しつつ、今後の活動に活用してまいりたいと考えております。
○アントニオ猪木君 次に、固体燃料の構造についてお聞きしたいと思いますが、北朝鮮が次々と新型弾道ミサイルを打ち上げております。固体燃料を使用すると移動して運用できる、ミサイル発射の位置や時期をつかむことが難しいと言われていますが、日本が衛星を上げる場合、固体燃料を使っているのかどうか、また固体燃料の構造について教えてください。
○政府参考人(大山真未君) お答えいたします。 JAXAが衛星を打ち上げる際には、メーンエンジンとして液体燃料を用い、補助ブースターとして固体燃料を使用するHⅡA、Bロケットとメーンエンジンとして固体燃料を使用しますイプシロンロケットの二つの基幹ロケットを使用してございます。
○アントニオ猪木君 サードパーティールールという私も余り聞き慣れない言葉なんですが、先日、佐藤優さんが記事にした中で、インテリジェンス機関のサードパーティーについてということで、サードパーティールールについて、まあ本当に初めて私も耳にしたんですが、その辺を分かりやすく説明をしてください。
○政府参考人(鈴木哲君) お答え申し上げます。 サードパーティーと、日本語では第三者という意味でございますけれども、いわゆるサードパーティールールというのは、協力関係にある情報機関から提供された情報、これを提供元の承諾なくして別の第三者に提供してはならないという、主に情報機関間に存在する実務上生まれた慣習でございます。言わばインテリジェンス分野での基本的なルールとも言えます。 このような慣習が発達してきた背景としては、一つには情報提供元の保護、二つには情報協力関係があることを秘匿する必要性、三つ目には提供された情報が本来の目的以外に使われることを防ぐ、そういうような目的があったというふうに承知をしております。
○アントニオ猪木君 先日、ニュースを見ておりますと、トランプ大統領が就任後初の外遊に出て、最初の訪問国サウジアラビアで首脳会談を行い、十二兆円の武器を輸出することで合意と、その後、トランプ大統領は、皆さんに感謝したい、アメリカ国内や我々の軍需産業への莫大な投資は非常にハッピーだとコメントされました。この発言について、防衛大臣、外務大臣にどう受け取られているかお聞きしたいんですが、まあ私なりに意見を言わせてもらうと、こんなことを堂々としゃべっていいのかなと思うんですが、それについて御意見をお聞かせください。
○国務大臣(稲田朋美君) 米国とサウジアラビアとの個別具体的なやり取りについてコメントすべきではないと思いますが、その上で、従来から防衛省は、戦闘機F35A、イージスシステムなど米国の開発した装備品、これは多数導入しており、これらの装備品は我が国の防衛を全うするために必要不可欠となっております。また、自衛隊がこれらの装備品を導入することは、日米の相互運用性の向上を始めとする様々な観点から日米同盟の強化につながっているというふうに考えているところでございます。 自衛隊の装備品は、当然我が国を取り巻く厳しい安全保障環境の中で必要な性能等を有する最適なものを導入するものであって、こうした前提を確保した上で、日米同盟の強化などの観点も十分に考慮しつつ、所要の防衛力装備を進めていくということでございます。
○国務大臣(岸田文雄君) 第三国同士の個別の取引等についてコメントすることは控えますが、中東を始めとする地域の安全保障に米国がコミットすることは、当該地域、ひいては国際社会の平和や安定につながると考えており、このことは日本にとっても大きな利益であると考えます。この観点から、日・サウジ関係の強化については日本としても歓迎をしております。
○アントニオ猪木君 今年、サウジアラビアの国王が来日し総理と首脳会談を行ったという報道を見ておりますが、石油依存から脱却、雇用拡大を目指す日・サウジ・ビジョン二〇三〇プロジェクトを日本が支援するということになりますが、先ほど申し上げたように、トランプさんはビジネスマンで、行く中でちゃんと利益を考えている、日本の場合は手弁当というか、向こうに対して出すばっかりではないかという気もします。 先日の委員会でも、イランが平和への道を歩み続けると質問をしましたが、日本政府としてのアメリカやサウジアラビアへの働きかけを期待し、これから、いつも申し上げるとおり、平和外交ということで、是非、今回の、またイランとサウジの対立が起きないように、日本としても役割を考えていただきたいと思います。 ありがとうございます。
○伊波洋一君 沖縄の風の伊波洋一です。 前回確認させていただいたとおり、本法案は南西地域の防衛態勢の強化、いわゆる南西シフトを自衛隊の組織の観点から強化するものです。二〇〇五年の日米合意、「日米同盟 未来のための変革と再編」では、島嶼侵略に対しては日本自身が防衛し対応する、と明記され、二〇一五年の新ガイドラインでも、自衛隊は島嶼攻撃を阻止する第一義的な責任を有する、と繰り返されています。 質問です。今回の南西シフトが想定する島嶼防衛でも、自衛隊が独力で対応することが前提になるのでしょうか。
○政府参考人(前田哲君) お答えいたします。 今委員御指摘の二〇一五年の日米ガイドライン、この中で、自衛隊は、島嶼に対するものを含む陸上攻撃を阻止し、排除するための作戦を主体的に実施をする旨これは明記をされておりますけれども、これは日米同盟の下での両国の防衛協力を前提として、我が国の防衛は我が国自身がその一義的責任を持って主体的に対応し、米軍がこれを支援するというこの基本的な役割分担の考え方を述べているのでございまして、島嶼防衛について自衛隊が独力で対応するといった考えを示したものではないと考えてございます。 また、二〇〇五年の合意された「日米同盟 未来のための変革と再編」、この中にも確かに、日本は、弾道ミサイル攻撃やゲリラ、特殊部隊による攻撃、島嶼部への侵略といった新たな脅威、多様な事態への対処を含め、自らを防衛し、周辺事態に対応する、こういう記載がございますけれども、まさにその記載の直後に、米国は、日本の防衛のため及び周辺事態を抑止し、これに対応するために前方展開兵力を維持、必要に応じて兵力を増強する、そして、米国は、日本の防衛のために必要なあらゆる支援を提供する、こういった点も明記をされているところであって、島嶼防衛について自衛隊が独力で対応するといった考え方を示したものではないと考えております。 その上で、現在、防衛大綱、中期防の下で、安全保障政策の根幹となるのは自らの努力だという認識に基づきまして、我が国自身の防衛力、質、量両面で強化をし、自らが果たし得る役割の拡大を図りながら、防衛協力の強化を通じて日米間の適切な役割分担、これにも基づきながら、同盟全体の抑止力及び対処力を強化していく、このことを基本方針として防衛態勢を強化をしているということでございまして、自衛隊が独力で島嶼防衛に対応するといった考えで進めているものではございません。
○伊波洋一君 米国の東アジア戦略であるエアシーバトル構想やオフショアコントロール戦略のシナリオでは、初期段階でいずれも中国からのミサイル攻撃を日本の自衛隊や在日米軍が受け止めることが想定されています。つまり、自衛隊員や南西諸島の住民は、飽和攻撃と言われるような圧倒的なミサイル爆撃をひたすら耐えることが求められています。 南西シフトは、こうしたエアシーバトル構想やオフショアコントロール戦略の初期段階に想定される飽和的なミサイル攻撃に対応するものになっているのでしょうか。
○国務大臣(稲田朋美君) 御指摘のエアシーバトル構想は特定の地域や敵対者を想定した計画や戦略ではなく、またオフショアコントロール論については、米国においてこれまで議論されてきたアジア太平洋戦略に関する数あるオプションの一つにすぎず、現在の米国政府の計画や戦略そのものではないというふうに認識をしております。 その上で、南西地域の防衛について、島嶼部に対する巡航ミサイル攻撃に対しては、陸自、空自の防空ミサイル、短SAMや中SAM、ペトリオットシステムなどにより迎撃することとしており、これらのアセットを平素から配備していくことが重要です。そのため、例えば宮古島、石垣島、奄美大島に中SAMを運用する陸上自衛隊部隊を配備する計画であって、現在、必要な整備を進めているところであります。また、弾道ミサイル攻撃に対しては、海自のイージス艦を機動的に展開させるとともに、空自のPAC3部隊を南西地域に展開することにより迎撃することといたしております。 南西地域の防衛態勢の強化については、あくまでも我が国の国家安全保障戦略の下に策定された防衛計画の大綱及び中期防に基づき取り組んでいるものですが、防衛計画の大綱及び中期防に基づく南西地域の防衛態勢強化を含む各種の施策は、結果として、エアシーバトル構想、オフショアコントロール論で想定されるミサイル攻撃に対応することが可能であるというふうに認識をしているところでございます。
○伊波洋一君 野党時代には、稲田大臣自らが、米軍が策定中のエアシーバトル構想、日本の外務大臣だったらこれをきちんと認識しなきゃいけないんですと力説されております。 こういう状況が現実に今来ているわけでございますね。そういう意味で、二〇一五年十二月には、「南西諸島を軍事拠点化する日本版A2AD、中国の海洋進出に対抗」というロイターの記事が出されております。南西シフトは、米国からまさにエアシーバトル構想やオフショアコントロール戦略に沿ったものと評価されているのです。 当委員会でこれまでも論じられてきましたように、AAV7は、サンゴ礁に囲まれ急峻な地形の尖閣の危機では運用できません。当時、米国海軍大学教授であったトシ・ヨシハラによる二〇一二年の論文「アメリカ流非対称戦争」には、琉球列島は、黄海、東シナ海から太平洋に出るためのシーレーンを扼するように立ちはだかっている、中国海軍は、台湾の東海岸に脅威を与え、米軍に対処するためには、琉球諸島間の狭隘な海峡を通り抜けざるを得ない、このような、狭小な、外見はささいな日本固有の島嶼をめぐる争いは、通峡、通峡阻止をめぐる戦いでは紛争の前哨戦として一気に重要になる、列島の戦略的な位置は、日米にとり、形勢を中国の不利に一変させる機会を与える、米国及び日本にとってこの列島の戦略的位置が中国政府との関係をひっくり返すチャンスとなるのである、と書いています。 宮古島への陸自配備についても、宮古島市民の生命を危険にさらし、島全体を要塞化し、戦場とするような戦争が想定されています。これは台湾防衛という米国の国益に基づく限定戦争として位置付けられているのです。米国の国益に応えることが日本の国益になるのか、立ち止まって考えるべきです。 四月に出された平成二十九年版外交青書では、大筋、米国の指導力の後退と中国の、新興国の台頭などパワーバランスの変化と多極化、中国、北朝鮮の脅威など情勢認識を受けて、第一に日米同盟の強化、第二に近隣諸国との関係強化、第三に経済外交の推進を日本外交の三本柱として外交に取り組むことが述べられています。しかし、米国の後退と多極化を受けて、なぜ日米同盟の強化なのか、「日米両国は基本的価値及び戦略的利益を共有しており、日米同盟は日本の外交・安全保障の基軸である。」と書かれているだけで、日米同盟の強化が日本の国益にどのようにつながるのか明らかになっておりません。 一方、五月十四日、十五日には、北京で一帯一路サミットが開催され、日本から総理の親書を携えた自民党二階幹事長など、二十九か国の首脳を含む五十七か国の代表が参加しました。二階氏は十五日にAIIBへの早期参加を提唱しました。また、二十二日にベトナムで行われたRCEP閣僚会合では、ASEAN創立五十周年に当たる本年中の交渉妥結が大筋合意されたと報道されています。 外務省にお聞きします。それぞれについて簡潔に御説明ください。
○政府参考人(四方敬之君) 委員より御指摘のございました今月十四日、十五日に北京で開催されました一帯一路国際協力ハイレベルフォーラムには、日本からは二階俊博自民党幹事長を始めとする関係者が出席いたしました。このフォーラムにおきましては、一帯一路構想の下での取組を通じて、地域の持続的な発展に貢献する上での重要な論点について議論されたというふうに承知しております。二階幹事長は、フォーラム閉幕後の十六日に習近平国家主席と会談を行い、その際、安倍総理からの親書を習主席に手渡されましたけれども、親書には、日中の戦略的互恵関係の考え方に基づき安定的な日中友好関係を築いていきたいといった点などについて言及されたと承知しております。 AIIBへの見解ですけれども、膨大なアジアのインフラ需要に効果的に応えていくことは重要な課題であり、政府としては、AIIBが国際金融機関にふさわしいスタンダードを備えることにより、アジア地域の持続的な発展に資する機関として役割を果たすことを期待しております。 今後とも、AIIBが公正なガバナンスを確立できるのか、借入国の債務の持続可能性や環境、社会に対する影響への配慮が確保されているか等について実際の運用を注視してまいりたいと存じます。
○伊波洋一君 軍事面での評価はおくとしても、現在中国は世界第一位の座をうかがう経済的超大国に成長しています。日本との経済関係も二十年前と比較して大きく成長しています。 お手元には国立国会図書館を通して調査をしてもらった資料が届けてございます。 二十年前に七・六兆円だった日中貿易は、昨年、三・八倍の二十九・三兆円になっています。一方、日米貿易は、二十三・三兆円から二十一・四兆円へと減少しております。二十年前はアメリカとの貿易額より小さかった中国、ASEANと日本の貿易額は、昨年で四十九・八兆円を超え、アメリカの二・三倍となりました。 中国への日本現地法人企業も二〇一五年度でアメリカへの進出企業の二・六倍、七千九百社になり、現地従業員も百六十一万七千人と、アメリカの二・五倍になりました。売上高も二〇〇一年の十一・六兆から二〇一五年の五十一・二兆に増え、米国内の売上高に迫っています。そしてまた、既に現地法人利益は二兆五千六百二十四億円になり、アメリカでの現地法人利益を超えました。 二〇一五年の訪日観光客数も全体で千九百七十三万人中、四分の一の四百九十九万人が中国からの訪日客でした。一方、アメリカからの訪日客は二十分の一の百三万人でした。在留外国人数においても、中国は六十九万五千五百二十二人と、群を抜いて一位です。 これらの中国関連の数値は毎年増えています。理由は中国の成長です。 内閣府に提供いただいた資料が一番最後のページにございます。GDPの資料です。 一九九七年に一兆ドルだった中国、そのときの日本の四分の一のGDPでありますが、二〇一六年には十一倍の十一兆ドルになりました。今、まさに日本の二倍強の大きさです。一方、日本はずっと四兆ドル、あるいは若干五兆ドルになりましたけれども、今も四兆ドル台のままです。 どの指標を見ても、中国との関係が米国との関係を凌駕しています。こうした不都合な真実に目をつぶって日米同盟の強化を最優先にして対中国包囲網の形成を目指してきたことが日本の現在の長期的停滞をもたらしているのではないでしょうか。 外務大臣に伺います。 中国が懸念か脅威かはおいても、日米同盟強化に偏重した日本外交の方針を見直すべき転機に来ていると思います。特に国民に広がる中国脅威論を乗り越えることが重要ではないでしょうか、外務大臣の見解をお聞かせください。
○国務大臣(岸田文雄君) 私は、外務大臣に就任してから、日米同盟の強化、近隣諸国との関係強化、そして経済外交の推進、これを外交の三本柱と据え、それに加えて、グローバルな課題にも汗をかくことが重要だ、こういったことを申し上げておりました。こうしたバランスの取れた外交こそ国民の安心につながるということを申し上げてきました。 中国に関しましても、不透明な軍事力の強化、地域における一方的な現状変更の試み、これは国際社会共通の懸念であるということは申し上げてきましたが、中国を脅威とはみなしてはいないということも申し上げてきました。中国が平和的に発展することは我が国にとってもチャンスであると考えています。 ただ一方で、日米同盟、これは、引き続き我が国の外交・安全保障におけるこれは基軸であると思います。米国のプレゼンスは、地域の平和や安定においてもこれは大変重要であると認識をしております。これからもしっかりとバランスの取れた外交を進めることが重要であると認識をしています。
○伊波洋一君 確かに日米関係というのは大きな基軸です。それはとても大事なことだと思います。しかし同時に、今資料でお示ししましたように、今成長している中国、その中国と世界は結んでおります。その中で、私たち日本が、目の前にある中国、奈良の時代から付き合っている中国が、軍事的な日米同盟の中でだけ捉えるということであってはいけないと思いますし、まさに真正面から中国と対話をしていく、このことが求められていると思います。是非そのことをお願いして、終わりたいと思います。 ありがとうございました。
○委員長(宇都隆史君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 外務大臣は御退席いただいて結構でございます。 これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○井上哲士君 私は、日本共産党を代表し、防衛省設置法等一部改正案に反対の討論を行います。 ACSAの関連規定の整備によるオーストラリア軍、イギリス軍への平時の物品、役務の提供権限の拡大、新設は、日米新ガイドラインに沿って国際平和共同対処事態や重要影響事態、存立危機事態等での提供を新設、拡充を図った安保法制と一体で、世界のどこであれ、平時から緊急事態まで切れ目なく米軍の軍事行動を同盟国が支援する体制を強化するものであり、断じて容認できません。 陸上総隊の新編は、五個方面管区制を取ってきた陸上自衛隊の体制を大きく変えて、海上自衛隊の自衛艦隊司令官、航空自衛隊の航空総隊司令官と並んで、陸上総隊司令官が全国の部隊を一元的に指揮することを可能にするものです。 新ガイドラインに基づき設置した同盟調整メカニズムの下で、統合幕僚長が陸海空三自衛隊を統合運用する体制を整え、南西地域に全国の部隊を投入、指揮するためのものであり、認められません。 自衛隊が保有し、不用となった装備品等の開発途上国への無償譲渡を可能にする改正は、装備品を導入した際の目的を大きく逸脱し、米国の海洋安保戦略に沿って同盟国やパートナー諸国の軍事的役割の拡大に日本が寄与するものであり、憲法の平和主義と全く相入れないものであります。 自衛官の定数変更は、航空自衛隊の宇宙状況監視、SSAシステムとサイバー防衛隊の体制強化に伴うもので、宇宙、サイバー空間における米軍の軍事的優位の維持強化を図るものです。 このような軍事体制の強化は、周辺諸国との緊張を高め、軍事対軍事の悪循環を招きかねません。東アジアに平和的環境をつくるための外交努力こそ強めることが必要だ、このことを強く求めまして、討論を終わります。
○伊波洋一君 私は、沖縄の風を代表し、防衛省設置法等一部改正案に反対の討論を行います。 本法案は、大綱、中期防に基づく南西地域の防衛態勢の強化、いわゆる南西シフトを組織面で実現するものです。 中国脅威論に乗っかった南西シフトに基づき毎年離島奪還訓練が繰り返され、住民の抗議を押し切って自衛隊の南西諸島への配備や、米軍のための辺野古、高江の新基地建設が強行されています。 これまでも指摘されてきたとおり、水陸機動団のAAV7は、サンゴ礁に囲まれた急峻な地形の尖閣諸島では運用できません。また、「アメリカ流非対称戦争」など数々の米軍戦略論文から、奪還すべき離島とは、尖閣などではなく、沖縄本島や奄美大島、宮古、石垣、与那国などの南西諸島が想定されていることは明らかです。 米国のエアシーバトル構想やオフショアコントロール戦略では、第一列島線を防壁にして、中国軍の海洋進出、西太平洋進出を抑止するために、日本列島、特に南西諸島を戦場として米中が限定戦争を行うことが想定されています。 西太平洋の覇権を懸けた米中の限定戦争は、しかし日本にとっては、南西諸島を戦場とし、住民や自衛隊、国民の生命、財産を危機にさらす、文字どおり日本の存亡を懸けた戦争となります。宮古島の陸自配備では、島民の安全を犠牲にして島内全域を要塞化し、戦場とするような準備が進められています。国土を戦場にし、国民の生命と財産を犠牲にして、どうしてこれが日本の安全保障政策なのでしょうか。 かつて日本は、明治維新後、いち早く近代化し、帝国主義列強の一員となり、敗戦による占領後の復興で高度成長し、米国に次ぐ世界第二の経済大国となり、これまで中国よりも優位であったというノスタルジックな歴史観を背景に、安倍政権は中国封じ込めを目指して地球儀を俯瞰する外交、積極的平和主義を展開しています。 しかし、既に中国包囲網は破綻しています。AIIBには暫定加盟国を含めると計七十七か国が加盟しており、一帯一路サミットには日本を含め五十九か国が代表団を派遣しています。ASEANプラス6、RCEPも、ASEAN結成五十年の年内大筋合意と言われています。今や、東アジアで中国と対抗しているのは日本と台湾と北朝鮮だけです。現実に日本が中国を軍事的に圧倒することはできません。中国に対する評価とは別に、既に中国が世界ナンバーワンをうかがう経済大国であるという現実を直視すべきです。 その上で、全ての紛争は平和的手段により解決し及び武力又は武力による威嚇に訴えないことを確認した日中平和友好条約と、戦略的互恵関係の包括推進に関する日中共同声明を基盤にして、日本の外交防衛政策を再構築すべきではないでしょうか。 本法案が成立し、組織が形成され、島々に基地を置けば、南西シフトを見直すことは今以上に困難になります。沖縄の風は、南西諸島住民や自衛隊員の生命を犠牲にする南西シフトの断念と、安倍政権の中国に対する軍備拡張を転換し、来年四十周年を迎える日中平和友好条約に立って日本の外交防衛政策を再構築することを求めて、本法案に対する反対討論といたします。
○委員長(宇都隆史君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。 これより採決に入ります。 防衛省設置法等の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(宇都隆史君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(宇都隆史君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 正午散会